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いるこずを理解できるようにするこずが倧切である。たた教科曞で取り䞊げられる挢字 の叀兞の倚くは拓本によるものであるこずから拓本には石刻党䜓を芋るのに適した敎 本党 ぜん 搚 ずう 本や手元で现郚を芋るのに適した剪 せん 装 そう 本などの圢匏の違いがあるこずを理解 できるようにするこずも倧切である。 なお䜜品を鑑賞するにあたり鑑賞する䞊で守るべきマナヌを身に付けるこずや鑑 賞する際の心構えに぀いお理解できるよう指導するこずも倧切である。 10 曞道Ⅰ 299
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〔共通事項〕 〔共通事項〕 1 は今回の改蚂で新たに瀺した事項である。 衚珟及び鑑賞の孊習においお共通に必芁ずなる資質・胜力を次のずおり育成する。 〔共通事項〕は「衚珟」及び「鑑賞」の孊習においお共通に必芁ずなる資質・胜力 である。たたそれは感性を働かせ曞を曞を構成する芁玠やそれらが盞互に関連す る働きの芖点で捉え曞かれた蚀葉歎史的背景生掻や瀟䌚諞文化などずの関わりか ら曞の衚珟の意味や䟡倀を芋いだすこずであるず考えられる。曞に関する芋方・考え方 を働かせ衚珟及び鑑賞の掻動を通しお䞀䜓的に育成されるこずが重芁である。 今回の改蚂では 「衚珟」の「 1 挢字仮名亀じりの曞」  「 2 挢字の曞」及び「 3 ä»® 名の曞」  「鑑賞」  〔共通事項〕で内容の党䜓を構成し芞術科曞道においお育成を目指 す資質 ・ 胜力を䞀局明確にするずずもに生埒が感性を働かせお感じ取ったこずをもずに 思考刀断衚珟したり鑑賞したりする䞀連の孊習過皋を倧切にするこずを求めおいる。 「衚珟」  「鑑賞」及び〔共通事項〕の指導を通しお生埒䞀人䞀人が曞に関する 芋方・考え方を働かせ衚珟及び鑑賞に関する資質・胜力を高め生掻や瀟䌚の䞭の文字 や曞曞の䌝統ず文化ず幅広く関わるこずができるようにするこずを目指しおいる。 1  「衚珟」及び「鑑賞」の指導を通しお次の事項を身に付けるこずができる よう指導する。  ア  甚筆・運筆から生み出される曞の衚珟性ずその衚珟効果ずの関わりに぀いお理 解するこず。  む  曞を構成する芁玠に぀いおそれら盞互の関連がもたらす働きず関わらせお理 解するこず。 〔共通事項〕は 「衚珟」及び「鑑賞」の孊習においお共通に必芁ずなる資質・胜力 であり 「知識」に関する資質・胜力ずしお瀺しおおり 「衚珟」及び「鑑賞」の各事 項の指導ず䜵せおたたそれらの指導を通しお適切に指導する必芁がある。たた 〔共 通事項〕は 「 1 挢字仮名亀じりの曞」  「 2 挢字の曞」  「 3 仮名の曞」及び「鑑賞」 の孊習に共通の支えずなる知識であり曞の特質や曞の矎を捉えお衚珟したり鑑賞したり する䞊での芳点ずいうべきものでもある。同時に 〔共通事項〕 の䞭で瀺す曞独自の特質は 生掻の䞭での曞 芞術ずしおの曞の歎史や䌝統を圢づくっおきたものであり 我が囜の「蚀 語文化」  「文字文化」 曞の「芞術文化」を支える基盀でもある。 その指導内容は以䞋の四぀の芖点から捉えられる。 ① 時間性ず運動性 第2 ç«  各科目 300
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曞は蚀葉を曞き蚘す芞術であるこずから蚀葉による「時間性」を特質ずしお必然的 に担っおいる。たた蚘録された文字や文字矀衚珟された曞は時や時代を超えお継承 され生掻や瀟䌚の歎史ず䌝統をその「時間性」をもっお埌䞖に䌝えるこずで文化を圢 づくっおきた。 たた 曞は「䞀回性」ずいう特質をもっおいる。点画に基づく文字の構築性を芏範ずし 蚀語ずしおの組み立おや構造を蟿 たど り曞き進められる過皋に生じる「運動性」 ぀たり身䜓 の動きや甚筆・運筆における遅速や緩急玙面に察する筆圧の匷匱運筆の途䞭における 間などが そのたた芖芚化 ・ 具䜓化されるこずによる「䞀回性」は 曞の「時間性」ず「運 動性」によっお生じる特質である。   ② 曞の衚珟性 蚀葉の意味内容を正確に蚘録し䌝えるこずを超え 芞術ずしおの曞の衚珟では 曎に「い かに䌝えるか」が意図される。筆者の思いや感興を 曞の様々な特性を有効に機胜させお より矎しくより豊かに䌝えるこずが曞の衚珟の根幹でありそのために掻甚され工倫さ れる衚珟䞊の特性が「衚珟性」である。曞の「衚珟性」は重局的でありそれらが耇合的 に合わさっお生じる「衚珟効果」は曎に様々に倉容する。 曞の「衚珟性」ずは以䞋の③に瀺す「曞を構成する芁玠」の耇合的な働きにより生じ るもので 「倉化」  「埋動」  「性情」などがあげられる。 「衚珟性」が重局的・耇合的に合わさるこずにより曞の矎が生成される時その矎を矎 たらしめる衚珟䞊の効果が「衚珟効果」であり 背反する諞芁玠の「造圢性に基づく調和」 や 「蚀葉ず衚珟の調和」などがあげられる。こうした衚珟効果やそこに生成された矎は 鑑賞を通しお曎に「颚趣」ずしお捉えられる。 「颚趣」ずしおは力匷さや穏やかさ 爜やかさや静けさなどの盎感的な印象をはじめ䜜品党䜓から滲 にじ み出る颚韻趣雅臎 品栌などがあげられる。 ③ 曞を構成する芁玠 「 1 挢字仮名亀じりの曞」  「 2 挢字の曞」及び「 3 仮名の曞」の䞉分野に共通の「曞 を構成する芁玠」ずしお以䞋のものがあげられる。これは曞を曞ずしお成立させ曞 特有の「衚珟性」を生み出す具䜓的な曞の構成芁玠ずしお䜍眮付けられる。 ・ 甚具・甚材の特性や甚筆・運筆から生たれる「線質」 ・ 曞颚が端的に衚れ曞颚を圢づくる「字圢」 ・ 文字構成党䜓の構成等の「構成」 これらを支える芁玠ずしお さらに 「墚色」や「䜙癜」等を含めお考えるこずもできる。 䞊蚘の「曞を構成する芁玠」は䞉分野での独自性はあるものの䞉分野で共通に理解が 必芁であり衚珟や鑑賞の掻動を通しお実感的に理解を深めたり生かしたりするこずが 重芁である。 「曞を構成する芁玠」の特性を効果的に働かせるこずにより倚様な「衚珟性」 が生たれそれらが重局的・耇合的に合わさり様々な「衚珟効果」や「颚趣」がもたら されるこずになる。 10 曞道Ⅰ 301
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④ 造圢性ず空間性 曞は芖芚芞術であり造圢芞術である。それゆえ曞には芖芚によっお捉えられる文 字及び文字矀の造圢がある。衚珟においおは文字ずしおの芏範性を確保しながら衚珟 䞊の察象ずしお様々に文字及び文字矀の造圢を工倫するこずになる。均斉均衡倉化 統䞀等の「造圢性」に 「時間性」や「運動性」が生み出す「埋動性」が加わっお様々な「圢 態矎」が生じその先に「調和の矎」がもたらされる。加えお甚具・甚材による濃淡・ 最枇等の「墚色の矎」 甚筆・運筆や筆 ひっ 鋒 ぜう の開閉から生たれる「線の矎」も「造圢性」を 担うものずしお捉えるこずができる。 䞀方曞は平面芞術でありながら衚珟においおは蚀葉を曞き蚘し鑑賞においおは曞 かれた過皋曞きぶりを読み解くこずから 「時間性」を特質ずしおそなえおいる。たた 身䜓の動き 「運動性」がそのたた芖芚化・具䜓化される曞は平面の衚珟圢匏でありな がら立䜓的な運動がそこに刻たれ䜙癜にも芖芚䞊の造圢を超えた意味や䟡倀が蟌められ おいる。鑑賞においおも 蚀葉や運筆の぀ながりによる䜙韻や間を感じ取るなど 「運動性」 を読み取るこずが求められる。このように曞は 「時間性」ず「運動性」の耇雑な関連 に基づく曞独自の「空間性」を特質ずしお䜵せも぀。 そこで構想され鑑賞される矎は甚筆・運筆の「運動性」による動静緩急抑揚匷 匱䌞瞮軜重気脈等の「線の矎」や蚀葉及び運筆の「時間性」による「䜙癜の矎」 などずいうこずになる。さらに筆者の思いや感興を背景に 「時間性」や「運動性」  「空 間性」等の特質を匷く垯びお生じる曞の矎は曞のよさや矎しさの本質ずも蚀うべき「颚 趣」ぞず぀ながるこずになる。 䞊蚘の四぀の芖点のうち ①及び②は䞻に以䞋のア ③及び④は䞻に以䞋のむに圓たる。 ア  甚筆・運筆から生み出される曞の衚珟性ずその衚珟効果ずの関わりに぀いお理解 するこず。 この事項は芞術科曞道における「知識」に関する資質・胜力であり甚筆・運筆から 生み出される曞の衚珟性ずその衚珟効果ずの関わりに぀いお理解するこずをねらいずしお いる。 甚筆・運筆の甚筆ずは筆の䜿い方たた筆毛の働かせ方のこずであり運筆ずは 筆の運び方のこずを指す。甚筆・運筆を通しお筆者の思いや感興などが緩急・抑揚ずな り線の軜重や匷匱ずなっお衚れる。 曞は蚀葉を曞き蚘す芞術でありその過皋はおおよそ次のように進んでいく。 たず玙に察しお起筆に向かう空間での運動があり起筆し送筆を経お収筆に至り 䞀぀の点画ずなる。収筆は次の起筆ぞ続く運動を内包し空䞭での運動を経お次の点 画の起筆ぞず぀ながる。この繰り返しによっお䞀぀の文字ずなり文字矀ずなり蚀葉や 文章が圢成され 芖芚化されおいく。この䞀連の過皋における筆の䜿い方や運び方が甚筆 ・ 運筆であり玙に察する筆管及び穂の角床や筆圧速床の倉化等が䞀䜓ずなっお展開しお 第2 ç«  各科目 302
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いく。叀来甚筆には盎 ちょく 筆 ひ぀ ・偎筆方筆・円筆露 ろ 鋒 ほう ・蔵 ぞう 鋒 ほう 順筆・逆筆俯 ふ ä»° ぎょう 等の芁 玠があり運筆には筆圧の軜重遅速緩急筆脈・気脈等の芁玠があり䞡者は様々 に連動しあっお働く。ここでの甚筆・運筆は曞の衚珟を「時間性」ならびに「運動性」 の芖点から捉えるこずを瀺しおいる。 衚珟性ずは蚀葉による蚘録・䌝達の機胜を保ちながら 「いかに䌝えるか」を意図し 「曞を構成する芁玠」の特性を効果的に働かせより矎しくより豊かに䌝えるために掻 甚し工倫される曞独自の衚珟䞊の特質のこずである。 甚筆・運筆から生み出される曞の衚珟性ずは甚筆・運筆から生み出される倪现匷匱 遅速緩急等の䞻に「線質」に関わる「倉化」 甚筆・運筆における「埋動」 たた 「運 動性」の背景ずなる「性情」などを瀺しおいる。 衚珟効果ずは 䞊蚘の甚筆 ・ 運筆から生み出される「衚珟性」の他 様々な曞特有の「衚 珟性」が重局的・耇合的に耇雑に合わさるこずによっお生たれる矎を矎たらしめる衚珟 䞊の効果のこずである。 「衚珟効果」は曞特有の「衚珟性」の働きに加え鑑賞される 堎や方法・圢態や衚装の効果などにも圱響を受けたた鑑賞者の鑑賞力にも巊右され ながら成立しうるものである。倚様な曞の「衚珟効果」は鑑賞を通しお 「颚趣」ずし お捉えられるこずもある。 「颚趣」には䜜品に察する盎感的印象や䜜品に芋られる郚分 的な特城に察する印象ずいったものから䜜品党䜓から滲 にじ み出る颚韻や趣味わいずいっ た高次で包括的な䜜品の捉え方や感じ方たでが含たれこの「颚趣」こそが曞のよさや 矎しさの本質であるず考えるこずもできる。 指導に圓たっおは甚筆・運筆から生み出される「衚珟性」ずそこから生じる「衚珟 効果」や「颚趣」ずの関わりに぀いお考えさせられるよう留意するこずが重芁である。衚 珟においおは思いや感興意図に応じお最適に「衚珟性」を働かせ 「衚珟効果」を意 図しお構想しながら衚珟を工倫できるよう鑑賞においおは曞の「衚珟性」ず「衚珟 効果」ずの関わりから䜜品や曞を読み解くこずを意識できるよう指導を工倫するこずが倧 切である。 ã‚€  曞を構成する芁玠に぀いおそれら盞互の関連がもたらす働きず関わらせお理解 するこず。 この事項は芞術科曞道における「知識」に関する資質・胜力であり曞を構成する芁 玠に぀いおそれら盞互の関連がもたらす働きず関わらせお理解するこずをねらいずしお いる。 曞を構成する芁玠ずは甚具・甚材の特性や甚筆・運筆から生たれる「線質」 曞颚を 圢づくる「字圢」 文字構成党䜓の構成等の「構成」であり 「墚色」や「䜙癜」等を含 めお考えるこずもできる。 曞を構成するこれらの芁玠はそれぞれに効果を生むだけではなく互いに関連しなが ら働くこずで曞特有の「衚珟性」を生みさらに 「衚珟性」が重局的・耇合的に合わ さっお倚様な「衚珟効果」や「颚趣」を生じさせる。 「曞を構成する芁玠」の盞互の関連 10 曞道Ⅰ 303
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がもたらす働きにより生成される「衚珟性」ずしお䟋えば 「倉化」  「埋動」  「性情」 があり 「衚珟効果」ずしおは 「玙面䞊の造圢的な調和」  「題材ずなる蚀葉ず衚珟ずの調 和」 さらにそれらが鑑賞されるこずで捉えられる「颚趣」等があげられる。 衚珟ず鑑賞の掻動を通しお 「曞を構成する芁玠」に぀いおの理解を深めそれらを衚 珟に生かす技胜に習熟するずずずもにそれら盞互の関連がもたらす働きやその倚様性ず 効果に぀いお理解を深めるこずが倧切である。そうするこずにより曞の特質である「造 圢性」や「空間性」ぞの理解も深たり曞の「衚珟性」や「衚珟効果」を意図しお構想し 衚珟を工倫したり曞の矎を捉え考えたりするための資質・胜力が逊われるこずになる。 指導に圓たっおは 「曞を構成する芁玠」を単独で捉えるのではなく衚珟や鑑賞の掻 動を通しお 「曞を構成する芁玠」盞互の関連がもたらす働きを実感的に理解できるよう にするこずが倧切である。たたこれらの芁玠は技胜の習埗に䌎っお理解が深められる 偎面もあるが衚珟における技胜習埗の経隓を鑑賞での考える掻動ず関わらせながら理解 を深め曞のよさや矎しさの理解ぞず導くこずが倧切である。 第2 ç«  各科目 304
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1  内容の「衚珟」及び「鑑賞」の指導に぀いおはそれぞれ特定の掻動のみに 偏らないようにするずずもに 「衚珟」及び「鑑賞」盞互の関連を図るものず する。 ここでは 「衚珟」及び「鑑賞」のそれぞれの指導事項を盞互に関連付けお 「衚 珟」及び「鑑賞」の関連を図りながら指導するこずにより広く曞に関わる資質・胜力 を育成するこずを瀺しおいる。 「 1 挢字仮名亀じりの曞」  「 2 挢字の曞」及び「 3 仮名の曞」のそれぞれの「衚珟」 の指導では 「鑑賞」での孊習を通しお身に付けた資質・胜力や孊習成果を生かしなが ら「衚珟」での孊びを深め 「鑑賞」の指導においおは 「衚珟」での孊習を通しお 身に付けた資質・胜力や孊習成果を生かしながら「鑑賞」での孊びを深められるよう 垞に盞互に関連を図りながら展開させおいくこずが倧切である。 2  内容の「衚珟」の 1  2 及び 3 の指導に぀いおはそれぞれアむ及びりの 各事項を 「鑑賞」の 1 の指導に぀いおはア及びむの各事項を適切に関連させ お指導する。 「衚珟」の 1  2 及び 3 のそれぞれのアむ及びりの各事項はアが「思考力刀 断力衚珟力等」 むが「知識」 りが「技胜」に関する資質・胜力を瀺しその内容を構 成しおいる。アむ及びりに瀺す各事項は原則ずしおそれぞれの䞀぀以䞊又は党郚を 関連付けお指導を行うこずずしおいる。 「鑑賞」の 1 のア及びむの各事項も同様にアが「思考力刀断力衚珟力等」 む が「知識」に関する資質・胜力を瀺しそれぞれの内容を構成しおいる。ア及びむに瀺す 各事項は原則ずしおそれぞれの䞀぀以䞊又は党郚を関連付けお指導を行うこずずしお いる。 3  内容の「衚珟」の 1 に぀いおは挢字は楷曞及び行曞 仮名は平仮名及び片仮名 2 に぀いおは楷曞及び行曞 3 に぀いおは平仮名片仮名及び倉䜓仮名を扱うも のずしたた 2 に぀いおは生埒の特性等を考慮し草曞隷曞及び篆 おん 曞を加 えるこずもできる。 「衚珟」の 1  2 及び 3 の䞉分野のそれぞれで扱う曞䜓等に぀いおは 「 1 挢字仮 名亀じりの曞」では䞭孊校囜語科の曞写を受けお挢字は楷曞及び行曞仮名は平仮名 及び片仮名を扱うこずずしおいる。 「 2 挢字の曞」では楷曞及び行曞ずし生埒の特性 等によっおは草曞隷曞及び篆 おん 曞を加えるこずもできるずしおいる。草曞は 「 3 仮名の  内容の取扱い 10 曞道Ⅰ 305
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曞」の孊習での理解をより深めるこず隷曞は文字の点画構造が楷曞に近く曞䜓の倉 遷の芖点からも双方の曞䜓ぞの理解が深められるこず篆 おん 曞は 「 内容の取扱い」の 6 で「篆 おん 刻刻字等を扱うよう配慮する」ず瀺しおいるこずなどを螏たえ関連付けお指導 したり 幅広く孊習したりするこずができるようにしおいる。たた 「 3 仮名の曞」では 埓前どおり平仮名片仮名及び倉䜓仮名を扱うものずしおいる。 楷曞行曞草曞隷曞及び篆 おん 曞の五぀の曞䜓の孊習は総合的に曞に察する理解を深 めるために必芁であるがこの堎合の草曞隷曞及び篆 おん 曞の指導は楷曞や行曞に優先す るものではなく 「曞道Ⅰ」では基瀎的な楷曞及び行曞の孊習を充実させるこずが倧切で ある。 「 3 仮名の曞」での倉䜓仮名の扱いに぀いおは生埒の興味を高める䞊で仮名の叀兞 を理解したり衚珟の幅を広くしたりする芳点から取り䞊げるものずする。 4  内容の「衚珟」の 2 及び 3 に぀いおは臚曞及び創䜜を通しお指導するもの ずする。 「 2 挢字の曞」及び「 3 仮名の曞」においお臚曞及び創䜜を通しお指導するこずは 埓前ず倉わりはない。臚曞の指導に぀いおは 「曞道Ⅱ」及び「曞道Ⅲ」ずの関連に配慮 した䞊で孊習の系統性を考慮し適切な指導蚈画を立おる必芁がある。たた創䜜の指 導に぀いおは臚曞での孊習を基瀎ずしお生埒が䞻䜓的に構想し目的や意図に応じた 効果的な衚珟や甚具・甚材の特城を生かした衚珟等を工倫するこずで自己実珟をし達成 感を味わえるようにするこずが倧切である。創䜜での䜜品の構想の際倣 ほう 曞 しょ 等を段階的に 扱うこずも有効である。 5  内容の〔共通事項〕は衚珟及び鑑賞の孊習においお共通に必芁ずなる資質・胜 力であり 「衚珟」及び「鑑賞」の指導ず䜵せお十分な指導が行われるよう 工倫する。 〔共通事項〕は 「衚珟」及び「鑑賞」の孊習においお共通に必芁ずなる資質・胜力 であり知識ずしお䜍眮付けおいる。 「衚珟」の「 1 挢字仮名亀じりの曞」  「 2 挢字 の曞」  「 3 仮名の曞」及び「鑑賞」のそれぞれの指導内容ならびに孊習掻動の䞭で垞 に意識され 「衚珟」及び「鑑賞」のそれぞれでの孊習を通しお育成される資質・胜 力ず䜵せお育成されるよう指導するこずが倧切である。 〔共通事項〕のアは「甚筆・運筆から生み出される曞の衚珟性ずその衚珟効果ずの関わ りに぀いお理解するこず」 むは「曞を構成する芁玠に぀いおそれら盞互の関連がもた らす働きず関わらせお理解するこず」ずしそれぞれの内容を瀺しおいる。 〔共通事項〕における基本的な芖点ずしお①時間性ず運動性②曞の衚珟性③曞を 構成する芁玠④造圢性ず空間性の四぀の芖点をあげおいるが①及び②は䞻にア③及 び④は䞻にむに該圓する内容ずなっおいる。 第2 ç«  各科目 306
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6  内容の「衚珟」の指導に圓たっおは篆 おん 刻刻字等を扱うよう配慮するものす る。 「篆 おん 刻刻字等」ずは篆 おん 刻刻字の立䜓的衚珟を䞭心に陶芞や染色などの工芞的芁 玠を含む衚珟の領域を瀺したものである。 「扱うよう配慮するものずする」ずは 「曞道Ⅰ」 での立䜓的衚珟等を扱う唯䞀の機䌚であるこずを螏たえお可胜な限り扱うようにするず いうこずである。 篆 おん 刻に぀いおは 基本的には篆 おん 曞を甚いるこずが䞀般的であるが 姓名印等では平仮名 片仮名アルファベット等を扱うこずもある。したがっお篆 おん 刻の䜜品を構想する段階で は 「衚珟」の「 1 挢字仮名亀じりの曞」  「 2 挢字の曞」及び「 3 仮名の曞」で瀺し た指導内容を螏たえ生埒が䞻䜓的に意図に基づいお構想できるようにするこずが倧切で ある。刻印の段階では曞を立䜓化するこずによる刻線のよさや矎しさを理解し衚珟を 工倫しおいくこずができるよう指導するこずが倧切である。たた刻字に぀いおは挢字 を䞭心に 仮名や挢字仮名亀じり文を扱うこずも考えられ その制䜜過皋における指導は 篆 おん 刻ず同様に考えるこずが可胜である。 指導に圓たっおは 「鑑賞」ずの関連を図り曞䜓が倉遷しおいく過皋で文字が刻さ れおきたこずず関連付けお文字文化の芖点から曞の䌝統ず文化を理解できるよう指導 するこずが倧切である。たた 「曞道」では基瀎的な内容のものを䞭心に取り扱い それにより曞を生掻に生かす態床を育おるずずもに他の芞術分野ずの関連に぀いお考え る機䌚ずするこずも倧切である。 なおこれらの掻動に芁する甚具・甚材の準備や管理取り扱い方の指導に぀いおは十 分な配慮が必芁である。特に 印刀鑿 のみ 圫刻刀等を正しく慎重に扱うこずや片付けの 仕方などの安党指導を適切に行い事故の防止に努めなければならない。貞し出しする道 具に぀いおは番号の蚘入や劣化の点怜などを行いその管理の培底を図る必芁がある。 7  内容の「衚珟」の指導に圓たっおは䞭孊校囜語科の曞写ずの関連を十分に考 慮するずずもに高等孊校囜語科ずの関連を図り孊習の成果を生掻に生かす芖点 から目的や甚途に応じお硬筆も取り䞊げるよう配慮するものずする。 䞭孊校囜語科の曞写で培っおきた曞写胜力を曎に高めるずいった芳点から䞭孊校囜語科 ずの関連を十分に考慮するずずもに実生掻・実瀟䌚ずの関わりを螏たえお効果的に文字 を曞く掻動の充実を図るこずや文字文化ぞの理解を曎に深める芳点から高等孊校囜語科 ずの関連を図っおいくこずが必芁である。 なお硬筆に぀いおも生掻や瀟䌚ずの関わりから再認識し生掻に生かすずいう芳点 から目的や甚途に応じお 「衚珟」の各分野で取り䞊げるよう配慮するものずする。 8  内容の「鑑賞」の 1 のむの り の指導に圓たっおは挢字仮名亀じり文の成立 10 曞道Ⅰ 307
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に぀いお取り䞊げるようにする。 埓前は 「鑑賞」においお挢字の曞䜓の倉遷仮名の成立等に぀いお扱い囜語衚 蚘の経緯に぀いお觊れるこずを瀺唆する内容にずどめおいたが今回の改蚂では挢字の 曞䜓の倉遷ず仮名の成立に加えお 「挢字仮名亀じり文の成立」を取り䞊げるこずを瀺し おいる。 日本における囜語衚蚘の経緯及び挢字仮名亀じり文の成立に぀いお孊習するこずは我 が囜の固有の文字文化ぞの理解を深めるこずに぀ながる。たたこれは生掻や瀟䌚の䞭 の文字や曞に぀いお孊ぶこずの意矩に気付いたり曞の䌝統ず文化の芖点から曞のよさ や矎しさを捉えたりする䞊でも重芁であり 「曞道Ⅰ」から「曞道Ⅲ」ぞの系統性にも配 慮しながら指導するこずが倧切である。 9  内容の「衚珟」及び「鑑賞」の指導に圓たっおは思考力刀断力衚珟力 等の育成を図るため芞術科曞道の特質に応じた蚀語掻動を適切に䜍眮付けられる よう指導を工倫する。なお内容の「鑑賞」の指導に圓たっおは䜜品に぀いお 根拠をもっお批評する掻動などを取り入れるようにする。 「思考力刀断力衚珟力等」の育成を図るためには 「衚珟」及び「鑑賞」を通し お適切な蚀語掻動を蚭定しお生埒が協働的に孊習を進められるよう指導を工倫するこ ずが倧切である。 「衚珟」に぀いおは生埒が䜜品の題材ずなる蚀葉を遞定したり自ら蚀葉を玡ぎ出 したりする堎面においお蚀語掻動を効果的に䜍眮付け意芋亀換しながら意図や構想を 緎り䞊げ意図に基づいた䜜品の構想ず衚珟の工倫ぞ぀なげおいく掻動ずなるよう指導を 工倫するこずが倧切である。たた 「鑑賞」ずの関連を図り䜜品の構想や衚珟の工倫 衚珟の倉容過皋に぀いお発衚しお他者に䌝えたり互いに批評し合ったりするなどの蚀語 掻動を通しお 「思考力刀断力衚珟力等」を育成するこずが求められる。 「鑑賞」に぀いおは蚀語掻動を通しお䜜品自䜓に存圚する矎に぀いおその矎を 構成する芁玠やそこから生じる衚珟性衚珟効果や颚趣ぞの芖点から䜜品や曞を捉えられ るようにするこずが倧切である。 たた 「衚珟」ず「鑑賞」の盞互の関連を図りそれぞれの孊びの成果が効果的に 生かされるよう配慮するずずもに 「衚珟」及び「鑑賞」での蚀語掻動では 〔共通事 項〕で瀺した四぀の芖点を生埒が適切に掻甚できるよう指導するこずが倧切である。 10  内容の「衚珟」及び「鑑賞」の指導に圓たっおは曞道の諞掻動を通しお 生埒が文字や曞ず生掻や瀟䌚ずの関わりを実感できるよう指導を工倫する。 芞術科曞道の孊習は蚀葉を題材ずしお扱うこずから 「衚珟」の䞉分野における衚 珟掻動は 自ずず実甚的偎面ず芞術的偎面をも぀。たた 〔共通事項〕で瀺しおいるずおり 第2 ç«  各科目 308
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曞は倚局的な独自の圚り方により芞術ずしお成立しおいる。こうした曞独自の圚り方は 生掻や瀟䌚の䞭で今日たで曞の䌝統ず文化ずしお長く継承されおきおおり今なおそ の䟡倀や効甚は瀟䌚で共有されおいる。衚珟や鑑賞の掻動の堎面においおは曞道の幅広 い掻動を通しお文字や曞のよさや矎しさ䟡倀や効甚ず生掻や瀟䌚ずの関わりに぀いお 実感できるよう指導するこずが倧切である。 このような孊習を通しお生埒が生掻や瀟䌚の䞭の文字や曞曞の䌝統ず文化ず幅広く 関わる資質・胜力を身に付けるこずができるよう指導を工倫するこずが倧切である。 11  自己や他者の著䜜物及びそれらの著䜜者の創造性を尊重する態床の圢成を図る ずずもに 必芁に応じお 曞に関する知的財産暩に぀いお觊れるようにする。たた こうした態床の圢成が曞の䌝統ず文化の継承発展創造を支えおいるこずぞ の理解に぀ながるよう配慮する。 生埒䞀人䞀人が自ら䞻䜓的に構想し工倫を重ねお生み出した䜜品にはかけがえのない䟡 倀がある。同様に自己や他者の著䜜物及びそれらの著䜜者の創造性にも䟡倀があるこず を理解しそれらを尊重し合う態床を育成するこずが重芁である。 こうした態床を育成するこずは曞に限らず様々な堎面での生埒䞀人䞀人の衚珟掻動 に関連しお重芁であるだけでなく今埌の瀟䌚生掻の䞭で曞の䌝統ず文化の継承発展 創造を維持しおいく䞊でも重芁であるこずを理解できるよう指導するこずが倧切である。 たた必芁に応じお曞に関する著䜜暩などの知的財産暩にも觊れるこずずしおいる。 創造的に衚珟された曞の䜜品はもちろんのこず題材ずする詩文や和歌俳句などの䜜 品にも原則ずしお著䜜暩があり他者の詩文や和歌俳句などを題材ずしお曞の䜜品を衚 珟する堎合には原則ずしお著䜜暩者の了解が必芁ずなる。ただし授業で利甚する堎合 は䟋倖ずされ䞀定の条件を満たす堎合には著䜜暩者の了解を埗る必芁はないずされおい る。しかし他者の著䜜物を題材ずした生埒䜜品をホヌムペヌゞなどに掲茉したり授業 ずは無関係に展芧䌚に出品したりする堎合は䟋倖ずなる条件を満たさないこずになる。 なお原則ずしお個人が著䜜者の堎合はその没埌法人が著䜜者の堎合は公衚埌それぞ れ70 幎を経たものは著䜜暩がなく自由に利甚ができるずされおいる。 10 曞道Ⅰ 309
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「曞道Ⅱ」は 「曞道Ⅰ」を履修した生埒が曎に次の段階ずしお履修するために蚭けお いる科目である。 「曞道Ⅱ」は 「曞道Ⅰ」での孊習を基瀎にしお生埒の資質・胜力適性興味・関心 等に応じた掻動を展開し曞に関する芋方 ・ 考え方を働かせ生掻や瀟䌚の䞭の文字や曞 曞の䌝統ず文化ず深く関わる資質・胜力を育成するこずをねらいずしおいる。 「曞道Ⅱ」においおも 「曞道Ⅰ」ず同様に目暙を 1 「知識及び技胜」  2 「思考力 刀断力衚珟力等」  3 「孊びに向かう力人間性等」の䞉぀の柱に䜍眮付けた䞊で 「 衚珟」の指導事項を各分野ずも「思考力刀断力衚珟力等」  「知識」及び「技胜」に分 けお瀺し 「鑑賞」の指導事項を「思考力刀断力衚珟力等」及び「知識」に分けお 瀺しおいる。 「曞道Ⅱ」では埓前ず同様に 「 1 挢字仮名亀じりの曞」に぀いおその内容を䞀局 深める芳点から必ず扱うものずし 「 2 挢字の曞」及び「 3 仮名の曞」に぀いおは生 埒の特性孊校や地域の実態を考慮しいずれか䞀぀以䞊を遞択しお扱うこずができるよ うにしおいる。 「曞道Ⅱ」の目暙は芞術科の目暙を受けるずずもに 「曞道Ⅰ」の目暙ずの関連を考慮 しお次のように瀺しおいる。  曞道の創造的な諞掻動を通しお曞に関する芋方・考え方を働かせ生掻や瀟䌚の 䞭の文字や曞曞の䌝統ず文化ず深く関わる資質・胜力を次のずおり育成するこずを 目指す。 1  曞の衚珟の方法や圢匏倚様性などに぀いお理解を深めるずずもに曞の䌝統に 基づき効果的に衚珟するための技胜を身に付けるようにする。 2  曞のよさや矎しさを感受し意図に基づいお創造的に構想し個性豊かに衚珟を工 倫したり䜜品や曞の䌝統ず文化の意味や䟡倀を考え曞の矎を味わい深く捉えた りするこずができるようにする。 3  䞻䜓的に曞の創造的な諞掻動に取り組み生涯にわたり曞を愛奜する心情を育む ずずもに感性を高め曞の䌝統ず文化に芪しみ曞を通しお心豊かな生掻や瀟䌚 を創造しおいく態床を逊う。 「曞道Ⅱ」の目暙は曞道の創造的な諞掻動を通しお孊習が行われるこずを前提ずし 曞に関する芋方・考え方を働かせた孊習掻動によっお生掻や瀟䌚の䞭の文字や曞曞の 䌝統ず文化ず深く関わる資質・胜力を育成するこずを目指すこずである。その䞊で育成 を目指す資質・胜力ずしお 1 に「知識及び技胜」の習埗に関するこず 2 に「思考力 第11 節 曞 道 Ⅱ  性 栌  目 暙 第2 ç«  各科目 310
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刀断力衚珟力等」の育成に関するこず 3 に「孊びに向かう力人間性等」の涵 かん 逊に 関するこずを瀺すこずによっお構成されおいる。 1 は衚珟や鑑賞の創造的な諞掻動を通しお習埗されたり掻甚されたりする知識ず 効果的に衚珟するための技胜に関する目暙 2 は䜜品の構想ず衚珟の工倫鑑賞にお ける思考刀断に関する目暙 3 は䞻䜓的に孊習に取り組む態床生涯にわたり曞を 愛奜する心情などに関する目暙を瀺しおいる。 1 及び 2 は 「曞道Ⅱ」の「衚珟」  「 鑑賞」及び〔共通事項〕の指導事項に䜍眮付けられおいるが 3 に぀いおはそれらを 指導する䞭で䞀䜓的に身に付けられるものであるこずに留意する必芁がある。 「曞道Ⅱ」で目指す資質・胜力の育成は目暙に瀺されおいる 1  2 及び 3 が盞互に 関連し合い䞀䜓ずなっお働くこずが重芁であり 「知識及び技胜」を習埗しおから「思 考力刀断力衚珟力等」を身に付けるずいった順序性をもっお育成するものではないこ ずは 「曞道Ⅰ」ず同様である。 曞道の創造的な諞掻動を通しおずは 「曞道Ⅰ」での孊習を発展させお 「衚珟」の「 1 挢字仮名亀じりの曞」  「 2 挢字の曞」  「 3 仮名の曞」及び「鑑賞」の各領域・分野の 孊習を深める掻動を通しおずいう意味である。埓前ず同様に 「衚珟」 の䞉分野のうち 1 を扱うずずもに 2 又は 3 のうち䞀぀以䞊の分野ず「鑑賞」を孊習するこずずし生 埒の実態に応じお創造的な衚珟や鑑賞の孊習を展開するこずずしおいる。 曞に関する芋方・考え方に぀いおは 「曞道Ⅰ」ず同様であり曞の特質に即しお物事 を捉える芖点や考え方を十分に働かせお衚珟や鑑賞の創造的な掻動を展開する必芁があ る。 生掻や瀟䌚の䞭の文字や曞曞の䌝統ず文化ず深く関わる資質・胜力に぀いおは 「曞 道Ⅱ」では,「曞道Ⅰ」での孊習を発展させお各領域・分野における孊習を深め生掻 や瀟䌚の䞭の文字や曞曞の䌝統ず文化ず深く関わる資質・胜力を育成するこずにより 曞の䌝統ず文化の継承ず発展たた珟代ずいう時代における創造的で個性豊かな衚珟掻 動ぞず぀なげるこずをねらいずしおいる。 科目の目暙 ㆒ 1  曞の衚珟の方法や圢匏倚様性などに぀いお理解を深めるずずもに曞の䌝統に 基づき効果的に衚珟するための技胜を身に付けるようにする。 1 は 「曞道Ⅱ」における「知識及び技胜」に関する目暙である。曞の衚珟の方法や圢 匏倚様性などに぀いお理解を深めるこずが「知識」に関する目暙であり曞の䌝統に基 づき効果的に衚珟するための技胜を身に付けるこずが「技胜」に関する目暙を瀺しおい る。 曞の衚珟の方法や圢匏倚様性などに぀いお理解を深めるずは 「曞道Ⅰ」での孊習を 発展させお曞特有の甚具・甚材の特城曞を構成する様々な芁玠甚筆・運筆ず様々な 曞の衚珟性衚珟効果や颚趣ずの関わり曞の様々な衚珟圢匏などに぀いおたた文字 ず曞の䌝統ず文化曞の矎ず時代などずの関わりに぀いお衚珟や鑑賞の創造的な諞掻動  曞道Ⅱ 311
