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92 第章 地理歎史科 の各科目    亀通 ・ 通信網ず物流や人の移動に関する運茞芳光などに関わる諞事象を基に それらの事象の空間的な芏則性傟向性や亀通・通信芳光に関わる問題の珟 状や芁因解決に向けた取組などに぀いお理解するこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    亀通・通信網ず物流や人の移動に関する運茞芳光などに関わる諞事象に぀い お堎所の特城や堎所の結び付きなどに着目しお䞻題を蚭定しそれらの事象 の空間的な芏則性傟向性や関連する地球的課題の芁因や動向などを倚面的・ 倚角的に考察し衚珟するこず。 内容の取扱い    3 に぀いおは次のずおり取り扱うこず。 「亀通・通信網ず物流や人の移動に関する運茞」に関わる諞事象に぀いおは道路 や線路枯湟空枯通信斜蚭などの斜蚭ずずもに自動車や鉄道船舶や航空機ず いった亀通機関や通信手段を介した貿易や情報通信ネットワヌクなどの結び付きなど に関わる諞事象を取り扱うこず。 この䞭項目の䞻なねらいや着目する芖点などに぀いおは次のずおりである。 この䞭項目は堎所や空間的盞互䟝存䜜甚などに関わる芖点に着目しお亀通・通信 芳光に関わる諞事象を倚面的・倚角的に考察し衚珟する力を育成するずずもに亀通・ 通信芳光に関わる諞事象の空間的な芏則性傟向性や関連する地球的課題の珟状や芁 因解決に向けた取組などを理解できるようにするこずが求められおいる。 この䞭項目における堎所に関わる芖点ずしおは䟋えば亀通・通信網ず物流や人の移 動に関する運茞芳光などに関わる事象をその事象が芋られる堎所の地理的環境の共通 点や盞違点ずの関わりから捉えるこずなどが考えられる。 たた空間的盞互䟝存䜜甚に関わる芖点ずしおは䟋えば亀通・通信網ず物流や人の 移動に関する運茞芳光などに関わる地球的課題の芁因や動向を個々の事象の地域的な 結び付きや広がりから捉えるこずなどが考えられる。 この䞭項目で身に付けたい事項に぀いおは次のずおりである。 この䞭項目で身に付けたい「知識」に関わる事項ずしおア  「亀通・通信網ず物流や 人の移動に関する運茞芳光などに関わる諞事象を基にそれらの事象の空間的な芏則 性傟向性や亀通・通信芳光に関わる問題の珟状や芁因解決に向けた取組などに぀ いお理解するこず」が挙げられる。 このうち亀通・通信網ず物流や人の移動に関する運茞芳光などに関わる諞事象に぀ いおはこの䞭項目の孊習察象を内容的に䟋瀺したものである。すなわちこの䞭項目で は広範な亀通・通信芳光に関わる諞事象を孊習内容の範囲ずしおいる。 それらの事象の空間的な芏則性傟向性や亀通・通信芳光に関わる問題の珟状や芁 因解決に向けた取組などに぀いお理解するの䞭の「空間的な芏則性傟向性」に぀いお は亀通網通信網の地域による分垃密床の違いや芳光地の立地やそこを蚪れる芳光
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93  地理探究 客の動向などの芏則性傟向性を取り扱うこずを意味しおいる。䟋えば亀通・通信網の 粗密は人口密床や産業の集積床などによっお芳光地の盛衰は地域の芳光資源ずずもに物 䟡や安党性などによっお圱響を受けるこずなどを取り䞊げるこずが考えられる。たた 「亀通・通信芳光に関わる問題の珟状や芁因解決に向けた取組」に぀いおは珟代䞖 界における亀通・通信芳光に関わる問題に぀いお珟状や芁因解決の方向性を含めお 理解する必芁がある。䟋えば 「亀通」を事䟋ずするず䞭山間地域の集萜においおバス 路線が人々の䜏む離島においお定期航路が枛䟿廃止されるずいった公共亀通の存廃 を巡る問題に぀いお珟状ず芁因改善や解決に向けた取組などを取り䞊げるこずが考え られる。 この䞭項目で身に付けたい「思考力刀断力衚珟力等」に関わる事項ずしおむ  「亀通・通信網ず物流や人の移動に関する運茞芳光などに関わる諞事象に぀いお堎所 の特城や堎所の結び付きなどに着目しお䞻題を蚭定しそれらの事象の空間的な芏則 性傟向性や関連する地球的課題の芁因や動向などを倚面的・倚角的に考察し衚珟す るこず」が挙げられる。 このうち堎所の特城や堎所の結び付きなどに着目しおに぀いおは亀通・通信芳光 に関わる諞事象の空間的な芏則性傟向性や関連する地球的課題の珟状や芁因解決の 方向性などを考察する際に着目する芖点を瀺したものである。ここでの芖点ずしお䟋え ば亀通・通信網ず物流や人の移動に関する運茞芳光に関わる諞事象がなぜそこで芋 られるのかなぜ他の堎所でも芋られるのかあるいは芋られないのかずいった堎所の共 通点や盞違点の比范によっお捉えたり他の堎所ずどのような関わりがあるのかあるい は無いのかずいった他の堎所における事象ずの結び付きによっお捉えたりするこずに留意 するこずが倧切である。 䞻題を蚭定しそれらの事象の空間的な芏則性傟向性や関連する地球的課題の芁因 や動向などを倚面的・倚角的に考察し衚珟するに぀いおはその䞻題や問いも生埒や孊 校地域の実態などを螏たえお様々な工倫が考えられるがこの䞭項目で扱う「亀通・通 信網ず物流や人の移動に関する運茞芳光などに関わる諞事象」に぀いお䟋えば䞻題 の远究に圓たっおの地理的技胜の掻甚に焊点を圓おるず次のような孊習掻動が可胜であ る。 「通信網」を事䟋ずするずここで取り䞊げる䞻題ずしお「情報栌差デゞタルディバ むドによる栌差」などが考えられる。䟋えば 「なぜむンタヌネットの普及ず利甚には 地域差があるのだろうか」ずいった問いを立おおむンタヌネットの普及や利甚が先進囜 で高く発展途䞊囜で䜎い傟向にあるこずただし先進囜の䞭でも䞖代によっお発展 途䞊囜の䞭でもさらに電力䟛絊などの瀟䌚資本敎備の地域差によっおむンタヌネットの利 掻甚に差があるこずなど珟代䞖界には囜家間地域間さらには䞖代間でも情報栌差が あるずいう地球的課題を把握した䞊でこのような課題を改善するにはどうしたらよいか を考察するずいった孊習掻動が考えられる。ここで取り䞊げる「通信」それ自䜓は距離的 な制玄を受けるこずが少ないもののそれを支える瀟䌚資本ずしおの「通信網」やその拠 点はその疎密に倧きな地域差があり地域性がある。そこで「通信網」や「亀通網」ず
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94 第章 地理歎史科 の各科目 いった面的な広がりやある地点ずある地点の぀ながりが衚される情報に぀いおはその 䜍眮関係を地図䞊で確認したり分かったこずを地図䞊に描き衚したりしお可芖化しそ の関係性を捉えるこずが倧切である。 たた 「芳光」を事䟋ずするずここで取り䞊げる䞻題ずしお「蚪日倖囜人芳光客の芳 光行動の倚様化」などが考えられる。䟋えば 「蚪日倖囜人芳光客の人数ず出身囜・地域 はどのように倉化しおきたのだろうか」ずいった問いを立おお倖囜人芳光客の掚移を統 蚈や䞻題図などから読み取りそれらを分析するずいった孊習掻動が考えられる。さら に 「近幎蚪日倖囜人芳光客数が増加したのはなぜなのだろうか」ずいった問いを立お お栌安航空䌚瀟などの競合により移動コストが安くなったのではないか情報通信事情 が飛躍的に改善しスマヌトフォンを䜿ったナビゲヌション機胜や翻蚳機胜を利甚でき るようになったこずで海倖旅行がしやすくなったのではないかあるいは䞖界遺産やゞ オパヌクなどの日本でしか芋られない文化景芳自然景芳を芋に来おいるのではないかず いった仮説を立おおその原因や理由を考察するずいった孊習掻動を加えるこずも考えら れる。その際芳光地図や芳光動向を瀺した統蚈資料などには囜や地方公共団䜓の䜜成 によるもの以倖にも芳光協䌚や芳光業者自身が䜜成したものなど様々なものがある。た た䜜成者以倖にも䜜成目的や䜜成時期なども様々でありそのこずによく留意しお 適切な資料を基に孊習掻動を進めるこずが倧切である。 「内容の取扱い」などに瀺された留意事項に぀いおは次のずおりである。 道路や線路枯湟空枯通信斜蚭などの斜蚭ずずもに自動車や鉄道船舶や航空機 ずいった亀通機関や通信手段を介した貿易や情報通信ネットワヌクなどの結び付きなどに 関わる諞事象を取り扱う内容の取扱いの䞭の「道路や線路枯湟空枯通信斜蚭な どの斜蚭」に぀いおはそれぞれの斜蚭がなぜそこに蚭眮されおいるのかを立地条件ず ずもにそれが瀟䌚資本ずしお果たしおいる圹割などに぀いお倚面的・倚角的に考察するこ ずなどが考えられる。たた 「自動車や鉄道船舶や航空機ずいった亀通機関や通信手段 を介した貿易や情報通信ネットワヌクなどの結び付きなどに関わる諞事象」に぀いおは 様々な亀通機関がそれぞれの利点を生かしお貿易を支えおいるこずなどを考察するずずも にそれらがむンタヌネットを介した情報収集商取匕などの拡倧によっおたすたす地域 間の結び付きを匷めおいるこずなどを取り䞊げるこずが考えられる。ここでの孊習では 䞭孊校瀟䌚科地理的分野での孊習を螏たえ各亀通機関が茞送察象ずずもに茞送距離茞 送時間地域性などによっお䜿い分けられおいるこずに留意するずずもに亀通が瀟䌚の 倉化に䌎っお倉容したりさらに瀟䌚の倉化自䜓にも圱響を䞎えたりするこずに留意する 必芁がある。䟋えばここで「自動車」を取り䞊げた堎合囜内の高速道路網の敎備が物 流におけるトラック茞送の比重を高めるずずもにトラック茞送を基盀ずした宅配䟿の敎 備が商業掻動における通信販売やむンタヌネット販売の比重を高めおいったこずや 「船 舶」を取り䞊げた堎合人々の䜙暇掻動の倚様化がクルヌズ船などの芳光手段ずしおの利 甚を促すずずもに船舶利甚をはじめずする海掋芳光が臚海地域の地域振興や再開発を 促しおいったこずなどの亀通ず瀟䌚の倉化の盞互の関わり合いずいった偎面に぀いおも 留意が必芁である。
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95  地理探究 4  人口郜垂・村萜 4   人口郜垂・村萜 堎所や空間的盞互䟝存䜜甚などに着目しお課題を远究したり解決したりする掻動 を通しお次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。 ア 次のような知識を身に付けるこず。    人口郜垂 ・ 村萜などに関わる諞事象を基にそれらの事象の空間的な芏則性 傟向性や人口居䜏・郜垂問題の珟状や芁因解決に向けた取組などに぀いお 理解するこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    人口郜垂・村萜などに関わる諞事象に぀いお堎所の特城や堎所の結び付き などに着目しお䞻題を蚭定しそれらの事象の空間的な芏則性傟向性や関 連する地球的課題の芁因や動向などを倚面的・倚角的に考察し衚珟するこず。 内容の取扱い    4 に぀いおは次のずおり取り扱うこず。 「人口郜垂・村萜などに関わる諞事象」に぀いおは囜や地方公共団䜓の取組ず も深く関わるこずから䞭孊校瀟䌚科公民的分野及び高等孊校公民科などずの関連を 螏たえた取扱いに留意するこず。 この䞭項目の䞻なねらいや着目する芖点などに぀いおは次のずおりである。 この䞭項目は堎所や空間的盞互䟝存䜜甚などに関わる芖点に着目しお人口郜垂・ 村萜に関わる諞事象を倚面的・倚角的に考察し衚珟する力を育成するずずもに人口 郜垂・村萜に関わる諞事象の空間的な芏則性傟向性や関連する地球的課題の珟状や芁 因解決に向けた取組などを理解できるようにするこずが求められおいる。 この䞭項目における堎所に関わる芖点ずしおは䟋えば人口郜垂・村萜などに関わ る事象をその事象が芋られる堎所の地理的環境の共通点や盞違点ずの関わりから捉える こずなどが考えられる。 たた空間的盞互䟝存䜜甚に関わる芖点ずしおは䟋えば人口郜垂・村萜などに関 わる地球的課題の芁因や動向を個々の事象の地域的な結び付きや広がりから捉えるこず などが考えられる。 この䞭項目で身に付けたい事項に぀いおは次のずおりである。 この䞭項目で身に付けたい「知識」に関わる事項ずしおア  「人口郜垂・村萜など に関わる諞事象を基にそれらの事象の空間的な芏則性傟向性や人口居䜏・郜垂問 題の珟状や芁因解決に向けた取組などに぀いお理解するこず」が挙げられる。 このうち人口郜垂・村萜などに関わる諞事象に぀いおはこの䞭項目の孊習察象を 内容的に䟋瀺したものである。すなわちこの䞭項目では広範な人口郜垂・村萜に関わ る諞事象を孊習内容の範囲ずしおいる。
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96 第章 地理歎史科 の各科目 それらの事象の空間的な芏則性傟向性や人口居䜏・郜垂問題の珟状や芁因解決 に向けた取組などに぀いお理解するの䞭の「空間的な芏則性傟向性」に぀いおは人口 増枛や人口分垃人口構成の倉化などに芋られる芏則性傟向性集萜の立地や圢態の䞀 般的な共通性や地域性郜垂の倉容の芏則性傟向性などを意味しおいる。たた 「人口 居䜏・郜垂問題の珟状や芁因解決に向けた取組」に぀いおは珟代䞖界に芋られる人口 の䞍均衡な分垃や幎霢構成の䞍均衡郜垂化の進展などから生起する問題などに぀いお 䞖界的芖野ずいった空間的な広がりに留意しお珟状や芁因解決の方向性を含めお理解 する必芁がある。䟋えば人口居䜏・郜垂に関わる問題は䞖界的芖野から芋おどのよ うな地域に生起する傟向があるのか各地に生起する珟象にはどのような芁因が共通しお いるのかなどの芳点から远究し理解するこずが倧切である。たた少子高霢化察策人口 の増加地域における貧困察策スラムや䞭心垂街地の空掞化などずいった問題の解消に向 けた取組地域の歎史の䞭で圢成された文化的景芳や䌝統的建造物矀などの優れた景芳の 維持や掻甚に向けた取組など人口郜垂・村萜に関する課題の解決に向けた具䜓的な取 組から持続可胜な瀟䌚づくりに向けた課題に぀いお理解するこずも倧切である。 この䞭項目で身に付けたい「思考力刀断力衚珟力等」に関わる事項ずしおむ  「人口郜垂・村萜などに関わる諞事象に぀いお堎所の特城や堎所の結び付きなどに着 目しお䞻題を蚭定しそれらの事象の空間的な芏則性傟向性や関連する地球的課題 の芁因や動向などを倚面的・倚角的に考察し衚珟するこず」が挙げられる。 このうち堎所の特城や堎所の結び付きなどに着目しおに぀いおは人口郜垂・村萜 に関わる諞事象の空間的な芏則性傟向性や関連する地球的課題の珟状や芁因解決の 方向性などを考察する際に着目する芖点を瀺したものである。ここでの芖点ずしお䟋え ば孊習察象ずしお人口を取り䞊げる堎合には䞖界の人口の分垃やその芁因を考察した り䞖界各囜や地域に芋られる人口構成の倉化に぀いお考察したりするこずに留意するこ ずが倧切である。その際それぞれの事象に぀いおそれが芋られる堎所はどのような堎 所なのかそれぞれの堎所の自然及び瀟䌚的条件からどのような圱響を受けるのか地域 内の結び付きによっおどのように倉化するのかなぜそのような地域的な広がりを芋せる のかなどを問うこずで人口郜垂・村萜に関わる事象の䞀般的な共通性や地域性を远究 し空間的な芏則性傟向性に぀いお考察するこずが倧切である。 䞻題を蚭定しそれらの事象の空間的な芏則性傟向性や関連する地球的課題の芁因 や動向などを倚面的・倚角的に考察し衚珟するに぀いおはその䞻題や問いも生埒や孊 校地域の実態などを螏たえお様々な工倫が考えられるがこの䞭項目で扱う「人口郜 垂・村萜などに関わる諞事象」に぀いお䟋えば単元党䜓に関わる倧きな問いずそれを 構成する小さな問いずいった構造に焊点を圓おるず次のような孊習掻動が可胜である。 「郜垂・村萜」を事䟋ずするずここで取り䞊げる䞻題ずしお「郜垂の倉容」などが考 えられる。䟋えば 「郜垂はどのように圢成されどのように倉化しおいくのだろうか」 ずいった問いを立おおそれを以䞋に瀺すような問いを結び付けお展開するこずが考えら れる。たず 「なぜ郜垂の分垃には地域差が芋られるのだろうか」ずいった問いを立お お人口100 䞇以䞊の巚倧郜垂の分垃図や郜垂人口率の地域差を瀺した地図の読み取りな
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97  地理探究 どを基に郜垂の分垃の地域差に぀いお抂芳する。次に 「人々はどのような堎所に居䜏 しどのように郜垂を発達させおきたのだろうか」ずいった問いを立おお自然環境や歎 史的背景などに着目しお郜垂や村萜の立地に焊点を圓おお考察する。ここでは地圢図 などの資料を基に孊校の所圚地や居䜏地などの身近な郜垂や村萜ずずもに䞖界の䞻な銖 郜などに぀いお 「どのような自然条件の䞊に立地しおいるのだろうか」  「自然条件の他 に立地条件はないのだろうか」などず远究するこずで扇状地の扇端などの生掻甚氎の埗 やすい堎所や自然堀防などの氎害を受けにくい堎所に集萜が立地しおいるこず内湟や 倧きな河川など氎運の䟿が良い堎所に倧きな郜垂が立地しおいるこず倚民族囜家の民族 的境界や囜内で盞察的に開発の進んでいない地域に銖郜が眮かれる堎合があるこずなどが 事䟋ずしお挙げられるこずに気付き 「郜垂は堎所の自然環境や他地域ずの結び付き 歎史的背景などの圱響を受けお立地する」などの郜垂の立地に関わる抂念を獲埗する。さ らに 「人々はどのように郜垂を拡倧させおきたのだろうか」ずいった問いを立おお远究 を継続し䞖界の䞻な郜垂の事䟋を基に郜垂の倉容に焊点を圓おお考察しドヌナツ化 やスプロヌル化などの郜垂の倉容の芏則性傟向性地域の䞭の郜垂間の階局性などに気 付き 「郜垂の倉容には䞀般的な芏則性傟向性ず地域性が芋られる」などの抂念に぀い おも獲埗する。そしお䞀連の孊習掻動のたずめずしお 「郜垂の持続的な発展にはど のような課題があるのだろうか」ずいった問いを立おおこれたでの孊習で身に付けた抂 念を䜿っお居䜏・郜垂問題の芁因や解決の方向性などに぀いお考察するずいった孊習展開 が考えられる。その際さらに日本の郜垂に関わらせお孊習を進め 「日本の郜垂にはど のような課題があるのだろうか」ずいった問いを立おお䞭心垂街地の空掞化生掻の基 盀ずなるむンフラの老朜化の珟状などに぀いお考察しその芁因や解決の方向性などを远 究するこずで持続可胜な郜垂には䜕が必芁かずいうこずに぀いお自分の考えをも぀ず いった孊習掻動を加えるこずも考えられる。 たた 「人口」を事䟋ずするずここで取り䞊げる䞻題ずしお「人口構成の倉化による 地域ぞの圱響」などが考えられる。䟋えば 「人口の増枛や人口構成の倉化は地域にど のような圱響を及がすのだろうか」ずいった問いを立おおそれを以䞋に瀺すような問い を結び付けお展開するこずが考えられる。たず人口に関わる諞事象の芏則性傟向性に ぀いお理解するために 「人口の分垃や構成はどのように倉化するのだろうか」ずいった 問いを立おお堎所の特城や堎所の結び付きなどに着目しお人口動態や人口構成の倉化の 芏則性傟向性に぀いお考察衚珟する孊習掻動が考えられる。ここでは人口が堎所の 自然及び瀟䌚的条件の圱響を受けお偏圚しおいるこずや人口の倉化には経枈発展に䌎う 䞀般的な芏則性傟向性ず地域の生掻文化ず密接に関連した地域性が芋られるこずなど の抂念を獲埗するずいった孊習掻動が考えられる。その䞊で 「発展途䞊囜先進囜はそ れぞれどのような人口問題に盎面しおいるのだろうか」ずいった問いを立おお事䟋を基 にこれたでに身に付けた抂念を䜿っお人口構成の倉化によっお発生する問題の珟状や 芁因解決の方向性などに぀いお考察し人口構成の倉化が地域に及がす圱響に぀いお論 述したり人口問題ぞの察応の圚り方に぀いお考察したりしたこずをたずめ地図やグラ フを䜿っお説明するずいった孊習展開が考えられる。
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98 第章 地理歎史科 の各科目 「内容の取扱い」などに瀺された留意事項に぀いおは次のずおりである。 囜や地方公共団䜓の取組ずも深く関わるこずから䞭孊校瀟䌚科公民的分野及び高等孊 校公民科などずの関連を螏たえた取扱いに留意する内容の取扱いに぀いおは人口 居䜏・郜垂問題ぞの察応は囜や地方公共団䜓による取組が重芁な圹割を担っおいるこず から人口居䜏・郜垂問題に぀いお远究する際には地方自治などに぀いお䞭孊校瀟䌚 科公民的分野で孊習した内容を螏たえたり高等孊校公民科で孊習する内容ず連携を図っ たりするこずが倧切である。 5  生掻文化民族・宗教 5   生掻文化民族・宗教 堎所や空間的盞互䟝存䜜甚などに着目しお課題を远究したり解決したりする掻動 を通しお次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。 ア 次のような知識を身に付けるこず。    生掻文化民族・宗教などに関わる諞事象を基にそれらの事象の空間的な芏 則性傟向性や民族領土問題の珟状や芁因解決に向けた取組などに぀いお 理解するこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    生掻文化民族・宗教などに関わる諞事象に぀いお堎所の特城や堎所の結び 付きなどに着目しお䞻題を蚭定し それらの事象の空間的な芏則性傟向性や 関連する地球的課題の芁因や動向などを倚面的 ・ 倚角的に考察し衚珟するこず。 内容の取扱い    5 に぀いおは次のずおり取り扱うこず。 ここで取り䞊げる生掻文化に぀いおは 「地理総合」の内容のの 1 の生掻文化の 倚様性ず囜際理解における孊習を螏たえお取り䞊げる事象を工倫するこず。 「領土問題の珟状や芁因解決に向けた取組」に぀いおはそれを扱う際に日本の 領土問題にも觊れるこず。たた我が囜の海掋囜家ずしおの特色ず海掋の果たす圹割 を取り䞊げるずずもに竹島や北方領土が我が囜の固有の領土であるこずなど我が 囜の領域をめぐる問題も取り䞊げるようにするこず。その際尖閣諞島に぀いおは我 が囜の固有の領土であり領土問題は存圚しないこずも扱うこず。 この䞭項目の䞻なねらいや着目する芖点などに぀いおは次のずおりである。 この䞭項目は堎所や空間的盞互䟝存䜜甚などに関わる芖点に着目しお生掻文化民 族・宗教などに関わる諞事象を倚面的・倚角的に考察し衚珟する力を育成するずずも に生掻文化民族・宗教などに関わる諞事象の空間的な芏則性傟向性や関連する地 球的課題の珟状や芁因解決に向けた取組などを理解できるようにするこずが求められお いる。
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99  地理探究 この䞭項目における堎所に関わる芖点ずしおは䟋えば生掻文化民族・宗教などに 関わる事象をその事象が芋られる堎所の地理的環境の共通点や盞違点ずの関わりから捉 えるこずなどが考えられる。 たた空間的盞互䟝存䜜甚に関わる芖点ずしおは䟋えば生掻文化民族・宗教など に関わる地球的課題の芁因や動向を個々の事象の地域的な結び付きや広がりから捉える こずなどが考えられる。 この䞭項目で身に付けたい事項に぀いおは次のずおりである。 この䞭項目で身に付けたい「知識」に関わる事項ずしおア  「生掻文化民族・宗教 などに関わる諞事象を基にそれらの事象の空間的な芏則性傟向性や民族領土問題 の珟状や芁因解決に向けた取組などに぀いお理解するこず」が挙げられる。 このうち生掻文化民族・宗教などに関わる諞事象に぀いおはこの䞭項目の孊習察 象を内容的に䟋瀺したものである。すなわちこの䞭項目では広範な生掻文化民族・宗 教に関わる諞事象を孊習内容の範囲ずしおいる。 それらの事象の空間的な芏則性傟向性や民族領土問題の珟状や芁因解決に向け た取組などに぀いお理解するの䞭の「空間的な芏則性傟向性」に぀いおは珟代䞖界に 芋られる民族や領土をめぐる問題に関わり個々の事象を詳现に捉えるのではなく䞖界的 芖野ずいった空間的な広がりに留意しおその動向を捉えるこずが倧切である。䟋えば民 族や領土に関わる問題は䞖界的芖野から芋おどのような地域に生起しおいる傟向がある のか各地で生起する問題にはどのような芁因が共通しおいるのかなどずいった偎面か ら理解するこずが倧切である。たた 「民族領土問題の珟状や芁因解決に向けた取組」 に぀いおは䞖界の生掻文化民族・宗教に関わる諞事象ず民族領土問題の関連を螏た えおその珟状や芁因解決の方向性を含めお理解する必芁がある。 この䞭項目で身に付けたい「思考力刀断力衚珟力等」に関わる事項ずしおむ  「生掻文化民族・宗教などに関わる諞事象に぀いお堎所の特城や堎所の結び付きなど に着目しお䞻題を蚭定しそれらの事象の空間的な芏則性傟向性や関連する地球的 課題の芁因や動向などを倚面的・倚角的に考察し衚珟するこず」が挙げられる。 このうち堎所の特城や堎所の結び付きなどに着目しおに぀いおは生掻文化民族・ 宗教などに関わる諞事象の空間的な芏則性傟向性や関連する地球的課題の珟状や芁 因解決の方向性などを考察する際に着目する芖点を瀺したものである。ここでの芖点ず しお䟋えば特城的な生掻文化に぀いおそれが芋られる堎所の地理的環境ずの関わり やそれに圱響を䞎えたり圱響を受けたりする個々の事象の地域的な結び付きや広がり から捉えるこずに留意するこずが倧切である。 䞻題を蚭定しそれらの事象の空間的な芏則性傟向性や関連する地球的課題の芁因や 動向などを倚面的・倚角的に考察し衚珟するに぀いおはその䞻題や問いも生埒や孊 校地域の実態などを螏たえお様々な工倫が考えられるがこの䞭項目で扱う「生掻文 化民族・宗教などに関わる諞事象」に぀いお䟋えば䞻題の远究に圓たっお着目すべ き芖点に焊点を圓おるず次のような孊習掻動が可胜である。 「民族」を事䟋ずするずここで取り䞊げる䞻題ずしお「倚民族瀟䌚の成立ず倚文化䞻
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100 第章 地理歎史科 の各科目 矩」などが考えられる。ここでの孊習においお堎所に関わる芖点に焊点を圓お着目した堎 合䟋えば 「なぜカナダの道路暙識には耇数の蚀語が䜿われおいるのだろうか」ずいっ た問いを立おおカナダの自然環境ずペヌロッパ人入怍者の動向や建囜に至る歎史的背景 などを螏たえお各州の蚀語別人口構成の違いをもたらした芁因や今埌の動向に぀いお考 察するような孊習掻動が考えられる。 たたここでの孊習においお空間的盞互䟝存䜜甚に関わる芖点に焊点を圓お着目した堎 合䟋えば 「䞖界の䞻な玛争はどのような堎所で起こっおいるのだろうか」ずいった問 いを立おお䞖界の䞻な玛争地域䞖界の蚀語分垃䞖界の宗教分垃ず䌝播などの䞻題図 を䜜成しお地域区分をしたり類型地域の分垃図を集めお読み取った情報を重ね合わせた りするなどしお地域内に芋られる様々な事象の関わりから民族領土問題の珟状や芁 因解決に向けた取組などを考察するような孊習掻動が考えられる。 「内容の取扱い」などに瀺された留意事項に぀いおは次のずおりである。 「地理総合」の内容のの1の生掻文化の倚様性ず囜際理解における孊習を螏たえ お取り䞊げる事象を工倫する内容の取扱いに぀いおはここでは 「地理総合」の倧 項目の「 1 生掻文化の倚様性ず囜際理解」での䞖界の人々の生掻文化の倚様性や倉容 の理解ずずもに自他の文化を尊重し囜際理解を図るこずの重芁性などの理解を基に取 り䞊げる事象を工倫するこずが倧切である。 日本の領土問題にも觊れる内容の取扱いに぀いおは䞖界的芖野から「領土問題の 珟状や芁因解決に向けた取組」を扱う際に觊れるずずもに 「我が囜の海掋囜家ずしお の特色ず海掋の果たす圹割を取り䞊げる」際の「我が囜の領域をめぐる問題」ずしおも取 り䞊げるようにするこずが倧切である。そこで「竹島や北方領土が我が囜の固有の領土で あるこずなど我が囜の領域をめぐる問題も取り䞊げる」際には我が囜が圓面する竹島 や北方領土歯 はが 舞 たい 矀島色 しこ äž¹ たん 島囜 くな 埌 しり 島択 え 捉 ずろふ 島の領土問題や経枈氎域の問題などを取 り䞊げ囜境のも぀意矩や領土問題が人々の生掻に及がす圱響などを考察できるようにす るこずが必芁である。たた我が囜が圓面する領土問題に぀いおは竹島や北方領土に぀ いおそれぞれの䜍眮ず範囲を確認するずずもに我が囜の固有の領土であるがそれぞ れ珟圚韓囜ずロシア連邊によっお䞍法に占拠されおいるため竹島に぀いおは韓囜に察し お环次にわたり抗議を行っおいるこず北方領土に぀いおはロシア連邊にその返還を求め おいるこずこれらの領土問題における我が囜の立堎が歎史的にも囜際法䞊も正圓である こずなどに぀いお的確に扱い我が囜の領土・領域に぀いお理解を深めるこずも必芁であ る。その際尖閣諞島に぀いおは 「我が囜の固有の領土であり領土問題は存圚しない こずも扱う」ずあるこずから珟に我が囜がこれを有効に支配しおおり解決すべき領有 暩の問題は存圚しおいないこず我が囜の立堎が歎史的にも囜際法䞊も正圓であるこず をその䜍眮や範囲ずずもに理解するこずが必芁である。 我が囜の海掋囜家ずしおの特色ず海掋の果たす圹割内容の取扱いの䞭の「我が囜の 海掋囜家ずしおの特色」に぀いおは䟋えば海掋囜家ならではの地圢や気候などの自然 条件に加えお我が囜の囜土が離島を含む倧小倚数の島々から構成されるこずで領土面 積以䞊に領海や排他的経枈氎域を含めた面積が盞察的に広く豊富な氎産資源や海底地䞋
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101  地理探究 資源を擁し海䞊亀通や海掋開発が進んだ地域であるずいった特色を取り䞊げるこずなど が考えられる。たた 「海掋の果たす圹割」に぀いおは䟋えば我が囜にずっお海掋 の存圚が人々の埀来や文物の流通においお障壁ずしお機胜するずいう偎面ずずもに他方 では海掋の存圚が沿岞地域ず海を隔おた他地域ずを぀なぐ亀通・亀易路ずしお機胜する ずいう偎面があるずいった圹割を取り䞊げるこずなどが考えられる。
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102 第章 地理歎史科 の各科目  珟代䞖界の地誌的考察 この倧項目は 「珟代䞖界の系統地理的考察」の孊習成果を螏たえ珟代䞖界を構成す る諞地域を䞻な孊習察象ずし遞択した地域の地域性ず諞課題を捉える孊習などを通し お珟代䞖界の諞地域の地理的認識を深めるずずもに珟代䞖界の諞地域を地誌的に考察 する方法を身に付けるこずを䞻なねらいずしおいる。このねらいを達成するためこの倧 項目は「 1 珟代䞖界の地域区分」  「 2 珟代䞖界の諞地域」ずいう二぀の䞭項目で構成し おいる。 1  珟代䞖界の地域区分 1   珟代䞖界の地域区分 䜍眮や分垃地域などに着目しお課題を远究したり解決したりする掻動を通しお 次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。 ア 次のような知識及び技胜を身に付けるこず。    䞖界や䞖界の諞地域に関する各皮の䞻題図や資料を基に䞖界を幟぀かの地域 に区分する方法や地域の抂念地域区分の意矩などに぀いお理解するこず。    䞖界や䞖界の諞地域に぀いお各皮の䞻題図や資料を螏たえお地域区分をする 地理的技胜を身に付けるこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    䞖界や䞖界の諞地域の地域区分に぀いお地域の共通点や差異分垃などに着 目しお䞻題を蚭定し地域の捉え方などを倚面的・倚角的に考察し衚珟する こず。 内容の取扱い む 内容のに぀いおは次のずおり取り扱うものずするこず。    1 に぀いおは次のずおり取り扱うこず。 珟代䞖界が自然政治経枈文化などの指暙によっお様々に地域区分できるこ ずに着目しそれらを比范察照するこずによっお地域の抂念地域区分の意矩な どを理解するようにするこず。 この䞭項目の䞻なねらいや着目する芖点などに぀いおは次のずおりである。 この䞭項目は䜍眮や分垃地域などに関わる芖点に着目しお䞖界や䞖界の諞地域の 地域区分を倚面的・倚角的に考察し衚珟する力を育成するずずもに地域区分の方法や 地域の抂念地域区分の意矩などを理解しそのために必芁な技胜を身に付けられるよう にするこずが求められおいる。 この䞭項目における䜍眮や分垃に関わる芖点ずしおは䟋えば䞖界や䞖界の諞地域に 広く芋られる事象をそれが生起する地点や広がりの芏則性傟向性から捉えるこずなど が考えられる。
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103  地理探究 たた地域に関わる芖点ずしおは䟋えば単䞀あるいは耇数の事象の共通点や盞違点 によっお区分される意味ある広がりを時間的にも可倉的な空間的なたずたりずいった偎 面から捉えるこずなどが考えられる。 この䞭項目で身に付けたい事項に぀いおは次のずおりである。 この䞭項目で身に付けたい「知識」に関わる事項ずしおア  「䞖界や䞖界の諞地域に 関する各皮の䞻題図や資料を基に䞖界を幟぀かの地域に区分する方法や地域の抂念地 域区分の意矩などに぀いお理解するこず」が挙げられる。 このうち䞖界や䞖界の諞地域に関する各皮の䞻題図や資料に぀いおはここで取り䞊 げる䞻題図や資料には様々なものがありそこで甚いられる地域区分の方法が䞀぀ではな いこず地域区分には目的があっお目的によっお異なる指暙が甚いられるこず様々な指 暙を䜿っお地域が区分されるこずがここでの孊習の前提ずしお䜍眮付けられるこずを意 味しおいる。 䞖界を幟぀かの地域に区分する方法や地域の抂念地域区分の意矩の䞭の「地域に区分 する方法」に぀いおは䟋えば 「自然政治経枈文化などの指暙」 内容の取扱い を取り䞊げお䜜成した様々な分垃図を利甚しおその指暙の等質性に泚目したりその指 暙の機胜的な関係に泚目したりしお地域区分するこずもできる。たたある分垃図を基 に特色ある地域だけを抜出するような地域区分もあるし分垃図を重ね合わせたり耇 数の指暙を組み合わせたりしお地域を取り出すような方法もある。 こうした地域区分の方法を理解する孊習を通しお倚様な地域区分が可胜であるこずに 気付くず同時にその結果ずしお倚様な「地域の抂念」を理解し珟代䞖界の倚面性に 気付くこずが期埅される。すなわちある地域区分で芋おいた䞖界が別の地域区分を甚 いお芋盎しおみるず異なっお芋えおくるような孊習が重芁でありそのような倚様な地域 芳が次の「 2 珟代䞖界の諞地域」における孊習に぀ながるよう工倫する必芁がある。 「地域の抂念」に぀いおは具䜓的に地域区分を行い地域を蚭定する過皋を通しお たたは倚様な地域区分図の比范察照を行い珟代䞖界の諞地域が様々に芋いだされるこず を通しお具䜓的に地域抂念を孊ぶこずが重芁である。 「地域区分の意矩」に぀いおは地域区分は䞖界を地理的に理解するための方法や枠組 みであり䞖界を様々な方法によっお地域に区分しその区分された地域を具䜓的に捉え るこずによっお䞖界を様々な偎面から理解するこずに぀ながるずずもに倚様な方法で 様々に区分された地域の配眮や空間構造によっおも䞖界を地理的に理解するこずにも぀な がるずいうこずを瀺しおいる。 この䞭項目で身に付けたい「技胜」に関わる事項ずしおア  「䞖界や䞖界の諞地域に ぀いお各皮の䞻題図や資料を螏たえお地域区分をする地理的技胜を身に付けるこず」が 挙げられる。 このうち各皮の䞻題図や資料を螏たえお地域区分をする地理的技胜を身に付けるの䞭 の「各皮の䞻題図や資料を螏たえお」に぀いおは目的に応じお適切な䞻題図や資料を遞 択しお䜿甚するこずの倧切さを瀺しおいる。たた 「地域区分をする地理的技胜を身に付 ける」に぀いおは地域区分によっお珟代の䞖界を倧芳するずずもにそれぞれの地域の
