title
stringlengths
0
181
⌀
url
stringlengths
0
365
⌀
text
stringlengths
0
505k
null
null
高等孊校叀文/和歌修蟞法 和歌では、音や調べを敎えたり、意味䞊の面癜みを衚珟するために、修蟞法ず呌ばれる特別な蚀葉の技法を甚いる。 ここでは、4 ぀の修蟞法に぀いお蚘述する。 枕詞たくらこずば 5 音で特定の蚀葉の前におく。音を敎える効果を持぀。䞀般的には枕詞自䜓には意味が無いず考えおいるので蚳さない。 䟋 玉葛かづら 実ならぬ朚には ちはやぶる 神ぞ぀くずいふ ならぬ朚ごずに 䞇葉集、巻二、101 意味矎しい葛のように実のならぬ朚には、すさたじい←蚳しおたすが、䞀応、教育䞊は蚳さない決たり神が぀くずいいたす。 すべおの実のならない朚に、あなたずいう朚にもね。←女性に送った歌なので、こういう意味があったずいう 倪字の「ちはやぶる」が、「神」ず「宇治」に぀く枕詞 他に  あしひきの→山 くさたくら→旅 ひさかたの→光・月・空 など  序詞じょこずば or じょし 7 音以䞊で、䜕らかの蚀葉を導き出すために前に぀ける。かかる関係は固定しおいない。「  の」の圢は倚い。蚳す堎合は「  のように」など、蚳に生かす。 䟋 あしひきの 山鳥の尟の しだり尟の 長々し倜を 䞀人かも寝む 意味山鳥の垂れ䞋がった尟のように長い倜を、私は䞀人で䟘しく寝るんだろうね。 倪字郚分が序詞で、「長々し」にかかっおいる。「あしひきの」は枕詞でもある。 掛詞懞詞・かけこずば 䞀぀の蚀葉に二぀の意味を持たせおいる。同音異矩を利甚。 䟋 もみちはの ちりお぀もれるわかやずに 誰をた぀虫 ここらなくらむ 意味 玅葉の葉が散り積もる私の䜏凊の呚りで、誰を埅っおいるのだろうか束虫が、ここそこらで鳎いおいるようだ。 倪字の「た぀」が掛詞で、「誰を埅぀」「束虫」ず、二぀の意味を持たせる蚀語遊戯的な技巧。 瞁語えんご 歌䞭の䞻芁語に瞁のある語を意識的に読み蟌む。 䟋 鈎鹿山 うき䞖をよそに 振り捚おお いかになりゆく わが身なるらむ新叀今、西行 意味今鈎鹿山だ。憂き䞖を自分に合わないものず振り捚おお、これから私はどうなっおいくのだろうか。 倪字「振り」ず「鳎り」が、䞭心語「鈎」の瞁語になっおいる。
null
null
高等孊校叀文/思想/論語 論語 抂芁 孔子ず圌の高匟の蚀行を孔子の死埌、匟子達が蚘録した曞物のこず。『孟子』『倧孊』『䞭庞』ず䜵せお儒教における最も重芁な経兞である「四曞」の䞀぀に数えられる。 孊而第䞀 - 『論語巻第䞀孊而第䞀』に原文が茉っおいたす。 為政第二 - 『論語巻第䞀為政第二』に原文ず読み䞋し文がありたす。 - 孊而䞍思孊びお思わざれば 八䜟第䞉 里仁第四 公冶長第五 雍也第六 述而第䞃 泰䌯第八 子眕第九 郷党第十 先進第十䞀 顔淵第十二 子路第十䞉 憲問第十四 衛霊公第十五 季氏第十六 陜貚第十䞃 埮子第十八 子匵第十九 堯曰第二十 泚釈 - 原文を芋たい人は、孊而第䞀 ず、為政第二は、Wikisourceに読解文が茉っおいたす。
null
null
高等孊校叀文/散文・説話/故事成語 苛政は虎よりも猛なり 癜文ず曞き䞋し文 (『瀌蚘』より) - 倫子:先生や幎長者ぞの敬称。ここでは孔子のこず。 - 匏:「軟」ず同じ。銬車の前面の暪朚に手を茉せお、䞊䜓をかがめお敬瀌するこず。 - 子路:孔子の匟子・仲由の字(あざな)。孔子より9歳䞋で、匟子たちの䞭では幎長。 - 苛政:人々を苊しめる政治。特に厳しい租皎や賊圹を指す。 - 小子:門䞋生や匟子ぞの呌びかけ。 重芁衚珟 - 䜿子路問之:子路をしお之に問はしめお - 䜿二ムAヲシテB䞀セ:「AにBさせる」の意味。 - 䜕為䞍去也:䜕為れぞ去らざるやず。 - 䜕為レゟ也:「なんすレゟダ」ず読む。「どうしおか」ずいう疑問圢。 珟代語蚳 孔子が泰山のそばを通った。墓のずころで声を䞊げお泣く婊人がいお、(その様子は)悲しげだった。先生は車の暪朚に手を぀いお䞁寧に瀌をしおその声を聎いお、子路に(䌝蚀しお)そのわけを質問させた。(質問内容は以䞋の通り)「あなたが声を䞊げお泣く様子は重ね重ねの悲しみがおありのようです。」そうしたら(その婊人は)蚀った。「そうです。昔、私の舅が虎によっお死に、私の倫もたた(虎によっお)死に、今床は私の子が(虎によっお)死にたした。」先生は「どうしお(危険なこの堎所を)立ち去らないのですか」ず蚀った。(婊人は)「ひどい政治がないからです」ず蚀った。先生は「おたえたち、このこずをよく芚えおおきなさい。ひどい政治は虎よりも恐ろしいのだ」ず蚀った。 解説 䞭囜においお虎は最匷の動物ずされおきた。そんな虎よりも獰猛(たたは恐ろしい)のが厳しい政治だずいう話である。 朝䞉暮四 癜文ず曞き䞋し文 (『列子より』) - 宋:春秋時代の囜の䞀぀。 - 狙公:「狙」はサルのこず。狙公はサルを飌う人・サルたわしのこず。しかし、職業を人名のようにするこずがあるため、「狙公」を普通の名前のようにしおもよい。 - 家口:家族が口にする食物。 - 芧:トチ。トチの実はドングリずは異なるが、珟代語蚳のずきには「ドングリ」ず蚳すこずがある。 重芁衚珟 - 狙亊埗公之心:狙も亊た公の心を埗たり。 - 亊:この字を単独で䜿うず「同様に」の意味。「たタ」ず読むが意味の異なる字が倚いので泚意したい。 - 将限其食:将に其の食を限らんずし。 - 将:「たさニ(セント)ス」ず読む再読文字。意味は「ちょうどしようずする」。 珟代語蚳 宋に狙公ずいう者がいた。(圌は)サルを愛しお逊い(増えおいき)矀れをなしおいた。(狙公は)よくサルの心がわかり、サルもたた狙公の気持ちがわかった。(狙公は)自分の家族の食事を枛らしおも、サルの食欲を満足させた。(ずころが)突然、貧乏になった。(そこで)サルの食事を枛らそうずしたが、サルたちが自分になじたなくなるこずを恐れた。たず、サルをだたそうずしお蚀った。「お前たちにトチの実を䞎えるのに、朝は䞉぀、倕方に四぀にしよう。足りるか。」サルたちはみんな立ち䞊がっお怒った。(そこで圌は)急に(蚀葉を倉えお)蚀った。「(では) お前たちにトチの実を䞎えるのに、朝は四぀、倕方に䞉぀にしよう。足りるか。」サルたちはみんなひれ䌏しお喜んだ。 解説 朝少ないず損をした気分になるが、朝を増やしお倜を枛らせば䞀緒である。このこずに気が぀かないのが、猿知恵ずいえよう。さお、この故事成語「朝䞉暮四」だが、狙公の立堎ずサルの立堎ずで意味が異なる。 - ぀たらない技で人をだたすこず。 - 目の前の差に惑わされお、倉化が無い・本質が同じこずに気が぀かないこず。 狙公の立堎なら前者、サルの立堎なら埌者の意味で取れる。どちらも甚法は正しい。 舟に刻みお剣を求む 癜文ず曞き䞋し文 (『呂氏春秋』より) - 江:長江のこず。 重芁衚珟 - 䞍亊惑乎:亊た惑いならずや。 - 䞍二亊タ䞀ナラ乎:反語的な詠嘆。意味は「なんずではないか。」 珟代語蚳 楚の囜の人で長江を枡る人がいた。圌の剣が舟から氎䞭に萜ちた。(その人は)急いで船に目印の傷を぀けお、「ここが私の剣が萜ちたずころである」ず蚀った。船が止たった。舟に目印を刻んだずころから氎の䞭に入っお剣を探した。船はもう行っおしたった。しかるに剣は動かない。剣を探すのにこんなこずをする。なんず道理のわからぬ(間抜けな)こずではないか。 解説 この話は叀いものにしがみ぀き、時代の倉化を理解しない者ぞの皮肉である。舟にたずえられおいるのは時代である。『韓非子』ず同様に、叀代の政治を理想ずし、手本ずする儒家を批刀した偎面もある。 塞翁が銬 癜文ず曞き䞋し文 (『淮南子』より) - 塞:ずりで。 - 胡:北に䜏む異民族の支配する土地。「胡人」はそこに䜏む異民族。圌らは圓時の䞭囜では野蛮人ずみなされおいた。 - 父:「ホ」ず読む堎合には老人の意味。「フ」ず読んだら「父芪」の意味。 - 髀:股(もも)の骚。 - 匊:匓の぀る。 - 跛:足の悪いこず。 - 化:物事の倉化の䞍思議さや巧さ。 - 極む:ここでは人間の知恵で知り尜くすこず。 - æ·±:物事の倉化の奥深さ。 - 枬る:予枬する。 重芁衚珟 - 䜕遜䞍為犏乎:䜕遜(なん)ぞ犏ず為(な)らざらんや。 - 䜕遜ゟ乎:「なんゟや」ず読む。反語衚珟で「どうしおだろうか、いやではないのだ」ずいう意味。 - 以跛之故:跛(は)の故を以お - 以二テ(之)故䞀ヲ:「の故を以お」(「を以おの故に」ずする堎合もある)。理由を挙げる衚珟。 珟代語蚳 ずりでの近くに占いの䞊手な人がいた。(その人の)銬がなぜか逃げ出しお北の蛮地ぞ入っおしたった。人々はこのひずをなぐさめた。(しかし)その老人は「これがどうしお犏にならないだろうか」ず蚀った。数ヵ月埌、その銬は蛮地の良い銬を連れお垰っおきた。人々はこの人にお祝いを蚀った。(しかし)その老人は「これがどうしお灜いにならないだろうか」ず蚀った。老人の子は乗銬を奜み(にしおいたが)、転萜しお足の骚を折った。人々はこのひずをなぐさめた。(しかし)その老人は「これがどうしお犏にならないだろうか」ず蚀った。それから䞀幎たっお、北方の蛮族の倧軍がずりでに攻め蟌んだ。若者たちは匓を持っお戊い、ずりでに近い(若い)人で死んだ者は十人の内九人であった(぀たり若者の90%が死んだ)。この息子だけは足が䞍自由だったため芪子ずもに無事だった。こうしたこずから犏が灜いずなり、灜いが犏になるのを芋極めるこずはできず、(倉化の)奥深さを掚枬するこずはできないのだ。 解説 ここに出る老人は目先の幞䞍幞に惑わされない。垞に幞犏が䞍幞に、䞍幞が幞犏に倉化するずいう䞖の䞭の䞍思議さに泚目しおいたからだろうか。 なお、ここから生たれた故事成語「塞翁が銬」は「人間䞇事塞翁が銬」ずいうこずもある。人生ではどのようなこずで幞犏ず䞍幞が入れ替わるかわからないずいうこずである。ただ、特に悪いこずが良いこずに倉わるずきに䜿うこずが倚いようである。
null
null
高等孊校叀文/散文・説話/持父蟞 持父の蟞 ぎょほのじ 楚蟞そじ - 屈原く぀げん 原文ず曞き䞋し文 - ^ 屈原く぀げん- 楚の王族のうちの䞀人。※ 本ペヌゞ節「屈原」で解説 - ^ 江札こうたん- 川べり。「札」は川の深いずころ。 - ^ 沢畔たくはん- 沢のほずり。 - ^ 持父ぎょほ- 幎をずった持垫。「父」を「ほ」ず読むず老人を指す。 - ^ 䞉閭倧倫さんりょたいふ- 楚の3぀の王族を取りたずめる長官。 - ^ 斯ここ- 境遇・身䞊・姿。ただし、堎所を指すずいう意芋もある。 - ^ 凝滞ぎょうたい- こだわる。ずどこおる。 - ^ 揚げあゲ- にごった泥氎をかきたわしお波を高く䞊げる。 - ^ 糟かす- 酒かす。 - ^ 釃(しる)- 薄い酒。 - ^ 察察さ぀さ぀- 枅らか。枅朔。 - ^ 汶汶もんもん- 汚れた様子。 - ^ 湘流しょうりゅう- 湘江のこず。 - ^ 真っ癜なこず。「晧晧」は癜いものの圢容。 - ^ 莞爟かんじ- にっこりず笑うこず。 - ^ 「枻」は舵かじや櫂かいのこずを指す。しかし「枻を錓す」ずいうず「ふなばた(船の瞁)をたたく」ず蚳す。 - ^ 滄浪(そうろう)- 挢氎の䞋流の川。 - ^ 纓(えい)- 冠の埌ろの郚分にたれおいる食りひもで、もっずも倧切なもの。 珟代語蚳 第䞀段萜 屈原(く぀げん)は远攟されお、湘江しょうこうの淵や岞をさたよい、歩きながら沢のほずりで歌を口ずさんでいた。顔色はや぀れはお、その姿は痩せやせ衰えおいる。老人の持垫が圌を芋るずたずねお蚀うには、「あなたは䞉閭倧倫さんりょたいふではありたせんか。どうしたわけで、こんなこずになったのですか。」ず。屈原は蚀うには、「䞖の䞭がすべお濁っおいる䞭で、私だけが枅らかである。人々すべお酔っおいる䞭で、私だけが(酔いから)さめおいる。こういうわけで、远攟されたのだ。」ず。 第二段萜 老持垫が蚀うには、「聖人は物事にこだわらず、䞖間ず共に移り倉わるのです。䞖の人が皆濁っおいるならば、なぜ(ご自分も䞀緒に)泥をかき乱し、その濁った波を高くあげようずしないのですか。人々が皆酔っおいるなら、なぜ(ご自分も)その酒かすを食べお、薄い酒を飲もうずしないのですか。どうしお深刻に思い悩み、お高くずたっお、自分から远攟されるようなこずをなさるのですか。」ず。 第䞉段萜 屈原が蚀うには、「私はこう聞く。『髪を掗ったばかりの者は、必ず冠の塵を匟き(よごれを払っおから被り)、入济したばかりの者は、必ず衣服をふるっお(塵を萜ずしお)から着るものだ』ず。どうしお私自身の朔癜な身に、汚れたものを受けるこずができるだろうか。いや受けいれない。(それなら)いっそのこずの湘江の流れに行っお(身を投げお)、川魚の(えさずなっお)腹の䞭に葬られおも、どうしお玔癜の身を䞖俗の塵やホコリを受けられるだろうか。」ず。 第四段萜以降 老持垫はにっこりず笑い、(ふなばたを)櫂で叩きながら挕ぎ去った。そしおそのずき、こう歌った。 - 滄浪の氎が柄んでいるのなら、 - (倧切な)冠の玐を掗おう。 - 滄浪の氎が濁っおいるのなら、 - (汚れた)私の足を掗おう。 ずうずうそのたた去っお、二床ず語り合うこずがなかった。 句法・語法 - 子非䞉閭倧倫䞎: 子しは䞉閭倧倫さんりょたいふに非ずあらずや。 あなたは䞉閭倧倫さんりょたいふではありたせんか。 - 「非〜䞎」で「〜ニあらズや」 - 䞎は「や」ず読み、文末に぀いお疑問をあらわす助字。 - 䜕故〜: 䜕ノ故ニ〜 なんのゆえに - 意味は「どうしお〜なのか」。理由に぀いおの疑問を衚す。 - 是以芋攟: 是をこれを以おもっお攟たれたり。 - こういうわけで、远攟されたのだ。 - 芋:受身の助動詞「る」「らル」。この読みの時には必ず返り点が぀く。 - 䜕䞍淈其泥、而揚其波: 䜕ぞなんぞ其のその泥を淈しお、其の波を揚げざる。 なぜ(ご自分も䞀緒に)泥をかき乱し、その濁った波を高くあげようずしないのですか。 - 䜕ゟ䞍二ル䞀:「なんゟざル」ず読む。再読文字「盍」ず同じ意味で、「どうしおしないのか」の意味。 - 自什攟為: 自らみずから攟たれしむるを為すなす。 自分から远攟されるようなこずをなさるのですか。 - 什ム: 䜿圹の助動詞「しム」。この読みの時には必ず返り点が぀く。 - 安胜以身之察察、受物之汶汶者乎: 安んぞいずくんぞ胜く身の察察さ぀さ぀たるを以お、物の汶汶もんもんたる者をうけんや。 どうしお私自身の朔癜な身に、汚れたものを受けるこずができるだろうか。 - 安ンゟ(乎):「いずくンゟ(や)」ず読む。反語で、「どうしおか。いやではない」の意味。 文末の「乎」やは助詞。 - 寧赎湘流: 寧ろむしロ湘流に赎いおおもむいお。 いっそ湘江の流れに行っお(身を投げお)川魚の(えさずなっお)腹の䞭に葬られおも、どうしお玔癜の身を䞖俗の塵やホコリを受けられるだろうか。 - 寧ロA、B:「むしロA、B」の圢で「いっそAのほうがBより良い」の意味。遞択を衚す。なお、本文ではBにあたる郚分が略されおいる。 - 䞍埩䞎蚀: 埩たたた䞎ずもに蚀はず。 - 䞍二埩タ䞀:「たタず」ず読む。郚分吊定の衚珟で、「䞀床はしたが、もう二床ずはしなかった」の意味。党郚吊定「埩䞍二䞀」ず混同しないように。 語圙 - 子し - あなた。二人称の敬称。 - 塵埃じんあい - ちり・ほこり。 - 遂぀いニ - そのたた。 ※ 珟代語ず意味が違うので泚意 解説 ここで泚目すべきは屈原ず魚父の人物の察比である。それぞれの人物像をたずめおみよう。 - 屈原く぀げん - 孀高。 - 劥協しない。 - 挫折したずしおも最埌たで自分の考えを倉えない。 - 持父 - 䞖の䞭に亀わり぀぀、それをコントロヌルする。 - 枅らかな䞖の䞭なら自分の枅い面を、汚れた䞖の䞭なら自分の汚い面をだす。 この二人の姿からは儒家ず老荘思想(道家)の理想の違いを芋出すこずもできよう。屈原は儒家の思想を、いっぜう持父は老荘思想を䜓珟しおいるずもいえる。あるいは、䜜䞭の「屈原」ず持父の䞡方ずも屈原自身の心が生み出したものであり、䞀方は理想を求める自己、もう䞀方は䞖間の䞭で生きおいこうずする自己であるずいう解釈も成り立぀だろう。 二人が別れる間際、持父は「莞爟ずしお笑う」が、ここにはどのような意味があるのだろうか。二人の意芋は䞀぀の点にたずめられたわけではない。持父はこのずき、よく蚀えば䞀本気、悪く蚀えばかたくなな屈原の蚀葉に「自分の意芋ず異なるが、倧倉尊いからがんばりなさい」ず思ったずも「あなたの意芋はずいぶんず尊いが子どもっぜい。しかし、たぁがんばりなさい」ず思ったずも解釈される。 なお、この䜜品は屈原が倧倉客芳的に曞かれおいるこずず、「寧ろ湘流に赎いお江魚の腹䞭に葬らるずも」ずあるように圌の最期を暗瀺するような台詞があるこずから、屈原本人の䜜品ではなく、埌䞖の人の䜜品ではないかずも蚀われる[1]。たた、持父が䞀目で「顔色憔悎し、圢容枯槁」した人物を元政府高官の屈原であるこずを芋抜いたりしおいるずころからしお、この持父も只者ではない。 抌韻 - 「枅」「醒」(第䞀段萜) - 「移」「波」「釃」「為」(第二段萜) - 「枅」「纓」(持父の歌) - 「濁」「足」(持父の歌) 察句 察句぀いく衚珟に぀いおみおみよう。ここでは癜文から匕甚する。 - 顔色憔悎 ⇔ 圢容枯槁 - 挙䞖皆濁 我独枅 ⇔ 衆人皆酔 我独醒 - 䞖人皆濁 䜕䞍淈其泥而揚其波 ⇔ 衆人皆酔 䜕䞍途其糟而歠其釃 - 新沐者必匟冠 ⇔ 新济者必振衣 - 以身之察察 ⇔ 受物之汶汶者乎 - 滄浪之氎枅兮 可以濯吟纓 ⇔ 滄浪之氎濁兮 可以濯吟足 察句かどうかを芋抜くにはいささか慣れも必芁だが、本文の察句はずおもわかりやすい。たず、䞀文の字数が5以身之察察 ⇔ 受物之汶汶者乎を陀いお同じであるこず、そしお2挙䞖皆濁 我独枅 ⇔ 衆人皆酔 我独醒以倖は返り点も同じずころに打っおいる。挢文の堎合、察句になっおいる郚分は返り点が同じになるこずが倚い。察句のある文章では、返り点を打぀問題や耇文の問題ではどこずどこが察句なのかを芋抜くこずも重芁であるこずがこれからわかるだろう。 内容面でも察句が倧きな圹割を果たしおいる。2ず3を芋おほしい。2挙䞖皆濁 我独枅 ⇔ 衆人皆酔 我独醒は屈原の台詞から、3䞖人皆濁 䜕䞍淈其泥而揚其波 ⇔ 衆人皆酔 䜕䞍途其糟而歠其釃は持父の台詞からだが、はじめの郚分挙䞖皆濁 / 䞖人皆濁。 衆人皆酔 / 衆人皆酔 。はほずんど同じである。そしお、察句ではないが屈原の「挙䞖皆濁、我独枅」ず「䞖人皆濁、䜕䞍淈其泥而揚其波」ずいう持父の台詞が察応し、屈原の「衆人皆酔、我独醒」に持父の「衆人皆酔、䜕䞍途其糟而歠其釃」が察応する。こうした屈原ず持父の台詞が先のような察応関係にするこずによっお、この二人の姿の察比がより鮮やかずなるのである。 屈原 屈原く぀げんは、楚の王族。はじめ楚の懐王に仕えおいたが、䞭傷されお巊遷させられた。その埌、懐王が秊によっお監犁されたころに埩垰するが、襄王のずきにたたも䞭傷されお远攟された。その埌、楚の将来に絶望しお汚矅江で入氎自殺した。 ちなみにその日が5月5日であったため、この日は「屈原のような立掟な人物になっおほしい」ずいう願いが蟌められお、男の子の節句ずなった。端午たんごの節句である。たた、この日に ちたき を食べるようになったのも、屈原の死をいたみ、最初は竹筒に入れた米を投げ入れおいたが、その米が竜に食べられるずいうので、竜の嫌う楝おうちの葉で包んだ米を投げ入れたこずに由来するずされる。 脚泚 - ^ 『新釈挢文倧系34 楚蟞』(明治曞院) p.278
null
null
高等孊校叀文/散文・説話/雑説 雑説 ざ぀せ぀ - 䜜者 韓愈(かんゆ) - 出兞: 唐宋八家文読本ずうそうはっかぶんずくほん 倧意 優れた才胜があっおも、それを芋抜くこずができなければ、いないのず同じ。 䜜者の意図 「ある囜に、もし優秀な人物がいおも、その囜の君䞻が愚かなら、その優れた人物を芋抜くこずはできず、その人物は登甚もされない。」 だいたい、このような感じの解釈が通説である。぀たり、登甚をする偎を戒めおいるいたしめおいる、たずえ話である。 珟代語蚳 䞖の䞭に銬を芋分ける名人がいお、そこで初めお名人が名銬を芋぀けお、䞀日に千里を走る名銬がいるのだ。 千里を走れる名銬はい぀の時代でもいるのだけれど、名人は、い぀の時代にもいるずは限らないのである。 だから、たずえ名銬がいたずしおも、発芋されないので、ただ銬の䞖話をするだけの䜿甚人の手によっお粗末に扱われ、銬小屋の䞭で平凡な銬ず銖を䞊べお死んでしたい、千里の銬ずしお讃えられるたたえられるこずはないのである。 䞀日に千里を走る銬は、ずきには、䞀食に぀き、穀物を䞀石も食べ尜くしおしたうこずもある。 ずころが銬を飌っおいる者ものは飌い䞻、その銬が䞀日千里を走る銬だずは知らないで、銬を飌っおいる。 なので、この銬は、千里の胜力を持っおいるのに、逌えさが䞍十分なので、お腹がすいお力がほずんど発揮はっきできず、名銬の才胜の玠晎らしさは衚には出おこない。 それどころかその名銬が、他の平凡な銬ず同じように生きようずしおも、゚サ代がかかるから ゚サが䞍十分だからそれすらもできない。 こんな状況で、どうしおその名銬の胜力の千里を走るように求めるこずができようか。いや、求めるのは無理である。 この銬を鞭で打っお調教するのに、飌い䞻は、けっしお、名銬にふさわしい扱い方を取らず、名銬を飌うのに、名銬の才胜を発揮させるこずができない。 名銬が飌い䞻に鳎いお蚎えかけおも、飌い䞻は銬の気持ちを理解するこずができない。 名銬にふさわしくない粗末な扱い方しかできないのに、飌い䞻が鞭むちをずっお銬に向かっお蚀うには、「この䞖には名銬が、いないものだ。」ず。 ああ、はたしおそれは本圓に名銬がこの䞖にいないのだろうか、それずも、名銬を芋抜けないのか。 曞き䞋し文 䞖よに䌯楜はくらく有りおありお、然るしかる埌のちに千里せんりの銬うた有りあり。 千里せんりの銬うたは垞に぀ね有れどもあれども、䌯楜はくらくは垞には぀ねには有らずあらず。 故にゆえに名銬めいば有りずありず雖もいえども、祇ただ奎隷人どれいじんの手におに蟱めはずかしめられ、槜櫪そうれきの間かんに駢死ぞんししお、千里せんりを以おもっお、称しょうせられざるなり。 銬うたの千里せんりなる者ものは、䞀食いっしょくに或いはあるいは粟ぞく䞀石いっこくを尜くす぀くす。 銬うたを食ふやしなふ者ものは、其のその胜のうの千里なるを知りお食はざるやしなわざるなり。 是のこの銬うたや、千里せんりの胜のう有りありず雖もいえども、食しょく飜かざればあかざれば、力ちから足らずたらず、才さいの矎び、倖に芋えずあらわれず。 䞔぀か぀垞銬じょうばず等しからんひずしからんず欲するもほっするも埗うべからず。 安くんぞいづくんぞ其のその胜のうの千里せんりなるを求めんもずめんや。 之(これ)を策぀(むちう぀)に其の(その)道(みち)以぀お(もっお)せず、之を(これを)食ふ(やしなう)に其の(その)材(ざい)を尜くさ(぀くさ)しむる胜はず(あたわず)。 之これに鳎けども、其のその意いに通ずる぀うずる胜はずあたわず。 策むちを執りおずりお之にこれに臚みおのぞみお曰はくいわく、「倩䞋おんかに銬うた無しなし。」ず。 嗚呌ああ、其れそれ真にしんに銬うた無きなきか、其れそれ真にしんに銬うたを知らざるしらざるか。 原文 - 䞖有䌯楜、然埌有千里銬。 千里銬垞有、而䌯楜䞍垞有。 故雖有名銬、祇蟱斌奎隷人之手、駢死斌槜櫪之間、䞍以千里称也。 銬之千里者、䞀食或尜粟䞀石。 食銬者、䞍知其胜千里而食也。 是銬也、雖有千里之胜、食䞍飜、力䞍足、才矎䞍倖芋。 䞔欲䞎垞銬等、䞍可埗。 安求其胜千里也。 策之、䞍以其道、食之、䞍胜尜其材。 鳎之、而䞍胜通其意。 執策而臚之曰、 「倩䞋無銬。」 嗚呌、其真無銬邪、其真䞍知銬也。 ずくに重芁な衚珟 - 雖有名銬 - 名銬めいば有りず雖もいえども 「名銬があるずいっおも、しかしながら、」の意味。「雖」いえどモで、逆接の仮定を衚す。 - 安くんぞ其の胜の千里なるを求めんや - 安求其胜千里也 「どうしお、その銬に千里を走る胜力を求められようか。いや、求められない。」の意味。 「安」で「いづクンゟ」ず蚓読し反語を衚す。 語圙 - 䌯楜はくらく - 銬のよしあしを芋分ける名人。 - 千里銬せんりノうた - 䞀日に千里もの長い距離を走れる銬。この文では、才胜ある人物のたずえ。なお、唐代の䞀里は玄四○五メヌトル。 - 然埌しかルのちニ - 「そこで初めお」の意味。この語の前が、必芁条件。 - 嗚呌 - 「ああ」の意味。詠嘆えいたんを衚す。 - - やや重芁な衚珟 - 䞍垞有 - 垞には぀ねには有らずあらず 「い぀もいるずは、かぎらない。」の意味。 「䞍垞〜」で「぀ねには〜ず」ず蚓読しお、郚分吊定を衚す。 - 祇ただ奎隷人どれいじんの手おに - - ※ 「ただ」の字は正しくは「瀺」に「氏」だが、文字が芋぀からないので、りィキブックスでは、これで代甚した。 「祇」ただは限定を衚す。「ただ」だけでも限定の意味合いは通じるが、高校や倧孊入詊のテストなどで蚳す堎合には、採点者に限定の意味合いを明瀺するため、蚳文に「ただ〜だけ」ずいうふうに「だけ」を付けたほうが良いだろう。 - 蟱斌 「祇蟱斌奎隷人之手」で、奎隷人の手によっお、蟱めはずかしめられる。 「祇蟱斌奎隷人之手」ただ奎隷人の手にの「斌」は助字で、「斌」には文脈によっお色々な意味があるが、この文での「斌」は受身の意味。 - 或あルむハ - 「ある堎合には」「あるずきには」「ずきには」などの意味。 - 䞔かツ - 「そのうえ」「さらに」「たしお」の意味。 - 是銬也 - 是のこの銬うたや 「この銬は」の意味。 ここでの「是」ずは、「この」ず蚓読し、指瀺代名詞である。 なお、「也」は「や」ず蚓読し、さたざたな意味を衚す。この文での「也」の意味は、文脈から考えお、䞻栌を匷調しおいる。 - 䞍胜尜其材 「䞍胜」で「あたはず」。 「できない〜」の意味。 参考衚珟 - 而 - 蚓読しない堎合がある、眮き字。接続のために甚いられる。蚓読する堎合、ここでは「しかレドモ」ず読む。文脈から、逆説ずしお解釈する。 - - 語泚 - 雑説ざ぀せ぀ - 「説」ずは、今でいう論説文。ある物事に぀いお、自分の意芋を述べおいる文章のこず。䜜者は特にテヌマを決めおいないので、「雑」ず぀けおいる。 - 奎隷人どれいじん - 䜿甚人しょうにん。 - 槜櫪そうれき - 銬小屋うたごやの䞭。この文では、圚野ざいやのたずえ。 「槜」そう「櫪」れきずもに、かいばおけ のこず。 - 駢死ぞんし - 䞊の銬ず銖を䞊べお死ぬ。 - 粟ぞく - 穀物の総称。 - 石せき - 容積の単䜍。 唐代の䞀石 は 箄 五九 リットル。 - 尜 - 「食べ぀くす」「食べきる」の意味。 - - - (※ 未蚘述) その他 - 䞍知銬也 - 銬を知らざるか 「也」を「か」ず蚓読する堎合は、疑問ぎもんを衚す。 - (※ 未蚘述)
null
null
高等孊校叀文/敬語 敬語―敬意を含む語のこず。 分類 誰を敬っお䜿うかで分類する。 - 1.尊敬語 - 動䜜の䞻䜓Subject、「が」に圓たる郚分を敬う - 2.謙譲語 - 動䜜の客䜓Object、「を」「に」「の所に」に圓たる郚分を敬う䟋倖あり、䞋郚参照 - 3.䞁寧語 - 聞き手を敬う。ほが䌚話文で䜿われる。 敬語の語順 二皮類以䞊の敬語を重ねお䜿う堎合は 謙譲語+尊敬語+䞁寧語 の順に重ねる。 二方面の敬語 動䜜の䞻䜓䞻語ず客䜓盞手が䞡方ずも敬うべき貎人の堎合に甚いる 誰からの敬意か - 地の文―→䜜者語り手から - 䌚話文―→話し手から 謙譲語に぀いお 珟代語においお 自分が䞻語、もしくは自分ず同じ偎の立堎の人が䞻語の時のみ䜿う →小・䞭孊校では「ぞりくだる」ず習う。 叀兞においお 幅広く䜿う ex.)倩皇が䞻語の謙譲語 最高の身分でぞりくだる必芁がない →高校では「動䜜の客䜓を敬う」ず習う。 謙譲語が「動䜜䞻がぞりくだっお盞手の動䜜を敬う」ずいう考え方だず支障が出る䟋。 『玫匏郚日蚘』に次のような䞀節がある。䞭宮地子が若宮埌䞀条倩皇を出産した盎埌の条で若宮はこの時、生埌玄䞀ヶ月である。 - わりなき道理にあわない、わりなきわざ小䟿をひっかけるこず もし謙譲語が「動䜜䞻がぞりくだっお盞手の動䜜を敬う」ずいう考え方ならば、「たおた぀り」は、若宮から道長ぞの敬意を衚すこずになるが、生埌玄䞀ヶ月の赀ちゃんにそんな芞圓は䞍可胜である。 したがっお、この堎合は語り手䜜者=玫匏郚から動䜜の客䜓の道長ぞの敬意ず考えるべきである。 䟋倖 自己卑䞋を衚す謙譲語 䞋二段掻甚「絊ふ」 - 終止圢ず呜什圢は䜿わない - 䌚話文・手玙文に限っお䜿われる、特殊な謙譲語 - 動䜜䞻䜓は必ず話し手自身「私は」ず補えば必ず文意が通じる。 - 必ず「思ふ・芋る・聞く・知る」の盎埌に぀く - 敬意の方向は話し手から聞き手ぞ䞁寧語ず同じ。 蚳し方 たす 動詞の䞊に぀く「たかり」 - 蚳し方は䞋二段掻甚「絊ふ」ず同じ - 䌚話文・手玙文の他、勅撰集の詞曞にも䜿われる
null
null
ここでは『十八史略』の䞭でも高校挢文で出題されやすいものだけを扱う。なお、高校の教科曞や参考曞では本文の䞀郚を省略するこずが倚い。本皿で扱う挢文もそれらに準拠しおいる。 錓腹撃壌 癜文ず曞き䞋し文 - å°­ 尭は䌝説䞊の倩子。特に儒教では理想の君䞻ずしおあがめられる。 - 土階䞉等 倩子の宮殿にある階段は本来石造りで9段ある。だからこれは倧倉質玠なものである。 - 億兆 人民のこず。 - 埮服 盎蚳すれば「粗末な服」。意蚳するず「おしのび」。 - 九茉 九幎間 - 四嶜 もずもずは泰山(東岳)・華山(西岳)・衡山(南岳)・恒山(北岳)の四぀の霊峰。これから転じお東西南北の諞䟯の長官を意味する。 - 舜 尭ず䞊ぶ䌝説䞊の倩子。儒教では先の尭ずセットで尭舜ず呌び、どちらも理想的な君䞻ずしおあがめられる。 - 䞍肖 芪に䌌ないこず。さらに、愚か者の意味もある。 - 厩ず 倩子の死。厩埡。 珟代語蚳 垝尭陶唐氏は垝嚳の子である。そのい぀くしみの心は倩のよう(にゆきわたるもの)で、その知恵は神のようだった。尭に近づくず倪陜のようであり、遠くから眺めるず(恵みの雚をもたらす)雲のようだった。平陜を郜ずした。宮殿のかやぶき屋根の端は切りそろえず、階段は䞉段のみだった。倩䞋を治めるこず50幎になったが、䞖の䞭が(平和に)治たっおいるのかいないのか、人民は自分を倩子ずしお戎くこずを願っおいるのかいないのかを知らなかった。偎近のものに聞いおもわからない。政治を行う者に聞いおもわからない。民間の者に聞いおもわからない。そこでおしのびで町の倧通りぞ出かけお行くず童謡が聞こえおきた。(それは)「民衆の暮らしを成り立たせおいるのは垝尭の偉倧な恩恵にほかならない。(民は)知らず知らずのうちに垝のお手本に埓っおいる」(ずいうものだった)。老人がいた。口䞭に食べ物をほおばり、腹錓を打ち、壌を撃っお歌っお蚀うこずには、「日が出れば働き、日が沈めば垰っお䌑む。井戞を掘っお氎を飲み、田んがを耕しお食べる。垝尭の力(おかげ)などどうしお俺たちに関係あろうか(いや、ない)」ず。 垝尭が即䜍しお70幎になった。9幎も措氎が匕かなかった。鯀に治氎の仕事をさせた。(しかし)9幎間も実瞟をあげられなかった。垝尭も幎をずっお政治に飜きおきた。四嶜の官が舜を掚薊したので、圌に政治を代行させた。尭の子䞹朱は芪に䌌ない銬鹿息子だった。そこで舜を倩に掚薊した。垝尭が厩埡するず、舜が即䜍した。 解説 尭が倧倉理想的な倩子であったこずを瀺す文章である。たず「茆茚䞍剪、土階䞉等」は倩子ずしお倧倉質玠であるず述べたが、ここには単にぜいたくをしないずいうだけでなく、人々になるべく負担をかけないようにしたずいう意味も含たれる。 誀解されやすいのは老人の歌である。珟代の䟡倀芳からするず尭をないがしろにしおいるように芋えるが、ここでは尭の仁埳が人々に匷く意識されるこずなく、ごくごく自然に溶け蟌んでいるこずを瀺しおいるのである(぀いでにいうず、偎近から民間の者たで尭に䞖の䞭が治たっおいるかどうか聞かれおもわからなかったずされおいるが、これも尭の仁埳があたりに自然であり、これが特別なこずだず思わなかったからである)。こうした「偉倧さを䞖間に知らしめる」ずいうのではなく「自由で豊かな生掻を送れる䞖の䞭を、ごく自然な圢で䜜り䞊げる」ずいうのは珟代ではなかなか理解しにくいずころであるため、テストの際、本文の意図に関する問題で匕っかかりやすい。 たた、尭が幎老いお自分の息子ではなく、賢者ずされた舜に倩子の䜍を譲ったこずも泚目したい。ここで䞭囜における理想的な王朝亀代である犅譲が行われたのだ。この尭から舜ぞの「政暩移行」ず比范しお、次の「采薇之歌」を芋おみよう。 采薇之歌 癜文ず曞き䞋し文 - 兮 䞻に詩賊に甚いる眮き字。 - 西䌯 盎蚳では「西の諞䟯の長」の意味。ただし、ここでは呚の文王(公)・姫昌をさす。 - 卒 死ぬこず。 - 歊王 呚の歊王・姫発のこず。呚の創始者。 - 盟接 黄河の枡し堎。今の河南省孟県の南ずされる。 - 箂 殷の最埌の王、玂王のこず。暎君ずしお知られる。 - 朚䞻 䜍牌。 - 兵す ここでは殺すずいう意味。 - 倪公 倪公望・呂尚のこず。呚の文王・歊王の参謀ずしお仕えたずされる。 - 叀公 歊王の曜祖父。 - 远尊 死者をあがめお埌から尊号を送るこず。 - 公季 歊王の祖父。 - 宗 もずもずの意味は「本家・䞻人」。転じお、倩子ずするこず。 - 粟 もみ殻の぀いた米。転じお、扶持米・俞犄(珟代流に蚀えば絊料)。 - 銖陜山 西山ず同じ。山西省にある山。 - 薇 わらび、ぜんたい。シダ怍物で山菜の䞀皮。わらびの根からはわずかにデンプンが取れる。 - 神蟲 䞉皇の䞀人。薬草を探しお人民を病気から救ったずいわれる。 - 虞 舜のこず。 - 倏 䞭囜最叀の王朝ずされる(ただし科孊的に蚌明されおいない)倏王朝の創始者・犹(う)のこず。黄河の治氎に成功したこずをもっお舜より倩子を犅譲された。 珟代語蚳 西䌯が亡くなり、子の発が䜍に぀いた。これが歊王である。歊王は(玂王を反省させるために)軍事力を瀺しながら、盟接たでやっおきた。このずき、諞䟯は玄束したわけでもないのに集たった者が800人にも達した。皆「玂王を蚎䌐すべきです」ず蚀った。(しかし)歊王はそれを承知せずに自囜に匕き䞊げた。(ずころがそれでも)玂王は反省しお行いを改めなかった。(぀いに)歊王は玂王を蚎䌐しようず決心しお、西䌯の䜍牌を(戊車に)茉せお出発しようずした。䌯倷ず叔斉は銬の手綱を取っお諌めお蚀った。「父君が亡くなられおただ葬匏も終わらないのに戊争をなさろうずしおいたす。これを『孝』ず蚀えるでしょうか。臣䞋の者が䞻君を殺そうずしおいたす。これを『仁』ず蚀えるのでしょうか。」(歊王の)偎近たちはこの二人を殺そうずした。倪公は「正矩の人である」ず蚀った。(倪公は)二人を助けおその堎から立ち去らせた。(さお、)王はすでに殷を滅がしお倩子ずなり、叀公には倪王ず、公季を王季ず、西䌯を文王ずおくりなした。倩䞋(の者)は呚を倩子ずした。䌯倷・叔斉はこれを恥ずしお、呚の俞犄を受けようずせず、銖陜山に隠れ、歌を䜜った。 - あの西山に登っお、そこのぜんたいを採っおいる。 - (歊王は)乱暎な行為で(玂王の)暎虐な行為にずっおかわった。(しかも歊王は)その悪さを理解しない。 - 神蟲・虞・倏(のような理想的な時代は)たちたち過ぎ去っおしたい、われわれはどこでこの身を萜ち着けたらよいのか。 - ああ、もう死のう。わが運呜は衰えおしたった。 ずうずう(二人は)逓死した。 解説 先ほどの「錓腹撃壌」で行われた犅譲に察しお、こちらでは歊力によっお暎君を倒す「攟䌐」が行われた。しかし、攟䌐を良しずしない䌯倷・叔斉は呜がけでこれを止めようずする。「臣䞋が君䞻を殺すこずは䞍正であるし、暎力に暎力で察抗するのは過ちだ」ずいうわけである。䞀床は倪公望・呂尚によっお助けられるが、結局は自分の信念を曲げずに(事実䞊)自殺しおしたう。 さお、この䌯倷・叔斉は兄匟であり(そもそも「䌯」は兄、「叔」は匟の意味)、もずもずは孀竹君ずいう諞䟯の子だった。父の死埌、兄匟で䜍の譲り合いをしお、ずうずう二人ずも地䜍を継承せずに囜を去ったずいう経歎の持ち䞻である。この前日談ず二人の最期はその埌、いろいろな人物に圱響を䞎え、その評䟡も賛吊䞡論であった。特に叞銬遷は『史蚘』の列䌝(個々の人物䌝や異民族の民俗集)のトップにこの二人を挙げお、正しい人が困難に遭遇するこずを「倩道是か非か」ず問いかけおいるのは特に有名である。たた、日本でも埳川光圀が若い頃に圱響を受けたこずでも有名である。 鶏口牛埌 - けいずう ぎゅうご 「合埓連衡」がっしょう れんこうずもいう。 癜文ず曞き䞋し文 - 埓芪 「埓」は「瞊」ず同じで、ここでは南北の意味。よっお「埓芪」は南北の同盟をさす。 - 鄙諺 䞖間のこずわざ。 - 鬌谷先生 姓は王、名は詡(く)。珟河南省登封県の鬌谷にいたために鬌谷先生ず号した。蘇秊・匵儀の垫であるため、瞊暪家の祖ずされる。著䜜ずしお『鬌谷子』を著したずされるが疑わしい。 - 盾 政治家のトップである宰盞のこず。「盞たり」で「宰盞になる」ず解する。 - 喟然 嘆く様子。がっかりしお。 - 「掛陜負郭の田二頃」 「負」は背、「郭」は倖城の意味。このこずから「掛陜の倖城を背にした」ずなる。さらに城に近い田は良い田だったずされる。「頃」は面積の単䜍で、1頃は玄170a(䞀説には玄280a)。 - 犀驖 秊の圹職。ここでは遊説家だった公孫衍のこず。 - 激す 刺激する。発奮させる。 - 暪 「衡」ず同じ意味で東西をさす。 珟代語蚳 秊の囜は(たすたす匷倧化しお)諞䟯をおどしお土地を割譲させようずした。掛陜の人に蘇秊(ずいう人)がいた。圌は秊の恵王に遊説したが採甚されなかった。そこで燕の文候に(自説を)説いお趙ず南北同盟を結ばせようずした。燕は(その説に賛成しお)資金を出しお、趙ぞ行かせた。(趙の)粛候に「諞䟯の兵力を合わせるず秊の十倍になりたす。力を合わせお西に向かえば、秊は必ず敗北したす。王様のために蚈画を立おたすず、六囜が南北同盟を結んで秊(の圧力)をはねのけるにこしたこずはありたせん」ず説いた。粛候は(その説に賛成しお)蘇秊に資金を提䟛しお諞䟯に同盟を結ばせた。蘇秊は卑近なたずえを甚いお諞䟯に説いお蚀った。「鶏の口になったずしおも、牛の尻になっおはいけたせん」ず。こうしお六囜は南北連合を結ばせた。 (さお、話を戻しお、か぀お)蘇秊は鬌谷先生に習っおいた。初めに(秊に)遊説する為に故郷を出たが、困窮の果おに垰っおきた。(しかし)劻は、はたおり機を䞋りず、兄嫁は圌の為に食事を䜜らなかった。その埌、連合の長ずなり、六囜の宰盞を兌ねるこずになった。(旅の途䞭で)掛陜を通り過ぎた(ずきのこず)。圌の行列の車や銬は、王のようであった。 兄匟や劻、兄嫁などは(恐れ入っお)圌から目をそらし、たずもに芋るこずができなかった。ただ平身䜎頭で付き埓い、食事の絊仕をした。蘇秊は笑っお蚀った。「どうしお前は嚁匵っおいたのに、今床はうやうやしいのか」ず。兄嫁は「あなたの身分が高く、金持ちになったのを芋たからです」ず蚀った。蘇秊はがっかりしおため息を぀いお蚀った。「私は同䞀人物であるのに、 裕犏で身分が高ければ芪戚も恐れおびくびくし、貧しく身分も䜎ければ軜んじあなどる。たしお䞀般の民衆はなおさらだ。 もし、私に掛陜郊倖の良田が二頃あれば(安穏ずしおいられたのだから)、六囜の宰盞の印を腰に぀けるこずができただろうか」ず。そこで、莫倧な金をばらたいお、芪族や友人に䞎えた。やがお蘇秊は同盟を結び終えお、趙に垰った。粛䟯は圌に領土を䞎え、歊安君ずした。その埌、秊は犀銖に呜じお、趙をあざむき同盟を砎壊しようずした。(その蚈略によっお)斉ず魏は趙を攻撃した。蘇秊は(その様子を芋お)恐れお趙を去ったため、南北の六囜同盟は消滅しおしたった。 (さお、今床は)魏の囜の人に匵儀ずいう者がいた。蘇秊ず同じ鬌谷先生に垫事した。か぀お、楚に遊説した際、楚の宰盞に恥をかかされた。劻は怒っお文句を蚀った。匵儀は「私の舌を芋ろ、ただちゃんずあるか(もしあるならばきっず名誉を挜回しおやる)」ず蚀った。蘇秊が南北六囜の同盟を結んだずき、(蘇秊は)匵儀を怒らせ(るず同時に発奮させ)お秊に行くよう仕向けた。匵儀はこう蚀った、「蘇君が健圚なうちは、どうしお私は(圌の策に反するような)自説を説くだろうか(いや、そんなこずはしない)」ず。蘇秊が趙を去っお、南北六囜の同盟は厩れた。(そこで、぀いに)匵儀はもっぱら連衡を説いお、六囜を暪に連ねおそれぞれを秊に仕えさせた。 解説 この話の䞭で少しわかりにくいのは匵儀が「蘇君の時、儀䜕ぞ敢ぞお蚀はん(蘇君が健圚なうちは、どうしお私は圌の策に反するような自説を説くだろうか)」ずいったこずだろう。 たず蘇秊の説いた「合埓」に぀いお芋おみよう。これは秊以倖の党おの囜々が協力しお秊に察抗する䜜戊である。それに察しお匵儀が説いた「連衡」は秊が六囜それぞれず同盟を結ぶこずで、六囜をばらばらにするず同時に事実䞊、秊に服属させる倖亀戊略である。蘇秊・匵儀によっお䞃囜の同盟関係が倉化した(「察秊包囲網」から「秊ぞの埓属政策」ぞ)こずから二人が行った倖亀戊略の名前をずっお「合埓連衡」ずいう蚀葉が生たれた。珟代では立堎や目的が異なる団䜓や人物が䞀時の利害から協力するこず(そしお、それがすぐに砎綻ないし倉化しそうなこず)を指す。 このあたりは『史蚘』の「蘇秊列䌝」「匵儀列䌝」に詳しいのだが、少し述べる。蘇秊は合埓が秊によっお砎られるのをおそれ、同門の匵儀を秊に掟遣するこずで合埓を有利に運がうずした。しかも、ただ掟遣するだけでなく䟮蟱しお怒らせ、発奮させるず同時に掻動資金に困っおいる匵儀をひそかに支揎しお秊に行かせお、恵王に仕えられるようにした。匵儀は埌日、このこずに気付き、蘇秊ぞの恩矩ず深い掞察ぞの感服から蘇秊が健圚なうちは合埓策に手を出さないこずにしたずいわれる。 先埓隗始 癜文ず曞き䞋し文 - å¹£ 瀌物。 - å­€ 王䟯の謙遜した䞀人称。特に喪䞭(死者を匔う間)に䜿う。 - 涓人 「涓」は「朔」の意味。王の巊右にいお枅掃を぀かさどる者。 - 千里の銬 叀来より䞭囜では、最高の名銬は䞀日に千里走るずされた。なお、圓時の䞭囜の1里は540m。 - 期幎 䞀幎。 - 士 賢士・賢者。 珟代語蚳 燕の囜は倪子の平を立おお王ずした。これが昭王である。戊死者を匔い、生存者を芋舞い、ぞりくだった蚀葉遣いをし、倚くの瀌物を甚意しお、賢者を招聘しようずした。昭王は郭隗にたずねお、「斉はわが囜の混乱に぀けこんで、燕を攻め砎った。私は燕が小囜で、報埩できないこずをよく承知しおいる。(そこで)ぜひずも賢者を味方に埗お、その人物ず共に政治を行い、先代の王の恥をすすぐこずが、私の願いである。先生、それにふさわしい人物を掚薊しおいただきたい。私自身その人物を垫ずしおお仕えしたい」ず蚀った。 郭隗は、「昔の王で、涓人に千金を持たせお、䞀日に千里走る名銬を買いに行かせた者がおりたした。(ずころが、涓人は)死んだ銬の骚を五癟金で買っお垰っお来たした。王は怒りたした。涓人は蚀いたした『(名銬であれば)死んだ銬の骚でさえ(倧金を出しお)買ったのです。たしお生きおいる銬だったらなおさら(高く買うに違いないず䞖間の人は思うこずでしょう)。千里の銬はすぐにやっお来たす』ず。䞀幎もたたないうちに、千里の銬が䞉頭もやっお来たした。今、王がぜひずも賢者を招き寄せたいずお考えならば、たずこの隗からお始めください。(そうしたら)私より賢い人は、どうしお千里の道を遠いず思いたしょうか。いや、遠いず思わずにやっお来るでしょう。」ず答えた。 そこで昭王は、郭隗のために新たに邞宅を造っお郭隗に垫事した。その結果、賢者たちは先を争っお燕に駆け぀けた。 解説 「隗より始めよ」ずいう故事成語の基になった話である。もずもずこの話からわかるように「私からたず䜿っおください」ずいう自薊の蚀葉だったのが、だんだん意味が倉化しお「蚀い出した人物から物事を始めるべき」ずいう意味で䜿われるこずが倚くなっおいる。 気を぀けたいのは郭隗のたずえ話である。「死んだ銬」ずいっおもなんでもよい蚳ではない。名銬だからこそ死んでも䟡倀がある、たしお生きた名銬ならもっず䟡倀があるずいうこずである。「どこぞの銬の骚」でも良いわけではない。ここに郭隗の(いくらか謙遜の混じった)自己掚薊が芋えおくるようである。 さお、ここでは省略したが、この郭隗の策は倧圓たりしお、埌に戊囜時代の名将ずされる楜毅が燕にやっおくる。そしお昭王の望んだずおり燕は斉に猛反撃を行い、楜毅の掻躍によっお斉の70あたりの城を奪ったずいう。 鶏鳎狗盗 癜文ず曞き䞋し文 - 異母匟。 - 珟圚の山東省滕州。 - お気に入りの女官。寵姫。 - 狐のわきの癜い毛だけを集めお䜜った衣。䞀着に狐が䞀䞇匹必芁ず蚀われるほど非垞に垌少なものであった。 - 珟圚の河南省にあった関所。秊の郜・咞陜(埌の長安。珟圚の西安垂)の東に建おられた。 珟代語蚳 靖郭君田嬰ずいう人は斉の宣王の異母匟である。薛に領地をもらっお領䞻ずなった。子どもがいお(その名を)文ずいう。食客は数千人いた。その名声は諞䟯に䌝わっおいた。孟嘗君ず呌ばれた。秊の昭王がその賢明さを聞いお、人質を入れお䌚芋を求めた。(昭王は孟嘗君が)到着するずその地にずどめお、捕らえお殺そうずした。孟嘗君は配䞋に呜じお昭王の寵姫ぞ行かせお解攟するように頌たせた。寵姫は「孟嘗君の狐癜裘がほしい」ず蚀った。実は孟嘗君は狐癜裘を昭王に献䞊しおいお狐癜裘はなかった。食客の䞭にこそ泥の䞊手い者がいた。秊の蔵の䞭に入っお狐癜裘を奪っお寵姫に献䞊した。寵姫は(孟嘗君の)ために口ぞえをしお釈攟された。すぐに逃げ去っお、氏名を倉えお倜ふけに凜谷関に぀いた。関所の法では鶏が鳎いたら旅人を通すこずになっおいた。秊王が埌で(孟嘗君を釈攟したのを)埌悔しお远いかけおくるこずを恐れた。食客に鶏の鳎きたねの䞊手い者がいた。(圌が鶏の鳎きたねをするず)鶏はすべお鳎いた。ずうずう旅客を出発させた。出おからたもなく、やはり远う者がやっおきたが远い぀くこずはできなかった。孟嘗君は垰囜するず秊をうらんで韓・魏ずずもに秊を攻めお凜谷関の内偎に入った。秊は町を割譲しお和平を結んだ。 解説 戊囜四君ず呌ばれた孟嘗君の゚ピ゜ヌドである。このこずから「鶏鳎狗盗」ずいう四字熟語が生たれた。『史蚘』では぀たらないこずしかできない者も䜿い道によっおは圹に立぀ずいう孟嘗君の先芋の明をたたえる郚分があるが、ここでは略されおいる。なお、今の「鶏鳎狗盗」の意味は「぀たらないこずしかできないこず、たたは人物」ずいう悪いものず「そんな人物でも圹に立぀こずがある、秀でたものが䞀぀ぐらいはある」ずいう倚少はよいものの二぀がある。 たたこの話を基にしお䜜られたのが癟人䞀銖にも収められおいる、枅少玍蚀の「倜をこめお ずりの空音は はかるずも よに逢坂の 関はゆるさじ 」ずいう和歌である。 完璧而垰(「柠池之䌚」を含む) 癜文ず曞き䞋し文 - 和氏の璧 楚の卞和が芋぀けたずされる宝石(W:ヒスむ)。この逞話から「連城之璧」ずも呌ばれるようになる。 - 怒髪冠を指し 髪が逆立ち冠を぀くほどの怒りの様子。 - 卻立 しりぞいお立぀。 - 閒行 人目に぀かず、密かに行くこず。 - 柠池 珟河南省柠池県。圓時は韓の領土。 - 瑟 琎の䞀皮。圓時、趙の郜である邯鄲の遊女たちが盛んに匕いおいた。 - 猶 玠焌きの酒噚。圓時、秊ではこれを打っお歌の調子をずった。なお、音読みでは「フ」だが蚓読みでは「ほずぎ」。 - 刃 刀剣で切り殺すこず。 珟代語蚳 趙の恵文王は、か぀お和氏の璧を手に入れた。秊の昭王は15の城ず亀換するこずをもちかけた。䞎えたいずすれば秊の匷い力が恐ろしく、䞎えようずすればだたされるこずを恐れた。(そこで)藺盞劂は和氏の璧をささげお(秊に)行こうず申し出た。(さらに盞劂は)「もし城が手に入らなければ、私が璧を無事に持っお垰りたしょう」ず蚀った。(盞劂は秊に)既に着いた。(やはり)秊王は城を提䟛する意思はなかった。そこで、盞劂はだたしお1璧を取り、怒りで髪が逆立った様子で柱の䞋にしりぞいお立ち、「私の頭ず共にこの璧を砕いおしたいたしょう」ず蚀った。(こうしお時間皌ぎをした埌で)お䟛の者に璧を持たせおこっそりず先に垰らせ、自分は秊王の呜什を埅った。秊の昭王は盞劂を賢者であるずしお、垰した。 秊王は趙王ず玄束しお柠池で䌚芋するこずになった。盞劂も(趙王の)お䟛をした。酒を飲み進めおいくうちに、秊王は趙王に瑟を匟いおほしいず蚀った。趙王はこれを匟いた。盞劂はたた、秊王に察しお - 『史蚘』によれば「璧に傷がありたす。それを瀺したしょう」ず蚀ったずされる。 解説 この埌の「刎頞之亀」に続く物語である。いわば「藺盞劂ず廉頗」物語の前半にあたる。「柠池之䌚」では、圓時の垞識や省略が倚く、ただ珟代語蚳しただけではわかりにくいずころが倚い。ここで補足しよう。 たず秊王が趙王に瑟を匟かせる堎面である。趙王が自分から堎を盛り䞊げるために自䞻的に匟くのならばずもかく、秊王が趙王に匟かせるずいうのは、前者が埌者を栌䞋ずみなしおいるからである。これに察しお藺盞劂が秊に猶を打っお秊の民謡を歌うようにお願いしたのは「趙王がわざわざ秊王のために挔奏したのだから、今床は秊王がお返しの挔奏をする」こずを挔出するこずで秊ず趙は察等な関係であるこずをアピヌルするためである。たた、秊は匷倧だが野蛮な囜ずみなされおおり、「瑟のような楜噚もなく、本来楜噚でもない猶を楜噚にするような野蛮な囜であり、それを王の宎垭でも䜿うみっずもない囜」ずしお逆に恥をかかせようずしたのである。それがわかっおいるから秊王はそれを拒吊したのである。 そしお、盞劂が「五歩の内、臣頞血を以぀お倧王に濺ぐを埗ん」ずいうが、これは芁するに「応じなければ、自分の呜ず匕き換えに秊王を殺すこずもできる」ずいう脅しなのである。だからこそ秊王の偎近はいきりたち、秊王もいやいやながらも䞀回だけ猶を打぀のである。 さお、この前半「完璧而垰」が完璧の語源である。璧も趙の面子も倱わずに「完璧に」任務を遂行した。よくある誀字に「完壁」ずいうのがあるが、これが間違いなのはこの゚ピ゜ヌドからもわかるだろう。「璧を 刎頞之亀 癜文ず曞き䞋し文 - 倧臣玚の高官。 - 叀代䞭囜では右が䞊䜍ずされた。 - 『史蚘』によればもずもず藺盞劂は宊官の客人であった。 - 家来。 - 朝廷に出仕するこず。 - 肌脱ぎ。 - むバラ。ずげのある怍物。 珟代語蚳 趙王は垰囜しおから藺盞劂を䞊卿ずした。廉頗よりも䞊の䜍であった。廉頗は「私は趙の将軍ずなっお城攻めや野戊の功瞟がある。盞劂はもずもずいやしい身分の者だ。ただ口先だけで私よりも䞊䜍にいる。私はこれより䞋にいるこずが恥ずかしい。私は盞劂に䌚ったらきっず蟱めおやろう」ず蚀った。盞劂はこれを聞いお、朝廷に出仕すべきずきにはい぀も病気だず蚀っお、(出仕せずに)二人が序列争いをするこずを奜たなかった。倖出しお廉頗を遠くから芋るず車を匕いお隠れお避けた。盞劂の家来たちは皆(盞劂のこのような態床を)恥ずかしく思っおいた。(そこで)盞劂は蚀った。「そもそも秊の嚁力に察しおも(私はそれに屈するこずなく)、秊王をしかり぀けお家臣たちに恥をかかせた。この盞劂は圹立たずではあるが、どうしお廉将軍を恐れるだろうか。私が思うに匷倧な秊が趙ぞ出兵しないのは、ただ私たち二人(藺盞劂・廉頗)がいるからだ。今この二匹の虎が闘えば、そのなりゆきは共に生きるこずはできず、どちらか䞀方は死ぬだろう。私がこのようなこずをしおいるのは囜家の急務を優先しお私的なうらみごずを埌回しにしおいるからなのだ」ず。頗はこれを聞いお肌脱ぎをしおむバラを背負い(盞劂の家の)門にやっおきお自らの眪をわびお、結局、刎頞の亀わりを結んだ。 解説 「藺盞劂ず廉頗」の物語の埌半である。既に芋たように藺盞劂が䞊卿になったのは「完璧而垰」ず「柠池之䌚」の功瞟によるものだった。どちらも藺盞劂の機知によっお趙の面子を保ち、匷倧な秊に屈服しない姿勢を芋せたもので、その功瞟は軍功に劣らず倧であったが、軍人ずしお掻躍しおいた廉頗からすれば実力のない「口舌の埒」に芋えたのだろう。しかし、私怚よりも囜家を重芖する藺盞劂の態床に深い感銘ず自分の蚀動の浅はかさを感じた廉頗は眪人のようにしお藺盞劂の前に珟れる。廉頗のはじめのセリフにも埌の態床にも、圌の盎情さが芋えおくる。぀たり、「口先だけの人間」が出䞖したこずに察する怒りを隠さない点ずその藺盞劂像が誀っおいたこずがわかるず(少し倧げさではあるが)率盎に謝る点に廉頗の人物像が芋えおくる。 さお、この話から生たれたのが「刎頞の亀わり」である。「刎頞」ずは「
null
null
高等孊校叀文/歎史曞/史蚘/䌯倷列䌝 ここでは「䌯倷列䌝」の埌半郚分である、「倩道是か非か(倩道是邪非邪)」を解説する。 癜文ず曞き䞋し文 - ^ 倩道無芪。垞䞎善人。:『老子』第79章の蚀葉。 - ^ 䞃十子之埒:孔子の高匟70人。『史蚘』孔子䞖家には72人ずある。 - ^ 仲尌:孔子の字 - ^ 回也屢空:『論語』の「先進線」からの蚀葉。「空」は食物が乏しくなるこず。 - ^ 糟糠:酒のかすず米のぬか。粗末な食事のこず。 - ^ 蚀倭:若死にするこず。 - ^ 盜蹠:䌝説䞊の盗賊。w:盗跖を参照。 - ^ 䞍蟜:眪のない人。 - ^ 肝:「膟」(なたす)の字の誀りずされる。膟は生肉を现切りにした叀代䞭囜の料理。 - ^ 暎戻恣睢:乱暎で勝手な振る舞い。 - ^ 地明范著:明癜である。「范」は「明」ず同じ意味。 - ^ 䞍軌:道に倖れるこず。 - ^ 忌諱:犁什。 - ^ 环䞖:子孫。 - ^ 或択地而蹈之:仕えるべき堎所を遞んで仕える。 - ^ 行䞍由埄:『論語』の「雍也線」の蚀葉。行いが公明正倧であるこず。 珟代語蚳 ある人は蚀った、「倩の道は特定の人だけを芪しくするようなこずはしない。い぀でも善人の味方である」ず。䌯倷・叔斉のような人は善人ずいうべきものだろうか、そうでないのだろうか。(ふたりは)人埳にかなった行いを積み重ね、枅廉朔癜な行為を行っお、しかも逓死した。それに(孔子の)䞃十人の匟子の内、仲尌はただ顔淵だけを孊問奜きな者ずしお掚薊した。しかし、回はしばしば経枈的に困窮し、粗末な食事さえ満足に取れず、ずうずう若死にした。倩が善人に報いるずは、いったいどういうこずなのか。 盜蹠は毎日眪のない人を殺しお人の肉をなたすにしお食べ、乱暎で勝手にふるたい、数千人で埒党を組んで、倩䞋の䞭を暎れたわったが、結局倩寿を党うした。これは䜕の埳によるものだろうか。これはもっずも(矛盟が)はっきりずしおいる物である。 近い時代ずいえば、品行が悪くお道に倖れ、もっぱら法で犁止されおいるこずを犯しおいおも、生涯遊び楜しみ裕犏な暮らしをし、子孫代々続いおいく者、あるいは仕えるべき堎所を遞んで仕え、蚀うべきずきに発蚀し、公明正倧で、それだけに心を奮い立たせるも、灜難に遭うような者は数え切れないほどである。(だから)私はひどく戞惑うのである。もしかするず、䞖間で蚀う倩の道ははたしお正しいのだろうか、いや正しくない。
null
null
高等孊校叀文/歎史曞/史蚘/吟所以有倩䞋者䜕 ここでは『史蚘』の高祖本玀の埌半に圓たり、「吟の倩䞋を有ちし所以の者は䜕ぞや(吟所以有倩䞋者䜕)」ず題されるこずがある郚分を解説する。 癜文ず曞き䞋し文 - ^ 雒陜:掛陜ず同じ。 - ^ 眮酒:酒宎を開くこず。 - ^ 朕:皇垝の䞀人称。「ちん」ず読むのが䞀般的。 - ^ 情:本圓の気持ち。 - ^ 高起・王陵:どちらも高祖に仕えた歊将。詳现は高起・王陵。 - ^ 所降䞋者:降䌏した地域。 - ^ 劒:「劬」ず同じ。 - ^ 公:ここでは盞手ぞの敬称。 - ^ 倫:「さお」「いったい」。文の曞き始めなどで盞手の泚意を匕く蚀葉。 - ^ 籌策:蚈略。 - ^ 垷垳䞭:䜜戊蚈画を行う本陣のずばりの䞭。 - ^ 子房:高祖の参謀の䞀人、匵良の字。名軍垫ずしお知られる。 - ^ 逜饟:食糧。 - ^ 蕭䜕:高祖の名臣。高祖の昔なじみの䞀人で、内政ず兵站に優れた胜力を発揮した。劉邊が皇垝になるず臣䞋の最高䜍である盞囜に任呜された。 - ^ 韓信:高祖に䜿えた将軍。「囜士無双」ず呌ばれるほど軍事面で優れた才胜を発揮し、䞀時は独立勢力に近いほどの力を持った。 - ^ 范増:項矜の軍垫。項矜からは「亜父(父に次ぐ者)」ず呌ばれたが、范増の蚈略を項矜が採甚しないこずも倚かった。特に「鎻門之䌚」でのそれは臎呜的であった。 珟代語蚳 倩䞋は倧いに安定した。高祖は、掛陜に郜を定め、諞䟯もみな家臣ずしお仕えた。高祖は掛陜の南宮においお酒宎を開いた。高祖は諞将に「諞䟯・倧将の諞君、朕に隠し立おをせずに、有りのたたを蚀え。わしが倩䞋を埗た理由は䜕か。項氏が倩䞋を倱った理由は䜕か。」ず蚀った。高起ず王陵が答えお蚀った。「陛䞋はわがたたで人を䟮りたすが、項矜は情け深く人をい぀くしみたした。しかし、陛䞋は人を甚いお城や土地を攻略させ、降䌏した地域には、それによっお(その功瞟に応じお)人に䞎えられたした。倩䞋の人々ず利益を同じくされたした。項矜は賢者を劬んで胜力のあるものを憎み、功瞟がある者はこれを害し、賢者はこれを疑いたした。戊に勝っおも人に功瞟を䞎えず、土地を埗おも人に利益を䞎えたせんでした。これが倩䞋を倱った理由です」ず。 高祖は蚀った。「貎公は䞀面を知っおはいるが、第二の偎面を知らない。蚈略を、本陣の幕の䞭でめぐらし、勝利を千里の倖に決するようなこずは、わしは子房におよばない。囜家を安定させお人民をかわいがり、食糧を䞎えお、その補絊を絶やさないこずでは、わしは蕭䜕におよばない。癟䞇の軍を率いお、戊えば必ず勝ち、攻めれば必ずずるずいうこずでは、わしは韓信におよばない。この䞉人はみな優れた人物である。わしはこの䞉者をよく甚いた。これが、わしが倩䞋を取った理由である。項矜には䞀人、范増がいたが、甚いるこずはできなかった。これが、項矜がわしのずりこずなった理由である。」ず。 重芁衚珟 - 未レダ知二ラ其ノ二䞀ヲ:未だ其の二を知らず - 「未」は再読文字で、「いたダず」ず曞き䞋す。「ただしない」の意味。 - 吟䞍レ劂二カ子房䞀ニ:吟子房に劂かず - 比范・遞択衚珟「A䞍レ劂二カB䞀ニ」。䞉぀意味があるが、ここでは「AはBにおよばない」の意味が劥圓。 解説 ここでは高祖が項矜を倒しお倩䞋を治めお間もないころの話を扱っおいる。登堎人物が項矜・劉邊をどう芋おいるかを敎理しよう。 - 高起ず王陵の分析 - 劉邊 - 傲慢で人を銬鹿にする。 - 功瞟を独り占めせず、配䞋に利益を分け䞎えた。 - 項矜 - 優しい。 - 才胜ある人には嫉劬する。 - 功瞟を独り占めしお、配䞋に分配しない。 - 劉邊 - 高祖の自己分析 - 劉邊 - 蚈略や戊略県、内政胜力、軍事の才胜、いずれも配䞋である匵良・蕭䜕・韓信におよばない。 - しかし、圌らの才胜を生かしお、仕事をさせた。 - 項矜 - たった䞀人の軍垫である范増すらロクに扱うこずができなかった。 - 劉邊 高起ず王陵の分析では、高祖の公平さが倩䞋を取った理由であるずされる。それに察しお高祖自身は有胜な人物に恵たれたこずず圌らを䜿いこなしたこずが倩䞋を取った理由だずいう。このあたりは、リヌダヌず郚䞋ずのものの芋方の違いが珟れおいる。郚䞋からすれば、行動に適切な評䟡がなされるこずを期埅し、それが実行されるこずで目暙を達成できるず考える。䞀方、リヌダヌは郚䞋の才胜を匕き出し、圌らの力を発揮できるようにするこずが重芁だず考える。このあたり、珟代でも参考ずなるものがあるかもしれない。 さお、ここからは少し䜙談ずなる。優秀な歊将たちを䜿いこなしたこずを自負する劉邊だが、このころから異垞な猜疑心にずらわれ始める。そしお、功瞟を挙げた歊将たちの粛枅が行われる。ここにあげた韓信は䞀床は王になるものの、のちに候ぞず栌䞋げされ、最埌は無残な死を遂げる。韓信以倖にも远攟されたり殺されたりしたものは倚い。そしお、その疑いの目はいわゆる倖様だけでなく、高祖の昔なじみたちにも向けられる。ここで挙がった蕭䜕は短い期間ではあるが投獄され、「鎻門の䌚」で掻躍した暊噲、高祖ず同じ日に生たれた芪友・盧綰も「謀反人」扱いされおしたうのである。 このような高祖の非情な振る舞いは高祖本玀にはほずんど描かれおおらず、他の人物の列䌝にしか曞かれおいない。これも叞銬遷にずっお珟圚の王朝の創始者である高祖に察する配慮であるず考えられおいる。
null
null
高等孊校叀文/歎史曞/史蚘/倧䞈倫圓劂歀也 ここでは『史蚘』の高祖本玀の冒頭で、「倧䞈倫圓に歀くの劂くなるべきなり(倧䞈倫圓劂歀也)」ずタむトルを぀けられるこずもある郚分を解説する。 癜文ず曞き䞋し文 - ^ 沛豊邑䞭陜里:珟圚の江蘇省豊県。 - ^ 倪公:「じいさん」「芪父」の意味。 - ^ 媌:「おうな」すなわち老婊人・老母・ばあさんの意味。 - ^ 陂:土手・堀。 - ^ 晊冥:たっくら・くらやみ。 - ^ 蛟竜:韍の䞀皮。みずち。氎䞭にすむずいわれる空想䞊の生物。 - ^ 竜顔:韍のように眉の骚が䞞く突き出しおいる顔立ち。倩子ずなる人盞を持っおいたこずを瀺す。 - ^ 須髯:あごひげずほほひげ。 - ^ 豁劂:広く倧きい様子。 - ^ 倧床:倧きな床量。 - ^ 泗氎亭長:泗氎は地名で、珟圚の江蘇省沛県の東。亭長は宿駅の長。 - ^ 狎䟮:軜んじあなどる。この䞻語は高祖。 - ^ 王媌・歊負:「媌」は先の説明に同じ。「負」も同じ意味の語。 - ^ è²°:珟金払いではなく、぀けにするこず。 - ^ é…€:酒を買うこず。 - ^ 繇:倫圹に埓事する。圓時、皎の䞀皮ずしお公共の劎圹に城甚されるこずがあった。 - ^ 瞊芳:自由に芋るこず。ここの「瞊」は「勝手に・気たたに」の意味。圓時、皇垝の行列を芋物するこずは犁止されおいた。 - ^ 喟然:ため息を぀く様子。 珟代語蚳 高祖は、沛県豊邑䞭陜里の人である。姓は劉氏、字は季。父は倪公ずいい、母は劉媌ずいった。そのむかし、劉媌は倧きな沢で䌑息し、倢で神ず出䌚った。この時、雷が鳎り、たっくらになった。倪公が行っおみるず、蛟竜がその䞊にいた。しばらくしお(圌女は)劊嚠した。こうしお高祖を生んだ。 高祖の人ずなりは、錻すじが高くお韍に䌌た顔぀きをしおおり、矎しいあごひげずほおひげがあった。巊の股に䞃十二のほくろがあった。おもいやりがあっお、人を愛し、(恩恵を)斜すのが奜きで、床量が広かった。い぀も倧きな床量をもち、家族のする生産䜜業などの仕事をしようずしなかった。䞉十歳ごろになっお、詊しに採甚されお圹人になり、泗氎の亭長になった。高祖は圹所の圹人たちを軜んじお䟮らないものは無かった。酒ず女色が奜きで、い぀も王ばあさんず歊ばあさんの店で、酒をツケで買っおいた。酔い぀ぶれお暪になるず、歊ばあさんず王ばあさんはその䞊にい぀も韍がいるのを芋お、䞍思議に思った。高祖が酒を買い、居すわっお飲むごずに、店の売䞊が数倍に䞊がった。この䞍思議なこずを芋おから、この䞡家は、幎の暮れにい぀も、借甚曞を砎っお酒代を垳消しにしおいた。 高祖は以前、咞陜で倫圹に埓事し、自由に(勝手に)秊の皇垝である始皇垝(の行列)を芋お、ため息を぀いお、「ああ、䞀人前の男たるもの、たさにこうなるべきだ。」ず蚀った。 重芁衚珟 - 倧䞈倫圓劂歀也:倧䞈倫圓に歀くの劂くなるべきなり - 「圓」は再読文字。「たさニベシ」ず曞き䞋す。「圓然すべきだ」「しなければならない」の意味。 解説 挢を建囜した高祖・劉邊の生涯を述べた高祖本玀の初めの郚分で、ただ庶民だったころの゚ピ゜ヌドである。 高祖の䞡芪は「劉倪公」「劉媌」ずあるが、泚にあるずおりこれは本名ではない(぀いでにいうず、劉邊の字「季」も「末っ子」ずいう意味しかない)。䞡芪の本名すら䌝わらないような身分でしかなかった圌が倩子ずなったのはなぜか、ずいうのがここでは描かれおいる。「母芪が劊嚠したずき韍がいた」「顔぀きが韍のようだった」「酒を買いにいくずその店の売り䞊げが跳ね䞊がった。しかも酔っ払った劉邊のうえに韍がいた」ずある。韍は䞭囜では、倩子の象城ずされおおり、このこずから高祖が倩子ずなるのは定められおいたずいうストヌリヌである。 『史蚘』ではあたり超自然的な出来事は語られないのだが、芋おきたように高祖の生い立ちに぀いおずいぶんず䞍思議なこずが描かれおいる。これは叞銬遷にずっお珟圚の王朝の創始者である高祖に察する配慮から民間䌝承の類も取り入れおいるず考えられおいる。 さお、ここの最埌の郚分は、埌のラむバルずなる項矜が「圌取りお代はるべきなり」ずいったこずずよく比范される郚分である。項矜本玀の圓該箇所を読んで、比范・考察するのも面癜いだろう。
null
null
高等孊校叀文/歎史曞/史蚘/倧颚起兮雲飛揚 ここでは『史蚘』の高祖本玀の終盀であり、「倧颚起こりお雲飛揚す(倧颚起兮雲飛揚)」ず呌ばれる箇所を解説する。 癜文ず曞き䞋し文 - ^ é‚„åž°:挢の12幎(玀元前195幎)、淮南(わいなん)王黥垃の謀反を鎮圧しお凱旋したこず。 - ^ 過:立ち寄る。読みにも泚意。 - ^ 眮酒:酒宎。 - ^ 父老:幎寄り。老人。 - ^ 義酒:酒を思いのたたに飲たせる。 - ^ 発:城発する。召す。集める。 - ^ 筑:楜噚の䞀皮。琎に䌌た楜噚で、竹で打ち鳎らす。 - ^ 倧颚起兮雲飛揚:盎蚳すれば「倧颚が吹き起こり、雲が舞い䞊がる」ずなる。「倧颚」は秊末の動乱をさす。「雲」の解釈には、この動乱期に登堎した矀雄や悪人を指すずいう説、皇垝にたで登り぀めた高祖自身を指すずいう説などがある。 - ^ 嚁:嚁力。 - ^ 海内:海の内、囜内。倩䞋。 - ^ 猛士:勇敢な兵士。歊士。 - ^ 和習:䞀緒に歌い習う。 - ^ 慷慚傷懐:いきどおり嘆き、心を痛める。 - ^ 枞子:故郷を離れお旅する者。ここでは高祖自身。 - ^ 䞇歳埌:死埌。「死」ずいう蚀葉を避けお瞁起の良い蚀い方に倉えたものである。 - ^ 湯沐邑:ここでは倩子が祭りのずきに、その土地からの租皎を、身を枅めるための費甚に圓おた土地。 - ^ 埩:租皎や劎圹の免陀。 - ^ 無有所䞎:租皎や劎圹のこずず無関係にする。 - ^ é©©:「歓」に同じ。よろこび。 - ^ 道旧故:昔話をする。 珟代語蚳 高祖は垰還しお、沛に立ち寄り、留たっお沛の(臚時の)宮殿で酒宎を開いた。こずごずく昔なじみの老人や若者を招いお思いのたたに酒を飲たせた。沛の子どもたちを呌んで癟二十人集たった。子どもたちに歌を歌わせた。酒宎の最䞭に高祖は筑を打ち鳎らし、自ら歌詞を䜜っお歌った。 - 倧颚が吹き起こり、雲が舞い䞊がる - 私の嚁力は倩䞋に加わっお、今故郷に垰っおきた - なんずかしお勇敢な者を埗お四方の守りを固めたいものだ 子どもたちにこれを䞀緒に習い歌わせた。高祖は立ち䞊がっお舞い、いきどおり、嘆き、いくすじかの涙を流した。沛の父兄たちに向かっお蚀った。「旅にある者は故郷を慕う。わしは関䞭に郜をおいおいるが、䞇歳の埌(死埌)、わしの魂はこの沛を恋い慕うだろう。さらにわしは沛公から身を起こし、暎虐なる者を倒し、぀いに倩䞋を取った。沛の地を朕の湯沐の邑ずし、その民の劎圹や租皎を免陀し、代々これらず無関係のこずずしおやろう。」ず。沛の父兄・諞婊人、昔なじみは毎日楜しく飲み、歓楜を極め、昔話にふけっお笑い楜しむこず十数日に達した。高祖は立ち去ろうずした。沛の父兄は匷く請うお高祖を匕きずめようずした。高祖は蚀った。「わしの埓者は倚い。父兄たちはわれわれの飲食をたかなうこずはできない。」ず。そしお去っお行った。 重芁衚珟 - 教ム二之ヲ歌ハ䞀:之をしお歌はしむ - 䜿圹衚珟「しム」。意味は「させる」。 - 安クンゟ埗テ二猛士ヲ䞀兮守ラシメン二四方ヲ䞀:安くんぞ猛士を埗お四方を守らしめん - 盎接には反語衚珟「いずクンゟセン」だが、ここでは反語の圢をずった詠嘆である。したがっお蚳は「どうやっおしようか」「どうにかしおしよう」ずするのが良い。 解説 泚にも述べたずおり、ここは淮南王黥垃の謀反を鎮圧しお、郜に垰る途䞭に高祖の故郷である沛に立ち寄ったずきの話である。「吟の倩䞋を有ちし所以の者は䜕ぞや」で述べたが、倩䞋統䞀埌の高祖は猛烈な猜疑心にずらわれ、功瞟ある郚䞋を次々ず凊分しおいった。これにおそれをなしたのが黥垃であり、「殺されるぐらいならばいっそ」ずばかりに謀反を起こした。この反乱は鎮圧されるが、高祖はこのずきに負傷しお、その傷がもずでこの幎に死去する。そのため、この郚分は高祖最埌の「茝き」である。 さお、ここでもラむバルである項矜ずの比范が可胜であろう。ここでは四面楚歌ず比范できる。それは、二人の死を目前ずした堎面であるず共に、即興で歌を䜜った堎面でもあるからだ。 「四面楚歌」での項矜の歌は勇猛な力がありながらも滅びる運呜を嘆くものであったが、ここでの高祖の歌は自分の建おた囜を守ろうずいう自信に満ち溢れたものである。この二぀は䞡者の結末の違いだけでなく、性栌の違いも芋えおくる。項矜の歌は自らの運呜だけでなく、愛銬の隅、愛人である虞矎人ずいった愛するものを題材ずしおいるのに察しお、高祖の歌は故郷ひいおは倩䞋・囜家が題材である。歌の優劣を論じおも仕方のないこずだが、こうしお比范するもの面癜いだろう。
null
null
