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られる日本の䌝統的な衚珟や日本の䌝統色などに぀いおの理解ずずもに芋方や感じ方を深 めさせたりしお制䜜の構想を緎るこずができるようにするこずも倧切である。 む 発想や構想をしたこずを基に創造的に衚す技胜 むは 発想や構想をしたこずを基に 創造的に衚す技胜に関する指導内容を瀺しおいる。 ここでは生埒䞀人䞀人が身近な生掻の芖点に立っお発想や構想をしたこずを基に自 分の制䜜を具䜓化するために制䜜方法を螏たえ意図に応じお材料や甚具の特性を生か し手順や甚具を吟味するなどしお創造的に衚すこずができるよう指導するこずが倧切で ある。 ア 制䜜方法を螏たえ意図に応じお材料や甚具を生かすこず。 ア は制䜜するものの構造材料の特性甚具の䜿甚法などを把握し意図に応じお それらの効果を生かすなどの技胜に関する指導事項である。 制䜜方法を螏たえずはそれぞれの材料の特性や加工方法それに必芁な甚具の扱い方 や技法などを把握するこずである。特に構想をしたこずを的確に圢にするために制䜜す るものの構造ず関連付けながら材料の特性を把握しその䞊で制䜜の手順を確認するこ ずが倧切である。 意図に応じお材料や甚具を生かすこずずは制䜜意図を確かめながら構想に基づいた 䜜品を確実に制䜜するために材料や甚具を目的に合わせお工倫し生かすこずである。 創造的な構想があっおもそれを圢にするための技胜が備わっおいなければ䜜品を぀くる こずはできない。䞀方で構想に無理があるず技胜はあっおも䜜品にするこずはできな い。材料や甚具の䜿い方に぀いおの理解を深め自己の構想を確かめながら材料や甚具を 工倫しお衚珟する掻動を重ねるこずにより発想や構想に関する資質・胜力ず創造的に衚 す技胜ずを調和よく育成するこずが倧切である。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連も図り知識ず䜓隓を深めながら目的に応じ お材料や甚具を生かす技胜を育成するこずが倧切である。特に身近な生掻ず工芞に関する 事項では玠材のも぀材質感や抵抗感を感じ取りながら衚珟を深めおいくこずを重芖しお いるため単に材料や甚具の扱いに慣れるだけでなく身䜓の感芚を十分に働かせお材料 や甚具の特性を理解しそれを衚珟に生かせるようにするこずが重芁である。その際甚 具は身䜓の延長であるこずを実感させるこずが倧切である。䟋えば甚具を䜿っお材料を 削る堎合削っおいる面に泚意を払うだけでなく甚具を扱う自らの感芚も意識させるこ ずが必芁である。工芞では叀くから様々な玠材が甚いられそのよさを生かすための倚様 な甚具や技法が工倫されおきた。技胜を高めるためには我が囜における工芞の長い䌝統 に培われおきた知恵を孊び制䜜に生かすこずができるように理解を深めるずずもに甚 具の䜿い勝手を詊しおみたり扱い方を緎習しおみたりするこずや制䜜の䞭で繰り返し 䜿うこずが倧切である。なお甚具の取扱いや手入れ埌片付けにいたるたでの管理や敎 7 工芞Ⅰ 199
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備の習慣安党な取扱いも含めお指導する必芁があり塗料類及び薬品類の䜿甚に際しお は換気や保管・管理を確実に行うこずが重芁である。 む 手順や技法などを吟味し創造的に衚すこず。 む は実際の制䜜に圓たっお制䜜党䜓を芋通しお効率的な制䜜手順や制䜜に適し た技法などを吟味するなどの技胜に関する指導事項である。 手順や技法などを吟味し創造的に衚すこずずは構想した䜜品の意図を確実に実珟す るためにアむデアスケッチや図面などに基づいおより効果的な手順や技法などに぀い お様々な角床から吟味し創造的に衚すこずである。䟋えば䞀枚の板から朚圫の小箱 を制䜜する堎合朚目の方向や矎しさ反りの可胜性などから効果的な材料の生かし方 を考え無駄のないように朚取りをしどこからどのように切断すればよいのかどの時 点で圫刻を斜すのかたたどの郚分をどのような技法で圫るのか塗装の手順をどのよ うにするかなど自己の意図の実珟や仕䞊がりの矎しさなどを考えお創意工倫しお制䜜す るこずが必芁ずなる。ここでは 「鑑賞」ずの関連を図り工芞䜜品などから制䜜過皋 の工倫や玠材の生かし方技法などを読み取り自己の衚珟に掻甚する過皋を通しお創 造的に衚す技胜を育成するこずも倧切である。 指導に圓たっおは䞀぀䞀぀の制䜜工皋の意味ず党䜓的な手順の関係などを理解させる こずが重芁である。実際の制䜜に入るず途䞭でむメヌゞが広がるこずや構想や制䜜圓初 の段階で予期し埗なかった制䜜䞊の課題に向き合わなければならないこずもある。そのよ うな堎合よりよい方法を柔軟に怜蚎するこずで新たな発想ぞず぀ながったり立ち止た っお制䜜の構想や手順を再怜蚎するこずで制䜜䞊の課題の解決方法が芋぀かったりするこ ずなども考えられるこずから生埒が手順や技法を吟味する䞭で詊行錯誀し぀くる楜し さや喜びを感じ取るこずができるようにするこずが倧切である。 2 瀟䌚ず工芞   瀟䌚ず工芞に関する次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。  ア 瀟䌚的な芖点に立った発想や構想    ア  䜿う人の願いや心情生掻環境などから心豊かな発想をするこず。    む  䜿甚する人や堎などに求められる機胜ず矎しさずの調和を考え制䜜の構想 を緎るこず。  む 発想や構想をしたこずを基に創造的に衚す技胜    ア  制䜜方法を螏たえ意図に応じお材料や甚具を生かすこず。    む  手順や技法などを吟味し創造的に衚すこず。 「工芞Ⅰ」における「 2 瀟䌚ず工芞」では䞭孊校矎術科での孊習を基瀎にしお造 圢的な芋方・考え方を働かせ䜿う人の偎から生掻や瀟䌚を芋぀めるなど瀟䌚的な芖点に 立っお発想し䜿甚する人や堎などに求められる機胜ず矎しさずの調和を考え制䜜の構 第2 ç«  各科目 200
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想を緎り材料や甚具を生かし創造的に衚すなどしお発想や構想に関する資質・胜力 ず技胜に関する資質・胜力を育成するこずをねらいずしおいる。 ここでは䜿甚する人や堎などを考えお発想し瀟䌚的な芖点に立った工芞の制䜜に取 り組む孊習掻動を目指しおいる。そのため生埒が瀟䌚や生掻環境ず工芞ずの関連などを 考えお䜿う人の願いなどを基にしお求められるものを発想し構想を緎り自分の考え たこずが䜜品ずしお具珟化しおいく過皋で創造する喜びを感じ取らせるずずもに構想に 基づいお創造性豊かな制䜜ができるようにするこずが倧切である。ここでの孊習では食 噚の制䜜を䟋にずるず自分が䜿うこずを想定するのではなく幌児や高霢者が䜿いやす い食噚など他者が䜿甚するこずを前提ずした題材を蚭定し䜿う人の状況や心情などを 考えお制䜜するずずもに生埒が互いのよさを認め合えるようにするこずが倧切である。 指導に圓たっおは䟋えば䌁画曞を䜜成するなどしお䜿う人の願いなどを敎理し瀟 䌚的な芖点に立っお制䜜ができるようにするこずが必芁である。そのためには題材を通 しお䜕を孊ぶのかを明確にするずずもに題材名や導入の方法を工倫したり動機付け や制䜜の過皋における新しい気付きに぀ながる助蚀をしたりするなど䜿う人の願いを基 に制䜜をより深めるこずができるような指導が求められる。 たた生埒䞀人䞀人が䜿う人の立堎に立っお取り組めるように 〔共通事項〕ずの関連 を図り造圢の芁玠の働きや党䜓のむメヌゞで捉えるこずなどに぀いおの理解を実感的に 深め造圢的な芖点を豊かにするこずや 「鑑賞」ずの関連を図るこずも倧切である。 䟋えば鑑賞の孊習ずの関連では瀟䌚的な芖点に立った衚珟の意図ず創意工倫などを発 想や構想ず鑑賞の孊習の双方に働く䞭心ずなる考えずしお䜍眮付け工芞䜜品や工業補品 などを鑑賞し䜜者の心情や意図制䜜過皋における工倫などを生埒に読み取らせ䜜品 に蟌められた様々な願いを深く考えさせるこずは生埒が䜿う人の願いを芋぀め盎すきっ かけずなったり自分の衚したいものを芋付けたりするこずに぀ながる。衚珟の孊習で考 えるこずず共通する芖点で工芞䜜品などを鑑賞するこずで今たで挠然ずしおいた䜜者の 制䜜の意図ず制䜜方法ずの関わりなどが鮮明に芋えおきお自分の制䜜に生かされるなど 鑑賞するこずで衚珟が衚珟するこずで鑑賞がよりよいものになっおいくこずも倚くある こずから双方に働く䞭心ずなる考えを軞にしお鑑賞ずの関連を図り指導するこずが倧切 である。 ア 瀟䌚的な芖点に立った発想や構想 アは瀟䌚的な芖点に立った発想や構想に関する指導内容を瀺しおいる。 ここでは生埒が䜿う人の偎から生掻や瀟䌚を芋぀め䜿う人の願いや心情生掻環境 などを考え心豊かな発想をしそれらを基に䜿甚する人や堎などに求められる機胜ず矎 しさを考え制䜜の構想を緎るこずができるよう指導するこずが倧切である。 ア 䜿う人の願いや心情生掻環境などから心豊かな発想をするこず。 7 工芞Ⅰ 201
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ア は瀟䌚や生掻環境を広く芳察し工芞が珟代の生掻の䞭で果たす圹割や必芁性な どに関心を深め生掻をより楜しく心豊かにしおいくために䜿う人の気持ちや求めるも の生掻環境などを考え心豊かな発想をするこずに関する指導事項である。 䜿う人の願いや心情生掻環境などずは䜿う人の状況や願い私たちを取り巻く生掻 環境などのこずである。 ここでは家庭や孊校地域など生埒が生掻しおいる日垞的な瀟䌚や私たちを取り巻く 生掻環境公共の堎などで䜿う人の状況願いや心情などを想定しお工芞が果たす圹 割や必芁性工芞䜜品などの䜿い勝手や䜿い心地などに぀いお瀟䌚的な芖点に立っお調べ たり怜蚎したりするこずが倧切である。なお生掻環境などに぀いおは自らの䜓隓だけ ではなく情報通信ネットワヌクなど様々なメディアから埗た情報を基に想定した環境な ども考えられる。 心豊かな発想をするこずずは䜿う人の願いや心情求められる条件぀くるものぞの 思い想像力などを基に生埒自らが匷く衚したいこずを心の䞭に思い描くこずであり 発想や構想の孊習を進める䞊で基盀ずなるものである。ここでは他者の芖点に立っお考 えるこずが倧切であり実際に䜿う人や堎面䜜品に求められる条件などを様々な情報 や自己の䜓隓などから想像し発想をするこずが重芁である。 指導に圓たっおは生埒の課題意識や制䜜の必芁性の意識を高めるこずが重芁である。 そのためには䜿う人の気持ちや状況などに぀いお資料などを甚いお具䜓的に理解した り制䜜のための様々な条件を解決しながら発想をするこずの楜しさを味わわせたりする こずが倧切である。䟋えば生埒の課題意識などを高めるために身近にいる幌児や高霢 者などの生掻の様子を思い起こすこずや環境や犏祉の芖点から課題を芋いだすなど実 感をもっお考えるための具䜓的な手立おが求められる。その際 〔共通事項〕ずの関連を 図り圢や色圩玠材や光などの造圢の芁玠の働きやむメヌゞを捉えるこずができるよう に造圢的な芖点を豊かにするこずも重芁である。加えお瀟䌚的な芖点に立っお題材を蚭 定するためには様々な報道などにも目を向け瀟䌚における必芁性を考慮しお発想をす るこずが倧切である。 む  䜿甚する人や堎などに求められる機胜ず矎しさずの調和を考え制䜜の構想を緎 るこず。 む は䜿甚する人や堎などに求められる目的や条件機胜ず矎しさずの調和を考え 課題を的確に把握しよりよい制䜜の構想を緎るこずに関する指導事項である 䜿甚する人や堎などに求められる機胜ず矎しさずの調和を考えずは䜜品を実際に䜿甚 する人やそれを䜿う堎面などを想定しお䜜品に求められる機胜や条件ず矎しさなどを考 えるこずである。䟋えば陶芞で食噚を制䜜する堎合幌児や倧人など䜿う人の状況に応 じお持ちやすい圢状や倧きさ深さなどに぀いお怜蚎したり公共の堎で䜿うこずを想 定しお収玍するずきに重ねられる圢を工倫したり食品をよりおいしく芋せるために装 食や釉薬に぀いお吟味したりするこずなどが考えられる。 第2 ç«  各科目 202
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制䜜の構想を緎るこずずは䜜品に求められる機胜や条件矎しさなどを敎理し衚珟 するための圢や色圩玠材や光などの造圢の芁玠や材質構造に぀いお考え制䜜の構想 を緎るこずである。ここでは特に客芳的な芖点から䜿甚する人や堎などに求められる機 胜を理解するこずが求められる。そのためには䜿う人の意芋を聞いたり調査研究を したりするなどの資料の収集なども効果的である。 指導に圓たっおは䜿甚する人や堎求められる条件倧切にしたいむメヌゞなどを敎 理しお䌁画曞などを䜜成するずずもに生埒間で意芋を亀流するなどしお䜜品の圹割 䜿う人の気持ち圢や色圩材料の適切さなどを客芳的な芖点に立っお怜蚎し構想を緎 るこずが倧切である。たたアむデアスケッチや蚀葉などにより考えを敎理したり扱い の容易な材料を甚いお詊行錯誀したりお互いの構想を批評し合ったりするなどの蚀語掻 動の充実を図るなどしおより具䜓的なむメヌゞをもっお構想を緎るこずも効果的であ る。たた公共性や環境に圹立぀工芞䜜品ずしお䟋えば公共斜蚭における壁面レリヌ フや空間を挔出するオブゞェなどのような倧芏暡な䜜品を構想するこずも考えられる。そ の際 〔共通事項〕の指導を通しお造圢的な芖点を豊かにしお瀟䌚や生掻環境を芋぀めさ せるこずや 「鑑賞」ずの関連を図り瀟䌚や環境ずの関わりを螏たえお芋る人や䜿う 人の立堎に立ち実際に芋たり觊れたり映像等を通しお鑑賞したりしお圢や色圩玠 材や光などの矎しさず甚途や機胜ずの調和などを感じ取ったり䜿う人の願いを螏たえた 䜜者の心情や意図ず衚珟技法の工倫や玠材の生かし方などに぀いお考えたりしお芋方や 感じ方を深め制䜜の構想を緎るこずができるようにするこずも倧切である。 む 発想や構想をしたこずを基に創造的に衚す技胜 むは 発想や構想をしたこずを基に 創造的に衚す技胜に関する指導内容を瀺しおいる。 ここでは生埒䞀人䞀人が瀟䌚的な芖点に立っお発想や構想をしたこずを基に自分の 制䜜を具䜓化するために制䜜方法を螏たえ意図に応じお材料や甚具の特性を生かし 手順や甚具を吟味するなどしお創造的に衚すこずができるよう指導するこずが倧切であ る。 ア 制䜜方法を螏たえ意図に応じお材料や甚具を生かすこず。 ア は制䜜するものの構造材料の特性甚具の䜿甚法などを把握し意図に応じお それらの効果を生かすなどの技胜に関する指導事項である。 制䜜方法を螏たえずはそれぞれの材料の特性や加工方法それに必芁な甚具の扱い方 や技法などを把握するこずである。特に構想を的確に圢にするために叀くから甚いられ おいる様々な材料や甚具ずずもに合成暹脂や電動工具などの珟代の材料や甚具などの特 性やよさを孊び制䜜に生かすこずができるように理解を深めるこずが重芁である。  意図に応じお材料や甚具を生かすこずずは制䜜意図を確かめながら構想に基づいた 䜜品を確実に制䜜するために材料や甚具を目的に合わせお工倫し生かすこずである。 7 工芞Ⅰ 203
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ここでは構想段階のむメヌゞを的確に衚珟するための技胜が求められる。したがっお 材料や甚具を効果的に甚い䌁画曞やアむデアスケッチ図面などに基づいお衚すなどの 技胜が必芁ずなる。材料ずそれを甚いお衚珟するための甚具などを研究しそれらの生か し方や制䜜の方法に぀いお工倫し意図に応じお材料や甚具を的確に生かしながら技胜を 高めるこずが倧切である。たた構想に無理があるず技胜はあっおも䜜品にするこずは できないので発想や構想に関する資質・胜力ず創造的に衚す技胜ずを調和よく育成する こずが倧切である。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連も図り目的に応じお知識ず䜓隓を深めなが ら材料や甚具を生かす技胜を育成するこずが倧切である。特に「 2 瀟䌚ず工芞」に関す る事項では䜿う人の䜿い勝手や䜿い心地を重芖しおいるため詊䜜しお質感を確認する などしながらむメヌゞに合った仕䞊がりに近付けおいくなど制䜜の意図に応じお材料や 甚具の特性を生かすこずも重芁である。たた材料や甚具加工法倧きさなどから実 際に䜿甚するものを制䜜するこずが難しく暡型などで終わる堎合には工芞制䜜ずしお の実感が倱われないように泚意する必芁がある。䟋えば怅子などの制䜜で実際の材料を 䜿ったり実物倧で制䜜したりするこずが難しい堎合䞀郚代替の材料を甚いお本来の材料 の特城を想定しお衚わすこずや瞮小しお制䜜する時は接合郚分など構造に関わる郚分 を本来の技法を甚いお甚具を生かしながら衚すこずなどが考えられる。 なおここでは甚具の取扱いや手入れ埌片付けにいたるたでの管理や敎備の習慣安 党な取扱いも含めお指導する必芁がある。特に正確な圢や倧きさに加工するために電動 工具などを䜿甚するこずも考えられるので事前に安党な䜿甚に぀いお十分に指導する。 たた塗料類及び薬品類の䜿甚に際しおは換気や保管・管理を確実に行うこずが重芁で ある。 む 手順や技法などを吟味し創造的に衚すこず。 む は実際の制䜜に圓たっお制䜜党䜓を芋通しお効率的な制䜜手順や制䜜に適し た技法などを吟味するなどの技胜に関する指導事項である。 手順や技法などを吟味し創造的に衚すこずずは構想した䜜品の意図を確実に実珟す るために䌁画曞やアむデアスケッチ図面などに基づいおより効果的な手順や技法な どに぀いお様々な角床から吟味し創造的に衚すこずである。䟋えば金属でスプヌンや フォヌクなどを制䜜する堎合地金取りに無駄がないかなどの確認や制䜜に必芁な甚具の 遞択切断する箇所の決定ずずもにどの時点で熱を加え成圢を斜すのかたたどの郚 分をどのような技法で仕䞊げるのかなどを 䌁画曞やアむデアスケッチ 図面などを基に 䜜業の効率や正確さ 仕䞊がりの矎しさなどを考えお制䜜するこずが必芁ずなる。 たた 「 鑑賞」ずの関連を図り工芞䜜品などから制䜜過皋の工倫や玠材の生かし方技法などを 読み取り自己の衚珟に掻甚する過皋を通しお創造的に衚す技胜を育成するこずも倧切 である。 指導に圓たっおは瀟䌚的な芖点に立った工芞の制䜜では䜿甚する人や堎などを考え 第2 ç«  各科目 204
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た発想や構想の段階から蚈画に基づいお制䜜を進めるこずを重芖しおいる。そのため制 䜜の途䞭でむメヌゞが広がり圓初の蚈画を倉曎する必芁性が生じた堎合再床客芳的 な芖点に立っお制䜜の目的や条件を芋盎し倉曎するこずが劥圓であるかどうかを怜蚎 するこずが倧切である。 7 工芞Ⅰ 205
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 鑑 賞 鑑賞に関する資質・胜力を次のずおり育成する。 「鑑賞」は䞻䜓的に工芞䜜品や文化遺産などの造圢的なよさや矎しさなどを感じ取 り䜜者の心情や意図ず制䜜過皋の工倫工芞の働きや工芞の䌝統ず文化に぀いお考え 芋方や感じ方を深めるなどの鑑賞に関する資質・胜力を育成する領域であり 「 1 ア å·¥ 芞䜜品などの芋方や感じ方を深める鑑賞」  「 1 ã‚€ 生掻や瀟䌚の䞭の工芞の働きや工芞の 䌝統ず文化に぀いおの芋方や感じ方を深める鑑賞」の二぀の指導内容で構成しおいる。こ こでは生埒䞀人䞀人が自分の芋方や感じ方を倧切にしお鑑賞の芖点を豊かにし䟡倀 意識をもっお工芞䜜品や工芞の働き工芞の䌝統ず文化に぀いおの芋方や感じ方を深める こずができるようにするこずが倧切である。 1 鑑賞   鑑賞に関する次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。  ア  工芞䜜品などの芋方や感じ方を深める鑑賞    ア  身近な生掻の芖点に立っおよさや矎しさを感じ取り䜜者の心情や意図ず制 䜜過皋における工倫や玠材の生かし方技法などに぀いお考え芋方や感じ方 を深めるこず。    む  瀟䌚的な芖点に立っおよさや矎しさを感じ取り䜜者の心情や意図ず制䜜過 皋における工倫や玠材の生かし方技法などに぀いお考え芋方や感じ方を深 めるこず。  む  生掻や瀟䌚の䞭の工芞の働きや工芞の䌝統ず文化に぀いおの芋方や感じ方を深 める鑑賞    ア  環境の䞭に芋られる造圢的なよさや矎しさを感じ取り自然ず工芞ずの関わ り生掻や瀟䌚を心豊かにする工芞の働きに぀いお考え芋方や感じ方を深め るこず。    む  工芞䜜品や文化遺産などから日本の工芞の特質や矎意識を感じ取り工芞の 䌝統ず文化に぀いお考え芋方や感じ方を深めるこず。 「工芞Ⅰ」における「 1 鑑賞」では䞭孊校矎術科での孊習を基瀎にしお造圢的な 芋方 ・ 考え方を働かせ䞻䜓的に工芞䜜品や文化遺産などのよさや矎しさなどを感じ取り 䜜者の心情や意図ず衚珟の創意工倫自然や瀟䌚ず工芞ずの関係や生掻の䞭の工芞の働 き 日本の工芞の䌝統ず文化などに぀いお考え 䟡倀意識をもっお工芞䜜品や工芞の働き 工芞の䌝統ず文化に぀いおの芋方や感じ方を深めるなどしお鑑賞に関する資質・胜力を 育成するこずをねらいずしおいる。 今回の改蚂では 「鑑賞」 1 の内容をアの「工芞䜜品など」に関する事項ずむの 「工芞の働きや工芞の䌝統ず文化」に関する事項に分けお瀺した。アの「工芞䜜品など」 第2 ç«  各科目 206
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に関する事項では身近な生掻や瀟䌚的な芖点に立っおよさや矎しさなどを感じ取り 䜜者の心情や意図ず制䜜過皋における工倫や玠材の生かし方技法などに぀いお考え芋 方や感じ方を深めるこずを重芖しおいる。むの「工芞の働きや工芞の䌝統ず文化」に関す る事項では環境の䞭に芋られる造圢的なよさや矎しさ文化遺産などから日本の工芞の 特質や矎意識を感じ取り生掻や瀟䌚を心豊かにする工芞の働きや工芞の䌝統ず文化など に察する芋方や感じ方を深めるこずを重芖しおいる。 自我を確立し自己の矎意識や䟡倀芳を圢成するこの時期の鑑賞の孊習では生埒が自 己や生掻瀟䌚を芋぀め䟡倀意識をもっお工芞を捉え䞻䜓的に鑑賞する態床を身に付 けるこずが倧切である。鑑賞もたた創造掻動の䞀環であるこずから生埒が察象に察し䞻 䜓的に接し感性や矎意識想像力を豊かに働かせお察象や事象を造圢的な芖点で深く 捉え䜜品などに察する自分ずしおの意味や䟡倀を぀くりだすこずが求められる。そのた めには 〔共通事項〕ずの関連を図り造圢の芁玠の働きや党䜓のむメヌゞや䜜颚様 匏などで捉えるこずに぀いおの理解を深め新たな芖点で䜜品を捉え盎したり他の䜜品 ず比范しお盞違点や共通点に気付いたりするなど生埒が関心をもっお具䜓的によさや矎 しさを感じ取れるように指導を工倫するこずが必芁である。 指導に圓たっおは䌝統的な工芞品から珟代の工芞䜜品生埒の䜜品たた身近にある ものなど幅広く扱い実際に芋たり觊れたり䜿ったりしお玠材の生かし方や技法 圢や色圩ず甚途や機胜ずの関係などから工芞䜜品のよさや矎しさを感じ取るこずができる ように留意する。䟋えば矎術通や博物通等ず連携を図ったり玠材ず技法の関係に぀い お䜓隓的に鑑賞したり実際に䜿っおみお䜿い心地を確認したりするなどの指導の工倫 が倧切である。鑑賞䜜品に぀いおは実物ず盎接向かい合い䜜品のも぀よさや矎しさに ぀いお実感を䌎いながら捉えさせるこずが理想であるがそれができない堎合は倧きさ や材質感など実物に近い耇補䜜品の特城がよく衚されおいる印刷物ビデオコンピュ ヌタなどを䜿い効果的に鑑賞指導を進めるこずが必芁である。 特に アの「工芞䜜品など」を察象にした鑑賞に぀いおは 「思考力 刀断力 衚珟力等」 の育成の芳点から 「衚珟」の「 1 身近な生掻ず工芞」における身近な生掻の芖点 に立った衚珟ず 「 2 瀟䌚ず工芞」における 瀟䌚的な芖点に立った衚珟ずの関連を図り これら二぀の芖点から分けお瀺し発想や構想ず鑑賞の孊習の双方に働く䞭心ずなる考え を軞ずしながら盞互に関連させお育成するこずを重芖する。なお鑑賞ず衚珟のそれぞれ が独立した題材で盎接内容の関連が図れない堎合においおは鑑賞の孊習が䜜品の定たっ た䟡倀を孊ぶだけの衚面的な孊習に終始しないよう鑑賞の孊習の䞭で䜜者の心情になっ お発想や構想を膚らたせるような芖点や制䜜手順をたどりながら制䜜方法に着目させる ような芖点を䜍眮付けるこずが倧切である。 たた䞻䜓的な鑑賞の掻動により鑑賞に関する資質・胜力を育成するために孊習のね らいに応じお工芞䜜品などの適切な遞定したり生埒の䜜品に぀いおもお互いに鑑賞の察 象ずしたりするずずもに蚀語掻動の充実を図るこずが倧切である。その際生埒䞀人䞀 人の異なった感じ方や考え方を尊重するずずもに䟡倀意識をもっお蚎論や批評し合った りするなどの察話的な掻動を通しお察象の捉え方や感じ方衚珟の違いずそれぞれのよ 7 工芞Ⅰ 207
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さなどに気付き自他の䜜品の特性や個性を螏たえお芋方や感じ方を深めるようにするこ ずが必芁である。 ア 工芞䜜品などの芋方や感じ方を深める鑑賞 アは工芞䜜品などの芋方や感じ方を深める鑑賞に関する指導内容を瀺しおいる。 ここでは生埒が䟡倀意識をもっお工芞䜜品などのよさや矎しさなどを感じ取り䜜 者の心情や意図ず制䜜過皋における工倫や玠材の生かし方技法などに぀いお考えるなど しお鑑賞の芖点を豊かにし身近な生掻や瀟䌚的な芖点に立っお工芞䜜品などの芋方や考 え方を深めるこずができるよう指導するこずが倧切である。 ア  身近な生掻の芖点に立っおよさや矎しさを感じ取り䜜者の心情や意図ず制䜜過 皋における工倫や玠材の生かし方技法などに぀いお考え芋方や感じ方を深める こず。 ア は身近な生掻の芖点に立っお様々な工芞䜜品からよさや矎しさを感じ取り䜜 者の心情や意図ず制䜜過皋における工倫や玠材の生かし方技法などに぀いお考え鑑賞 する楜しさや喜びを味わうずずもにその特城を捉え分析するなどしお䜜品に察する 芋方や感じ方を深める鑑賞に関する指導事項である。 身近な生掻の芖点に立っおよさや矎しさを感じ取りずは自己の䜓隓の䞭で培われた䟡 倀意識を基に自分の芋方や感じ方を倧切にしながら身近な芖点に立っお圢や色圩 玠材などの矎しさず甚途や機胜ずの調和觊れた感じや重さなどを含めた総合的に醞し 出されるよさや矎しさを䞻䜓的に感じ取るこずである。 身近な芖点に立った工芞䜜品などの鑑賞においお芋方や感じ方を深めるためには単 に矎を盎感的に感じ取るだけではなく身近な生掻ず工芞ずの関係に぀いお考えるこずを 起点ずしお造圢の芁玠の働きに関する知識やそれらを衚珟の掻動で生かした自らの技 胜や材料甚具の経隓䜜者の衚珟における粟神生き方などず䜜品ずの関わりなどの倚 様な芳点から 察象や事象を感性ず知性の䞡面を豊かに働かせお捉えるこずが倧切である。 䜜者の心情や意図ず制䜜過皋における工倫や玠材の生かし方技法などに぀いお考えず は䜜品に蟌めた䜜者の思いや心情どのように䜿っおほしいかずいうメッセヌゞや仕䞊 げぞのこだわりず制䜜意図に察応した䜜者の玠材の生かし方や加工方法道具の工倫や 制䜜の技術などに぀いお身近な生掻や自然などずの関わりから考えるこずである。ここで の鑑賞では身近な生掻の芖点に立った玠材の生かし方や技術技法などの理解を深める こずも重芁である。䟋えば朚工䜜品の鑑賞においお接合の技術朚目の矎しさや朚の 持ち味を生かした継ぎ手の加工などの技法を理解するこずにより䜜者の工倫や技術のす ばらしさなどを感じ取るこずができる。たた身近な生掻の芖点に立っお倚様な玠材 技術技法に觊れ䜜者の心情や意図に぀いお考えさせたり制䜜の具䜓的な技術や技法 を芋せたりするこずが重芁である。ここでは生埒の自由な芋方や感じ方を倧切にしお 第2 ç«  各科目 208
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衚珟の独自性や創造性衚珟の意図に応じた玠材の生かし方や技術技法ずその効果䜜 品の背景にある身近な生掻ずの関連などを分析的にあるいは総合的に捉えるこずが倧切 である。 特に制䜜過皋における工倫や玠材の生かし方技法などに぀いおは教垫が実際に制 䜜しお芋せたり地域の職人の技を鑑賞したり映像による鑑賞を取り入れたりするなど の工倫が求められる。技術や技法は先人たちが長い歎史の䞭で創意工倫を重ね磚き䞊 げながら受け継がれおきたものである。熟緎者による䜜品づくりからは玠材の効果的な 生かし方技法の工倫技術のすばらしさ制䜜に察する厇高な粟神などを感じ取るこず ができる。たたものづくりにはそれぞれに適した道具が欠かせないものである。道具 が制䜜においお果たす圹割を理解するずずもに道具のも぀機胜的圢䜓的な矎しさも理 解させる必芁がある。特に工芞の鑑賞ではこれらを理解しながら䜜品を芋るこずが倧切 である。 芋方や感じ方を深めるずは芋たり觊れたり䜿ったりしお䜜品のよさや矎しさを総 合的に感じ取り幟䞖代にも守られ䌝えられおきた意匠や玠材技法等ず䜜者の心情や 意図ずの関係に぀いお考えるなどしお鑑賞の芖点を豊かにし䟡倀意識をもっお芋方や感 じ方を深めるこずである。 指導に圓たっおは生埒䞀人䞀人の異なった感じ方や考え方を尊重するずずもにそれ ぞれの生埒が䟡倀意識をもっお䜜品を捉え身近な生掻の芖点に立っお衚珟の違いや玠 材の生かし方䜜品それぞれのよさなどに気付きより䞻䜓的に芋方や感じ方を深めおい くこずが重芁である。䟋えば陶芞で制䜜された食噚を鑑賞する堎合それぞれの生埒が 自己の生掻ず照らし合わせお圢や色圩などから䜜品のよさや矎しさを感じ取ったり䜿 い勝手や装食などから䜜者の心情や制䜜過皋における工倫や玠材の生かし方技法などに ぀いお考えさせたりするこずなどはその䞀䟋である。ここでは必ずしも実甚的でない噚 によさなどを感じるこずもあるように他の倚くの生埒の芖点ずは異なる点によさや矎し さを感じる堎合も考えられる。このような堎合でもその芋方や感じ方を尊重するずずも にその根拠を自身の生掻習慣やあこがれなどから探求するなどしお考えさせるように し生埒が盞互に認め合えるようにする必芁がある。その際孊習のねらいに適した䜜品 を遞定するずずもにそれらを明確な芖点をもっお鑑賞し 〔共通事項〕を芖点に䜜品に ぀いお蚎論したり䜜者や䜜品に぀いお調べお䜜品に蟌められた思いなどに基づいお䜜品 の背景を芋぀め分析したりするなどしお総合的に芋方や感じ方を深められるようにする こずが倧切である。たた 「衚珟」 1 の「身近な生掻ず工芞」アずの関連を図り発想 や構想ず鑑賞の孊習の双方に働く䞭心ずなる考えを軞ずしながら身近な生掻の芖点に立 った目的や条件の捉え方感じ方や考え方衚珟の違いずそれぞれのよさなどに気付き 䜜品などに察する芋方や感じ方を深められるよう配慮するこずが必芁である。加えお蚀 葉で考えさせその考えを敎理させるこずも重芁である。挠然ず芋おいおは感じ取れない こずが蚀葉にするこずによっお矎しさの芁玠が明確になりより確かに感じ取るこずが できるようになる。蚀葉で衚珟するこずは芋る芖点を敎理するこずにもなり鑑賞に関す る資質・胜力を高めるためには必芁である。その際それらを手掛かりに自己ずの察話を 7 工芞Ⅰ 209
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深めたり他者に説明したりするなどしお自分の感じたこずや考えたこずをより明確に しおいくこずが倧切である。 む  瀟䌚的な芖点に立っおよさや矎しさを感じ取り䜜者の心情や意図ず制䜜過皋に おける工倫や玠材の生かし方技法などに぀いお考え芋方や感じ方を深めるこず。 む は瀟䌚的な芖点に立っお様々な工芞䜜品からよさや矎しさを感じ取り䜜者の 心情や意図ず制䜜過皋における工倫や玠材の生かし方技法などに぀いお考え鑑賞する 楜しさや喜びを味わうずずもにその特城を捉え分析するなどしお䜜品に察する芋方や 感じ方を深める鑑賞に関する指導事項である。 瀟䌚的な芖点に立っおよさや矎しさを感じ取りずは瀟䌚や環境ずの関わりを螏たえお 䜿う人の立堎に立ち自分の芋方や感じ方を倧切にしながら圢や色圩玠材などの矎し さず甚途や機胜ずの調和觊れた感じや重さなどを含めた総合的に醞し出されるよさや 矎しさを感じ取るこずである。 瀟䌚的な芖点に立った工芞䜜品などの鑑賞においお芋方や感じ方を深めるためには 単に矎を盎感的に感じ取るだけではなく瀟䌚ず工芞ずの関係に぀いお考えるこずを起点 ずしお造圢の芁玠の働きに関する知識やそれらを衚珟の掻動で生かした自らの技胜や 材料甚具の経隓䜜者の衚珟における粟神生き方などず䜜品ずの関わりなどの倚様な 芳点から察象や事象を感性ず知性の䞡面を豊かに働かせお捉えるこずが倧切である。 䜜者の心情や意図ず制䜜過皋における工倫や玠材の生かし方技法などに぀いお考えず は䜿う人の願いを受けお党おの人が快適に䜿っおほしいなど䜜品に蟌めた䜜者の心情 どのように䜿っおほしいかずいうメッセヌゞや仕䞊げぞのこだわりず制䜜意図に察応し た玠材の生かし方や加工方法道具の工倫や制䜜の技術などに぀いお瀟䌚や環境ずの関 わりから考えるこずである。ここでの鑑賞では瀟䌚的な芖点に立った玠材の生かし方や 技術技法などの理解を深めるこずが重芁である。䟋えば金工䜜品の鑑賞においお熔 解性や展延性を利甚しお成圢する技法を理解するこずにより䜜者の工倫や技術のすばら しさなどを感じ取るこずができる。たた瀟䌚的な芖点に立っお倚様な玠材技術技 法に觊れ䜜者の心情や意図に぀いお考えさせたり制䜜の具䜓的な技術や技法を芋せた りするこずが重芁である。ここでは生埒の自由な芋方や感じ方だけでなく倚くの人が 目的や条件に応じお共通に感じる䜿い心地や䜿いやすさ衚珟の独自性創造性や衚珟の 意図に応じた玠材の生かし方や技術技法ずその効果䜜品の背景にある瀟䌚ずの関連な どを分析的にあるいは総合的に捉えるこずが倧切である。 特に制䜜過皋における工倫や玠材の生かし方技法などに぀いおは教垫が実際に制 䜜しお芋せたり地域の職人の技を鑑賞したり映像による鑑賞を取り入れたりするなど の工倫が求められる。技術や技法は先人たちが長い歎史の䞭で創意工倫を重ね磚き䞊 げながら受け継がれおきたものである。熟緎者による䜜品づくりからは玠材の効果的な 生かし方技法の工倫技術のすばらしさ制䜜に察する厇高な粟神などを感じ取るこず ができる。たたものづくりにはそれぞれに適した道具が欠かせないものである。道具 第2 ç«  各科目 210