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104 第章 地理歎史科 の各科目 地域性を理解できるよう目的に応じお地域区分を行う技胜を身に付けるこずを意味しお いる。 この䞭項目で身に付けたい「思考力刀断力衚珟力等」に関わる事項ずしおむ  「䞖界や䞖界の諞地域の地域区分に぀いお地域の共通点や差異分垃などに着目しお 䞻題を蚭定し地域の捉え方などを倚面的・倚角的に考察し衚珟するこず」が挙げられ る。 このうち地域の共通点や差異分垃などに着目しおに぀いおは䞖界や䞖界の諞地域 の地域区分においお地域の捉え方などを考察する際に着目する芖点を瀺したものであ る。ここでの芖点ずしお䟋えばある指暙を基に他ず異なる共通した性質をも぀等質地 域ずしおの空間的なたずたりを芋出すこずなどに留意するこずが倧切である。ここでは ある指暙に基づいお䜜成された地域区分ず他の指暙に基づいお䜜成された地域区分を比 范し共通点や差異分垃の傟向性に着目しお倚面的・倚角的に考察しその結果を衚 珟できるようにするこずが考えられる。たたこの分垃の傟向性に぀いおは地理的な事 象の分垃の粗密を調べるこずで䞭心ず呚蟺からなる機胜地域ずしおの圏構造を芋出すこ ずなどが考えられる。 䞻題を蚭定し地域の捉え方などを倚面的・倚角的に考察し衚珟するに぀いおはこ こで取り䞊げる䞻題ずしお 「実質地域ずしおの地域の捉え方」などが考えられる。䟋え ばここでの孊習の導入ずしお「䞖界はどのように地域区分されるだろうか」ずいった問 いを立おお地域区分の指暙ずしお䟋えば宗教囜家間の結び付き経枈成長率など を取り䞊げ地域区分図を䜜成するずいった孊習掻動が考えられる。その䞊で倧陞芏暡 の地域区分ずしおナヌラシア倧陞を地域区分するに圓たり䟋えば 「ロシア連邊はアゞ アなのだろうかそれずもペヌロッパなのだろうか」ずいった問いを立おお䞭孊校瀟䌚 科地理的分野の倧項目の「 2 䞖界の諞地域」の孊習においおは 「アゞア州又はペヌ ロッパ州のいずれかに䜍眮付けお扱うこずずなる」 孊習指導芁領解説ずされおいるロ シア連邊の倚様性を螏たえお実質地域による地域区分の意味や意矩を考察するずいった 孊習掻動が考えられる。 たた囜家芏暡の地域区分ずしおアメリカ合衆囜を地域区分するに圓たり䟋えば 「アメリカ合衆囜本土はいく぀に地域区分するず地域的な特色が぀かみやすくなるだろう か」ずいった問いを立おお州を単䜍ずしお北東郚䞭西郚南郚西郚に分けた区分 ず北緯37 床ず西経100 床ずいった任意の緯線ず経線によっお分けた区分などを比范す るこずで目的に応じお様々な地域区分が存圚するこずなどを考察するずいった孊習掻動 も考えられる。 さらに 「南北アメリカは埓来州や倧陞に着目しお二぀に地域区分されおきたが 果たしお二぀に地域区分するこずが適切なのだろうか」ずいう問いを立おお経隓的に甚 いられおきた地域区分の方法や意味その数などを批刀的に吟味し考察するような発展 的な孊習掻動も考えられる。 「内容の取扱い」などに瀺された留意事項に぀いおは次のずおりである。 珟代䞖界が自然政治経枈文化などの指暙によっお様々に地域区分できるこずに着
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105  地理探究 目しそれらを比范察照する内容の取扱いに぀いおはここに䟋瀺された異なる指暙 を甚いお区分された地域を芋比べたり重ね合わせたりするこずによっお倚様で倚圩 な偎面をも぀珟代䞖界の構造に気付き地域の抂念や地域区分の意矩ずずもに結果ずし おその有甚性に気付くこずが倧切である。その際倧項目の「珟代䞖界の系統地理的考 察」を螏たえお䞖界の諞地域の特色や珟代䞖界の諞課題を様々な指暙による地域区分図 に反映させお取り䞊げるずずもにこの地域区分の倚様性や珟代䞖界の倚面性を孊ぶこず で次の「 2 珟代䞖界の諞地域」においお孊習される諞地域の䜍眮付けに぀いおも具 䜓的に考察できるように孊習を工倫する必芁がある。 2  珟代䞖界の諞地域 2   珟代䞖界の諞地域 空間的盞互䟝存䜜甚や地域などに着目しお課題を远究したり解決したりする掻動 を通しお次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。 ア 次のような知識を身に付けるこず。    幟぀かの地域に区分した珟代䞖界の諞地域を基に諞地域に芋られる地域的特 色や地球的課題などに぀いお理解するこず。    幟぀かの地域に区分した珟代䞖界の諞地域を基に地域の結び付き構造や倉 容などを地誌的に考察する方法などに぀いお理解するこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    珟代䞖界の諞地域に぀いお地域の結び付き構造や倉容などに着目しお䞻 題を蚭定し地域的特色や地球的課題などを倚面的・倚角的に考察し衚珟する こず。 内容の取扱い    2 に぀いおは次のずおり取り扱うこず。 ここで取り䞊げる地域は䞭孊校瀟䌚科地理的分野の「䞖界の諞地域」の孊習にお ける䞻に州を単䜍ずする取り䞊げ方ずは異なり 1 で孊習した地域区分を螏たえるず ずもに様々な芏暡の地域を䞖界党䜓から偏りなく取り䞊げるようにするこず。たた 取り䞊げた地域の倚様な事象を項目ごずに敎理しお考察する地誌取り䞊げた地域の 特色ある事象ず他の事象を有機的に関連付けお考察する地誌察照的又は類䌌的な性 栌の二぀の地域を比范しお考察する地誌の考察方法を甚いお孊習できるよう工倫する こず。 この䞭項目の䞻なねらいや着目する芖点などに぀いおは次のずおりである。 この䞭項目は空間的盞互䟝存䜜甚や地域などに関わる芖点に着目しお珟代䞖界の諞 地域や地球的課題を倚面的・倚角的に考察し衚珟する力を育成するずずもに区分した 諞地域に芋られる地域的特色や地球的課題地域の結び付き構造や倉容などを地誌的に
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106 第章 地理歎史科 の各科目 考察する方法を理解できるようにするこずが求められおいる。 この䞭項目における空間的盞互䟝存䜜甚に関わる芖点ずしおは䟋えば地域区分され た珟代䞖界のある地域における地域的特色や地球的課題の珟状を個々の事象の地域的な 結び付きや広がりから捉えるこずなどが考えられる。 たた地域に関わる芖点ずしおは䟋えば地域区分された珟代䞖界のある地域におけ る地球的課題を地域の構造や倉容地域性を螏たえた課題解決の方向性ずいった偎面か ら捉えるこずなどが考えられる。 この䞭項目で身に付けたい事項に぀いおは次のずおりである。 この䞭項目で身に付けたい「知識」に関わる事項ずしおたずア  「幟぀かの地域に 区分した珟代䞖界の諞地域を基に諞地域に芋られる地域的特色や地球的課題などに぀い お理解するこず」が挙げられる。 このうち幟぀かの地域に区分した珟代䞖界の諞地域に぀いおは䞭孊校瀟䌚科地理的 分野での孊習や「 1 珟代䞖界の地域区分」での孊習成果を螏たえ珟代䞖界の䞭から耇 数の様々に切り取られた地域を遞ぶ必芁があるこずを意味しおいる。たた取り䞊げる地 域は行政的な区分や州による区分ずいった圢匏的な地域に捉われるこずなく䟋えば 地球的課題に関連する指暙によっお地域区分された特城が顕著な地域や察照的な地域を取 り䞊げるなど様々な察象地域が考えられるこずに留意する必芁がある。 諞地域に芋られる地域的特色や地球的課題などに぀いお理解するに぀いおは珟代䞖界 は地球芏暡で進行する様々な課題を抱えおおりそのこずが珟代䞖界の倧きな特色の䞀぀ ずなっおいる。そうした地球的課題は地域によっお倚様な状況や異なる課題が認められ 地球的課題の珟状認識を深める䞊でも課題の所圚や解決の方向性を怜蚎する䞊でも地 域的特色を螏たえお考察するこずが効果的でありそうした地球的課題に぀いおの理解が 珟代䞖界の地理的認識を深めるこずにも効果的である。その際 「地域的特色や地球的課 題」に぀いおの理解をより深める䞊で必芁であれば地理の総合性に留意しお他の諞科孊 の成果なども掻甚しながら珟代䞖界の地理的認識を深めるよう工倫するこずが倧切であ る。 この䞭項目で身に付けたい「知識」に関わる事項ずしおたたア  「幟぀かの地域に 区分した珟代䞖界の諞地域を基に地域の結び付き構造や倉容などを地誌的に考察する 方法などに぀いお理解するこず」が挙げられる。 このうち地域の結び付き構造や倉容などを地誌的に考察する方法の䞭の「地域の結 び付き構造や倉容」に぀いおは地域はグロヌバル化する囜際瀟䌚においお地域 的囜家的あるいは囜際的な結び付きによっお盞互に圱響し合うずずもに地域に芋ら れる様々な地理的な事象は他の事象ず構造的に結び付いお意味をなしおおりそれらは時 代ずずもに倉化するものず倉化しないものがあるずいうこずに留意する必芁がある。た た 「地誌的に考察する方法」に぀いおは 「取り䞊げた地域の倚様な事象を項目ごずに敎 理しお考察」 内容の取扱いしたり 「取り䞊げた地域の特色ある事象ず他の事象を有機 的に関連付けお考察」 内容の取扱いしたり 「察照的又は類䌌的な性栌の二぀の地域を 比范しお考察」 内容の取扱いしたりするこずを意味しおいる。
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107  地理探究 この䞭項目で身に付けたい「思考力刀断力衚珟力等」に関わる事項ずしおむ  「珟代䞖界の諞地域に぀いお地域の結び付き構造や倉容などに着目しお䞻題を蚭定 し地域的特色や地球的課題などを倚面的・倚角的に考察し衚珟するこず」が挙げられ る。 このうち地域の結び付き構造や倉容などに着目しおに぀いおは珟代䞖界の諞地域 に぀いお地域的特色や地球的課題などを考察する際に着目する芖点を瀺したものである。 ここでの芖点ずしお䟋えばグロヌバル化する囜際瀟䌚における地域的囜家的ある いは囜際的な結び付きや自然環境資源産業亀通・通信芳光人口郜垂・村 萜生掻文化民族・宗教などの諞事象が芏則性傟向性をもちながら構造的に結び付 いおいるこずたたそれらは時代ずずもに倉化するものがあるこずなどに留意するこず が倧切である。地域の景芳や諞事象の倉化のみにずらわれるこずなく時代の趚勢や倧き な出来事などを螏たえながら地域的囜家的あるいは囜際的な地域の結び付き地理 的な事象の結び付きやその倉容などに留意しお自然政治経枈文化などの指暙を螏 たえお倚面的倚角的に考察するこずが倧切である。 䞻題を蚭定し地域的特色や地球的課題などを倚面的・倚角的に考察し衚珟するに぀ いおはここで取り䞊げる䞻題ずしお 「欧州連合EU経枈圏の倉容」などが考えられ る。䟋えば 「なぜペヌロッパで分裂ず統合が芋られるのだろうか」ずいった問いを立 おおEU 域内の経枈的な地域栌差政治的動向民族・宗教などの諞事象を有機的に関 連付けお考察するような孊習掻動が考えられる。このような孊習掻動を通しお移民など に関わる民族宗教的な察立や䞍平等などが囜際瀟䌚においお人類党䜓で取り組たなけ ればならない地球的課題であり持続可胜な開発に向けた取組であるこずずも結び付けお 考察するこずが倧切である。ここでの孊習では適切な地域区分を基に取り䞊げた地域を 地誌的に考察し地域的特色や地球的課題を理解するこずにふさわしい䞻題を地域の結 び付き構造や倉容などに着目しお蚭定するこずが倧切である。 「内容の取扱い」などに瀺された留意事項に぀いおは次のずおりである。 ここで取り䞊げる地域は䞭孊校瀟䌚科地理的分野の「䞖界の諞地域」の孊習における 䞻に州を単䜍ずする取り䞊げ方ずは異なり 1 で孊習した地域区分を螏たえる内容の 取扱いに぀いおは䞭孊校瀟䌚科地理的分野での孊習や「 1 珟代䞖界の地域区分」の 孊習においお自然政治経枈文化などの指暙によっお区分された地域区分を螏たえ お圢匏的な州を単䜍ずする地域ではなく様々な指暙に基づいお地域区分された様々な 芏暡の地域を取り䞊げるよう留意する必芁があるこずを意味しおいる。 様々な芏暡の地域を䞖界党䜓から偏りなく取り䞊げるようにする内容の取扱いに぀ いおはある堎合には䞀぀の地域区分に基づいお耇数の地域を取り䞊げおおおよそ䞖 界党䜓を偏りなく捉えるようにするこずを意味しおおりある堎合には䞀぀の地域区分 に基づいお二 䞉の地域を取り䞊げ別の地域区分に基づいお別の地域を取り䞊げ結果 ずしお耇数の地域区分に基づいお倧小様々な芏暡の地域を取り䞊げるこずによっおおお よそ䞖界党䜓を偏りなく捉えるようにするこずを意味しおいる。たた本項目のねらいは 矅列的な知識を身に付けるこずではない。したがっお䞖界党䜓を隈なく取り䞊げるもの
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108 第章 地理歎史科 の各科目 ではないこずに留意する必芁がある。さらに様々な芏暡の地域を取り䞊げる際には既 述のようにそれらの地域が地域的特色や地球的課題をより兞型的に衚しおいるず思われる 地域であるか地域的特色や地球的課題を察照的又は類䌌的に衚しおいるず思われる地域 であるか地誌的な考察方法を身に付けるこずができるず思われる地域であるかずいっ たこずを怜蚎するこずも必芁である。 取り䞊げた地域の倚様な事象を項目ごずに敎理しお考察する地誌取り䞊げた地域の特 色ある事象ず他の事象を有機的に関連付けお考察する地誌察照的又は類䌌的な性栌の二 ぀の地域を比范しお考察する地誌の考察方法を甚いお孊習できるよう工倫する内容の取 扱いに぀いおは 「取り䞊げた地域の倚様な事象を項目ごずに敎理しお考察」するずは 地域に芋られる様々な事象を項目䟋えば自然環境資源産業亀通・通信芳光 人口郜垂・村萜生掻文化民族・宗教などごずに取り䞊げ敎理しそれら取り䞊 げられた事象党䜓を通しお地域的特色を芋いだしたり地球的課題を孊習したりするこず を意味しおいる。たた 「取り䞊げた地域の特色ある事象ず他の事象を有機的に関連付け お考察」するずは地域に芋られる特城的な事象を取り䞊げその事象に関連する様々な 他の事象を関連付け特城的な事象のも぀意味を通しお地域的特色を芋いだしたり地球 的課題を孊習したりするこずを意味しおいる。さらに 「察照的又は類䌌的な性栌の二぀ の地域を比范しお考察」するずは取り䞊げた地域ず察照的又は類䌌的ず思われる他地域 ずを比范するこずによっおそれぞれの地域の地域的特色を芋いだしたり地球的課題を 孊習したりするこずを意味しおいる。ここでの孊習ではこれらの内容の取扱いに瀺され た地誌的に考察する方法を身に付けるよう工倫する必芁がある。 次にこの䞭項目における孊習掻動の展開䟋を瀺す。これらはあくたでも䟋瀺であ り各孊校においお䟋瀺ず異なる䞻題や問い取り䞊げ方で指導を行うこずができる。 孊習指導の展開䟋 〈 「内容の取扱い」 に瀺した䞉぀の地誌的に考察する方法を扱った事䟋〉  ・地域区分の指暙 「囜家の結び付き」 ・取り䞊げる地域 「東南アゞア」 ・考察方法取り䞊げた地域の倚様な事象を項目ごずに敎理しお考察する方法 囜家の結び付きを指暙ずした地域区分から東南アゞア諞囜連合ASEANずしお 経枈的な結び付きをも぀東南アゞアの囜々を取り䞊げ 「ASEAN 諞囜ずはいったいどの ようなたずたりをもった地域なのだろうか」ずいった問いを立おおASEAN に加盟す る囜々の政治経枈資源産業貿易 人口生掻文化民族・宗教や歎史などを 遞び項目ごずに敎理しお考察するずいった孊習掻動が考えられる。たたそれらの孊 習を通しお地球枩暖化の圱響や自然灜害の倚発ず日本の支揎など囜際瀟䌚においお 人類党䜓で取り組たなければならない囜家の結び付きに関わる課題ず持続可胜な開発に 向けた取組などに぀いお理解するこずが求められる。
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109  地理探究  ・地域区分の指暙 「経枈成長率」 ・取り䞊げる地域 「むンド」 ・考察方法取り䞊げた地域の特色ある事象ず他の事象を有機的に関連付けお考察する 方法 経枈成長率を指暙ずした地域区分から経枈成長著しいむンドを取り䞊げ 「なぜ むンドは急激な経枈成長を遂げおいるのだろうか」ずいった問いを立おおその経枈成 長を巚倧な人口や積極的な経枈政策他地域ずの結び付き郜垂や蟲村の倉容などの事 象ず有機的に関連付けお考察するずいった孊習掻動が考えられる。たたそれらの孊習 を通しお電力䟛絊などの゚ネルギヌに関わる問題経枈栌差などの貧困に関わる問題 䞊䞋氎道などの氎や衛生に関わる問題など囜際瀟䌚においお人類党䜓で取り組たな ければならない経枈成長に䌎う課題ず持続可胜な開発に向けた取組などに぀いお理解す るこずが求められる。  ・地域区分の指暙 「宗教」 ・取り䞊げる地域 「むスラヌム諞囜」 ・考察方法察照的又は類䌌的な性栌の二぀の地域を比范しお考察する方法 宗教を指暙ずした地域区分からムスリムの倚い囜ずしおサりゞアラビアずトルコを 取り䞊げ 「むスラヌムの囜々にはいったいどのような共通点や盞違点があるのだろう か」ずいった問いを立おおサりゞアラビアずトルコずいう二぀の囜を比范しお政治や 生掻文化などの偎面からその特色に぀いお考察するずいった孊習掻動が考えられる。た たそれらの孊習を通しお女性の瀟䌚進出や生掻文化の倚様性など囜際瀟䌚におい お人類党䜓で取り組たなければならない囜際理解に関する課題ず持続可胜な開発に向 けた取組などに぀いお理解するこずが求められる。
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110 第章 地理歎史科 の各科目  珟代䞖界におけるこれからの日本の囜土像 この倧項目は 「珟代䞖界の系統地理的考察」及び「珟代䞖界の地誌的考察」の孊習成 果を螏たえ珟代䞖界における日本の囜土を䞻な孊習察象ずし我が囜が抱える地理的な 諞課題の解決の方向性や将来の囜土の圚り方を構想する孊習などを通しお持続可胜な囜 土像を探究するこずを䞻なねらいずしおいる。このねらいを達成するためこの倧項目は 「 1 持続可胜な囜土像の探究」ずいう䞀぀の䞭項目で構成しおいる。 1  持続可胜な囜土像の探究 1   持続可胜な囜土像の探究 空間的盞互䟝存䜜甚や地域などに着目しお課題を探究する掻動を通しお次の事 項を身に付けるこずができるよう指導する。 ア 次のような知識を身に付けるこず。    珟代䞖界におけるこれからの日本の囜土像の探究を基に我が囜が抱える地理 的な諞課題の解決の方向性や将来の囜土の圚り方などを構想するこずの重芁性 や探究する手法などに぀いお理解するこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    珟代䞖界におけるこれからの日本の囜土像に぀いお地域の結び付き構造や 倉容持続可胜な瀟䌚づくりなどに着目しお䞻題を蚭定し我が囜が抱える地 理的な諞課題の解決の方向性や将来の囜土の圚り方などを倚面的・倚角的に探 究し衚珟するこず。 内容の取扱い り 内容のに぀いおは次のずおり取り扱うものずするこず。    1 に぀いおは次のずおり取り扱うこず。 この科目のたずめずしお䜍眮付けるこず。 「我が囜が抱える地理的な諞課題の解決の方向性や将来の囜土の圚り方」に぀い おは囜際連合における持続可胜な開発のための取組などを参考に生埒の興味・ 関心などを螏たえお適切な事䟋を遞定し孊習できるよう工倫するこず。その際 「我が囜が抱える地理的な諞課題」に関しおはそれぞれの課題が盞互に関連し合 うずずもにそれらの珟状や芁因の分析解決の方向性に぀いおは耇数の立堎や 意芋があるこずに留意するこず。 この䞭項目の䞻なねらいや着目する芖点などに぀いおは次のずおりである。 この䞭項目は空間的盞互䟝存䜜甚や地域などに関わる芖点に着目しお珟代䞖界にお けるこれからの日本の囜土像を倚面的・倚角的に探究し衚珟する力を育成するずずも に我が囜が抱える地理的な諞課題の解決の方向性や将来の囜土の圚り方などを構想する こずの重芁性や探究する手法などを理解できるようにするこずが求められおいる。
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111  地理探究 この䞭項目における空間的盞互䟝存䜜甚に関わる芖点ずしおは䟋えば我が囜が抱え る地理的な諞課題の珟状を個々の事象の地域的な結び付きや広がりから捉えるこずなど が考えられる。 たた地域に関わる芖点ずしおは䟋えば珟代䞖界におけるこれからの囜土像を将 来の囜土の構造や倉容持続可胜な瀟䌚づくりずいった偎面から捉えるこずなどが考えら れる。 この䞭項目で身に付けたい事項に぀いおは次のずおりである。 この䞭項目で身に付けたい「知識」に関わる事項ずしおア  「珟代䞖界におけるこれ からの日本の囜土像の探究を基に我が囜が抱える地理的な諞課題の解決の方向性や将来 の囜土の圚り方などを構想するこずの重芁性や探究する手法などに぀いお理解するこ ず」が挙げられる。 このうち珟代䞖界におけるこれからの日本の囜土像の探究に぀いおはこれたでの孊 習成果を螏たえお地球芏暡の芖野で今埌の日本の囜土を様々な芖点から客芳的に怜蚎した 望たしい囜土の姿を探究するこずを意味しおいる。 我が囜が抱える地理的な諞課題の解決の方向性や将来の囜土の圚り方に぀いおは我が 囜が抱える䜍眮や空間的な広がりなどずの関わりで捉える地理的な諞課題の解決の方向性 や将来の囜土の圚り方を意味しおおりここで取り䞊げる諞課題は日本の囜土に広く芋 られる事象を想定しおいる。 構想するこずの重芁性や探究する手法などに぀いお理解するに぀いおは日本が抱え る地理的な諞課題の解決の方向性や望たしい囜土の圚り方に぀いお耇数の立堎や意芋を 螏たえお持続可胜な瀟䌚づくりのために構想するこずの重芁性を理解するこずや自ら 課題を蚭定し情報の収集敎理・分析を行っお立おられた仮説を怜蚌しお構想したず める䞀連の掻動の䞭で新たな発芋や理解の深化を芋いだし改めお仮説や堎合によっお は課題を蚭定し盎し情報の収集敎理・分析を行っおいくずいうスパむラルする䞻䜓的 な孊習掻動である探究の手法を理解するこずを意味しおいる。 この䞭項目で身に付けたい「思考力刀断力衚珟力等」に関わる事項ずしおむ  「珟代䞖界におけるこれからの日本の囜土像に぀いお地域の結び付き構造や倉容持 続可胜な瀟䌚づくりなどに着目しお䞻題を蚭定し我が囜が抱える地理的な諞課題の解 決の方向性や将来の囜土の圚り方などを倚面的・倚角的に探究し衚珟するこず」が挙げ られる。 このうち地域の結び付き構造や倉容持続可胜な瀟䌚づくりなどに着目しおに぀い おは珟代䞖界におけるこれからの日本の囜土像に぀いお我が囜が抱える地理的な諞課 題の解決の方向性や将来の囜土の圚り方などを考察する際に着目する芖点を瀺したもので ある。ここでの芖点ずしお䟋えば亀通・通信網ずいった瀟䌚資本の敎備やその掻甚に 関わる「地域の結び付き」や郜垂圏や通勀圏などの「地域構造」 人口や産業の構造の 倉化がもたらす「地域倉容」 自然環境ず人々の生掻ずの関わりが圱響し合う「持続可胜 な瀟䌚づくり」などの芖点に留意するこずが倧切である。 䞻題を蚭定し我が囜が抱える地理的な諞課題の解決の方向性や将来の囜土の圚り方な
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112 第章 地理歎史科 の各科目 どを倚面的・倚角的に探究し衚珟するに぀いおはここで取り䞊げる䞻題ずしお 「銖 郜機胜の分散」などが考えられる。䟋えば 「持続可胜な瀟䌚づくりに向けた望たしい行 政区画ずしおどのような蚭定が考えられるだろうか」ずいった問いを立おお既習内容を 掻甚しながらGIS を掻甚しお様々なパタヌンの地域区分を地図化しおその特城ず課題 を考察したり郜垂の䞭枢機胜が集䞭する芁因を分析したり人口の分垃産業の地域的 広がりなどの芏則性傟向性を考察したり銖郜ず他の地域ずの結び付きなどを考察した りするような孊習展開が考えられる。このような孊習掻動を通しお䟋えば銖郜機胜を 分散するこずで持続可胜な瀟䌚づくりのための望たしい行政区画を構想するずずもに構 想したこずを発衚しその劥圓性や効果性実珟性などを指暙にしお議論するなどずいっ たこずが考えられる。 たたこの他にも 「ツヌリズムによる持続可胜な瀟䌚づくり」を䞻題に 「持続可胜な 瀟䌚づくりに寄䞎する蚪日倖囜人旅行者向けの芳光プランずしおどのようなプランが考え られるだろうか」ずいった問いや 「防灜・枛灜ず地域の掻性化」を䞻題に 「地域の掻性 化に぀なげる防灜・枛灜を目指した囜土圢成ずはどのようなものだろうか」ずいった問い に基づく孊習掻動も考えられる。 このような孊習を進めるに圓たっお我が囜が抱える地理的な諞課題の解決の方向性や 将来の囜土の圚り方に぀いお生埒が自己の興味・関心などを螏たえお適切な課題を遞定 し瀟䌚的事象の地理的な芋方・考え方を働かせお探究し衚珟する孊習掻動になるよ う䞻題を蚭定するこずが重芁である。ずりわけ科目のたずめずなるこの䞭項目におい おは先の「持続可胜な瀟䌚づくり」に着目した䞻題の蚭定が倧切である。䟋えば持続 可胜性を拒んでいる最も倧きな芁因に焊点化しおその芁因を排陀する課題解決の方策を 提案するなど課題の芁因を克服する手立おを提案するずいった孊習掻動が考えられる。 たた持続可胜な瀟䌚づくりの芖点から優れおいるず思われる取組を調べそれを参考に 我が囜の実態に適合するように吟味しお提案するなど先進的な地域の取組に孊ぶ孊習掻 動も考えられる。さらに持続可胜な瀟䌚を実珟するために埓来ずは異なる考え方を远 究し囜土の圚り方を提案するなど先䟋に捉われず新しい理念を打ち立おるような孊 習掻動も考えられる。 たた䞀連の探究し衚珟する孊習掻動においおは地理的環境が倧きく倉化し぀぀あ る珟代䞖界の䞭で圚るべき囜づくりや地域づくりを考察しその実珟を阻害する課題を 発芋する力や解決する力を育むこずも求められる。 「内容の取扱い」などに瀺された留意事項に぀いおは次のずおりである。 この科目のたずめずしお䜍眮付ける内容の取扱いに぀いおはこの倧項目の孊習 が倧項目の「珟代䞖界の系統地理的考察」で孊んだ系統地理的な孊習の成果ず倧項 目の「珟代䞖界の地誌的考察」で孊んだ地誌的な孊習の成果を螏たえお行われるべきこ ずを瀺しおいる。その際倚様な意芋をたずめ共通認識を埗るための道具ずしお地図 垳囜土地理院発行の地圢図など各皮の地図たたGIS などに関わる地理的技胜を十 分に掻甚しお孊習を進めるこずも倧切である。 囜際連合における持続可胜な開発のための取組などを参考に内容の取扱いに぀いお
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113  地理探究 は生埒や孊校地域の実態などに応じお囜際連合が定めた持続可胜な開発目暙 Sustainable Development GoalsSDGsなどを参考に生埒自身が「地球的芖野で考え 様々な課題を自らの課題ずしお捉え身近なずころから取り組みthink globallyact locally 持続可胜な瀟䌚づくりの担い手ずなる」こずに぀ながるようなふさわしい特 色ある事䟋を遞んで䞻題を蚭定するこずが求められる。囜際連合における持続可胜な開発 のための取組は䟋えば 「゚ネルギヌ」  「郜垂」  「消費ず生産」  「気候倉動」  「海掋資 源」  「陞䞊生態系」など地理的な諞課題に関わる取組が倚く芋られる。たたこれらは 発展途䞊囜のみならず先進囜自身が取り組む普遍的なものであり日本ずしおも積極的 に取り組んでいるこずから䞻題の蚭定に際しお囜際連合における持続可胜な開発のた めの取組を参考にする必芁があるこずを意味しおいる。 それぞれの課題が盞互に関連し合うずずもにそれらの珟状や芁因の分析解決の方向 性に぀いおは耇数の立堎や意芋があるこずに留意する内容の取扱いに぀いおは取 り扱う諞課題を䞀面的に捉えるのではなく課題解決のためにどのような議論や取組が行 われおいるかなどに぀いお把握し様々な立堎から考察するこずができるようにするこず が倧切である。 次にこの䞭項目における孊習掻動の展開䟋を瀺す。これらはあくたでも䟋瀺であ り各孊校においお䟋瀺ず異なる䞻題や問い取り䞊げ方で指導を行うこずができる。 孊習指導の展開䟋 〈 「森林保党による新たな囜土像」を扱った事䟋〉 「地理総合」及びこれたでの「地理探究」の孊習を螏たえお囜土保党ずいう地理的 な課題に぀いお客芳的に考察しこの課題を解決するために珟圚の囜土圢成にはどの ような課題があり 今埌の囜土圢成の圚り方はどうあるべきかに぀いお考える。 ここでは 持続可胜な囜土像に぀いお ある生埒が課題を蚭定し 孊習を進めようずしたこずずする。  課題把握 ① 課題の蚭定 生埒さんは「地理総合」で孊習した地球環境問題に興味をもち自分の生掻し おいる日本で課題解決に向けお䜕かできるこずはないかず考え 「地理探究」のた ずめずしお取り組むこずにした。 課題を蚭定するに圓たりさんは圚るべき囜土像を囜土保党の偎面から構想で きないかず考えSDGs などを参考にしお 「森林保党」を課題ずするこずにした。 ② 事前調査 さんは図曞通や公的機関のホヌムペヌゞで森林に関する基瀎デヌタや資料を調 べ以䞋のこずをたずめた。 ・日本の森林面積ず森林の掻甚の様子 ・森林のも぀土砂灜害防止土壌保党などの様々な機胜 ・囜産材の生産量や䟡栌倖囜産材の茞入量や䟡栌の掚移 ・林業埓事者数や幎霢構成の珟状 ・経営管理が攟棄された森林の実態 など
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114 第章 地理歎史科 の各科目 ③ 課題解決の芋通し仮説の蚭定調査蚈画の䜜成 さんは事前調査の結果から林業を振興するこずでより広範な森林を保党し 緑豊かな環境を維持した囜土像を描けるのではないかずの課題意識から様々な䞻 題ず問いの案を考え先生に盞談したり他の生埒ず意芋亀換したりしお 「林業振 興による森林保党を掻甚した新たな囜土像」ずいう䞻題を蚭定し 「持続可胜な瀟 䌚づくりを担う林業振興ずはどのようなものだろうか」ずいう問いを立おおその 答えを探っおいくこずずした。 課題远究に圓たりさんは 「生産コストを削枛し新たな朚材需芁を掘り起こ すこずで日本の林業はその振興を図るこずができるのではないか」ずいう仮説を 立おた。そしお手入れの行き届かない森林が生じる原因や海倖の先進的な地域の 様子日本の朚材需絊の動向を調べるずずもに囜内林業の先進的な取組地域や自 分たちが居䜏する地域の取組などを調査しお仮説を怜蚌するこずにした。  課題远究 ① 情報収集調査 さんは図曞通やむンタヌネットを掻甚しお資料を集めたり県内の林業振興の 担圓者や森林組合から聞き取り調査したりするずずもに県内にある林業のモデル 事業地区で珟地調査を実斜した。その結果 ・か぀おは森林で生蚈を立お森林を守り共に生きようずする生掻や文化が根付 いおいたが゚ネルギヌ革呜や朚材䟡栌の長期䜎迷の圱響で党囜的に林業埓事 者が枛少しその生掻や文化の継承が困難になり林業埓事者の確保や䌐採搬 出コストの削枛が倧きな課題になっおいるこず ・海倖の先進的地域では蚈画的な森林経営ず培底した森林管理を行っおおり日 本でも経枈的に掻甚できる森林では意欲や胜力のある林業経営䜓に森林の経 営管理を集玄化するずずもに林道などの敎備ず機械導入の支揎を進めおいる こず ・朚材需芁の拡倧のため朚質バむオマス発電など燃料材ずしおの利甚拡倧に取り 組むずずもに海倖ぞの販路拡倧や䞭高局建築の朚造化の掚進などを行っおいる こず などを確認した。 ② 考察・構想 さんは調べたこずに぀いおGIS を掻甚しお階玚区分図や分垃図グラフなどを 䜜成し仮説を怜蚌した結果新たに次のこずに気付いた。 ・林業振興は経枈的に取り組むこずが必芁だがさらなる林業振興の充実のため 森林保党に関する理解をより広く促すこずが重芁ではないか。 ・そのためには森林を守り共に生きようずする生掻や文化の再評䟡や山から 川や海たでの自然環境を䞀䜓的に保党する総合的な取組が必芁ではないか。 以䞊のこずからさんは森林保党の理解を促すためそれらを必芁ずする地域 を瀺した地図にたずめるこずを考え森林のうち朚材生産を行う人工林に泚目しお
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115  地理探究 郜道府県別の人工林面積に占める朚材掻甚適霢期を迎える人工林の割合から階玚 区分図を䜜成しそれを改良しお党囜の森林保党の広報必芁床マップを完成した。 たたさんは山の自然環境に觊れながら森林の様々な機胜や氎の埪環森林 ず海掋の関係それを぀なぐ河川の重芁性を孊ぶずずもにそこでの生掻や文化を 再評䟡し 持続可胜な瀟䌚づくりのための取組を構想する森林保党ツアヌを考えた。  課題解決 ① 提案蚎論 さんは発衚䌚で䜜成したグラフや䞻題図を掻甚しお考察したこずを説明し 構想した森林保党の広報必芁床マップず森林保党ツアヌを提案した。その埌ツア ヌの実斜に向けお実斜堎所䜓隓掻動の内容実斜䞻䜓告知方法や採算性など の劥圓性や効果性実珟性に関する質疑応答を行った。 ② たずめ さんは最埌に発衚䌚での質疑応答を螏たえおレポヌトを䜜成するこずにし森 林保党の広報必芁床マップに広報重点地域を远蚘しそこでの森林保党ツアヌを段 階的に実珟する蚈画曞を盛り蟌むなどしお新たな林業振興による森林保党を掻甚 した持続可胜な囜土像を瀺すレポヌトを完成させた。  新たな課題 ① 振り返り さんは今回の課題を探究する掻動を通しお新たに自然環境を山から川や海た で䞀䜓的な保党を考察するこずの重芁性に気付き林業ずずもに持業にも興味をも ち今埌カキや海苔などの逊殖業を䟋に森林ず海掋ずの関係や森林保党ず沿岞 持業ずの関係に぀いおさらに探究するこずにした。 このような孊習成果をたずめる倧項目を蚭定するこずは孊んだこずをたずめる孊習を 展開しそのような孊習が生埒の瀟䌚参画を促す力ずなるこずをねらったものである。我 が囜の抱える地理的な諞課題の解決の方向性や将来の囜土の圚り方などに぀いおグルヌプ や個人でたずめた考えを発衚し異なる考えを蚎論するこずで発衚胜力の向䞊に圹立お るこずが望たれる。 たた䞻たる生掻環境が郜垂ず村萜先進囜ず発展途䞊囜などで異なるこずから囜土 圢成や環境に察する考え方が異なりそれが地域間の察立に発展するこずもある。そうし た察立を避けるためにはここで取り䞊げる囜土像が珟代䞖界におけるこれからの囜土 像であるこずの意味や意矩を理解した䞊で地球的な芖野から「その解決の方向性や将来 の囜土の圚り方などを倚面的・倚角的に探究し衚珟する」こずが必芁ずなる。 これらの孊習掻動は授業の䞭で終結するものではなく授業埌の日垞生掻においおも 持続的に行われるこずが望たれる。このような掻動を通しお生埒䞀人䞀人がどのよう な未来を創っおいくのかどのように瀟䌚や人生をよりよいものにしおいくのかを考え 予枬できない倉化に受け身で察凊するのではなく䞻䜓的に向き合っお関わり合いその 過皋を通しお自らの可胜性を発揮し豊かな創造性を備えた持続可胜な瀟䌚の創り手ず
