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115D06
幼児期に発症し思春期までに多くが自然寛解するのはどれか。
[ "a. 片頭痛", "b. 過換気症候群", "c. 起立性調節障害", "d. 神経性食思不振症", "e. アセトン血性嘔吐症" ]
[ "e" ]
e. アセトン血性嘔吐症
115D07
急性膿胸の原因にならないのはどれか。
[ "a. 肺炎", "b. 胸部外傷", "c. 食道穿孔", "d. 肺線維症", "e. 降下性壊死性縦隔炎" ]
[ "d" ]
d. 肺線維症
115D08
レジオネラ肺炎について誤っているのはどれか。
[ "a. 集団感染がみられる 。", "b. 中枢神経系症状を呈する。", "c. 低ナトリウム血症を生じる。", "d. βラクタム系抗菌薬が有効である。", "e. 迅速診断に尿中抗原検出キットが有用である。" ]
[ "d" ]
d. βラクタム系抗菌薬が有効である。
115D09
合併症として完全房室ブロックを最も生じやすいのはどれか。
[ "a. 強皮症", "b. Sjögren症候群", "c. 甲状腺機能低下症", "d. 心サルコイドーシス", "e. 全身性エリテマトーデス〈SLE〉" ]
[ "d" ]
d. 心サルコイドーシス
115D10
経尿道的手術が第一選択となるのはどれか。2つ選べ。
[ "a. 尿管癌", "b. 腎細胞癌", "c. 前立腺癌", "d. 膀胱結石", "e. 前立腺肥大症" ]
[ "d", "e" ]
d. 膀胱結石e. 前立腺肥大症
115D11
大球性貧血をきたすのはどれか。2つ選べ。
[ "a. 慢性腎不全", "b. 牌臓摘出術後", "c. 骨髄異形成症候群", "d. 長期アルコール多飲", "e. ヒトパルボウイルスB19感染" ]
[ "c", "d" ]
c. 骨髄異形成症候群d. 長期アルコール多飲
115D12
中枢神経原発悪性リンパ腫について正しいのはどれか。2つ選べ。
[ "a. 若年女性に好発する。", "b. 初発症状にぶどう膜炎がある。", "c. 大部分はB細胞リンパ腫である。", "d. 診断時に約半数で全身転移を認める。", "e. 副腎皮質ステロイドは根治的な治療薬である。" ]
[ "b", "c" ]
b. 初発症状にぶどう膜炎がある。c. 大部分はB細胞リンパ腫である。
115D13
慢性咳嗽をきたすのはどれか。2つ選べ。
[ "a. 後鼻漏", "b. 食道憩室", "c. 逆流性食道炎", "d. 食道カンジダ症", "e. 機能性ディスペプシア" ]
[ "a", "c" ]
a. 後鼻漏c. 逆流性食道炎
115D14
乳び胸の原因となるのはどれか。2つ選べ。
[ "a. 心不全", "b. 食道癌手術", "c. 細菌性胸膜炎", "d. 月経随伴性気胸", "e. 肺リンパ脈管筋腫症〈LAM〉" ]
[ "b", "e" ]
b. 食道癌手術e. 肺リンパ脈管筋腫症〈LAM〉
115D15
全生活史健忘患者が保持している記憶はどれか。 2つ選べ。
[ "a. 自分の名前", "b. 自分の年齢", "c. 家族との旅行", "d. 切符の買い方", "e. 日本で一番高い山の名前" ]
[ "d", "e" ]
d. 切符の買い方e. 日本で一番高い山の名前
115D16
28歳の女性(1妊0産)。妊娠36週2日、けいれん発作のため救急搬送された。これまでの妊娠経過に異常は認めなかったが、 2日前の妊婦健康診査の際に血圧 142/84 mmHgと高血圧を初めて指摘された。その他の異常を認めなかったため、4日後の来院を指示されていた。家族によると、今朝、突然意識を失った後に全身のけいれんが起こったという 。 搬入時の意識レベルは JCS Ⅰ-2。けいれんは治まっていた。体温 37.2 ℃。心拍数 82/分。血圧 164/96 mmHg。呼吸数 20/分。 SpO₂ 96%(マスク 5L/分酸素投与下) 。頭部MRIの T2強調像及び拡散強調像とを別に示す。 この患者の脳にみられる病態はどれか。
[ "a. 梗塞", "b. 出血", "c. 腫瘍", "d. 脱髄", "e. 浮腫" ]
[ "e" ]
e. 浮腫
115D17
76歳の男性。血痰と腰痛を主訴に来院した。1か月前から腰痛が出現し次第に増強し、3日前から喀痰に血液が混じるため受診した。喫煙は74歳まで20本/日を54年間。 意識は清明。身長 165 cm、体重 56 kg。体温 36.2 ℃。脈拍 76/分、整。血圧 140/76 mmHg。呼吸数 16/分。SpO₂ 97%(room air)。食欲は良好。血液所見:赤血球 420万、Hb 12.8g/dL、Ht 40%、白血球8,600、血小板42万。 血液生化学所見:総蛋白 6.2 g/dL、アルブミン 3.6 g/dL、総ビリルビン 0.7 mg/dL、AST 25 U/L、ALT 19 U/L、LD 343 U/L(基準 120~245)、尿素窒素 20 mg/dL、クレアチニン 0.7 mg/dL。胸部単純エックス線写真で右下肺野に5cm大の腫瘤を認める。全身の造影CTと気管支鏡下生検により腰椎転移を伴う進行肺扁平上皮癌と診断され薬物による抗癌治療の開始を検討中である。 現時点で行うべき疼痛対策として適切でないのはどれか。
[ "a. NSAID経口投与", "b. 塩酸モルヒネ皮下投与", "c. 骨転移への放射線照射", "d. アセトアミノフェン経口投与", "e. ビスホスホネート製剤静脈投与" ]
[ "b" ]
b. 塩酸モルヒネ皮下投与終末期患者に対する緩和医療。鎮痛薬使用の5原則・三段階除痛ラダーの知識を問う問題。5原則経口的に(by mouth)時刻を決めて規則正しく(by the clock)除痛ラダーにそって効力の順に(by the ladder)患者ごとの個別的な量で(for the individual)その上で細かい配慮を(with attention to detail) 終末期患者に対する緩和医療。 鎮痛薬使用の5原則・三段階除痛ラダーの知識を問う問題。 5原則 経口的に(by mouth) 時刻を決めて規則正しく(by the clock) 除痛ラダーにそって効力の順に(by the ladder) 患者ごとの個別的な量で(for the individual) その上で細かい配慮を(with attention to detail)
115D18
56歳の男性。複視と上下肢脱力感を主訴に来院した。昨晩から見え方がおかしいと感じていたが、今朝起床時から明らかに物が二重に見えることを自覚した。 さらに右上下肢も動かしにくくなったため受診した。 意識は清明。神経診察では、左眼瞼は下垂し、正面視で左眼はわずかに外転位にある。瞳孔径は右 2.5 mm、左 4.0 mm。右眼の対光反射は直接、間接とも正常であるが、左眼の直接対光反射は消失。眼球運動検査で右方視時に左右に分離する複視を認めるが、左方視で複視は生じない。右上肢Barré徴候陽性である。 想定される障害部位はどれか。
[ "a. 放線冠", "b. 内包", "c. 中脳", "d. 橋", "e. 延髄" ]
[ "c" ]
c. 中脳
115D19
58歳の男性。1か月前からの右眼の視力低下を主訴に来院した。視力は右 0.1 (0.3 × -1.0 D)、左 0.7 (1.2 × -1.0 D)。眼圧は右 12 mmHg、左 11 mmHg。前眼部、中間透光体に異常を認めない。カラー眼底写真、蛍光眼底写真、黄斑部の光干渉断層計〈OCT〉像を別に示す。 この患者に対してまず行うべき治療はどれか。
[ "a. 強膜内陥術", "b. 硝子体手術", "c. 光線力学的療法", "d. 抗VEGF薬硝子体注射", "e. 副腎皮質ステロイド内服" ]
[ "d" ]
d. 抗VEGF薬硝子体注射
115D20
83歳の男性。 3か月前からの左顔面痛を主訴に来院した。痛みが強い時には夜も眠れないという。顔面の発赤、腫脹はない。他の神経症状を認めない。鼻腔と咽頭の内視鏡像及び副鼻腔 CTを別に示す。 まず行う対応として適切なのはどれか。
[ "a. FDG-PET", "b. 広域抗菌薬の点滴静注", "c. 頭蓋底手術", "d. 頭部MRA", "e. 鼻腔内生検" ]
[ "e" ]
e. 鼻腔内生検
115D21
11か月の男児。今朝、血便様の便があったため母親に連れられて来院した。それまで下痢や嘔吐はなく、ずっと機嫌はよい。食欲はあり水分摂取も良好である。昨日、初めてブドウ果汁入りジュースをたくさん飲んだとのことである 。浣腸を行い、便性を観察したところ赤紫色の軟便であった。 身長 75.1 cm、体重 9 kg。体温 37.0 ℃。脈拍 108/分、整。SpO₂ 98% (room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟。便潜血検査は陰性。腹部超音波検査で異常を認めない。 患者の家族への説明として正しいのはどれか。
[ "a. 「抗菌薬を処方します」", "b. 「生理食塩液の点滴をします」", "c. 「圧をかけた浣腸による整復が必要です」", "d. 「血液検査で貧血の有無を確認しましょう」", "e. 「ブドウ果汁入りジュースをやめて、明日の便を観察してください」" ]
[ "e" ]
e. 「ブドウ果汁入りジュースをやめて、明日の便を観察してください」ぶどうジュースにより便が着色された症例。 ぶどうジュースにより便が着色された症例。
115D22
75歳の女性。左変形性膝関節症に対して、人工膝関節全置換術を受けた。翌朝、夜勤看護師から発熱していると報告された。 意識は清明。体温 37.4 ℃。脈拍 92/分、整。血圧 96/50 mmHg。呼吸数 20/分。SpO₂ 98%(room air)。 血液所見:赤血球 360万、Hb 10.1 g/dL、Ht 34%、白血球 9,800(桿状核好中球 5%、分葉核好中球 60%、好酸球 3%、好塩基球 2%、単球 3%、リンパ球 27%)、血小板 20万。血液生化学所見:総蛋白 8.0 g/dL、アルブミン 3.4 g/dL、総ビリルビン 0.9 mg/dL、直接ビリルビン0.3mg/dL、AST 37 U/L、ALT 18 U/L、LD 208 U/L(基準 120~245)、ALP 320 U/L(基準 115~359)、γ-GT 9U/L(基準 8~50)、CK 350 U/L(基準30~140)、尿素窒素 28 mg/dL、クレアチニン 0.9 mg/dL、血糖 120 mg/dL。CRP 8.7 mg/dL。創部に異常を認めない。 今後の対応として適切でないのはどれか。
[ "a. 離床", "b. クーリング", "c. 解熱剤投与", "d. 広域抗菌薬投与", "e. リハビリテーション開始" ]
[ "d" ]
