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日本が安党保障䞊及び経枈䞊の囜益を確保し、 自由、民䞻䞻矩、法の支配、人暩ずいった普遍的 䟡倀に基づき、日本にずっお望たしい囜際秩序を 維持・発展させおいくためには、囜際情勢の倉化 を冷静に把握し、その倉化に察応しながら、戊略 的に倖亀を展開しおいく必芁がある。 以䞋では、日本を取り巻く囜際情勢及び囜際協 調䞻矩に基づく「積極的平和䞻矩」の䞋、地球儀 を俯瞰する芖点で2015幎に展開された日本倖亀 及び今埌の課題に぀いお、抂芳を蚘述する。 1 情勢認識 2015幎の囜 日本倖亀 第1ç«  2015幎の囜際情勢ず日本倖亀の展開
1 情勢認識 1䞭期的な囜際情勢の倉化 【パワヌバランスの倉化】 21䞖玀に入り、特に䞭囜やむンドずいったい わゆる新興囜の存圚感は増しおきおいる。特に䞭 囜は、グロヌバル経枈における圱響力が増倧する 䞀方で、䞍透明な圢での軍事力の拡倧も指摘され おいる。 たた、グロヌバル化の進展により、囜際的な発 蚀力を有するNGOや囜家予算芏暡の収益を䞊げ る倚囜籍䌁業などの非囜家䞻䜓が囜際瀟䌚におい おより重芁な圹割を果たすようになっおいるず同 時に、様々なテロの地域的拡散など懞念される状 況が生じ぀぀ある。 米囜は、軍事力や経枈力のみならず、䟡倀や文 化ずいった゜フトパワヌを含めた総合的な囜力に おいお、今なお䞖界で䞻導的な地䜍を占めおい る。その䞀方で、新興囜の台頭等によりパワヌバ ランスの倉化が生じおおり、たた、囜際秩序にお 1 䞖界銀行ホヌムペヌゞ 2 DIPLOMATIC BLUEBOOK 2016
ける匷力な指導力の枛退ず倚極化、囜際課題の耇 雑化、さらには、力による珟状倉曎の詊みや秩序 の䞍安定化の動きが芋られる。 【脅嚁の倚様化ず耇雑化】 倧量砎壊兵噚や匟道ミサむル等の移転・拡散・ 性胜向䞊に係る問題は、日本を含む囜際瀟䌚党䜓 にずっお倧きな脅嚁ずなっおいる。 囜際テロの拡散・倚様化や、囜際テロ組織等に よる倧量砎壊兵噚の取埗・䜿甚の可胜性の増倧 は、グロヌバル化の負の偎面であり、匕き続き囜 際瀟䌚の重倧な懞念ずなっおいる。その芳点から も、倧量砎壊兵噚の䞍拡散、特に栞テロ阻止のた 囜際情勢ず 亀の展開
倧 砎壊兵噚 䞍拡散 特 æ ž 阻 めの栞セキュリティ匷化が重芁になっおいる。た た、゜ヌシャル・ネットワヌキング・サヌビス SNSを含むコミュニケヌション・ツヌルの進 歩は、囜際テロ組織のむデオロギヌ拡散ず掻動範 囲の拡倧にも利甚されおいる。 さらに、近幎の科孊技術の進歩により、サむ バヌ空間や宇宙空間ずいった人類の新たな掻動領 域が生たれおいるが、これは倧きな機䌚ず共に新 たなリスクや脅嚁も生み出しおおり、適甚される べき芏範もいただ確立されおいない。 【地球芏暡の問題の深刻化】 グロヌバル化の進展及び囜際経枈掻動の拡倧の 恩恵を受け぀぀、高い経枈成長を成し遂げおいる 開発途䞊囜がある䞀方で、深刻な貧困から脱出で きずにいる最貧囜もある。䟝然ずしお1日1.9ç±³ ドル未満で生掻する貧困局は䞖界人口の1割皋床 いるずのデヌタもある 1。貧困は、個々の人間の自 由ず豊かな可胜性を制限し、たた瀟䌚的䞍公正・ 政情䞍安や暎力的過激䞻矩の根源ずなっおいる。
地球枩暖化が、自然灜害の増加や被害の拡倧な ど地球の環境に深刻な圱響をもたらすこずが懞念 されおいる。たた、自然灜害により最も被害を受 けるのは瀟䌚で脆 ぜい 匱 じゃく な立堎に眮かれた人々であ り、貧困撲滅ず持続可胜な開発の実珟にずっお防 灜の取組は䞍可欠である。さらには、グロヌバル 化により囜境を越える人の移動が飛躍的に増加し た珟圚、感染症の流行・拡倧による脅嚁は深刻さ を増しおおり、囜際的な危機管理䜓制の匷化が課 題ずなっおいる。 【グロヌバル化が進む䞖界経枈】 䞖界経枈は、グロヌバル化の進展ずずもに䞖界 的なサプラむチェヌンず金融システムが発達し、 盞互䟝存がこれたで以䞊に匷たっおいる。これは 曎なる成長の機䌚を生み出す䞀方、リヌマン・ ショックや欧州債務危機等に芋られたように、䞀 地域の経枈ショックや油䟡の䞋萜が、同時に他の 地域又は䞖界経枈党䜓に察しお圱響を及がしやす くしおいる。 たた、囜境を越えた経枈掻動を曎に円滑なもの ずするために、ルヌルに基づいた経枈秩序の維
す 経枈秩序 維 持・構築の必芁性が䞀局高たっおいる。 2厳しさを増す東アゞアの安党保障環境 【䞭囜の透明性を欠いた軍事力の広範か぀急速な 匷化ず䞀方的な珟状倉曎の詊み】 䞭囜の平和的な発展は日本ずしおも、たた囜際 瀟䌚党䜓ずしおも歓迎すべきこずである。しかし ながら、近幎顕著に芋られる軍事面での䞭囜の䞀 連の動向は、地域ず囜際瀟䌚党䜓の懞念を惹 じゃ èµ· っき し おいる。 䟋えば䞭囜は透明性を欠く䞭で、囜防費を継続 的に増倧させるなど軍事力を匷化しおいる。䞭囜 の囜防費は1989幎から連続しお、前幎比ほが二 桁の䌞び率を瀺しおいる。たた、軍の指揮呜什系 統䞋にある組織ではないものの、海譊局に代衚さ れる海掋法執行機関の組織䜓制ず装備も匷化され おいる。 たた、䞭囜は東シナ海、南シナ海などの海空域 で、既存の海掋法秩序ず盞いれない独自の䞻匵に 基づく行動や、䞀方的な珟状倉曎の詊みを掻発化 させおいる。䟋えば、東シナ海では、尖閣諞島呚
蟺海域における䞭囜公船等による領海䟵入事案が 2015幎もそれたでず同皋床のペヌスで続いおいる。 さらに、2015幎12月末以降は、倖芳䞊明らかに 機関砲を搭茉した海譊船による領海䟵入も繰り返 し発生するようになっおいる。たた、排他的経枈 氎域及び倧陞棚の境界画定がいただ行われおいな い海域においお、䞭囜による䞀方的な資源開発が 継続しおいる。これに加え、2015幎11月には、䞭 囜海軍情報収集艊が尖閣諞島南方の接続氎域の倖 偎で反埩航行する事案も確認された。南シナ海で は、䞭囜による倧芏暡か぀急速な埋立お、拠点構 築及びその軍事目的での利甚等、珟状を倉曎し緊 匵を高める䞀方的な行動、さらにはその既成事実 化の詊みが䞀段ず進められおおり、日本を含む倚 くの囜から懞念が衚明されおいる。たた、南シナ 海をめぐるフィリピンず䞭囜ずの間の玛争に関し、 フィリピンが開始した海掋法に関する囜際連合条 玄囜連海掋法条玄UNCLOSに基づく仲裁 手続に぀いお、2015幎10月に仲裁裁刀所は、 䞀郚の申立おに぀いお管蜄暩を認める決定を䞋 し、11月に本案口頭手続を行ったが、䞭囜は匕 2015幎の囜際情勢ず日本倖亀の展開 第  ç« 
月 本案 頭手続 行 䞭囜 匕 き続き仲裁手続に応じおいない。 南シナ海をめぐる問題は、資源や゚ネルギヌの 倚くを海䞊茞送に䟝存し、南シナ海における航行 及び䞊空飛行の自由䞊びにシヌレヌンの安党確保 を重芖する日本にずっおも、重芁な関心事項であ る。開かれた自由で平和な海を守るため、囜際瀟 䌚が連携しおいくこずが求められおいる2-1-2 1、2-1-6及び3-1-34参照。 【北朝鮮の䞍透明な動向】 北朝鮮は栞開発ず経枈建蚭を同時に進める「䞊 進路線」を掲げおおり、2016幎1月に囜際瀟䌚の 制止を無芖しお4回目ずなる栞実隓を、2月には匟 道ミサむルの発射を匷行した。囜連安党保障理事 䌚囜連安保理決議に明癜に違反した北朝鮮の 栞・ミサむル開発の継続は、日本の安党に察する 盎接的か぀重倧な脅嚁であり、北東アゞア及び囜 際瀟䌚の平和ず安党を著しく損なうものである。 3深刻化する暎力的過激䞻矩ず囜際テロ 䞭東や北アフリカ等の政情が䞍安定で統治が脆 ぜい 匱 じゃく な地域を拠点にしお、囜際的なテロ組織が掻動 3 倖亀青曞 2016
を掻発化させおいる。特にむスラム過激掟の歊装 勢力である「むラクずレバントのむスラム囜 ISIL」は、2015幎1月及び11月のパリにおけ るテロ事件など拠点地域以倖での倚数の䞀般垂民 を巻き添えにするテロ事件や、2015幎初めには 日本人も犠牲になった倖囜人人質の殺害事件等を 匕き起こしおいる。ISILは、宗教的なむデオロ ギヌを利甚しお囜境や囜民囜家の存圚を吊定し お、むンタヌネット等を通じたプロパガンダによ り他地域からも戊闘員を勧誘するなど、囜際秩序 に察する深刻な脅嚁ずなっおいる。たた、ISIL の掻動によっお倚数の難民・囜内避難民が発生し おおり、深刻な人道危機が発生しおいる。 4察応を迫られるグロヌバル・むシュヌ 【難民問題】 珟圚、䞖界では玛争や迫害により居䜏地を远わ れた難民や囜内避難民の数は玄6,000䞇人にも䞊 るずいわれ 2、その数はここ数幎倧きく増え続け おいる。䞭東・アフリカの政情が䞍安定な地域が 難民・囜内避難民の䞻芁な発生地域ずなっおお 第1ç«  2015幎の囜際情勢ず日本倖亀の展開
難民 囜内避難民 芁 発 域 り、特に2015幎倏以降の欧州ぞの難民流入は、 囜際瀟䌚の喫緊の課題ずなっおいる。 【感染症の拡倧】 2014幎以降西アフリカにおいお流行が拡倧し た゚ボラ出血熱は、最も感染が拡倧したギニア、 リベリア及びシ゚ラレオネの3か囜を含む党おの 流行囜に぀いお終息が宣蚀されたが、開発途䞊囜 の保健䜓制、日本を含む囜際瀟䌚の危機管理䜓 制、日本人が海倖で眹 り 患 かん した際の䜓制等の改善の 必芁性を浮き圫りにした。たた、2015幎には䞭 東地域を䞭心に流行しおいる䞭東呌吞噚症候矀 MERSコロナりィルスによる感染䟋が隣囜韓囜 でも確認されたほか韓囜政府は2015幎末に終息 を宣蚀、同幎5月以降、蚊媒介感染症の1぀で、 劊婊が感染した堎合に胎児の小頭症等ぞの関連が 指摘されおいるゞカりむルス感染症が、ブラゞル を始めずする䞭南米地域を䞭心に流行しおいる。 【気候倉動問題の深刻化】 2015幎には、南米のペルヌ沿岞の広い範囲で 2 囜連難民高等匁務官事務所UNHCRホヌムペヌゞ 4 DIPLOMATIC BLUEBOOK 2016
海面枩床が高くなる゚ルニヌニョ珟象が倧芏暡に 発生し、たた、東アフリカで干ば぀・措氎や東南 アゞアで森林火灜が発生するなど気候倉動問題の 深刻化ず囜際瀟䌚の察応の必芁性が改めお認識さ れた。 5日本を取り巻く囜際経枈のリスクず機䌚 【枛速する䞭囜経枈ず新興囜経枈】 2015幎は、日本経枈ずも密接な結び付きを持 ぀䞭囜経枈の枛速が芋られ、6月以降の䞭囜株匏 垂堎での株䟡䞋萜は日本を含む䞖界の株匏垂堎に 動揺をもたらした。資源茞出に䟝存しおいる新興 囜の経枈にも、資源䟡栌の䞋萜等を芁因ずする䜎 迷が芋られる。 【アゞア倪平掋地域の成長】 日本を取り巻くアゞア倪平掋地域は、䞭長期的 に芋れば、人口増加や旺盛なむンフラ需芁など今 埌も盞察的に高い経枈成長が芋蟌たれる地域であ り、日本はこの地域の成長を取り蟌んでいくこず が期埅される。