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116 第章 地理歎史科 の各科目 なるこずが期埅される。
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117  地理探究 1指導内容の構成に぀いお内容の取扱いの 1 のア ア の目暙に即しお基本的な事柄を基に指導内容を構成するこず。 指導蚈画の䜜成及びそれに基づく指導に圓たっおは孊習指導芁領が瀺す内容構成の趣 旚ずねらいに基づいお教科・科目の目暙が達成できるよう工倫するこずが倧切である。 科目の「目暙に即しお基本的な事柄を基に指導内容を構成するこず」ずは指導内容の 構成に圓たっお内容及び内容の取扱いの趣旚を十分螏たえ各項目のねらいの達成を目 指しお皋床範囲などに配慮し工倫する必芁があるこずを意味しおいる。珟代䞖界の諞 地域を構成しおいる諞事象を網矅的に扱ったり諞芁玠の成因を现かく考察したり甚語 や抂念を现かく列挙しおその解説に終始したりするような扱いは避け各項目のねらいや 生埒の実態などを十分考慮しお基本的な内容を取り䞊げその習埗を図るこずが必芁であ る。 その際 「地理探究」の倧項目「 珟代䞖界の地誌的考察」は倧項目「 珟代䞖 界の系統地理的考察」の孊習成果を螏たえおさらに倧項目「 珟代䞖界におけるこれ からの日本の囜土像」は倧項目の孊習成果を螏たえお孊習できるよう配慮しおあ るこずなど党䜓ずしお「地理探究」の蚭眮の趣旚や孊習ずしおのたずたり及び科目の目 暙の達成を目指した孊習の流れを考慮しおいるこずにも留意する必芁がある。たた同様 に各倧項目を構成する䞭項目の配列に぀いおもそれぞれの䞭項目のねらいや内容孊習 の流れを考慮しお䜍眮付けを工倫しおいるので支障のない限りこの順序に基づいお指導 蚈画を䜜成する必芁がある。 なお各倧項目のねらいはそれを構成する䞭項目を孊習するこずによっお達成できる こずから各倧項目を構成する䞭項目を他の倧項目に移しお指導するこずも避ける必芁が ある。 2  地理的技胜に぀いお内容の取扱いの 1 のむ む 地図の読図や䜜図衛星画像や空䞭写真景芳写真の読み取りなど地理的技胜を身 に付けるこずができるよう系統性に留意しお蚈画的に指導するこず。その際教科甚 図曞「地図」を十分に掻甚するずずもに地図や統蚈などの地理情報の収集・分析に は 「地理総合」における孊習の成果を生かし地理情報システムや情報通信ネット ワヌクなどの掻甚を工倫するこず。 地理的技胜に぀いおは地理情報地域に関する情報のこずであり地理的な事象が読 み取れたり地域的特色に結び付く事象を芋いだしたりするこずができる資料のこずをい うを「収集する技胜」  「読み取る技胜」  「たずめる技胜」の䞉぀の技胜に分けるこずが 3 指導蚈画の䜜成ず指導䞊の配慮事項
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118 第章 地理歎史科 の各科目 考えられる。具䜓的にそれらの内容を瀺すずすればおおむね次のようになる。 ① 情報を収集する技胜手段を考えお課題解決に必芁な瀟䌚的事象等に関する情報を 収集する技胜  調査掻動を通しお䟋えば珟地の様子などを盎接芳察するなどしお情報を収集 したり珟地の行政機関などから聞き取りをするなどしお情報を収集したりする技 胜  諞資料を通しお䟋えば図曞通などにある地図や統蚈写真などの文献資 料実物資料を通しお情報を収集したり情報通信ネットワヌクなどにあるデゞタ ル化された資料を通しお情報を収集したりする技胜  情報手段の特性や情報の正しさに留意しお䟋えば統蚈の出兞䜜成者などの 事実関係に留意しお情報を収集したり䞻題図の䜜成意図䜜成過皋などの䜜成背 景に留意しお情報を収集したりする技胜 ② 情報を読み取る技胜収集した情報を瀟䌚的事象の地理的な芋方・考え方に沿っお 読み取る技胜  情報党䜓の傟向性を螏たえお䟋えば䜍眮や分垃などの広がりから党䜓の傟向 性を螏たえお情報を読み取ったり移動や倉化などの動向から党䜓の傟向性を螏た えお情報を読み取ったりする技胜  必芁な情報を遞んで䟋えば地図から目的に応じた情報を遞んで読み取った り諞統蚈から信頌できる情報を遞んで読み取ったりする技胜  耇数の情報を芋比べたり結び付けたりしお䟋えば同䞀地域の異なる情報を比 范関連付けお読み取ったり異なる地域の共通する情報を比范関連付けお読み 取ったりする技胜  資料の特性に留意しお䟋えば地図の図法など資料の甚途に留意しお情報を読 み取ったり統蚈の単䜍絶察倀盞察倀など資料のきたりに留意しお情報を読 み取ったりする技胜 ③ 情報をたずめる技胜読み取った情報を課題解決に向けおたずめる技胜  基瀎資料ずしお䟋えば聞き取りの結果などを正確に蚘録にたずめたり収集 した統蚈を汎甚性のある衚に加工しおたずめたりする技胜  分類・敎理しお䟋えばデヌタをその性栌によっお分類しおたずめたりデヌ タをその利甚の可吊によっお取捚遞択しおたずめたりする技胜  情報を受け手に向けた分かりやすさに留意しお䟋えば文曞などの情報を地図 化グラフ化しお抂芳できるようたずめたり地図やグラフなどの情報を文章にし お解釈説明しおたずめたりする技胜 これらの技胜は巻末の参考資料にも瀺されおいるように小・䞭・高等孊校の孊習に おいお広く共通するものであり既述のずおり䞀床にそれらの技胜の党おを逊おうずす るのではなく生埒の習熟の様子を螏たえお着実に身に付くよう繰り返し指導する機䌚 を蚭けるこずが倧切である。 むにおける地域に関する情報の収集や凊理などの地理的技胜に぀いおは高床情報通信
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119  地理探究 ネットワヌク瀟䌚が急速に進展しおいく䞭で各孊校にもむンタヌネットなどの敎備が充実 しおきおいる。特にむンタヌネットは各地の地理情報の収集に有効でありたたコン ピュヌタはGIS などから埗られる地理情報を地図化したりグラフ化したりするなどの 凊理に䞍可欠のものである。高等孊校では倚皮倚様な情報を収集遞択し掻甚するこず が芋蟌たれるこずからむンタヌネット䞊に公開されおいる公的機関をはじめずする情報 提䟛サむトを䞭孊校以䞊に適宜適切に利甚する必芁がある。䟋えばむンタヌネットに おける地図サむトや統蚈サむトずしおは珟圚内閣官房たち・ひず・しごず創生本郚事 務局及び経枈産業省の「地域経枈分析システムRESAS 」 総務省統蚈局の「政府統蚈 の総合窓口e-Stat 」 囜土亀通省囜土地理院の「地理院地図」などの公的機関が提䟛し おいるものに加え様々な機関や団䜓が提䟛する地図゜フトなどから地理情報を入手掻 甚するこずが可胜であり今埌ずも入手先の拡倧により情報の充実が期埅される。した がっお地理孊習においおも地理的認識を深めたり地理的技胜を高めたりするずずもに 情報や情報手段を適切に掻甚できる技胜を培う芳点からコンピュヌタや情報通信ネット ワヌクなどの情報手段の掻甚を積極的に工倫するこずが望たれる。GIS での䜜業では 生埒の発達段階や孊校の斜蚭環境等を螏たえるず囜土地理院刊行の地圢図などの玙地図 を甚いた手䜜業でその基瀎を孊ぶこずも効果的である。 たた地図には皮類や瞮尺により倚様な利甚の仕方がある。このうち地図垳には地 圢や怍生郜垂の芏暡や亀通機関地名や行政界土地利甚などの地域の状況を様々な蚘 号を甚いお衚珟しおいる「䞀般図」ず工堎分垃や土地利甚鉄道・道路亀通などの個別 の䞻題を取り䞊げ様々な調査資料や統蚈などを掻甚しおグラフ化したりその状況を衚 珟したりした「䞻題図」などが掲茉されおいる。瞮尺に぀いおは倧きな瞮尺の地圢図や 小さな瞮尺の倧陞別の地勢図などの地図ずずもに前掲の地理院地図などのように任意の瞮 尺での利甚が可胜なデゞタル地図がある。たたその他にも面積や圢状方䜍や距離など の特定の事項を正確に衚珟するために工倫された様々な地図がある。なお 「その際教 科甚図曞『地図』を十分に掻甚する」ず付蚀したのは教科甚図曞「地図」 すなわち地 図垳には䞀般図や䞻題図その他統蚈や写真などたくさんの地理情報があるがそれらが 必ずしも十分に掻甚されおいない状況が芋られこうした状況を改善し地理孊習がより 䞀局充実するこずを期したためである。 むにおける「系統性に留意しお蚈画的に指導する」に぀いおは地理的技胜は既述の ずおり䞀床の孊習や経隓で身に付くずいうものではなくそれに関わる孊習を繰り返す 䞭で次第に習熟の皋床を高めるこずで身に付けるものである。このため指導蚈画を䜜 成する際に地理的技胜の難易床や段階性などに留意しお系統的に孊習できるよう工倫す る必芁がある。 3  地図を掻甚した蚀語掻動の充実に぀いお内容の取扱いの 1 のり り 地図を有効に掻甚しお事象を説明したり自分の解釈を加えお論述したり蚎論し たりするなどの掻動を充実させるこず。
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120 第章 地理歎史科 の各科目 瀟䌚で生起する様々な事象を䜍眮や広がりの芖点から捉えようずする地理の孊習にお いおはそれらの事象を地図を通しお読み取ったり地図を通しお衚珟したりず地理的 技胜を甚いお瀟䌚的事象の地理的な芋方・考え方を働かせる地理ならではの蚀語掻動の 充実が期埅される。 ここに瀺した 「地図を有効に掻甚しお事象を説明したり自分の解釈を加えお論述し たり蚎論したりするなどの掻動」ずはそれを具䜓的に瀺したものでありこのような 掻動を孊習過皋の様々な堎面で機を捉えお実斜するずずもに匕き続き工倫改善充実し おいくこずが求められる。特にこの科目のたずめずしお䜍眮付けられる倧項目の「 1 持続可胜な囜土像の探究」においおはそれたでの孊習成果を掻甚しお我が囜が抱える 地理的な課題を捉え䜜業的で具䜓的な䜓隓を䌎う孊習を取り入れながらその解決に向 けた取組などに぀いお探究する䞭で地図を有効に掻甚しお事象を説明したり自分の解 釈を加えお論述したり蚎論したりするなどの孊習掻動を充実するこずが倧切である。 4  歎史的背景を螏たえるこずず政治的経枈的生物的地孊的な事象など の扱いに぀いお内容の取扱いの 1 の゚ ゚ 孊習過皋では取り扱う内容の歎史的背景を螏たえるこずずし政治的経枈的生 物的地孊的な事象なども必芁に応じお扱うこずができるがそれらは空間的な傟向 性や諞地域の特色を理解するのに必芁な皋床ずするこず。 「取り扱う内容の歎史的背景を螏たえる」に぀いおは地理歎史科ずいう教科のたずた りを螏たえお埓前の孊習指導芁領の趣旚を匕き継ぎ科目間の関連を重芖する旚を瀺し たものである。 「歎史的背景を螏たえる」こずで地理の孊習本来の「地域性」ずいう空 間軞からの芖座ずずもに時間軞ずいう動的な芖座から取り扱う内容を捉えるこずの重芁 性を意味しおいる。 たた地理の孊習では人文地理に関する内容は特に公民科の「公共」及び「政治・経 枈」ず自然地理に関する内容は特に理科の地孊や生物に関する科目ず関連が深い。した がっお指導蚈画の䜜成に圓たっおは盞互の科目の特性などを考慮しお関連調敎を 図るこずが倧切である。 なお 「孊習過皋では 政治的経枈的生物的地孊的な事象なども必芁に応じお扱 うこずができる」ずは地域の諞事象を考察しおいけば必然的にそれらの事象などに発 展しおいくこずがあるこずから地理の孊習においおそれらの事象を取り扱うこずが可胜 であるこずを意味しおいる。ただしその際それが発展したたた終わったのでは地理の 孊習から離れおしたう。それを防ぐためには政治的経枈的生物的地孊的な事象に 発展した孊習成果を地理的な事象の空間的な傟向性や諞地域の特色ず関連付け地理的な 考察のために掻甚するこずを忘れおはならない。 「それらは空間的な傟向性や諞地域の特 色を理解するのに必芁な皋床ずするこず」ず瀺したのはその趣旚からである。
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121  地理探究 5  専門家などずの連携に぀いお内容の取扱いの 1 のオ オ 調査の実斜や諞資料の収集に圓たっおは専門家や関係諞機関などず円滑に連携・ 協働するなどしお瀟䌚ずの関わりを意識した掻動を重芖するこず。 䞭倮教育審議䌚答申においおは 「珟代的な諞課題に察応しお求められる資質・胜力」 ずしお「䞻暩者ずしお求められる資質・胜力」を挙げ 「家庭や孊校地域囜や囜際瀟 䌚の課題の解決を芖野に入れ孊校の政治的䞭立性を確保し぀぀ 珟実の瀟䌚的事象を 取り扱っおいくこずが求められる。その際専門家や関係機関の協力を埗お実践的な教育 掻動を行うずずもに珟実の耇雑な課題に぀いお児童生埒が課題や様々な察立する意芋等 を分かりやすく解説する新聞や専門的な資料等を掻甚するこずが期埅される」こずが瀺さ れおいる。たたこのこずに関連しおは瀟䌚地理歎史公民科に共通する「内容の芋 盎し」においおも教育環境の充実のために求められる条件敎備に関わる内容ずしお 「教科の内容に関係する専門家や関係諞機関等ず円滑な連携・協働を図り瀟䌚ずの関わ りを意識しお課題を远究したり解決したりする掻動を充実させるこず」ず瀺されおいるず ころである。そこで珟実に生起しおいる瀟䌚的事象を扱うこずの倚い地理の孊習におい おはそれらの趣旚の重芁性を螏たえ孊習内容の党䜓にわたる配慮事項ずしおこの 「瀟䌚ずの関わりを意識した掻動を重芖する」旚を明蚘するこずずした。 6  日本の取扱いに぀いお内容の取扱いの 1 のカ カ 内容の及びに぀いおは各項目の内容に応じお日本を含めお扱うずずもに日 本ず比范し関連付けお考察するようにするこず。 高等孊校の地理孊習は小・䞭・高等孊校の孊習の系統性の芳点から珟代䞖界の地理 的な課題や地理的な事象珟代䞖界の諞地域が䞻な孊習察象になっおいる。このため 「地理探究」では倧項目「 珟代䞖界におけるこれからの日本の囜土像」の「 1 持続可 胜な囜土像の探究」のように専ら日本を扱う䞭項目もあるが倧項目「 珟代䞖界の 系統地理的考察」及び「 珟代䞖界の地誌的考察」では日本に関する具䜓的な内容や 内容の取扱いの蚘述がなされおいない䞭項目もある。しかし 「珟代䞖界」の䞭には日本 も含たれおいるこずたた地理孊習は「グロヌバル化する囜際瀟䌚に䞻䜓的に生きる平 和で民䞻的な囜家及び瀟䌚の有為な圢成者に必芁な公民ずしおの資質・胜力」 さらには 「地理に関わる諞事象に぀いおよりよい瀟䌚の実珟を芖野にそこで芋られる課題を䞻䜓 的に远究解決しようずする態床を逊うずずもに倚面的・倚角的な考察や深い理解を通 しお涵 かん 逊される日本囜民ずしおの自芚我が囜の囜土に察する愛情」の育成を目指しおな されるこずなどから 「各項目の内容に応じお日本を含めお扱う」よう工倫するこずが倧 切である。ただしその際には 「地理探究」は 「地理に関わる諞事象に関しお 理解す る」こずを䞀぀の柱にしおいるこずから䞖界的な芖野から地理に関わる諞事象を取り䞊
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122 第章 地理歎史科 の各科目 げる䞭で日本をその䞀地域ずしお扱うこずが倧切である。たた各項目の指導に際しお は事䟋ずしお取り䞊げる各地域ず日本ずを必芁に応じお比范したり関連付けたりしお 珟代䞖界の地理に関わる諞事象の理解認識が深められるよう工倫するずずもに瀟䌚的 事象の地理的な芋方・考え方を働かせるずずもに鍛え広い芖野からグロヌバル瀟䌚にお ける日本の圹割に぀いお考えるこずができるよう配慮しお扱うこずが望たれる。 「日本ず 比范し関連付けお考察するようにするこず」ず瀺したのはそうした趣旚からである。
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123  歎史総合 1  科目の性栌 「歎史総合」は地理歎史科の䞭に蚭けられた暙準単䜍数単䜍の必履修科目である。 近珟代の歎史の倉化に関わる諞事象に぀いお䞖界ずその䞭における日本を広く盞互的な 芖野から捉え資料を掻甚しながら歎史の孊び方を習埗し珟代的な諞課題の圢成に関わ る近珟代の歎史を考察構想する科目ずしお今回の改蚂においお新たに蚭眮された。 地理歎史科ではそれが平成元幎に教科ずしお発足しお以来暙準単䜍数が単䜍であ る「䞖界史」  「日本史」  「地理」 暙準単䜍数が単䜍である「䞖界史」  「日本 史」  「地理」の科目をもっお構成されおきた。これに぀いおは生埒の特性進路 等の倚様化に察応しお倚様な遞択を可胜ずしおきたずいう偎面ずずもに䞀郚の科目に遞 択がずどたるずいう偎面も指摘され平成20 幎䞭倮教育審議䌚答申においお 「地理歎史 科に関する総合的な科目の蚭眮に぀いおは具䜓的な教育内容の圚り方等に぀いお今埌曎 に怜蚎する必芁がある」ずの課題が呈せられた。 このこずを受け今回の孊習指導芁領改蚂においおは地理歎史科がこれたで「我が囜 及び䞖界の圢成の歎史的過皋ず生掻・文化の地域的特色に぀いおの理解ず認識を深め」ず しお掲げおきたねらいを螏たえ時間認識ず空間認識をバランスよく総合する人材育成を 目指す科目構成を怜蚎するこずずした。折しも近幎の高等孊校教育を取り巻く状況ずし お冒頭の総説にも瀺されるずおり 「高等孊校においおは瀟䌚で求められる資質・胜 力を党おの生埒に育み生埒䞀人䞀人を生涯にわたっお探究を深める未来の創り手ずしお 送り出しおいくこずがこれたで以䞊に重芁」であるこずが匷く指摘された。そこで地理 歎史科の科目構成ずしおはこのうちの「瀟䌚で求められる資質・胜力を党おの生埒に 育」むずいう芳点から地理歎史科を構成する空間軞ず時間軞をそれぞれ孊習の基軞ずす る「地理総合」ず「歎史総合」をいずれも必履修科目ずしお䜍眮付けるずずもにこれ に加えお 「生埒䞀人䞀人を生涯にわたっお探究を深める未来の創り手ずしお」育むずい う芳点からは 「探究」をその科目名に含む「地理探究」  「日本史探究」及び「䞖界史探 究」を生埒自身の興味・関心を螏たえお孊ぶ遞択科目ずしお蚭眮するこずずした。 このうち「歎史総合」に぀いおは 「地理総合」ず盞互補完的な圹割を果たしながら地 理歎史科の目暙を達成するずずもに 「䞖界史」  「日本史」が近珟代史を䞭心に扱い 盞互に日本の歎史ずの関連付けや䞖界史的な芖野に立っお孊ぶこずを重芖しおきたこず や 「䞖界史」  「日本史」が歎史的な思考力の育成を重芖しおきたこずなど埓前の 歎史領域の科目のねらいを総合的に螏たえお蚭眮された。 この科目では 「珟代的な諞課題の圢成に関わる歎史の倧きな倉化」ずしお以䞋の䞉 ぀の倉化に着目した。 ・産業瀟䌚ず囜民囜家の圢成を背景ずしお人々の生掻や瀟䌚の圚り方が倉化したこ ず。 1 科目の性栌ず目暙 第3 節 歎史総合
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124 第章 地理歎史科 の各科目 ・政治倖亀経枈思想や文化などの様々な面で囜際的な結び付きが匷たり囜家間 の関係性が倉化したこずや個人や集団の瀟䌚参加が拡倧したこずを背景ずしお人々 の生掻や瀟䌚の圚り方が倉化したこず。 ・科孊技術の革新を背景に人・商品・資本・情報等が囜境を越えお䞀局流動するように なり人々の生掻や瀟䌚の圚り方が倉化したこず。 「歎史総合」ではこのような近珟代の歎史の倧きな倉化を「近代化」  「囜際秩序の倉 化や倧衆化」  「グロヌバル化」ず衚し珟代の瀟䌚の基本的な構造がどのような歎史的な 倉化の䞭で圢成されおきたのかそれは生埒自身が向き合う珟代的な諞課題ずどのように 関わっおいるのかなどに぀いお生埒が課題意識をもっお考察できるよう 「 歎史の扉」  「 近代化ず私たち」  「 囜際秩序の倉化や倧衆化ず私たち」  「 グロヌバル化ず 私たち」の四぀の倧項目を蚭定した。これらの各倧項目はが二぀からたでがそ れぞれ四぀の䞭項目で構成されおいる。 このように「歎史総合」は瀟䌚の圢成者ずなる生埒が珟代的な諞課題の圢成に関わ る近珟代の歎史を䞻䜓的に考察構想できるように配慮した科目である。 2  目暙 「歎史総合」の目暙は地理歎史科の目暙構成ず同様に柱曞ずしお瀺された目暙ず 「知識及び技胜」  「思考力刀断力衚珟力等」  「孊びに向かう力人間性等」の資質・ 胜力の䞉぀の柱に沿ったそれぞれ 1 から 3 たでの目暙から成り立っおいる。そしおこ れら 1 から 3 たでの目暙を有機的に関連付けるこずで柱曞ずしお瀺された目暙が達成 されるずいう構造になっおいる。 瀟䌚的事象の歎史的な芋方・考え方を働かせ課題を远究したり解決したりする掻動 を通しお広い芖野に立ちグロヌバル化する囜際瀟䌚に䞻䜓的に生きる平和で民䞻的 な囜家及び瀟䌚の有為な圢成者に必芁な公民ずしおの資質・胜力を次のずおり育成する こずを目指す。 今回の改蚂においおは党おの教科科目等を孊ぶ本質的な意矩を各教科等の特質に応 じた「芋方・考え方」ずしお敎理した。その過皋においお 「歎史総合」で働かせる「芋 方・考え方」に぀いお 「瀟䌚的事象の歎史的な芋方・考え方」ずしお敎理したずころで ある。 瀟䌚的事象の歎史的な芋方・考え方に぀いおは平成28 幎12 月の䞭倮教育審議䌚答申 を螏たえ 「瀟䌚的事象を時期掚移などに着目しお捉え類䌌や差異などを明確にし 事象同士を因果関係などで関連付け」お働かせる際の「芖点や方法考え方 」であるず 敎理した。すなわち時期幎代など時系列に関わる芖点展開倉化継続など諞事象 の掚移に関わる芖点類䌌差異など諞事象の比范に関わる芖点背景原因結果圱 響関係性盞互䜜甚など事象盞互の぀ながりに関わる芖点珟圚ずの぀ながりなどに着 目しお比范したり関連させたりしお瀟䌚的事象を捉えるこずずしお敎理したものであ
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125  歎史総合 る。 瀟䌚的事象の歎史的な芋方・考え方を働かせ課題を远究したり解決したりする掻動を 通しおずは 「歎史総合」の孊習においお䞻䜓的・察話的で深い孊びを実珟するために 課題を蚭定しその課題の远究のための枠組みずなる倚様な芖点に着目し課題を远究し たり解決したりする掻動が展開するように孊習を蚭蚈するこずが䞍可欠であるこずを意味 しおいる。 瀟䌚的事象の歎史的な芋方・考え方を働かせに぀いおは 「歎史総合」の孊習の特質を 瀺しおいる。すなわち時期や掚移などに着目しお因果関係などで関連付けお捉え珟代 的な諞課題の圢成に関わる近珟代の歎史に぀いお考察したり歎史に芋られる課題や珟代 的な諞課題に぀いお耇数の立堎や意芋を螏たえお構想したりするずいうこずでありた たそれを甚いるこずによっお生埒が獲埗する知識の抂念化を促し理解を䞀局深めた り課題を䞻䜓的に解決しようずする態床などにも䜜甚したりするずいうこずである。 広い芖野に立ちグロヌバル化する囜際瀟䌚に䞻䜓的に生きる平和で民䞻的な囜家及び 瀟䌚の有為な圢成者に必芁な公民ずしおの資質・胜力を次のずおり育成するこずを目指す に぀いおは地理歎史科に共通する衚珟であり本解説第章の第節「教科の目暙」で 説明したずおりである。 1   近珟代の歎史の倉化に関わる諞事象に぀いお䞖界ずその䞭の日本を広く盞互的な 芖野から捉え珟代的な諞課題の圢成に関わる近珟代の歎史を理解するずずもに諞 資料から歎史に関する様々な情報を適切か぀効果的に調べたずめる技胜を身に付ける ようにする。 目暙の 1 は 「歎史総合」の孊習を通じお育成される資質・胜力のうち 「知識及び技 胜」に関わるねらいを瀺しおいる。 近珟代の歎史の倉化に関わる諞事象に぀いお䞖界ずその䞭の日本を広く盞互的な芖野 から捉えずは 「歎史総合」の孊習の䞭心が䞖界ずその䞭の日本の盞互䜜甚やそれぞ れの独自性互いの共通性などの諞点から䞖界ずその䞭における日本の過去ず珟圚を考 察するこずにあるこずを瀺しおいる。 珟代的な諞課題の圢成に関わる近珟代の歎史を理解するずは埓前の「䞖界史」の目 暙に瀺された「珟代の諞課題を歎史的芳点から考察させるこず」や 「日本史」の目暙 に瀺された「珟代の諞課題に着目しお考察させるこず」などを匕き継ぐずずもに本解説 第章第節「 改蚂の趣旚」に瀺したように瀟䌚に芋られる課題を把握しおその 解決に向けお考察構想する孊習を䞀局重芖する意図からこの科目のねらいずしお瀺しお いる。近珟代の歎史は珟代的な諞課題の圢成に深く盎接的に関わっおいるず考えられ るこずから䞖界ずその䞭の日本に存圚する様々な課題に぀いおの歎史的な経緯を理解す るこずを意味しおいる。 諞資料から歎史に関する様々な情報を適切か぀効果的に調べたずめる技胜ずは課題の 解決に向けお必芁な瀟䌚的事象に関する情報を収集する技胜収集した情報を瀟䌚的事象
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126 第章 地理歎史科 の各科目 の歎史的な芋方・考え方を働かせお読み取る技胜読み取った情報を課題の解決に向けお たずめる技胜を意味しおいる巻末の参考資料を参照 。 「歎史総合」の孊習においおこれらの情報は䞻に様々な資料を通しお収集される。 「歎史総合」の孊習で甚いられる資料には文献や絵図遺物や遺構地図統蚈など歎 史孊習に関わる様々な性栌の資料や䜜業的で具䜓的な䜓隓を䌎う孊習によっお埗られた 幅広い資料が存圚する。その䞭から必芁な資料を遞択しお有効に掻甚するこずで瀟䌚 的事象を䞀面的に捉えるのではなく様々な角床から捉えるこずが可胜ずなる。 以䞊に述べた技胜に぀いおは収集する手段や情報の内容資料の特性等に応じおそれ ぞれに指導の留意点が存圚するず考えられる。このため小孊校や䞭孊校の瀟䌚科での孊 習を螏たえ生埒が身に付けた技胜を繰り返し掻甚しお習熟を図るように指導するこずが 倧切である。 2   近珟代の歎史の倉化に関わる事象の意味や意矩特色などを時期や幎代掚移 比范盞互の関連や珟圚ずの぀ながりなどに着目しお抂念などを掻甚しお倚面的・ 倚角的に考察したり歎史に芋られる課題を把握し解決を芖野に入れお構想したりす る力や考察構想したこずを効果的に説明したりそれらを基に議論したりする力 を逊う。 目暙の 2 は 「歎史総合」の孊習を通じお育成される資質・胜力のうち 「思考力刀 断力衚珟力等」に関わるねらいを瀺しおいる。 ここでは 「歎史総合」においお逊われる思考力刀断力を瀟䌚的事象の歎史的な芋 方・考え方を働かせお歎史に関わる事象の意味や意矩特色事象盞互の関連を倚面 的・倚角的に考察する力歎史に芋られる課題を把握しお孊習したこずを基に耇数の立 堎や意芋を螏たえその解決を芖野に入れお構想できる力ず捉えるこずが瀺されおいる。 時期や幎代掚移比范盞互の関連や珟圚ずの぀ながりなどずは瀟䌚的事象の歎史 的な芋方・考え方に沿った芖点の䟋を瀺しおいる。これらの芖点に着目しお蚭定された課 題 問い に導かれお課題を远究したり解決したりする掻動が展開されるこずずなる。 抂念などを掻甚しお倚面的・倚角的に考察したり歎史に芋られる課題を把握し解決を 芖野に入れお構想したりする力に぀いおは生埒が歎史の孊習の䞭から獲埗した抂念など を掻甚しお歎史に関わる事象を様々な偎面角床から捉え歎史に芋られる課題を把握 しその解決を芖野に入れお自分の意芋や考えをたずめ課題解決の圚り方を問うこずの できる力を瀺しおいる。 「歎史総合」の孊習察象である歎史に関わる事象はそのものが倚 様な偎面をも぀ずずもに様々な角床から異なる立堎に立っお远究するこずが可胜であ る。そのためには目暙 1 で瀺した資料を適切に収集遞択掻甚し資料に基づい お考察したり耇雑な課題を把握しお解決を芖野に入れお構想したりするこずが倧切で ある。 考察構想したこずを効果的に説明したりそれらを基に議論したりする力に぀いお は 「歎史総合」における衚珟力に関わるものである。 「歎史総合」における「衚珟力」ず
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127  歎史総合 は歎史に関わる事象の意味や意矩に぀いお自分の考えを論理的に説明する力資料等 を適切に甚いお歎史に関わる事象に぀いお考察構想したこずを効果的に説明したり論 述したりする力他者の䞻匵を螏たえたり取り入れたりしお考察構想したこずを再構 成しながら議論する力のこずであるず考えられる。こうした衚珟力を逊うためには孊習 内容や掻動に応じた振り返りの堎面を蚭定し生埒の衚珟を促すようにするこずなどが重 芁である。 3   近珟代の歎史の倉化に関わる諞事象に぀いおよりよい瀟䌚の実珟を芖野に課題を 䞻䜓的に远究解決しようずする態床を逊うずずもに倚面的・倚角的な考察や深い 理解を通しお涵 かん 逊される日本囜民ずしおの自芚我が囜の歎史に察する愛情他囜や 他囜の文化を尊重するこずの倧切さに぀いおの自芚などを深める。 目暙の 3 は 「歎史総合」の孊習を通じお育成される資質・胜力のうち 「孊びに向か う力人間性等」に関わるねらいを瀺しおいる。 よりよい瀟䌚の実珟を芖野に課題を䞻䜓的に远究解決しようずする態床を逊うに぀い おは教科目暙に「地理や歎史に関わる諞事象に぀いおよりよい瀟䌚の実珟を芖野に課 題を䞻䜓的に解決しようずする態床を逊う」ず瀺されたこずを受けお歎史に関わる諞事 象に぀いお生埒自らが関心をもっお孊習に取り組むこずができるようにするずずもに 孊習を通しおさらに関心が喚起されるよう指導を工倫する必芁性を瀺しおいる。 倚面的・倚角的な考察や深い理解ずは地理歎史科の孊習における考察や理解の特質を 瀺しおいる。そしおそうした孊習を通しお涵 かん 逊される日本囜民ずしおの自芚我が囜の 歎史に察する愛情他囜や他囜の文化を尊重するこずの倧切さに぀いおの自芚を深め 「孊びに向かう力・人間性等」を逊うこずを瀺しおいる。 日本囜民ずしおの自芚我が囜の歎史に察する愛情他囜や他囜の文化を尊重するこず の倧切さに぀いおの自芚などを深めるずは 「歎史総合」の孊習を通じお教育基本法 教育の目暙第二条五に瀺される「䌝統ず文化を尊重しそれらをはぐくんできた我が 囜ず郷土を愛するずずもに他囜を尊重し囜際瀟䌚の平和ず発展に寄䞎する態床を逊う こず」の粟神を実珟するこずを意味しおいる。
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128 第章 地理歎史科 の各科目 〈 「歎史総合」の孊習の構成〉 ①倧項目の構成 「歎史総合」は珟代的な諞課題の圢成に関わる近珟代の歎史を考察構想する科目で ある。そのために歎史を孊ぶ意矩や歎史の孊び方を考察する倧項目「歎史の扉」ず 近珟代の歎史の倧きな倉化に着目した倧項目「近代化ず私たち」 倧項目「囜際秩序 の倉化や倧衆化ず私たち」 倧項目「グロヌバル化ず私たち」の四぀の倧項目によっお 構成されおいる。 ア 内容の及びに぀いおはこの順序で取り扱うものずし及び 䞊びにの 1 から 3 たでの孊習をするこずによりの 4 の孊習が充実するように 幎間指導蚈画を䜜成するこず。 倧項目「歎史の扉」は 「 1 歎史ず私たち」  「 2 歎史の特質ず資料」の二぀の䞭項 目で構成されおいる。 1 では日垞生掻や身近な地域などに芋られる諞事象が時間的 な掚移や空間的な結び付きの䞭で歎史ず぀ながっおいるこずを 2 では資料に基づいお 歎史が叙述されおいるこずを理解できるようにする。 䞉぀の近珟代の歎史の倧きな倉化に぀いおは埓前の孊習指導芁領においおも䞭孊校瀟 䌚科や高等孊校の「䞖界史」  「䞖界史」  「日本史」  「日本史」などにおいお瀺 されおきたが今回の改蚂では生埒が歎史を自分ずの関わりの䞭でより深く考察するこ ずをねらいずしお倧項目「近代化ず私たち」では産業瀟䌚ず囜民囜家の圢成を背景 ずしお人々の生掻や瀟䌚の圚り方が倉化したこず倧項目「囜際秩序の倉化や倧衆化 ず私たち」では政治倖亀経枈思想や文化などの様々な面で囜際的な結び付きが匷 たり囜家間の関係性が倉化したこずや個人や集団の瀟䌚参加が拡倧したこずを背景ずし お人々の生掻や瀟䌚の圚り方が倉化したこず倧項目「グロヌバル化ず私たち」で は科孊技術の革新を背景に人・商品・資本・情報等が囜境を越えお䞀局流動するように なり人々の生掻や瀟䌚の圚り方が倉化したこずを扱う。 これらの倧項目はそれぞれが内容のたずたりであるず同時に盞互に関係性をもっおお りこの順序で孊習するこずになっおいる。たた科目党䜓のたずめずなっおいるの 4 の孊習が充実するように幎間指導蚈画に基づいお内容の぀ながりに留意した指導 蚈画の䜜成を行うこずが倧切である。 ②倧項目からたでの䞭項目の構成 倧項目及びでは瀟䌚的事象の歎史的な芋方・考え方や資料の取扱いに関する 基本的な技胜を掻甚しお生埒が資料から課題を芋いだし自ら孊習を深めるこずができ るようにそれぞれ䞭項目 1 から 4 が蚭定されおおり以䞋のように結び付いた䞀連の 孊習の展開を構成しおいる。 2 内容ずその取扱い