高等孊校叀文/挢文ずは䜕か、挢文をどうしお孊ぶのか 挢文ずは䜕か 挢文ずは、挢人぀たり䞭囜人が曞いた文章をいう。䞭囜人は挢字を甚いるため、挢字のみで曞かれる。ただ、ここでいう䞭囜人は、䞀般に枅代以前の䞭囜人をさす。枅代ずは日本史にでおくる日枅戊争の枅である。このように、挢文は叀い䞭囜語にあたる。䜆し、枅代においおも、挢文は日垞䌚話ず異なるいわゆる文語の䜍眮にあった。たた、広倧な䞭囜においおは方蚀の差が倧きく蚀語孊的には、別の蚀語ずいっおよいほどの差異がある、ここで共通のコミュニケヌションの方法ずしお、挢文は機胜した。さらに、枅朝は領土内に満州族、蒙叀族、りィグル族、チベット族など、䞭囜語を日垞語ずしない民族が倚数おり、それらを統治するための文曞語ずしお甚いられた。加えお、朝鮮やノェトナムずいった呚蟺諞囜においおも、朝廷の公匏文曞は挢文で曞かれた。 これは、前挢期玀元前206幎 - 8幎に完成された挢文の、文法の簡朔性ず挢字の匷い抜象化機胜の賜物ずいえ、東アゞア文化圏においお、西欧諞囜におけるラテン語ず同じ機胜を果たしたずいえる。 日本では、朝鮮半島を通じ、挢字ずずもにその衚珟方法ずしお、遅くずも4䞖玀には䌝わったものずされる。日本においおも、盞圓に長い期間、公匏の文曞は挢文で蚘されるものずされおいた。たた、教逊のひず぀ずしお、挢文を読むこずが、盛んになされたが、そのような環境においお、挢文の語圙・文法を頭に入れ、それによっお曞いた文章も挢文の䞀皮になる。ただ和語も混ざるので和様挢文ずよばれる。『日本曞蚘』などがそうである[1]。ただし、日本では、比范的早い時代に、日本語自䜓の音声の特城にあった衚蚘方法であるかな仮名、即ち、「仮の衚珟」。これに察しお、挢字を『真名』ずいうが発明され、衚珟方法ずしおも、挢字の抜象化機胜を生かしたたた衚珟できる「和挢混淆文和挢混亀文」が工倫されたため、自由に日本語を衚珟するこずができた。 近代に至っお、日本が明治維新を迎え、近代化の䞀環ずしお、話し蚀葉口語ず曞き蚀葉文語を近づけるこずにより、瀟䌚の倉化に柔軟に察応できるこずを可胜にするための蚀文䞀臎運動を起こしたのず同様に、枅朝が滅んでからの䞭囜は、近代化を進めるために、曞き蚀葉を話し蚀葉に近づける運動がなされた。これを、癜話運動「癜」は「告癜」等に芋られる「いう」の意ずいう。これは、枅以降、䞭華民囜を経由し、珟代の䞭囜である䞭華人民共和囜における衚珟方法ずなっおおり[2]、挢文は䞭囜語を衚す衚珟方法ずなっおいない。しかし、珟代の䞭囜人も、叀兞ずなった䞭囜語を読み、暗蚘し、そこにおける語圙や文の䜜りを芚え、叀兞の文䜓で曞くこずがあり、それも「挢文」ずいえる。 高校挢文 高校の叀兞においお孊ぶのは、䞊の挢文の入門線であり、かなりその幅を限定できる。 挢文の叀いものは、春秋時代の人である孔子が、すでに叀兞であったものを取りたずめた「曞経」や「詩経」ずいったものがあるが、これらは、あたりに叀く、続く戊囜時代には泚釈曞が必芁ずなるほどであるので、初孊者には難しく、高校の挢文においおは参考皋床に玹介されるに止たる。 次の時代である戊囜時代に、孔子の匟子筋により、孔子の蚀行録である「論語」が線纂される。この頃挢文の衚蚘法が䞀応の完成を芋せ、たた、その埌の䞭囜においお囜教ずもいえる䜍眮を占める儒教の創始者である孔子の「論語」は、長期にわたっお東アゞア党䜓に倧きな圱響を䞎えた。高校挢文においおも、最も重芁なテキストのひず぀である。 この時代、䞭囜は瀟䌚䜓制の倧きな転換期であり、儒教のみならず、いろいろな思想が各地で興った、これを諞子癟家ずいう。圌らは、自らの思想を分かりやすく䌝えるため、倚くのたずえ話をした。これらの倚くが珟代にも「故事成語」ずしお残るものである。これらの、出兞ずしおは、儒家の「孟子」、道家の「荘子」、兵家の「孫子」等が有名である。怜定教科曞や参考曞には、孫子を陀く、孟子や荘子などがよく取り䞊げられる。 この転換期の混乱を秊の始皇垝が収め、その業瞟を挢が継ぎ、実に数癟幎ぶりに、囜土の安定を埗る。䞭囜には歎史を重んずるずいう䌝統があるが高等孊校叀文/歎史曞参照、この囜家の安定においお、過去の各地の歎史曞を倧成した䜜品が生たれる。叞銬遷による「史蚘」である。これは、それ以前の歎史を倧成するのず同時に、その埌の䞭囜の正史の圢を決め、論語同様、東アゞア党䜓に倧きな圱響を䞎えた。勿論、高校挢文においおも、最も重芁なテキストである。極論を蚀うなら、「論語」ず「史蚘」が、ある皋床読みこなせれば、その氎準の3/4皋床は達したものず考えおも良いくらいであるあず、1/4は埌述する挢詩である。 挢文による散文は、挢代を以っお完成する。これを狭矩の「挢文挢代の文章」ずいう。これ以降の挢文は、圓時の䞭囜語特有の音埋を意識した文章であったり、語圙が難解になったりしお、初孊者には難しいので、高校挢文で䜓系的に取り䞊げられるこずは少ない。「䞖説新語」等のように教科曞でよく取り䞊げられる叀兞もあるが、「史蚘」を読めれば、倚くは苊劎するこずなく読むこずができる郚分が取り䞊げられおいる。入門線ず割り切るなら、教科曞ず入詊の過去問に取り䞊げられおいるものを読むのに終始すればよい。䟋倖的に䜓系的に取り䞊げられるものに、史蚘以降の歎史のダむゞェストずしお元代に線纂された「十八史略」がある。このため、「挢曞」「䞉囜志有名な諞葛孔明の出垫衚や魏志倭人䌝が含たれる」「貞芳政芁」ずいった、本圓の意味での叀兞はあたり取り䞊げられない傟向にある。 䞀方で、時代は挢から䞉囜時代、晋、南北朝時代、隋をぞお、唐にいたる。この時代に発展した衚珟圢匏が、我々が「挢詩」ず呌ぶ詩である。これらに぀いおは、日本が䜓系的に初めお出䌚ったカルチャヌショックからか、日本文化に深い圱響を䞎えるそれ以降に䞭囜で流行した宋詞や元曲がほずんど圱響を䞎えなかったのずは察照的である。その圱響であるかは断蚀できないが、挢詩は高校挢文においお重芁な䜍眮を占めおおり、「杜甫」「李癜」の有名な䜜品や、「唐詩遞」からも倚く教科曞に取り䞊げられおいる。ただし、その䞭心は盛唐期であり、それ以降は、入門の域を超えるため参考の䜍眮づけに近くなる。 これ以降も、挢文による重芁な叀兞は、数倚く茩出する。䟋えば、「源氏物語」をはじめずする日本の叀兞文孊に倧きな圱響を䞎えた「長恚歌」の䜜者である癜居易や唐宋八倧家ずいわれる倧文孊者は唐末期から宋代になっお珟れるし、近䞖儒孊は南宋においお朱熹が完成させる。たた、フィクションの分野においおは、明代から枅の初期にわたっお「䞉囜志挔矩」「氎滞䌝」「西遊蚘」「玅楌倢」ずいった珟代においお叀兞ずされるものが、ようやく芋られるようになるが、このあたりになるず、語圙が特殊であったり、口語が含たれおいたりするので、高校の挢文で取り䞊げられるこずは、非垞にたれずなる。 結論ずしお、高校の挢文では、時代ずしおは「論語」成立の諞子癟家の時代から、「史蚘」成立の前挢たでの文曞が䞭心であり、それに、盛唐期の挢詩が加わえれば、その90以䞊はフォロヌできおいるものず考える。 挢文をなぜ孊ぶのか 叀兞の孊習の理由ずしお以䞋のこずが孊習指導芁領で説明されおいる。ただし叀兞が科目になった歎史䞊の経緯[3]ずは異なる。 - 叀文・挢文の語句の意味、甚法、文の構造を理解する。 - 内容を構成や展開にそくしおずらえる。 - 人間、瀟䌚、自然などにたいする思想や感情を読み取る。そうしおものの芋方、感じ方、考え方を豊かにする。 - 衚珟の特色を理解し、優れた衚珟に芪しむ。 - 叀兞を読んで、日本文化ず䞭囜文化の関係に぀いお考える[4]。 ただし、高等孊校などでの挢文履修者の倧半は、䞊蚘の孊習指導芁領䞊の理由ずいうよりも、「必修科目の囜語教科内の䞀郚であるため」や「倧孊受隓のため」、ずいったこずが孊習の理由であるこずが実情である。これは他の教科・科目にも同様に蚀えるこずであり、挢文に限ったこずではない。 挢文を孊ぶ方法 芁領では䞊のようにあった。ここではおのおのに぀いおたずめる。 叀文・挢文の語句の理解 語句の意味、甚法、文の構造を理解する。その方法は、蟞曞を匕くこずなどになる。挢文の堎合は、おのおのの挢字ず熟語に぀いおは、挢和蟞兞を匕く。句圢や眮字に぀いおは、教科曞の䞭で説明を探すか、挢和蟞兞の句圢や眮字の解説をよむ。たた、熟語の䞭で、専門甚語の堎合は、広蟞苑など詳しい囜語蟞兞を匕く。 挢字を匕くこずに぀いおは、教科曞・受隓問題に関わらず、自分が目にする文章を、冒頭からながめ、少しでもひっかかり、意味がすぐに思い浮かばないものは、どれも蟞兞を匕く。蟞兞を匕くのは時間がかかるようだが、自分で意味を考え出そうずしお時間をかけるより匕いた方が早く、ひず぀ひず぀地道にやっおいくず意倖ず進みは早い。 内容を構成や展開にそくしおずらえる 内容を構成や展開に即しおずらえる。その方法は、語句の意味や句圢に぀うじお、それにより目にしおいる文章の党䜓を芋枡たせるようになるこずである。挢文を、日本語の文章ず同じような感芚ですらすらよめる、そういう状態を想像し勉匷をする。 たた構成や展開に即しおずらえる、ずいうのは、目にしおいる文章のあるフレヌズに぀いお、そのようにする、ずいうこずである。それは、䞀面ずしお぀ぎのこずである。目にしおいるフレヌズ内の語句が、同じ文章内のべ぀の箇所にも出おいないかを探し、べ぀の箇所での、その語の甚法をみる。぀たりその語がどういうほかの事物ずむメヌゞ的に結び付けられおいるかをみる。そしおその〈甚法〉を、もずの目にしおいたフレヌズにあるその語句に代入しお読む。 このような、他の箇所での甚法を芋おそれを代入しお読む、ずいうやりかたが客芳的な挢文の読解法になる。 思想や感情を読み取る 人間、瀟䌚、自然などに察する思想や感情を読み取る。その方法も、他の箇所での甚法をみおそれを代入しお読む、ずいうこずになる。これが著者にそくしお客芳的に読み取る方法である。 優れた衚珟の理解 衚珟の特色を理解し、優れた衚珟に芪しむ。自分が奜きであるず感じる文章を読むのが、ひず぀のいい方法である。挢文の文章を手に入れるには、岩波文庫が手頃である。挢詩、論語、荘子、歎史曞、仏兞などさたざたなものが手に入る。りェブ䞊でも、䞭囜の叀兞なら電脳瓊厗寚 電子文献黄頁や電子テキスト類目、仏兞なら倧蔵経テキストデヌタベヌスで挢文を入手できる。 日本文化ず䞭囜文化の関係 叀兞を読んで、日本文化ず䞭囜文化の関係に぀いお考える。『源氏物語』などの叀文には、仏教に関する話があるが、仏教はむンドで぀くられたものであるものの、日本に入っおきたのは䞭囜でむンドの蚀葉から翻蚳された挢蚳仏兞で、日本人は挢文で仏教にふれおきた。挢文を通じお仏教文化を共有しおいる面がある。 ただ、各時代の「日本」の範囲や、各時代の日本の読曞が可胜な人の割合、に぀いおは、日本史を勉匷するこずが必芁である。「䞭囜」の範囲に぀いおも、王朝の倉遷による地理的範囲の倉化がある。このように、日本文化ず䞭囜文化の関係に぀いお、過去の歎史䞊の事実ずしお把握するには、挢文だけでなく、歎史に぀いおも孊ぶ必芁がある。 孊ぶ䞊での泚意・蚓読文 挢文は、もずもず䞭囜語繰り返すが話し蚀葉ではなかったであり、日本語ずは、その文法構造を倧きく異にしおいる。そもそも、歎史的には、日本人は挢文を倖囜語ずしお捉え、倧和蚀葉ずは䞀線を画しお読み曞きを行っおいたが、時代が䞋り、挢字の知識が深たるようになるず、挢文に助詞や送り仮名を付し、さらに順序が日本語らしくなるよう蚘号返り点を付けお日本語ずしお読めるような工倫挢文蚓読がなされるようになった。 曞き䞋し文、読み䞋し文、蚓読文などずいうのがこれであり、挢文独特の蚀い回しずしおなじみがあり、挢文の特城のひず぀ずいっおよい。 しかしながら、これはあくたでも原文理解のための「䟿法」であっお、その蚀い回しや仮名遣いの正誀にこだわるのは、挢文理解の為の゚ネルギヌの無駄遣いでしかない。そもそも、䞀意に蚓読ができるものではなく、ある皮の仮眮きに過ぎないずいうこずを理解しおおくべきである。 蚓点の機胜を理解する初孊の時期を陀いお、「曞き䞋し文を曞け」等ずいう問題が詊隓に出たならば、それは悪問であり、出題者の芋識を疑っお然るべきである[5]。 挢文を孊ぶための本 挢文に関わる背景的歎史的知識に぀いおは、日本史の教科曞や、䞖界史の䞭囜史の郚分が、参考にできる。各挢和蟞兞は、本文や巻末に句圢・眮字助字の解説や、䞭囜の昔の時代の地図などもあるので、挢字を匕くだけでなく、参考曞ずしおも぀かえる。孊習参考曞ずしおは、駿台の『挢文 孊習資料集』が、句圢の玢匕があり䟿利である。挢字に぀いおは、倧島正二『挢字䌝来』岩波新曞などが内容豊富に曞いおいる。挢文の抂説曞ずしおは、手頃なのずしお、岩波党曞の『挢文入門』や、『挢文法芁説』朋友曞店などがある。たた、句圢・眮字のより詳しい参考曞ずしおは、『挢文を読むための 助字小字兞』内山曞店が、倀段も定䟡円で薄くコンパクトである。曞店の店頭にはあたり眮いおいないものだが、泚文すれば、どの曞店でも賌入できる。
null
null
高等孊校叀文/挢文の句法 ここでは句法に぀いお解説を行う。 これたでに述べた「挢文の読み方」「返読文字」「再読文字」で述べたこずを繰り返すずころもある。 本ペヌゞは非垞に長いので、䟋文は別ペヌゞに眮く。 受身 - 芋(ル)(同矩の字に被・為) - 読み方:る・らる - 意味:される。 - 為䞉ルAノ所二トB䞀スル - 読み方:AのBするずころずなる - 意味:AにBされる。 - A二セラル斌(于・乎)B䞀ニ - 読み方:BにAせらる - 意味:BにAされる。 - 斌・于・乎の助字はいずれも堎所・目的・察象を衚し、受身を瀺す。この堎合、これらの助字は読たない。 - 文意から受身をずる。 - 特に「封れラル」「任れラル」「叙セラル」は受身に読む。「封れラル」は王䟯になるなどしお領地をもらうこず、「任れラル」は圹職に付くこず、「叙セラル」は功瞟に応じお栄兞を䞎えられるこずである。 䜿圹 - 䜿二ム(=什・教・遣)AヲシテB䞀セ - 読み方:AをしおBせしむ - 意味:AにBさせる。 - 䜿圹の意味を持぀動詞を甚いる。 - 呜二ゞテA䞀ニB(セ)シム - 召二シテA䞀ヲB(セ)シム - 遣二ハシテA䞀ヲB(セ)シム - 教二ヘテA䞀ニB(セ)シム - 勧二メテA䞀ニB(セ)シム - 説二キテA䞀ニB(セ)シム - 文脈から䜿圹をずる。 - 動詞の䞋が動䜜を受ける察象である堎合は䜿圹になるこずがある。 吊定 単玔な吊定 - 䞍(=北)二䞀セ - 読み方:せず - 意味:しない。 - 䞻に甚蚀(動詞・圢容詞・圢容動詞)を吊定する。 - 「䞍」から䞋の蚀葉をすべお吊定するので口語蚳のずきには泚意が必芁である。䟋えば「芋レ朚ヲ䞍レ芋レ森ヲ」も「䞍二芋レ朚ヲ芋䞀レ森ヲ」も曞き䞋し文ずしおは「朚を芋(、)森を芋ず」ずなるが、「芋レ朚ヲ䞍レ芋レ森ヲ」は「朚は芋たが森は芋ない」の意味になるのに察しお、「䞍二芋レ朚ヲ芋䞀レ森ヲ」の方は「朚も森も芋ない」あるいは「朚を芋ずに森を芋る」の意味になる。曖昧さを避けるには、「䞍芋朚而芋森」「䞍芋朚䞍芋森」に蚀い換える必芁がある。なお、この「䞍」の特城を知っおおくず埌述する郚分吊定ず二重吊定の違いを理解するうえで助けになる。 - 非(=匪)二ズ䞀ニ - 読み方:にあらず - 意味:でない。 - 䞻に䜓蚀(名詞・代名詞)を吊定する。 - 無(=莫)二シ䞀(スル) - 読み方:(する)なし - 意味:ない・するこずがない - 未二ダ䞀セ - 読み方:いただせず - 意味:ただしない。 - 再読文字である。 䞍可胜 いずれも意味は「できない」である。 - 䞍レ胜ハ - 読み方:あたはず - 意味:(胜力が無くお)できない。 - 䞍レ埗 - 読み方:えず - 意味:(チャンスが無くお)できない。 - 䞍レ可カラ - 読み方:べからず - 意味:(状況を熟慮しお)できない。 - 犁止の意味もある。 - 䞍ニ敢テ䞀セ - 読み方:あぞおせず - 意味:匷い吊定の意味もあるため、「決しおできない」ず蚳したほうがよい。たた、単に匷い吊定にずするこずもでき、その堎合は「決しおしない」の意味になる。 党郚吊定ず䞀郚吊定 「䞍」の説明のずきにも述べたが、「䞍」は䞋に続く蚀葉をすべお吊定する。そのため、ここで述べるような違いが生じる。党郚吊定ず䞀郚吊定では以䞋のような圢になる。 - 党郚吊定:副詞䞍甚蚀 - 䞀郚吊定:䞍副詞甚蚀 芁するに党郚吊定は吊定の郚分を副詞が匷調しおいる圢であるが、䞀郚吊定は副詞の郚分も吊定しおいるため結果的に吊定が限定的になっおいるのである。たた、党郚吊定ず䞀郚吊定ずでは送り仮名も異なるので泚意したい。 - 垞ニ䞍二䞀セ - 読み方:぀ねにせず - 意味:い぀もしない。 - ニュアンス的には「しないのがい぀ものこず(åžž)だ」ずいうのである。 - 䞍二垞ニハ䞀セ - 読み方:぀ねにはせず - 意味:い぀もずは限らない。 - 「い぀もだ」を吊定しおいるので、「い぀もず限らない」ずなっおいるのである。 - 必ズ䞍二䞀セ - 読み方:かならずせず - 意味:きっずしない。 - 䞍二必ズシモ䞀セ - 読み方:かならずしもせず - 意味:必ずずは限らない。 - 埩䞍二䞀セ - 読み方:たたせず - 意味:今床もたたしなかった。 - 「前回も今回もしなかった」ずいうニュアンスになる。 - 䞍二埩䞀セ - 読み方:たたせず - 意味:それきり二床ずしなかった。 - 「今回はしたが、それ以降はしなかった」ずいうニュアンスになる。 - 倶ニ䞍二䞀セ - 読み方:ずもにせず - 意味どちらもしない。 - 「䞡方ずも行動をしない」のである。 - 䞍二倶ニハ䞀セ - 読み方:ずもにはせず - 意味:どちらもずは限らない。 - 「䞡方ずもその行動をするずはかぎらない」ので、片方だけが行動するこずも䞡方ずも行動するこずもありうる。 - 尜ク䞍二䞀セ - 読み方:こずごずくせず - 意味:党郚しない。 - 䞍二尜クハ䞀セ - 読み方:こずごずくはせず - 意味:党郚ずは限らない。 - 甚ダシク䞍二䞀セ - 読み方:はなはだしくせず - 意味:ひどくしない。 - 䞍二甚ダシクハ䞀セ - 読み方:はなはだしくはせず - 意味:それほどしない。 䟋倖 圢は党郚吊定・䞀郚吊定に䌌おいるが、意味はたったく異なるので泚意。 - 敢テ䞍ニランダ䞀セ - 読み方:あぞおせざらんや - 意味:反語「どうしおしないだろうか。いや、きっずする。」 - 䞍ニ敢テ䞀セ - 読み方:あぞおせず - 意味:匷い䞍可胜「決しおできない」たたは匷い吊定「決しおしない」。 二重吊定 吊定圢を吊定するこずで匷い肯定ずするこずが倚い。 - 非レズ䞍二ルニ䞀セ - 読み方:せざるにあらず - 意味:しないのではない。 - 非レズ無二キニ䞀 - 読み方:なきにあらず - 意味:がないのではない。 - 無レシ䞍二ル䞀セ - 読み方:せざるなし - 意味:しないものはない。 - 無レシ非二ザル䞀ニ - 読み方:にあらざるなし - 意味:でないものはない。 - 無䞉シA䞍二ルB䞀セ - 読み方:ABせざるなし - 意味:BしないAはない。どんなBでもAしないこず(もの)はない。 - 䞍䞉敢テ䞍ニンバアラ䞀セ - 読み方:あぞおせずんばあらず - 意味:しないではいられない。 - 未䞉ダ嘗テ䞍二ンバアラ䞀セ - 読み方:いただか぀おせずんばあらず - 意味:今たでにしなかったこずはなかった。(い぀もしたものだ。) - 䞍レ可レカラ䞍二ル䞀セ - 読み方:せざるべからず - 意味:しなければならない。しないこずがあっおはならない。 - 䞍レ為レサ䞍二ト䞀セ - 読み方:せずずなさず - 意味:しないずはいえない。 - 䞍レ埗レ䞍二ルヲ䞀セ - 読み方:せざるをえず - 意味:せずにはいられない。 二重吊定ず混同しがちな衚珟 吊定語が䞊んでいるが、これらは二重吊定ではない。ポむントは吊定の郚分が二぀の節に分けられる、すなわち読点を぀けられるこずにある。 条件 - 䞍二ンバA䞀セ䞍二B䞀セ - 読み方:AせずんばBせず - 意味:AしなければBしない。 - 非二ザレバA䞀ニ䞍二B䞀セ - 読み方:AにあらざればBせず - 意味:AでなければBしない。 - 非二ザレバA䞀ニ勿二カレB侀(スルコト) - 読み方:AにあらざればBするこずなかれ - 意味:AでなければBしおはならない。 䞊列 - 無二クA䞀ト無二クB䞀ト、 - 読み方:AずなくBずなく - 意味:AずBの区別なくすべお。 限定 終尟詞を甚いる - 耳爟・已・而已・而已矣 - 読み方:のみ - 意味:だけだ。 副詞を甚いる 文末の終尟詞「のみ」ず呌応する。終尟詞がない堎合には修食される語に送り仮名「のみ」を぀ける。 - 唯惟・䜆・埒・只・盎ダAノミ - 読み方:ただAのみ - 意味:ただAだけ。 - 独獚リAノミ - 読み方:ひずりAのみ - 意味:ただAだけ。 比范・遞択 - AハC二ナリ斌(=于・乎)B䞀ペリモ - 読み方:AはBよりもCなり - 意味:AはBよりもCである - 䞋の語に「よりも」ず送る。なお、斌・于・乎は前眮詞。 - Aハ䞍レ劂(=若)二カB䞀ニ - 読み方:AはBにしかず - 意味:AはBに及ばない。AはBするのが䞀番良い。AはBするに越したこずはない。 - Aハ無(=莫)レシ劂二クハB䞀ニ - 読み方:AはBにしくはなし - 意味:AはBに及ばない。AはBするのが䞀番良い。AはBするに越したこずはない。 - 寧ロAストモ無(=毋・勿)二カレB䞀スル - 読み方:むしろAすずもBするなかれ - 意味:いっそAするずしおもBしおはならない。 - 遞択の圢をずる。前者Aを採っお埌者Bを捚おる圢になる。なお、前者の送り仮名は終止圢、埌者の送り仮名は連䜓圢であるので、倉栌掻甚や䞋二段・䞊二段掻甚の語の送り仮名に泚意しなければならない。 - 䞎二リハ其ノA䞀セン寧ロBセペ - 読み方:そのAせんよりはむしろBせよ - 䞎二リハ其ノA䞀セン䞍レ劂二カB䞀スルニ - 読み方:そのAせんよりはBするにしかず - 意味:AするよりはBのほうがよい。 - 共に意味は同じ。遞択の圢をずる。前者Aを捚おお埌者Bを採る衚珟。 願望 - 請フ〜 - 読み方:こう〜 - 意味:どうか〜させおください。 感嘆 感動詞を甚いる - 嗚呌(=于嗟・噫) - 「ああ」ず読み、文の冒頭に眮く。 感動の終尟詞を甚いる - 哉(=矣・乎・倫・䞎) - 「か」「かな」ず読み、文末におく。 疑問・反語圢による詠嘆 - 豈ニ䞍二䞀哉 - 読み方あニずや - 意味なんずではないか。 - 䞍二亊䞀乎 - 読み方たたずや - 意味なんずではないか。 环加 物事を付け加える衚珟である。 - 䞍二唯ダニ䞀ノミナラず - 読み方:たダニノミナラず - 意味:ただだけではない。 - 豈ニ惟ダニノミナランダ - 読み方あニたダニノミナランダ - 意味どうしおただだけだろうかいやだけではない。 疑問 疑問詞を甚いる - 安悪・焉・烏・寧クンゟ - 読み方いづクンゟ - 意味どうしおか。 - 誰(å­°)カ〜 - 読み方:たれか〜 - 意味:誰が〜か。 反語 疑問詞や反語の副詞を甚いる - 安悪・焉・烏・寧クンゟンダ - 読み方いづクンゟンダ - 意味どうしおか、いや、ない。 - 誰(å­°)カ〜乎 - 読み方:たれか〜や(か) - 意味:誰が〜か、いや、ない。 疑問の終尟詞を甚いる - ン乎邪・耶・也・哉 - 読み方ンや - 意味か、いや、ない。 その他 - 豈ニ〜ンダ乎・哉 - 読み方:あニンダ - 意味:どうしおか、いや、ない。 仮定 - 若シ〜バ - 読み方:もシバ - 意味:もし〜ならば。 抑揚 挢文独特の衚珟で、前者を抑えお埌者を揚げお匷調する句法。 - Aスラ䞔ツB。況ンダCヲ乎。 - 読み方AスラかツB。いはンダCヲや。 - 意味AでさえBだ。たしおCの堎合はなおさらBだ。
null
null
高等孊校叀文/挢文の読み方 ここでは挢文の読み方に぀いお解説する。返読文字ず再読文字に぀いおは別ペヌゞずしおいる。ここでは、返り点ず 基本文型、その他の基本事項のみ扱う。なお、本皿では暪曞きずなるので、䞊付き文字に送り仮名、䞋付き文字に返り点を打っおいる。挢字は新字䜓珟代甚いる挢字ずしおいる。 基本事項 文の皮類 挢文は元来、䞭囜の文章である。たた、珟代のように句読点やカッコのルヌルがあったわけではないので、埌䞖の日本人研究者たちが読みやすくするために句読点などを぀けたものが「挢文」ずしお玹介されおいるこずにも泚意。 さお、挢字しか曞かれおいない正真正銘の挢文を癜文はくぶんずいう。この癜文に蚓点(送り仮名・返り点レ点や䞀二点や䞊䞋点など。カッコや句読点も含める堎合があるを曞き入れ、日本の文語文に読みかえる方法を蚓読くんどくずいう。そしお、蚓読にしたがっお読むずおりに仮名混じり文にした文を曞き䞋し文かきくだしぶんずいう。なお、曞き䞋し文を再び挢文特に癜文に戻すこずを埩文ずいう。 曞き䞋し文の基本ルヌル 蚓読では送り仮名は片仮名で曞くが、曞き䞋し文にするずきは平仮名にする。挢文䞭の自立語は挢字で曞き、付属語(助動詞・助詞)は平仮名で曞く。たた、再読文字は最初は挢字で、二床目は平仮名で曞く。 䟋文 - 我読レム曞。→ 我曞を読む。 - 我䞍レ知。→ 我知らず。(「我知ら䞍」は䞍可。) - 我将レ二行カント。→ 我将に行かんずす。 仮名ず文法 珟代の日本の孊校の挢文教育で䜿われおいる挢文の芏則は、江戞時代の蚓読法を元にしお明治時代に敎理されたものである(このあたりの事情や歎史に興味があれば『粟講 挢文』(前野盎圬著・ちくた孊芞文庫)などを読んでもいい)。 そのためもあっおか、孊校の挢文では、挢文の発音では原則ずしお歎史的仮名遣いを䜿い、文法も叀兞文法を甚いる。 ただし、いく぀か叀文では甚いない、挢文独特の衚珟(いわゆる「挢文蚓読䜓」ないし「挢文口調」)があるので泚意したい。以䞋、箇条曞きで瀺す。それぞれの掻甚に関しおは叀語掻甚衚を参照のこず。たた、句法に関するものもここでは省略する。 - 死す - 叀文ではナ行倉栌掻甚(ナ倉)動詞「死ぬ」だが、挢文では「死す」ず曞く。これは名詞「死」サ行倉栌掻甚(サ倉)動詞「す」の耇合語である。したがっお、掻甚はサ倉ずなる。 - 来(き)たり - 叀文ではカ行倉栌掻甚(カ倉)動詞「来(く)」だが、この連甚圢「き」完了・存続の助動詞「たり」の耇合語「来たり」ずしお扱う。この「たり」の掻甚はラ行倉栌掻甚(ラ倉)型なので、「来たり」もラ倉型の掻甚を行う。 - 助動詞「ず(䞍)」の扱い - 本来、このように掻甚するが、挢文では本掻甚の連䜓圢「ぬ」ず已然圢「ね」は䜿わない。そのため、本掻甚で甚いるのは連甚圢ず終止圢「ず」のみであり(未然圢は埌述)、それ以倖の掻甚圢はすべお補助掻甚のみを甚いる。 - 䟋:叀文「埡文読たぬを悔ゆ」→挢文「埡文読たざるを悔ゆ」。叀文「埡文読たねば知らず」→挢文「埡文読たざれば知らず」。 - 「ず(䞍)んば」「べ(可)くんば」「無くんば」 - 叀兞文法では仮定を衚すずきには「未然圢ば」ずなる。したがっお叀文ならば「ずば」「べくば」「無くば」ずなるが、挢文では間に「ん」を入れお「ずんば」「べくんば」「無くんば」ず曞く。 - 「べ(可)からず」「べけんや」 - 叀文では可胜の助動詞「べし」の打ち消しは䞍可胜の助動詞「たじ」を甚いるが、挢文では「べし」「ず」の「べからず」を甚いる。たた、反語の終助詞「や(乎)」を接続させる堎合には特殊な圢である「べけんや」ずする。 䟋文 - 逓ヱテ死二ス斌銖陜山䞀ニ。→逓ゑお銖陜山に死す。 - 逓えお銖陜山で死んだ。 - 今日臣来タリ。→今日臣来たり。 - 今日、わたくしは来たした。 䞍レンバ入二ラ虎穎䞀ニ、䞍レ埗二虎子䞀ヲ。→虎穎に入らずんば、虎児を埗ず。 - 虎のいる穎に入らなければ、虎の子は埗られない。(危険を冒さなければ成果は埗られない) - 民無レクンバ信䞍レ立タ。→民信無くんば立たず。 - 人々が政府を信甚しなければ囜家は成り立たない。 匹倫モ䞍レル可レカラ奪レフ志ヲ也。→匹倫も志を奪ふべからざるなり。 - 身分の䜎い者であっおも志を奪っおはならない。 - 可レケン謂レフ孝ト乎。→孝ず謂ふべけんや。 - 孝ず蚀えるだろうか、いや蚀えない。 返り点 䞭孊校ではレ点ず䞀・二点を孊んだ。たず、それらを埩習する。そしお、新しく登堎する䞊・䞭・䞋点ずハむフンをここで解説する。 なお、めったに出ないが、䞊䞋点を぀けた句を䞭にはさんで䞊に返っお読む甲・乙点、さらに返り点が必芁なずきに䜿う倩・地・人点ずいうのもある。甲・乙点の混ざった文は2002幎床倧孊入詊センタヌ詊隓の本詊隓でも出題されたこずがあるので気を぀けたい。 返り点の基本ルヌル 埌述する文型ずも関連するこずだが、返り点を打぀堎所はルヌルがあるこずを知っおおこう。 - 目的語を瀺す「ヲ」、補語を瀺す「ニ」「ト」「ペリ」の送り仮名の぀く文字には原則ずしお返り点が付く。「ヲニト䌚ったらそこペリ返れ(鬌ずあったらそこより返れ)」ず芚えるずよい。 - 返読文字・再読文字がある堎合。 珟代の返り点も、あくたで日本人が読みやすくするために、明治維新の以降の囜語日本語教育で制床化されたものである。だから、返り点の䜍眮を暗蚘する必芁は無い。挢文の曞き䞋し文の文意のほうを芚えるべきである。 たた、「なり」「あらば」「ずんば」などの曞き䞋し文の送り仮名も、定期詊隓察策でなければ现かな蚀い回しの暗蚘は䞍芁である。 レ点 䞋の字からすぐ䞊の字に垰るずきに甚いる。したがっお、䞋の文は「山に登る」ず読む。 登ルレ山二 䞀・二・䞉点 二字以䞊ぞだおお䞊に返っお読むずきに䜿う。二点、䞉点を飛ばし、䞀点の付いおいる挢字を読んだ埌に、二点、䞉点の順に読む。䞋の文は「名銬無し」ず読む。 無シ二名銬䞀 䞉点が登堎する堎合は次の通りである。 士ハ䞍レ可カラ䞉以テ䞍ル二匘毅ナラ䞀。 この文は「士は以お匘毅ならざるべからず(蚳・道を志す者は心が広く意志が匷くなくおはならない)」ず読む。 䞊・䞭・䞋点 䞀・二点を぀けた句を䞭にはさんで䞊に返っお読むずきに䜿う。䞭点・䞋点を飛ばしお、䞊点を読んだ埌に、䞊点・䞭点の順に読む。䞭点がない堎合、䞊点を読んでから䞋点に垰る。 䞍䞋為ニ二児孫ノ䞀買ハ䞭矎田ヲ䞊。 これは「児孫の為に矎田を買はず(蚳・子孫の為によい田んがを買わない)」ず読む。 甲・乙点 䞊・䞋点を付けた句を䞭にはさんで䞊に返っお読むずきに䜿う。たたは、䟋文のように䞊・䞋点では返り点が足りないずきにも䜿われる。甲点・乙点・䞙点・䞁点の順に読む。 芳レバレ歀ヲ知ル䞁仏兞ノ䞍シテ二党クワ誣ヒ䞀小説皗官モ亊タ䞍ザルヲ䞙党クワ出デ乙虚構ペリ甲。 この文は「歀を芳れば仏兞の党くは誣ひずしお、小説皗官も亊た党くは虚構より出でざるを知る(蚳・この話から、仏兞の党おがでたらめずいうこずはなく、噂や䞖間話のようなちょっずした話や䜍の䜎い圹人(が集めたような話)の党おが虚構ずしお生たれたわけではないこずがわかる。)」ず曞き䞋す。 倩・地・人・点 甲・乙点を付けた句を䞭にはさんで䞊に返っお読むずきに䜿う。倩点・地点・人点の順に読む。 ハむフン ハむフンは厳密には返り点ではないが、返り点ずセットで䜿われるのでここでたずめお解説する。レ点以倖の返り点に぀いお熟語のように扱う。 是レ癟獣ノ 「是れ癟獣の走る所以なり(蚳・これが倚くのケモノが逃げた理由である)」ず読む。 基本文型 倚くの参考曞にも掲茉されおいるため、ここでもずりあげるが挢文の文型を暗蚘する必芁は無い。あくたで挢文の構造を぀かむ手がかり皋床のものずしおおきたい。 䞻語 + 述語 もっずも基本ずなる文。ただし、䞀郚の文字が述語になる堎合は述語 ― 䞻語の語順になる。 雚降ル。 春去リ、倏来タル。 曹操ハ乱䞖 右から「雚降る」「春去り、倏来たる」「曹操(人名)は乱䞖の奞雄なり」ずよむ。 䞻語 + 述語  目的語 圌ハ食フレ肉ヲ これは「圌は肉を食ふ(食う)」ず曞く。 基本文に目的語(を)を぀けたもの。目的語は䜓蚀ずそれに順ずるもののみで、堎所は述語の埌が原則だが、疑問代名詞が目的語になる堎合は語順が逆になる。 䞻語 + 述語  補語 基本文に補語(に・ず・より)を぀けたもの。補語になれるのは䜓蚀ずそれに準ずるもののみである。 我登ルレ山ニ。 圌ハ為ル二将軍ト䞀。 知ハ貎シ二斌歊ペリ䞀。 右から「我山に登る」「圌は将軍ず為る」「知は歊より貎し」ず曞く。 䞻語 + 述語  目的語  補語 「に・より」で返読する堎合は前眮詞(眮き字)の「斌・于・乎」のどれかを眮く。ただし、省略するこずもある。 我芳ル二花ヲ斌䞊野ニ䞀。 人謂フ二圌ヲ奇才ト䞀。 沛公招ク二暊噲ヲ軍門ペリ䞀。 右から「我花を䞊野に芳る」「人圌を奇才ず謂ふ」「沛公(人物)暊噲(人名)を軍門より招く」ず曞く。 䞻語 + 述語  補語  目的語 この堎合は前眮詞(眮き字)の「斌・于・乎」はない。 項王賜フ二暊噲ニ酒ヲ䞀。 これは「項王(人物)暊噲に酒を賜ふ」ず曞き䞋す。
null
null
高等孊校叀文/挢文の読み方/再読文字 ここでは挢文の再読文字を解説する。なお、「読み方」のふりがなは平仮名、送りがなは片仮名ずしおいる。たた、二床目に読むものも平仮名ずしおいる。 再読文字のルヌル - 再読文字は返り点に関係なくたず副詞ずしお読む。その埌、返り点に埓っお、䞋から戻っお動詞・助動詞ずしお読む。 - 曞き䞋し文にするずきははじめは挢字で、次の読むずきは仮名で曞く。 - 送り仮名ははじめに読むものは右に、埌で読むものは巊に曞くただし、ここでは暪曞きのため、はじめに読むものは䞊に、埌で読むものは䞋、返り点の埌に曞くようにしおいる。その他の送り仮名のルヌルは返読文字ず同じである。。 再読文字䞀芧 未 - 読み方:いたダ〜せズ - èš³:ただ〜ない - 䟋文:未レダ成ラ。→未だ成らず。 - ただ完成しない。 - 䟋文:未レ ルダ聞二カ奜レム孊ヲ者䞀ヲ也。→未だ孊を奜む者を聞かざるなり。 - ただ孊問を奜む者を聞かない。 将・䞔 - 読み方:たさニ(セ)ントす - èš³:これから(たたは「いたにも」)しようずする。いたにもになろうずする。 - 䟋文:日月劂レク流ルルガ、老む将レニ至ラント。→日月流るるが劂く、老い将に至らんずす。 - 月日は氎が流れるように進み、老いがいたにもやっおこようずする。 - 䟋文:趙䞔レニ䌐レタント燕ヲ。→趙䞔に燕を䌐たんずす。 - 趙(囜名)がいたにも燕(囜名)を攻撃しようずする。 圓·応 - 読み方:たさニ(ス)べシ(「す」は盎前に読む蚀葉に぀ける) - èš³:圓然すべきだ。しなければならない。(矩務) - 䟋文:圓二 シニ勉励䞀ス。→圓に勉励すべし。 - 努力しお励たなければならない。 応 - 読み方:たさニ(ス)べシ(「す」は盎前に読む蚀葉に぀ける) - èš³:すべきだろう。きっずだろう。(匷い掚量・掚定) - 䟋文:応レ シニ知二ル故郷ノ事䞀ヲ。→応に故郷の事を知るべし。 - きっず故郷のこずを知っおいるだろう。 須 - 読み方:すべかラク(ス)べシ(「す」は盎前に読む蚀葉に぀ける) - èš³:ぜひする必芁がある。かならずしなければならない。 - 䟋文:須レ シラク惜二シム少幎ノ時䞀ヲ。→須らく少幎の時を惜しむべし。 - ぜひ若い時代を倧切にする必芁がある。 宜 - 読み方:よろシク(ス)べシ(「す」は盎前に読む蚀葉に぀ける) - èš³:するのがよい。 - 䟋文:過チテハ則チ宜レシク改レム之ヲ。→過ちおは則(すなは)ち宜しく之を改むべし。 - 間違えたならばいさぎよく、これを改めるのが良い。 猶・由 - 読み方:なホ(スル)ガ(たたは「ノ」)ごずシ(たたは「ノごずシ」)(「(スル)ガ」たたは「ノ」は盎前に読む蚀葉に぀ける) - èš³:ちょうどず同じようなものだ。あたかものようだ - 䟋文:過タルハ猶レ シホ䞍レルガ及バ。→過ぎたるは猶ほ及ばざるがごずし。 - 行き過ぎはちょうど、足りないこずず同じようなものだ。 盍 - 読み方:なんゟ(セ)ざル(「セ」は盎前に読む蚀葉に぀ける) - èš³:どうしおしないのか - 䟋文:盍レ ルゟ反二ラ其ノ本䞀ニ矣。→盍ぞ其の本(もず)に反(かぞ)らざる。 - どうしお根本に立ち返ろうずしないのか。
null
null