2 日本倖亀の展開 2015幎は、第二次䞖界倧戊の終結から70幎目 に圓たり、戊埌日本の歩みを振り返る幎ずなった。 倩皇皇后䞡陛䞋は、4月にはパラオを埡蚪問にな り、戊争により亡くなられた人々を慰霊し、平和 を祈念された。たた、倩皇皇后䞡陛䞋は、囜亀正 垞化60呚幎に圓たる2016幎1月に囜際芪善のた めに埡蚪問されたフィリピンでも、戊争により亡 くなられた人々を慰霊し、平和を祈念された。 2015幎8月に発衚された内閣総理倧臣談話では、 先の倧戊ぞの道のり、戊埌の歩み、20䞖玀ずいう 時代を倧きく振り返り、その教蚓を胞に刻んで、 戊埌80幎、90幎、100幎に向けおどのような日 本を創り䞊げるのかを䞖界に向けお発信した。 日本は、厳しさを増す囜際情勢の䞭で囜益の増 進に党力を尜くすずずもに、囜際瀟䌚の平和ず繁 栄に貢献し、これたでの平和囜家ずしおの歩みを 曎に前に進めおいく。
1地球儀を俯瞰する倖亀ず「積極的平和 䞻矩」 日本にずっお望たしい、安定しか぀予芋可胜性 が高い囜際環境を創出しおいくためには、倖亀努 力をもっお䞖界各囜及び囜際瀟䌚ずの信頌・協力 関係を築き、囜際瀟䌚の安定ず繁栄の基盀を匷化 し、脅嚁の出珟を未然に防ぐこずが重芁である。 この芳点から、安倍政暩発足以降、日本政府は 囜際協調䞻矩に基づく「積極的平和䞻矩」の立堎 から、囜際瀟䌚の平和、安定及び繁栄の確保に貢 献する倖亀を地球儀を俯瞰する芳点から展開しお きた。 安倍晋䞉総理倧臣はこれたで、63か囜・地域 延べ86か囜・地域を蚪問し、400回近く銖脳 䌚談を行った。岞田文雄倖務倧臣は、42か囜・ 地域延べ65か囜・地域を蚪問し、604回倖 囜芁人ずの䌚談うち、倖盞䌚談は104か囜ず の間で延べ247回を行った2016幎2月20日 時点。この結果、囜際瀟䌚における日本の存圚 感が着実に高たり、安倍総理倧臣ず各囜銖脳、岞 田倖務倧臣ず各囜倖盞ずの個人的な信頌関係も深 第1ç«  2015幎の囜際情勢ず日本倖亀の展開
倖務倧臣 各囜倖盞 個人的 信頌関係 æ·± たっおいる。 たた、日本が継続しお行っおいる、軍瞮・䞍拡 散、平和構築、開発、防灜、気候倉動、人暩、女 性、法の支配の確立ずいった地球芏暡課題ぞの取 組は、「積極的平和䞻矩」の取組の重芁な䞀郚分 であり、日本の倖亀努力ずその成果は囜際瀟䌚か ら高く支持・評䟡されおいる。 グロヌバル化や技術革新によっお䞖界が぀なが り、脅嚁が倚様化・耇雑化しおいる珟圚の安党保 障環境においおは、どの囜も䞀囜だけでは平和ず 安党を守るこずはできない。囜際瀟䌚も日本が囜 際瀟䌚の平和ず安定のために積極的な圹割を果た すこずを期埅しおいる。2015幎9月に成立した 「平和安党法制」は、囜民の呜ず平和な暮らしを 守るため、あらゆる事態に察しお「切れ目のない 察応」を可胜にし、たた、日本の囜際瀟䌚の平和 ず安定に察する䞀局の貢献を可胜にするものであ る。 2日本倖亀の䞉本柱 日本の囜益を守り増進するため、匕き続き、① 6 DIPLOMATIC BLUEBOOK 2016
日米同盟の匷化、②近隣諞囜ずの関係掚進及び③ 日本経枈の成長を埌抌しする経枈倖亀の掚進を䞉 本柱ずしお倖亀に取り組んでいく。 【日米同盟の匷化】 日米同盟は日本倖亀の基軞である。アゞア倪平 掋重芖政策リバランスをずる米囜ず連携し、 今埌も日米同盟をあらゆる分野で匷化しおいく。 珟圚、日米同盟はか぀おないほど盀石ずなっお いる。日米䞡銖脳は、4月の安倍総理倧臣蚪米の 際、地域や䞖界の平和ず安定の確保に匕き続き䞻 導的な圹割を果たしおいくこずを確認し、安倍総 理倧臣は、連邊議䌚䞊䞋䞡院合同䌚議で「垌望の 同盟ぞ」ず題する挔説を行った。たた11月のア ゞア倪平掋経枈協力APECの際の銖脳䌚談で は、日米同盟を基軞ずしお地域の平和ず繁栄のた めにネットワヌクを構築しおいくこずで䞀臎し た。 4月には、日米安党保障協議委員䌚「2+2」 が開催され、新たな日米防衛協力のための指針 新ガむドラむンが発衚された。新ガむドラむ ンは、平和安党法制ずずもに日米同盟の抑止力・
平和安 法制 米同 抑 力 察凊力を䞀局匷化するものであり、その䞋での取 組も含め、幅広い分野における協力を拡倧・匷化 しおいく。 沖瞄の負担軜枛は政府ずしお党力で取り組むべ き問題であり、米軍の抑止力を維持し぀぀普倩間 飛行堎の危険性を陀去すべく、䞀日も早い蟺野叀 ぞの移蚭に向けお取り組んでいく。 【近隣諞囜ずの関係掚進】 日本を取り巻く環境を安定的なものにする䞊 で、近隣諞囜ずの関係匷化は重芁な基瀎ずなる。 11月には韓囜においお玄3幎半ぶりずなる日䞭 韓サミットが開催され、3か囜による協力の枠組 みが完党に回埩し、日䞭韓サミットの定期的開催 が再確認された。 日䞭関係は、最も重芁な二囜間関係の1぀であ る。䞡囜は、地域ず囜際瀟䌚の平和ず安定のため の責任を共有しおいる。前幎の环次の銖脳䌚談及 び倖盞䌚談を螏たえ、日䞭関係は党䜓ずしお改善 の方向にある。日本ずしおは、今埌ずも、各分野 における察話ず協力を進め、「戊略的互恵関係」 の曎なる掚進に努めおいく。その䞀方で、東シナ
海情勢は悪化しおいるこずを螏たえ、䞭囜の尖閣 諞島呚蟺における領海䟵入や境界未画定海域にお ける䞀方的な資源開発等に぀いおは、日本ずしお 䞻匵すべきは䞻匵し぀぀、匕き続き、毅然か぀冷 静に察応しおいく。 韓囜は、戊略的利益を共有する最も重芁な隣囜 である。11月の日䞭韓サミットに際しお、第2 次安倍政暩発足埌初ずなる日韓銖脳䌚談が開催さ れ、12月末の日韓倖盞䌚談では、慰安婊問題が 最終的か぀䞍可逆的に解決されるこずが確認され たP24「日韓䞡倖盞共同蚘者発衚」参照。た た、日韓䞡銖脳は、今回の合意を䞡銖脳が責任を 持っお実斜するこず、たた、今埌、様々な問題 に、この合意の粟神に基づき察応するこずを確認 した。この合意を受け、日韓関係を未来志向の新 時代ぞず発展させおいく。 厳しさを増す安党保障環境を螏たえ、アゞア倪 平掋地域における、自由や民䞻䞻矩を始めずする 䟡倀を共有するパヌトナヌずの協力関係の匷化が 重芁である。基本的䟡倀ず戊略的利益を共有する 「特別な関係」にあるオヌストラリアずは、タヌ
「特別 関係」 ンブル新政暩ずも「揺るぎない戊略的関係」を確 認し、匕き続き協力の拡倧ず深化を行っおいる。 「䞖界で最も可胜性を秘めた二囜間関係」にある むンドずは、12月の安倍総理倧臣の蚪印の際の モディ銖盞ずの日印銖脳䌚談においお「日印新時 代の幕開け」が確認された。 東南アゞア諞囜連合ASEAN各囜ずは、銖 脳レベルを含めた芁人埀来や日・ASEAN銖脳䌚 議等を通じお、広範な分野で協力関係が䞀局匷化 されおいる。 ロシアずは政治察話を積み重ね、2015幎は2 回の銖脳䌚談を実斜した。たた、最倧の懞案であ る北方領土問題に぀いお、9月の岞田倖務倧臣の ロシア蚪問で平和条玄締結亀枉を再開した。北方 四島の垰属の問題を解決しお平和条玄を締結すべ く、䞀局力を入れお亀枉に圓たるずずもに、様々 な機䌚を掻甚しお政治察話を積極的に行っおい く。たた、りクラむナ情勢の平和的解決に向け、 G7の連垯を重芖し、2016幎にはG7サミットの 議長囜ずしお積極的な圹割を果たしおいく。 北朝鮮に぀いおは、2016幎1月の栞実隓及び
盞次ぐ匟道ミサむル発射を断固非難する。「察話 ず圧力」、「行動察行動」の方針の䞋、日朝平壌宣 蚀に基づき、拉臎、栞、ミサむルずいった諞懞案 の包括的な解決を目指す。北朝鮮による拉臎問題 は、日本の䞻暩ず囜民の生呜・安党に関わる重倧 な問題であるず同時に基本的人暩の䟵害ずいう囜 際瀟䌚党䜓の普遍的な問題である。日本ずしお は、その解決を最重芁倖亀課題の1぀ず䜍眮付け、 囜際瀟䌚ずも協力し぀぀、党力を尜くしおいく。 【日本経枈の成長を埌抌しする経枈倖亀の掚進】 日本経枈の成長を埌抌しする経枈倖亀の掚進は、 日本にずっお最重芁斜策の1぀である。資源の少 ない海掋囜家である日本にずっお、開攟的でルヌ ルに基づいた安定した囜際経枈秩序の維持ず発展 は極めお重芁である。力匷い日本を取り戻し、日 本経枈を再生させるために、G7、G20や䞖界貿 易機関WTO、経枈開発協力機構OECD、 APECずいった経枈に関する様々な囜際枠組みを 掻甚し、囜際経枈秩序の構築に貢献しおいく。 10月には、玄8億人の人口ず䞖界の囜内総生産 GDPの玄4割を占める巚倧な「1぀の経枈圏」 2015幎の囜際情勢ず日本倖亀の展開 第  ç« 
  箄 割 占 巚倧 「 経枈圏」 を生み出す環倪平掋パヌトナヌシップTPP協 定が倧筋合意に至り、2016幎2月に眲名された。 TPP協定はモノの関皎だけでなく、サヌビス、 投資、知的財産、囜有䌁業等に぀いお、幅広い分 野で21䞖玀型のルヌルを構築するものであり、 今埌の䞖界の貿易・投資ルヌルの新たなスタン ダヌドを提䟛するこずが期埅される。たた、䞭小 䌁業を含む日本䌁業が、䞖界の成長センタヌであ るアゞア倪平掋地域の垂堎に぀ながり、掻躍の堎 を広げおいくであろうこずも泚目される。さらに 2015幎には、日・オヌストラリア経枈連携協定 EPAの発効、日・モンゎルEPAの眲名など、 二囜間のEPAでも進展が芋られた。こうしお海 倖垂堎の掻力を取り蟌み、日本経枈の成長に぀な げる基盀が着実に構築されおいる。 日本䌁業の海倖展開を通じお新興囜を始めずす る諞倖囜の成長を取り蟌んでいくため、官民の連 携が必芁であり、安倍総理倧臣及び岞田倖務倧臣 を始めずしお積極的にトップセヌルスを行っおい る。たた、官民連携の業務を総合的に進めるた め、9月には倖務省に「官民連携掚進宀」が蚭眮 7 倖亀青曞 2016
された。今埌もむンフラシステムの茞出等を官民 䞀䜓ずなっお進めおいく方針であり、特に䜿いや すく長持ちし、環境に優しく灜害の備えにもなる むンフラ敎備を目指す「質の高いむンフラパヌト ナヌシップ」を通じたむンフラ投資を、アゞアを 䞭心に掚進しおいく。 3グロヌバルな課題ぞの取組 2015幎は戊埌70幎であるずずもに、囜連創 èš­70幎及び日本の被爆70幎に圓たる節目の幎で あった。10月、日本は囜連加盟囜䞭最倚ずなる 11回目の安保理非垞任理事囜に遞出された。 2016幎は日本の囜連加盟60呚幎であり、この 機䌚を通じ、囜連ずの連携を匷化し、「積極的平 和䞻矩」の実践ずしお、䞖界の平和ず安定のため の議論を今埌もリヌドしおいく。たた、囜連が囜 際瀟䌚の珟実を反映し、課題により良く察応でき るよう、包括的な囜連改革における最重芁課題で ある安保理改革の掚進に努めおいく。 【人間を䞭心に据えた瀟䌚の実珟ぞの貢献】 日本は、囜際瀟䌚においおも、脆 ぜい 匱 じゃく な立堎に眮 第1ç«  2015幎の囜際情勢ず日本倖亀の展開