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129  歎史総合 【䞭項目 1 の孊習の特城身近な資料から考察する過去ぞの問い 】 äž­é …ç›® 1 では生埒にずっお身近な生掻や瀟䌚の倉化を衚す資料を取り䞊げお情報 を読み取ったりたずめたりしお資料を掻甚する技胜を身に付けるずずもに歎史の倧きな 倉化に䌎う生掻や瀟䌚の倉容に぀いお考察し問いを衚珟する。 問いを衚珟するずは資料から生埒が情報を読み取ったりたずめたり耇数の資料を 比范したり関連付けたりするこずにより興味・関心をもったこず疑問に思ったこず 远究したいこずなどを芋いだす孊習掻動を意味しおいる。歎史に察する驚きや玠朎な問い が歎史孊習の出発点であるこずを螏たえ生埒が資料から読み取った歎史に぀いおの事象 それ自䜓ぞの問いを衚珟する䞭で孊習内容に察する生埒の課題意識を育むこずが倧切で ある。生埒が問いを衚珟する過皋においおは単に驚きや玠朎な問いの衚珟のみにずどた らず䞭孊校たでの孊習及びこの科目のそれたでの孊習を螏たえ衚珟した問いを以埌の 孊習内容の課題意識ず぀ながるように指導を工倫するこずが倧切である。 【䞭項目 2 及び 3 の孊習の特城䞻題を螏たえた考察ず理解 】 äž­é …ç›® 2 及び 3 では䞭項目 1 の生埒が衚珟した問いを螏たえ䞻題を蚭定し資 料を掻甚しお課題を考察する。䞻題の蚭定に圓たっおは孊習のねらいに則した考察を導 くようにするずずもに生埒の課題意識を深めたり新たな課題を芋いだしたりするこず ができるように留意する。それらの䞻題を孊習䞊の課題ずするための問いに蚭定するこ ずで珟代的な諞課題の圢成に関わる近珟代の歎史の理解を深める孊習ずなるよう工倫す るこずが倧切である。 【䞭項目 4 の孊習の特城歎史の倧きな倉化ず珟代的な諞課題 】 倧項目及びの䞭項目 4 では䞭項目 1 から 3 たでの孊習内容を螏たえ 「自由・ 制限」  「平等・栌差」  「開発・保党」  「統合・分化」  「察立・協調」など珟代的な諞課 題の圢成に関わる歎史的な状況を考察するための芳点を掻甚しお䞻題を蚭定し珟代的な 諞課題の圢成に関わる近珟代の歎史を考察し衚珟する。 倧項目の䞭項目 4 「珟代的な諞課題の圢成ず展望」はこの科目のたずめずしお䜍眮 付けられおいる。これたでの孊習の成果を掻甚し生埒が持続可胜な瀟䌚の実珟を芖野に 入れ䞻題を蚭定し歎史的な経緯を螏たえた珟代的な諞課題の理解ずずもに諞資料を 掻甚しお探究する掻動を通しその展望などに぀いお考察構想しそれを衚珟できるよ うにする。 その際 「及び䞊びにの 1 から 3 たでの孊習をするこずによりの 4 の 孊習が充実するように幎間指導蚈画を䜜成する」 内容の取扱いなど孊習の導入時か らこの科目党䜓を芋通しお蚈画的に孊習を進めるこずが倧切である。 ③小項目の蚭定事項ア「知識及び技胜」ず事項む「思考力刀断力衚珟力等」 の関係 孊習指導芁領では資質・胜力の䞉぀の柱に沿っお「ア 知識及び技胜」ず「む 思考
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130 第章 地理歎史科 の各科目 力刀断力衚珟力等」に関わる事項が瀺されおいるがこれは孊習の順序を衚すもので はない。孊習の過皋では「知識及び技胜」ず「思考力刀断力衚珟力等」を身に付ける 孊習が䞀䜓ずなっお展開され深い理解に至るこずが重芁である。そのため 「歎史総合」 の孊習ではア  ずむ  の事項ア  ずむ  の事項のように各䞭項目内で察応す る「知識及び技胜」  「思考力刀断力衚珟力等」の事項が䞀䜓ずなりそれぞれ䞀぀の 孊習のたずたりを構成しおいる。このたずたりを以䞋「小項目」ず瀺す。 倧項目及びの䞭項目 2 及び 3 の孊習はこの小項目から構成されおいる。こ こでは倧項目「囜際秩序の倉化や倧衆化ず私たち」の䞭項目 2 「第䞀次䞖界倧戊ず倧 衆瀟䌚」のア  ずむ  で構成される小項目を䟋に本解説が瀺す「歎史総合」の孊習内 容ず孊習過皋の構造に぀いお以䞋に瀺す。 【小項目党䜓の構造の䟋】 2   第䞀次䞖界倧戊ず倧衆瀟䌚 ア 次のような知識を身に付けるこず。    〈a〉 倧衆の政治参加ず女性の地䜍向䞊倧正デモクラシヌず政党政治倧量消 費瀟䌚ず倧衆文化教育の普及ずマスメディアの発達などを基に 〈b〉 倧衆瀟䌚 の圢成ず瀟䌚運動の広がりを理解するこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    〈c〉 第䞀次䞖界倧戊前埌の瀟䌚の倉化などに着目しお 〈d〉 䞻題を蚭定し日 本ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたりするなどしお 〈e〉 第䞀次䞖界倧戊埌の瀟䌚の倉容ず瀟䌚運動ずの関連などを倚面的・倚角的に 考察し衚珟するこず。 䟋えば 2 のア  ずむ  から構成される「 2 の小項目  」の孊習に圓たっおはア  の 〈a〉 倧衆の政治参加ず女性の地䜍向䞊倧正デモクラシヌず政党政治倧量消費瀟 䌚ず倧衆文化教育の普及ずマスメディアの発達などを基にむ  の 〈c〉 第䞀次䞖界倧 戊前埌の瀟䌚の倉化などに着目しお教垫が䟋えば 「倧衆瀟䌚ず瀟䌚運動」などの 〈d〉 䞻題を蚭定しその䞻題を孊習䞊の課題ずするために 「なぜ1920 幎代に倧衆文化が広 範囲に及んだのだろうか」などこの小項目党䜓に関わる問いを蚭定しお生埒に提瀺す る。 この「小項目党䜓に関わる問い」を螏たえお日本ずその他の囜や地域の動向を比范し たり盞互に関連付けたりするなどしお 〈e〉 第䞀次䞖界倧戊埌の瀟䌚の倉容ず瀟䌚運動 ずの関連などを倚面的・倚角的に考察したり衚珟したりするこずによりア  の 〈b〉 倧 衆瀟䌚の圢成ず瀟䌚運動の広がりを理解するこずに至る孊習の過皋が考えられる。 ぀たりアの事項の 〈a〉 を基にむの事項の 〈c〉 に着目しお 〈d〉 䞻題を蚭定しそれに 応じた「小項目党䜓に関わる問い」を孊習䞊の課題ずしお生埒に提瀺する。この「問い」 を螏たえお 〈e〉 を考察し衚珟しおアの 〈b〉 の理解に至るずいう構造ずなっおいる。
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131  歎史総合 ④事象に関わる孊習ず問いの構造 解説本文では小項目党䜓の説明の埌に 〈a〉 に瀺された耇数の事象に぀いお考察し 衚珟するためのそれぞれの事象の取扱い方を以䞋のように瀺しおいる。 倧量消費瀟䌚ず倧衆文化に぀いおは欧米では19 䞖玀埌半から進んでいた第二次産 業革呜や科孊技術の革新の流れが第䞀次䞖界倧戊を機に䞀局加速し産業構造の倉化 倧量生産・倧量消費瀟䌚の到来郜垂化の進行をもたらしたこずなどに぀いお扱う。さ らにこのこずを背景にアメリカ的な生掻様匏や䟡倀芳の圱響などから商業䞻矩的な 倧衆文化が生たれたり耐久消費財の発達を背景に近代的合理的な生掻様匏が取り入 れられたりしたこずに觊れ生掻の平準化・画䞀化が進んだこずに気付くようにする。 【  の 〈a〉 のうち倧量消費瀟䌚ず倧衆文化に぀いおの孊習の展開䟋】 解説では 〈a〉 の事象を孊習する際に䞻題を基にした「小項目党䜓に関わる問い」を 螏たえ 「事象の掚移や展開を考察し理解を促すための課題問い 」 以䞋 「掚移や展開 を考察するための課題問い 」 を蚭定しさらに「事象を比范したり盞互に関連付けた りしお考察し理解を深めるための課題問い 」 以䞋 「事象を比范し関連付けお考察す るための課題問い 」 を蚭定しお考察の結果を衚珟するなど段階的に課題問いを 蚭定する孊習を䟋ずしお瀺しおいる。以䞋は  の 〈a〉 に瀺された事象のうち倧量消費 瀟䌚ず倧衆文化に぀いお課題問いを蚭定した孊習の䟋である。 䟋倧量消費瀟䌚ず倧衆文化に぀いお課題問いを蚭定した孊習 䟋えば 「倧量生産や倧量消費が人々の生掻をどのように倉えたのだろうか」などの 掚移や展開を考察するための課題問いを教垫が蚭定する。生埒は圓時の諞資料を 掻甚しながら倧量生産・倧量消費が瀟䌚にもたらした圱響に぀いお考察し倧衆文化の 特城を理解する。 次に「あなたは圓時の瀟䌚や文化の倉化のうちその埌の政治や経枈に最も倧きな 圱響を䞎えたのは䜕だず考えるかそれはなぜか」などの事象を比范し関連付けお考 察するための課題問いを蚭定し郜垂的で画䞀化した生掻様匏や新䞭間局の成立 倧衆瀟䌚の成立の背景や原因を倚面的・倚角的に考察し衚珟する。 本解説では具䜓的な課題問いに぀いおは各小項目の 〈a〉 の事象のうち䞀぀のみ 䟋を瀺しおいる。䟋に瀺した事象以倖に぀いおも同様に段階的な課題問いを蚭定し お孊習するこずが倧切である。 なお本解説に瀺された問いの䟋はあくたでも参考であり教垫が生埒の興味・関 心や孊校地域の実態等に留意し様々な状況に応じた工倫をするこずが倧切である。 ⑀課題問いの蚭定ず資料の掻甚 「歎史総合」では孊習党般においお課題問いを蚭定し远究する孊習が求められ
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132 第章 地理歎史科 の各科目 る。この孊習においお重芁であるのは第䞀に課題問いの蚭定であり第二に課題 問いの远究を促す資料の掻甚である。以䞋それぞれに関する参考䟋を瀺す。 〈課題問いの蚭定の䟋〉 解説本文䞭には 「事象の掚移や展開を考察し理解を促すための課題問い 」やそ の考察を螏たえお蚭定される「事象を比范したり盞互に関連付けたりしお考察し理解を 深めるための課題問い 」ずしおいく぀かの䟋が瀺されおいる。以䞋の問いは 「瀟䌚 的事象の歎史的な芋方 ・ 考え方」を働かせお考察や構想に向かうための問いの䟋である。 〇時系列に関わる問い 【時期や幎代】 「それはい぀の出来事だろうか同じ時期に他の地域ではどのようなこずが起こっおい たのだろうか」 「その事象はどのような経緯で起こったのだろうか」   【過去の理解】 「圓時の人々はなぜそのような遞択をしたのだろうか珟代ずはどのような異なる時代 背景があったず考えられるだろうか 」  【歎史ず珟圚】ず共有される問い 〇諞事象の掚移に関わる問い 【倉化ず継続】   「このこずで䜕を倉えようずしたのだろうか䜕が倉わったのだろうか䜕が倉わらな かったのだろうか」 「耇数の諞事象の倉化にはどのような違いがあるだろうか」 〇諞事象の比范に関わる問い 【類䌌ず差異】 「その事象ず他の事象を比范するずどのような共通点ず盞違点を芋いだすこずがで きるだろうか」 「その違いが生じたのはなぜだろうか」  【背景や原因】ず共有される問い 「共通点に泚目するず どのような傟向が芋いだせるだろうか」  【意味や意矩ず特色 特 城 】ず共有される問い 【意味や意矩ず特色特城 】   「その事象は圓時どのような意味をもっおいたのだろうか」 「その事象は 違う立堎から考えるず どのような意味があったず考えられるだろうか」 「他の生埒が考察したその事象の意矩に぀いおあなたはどう考えるか」
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133  歎史総合 〇事象盞互の぀ながりに関わる問い 【背景や原因】 「なぜその事象は起こったのだろうか」 「この事象の背景にはどのような状況が存圚したのだろうか」 「あなたはその事象が起こった最も重芁な芁因ずは䜕だず考えるか」   「あなたが孊習した諞事象の䞭でその事象ず最も深い぀ながりがあるず考えるのは 䜕かそれはなぜか」 【圱響や結果】   「同じ時期に共通する特城をもった事象が耇数起こったのはなぜだろうか」 「この事象の結果どのような倉化が生じたのだろうか」 「その事象は瀟䌚党䜓にどのような圱響を及がしたず考えられるだろうか」 〇珟圚ずの぀ながりに関わる問い 【歎史ず珟圚】   「過去の事象ず類䌌した珟代の事象は䜕だろうか」 「珟圚の事象ずどのような点が関連しおいるのだろうか」 「どのようなこずが珟圚に぀ながる倉化の芁因ずしお考えられるだろうか」 【歎史的な芋通し展望】   「この事象は埌の人々にどのような考えや課題をもたらすず考えられるか」 「 珟圚のこの事象は過去の類䌌の事䟋を参考にするずその埌どのような展開 の可胜性があるず考えられるか」 「 珟圚のこの事象はこの埌どのような展開が望たしいず考えるかそれが実珟 されるためには過去の事䟋を螏たえるずどのようなこずが必芁なのだろうか」   【自己ずの関わり】 「この事象を孊ぶこずはあなたにずっおどのような意味があるず考えるか」 〈課題問いの远究を促す資料の掻甚の䟋〉 「歎史総合」では孊習党般においお資料の掻甚が瀺されおいる。教垫が生埒の資料 掻甚の技胜の習埗を促すために䟋えば以䞋のような発問を行うこずが考えられる。 ・ 「内容登堎する人物日付や時期資料の出兞などから掚察できる留意点は䜕だろ うか」 ・ 「資料に瀺された内容は䜜成者が盎接芋聞きしたこずか䌝聞か仮説か個人の 感想か」 ・ 「この資料䞭に描かれた説明の背埌にはどのような意図があるず考えられるだろうか」 ・ 「瀺されおいる結論を導く資料はどれだろうか」
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134 第章 地理歎史科 の各科目 ・ 「異なる䞻匵の根拠ずされる資料を比范しその共通点ず盞違点を明らかにしおそ れぞれが䞻匵する結論ずの関係を説明しよう」 ・ 「この地図・幎衚の䞻題は䜕だろうか䜕を瀺すために䜜成されたず考えられるだろ うか 」 ・ 「瀺された説明に぀いお䞻匵を補ったり反論したりするためにはどのような資料 の掻甚が考えられるだろうか」
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135  歎史総合  歎史の扉 この倧項目ではこの科目の導入ずしお䞭孊校瀟䌚科歎史的分野の倧項目「歎史ず の察話」を螏たえ高校の歎史孊習ぞの動機付けず以埌の孊習に必芁な歎史孊習の基本的 な技胜や孊び方を身に付ける項目ずしお蚭定した。 äž­é …ç›® 1 「歎史ず私たち」では近珟代の歎史の倧きな倉化ず私たちの生掻ずの関連に ぀いお考察し私たちの生掻や身近な地域などに芋られる諞事象が日本や日本呚蟺の地 域及び䞖界の歎史ず぀ながっおいるこずを理解できるようにする。 äž­é …ç›® 2 「歎史の特質ず資料」では資料を掻甚し歎史孊習に必芁な基本的な技胜な どを身に付けるずずもに資料ず歎史の叙述の関わりに぀いお理解できるようにする。 内容の取扱い 2   内容の取扱いに圓たっおは次の事項に配慮するものずする。 む 内容のに぀いおは次のずおり取り扱うものずするこず。 この科目の導入ずしお䜍眮付け 1  2 の順で取り扱うこず。たた䞭孊校瀟 䌚科の孊習の成果を螏たえより発展的に孊習できるよう留意するずずもに 及びの孊習の基盀を逊うよう指導を工倫するこず。 この倧項目では 「この科目の導入ずしお䜍眮付け」 内容の取扱いおその成果を以 埌の及びの孊習においお掻甚できるようにするこずが倧切である。その際 「歎 史総合」では䞭孊校瀟䌚科の「我が囜の歎史の倧きな流れ」を䞭心ずした孊習から目 æš™ 1 に瀺した「䞖界ずその䞭の日本を広く盞互的な芖野から捉え」る孊習に぀なげるた めに空間的な広がりや自己ずの関係性を意識した孊習ぞず芖野を広げるこずが重芁であ る。たた珟代に生きる生埒が過去の事象を考察するために資料を掻甚する孊習を通 しお歎史の叙述には諞資料の怜蚌ず論理性などが求められるこずに気付くこずが倧切 である。このような芳点から䞭項目 1 の孊習を螏たえお 2 の孊習を行うようこの順 序で扱うこずが求められる。たた生埒が䞭孊校瀟䌚科における孊習の成果を生かし必 履修科目であるこの科目を孊ぶ意矩や目的歎史的な考察の方法やその特質を理解するこ ずができるよう 1 及び 2 に぀いおは適切な孊習掻動を蚭けお指導するこずが倧切であ る。 1  歎史ず私たち この䞭項目では私たちの生掻や身近な地域などに芋られる諞事象を基に近代化囜 際秩序の倉化や倧衆化グロヌバル化などの歎史の倉化ず関わらせお諞事象ず日本や日 本呚蟺の地域及び䞖界の歎史ずの関連性に぀いお考察し衚珟するこずにより私たちに関 わる諞事象が日本や日本呚蟺の地域及び䞖界の歎史ず぀ながっおいるこずを理解する孊 習を䞻なねらいずしおいる。 以䞋はこの䞭項目党䜓の構造を説明するためにアの「知識」に関する事項ずむの
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136 第章 地理歎史科 の各科目 「思考力刀断力衚珟力等」に関する事項ずの関係を瀺したものでありアの事項ずむ の事項が結び付いお孊習が展開する。 1   歎史ず私たち 諞資料を掻甚し課題を远究したり解決したりする掻動を通しお次の事項を身に 付けるこずができるよう指導する。 ア 次のような知識を身に付けるこず。    私たちの生掻や身近な地域などに芋られる諞事象を基にそれらが日本や日本 呚蟺の地域及び䞖界の歎史ず぀ながっおいるこずを理解するこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    近代化囜際秩序の倉化や倧衆化グロヌバル化などの歎史の倉化ず関わらせ おアで取り䞊げる諞事象ず日本や日本呚蟺の地域及び䞖界の歎史ずの関連性に ぀いお考察し衚珟するこず。 内容の取扱い 1 に぀いおは䞭孊校瀟䌚科の孊習を螏たえ生埒の空間的な認識に広がりをもた せるよう指導を工倫するこず。 孊習に圓たっおは䟋えば 「私たちの生掻や身近な地域などに芋られる諞事象にはど のような歎史的背景があるだろうか」などの課題問いを蚭定しおむ  の近代化 囜際秩序の倉化や倧衆化グロヌバル化などの歎史の倉化ず関わらせながら資料を掻甚 し私たちの生掻や身近な地域などに芋られる諞事象ず日本や日本呚蟺の地域及び䞖界の 歎史ずの関連性に぀いお考察し衚珟するこずによりそれらが日本や日本呚蟺の地域及び 䞖界の歎史ず぀ながっおいるこずを理解できるようにするこずが倧切である。 私たちの生掻や身近な地域などに芋られる諞事象ずは生埒の日垞生掻に関わる諞事象 や地域の諞事象を意味しおいる。䟋えば生掻における時間芏埋身の回りの菓子や料 理地域の産業や亀通地域の祭りや行事就職や受隓新聞やテレビ遊びやスポヌツ など様々なものが考えられる。これらの生埒の身の回りの諞事象が日本や日本呚蟺の 地域及び䞖界の歎史ず぀ながっおいるこずを具䜓的な事䟋に則しお理解するこずができ るよう工倫しお指導するこずが必芁である。 近代化囜際秩序の倉化や倧衆化グロヌバル化などの歎史の倉化ず関わらせずは䞭 孊校瀟䌚科の孊習を螏たえ私たちの生掻や身近な地域などに芋られる諞事象ず日本や日 本呚蟺の地域及び䞖界の歎史ずを結び付けながら近珟代の歎史の倧きな倉化ず関わらせ お孊習するこずを瀺しおいる。䟋えば地域の人口や孊校の芏暡の動態などを近代化ず関 連付けお扱ったり地域に残る蚘念碑や地域の情報䌝達の手段の歎史的な倉化などを囜 際秩序の倉化や倧衆化ず関連付けお扱ったり日甚品の生産囜の倉化や倖囜語教育の重芖 などをグロヌバル化ず関連付けお扱ったりするこずなどが考えられる。私たちの生掻や身 近な地域などに芋られる諞事象ず日本や日本呚蟺の地域及び䞖界の歎史ずの぀ながりに
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137  歎史総合 気付くずずもにそれらを結び付けながら近珟代の歎史の倧きな倉化に぀いお孊ぶこずの 意矩を実感できる孊習が求められる。 「生埒の空間的な認識に広がりをもたせる」 内容の取扱いずは生埒の孊習に向か う芖野に広がりをもたせるように指導を工倫するこずを意味しおいる。具䜓的には䞭孊 校瀟䌚科歎史的分野における孊習や私たちの生掻や身近な地域などに芋られる諞事象な どを起点ずし぀぀生埒がこの科目の目暙の 1 に瀺された「近珟代の歎史の倉化に関わ る諞事象に぀いお䞖界ずその䞭の日本を広く盞互的な芖野から捉え」お空間的な広が りをもっお歎史を考察できるように指導を工倫するこずが倧切である。 指導に圓たっおは生埒が幎衚や地図写真や映像統蚈等の様々な資料を掻甚するこ ずなどを通しお歎史の考察における比范するこずや関連付けるこずの意矩を捉えるこず ができるよう工倫しお指導するこずが求められる。 以䞋はこの䞭項目に関する孊習の䟋である。 䟋歎史ず私たちに関する孊習 䟋えば時間芏埋タむム・ディシプリンに぀いお 「珟代の瀟䌚では時間厳守を 重芖するがそれはなぜかい぀頃からそうなったのだろうか」などの課題問いを 蚭定しおペヌロッパ諞囜における劎働慣行の倉化明治期のお雇い倖囜人の日本人芳 などに関する資料を取り䞊げ近代化ず時間芏埋の重芖ずの関連性西欧の近代化が日 本に及がした圱響に぀いお考察し衚珟する孊習が考えられる。 たた䟋えば 「私たちの身近な菓子や料理などはい぀頃どのような経緯で日本 に普及したのかそれらはどこの囜や地域に由来する食品なのか」などの課題問い を蚭定しお明治期に日本で補造されるようになった乳補品第䞀次䞖界倧戊埌や第二 次䞖界倧戊埌に庶民に広たった掋菓子などに関する資料を取り䞊げ近䞖以降のアゞア ず欧米間の亀易を通じおの食生掻の倧きな倉化日本の明治期以降の文明開化に䌎う食 生掻の掋颚化倧正期の倧衆化の始たりや戊埌の倧衆化の広がりに䌎う掋食掋菓子の 普及などず歎史の倧きな倉化や他囜や他地域ずの関連性などに぀いお考察し衚珟する 孊習が考えられる。 2  歎史の特質ず資料 この䞭項目では日本や䞖界の様々な地域の人々の歎史的な営みの痕跡や蚘録である遺 物文曞図像などの資料を掻甚し耇数の資料の関係や異同に着目しお資料から読み 取った情報の意味や意矩特色などを考察し衚珟するこずにより資料に基づいお歎史が 叙述されおいるこずを理解するこず資料を取り扱う際の留意点に気付くこずを䞻なねら いずしおいる。 以䞋はこの䞭項目党䜓の構造を説明するためにアの「知識」に関する事項ずむの 「思考力刀断力衚珟力等」に関する事項ずの関係を瀺したものでありアずむが結び 付いお孊習が展開する。
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138 第章 地理歎史科 の各科目 2   歎史の特質ず資料 日本や䞖界の様々な地域の人々の歎史的な営みの痕跡や蚘録である遺物文曞図 像などの資料を掻甚し課題を远究したり解決したりする掻動を通しお次の事項を 身に付けるこずができるよう指導する。 ア 次のような知識を身に付けるこず。    資料に基づいお歎史が叙述されおいるこずを理解するこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    耇数の資料の関係や異同に着目しお資料から読み取った情報の意味や意矩 特色などを考察し衚珟するこず。 内容の取扱い 2 に぀いおは資料から読み取る諞事象の解釈の違いが耇数の叙述を生むこずを理 解できるよう具䜓的な事䟋を取り䞊げお指導するこず。たた歎史の叙述には諞資料 の怜蚌ず論理性などが求められるこずに気付くようにするこず。 孊習に圓たっおはむ  の耇数の資料の関係や異同に着目しお䟋えば 「今では芋る こずのできない過去の事柄が分かるのはなぜだろうか」  「資料を扱う際にはどういうこず に留意する必芁があるだろうか」などの課題問いを蚭定し 「歎史」が衚すものには 過去の事柄そのものずいう意味ず過去の事柄に぀いおの叙述歎史叙述ずいう意味ず があるこず歎史叙述は過去の事柄に察する驚きや珟圚の問題に察する関心などを出発点 ずしおいるこず歎史叙述のためには過去の事柄に぀いお探る手がかりずなる材料である 歎史資料が必芁であるこずなどに気付くよう指導を工倫するこずが倧切である。たた 歎史を叙述する際には資料の皮類特性や䜜成の時期堎所䞻䜓目的脈絡等を螏 たえた批刀的な読み取りず吟味が重芁である。文字資料であれば「どんな人物がい぀ どのような背景で䜜成したものだろうか」  「それは䜜成者が盎接芋聞した蚘録か䌝聞の 蚘録か䜜者の解釈か仮説か感想か」など資料のも぀意味を考察しその䞊で 様々な資料から読み取った情報を論理的に結び付けお解釈する必芁があるこずなどに気付 くように指導を工倫するこずが倧切である。 遺物文曞図像などの資料ずは遺跡・遺構碑文日蚘手玙新聞・雑誌などの 様々な文曞著述文孊・芞術䜜品颚刺画ポスタヌ写真映像口述蚘録オヌラ ルヒストリヌなど過去を知る手がかりずなる様々な歎史資料を意味しおいる。 資料に基づいお歎史が叙述されおいるこずに぀いおは䟋えば歎史研究においおどの ようなものが資料ずしお扱われおいるかを調べるこずの他実際に自分で歎史資料を吟味 したり耇数の資料を比范したり関連付けたりするこずなどを平玠の孊習にも䜍眮付けお 行うこずが倧切である。 指導に圓たっおは生埒が遺物文曞図像などの歎史資料に觊れそれらず歎史叙述 ずの関係に぀いお考察するこずなどを通じお歎史的な考察の拠り所ずしお資料が必芁で
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139  歎史総合 あるこず文字資料だけでなく様々なものを資料ずしお掻甚できるこず資料の批刀的な 読み取りず吟味が重芁であるこずなどに気付くこずができるよう指導を工倫するこずが 求められる。 以䞋はこの䞭項目に関する孊習の䟋である。 䟋歎史の特質ず資料の孊習 資料ず叙述の関係に぀いおは以䞋のような孊習が考えられる。䟋えば過去の人々 の日垞生掻に぀いお読み取れる様々な資料を取り䞊げ 「各時期の資料から人々の日 垞生掻はどのように倉化したず捉えられるだろうか」などの課題問いを蚭定しお 過去の異なる時期の絵画文曞日蚘新聞・雑誌写真映像等の豊富な資料を教材 ずしお それぞれの時期における衣食䜏 劎働 䜙暇 教育などの生掻の様子を読み取り その間の倉化を捉えお文章に衚珟する。このような孊習を通じお資料に基づいお歎 史が叙述されおいるこずを理解する。その際資料の状況によっおは叙述が困難である 堎合があるこずにも気付くようにする。 たた同䞀の事象に぀いおの芖点や立堎が異なる資料を取り䞊げ 「それぞれの資料 の意図するものは䜕だろうかたたなぜそのような資料が䜜成されたず考えられるだ ろうか」などの課題問いを蚭定しお同䞀の事象に関する耇数の颚刺画やポスタヌ 等の資料を基に䜜成の時期や堎所䜜成者等を特定しおそれぞれの衚珟の内容を比 范し圓時の時代状況ず結び付けるこずによりそれらの資料の意図や䜜成された目的 を察比的に捉え諞資料から読み取った情報の意味や意矩特色などを考察し衚珟する こずを通じお同じ資料を基にした叙述であっおも資料の解釈によっお耇数の歎史叙 述が存圚するこずを理解するなどの孊習が考えられる。 このような孊習を通しお歎史の叙述には諞資料の怜蚌ず論理性などが求められるこ ずに気付くこずが倧切でありそれらの資料の吟味を螏たえお資料に基づいお歎史が 叙述されおいるこずを理解するこずが重芁である。
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140 第章 地理歎史科 の各科目  近代化ず私たち この倧項目では産業瀟䌚ず囜民囜家の圢成を背景ずしお人々の生掻や瀟䌚の圚り方 が倉化したこずを扱い䞖界ずその䞭における日本を広く盞互的な芖野から捉えお考察 し珟代的な諞課題の圢成に関わる近代化の歎史を理解できるようにするこずをねらいず しおいる。 1   「近代化ぞの問い」では䞭孊校たでの孊習を螏たえ諞資料を掻甚しお情報を読み 取ったりたずめたりする技胜を習埗し人々の生掻や瀟䌚の圚り方が近代化に䌎い倉化 したこずに぀いお考察するための問いを衚珟する孊習を行う。 2   「結び付く䞖界ず日本の開囜」ではアゞア諞囜ずその他の囜や地域の動向を比范し たり盞互に関連付けたりするなどしお18 䞖玀のアゞアの経枈ず瀟䌚工業化ず䞖 界垂堎の圢成を理解できるようにする。 3   「囜民囜家ず明治維新」ではアゞア諞囜ずその他の囜や地域の動向を比范したり 盞互に関連付けたりするなどしお立憲䜓制ず囜民囜家の圢成列匷の垝囜䞻矩政策ず アゞア諞囜の倉容を理解できるようにする。 4   「近代化ず珟代的な諞課題」では珟代的な諞課題に぀ながる歎史的な芳点から䞻題 を蚭定しアゞア諞囜ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたりす るなどしお䞻題に぀いお倚面的・倚角的に考察し珟代的な諞課題の圢成に関わる近 代化の歎史を理解できるようにする。 1  近代化ぞの問い この䞭項目では䞭孊校たでの孊習及びの孊習を螏たえ諞資料を掻甚しお情報を読 み取ったりたずめたりする技胜を習埗し人々の生掻や瀟䌚の圚り方が近代化に䌎い倉化 したこずに぀いお考察するための問いを衚珟するこずをねらいずしおいる。 以䞋はこの䞭項目党䜓の構造を説明するためにアの「技胜」に関する事項ずむの 「思考力刀断力衚珟力等」に関する事項ずの関係を瀺したものである。これらのアず むが結び付いお孊習が展開する。 1   近代化ぞの問い 亀通ず貿易産業ず人口暩利意識ず政治参加や囜民の矩務孊校教育劎働ず家 族移民などに関する資料を掻甚し課題を远究したり解決したりする掻動を通しお 次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。 ア 次のような技胜を身に付けるこず。    資料から情報を読み取ったりたずめたりする技胜を身に付けるこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    近代化に䌎う生掻や瀟䌚の倉容に぀いお考察し問いを衚珟するこず。
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141  歎史総合 内容の取扱い 1 に぀いおは䞭孊校たでの孊習及びの孊習を螏たえ孊習内容ぞの課題意識を もたせるずずもに 2  3 及び 4 の孊習内容を芋通しお指導するこず。 孊習に圓たっおは取り䞊げた耇数の資料を組み合わせお掻甚し身近な生掻ず関わら せお課題意識を育み情報を読み取ったりたずめたりしお資料を掻甚する技胜を習埗し぀ ぀む  の近代化に䌎う生掻や瀟䌚の倉容に぀いお考察しその過皋で生埒が芋いだし た疑問を問いで衚珟するこずでこの䞭項目の冒頭に瀺したねらいを実珟できるようにす る。 問いを衚珟するずは近代化に䌎い生掻や瀟䌚が倉化したこずを瀺す資料から情報を 読み取ったりたずめたり耇数の資料を比范したり関連付けたりするこずにより生埒が 興味・関心をもったこず疑問に思ったこず远究したいこずなどを芋いだす孊習掻動を 意味しおいる。歎史に察する驚きや玠朎な問いが歎史孊習の出発点であるこずを螏たえ 生埒が資料から読み取った歎史に぀いおの事象それ自䜓ぞの問いを衚珟する䞭で孊習内 容に察する生埒の課題意識を育むこずが倧切である。生埒が問いを衚珟する過皋においお は単に驚きや玠朎な問いの衚珟にずどたらず 「䞭孊校たでの孊習及びの孊習を螏た え」 内容の取扱い 衚珟した問いに぀いお「 2  3 及び 4 の孊習内容を芋通しお指 導するこず」 内容の取扱いが倧切である。教垫は生埒が考察の結果衚珟した問いを 続く 2  3 及び 4 の孊習内容ぞの課題意識に぀ながるよう指導を工倫するこずが倧切 である。 2  3 及び 4 の孊習においおは授業のねらいに基づいお生埒が衚珟した 問いを螏たえたり衚珟した問いず関連付けたりしお䞻題を蚭定するなどしお生埒の課 題意識を掻甚し孊習意欲が高たるよう工倫するこずが倧切である。 孊習に際しおは以䞋に瀺す資料を掻甚しお生埒がそれらの情報を読み取ったりたず めたりしながら人々の生掻や瀟䌚の圚り方が近代化に䌎い倉化したこずに関わっお抱い た興味・関心や疑問远究しおみたいこずなどを芋いだしお自分自身の問いを衚珟でき るようにするこずが必芁である。 亀通ず貿易を取り䞊げた堎合は䟋えば教垫が貿易額や貿易品目の掚移を瀺す資 料鉄道の敷蚭距離の掚移や航路の拡倧ず所芁日数の掚移を瀺す資料工堎数の掚移を瀺 す資料などを提瀺し鉄道や蒞気船の急速な普及の理由貿易によっお豊かになった囜々 の特城など生埒が歎史的な芋方・考え方を働かせお資料から情報を読み取るこずができ るように指導を工倫する。生埒はそれらの情報を読み取ったりたずめたりしながら貿 易の拡倧による䞖界の結び付きなどに぀いお考察する。 産業ず人口を取り䞊げた堎合は䟋えば教垫が人口動態を瀺すグラフや工業化の進 展を瀺す幎衚蟲業生産ず工業生産の掚移を比范する資料郜垂の景芳やその拡倧を瀺す 図版や地図などを提瀺し新たに発達した産業の特城人口増加がもたらした瀟䌚ぞの圱 響など生埒が歎史的な芋方・考え方を働かせお資料から情報を読み取るこずができるよ うに指導を工倫する。生埒はそれらの情報を読み取ったりたずめたりしながら工業化 の進展ず瀟䌚の倉容の関わりなどに぀いお考察する。
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142 第章 地理歎史科 の各科目 暩利意識ず政治参加や囜民の矩務を取り䞊げた堎合には䟋えば教垫が啓蒙思想家 の䞻匵自由民暩運動など政治参加を求める文曞地租改正や城兵制床など皎や軍事に関 わる資料政府の政策に察する颚刺画などを提瀺し玍皎や兵圹が党囜民の矩務ずなった 理由参政暩を求める運動の背景など生埒が歎史的な芋方・考え方を働かせお資料から 情報を読み取るこずができるように指導を工倫する。生埒はそれらの情報を読み取った りたずめたりしながら囜家が囜民に矩務を課すこずず暩利を保障するこずずの関わりな どに぀いお考察する。 孊校教育を取り䞊げた堎合には䟋えば教垫が各囜の識字率の倉化を比范するグラ フ教育制床の倉遷を瀺す資料就孊率など教育を受ける民衆の偎の察応を瀺す資料など を提瀺し教育が囜民の矩務ずなった理由教育の普及が人々の考えや意識に䞎えた圱響 など生埒が歎史的な芋方・考え方を働かせお資料から情報を読み取るこずができるよう に指導を工倫する。生埒はそれらの情報を読み取ったりたずめたりしながら矩務教育 の普及ず生掻や瀟䌚の倉容の関わりなどに぀いお考察する。 劎働ず家族を取り䞊げた堎合には䟋えば教垫が郜垂瀟䌚の様子を蚘録した文曞 劎働時間や賃金などを瀺す資料圓時の家族構成や家族内の男女の圹割の倉化を瀺す資料 などを提瀺し工堎劎働者の増加による瀟䌚の倉化やそれに䌎う女性の圹割の倉化など 生埒が歎史的な芋方・考え方を働かせお資料から情報を読み取るこずができるように指導 を工倫する。生埒はそれらの情報を読み取ったりたずめたりしながら劎働や家族の圚 り方ず瀟䌚の倉容ずの関わりなどに぀いお考察する。 移民を取り䞊げた堎合には䟋えば教垫が幎代や地域ごずの人口の移動を瀺す資料 や移民を受け入れた囜の人口動態を瀺す資料などを提瀺し倧芏暡な人口移動が起こった 背景受け入れた囜に䞎えた圱響など生埒が歎史的な芋方・考え方を働かせお資料から 情報を読み取るこずができるように指導を工倫する。生埒はそれらの情報を読み取った りたずめたりしながら移民の増加ず瀟䌚の倉容ずの関わりなどに぀いお考察する。 その際亀通ず貿易産業ず人口暩利意識ず政治参加や囜民の矩務孊校教育劎働 ず家族移民などに関する資料を耇数組み合わせお関連付けたりそれらのうち䞀぀の内 容であっおも芖点の異なる耇数の資料を比范したりするなど豊富な資料を教材ずしお 生埒がそれらの情報を読み取ったりたずめたりするこずにより近代化に䌎う生掻や瀟䌚 の倉容に぀いおの考察を深め自分自身の問いを衚珟できるようにするこずが必芁であ る。 たた 1 で衚珟した問いを 2 以降の孊習の過皋においお深化させたり新たな課題 問いを芋いだしたりするなどしお生埒の歎史孊習に察する関心を高め課題意識を 醞成し生埒の新たな孊びに向かう姿勢を育んでいくこずが倧切である。 2  結び付く䞖界ず日本の開囜 この䞭項目ではアゞア諞囜ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付け たりするなどしお18 䞖玀の日本やその他のアゞアにおける経枈掻動や瀟䌚の特城ア ゞア各地域間の関係アゞア諞囜ず欧米諞囜ずの関係などを考察し衚珟しお18 䞖玀の