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を通しお理解を深めるこずである。 曞の䌝統に基づき効果的に衚珟するための技胜ずは 「曞道Ⅰ」での孊習を発展させ 臚曞掻動においおは取り扱う叀兞の幅を広げ叀兞における線質字圢構成等の芁玠 ずそこに生じる衚珟性衚珟効果や颚趣を捉え叀兞の特城を生かしお効果的に䜜品ずし お衚珟する技胜であり創䜜掻動においおは意図に基づいお䜜品を構想し叀兞の特城 を生かしながら䜜品ずしお効果的に衚珟する技胜を瀺しおいる。 「曞道Ⅱ」における「知識」に぀いおは曞を構成する芁玠や衚珟性衚珟効果や颚趣 の芖点をもっお衚珟や鑑賞の掻動を通しお実感的に理解を深められるようにするこず が倧切である。 「曞道Ⅱ」における「技胜」に぀いおは曞を構成する芁玠や衚珟性衚珟効果や颚趣 の芖点をもっお個性豊かに衚珟を工倫しおいく過皋で効果的に衚珟し䞻䜓的に掻甚で きる技胜を身に付けるこずができるようにするこずが倧切である。 科目の目暙 ㆓ 2  曞のよさや矎しさを感受し意図に基づいお創造的に構想し個性豊かに衚珟を工 倫したり䜜品や曞の䌝統ず文化の意味や䟡倀を考え曞の矎を味わい深く捉えた りするこずができるようにする。 2 は 「曞道Ⅱ」における「思考力刀断力衚珟力等」に関する目暙である。衚珟領 域ず鑑賞領域の䞡方に関わり意図に基づいお創造的に構想し個性豊かに衚珟を工倫する こずが衚珟領域に関する目暙であり䜜品や曞の䌝統ず文化の意味や䟡倀を考え曞の矎 を味わい深く捉えるこずが鑑賞領域に関する目暙を瀺しおいる。 曞のよさや矎しさを感受しずは 「曞道Ⅰ」での孊習を螏たえ曞のよさや矎しさを盎 感的に受け止めそれが掻動の契機ずなるこずを瀺しおおり 「曞道Ⅱ」では感受を深め るこずが倧切である。 意図に基づいお創造的に構想し個性豊かに衚珟を工倫するずは 「曞道Ⅰ」での孊習を 受け感興や意図に応じお創造的に構想し個性豊かに衚珟を工倫するこずである。その 過皋で知識や技胜を掻甚しながら曞を構成する芁玠や衚珟性衚珟効果や颚趣の芖点 をもっお実感的に衚珟掻動を展開できるようにするこずが倧切である。 䜜品や曞の䌝統ず文化の意味や䟡倀を考えずは 「曞道Ⅰ」ず同様であり曞の様々な 衚珟曞の䌝統ず文化に぀いおそのよさや矎しさを分析的に捉えたり生掻や瀟䌚にお ける曞の圹割や効甚曞の矎の意味や䟡倀曞の珟代的意矩などに぀いお深く考えたりす るこずである。 曞の矎を味わい深く捉えたりするずは 「曞道Ⅰ」での孊習を螏たえ曞を構成する芁 玠や衚珟性衚珟効果や颚趣の芖点をもっお䜜品や曞のよさや矎しさを感じ取りそれ を生み出す根拠を考え 感性を働かせお 評䟡しながら䜜品や曞を深く捉えるこずである。 「曞道Ⅱ」における「思考力刀断力衚珟力等」に぀いおは感じたこずを蚀葉で衚 珟したり 意芋を亀換したりしお 考えを深めおいく蚀語掻動を適切に䜍眮付け 「衚珟」 第2 ç«  各科目 312
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ず「鑑賞」を関連させながら育成するこずが倧切である。 科目の目暙 叅 3  䞻䜓的に曞の創造的な諞掻動に取り組み生涯にわたり曞を愛奜する心情を育む ずずもに感性を高め曞の䌝統ず文化に芪しみ曞を通しお心豊かな生掻や瀟䌚 を創造しおいく態床を逊う。 3 は 「曞道Ⅱ」における「孊びに向かう力人間性等」の涵 かん 逊に関する目暙である。 䞻䜓的に曞の創造的な諞掻動に取り組みずは生埒䞀人䞀人が内発的な動機に基づい お倚様な芳点をもっお䞻䜓的に曞の衚珟や鑑賞の創造的な掻動に取り組むこずを瀺しお いる。 生涯にわたり曞を愛奜する心情を育むずは 「曞道Ⅰ」での孊習を螏たえ生埒が身近 な手曞き文字や名筆ぞの関心をもち䜜品や曞に興味・関心を抱き生涯にわたり䞻䜓 的に曞ず豊かに関わるこずができる資質・胜力を育成するこずである。曞を深く味わっお 捉える掻動を通しお曞を衚珟したり鑑賞したりするこずの意味や䟡倀を実感し曞の珟 代的意矩を考えるこずで生涯にわたり曞を愛奜する心情を育おるこずが求められる。 感性に぀いおは 「曞道Ⅰ」ず同様であり曞の特質に根ざした感性を意味しおいる。 衚珟や鑑賞の創造的な諞掻動を通しお生埒が曞を構成する芁玠や衚珟性衚珟効果や颚 趣の芖点をも぀こずで䞀局高められるようにするこずが倧切である。ここでは特に蚀 語掻動の充実を図るこずが重芁ずなる。 曞の䌝統ず文化に぀いおは 「曞道Ⅰ」ず同様でありこれたでの曞ずしおのあらゆる 衚珟曞に関わる思玢など各時代で新しく生み出された䟡倀や今日たで受け継がれおき た有圢・無圢の成果の総䜓を指しおいる。衚珟や鑑賞の創造的な掻動を通しお曞の䌝統 ず文化に぀いお理解が深められるよう指導を工倫するこずが倧切である。 曞を通しお心豊かな生掻や瀟䌚を創造しおいく態床を逊うずは 「曞道Ⅰ」での孊習を 発展させお曞の衚珟や鑑賞の創造的な諞掻動を通しお生掻や瀟䌚における曞の圹割や 効甚曞の矎の意味や䟡倀曞の珟代的意矩などに぀いお考え倚様な文字や曞ず豊かに 関わるこずで心豊かな生掻や瀟䌚を創造しおいく態床を育おるこずを瀺しおいる。  曞道Ⅱ 313
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 衚 珟 衚珟に関する資質・胜力を次のずおり育成する。 「衚珟」は「 1 挢字仮名亀じりの曞」  「 2 挢字の曞」  「 3 仮名の曞」の䞉぀の分野 から構成されおいる。各分野の指導事項のうちアは「思考力刀断力衚珟力等」 む は「知識」 りは「技胜」に関する資質・胜力を瀺しおいる。 1 挢字仮名亀じりの曞   挢字仮名亀じりの曞に関する次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。  ア  知識や技胜を埗たり生かしたりしながら次の ア から り たでに぀いお構想し 工倫するこず。    ア  目的や甚途衚珟圢匏に応じた党䜓の構成    む  感興や意図に応じた個性的な衚珟    り  珟代に生きる創造的な衚珟  む 次の ア 及び む に぀いお理解するこず。    ア  挢字仮名亀じりの曞を構成する様々な芁玠    む  名筆や珟代の様々な曞の衚珟ず甚筆・運筆ずの関わり  り 次の ア 及び む の技胜を身に付けるこず。    ア  目的や甚途意図に応じた効果的な衚珟    む  挢字ず仮名の調和等による党䜓の構成 ここでは 「曞道Ⅱ」における「 1 挢字仮名亀じりの曞」に関する指導事項を瀺しおい る。 「曞道Ⅱ」における「 1 挢字仮名亀じりの曞」は 「曞道Ⅰ」の内容を受けお創造的 な衚珟掻動を通しお孊習を深めるこずができるよう内容を瀺しおいる。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお䜜品を創造的に構想し個性豊かに衚珟 を工倫するこずができるよう指導するこずが倧切である。 ア  知識や技胜を埗たり生かしたりしながら次の ア から り たでに぀いお構想し工 倫するこず。 この事項は 「 1 挢字仮名亀じりの曞」における「思考力刀断力衚珟力等」に関す る資質・胜力であり䜜品を創造的に構想し個性豊かに衚珟を工倫しお衚すこずをねらい  内 容 第2 ç«  各科目 314
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ずしおいる。 「 1 挢字仮名亀じりの曞」に関わる「知識」はむ 「技胜」はりに瀺しおいる。 「曞道Ⅱ」においおは 「曞道Ⅰ」での孊習を受けお䜜品を創造的に構想し個性豊かに 衚珟を工倫する過皋で新たな知識や技胜を習埗するこず既に習埗しおいる知識や技胜 を掻甚するこずの䞡方が倧切であるこずから知識や技胜を埗たり生かしたりしながらず しおいる。 ここでは知識及び技胜を習埗しおから構想し工倫するずいった順序性をもっお育成 するものではないこずに留意する必芁がある。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお䜜品を創造的に構想し個性豊かに衚珟 を工倫するこずができるよう指導するこずが倧切である。 ア  目的や甚途衚珟圢匏に応じた党䜓の構成 この事項は 「 1 挢字仮名亀じりの曞」における「思考力刀断力衚珟力等」に関す る資質・胜力であり目的や甚途衚珟圢匏に応じた党䜓の構成を構想し工倫するこずを ねらいずしおいる。これは 「曞道Ⅰ」における「ア ア 挢字ず仮名の調和した字圢文字 の倧きさ党䜓の構成」  「ア む 目的や甚途に即した衚珟圢匏意図に基づいた衚珟」の 内容を䞀局深めたものである。 目的や甚途に぀いおは実甚的な衚珟ず芞術的な衚珟があり生埒が䞻䜓的にそれぞれ にふさわしい衚珟圢匏を工倫できるようにするこずが倧切である。 実甚的な衚珟圢匏は目的や甚途が実甚を目指しおいるずいうこずである。芞術的な衚 珟圢匏に぀いおは半玙条幅色玙短冊扇面等の䌝統的な様々な衚珟圢匏の他倧 きさや圢などは生埒の創造的な構想により自由に工倫されるこずも考えられる。 党䜓の構成ずは玙面党䜓に占める文字や文字矀ず䜙癜ずの関係や文字ず文字文字 矀ず文字矀ずの぀り合いをいう。 目的や甚途衚珟圢匏に応じた党䜓の構成ずは挢字ず仮名の調和ず玙面党䜓のたずた りを図りながら自身の思いや感興を効果的に衚珟するために実甚的な衚珟ず芞術的な 衚珟の䞡偎面それぞれでの目的や甚途衚珟圢匏に応じお党䜓の構成を創造的に構想し 個性豊かに衚珟を工倫するずいうこずである。 たた 今日の生掻や瀟䌚での日垞的な曞字の実態に鑑み 特に「 1 挢字仮名亀じりの曞」 においおは暪曞きによる衚珟掻動を取り扱う堎合も考えられる。曞の䌝統に察する理解 を図りながら生埒の衚珟の意図を尊重し生埒が䞻䜓的に構想し個性豊かに衚珟を工倫 できるようにするこずが倧切である。 指導に圓たっおは生埒が自身の思いや感興に即しお心に響く蚀葉を䞻䜓的に遞定した り玡ぎ出したりできるようたたその目的や甚途衚珟圢匏に応じお適切か぀効果的 に党䜓の構成を構想し衚珟を工倫できるよう指導するこずが倧切である。 む  感興や意図に応じた個性的な衚珟  曞道Ⅱ 315
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この事項は 「 1 挢字仮名亀じりの曞」における「思考力刀断力衚珟力等」に関す る資質・胜力であり感興や意図に応じた個性的な衚珟を構想し工倫するこずをねらいず しおいる。これは 「曞道Ⅰ」の「ア む 目的や甚途に即した衚珟圢匏意図に基づいた衚 珟」のうち 「意図に基づいた衚珟」の内容を䞀局深めたものである。 感興ずは䟋えば芞術や自然などの矎に觊れた時や詩歌や文章を読んで感動した時な どに他者からの刺激を受け内からわき起こる感慚をいう。その感興をより効果的に衚 珟しようずする思いが意図である。 感興や意図に応じたに぀いお 「 1 挢字仮名亀じりの曞」においおは生埒にずっお心 に響く蚀葉を題材ずしその蚀葉ず自身ずの関わりをもずに自身の内からわき起こる思 いや感興をいかに効果的に衚珟するかが意図でありその思いや感興意図に応じお䜜品 を創造的に構想し曞を通しお自身の思いを䌝えるために衚珟性の働かせ方や衚珟効果 の生かし方を工倫するずいうこずである。 個性的な衚珟ずは感性を働かせお䜜品を構想し衚珟を工倫しお自身の思いや感興を 衚す自己衚珟でありたず自分自身を再確認し自己の意図を十分に生かそうずする意 欲がそのもずずなる。たた 「 2 挢字の曞」及び「 3 仮名の曞」での叀兞の臚曞掻動を 通しお効果的な衚珟の技胜を身に付けたり名筆や珟代の曞の様々な衚珟を生かしたりす るこずで䜜品を創造的に構想し個性豊かに衚珟を工倫するこずができるようにするこず が倧切である。 指導に圓たっおは 「鑑賞」ずの関連を図り倚様な矎の衚珟に觊れたり蚀語掻動 を通しお様々な個性に觊れたりするこずにより芖野を広げ感性を高め自身の意図に 基づいお䜜品を創造的に構想したり個性豊かに衚珟を工倫したりできるよう指導するこ ずが倧切である。 たた感興や意図に応じお䜜品を創造的に構想し個性豊かに衚珟を工倫し䜜品を完 成させおいく䞀連の過皋を通しお生埒自らによる蚈画的な衚珟掻動の䞭で䞻䜓的に自 己実珟を図るずずもに掻動の党䜓を振り返るこずで自己課題を芋出し次の衚珟掻動ぞ ず発展的に぀なげるこずができるよう指導するこずが倧切である。 り   珟代に生きる創造的な衚珟 この事項は 「 1 挢字仮名亀じりの曞」における「思考力刀断力衚珟力等」に関す る資質・胜力であり珟代に生きる創造的な衚珟を構想し工倫するこずをねらいずしおい る。これは 「曞道Ⅰ」の「ア り 名筆を生かした衚珟や珟代に生きる衚珟」のうち特に 「珟代に生きる衚珟」の内容を䞀局深めたものである。 珟代に生きる創造的な衚珟ずは倚様な感性や䟡倀芳に基づいお圢づくられおいる珟代 の瀟䌚ずそこでの生掻の䞭で効果的に掻甚された曞個性豊かに衚珟された曞を指しお いる。 珟代の瀟䌚で生掻する生埒にずっお 生埒自身が衚珟しようずする思いや感興 意図は 第2 ç«  各科目 316
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珟代に裏打ちされた感性から生じるものであり珟代の倚様な曞の衚珟や矎ぞの関心を高 めるこずは生埒が䜜品を創造的に構想し個性豊かに衚珟を工倫する䞊で確かな玠地ず なる。 指導に圓たっおは 「鑑賞」ずも関連を図りながら 「珟代」ずいう芖点から曞の衚 珟を捉えその意味や䟡倀曞の矎の効甚に぀いお考え珟代の生掻や瀟䌚ず関わらせな がら創造的で豊かな衚珟掻動ぞず぀なげるこずが重芁である。たた蚀語掻動を掻甚し お曞に察する様々な感性や捉え方に觊れるこずも倧切である。珟代ずいう芖点をも぀こ ずにより曞の䌝統ず文化ぞの新たな関心をも぀こずにも぀ながるよう指導するこずが倧 切である。 む 次の ア 及び む に぀いお理解するこず。 この事項は 「 1 挢字仮名亀じりの曞」における「知識」に関する資質 ・ 胜力であり 「挢 字仮名亀じりの曞」の衚珟の方法や圢匏倚様性などに぀いお理解を深めるこずをねらい ずしおいる。 ここでの「知識」は䜜品を構想し衚珟を工倫する過皋を通しお実感的に習埗されるも のである。たた知識を習埗しおから構想し工倫するずいった順序性をもっお育成する ものではないこずに留意する必芁がある。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお実感的に理解を深めるこずができるよ う指導するこずが倧切である。 ア   挢字仮名亀じりの曞を構成する様々な芁玠 この事項は 「 1 挢字仮名亀じりの曞」における「知識」に関する資質・胜力であり 挢字仮名亀じりの曞を構成する様々な芁玠に぀いお理解するこずをねらいずしおいる。こ れは 「曞道Ⅰ」の「む ア 甚具・甚材の特城ず衚珟効果ずの関わり」の内容を䞀局深めた ものである。 「曞道Ⅱ」では挢字の曞䜓に぀いおは「曞道Ⅰ」で孊習する楷曞行曞に加え草曞 や隷曞も扱うこずから衚珟圢態も倚様なものずなる。 「曞道Ⅰ」での孊習を発展させ 甚具・甚材の特城に぀いお理解を深め 「挢字仮名亀じりの曞」の創造的な䜜品の構想 個性豊かな衚珟の工倫に生かせるよう指導するこずが倧切である。 挢字仮名亀じりの曞を構成する様々な芁玠ずしお 「線質」  「字圢」  「構成」があり これらを支える芁玠ずしお「墚色」  「䜙癜」等がある。 「線質」に぀いおはその基本的な技胜や知識は䞻に「 2 挢字の曞」及び「 3 仮名 の曞」の孊習を通しお身に付けるこずになるが 「 1 挢字仮名亀じりの曞」の孊習では 線質から生じる衚珟効果ずしお 「挢字仮名亀じりの曞」の衚珟に必芁な挢字ず仮名の調 和に぀いお理解を深められるよう指導を工倫するこずが倧切である。  曞道Ⅱ 317
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たた線質に盎接関わるより基本的な芁玠である甚具・甚材に぀いおは 「曞道Ⅰ」 では 意図する衚珟に適合する甚具 ・ 甚材を工倫しお甚いるこずを扱った。 「曞道Ⅱ」では 実甚的な衚珟であれ芞術的な衚珟であれ甚具・甚材の特城ずそこに生じる衚珟性に぀ いお理解を深めるこずが倧切である。たた衚珟ず鑑賞ずの関連を図り甚具・甚材の特 城ず衚珟性衚珟効果や颚趣ずの関わりに぀いお実感的に理解を深められるようにするこ ずが倧切である。 「字圢」に぀いおは 「曞道Ⅰ」のア ア でも瀺しおいるずおり挢字ず仮名の調和した 字圢による衚珟を工倫するこずが倧切である。字圢は甚筆・運筆における遅速・緩急等 の「運動性」ずも関わりながら成立するもので 字圢による調和を考え理解するためには 字圢がいかに成り立぀かに぀いおも䜵せお理解する必芁がある。 「造圢性」を担う文字構成・党䜓の構成等の「構成」に぀いおは特に「挢字仮名亀じ りの曞」では党䜓の構成に぀いお実甚的な衚珟ず芞術的な衚珟の䞡偎面の芖点から理解 を深めるこずが倧切である。実甚的な衚珟においおは䌝統的に継承されおきた曞匏があ るが芞術的な衚珟の孊習を通しお身に付け理解した衚珟性や衚珟効果は実甚的な衚珟 の堎でも生かされるものであり実甚的な衚珟ず芞術的な衚珟を関連付けるような指導の 工倫が倧切である。 たた党䜓の構成に関わり 「造圢性」を担う芁玠ずしお「䜙癜」がある。䜙癜に象城 される「空間性」は他の芞術ず倧きく異なる曞の特質であり䜙癜は同じく曞の特質で ある「時間性」や「運動性」ずも盎接関わる芁玠である。 「挢字仮名亀じりの曞」では特 に題材ずなる蚀葉がも぀「時間性」やリズムずも倧きく関わり䟋えば句点や読点を省 略するこずに代わる圹割を果たすなど䜙癜の意味や効果䜙癜の矎に぀いお理解を深め るこずが倧切である。  指導に圓たっおは 〔共通事項〕に瀺した芖点や内容を螏たえ衚珟及び鑑賞蚀語掻 動を通しおその理解が曎に深められ創造的な䜜品の構想や個性豊かな衚珟の工倫に぀ ながるよう指導するこずが倧切である。 む  名筆や珟代の様々な曞の衚珟ず甚筆・運筆ずの関わり この事項は 「 1 挢字仮名亀じりの曞」における「知識」に関する資質 ・ 胜力であり 「挢 字仮名亀じりの曞」における名筆や珟代の様々な曞の衚珟ず甚筆・運筆ずの関わりに぀い お理解するこずをねらいずしおいる。これは 「曞道Ⅰ」の「む む 名筆や珟代の曞の衚珟 ず甚筆・運筆ずの関わり」の内容を䞀局深めたものである。 名筆ずは 「挢字仮名亀じりの曞」に限定するこずなく叀兞から近珟代たでの優れた 曞をいう。 珟代の様々な曞の衚珟ずは叀兞等の曞の䌝統ず文化を継承した曞の他に新たな発想 や手法に基づいお衚珟された曞䌝統に裏打ちされた「挢字の曞」及び「仮名の曞」の枠 組みで括 くく りきれない曞そしお珟代の生掻や瀟䌚に様々な圢で生かされおいる曞を瀺し おいる。 第2 ç«  各科目 318
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「 1 挢字仮名亀じりの曞」では 「 2 挢字の曞」  「 3 仮名の曞」ず異なり臚曞掻動 を通しお衚珟力を逊うための評䟡の定たった叀兞が少ない䞭で挢字仮名亀じり文で衚珟 された肉筆等を参考にし孊習の幅を広げるこずが倧切である。䟋えば名筆ずしおは 平安時代以降の挢字ず仮名が䞀぀の兞籍の䞭に枟 こん 然 ぜん 䞀䜓ずなっお調和しおいる叀兞文孊や 絵巻の詞 こずばがき 曞などの曞写本があげられる。䞀方で 「挢字の曞」や「仮名の曞」の叀兞の倚 様な衚珟を発展させたり生埒にずっお身近な珟代の様々な曞の衚珟を生かしお衚珟した りするこずも重芁ずなる。 甹筆 ・ 運筆ずの関わりずはこれらの名筆や珟代の様々な曞の衚珟がどのような甚筆 ・ 運筆によっお生み出されおいるのかを実感的に理解するこずであり 「曞道Ⅱ」では取 り扱う衚珟の幅を広げおいくこずが重芁である。 指導に圓たっおは 「鑑賞」ずの関連を図りながら蚀語掻動を通しお名筆や珟代 の様々な曞の衚珟ず甚筆・運筆ずの関わりに぀いお考える機䌚を蚭定するこずが倧切であ る。たた生埒自身の衚珟における甚筆・運筆の効果に぀いお考え実感的に理解できる ようにするこずも倧切である。 り 次の ア 及び む の技胜を身に付けるこず。 この事項は 「 1 挢字仮名亀じりの曞」における「技胜」に関する資質・胜力であり 曞の䌝統に基づき 「挢字仮名亀じりの曞」を効果的に衚珟するための技胜を身に付ける こずをねらいずしおいる。 ここでの「技胜」は䜜品を創造的に構想し個性豊かに衚珟を工倫する過皋を通しお実 感的に育成されるものである。たた技胜を習埗しおから構想し工倫するずいった順序 性をもっお育成するものではないこずに留意する必芁がある。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお実感的に身に付けられるようにするこ ずが倧切である。 ア  目的や甚途意図に応じた効果的な衚珟 この事項は 「 1 挢字仮名亀じりの曞」における「技胜」に関する資質・胜力であり 目的や甚途意図に応じた効果的な衚珟の技胜を身に付けるこずをねらいずしおいる。こ れは 「曞道Ⅰ」の「り ア 目的や甚途に即した効果的な衚珟」の内容を䞀局深めたもので ある。 目的や甚途意図に぀いおは実甚的な衚珟ず芞術的な衚珟の䞡偎面がある。実甚的な 衚珟に぀いおは小・䞭孊校囜語科の曞写及び「曞道Ⅰ」で孊習しおきた文字や曞の䌝 統ず文化に基づく衚珟圢匏や曞匏が孊習の䞭心ずなり衚珟における効果の察象は䞻ずし お目的や甚途ずしお捉えられる。䞀方芞術的な衚珟に぀いおは生埒自身の内からわき 起こる思いや感興を衚珟するために自身の蚀葉や心に響く他者の蚀葉を題材ずしお衚珟  曞道Ⅱ 319
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されるのであり衚珟の栞ずなる自身の思いや感興をいかに効果的に衚珟するかずいう意 図が衚珟における効果の察象ずなる。 目的や甚途意図に応じた効果的な衚珟の技胜に぀いおは実甚的な衚珟であれ芞術 的な衚珟であれ 「䌝える」こずがたず意識されなければならず実甚的な衚珟では目 的や甚途に即しお適切か぀効果的に䌝えるための技胜が芞術的な衚珟では意図に応じ お効果的に䌝えるための技胜が必芁ずなる。その際実甚的な衚珟では小・䞭孊校囜語 科の曞写及び「曞道Ⅰ」での曞匏及び衚珟圢匏の孊習で身に付けた「䌝達」を念頭に適切 に衚珟する技胜に加え文字ず曞の䌝統ず文化の芖点から効果的に衚珟する技胜を身に 付ける必芁がある。䞀方芞術的な衚珟では䌝達ずいう目的や甚途を超えお衚珟の栞 ずなる自己の思いや感興そしお自分自身をより効果的に䌝えるずいう意図に応じお 衚珟するための技胜を身に付けるこずが必芁ずなる。 「 1 挢字仮名亀じりの曞」における技胜は䞻に「 2 挢字の曞」や「 3 仮名の曞」の 衚珟や鑑賞を通しお身に付けた技胜を基盀ずしお 「 1 挢字仮名亀じりの曞」の衚珟に掻 甚するこずになるが 「挢字仮名亀じりの曞」の特質に応じた衚珟の工倫は䞍可欠であり 名筆等の鑑賞や蚀語掻動を通しお感性を高めるずずもに技胜を高められるよう指導する こずが倧切である。 指導に圓たっおは特に意図に関わり題材ずなる蚀葉の遞定の過皋に留意するこずが 重芁であり生埒自身の内からわき起こる思いや感興ず蚀葉ずの関係から衚珟の意図を 生埒自身で思い描きその意図に基づいお䜜品を創造的に構想し効果的な衚珟の工倫ぞず ぀なげられるよう指導するこずが倧切である。たた 「鑑賞」の孊習や蚀語掻動を掻甚 しお効果的な衚珟のための様々な工倫に觊れるこずにより目的や甚途意図に応じた 効果的で個性豊かな衚珟の技胜を身に付けられるよう指導するこずが倧切である。 む  挢字ず仮名の調和等による党䜓の構成 この事項は 「 1 挢字仮名亀じりの曞」における「技胜」に関する資質・胜力であり 挢字ず仮名の調和等による党䜓の構成の技胜を身に付けるこずをねらいずしおいる。これ は 「曞道Ⅰ」の「り む 挢字ず仮名の調和した線質による衚珟」の内容を䞀局深めたもの である。 「挢字仮名亀じりの曞」は挢字仮名亀じり文で曞かれた詩文等を題材ずする。さらに 生埒の日垞的な蚀語生掻においおは挢字仮名の他数字やアルファベットなどが自然 に混圚しおいる。 「挢字仮名亀じりの曞」における調和を図るに圓たっおは異なる䜓系 の耇数の文字皮が混圚するこずに留意しなければならない。 挢字ず仮名の調和等に぀いおは小・䞭孊校囜語科の曞写でも孊習しおきた文字の倧 きさによる調和等の他䞭孊校での「行曞に調和する仮名」のように運筆における「運 動性」 埋動性・リズム気脈等による調和たた 「曞道Ⅰ」で扱った線質による調和な どがある。 挢字ず仮名を調和させるには挢字ず仮名それぞれの特質を螏たえ぀぀甚筆・運筆に 第2 ç«  各科目 320
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぀いお盞互に歩み寄るずいった工倫ずそれを実珟するための盞応の技胜の習埗が必芁ず なる。ただし調和を図ったずしおも 「挢字仮名亀じりの曞」には「読たれる」ずいう 特性があり可読性を阻害するものであっおは適切か぀効果的な衚珟ずは蚀えない。 たた挢字ず仮名の調和の他蚀葉ず衚珟の調和぀たり題材ずなる蚀葉や詩文の内 容ず曞の衚珟ずの関係における調和が重芁ずなる。これは曞の衚珟性が耇合的に合わさ り生じる衚珟効果であり颚趣ず䜵せお重芁な曞の特質である。特に 「挢字仮名亀じり の曞」は蚀葉の内容ず曞の衚珟ずの関連が匷く 「挢字仮名亀じりの曞」における衚珟の 工倫は蚀葉ず衚珟ずの調和に結実するずも蚀える。 党䜓の構成ずは玙面䞊の党䜓のたずめ方を指す。 「挢字仮名亀じりの曞」では挢字 ず仮名の調和がたず考えられるが 「曞道Ⅱ」では挢字ず仮名の調和を生かしお題材 ずなっおいる蚀葉や詩文の内容その䜜品を通しお衚珟しようずする思いや感興ず衚珟 ずの調和による䜜品ずしおのたずたりをそこに生じる衚珟効果の芖点から捉えるこずが 倧切である。そこでの党䜓の構成が諞芁玠及びそこから生じる衚珟性の調和により芋事 に成立した時そこに生じる衚珟効果や䜜品党䜓から醞し出される颚趣をもっお衚珟さ れた思いや感興が䌝わり芋る者の心を動かすこずに぀ながるのである。 指導に圓たっおは感興や意図に応じお䜜品を創造的に構想し個性豊かに衚珟を工倫 できるよう効果的な衚珟の技胜を身に付けるずずもに自己衚珟ずしおの衚珟掻動にお いお完成した䜜品の姿を思い描く構想力ずそれを支え䜜品を完成ぞず導く知識ず衚珟 の技胜を身に付けられるよう指導するこずが倧切である。たた身に付けた知識や技胜を 適切に掻甚できるようにするこずが倧切でありその過皋で知識や技胜は曎に深たっおい くこずになるのである。 2 挢字の曞   挢字の曞に関する次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。  ア  知識や技胜を埗たり生かしたりしながら次の ア 及び む に぀いお構想し工倫 するこず。    ア  衚珟圢匏に応じた党䜓の構成    む  感興や意図に応じた個性的な衚珟  む 次の ア 及び む に぀いお理解するこず。    ア  挢字の曞を構成する様々な芁玠    む  叀兞の特城ず甚筆・運筆ずの関わり  り 次の ア 及び む の技胜を身に付けるこず。    ア  叀兞に基づく効果的な衚珟    む  倉化や調和等による党䜓の構成 ここでは 「曞道Ⅱ」における「 2 挢字の曞」に関する指導事項を瀺しおいる。 「曞道Ⅱ」における「 2 挢字の曞」は 「曞道Ⅰ」の内容を受けお創造的な衚珟掻動 を通しお孊習を深めるこずができるよう内容を瀺しおいる。  曞道Ⅱ 321
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指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお䜜品を創造的に構想し個性豊かに衚珟 を工倫するこずができるよう指導するこずが倧切である。 ア  知識や技胜を埗たり生かしたりしながら次の ア 及び む に぀いお構想し工倫す るこず。 この事項は 「 2 挢字の曞」における「思考力刀断力衚珟力等」に関する資質・胜 力であり䜜品を創造的に構想し個性豊かに衚珟を工倫しお衚すこずをねらいずしおい る。 「 2 挢字の曞」に関わる「知識」はむ 「技胜」はりに瀺しおいる。   「曞道Ⅱ」においおは 「曞道Ⅰ」での孊習を受けお䜜品を創造的に構想し個性豊かに 衚珟を工倫する過皋で新たな知識や技胜を習埗するこず既に習埗しおいる知識や技胜 を掻甚するこずの䞡方が倧切であるこずから知識や技胜を埗たり生かしたりしながらず しおいる。 ここでは知識及び技胜を習埗しおから構想し工倫するずいった順序性をもっお育成 するものではないこずに留意する必芁がある。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお䜜品を創造的に構想し個性豊かに衚珟 を工倫するこずができるよう指導するこずが倧切である。 ア  衚珟圢匏に応じた党䜓の構成 この事項は 「 2 挢字の曞」における「思考力刀断力衚珟力等」に関する資質・胜 力であり衚珟圢匏に応じた党䜓の構成を構想し工倫するこずをねらいずしおいる。これ は 「曞道Ⅰ」における「ア ア 叀兞の曞䜓や曞颚に即した甚筆 ・ 運筆字圢党䜓の構成」 の内容を䞀局深めたものである。 「挢字の曞」における衚珟圢匏に぀いおは䌝統的な圢匏ず珟代的な圢匏実甚的な圢 匏ず芞術的な圢匏あるいは曞かれる詩文の内容による圢匏甚途の違いから生じる圢 匏などがあげられる。 䌝統的な圢匏には条幅扁 ぞん 額 がく 巻 かん 子 す 巻物 折 おりじょう 垖屏 びょうぶ 颚色玙短冊扇面などが ある。条幅や扁 ぞん 額 がく などはか぀おは実甚性が匷いものであったが珟代では芞術的な圢匏 ずしお掻甚されるこずが倚い。ここでは曞は叀来䌝統的に瞊曞きで衚珟されおきたこ ずを螏たえるこずが倧切である。䟋えば扁 ぞん 額 がく が瞊䞀文字の瞊曞きであるこずや扇面等 の䌝統的な党䜓の構成に぀いお取り䞊げるこずなども考えられる。 珟代的な圢匏はこれら䌝統的な圢匏にずらわれず珟代の生掻や瀟䌚における新たな 感芚で工倫されたものがあり圢・玠材も様々で特定の名称で衚し埗ないこずも倚い。 曞かれる詩文の内容による圢匏には䟋えば察句を察 ぀い 聯 れん にする犅語を䞀行ものにす るなどがある。 第2 ç«  各科目 322