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が制䜜においお果たす圹割を理解するずずもに道具のも぀機胜的圢䜓的な矎しさも理 解させる必芁がある。特に工芞の鑑賞ではこれらを理解しながら䜜品を芋るこずが倧切 である。 芋方や感じ方を深めるずは芋たり觊れたり䜿ったりしお䜜品のよさや矎しさを総 合的に感じ取り調べたりしお䜜品玠材や技法䜜者に぀いおの心情や意図に぀いお 考えるなどしお鑑賞の芖点を豊かにし䟡倀意識をもっお芋方や感じ方を深めるこずであ る。 指導に圓たっおは生埒䞀人䞀人の異なった感じ方や考え方を尊重するずずもに䜜品 の背景にある時代や瀟䌚生掻の様匏や習慣等を分析的にあるいは総合的に捉えるなど しお様々な芳点から工芞が生掻や瀟䌚の䞭で果たしおいる圹割や぀くった人の思いを掚 量させるこずが重芁である。䟋えば陶芞で制䜜された食噚を鑑賞する堎合幌児や倧人 など䜿う人の状況や公共の堎で䜿うこずを想定させお䜜品のよさや矎しさを感じ取らせ たり噚の圢から飲むずきの口圓たりや持ちやすさ掗いやすさ収玍しやすさなど圢 状や機胜装食などから䜜者の心情や制䜜過皋における工倫や玠材の生かし方技法など に぀いお考えさせたりするこずなどはその䞀䟋である。ここでは䜿う人の願いをいかに 実珟させようずしおいるのかずいうこずや䜿い勝手などを倚くの人が共感できるもので あるかなど実際に芋たり觊れたりしながら感じ取らせた䞊で調べたり批評し合っ たりするなどしお考えさせるこずが倧切である。その際孊習のねらいに適した䜜品を遞 定するずずもにそれらを明確な芖点をもっお鑑賞し 〔共通事項〕を芖点に䜜品に぀い お蚎論したり䜜者や䜜品に぀いお調べお䜜品に蟌められた䜿う人ぞの願いなどに基づい お䜜品の背景を芋぀め分析したりするなどしお総合的に芋方や感じ方を深められるよう にするこずが倧切である。たた 「衚珟」 2 の「瀟䌚ず工芞」アずの関連を図り発想 や構想ず鑑賞の孊習の双方に働く䞭心ずなる考えを軞ずしながら瀟䌚的な芖点に立った 目的や条件の捉え方感じ方や考え方衚珟の違いずそれぞれのよさなどに気付き䜜品 などに察する芋方や感じ方を深められるよう配慮するこずが必芁である。加えお 「鑑 賞」 1 ア ア ず同様に蚀葉で考えさせその考えを敎理させるこずも重芁である。 ã‚€  生掻や瀟䌚の䞭の工芞の働きや工芞の䌝統ず文化に぀いおの芋方や感じ方を深め る鑑賞 むは生掻や瀟䌚の䞭の工芞の働きや工芞の䌝統ず文化に぀いおの芋方や感じ方を深め る鑑賞に関する指導内容を瀺しおいる。 ここでは生埒が䟡倀意識をもっお様々な工芞䜜品や文化遺産工芞䜜品が甚いられ る堎面などからよさや矎しさ我が囜の矎意識を感じ取り生掻や瀟䌚を心豊かにする 工芞の働きや工芞の䌝統ず文化に぀いおの芋方や感じ方を深め叀来人々が倧切にし おきたものや䟡倀に気付き人間が長い歎史の䞭で぀くりだし継承しおきた工芞䜜品や 䌝統ず文化ずその粟神などを味わいそれらを尊重する態床を逊うこずができるよう指導 するこずが倧切である。 7 工芞Ⅰ 211
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ア  環境の䞭に芋られる造圢的なよさや矎しさを感じ取り自然ず工芞ずの関わり 生掻や瀟䌚を心豊かにする工芞の働きに぀いお考え芋方や感じ方を深めるこず。 ア は自然や生掻の環境瀟䌚の䞭の様々な堎面ずそれに関わる様々な工芞䜜品から 造圢的なよさや矎しさを感じ取るずずもに生掻や瀟䌚を明るく心豊かにし向䞊させる 䞊で工芞がも぀意矩や働きに぀いお考えるなどしお芋方や感じ方を深める鑑賞に関する 指導事項である。 環境の䞭に芋られる造圢的なよさや矎しさを感じ取りずは自然や生掻の環境瀟䌚の 䞭の様々な堎面ずそれに関わる様々な工芞䜜品から自分の芋方や感じ方を倧切にしなが ら造圢的なよさや矎しさを感じ取るこずである。ここでは環境の䞭に芋られる様々な 工芞に目を向け身近な生掻や瀟䌚的な芖点に立っお造圢的な課題に気付いたり心安ら ぐ環境に぀いお再発芋したりするなどよさや矎しさなどを感じ取りながら環境の䞭の 工芞の働きに぀いお実感を䌎いながら捉えられるようにするこずが倧切である。たた 「 衚珟」ず関連させお工芞の働きに぀いおより効果的に孊習するこずも考えられる。 自然ず工芞ずの関わりずは自然ず生掻を結び付け生掻や瀟䌚を矎しく心豊かにする 工芞の働きに぀いお䜜品の背景にある自然環境や時代瀟䌚生掻の様匏や習慣等のこず である。ここでは自然ず工芞ずの関わりを分析的にあるいは総合的に考えるこずが倧 切である。我が囜の工芞は自然ずの豊かな関わりの䞭で育たれおきた。それは工芞䜜 品などの材料ずしお甚いられおいる玠材を生み出す母䜓ずしおの自然ず䞻題や衚珟の察 象ずしお取り入れられおいる自然物や自然珟象などの二面から考えるこずができる。前者 に぀いおは䟋えば叀くから朚や竹土などの自然の玠材のよさを生かしお工芞䜜品が 制䜜され生掻の䞭で愛着をもっお䜿われおきた。そこには珟代に至るたでの人類の知 恵が蓄積されおきた長い歎史がある。埌者に぀いおは䟋えば花鳥颚月などの自然を䞻 題にした工芞䜜品動怍物を基にした意匠などがある。生掻の䞭に自然を眮き自然ず共 生し自然を倧切にする我が囜の文化の特質などに觊れ工芞ず自然ずの関わりに぀いお 捉え考えを深めさせるこずが倧切である。 生掻や瀟䌚を心豊かにする工芞の働きに぀いお考えずは工芞が衣・食・䜏など日垞 生掻の䞭でどのように生かされおいるかに぀いお考えるこずである。その際日垞生掻の 䞭での甚途ず矎しさずの調和を感じ取り矎しいものや優れたものを遞ぶ矎的な刀断力を 身に付けるこずが倧切である。加えお䌝統的な工芞䜜品などのよさに぀いお考え生掻 を心豊かにしおいくために機胜ず矎の新たな調和の远求や䟡倀の創造がなされ続けおき たこずに぀いお考えを深めるこずも重芁である。ここでは 〔共通事項〕ずの関連を図り 造圢的な芖点を豊かにし日頃芋慣れたものなどを新たな芖点から捉えさせるなどしお 生掻や瀟䌚における工芞の働きに぀いお実感をもっお味わうこずができるようにするこず が倧切である。たた工芞の䌝統ず文化を螏たえながら生埒が普段䜿っおいる食噚や生 掻甚具など生掻の䞭にある工芞䜜品を鑑賞するこずで珟代における工芞のも぀意味や䟡 倀を考えるこずも効果的である。 第2 ç«  各科目 212
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芋方や感じ方を深めるずは自然や工芞䜜品人々の生掻や瀟䌚などを芳察したり調べ たりしお考察を深め自然ず工芞の関係生掻や瀟䌚における工芞の働きなどに぀いお考 えるなどしお鑑賞の芖点を豊かにし 䟡倀意識をもっお芋方や感じ方を深めるこずである。 指導に圓たっおは自然ずの調和や共生等の芖点から自分自身の生掻をより心豊かなも のにする態床を逊うこずが重芁である。ここでは生掻や瀟䌚の倉化に応じお様々な䟡 倀芳ずの調和を図り生掻をより心豊かなものにしおきた工芞の働きや圹割に぀いお䞻 䜓的に考えおいくこずも必芁である。たた季節の倉化ず結び付いた生掻を圩る工芞䜜品 に觊れ地域ずの連携を通しお日々の生掻においお工芞に芪しみ自分の芋方や感じ方を 深めおいくこずが倧切である。 む  工芞䜜品や文化遺産などから日本の工芞の特質や矎意識を感じ取り工芞の䌝統 ず文化に぀いお考え芋方や感じ方を深めるこず。 む は工芞䜜品や文化遺産などから日本の䌝統的な工芞の特質や矎意識を感じ取り 衚珟方法工芞の䌝統ず文化に぀いお考えるなどしお芋方や感じ方を深める鑑賞に関す る指導事項である。 工芞䜜品や文化遺産などから日本の工芞の特質や矎意識を感じ取りずは日本の工芞䜜 品や文化遺産などから自分の芋方や感じ方を倧切にしながら日本の気候颚土生掻 様匏諞倖囜からの圱響など様々な芁玠ず工芞に関わり真摯に生きおきた人々の玠材や 矎ぞのこだわりなどを感じ取るこずである。日本の工芞は時代の流れの䞭で倚くの異文 化を取り入れ咀嚌し぀぀発展・倉容させ独自の文化を圢成しおきた。これらを螏たえ 日本文化の根底に受け継がれおきた独自の矎意識や自然芳それぞれの時代の創造的粟神 や矎を求める心情創䜜ぞの知恵玠材ぞの繊现な思いなど工芞の䌝統ず文化の根底に 受け継がれおきた工芞䜜品や文化遺産などに衚れおいる日本の䌝統的な工芞の特質や独自 の矎意識を感じ取るこずが重芁である。その際 〔共通事項〕のむずの関連を図り造圢 的な特城などから䜜颚や様匏などで捉えるこずを理解しながら文化的な芖点で工芞䜜 品などを芋぀めるこずも効果的である。 工芞の䌝統ず文化に぀いお考えずは 各時代の生掻や瀟䌚の状況 信仰や人生芳など人々 の粟神的背景に裏付けられ぀぀圢成されおきた日本の工芞の䌝統ず文化に぀いお考えるこ ずである。日本における工芞に関する䜜品䜜颚䜜家䟡倀芳矎意識などの有圢・無 圢の成果の総䜓ずしお工芞の䌝統ず文化を䜍眮付け䌝統的か぀創造的な偎面の䞡偎面か ら考えるこずが重芁である。 芋方や感じ方を深めるこずずは日本の䌝統的な工芞の特質や矎意識に぀いお感じ取 り日本の工芞ず文化の時代ごずの衚珟圢匏や衚珟方法意匠玠材の特質などに぀いお 捉えたり工芞の䌝統ず文化に぀いお考えたりするなどしお鑑賞の芖点を豊かにし䟡倀 意識をもっお芋方や感じ方を深めるこずである。 指導に圓たっおは日本の工芞䜜品には時代や地域特有の矎意識が衚れおいるだけで はなく流掟・様匏ずしお継承されおきた矎意識や自然芳䜜者によっお異なる個性など 7 工芞Ⅰ 213
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様々な芁玠がある。たた䌝統的な行事や生掻の䞭から矎に察するあこがれや生掻を心 豊かにしおいく工芞䜜品が生たれおきたこずに気付かせるこずが重芁である。䟋えば工 芞䜜品の様々な組合せや䜿い方等によっお新鮮な矎が生み出されるこずにも気付かせるこ ずもできる。その䞊で䌝統的䟡倀芳が珟代の生掻にも息づいおいるこずに気付かせる ずずもにアゞアをはじめずする諞倖囜の工芞䜜品などず比范鑑賞するなどしおそれぞ れのよさや矎しさを感じ取り工芞の䌝統ず文化の䟡倀を尊重し継承しようずする心情や 態床を逊うこずが倧切である。 第2 ç«  各科目 214
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〔共通事項〕 〔共通事項〕 1 は 今回の改蚂で新しく蚭けた事項である。ア及びむの各指導事項は 「 衚珟」及び「鑑賞」の孊習においお共通に必芁ずなる資質・胜力であり造圢的な芖点 を豊かにするために必芁な知識ずしお䜍眮付けおいる。 衚珟及び鑑賞の孊習においお共通に必芁ずなる資質・胜力を次のずおり育成する。 〔共通事項〕の「共通」ずは 「衚珟」ず「鑑賞」の領域及びその項目や事項の党 おに共通するずいう意味である。同時に発想や構想技胜鑑賞に関する資質・胜力に 共通しお働くずいう意味であり衚珟及び鑑賞の孊習においおそれぞれに必芁ずなる資 質・胜力ずしお䜍眮付けおいる。 今回の改蚂では造圢を豊かに捉える倚様な芖点がもおるようにするこずを重芖しおお り 「衚珟」  「鑑賞」及び〔共通事項〕の指導を通しお生埒䞀人䞀人が造圢的な 芋方・考え方を働かせ衚珟及び鑑賞に関する資質・胜力を高め生掻や瀟䌚の䞭の工芞 や工芞の䌝統ず文化ず幅広く関わるこずができるようにするこずを目指しおいる。 指導に圓たっおは䞭孊校矎術科の孊習も考慮し぀぀指導蚈画を䜜成するこずが重芁 である。その際 「衚珟」及び「鑑賞」のそれぞれの指導事項においお 「内容の取 扱い」 3 に瀺されおいる内容に配慮し 〔共通事項〕を適切に䜍眮付けお題材の蚭定や指 導蚈画の䜜成を行う必芁がある。 1   「衚珟」及び「鑑賞」の指導を通しお次の事項を身に付けるこずができる よう指導する。  ア  造圢の芁玠の働きを理解するこず。  む  造圢的な特城などを基に党䜓のむメヌゞや䜜颚様匏などで捉えるこずを理 解するこず。 〔共通事項〕 1 は 「衚珟」及び「鑑賞」の孊習においお共通に必芁ずなる造圢的 な芖点を豊かにするために造圢の芁玠の働きや造圢的な特城などを基に党䜓のむメ ヌゞや䜜颚様匏などで捉えるこずを理解する項目である。 「衚珟」及び「鑑賞」の指導を通しお次の事項を身に付けるこずができるよう指 導するずは 〔共通事項〕はそれのみを取り䞊げお題材にするものではなく 「衚珟」 及び「鑑賞」のそれぞれの指導を通しお身に付けるこずができるよう指導するものであ るこずを瀺しおいる。 アは圢や色圩玠材や光などそれぞれの造圢の芁玠に芖点を圓お自分の感じ方を 倧切にしお枩かさや軟らかさ安らぎなどの性質や感情にもたらす効果など造圢の芁 玠の働きを理解する指導事項である。それに察しおむは造圢的な特城などから党䜓の むメヌゞや䜜颚 様匏などで倧きく捉えるずいうこずを理解する指導事項である。いわば 7 工芞Ⅰ 215
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アは「朚を芋る」 むは「森を芋る」ずいった芖点で造圢を豊かに捉えられるようにする ために必芁ずなる内容を瀺しおおりこれらは衚珟及び鑑賞の孊習においお共通に必芁ず なる資質・胜力である。 今回の改蚂においお〔共通事項〕に瀺された知識は単に新たな事柄ずしお知るこずや 蚀葉を暗蚘するこずに終始するものではなく生埒䞀人䞀人が衚珟及び鑑賞の掻動の孊習 過皋を通しお個別の感じ方や考え方等に応じながら掻甚し実感を䌎いながら理解を深 め生きお働く知識ずしお身に付けるものであり新たな孊習過皋を経隓するこずを通し お再構築されおいくものである。 ア 造圢の芁玠の働きを理解するこず。 アは造圢の芁玠の働きに぀いおの理解に関する指導事項である。 造圢の芁玠の働きを理解するずは造圢の芁玠に着目しその働きを捉えるこずができ るように圢や色圩玠材や光などの性質やそれらが人の感情にもたらす様々な効果な どに぀いお理解するこずなどが考えられる。 䟋えば 〔共通事項〕のアの指導では 「衚珟」 1 の「身近な生掻ず工芞」アの孊習 においお身近な生掻の芖点に立った発想や構想をする堎面では既成の抂念や垞識にずら われるだけでなくそれぞれ固有の特城を䜓の諞感芚を働かせお捉え理解できるように するこずが倧切である。それに察しお 2 の「瀟䌚ず工芞」アの孊習における瀟䌚的な 芖点に立った発想や構想をする堎面では客芳的な芖点を螏たえお圢や色圩玠材や光 などの性質や それらが感情にもたらす効果などを理解しおいくこずになる。このように 造圢的な芖点を豊かにするためには発想や構想をする堎面創造的に衚す技胜を働かせ る堎面鑑賞においお芋方や感じ方を深める堎面などで知識を掻甚しながら理解を深める こずや掻動する䞭で造圢の芁玠の働きに気付くこずをきっかけずしお理解を深めるこ ずなどもある。そのため必ずしも知識を習埗しおから掻甚するずいった順序性をもっお 指導するものではないこずに留意する必芁がある。 ã‚€  造圢的な特城などを基に党䜓のむメヌゞや䜜颚様匏などで捉えるこずを理解 するこず。 むは造圢的な特城などを基に党䜓のむメヌゞや䜜颚様匏などで捉えるこずに぀い おの理解に関する指導事項である。 造圢的な特城などを基に党䜓のむメヌゞや䜜颚様匏などで捉えるこずを理解するず は察象ずなるものの党䜓に着目しお造圢的な特城などからむメヌゞを捉えるこずがで きるように芋立おたり心情などず関連付けたりするなど党䜓のむメヌゞで捉えるこずに ぀いお理解したり䜜颚や様匏などの文化的な芖点で捉えるずいうこずに぀いお理解した りするこずである。 生埒が衚したいむメヌゞを捉えお豊かに発想し構想を緎ったり䜜品などからむメヌゞ 第2 ç«  各科目 216
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を捉えお豊かに鑑賞したりできるようにするためには挠然ず察象を芋぀めるだけでな く具䜓物に芋立おたり心情などず関連付けたりするなど党䜓のむメヌゞで捉えるずい うこずを理解しお察象を芋぀めるこずも重芁である。䟋えば造圢的な特城などから「こ の小皿は朚の葉のように芋える」などのように芋立おるこずや 「挆噚の挆の色の倉化か ら感じられるぬくもりが倕暮れの景色を芋た情景ず䌌おいる」など心情ず関連付けお むメヌゞを捉えるこずなどはその䞀䟋である。たた䜜颚や様匏などで捉えるずいうこず の理解から 「氎たたりの凍った衚面がガラス工芞のようだ」  「この工芞䜜品に芋られる 豊かな装食性には琳掟の雰囲気がある」など党䜓を文化的な芖点から捉えるこずも重芁 であり工芞の䌝統ず文化に぀いおの芋方や感じ方を深めるこずにも぀ながるものであ る。むメヌゞを捉える堎合必ずしも最初から党䜓のむメヌゞや䜜颚などで捉えるこずを 理解し根拠を明確にさせお察象のむメヌゞを捉えさせるだけではなく盎感的な捉え方も 倧切である。䟋えば 自然の颚景や䜜品を芋た瞬間にむメヌゞが浮かぶこずも少なくない。 「淡い色合いの着物を芋た時に春の季節を衚しおいるように芋えた」ずきのように必ず しもむメヌゞずしお捉えた根拠が明確でなくおも生み出されたむメヌゞは倧切にし埌 からその根拠が明確になっおいき〔共通事項〕むの内容の理解が深たるこずもある。この ような盎感的な捉え方を重ねるこずも倧切にする䞭で䞀人䞀人の独自の造圢的な芖点が 豊かになり自分らしい芋方が育っおいくものである。 7 工芞Ⅰ 217
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1  内容の「衚珟」及び「鑑賞」の指導に぀いおは䞭孊校矎術科ずの関連を十 分に考慮し 「衚珟」及び「鑑賞」盞互の関連を図り特に発想や構想に関す る資質・胜力ず鑑賞に関する資質・胜力ずを総合的に働かせお孊習が深められるよ うにする。 「工芞Ⅰ」は䞭孊校矎術科の孊習の基瀎の䞊に蚭けた科目であり内容の「衚珟」 及び「鑑賞」の指導に圓たっおは䞭孊校における孊習経隓や生埒の資質・胜力適 性興味 ・ 関心等を十分に考慮しお指導蚈画を䜜成するこずが重芁である。そのためには 各内容における指導のねらいを十分に怜蚎しそれを実珟するこずのできる適切な題材を 蚭定するなど 「工芞Ⅰ」においお育成する資質・胜力が身に付くよう指導蚈画に䜍眮付 ける必芁がある。 指導蚈画の䜜成に圓たっおは 「衚珟」及び「鑑賞」のそれぞれの目暙ず内容を的 確に把握し盞互の関連を十分に図った孊習が展開されるよう配慮しなければならない。 そのためには各内容における指導のねらいを十分に怜蚎しそれを実珟するこずのでき る適切な題材を蚭定する必芁がある。そしお特に「思考力刀断力衚珟力等」を育成 する芳点から発想や構想ず鑑賞に関する資質・胜力を総合的に働かせお孊習が深められ るよう十分配慮するこずが倧切である。䟋えば 「衚珟」 1 アの身近な生掻の芖点に立 っお発想し構想を緎るこずず「鑑賞」 1 ア ア の身近な生掻の芖点に立っおよさや矎し さを感じ取り䜜者の心情や衚珟の意図ず制䜜過皋における工倫や玠材の生かし方技法 などに぀いお考えるこずは盞互に関連しおおり身近な生掻の芖点に立った衚珟に関する 䜜品を鑑賞し䜜者がどのように自然や玠材自己の思いなどから心豊かな発想をしたの か考えるこずが生埒が実際に衚珟する際に発想したり構想を緎ったりする力を高めるこ ずになる。同様に「衚珟」 2 アず「鑑賞」 1 ア む ずの関連においおも鑑賞の孊 習が発想や構想に関する資質・胜力を高めるこずに぀ながる。 たた衚珟ず鑑賞の指導の関連を図る際には鑑賞の孊習においお単に衚珟のための 参考䜜品ずしお衚面的に䜜品を芋るのではなく発想や構想ず鑑賞の孊習の双方に働く䞭 心ずなる考えを軞にそれぞれの資質・胜力を高められるようにするこずが倧切である。こ れらの盞互の関連を図るこずは衚珟掻動においお発想や構想ず関連する創造的に衚す技 胜を高めるこずにも぀ながる。 このように衚珟ず鑑賞は密接に関係しおおり衚珟の孊習が鑑賞に生かされそしお たた 鑑賞の孊習が衚珟に生かされるこずで 䞀局充実した創造掻動に高たっおいくため 「衚珟」ず「鑑賞」の盞互の関連を十分に図り孊習の効果が高たるように指導蚈画 を工倫する必芁がある。  内容の取扱い 第2 ç«  各科目 218
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2  内容の「鑑賞」の指導に぀いおは各事項においお育成を目指す資質・胜力の 定着が図られるよう適切か぀十分な授業時数を配圓するものずする。 「鑑賞」に充おる授業時数に぀いお今回の改蚂では 「各事項においお育成を目指す 資質・胜力の定着が図られるよう」適切か぀十分な授業時数を確保するこずずしおいる。 これは鑑賞の孊習を幎間指導蚈画の䞭に適切に䜍眮付け鑑賞の目暙を実珟するために 必芁な授業時数を定め確実に実斜しなければならないこずを意味しおいる。 鑑賞の指導に圓たっおは生埒や各孊校の実態地域性などを生かした効果的な指導方 法を工倫するなどしお 矎的䜓隓を通しお感性を高めるずずもに 鑑賞の芖点を豊かにし 芋方や感じ方を深め芞術科における「工芞Ⅰ」ずしお育成すべき鑑賞に関する資質・胜 力を確実に身に付けられるようにするこずが倧切である。 3  内容の〔共通事項〕は衚珟及び鑑賞の孊習においお共通に必芁ずなる資質・胜 力であり 「衚珟」及び「鑑賞」の指導ず䜵せお十分な指導を行い各事項 の実感的な理解を通しお生埒が造圢を豊かに捉える倚様な芖点がもおるように配 慮するものずする。 〔共通事項〕は衚珟及び鑑賞の孊習においお共通に必芁ずなる資質・胜力を瀺したもの であり造圢的な芖点を豊かにするために必芁な知識ずしお衚珟及び鑑賞の各掻動に適切 に䜍眮付け指導蚈画を䜜成する必芁がある。 〔共通事項〕を造圢的な芖点ず関連させながら「衚珟」及び「鑑賞」の孊習の䞭で 十分に指導をするためには具䜓的な孊習掻動を想定し 〔共通事項〕アの「造圢の芁玠 の働きを理解するこず」やむの「造圢的な特城などを基に党䜓のむメヌゞや䜜颚様 匏などで捉えるこずを理解するこず」が衚珟及び鑑賞の掻動の䞭で造圢的な芖点ずしお 豊かに働くようにどの堎面でどのように指導するのかを明確に䜍眮付ける必芁がある。そ の際 「工芞Ⅰ」においおは以䞋に瀺す䞭孊校矎術科における〔共通事項〕の内容や内 容の取扱いを螏たえた指導にも十分配慮する必芁がある。 䞭孊校矎術科〔共通事項〕   1   「衚珟」及び「鑑賞」の指導を通しお次の事項を身に付けるこずができ るよう指導する。   ア  圢や色圩材料光などの性質やそれらが感情にもたらす効果などを理解 するこず。   む  造圢的な特城などを基に党䜓のむメヌゞや䜜颚などで捉えるこずを理解す るこず。 指導蚈画の䜜成ず内容の取扱い  第の内容の取扱いに぀いおは次の事項に配慮するものずする。 7 工芞Ⅰ 219
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  1   〔共通事項〕の指導に圓たっおは生埒が造圢を豊かに捉える倚様な芖点がも おるように以䞋の内容に぀いお配慮するこず。   ア   〔共通事項〕のアの指導に圓たっおは造圢の芁玠などに着目しお次の事 項を実感的に理解できるようにするこず。     ア  色圩の色味や明るさ鮮やかさを捉えるこず。     む  材料の性質や質感を捉えるこず。     り   圢や色圩材料光などから感じる優しさや楜しさ寂しさなどを捉える こず。     ゚  圢や色圩などの組合せによる構成の矎しさを捉えるこず。     オ  䜙癜や空間の効果立䜓感や遠近感量感や動勢などを捉えるこず。   む   〔共通事項〕 のむの指導に圓たっおは 党䜓のむメヌゞや䜜颚などに着目しお 次の事項を実感的に理解できるようにするこず。     ア   造圢的な特城などを基に芋立おたり心情などず関連付けたりしお党䜓 のむメヌゞで捉えるこず。     む   造圢的な特城などを基に䜜颚や様匏などの文化的な芖点で捉えるこず。 〔共通事項〕に瀺すアの事項の指導では圢や色圩玠材や光などの造圢の芁玠などに 着目しおそれらの働きなどに぀いお実感を䌎いながら理解できるようにするこずが倧切 である。たた 〔共通事項〕に瀺すむの事項の指導では察象などを郚分にずらわれお芋 るのではなく党䜓を倧きく芋る芖点からむメヌゞなどを捉えるこずが重芁である。ここ では造圢的な特城などに着目しお具䜓物に芋立おたり心情などず関連付けたりしお党䜓 のむメヌゞで捉えるこずや䜜颚や様匏などの文化的な芖点で捉えるこずなどに぀いお実 感を䌎いながら理解できるようにするこずが倧切である。 その際これらの〔共通事項〕に瀺す事項の芖点で指導を芋盎し孊習過皋を工倫するこ ずや生埒自らが必芁性を感じお〔共通事項〕に瀺す事項の芖点を意識できるような題材 を工倫するなどしお圢や色圩玠材や光むメヌゞなどに察する豊かな感芚を働かせお 衚珟及び鑑賞の孊習に取り組むこずができるようにするこずが倧切である。 4  内容の「衚珟」の指導に圓たっおは地域の材料及び䌝統的な工芞の衚珟など を取り入れるこずにも配慮するものずする。 「衚珟」の材料や衚珟方法に぀いおは 地域や孊校の実態を螏たえ 地域特産の材料や 手に入りやすい材料などを掻甚したり地域の䌝統的な工芞に芋られる衚珟技法や意匠な ど 受け継がれおきた工芞の衚珟を制䜜に取り入れたりするこずにも配慮する必芁がある。 5  内容の「衚珟」の指導に圓たっおは発想から制䜜の確認及び完成に至る党過 皋を通しお自分のよさを発芋し喜びを味わい自己実珟を果たしおいく態床の圢 第2 ç«  各科目 220
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成を図るよう配慮するものずする。 「衚珟」の指導に圓たっおは発想から完成に至るたでの党過皋を通しお䞻䜓的に 目暙を蚭定し創意工倫しながら個性を発揮しお創造掻動に取り組み自己決定を積み重 ねながら理想を目指しお自己実珟を果たしおいく態床の圢成を図るよう配慮しおいくこず が倧切である。たたそれぞれの過皋で䞀人䞀人の心豊かな構想や衚珟のよさを倚様な方 法で評䟡するこずによっお䞻䜓的な衚珟ぞの意欲を高めるこずも倧切である。そしおそ れらの党過皋を通しお生埒が自分のよさを発芋し創造掻動の喜びを味わえるようにしお いくこずが倧切である。 6  内容の「鑑賞」の指導に圓たっおは日本の工芞も重芖しお扱うずずもにア ゞアをはじめずする諞倖囜の工芞などに぀いおも扱うようにする。 「鑑賞」では工芞䜜品や文化財等に衚れおいる衚珟の特質などを捉えるためにそ の背景になっおいる䌝統ず文化を孊習し理解するこずが必芁である。ずりわけ囜際瀟䌚の 䞭で生きる日本人ずしお我が囜の䌝統ず文化を尊重しそのよさや矎しさを感じ取り 日本及びアゞアをはじめずする諞倖囜の工芞に察する芋方や感じ方を深め日本の工芞の 䌝統ず文化を発信しおいくこずができる玠地を培うこずが倧切である。 7  内容の「衚珟」及び「鑑賞」の指導に圓たっおは 芞術科工芞の特質に応じお 発想や構想に関する資質・胜力や鑑賞に関する資質・胜力を育成する芳点から 〔共 通事項〕に瀺す事項を芖点にアむデアスケッチなどで構想を緎ったり蚀葉など で考えを敎理したりするこずや䜜品に぀いお批評し合う掻動などを取り入れるよ うにする。 「衚珟」及び「鑑賞」の指導においお発想や構想に関する資質・胜力や鑑賞に関 する資質・胜力を育成する芳点から 〔共通事項〕に瀺す事項を芖点にアむデアスケッ チや扱いの容易な材料を甚いお詊行錯誀するこずにより構想を緎るこずやレポヌトを䜜 成するなど蚀葉で考えを敎理したりするこずが倧切である。たた䟡倀意識をもっお批評 し合い蚎論する機䌚を蚭け自他の芋方や感じ方の盞違などを捉えお察象の芋方や感じ 方を深めるなどの蚀語掻動の充実を図るようにする。 自分の感じたこずや衚珟に぀いおの思いや願いなどの自分の考えを〔共通事項〕に瀺す 事項を芖点に根拠を明らかにしお述べたり批評したりするこずは衚珟及び鑑賞に関する 資質・胜力を高める䞊で重芁な孊習掻動である。ここでは生埒䞀人䞀人が感じ取った工 芞䜜品のよさや矎しさなどの自分ずしおの䟡倀を生埒同士で発衚し批評し合い自分の気 付かなかったよさや衚珟の意図ず創造的な工倫などを発芋するなどしお䞀局広く深く感 じ取ったり考えたりするこずに぀なげおいくこずが倧切である。たた䟡倀意識をもっお 批評するためには自分の䞭に察象などに察する䟡倀を明確にも぀こずが前提ずなるこず 7 工芞Ⅰ 221
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に配慮する。その際蚀語掻動のねらいが発想や構想に関する資質・胜力や鑑賞に関す る資質・胜力の育成にあるこずに留意しそれぞれの孊習のねらいに基づきながら〔共通 事項〕に瀺す事項を芖点に蚀語掻動を行うようにするこずが倧切である。 蚀語掻動の充実を図る際には 「䜕のために蚀語掻動を行うのか」ずいうこずを明確に し蚀語掻動を特に必芁ずしおいない堎面で圢匏的に行ったり 〔共通事項〕に瀺す芖点 が十分でないたたの単なる話合い掻動に終始したりするこずのないように留意する必芁が ある。 8  創造するこずの䟡倀を捉え自己や他者の䜜品などに衚れおいる創造性を尊重す る態床の圢成を図るずずもに必芁に応じお工芞に関する知的財産暩などに぀い お觊れるようにする。たたこうした態床の圢成が工芞の䌝統ず文化の継承発 展創造を支えおいるこずぞの理解に぀ながるよう配慮するものずする。 生埒䞀人䞀人が創意工倫を重ねお生み出した䜜品にはかけがえのない䟡倀がありそれ らを尊重し合う態床の圢成を図るこずが重芁である。その指導の䞭で著䜜暩などの知的 財産暩に觊れ 䜜者の暩利を尊重し 䟵害しないこずに぀いおの指導も䜵せお必芁である。 たた工芞䜜品のコピヌの䜜成などをする堎合は原則ずしお著䜜暩をも぀者の了解が必 芁である。ただし授業で利甚する堎合は䟋倖ずされ䞀定の条件を満たす堎合には著䜜 暩者の了解を埗る必芁がない。しかし他人の著䜜物を掻甚した生埒䜜品をりェブペヌゞ などぞ掲茉したりコンクヌルぞ出品したりするこずは䟋倖ずなる条件を満たさないた め無断で行うこずはできないず考えられる。なお原則ずしお個人が著䜜者の堎合はそ の没埌法人が著䜜者の堎合は公衚埌それぞれ70 幎を経たものは著䜜暩がなく自由に 利甚ができる。たた工芞に関する知的財産暩には単に工芞䜜品ずしおの著䜜暩だけで なく その材料や技法に関する特蚱暩 既存の補品のデザむンやアむデアに関する意匠暩 ・ 実甚新案暩ネヌミングずしおの商暙暩など倚様なものがある。生埒の䜜品も有名な䜜家 の䜜品も創造された䜜品は同等に尊重されるものであるこずを理解させ加えお著䜜 暩などの知的財産暩は文化・瀟䌚の発展を維持する䞊で重芁な圹割を担っおいるこずに も気付かせるようにする。 このような日々の指導の䞭で生埒が創造するこずの䟡倀を捉え自己や他者の䜜品な どに衚れおいる創造性を尊重する態床の圢成を図るずずもにこうした態床の圢成が工 芞の䌝統ず文化の継承発展創造を支えおいるこずぞの理解に぀ながるよう配慮するこ ずが倧切である。 9  事故防止のため特に刃物類塗料噚具などの䜿い方の指導ず保管掻動堎 所における安党指導などを培底するものずする。 事故防止のためには刃物類をはじめずした甚具や材料の正しい䜿い方や手入れや片付 けの仕方などの安党指導を培底するこずが必芁である。たた甚具や機械類は日垞よく点 第2 ç«  各科目 222
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怜敎備し特に刃物類の扱いや保管・管理には劣化の点怜など十分留意し事故を招かな いようにするこずが必芁である。加えお䌝統的な工芞においおは甚具の手入れが技胜を 獲埗する䞊で重芖されおいるこずなど甚具の取扱いなどを工芞の䌝統ず文化ずも関連付 けお指導するこずも倧切である。たた 塗料類及び薬品類の䜿甚に際しおは 換気や保管 ・ 管理を確実に行うずずもに薬品などに察しおアレルギヌのある生埒などを事前に把握す るなどの配慮も必芁である。 7 工芞Ⅰ 223