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143  歎史総合 アゞアの経枈ず瀟䌚を理解するこずアゞア諞囜ず欧米諞囜ずの関係の倉容などを考察し 衚珟しお工業化ず䞖界垂堎の圢成を理解するこずをねらいずしおいる。 以䞋はこの䞭項目党䜓の構造を説明するためにアの「知識」に関する事項ずむの 「思考力刀断力衚珟力等」に関する事項ずの関係を瀺したものである。ア  ずむ   ア  ずむ  がそれぞれ結び付いお小項目を圢成し孊習が展開する。 2   結び付く䞖界ず日本の開囜 諞資料を掻甚し課題を远究したり解決したりする掻動を通しお次の事項を身に 付けるこずができるよう指導する。 ア 次のような知識を身に付けるこず。    18 䞖玀のアゞアや日本における生産ず流通アゞア各地域間やアゞア諞囜ず欧 米諞囜の貿易などを基に18 䞖玀のアゞアの経枈ず瀟䌚を理解するこず。    産業革呜ず亀通・通信手段の革新䞭囜の開枯ず日本の開囜などを基に工業 化ず䞖界垂堎の圢成を理解するこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    18 䞖玀のアゞア諞囜の経枈が欧米諞囜に䞎えた圱響などに着目しお䞻題を蚭 定しアゞア諞囜ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたり するなどしお18 䞖玀のアゞア諞囜における経枈掻動の特城アゞア各地域間の 関係アゞア諞囜ず欧米諞囜ずの関係などを倚面的・倚角的に考察し衚珟する こず。    産業革呜の圱響䞭囜の開枯ず日本の開囜の背景ずその圱響などに着目しお 䞻題を蚭定しアゞア諞囜ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連 付けたりするなどしおアゞア諞囜ず欧米諞囜ずの関係の倉容などを倚面的・倚 角的に考察し衚珟するこず。 内容の取扱い 2 のアに぀いおは日本の矎術などのアゞアの文物が欧米諞囜に䞎えた圱響に気付 くようにするこず。たた欧米諞囜がアゞア諞囜に進出し軍事力を背景に勢力拡匵を 目指した競争が展開されアゞアの経枈ず瀟䌚の仕組みが倉容したこずにも觊れるこず。 たたアゞア貿易における琉 りゅう 球 きゅう の圹割北方ずの亀易をしおいたアむヌに぀いお觊れる こず。その際琉 りゅう 球 きゅう やアむヌの文化に぀いおも觊れるこず。 【小項目  】 ア 次のような知識を身に付けるこず。    18 䞖玀のアゞアや日本における生産ず流通アゞア各地域間やアゞア諞囜ず欧米 諞囜の貿易などを基に18 䞖玀のアゞアの経枈ず瀟䌚を理解するこず。
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144 第章 地理歎史科 の各科目 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    18 䞖玀のアゞア諞囜の経枈が欧米諞囜に䞎えた圱響などに着目しお䞻題を蚭定 しアゞア諞囜ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたりする などしお18 䞖玀のアゞア諞囜における経枈掻動の特城アゞア各地域間の関係 アゞア諞囜ず欧米諞囜ずの関係などを倚面的・倚角的に考察し衚珟するこず。 孊習に圓たっおは 1 で衚珟した孊習ぞの問いを螏たえお生埒の孊習ぞの動機付けや 芋通しを促し぀぀む  の18 䞖玀のアゞア諞囜の経枈が欧米諞囜に䞎えた圱響などに 着目し小項目のねらいに則した考察を導くための䞻題を蚭定する。その䞻題を孊習䞊の 課題ずするために䟋えば 「18 䞖玀頃のアゞアではどのように手工業補品が生産され 取匕されおいたのだろうかなぜペヌロッパの人々はそれらを求めたのだろうか」  「18 䞖玀頃のアゞア諞囜ず欧米諞囜ずの貿易や囜際関係はどのように特城付けられるだろう か」などこの小項目党䜓に関わる問いを蚭定しお生埒に提瀺する。これを螏たえア ゞア諞囜ずその他の囜家や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたりするなどしお 倚面的・倚角的に考察したり衚珟したりするこずにより18 䞖玀のアゞアの経枈ず瀟䌚 を理解する孊習が考えられる。 18 䞖玀のアゞアや日本における生産ず流通に぀いおは䞻にこの時期の䞭囜ず日本の 動向を取り䞊げる。䞭囜では手工業ずその技術が発展し茞送網や金融システムの発達 が芋られ郜垂を䞭心に掻発な商取匕が行われおいたこず日本でも幕藩䜓制䞋の安定し た瀟䌚を背景ずしお幎貢米や特産品などを河川舟運や海運によっお倧坂ぞ回挕するなど 党囜的な流通が展開し各皮の商品生産が行われたこずなどを扱う。これらを螏たえ18 䞖玀の日本を含むアゞアに぀いおは欧米諞囜ず異なる独自の経枈・瀟䌚発展を遂げおい たこずに気付くようにする。 アゞア各地域間やアゞア諞囜ず欧米諞囜の貿易に぀いおは18 䞖玀の東アゞアにおけ ã‚‹æž… しん の海犁日本のいわゆる鎖囜など囜家による管理貿易が行われおおりその枠組み の䞭で日本や䞭囜東南アゞア各地で銅や海産物森林産品砂糖や曞物絹補品や陶 磁噚などが取匕されおいたこずを扱う。これらを螏たえ日本を含むアゞア各地が盞互に 経枈的に結び付いおいたこずに気付くようにする。 なお北西ペヌロッパ諞囜では䞭囜の磁噚やむンドの綿織物ぞの需芁が高たりアゞア ずの貿易は茞入が増加する䞀方で茞出は䌞匵しなかったこずなど 「アゞアの文物が欧 米諞囜に䞎えた圱響」 内容の取扱いに気付くようにする。 たた 「アゞア貿易における琉 りゅう 球 きゅう の圹割北方ずの亀易をしおいたアむヌに぀いお觊れ るこず。その際琉 りゅう 球 きゅう やアむヌの文化に぀いおも觊れるこず」 内容の取扱いに぀いお は琉 りゅう 球 きゅう が䞭囜・日本・東南アゞア間の䞭継貿易の拠点ずしお独自の文化を築いたこずに 觊れるずずもに18 䞖玀の琉 りゅう 球 きゅう ず日本や枅 しん ずの関係に぀いお觊れる。アむヌに぀いおは 北東アゞアに広い貿易ネットワヌクを構築しおいたこずなどに぀いお觊れるずずもに 「アむヌ民族を先䜏民族ずするこずを求める決議平成20 幎6 月6 日衆議院・参議院本䌚 議 」  「アむヌ文化の埩興等を促進するための民族共生象城空間の敎備及び管理運営に関
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145  歎史総合 する基本方針に぀いお平成26 幎6 月13 日閣議決定平成29 幎6 月27 日䞀郚倉曎  」 を螏たえ先䜏民族ずしお蚀語や宗教などで独自性を有するアむヌの人々の文化に぀いお も觊れる。 䞊蚘の18䞖玀のアゞアや日本における生産ず流通アゞア各地域間やアゞア諞囜ず欧 米諞囜の貿易の孊習に぀いおは小項目の䞻題を基にした孊習䞊の課題小項目党䜓に関 わる問いを螏たえ小項目のねらいに則した孊習を展開するこずが倧切である。そのた め掚移や展開を考察するための課題問いを蚭定しさらに事象を比范し関連付けお 考察するための課題問いを蚭定するなど事象それぞれの孊習の際に段階的に課題 問いを蚭定するこずが求められる。 こうしたアゞア諞囜ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたりする 孊習掻動を通じお18 䞖玀のアゞア諞囜における経枈掻動の特城アゞア各地域間の関 係アゞア諞囜ず欧米諞囜ずの関係などを倚面的・倚角的に考察し衚珟するこずによ り18䞖玀のアゞアの経枈ず瀟䌚を理解するこずができる。 以䞋は18䞖玀のアゞアや日本における生産ず流通に぀いお課題問いを蚭定し た孊習の䟋である。 䟋18䞖玀のアゞアや日本における生産ず流通に぀いお課題問いを蚭定した孊習 䟋えば 「18 䞖玀頃の䞭囜や日本では それぞれどのような商品がどのように生産され 流通しおいたのだろうか」などの掚移や展開を考察するための課題問いを教垫が蚭 定する。生埒は圓時の資料を掻甚しお諞産業の発展の背景や圱響を読み取り流通の 発展がもたらした意矩やそれらがそれぞれの地域の生掻や文化にもたらした圱響などを 考察しおアゞアにおける経枈発展の特城を理解する。 次に 「あなたは18 䞖玀頃の䞭囜ず日本の商品生産や流通を比范したずきその共 通点ず盞違点のうち䜕が重芁だず考えるかそれはなぜか」などの事象を比范し関 連付けお考察するための課題問いを蚭定し䞭囜ず日本ずの比范を通じお経枈発 展やそれに䌎う瀟䌚の倉容に぀いお倚面的・倚角的に考察し衚珟する。 【小項目  】 ア 次のような知識を身に付けるこず。    産業革呜ず亀通・通信手段の革新䞭囜の開枯ず日本の開囜などを基に工業化 ず䞖界垂堎の圢成を理解するこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    産業革呜の圱響䞭囜の開枯ず日本の開囜の背景ずその圱響などに着目しお䞻 題を蚭定しアゞア諞囜ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付け たりするなどしおアゞア諞囜ず欧米諞囜ずの関係の倉容などを倚面的・倚角的に 考察し衚珟するこず。
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146 第章 地理歎史科 の各科目 孊習に圓たっおは 1 で衚珟した孊習ぞの問いを螏たえお生埒の孊習ぞの動機付けや 芋通しを促し぀぀む  の産業革呜の圱響䞭囜の開枯ず日本の開囜の背景ずその圱響 などに着目し小項目のねらいに則した考察を導くための䞻題を蚭定する。その䞻題を孊 習䞊の課題ずするために䟋えば 「むギリスに始たる産業革呜は䞖界各地の瀟䌚や経 枈をどのように倉えたのだろうか。たたその倉化はアゞア諞囜ず欧米諞囜の関係をど のように倉えたのだろうか」などこの小項目党䜓に関わる問いを蚭定しお生埒に提瀺 する。これを螏たえおアゞア諞囜ずその他の囜家や地域の動向を比范したり盞互に関 連付けたりするなどしお倚面的・倚角的に考察したり衚珟したりするこずにより工業 化ず䞖界垂堎の圢成を理解する孊習が考えられる。 産業革呜ず亀通・通信手段の革新に぀いおは䞻にむギリスで綿工業を䞭心に技術革 新が起こったこずそれに䌎っお工業生産の機械化・倧芏暡化が起こったこずなどを扱 う。たた鉄道や蒞気船航路電信網の発達により原料や商品の倧量茞送や情報䌝達の 迅速化が進み䞖界各地の結び付きが匷たり始め欧米諞囜の工業化を促しおいったこず などに気付くようにする。 䞭囜の開枯ず日本の開囜に぀いおは欧米諞囜など工業化した囜による「軍事力を背景 に勢力拡匵を目指した競争が展開」 内容の取扱いし原材料及び補品の垂堎を䞖界に 求め䞖界各地が貿易で結び付けられたこずその䞭で䞭囜では欧米諞囜により開枯 堎の増加や貿易制限の倧幅な緩和が求められたこず日本では欧米諞囜のアゞア進出ず いう囜際情勢の䞭で倖亀政策の転換である開囜が倧きな囜内政治の倉化ず連動したこ ずその埌の察応を通じお日本でも産業革呜がおこりアゞアの各地域間の貿易もその圱 響で倧きく倉容したこずなどを扱う。たたアゞアの文物日本の矎術などを䟋に欧米 諞囜の生掻・文化ぞ圱響を䞎えたこずに気付くようにする。 䞊蚘の産業革呜ず亀通・通信手段の革新䞭囜の開枯ず日本の開囜の孊習に぀いおは 小項目の䞻題を基にした孊習䞊の課題小項目党䜓に関わる問いを螏たえ小項目のね らいに則した孊習を展開するこずが倧切である。そのため掚移や展開を考察するための 課題問いを蚭定しさらに事象を比范し関連付けお考察するための課題問いを蚭 定するなど事象それぞれの孊習の際に段階的に課題問いを蚭定するこずが求めら れる。 こうしたアゞア諞囜ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたりする 孊習掻動を通じおアゞア諞囜ず欧米諞囜ずの関係の倉容などを倚面的・倚角的に考察 し衚珟するこずにより工業化ず䞖界垂堎の圢成を理解するこずができる。 以䞋は䞭囜の開枯ず日本の開囜に぀いお課題問いを蚭定した孊習の䟋である。 䟋䞭囜の開枯ず日本の開囜に぀いお課題問いを蚭定した孊習 䟋えば 「欧米は なぜ䞭囜の開枯 日本の開囜を求めたのだろうか」  「䞭囜や日本は その埌貿易の拡倧にそれぞれどう察応したのだろうか」などの掚移や展開を考察する ための課題問いを教垫が蚭定する。生埒は圓時の資料を掻甚しお欧米諞囜のアゞ ア進出の背景やねらいを読み取りそれに察する䞭囜や日本の察応を螏たえ開枯・開囜
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147  歎史総合 がそれぞれの囜や人々の生掻に䞎えた圱響などを考察しお䞭囜の開枯ず日本の開囜の 背景やそれがもたらした圱響を理解する。 次に 「あなたは䞭囜の開枯ず日本の開囜が囜際瀟䌚に䞎えた圱響のうち泚目す べき点は䜕だず考えるか最も重芁なものは䜕だず考えるか それはなぜか」などの 事象を比范し関連付けお考察するための課題問いを蚭定しアゞアず欧米諞囜ずの 貿易やアゞアの各地域間の貿易の倉化やそこから生じた課題などを倚面的・倚角的に考 察し衚珟する。 3  囜民囜家ず明治維新 この䞭項目ではアゞア諞囜ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付け たりするなどしお政治倉革の特城囜民囜家の特城や瀟䌚の倉容などを考察し衚珟し お立憲䜓制ず囜民囜家の圢成を理解するこず垝囜䞻矩政策の特城列匷間の関係の倉 容などを考察し衚珟しお列匷の垝囜䞻矩政策ずアゞア諞囜の倉容を理解するこずをねら いずしおいる。 以䞋はこの䞭項目党䜓の構造を説明するためにアの「知識」に関する事項ずむの 「思考力刀断力衚珟力等」に関する事項ずの関係を瀺したものである。ア  ずむ   ア  ずむ  がそれぞれ結び付いお小項目を圢成し孊習が展開する。 3   囜民囜家ず明治維新 諞資料を掻甚し課題を远究したり解決したりする掻動を通しお次の事項を身に 付けるこずができるよう指導する。 ア 次のような知識を身に付けるこず。    18 䞖玀埌半以降の欧米の垂民革呜や囜民統合の動向日本の明治維新や倧日 本垝囜憲法の制定などを基に立憲䜓制ず囜民囜家の圢成を理解するこず。    列匷の進出ず怍民地の圢成日 にっ æž… しん ・日露戊争などを基に列匷の垝囜䞻矩政策 ずアゞア諞囜の倉容を理解するこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    囜民囜家の圢成の背景や圱響などに着目しお䞻題を蚭定しアゞア諞囜ずそ の他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたりするなどしお政治倉 革の特城囜民囜家の特城や瀟䌚の倉容などを倚面的・倚角的に考察し衚珟 するこず。    垝囜䞻矩政策の背景垝囜䞻矩政策がアゞア・アフリカに䞎えた圱響などに着 目しお䞻題を蚭定しアゞア諞囜ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞 互に関連付けたりするなどしお垝囜䞻矩政策の特城列匷間の関係の倉容など を倚面的・倚角的に考察し衚珟するこず。
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148 第章 地理歎史科 の各科目 【小項目  】 ア 次のような知識を身に付けるこず。    18 䞖玀埌半以降の欧米の垂民革呜や囜民統合の動向日本の明治維新や倧日本 垝囜憲法の制定などを基に立憲䜓制ず囜民囜家の圢成を理解するこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    囜民囜家の圢成の背景や圱響などに着目しお䞻題を蚭定しアゞア諞囜ずその 他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたりするなどしお政治倉革の 特城囜民囜家の特城や瀟䌚の倉容などを倚面的 ・ 倚角的に考察し衚珟するこず。 内容の取扱い 3 のアの  に぀いおは人々の政治的な発蚀暩が拡倧し近代民䞻䞻矩瀟䌚の基瀎が 成立したこずや囜民囜家以倖の囜家圢態が存圚したこずにも觊れるこず。たた富囜 匷兵や倧日本垝囜憲法の制定など日本の近代化ぞの諞政策に぀いおはこの時期に日本 の立憲囜家ずしおの基瀎が圢成されたこずやそれらず欧米諞囜の諞政策を比范するな どしお近代囜家ずしお日本の囜際的地䜍を欧米諞囜ず察等に匕き䞊げようずするもので あったこずに気付くようにするこず。たた日本の囜民囜家の圢成などの孊習においお 領土の画定などを取り扱うようにするこず。その際北方領土に觊れるずずもに竹島 尖閣諞島の線入に぀いおも觊れるこず。 孊習に圓たっおは 1 で衚珟した孊習ぞの問いを螏たえお生埒の孊習ぞの動機付けや 芋通しを促し぀぀む  の囜民囜家の圢成の背景や圱響などに着目し小項目のねらい に則した考察を導くための䞻題を蚭定する。その䞻題を孊習䞊の課題ずするために䟋え ば 「欧米で生たれた囜民囜家はなぜ日本をはじめ䞖界ぞ広がったのだろうか」など この小項目党䜓に関わる問いを蚭定しお生埒に提瀺する。これを螏たえアゞア諞囜ず その他の囜家や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたりするなどしお倚面的・倚角 的に考察したり衚珟したりするこずにより立憲䜓制ず囜民囜家の圢成を理解する孊習が 考えられる。 18䞖玀埌半以降の欧米の垂民革呜や囜民統合の動向に぀いおはフランス革呜などの 政治的倉動その過皋に芋られる自由䞻矩やナショナリズムの高たりアメリカ南北戊争 の展開ドむツ垝囜の成立などこの時期の西ペヌロッパずアメリカ合衆囜で垂民の政 治的発蚀暩の拡倧が進み立憲䜓制に基づいた囜民囜家の圢成が生たれたこずを扱う。た た囜民統合の過皋においお囜民囜家に属さない人々が存圚したこずや囜民囜家以倖 の囜家圢態が存圚したこずにも觊れる。さらにむギリスの芇暩の確立やそれに察抗する ペヌロッパ諞囜の工業化の掚進によっお日本を含む他の囜や地域における囜民囜家の圢 成が促されたこずにも気付くようにする。 日本の明治維新や倧日本垝囜憲法の制定に぀いおは欧米諞囜のアゞア進出ずいう囜際 情勢の䞭倩皇を䞭心ずした統䞀囜家構想などが生たれ明治維新に至った過皋や䞀連の 制床改革を掚進した明治政府の初期の斜策などから日本で䞭倮集暩囜家が圢成されたこ
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149  歎史総合 ずを扱う。たた明治初期の芖察や留孊倖囜人の招聘などによる欧米の制床の導入や 自由民暩運動にも瀺される人暩意識の流入や政治参加の拡倧を背景に日本の実情に合わ せた立憲䜓制が囜民囜家の政治䜓制ずしお圢成されたこずそしおこの立憲䜓制の成立が 欧米諞囜ずの䞍平等条玄を改正する前提ずもなったこずなどを扱う。 たた 「領土の画定など」 内容の取扱いに぀いおは我が囜の領土がロシアなどずの 間で囜際的に確定されたこずを扱う。その際北方領土歯 はが 舞 たい 矀島色 しこ äž¹ たん 島囜 くな 埌 しり 島択 え 捉 ずろふ 島が䞀貫しお我が囜の領土ずしお囜境蚭定がなされたこずに぀いおも觊れるずずも に竹島尖閣諞島に぀いおは我が囜が囜際法䞊正圓な根拠に基づき正匏に領土に線入 した経緯にも觊れこれらの領土に぀いおの我が囜の立堎が歎史的にも囜際法䞊も正圓で あるこずを理解できるようにする。 䞊蚘の18䞖玀埌半以降の欧米の垂民革呜や囜民統合の動向日本の明治維新や倧日本 垝囜憲法の制定の孊習に぀いおは小項目の䞻題を基にした孊習䞊の課題小項目党䜓に 関わる問いを螏たえ小項目のねらいに則した孊習を展開するこずが倧切である。その ため掚移や展開を考察するための課題問いを蚭定しさらに事象を比范し関連付け お考察するための課題問いを蚭定するなど事象それぞれの孊習の際に段階的に課 題問いを蚭定するこずが求められる。 こうしたアゞア諞囜ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたりする 孊習掻動を通じお政治改革の特城囜民囜家の特城や瀟䌚の倉容などを倚面的・倚角 的に考察し衚珟するこずにより立憲䜓制ず囜民囜家の圢成を理解するこずができる。 以䞋は18䞖玀埌半以降の欧米の垂民革呜や囜民統合の動向に぀いお課題問い を蚭定した孊習の䟋である。 䟋18䞖玀埌半以降の欧米の垂民革呜や囜民統合の動向に぀いお課題問いを蚭 定した孊習 䟋えば 「どのような経緯で囜民囜家は誕生したのだろうか」などの掚移や展開を考 察するための課題問いを教垫が蚭定する。生埒は圓時の諞資料を掻甚しながら日 垞生掻での囜民意識の高揚を読み取ったり諞戊争や諞革呜ず囜民統合の動きの関係を 考察したりしお欧米における囜民囜家の圢成に぀いお理解する。 次に「あなたは囜民統合の進展は埌の人々にどのような考えや課題をもたらすず 考えるか」などの事象を比范し関連付けお考察するための課題問いを蚭定し囜 民囜家圢成がもたらす倉容を敎理しながら囜民囜家の特色を倚面的 ・ 倚角的に考察し 衚珟する。
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150 第章 地理歎史科 の各科目 【小項目  】 ア 次のような知識を身に付けるこず。    列匷の進出ず怍民地の圢成日 にっ æž… しん ・日露戊争などを基に列匷の垝囜䞻矩政策ず アゞア諞囜の倉容を理解するこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    垝囜䞻矩政策の背景垝囜䞻矩政策がアゞア・アフリカに䞎えた圱響などに着目 しお䞻題を蚭定しアゞア諞囜ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互に 関連付けたりするなどしお垝囜䞻矩政策の特城列匷間の関係の倉容などを倚面 的・倚角的に考察し衚珟するこず。 内容の取扱い 3 のアの  に぀いおはアゞア諞囜では近代化に向けた動向や民族意識の圢成な ど䞻䜓的な瀟䌚倉革ぞの動きがあったこずにも気付くようにするこず。たた日本の 近代化や日露戊争の結果がアゞアの諞民族の独立や近代化の運動に䞎えた圱響ずずも に欧米諞囜がアゞア諞囜ぞ勢力を拡匵し日本が朝鮮半島や䞭囜東北地方ぞ勢力を拡 匵したこずに觊れ各囜の囜内状況や囜際関係の倉化に気付くようにするこず。 孊習に圓たっおは 1 で衚珟した孊習ぞの問いを螏たえお生埒の孊習ぞの動機付けや 芋通しを促し぀぀む  の垝囜䞻矩政策の背景垝囜䞻矩政策がアゞア・アフリカに䞎 えた圱響などに着目し小項目のねらいに則した考察を導くための䞻題を蚭定しその䞻 題を孊習䞊の課題ずするために䟋えば 「なぜ列匷は垝囜䞻矩政策をずったのだろう か」  「垝囜䞻矩政策は囜際瀟䌚にどのような圱響を及がしたのだろうか」などこの小 項目党䜓に関わる問いを蚭定しお生埒に提瀺する。これを螏たえアゞア諞囜ずその他 の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたりするなどしお倚面的・倚角的に考察 したり衚珟したりするこずにより列匷の垝囜䞻矩政策ずアゞア諞囜の倉容を理解する孊 習が考えられる。なおアゞア諞囜の「近代化に向けた動向や民族意識の圢成など」 内 容の取扱いに぀いおは枅 しん やオスマン垝囜を事䟋ずしお取り䞊げ䞻䜓的な動きがあっ たこずに気付くようにする。 列匷の進出ず怍民地の圢成に぀いおは列匷の囜内状況に觊れ぀぀アゞアやアフリカ を舞台ずした怍民地争奪や軍事同盟などの列匷同士の関係を䞭心に扱う。たた列匷の進 出がアゞアやアフリカにもたらした倉容に぀いおも觊れる。さらにこの時期における経 枈力や軍事力の重芁性やその匷倧な経枈力ず軍事力を生み出した科孊技術の進歩に぀い お觊れ倚くの列匷においお経枈力ず軍事力を維持・匷化するのに囜民囜家を前提ずし た官僚制や城兵制が倧きな圹割を果たしたこずにも気付くようにする。 日 にっ æž… しん ・日露戊争に぀いおは日 にっ æž… しん 戊争ず台湟の怍民地化䞉囜干枉ロシアの䞭囜・朝 鮮ぞの進出日露戊争ず韓囜䜵合などを扱い列匷のアゞア進出の動きや䞭囜ず朝鮮の動 向ずを関連させながら日本の動向を扱う。その際囜民の察倖意識の倉化ずずもに日 本の近代化や察倖姿勢に察するアゞア近隣諞囜民の受け止め方に぀いお觊れる。特に日
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151  歎史総合 露戊争における勝利がアゞア諞民族の独立や近代化の運動に刺激を䞎えたこずに気付くよ うにする。 䞊蚘の列匷の進出ず怍民地の圢成日 にっ æž… しん ・日露戊争の孊習に぀いおは小項目の䞻題を 基にした孊習䞊の課題小項目党䜓に関わる問いを螏たえ小項目のねらいに則した孊 習を展開するこずが倧切である。そのため掚移や展開を考察するための課題問いを 蚭定しさらに事象を比范し関連付けお考察するための課題問いを蚭定するなど事 象それぞれの孊習の際に段階的に課題問いを蚭定するこずが求められる。 こうしたアゞア諞囜ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたりする 孊習を通じお垝囜䞻矩政策の特城列匷間の関係の倉容などを倚面的・倚角的に考察 し衚珟するこずにより列匷の垝囜䞻矩政策ずアゞア諞囜の倉容を理解するこずができ る。 以䞋は列匷の進出ず怍民地の圢成に぀いお課題問いを蚭定した孊習の䟋であ る。 䟋列匷の進出ず怍民地の圢成に぀いお課題問いを蚭定した孊習 䟋えば 「この時期に列匷の怍民地獲埗競争はどのように進められたのだろうか」な どの事象の掚移や展開を考察するための課題問いを教垫が蚭定する。生埒は圓 時の諞資料を掻甚しながら産業革呜埌の列匷の経枈が抱える問題点を読み取りその問 題点の芁因を考察するなどしお怍民地獲埗の動機を理解する。 次に「アゞア・アフリカの囜々が怍民地ずなったこずによる倉化を理解するこずは あなたにずっおどのような意味があるず考えるか」などの事象を比范し関連付けお考 察するための課題問いを蚭定し怍民地ずなった地域における政治・瀟䌚・経枈の 課題をたずめるなどしお垝囜䞻矩の特質ず珟代的な諞課題ずの関わりを倚面的・倚角 的に考察し衚珟する。 4  近代化ず珟代的な諞課題 この䞭項目では近代化の歎史に存圚した課題に぀いお同時代の瀟䌚及び人々がそれ をどのように受け止め察凊の仕方を講じたのかを諞資料を掻甚しお考察し珟代的な諞 課題の圢成に関わる近代化の歎史を理解するこずをねらいずしおいる。さらに同時代に おける察凊にもかかわらず珟圚においおも察応が求められる課題ずしお残存しおいるこ ずに気付くように指導を工倫するこずが倧切である。 4   近代化ず珟代的な諞課題 内容の及びの 1 から 3 たでの孊習などを基に自由 ・ 制限平等 ・ 栌差開発 ・ 保党統合・分化察立・協調などの芳点から䞻題を蚭定し諞資料を掻甚しお远 究したり解決したりする掻動を通しお次の事項を身に付けるこずができるよう指導 する。
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152 第章 地理歎史科 の各科目 ア 次のような知識を身に付けるこず。    珟代的な諞課題の圢成に関わる近代化の歎史を理解するこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    事象の背景や原因結果や圱響などに着目しおアゞア諞囜ずその他の囜や地 域の動向を比范したり盞互に関連付けたりするなどしお䞻題に぀いお倚面的 ・ 倚角的に考察し衚珟するこず。 内容の取扱い 4 に぀いおは䞀぀あるいは耇数の芳点に぀いお取り䞊げこれたでの孊習を振 り返り適切な䞻題を蚭定するこず。その際自由 ・ 制限平等 ・ 栌差開発 ・ 保党統合 ・ 分化察立・協調などの芳点に瀺された二぀の芁玠のどちらかのみに着目するこずのな いよう留意するこず。 ここで瀺した五぀の芳点ずは珟代的な諞課題を歎史的に捉えるための枠組みの䟋であ る。したがっお構成される二぀の芁玠はここでは䞀䜓の枠組みずしお機胜するもので あるためどちらかの芁玠のみを芖点ずしお掻甚するものではない。 珟代的な諞課題はそれぞれの時期の歎史的状況に芏定され぀぀個人や集団の遞択・ 刀断の積み重ねの結果ずしお珟圚にたで受け継がれおきたものが倚い。歎史孊習を通し およりよい瀟䌚の実珟に向けお課題を生埒が展望できるようにするためには近代化の 歎史に存圚し珟代瀟䌚においおも調敎が求められ将来においおも匕き続き生埒たちが 盎面するこずの予想される事柄を含む問いを蚭定するこずが求められる。 自由・制限を芳点に䞻題を蚭定する堎合には䟋えば 「貿易を巡る問題がなぜ囜論 を二分したり戊争ぞ発展したりするのだろうか」などの問いを蚭定しお貿易を巡る囜内 や囜家間の察立を今日に続く課題ずしお取り䞊げるこずが考えられる。 具䜓的には19 䞖玀䞭ごろの貿易に関わる課題ずしおアヘン戊争や日本の開囜ア メリカ合衆囜における貿易を巡る囜内の察立などが考えられる。その際各囜で自由貿易 を支持する者もしくは保護貿易を支持する者に共通する状況を考察し衚珟する掻動も 有効である。 平等・栌差を芳点に䞻題を蚭定する堎合には䟋えば 「産業革呜に始たる工業化は 人々に䜕をもたらしたのだろうか」などの問いを蚭定しお囜内や囜家間の経枈的栌差 を今日に続く課題ずしお取り䞊げるこずが考えられる。 具䜓的には産業革呜の進展や垝囜䞻矩政策の展開に関わる課題ずしお産業革呜期の むギリスや日本の郜垂ず蟲村怍民地支配䞋のアゞア諞地域の状況の比范を通しお考察を 深めるような孊習が考えられる。その際劎働問題や瀟䌚問題が発生したこずを基に栌 差があるずころに平等を実珟しようずする思想や行動が生じるこずを考察し衚珟する掻動 も有効である。 開発・保党を芳点に䞻題を蚭定する堎合には䟋えば 「19 䞖玀環境に関しおどのよ うな問題が生じどのような察策が詊みられそれには圓時どのような限界があったのだ
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153  歎史総合 ろうか」などの問いを蚭定しお工業化にずもなう環境の悪化を今日に続く課題ずしお 取り䞊げるこずが考えられる。 具䜓的には産業革呜の進展に関わる課題ずしお河川の汚染や森林の砎壊ずいった環 境問題などが考えられる。その際公害の源ずなるような環境に悪圱響を及がす工堎が本 囜ではなく怍民地で建蚭されるようになるなど列匷以倖にも倉化が及んだこずを考察し 衚珟する掻動も有効である。 統合・分化を芳点に䞻題を蚭定する堎合には䟋えば 「南北戊争はアメリカ合衆囜 の囜民囜家化にどのような意味をもったのだろうか」などの問いを蚭定しお囜民統合の 匷化や囜民意識の倉容を今日に続く課題ずしお取り䞊げるこずが考えられる。 具䜓的には囜民囜家の圢成に関わる課題ずしお合衆囜における垂民暩の芁件ず移民 や先䜏民の関係に぀いお考察を深めるような孊習が考えられる。その際日 にっ æž… しん ・日露戊争 前埌での日本における囜民意識の圢成などず比范しお考察し衚珟する掻動も有効である。 察立・協調を芳点に䞻題を蚭定する堎合には䟋えば 「日本の近代化の過皋には倧き な察立が生じおいたのにもかかわらずなぜ急速に囜民囜家の圢成に向かったのだろう か」などの問いを蚭定しお囜内政治に囜際情勢が及がす圱響を今日に続く課題ずしお 取り䞊げるこずが考えられる。 具䜓的には列匷の接近の䞭で幕府及び倒幕勢力が共有した危機感などを芋いだしそ の埌の近代囜家の圢成ずの関わりに぀いおの考察を深めるような孊習が考えられる。その 際察倖的な課題ず囜内の政治倉革の関係など圓時のアゞア諞囜の倉化に぀いお考察し 衚珟する掻動も有効である。
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154 第章 地理歎史科 の各科目  囜際秩序の倉化や倧衆化ず私たち この倧項目では政治倖亀経枈思想や文化などの様々な面で囜際的な結び付きが 匷たり囜家間の関係性が倉化したこずや個人や集団の瀟䌚参加が拡倧したこずを背景ず しお人々の生掻や瀟䌚の圚り方が倉化したこずを扱い䞖界ずその䞭における日本を広 く盞互的な芖野から捉えお考察し珟代的な諞課題の圢成に関わる囜際秩序の倉化や倧衆 化の歎史を理解できるようにするこずをねらいずしおいる。 1 「囜際秩序の倉化や倧衆化ぞの問い」では䞭孊校たでの孊習を螏たえ諞資料を掻甚 しお情報を読み取ったりたずめたりする技胜を習埗し囜際秩序の倉化や人々の生掻 や瀟䌚の圚り方が倧衆化に䌎い倉化したこずに぀いお考察するための問いを衚珟する孊 習を行う。 2 「第䞀次䞖界倧戊ず倧衆瀟䌚」では日本ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞 互に関連付けたりするなどしお総力戊ず第䞀次䞖界倧戊埌の囜際協調䜓制倧衆瀟䌚 の圢成ず瀟䌚運動の広がりを理解できるようにする。 3 「経枈危機ず第二次䞖界倧戊」では日本ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞 互に関連付けたりするなどしお囜際協調䜓制の動揺第二次䞖界倧戊埌の囜際秩序ず 日本の囜際瀟䌚ぞの埩垰を理解できるようにする。 4 「囜際秩序の倉化や倧衆化ず珟代的な諞課題」では珟代的な諞課題に぀ながる歎史的 な芳点から䞻題を蚭定し日本ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付 けたりするなどしお䞻題に぀いお倚面的・倚角的に考察し珟代的な諞課題の圢成に 関わる囜際秩序の倉化や倧衆化の歎史を理解できるようにする。 1  囜際秩序の倉化や倧衆化ぞの問い この䞭項目では䞭孊校たでの孊習䞊びに及びの孊習を螏たえお諞資料を掻甚し お情報を読み取ったりたずめたりする技胜を習埗し私たちの生掻や瀟䌚の圚り方が囜 際秩序の倉化や倧衆化に䌎い倉化したこずに぀いお考察するための問いを衚珟するこずを ねらいずしおいる。 以䞋はこの䞭項目党䜓の構造を説明するためにアの「技胜」に関する事項ずむの 「思考力刀断力衚珟力等」に関する事項ずの関係を瀺したものである。これらのアず むが結び付いお孊習が展開する。 1   囜際秩序の倉化や倧衆化ぞの問い 囜際関係の緊密化アメリカ合衆囜ず゜ノィ゚ト連邊の台頭怍民地の独立倧衆 の政治的・経枈的・瀟䌚的地䜍の倉化生掻様匏の倉化などに関する資料を掻甚し 課題を远究したり解決したりする掻動を通しお次の事項を身に付けるこずができる よう指導する。 ア 次のような技胜を身に付けるこず。    資料から情報を読み取ったりたずめたりする技胜を身に付けるこず。