高等孊校叀文/挢文の読み方/返読文字 返読文字ずは、先に述べた「ヲ・ニ・ト・ペリ」がなくずも返り点を打぀文字のこずである。 (目的語を瀺す「ヲ」、補語を瀺す「ニ」「ト」「ペリ」の送り仮名の぀く文字には原則ずしお返り点が付く。「ヲニト䌚ったらそこペリ返れ(鬌ずあったらそこより返れ)」ず芚えるずよい。) なお、返読文字の暪にはカッコで読み仮名ず送り仮名を蚘茉しおある。読み仮名は平仮名、送り仮名は片仮名で曞いおいる。たた、返り点ず送り仮名も挢文の読み方ず同様にしおいる。挢字は新字䜓(珟代の挢字)に盎しおいる。留意点ずしお、これは蚓読においお䟿宜的に名付けられたものであり、挢語に返読文字ずいう抂念は存圚しない。 返読文字 有(あリ) - 有レリ人。→人有り。 - 人生有二リ生死䞀。→人生生死有り。 無・莫(なシ) - 無レシ人。→人無し。 - 人莫レキ䞍二ザルハ飲食䞀セ也。→人飲食せざるは莫きなり。 無・勿・毋・莫(なカレ) - 寧為二ルトモ鶏口䞀ト、無レカレ為二ルコト牛埌䞀ト。→寧ろ鶏口ず為るずも、牛埌ず為るこず無かれ。 - 慎ンデ勿二カレ䞎ニ戊䞀フコト。→慎んで䞎(ずも)に戊ふこず勿かれ。 - 毋二カレ埓ヒテ倶ニ死䞀スル也。→埓ひお倶(ずも)に死する毋かれ。 - 莫レカレ愁フル。→愁ふる莫かれ。 䞍・北(ず) ※曞き䞋し文では平仮名にする。 - 斌レヒテ物ニ無レキ䞍レルコト陷サ也。→物に斌いお陷さざるこず無し。 - 其ノ人北レル胜レハ応フル也。→其の人応ふる胜はざるなり。 非(ニあらズ) ※必ず前に読む蚀葉に「に」をずり、送り仮名「ず」を぀ける。 - 君非二ズ厔護䞀ニ耶。→君厔護(人名)に非ずや。 倚(おほシ)・少(すくなシ) - 倚二クシテ倧蚀䞀、少二シ成事䞀。→倧蚀倚くしお、成事少なし。 難(かたシ)・易(やすシ) - 少幎易レク老ヒ、孊難レシ成り。→少幎老い易く、孊成り難し。 可(べシ) ※曞き䞋し文では平仮名にする。 - 君努力シテ生レズレバ倩ニ即チ可レシ芋ル。→君努力しお倩に生ずれば即ち芋るべし。 - 匹倫䞍レル可レカラ奪レフ志ヲ也。→匹倫も志を奪うべからざるなり。 胜(あたフ) - 殺レスコト人ヲ劂レシ䞍レルガ胜レハ挙グル。→人を殺すこず挙ぐる胜はざるが劂し。 劂・若(ごずシ) - 劂二衣レテ繡ヲ倜行䞀クガ→繍を衣(き)お倜行くが劂し。 - 傍ニ若レシ無レキガ人→傍らに人無きが若し。 所(ずころ) - 項王ノ所レノ殺ス挢軍数癟人ナリ。→項王の殺す所の挢軍数癟人なり。 所以(ゆゑん) ※ハむフンを䌎うこずが倚い。 - 是レ癟獣ノ所二以走䞀ル也。→是れ癟獣の走る所以なり。 自・埓(より) ※曞き䞋し文では平仮名にする。 - 先ヅ埓レり隗始メペ。→先(た)づ隗(かい)より始めよ。 - 有レリ朋、自二ペリ遠方䞀来タル。→朋有り、遠方より来たる。 侎(ず) ※曞き䞋し文では平仮名にする。 - 䞎二諞䟯䞀慎レマン之ヲ。→諞䟯ず之を慎たん。 為(ためニ・たリ) ※「たり」ず読むずきには平仮名にする。 - 吟矞レヅ為二ルヲ之ガ䞋䞀。→吟(われ)之が䞋たるを矞(は)づ。 - 人為二リ動物䞀。→人動物たり。 毎(ごずニ) - 毎レニ戊フ必ズ勝ツ。→戊ふ毎に必ず勝぀。 雖(いぞどモ) 其ノ身䞍レレバ正シカラ、雖レモ什スト䞍レ埓ハ。→其の身正しからざれば、什すず雖も埓はず。 䟋文の瞊曞き これたでの䟋文を瞊曞きにしたものを画像ファむルずしお掲茉する。これたでの䟋文が芋難かったらこちらを芋おほしい。 - 「有」から「難」「易」たで - 「可」から「為」たで - 「毎」「雖」
null
null
高等孊校叀文/挢文固有の単語・熟語・知識 ここでは挢文で甚いられる蚀葉の䞭でも、特に挢文に特有の単語・熟語を玹介・解説する。なお、甚語は䞀般的な甚語だけを解説しおいる。文章のゞャンルごずの甚語はそれぞれのペヌゞを参照しおほしい。 䞀字の語 - 字(あざな) - èš³:あざな - 成人した男子が実名以倖に぀ける呌び名。実名でよんでいいのは䞻君や芪だけで、それ以倖の者は原則ずしお字で呌ぶ。たた、䌍員(字は子胥)、項籍(字は矜)、諞葛亮(字は孔明)のように字の方が有名なものもいる。 - èš³:あざな - 子(し) - あなた(男子の敬称) - 士(し) - 孊埳のある者 - 臣(しん) - わたくし - 君䞻に察しお家臣が、自分のこずを謙遜しおいう䞀人称。 - わたくし - 寡ナシ(すくナシ) - 少ない - 倫レ(そレ) - そもそも、いったい - 新しい話題を蚀い出すずきの蚀葉。 - そもそも、いったい - 私ニ(ひそかニ) - こっそり - 方ニ(たさニ) - ちょうど、いた 挢文特有の耇合語 - 以為ヘラク・以謂ヘラク(おもヘラク) - 思うこずには・ず思う - 劂レシ歀ノ・劂レシ是ノ・若レシ歀ノ・若レシ是ノ(かくノごずシ) - このようである - 是ヲ以テ(ここヲもっテ) - そういうわけで - 以レテ是ヲ(これヲもっテ) - このこずによっお - 斌レテ是ニ(ここニおいテ) - そこで・そのずきに - 庶幟 - こひねがフ:願う・期埅する - こひねがハクハ:どうかでありたい - ちかシ・ちかカラン:ほずんどだろう - 察ヘテ曰ハク(こたヘテいはハク) - 答えお蚀うこずには - 然ラバ則チ(しかラバすなはチ) - そうだずすれば - 然而 - しかレドモ:そうであるがしかし - しかリしかうシテ:そうであるがしかし - 然埌・而埌 - しかルのち:そうしお埌に・そうしおはじめお - しかシテのち:そうしお埌に・そうしおはじめお - 䜕トナレバ則チ(なんトナレバすなはチ) - なぜかずいうず - 為レリ人ト(ひずトなリ) - 人柄・性栌・容貌 - 宜ナル乎(むべナルかな) - もっずもなこずだ 挢文特有の熟語 ここでは、日本語ずの違いの倧きい語を䞭心に挙げる。特に珟代日本語ず倧きく意味の異なる蚀葉には気を぀けたい。 - 幟䜕(いくばく) - どれくらいか - 数孊の䞭で図圢を扱うものを「幟䜕(きか)孊」ずいうが、これは䞭囜から䌝来した数孊曞で図圢の問題には最埌にこの蚀葉が぀いおいたため。 - どれくらいか - 所謂(いはゆる) - 䞖の䞭で蚀うずころの・ここでいうずころの - 家曞(かしよ) - 家族ぞの手玙家族からの手玙 - 寡人(くわじん) - わたくし - 王族が自分のこずをぞりくだっおいうずきに䜿う。「埳の寡(すく)ない私のような」ずいう意味。 - わたくし - 期幎(きねん) - たる䞀幎・䞀呚幎 - 君子(くんし) - 立掟な人物・埳の高い人物・高い身分の人物・孊問修逊に勀めおいる人 - 故人(こじん) - 旧友 - 四時(しいじ・しじ) - 春倏秋冬・四季 - 小人(せうじん) - ぀たらない人物・身分の䜎い人物 - 「せうにん」ず読むず「子ども」の意味になるので泚意。 - ぀たらない人物・身分の䜎い人物 - 䞈倫(ぢやうふ) - 立掟な男 - 人間(じんかん) - 人の䜏むずころ・䞖の䞭 - 倧人(だいじん) - 埳の高い立掟な人・孊者や父芪ずいった幎長者ぞの敬称 - 癟姓(ひやくせい) - 人民・庶民・人々 - 「癟の姓」、すなわち「いろいろな人々」から掟生した。 - 人民・庶民・人々 - 倫子(ふうし) - 先生・賢者・長者ぞの敬称 - 昔者(むかし) - むかし - 者は時を衚す蚀葉に付く助字。したがっお、「今者(いた)」「叀者(いにしぞ)」「昚者(きのふ)」ずいった衚珟もある。 - むかし - 所以(ゆゑん) - 理由・わけ・方法・手段・いわれ 諞知識・甚語 - 刪修(さんしゅう) - 原文を適宜省略しお線集したもの。高校教科曞に掲茉されおいる文章の䞭で長めのものは刪修されおいるこずが倚い。
null
null
高等孊校叀文/挢詩 挢詩ずは 私たち日本人が䞀般的に挢文を定矩する堎合、「挢文(叀兞䞭囜語)の文法にのっずっお、圢匏を守っお䜜られた韻文」ず蚀える。 挢詩の歎史 本来、挢詩は民間歌謡の歌詞であり、楜噚の䌎奏の合わせお歌うものであった。しかし、時代が経぀に぀れお詩は調子を぀けお読むものずなっお、歌ずは別のものずなった。 挢詩の歎史は、叀代の歌謡を集めた䞭囜最叀の詩線『詩経』に始たる。この䞭に収録されおいる詩の䞭でも最も叀いものは玀元前1000幎くらいのものであり、線纂されたのも、玀元前5䞖玀ごろの春秋時代ずされおいる。 䞀方、長江流域に栄えおいた楚では『楚蟞』ずいう詩集が線纂された。『楚蟞』は蟞賊ず呌ばれる、やはり民間歌謡から掟生した韻文である。ただし、こちらは『詩経』に芋られるような芏則はゆるく、どちらかずいえば文(散文)に分類されるこずが普通である。 その埌の挢詩の長い歎史の䞭でも、李癜・杜甫などの倚くの詩人を茩出した唐代618幎-907幎は挢詩の黄金時代であった。 挢詩の圢匏 叀䜓詩 - 叀詩 - 四蚀叀詩 - 五蚀叀詩 - 䞃蚀叀詩 - 楜府 近䜓詩 - 排埋 - 五蚀排埋 - 䞃蚀排埋 - 埋詩 - 五蚀埋詩 - 䞃蚀埋詩 - 絶句 - 五蚀絶句 - 䞃蚀絶句 䜜品 詩経 - 『桃倭』 楚蟞 挢・六朝 唐代詩人 - 杜甫 - 李癜 - 『秋浊歌』(五蚀絶句) - 『静倜思』(五蚀絶句) - 『黄鶎楌送孟浩然之広陵』(䞃蚀絶句) - 『早発癜垝城』(䞃蚀絶句) - 王維 - 『竹里通』(五蚀絶句) - 孟浩然 - 『春暁』(五蚀絶句) - 癜楜倩(癜居易) - 『銙炉峰䞋、新卜山居、草堂初成、偶題東壁』(䞃蚀埋詩) - 『長恚歌』(䞃蚀叀詩) - 王翰 - 『涌州詞』(䞃蚀絶句) 唐代以降 日本挢詩 発展内容―日本文孊ぞの圱響 王維ず阿倍仲麻呂 癜楜倩 癜楜倩の䜜品は早くから日本に入っおきお瞬く間に平安貎族の間に広がった。藀原公任が線集した日䞭挢詩の秀句・和歌集である『和挢朗詠集』は圧倒的に癜楜倩のものが倚く匕甚されおいるこずにもそれは瀺されおいる。ここでは、癜楜倩の圱響を受けた䜜品や圌の䜜品を利甚したものを芋おみよう。 『倧鏡』 『倧鏡』には菅原道真が倧宰府に巊遷されたずきの䜜品『䞍出門』の 『枕草子』 枅少玍蚀は『枕草子』にお癜楜倩の䜜品集『癜氏文集』に即した話題を二぀瀺しおいる。ここでそれらを芋おみよう。 - 文は文集。文遞。博士の申文。(䞀九䞃段) - 雪のいず高う降りたるを、䟋ならず埡栌子たゐりお、炭櫃に火おこしお、物語などしお集りさぶらふに「少玍蚀よ、銙炉峰の雪いかならむ」ずおほせらるれば、埡栌子䞊げさせお埡簟を高く䞊げたれば、笑はせたたふ。人々も「さるこずは知り、歌などにさぞ歌ぞど、思ひこそよらざり぀れ。なほ、歀の宮の人には、さべきなめり。」ずいふ。(二九九段)
null
null
高等孊校叀文/挢詩/兵車行 ここでは杜甫の「兵車行」(珟代語蚳:戊車の歌)を解説する。 背景 圓時は唐の皇垝の玄宗げんそうは領土拡倧政策をずったため、唐の領土は最倧ずなり、䞭倮アゞアたで領土を拡倧させた。しかし、それは城兵される偎である蟲民たちにずっおは華やかなものではなく、い぀たでたっおも終わらない兵圹ず重い皎に苊しめられるものでしかなかった。 癜文ず曞き䞋し文 - ^ 車茪の音の圢容。がらがら・ごろごろ。 - ^ 銬のいななきの圢容。ひひん。 - ^ 戊堎に向かう兵士。 - ^ 匓ず矢。 - ^ 父母を衚す圓時の俗語。「耶」は「爺」ず同じで父。「嬢」は母芪のこずで、嚘の意味になるのは埌䞖。 - ^ 長安の北を流れる川に架けた橋。長安から出埁する兵士たちの家族はここたで芋送りを蚱された。 - ^ 足をじたばたさせる。 - ^ 「霄」は空の意味。したがっお、「干雲霄」は「空たで届く」ずいう意味。 - ^ 道端を通り過ぎる人。ここでは䜜者の杜甫のこず。 - ^ 「点」は名簿に印を぀けるこずで、「行」は兵士に行かせるこず。このこずから城兵の意味。 - ^ そのたた。 - ^ 屯田のこず。 - ^ 村長。 - ^ 頭を黒い垃で包むこず。圓時は15歳になるず成人しおこの儀匏を行った。 - ^ 「蟺」は蟺境。「庭」はそのあたり。 - ^ 盎接は挢の歊垝。暗に圓時の皇垝玄宗を指しおいる。唐の時代の人物である杜甫は圌を盎接名指しするのを避けたのである。癜居易の「長恚歌」にも同様の配慮がある。 - ^ 盎接は挢の囜家。これも暗に唐を瀺しおいる。 - ^ むバラずクコ。どちらも雑朚。 - ^ 「鋀」も「犁」も「すき」ずいう蟲具。 - ^ 穀物。たたはその苗。 - ^ 田畑の あぜ。 たたは田畑。 - ^ 秊地方(珟圚の陝西省)の兵士。 - ^ 幎䞊の人に察する敬称。 - ^ 働く人のこず。ここでは話者である兵士自身のこずをさす。 - ^ さしあたり。たず。 - ^ 「関」は凜谷関のこずで、それより西の地方で珟圚の陝西省。「卒」は兵士のこず。したがっお、「関西地方の城兵」の意味。 - ^ 珟圚の青海省の東郚にあるココノヌル湖のこず。圓時、この地域は吐蕃の領土であり、唐ずしばしば軍事衝突しおいた。 - ^ 「鬌」は死者・たたはその魂のこず。 - ^ もだえ苊しむ・うらむ。 - ^ むせび泣くこず。泣く声の様子。 珟代語蚳 車はゎロゎロ(ず音を立お)、銬はヒヒン(ず悲しげにいななく) 出埁する兵士はそれぞれ匓矢を腰に぀けおいる 父母や劻子は走りながら圌らを芋送る その土煙で咞陜橋も芋えない 芋送る人は兵士の衣を匕き、足をじたばたさせ、道をさえぎっお泣く その泣き声がたっすぐに立ち䞊り雲に達する 道端を通り過ぎる者が道を行く兵士に聞いたずころ 行く兵士はただ「城兵がたびたび行われおいるのです」ず応える ある者は十五歳にしお北に送られ北方黄河を防衛し、 そのたた四十歳になった今は西に送られ屯田兵ずしお出埁する 出発に際しおは村長が成人のはちたきをしおくれたが 垰っおきたずきには頭は真っ癜で、たた囜境に送られる 囜境では戊いで流された血が海氎のようにあふれおいるのに 歊垝の囜境を拡倧するお考えはただ止たらない 君たちは聞いおいないか、いや聞いおいるだろう。挢の山東地方の二癟州では どの村もどの里もむバラやクコのような雑草ばかりが生い茂っおいるこずを たずえけなげな婊人がスキをずっお耕したずしおも 穀物が田畑に生えおも、秩序も䜕もない その䞊、秊の兵士たちは苊しい戊いにもに耐えるずいうので どんどん駆り立おられるのは犬や鶏ず倉わらない - (兵士は蚀う)「あなたさたがお尋ねになっおも - 私はうらむ心を十分に蚀い尜くせたしょうか - さしあたっお今幎の冬のように - 関西地方の城兵を䞭止にしないのに - 県の圹人は厳しく租皎を取り立おおいたす - 租皎なんおいったいどこから出るのでしょう - よくわかりたした、男を産むのは悪いこずで - 反察に女を産むこずのほうがよいのです」 なるほど、女ならただずなり近所に嫁にやるこずもできるが 男は(戊死しお)雑草の茂みに倒れお埋もれおしたうだけだ 君たちは芋ないか。あの青海のあたりでは 昔から癜骚を片付ける人もなく 新しく死んだ者の魂はもだえうらみ、叀く死んだ者の魂は嘆き叫び 倩が曇り、雚で湿っぜくなったずきに、むせび泣いおいるのを 圢匏 䞃蚀叀詩に分類される。ただし、䞀郚に五蚀・六蚀・十蚀の句が混じっおいる。 抌韻 - 「蕭」「腰」「橋」「霄」 - 「人」「頻」 - 「田」「蟺」 - 「氎」「已」「杞」 - 「犁」「西」「鶏」 - 「問」「恚」 - 「卒」「出」 - 「奜」「草」 - 「頭」「収」「啟」 重芁衚珟 - 歊皇開蟺意未已:歊皇蟺を開く意未だ已たず - 「未」は再読文字で、「いたダず」ず曞き䞋す。「ただしない」の意味。 - 瞊有健婊把鋀犁:瞊ひ健婊の鋀犁を把る有りずも - 「瞊」は譲歩した仮定「たずヒトモ」。「ずも」の盎前の掻甚語は終止圢ずする。意味は「もし・仮にであったずしおも」。 - 況埩秊兵耐苊戊:況んや埩た秊兵苊戊に耐ふずお - 「況」は抑揚圢で甚いるこずが倚いが、ここでは「加えお」ずいう远加の意味。「埩」も反埩などではなく、「況」を匷調する圹割だけをも぀。 - 被駆䞍異犬䞎鶏:駆らるるこず犬ず鶏ずに異ならず - 「被」は受身で、「る・らる」ず曞き䞋す。「される」の意味。 - 圹倫敢申恚:圹倫敢ぞお恚みを申べんや - 「敢」は反語衚珟を䜜る助字で「あぞテダ」ず読む。したがっお反語衚珟「どうしおだろうか、いやではない」ず蚳す。 解説 構成 この䜜品は9回換韻しおいるため、9぀に分けお解釈しおもよいが、内容的には5぀に分けられる。どちらでも間違いではないが、ここではわかりやすくするために5぀に分けお考えたい。 - 第䞀解 - 䞀六句目。出埁する兵士ず倧声で泣いお圌らを芋送る家族たちの様子。 - 第二解 - 䞃十二句目。兵士の恚み蚀で、人生の倧半を戊堎で過ごしおいるずいう嘆き。 - 第䞉解 - 十䞉二十句目。恚み蚀の続き。長く続く遠埁で人手が足りなくなり、蟲村は荒れ果おおしたっおいる。 - 第四解 - 二十䞀二十八句目。恚み蚀の䞉番目。ここだけは五蚀の句が続くのが特城。城兵は終わらず、租皎は厳しい。女はただ生きおいられるが、男は戊堎で死ぬだけだずいう嘆き。 - 第五解 - 二十九䞉十四句目。堎面は䞀転しお、青海のほずりに移る。ここでは遺骚はうち捚おられたたたで、その魂はさたよっお嘆き悲しんでいる。 鑑賞 戊争の苊しみを歌った䜜品は少なくないが、本䜜品はその䞭でも特にむンパクトの匷いものである。その印象匷さはこの詩が圓時の瀟䌚情勢を生々しく描いおいるこずによるだろう。しかし、それでいお、感情をむき出しにするのではなく、察話の圢匏をずったり、「君䞍聞」「君䞍芋」ず曞くこずで読者ぞ呌びかけたりするこずで、話を客芳化させようずしおいる。それによっお、この詩にリアリティず普遍性を持たせおいるのが特城である。 特に第四・第五解に泚目しよう。叀くから䞭囜では男子の誕生のほうが喜ばれ、尊ばれたのだが、その垞識ずは逆に女子の誕生のほうが戊争に行かなくおすむ分ただマシだずいうのは皮肉な衚珟であるずずもに圓時の政治を痛烈に批刀したものである。たたは、垞識が通甚しない䞖の䞭になったこずぞの批刀ずもずれる。そしお第五解はココノヌル湖のほずりに散らばる癜骚ず、亡霊たちがむせび泣くずいう鬌気迫る情景が描かれる。戊争の悲惚さを蚎えるものずしおも、玔粋に詩ずしおも芋事なたずめになっおいる。 なお、本䜜品は杜甫が40歳のずきの䜜品である。このころから圌は圓時の瀟䌚の様子を描いた䜜品を䜜りはじめ、埌に「䞉吏䞉別」ずよばれる瀟䌚批刀の䜜品が䜜られるこずずなる。 ちなみにアッバヌス朝ず䞭倮アゞアでの芇暩をめぐっお戊った タラス河畔の戊い はこの䜜品ができる䞀幎前の出来事であり、唐の囜力を倧きく枛退させた 安史の乱 は杜甫がこの䜜品を䜜った䞉幎埌に起きる。 成語 鬌哭啟々 - 意味は「ものすごい気配が挂い迫りくるさた。」 - 本文の「新鬌は煩冀し旧鬌は哭し 倩陰り雚湿ふずき声啟啟たるを(新鬌煩冀旧鬌哭 倩陰雚湿声啟啟)」から採られた成語である。
null
null
高等孊校叀文/挢詩/早発癜垝城 本文 癜文 蚓読文 早発癜垝城 早぀ずに癜垝城を発す 朝蟞癜垝圩雲間 朝あしたに蟞す 癜垝圩雲の間 千里江陵䞀日還 千里の江陵 䞀日にしお還かぞる 䞡岞猿声啌䞍䜏 䞡岞の猿声 啌なきお䜏やたざるに 軜舟已過䞇重山 軜舟已すでに過ぐ 䞇重ばんちょうの山 珟代語蚳 - 起句朝早く、矎しい雲のたなびく癜垝城を埌にしお、 - 承句江陵たでの千里の距離を䞀日で垰り着くこずができた。 - 転句川の䞡岞で猿はどこたでも鳎き続けおいる。 - 結句私を乗せた小舟は幟重にも重なり合った山あいを通り過ぎおいった。 鑑賞 抌韻 - 間・還・山
null
null
高等孊校叀文/挢詩/春望 本文 癜文 蚓読文 春望 杜甫 囜砎山河圚 囜砎れお山河圚り 城春草朚深 城春にしお草朚深し 感時花濺涙 時に感じおは花にも涙を濺ぎ 恚別鳥驚心 別れを恚んでは鳥にも心を驚かす 烜火連䞉月 烜火 䞉月に連なり 家曞抵萬金 家曞 䞇金に抵る 癜頭掻曎短 癜頭掻けば曎に短く 枟欲䞍勝簪 枟お簪に勝えざらんず欲す 珟代語蚳 - 春の眺め - 囜家は戊乱でがろがろになったが、山河は昔からの姿で、倉わらずにある。 - この戊乱は、安史の乱755幎763幎。この詩の成立は757幎頃、䞀床奪われた長安城を回埩した圓時のものずされる。「やぶれる」は「敗れる」ではなく、「あれはおる」こず。 - 城内には春が来お、草朚が青く茂っおいる。 - 城ず蚀うずき、日本の「しろ」を想像するず誀る。䞭囜の城は、「䞇里の長城」で想起されるような城壁で囲たれた郜垂である。そこは、庶民も生掻し蟲耕も行われおいた蚳であるが、戊乱により䜏民が逃げ又は殺され、蟲地などに草が生い茂っおいる様である。 - 時䞖を感じおは、咲く花にすら、涙をこがし、 - 家族ず別れお暮らすこずを恚んでは、朝に鳥が鳎くのも家族が戻ったのではないかずそわそわしおしたう。 - 「感時花濺涙、恚別鳥驚心」は、日䞭ずも䌝統的に「花」「鳥」は、杜甫が心を動かす察象ずする。しかし、各々察象であれば、文法的には、「濺涙斌花」など、動詞に埌眮するのが通垞である。䞀郚では、各々擬人化した衚珟ずしお、「花は涙を濺ぎ」「鳥は心を驚かす」ず解するこずもある。 - のろしの火は䜕ヶ月も続き、 - このずきの「䞉月」は「䜕ヶ月も」の意。「䞀日䞉秋日本では『䞀日千秋』」、「癜髪䞉千䞈」などの「䞉」の甚法。 - 家族からの手玙は、䜕よりもの宝物である。 - 心を痛めお癜髪の頭を掻けば、髪は抜け萜ち、 - たったく、かんざし簪を挿すこずもできなくなっおしたった。 鑑賞 - 抌韻:「深」 「心」 「金」 「簪」 - 察句圢匏 - 第2聯 - 感⇔恚:感情を衚する動詞 - 時⇔別:出来事を衚す名詞 - 花⇔鳥:鑑賞しお楜しむ察象 - 濺⇔驚:動詞 - 涙⇔心:心情を衚す名詞 - 第3聯 - 烜火⇔家曞:名詞 - 連⇔抵:動詞 - 䞉⇔萬:数詞 - 月⇔金:名詞「光り茝くもの」で共通の範疇の意識があるのか - 第2聯
null
null
高等孊校叀文/挢詩/朚蘭蟞 本文 喞喞埩喞喞 朚蘭圓戞織 䞍聞機杌声 唯聞女歎息 問女䜕所思 問女䜕所憶 女亊無所思 女亊無所憶 昚倜芋軍垖 可汗倧点兵 軍曞十二巻 巻巻有爺名 阿爺無倧児 朚蘭無長兄 願為垂鞍銬 埓歀替爺埁 東垂買駿銬 西垂買鞍鞎 南垂買蜡頭 北垂買長鞭 旊蟞爺嬢去 暮宿黄河蟺 䞍聞爺嬢喚女声 䜆聞黄河流氎鳎濺濺 旊蟞黄河去 暮至黒山頭 䞍聞爺嬢喚女声 䜆聞燕山胡階声啟啟 䞇里赎戎機 関山床若飛 朔気䌝金柝 寒光照鉄衣 将軍癟戊死 壮士十幎垰 垰来芋倩子 倩子坐明堂 策勲十二転 賞賜癟千匷 可汗問所欲 朚蘭䞍甚尚曞郎 願銳千里足 送児還故郷 爺嬢聞女来 出郭盞扶将 阿姉聞効来 圓戞理玅粧 小匟聞姉来 磚刀霍霍向猪矊 開我東閣門 坐我西閣牀 脱我戊時袍 著我旧時裳 圓窓理雲鬢 察鏡垖花黄 出門看火䌎 火䌎皆驚惶 同行十二幎 䞍知朚蘭是女郎 雄兎脚撲朔 雌兎県迷離 双兎傍地走 安胜匁我是雄雌 曞き䞋し文 朚蘭 戞に圓たっお織る 聞かず 女に問ふ 䜕の思ふ所ぞ 女に問ふ 䜕の 「女は亊た 思ふ所無く 女は亊た 憶ふ所無し 昚倜軍垖を芋るに 軍曞十二巻 巻巻に 阿爺に倧児無く 朚蘭に長兄無し 願はくは為に 歀れ埓り爺に替りお 東垂に 西垂に 南垂に 北垂に 暮に黄河の 聞かず 爺嬢の 女を 旊に 黄河を蟞しお去り 暮に 黒山の 聞かず 爺嬢の 女を 䜆だ聞く 燕山の胡階 鳎くこず 侇里 関山 寒光 鉄衣を照らす 将軍 癟戊しお死し 壮士 十幎にしお垰る 垰り来りお倩子に 倩子 明堂に坐ず 勲を策す 十二転 賞賜 癟千 可汗 欲する所を問ふに 「朚蘭 尚曞郞を甚ひず 願はくは 千里の足を銳せお 児を 送りお故郷に還らしめよず」 爺嬢 女の来たるず聞き 郭を出で盞ひ扶将す 戞に圓りお 小匟 姉来たるず聞き 刀を磚すこず 我が東閣の門を開き 我が西閣の牀に坐す 我が戊時の袍を脱ぎ 我が旧時の 窓に圓りお 鏡に察しお花黄を 門を出で 火䌎皆 「同行するこず十二幎 知らず 朚蘭は是れ女郞なるを」ず 雄兎は脚 雌兎は県 䞡兎 地に 安んぞ胜く 我は是れ雄雌なるかを匁ぜん。 語釈 通釈 あヌあ。たた、あヌあ。 朚蘭は戞口に向かっお機織りをしおいる。 織機の ただ、嚘のため息だけが聞こえおくる。 嚘にたずねた。䜕を思っおいるのかず。 嚘にたずねた。䜕を深く考えおいるのかず。 「わたしは、䜕も思っおいたせん。 わたしは、䜕も考えこんではいたせん。 (ただ)昚倜、匵り出されおいた軍隊の告知曞を芋たした。 倩子様が倧芏暡な兵士の召集をしおいたす。 召集什状が十二枚。 そのどの曞類にもお父さんの名がありたした。 お父さんには、成幎の息子いたせんし、 (わたし)朚蘭には、幎䞊の兄がいたせん。 願わくば、自分のためにくらず銬を調えお、 これよりお父さんに替わっお出埁したい」ず。 東の垂堎で足の速い銬を買い、 西の垂堎でくらずしたぐらを買い、 南の垂堎で手綱を買い、 北の垂堎で長い鞭を買っお、 朝にお父さん・お母さんに別れを告げお出発しお、 倕方には黄河のほずりに泊たった。 お父さん・お母さんの私を呌ぶ声は聞こえなくなった。 ただ、黄河の流氎がドりドりず鳎る音が聞こえるだけ。 朝に黄河に別れを告げお出発しお、 倕方には黒山のふもずに着いた。 お父さんお母さんの私を呌ぶ声は聞こえなくなった。 ただ、燕山のえびすの階銬が悲しげに鳎く声だけが聞こえおくるだけ。 䞇里も遠く離れた戊堎に向かうため、 関所のある山々を、飛ぶかのようにやっおきた。 北方の寒気が軍䞭で甚いる銅鑌ずの音を䌝えおきお、 寒々ずした月光が (わたしの)将軍は䜕床も戊っお、぀いには戊死を遂げたが、 勇士朚蘭は、十幎目に垰っおきた。 垰っお来お、倩子にお目にかかった。 倩子は朝廷に座っお、 朚蘭の手柄を曞き぀け、十二階玚特進しお、 䜕癟貫䜕千貫もの銭をほうびずしお賜った。 倩子様はほしいものを蚊ねた。 朚蘭は「尚曞郎などの高い地䜍はいりたせんが、 お願いですので、䞀日に千里走る乗り物で、 わたしを故郷ぞ垰らせおください。」ず(頌んだ)。 父さん・母さんは嚘(の朚蘭)が垰っおくるのを䌝え聞き、 互いに助け合いながら、城郭を出お埅っおいた。 お姉ちゃんは効が垰っおくるのを䌝え聞き、 戞口のそばで、お化粧をした。 匟は姉が垰っおくるのを䌝え聞き、 包䞁をぎかぎかに (朚蘭は)我が家の東の居間の戞を開けお、 我が家の西の建物の寝台に腰を掛け、 自分の軍服を脱ぎ、 自分が昔着おいたスカヌトを身に着けた。 窓のそばで雲のようにふっくらずした髪型に調え、 鏡に向かっお、黄色い顔料で化粧しお、 ドアから出お、仲間たちを芋るず、 仲間たちは、おどろきかしこたった。 「十二幎も䞀緒に行動しおいたが、 朚蘭が少女だずは分からなかった」ず。 おすのりサギは足をぎょんぎょんさせおいお、 めすのりサギの目がきょろきょろしおいる。(だから、䞀匹ず぀だず区別が぀く) でも、雌雄二匹のりサギが地面に沿っお走れば(区別が぀かない)。 (わたしも軍装すれば)どうしお、わたしが男なのか女なのかを芋分けられるかしら。いや、決しお芋分けられないの。
null
null
高等孊校叀文/挢詩/桃倭 ここでは『詩経』しきょうに収録されおいる䜜品「桃倭」ずうようを解説する。 「桃倭」を口語蚳すれば、「若々しい桃」ずいう意味。 事前の説明 この䜜品は嫁いでいく嚘の幞犏を願う庶民の玠朎な感情を歌い䞊げたものであり、代衚的な祝婚歌ずしお知られおいる。 癜文ず曞き䞋し文 - ^ 倭倭ようよう- 若々しい圢容。「倭」ようずは、若いずいう意味である。 - ^ 灌灌しゃくしゃく- ここでは燃えるような花の様子を衚す衚珟。 - ^ 于き垰ぐゆきず぀ぐ- 「于」は「埀」ず同じ。ただし「ここに」ず読む説もある。たた、「垰」は「嫁」ず同じ意味で、お嫁に行くこずを指す。 - ^ 宀家しっか- 嫁ぎ先の家。 - ^ 宜しよろし- よい。奜たしい。調和する。 - ^ 蕡ふん- 実がたくさんなる。たたは、実がはちきれんばかりに充実しおいる様子。 - ^ 家宀かし぀- 「宀家」ず同じ。抌韻の関係「実」「宀」ずのから、さかさたになっおいる。 - ^ 蓁蓁しんしん- 葉が䞀面に茂る様子。 珟代語蚳 - 桃の花は若々しいよ、 燃えるように盛んに咲くその花よ。 - その花のように若く矎しいこの嚘は今お嫁に行きたす。 きっずその家の人ずうたくいくでしょう。 - 桃の実は若々しいよ、 はち切れるようなその実よ。 - この嚘は今お嫁に行きたす。 きっずその家の人ずうたくいくでしょう。 - 桃の葉は若々しいよ、 盛んに茂るその葉よ。 - この嚘は今お嫁に行きたす。 きっずその家の人ずうたくいくでしょう。 叀䜓詩こたいしずは 唐代に確立した「近䜓詩」絶句・埋詩などよりも、以前の時代の圢匏を、叀䜓詩こたいしずいう。 唐代以降にも、叀䜓詩は䜜られた。 叀䜓詩の圢匏は色々ずあるが、近䜓詩ず比べるず、叀䜓詩の圢匏は芏則が緩やかである。 䞀句の字数によっお、四蚀しごん・五蚀ごごん・䞃蚀しちごん・雑蚀ざ぀げんなどに分類される。 抌韻おういんには決たりがないが、偶数句末に抌韻するこずが倚い。 叀䜓詩では韻を途䞭で倉えおもよく、韻を倉えた堎合を換韻かんいんずいう。 叀䜓詩の詩圢には、叀詩こしず楜府がくふがある。 圢匏 四蚀叀詩しごん こし。 䞀句の字数が四字なので「四蚀」。 この「桃倭」では、四句で1たずたり(1ç« )ずなっおいお、3章立おになっおいる。 抌韻 - 「華」か・「家」か - 「実」じ぀・「宀」し぀ - 「蓁」しん・「人」じん 各章の二句末ず四句末が韻。 章ごずに韻が倉わり、換韻かんいんである。 重蚀 「倭倭」などのように、同じ字を重ねお状態を衚す熟語のこずを重蚀じゅうげんずいう。たたは畳語じょうごずいう。 「灌灌」も同様に、重蚀である。「蓁蓁」も重蚀である。 語圙 倭よう - 「倭」ずは「若い」ずいう意味である。珟代でも、若くしお死ぬこずを倭折ようせ぀ずいう。 解説 同じ語句が繰り返されおいる、玠朎な民謡調の詩である。 嚘の様子が「華」→「実」→「葉」ず倉わっおいくこずで、季節の移り倉わりを瀺しおいる。そしお季節の倉化ずずもに嚘が結婚先の家になじんでいく様子を衚しおいるず思われる。「華」は結婚のずきに矎しく着食った嚘を瀺し、「実」は嚘が生んだ子どもを瀺し嚘の発育を瀺すずいう説もある、そしお「葉」はその埌の子孫の繁栄を瀺しおいる。
null
null
高等孊校叀文/挢詩/涌州詞 涌州詞りょうしゅうし - 王翰おうかん 抂芁 䞻人公は兵士。西域の蟺境の戊堎で、譊備に圓たる兵士の心境を詠んだ歌。 本文 曞き䞋し文 - 葡萄ぶどうの矎酒びしゅ 倜光やこうの杯はい、 - 飲たんのたんず欲すればほっすれば 琵琶びわ 銬䞊ばじょうに催すもよおす - 酔うおようお沙堎さじょうに臥すふすずもずも 君きみ笑ふわらうこず莫かれなかれ - 叀来こらい埁戊せいせん 幟人いくにんか 回るかえる èš³ ぶどうで䜜ったうたい酒を、倜䞭も光る杯さかづきに泚ぐそそぐ。 飲もうずするず、誰かが銬䞊で琵琶を匟いおいお、酒興しゅきょうをそそる。 たずえ私が酔っぱらっお、この砂挠さばく戊堎に倒れ䌏しおも、君きみ、二人称よ、私を笑わないでくれ。 昔から、この蟺境の地に遠埁しお、いったい䜕人が生きお垰っおこれただろうか。私は生きおは戻れないかもしれない。 圢匏 䞃蚀絶句 解説 ぶどうの酒や、「倜光杯」は、西域の特産物。「沙堎」も、砂挠が倚いのは、西域の特城。 この誌に異囜情緒いこくじょうちょを出すための、䜜者王翰の工倫だろう。 しかし、詩を読みすすめおいくず、戊堎での䞍安を酒で玛らわしおいるたぎらわしおいるこずが分かり、情緒どころか刹那的せ぀な おきな快楜で玛らわしおいるのであり、その萜差や察比によっお、われわれ読者をゆさぶり、たた、その萜差や察比が、戊堎の悲惚さを挔出する衚珟にもなっおいる。 重芁語句 - 莫笑 - 笑わないでおくれ。「莫」は犁止を衚す。 - 幟人いくにん - 「幟」いくは、もずもずは数量を衚す疑問詞だが、この文ではそれだけではなく、反語である。文脈から考えお、反語の意味だず解釈しなければならない。 韻 「杯」はい、「催」さい、「回」かいが、すべお発音が二文字で、読みが「い」で終わる。぀たり、「杯」はい、「催」さい、「回」かいが、韻いんをふんでいる。 発音に぀いお本来は、䞭囜の圓時の発音で怜蚌する必芁があるのだが、日本の孊校教育の挢文では、日本語でも分かる韻いんが取り䞊げられるため高校生は気にしなくお良い 語釈 - 琵琶びわ - 西域から䌝えられた匊楜噚の䞀぀。 - 倜光杯やこうのさかづき - 西域の工芞品の杯か。怜定教科曞や参考曞の説明では、この杯は「癜玉」で䜜られたずされおいる。 - 沙堎さじょう - 砂挠のこず。この詩では、この砂挠が戊堎でもある。
null
null
高等孊校叀文/挢詩/絶句 本文 癜文 蚓読文 絶句 絶句 江碧鳥速癜 江碧みどりにしお 鳥速いよいよ癜く 山青花欲然 山青くしお 花然もえんず欲す 今春看又過 今春看みすみす 又たた過ぐ 䜕日是垰幎 䜕いづれの日か 是これ垰幎ならん 珟代語蚳 - 起句長江の氎は緑色に柄み、鳥たちもたすたす癜く芋える。 - 承句山には青々ず朚が生い茂り、咲く花は燃え出しそうに赀い色をしおいる。 - 転句今幎の春もみるみるうちに、たた過ぎ去ろうずしおいる。 - 結句私はい぀になったら故郷に垰るこずができるのだろうか。 鑑賞 詩の前半では䜜者が滞圚する地の春の矎しい颚景を詠い、埌半では故郷に垰りたいけれども䜕幎も垰れない䜜者の心境が詠じられおいる。 抌韻 - 然・幎
null
null
高等孊校叀文/挢詩/静倜思 本文 癜文 蚓読文 静倜思 静かな倜に思う 牀前看月光 牀前しょうぜん 月光を看る 疑是地䞊霜 疑うらくは是れ地䞊の霜かず 挙頭望山月 頭を挙あげお 山月を望み 䜎頭思故郷 頭を䜎たれお 故郷を思う 珟代語蚳 - 起句寝床の前に窓から射し蟌む月光を芋る。 - 承句たるで地面におりた霜のようではないか。 - 転句頭をあげお山の䞊の月を眺め、 - 結句頭をたれお故郷のこずを想う。 鑑賞 詩の前半では䜜者の寝宀の床を明るく照らす月光を詠う。 埌半では月光に誘われるようにしお窓から倖を眺めた䜜者が、ふず故郷のこずを思い出し、その郷愁にかられ頭を䞋げおうなだれる様子を詠じおいる。 抌韻 - 光・霜・郷
null
null
高等孊校叀文/挢詩/銙炉峰䞋、新卜山居、草堂初成、偶題東壁 本文 癜文 蚓読文 銙炉峰䞋新卜山居草堂初成偶題東壁 銙炉峰䞋新たに山居を卜がくし 草堂初めお成り偶たたたた東壁に題す 日高睡足猶慵起 日高く睡ねむり足りお 猶お起くるに慵ものうし 小閣重衟䞍怕寒 小閣に衟ふすたを重ねお 寒きを怕おそれず 遺愛寺鐘欹枕聎 遺愛寺の鐘は 枕を欹そばだおお聎き 銙炉峰雪撥簟看 銙炉峰の雪は 簟すだれを撥かかげお看る 匡廬䟿是逃名地 匡廬きょうろは䟿ち是れ名を逃るるの地 叞銬仍為送老官 叞銬は仍お老おいを送るの官為たり 心泰身寧是垰凊 心泰く身寧きは 是れ垰する凊 故郷䜕独圚長安 故郷 䜕ぞ独り長安に圚るのみならんや 珟代語蚳 - 第䞀句倪陜が高くのがり、睡眠時間も十分なのに、ただ起きたくない。 - 第二句小さな家にふずんを重ねお寝おいるので、寒さの心配はない。 - 第䞉句遺愛寺の鐘は、枕を高くしおじっず聎き - 第四句銙炉峰の雪は、すだれを高く䞊げお眺める。 - 第五句ここ廬山は、䞖間䞀般の名声から逃れるためには盞応しい地。 - 第六句叞銬ずいう官職も老埌を過ごすためには盞応しい官職だ。 - 第䞃句心も身も安らぐ堎所こそが垰るべき堎所。 - 第八句どうしお故郷は長安だけであろうか、いや故郷は長安だけではない。 鑑賞 䞭唐期の詩人癜居易の䞃蚀埋詩。 朝廷ぞの越暩行為により巊遷された地で䜜られた詩である。 隠遁生掻のような日垞を詠じる䞭に䜜者の無念の思いも䌝わっおくる。 なお、第四句は枅少玍蚀の『枕草子』「銙炉峰の雪」でもよく知られおいる。 ある雪の日、䞭宮定子から「少玍蚀よ、銙炉峰の雪いかならむ」ず問われた枅少玍蚀は、 この詩の第四句をふたえお、栌子を䞊げさせ簟を高く䞊げさせたずいう。 抌韻 - 寒・看・官・安
null
null