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「工芞Ⅱ」は 「工芞Ⅰ」を履修した生埒が曎に次の段階ずしお履修するために蚭けお いる科目である。 「工芞Ⅱ」は 「工芞Ⅰ」の孊習を基瀎にしお生埒の資質・胜力適性興味・関心等 に応じた掻動を展開し生掻や瀟䌚の䞭の工芞や工芞の䌝統ず文化ず深く関わる資質・胜 力を䌞ばすこずなどをねらいずしおいる。 今回の改蚂では埓前ず同様に衚珟領域の 1 又は 2 のうち䞀぀以䞊の分野ず鑑賞領 域を孊習するこずずし工芞の創造的な諞掻動を通しお造圢的な芋方 ・ 考え方を働かせ 矎的䜓隓を深め実感をもっお衚珟及び鑑賞に関する資質・胜力を育成するこずを重芖し おいる。そのため科目の目暙を「工芞Ⅰ」ず同様に 1 「知識及び技胜」  2 「思考力 刀断力衚珟力等」  3 「孊びに向かう力人間性等」の䞉぀の柱に䜍眮付けお瀺すずず もに内容に぀いおもこれに察応しお資質・胜力を盞互に関連させながら育成できるよ う敎理した。 「工芞Ⅱ」の目暙は芞術科の目暙を受けるずずもに 「工芞Ⅰ」の目暙ずの関連を考慮 しお次のように瀺しおいる。   工芞の創造的な諞掻動を通しお造圢的な芋方 ・ 考え方を働かせ矎的䜓隓を深め 生掻や瀟䌚の䞭の工芞や工芞の䌝統ず文化ず深く関わる資質・胜力を次のずおり育成 するこずを目指す。 1  察象や事象を捉える造圢的な芖点に぀いお理解を深めるずずもに意図に応じお 制䜜方法を創意工倫し個性豊かで創造的に衚すこずができるようにする。 2  造圢的なよさや矎しさ衚珟の意図ず創造的な工倫工芞の働きなどに぀いお考 え思いや願いなどから個性豊かに発想し構想を緎ったり自己の䟡倀芳を高めお 工芞や工芞の䌝統ず文化に察する芋方や感じ方を深めたりするこずができるように する。 3  䞻䜓的に工芞の創造的な諞掻動に取り組み生涯にわたり工芞を愛奜する心情を 育むずずもに感性ず矎意識を高め工芞の䌝統ず文化に芪しみ生掻や瀟䌚を心 豊かにするために工倫する態床を逊う。 目暙は次のような芖点を重芖しお改善を図っおいる。 「工芞Ⅱ」では科目の目暙を「工芞Ⅰ」の孊習を基瀎にしお 「工芞Ⅱ」は䜕を孊ぶ科 目なのかずいうこずを明瀺し 1 「知識及び技胜」  2 「思考力刀断力衚珟力等」  3 「孊びに向かう力人間性等」の䞉぀の柱を盞互に関連させながら育成できるように䜍眮 付けお瀺しおいる。ここでは感性や矎意識想像力を働かせ察象や事象を造圢的な芖 第8 節 工 芞 Ⅱ  性 栌  目 暙 第2 ç«  各科目 224
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点で捉え 自分ずしおの意味や䟡倀を぀くりだすなどの造圢的な芋方 ・ 考え方を働かせ 「工 芞Ⅰ」における幅広い矎的䜓隓をより深め生掻や瀟䌚の䞭の工芞や工芞の䌝統ず文化ず 深く関わる資質・胜力を育成するこずを䞀局重芖しおいる。特に生埒の䞻䜓性や個性を 尊重し自己の刀断や思いを生かした孊習掻動になるよう配慮し感性を高め工芞を愛 奜する心情をより深めおいくこずが重芁である。そしお日本の工芞の䌝統ず文化に芪し み生掻や瀟䌚の䞭の工芞や工芞の䌝統ず文化ず深く関わる資質・胜力を育成するこずが 倧切である。 工芞の創造的な諞掻動を通しおずは衚珟及び鑑賞の創造的な諞掻動を通しお自己の 思いや䜿う人の願いなどを実珟するための柔軟な思考力刀断力等を身に付け䟡倀意識 や自己の䟡倀芳を基にした創造的な衚珟や鑑賞に関する資質・胜力を育成するこずを瀺し おいる。そのため埓前ず同様に衚珟領域の 1 又は 2 のいずれか䞀぀以䞊の分野ず鑑賞 領域を孊習するこずずし制䜜や鑑賞の芖野を広げ䞻䜓性や個性を尊重し生埒䞀人䞀 人のよさや矎意識を生かした効果的な孊習を展開できるようにする。 造圢的な芋方・考え方ずは工芞の特質に応じた物事を捉える芖点や考え方ずしお衚 珟及び鑑賞の掻動を通しお感性や矎意識想像力を働かせ察象や事象を造圢的な芖点 で捉え自分ずしおの意味や䟡倀を぀くりだすこずが考えられる。ここでは造圢的な芖 点を豊かにもっお察象や事象を捉え創造的に考えを巡らせる資質・胜力の育成を重芖し おいる。 矎的䜓隓を深めずは衚珟及び鑑賞の掻動を通しお自然や自己瀟䌚を深く芋぀め生 掻の䞭の工芞や瀟䌚や生掻環境などから矎しさを発芋しそれを衚珟に生かしたり工芞 䜜品を甚いたりする䞭で感動したり工芞のも぀機胜性ず矎しさ工芞の䌝統ず文化にお ける衚珟の独自性などを感じ取り衚珟の工倫や工芞の働きなどに぀いお考えたりするな どしお矎的䜓隓を深めるこずを意味しおいる。 生掻や瀟䌚の䞭の工芞や工芞の䌝統ず文化ず深く関わる資質・胜力ずは 「工芞Ⅰ」の 孊習を基瀎ずしお生掻や瀟䌚の䞭の工芞や工芞の䌝統ず文化ず深く関わるこずができる 生埒の姿を念頭に眮いお育成を目指す資質・胜力を具䜓的に瀺しおいる。生埒䞀人䞀人 が生掻や瀟䌚の䞭の工芞や工芞の䌝統ず文化ず深く関わるためには工芞が心豊かな生き 方を実珟するために圹立っおいるこずに気付くずずもによりよいものを生み出そうずす る自芚を高め工芞の生掻や瀟䌚における圹割や工芞の䌝統ず文化のも぀䌝統的か぀創 造的な偎面などに぀いお捉えられるようにするこずが倧切である。 科目の目暙 ㆒ 1  察象や事象を捉える造圢的な芖点に぀いお理解を深めるずずもに意図に応じお 制䜜方法を創意工倫し個性豊かで創造的に衚すこずができるようにする。 ここでは育成するこずを目指す「知識及び技胜」に぀いお瀺しおいる。 前半郚分は造圢的な芖点を豊かにするために必芁な知識に関するもの埌半郚分は 創造的に衚す技胜に関するものであり科目の目暙 1 はこの二぀から構成されおいる。  工芞Ⅱ 225
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察象や事象を捉える造圢的な芖点に぀いお理解を深めるずは造圢的な芖点を豊かにす るために必芁な知識に぀いお理解を深めるこずを瀺しおいる。ここでは 「工芞Ⅰ」の孊 習を基瀎ずしお生埒䞀人䞀人が衚珟及び鑑賞の掻動の孊習過皋を通しお個別の感じ方 や考え方等に応じながら〔共通事項〕に瀺された内容に぀いお掻甚し身に付けたり実感 を䌎いながら理解を深めたりするずずもにこれたでに孊んだ知識が新たな孊習経隓の 過皋を通しお再構築されおいくこずも倧切である。 意図に応じお制䜜方法を創意工倫し個性豊かで創造的に衚すずは発想や構想をした こずを基に衚珟の意図に応じお様々な技胜を応甚したり工倫を繰り返しお自分の制䜜 方法を芋付け出したりしお個性豊かで創造的に衚すこずである。ここでは生埒䞀人䞀人 がも぀よさを倧切にし自己の思いや䜿う人の願いなどに応じお独自性や自分らしさを 発揮しながら創造的に衚すこずができるようにするこずが倧切である。 科目の目暙 ㆓ 2  造圢的なよさや矎しさ衚珟の意図ず創造的な工倫工芞の働きなどに぀いお考 え思いや願いなどから個性豊かに発想し構想を緎ったり自己の䟡倀芳を高めお 工芞や工芞の䌝統ず文化に察する芋方や感じ方を深めたりするこずができるように する。 ここでは育成するこずを目指す「思考力刀断力衚珟力等」に぀いお瀺しおいる。 前半郚分は発想や構想ず鑑賞の双方に重なる資質・胜力に関するもの䞭間郚分は 発想や構想に関する資質・胜力であり個性豊かに発想し制䜜の構想を緎るなどの資質・ 胜力を瀺しおいる。埌半郚分は鑑賞に関する資質 ・ 胜力であり自己の䟡倀芳を高めお 工芞䜜品などの造圢的なよさや矎しさなどを感じ取ったり発想や構想の独自性や衚珟の 工倫心豊かな生き方に関わる工芞の働きや衚珟の独自性などに぀いお考えたりするなど の芋方や感じ方に関する資質・胜力を瀺しおいる。 思いや願いなどから個性豊かに発想し構想を緎るずは生埒䞀人䞀人が独自性や自分ら しさを発揮しながら自分の衚したいこずを実珟するための柔軟で創造的な思考力刀断 力等を働かせお発想や構想を緎るこずである。個性豊かに発想をするずは 「衚珟」の それぞれの分野においお生埒自らが匷く衚したいこずを心の䞭に思い描くこずであり個 性豊かな発想や構想の孊習を進める䞊で基盀になるものである。 自己の䟡倀芳を高めお工芞や工芞の䌝統ず文化に察する芋方や感じ方を深めるずは自 己の䟡倀芳を高めお工芞䜜品のよさや矎しさ工芞のも぀機胜性ず矎しさや衚珟の独自性 などを感じ取ったり意図ず衚珟の工倫や工芞の働き工芞の䌝統ず文化に぀いお考えた りするなどしお芋方や感じ方を深める鑑賞に関する資質・胜力に぀いお瀺しおいる。 芋方や感じ方を深めるずは鑑賞の芖点を豊かにし工芞䜜品や工芞の䌝統ず文化に察 する芋方や感じ方を深めるこずである。芋方や感じ方をより深めおいくためには 「工芞 Ⅰ」の孊習においお䟡倀意識をもっお工芞䜜品などのよさや矎しさを感じ取ったり工芞 の䌝統ず文化などに぀いお考えたりしお身に付けた資質・胜力を柔軟に掻甚し生埒䞀人 第2 ç«  各科目 226
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䞀人が自己の䟡倀芳を高めお鑑賞の孊習を深めるこずが倧切である。 科目の目暙 叅 3  䞻䜓的に工芞の創造的な諞掻動に取り組み生涯にわたり工芞を愛奜する心情を 育むずずもに感性ず矎意識を高め工芞の䌝統ず文化に芪しみ生掻や瀟䌚を心 豊かにするために工倫する態床を逊う。 ここでは育成するこずを目指す「孊びに向かう力人間性等」に぀いお瀺しおいる。 工芞における孊びに向かう力や人間性等を育んでいくためには生埒䞀人䞀人が自己 の圚り方や生き方ずの関わりの䞭で衚珟及び鑑賞に関する資質・胜力を身に付け孊ん だこずの意矩を実感できるような孊習掻動を充実させおいくこずが重芁ずなる。 感性ず矎意識を高めるずは様々な察象や事象からよさや矎しさなどの䟡倀や心情など を感じ取る力である感性ず矎に察する鋭敏な感芚を働かせるなどの矎意識を高めるこずで ある。工芞の創造的な諞掻動においおは造圢的な芖点を豊かにしおよさや矎しさ心 地よさ快適さ䜿う人の気持ちや工芞のも぀機胜性ず矎しさずの調和などを感じ取る 力をより䞻䜓的に働かせるこずを通しお感性ず矎意識を高めるこずが倧切である。  工芞Ⅱ 227
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 衚 珟 衚珟に関する資質・胜力を次のずおり育成する。 「衚珟」は䞻䜓的に制䜜する衚珟の掻動を通しお発想や構想に関する資質・胜力 ず技胜に関する資質・胜力を育成する領域であり 「 1 身近な生掻ず工芞」  「 2 瀟䌚ず 工芞」の二぀の分野で構成しおいる。ここでは 「工芞Ⅰ」の孊習を基瀎にしお発想や 構想に関する資質・胜力ず技胜に関する資質・胜力ずの調和を図っお育成するこずが求め られる。たた 「工芞Ⅱ」においおは 生埒の特性 孊校や地域の実態を考慮する䞭で 1 又は 2 のうち䞀぀以䞊を遞択しお扱えるようにしおいるこずからより発展的な孊習も 芖野に入れながら指導をするこずが倧切である。 1 身近な生掻ず工芞   身近な生掻ず工芞に関する次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。  ア 身近な生掻の芖点に立った発想や構想    ア   生掻の䞭の工芞を捉え自己の思いや䜓隓倢などから個性豊かで創造的な 発想をするこず。    む   甚途ず矎しさずの調和を考え玠材の特質や衚珟の倚様性などを生かした制 䜜の構想を緎るこず。  む 発想や構想をしたこずを基に創造的に衚す技胜    ア   制䜜方法を螏たえ意図に応じお材料甚具手順技法などを生かし個 性豊かで創造的に衚すこず。 「工芞Ⅱ」における「 1 身近な生掻ず工芞」では 「工芞Ⅰ」での孊習を基瀎にしお 造圢的な芋方・考え方を働かせ身近な生掻の䞭での工芞の働きを捉え独自性や自分ら しさを発揮しながら衚珟するこずを重芖し自己の思いや䜓隓倢などから創造的に発 想し甚途ず矎しさずの調和を考え衚珟の倚様性などを生かした制䜜の構想を緎り意 図に応じお材料や技法などを生かしお創造的に衚すなどしお発想や構想に関する資質・ 胜力ず技胜に関する資質・胜力を育成するこずをねらいずしおいる。 ここでは生埒の興味や関心を十分に生かし制䜜を通しお自己の䜓隓や倢などからむ メヌゞを膚らたせお甚途ず矎しさずの調和を求め玠材の特質衚珟の倚様性などを考 え生掻を心豊かに創造し改善しおいく意欲や態床を逊うずずもに衚珟に関する資質・ 胜力を育成するこずが倧切である。その際 〔共通事項〕ずの関連を図り造圢的な芖点 を豊かにしお生掻の䞭の工芞を捉えられるようにするこずも重芁である。 指導に圓たっおは生埒が求めるものを䞻䜓的に発想し構想を緎るこずができるよう  内 容 第2 ç«  各科目 228
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に 「工芞Ⅰ」で扱った玠材を継続的に甚いお内容を深めたり創造的に衚す技胜を発展 的に生かせるよう題材の蚭定に留意したりする必芁がある。ここでは生埒が制䜜の意図 を明確にし創造力を高め意欲的に取り組みより倧きな達成感をもっお぀くりだす喜 びを埗られるようにするこずが倧切である。 たた生埒䞀人䞀人が自己の思いを深めお取り組めるように 「鑑賞」ずの関連を図 るこずも倧切である。䟋えば身近な生掻の芖点に立っお工芞の働きに぀いお考えるこず などを発想や構想ず鑑賞の孊習の双方に働く䞭心ずなる考えずしお䜍眮付け衚珟の意図 ず創造的な工倫などを生埒に読み取らせ䜜品に蟌められた様々な思いを深く考えさせる こずは生埒が自己の思いを深めるきっかけずなったり自分の衚したいものを芋付けた りするこずに぀ながる。このように発想や構想ず鑑賞の孊習の双方に働く䞭心ずなる考 えを軞にしお鑑賞の孊習で孊んだこずが衚珟に生かされ衚珟の孊習で孊んだこずが鑑 賞で生かされるようにするこずが倧切である。 ア 身近な生掻の芖点に立った発想や構想 アは身近な生掻の芖点に立った発想や構想に関する指導内容を瀺しおいる。 ここでは生埒が身の回りの自然や身近な生掻に目を向け自己の思いや䜓隓経隓な どから䜿いたいものや぀くりたいものなどを個性豊かで創造的な発想をしそれらを基に 甚途ず矎しさずの調和を考え自己の思いを重芖しお玠材の特質や衚珟の倚様性などを生 かした制䜜の構想を緎るこずができるよう指導するこずが倧切である。 ア   生掻の䞭の工芞を捉え自己の思いや䜓隓倢などから個性豊かで創造的な発想 をするこず。 ア は生埒が自己の生掻を振り返り生掻の䞭の工芞を捉え自己の思いや䜓隓倢 などから個性豊かで創造的な発想をするこずに関する指導事項である。 生掻の䞭の工芞を捉えずは人の生掻に必芁な衣食䜏ず工芞ずの関係を捉えるこず である。ここでは生掻を心豊かにするずはどのようなこずなのかを考え身近な生掻の 芖点に立っお生掻ず工芞ずの関係を捉える必芁がある。 自己の思いや䜓隓倢などずは生埒自らの思いや自己のこれたで䜓隓したこず心 に思い描く倢などのこずである。生掻の様匏ものぞのこだわりや愛着衚珟するこずぞ の思いなどは生埒䞀人䞀人に固有のものであり様々な経隓を通しお培っおきたもので ある。ここでは自らの思いや䜓隓倢などを発想ぞ぀なげるこずができるようにするこ ずが倧切である。 個性豊かで創造的な発想をするこずずは自分のよさや玠材から受ける感芚などを倧切 にしお自己の思いや䜓隓倢などから独自性や自分らしさを発揮しながら䟡倀のあるも のを目指しお生埒自らが匷く衚したいこずを心の䞭に思い描くこずであり発想や構想 の孊習を進める䞊で基盀ずなるものである。  工芞Ⅱ 229
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指導に圓たっおは生埒が自己の生掻を振り返り自己の思いや䜓隓倢玠材や技法 目的や条件䜜品を構成する芁玠などを考えお堎合によっおは既成の䟡倀芳や抂念によ らない倚様な芖点から自分が必芁なもの䜿いたいものを自由に発想できるよう指導しお いくこずが倧切である。 む   甚途ず矎しさずの調和を考え玠材の特質や衚珟の倚様性などを生かした制䜜の 構想を緎るこず。 む は䜿甚の目的にあった機胜ず圢などの矎しさを考え玠材の特質を螏たえたり 衚珟の倚様性などを生かしたりしお制䜜の構想を緎るこずに関する指導事項である。 甚途ず矎しさずの調和を考えずは䜜品の甚途を螏たえながら圢などの矎しさずの調 和を十分に考えた䞊で総合的に怜蚎するこずである。ここでは機胜を重芖しお圢などを 考えたり自己の぀くりたい圢を重芖しそれに機胜を加えたりするなど異なる芖点から 吟味しお考えを確かめながら怜蚎する必芁がある。 玠材の特質や衚珟の倚様性などを生かした制䜜の構想を緎るこずずは発想を具䜓化す るために玠材のも぀それぞれのよさや圢や色圩質感などから受ける感情にもたらす効 果倚様な衚珟方法のよさを生かし自分のむメヌゞに合うように修正を加えるなどしお 制䜜の構想を緎るこずである。 指導に圓たっおは 「鑑賞」ずの関連を図り身近な生掻の芖点に立っお工芞䜜品な どのよさや矎しさを感じ取るなどしお玠材や技法衚珟方法などの工倫による様々なよ さや矎しさに぀いお捉えられるようにするこずも倧切である。䟋えば長く䜿うこずで倉 化する玠材の矎しさを感じ取ったり実際に䜿っおみるこずで芋おいるだけではわから なかった技法や衚珟方法などの工倫に気付いたりするこずもある。このような玠材の特質 や衚珟の倚様なよさや矎しさを鑑賞の孊習を通しお孊び自分自身の衚珟のねらいを確認 し構想を緎るこずも必芁である。その際アむデアスケッチに衚したり詊䜜したりする などしお繰り返し怜蚎し構想を緎ったり各自の構想に぀いお批評し合ったりするなど しお生埒䞀人䞀人が構想の独自性や創意工倫に぀いお考え意欲をもっお構想を深めら れるような指導の工倫が求められる。 む 発想や構想をしたこずを基に創造的に衚す技胜 むは 発想や構想をしたこずを基に 創造的に衚す技胜に関する指導内容を瀺しおいる。 ここでは生埒䞀人䞀人が身近な生掻の芖点に立っお発想や構想をしたこずを基に自 分の制䜜を具䜓化するために制䜜方法を螏たえ意図に応じお材料甚具手順技法 などを生かし個性豊かで創造的に衚すこずができるよう指導するこずが倧切である。 ア   制䜜方法を螏たえ意図に応じお材料甚具手順技法などを生かし個性豊 かで創造的に衚すこず。 第2 ç«  各科目 230
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ア は制䜜方法を螏たえ意図に応じお材料甚具手順技法などを生かすなどの 技胜に関する指導事項である。 制䜜方法を螏たえ意図に応じお材料甚具手順技法などを生かしずは制䜜方法 を螏たえ意図に応じお材料や甚具を遞択し材料の特性などによる手順や技法を䜜品 の制䜜に生かすこずである。ここでは制䜜の過皋を把握し制䜜の状況を䞻䜓的に刀断 しお目的や条件 衚珟の意図に合っおいるかを確認するこずなどが求められる。その䞊で 特に材料の加工に応じた適切な技法の遞択甚具の生かし方の吟味技法による制䜜手順 の怜蚎などを総合的に捉えるこずが重芁である。材料に関する理解ず経隓を深め自己の 衚珟に適した技法などを遞択し必芁によっおは甚具を自䜜するなど䞻䜓的に制䜜方法 を工倫しおより適確な制䜜方法を遞択し怜蚎するこずが倧切である。䟋えば既存の甚 具で察応できないずきや効率的で意図に応じお正確な䜜業が必芁な堎合治 じ 具 ぐ などを自 䜜するこずなども考えられる。 個性豊かで創造的に衚すこずずは制䜜過皋においお制䜜方法材料や甚具手順や 技法などの意味や圹割を䞻䜓的に確かめ構想された䜜品を独自性や自分らしさを発揮し ながらより高めようず工倫や改善を行い創造的に衚すこずである。 ここでは特に材料の加工に応じた適切な技法の遞択甚具の掻甚方法の吟味技法に よる制䜜手順の怜蚎などを総合的に捉えるこずが重芁である。たた構想したものを確実 に圢にしおいくためには詊䜜などをしながら工倫や改善を図るこずが倧切である。 指導に圓たっおは玠材の抵抗感による制䜜䞊の困難さや技胜が䌎わないこずによる 制䜜䞊の制玄により実際の制䜜の結果が自らの意図からかけ離れおしたわないように 自分の意図を個性豊かに衚すこずができるようにするための技胜を身に付けさせるこずを 重芖する。たた制䜜過皋で生じる様々な課題ぞどのように察凊したらよいかを生埒自 身が考えを巡らせ最善の方法を芋぀け出したり最埌たで粘り匷く䜜品ず向き合ったりす るこずで埗られる達成感を味わわせるようにするこずが倧切である。加えお制䜜を通し お新たな自分を発芋し次の制䜜や生埒自身の生掻を芋盎す機䌚を埗られるようにする ずずもに身に付けた技胜に関する資質・胜力を生掻の䞭で生かせるようにするこずも倧 切である。 2 瀟䌚ず工芞   瀟䌚ず工芞に関する次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。  ア 瀟䌚的な芖点に立った発想や構想    ア  瀟䌚や生掻環境などの倚様な芖点や䜿う人の願いなどから個性豊かで創造的 な発想をするこず。    む  瀟䌚における有甚性機胜ず矎しさずの調和を考え玠材の特質や衚珟の倚 様性などを生かした制䜜の構想を緎るこず。  む 発想や構想をしたこずを基に創造的に衚す技胜    ア  制䜜方法を螏たえ意図に応じお材料甚具手順技法などを生かし個 性豊かで創造的に衚すこず。  工芞Ⅱ 231
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「工芞Ⅱ」における「 2 瀟䌚ず工芞」では 「工芞Ⅰ」での孊習を基瀎にしお造圢的 な芋方・考え方を働かせ瀟䌚的な芖点に立っお工芞の圹割を深く捉え独自性や自分ら しさを発揮しながら衚珟するこずを重芖し瀟䌚や生掻環境などの倚様な芖点や䜿う人の 願いなどから創造的に発想し瀟䌚における有甚性などを考え衚珟の倚様性などを生か した制䜜の構想を緎り意図に応じお材料や技法などを生かしお創造的に衚すなどしお 発想や構想に関する資質・胜力ず技胜に関する資質・胜力を育成するこずをねらいずしお いる。 ここでは生埒の興味や関心を十分に生かし制䜜を通しお生掻環境を芳察怜蚎し 瀟䌚における工芞の有甚性や機胜ず矎しさずの調和を考え生掻や瀟䌚を心豊かに創造 し改善しおいく意欲や態床を逊うずずもに衚珟に関する資質・胜力を育成するこずが倧 切である。その際 〔共通事項〕ずの関連を図り造圢的な芖点を豊かにしお瀟䌚の䞭に おける工芞を捉えられるようにするこずも重芁である。 指導に圓たっおは生埒が瀟䌚や生掻環境をより深く芋぀め䞻䜓的に発想し構想を緎 るこずができるように 「工芞Ⅰ」で扱った玠材を継続的に甚いお内容を深めたり創造 的に衚す技胜を発展的に生かせるよう題材の蚭定に留意したりする必芁がある。たた生 埒が課題意識をもっお瀟䌚的な必芁性を調査怜蚎するなどしお䞻䜓的に課題の発芋や 探求ができるように配慮するこずも必芁である。加えお生埒䞀人䞀人が䜿う人の願いを 受け止めお取り組めるように 「鑑賞」ずの関連を図るこずも倧切である。䟋えば瀟 䌚的な芖点に立った工芞の働きなどを発想や構想ず鑑賞の孊習の双方に働く䞭心ずなる考 えずしお䜍眮付け工芞䜜品などを鑑賞し発想や構想の独自性ず衚珟の工倫などを生埒 に読み取らせ䜜品に蟌められた様々な願いを深く考えさせるこずは生埒が䜿う人の願 いに぀いお深く考えるきっかけずなったり他者の気持ちを考えお衚したいものを芋付け たりするこずに぀ながる。このように発想や構想ず鑑賞の孊習の双方に働く䞭心ずなる 考えを軞にしお鑑賞の孊習で孊んだこずが衚珟に生かされ衚珟の孊習で孊んだこずが 鑑賞で生かされるようにするこずが倧切である。 ア 瀟䌚的な芖点に立った発想や構想 アは瀟䌚的な芖点に立った発想や構想に関する指導内容を瀺しおいる。 ここでは生埒が瀟䌚や生掻環境などから工芞の圹割を深く捉え倚様な芖点や䜿う人 の願いなどから個性豊かで創造的な発想をしそれらを基に瀟䌚における有甚性機胜ず 矎しさずの調和を考え玠材の特質や衚珟の倚様性などを生かした制䜜の構想を緎るこず ができるよう指導するこずが倧切である。 ア  瀟䌚や生掻環境などの倚様な芖点や䜿う人の願いなどから個性豊かで創造的な発 想をするこず。 ア は瀟䌚的な芖点に立っお瀟䌚や生掻環境などを倚様な芖点から芳察し䜿甚す 第2 ç«  各科目 232
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る人や堎を考慮しお発芋した課題を怜蚎し個性豊かで創造的な発想をするこずに関する 指導事項である。 瀟䌚や生掻環境などの倚様な芖点や䜿う人の願いなどずは瀟䌚や生掻環境を様々な角 床から捉える倚様な芖点や䜿う人の状況や心情のこずである。ここでは地域や孊校など の日垞的な生掻環境空間や公共的な堎で䜿われおいるものなど倚様な芖点から瀟䌚や 生掻環境を捉えたり倚くの人が共通に感じる䜿い心地や䜿いやすさなどから工芞の果 たす圹割を考え制䜜の条件などをより深く芳察・怜蚎し課題意識をもっお考えたりす るこずが倧切である。 個性豊かで創造的な発想をするこずずは発想をする䞊での制玄や様々な条件改善す べき課題を螏たえお瀟䌚をより楜しく心豊かにするために瀟䌚や生掻環境などの倚様 な芖点や䜿う人の願いなどから独自性や自分らしさを発揮しながら䟡倀のあるものを目 指しお生埒自らが匷く衚したいこずを心の䞭に思い描くこずであり発想や構想の孊習 を進める䞊で基盀ずなるものである。 指導に圓たっおは身近なずころにある問題やメディア等を通じお知り埗た情報などの 瀟䌚の様々な状況に目を向け課題を発芋する力を高めるずずもに倚様な芖点から䜿甚 する人や堎を考えお発想できるようにするこずが倧切である。その際創造的な発想をす るためにアむデアスケッチや蚀葉などにより思いや考えを敎理したり 〔共通事項〕を芖 点ずしお批評し合ったりするなどの蚀語掻動の充実など具䜓的な手立おを講じるこずも必 芁である。 む   瀟䌚における有甚性機胜ず矎しさずの調和を考え玠材の特質や衚珟の倚様性 などを生かした制䜜の構想を緎るこず。 む は瀟䌚が必芁ずしおいる願いや心情などに぀いお調べたり怜蚎を加えたりするな どしお䞻䜓的に目的や条件を把握し瀟䌚における有甚性機胜ず矎しさずの調和を考 え玠材の特質や衚珟の倚様性などを生かしお制䜜の構想を緎るこずに関する指導事項で ある。 瀟䌚における有甚性機胜ず矎しさずの調和を考えずは䜿う人の環境や生掻様匏生 掻感芚特性などから求められる機胜や条件などを敎理し瀟䌚における有甚性や機胜ず 矎しさずの調和を総合的に考えるこずを瀺しおいる。 玠材の特質や衚珟の倚様性などを生かした制䜜の構想を緎るこずずは瀟䌚や生掻環境 などを深く芋぀め芋いだされた他者の願いを基に玠材の特質圢や色圩玠材光な どの造圢の芁玠や構造などに぀いお具䜓性をもっお考えをたずめながら制䜜の構想を緎 るこずである。ここでは瀟䌚ず工芞の芳点に立っお制䜜する工芞䜜品や生掻甚品遊具 や公共斜蚭における備品など倚様に想定し瀟䌚的な芖点から構想を緎るずずもにより 適切な材料や制䜜方法などを十分吟味しお衚珟の倚様性などを生かす必芁がある。 指導に圓たっおは 「鑑賞」ずの関連を図り瀟䌚的な生掻の芖点に立っお工芞䜜品 などのよさや矎しさを感じ取るなどしお玠材や技法衚珟方法などの工倫による様々な  工芞Ⅱ 233
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よさや矎しさに぀いお捉えられるようにするこずも倧切である。䟋えば幌児や高霢者 障害のある人々など様々な䜿甚する人の立堎に立っお䜿甚する堎状況などを考える こずで芋おいるだけではわからなかった技法や衚珟方法などの配慮された工倫に気付く こずもある。このような玠材の特質や衚珟の倚様なよさや矎しさを鑑賞の孊習を通しお孊 び自分自身の衚珟のねらいを確認し構想を緎るこずも必芁である。その際聞き取り 調査情報通信ネットワヌクの掻甚などによっお幅広い芖点ず適切な情報を埗お構想に生 かすこずも効果的である。たたアむデアスケッチに衚したり詊䜜したりするなどしお 繰り返し怜蚎し構想を緎ったり各自の構想に぀いお批評し合ったりするなどしお生埒 がそれぞれの構想の独自性や創意工倫に぀いお考え意欲をもっお構想を深められるよう 指導の工倫が求められる。 む 発想や構想をしたこずを基に創造的に衚す技胜 むは 発想や構想をしたこずを基に 創造的に衚す技胜に関する指導内容を瀺しおいる。 ここでは生埒䞀人䞀人が瀟䌚的な芖点に立っお発想や構想をしたこずを基に自分の 制䜜を具䜓化するために制䜜方法を螏たえ意図に応じお材料甚具手順技法など を生かし自分のよさを倧切にしお創造的に衚すこずができるよう指導するこずが倧切であ る。 ア   制䜜方法を螏たえ意図に応じお材料甚具手順技法などを生かし個性豊 かで創造的に衚すこず。 ア は制䜜方法を螏たえ意図に応じお材料甚具手順技法などを生かすなどの 技胜に関する指導事項である。 制䜜方法を螏たえ意図に応じお材料甚具手順技法などを生かしずは制䜜方法 を螏たえ意図に応じお材料や甚具を遞択し材料の特性などによる手順や技法を䜜品 の制䜜に生かすこずである。ここでは制䜜の過皋を把握し制䜜の状況を䞻䜓的に刀断 しお目的や条件 衚珟の意図に合っおいるかを確認するこずなどが求められる。その䞊で 特に材料の加工に応じた適切な技法の遞択甚具の生かし方の吟味技法による制䜜手順 の怜蚎などを総合的に捉えるこずが重芁である。材料に関する理解ず経隓を深め自己の 衚珟に適した技法などを遞択し必芁によっおは甚具などを自䜜するなど䞻䜓的に制䜜 方法を工倫しおより適確な制䜜方法を遞択し怜蚎するこずが倧切である。䟋えば既存 の甚具で察応できないずきや効率的で正確な䜜業が必芁な堎合治 じ 具 ぐ などを自䜜するこ ずなども考えられる。 個性豊かで創造的に衚すこずずは制䜜過皋においお制䜜方法材料や甚具手順や 技法などの意味や圹割を䞻䜓的に確かめ構想された䜜品を独自性や自分らしさを発揮し ながらより高めようず工倫や改善を行い創造的に衚すこずである。 ここでは特に材料の加工に応じた適切な技法の遞択甚具の掻甚方法の吟味技法に 第2 ç«  各科目 234
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よる制䜜手順の怜蚎などを総合的に捉えるこずが重芁である。たた構想したものを確実 に圢にしおいくためには詊䜜などをしながら工倫や改善を図るこずが倧切である。 指導に圓たっおは構想段階で䜜成したスケッチや図面詊䜜などによっお目的や機 胜衚珟の意図などを確認し構想したこずが思いどおりに衚珟されおいるか材料や甚 具手順や技法が適切かどうかを怜蚎しよりよい方向に創造的な改善を図るこずができ るようにするこずが倧切である。  工芞Ⅱ 235
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 鑑 賞 鑑賞に関する資質・胜力を次のずおり育成する。 「鑑賞」は䞻䜓的に工芞䜜品や文化遺産などからよさや矎しさを感じ取り発想や 構想の独自性ず衚珟の工倫生掻環境の改善や心豊かな生き方に関わる工芞の働きや工 芞の䌝統ず文化に぀いお考え芋方や感じ方を深めるなどの鑑賞に関する資質・胜力を育 成する領域である。ここでは生埒䞀人䞀人が自分の芋方や感じ方を倧切にしお鑑賞の 芖点を豊かにし自己の䟡倀芳を高めお工芞䜜品や工芞の働き工芞の䌝統ず文化に察す る芋方や感じ方を深めるこずができるようにするこずが倧切である。 1 鑑賞   鑑賞に関する次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。  ア 工芞䜜品などの芋方や感じ方を深める鑑賞    ア   身近な生掻の芖点に立っおよさや矎しさを感じ取り発想や構想の独自性ず 衚珟の工倫などに぀いお倚様な芖点から考え芋方や感じ方を深めるこず。    む   瀟䌚的な芖点に立っおよさや矎しさを感じ取り発想や構想の独自性ず衚珟 の工倫などに぀いお倚様な芖点から考え芋方や感じ方を深めるこず。  む  生掻や瀟䌚の䞭の工芞の働きや工芞の䌝統ず文化に぀いおの芋方や感じ方を深 める鑑賞    ア   工芞のも぀機胜性ず矎しさなどを感じ取り生掻環境の改善や心豊かな生き 方に関わる工芞の働きに぀いお考え芋方や感じ方を深めるこず。    む   工芞䜜品や文化遺産などから衚珟の独自性などを感じ取り時代民族颚 土などによる衚珟の盞違点や共通点などから工芞の䌝統ず文化に぀いお考え 芋方や感じ方を深めるこず。 「工芞Ⅱ」における「 1 鑑賞」では 「工芞Ⅰ」の孊習を基瀎にしお造圢的な芋方・ 考え方を働かせ工芞䜜品や文化遺産などのよさや矎しさを感じ取り発想や構想の独自 性ず衚珟の工倫生掻環境の改善や心豊かな生き方に関わる工芞の働き時代や民族など による衚珟の盞違点や共通点などから工芞の䌝統ず文化に぀いお考え自己の䟡倀芳を高 めお工芞䜜品や工芞の働き工芞の䌝統ず文化に぀いおの芋方や感じ方を深めるなどし お鑑賞に関する資質・胜力を育成するこずをねらいずしおいる。 ここでは工芞䜜品や文化遺産などが䜜者やそれぞれの時代の独自性や様々な工倫に より衚珟されおいるこずを深く感じ取るこずが求められる。たた自己の矎意識や䟡倀芳 を高め工芞䜜品などの発想や構想の独自性ず衚珟の工倫生掻環境の改善や心豊かな生 き方に関わる工芞の働き人々が工芞に蚗した願いやあこがれその時代の人々の生き方 ず工芞ずの関わりなどに぀いお考え芋方や感じ方を深めるこずが重芁である。 指導に圓たっおは生埒の興味・関心に基づいお䜜者や工芞䜜品の調査研究などを行 第2 ç«  各科目 236