本 囜際瀟䌚 脆匱 å Ž 眮 かれた人々を倧切にし、個々の人間が朜圚力を最 倧限生かせる瀟䌚を実珟すべく、「人間の安党保 障」の考えの䞋、囜際貢献を進めおきた。 〈女性が茝く瀟䌚〉 「女性が茝く瀟䌚」の実珟は安倍政暩の最優先 課題である。8月には前幎に続き、「すべおの女 性が茝く瀟䌚」の実珟を目暙ずしお、囜際女性䌚 議「WAW」World Assembly for Women が開催された。 〈児童、障害者、高霢者〉 人暩や基本的自由は普遍的䟡倀であり、瀟䌚の 䞭で脆 ぜい 匱 じゃく な立堎にある人々こそ、その十分な恩恵 を享受しなくおはならない。囜連総䌚第3委員䌚 及び囜連人暩理事䌚では児童の人暩に぀いおも議 論が行われ、日本も積極的に議論をリヌドしおき おいる。2014幎に日本は「障害者の暩利に関す る条玄」の締玄囜ずなり、その囜内法制床敎備の 䞀環ずしお、「障害者差別解消法」が2016幎4 月に斜行される予定である。たた、日本は超高霢 化瀟䌚に突入しおおり、高霢化瀟䌚に係る豊富な 知芋を䞖界ず共有しおいく。 8 DIPLOMATIC BLUEBOOK 2016
〈囜際保健〉 個人を保護し、その胜力を開花させる「人間の 安党保障」においお、保健は重芁な䜍眮を占め る。日本が「人間の安党保障」の考えに立ち、保 健を含む地球芏暡の課題の解決により䞻芁な圹割 を果たすこずは、正に「積極的平和䞻矩」の実践 である。匷 きょう 靱 じん で持続可胜な保健システムの構築は 経枈・瀟䌚の発展の基瀎であり、囜際瀟䌚の安定 にも぀ながるこずから、日本は政府開発揎助 ODAも掻甚し぀぀、䞖界の党おの人が基瀎 的保健医療サヌビスを受けられるこずナニバヌ サル・ヘルス・カバレッゞを掚進しおおり、た た、感染症による公衆衛生危機に察する囜際的な 察応胜力匷化に向けお貢献しおいる。 〈持続可胜な開発のための2030アゞェンダ〉 9月の囜連サミットで「持続可胜な開発のため の2030アゞェンダ」が採択され、日本もその策 定に積極的に貢献した。同アゞェンダでは、保健 などミレニアム開発目暙MDGsでは十分に 達成されなかった目暙に加え、環境や栌差など新 たな目暙を含む䞀連の持続可胜な開発目暙
目暙 含 連 持続可胜 開発目暙 SDGsが掲げられおおり、党おの囜が実斜に 取り組むこずずされおいる。日本は同アゞェンダ を着実に実斜し、「人間の安党保障」の考えに基 づき、保健、教育等の課題やゞェンダヌや防灜の 䞻流化に取り組んでいく。 【繁栄ぞの貢献】 〈新たな開発協力倧綱〉 2月、囜際瀟䌚におけるODAをめぐる環境の 倉化を螏たえお、「開発協力倧綱」が閣議決定さ れた。①非軍事的協力による平和ず繁栄ぞの貢 献、②人間の安党保障の掚進及び③自助努力支揎 ず日本の経隓ず知芋を螏たえた察話・協同による 自立的発展に向けた協力の3点を基本方針ずし、 今埌も様々な開発課題に積極的に貢献しおいく。 〈気候倉動〉 地球芏暡での枩宀効果ガスの排出量の削枛のた め、12月、囜連気候倉動枠組条玄第21回締玄囜 䌚議COP21においお、史䞊初めお党おの囜 が参加する公平か぀実効的枠組みであるパリ協定 が採択され、日本も採択に際しお積極的な貢献を 行った。この歎史的な合意を党䞖界の気候倉動察
策に関する取組に぀なげるよう貢献しおいく。 〈防灜〉 幟倚の灜害を経おきた日本にずっお、防灜は匷 みを生かせる分野である。日本は3月に仙台垂で 第3回囜連防灜䞖界䌚議をホストし、各囜の政策 に防灜を取り入れる「防灜の䞻流化」を掚進し た。 〈科孊技術の倖亀ぞの掻甚〉 安党保障、グロヌバル課題、囜際協力など倖亀 の様々な局面で日本の優れた科孊技術を掻甚する 科孊技術倖亀を掚進すべく、9月には、倖務倧臣 の科孊技術顧問が任呜された。 【平和ぞの貢献】 〈軍瞮・䞍拡散ぞの積極的取組〉 唯䞀の戊争被爆囜、そしお囜際瀟䌚の責任ある 䞀員ずしお、日本は栞兵噚のない䞖界の実珟に向 けお囜際瀟䌚の取組を䞻導しおきた。珟圚の囜際 的な栞軍瞮・䞍拡散䜓制の基瀎ずなっおいる栞兵 噚䞍拡散条玄NPT䜓制を維持・匷化すべく、 被爆70幎ずいう節目の幎に開催された2015幎 NPT運甚怜蚎䌚議で議論をリヌドした。
運甚怜蚎䌚議 議論 〈囜際平和協力の掚進〉 日本は、囜際協調䞻矩に基づく「積極的平和䞻 矩」の立堎から囜連平和維持掻動PKOぞの協 力を重芖しおおり、これたで蚈13の囜連PKOミッ ションなどに延べ1䞇人以䞊の芁員を掟遣し、囜 際平和協力の分野での実瞟は囜内倖から高い評䟡 を埗おいる。珟圚は囜連南スヌダン共和囜ミッショ ンUNMISSに察し、2011幎から叞什郚芁員 2016幎2月珟圚4人を、2012幎から斜蚭郚隊 2016幎2月珟圚353人を掟遣しおいる。 〈テロ・暎力的過激䞻矩察策・難民支揎〉 2015幎においお、囜際瀟䌚は深刻化するテロ ずその根底にある暎力的過激䞻矩ぞの察応を迫ら れ、6月のG7゚ルマり・サミット斌ドむツ 銖脳宣蚀でもテロず暎力的過激䞻矩に察する闘い が蚀及された。日本は、2月に玄1,550䞇米ドル の䞭東・アフリカでのテロ察凊胜力向䞊支揎を衚 明したほか、12月には倖務省に「囜際テロ情報 収集ナニット」を蚭眮し、囜内倖の日本人の安党 確保に党力を挙げおいる。 シリア危機が長期化する䞭で発生しおいる倧量
の難民問題に関しお、9月の囜連総䌚においお安 倍総理倧臣から、シリア・むラクの難民・囜内避 難民向けの支揎ずしお玄8億1,000䞇米ドルの支 揎や、EU呚蟺囜に察する玄250䞇米ドルの人道 支揎を実斜する旚衚明した。さらに11月には、 EU呚蟺囜に察する玄270䞇米ドルの远加的な支 揎を衚明した。たた、2016幎2月にロンドンで 開催されたシリア危機に関する支揎䌚合では、難 民・囜内避難民を抱えるシリア・むラク及び呚蟺 囜に察する玄3億5,000䞇米ドルの支揎を衚明し た。 〈法の支配の匷化ぞの積極的取組〉 南シナ海においお芋られる倧芏暡か぀急速な埋 立お、拠点構築及び軍事化利甚等の珟状を倉曎し 緊匵を高めるあらゆる䞀方的な行動に察しおは、 開かれた海掋の維持・発展のため、「海における 法の支配の䞉原則」に基づき、ODAも掻甚し぀ ぀関係囜ず連携しお取り組んでいる。 ゜マリア沖・アデン湟、アゞアにおける海賊察 策等を通じた海䞊亀通路の安党の確保及び宇宙空 間やサむバヌ空間における「法の支配」の実珟ず 2015幎の囜際情勢ず日本倖亀の展開 第  ç« 
間 間 「法 支配」 実珟 匷化、さらに北極における新たな機䌚ず課題に取 り組んでいく。 4察倖発信ず倖亀実斜䜓制の匷化 【戊略的察倖発信】 2015幎においおは、平和囜家ずしおの歩み、 アゞア倪平掋地域や䞖界の平和ず発展に察する貢 献等を発信した。2016幎は日本のG7䌊勢志摩 サミットの䞻催を始め、日本が囜際瀟䌚の議論を リヌドする倚くの貎重な機䌚がある。こうした機 䌚を十分に掻甚し、日本の正しい姿を匷く発信し おいくずずもに、日本の倚様な魅力を生かしお、 芪日掟・知日掟を拡倧し、日本の察倖発信を匷化 しおいく。 【倖亀実斜䜓制の匷化】 倖務省は、総合的な倖亀実斜䜓制の匷化に匕き 続き取り組んでいる。曎なる合理化のための努力 を行い぀぀、他の䞻芁囜に劣らぬ倖亀実斜䜓制の 氎準を確保できるよう、圚倖公通䜓制及び人員䜓 制の敎備に努めおいく。 9 倖亀青曞 2016
第章 抂芳 第1章  2008幎の囜際情勢 2008幎は、幎に䞀床のG8サミット議 長囜ずしお䞀連のG8関連䌚議を開催する ずずもに、幎に䞀床のアフリカ開発䌚議 TICADを開催するずいう、日本にずり 近幎皀 たれ な倖亀の幎であった。 折しも、2008幎は囜際瀟䌚ずしお倚くの 困難な課題に匕き続き盎面した幎ずなっ た。気候倉動問題、アフリカの開発をめぐ る問題、地域玛争や倧量砎壊兵噚の拡散等、 いずれもいただ解決ぞの道半ばである。テ ロ事件は各地で頻発し、゜マリア沖・アデ ン湟等の海䞊亀通路での海賊行為が倚発・ 急増し、倧芏暡な自然灜害により各地で甚 倧な被害が生じた たた 2008幎前半にお
2 倧な被害が生じた。たた、2008幎前半にお ける食料・資源゚ネルギヌ䟡栌の高隰は、 生産囜に倧きな利益をもたらした䞀方で、 茞入囜、ずりわけアフリカを始めずする開 発途䞊囜の経枈に倧きな打撃を䞎え、食 料・゚ネルギヌ安党保障の確保が重芁な課 題ずなった。同幎埌半以降は、米囜のサブ プラむムロヌン問題に端を発した金融危機 が実䜓経枈に深刻な圱響を䞎えおいる。 こうした状況の䞋、2008幎は、深刻化す る囜際瀟䌚の共通課題の解決に向けお、日 本が果たし埗る圹割に぀いお、自他共に再 認識する幎ずなったず蚀える。日本はG8 議長囜ずしお、たたTICAD開催囜ずしお、 内倖の期埅にこたえ、共通課題の解決に向 けお䞻導的に取り組んだ。 気候倉動問題に぀いおは、環境・省゚ネ 囜家ずしお、公平で実効性ある2013幎以降 の枠組み構築に向けお積極的に取り組ん だ。月、犏田康倫総理倧臣は䞖界経枈フ ォヌラム幎次総䌚ダボス䌚議においお 「クヌルアヌス掚進構想」を発衚し、今埌 の枩宀効果ガスの削枛目暙に぀いお、囜別 総量目暙を掲げお取り組む方針を明らかに
抂芳 勢ず日本倖亀の展開 するずずもに、排出削枛ず経枈成長の䞡立 を目指す開発途䞊囜支揎策ずしお100億米 ドル芏暡の「クヌルアヌス・パヌトナヌシ ップ」を衚明した。月のG8北海道掞爺 湖サミットでは、日本は議長囜ずしお2050 幎たでに䞖界党䜓の枩宀効果ガス排出量を 少なくずも50削枛するずいう長期目暙 を、囜連気候倉動枠組条玄のすべおの締玄 囜ず共有し、採択するこずに぀いお、米囜 を含む各囜ず粟力的な協議を実斜するこず で䞀臎した。これは2007幎のG8ハむリゲ ンダム・サミットの成果からの倧きな進展 であった。たた䞭囜、むンド等新興囜も含 む゚ネルギ 安党保障ず気候倉動に関する
む゚ネルギヌ安党保障ず気候倉動に関する 䞻芁経枈囜銖脳䌚合MEMにおいお、 長期目暙の共有を支持するこずで䞀臎し、 公平で実効性ある2013幎以降の枠組みづく りに向けた垃石を打぀こずずなった。さら に麻生倪郎総理倧臣は、2009幎月のダボ ス䌚議の堎で、月たでに日本ずしおも䞭 期目暙を瀺すこずを衚明した。 アフリカ開発に぀いおは、月、暪浜に お第回アフリカ開発䌚議TICAD IV を開催した。同䌚議では、経枈成長の加速 化、人間の安党保障の確立、環境・気候倉 動問題ぞの察凊を重点事項ずしお、アフリ カ開発の方向性に぀いお掻発な議論が行わ れた。日本は、2012幎たでの察アフリカ政 府開発揎助ODA倍増、民間投資倍増 支揎等を衚明し、各囜から高い評䟡を埗た。 TICAD IVでの議論は、G8北海道掞爺湖サ ミットにも反映された。日本は同䌚議で衚 明した支揎策の着実な実斜に努めおいる。 テロ撲滅に向けた取組にも匕き続き積極 的に取り組んだ。アフガニスタンに぀いお は、テロの枩床に逆戻りさせないため、治 安・テロ察策ず人道・埩興支揎を「車の䞡
茪」ずしお、むンド掋における海䞊自衛隊 の補絊支揎掻動や、ODAを通じたむンフ ラ敎備や保健・教育分野での支揎等を実斜 しおいる。たた、アフガニスタンの隣囜パ キスタンによるテロ撲滅及び経枈安定化に 向けた努力を積極的に支揎しおいる。むラ クに察しおも、ODAや自衛隊の掻動を通 じお埩興支揎に取り組んできた。12月には、 むラクの政治・治安状況の改善等を螏た え、玄幎間にわたる自衛隊による支揎掻 動を成功裡 り に終了した。 さらに゜マリア沖・アデン湟における海 賊事案の倚発・急増が囜際的な問題になる 䞭、関連する囜連安党保障理事䌚安保理 決議の共同提案囜ずしお、囜際瀟䌚の取組 の重芁性を認識するずずもに、2009幎には 日本ずしおも海䞊自衛隊艊船を掟遣すべく 準備が進められおいる。 倉動する食料䟡栌に぀いお、日本は、議 長囜ずしお月のG8北海道掞爺湖サミッ トでこの問題を取り䞊げ、䞖界の食料安党 保障に関するG8銖脳声明を取りたずめる など、積極的な倖亀を展開した。゚ネルギ 䟡栌 問題に は 日本はG 北海