d. 広域抗菌薬投与手術の侵襲による生理的発熱と思われる。抗生剤は必要なし。 手術の侵襲による生理的発熱と思われる。抗生剤は必要なし。
115D23
13歳の女子。発熱と咳嗽を主訴に母親に連れられて来院した。4日前から発熱と咳嗽が出現し持続したため受診した。 身長 154 cm、体重 69 kg。体温 38.6 ℃。脈拍 100/分、整。血圧 116/76 mmHg。呼吸数 20/分。SpO₂ 98 % (room air)。咽頭は軽度発赤を認める。心音に異常を認めない。左側の胸部中央部にcoarse cracklesを聴取する。 血液所見:赤血球 508万、Hb 14.3 g/dL、Ht 41 %、白血球 5,300(好中球 45 %、好酸球 2 %、好塩基球 1 %、単球 10 %、リンパ球 42 %)、血小板 30万。血液生化学所見:AST 22 U/L、ALT 24 U/L、LD 238 U/L(基準 120-245)。CRP 3.6 mg/dL。新型コロナウイルス〈SARS-CoV-2〉PCR検査は陰性であった。胸部エックス線写真及び肺野条件の胸部CTを別に示す。 次の中で最も疑う感染症はどれか。
[ "a. 風疹", "b. 麻疹", "c. アスペルギルス感染症", "d. マイコプラズマ感染症", "e. サイトメガロウイルス感染症" ]
[ "d" ]
d. マイコプラズマ感染症
115D24
27歳の女性。下痢が持続することを主訴に来院した。インドに4か月間滞在し、10日前に帰国した。帰国する1週前から下痢が始まった。帰国後に受診した際にレボフロキサシンを処方された。その後 1週間服薬しているが、下痢が持続しているという。便の顕微鏡写真を別に示す。 この患者の治療で最も適切なのはどれか。
[ "a. ST合剤", "b. クリンダマイシン", "c. セファレキシン", "d. メトロニダゾール", "e. レボフロキサシン" ]
[ "d" ]
d. メトロニダゾール
115D25
38歳の男性。 8か月前に高所から転落して頸髄損傷と診断された。退院に向けたリハビリテーションを施行している。自宅はバリアフリー改修工事を行った。 現在の筋力は徒手筋カテストで両側とも上腕二頭筋5、撓側手根伸筋5、上腕三頭筋4、深指屈筋0、小指外転筋0である 。体幹筋と下肢筋の随意運動は不可能である。両上肢尺側、体幹および両下肢の感覚は脱失している。 退院後の屋内での移動手段として考慮すべきなのはどれか。
[ "a. 普通型車いす", "b. 歩行器での歩行", "c. 松葉杖での歩行", "d. 短下肢装具と杖での歩行", "e. 下顎コントロール電動車いす" ]
[ "a" ]
a. 普通型車いす
115D26
11か月の男児。出生時に外陰部の異常を指摘されていたが、転居を契機に母親に連れられて受診した。在胎36週、出生体重 2,640 g、Apgarスコア 7点(1分)、9点(5分)であった。 体重 9 kg。体温 36.5 ℃。心拍数 94 /分、整。SpO₂ 97% (room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・牌を触知しない。左精巣は陰嚢内に触れ、右精巣は陰嚢内に触知しない。陰嚢の写真を別に示す。 家族への説明として正しいのはどれか。
[ "a. 「CT検査を行います」", "b. 「学童期に手術します」", "c. 「勃起障害をきたします」", "d. 「男性不妊の原因になります」", "e. 「腹圧時に陰嚢が大きくなります」" ]
[ "d" ]
d. 「男性不妊の原因になります」
115D27
74歳の女性。胸部エックス線で異常陰影を指摘され来院した。3年前に直腸癌に対する手術を施行され、経過観察中である。昨年は異常を指摘されていない。胸部エックス線写真及び胸部造影CTを別に示す。 診断確定のために最も有用な検査はどれか。
[ "a. 胸部MRI", "b. 喀痰細胞診", "c. 腫瘍マーカー", "d. 気管支鏡検査", "e. 骨シンチグラフィ" ]
[ "d" ]
d. 気管支鏡検査
115D28
25歳の女性。異性関係や職場の人間関係のトラブルがあるたびにリストカットを繰り返すため、母親に伴われて精神科を受診した。本人はイライラ感と不眠の治療のために来院したという 。最近まで勤めていた職場は、複数の男性同僚と性的関係をもっていたことが明らかとなり、居づらくなって退職した。親しい友人や元上司に深夜に何度も電話をかけるなどの行動があり、それを注意されると、怒鳴り散らす、相手を罵倒するなどの過激な反応がみられた。相手があきれて疎遠になると、SNSで自殺をほのめかし、自ら救急車を呼ぶなどした。一方、機嫌がよいと好意を持っている相手にプレゼントしたり、親密なメールを何度も出したりするなど感情の起伏が激しい。 この患者にみられることが予想される特徴はどれか。
[ "a. 繰り返し嘘をつく 。", "b. 第六感やジンクスにこだわる。", "c. 慢性的な空虚感を抱えている。", "d. 完全癖のため物事を終了できない。", "e. 自分が注目の的になっていることを求める。" ]
[ "c" ]
c. 慢性的な空虚感を抱えている。境界性パーソナリティ障害の症例。 境界性パーソナリティ障害の症例。
115D29
4か月の男児。健康診査で体重増加不良と定頸の遅れを指摘され両親とともに来院した。母親は35歳で2妊2産で本児出産の5年前に胃癌のため胃全摘術を受け貧血治療薬を服用していた。 3年前の第 1子妊娠を契機に服薬は自己中断した。今回の妊娠では妊娠前から妊娠 2か月まで、脊髄髄膜瘤予防のため栄蓑補助食品を摂取した。児は在胎39週6日、2,580 gで出生した。完全母乳栄養で育てられていた。 身長 62.0 cm(-0.9 SD)、体重 5,365 g(-2.0 SD)。心拍数 100/分、整。呼吸数 20 /分。眼瞼結膜は貧血様である。眼球結膜に異常は認めない。皮膚は蒼白だった。Moro反射は認めない。筋緊張は正常。 血液所見:赤血球 230万、Hb 8.2 g/dL、Ht 23 %、白血球 8,000、血小板 32万。 治療として正しいのはどれか。
[ "a. 鉄剤投与", "b. 葉酸投与", "c. ビタミン B₁₂投与", "d. 赤血球濃厚液輸血", "e. エリスロポエチン製剤投与" ]
[ "c" ]
c. ビタミン B₁₂投与
115D30
32歳の女性。流産を繰り返すことを主訴に来院した。これまでに3回妊娠したが、いずれも胎児心拍確認後、妊娠12週、21週、17週で心拍が消失し流産した。3年前に左下肢血栓症で治療を受けた。 子宮と卵巣とに異常を認めない。甲状腺ホルモンと下垂体ホルモンとに異常を認めない。月経周期は28日、基礎体温は2相性、高温相は14日間である。血液検査では、APTT 52.0 秒(基準対照 32.2)、抗リン脂質抗体陽性。夫婦の末梢血染色体は正常核型。 次回妊娠中に投与する薬として適切なのはどれか。
[ "a. ヘパリン", "b. ビタミンD", "c. ビタミンK", "d. エストロゲン", "e. 黄体ホルモン" ]
[ "a" ]
a. ヘパリン抗リン脂質抗体症候群の症例。 抗リン脂質抗体症候群の症例。
115D31
19歳の男性。日中の耐えがたい眠気を主訴に来院した。約3年前から日中に突然の眠気に襲われ眠り込んでしまうことがあったが、アルバイトや授業で疲れているためと思っていた。先日、大学の講義中に教員に指名され質問に答えている最中に突然の眠気に襲われ、眠り込んでしまうことがあったため、心配した教員に勧められて受診した。突然の眠気以外にも、友人との会話で爆笑した時や驚いた時に急に脱力が生じて倒れこんでしまうことがあった。また、入眠時に人の気配を感じたり、金縛りにあって体の自由が利かなくなったりしたこともあったという。 神経診察で異常はなく、頭部MRIでも異常はみられなかった。特記すべき既往はない。 診断に有用な検査はどれか。
[ "a. 針筋電図", "b. 聴性脳幹反応", "c. Holter心電図", "d. ポリソムノグラフィ", "e. ドパミントランスポーターSPECT" ]
[ "d" ]
d. ポリソムノグラフィ
115D32
78歳の男性。全身倦怠感を主訴に来院した。約1か月前から全身倦怠感があり増悪するため受診した。 意識は清明。脈拍 88/分、整。血圧 130/84 mmHg。眼瞼結膜は貧血様であるが眼球結膜に黄染を認めない。胸骨右縁第2肋間を最強点とする収縮期駆出性雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。 血液所見:赤血球 185万、Hb 6.5 g/dL、Ht 21%、白血球 2,600(骨髄芽球 0%、桿状核好中球 3%、分葉核好中球 50%、好酸球 1%、好塩基球 1%、単球 2%、リンパ球 43%)、血小板 9.2万。血液生化学所見:総蛋白6.7g/dL、アルブミン 3.4 g/dL、総ビリルビン 0.7 mg/dL、AST 21 U/L、ALT 11 U/L、LD 240 U/L(基準 120〜245) 、尿素窒素 17 mg/dL、クレアチニン 0.8 mg/dL、尿酸 5.2 mg/dL、血清鉄 120 μg/dL(基準 80〜170)、TIBC 280 μg/dL(基準 290〜390)、フェリチン 120 ng/mL (基準 20〜120) 、エリスロポエチン 180 mIU/mL(基準 4.2〜23.7)。骨髄は正形成で骨髄塗抹標本では3系統の造血細胞に異形成を高頻度に認めた。骨髄細胞の染色体は正常核型であった。 この患者への対応で適切なのはどれか。
[ "a. 赤血球輸血", "b. 鉄キレート剤の投与", "c. 同種造血幹細胞移植", "d. 副腎皮質ステロイドの投与", "e. トロンボポエチン受容体作動薬の投与" ]
[ "a" ]
a. 赤血球輸血
115D33
58歳の女性。母指と前腕の皮疹を主訴に来院した。2か月前から右母指に紅色結節が出現し、2週前から手背と前腕にも同様の結節が多発してきたため受診した。水族館で飼育員として勤務している。 受診時、同部位に径15mmまでの発赤を伴う結節が多発し、表面は一部びらん、痂皮を伴う。局所熱感と圧痛とを認めない。皮膚生検で類上皮細胞肉芽腫と非特異的炎症像が混在する。胞子状菌要素を認めない。生検組織片の真菌培養は陰性、小川培地で7週後に白色コロニーを形成した。手と前腕の写真を別に示す。 考えられる疾患はどれか。
[ "a. 丹毒", "b. 化膿性粉瘤", "c. 非結核性抗酸菌症", "d. 蜂巣炎〈蜂窩織炎〉", "e. スポロトリコーシス" ]
[ "c" ]
c. 非結核性抗酸菌症
115D34
65歳の女性。便秘を主訴に来院した。半年前から排便回数は2回/週程度であり、便の性状は兎糞様である。排便後、肛門を拭いたトイレッ トペーパーに赤い血液が付着することがある。腹部診察の後、直腸・肛門の診察を行うこととした。 診断のために確認する優先度が最も低いのはどれか。