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いレポヌトを䜜成するなどし䞻䜓的に䜜品のよさや矎しさ独自性などを発芋するなど 胜動的な鑑賞ができるよう配慮するこずが必芁である。たた 「衚珟」ずの関連を図り アの工芞䜜品などを察象にした鑑賞に぀いおは 「思考力刀断力衚珟力等」の育成の 芳点から発想や構想ず鑑賞の孊習の双方に働く䞭心ずなる考えを軞ずしながら生埒が 䞻䜓的な鑑賞を通しお䜜者の衚珟の意図に觊れより深く䜜品のよさや矎しさを感じ取 ったり発想や構想の独自性などに぀いお考えたりできるようにする。その際工芞䜜品 に察する倚様な芋方や感じ方があるこずを理解し他者の考えを尊重するずずもに自分の 考えをもち蚎論や批評をするなどしお芋方や感じ方を深めるこずが倧切である。 ア 工芞䜜品などの芋方や感じ方を深める鑑賞 アは工芞䜜品などの芋方や感じ方を深める鑑賞に関する指導内容を瀺しおいる。 ここでは 生埒が自己の䟡倀芳を高めお 工芞䜜品などのよさや矎しさなどを感じ取り 䜜者の発想や構想の独自性や様々な衚珟の工倫などを倚様な芖点から分析するなどしお考 え鑑賞の芖点を豊かにし身近な生掻や瀟䌚的な芖点に立っお工芞䜜品などの芋方や考 え方を深めるこずができるよう指導するこずが倧切である。 ア   身近な生掻の芖点に立っおよさや矎しさを感じ取り発想や構想の独自性ず衚珟 の工倫などに぀いお倚様な芖点から考え芋方や感じ方を深めるこず。 ア は身近な生掻の芖点に立っお様々な工芞䜜品などからよさや矎しさを感じ取り 䜜者の独自の発想や構想衚珟方法などの工倫などに぀いお考えるなどしお芋方や感じ 方を深める鑑賞に関する指導事項である。 身近な生掻の芖点に立っおよさや矎しさを感じ取りずは䜜者の矎意識や䜿う人ぞの心 遣いなどに぀いお思いをめぐらせ自己の䜓隓の䞭で培われた䟡倀意識を基に身近な生 掻の芖点に立っお工芞䜜品の倚様なよさや矎しさを䞻䜓的に感じ取るこずである。ここで は 「工芞Ⅰ」で孊習した内容を螏たえ䜜品などからよさや矎しさを豊かに感じ取るこ ずができるようにするこずが倧切である。 発想や構想の独自性ず衚珟の工倫などに぀いお倚様な芖点から考えずは自己の身近な 生掻や自然などずの関わりから 䜜者の独自の発想や構想 衚珟方法の工倫などに぀いお 様々な角床から分析するこずなどを通しお倚様な芖点から考えるこずである。ここでは 身近な芖点に立っお制䜜された䜜品に反映されおいる䜜者の個性や芞術芳などに関心をも ち䜜品を盎接芋たり觊れたり䜿ったりする䜓隓を通しお䜜者の矎意識や工芞䜜品を䜿 う喜びや楜しさなどに぀いお思いを巡らせ生埒が自己の䟡倀芳を基に発想や構想の独 自性ず衚珟の工倫などに぀いお倚様な芖点から考え䜜品の衚珟の特質などを捉えられる ようにするこずが倧切である。 芋方や感じ方を深めるずは芋たり觊れたり䜿ったりしお䜜品のよさや矎しさを感 じ取り発想や構想の独自性ず衚珟の工倫などに぀いお幅広く様々な芖点から分析し  工芞Ⅱ 237
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比范したり䜿い心地などに぀いお考えたりするなどしお鑑賞の芖点を豊かにし自己の 䟡倀芳を高めお芋方や感じ方を深めるこずである。 指導に圓たっおは単に定たった䟡倀芳のみによっお鑑賞するのではなく自己の䟡倀 芳を高めお身近な生掻の芖点に立っお䜜品を捉え幅広く味わいより䞻䜓的に芋方や感 じ方を深めおいくこずが重芁である。たた他者の意芋も取り入れながら倚角的に分析す るこずによっお䜜品に関する芋方や感じ方を深めるようにするこずが必芁である。その 際 〔共通事項〕ずの関連を図り造圢的な芖点から発想や構想の独自性に぀いお考え 自己の䟡倀芳を高めお䜜品に぀いおの芋方や感じ方を深めさせるこずや 「衚珟」ずの 関連を図り発想や構想ず鑑賞の孊習の双方に働く䞭心ずなる考えを軞ずしながら身近 な生掻の䞭の工芞に぀いお考えたり䜜者の意図に基づいお衚珟方法や玠材技術がど のように生かされおいるかに぀いお分析したりしおより深く䜜品のよさや矎しさを感じ 取ったり発想や構想の独自性などに぀いお考えたりできるようにするなどの指導の工倫 が求められる。たた自己の制䜜経隓に照らさせお鑑賞を深めるこずや感じ取ったこず や考えたこずを蚀葉などで敎理したり鑑賞レポヌトにたずめたりするこずも効果的であ る。 む   瀟䌚的な芖点に立っおよさや矎しさを感じ取り発想や構想の独自性ず衚珟の工 倫などに぀いお倚様な芖点から考え芋方や感じ方を深めるこず。 む は瀟䌚的な芖点に立っお様々な工芞䜜品からよさや矎しさを感じ取り䜜者の 独自の発想や構想衚珟方法などの工倫などに぀いお考えるなどしお芋方や感じ方を深 める鑑賞に関する指導事項である。 瀟䌚的な芖点に立っおよさや矎しさを感じ取りずは瀟䌚や環境ずの関わりを螏たえお 䜿う人の立堎に立ち実際に䜿う堎面等を想定しながら芋たり觊れたりしお瀟䌚的な芖 点に立っお工芞䜜品の倚様なよさや矎しさを感じ取るこずである。ここでは 「工芞Ⅰ」 で孊習した内容を螏たえ䜜品などに向き合いよさや矎しさを豊かに感じ取るこずがで きるようにするこずが倧切である。 発想や構想の独自性ず衚珟の工倫などに぀いお倚様な芖点から考えずは瀟䌚や環境ず の関わり䜿う人の心情を螏たえ様々な工芞䜜品の発想や構想の独自性や衚珟の工倫な どに぀いお様々な芖点から分析するなど倚様な芖点から考えるこずである。 ここでは瀟䌚的な芖点に立っお制䜜された䜜品に反映されおいる䜜者の個性や芞術芳 などに関心をもち䜜品を盎接芋たり觊れたり䜿ったりする䜓隓を通しお䜜者の矎意識 や工芞䜜品を䜿う人ぞの心遣いなどに぀いお思いを巡らせ生埒が自己の䟡倀芳を基に 発想や構想の独自性ず衚珟の工倫などに぀いお倚様な芖点から考え䜜品の衚珟の特質な どを捉えられるようにするこずが倧切である。 芋方や感じ方を深めるずは芋たり觊れたり䜿ったりしお䜜品のよさや矎しさを感 じ取り䜿う人の願いや心情を実珟するための発想や構想の独自性や衚珟の工倫に぀いお 考えるなどしお鑑賞の芖点を豊かにし自己の䟡倀芳を高めお芋方や感じ方を深めるこず 第2 ç«  各科目 238
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である。 指導に圓たっおは単に定たった䟡倀芳のみによっお鑑賞するのではなく自己の䟡倀 芳を高めお瀟䌚的な芖点に立っお䜜品を捉え幅広く味わいより䞻䜓的に芋方や感じ方 を深めおいくこずが重芁である。たた様々な工芞䜜品などに実際に觊れるなどしお䜿 い心地に぀いお確認したり圢匏や目的を同じくする他の䜜品などず比范したり他者の 意芋も取り入れながら倚角的に分析したりするこずによっお䜜品に関する芋方や感じ方 を深めるようにするこずが必芁である。その際 〔共通事項〕ずの関連を図り造圢的な 芖点から発想や構想の独自性に぀いお考え自己の䟡倀芳を高めお䜜品に぀いおの芋方や 感じ方を深めさせるこずや 「衚珟」ずの関連を図り発想や構想ず鑑賞の孊習の双方 に働く䞭心ずなる考えを軞ずしながら瀟䌚の䞭の工芞や環境ずの関わりに぀いお考えた り䜜者の意図に基づいお衚珟方法や玠材技術がどのように生かされおいるかに぀い お分析したりしおより深く䜜品のよさや矎しさを感じ取ったり発想や構想の独自性な どに぀いお考えたりできるようにするなどの指導の工倫が求められる。たた自己の制䜜 経隓に照らさせお鑑賞を深めるこずや感じ取ったこずや考えたこずを蚀葉などで敎理し たり鑑賞レポヌトにたずめたりするこずも効果的である。 ã‚€  生掻や瀟䌚の䞭の工芞の働きや工芞の䌝統ず文化に぀いおの芋方や感じ方を深め る鑑賞 むは生掻や瀟䌚の䞭の工芞の働きや工芞の䌝統ず文化に぀いおの芋方や感じ方を深め る鑑賞に関する指導内容を瀺しおいる。 ここでは生埒が自己の䟡倀芳を高めお様々な工芞䜜品や文化遺産などから機胜性ず矎 しさ衚珟の独自性などを感じ取り生掻環境の改善や心豊かな生き方に関わる工芞の働 きや時代民族颚土などによる衚珟の盞違点や共通点などから工芞の䌝統ず文化に぀ いお考え芋方や感じ方を深めるこずができるよう指導するこずが倧切である。 ア   工芞のも぀機胜性ず矎しさなどを感じ取り生掻環境の改善や心豊かな生き方に 関わる工芞の働きに぀いお考え芋方や感じ方を深めるこず。 ア は様々な工芞䜜品から機胜性や矎しさなどを感じ取り生掻環境の改善や心豊か な生き方に関わる工芞の掻動や䟡倀に぀いお考えるなどしお芋方や感じ方を深める鑑賞 に関する指導事項である。 工芞のも぀機胜性ず矎しさなどを感じ取りずは様々な工芞䜜品を鑑賞したり実際に䜿 ったりするなどしお目的や条件に応じた機胜性や䜿いやすさ機胜ずの調和の取れた矎 しさなどを感じ取るこずである。 生掻環境の改善や心豊かな生き方に関わる工芞の働きに぀いお考えずは工芞が生掻を 機胜的にするだけでなく安らぎや心地よさをもたらすこずによっお生掻環境の改善に぀ ながるなど 心豊かに生掻するための工芞の働きに぀いお考えるこずである。その際 〔共  工芞Ⅱ 239
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通事項〕ずの関連を図り造圢的な芖点を豊かにし生掻環境を改善する芖点からより よいものより矎しいものを求めそれらを生み出す機胜囜や民族の違いを超えお共感 を䞎える䜜甚などに぀いお考え心豊かな生き方に関わる工芞の働きに぀いお実感をもっ お捉えられるようにするこずも倧切である。 芋方や感じ方を深めるずは工芞䜜品やそれを甚いる生掻環境や瀟䌚状況などに぀いお 調べたりするこずやそれらのこずに぀いお蚎論や批評をしたりするこずなど心豊かな 生き方に関わる工芞の働きに぀いお考えるなどしお鑑賞の芖点を豊かにし自己の䟡倀芳 を高めお芋方や感じ方を深めるこずである。ここでは生埒䞀人䞀人が身近な生掻環境 や瀟䌚に目を向け 䜿う喜びを䞎えおくれるよりよいものを求め それらを生み出す機胜 地域や時代の違いを超えお目的や機胜ず矎しさに察しお共感を䞎える䜜甚などに぀いお考 察し䌝統を継承し新たな䟡倀を生み出し心豊かな生き方に関わる工芞の働きに぀いお の芋方や感じ方を深めるこずができるようにするこずが重芁である。 指導に圓たっおは工芞䜜品を䜿う堎や状況を想定し䜿う人の感情にもたらす効果に ぀いお実際に䜿甚しおみたり察話的な掻動によっお蚎論したりするなどしお考え䞻䜓 的に芋方や感じ方を深めるこずが倧切である。たた日垞生掻の䞭で工芞の制䜜に取り組 み生きがいずしおいる人々がいるこずなど制䜜ず䜿甚の䞡偎面から工芞が生掻の䞭で 果たす圹割に぀いお考えを深めるこずも重芁である。 む   工芞䜜品や文化遺産などから衚珟の独自性などを感じ取り時代民族颚土な どによる衚珟の盞違点や共通点などから工芞の䌝統ず文化に぀いお考え芋方や感 じ方を深めるこず。 む は工芞䜜品や文化遺産などから衚珟の独自性などを感じ取り時代地域民族 気候颚土などによる衚珟の盞違点や共通点などから工芞の䌝統ず文化に぀いお考えるな どしお芋方や感じ方を深める鑑賞に関する指導事項である。 工芞䜜品や文化遺産などから衚珟の独自性などを感じ取りずは日本及び諞倖囜の工芞 䜜品や文化遺産などから各時代の特城民族や颚土の特質などの盞違による衚珟圢匏や 技法玠材の独自性を感じ取るこずである。ここではそれぞれの囜や民族が長い歎史の 䞭で築き䞊げ継承しおきた様々な工芞的・造圢的な成果や有圢・無圢の文化財に぀いお それぞれの特城に着目しお鑑賞し囜や民族時代を越えお倉わらぬよさや矎しさがある こずに気付くずずもに衚珟の独自性や個性の䞻匵を感じ取れるようにするこずが倧切で ある。 時代民族颚土などによる衚珟の盞違点や共通点などから工芞の䌝統ず文化に぀いお 考えずは日本及び諞倖囜の工芞䜜品や文化遺産などの衚珟圢匏や技法玠材などの盞違 点や共通点に気付き工芞䜜品が制䜜された背景にある時代の特城民族や颚土の特質 地理的条件信仰や祝祭などずの関係を捉え工芞の䌝統や文化に぀いお考えるこずであ る。ここでは䜜品が制䜜された背景にある様々な芁因ず衚珟の関係などに぀いお考える などしお䞻䜓的に芋方や感じ方を深めるこずが重芁である。 第2 ç«  各科目 240
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芋方や感じ方を深めるずは日本及び諞倖囜の工芞䜜品や文化遺産などの衚珟の独自性 や矎意識に぀いお感じ取るずずもにその背景にある時代民族颚土などずの関係を捉 えながら工芞䜜品の盞違点や共通点に぀いお考えるなどしお鑑賞の芖点を豊かにし自己 の䟡倀芳を高めお芋方や感じ方を深めるこずである。 指導に圓たっおはアゞアをはじめずする諞倖囜の工芞も積極的に扱うようにする。䟋 えば工芞の鑑賞を通しお我が囜の工芞の源流を考えるずいうテヌマで歎史的地理的 に深い関わりをも぀アゞア諞囜の工芞にも目を向けるこずなどが考えられる。その圱響を 受けた我が囜の工芞ず比べお鑑賞し盞違点や共通点に気付かせ歎史的地理的な芖点 から 工芞の䌝統ず文化に぀いお䞀局芋方や感じ方を深めるこずも重芁である。たた 〔共 通事項〕ずの関連を図り察象や事象を䜜颚や様匏などの文化的な芖点で芋぀め盞違点 や共通点に぀いお蚎論したり根拠をもっお批評したりするなどしお鑑賞を深め他者の 意芋も取り入れながら倚角的に分析したりするこずも効果的である。工芞の文化に぀いお の孊習においお過去の文化遺産ずしおの工芞䜜品などを鑑賞する際特定の時代や地域 のみに限定された独立したものずしお捉えるのではなく過去から珟圚に続く倧きな歎史 の䞭に䜍眮付け盞互に関連しおいるこずを意識させる必芁がある。さらに䌝統の䞭に 未来に通じる䟡倀を芋いだしそれを継承し぀぀新たな䟡倀や文化を積極的に創造しよ うずする心情や態床を育成するこずも倧切である。  工芞Ⅱ 241
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〔共通事項〕 〔共通事項〕 1 は 今回の改蚂で新しく蚭けた事項である。ア及びむの各指導事項は 「 衚珟」及び「鑑賞」の孊習においお共通に必芁ずなる資質・胜力であり造圢的な芖点 を豊かにするために必芁な知識ずしお䜍眮付けおいる。 衚珟及び鑑賞の孊習においお共通に必芁ずなる資質・胜力を次のずおり育成する。 〔共通事項〕は 「衚珟」及び「鑑賞」の孊習においおそれぞれに必芁ずなる資質・ 胜力ずしお䜍眮付けおいる。 今回の改蚂では造圢を豊かに捉える倚様な芖点がもおるようにするこずを重芖しおお り 「衚珟」  「鑑賞」及び〔共通事項〕の指導を通しお生埒䞀人䞀人が造圢的な 芋方・考え方を働かせ衚珟及び鑑賞に関する資質・胜力を高め生掻や瀟䌚の䞭の工芞 や工芞の䌝統ず文化ず深く関わるこずができるようにするこずを目指しおいる。 指導蚈画の䜜成では発想や構想技胜鑑賞に関する資質 ・ 胜力に共通しお働くよう 「工芞Ⅰ」の孊習を基瀎ずしお適切に䜍眮付けるこずが重芁である。 1   「衚珟」及び「鑑賞」の指導を通しお次の事項を身に付けるこずができる よう指導する。  ア 造圢の芁玠の働きを理解するこず。  む  造圢的な特城などを基に党䜓のむメヌゞや䜜颚様匏などで捉えるこずを理 解するこず。 〔共通事項〕 1 は 「衚珟」及び「鑑賞」の孊習においお共通に必芁ずなる造圢的 な芖点を豊かにするために造圢の芁玠の働きや造圢的な特城などを基に党䜓のむメ ヌゞや䜜颚様匏などで捉えるこずを理解する項目である。 〔共通事項〕はそれのみを取り䞊げお題材にするものではなく 「 『衚珟』及び『 鑑賞』 の指導を通しお 次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。 」 ずあるように 「衚珟」及び「鑑賞」のそれぞれの指導を通しお身に付けるこずができるよう指導す るものである。 アは圢や色圩玠材や光などそれぞれの造圢の芁玠に芖点を圓おそれらの働きを 理解する指導事項である。それに察しおむは郚分ではなく党䜓に芖点を圓お造圢的 な特城などから党䜓のむメヌゞや䜜颚様匏などで捉えるこずに぀いお理解する指導事項 である。ここでの孊習は 〔共通事項〕に瀺されおいる内容を単に新たな事柄ずしお知 るこずや蚀葉を暗蚘するこずに終始するのではなく 〔共通事項〕の指導を通しお造圢 を豊かに捉える倚様な芖点を育お今たで気付かなかった䜜品などのよさや矎しさ身の 回りの工芞の働きの面癜さなどに気付いたり新たな意味や䟡倀を発芋したりするこずに ぀ながるこずを実感させるこずが重芁である。䟋えば圢や色圩玠材光などの性質や 第2 ç«  各科目 242
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それらが感情にもたらす効果などの造圢の芁玠の働きに関する蚀葉を意図的に甚いおそ れらを根拠ずしお批評し合ったりするこずによりそれらの枠組みで様々な造圢を捉えら れるようにするこずも倧切である。 特に 「工芞Ⅱ」では感性や矎意識を高め個性豊かに衚珟したり自己の䟡倀芳を 高めお鑑賞したりするなどの芳点から 「工芞Ⅰ」で身に付けた知識を柔軟に幅広く掻甚 できるようにするこずが求められる。その䞊で造圢の芁玠の働きの理解を曎に深めたり 芋立おたり心情などず関連付けたりするなど党䜓のむメヌゞで捉えるこずや䜜颚や様匏 などの文化的な芖点で捉えるずいうこずに぀いおの理解を深めたりし造圢的な芖点を䞀 局豊かにしお衚珟及び鑑賞に関する資質・胜力を育成するこずができるようにするこずが 倧切である。  工芞Ⅱ 243
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1  内容の「衚珟」及び「鑑賞」の指導に぀いおは盞互の関連を図り特に発 想や構想に関する資質・胜力ず鑑賞に関する資質・胜力ずを総合的に働かせお孊習 が深められるようにする。 「工芞Ⅱ」の指導に圓たっおは 「衚珟」ず「鑑賞」ずの関連を考慮し遞択した内 容や孊習のねらいに応じおそれぞれを関連させお扱ったり独立した鑑賞の時間を蚭け たりするなど指導の効果を高める工倫が必芁である。そのためには各内容における指導 のねらいを十分に怜蚎しそれを実珟するこずのできる適切な題材を蚭定するなど 「工 芞Ⅱ」においお育成する資質・胜力が身に付くよう指導蚈画に䜍眮付ける必芁がある。 2  生埒の特性 孊校や地域の実態を考慮し 内容の「衚珟」に぀いおは 1 又は 2 のうち䞀぀以䞊を遞択しお扱うこずができる。 「工芞Ⅱ」の指導に圓たっおは生埒の特性孊校や地域の実態などを考慮し発展的 で個性豊かな孊習が進められるようにするため 「衚珟」では「 1 身近な生掻ず工芞」 又は 「 2 瀟䌚ず工芞」のうち䞀぀以䞊を遞択しお扱うこずができる。その際生埒 個人又はグルヌプごずに遞択したり特定の孊期又は期間においお遞択を取り入れたりす るなどの工倫をするこずも考えられる。 3   内容の取扱いに圓たっおは 「工芞Ⅰ」のの 2 から 9 たでず同様に取り扱う ものずする。 ここでは 「工芞Ⅰ」の内容の取扱いのうち 2 から 9 たでに瀺した事項ず同様に取 り扱うこずを蚘しおいる。 「工芞Ⅰ」のの 3 においおは 「工芞Ⅰ」の孊習を基瀎ずしお〔共通事項〕が造圢的 な芖点を豊かにするために必芁な知識ずしお衚珟及び鑑賞の各掻動に適切に䜍眮付ける必 芁がある。 〔共通事項〕を造圢的な芖点ず関連させながら「衚珟」及び「鑑賞」の孊 習の䞭で十分に指導をするためには 〔共通事項〕 アの 「造圢の芁玠の働きを理解するこず」 やむの「造圢的な特城などを基に党䜓のむメヌゞや䜜颚様匏などで捉えるこずを理 解するこず」が衚珟及び鑑賞の掻動の䞭で造圢的な芖点ずしお豊かに働くようにどの堎 面でどのように指導するのかを明確に䜍眮付け指導蚈画の䜜成を行う必芁がある。 「工芞Ⅰ」のの 7 においおは発想や構想に関する資質・胜力や鑑賞に関する資質・ 胜力を育成する芳点からアむデアスケッチや蚀葉などで考えを敎理したり自分の感じ たこずや衚珟に぀いおの思いや願いなどの自分の考えを〔共通事項〕に瀺す事項を芖点に 根拠を明らかにしお述べたり批評し合い蚎論したりするこずは衚珟及び鑑賞に関する資  内容の取扱い 第2 ç«  各科目 244
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質・胜力を高める䞊で重芁な孊習掻動である。工芞䜜品などに察する自己の䟡倀芳を高め お批評し合うなどの蚀語掻動では生埒䞀人䞀人が感じ取った工芞䜜品のよさや矎しさな どの䟡倀を生埒同士で発衚し批評し合い自分の気付かなかったよさや衚珟の意図ず創造 的な工倫などを発芋するなどしお盎感的に感じたこずを敎理し自己の芋方や感じ方ず しお身に付け䞀局広く深く感じ取ったり考えたりするこずに぀なげおいくこずが倧切で ある。 たた 「工芞Ⅱ」では単に高床な技法や分析・批評の指導にずどたるこずなく生埒 の興味・関心を考え䞻䜓的な衚珟や鑑賞の掻動を促し積極的で創造的な取組を進めお いくこずが必芁である。  工芞Ⅱ 245
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「工芞Ⅲ」は 「工芞Ⅱ」を履修した生埒が曎に次の段階ずしお履修するために蚭けお いる科目である。 「工芞Ⅲ」は 「工芞Ⅰ」及び「工芞Ⅱ」の孊習を基瀎にしお曎に生埒の資質・胜力 適性興味・関心等に応じた掻動を展開し生掻や瀟䌚の䞭の倚様な工芞や工芞の䌝統ず 文化ず深く関わる資質・胜力を育成するこずをねらいずしおいる。 今回の改蚂では工芞の創造的な諞掻動を通しお造圢的な芋方・考え方を働かせ矎 的䜓隓を豊かにしより実感をもっお衚珟及び鑑賞に関する資質・胜力を育成するこずを 重芖しおいる。そのため科目の目暙を「工芞Ⅰ」及び「工芞Ⅱ」ず同様に 1 「知識及 び技胜」  2 「思考力刀断力衚珟力等」  3 「孊びに向かう力人間性等」の䞉぀の柱 に䜍眮付けお瀺した。たた 「工芞Ⅲ」は埓前衚珟領域の各分野及び鑑賞領域から䞀 ぀以䞊を遞択しお孊習できるこずずしおいたが今回の改蚂では衚珟領域の 1 又は 2 のうち䞀぀以䞊の分野ず鑑賞領域のア又はむのうち䞀぀以䞊の事項を遞択しお孊習できる ように改め内容に぀いおも目暙に察応しお資質・胜力を盞互に関連させながら育成で きるよう敎理した。 「工芞Ⅲ」の目暙は芞術科の目暙を受けるずずもに 「工芞Ⅰ」及び「工芞Ⅱ」の目暙 ずの関連を考慮しお次のように瀺しおいる。  工芞の創造的な諞掻動を通しお造圢的な芋方・考え方を働かせ矎的䜓隓を豊か にし生掻や瀟䌚の䞭の倚様な工芞や工芞の䌝統ず文化ず深く関わる資質・胜力を次 のずおり育成するこずを目指す。 1  察象や事象を捉える造圢的な芖点に぀いお理解を深めるずずもに意図に応じお 制䜜方法を远求し個性を生かしお創造的に衚すこずができるようにする。 2  造圢的なよさや矎しさ独創的な衚珟の意図ず工倫工芞の働きなどに぀いお考 え思いや願いなどから個性を生かしお発想し構想を緎ったり自己の䟡倀芳を働 かせお工芞や工芞の䌝統ず文化に察する芋方や感じ方を深めたりするこずができる ようにする。 3  䞻䜓的に工芞の創造的な諞掻動に取り組み生涯にわたり工芞を愛奜する心情を 育むずずもに感性ず矎意識を磚き工芞の䌝統ず文化を尊重し生掻や瀟䌚を心 豊かにするために工倫する態床を逊う。 目暙は次のような芖点を重芖しお改善を図っおいる。 「工芞Ⅲ」では 科目の目暙を「工芞Ⅰ」及び「工芞Ⅱ」の孊習を基瀎にしお 「工芞Ⅲ」 第9 節 工 芞 Ⅲ  性 栌  目 暙 第2 ç«  各科目 246
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は䜕を孊ぶ科目なのかずいうこずを明瀺し 1 「知識及び技胜」  2 「思考力刀断力 衚珟力等」  3 「孊びに向かう力人間性等」の䞉぀の柱を盞互に関連させながら育成で きるように䜍眮付けお瀺しおいる。ここでは感性や矎意識想像力を働かせ察象や事 象を造圢的な芖点で捉え自分ずしおの意味や䟡倀を぀くりだすなどの造圢的な芋方・考 え方を働かせ矎的感受性創造性人間理解研究心などを育む矎的䜓隓を豊かにし 生掻や瀟䌚の䞭の倚様な工芞や工芞の䌝統ず文化ず深く関わる資質・胜力を育成するこず を䞀局重芖しおいる。特に生埒の特性や矎意識知識及び技胜を発揮した䞻䜓的で創造的 な諞掻動を通しお創造の喜びを䞀局深く味わい工芞を生掻に生かすなど生涯にわた っお工芞を愛奜する心情ず工芞の䌝統ず文化を尊重する態床を逊うずずもに制䜜を確か なものずする技術技法や独創的で個性的な衚珟ず鑑賞に関する資質 ・ 胜力を高める䞭で 生掻や瀟䌚の䞭の倚様な工芞や工芞の䌝統ず文化ず深く関わる資質・胜力を育成するこず が倧切である。 造圢的な芋方・考え方ずは工芞の特質に応じた物事を捉える芖点や考え方ずしお衚 珟及び鑑賞の掻動を通しお感性や矎意識想像力を働かせ察象や事象を造圢的な芖点 で捉え自分ずしおの意味や䟡倀を぀くりだすこずが考えられる。 「工芞Ⅲ」では造圢 的な芖点を䞀局豊かにし創造的に考えを深める資質・胜力の育成を重芖しおいる。 矎的䜓隓を豊かにしずは衚珟や鑑賞の掻動を通しお自然や自己瀟䌚をより深く芋぀ め生掻の䞭の工芞や瀟䌚における有甚性生掻環境の特性などを倚様な芖点に立っお芋 ぀める䞭でよさや矎しさを発芋しそれを制䜜に生かしたり工芞䜜品などを甚いたりす る䞭で感動したり 愛情をもったりしながら 工芞のも぀機胜性ず矎しさなどを感じ取り 䌝統ず文化の䟡倀や囜際理解に果たす工芞の圹割などに぀いお考えたりするなどしお矎 的䜓隓を豊かにするこずを意味しおいる。 生掻や瀟䌚の䞭の倚様な工芞や工芞の䌝統ず文化ず深く関わる資質・胜力ずは 「工芞 Ⅰ」及び「工芞Ⅱ」の孊習を基瀎にしお生掻や瀟䌚の䞭の倚様な工芞や工芞の䌝統ず文 化ず深く関わるこずができる生埒の姿を念頭に眮いお育成を目指す資質・胜力を具䜓的に 瀺しおいる。生埒䞀人䞀人が倚様な関わりをもおるようにするためには 曎に生埒の資質 ・ 胜力や適性興味や関心などに応じた孊習を展開し衚珟及び鑑賞に関する資質・胜力を 高めおいくこずが求められる。 科目の目暙 ㆒ 1  察象や事象を捉える造圢的な芖点に぀いお理解を深めるずずもに意図に応じお 制䜜方法を远求し個性を生かしお創造的に衚すこずができるようにする。 ここでは育成するこずを目指す「知識及び技胜」に぀いお瀺しおいる。 前半郚分は造圢的な芖点を豊かにするために必芁な知識に関するもの埌半郚分は 創造的に衚す技胜に関するものであり科目の目暙 1 はこの二぀から構成されおいる。 察象や事象を捉える造圢的な芖点に぀いお理解を深めるずは造圢的な芖点を豊かにす るために必芁な知識に぀いお理解を深めるこずを瀺しおいる。ここでは 「工芞Ⅰ」 及び 「工  工芞Ⅲ 247
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芞Ⅱ」の孊習を基瀎にしお生埒䞀人䞀人が衚珟及び鑑賞の掻動の孊習過皋を通しお 個別の感じ方や考え方等に応じながら〔共通事項〕に瀺された内容に぀いお掻甚し身に付 けたり実感を䌎いながら理解を䞀局深めたりするずずもにこれたでに孊んだ知識が 新たな孊習経隓の過皋を通しお再構築されおいくこずも倧切である。 意図に応じお衚珟方法を远求し個性を生かしお創造的に衚すずは発想や構想をした こずを基に制䜜過皋党䜓を芋通しお制䜜方法を远求し個性を生かしお創造的に衚すこ ずである。ここでは衚珟の意図に応じおこれたで孊習した様々な技胜を応甚したり材 料や甚具の特性を生かしたりしお創意工倫を積み重ね制䜜方法を远求し生埒䞀人䞀人 が独自性を生かしお自分らしさをよりよく発揮しながら創造的に衚すこずができるように するこずが倧切である。 科目の目暙 ㆓ 2  造圢的なよさや矎しさ独創的な衚珟の意図ず工倫工芞の働きなどに぀いお考 え思いや願いなどから個性を生かしお発想し構想を緎ったり自己の䟡倀芳を働 かせお工芞や工芞の䌝統ず文化に察する芋方や感じ方を深めたりするこずができる ようにする。 ここでは育成するこずを目指す「思考力刀断力衚珟力等」に぀いお瀺しおいる。 前半郚分は発想や構想ず鑑賞の双方に重なる資質・胜力に関するもの䞭間郚分は 発想や構想に関する資質・胜力であり個性を生かしお発想し制䜜の構想を緎るなどの資 質・胜力を瀺しおいる。埌半郚分は鑑賞に関する資質・胜力であり自己の䟡倀芳を働 かせお工芞䜜品などの造圢的なよさや矎しさなどを感じ取ったり工芞の䌝統ず文化の継 承発展創造するこずの意矩に぀いお考えたりするなどの芋方や感じ方に関する資質・ 胜力を瀺しおいる。 思いや願いなどから個性を生かしお発想し構想を緎るずは生埒䞀人䞀人が独自性を生 かしお自分らしさをよりよく発揮しながら発想や構想を緎るこずである。個性を生かしお 発想をするずは生掻の䞭の工芞や瀟䌚における有甚性生掻環境の特性などから生埒自 らが匷く衚したいこずを心の䞭に思い描くこずであり個性を生かした発想や構想の孊習 を進める䞊で基盀になるものである。ここでは自己の思いや䜿う人の願いを実珟するた めの柔軟で創造的な思考力刀断力等を身に付けるこずが重芁である。 自己の䟡倀芳を働かせお工芞や工芞の䌝統ず文化に察する芋方や感じ方を深めるずは 自分の䟡倀芳を働かせお身近な生掻や瀟䌚的な芖点に立っおよさや矎しさを感じ取った り生掻文化ず工芞ずの関わり囜際理解を果たす工芞の圹割に぀いお考えたりするなど の芋方や感じ方を深める鑑賞に関する資質・胜力に぀いお瀺しおいる。 芋方や感じ方を深めるずは鑑賞の芖点を豊かにし察象や事象の芋方や感じ方を深め るこずである。芋方や感じ方をより深めおいくためには 「工芞Ⅱ」においお自己の䟡倀 芳を高めお工芞䜜品などの造圢的なよさや矎しさを感じ取ったり工芞の䌝統ず文化など に぀いお考えたりしお身に付けた資質・胜力を柔軟に掻甚し生埒䞀人䞀人がこれたでの 第2 ç«  各科目 248
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孊習においお育んできた自己の䟡倀芳を働かせお鑑賞の孊習を䞀局深めるこずが倧切であ る。 科目の目暙 叅 3  䞻䜓的に工芞の創造的な諞掻動に取り組み生涯にわたり工芞を愛奜する心情を 育むずずもに感性ず矎意識を磚き工芞の䌝統ず文化を尊重し生掻や瀟䌚を心 豊かにするために工倫する態床を逊う。 ここでは育成するこずを目指す「孊びに向かう力人間性等」に぀いお瀺しおいる。 感性ず矎意識を磚きずは矎ず創造を求める心を通しお自己の䟡倀芳を問い盎し様々 な察象や事象から新しい発芋などを匕き出すより豊かな感性ず生埒䞀人䞀人の矎に察す る鋭敏な感芚を働かせるなどの矎意識を磚くこずである。工芞の創造的な諞掻動においお は造圢的な芖点をより豊かにしお人間ず「もの」ずの関わりを芋぀め自己の生掻を よりよく改善したり心豊かな瀟䌚の圢成に積極的に寄䞎したりするなど感じ取る力を 䞀局䞻䜓的に働かせるこずを通しお感性ず矎意識を磚くこずが倧切である。 工芞の䌝統ず文化を尊重しずは日本の工芞をはじめずしお時代や民族囜などの違 いを越えお長い歎史の䞭で倧切に守られおきた工芞の䌝統ず文化を尊重し継承創造し おいく態床を意味し我が囜の䌝統ず文化に自信ず誇りをもっお囜際瀟䌚の䞀員ずしお 生きおいく豊かな刀断力や行動力の育成を目指すものである。このような資質・胜力の実 珟には 工芞を孊ぶ楜しさずずもに 自己の思いや人々の願いを探求する姿勢を身に付け 工芞の瀟䌚的な䟡倀を認識するこずを通しお自己の生き方を远求し創造的に心豊かに 生きる力を培うこずが倧切である。   工芞Ⅲ 249
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 衚 珟 衚珟に関する資質・胜力を次のずおり育成する。 「衚珟」は䞻䜓的に制䜜する衚珟の掻動を通しお発想や構想に関する資質・胜力 ず技胜に関する資質・胜力を育成する領域であり 「 1 身近な生掻ず工芞」  「 2 瀟䌚ず 工芞」の二぀の分野で構成しおいる。ここでは 「工芞Ⅰ」及び「工芞Ⅱ」の孊習を基瀎 にしお発想や構想に関する資質・胜力ず技胜に関する資質・胜力ずの調和を図っお育成 するこずが求められる。たた 「工芞Ⅲ」においおは「工芞Ⅱ」ず同様に生埒の特性 孊校や地域の実態を考慮する䞭で 1 又は 2 のうち䞀぀以䞊を遞択しお扱えるようにし おいるこずからより発展的で質の高い孊習内容に぀いおも配慮しながら指導をするこず が倧切である。 1 身近な生掻ず工芞   身近な生掻ず工芞に関する次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。  ア 身近な生掻の芖点に立った発想や構想    ア   生掻の䞭の工芞を倚様な芖点に立っお考え自己の思いなどから個性を生か しお独創的に発想し矎的で心豊かな制䜜の構想を緎るこず。  む 発想や構想をしたこずを基に創造的に衚す技胜    ア   制䜜過皋党䜓を芋通しお制䜜方法を远求し個性を生かしお創造的に衚すこ ず。 「工芞Ⅲ」における「 1 身近な生掻ず工芞」では 「工芞Ⅰ」及び「工芞Ⅱ」の孊習を 基瀎にしお造圢的な芋方・考え方を働かせ生掻の䞭の工芞を倚様な芖点に立っお芋぀ め自己の思いなどから独自性を生かしお自分らしさをよりよく発揮するこずを重芖し お独創的に発想し矎的で心豊かな制䜜の構想を緎り制䜜過皋党䜓を芋通しお制䜜方 法を远求し創造的に衚すなどしお発想や構想に関する資質 ・ 胜力ず技胜に関する資質 ・ 胜力を育成するこずをねらいずしおいる。 ここでは生埒の身近な生掻にある工芞を瀟䌚や文化颚土日本人ず季節感玠材 ず技法などの芖点から捉え盎したり自己の矎意識や思い倧切にしおいるこずなどから 芋぀め盎したりしお個性を生かしお独創的に発想し矎的で心豊かな制䜜の構想を远求 できるようにするこずが倧切である。その際 〔共通事項〕ずの関連を図り造圢的な芖 点を豊かにするずずもに衚には倧きく珟れにくい技や矎しさ䜜品から䌝わる粟神性な ど工芞䜜品の背景にある奥の深いよさや矎しさの䟡倀を孊ばせるこずも必芁である。 指導に圓たっおは発想や構想の段階で自己の倢や願い個性を十分に生かし独創的  内 容 第2 ç«  各科目 250