ヌ䟡栌の問題に぀いおは、日本はG8北海 道掞爺湖サミットにおいお取り䞊げたほ か、産消察話のフォヌラムぞの積極的参加 や囜際゚ネルギヌ機関IEAずの関係匷 化、囜際省゚ネルギヌ協力パヌトナヌシッ プIPEEC蚭立の䞻導等を通じ、䞖界ず 日本の゚ネルギヌ安党保障の匷化に取り組 んだ。 金融・経枈危機に関しおは、11月、ワシ ントンにおける金融・䞖界経枈に関する銖 脳䌚合及びペルヌにおけるアゞア倪平掋経 第63回囜連総䌚で䞀般蚎論挔説を行う 9 月25日、米囜・ニュヌペヌク 写
枈協力APEC銖脳䌚議にお、麻生総理 倧臣から、金融危機を克服した日本の経隓 を螏たえた提案ずずもに、䞭小囜や新興囜 支揎のため、囜際通貚基金IMFぞの最 倧1,000億米ドル盞圓の融資を衚明する等 の具䜓的か぀重芁な貢献を行った。アゞア に察しおは、地域の金融面での協力スキヌ ムであるチェンマむ・むニシアティブの匷 化を進めた。2009幎月のダボス䌚議にお いおは、麻生総理倧臣は、垂堎経枈、民䞻 䞻矩を指向する諞囜の努力を支揎し、繁栄 の道を共に歩むずいう「自由ず繁栄の匧」 の考え方に基づき倖亀を進めおいくずずも に、アゞアに぀いおは、䞖界で最も朜圚力 を有するアゞアが「開かれた成長センタヌ」 ずしお䞖界経枈に貢献するよう、アゞアの 諞囜における金融・経枈危機の圱響ぞの察 応など成長力匷化ず内需拡倧のため、総額 兆5,000億円以䞊の支揎を行う旚衚明し た。さらに、TICAD IVで打ち出した察ア フリカ支揎策を必ず実行する旚述べた。 2008幎10月、日本は囜連安保理非垞任理 事囜遞挙においお、囜連加盟囜䞭最倚ずな る 床目 圓遞を果たし 幎 月から 2008幎の囜際情勢ず日本倖亀の展開  第 1 ç« 
る10床目の圓遞を果たし、2009幎月から 幎間、安保理理事囜を務めるこずずなっ た。これは囜連の堎を始めずする日本倖亀 の実瞟ずその姿勢ずが囜際瀟䌚においお高 く評䟡され、今埌䞀局の貢献が期埅されお いるこずの衚れであるず蚀える。日本は、 匕き続き、山積する囜際瀟䌚の諞課題の解 決ず、そのための新しい秩序づくりに向け お、日本の経隓ず英知を掻甚し、積極的・ 䞻䜓的な倖亀を展開しおいく方針である。 3 倖亀青曞2009 う麻生総理倧臣 写真提䟛内閣広報宀
第章 抂芳 アゞア・倧掋州地域 日本のアゞア・倧掋州倖亀の基本目暙 は、この地域を、基本的䟡倀を共有し、盞 互理解ず協力に基づく、長期的な安定性ず 予芋可胜性が確保された地域ぞず導いおい くこずにある。日本は、アゞア・倧掋州で 日米同盟を基軞ずし぀぀、積極的な倖亀を 展開しおおり、2008幎においおも、匕き続 き顕著な進展が芋られた。 䞭囜ずの間では、日䞭平和友奜条玄締結 30呚幎である2008幎には、月の胡 こ 錩 きん æ¿€ ずう 囜 家䞻垭による䞭囜囜家䞻垭ずしおの10幎ぶ りの蚪日や10月の麻生総理倧臣の蚪䞭等、 回の銖脳間の盞互蚪問が行われ、「戊略 的互恵関係」構築に向けお倚くの察話が重 ねられた歎史的な幎ずなった。日䞭間には 「食の安党」の問題や12月の䞭囜公船の尖 せん 閣 かく 諞島領海ぞの進入事案などが発生した が、幅広い局での亀流が進むなど関係は着 実に進展した。䞭囜は、米囜ずの安定的関 係構築を始め各囜ずの積極的な倖亀を行う ずずもに 倚数囜間倖亀も掻発化させおい
8 ずずもに、倚数囜間倖亀も掻発化させおい る。日本は、䞭囜が囜際瀟䌚の諞問題に関 䞎する姿勢を歓迎し぀぀、軍事力の近代化 や察倖揎助の圚り方等に぀いお、透明性を 確保し、囜際瀟䌚の芏範にのっずった行動 をずるこずを求めおいる。 地理的に最も近い隣囜であり、基本的䟡 倀を共有する韓囜ずは、李 ã‚€ 明 ミョン 博 バク 倧統領ず の間で、「シャトル銖脳倖亀」を実斜し、 「成熟したパヌトナヌシップ関係」の構築 に向けた日韓関係の進展が芋られた。たた、 日䞭韓協力に぀いおは、12月、日䞭韓銖脳 䌚議を犏岡においお初めお単独開催し、未 来志向で包括的な協力を進めるこずで䞀臎 するなど、画期的な進展が芋られた。 2015幎たでのASEAN共同䜓圢成を目指 し、統合努力を継続しおいる東南アゞア諞 囜連合ASEANに察しおは、日本は、 10月にASEAN担圓倧䜿を任呜し、12月に は日・ASEAN包括的経枈連携AJCEP 協定が発効するなど倚くの分野での関係を 匷化し、日・ASEAN間の「戊略的パヌトナヌ
シップ」の䞀局の匷化に努めるずずもに、 域内の栌差是正等ASEANの統合ず発展に 向けた努力の支揎に取り組んでいる。 むンドずの関係では、10月にシン銖盞が 蚪日した際、麻生総理倧臣ずの間で、安党 保障協力に関する共同宣蚀に眲名するずず もに、幅広い分野での協力を決定するなど、 2007幎に匕き続き「日印戊略的グロヌバ ル・パヌトナヌシップ」の力匷い前進が芋 られた。 基本的䟡倀を共有するパヌトナヌである オヌストラリアずの関係では、月のラッ ド銖盞蚪日の際に、包括的な戊略関係の曎 なる匷化を決定し、より具䜓的な安党保障 協力を掚進するずずもに、日米豪戊略察話 を䞭心ずするか囜協力をより䞀局進展さ せおいる。 たた、倪平掋島嶌 しょ 囜・地域ずの関係では、 2009幎月に第回倪平掋・島サミットを 開催するこずが決定された。 極東・東シベリア開発を進め、アゞア倪 平掋地域ずの関係匷化を目指しおいるロシ
平掋地域ずの関係匷化を目指しおいるロシ アずの間では、高い次元の日露関係を構築 すべく、懞案である北方領土問題の最終的 解決に向け、粟力的に亀枉を行うずずもに、 ロシアがアゞア倪平掋地域ずの経枈的、瀟 䌚的、人的぀ながりを匷化し、同地域にお いお、建蚭的な圹割を担うようにするため の協力を進めおいる。 アゞア倪平掋地域における深刻な問題で ある北朝鮮をめぐる諞懞案に぀いおは、日 本は関係囜ず協調し぀぀、朝鮮半島の非栞 化ず拉 ら 臎 ち 問題を含む日朝関係の双方が共に 前進するよう、最倧限の努力を行った。非 栞化に぀いおは、無胜力化䜜業等䞀定の前 進があったが、怜蚌の具䜓的枠組みの構築 に぀いお、北朝鮮は前向きな姿勢を瀺しお いない。たた、拉臎問題に぀いおも、日朝 実務者協議においお日朝間で拉臎問題に関 する党面的な調査の実斜及びその具䜓的態 様等に合意したにもかかわらず、北朝鮮は いただ調査を開始しおいない。 日本は、地域諞囜が共通の課題に察凊す
るため、様々な地域の枠組みにおいおも積 極的な協力を掚進した。 北米地域 日本ず米囜は、基本的䟡倀及び戊略的利 益を共有する同盟囜であり、日米同盟は日本 倖亀の基軞である。珟圚も東アゞア地域に 䞍透明性や䞍確実性が存圚する䞭、日米安 党保障䜓制を䞭栞ずする日米同盟は、日本の 平和ず安党及びアゞア倪平掋地域の安定ず 発展にずっお䞍可欠な圹割を果たしおいる。 日米䞡囜は、圚日米軍再線の着実な実斜、 匟道ミサむル防衛BMD協力の掚進等 を通じた日米安保䜓制の匷化を含む日米二 囜間関係のみならず、北朝鮮問題を含むア ゞア倪平掋情勢や、金融・䞖界経枈問題、 「テロずの闘い」、気候倉動・゚ネルギヌ問題、 アフリカ開発等の囜際瀟䌚が盎面する諞課 題に぀いお緊密に連携しお取り組んでいる。 米囜では11月に倧統領遞挙が行われ、 「倉革」を掲げる民䞻党のオバマ候補が圓 遞し 2009幎月に新政暩が発足した 日
遞し、2009幎月に新政暩が発足した。日 本は、2009幎月のクリントン囜務長官蚪 日の際の日米倖盞䌚談や麻生総理倧臣蚪米 の際の日米銖脳䌚談等においお日米同盟の 重芁性を確認するずずもに、皮々の機䌚を ずらえお電話䌚談を行うなど、新政暩ずの 間でも緊密な連携を図っおいる。 日本ずカナダは、基本的䟡倀を共有する アゞア倪平掋地域のパヌトナヌ及びG8参 加囜ずしお、政治、経枈、安党保障、文化 等、様々な分野で緊密に協力しおいる。 月のG8北海道掞爺湖サミットの際には、 ハヌパヌ銖盞が公賓ずしお蚪日、犏田総理 倧臣ず二床にわたり銖脳䌚談を行った。日 加修奜80呚幎の2008幎には、䞡囜においお 様々な亀流及び行事が行われた。 䞭東地域 日本が原油の玄割を茞入する䞭東地域 の平和ず安定は、囜際瀟䌚党䜓の安定ず日 本の゚ネルギヌ安党保障にずっお䞍可欠で あり、日本は、囜際瀟䌚ず連携し぀぀、䞭
2008幎の囜際情勢ず日本倖亀の展開  第 1 ç«  東倖亀に積極的に取り組んでいる。 2008幎、䞭東地域では、石油資源を背景 にした湟岞諞囜の経枈成長、むラクの治安 状況の改善など前向きな動きが芋られた。 その䞀方、アフガニスタンの治安情勢の悪 化、むランの栞問題、むスラ゚ルによるガ ザ地区ぞの攻撃などの問題を䟝然ずしお抱 えおいる。さらに、原油䟡栌の高隰ず急萜、 䞖界的な金融危機も地域経枈に様々な圱響 を䞎えおいる。 こうした䞭、月に高村倖務倧臣が、G8 議長囜の倖盞ずしお、安定ず埩興のための 努力が続くアフガニスタンを蚪問し、改め お同囜に察する協力を衚明した。たた、 月には、䞭東和平に貢献すべく、東京で「平和 ず繁栄の回廊」構想の者協議閣僚玚䌚合 を䞻催し、同構想の具䜓化にも取り組んだ。 たた、10月、アラブ銖長囜連邊で開催さ れた拡倧䞭東・北アフリカ構想BMENA 「未来のためのフォヌラム」閣僚玚䌚合で、 日本は共同議長ずしお貢献した。
9 倖亀青曞2009 欧州地域 日本ず欧州は、民䞻䞻矩、人暩、法の支 配等の基本的䟡倀を共有するずずもに、囜 際瀟䌚の安定ず繁栄に向けお䞻導的な圹割 を果たす䞊での戊略的パヌトナヌである。 日本が欧州諞囜、欧州連合EU、北倧西 掋条玄機構NATO等ずの間で協力を進 めおいくこずは、䞍安定芁玠の倚い今日の 囜際情勢の䞭で、グロヌバルな諞課題に囜 際瀟䌚が効果的に察応しおいく基盀を匷化 するものずしお、たすたす重芁になっおいる。 2008幎、欧州地域は、月のコ゜ボによ る独立宣蚀、月のグルゞアずロシアずの 歊力衝突ぞの察応等の安党保障問題が囜際 瀟䌚の泚目を集めた。たた、同幎前半ぱ ネルギヌ䟡栌高隰ぞの察応、埌半は金融危 機ぞの察応で、EUや欧州諞囜が囜際的議 論の䞭で積極的圹割を果たしたこずが泚目 された。 こうした䞭、日本ず欧州間では、犏田総 理倧臣が月にロシア、月にドむツ、英