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甚途の違いから生じる圢匏には和宀に掛ける堎合掋間で鑑賞する堎合孊校・公共 斜蚭等で展瀺・鑑賞する堎合などに適した圢匏が考えられる。 衚珟圢匏に応じたずはこうした様々な衚珟圢匏のも぀意味や効果を理解しそれに応 じお党䜓を構成しおいくこずである。 党䜓の構成ずは玙面党䜓に占める文字や文字矀ず䜙癜ずの関係や文字ず文字文字 矀ず文字矀ずの぀り合いをいう。ここでは様々な衚珟圢匏のも぀特城を理解しそれに 応じお党䜓の構成を創造的に構想し個性豊かに衚珟を工倫するこずが求められる。 なお党䜓の構成を構想し工倫するこずに぀いおは 「曞道Ⅰ」での孊習を螏たえ衚 珟圢匏に応じお遞定した詩文の文字数に察しお玙の倧きさや圢などを適切に遞択できる よう指導するこずが倧切である。 指導に圓たっおは䌝統的な圢匏及びそれに基づく党䜓の構成を螏たえた䞊で創造的 に衚珟の幅を広げるこずができるようたた珟代の生掻や瀟䌚における新たな感芚で䜜 品を構想したり衚珟を工倫したりするこずができるよう配慮しお指導するこずが倧切であ る。 む  感興や意図に応じた個性的な衚珟 この事項は 「 2 挢字の曞」における「思考力刀断力衚珟力等」に関する資質・胜 力であり感興や意図に応じた個性的な衚珟を構想し工倫するこずをねらいずしおいる。 これは 「曞道Ⅰ」の「ア む 意図に基づいた衚珟」の内容を䞀局深めたものである。 感興ずは䟋えば芞術や自然などの矎に觊れた時や詩歌や文章を読んで感動した時な どに他者からの刺激を受け内からわき起こる感慚をいう。その感興をより効果的に衚 珟しようずする思いが意図である。 感興や意図に応じたに぀いお 「 2 挢字の曞」の衚珟掻動では次の二぀が考えられる。 䞀぀は生埒にずっお心に響く語句や詩文等が先にありその蚀葉ず自身ずの関わりから わき起こる感興や意図に応じお䜜品を構想する堎合である。もう䞀぀はこのように衚珟 したいずいう構想に即しお語句や詩文等を遞定しおいく堎合で䟋えば長条幅に連綿 草で流動的で各行の呌応を図った党䜓の構成を衚珟の意図ずしそれにふさわしい詩文 等を遞定し叀兞から集字しお衚珟するこずなどである。 個性的な衚珟ずは感性を働かせお䜜品を構想し衚珟を工倫しお自身の思いや感興を 衚す自己衚珟でありたず自分自身を再確認し自己の意図を十分に生かそうずする意 欲がそのもずずなる。たた 倚様な叀兞の臚曞掻動を通しお 各曞䜓の叀兞の特城ず甚筆 ・ 運筆ずの関わりに぀いお理解を深めそこで觊れる様々な曞颚が筆者の個性的な衚珟であ るこずに気付くこずができるようにするずずもに効果的な衚珟の技胜を身に付けたり 叀兞の様々な衚珟を生かしたりするこずで䜜品を創造的に構想し個性豊かに衚珟を工倫 するこずができるようにするこずが倧切である。 指導に圓たっおは倚様な叀兞の臚曞掻動を通しお衚珟の幅を広げるずずもに 「鑑 賞」ずの関連を図り倚様な矎の衚珟に觊れたり蚀語掻動を通しお様々な個性に觊れた  曞道Ⅱ 323
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りするこずにより芖野を広げ感性を高め自身の意図に基づいお䜜品を創造的に構 想したり個性豊かに衚珟を工倫したりできるよう指導するこずが倧切である。 たた感興や意図に応じお䜜品を創造的に構想し個性豊かに衚珟を工倫し䜜品を完 成させおいく䞀連の過皋を通しお生埒自らによる蚈画的な衚珟掻動の䞭で䞻䜓的に自 己実珟を図るずずもに掻動の党䜓を振り返るこずで自己課題を芋出し次の衚珟掻動ぞ ず発展的に぀なげるこずができるよう指導するこずが倧切である。 む 次の ア 及び む に぀いお理解するこず。 この事項は 「 2 挢字の曞」における「知識」に関する資質・胜力であり 「挢字の曞」 の衚珟の方法や圢匏倚様性などに぀いお理解を深めるこずをねらいずしおいる。 ここでの「知識」は䜜品を構想し衚珟を工倫する過皋を通しお実感的に習埗されるも のである。たた知識を習埗しおから構想し工倫するずいった順序性をもっお育成する ものではないこずに留意する必芁がある。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお実感的に理解を深めるこずができるよ う指導するこずが倧切である。 ア  挢字の曞を構成する様々な芁玠 この事項は 「 2 挢字の曞」における「知識」に関する資質・胜力であり挢字の曞を 構成する様々な芁玠に぀いお理解するこずをねらいずしおいる。これは 「曞道Ⅰ」の「む ア 甚具・甚材の特城ず衚珟効果ずの関わり」の内容を䞀局深めたものである。 「曞道Ⅱ」では 「曞道Ⅰ」で孊習する楷曞行曞に加え草曞隷曞及び篆 おん 曞も扱うこ ずから衚珟も倚様なものずなる。 「曞道Ⅰ」での孊習を発展させ甚具・甚材の特城に ぀いお理解を深め 「挢字の曞」の創造的な䜜品の構想個性豊かな衚珟の工倫に生かせ るよう指導するこずが倧切である。 挢字の曞を構成する様々な芁玠ずしお 「線質」  「字圢」  「構成」がありこれらを支 える芁玠ずしお「墚色」  「䜙癜」等がある。 「線質」は曞颚を圢成する重芁な芁玠であり䞻に甚筆・運筆によっお倧きく倉化す るが甚具・甚材の特城が担う偎面も倧きく毛筆の毛質や穂の圢状玙や墚の皮類・原 材料硯の材質や鋒 ほう 鋩 がう の粗密などが線質の矎しさを生む。 「曞道Ⅱ」では甚具・甚材 の特城に぀いおの理解を深めるずずもにそこに生じる衚珟性に぀いお 「挢字の曞」の 特質に即しお理解を深めるこずが倧切である。衚珟ず鑑賞ずの関連を図り甚具・甚材の 特城ず衚珟性衚珟効果や颚趣ずの関連に぀いお実感的に理解を深められるよう指導を工 倫するこずが倧切である。 たた線質ず同様に甚具・甚材の特城に基づく芁玠ずしお「墚色」があげられる。墚色 ずは玙面に衚された墚の色合いのこずである。磚墚による墚の濃床墚の皮類や原材料 第2 ç«  各科目 324
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ず玙の皮類や原材料等のそれぞれの特性の関連によっお生たれる墚色そこに生じる濃淡 や最枇の倉化が墚色の矎しさを生む重芁な芁玠ずなる。 「字圢」に぀いおは小・䞭孊校囜語科の曞写で孊習しおきた楷曞䞭孊校囜語科の曞 写で孊習した行曞を基瀎ずしおさらに曞䜓の広がりを理解し 「挢字の曞」の叀兞を 通しお様々な曞颚に぀いお理解を深めおいく䞭でそれぞれの曞颚に応じお字圢も様々に あるこずたた字圢がそれぞれの曞颚を圢づくる重芁な芁玠であるこずに぀いお理解を 深めるこずが倧切である。 「造圢性」を担う文字構成・党䜓の構成等の「構成」のうち文字構成に぀いおは曞 颚ず䜵せお考えるこずができる。党䜓の構成に぀いおは 「曞道Ⅰ」での孊習を螏たえ 文字同士の関係や 玙面における文字の倧きさ 文字矀の配列 字間や行間 䞊䞋倩地 ・ 巊右の䜙癜などに加え倚様な玙のサむズや文字数衚珟の意図や構想に応じお効果的 に工倫するこずが必芁ずなる。創造的な䜜品の構想に基づいお個性豊かに工倫された衚 珟倚様な圢匏や意図による衚珟に向けお党䜓の構成぀たり衚珟ずしおの総合的なた ずめ方に぀いお鑑賞や蚀語掻動を通しお理解を深めるこずが倧切である。 たた党䜓の構成に関わり 「造圢性」を担う芁玠ずしお「䜙癜」がある。䜙癜に象城 される「空間性」は他の芞術ず倧きく異なる曞の特質であり䜙癜は同じく曞の特質で ある「時間性」や「運動性」ずも盎接関わる芁玠であり䜙癜の意味や効果䜙癜の矎に ぀いお理解を深められるよう指導を工倫するこずが倧切である。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕に瀺した芖点や内容を螏たえ衚珟及び鑑賞蚀語掻 動の孊習を通しおその理解が曎に深められ創造的な䜜品の構想や個性豊かな衚珟の工 倫に぀ながるよう指導するこずが倧切である。 む   叀兞の特城ず甚筆・運筆ずの関わり この事項は 「 2 挢字の曞」における「知識」に関する資質・胜力であり 「挢字の曞」 における叀兞の特城ず甚筆・運筆ずの関わりに぀いお理解するこずをねらいずしおいる。 これは 「曞道Ⅰ」の「む む 曞䜓や曞颚ず甚筆・運筆ずの関わり」の内容を䞀局深めたも のである。 叀兞の特城ずは各叀兞の曞䜓や曞颚叀兞特有の筆法構成線質墚色など様々 な芁玠から生じる各叀兞特有の衚珟及びその倚様性を指す。 「曞道Ⅱ」では孊習する叀 兞の幅を広げ 「鑑賞」ずの関連を図りながら臚曞掻動を通しお 「挢字の曞」の衚珟 の倚様性を理解するこずが倧切である。 甚筆・運筆ずの関わりずは各叀兞における線質字圢構成などの特城がどのよう な甚筆・運筆によっお生み出されおいるのかを実感的に理解するこずである。 挢字には楷曞行曞草曞隷曞及び篆 おん 曞の五぀の曞䜓がありそれぞれに固有の特 城がある。たた時代ごずの矎意識を反映させながら同じ曞䜓であっおも甚筆・運筆の 違いなどから生じる様々な曞颚の叀兞が存圚しおいる。 「曞道Ⅰ」では䞭孊校囜語科の 曞写での孊習を螏たえ楷曞及び行曞における基本的な甚筆・運筆を基瀎ずしお曞の衚  曞道Ⅱ 325
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珟の基本ずなる甚筆・運筆を楷曞及び行曞の叀兞を䞭心に曞颚ずその衚珟を通しお孊 習した。 「曞道Ⅱ」では楷曞及び行曞に加えお草曞隷曞篆 おん 曞の各曞䜓を孊ぶこず から甚筆・運筆に぀いおも倚様化する。曞䜓の違いや様々な個性に基づく曞颚に觊れ その甚筆・運筆を䜓隓的に孊んだり鑑賞したりする掻動を通しお筆法ぞの理解を䞀局深 められるよう指導するこずが倧切である。たた 「鑑賞」ずの関連を図りながら倚様 な叀兞の臚曞掻動を通しお叀兞の特城ず甚筆・運筆ずの関わりを理解し衚珟の幅を広 げおいくこずが倧切である。 指導に圓たっおは 「鑑賞」ずも関連を図りながら䜜品を創造的に構想し個性豊か に衚珟を工倫するこずができるよう生埒の特性を考慮しお孊習する叀兞を段階的に瀺 したり叀兞を䞻䜓的に遞定できるようにしたりするこずが倧切である。 り 次の ア 及び む の技胜を身に付けるこず。 この事項は 「 2 挢字の曞」における「技胜」に関する資質・胜力であり曞の䌝統に 基づき 「挢字の曞」を効果的に衚珟するための技胜を身に付けるこずをねらいずしおい る。 ここでの「技胜」は䜜品を創造的に構想し個性豊かに衚珟を工倫する過皋を通しお実 感的に育成されるものである。たた技胜を習埗しおから構想し工倫するずいった順序 性をもっお育成するものではないこずに留意する必芁がある。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお実感的に身に付けられるようにするこ ずが倧切である。 ア   叀兞に基づく効果的な衚珟 この事項は 「 2 挢字の曞」における「技胜」に関する資質・胜力であり叀兞に基づ く効果的な衚珟の技胜を身に付けるこずをねらいずしおいる。これは 「曞道Ⅰ」 の 「り ア 叀兞に基づく基本的な甚筆・運筆」の内容を䞀局深めたものである。 叀兞に基づく効果的な衚珟の技胜を身に付けるためには孊習する叀兞の範囲や皮類を 広げ 「鑑賞」ずの関連を図りながらその臚曞掻動を通しお叀兞のも぀矎を感受し それを远䜓隓するこずで衚珟の幅を広げおいくこずが倧切である。ここでは 「曞道Ⅰ」 で身に付けた基本的な線質の衚し方甚筆・運筆の技胜を螏たえさらに効果的な衚珟 の技胜を身に付けるために 「曞道Ⅱ」で扱う五぀の曞䜓に぀いお盞互の関連性にも配 慮しお孊習するこずが倧切である。たた曞颚に぀いおも衚珟の幅を広げられるよう臚 曞の察象ずなる叀兞に぀いお発展的なものを厳遞するこずが重芁である。 創䜜掻動においおは自己衚珟ぞず発展させる拠り所が倧切でありその際叀兞が倧 きな圹割を果たすこずを理解した䞊で臚曞掻動を通しお効果的な衚珟の技胜を身に付け られるようにするこずが倧切である。 第2 ç«  各科目 326
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指導に圓たっおは曞䜓及び曞颚の倚様化に察応しどのような順序でどの叀兞を孊ぶ かに留意するこずが倧切である。臚曞や創䜜に関わらず自身の思いや感興意図に応じ お䞻䜓的に衚珟する際には様々な叀兞の臚曞掻動を通しお身に付けた甚筆・運筆及び甚 具・甚材の特城による線質や墚色曞颚を倧きく担う字圢䜙癜の効果も含めた党䜓の構 成などの技胜を生かしお効果的に衚珟するこずが倧切である。なお臚曞から創䜜ぞ発 展させる際には倣 ほう 曞 しょ などの方法を掻甚するこずも考えられる。 む  倉化や調和等による党䜓の構成 この事項は 「 2 挢字の曞」における「技胜」に関する資質・胜力であり倉化や調和 等による党䜓の構成の技胜を身に付けるこずをねらいずしおいる。これは 「曞道Ⅰ」 の 「り む 叀兞の線質字圢や構成を生かした衚珟」の内容を䞀局深めたものである。 倉化や調和ずは曞の衚珟性や衚珟効果を最も端的に衚すものであり党䜓の構成の原 理ずもいえるものである。埋動性や性情の衚出などの衚珟性ず同様に曞特有の衚珟性の 䞀぀である倉化たたそれらが合わさっお生じる衚珟効果である調和は 「挢字の曞」 に限ったものではなく 「挢字仮名亀じりの曞」及び「仮名の曞」にも共通に䜜品のた ずたりずしおの党䜓の構成を質的に支えるものである。たたそこに生じる衚珟効果は 颚趣ず䜵せお重芁な曞の特質であり曞のよさや矎しさを豊かなものずする。倉化や調和 は曞の衚珟においお䜜品を構想し衚珟を工倫する際には䞉分野のいずれであれいか なる衚珟であれ垞に意識されるものではあるが曞䜓や曞颚が倚様な「挢字の曞」で特 に捉えやすくその働きや効果を理解したり技胜を身に付けたりするためには 「挢字 の曞」での孊習が最も適しおいるず考えられる。 指導に圓たっおは倉化等の衚珟性調和等の衚珟効果が党䜓の構成に及がす効果を実 感的に理解するずずもにそこに生じる衚珟効果や颚趣を䜜品を構想し衚珟を工倫する 䞭で効果的に生かすための技胜を身に付けられるよう指導するこずが倧切である。 3 仮名の曞   仮名の曞に関する次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。  ア  知識や技胜を埗たり生かしたりしながら次の ア 及び む に぀いお構想し工倫 するこず。    ア  衚珟圢匏に応じた党䜓の構成    む  感興や意図に応じた個性的な衚珟  む 次の ア 及び む に぀いお理解するこず。    ア  仮名の曞を構成する様々な芁玠    む  叀兞の特城ず甚筆・運筆ずの関わり  り 次の ア 及び む の技胜を身に付けるこず。    ア  叀兞に基づく効果的な衚珟    む  墚継ぎや散らし曞き等による党䜓の構成  曞道Ⅱ 327
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ここでは 「曞道Ⅱ」における「 3 仮名の曞」に関する指導事項を瀺しおいる。 「曞道Ⅱ」における「 3 仮名の曞」は 「曞道Ⅰ」の内容を受けお創造的な衚珟掻動 を通しお孊習を深めるこずができるよう内容を瀺しおいる。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお䜜品を創造的に構想し個性豊かに衚珟 を工倫するこずができるよう指導するこずが倧切である。 ア  知識や技胜を埗たり生かしたりしながら次の ア 及び む に぀いお構想し工倫す るこず。 この事項は 「 3 仮名の曞」における「思考力刀断力衚珟力等」に関する資質・胜 力であり䜜品を創造的に構想し個性豊かに衚珟を工倫しお衚すこずをねらいずしおい る。 「 3 仮名の曞」に関わる「知識」はむ 「技胜」はりに瀺しおいる。  「曞道Ⅱ」においおは 「曞道Ⅰ」での孊習を受けお䜜品を創造的に構想し個性豊かに 衚珟を工倫する過皋で新たな知識や技胜を習埗するこず既に習埗しおいる知識や技胜 を掻甚するこずの䞡方が倧切であるこずから知識や技胜を埗たり生かしたりしながらず しおいる。 ここでは知識及び技胜を習埗しおから構想し工倫するずいった順序性をもっお育成 するものではないこずに留意する必芁がある。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお䜜品を創造的に構想し個性豊かに衚珟 を工倫するこずができるよう指導するこずが倧切である。 ア  衚珟圢匏に応じた党䜓の構成 この事項は 「 3 仮名の曞」における「思考力刀断力衚珟力等」に関する資質・胜 力であり衚珟圢匏に応じた党䜓の構成を構想し工倫するこずをねらいずしおいる。これ は 「曞道Ⅰ」における「ア ア 叀兞の曞颚に即した甚筆・運筆字圢党䜓の構成」の内 容を䞀局深めたものである。 「仮名の曞」における衚珟圢匏に぀いおは䟋えば色玙短冊懐 かいし 玙巻 かんす 子巻物  冊子折 おりじょう 垖屏 びょうぶ 颚などの䌝統的な衚珟圢匏があげられる。たた近幎は条幅を甚いた倧字 仮名や䌝統的な衚珟圢匏を額装した䜜品も倚く芋られる。我が囜では叀来懐 かいし 玙を料 玙の基本の倧きさずし぀぀それをもずに色玙短冊カルタなどの倧きさが定められ 扇面等も含め倚様な衚珟圢匏により「仮名の曞」が衚珟されおきた。䟋えば色玙にお ける䌝統的な曞匏ずしおは雁 がん 行 こう や藀の花などに芋立おた様々な散らし曞きなど䜙癜を生 かした衚珟圢匏が今日たで受け継がれおいる。 衚珟圢匏に応じたずはこうした様々な衚珟圢匏のも぀意味や効果を理解しそれに応 第2 ç«  各科目 328
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じお党䜓を構成しおいくこずである。 党䜓の構成ずは玙面党䜓に占める文字や文字矀ず䜙癜ずの関係や文字ず文字文字 矀ず文字矀ずの぀り合いをいう。ここでは様々な衚珟圢匏のも぀特城を理解しそれに 応じお党䜓の構成を創造的に構想し個性豊かに衚珟を工倫するこずが求められる。 たた今日たで行の長短や高䜎行間墚継ぎなどを工倫しお倚様な散らし曞きが なされおいるがそうした党䜓の構成の単䜍をなすのが連綿であり平仮名ず倉䜓仮名を 亀えお甚いるこずによっお幅広い衚珟が可胜ずなる。 指導に圓たっおは党䜓の構成を構想し衚珟を工倫しおいく掻動を通しお散らし曞き による䜙癜の矎に觊れ我が囜独自の䌝統ず文化に芪しみ豊かに関わるこずにより䜜 品の構想や衚珟の工倫に生かすこずができるよう指導するこずが倧切である。 む  感興や意図に応じた個性的な衚珟 この事項は 「 3 仮名の曞」における「思考力刀断力衚珟力等」に関する資質・胜 力であり感興や意図に応じた個性的な衚珟を構想し工倫するこずをねらいずしおいる。 これは 「曞道Ⅰ」の「ア む 意図に基づいた衚珟」の内容を䞀局深めたものである。 感興ずは䟋えば芞術や自然などの矎に觊れた時や詩歌や文章を読んで感動した時な どに他者からの刺激を受け内からわき起こる感慚をいう。その感興をより効果的に衚 珟しようずする思いが意図である。 感興や意図に応じたに぀いお 「 3 仮名の曞」の衚珟掻動では 次の二぀が考えられる。 䞀぀は生埒にずっお心に響く語句や詩歌等が先にありその蚀葉ず自身ずの関わりから わき起こる感興や意図に応じお䜜品を構想する堎合である。もう䞀぀はこのように衚珟 したいずいう構想に即しお語句や詩歌等を遞定しおいく堎合で䟋えば色玙に散らし 曞きで衚珟する堎合叀兞を参考にしながら各行の呌応を図った党䜓の構成を衚珟の意図 ずしそれにふさわしい詩歌等を遞定し叀兞から集字しお衚珟するこずなどである。 なお叀兞から集字する際には 「仮名の曞」の特城である連綿による連続性を衚珟で きるよう連綿単䜍で集字するこずがより効果的である。 個性的な衚珟ずは感性を働かせお䜜品を構想し衚珟を工倫しお自身の思いや感興を 衚す自己衚珟でありたず自分自身を再確認し自己の意図を十分に生かそうずする意 欲がそのもずずなる。たた 「仮名の曞」の叀兞の臚曞掻動を通しおそこで觊れる様々 な曞颚が筆者の個性的な衚珟であるこずに気付くこずができるようにするずずもに効果 的な衚珟の技胜を身に付けたり叀兞の様々な衚珟を生かしたりするこずで䜜品を創造 的に構想し個性豊かに衚珟を工倫するこずができるようにするこずが倧切である。 指導に圓たっおは倚様な叀兞の臚曞掻動を通しお衚珟の幅を広げるずずもに 「鑑 賞」ずの関連を図り倚様な矎の衚珟に觊れたり蚀語掻動を通しお様々な個性に觊れた りするこずにより芖野を広げ感性を高め自身の意図に基づいお䜜品を創造的に構 想したり個性豊かに衚珟を工倫したりできるよう指導するこずが倧切である。 たた感興や意図に応じお䜜品を創造的に構想し個性豊かに衚珟を工倫し䜜品を完  曞道Ⅱ 329
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成させおいく䞀連の過皋を通しお生埒自らによる蚈画的な衚珟掻動の䞭で䞻䜓的に自 己実珟を図るずずもに掻動の党䜓を振り返るこずで自己課題を芋出し次の衚珟掻動ぞ ず発展的に぀なげるこずができるよう指導するこずが倧切である。 む 次の ア 及び む に぀いお理解するこず。 この事項は 「 3 仮名の曞」における「知識」に関する資質・胜力であり 「仮名の曞」 の衚珟の方法や圢匏倚様性などに぀いお理解を深めるこずをねらいずしおいる。 ここでの「知識」は䜜品を構想し衚珟を工倫する過皋を通しお実感的に習埗されるも のである。たた知識を習埗しおから構想し工倫するずいった順序性をもっお育成する ものではないこずに留意する必芁がある。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお実感的に理解を深めるこずができるよ う指導するこずが倧切である。 ア  仮名の曞を構成する様々な芁玠 この事項は 「 3 仮名の曞」における「知識」に関する資質・胜力であり仮名の曞を 構成する様々な芁玠に぀いお理解するこずをねらいずしおいる。これは 「曞道Ⅰ」の「む ア 甚具・甚材の特城ず衚珟効果ずの関わり」の内容を䞀局深めたものである。 「曞道Ⅱ」では扱う叀兞の幅が広がるこずから衚珟も倚様なものずなる。 「曞道Ⅰ」 での孊習を発展させ甚具・甚材の特城に぀いお理解を深め 「仮名の曞」の創造的な䜜 品の構想個性豊かな衚珟の工倫に生かせるよう指導するこずが倧切である。 仮名の曞を構成する様々な芁玠ずしお 「線質」  「字圢」  「構成」がありこれらを支 える芁玠ずしお「墚色」  「䜙癜」等がある。 「線質」に぀いおは特に「仮名の曞」では甚具 ・ 甚材の特城が深く関わり 「仮名の曞」 の曞颚の違いも線質によっお圢づくられおきた。 「仮名の曞」では小筆を甚いるこずが倚 いが穂先の長さ筆毛の固さや匟力等の特城ずそこから生じる線質ずの関連に぀いお 理解を深められるよう指導を工倫するこずが倧切である。 「仮名の曞」特有の暢 ちょうた぀ 達した線質を生むためには磚墚や含墚量など墚の扱いに関わ る工倫が重芁な芁玠ずなる。䟋えば墚の原料による墚色や磚墚による墚の濃淡の他 墚量による墚の最枇等が線質における䌞びやかさや匵りなどを巊右するこずになる。た た 「仮名の曞」で叀来より䌝統的に甚いられおきた矎麗な加工を斜した料玙の他掋玙 に色や文様を印刷したものや各叀兞専甚の臚曞甚玙を甚いるなど玙に関わる工倫に぀ いおも 「仮名の曞」特有の線質衚珟性衚珟効果や颚趣を生む芁玠ずなる。 「字圢」に぀いおは衚音文字である仮名が意味を成す䞊で必然的に䜕文字かが連続 しお曞かれる「連綿」ずいう衚珟が行われおきたこずを理解するこずが倧切である。それ を螏たえ仮名の単䜓の字圢が必ずしもその字圢に固定されたものではないずいうこず 第2 ç«  各科目 330
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連綿が倧きな原動力ずなっお「仮名の曞」の倚様な曞颚が生たれおきたこず連綿によっ お字圢が倉化するこず連綿線は単に文字ず文字の接続線ではなくそれ自䜓が「仮名の 曞」の矎の重芁な芁玠であるこずなどの芖点から 「仮名の曞」の字圢に぀いお理解する こずが倧切である。 「造圢性」を担う文字構成・党䜓の構成等の「構成」のうち文字構成に぀いおは連 綿の芖点から捉えるこずが倧切である。これは仮名の字源や成立過皋等の文字文化に関 わる芖点曞の倉遷等の蚀語文化に関わる芖点であり曞における蚀語の「時間性」及び 曞字における「運動性」の芖点からの捉え方でもある。党䜓の構成に぀いおは行の長短 や高䜎行間や䜙癜墚継ぎ倚様な散らし曞き平仮名ず倉䜓仮名を亀えた倉化ず調和 など 「仮名の曞」特有の衚珟に぀いお理解を深めるこずが倧切である。 たた党䜓の構成に関わり 「造圢性」を担う芁玠ずしお「䜙癜」がある。䜙癜に象城 される「空間性」は他の芞術ず倧きく異なる曞の特質であり䜙癜は同じく曞の特質で ある「時間性」や「運動性」ずも盎接関わる芁玠である。特に「仮名の曞」では 「仮名 の曞」特有の散らし曞きにおける䜙癜の意味や効果䜙癜の矎に぀いお理解を深めるこず が倧切である。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕に瀺した芖点や内容を螏たえ衚珟及び鑑賞蚀語掻 動の孊習を通しおその理解が曎に深められ創造的な䜜品の構想や個性豊かな衚珟の工 倫に぀ながるよう指導するこずが倧切である。  む  叀兞の特城ず甚筆・運筆ずの関わり この事項は 「 3 仮名の曞」における「知識」に関する資質・胜力であり 「仮名の曞」 における叀兞の特城ず甚筆・運筆ずの関わりに぀いお理解するこずをねらいずしおいる。 これは 「曞道Ⅰ」の「む む 線質や曞颚ず甚筆・運筆ずの関わり」の内容を䞀局深めたも のである。 叀兞の特城ずは各叀兞特有の筆法構成線質墚色など様々な芁玠から生じる各 叀兞特有の衚珟及びその倚様性を指す。 「曞道Ⅱ」では孊習する叀兞の幅を広げ 「鑑 賞」ずの関連を図りながら臚曞掻動を通しお 「仮名の曞」の衚珟の倚様性を理解する こずが倧切である。 甚筆・運筆ずの関わりずは各叀兞における線質字圢構成などの特城がどのよう な甚筆・運筆によっお生み出されおいるのかを実感的に理解するこずである。 「仮名の曞」は時代ごずの矎意識を反映させながら倚様な甚筆・運筆から生み出さ れる線質の差異によっお叀兞ごずの様々な曞颚を圢づくっおきた。 「仮名の曞」の叀兞 の特城を生み出す甚筆・運筆はたず筆の穂先が線の真ん䞭を通る盎 ちょく 筆 ひ぀ による基本的な甚 筆・運筆そしお筆の腹を駆䜿した穂先の開閉による厚みのある甚筆・運筆さらに 院政期の叀筆に代衚される穂先の呜毛を生かした现身の線による甚筆・運筆の抂ね䞉぀ に分類される。加えお蚀語の「時間性」を運動に重ね合わせお「蚀語を曞く」䞭で生じ る運筆䞊の遅速や緩急抑揚筆圧の倉化筆脈などの「仮名の曞」特有の筆法に぀い  曞道Ⅱ 331
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お理解を深めるこずが倧切である。たた 「鑑賞」ずの関連を図りながら倚様な叀兞 の臚曞掻動を通しお叀兞の特城ず甚筆・運筆ずの関わりを理解し衚珟の幅を広げおい くこずが倧切である。 指導に圓たっおは 「鑑賞」ずも関連を図りながら䜜品を創造的に構想し個性豊か に衚珟を工倫するこずができるよう生埒の特性を考慮しお孊習する叀兞を段階的に瀺 したり叀兞を䞻䜓的に遞定できるようにしたりするこずが倧切である。 り 次の ア 及び む の技胜を身に付けるこず。 この事項は 「 3 仮名の曞」における「技胜」に関する資質・胜力であり曞の䌝統に 基づき 「仮名の曞」を効果的に衚珟するための技胜を身に付けるこずをねらいずしおい る。 ここでの「技胜」は䜜品を創造的に構想し個性豊かに衚珟を工倫する過皋を通しお実 感的に育成されるものである。たた技胜を習埗しおから構想し工倫するずいった順序 性をもっお育成するものではないこずに留意する必芁がある。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお実感的に身に付けられるようにするこ ずが倧切である。 ア  叀兞に基づく効果的な衚珟 この事項は 「 3 仮名の曞」における「技胜」に関する資質・胜力であり叀兞に基づ く効果的な衚珟の技胜を身に付けるこずをねらいずしおいる。これは 「曞道Ⅰ」 の 「り ア 叀兞に基づく基本的な甚筆・運筆」の内容を䞀局深めたものである。 叀兞に基づく効果的な衚珟ずしお 「仮名の曞」では「曞颚」及びそれらを圢づくる「線 質」があげられる。これらの技胜を身に付けるためには孊習する叀兞の範囲や皮類を広 げ 「鑑賞」ずの関連を図りながら臚曞掻動を通しお叀兞のも぀矎を感受しそれ を远䜓隓するこずで衚珟の幅を広げおいくこずが倧切である。たた効果的な衚珟の技胜 を身に付けるためには様々な曞颚の叀兞の臚曞掻動を通しお衚珟の倚様性に觊れ甚 筆・運筆ずの関わりから構想した意図に即しお効果的に衚珟を工倫する䞊での衚珟の幅 を広げおいくこずが重芁である。 創䜜掻動においおは自己衚珟ぞず発展させる拠り所が倧切でありその際叀兞が倧 きな圹割を果たすこずを理解した䞊で臚曞掻動を通しお効果的な衚珟の技胜を身に付け られるようにするこずが倧切である。 指導に圓たっおは曞颚の倚様化に察応しどのような順序でどの叀兞を孊ぶかに留意 するこずが倧切である。創䜜掻動においおは自身の思いや感興意図を生かそうずする 意欲が基盀ずなるが臚曞掻動によっお培われた倚様な衚珟の技胜を衚珟の工倫に生かし お効果的に衚珟するこずが倧切である。なお臚曞から創䜜ぞ発展させる際には倣 ほう 曞 しょ 第2 ç«  各科目 332
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などの方法を掻甚するこずも考えられる。 む  墚継ぎや散らし曞き等による党䜓の構成 この事項は 「 3 仮名の曞」における「技胜」に関する資質・胜力であり墚継ぎや散 らし曞き等による党䜓の構成の技胜を身に付けるこずをねらいずしおいる。これは 「曞 道Ⅰ」の「り む 連綿ず単䜓 線質や字圢を生かした衚珟」の内容を䞀局深めたものである。 「仮名の曞」の党䜓の構成に぀いおは墚継ぎや散らし曞き等が倧きく関わっおいる。 墚継ぎずは文字どおり含墚する箇所のこずであり散らし曞きずは行の長短や高䜎 行間の広 こうきょう 狭ずいった䜙癜を生かした「仮名の曞」独自の玙面構成法のこずである。墚継 ぎの堎所は散らし曞きの玙面構成においお重芁な圹割を担っおおり墚継ぎや散らし曞 きは 「仮名の曞」における党䜓の構成を圢づくる重芁な芁玠である。墚継ぎによる墚量 の倉化や散らし曞きによる䜙癜の効果に加え連綿による流動矎や甚筆・運筆の埋動矎な どが耇合し 「仮名の曞」特有の構成矎が圢づくられる。こうした様々な芁玠がもたらす 衚珟効果や意味を実感的に理解しそれに即しお玙面を構成しおいく技胜を身に付けるこ ずが求められる。 指導に圓たっおは 「仮名の曞」特有の散らし曞きによる䜙癜の矎墚継ぎによる墚量 の倉化連綿の流動矎などが党䜓の構成における矎を圢づくりそしお衚珟効果や颚 趣ぞず぀ながるこずを理解し党䜓の構成の技胜を身に付けられるよう指導するこずが倧 切である。  曞道Ⅱ 333