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に䜜品を぀くる喜びを味わえるようにするこずが倧切である。自分だけの斬新な発想をし たり長期間にわたっお䞀぀のテヌマで幟぀かの異なった䜜品を制䜜したり特定の衚珟 方法にこだわっおより専門性の高い衚珟を远求できるようにするこずなどが必芁であり このような孊習を通しお より深い達成感を埗られるようにするこずが倧切である。たた 「鑑賞」ずの関連を図るなどしお身近な生掻の芖点に立っお工芞䜜品などのよさや矎 しさなどを感じ取り 生掻文化ず工芞ずの関わり 䜜品が生たれた背景などに぀いお考え 工芞の䌝統ず文化に幅広く関心をもち䌝統的な制䜜方法のよさを取り入れたり新たな 制䜜の可胜性を暡玢したりできるようにするこずも倧切である。ここでは自己の思いな どを基に個性を生かした制䜜を远求するこずを重芖しその䞭で発想や構想に関する資 質・胜力や技胜に関する資質・胜力を高めるこずが倧切である。さらに共同しお行う創 造掻動などにも取り組み他者ず協力しお制䜜したり生埒䞀人䞀人の特性を生かし長 期間にわたる題材などを取り䞊げたりするこずも効果的である。 ア 身近な生掻の芖点に立った発想や構想 アは身近な生掻の芖点に立った発想や構想に関する指導内容を瀺しおいる。 ここでは生埒が自己を取り巻く生掻の䞭の工芞を倚様な芖点に立っお芋぀めお身近 な生掻の䞭の工芞に぀いお考え自己の思いや䜓隓経隓などから個性を生かしお独創的 な発想をしそれらを基に矎的で心豊かな構想を緎るこずができるよう指導するこずが倧 切である。 ア   生掻の䞭の工芞を倚様な芖点に立っお考え自己の思いなどから個性を生かしお 独創的に発想し矎的で心豊かな制䜜の構想を緎るこず。 ア はこれたでの経隓や知識等を基にしお生掻の䞭の工芞を倚様な芖点に立っお考 え独自性を生かしお自分らしさをよりよく発揮しながら独創的に発想し矎的で心豊か な制䜜の構想を緎るこずに関する指導事項である。 生掻の䞭の工芞を倚様な芖点に立っお考えずは人の生掻に必芁な衣食䜏ず工芞ず の関係を自らの成長や経隓に基づいお幅広く様々な芖点から考えるこずである。ここでの 倚様な芖点では自然や玠材日本の䌝統ず文化生掻様匏や瀟䌚の倉化などを想定する こずができる。それらを基に生埒が自らの経隓から造圢的な芖点を豊かにもち自分を 取り巻く生掻の䞭の工芞に぀いお䞻䜓的に考えるこずが倧切である。 自己の思いなどから個性を生かしお独創的に発想し矎的で心豊かな制䜜の構想を緎る こずずは既成の抂念にずらわれずに自分の思いなどから独自性を生かしお自分らしさを よりよく発揮しお発想をし自然や文化生掻ずの関連を図りながら自己の考えや぀くり たいものぞの思いを膚らたせお矎的で心豊かな制䜜の構想を緎るこずである。ここでは 自らの経隓や感芚を働かせながら玠材の特性を再認識し身近な生掻の芖点に立っお自 己の思いや䜓隓経隓などから生埒自らが匷く衚したいこずを心の䞭に思い描き矎的で  工芞Ⅲ 251
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心豊かな制䜜の構想を緎るこずができるようにするこずが倧切である。 指導に圓たっおは生埒が生掻を芋぀め盎し独創性をもっお発想し食りたいものや 䜿いたいものを構想できるようにするこずが倧切である。䟋えば䌝統的な工芞の技法を 甚いお自分が䜿う茶碗や皿湯飲みなどを圢や色圩玠材党䜓のむメヌゞなど統䞀 感のある独創的な意匠で発想や構想をするこずなどが考えられる。たた䌝統的な技法を 基にしおより独創的に自分の生掻スタむルに合わせお照明機胜を持たせたオブゞェの制䜜 をするなど立䜓造圢ずしおの芁玠を匷く出した䜜品の展開も考えられる。ここでは身 近な生掻の芖点に立った生埒自身の独創的な発想ず創䜜意欲を倧切にし玠材ず技法ず぀ くり手の発想から生たれる工芞の可胜性を远求させるこずも必芁である。その際〔共通事 項〕や「鑑賞」ずの関連を図りながら䌝統的な工芞䜜品などから自然を生かした造圢 矎簡玠さの䞭に芋いだされる趣のある矎しさなど造圢的な芖点を豊かにしお感じ取っ た奥の深いよさや矎しさの䟡倀などが衚珟に生かされるようにするこずも重芁である。た た構想を緎る際には十分な時間を確保し様々な角床から考え怜蚎するこずができる よう指導するこずが倧切である。 む 発想や構想をしたこずを基に創造的に衚す技胜 むは 発想や構想をしたこずを基に 創造的に衚す技胜に関する指導内容を瀺しおいる。 ここでは生埒䞀人䞀人が生掻の䞭の工芞を倚様な芖点に立っお考えお発想し矎的で 心豊かな構想をしたこずなどを基に自分の制䜜を具䜓化するために制䜜過皋党䜓を芋 通しお意図に応じお材料甚具手順技法などを効果的に生かしお制䜜方法を远求し 個性を生かしお創造的に衚すこずができるよう指導するこずが倧切である。 ア  制䜜過皋党䜓を芋通しお制䜜方法を远求し個性を生かしお創造的に衚すこず。 ア は制䜜の過皋党䜓を芋通しお制䜜方法を远求し個性を生かしお創造的に衚す技 胜に関する指導事項である。 制䜜過皋党䜓を芋通しお制䜜方法を远求し 個性を生かしお創造的に衚すこずずは 「工 芞Ⅰ」及び「工芞Ⅱ」で埗た経隓を生かしお制䜜䞊の様々な状況を予枬しお意図に応じ お制䜜方法を远求し独自性を生かしお自分らしさをよりよく発揮しながら創造的に衚す こずである。 ここでは材料甚具を遞択調敎しながら加工し幟぀かの工皋を経お仕䞊げに至る 過皋の䞀぀䞀぀の意味に぀いお理解を深めそれぞれの関係を捉えお総合的に制䜜方法を 远求するこずができるようにする。たた課題蚭定蚈画立案材料の遞択準備から完成 に至るたで生埒自らがこだわりをもっお䞻䜓的に取り組み詊行錯誀しお様々な課題の 解決を図り生埒䞀人䞀人が個性を生かしお創造的に衚すこずができるようにするこずが 倧切である。 指導に圓たっおは技法や技術の指導だけでなく先人たちが工芞制䜜においお自然 第2 ç«  各科目 252
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から玠材を芋いだし道具を぀くり加工しおきた経緯などに぀いおも知るずずもに工芞 に携わる人たちの自然や玠材道具を倧切にする姿勢やそれらがもたらす粟神性などに぀ いおも孊びそのよさや䟡倀を改めお捉え盎すこずが重芁である。 2 瀟䌚ず工芞   瀟䌚ず工芞に関する次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。  ア 瀟䌚的な芖点に立った発想や構想    ア   瀟䌚における有甚性 生掻環境の特性などに぀いお倚様な芖点に立っお考え 䜿う人の願いなどから個性を生かしお独創的に発想し矎的で心豊かな制䜜の 構想を緎るこず。  む 発想や構想をしたこずを基に創造的に衚す技胜    ア   制䜜過皋党䜓を芋通しお制䜜方法を远求し個性を生かしお創造的に衚すこ ず。 「工芞Ⅲ」における「 2 瀟䌚ず工芞」では 「工芞Ⅰ」及び「工芞Ⅱ」の孊習を基瀎に しお造圢的な芋方・考え方を働かせ瀟䌚における有甚性生掻環境の特性などに぀い お倚様な芖点に立っお考え䜿う人の願いなどから独自性を生かしお自分らしさをより よく発揮するこずを重芖しお独創的に発想し矎的で心豊かな制䜜の構想を緎り制䜜 過皋党䜓を芋通しお制䜜方法を远求し 創造的に衚すなどしお 発想や構想に関する資質 ・ 胜力ず技胜に関する資質・胜力を育成するこずをねらいずしおいる。 ここでは衚珟の察象を生埒の生掻䜓隓や身近な瀟䌚䜓隓から曎に広げお人々の生掻 様匏や生掻意識なども考慮しながら瀟䌚や生掻環境における矎的で有甚な工芞に぀いお 考察できるようにするこずが倧切である。その際 〔共通事項〕ずの関連を図り造圢的 な芖点を豊かにするずずもに個人の䞀面的な矎意識や有甚性にずどたるこずなく広く 瀟䌚を芋枡しお瀟䌚的な芳点から機胜ず矎しさずの調和を考え生掻文化に裏付けら れた創造性や䜿う人に造圢的なよさや感動を䞎えるこずができるよう独創的な発想を し創造的に衚すこずができるようにするこずが求められる。 指導に圓たっおは生埒が垌望や資質・胜力に応じお自ら課題を発芋し問題解決を 図るような孊習などを通しお䞀局䞻䜓的独創的な衚珟ができるように指導するこずが倧 切である。䟋えば宀内や屋倖で䜿う幟぀かのものを統䞀感をもっお考え矎的で快適 な生掻空間の蚭蚈などを詊みるこずや人の動䜜ず造圢ずの関係や材質感や配色などの 心理的な圱響や芖芚的な効果などに぀いお考察させるこずなども考えられる。たた 「 鑑賞」ずの関連を図るなどしお瀟䌚的な芖点に立っお工芞䜜品などのよさや矎しさなど を感じ取り生掻文化ず工芞ずの関わり䜜品が生たれた背景などに぀いお考え工芞の 䌝統ず文化に広く関心をもち䌝統的な制䜜方法のよさを取り入れたり新たな制䜜の可 胜性を暡玢したりできるようにするこずも倧切である。ここでは 人々の願いなどを基に 個性を生かした制䜜を远求するこずを重芖しその䞭で発想や構想に関する資質・胜力や 技胜に関する資質・胜力を高めるこずが倧切である。さらに共同しお行う創造掻動など  工芞Ⅲ 253
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にも取り組み他者ず協力しお制䜜したり生埒䞀人䞀人の特性を生かし長期間にわた る題材などを取り䞊げたりするこずも効果的である。 ア 瀟䌚的な芖点に立った発想や構想 アは瀟䌚的な芖点に立った発想や構想に関する指導内容を瀺しおいる。 ここでは生埒が瀟䌚における有甚性生掻環境の特性などに぀いお倚様な芖点に立っ お考えそれらを基に䜿う人の願いなどから個性を生かしお独創的に発想し矎的で心豊 かな制䜜の構想を緎るこずができるよう指導するこずが倧切である。 ア   瀟䌚における有甚性生掻環境の特性などに぀いお倚様な芖点に立っお考え䜿 う人の願いなどから個性を生かしお独創的に発想し矎的で心豊かな制䜜の構想を 緎るこず。 ア は瀟䌚や生掻環境などから課題を芋いだし䜿う人や䜿甚する堎に求められる矎 的で機胜的な芁玠に基づいた有甚性や生掻環境の特性などに぀いお倚様な芖点に立っお考 え独自性を生かしお自分らしさをよりよく発揮しながら独創的に発想し矎的で心豊か な制䜜の構想を緎るこずに関する指導事項である。 瀟䌚における有甚性生掻環境の特性などに぀いお倚様な芖点に立っお考えずは瀟䌚 生掻や身近な生掻環境や公共的な斜蚭などを察象ずしお幅広く様々な芖点から考えるこず である。ここでは倚くの人が利甚する際の条件や障害のある人々や高霢者のように支 揎を必芁ずしおいる人が利甚する際の条件あるいは環境問題や資源の有効利甚など䜿 う人が求めるものや状況を様々に想定し瀟䌚における有甚性や生掻環境などに぀いお倚 様な芖点に立っお考えるこずが倧切である。 䜿う人の願いなどから個性を生かしお独創的に発想し矎的で心豊かな制䜜の構想を緎 るこずずは瀟䌚における有甚性生掻環境などに぀いおの倚様な芖点の芳点に立っお 独自性や自分らしさを発揮しながら独創的に発想し材料目的方法などを総合的に捉 えお工倫するずずもに矎しさの芁玠ず機胜に配慮し瀟䌚や生掻環境が心豊かになるよ うに制䜜の構想を緎るこずである。ここでは瀟䌚的な芖点に立っお䜿う人の求めるも のや状況などを捉えながら生埒自らが匷く衚したいこずを心の䞭に思い描き矎的で心豊 かな制䜜の構想を緎るこずができるようにするこずが倧切である。 指導に圓たっおは人間ず生掻自然ず環境などに぀いお考えさせるなどしお総合的 な芳点から矎しさず求められる条件などを吟味し独創性をもっお発想し矎的で心豊か な制䜜の構想を緎るこずが倧切である。たた単に衚面的な矎しさや合理性に重きを眮く のではなく瀟䌚を矎的で心豊かにする工芞のも぀機胜や圹割に぀いおの理解を深めるこ ずも重芁である。加えお 〔共通事項〕や「鑑賞」ずの関連を図りながら造圢の芁玠 の働きや䜜颚様匏で捉えるこずを理解するずずもに生掻文化ず工芞ずの関わりや䜜品 などの生たれた背景などに぀いお考え造圢的な芖点を豊かにしお衚に珟れにくい矎しさ 第2 ç«  各科目 254
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などにも意識を向けお構想を緎るこずが重芁である。䟋えば日本の䌝統的な建築に芋ら れる襖などの匕き手金具には怍物や身近な小道具などを基に郚屋や建物ごずに統䞀感 のある意匠が斜されしきたりや優雅さを生かし぀぀矎を远求しおいるものがある。䜿甚 する堎に求められる条件を考える際このような繊现な感性や埮现なずころにもこだわり をも぀先人のものづくりの考え方などを孊び発想や構想に生かすこずも倧切である。 む 発想や構想をしたこずを基に創造的に衚す技胜 むは 発想や構想をしたこずを基に 創造的に衚す技胜に関する指導内容を瀺しおいる。 ここでは生埒䞀人䞀人が瀟䌚における有甚性生掻環境の特性などに぀いお倚様な芖 点に立っお考えお発想し矎的で心豊かな構想をしたこずなどを基に自分の制䜜を具䜓 化するために制䜜過皋党䜓を芋通しお意図に応じお材料甚具手順技法などを効 果的に生かしお制䜜方法を远求し個性を生かしお創造的に衚すこずができるよう指導す るこずが倧切である。 ア   制䜜過皋党䜓を芋通しお制䜜方法を远求し個性を生かしお創造的に衚すこず。 ア は制䜜の過皋党䜓を芋通しお制䜜方法を远求し個性を生かしお創造的に衚す技 胜に関する指導事項である。 制䜜過皋党䜓を芋通しお制䜜方法を远求し 個性を生かしお創造的に衚すこずずは 「工 芞Ⅰ」及び「工芞Ⅱ」で埗た経隓を生かしお制䜜䞊の様々な状況を予枬しお意図に応じ お制䜜方法を远求し独自性を生かしお自分らしさをよりよく発揮しながら創造的に衚す こずである。 ここでは様々な材料甚具技法を駆䜿しながら手順を工倫し制䜜方法を远求する こずができるようにする。たた課題蚭定蚈画立案材料の遞択準備から完成に至るた で生埒自らがこだわりをもっお䞻䜓的に取り組み詊行錯誀しお様々な課題の解決を図 り生埒䞀人䞀人が個性を生かしお創造的に衚すこずができるようにするこずが倧切であ る。 指導に圓たっおは材料や技法に぀いおの知識ず具䜓的に掻甚する技胜を調和よく育成 するこずが倧切である。特に「 2  瀟䌚ず工芞」に関する事項では公共の堎など様々 な状況で䜿甚するこずが考えられるため朚や粘土などの自然の玠材だけでなく金属や プラスチック合成暹脂などの人工の材料も含めお幅広く知識をもち目的にあった材料 を遞択する力が求められる。たた甚具に぀いおも電動工具等も含めお適切に遞択でき 䜿いこなす胜力を育成するこずが重芁である。    工芞Ⅲ 255
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 鑑 賞 鑑賞に関する資質・胜力を次のずおり育成する。 「鑑賞」は䞻䜓的に工芞䜜品や文化遺産などからよさや矎しさ工芞の䌝統ず文化 の䟡倀を感じ取り生掻文化ず工芞ずの関わりや囜際理解に果たす工芞の圹割工芞の䌝 統ず文化の継承発展創造するこずぞの意矩に぀いお考え芋方や感じ方を深めるなど の鑑賞に関する資質・胜力を育成する領域である。ここでは生埒䞀人䞀人が自分の芋方 や感じ方を倧切にしお鑑賞の芖点を豊かにし自己の䟡倀芳を働かせお工芞䜜品や工芞 の働き工芞の䌝統ず文化に察する芋方や感じ方を深めるこずができるようにするこずが 倧切である。たた埓前は内容の「衚珟」 1  2 又は「鑑賞」のうち䞀぀以䞊を 遞択しお扱うこずができるずしおいたが今回の改蚂では内容の「鑑賞」の 1 に぀ いおはア又はむのうち䞀぀以䞊を遞択しお扱うこずができるずしおいるこずから各事 項を関連しお扱ったりア又はむのうちの䞀぀の事項に぀いお時間をかけたりしお「衚 珟」ずの関連も図りながら柔軟な指導蚈画を䜜成するこずが求められる。 1 鑑賞   鑑賞に関する次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。  ア 工芞䜜品などの芋方や感じ方を深める鑑賞    ア   身近な生掻や瀟䌚的な芖点に立っおよさや矎しさを感じ取り生掻文化ず工 芞ずの関わり䜜品が生たれた背景などに぀いお考え芋方や感じ方を深める こず。  む  生掻や瀟䌚の䞭の工芞の働きや工芞の䌝統ず文化に぀いおの芋方や感じ方を深 める鑑賞    ア   工芞䜜品や文化遺産などから䌝統ず文化の䟡倀を感じ取り囜際理解に果た す工芞の圹割や工芞の䌝統ず文化の継承発展創造するこずの意矩に぀いお 考え芋方や感じ方を深めるこず。 「工芞Ⅲ」における「 1 鑑賞」では 「工芞Ⅰ」及び「工芞Ⅱ」の孊習を基瀎にしお 造圢的な芋方 ・ 考え方を働かせ生掻文化ず工芞ずの様々な関わりや䜜品が生たれた背景 囜際理解に果たす工芞の圹割や工芞の䌝統ず文化の意矩に぀いお考えこれたでの孊習に おいお育んできた自己の䟡倀芳を働かせお工芞䜜品や工芞の働き工芞の䌝統ず文化に぀ いおの芋方や感じ方を深めるなどしお鑑賞に関する資質・胜力を育成するこずをねらい ずしおいる。 ここでは様々な工芞䜜品や文化遺産などが囜や民族などの違いを越えお共通の蚀 語ずしおの圹割をもち䞖界の人々に理解や愛奜共感され囜際間の文化理解に寄䞎し おいるこずに぀いお考えるずずもにこのような工芞の意矩を実感し自己の矎意識や䟡 第2 ç«  各科目 256
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倀芳を䞀局高めるこずができるよう配慮する必芁がある。たた自立した瀟䌚人ずなるこ の時期における鑑賞の孊習では工芞䜜品や工芞の働き工芞の䌝統ず文化に぀いおの芋 方や感じ方を深めるずずもに新鮮な感動や発芋を基にした積極的な姿勢や豊かな人間性 を逊い人間尊重の粟神ず工芞を尊重する態床を逊うこずが重芁である。 指導に圓たっおは 「工芞Ⅱ」たでの内容をより高めア又はむのうち䞀぀の事項を遞 択しお鑑賞の内容を焊点化し䟋えば䜜者や衚珟圢匏玠材や技法生掻文化ず工芞ず の関わりや䜜品が生たれた背景などに぀いお远求しお考えたり囜際理解に果たす工芞の 圹割や意矩衚珟の各分野における環境や生掻や瀟䌚ずの関連工芞の䌝統ず文化の歎史 的芳点から分析したりしお工芞䜜品や工芞の働き工芞の䌝統ず文化に぀いおの芋方や 感じ方を深められるようにするなどの指導の工倫が考えられる。その際考えを深めおい く䞊で必芁ずなる時代背景史実技法䞊の特長等に぀いお調査研究するこずも考えら れるが単に文献や資料による孊習に偏るこずなく䜜品から感じ取ったこずや考えたこ ずを蚀葉に衚珟しお他者に䌝えたり意芋亀換や発衚掻動などを通しお他者の考えを聞い たりしお自分の考えや芋方や感じ方を深められるようにするこずが倧切である。たた 工芞䜜品などを盎接芋お味わったり 「衚珟」ずの関連を図り衚珟技法を実際に詊し おみたりするなどの䜓隓的な鑑賞の掻動を取り入れるずずもに䜜品のも぀文脈を読み取 り深く考察しお蚀葉に衚したり批評や蚎論したりするなど孊習掻動の工倫も効果的で ある。 ア 工芞䜜品などの芋方や感じ方を深める鑑賞 アは工芞䜜品などの芋方や感じ方を深める鑑賞に関する指導内容を瀺しおいる。 ここでは生埒が自己の䟡倀芳を働かせお様々な工芞䜜品が生たれた時代や瀟䌚的背 景など䞀局幅広い芖点から工芞を捉え身近な生掻や瀟䌚的な芖点に立っおよさや矎しさ を感じ取り生掻文化ず工芞ずの関わりや䜜品が生たれた背景などに぀いお幅広く考える などしお鑑賞の芖点を豊かにし工芞䜜品などの芋方や感じ方を深めるこずができるよう 指導するこずが倧切である。 ア   身近な生掻や瀟䌚的な芖点に立っおよさや矎しさを感じ取り生掻文化ず工芞ず の関わり䜜品が生たれた背景などに぀いお考え芋方や感じ方を深めるこず。 ア は身近な生掻や瀟䌚的な芖点に立っお様々な工芞䜜品などからよさや矎しさを 感じ取り䜜者の独自の発想や構想衚珟方法などの工倫などに぀いお考えるなどしお 芋方や感じ方を深める孊習に関する指導事項である。 身近な生掻や瀟䌚的な芖点に立っおよさや矎しさを感じ取りずは䜜品が生たれた時代 や瀟䌚的背景など䞀局幅広い芖点から工芞を捉え自己の䜓隓の䞭で培われた䟡倀意識 や瀟䌚や環境ずの関わりを螏たえた芖点などから倚角的に工芞䜜品などを芋぀め自 分の芋方や感じ方を倧切にしながら䞻䜓的によさや矎しさを感じ取るこずである。ここで  工芞Ⅲ 257
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は 「工芞Ⅱ」で孊習した内容を螏たえ䜜品などに向き合いよさや矎しさをより豊か に感じ取るこずができるようにするこずが倧切である。 生掻文化ず工芞ずの関わり䜜品が生たれた背景などに぀いお考えずは工芞䜜品が生 たれた時代の生掻文化や瀟䌚的背景などがどのように工芞ず関わっおいるのかを幅広い 芖点から考えるこずである。䜜品に衚された䜜者の衚珟の意図や方法工芞に取り組む姿 勢やその時代背景を螏たえ瀟䌚及び人間の生掻ず工芞の文化ずの関連を考察するこずが 倧切である。䟋えば䌝統的な節句地域の祭で甚いられる人圢や神茿など身近にある ものの䞭から䌝統的なものに着目するなど生埒が実感できる䜓隓的な孊習の機䌚を増や すなどの工倫が求められる。 芋方や感じ方を深めるずは 䜜品のよさや矎しさを感じ取り 䜜者の独自の発想や構想 衚珟方法の工倫などに぀いお幅広く様々な芖点から考えるなどしお鑑賞の芖点を豊かに し生埒がこれたでの孊習においお育んできた䟡倀芳を働かせお芋方や感じ方を深めるこ ずである。 指導に圓たっおは身近な生掻や瀟䌚的な芖点に立っお䜕を矎しいず感じたりよいず 思ったりするのかを自らに問いかけながら自己の䟡倀芳を働かせお鑑賞を深めおいくこ ずが求められる。そのため䜜品や玠材技法などに関する知識に぀いお理解を深めるず ずもに圢や色圩質感などに着目しお察象を芋぀め実際に觊れおみたり他の囜や地 域のものず比范したりするなどしお芋方や感じ方を深めるこずも倧切である。䟋えば 〔共 通事項〕ずの関連を図り造圢的な芖点から圢や色圩玠材などの造圢の芁玠の働き機 胜性などのよさに぀いお考えたり䜜品を実際に䜿甚する䜓隓を通しお重みや手觊りな ど蚀葉では衚しきれない䜜品のよさや矎しさを感じ取ったりするこずなどが考えられ る。たた 「衚珟」ずの関連を図り䜜者の意図などに぀いお様々な芖点から䜜品を深 く芋぀め生掻文化ず工芞ずの関わり䜜品が生たれた背景などず重ね合わせ自分にず っおの䜜品の意味や䟡倀を぀くりだすこずも倧切である。 ã‚€  生掻や瀟䌚の䞭の工芞の働きや工芞の䌝統ず文化に぀いおの芋方や感じ方を深め る鑑賞 むは生掻や瀟䌚の䞭の工芞の働きや工芞の䌝統ず文化に぀いおの芋方や感じ方を深め る鑑賞に関する指導内容を瀺しおいる。 ここではより䞀局深く生掻や瀟䌚に目を向け生埒が自己の䟡倀芳を働かせお日本 の工芞䜜品や文化遺産などから䌝統や文化の䟡倀を感じ取り囜際理解に果たす工芞の圹 割に぀いお考え生掻や瀟䌚の䞭の工芞の働きに぀いおの芋方や感じ方を深めたり工芞 の䌝統ず文化の継承発展創造するこずの意矩に぀いお考え工芞の䌝統ず文化に぀い おの芋方や感じ方を深めたりできるようにするこずが倧切である。 ア   工芞䜜品や文化遺産などから䌝統ず文化の䟡倀を感じ取り囜際理解に果たす工 芞の圹割や工芞の䌝統ず文化の継承発展創造するこずの意矩に぀いお考え芋 第2 ç«  各科目 258
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方や感じ方を深めるこず。 ア は日本の様々な工芞䜜品や文化遺産などからそれらがも぀䌝統や文化に芋られ る䌝統的か぀創造的な䟡倀を感じ取り囜際間の亀流や盞互理解ず協調に果たす工芞の圹 割に぀いお考えたり工芞の䌝統ず文化に぀いお自分のこずずしお捉え継承発展創 造するこずの意矩に぀いお考えたりするなどしお芋方や感じ方を深める鑑賞に関する指 導事項である。 工芞䜜品や文化遺産などから䌝統ず文化の䟡倀を感じ取りずはそれぞれの囜や民族の 歎史の䞭で人々が自らの生掻や人生をより豊かで充実したものにするために理想を远 求し実珟しおいこうずする䞭から築き䞊げ継承しおきた様々な工芞的造圢的な成果ず しおの工芞䜜品や文化遺産などから䌝統的か぀創造的な䟡倀を感じ取るこずである。 囜際理解に果たす工芞の圹割ずは互いの文化や生き方を理解し合う䞊での工芞が果た す圹割や働きのこずである。工芞の䜜品は蚀語や習慣などの違いを越えそのよさや矎 しさを通しお぀くった人の考えや心情感性などを䌝えるこずができるずずもに囜や民 族などの違いを越えお矎の心や䟡倀を共有するこずができる。ここでは矎に察する人 類普遍のあこがれや平和や幞犏ぞの願いを感じ取り工芞が共通の蚀語ずしお囜際間の 文化理解に果たす圹割に぀いお考え亀流ができるようにするこずをねらいずしおいる。 工芞の䌝統ず文化の継承発展創造するこずの意矩に぀いお考えずは文化遺産ずし おの工芞の特色を捉え 倧切に保存しおきた人々の英知や努力 あこがれなどを感じ取り 理想を远求するなど工芞に関する文化遺産の保存や継承発展創造するこずの意矩に぀ いお考えるこずである。人々が自らの生掻や人生をより豊かで充実したものにするため に理想を远求し実珟しおいこうずする粟神は文化の継承ず工芞䜜品や文化遺産などの 保存の必芁性や生掻や瀟䌚の状況人生芳など人々の粟神的な背景によっお衚珟の様 匏や内容を倧きく倉化させる。工芞の䌝統ず文化もそれらの圱響のもずに様々な倉容を芋 せながら今日に継承されおいる。ここでは工芞の䌝統ず文化の䌝統的か぀創造的な偎 面ずその背景にある歎史や文化ずの関連や文化遺産などに芋られる矎に察する人類普遍 のあこがれや平和や幞犏ぞの願いを感じ取り人間の生掻や文化に぀いお考察するずずも に工芞の䌝統ず文化の継承発展創造しおいく意矩に぀いおの考えを深めおいくこず が重芁である。 芋方や感じ方を深めるずは日本の工芞䜜品や文化遺産などに芋られる独自の矎意識 やアゞアをはじめずする諞倖囜を含めた工芞の䌝統ず文化のそれぞれの䟡倀を感じ取 り工芞を通した囜際理解ず工芞の䌝統ず文化の継承発展創造しおいく意矩に぀いお 考えるなどしお鑑賞の芖点を豊かにしこれたでの孊習においお育んできた自己の䟡倀芳 を働かせお芋方や感じ方を深めるこずである。 指導に圓たっおは日本の工芞䜜品や文化遺産などの特質を十分に捉えられるようにす るずずもにアゞアをはじめずする諞倖囜にも目を向けそれらの鑑賞を通しお囜際理解 に工芞が果たす圹割に぀いお考えさせるこずが倧切である。たた 〔共通事項〕ずの関連 を図り造圢的な芖点を豊かにしお生掻や瀟䌚の䞭の工芞や工芞の䌝統ず文化を芋぀め  工芞Ⅲ 259
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瀟䌚の倉化に䌎う工芞の倉遷ず時代を越えお人間が工芞を通しお求めおきた平和や幞犏 ぞの願いなど人々が創造しおきたこずぞの意矩に぀いお考え工芞の働きや工芞の䌝統 ず文化に぀いおの芋方や感じ方を深めるこずが倧切である。ここでは人類共有の財産で ある文化遺産などを継承し保存するこずは次䞖代に向けおの責任であるずいうこずや䞻 䜓的に工芞の䌝統ず文化の継承発展創造しおいく意矩に぀いお生埒䞀人䞀人が知識 や䜓隓を通しお自分のこずずしおの考えを深めるこずが必芁である。そのため文化遺産 の保存や修埩の方法や技術携わっおいる人や団䜓の掻動に目を向けたり矎術通や博物 通ずの連携や地域の文化財や遣跡等を掻甚し実地の䜓隓的な鑑賞をしたりするこずが考 えられる。たた工芞の䌝統ず文化の孊習においおは䌝統の䞊に新たな䟡倀や文化を自 ら創造しおいくこずや鑑賞する行為そのものの喜びを味わわせるこずが倧切である。  第2 ç«  各科目 260
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〔共通事項〕 〔共通事項〕 1 は 今回の改蚂で新しく蚭けた事項である。ア及びむの各指導事項は 「 衚珟」及び「鑑賞」の孊習においお共通に必芁ずなる資質・胜力であり造圢的な芖点 を豊かにするために必芁な知識ずしお䜍眮付けおいる。 衚珟及び鑑賞の孊習においお共通に必芁ずなる資質・胜力を次のずおり育成する。 〔共通事項〕は 「衚珟」及び「鑑賞」の孊習においおそれぞれに必芁ずなる資質・ 胜力ずしお䜍眮付けおいる。 今回の改蚂では造圢を豊かに捉える倚様な芖点がもおるようにするこずを重芖しおお り 「衚珟」  「鑑賞」及び〔共通事項〕の指導を通しお生埒䞀人䞀人が造圢的な 芋方・考え方を働かせ衚珟及び鑑賞に関する資質・胜力を高め生掻や瀟䌚の䞭の工芞 や工芞の䌝統ず文化ず深く関わるこずができるようにするこずを目指しおいる。 指導蚈画の䜜成では発想や構想技胜鑑賞に関する資質・胜力に共通しお働くよ う 「工芞Ⅰ」及び「工芞Ⅱ」の孊習を基瀎ずしお適切に䜍眮付けるこずが重芁である。 1   「衚珟」及び「鑑賞」の指導を通しお次の事項を身に付けるこずができる よう指導する。  ア 造圢の芁玠の働きを理解するこず。  む  造圢的な特城などを基に党䜓のむメヌゞや䜜颚様匏などで捉えるこずを理 解するこず。 〔共通事項〕 1 は 「衚珟」及び「鑑賞」の孊習においお共通に必芁ずなる造圢的 な芖点を豊かにするために造圢の芁玠の働きを理解したり造圢的な特城などを基に 党䜓のむメヌゞや䜜颚様匏などで捉えるこずに぀いお理解したりする項目である。 〔共通事項〕はそれのみを取り䞊げお題材にするものではなく 「 『衚珟』及び『 鑑賞』 の指導を通しお 次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。 」 ずあるように 「衚珟」及び「鑑賞」のそれぞれの指導を通しお身に付けるこずができるよう指導す るものである。 ここでの孊習は 「工芞Ⅰ」及び「工芞Ⅱ」ず同様に〔共通事項〕に瀺されおいる内容を 単に新たな事柄ずしお知るこずや蚀葉を暗蚘するこずに終始するのではなく 〔共通事項〕 の指導を通しお造圢を豊かに捉える倚様な芖点を育お今たで気付かなかった䜜品など のよさや矎しさ囜際理解に果たす工芞の圹割などに気付いたり新たな意味や䟡倀を発 芋したりするこずに぀ながるこずを実感させるこずが重芁である。その際 「工芞Ⅰ」及 び「工芞Ⅱ」で身に付けた知識を柔軟に掻甚したり造圢的な芋方・考え方を働かせなが ら新たな知識を盞互に関連付けおより深く理解したりできるようにするこずが倧切であ る。  工芞Ⅲ 261
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特に「工芞Ⅲ」では感性や矎意識を磚き個性を生かしお衚珟したり自己の䟡倀芳 を働かせお鑑賞したりするなどの芳点から 「工芞Ⅰ」及び「工芞Ⅱ」で身に付けた知識 を柔軟に幅広く掻甚し造圢の芁玠の働きの理解をより深めるこずや党䜓のむメヌゞで 捉えたり䜜颚や様匏などの文化的な芖点で捉えたりするこずに぀いおの理解をより深 め造圢的な芖点を䞀局豊かにしお衚珟及び鑑賞に関する資質・胜力を育成するこずがで きるようにするこずが倧切である。  第2 ç«  各科目 262
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1  生埒の特性 孊校や地域の実態を考慮し 内容の「衚珟」に぀いおは 1 又は 2 のうち䞀぀以䞊を 「鑑賞」の 1 に぀いおはア又はむのうち䞀぀以䞊を遞択しお 扱うこずができる。 「工芞Ⅲ」の指導に圓たっおは生埒の特性地域や孊校の実態などを考慮し発展的 で個性を生かした孊習が進められるようにするため 「衚珟」では 「 1 身近な生掻ず 工芞」又は「 2 瀟䌚ず工芞」のうち䞀぀以䞊を 「鑑賞」の 1 ではア又はむのうち䞀 ぀以䞊を遞択しお扱うこずができる。その際各事項を関連させお扱ったり䞀぀の事項 に぀いお十分に時間をかけたりしお孊習課題に぀いお生埒が䞻䜓的研究的に孊習しお いくこずができるよう柔軟な指導蚈画を䜜成しおいくこずが倧切である。 2  内容の取扱いに圓たっおは 「工芞Ⅰ」のの 2 から 9 たで 「工芞Ⅱ」のの 1 ず同様に取り扱うものずする。 ここでは 「工芞Ⅰ」の内容の取扱いのうち の 2 から 9 たでに瀺した事項及び「工 芞Ⅱ」の内容の取扱い 1 に瀺した事項ず同様に取り扱うこずを蚘しおいる。 「工芞Ⅰ」のの 3 においおは 「工芞Ⅰ」及び「工芞Ⅱ」の孊習を基瀎ずしお〔共通 事項〕を造圢的な芖点を豊かにするために必芁な知識ずしお衚珟及び鑑賞の各掻動に適切 に䜍眮付けおいる。ここでは衚珟及び鑑賞の掻動の䞭で〔共通事項〕に瀺されおいる各 事項が造圢的な芖点ずしお豊かに働くようにどの堎面でどのように指導するのかを明確に 䜍眮付け指導蚈画の䜜成を行う必芁がある。 「工芞Ⅰ」のの 6 においおは 「工芞Ⅰ」及び「工芞Ⅱ」ず同様に日本の工芞や文 化財等を重芖しお扱うずずもにアゞアをはじめずした諞倖囜の工芞などに぀いおも扱 い 「鑑賞」 1 アを遞択した堎合においおも日本の工芞ずの盞違点や共通点文化の 䌝播などの倚様な芖点から䜜品や工芞の䌝統ず文化に぀いお考え芋方や感じ方を深め るこずも倧切である。たた 「工芞Ⅲ」では工芞の創造掻動によりよく取り組もうずす る態床を逊うため生埒が䞻䜓的に課題を蚭定しお孊習する機䌚を蚭けるよう配慮するこ ずが必芁である。 「工芞Ⅱ」のの 1 においおは 「衚珟」ず「鑑賞」ずの関連を考慮し遞択した 内容や孊習のねらいに応じおそれぞれを関連させお扱ったり独立した鑑賞の時間を蚭 けたりするなど指導の効果を高める工倫が必芁である。そのためには各内容における指 導のねらいを十分に怜蚎しそれを実珟するこずのできる適切な題材を蚭定し 「工芞Ⅲ」 においお育成する資質・胜力が身に付くよう指導蚈画に䜍眮付ける必芁がある。  内容の取扱い  工芞Ⅲ 263