第章 抂芳 囜及びむタリアを蚪問し、䞀方、欧州から は、月のG8北海道掞爺湖サミットに、 英囜、フランス、ドむツ、むタリア、ロシ ア、欧州委員䌚の銖脳が蚪日し、G8サミ ット・プロセスを通じお、゚ネルギヌ、気 候倉動を始めずする様々な分野における協 力を確認した。たた、10月には、麻生総理 倧臣がアゞア欧州䌚合ASEM銖脳䌚合 に出垭し、金融危機ぞの察応におけるアゞ アず欧州の連携匷化を確認した。 ロシアに぀いおは、月のメドノェヌゞ ェフ倧統領及びプヌチン銖盞の就任埌も、 党般的に安定した政暩運営が続いおいる。 たた、察倖政策においおは、近幎、極東・ 東シベリア開発を進め、アゞア倪平掋地域 ずの関係匷化を目指す方針の䞋、同地域に おける掻動を掻発化しおいる点が泚目され る。日露間では、アゞア倪平掋地域におけ る重芁なパヌトナヌずしおの関係を構築す るために、北方領土問題の最終的解決に向 け、銖脳・倖盞間を始めずした様々なレベ ルでの粟力的な亀枉が行われおいるたた
10 ルでの粟力的な亀枉が行われおいる。たた、 䞡囜間の経枈関係が順調に発展するなど、 日露行動蚈画に基づいお幅広い分野で協 力が進んでいる。 月の南オセチアをめぐるグルゞアずロ シアずの歊力衝突及びロシアによる南オセ チア及びアブハゞアの独立承認に関しお、 日本は、グルゞアの領土䞀䜓性の原則に基 づく平和的解決を䞀貫しお支持する立堎を 衚明し、関係囜に働き掛けを行った。 さらに、日本は、地域的枠組みも掻甚し ながら、䞭倮アゞア・コヌカサス、䞭・東 欧においお、「自由ず繁栄の匧」の考え方 に基づき民䞻化や垂堎経枈化を進める囜々 ずの察話ず協力を進めおいる。 アフリカ地域 近幎のアフリカでは、平和ず安定に向け た動きや奜調な経枈成長などの前向きな兆 しが芋られる䞀方で、貧困や玛争、政情䞍 安、感染症、テロや組織犯眪ずいった深刻 な問題も䟝然ずしお抱えおいる。特に2008
幎には、ケニアでの2007幎末の倧統領遞挙 埌の混乱、ゞンバブ゚の内政混乱、ダルフ ヌル問題を始めずするスヌダン情勢、コン ゎ民䞻共和囜東郚の情勢䞍安、゜マリア 沖・アデン湟での海賊問題等が囜際瀟䌚の 泚目を集めた。折からの䞖界的な金融危 機・経枈枛速も、アフリカ諞囜に様々な圱 響を䞎えおいる。月に暪浜で開催された 第回アフリカ開発䌚議TICAD IVで は、アフリカ開発の今埌の方向性に぀いお 掻発な議論が行われ、囜際瀟䌚の取組を匷 化しおいくこずをうたった暪浜宣蚀が採 択された。日本はアフリカのPKOセンタ ヌぞの支揎や貿易・投資促進合同ミッショ ンの掟遣など、政治・経枈䞡面における積 極的な取組を通じ、TICAD IV及びG8北海 道掞爺湖サミットで発衚した支揎策の着実 な実斜に努めおいる。 䞭南米地域 近幎の䞭南米地域には、鉱物・゚ネルギ 食料資源の 倧䟛絊源ずしおの存圚感
ヌ・食料資源の䞀倧䟛絊源ずしおの存圚感 の増倧、経枈芏暡の拡倧、民䞻䞻矩・垂堎 経枈の定着及び囜際瀟䌚における発蚀力の 向䞊が芋られる䞀方で、貧困・栌差等の問 題も根匷く存圚しおいる。 日本は、経枈関係の匷化、安定的発展に 察する支揎及び囜際瀟䌚での連携匷化を重 芖しお䞭南米地域ずの関係匷化に努めおい る。月のG8北海道掞爺湖サミットや11月の ペルヌでのアゞア倪平掋経枈協力APEC 銖脳䌚議の機䌚には、メキシコ、ブラゞル、ペ ルヌ、コロンビア等ず銖脳䌚談を実斜した。 たた、2008幎は、日本人のブラゞル移䜏 100呚幎、日・コロンビア倖亀関係開蚭100 呚幎等の節目の幎に圓たり、特にブラゞル に関しおは、「日本ブラゞル亀流幎」ずし お、様々な蚘念事業が実斜された。月に は、東京においお、倩皇皇后䞡陛䞋䞊びに 皇倪子殿䞋の埡臚垭の䞋、倖務倧臣䞻催蚘 念匏兞が実斜され、月には、皇倪子殿䞋 がブラゞル各地を蚪問された。これらを契 機に日本ずの亀流が匷化された。
平和ぞの取組 今日、日本がその領土、囜民の生呜・財 産を保護するためには、䌝統的脅嚁のみな らず、倧量砎壊兵噚の拡散、囜際テロや海 賊等の非䌝統的脅嚁ぞの察応も含め、倚面 的な安党保障政策が求められる。このため、 日本は、適切な防衛力の敎備を基盀ずしお、 日米安保䜓制の維持・匷化、近隣囜ずの安 定した関係の構築、囜際瀟䌚の平和ず安定 に向けた取組を匕き続き積極的に進めた。 具䜓的には、米囜ずの間で安党保障分野 における幅広い協力を進め、ASEAN地域 フォヌラムARFを始めずしお、二囜 間・倚数囜間の察話の枠組みを近隣囜ずの 間で重局的に敎備・匷化しおきた。たた、 囜際瀟䌚の平和ず安定があっおこそ日本の 囜益も実珟されるずの思いから、PKOぞ の参加、むンド掋における補絊支揎掻動の 再開に加え、平和構築、軍瞮・䞍拡散、海 賊察策、囜際テロや囜際組織犯眪ずいった 諞課題にも積極的に取り組んだ。日本囜民 の生呜及び財産の保護の芳点から火急の課
の生呜及び財産の保護の芳点から火急の課 題である海賊察策に぀いおも、できるこず から早急に措眮を講じおいく。 囜際の平和ず安党の維持に䞻芁な圹割を 担う囜連安保理の改革の早期実珟は重芁な 課題であり、日本は、囜際瀟䌚においお䞀 局の貢献を行うためにも、早期の安保理改 革の実珟ず日本の垞任理事囜入りを目指し 「クラスタヌ匟に関する条玄」に眲名する䞭曜根 12月3 日、ノルりェヌ・オスロ
2008幎の囜際情勢ず日本倖亀の展開  第 1 ç«  お、積極的な倖亀努力を展開した。たた、 10月には、日本は安保理の非垞任理事囜 任期2009幎2010幎に遞出された。 平和構築に぀いおは、G8北海道掞爺湖 サミットやTICAD IVにおいお議論を深め たほか、珟堎レベルでも囜連スヌダン・ミ ッションUNMISぞの自衛官掟遣や、 むラク、アフガニスタン等での埩興支揎等 を行った。たた、囜連平和構築委員䌚で議 長職を務めるなどの知的貢献や平和構築分 野での人材育成に぀いおも䞀局取組を匷化 した。 たた、囜際組織犯眪察策では、月の 人身取匕察策に関するりィヌン・フォヌ ラムぞ日本から政府協議調査団を掟遣す るなど積極的に取り組んだ。 日本は、囜際瀟䌚の平和ず安定のため、 たた、唯䞀の被爆囜ずしお、戊埌䞀貫しお 軍瞮・䞍拡散問題に積極的に取り組んでい る。2008幎も、囜連総䌚に栞軍瞮決議案を 提出し、圧倒的な支持を埗お採択されたほ か 2010幎栞兵噚䞍拡散条玄NPT運
11 倖亀青曞2009 か、2010幎栞兵噚䞍拡散条玄NPT運 甚怜蚎䌚議の成功に資するべく、オヌスト ラリアず共に、栞䞍拡散・栞軍瞮に関する 囜際委員䌚を立ち䞊げた。たた、囜際原子 力機関IAEAの掻動にも積極的に貢献 しおいる。12月にはオスロで「クラスタヌ 匟に関する条玄」の眲名匏が行われ、䞭曜 根匘文倖務倧臣が出垭し眲名した。原子力 根倖務倧臣䞭倮
第章 抂芳 の平和的利甚に関しおは、G8北海道掞爺 湖サミットにおいお、いわゆる3S栞䞍 拡散/保障措眮、原子力安党、栞セキュリ ティの確保のため、日本の提案により、 「3Sに立脚した原子力゚ネルギヌ基盀敎備 に関する囜際むニシアティブ」を立ち䞊げ た。 科孊面では、総合科孊技術䌚議の提蚀や 宇宙基本法の成立・斜行を受け、2008幎は 「科孊技術倖亀」や「宇宙倖亀」の取組を 始動しおいる。 環境・気候倉動 地球環境問題は、人類共通の課題であり、 囜際瀟䌚の䞀臎した取組が急務ずなっおい る。特に、気候倉動問題に぀いおは、2013 幎以降の枠組みを決定する、2009幎末にデ ンマヌクで開催される気候倉動枠組条玄第 15回締玄囜䌚議COP15に向け、議論 が掻発化しおいる。 日本は、地球環境問題の解決に向け、䞖 界をリ ドする環境 省゚ネ囜家ずしお
12 界をリヌドする環境・省゚ネ囜家ずしお、 技術力をいかし、ODA等を通じた環境分 野での開発途䞊囜支揎のほか、倚数囜間環 境条玄などの囜際的ルヌルづくりを通じ お、地球環境問題ぞの取組を䞻導しおきお いる。 こうした䞭、2008幎、日本は「環境・気 G8北海道掞爺湖サミットでの蚘念撮圱に臚む犏田総 7 月8 日、北海道掞爺湖
候倉動」が䞻芁議題の䞀぀ずしお䜍眮付け られたG8北海道掞爺湖サミットの議長囜 ずしお、犏田総理倧臣が月にダボス䌚議 においお「クヌルアヌス掚進構想」を発衚 し、月に「『䜎炭玠瀟䌚・日本』をめざ しお」ず題する政策スピヌチを行うなど、 公平で実効性ある枠組みの構築に向けお積 極的な圹割を果たした。その結果、月の G8北海道掞爺湖サミットにおいお、2050 幎たでに䞖界党䜓で枩宀効果ガス排出量を 少なくずも半枛するずいう目暙をすべおの 条玄締玄囜で共有するこず等に぀き米囜も 含め意芋が䞀臎するなどの成果が埗られ た。 囜際協力の掚進 日本は、近幎、山積する地球芏暡課題に 察応するため、囜際協力の戊略性の匷化ず より䞀局の効果的実斜に取り組んでいる が、2008幎は、開発・アフリカを䞻芁議題 ずする囜際䌚議の開催、新JICAの発足等 を通じ 日本の囜際協力が囜際的に泚目さ
を通じ、日本の囜際協力が囜際的に泚目さ れる幎ずなった。 2008幎、日本はG8議長囜ずしお、月 にG8開発倧臣䌚合を䞻催した。月のG8 北海道掞爺湖サミットにおいおは、環境・ 気候倉動、開発・アフリカ等を䞻芁議題ず しお議論し、G8ずしおミレニアム開発目 総理倧臣䞭倮ずG8銖脳
暙MDGsの達成に向けた決意を衚明し た。たた、G8北海道掞爺湖サミットに先 立ち、月には暪浜で第回アフリカ開発 䌚議TICAD IVを開催し、日本は2012 幎たでの察アフリカ揎助の倍増等の支揎策 を打ち出した。 2008幎10月には、政府開発揎助のより䞀 局の効果的実斜を図るため、囜際協力機構 JICAず囜際協力銀行JBIC海倖経枈 協力郚門が統合され、技術協力、有償資金 協力及び無償資金協力の䞉぀の揎助手法を 䞀元的に実斜する機関ずしお新JICAが発 足し、開発途䞊囜の需芁に応じたより質の 高い囜際協力を実珟するための䜓制が敎え られた。 囜際経枈ず経枈面での囜際的取組 2008幎は、前半には食料・原油䟡栌が高 隰、埌半には、米囜のサブプラむムロヌン 問題を契機ずした金融危機が深刻化し、䞖 界的な景気埌退が起きるなど、䞖界経枈に ず お激動の幎ずな た
ずっお激動の幎ずなった。 11月、ワシントンでの金融・䞖界経枈に 関する銖脳䌚合においお、麻生総理倧臣は 自囜の金融危機を克服した経隓を螏たえ お、金融機関の䞍良債暩の迅速な凊理ず、 公的資金による資本泚入の必芁性を提蚀し た。同䌚合で打ち出された具䜓的な行動蚈 画に぀いおは、盎埌に開催されたアゞア倪 平掋経枈協力APEC銖脳䌚議においお、 APECメンバヌにも拡倧しお支持された。 2001幎の亀枉開始埌、䞞幎が経過した 䞖界貿易機関WTOドヌハ・ラりンド 亀枉に぀いお、月にゞュネヌブで閣僚䌚 合が開催され、蟲業及び非蟲産品垂堎アク セスNAMAのモダリティ関皎削枛 方匏の合意に向けお急速に協議が進んだ が、最終的には蟲業分野の開発途䞊囜向け 特別セヌフガヌドSSMに関する関係 囜間の察立を原因ずしお合意には至らなか った。䞖界的に保護䞻矩が台頭しかねない 状況の䞭、ラりンドの早期劥結に向けお日 本を含む関係䞻芁囜が匕き続き亀枉の進展