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155  歎史総合 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    囜際秩序の倉化や倧衆化に䌎う生掻や瀟䌚の倉容に぀いお考察し問いを衚珟 するこず。 内容の取扱い 1 に぀いおは䞭孊校たでの孊習䞊びに及びの孊習を螏たえ孊習内容ぞの課 題意識をもたせるずずもに 2  3 及び 4 の孊習内容を芋通しお指導するこず。 孊習に圓たっおは取り䞊げた耇数の資料を組み合わせお掻甚し身近な生掻ず関わら せお課題意識を育み情報を読み取ったりたずめたりしお資料を掻甚する技胜を習埗し぀ ぀む  の囜際秩序の倉化や倧衆化に䌎う生掻や瀟䌚の倉容に぀いお考察しその過皋 で生埒が芋いだした疑問を問いで衚珟するこずでこの䞭項目の冒頭に瀺したねらいを実 珟できるようにする。 問いを衚珟するずは囜際秩序の倉化や倧衆化に䌎い生掻や瀟䌚が倉化したこずを瀺す 資料から情報を読み取ったりたずめたり耇数の資料を比范したり関連付けたりするこ ずにより生埒が興味・関心をもったこず疑問に思ったこず远究したいこずなどを芋 いだす孊習掻動を意味しおいる。歎史に察する驚きや玠朎な問いが歎史孊習の出発点であ るこずを螏たえ生埒が資料から読み取った歎史に぀いおの事象それ自䜓ぞの問いを衚珟 する䞭で孊習内容に察する生埒の課題意識を育むこずが倧切である。生埒が問いを衚珟 する過皋においおは単に驚きや玠朎な問いの衚珟にずどたらず 「䞭孊校たでの孊習䞊 びに及びの孊習を螏たえ」 内容の取扱い 衚珟した問いに぀いお「 2  3 及び 4 の孊習内容を芋通しお指導するこず」 内容の取扱いが倧切である。教垫は生埒が考 察の結果衚珟した問いを続く 2  3 及び 4 の孊習内容ぞの課題意識に぀ながるよ う指導を工倫するこずが倧切である。 2  3 及び 4 の孊習においおは授業のねらい に基づいお生埒が衚珟した問いを螏たえたり衚珟した問いず関連付けたりしお䞻題を 蚭定するなどしお生埒の課題意識を掻甚し孊習意欲が高たるよう工倫するこずが倧切で ある。 孊習に際しおは以䞋に瀺す資料を掻甚しお生埒がそれらの情報を読み取ったりたず めたりしながら人々の生掻や瀟䌚の圚り方が囜際秩序の倉化や倧衆化に䌎い倉化したこ ずに関わっお抱いた興味・関心や疑問远究しおみたいこずなどを芋いだしお自分自身 の問いを衚珟できるようにするこずが必芁である。 囜際関係の緊密化を取り䞊げた堎合は䟋えば教垫が二぀の䞖界倧戊における参戊 囜数や戊死者数の増倧を瀺す資料囜際䌚議の開催など掻発な倖亀が行われたこずを瀺す 資料貿易・金融など囜際経枈が拡倧したこずを瀺す資料瀟䌚的珟象が囜境を越えた圢 で広がっおいくこずを瀺す資料などを提瀺し20 䞖玀に起こった䞖界倧戊ずこれたでの 戊争ずの違いや䞖界倧戊ず呌ばれるようになった背景など生埒が歎史的な芋方・考え方 を働かせお資料から情報を読み取るこずができるように指導を工倫する。生埒はそれら の情報を読み取ったりたずめたりしながら生産力の向䞊や科孊技術の発達などず戊争ず
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156 第章 地理歎史科 の各科目 の関係などを考察する。 アメリカ合衆囜ず゜ノィ゚ト連邊の台頭を取り䞊げた堎合には䟋えば教垫がアメ リカ合衆囜及び゜ノィ゚ト連邊の台頭によっお西欧䞭心的な䞖界から囜際関係が倚栞化し たこずを瀺す資料囜際的な組織や安党保障䜓制ず米゜ずの関係の倉化を瀺す資料囜別 のGDP の倉化を瀺す資料などを提瀺し第䞀次䞖界倧戊埌に囜際瀟䌚においお匷い発蚀 力をも぀ようになった囜の特城やアメリカ合衆囜ず゜ノィ゚ト連邊が囜際瀟䌚で圱響力 をも぀ようになった背景など生埒が歎史的な芋方・考え方を働かせお資料から情報を読 み取るこずができるように指導を工倫する。生埒はそれらの情報を読み取ったりたずめ たりしながら第䞀次䞖界倧戊䞭から倧戊埌の囜際関係の倉容を考察する。 怍民地の独立を取り䞊げた堎合には䟋えば教垫が独立囜の数や怍民地面積の倉化 を瀺す資料囜際連盟や囜際連合などの組織における怍民地問題ぞの察応に関する資料な どを提瀺し䞖界の囜の数の掚移や怍民地の独立の芁因など生埒が歎史的な芋方・考え 方を働かせお資料から情報を読み取るこずができるように指導を工倫する。生埒はそれ らの情報を読み取ったりたずめたりしながらこの時期における怍民地の独立の芁因や条 件を考察する。 倧衆の政治的・経枈的・瀟䌚的地䜍の倉化を取り䞊げた堎合には䟋えば教垫が参 政暩の拡倧や政党の発展を瀺す資料劎働組合や女性団䜓などの組織の拡倧を瀺す資料 デモ行進やストラむキなどの拡倧を瀺す資料囜民の所埗栌差の瞮小を瀺す資料初等・ 䞭等・高等教育の拡倧の様子を瀺す資料女子教育の普及の様子を瀺す資料新聞・雑誌 の発行郚数の増倧を瀺す資料ラゞオの生産台数の増加や圓時の攟送プログラム等の資料 などを提瀺し圓時の人々が求めたものずそれ以前の時代の人々が求めたものの違いな ど生埒が歎史的な芋方・考え方を働かせお資料から情報を読み取るこずができるように 指導を工倫する。生埒はそれらの情報を読み取ったりたずめたりしながら倧衆瀟䌚の 特城を考察する。 生掻様匏の倉化を取り䞊げた堎合には䟋えば教垫が倧量生産技術や新玠材の開発 によっお倧量消費瀟䌚が生たれた様子を瀺す資料産業構造の倉化を背景に郜垂化が進ん だこずを瀺す資料ファッション・嚯楜など生掻スタむルの倉化を瀺す資料䞊海・シン ガポヌルなど囜際郜垂の様子を瀺す資料移民の増加を瀺す資料などを提瀺し第䞀次䞖 界倧戊埌に起こった生掻様匏の倉化やその倉化が起こった芁因など生埒が歎史的な芋 方・考え方を働かせお資料から情報を読み取るこずができるように指導を工倫する。生埒 はそれらの情報を読み取ったりたずめたりしながら瀟䌚状況の倉化ず人々の生掻ずの 関係を考察する。 その際囜際関係の緊密化アメリカ合衆囜ず゜ノィ゚ト連邊の台頭怍民地の独立 倧衆の政治的・経枈的・瀟䌚的地䜍の倉化生掻様匏の倉化などの資料を耇数組み合わせ お関連付けたりそれらのうち䞀぀の内容であっおも芖点の異なる耇数の資料を比范した りするなど豊富な資料を教材ずしお生埒がそれらの情報を読み取ったりたずめたりす るこずにより囜際秩序の倉化や倧衆化に䌎う生掻や瀟䌚の倉容に぀いおの考察を深め 自分自身の問いを衚珟できるようにするこずが必芁である。
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157  歎史総合 たた 1 で衚珟した問いを 2 以降の孊習の過皋においお深化させたり新たな課題 問いを芋いだしたりするなどしお生埒の歎史孊習に察する関心を高め課題意識を 醞成し生埒の新たな孊びに向かう姿勢を育んでいくこずが倧切である。 2  第䞀次䞖界倧戊ず倧衆瀟䌚 この䞭項目では日本ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたりす るなどしお第䞀次䞖界倧戊の性栌ず惚犍日本ずアゞア及び倪平掋地域の関係や囜際協 調䜓制の特城などを考察したり衚珟したりしお総力戊ず第䞀次䞖界倧戊埌の囜際協調䜓 制を理解できるようにするこずたた第䞀次䞖界倧戊埌の瀟䌚の倉容ず瀟䌚運動ずの関 連などを考察したり衚珟したりしお倧衆瀟䌚の圢成ず瀟䌚運動の広がりを理解できるよ うにするこずをねらいずしおいる。 以䞋はこの䞭項目党䜓の構造を説明するためにアの「知識」に関する事項ずむの 「思考力刀断力衚珟力等」に関する事項ずの関係を瀺したものである。ア  ずむ   ア  ずむ  がそれぞれ結び付いお小項目を圢成し孊習が展開する。 2   第䞀次䞖界倧戊ず倧衆瀟䌚 諞資料を掻甚し課題を远究したり解決したりする掻動を通しお次の事項を身に 付けるこずができるよう指導する。 ア 次のような知識を身に付けるこず。    第䞀次䞖界倧戊の展開日本やアゞアの経枈成長゜ノィ゚ト連邊の成立ずア メリカ合衆囜の台頭ナショナリズムの動向ず囜際連盟の成立などを基に総力 戊ず第䞀次䞖界倧戊埌の囜際協調䜓制を理解するこず。    倧衆の政治参加ず女性の地䜍向䞊倧正デモクラシヌず政党政治倧量消費瀟 䌚ず倧衆文化教育の普及ずマスメディアの発達などを基に倧衆瀟䌚の圢成ず 瀟䌚運動の広がりを理解するこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    第䞀次䞖界倧戊の掚移ず第䞀次䞖界倧戊が倧戊埌の䞖界に䞎えた圱響日本 の参戊の背景ず圱響などに着目しお䞻題を蚭定し日本ずその他の囜や地域の 動向を比范したり盞互に関連付けたりするなどしお第䞀次䞖界倧戊の性栌ず 惚犍日本ずアゞア及び倪平掋地域の関係や囜際協調䜓制の特城などを倚面的・ 倚角的に考察し衚珟するこず。    第䞀次䞖界倧戊前埌の瀟䌚の倉化などに着目しお䞻題を蚭定し日本ずその 他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたりするなどしお第䞀次䞖 界倧戊埌の瀟䌚の倉容ず瀟䌚運動ずの関連などを倚面的・倚角的に考察し衚 珟するこず。
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158 第章 地理歎史科 の各科目 【小項目  】 ア 次のような知識を身に付けるこず。    第䞀次䞖界倧戊の展開日本やアゞアの経枈成長゜ノィ゚ト連邊の成立ずアメ リカ合衆囜の台頭ナショナリズムの動向ず囜際連盟の成立などを基に総力戊ず 第䞀次䞖界倧戊埌の囜際協調䜓制を理解するこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    第䞀次䞖界倧戊の掚移ず第䞀次䞖界倧戊が倧戊埌の䞖界に䞎えた圱響日本の  参戊の背景ず圱響などに着目しお䞻題を蚭定し日本ずその他の囜や地域の動向 を比范したり盞互に関連付けたりするなどしお第䞀次䞖界倧戊の性栌ず惚犍 日本ずアゞア及び倪平掋地域の関係や囜際協調䜓制の特城などを倚面的・倚角的に 考察し衚珟するこず。 内容の取扱い 2 のアの  に぀いおは瀟䌚䞻矩思想の広がりやロシア革呜による゜ノィ゚ト連邊 の成立がその埌の䞖界に䞎えた圱響にも觊れるこず。たた囜際連盟の成立囜際的 な軍瞮条玄や䞍戊条玄の締結などを扱いその䞭で日本が果たした圹割や囜際的な立堎 の倉化に぀いお觊れるこず。 孊習に圓たっおは 1 で衚珟した孊習ぞの問いを螏たえお生埒の孊習ぞの動機付けや 芋通しを促し぀぀む  の第䞀次䞖界倧戊の掚移ず第䞀次䞖界倧戊が倧戊埌の䞖界に䞎 えた圱響日本の参戊の背景ず圱響などに着目し小項目のねらいに則した考察を導くた めの䞻題を蚭定する。その䞻題を孊習䞊の課題ずするために䟋えば 「第䞀次䞖界倧戊 は囜際関係をどのように倉えたのだろうか」などこの小項目党䜓に関わる問いを蚭定 しお生埒に提瀺する。これを螏たえ日本ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞 互に関連付けたりするなどしお倚面的・倚角的に考察したり衚珟したりするこずによ り総力戊ず第䞀次䞖界倧戊埌の囜際協調䜓制を理解する孊習が考えられる。 第䞀次䞖界倧戊の展開に぀いおは第䞀次䞖界倧戊は䞖界の぀ながりが䞀局進行しお利 害が耇雑に亀錯する䞭で列匷間の垝囜䞻矩的な察立を背景ずしお起こった戊争であった こず倧戊が倧芏暡で長期化したため倚くの物資や人員の動員が必芁になりか぀倚数の 死傷者が出たこず戊争の圱響が戊争圓事囜の囜民のみならず他民族や怍民地䜏民にも及 んだこずなどに぀いお扱うずずもに第䞀次䞖界倧戊が総力戊ずなり戊埌の倧衆化を促進 したこずになどに気付くようにする。 日本やアゞアの経枈成長に぀いおは日本で倧戊景気が起こったこずなどを扱い経枈 発展の過皋で生み出された栌差の拡倧倧戊終了埌の囜際的な経枈環境の倉化による䞍況 などから生じた経枈的な芁求ず倧衆運動の関係に぀いお觊れる。たた䞭囜やむンドなど アゞアでは民族資本の成長を背景に茞入代替化が進んだこずそのこずなどを通しお経枈 発展が生たれたこずなどに぀いお扱い䞭囜やむンドでの第䞀次䞖界倧戊埌のナショナリ ズムの勃興の経枈的背景ずなったこずなどに気付くようにする。
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159  歎史総合 ゜ノィ゚ト連邊の成立ずアメリカ合衆囜の台頭に぀いおはロシアにおいお革呜が起 き史䞊初の瀟䌚䞻矩政暩が発足しその埌゜ノィ゚ト連邊が成立したこずを扱い䞖界 各地に共産党が創蚭されたり怍民地・埓属囜の民族運動に圱響を䞎えたりしたこずに觊 れる。たた資本䞻矩囜における瀟䌚・犏祉政策に圱響を䞎え倧衆化の進展にも圱響を 及がしたこずに気付くようにする。たた第䞀次䞖界倧戊の終結に倧きな圱響力を及がし たアメリカ合衆囜が戊埌むギリスに代わっお囜際政治・経枈を䞻導する倧囜ずしお台頭 したこずを扱う。たた経枈的繁栄に裏打ちされた本栌的な倧衆瀟䌚が到来するずずも にその生掻様匏がペヌロッパ諞囜や日本にも波及したこずなどに぀いお觊れる。 ナショナリズムの動向ず囜際連盟の成立に぀いおは䞭囜朝鮮英領むンド゚ゞプ トなどで倧戊䞭の経枈成長や民族自決の気運の高たりなどを背景に第䞀次䞖界倧戊埌 にナショナリズムの運動が掻発になり列匷による怍民地の支配䜓制が動揺したこずを扱 う。たた第䞀次䞖界倧戊の惚犍ぞの反省から集団安党保障の考えに基づく囜際連盟が創 蚭されたこずや軍瞮を目指す囜際䌚議の開催䞍戊条玄の締結などにより倧囜䞻導によ る囜際協調を目指したノェルサむナ・ワシントン䜓制が圢成されたこずに觊れる。なお 日本は囜際連盟の垞任理事囜になるなど囜際瀟䌚での新たな圹割が生じたこずに觊れ る。 䞊蚘の第䞀次䞖界倧戊の展開日本やアゞアの経枈成長゜ノィ゚ト連邊の成立ずアメ リカ合衆囜の台頭ナショナリズムの動向ず囜際連盟の成立の孊習に぀いおは小項目の 䞻題を基にした孊習䞊の課題小項目党䜓に関わる問いを螏たえ小項目のねらいに則 した孊習を展開するこずが倧切である。そのため掚移や展開を考察するための課題問 いを蚭定しさらに事象を比范し関連付けお考察するための課題問いを蚭定するな ど事象それぞれの孊習の際に段階的に課題問いを蚭定するこずが求められる。 こうした日本ずその他の囜や地域の動向を比范したり関連付けたりする孊習掻動を通 じお第䞀次䞖界倧戊の性栌ず惚犍日本ずアゞア及び倪平掋地域の関係や囜際協調䜓制 の特城などを倚面的・倚角的に考察し衚珟するこずにより総力戊ず第䞀次䞖界倧戊埌 の囜際協調䜓制を理解するこずができる。 以䞋は第䞀次䞖界倧戊の展開に぀いお課題問いを蚭定した孊習の䟋である。 䟋第䞀次䞖界倧戊の展開に぀いお課題問いを蚭定した孊習 䟋えば 「日本やアメリカ合衆囜䞭囜政府さらに英領むンドなどは䜕を期埅しお 戊争に参加したのだろうか」などの事象の掚移や展開を考察するための課題問い を教垫が蚭定する。生埒は圓時の資料を掻甚しながら第䞀次䞖界倧戊が起こった背景 やその掚移に぀いお考察したりペヌロッパ諞囜のみならずそれ以倖の地域の囜々や怍 民地たでもが戊争に加わった理由を考察したりしお 第䞀次䞖界倧戊の展開を理解する。 次に「あなたは第䞀次䞖界倧戊が長期戊ずなり未曟有の被害が発生したこずに぀ いおその最も倧きな芁因は䜕だず考えるか」などの事象を比范し関連付けお考察す るための課題 問い を蚭定し 第䞀次䞖界倧戊が総力戊ずなったこずや科孊技術の進歩 耇雑な利害関係の圢成など第䞀次䞖界倧戊により甚倧な被害が生じた背景や原因を倚
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160 第章 地理歎史科 の各科目 面的・倚角的に考察し衚珟する。 【小項目  】 ア 次のような知識を身に付けるこず。    倧衆の政治参加ず女性の地䜍向䞊倧正デモクラシヌず政党政治倧量消費瀟䌚 ず倧衆文化教育の普及ずマスメディアの発達などを基に倧衆瀟䌚の圢成ず瀟䌚 運動の広がりを理解するこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    第䞀次䞖界倧戊前埌の瀟䌚の倉化などに着目しお䞻題を蚭定し日本ずその他 の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたりするなどしお第䞀次䞖界倧 戊埌の瀟䌚の倉容ず瀟䌚運動ずの関連などを倚面的・倚角的に考察し衚珟するこ ず。 内容の取扱い 2 のアの  に぀いおは䞖論の圱響力が高たる䞭で民䞻䞻矩的颚朮が圢成され日 本においお議䌚政治に基づく政党内閣制が機胜するようになったこずに觊れるこず。 孊習に圓たっおは 1 で衚珟した孊習ぞの問いを螏たえお生埒の孊習ぞの動機付けや 芋通しを促し぀぀む  の第䞀次䞖界倧戊前埌の瀟䌚の倉化などに着目し小項目のね らいに則した考察を導くための䞻題を蚭定する。その䞻題を孊習䞊の課題ずするために 䟋えば 「なぜ1920 幎代に倧衆文化が広範囲に及んだのだろうか」などこの小項目党 䜓に関わる問いを蚭定しお生埒に提瀺する。これを螏たえ日本ずその他の囜や地域の 動向を比范したり盞互に関連付けたりするなどしお倚面的・倚角的に考察したり衚珟 したりするこずにより倧衆瀟䌚の圢成ず瀟䌚運動の広がりを理解する孊習が考えられ る。 倧衆の政治参加ず女性の地䜍向䞊に぀いおは欧米諞囜では19 䞖玀埌半から囜民生 掻の向䞊などにより人々の政治参加が進み䞀定の圱響力をも぀に至ったこずを扱う。 ずりわけ女性の瀟䌚における機䌚均等などを求める運動が掻発化し第䞀次䞖界倧戊䞭に 瀟䌚における圹割が倧きくなったこずで地䜍の向䞊が進んだこずを扱う。このこずを背 景に各囜で瀟䌚・犏祉政策遞挙暩の拡倧などが進んだこずに気付くようにする。 倧正デモクラシヌず政党政治に぀いおは日本においお囜内では第䞀次護憲運動や米 隒動など倧衆の動きが掻発になったこずに加えアメリカ民䞻䞻矩の䌝播ロシア革呜ず 瀟䌚䞻矩政暩の成立など䞖界的な流れを受け民本䞻矩思想の普及普通遞挙運動の高た り第二次護憲運動の展開を経お政党政治が実珟しおいく過皋を扱い政党内閣の憲政 史䞊の意矩などに぀いお気付くようにする。たた瀟䌚䞻矩運動劎働運動蟲民運動の 展開郚萜解攟運動や女性の地䜍向䞊を目指す運動などの掻発化ずずもに囜家や瀟䌚の 圚り様を暡玢する倚様な思想や運動が生たれたこずその動きの背景には劎働者のみなら
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161  歎史総合 ず新䞭間局や孊生たちの瀟䌚的進出があったこずに気付くようにする。 倧量消費瀟䌚ず倧衆文化に぀いおは欧米では19 䞖玀埌半から進んでいた第二次産業 革呜や科孊技術の革新の流れが第䞀次䞖界倧戊を機に䞀局加速し産業構造の倉化倧量 生産・倧量消費瀟䌚の到来郜垂化の進行をもたらしたこずなどに぀いお扱う。さらに このこずを背景にアメリカ的な生掻様匏や䟡倀芳の圱響などから商業䞻矩的な倧衆文化 が生たれたり耐久消費財の発達を背景に近代的合理的な生掻様匏が取り入れられたり したこずに觊れ生掻の平準化・画䞀化が進んだこずに気付くようにする。 教育の普及ずマスメディアの発達に぀いおは教育が普及したこずでマスメディアによ る情報を掻甚する局が増加し新聞・雑誌ラゞオその他メディアが拡倧したこずを扱 い倧衆の政治的瀟䌚的な自芚が高たりマスメディアの発達ずずもに政治に倧きな圱 響を及がすようになったこずなどに぀いお気付くようにする。 䞊蚘の倧衆の政治参加ず女性の地䜍向䞊倧正デモクラシヌず政党政治倧量消費瀟䌚 ず倧衆文化教育の普及ずマスメディアの発達の孊習に぀いおは小項目の䞻題を基にし た孊習䞊の課題小項目党䜓に関わる問いを螏たえ小項目のねらいに則した孊習を展 開するこずが倧切である。そのため掚移や展開を考察するための課題問いを蚭定 しさらに事象を比范し関連付けお考察するための課題問いを蚭定するなど事象そ れぞれの孊習の際に段階的に課題問いを蚭定するこずが求められる。 こうした日本ずその他の囜や地域の動向を比范したり関連付けたりする孊習掻動を通 じお第䞀次䞖界倧戊埌の瀟䌚の倉容ず瀟䌚運動ずの関連などを倚面的・倚角的に考察 し衚珟するこずにより倧衆瀟䌚の圢成ず瀟䌚運動の広がりを理解するこずができる。 以䞋は倧量消費瀟䌚ず倧衆文化に぀いお課題問いを蚭定した孊習の䟋である。 䟋倧量消費瀟䌚ず倧衆文化に぀いお課題問いを蚭定した孊習 䟋えば 「倧量生産や倧量消費が人々の生掻をどのように倉えたのだろうか」などの 掚移や展開を考察するための課題問いを教垫が蚭定する。生埒は圓時の諞資料を 掻甚しながら倧量生産・倧量消費が瀟䌚にもたらした圱響に぀いお考察し倧衆文化の 特城を理解する。 次に「あなたは圓時の瀟䌚や文化の倉化のうちその埌の政治や経枈に最も倧きな 圱響を䞎えたのは䜕だず考えるかそれはなぜか」などの事象を比范し関連付けお考 察するための課題問いを蚭定し郜垂的で画䞀化した生掻様匏や新䞭間局の成立 倧衆瀟䌚の成立の背景や原因を倚面的・倚角的に考察し衚珟する。
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162 第章 地理歎史科 の各科目 3  経枈危機ず第二次䞖界倧戊 この䞭項目では日本ずその他の囜や地域の動向ずを比范したり盞互に関連付けたり するなどしお各囜の䞖界恐慌ぞの察応の特城囜際協調䜓制の動揺の芁因などを考察し たり衚珟したりしお囜際協調䜓制の動揺を理解できるようにするこずたた第二次䞖 界倧戊の性栌ず惚犍第二次䞖界倧戊䞋の瀟䌚状況や人々の生掻日本に察する占領政策 ず囜際情勢ずの関係などを考察したり衚珟したりしお第二次䞖界倧戊埌の囜際秩序ず日 本の囜際瀟䌚ぞの埩垰を理解できるようにするこずをねらいずしおいる。 なお1940 幎代埌半から1950 幎代初頭たでの時代に぀いおは囜際秩序の圢成の基本 理念や犏祉面での囜家の積極的な介入の方向性などの連続性に着目し第二次䞖界倧戊 の勃発から䞀぀の䞭項目ずしお構成した。 以䞋はこの䞭項目党䜓の構造を説明するためにアの「知識」に関する事項ずむの 「思考力刀断力衚珟力等」に関する事項ずの関係を瀺したものである。ア  ずむ   ア  ずむ  がそれぞれ結び付いお小項目を圢成し孊習が展開する。 3   経枈危機ず第二次䞖界倧戊 諞資料を掻甚し課題を远究したり解決したりする掻動を通しお次の事項を身に 付けるこずができるよう指導する。 ア 次のような知識を身に付けるこず。    䞖界恐慌ファシズムの䌞匵日本の察倖政策などを基に囜際協調䜓制の動 揺を理解するこず。    第二次䞖界倧戊の展開囜際連合ず囜際経枈䜓制冷戊の始たりずアゞア諞囜 の動向 戊埌改革ず日本囜憲法の制定 平和条玄ず日本の独立の回埩などを基に 第二次䞖界倧戊埌の囜際秩序ず日本の囜際瀟䌚ぞの埩垰を理解するこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    経枈危機の背景ず圱響囜際秩序や政治䜓制の倉化などに着目しお䞻題を蚭 定し日本ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたりするな どしお各囜の䞖界恐慌ぞの察応の特城囜際協調䜓制の動揺の芁因などを倚 面的・倚角的に考察し衚珟するこず。    第二次䞖界倧戊の掚移ず第二次䞖界倧戊が倧戊埌の䞖界に䞎えた圱響第二 次䞖界倧戊埌の囜際秩序の圢成が瀟䌚に及がした圱響などに着目しお䞻題を蚭 定し日本ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたりするな どしお第二次䞖界倧戊の性栌ず惚犍第二次䞖界倧戊䞋の瀟䌚状況や人々の 生掻日本に察する占領政策ず囜際情勢ずの関係などを倚面的 ・ 倚角的に考察し 衚珟するこず。 【小項目  】 ア 次のような知識を身に付けるこず。
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163  歎史総合    䞖界恐慌ファシズムの䌞匵日本の察倖政策などを基に囜際協調䜓制の動揺 を理解するこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    経枈危機の背景ず圱響囜際秩序や政治䜓制の倉化などに着目しお䞻題を蚭定 し 日本ずその他の囜や地域の動向を比范したり 盞互に関連付けたりするなどしお 各囜の䞖界恐慌ぞの察応の特城囜際協調䜓制の動揺の芁因などを倚面的・倚角 的に考察し衚珟するこず。 内容の取扱い 3 のアの  に぀いおは䞖界恐慌による混乱日本の政治䜓制や察倖政策の倉化 囜際協調を基調ずするこれたでの囜際秩序の倉容などに぀いお觊れるこず。その際圓 時の政治制床の特性や囜際情勢に觊れるこず。 孊習に圓たっおは 1 で衚珟した孊習ぞの問いを螏たえお生埒の孊習ぞの動機付けや 芋通しを促し぀぀む  の経枈危機の背景ず圱響囜際秩序や政治䜓制の倉化などに着 目し小項目のねらいに則した考察を導くための䞻題を蚭定する。その䞻題を孊習䞊の課 題ずするために䟋えば 「第䞀次䞖界倧戊埌に囜際協調䜓制が成立したにもかかわらず なぜ第二次䞖界倧戊が勃発したのだろうか」などこの小項目党䜓に関わる問いを蚭定し お生埒に提瀺する。これを螏たえ日本ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互 に関連付けたりするなどしお倚面的・倚角的に考察したり衚珟したりするこずにより 囜際協調䜓制の動揺を理解する孊習が考えられる。 䞖界恐慌に぀いおはニュヌディヌル政策やブロック経枈政策など各囜の恐慌察策を扱 う。むタリアドむツは経枈危機の打開のために領土の拡倧を目指したこずに觊れる。 日本に぀いおは積極的な財政支出ず茞出の超過によっお恐慌の克服を目指したこずやそ の限界などに぀いお扱う。たた゜ノィ゚ト連邊は五カ幎蚈画の䞋工業生産を増倧させ おいった䞀方でスタヌリンの独裁䜓制がしかれたこずにも觊れる。 ファシズムの䌞匵に぀いおは自由䞻矩や共産䞻矩を吊定し排倖䞻矩や囜家䞻矩を掲げ る勢力が党䜓䞻矩的な囜家䜓制を構築したり倧衆運動ず結び付いお暩力を独占したり しおいく過皋に぀いお扱う。たた日本に぀いおは囜家の改造を図ろうずする動きや経 枈危機による瀟䌚䞍安が政治や䞖論に䞎えた圱響に぀いお觊れる。それらを螏たえお第䞀 次䞖界倧戊埌の囜際協調䜓制が動揺した経緯などに぀いお扱う。その際ファシズム勢力 が䌞匵した背景ずしお圓時の囜際組織や囜際条玄に脆匱さがあったこずなどにも気付くよ うにする。 日本の察倖政策に぀いおは満州事倉から日䞭戊争に至る倧陞ぞの日本の進出を取り䞊 げ諞囜ずの関係を倉化させおいった日本の動きず囜民政府の䞋で囜内をたずめおいっ た䞭囜の動きなどに぀いお扱う。たた満州事倉以降の日本の軍郚の動きや倧陞ぞの進出 が囜際関係に及がした圱響に觊れるずずもに情報の統制や䞖論の圢成過皋におけるマス メディアの圱響などに觊れ軍郚の台頭による囜内の政治状況の倉化にも気付くようにす
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164 第章 地理歎史科 の各科目 る。 䞊蚘の䞖界恐慌ファシズムの䌞匵日本の察倖政策の孊習に぀いおは小項目の䞻題 を基にした孊習䞊の課題小項目党䜓に関わる問いを螏たえ小項目のねらいに則した 孊習を展開するこずが倧切である。そのため掚移や展開を考察するための課題問い を蚭定しさらに事象を比范し関連付けお考察するための課題問いを蚭定するなど 事象それぞれの孊習の際に段階的に課題問いを蚭定するこずが求められる。 こうした日本ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたりする孊習掻 動を通じお各囜の䞖界恐慌ぞの察応の特城囜際協調䜓制の動揺の芁因などを倚面 的・倚角的に考察し衚珟するこずにより囜際協調䜓制の動揺を理解するこずができる。 以䞋は䞖界恐慌に぀いお課題問いを蚭定した孊習の䟋である。 䟋䞖界恐慌に぀いお課題問いを蚭定した孊習 䟋えば 「䞖界恐慌は人々の生掻をどのように倉えたのだろうか各囜はどのように 察応したのだろうか」などの掚移や展開を考察するための課題問いを教垫が蚭定 する。生埒は諞資料を掻甚しお日本ずその他の囜の経枈危機を克服するための政策 を比范しお共通点や盞違点を考察したり生掻の倉化などを読み取ったりしお経枈危機 ぞの察応を理解する。 次に「䞖界恐慌に察しお行われた各囜の政策の結果を理解するこずはあなたにずっ おどのような意味があるず考えるか」などの事象を比范し関連付けお考察するための 課題問いを蚭定し䞖界恐慌ぞの各囜の察応ず珟代的な諞課題ずの関わりなどを倚 面的・倚角的に考察し衚珟する。 【小項目  】 ア 次のような知識を身に付けるこず。    第二次䞖界倧戊の展開囜際連合ず囜際経枈䜓制冷戊の始たりずアゞア諞囜の 動向戊埌改革ず日本囜憲法の制定平和条玄ず日本の独立の回埩などを基に第 二次䞖界倧戊埌の囜際秩序ず日本の囜際瀟䌚ぞの埩垰を理解するこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    第二次䞖界倧戊の掚移ず第二次䞖界倧戊が倧戊埌の䞖界に䞎えた圱響第二次 䞖界倧戊埌の囜際秩序の圢成が瀟䌚に及がした圱響などに着目しお 䞻題を蚭定し 日本ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたりするなどしお 第二次䞖界倧戊の性栌ず惚犍第二次䞖界倧戊䞋の瀟䌚状況や人々の生掻日本 に察する占領政策ず囜際情勢ずの関係などを倚面的・倚角的に考察し衚珟するこ ず。
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165  歎史総合 内容の取扱い 3 のアの  に぀いおは第二次䞖界倧戊の過皋での米゜察立や脱怍民地化ぞの萌 ほう 芜 などに觊れ倧戊の耇合的な性栌に気付くようにするこず。たたこの戊争が人類党䜓 に惚犍を及がしたこずを基に平和で民䞻的な囜際瀟䌚の実珟に努めるこずが倧切であ るこずを認識できるようにするこず。戊埌の囜際政治では冷戊ず怍民地の独立の動向 が盞互に関連しおいたこずに觊れるこず。 孊習に圓たっおは 1 で衚珟した孊習ぞの問いを螏たえお生埒の孊習ぞの動機付けや 芋通しを促し぀぀む  の第二次䞖界倧戊の掚移ず第二次䞖界倧戊が倧戊埌の䞖界に䞎 えた圱響第二次䞖界倧戊埌の囜際秩序の圢成が瀟䌚に及がした圱響などに着目し小項 目のねらいに則した考察を導くための䞻題を蚭定する。その䞻題を孊習䞊の課題ずするた めに䟋えば 「二床の倧戊を経た人類はどのような瀟䌚を目指したのだろうか」など この小項目党䜓に関わる問いを蚭定しお生埒に提瀺する。これを螏たえ日本ずその他 の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたりするなどしお倚面的・倚角的に考 察したり衚珟したりするこずにより第二次䞖界倧戊埌の囜際秩序ず日本の囜際瀟䌚ぞの 埩垰を理解する孊習が考えられる。 第二次䞖界倧戊の展開に぀いおは怍民地などを含む䞖界的芏暡での総力戊ずしお第二 次䞖界倧戊を捉えるずずもにこの戊争が資本䞻矩囜家ず瀟䌚䞻矩囜家垝囜䞻矩諞囜 ず怍民地の関係など様々な関係を内包した耇合的な性栌をも぀に至ったこずや戊堎の 広域化ず䞀般垂民の甚倧な犠牲及び損害などに぀いお扱う。たた第二次䞖界倧戊に぀い おはこの戊争が䞖界の諞囜家・諞民族に未曟有の惚犍をもたらし人類の文化ず生掻を 砎壊したこず我が囜が倚くの囜々ずりわけアゞア諞囜の人々に察しお倚倧な損害を䞎 えたこず我が囜においおも各地ぞの空襲沖瞄戊広島・長厎ぞの原子爆匟の投䞋をは じめ空前の戊犍を被ったこずに着目させ平和で民䞻的な囜際瀟䌚の実珟に努めるこずの 重芁性を自芚させるようにする。 囜際連合ず囜際経枈䜓制に぀いおは第二次䞖界倧戊埌の囜際秩序の圢成に関わった機 関などを取り䞊げ平和のための囜際協力や基本的人暩の尊重などを基本理念ずしお囜際 連合が発足したこずや囜際協調䜓制が動揺した反省を螏たえブレトン・りッズ䜓制が 圢成されたこずなどに぀いお扱う。たた囜際連盟が第二次䞖界倧戊を阻止できなかった こずに觊れその課題の克服の䞊に囜際連合が成立したこずを気付くようにする。さら に第二次䞖界倧戊埌に囜民生掻の安定ず犏祉政策の重芖を掲げる囜家の建蚭が志向さ れたこずや第二次䞖界倧戊盎埌の囜際秩序の圢成期においおはアメリカ合衆囜の圱響 力が倧きかったこずにも気付くようにする。 冷戊の始たりずアゞア諞囜の動向に぀いおはアメリカ合衆囜による封じ蟌め政策ず゜ ノィ゚ト連邊の察抗策米゜䞡囜が栞兵噚の開発に象城される軍備拡匵競争を始めたこ ず䞭華人民共和囜の建囜により冷戊の枠組みに倉化が生たれたこず冷戊ず脱怍民地化 を目指す運動が密接に結び付きアゞアに新たな囜家等が圢成されたこずなどに぀いお扱 う。たた第二次䞖界倧戊以降のアゞアに぀いお旧宗䞻囜などぞの抵抗運動を続けなが
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166 第章 地理歎史科 の各科目 ら第二次䞖界倧戊埌に独立した囜家や第二次䞖界倧戊埌の囜内の混乱を経お独立を達成 した囜家などに觊れ民䞻化に向けたアゞアの動向の倚様性にも気付くようにする。 戊埌改革ず日本囜憲法の制定に぀いおは連合囜の占領䞋でドむツや日本においお非 軍事化ず民䞻化を目的ずした改革が行われたこずを扱う。たた日本における戊埌改革に ぀いおはそれらが戊争に察する日本囜民の反省に支えられお実斜されたものであるこず に觊れるずずもに日本囜憲法の制定に぀いお扱う。 平和条玄ず日本の独立の回埩に぀いおは冷戊の開始ずドむツ朝鮮半島及び䞭囜にお ける新たな囜家の圢成さらには朝鮮戊争の開始などの東西の緊匵の高たりが連合囜の日 本における占領政策を転換させたこずこれらを背景ずしお日本ず連合囜ずの間に平和条 玄が結ばれ日本が独立を回埩したこずなどに぀いお扱う。たた冷戊の経緯などを螏た えお日本に期埅された圹割に觊れその䞭でアメリカ合衆囜が行った政策の意味にも気付 くようにする。 䞊蚘の第二次䞖界倧戊の展開囜際連合ず囜際経枈䜓制冷戊の始たりずアゞア諞囜の 動向戊埌改革ず日本囜憲法の制定平和条玄ず日本の独立の回埩の孊習に぀いおは小 項目の䞻題を基にした孊習䞊の課題小項目党䜓に関わる問いを螏たえ小項目のねら いに則した孊習を展開するこずが倧切である。そのため掚移や展開を考察するための課 題問いを蚭定しさらに事象を比范し関連付けお考察するための課題問いを蚭定 するなど事象それぞれの孊習の際に段階的に課題問いを蚭定するこずが求められ る。 こうした日本ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたりする孊習掻 動を通じお第二次䞖界倧戊の性栌ず惚犍第二次䞖界倧戊䞋の瀟䌚状況や人々の生掻 日本に察する占領政策ず囜際情勢ずの関係などを倚面的・倚角的に考察し衚珟するこず により第二次䞖界倧戊埌の囜際秩序ず日本の囜際瀟䌚ぞの埩垰を理解するこずができ る。 以䞋は冷戊の始たりずアゞア諞囜の動向に぀いお課題問いを蚭定した孊習の䟋 である。 䟋冷戊の始たりずアゞア諞囜の動向に぀いお課題問いを蚭定した孊習 䟋えば 「第二次䞖界倧戊埌囜際瀟䌚ではどのような察立が衚面化したのだろうか」 などの事象の掚移や展開を確認する課題問いを教垫が蚭定する。生埒は圓時の諞 資料を掻甚しお冷戊の展開や戊䞭及び戊埌を通じたアゞア各地の独立運動ず旧宗䞻囜 などずの関係を考察し冷戊の始たりず第二次䞖界倧戊埌の囜際秩序の圢成過皋を理解 する。 次に「あなたは第二次䞖界倧戊埌旧宗䞻囜が簡単に怍民地の独立を認めなかった こずはその埌の瀟䌚にどのような課題をもたらしたず考えるか」などの事象を比范 し関連付けお考察するための課題問いを蚭定し冷戊ずアゞア諞囜の動向ずの関係 を倚面的・倚角的に考察し衚珟する。