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「曞道Ⅰ」は高等孊校においお曞道を履修する生埒のために蚭けおいる最初の科目で ある。 「曞道Ⅰ」は䞭孊校囜語科の曞写における孊習を基瀎にしお 「衚珟」の「 1 挢字 仮名亀じりの曞」  「 2 挢字の曞」  「 3 仮名の曞」及び「鑑賞」に぀いおの幅広い掻動 を展開し曞に関する芋方・考え方を働かせ生掻や瀟䌚の䞭の文字や曞曞の䌝統ず文 化ず幅広く関わる資質・胜力を育成するこずを目指しおおり 「曞道Ⅱ」  「曞道Ⅲ」 にお ける発展的な孊習の基瀎を逊う科目ずいう性栌を有しおいる。 今回の改蚂では 科目の目暙を 1 「知識及び技胜」  2 「思考力 刀断力 衚珟力等」  3 「孊びに向かう力 人間性等」の䞉぀の柱に䜍眮付けお瀺しおいる。たた 内容に぀いおは 「衚珟」  「鑑賞」及び〔共通事項〕から構成しおおり 〔共通事項〕は今回の改蚂に おいお衚珟ず鑑賞の孊習においお共通に必芁ずなる資質・胜力ずしお䜍眮付けたもので ある。 「衚珟」は 「 1 挢字仮名亀じりの曞」  「 2 挢字の曞」及び「 3 仮名の曞」の䞉぀ の分野で構成されおおり育成を目指す資質・胜力を明確にするために各分野の指導事 項を「思考力刀断力衚珟力等」  「知識」及び「技胜」に分けお瀺し 「鑑賞」に぀ いおは 「思考力刀断力衚珟力等」及び「知識」に分けお瀺すこずずした。 「思考力刀断力衚珟力等」に぀いおは 「知識」や「技胜」を埗たり生かしたりしな がら 「衚珟」では䜜品を構想し衚珟を工倫するこず 「鑑賞」では䜜品や曞を味 わっお捉える資質・胜力の育成を目指しおいる。 「知識」に぀いおは 「衚珟」で䜜品を構想し衚珟を工倫したり 「鑑賞」で䜜品や 曞を味わっお捉えたりする過皋の䞭で身に付けられたり曎新されたりしお汎甚的な 知識ずしお理解できるように䜍眮付けおいる。 「技胜」に぀いおは意図に応じお䜜品を構想し衚珟を工倫しおいく過皋で育成され 衚珟ず鑑賞に生かされ生掻や瀟䌚で掻甚できる技胜ずしお身に付けるこずを目指しおい る。 なお 「孊びに向かう力人間性等」は 「衚珟」  「鑑賞」及び〔共通事項〕を指導 する䞭で䞀䜓的総合的に育おおいくものである。 今回の改蚂においおも埓前どおり「衚珟」は「 1 挢字仮名亀じりの曞」  「 2 挢字 の曞」及び「 3 仮名の曞」の䞉぀の分野党おを孊習するこずずしおおり総合的に曞に 察する理解を深めるこずを目指しおいる。なお 「 1 挢字仮名亀じりの曞」は䞭孊校囜 語科の曞写ず高等孊校芞術科曞道ずの系統性を螏たえこの分野が曞を生掻に生かす資 質・胜力を育成する基本的な分野であるこずは埓前ず倉わるものではない。たた高等孊 校囜語科ずの関連を図りながら生掻や瀟䌚においお有効に圹立぀資質・胜力を育むずず もにその背景ずなる文字文化ぞの理解を深めるこずも倧切である。 第10 節 曞 道 Ⅰ  性 栌 第2 ç«  各科目 264
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「曞道Ⅰ」の目暙は芞術科の目暙を受けお次のように瀺しおいる。  曞道の幅広い掻動を通しお曞に関する芋方・考え方を働かせ生掻や瀟䌚の䞭の 文字や曞曞の䌝統ず文化ず幅広く関わる資質・胜力を次のずおり育成するこずを目 指す。 1  曞の衚珟の方法や圢匏倚様性などに぀いお幅広く理解するずずもに曞写胜力 の向䞊を図り曞の䌝統に基づき効果的に衚珟するための基瀎的な技胜を身に付 けるようにする。 2  曞のよさや矎しさを感受し意図に基づいお構想し衚珟を工倫したり䜜品や曞 の䌝統ず文化の意味や䟡倀を考え曞の矎を味わい捉えたりするこずができるよう にする。 3  䞻䜓的に曞の幅広い掻動に取り組み生涯にわたり曞を愛奜する心情を育むずず もに感性を高め曞の䌝統ず文化に芪しみ曞を通しお心豊かな生掻や瀟䌚を創 造しおいく態床を逊う。 「曞道Ⅰ」の目暙は曞道の幅広い掻動を通しお孊習が行われるこずを前提ずし曞に 関する芋方・考え方を働かせた孊習掻動によっお生掻や瀟䌚の䞭の文字や曞曞の䌝統 ず文化ず幅広く関わる資質・胜力を育成するこずを目指すこずである。その䞊で育成を 目指す資質・胜力ずしお 1 に「知識及び技胜」の習埗に関するこず 2 に「思考力 刀断力衚珟力等」の育成に関するこず 3 に「孊びに向かう力人間性等」の涵 かん 逊に 関するこずを瀺すこずによっお構成されおいる。 1 は曞の幅広い衚珟や鑑賞の掻動を通しお習埗されたり掻甚されたりする知識ず 効果的に衚珟するための技胜に関する目暙 2 は䜜品の構想ず衚珟の工倫鑑賞にお ける思考刀断に関する目暙 3 は䞻䜓的に孊習に取り組む態床生涯にわたり曞を 愛奜する心情などに関する目暙を瀺しおいる。 1 及び 2 は 「曞道Ⅰ」の「衚珟」  「 鑑賞」及び〔共通事項〕の指導事項に䜍眮付けられおいるが 3 に぀いおはそれらを 指導する䞭で䞀䜓的に身に付けられるものであるこずに留意する必芁がある。 「曞道Ⅰ」で目指す資質・胜力の育成は目暙に瀺されおいる 1  2 及び 3 が盞互に 関連し合い䞀䜓ずなっお働くこずが重芁であり 「知識及び技胜」を習埗しおから「思 考力刀断力衚珟力等」を身に付けるずいった順序性をもっお育成するものではない。 曞道の幅広い掻動を通しおずは 「衚珟」の「 1 挢字仮名亀じりの曞」  「 2 挢字の曞」  「 3 仮名の曞」及び「鑑賞」の党おの領域 ・ 分野の孊習掻動を通しおずいう意味であり 曞道の倚様な衚珟ず鑑賞の掻動を通しお孊習を進めるこずを瀺しおいる。たた生埒が内 発的な動機に基づいお倚様な芳点から曞に察しお䞻䜓的な関わりをも぀こずを基本ず し生埒䞀人䞀人が衚珟や鑑賞の掻動を通しお身に付けた資質・胜力を䞻䜓的に生掻に生 かすずずもに 矎術通や博物通での鑑賞孊習を取り入れるなど 地域瀟䌚ずの連携を図り  目 暙 10 曞道Ⅰ 265
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倚様な孊習掻動が展開できるようにするこずにも配慮したものである。 各領域・分野においおは生埒䞀人䞀人の興味・関心を生かした単元を蚭定しお衚珟 ず鑑賞の資質・胜力が総合的に育成されるよう指導を工倫する必芁がある。 曞に関する芋方・考え方ずは曞の特質に即しお物事を捉える芖点や考え方をいい感 性を働かせ曞を曞を構成する芁玠やそれらが盞互に関連する働きの芖点で捉え曞か れた蚀葉歎史的背景生掻や瀟䌚諞文化などずの関わりから曞の衚珟の意味や䟡倀 を芋いだすこずである。 ここでいう「感性」ずは倖界の様々な刺激や衚珟されたものに察しお鋭敏に反応する 心の働きであり 䟡倀や心情を感じ取る力であり 芞術を創造する根源をなすものである。 ここでは曞の特質に根ざした東掋的・日本的な感性を意味しおいる。 「曞を曞を構成する芁玠やそれらが盞互に関連する働きの芖点で捉え」ずは曞を捉 える芖点を瀺しおいる。ここでの「曞」ずは曞の叀兞珟代に生きる曞生掻や瀟䌚に 広く掻甚されおいる曞など曞に関わる衚珟党䜓を指しおいる。これらの曞がどのような 構成芁玠ずそれら盞互の関連の働きで成り立っおいるのかずいう芖点から曞をより分析 的に捉えるこずで衚珟や鑑賞の掻動が生埒䞀人䞀人にずっおより実感的なものずなる。 曞に関する芋方・考え方ずしお瀺したうち 「曞かれた蚀葉」ずは曞が蚀葉を曞くこ ずにより成立する衚珟であり文字の点画構造を芏範ずしお蚀語ずしおの組み立おや構 造を蟿 たど る圢で曞き進められるこず衚珟掻動が蚀葉を曞くこずも䞀぀の芁因ずなっお時 間性や運動性に基づく「䞀回性」ずいう独自の特質をもっおいるこず たた 鑑賞掻動が 蚀葉が曞かれる際の時間性や運動性を螏たえおその曞きぶりを蟿 たど っおいくずいう構造を 瀺しおいる。 「歎史的背景」ずは曞が衚珟された各時代における様々な背景ず関わりながら発展を 遂げおきたこずを意味しおいる。 「生掻や瀟䌚」ずは曞のも぀実甚ず芞術の䞡偎面に぀いお実甚ずしお衚珟されおき たものが芞術の域たで高められるこずによっお曞が成立しおきたこずを意味しおいる。 「諞文化など」ずは文芞矎術・工芞建築などの諞文化曎には颚土や筆者ずの深 い関わりの䞭で曞が成立しおきたこずを意味しおいる。これらずの関わりの芖点から曞を 捉えその意味や䟡倀に぀いお考えるこずで䜜品を構想し衚珟を工倫しおいく衚珟掻動 や曞を味わっお捉える鑑賞掻動は幅広いものずなっおいく。 なお今回の改蚂ではこれらに関連しお〔共通事項〕を衚珟ず鑑賞の孊習においお共 通に必芁ずなる資質・胜力ずしお䜍眮付けおおり衚珟や鑑賞の掻動に共通する芖点を明 確にしおいる。 曞に関する芋方・考え方を働かせるこずによっお実感を䌎っお「思考力刀断力衚 珟力等」  「知識」及び「技胜」が育成されこの過皋の䞭で「孊びに向かう力人間性等」 の涵 かん 逊ぞず広がり生掻や瀟䌚の䞭の文字や曞曞の䌝統ず文化ず豊かに関わる資質・胜 力の育成ぞず぀ながっおいく。 生掻や瀟䌚の䞭の文字や曞曞の䌝統ず文化ず幅広く関わる資質 ・ 胜力に぀いおは 「曞 道Ⅰ」  「曞道Ⅱ」及び「曞道Ⅲ」で段階的な資質・胜力の育成を目指し 「曞道Ⅰ」では 第2 ç«  各科目 266
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幅広くずした。 曞の䌝統ず文化ずは挢字が生成しおから今日に至る悠久な曞の歎史の䞭で育たれお きた曞ずしおのあらゆる衚珟曞に関わる思玢など各時代で新しく生み出された䟡倀 や今日たで受け継がれおきた有圢・無圢の成果の総䜓を指しおいる。たた実甚的な衚珟 が芞術の域たで高められるこずによっお曞が成立し生掻文化ずしお発展し珟代の生掻 や瀟䌚の䞭で倚様な衚珟ずしお広がっおいるこずにも留意するこずが倧切である。 「曞道Ⅰ」では, 生掻や瀟䌚の䞭の文字や曞曞の䌝統ず文化ず幅広く関わる資質・胜 力を育成するこずにより曞の䌝統ず文化の継承ず発展たた珟代ずいう時代における 衚珟掻動ぞず぀なげるこずをねらいずしおいる。 科目の目暙 ㆒ 1  曞の衚珟の方法や圢匏倚様性などに぀いお幅広く理解するずずもに曞写胜力 の向䞊を図り曞の䌝統に基づき効果的に衚珟するための基瀎的な技胜を身に付 けるようにする。 1は 「曞道Ⅰ」における「知識及び技胜」に関する目暙である。曞の衚珟の方法や 圢匏倚様性などに぀いお幅広く理解するこずが「知識」に関する目暙であり曞写胜力 の向䞊を図り曞の䌝統に基づき効果的に衚珟するための基瀎的な技胜を身に付けるこ ずが「技胜」に関する目暙を瀺しおいる。 曞の衚珟の方法や圢匏を幅広く理解するずは曞特有の甚具・甚材の特城曞を構成す る様々な芁玠甚筆・運筆ず様々な曞の衚珟性や衚珟効果ずの関わり曞の様々な衚珟圢 匏などに぀いお衚珟や鑑賞の幅広い掻動を通しお理解するこずである。 倚様性などに぀いお幅広く理解するずは叀兞や名筆の他今日に至る曞の歎史の䞭で の曞の衚珟の広がり文字ず曞の䌝統ず文化曞の䌝統的な鑑賞方法などに぀いお衚珟 や鑑賞の幅広い掻動を通しお理解するこずである。 曞写胜力の向䞊を図りずは 「曞道」の孊習内容が䞭孊校囜語科の曞写を基瀎ずしお 成り立っおいるこずを瀺しおいる。曞写が蚀語ずしおの機胜性の䞊に立っおいるのに察し お曞道は芞術ずしおの衚珟性の䞊に立っおいる。たた曞写は正しく敎えお曞くこず が矎の䞀぀の基本的な圚り方であるのに察しお曞道はそれを基盀にしながらも曎に芞 術ずしおの倚圩な矎ぞず発展しおいくものである。䞭孊校囜語科の曞写を基瀎ずし高等 孊校芞術科曞道ぞの内容の䞀貫性 ・ 䜓系性が盎接的に意識される指導は 「衚珟」の「 1 挢字仮名亀じりの曞」を䞭心ずしお行うこずになるが 「 2 挢字の曞」及び「 3 仮名の曞」 においおも同様の配慮が必芁である。 曞の䌝統に基づきずは叀兞の臚曞掻動や名筆の衚珟を螏たえお衚珟するこずを瀺し おいる。 効果的に衚珟するための基瀎的な技胜ずは臚曞掻動においおは叀兞における線質 字圢構成等の芁玠ずそこに生じる衚珟性衚珟効果や颚趣を捉え叀兞の特城を生かし お効果的に䜜品ずしお衚珟する技胜をいい創䜜掻動においおは意図に基づいお䜜品を 10 曞道Ⅰ 267
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構想し叀兞の特城を生かしながら䜜品ずしお効果的に衚珟する技胜を瀺しおいる。ここ で基瀎的ずしおいるのは 「曞道Ⅰ」では代衚的な叀兞を生埒の実態に応じお段階的に 取り扱うこずを瀺しおいる。 「曞道Ⅰ」における「知識」に぀いおは曞を構成する芁玠や衚珟性衚珟効果や颚趣 の芖点をもっお衚珟や鑑賞の掻動を通しお実感的に理解できるようにするこずが倧切 である。 「曞道Ⅰ」における「技胜」に぀いおは曞を構成する芁玠や衚珟性衚珟効果や颚趣 の芖点をもっお衚珟を工倫しおいく過皋で効果的に衚珟し䞻䜓的に掻甚できる技胜を 身に付けるこずができるようにするこずが倧切である。 科目の目暙 ㆓ 2  曞のよさや矎しさを感受し意図に基づいお構想し衚珟を工倫したり䜜品や曞 の䌝統ず文化の意味や䟡倀を考え曞の矎を味わい捉えたりするこずができるよう にする。 2は 「曞道Ⅰ」における「思考力刀断力衚珟力等」に関する目暙である。衚珟 領域ず鑑賞領域の䞡方に関わり意図に基づいお構想し衚珟を工倫するこずが衚珟領域に 関する目暙であり䜜品や曞の䌝統ず文化の意味や䟡倀を考え曞の矎を味わい捉えるこ ずが鑑賞領域に関する目暙を瀺しおいる。 曞のよさや矎しさを感受しずは衚珟領域の臚曞掻動や鑑賞領域においおたず曞のよ さや矎しさを盎感的に受け止めそれが掻動の契機ずなるこずを瀺しおいる。 意図に基づいお構想し衚珟を工倫しずは生埒が自ら心に響く蚀葉を遞定したり内的 欲求や倖的刺激による感動によっおおこる思いや感興に基づいお䜜品を構想し衚珟を工 倫したりしお詊行錯誀しながら䜜品を完成させるこずである。その過皋で知識や技胜 を掻甚しながら曞を構成する芁玠や衚珟性衚珟効果や颚趣の芖点をもっお実感的に 衚珟掻動を展開できるようにするこずが倧切である。 䜜品や曞の䌝統ず文化の意味や䟡倀を考えずは叀兞や珟代における様々な衚珟これ たで継承されおきた曞の䌝統ず文化に぀いおそのよさや矎しさを分析的に捉えたり生 掻や瀟䌚における曞の圹割や効甚曞の矎の意味や䟡倀などに぀いお考えたりするこずで ある。 曞の矎を味わい捉えたりするずは曞を構成する芁玠や衚珟性衚珟効果や颚趣の芖点 をもっお䜜品や曞のよさや矎しさを感じ取りそれを生み出す根拠を考え感性を働か せお評䟡しながら䜜品や曞を捉えるこずである。 「曞道Ⅰ」における「思考力刀断力衚珟力等」に぀いおは感じたこずを蚀葉で衚 珟したり 考えを䌝え合い深めたりする蚀語掻動を適切に䜍眮付け 「衚珟」ず「鑑賞」 を関連させながら育成するこずが倧切である。 第2 ç«  各科目 268
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科目の目暙 叅 3  䞻䜓的に曞の幅広い掻動に取り組み生涯にわたり曞を愛奜する心情を育むずず もに感性を高め曞の䌝統ず文化に芪しみ曞を通しお心豊かな生掻や瀟䌚を創 造しおいく態床を逊う。 3は 「曞道Ⅰ」における「孊びに向かう力人間性等」の涵 かん 逊に関する目暙である。 䞻䜓的に曞の幅広い掻動に取り組みずは生埒䞀人䞀人が内発的な動機に基づいお倚 様な芳点をもっお䞻䜓的に曞の衚珟や鑑賞の掻動に取り組むこずを瀺しおいる。 生涯にわたり曞を愛奜する心情を育むずは生埒が身近な手曞き文字や名筆ぞの関心を もち䜜品や曞に興味・関心を抱き生涯にわたり䞻䜓的に文字や曞ず豊かに関わるこ ずができる資質・胜力を育成するこずである。䞭孊校囜語科の曞写の孊習を発展させお 生埒が心に響く蚀葉を曞ずしお衚珟したり曞を深く味わっお捉えたりする掻動を通し お曞を衚珟したり鑑賞したりするこずの楜しさや䟡倀を実感し生涯にわたり曞を愛奜 する心情を育おるこずが求められる。 感性ずは倖界の様々な刺激や衚珟されたものに察しお鋭敏に反応する心の働きであ り䟡倀や心情を感じ取る力であり芞術を創造する根源をなすものである。ここでは 曞の特質に根ざした東掋的・日本的な感性を意味し衚珟された曞のよさや矎しさを感受 しその意味や䟡倀が捉えられる際の心の動きを瀺しおいる。生埒が曞を構成する芁玠や 衚珟性衚珟効果や颚趣の芖点をもっお衚珟したり鑑賞したりしたずきその意味や䟡倀 が実感的に捉えられるこずにより感性は高められおいく。ここでは特に蚀語掻動の充 実を図るこずが重芁ずなる。 曞の䌝統ず文化ずは今日に至る悠久な曞の歎史の䞭で育たれおきた曞ずしおのあら ゆる衚珟曞に関わる思玢など各時代で新しく生み出された䟡倀や今日たで受け継がれ おきた有圢・無圢の成果の総䜓を指しおいる。衚珟や鑑賞の掻動を通しおこれたで䌝え られおきた曞の䌝統ず文化に぀いお理解が深められ芪しみがもおるよう指導を工倫する こずが倧切である。 曞を通しお心豊かな生掻や瀟䌚を創造しおいく態床を逊うずは曞の衚珟や鑑賞の幅広 い掻動を通しお生掻や瀟䌚においお曞が果たしおいる圹割や効甚曞の矎の意味や䟡倀 などを考え倚様な文字や曞ず豊かに関わるこずで心豊かな生掻や瀟䌚を創造しおいく 態床を育おるこずを瀺しおいる。 10 曞道Ⅰ 269
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科目の目暙 内容の構成 目暙ずの 関連 領域等 項目 事  項 曞道の幅広い掻動を通しお 曞に関する芋方 ・考え方を働かせ 生掻や瀟䌚の䞭の文字や曞 曞の䌝統ず文化ず幅広く関わる資質 ・胜力を次のずおり育成するこずを目指す。  「知識及び技胜」に関する目暙    「思考力 刀断力 衚珟力等」に関する目暙    「孊びに向かう力 人間性等」に関する目暙 領域  衚珟  挢字仮名亀じりの曞 ア  知識や技胜を埗た り生かしたりしなが ら次の ア から り たでに぀いお構想し 工倫するこず。 ア  挢字ず仮名の調和した字圢文 字の倧きさ党䜓の構成 「思考力 刀断力  衚珟力等」 む  目的や甚途に即した衚珟圢匏 意図に基づいた衚珟 り  名筆を生かした衚珟や珟代に生 きる衚珟 ã‚€  次の ア 及び む に ぀いお理解するこ ず。 ア  甚具 ・甚材の特城ず衚珟効果ずの 関わり 「知識」 む  名筆や珟代の曞の衚珟ず甚筆 ・運 筆ずの関わり り  次の ア 及び む の 技胜を身に付けるこ ず。 ア  目的や甚途に即した効果的な衚 珟 「技胜」 む  挢字ず仮名の調和した線質によ る衚珟  挢字の曞 ア  知識や技胜を埗た り生かしたりしなが ら次の ア 及び む に぀いお構想し工倫 するこず。 ア  叀兞の曞䜓や曞颚に即した甚筆 ・ 運筆字圢党䜓の構成 「思考力 刀断 力 衚珟力等」 む 意図に基づいた衚珟 ã‚€  次の ア 及び む に ぀いお理解するこ ず。 ア  甚具 ・甚材の特城ず衚珟効果ずの 関わり 「知識」 む  曞䜓や曞颚ず甚筆 ・運筆ずの関わ り り  次の ア 及び む の 技胜を身に付けるこ ず。 ア 叀兞に基づく基本的な甚筆 ・運筆 「技胜」 む  叀兞の線質字圢や構成を生か した衚珟  仮名の曞 ア  知識や技胜を埗た り生かしたりしなが ら次の ア 及び む に぀いお構想し工倫 するこず。 ア  叀兞の曞颚に即した甚筆 ・運筆 字圢党䜓の構成 「思考力 刀断 力 衚珟力等」 む 意図に基づいた衚珟 ã‚€  次の ア 及び む に ぀いお理解するこず。 ア  甚具 ・甚材の特城ず衚珟効果ずの 関わり 「知識」 む  線質や曞颚ず甚筆 ・運筆ずの関わ り り  次の ア 及び む の 技胜を身に付けるこ ず。 ア  叀兞に基づく基本的な甚筆 ・運筆 「技胜」 む  連綿ず単䜓線質や字圢を生か した衚珟  鑑賞  鑑賞 ア  鑑賞に関わる知識 を埗たり生かしたり しながら次の ア 及 び む に぀いお考え 曞のよさや矎しさを 味わっお捉えるこず。 ア 䜜品の䟡倀ずその根拠 「思考力 刀断力  衚珟力等」 む 生掻や瀟䌚における曞の効甚 ã‚€  次の ア から ゚ た でに぀いお理解する こず。 ア  線質字圢構成等の芁玠ず衚 珟効果や颚趣ずの関わり 「知識」 む  日本及び䞭囜等の文字ず曞の䌝 統ず文化 り  挢字の曞䜓の倉遷仮名の成立 等 ゚ 曞の䌝統的な鑑賞の方法や圢態 〔共通事項〕  「衚珟」 及び 「鑑 賞」 の指導を通しお指導 ア 甹筆 ・運筆から生み出される曞の衚珟性ずその衚珟効果ず の関わりに぀いお理解するこず。 「知識」 ã‚€ 曞を構成する芁玠に぀いお,それら盞互の関連がもたらす働 きず関わらせお理解するこず。 曞道Ⅰ 科目の目暙ず内容構成等ずの関連 第2 ç«  各科目 270
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 衚 珟 衚珟に関する資質・胜力を次のずおり育成する。 「衚珟」は「 1 挢字仮名亀じりの曞」  「 2 挢字の曞」  「 3 仮名の曞」の䞉぀の分野 から構成されおいる。各分野の指導事項のうちアは「思考力刀断力衚珟力等」 む は「知識」 りは「技胜」に関する資質・胜力を瀺しおいる。 1 挢字仮名亀じりの曞   挢字仮名亀じりの曞に関する次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。  ア  知識や技胜を埗たり生かしたりしながら次の ア から り たでに぀いお構想し 工倫するこず。    ア 挢字ず仮名の調和した字圢文字の倧きさ党䜓の構成    む 目的や甚途に即した衚珟圢匏意図に基づいた衚珟    り 名筆を生かした衚珟や珟代に生きる衚珟  む 次の ア 及び む に぀いお理解するこず。    ア 甚具・甚材の特城ず衚珟効果ずの関わり    む 名筆や珟代の曞の衚珟ず甚筆・運筆ずの関わり  り 次の ア 及び む の技胜を身に付けるこず。    ア 目的や甚途に即した効果的な衚珟    む 挢字ず仮名の調和した線質による衚珟 ここでは 「曞道Ⅰ」における「 1 挢字仮名亀じりの曞」に関する指導事項を瀺しおい る。 「挢字仮名亀じりの曞」ずは挢字仮名亀じり文の詩歌や文章・語句などが曞かれた曞 をいう。挢字仮名亀じり文ずいう日垞的な衚蚘を甚いるので芞術的な衚珟ずずもに実甚 的な衚珟も含たれる。 「挢字仮名亀じりの曞」は䞭孊校囜語科の曞写ず高等孊校芞術科曞道ずの系統性を螏 たえ曞を生掻に生かす態床の育成を図るための基本的な分野である。たた高等孊校囜 語科ずの関連を図りながら生掻や瀟䌚においお有効に圹立぀資質 ・ 胜力を育むずずもに その背景ずなる文字文化ぞの理解を深めるための指導の工倫が倧切である。 今回の改蚂ではア り 及びむ む に瀺すずおり珟代ずいう芖点を新たに加えた。こ れは曞の衚珟方法や衚珟察象等が倚岐にわたっおいる珟状を螏たえ䌝統に裏打ちされ た「挢字の曞」及び「仮名の曞」ずしお括りきれない衚珟や新たな芖点に぀いおも広く包 括的に捉えるこずを瀺したものである。  内 容 10 曞道Ⅰ 271
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指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお䜜品を構想し衚珟を工倫するこずがで きるよう指導するこずが倧切である。 ア  知識や技胜を埗たり生かしたりしながら次の ア から り たでに぀いお構想し工 倫するこず。 この事項は 「 1 挢字仮名亀じりの曞」における「思考力刀断力衚珟力等」に関す る資質・胜力であり䜜品を構想し衚珟を工倫しお衚すこずをねらいずしおいる。 「 1 挢 字仮名亀じりの曞」に関わる「知識」はむ 「技胜」はりに瀺しおいる。 「 1 挢字仮名亀じりの曞」の孊習では䜜品を構想し衚珟を工倫する過皋で新たな知 識や技胜を習埗するこず既に習埗しおいる知識や技胜を掻甚するこずの䞡方が倧切であ るこずから知識や技胜を埗たり生かしたりしながらずしおいる。このように知識や技胜 の習埗は䜜品を構想し衚珟を工倫する過皋で行われるものである。 ここでは知識及び技胜を習埗しおから構想し工倫するずいった順序性をもっお育成 するものではないこずに留意する必芁がある。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお䜜品を構想し衚珟を工倫するこずがで きるよう指導するこずが倧切である。 ア  挢字ず仮名の調和した字圢文字の倧きさ党䜓の構成 この事項は 「 1 挢字仮名亀じりの曞」における「思考力刀断力衚珟力等」に関す る資質・胜力であり挢字ず仮名の調和した字圢文字の倧きさ党䜓の構成を構想し工 倫するこずをねらいずしおいる。 挢字ず仮名の調和ずは䞭孊校囜語科の曞写での孊習を基瀎ずし 「 2 挢字の曞」及び 「 3 仮名の曞」の孊習ずの関連を図りながら挢字仮名亀じり文の蚀葉をいかに読みやす くいかに矎しく衚珟するかを構想し工倫する䞊で実甚的な衚珟ず芞術的な衚珟の䞡偎 面に関わる重芁な芁玠である。 字圢文字の倧きさに぀いおは挢字ず仮名が調和するよう構想し工倫するこずが倧切 である。字圢に぀いおは 「 2 挢字の曞」で孊習する曞䜓や曞颚 「 3 仮名の曞」で孊習 する曞颚や仮名の成り立ちなどを背景ずする調和を工倫するこずが考えられる。たた文 字の倧きさに぀いお実甚的な衚珟の堎合は䞭孊校囜語科の曞写の孊習を螏たえ挢字 より仮名を小さめに曞くず読みやすく調和しやすいずする考え方が䞀般的である。しか し芞術的な衚珟の堎合には挢字の倚い堎合や仮名が続く堎合などにはかえっお䞍調 和になるこずもあるので自らの構想に基づいお挢字ず仮名の調和を図るようにするこず が倧切である。 党䜓の構成ずは構築的芁玠を指し党䜓ずしおどのようにたずめるかずいう玙面構成 第2 ç«  各科目 272
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のこずであり挢字ず仮名の字圢や文字の倧きさに気を配るこずはもちろん文字や文字 矀ず䜙癜ずの関係に぀いお工倫するこずが倧切である。党䜓の構成に぀いおは 「挢字仮 名亀じりの曞」では実甚的な衚珟ず芞術的な衚珟の䞡偎面における目的や甚途の違いを 意識するこずが重芁でありそれに即した効果的なたずめ方を構想し工倫するこずができ るようにするこずが倧切である。実甚的な衚珟においおは生掻習慣や文化に裏打ちされ た䞀定の決たりや瀟䌚生掻の䞭で䞀般に通甚するための曞匏がある。䞀方芞術的な衚 珟においおは生埒自らの思いや感興を衚珟する䞊で最も適切で効果的な党䜓の構成を 構想し工倫するこずが倧切である。 指導に圓たっおは生埒が心に響く蚀葉を䞻䜓的に遞定したり玡ぎ出したりできるよう にするこずが重芁である。たたその蚀葉の内容ず衚珟効果ずの関係を考え䜜品を構想 し衚珟を工倫するこずで自身の思いや感興を衚珟できるようにするこずが倧切である。 む   目的や甚途に即した衚珟圢匏意図に基づいた衚珟 この事項は 「 1 挢字仮名亀じりの曞」における「思考力刀断力衚珟力等」に関す る資質・胜力であり目的や甚途に即した衚珟圢匏意図に基づいた衚珟を構想し工倫す るこずをねらいずしおいる。 目的や甚途に぀いおは特に「挢字仮名亀じりの曞」では実甚的な衚珟の堎合ず芞術 的な衚珟の堎合ずの䞡偎面に぀いお意識するこずが求められる。 実甚的な衚珟の堎合そこでの衚珟の目的や甚途ずは実甚における様々な堎面に応じ お効果的に䌝えるこずである。手玙はがき掲瀺暙瀺慶匔の際の曞匏など身の回 りの文字に関心をもち日垞生掻における目的や甚途の違いによっお適切な圢匏ず衚し方 を刀断し衚珟効果を考えそれにふさわしい筆蚘具を遞択するなど目的や甚途に適し た衚珟方法や衚珟圢匏を工倫する必芁がある。䞀方で実甚的な衚珟における目的や甚途 は必ずしも日垞生掻に圹立぀ずいう偎面だけではなく同時に矎的芁玠も含んでいる堎合 も倚く実甚を䞻ずしお曞かれた草皿や曞状のようなものであっおも芞術的衚珟ずしお 評䟡されおいるこずは歎史䞊の名筆にも芋お取れる。 芞術的な衚珟の堎合そこでの目的や甚途ずは題材ずなる蚀葉の内容を螏たえお曞 かれた文字や文字矀の「造圢性」を矎しく衚珟するこずであり同時に衚珟された䜜品 を通しお自らの思いや感興そしお自己を衚珟するこずである。その他自己の内なる感 興の高たりによっお衚珟圢匏が必然的に決たるこずや鑑賞される際の衚珟効果等の倖的 な条件が衚珟䞊の目的ずなるこずもある。その際 「挢字の曞」や「仮名の曞」の䌝統的 な圢匏が甚いられるこずもあるしたた䌝統にこだわらない自由な衚珟圢匏が甚いられ るこずもある。暪曞きでの衚珟においおもそれに応じた衚珟方法や衚珟圢匏の工倫が必 芁ずなる。   「曞道」ではいずれの衚珟の堎合でも基瀎的な事項を取り扱い生埒が衚珟掻動を 楜しむこずができるよう配慮する必芁がある。 意図に基づいた衚珟ずは特に「挢字仮名亀じりの曞」においおは創䜜掻動に関する内 10 曞道Ⅰ 273
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容ずなる。 「創䜜」ずは新たなものを䜜りだし䜜者自身の珟圚を衚珟しようずするこず であり新たな矎を䜜りだそうずする胜動的な掻動である。 意図ずは内的欲求や倖的刺激による感動によっお起こる衚珟掻動の原点ずいうべきも のである。生埒が自ら衚珟意欲を高め甚具・甚材の甚い方を工倫し線質字圢党䜓 の構成などに぀いお積極的に工倫に取り組むこずが倧切である。創䜜掻動の䞻䜓はいうた でもなく生埒自身であり生埒が䞻䜓的に远求しながら衚珟掻動に向かえるように指導す るこずが倧切である。 指導に圓たっおは 「挢字仮名亀じりの曞」が生埒にずっお身近で芪しみやすい題材を 扱うこずから生掻に即しお曞の衚珟を楜しむこずが期埅できる分野であるこずを螏た え生埒が䞻䜓的な掻動や䜓隓を通しお生掻や瀟䌚における倚様な文字や曞ず豊かに関 わるこずができるよう配慮し段階的な指導を工倫するこずが倧切である。 り   名筆を生かした衚珟や珟代に生きる衚珟 この事項は 「 1 挢字仮名亀じりの曞」における「思考力刀断力衚珟力等」に関す る資質・胜力であり名筆を生かした衚珟や珟代に生きる衚珟を構想し工倫するこずをね らいずしおいる。 名筆ずは 日本及び䞭囜の優れた曞をいい 「挢字仮名亀じりの曞」に限定するこずなく 叀兞から近珟代たでの優れた曞を指す。 名筆を生かした衚珟ずは名筆のよさや矎しさをもずにしお衚珟するこずである。名筆 を通しお曞の䌝統ず文化に぀いおの理解を深めるずずもにそれを背景ずしお䜜品を構想 し衚珟を工倫するこずが倧切である。 取り䞊げる名筆ずしおは 「挢字の曞」や「仮名の曞」に加え挢字ず仮名の調和した 衚珟を芋るこずのできる叀兞ずしお䟋えば 『䞇葉集』や『和挢朗詠集』等の平安時代 の曞写本鎌倉時代以降の墚跡や实 しん ç¿° かん 等の衚珟明治時代以降の文士や文人志士等の倚 様な曞颚などがあげられる。これらに觊れるこずで名筆のよさや矎しさを理解し 「挢字 仮名亀じりの曞」の倚様な衚珟に生かしおいくこずもできる。 珟代に生きる衚珟ずは日垞生掻の䞭に生かされおいる曞の衚珟である。䟋えば手玙 等のように自らが衚珟の䞻䜓ずなるものや看板やのれん等の身のたわりの倚様な曞の衚 珟があげられる。たた生埒たちの自由な発想から生み出される衚珟や䜜品名筆などの いわゆる䌝統ずしお受け継がれおきた衚珟の他新たな発想や手法に基づく曞の衚珟で 「挢字の曞」及び「仮名の曞」の枠組みで括りきれないものも含たれる。 指導に圓たっおは 「鑑賞」ずの関連を図り名筆を生かした衚珟ずずもに珟代に 生きる曞の様々な衚珟も芖野に入れお捉えられるよう配慮するこずが倧切である。広い芖 野で曞を捉えるこずにより改めお曞の䌝統ず文化を螏たえるこずの意矩や曞の珟代瀟䌚 ずの接点などに぀いお生埒自身が䞻䜓的に考える機䌚ずなり䜜品の構想や衚珟の工倫 を豊かにするこずになる。 第2 ç«  各科目 274
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む 次の ア 及び む に぀いお理解するこず。 この事項は 「 1 挢字仮名亀じりの曞」における「知識」に関する資質 ・ 胜力であり 「挢 字仮名亀じりの曞」の衚珟の方法や圢匏倚様性などに぀いお幅広く理解するこずをねら いずしおいる。 ここでの「知識」は䜜品を構想し衚珟を工倫する過皋を通しお実感的に習埗されるも のであり甚具・甚材の名称や甚語等を蚘憶するこずを目的ずするような掻動にならない ようにするこずが重芁である。たた知識を習埗しおから構想し工倫するずいった順序 性をもっお育成するものではないこずに留意する必芁がある。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお実感的に理解できるよう指導するこず が倧切である。 ア   甚具・甚材の特城ず衚珟効果ずの関わり この事項は 「 1 挢字仮名亀じりの曞」における「知識」に関する資質・胜力であり 甚具・甚材の特城ず衚珟効果ずの関わりに぀いお理解するこずをねらいずしおいる。 甚具・甚材ずは曞を衚珟するために甚いる様々な道具・材料をいう。甚具・甚材は それぞれの皮類や圢状によっお特性や機胜が異なりここでは特性や機胜を総じお特城ず しお瀺しおいる。たたそれらの甚い方や扱い方によっお同じ文字を曞く堎合にも衚珟 は倧きく巊右される。したがっお甚具・甚材の特城を理解し初期の孊習段階から適切 に扱うこずができるよう配慮するこずが倧切である。その際䞭孊校囜語科の曞写におけ る甚具・甚材の䜿甚実態を螏たえたずは基本的なものを䞭心にその甚い方や扱い方な どを確実に理解できるようにするこずが倧切である。毛筆に぀いおは様々な皮類がある が意図や衚珟の工倫に応じお様々な皮類を䜓隓できるようにしたり鑑賞掻動の䞭で扱 ったりするこずで甚具・甚材の特城ず衚珟効果ずの関わりに察する興味・関心を高めら れるよう配慮する必芁がある。たた特に「挢字仮名亀じりの曞」では毛筆で孊習した こずを生掻に生かすずいう芖点からいろいろな硬筆を積極的に䜓隓できるようにするこ ずも倧切である。 たた甚具・甚材の甚い方扱い方や手入れの方法の指導に加えそれらを倧切に扱う 態床を逊うこずが必芁でありそのこずが文字や曞を愛奜する心情を育おるこずに぀なが っおいくのである。 甚具・甚材に関する事項は今回の改蚂では甚具・甚材の特城ず衚珟効果ずの関わり ずしお 「衚珟」の党おの分野の指導事項む ア に䜍眮付けおいる。 「 2 挢字の曞」  「 3 仮名の曞」にも共通する䞻な甚具・甚材を類別するず次のよう になる。 10 曞道Ⅰ 275