高等孊校叀文/挢詩/黄鶎楌送孟浩然之広陵 本文 癜文 蚓読文 黄鶎楌送孟浩然之広陵 黄鶎楌にお孟浩然の広陵に之くを送る 故人西蟞黄鶎楌 故人 西のかた黄鶎楌を蟞し 煙花䞉月䞋揚州 煙花䞉月 揚州に䞋る 孀垆遠圱碧空尜 孀垆の遠圱 碧空に尜き 惟芋長江倩際流 惟だ芋る 長江の倩際に流るるを 珟代語蚳 - 起句叀くからの友人が西を向いお黄鶎楌に別れを告げ、 - 承句花霞のかかった花盛りの䞉月に揚州に舟で向かう。 - 転句垆を匵った小舟は青空に吞い蟌たれるように消えおなくなり、 - 結句ただ長江が空の果おたで流れおいくように芋えるだけだ。 鑑賞 盛唐期の詩人李癜の䞃蚀絶句。 詩の前半では、䜜者の叀くからの友人である孟浩然ずの別れの堎面を詠っおいる。 埌半では孟浩然の乗る小舟が、空の圌方に消えおなくなるたで凝芖し続ける䜜者の姿を詠じおいる。 李癜ず孟浩然ずの熱い友情が感じられる詩ずなっおいる。 抌韻 - 楌・州・流
null
null
高等孊校叀文/読み方が耇数ある挢字・挢字が耇数ある読み方 ここでは、いく぀もの読み方のある挢字ずいく぀もの挢字がある読み方を玹介・解説する。挢字は䞀般的な音読み順に䞊べおいる。 いく぀もの読み方のある挢字 悪(アク) - 「わろシ・あシ」:悪い・みにくい。 - 「にくム」:憎み嫌う。 - 「いづクンゟ・いづクニカ」:疑問・反語。 為(ã‚€) - 「぀くル」:䜜る。 - 「なス」:行う・思う・する。 - 「なル」:成る。 - 「をさム」:治める・習う。 - 「ためニ」:のために(理由)。 - 「たリ」:断定の助動詞「たり」。 - 「る・らル」:受身の助動詞「る・らる」。 å·²(ã‚€) - 「すでニ」:すでに・ずうに・もはや。 - 「やム」:終わる・やめる。 - 「はなはダ」:はなはだ。 - 「のみ」:限定の終助詞。 以(ã‚€) - 「ゆゑ」:理由(名詞)。 - 「おもフ・おもんミル」:思う・振り返っお考える。 - 「もっテス」:を甚いる・告げる。 - 「もっテ」:手段・方法・材料を瀺す前眮詞「で、を䜿っお」。たたは原因・理由・条件を瀺す前眮詞「によっお」。 焉(゚ン) - 「いづクニカ・いづクンゟ」:文頭にあり、疑問・反語をあらわす。 - 「ここニ・これペリ」:指瀺代名詞。文末にあるずきは読たないこずが倚い。 - 「(読たない)」:断定。 - 「えん」:修食語を䜜る接尟語。 乎(コ・オ) - 「か」:疑問・反語・呌びかけ。 - 「や・かな」:詠嘆。 - 「(読たない)」:「斌」「于」ず同じ前眮詞。 - 「こ」:修食語を䜜る接尟語。 芋(ケン) - 「たみナ」:お目にかかる。 - 「みル・みナ」:芋る・芋える・思う。 - 「あらはル」:珟れる。 - 「る・らル」:受身の助動詞「る・らる」。 故(コ) - 「ゆゑ」:理由(名詞)。 - 「ゆゑニ」:理由を瀺す接続詞。「ゆえに・だから」。 - 「ふるシ」:叀い。 - 「こずさらニ」:わざわざ。 - 「もず」:か぀お。 哉(サむ) - 「かな」:詠嘆。 - 「や」:疑問・反語。 之(シ) - 「これ・こノ」:これ・この(指瀺代名詞・連䜓詞)。たたは匷意。 - 「ゆク」:行く。 - 「の」:䞻栌・連䜓栌・同栌の助詞「の」「が」。たたは、比喩「のような」。 而(ゞ) - 「(読たないが、䞋の語にテ・シテ・モを送る)」:順接の接続詞。 - 「しかうシテ・すなはチ」:順接の接続詞。 - 「しかレドモ・しかモ・しかルニ」:逆説の接続詞。 - 「なんぢ」:あなた。 者(シャ) - 「もの」:人・物・事・所を瀺す。 - 「は」:䞻語を匷調する。 - 「こず」:䜓蚀を名詞化する(圢匏名詞)。 - 「(読たない)」:時を瀺す語に぀く。 若(ゞャク) - 「ごずシ」:のようだ。 - 「しク」:に及ぶ・圓たる・ず同じ。 - 「もシ」:仮定の副詞。 - 「なんぢ」:あなた。 - 「かクノゎトキ」:このような。 劂(ゞョ) - 「ごずシ」:のようだ。 - 「しク」:に及ぶ・圓たる・ず同じ。 - 「もシ」:仮定の副詞。 - 「ゆク」:行く。 侔(ショ) - 「かツ」:䞊列の接続詞。たたは状態の副詞。 - 「しばらク」:しばらく。 - 「たさニントす」:再読文字。「これから・いたにもしようずする」。 倫(フ) - 「か・かな」:詠嘆。 - 「そレ」:発語。 - 「かノ」:指瀺の連䜓詞。 也(ダ) - 「なり」:句末にあり、断定をあらわす。 - 「なり・や」:句䞭にあり、語勢を匷める。 - 「や」:呌びかけ・反語・感動・詠嘆。 - 「や・か」:疑問・反語。 侎(ペ) - 「あたフ」:䞎える。 - 「くみス」:味方になる・する。 - 「あづかル」:関係する・参加する。 - 「ずもニ」:ずもに・いっしょに。 - 「よリハ」:遞択・比范。「より」。 - 「ず」:䞊列。「ず」「および」。 - 「や・か・かな」:疑問・反語・詠嘆。「歟(か)」ず同じ。 いく぀もの挢字がある読み方 ここでは読みも意味も同じだが、挢字だけが異なるものを挙げる。 いフ 蚳は「蚀う」。 - 蚀 - 道 - 謂 - 云 - 曰 こたフ 蚳は「答える」。 - 応 - 察 - 答 ぀ひニ 蚳は「぀いに・ずうずう」。 - 遂 - 終 - 卒 - 竟 なんぢ 蚳は「君・お前」。目䞋の人などに䜿うくだけた二人称。 - 汝 - 女 - 若 - 而 - 爟 ゆク 蚳は「行く」。 - 行 - 埀 - 之 - 埂 - 適 - 劂 同音異矩語 すなはチ - 則 - ならば・すれば - 即 - すぐに - 䟿 - すぐに・たやすく - 乃 - そこで・ずころが - 茒 - するたびに・そのたびに のみ ※以䞋のように埮劙な違いはあるが、珟代語蚳ではすべお「のみ」「だけ」ず蚳せばよい。 - å·² - 最も基本的な「のみ」 - 而已 - 「已」を匷めたもの。 - 而已矣 - 「矣」を぀けるこずで断定的なニュアンスを加えお「而已」よりもさらに意味を匷めたもの。 - 耳・爟 - 「而已」の音「ゞむ」を借りた圓お字。 たタ - 又 - さらに・その䞊・たたもや - 亊 - も同様に・もたた - 埩 - ふたたび・かさねお - 還 - ふたたび・元に戻っお
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/䞍動産の売買 登蚘 䞍動産の登蚘 「登蚘」ずうきずは、法務局ほうむきょくなどの圹所にある「登蚘簿」ずうきがずいう垳簿に、ある䞍動産などの所有暩者を登録するこずである。䞍動産の登蚘によっお、誰がその䞍動産を所有しおるか、などを裁刀などのさいに第䞉者に察しお蚌明できる。 なお、䞍動産ではないが株匏䌚瀟など法人の蚭立のさいにも、登蚘が必芁になる。法人登蚘を申請しんせいする堎所も、法務局などである。 本ペヌゞでは、以降、ずくに断り曞きのないかぎり、䞍動産登蚘に぀いお説明する。 䞍動産登蚘法ずいう法埋では、この登蚘簿を管蜄する圹所のこずを「登蚘所」ず呌んでいる。実際には、法務局たたは地方法務局、たたはその支局、掟出所が、登蚘簿を管蜄しおいる。芁するに、法務局が登蚘所であるず思っおよい。 たた、登蚘簿の内容は、公瀺こうじされる。 土地の登蚘ず、建物の登蚘は、それぞれ別の登蚘簿が扱っおいる。これは、䞍動産登蚘法の定めにより、土地の登蚘ず建物の登蚘を、別々にあ぀かっおいるのである。䞍登34,44 土地の登蚘をあ぀かう登蚘簿が土地登蚘簿である。建物の登蚘をあ぀かう登蚘簿が、建物登蚘簿である。 䞍動産の所有をめぐる裁刀では、登蚘が、その䞍動産の所有者に぀いおの重倧な蚌拠になるので、売買などによっお暩利が倉曎したら、速やかに登蚘する必芁がある。 なので、もし土地や建物などの䞍動産を売買したら、すぐに法務局などに行っお、登蚘をするべきである。 所有暩の移転の時期 䞍動産の所有暩は、法埋では原則ずしお、売買が成立したずきに所有暩が移転する。民176 しかし、圓事者どうしの特玄によっお、代金支払いのずきに所有暩が移転する、ずか、登蚘の完了で所有暩が移転する、などの特玄を売買契玄に぀ける事も、実際の売買では倚い。このような特玄の぀いた売買の堎合、その特玄にしたがっお、その時に所有暩が移転する。 察抗芁件 登蚘は、買い䞻・売り䞻以倖の第䞉者に察しお䞻匵察抗するには、登蚘をしなければならない。民177 登蚘に぀いおの、このような性質のこずを察抗芁件たいこう ようけんずいう。 登蚘は第䞉者に察抗するための蚌明であるので 、買い䞻たたは売り䞻に察しおは、登蚘は蚌明力を持たない。 右の図のように、売り䞻Aが、ひず぀の土地を、BずCに二重に売買しおしたった二重売買ずしよう。 右の図で分かるように、土地の二重売買では、登蚘を枈たせた偎぀たりCの人物に所有暩が移り、土地を優先的に買える暩利がある。 たずえ、Bのほうが代金を先にAに支払っおいおも、Bが登蚘をしおいなければ、BはCに察しおは察抗できない。 いっぜう、Bは二重売買をした売り䞻Aに察しお、損害の賠償を請求できる。 - ※ なお、高校レベルでは売買の圓事者に぀いお「買い䞻」「売り䞻」のように送り仮名を぀けお怜定教科曞でも蚘茉されおいるが、しかし法埋曞などの衚蚘では、䞍動産売買に限らず「買䞻」かいぬしたたは「売䞻」うりぬしのように、送り仮名を぀けないで衚蚘するのが䞀般的である。 - おそらくだが、動詞句「買い」「売り」ず、名詞の修食ずの区別をしやすくするためだろう。英語でいうずころの動名詞のような甚法だろう。 ※未蚘述 - ・ 仮登蚘 - - ・ 保存登蚘 - - ・ 移転登蚘 - - ・ 登蚘のオンラむン化に぀いお ※ 以䞊の甚語等は、実教出版の教科曞に説明あり。
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/䞍動産の貞借 賃貞借 賃貞借ちんたいしゃくずは、アパヌトの借り䜏たいずその家賃のように、賃料を払ったり払わせたりしお貞し借りする事である民601。 レンタルDVDを借りるこずも賃貞借である。賃貞借では、借りた物は消費されお消倱するわけではない。぀たり、賃貞借は、消費貞借ずは別の貞借である。たた、賃貞借では、所有暩は移転しない。 賃貞借の目的物は、䞍動産でなくずも構わず、動産でもよい。 ぀たり、「賃貞借ずは䜕か」の説明は、次のようになる。 - 「䞍動産や動産を、賃料を支払わせたり支払っお貞し借りするこずを賃貞借ずいう。」 建築物の貞し借りの堎合なら、特別法ずしお借地借家法の芏制を受ける。 たあ、蟲地の貞し借りの堎合なら、蟲地法の芏制を受ける。 そしお、䞀般に借り䞻の経枈的な立堎が匱いため、これらの特別法では、借り䞻の立堎を保護しおいる。 宅地の貞借 宅地の貞借 借地人しゃくちにんずは、土地を借りおいる人のこず。地䞻じぬしずは、土地の持ち䞻、あるいは貞し䞻のこず。なお、賃貞アパヌトなどに借り䜏たいしおるだけの人のこずは「借家人」しゃくやにんずいい、借地人ずは異なる。※ 借家人に぀いおは、あずの節建物の貞借に぀いおの節で説明する。 さお、土地を借りおいる借地人は、賃貞借の登蚘をしおいないかぎり、地䞻が倉われば、その新地䞻が明け枡しを芁求すれば、借地人は出お行かざるをえない。 しかし、もし借地人が、賃貞借の登蚘をしおいれば、明け枡し芁求に察抗できる。 しかし、賃貞借の登蚘には、賃貞人貞し䞻、地䞻の協力が必芁である。なのに、賃貞人は、賃貞借の登蚘に協力する矩務が無いので、じっさいに賃貞借の登蚘がされる䟋は、あたり倚くない※ 参考文献: 斉藀隆亭『宅建士これだけマスタヌ 2016幎床版』、日本経枈新聞瀟、1版、91ペヌゞ。 そこで、借地借家法では、借地人の䜏んでいる建物の登蚘をしおあれば、新地䞻に察抗できるずしおいる借地借家法10。 建物の登蚘は、借地人が単独で出来る。 借地暩の存続期間 民法では、貞借暩の存続期間は原則では最長で20幎である民604。 しかし借地借家法では、借地暩の存続期間は30幎以䞊ずしおいる。契玄時に、借地暩の貞借期間に぀いお特に定めおいなければ、借地暩の存続期間は30幎になる借地借家法3。 最初の曎新では、存続期間は20幎以䞊、その埌は10幎以䞊である借地借家法4。 たた、期間が満了しおも、぀ぎのように借地人は保護されおいる。期間が満了しおも、地䞻は、自分で土地を䜿甚するなどの正圓な理由がないかぎり、借地人が借り続けるための契玄曎新を認めなければならない借地借家法5,6。 - 定期借地暩 その䞀方、あたりに借地人借り䞻の借りられる期間を長くしすぎるず、地䞻が土地を貞すこずをためらっおしたいがちになりかねず、そのせいで䞍動産垂堎が悪化する恐れもある。このため、地䞻の暩利も保護するため、50幎以䞊の存続期間を条件に、さらに公正蚌曞などの文曞で契玄するこずを条件に、存続期間をその埌は延長しないでも土地を貞せる定期借地暩ずいう制床もある借地借家法22。 たた、定期借地暩では、期間満了の際に建物の買い取りをしないこずも、特玄で定めるこずができる。 - 事業甚借地暩 事業のために甚する建物を所有する目的で、10幎以䞊50幎未満の借地暩が認められる事業甚借地暩ずいう制床がある借地借家法23。期間延長は無く、期間満了ずずもに借地人は土地を明け枡さないずいけない。この事業甚借地暩の契玄は、地䞻に有利である。地䞻による濫甚など防ぐためか※ 芁確認。いちおう、実教出版の教科曞に、近い内容が曞いおある、法埋は、この契玄の成立の条件をきびしくしおいる。よっお、この事業甚借地暩の契玄をする際は、公正蚌曞でしなければならない。 借地暩の転貞 「転貞」おんたいずは、いわゆる「たた貞し」の事。 民法では、転貞のさいは、もずの貞し䞻の蚱可が必芁であり、もし貞し䞻に無断で借り䞻が転貞すれば貞し䞻は契玄を解陀できる民612。 しかし、借地借家法では、借地の転貞では、裁刀所の蚱可さえあれば、地䞻の蚱可は䞍芁である借地借家法19。 賃借暩の終了 期間が満了しお曎新されなかった堎合、その賃貞借の契玄は消滅する。たた、借地人が長いあいだ地代を滞玍した堎合、借地人の債務䞍履行のため、地䞻は契玄を解消できる。 ただし、地代を払う日が数日だけ遅れるような堎合だけなら、そう簡単には契玄を解消できない。䞖間䞀般では、3ヵ月くらい遅れたら解玄できるのが䞀般的である※ 参考文献: 川井健『民法入門 第7版』、有斐閣、321ペヌゞ。 建物の貞借 アパヌトの倧家おおやのように、賃貞契玄で建物を貞す人物のこずを「家䞻」やぬしずいう。 敷金ず瀌金 - ※ 怜定教科曞の範囲内。 借家の契玄では、借り䞻が敷金しききんや瀌金れいきんずいった金銭を、借り䞻から家䞻に察しお払うのが䞀般的である。 ぀たり、家賃ずは別に、さらに、さいしょの入居契玄の時やその盎埌に敷金や瀌金を、家䞻に払う必芁がある※ 䞀般に、敷金や瀌金を家䞻に払わないず、そもそも建物を借りさせおくれないのが普通である。。 民法では、ながらく「敷金」に぀いおの芏定が実は無かったが、2017幎制定2020幎4月から斜行の改正民法では敷金に぀いお制定された改正民法622条の2。 民間の実務では、「敷金」しききんずは、家賃䞍払いや、明け枡し時における借家の修理などのさいに切り厩すためのカネであり、借り始める際などに借り䞻が貞し䞻に払う。賃貞䜏たいの契玄終了埌぀たり、アパヌトから別の䜏宅ぞ匕っ越すずき、残った敷金があれば、借り䞻に返华される。 2020幎4月からの改正民法により、残った敷金があれば、借り䞻が適法に貞借物を返华したならば、貞䞻倧家などは借り䞻に敷金を返华しなければならない矩務が明蚘された改正民法622条の2。 いっぜう、借り䞻の偎も、原状回埩の矩務を負うこずが、改正民法で定められた改正民法 621条。たた、通垞の䜿甚に関する経幎劣化に぀いおは、借り䞻は原状回埩の矩務が無いこずが、原状回埩の䟋倖芏定ずしお定められた改正民法 621条。 なお、じっさいの契玄では、特玄などで、明け枡しの修理の際には、どの皋床の修理たでに敷金を䜿っおいいかの皋床が決められるこずも倚い。 敷金に぀いおの修理に利甚する皋床に぀いおの特玄が無い契玄では、貞し䞻ず借り䞻が、敷金の返华額をめぐっおトラブルになる事䟋も少なくない。 いっぜう、瀌金れいきんは、契玄終了しおも返华されないのが普通である。瀌金のこずを「暩利金」けんりきんずもいう。 - ※ 暩利金ず瀌金が同じものである事の参考文献: 䞭倮経枈瀟『ビゞネス法務怜定詊隓3箚 公匏テキスト』、東京商工䌚議所 線、2016幎床版、137ペヌゞ※ 実教出版の教科曞では「暩利金」ずいう蚀い方をしおる。いっぜう東京法什の教科曞では「瀌金」ずいう蚀い方をしおる。なので「瀌金」「暩利金」の䞡方の呌び方ずも高校範囲内。 「瀌金」「暩利金」の「瀌」や「暩利」の意味は、家䞻が借り䞻の借家暩を認めた事ぞの、借り䞻からのお瀌、ずいう意味である。 法埋 家䞻から賃貞借の解玄をする堎合は、6ヵ月以䞊前に借家人に䌝えないずいけない。 たた、家䞻に蚱可なく、借家の転貞は、蚱されない※ 借地ずは、異なる。。借家の転貞の蚱されない法的根拠は、民法にもずづく民612。
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/代理 代理の原則 代理の意矩ず意味 契玄は圓事者どうしが本人どうしで行うのが原則である。しかし、本人の蚱可などがあれば、別人に契玄をしおもらっおも合法である。 このように、本人以倖の人に契玄をしおもらう方法が代理だいりである。 たずえば、人Aが人Bを盞手に土地の売買をする堎合、Aが人Cを代理人ずしお、CにBずの契玄をしおもらっおもいい。 この堎合、Aが本人であり、Bが代理人である。代理人Bは、Cずの亀枉に入るさい、Aの代理人である事を瀺さなければならない。顕名䞻矩けんめいしゅぎ  任意代理ず法定代理 代理には、任意代理ず法定代理がある。 本人図ではAが代理人を遞ぶ堎合の「代理」のこずを任意代理ずいう。 いっぜう、未成幎である子に぀いお、芪が代理人になる堎合は、本人぀たり子は、自由には代理人を遞べない。子の代理人の芪のように、法埋によっお、代理人やその暩限が決められる堎合の代理のこずを法定代理ずいう。成幎埌芋制床における成幎被埌芋人の代理である成幎埌芋人などのように、成幎被埌芋人・被補助人・被保䜐人の代理も、法定代理である。※ 参考文献: 有斐閣『民法総則』、加藀雅信、291ペヌゞ なお、高霢者などが埌芋人を任意で遞ぶ任意埌芋の制床もあるので、混同しないように。※ くわしくは『高等孊校商業 経枈掻動ず法/自然人の行為胜力ず制限行為胜力者制床』 - 委任いにん 任意代理で、代理人に代理暩を䞎えるさい、普通、委任いにんずいう契玄によっお、代理暩の内容を明確にしおおく。 - ※ 線集者ぞ: 委任状の文䟋を募集䞭。 委任で䞎える暩限を明確にした契玄文曞を委任状いにんじょうずいう。本人が委任状を曞くずき、普通は、委任で䞎える暩限の内容を曞いおおく。そしお、文末には、「以䞋䜙癜」ず曞いおおくこずで、そこが文末である事を明瀺し、他人が勝手に暩限を加筆できないようにしおおくのが普通である。暩限の内容をなにも曞かずに空欄にした堎合このような堎合を「癜玙委任状」ずいう、他人が勝手に曞き足す恐れがある。なので癜玙委任は、しないようにすべきである。 なお、結婚や離婚の契玄は、本人の意思が重芁であるため、代理できない。※ 怜定教科曞の範囲内。実教出版の教科曞に蚘茉あり。 代理ず代衚 法人の堎合、そもそも本人にあたる自然人がいないので、かわりに自然人である理事などが法人の意思ずしお契玄をする事は代衚ずいう。 問題点のある代理行為 無暩代理ず衚芋代理 - 無暩代理 代理暩のたったく無いCが「Aの代理人である」ず称しおBず契玄しおも、原則ずしお、このような代理人のした契玄では、Aに効力は無い。民113 なので、Bは、Cに察しお責任远及せざるを埗ない。 このような堎合たったく代理暩のない者による代理行為を無暩代理ずいう。 そしお、Bは無暩代理人である。 - 衚芋代理 䟋倖的に、盞手方Bが代理人だず誀信しおも仕方無いような事情のある堎合、有効になっおしたう。このような堎合を衚芋代理ずいい、AがCに過去になんらかの代理暩を䞎えた堎合であり、次のような堎合がある。 - 【代理暩授䞎衚瀺のある堎合】 AがBに察しお「Cを代理人にする」ず䌝えおいたが、じっさいにはCに代理暩が䞎えられおいなかった堎合。民109 - 【越暩行為の堎合】 Cは代理人ずしおAの貯金30䞇円たでの金銭の貞し借りを任されおいたが、70䞇円の貞し借りを扱っおしたった堎合のように、代理人に䞎えられた暩限以䞊の行為をしおしたった堎合。(民110) - 【代理暩消滅埌の堎合】 Cは過去にAの代理人であったが、その期間が終わり、代理暩が消滅しおいた堎合にもかかわらず、Cが勝手に代理行為をした堎合。民112 自己契玄、双方代理 同䞀の契玄においお、Cが、Aずその契玄盞手Bの䞡方の代理人になるこずは、原則ずしお犁止されおおり、Cは無暩代理人ずしお扱われる。このような代理を双方代理ずいう。原則的に、双方代理の行為は無暩代理ずしお扱われる。 ただし、すでにAずBずの間で売買の契玄が成立しおおり、その代金支払いの凊理をCが代行するような堎合なら、合法である堎合もある。※ 参考文献: 有斐閣『民法入門 第7版』川井健
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/䌁業再線 合䜵 合䜵ずは 2぀の䌚瀟がくっ぀぀契玄をしお、1぀の䌚瀟になるこずを合䜵がっぺいずいう。䌚瀟748 合䜵には、吞収合䜵ず新蚭合䜵がある。 吞収合䜵ずは、䟋えばA瀟ずB瀟が合䜵したら、A瀟が残り、B瀟は消滅し、B瀟の暩利矩務をA瀟が承継するずいう合䜵である。 ぀たり、片方の䌚瀟仮にA瀟ずするを残しお、もう片方の䌚瀟仮にB瀟ずするを無くし、なくなったほうの䌚瀟B瀟の蚭備や人員や契玄や暩利や債務などを、残ったほうの䌚瀟A瀟が獲埗する合䜵が、吞収合䜵である。 以前のB瀟の株䞻は、合䜵時に、そのぶんの株䟡に芋合った察䟡の亀付A瀟の株の亀付、たたは金銭の亀付を受ける。 いっぜう、新蚭合䜵ずは、䟋えばA瀟ずB瀟が合䜵させ、新しくC瀟を誕生させ、以前のA瀟の株䞻ずB瀟の株䞻には、C瀟の株を亀付する合䜵である。 実際の合䜵の倚くでは、蚱認可などを埗る手続きの簡易化のため、吞収合䜵が䜿われる事が倚い。参考文献: 実教出版の教科曞。参考文献2: 有斐閣『䌚瀟法』、䌊藀靖史ほか、第3版、 さお、合䜵においお、合䜵埌も残るほうの䌚瀟を「存続䌚瀟」ずいい、いっぜう、法人栌が消えるほうの䌚瀟を「消滅䌚瀟」ずいう。 吞収合䜵では、たずえばA瀟がB瀟を吞収しお合䜵したこずによりA瀟が残っおB瀟が消滅したずしたら、぀たりA瀟のほうが存続䌚瀟であり、B瀟は消滅䌚瀟である。 いっぜう、新蚭合䜵では、A瀟ずB瀟が新蚭合䜵でC瀟を蚭立したら、぀たりA瀟ずB瀟の䞡方ずも消滅䌚瀟である。 吞収合䜵でも新蚭合䜵でも、消滅䌚瀟にずっおは䌚瀟は無くなるが、株䞻は察䟡の亀付を受けるため、枅算手続きは行われない。※ 怜定教科曞の範囲内。東京法什の教科曞。 たた、䌚瀟が合䜵する際には、䞡䌚瀟の株䞻に重倧な圱響を䞎えるので、原則ずしお䞡瀟の株䞻総䌚での特別決議承認が必芁である。※ 怜定教科曞の範囲内。実教出版、東京法什の教科曞の䞡方に蚘述あり。䌚瀟783、795、804 もし合䜵が決たった際、合䜵に反察の少数株䞻は、自分の有する株匏を公正な䟡栌で買い取っおもらう事になり、このこずを反察株䞻の買取請求暩ずいう。 ※ 本節で蚀及する「合䜵」は、説明の簡単化のため、断りのないかぎり、株匏䌚瀟どうしの合䜵ずした。なお、䌚瀟の皮類には株匏䌚瀟のほかにも合名䌚瀟や合資䌚瀟などがある。 ※ 3぀以䞊の䌚瀟が合䜵しおも良いが、本節では説明の簡単化のため、断りのないかぎり、2瀟の䌚瀟が合䜵する事䟋に蚀及した。 債暩者保護手続き ある䌚瀟に債暩を持っおる債暩者にずっおは、その䌚瀟の合䜵が行われるず、倧きな圱響を受ける。 そこで䌚瀟法では、合䜵を行おうずするさいに、債暩者を保護するための様々な手続きを定めおおり、これを債暩者保護手続きずいう。債暩者保護手続きでは、たず合䜵のさいは、債暩者に知らせるため、債暩者に催告たたは1か月以䞊の公告をしなければならない事を定めおおり、債暩者に異議を申せる機䌚を䞎えなければならない事を定めおいる。䌚瀟789、799 なお、公告は官報などで行う。 もし合䜵によっお債暩者の債暩が倱われお債暩者に損倱の生じる堎合、たたは債暩者に損倱の生じる可胜性の高い堎合は、合䜵をする䌚瀟は債暩者に匁枈か担保提䟛などをしなければならない。 合䜵を行う理由 最近の合䜵は、䞻に次のような理由で行われる堎合が倚い。 - 芏暡を拡倧しお䌚瀟を匷くするため。 - たたは、倒産しそうな䌚瀟を救枈するため。
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/債務䞍履行 債務䞍履行 契玄が結ばれたが債務者が債務を履行しない事や、あるいは債務の履行が䞍完党なこずを、債務䞍履行さいむ ふりこうずいう。 債務䞍履行には、履行遅滞りこうちたい、履行䞍胜りこうふのう、䞍完党履行ふかんぜんりこうなどがある。 履行遅滞 たずえば、ある物の売買の契玄で、先に代金が支払われ、売り䞻Aが買い䞻Bに察しお「今月末に商品を匕き枡す」ず契玄したにもかかわらず、売り䞻が翌月になっおも商品を匕き枡さなかった堎合が、履行遅滞りこう ちたいである。 ぀たり、玄束の期限になっおも、債務が履行されないこずが履行遅滞りこう ちたいである。 債暩者は、履行の匷制や、損害賠償、契玄の解消、などが出来る。 損害賠償の請求 履行遅滞の堎合、債暩者は損害賠償を、その債務者に請求できる。民415 けっしお、履行遅滞埌に起きた事の費甚を、なんでもかんでも請求できるわけではない。請求できる範囲は、原則ずしお、その履行遅滞によっお、通垞に発生するはずの損害の請求分だけである。民416 損害賠償の支払い方法は、損害を金銭に芋積もっお、その金額が金銭にお支払われるのが、通垞である。民417 契玄の解陀 履行遅滞によっお債務䞍履行の堎合は、解陀をする前に、たず原則ずしお、債務を履行するように催告するなどしお期間を䞎えなければならない。盞圓の期間を定めお、催告をしなければならない。ただし、刀䟋により、催告そのものが短くおも、催告の日から充分な日数が経過すれば、契玄を解陀できる。 ※ 参考文献: 川井健『民法入門』、有斐閣、第7版、281ペヌゞ 盞圓の期間を定めお催告をしたにもかかわず、それでも債務が履行されなければ、債暩者は、その契玄を解陀するこずもできる。契玄を解陀した堎合、契玄が始めから無かった事になる。 䟋倖的に、たずえばクリスマスのむベントのために商品を玍品する債務などのように、時期を過ぎたら䟡倀が無くなる堎合の債務は、催告なしで解陀できる。民542 売買の契玄を解陀した堎合、売り䞻は代金を返华する矩務があり、買い䞻は匕き枡しを受けおいた物を返华する矩務がある。民545このように、お互いに契玄前の状態にもどす矩務がある。このように、契玄の解陀によっお、債暩者ず債務者の双方が、お互いに契玄前の状態に戻さなければならない、ずいう矩務を原状回埩矩務ずいう。※ 「原」の字に泚意。「珟状」ではなく「原状」。 履行䞍胜 たずえば䜏宅の売買においお、買䞻が代金を支払ったが、売り䞻の過倱によっお、家屋が焌けお無くなっおしたった堎合は、「履行䞍胜」りこう ふのうに分類される。 債務者の過倱によっお、債務が履行が物理的に䞍可胜になっおしたった堎合のこずを履行䞍胜ずいう。 いちおう、同じ建物を建お盎したりすれば、原理的には履行は可胜であろうが、しかし珟実的には「履行䞍胜」ずしお扱われる。法孊曞でも、売り物である家屋が焌倱したような堎合は「履行䞍胜」ずしお扱っおるのが普通。 - ※ なお、売り䞻の故意・過倱によらずに䟋: 萜雷、隣の家からの火事の類焌などによっお、焌倱したような堎合は、「危険負担」の問題になる。『高等孊校商業 経枈掻動ず法/売買の売り䞻ず買い䞻の責任』で危険負担の話題を解説しおいる。 履行䞍胜の堎合、債暩者は、債務者に履行䞍胜に぀いおの損害賠償を請求できる。民415※ 「履行䞍胜」は、債務者の責めに垰すべき理由なので、損害賠償は債務者に請求される。 賠償の金額は、その物の䟡栌を賠償するずいう「填補賠償」おんぜ ばいしょうをする事になるのが、このような損害賠償の堎合では䞀般的である。 たたは、債暩者は、履行䞍胜ずなった契玄を解陀するこずもできる。たた、履行䞍胜のため契玄解陀する際には、催告は䞍必芁である。民543なぜなら、仮に催告したずころで、たずえば売り物の家屋焌倱の堎合なら、そもそも売り物が物理的に存圚しない状態なので、「匕き枡し」ずいう債務の履行の芋蟌みが無いので、そもそも催告の必芁性が無いからである。 - ※ では、損害賠償を請求した䞊で、さらに解陀も出来るかどうか それは高床な問題であるようで、法孊曞にもハッキリずは説明されおおらず、よっお、このwikibooks高校教科曞では説明を省略する。 䞍完党履行 買った本に萜䞁や乱䞁があった堎合のように、圢匏的には債務の行動が行われおいるが、債務者の責めに垰すべき理由によっお、その債務が完党には履行されおいない堎合のこずが䞍完党履行である。 「自動車を買ったが、新車なのに故障しおおヘッドラむトが付かない」東京法什出版の怜定教科曞にある䟋のような堎合も、䞍完党履行である。 ※ 法孊曞の有斐閣『民法入門』著:川井健にある䟋では、買ったばかりのテレビが壊れおた堎合も、䞍完党履行である。 債暩者は、䞍完党履行をした債務者に察し、新品に亀換しおもらうなどのように、債務者に完党な履行をするこずを請求できる。この堎合、履行遅滞ず同じように扱われる。 たた、あらためお完党に履行しおも意味のない債務の堎合、たたは、あらためお履行するのが䞍可胜な債務の堎合なら、損害賠償を請求する事ができる。民415 匷制執行 債務の履行期が来おも債務者が履行しない堎合぀たり、債務䞍履行の堎合、、債務者に履行を匷制するためには、債暩者は裁刀所に蚎え出お、そしお履行を呜じる刀決をもらう必芁がある。刀決が出たにもかかわらず、債務者が債務を履行しなければ、囜家暩力によっお、匷制的に履行させる事になるが、これを「匷制執行」きょうせい しっこうずいう。民事執行法22 匷制執行には、次のように盎接匷制、代替執行、間接匷制などの皮類がある。 盎接匷制 たずえば、売買の契玄で代金を払ったにもかかわらず、売り䞻が買い䞻に品物を枡さないずいう裁刀での匷制執行の堎合なら、囜家暩力が、売り䞻から、その品物を取り䞊げお、その品物を買い䞻に匕き枡すのが、合理的である。このように、債務者から物を取り䞊げお、それを債暩者に匕き枡すこずが盎接匷制である。 たた、金銭支払いの債務を匷制する堎合は、債務者の財産を差し抌さえお、これを競売けいばいにかけお金銭に倉えお、そしお金銭を債暩者に匕き枡す。民事執行法172 なお「競売」ずは、いわゆる「オヌクション」「せり」のようなものであり、぀たり「競売」ずは、たず公開しお倚数の買取り垌望者を集めお、どの金額で買うかをそれぞれの買取り垌望者から聞いお、最高倀で買うず玄束した人に買っおもらうずいう方法。 代替執行 ※ 未蚘述 間接匷制 たずえば、債務を負っおいる人ずその債務の内容が、著名なピアニストが債務者であり、ある仕事でピアノを匕くこずが債務であったり、たたは、著名な画家が債務者であり、ある仕事で絵を描くこずが債務である堎合などは、第䞉者に債務をしおもらっおも無意味だし、かずいっお本人が債務を履行しようずしないので債暩者は困っおるわけだから、なんらかの方法で、債務者に心理的に匷制させる必芁がある。 そこで、裁刀所が「債務を履行しない堎合には、債暩者に察しお、1日あたり金銭 ◯◯円を債務者は履行たでのあいだ支払い぀づけろ」ずいう刀決をしお、それを匷制するのが、間接匷制である。 なお、倫婊間の同居矩務民752に぀いおは、刀䟋により匷制執行できない。倧刀昭和5幎9月30日民集9å·»926頁 倫婊間の同居矩務は盎接匷制では匷制できないし、間接匷制もできない。※ 怜定教科曞の範囲。※ 参考文献: 有斐閣『民事法入門』、野村豊匘、第6版、 同居矩務が匷制執行できない理由は、自由意志を尊重するずいう名目である。 参考: 債務䞍履行の損害賠償請求ず匷制執行 債務が履行されない堎合、民法第415条を根拠に、損害賠償を請求するこずもできる。 あるいは、民事執行法の手続きにもずづいお、履行を匷制する事もできる。 ※ 契玄の解消によっお債暩者が債暩を攟棄するこずも可胜だろうが、債暩者に利点が無い。なので、債務䞍履行の際に、債暩者が、おそらく珟実に行う行為は、損害賠償請求 か 匷制執行の手続き かの、2぀のうちの、どちらかだろう。 くわしくは前の節で説明しおあるので、興味があれば、それぞれの節を参考のこず。 なお、「匷制執行させたが、それでも債暩者に損害が残る」ずいうような堎合には、さらに損害賠償請求も出来る。※ 参考文献:䞉省堂『珟代法入門』、有賀恵矎子ほか、2014幎第4刷※ 範囲倖 このように匷制執行ず損害賠償の2぀が行われる堎合もある。 範囲倖: 匷制執行劚害眪 なお、匷制執行をされる察象の財産預金も含むを隠す行為は犯眪である。たた、財産を隠す目的にもずづき財産を第䞉者に売华したりする行為も、犯眪である。これらのように、匷制執行の察象の財産を隠す行為は、匷制執行を意図的に劚害しおるず芋なされ、匷制執行劚害眪ずいう犯眪になる。刑法96の2参考文献: 有斐閣『刑法2各論』町野朔ほか、第2版、255ペヌゞ 公務執行劚害眪刑法95の1ず匷制執行劚害眪刑法96の2ずは違う犯眪なので、混同しないように。
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/債暩 債暩 債暩さいけんずは、特定の人に察しお、䞀定の行為を請求できる暩利のこずである。 借りたカネを返せずいう事も債暩である。 売り䞻が買い䞻に察しお、商品の代金を支払えずいう事も、債暩である。買い䞻が売り䞻に察しお、代金を支払っお買った品物を匕き枡せ、ずいう事も債暩である。 そしお、「代金を支払え」ず請求する売り䞻のように、盞手に矩務を芁求する偎のこずを債暩者さいけんしゃずいう。 いっぜう、「代金を支払え」ずいわれた買い䞻のように、矩務を実行しなければならない偎のこずを債務者さいむしゃずいい、たた、そのような矩務䟋の堎合なら、「代金を支払わねばならない」ずいう矩務のこずを債務さいむずいう。 なお、売買では、売り䞻ず買い䞻のどちらずも、債暩者であるし、債務者でもある。売り䞻には、代金を支払えず請求できる債暩があり、品物を匕き枡さなければならないずいう債務を負っおいる。 買い䞻は、代金を支払わなければならないずいう債務を負い、たた、売り䞻に品物を匕き枡すように芁求できる債暩を持っおいる。 債暩の兞型䟋ずしおは、「借りたカネを返せ」ずいう請求が、債暩の兞型䟋ずしお、法孊曞などでも有名である。 䜜為ず䞍䜜為 - 䜜為 「代金の支払いをするこず」や、「品物の匕き枡しをするこず」のように、䞀定の行為をするこずを䜜為さくいずいう。 - 䞍䜜為 「ある土地に、高い建物を建おない」ずか、「倜10時以降はピアノをひかない」などの、䞀定の行為をしないこずを䞍䜜為ふさくいずいう。 絊付ず履行 そしお、債暩の内容ずしおの䜜為・䞍䜜為を実珟するこずを絊付きゅうふずいう。 「品物を匕き枡せ」ずいう盞手からの債務にお、債務者がその品物を匕き枡すように、債務が内容どおり実珟されるこずを履行りこうずいう。 債暩および債務は、履行されるこずにより、消滅する。 ぀たり、債務者が、その債務の内容を完党に絊付すれば、債務を履行したこずになる。 物暩ず債暩 物暩は、おもに物に察する暩利である。いっぜう、債暩は、おもに人に察する暩利である。 物暩を持぀人は、比范的自由に、その物をほが盎接的に支配できる。いっぜう、債暩をも぀人には、そのような自由は少ない。぀たり、物暩ずは違い、債暩では債務者を盎接的には支配できない。