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167  歎史総合 4  囜際秩序の倉化や倧衆化ず珟代的な諞課題 この䞭項目では囜際秩序の倉化や倧衆化の歎史に存圚した課題に぀いお同時代の瀟 䌚及び人々がそれをどのように受け止め察凊の仕方を講じたのかを諞資料を掻甚しお考 察し珟代的な諞課題の圢成に関わる囜際秩序の倉化や倧衆化の歎史を理解するこずをね らいずしおいる。さらに同時代における察凊にもかかわらず珟圚においおも察応が求 められる課題ずしお残存しおいるこずに気付くように指導を工倫するこずが倧切であ る。 4   囜際秩序の倉化や倧衆化ず珟代的な諞課題 内容の及びの 1 から 3 たでの孊習などを基に自由 ・ 制限平等 ・ 栌差開発 ・ 保党統合・分化察立・協調などの芳点から䞻題を蚭定し諞資料を掻甚しお远 究したり解決したりする掻動を通しお次の事項を身に付けるこずができるよう指導 する。 ア 次のような知識を身に付けるこず。    珟代的な諞課題の圢成に関わる囜際秩序の倉化や倧衆化の歎史を理解するこ ず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    事象の背景や原因結果や圱響などに着目しお日本ずその他の囜や地域の動 向を比范したり盞互に関連付けたりするなどしお䞻題に぀いお倚面的・倚角 的に考察し衚珟するこず。 内容の取扱い 4 に぀いおは䞀぀あるいは耇数の芳点に぀いお取り䞊げこれたでの孊習を振 り返り適切な䞻題を蚭定するこず。その際自由 ・ 制限平等 ・ 栌差開発 ・ 保党統合 ・ 分化察立・協調などの芳点に瀺された二぀の芁玠のどちらかのみに着目するこずのな いよう留意するこず。 ここで瀺した五぀の芳点ずは珟代的な諞課題を歎史的に捉えるための枠組みの䟋であ る。したがっお構成される二぀の芁玠はここでは䞀䜓の枠組みずしお機胜するもので あるためどちらかの芁玠のみを芖点ずしお掻甚するものではない。 珟代的な諞課題はそれぞれの時期の歎史的状況に芏定され぀぀個人や集団の遞択・ 刀断の積み重ねの結果ずしお珟圚にたで受け継がれおきたものが倚い。歎史孊習を通し およりよい瀟䌚の実珟に向けお課題を生埒が展望できるようにするためには囜際秩序 の倉化や倧衆化の歎史に存圚し珟代瀟䌚においおも調敎が求められ将来においおも匕 き続き生埒たちが盎面するこずの予想される事柄を含む問いを蚭定するこずなどが求めら れる。 自由・制限を芳点に䞻題を蚭定する堎合には䟋えば 「第䞀次䞖界倧戊埌に民䞻䞻矩 的颚朮が広がりを芋せる䞭なぜ日本では男子に普通遞挙が認められる䞀方で治安維
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168 第章 地理歎史科 の各科目 持法が制定されたのだろうか」などの問いを蚭定し近代における参政暩の制限に぀いお 取り䞊げるこずができる。 具䜓的にはむギリス及びフランスにおいお劎働者局に遞挙暩が付䞎された経緯や背 景そしお日本における普通遞挙法の成立たでの経緯や背景及び圓時の為政者が考えた有 暩者の圚り方などを扱い囜際秩序の倉化ず倧衆化ずの関係に぀いお考察し衚珟する孊 習掻動が考えられる。たた珟代の課題に関連付けるず今日の日本においお18 歳以䞊 の男女に遞挙暩が䞎えられおいるこずの意矩に目を向けさせるこずも可胜である。 平等・栌差を芳点に䞻題を蚭定する堎合には䟋えば 「近代オリンピックの開催圓初 男子遞手に比べお女子遞手が極めお少なかったのはなぜだろうか」などの問いを蚭定し 近代における瀟䌚進出に芋る男女間の栌差に぀いお取り䞊げるこずができる。 具䜓的には女性がスポヌツを行うこずぞの圓時の䞀般的な考え方や苊難を乗り越え お掻躍した日本人女子遞手の軌跡などを扱いスポヌツの分野における女性の進出ず倧衆 化ずの関係に぀いお考察し衚珟する孊習掻動が考えられる。たた珟代の課題に関連付 けるず今日においお女性が瀟䌚に進出する䞊での障壁に目を向けさせるこずも可胜であ る。 開発・保党を芳点に䞻題を蚭定する堎合には䟋えば 「なぜ20 䞖玀初頭に日本をは じめずする䞖界各地で、自然公園囜立公園の蚭眮が促進されたのだろうか」などの問 いを蚭定し工業化の進展に䌎い自然景芳の保護及びその利甚促進の動きが進んだこず を取り䞊げるこずができる。 具䜓的には自然公園囜立公園の誕生ずその拡倧の背景ずしお工業化の進展によ る急速な郜垂化や劎働時間の短瞮による䜙暇の発生があったこず景芳地の開発ずずもに 無秩序な開発に察する保護の必芁性が求められおいたこずなどを扱い圓時新たに生た れた自然に察する考え方を螏たえお自然の開発や保護の圚り方を考察し衚珟する孊習掻 動が考えられる。たた珟代の課題に関連付けるず今日における文化遺産や自然遺産に 察する保護ず芳光産業ずの関係に぀いお目を向けさせるこずも可胜である。 統合・分化を芳点に䞻題を蚭定する堎合には䟋えば 「移民を受け入れおきたアメリ カ合衆囜でアゞア系の移民が排斥されたのはなぜだろうか」などの問いを蚭定し近代の 欧米諞囜における囜民の枠組みの圢成ず移民ずの関係に぀いお取り䞊げるこずができる。 具䜓的には欧米諞囜のアゞア系民族に察する芋解及びアゞア系民族が欧米諞囜で果た した圹割ずそれらの歎史的な倉遷日本がパリ講和䌚議で人皮差別撀廃案を提起した背景 ず提案に察する諞囜の反応などを扱い囜民統合の圚り方ず囜際秩序の倉化及び倧衆化ず の関係に぀いお考察し衚珟する孊習掻動が考えられる。たた珟代の課題に関連付ける ず今日における移民や難民の受け入れの問題に目を向けさせるこずも可胜である。 察立・協調を芳点に䞻題を蚭定する堎合には䟋えば 「第䞀次䞖界倧戊埌に民族自決 の原則が瀺されたにもかかわらずアゞア諞囜の独立が達成できなかったのはなぜか」な どの問いを蚭定し近代の囜際協調の圚り方ずその課題に぀いお取り䞊げるこずができ る。 具䜓的には第䞀次䞖界倧戊埌に話し合われた囜際協調の内容ず諞囜の察応アゞア諞
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169  歎史総合 囜の民族運動の高たりの背景ずその展開欧米諞囜や日本のアゞア諞囜ぞの察応などを扱 い第䞀次䞖界倧戊埌の囜際協調䜓制の圢成ず囜際秩序の倉化ずの関係に぀いお考察し 衚珟する孊習掻動が考えられる。たた珟代の課題に関連付けるず今日における地球芏 暡の問題に察する囜際瀟䌚の合意圢成の圚り方に目を向けさせるこずも可胜である。
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170 第章 地理歎史科 の各科目  グロヌバル化ず私たち この倧項目では科孊技術の革新を背景に人・商品・資本・情報等が囜境を越えお䞀局 流動するようになり人々の生掻ず瀟䌚の圚り方が倉化したこずを扱い䞖界ずその䞭に おける日本を広く盞互的な芖野から捉えお考察し珟代的な諞課題の圢成に関わるグロヌ バル化の歎史を理解できるようにするずずもに考察構想しお探究し珟代的な諞課題 を理解できるようにするこずをねらいずしおいる。 1 「グロヌバル化ぞの問い」では䞭孊校たでの孊習を螏たえ諞資料を掻甚しお情報を 読み取ったりたずめたりする技胜を習埗し人々の生掻や瀟䌚の圚り方がグロヌバル化 に䌎い倉化したこずに぀いお考察するための問いを衚珟する孊習を行う。 2 「冷戊ず䞖界経枈」では日本ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付 けたりするなどしお囜際政治の倉容䞖界経枈の拡倧ず経枈成長䞋の日本の瀟䌚を理 解できるようにする。 3 「䞖界秩序の倉容ず日本」では日本ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互に 関連付けたりするなどしお垂堎経枈の倉容ず課題冷戊終結埌の囜際政治の倉容ず課 題ずを理解できるようにする。 4 「珟代的な諞課題の圢成ず展望」では持続可胜な瀟䌚の実珟を芖野に入れ珟代的な 諞課題に぀ながる歎史的な芳点から䞻題を蚭定し日本ずその他の囜や地域の動向を比 范したり盞互に関連付けたりするなどしお䞻題に぀いお倚面的・倚角的に考察構 想しお探究し珟代的な諞課題を理解できるようにする。 1  グロヌバル化ぞの問い この䞭項目では䞭孊校たでの孊習䞊びに及びの孊習を螏たえおグロヌバル化 に䌎い生掻や瀟䌚が倉化したこずを瀺す資料を取り䞊げお情報を読み取ったりたずめた りする技胜を習埗し珟代のグロヌバル化に぀いお考察するための問いを衚珟するこずを ねらいずしおいる。 以䞋はこの䞭項目党䜓の構造を説明するためにアの「技胜」に関する事項ずむの 「思考力刀断力衚珟力等」に関する事項ずの関係を瀺したものである。これらのアず むが結び付いお孊習が展開する。 1   グロヌバル化ぞの問い 冷戊ず囜際関係人ず資本の移動高床情報通信食料ず人口資源・゚ネルギヌ ず地球環境感染症倚様な人々の共存などに関する資料を掻甚し課題を远究した り解決したりする掻動を通しお次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。 ア 次のような技胜を身に付けるこず。    資料から情報を読み取ったりたずめたりする技胜を身に付けるこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    グロヌバル化に䌎う生掻や瀟䌚の倉容に぀いお考察し問いを衚珟するこず。
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171  歎史総合 内容の取扱い 1 に぀いおは䞭孊校たでの孊習䞊びに及びの孊習を螏たえ孊習内容ぞ の課題意識をもたせるずずもに 2 及び 3 の孊習内容を芋通しお指導するこず。 孊習に圓たっおは取り䞊げた耇数の資料を組み合わせお掻甚し身近な生掻ず関わら せお課題意識を育み情報を読み取ったりたずめたりしお資料を掻甚する技胜を習埗し぀ ぀む  のグロヌバル化に䌎う生掻や瀟䌚の倉容に぀いお考察しその過皋で生埒が芋 いだした疑問を問いで衚珟するこずでこの䞭項目の冒頭に瀺したねらいを実珟できるよ うにする。 問いを衚珟するずはグロヌバル化に䌎い生掻や瀟䌚が倉化したこずを瀺す資料から 情報を読み取ったりたずめたり耇数の資料を比范したり関連付けたりするこずにより 生埒が興味・関心をもったこず疑問に思ったこず远究したいこずなどを芋いだす孊習 掻動を意味しおいる。歎史に察する驚きや玠朎な問いが歎史孊習の出発点であるこずを螏 たえ生埒が資料から読み取った歎史に぀いおの事象それ自䜓ぞの問いを衚珟する䞭で 孊習内容に察する生埒の課題意識を育むこずが倧切である。生埒が問いを衚珟する過皋に おいおは単に驚きや玠朎な問いの衚珟にずどたらず 「䞭孊校たでの孊習䞊びに 及びの孊習を螏たえ」 内容の取扱い 衚珟した問いに぀いお「 2 及び 3 の孊習内容 を芋通しお指導するこず」 内容の取扱いが倧切である。教垫は生埒が考察の結果衚 珟した問いを続く 2 及び 3 の孊習内容ぞの課題意識に぀ながるよう指導を工倫するこ ずが倧切である。 2 及び 3 の孊習においおは授業のねらいに基づいお生埒が衚珟し た問いを螏たえたり衚珟した問いず関連付けたりしお䞻題を蚭定するなどしお生埒の 課題意識を掻甚し孊習意欲が高たるよう工倫するこずが倧切である。 孊習に際しおは以䞋に瀺す資料を掻甚しお生埒がそれらの情報を読み取ったりたず めたりしながら人々の生掻や瀟䌚の圚り方がグロヌバル化に䌎い倉化したこずに関わっ お抱いた興味・関心や疑問远究しおみたいこずなどを芋いだしお自分自身の問いを衚 珟できるようにするこずが必芁である。 冷戊ず囜際関係を取り䞊げた堎合には䟋えば教垫が軍事費の統蚈や囜際玛争に関 する幎衚や玛争の芏暡を瀺す統蚈などの資料囜際政治や玛争に関わった圓事者の蚌蚀や 回想などを提瀺し栞兵噚開発が䞖界に広たった経緯やその背景など生埒が歎史的な芋 方・考え方を働かせお資料から情報を読み取るこずができるように指導を工倫する。生埒 はそれらの情報を読み取ったりたずめたりしながら安党保障に぀いおの考え方の掚移 や栞兵噚開発ず囜際政治の関連に぀いお考察する。 人ず資本の移動を取り䞊げた堎合には䟋えば教垫が時代ごずの移民や資本の行き 先や数量を瀺した資料日本の圚留倖囜人数に関する資料人や資本の流れの拡倧による 生掻の倉化に関する資料などを提瀺し人ず資本の移動の倉遷ずその背景など生埒が歎 史的な芋方・考え方を働かせお資料から情報を読み取るこずができるように指導を工倫す る。生埒はそれらの情報を読み取ったりたずめたりしながら耇数の時代の人口移動の 比范などから20 䞖玀埌半の人ず資本の移動が囜際瀟䌚に䞎えた圱響などに぀いお考察す
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172 第章 地理歎史科 の各科目 る。 高床情報通信を取り䞊げた堎合には䟋えば教垫がむンタヌネット回線の普及率に 関する資料や通信蚭備の敎備の地域差を瀺す䞻題図通信手段の倉遷を瀺す資料などを 提瀺し情報の広がり方の芏暡や速床の倉化やそのこずが人々の考えや意思決定などに䞎 えた圱響など生埒が歎史的な芋方・考え方を働かせお資料から情報を読み取るこずがで きるように指導を工倫する。生埒はそれらの情報を読み取ったりたずめたりしながら 情報通信技術の倉化が生掻や瀟䌚に䞎えた圱響などに぀いお考察する。 食料ず人口を取り䞊げた堎合には䟋えば教垫が食料自絊率や飢逓の状況を瀺す統 蚈や䞻題図などの資料時代別や囜別の人口ピラミッド出生率の倉化を瀺す資料などを 提瀺し20 䞖玀前半ず21 䞖玀の日本や珟圚の先進囜ず途䞊囜の人口や食料の統蚈の違 いや倉化その差異がもたらされた芁因など生埒が歎史的な芋方・考え方を働かせお資 料から情報を読み取るこずができるように指導を工倫する。生埒はそれらの情報を読み 取ったりたずめたりしながら食料生産ず人口の倉化ず囜際瀟䌚の倉容ずの関連性などに ぀いお考察する。 資源・゚ネルギヌず地球環境を取り䞊げた堎合には䟋えば教垫が 「公害の茞出」 や囜境を越えた汚染に関する䞻題図森林面積の倉化を瀺す統蚈各囜の䞀次゚ネルギヌ 消費量や内蚳の掚移に関するグラフ公害や環境問題に関する囜際条玄や文孊䜜品などの 資料などを提瀺し資源・゚ネルギヌの利甚の圚り方や環境ずの関係の倉遷や資源・゚ ネルギヌの掻甚の圚り方が囜際瀟䌚で課題ずなった理由など生埒が歎史的な芋方・考え 方を働かせお資料から情報を読み取るこずができるように指導を工倫する。生埒はそれ らの情報を読み取ったりたずめたりしながら資源・゚ネルギヌや地球環境に関わる課題 が囜際瀟䌚に䞎えた圱響などに぀いお考察する。 感染症を取り䞊げた堎合には䟋えば教垫が䌝染病感染者数などに関する統蚈や䞻 題図感染の拡倧防止に向けた囜際協力に関する資料などを提瀺し20 䞖玀の感染症被 害が倧芏暡ずなった理由や感染症の広がりに察する囜際瀟䌚の察応など生埒が歎史的な 芋方・考え方を働かせお資料から情報を読み取るこずができるように指導を工倫する。生 埒はそれらの情報を読み取ったりたずめたりしながら感染症の拡倧の背景ず生掻や瀟 䌚の倉容ずの関連性に぀いお考察する。 倚様な人々の共存を取り䞊げた堎合は䟋えば教垫が差別の廃止や地䜍の向䞊に぀ いお啓発するポスタヌや圓事者による手蚘などの資料マむノリティ少数者の瀟䌚進 出に関する統蚈や条玄法埋男性や女性のメディアにおける取り䞊げられ方を瀺す資料 などを提瀺し珟圚に至るたでの宗教民族性別に぀いおの認識や衚珟の掚移ず瀟䌚の 倉化ずの関連など生埒が歎史的な芋方・考え方を働かせお資料から情報を読み取るこず ができるように指導を工倫する。生埒はそれらの情報を読み取ったりたずめたりしなが ら倚様な人々の共存が囜際瀟䌚においお求められるようになったこずの背景などに぀い お考察する。 その際冷戊ず囜際関係人ず資本の移動高床情報通信食料ず人口資源・゚ネル ギヌず地球環境感染症倚様な人々の共存などに関する資料に぀いおは耇数の資料を
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173  歎史総合 組み合わせお関連付けたり䞀぀の内容であっおも芖点の異なる耇数の資料を比范したり するなど豊富な資料を教材ずしお生埒がそれらの情報を読み取ったりたずめたりする こずによりグロヌバル化に䌎う生掻や瀟䌚の倉容に぀いおの考察を深め自分自身の問 いを衚珟できるようにするこずが必芁である。 たた 1 で衚珟した問いを 2 以降の孊習の過皋においお深化させたり新たな課題 問いを芋いだしたりするなどしお生埒の歎史孊習に察する関心を高め課題意識を 醞成し生埒の新たな孊びに向かう姿勢を育んでいくこずが倧切である。 2  冷戊ず䞖界経枈 この䞭項目では日本ずその他の囜や地域の動向ずを比范したり盞互に関連付けたり するなどしお地域玛争ず冷戊の関係第䞉䞖界の囜々の経枈政策の特城欧米や゜ノィ ゚ト連邊の政策転換の芁因などを考察したり衚珟したりしお囜際政治の倉容を理解でき るようにするこず冷戊䞋の䞖界経枈や地域連携の特城経枈成長による生掻や瀟䌚の倉 容などを考察したり衚珟したりしお䞖界経枈の拡倧ず経枈成長䞋の日本の瀟䌚を理解で きるようにするこずをねらいずしおいる。 以䞋はこの䞭項目党䜓の構造を説明するためにアの「知識」に関する事項ずむの 「思考力刀断力衚珟力等」に関する事項ずの関係を瀺したものである。ア  ずむ   ア  ずむ  がそれぞれ結び付いお小項目を圢成し孊習が展開する。 2   冷戊ず䞖界経枈 諞資料を掻甚し課題を远究したり解決したりする掻動を通しお次の事項を身に 付けるこずができるよう指導する。 ア 次のような知識を身に付けるこず。    脱怍民地化ずアゞア ・ アフリカ諞囜冷戊䞋の地域玛争先進囜の政治の動向 軍備拡匵や栞兵噚の管理などを基に囜際政治の倉容を理解するこず。    西ペヌロッパや東南アゞアの地域連携蚈画経枈ずその波及日本の高床経枈 成長などを基に䞖界経枈の拡倧ず経枈成長䞋の日本の瀟䌚を理解するこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    地域玛争の背景や圱響冷戊が各囜の政治に及がした圱響などに着目しお䞻 題を蚭定し日本ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたり するなどしお地域玛争ず冷戊の関係第䞉䞖界の囜々の経枈政策の特城欧米 や゜ノィ゚ト連邊の政策転換の芁因などを倚面的・倚角的に考察し衚珟するこ ず。    冷戊が各囜経枈に及がした圱響地域連携の背景ず圱響日本の高床経枈成長 の背景ず圱響などに着目しお䞻題を蚭定し日本ずその他の囜や地域の動向を 比范したり盞互に関連付けたりするなどしお冷戊䞋の䞖界経枈や地域連携の 特城経枈成長による生掻や瀟䌚の倉容などを倚面的・倚角的に考察し衚珟す るこず。
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174 第章 地理歎史科 の各科目 内容の取扱い 2 に぀いおはアゞア・アフリカ諞囜が囜際関係の倉化に䞻䜓的に察応しお囜家建 蚭を進めたこずや 地域連携や経枈成長ず冷戊ずの関わりに気付くようにするこず。 たた この時期の日本の囜内政治や日本ずアゞア諞囜ずの関係に぀いおも觊れるこず。 【小項目  】 ア 次のような知識を身に付けるこず。    脱怍民地化ずアゞア・アフリカ諞囜冷戊䞋の地域玛争先進囜の政治の動向 軍備拡匵や栞兵噚の管理などを基に囜際政治の倉容を理解するこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    地域玛争の背景や圱響冷戊が各囜の政治に及がした圱響などに着目しお䞻題 を蚭定し日本ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたりする などしお地域玛争ず冷戊の関係第䞉䞖界の囜々の経枈政策の特城欧米や゜ノ ィ゚ト連邊の政策転換の芁因などを倚面的・倚角的に考察し衚珟するこず。 孊習に圓たっおは 1 で衚珟した孊習ぞの問いを螏たえお生埒の孊習ぞの動機付けや 芋通しを促し぀぀む  の地域玛争の背景や圱響冷戊が各囜の政治に及がした圱響な どに着目し小項目のねらいに則した考察を導くための䞻題を蚭定する。その䞻題を孊習 䞊の課題ずしお䟋えば 「冷戊䞋䞖界の各囜・各地域は東西察立や南北問題ずいった 囜際情勢にどのように察応したのだろうか」などこの小項目党䜓に関わる問いを蚭定し お生埒に提瀺する。これを螏たえ日本ずその他の囜家や地域の動向を比范したり盞 互に関連付けたりするなどしお倚面的・倚角的に考察したり衚珟したりするこずによ り囜際政治の倉容を理解する孊習が考えられる。 脱怍民地化ずアゞア・アフリカ諞囜に぀いおはむンドシナ戊争むンドネシア独立戊 争などの様々な独立戊争や冷戊の波及を防ぐ目的で開催されたアゞア・アフリカ䌚議 バンドン䌚議 非同盟諞囜銖脳䌚議等を通じおアゞア・アフリカ諞囜ず旧宗䞻囜ずの関 係が倉化したこずを扱う。その際アゞア・アフリカ䌚議に西偎に属しながらも参加した 日本の立堎にも觊れる。 冷戊䞋の地域玛争に぀いおはベトナム戊争や䞭東戊争などの地域玛争が冷戊の囜際 察立の䞭で長期化したこずを扱う。その際䞭東戊争に぀いおは䞭東やアフリカの倩然 資源石油等の問題が深く関係しおいるこずに気付くようにする。さらに日本が冷戊の 「雪どけ」の䞭で囜連に加盟したこずや冷戊の枠組みの䞭で日韓基本条玄を締結した こずにも觊れる。 先進囜の政治の動向に぀いおは冷戊䞋の諞囜における犏祉の恒垞化それに䌎う行政 組織や予算芏暡の拡倧に觊れるずずもに冷戊の掚移ずも連動したアメリカ合衆囜におけ る公民暩運動日本を含む諞囜で1960 幎代末に頂点に達したベトナム反戊運動や孊生運 動などにも觊れそれらが先進囜の政治に䞎えた圱響䞭でもベトナム戊争の敗戊を経た
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175  歎史総合 アメリカ合衆囜の芇暩の動揺ずの関係を扱う。たたアゞアの囜際情勢の沖瞄ぞの圱響に も觊れ沖瞄の日本ぞの埩垰が実珟したこずを扱う。さらに文化倧革呜を掚進した䞭囜 ず゜ノィ゚ト連邊ずの察立が囜際政治に䞎えた圱響に぀いお気付くようにする。たた 「55 幎䜓制」䞋の日本の囜内政治に぀いお觊れるずずもに 「日本ずアゞア諞囜ずの関係」 内容の取扱いを螏たえ日䞭関係の改善に぀いおも扱う。 軍備拡匵や栞兵噚の管理に぀いおは米゜を䞭心ずした宇宙開発競争を経おキュヌバ 危機をきっかけずしお倉化した米゜の栞開発競争やその埌に締結された郚分的栞実隓犁止 条玄栞拡散防止条玄などを扱いそれらが各囜の安党保障政策や冷戊構造の倉化に぀な がったこずに気付くようにする。 䞊蚘の脱怍民地化ずアゞア・アフリカ諞囜冷戊䞋の地域玛争先進囜の政治の動向 軍備拡匵や栞兵噚の管理の孊習に぀いおは小項目の䞻題を基にした孊習䞊の課題小項 目党䜓に関わる問いを螏たえ小項目のねらいに沿った孊習を展開するこずが倧切であ る。そのため掚移や展開を考察するための課題問いを蚭定しさらに事象を比范し 関連付けお考察するための課題問いを蚭定するなど事象それぞれの孊習の際に段 階的に課題問いを蚭定するこずが求められる。 こうした日本ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたりする孊習掻 動を通じお地域玛争ず冷戊の関係第䞉䞖界の囜々の経枈政策の特城欧米や゜ノィ゚ ト連邊の政策転換の芁因などを倚面的・倚角的に考察し衚珟するこずにより囜際政治 の倉容を理解するこずができる。 以䞋は冷戊䞋の地域玛争に぀いお課題問いを蚭定した孊習の䟋である。 䟋冷戊䞋の地域玛争に぀いお課題問いを蚭定した孊習 䟋えば 「䞭東戊争やベトナム戊争には どのような背景があったのだろうか」などの 掚移や展開を考察する確認する課題問いを教垫が蚭定する。生埒は諞資料を掻甚 しお地域玛争の背景を冷戊の構造ず関連付けお考察し地域玛争ず冷戊の関係を理解す る。 次に「あなたは地域玛争ベトナム戊争や䞭東戊争はその地域にどのような課 題を残したず考えるか」などの事象を比范し関連付けお考察するための課題問い を蚭定しお 耇合的な囜家間の関係ず 冷戊䞋におけるアゞアの眮かれた状況を倚面的 ・ 倚角的に考察し衚珟する。 【小項目  】 ア 次のような知識を身に付けるこず。    西ペヌロッパや東南アゞアの地域連携蚈画経枈ずその波及日本の高床経枈成 長などを基に䞖界経枈の拡倧ず経枈成長䞋の日本の瀟䌚を理解するこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。
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176 第章 地理歎史科 の各科目    冷戊が各囜経枈に及がした圱響地域連携の背景ず圱響日本の高床経枈成長の 背景ず圱響などに着目しお䞻題を蚭定し日本ずその他の囜や地域の動向を比范 したり盞互に関連付けたりするなどしお冷戊䞋の䞖界経枈や地域連携の特城 経枈成長による生掻や瀟䌚の倉容などを倚面的・倚角的に考察し衚珟するこず。 孊習に圓たっおは 1 で衚珟した孊習ぞの問いを螏たえお生埒の孊習ぞの動機付けや 芋通しを促し぀぀む  の冷戊が各囜経枈に及がした圱響地域連携の背景ず圱響日 本の高床経枈成長の背景ず圱響などに着目し小項目のねらいに則した考察を導くための 䞻題を蚭定する。その䞻題を孊習䞊の課題ずするために䟋えば 「第二次䞖界倧戊の反 省を螏たえた自由貿易䜓制䞋で日本や欧米の資本䞻矩諞囜はどのように経枈成長を遂げ たのかたたそのこずによる囜際関係や囜内瀟䌚の倉化はどのような新たな課題を生 じさせたのだろうか」などこの小項目党䜓に関わる問いを蚭定しお生埒に提瀺する。 これを螏たえ日本ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたりするな どしお倚面的・倚角的に考察したり衚珟したりするこずにより䞖界経枈の拡倧ず経枈 成長䞋の日本の瀟䌚を理解する孊習が考えられる。 西ペヌロッパや東南アゞアの地域連携に぀いおはペヌロッパ統合の始たりや東南アゞ ア諞囜連合ASEANの成立を扱う。その際冷戊䞋における䞖界各地での資源や垂堎 の確保安党保障䞊の芳点や自由貿易䜓制の拡倧などず地域連携の進展ずの関係に気付く ようにする。 蚈画経枈ずその波及に぀いおは゜ノィ゚ト連邊を䞭心ずする共産圏における蚈画経枈 の特城やそれが圓時の䞀郚の第䞉䞖界の囜々の開発モデルずしお受け入れられおいった こずを扱う。たた第䞉䞖界においおは西偎䞖界に属する旧宗䞻囜の新怍民地䞻矩に察 する反発欧米諞囜による経枈揎助開発独裁の䞋での茞出志向型工業化の掚進民族資 本の動向等倚様な芁因が亀錯しおいたこずに觊れる。 日本の高床経枈成長に぀いおはブレトン・りッズ䜓制を基盀ずしながら近隣アゞア諞 囜や北米ぞ茞出を䌞ばし内需も拡倧させたこずなどを通じお日本経枈が目芚たしい成 長を遂げたこずを扱う。さらに1960 幎代に先進諞囜に共通する環境問題の䞀぀ずしお公 害などが浮䞊し察抗文化カりンタヌ・カルチャヌの圱響を受けながら環境保護運 動や消費者保護運動が芜生えたこずにも觊れる。 䞊蚘の西ペヌロッパや東南アゞアの地域連携蚈画経枈ずその波及日本の高床経枈成 長の孊習に぀いおは小項目の䞻題を基にした孊習䞊の課題小項目党䜓に関わる問い を螏たえ小項目のねらいに沿った孊習を展開するこずが倧切である。そのため掚移や 展開を考察するための課題問いを蚭定しさらに事象を比范し関連付けお考察するた めの課題問いを蚭定するなど事象それぞれの孊習の際に段階的に課題問いを 蚭定するこずが求められる。 こうした日本ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたりする孊習掻 動を通じお冷戊䞋の䞖界経枈や地域連携の特城経枈成長による生掻や瀟䌚の倉容など を倚面的・倚角的に考察し衚珟するこずにより䞖界経枈の拡倧ず経枈成長䞋の日本の
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177  歎史総合 瀟䌚を理解するこずができる。 以䞋は西ペヌロッパや東南アゞアの地域連携に぀いお課題問いを蚭定した孊習 の䟋である。 䟋西ペヌロッパや東南アゞアの地域連携に぀いお課題問いを蚭定した孊習 䟋えば 「なぜペヌロッパ統合は進められたのだろうか」などの掚移や展開を考察す るための課題問いを教垫が蚭定する。生埒はペヌロッパで地域連携が進められた 背景を考察し地域連携の特城を理解する。 次に 「あなたは西ペヌロッパず東南アゞアそれぞれの地域統合の背景や成果には どのような共通点ず盞違点を芋いだすか」などの事象を比范し関連付けお考察するた めの課題問いを蚭定しお地域連携の成果ず課題を考察し衚珟する。 3  䞖界秩序の倉容ず日本 この䞭項目では日本ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたりす るなどしお垂堎経枈のグロヌバル化の特城ず日本の圹割などを考察したり衚珟したりし お垂堎経枈の倉容ず課題を理解できるようにするこずたた冷戊終結埌の囜際政治の 特城ず日本の圹割などを考察したり衚珟したりしお冷戊終結埌の囜際政治の倉容ず課題 を理解できるようにするこずをねらいずしおいる。 以䞋はこの䞭項目党䜓の構造を説明するためにアの「知識」に関する事項ずむの 「思考力刀断力衚珟力等」に関する事項ずの関係を瀺したものである。ア  ずむ   ア  ずむ  がそれぞれ結び付いお小項目を圢成し孊習が展開する。 3   䞖界秩序の倉容ず日本 諞資料を掻甚し課題を远究したり解決したりする掻動を通しお次の事項を身に付 けるこずができるよう指導する。 ア 次のような知識を身に付けるこず。    石油危機アゞアの諞地域の経枈発展垂堎開攟ず経枈の自由化情報通信技 術の発展などを基に垂堎経枈の倉容ず課題を理解するこず。    冷戊の終結民䞻化の進展地域統合の拡倧ず倉容地域玛争の拡散ずそれぞ の察応などを基に冷戊終結埌の囜際政治の倉容ず課題を理解するこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    アゞアの諞地域の経枈発展の背景経枈の自由化や技術革新の圱響資源・゚ ネルギヌず地球環境問題が䞖界経枈に及がした圱響などに着目しお䞻題を蚭定 し日本ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたりするなど しお垂堎経枈のグロヌバル化の特城ず日本の圹割などを倚面的・倚角的に考察 し衚珟するこず。    冷戊の倉容ず終結の背景民䞻化や地域統合の背景ず圱響地域玛争の拡散
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178 第章 地理歎史科 の各科目 の背景ず圱響などに着目しお䞻題を蚭定し日本ずその他の囜や地域の動向を 比范したり盞互に関連付けたりするなどしお冷戊終結埌の囜際政治の特城ず 日本の圹割などを倚面的・倚角的に考察し衚珟するこず。 内容の取扱い 3 に぀いおは冷戊終結埌も匕き続き課題ずしお残されたこずや冷戊終結埌に新 たに生じた課題などに觊れるこず。その際囜家間の察立だけでなく民族察立が拡倧 したり歊装集団によるテロ行為を契機ずしお戊争が生じたりするなど地域玛争の芁 因が倚様化しおいるこずにも觊れるこず。たた䞖界経枈の安定に向けた取組を扱い 日本が先進囜ずしおの囜際的な地䜍を確立しおきたこずに気付くようにするずずもに 政府開発揎助 ODA や囜際連合平和維持掻動 PKO 持続可胜な開発のための取組な どを扱い日本が囜際瀟䌚における重芁な圹割を担っおきたこずにも気付くようにする こず。 【小項目  】 ア 次のような知識を身に付けるこず。    石油危機アゞアの諞地域の経枈発展垂堎開攟ず経枈の自由化情報通信技術 の発展などを基に垂堎経枈の倉容ず課題を理解するこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    アゞアの諞地域の経枈発展の背景経枈の自由化や技術革新の圱響資源・゚ネ ルギヌず地球環境問題が䞖界経枈に及がした圱響などに着目しお䞻題を蚭定し 日本ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたりするなどしお 垂堎経枈のグロヌバル化の特城ず日本の圹割などを倚面的・倚角的に考察し衚珟 するこず。 孊習に圓たっおは 1 で衚珟した孊習ぞの問いを螏たえお生埒の孊習ぞの動機付けや 芋通しを促し぀぀む  のアゞアの諞地域の経枈発展の背景経枈の自由化や技術革新 の圱響資源・゚ネルギヌず地球環境問題が䞖界経枈に及がした圱響などに着目し小項 目のねらいに則した考察を導くための䞻題を蚭定する。その䞻題を孊習䞊の課題ずするた めに䟋えば 「垂堎経枈のグロヌバル化は䞖界ず日本にどのような圱響を䞎えただろ うか」などこの小項目党䜓に関わる問いを蚭定しお生埒に提瀺する。これを螏たえ 日本ずその他の囜や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたりするなどしお倚面 的・倚角的に考察したり衚珟したりするこずにより垂堎経枈の倉容ず課題を理解する孊 習が考えられる。 石油危機に぀いおは産油囜における資源ナショナリズムの高たりを背景に1970 幎 代に発生した二床の石油危機がブレトン・りッズ䜓制の動揺により䞻芁囜が倉動盞堎制 に移行したこずずあわせお日本を含む先進工業囜の経枈に倧きな圱響を䞎えたこずなど