[ "a. 痔核の有無", "b. 裂肛の有無", "c. 直腸内の腫瘍の有無", "d. 指への血液付着の有無", "e. 指に付着した便の培養結果" ]
[ "e" ]
e. 指に付着した便の培養結果
115D35
52歳の男性。心電図異常の精査目的で来院した。2週前、初めて受けた健康診断で心電図異常を指摘されたため受診した。毎日、血圧を自己測定しており、収縮期血圧は150〜170 mmHg程度で推移している。減塩や体重コントロールなどを自己判断で行っている。母親は22年前に死亡(詳細不明)。父親と妹には健康上の問題はない。喫煙は25本/日を20年間。 意識は清明。身長 179 cm、体重 82 kg。体温 36.0 ℃。脈拍 72/分、整。血圧 152/90 mmHg。呼吸数 14/分。SpO₂ 98 % (room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。 12誘導心電図では、健康診断と同様の異常所見を認めた。心エコー検査を行ったところ、生理検査室から左心室壁厚が20mmと肥厚を認めるとの連絡が入った。 この時点で鑑別すべき疾患に含まれないのはどれか。
[ "a. Fabry病", "b. 肥大型心筋症", "c. たこつぼ心筋症", "d. 心アミロイドーシス", "e. 高血圧症に伴う心肥大" ]
[ "c" ]
c. たこつぼ心筋症
115D36
17歳の女子。無月経を主訴に来院した。これまでに一度も月経がなかったが、2歳上の姉も月経がないので心配していなかった。 身長 168 cm、体重 55 kg。体温 36.5 ℃。脈拍 72/分、整。血圧 124/76 mmHg。呼吸数 20/分。乳房は発達している。腋毛はない。外性器は女性型で、陰毛を認めない。内診では腟は4cmの盲端で子宮腟部は認めない。右側鼠径部に径2cmの可動性のある腫瘤を触知する。 この患者にあてはまるのはどれか。
[ "a. 子宮はない。", "b. 性腺は卵巣である。", "c. 染色体trisomyがある。", "d. 基礎体温は二相性を示す。", "e. 男性ホルモンが欠損している。" ]
[ "a" ]
a. 子宮はない。
115D37
76歳の女性。背部痛とふらつきを主訴に来院した。3か月前に自宅で転倒した後に背部痛があったという。自宅近くの診療所で腰椎圧迫骨折と診断され、コルセットと鎮痛薬の処方を受けた。その後疼痛は軽減していたが、2週前に背部痛が再発し、1週前から歩行時にふらつくようになった。5年前に乳癌の手術を受けてる。 身長 148 cm、体重 50 kg。歩容は杖使用で不安定、円背があり、胸腰椎部に圧痛と叩打痛を認める。上肢の神経診察で異常を認めない。感覚障害を認めない。徒手筋カテストで右腸腰筋3、右大腿四頭筋3、右前腔骨筋3の筋力低下を認めた。胸腰椎エックス線写真を別に示す。 まず行うべき検査はどれか。
[ "a. 骨塩定量", "b. FDG-PET", "c. 下肢筋電図", "d. 胸腰椎MRI", "e. 骨シンチグラフィ" ]
[ "d" ]
d. 胸腰椎MRI
115D38
64歳の男性。両側顎下部の腫脹を主訴に来院した。1年前から家人に両まぶたが腫れていると指摘されるようになった。2週前から両側顎下部に痛みを伴わない腫脹が出現し、腫れが持続するため受診した。 体温 36.5 ℃。脈拍 64/分、整。血圧 110/76 mmHg。両側顎下部に径2cmの腫瘤を触知し、圧迫により唾液流出を認める。圧痛はない。咽頭、喉頭に腫瘤性病変を認めない。 血液所見:赤血球 445万、Hb 14.6 g/dL、Ht 44%、白血球 5,500、血小板 27万。血液生化学所見:総蛋白 7.8 g/dL、アル ブミン 4.5 g/dL、IgG 1.714 mg/dL(基準 960〜1,960)、IgA 274 mg/dL(基準 110~410)、IgM 55 mg/dL(基準 65~350)、IgG4 515 mg/dL(基準4.8〜105)、総ビリルビン 2.1 mg/dL、AST 26 U/L、ALT 35 U/L、γ-GT 118 U/L(基準 8〜50)、アミラーゼ 170 U/L(基準37〜160)、尿素窒素 18 mg/dL、クレアチニン 1.0 mg/dL、血糖 124 mg/dL、HbA1c 6.3%(基準 4.6〜6.2)。免疫血清学所見: 抗核抗体陰性、リウマトイド因子〈RF〉陰性、CH₅₀ 20 U/mL(基準 30〜40)、C3 38 mg/dL(基準 52〜112)、C4 8 mg/dL(基準 16〜51)。頸部造影CTを別に示す。右顎下腺生検病理組織では、著明なリンパ球、形質細胞の浸潤と線維化を認めた。免疫染色ではIgG4/IgG陽性細胞比50%、IgG4陽性形質細胞50/HPFであった。 ~ ~ この患者で認める可能性が低い所見はどれか。
[ "a. 両側涙腺腫大", "b. 膵びまん性腫大", "c. 総胆管の壁肥厚", "d. 多発性骨融解像", "e. びまん性腎腫大" ]
[ "d" ]
d. 多発性骨融解像
115D39
74歳の男性。歩行障害、見当識障害および尿失禁を主訴に来院した。約3か月前から開脚で小刻みな歩行をする、ようになった。 2週前より動作が緩慢となり、日付を間違えるようになった。1週前から尿失禁をするようになったため受診した。 意識はJCSⅠ-2。体温 36.5 ℃。脈拍 86/分、整。血圧 142/88 mmHg。呼吸数 14/分。SpO₂ 97% (room air)。Mini-MentalState Examination〈MMSE〉23点(30点満点) 。頭部MRIのFLAIR水平断像及びT1強調冠状断像を別に示す。 確定診断と治療方針の決定に有用なのはどれか。
[ "a. 脳波", "b. 脳血管撮影", "c. 浸透圧利尿薬の負荷", "d. MIBG心筋シンチグラフィ", "e. 脳脊髄液排出試験〈Taptest〉" ]
[ "e" ]
e. 脳脊髄液排出試験〈Taptest〉
115D40
60歳の男性。健康診断で赤血球増多を指摘され来院した。喫煙歴は20本/日を40年間。 身長 172 cm、体重 65 kg。眼瞼結膜は充血、眼球結膜に黄染を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。 血液所見:赤血球 620万、Hb 19 g/dL、Ht 55%、白血球 8,800(桿状核好中球 4%、分葉核好中球 58%、好酸球 2%、単球 6%、リンパ球 30%)、血小板 57万。血液生化学所見:総蛋白 6.7 g/dL、アルブミン 3.8 g/dL、総ビリルビン 0.8 mg/dL、AST 20 U/L、ALT 18 U/L、LD 220 U/L(基準 120〜245)、尿素窒素 16 mg/dL、クレアチニン 0.7 mg/dL、尿酸 4.2 mg/dL、エリスロポエチン 4.0 mIU/mL(基準 4.2〜23.7)。 この患者で予想される検査所見はどれか。
[ "a. PaO₂低下", "b. 血清鉄増加", "c. 骨髄赤芽球低形成", "d. 網血小板比率低下", "e. JAK2遺伝子変異陽性" ]
[ "e" ]
e. JAK2遺伝子変異陽性
115D41
44歳の女性。咳嗽と血痰を主訴に来院した。2か月前から左頬部痛、両耳痛、難聴および鼻出血が出現するようになった。その後、難聴は悪化し、4日前から咳嗽および血痰が出現したため受診した。 意識は清明。体温 37.7 ℃。 脈拍 84/分、整。血圧 132/68 mmHg。呼吸数 18/分。SpO₂ 95%(room air)。左眼瞼下垂と左眼球突出を認める。左眼球結膜には充血と浮腫を認める。瞳孔の大きさや対光反射に異常を認めない。眼球運動は保たれているが左方視で複視を認める。両側鼓膜に発赤と腫脹を認める。鼻根部は軽度陥凹し、同部に圧痛を認める。鼻中隔穿孔を認める。心音に異常を認めない。右胸部背側下部の呼吸音の減弱を認める。腹部は平坦、軟で、肝・牌を触知しない。表在リンパ節を触知しない。 尿所見:蛋白1+、潜血2+、沈査に赤血球 20~29/HPF、赤血球円柱を認める。血液所見:赤血球 468万、Hb 13.9 g/dL、Ht 42%、白血球 10,100(桿状核好中球 30%、分葉核好中球 45%、好酸球 1%、好塩基球 1%、単球 6%、リンパ球 17%)、血小板 41万。血液生化学所見:総蛋白 6.7 g/dL、アルブミン 2.8 g/dL、AST 11 U/L、ALT 7 U/L、LD 173 U/L(基準 120~245)、ALP 217 U/L(基準115~359)、γ-GT 14 U/L(基準 8~50)、CK 42 U/L(基準 30~140)、尿素窒素 18 mg/dL、クレアチニン 0.7 mg/dL、Na 137 mEq/L、K 3.6 mEq/L、Cl 97 mEq/L。CRP 21 mg/dL。眼窩・副鼻腔単純CTの冠状断像及び胸部単純CTを別に示す。 ~ ~ ~ ~ 最も考えられるのはどれか。
[ "a. 肺癌", "b. 悪性リンパ腫", "c. サルコイドーシス", "d. 播種性真菌感染症", "e. 多発性血管炎性肉芽腫症<Wegener肉芽腫症>" ]
[ "e" ]
e. 多発性血管炎性肉芽腫症
115D42
40歳の初妊婦(1妊0産)。妊娠36週の妊婦健康診査で血圧の上昇が認められたため、緊急入院となった。妊娠32週までは特に異常を指摘されていなかったが、妊娠34週の妊婦健康診査で軽度の血圧上昇を指摘されていた。既往歴に特記すべきことはない。 体温 36.9 ℃。脈拍 80/分、整。血圧 160/100 mmHg。腹部は軟で、子宮に圧痛を認めない。両下肢に浮腫を認める。 尿所見:尿蛋白は2+。随時尿の尿蛋白/Cr比は 1.0 g/g Cr(基準 0.15未満)。血液所見:Hb 11.0 g/dL、血小板 23万。血液生化学所見:AST 15 U/L、ALT 10 U/L、LD 180 U/L(基準 120~245)。胎児心拍数陣痛図で、胎児はreassuringで子宮収縮は認めない。 ~ 診断はどれか。
[ "a. 妊娠高血圧", "b. HELLP症候群", "c. 高血圧合併妊娠", "d. 妊娠高血圧腎症", "e. 加重型妊娠高血圧腎症" ]
[ "d" ]
d. 妊娠高血圧腎症
115D43
78歳の男性。下部食道癌のため胸部食道全摘術を受けた。術後3日目から中心静脈栄養による高カロリー輸液が開始された。術後7日目の上部消化管造影で縫合不全を認めず、飲水を開始した。術後8日目に眼球結膜に黄染を認めた。 体温36.5℃。腹部は平坦、軟で、肝・牌を触知しない。圧痛を認めない。 血液所見:赤血球 338万、Hb 12.3 mg/dL、Ht 37%、白血球7,600、血小板16万。血液生化学所見:総蛋白 6.0 g/dL、アルブミン 2.8 g/dL、総ビリルビン 3.2 mg/dL、直接ビリルビン 2.7 mg/dL、AST 112 U/L、ALT 98 U/L、LD 324 U/L(基準 120~245)、ALP 407 U/L(基準 115~359)、γ-GT92 U/L(基準 8~50)、血糖 138 mg/dL。腹部超音波検査で肝内に腫瘤性病変はなく、胆襄は軽度腫大しているが胆管の拡張を認めない。 ~ ~ この患者の黄疸の原因として最も考えられるのはどれか。