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【䞻な甚具・甚材の類別ず扱い方などの䟋】 毛筆 ・皮類和筆唐筆など ・材質獣毛筆竹筆藁 わら 筆草筆朚筆など ・倧きさ倧筆䞭筆小筆など ・筆毛の長さ長 ちょう 鋒 ほう 䞭 ちゅう 鋒 ほう 短 たん 鋒 ぜう など ・筆毛の匟力剛毛筆兌毛筆柔毛筆など ・穂の圢柳葉筆面盞筆延 えん 喜 ぎ 筆雀 じゃく é ­ ずう 筆など ・穂の぀くり巻筆氎筆捌 さば き筆固め筆  ・筆のおろし方掗い方手入れの方法保管の方法など 硬筆等 ・ 皮類鉛筆シャヌプペンシルボヌルペンフェルトペン筆ペン䞇幎筆な ど 墚 ・皮類和墚唐墚など ・材質油煙墚束煙墚など ・圢状固圢墚液䜓墚など ・倧きさ䞁型など ・磚り方扱い方保管の方法など むンク ・皮類氎性油性など 硯 すずり ・皮類和 わ 硯 けん 唐 ずう 硯 けん など ・材質石陶磁など ・倧きさや圢掗い方手入れの方法など 箙 ・皮類和玙唐玙掋玙など ・材質や甚途及び圢匏半玙画仙玙料玙色玙短冊䟿箋封筒はがきな ど ・扱い方保管の方法など その他文鎮䞋敷氎滎筆巻きなど ・扱い方など  以䞊のうち筆・墚・硯 すずり ・玙は叀来「文 ぶん 房 がう 四 し 宝 ほう 」ず呌ばれおいる。   甚具・甚材の特城ず衚珟効果ずの関わりに぀いおは甚具・甚材の特城によっお線質 等の曞を構成する芁玠そこから生じる衚珟性や衚珟効果が倉わるこずを理解できるよう 第2 ç«  各科目 276
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にするこずが倧切である。毛筆は毛質や穂の圢状によっお線質が違っおくるこず墚は原料の ç…€ すす や膠 にかわ の調合や磚 た 墚 がく などによっお墚色や濃淡が違っおくるこず硯 すずり は鋒 ほう 鋩 がう の粗密によっお墚 色や滲 にじ み方が違っおくるこず 玙は材質や厚さなどにより線質や滲 にじ み方が違っおくるこずなど 甚具・甚材の特城ず衚珟効果ずの関わりを実感的に理解できるようにするこずが倧切である。 曞道における甚具・甚材のうち筆・墚・硯 すずり ・玙筆 ひ぀ 墚 がく 硯 けん 箙 し は叀くから「文 ぶん 房 がう 四 し 宝 ほう 」 ず呌ばれ曞かれた䜜品や曞ず同様に我が囜の曞の䌝統ず文化を圢づくっおきた。文字 文化の芳点から生掻や瀟䌚の䞭で今埌も継承しおいくこずの倧切さを指導するこずが重 芁である。 「挢字仮名亀じりの曞」を衚珟する堎合は 「挢字の曞」及び「仮名の曞」に比べ芞術 的な衚珟だけでなく実甚的な衚珟を取り扱うこずが倚くその際硬筆を䜿甚する機䌚も 倚い。硬筆による衚珟に぀いおは䟋えばフェルトペンや䞇幎筆のように比范的匟力の あるものやボヌルペンのように硬床の高い筆蚘具そこで䜿われおいるむンク䜿甚する 甚玙など日垞䜿甚されおいる硬筆甚具それぞれの材質や特性が衚珟の効果や工倫に関わ るこずを理解できるよう指導するこずが倧切である。たた硬筆を䜿甚する堎合は目的 や甚途に応じお効果的に衚珟するための甚具・甚材を生埒が䞻䜓的に遞択できるよう指導 する必芁がある。 指導に圓たっおは 「 1 挢字仮名亀じりの曞」  「 2 挢字の曞」及び「 3 仮名の曞」の 各分野ずも必芁な甚具・甚材の皮類準備の仕方甚い方扱い方や手入れの方法など に぀いお理解を図り甚具・甚材の特城ず衚珟効果ずの関わりに぀いお工倫しながら適 切に甚いるこずができるようにするこずが倧切である。 む   名筆や珟代の曞の衚珟ず甚筆・運筆ずの関わり この事項は 「 1 挢字仮名亀じりの曞」における「知識」に関する資質・胜力であり 名筆や珟代の曞の衚珟ず甚筆 ・ 運筆ずの関わりに぀いお理解するこずをねらいずしおいる。 名筆ずは 「挢字仮名亀じりの曞」に限定するこずなく叀兞から近珟代たでの優れた 曞をいう。 珟代の曞の衚珟ずは叀兞等の曞の䌝統ず文化を継承した曞の他に新たな発想や手法 に基づいお衚珟された曞䌝統に裏打ちされた「挢字の曞」及び「仮名の曞」の枠組みで 括 くく りきれない曞そしお珟代の生掻や瀟䌚に様々な圢で生かされおいる曞の衚珟を包括 しお瀺しおいる。特に珟代の日本語を題材ずするこずが倚い「挢字仮名亀じりの曞」で はそうした傟向の衚珟や䜜品を孊習の䞭で扱うこずは生掻や瀟䌚ずの関わりを考える 䞊で意矩がある。 甚筆・運筆の甚筆ずは筆の䜿い方たた筆毛の働かせ方のこずであり運筆ずは 筆の運び方のこずを指す。ただし甚筆・運筆ずいう語は叀来様々な甚いられ方をしお きおおり甚筆ず運筆の解釈にも諞説がある。 名筆や珟代の曞の衚珟ず甚筆・運筆ずの関わりずは 「挢字仮名亀じりの曞」の衚珟に 生かすために名筆や珟代の曞の衚珟がどのような甚筆・運筆によっお衚珟されおいるか 10 曞道Ⅰ 277
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を理解するずいうこずである。そのためには 「 2 挢字の曞」及び「 3 仮名の曞」にお ける臚曞掻動を通しお習埗した甚筆・運筆の技胜を「 1 挢字仮名亀じりの曞」の衚珟に 掻甚したり名筆や珟代の曞の衚珟に觊れる䜓隓により 「挢字仮名亀じりの曞」におけ る甚筆・運筆の効果に察する認識の幅を広げたりするこずができるよう指導するこずが倧 切である。 指導に圓たっおは 「鑑賞」ずの関連を図りながら曞の矎を味わっお捉えるこずを 通しお名筆や珟代の曞の衚珟ず甚筆・運筆ずの関わりを理解できるようにするこずが倧 切である。珟代に生きる生埒たちの自由な発想や芖点を尊重し衚珟ぞの関心や意欲を高 めるこずや今日たで継承されおきた曞の䌝統ず文化ぞの理解を深めるこずに぀なげるこ ずが倧切である。 り 次の ア 及び む の技胜を身に付けるこず。 この事項は 「 1 挢字仮名亀じりの曞」における「技胜」に関する資質・胜力であり 曞の䌝統に基づき 「挢字仮名亀じりの曞」を効果的に衚珟するための基瀎的な技胜を身 に付けるこずをねらいずしおいる。 ここでの「技胜」は䜜品を構想し衚珟を工倫する過皋を通しお実感的に育成されるも のである。たた技胜を習埗しおから構想し工倫するずいった順序性をもっお育成する ものではないこずに留意する必芁がある。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお実感的に身に付けられるようにするこ ずが倧切である。 ア 目的や甚途に即した効果的な衚珟 この事項は 「 1 挢字仮名亀じりの曞」における「技胜」に関する資質・胜力であり 目的や甚途に即した効果的な衚珟の技胜を身に付けるこずをねらいずしおいる。 目的や甚途に぀いおは 「挢字仮名亀じりの曞」では実甚的な衚珟の堎合ず芞術的な 衚珟の堎合ずの䞡偎面に぀いお意識するこずが求められる。それぞれの堎面における目的 や甚途に即した効果的な衚珟の技胜を身に付けそれを掻甚しお効果的に衚珟するこずが 倧切である。 実甚的な衚珟における目的や甚途ずは実甚における様々な堎面に応じお効果的によ り豊かに䌝えるこずである。たた芞術的な衚珟における目的や甚途ずは題材ずなる蚀 葉の内容を螏たえお曞かれた文字や文字矀の「造圢性」を矎しく衚珟するこずであり 同時に衚珟された䜜品を通しお自らの思いや感興そしお自己を衚珟するこずであり 衚珟䞊の意図ず同矩である。 「挢字仮名亀じりの曞」は曞の衚珟性及びそこから生じる衚珟効果や颚趣ず曞かれ た蚀葉の内容ずが䞀䜓ずなっお自己を衚珟し他者ぞ「䌝える」ずいう特性があり 「挢 第2 ç«  各科目 278
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字の曞」や「仮名の曞」ず比べお蚀葉が担う圹割が極めお倧きい。぀たりいかに蚀葉 を遞択するかいかに蚀葉を玡ぎ出すかが目的や甚途に即しお効果的に自己を衚珟する 䞊で盎接的か぀最も重芁な芁玠ずなる。 「挢字仮名亀じりの曞」においおは目的や甚途の䞻たるものは「蚀葉で䌝える」ずい うこずであり実甚的な衚珟であれ芞術的な衚珟であれ䌝えるべき盞手が垞に意識さ れるこずになる。䞡偎面での衚珟䞊の差異は曞を通しお「いかに䌝えるか」に向けた 曞の衚珟性の働かせ方であり衚珟効果の生かし方である。 䞻に「 2 挢字の曞」や「 3 仮名の曞」の衚珟や鑑賞を通しお身に付けた技胜をより 身近な題材を通しお発揮する堎ずしおの圹割を「 1 挢字仮名亀じりの曞」が担っおいる ず捉えるこずができる。 目的や甚途に即した効果的な衚珟の技胜はこうした「挢字仮名亀じりの曞」の特質を 背景ずする目的や甚途に即しお衚珟性の働かせ方や衚珟効果の生かし方を工倫し効果 的に「䌝える」ために衚珟する技胜ずいうこずになる。 指導に圓たっおは生埒にずっお身近で芪しみやすい題材を扱うこずを螏たえ目的や 甚途に即しお効果的に衚珟するこずを楜しみながら䞻䜓的に取り組む䞭で衚珟するため の技胜を身に付けられるよう指導するこずが倧切である。たた蚀語掻動の充実を図りな がら生埒の個性や䟡倀芳などに十分配慮し 「挢字仮名亀じりの曞」による自由な自己 衚珟が可胜ずなるよう指導するこずが倧切である。 む   挢字ず仮名の調和した線質による衚珟 この事項は 「 1 挢字仮名亀じりの曞」における「技胜」に関する資質・胜力であり 挢字ず仮名の調和した線質による衚珟の技胜を身に付けるこずをねらいずしおいる。 「挢字仮名亀じりの曞」では挢字ず仮名を調和させる芁玠ずしお字圢文字の倧き さの他特に重芁なものずしお線質があげられる。 線質ずは曞かれた線のも぀性質を指し線の匷さ豊かさ艶やかさ軜やかさ険 しさ深さなどの質感をいい筆者の思いや感興個性や特性を背景に甚筆・運筆ずい った技胜的な芁玠や甚具 ・ 甚材ずいった倖的芁玠ずも関わりたた甚筆 ・ 運筆䞊の「運 動性」や埋動性・リズムず密接に関連し衚珟効果や颚趣ぞず぀ながる芁玠である。 挢字ず仮名の調和した線質ずは䞻に甚筆・運筆における「運動性」や埋動性・リズム に基づいお挢字ず仮名の線質を融和させるずいうこずであり線質における挢字ず仮名の 調和は「挢字仮名亀じりの曞」の衚珟効果を支える最も重芁で基本的なものである。 指導に圓たっおは挢字ず仮名の線質の調和を図りながら実甚的な衚珟や芞術的な衚 珟の幅を広げ挢字仮名亀じり文ずいう日垞的な題材を通しお生埒が自身の思いや感興 を玠盎に衚珟できるよう指導するこずが倧切である。 たた珟代の日本語を題材ずする堎合必ずしも挢字ず仮名のみで構成されるずは限ら ず数字やアルファベットが混圚するものや䌝統的な「仮名の曞」の衚珟ずは異なる平 仮名のみにより衚蚘されたものが察象ずなるこずも十分に考えられるこずから挢字ず仮 10 曞道Ⅰ 279
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名の調和した線質ずは挢字ず仮名のみの調和に限定するものではない。 2 挢字の曞   挢字の曞に関する次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。  ア  知識や技胜を埗たり生かしたりしながら次の ア 及び む に぀いお構想し工倫 するこず。    ア 叀兞の曞䜓や曞颚に即した甚筆・運筆字圢党䜓の構成    む 意図に基づいた衚珟  む 次の ア 及び む に぀いお理解するこず。    ア 甚具・甚材の特城ず衚珟効果ずの関わり    む 曞䜓や曞颚ず甚筆・運筆ずの関わり  り 次の ア 及び む の技胜を身に付けるこず。    ア 叀兞に基づく基本的な甚筆・運筆    む 叀兞の線質字圢や構成を生かした衚珟 ここでは 「曞道」における「 2 挢字の曞」に関する指導事項を瀺しおいる。 「挢字の曞」ずは 挢字で曞かれた曞ずいう意味で 仮名などを亀じえおいない曞をいう。 「挢字の曞」は䞭囜の曞に立脚しお挢詩や挢文が曞かれるこずが倚い。短い語句や䞀 文字だけの語の堎合でも挢字で衚珟されおいる曞は「挢字の曞」である。 䞉分野に関わる筆墚玙等の甚具 ・ 甚材の扱いに぀いおは 「 1 挢字仮名亀じりの曞」 の指導事項のむ ア の解説に瀺しおいるがそれぞれの分野の特質を螏たえ䞻に「挢字 の曞」に関わるこずずしお篆 おん 刻・刻字に関わる甚具・甚材に぀いおは「 2 挢字の曞」 のむ ア の解説に瀺しおいる。 たた䞭孊校囜語科の曞写ずの接続に配慮しお取り扱う曞䜓は楷曞及び行曞ずし 生埒の特性等を考慮し草曞隷曞及び篆 おん 曞を加えるこずもできるこずずしおいる。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や颚趣ぞの芖点をもっお䜜品を構想し衚珟を工倫するこずができる よう指導するこずが倧切である。 ア  知識や技胜を埗たり生かしたりしながら次の ア 及び む に぀いお構想し工倫す るこず。 この事項は 「 2 挢字の曞」における「思考力刀断力衚珟力等」に関する資質・胜 力であり䜜品を構想し衚珟を工倫しお衚すこずをねらいずしおいる。 「 2 挢字の曞」に 関わる「知識」はむ 「技胜」はりに瀺しおいる。 「 2 挢字の曞」の孊習では䜜品を構想し衚珟を工倫する過皋で新たな知識や技胜を 習埗するこず既に習埗しおいる知識や技胜を掻甚するこずの䞡方が倧切であるこずか ら 知識や技胜を埗たり生かしたりしながらずしおいる。このように知識や技胜の習埗は 第2 ç«  各科目 280
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䜜品を構想し衚珟を工倫する過皋で行われるものである。 ここでは知識及び技胜を習埗しおから構想し工倫するずいった順序性をもっお育成 するものではないこずに留意する必芁がある。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお䜜品を構想し衚珟を工倫するこずがで きるよう指導するこずが倧切である。 ア   叀兞の曞䜓や曞颚に即した甚筆・運筆字圢党䜓の構成 この事項は 「 2 挢字の曞」における「思考力刀断力衚珟力等」に関する資質・胜 力であり叀兞の曞䜓や曞颚に即した甚筆・運筆字圢党䜓の構成を構想し工倫するこ ずをねらいずしおいる。 「挢字の曞」の叀兞ずは過去においお普遍的にそのよさや矎しさが評䟡されおきた日 本や䞭囜等の挢字による曞の名跡を指す。 叀兞の曞䜓や曞颚のうち曞䜓ずは䞭孊校囜語科の曞写で孊習した楷曞及び行曞を螏た えた䞊で曞の叀兞の臚曞の孊習で扱う曞䜓ずしお楷曞行曞などを指し曞颚ずは 線質字圢党䜓の構成などからもたらされる曞きぶりであり甚筆・運筆の違いなどか ら生じる筆者や䜜品ごずの様々な衚珟䞊の特城をいう。 叀兞の曞䜓や曞颚に即したずは叀兞の臚曞掻動を通しお 「挢字の曞」の曞䜓甚筆 ・ 運筆及びそこに芋られる線質 字圢 党䜓の構成等を構想し工倫するこずに生かすこずを指す。 「臚曞」ずは曞の叀兞ず向き合い孊習するこずであり臚曞ずいう蚀葉は創䜜に察応 させお甚いられるこずが倚い。広い意味では近珟代の筆跡を孊習するこずも臚曞ずいうこ ずになるが䞀般的には䞻ずしお評䟡の定たった叀兞を孊習するこずをいう。 「挢字の曞」 における臚曞には圢臚意臚等がある。臚曞を通しお甚筆・運筆の技胜を身に付け さらに字圢の特城党䜓の構成を生かしお衚珟を工倫するこずができるようになる。そ のためには叀兞を粟遞しお孊習する必芁がある。たた臚曞ず鑑賞ずの盞互の関連を図 るこずにより効果的に衚珟の技胜を身に付けるずずもに䜜品を構想し衚珟を工倫する こずができるようにするこずが倧切であり臚曞の孊習が技胜習埗のみを目指した掻動に 偏らないようにするこずが重芁である。 甚筆・運筆の甚筆ずは筆の䜿い方たた筆毛の働かせ方のこずであり柔らかさず 匟力性のある毛筆を䜿いこなすための技胜をいう。たた運筆ずは筆の運び方のこずで ある。様々な叀兞の曞颚に即した甚筆・運筆の技胜を習埗するこずで䜜品を構想し衚珟 を工倫する力を䌞ばすこずができる。 字圢ずは造圢的な矎しさを䌎った文字の圢のこずであり点画によっお圢づくられ 叀来結構あるいは結䜓ず蚀われおきたこずに圓たる。字圢を構成する芁玠ずしおは点 画の䜍眮長短方向曲盎分間肥痩疎密ずいったものから䞀文字の均斉 ・ 均衡 抂圢倖圢にいたるたで皮々のものがありさらに文字の組み立お方や筆順によっ おも字圢は異なっおくる。これらの諞芁玠をどのような順序ず方法で指導するかに぀い 10 曞道Ⅰ 281
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おは生埒の実態に応じお工倫するこずが倧切であり甚筆・運筆字圢党䜓の構成の 関連を図るこずも倧切である。たた字圢は構築的芁玠の匷い楷曞においお把握しやす いため楷曞の指導においおよく扱われおきおいるが楷曞以倖の曞䜓においおも配慮す る必芁がある。 党䜓の構成ずは構築的芁玠を指し党䜓ずしおどのようにたずめるかずいう玙面構成 のこずであり叀来垃眮ずか章法ず蚀われおきたこずに圓たる。党䜓の構成には文字 の倧小や線の肥痩はもちろん文字矀の配列字間や行間䞊䞋倩地 ・巊右の䜙癜 墚の濃淡・最枇などの芁玠が関わっおいる。 玙面ず文字の調和を図るためには文字の倧きさずその配列さらに䜙癜ずの関係に 配慮する必芁がある。二぀以䞊の文字を䞊べる堎合文字を同䞀の倧きさにするか倧小 の倉化を぀けるかたた二行以䞊にわたる堎合暪同士を揃えるか揃えないかによっ お衚珟効果はかなり異なる。さらに党䜓の構成は曞䜓や曞颚衚珟の意図なども倧き く関連するので 䜜品を構想し衚珟を工倫する際に留意する必芁がある。䜙癜に぀いおは 䞭孊校囜語科の曞写における文字の配列などの孊習を螏たえお䞊䞋倩地 ・巊右の䜙 癜字間や行間などに配慮する必芁がある。 指導に圓たっおは臚曞掻動を通しお実感的に身に付けた叀兞の曞䜓や曞颚に即した 甚筆・運筆字圢党䜓の構成に぀いおの知識や技胜を衚珟効果ず関連付けお考えるこ ずにより創䜜掻動における䜜品の構想や衚珟の工倫に生かすこずができるようにするこ ずが倧切である。 む 意図に基づいた衚珟 この事項は 「 2 挢字の曞」における「思考力刀断力衚珟力等」に関する資質・胜 力であり意図に基づいた衚珟を構想し工倫するこずをねらいずしおいる。 この事項は䞻ずしお創䜜掻動に関する内容であるが臚曞掻動にも圓おはめるこずが できる。 意図ずは内的欲求や倖的刺激による感動によっお起こる衚珟掻動の原点ずいうべきも のである。臚曞掻動に際しおは扱う叀兞を遞定する段階からの衚珟の意図を創䜜掻動 に際しおはたず䜕をどのように衚珟したいのかずいう意図を蚭定し䜜品の構想を「挢 字の曞」の特質に即しお緎り䞊げおいく。生埒自ら衚珟意欲を高め甚具 ・ 甚材を遞定し 線質字圢構成墚色䜙癜など様々な面から構想し衚珟を工倫するこずに取り組め るよう生埒の䞻䜓性を尊重するこずが倧切である。 「創䜜」ずは新たなものを䜜りだし䜜者自身の珟圚を衚珟しようずするこずであり 新たな矎を䜜りだそうずする胜動的な掻動である。臚曞掻動を通しお身に付けた技胜を生 かしながら普遍性に裏打ちされた自己の衚出ずしおの衚珟掻動を行い 「挢字の曞」の 矎に察する感性を逊い新たな矎を生み出すこずを目指し生埒が䞻䜓的に考えられるよ う指導を工倫するこずが倧切である。 指導に圓たっおは 挢字が生成され 曞䜓の倉遷など様々な展開を遂げたこずを螏たえ 第2 ç«  各科目 282
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「挢字の曞」の叀兞のも぀䌝統的な矎を感受するずずもに䞻䜓的な意図に基づいお䜜品 の構想ず衚珟の工倫に取り組めるようにするこずが倧切である。 む 次の ア 及び む に぀いお理解するこず。 この事項は 「 2 挢字の曞」における「知識」に関する資質・胜力であり 「挢字の曞」 の衚珟の方法や圢匏倚様性などに぀いお幅広く理解するこずをねらいずしおいる。 ここでの「知識」は䜜品を構想し衚珟を工倫する過皋を通しお実感的に習埗されるも のであり甚具・甚材の名称や甚語等を蚘憶するこずを目的ずするような掻動にならない ようにするこずが重芁である。たた知識を習埗しおから構想し工倫するずいった順序 性をもっお育成するものではないこずに留意する必芁がある。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお実感的に理解できるよう指導するこず が倧切である。 ア 甚具・甚材の特城ず衚珟効果ずの関わり この事項は 「 2 挢字の曞」における「知識」に関する資質・胜力であり甚具・甚材 の特城ず衚珟効果ずの関わりに぀いお理解するこずをねらいずしおいる。 甚具・甚材ずは曞を衚珟するために甚いる様々な道具・材料をいう。甚具・甚材は それぞれの皮類や圢状によっお特性や機胜が異なりここでは特性や機胜を総じお特城ず しお瀺しおいる。たたそれらの甚い方や扱い方によっお同じ文字を曞く堎合にも衚珟 は倧きく巊右される。したがっお甚具・甚材の特城を理解し初期の孊習段階から適切 に扱うこずができるよう配慮するこずが倧切である。その際䞭孊校囜語科の曞写におけ る甚具 ・ 甚材の䜿甚実態を螏たえ 「挢字の曞」の衚珟掻動に適した基本的なものを䞭心に その甚い方や扱い方などを確実に理解できるようにするこずが倧切である。 たた甚具・甚材の甚い方扱い方や手入れの方法の指導に加えそれらを倧切に扱う 態床を逊うこずが必芁でありそのこずが文字や曞を愛奜する心情を育おるこずに぀なが っおいくのである。 硬筆を䜿甚する堎合には目的や甚途に応じお効果的に衚珟するための甚具・甚材を生 埒が䞻䜓的に遞択できるようにするこずが倧切である。 甚具・甚材の特城ず衚珟効果ずの関わりに぀いおは甚具・甚材の特城によっお線質 等の曞を構成する芁玠そこから生じる衚珟性や衚珟効果が倉わるこずを理解できるよう にするこずが倧切である。毛筆は毛質や穂の圢状によっお線質が違っおくるこず墚は原 料の煀 すす や膠 にかわ の調合や磚 た 墚 がく などによっお墚色や濃淡が違っおくるこずたた硯 すずり は鋒 ほう 鋩 がう の粗 密によっお墚色や滲 にじ み方が違っおくるこず玙は材質や厚さなどにより線質や滲 にじ み方が違 っおくるこずなど甚具・甚材の特城ず衚珟効果ずの関わりを実感的に理解できるように するこずが倧切である。 10 曞道Ⅰ 283
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指導に圓たっおは甚具・甚材の特城が衚珟効果ず密接に関わるこずを実感的に理解で きるよう皮類等の違いのある甚具・甚材を䜓隓する掻動を蚭定するこずが倧切である。  篆 おん 刻では様々な曞䜓や仮名アルファベットなどを䜿甚するこずもあるが篆 おん 曞を甚 いるこずを基本ずしおいる。 「 内容の取扱い」の 6 で 「篆 おん 刻刻字等を扱うよう配慮するものずする」ずしおい るこずから篆 おん 刻・刻字等の甚具・甚材に぀いおもその特城を理解し適切に扱うこずに ぀いお指導するこずが必芁である。以䞋のずおり刻字ず䜵せお䞻な甚具・甚材を瀺すこ ずずする。 篆 おん 刻では印刀平刀・斜刀片 ぞん 鋒 ぜう 片刃 ・䞭 ちゅう 鋒 ほう 䞡刃など 印材寿山石・青田 石・昌化石等の石や朚など 印 いん æ³¥ でい 抌印するずきに甚いる朱肉 印床印材を固定する 台 印 いんく 矩抌印するずきに甚いる定芏 印 いん 箋 せん 抌印するための箋 印 いん 耥 じょく 抌印するず きに甚いる台などの篆 おん 刻独自の甚具の他墚・朱墚小 しょう 硯 けん 二面・二 に 面 めん 硯 けん 墚・朱墚甚  小筆鏡ブラシサンドペヌパヌなどを䜿甚する。 刻字では刀鑿 のみ ・圫刻刀・カッタヌなど 朚 きづち 槌朚材桂・桜・杉・欅 けやき ・梅など  塗料ラッカヌ・柿 かき æž‹ しぶ ・挆 うるし ・胡 ご 粉 ふん ・絵の具・箔 はく などなどを䜿甚する。 篆 おん 刻・刻字等の指導に圓たっおは篆 おん 刻や刻字等の孊習を通しお曞の歎史や文化ぞの 理解を深めるずずもに 「刻す」こずによる立䜓的衚珟における衚珟効果や甚具・甚材ず の関わりたた工芞的な芁玠を含む衚珟等に぀いお理解するこずができるよう指導する こずが倧切である。篆 おん 刻・刻字で甚いる甚具・甚材に぀いおはその扱い方や管理の方法 などの指導に十分な配慮が必芁である。 む 曞䜓や曞颚ず甚筆・運筆ずの関わり この事項は 「 2 挢字の曞」における「知識」に関する資質・胜力であり曞䜓や曞颚 ず甚筆・運筆ずの関わりに぀いお理解するこずをねらいずしおいる。 「曞道Ⅰ」で取り扱う曞䜓は 「 内容の取扱い」の 3 で楷曞及び行曞に加え生埒 の特性等を考慮し草曞隷曞及び篆 おん 曞を加えるこずもできるずしおいるずおりである。 曞颚ずは線質字圢構成などからもたらされる曞きぶりであり甚筆・運筆の違い などから生じる筆者や䜜品ごずの様々な衚珟䞊の特城をいう。同じ曞䜓であっおも筆者 の矎意識時代颚土等の圱響により倚様な曞颚が生たれおいる。 甚筆・運筆の甚筆ずは筆の䜿い方たた筆毛の働かせ方のこずであり運筆ずは 筆の運び方のこずを指す。ただし甚筆・運筆ずいう語は叀来様々な甚いられ方をしお きおおり甚筆ず運筆の解釈にも諞説がある。 甚筆・運筆は姿勢や執筆法ず深く関連しおいる。執筆法ずは筆の持ち方のこずで単 たん 鈎 こう 双 そう 鈎 こう ずいった指法や懞 けん 腕 わん 提 おい 腕 わん 枕 ちん 腕 わん などの腕法などがある。なお甚筆の指導で は䞀぀の点画を䞉぀の郚分に分けお小・䞭孊校囜語科の曞写で「始筆・送筆・終筆」 ずしおいるが高等孊校芞術科曞道においおは「起筆・送筆・収筆」ず指導するこずが䞀 般的である。 第2 ç«  各科目 284
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文字を圢づくっおいる最小単䜍の点や画のこずを点画ずいう。楷曞は䞀点䞀画の独立性 が匷いので点や画の圢や曞き方に぀いお説明しやすくそのため点画の分析的な説明 は楷曞の指導で行われるこずが倚い。行曞に぀いおは甚筆 ・ 運筆ずの関連を図りながら 点画の連続性の特城やその衚珟性が䞻な孊習察象ずなる。 曞䜓や曞颚のうち曞䜓ず甚筆・運筆ずの関わりずは各曞䜓がどのような甚筆・運筆 で曞かれおきたのかを理解するずいうこずである。小・䞭孊校囜語科の曞写においお楷 曞ず行曞の点画の曞き衚し方の基本的な内容を孊習しおきおいるこずを螏たえ挢字の楷 曞や行曞を䞭心ずしお扱いながらも倚様な衚珟に向け曞䜓ず甚筆・運筆ずの関わりに ぀いお理解するこずができるよう順序立おお蚈画的に指導する必芁がある。 曞䜓や曞颚のうち曞颚ず甚筆・運筆ずの関わりに぀いおはどのような甚筆・運筆が 叀兞の曞颚を生み出しおいるかを理解できるよう指導するこずが倧切である。 指導に圓たっおは 「鑑賞」ずの関連を図り臚曞掻動を通しお曞䜓や曞颚ず甚筆・ 運筆ずの関わりを理解しこれを創䜜掻動における䜜品の構想ず衚珟の工倫に生かせるよ うにするこずが倧切である。 り 次の ア 及び む の技胜を身に付けるこず。 この事項は 「 2 挢字の曞」における「技胜」に関する資質・胜力であり曞の䌝統に 基づき 「挢字の曞」を効果的に衚珟するための基瀎的な技胜を身に付けるこずをねらい ずしおいる。 ここでの「技胜」は䜜品を構想し衚珟を工倫する過皋を通しお実感的に育成されるも のである。技胜は䞻ずしお臚曞掻動を通しお身に付けるが技胜を習埗するこずのみを 目的ずする掻動にならないようにするこずが重芁である。たた技胜を習埗しおから構 想し工倫するずいった順序性をもっお育成するものではないこずに留意する必芁がある。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお実感的に身に付けられるようにするこ ずが倧切である。 ア   叀兞に基づく基本的な甚筆・運筆 この事項は 「 2 挢字の曞」における「技胜」に関する資質・胜力であり叀兞に基づ く基本的な甚筆・運筆の技胜を身に付けるこずをねらいずしおいる。 叀兞に基づくずは叀兞による臚曞掻動を指し臚曞掻動を通しお「挢字の曞」の基本 的な甚筆・運筆の技胜を身に付けるこずである。 「挢字の曞」における基本的な甚筆・運筆に぀いお䟋えば止めはね払いなどの 収筆の曞き方は甚筆の違いであり 筆 ひっ 鋒 ぜう を立おるずか筆毛を開くなどは甚筆の芁領であり 目 ちょく 筆 ひ぀ 偎筆順筆逆筆露 ろ 鋒 ほう 蔵 ぞう 鋒 ほう などの穂の䜿い方や  欧 おう 法 ほう 虞 ぐ 法 ほう 耚 ちょ 法 ほう 顔 がん 法 ぜう など の曞颚を衚す筆法は甚筆・運筆の双方に関わる事項である。さらに運筆の際の筆順や墚 10 曞道Ⅰ 285
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継ぎのタむミング遅速・緩急筆圧の匷匱濃淡・最枇なども運筆に関わる事項である。 指導に圓たっおは臚曞掻動を通しお各叀兞の曞䜓や曞颚を生み出しおいる基本的な 甚筆・運筆の技胜を衚珟効果ずの関わりを螏たえお身に付けるこずが重芁であり 「挢字 の曞」 の倚様な矎に察する感性を逊うこずにも぀なげられるよう指導するこずが倧切である。 む   叀兞の線質字圢や構成を生かした衚珟 この事項は 「 2 挢字の曞」における「技胜」に関する資質 ・ 胜力であり叀兞の線質 字圢や構成を生かした衚珟の技胜を身に付けるこずをねらいずしおいる。 線質ずは曞かれた線のも぀性質を指し線の匷さ豊かさ艶やかさ軜やかさ険 しさ深さなどの質感をいい筆者の思いや感興個性や特性を背景に甚筆・運筆ずい った技胜的な芁玠や甚具 ・ 甚材ずいった倖的芁玠ずも関わりたた甚筆 ・ 運筆䞊の「運 動性」や埋動性・リズムず密接に関連し衚珟効果や颚趣ぞず぀ながる芁玠である。 字圢ずは文字の圢の取り方のこずであり点画によっお圢づくられ叀来結構ある いは結䜓ず蚀われおきたこずに圓たる。 「挢字の曞」の字圢の取り方に぀いおは字圢を 構成する芁玠ずしおの点画の䜍眮長短方向曲盎分間肥痩疎密ずいったものか ら䞀文字の均斉・均衡抂圢倖圢にいたるたで皮々のものがあげられる。 構成ずは個々の文字構成の他文字矀の配列文字の倧小字間や行間䞊䞋倩地 ・ 巊右の䜙癜など玙面党䜓ずしおどのように衚珟されおいるかずいう党䜓の構成を指す。 叀兞の線質字圢や構成を生かした衚珟ずは曞を構成する芁玠である線質字圢及び 構成等の芖点から叀兞それぞれの特質や曞颚を捉えお自身の衚珟に生かすずいうこず である。叀兞には楷曞や行曞をはじめずする曞䜓があり同じ曞䜓であっおも甚筆・ 運筆の違いなどから生じる様々な曞颚がある。叀兞における線質字圢構成は叀兞の よさや矎しさを圢づくる重芁な芁玠であり衚珟効果や颚趣ずも深く関わるものである。 これらにより具䜓化されお捉えられる叀兞の曞颚は分析的に捉えられた叀兞のよさや矎 しさずいうこずになる。 指導に圓たっおは叀兞の臚曞掻動を通しお線質字圢構成を生かした衚珟の技胜 を身に付けるずずもに叀兞のよさや矎しさの捉え方に぀いお考えるこずで技胜の向䞊 に぀なげられるよう指導を工倫するこずが倧切である。たた䜜品を構想し衚珟を工倫す るために必芁な効果的な衚珟の技胜を身に付けるこずができるよう生埒の実態に応じ お取り扱う叀兞や指導の順序等を工倫するこずが倧切である。 3  仮名の曞   仮名の曞に関する次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。  ア   知識や技胜を埗たり生かしたりしながら次の ア 及び む に぀いお構想し工倫 するこず。    ア   叀兞の曞颚に即した甚筆・運筆字圢党䜓の構成    む   意図に基づいた衚珟 第2 ç«  各科目 286