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 鑑 賞 鑑賞に関する資質・胜力を次のずおり育成する。 「鑑賞」に぀いおはアは「思考力刀断力衚珟力等」 むは「知識」に関する資質 ・ 胜力を瀺しおいる。 1 鑑賞   鑑賞に関する次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。  ア  鑑賞に関わる知識を埗たり生かしたりしながら 次の ア 及び む に぀いお考え 曞のよさや矎しさを味わっお深く捉えるこず。    ア  䜜品の䟡倀ずその根拠    む  生掻や瀟䌚における曞の矎の効甚ず珟代的意矩  む 次の ア から ゚ たでに぀いお理解を深めるこず。    ア  線質字圢構成等の芁玠ず衚珟効果や颚趣ずの関わり    む  日本及び䞭囜等の文字ず曞の䌝統ず文化    り  挢字の曞仮名の曞挢字仮名亀じりの曞の特質ずその歎史    ゚  曞の矎ず時代颚土筆者などずの関わり ここでは 「曞道Ⅱ」における「鑑賞」に関する指導事項を瀺しおいる。 今回の改蚂ではアは鑑賞領域における「思考力刀断力衚珟力等」に関する事項を むは「知識」に関する事項を瀺しおいる。 「曞道Ⅱ」では曞の衚珟の方法や圢匏倚様性などに぀いお理解を深めたり䜜品や 曞の䌝統ず文化の意味や䟡倀珟代的意矩に぀いお考え曞のよさや矎しさを味わい深く 捉えたりするこずをねらいずしおいる。たた 「曞道」の孊習の䞊に立っお発展的に内 容を構成するずずもに 幅広い芳点から曞のよさや矎しさを鑑賞し その衚珟方法や圢匏 曞の歎史や文化に぀いお理解を深めるこずなどを扱うこずずしおいる。 指導に圓たっおは 「思考力・刀断力・衚珟力等」ず「知識」ずを関連させお指導する ずずもに 「衚珟」の孊習ずの関連を図るこずに留意するこずが倧切である。 ア  鑑賞に関わる知識を埗たり生かしたりしながら次の ア 及び む に぀いお考え 曞のよさや矎しさを味わっお深く捉えるこず。 この事項は鑑賞領域における「思考力刀断力衚珟力等」に関する資質・胜力であ り䜜品や曞の䌝統ず文化の意味や䟡倀を考え曞のよさや矎しさを味わっお深く捉える こずをねらいずしおいる。鑑賞領域に関わる「知識」はむに瀺しおいる。 「曞道Ⅱ」では曞の矎を味わっお深く捉える過皋で新たな知識を習埗するこずや 第2 ç«  各科目 334
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既に習埗しおいる知識を掻甚するこずの䞡方が倧切であるこずから知識を埗たり生かし たりしながらずしおいる。このように知識の習埗は曞のよさや矎しさを味わっお深く 捉える過皋で行われるものである。ここでは知識を習埗しおから曞を味わっお捉える ずいった順序性をもっお育成するものではないこずに留意する必芁がある。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお曞のよさや矎しさを味わっお深く捉え るこずができるようにするこずが倧切である。 ア   䜜品の䟡倀ずその根拠 この事項は鑑賞領域における「思考力刀断力衚珟力等」に関する資質・胜力であ り䜜品の䟡倀ずその根拠に぀いお考え曞のよさや矎しさを味わっお深く捉えるこずを ねらいずしおいる。 「曞道Ⅱ」では 「曞道」での孊習を螏たえ曞のよさや矎しさをもたらす基本ずなる 曞を構成する芁玠ずの関係をもずに知識ず関連させながら䜜品を分析的に捉え曞を構 成する芁玠から生たれ曞のよさや矎しさを生む衚珟性が耇合的に合わさるこずで生じる 衚珟効果や颚趣にも目を向けお䜜品の䟡倀ずその根拠を考えるこずが求められる。ここ では 〔共通事項〕の内容や「衚珟」の各分野のむ ア ずの関連を図りながら曞を構成 する芁玠の芖点をもっお䜜品を捉えるこずが重芁である。 人が芞術䜜品を目前にしたずきに自らの感性に觊れお芚える最初の感懐すなわち盎感 的鑑賞によるよさや矎しさの把握を経おその根拠を分析的に把握しそのよさや矎しさ を捉える分析的鑑賞に発展するのが段階的な鑑賞方法の䞀般的な展開である。曞の堎合 には察象ずなる叀兞や䜜品から受ける第䞀印象の把握に止たるこずなくその印象をも たらす諞芁玠に関わる様々な芖点から生埒自身が分析的に䜜品を捉え察象がも぀衚珟 効果や颚趣を捉えるこずができるようにするこずが倧切である。 たた 「曞道Ⅰ」の「鑑賞」の「む ゚ 曞の䌝統的な鑑賞の方法や圢態」で孊習した知 識を掻甚しお題材ずなる蚀葉の内容や目的衚珟圢匏衚装の様匏など鑑賞の堎や方 法圢態等の環境などにも留意し぀぀䜜品の䟡倀ずその根拠に぀いお考えられるように するこずが重芁である。 指導に圓たっおは 「曞道Ⅰ」での孊習を発展させお評䟡が定たっおいる叀兞に぀い おは生埒が䞻䜓的に情報を収集するなどしお知的理解の面から鑑賞を深めるこずが効果 的である。たた自身の䜜品や他者の䜜品に぀いおは 「衚珟」ずの関連を図り䜜品の よさや矎しさを実感的に捉え根拠をもっお䜜品の䟡倀を考えるこずができるよう指導す るこずが倧切である。たた蚀語掻動を通しお感じたこずを蚀葉で衚珟したり意芋を 亀換したりしお考えを深めるこずも倧切である。 む   生掻や瀟䌚における曞の矎の効甚ず珟代的意矩  曞道Ⅱ 335
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この事項は鑑賞領域における「思考力・刀断力・衚珟力等」に関する資質・胜力であ り生掻や瀟䌚における曞の矎の効甚ず珟代的意矩に぀いお考え曞のよさや矎しさを味 わっお深く捉えるこずをねらいずしおいる。 生掻や瀟䌚における曞の矎の効甚ず珟代的意矩ずは生掻や瀟䌚においお曞特有の矎 がどのような堎面で生掻を豊かにしたり瀟䌚に圱響を及がしたりしおいるかをいう。 曞は人ずの関わりが密接であり毛筆等による手曞き文字は筆者の個性を発揮する恰 かっ 奜 こう の堎である。曞は挢詩や和歌を曞いたものだけではなく自ら玡ぎ出した蚀葉や自身 の思いや感興に合う詩歌を遞定するこずにより䞻䜓的に衚珟掻動に取り組むこずができ る。曞は字句詩文等の蚀葉の意味を衚珟するだけではなく感興や意図に応じお甚 具・甚材を遞択したり䜜品を創造的に構想し衚珟を工倫したりするこずにより筆者の 思いや感興を衚珟するこずができる。それを倚くの人々が享受するこずができれば我々 の生掻はより豊かなものになる。 日垞の曞字はもずより芞術にたで高められた曞の意矩や䟡倀は珟代に生かされるず ずもに未来にも぀ながるものである。曞の珟代的意矩ぞの理解を深めるこずを通しお文 化の創造や継承生掻や瀟䌚における曞の圹割や効甚の曎なる可胜性曞の貢献すべき課 題等に぀いお考えるこずも倧切である。 指導に圓たっおは䜜品や曞の衚珟効果や颚趣を盎感的に味わいながら感受を深めるず ずもに曞のよさや矎しさを分析的に把握するこずに䞻䜓的に取り組めるよう指導を工倫 するこずが倧切である。 む 次の ア から ゚ たでに぀いお理解を深めるこず。 この事項は鑑賞領域における「知識」に関する資質・胜力であり曞の衚珟の方法や 圢匏倚様性などに぀いお幅広く理解するこずをねらいずしおいる。 ここでの「知識」は曞のよさや矎しさを味わっお捉える過皋を通しお実感的に習埗さ れるものであり䜜品の名称や鑑賞に関する甚語等を蚘憶するこずを目的ずするような掻 動にならないようにするこずが重芁である。たた知識を習埗しおから曞のよさや矎し さを味わっお捉えるずいった順序性をもっお育成するものではないこずに留意する必芁が ある。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお実感的に理解できるよう指導するこず が倧切である。 ア   線質字圢構成等の芁玠ず衚珟効果や颚趣ずの関わり この事項は鑑賞領域における「知識」に関する資質・胜力であり線質字圢構成 等の芁玠ず衚珟効果や颚趣ずの関わりに぀いお理解を深めるこずをねらいずしおいる。 曞のよさや矎しさには線質字圢構成等の芁玠の特性の働きにより生じる衚珟性が 第2 ç«  各科目 336
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もたらす調和等の衚珟効果の他にも曞かれた文字の意味や蚀葉が発する効果可読性に 支えられた文字や蚀葉に連動する筆者の思いや感興なども関䞎する。たたこれらが耇雑 に融合しお滲 にじ み出る颚趣も深く関わっおいる。 「曞道Ⅱ」では 「曞道Ⅰ」での孊習を発展させおたず甚筆・運筆ず線質ずの関係が理 解できるよう 「衚珟」ず関連させた指導を工倫するこずが倧切である。たた線質 字圢構成等ずそれらがもたらす衚珟性衚珟効果や颚趣ずの関係に぀いお理解を深め るこずが倧切である。 䟋えば評䟡の定たった叀兞がも぀衚珟効果や颚趣ず線質字圢構成等ずの関わり に぀いお理解を深める指導などが考えられる。このこずは自己の䜜品や他者の䜜品に぀ いおも同様であり䜜品を構想し衚珟を工倫した結果がどのような衚珟効果を生むに至 ったかを分析的に捉えるこずが倧切である。 指導に圓たっおは 「衚珟」ずの関連を図るこずで線質字圢構成等の芁玠ず衚 珟効果や颚趣ずの関わりに぀いお䞀局理解を深められるようにするこずが倧切である。 む   日本及び䞭囜等の文字ず曞の䌝統ず文化 この事項は鑑賞領域における「知識」に関する資質・胜力であり日本及び䞭囜等の 文字ず曞の䌝統ず文化に぀いお理解を深めるこずをねらいずしおいる。 「曞道Ⅱ」では 「曞道Ⅰ」での孊習を発展させお日本及び䞭囜等で生たれ発展を遂げ おきた文字ず曞の䌝統ず文化の広がりに぀いお理解を深めるこずが倧切である。 䞭囜における文字の生成に぀いおは䞍明であるが黄河や長江流域のいく぀かの叀い遺 跡から原始的笊号や挢字に先行する文字ずも考えられるものが発芋されおいる。たた最 叀の挢字ずされる甲骚文はすでに高床に発達した段階に至っおおり数千幎の歎史を有 する挢字の実態が確認されおいる。䞀方我が囜では䞭囜から挢字を受容し挢字から 仮名を生み出し 「挢字の曞」ずずもに独自の「仮名の曞」を発展させるずずもに挢字 仮名亀じり文による衚蚘も工倫され独自の曞の䌝統ず文化を育んできた。 たた曞は衚珟の甚途に぀いお叀文曞写経手玙広告看板など実甚的な面で継 承されおきた䞀方で䜵せお矎的芁求が加味され発展しおきた。その過皋においお 宗教や茶道絵画文芞などの分野ず深く関わり建築様匏地域や気候颚土等の特性 などそれぞれの時代や人々の衚珟の甚途に即しお発展しおきた。 なお曞の鑑賞を通しお曞の䌝統ず文化に぀いお理解を深めるこずは未来に向けた 曞の文化の継承ず発展においお重芁な意味をもっおいる。たたここで育成される資質・ 胜力はグロヌバル化が進む瀟䌚の䞭で我が囜ずは異なる文化を理解する䞊での玠地ず なる。 指導に圓たっおは日本や䞭囜等における曞の文化の継承ず発展を理解するず同時に グロヌバル化が進む䞭で我が囜の曞の䌝統ず文化を倧切にする意矩が理解できるように するこずが倧切である。  曞道Ⅱ 337
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り   挢字の曞仮名の曞挢字仮名亀じりの曞の特質ずその歎史 この事項は鑑賞領域における「知識」に関する資質・胜力であり挢字の曞, 仮名の 曞, 挢字仮名亀じりの曞の特質ずその歎史に぀いお理解を深めるこずをねらいずしおい る。 挢字の曞は䞭囜で生たれ篆 おん 曞隷曞草曞行曞楷曞などの曞䜓が倉遷し実甚 ず芞術の䞡面にわたっお衚珟されおきた。我が囜では挢字を受容し和様ずよばれる優 矎な衚珟を発展させた。 挢字は衚意文字で䞀文字であっおも意味を䌝達できる。したがっお衚意性ず他字ず の区別を担保し぀぀圢象の抜象化や簡略化が進んだが挢字の草曞を曎に厩した平仮名や 挢字の䞀郚を甚いるなどしお生じた片仮名のようには簡玠化できない。その䞀方で倚く の筆画を筆順にしたがっお合理的に曞き進めるために耇雑な圢象をそなえ文字を曞き 連ねるこずでいっそう耇雑な圢象が生じ 極めお豊かな衚珟を生み出しおきおいる。たた 近幎は墚色や墚量の倉化による衚珟性に着目しその矎をずりわけ匷調する衚珟や珟代 の生掻様匏ずの調和を図る衚珟なども加わっお衚珟の幅がいっそう拡倧しおいる。 仮名の曞に぀いおは䞭囜から挢字を受容し日本語を挢字で衚蚘しおいく過皋で独 自の草仮名平仮名片仮名を生み十䞀䞖玀には我が囜独自の衚珟を成立させた。 平仮名や片仮名は 挢字ず察照的に 可読性を担保する極限たで簡玠化するこずができ たた文字を曞き連ねるこずで倉化のある圢象を生み出すこずもできる。近幎は壁面で 鑑賞する倧字仮名の圢態も広く行われおいる。 挢字仮名亀じりの曞は今日の我が囜の生掻や瀟䌚で䞀般に甚いられる文䜓による曞で ある。我が囜は䞭囜からもたらされた挢文を蚓読するこずで日本語ずしお読む方法を考 え出し 挢字ず仮名を亀えた衚蚘を生み出しおきた。この挢字仮名亀じり文による衚蚘は 九䞖玀頃から始たり鎌倉時代には䞀般化し珟代ではほずんどが挢字仮名亀じり文で衚 蚘されおいる。珟代では挢字仮名亀じり文が自らの思いや感興意図を䌝えやすく受 け手も筆者の思いや感興意図を汲 く み取りやすいこずから挢字仮名亀じり文が通甚文䜓 ずなっおいる。䜵せお曞の衚珟に぀いおも挢字仮名亀じり文による蚀葉や詩歌を曞く 「挢字仮名亀じりの曞」が広く行われるようになった。 「挢字仮名亀じりの曞」は耇雑な 挢字ず簡玠な仮名ずの調和を芁件ずするがその調和のための様々な工倫を反映するこず で 「挢字の曞」及び「仮名の曞」ずは異なった衚珟を生み出しおいる。 指導に圓たっおは 「衚珟」ずの関連を図りながら 「 2 挢字の曞」  「 3 仮名の曞」 及び「 1 挢字仮名亀じりの曞」それぞれの特質を十分に理解しその歎史的展開に぀い お理解を深められるようにするこずが倧切である。たたそれらの特質が瀟䌚や文化に どのように反映されおいるかに぀いおも理解できるように指導するこずが倧切である。 ゚   曞の矎ず時代颚土筆者などずの関わり 第2 ç«  各科目 338
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この事項は鑑賞領域における「知識」に関する資質・胜力であり曞の矎ず時代颚 土筆者などずの関わりに぀いお理解するこずをねらいずしおいる。 曞の矎ず時代颚土筆者などずの関わりずは各時代の曞の矎がどのような時代颚 土筆者ずの関わりから圢成されおきたかを理解するこずである。 曞には長い歎史ず䌝統がありそうした時間的な流れの䞭で各時代の思朮や文化的背 景の盞違によっお曞䜓が倉遷し曞颚もたた倉化を遂げおきた。たた曞は儒教や老荘な どの思想宗教文芞矎術・工芞など各時代の思想や文化ず関連しながら発達しおき た。したがっお 曞の鑑賞の際には 曞かれた時代や背景などを考えるこずが必芁ずなる。 䟋えば 同じ時代を生きた初唐の䞉倧家は 共通しお敎斉な曞の矎を衚珟するに至ったが 同時に䞉者䞉様の独自の曞颚の矎しさを衚出しおいる。 さらにそれぞれの囜がも぀気候や颚土の違いも考える察象ずなる。抂しお䞭囜の曞 は構造的であり 日本の曞は情緒的であるず蚀われるこずがあるが このような違いには 颚土も倧きく関わっおいる。日本独自の気候や四季折々に芋られる自然等も情緒的な曞 を育む環境を䜜り出しおいる䞀因ず蚀える。たた筆者の個性等も曞の䜜品ずの関連にお いお重芁な芖点ずなる。 指導に圓たっおは筆者に関する事項やいかなる目的や背景があっお曞かれたものな のか筆者がどのような感興や意図を抱いお衚珟したものなのかを捉え味わいながら 生埒の感性に応じお鑑賞掻動が広がり深たるよう指導を工倫するこずが倧切である。    曞道Ⅱ 339
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〔共通事項〕 〔共通事項〕 1 は今回の改蚂で新たに瀺した事項である。 衚珟及び鑑賞の孊習においお共通に必芁ずなる資質・胜力を次のずおり育成する。 〔共通事項〕は「衚珟」及び「鑑賞」の孊習においお共通に必芁ずなる資質・胜力 である。たたそれは感性を働かせ曞を曞を構成する芁玠やそれらが盞互に関連す る働きの芖点で捉え曞かれた蚀葉歎史的背景生掻や瀟䌚諞文化などずの関わりか ら曞の衚珟の意味や䟡倀を芋いだすこずであるず考えられる。曞に関する芋方・考え方 を働かせ衚珟及び鑑賞の掻動を通しお䞀䜓的に育成されるこずが重芁である。 今回の改蚂では 「衚珟」の「 1 挢字仮名亀じりの曞」  「 2 挢字の曞」及び「 3 ä»® 名の曞」  「鑑賞」  〔共通事項〕で内容の党䜓を構成し芞術科曞道においお育成を目指 す資質 ・ 胜力を䞀局明確にするずずもに生埒が感性を働かせお感じ取ったこずをもずに 思考 刀断 衚珟したり 鑑賞したりする䞀連の孊習過皋を倧切にするこずを求めおいる。  「衚珟」  「鑑賞」及び〔共通事項〕の指導を通しお生埒䞀人䞀人が曞に関する 芋方・考え方を働かせ衚珟及び鑑賞に関する資質・胜力を高め生掻や瀟䌚の䞭の文字 や曞曞の䌝統ず文化ず深く関わるこずができるようにするこずを目指しおいる。 1     「衚珟」及び「鑑賞」の指導を通しお次の事項を身に付けるこずができる よう指導する。  ア   甚筆・運筆から生み出される曞の衚珟性ずその衚珟効果ずの関わりに぀いお理 解するこず。  む   曞を構成する芁玠に぀いおそれら盞互の関連がもたらす働きず関わらせお理 解するこず。 〔共通事項〕は 「衚珟」及び「鑑賞」の孊習においお共通に必芁ずなる資質・胜力 であり 「知識」に関する資質・胜力ずしお瀺しおおり 「衚珟」及び「鑑賞」の各事 項の指導ず䜵せおたたそれらの指導を通しお適切に指導する必芁がある。たた 〔共 通事項〕は 「 1 挢字仮名亀じりの曞」  「 2 挢字の曞」  「 3 仮名の曞」及び「鑑賞」 の孊習に共通の支えずなる知識であり曞の特質や曞の矎を捉えお衚珟したり鑑賞したり する䞊での芳点ずいうべきものでもある。同時に 〔共通事項〕 の䞭で瀺す曞独自の特質は 生掻の䞭での曞 芞術ずしおの曞の歎史や䌝統を圢づくっおきたものであり 我が囜の「蚀 語文化」  「文字文化」 曞の「芞術文化」を支える基盀でもある。 その指導内容は 「曞道Ⅰ」で瀺したずおり以䞋の四぀の芖点から捉えられる。 ① 時間性ず運動性 ② 曞の衚珟性 ③ 曞を構成する芁玠 第2 ç«  各科目 340
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④ 造圢性ず空間性 これら四぀の芖点は 〔共通事項〕での指導内容ア及びむに぀いお指導䞊の指針ずし お圹立おられるよう瀺したものである。同時に曞の特質及びそれにより生たれる曞のよ さや矎しさを理解し捉える䞊での芳点でもあり曞の矎ず曞の芞術ずしおの瀟䌚的䟡倀 を貫く根拠ずなる性質を具䜓的に瀺したものである。 今回の改蚂においお瀟䌚に開かれた教育課皋の実珟が求められおいる䞭で各教科・ 科目の孊びの圚り方が生掻や瀟䌚ずの関わりの芖点から芋盎されたこずを受け芞術科 曞道は芞術科目ずしお生掻や瀟䌚ずいかに関わるかたた文字文化に裏打ちされたいか なる孊びを実珟するかが問われおいる。その前提ずしお 「曞はいかなる芞術か」ずいう 呜題があり今回新蚭された〔共通事項〕の内容に぀いお瀺した四぀の芖点はこの呜題 に察する䞀぀の答えずなる。 指導に圓たっおは衚珟や鑑賞の創造的な諞掻動を通しお生掻や瀟䌚の䞭の文字ず曞 や曞の䌝統ず文化ず深く関わる資質・胜力を育成する䞊での指針ずしお十分に留意し 各領域・分野の孊習ず適切に関連付けるこずが倧切である。 䞊蚘の四぀の芖点のうち ①及び②は䞻に以䞋のア ③及び④は䞻に以䞋のむに圓たる。 ア   甚筆・運筆から生み出される曞の衚珟性ずその衚珟効果ずの関わりに぀いお理解 するこず。 この事項は芞術科曞道における「知識」に関する資質・胜力であり甚筆・運筆から 生み出される曞の衚珟性ずその衚珟効果ずの関わりに぀いお理解するこずをねらいずしお いる。 筆の䜿い方筆毛の働かせ方である甚筆ず筆の運び方である運筆を通しお生み出され る曞の「衚珟性」は筆者の思いや感興を反映し身䜓の運動を介しおその「運動性」 がそのたた芖芚化・具䜓化されるものである。 甚筆・運筆から生み出される曞の衚珟性ずその衚珟効果ずの関わりに぀いお理解するず は甚筆・運筆における身䜓運動及び蚀葉を曞くこずによる「運動性」や「時間性」ぞの 芖点をもち構想に基づいお衚珟を工倫する䞭で倚様な「衚珟性」ぞの理解を深め 「衚 珟性」が重局的・耇合的に合わさっお働き 「衚珟効果」や「颚趣」がいかに生じるのか に぀いお衚珟及び鑑賞の掻動を通しお考え理解を深めるずいうこずである。この芖点 に基づく衚珟での孊習成果は鑑賞に生かされさらに鑑賞や蚀語掻動での孊習成果が衚 珟に生かされるこずが倧切である。 「曞道Ⅱ」では 「曞道Ⅰ」での孊習を発展させより創造的に構想し個性豊かに衚珟を 工倫するこずが求められるこずから 「衚珟効果」や「颚趣」を意図した構想に基づいお 個性的で効果的な「衚珟性」の働かせ方を工倫するこずが重芁ずなる。 「曞道Ⅰ」では 題材ずなる蚀葉の内容はもちろんのこず衚珟においお意図される構想の栞は 「衚珟性」 そのものにずどたるこずが倚いだろうが 「曞道Ⅱ」では 「衚珟性」を耇合的に働かせお 生じる「衚珟効果」に぀いお考えたり 「衚珟性」を支える「時間性」や「運動性」  たた  曞道Ⅱ 341
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様々な「衚珟性」が耇合的に働くこずにより捉えられる「颚趣」に目を向けお構想した り鑑賞したりするこずに留意した指導が倧切である。 指導に圓たっおは甚筆・運筆から生み出される「衚珟性」ずそれらが合わさっお生 じる「衚珟効果」や「颚趣」ずの関わりに぀いお理解を深め 「衚珟効果」や「颚趣」を 意図しお構想したり意図に基づき自身の思いや感興を䌝えるために最適な「衚珟性」 を効果的に働かせたりするこずに䞻䜓的に取り組めるようたた曞の「衚珟性」をその 背景ずしお支える「時間性」や「運動性」に぀いおも目が向けられるよう指導するこずが 倧切である。鑑賞においおも 曞の「衚珟性」ず「衚珟効果」や「颚趣」ずの関わりから 曞を読み解くこずを意識できるようたた曞の「衚珟性」や「衚珟効果」の芖点を通し お曞の矎に぀いお深く捉えられるようにするこずが倧切である。たたその指導を通し お曞のよさや矎しさ䜜品や曞の䌝統ず文化の意味や䟡倀に぀いお理解が深められるよ う指導を工倫するこずが倧切である。 ã‚€  曞を構成する芁玠に぀いおそれら盞互の関連がもたらす働きず関わらせお理解 するこず。 この事項は芞術科曞道における「知識」に関する資質・胜力であり曞を構成する芁 玠に぀いおそれら盞互の関連がもたらす働きず関わらせお理解するこずをねらいずしお いる。 「曞道Ⅰ」の〔共通事項〕では 曞を構成する芁玠の䟋ずしお 「線質」  「字圢」  「構成」  たた「䜙癜」  「墚色」等を瀺した。たた曞を構成するこれらの芁玠はそれぞれに効果 を生むだけではなく盞互の関連がもたらす働きにより 「倉化」  「埋動」  「性情」等の 曞特有の「衚珟性」を生み出しさらにそれらが重局的・耇合的に組み合わさるこずに よっお 「調和」などの「衚珟効果」や「颚趣」が生たれるずしおいる。アで瀺した「甚筆 ・ 運筆から生み出される曞の衚珟性」のように 「時間性」や「運動性」に関わる「衚珟性」 の他料玙等の玙の暡様や衚装の様匏鑑賞の堎や方法圢態なども耇合しお働き倚様 な「衚珟効果」が生じるこずになる。 「曞道Ⅱ」では創造的に構想し個性豊かに衚珟を工倫するこずが求められアで瀺し たように 「衚珟効果」を意図した構想に基づいお個性的で効果的な「衚珟性」の働か せ方を工倫するこずが重芁ずなる。その䞀方で衚珟ず鑑賞の掻動を通しお 「曞を構成 する芁玠」である「線質」に぀いおの理解を深めるずずもにその技胜に習熟し 「字圢」 に衚れる曞颚に぀いおの理解を深め 「構成」に぀いおその倚様性ず効果に぀いお理解を 深めるこずが 曞の特質である「造圢性」を盎接的に支える資質 ・ 胜力ずもなる。 「曞道Ⅱ」 においおは 「曞道Ⅰ」での孊習を基瀎ずしお䟋えば 「題材ずなる蚀葉ず衚珟ずの調和」 に぀いお双方の「時間性」の芖点から捉えたり曞の「空間性」にも関わる「䜙癜」の 意味や効果 「䜙癜」の矎を理解しお䜜品を構想し衚珟を工倫したり曞が芞術ずしお 耇合的な存圚圢匏によっお成り立っおいるこずを理解した䞊で 「調和」 などの 「衚珟効果」 や「颚趣」に぀いお考えたりするこずが倧切である。 第2 ç«  各科目 342
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指導に圓たっおは 「曞を構成する芁玠」を盞互の関連がもたらす働きから実感的に理 解するずずもに曞の芞術ずしおの存圚圢匏ゆえの特質である耇合的な「空間性」やそ の代衚的な䟋ずも蚀える「䜙癜」に぀いお理解を深めるこずにより曞の矎を深く捉えら れるようにするこずが倧切である。たたその指導を通しお曞のよさや矎しさ䜜品や 曞の䌝統ず文化の意味や䟡倀に぀いお理解が深められるよう指導を工倫するこずが倧切で ある。    曞道Ⅱ 343
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1  内容の「衚珟」及び「鑑賞」の指導に぀いおは盞互の関連を図るものずす る。 ここでは 「曞道Ⅰ」ず同様に 「衚珟」及び「鑑賞」の関連を図りながら指導する こずにより系統的に育成を目指す資質・胜力が身に付けられるよう指導の効果を高め る工倫が倧切である。 2   生埒の特性孊校や地域の実態を考慮し内容の「衚珟」に぀いおは 1 を扱 うずずもに 2 又は 3 のうち䞀぀以䞊を遞択しお扱うこずができる。 ここでは埓前どおり 「衚珟」の「 1 挢字仮名亀じりの曞」は「曞道Ⅰ」の内容を 曎に深化させるために必ず扱うものずしたた生埒の特性孊校や地域の実態を考慮し 「 2 挢字の曞」又は「 3 仮名の曞」のうち䞀぀以䞊を遞択しお扱うこずができるこずず した。 3   内容の「衚珟」の 1 に぀いおは挢字は楷曞行曞草曞及び隷曞仮名は平 仮名及び片仮名 2 に぀いおは楷曞行曞草曞隷曞及び篆 おん 曞 3 に぀いおは 平仮名片仮名及び倉䜓仮名を扱うものずする。 「曞道Ⅱ」においおは 「 1 挢字仮名亀じりの曞」で扱う曞䜓に぀いお埓前は 「曞道 Ⅰ」で扱う曞䜓に草曞を加えおいたが今回の改蚂では生埒が䞻䜓的に衚珟の幅を広げ られるよう曎に隷曞を加えお指導するこずずした。 「 2 挢字の曞」に぀いおは埓前ど おり 「曞道Ⅰ」で扱う曞䜓に草曞隷曞及び篆 おん 曞を加えおおり党おの曞䜓を孊習する こずずした。これにより臚曞や創䜜に圓たっお意図や目的に即した衚珟の工倫の幅を 広げるこずができるようにしおいる。 「 3 仮名の曞」に぀いおは埓前どおり平仮名 片仮名及び倉䜓仮名を扱うものずしおいる。 4  内容の「衚珟」の指導に぀いおは 篆 おん 刻を扱うものずし 生埒の特性等を考慮し 刻字等を加えるこずもできる。 篆 おん 刻及び刻字等の取扱いは埓前ず同様であり篆 おん 刻に぀いおは必ず扱うものずし生埒 の特性等を考慮し刻字等を加えるこずもできるずしおいる。 刻字等の「等」に圓たる内容に぀いおは 「曞道」における「内容の取扱い」の 6 の解説に瀺すずおりであり立䜓的衚珟に加えお工芞的芁玠等を含んだ倚様な衚珟に察す る芖点も重芖しおいるこずを瀺したものである。  内容の取扱い 第2 ç«  各科目 344
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指導に圓たっおは 「曞道Ⅰ」での孊習を基瀎ずしお発展的な孊習ずなるよう指導を工 倫するずずもに 「鑑賞」ずも関連を図りながら文字文化の芖点から曞の䌝統ず文 化ならびに生掻や瀟䌚ずの関わりぞの理解を深められるようにするこずが倧切である。 5  内容の「鑑賞」の指導に぀いおは各事項においお育成を目指す資質・胜力の 定着が図られるよう適切か぀十分な授業時数を配圓するものずする。 今回の改蚂では 「曞道Ⅱ」においお曞の䌝統ず文化に぀いおの理解を深め矎術通 や博物通で䜜品や曞を鑑賞するなど生涯にわたり曞ず豊かに関わる資質・胜力を育成す るために鑑賞の充実を図っおいる。䜜品や曞の䌝統ず文化の意味や䟡倀を考え曞の矎を 味わい深く捉えたりするこずができるようにするため鑑賞に぀いお適切か぀十分な授業 時数を確保する必芁がある。 6  内容の取扱いに圓たっおは 「曞道Ⅰ」のの 2  4  5 及び 9 から 11 たで ず同様に取り扱うものずする。 ここでは 「曞道Ⅰ」の「内容の取扱い」のうち 2  4  5 及び 9 から 11 た でず同様に取り扱うこずを瀺しおいる。 「曞道Ⅱ」では 「曞道Ⅰ」での孊習を基瀎ずしお各領域・分野の内容を深められるよ う指導を工倫するこずが倧切である。  曞道Ⅱ 345
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「曞道Ⅲ」は 「曞道Ⅱ」を履修した生埒が曎に次の段階ずしお履修するために蚭けお いる科目である。 「曞道Ⅲ」は 「曞道Ⅰ」及び「曞道Ⅱ」での孊習を基瀎にしお生埒の資質・胜力適 性興味・関心等に応じた掻動を曎に展開し曞に関する芋方・考え方を働かせ生掻や 瀟䌚の䞭の文字や曞曞の䌝統ず文化ず深く関わる資質・胜力を䌞ばすこずをねらいずし おいる。 「曞道Ⅲ」においおも 「曞道Ⅰ」及び「曞道Ⅱ」ず同様に目暙を 1 「知識及び技胜」  2 「思考力刀断力衚珟力等」  3 「孊びに向かう力人間性等」の䞉぀の柱に䜍眮付 けた䞊で 「衚珟」の指導事項を各分野ずも「思考力刀断力衚珟力等」  「知識」及 び「技胜」に分けお瀺し 「鑑賞」の指導事項を「思考力刀断力衚珟力等」及び「知 識」に分けお瀺しおいる。 「曞道Ⅲ」では 「衚珟」に぀いおは「 1 挢字仮名亀じりの曞」  「 2 挢字の曞」  「 3 仮名の曞」から䞀぀以䞊を扱うこずずし 「鑑賞」に぀いおは「思考力刀断力衚珟 力等」に関するアの各事項を扱うずずもに 「知識」に関するむの ア  む 又は り のう ち䞀぀以䞊を遞択しお扱うこずができるずしおいる。 今回の改蚂においお 「衚珟」ず「鑑賞」の䞡方を取り扱うこずにしたのは 「曞道 Ⅲ」においお「知識」  「技胜」及び「思考力刀断力衚珟力等」の党おの資質・胜力を 育成する必芁があるからである。 「曞道Ⅲ」の目暙は芞術科の目暙を受けるずずもに 「曞道Ⅰ」及び「曞道Ⅱ」の目暙 ずの関連を考慮しお次のように瀺しおいる。  曞道の創造的な諞掻動を通しお曞に関する芋方・考え方を働かせ生掻や瀟䌚の 䞭の倚様な文字や曞曞の䌝統ず文化ず深く関わる資質・胜力を次のずおり育成する こずを目指す。 1  曞の衚珟の方法や圢匏倚様性などに぀いお理解を深めるずずもに曞の䌝統に 基づき創造的に衚珟するための技胜を身に付けるようにする。 2  曞のよさや矎しさを感受し意図に基づいお創造的に深く構想し個性豊かに衚珟 を工倫したり䜜品や曞の䌝統ず文化の意味や䟡倀を考え曞の矎を味わい深く捉 えたりするこずができるようにする。 3  䞻䜓的に曞の創造的な諞掻動に取り組み生涯にわたり曞を愛奜する心情を育む ずずもに感性を磚き曞の䌝統ず文化を尊重し曞を通しお心豊かな生掻や瀟䌚 を創造しおいく態床を逊う。 第12 節 曞 道 Ⅲ  性 栌  目 暙 第2 ç«  各科目 346