[ "a. 溶血", "b. 急性胆嚢炎", "c. 閉塞性黄疸", "d. 転移性肝腫瘍", "e. 肝内胆汁うっ滞" ]
[ "e" ]
e. 肝内胆汁うっ滞
115D44
3歳の男児。発疹と咽頭痛を主訴に母親に連れられて来院した。今朝から四肢に発疹があり、午後から発熱が出現し咳が痛いと訴えている。 体温 37.6 ℃。全身状態は良好である。咽頭と扁桃に発赤を認め、扁桃は腫脹している。眼球結膜に充血を認めない。頚部リンパ節の腫脹はなく、心音と呼吸音とに異常を認めない。発疹を別に示す。 母親への説明として適切でないものはどれか。
[ "a. 「迅速検査を行います」", "b. 「腎炎の合併に注意が必要です」", "c. 「ペニシリン系抗菌薬を処方します」", "d. 「全例届出が必要なので保健所へ届け出ます」", "e. 「解熱して元気が回復すれば登園して構いません」" ]
[ "d" ]
d. 「全例届出が必要なので保健所へ届け出ます」
115D45
22歳の男性。咽頭痛と微熱を主訴に来院した。10日前から咽頭痛と37℃台の発熱があった。 体温 38.3 ℃。扁桃腫大は認めない。両頸部に径0.5 cmのリンパ節を2個ずつ触知するが疼痛や圧痛はない。肝臓および脾臓を肋骨弓下にそれぞれ1cm触知する。 血液所見:白血球 3,600(桿状核好中球 3%、分葉核好中球 16%、単球 13%、リンパ球 59%、異型リンパ球 9%)。血液生化学所見:AST 325 U/L、ALT 286 U/L。CRP 6.7 mg/dL。 適切な治療薬はどれか。
[ "a. アシクロビル", "b. アセトアミノフェン", "c. アンピシリン", "d. オセルタミビル", "e. プレドニゾロン" ]
[ "b" ]
b. アセトアミノフェン伝染性単核球症の症例Cのアンピシリンは皮疹の副作用のため禁忌です。 伝染性単核球症の症例 Cのアンピシリンは皮疹の副作用のため禁忌です。
115D46
48歳の女性。息切れを主訴に来院した。半年前から長い距離を歩くと息切れを自覚するようになり、症状は徐々に増悪した。最近になり2階まで階段を上るのも息苦しくなってきたため受診した。喫煙歴はない。 脈拍 88/分、整。血圧 134/68 mmHg。呼吸数 20/分。SpO₂ 93% (room air)。仰臥位で頸静脈怒張を認める。心音ではⅡ音が亢進している。呼吸音に異常を認めない。両下腿に浮腫を認める。 血液所見:赤血球 390万、Hb 12.0 g/dL、Ht 34%、白血球 6,600、血小板 9万。血液生化学所見:総蛋白 6.2 g/dL、アルブミン 3.3 g/dL、ALT 26 U/L、クレアチニン 0.6 mg/dL。CRP 0.1 mg/dL。胸部エックス線写真及び心電図を示す。 この患者の息切れの原因として、最も考えられるのはどれか。
[ "a. 肺高血圧症", "b. 不安定狭心症", "c. 感染性心内膜炎", "d. 心タンポナーデ", "e. 大動脈弁狭窄症" ]
[ "a" ]
a. 肺高血圧症肺高血圧症 - MSDマニュアル 肺高血圧症 - MSDマニュアル
115D47
6か月の女児。BCG接種部位が赤く腫れてきたため母親に連れられて来院した。BCG接種後28日目に接種部位が赤く腫れてきたことに気付き受診した。接種部位の写真を別に示す。BCG接種後、同部位の腫脹はなく、接種後21日目頃より徐々に腫脹してきた。これまで成長や発達に異常を指摘されたことはないという。 対応として正しいのはどれか。
[ "a. 心配ないと説明する。", "b. 抗結核薬の投与を行う。", "c. ツベルクリン反応を行う。", "d. 腫脹部位の抗酸菌塗抹・培養検査を行う。", "e. 結核菌特異的全血インターフェロンγ遊離測定法〈IGRA〉を行う。" ]
[ "a" ]
a. 心配ないと説明する。
115D48
54歳の男性。脳梗塞後の右片麻痺のため回復期リハビリテーション病棟に入院中である。発症して1か月経過し、痛みの訴えはない。 意識は清明。身長 168 cm、体重 60 kg。言語理解は良好であるがと言語表出は単語レベルである。構音障害は認めない。徒手筋カテストで右上肢筋力は4で、手指も1本ずつ順番に指折りと伸展が可能である。徒手筋カテストで右腸腰筋4、右大腿四頭筋4、右前脛骨筋4である。座血・立位は安定している。右半身の表在覚、位置覚ともに正常である。 この患者に必要なのはどれか。
[ "a. 三角巾使用による右上肢固定", "b. 長下肢装具使用での歩行訓練", "c. 日常生活における右手使用の指導", "d. 環境制御装置を用いたナースコール", "e. 文字盤使用によるコミュニケーション" ]
[ "c" ]
c. 日常生活における右手使用の指導
115D49
26歳の男性。下痢と粘血便を主訴に来院した。3か月前から下痢を自覚していた。2週前から1日4~5回の粘血便が出現したため受診した。海外渡航歴はない。 意識は清明。身長 169 cm、体重 52 kg。体温 37.1 ℃。脈拍 76/分、整。血圧 108/64 mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・牌を触知しない。 血液所見:赤血球348万、Hb 12.5 g/dL、Ht 36%、白血球 7,400、血小板 18万。血液生化学所見: 総蛋白 6.8 g/dL、アルブミン 3.8 g/dL、総ビリルビン 0.9 mg/dL、AST 25 U/L、ALT 20 U/L、LD 249 U/L(基準 120~245)、ALP 280 U/L(基準 115~359)、γ-GT 37 U/L(基準 8~50)、アミラーゼ 79 U/L(基準 37~160)、尿素窒素 15 mg/dL、クレアチニン 0.7 mg/dL、血糖 97 mg/dL、総コレステロール 179 mg/dL、トリグリセリド 120 mg/dL、Na 140 mEq/L、K 4.1 mEq/L、Cl 103 mEq/L。CRP 1.9 mg/dL。 ~ ~ ~ 直腸の内視鏡像を別に示す。結腸には異常を認めない。 診断はどれか。
[ "a. 直腸癌", "b. Crohn病", "c. 虚血性腸炎", "d. 潰瘍性大腸炎", "e. 過敏性腸症候群" ]
[ "d" ]
d. 潰瘍性大腸炎
115D50
78歳の女性。発熱、悪寒および上腹部痛を主訴に来院した。本日夕食後に右上腹部痛と悪寒を自覚し受診した。 身長 155 cm、体重 45 kg。体温 38.4 ℃。脈拍 104/分、整。血圧 110/58 mmHg。呼吸数 18/分。Sp0₂ 96% (room air)。眼球結膜に黄染を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。右季肋部に圧痛を伴う腫瘤を触知する。 尿所見:潜血(-)、沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球 335万、Hb 10.2 g/dL、Ht 33%、白血球 12,800、血小板 12万。血液生化学所見:総蛋白 6.2 g/dL、アルブミン 2.9 g/dL、総ビリルビン 4.6 mg/dL、直接ビリルビン 3.8 mg/dL、AST 346 U/L、ALT 434 U/L、LD 568 U/L(基準 120~245)、ALP 557 U/L(基準 115~359)、γ-GT 238 U/L(基準 8~50)、アミラーゼ 278 U/L(基準 37~160)、尿素窒素 18 mg/dL、クレアチニン 1.0 mg/dL、血糖 146 mg/dL、Na 135 mEq/L、K 3.6 mEq/L、Cl 98 mEq/L。CRP 12 mg/dL。 ~ ~ ~ ~ 次に行う検査はどれか。
[ "a. 腹部単純CT", "b. 腹部超音波検査", "c. 超音波内視鏡検査", "d. 腹腔動脈造影検査", "e. 磁気共鳴胆管膵管撮影〈MRCP〉" ]
[ "b" ]
b. 腹部超音波検査
115D51
84歳の男性。腎機能低下を主訴に来院した。10年前から腎機能低下を指摘されて自宅近くの診療所を定期受診していた。1か月前の定期受診で腎機能がさらに低下していたため、腎代替療法の準備を勧められて受診した。55歳から高血圧症に対して内服治療を受けている。65歳時に腎癌のため左腎を摘出し、再発なく経過している。会社員を定年退職後、高齢者向けのパソコン教室の講師を勤めている。82歳の妻との2人暮らしである。 身長 165 cm、体重 60 kg。脈拍 68/分、整。血圧 120/66 mmHg。腹部は平坦、軟で、左腰背部に手術痕がある。両下肢に軽度の浮腫を認める。 尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、沈酒に異常を認めない。血液所見:赤血球 330万、Hb 9.8 g/dL、Ht 30%、白血球 6,300、血小板 21万。血液生化学所見:総蛋白 6.8 g/dL、アルブミン 3 .7 g/dL、尿素窒素 58 mg/dL、クレアチニン 3.2 mg/dL、eGFR 15 mL/分/1.73m²、Na 140 mEq/L、K 4.5 mEq/L、Cl 103 mEq/L。 腎代替療法の選択にあたりこの患者への適切な説明はどれか。
[ "a. 腹膜透析は可能である。", "b. 夫婦間腎移植は可能である。", "c. 療法開始後の就業はできない。", "d. 療法開始後の旅行はできない。", "e. 療法選択前に認知機能評価が必要である。" ]
[ "a" ]
a. 腹膜透析は可能である。
115D52
72歳の男性。腹痛と発熱を主訴に来院した。1か月前から食思不振と倦怠感を自覚し、3日前から腹痛と発熱が出現したため受診した。 意識は清明。体温 37.7 ℃。脈拍 76/分、整。血圧 126/78 mmHg。眼球結膜に黄染を認める。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない。心窩部に軽度の圧痛を認める。 血液所見:赤血球 408万、Hb 13.2 g/dL、Ht 41%、白血球 12,300、血小板 22万。血液生化学所見:総蛋白 7.1 g/dL、アルブミン 3.8 g/dL、総ビリルビン 6.0 mg/dL、直接ビリルビン 4.7 mg/dL、AST 247 U/L、ALT 354 U/L、LD 587 U/L(基準 120~245)、ALP 793 U/L (基準 115~359)、γ-GT 452 U/L (基準 8~50)、アミラーゼ 158 U/L (基準 37~160)、尿素窒素 33 mg/dL、クレアチニン 1.3 mg/dL、血糖 118 mg/dL、Na 139 mEq/L、K 4.2 mEq/L、Cl 102 mEq/L。CRP 4.9 mg/dL。腹部超音波検査で肝内胆管と膵管の拡張を認める。上部消化管内視鏡像及びMRCPを別に示す。 ~ ~ ~ まず行うべきなのはどれか。