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179  歎史総合 に぀いお扱う。むンフレヌションず経枈の停滞に盎面した先進工業囜は経枈の構造転換を 迫られ日本でも高床経枈成長の時代が終わり省゚ネルギヌ化や代替゚ネルギヌ開発が 掚進されたこずなどに気付くようにする。 アゞアの諞地域の経枈発展に぀いおは日本や欧米諞囜から技術や資本を導入した新興 工業経枈地域NIES ASEAN などアゞア諞地域が茞出䞻導型の工業化を達成し急速 な経枈成長を遂げたこず䞖界における日本の経枈的地䜍が高たりアメリカずの間に貿易 䞍均衡問題が発生したこず瀟䌚䞻矩囜経枈の立ち遅れが顕著になったこずなどに぀いお 扱う。その際アゞアの諞地域の経枈発展がベトナム戊争終結埌の政治的安定によっお促 されたこずや アゞア内で先行しお経枈発展を達成しおいた日本が 政府開発揎助ODA などの揎助や技術移転などを通じおアゞア諞地域の成長に䞎えた圱響などに気付くように する。 垂堎開攟ず経枈の自由化に぀いおは冷戊終結埌旧瀟䌚䞻矩囜の垂堎開攟や䞭囜の改 革開攟政策等によっお分断されおいた䞖界垂堎が統合されるずずもに貿易自由化の掚 進のための掻動や自由貿易協定の締結アゞア倪平掋経枈協力䌚議APECなどの囜境 を越えた経枈連携の取組などによっお貿易や投資の自由化が進み1990 幎代以降に垂堎 経枈のグロヌバル化が急速に進展したこずなどを扱う。その際倚囜籍䌁業の重芁性が増 し囜境を越えた䌁業掻動が䞖界経枈に圱響を䞎え日本においおも倚くの䌁業が海倖に 生産拠点を蚭けるなど囜際化を進めおいったこずグロヌバル化の進展の䞭で囜家間の経 枈栌差や囜内の所埗栌差の拡倧資源・゚ネルギヌ問題や地球環境問題ずいった諞課題が 深刻化しおいるこずに気付くようにする。 情報通信技術の発展に぀いおは1980 幎代にコンピュヌタや産業甚ロボットなどマむ クロ゚レクトロニクスME産業が発展しさらに90 幎代からの情報技術IT革呜 ずも呌ばれる情報通信技術の飛躍的発展により21 䞖玀には高床情報化瀟䌚・知識基盀 瀟䌚ず呌ばれる時代が到来したこずを扱う。情報通信技術の発展は垂堎経枈のグロヌバル 化を䞀局加速させるずずもに日本でもサヌビス産業の比重が高たるなど経枈や瀟䌚が倧 きく倉容しおいるこずに気付くようにする。 䞊蚘の石油危機アゞアの諞地域の経枈発展垂堎開攟ず経枈の自由化情報通信技術 の発展の孊習に぀いおは小項目の䞻題を基にした孊習䞊の課題小項目党䜓に関わる問 いを螏たえ小項目のねらいに沿った孊習を展開するこずが倧切である。そのため掚 移や展開を考察するための課題問いを蚭定しさらに事象を比范し関連付けお考察す るための課題問いを蚭定するなど事象それぞれの孊習の際に段階的に課題問 いを蚭定するこずが求められる。 こうした日本ずその他の囜や地域の動向ずを比范したり盞互に関連付けたりする孊習 掻動を通じお垂堎経枈のグロヌバル化の特城ず日本の圹割などを倚面的・倚角的に考 察し衚珟するこずにより垂堎経枈の倉容ず課題を理解するこずができる。 以䞋は垂堎開攟ず経枈の自由化に぀いお課題問いを蚭定した孊習の䟋である。 䟋垂堎開攟ず経枈の自由化に぀いお課題問いを蚭定した孊習
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180 第章 地理歎史科 の各科目 䟋えば 「垂堎開攟や経枈の自由化は私たちの生掻にどのような倉化をもたらした のだろうかたた日本ず䞖界の囜々の経枈にどのような圱響を䞎えたのだろうか」な どの掚移や展開を考察するための課題問いを教垫が蚭定する。生埒は我々が手 にする工業補品の生産囜を調べたり囜境を越えた商品・劎働・資本の移動を瀺す諞資 料を掻甚したりしお垂堎経枈のグロヌバル化がもたらした倚様な偎面を理解する。 次に 「あなたは垂堎経枈のグロヌバル化の進展の成果ず課題にはどのようなもの があるず考えるか」などの事象を比范し関連付けお考察するための課題問いを蚭 定し経枈のグロヌバル化の成果ず課題に぀いお倚面的・倚角的に考察し, 衚珟する。 【小項目  】 ア 次のような知識を身に付けるこず。    冷戊の終結民䞻化の進展地域統合の拡倧ず倉容地域玛争の拡散ずそれぞの 察応などを基に冷戊終結埌の囜際政治の倉容ず課題を理解するこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    冷戊の倉容ず終結の背景民䞻化や地域統合の背景ず圱響地域玛争の拡散の 背景ず圱響などに着目しお䞻題を蚭定し日本ずその他の囜や地域の動向を比范 したり盞互に関連付けたりするなどしお冷戊終結埌の囜際政治の特城ず日本の 圹割などを倚面的・倚角的に考察し衚珟するこず。 孊習に圓たっおは 1 で衚珟した孊習ぞの問いを螏たえお生埒の孊習ぞの動機付けや 芋通しを促し぀぀む  の冷戊の倉容ず終結の背景民䞻化や地域統合の背景ず圱響 地域玛争の拡散の背景ず圱響などに着目し小項目のねらいに則した考察を導くための䞻 題を蚭定する。その䞻題を孊習䞊の課題ずするために䟋えば 「冷戊の終結は䞖界ず日 本にどのような倉化をもたらしただろうか」  「囜際関係が耇雑化する䞭で䞖界や日本は どのような新たな課題に盎面しおいるだろうか」などこの小項目党䜓に関わる問いを蚭 定しお生埒に提瀺する。これを螏たえ日本ずその他の囜や地域の動向を比范したり 盞互に関連付けたりするなどしお倚面的・倚角的に考察したり衚珟したりするこずによ り冷戊終結埌の囜際政治の倉容ず課題を理解する孊習が考えられる。 冷戊の終結に぀いおは米゜関係は1980 幎代に新冷戊が展開したものの゜ノィ゚ト 連邊の政策の倉化を契機に䞡者の関係は急速に改善し1989 幎には冷戊の終結が宣蚀さ れたこずなどを扱う。たた゜ノィ゚ト連邊による改革が瀟䌚䞻矩䜓制の厩壊をもたら し最終的には゜ノィ゚ト連邊の解䜓に至ったこずに぀いおも觊れる。 民䞻化の進展に぀いおは冷戊終結ず前埌しお東ペヌロッパ諞囜をはじめ各地で民䞻 化運動が高たり軍事政暩や独裁政暩が厩壊し民䞻化が進展したこずを扱う。その䞀方 で民䞻化された埌も暩嚁䞻矩的な䜓制が存続したり民䞻化の動きが匟圧されたりする など民䞻化の動きが䞀埋には進たなかったこずに぀いおも気付くようにする。たた日 本においおも保守政党ず革新政党の察立構造が倉容し1993 幎には「55 幎䜓制」が厩壊
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181  歎史総合 し新たな連立政暩が誕生したこずを扱う。 地域統合の拡倧ず倉容に぀いおはASEAN 加盟囜の増加ずその圹割の倉化や欧州連合 EUの拡倧など地域の政治的・経枈的統合の動きが掻発化したこずを扱う。その䞀方 で統合された地域内での䞍均衡の発生や䞖界各地域で排倖的なナショナリズムが興隆 したり地域統合を吊定する動きが生じたりするなど地域統合が新たな問題に盎面しおい る点に぀いおも扱う。 地域玛争の拡散ずそれぞの察応に぀いおは冷戊終結埌の東ペヌロッパにおける地域玛 争パレスチナ問題やむラン・むラク戊争湟岞戊争など䞭東地域の動向アメリカ合衆 囜における同時倚発テロずその埌のテロリズムの拡倧など䞖界で地域玛争が拡散・頻発 しおいるこずなどを扱う。これらの芁因は倚様であり珟代の囜際政治が倚元化・耇雑化 しおいる珟状や今もなお深刻化する地域玛争の拡倧が瀟䌚に䞎える圱響に぀いお気付く ようにする。たた囜際連合における様々な決議や囜際連合平和維持掻動PKOなど を取り䞊げ玛争の解決に囜際機構や日本が果たした圹割に぀いお気付くようにする。 䞊蚘の冷戊の終結民䞻化の進展地域統合の拡倧ず倉容地域玛争の拡散ずそれぞの 察応の孊習に぀いおは小項目の䞻題を基にした孊習䞊の課題小項目党䜓に関わる問 いを螏たえ小項目のねらいに沿った孊習を展開するこずが倧切である。そのため掚 移や展開を考察するための課題問いを蚭定しさらに事象を比范し関連付けお考察す るための課題問いを蚭定するなど事象それぞれの孊習の際に段階的に課題問 いを蚭定するこずが求められる。 こうした日本ずその他の囜や地域の動向ずを比范したり盞互に関連付けたりする孊習 掻動を通じお冷戊終結埌の囜際政治の特城ず日本の圹割などを倚面的・倚角的に考察 し衚珟するこずにより冷戊終結埌の囜際政治の倉容ず課題を理解するこずができる。 以䞋は冷戊の終結に぀いお課題問いを蚭定した孊習の䟋である。 䟋冷戊の終結に぀いお課題問いを蚭定した孊習 䟋えば,「冷戊はどのようにしお終結したのだろうか」などの, 掚移や展開を考察する ための課題問いを教垫が蚭定する。生埒は, 圓時の資料を掻甚しお, アメリカず゜ ノィ゚ト連邊が眮かれおいた状況や諞囜の動向などを考察しお, 冷戊が終結に至った芁 因に぀いお理解する。 次に,「あなたは, 冷戊が終結した芁因の䞭で, 決定的なものは䜕だったず考えるか」 などの, 事象を比范し関連付けお考察するための課題を蚭定し, 冷戊の終結の背景に぀ いお, 倚面的・倚角的に考察し, 衚珟する。
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182 第章 地理歎史科 の各科目 4  珟代的な諞課題の圢成ず展望 この䞭項目はこの科目のたずめずしお䜍眮付けられおいる。これたでの孊習を螏た え持続可胜な瀟䌚の実珟を芖野に入れ生埒が自ら䞻題を蚭定しお日本ずその他の囜 や地域の動向を比范したり盞互に関連付けたりするなどしお䞻題に぀いお倚面的・倚 角的に考察構想し珟代的な諞課題を理解するこずをねらいずしおいる。 4   珟代的な諞課題の圢成ず展望 内容の及び䞊びにの 1 から 3 たでの孊習などを基に持続可胜な瀟䌚 の実珟を芖野に入れ䞻題を蚭定し諞資料を掻甚し探究する掻動を通しお次の事 項を身に付けるこずができるよう指導する。 ア 次のような知識を身に付けるこず。    歎史的経緯を螏たえお珟代的な諞課題を理解するこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。    事象の背景や原因結果や圱響などに着目しお日本ずその他の囜や地域の動 向を比范し盞互に関連付けたり珟代的な諞課題を展望したりするなどしお䞻 題に぀いお倚面的・倚角的に考察構想し衚珟するこず。 内容の取扱い 4 に぀いおは この科目のたずめずしお䜍眮付けるこず。その際 の 4 及びの 4 の内容を曎に深めたりの 4 及びの 4 ずは異なる芳点を取り䞊げたりしおこの 科目の孊習を振り返り適切な䞻題を蚭定するこず。 孊習に圓たっおはこれたでの孊習を螏たえおむ  の事象の背景や原因結果や圱 響などに着目し生埒がそれぞれの興味・関心に基づいお自ら䞻題を蚭定しその䞻題 を日本ずその他の囜や地域の動向ずを比范し盞互に関連付け珟代的な諞課題を展望し お倚面的・倚角的に考察構想し衚珟するなどしお珟代的な諞課題を理解するこず でこの䞭項目の冒頭に瀺したねらいを実珟するこずができるようになる。 探究する掻動ずは生埒の発想や疑問を基に生埒自らが䞻題を蚭定しこれたでに習埗 した歎史の抂念を甚いたり瀟䌚的事象の歎史的な芋方・考え方を働かせたりしお諞資 料を掻甚しお䞻䜓的に倚面的・倚角的に考察構想し衚珟する掻動である。たた生埒 が充実した探究掻動を行うためには教垫の支揎が倧切である。 なお䞻題の蚭定に圓たっおは倧項目及びの 1 で生埒が衚珟した問いや 倧項目及びの 2 及び 3 の孊習が進む䞭で芋盎した問いや新たに生たれおきた問 いを振り返らせるこずが倧切である。たた倧項目及びの 4 で取り䞊げおいる五぀ の芳点から蚭定された䞻題に぀いおの孊習の成果を生かしたりそれずは別の芳点を蚭定 したりするこずも考えられる。 以䞋は生埒が探究掻動を行う際の教垫の指導支揎の䟋である。これらはあくた で参考であり教垫が生埒の興味・関心や孊校地域の実態に留意し様々な状況に応
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183  歎史総合 じた工倫をするこずが倧切である。 孊習指導の展開䟋 【䞻題の蚭定ず孊習䞊の課題問いの衚珟】 ○ 䞻題を蚭定する際にはこれたでの「歎史総合」の孊習を振り返り䞻題の蚭定の 手がかりはないかを問いかける。特に 倧項目 及びの 1 で生埒が衚珟した「問 い」や及びの 4 で取り䞊げた五぀の芳点に基づいお蚭定された䞻題に぀いおの 孊習掻動を生かすこずも考えられる。 ○ 生埒がこれたでの孊習を螏たえお蚭定した䞻題を孊習䞊の課題ずするために問い を蚭定するこずが倧切である。その䞻題や孊習䞊の課題問いに぀いお 教垫が「あ なたはなぜその䞻題を蚭定したのか」  「その䞻題の探究はあなたにずっおどのような 意味をも぀のか」  「それはあなた以倖の人々や瀟䌚にずっおどのような意味をも぀ のか」などず発問するなどしお生埒が自ら蚭定した䞻題や孊習䞊の課題の意味や意 矩に぀いお考えるこずができるよう指導を工倫するこずも倧切である。 ○ たた新聞テレビむンタヌネットのニュヌスや地域の史跡などを䞻題の発芋に 掻甚するこずも効果的である。 ○ 蚭定した䞻題を螏たえおこれたでの歎史総合で孊習しおきたこずを基に䞻題に 関わる予想仮説を立おるこずで䞻題に察しおどのような切り口で取り䞊げるか などの芖点が明確ずなり探究の方向性を定めるこずができるず考えられる。 【資料の収集・分析】    ○ 掻甚する資料の遞択に぀いおはこれたでの孊習の䞭で䜿甚した資料も含め 「ど のような資料が掻甚できそうだろうか」  「それらの資料はどこで収集できるだろうか」  「その資料は蚭定した䞻題の探究に有効であるだろうか」などず発問するなど指導を 工倫するこずが考えられる。 【考察・構想】   ○ 考察構想に際しおは歎史的経緯を螏たえるずずもに瀟䌚的事象の歎史的な芋 方・考え方を働かせお考察・構想をするよう指導を工倫する。 ○ たた扱った資料の特性を螏たえるこず資料を公正に取り扱うこずに配慮するよ う指導するこずが必芁である。 【たずめ・衚珟】 ○ 考察構想したこずから埗られた結論は資料等から導き出された根拠を螏たえた ものずなるように指導を工倫する。 ○ 結論を論述・レポヌトなどにたずめ盞互に説明したり意芋を聞いたりするこずに より考察構想をより深めるなどの孊習も倧切である。 ○ たた ディスカッション ディベヌトなど生埒同士が意芋亀換する堎面を蚭定したり
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184 第章 地理歎史科 の各科目 孊習掻動のたずめずしおグルヌプやクラスでプレれンテヌションの堎面を蚭定したり するなどの工倫が考えられる。 【孊習の振り返り】 ○ 教垫が「あなたはなぜその䞻題を蚭定したのか」  「その䞻題はあなたにずっおどの ような䟡倀があるのか」  「それはあなた以倖の人々にずっおどのような意味をも぀ 探究なのか」ず改めお発問するなどしお生埒が自らの探究掻動を振り返るこずがで きるよう指導を工倫し孊んだこずの意味に気付くようにするこずも倧切である。 ○ 生埒が振り返りの䞭で新たな課題問いを考察し次の孊習に䞻䜓的に぀なげる こずができるよう指導を工倫する。 䞻題の蚭定から資料の収集・分析考察・構想発衚振り返りたでの探究の過皋に ぀いお生埒自らが芋通しをも぀こずができるようにするこずも必芁である。たた振り 返りは必芁に応じお孊習の様々な過皋においお行われる堎合もあるこずに留意する。 以䞋は生埒の探究掻動の䟋である。 〈探究掻動の䟋〉 䞻題の蚭定の際には生埒がこれたでに倧項目 4 で「平等・栌差」を芳点に工 業化が人々に䞎えた圱響を䞻題にしお考察したこずや倧項目 4 で「開発・保党」 を芳点に経枈成長が瀟䌚に䞎えた圱響を䞻題にしお考察したこずを生かしお 「科孊技 術の発展が瀟䌚に䞎えた圱響ず今埌の展望」ずいう䞻題を蚭定しその䞻題を 「近珟 代の歎史においお科孊技術の発展は瀟䌚にどのような圱響を䞎えおきたのだろうか」 ずいう孊習䞊の課題問いずしお瀺す。たた蚭定した䞻題を基に 「科孊技術の発 展は䞖界の䞀䜓化を促進させ人々の生掻に功眪の䞡面をもたらしたのではないだろ うか」ずいう予想仮説を立おるこずも考えられる。 考察・構想の際には機械化の進展による人々の生掻の倉化を衚す資料や亀通手段 の発達による人やモノの移動に関する資料などから科孊技術の発展が瀟䌚に䞎えた圱 響に぀いお考察 構想したこずを螏たえお 今埌の科孊技術の発展に察しお 自分たちは どのように察応しおいくべきかずいう展望に぀なげるこずが倧切である。 他の䞻題ずしおは䟋えば 「環境問題ずその察策の歎史的経緯」  「立憲䜓制の歎史的 経緯ずその広たりの特色」  「遞挙制床の倉容ず課題」  「戊争の防止ぞの囜際的取組の歎史 的経緯ず課題」  「グロヌバル化の進展ずその圱響」などを蚭定しお 「䞖界の環境問題は どのような歎史的経緯で深刻化しどのような察策が取り組たれおきたのだろうか」  「立 憲䜓制はどのような歎史的経緯で䞖界に広たり各囜ごずにどのような特色の違いがある のだろうか」  「人々の政治参加を可胜にする遞挙制床はどのように倉化し珟圚の日本や 各囜の政治参加の実態はどのような課題に盎面しおいるのだろうか」  「戊争を防止する囜 際的な取組は近珟代の歎史においおどのように進展しそれぞれの段階でどのような課題
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185  歎史総合 に盎面しおきたのだろうか」  「近珟代の歎史においおグロヌバル化の進展は私たちの生 掻にどのような圱響を䞎えおきたのだろうかたた今埌私たちはグロヌバル化に察しお どのように向き合うべきなのだろうか」などの課題問いを蚭定するこずが考えられ る。 このように 「歎史総合」のたずめずしお生埒の問題意識を基に䞻題の蚭定課題 問いの蚭定諞資料の収集・敎理分析の芖点の蚭定分析たずめ発衚蚎議な ど䞀連の孊習過皋を構成し生埒の䞻䜓的な探究を充実させるように工倫するこずによ りこの䞭項目の冒頭に瀺したねらいを実珟できるようにする。 指導蚈画の䜜成に圓たっおは探究のための適切な時間を確保するずずもに生埒の䞻 䜓的な掻動を積極的に取り入れる孊習圢態や指導方法を工倫するなどしお思考力刀断 力衚珟力等の育成を図るこずずする。
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186 第章 地理歎史科 の各科目 1  䞭孊校瀟䌚科ずの関連ず指導内容の構成に぀いお内容の取扱いの 1 のア ア この科目では䞭孊校たでの孊習ずの連続性に留意しお諞事象を取り䞊げるこずに より生埒が興味・関心をもっお近珟代の歎史を孊習できるよう指導を工倫するこず。 その際近珟代の歎史の倉化を倧芳しお理解し考察衚珟できるようにするこずに 指導の重点を眮き個別の事象のみの理解にずどたるこずのないよう留意するこず。 ここでは 「歎史総合」の目暙を達成するために䞭孊校たでの孊習ずの連続性に留意し おこれたでの孊習で身に付けた知識及び技胜思考力刀断力衚珟力等を十分に掻甚 し生埒が興味・関心をもっお孊習が展開するよう指導を工倫するこずの重芁性を指摘 しおいる。 生埒は「歎史総合」の孊習に至るたで小孊校瀟䌚科においお我が囜の歎史の䞻な事 象を人物の働きや代衚的な文化遺産を䞭心に䞭孊校瀟䌚科歎史的分野においお我が囜 の歎史の倧きな流れを䞖界の歎史を背景に孊習を重ねおいる。 「歎史総合」ではこれら の孊習の成果を螏たえ具䜓的な歎史に関わる事象に豊かに觊れるこずができるようにす るずずもに事象の結び付きや広がり関係性などを重芖しお扱い生埒が珟代の瀟䌚や 自身ずの関わりなどから興味・関心をもっお孊習に臚むこずができるように指導を工倫 するこずが倧切である。 たた近珟代の歎史の倉化を捉えるこの科目では空間軞ず時間軞の二぀から歎史に 関わる事象を倧きく捉えるこずが重芁である。そのためには平玠の孊習においお個別 の事象のみの理解にずどたるような孊習ではなくひずたずたりの内容の焊点ずなり歎 史の展開を倧芳する䞊で柱ずなるような事柄に着目しお孊習内容を構成する必芁がある。 「歎史総合」においおは目暙に瀺された「抂念などを掻甚しお倚面的・倚角的に考察し たり歎史に芋られる課題を把握しお解決を芖野に入れお構想したりする力考察構想 したこずを効果的に説明したりそれらを基に議論したりする力を逊う」芳点から䞀局 明確に孊習内容の構成に留意する必芁がある。 それぞれの孊習内容は課題を远究したり解決したりする掻動など生埒による䞻䜓的な 孊習掻動によっおより深く理解され掻甚できる確かな知識に高められるものである。そ うしおこそ孊習した内容が実瀟䌚・実生掻の堎面で生かすこずのできる本圓の意味の基 瀎・基本ずしお身に付くのである。 たた䞭孊校瀟䌚科の孊習で身に付けた「知識及び技胜」  「思考力刀断力衚珟力 等」を十分に掻甚しそこで獲埗した歎史の孊び方を掻甚し倧項目及びにおけ る 1 では「歎史の倧きな倉化に䌎う生掻や瀟䌚の倉容に぀いお考察し問いを衚珟する」 孊習が倧項目及びにおける各䞭項目 4 では「珟代的な諞課題の圢成に関わる」 歎史を理解する孊習や「珟代的な諞課題を理解する」孊習などが蚭定されおいる。これら いずれの倧項目においおも 1 から 4 たでの䞭項目の関係から内容のたずたりずしおの 3 指導蚈画の䜜成ず指導䞊の配慮事項
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187  歎史総合 倧項目の構成を理解し孊習内容の構成を工倫するこずが重芁である。 2  時間的・空間的な捉え方に぀いお内容の取扱いの 1 のむ む 歎史に関わる諞事象に぀いおは地理的条件ず関連付けお扱うずずもに特定の時 間やその掚移及び特定の空間やその広がりの䞭で生起するこずを螏たえ時間的・空 間的な比范や関連付けなどにより捉えられるよう指導を工倫するこず。 ここでは 「歎史総合」で扱う近珟代の歎史の諞事象を地理的条件などず関連付けお 倚面的・倚角的に扱うこずの重芁性を指摘しおいる。 このこずは科目の目暙でも「近珟代の歎史の倉化に関わる諞事象に぀いお䞖界ずそ の䞭の日本を広く盞互的な芖野から捉え」るこずを掲げおいるように孊習の察象ずなる 時期における空間的な結び付きや地理的な関係性を螏たえた盞互的な䜜甚から捉えるこ ずなどを重芖しおいる。 たた 「歎史総合」は地理歎史科に属する科目であり地理孊習ずの関連を図る必芁が あるこずからも地理的条件が䞀局重芖されおいる。䟋えば歎史䞊の出来事の舞台ず なった諞地域に぀いお地図垳などの掻甚を図りながら孊習するなど近珟代の歎史の諞事 象を地理的条件ず関連付けお倚面的・倚角的に考察するようにする。その際必履修科目 「地理総合」や䞭孊校瀟䌚科地理的分野ずの関連を十分に螏たえるよう留意する。 さらに歎史に関わる諞事象は技術の発達や移動手段の倉化人々の亀流や文化の動 向などのようにその時期特有の状況が存圚するなど䞀定の時間的な芁因の䞭で展開す るこずを螏たえお理解するこずも倧切である。䟋えばある地域の歎史に関わる事象を理 解する際歎史的な掚移におけるその時期の諞状況ず同時期の他地域ずの関わりや比 范その時期における地理的条件の意味など時間的・空間的双方から捉えるこずが倧切 であるこずを瀺しおいる。 3  近珟代の歎史ず珟代的な諞課題ずの関わりの考察に぀いお内容の取扱いの 1 のり り 近珟代の歎史ず珟代的な諞課題ずの関わりを考察する際には政治経枈瀟䌚 文化宗教生掻などの芳点から諞事象を取り䞊げ近珟代の歎史を倚面的・倚角的 に考察できるようにするこず。たた過去の芖点のみで䞀面的に珟圚を捉えたり珟 圚の芖点のみで䞀面的に過去を捉えたりするこずがないよう留意するこず。 近珟代の歎史ず珟代的な諞課題ずの関わりを考察する際には などの芳点から諞事象 を取り䞊げ近珟代の歎史を倚面的・倚角的に考察できるようにするこずずはこの科目 においお珟代的な諞課題の圢成に぀いお近珟代の歎史を理解する際の留意点を瀺しおい る。珟代的な諞課題は政治や経枈瀟䌚文化宗教生掻など歎史を構成する様々な
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188 第章 地理歎史科 の各科目 芁玠が耇雑に関係しおいる。それらの芁玠に぀いおの経緯を結ぶこずで近珟代の歎史ず 珟代的な諞課題の関わりを考察するこずにずどたらず様々な芁玠を螏たえた芳点をもっ お考察するこずが倧切であるこずを瀺しおいる。その際公民科の必履修科目「公共」が 蚭眮されたこずを螏たえ公民科ずの関係に留意する。 たた過去の芖点のみで䞀面的に珟圚を捉えたり珟圚の芖点のみで䞀面的に過去を捉 えたりするこずがないよう留意するこずに぀いおは歎史孊習においおは過去ず珟圚で は事象に察する評䟡や察凊に違いがありその違いを留意しお事象の考察構想を行 うこずが倧切であるこずを瀺しおいる。歎史的な経緯の過皋には瀟䌚的な環境や瀟䌚通 念技術の発達の諞段階などその時期の特有の様々な状況が存圚しおおり過去のある 事象ぞの察凊方法やその遞択などが珟代ず比范しお同じ前提で行われおいないこずを瀺 しおおりそれは珟代に぀いおの事象を過去ず比范しお考察する堎合も同様であるこずに 留意するこずが倧切である。 4  諞資料の掻甚ず関係諞機関ずの連携に぀いお内容の取扱いの 1 の゚ ゚ 幎衚や地図その他の資料を積極的に掻甚し文化遺産博物通や公文曞通その 他の資料通などを調査・芋孊したりするなど具䜓的に孊ぶよう指導を工倫するこず。 その際歎史に関わる諞資料を敎理・保存するこずの意味や意矩に気付くようにする こず。たた科目の内容に関係する専門家や関係諞機関などずの円滑な連携・協働を 図り瀟䌚ずの関わりを意識した指導を工倫するこず。 ここでは歎史を考察するための基本的な方法ずしお幎衚地図その他の資料を掻 甚したり文化遺産博物通等の調査・芋孊図曞通の掻甚を取り入れたりするなどの孊習 䞊の留意点を瀺しおいる。 歎史は資料を基にしお叙述されるものである。 「歎史総合」の孊習ではその目暙にお いお「諞資料から歎史に関する様々な情報を適切か぀効果的に調べたずめる技胜を身に付 ける」こずが明瀺されおいるように 「幎衚や地図その他の資料を積極的に掻甚」する こずが重芖されおいる。 指導に圓たっおは 「生埒が䞻䜓的に情報手段を掻甚できるようにする」こず及び「地 図や幎衚を読んだり䜜成したり」 第欟のするこずを重芖する必芁がある。平玠の 孊習においお瀺された資料などの内容を無批刀に受け入れるのでなく自ら資料を収 集・遞択する力やそれを批刀的に読み取っお解釈し考察に生かす力さらにその成果を幎 衚や地図など自ら䜜成した資料の圢で適切に衚す力を身に付けるこずが倧切である。この こずは 「歎史総合」の孊習に限らず瀟䌚における各皮の情報を的確に捉えおよりよい 生掻を営む䞊で必芁な資質・胜力である。 文化遺産博物通や公文曞通その他の資料通の調査・芋孊などを取り入れるこずで 実物や耇補品などの資料ず接しお具䜓的で倚様な情報を埗お歎史の考察を深めさせるこ ずができる。公文曞通は囜及び地方公共団䜓が保管する歎史資料ずしお重芁な公文曞や叀
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189  歎史総合 文曞などの蚘録を保存し閲芧や展瀺など広く囜民・䜏民に提䟛する斜蚭である。たた 図曞通などを掻甚しお地域の歎史に関わる曞籍や資料の閲芧・調査やレファレンス機 胜の利甚など歎史の孊習を抜象的な抂念の操䜜で終わらせずに䞀局の具䜓性をもっお実 䜓化しおいくこずや歎史の孊習を孊校の授業のみで終わらせずに空間的には教宀の倖 ぞ時間的には卒業埌たで継続させ将来にわたっお孊び続ける機䌚や方法に぀いおの認 識や姿勢を育み生涯孊習ぞず発展させおいくこずが倧切である。たた 「孊校図曞通や 地域の公共斜蚭」 第欟のにおける文献調査などによる資料の収集も有効である。 その際これらの斜蚭の果たす圹割やそこにある諞資料を敎理・保存し利甚に䟛するこ ずの意味や意矩に぀いお考え歎史に関わる諞資料を敎理・保存するこずの意味や意矩に 気付くようにするこずが倧切である。指導に圓たっおは地域の諞資料に぀いおの情報を 十分に収集するずずもに専門家や関係諞機関などずの円滑な連携・協働を図るため積 極的な働きかけをし生埒が生掻する地域・瀟䌚ずの関わりを意識しおそれを掻甚した 孊習掻動を指導蚈画に適切に䜍眮付けるこずが求められる。 5  掻甚する資料の遞択に぀いお内容の取扱いの 1 のオ オ 掻甚する資料の遞択に際しおは生埒の興味・関心孊校や地域の実態などに十分 配慮しお行うこず。 歎史孊習における倚様な資料を生埒が十分に掻甚するためには内容の取扱い 1 アに 「生埒が興味・関心をもっお近珟代の歎史を孊習できるよう指導を工倫するこず」ず瀺さ れおいるように生埒が自身ずの関わりに぀いお実感したり具䜓性をもっお考察したり できる資料を提瀺できるように留意するこずが倧切である。たた孊校や地域の実態の䞭 から生埒が䞻䜓的に考察できるような資料を遞択しお瀺すこずも倧切である。特に本 科目においおは各䞭項目 1 においお各倧項目の孊習の導入ずしお資料の掻甚が瀺さ れおいるこずからもその資料の遞択に際しおは十分な配慮が必芁ずなる。 6  近珟代の孊習に぀いお内容の取扱いの 1 のカ カ 指導に圓たっおは客芳的か぀公正な資料に基づいお事実の正確な理解に導くず ずもに倚面的・倚角的に考察し公正に刀断する胜力を育成するこず。その際栞兵 噚などの脅嚁に着目させ戊争や玛争などを防止し平和で民䞻的な囜際瀟䌚を実珟 するこずが重芁な課題であるこずを認識するよう指導を工倫するこず。 「歎史総合」が孊習察象ずする近珟代の歎史においおは情報・資料が倚量に存する反 面根本的で重芁な資料が未発衚であったり機密ずされおいたり人々の珟実的利害や 思想・䟡倀芳の察立が絡んでいたりしお近代以前に比べお歎史的な䜍眮付けの難しいも のも少なくないずいう事情がある。したがっお近珟代の孊習に圓たっおは盞異なる䟡
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190 第章 地理歎史科 の各科目 倀芳や察立する立堎の䞀方に偏しない客芳性の高い資料に基づいお事実の正確な理解に 導くように留意し史実の認識や評䟡に慎重を期する必芁がある。その䞊で倚様な資料 を甚い異なった考え方を玹介するこずによっお歎史的な事実を䞀面的に取り䞊げたり 䞀぀の立堎からのみ理解させたりするこずを避け生埒自身が歎史に関わる諞事象の背景 や意味を様々な立堎から考察するこずができるよう歎史的な芋方・考え方を働かせ思 考力刀断力衚珟力等を逊うようにするこずが重芁である。 たた栞兵噚などに象城される科孊技術の利甚の圚り方や宗教民族を巡る玛争の頻発 が人類を取り巻く環境や瀟䌚文化を地球的芏暡で砎壊するに䜙りある脅嚁を䌎うこず に着目させ各囜が協力しお玛争や地球の環境砎壊を防止し平和で民䞻的な囜際瀟䌚を 実珟するこずが人類の生存ずその文明の存立や諞囜民の犏祉のために重芁な課題であるこ ずを認識させるこずも必芁である。
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191  日本史探究 1  科目の性栌 「日本史探究」は地理歎史科の䞭に蚭けられた暙準単䜍数単䜍の科目である。今回 の改蚂で蚭眮された必履修科目である「歎史総合」の孊習によっお身に付けた資質・胜力 を基に我が囜の歎史の展開に関わる諞事象に぀いお地理的条件や䞖界の歎史ず関連付 けながら総合的に捉えお理解するずずもに事象の意味や意矩䌝統ず文化の特色などを 考察しよりよい瀟䌚の実珟を芖野に歎史的経緯を螏たえお珟代の日本の課題を探究 する科目である。地理歎史科ではそれが平成元幎に教科ずしお発足しお以来暙準単䜍 数が単䜍である「䞖界史」  「日本史」  「地理」 暙準単䜍数が単䜍である「䞖 界史」  「日本史」  「地理」の科目をもっお構成されおきた。これに぀いおは生 埒の特性進路等の倚様化に察応しお倚様な遞択を可胜ずしおきたずいう偎面ずずもに 䞀郚の科目に遞択がずどたるずいう偎面も指摘され平成20 幎䞭倮教育審議䌚答申にお いお 「地理歎史科に関する総合的な科目の蚭眮に぀いおは具䜓的な教育内容の圚り方 等に぀いお今埌曎に怜蚎する必芁がある」ずの課題が呈せられた。 このこずを受け今回の孊習指導芁領改蚂においおは地理歎史科がこれたで「我が囜 及び䞖界の圢成の歎史的過皋ず生掻・文化の地域的特色に぀いおの理解ず認識を深め」ず しお掲げおきたねらいを螏たえ時間認識ず空間認識をバランスよく総合する人材育成を 目指す科目構成を怜蚎するこずずした。折しも近幎の高等孊校教育を取り巻く状況ずし お冒頭の総説にも瀺されるずおり 「高等孊校においおは瀟䌚で求められる資質・胜 力を党おの生埒に育み生埒䞀人䞀人を生涯にわたっお探究を深める未来の創り手ずしお 送り出しおいくこずがこれたで以䞊に重芁」であるこずが匷く指摘された。そこで地理 歎史科の科目構成ずしおはこのうちの「瀟䌚で求められる資質・胜力を党おの生埒に 育」むずいう芳点から地理歎史科を構成する空間軞ず時間軞をそれぞれ孊習の基軞ずす る「地理総合」ず「歎史総合」をいずれも必履修科目ずしお䜍眮付けるずずもにこれ に加えお 「生埒䞀人䞀人を生涯にわたっお探究を深める未来の創り手ずしお」育むずい う芳点からは 「探究」をその科目名に含む「地理探究」  「日本史探究」及び「䞖界史探 究」を生埒自身の興味・関心を螏たえお孊ぶ遞択科目ずしお蚭眮するこずずした。 このうち「日本史探究」に぀いおは 「歎史総合」を螏たえ埓前の「日本史」  「日 本史」のねらいを発展的に継承し぀぀我が囜の歎史の展開に぀いお総合的な理解を深 め各時代の展開に関わる抂念等を掻甚しお倚面的・倚角的に考察し歎史に芋られる課 題を把握し地域や日本䞖界の歎史の関わりを螏たえ珟代の日本の諞課題ずその展望 を探究する力を逊うこずをねらいずしお蚭眮された。 たた我が囜には歎史を考察する䞊で有甚か぀倚様な資料が数倚く存圚する。これらの 資料そのものが様々な灜害や時代の諞状況の䞭で倚くの人々の努力によっお䌝えられ 瀟䌚の圚り様やその教蚓など珟代及び未来に぀いおの倚くの瀺唆にあふれた囜民共有の 1 科目の性栌ず目暙 第4 節 日本史探究