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「曞道Ⅲ」の目暙は曞道の創造的な諞掻動を通しお孊習が行われるこずを前提ずし 曞に関する芋方 ・ 考え方を働かせた孊習掻動によっお生掻や瀟䌚の䞭の倚様な文字や曞 曞の䌝統ず文化ず深く関わる資質・胜力を育成するこずを目指すこずである。その䞊で 育成を目指す資質・胜力ずしお 1 に「知識及び技胜」の習埗に関するこず 2 に「思 考力刀断力衚珟力等」の育成に関するこず 3 に「孊びに向かう力人間性等」の æ¶µ かん 逊に関するこずを瀺すこずによっお構成されおいる。 1 は衚珟や鑑賞の創造的な諞掻動を通しお習埗されたり掻甚されたりする知識ず 創造的に衚珟するための技胜に関する目暙 2 は䜜品の構想ず衚珟の工倫鑑賞にお ける思考刀断に関する目暙 3 は䞻䜓的に孊習に取り組む態床生涯にわたり曞を 愛奜する心情などに関する目暙を瀺しおいる。 1 及び 2 は 「曞道Ⅲ」の「衚珟」  「 鑑賞」及び〔共通事項〕の指導事項に䜍眮付けられおいるが 3 に぀いおはそれらを 指導する䞭で䞀䜓的に身に付けられるものであるこずに留意する必芁がある。 「曞道Ⅲ」で目指す資質・胜力の育成は目暙に瀺されおいる 1  2 及び 3 が盞互に 関連し合い䞀䜓ずなっお働くこずが重芁であり 「知識及び技胜」を習埗しおから「思 考力・刀断力・衚珟力等」を身に付けるずいった順序性をもっお育成するものではないこ ずは 「曞道Ⅰ」及び「曞道Ⅱ」ず同様である。 曞道の創造的な諞掻動を通しおずは 「曞道Ⅰ」及び「曞道Ⅱ」での孊習を曎に発展させ 「衚珟」の「 1 挢字仮名亀じりの曞」  「 2 挢字の曞」  「 3 仮名の曞」及び「鑑賞」 の各領域 ・ 分野の孊習を深める掻動を通しおずいう意味である。 「曞道Ⅲ」では 「衚珟」 に぀いおは 1  2 又は 3 のうち䞀぀以䞊の分野 「鑑賞」に぀いおはアの各事項 を扱うずずもにむの ア  む 又は り のうち䞀぀以䞊を孊習するこずずし生埒の実態 に応じおより深い衚珟ず鑑賞の孊習を展開するこずずしおいる。 曞に関する芋方・考え方に぀いおは 「曞道Ⅰ」及び「曞道Ⅱ」ず同様であり曞の特 質に即しお物事を捉える芖点や考え方を十分に働かせお衚珟や鑑賞の創造的な掻動を展 開する必芁がある。 生掻や瀟䌚の䞭の倚様な文字や曞曞の䌝統ず文化ず深く関わる資質 ・ 胜力に぀いおは 「曞道Ⅲ」では,「曞道Ⅰ」及び「曞道Ⅱ」での孊習を曎に発展させお各領域・分野にお ける孊習を曎に深め生掻や瀟䌚に広がる倚様な文字や曞曞の䌝統ず文化ず深く関わる 資質・胜力を育成するこずにより曞の䌝統ず文化の継承ず発展たた珟代ずいう時代 における創造的で個性豊かな衚珟掻動ぞず぀なげるこずをねらいずしおいる。 科目の目暙 ㆒ 1  曞の衚珟の方法や圢匏倚様性などに぀いお理解を深めるずずもに曞の䌝統に 基づき創造的に衚珟するための技胜を身に付けるようにする。 1 は 「曞道Ⅲ」における「知識及び技胜」に関する目暙である。曞の衚珟の方法や圢 匏倚様性などに぀いお理解を深めるこずが「知識」に関する目暙であり曞の䌝統に基 づき創造的に衚珟するための技胜を身に付けるこずが「技胜」に関する目暙を瀺しおい 12 曞道Ⅲ 347
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る。 曞の衚珟の方法や圢匏 倚様性などに぀いお理解を深めるずは 「曞道Ⅰ」及び「曞道Ⅱ」 での孊習を曎に発展させお曞特有の甚具 ・ 甚材の特城曞を構成する様々な芁玠甚筆 ・ 運筆ず様々な曞の衚珟性 衚珟効果や颚趣ずの関わり 曞の様々な衚珟圢匏などに぀いお たた曞の矎の倚様性曞の䌝統や諞文化などずの関わりに぀いお衚珟や鑑賞の創造的 な諞掻動を通しお理解を深めるこずである。ここでは曞を構成する芁玠ず衚珟性衚珟 効果や颚趣ずの関わりの芖点から捉えるこずによりそれぞれの分野の曞の特城に぀いお 理解を深めるようにするこずが倧切である。 曞の䌝統に基づき創造的に衚珟するための技胜を身に付けるに぀いおは 「曞道Ⅱ」 での孊習を曎に発展させお扱うこずから創造的にずしおいる。臚曞掻動においおは取 り扱う叀兞の幅を広げ叀兞における線質字圢構成等の芁玠ずそこに生じる衚珟性 衚珟効果や颚趣さらには曞の矎の倚様性を捉え叀兞の特城を生かしお創造的に䜜品 ずしお衚珟する技胜であり創䜜掻動においおは意図に基づいお䜜品を創造的に深く構 想し叀兞の特城を生かしながら䜜品ずしお創造的に個性豊かに衚珟する技胜を瀺しお いる。 「曞道Ⅲ」における「知識」に぀いおは曞を構成する芁玠や衚珟性衚珟効果や颚趣 の芖点をもっお衚珟や鑑賞の掻動を通しお実感的に理解を深められるようにするこず が倧切である。 「曞道Ⅲ」における「技胜」に぀いおは曞を構成する芁玠や衚珟性衚珟効果や颚趣 の芖点をもっお個性豊かに衚珟を工倫しおいく過皋で創造的に衚珟し䞻䜓的に掻甚で きる技胜を身に付けるこずができるようにするこずが倧切である。 科目の目暙 ㆓ 2  曞のよさや矎しさを感受し意図に基づいお創造的に深く構想し個性豊かに衚珟 を工倫したり䜜品や曞の䌝統ず文化の意味や䟡倀を考え曞の矎を味わい深く捉 えたりするこずができるようにする。 2 は 「曞道Ⅲ」における「思考力刀断力衚珟力等」に関する目暙である。衚珟領 域ず鑑賞領域の䞡方に関わり意図に基づいお創造的に深く構想し個性豊かに衚珟を工倫 するこずが衚珟領域に関する目暙であり䜜品や曞の䌝統ず文化の意味や䟡倀を考え曞 の矎を味わい深く捉えるこずが鑑賞領域に関する目暙を瀺しおいる。 曞のよさや矎しさを感受しに぀いおは 「曞道Ⅰ」及び「曞道Ⅱ」での孊習を螏たえ 曞のよさや矎しさの感受を䞀局深めるこずが倧切である。 意図に基づいお創造的に深く構想し個性豊かに衚珟を工倫するずは 「曞道Ⅱ」での孊 習を受け感興や意図に応じお創造的に深く構想し個性豊かに衚珟を工倫するこずであ る。その過皋で知識や技胜を掻甚しながら曞を構成する芁玠や衚珟性衚珟効果や颚 趣の芖点をもっお実感的に衚珟掻動を深めお展開できるようにするこずが倧切である。 䜜品や曞の䌝統ず文化の意味や䟡倀を考えずは 「曞道Ⅰ」及び「曞道Ⅱ」ず同様であり 第2 ç«  各科目 348
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䜜品や曞の様々な衚珟 曞の䌝統ず文化に぀いお そのよさや矎しさを分析的に捉えたり 生掻や瀟䌚における曞の圹割や効甚曞の矎の意味や䟡倀曞の珟代的意矩や普遍的䟡倀 などに぀いお深く考えたりするこずである。 曞の矎を味わい深く捉えたりするずは曞を構成する芁玠や衚珟性衚珟効果や颚趣の 芖点をもっお䜜品や曞のよさや矎しさを感じ取りそれを生み出す根拠を考え感性を 働かせお䞻䜓的に評䟡しながら䜜品や曞を深く捉えるこずである。 「曞道Ⅲ」における「思考力刀断力衚珟力等」に぀いおは自身の考えを確かな蚀 葉で䌝え他者の考えを受け止めその䜓隓を通しお自身の考えを曎に深めおいく蚀語 掻動を適切に䜍眮付け 「衚珟」ず「鑑賞」を関連させながら育成するこずが倧切で ある。 科目の目暙 叅 3  䞻䜓的に曞の創造的な諞掻動に取り組み生涯にわたり曞を愛奜する心情を育む ずずもに感性を磚き曞の䌝統ず文化を尊重し曞を通しお心豊かな生掻や瀟䌚 を創造しおいく態床を逊う。 3 は 「曞道Ⅲ」における「孊びに向かう力人間性等」の涵 かん 逊に関する目暙である。 䞻䜓的に曞の創造的な諞掻動に取り組みずは 「曞道Ⅱ」ず同様でありより高床な創 造的な掻動に取り組むこずを瀺しおいる。 生涯にわたり曞を愛奜する心情を育むずは 「曞道Ⅱ」での孊習を曎に発展させ生埒 が様々な䜜品や曞を分析的に捉えるこずを通しおその意味や䟡倀に気づき生涯にわた り䞻䜓的に曞ず豊かに関わるこずができる資質・胜力を育成するこずである。 感性に぀いおは 「曞道Ⅰ」及び「曞道Ⅱ」では「高め」ずしおいるが 「曞道Ⅲ」では 磚きずし 「曞道」及び「曞道Ⅱ」で高めた感性をより䞀局掗緎させおいくこずを目指 したものである。衚珟や鑑賞の創造的な諞掻動を通しお生埒が曞を構成する芁玠や衚珟 性衚珟効果や颚趣の芖点をもち倚様な曞の衚珟や倚様な考え感性に觊れるこずで 掗緎させおいけるようにするこずが倧切である。ここでは特に蚀語掻動の充実を図るこ ずが重芁ずなる。 曞の䌝統ず文化を尊重しに぀いおは 「曞道Ⅰ」及び「曞道Ⅱ」での孊習を螏たえ曞 の䌝統ず文化ぞの理解が䞀局深められるよう指導を工倫し曞が我が囜の䌝統を圢づくる 芞術であるこずぞの理解を深めるずずもに広い芖野から曞を尊重する態床を育おるこず が倧切である。  曞を通しお心豊かな生掻や瀟䌚を創造しおいく態床を逊うずは 「曞道Ⅰ」 及び 「曞道Ⅱ」 での孊習を曎に発展させお曞の衚珟や鑑賞の創造的な諞掻動を通しお生掻や瀟䌚にお ける曞の圹割や効甚曞の矎の意味や䟡倀曞の珟代的意矩や普遍的䟡倀などに぀いお考 え倚様な文字や曞ず豊かに関わるこずで心豊かな生掻や瀟䌚を創造しおいく態床を育 おるこずを瀺しおいる。  12 曞道Ⅲ 349
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 衚 珟 衚珟に関する資質・胜力を次のずおり育成する。 「衚珟」は「 1 挢字仮名亀じりの曞」  「 2 挢字の曞」  「 3 仮名の曞」の䞉぀の分野 から構成されおいる。各分野の指導事項のうちアは「思考力刀断力衚珟力等」 む は「知識」 りは「技胜」に関する資質・胜力を瀺しおいる。 1 挢字仮名亀じりの曞   挢字仮名亀じりの曞に関する次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。  ア 䞻䜓的な構想に基づく個性的創造的な衚珟を远求するこず。  む  珟代の瀟䌚生掻に生きる様々な曞の衚珟ずその芁玠に぀いお理解を深めるこ ず。  り  曞の䌝統を螏たえ目的や甚途意図に応じお創造的に衚珟する技胜を身に付 けるこず。 ここでは 「曞道Ⅲ」における「 1 挢字仮名亀じりの曞」に関する指導事項を瀺しおい る。 「曞道Ⅲ」における「 1 挢字仮名亀じりの曞」は 「曞道Ⅰ」及び「曞道Ⅱ」の内容を 受けお䞉぀の事項に集玄し 「思考力刀断力衚珟力等」はア 「知識」はむ 「技胜」 はりに瀺し曎に発展的な孊習ずなるようにしおいる。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお䜜品を創造的に深く構想し個性豊かに 衚珟を工倫するこずができるよう指導するこずが倧切である。 ア 䞻䜓的な構想に基づく個性的創造的な衚珟を远求するこず。 この事項は 「 1 挢字仮名亀じりの曞」における「思考力刀断力衚珟力等」に関す る資質・胜力であり䞻䜓的な構想に基づく個性的創造的な衚珟を远求するこずをねら いずしおいる。 これは䞻ずしお「曞道Ⅱ」の「ア ア 目的や甚途衚珟圢匏に応じた党䜓の構成」  「ア む 感興や意図に応じた個性的な衚珟」及び「ア り 珟代に生きる創造的な衚珟」の内容 を䞀局深めたものである。 䞻䜓的な構想に基づくずは 「曞道」及び「曞道Ⅱ」での孊習を生かしお自己の感 興や意図に応じお生埒が䞻䜓的に構想を具珟化しおいくこずである。題材ずなる蚀葉に  内 容 第2 ç«  各科目 350
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ふさわしい衚珟圢匏や線質や字圢等の調和党䜓の構成などを考え䜜品を創造的に深 く構想し個性豊かに衚珟を工倫するこずが倧切である。 個性的 創造的な衚珟を远求するずは 「曞道Ⅱ」での孊習を受け 衚珟を䞀局深化させ 個性豊かな衚珟を創造的に远求するこずである。個性ず創造性は芞術衚珟にずっお重芁 な芁玠であり生埒の個性及び創造性を尊重するずずもに䌞長するよう 「挢字仮名亀 じりの曞」の特質を螏たえお指導を工倫する必芁がある。 「挢字仮名亀じりの曞」は生埒の心に響く蚀葉や自䜜の詩文を題材ずしお個性的 創造的に衚珟するこずを通しお䞻䜓的に自己実珟を図るこずが倧切である。生埒自身の 蚀葉を題材ずする堎合は曞の衚珟にふさわしいものぞず緎り䞊げるために高等孊校囜 語科ず関連付けた指導も有効である。たた 「鑑賞」ずの関連を図りながら䜜品の構 想ず衚珟の工倫に぀いお䞀局の深化が図られるようにするずずもに自身の思いや蚀葉の 内容ず衚珟ずの関係名筆や他者の䜜品に察する感じ方などに぀いお話し合う蚀語掻動を 通しお 「挢字仮名亀じりの曞」特有の衚珟性の働かせ方や衚珟効果の生かし方倚様な 䟡倀芳などに気付き自身の個性的創造的な衚珟に぀なげられるよう指導を工倫するこ ずが倧切である。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り生埒が「挢字仮名亀じりの曞」特有 の衚珟性衚珟効果や颚趣に぀いお理解を深め知識や技胜を総合的に掻甚しながら個 性的創造的な新たな衚珟を远求できるよう思考したり刀断したりする機䌚を蚭定する こずが倧切である。 む 珟代の瀟䌚生掻に生きる様々な曞の衚珟ずその芁玠に぀いお理解を深めるこず。 この事項は 「 1 挢字仮名亀じりの曞」における「知識」に関する資質・胜力であり 珟代の瀟䌚生掻に生きる様々な曞の衚珟ずその芁玠に぀いお理解を深めるこずをねらいず しおいる。 これは䞻ずしお「曞道Ⅱ」の「む ア 挢字仮名亀じりの曞を構成する様々な芁玠」及 び「む む 名筆や珟代の様々な曞の衚珟ず甚筆・運筆ずの関わり」の内容を䞀局深めたも のである。 「曞道Ⅲ」においおは 「曞道Ⅰ」及び「曞道Ⅱ」での孊習を曎に発展させ倚 様な芖点から曞ぞの理解を深められるようにするこずが倧切である。 珟代の瀟䌚生掻に生きる様々な曞の衚珟ずは珟代の瀟䌚生掻における実甚的な衚珟 芞術的な衚珟たたその䞡偎面での「挢字仮名亀じりの曞」の圚り方を指しおいる。珟 代の瀟䌚ではメディアや機噚が普及し今なおその進化が加速し続けるのに䌎い 他者ずの関わりを前提ずする瀟䌚生掻における情報のやりずりや意思の䌝達の方法が倧き く様倉わりしおいる。その䞭で手曞きするこずにより䌝えるこずの䟡倀が改めお芋盎さ れおいたり曞が瀟䌚生掻における他者ずの関わりの䞭で生かされたり曞の枠にずらわ れない様々な堎面で広く掻甚されたりしおいる。 様々な曞の衚珟ずその芁玠ずは感興や意図に応じお効果的創造的に衚珟するために 構想し工倫する䞊での芁玠や芳点を意味しおいる。実甚的な衚珟であれ芞術的な衚珟で 12 曞道Ⅲ 351
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あれ自ら䞻䜓的に関わり 〔共通事項〕で瀺した曞を構成する芁玠ず衚珟性及びそれ らの耇合的な働きにより生じる衚珟効果や颚趣ずの関連に぀いお理解を深めるこずが重芁 である。たた 「鑑賞」ずの関連を図り倚様な曞の衚珟性衚珟効果や颚趣曞のよ さや矎しさを感受できるよう指導するこずが倧切である。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り 衚珟や鑑賞の創造的な諞掻動を通しお 曞の䌝統ず文化ぞの理解を深め生埒自身の䟡倀刀断の基準をもっお珟代瀟䌚に生きる 様々な曞の衚珟ず向き合ったり自ら䞻䜓的な衚珟の発信者ずしお関わったりしながら 生掻や瀟䌚に広がる文字や曞ず豊かに関わる資質・胜力を育成できるよう指導を工倫する こずが倧切である。 り  曞の䌝統を螏たえ目的や甚途意図に応じお創造的に衚珟する技胜を身に付け るこず。 この事項は 「 1 挢字仮名亀じりの曞」における「技胜」に関する資質・胜力であり 曞の䌝統を螏たえ目的や甚途意図に応じお創造的に衚珟する技胜を身に付けるこずを ねらいずしおいる。これは䞻ずしお「曞道Ⅱ」の「り ア 目的や甚途意図に応じた効 果的な衚珟」及び「り む 挢字ず仮名の調和等による党䜓の構成」の内容を䞀局深めたも のである。 曞の䌝統を螏たえずは 「挢字の曞」  「仮名の曞」の叀兞や様々な名筆などを通しお 曞の䌝統ず曞のよさや矎しさぞの理解を深めながら 創造的な衚珟に臚むこずを指し 「曞 道Ⅰ」及び「曞道Ⅱ」における叀兞の臚曞掻動名筆等の鑑賞や「挢字仮名亀じりの曞」 の衚珟掻動を通しお身に付けた技胜を䞀局高めおいくこずを求めおいる。 「 2 挢字の曞」及び「 3 仮名の曞」の衚珟や鑑賞の掻動で育成された資質・胜力を 自己衚珟に掻甚するためには䜜品を構想し衚珟を工倫する力ず衚珟の技胜をバランスよ く育成しそれらを関連付けながら指導する必芁がある。 たた 「 1 挢字仮名亀じりの曞」の孊習で取り䞊げる名筆を叀兞に限定するこずなく 近珟代の名筆珟代における新たな発想による䜜品や衚珟等を取り䞊げるなどし幅広い 芖野から曞に向き合えるようにするこずが倧切である。それらの名筆における筆者の粟神 性矎意識感性衚珟方法等ぞの理解を深めそれをもずに自身の衚珟ぞず生かすこず を通しお創造的な衚珟の技胜を身に付けるこずが重芁である。 目的や甚途意図に応じお創造的に衚珟する技胜に぀いおは 「曞道Ⅲ」では 「曞道Ⅰ」 及び「曞道Ⅱ」での孊習を螏たえ曞の矎を構成する諞芁玠や曞特有の衚珟性それらの 耇合的な働きにより生じる衚珟効果を生かしながら曞の䌝統及び今日的な芖点に裏打ち された曞の衚珟圢匏ぞず具珟化するための衚珟の技胜を身に付けるこずが求められる。た たその技胜を生掻や瀟䌚の䞭で生かすためには文字や曞の䌝統ず文化の䞭で継承され おきた曞匏など瀟䌚の構成員ずしお求められる知識や教逊ずされる曞字掻動党般に関 わる矎を䌎う曞字の技胜を身に付けるこずが倧切である。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り身に付けた技胜を生涯にわたり生 第2 ç«  各科目 352
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掻や瀟䌚の䞭で曞及び曞の文化ず䞻䜓的に觊れあい曞を楜しみながら生掻の䞭に生かす 態床ぞず生埒自らで぀なげられるよう指導するこずが倧切である。 2 挢字の曞   挢字の曞に関する次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。  ア 䞻䜓的な構想に基づく個性的創造的な衚珟を远求するこず。  む 挢字の曞を構成する様々な芁玠に぀いお理解を深めるこず。  り  曞の䌝統を螏たえ曞䜓の特色を生かしお創造的に衚珟する技胜を身に付ける こず。 ここでは 「曞道Ⅲ」における「 2 挢字の曞」に関する指導事項を瀺しおいる。 「曞道Ⅲ」における「 2 挢字の曞」は 「曞道Ⅰ」及び「曞道Ⅱ」の内容を受けお䞉 ぀の事項に集玄し 「思考力刀断力衚珟力等」はア 「知識」はむ 「技胜」はりに瀺し 曎に発展的な孊習ずなるようにしおいる。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお䜜品を創造的に深く構想し個性豊かに 衚珟を工倫するこずができるよう指導するこずが倧切である。 ア 䞻䜓的な構想に基づく個性的創造的な衚珟を远求するこず。 この事項は 「 2 挢字の曞」における「思考力刀断力衚珟力等」に関する資質・胜 力であり䞻䜓的な構想に基づく個性的創造的な衚珟を远求するこずをねらいずしおい る。 これは䞻ずしお「曞道Ⅱ」の「ア ア 衚珟圢匏に応じた党䜓の構成」及び「ア む 感 興や意図に応じた個性的な衚珟」の内容を䞀局深めたものである。 䞻䜓的な構想に基づくずは 「曞道」及び「曞道Ⅱ」での孊習を生かしお自己の感 興や意図に応じお生埒が䞻䜓的に構想を具珟化しおいくこずである。題材や意図にふさ わしい曞䜓や曞颚線質や党䜓の構成などを考え䜜品を創造的に深く構想し個性豊か に衚珟を工倫するこずが倧切である。 個性的 創造的な衚珟を远求するずは 「曞道Ⅱ」での孊習を受け 衚珟を䞀局深化させ 個性豊かな衚珟を創造的に远求するこずである。個性ず創造性は芞術衚珟にずっお重芁 な芁玠であり生埒の個性及び創造性を尊重するずずもに䌞長するよう 「挢字の曞」 の特質を螏たえお指導を工倫する必芁がある。 「挢字の曞」は䞭囜で発展しお様々な曞䜓が成立し各時代には様々な曞颚が圢成さ れた。たた日本は挢字を受容し我が囜の感性に根ざした衚珟を生んできた。これを螏 たえ 「鑑賞」ずの関連を図りながら䜜品の構想ず衚珟の工倫に぀いお䞀局の深化が 図られるようにするこずが倧切である。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り生埒が「挢字の曞」特有の衚珟性 12 曞道Ⅲ 353
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衚珟効果や颚趣に぀いお理解を深め知識や技胜を総合的に掻甚しながら個性的創造 的な新たな衚珟を远求できるよう思考したり刀断したりする機䌚を蚭定するこずが倧切 である。 む 挢字の曞を構成する様々な芁玠に぀いお理解を深めるこず。 この事項は 「 2 挢字の曞」における「知識」に関する資質・胜力であり挢字の曞を 構成する様々な芁玠に぀いお理解を深めるこずをねらいずしおいる。 これは䞻ずしお「曞道Ⅱ」の「む ア 挢字の曞を構成する様々な芁玠」及び「む む 叀兞の特城ず甚筆・運筆ずの関わり」の内容を䞀局深めたものである。 「曞道Ⅲ」におい おは 「曞道Ⅰ」及び「曞道Ⅱ」での孊習を曎に発展させ倚様な芖点から曞ぞの理解を 深められるようにするこずが倧切である。 挢字の曞を構成する様々な芁玠に぀いお 「字圢」に関わりたず曞䜓があり 「曞道Ⅰ」 から「曞道Ⅱ」ぞず孊習を深めおいく䞭で扱う曞䜓は倚様化する。 「曞道Ⅱ」では新 たに加えられた曞䜓に぀いお字圢や甚筆・運筆の特性を孊習し甚筆・運筆から生み出 される各曞䜓の衚珟性等を理解するこずに取り組んだ。 「曞道Ⅲ」では 「曞道Ⅰ」及び「曞 道Ⅱ」での孊習を螏たえ曞䜓に基づく衚珟性ぞの理解を深めるこずになる。たた曞䜓 に代衚される「字圢」の他 「挢字の曞」を構成する芁玠である「線質」  「構成」 たた 曞の特質でもある「時間性」や「空間性」等の芖点から捉えられる「䜙癜」等に぀いおも その特性ずそこに生じる衚珟性に぀いお理解を深めるこずが倧切である。 挢字の曞を構成する様々な芁玠の盞互の関連がもたらす効果甚筆・運筆をはじめずす る諞芁玠の特性ずその働きから生み出される曞の衚珟性さらに諞芁玠の特性及び衚珟 性が耇合的に合わさっお生たれる衚珟効果や颚趣に぀いお理解を深めるこずにより倚様 な衚珟効果を思い描きながら創造的に深く構想し個性豊かな衚珟のための工倫ぞず生埒 自らで発展させられるようにするこずが重芁である。たた 「鑑賞」ずの関連を図り 倚様な曞の衚珟性衚珟効果や颚趣曞のよさや矎しさを感受できるよう指導するこずが 倧切である。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り衚珟及び鑑賞を関連させながら 「挢 字の曞」のよさや矎しさを䞻䜓的にそしお倚角的に捉えられるよう指導を工倫するこ ずが倧切である。 り  曞の䌝統を螏たえ曞䜓の特色を生かしお創造的に衚珟する技胜を身に付けるこ ず。 この事項は 「 2 挢字の曞」における「技胜」に関する資質・胜力であり曞の䌝統を 螏たえ曞䜓の特色を生かしお創造的に衚珟する技胜を身に付けるこずをねらいずしおい る。これは䞻ずしお「曞道Ⅱ」の「り ア 叀兞に基づく効果的な衚珟」及び「り む 倉 化や調和等による党䜓の構成」の内容を䞀局深めたものである。 第2 ç«  各科目 354
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曞の䌝統を螏たえずは䞭囜で生成し倚様な発展を遂げた挢字の叀兞日本の挢字の叀 兞などこれらの曞の䌝統を螏たえお創造的に衚珟するずいうこずである。ここでは 「曞道Ⅰ」及び「曞道Ⅱ」においお叀兞の臚曞掻動を通しお身に付けた技胜を䞀局高め おいくこずを求めおいる。たた曞の䌝統を螏たえそれを受け継ぐずずもに新たな曞 の衚珟を創造しおいこうずする態床を育おおいくこずも倧切である。 曞䜓の特色を生かしお創造的に衚珟する技胜ずは曞及び「挢字の曞」の䌝統を理解す るだけでなく感興や意図に応じお積極的に各曞䜓の特色を生かしより豊かに衚珟す るための技胜のこずである。 「曞道Ⅰ」及び「曞道Ⅱ」で叀兞の臚曞掻動を通しお身に付 けた線質・字圢・構成等の「挢字の曞」を構成する芁玠ずそれら盞互の関連がもたら す衚珟性衚珟効果や颚趣を関わらせた理解をもずに 「鑑賞」ず関連させながら創 造的に衚珟する技胜を高められるよう指導を工倫するこずが倧切である。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り生埒の実態に応じお創造的な衚珟 の幅をより広げるこずができるよう指導するこずが倧切である。 3 仮名の曞   仮名の曞に関する次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。  ア 䞻䜓的な構想に基づく個性的創造的な衚珟を远求するこず。  む 仮名の曞を構成する様々な芁玠に぀いお理解を深めるこず。  り  曞の䌝統を螏たえ仮名の曞の特色を生かしお創造的に衚珟する技胜を身に付 けるこず。 ここでは 「曞道Ⅲ」における「 3 仮名の曞」に関する指導事項を瀺しおいる。 「曞道Ⅲ」における「 3 仮名の曞」は 「曞道Ⅰ」及び「曞道Ⅱ」の内容を受けお䞉 ぀の事項に集玄し 「思考力 ・ 刀断力 ・ 衚珟力等」はア 「知識」はむ 「技胜」はりに瀺し 曎に発展的な孊習ずなるようにしおいる。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお䜜品を創造的に深く構想し個性豊かに 衚珟を工倫するこずができるよう指導するこずが倧切である。 ア 䞻䜓的な構想に基づく個性的創造的な衚珟を远求するこず。 この事項は 「 3 仮名の曞」における「思考力刀断力衚珟力等」に関する資質・胜 力であり䞻䜓的な構想に基づく個性的創造的な衚珟を远求するこずをねらいずしおい る。  これは䞻ずしお「曞道Ⅱ」の「ア ア 衚珟圢匏に応じた党䜓の構成」及び「ア む 感 興や意図に応じた個性的な衚珟」の内容を䞀局深めたものである。 䞻䜓的な構想に基づくずは 「曞道Ⅰ」及び「曞道Ⅱ」での孊習を生かしお自己の感 興や意図に応じお生埒が䞻䜓的に構想を具珟化しおいくこずである。題材や意図にふさ 12 曞道Ⅲ 355
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わしい曞颚線質や党䜓の構成などを考え䜜品を創造的に深く構想し個性豊かに衚珟を 工倫するこずが倧切である。 個性的 創造的な衚珟を远求するずは 「曞道Ⅱ」での孊習を受け 衚珟を䞀局深化させ 個性豊かな衚珟を創造的に远求するこずである。個性ず創造性は芞術衚珟にずっお重芁 な芁玠であり生埒の個性及び創造性を尊重するずずもに䌞長するよう 「仮名の曞」 の特質を螏たえお指導を工倫する必芁がある。 「仮名の曞」は我が囜独自の感性に根ざした衚珟であり繊现か぀優矎な衚珟を圢成 しおきた。これを螏たえ 「鑑賞」ずの関連を図りながら䜜品の構想ず衚珟の工倫に ぀いお䞀局の深化が図られるようにするこずが倧切である。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り生埒が「仮名の曞」特有の衚珟性 衚珟効果や颚趣に぀いお理解を深め知識や技胜を総合的に掻甚しながら個性的創造 的な新たな衚珟を远求できるよう思考したり刀断したりする機䌚を蚭定するこずが倧切 である。 む 仮名の曞を構成する様々な芁玠に぀いお理解を深めるこず。 この事項は 「 3 仮名の曞」における「知識」に関する資質・胜力であり仮名の曞を 構成する様々な芁玠に぀いお理解を深めるこずをねらいずしおいる。 これは䞻ずしお「曞道Ⅱ」の「む ア 仮名の曞を構成する様々な芁玠」及び「む む 叀兞の特城ず甚筆・運筆ずの関わり」の内容を䞀局深めたものである。 「曞道Ⅲ」におい おは 「曞道Ⅰ」及び「曞道Ⅱ」での孊習を曎に発展させ倚様な芖点から曞ぞの理解を 深められるようにするこずが倧切である。 仮名の曞を構成する様々な芁玠である「線質」に぀いおは筆及び墚の特性ずの関係 や玙の皮類等の工倫 「字圢」に぀いおは曞における蚀語の「時間性」及び曞字にお ける「運動性」の芖点にも関わる連綿 「構成」に぀いおは 「時間性」や「空間性」等の 芖点から捉えられる「䜙癜」  「仮名の曞」特有の構成法である散らし曞き等がありこれ らの諞芁玠の特性ずそこに生じる衚珟性衚珟効果や颚趣に぀いお理解を深めるこずが倧 切である。 仮名の曞を構成する様々な芁玠の盞互の関連がもたらす効果甚筆・運筆をはじめずす る諞芁玠の特性ずその働きから生み出される曞の衚珟性さらに諞芁玠の特性及び衚珟 性が耇合的に合わさっお生たれる衚珟効果や颚趣に぀いお理解を深めるこずにより倚様 な衚珟効果を思い描きながら創造的に深く構想し個性豊かな衚珟のための工倫ぞず生埒 自らで発展させられるようにするこずが重芁である。たた 「鑑賞」ずの関連を図り 倚様な曞の衚珟性衚珟効果や颚趣曞のよさや矎しさを感受できるよう指導するこずが 倧切である。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り衚珟及び鑑賞を関連させながら 「仮 名の曞」のよさや矎しさを䞻䜓的にそしお倚角的に捉えられるよう指導を工倫するこず が倧切である。 第2 ç«  各科目 356
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り  曞の䌝統を螏たえ仮名の曞の特色を生かしお創造的に衚珟する技胜を身に付け るこず。 この事項は 「 3 仮名の曞」における「技胜」に関する資質・胜力であり曞の䌝統を 螏たえ仮名の曞の特色を生かしお創造的に衚珟する技胜を身に付けるこずをねらいずし おいる。これは䞻ずしお「曞道Ⅱ」の「り ア 叀兞に基づく効果的な衚珟」及び「り む 墚継ぎや散らし曞き等による党䜓の構成」の内容を䞀局深めたものである。 曞の䌝統を螏たえずは 仮名の発生以来 各時代の思朮や文化を背景ずしお展開した様々 な叀兞など曞の䌝統を螏たえお創造的に衚珟するずいうこずである。ここでは 「曞 道Ⅰ」及び「曞道Ⅱ」においお叀兞の臚曞掻動を通しお身に付けた技胜を䞀局高めおい くこずを求めおいる。たた曞の䌝統を螏たえそれを受け継ぐずずもに新たな曞の衚 珟を創造しおいこうずする態床を育おおいくこずも倧切である。 仮名の曞の特色を生かしお創造的に衚珟する技胜ずは曞及び「仮名の曞」の䌝統を螏 たえた䞊で感興や意図に応じお 「仮名の曞」の特色である連綿や散らし曞きなどを総 合的に生かしより豊かに衚珟するための技胜のこずである。特に「曞道Ⅰ」及び「曞道 Ⅱ」で孊習しおきた連綿や散らし曞きずいった「仮名の曞」独自の特質をより効果的に 生かすために 「鑑賞」 ず関連させながら 平安時代から鎌倉時代にかけお曞写された様々 な叀兞に芋られる散らし曞きやその散らし曞きず密接に関わる墚継ぎの方法等の倚様な 衚珟に觊れるなどの䜓隓を通しお 「仮名の曞」の特色を生かしお創造的に衚珟する技胜 を高められるよう指導を工倫するこずが倧切である。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り生埒の実態に応じお創造的な衚珟 の幅をより広げるこずができるよう指導するこずが倧切である。  12 曞道Ⅲ 357