[ "a. 胃空腸吻合術", "b. 膵頭十二指腸切除術", "c. 腹腔鏡下胆嚢摘出術", "d. 体外衝撃波結石破砕術", "e. 内視鏡的胆道ドレナージ" ]
[ "e" ]
e. 内視鏡的胆道ドレナージ
115D53
50歳の男性。胸やけを主訴に来院した。1年前から揚げ物を食べた後に胸やけを自覚し、2か月前から毎日不快な胸やけがあるため受診した。既往歴と家族歴に特記すべきことはない。喫煙は40本/日を30年間、飲酒は日本酒3合/日 を30年間。 身長 165 cm、体重 85 kg。上部消化管内視鏡像を別に示す。 この患者にあてはまるのはどれが。
[ "a. 下部食道に憩室がある。", "b. 酸分泌抑制薬の適応となる。", "c. バルーン拡張術が必要である。", "d. 足を上げて寝ることが勧められる。", "e. 診断に食道pHモニタリングが必須である。" ]
[ "b" ]
b. 酸分泌抑制薬の適応となる。
115D54
63歳の男性。発熱と下肢の皮疹を主訴に来院した。10年前に自宅近くの医療機関で関節リウマチと診断され、抗リウマチ薬による治療を受けていた。 1年前から多発関節痛が増悪し、抗リウマチ薬の増量や追加をされたが改善しなかった。1週前から37℃台の発熱を認め、市販の解熱鎮痛薬を内服していたが改善しなかった。2日前から38℃台の発熱となり、下肢の皮疹に気付いたため受診した。 体温 38.3 ℃。脈拍 96/分、整。血圧 142/86 mmHg。呼吸数 18/分。眼球結膜の充血を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。両側下腿に一部潰瘍を伴う紫斑を認める。 尿所見:蛋白(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 392万、Hb 10.2 g/dL、Ht 32%、白血球 13,700 (桿状核好中球 26%、分葉核好中球 44%、好酸球 1%、好塩基球 1%、単球 10%、リンパ球 18%)、血小板 36万。血液生化学所見:総ビリルビン 0.9 mg/dL、AST 38 U/L、ALT 42 U/L、LD 315 U/L (基準 120~245)、γ-GT 72 U/L (基準 8~50)、尿素窒素 22 mg/dL、クレアチニン 0.6 mg/dL。免疫血清学所見: CRP 8.2 mg/dL、リウマトイド因子〈RF〉1,260 IU/mL (基準 20未満)、抗核抗体陰性、CH₅₀ 22 U/mL (基準 30~40)、C3 42 mg/dL (基準 52~112)、C4 12 mg/dL (基準 16~51)。 現時点で行うべき検査として適切なのはどれか。
[ "a. 肝生検", "b. 関節穿刺", "c. 骨髄穿刺", "d. 皮膚生検", "e. 骨シンチグラフィ" ]
[ "d" ]
d. 皮膚生検
115D55
28歳の女性。手足の痛みを主訴に来院した。小学5年生頃から運動時の手足の痛みや、暑くても汗が少ないことを感じていた。最近手足の痛みが増強して受診した。昨年の健康診断で初めて尿蛋白を指摘された。母と弟も手足の痛みを訴えているが、原因不明と言われていた。母の兄は透析を受けていたが、50歳で突然死した。 身長 159 cm、体重 55 kg。脈拍 64/分、整。血圧 124/70 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。下肢に浮腫を認めない。下背部と臀部に小型の紫紅色丘疹を認める。 尿所見:蛋白 1+、糖 (-)、潜血 (-)。血液生化学所見:尿素窒素 18 mg/dL、クレアチニン 0.6 mg/dL、Na 139 mEq/L、K 4.0 mEq/L、Cl 102 mEq/L。 最も疑われる疾患はどれか。
[ "a. Fabry病", "b. 線維筋痛症", "c. Alport症候群", "d. Bartter症候群", "e. Sjögren症候群" ]
[ "a" ]
a. Fabry病ファブリー病ガイドライン2019 ファブリー病ガイドライン2019
115D56
52歳の女性。左耳の難聴を主訴に来院した。3年前から左難聴を自覚していたがそのままにしていた。それまで耳は良く聴こえていた。半年前からは難聴が増悪し、日常生活に支障が出るようになったので受診した。小児期から現在まで、耳痛、耳漏の自覚はない。5年前からアレルギー性鼻炎の診断で治療中である。以前から鼻すすり癖を指摘されている。 純音聴力検査では中等度の左伝音難聴を認めた。側頭骨CTでは左上鼓室および耳小骨周囲に病変を認め、中頭蓋底に骨欠損を認めた。 別に示す左鼓膜写真の中でこの患者の鼓膜写真として最も適切なものはどれか。
[ "a. ①", "b. ②", "c. ③", "d. ④", "e. ⑤" ]
[ "b" ]
b. ②
115D57
63歳の女性。倦怠感を主訴に、夫とともに来院した。夫からみると「以前と比べて、ぼ一っとしている」とのことであった。36歳と57歳でうつ病と診断されている。2回とも抗うつ薬を服用し、6か月程度で回復し、1年ほど服薬を続けた。その後は抑うつ感を認めていない。うつ病の時期を除いて仕事は順調で、職場では事務能力を高く評価されていた。仕事は順調であったが、3か月前、自分に合わない上司にかわったことを嘆いていた。2か月前から「体がだるい。疲れやすい。頭痛がする」と訴えたため、自宅近くの診療所を受診し、抗不安薬と睡眠薬を処方された。薬物を増量しながら仕事を続けていたが、1か月前から仕事のはかどりが著しく悪くなり、周囲からみてもぼ一っとしている時間が長くなった。3週前から仕事に行っても仕事にならないため自宅で休養しているという。本日受診時、ぼ一っとした表情であり、少し暗い感じであった。改訂長谷川式簡易知能評価スケールは9点(30点満点) で、回答には非常に時間がかかった。 この時点で最も可能性の低い疾患はどれか。
[ "a. うつ病", "b. 慢性硬膜下血腫", "c. 甲状腺機能低下症", "d. Alzheimer型認知症", "e. 精神作用物質使用による精神および行動の障害" ]
[ "d" ]
d. Alzheimer型認知症
115D58
77歳の女性。労作時呼吸困難と咳嗽を主訴に来院した。1か月前から労作時呼吸困難、咳嗽が出現したため受診した。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。喫煙歴はない。ペットは飼育していない。 意識は清明。体温 37.2 ℃。脈拍 96/分、整。血圧 116/60 mmHg。呼吸数 20/分。SpO₂ 89 % (room air)。皮疹は認めない。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音に異常を認めない。呼吸音は両側前胸部に気管支呼吸音、両側廃部にfine clacklesを聴取する。関節腫脹は認めない。下腿に浮腫は認めない。筋力低下は認めない。 血液所見: Hb 12.2 g/dL、白血球 9,400、血小板 24万。血液生化学所見: AST 20 U/L、ALT 8 U/L、LD 293 U/L (基準 120~245)、尿素窒素 12 mg/dL、クレアチニン 0.7 mg/dL。KL-6 2.919 U/mL (基準 500未満) 。免疫血清学所見:CRP 3.6 mg/dL、β-D-グルカン 5.0 pg/mL (基準 10以下) 。抗核抗体 40倍 (基準 20以下)、MPO-ANCA陰性、PR3-ANCA陰性、抗アミノシルtRNA合成酵素抗体〈抗ARS抗体〉陽性。胸部エックス線写真及び肺野条件の胸部単純CTを示す。 呼吸状態の悪化を認め、治療を行い改善した。改善後の胸部エックス線写真を別に示す。 効果を示した治療はどれか。
[ "a. 抗IgE抗体", "b. 副腎皮質ステロイド", "c. マクロライド系抗菌薬", "d. 免疫チェックポイント阻害薬", "e. EGFRチロシンキナーゼ阻害薬" ]
[ "b" ]
b. 副腎皮質ステロイド
115D59
28歳の女性。外陰潰瘍を主訴に来院した。10日前に潰瘍に気付いたが痛みがないので様子をみていた。 身長 164 cm、体重 58 kg。体温 36.5 ℃。脈拍 72/分、整。血圧 124/76 mmHg。呼吸数 20/分。左小陰唇外側に径10mmの硬結を認め、中心に潰瘍を認める。自発痛と圧痛はない。両側鼠径部のリンパ節に径1cmの腫大を触知するが痛みはない。 可能性が高いのはどれか。
[ "a. 梅毒", "b. 淋菌感染症", "c. 性器ヘルペス", "d. クラミジア感染症", "e. 尖圭コンジローマ" ]
[ "a" ]
a. 梅毒
115D60
73歳の女性。口腔粘膜疹と皮疹を主訴に来院した。2か月前から口腔粘膜にびらんを生じ、摂食時に疼痛を伴うようになった。自宅近くの診療所でうがい薬を処方されたがびらんが拡大し、2週前から皮膚にも水疱とびらんが出現したため受診した。 受診時、歯肉と口蓋部に発赤を伴うびらんを多数認める。体幹と四肢には径 15mmまでの紅斑、水疱、びらん及び痴皮を認める。皮膚生検で表皮基底層直上に裂隙を認め、棘融解像を伴う。蛍光抗体直接法では表皮下層を中心に表皮細胞間にIgG、C3の沈着を認める。口腔粘膜と上肢の写真及び生検組織のH-E染色標本を別に示す。 最も考えられるのはどれか。
[ "a. 後天性表皮水疱症", "b. 尋常性天疱瘡", "c. 水疱性類天疱瘡", "d. 疱疹状皮膚炎", "e. 落葉状天疱瘡" ]
[ "b" ]
b. 尋常性天疱瘡
115D61
64歳の女性。蛋白尿を指摘されて来院した。昨年の特定健康診査でも蛋白尿を指摘されたが、自宅近くの診療所で経過観察を指示されていた。今年の特定健康診査でも蛋白尿を指摘されて受診した。既往歴はない。 体調不良はなく、就業しており、自宅で時々測定している血圧は 120/70 mmHg前後である。体重は増減なく安定しており、浮腫を認めない。 尿所見:比重 1.015、pH 6.0、糖 (-)、潜血 (-)、随時尿の尿蛋白/Cr比は 2.5 g/gCr (基準 0.15未満)。尿沈渣に赤血球 1~4/HPF、白血球 1~4/HPF、硝子円柱 1~4/HPF、顆粒円柱と幅広円柱を少数認める。血液生化学所見:クレアチニン 0.7 mg/dL、eGFR 64 mL/分/1.73m²。腹部超音波検査で右腎に2cm大の嚢胞を2個認めた。 最も考えられるのはどれか。
[ "a. IgA腎症", "b. 膜性腎症", "c. 多発性嚢胞腎", "d. 微小変化型ネフローゼ症候群", "e. 特発性半月体形成性糸球体腎炎" ]