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/保蚌人制床 ※ 連垯保蚌人に぀いおは、この科目「経枈掻動ず法」の範囲内です。怜定教科曞で説明の蚘茉があるのを確認枈。 - ※ 実教出版『経枈掻動ず法』、平成25幎怜定版、114ペヌゞ、に連垯保蚌人の蚘述あり。 - ※ 東京法什出版『経枈掻動ず法』、平成25幎怜定版、93ペヌゞ、に連垯保蚌人の蚘述あり。 借金の保蚌人 他人の借金の保蚌人になるず、他人の借金を背負わされたす。 保蚌人になるずいう事は、䞇が䞀の堎合、その借金を、自分が払う芚悟があるずいう事である。 なので、保蚌する盞手が特別に信頌できる盞手方でないかぎり、保蚌人には、ならないほうが良いだろう。※ 保蚌人になる堎合の泚意喚起は、怜定教科曞の範囲内である。実況出版の教科曞の112ペヌゞに、「慎重でなければならない」泚ずいうふうな意喚起がある。 「保蚌人」ずは、必ずしも借金だけの保蚌人ずは限らないが、本曞では、たず、借金の保蚌人に぀いお説明する。 借金の連垯保蚌人は危険 特に、借金の連垯保蚌人れんたい ほしょうにんには、たず、ならないほうが良い。 ふ぀うの保蚌人は、借金をした本人が優先的に借金取りから取り立おをされる。仮に借金をした本人が取り立おられるよりも先に、普通の保蚌人のずころに借金取りが来おも、保蚌人は「たず、借金をした本人を探しお、その本人に取り立おおください。」ず反論でき、たた、借金取りの偎も、たず先に借金取りをした本人から取り立おる努力をしなければならない。 - 䟋 たずえば、900䞇円の借金の連垯保蚌人ずしお、A,B,Cの3人が、連垯保蚌人になっおたずする。 この堎合、Aが900䞇円を請求される堎合もあるし、Bが900䞇円を請求される堎合もあるし、Cが900䞇円を請求される堎合もある。 けっしお、「3人で分担しお、Aが300䞇円の負担、Bが300䞇円の負担、Cが300䞇円の負担」ずかいうふうにはならない。 しかし、連垯保蚌人の堎合だず、連垯保蚌人は借金をした人ず同様の責任を負い、借金をした人ず同様の責任で連垯保蚌人も借金取りから取り立おられる。 たずえ連垯保蚌人が、「私に取り立おるよりも前に、たず、借金を借りおる本人に、取り立おおください」などず反論しおも、法的効力が無い。 ぀たり、連垯保蚌は、借金をしおいるのず同じ法的責任である。「連垯保蚌人」の「連垯」ずは、このように、自身が借金をしおいるのず同じ扱いを受けたす、ずいう意味である。 - ※ 怜定教科曞には曞かれおないが、この連垯保蚌制床を悪甚した詐欺で、借金を負わせる詐欺がある。泚意しなければならない。 - 2020幎床の民法改正の内容 ※ いたのずころ範囲倖 -  情報提䟛の矩務の新蚭 連垯保蚌人に察しお、䞻債務者は、䞻債務者の財産などの状況に぀いおの情報提䟛を、連垯保蚌人に察しお情報提䟛しなければならない矩務改正民法458条の2が、2020幎4月からの改正民法で新蚭で远加された。※ ただし、条文では連垯保蚌人からの芁請があった堎合の芏定であるので、ただ抜け穎がある。 この矩務の意矩は、詐欺などを防止するためである。詐欺の手口で、詐欺垫の債務者ず債暩者がグルになっお、債務者があたかも財産があるかのように振舞っお安心させたあず、蚈画的に債務者が砎産しお、保蚌金を連垯保蚌人から取る手口の詐欺が、連垯保蚌を悪甚した詐欺の兞型䟋ずしお、よく知られおおいた。 このような兞型的な詐欺を未然に防止するため、改正民法では、䞻債務者の財産状況の情報提䟛の矩務が远加されるこずになった。 債務者の提䟛する情報は、財産以倖にも、契玄察象以倖の債務の有無ず債務金額やその返枈状況に぀いおも、情報提䟛の矩務がある。抜け道を防いでいる。 この他、債暩者の偎にも矩務が远加され、連垯保蚌人ぞの、返枈状況などの情報提䟛の矩務が远加された。 分割保蚌 ※ 分割保蚌も怜定教科曞の範囲内。東京法什出版の教科曞で、保蚌人の章節での傍泚にお蚀及されおいる。 「900䞇円を3人で分担するので、Aが300䞇円の負担、Bが300䞇円の負担、Cが300䞇円の負担です。」ずか仕組みの保蚌の堎合は「分割保蚌」ずいう。分割保蚌も合法である。 分割保蚌は、連垯保蚌ではない。 なので、もし仮に、あなたが連垯保蚌人を頌たれた時、盞手がもし「1000䞇円の債務を10人で分担しお保蚌しおるので、人あたりは、たったの100䞇円の保蚌金額で枈みたす。」なんお頌んできたら、そい぀は単なる詐欺垫なのでなぜなら連垯保蚌の債務額は分割できないので、そい぀を盞手にしないか、たたは譊察か匁護士に盞談したほうが良いだろう。 根保蚌 - ※ 怜定教科曞の範囲内。 詐欺などに悪甚される危険な保蚌人の皮類ず蚀うず「連垯保蚌人」が有名であるが、他にも「根保蚌」ねほしょうずいうのも危険である。 もずもずは、根保蚌ねほしょうずは、䌁業どうしの継続的な融資では、取匕のたびに債務金額が増枛したりするので、具䜓的な債務金額は決めずに、カネを貞したり借りたりするなどの契玄である。 だが、この根保蚌を悪甚した詐欺ずしお、たずえば借り䞻が保蚌人には少額の借金額で安心させお、たずえば30䞇円の借金で「この借金の保蚌人になっおほしい。」ず蚀われお匕き受けたら、じ぀は限床額が1000䞇円の根保蚌で、借り䞻が知人に保蚌人を匕き受させた埌に限床額たで借りお、そのたた逃げるずいうトラブルや詐欺が知られおる。 - (※ たぶん範囲倖:) 2020幎床の民法改正により、個人の根保蚌契玄では、契玄の皮類にかぎらず個人の根保蚌契玄なら、必ず限床額を提瀺しなければならない矩務が远加された(改正埌の民法465条)。それ以前からも2005幎の民法改正で、金銭貞借や手圢の割匕などの䞀郚の個人取匕の保蚌では限床額の提瀺の矩務があったが、2020幎の開成のより、金銭貞借や手圢に限らず、個人契玄の党般に限床額の提瀺矩務が拡匵された。 - このような民法改正の背景ずしお、䞊蚘のようなトラブルや詐欺があったからである。 範囲倖: 借金以倖の堎合の保蚌人 保蚌人には、借金の保蚌人以倖にも、就職時の身元保蚌人ずか、私立孊校ぞの進孊時の保蚌人ずかもある。䞊蚘の説明で孊んだように、保蚌人は、その法的責任が重い。「私の保蚌人になっおくれ」ず頌んできた盞手が信甚できない盞手の堎合は、断ったほうが良いだろう。 特に、借金の連垯保蚌人には、たず、なっおはいけない、ず考えたほうが、安党だろう。保蚌盞手がよほど信頌できる盞手でないかぎり、借金の連垯保蚌人には、なっおはいけない、ず考えるのが安党だろう。 - ※ 怜定教科曞には「借金の連垯保蚌人になっおはいけない」ずたでは曞かれおないが、しかし、䞖間䞀般の家庭では、そう教育するのが䞀般的だろうし、曞店などで販売されおる保蚌人に぀いおの実甚曞などにも、そう説明されおいるだろう。 それでも、どうしおも他人の借金などの保蚌人・連垯保蚌人にならないずいけない堎合、詐欺に気を぀けた䞊で、じっくり契玄曞を読んで内容を理解しおから、借金をする圓人が信頌できる堎合のみ、保蚌人・連垯保蚌人になるべきだろう。 保蚌人制床の甚語や分析 ※ 怜定教科曞に曞かれおいる内容。 保蚌人制床は、かならずしも借金だけの制床ではないが、借金で説明するのが分かりやすいので、圓Wikibooks「経枈掻動ず法」では甚語説明などを、借金を䟋に説明する。 抗匁こうべん 催告の抗匁暩 保蚌人のずころに借金取りが来たずき、保蚌人が「たず、借金をした本人を探しお、その本人に取り立おおください。」ずいうふうに反論するなどしお、借金取りに、借金をした本人を取り立おるように、カネを貞した偎借金取りや、その雇い䞻などに請求するこずを、「催告の抗匁」さいこく の こうべんずいう。 たた、このように、借金取り偎は抗匁をされたら、借金をした本人から先に取り立おに行かなければならない、ずいう保蚌人にずっおの暩利のこずを催告の抗匁暩さいこく の こうべんけんずいう。民452 しかし、連垯保蚌人には、催告の抗匁暩が無い。民454 ふ぀うの保蚌人には、催告の抗匁暩がある。 連垯保蚌人には「催告の抗匁暩」などの暩利が無いので、実質的には、連垯保蚌人が借金をした本人ずほが同等の法的責任を負っおいるのである。 怜玢の抗匁暩 たた、ふ぀うの保蚌人の堎合、かりに借金取りが財産を差し抌さえようず匷制執行する堎合、たず、借金をした本人の財産から先に匷制執行しなければならない。民453 - ※ 「差し抌さえ」ずは、囜家暩力によっお、私人がその財物を蚱可なく凊分できないように、その財物を囜・公共機関の管理䞋に眮くこず。 - ここでいう借金取りによる差し抌さえずは、債務者が返枈の債務をたぬがれようずしお、財産を回収できないような圢で凊分するのを防ぐために、裁刀所などに債務者ぞの匷制執行をしおもらおうずするこず。 ふ぀うの保蚌人の堎合なら、借金をした本人の財産が匷制執行されおないのに、保蚌人の財産が匷制執行される事はなく、もし、そのような匷制執行が行われおも、これに抵抗できる。 このように、保蚌人の財産ぞの匷制執行よりも先に、たず先に借金をした本人の財産を匷制執行せよ、ず請求する暩利を怜玢の抗匁暩ずいう。 しかし、連垯保蚌人には、この「怜玢の抗匁暩」が無い。民454 ふ぀うの保蚌人には、「怜玢の抗匁暩」がある。 保蚌人の求償暩 ふ぀うの保蚌人の堎合、保蚌人が代わりに借金の返枈額を支払った堎合でも、保蚌人はあずから借金をした本人に、保蚌人の支払ったぶんの支払え、ず請求できる。 これを「保蚌人の求償暩」ほしょうにん の きゅうしょうけんずいう。民459〜462 しかし、連垯保蚌人には、「保蚌人の求償暩」が無い。民454 なお、保蚌人が代わりに借金の返枈額を支払うこずを匁枈べんさいずいう。 ぀たり、先ほどの「保蚌人の求償暩」の説明を「匁枈」ずいう蚀葉で蚀い換えるず - ふ぀うの保蚌人の堎合、保蚌人が代わりに匁枈した堎合、保蚌人はあずから借金をした本人に、保蚌人の匁枈したぶんず同等の金額を支払え、ず請求できる。 のようになる。 以䞊の3぀の暩利をたずめるず、 - ふ぀うの保蚌人には、「催告の抗匁暩」「怜玢の抗匁暩」「保蚌人の求償暩」がある。 - しかし、連垯保蚌人には、「催告の抗匁暩」「怜玢の抗匁暩」「保蚌人の求償暩」が無い。 䞻たる債務者 しゅたる さいむしゃ 借金の契玄の堎合、借金をした本人は、䞻たる債務者しゅたる さいむしゃ である。 なお「債務」さいむずは、契玄などの結果により、「○○しなければならない」ず矩務を負うこずである。芁 確認 䞀方、金を貞した偎は、債暩者さいけんしゃである。債暩さいけんずは、䟋えば「貞したカネの返還を、借りた偎債務者などに請求しおもよい」のように、契玄などの結果により、盞手方に矩務をおわせおもいい暩利である。芁 確認 たずえば先ほどの「催告の抗匁暩」に぀いお、「䞻たる債務者」「債暩者」などの甚語を甚いお蚀い換えおみれば、次のようになる。 - 保蚌人のずころに債暩者借金取りや、その雇い䞻などからの請求が来たずき、保蚌人は、たず䞻たる債務者借金をした本人から先に取り立おるように、保蚌人が債暩者に請求できる暩利を「催告の抗匁暩」さいこく の こうべんけんずいう。 のような説明になる。 保蚌債務 保蚌人も、契玄によっお、いろいろな矩務を負ったのであるから、保蚌人も債務を負っおる。 保蚌人制床における保蚌人の債務のように、䞻たる債務者の代わりにカネを払うかもしれない債務のこずを保蚌債務ほしょう さいむずいう。 そもそも「保蚌人」ずは、民法第446条によるず、民法第446条「保蚌人は、䞻たる債務者がその債務を履行しないずきに、その履行をする責任を負う。」である。 そしお「保蚌債務」ずは、「䞻たる債務者がその債務を履行しないずきに、その履行をする責任」のこずである。芁 確認 その他 保蚌に぀いお 保蚌人の資栌 保蚌人の資栌ずしお 1 行為胜力者であるこず、(2) 匁枈の胜力を持぀こず、 が必芁である。民450※ 高校の範囲内。実教出版の教科曞に蚘述あり。 耇数の連垯保蚌人のいる堎合 - ※ 怜定教科曞の範囲内. ひず぀の債務に぀いお、その債務の連垯保蚌人が耇数いるずき、債暩者金貞しの偎は、どの連垯保蚌人にも、保蚌債務の党額を請求できる。なので、ずにかく連垯保蚌人は、自己砎産などをしないかぎり、債暩者に匁枈を芁求されたら、保蚌額をいったん党額を払うハメになる。ここたでは、すでに説明した通り。で、耇数の連垯保蚌人がいる堎合、連垯保蚌人どうしでは保蚌額を分担するように請求できる。※ 怜定教科曞の範囲内。 東京法什出版の教科曞に解説あり。 たずえば、Aが300䞇円の借金をしお、Aの連垯保蚌人ずしおBずCずDの3人が連垯保蚌人なっおいるずする。 債暩者は、BずCずDの誰に察しおも、300䞇円を請求できる。 で、ずりあえず債暩者がBに300䞇円を請求しお、その結果、Bが300䞇円を払ったずしよう。 するず、Bは100䞇円のCずDに求償を請求できる。300䞇円÷3人100䞇円/人 なので、他の連垯保蚌人1人あたり100䞇円を請求できる - ※ ずはいえ、もし詐欺の堎合だず、たずえばCずDに財産が無かったりしお、仮に匷制執行によっお財産の「差し抌さえ」しようにも、そもそも「差し抌さえ」できるほどの財産が無かったりする。たずえば、もしBが債暩者に保蚌額を請求されたので、ずりあえず債暩者に保蚌額を支払っお、CずDに分担しおもらおうず匁護士に盞談しお、匁護士にBずCの職業を調べおもらったら、なんずBずCはホヌムレスで無職の老人だったりしたら どうやっお䜕を「差し抌さえ」するんですか 保蚌契玄は曞面で 保蚌契玄は、曞面でしなければならない。民446の2※ 高校の範囲倖この保蚌契玄を曞面で行う芏定は、2004幎平成16幎の民法改正による。電子メヌルなどの電磁的蚘録で保蚌契玄がされた堎合、その保蚌契玄は有効である。民446の3※ 参考文献: 有斐閣『債暩 ゚ッセンシャル民法3』、氞田眞䞉郎ほか、2010幎初版、84ペヌゞ 商取匕の保蚌は連垯保蚌 商取匕における保蚌に぀いおは、「連垯保蚌にする」などの特玄がなくずも、連垯保蚌になる。商511の2 ※ 怜定教科曞の範囲。実教出版の教科曞に蚘述あり。※ 参考文献: 自由囜民瀟『保蚌・連垯保蚌のトラブルを解決するなら、この1冊』、石原豊昭、第2版、70ペヌゞ 正確に蚀うず、䞻たる債務者の債務が商取匕から生じたものである堎合、法埋䞊圓然に連垯保蚌ず芋なされる。商511の2※ 怜定教科曞では、こういう蚀い回し「䞻たる債務者の債務が〜以䞋略」で説明しおいる。 連垯債務に぀いお 倫婊の䞀方が日垞の買い物たずえば、日垞の食料品を買う、などずしお行った債務その食料品の代金を払う、などは、その倫婊の連垯債務になる。民761 ※ 実教出版の教科曞では、発展項目ずしお家族法民法内にあるに぀いお習う単元がある。その単元で、倫婊の日垞の買い物の連垯債務に぀いおも曞いおある。
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/債暩・債務が消滅する特別な堎合 匁枈 借金を返枈するなどのように、債務者が債務を履行すれば、その契玄の債暩・債務は消滅する。 ある契玄の債暩・債務を消倱させるために、本来の債務を履行する行為のこずを匁枈べんさいずいう。 債暩・債務は、通垞は匁枈によっお消滅するが、次のような堎合にも消滅する。 䟛蚗 債務者が匁枈しようにも、債暩者が匁枈の受領を拒んで匁枈できない堎合、債務者は匁枈の目的物を䟛蚗所に預けるこずで、債務を免れるこずができる。これを䟛蚗きょうたくずいう。民494 䟛蚗所のある堎所は、法務局、地方法務局たたはその支局などである。 盞殺 たずえばAがBに100䞇円の借金をしおるが、同時期にBもAに70䞇円の借金をしおるなら、それを差し匕きしお、なるべくお互いの債務の金額を枛らすのが盞殺そうさいである。 このAずBの盞殺の堎合、最終的に、AがBに30䞇円の借金をするのが残り、BはAに0円の借金になる。 このように、同皮の債暩を持っおいる2人が、その債暩を打ち消しあうこずで、債務をお互いに枛らすこずが盞殺である。民505 代物匁枈 代物匁枈ずは、たずえば、50䞇円の借金のある債務者が借金そのものを金銭で返すのではなく、かわりに債務者が保有する自動車1台を債暩者に提䟛するこずで債務を消滅させるような事が、代物匁枈だいぶ぀ べんさいであり、これは合法である。※ 借金の金額は、実教出版の教科曞を参考にした。 債暩者の合意のもず、債務者が、借金を匁枈するために、䟡栌が同等の実物を債暩者に匕き枡すこずで債務を消滅させるこずを代物匁枈だいぶ぀ べんさいずいう。民482 曎改こうかい たずえば、50䞇円の債務がある堎合、50䞇円の借金を匁枈するかわりに、自動車1台を匕き枡すずいう債務に眮き換えるこずが、曎改こうかいである。旧債務を、新債務に眮き換えるこずが、曎改こうかいである。民513 免陀 たずえば100䞇円の債暩がある堎合、債暩者が䞀方的に債暩を攟棄しお、債務者の債務100䞇円を返すが無くなるこずが免陀めんじょである。 債暩者が債務者に察しお、債務を消滅させる意思を衚瀺するこずが免陀である。民519 混同 父から借金をしおいた子が、父が死ぬず盞続によっお、債暩者ず債務者が同䞀人物になる。このような堎合、債暩・債務を残しおおくのは無駄なので、債暩・債務が消滅する。 債暩者ず債務者が同䞀人物の堎合、債暩ず債務が消滅するのであるが、これらのこずを混同こんどうずいう。民520
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/動産の売買 所有暩の移転の時期 動産の売買契玄に぀いお、匕き枡された物に぀いおの所有暩の移動した時期は、その物がじっさいに匕き枡された時に移動するず考えるのが有力な説である。※ 参考文献: 有斐閣『民法入門』川井健、第7版、105ペヌゞ怜定教科曞も、この有力説に埓っおいる。぀たり、怜定教科曞でも、所有暩の移動時期は、その物がじっさいに匕き枡された時期に移動するず考えおいる。 なお、民法178条に「動産に関する物暩の譲枡は、その動産の匕枡しがなければ、第䞉者に察抗するこずができない。」ずある。 ぀たり、動産では、匕枡しの行為が、第䞉者に察する所有暩移転を裁刀などで察抗する際の芁件察抗芁件になる。民178 䞍動産の堎合ずは違い、動産の売買などでは、登蚘などの制床が無いのが普通。 匕き枡し 民法では、売り䞻の手元から、買い䞻の手元に、じっさいに物が移動する事を、匕き枡しひきわたしずいう。民182 - ※ 線集者ぞの泚意。怜定教科曞での衚蚘は「匕枡し」ではなく「匕き枡し」です。 匕き枡しの堎合、代理人などを䜿っおない堎合なら、匕き枡される前たでは、その物を占有者ず所有者が同䞀人物売り䞻であろう。匕き枡された盎埌は、その物の占有者ず所有者が、やはり同䞀人物買い䞻であろう。 ぀たり、売買の前埌で、 - 占有の状態: 買い䞻 → 売り䞻 ず占有が移転しおいる。 このように、民法の「匕き枡し」も、日垞甚語の「匕き枡し」ずほが䌌た意味であるが、民法では、さらに、売買などでの匕き枡しのさいの所有暩の移転に぀いおの関心がある。 なお、冒頭の「匕き枡し」の説明「売り䞻の手元から、買い䞻の手元に、じっさいに物が移動する事」ずは食い違うが、じっさいには買い䞻の手元に物が移動しない堎合でも、契玄時の取り決めなどによっお、法埋的に所有暩が買い䞻の手元に移転したず芋なされれば、そのような動産の所有暩の移転のこずも含めお「匕き枡し」ずいう堎合もある。 なお、「匕き枡し」の説明においお、じっさいに圓事者双方の手元から手元ぞず物理的に移動する堎合の「匕き枡し」である堎合、これを「珟実の匕き枡し」ずいう。※ 範囲倖※ 参考文献: 有斐閣『基本民法I 総則・物暩総論』、倧村敊志 簡易の匕枡し 買い䞻に、その物をすでに貞しおある堎合、その物を借り䞻がそのたた買う堎合、わざわざ売り䞻に返さずずも、そのたた匕き枡したず、あ぀かっお良い。 これを簡易の匕き枡しずいう。民182(2)  簡易の匕き枡しの堎合、代理人などを䜿っおない堎合なら、匕き枡される前たでは、 買い䞻  借り䞻  占有者 の状態、぀たり、その物の買い䞻が、その物の占有者である。 簡易の匕き枡しでは、このような、すでに買い䞻が占有しおいる状態を、いちいち売り䞻に戻さず、そのたた、その物を占有しおいる状態の買い䞻に所有暩を移動するずいう事であろう。 ぀たり、占有の状態は売買の前埌で、 - 占有の状態: 売り䞻 → 売り䞻 ず、そのたたである。 占有改定 買い䞻が買った物を盎埌に売り䞻に貞しお貞し぀づける堎合、買い䞻の手元の物が䞀床も来なくおも、売り䞻が買い䞻のために占有するずいう意思衚瀺をすれば、所有暩が買い䞻のもずに移転したず芋なさされる。これを占有改定ずいう。民183 占有改定では、売買のあずも、売り䞻が物を占有し぀づけ、所有暩だけは買い䞻に移動しおいる。買い䞻は、たずえ䞀床も占有したこずがなくおも、買ったずみなされ、買い䞻に所有暩が移転しおいる。 民法での「匕き枡し」によっお所有暩が移転するずいう原則ずのツゞツマをあわせるため、占有改定では「匕き枡し」が枈んだず芋なされる。※参考文献: 怜定教科曞ほか倚数。有斐閣『民法 総則・物暩』山野目章倫、138ペヌゞ。 そしお、「匕き枡し」が所有暩をめぐる裁刀などでの第䞉者ぞの察抗芁件になっおるので、぀たり、「占有改定」も裁刀での察抗芁件ずしお芋なせる。※ 参考文献: 有斐閣『民法入門』、川井健、106ペヌゞ. 指図による占有移転 「指図による占有移転」ずは䟋えば、第䞉者の倉庫に預けおあるような物を売買する堎合などである。 売った物が、第䞉者売り䞻でもなく買い䞻でもない第䞉者に預けられおいる堎合、売り䞻が預かり䞻に察しお「今埌は買い䞻のために䞎れ」ず芁求し、買い䞻も預かり䞻が預かるこずを承諟するず、これによっお、所有暩が売り䞻から買い䞻に移転したず芋なされる。これを「指図による占有移転」ずいう。 民法での「匕き枡し」によっお所有暩が移転するずいう原則ずのツゞツマをあわせるため、「指図による占有移転」では「匕き枡し」が枈んだず芋なされる。 そしお、「匕き枡し」が所有暩をめぐる裁刀などでの第䞉者ここでは䞀般に倉庫䞻ずは別ぞの察抗芁件になっおるので、぀たり、「指図による占有移転」も察抗芁件ずしお芋なせる。 動産の即時取埗 所有者AがBに預けおいた物動産を、Bが勝手にCに売っおしたった堎合、もしその動産が垂堎などで日垞的に売買される物であり、登蚘で所有暩を公瀺する手段が無い皮類の動産であれば、経枈掻動を円滑にさせるために、このような堎合は買い䞻Cが保護される。民192 そしお、買い䞻Cは、買った物を所有暩を即時に取埗できる。このこずを、「動産の即時取埗」あるいは「善意取埗」ずいう。 たた、この堎合、AはCに返還請求できない。 勝手に売られおしたった被害者Aは、Bに損害賠償するしかない。しかし、裁刀所がBぞの損害賠償を受理するかどうかは、どうやら䞍明のようである。※ 実教出版の怜定教科曞でも、AはBに「損害賠償を請求するほかない」ず蚀及しおる。だが、その損害賠償請求による裁刀で、裁刀所がBに損害賠償を呜じるかどうかは、実教出版の教科曞からは䞍明である。 - ※ どうやら、そもそも民法自䜓が、即時取埗の件での被害者AからBぞの損害賠償の蚎蚟の刀決のあり方に぀いおは、蚀及しおないようである。法孊曞を調べおも、民法の専門曞を数冊ほど調べたかぎり、たったく蚀及されおない。民法192条やその前埌の条文を読んでも、蚀及されおない。なので、もし、即時取埗での、もずもずの所有者Aの暩利ぞの配慮のなさに文句があるなら、怜定教科曞や法孊曞に文句を蚀うのでなく、そういう民法を぀くった囜䌚議員に文句を蚀うべきだろう。 ただし、動産が盗品たたは遺倱物である堎合には、民法では、真実の所有者さきほどの䟋では、Aに盞圓を保護するため、2幎間は占有者に察しお返還請求できる。民193、民194
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/売り䞻の担保責任 瑕疵担保責任かし たんぜ せきにん 土地や建物などの売り物で、もし䞍具合や故障が無いず衚瀺しお販売したのに、䞍具合や故障があれば、売り䞻は䞀定の責任を取らなければならない。このような売り䞻の責任のこずを瑕疵担保責任かし たんぜ せきにんずいう。このように、買った物に重倧な欠陥があった堎合、瑕疵担保責任により、買い䞻は売り䞻に察しお、損害賠償の請求や、契玄の解陀などが出来る。 䟋: - たずえば、買った䞭叀䜏宅に、シロアリがわいおいお、家が痛んでいた堎合、買っおから1幎以内の間なら、買い䞻は売り䞻に、損害賠償たたは契玄解陀を請求できる。民570 䞊蚘の䟋では、たずえ売り䞻が、シロアリがわいおる事を事前には知らなくおも、買い䞻は売り䞻に責任を远及できる。このように、瑕疵担保責任は、売り䞻が故意でなくずも、責任远及できる。 ただし、売り䞻の責任を远及できる期間に限りがある。土地や建物を買っお、その土地や建物に瑕疵があった堎合なら、1幎以内に远及しないずいけない。 たた、瑕疵担保責任があるのは、原則ずしお、土地や建物などの「特定物」だけである。なので、もし、買った新刊本1冊にペヌゞ抜けなどの欠陥があったずしおも、いちおう法埋䞊では、瑕疵担保責任は远及されない。※ 怜定教科曞にある䟋。実教出版の教科曞でも、東京法什出版の教科曞でも、どちらでも蚘茉されおいる䟋である。 なお、「買っおから1幎以内」のように、瑕疵担保を远及できる期間には限りがあるので、䞍動産の売買などでは、買った物に぀いおは即座に欠陥がないかどうかを怜査するべきである。 なお、「150m2ず蚀われた土地を買ったのに、実枬しおたら130m2しかなかった」のように、数量を支持しお売買した堎合に、買った物の数量が違っおいた堎合も、瑕疵担保責任の範囲である。民565 普通は䞍具合や欠陥が無い状態で販売されおるような物が、欠陥のある状態で販売され、買われる前に売り䞻が曞い䞻に欠陥の内容を぀げずに売ったずきも、同様に売り䞻は瑕疵担保責任を負う。 商人間の売買 たた、商人間の取匕では、買った物が特定物でも䞍特定物でも、取匕の迅速化を図るため、買った物はすぐに怜査しお、そしお欠陥があれば、すぐに通知しないず、瑕疵に぀いおの売り䞻の責任を問えなくなる。商526
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/売買の売り䞻ず買い䞻の責任 同時履行の抗匁暩 売買のような双務契玄で、もし片方だけが債務を履行しお、もう片方の圓事者が債務をたったく履行しなければ、䞍公平な結果になっおしたう。なので、双務契玄では、なるべく双方が同時に契玄を履行するのが望たしい。 このような事情もあり、民法では、盞手が契玄を履行しないかぎり、自分も契玄を履行しなくおもいい、ずいうような同時履行の抗匁暩が認められおいる。民533 ※ 同時履行の抗匁暩が必芁な理由の事情に぀いおの参考文献: 川井健『民法入門』、有斐閣、第7版、2754ペヌゞ。※ 参考文献2: 東京法什出版の怜定教科曞。 売り䞻からみれば、買い䞻が代金を支払わないかぎり、品物を枡さない事も、「同時履行の抗匁暩」によっお䞻匵できる。 同様に、買い䞻からみれば、売り䞻が品物を枡さないかぎり、代金を支払わないずいう䞻匵も、「同時履行の抗匁暩」によっお䞻匵できる。 ただし、圓事者どうしの特玄などによっお、䞀方が先に債務を履行するこずに合意しおいる堎合にはたずえば、売り䞻が品物を匕枡したあずに買い䞻が代金を支払うずいうような特玄をしおいれば、同時履行の抗匁暩は存圚しない。民533䜆曞 危険負担 たずえば、売買のような双務契玄で、䞀方の債務の履行䞭に、売り䞻・買い䞻の圓事者のどちらにも責任の無いような事情で、品物が消倱・砎損などをしたような堎合、買い䞻は代金を支払う必芁があるのか、あるいは、売り䞻ず買い䞻のどちらが損害賠償などの責任を負うのか、などの問題がある。 このような問題のこずを「危険負担の問題」ずいう。 債暩者䞻矩 民法では、「特定物」ここでの「特定物」ずは「家屋」などず解釈されおるようであるの売買の堎合なら、原則ずしお、買い䞻の負担にせよ、のような芏定をしおいる。民534 この芏定のように、危険負担に぀いおは買い䞻負担にする考え方のこずを「危険負担の債暩者䞻矩」ずいう。しかし、民法534条の芏定には反察意芋も倚いようである。※たずえば、川井健『民法入門 第7版』、277ペヌゞで、反察意芋の䟋をいく぀か玹介しおいる。 たずい、買い䞻に家屋を匕き枡す前の時点での事故による消倱・毀損であっおも、買い䞻の責任になるのである。そこで、䞖間でのじっさいの家屋売買の契玄では、特玄などを定めお、家屋を匕き枡す前ならば売り䞻の責任にする、などの特玄を定めおいる堎合も倚い。 なお、売り䞻ず買い䞻の双方に責任のない事情で家屋が毀損・消倱する事情ずは、たずえば隣の家からの出火による火事による類焌、あるいは萜雷、などの事情である。 たずめるず、 - 類焌や萜雷によっお、品物である家屋が毀損・滅倱した堎合、負担を負うのは売り䞻・買い䞻のどちからかずいうず、特玄が無いかぎり、特定物家屋の売買での危険負担は債暩者買い䞻の責任である。 ずいうふうになる。 債務者䞻矩 - ※ 怜定教科曞の範囲内 なお、以䞊の「債暩者䞻矩」が適甚される堎合ずは、あくたで家屋など「特定物」の「売買」の堎合である。アパヌト䜏たいのような、家屋の貞し借りでは、別問題である。たた、䞀般の動産の売買でも、別問題である。 アパヌトの賃貞借の堎合、隣家からの火事などによっお、家䞻が貞せなくなれば、借家人は家賃を払わなくおいい。このような䜏宅の賃貞借の契玄では、家䞻のほうが債務者ずされ、借家人は債暩者ずされる。さお、家䞻が家屋貞借の債務を履行できなくなったので、借家人も家賃支払いの債務を免れる぀たり、借家人は家賃を払わなくおよい、ずいう䞻矩である。民536 このように、履行できなくなった債務䟋の堎合、アパヌト賃貞借に぀いお、アパヌト郚屋貞しの芋返りずしおの反察絊付家賃をしなくおいい、ずいうような考えを「債務者䞻矩」ずいう。 実務 法埋の芏定ではないが、実際には、契玄時に、茞送䞭の砎損や盗難などの危険負担をどちらがするのかを事前に決めおおくのが通䟋である。 日本囜内のビゞネスでは通䟋、「珟堎枡し䟡栌」ず「持ち蟌み枡し䟡栌」のどちらかである堎合が倚い[1]。 - ※ 詳しくは『ビゞネス基瀎』の垂販の怜定教科曞を参照せよ。 莈䞎 たずえば誕生日に時蚈をプレれントするなどのように、無償で財産暩を盞手に䞎える事を莈䞎ぞうよずいう。民549 莈䞎が曞面によらない口玄束だけ堎合、その莈䞎は、履行される前なら、圓事者のどちらからでも取り消せる。 たた、莈䞎は䞀般に無償契玄であるこずから、莈䞎者は、売り䞻のような担保責任を負わないのが原則である。民551 ※ 範囲倖: なお、時蚈をプレれントする、ずいう莈䞎が履行された堎合、その時蚈の所有暩は移動し、時蚈をプレれントした偎莈䞎者から、時蚈をもらった偎受莈者ぞず所有暩は移動する。※ 参考文献: 野村豊匘『民事法入門』、有斐閣、第6版、80ペヌゞ、 - ^ 『ビゞネス基瀎』、実教出版、什和2幎12月25日怜定、什和4幎1月25日発行、P144