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 む 次の ア 及び む に぀いお理解するこず。    ア 甚具・甚材の特城ず衚珟効果ずの関わり    む 線質や曞颚ず甚筆・運筆ずの関わり  り 次の ア 及び む の技胜を身に付けるこず。    ア 叀兞に基づく基本的な甚筆・運筆    む 連綿ず単䜓線質や字圢を生かした衚珟 ここでは 「曞道」における「 3 仮名の曞」に関する指導事項を瀺しおいる。 「仮名の曞」ずは仮名を曞いた曞ずいう意味で特に平安時代の「仮名の曞」の䌝統 に立脚した曞をいう。挢字を亀えた詩歌や文章語句などの堎合でも平安時代の「仮名 の曞」の䌝統を螏たえお衚珟されおいる曞は「仮名の曞」である。 䞉分野に関わる筆墚玙等の甚具 ・ 甚材の扱いに぀いおは 「 1 挢字仮名亀じりの曞」 の指導事項のむ ア の解説に瀺しおいるがそれぞれの分野の特質を螏たえ䞻に「仮名 の曞」に関わるこずに぀いおは 「 3 仮名の曞」のむ ア の解説に瀺しおいる。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお䜜品を構想し衚珟を工倫するこずがで きるよう指導するこずが倧切である。 ア  知識や技胜を埗たり生かしたりしながら次の ア 及び む に぀いお構想し工倫す るこず。 この事項は 「 3 仮名の曞」における「思考力刀断力衚珟力等」に関する資質・胜 力であり䜜品を構想し衚珟を工倫しお衚すこずをねらいずしおいる。 「 3 仮名の曞」に 関わる「知識」はむ 「技胜」はりに瀺しおいる。 「 3 仮名の曞」の孊習では䜜品を構想し衚珟を工倫する過皋で新たな知識や技胜を 習埗するこず既に習埗しおいる知識や技胜を掻甚するこずの䞡方が倧切であるこずか ら 知識や技胜を埗たり生かしたりしながらずしおいる。このように知識や技胜の習埗は 䜜品を構想し衚珟を工倫する過皋で行われるものである。 ここでは知識及び技胜を習埗しおから構想し工倫するずいった順序性をもっお育成 するものではないこずに留意する必芁がある。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお䜜品を構想し衚珟を工倫するこずがで きるよう指導するこずが倧切である。 ア 叀兞の曞颚に即した甚筆・運筆字圢党䜓の構成 この事項は 「 3 仮名の曞」における「思考力刀断力衚珟力等」に関する資質・胜 力であり叀兞の曞颚に即した甚筆・運筆字圢党䜓の構成を構想し工倫するこずをね 10 曞道Ⅰ 287
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らいずしおいる。 「仮名の曞」は平安時代の「仮名の曞」を基盀ずしおいるずころから小・䞭孊校囜 語科の曞写で孊習した仮名特に行曞に調和する仮名ずの関連に配慮する必芁があるが 甚筆・運筆字圢や線質には倧きな違いがある。 「仮名の曞」の叀兞の孊習を通しお甚 筆・運筆字圢党䜓の構成に぀いお衚珟効果ずの関連を考えお䜜品を構想し衚珟を工 倫するこずが倧切である。 「仮名の曞」の叀兞ずは䞀般に「叀筆」ずも称される兞麗・優雅な平安時代の仮名の 叀兞を指す。その曞颚は時代ごずの矎意識を反映し実に倚圩である。 曞颚ずは線質字圢構成などからもたらされる曞きぶりであり甚筆・運筆の違い などから生じる筆者や䜜品ごずの様々な衚珟䞊の特城をいう。 叀兞の曞颚に即したずは叀兞の臚曞掻動を通しお 「仮名の曞」の甚筆・運筆及びそ こに芋られる線質字圢党䜓の構成等を構想し工倫するこずに生かすこずを指す。 「臚曞」ずは曞の叀兞ず向き合い孊習するこずであり臚曞ずいう蚀葉は創䜜に察応 させお甚いられるこずが倚い。 「仮名の曞」における臚曞には原本に極めお忠実に原寞 で行う方法ず䞭字・倧字仮名等ぞの展開を芋据えお拡倧しお行う方法ずがある。鑑賞ず の関連を図りながら叀兞を粟遞しお臚曞するこずによっお甚筆・運筆の技胜を身に付 けさらに字圢の特城党䜓の構成を生かしお衚珟を工倫するこずができるようになる。そ の際 臚曞の孊習が技胜習埗のみを目指した掻動に偏らないようにするこずが重芁である。 甚筆・運筆の甚筆ずは筆の䜿い方たた筆毛の働かせ方のこずであり柔らかさず 匟力性のある毛筆を䜿いこなすための技胜をいう。たた運筆ずは筆の運び方のこずで ある。様々な叀兞の曞颚に即した甚筆・運筆の技胜を習埗するこずで䜜品を構想し衚珟 を工倫する力を䌞ばすこずができる。 教材ずしお取り䞊げる叀兞は基本的な甚筆や運筆のものを遞定する必芁があり端正 で優矎な筆跡が適しおいる。実際に叀兞を臚曞するこずで実感的に「仮名の曞」の線の 矎に察する感性を逊うこずにも぀ながる。 字圢ずは造圢的な矎しさを䌎った文字の圢のこずである。仮名の字圢は䞭孊校囜語 科の曞写でも孊習した字源が倧きく関わっおおり各字の成り立ちや字源に基づいお基本 圢が捉えられる。ただし数文字を連続しお曞く「仮名の曞」の特質から平仮名や倉䜓 仮名の字圢が䞀定の字圢に固定しおいないこずにも留意する必芁がある。 党䜓の構成ずは構築的芁玠を指し党䜓ずしおどのようにたずめるかずいう玙面構成 のこずであり叀来垃眮ずか章法ず蚀われおきたこずに圓たる。党䜓の構成には文字 の倧小や線の肥痩はもちろん文字矀の配列字間や行間䞊䞋倩地 ・巊右の䜙癜 墚の濃淡・最枇などの芁玠が関わっおいる。 「仮名の曞」では平安時代以来詞 こずばがき 曞や歌などを芏則正しく配列した「行曞き」の他 行の長短や詞 こずばがき 曞の高䜎 行間の䜙癜を生かした構成ずしお 「散らし曞き」も行われおきた。 散らし曞きは 「仮名の曞」の矎を圢づくる重芁な芁玠でありその矎しさを感受し自 己の衚珟に生かそうずするこずは我が囜の䌝統的な曞の矎に察する感性を逊うこずにも ぀ながる。 第2 ç«  各科目 288
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指導に圓たっおは臚曞掻動を通しお実感的に身に付けた叀兞の曞颚に即した甚筆・ 運筆字圢党䜓の構成に぀いおの知識や技胜を衚珟効果ず関連付けお考えるこずによ り創䜜掻動における䜜品の構想や衚珟の工倫に生かすこずができるようにするこずが倧 切である。 む 意図に基づいた衚珟 この事項は 「 3 仮名の曞」における「思考力刀断力衚珟力等」に関する資質・胜 力であり意図に基づいた衚珟を構想し工倫するこずをねらいずしおいる。 この事項は䞻ずしお創䜜掻動に関する内容であるが臚曞掻動にも圓おはめるこずが できる。 意図ずは内的欲求や倖的刺激による感動によっお起こる衚珟掻動の原点ずいうべきも のである。臚曞掻動に際しおは扱う叀兞を遞定する段階からの衚珟の意図を創䜜掻動 に際しおはたず䜕をどのように衚珟したいのかずいう意図を蚭定し䜜品の構想を「仮 名の曞」の特質に即しお緎り䞊げおいく。生埒自ら衚珟意欲を高め甚具 ・ 甚材を遞定し 線質字圢党䜓の構成墚色䜙癜など様々な面から構想し衚珟を工倫するこずに取 り組めるよう生埒の䞻䜓性を尊重するこずが倧切である。 「創䜜」ずは新たなものを䜜りだし䜜者自身の珟圚を衚珟しようずするこずであり 新たな矎を䜜りだそうずする胜動的な掻動である。臚曞掻動を通しお身に付けた技胜を生 かしながら普遍性に裏打ちされた自己の衚出ずしおの衚珟掻動を行い 「仮名の曞」の 矎に察する感性を逊い新たな矎を生み出すこずを目指し生埒が䞻䜓的に考えられるよ う指導を工倫するこずが倧切である。 指導に圓たっおは 「仮名の曞」が我が囜の䌝統に立脚しおいるこずを螏たえ 「仮名の 曞」の叀兞のも぀䌝統的な矎を感受するずずもに䞻䜓的な意図に基づいお䜜品の構想ず 衚珟の工倫に取り組めるようにするこずが倧切である。 む 次の ア 及び む に぀いお理解するこず。 この事項は 「 3 仮名の曞」における「知識」に関する資質・胜力であり 「仮名の曞」 の衚珟の方法や圢匏倚様性などに぀いお幅広く理解するこずをねらいずしおいる。 ここでの「知識」は䜜品を構想し衚珟を工倫する過皋を通しお実感的に習埗されるも のであり甚具・甚材の名称や甚語等を蚘憶するこずを目的ずするような掻動にならない ようにするこずが重芁である。たた知識を習埗しおから構想し工倫するずいった順序 性をもっお育成するものではないこずに留意する必芁がある。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお実感的に理解できるよう指導するこず が倧切である。 10 曞道Ⅰ 289
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ア 甚具・甚材の特城ず衚珟効果ずの関わり この事項は 「 3 仮名の曞」における「知識」に関する資質・胜力であり甚具・甚材 の特城ず衚珟効果ずの関わりに぀いお理解するこずをねらいずしおいる。 甚具・甚材ずは曞を衚珟するために甚いる様々な道具・材料をいう。甚具・甚材は それぞれの皮類や圢状によっお特性や機胜が異なりここでは特性や機胜を総じお特城ず しお瀺しおいる。たたそれらの甚い方や扱い方によっお同じ文字を曞く堎合にも衚珟 は倧きく巊右される。したがっお甚具・甚材の特城を理解し初期の孊習段階から適切 に扱うこずができるよう配慮するこずが倧切である。その際䞭孊校囜語科の曞写におけ る甚具 ・ 甚材の䜿甚実態を螏たえ 「仮名の曞」の衚珟掻動に適した基本的なものを䞭心に その甚い方や扱い方などを確実に理解できるようにするこずが倧切である。 「仮名の曞」では小筆を甚いるこずが倚いが匟力があり穂先のたずたりのよいもの が適しおいる。䞀般的に穂先から分のほどおろしお甚いるこずが倚い。たた墚に぀ いおは 「仮名の曞」に必芁な暢 ちょう た぀ 達した線質を埗るためにも磚 た 墚 がく するこずを心がけたい。 玙は通垞仮名甚半玙や掋玙のロヌル玙など滑らかで滲 にじ たず墚もちのよい玙を甚 いる。叀来より 「仮名の曞」 で䜿甚されおきた矎麗な加工を斜した料玙に觊れるこずは 「仮 名の曞」ぞの興味を高めるずずもに甚具・甚材ず衚珟効果ずの関わりを実感的に理解す るこずに぀ながるず考えられる。 たた甚具・甚材の甚い方扱い方や手入れの方法の指導に加えそれらを倧切に扱う 態床を逊うこずが必芁でありそのこずが文字や曞を愛奜する心情を育おるこずに぀なが っおいくのである。 なお仮名を倧字で曞く堎合は加工玙などを甚いるこずも倚いが筆や墚は「 1 挢 字仮名亀じりの曞」や「 2 挢字の曞」に準じおよい。 甚具・甚材の特城ず衚珟効果ずの関わりに぀いおは甚具・甚材の特城によっお線質 等の曞を構成する芁玠そこから生じる衚珟性や衚珟効果が倉わるこずを実感的に理解で きるようにするこずが倧切である。 指導に圓たっおは甚具・甚材の特城が「仮名の曞」の衚珟効果及び「仮名の曞」の矎 に倧きく関わるこずを実感的に理解できるよう皮類等の違いのある甚具・甚材を䜓隓す る掻動を蚭定するこずが倧切である。 む 線質や曞颚ず甚筆・運筆ずの関わり この事項は 「 3 仮名の曞」における「知識」に関する資質・胜力であり線質や曞颚 ず甚筆・運筆ずの関わりに぀いお理解するこずをねらいずしおいる。 線質ずは曞かれた線のも぀性質を指し線の匷さ豊かさ艶やかさ軜やかさ険 しさ深さなどの質感を指す。叀筆ず称される兞麗・優雅な平安時代の仮名の叀兞に芋ら れる線質は䞀般的に線が现く曲線的で流れるような埋動感がある。 曞颚ずは線質字圢構成などからもたらされる曞きぶりであり甚筆・運筆の違い 第2 ç«  各科目 290
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などから生じる筆者や䜜品ごずの様々な衚珟䞊の特城をいう。 甚筆・運筆の甚筆ずは筆の䜿い方たた筆毛の働かせ方のこずであり運筆ずは 筆の運び方のこずを指す。ただし甚筆・運筆ずいう語は叀来様々な甚いられ方をしお きおおり甚筆ず運筆の解釈にも諞説がある。 甚筆・運筆は姿勢や執筆法ず深く関連しおいる。執筆法ずは筆の持ち方のこずで単 たん 鈎 こう 双 そう 鈎 こう ずいった指法や懞 けん 腕 わん 提 おい 腕 わん 枕 ちん 腕 わん などの腕法などがある。 線質や曞颚ず甚筆・運筆ずの関わりずは 「仮名の曞」特有の線質や叀兞の曞颚がどの ような甚筆・運筆によっお生み出されおいるのかを理解するこずである。 「 3 仮名の曞」の孊習では小・䞭孊校囜語科の曞写で孊習しおきた指法・腕法ずいっ た執筆法を曎に発展させたものずなりたた甚筆・運筆に぀いおも 「仮名の曞」特有 の筆運びや埋動性・リズム連綿に象城される文字矀の捉え方䜙癜ぞの意識などに぀い お新たに孊習し理解するこずが求められるため段階的に指導する必芁がある。 たた叀兞の臚曞掻動を通しお運筆の遅速緩急たた墚色や墚量の違いにより線 質が倉化するこずを実感するこずでそれが曞颚の違いず関わっおいるこずを理解するこ ずに぀ながるよう指導するこずが倧切である。 指導に圓たっおは 「鑑賞」ずの関連を図り臚曞掻動を通しお線質や曞颚ず甚筆・ 運筆ずの関わりを理解しこれを創䜜掻動における䜜品の構想ず衚珟の工倫に生かせるよ うにするこずが倧切である。 り 次の ア 及び む の技胜を身に付けるこず。 この事項は 「 3 仮名の曞」における「技胜」に関する資質・胜力であり曞の䌝統に 基づき 「仮名の曞」を効果的に衚珟するための基瀎的な技胜を身に付けるこずをねらい ずしおいる。 ここでの「技胜」は䜜品を構想し衚珟を工倫する過皋を通しお実感的に育成されるも のである。技胜は䞻ずしお臚曞掻動を通しお身に付けるが技胜を習埗するこずのみを 目的ずする掻動にならないようにするこずが重芁である。たた技胜を習埗しおから構 想し工倫するずいった順序性をもっお育成するものではないこずに留意する必芁がある。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお実感的に身に付けられるようにするこ ずが倧切である。 ア   叀兞に基づく基本的な甚筆・運筆 この事項は 「 3 仮名の曞」における「技胜」に関する資質・胜力であり叀兞に基づ く基本的な甚筆・運筆の技胜を身に付けるこずをねらいずしおいる。  叀兞に基づくずは叀兞による臚曞掻動を指し臚曞掻動を通しお「仮名の曞」の基本 的な甚筆・運筆の技胜を身に付けるこずである。 10 曞道Ⅰ 291
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「仮名の曞」における基本的な甚筆・運筆に぀いおは特に穂先の働かせ方起筆・ 送筆・収筆などの筆䜿いが重芁である。 「仮名の曞」は盎線曲線転折円運動結び などで構成され甚筆・運筆によっお線質が倉化する。すなわち盎線では速く曲線で はゆったりず運筆し転折では䞀旊止めお穂先の匟力を生かしお突き返すずいった 「仮 名の曞」の基本的な甚筆・運筆の技胜を身に付けるこずが倧切である。 指導に圓たっおは臚曞掻動を通しおその曞颚を生み出しおいる基本的な甚筆・運筆 の技胜を 衚珟効果ずの関わりを螏たえお身に付けるこずが重芁であり 我が囜特有の「仮 名の曞」の矎に察する感性を逊うこずにも぀なげられるよう指導するこずが倧切である。 む 連綿ず単䜓線質や字圢を生かした衚珟 この事項は 「 3 仮名の曞」における「技胜」に関する資質 ・ 胜力であり連綿ず単䜓 線質や字圢を生かした衚珟の技胜を身に付けるこずをねらいずしおいる。 連綿ずは 二文字以䞊を぀なげお曞くこず 単䜓ずは 仮名の䞀文字を指す。埓来の「仮 名の曞」の孊習では単䜓を先習し連綿ぞず展開するこずが行われおきた。しかし字 圢に泚目したずき単䜓孊習の前提ずしお仮名の単䜓の字圢が必ずしもその字圢に固定 されたものではなく連綿によっお倉化するずいうこずに留意する必芁がある。たた仮 名は衚音文字であり蚀語ずしお二文字以䞊によっお意味を成すため蚀語ずしおの「時 間性」に基づき必然的に䜕文字かが連続しお曞かれる連綿の䞭で字圢が圢成されおき たこずに配慮しお指導するこずが重芁である。 線質ずは曞かれた線のも぀性質を指し線の匷さ豊かさ艶やかさ軜やかさ険 しさ深さなどの質感をいう。連綿線は文字ず文字の接続線であるだけはなくそこに 衚れる線質が「仮名の曞」の矎の重芁な芁玠であるずずもに線質及び連綿ずいう「運動 性」が「仮名の曞」特有の衚珟ずなり倚様な曞颚ひいおは「仮名の曞」特有の衚珟性 や颚趣を生み出しおいるこずを理解できるように指導するこずが倧切である。 連綿ず単䜓線質や字圢を生かした衚珟の技胜を身に付けるためにはたず連綿の孊習 に぀いお運筆の埋動性や筆脈の把握を通しお文字ず文字を無理なく自然に続ける衚珟 ずしお捉えその技胜を身に付けるこずが倧切である。連綿の芖点で「仮名の曞」を捉え るこずにより 「仮名の曞」の特質及びそれを構成する諞芁玠の特性ぞの理解が深たり それにより「仮名の曞」の技胜の捉え方も深められるこずになる。単䜓の孊習では平仮 名ず倉䜓仮名に぀いお基本ずなる字圢ず基本的な甚筆・運筆を孊習するこずから始める が初めお孊習する倉䜓仮名に぀いおは身近な甚䟋を瀺すなどしお関心を高め衚珟の 工倫ぞず぀なげられるよう指導を工倫するこずが倧切である。たた 「鑑賞」ずの関連 を図り片仮名も含め各文字の字源や成立過皋を螏たえるこずで筆順や字圢の理解に も぀なげるように指導するこずが倧切である。 指導に圓たっおは䜜品を構想し衚珟を工倫するために必芁な効果的な衚珟の技胜を身 に付けるこずができるよう生埒の実態に応じお取り扱う叀兞や指導の順序等を工倫す るこずが倧切である。 第2 ç«  各科目 292
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 鑑 賞 鑑賞に関する資質・胜力を次のずおり育成する。 「鑑賞」に぀いおはアは「思考力刀断力衚珟力等」 むは「知識」に関する資質 ・ 胜力を瀺しおいる。 1 鑑賞   鑑賞に関する次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。  ア  鑑賞に関わる知識を埗たり生かしたりしながら 次の ア 及び む に぀いお考え 曞のよさや矎しさを味わっお捉えるこず。    ア 䜜品の䟡倀ずその根拠    む 生掻や瀟䌚における曞の効甚  む 次の ア から ゚ たでに぀いお理解するこず。    ア 線質字圢構成等の芁玠ず衚珟効果や颚趣ずの関わり    む 日本及び䞭囜等の文字ず曞の䌝統ず文化    り 挢字の曞䜓の倉遷仮名の成立等    ゚ 曞の䌝統的な鑑賞の方法や圢態 ここでは 「曞道Ⅰ」における「鑑賞」に関する指導事項を瀺しおいる。 今回の改蚂ではアは鑑賞領域における「思考力刀断力衚珟力等」に関する事項を むは「知識」に関する事項を瀺しおいる。 「曞道」では曞の衚珟の方法や圢匏倚様性などに぀いお理解したり䜜品や曞の 䌝統ず文化の意味や䟡倀に぀いお考え曞のよさや矎しさを味わい捉えたりするこずをね らいずしおいる。 たた埓前では「曞の矎しさず衚珟効果」ず瀺しおいた内容を鑑賞の芳点を䞀局明確 にするために線質字圢構成等の芁玠ずそれら諞芁玠の衚珟効果や颚趣ずの関わりず 具䜓的に瀺すこずずした。 鑑賞ずは衚珟されたものの特性衚珟効果䟡倀などを矎に察する感受性や知的理 解の面から味わうこずである。曞の堎合は 衚珟された文字の造圢的な矎しさに止たらず 曞特有の倚様な衚珟性が合わさるこずから滲 にじ み出る颚趣たたそこに蟌められた筆者の 思いを芋お楜しむずずもに䜜品の筆者・時代・内容・圢匏などを探求するずいうこずを 指しおいる。曞の有するよさや矎しさは筆者の意図するずころであるが同䞀人が時ず 堎合によっお衚珟ず鑑賞のいずれの立堎にも立ち埗る。したがっお䜜品を構想し衚珟を 工倫するために名筆を鑑賞するこずや鑑賞を深めるために実際に曞くこずはずもに必 芁なこずである。このように衚珟ず鑑賞ずは盞互に有効に䜜甚するものであるので衚 珟の掻動に偏るこずなく衚珟ず関連付けお鑑賞に぀いお指導するこずが倧切である。た た鑑賞は「衚珟」の臚曞の孊習の充実を図る䞊でも重芁である。 10 曞道Ⅰ 293
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今回の改蚂においおも鑑賞の指導を䞀局重芖しおおり生埒が楜しく曞に関わり曞 のよさや矎しさを語るこずができるようにするずいう芖点から鑑賞の授業を工倫するこ ずが求められる。生埒を取り巻く文字環境から曞のよさや矎しさを発芋しそれを味わう ずずもに生涯にわたり曞に芪しみ曞を愛奜する心情や豊かな心の育成を図るこずが倧 切である。 扱う教材ずしおは 「 1 挢字仮名亀じりの曞」では平安時代の名筆から近珟代の䜜品 「 2 挢字の曞」では䞭囜・日本の各曞䜓の叀兞の名跡から近珟代に至る䜜品 「 3 仮名の 曞」では平安時代の叀兞の名跡から近珟代に至る䜜品にたで芖野を広げ生埒の実態に応 じお適切な教材を遞択するこずが倧切である。 たたこれらの豊富な教材を敎理しお系統的に提瀺するこずが倧切であり実物や印刷 物の他芖聎芚機噚情報機噚地域の文化財や人材矎術通や博物通などの斜蚭を掻甚 したり盎接䜓隓したりするこずも考えられる。 指導に圓たっおは 「思考力刀断力衚珟力等」ず「知識」ずを関連させお指導する ずずもに 「衚珟」の孊習ずの関連を図るこずに留意するこずが倧切である。 ア  鑑賞に関わる知識を埗たり生かしたりしながら次の ア 及び む に぀いお考え 曞のよさや矎しさを味わっお捉えるこず。 この事項は鑑賞領域における「思考力刀断力衚珟力等」に関する資質・胜力であ り䜜品や曞の䌝統ず文化の意味や䟡倀を考え曞のよさや矎しさを味わっお捉えるこず をねらいずしおいる。鑑賞領域に関わる「知識」はむに瀺しおいる。 「曞道Ⅰ」では曞の矎を味わっお捉える過皋で新たな知識を習埗するこずや既に 習埗しおいる知識を掻甚するこずの䞡方が倧切であるこずから知識を埗たり生かしたり しながらずしおいる。このように知識の習埗は曞のよさや矎しさを味わっお捉える過 皋で行われるものである。ここでは知識を習埗しおから曞を味わっお捉えるずいった 順序性をもっお育成するものではないこずに留意する必芁がある。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお曞のよさや矎しさを味わっお捉えるこ ずができるようにするこずが倧切である。 ア 䜜品の䟡倀ずその根拠 この事項は鑑賞領域における「思考力刀断力衚珟力等」に関する資質・胜力であ り䜜品の䟡倀ずその根拠に぀いお考え曞のよさや矎しさを味わっお捉えるこずをねら いずしおいる。 䜜品の䟡倀ずは叀兞の曞跡近珟代の名筆生埒自身が曞いた䜜品を含めたあらゆ る曞に察しお感じられるよさや矎しさたたそのよさや矎しさに察する評䟡をいう。 その根拠ずは曞によさや矎しさをもたらす基本ずなる曞を構成する芁玠である線質 第2 ç«  各科目 294
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字圢構成それらにより生じる倉化や埋動などの衚珟性やそれらが耇合しお生じる調 和などの衚珟効果や颚趣をいう。人が曞のよさや矎しさを感じるのはこれらに矎的䟡倀 を芚えるからである。ここでの線質ずは線の匷さ豊かさ艶やかさ軜やかさ険し さ深さなどの質感であり字圢ずは文字の造圢及びその矎しさなどである。たた構 成ずは曞かれた文字の倧小字間や行間䜙癜点画の䜍眮方向長短曲盎肥痩 などの矎的調和であり颚趣ずは厇高枅朔枩雅泰然など党䜓から感じられる颚 韻や趣味わいである。これらの芁玠・芳点から䜜品の䟡倀ずその根拠を考え曞のよ さや矎しさを味わっお捉えるこずができるようにするこずが倧切である。 䜜品のよさや矎しさの根拠は生埒が自らの感性に觊れ第䞀印象ずしお挠然ずよいず 感じたりあるいは匷いゆったりずしおいるなどず感じた盎感的感芚を分析的に探求 する䞭で芋぀け出すものである。こうした盎感的鑑賞は鑑賞の基瀎ずなる。盎感的に把 握された䜜品や曞のよさや矎しさを曎に分析的に捉えるためにはその根拠を探るための 芳点を孊習するこずが必芁になる。そのため初期の段階では評䟡が定たっおいる叀兞 を察象にし生埒の理解に応じお他の叀兞ず察比したり線質字圢構成等の曞を構 成する芁玠倉化埋動性情等の衚珟性さらには調和等の衚珟効果や颚趣に関する 芳点を瀺唆したり叀兞に関連する知識を提瀺したりする方法が考えられる。 指導に圓たっおは 「 1 挢字仮名亀じりの曞」  「 2 挢字の曞」及び「 3 仮名の曞」  さらに生埒の䜜品を含む身の回りの曞などに぀いお幅広く関心を抱けるようにし生 埒が感じた第䞀印象を自らの蚀葉で衚珟するだけでなくその印象をもたらす根拠に぀ いお考えるこずができるよう指導するこずが倧切である。たた蚀語掻動を通しお感じ たこずを蚀葉で衚珟したり考えを䌝え合い深めたりするこずも倧切である。 なお生埒の関心や孊習状況に応じお自身の䜜品や他者の䜜品を鑑賞の察象ずし衚 珟掻動ずの関連を図った指導を工倫するこずが倧切である。 む   生掻や瀟䌚における曞の効甚 この事項は鑑賞領域における「思考力刀断力衚珟力等」に関する資質・胜力であ り生掻や瀟䌚における曞の効甚に぀いお考え曞のよさや矎しさを味わっお捉えるこず をねらいずしおいる。 生掻や瀟䌚における曞の効甚ずは 生掻や瀟䌚においお 曞がどのような圹割を果たし 圱響を及がしおきたかを指す。曞は芞術性のみではなく実甚性をも兌ねそなえ盞互に 関連し合いながら発展しおきおおり生掻や瀟䌚における曞の効甚は倧きく文化ずしお の偎面もも぀こずから奥が深い。 人は蚀語を通しお物を考え意思の疎通を図り様々な歎史の事実や文化を䌝えおき た。蚀語には音声蚀語ず文字蚀語ずがあるが埌者は時間ず距離を超越しお内容を䌝達 するこずのできる人類独自の文化である。文字は様々な方法によっお衚珟されるが最も 䞀般的に行われるのは「曞く」ずいう行為である。 珟代では 様々な情報機噚の普及により 文字を曞く堎面が次第に枛少する傟向にあり 10 曞道Ⅰ 295
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毛筆の䜿甚は特別な掻動や非日垞的な堎面に限られるようになり぀぀ある。しかし身 の回りには䟝然ずしお衚札看板をはじめ野倖の石碑曞籍の題字莈答品の衚曞き ポスタヌラベルなど毛筆で曞かれた文字を芋かけるこずは倚い。これは毛筆や手曞 きによる衚珟の効果や䟡倀が瀟䌚で共有されおいるためであろう。 たた日垞的な手曞き文字の他にも曞き初めや賞状など文化の䞀郚を担う毛筆の䜿 甚や曞に魅力を感じお宀内に食ったり矎術通や博物通展芧䌚に足を運んで曞を鑑賞 したりするこずもよく行われおいる。珟代の生掻や瀟䌚における曞は実甚曞の他染曞 や陶曞などの工芞的な芁玠の倚いものたで広く応甚されおいる。 指導に圓たっおは䜜品や曞に目を向けるだけではなくこうした生掻や瀟䌚の䞭で果 たしおいる幅広い曞の圹割に぀いお考えるようにするこずが倧切である。曞が日垞生掻の 䞭で䜕気ない圢で効甚を発揮し掻甚されおいるこずに気付くこずは曞ぞの興味・関心を 育おるずずもに曞の孊習で埗たものを自らの生掻や瀟䌚の䞭で䞻䜓的に生かす意識を育 み曞を通しお心豊かに生掻や瀟䌚を創造しおいく態床を逊うこずにも぀ながっおいる。 む 次の ア から ゚ たでに぀いお理解するこず。 この事項は鑑賞領域における「知識」に関する資質・胜力であり曞の衚珟の方法や 圢匏倚様性などに぀いお幅広く理解するこずをねらいずしおいる。 ここでの「知識」は曞のよさや矎しさを味わっお捉える過皋を通しお実感的に習埗さ れるものであり䜜品の名称や鑑賞に関する甚語等を蚘憶するこずを目的ずするような掻 動にならないようにするこずが重芁である。たた知識を習埗しおから曞のよさや矎し さを味わっお捉えるずいった順序性をもっお育成するものではないこずに留意する必芁が ある。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお実感的に理解できるよう指導するこず が倧切である。 ア   線質字圢構成等の芁玠ず衚珟効果や颚趣ずの関わり この事項は鑑賞領域における「知識」に関する資質・胜力であり線質字圢構成 等の芁玠ず衚珟効果や颚趣ずの関わりに぀いお理解するこずをねらいずしおいる。 線質ずは線の匷さ豊かさ艶やかさ軜やかさ険しさ深さなど様々な質感を 有する線に関わる特性を指す。線質は無限に倉化し 「造圢性」だけでは語り぀くせな い曞の特質を担っおいる。 字圢ずは造圢的な矎しさを䌎った文字の圢をいい筆順や甚筆・運筆における「運動 性」などの諞芁玠ず結び぀いお衚出する。 構成ずは文字単䜍の構成ず党䜓の構成のこずをいう。文字単䜍の構成は文字党䜓ず その文字を構成する個々の点画に现分できる。党䜓の構成は文字の倧きさ文字矀の配 第2 ç«  各科目 296
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列字間や行間䞊䞋倩地 ・巊右の䜙癜などに现分できる。 颚趣ずはこれら諞芁玠の特性の働きによっお生じる様々な衚珟性が重局的・耇合的に 合わさるこずにより䜜品党䜓から滲 にじ み出る様々な颚韻や趣味わいをいう。 線質字圢構成等の芁玠ず衚珟効果や颚趣ずの関わりずは線質字圢構成等の芁 玠により生じる衚珟性ずそれらがもたらす衚珟効果や颚趣ずの関係を指し 「衚珟」 ず「鑑賞」の盞互の関連を図る孊習により理解が深められるこずになる。 指導に圓たっおは曞のよさや矎しさを生む諞芁玠及びそれらの特性の働きによっお生 じる衚珟性衚珟効果や颚趣のそれぞれの関係に぀いお孊習段階に応じお実感的に理解 できるよう工倫し曞の衚珟の倚様性に぀いお幅広く理解できるようにするこずが倧切で ある。たた鑑賞掻動で育成される資質 ・ 胜力は臚曞掻動や創䜜掻動における「思考力 刀断力衚珟力等」ず関連が図られるこずで䞀局深たっおいくものであり 「鑑賞」に おいお習埗した知識ず 「衚珟」の構想ず衚珟の工倫ずが連動するようにするこずが倧 切である。 む   日本及び䞭囜等の文字ず曞の䌝統ず文化 この事項は鑑賞領域における「知識」に関する資質・胜力であり日本及び䞭囜等の 文字ず曞の䌝統ず文化に぀いお理解するこずをねらいずしおいる。 文字ず曞の䌝統ず文化ずは日本及び䞭囜等における文字文化の歎史ず今日に至る長 い曞の歎史の䞭で育たれた䌝統ず文化の広がりをいう。 ゚ゞプトメ゜ポタミアむンド䞭囜は䞖界の叀代文明発生の地ずいわれそれぞ れに文字文化を有しおいたこずが䌝えられおいる。しかしそれらの倧半は消滅しおした い唯䞀挢字だけが今も継続しお䜿甚されおいる状況にある。 日本及び䞭囜等ずは毛筆で曞かれた文字が曞ずしお芞術の領域たで昇華しおいる日 本䞭囜朝鮮半島など䞻ずしお東アゞアに属する挢字文化圏を指しおいる。 挢字が䌝わる以前の我が囜は固有の曞き蚀葉をもっおおらず圓初は䞭囜朝鮮半島 等を経由しお䌝わった挢語を咀 そ 嚌 しゃく し受容しおいった。その埌挢語を消化しおいく䞭で 片仮名が工倫された。たた日本語を挢字で衚蚘しようずしおいく過皋で草仮名倉䜓 仮名平仮名を生み出しやがお挢字ず䜵せお衚蚘するこずが行われるようになった。 我が囜ず䞭囜は政治経枈文化の亀流が深く我が囜の曞も䞭囜の曞を受容するこず から始たりやがお䞭囜の曞ずは異なる和様ず呌ばれる日本独自の曞の矎の衚珟を確立 しおいった。  指導に圓たっおは日本や䞭囜等における文字ず曞の䌝統ず文化の広がりや我が囜 が䞭囜の曞を受容し぀぀独自の曞の䌝統ず文化を圢成し発展させたこずに぀いお理解で きるようにするこずが倧切である。 り   挢字の曞䜓の倉遷仮名の成立等 10 曞道Ⅰ 297
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この事項は鑑賞領域における「知識」に関する資質 ・ 胜力であり挢字の曞䜓の倉遷 仮名の成立等に぀いお理解するこずをねらいずしおいる。 挢字の曞䜓の倉遷ずは篆 おん 曞隷曞草曞行曞及び楷曞の五぀の曞䜓の倉遷をいう。 仮名の成立ずは倉䜓仮名平仮名及び片仮名の皮類ず成立をいう。その際草曞ずの関 わりに぀いお觊れその関連を理解できるようにするこずが倧切である。 挢字はその実甚的な面からたた先人の感性により字画の敎理・簡略化筆䜿いの 合理化が行われたこずにより篆 おん 曞隷曞草曞行曞楷曞などの曞䜓が成立した。我 が囜では日本語を挢字で衚蚘しおいく過皋で我が囜独自の草仮名平仮名片仮名を 生み挢字ず䜵せお衚蚘するようになった。たた朝鮮半島においおは䞖玀にハング ルが䜜られおいる。 たた本来性栌を異にする挢字ず仮名を混甚するこずによっお日本語を衚蚘するに至っ た経緯に加えその調和矎を誇る平安朝の「仮名の曞」の叀兞から近珟代に至る文士等の 筆跡や広く評䟡される近珟代の名筆など様々な「挢字仮名亀じりの曞」を広く教材ず しお取り䞊げ 「挢字仮名亀じりの曞」の成立に぀いお実感的に理解できるようにするこ ずが倧切である。 指導に圓たっおは名称や成立順序等を蚘憶するこずを目的ずするような掻動にならな いよう留意し各時代の文化ず関連をもっおいるこずに觊れるなどその歎史的な展開の 䞭で理解できるようにするこずが倧切である。 ゚ 曞の䌝統的な鑑賞の方法や圢態 この事項は鑑賞領域における「知識」に関する資質・胜力であり曞の䌝統的な鑑賞 の方法や圢態に぀いお理解するこずをねらいずしおいる。 䌝統的な鑑賞の方法や圢態に぀いおは鑑賞の堎ず衚装の圢匏に倧別できる。 鑑賞の堎ずしお䟋えば日本の堎合生掻様匏の倉化に䌎っお床の間や茶宀曞斎な ど日本独自の建築様匏で曞は鑑賞されおきた。衚装の圢匏には壁面で鑑賞する圢匏の 代衚的なものに掛け軞がある。軞は条幅を衚装する䞀般的圢匏であるが他にも察句を巊 右の幅に曞き分ける察 ぀い 聯 れん 暪長の䜜品を巻物のような仕様にしお壁面に食る暪 おう 披 ひ 扁 ぞん 額 がく や 掋額色玙や短冊扇面や団 うちわ 扇たた屏 びょう 颚 ぶ や衝 ぀い 立 たお 襖 ふすた などもあげられる。䞀方机䞊で 鑑賞する圢匏には巻 かんす 子本冊子本折 おり åž– じょう がある。たた日本独自の圢匏に叀兞の断簡を 貌り蟌んだ手 お 鑑 かがみ や詩歌を曞写した懐 かい 箙 し がある。 生埒を取り巻く生掻や瀟䌚においおは倚様な文字文化が広がっおおり䟋えば神瀟 仏閣などの境内にある扁 ぞん 額 がく や石碑などを掻甚するこずも考えられる。孊校や生埒の実態に 応じおこうした地域の文化財や矎術通博物通などを掻甚するこずによっお鑑賞の堎 衚装の圢匏を実感的に理解できるようにするこずも倧切である。たた教科曞の他必芁 に応じお真跡拓本耇補印刷図版さらに芖聎芚機噚情報機噚等を効果的に掻甚 しお指導を工倫するこずが考えられる。 指導に圓たっおは䜜品が本玙だけではなく衚装ず䞀䜓化しお䞀぀の衚珟を生み出しお 第2 ç«  各科目 298