[ "b" ]
b. 膜性腎症
115D62
74歳の男性。2年前に下咽頭後壁の表在癌に対して経口的粘膜下切除術を受け、その後局所再発を認めていない。喫煙歴は72歳まで15本/日を45年間。以前は飲酒ですぐ顔が赤くなったが、徐々に飲酒量が増え、前回手術までは焼酎500mL/日を飲酒していた。 この患者で経過中に重複癌を生じる可能性が最も高い部位はどれか。
[ "a. 口腔", "b. 喉頭", "c. 食道", "d. 胃", "e. 十二指腸" ]
[ "c" ]
c. 食道
115D63
32歳の女性。発熱と下腿浮腫を主訴に来院した。半年前から日光過敏を、1か月前から下腿浮腫を自覚していた。2週前から37℃台の発熱を認めるようになり、下腿浮腫も増悪したため受診した。 体温 37.2 ℃。脈拍 76/分、整。血圧 118/74 mmHg。呼吸数 16/分。頬部に紅斑を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。両側下腿浮腫を認める。 尿所見:蛋白 4+、潜血 3+、沈液に赤血球 10-20/HPF、白血球 10-20/HPF、赤血球円柱と顆粒円柱とを認める。尿蛋白 4.5 g/日。血液所見:赤血球 402万、Hb 12.0 g/dL、Ht 38%、白血球 3,100 (桿状核好中球 25%、分葉核好中球 47%、好酸球 1%、好塩基球 0%、単球 9%、リンパ球 18%)、血小板 15万。血液生化学所見:総蛋白 4.8 g/dL、アルブミン 2.1 g/dL、尿素窒素 31 mg/dL、クレアチニン 0.8 mg/dL、トリグリセリド 148 mg/dL、LDLコレステロール 208 mg/dL。免疫血清学所見: CRP 0.2 mg/dL、抗核抗体 1280倍 (基準 20以下)、CH₅₀ 18 U/mL (基準 30~40)、C3 35 mg/dL (基準 52~112)、C4 6 mg/dL (基準 16~51)。腎生検のPAS染色標本及び蛍光抗体C1q染色標本を別に示す。 最も考えられるのはどれか。
[ "a. ループス腎炎", "b. 急性糸球体腎炎", "c. 顕微鏡的多発血管炎", "d. 膜性増殖性糸球体腎炎", "e. 微小変化型ネフローゼ症候群" ]
[ "a" ]
a. ループス腎炎
115D64
26歳の女性。18trisomyをもつ第1子の健康診査のために来院した。女性から「次のこどもも18trisomyをもって生まれてくる確率はどのくらいでしょうか」と質問があった。第1子は転座を伴わないtrisomy (核型:47, XX, +18)である。 第2子が18trisomyをもって生まれてくる確率はどれか。
[ "a. 1% 未満", "b. 5% 程度", "c. 25% 程度", "d. 50% 程度", "e. ほぼ100%" ]
[ "a" ]
a. 1% 未満
115D65
41歳の女性。 3日前からの発熱と黄色膿性痰を主訴に来院した。市販の解熱薬を内服していたが、改善しないため受診した。7年前から気管支喘息に対して吸入ステロイド薬を定期的に使用している。 体温 37.4 ℃。脈拍 104/分、整。血圧 118/62 mmHg。呼吸数 18/分。SpO₂ 95% (room air)。左下胸部にcoarse cracklesを聴取する。 血 液所見:赤血球 456万、Hb 13.0 g/dL、Ht 39%、白血球 19,800 (好中球 85%、好酸球 1%、好塩基球 1%、単球 5%、リンパ球 8%)、血小板 34万。CRP 15 mg/dL。胸部エックス線写真及び喀痰Gram染色標本を別に示す。 原因微生物として考えられるのはどれか。
[ "a. Haemophilus influenzae", "b. Moraxella catarrhalis", "c. Mycoplasma pneumoniae", "d. Staphylococcus aureus", "e. Streptococcus pneumoniae" ]
[ "e" ]
e. Streptococcus pneumoniae
115D66
61歳の女性。閉経51歳。性器出血を主訴に来院した。6か月前から少量の性器出血が続いている。 身長 158 cm、体重 52 kg。血圧 120/78 mmHg。内診で子宮は正常大、左付属器領域に径 10 cmの腫瘤を触知する。圧痛はなく可動性は良好である。超薔涙検査で子宮内膜の肥厚 (12 mm) を認める。腹水と胸水は認めない。子宮頸部細胞診で異型細胞を認めない。子宮内膜組織診で増殖期内膜を認める。 血液生化学所見: CA125 38 U/mL (基準 35以下)、CA19-9 15 U/mL (基準 37以下)、エストラジオール〈E2〉310 pg/mL (基準20以下)。開腹手術を施行した。左付属器の手術摘出標本のH-E染色像を別に示す。 この患者の診断はどれか。
[ "a. 漿液性癌", "b. 明細胞癌", "c. 成熟奇形腫", "d. 粘液性腺癌", "e. 顆粒膜細胞腫" ]
[ "e" ]
e. 顆粒膜細胞腫
115D67
68歳の女性。胸痛を主訴に来院した。15年前から糖尿病、高血圧症で通院加療されている。本日、朝6時に強い胸痛と気分不快が出現し たため家族とともに受診した。 意識は清明。身長 160 cm、体重 80 kg。脈拍 118/分、整。血圧 86/50 mmHg。呼吸数 24/分。SpO₂ 90 % (room air)。胸骨左縁第4肋間に収縮期雑音を聴取する。 血液所見:赤血球 521万、Hb 15.6 g/dL、白血球 12,200、血小板 16万。血液生化学所見:AST 560 U/L、ALT 164 U/L、LD 826 U/L (基準 120~245)、CK 1,564 U/L (基準 30~140) 、尿素窒素 27 mg/dL、クレアチニン 0.8 mg/dL。CRP 0.6 mg/dL。心電図及び心エコー図を別に示す。 診断はどれか。2つ選べ。
[ "a. 乳頭筋断裂", "b. 急性心筋梗塞", "c. 心室中隔穿孔", "d. 心タンポナーデ", "e. 発作性上室頻拍" ]
[ "b", "c" ]
b. 急性心筋梗塞c. 心室中隔穿孔
115D68
61歳の男性。C型肝炎治療後の経過観察で通院している。2年前にC型慢性肝炎に対して経口薬による抗ウイルス療法を受けHCV-RNAが陰性化し癌発症のリスクが高いと判断された。 肝機能検査とともに定期的に行うべきなのはどれか。2つ選べ。
[ "a. 肝生検", "b. 腹部MRI", "c. HCV抗体測定", "d. 腹部超音波検査", "e. 腫瘍マーカー測定" ]
[ "d", "e" ]
d. 腹部超音波検査e. 腫瘍マーカー測定
115D69
50歳の男性。健康診断で異常を指摘されたため来院した。特に自覚症状はない。2年前の健康診断で肝機能異常があったが、詳しい検査は受けず、自己判断で飲酒量を減らした。現在は350mLの缶ビールを週に1~2本飲んでいる。25歳から1日20本喫煙しており、6か月前から加熱式タバコに替えている。母親が肝癌で死亡している。既往歴に特記すべきことはない。自宅でインターネットを介した仕事をしており、あまり外には出ないという。 身長171cm、体重80kg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝.脾を触知しない。 健康診断時の血液生化学所見: 総ビリルビン 0.7 mg/dL、AST 90 U/L、ALT 85 U/L、γ-GT 60 U/L (基準 8~50)、空腹時血糖 98 mg/dL、HbA1c 5.6% (基準 4.6~6.2) 、トリグリセリド 160 mg/dL、HDLコレステロール 36 mg/dL、LDLコレステロール 208 mg/dL。腹部超音波検査で脂肪肝を認めた。 適切な説明はどれか。2つ選べ。
[ "a. 「腹部のCT検査をしましょう」", "b. 「運動と食事を検討しましょう」", "c. 「肝炎ウイルスの検査をしましょう」", "d. 「加熱式タバコはこのままでいいです」", "e. 「お酒は完全にやめるほうがよいでしょう」" ]
[ "b", "c" ]
b. 「運動と食事を検討しましょう」c. 「肝炎ウイルスの検査をしましょう」
115D70
日齢0の女児。妊娠初期の妊婦健康診査で妊娠確定後、妊婦健康診査を受診していなかった。陣痛が発来したため前医を受診し、低出生体重のため救急車で搬入された。在胎39週1日、体重 2,010 g、Apgarスコアは 7点 (1分)、8点 (5分) で出生した。 体温36.7℃。心拍数120/分。血圧 60/35 mmHg。呼吸数 40/分。SpO₂ 100% (room air)。活気不良、啼泣は弱い。第二肋間胸骨左縁にLevine 2/6の連続性雑音を認めた。 血液所見: Hb 18.7 g/dL、白血球 10,800、血小板 7.9万、lgM 350 mg/dL (基準 0~20)であった。妊娠初期に母親は微熱と発疹を認めたが医療機関は受診しなかったという。 母親が妊娠中に罹患した可能性が高い疾患はどれか。2つ選べ。
[ "a. 水痘", "b. 梅毒", "c. 風疹", "d. 伝染性紅斑", "e. A群β溶連菌感染症" ]
[ "c", "d" ]
c. 風疹d. 伝染性紅斑
115D71
76歳の女性。発熱と心窩部痛を主訴に来院した。半年前に膜性腎症によるネフローゼ症候群を発症し、深部静脈血栓症を伴っていたため、副腎皮質ステロイド薬と抗凝固薬 (ワルファリン) の内服を継続していた。昨日から 38 ℃台の発熱と心窩部痛が出現し、食欲も低下したため受診した。 意識は清明。身長 154 cm、体重 42 kg。体温 38.1 ℃。脈拍 96/分、整。血圧 112/66 mmHg。呼吸数 22/分。SpO₂ 97% (room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦で心窩部から右季肋部にかけて圧痛を認める。 血液所見:赤血球 369万、Hb 11.1 g/dL、Ht 36%、白血球 11,200、血小板 26万、PT-INR 1.8 (基準 0.9~1.1)。血液生化学所見:総ビリルビン 2.4 mg/dL、直接ビリルビン 1.8 mg/dL、AST 96 U/L、ALT 121 U/L、LD 298 U/L (基準 120~245)、ALP 352 U/L (基準 115~359)、γ-GT 132 U/L (基準 8~50)、尿素窒素 38 mg/dL、クレアチニン 1.8 mg/dL、Na 138mEq/L、K 4.6 mEq/L、Cl 107 mEq/L。CRP 8.8 mg/dL。腹部超音波検査で胆嚢の腫大と壁肥厚を認め、入院絶食下で末梢輸液および広域セフェム系抗菌薬の点滴静注が開始された。治療開始後5日目に症状は軽快し、1週後の血液検査でAST、ALT、CRPは低下していたが、PT-INRが4.2と上昇していた。 ~ ~ ~ この患者でPT-INRの上昇に影響したのはどれか。2つ選べ。