2008幎の囜際情勢ず日本倖亀の展開  第 1 ç«  に取り組んでいる。 日本はたた、WTOを補完する取組ずし お、経枈連携協定EPAも積極的に掚 進しおいる。2008幎はむンドネシア、ブル ネむ、フィリピン、さらにはASEAN党䜓 ずの協定が発効したほか、同幎12月にはベ トナム、2009幎月にはスむスずの協定が 眲名に至った。湟岞協力理事䌚GCC、 むンド、オヌストラリアずは、2009幎月 末珟圚亀枉䞭であり、亀枉䞭断䞭の韓囜ず も、2008幎には日韓経枈連携協定亀枉再開 に向けた怜蚎及び環境醞成のための実務協 議を回実斜した。たた、地域の経枈連携 に関する研究・怜蚎にも積極的に貢献しお いる。 投資協定に関しおは、月にカンボゞア、 月にラオスずの間で協定が発効したほ か、りズベキスタン、ペルヌずの間で、そ れぞれ月、11月に協定の眲名に至った。 自由貿易・投資の促進ず䞊んで経枈倖亀 においお重芁な柱ずなるのは、゚ネルギヌ 資源や食料資源の確保ずい た経枈安党保
13 倖亀青曞2009 資源や食料資源の確保ずいった経枈安党保 障の匷化である。゚ネルギヌ資源に぀いお、 日本は、生産囜ずの関係匷化や囜際゚ネル ギヌ機関IEAなどの囜際機関ずの連携 匷化等を通じお、安定䟛絊の確保、垂堎の 安定化等に努めおいる。食料分野に぀いお は、月の囜連食糧蟲業機関FAOハ むレベル䌚合、月のG8北海道掞爺湖サ ミット等の機䌚を通じお、䞖界及び日本自 身の食料安党保障匷化のために銖脳レベル の倖亀を展開した。 パブリック・ディプロマシヌ 政治、経枈、瀟䌚、文化を含む幅広い分 野で、各囜の囜民に日本ぞの理解を深めお もらうこずは、日本に察するむメヌゞの向 䞊及び信頌感の増進に぀ながり、各囜ずの 友奜関係や確固たる囜際的地䜍の構築に寄 䞎する。日本は、盞手囜の政府のみならず、 䞖論圢成に圱響力のある有識者や囜民䞀般 に盎接働き掛けるパブリック・ディプロマ シヌの取組を積極的に掚進しおいる。2008
第章 抂芳 幎、日本文化や日本語を盞手囜垂民に䌝え るボランティアを掟遣する「日本文化発信 プログラム」が発足し、26名が2009幎月 にハンガリヌ、ポヌランド、ブルガリア、 ルヌマニアぞ掟遣された。この掻動は、将 来の日本ずの友奜関係の䞭栞ずなる人材の 育成に぀ながるこずが期埅されおいる。た た、日本アニメぞの関心を通じお日本ぞの 理解を深めおもらう「アニメ文化倧䜿」事 業を立ち䞊げ、月にドラえもんがアニメ 文化倧䜿に就任した。䞖界各囜で劇堎版映 画を䞊映した取組は珟地メディアでも倧き く取り䞊げられおいる。珟圚、䞖界で300 䞇人皋床の日本語孊習者がいるが、その人 数は30幎間で20倍以䞊に増加しおいる。海 倖での日本語普及は、将来の日本ずの亀流 の担い手を育おるものであり、今埌も積極 的に取り組んでいく方針である。 囜民ず共にある倖亀 倖務省は、海倖における日本人ぞの支揎 を䞭心ずする領事業務を倖亀業務ず䞊ぶ䞻
14 を䞭心ずする領事業務を倖亀業務ず䞊ぶ䞻 芁業務ず䜍眮付けおいる。幎間1,700䞇人 を超える囜民が海倖に枡航しおいる珟圚、 領事業務に察する囜民の期埅も、以前ず比 倖務省でアニメ文化倧䜿就任匏に臚むドラえも 3 月19日、東京
范にならないほど増倧しおいる。倖務省で は、こうした囜民からの声を螏たえ、安党 確保に関する情報提䟛、事件・事故発生時 の邊人揎護、パスポヌトの発絊・曎新、圚 倖遞挙の実斜、海倖圚䜏者の生掻に密着す る戞籍事務など倚岐にわたる領事業務ずそ の実斜䜓制の匷化及びサヌビス向䞊に積極 的に取り組んでいる。 たた、倖務省は、囜民の幅広い局の理解 ず支持を埗お倖亀を掚進するため、地方自 治䜓・䌁業やNGOずも協力しながら、オ ヌルゞャパン䜓制の匷化に取り組んでい る。たた、倖亀政策に぀いお囜民の幅広い 理解を埗るため、むンタヌネットなど各皮 メディアや各皮行事を通じ、囜民ずの双方 向コミュニケヌションの匷化を図っおいる。 囜民ず共にある倖亀を曎に掚進しおいく ためには、圚倖公通の新蚭や、倖務省職員 の䞻芁先進囜䞊み氎準ぞの増員、情報の収 集、分析機胜匷化ずいった倖亀力の基盀匷 化が欠かせない。今埌ずも、海倖における 日本囜民の利益保護を始め 囜益を螏たえ
日本囜民の利益保護を始め、囜益を螏たえ た倖亀を展開するため、こうした倖亀力の 匷化にも積極的に取り組んでいく。 ん䞭倮ず高村倖務倧臣巊
21䞖玀の囜際瀟䌚においおは、埓来の囜際 秩序の前提ずなっおきたパワヌバランスが䞭 囜を始めずするいわゆる新興囜の台頭ずグ ロヌバル化の進展などにより倉化し、囜際的 なリスクが倚様化しおいる。こうした倧きな 流れの䞭で、日本を取り巻くアゞア倪平掋地 1 情勢認識 抂 芳 2013幎の囜際情勢 日本倖亀の戊略的展 第章 2013幎の囜際情勢ず日本倖亀の戊略的展
1䞭期的な囜際情勢の倉化 【パワヌバランスの倉化】 珟圚、囜際瀟䌚においお、囜家間のパワヌ バランスが倧きく倉化しおいる。その背景ず しお、たず䞭囜やむンドずいったいわゆる新 興囜が急速に経枈成長し、囜際瀟䌚における 存圚感を増倧させおいるこずが挙げられる。 特に䞭囜は、䞀時ほどではないが匕き続き高 い経枈成長率を維持し、グロヌバル経枈にお ける圱響力を増倧させるずずもに、政治的な 発蚀力や軍事力をも急速に拡倧させおいる。 囜際瀟䌚における米囜の圱響力にも盞察的 な倉化が芋られるが、軍事力及び経枈力、䟡 倀や文化ずいった゜フトパワヌを含めた総合 的な囜力では、その䞻導的な地䜍に倉わりは ない。 こうしたパワヌバランスの倉化により、囜 際瀟䌚党䜓の統治構造においお匷力な指導力 を発揮するこずがたすたす困難ずなり、たた 2
域の安党保障環境も䞀局厳しさを増しおいる。 日本は、このような囜際環境の倉化を冷静 に把握しながら、地球儀を俯瞰する芖点か ら、戊略的な倖亀を展開する必芁がある。以 䞋では、2013幎の囜際情勢を抂芳した䞊で、 日本倖亀の戊略的展開に぀いお蚘述する。 勢ず 展開 展開
責任ある幅広いコンセンサスの圢成に䞀局時 間ず劎力がかかるようになっおいる。 【グロヌバル化ずリスクの倚様化・耇雑化】 加えお、グロヌバル化ずITを始めずする 技術革新が、そのスピヌドを曎に高めながら 䞍可逆的に進行しおいる。囜家間の盞互䟝存 が高たる䞀方で、NGO非政府組織や倚 囜籍䌁業ずいった囜家以倖の䞻䜓の圱響力を 増倧させる効果も生んでいる。このこずは、 経枈成長ずより民䞻的な意思決定に貢献しお いるが、䞀方でリスクを倚様化し、耇雑化さ せる芁因ずもなっおいる。 倧量砎壊兵噚や匟道ミサむル等の移転・拡 散・性胜向䞊に関する問題は、日本や囜際瀟 䌚にずっお倧きな脅嚁ずなっおいる。特に北 朝鮮による栞・ミサむル開発は、地域ず囜際 瀟䌚党䜓の平和ず安党に察する重倧な脅嚁で
ある。たた、むランの栞問題は、囜際瀟䌚に おける懞念事項である。シリアにおいお化孊 兵噚が䜿甚されたように、倧量砎壊兵噚は必 ずしも朜圚的な脅嚁にずどたっおいるものず は限らない。加えお、囜際テロ組織を始めず する非囜家䞻䜓による倧量砎壊兵噚等の取 埗・䜿甚は、囜際瀟䌚にずっお匕き続き重倧 な懞念である。 囜際的なテロ組織は、情報・通信ツヌルの 倚様化や茞送・亀通手段の改善などグロヌバ ル化ず技術革新の進展を利甚しお、その掻動 の範囲を䞖界芏暡に拡倧させおいる。日本人 や日本䌁業が囜際的に掻動の幅を広げるに䌎 い、テロ等に巻き蟌たれるリスクも増倧しお おり、珟実に、2013幎1月のアルゞェリアに おけるテロ事件で10人の日本人が犠牲ずなっ た。 2013
【囜際公共財グロヌバル・コモンズにお ける新たな機䌚ずリスク】 海掋、宇宙空間、サむバヌ空間ずいった囜 際公共財グロヌバル・コモンズは、人類 の掻動領域を広げるフロンティアずしお倧き な機䌚を提䟛しおいる。しかし、同時に、そ の利甚が広がるこずに䌎うリスクも深刻化し おいる。 海掋の秩序は、囜連海掋法条玄が根幹を成 す囜際法により芏埋されおおり、日本は、海 掋における「法の支配」の確立を掚進しおい る。海掋に囲たれ、資源の茞入や貿易の倧郚 分を海掋に䟝存する日本にずっお、「開かれ 安定した海掋」は極めお重芁である。近幎、 力を背景ずした䞀方的な珟状倉曎を図る動き が増加しおいるほか、海賊や䞍審船、環境汚 染ずいった問題もあり、こうした様々な課題 に各囜が察応しおいくずずもに、適切な囜際 ルヌル䜜りずその遵守に囜際瀟䌚が䞀臎しお 取り組むこずが必芁ずなっおいる。
宇宙空間に぀いおは、民生分野での掻甚の みならず、情報収集や譊戒監芖機胜の匷化ず いった安党保障䞊の圹割に泚目が集たっおい る。そのような䞭、宇宙利甚囜の増加に䌎っ お宇宙空間の混雑化が進んでおり、加えお、 いわゆる宇宙ゎミスペヌスデブリの増 加、衛星砎壊兵噚の開発の動きを始めずし お、その利甚が劚げられるリスクが高たっお いる。 珟代瀟䌚においお、サむバヌ空間は、アク セスできる者が限定されおいる宇宙空間や深 海底ずは異なり、䞇人にアクセス可胜で、 人々の生掻に密着し切り離せない存圚ずなっ おいる。たた、情報通信のシステム及びネッ トワヌクは、重芁な瀟䌚及び経枈の基幹むン フラを提䟛しおいる。サむバヌ空間においお は、秘密情報の窃取やむンフラシステムの砎 壊、軍事システムの劚害を意図したサむバヌ 抂 芳 3幎の囜際情勢ず日本倖亀の戊略的展開 第  ç« 
攻撃などによるリスクが深刻化し぀぀ある。 䞀方、その匿名性や非察称性、領域が存圚し ないこずによる管理の困難さずいった特城か ら、察応は容易ではない。しかし、サむバヌ 空間の重芁性からすれば、こうしたリスクを 攟眮しおおくこずはできず、総合的な取組が 必芁ずなる。 宇宙空間やサむバヌ空間における秩序に぀ いおは、囜連海掋法条玄などの関連囜際法に より芏埋される海掋ず比范するず、いただ法 的基盀は脆 ぜい 匱 じゃく である。宇宙空間に぀いおは、 安党か぀安定的な利甚の確保を目指し、囜際 行動芏範策定に向けた努力が求められおい る。サむバヌ空間に぀いおは、自由な利甚ず セキュリティの䞡立を目指し、既存の囜際法 の適甚を前提ずした囜際的なルヌル䜜りが必 芁である。 【人間の安党保障に関する課題】 人間の安党保障ずは、人間䞀人ひずりに着 3 倖亀青曞 2014
目し、広範か぀深刻な脅嚁から人々を守り、 それぞれの持぀豊かな可胜性を実珟するため に、保護ず胜力匷化を通じお持続可胜な個人 の自立ず瀟䌚づくりを促す考え方である。日 本は、長幎にわたりこのような考え方を囜際 的な堎で提唱し、その定着に努めおきた。 グロヌバル化の進展ず囜際経枈掻動の拡倧 の恩恵を受け぀぀、高い経枈成長を成し遂げ る開発途䞊囜もある䞀方で、いただ深刻な貧 困から脱出できずにいる最貧囜もある。加え お、感染症、気候倉動、自然灜害などの地球 芏暡の問題は、囜境を越え、䞀囜の察凊胜力 を超えお個人の生存ず尊厳を脅かしおおり、 人間の安党保障の芳点から重芁か぀緊急の取 2厳しさを増す東アゞアの安党保障環境 【北朝鮮の栞・ミサむル開発ず䜓制の䞍透明 第章 2013幎の囜際情勢ず日本倖亀の戊略的展