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/契玄ず意思衚瀺 - ※ 「契玄自由の原則」は、䞭孊瀟䌚科や普通科高校「政治経枈」でも習いたす。 甚語の予備知識 - ※ ここは普通科高校では習わないので、普通科の生埒は読み飛ばしおもいい。 ・ 売買ばいばい - 「売買」ずは、日垞語の「売り買い」ずほが同じ意味だが、特に民法でいう売買ずは、圓事者の䞀方売り䞻がある財産暩を盞手方買い䞻に移転するこずを玄束しお、盞手方買い䞻がその代金を支払うこずを玄束するこずによっお、その効力を生ずる契玄のこず。(民555) なお、さたざたな皮類のある契玄のうち、圓事者双方が矩務を実行する必芁のある契玄を双務契玄そうむ けいやくずいう。 売買は、双務契玄である。なぜなら売買の契玄が成立すれば、買い手は代金を支払う矩務があるし、売り手は商品を枡す矩務があるから。 ・ 貞借たいしゃく - 貞し借り かしかりの事。 - 意思衚瀺いしひょうじ 民法でいう「意思衚瀺」いしひょうじも、通垞の囜語ずほが同じ意味で、なんらかの意思を衚瀺するずいう意味だが、くわえお民法では、さらなる意味もある。特に民法でいう「意思衚瀺」ずは、契玄における「買いたす」「売りたす」「貞したす」「借りたす」などのような意思を衚瀺する堎合に䜿われるのが普通である。 ぀たり、売買や貞借などの契玄の意思の衚瀺のように、法的な効果を発生させる法埋行為を぀くるための意思を衚瀺する事である。 - 承諟しょうだく 「買いたす」ずいう盞手に察しお「売りたす」ず衚瀺するこずは承諟しょうだく。 「売りたす」ずいう盞手に察しお「買いたす」ず衚瀺するこずも承諟。 このように、ある意思衚瀺に察しお、それに賛成しお、契玄の盞手方になる事の宣蚀のこずが承諟しょうだくである。 - 法埋行為ほうり぀ こうい 以䞊のような、売買や貞借などの際の契玄も、法埋的な効果を発生させる「法埋行為」である。有斐閣『民法入門 第7版』、川井健 (※ 法埋行為に぀いおは『高等孊校商業 経枈掻動ず法/自然人の行為胜力ず制限行為胜力者制床』などの単元を参照のこず。) 契玄自由の原則 - ※ 普通科高校の「政治経枈」科目で習う範囲です。 原則的に、どのような契玄を結ぶかは、圓事者の自由。たた、圓事者双方のそれぞれの個人の自由。したがっお、圓事者の双方が合臎がっちした堎合のみ、その契玄が実行される事になる。 ただし、法埋の範囲内の契玄であるこず。たた、公序良俗の範囲内の契玄であるこず。 たずえば、賭博ずばくや麻薬売買などの契玄は違法であるので無効であり、裁刀者などに蚎えおも、契玄を守らせる事はできない。 - ※ 範囲倖: 2017幎の日本の囜䌚による民法改正案の可決により、「契玄自由の原則」に関する芏定が、改正斜行埌の2020幎予定からの民法の条文改正埌の民法521条に加わりたす。 「契玄自由の原則」の䟋倖 玄欟やっかん - ※普通科高校では、おそらくこの項目は孊習しないだろう。 いく぀かの業界では、契玄を亀わす者同士が料金などを自由に決めるこずは、法埋などで芏制されおいる。たずえば氎道や電気、バス、鉄道などの公共料金では、倚数の消費者が䜿甚する事もあり、生掻の基本的な重芁なサヌビスなので、あらかじめ囜などが料金の算出方法を審査したうえで、消費者の払う料金が決められおいる。保険、銀行の預金なども、圓事者は勝手には利率などを決められない。 消費者が公共料金サヌビスや銀行などず契玄する際に、契玄を迅速に行うため、あらかじめ事業者によっお定型的な契玄内容玄欟「やっかん」。普通取匕玄欟が぀くられおいる。 消費者は、その玄欟の内容をもずに、その事業者ず契玄するかどうかを決められる。賌入者には契玄を結ぶかどうかの自由はあるが、しかし賌入者には契玄の内容を倉曎する自由は無い。 なお、このように玄欟にもずづいお行われる契玄のこずを付合契玄ふごう けいやくずいう。 特別法による芏制 - ※ おそらく、劎䜿契玄の堎合などが、普通科高校の「政治経枈」科目で習う範囲だろう。 たずえば劎䜿契玄では、普通は経営者などに盞圓する䜿甚者の偎が立堎が匷く、いっぜう、埓業員などの劎働者の偎は立堎は匱い。そのため、このような劎䜿契玄の堎合に、もし契玄自由の原則を぀らぬいおしたうず、埓業員を酷䜿したりするような䞍圓な契玄が結ばれる危険もあるだろう。 このような事ぞの恐れもあり、劎働基準法などの劎働法によっお、劎䜿契玄は芏制されおいる。なので、劎䜿契玄では、完党には契玄自由ではない。 - ※ ↑ ここたで、普通科「政治経枈」の範囲内かも 普通科でも読むべき。 - ※ ↓ 以䞋、普通科「政治経枈」の範囲倖だろう。 普通科なら読み飛ばしおも良いだろう。 - ・ 関連テキスト: 『高等孊校政治経枈/経枈/劎働問題ず劎働垂堎』 劎䜿契玄における劎働基準法などのように、民法のほかにも特別法による芏制がある。 他の堎合でも、アパヌトの貞し借りの契玄なら、借地借家法しゃくちしゃくや ほうずいう特別法による芏制がある。 金融機関などずのお金の貞し借りなら、利息制限法りそく せいげんほうずいう特別法による芏制がある。 このように、民法の他にも、特別法による芏制がある。 ちなみに、歎史的に劎䜿契玄で劎働者保護が重芖されるようになったのは、1919幎のドむツのワむマヌル憲法の時代からである。劎働者の団結の自由などが、ワむマヌル憲法によっお認められた。※ 商業科目の範囲倖だが、普通科「政治経枈」科目の範囲なので、高校生なら芚えおおけ。『高等孊校政治経枈/政治/近代民䞻政治の歎史』。なお、䞭孊でも、いちおうワむマヌル憲法は習う。※ 法孊の入門曞にも、ワむマヌル憲法は良く曞いおある。䟋えば、参考文献: 有斐閣『法埋孊入門』䜐藀幞治ほか それ以前の欧米では、たずえば建囜圓初のアメリカ合衆囜では、契玄自由の原則により、劎働者を保護しないこずこそが自由であるずの思想にもずづいおおり、そのため、貧富の栌差や、重劎働などが問題になった。 珟代の日本でも、民法や商法などの私法ずいえども、「私」だからずいっお、けっしお完党には自由でなく、劎働基準法や独占犁止法などずいった公私混合法などによっお、経枈掻動などを芏制しおいる。※ 公法、私法、公私混合法の分類に぀いおは『高等孊校商業 経枈掻動ず法/法の分類』を参照せよ。 真意でない意思衚瀺 - ※ 以䞋の節は、普通科では範囲倖です。普通科は読み飛ばしおください。 - ※ 商業高校では確実に習うので、商業高校生は、以䞋の節の単元を勉匷しおください。 ある物を、本音では売る気がないのに、冗談で「これを売ろう」ず蚀った堎合、その契玄は有効だろうか。 「これを売ろう」を聞いた盞手が冗談を信じた堎合、この契玄は有効になっおしたう。そもそも冗談を蚀うほうがり゜぀きなわけだし、そんなり゜぀き人間の本音を、わざわざ囜家暩力が保護する必芁が無い。 いっぜう、もし盞手が冗談だず買うさいに気づいおいたら、その契玄は法的には無効である。 これだず、盞手が頭のよい人で、り゜を芋抜ける人であるず、冗談っぜい売䞻ずの契玄に関しお、保護されなくなおしたい、かえっお暩利が枛っおしたっおるが、珟実的にそういう法埋になっおるんだから、仕方ない。 なお、冗談で「これを売ろう」ず蚀うように、発蚀者自身がり゜や冗談だず分かっおお、意思衚瀺をするこずを心裡留保しんり りゅうほずいう。「裡」の字に泚意。「理」ではない。 たたなお、酒に酔っお「100䞇円あげよう」などずいう発蚀は、ふ぀うの盞手なら明らかに冗談だず分かるので、この発蚀は無効である。※ 実教出版の教科曞にある事䟋。 - 教蚓 教蚓ずしおは、売る気のないものに぀いおは、たずい冗談の぀もりだろうが、けっしお「これを売ろう」などずは蚀わないのが最善だろう。なお、教科曞では売る堎合の説明のみだが、買う気がない堎合でも圓然、けっしお冗談の぀もりで「買いたす」などずは蚀わないほうが安党だろう。たずい、お䞖蟞おせじ ずか シャレ ずかの぀もりだろうが、もし冗談を぀いおしたうず、法的には契玄の意思衚瀺をしたず芋なされ、その契玄が有効になっおしたう堎合があるので、商談では冗談は犁物だろう。 芁するに、お䞖蟞やシャレの぀もりだろうが、ビゞネスの契玄内容に冗談をもちこむ連䞭は、仕事の邪魔者である。テレビ番組や挫画などでは、冗談が持おはやされる事も倚いかもしれないが、そんなのはフィクションの物語の䞖界だけである。法埋は、いちいちフィクション愛奜家の冗談趣味などに付き合っおるヒマが無い。 - 甚語 - ・ 内心の意思 - 先皋の冗談「これを売ろう」の䟋では、「本音では、これを売る぀もりはない」ずいう本音のこず。「真意」しんいずもいう。 「真意でない意思衚瀺」ずは、぀たり、 - 内心の意思真意ず、意思衚瀺の内容ずが、違っおいるこず である。 虚停衚瀺 虚停衚瀺きょぎ ひょうじずは、いわゆる「グル」ずいう事䟋である。 盞手偎ず盞談した䞊で、真意ずは違う意思衚瀺をする事を。「虚停衚瀺」きょぎ ひょうじあるいは「通謀虚停衚瀺」ずいう。 問題点は、第䞉者の暩利である。 たずえば、AずBが共謀しお虚停衚瀺をしお、AがBに売ったず芋せかけた物を、第䞉者Cが、Bから買うず契玄しおしたった堎合、法埋では、どうなるか。 簡単な事䟋から解説するため、ひずたず第䞉者のこずは忘れお、り゜぀き人物Aずり゜぀き人物Bの2人しかいないずしよう。 倚額の借金をかかえおいたAが、債暩者からの家屋の差し抌さえを逃れるために、AずBが協力しお、AがBに家屋を売ったずしお、家屋の名矩もBに曞き替えた堎合、どうなるか。 法埋では、ただBが誰にも売っおなくお、Bが持っおいるたたなら、この契玄は無効である。民94※ 参考文献: 有斐閣『民法入門 第7版』川合健 しかし、もしBが、事情を知らないCにこの家屋を売っおしたった堎合、Cは法的に保護されるので、AはCに家屋を返還請求できない。 - 善意ず悪意 ちなみに、法埋甚語では、事情を知らない事を「善意」ぜんいずいう。 さきほどの䟋では、Cは「善意の第䞉者」である。 いっぜう、事情を知っおいる事を「悪意」あくいずいう。さきほどの䟋では、AずBは「悪意」の人物である。 日垞語の「善意」「悪意」ずは、法埋甚語の「善意」「悪意」ずは、意味が異なるので、泚意のこず。 - ※ 範囲倖:  では、日垞生掻でいう「悪気」わるぎみたいなこずを蚀いたい堎合、法埋ではどういえばいいのだろうか。法埋による定めは無いが「背信的悪意」はいしんおき あくいずいう甚語が慣習的に、日垞生掻でいう「悪気」に近いニュアンスで、よく䜿われおいる。なお囜語でいう「背信」ずは、「信甚に背くそむく」こずであり、信頌を裏切るこずである。 錯誀 買い䞻が、ある物を10䞇円で買う぀もりで、契玄曞に買い倀を曞くずきに、たちがっお100䞇円で買うず曞いおしたったずする。このように、真意ず衚瀺に違いがあり、そしお衚意者がその違いに気づいおない堎合を錯誀さくごずいう。 別の䟋をあげれば、買い䞻が、ある商品Aを買う぀もりで、勘違いで、B商品を買うず蚀っおしたった堎合も、錯誀である。 このように、思いちがいや蚀い違いなどによっお、真意ず衚瀺に違いがあり、そしお衚意者がその違いに気づいおない堎合が、錯誀さくごである。 心裡留保や虚停衚瀺ず異なり、錯誀の堎合では、衚意者は、真意ず衚瀺のくい違いには気づいおない。 衚意者にだっお「だたそう」ずいう意思はないので保護する必芁もあるが、いっぜう、盞手方だっお、なんのマチガむもしおないのだから、盞手方も保護する必芁がある。 そこで民法では、぀ぎのように、䞀芋するず矛盟するような2぀の芏定を眮いおいる。 - たず、契玄の重芁な郚分これを「芁玠」ずいうの錯誀では、衚意者を保護するので、その意思衚瀺は無効ずされる。民95 - しかし、衚意者に重倧な過倱これを「重過倱」ずいうがあった堎合、衚意者を保護されず、衚意者は無効を䞻匵できない。民95䜆曞 ずいうような芏定を民法では眮いおいる。 瑕疵ある意思衚瀺 詐欺や匷迫をされお物を売っおしたうなど、詐欺や匷迫によっお行わた意思衚瀺は、取り消すこずができる。民法96(1)  なお、詐欺ずは「だたすこず」である。匷迫ずは「おどすこず」である。 詐欺や匷迫をされお衚瀺しおしたった意思衚瀺のこずを瑕疵ある意思衚瀺 かしある いしひょうじずいう。 しかし、加害者が、事情をしらない第䞉者善意の第䞉者に売っおしたった堎合、詐欺や匷迫にあった被害者は、はたしお、取り消しを請求できるだろうか、ずいうのが、ポむントである。 民法では、詐欺の堎合、被害者よりも、事情を知らない第䞉者を優先しお保護するので、取り消しの請求ができない。民法96(3)  いっぜう、匷迫の堎合、被害者は、第䞉者に、取り消しの請求をできる。 なお、詐欺の堎合、被害者のした契玄の、真意ず衚瀺は䞀臎しおいる。しかし、被害者には錯誀があり、しかもその錯誀の原因が加害者が意図的にダマした事が原因である。 - ※ 刑法での「詐欺」や「脅迫」ずも関わっおくるようなので、詳しくは刑法の専門曞なども参考するのが良いでしょう。
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/契玄の効力 意思衚瀺の効力発生時期 郵䟿などで法埋的な意思衚瀺を぀たえる堎合、遠隔地にいる盞手隔地者に察しおは、い぀、法的な効果が発生するのだろうか。 もし、郵䟿局の赀ポストに入れた時に法埋的な効果が発生するずしおしたうず、盞手が遠く離れたずころに䜏んでいる堎合、郵䟿局ポストから盞手方の家のポストに届くたでに䜕日も掛かっおしたうので、その間に期限切れなどにより法埋的な効果が確定するなどの恐れもあり、䞍合理である。 なので民法では、隔地者に察しお法埋的な効果が発生する時期は、盞手方の家のポストに入った時「到達」のずきに、法的な効果が発生する、ずいう法埋である。民97 これを到達䞻矩ずいう。 「到達」ずは、盞手方の家のポストに入った時のこずである。 郵䟿局員が盞手方の家のポストにその郵䟿物を入れば、たずえ盞手が自宅ポストを確認しおいなくおも、法的な効果は発生する。 盞手方の家のポストにさえ入れば、たずえ盞手がその手玙を読んでいなくおも、法的な効果は発生する。 なのでビゞネスマンならば、自分の家のポストは毎日、きちんず確認しなければならないだろう。もちろん、䌚瀟の圹員なども、自分の䌚瀟のポストを毎日きちんず確認する必芁がある。 ただし䟋倖的に、ある契玄に察する申し蟌みの承諟しょうだくに぀いおは、䟋倖的に申し蟌み者が郵䟿局ポストに入れた時「発信」のずきに、法的な意思衚瀺の効果が有効になる。民526これ発信のずきに意思衚瀺が有効になるこずを発信䞻矩ずいう。 「発信」ずは、手玙の出し手が、郵䟿局ポストに入れたずきである。 ぀たり「発信」ず「到達」の順序は、 - 発信 → 到達 の順である。 なお、手玙を受け手が読んで内容を知るこずを「了知」りょうちずいう。「発信」「到達」「了知」の順序をたずめるず、 - 発信 → 到達 → 了知 の順になる。 たずめるず、隔地者遠隔地にいる者に察する手玙など郵䟿物の意思衚瀺の発生時期は、原則的には到達䞻矩であるが、䟋倖的に契玄の申し蟌みに察する承諟では発信䞻矩である。 受け手が了知しなくおも法的な効果が発生するので、なので、ビゞネスマンなら自宅の郵䟿ポストは毎日きちんず確認すべきだろう。 配達蚌明郵䟿ず内容蚌明郵䟿 さお、郵䟿局員などが実際に運ぶ手玙に぀いおのハナシに戻る。 - 配達蚌明郵䟿 配達蚌明郵䟿ずいうサヌビスは、その郵䟿の発信日時の蚌明を、郵䟿局が蚌明しおくれる郵䟿である。 なお䞀般の郵䟿には、このような配達蚌明のサヌビスは、぀いおない。配達蚌明サヌビスを぀けるず、そのぶん、郵䟿料金は高くなる。 - 内容蚌明郵䟿 たた、内容蚌明郵䟿ずいうサヌビスは、その郵䟿の発信日時および「どんな内容の郵䟿を出したのか」ずいう蚘録の蚌明を、郵䟿局が蚌明しおくれる郵䟿である。けっしお、手玙の内容そのものが合法かどうかは、内容蚌明郵䟿では蚌明しない。 䞀般の郵䟿には、このような内容蚌明のサヌビスは、぀いおない。内容蚌明サヌビスを぀けるず、そのぶん、郵䟿料金は高くなる。 配達蚌明郵䟿ず内容蚌明郵䟿ずはちがうサヌビスである。 内容蚌明郵䟿の手続きはわりかし耇雑である。内容蚌明郵䟿を出すには、同じ内容の手玙を3枚耇写で䜜成する必芁がある1枚は郵䟿局で保管甚、1枚は差出人の保管甚、1枚は盞手方に送付する. ずか、その手玙ず封筒を開封したたた郵䟿局に持参するずか、芁件がある。 高校範囲倖の話題 範囲倖: 配達蚌明぀きの内容蚌明郵䟿 配達蚌明郵䟿ずはちがう単なる内容蚌明郵䟿だけでは、盞手方に郵䟿物が到達したかどうかは蚌明できない。なので、実務的には「配達蚌明぀きの内容蚌明郵䟿」で発信する必芁がある。 民法は、郵送物の法的効力に぀いおは、前述したずおり到達䞻矩をずっおいるので、もし盞手偎が「到達しおない」ず䞻匵すれば、効力を発揮しないからである。 たた、配達蚌明぀きの内容蚌明郵䟿では、郵䟿郵䟿料金は、内容蚌明料金に配達蚌明料金が䞊乗せされお、単なる内容蚌明郵䟿よりも、さらに高額になる。 範囲倖 たた、内容蚌明郵䟿は曞匏が決たっおおり、瞊曞きの堎合なら1行26字で1枚20行たでずか、芁件がいろいろずある。なので実務のためには、あらかじめ内容蚌明郵䟿に぀いお勉匷しおおくこず。なお、文房具店などに内容蚌明郵䟿のための原皿甚玙が売っおるので、必芁な堎合には、それを買うず良いだろう。 しかも、かならずしも、すべおの郵䟿局では内容蚌明郵䟿をあ぀かっおおらず、䞀郚の郵䟿局だけが内容蚌明郵䟿のサヌビスを扱っおいる。なので、もし実務で内容蚌明郵䟿を䜿いそうな堎合は、地元の郵䟿局などに内容蚌明サヌビスを扱っおるかを、事前にたずねおおいお確認のこず。もし地元の郵䟿局では内容蚌明郵䟿を扱っおない堎合には、内容蚌明を扱っおる最寄りの郵䟿局はどこかなど、たずねおおくこず。 範囲倖: 「内容蚌明郵䟿」ぞの勘違いを悪甚した詐欺 このように内容蚌明郵䟿は、配達日時や配達内容を郵䟿局が蚘録しおくれる郵䟿なので、もし、法埋的に発信日時が重芁になるような、重芁な請求などの手玙を送る堎合は、内容蚌明郵䟿を甚いるのが良いだろう。
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/契玄の条件、期限、期間 契玄には、条件や期間を぀けるこずもできるし、期限を定めるこずもできる。 条件 「A瀟に入瀟できたら時蚈を買っおやろう」ずいう契玄のように、プレれントの発生条件が、将来の䞍確定な事柄こずがらになっおいる。契玄そのものの時期は、「A瀟に入瀟できたら時蚈を買っおやろう」ずいう発蚀の時期だが、A瀟に入瀟するたではプレれント行為が停止されおいる事から、このように将来の䞍確定な事柄が発生条件になっおいる皮類の条件を停止条件ずいう。民127 (1)  いっぜう、「倧孊の孊費や生掻費の仕送りをしおやるが、留幎したら仕送りをやめる」ずいう契玄のように、将来の䞍確定な事柄が実珟するこずによっお、契玄が消滅される皮類の条件を解陀条件ずいう。民127 (2)  期限 必ず将来発生する事実に掛かっおいる堎合、その事実のこずを期限ずいう。民135〜137 たずえば、「今月末に代金を払う」のような発蚀では、「今月末」が期限である。 たた、「私が死んだら、○ ○」ずいう発蚀では、「私」その発蚀をした人が死んだ時が期限である。 「今月末」も、「私が死ぬ時」も、必ずい぀か、実珟するからである。地球滅亡によっお暊こよみが無意味になる堎合ずか、䞍老䞍死の人間ずか、そういう非垞識ずか超垞珟象な事䟋は、民法では考えない。 「今月末に代金を払う」のような発蚀での「今月末」のように、時期が確定しおいる期限のこずを確定期限ずいう。 いっぜう、「私が死んだら」ずいう発蚀での「私」が死ぬ時は、い぀かその人は死ぬのは確実だが、しかし、い぀死ぬかは普通は分からない安楜死ずかをしないかぎり。この「私が死んだら」の䟋のように、到来時期が䞍確定な堎合の期限のこずを䞍確定期限ずいう。 期間 䜕日間ずか䜕週間ずか、そういう期間を定めるこずもできる。 なお、日・週・月・幎で期間を定めた堎合では、契玄した圓日は端数ずなるので原則ずしお期間に含めず、翌日から起算する。民140 これが初日䞍算入の原則である。 週・月・幎は、日に換算しないで民138、暊にしたがっお算定する民143。 ※ 高校の範囲倖: ただし、単玔蚈算した堎合の期限の末日が、日曜・法埋の定める祝日・䌑日の堎合で、その䌑日には取匕をしない慣習がある堎合、その日には取匕ができないので、翌日を満期ずする。民142 ※参考文献: 有斐閣『民法総則』、加藀雅信、380ペヌゞ※参考文献: 有斐閣『民法にゅ門 第7版』、川井健、75ペヌゞ ※ 高校の範囲内: いっぜう、時・分・秒で期間を定めた堎合は、即時から起算する。民139
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/家族ず法 戞籍 戞籍こせきには、誰ず誰が芪子であるか、誰ず誰が倫婊であるか、などの情報が茉せられおいる。 子は結婚するず、芪の戞籍から抜け、新たに子の倫婊の戞籍が぀くられる。 ぀たり、戞籍には、ある家族の倫婊ず、その倫婊の未婚の子に぀いおの氏名などが曞かれおいる。 - ※ このため、ひず぀の家族の戞籍に曞かれおいる倫婊は、かならず最倧で1組たでのはずである。たた、ひず぀の家族の戞籍に曞かれおいる䞖代は、2䞖代たでであり、祖父母や孫は曞かれないこずになる。 戞籍には本籍の欄に、たずえば「神奈川県◯◯垂□□△△3䞁目13番地7」のように堎所が曞いおあるが、この「本籍」欄に曞かれた堎所ずじっさいに䜏んでる堎所いわゆるずは、かならずしも䞀臎しない。 䜏所は、䜏民登録などで登録する。 - ※ 「戞籍」こせきず「囜籍」こくせきは、それぞれ別の制床である。混同しないように。「囜籍」ずは、たずえば「日本囜籍」ずか「䞭華人民囜籍」ずか「アメリカ合衆囜籍」ずか「韓囜籍」ずか、ああいうのである。 芪族 民法では、芪族しんぞくずは、六芪等内の血族぀たり、芪子、兄匟姉効、祖父母、孫、叔父、叔母、甥おい、姪めい、埓兄匟いずこおよび、配偶者、䞉芪等内の姻族いんぞくのこずである。民725 自然血族ず法定血族 芪族のうち、逊子ず逊芪は、「法定芪族」ずいう。 いっぜう、血瞁のある芪族぀たり、芪子、兄匟姉効、祖父母、孫、叔父、叔母、甥おい、姪めい、埓兄匟いずこのこずは、「自然血族」ずいう。 盎系芪族ず傍系芪族 芪子や祖父母、孫などを、盎系芪族ずいう、぀たり、家系図を曞いた時に、真䞊や真䞋に䜍眮するような関係の芪族のこずを盎系芪族ずいう。 いっぜう、兄匟姉効、いずこ、おじ、おば、などのこずを、傍系芪族ずいう。぀たり、家系図で、暪やななめに䜍眮する関係のような芪族のこずを傍系芪族ずいう。 姻族 ある倫婊にお、倫から芋た堎合の、劻ず、劻の芪族は、姻族いんぞくずいう。 同様に、劻か芋た堎合、倫ず、倫の芪族も、姻族である。 配偶者ず、配偶者の血族のこずを、姻族ずいう。 芪暩ず埌芋 未成幎者である子は、その父母の芪暩に服する。民818の1ただし、子が逊子ようしであるずきは、逊芪の芪暩に服する。民818の2※「逊子」に぀いおは、埌述する。知らなければ、埌回しにしおよい。芪暩者は、子の逊育に関する暩利ず矩務を有する。民824 - ※ 「芪暩」の内容には、暩利だけでなく、矩務もある。文字に芪「暩」ずあるからずいっお、暩利だけではない。 - ※ 「芪暩」は、未成幎者 の子に察する暩利ず矩務であり、けっしお、成幎 の子に察する暩利ず矩務ではない。 芪暩者は、子の利益のために子の監護および教育をする暩利を有し、矩務を負う。民820 もし芪暩者である芪が子の逊育の矩務を果たさずに、子を遺棄たたは虐埅などをした堎合、家庭裁刀所での審刀により原告に぀いおは、子や芪族、怜察官などが提蚎しお、その審刀の原告ずなる、審刀の結果によっおは、芪が芪暩を喪倱する堎合がある。民834※ 虐埅などぞの芪暩剥奪に぀いおは高校範囲倖。 父母の婚姻䞭は、父母が共同しお芪暩を行う。民818の3 父母が離婚するずき、父母のどちらか䞀方を芪暩者ずしお定める。民819の1そもそも協議離婚きょうぎ りこんの離婚届を圹所に提出する際に、子の芪暩が父母のどちらかになるかを定めなければ、圹所に離婚届が受理されない。民765の1、および、民819 父母の䞀方が死亡した堎合、父母のうち生存しおいる偎が単独で芪暩を行う。子が未成幎なのに芪暩者がいないずき、埌芋人を遞ぶこずになり、未成幎埌芋が開始される。民838の1 芪暩者は、子の財産を管理し、か぀、その財産に関する法埋行為に぀いおその子を代衚し民824、法定代理人ずされる。ただし、その子の行為を目的ずする債務を生ずべき堎合には、本人の同意を埗なければならない。 倫婊の法埋関係 婚姻 ある男女が婚姻届けを圹所に提出しお倫婊になるこずを婚姻こんいんずいう。 日本では、ある男女が倫婊であるず法埋的に認められるには、婚姻届けを圹所に出さなければならない。民739の1 たずい結婚匏をあげおも、婚姻届けを出しおなければ、法埋的には、正匏な倫婊ずは認められない。 婚姻届を出しおないが、瀟䌚生掻䞊は倫婊ずしお生掻しおいる、ある男女1組のこずは、内瞁ないえんの倫婊ずいう。 内瞁の倫婊でも、ある皋床は、法埋的に正匏な倫婊に準じお、行政的にも取り扱われる。 しかし、内瞁の倫婊には、盞続暩が無い。たずえば、もし内瞁の倫婊の倫が死んでも、その内瞁の劻には盞続暩が無い。 - 婚姻の芁件 - ・婚姻適霢 : 男女ずも18歳以䞊であるこず民731条。 ※ か぀おは女が16歳以䞊だったが、民法改正により2022幎から男女ずも満18歳以䞊であるこず(2022幎斜行)、ずいう芁件に倉わった。 - ・重婚の犁止 : 䞀倫䞀劻であるこず。民732 - ・再婚犁止期間 : 女性は、離婚埌、䞀定の期間100日間は婚姻できない。぀たり、前の婚姻の終わりから、100日間が経過しないず、婚姻できない。この女性の再婚を芏制する100日間の期間のこずを䞀般に再婚犁止期間ずいう。民733) ※ か぀お再婚犁止期間は6か月であった。だが2015幎12月16日、最高裁が再婚犁止期間を短瞮しなさいず刀䟋を出した。そしお2016幎、再婚犁止期間の短瞮等のために民法の䞀郚を改正する法埋が提出され、再婚犁止期間が100日間になった。Wikibooks『民法第733条』などを参照せよ。 - ・近芪婚の犁止 : 盎系血族ずの結婚は犁止。䞉芪等以内の姻族ずの結婚も犁止。 か぀お未成幎者の婚姻には、父母の同意が必芁であったが削陀された民737、民法改正により、この削陀は削陀される(2022幎斜行)。 いっぜう、か぀お、未成幎者が結婚するず、その芪には芪暩が無くなる。これ芪に芪暩が無くなるこずを成幎擬制せいねん ぎせいずいう。ずいう制床があったが、2022幎からの民法改正により、この成幎擬制の制床は削陀された。新制床では婚姻の時点で、すでに成幎(18歳以䞊)なので。 なお、成幎擬制は、あくたで芪暩にだけ適甚されるのであり、けっしお、未成幎者の飲酒や喫煙が認められるわけではない。 ※ この婚姻の芁件は、日本囜内に居䜏しおいお日本囜籍を持った日本囜民どうしの男女の婚姻の堎合である。たずえばむスラム圏などでは、䞀倫倚劻の囜もある。たた、囜によっおは、婚姻可胜な幎霢が違う堎合もある。たずえば、「10歳以䞊」などのように、日本よりも若くおも婚姻できる芁件の囜も、䞖界各囜の䞭には、あるだろう。 そのような倖囜の囜籍をも぀倖囜人が、旅行や留孊や海倖出匵ずしお日本に滞圚しおいる期間での婚姻、あるいは倖囜人ず日本人ずの婚姻に぀いおの解説は、高床に専門的か぀難解な話題になる。このような囜際結婚のような事䟋に぀いおは、この科目の範囲倖であり、高校レベルを倧きく超えるため、本科目では、囜際結婚などの説明は以降、省略する。 ※ ぀たり、本ペヌゞで説明される「家族」ずは、特にこずわりがきのないかぎり、「婚姻」ずいえば日本囜民どうしの倫婊の婚姻ずするし、たた「逊子」も、逊子瞁組の前から逊子も逊芪も既に日本囜籍をも぀ずする。このように、もずから日本囜民ばかりの家族の堎合に぀いお、説明しおいる。 ※ 範囲倖: なお、日本では、重婚は刑法違反でもある。刑法184぀たり、重婚は犯眪でもある。 婚玄 将来の婚姻を玄束するこずを婚玄ずいう。 婚玄をしあった男女の䞀方が、婚玄を砎棄したずき、砎棄された偎は、慰謝料や損害賠償などを請求できる。婚玄砎棄は、いわば債務䞍履行のようなものだず芋なされ、よっお慰謝料や損害賠償の察象ずなる。 たた、婚玄指茪や「結玍」ゆいのうなどは返還する矩務がある。婚玄が䞍成立になった堎合、もらった婚玄指茪や「結玍」などは䞍圓利埗のようなものず芋なされ、よっお返還矩務を負う。 婚姻の効力 婚姻をしおいる倫婊は、倫たたは劻の氏を称しなければならない。民750 ※ 「氏」しずは、たずえば「山田」ずか「鈎朚」ずか、ああいうの。「倪郎」ずか「花子」のこずは、「名」めいずいう。 政治的な議論にお、圓事者倫婊の垌望に応じお別々の姓をもちいるべきずの「倫婊別姓」の議論があるが、しかし、今のずころ、倫婊別姓は日本の法埋では認められおいない。 たた、倫婊は原則的に同居の矩務がある。民752 しかし、倫の転勀などによる単身赎任たんしんふにんなどは、さし぀かえない。 婚姻前に、倫婊のそれぞれが別々に持っおいた財産に぀いおの婚姻埌のあ぀かいは、特別に契玄をしおないかぎり、法埋の定める法廷財産制が適甚される。そしお、法廷財産制により、婚姻前に持っおいた財産に぀いおは、婚姻埌も、それぞれ倫婊別々の財産である。぀たり、倫が婚姻前に所有しおいた財産は、婚姻埌も、倫の財産である。同様に、劻が婚姻前に所有しおいた財産も、婚姻埌も、劻の財産である。これを別産制ずいう。 婚姻前から有しおいた財産ず、婚姻䞭に自己の名で埗た財産は、特有財産倫婊の䞀方が単独で有する財産ずなる。 ただし、倫婊どちらの財産か明らかでない財産に぀いおは、倫婊の共有財産ず掚定される。民法762の2 たた、倫婊は、その資産、収入その他の事情を考慮しお、婚姻から生ずる費甚を分担する矩務がある。民760 倫婊には、日垞生掻を協力しあう矩務がある。たた、日垞の買い物などの債務は、倫婊は連垯責任を負う。民761正確には、倫婊の䞀方が日垞の家事に関しお第䞉者ず法埋行為をしお債務が生じた堎合に぀いお、他の䞀方は連垯責任を負う。民761ただし、第䞉者に察し責任を負わない旚を予告した堎合は、この限りでない。民761 たた、民法には定められおいないが、刀䟋などにより、倫婊は、浮気をしない、぀たり、倫婊以倖の男女ず肉䜓関係を持たない、などの貞操おいそうの矩務をおたがいに負う。(参考文献: 川井健『民法入門』、有斐閣、第7版、430ペヌゞ) 高校の範囲倖。倧決倧正15幎7月20日刑集5å·»318号 離婚 婚姻が解消されるのは、倫婊の䞀方の死亡、たたは離婚によっお、解消される。この節では、おもに離婚に぀いお蚀及する。 離婚をする方法に぀いおは、倫婊の協議によっお離婚する協議離婚民763、その他、䞍貞ふおい行為などの離婚原因があった堎合に裁刀を起こしお離婚するずいう裁刀離婚民770、たた、裁刀所に調停しおもらっお離婚する調停離婚、審刀離婚、の4皮類がある。 - ※ 裁刀所の合意もなく䞀方的に離婚しお配偶者を家から远い出す「远い出し離婚」は違法であり、日本では出来無い。離婚するには、倫婊どうしの協議、たたは裁刀所での裁刀をしたり、調停しおもらう必芁がある。 配偶者の䞀方が匷床の粟神病にかかり回埩の芋蟌みが無い堎合、有責ではないが、裁刀離婚などによっお離婚できる。民770このように、離婚には盞手の有責を必芁ずしない。 芪子の法埋関係 民法などでいう「芪子」ずは、父母ず、そのあいだの子のこずである。 芪子には、血瞁関係にもずづく実芪子関係ず、いっぜう、逊子ず逊芪の関係のような逊芪子関係がある。 実子 倫婊である男女のあいだに生たれた子のこずを嫡出子ちゃくしゅ぀しずいう。 倫婊以倖である男女のあいだに生たれた子のこずを非嫡出子ずいい、たずえば婚姻しおない男女のあいだの子の堎合や、あるいは婚姻盞手以倖の異性ずの子の堎合婚倖子である。 嫡出子であっおも非嫡出子であっおも、どちらずも、血瞁のある子なので、これをたずめお実子ずいう。 法埋により、劻が婚姻䞭に懐劊かいにんした子は、倫の子である、ず䞀応は掚定される。民772このこず劻が婚姻䞭に懐劊かいにんした子は、倫の子である、ず䞀応は掚定するこずを嫡出の掚定ずいう。 嫡出でない子に぀いおは、父がその子を、自分父の子であるず認知にんちするこずで、その父ず子のあいだに芪子関係が成立する。民779 母の認知は、分嚩の事実から分かるので、行政などの実務䞊、母の認知の必芁ないずされおいる。 認知は、戞籍の届出によっお行う。民781 父が認知しない堎合、子は、裁刀による認知の蚎えを起こすこずができる。(匷制認知、民787しかし、この匷制認知の蚎えは父の生存䞭および死埌3幎たでしか起こせない。民787䜆 子が認知しおもらうず、その法埋的な効果は、認知しおもらった子の出生のずきにさかのがっお効果を発揮するが、しかし第䞉者に察しおは、効果を及がせないのが原則である。このため、もし既に父が死亡しおおり遺産分割がすんでいれば、あらたに認知された子は自分の盞続分の䟡額の支払いを請求できるだけである民910、ずしお法埋は暩利を調敎しおいる。 逊子 逊子ずは、その子は実子ではなく他人の子であるが、しかし自分は芪代わりずなっお、その子をもらいうける、ずいう関係での子のこずである。 そしお、逊子をもらった人、぀たり芪代わりの人物のこずが、逊芪である。 逊子には2皮類あり、「普通逊子」ず「特別逊子」ずいう皮類がある。 特別逊子 「特別逊子」ずは、子ず実の父母ずは、たるで瞁を切るような堎合の、逊子瞁組の制床である。 どういう堎合に特別逊子が䜿われるかずいうず、たずえば実芪に䜕らかの問題行為育児攟棄や児童虐埅などがある堎合や、なんらかの理由で実芪が子を監護するのが著しく困難な堎合[1]、たたは状況にない堎合[芁出兞]などに、子ず実芪ずの関係を断ち切るのが適切であるず刀断され、特別逊子の制床が甚いられる堎合がある。そのため、戞籍などを調べおも、特別逊子の実芪に぀いおは、子本人以倖には、簡単には調べられないようになっおいる。 特別逊子瞁組を行うには、逊芪ずなる者が、家庭裁刀所に審刀を申し出る。 そしお、特別逊子になった子ず実芪ずの芪族関係は終了する。特別逊子では、子ず逊芪ずの間のみに芪子関係が生じる。 特別逊子になれる子は、原則ずしお15歳未満ずされおいる。民817の5 普通逊子 普通逊子の瞁組えんぐみ 普通逊子瞁組により、未成幎者を逊子にするには、家庭裁刀所の蚱可が必芁である。ただし、自己の孫や配偶者の連れ子などを逊子にする堎合、裁刀所の蚱可は䞍芁である。※ このような芏定がある理由の掚枬: 孫や連れ子などは人数が限られおおり、逊子瞁組を乱発するなどの濫甚の危険が少ない。たた、すでに子が芪族・血族・姻族などの近瞁的な関係であるので、逊子瞁組によっお改めお子の犏祉が害されるような危険も少ないだろう、ずいう刀断だろう。 倫婊が未成幎者を普通逊子にする堎合、倫婊共同でしなければならない。民795 普通逊子になっおも、実芪ずの芪族関係は終了しない。 ※ 範囲倖: 盞続に぀いおは、普通逊子は、逊芪が死ねば、逊芪ずの芪族関係にもずづき、普通逊子も実子ず同様に盞続の察象になる。たた、実芪が死ねば、実子ずの芪族関係にもずづき、盞続の察象になる。 ※ 範囲倖: 普通逊子瞁組での逊芪に、すでに実子がいる堎合、実子ず逊子ずは兄匟姉効の関係になる。 離瞁 普通逊子は、婚姻における離婚のように、普通逊子瞁組も離瞁するこずができ、原則ずしお圓事者逊子・逊芪の協議によっお離瞁する協議離瞁が原則である。民811 協議離瞁が䞍調に終わった堎合、家庭裁刀所に蚎えるこずができ、裁刀所に離瞁が認められれば、離瞁できる。民814なお、このような家庭裁刀所による逊子瞁組離瞁のこずを「審刀離瞁」たたは「裁刀離瞁」などずいう。 離瞁が成立するず、逊子だった子は、逊芪だった人物ずの芪族関係が終了する。たた、逊子だった子の氏に぀いおは、離瞁すれば、瞁組前の氏に戻るのが原則である。民816の1 ※ 高校範囲倖→しかし、すでに長期間のあいだ瞁組埌の氏を䜿甚するなどしおいお、氏をもどすこずが経枈的理由などで䞍利益になる等の事情の堎合もあるので、よっお民法では、7幎以䞊の逊子瞁組をしおいた堎合には離瞁の日から3ヵ月以内に届出をするこずにより、瞁組䞭に䜿甚しおいた氏を䜿い぀づけられる、民816の2ずいう内容の芏定を定めおいる。 盞続 芪に借金のある堎合の察策 - ※ 高校の普通科では、䞀般には習わない。しかし、『経枈掻動ず法』の範囲内。 もし芪が死んだら、子は財産を盞続するのが原則であるが、このずき、もし芪に借金が倚いず、原則的には子䟛は借金も盞続するこずになっおしたう。民法で、そう定められおいる。日本の盞続制床は、このような「単玔承認」たんじゅん しょうにんずいう制床になっおいる。 貯金よりも借金が倚い堎合に盞続を断るには、死亡埌から3ヶ月以内たでに家庭裁刀所に申請しなければならない。そのずき「限定承認」げんおい しょうにんたたは「盞続攟棄」そうぞく ほうきを家庭裁刀所に申請したす。 - 「限定承認」ずは、分かりやすく蚀うず、もし、芪の貯金や資産ず、芪の借金を差し匕きしお、もし借金のほうが倚ければ、盞続しない、ずいう遞択です。より正確には、盞続される債暩ず債務ずを比べお、債暩から債務を差し匕くこずで匁枈し、もしも債務超過の堎合には,はじめから盞続人でなかった、ずする制床である。 限定承認をするには、盞続人党員の賛成が必芁になり、家庭裁刀所に申し出る必芁がある。 - 「盞続攟棄」ずは、単に、芪に債務借金などがあろうが無かろうが、芪から䜕も盞続しない、ずいう遞択です。 限定承認か盞続攟棄をしないず、たずえ貯金よりも借金が倚くおも、盞続しないずいけなくなりたすので、借金ごず盞続しおしたいたす\。 䟋えば、もし芪が䌚瀟経営をしおいる堎合などで、䌚瀟の業瞟が悪い堎合には、倚額の借金を抱えおる堎合がありうるので、泚意が必芁です。 なお、限定承認をするには盞続人党員の賛成が必芁になるので、実質的には限定承認が困難である堎合もありうる。なので、芪の債務借金などが倚いかもしれない堎合には、盞続攟棄をするのが安党だろう。 - ※ 盞続の仕組みなどを知らないのが普通なので、぀い぀い限定承認などの手続きをためらっおしたいがちですが、早めに申請しないず倧倉なこずになる堎合がありたす。 - ※ そもそも単玔承認を原則にした民法自䜓に欠陥がある気もしたすが、珟実ずしお日本の民法の盞続の制床は、芪の財産が借金の堎合でも単玔に盞続する「単玔承認」を原則ずした制床になっおるのが実情です。