[ "a. 腎機能障害", "b. 入院後の絶食", "c. 治療前のCRP値", "d. 広域セフェム系抗菌薬", "e. 副腎皮質ステロイド薬" ]
[ "b", "d" ]
b. 入院後の絶食d. 広域セフェム系抗菌薬ビタミンKの低下でワルファリンの作用は強くなる。 ビタミンKの低下でワルファリンの作用は強くなる。
115D72
64歳の男性。2か月前からの頸部リンパ節、腋窩リンパ節腫脹を主訴に来院した。頸部リンパ節生検の結果、CD20陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の診断に至った。HBs抗原、HCV抗体は陰性であった。 治療を開始するにあたり確認すべき検査項目はどれか。2つ選べ。
[ "a. HBc抗体", "b. HBe抗原", "c. HBe抗体", "d. HBs抗体", "e. HBc-IgM抗体" ]
[ "a", "d" ]
a. HBc抗体d. HBs抗体
115D73
45歳の男性。右側腹部痛を主訴に来院した。今朝未明に突然右の下腹部から側腹部にかけての激しい痛みが出現し、その後持続していた。 意識は清明。身長 165 cm、体重 72 kg。体温 36.4 ℃。脈拍 76/分、整。血圧 130/90 mmHg。呼吸数 24/分。顔色は蒼白で冷汗を認める。腹部は平坦で、肝、脾を触知しない。反跳痛と筋性防御を認めない。右の肋骨脊柱角に叩打痛を認める。 尿所見:蛋白(−)、糖(−)、ケトン体(−)、潜血1+、沈渣に赤血球 5〜9/HPF、白血球 1〜4/HPFを認める。血液所見:赤血球 434万、Hb 13.8 g/dL、Ht 42%、白血球 9,600、血小板 21万。血液生化学所見:総蛋白 7.0 g/dL、アルブミン 3.8 g/dL、総ビリルビン 0.9 mg/dL、AST 30 U/L、ALT 28 U/L、LD 179 U/L(基準 120〜245)、尿素窒素 20 mg/dL、クレアチニン 1.0 mg/dL、尿酸 5.6 mg/dL、血糖 98 mg/dL、Na 139 mEq/L、K 4.2 mEq/L、Cl 98 mEq/L、Ca 9.1 mg/dL。腹部超音波像、腹部単純エックス線写真、腹部単純CTを別に示す。 再発予防で正しいのはどれか。2つ選べ。
[ "a. 飲水", "b. カルシウムの摂取", "c. ビタミンCの摂取", "d. 抗アンドロゲン薬服薬", "e. 動物性タンパク質の摂取" ]
[ "a", "b" ]
a. 飲水b. カルシウムの摂取
115D74
59歳の男性。黒色便と倦怠感を主訴に来院した。半年前から3回ほど黒色便が出現していた。1週前に黒色便がみられ倦怠感も出現したため受診した。 意識は清明。体温 36.1 ℃。脈拍 80/分、整。血圧 140/84 mmHg。呼吸数14/分。眼瞼結膜は貧血様である。眼球結膜に異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。直腸指診で血液の付着を認めない。 便潜血反応陽性。血液所見:赤血球 328万、Hb 10.1 g/dL、Ht 31%、白血球6,400、血小板19万。血液生化学所見:総蛋白6.9g/dL、アルブミン 3.6 g/dL、総ビリルビン 0.9 mg/dL、AST26 U/L、ALT 19 U/L、LD 247 U/L(基準 120~245)、ALP 283 U/L(基準115~359)、γ-GT 47 U/L(基準 8~50)、アミラーゼ 89 U/L(基準 37~160)、尿素窒素 21 mg/dL、クレアチニン 0.6 mg/dL、血糖 99 mg/dL、総コレステロール 196 mg/dL、トリグリセリド 130 mg/dL、Na 141mEq/L、K4.0mEq/L、Cl 104 mEq/L。CRP 0.9 mg/dL。上部消化管内視鏡検査と大腸内視鏡検査で異常を認めない。 次に行うべきなのはどれか。2つ選べ。
[ "a. FDG-PET", "b. 腹部造影CT", "c. 注腸造影検査", "d. カプセル内視鏡", "e. 腹部血管造影検査" ]
[ "b", "d" ]
b. 腹部造影CTd. カプセル内視鏡上部消化管と下部消化管内視鏡で異常なしの黒色便の症例。小腸に出血源がありそうな症例。 上部消化管と下部消化管内視鏡で異常なしの黒色便の症例。 小腸に出血源がありそうな症例。
115D75
67歳の男性。食欲不振、体重減少および全身倦怠感を主訴に来院した。35歳から日本酒5合/日を毎日飲酒していた。3か月前から食欲が徐々に低下し通常の摂食量の1/5以下となり、体重は3か月間で10kg減少した。1週前から全身倦怠感が出現したため受診した。 身長 172 cm、体重 60 kg。体温 36.7 ℃。脈拍 100/分、整。血圧 106/46 mmHg。眼瞼結膜は軽度貧血様である。眼球結膜に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。 血液所見:赤血球 272万、Hb 7.8 g/dL、Ht 27%、白血球 4,800、血小板 16万。血液生化学所見: 総蛋白 6.6 g/dL、アルブミン 3.2g/dL、総ビリルビン 1.2 mg/dL、直接ビリルビン 0.5 mg/dL、AST 74 U/L、ALT 118 U/L、ALP 398 U/L (基準 115~359)、アミラーゼ 268 U/L (基準 37~160) 、尿素窒素 10 mg/dL、クレアチニン 0.4 mg/dL、血糖 7mg/dL、総コレステロール 189 mg/dL、トリグリセリド 98 mg/dL、Na 132 mEq/L、K 2.8 mEq/L、Cl 92 mEq/L、P 1.5 mg/dL。水分摂取は可能だが、食事摂取は困難である。 静脈栄養として適切なのはどれか。
[]
[ "e" ]
eリフィーディング症候群の知識を問う問題。リフィーディング症候群とは、慢性的な低栄養状態に対し急激に栄養補給を行うと発症する代謝性の合併症のこと。 リフィーディング症候群の知識を問う問題。 リフィーディング症候群とは、慢性的な低栄養状態に対し急激に栄養補給を行うと発症する代謝性の合併症のこと。
115E01
入院診療計画書に記載が求められていないのはどれか。
[ "a. 入院時の傷病名", "b. 予測される入院費", "c. 推定される入院期間", "d. 退院に向けた支援計画", "e. 入院中に計画される検査" ]
[ "b" ]
b. 予測される入院費入院費は記載されない。 入院費は記載されない。
115E02
慢性腎臓病の重症度分類を別に示す。 A1からA3の方向(横軸方向)の区分を規定する指標はどれか。
[ "a. eGFR", "b. 年齢", "c. 蛋白尿", "d. 体格指数", "e. 平均血圧" ]
[ "c" ]
c. 蛋白尿腎機能推算式 - 医療電卓 腎機能推算式 - 医療電卓
115E03
医療機関における麻薬の管理・取扱いについて誤っているのはどれか。
[ "a. 鍵をかけた堅固な設備に保管する。", "b. 残った注射薬は研修医が1人で破棄する。", "c. 紛失した場合は都道府県知事に届け出る。", "d. 施用・交付時に診療録に必要事項を記載する。", "e. 施用・交付には麻薬施用者免許が必要である。" ]
[ "b" ]
b. 残った注射薬は研修医が1人で破棄する。麻薬及び向精神薬取締法からの出題である。 麻薬及び向精神薬取締法からの出題である。
115E04
肥満のある高血圧症の患者が行動変容の準備期に入ったと考えられるのはどれか。
[ "a. 毎食の塩辛い漬物がやめられない。", "b. 1週間、食事の塩分制限を続けている。", "c. 1年以上、ウォーキングを毎日続けている。", "d. 明日から食後のジョギングを始めるつもりでいる。", "e. 半年後にくる誕生日から間食を減らそうと思っている。" ]
[ "d" ]
d. 明日から食後のジョギングを始めるつもりでいる。
115E05
成人を対象としたインフォームド・コンセントについて正しいのはどれか。
[ "a. 本人と家族の同意が必要である。", "b. 患者は同意をいつでも撤回できる。", "c. 予後についての説明は必要でない。", "d. 医師の過失責任を回避する目的で行う。", "e. 最新の治療法を推奨しなければならない。" ]
[ "b" ]
b. 患者は同意をいつでも撤回できる。常識的に考えましょう。 常識的に考えましょう。
115E06
腰椎穿刺について正しいのはどれか。
[ "a. 脳ヘルニアの患者が適応である。", "b. Jacoby線より上の腰椎間腔を穿刺する。", "c. 脳脊髄液をシリンジで吸引して採取する。", "d. 細い穿刺針の方が穿刺後頭痛のリスクが高い。", "e. 側臥位で両膝を両手で抱え首を前屈した体位をとらせる。" ]
[ "e" ]
e. 側臥位で両膝を両手で抱え首を前屈した体位をとらせる。自明 自明
115E07
医師法第1条の条文を示す。 「医師は、医療と保健指導を掌ることによって、(ア)の向上と増進に寄与し、もって国民の健康な生活を 確保するものとする 。」 (ア)に入るのはどれか。
[ "a. 公衆衛生", "b. 社会保障", "c. 生命科学", "d. 適正診療", "e. 臨床医学" ]
[ "a" ]
a. 公衆衛生医師法 - wikipedia 医師法 - wikipedia
115E08
出血性ショックによる意識障害のある患者が付き添いなく救急搬送され、緊急手術が必要であると判断された。患者は他院に通院歴があることが判明している。 医療者の行為として誤っているのはどれか。
[ "a. 術前に家族へ連絡を試みた。", "b. 院内で緊急手術の必要性について討議した。", "c. 通院歴のある医療機関へ診療情報の問い合わせをした。", "d. 治験参加への同意書が未取得の段階で治験用の降圧薬を使用した。", "e. 輸血開始時までに血液型が判明しなかったためO型Rh(-)の赤血球輸血を行った。" ]
[ "d" ]
d. 治験参加への同意書が未取得の段階で治験用の降圧薬を使用した。常識的に考えましょう。 常識的に考えましょう。
115E09
外傷の初期診療において迅速簡易超音波検査〈FAST〉で確認するのはどれか。
[ "a. 気胸", "b. 骨折", "c. 臓器損傷", "d. 大動脈径", "e. 体腔内出血" ]
[ "e" ]
e. 体腔内出血FASTです。気胸も超音波検査でわからなくもない。 FASTです。 気胸も超音波検査でわからなくもない。
115E10
良性発作性頭位めまい症について正しいのはどれか。
[ "a. 難聴を伴う。", "b. 小児に好発する。", "c. 一過性の意識消失を伴う。", "d. 頭位変換時に眼振を示す。", "e. 浮遊耳石は半規管由来である。" ]