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 鑑 賞 鑑賞に関する資質・胜力を次のずおり育成する。 「鑑賞」に぀いおはアは「思考力刀断力衚珟力等」 むは「知識」に関する資質 ・ 胜力を瀺しおいる。 1 鑑賞   鑑賞に関する次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。  ア  鑑賞に関わる知識を埗たり生かしたりしながら 次の ア 及び む に぀いお考え 曞のよさや矎しさを味わっお深く捉えるこず。     ア  曞の普遍的䟡倀    む  曞論を螏たえた曞の芞術性  む 次の ア から り たでに぀いお理解を深めるこず。    ア  線質字圢構成等の芁玠ず曞の矎の倚様性     む  日本及び䞭囜等の曞の䌝統ずその背景ずなる諞文化等ずの関わり    り  曞の歎史ず曞論 ここでは 「曞道Ⅲ」における「鑑賞」に関する指導事項を瀺しおいる。 今回の改蚂ではアは鑑賞領域における「思考力刀断力衚珟力等」に関する事項を むは「知識」に関する事項を瀺しおいる。 「曞道Ⅲ」では曞の衚珟の方法や圢匏曞の矎の倚様性などに぀いお理解を深めたり 䜜品や曞の䌝統ず文化の意味や普遍的䟡倀に぀いお考え曞のよさや矎しさを味わい深く 捉えたりするこずをねらいずしおいる。たた 「曞道」から「曞道Ⅱ」ぞず高めおきた 指導内容を総合するずずもに鑑賞の指導の䞭で理論的な内容や曞の䌝統ずその背景 ずなる諞文化ずの関連さらには曞の䌝統ず文化を継承し䌝統ず創造ぞの関心を育む 事項など䞀局深い芖点から扱うこずずしおいる。 指導に圓たっおは 「思考力・刀断力・衚珟力等」ず「知識」ずを関連させお指導する ずずもに 「衚珟」の孊習ずの関連を図るこずに留意するこずが倧切である。 ア  鑑賞に関わる知識を埗たり生かしたりしながら次の ア 及び む に぀いお考え 曞のよさや矎しさを味わっお深く捉えるこず。 この事項は鑑賞領域における「思考力刀断力衚珟力等」に関する資質・胜力であ り䜜品や曞の䌝統ず文化の意味や䟡倀を考え曞のよさや矎しさを味わっお深く捉える こずをねらいずしおいる。鑑賞領域に関わる「知識」はむに瀺しおいる。 「曞道Ⅲ」では曞の矎を味わっお深く捉える過皋で新たな知識を習埗するこずや 第2 ç«  各科目 358
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既に習埗しおいる知識を掻甚するこずの䞡方が倧切であるこずから知識を埗たり生かし たりしながらずしおいる。このように知識の習埗は曞のよさや矎しさを味わっお深く 捉える過皋で行われるものである。ここでは知識を習埗しおから曞を味わっお捉える ずいった順序性をもっお育成するものではないこずに留意する必芁がある。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお曞のよさや矎しさを味わっお深く捉え るこずができるようにするこずが倧切である。 ア  曞の普遍的䟡倀 この事項は鑑賞領域における「思考力刀断力衚珟力等」に関する資質・胜力であ り曞の普遍的䟡倀に぀いお考え曞のよさや矎しさを味わっお深く捉えるこずをねらい ずしおいる。 曞の普遍的䟡倀ずは次の二぀の内容に倧別できる。䞀぀は曞のよさや矎しさに関わ る普遍的評䟡すなわち過去においお普遍的に評䟡されおきたのはどのようなよさや 矎しさをそなえた曞であったからなのかたた珟代に至っおもなお評䟡され続けおいる のはどのようなよさや矎しさをそなえる曞であるからなのかずいう普遍的に評䟡され る曞のよさや矎しさの内容である。もう䞀぀は曞のよさや矎しさが生掻や瀟䌚の䞭で これたでどのような圹割を担っおきたのかあるいは今埌担いうるのかずいう生掻や 瀟䌚における曞のよさや矎しさの意矩である。これらに぀いお生埒が䞻䜓的に考えるこ ずができるようたた生埒が生涯にわたり曞を愛奜する心情を育むこずができるように 指導するこずが倧切である。 指導に圓たっおは 「曞道Ⅰ」及び「曞道Ⅱ」の衚珟や鑑賞の掻動を発展させお蚀葉 を曞いた曞が人々の心を豊かにする芞術性をそなえるに至った根拠や生掻や瀟䌚におけ る曞のよさや矎しさの圹割や意矩に぀いお䞻䜓的に考えられるよう蚀語掻動を掻甚し お自身の考えを確かな蚀葉で䌝え他者の考えを受け止めその䜓隓を通しお自身の 考えを曎に深めおいくこずが倧切である。たたこれらの掻動を通しお曞を鑑賞するこ ずの喜びを実感し生掻や瀟䌚の䞭で生涯にわたり文字や曞ず豊かに関わるこずができる 資質・胜力を育成するこずに぀なげられるよう指導するこずが倧切である。 む  曞論を螏たえた曞の芞術性 この事項は鑑賞領域における「思考力刀断力衚珟力等」に関する資質・胜力であ り曞論を螏たえた曞の芞術性に぀いお考え曞のよさや矎しさを味わっお深く捉えるこ ずをねらいずしおいる。 曞論ずは曞に関するあらゆる論述や論評をいいその内容は曞䜓論衚珟論孊曞 論鑑賞論甚具・甚材論等がある。たた文字孊矎孊考叀孊などの孊問や歎史 政治思朮などずの関わりなど広倧なすそ野をもっおいる。䞭囜では埌挢時代以降日 12 曞道Ⅲ 359
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本では平安時代以降珟代に及ぶたで倚くの論述が残されおいる。 それらはいずれも䌝統的な䟡倀芳や個人の経隓などを螏たえた深い思玢から述べられ た内容であるこずが倚い。曞論を通しお孊曞の方法鑑賞の芳点甚筆・運筆の芁点 よさや矎しさを生み出す諞芁玠などに觊れ曞の芞術性に぀いお倚角的に考えるこずは 曞ぞの興味や関心を高めるこずに぀ながる。たた近代以降の曞論に觊れるこずは曞の 珟代的意矩や芞術的䟡倀に気付き将来の曞の圚り方に぀いおの考えを深めるこずにもな る。 指導に圓たっおは生埒の曞論ぞの関心を高められるよう生埒の実態や孊習状況に応 じお目的に適した曞論を遞定しお提瀺するなどの指導の工倫が倧切である。 む 次の ア から り たでに぀いお理解を深めるこず。 この事項は鑑賞領域における「知識」に関する資質・胜力であり曞の衚珟の方法や 圢匏倚様性などに぀いお幅広く理解するこずをねらいずしおいる。 ここでの「知識」は曞のよさや矎しさを味わっお捉える過皋を通しお実感的に習埗さ れるものであり䜜品の名称や鑑賞に関する甚語等を蚘憶するこずを目的ずするような掻 動にならないようにするこずが重芁である。たた知識を習埗しおから曞のよさや矎し さを味わっお捉えるずいった順序性をもっお育成するものではないこずに留意する必芁が ある。 指導に圓たっおは 〔共通事項〕ずの関連を図り曞を構成する芁玠や甚筆・運筆から 生み出される衚珟性や衚珟効果ぞの芖点をもっお実感的に理解できるよう指導するこず が倧切である。 ア  線質字圢構成等の芁玠ず曞の矎の倚様性 この事項は鑑賞領域における「知識」に関する資質・胜力であり線質字圢構成 等の芁玠ず曞の矎の倚様性に぀いお理解を深めるこずをねらいずしおいる。 曞の矎の倚様性ずは線質字圢構成をはじめ衚珟の動機や目的甚いた曞䜓や圢 匏などの違いさらには筆者の性情等の働きも加わっお衚出する曞のよさや矎しさの倚 様性をいう。その倚様性は字圢や構成などの「造圢性」によっお感じられるこずもあれ ば流動性や埋動性などの衚珟性によっお感じられるこずもある。たた筆者の性情の衚 出がよさや矎しさの䞀芁玠ずしお感じられるこずもある。それは曞が抜象化された文字 を曞く芞術であるこずや運筆の速床を絶えず遞択しながら所定の順序に埓っお曞く「䞀 回性」の芞術であるこずによるずころが倧きい。たた筆のあらゆる動きや倉化を玙䞊に 反映する筆・墚・玙の特性によっお筆者の内面性が端的に衚出しやすくたた感じ取 りやすいずいう特質もある。 衚珟の動機や目的曞䜓圢匏が同じであっおも倚くの堎合は線質字圢構成等の 芁玠ず筆者の特性等が合わさっお 倚様な衚珟効果や颚趣をもたらすものである。これを 第2 ç«  各科目 360
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盎感的に味わい曞を構成する芁玠ず衚珟性衚珟効果や颚趣ずの関係を分析的に捉える こずで倚角的な芖点から曞のよさや矎しさに぀いお理解を深めおいくこずが倧切であ る。曞のよさや矎しさには個人を超えお時代や地域による傟向を匷く垯びる堎合や 特定の流掟に継承される様匏が匷く衚れる堎合などもある。たた個人時代地域など の様々な背景を有しおおりその鑑賞には広い芖野も求められる。 指導に圓たっおは曞のよさや矎しさの倚様性ずその背景を理解できるようにするずず もに特定の䟡倀芳や趣向に偏るこずなく生埒が幅広い芖野で総合的な鑑賞掻動を行え るよう指導を工倫するこずが倧切である。 む   日本及び䞭囜等の曞の䌝統ずその背景ずなる諞文化等ずの関わり この事項は鑑賞領域における「知識」に関する資質・胜力であり日本及び䞭囜等の 曞の䌝統ずその背景ずなる諞文化等ずの関わりに぀いお理解を深めるこずをねらいずしお いる。 背景ずなる諞文化等ずの関わりずは幅広い芖野からの曞の䌝統ず諞文化ずの関わりを いう。 曞は数千幎の歎史を背景に矎を䌎う衚珟ずしお育たれ䞖界に類のない東アゞア独 自の䌝統を圢づくる芞術ずしお各時代の政治経枈宗教文化などず関わりながら進 展し倚くの人の心に最いを䞎えおきた。曞には実甚的な圹割を果たす衚珟ず芞術䜜 品ずしおの衚珟を目指すものずがある。叀くは各時代の人々の生掻や瀟䌚ず密接に関わ り政治思想宗教文芞など倚くの分野ず関連しながら実甚ず芞術の䞡偎面を垞 にそなえながら衚珟されおきたこずを螏たえ曞の䌝統ずこれらの諞文化等ずの関わりに ぀いお理解が深められるよう指導するこずが倧切である。 たた我が囜の曞は近代以降玔粋な芞術䜜品ずしお矎術通や博物通で鑑賞される こずを目的ずするこずが盛んになった。たた今日では様々な衚珟によっお瀟䌚のニヌ ズに察応する圹割をも果たすようになっおいる。 なお矎術通や博物通に収蔵されおいる曞の文化財は様々な経緯で䌝えられたり保存 されたりし時には修埩を重ねながら今日たで䌝えられおいる。保存や修埩に぀いお理解 を深めるこずは曞の䌝統ず文化を尊重し豊かな生掻や瀟䌚を創造しおいく態床を逊う こずず深く぀ながっおいる。 指導に圓たっおは幅広い芖野から曞の䌝統ず諞文化等ずの関わりに぀いお理解を深め るこずが倧切である。そのためには孊校や地域の実態に応じお矎術通や博物通を掻甚 し様々な鑑賞掻動を通しお諞文化等ずの関連や珟代における生掻や瀟䌚ずの関わりに ぀いお目を向けられるように配慮するこずが倧切である。 り   曞の歎史ず曞論 この事項は鑑賞領域における「知識」に関する資質・胜力であり曞の歎史ず曞論に 12 曞道Ⅲ 361
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぀いお理解を深めるこずをねらいずしおいる。 曞の歎史に぀いおは 「曞道Ⅰ」及び「曞道Ⅱ」での孊習を発展させその内容を広げ たり深めたりするこずが倧切である。 曞の歎史の間には曞に関わる様々な事象の発生や思朮の流行があった。䟋えば曞䜓 の発生や倉遷仮名の誕生挢字仮名亀じり文の普及をはじめ筆・墚・硯 すずり ・玙の改良 各皮石刻の圢態の倉遷たた鑑蔵や衚装の発達金石孊の発展連綿曞の流行篆 おん 曞や 隷曞の盛衰床の間の発生など曞の歎史には重芁な事項が数えきれないほど倚数ある。 曞論に぀いおはすでに埌挢時代に始たり魏晋南北朝の頃には曞䜓論の他曞人の優 劣を品評したり曞の特城を比況したりする颚朮が広がった。唐時代になるず様々な内容の 曞論が著されそれたでの曞論を集成するたでになった。日本では平安時代に䞭囜の圱 響を受けた曞論が珟れ平安末期に和様の曞論が著されお以降倚くの曞論が生たれた。 それら曞論には 「ア む 曞論を螏たえた曞の芞術性」でも述べたようにその内容には 様々な領域があり曞の歎史ず密接に関連しおきた。曞がよさや矎しさをもち人々の心 を豊かにするようになるず曞を評䟡するようになる。それは曞の衚珟を広げ高めるこ ずに぀ながった。このように曞ず曞論ずは密接に関連し合いながら発展しおきた。曞の 歎史ず曞論を関連付けお理解するこずは倧きな意味をもっおいる。 指導に圓たっおは曞の歎史や曞論を背景に育たれ今なお珟代に受け継がれる曞の䌝 統ず文化に぀いお理解を深められるようにするこずが倧切である。  第2 ç«  各科目 362
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〔共通事項〕 〔共通事項〕 1 は今回の改蚂で新たに瀺した事項である。 衚珟及び鑑賞の孊習においお共通に必芁ずなる資質・胜力を次のずおり育成する。 〔共通事項〕は「衚珟」及び「鑑賞」の孊習においお共通に必芁ずなる資質・胜力 である。たたそれは感性を働かせ曞を曞を構成する芁玠やそれらが盞互に関連す る働きの芖点で捉え曞かれた蚀葉歎史的背景生掻や瀟䌚諞文化などずの関わりか ら曞の衚珟の意味や䟡倀を芋いだすこずであるず考えられる。曞に関する芋方・考え方 を働かせ衚珟及び鑑賞の掻動を通しお䞀䜓的に育成されるこずが重芁である。 今回の改蚂では 「衚珟」の「 1 挢字仮名亀じりの曞」  「 2 挢字の曞」及び「 3 ä»® 名の曞」  「鑑賞」  〔共通事項〕で内容の党䜓を構成し芞術科曞道においお育成を目指 す資質 ・ 胜力を䞀局明確にするずずもに生埒が感性を働かせお感じ取ったこずをもずに 思考刀断衚珟したり鑑賞したりする䞀連の孊習過皋を倧切にするこずを求めおいる。 「衚珟」  「鑑賞」及び〔共通事項〕の指導を通しお生埒䞀人䞀人が曞に関する 芋方・考え方を働かせ衚珟及び鑑賞に関する資質・胜力を高め生掻や瀟䌚の䞭の文字 や曞曞の䌝統ず文化ず深く関わるこずができるようにするこずを目指しおいる。 1   「衚珟」及び「鑑賞」の指導を通しお次の事項を身に付けるこずができる よう指導する。  ア  甚筆・運筆から生み出される曞の衚珟性ずその衚珟効果ずの関わりに぀いお理 解するこず。  む  曞を構成する芁玠に぀いおそれら盞互の関連がもたらす働きず関わらせお理 解するこず。 〔共通事項〕は 「衚珟」及び「鑑賞」の孊習においお共通に必芁ずなる資質・胜力 であり 「知識」に関する資質・胜力ずしお瀺しおおり 「衚珟」及び「鑑賞」の各事 項の指導ず䜵せおたたそれらの指導を通しお適切に指導する必芁がある。たた 〔共 通事項〕は 「 1 挢字仮名亀じりの曞」  「 2 挢字の曞」  「 3 仮名の曞」及び「鑑賞」 の孊習に共通の支えずなる知識であり曞の特質や曞の矎を捉えお衚珟したり鑑賞したり する䞊での芳点ずいうべきものでもある。同時に 〔共通事項〕 の䞭で瀺す曞独自の特質は 生掻の䞭での曞 芞術ずしおの曞の歎史や䌝統を圢づくっおきたものであり 我が囜の「蚀 語文化」  「文字文化」 曞の「芞術文化」を支える基盀でもある。 「曞道Ⅲ」では 「曞道Ⅰ」及び「曞道Ⅱ」で瀺した四぀の芖点①時間性ず運動性② 曞の衚珟性③曞を構成する芁玠④造圢性ず空間性に぀いお衚珟ず鑑賞の掻動を通し お 曞の矎ず 曞の芞術ずしおの瀟䌚的䟡倀を貫く根拠ずしお曎に理解を深めるずずもに それらを螏たえお 〔共通事項〕のア及びむに瀺した内容ぞの理解を䞀局深め曞の矎の 12 曞道Ⅲ 363
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倚様性ず曞の䌝統ず文化の意味や䟡倀を考え曞の矎を味わい深く捉えるこずができる ようにするこずが倧切である。 䞊蚘の四぀の芖点のうち ①及び②は䞻に以䞋のア ③及び④は䞻に以䞋のむに圓たる。 ア  甚筆・運筆から生み出される曞の衚珟性ずその衚珟効果ずの関わりに぀いお理解 するこず。 この事項は芞術科曞道における「知識」に関する資質・胜力であり甚筆・運筆から 生み出される曞の衚珟性ずその衚珟効果ずの関わりに぀いお理解するこずをねらいずしお いる。 「曞道Ⅲ」では 「曞道Ⅰ」及び「曞道Ⅱ」での孊習を螏たえ甚筆・運筆から生み出さ れる曞の衚珟性ずその衚珟効果ずの関わりに぀いお特に運筆における「時間性」  「運動 性」の芖点から理解を深めるこずにより倚様な「衚珟性」ずそれらの重局的・耇合的な 働きから生じる「衚珟効果」や䜜品党䜓から滲 にじ み出る「颚趣」にも目を向けお意図に 基づいお創造的に深く構想し個性豊かに衚珟を工倫したり曞の矎を味わい深く捉えたり するこずができる資質・胜力を身に付けるこずが求められる。 「颚趣」は鑑賞を通じお鑑賞者によっお捉えられるものであり高床な技胜や巧みな 造圢によっおのみ生じるものではなく時には技胜や造圢から受ける感銘を凌 しの ぐ感銘を 䞎えたり技胜や造圢ず合わさっおいっそう深い感銘を䞎えたりする。 「颚趣」ずは気 高さ凛 り 々 り しさ初々しさ枅らかさ枩かさ穏やかさ険しさ倧らかさなど䜜品 や曞の党䜓から感じられる颚韻や趣 味わいであり その皮類や様匏 たた その質も様々 である。䜜品や曞を味わい深く捉えるためには高床な技胜を習埗するこずや造圢の巧み さを身に付けるだけではなく曞特有の「衚珟効果」や「颚趣」に぀いおの理解を深める こずが倧切である。䜜品や曞の捉え方ず そこで捉えられる曞のよさや矎しさ 「衚珟効果」 や「颚趣」の質を問うこずが曞の歎史ず䌝統の䞭で叀来より行われおきおおりその姿 勢・芖点は曞が䌝統や文化ずしお今日たで継承されおきたこずの背景ずも蚀えるのであ る。 指導に圓たっおは曞の特質である「時間性」や「運動性」の芖点から運筆を通しお 生み出される「衚珟性」に぀いお理解を深めるずずもに 「時間性」や「運動性」に぀い おも「衚珟効果」ず関連付けお深く考え 理解できるようにするこずが倧切である。たた 䜜品を創造的に深く構想し個性豊かに衚珟を工倫できるよう甚筆・運筆から生み出され る曞の「衚珟性」ずその「衚珟効果」ずの関わりの芖点から曞のよさや矎しさ䜜品や 曞の䌝統ず文化の意味や䟡倀に぀いお総合的に理解が深められるよう指導を工倫するこず が倧切である。 ã‚€  曞を構成する芁玠に぀いおそれら盞互の関連がもたらす働きず関わらせお理解 するこず。 第2 ç«  各科目 364
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この事項は芞術科曞道における「知識」に関する資質・胜力であり曞を構成する芁 玠に぀いおそれら盞互の関連がもたらす働きず関わらせお理解するこずをねらいずしお いる。 「曞道Ⅰ」の〔共通事項〕では 曞を構成する芁玠の䟋ずしお 「線質」  「字圢」  「構成」  たた 「䜙癜」  「墚色」等を瀺した。たた曞を構成するこれらの芁玠はそれぞれに効 果を生むだけではなく盞互の関連がもたらす働きにより 「倉化」  「埋動」  「性情」等 の曞特有の「衚珟性」を生み出しさらにそれらが重局的・耇合的に組み合わさるこず によっお 「調和」などの「衚珟効果」や「颚趣」が生たれるずしおいる。 「曞道Ⅱ」では 「曞道Ⅰ」での孊習を基瀎ずしお 「題材ずなる蚀葉ず衚珟ずの調和」 に぀いお双方の「時間性」の芖点から捉えたり曞の「空間性」にも関わる「䜙癜」の意 味や効果 「䜙癜」の矎を理解しお䜜品を構想し衚珟を工倫したり曞が芞術ずしお耇 合的な存圚圢匏によっお成り立っおいるこずを理解した䞊で 「調和」などの「衚珟効果」 や「颚趣」に぀いお考えたりするなど特に「衚珟効果」に぀いお発展させお瀺した。 「曞道Ⅲ」では 「曞道Ⅰ」及び「曞道Ⅱ」での孊習を螏たえ曞を構成する芁玠に぀い おそれら盞互の関連がもたらす働きず関わらせお曎に理解を深めるこずにより倚様 な「衚珟性」ずそれらの重局的・耇合的な働きにより生じる「衚珟効果」や「颚趣」を生 かしお意図に基づいお創造的に深く構想し個性豊かに衚珟を工倫したり曞のよさや矎 しさを味わい深く捉えたりするこずができる資質・胜力を身に付けるこずが求められる。 指導に圓たっおは 「曞を構成する芁玠」を盞互の関連がもたらす働きから実感的に理 解するずずもに曞の特質である耇合的な「空間性」や「䜙癜」 たたそれらにより生 み出される曞特有の「造圢性」や倚様な矎に぀いおも 「衚珟効果」ず関連付けお深く考え 理解できるようにするこずが倧切である。たた創造的に深く構想し個性豊かに衚珟を工 倫できるよう 「曞を構成する芁玠」盞互の関連がもたらす働きの芖点から曞のよさや 矎しさ䜜品や曞の䌝統ず文化の意味や䟡倀に぀いお総合的に理解が深められるよう指導 を工倫するこずが倧切である。  12 曞道Ⅲ 365
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1  生埒の特性孊校や地域の実態を考慮し内容の「衚珟」に぀いおは 1  2  又は 3 のうち䞀぀以䞊を 「鑑賞」の 1 のむに぀いおは ア  む 又は り のうち 䞀぀以䞊を遞択しお扱うこずができる。 ここでは 「曞道」及び「曞道Ⅱ」での孊習を螏たえ生埒の特性孊校や地域の実 態を考慮し 「衚珟」の「 1 挢字仮名亀じりの曞」  「 2 挢字の曞」又は「 3 仮名の曞」 のうち䞀぀以䞊を遞択しお扱い 「鑑賞」の 1 に぀いおは「思考力刀断力衚珟力等」 に関するアの各事項を扱うずずもに 「知識」に関するむに぀いおは ア  む 又は り の うち䞀぀以䞊を遞択しお扱うこずができるこずを瀺しおいる。 2  内容の「衚珟」の 2 及び 3 に぀いおは目的に応じお臚曞又は創䜜のいずれ かを通しお指導するこずができる。 「曞道I」及び「曞道Ⅱ」では 「衚珟」の「 2 挢字の曞」及び「 3 仮名の曞」に぀ いおは臚曞及び創䜜を通しお指導するものずしおいるが 「曞道Ⅲ」では臚曞又は創 䜜のいずれかを通しお指導するこずができるこずずしおいる。これは生埒の興味・関心等 を螏たえ生埒が創造的に深く構想し個性豊かに衚珟を工倫するこずができるようにする こずを意図しおいる。 3  内容の取扱いに圓たっおは 「曞道Ⅰ」のの 5 及び 9 から 11 たで 「曞道Ⅱ」 のの 1 及び 5 ず同様に取り扱うものずする。 ここでは 「曞道Ⅰ」の「内容の取扱い」のうち 5 及び 9 から 11 たで 「曞道Ⅱ」 の「内容の取扱い」のうち 1 及び 5 に瀺した事項に぀いお「曞道Ⅲ」においおも 同様に取り扱うこずを瀺しおいる。 「曞道Ⅲ」では 「曞道Ⅰ」及び「曞道Ⅱ」での孊習を受けお各領域・分野の孊習を深 化させ発展的な内容ずなるよう指導を充実させる必芁がある。  内容の取扱い 第2 ç«  各科目 366
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各科目にわたる指導蚈画の䜜成ず内容の取扱いに぀いおは孊習指導芁領第章第節 芞術第欟に次のように瀺しおいる。  指導蚈画の䜜成に圓たっおは次の事項に配慮するものずする。 ここでは各孊校においお指導蚈画を䜜成する際に配慮すべきこずを瀺しおいる。芞術 科の指導蚈画には幎間指導蚈画各題材の指導蚈画各授業の指導蚈画などがある。こ れらの指導蚈画を䜜成する際はそれぞれの関連に配慮するずずもに評䟡の蚈画を含め お䜜成する必芁がある。 ○ 䞻䜓的・察話的で深い孊びの実珟に向けた授業改善 1  題材など内容や時間のたずたりを芋通しおその䞭で育む資質・胜力の育成に向 けお生埒の䞻䜓的・察話的で深い孊びの実珟を図るようにするこず。その際各 科目における芋方・考え方を働かせ各科目の特質に応じた孊習の充実を図るこず。 この事項は芞術科の指導蚈画の䜜成に圓たり生埒の䞻䜓的・察話的で深い孊びの実 珟を目指した授業改善を進めるこずずし芞術科の特質に応じお効果的な孊習が展開で きるように配慮すべき内容を瀺したものである。 遞挙暩幎霢や成幎幎霢の匕き䞋げなど高校生にずっお政治や瀟䌚が䞀局身近なものず なる䞭孊習内容を人生や瀟䌚の圚り方ず結び付けお深く理解しこれからの時代に求め られる資質・胜力を身に付け生涯にわたっお胜動的に孊び続けるこずができるようにす るためにはこれたでの優れた教育実践の蓄積も生かしながら孊習の質を䞀局高める授 業改善の取組を掚進しおいくこずが求められおいる。 指導に圓たっおは 1 「知識及び技胜」が習埗されるこず 2 「思考力刀断力衚珟 力等」を育成するこず 3 「孊びに向かう力人間性等」を涵 かん 逊するこずが偏りなく実珟 されるよう題材など内容や時間のたずたりを芋通しながら生埒の䞻䜓的・察話的で深 い孊びの実珟に向けた授業改善を行うこずが重芁である。 䞻䜓的・察話的で深い孊びは必ずしも単䜍時間の授業の䞭で党おが実珟されるもの ではない。題材など内容や時間のたずたりの䞭で䟋えば䞻䜓的に孊習に取り組めるよ う孊習の芋通しを立おたり孊習したこずを振り返ったりしお自身の孊びや倉容を自芚でき る堎面をどこに蚭定するか察話によっお自分の考えなどを広げたり深めたりする堎面を どこに蚭定するか孊びの深たりを぀くりだすために生埒が考える堎面ず教垫が教える 堎面をどのように組み立おるかずいった芳点で授業改善を進めるこずが求められる。た た生埒や孊校の実態に応じ倚様な孊習掻動を組み合わせお授業を組み立おおいくこず が重芁であり題材など内容や時間のたずたりを芋通した孊習を行うに圓たり基瀎ずなる 「知識及び技胜」の習埗に課題が芋られる堎合にはそれを身に付けるために生埒の䞻  指導蚈画䜜成䞊の配慮事項 1 指導蚈画 䜜成䞊の 配慮事項 各科目にわたる指導蚈画の䜜成ず内容の取扱い 第章 367
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䜓性を匕き出すなどの工倫を重ね確実な習埗を図るこずが必芁である。 䞻䜓的 ・ 察話的で深い孊びの実珟に向けた授業改善を進めるに圓たり特に「深い孊び」 の芖点に関しお各教科等の孊びの深たりの鍵ずなるのが「芋方・考え方」である。各教 科等の特質に応じた物事を捉える芖点や考え方である「芋方・考え方」を習埗・掻甚・ 探究ずいう孊びの過皋の䞭で働かせるこずを通じおより質の高い深い孊びに぀なげるこ ずが重芁である。 芞術科においおは各科目における芋方・考え方を働かせ衚珟及び鑑賞の掻動の関連 を図るなどしお芞術に関する各科目の特質に぀いお理解するずずもに創造的な衚珟を 工倫したり芞術のよさや矎しさを深く味わったりする過皋を倧切にした孊習の充実を図 るこずが重芁である。 ○ 各科目の履修に関する配慮事項 2  Ⅱを付した科目はそれぞれに察応するⅠを付した科目を履修した埌にⅢを付し た科目はそれぞれに察応するⅡを付した科目を履修した埌に履修させるこずを原則 ずするこず。 ここではⅠを付した科目Ⅱを付した科目及びⅢを付した科目の履修に぀いおの配慮 事項を述べおいる。すなわちこれらの各科目の履修に圓たっおはⅡを付した科目を それぞれに察応するⅠを付した科目を履修した埌に履修させⅢを付した科目をそれぞ れに察応するⅡを付した科目を履修した埌に履修させるこずを原則ずしおいる。 なおここで定めおいる各科目の履修の順序はこの教科の系統性に基づき埌に履修 する科目の内容が前に履修する科目の内容を前提ずしお定められおいるこずによるもので あり生埒にはこの順序に則っお履修させるこずが求められる。 その際生埒の資質・胜力適性興味・関心等に応じお系統的に孊習を発展させる こずに留意しおそれぞれの科目の孊習の成果を積み䞊げ指導の効果が明確になるよう 工倫するずずもに他の科目ずの関連に配慮するこずも倧切である。 ○ 障害のある生埒などぞの指導 3  障害のある生埒などに぀いおは孊習掻動を行う堎合に生じる困難さに応じた指 導内容や指導方法の工倫を蚈画的組織的に行うこず。 ここでは障害のある生埒などに察する指導内容や指導方法の工倫を蚈画的組織的 に行うよう配慮するこずを瀺しおいる。 障害者の暩利に関する条玄に掲げられたむンクルヌシブ教育システムの構築を目指し 生埒の自立ず瀟䌚参加を䞀局掚進しおいくためには通垞の孊玚通玚による指導特別 支揎孊玚特別支揎孊校においお生埒の十分な孊びを確保し䞀人䞀人の生埒の障害の 状態や発達の段階に応じた指導や支揎を䞀局充実させおいく必芁がある。 通垞の孊玚においおも発達障害を含む障害のある生埒が圚籍しおいる可胜性があるこ 第章 各科目にわたる 指導蚈画の䜜成 ず内容の取扱い 368
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ずを前提に党おの教科等においお䞀人䞀人の教育的ニヌズに応じたきめ现かな指導や 支揎ができるよう障害皮別の指導の工倫のみならず各教科等の孊びの過皋においお考 えられる困難さに察する指導の工倫の意図手立おを明確にするこずが重芁である。 これを螏たえ今回の改蚂では障害のある生埒などの指導に圓たっおは個々の生埒 によっお芋えにくさ聞こえにくさ道具の操䜜の困難さ移動䞊の制玄健康面や安 党面での制玄発音のしにくさ心理的な䞍安定人間関係圢成の困難さ読み曞きや蚈 算等の困難さ泚意の集䞭を持続するこずが苊手であるこずなど孊習掻動を行う堎合に 生じる困難さが異なるこずに留意し個々の生埒の困難さに応じた指導内容や指導方法を 工倫するこずを各教科等においお瀺しおいる。 その際芞術科の目暙や内容の趣旚孊習掻動のねらいを螏たえ孊習内容の倉曎や孊 習掻動の代替を安易に行うこずがないよう留意するずずもに生埒の孊習負担や心理面に も配慮する必芁がある。 䟋えば芞術科における配慮ずしお次のようなものが考えられる。  ・ 音楜においお音楜を圢づくっおいる芁玠音色リズム速床旋埋テクスチ ュア匷匱圢匏構成などを知芚するこずが難しい堎合は芁玠に着目しやす くできるよう音楜に合わせお䞀緒に拍を打ったり䜓を動かしたりするなどしお 芁玠の衚れ方を芖芚化動䜜化するなどの配慮をする。なお動䜜化する際は決 められた動きのパタヌンを習埗するような掻動にならないよう留意する。  ・ 矎術においお圢や色圩材料などの倉化を芋分けたり埮劙な倉化を感じ取った りするこずが難しい堎合などでは生埒の実態やこれたでの経隓に応じお造圢の 芁玠の特城や働きが分かりやすいものを䟋瀺するこずや䞻題に応じお䞀人䞀人が 自分に合ったものが遞べるように倚様な材料や甚具を甚意したり皮類や数を絞っ たりするなどの配慮をする。  ・ 工芞においお圢や色圩玠材などの倉化を芋分けたり埮劙な倉化を感じ取った りするこずが難しい堎合などでは生埒の実態やこれたでの経隓に応じお造圢の 芁玠の特城や働きが分かりやすいものを甚意しお実際に觊れおみたり䜿っおみたり するこずや目的や条件機胜などに応じお䞀人䞀人が自分に合ったものが遞べる ようにいく぀かの材料や甚具を甚意したり皮類や数を絞ったりするなどの配慮を する。  ・ 曞道においお自らの意図にふさわしい甚具・甚材の遞択や扱い方を理解するこず や曞を構成する耇数の芁玠を結び付けお考えたり再珟する手順を考えたりする こずが難しい堎合は甚具・甚材を䜓隓的に䜿甚する機䌚を蚭けたり曞を構成す る芁玠をグルヌプ分けや優先順䜍を付けお瀺すなどしお䞻䜓的に思考刀断しな がら孊習を進められるよう配慮をする。 なお孊校においおはこうした点を螏たえ個別の指導蚈画を䜜成し必芁な配慮を蚘 茉し 他教科等の担任ず共有したり 翌幎床の担任等に匕き継いだりするこずが必芁である。 1 指導蚈画 䜜成䞊の 配慮事項 369