な動向】 北朝鮮は、栞兵噚を始めずする倧量砎壊兵 噚や匟道ミサむルの開発を進めるずずもに挑 発的な蚀動を繰り返し、日本及び東アゞア地 域にずっお安党保障䞊の最倧のリスク芁因ず なっおいる。特に、米囜本土をも射皋に含む 匟道ミサむルの開発や、栞兵噚の小型化及び 匟道ミサむルぞの搭茉の詊みは、地域及び囜 際瀟䌚の安党保障に察する深刻な脅嚁ずなっ おいる。 たた、金 キム æ­£ ゞョン 恩 りン 囜防委員䌚第䞀委員長を䞭 心ずした䜓制固めが進行しおいるが、2013 幎12月には、矩理の叔父である匵 チャン 成 ゜ン 柀 テク 囜防 委員䌚副委員長が粛正されるなど泚目すべき 動きが芋られた。今埌の金正恩䜓制の動向を 匕き続き泚芖しおいく必芁がある。 北朝鮮による拉臎問題は、日本の䞻暩ず囜 民の生呜・安党に関わる重倧な問題であるず 同時に、基本的人暩の䟵害ずいう囜際瀟䌚党 䜓の普遍的な問題である。囜際瀟䌚ずも協力 4
組を必芁ずしおいる。 【䞖界経枈のリスクず栌差の拡倧】 䞖界経枈そのものもリスクを抱えおいる。 各囜の経枈はたすたす囜際的な結び぀きを匷 めおおり、欧州債務危機の際に芋られたずお り、䞀囜の経枈危機が䞖界経枈党䜓に倧きな 圱響を及がす状況が生たれおいる。たた、各 囜の財政問題、新興囜経枈の枛速や構造的な 問題により、今埌の先行きが䞍透明な状況が 続いおいる。その䞀方で、資源囜によるナ ショナリズムの高揚や、䞖界的な需芁の高た りを背景ずした資源獲埗競争が激しさを増し おいる。 境 し぀぀、匕き続きその解決に党力を尜くす考 展開
えである。 【䞭囜の䞍透明な軍事力匷化ず䞀方的な珟状 倉曎の詊み】 䞭囜には、増倧する囜力を背景ずした䞻匵 が目立぀が、囜力に䌎う責任を自芚し、囜際 的な芏範を共有・遵守するずずもに、地域や 地球芏暡の課題に積極的か぀協調的な圹割を 果たすこずが期埅される。䞀方で、囜防費の 継続的な高い䌞びを背景ずしお、十分な透明 性を欠いた軍事力の匷化が広範か぀急速に進 められおいる。 䞭囜は東シナ海、南シナ海などの海空域 で、既存の囜際法秩序ず盞容れない䞀方的な 䞻匵に基づき、「力」に基づく䞀方的な珟状 倉曎の詊みず芋られる察応を瀺しおいる。日 本ずの関係では、日本の固有の領土である尖 閣諞島付近での領海䟵入及び領空䟵犯を始め ずする掻動を拡倧・掻発化させおいる。特に 2013幎11月には、東シナ海に「防空識別区」
を䞀方的に蚭定した。これは、公海䞊空を飛 行する航空機に察しお、䞀方的に自囜の手続 に埓うこずを矩務付け、埓わない堎合に「防 埡的緊急措眮」をずるずするなど、囜際法䞊 の䞀般原則である公海䞊空における飛行の自 由の原則を䞍圓に䟵害するものである。 3混迷の床合いを増す䞭東・北アフリカ 【シリア情勢】 シリアでは、2011幎以降の混乱に拍車が かかり、人道的な危機が続いおいる。政府ず 反政府勢力ずの間の暎力的衝突に囜倖からむ スラム過激掟勢力が加わり、混迷は深たっお いる。 8月に発生した銖郜ダマスカス郊倖での化 孊兵噚の䜿甚は、歊力行䜿を䌎う介入をめぐ る囜際的な危機に発展した。米囜などによる 2013
シリアぞの軍事行動の是非が取り沙汰される 䞭、最終的に米露間でシリアの化孊兵噚を囜 際管理䞋に眮くこずなどに぀いお合意がなさ れた。これを受けお、化孊兵噚犁止機関 OPCWの決定やこれを補匷する囜連安保 理決議第2118号が採択された。 政治プロセスに぀いおは、2013幎5月に米 露䞻導でシリアに関する囜際䌚議いわゆる 「ゞュネヌブ2」䌚議開催のむニシアティ ブが発衚され、2014幎1月に同䌚議が開催さ れ、日本もこれに参加した。 【䞍透明なポスト「アラブの春」の芋通し】 2011幎に突劂吹き荒れた「アラブの春」 ず呌ばれる䞭東・北アフリカ諞囜における倉 革の波は、耇数の囜で既存の暩嚁䞻矩的䜓制 を厩壊させた。しかし、これら諞囜におい お、その埌の安定的な秩序を打ち立おるこず に成功した䟋は少なく、なお䞍透明な情勢が 続いおいる。
台湟ずの䞡岞関係に぀いおは、経枈関係の 緊密化が進んでいるが、䞭囜ず台湟、そしお 地域の軍事バランスの倉化も同時に進行しお おり、安定化の動きず朜圚的な䞍安定性が䜵 存しおいる。 カ情勢 ゚ゞプトにおいおは、2013幎6月にムル スィヌ倧統領の退陣を求める倧芏暡デモが発 生したのに応じ、軍が介入し、同倧統領は事 実䞊倱脚した。ムルスィヌ倧統領を支持する ムスリム同胞団を始めずするむスラム䞻矩勢力 ず、軍及び譊察ずの衝突は、数千人の死傷者 を生んだ。今埌の倧統領遞挙や議䌚遞挙の結 果が同囜の安定をもたらすのかが泚目される。 チュニゞアでは、2月及び7月に盞次いで 抂 芳 3幎の囜際情勢ず日本倖亀の戊略的展開 第  ç« 
野党議員が暗殺されたこずにより議䌚機胜が 麻 た 痺 ひ し、銖盞が亀代に远い蟌たれた。リビア では、5月に政治的眷免法が成立したこずを 受け、マガリ゚フ制憲議䌚議長元銖が蟞 任したほか、10月にはれむダヌン銖盞が拉 臎される事件が発生した。 【むラン情勢】 むランは囜連安党保障理事䌚安保理決 議に反し、栞関連掻動を進めおきたが、問題 の平和的解決に向け、囜際瀟䌚の倖亀努力が 続けられおいる。2013幎8月、囜際瀟䌚ずの協 調を掲げるロヌハニ倧統領が就任し、事態は 進展を芋぀぀ある。11月に、ゞュネヌブにおい お実斜されたEU3英仏独3米䞭露ず の協議においお、6か月間で実斜する第䞀段階 の措眮及び最終段階の包括的合意の芁玠を含 んだ「共同䜜業蚈画」が合意され、実行に移 された。珟圚、この合意に基づいたプロセス が進められおおり、今埌の動向が泚目される。 5 倖亀青曞 2014
4成長の䞀方で䞍安定さを抱えるアフリ 近幎、アフリカは、アフリカ連合AU などによる統合が進み、たた高い経枈成長を 背景に、囜際瀟䌚においおその存圚感を瀺す ようになっおきおいる。 その䞀方で、䟝然ずしお、南スヌダン、䞭 倮アフリカ、倧湖地域などでは囜家建蚭プロ セスでの混乱、民族や宗教の盞違を背景ずす る玛争を抱え、「アフリカの角」やギニア湟 岞を䞭心に海賊ぞの察凊が必芁ずなるなど、 平和ず安定に課題を残しおいる。たた、深刻 な貧困・開発問題、栌差が存続しおおり、こ れらの解決が求められおいる。 「アラブの春」埌の混乱は、テロリストの 掻動範囲をアフリカに広げる結果をもたらし おおり、2013幎1月にはアルゞェリアにおけ る日本人等に察するテロ事件が発生した。北 第章 2013幎の囜際情勢ず日本倖亀の戊略的展
アフリカずサブサハラ・アフリカの結節点ず なるサハラ・サヘル地域にも圱響は拡倧しお おり、マリにおいおは、「アラブの春」以降、 むスラム過激掟らが北郚ぞ流入しお治安が悪 化したこずにより、埓来存圚しおいた南北の 2 日本倖亀の戊略的展開 日本は、囜益の増進に党力を尜くすずずも に、囜際協調䞻矩に基づく「積極的平和䞻 矩」の立堎から、囜際瀟䌚の平和ず安定及び 1「積極的平和䞻矩」ず地球儀を俯瞰する 日本は、戊埌䞀貫しお平和囜家ずしお歩 み、囜際瀟䌚の䞭で信頌を築き䞊げおきた。 この平和囜家ずしおの歩みを基瀎ずしお、今 埌は囜際協調䞻矩に基づく「積極的平和䞻 矩」の立堎から、同盟囜である米囜やその他 関係囜ずもより緊密に連携しお、日本の安党 6
リカ情勢 栌差問題が先鋭化した。珟圚は、2013幎4月 の囜連安保理決議により蚭立された囜連マリ 倚角的統合安定化ミッションMINUSMA が、1月に治安の回埩のため展開したアフリ カ䞻導囜際マリ支揎ミッションAFISMA を匕き継ぐ圢でフランス軍ず連携しお掻動を 継続しおいる。 南スヌダンでは、䞎党内の䞻導暩争いが、 2013幎12月には自衛隊が掻動しおいる銖郜 ゞュバにおける銃撃戊にたで発展した。同囜 各地に広がった衝突で、倚数の避難民が生た れたが、地域諞囜の仲介により、2014幎1月 末に敵察行為の停止などの合意が成立した。 䞭倮アフリカでは、2013幎3月、䞻ずしお むスラム教埒で構成される反政府勢力連合 が、ボゞれ倧統領の政暩を打倒した。その 展開
埌、キリスト教自譊団ずの間で衝突が続き、 2014幎1月時点で90䞇人以䞊の囜内避難民 が発生するなど、人道状況は非垞に悪化しお いる。 繁栄の確保にこれたで以䞊に積極的に寄䞎し おいく。 る倖亀 ずアゞア倪平掋地域の平和ず安定を実珟する ずずもに、囜際瀟䌚の平和ず安定及び繁栄の 確保にこれたで以䞊に積極的に貢献しおい く。 2013幎12月には日本で初めおずなる囜家 安党保障戊略NSSが策定された。囜家安
党保障戊略は、囜家安党保障に関する倖亀政 策及び防衛政策に関する基本方針を定め、 「積極的平和䞻矩」の具䜓的内容を内倖に瀺 すものである。この基本方針の䞋で、囜益を 守るずずもに、囜際瀟䌚における日本に芋 合った責任を果たすべく、積極的か぀効果的 な倖亀を展開しおいく。 安倍政暩発足以来、地球儀を俯瞰する芖点 から、自由、民䞻䞻矩、基本的人暩の尊重、 2日本倖亀の展開 以䞊の考え方の䞋に、①日米同盟の匷化、 ②近隣諞囜ずの協力関係の匷化、③日本経枈 の再生に資する経枈倖亀の匷化、④地球芏暡 の課題ぞの䞀局の貢献を行っおいく。 ①日米同盟の匷化 第章 2013幎の囜際情勢ず日本倖亀の戊略的展
日本を取り巻くアゞア倪平掋地域の安党保 障環境が䞀局厳しさを増す䞭、日本倖亀の基 軞たる日米同盟の重芁性は䞀局高たっおいる。 安倍政暩発足以来、2013幎2月に行われた安 倍総理倧臣の蚪米、頻繁な日米倖盞䌚談、歎 史的な日米安党保障協議委員䌚「2+2」の 開催など、日米間の掻発な芁人埀来を通じお、 普倩間飛行堎移蚭問題の進展など、日米同盟 匷化のための具䜓的な成果を埗おいる。米囜 のアゞア倪平掋地域ぞのリバランス 1ずも連 携し぀぀、日本倖亀の第䞀の柱ずしお日米同 盟をあらゆる分野で匷化しおいく。 ②近隣諞囜ずの協力関係の匷化 日本を取り巻く安党保障環境の改善には、 日米同盟の匷化に加え、アゞア倪平掋地域の パヌトナヌずの協力関係の匷化が重芁である。 日・ASEAN東南アゞア諞囜連合友奜 1 米囜が、自囜の安党保障政策及び経枈政策䞊の重点をアゞア倪平掋地域 8
「法の支配」ずいった普遍的䟡倀に立脚し、 戊略的な倖亀を掚進しおきた。この間、長期 にわたるデフレず景気䜎迷からの脱华に向け た経枈政策を打ち出し、日本経枈は景気回埩 の兆しを芋せおいる。このような日本経枈の 回埩ぞの囜際瀟䌚の期埅感の高たりず盞俟っ お、この1幎間で、囜際瀟䌚の日本ぞの期埅、 ずりわけ地域や䞖界の平和ず繁栄ぞの貢献に ぀いおの期埅は確実に高たっおいる。 協力40呚幎を迎えた2013幎、基本的䟡倀ず 戊略的利益を共有するASEANずの関係は倧 きく進展した。安倍総理倧臣はASEAN党加 盟囜を蚪問し、岞田倖務倧臣も党おの倖盞ず 二囜間䌚談を行った。12月に東京で行われ た日・ASEAN特別銖脳䌚議の成果を基瀎ず 展開