[ "d" ]
d. 頭位変換時に眼振を示す。良性発作性頭位めまい症 - MSDマニュアル 良性発作性頭位めまい症 - MSDマニュアル
115E11
成人患者に対する血液培養検体の採取方法について正しいのはどれか。
[ "a. 抗菌薬投与後に検体を採取する 。", "b. 2セットとも1か所から採血する 。", "c. 採血部位の皮膚消毒後、消毒薬が乾く前に採血を行う 。", "d. 採取後の血液は好気ボトル、嫌気ボトルの順に入れる 。", "e. ボトルに検体を注入後、ボトル内の培地と血液を転倒混和する 。" ]
[ "e" ]
e. ボトルに検体を注入後、ボトル内の培地と血液を転倒混和する 。a 抗生剤投与前に検査する。抗生剤投与後は菌の検出率が悪くなる。b 違う場所から採血。c 乾く前では有効な消毒が得られない。d 嫌気ボトルが先。嫌気ボトルに空気が入らないようにするため。e 正解。 a 抗生剤投与前に検査する。抗生剤投与後は菌の検出率が悪くなる。 b 違う場所から採血。 c 乾く前では有効な消毒が得られない。 d 嫌気ボトルが先。嫌気ボトルに空気が入らないようにするため。 e 正解。
115E12
関節可動域で内旋および外旋を測定する関節はどれか。
[ "a. 肩関節", "b. 肘関節", "c. 手関節", "d. 膝関節", "e. 足関節" ]
[ "a" ]
a. 肩関節球関節を選ぶ問題。 球関節を選ぶ問題。
115E13
浸透圧利尿による多尿をきたすのはどれか。
[ "a. 高血糖", "b. 心因性多飲", "c. 腎性尿崩症", "d. 中枢性尿崩症", "e. 低カリウム血症" ]
[ "a" ]
a. 高血糖尿の浸透圧が高くなる病態を選ぶ問題。 尿の浸透圧が高くなる病態を選ぶ問題。
115E14
末梢神経伝導検査が診断に有用なのはどれか。
[ "a. 肘部管症候群", "b. Parkinson病", "c. 多発性筋炎", "d. 脊髄損傷", "e. 脳梗塞" ]
[ "a" ]
a. 肘部管症候群末梢神経が傷害される病態を選ぶ問題。 末梢神経が傷害される病態を選ぶ問題。
115E15
世界的大流行を引き起こし、中世ヨーロッパでは黒死病として恐れられた感染症はどれか。
[ "a. 結核", "b. コレラ", "c. 天然痘", "d. ペスト", "e. 発疹チフス" ]
[ "d" ]
d. ペスト
115E16
心臓ペースメーカー植込み患者に対して、ペースメーカーの機種を確認してから実施すべきなのはどれか。
[ "a. 食道生検", "b. FDG-PET", "c. 腹部造影CT", "d. 超音波内視鏡検査", "e. 磁気共鳴胆管膵管撮影〈MRCP〉" ]
[ "e" ]
e. 磁気共鳴胆管膵管撮影〈MRCP〉従来はMRI検査は禁忌であったが、条件付きMRI対応のペースメーカーが出てきましたね。 従来はMRI検査は禁忌であったが、条件付きMRI対応のペースメーカーが出てきましたね。
115E17
臨床研究におけるバイアスと交絡について誤っているのはどれか。
[ "a. 情報バイアスは対象者から情報を得る際に生じる。", "b. 選択バイアスは対象者の選択方法から生じる。", "c. 交絡因子は研究デザインにより調整できる。", "d. 交絡因子は原因と結果の両方に悶連する。", "e. 情報バイアスは統計的手法で調整できる。" ]
[ "e" ]
e. 情報バイアスは統計的手法で調整できる。情報バイアスは情報収集の際に発生する。統計的手法での調整は不能。 情報バイアスは情報収集の際に発生する。統計的手法での調整は不能。
115E18
うつ病の症状に含まれるのはどれか。
[ "a. 食欲がない。", "b. 入眠時に幻視を認める 。", "c. 好きなことだけにやる気を出す。", "d. 簡単な計算でも間違った答えを言う。", "e. 自殺せよという命令がテレパシーで頭に入ってくる 。" ]
[ "a" ]
a. 食欲がない。a 正解b ナルコレプシーc 適応障害d 認知症e 統合失調症 a 正解 b ナルコレプシー c 適応障害 d 認知症 e 統合失調症
115E19
医療事故の発生要因であるヒューマンエラーの防止策として適切でないのはどれか。
[ "a. 医療安全を確保するための研修制度", "b. 各種マニュアルの定期的な見直し", "c. 有能な人材への業務の集中", "d. 危険予知トレーニング", "e. 指さし呼称確認" ]
[ "c" ]
c. 有能な人材への業務の集中常識的に考えましょう。 常識的に考えましょう。
115E20
末梢静脈路ではなく末梢挿入中心静脈カテーテル 〈PICC〉を選択すべき輸液製剤の組成はどれか。
[ "a. Na 154 mEq/L", "b. K 20 mEq/L", "c. Cl 35 mEq/L", "d. Lactate 20 mEq/L", "e. Glucose 20%" ]
[ "e" ]
e. Glucose 20%浸透圧が高いので血管炎のリスクである。上記は生理食塩水の4倍ほどの浸透圧である。 浸透圧が高いので血管炎のリスクである。 上記は生理食塩水の4倍ほどの浸透圧である。
115E21
内ヘルニアはどれか。
[ "a. 鼠径ヘルニア", "b. 大腿ヘルニア", "c. 閉鎖孔ヘルニア", "d. 食道裂孔ヘルニア", "e. 腹壁瘢痕ヘルニア" ]
[ "d" ]
d. 食道裂孔ヘルニア内ヘルニアは腹腔内の腹膜窩や異常裂孔に腹部臓器が嵌入することによって生じる。体表面には出ない。 内ヘルニアは腹腔内の腹膜窩や異常裂孔に腹部臓器が嵌入することによって生じる。体表面には出ない。
115E22
日本人の食事摂取基準について正しいのはどれか。
[ "a. 個人には適用されない。", "b. 65歳未満を対象とする。", "c. 妊娠や授乳期間については扱わない。", "d. 目標とするBMIは 18~20 の範囲である 。", "e. エネルギーと栄養素の摂取量の基準を示すものである 。" ]
[ "e" ]
e. エネルギーと栄養素の摂取量の基準を示すものである 。
115E23
膀胱の蓄尿症状をきたさない疾患はどれか。
[ "a. 腎結石", "b. 脳梗塞", "c. 脊髄損傷", "d. Parkinson病", "e. 間質性膀胱炎" ]
[ "a" ]
a. 腎結石
115E24
喫煙が発症因子となる疾患はどれか。
[ "a. 過敏性肺炎", "b. レジオネラ肺炎", "c. 急性好酸球性肺炎", "d. 非結核性抗酸菌症", "e. マイコプラズマ肺炎" ]
[ "c" ]
c. 急性好酸球性肺炎
115E25
左動眼神経麻痺のある患者が左方注視をしたときの両眼球の位置を別に示す。 正しいのはどれか。
[ "a. ①", "b. ②", "c. ③", "d. ④", "e. ⑤" ]
[ "c" ]
c. ③
115E26
70歳の男性。意識障害を主訴に来院した。その後に脳梗塞の診断で治療が行われたが、後遺症のため全く意思疎通ができず、燕下機能が廃絶し、経口摂取ができず、改善は見込めない。家族に確認すると胃瘻造設についての患者自身による意思表示の文書が見つかった。 この患者における胃痩造設の方針を検討する上で最も優先されるのはどれか。
[ "a. 要介護度", "b. 医師の判断", "c. 家族の希望", "d. 本人の意思", "e. 受け入れ施設の状況" ]
[ "d" ]
d. 本人の意思本人の意思が最も大事。 本人の意思が最も大事。
115E27
40歳の女性。外陰部の瘙痒感を主訴に来院した。1か月前から瘙痒を伴う帯下が続いている。痛 みはない。 身長 158 cm、体重 64 kg。体温 36.5 ℃。脈拍 72/分、整。血圧 124/76 mmHg。呼吸数 18/分。内診で子宮と両側付属器に異常を認めない。帯下は黄色泡沫状。外陰に発赤を認めない。 可能性が高いのはどれか。
[ "a. 萎縮性腟炎", "b. 細菌性腟炎", "c. カンジダ腟炎", "d. トリコモナス腟炎", "e. クラミジア子宮頸管炎" ]
[ "d" ]
d. トリコモナス腟炎
115E28
53歳の男性。術後に意識障害を呈した。10年前に糖尿病と診断され、経口血糖降下薬を内服していた。食道癌に対する外科手術を受け、術後はインスリンの経静脈投与を開始された。術後経過は安定していたが、術後2日目に意識障害が出現し、簡易血糖測定器で血糖値32mg/dLを示した。主治医からのインスリン投与指示を確認すると、維持輸液用の点滴バッグ内に速効型インスリン10単位を混注することとなっていたが、実際には担当した病棟医が100単位を混注していた。主治医が50%ブドウ糖の静注投与を行い、患者の意識は回復し、血糖値も100mg/dLへ上昇した。 主治医から担当した病棟医への言葉として適切なのはどれか。
[ "a. 「リスクマネジャーヘの報告が必要です」", "b. 「あなたの起こしたことなので、私には関係がありません」", "c. 「家族に余計な心配をかけたくないので、連絡は控えておきましょう」", "d. 「診療録には、当初の指示どおり10単位混注したと記載してください」", "e. 「患者さんに聞かれたら意識障害の原因は不明と答えることにしましょう」" ]
[ "a" ]
a. 「リスクマネジャーヘの報告が必要です」
115E29
21歳の女性。性暴力による健康被害の検査を求めて来院した。昨晩、1人でバーに行った。隣のテーブルにいた男性グループから話しかけられ、なんとなく話をしながらカクテルを飲んでいるうちに急に意識がもうろうとし、午前2時に気が付いたときにはホテルのベッドの上にいた。状況から、意識を失っているうちに性暴力被害に遭っていたと考えられた。自宅に帰った後、母親の強い勧めで母親に付き添われて午前5時に救急外来を受診した。 意識は清明。話す態度は取り乱す様子はなく落ち着いている印象で「知らない人と飲酒した自分が悪いのです」と話している。 医師の言葉として適切でないのはどれか。
[ "a. 「自分を責める必要はありません」", "b. 「病院に来るのは勇気がいりましたね」", "c. 「婦人科医師の診察を希望されますか」", "d. 「お辛いのによく話してくださいました」", "e. 「大したことではないので早く忘れた方がいいです」" ]
[ "e" ]
e. 「大したことではないので早く忘れた方がいいです」
115E30
14歳の女子。採血を伴う臨床研究に参加してもらいたい。患者には知的障害や認知機能障害はない。 誤っているのはどれか。
[ "a. 患者への説明は理解ができるように行う。", "b. インフォームド・アセントを得る必要がある。", "c. 同意書は記名・捺印もしくは自署名が必要である。", "d. 採血行為による侵襲の程度は倫理審査委員会で判断する。", "e. 保護者が同意しなくても当人が同意すれば研究参加は可能である。" ]
[ "e" ]
e. 保護者が同意しなくても当人が同意すれば研究参加は可能である。