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 内容の取扱いに圓たっおは次の事項に配慮するものずする。 ここでは第の内容の指導に圓たっお配慮すべきこずを瀺しおいる。したがっお以 例 1 及び 2 の配慮事項は単独で取り扱うのではなく各科目の「 内容」の指導ず 適切に関連付けお取り扱うこずが倧切である。 ○ 情報機噚の掻甚等に関する配慮事項 1  内容の「衚珟」及び「鑑賞」の指導に圓たっおは孊校の実態に応じお孊校 図曞通を掻甚するこず。たたコンピュヌタや情報通信ネットワヌクを積極的に掻 甚しお衚珟及び鑑賞の孊習の充実を図り生埒が䞻䜓的に孊習に取り組むこずが できるように工倫するこず。 各科目の衚珟や鑑賞の孊習では適切な資料や情報を提瀺するこずによっお生埒の発 想や意欲を刺激し効果的に孊習を深めるこずができる。このためには孊校の実態に応 じお孊校図曞通などの掻甚を図ったりコンピュヌタや情報通信ネットワヌクを積極的に 掻甚したりした指導蚈画を工倫する必芁がある。 埓前は 「各科目の特質を螏たえ孊校の実態に応じお孊校図曞通を掻甚するずずもに コンピュヌタや情報通信ネットワヌクなどを指導に生かすこず」ず瀺しおいた。今回の改 蚂ではコンピュヌタ等の䞀局の普及や倚機胜化新たな゜フトりェアの開発などの可胜 性を螏たえ積極的に掻甚しお衚珟及び鑑賞の孊習の充実を図り生埒が䞻䜓的に孊習 に取り組むこずができるよう工倫するこずず瀺し曎に倚様で効果的な掻甚によっお生 埒の孊習を深められるよう配慮するこずを求めおいる。 なおむンタヌネットを掻甚した情報収集は即時性利䟿性等においお優れおいるが 情報の芋極めなどに配慮する必芁がある。 ○ 地域の文化斜蚭や瀟䌚教育斜蚭の掻甚等に関する配慮事項 2  各科目の特質を螏たえ孊校や地域の実態に応じお文化斜蚭瀟䌚教育斜蚭 地域の文化財等の掻甚を図ったり地域の人材の協力を求めたりするこず。 各科目の特質に応じお地域の文化斜蚭や瀟䌚教育斜蚭等の掻甚を図ったり地域の䌝 統芞術を鑑賞する機䌚を蚭けたり優れた技胜をも぀地域の人々の協力を求めたり連携を 図ったりするなど様々な指導䞊の工倫をするこずが倧切である。   内容の取扱いに圓たっおの配慮事項 第章 各科目にわたる 指導蚈画の䜜成 ず内容の取扱い 370
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○ 道埳教育ずの関連総則第欟 ㆓ の段目 2  道埳教育や䜓隓掻動倚様な衚珟や鑑賞の掻動等を通しお豊かな心や創造性の æ¶µ かん 逊を目指した教育の充実に努めるこず。   孊校における道埳教育は人間ずしおの圚り方生き方に関する教育を孊校の教育  掻動党䜓を通じお行うこずによりその充実を図るものずし 各教科に属する科目 以  䞋「各教科・科目」ずいう。  総合的な探究の時間及び特別掻動以䞋「各教科・   科目等」ずいう。 のそれぞれの特質に応じお適切な指導を行うこず。   道埳教育は教育基本法及び孊校教育法に定められた教育の根本粟神に基づき   生埒が自己探求ず自己実珟に努め囜家・瀟䌚の䞀員ずしおの自芚に基づき行為しう  る発達の段階にあるこずを考慮し人間ずしおの圚り方生き方を考え䞻䜓的な刀  断の䞋に行動し自立した人間ずしお他者ず共によりよく生きるための基盀ずなる  道埳性を逊うこずを目暙ずするこず。   道埳教育を進めるに圓たっおは 人間尊重の粟神ず生呜に察する畏敬の念を家庭   孊校その他瀟䌚における具䜓的な生掻の䞭に生かし豊かな心をもち䌝統ず文  化を尊重しそれらを育んできた我が囜ず郷土を愛し個性豊かな文化の創造を図  るずずもに平和で民䞻的な囜家及び瀟䌚の圢成者ずしお公共の粟神を尊び瀟  䌚及び囜家の発展に努め他囜を尊重し囜際瀟䌚の平和ず発展や環境の保党に貢  献し未来を拓 ひら く䞻䜓性のある日本人の育成に資するこずずなるよう特に留意するこ  ず。 高等孊校における道埳教育に぀いおは各教科・科目等の特質に応じ孊校の教育掻動 党䜓を通じお生埒が人間ずしおの圚り方生き方を䞻䜓的に探求し豊かな自己圢成ができ るよう適切な指導を行うこずが求められおいる。 このため各教科・科目においおも目暙や内容配慮事項の䞭に関連する蚘述があり 芞術科ずの関連をみるず特に次のような点を指摘するこずができる。 芞術科においおは 教科の目暙 3 を 「生涯にわたり芞術を愛奜する心情を育むずずもに 感性を高め心豊かな生掻や瀟䌚を創造しおいく態床を逊い豊かな情操を培う。 」ず瀺 しおいる。 芞術を愛奜する心情を育むずずもに感性を高めるこずは矎しいものや厇高なものを 尊重するこずに぀ながるものである。たた心豊かな生掻や瀟䌚を創造しおいく態床を逊 い豊かな情操を培うこずは孊校の教育掻動党䜓で道埳教育を進めおいく䞊で基盀ず なるものである。  総則関連事項 3 総則関連 事項 371
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○ 孊校蚭定科目総則第欟 ㆒ ゚  孊校においおは生埒や孊校地域の実態及び孊科の特色等に応じ特色ある教育 課皋の線成に資するようむ及びりの衚に掲げる教科に぀いおこれらに属する科目 以倖の科目以䞋「孊校蚭定科目」ずいう。 を蚭けるこずができる。この堎合にお いお孊校蚭定科目の名称目暙内容単䜍数等に぀いおはその科目の属する教 科の目暙に基づき高等孊校教育ずしおの氎準の確保に十分配慮し各孊校の定める ずころによるものずする。 孊校蚭定科目の名称目暙内容単䜍数等は各孊校においお定めるものずされおいる がその際には 「その科目の属する教科の目暙に基づき」ずいう芁件が瀺されおいるこ ず及び科目の内容の構成に぀いおは関係する各科目の内容ずの敎合性を図るこずに十分配 慮する必芁がある。 ○ 矩務教育段階での孊習内容の確実な定着を図る工倫総則第欟 ㆓  2  生埒や孊校の実態等に応じ必芁がある堎合には䟋えば次のような工倫を行い 矩務教育段階での孊習内容の確実な定着を図るようにするこず。  ア  各教科・科目の指導に圓たり矩務教育段階での孊習内容の確実な定着を図る ための孊習機䌚を蚭けるこず。  む  矩務教育段階での孊習内容の確実な定着を図りながら必履修教科・科目の内 容を十分に習埗させるこずができるようその単䜍数を暙準単䜍数の暙準の限床 を超えお増加しお配圓するこず。  り  矩務教育段階での孊習内容の確実な定着を図るこずを目暙ずした孊校蚭定科目 等を履修させた埌に必履修教科・科目を履修させるようにするこず。 本項では埓来に匕き続き孊校や生埒の実態等に応じお矩務教育段階の孊習内容の確 実な定着を図るための指導を行うこずを指導蚈画の䜜成に圓たっお配慮すべき事項ずしお 瀺し生埒が高等孊校段階の孊習に円滑に移行できるようにするこずを重芖しおいる。 矩務教育段階の孊習内容の確実な定着を図る指導を行うこずが求められるのは 「孊校 や生埒の実態等に応じ必芁がある堎合」であり党おの生埒に察しお必ず実斜しなけれ ばならないものではないが前述の必芁がある堎合にはこうした指導を行うこずで高 等孊校段階の孊習に円滑に接続できるようにするこずが求められおいる。 これは高等孊校を卒業するたでに党おの生埒が必履修教科・科目の内容を孊習する必 芁があるがその内容を十分に理解するためには矩務教育段階の孊習内容が定着しおい るこずが前提ずしお必芁ずなるものであるこずからそれが䞍十分であるこずにより必履 修教科・科目の内容が理解できないずいうこずのないよう必履修教科・科目を履修する 際又は履修する前などにそうした孊習内容の確実な定着を図れるようにする配慮を求めた ものである。 第章 各科目にわたる 指導蚈画の䜜成 ず内容の取扱い 372
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第郚 音 楜 線
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今の子䟛たちやこれから誕生する子䟛たちが成人しお瀟䌚で掻躍する頃には我が囜 は厳しい挑戊の時代を迎えおいるず予想される。生産幎霢人口の枛少グロヌバル化の進 展や絶え間ない技術革新等により瀟䌚構造や雇甚環境は倧きくたた急速に倉化しおお り予枬が困難な時代ずなっおいる。たた急激な少子高霢化が進む䞭で成熟瀟䌚を迎え た我が囜にあっおは䞀人䞀人が持続可胜な瀟䌚の担い手ずしおその倚様性を原動力ず し質的な豊かさを䌎った個人ず瀟䌚の成長に぀ながる新たな䟡倀を生み出しおいくこず が期埅される。 こうした倉化の䞀぀ずしお進化した人工知胜AIが様々な刀断を行ったり身近 な物の働きがむンタヌネット経由で最適化されるIoT が広がったりするなどSociety5.0 ずも呌ばれる新たな時代の到来が瀟䌚や生掻を倧きく倉えおいくずの予枬もなされおい る。たた 情報化やグロヌバル化が進展する瀟䌚においおは 倚様な事象が耇雑さを増し 倉化の先行きを芋通すこずが䞀局難しくなっおきおいる。そうした予枬困難な時代を迎え る䞭で遞挙暩幎霢が匕き䞋げられ曎に平成342022幎床からは成幎幎霢が18 歳ぞ ず匕き䞋げられるこずに䌎い高校生にずっお政治や瀟䌚は䞀局身近なものずなるずずも に自ら考え積極的に囜家や瀟䌚の圢成に参画する環境が敎い぀぀ある。 このような時代にあっお孊校教育には子䟛たちが様々な倉化に積極的に向き合い 他者ず協働しお課題を解決しおいくこずや様々な情報を芋極め知識の抂念的な理解を 実珟し情報を再構成するなどしお新たな䟡倀に぀なげおいくこず耇雑な状況倉化の䞭 で目的を再構築するこずができるようにするこずが求められおいる。 このこずは本来我が囜の孊校教育が倧切にしおきたこずであるものの教垫の䞖代亀 代が進むず同時に孊校内における教垫の䞖代間のバランスが倉化し教育に関わる様々 な経隓や知芋をどのように継承しおいくかが課題ずなり子䟛たちを取り巻く環境の倉化 により孊校が抱える課題も耇雑化・困難化する䞭でこれたでどおり孊校の工倫だけにそ の実珟を委ねるこずは困難になっおきおいる。 こうした状況の䞋で平成26 幎11 月には文郚科孊倧臣から新しい時代にふさわし い孊習指導芁領等の圚り方に぀いお䞭倮教育審議䌚に諮問を行った。䞭倮教育審議䌚にお いおは幎か月にわたる審議の末平成28 幎12 月21 日に「幌皚園小孊校䞭孊校 高等孊校及び特別支揎孊校の孊習指導芁領等の改善及び必芁な方策等に぀いお 答申 」 以 䞋「平成28 幎12 月の䞭倮教育審議䌚答申」ずいう。 を瀺した。 平成28 幎12 月の䞭倮教育審議䌚答申においおは “よりよい孊校教育を通じおよりよ い瀟䌚を創る”ずいう目暙を孊校ず瀟䌚が共有し連携・協働しながら新しい時代に求 められる資質・胜力を子䟛たちに育む「瀟䌚に開かれた教育課皋」の実珟を目指し孊習 指導芁領等が孊校家庭地域の関係者が幅広く共有し掻甚できる「孊びの地図」ずし 第1 節 改蚂の経緯及び基本方針  改蚂の経緯 1 改蚂の経緯 及び基本方 針 総 説 第章 375
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おの圹割を果たすこずができるよう次の点にわたっおその枠組みを改善するずずも に各孊校においお教育課皋を軞に孊校教育の改善・充実の奜埪環を生み出す「カリキュ ラム・マネゞメント」の実珟を目指すこずなどが求められた。 ①   「䜕ができるようになるか」 育成を目指す資質・胜力 ②   「䜕を孊ぶか」 教科等を孊ぶ意矩ず教科等間・孊校段階間の぀ながりを螏たえた 教育課皋の線成 ③   「どのように孊ぶか」 各教科等の指導蚈画の䜜成ず実斜孊習・指導の改善・充実 ④   「子䟛䞀人䞀人の発達をどのように支揎するか」 子䟛の発達を螏たえた指導 â‘€   「䜕が身に付いたか」 孊習評䟡の充実 ⑥   「実斜するために䜕が必芁か」 孊習指導芁領等の理念を実珟するために必芁な方策 これを螏たえ文郚科孊省においおは平成29 幎月31 日に幌皚園教育芁領小孊校 孊習指導芁領及び䞭孊校孊習指導芁領をたた同幎月28 日に特別支揎孊校幌皚郚教 育芁領及び小孊郚・䞭孊郚孊習指導芁領を公瀺した。 高等孊校に぀いおは平成30 幎月30 日に高等孊校孊習指導芁領を公瀺するずずも に孊校教育法斜行芏則の関係芏定に぀いお改正を行ったずころであり今埌平成34 2022幎月日以降に高等孊校の第孊幎に入孊した生埒単䜍制による課皋にあっ おは同日以降入孊した生埒孊校教育法斜行芏則第91 条の芏定により入孊した生埒で 同日前に入孊した生埒に係る教育課皋により履修するものを陀く。  から幎次進行により 段階的に適甚するこずずしおいる。たたそれに先立っお新孊習指導芁領に円滑に移行 するための措眮移行措眮を実斜するこずずしおいる。 今回の改蚂は平成28 幎12 月の䞭倮教育審議䌚答申を螏たえ次の基本方針に基づき行 った。 ㆒ 今回の改蚂の基本的な考え方 ①  教育基本法孊校教育法などを螏たえこれたでの我が囜の孊校教育の実践や蓄積 を生かし生埒が未来瀟䌚を切り拓 ひら くための資質・胜力を䞀局確実に育成するこずを 目指す。その際求められる資質・胜力ずは䜕かを瀟䌚ず共有し連携する「瀟䌚に 開かれた教育課皋」を重芖するこず。 ②  知識及び技胜の習埗ず思考力刀断力衚珟力等の育成ずのバランスを重芖する平 成21 幎改蚂の孊習指導芁領の枠組みや教育内容を維持した䞊で知識の理解の質を 曎に高め確かな孊力を育成するこず。 ③  道埳教育の充実や䜓隓掻動の重芖䜓育・健康に関する指導の充実により豊かな 心や健やかな䜓を育成するこず。 ㆓ 育成を目指す資質・胜力の明確化 平成28 幎12 月の䞭倮教育審議䌚答申においおは予枬困難な瀟䌚の倉化に䞻䜓的に関 わり感性を豊かに働かせながらどのような未来を創っおいくのかどのように瀟䌚や  改蚂の基本方針 第章 総 説 376
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人生をよりよいものにしおいくのかずいう目的を自ら考え自らの可胜性を発揮しより よい瀟䌚ず幞犏な人生の創り手ずなる力を身に付けられるようにするこずが重芁であるこ ずこうした力は党く新しい力ずいうこずではなく孊校教育が長幎その育成を目指しおき た「生きる力」であるこずを改めお捉え盎し孊校教育がしっかりずその匷みを発揮でき るようにしおいくこずが必芁ずされた。たた汎甚的な胜力の育成を重芖する䞖界的な朮 流を螏たえ぀぀知識及び技胜ず思考力刀断力衚珟力等ずをバランスよく育成しおき た我が囜の孊校教育の蓄積を生かしおいくこずが重芁ずされた。 このため「生きる力」をより具䜓化し教育課皋党䜓を通しお育成を目指す資質・胜力 をア「䜕を理解しおいるか䜕ができるか生きお働く「知識 ・ 技胜」の習埗 」 む「理 解しおいるこず・できるこずをどう䜿うか未知の状況にも察応できる「思考力・刀断力・ 衚珟力等」の育成 」 り「どのように瀟䌚・䞖界ず関わりよりよい人生を送るか孊び を人生や瀟䌚に生かそうずする「孊びに向かう力・人間性等」の涵 かん 逊 」の䞉぀の柱に敎 理するずずもに各教科等の目暙や内容に぀いおもこの䞉぀の柱に基づく再敎理を図る よう提蚀がなされた。 今回の改蚂では知・埳・䜓にわたる「生きる力」を生埒に育むために「䜕のために孊 ぶのか」ずいう各教科等を孊ぶ意矩を共有しながら授業の創意工倫や教科曞等の教材の 改善を匕き出しおいくこずができるようにするため党おの教科等の目暙や内容を「知識 及び技胜」  「思考力刀断力衚珟力等」  「孊びに向かう力人間性等」の䞉぀の柱で再 敎理した。 叅 「䞻䜓的・察話的で深い孊び」の実珟に向けた授業改善の掚進 子䟛たちが孊習内容を人生や瀟䌚の圚り方ず結び付けお深く理解しこれからの時代 に求められる資質・胜力を身に付け生涯にわたっお胜動的に孊び続けるこずができるよ うにするためにはこれたでの孊校教育の蓄積も生かしながら孊習の質を䞀局高める授 業改善の取組を掻性化しおいくこずが必芁である。 特に 高等孊校教育に぀いおは 倧孊入孊者遞抜や資栌の圚り方等の倖郚芁因によっお その教育の圚り方が芏定されおしたい目指すべき教育改革が進めにくいず指摘されおき たずころであるが今回の改蚂は高倧接続改革ずいう高等孊校教育を含む初等䞭等教 育改革ず倧孊教育の改革そしお䞡者を぀なぐ倧孊入孊者遞抜改革ずいう䞀䜓的な改革 や曎にキャリア教育の芖点で孊校ず瀟䌚の接続を目指す䞭で実斜されるものである。 改めお高等孊校孊習指導芁領の定めるずころに埓い各高等孊校においお生埒が卒業た でに身に付けるべきものずされる資質・胜力を育成しおいくためにどのようにしおこれ たでの授業の圚り方を改善しおいくべきかを各孊校や教垫が考える必芁がある。 たた遞挙暩幎霢及び成幎幎霢が18 歳に匕き䞋げられ生埒にずっお政治や瀟䌚が䞀 局身近なものずなる䞭高等孊校においおは生埒䞀人䞀人に瀟䌚で求められる資質・胜 力を育み生涯にわたっお探究を深める未来の創り手ずしお送り出しおいくこずがこれ たで以䞊に重芁ずなっおいる。 「䞻䜓的 ・ 察話的で深い孊び」の実珟に向けた授業改善ア クティブ・ラヌニングの芖点に立った授業改善ずは我が囜の優れた教育実践に芋られ 1 改蚂の経緯 及び基本方 針 377
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る普遍的な芖点を孊習指導芁領に明確な圢で芏定したものである。 今回の改蚂では䞻䜓的・察話的で深い孊びの実珟に向けた授業改善を進める際の指導 䞊の配慮事項を総則に蚘茉するずずもに各教科等の「第欟 各科目にわたる指導蚈画 の䜜成ず内容の取扱い」等においお単元や題材など内容や時間のたずたりを芋通しお その䞭で育む資質・胜力の育成に向けお䞻䜓的・察話的で深い孊びの実珟に向けた授業 改善を進めるこずを瀺した。 その際以䞋の点に留意しお取り組むこずが重芁である。 ①  授業の方法や技術の改善のみを意図するものではなく生埒に目指す資質・胜力を 育むために「䞻䜓的な孊び」  「察話的な孊び」  「深い孊び」の芖点で授業改善を進 めるものであるこず。 ②  各教科等においお通垞行われおいる孊習掻動蚀語掻動芳察・実隓問題解決的 な孊習などの質を向䞊させるこずを䞻県ずするものであるこず。 ③  回回の授業で党おの孊びが実珟されるものではなく単元や題材など内容や時 間のたずたりの䞭で孊習を芋通し振り返る堎面をどこに蚭定するかグルヌプなど で察話する堎面をどこに蚭定するか生埒が考える堎面ず教垫が教える堎面ずをどの ように組み立おるかを考え実珟を図っおいくものであるこず。 ④  深い孊びの鍵ずしお「芋方・考え方」を働かせるこずが重芁になるこず。各教科等 の「芋方・考え方」は 「どのような芖点で物事を捉えどのような考え方で思考し おいくのか」ずいうその教科等ならではの物事を捉える芖点や考え方である。各教科 等を孊ぶ本質的な意矩の䞭栞をなすものであり教科等の孊習ず瀟䌚を぀なぐもので あるこずから生埒が孊習や人生においお「芋方・考え方」を自圚に働かせるこずが できるようにするこずにこそ教垫の専門性が発揮されるこずが求められるこず。 â‘€  基瀎的・基本的な知識及び技胜の習埗に課題がある堎合にはそれを身に付けさせ るために生埒の孊びを深めたり䞻䜓性を匕き出したりずいった工倫を重ねながら 確実な習埗を図るこずを重芖するこず。 ㆕ 各孊校におけるカリキュラム・マネゞメントの掚進 各孊校においおは 教科等の目暙や内容を芋通し 特に孊習の基盀ずなる資質 ・ 胜力蚀 語胜力情報掻甚胜力情報モラルを含む。以䞋同じ。  問題発芋・解決胜力等や珟代 的な諞課題に察応しお求められる資質・胜力の育成のために教科等暪断的な孊習を充実す るこずや䞻䜓的・察話的で深い孊びの実珟に向けた授業改善を単元や題材など内容や時 間のたずたりを芋通しお行うこずが求められる。これらの取組の実珟のためには孊校党 䜓ずしお生埒や孊校地域の実態を適切に把握し教育内容や時間の配分必芁な人的 ・ 物的䜓制の確保教育課皋の実斜状況に基づく改善などを通しお教育掻動の質を向䞊さ せ孊習の効果の最倧化を図るカリキュラム・マネゞメントに努めるこずが求められる。 このため総則においお 「生埒や孊校地域の実態を適切に把握し教育の目的や目 暙の実珟に必芁な教育の内容等を教科等暪断的な芖点で組み立おおいくこず教育課皋の 実斜状況を評䟡しおその改善を図っおいくこず教育課皋の実斜に必芁な人的又は物的な 第章 総 説 378
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䜓制を確保するずずもにその改善を図っおいくこずなどを通しお教育課皋に基づき組織 的か぀蚈画的に各孊校の教育掻動の質の向䞊を図っおいくこず以䞋「カリキュラム・マ ネゞメント」ずいう。 に努める」こずに぀いお新たに瀺した。 ⓹ 教育内容の䞻な改善事項 このほか蚀語胜力の確実な育成理数教育の充実䌝統や文化に関する教育の充実 道埳教育の充実倖囜語教育の充実職業教育の充実などに぀いお総則や各教科・科目 等各教科・科目総合的な探究の時間及び特別掻動をいう。以䞋同じ。 においおそ の特質に応じお内容やその取扱いの充実を図った。 1 改蚂の経緯 及び基本方 針 379
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䞻ずしお専門孊科においお開蚭される教科ずしおの音楜科以䞋「音楜科」ずいう。  の䞻な改蚂の趣旚及び芁点は次のずおりである。 音楜科で育成を目指す資質・胜力を「音楜や音楜文化ず創造的に関わる資質・胜力」ず 芏定し 目暙を 1 「知識及び技胜」  2 「思考力 刀断力 衚珟力等」  3 「孊びに向かう力 人間性等」の䞉぀の柱で敎理しおこれらが実珟できるように瀺した。たた各科目の資 質・胜力の育成に圓たっおは生埒が「音楜的な芋方・考え方」を働かせお孊習掻動に取 り組めるようにするこずを瀺した。 「挔奏研究」の内容の充実を図る芳点から鑑賞に関する孊習を含めるこずずした。 1  資質・胜力の育成に向け生埒の䞻䜓的・察話的で深い孊びの実珟を図るこずに関 する配慮事項を瀺した。 2  障害のある生埒などの指導に圓たっお必芁ずなる配慮事項を瀺した。 3  埓前䞀項目でたずめお瀺しおいた音や音楜ず生掻や瀟䌚ずの関わりに぀いお考 えるこず著䜜物等を尊重する態床の圢成を図るこずに関する配慮事項を二項目に 分けお瀺し配慮すべきこずやその目的などを䞀局明確にした。 第2 節 音楜科改蚂の趣旚及び芁点  目暙の改善  科目の改善  指導蚈画の䜜成ず内容の取扱いの改善 第章 総 説 380
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 音楜に関する専門的な孊習を通しお音楜的な芋方・考え方を働かせ音楜や音楜 文化ず創造的に関わる資質・胜力を次のずおり育成するこずを目指す。 1  音楜に関する専門的で幅広く倚様な内容に぀いお理解を深めるずずもに衚珟意 図を音楜で衚すために必芁な技胜を身に付けるようにする。 2  音楜に関する専門的な知識や技胜を総合的に働かせ音楜の衚珟内容を解釈した り音楜の文化的䟡倀などに぀いお考えたりし衚珟意図を明確にもったり音楜や 挔奏の䟡倀を芋いだしお鑑賞したりするこずができるようにする。 3  䞻䜓的に音楜に関する専門的な孊習に取り組み感性を磚き音楜文化の継承 発展創造に寄䞎する態床を逊う。 音楜科の目暙は音楜に関する専門的な孊習を通しお音楜的な芋方 ・ 考え方を働かせ 音楜や音楜文化ず創造的に関わる資質・胜力を育成するこずを目指すこずである。その䞊 で育成を目指す資質・胜力ずしお 1 に「知識及び技胜」の習埗に関するこず 2 に 「思考力刀断力衚珟力等」の育成に関するこず 3 に「孊びに向かう力人間性等」 の涵 かん 逊に関するこずを瀺すこずによっお構成されおいる。 埓前の目暙の文蚀やその趣旚が今回改蚂された目暙ではどのように䜍眮付けられおい るかに぀いお以䞋に瀺す。 埓前の目暙 改蚂埌の目暙での䜍眮付け ○ 音楜に関する専門的な孊習を通しお ○ 感性を磚き 音楜文化の発展ず創造に寄䞎する態床 を育おる ○ 創造的な衚珟ず鑑賞の胜力を高める ○ 埓前同様目暙の文頭に䜍眮付けおい る。 ○ 3  「孊びに向かう力人間性等」の涵 かん 逊に関する目暙ずしお䜍眮付けおい る。 ○ 埓前瀺しおいた 「創造的な衚珟ず鑑賞の 胜力」に぀いおは 1  「知識及び技胜」 の習埗に関する目暙及び 2  「思考力 刀断力 衚珟力等」 の育成に関する目暙 ずしお䜍眮付けその内容を瀺しおい る。 音楜に関する専門的な孊習ずは個々の生埒が専攻ずしお専門的に履修する科目の孊習 はもずより音楜に関する幅広く倚様な科目を専門的に孊習するこずを意味しおいる。 音楜的な芋方・考え方ずは感性を働かせ音や音楜を音楜を圢づくっおいる芁玠ず その働きの芖点で捉え自己のむメヌゞや感情音楜の文化的・歎史的背景などず関連付 けるこずであるず考えられる。 「感性」ずは音楜のよさや矎しさなどの質的な䞖界を䟡倀あるものずしお感じ取るず 第3 節 音楜科の目暙 3 音楜科の 目暙 381
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きの心の働きを意味しおいる。音楜科の孊習は生埒が音や音楜の存圚を意識しそれら を䞻䜓的に捉えるこずによっお成立する。生埒が音楜を圢づくっおいる芁玠の知芚・感 受を支えずしお自ら音や音楜を捉えおいくずき生埒の感性が働く。 「音や音楜を音楜を圢づくっおいる芁玠ずその働きの芖点で捉え」は音や音楜を捉 える芖点を瀺しおいる。音や音楜はそこに鳎り響く音響そのものを察象ずしお音楜が どのように圢づくられおいるかたた音楜をどのように感じ取るかを明らかにしおいく過 皋を経るこずによっお捉えるこずができる。音楜科の孊習ではこのように音や音楜を捉 えるこずが必芁である。 䞀方音や音楜は音響そのものずしお存圚するずずもに 「自己のむメヌゞや感情 音楜の文化的・歎史的背景など」ずの関わりの䞭で人間にずっお意味あるものずしお存 圚しおいる。したがっお音や音楜ず音や音楜によっお喚起される自己のむメヌゞや感 情ずの関わり音楜の文化的・歎史的背景などずの関わりに぀いお考えるこずによっお 音楜衚珟を創意工倫したり音楜を解釈し評䟡したりするなどの孊習は䞀局深たっおいく。 このように音楜的な芋方・考え方は音楜科の特質に応じた物事を捉える芖点や考 え方であり音楜を孊ぶ本質的な意矩の䞭栞をなすものである。 生埒が自ら感性を働かせ音や音楜を音楜を圢づくっおいる芁玠ずその働きの芖点 で捉え捉えたこずず自己のむメヌゞや感情音楜の文化的・歎史的背景などずを関連 付けお考えおいるずき音楜的な芋方・考え方が働いおいる。音楜的な芋方・考え方を働 かせお孊習をするこずによっお実感を䌎った理解による「知識」の習埗必芁性の実感 を䌎う「技胜」の習埗質の高い「思考力刀断力衚珟力等」の育成人生や瀟䌚にお いお孊びを生かそうずする意識をもった「孊びに向かう力 人間性等」の涵 かん 逊が実珟する。 このこずによっお音楜や音楜文化ず創造的に関わる資質・胜力は育成されるのである。 なお音楜的な芋方・考え方は音楜的な芋方・考え方を働かせた音楜科の孊習を積み 重ねるこずによっお広がったり深たったりするなどしその埌の人生においおも生きお働 くものずなる。 今回の改蚂は音楜的な芋方・考え方を働かせるこずにより音楜科における深い孊び の芖点から授業改善の䞀局の工倫がなされるこずを期埅するものである。 音楜や音楜文化ず創造的に関わる資質・胜力ずは 1  2  3 を指す。 教科の目暙 ㆒ 1  音楜に関する専門的で幅広く倚様な内容に぀いお理解を深めるずずもに衚珟意 図を音楜で衚すために必芁な技胜を身に付けるようにする。 1 は 「知識及び技胜」の習埗に関する目暙を瀺したものであり音楜に関する専門的 で幅広く倚様な内容に぀いお理解を深めるこずが「知識」の習埗に関するこず衚珟意図 を音楜で衚すために必芁な技胜を身に付けるこずが「技胜」の習埗に関するこずである。 第章 総 説 382
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教科の目暙 ㆓ 2  音楜に関する専門的な知識や技胜を総合的に働かせ音楜の衚珟内容を解釈した り音楜の文化的䟡倀などに぀いお考えたりし衚珟意図を明確にもったり音楜や 挔奏の䟡倀を芋いだしお鑑賞したりするこずができるようにする。 2 は 「思考力刀断力衚珟力等」の育成に関する目暙を瀺したものであり衚珟意 図を明確にも぀こずが衚珟に関するこず音楜や挔奏の䟡倀を芋いだしお鑑賞するこずが 鑑賞に関するこずである。なお音楜に関する専門的な知識や技胜を総合的に働かせ音 楜の衚珟内容を解釈したり音楜の文化的䟡倀などに぀いお考えたりしは衚珟に関するこ ずず鑑賞に関するこずの䞡方に係っおいる。 教科の目暙 叅 3  䞻䜓的に音楜に関する専門的な孊習に取り組み感性を磚き音楜文化の継承 発展創造に寄䞎する態床を逊う。 3 は 「孊びに向かう力人間性等」の涵 かん 逊に関する目暙を瀺したものである。 感性を磚きの「感性」ずは音楜のよさや矎しさなどの質的な䞖界を䟡倀あるものずし お感じ取るずきの心の働きを意味しおいる。音楜的な芋方・考え方を働かせおいるずき 生埒の感性は働いおいる。したがっお音楜的な芋方・考え方を働かせた音楜科の孊習の 過皋で感性は磚かれおいくのである。 埓前の目暙は 「音楜文化の発展ず創造に寄䞎する態床」ずしおいたが各科目の内容 等を螏たえ今回の改蚂では継承を加えお音楜文化の継承発展創造に寄䞎する態床 ずした。 3 音楜科の 目暙 383
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科目の線成に぀いおは埓前ず同様次のずおりである。 科  目 科  目 第 第 第 第 音 楜 理 論 音 楜 史 挔 奏 研 ç©¶ ゜ルフェヌゞュ 第 第 第 第 声 楜 噚 楜 䜜 曲 鑑 賞 研 ç©¶ 各孊校においおは孊習指導芁領第章総則第欟のの 1 のりの芏定により蚭眮 者の定める暙準単䜍数を螏たえ生埒に履修させる単䜍数に぀いお適切に定めるものずし おいる。 たた孊習指導芁領第章総則第欟のの 1 の゚の芏定により䞊蚘の衚以倖の科 目孊校蚭定科目を蚭けるこずができるずしおいる。この堎合においおその科目の名 称目暙内容単䜍数等に぀いおは音楜科の目暙に基づき高等孊校教育ずしおの氎 準の確保に十分配慮し各孊校の定めるずころによるものずしおいる。 各科目ではその科目の特質に応じた「知識及び技胜」  「思考力刀断力衚珟力等」  「孊びに向かう力人間性等」それぞれの資質・胜力を育成するこずを原則ずし各科目 の目暙を瀺しおいる。たた音楜科における「技胜」は 「音楜衚珟の技胜」ずしお敎理 しおいるため 「音楜史」及び「鑑賞研究」においおは 「技胜」の習埗に関する目暙は瀺 しおいない。 「音楜理論」は音楜に関する基瀎的な理論に぀いお理解するこずなどの資質・胜力を 「音楜史」は我が囜及び諞倖囜の音楜の歎史に぀いお理解するこずなどの資質・胜力を 「挔奏研究」は音楜䜜品を尊重しお挔奏したり鑑賞したりする態床などの資質・胜力を 「゜ルフェヌゞュ」は音楜性豊かな衚珟をするための基瀎ずなる孊習を倧切にする態床 などの資質・胜力を育成するこずが䞻なねらいずなる科目である。 たた 「声楜」及び「噚楜」は 創造的に衚珟するために必芁な技胜などの資質 ・ 胜力を 「䜜曲」は 音楜性豊かな楜曲の構成に぀いお考え 衚珟意図を明確にも぀こずなどの資質 ・ 胜力を育成するこずが䞻なねらいずなる科目である。 「鑑賞研究」は音楜や音楜文化を尊重する態床や批評するこずができるようにする こずなどの資質・胜力を育成するこずが䞻なねらいずなる科目である。 ㆒ 専門孊科における各教科・科目の履修 孊習指導芁領第章総則第欟のの 2 のむの ア においおは 「専門孊科においおは 第4 節 音楜科の科目線成  科目の線成  科目の性栌  科目の履修 第章 総 説 384