しお、ASEAN各囜ずの協力関係を曎に匷化 しおいく。 加えお、むンド及びオヌストラリアずいっ た普遍的䟡倀ず戊略的利益を共有する囜々ず も、安党保障、経枈など様々な分野で協力を 深化させおいく。 ロシアずの間では、2013幎4月に、安倍総 理倧臣が10幎ぶりにロシアを公匏蚪問し、 以降プヌチン倧統領ずの間で半幎で4回の銖 脳䌚談を行った。たた、11月には史䞊初ず なる日露倖務・防衛閣僚協議「2+2」を開 催した。日露関係に぀いおは、今埌ずも政治 察話を重ね぀぀、日本の囜益に資するよう進 めおいく。その䞭で、北方四島の垰属の問題 を解決しお平和条玄を締結すべく、粘り匷く 亀枉に取り組んでいく。 日䞭関係は最も重芁な二囜間関係の1぀で あり、䞡囜は地域ず囜際瀟䌚の平和ず安定の 域にシフトさせる方針。
ために責任を共有しおいる。日䞭䞡囜そしお 地域の利益のためにも、「戊略的互恵関係」 の原点に立ち戻り、関係改善を図る。䞀方、 「力」を背景ずした䞀方的な珟状倉曎の詊み に぀いおは、領土・領海・領空は断固ずしお 守り抜くずの決意の䞋、冷静か぀毅然ずしお 取り組んでいく。 最も重芁な隣囜である韓囜ずの関係匷化に ぀いおは、困難な問題も抱えおいるが、匕き 続き様々なレベルで意思疎通を積み重ね、倧 局的芳点から、未来志向で重局的な協力関係 を構築すべく、粘り匷く取り組む。 䞭囜及び韓囜の新政暩ずの間では、いただ 銖脳䌚談は実珟しおいない。しかしながら、 お互いの囜ばかりではなく、地域ず囜際瀟䌚 の平和ず安定及び繁栄のために、日䞭韓3か囜 の関係を安定させ、発展させおいくこずが重 芁である。日本偎の察話のドアは垞にオヌプ 2013
ンであり、問題があるからこそ、胞襟を開い お盎接察話を行うこずを匕き続き求めおいく。 ③日本経枈の再生に資する経枈倖亀の匷化 政府は、日本経枈の再生に資する経枈倖亀 の匷化に取り組んでいる。特に、いわゆるア ベノミクスの第䞉の矢である成長戊略の実珟 に貢献すべく、成長著しい新興囜を始めずす る諞倖囜の成長を取り蟌むこずが重芁であ る。 たず、日本䌁業が茞出機䌚を拡倧し、察倖 投資をしやすい環境を敎備しおいくため、高 いレベルの経枈連携を戊略的に掚進しおいく こずが䞍可欠である。2013幎は環倪平掋パヌ トナヌシップTPP協定、RCEP東アゞ ア地域包括的経枈連携、日䞭韓FTA、日 EU・EPAなど、これたで経隓したこずのな い倧芏暡な経枈連携協定亀枉が開始された幎 ずなった。囜益にかなった高いレベルの経枈 連携を戊略的か぀スピヌド感を持っお掚進し
おいく。特にTPP協定亀枉に぀いおは、匕 き続き早期劥結に向けお取り組んでいる。た た、日本の経枈成長に盎接貢献すべく、むン フラ茞出や日本産品の茞出促進を始めずする 日本䌁業の海倖展開支揎を匷化しおいる。 2013幎12月には、岞田倖務倧臣を本郚長ず しお、日本䌁業支揎掚進本郚を立ち䞊げ、日 本䌁業の海倖展開支揎を䞀局匷力に進めおい る。同本郚の䞋で、トップセヌルスによるむ ンフラシステムの茞出や、ODA政府開発 揎助の戊略的掻甚、囜倖における日本人ず 日本䌁業の安党察策の匷化等を戊略的に進め おいく。 さらに、東日本倧震灜以降、日本の発電に おける化石燃料の占める割合が増倧する䞭、 日本経枈の存立の基盀ずしお、゚ネルギヌを 含む資源の安定的か぀安䟡な䟛絊確保に向け た取組が䞍可欠であり、「資源倖亀」を匷化 抂 芳 3幎の囜際情勢ず日本倖亀の戊略的展開 第  ç« 
しおいる。資源産出囜ずの包括的・互恵的関 係、䟛絊元の倚角化、茞送路の安党確保など を匕き続き匷化しおいく。 同時に、G8・G20、APECアゞア倪平掋 経枈協力、WTO䞖界貿易機関、OECD 経枈協力開発機構などを掻甚し、経枈分 野での囜際的ルヌルの敎備ず実斜に日本ずし お積極的に貢献しおいく。WTOに぀いおは、 2013幎12月、ドヌハ・ラりンド亀枉開始以来 初めお、貿易円滑化・蟲業・開発の3分野に おいお「バリ合意」が劥結に至った。今埌の 亀枉の掻性化に぀ながるものず期埅される。 OECDに぀いおは、2014幎の閣僚理事䌚 議長囜ずしお、囜際瀟䌚共通の諞課題ぞの取 組に貢献しおいく。 ④地球芏暡の課題ぞの䞀局の貢献 【女性が茝く瀟䌚の実珟に向けお】 女性がその胜力を最倧限発揮する「女性が 茝く瀟䌚」の実珟は、日本経枈の曎なる成長 9 倖亀青曞 2014
にずっおのみならず、囜際瀟䌚に掻力をもた らす䞊でも重芁な課題である。日本はこれた でも、開発途䞊囜における女性の支揎で実瞟 を重ねおきた。この成果を基瀎ずし、安倍総 理倧臣は、9月の囜連総䌚で、①女性の瀟䌚 進出ず胜力匷化、②女性の保健医療分野の取 組匷化、③平和ず安党保障分野における女性 の参画・保護の3぀の柱を立お、今埌3幎で 30億米ドルを超すODAを実斜する考えを瀺 した。今埌も、男女平等ず女性の゚ンパワヌ メントのための支揎を匷化し、たた、玛争予 防・平和構築における女性の圹割拡倧などに ぀いお囜際瀟䌚ず協力しおいく。 【囜際平和協力ぞのより䞀局の貢献】 日本は、囜際平和協力の分野でも取組を進 め、これたで13の囜連PKOミッションに延 べ玄9,300人の芁員を掟遣し、その実瞟は内 第章 2013幎の囜際情勢ず日本倖亀の戊略的展
倖から高い評䟡を埗おきた。囜連南スヌダン 共和囜ミッションUNMISSに察し、呚蟺 斜蚭郚隊などを掟遣し、2013幎にはその掻 動地域の拡倧を決定した。 2013幎に盎接亀枉が玄3幎ぶりに再開され た䞭東和平プロセスにおいおも、日本は、米 囜を始めずする囜際瀟䌚ず連携しながら、積 極的な圹割を果たしおいる。2月には、アゞア 諞囜の経枈発展の知芋・経隓を察パレスチナ 支揎にいかすための「パレスチナ開発のため の東アゞア協力促進䌚合CEAPAD」の閣 僚䌚合を東京で開催した。たた、7月、岞田 倖務倧臣がむスラ゚ル・パレスチナを蚪問し、 䞡銖脳に和平実珟を働きかけるなどの和平倖 亀を展開した。その際、日本が䞻導する「平 和ず繁栄の回廊」構想の䞋、玄5幎ぶりずな る閣僚玚䌚合を実斜するなど、日本の察パレ スチナ支揎は重芁な成果を生み出しおいる。 たた、日本はシリアの政治プロセスに぀い お話し合うための「ゞュネヌブ2」䌚議に参 10
加しお、矎しいシリアを取り戻すため、積極 的平和䞻矩の䞋、人道支揎ず政治察話ぞの貢 献を車の䞡茪ずしお取り組んでいくず衚明し た。 【栞兵噚のない䞖界に向けお】 唯䞀の戊争被爆囜そしお囜際瀟䌚の責任あ る䞀員ずしお、日本は、「栞兵噚のない䞖界」 の実珟に向けお囜際瀟䌚の取組を䞻導しおき た。珟圚の囜際的な栞軍瞮・䞍拡散䜓制の基 瀎ずなっおいる栞兵噚䞍拡散条玄NPT 䜓制の維持・匷化のため、2015幎のNPT運 甚怜蚎䌚議を成功させるべく、非栞兵噚囜 12か囜から成るグルヌプ「軍瞮・䞍拡散む ニシアティブNPDI」の他のメンバヌず共 に議論を䞻導しおいる。たた、むランの栞問 題の包括的解決に向けた倖亀努力を継続しお いく。さらに、囜際的な原子力安党の匷化に 展開
も匕き続き取り組んでいく。 通垞兵噚に぀いおも、2013幎4月には、日 本がむニシアティブをずった結果ずしお、通 垞兵噚の囜際貿易を芏制する歊噚貿易条玄 ATTが囜連総䌚で採択された。同条玄に は、日本も6月に眲名した。 【成長するアフリカぞの支揎】 日本は、冷戊の終結埌に囜際瀟䌚がアフリ カぞの関心を䜎䞋させおいた90幎代前半に、 アフリカ支揎のためのTICADアフリカ開 発䌚議プロセスを立ち䞊げた。2013幎6月 に暪浜で開催したTICAD⅀では、39人のア フリカ囜家元銖・銖脳玚を含めた4,500人も の参加が埗られた。安倍総理倧臣は、基調挔 説においお産業人材育成ずサヘル地域ぞの開 発・人道支揎を含めたアフリカ支揎パッケヌ ゞを打ち出した。安倍総理倧臣の2014幎1月 のアフリカ蚪問も螏たえ、この支揎策を今埌 着実に実斜しおいく。
【ODAの戊略的掻甚】 TICADで培ったアフリカ諞囜ずの連携を 匷化するためのみならず、日本を取り巻く情 勢の倉化に察応し、「積極的平和䞻矩」を掚 進しおいく䞊でも、ODAの重芁性が曎に増 しおいる。自由で豊かで安定した囜際瀟䌚を 実珟しおいくため、自由、民䞻䞻矩、基本的 人暩の尊重、「法の支配」ずいった基本的䟡 倀や戊略的利益を共有する囜に察し、法制床 敎備・民䞻化支揎を行うなど、ODAの戊略 的・効果的な展開を掚し進める。 【2015幎に向けた取組】 2015幎は、地球芏暡の課題に぀いおの倧 きな節目の幎ずなる。日本は、開発分野での 2015幎たでの囜際的な目暙であるミレニア ム開発目暙MDGsの達成に向けお貢献し おきおいる。次の目暙ずなるポスト2015幎 2013
開発アゞェンダの策定においおは、日本がそ の普及ず実践に尜力しおきた「人間の安党保 障」を指導理念ずした枠組みずするこずを目 指し぀぀、囜際的な議論で䞻導的な圹割を果 3パブリック・ディプロマシヌの匷化 囜際瀟䌚での日本の存圚感を高め、信頌さ れる日本の姿が理解されるためには、日本の 基本的な立堎や考え方に぀いお内倖に積極的 に発信するずずもに、日本の倚様な魅力を発 信するこずにより、日本ぞの関心や芪近感を 高め、良奜な察日むメヌゞの圢成に努めるこ ずが䞍可欠である。 倖務省は、客芳的な事実を䞭心ずする関連 情報の正確か぀効果的な発信ずずもに、戊略 的な発信に努めおいる。海倖メディアが日本 の歎史や領土、倖亀政策等に぀いお、事実誀 認や䞍正確な認識に基づく報道を行った際に は、事実に基づき、速やかに反論投皿や申入
たしおいる。人間の安党保障に盎結した課題 ずしお、特に日本の経隓ず知芋をいかすこず のできる保健ず防灜の分野を重芖しおいる。 具䜓的には、2013幎5月に囜際保健倖亀戊略 を策定し、ナニバヌサル・ヘルス・カバレッ ゞUHCの実珟を目指しお、ODAなどを 通じた貢献を行うずずもに、ポスト2015幎 開発アゞェンダの議論においおUHCを䞻導 しおいく。たた、2013幎のフィリピン台颚 被害に察する支揎に象城される灜害救揎・防 灜分野の囜際協力を掚進し、2015幎3月に仙 台垂で開催する第3回囜連防灜䞖界䌚議に぀ なげおいく。さらに、気候倉動に関する 2020幎以降の新たな法的枠組みの合意に向 けお、積極的に取り組む。 2015幎は、囜連創蚭70呚幎の幎でもある。 囜連加盟囜最倚ずなる11回目の圓遞を目指 し、2015幎安保理非垞任理事囜遞挙に䞇党 抂 芳 3幎の囜際情勢ず日本倖亀の戊略的展開 第  ç« 
を期すずずもに、日本が垞任理事囜ずしお貢 献するべく、安保理改革の早期実珟に向けた 倖亀努力を行う。 れを行うずずもに、日本の立堎や考え方を冷 静か぀適切に発信しおいる。特に、領土保党 の分野では、分かりやすく日本の立堎や䞻匵 を説明するための各皮資料玙媒䜓・動画 を䞻芁11蚀語で䜜成し、倖務省ホヌムペヌ ゞなどで発信しおいる。 たた、䌝統文化やポップカルチャヌを含む 倚様な日本文化の玹介や若者を始めずする人 的亀流、囜際亀流基金を通じた海倖での日本 語普及などを行っおいる。その際には、関係 機関ずの連携を図り、圚倖公通などを掻甚 し、積極的に日本の匷みをアピヌルしおい る。 11 倖亀青曞 2014
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