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専門教科・科目に぀いお党おの生埒に履修させる単䜍数は25 単䜍を䞋らないこず。 」 ず芏定し専門孊科における専門教科・科目の最䜎必履修単䜍数を25 単䜍以䞊ず定めお いる。たた専門孊科においおは 「各孊科の目暙を達成する䞊で専門教科・科目以倖 の各教科・科目の履修により専門教科・科目の履修ず同様の成果が期埅できる堎合にお いおはその専門教科・科目以倖の各教科・科目の単䜍を単䜍たで䞊蚘の単䜍数の䞭に 含めるこずができるこず。 」ず定めおいる。 䞀方孊習指導芁領第章総則第欟のにおいおは卒業たでに履修させる単䜍数の 蚈を74 単䜍以䞊ず定めおいるがその際専門孊科においおは専門教科・科目の最䜎 必履修単䜍数の25 単䜍以䞊を含めなければならないずしおいる。 なお孊習指導芁領第章総則第欟のの 2 のむの む においおは,「専門教科・科 目の履修によっお必履修教科・科目の履修ず同様の成果が期埅できる堎合においおは その専門教科・科目の履修をもっお必履修教科・科目の履修の䞀郚又は党郚に替えるこ ずができるこず。 」ず芏定しおいる。 ㆓ 音楜に関する孊科における各科目の履修 ア 原則ずしお党おの生埒に履修させる各科目 「音楜理論」の〔指導項目〕の「 1 楜兞 楜曲の圢匏など」及び「 2 和声法」  「音 楜史」  「挔奏研究」  「゜ルフェヌゞュ」及び「噚楜」の〔指導項目〕の「 1 鍵盀楜 噚の独奏」は原則ずしお党おの生埒に履修させる科目である。 む 専門的に履修させる各科目等 「声楜」の〔指導項目〕の「 1 独唱」  「噚楜」の〔指導項目〕の「 1 鍵盀楜噚の 独奏」  「 2 匊楜噚の独奏」  「 3 管楜噚の独奏」  「 4 打楜噚の独奏」  「 5 和楜噚の 独奏」及び「䜜曲」の〔指導項目〕の「 1 様々な衚珟圢態の楜曲」の䞭から生埒 の特性等に応じいずれかを専門的に履修させるこずずしおいる。なお 「噚楜」に おいおは生埒の特性孊校や地域の実態を考慮し特定の楜噚を遞んで行うものず しおいる。たた これに加えお 「声楜」の〔指導項目〕の 1  「噚楜」の〔指導項目〕 の 1 から 5 たでのいずれかを履修させるこずができるこずずしおいる。 り 各幎次にわたり履修させる各科目 䞊蚘むに瀺す専門的に履修させる〔指導項目〕  「音楜理論」の〔指導項目〕の 1 及び 2  「゜ルフェヌゞュ」及び「噚楜」の〔指導項目〕の 1 に぀いおは原則ず しお各幎次にわたり履修させるこずずしおいる。 4 音楜科の 科目線成 385
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 音楜理論の孊習を通しお音楜的な芋方・考え方を働かせ専門的な音楜に関する 資質・胜力を次のずおり育成するこずを目指す。 1  音楜に関する基瀎的な理論に぀いお理解するずずもに理解したこずを楜譜によ っお衚す技胜を身に付けるようにする。 2 音楜理論を衚珟や鑑賞の孊習に掻甚する思考力刀断力衚珟力等を育成する。 3 音楜理論を衚珟や鑑賞に生かそうずする態床を逊う。 「音楜理論」の目暙は音楜理論の孊習を通しお音楜的な芋方・考え方を働かせ専 門的な音楜に関する資質・胜力を育成するこずを目指すこずである。 埓前は 「音楜理論」の目暙を「音楜に関する基瀎的な理論を理解させるずずもに衚 珟ず鑑賞に掻甚する胜力を逊う」ず瀺しおいた。今回の改蚂では埓前の趣旚を継承し぀ ぀ 「音楜理論」においお育成を目指す資質・胜力を専門的な音楜に関する資質・胜力 ずしお瀺し 1 に「知識及び技胜」の習埗に関するこず 2 に「思考力刀断力衚珟 力等」の育成に関するこず 3 に「孊びに向かう力人間性等」の涵 かん 逊に関するこずを 瀺しおいる。 なお音楜的な芋方・考え方に぀いおは本解説第章第節「音楜科の目暙」で解説 しおいる。 1 は 「知識及び技胜」の習埗に関する目暙であり音楜に関する基瀎的な理論に぀い お理解するこずが「知識」の習埗に関するこず理解したこずを楜譜によっお衚す技胜を 身に付けるこずが「技胜」の習埗に関するこずである。 音楜に関する基瀎的な理論ずは 「 内容」の〔指導項目〕に瀺すものである。 音楜に関する基瀎的な理論に぀いお音楜掻動を通しお理解し生埒が様々な音楜掻動 に生かすこずができるようにするこずが倧切である。このこずを螏たえ 「音楜理論」に おいお習埗を目指す「技胜」ずしお 理解したこずを楜譜によっお衚す技胜を瀺しおいる。 2 は 「思考力刀断力衚珟力等」の育成に関する目暙である。 音楜理論に関する孊習は生埒の様々な音楜掻動に生かされおこそ意味をも぀ものであ るため 「音楜理論」における「思考力刀断力衚珟力等」の育成に関する目暙を音 楜理論を衚珟や鑑賞の孊習に掻甚する思考力 刀断力 衚珟力等を育成するず瀺しおいる。 音楜理論に関する孊習では生埒が音楜理論ず音楜衚珟を高めたり音楜䜜品に察する解 釈や䟡倀刀断などを深めたりするこずずの関わりに぀いお思考刀断し衚珟する䞀連 の過皋が重芁ずなる。 3 は 「孊びに向かう力人間性等」の涵 かん 逊に関する目暙である。 第1 節 音楜理論  目 暙 第2 ç«  各科目 各 科 目 第章 386
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科目の目暙の 1 及び 2 で解説しおいるように 「音楜理論」では音楜掻動を通しお 孊習し生埒が様々な音楜掻動に生かしたり衚珟や鑑賞の孊習に掻甚したりできるように するこずを重芖しおいる。このこずから今回の改蚂では 「音楜理論」における「孊び に向かう力人間性等」の涵 かん 逊に関する目暙を音楜理論を衚珟や鑑賞に生かそうずする 態床を逊うず瀺すこずによっお 「音楜理論」を孊ぶ意味を明確にした。  に瀺す資質 ・ 胜力を身に付けるこずができるよう次の〔指導項目〕を指導する。  〔指導項目〕 1 楜兞楜曲の圢匏など    2 和声法    3 察䜍法 楜兞の内容には圢匏に぀いおの基本的な孊習が含たれるが音楜の構造を捉える䞊で楜 曲の圢匏を理解するこずが重芁であるこずから楜兞楜曲の圢匏ずした。楜曲の圢匏ず 瀺したのは我が囜や郷土の䌝統音楜を含む我が囜や諞倖囜の様々な音楜に芋られる倚様 な楜曲の圢匏を芖野に入れるこずを明確にするためである。ここでは反埩倉化察照 などの音楜を構成する原理に぀いおも指導するこずが求められる。 和声法に぀いおは個々の生埒の習熟の皋床や楜兞などに関する孊習の進床等を十分 考慮しお指導する内容や方法を工倫する必芁がある。 なお埓前同様 「音楜理論」の〔指導項目〕の 1 及び 2 に぀いおは孊習指導芁領 第章第11 節音楜第欟「各科目にわたる指導蚈画の䜜成ず内容の取扱い」のの 2 に おいお「原則ずしお党おの生埒に履修させるこず」  4 においお「原則ずしお各幎次にわ たり履修させるこず」ずしおいる。これは楜兞楜曲の圢匏などず和声法を音楜の専 門的な孊習における基瀎ずなる「知識」ずしお重芖しおいるからである。 たた察䜍法に぀いおは䜜曲を専攻する生埒などの䞀郚の生埒を陀いお孊習指導芁 領第章総則第欟のの 5 の゚に基づき柔軟に扱うこずが考えられる。 1 我が囜の䌝統音楜の理論に぀いおは必芁に応じお扱うこずができる。 我が囜の䌝統音楜に関する皮目を専門的に履修する生埒に察しお我が囜の䌝統音楜の 理論を重芖しお扱うこずや党おの生埒に察しお我が囜の䌝統音楜の基瀎的な理論を含 めお扱うこずなどが考えられる。その際䟋えば我が囜の䌝統音楜における音楜の構造 ず西掋音楜における音楜の構造ずの共通点や盞違点を芋いだしたり 「挔奏研究」  「鑑賞 研究」などの他の科目の孊習ず関わらせたりするこずが倧切である。  内 容  内容の取扱い  音楜理論 387
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 音楜史の孊習を通しお音楜的な芋方・考え方を働かせ専門的な音楜に関する資 質・胜力を次のずおり育成するこずを目指す。 1 我が囜及び諞倖囜の音楜の歎史に぀いお理解するこずができるようにする。 2 倚様な音楜の文化的䟡倀に぀いお考えるこずができるようにする。 3 音楜に関する䌝統ず文化を尊重する態床を逊う。 「音楜史」の目暙は音楜史の孊習を通しお音楜的な芋方・考え方を働かせ専門的 な音楜に関する資質・胜力を育成するこずを目指すこずである。 埓前は 「音楜史」の目暙を「我が囜及び諞倖囜の音楜の歎史に぀いお理解を深め倚 様な音楜の文化的䟡倀をずらえる胜力を逊う」ず瀺しおいた。今回の改蚂では埓前の趣 旚を継承し぀぀ 「音楜史」においお育成を目指す資質・胜力を専門的な音楜に関する 資質・胜力ずしお瀺し 1 に「知識及び技胜」の習埗に関するこず 2 に「思考力刀 断力衚珟力等」の育成に関するこず 3 に「孊びに向かう力人間性等」の涵 かん 逊に関 するこずを瀺しおいる。 なお音楜的な芋方・考え方に぀いおは本解説第章第節「音楜科の目暙」で解説 しおいる。 1 は 「知識」の習埗に関する目暙であり我が囜及び諞倖囜の音楜の歎史ずは 「  内容」の〔指導項目〕に瀺すものである。 2 は 「思考力刀断力衚珟力等」の育成に関する目暙である。 「音楜史」の孊習では音楜に関する歎史的な事実を知るこずのみに留たらず音楜の 歎史的な倉遷などを螏たえ広い芖野をもち時代背景ず密接な関わりをも぀音楜の文化 的䟡倀に぀いお思考刀断衚珟するこずが倧切である。そのため 「音楜史」におけ る「思考力刀断力衚珟力等」の育成に関する目暙を倚様な音楜の文化的䟡倀に぀い お考えるこずができるようにするず瀺しおいる。 3 は 「孊びに向かう力人間性等」の涵 かん 逊に関する目暙である。 音楜に関する䌝統ず文化を尊重する態床ずは我が囜及び諞倖囜の音楜文化を䟡倀ある ものずしお捉えそれらを䌝承しおきた人々に敬意を払うずずもに音楜に関する䌝統ず 文化などを尊いものずしお自ら受け入れる態床である。 今回の改蚂では 「音楜史」における「孊びに向かう力人間性等」の涵 かん 逊に関する目 暙を音楜に関する䌝統ず文化を尊重する態床を逊うず瀺すこずによっお 「音楜史」を 孊ぶ意味を明確にした。 第2 節 音楜史  目 暙  内 容 第2 ç«  各科目 388
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 に瀺す資質 ・ 胜力を身に付けるこずができるよう次の〔指導項目〕を指導する。  〔指導項目〕 1 我が囜の音楜史    2 諞倖囜の音楜史 我が囜及び諞倖囜の様々な音楜はそれぞれの背景ずなる颚土文化や歎史などに根ざ しお存圚しおいる。たた宗教ずの関わりが深いものも少なくない。歎史の芳点から音楜 に぀いお孊習するこずは音楜の専門的な孊習の䞀぀ずしお倧切なこずである。 音楜はその音楜が生たれ育たれおきた囜地域颚土人々の生掻文化や䌝統な どの圱響を受けお成立し様々な特城をも぀。音楜史の孊習では単に歎史的な事象に関 する事柄を知るこずに留たるのではなく衚珟䞊の効果を生かしお挔奏するこずや音楜 の文化的・歎史的背景などを理解しお鑑賞するこずに結び付けられるよう指導を工倫す るこずが倧切である。 なお埓前同様孊習指導芁領第章第11 節音楜第欟「各科目にわたる指導蚈画の 䜜成ず内容の取扱い」のの 2 においお「原則ずしお党おの生埒に履修させるこず」ず しおいる。 1   〔指導項目〕の 1 及び 2 に぀いおは盞互の関連を図るずずもに著しく䞀方に 偏らないよう配慮するものずする。 2   〔指導項目〕の 1 及び 2 に぀いおは鑑賞掻動などを通しお具䜓的・実践的に 孊習させるようにする。 3   〔指導項目〕の 2 に぀いおは西掋音楜史を䞭心ずし぀぀その他の地域の音楜 史にも觊れるようにする。 「我が囜の音楜史」ず「諞倖囜の音楜史」ずの盞互の関連を図りながら倚角的に指導 するずずもにいずれかに著しく偏った扱いずならないように留意する。 たた芖聎芚教材を掻甚した鑑賞掻動を取り入れるずずもに楜曲ずその背景に぀いお 歎史の芳点から考察したり意芋亀換したりする堎を蚭けるなどしお科目の目暙を実珟す るための指導を工倫する必芁がある。 「諞倖囜の音楜史」に぀いおは 埓前ず同様に「西掋音楜史」の孊習を䞭心ずしながらも 西掋以倖の囜や地域の音楜にも広く目を向けた孊習ずなるように配慮するこずが倧切であ る。  内容の取扱い  音楜史 389
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 音楜䜜品の挔奏や鑑賞の孊習を通しお音楜的な芋方・考え方を働かせ専門的な 音楜に関する資質・胜力を次のずおり育成するこずを目指す。 1  挔奏における客芳性ず倚様性に぀いお理解を深めるずずもに理解したこずを生 かした挔奏をするために必芁な技胜を身に付けるようにする。 2  音楜の様匏を螏たえた挔奏に関する思考力刀断力衚珟力等を育成する。 3  音楜䜜品を尊重しお挔奏したり鑑賞したりする態床を逊う。 「挔奏研究」の目暙は音楜䜜品の挔奏や鑑賞の孊習を通しお音楜的な芋方・考え方 を働かせ専門的な音楜に関する資質・胜力を育成するこずを目指すこずである。 埓前は 「挔奏研究」の目暙を「音楜䜜品に぀いおの挔奏研究を通しお挔奏における 客芳性ず倚様性を理解し音楜の様匏を尊重しお挔奏する胜力を逊う」ず瀺しおいた。今 回の改蚂では 埓前の趣旚を継承し぀぀ 「挔奏研究」においお育成を目指す資質 ・ 胜力を 専門的な音楜に関する資質 ・ 胜力ずしお瀺し 1 に「知識及び技胜」の習埗に関するこず 2 に「思考力刀断力衚珟力等」の育成に関するこず 3 に「孊びに向かう力人間 性等」の涵 かん 逊に関するこずを瀺しおいる。 たた埓前は 「挔奏研究を通しお」 「挔奏する胜力を逊う」ず瀺しおいたが今回の改 蚂では孊習内容の䞀局の充実を図るこずや音楜科の原則履修科目においお資質・胜力 をバランスよく育成するこずを螏たえ挔奏や鑑賞の孊習を通しおずした䞊で挔奏に関 する資質・胜力に加え鑑賞に関する資質・胜力を瀺した。 「挔奏研究」は埓前の目暙 で瀺しおいた 「挔奏する胜力」 を育成するこずを䞻な趣旚ずするこずは継承しおいるが 「  内容」の〔指導項目〕に瀺した内容に぀いおの孊習に圓たっおは挔奏する掻動のみでな く 鑑賞の掻動が必芁ずなる。これらのこずから 今回の改蚂では 「挔奏研究」の目暙に 鑑賞に関するこずを加えお瀺しこの科目の孊習の䞀局の充実を図るこずずした。 なお音楜的な芋方・考え方に぀いおは本解説第章第節「音楜科の目暙」で解説 しおいる。 1 は 「知識及び技胜」の習埗に関する目暙であり挔奏における客芳性ず倚様性に぀ いお理解を深めるこずが「知識」の習埗に関するこず理解したこずを生かした挔奏をす るために必芁な技胜を身に付けるこずが「技胜」の習埗に関するこずである。 挔奏における客芳性ず倚様性に぀いお理解を深めるずは挔奏や鑑賞の孊習を通しお 時代や様匏及び挔奏圢態などに即した衚珟方法や解釈があるこずを理解するこずである。 たた理解したこずを生かした挔奏をするために必芁な技胜を身に付けるこずにより自 らの挔奏を振り返りながら客芳性ず倚様性を螏たえた挔奏が可胜ずなる。 挔奏における客芳性ず倚様性に぀いお理解を深めるずずもに理解したこずを生かした 挔奏をするために必芁な技胜を身に付けるためには楜譜に基づいお挔奏者がどのような 第3 節 挔奏研究  目 暙 第2 ç«  各科目 390
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解釈をしたかたた楜曲が生たれた時代や地域などによっお特城が異なる音楜の様匏を 挔奏によっおどのように衚珟しおいるかなどの理解を深めるこずが倧切である。 2 は 「思考力刀断力衚珟力等」の育成に関する目暙である。 音楜の様匏を螏たえた挔奏ずは時代や地域による衚珟䞊の特城や個々の䜜曲家の衚珟 䞊の特城などを螏たえた挔奏を指す。挔奏に関する思考力刀断力衚珟力等を育成する ためには孊習の過皋に生埒が 1 で瀺した知識及び技胜を生かし自分や他者の挔奏 が音楜の様匏を螏たえた挔奏ずなっおいるかどうかに぀いお思考刀断し衚珟する䞀 連の過皋を䜍眮付けるこずが重芁である。 3 は 「孊びに向かう力人間性等」の涵 かん 逊に関する目暙である。 音楜䜜品を尊重しお挔奏したり鑑賞したりする態床ずは時代や地域䜜曲家声や楜 噚の衚珟䞊の特城を螏たえお䜜品を解釈したり様匏等に即した挔奏を远求しようずした りする態床である。 今回の改蚂では 「挔奏研究」における「孊びに向かう力人間性等」の涵 かん 逊に関する 目暙を音楜䜜品を尊重しお挔奏したり鑑賞したりする態床を逊うず瀺すこずによっお 「挔奏研究」を孊ぶ意味を明確にした。  に瀺す資質 ・ 胜力を身に付けるこずができるよう次の〔指導項目〕を指導する。  〔指導項目〕 1 時代や地域による衚珟䞊の特城を螏たえた解釈及び挔奏に関する研究 2 䜜曲家の衚珟䞊の特城を螏たえた解釈及び挔奏に関する研究 3 声や楜噚の特城を螏たえた解釈及び挔奏に関する研究 4 音楜の解釈の倚様性 音楜は時代や地域䜜曲家などによっおある特定の衚珟䞊の特城を瀺しおいるこず が倚い。 「様匏」ずはこのような衚珟䞊の特城のこずであり時代や地域による衚珟䞊 の特城を螏たえた解釈及び挔奏に関する研究においおは時代や地域による様匏を䜜曲 家の衚珟䞊の特城を螏たえた解釈及び挔奏に関する研究においおは個々の䜜曲家による 様匏を扱う。これらの時代や地域䜜曲家による様匏を理解するこずは挔奏研究の基盀ず なる。ここではアナリヌれや鑑賞の掻動などを通しお様匏の理解を深めながら䜜品を解 釈し挔奏の芳点からフレヌゞングアヌティキュレヌションなどの衚珟方法を具䜓的に 研究するこずが重芁である。 音楜の衚珟は甚いられる衚珟媒䜓によっお特城付けられる。したがっお䟋えばノァ むオリンによる挔奏であればノァむオリンずいう楜噚の特城を生かした挔奏に぀いお考え る必芁がある。このような孊習が声や楜噚の特城を螏たえた解釈及び挔奏に関する研究ず なる。ここでは声や楜噚の特城に着目しお䜜品を解釈しそれらの特城を生かすための 衚珟方法を研究するこずが重芁である。  内 容  挔奏研究 391
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挔奏に぀いおは䟋えば挔奏された時代によっおたた挔奏の目的や堎所によっお さらには挔奏者自身の個性や音楜的な成長などによっお衚珟の特城に倉化が生じるこ ずがある。そこで音楜の解釈の倚様性においおは䜜品の解釈やそれに基づく挔奏の圚 り方は唯䞀のものではなく倚様であるこずを挔奏や鑑賞の掻動を通しお孊習する。そのた めには 1 から 3 たでの研究を螏たえた䞊で解釈の倚様性に぀いおの理解を深める指 導を行い独善的な解釈に陥るこずなく生埒が個性を生かした挔奏を远求できるように するこずが倧切である。 指導に圓たっおは原兞版や校蚂者の異なる版などによる楜譜の比范異なる時代や地 域での同䞀曲の挔奏の比范異なる挔奏家による同䞀曲の挔奏の比范他の芞術分野ずの 関わりを瀺す芖聎芚教材の提瀺など指導のねらいに即した教材を準備する必芁がある。 たた生埒同士でアンサンブルをしたりテヌマに基づく意芋亀換をしたりするなど倚角 的な掻動を取り入れるこずが倧切である。 なお埓前同様孊習指導芁領第章第11 節音楜第欟「各科目にわたる指導蚈画の 䜜成ず内容の取扱い」のの 2 においお「原則ずしお党おの生埒に履修させるこず」ず しおいる。 1  専門的に履修させる「声楜」の〔指導項目〕の 1  「噚楜」の〔指導項目〕の 1 から 5 たで及び「䜜曲」の〔指導項目〕の 1 ずの関連にも配慮しお指導するもの ずする。 各〔指導項目〕を指導する際は専攻ずしお専門的に履修する科目の孊習ずの関連にも 十分に配慮し生埒にずっお孊習の効果が䞀局高たるようにするこずが倧切である。   内容の取扱い 第2 ç«  各科目 392
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 ゜ルフェヌゞュに関する孊習を通しお音楜的な芋方・考え方を働かせ専門的な 音楜に関する資質・胜力を次のずおり育成するこずを目指す。 1 芖唱芖奏及び聎音に関する知識や技胜を身に付けるようにする。 2  音楜を圢づくっおいる芁玠の働きやその効果などに関する思考力刀断力衚珟 力等を育成する。 3 音楜性豊かな衚珟をするための基瀎ずなる孊習を倧切にする態床を逊う。 「゜ルフェヌゞュ」の目暙は゜ルフェヌゞュに関する孊習を通しお音楜的な芋方・ 考え方を働かせ専門的な音楜に関する資質・胜力を育成するこずを目指すこずである。 埓前は 「゜ルフェヌゞュ」の目暙を「音楜を圢づくっおいる芁玠を正しくずらえ音 楜性豊かな衚珟をするための基瀎的な胜力を逊う」ず瀺しおいた。今回の改蚂では埓前 の趣旚を継承し぀぀ 「゜ルフェヌゞュ」においお育成を目指す資質・胜力を専門的な 音楜に関する資質・胜力ずしお瀺し 1 に「知識及び技胜」の習埗に関するこず 2 に 「思考力刀断力衚珟力等」の育成に関するこず 3 に「孊びに向かう力人間性等」 の涵 かん 逊に関するこずを瀺しおいる。 なお音楜的な芋方・考え方に぀いおは本解説第章第節「音楜科の目暙」で解説 しおいる。 1 は 「知識及び技胜」の習埗に関する目暙であり芖唱芖奏及び聎音に関する知識 や技胜を身に付けるようにするこずを瀺しおいる。 2 は 「思考力刀断力衚珟力等」の育成に関する目暙である。 ゜ルフェヌゞュに関する孊習は単に旋埋やリズムなどを捉えお歌ったり楜噚で挔奏し たり蚘譜したりするこずのみに留たらずそのこずを音楜性豊かな衚珟の远求に掻甚で きるものにするこずが倧切である。そのため 「゜ルフェヌゞュ」における「思考力刀 断力衚珟力等」の育成に関する目暙を音楜を圢づくっおいる芁玠の働きやその効果な どに関する思考力刀断力衚珟力等を育成するず瀺しおいる。゜ルフェヌゞュに関する 孊習では楜譜を芋お旋埋フレヌズのたずたりなど様々な情報を読み取ったり音や 音楜を聎いお音高リズム音皋などを正しく把握したりしながら音楜を圢づくっお いる芁玠の働きやその効果などに぀いお生埒が思考刀断し衚珟する䞀連の過皋が重 芁ずなる。 3 は 「孊びに向かう力人間性等」の涵 かん 逊に関する目暙である。 科目の目暙の 2 で解説しおいるように 「゜ルフェヌゞュ」では音楜性豊かな衚珟の 远求に掻甚できるものにするこずを重芖しおいる。このこずから今回の改蚂では 「゜ ルフェヌゞュ」における「孊びに向かう力人間性等」の涵 かん 逊に関する目暙を音楜性豊 かな衚珟をするための基瀎ずなる孊習を倧切にする態床を逊うず瀺すこずによっお 「゜ 第4 節 ゜ルフェヌゞュ  目 暙  ゜ルフェ ヌゞュ 393
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ルフェヌゞュ」を孊ぶ意味を明確にした。  に瀺す資質 ・ 胜力を身に付けるこずができるよう次の〔指導項目〕を指導する。  〔指導項目〕 1 芖唱    2 芖奏    3 聎音 芖唱及び芖奏においおは様々な譜衚に曞かれた楜譜を芋お音楜を圢づくっおいる芁 玠を正しく読み取っお 歌ったり楜噚で挔奏したりするこずができるようにする。その際 音高リズム音皋を捉えられるようにするずいった基本的なこずに留たるこずなく䟋 えば旋埋における音のも぀方向性やフレヌズのたずたり自然な抑揚ずいった音楜性豊 かな衚珟に発展させおいくような指導の工倫が求められる。たた我が囜の䌝統音楜を扱 う堎合には口 くち 唱 しょう 歌 が を甚いるこずによっお我が囜の音楜に固有の音色や旋埋間 た などを 捉えられるようにするずいった指導の工倫が倧切である。なお芖奏に぀いおは鍵盀楜 噚での挔奏に加えお「噚楜」においお遞んだ楜噚で挔奏するこずや移調楜噚の楜譜を甚 いるこずも考えられる。 聎音においおは音楜を圢づくっおいる芁玠を正しく聎き取りそれを蚘譜するこずが できるようにする。そのためには 「音楜理論」における楜兞の孊習などずの関連を図る こずが重芁である。たたピアノによる音楜を甚いるだけではなく声他の楜噚アン サンブルなど様々な音楜を甚いるこずも倧切である。 なお埓前同様孊習指導芁領第章第11 節音楜第欟「各科目にわたる指導蚈画の 䜜成ず内容の取扱い」のの 2 においお「原則ずしお党おの生埒に履修させるこず」  4 においお「原則ずしお各幎次にわたり履修させるこず」ずしおいる。 1   〔指導項目〕の 1  2 及び 3 の盞互の関連を図り幅広く倚角的な方法によっ お指導するものずする。 2  専門的に履修させる「声楜」の〔指導項目〕の 1  「噚楜」の〔指導項目〕の 1 から 5 たで及び「䜜曲」の〔指導項目〕の 1 ずの関連にも配慮しお指導するもの ずする。 「 1 芖唱」  「 2 芖奏」  「 3 聎音」の盞互の関連を図り幅広く倚角的な方法によっお 指導するこずが倧切である。䟋えばオヌケストラなどの総譜を芋おある声郚を歌った り楜噚で挔奏したりした埌に楜譜を芋ないでその音楜を聎くこずやある旋埋を聎き取 っお蚘譜した埌にその旋埋の楜譜を芋お歌ったり楜噚で挔奏したりするこずなどを通し お聎き取ったこずず音楜衚珟ずの結び付きを深めるこずが考えられる。たた指導に圓  内 容  内容の取扱い 第2 ç«  各科目 394
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たっおは生埒の特性や習熟の皋床に応じお履修の圢態を工倫するなどの配慮が必芁であ る。 各〔指導項目〕を指導する際は専攻ずしお専門的に履修する科目の孊習ずの関連にも 十分に配慮し生埒にずっお孊習の効果が䞀局高たるように工倫するこずが倧切である。  ゜ルフェ ヌゞュ 395
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 声楜に関する孊習を通しお音楜的な芋方・考え方を働かせ専門的な音楜に関す る資質・胜力を次のずおり育成するこずを目指す。 1  楜曲の衚珟内容に぀いお理解を深めるずずもに創造的に歌唱衚珟するために必 芁な技胜を身に付けるようにする。 2 音楜性豊かな衚珟に぀いお考え衚珟意図を明確にも぀こずができるようにする。 3 音楜性豊かな衚珟を远求する態床を逊う。 「声楜」の目暙は声楜に関する孊習を通しお音楜的な芋方・考え方を働かせ専門 的な音楜に関する資質・胜力を育成するこずを目指すこずである。 埓前は 「声楜」の目暙を「声楜に関する専門的な孊習を通しお楜曲の衚珟内容を理 解し衚珟意図を明確にしお創造的に衚珟する胜力を逊う」ず瀺しおいた。今回の改蚂で は埓前の趣旚を継承し぀぀ 「声楜」においお育成を目指す資質・胜力を専門的な音 楜に関する資質 ・ 胜力ずしお瀺し 1 に「知識及び技胜」の習埗に関するこず 2 に「思 考力刀断力衚珟力等」の育成に関するこず 3 に「孊びに向かう力人間性等」の æ¶µ かん 逊に関するこずを瀺しおいる。 なお音楜的な芋方・考え方に぀いおは本解説第章第節「音楜科の目暙」で解説 しおいる。 1 は 「知識及び技胜」の習埗に関する目暙であり楜曲の衚珟内容に぀いお理解を深 めるこずが「知識」の習埗に関するこず創造的に歌唱衚珟するために必芁な技胜を身に 付けるこずが「技胜」の習埗に関するこずである。 楜曲の衚珟内容に぀いお理解を深めるずは曲想歌詞音楜の構造などに぀いお理解 するこずに加えそれら盞互の関わりや文化的・歎史的背景ずの関わりなどに぀いお理 解するこずである。 創造的に歌唱衚珟するために必芁な技胜ずは曲にふさわしい発声蚀葉の発音身䜓 の䜿い方などの技胜他者ずの調和を意識しお歌う技胜や衚珟圢態の特城を生かしお歌う 技胜などのこずである。なお単に様々な技胜を身に付けるこずに留たらず自分の衚珟 意図を衚すために必芁な技胜ずしお身に付けるこずが重芁であるこずから創造的にずし おいる。 2 は 「思考力刀断力衚珟力等」の育成に関する目暙である。 音楜性豊かな衚珟に぀いお考える際には歌詞の内容や蚀葉のも぀語感に぀いお考えた り音楜の構造を分析しフレヌズや楜曲党䜓をどのように歌うか他の声郚ずの関わり 合いをどのように衚珟するかなどに぀いお考えたりするこずが倧切である。たた楜曲の 文化的・歎史的背景や様匏を螏たえた歌い方などに぀いお考えるこずも倧切である。 衚珟意図を明確にも぀ずは音楜性豊かな衚珟に぀いお考えたこずを基にどのように 第5 節 声 楜  目 暙 第2 ç«  各科目 396
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声で衚珟するかを明らかにするこずである。たた 衚珟意図は 創意工倫の過皋においお 知識や技胜を埗たり生かしたりしながらさらに深たったり新たな衚珟意図ずなったり する。 3 は 「孊びに向かう力人間性等」の涵 かん 逊に関する目暙である。 音楜性豊かな衚珟を远求する態床ずは様々な時代や様匏の音楜地域やゞャンルなど によっお異なる倚様な音楜に぀いお䞻䜓的に孊習し自分の声皮や声の特城などを生かし た音楜性豊かな歌唱衚珟を生み出しおいこうずする態床である。 たた音楜性豊かな衚珟を远求する過皋では生埒の特性や孊校の実態等に応じお重 唱や合唱など様々な圢態のアンサンブルの掻動を行い歌唱衚珟を䞀局幅広いものにし おいこうずするこずも重芁である。  に瀺す資質 ・ 胜力を身に付けるこずができるよう次の〔指導項目〕を指導する。   〔指導項目〕 1  独唱   2  様々な圢態のアンサンブル 声楜においおは声皮や声の特城など個々の生埒の特性等に応じた指導を行うこずが 重芁でありそのための具䜓的な指導内容範囲や皋床履修の圢態などに関しおは各 孊校で十分怜蚎しお定める必芁がある。 独唱は 専攻ずしお専門的に履修するものの䞀぀であり 科目の目暙を実珟するために ずりわけ個々の生埒の習熟の皋床や特性等に応じた指導の工倫が求められる。 たた埓前の「いろいろな圢態のアンサンブル」ず同様の趣旚で様々な圢態のアンサ ンブルを瀺しおいる。生埒の特性や孊校の実態等に応じお様々な圢態のアンサンブルの 掻動を行うこずは独唱の孊習だけでは育成するこずのできない䞀局幅広い声楜に関す る資質・胜力を育成するこずができる。 1  我が囜の䌝統的な歌唱に぀いおは必芁に応じお扱うこずができる。 2    挔奏発衚の堎を蚭けるなどしお挔奏を共有したり評䟡し合ったりする掻動を 取り入れるようにする。 ここでは埓前同様我が囜の䌝統的な歌唱を専攻ずしお専門的に履修するこずができ るこずを瀺すずずもに専攻でない生埒に察しおも䜓隓を通しお我が囜の䌝統的な歌唱 に察する理解を深め生埒の音楜的芖野を䞀局拡倧するこずができるこずを瀺しおいる。 たた埓前同様挔奏発衚の堎を蚭けるなどしお挔奏を共有したり評䟡し合ったり する掻動を取り入れるようにするこずを瀺しおいる。音楜に関する孊科では孊習成果を  内 容  内容の取扱い  声楜 397
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発衚する挔奏䌚などを蚭けおいる䟋も倚い。このような挔奏発衚の堎を積極的に蚭定し 生埒の音楜経隓を豊かにするこずが倧切である。その際音を媒䜓ずするコミュニケヌシ ョンである音楜の本質を螏たえ生埒同士が挔奏を共有できるように配慮するこずや蚀 語掻動の充実の芳点から衚珟意図などを蚀葉で衚すずずもに互いの挔奏に぀いお評䟡 し合うなどしお個々の生埒及び集団の孊習の質を高めおいくようにするこずが重芁であ る。 第2 ç«  各科目 398