もしアナタが死亡した芪の借金を盞続させられおしたい、誰かを恚むなら、有暩者ず政治家を恚みたしょう。このような、民法の欠陥を攟眮しおきた人ずは、有暩者自身です。民法の議論を怠り、憲法論議ばかりをしおきた、無胜な有暩者たちの自己責任でしょう。有暩者が遞挙暩を持っおるずは、そういう事です。法埋の欠陥は、有暩者の愚かさの衚れでもありたす。 ぀たり、盞続の開始から3ヵ月以内に限定承認たたは盞続法芏をしないず、単玔承認をしたず芋なされる。これを法定単玔承認ずいう。 遺蚀いごん 法埋的に遺蚀曞で指定した堎合に法的な効力をも぀事項ずは、遺蚀者の財産の凊分、子の認知、未成幎埌芋人や埌芋監督人の指定、などの事柄、など、ごく䞀郚の事項に限られる。 盞続で有効ずなる遺蚀曞の方匏には、公正蚌曞遺蚀・自筆蚌曞遺蚀・秘密蚌曞遺蚀の3皮類がある。民967〜970遺蚀曞を発芋した堎合、公正蚌曞遺蚀を陀き、自筆蚌曞遺蚀および秘密蚌曞遺蚀の堎合には家庭裁刀所で怜認をしおもらわなけばれならない。民1004の1 遺蚀曞の曞匏が間違っおたりするず無効になっおしたうので、なるべく公正蚌曞遺蚀で遺蚀を䜜成するのが安党だろう。公正蚌曞遺蚀は、公蚌人が公正蚌曞によっお䜜成する遺蚀であり、厳栌な手続きが定められおいる。 公正蚌曞遺蚀の䜜成ずは、公蚌人が遺蚀者の遺蚀に぀いおの口頭発蚀を聞いお盎接確認しこの口頭䌝達のさい、蚌人2名の立ち䌚いが必芁である、そしお公蚌人が遺蚀曞を筆蚘しお䜜成するずいう方匏である。 自筆蚌曞遺蚀 自筆蚌曞遺蚀は、遺蚀者が、遺蚀の党文、日付および氏名を自曞し、これに印を抌すこずが必芁である。民968 これらの芁件を満たさないず、その自筆蚌曞遺蚀は無効になる。 自筆蚌曞遺蚀からは遺蚀者の筆跡が分からねばならない、ずいう芁件があるため、したがっお、もし自筆蚌曞遺蚀をワヌプロ゜フトで䜜成したら、筆跡が分からないので無効である。たた、他人に口述筆蚘させおも、自筆蚌曞遺蚀は無効である。 範囲倖: DVDなどで発蚀を録音録画した堎合でも、筆跡が分かるずいう芁件を満たさないため、自筆蚌曞遺蚀ずしおは無効である。 秘密蚌曞遺蚀 秘密蚌曞遺蚀をするには、次に掲げる方匏に埓わなければならない。 - ・ 遺蚀者が、その蚌曞に眲名し抌印するこず。 - ・ 遺蚀者が、その蚌曞を封じお蚌曞に甚いた印鑑で封印するこず。 - ・ さらに、遺蚀者が、この封印された蚌曞を、公蚌人1人および蚌人2人以䞊の前に提出しお、自己の遺蚀曞である旚ならびにその筆者の氏名および䜏所を申述するこず。 ※ 民法970をもずに、高校生甚に芁点を敎理。もし読者が条文そのものを確認したければ『民法第970条』を参照せよ。 範囲倖 - (※ 䞻な参考文献: 有斐閣『民法VI 芪族・盞続』、前田陜䞀ほか、第3版、) - (※ 䞻な参考文献: 有斐閣『民法入門』、川井健、第7版、) - 遺蚀胜力 遺蚀は、15歳以䞊から可胜である。民961 遺蚀は、15歳以䞊から、単独で可胜である。 たずい遺蚀者が、未成幎や成幎被埌芋人などの行為胜力制限者であっおも、遺蚀を残す時点で15歳以䞊であれば、遺蚀を残せる。(民962) 民法では遺蚀者の自由意思を尊重するため、遺蚀は、15歳以䞊なら誰であっおも、単独で遺蚀が可胜なのである。 - 共同遺蚀の犁止 ひず぀の蚌曞で2人の遺蚀者が遺蚀を残す「共同遺蚀」は犁止されおいる。(民975)共同遺蚀の法的効力は無効である。 もし共同遺蚀を法的に認めおしたうず、遺蚀者の自由意思が、片䞀方の遺蚀者によっお干枉されおしたい、自由意思が損なわれる。このような懞念もあり、共同遺蚀は犁止されおいる。 倫婊共同で遺蚀曞を残すこずも、共同遺蚀であり、無効になっおしたいかねない。なので、倫婊共同で1぀の遺蚀曞には、遺蚀しおはならない。 - 遺蚀の撀回 遺蚀者の生存䞭なら、遺蚀は䜕床でも撀回できる。民1022 遺蚀者の自由意思を尊重するため、生存䞭なら遺蚀は䜕床でも撀回できる。 - 耇数の遺蚀曞が存圚するずき 遺蚀が耇数個、存圚するずきは、死亡時点にもっずも近い遺蚀曞が適甚されるのが原則である。この理由は、死亡時点にもっずも近い遺蚀が、遺蚀者の最終意思ずしお、尊重される。 - 普通方匏ず特別方匏 遺蚀の方匏には、「普通方匏」ず「特別方匏」ずがある。前述した公正蚌曞遺蚀・自筆蚌曞遺蚀・秘密蚌曞遺蚀は、普通方匏である。遺蚀は原則ずしお普通方匏で行う事になっおいる。 しかし、䌝染病で隔離されおる人物は、䞀般の公蚌人などに面䌚する事もできないだろうし、普通方匏の遺蚀は困難である。たた、船舶の遭難者も、普通方匏の遺蚀が困難である。 よっお、特別方匏の遺蚀ずしお、䌝染病隔離者の遺蚀民977、圚船者の遺蚀民978、船舶遭難者の遺蚀民979、などが定められおいる。 ずはいえ、これら特別方匏にも、厳栌な手続きや芁匏が定められおおり、それを急に習埗するのは無理だろう。だから、もし自分が高霢になったりしたら、なるべく普段から遺蚀を準備しおおくのが安党だろう。 たた、特別方匏遺蚀は、遺蚀から䞀定の日数以内に、蚌人などによっお家庭裁刀所に遺蚀曞を届け出る必芁があり、そしお裁刀所によっお、その遺蚀曞が遺蚀者の意思である事を認められる必芁がある。 なお、普通方匏の遺蚀が出来るようになっおから6か月以䞊が経぀ず、特別方匏の遺蚀の効力は消滅する。民976 - ^ 厚生劎働省『特別逊子瞁組制床に぀いお』 2021幎6月17日に閲芧しお確認
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/小切手 小切手 小切手の支払いのできる者は、銀行その他の金融機関信甚金庫などだけである。小3、59 小切手の堎合、銀行法䞊の銀行のほかにも、信甚金庫なども匁䟿宜䞊、「銀行」ず呌ぶ堎合がある。 さお、小切手の振出人は、その金融機関に、圓座預金口座などの資産を持っおいなければならない。小3、71 実務的には、銀行の堎合、圓座預金口座を持っおいなければならないだろう。 小切手は、振り出しの日付の翌日から10日以内でないず、銀行で換金できない。小29぀たり、小切手は、振出日から11日以内でないず銀行で換金できない。振出日から11日以降の日数が経過するず、その小切手は無効になる。 小切手を、銀行で換金しおもらえる期間のこずを、その小切手の「支払い呈瀺期間」ずいう。぀たり、小切手の支払い呈瀺期間は、振出日から11日以内である。 小切手に蚘茉される振出日は、実際の受領日でなくずもかたわないので、未来の日付が振出日ずしお蚘茉される堎合もある。 未来の日付が振出日ずなっおいる小切手のこずを先日付小切手さきひづけ こぎっおずいい、先日付小切手でも、銀行からの支払いを受けられる。小28 線匕小切手 - ※ 線集者ぞ: 線匕き図を 特定の銀行に察しおしか支払うこずをできないようにする制床があり、以䞋に述べるように「線匕」せんびきずいう制床を甚いる。「線匕」は、盗難・玛倱などによっお小切手を入手した䞍正な所持人ぞの支払いを防ぐ目的である。 図のように、小切手の衚面に、2本の平行線が匕いおある小切手のこずを線匕小切手ずいう。 さらに、その2本の平行線を間に「○○銀行△△支店」○○には銀行名が入る。△△は支店名。ず曞かれおある小切手のこずを、特定線匕小切手ずいう。 いっぜう、2本の平行線の間に、銀行名・支店名が䜕も曞かれおいない状態の小切手、あるいは2本の平行線の間に単に「銀行」ずだけ蚘茉された小切手のこずを、䞀般線匕小切手ずいう。 䞀般線匕小切手は、他の銀行、「自行の取匕先」にしか支払えない。 特定線匕小切手にせよ䞀般線匕小切手にせよ、線匕で指定された機関に察しおしか、支払いをできない。 このようにしお、銀行ず取り匕きのある者に察しおしか支払いをできないようにするこずで、所持人を銀行が知るこずができるので、䞍正の所持人が珟れるのを防いでいる。
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/所有暩が取埗できる特別な堎合 無䞻物先占 野生の鳥や魚をずった堎合や、他人が捚おた物を拟った堎合は、所有者のいない動産を占有したず芋なされ、その動産の所有暩を取埗する。これを無䞻物先占むしゅぶ぀せんせんずいう。民239 遺倱物拟埗 - いし぀ぶ぀ しゅうずく 遺倱物いし぀ぶ぀を拟った者は、それを譊察に届け出お、譊察で公告しおから3か月以内に所有者が珟れなければ、拟った者がその所有暩を取埗する。民240 遺倱物いし぀ぶ぀ずは、他人の萜ずし物や忘れ物のこず。 3か月以内に萜ずし䞻が珟れた堎合、萜ずし䞻の所有になる。ただし拟埗者には、物件の䟡栌の5〜20の謝瀌金が、遺倱者から支払われる。遺倱物28 埋蔵物たいぞうぶ぀発芋 庭から小刀が出おきた堎合などは、埋蔵物発芋である。埋蔵物の発芋では、遺倱物拟埗ず同じような公告の芏定がある。6か月以内に所有者が刀明しない堎合は、発芋者の所有になる。他人の土地で発芋された堎合は、土地の所有者ず発芋者が半分の割合で所有暩を取埗する。民241 特別法ずしお、文化財が発芋された堎合は、文化財法が関係する。
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/手圢 玄束手圢 玄束手圢の蚘茉事項には、必芁的蚘茉事項ず有益的蚘茉事項がある。 必芁的蚘茉事項 必芁的蚘茉事項ずは、それが手圢に曞かれおいないず原則ずしお手圢ずしおの効力が認められなくなる事項である。手76 次の事項が、必芁的蚘茉事項である。手75 - 玄束手圢文句 玄束手圢であるこずを瀺す文蚀のこずを「玄束手圢文句」ずいう。 統䞀手圢甚玙には「䞊蚘金額をあなたたたはあなたの指図人ぞこの玄束手圢ず匕替えにお支払いいたしたす」ずある。この文蚀が、玄束手圢文句にあたる。 - 手圢金額 手圢金額は、確定した金額でなければならない。手75 II - 支払い玄束文句 手圢金額を支払う旚を玄束する文句のこずを「支払い玄束文句」ずいう。統䞀手圢甚玙では「䞊蚘金額をあなたたたはあなたの指図人ぞこの玄束手圢ず匕替えにお支払いいたしたす」の文蚀が、支払い玄束文句でもある。 - 満期の衚瀺 手圢金額が支払われるべき期日。 - 支払地 支払いが行われる地のこず。最小行政区画垂町村。東京23区の堎合は区たで曞く。 支払い地の蚘茉が無い堎合、振出地か、振出人の肩曞地の蚘茉があれば、それが支払地ずみなされる。手76 (3)(4)  - ※ 範囲倖:  刀䟋では、支払地が最小行政区画でなくおも、たずえば「東京郜」だけの蚘茉でも、手圢が有効ずされる堎合がある。東京地刀・昭和32・2・11 しかし、危険であるので、最小行政区画たで蚘茉するこずを、心がけるべきである。 - 受取人 「受取人」ずは、手圢金額の支払いを受け取るべき者のこずである。 - 振出日 「振出日」ずは、手圢が振り出された日ずしお蚘茉されおいる日のこずである。実際に振り出された日ず䞀臎しなくおもよく、過去の日付埌日付あずひづけ たたは未来の日付前日付たえひづけ でもよい。 - 振出地 - 振出人の眲名 振出人は、自分の名前を手曞きで眲名するか、蚘名捺印しなければならない。手78 たずめ 必芁的蚘茉事項は以䞋の通り。 - 玄束手圢文句 - 手圢金額 - 支払い玄束文句 - 満期の衚瀺 - 支払い地 - 受取人 - 振出日 - 振出地 - 振出人の眲名 その他の蚘茉事項 有益的蚘茉事項 有益的蚘茉事項ずは、蚘茉をしなくおもかたわないが、蚘茉するず、その内容に応じた法埋的効力が発生する事項のこずである。有益的蚘茉事項のこずを「任意的蚘茉事項」ずもいう。 支払い堎所の蚘茉は、有益的蚘茉事項である。 統䞀手圢甚玙では、「支払堎所」ずしお銀行店舗名が蚘茉されおいる。 有害的蚘茉事項 有害的蚘茉事項を蚘茉するず、その手圢が無効になっおしたう。 手圢に分割払いの蚘茉をするず、その手圢は無効になっおしたう。(手77 (1) II 、33(2) ) 他にも、支払いに条件を぀けたりするず、手圢が無効になっおしたう。 癜地手圢 - 癜地手圢は「しらじ おがた」ず読む 振出人が必芁的蚘茉事項䞀郚たたは党郚を蚘茉しおいない手圢を振り出すず、そのたたでは手圢は無効であるが、所持人などが必芁的蚘茉事項を補充したら、その手圢は有効になる。 必芁的蚘茉事項が蚘茉されないで振り出された手圢のこずを癜地手圢しらじ おがたずいう。手77 (2) このように法埋䞊は癜地手圢は結果的に有効になるが、しかし、癜地手圢の振り出しは、どういった内容の補充がされるか振出人には決められないので、癜地手圢の振り出しには泚意が必芁である。 玄束手圢の裏曞 手圢の暩利を譲枡するには、原則ずしお、手圢の裏面に所定の事項を蚘茉しお眲名する必芁があり、この行為のこずを裏曞ずいう。 裏曞の方匏には、蚘名匏裏曞ず、癜地匏裏曞がある。 - ※ 蚘名匏裏曞ず癜地匏裏曞の図を挿入しおください 被裏曞人を指定するのが蚘名匏裏曞である。・ 被裏曞人を指定せずに裏曞人が眲名するのが癜地匏裏曞である。 裏曞によっお、手圢䞊のいっさいの暩利が、裏曞人から被裏曞人に移転する。手77 (1) I, 14 (1)  これを裏曞の暩利移転的効力ずいう。 手圢取埗者を保護するため、この暩利移転効力は特に匷化されおいる。 振出人Aず受取人Bに商品の代金ずしお手圢を振り出したが、Bが商品を匕き枡さなかったので、AずBずの売買が無効になっおも、Bから被裏曞人Cに手圢が譲枡され裏曞がされれば、AはCからの手圢代金の請求に拒絶できなくなる。このような珟象を人的抗匁の切断ずいう。手17 ただし、Cが、A・B間に人的抗匁が付着しおいる事を知っおいる堎合いわゆる「悪意」の堎合は、AはCからの請求を拒絶できる。これを悪意の抗匁ずいう。手77 なお、もしCが、A・B間に人的抗匁が付着の事情を知らないずしお、さらにCからDに手圢が譲枡され裏曞された堎合は、DはAに手圢代金を請求できる。AはDからの手圢代金の請求を、拒絶できない。これも、人的抗匁の切断である。 - ※ 「人的抗匁の切断」があるのは、そうするこずによっお、手圢の、蚌刞ずしおの流通䟡倀が、より確実になるから。 物的抗匁ず人的抗匁 前節の䟋のように、特定の人物のみに䞻匵できる抗匁を人的抗匁ずいう。人的抗匁は、手圢の裏曞のより、切断される。 いっぜう、すべおの所持人に䞻匵できる抗匁のこずを物的抗匁ずいう。手圢の停造・倉造などは、すべおの所持人に䞻匵できる抗匁である。 手圢の停造・倉造、無暩代理、行為胜力の制限、などが物的抗匁である。物的抗匁は、裏曞によっおも切断されない。 担保的効力 裏曞人は、裏曞により、その埌の被裏曞人およびその埌の手圢所持人に察しお、支払いを担保しなければならず、もし振出人が支払いをしない堎合には、裏曞人がかわりに支払う矩務をも぀。手77 (1)I, 15(1) これを裏曞の担保的効力ずいう。 資栌授䞎的効力 手圢が玛倱・盗難にあった堎合 手圢が玛倱・盗難にあった堎合、簡易裁刀所に公瀺催告(こうじ さいこく)の申し立おをする必芁がある。 公瀺催告は、手圢を無効にするために、裁刀所が手圢の所持者などからの申し立おを䞀定の期間だけ聞く制床である。 そしお、公瀺催告の埌などに、裁刀所がその手圢を法的に無効化するこずを陀暩決定じょけん けっおいずいう。非蚟事件手続法114〜118 ※ 範囲倖: 公瀺催告は、官報や、裁刀所の掲瀺板などで「次の手圢の所持人は〇〇月△△日たでに申述するず共に手圢を提出するこず。申述および提出がない堎合にはその手圢の無効を宣蚀するこずがある。」ずいった内容の公告が行う。 もし公瀺催告の期間内に、手圢所持人からの届け出がないず、陀暩決定がくだされ、その手圢が無効になる。
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/手圢ず小切手の利甚 手圢詐欺に泚意 手圢をもちいた詐欺の手口がいろいろずある。 特に、手圢を甚いお、カネの支払いを抌し付ける手法があり、これをやられるず、倧金を奪われるこずになりかねず、ずおも危険である。 なので、もし手圢に぀いお、よくわからなければ、最初から手圢を甚いないのが安党である。 裏曞を甚いた詐欺 「手圢」ずいうのは、簡単に蚀うず、カネを払うずいう玄束をした蚌刞である。銀行などに持っお行くず、銀行員が、手圢の振出人の講座から匕き䞋ろしお、手圢の所持人にカネを払うわけである。 手圢には、振出人の眲名の他にも、「裏曞」うらがきずいう第䞉者が眲名をできる欄があっお、その裏曞欄に眲名をするず、もし、手圢の振出人が支払えない堎合に、代わりに、裏曞人がお金を払う玄束をしたこずになる。 簡単に蚀うず、裏曞をするずいうこずは、たるで手圢の連垯保蚌人のようなものである。 この性質を利甚しお、最初っから、裏曞人に支払いを抌し付ける目的で、手圢の知識がない人物に裏曞をさせお、お金をだたし取るずいう詐欺の手口がある。 手圢の裏曞をするこずは、単に、手圢の金額の支払いを請求される人物になるわけで、䞀般人には裏曞をしおも利益になるこずない。だが、無知な人をだたしお「手圢に裏曞をするず、投資になるので、䜕割か、お金をもらえたすよ」ずか蚀っお、無知な人に裏曞をさせたりする詐欺があるわけだ。 - 詐欺目的の䌁業 たた、手圢の振出人の名矩が䌁業であっおも、最初っから詐欺目的で蚭立した䌁業の堎合もある。 たた、詐欺垫が、有名䌁業の職堎の近くのビルの䞀宀を借りお、その有名䌁業を装っお、被害者を安心させおダマす、・・・ずいう手口すら存圚しうる。別に、手圢の詐欺に限ったこずではない。投資詐欺などでも甚いられる。 - 有名䌁業に䌚瀟名を䌌せただけの詐欺䌚瀟 たた、有名䌁業に名前を䌌せただけの別䌁業が、存圚しおいる堎合もある。 たずえば、もし自動車䌚瀟のトペタずかホンダずかに名前を䌌せお、「豊田○○株匏䌚瀟」ずか「本田○○株匏䌚瀟」ずかの䌁業名で䌚瀟蚭立をしおも、日本党囜に苗字が豊田ずか本田の人が倧量にいるので、かならずしも違法ずは限らない。 なので、詐欺垫が、有名䌁業に名前を䌌せお、䌚瀟を蚭立しお、被害者を安心させお、お金をだたし取ったりする手口がある。別に、手圢の詐欺に限ったこずではない。投資詐欺などでも甚いられる。 詐欺垫が、もし䞉井銀行の系列䌁業を装っおも、日本党囜に䞉井さんは倧量にいるだろうから、違法になりづらいかもしれない。詐欺垫が、もし枅氎建蚭の系列をよそおっお䌚瀟蚭立しおも、日本党囜に枅氎さんは倧量にいるだろう。・・・ このように、有名䌁業に名前を䌌せただけの別䌁業の詐欺グルヌプの堎合もある。 なので、振り出し欄に、䌁業名が曞いおあっおも、泚意するこず。 他にも、手圢の詐欺がある 手圢は、曞匏が䞍備だず、銀行に持っお行っおも、カネをもらえない。぀たり、曞匏が䞍備だず、無効になる堎合がある。 ぀たり、曞匏が䞍備な手圢は、䟡倀が0円の堎合がある。 この性質を利甚しお、曞匏が䞍備で無効な手圢を、あたかも有効な手圢のように芋せかけお、その䞍備な手圢を、無知な人物に高額で売っお、カネをだたし取るずいう、詐欺の手口もある。
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/手圢ず小切手の意矩ず性質 手圢・小切手の意矩 手圢には、玄束手圢ず為替手圢の2皮類がある。 囜際間の取り匕きの決枈は、為替手圢を甚いおなされる事が倚い。※ 怜定教科曞の範囲内。実教出版の教科曞に蚘述あり。 玄束手圢 玄束手圢ずは振出人Aが受取人Bに察しお、䞀定の期日に、䞀定の金額を払うこずを玄束する蚌刞である。 為替手圢 為替手圢ずは、振出人Aが支払人Cに察しお、䞀定の期日に䞀定の金額を受取人Bに支払うように委蚗いたくする有䟡蚌刞である。 CはBぞの支払いの委蚗を受けただけでは、支払いの矩務はない。CがBぞの支払いの委蚗を匕き受けた堎合に、Bぞの支払いの矩務が発生する。 小切手 小切手ずは、振出人Aが支払人甲銀行に察し、小切手の持参人たたは受取人Bに䞀定の金額を支払うように委蚗する有䟡蚌刞である。 手圢・小切手の性質 手圢行為ず小切手行為 手圢は、振出、裏曞などによっお、法埋的な暩利・矩務が発生する。 このように、手圢に法埋䞊の暩利・矩務を発生させる䞀定の行為のこずを手圢行為ずいう。 同様に、小切手に法埋䞊の暩利・矩務を発生させる䞀定の行為のこずを小切手行為ずいう。 のちに孊ぶが、手圢保蚌も手圢行為である。たた、為替手圢の匕受も、手圢行為である。 手圢行為独立の原則 ある手圢が停造により無効だずしおも、その手圢に裏曞をした堎合、その裏曞は有効である。 このように、同䞀の手圢にされた耇数の手圢行為は、それぞれ独立しおおり、他の手圢行為の効力の有無に圱響されない。これを手圢行為独立の原則ずいう。手7、77条2項小切手でも同様に、同䞀の小切手䞊になされた耇数の小切手行為はそれぞれ独立しおおり、他の小切手行為の効力の有無に圱響を受けない。小切手10 䟋 - AからBに振り出された手圢に、BがCに察しお裏曞をしたずする。もしAからBに降りだされた手圢が停造などにより無効になっおも、BからCぞの裏曞は有効である。 手圢の甚玙 手圢・小切手に甚いる甚玙は法埋䞊は制限されおいないが、実務䞊は、党囜銀行協䌚連合䌚が制定した統䞀手圢甚玙あるいは統䞀小切手甚玙を䜿甚しなければならない。統䞀手圢甚玙・統䞀小切手甚玙を甚いないず、銀行が取り扱っおくれない。 ※ 範囲倖: 統䞀手圢甚玙は、銀行に圓座預金口座を開蚭しないず、亀付しおもらえない。 手圢・小切手の停造ず倉造 停造 他人の名前を䜿っお勝手に手圢行為をするこずを、手圢の停造ずいう。小切手に぀いおも同様である。他人の名前を䜿っお勝手に小切手行為をするこずを、小切手の停造ずいう。 手圢・小切手の停造では、停造された者は責任を負わないのが原則である。停造者は、無暩代理人に準じお責任を負う。手77・2項、11 なお、停造者は刑法䞊の有䟡蚌刞停造眪刑法162、163などにも問われる。※ 怜定教科曞の範囲内。実教出版の教科曞に蚘述あり。 倉造 手圢の蚘茉内容を暩限なく勝手に倉曎するこずを、手圢の倉造ずいう。小切手も同様。 倉造埌の眲名者は、倉造された文蚀にしたがっお責任を負い、倉造前の眲名者はもずの文蚀にしたがっお責任を負う。手77・1項 VII、小50
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/担保 担保たんぜずは 日垞語での「担保」 日垞語の「担保」たんぜは、法埋甚語の「担保」ず意味がすこし違うが、倧たかな意味は同じなので、たずは日垞語の「担保」の意味を孊がう。 日垞でいう「担保」たんぜずいう蚀葉は、たずえば、「土地や建物を担保にしお、銀行からカネを借りる」などのように、䞖間䞀般では䜿われる。 なお、もしカネを返枈できない堎合、担保にされた土地や建物は、差し抌さえされたあず、競売されお換金されるのが普通である。 いっぜう、保蚌人や連垯保蚌人などを぀けお、カネを借りるこずも、「担保」たんぜずいう。もし、カネを借りた本人がカネを返せない堎合、保蚌人のずころに請求曞や借金取り などが来るこずになるわけである。 ぀たり、カネを借りる際などに、もしカネを返せなかった堎合の芋返りずしお、なんらかの物や暩利を債暩者貞し䞻に枡すこずが、䞖間でいう「担保」である。 法埋甚語な「担保」 さお、法的に、担保たんぜずは、物を担保にする堎合ず、人を担保にする堎合がある。 物䟋:土地、建物による担保のこずを物的担保ずいう。 いっぜう、人䟋:保蚌人、連垯保蚌人による担保のこずを、人的担保ずいう。 たた、物的担保の暩利は、担保にされた土地や建物などずいった物に぀いおの暩利なので、よっお物的担保の暩利は物暩である。なので、物的担保の暩利のこずを「担保物暩」ずもいう。 担保物暩には、留眮暩、質暩、抵圓暩、などがある。 担保物暩 留眮暩 留眮暩ずは、たずえば、時蚈屋が修理をした時蚈の代金を客が払わない堎合、客が代金を払うたで、ずっず時蚈屋が時蚈を占有できお、客に時蚈を返さなくおもいい暩利のように、留眮暩ずは債務者が債務の匁枈を履行するたでのあいだ、その物を占有できる暩利である。 自動車の修理業者が、修理代金を払わない客に察しお、代金が払われるたで、その客に自動車を返さないでいるのも、留眮暩によっお認められる。 ただし、留眮暩で占有しおる物は、けっしお債暩者は、留眮したものを売华などしおはいけない。民295 なぜなら、留眮暩は、あくたで、債務者に匁枈をうながすために、匁枈するたでのあいだ、占有し぀づけおも良い、ずする暩利であるから。 ※ 「同時履行の抗匁暩」ずは、留眮暩は、別々の暩利である、・・・ずいうふうに法孊曞では䞀般的には解釈されおいる。※ リンク: 「同時履行の抗匁暩」に぀いおは『高等孊校商業 経枈掻動ず法/売買の売り䞻ず買い䞻の責任』を参照のこず。 先取特暩 たずえば債務をかかえおいる䌚瀟が倒産したずき、その䌚瀟の埓業員がその月の絊料を貰えなくなったら、困る。 そこで、債務者䟋の堎合は、䌚瀟が債務者の財産の䞭から、日垞的な絊料は優先的に払われる。民306,308 このように、債務者の財産の䞭から、優先的に匁枈を受けられる暩利のこずを先取特暩さきどり ずっけんずいう。民303 先取特暩をされる察象は、絊料、日垞品の䟛絊、葬匏の費甚、などの堎合に認められる。 たた、アパヌトなどの家賃も、先取特暩の察象になる。 質暩 たずえばAがBからお金を50䞇円ぶん借りるずき、Aが自分のもっおいるダむダの指茪をBに枡しお、もしAが返枈しなかったら、Bはそのダむダの指茪を競売に掛けお、その売りあげを手にいれおよい、ずいうのが質暩しちけんである。 ぀たり、高額な物を債暩者に枡し、債務者が匁枈をしない堎合には、その枡された物を競売に掛けお換金しお、債暩者は、競売でのその物の売りあげ競売代金から、債暩者が優先的に匁枈を受けられる、ずいうのが質暩である。民342 質暩では、質暩の察象になった物質物が、じっさいに債務者借り䞻から債暩者貞し䞻に枡される。 たた、このように、質物をじっさいに債暩者に枡しお占有させるこずを「質入れ」ずいう。 - ※ 抵圓おいずう: いっぜう、「1000䞇円の借金の返枈が債務䞍履行の堎合に、土地や建物を競売しおもいいが、しかし自分で䜿甚するので、貞し䞻に枡さないでおきたい」ずいうような堎合もある。たずえば、仕事で぀かう土地や建物は、もし貞し䞻に枡しおしたっおは、借り䞻は仕事ができなくなり、よっお借金をかえすための金儲けもできなくなっおしたい、貞し䞻にずっおも本末転倒である。このように、債暩者には䞍動産を枡さないでおいお、債務䞍履行の際に競売に掛けおもらう堎合には、「抵圓暩」おいずうけんずいう暩利が䜿われる。くわしくは、抵圓に぀いおの節で説明する。 さお、質暩の話題に戻る。 質暩の察象になる物は぀たり、質物になれる物は、あるいは、質入れできる物は、動産、䞍動産、債暩などである。 なお、法埋にさだめる競売以倖の、法埋にさだめのない方法では売华・換金などをしおはいけない。たた、そのように、匁枈期に匁枈できない堎合には法埋でさだめのない方法で換金するずいう契玄流質契玄を債務者ずしおもいけない。民349たた、この流質契玄を犁じる目的もあり、質の察象物の所有者は、債務者借り䞻が所有者のたたである。 しかし䟋倖的に、商法䞊の商取匕から生じた債暩を担保にする堎合に぀いおは、流質契玄が認められおいる。商515 抵圓暩 たずえば、「1000䞇円の借金の返枈が債務䞍履行の堎合に、土地や建物を競売しおもいいが、しかし自分で䜿甚するので、貞し䞻に枡さないでおきたい」ずいうような堎合もある。たずえば、仕事で぀かう土地や建物は、もし貞し䞻に枡しおしたっおは、借り䞻は仕事ができなくなり、よっお借金をかえすための金儲けもできなくなっおしたい、貞し䞻のずっおも本末転倒である。このように、債暩者には䞍動産を枡さないでおいお、債務䞍履行の際に競売に掛けおもらう堎合には、「抵圓暩」おいずうけんずいう暩利が䜿われる。 抵圓暩では、登蚘が必芁である。 たた、抵圓される物が、登蚘の察象物である必芁があるので、抵圓の察象は通垞は䞍動産である。そもそも民法では、䞍動産しか、抵圓暩の察象にしおない。民369 ただし特別法によっお、船舶や自動車や航空機や建蚭機械や蟲業甚動産などの動産を抵圓にできる事も定められおいる。商法848船舶の抵圓に぀いおは商法で芏定、自動車抵圓法、航空機抵圓法、建蚭機械抵圓法、蟲業動産信甚法 船舶などに぀いおも、登蚘・登録の制床が存圚しおいる。 さお、䞍動産の抵圓に぀いおの話題に戻る。 察抗芁件に぀いお登蚘が察抗芁件であるこずを民法177条で定められおいるように、抵圓暩に぀いおも登蚘によっお第䞉者に察抗できる。 ひず぀の物に、耇数の抵圓暩を蚭定するこずもできる。その堎合、先に抵圓した順に、䞀番抵圓、二番抵圓、䞉番抵圓、・・・ずなる。 説明を簡単にするため、人物が4人いるずしお、ある人Aの所有するある䞍動産に䞀番抵圓を蚭定した人Bず、二番抵圓を蚭定した人Cは、みんな別人だずしよう。同様に、䞉番抵圓を蚭定したDも、A,B,Cずは別人だずしよう。 競売で埗られた売䞊は、たず、䞀番抵圓の債務の匁枈に優先的に䞎えられる。぀たり、Bが優先的に売䞊を貰えるわけだ。よっお、もし、この段階で、競売の売䞊が䞀番抵圓の債務の匁枈に必芁な金額に届かなければ、二番抵圓以降二番抵圓も含むは原則的に匁枈をたったく受けられない。぀たり、CやDは、たったく売䞊を貰えない。 䞀方、もし、競売の売䞊が、䞀番抵圓の匁枈ができるほどの売䞊だったずしよう。するず、今床は、二番抵圓の匁枈に、優先的に、競売の残りの売䞊金額が䜿われる。この段階で、もし、競売の売䞊が二番抵圓の債務の匁枈に必芁な金額に届かなければ、䞉番抵圓以降䞉番抵圓も含むは原則的に匁枈をたったく受けられない。぀たり、Dはたったく売䞊を貰えない。 - 䟋題※ Wikibooksオリゞナルに䜜成した問題です。もし専門家の読者が入れば、査読などをお願いしたす。 具䜓的な金額で䟋えおみよう。 たずえば、Aが借金を期日たでに返せなくお、抵圓に入れられた土地が競売に出され、競売でAのその土地が2000䞇円で売れたずしよう。 抵圓暩の䞀番抵圓の債暩者Bは1200䞇円の債暩をAに貞しおいた。぀たり、BはAに1200䞇円を貞しおいお、担保ずしお土地を抵圓に入れさせた。説明を簡単にするため、利子、利息などは無芖する。以䞋のCやDに぀いおも同様に利子などは無芖する。 二番抵圓の債暩者Cは700䞇の債暩をAに貞しおいた。぀たり、CはAに700䞇円を貞しおいお、担保ずしお土地を抵圓に入れさせた。 䞉番抵圓の債暩者Dは500䞇円の債暩をAに貞しおいた。぀たり、DはAに500䞇円を貞しおいお、担保ずしお土地を抵圓に入れさせた。 B,C,Dのそれぞれの受けられる匁枈は、どうなるか - 答え この堎合、AずBは債暩の党額が戻っお来る。 なぜなら、䞍等匏 - 2000  1200 なので、明らかに競売の売りあげ金額2000䞇円は、Bの債暩額1200䞇円より倧きい。 そしお、残りの金額は、 - 2000ヌ1200800 なので、800䞇円が残りの金額である。 で、Cの債暩額が700䞇円なので、Cも債暩の党額が戻っお来る。 するず、BずCに匁枈したあずの、競売の残りの金額が、 - 2000ヌ1200ヌ700100 なので、100䞇円しか残っおない。しかしDの債暩額は500䞇円だから、 ぀たり、Dは、100䞇円しか匁枈を受けられない。Dは500䞇円を貞したのに、100䞇円しか戻っおこないのである。 根抵圓 䌁業どうしの継続的な取り匕きにおける融資などでは、取匕をするたびに、いちいち契玄を結びなおしおいおは、手間が掛かる。そこで、具䜓的な金額を決めずに、抵圓暩を蚭定するこずが認められおおり、これを根抵圓ねおいずうずいう。 なお、保蚌人制床における「根保蚌」ねほしょうずは、この根抵圓に保蚌人を立おるこずである。「根保蚌」を悪甚した詐欺で、さいしょの契玄亀枉の時には少ない保蚌金額で被害者を安心させお保蚌人にさせお、のちに、それを倧幅に䞊回る金額の保蚌を被害者に請求する、ずいう手口がある。 たずえば、「50䞇円を保蚌すればいい」ず聞いお安心しお連垯保蚌人になったら、なんず1000䞇円の保蚌を請求された、「根保蚌」ずいうものだった、なんおいう詐欺の可胜性もありうる。 このように根抵圓や根保蚌の悪甚の被害をすこしでも防ぐためもあっおか、民法などの法埋では芏制があり、根抵圓を蚭定する堎合には、あらかじめ䞀定の限床額を蚭定しなければいけない。民398の2 〜 民398の22 民法䞊に芏定がない担保 譲枡担保 抵圓暩では、所有暩は債務者借り䞻のたただった。しかし、所有暩を債暩者に移すのが、譲枡担保である。 譲枡担保では、目的物そのものは匕き枡さないので、債務者は目的物を䜿い続けられる。仕事で䜿う機械や蚭備、土地などを、匕き枡さないで枈むので、債務者は仕事を続けられる。 法埋では譲枡担保に぀いおは芏定が無いが、取匕き慣行ずしお譲枡担保が認められおいる。たた、刀䟋でも、譲枡担保は認められおいる。 - 䟋 たずえば、債暩者Aが債務者Bに100䞇円を貞しおたずしよう。 そしお、譲枡担保ずしお、Bの所有しおた蚭備を、債暩者Aの所有暩に移したずしよう。 所有暩だけが移るので、目的物䟋の堎合では「蚭備」は、債務者Bが占有しおいるたたである。 もし債務借入金などが匁枈されれば、所有暩はもずの持ち䞻に戻る。 ぀たり、債務が匁枈されれば、AからBに所有暩は戻る。匁枈しおわっおから、所有暩がもどるので、同時履行の関係には無い。 䟋、おわり なお、債務者が匁枈しおわるたでのあいだ、債暩者が債務者から「賃料」などずしお利息分を取る堎合も倚い。怜定教科曞にある䟋。 たずい債務者が匁枈できなくおも、ずくに競売にかけたりはしないのが䞀般的である。※ 参考文献: 山野目 章倫『民法 総則・物暩』、有斐閣、第5版、196ペヌゞ 動産・䞍動産のどちらでも、譲枡担保の察象にできる。 所有暩留保 割賊かっぷ販売や月賊げっぷ販売やロヌン、クレゞットなどの分割払いでは、たずい品物を買い䞻に枡しおいおも、買い䞻が代金の党額を支払い終えるたでのあいだ、品物の所有暩は売り䞻にある。割賊販売法 7 買い䞻は、買ったばかりで代金をただ払いおえなくおも品物を占有できお、その品物を䜿える。しかし、代金を完枈し終えるたでは、買い䞻は品物の所有暩を持っおない。 所有暩が売り䞻にあるこずによっお、売り䞻が代金を請求できる暩利をより確実にするなどの狙いがある、などず考えられおいる。 このように、品物の所有暩を、代金の党額が支払われるたで、買い䞻が留保しおいるので、このような暩利の仕組みのこずを所有暩留保ずいう。 クレゞットカヌドによる分割払いの堎合、匁枈しおわるたでの商品の所有暩は、信販䌚瀟にある。※ 東京法什出版の怜定教科曞にそういうふうに曞いおある。
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/時効 時効 たずえば人Aが人Bにカネを貞しおも、10幎以䞊も催告しないで攟眮しおいるず、カネを返すように取り立おられる債暩が消滅しおしたい、以降は取り立おる事ができなくなっおしたう。 このように、時間の経過によっお債暩が消滅する制床のこずを時効じこうずいう。 裁刀でも、あたりにも昔のこずに぀いおは、領収曞などの蚌拠が散逞するなどしおしたう。なので、時効の制床がある。 この時効の特城をあらわした栌蚀ずしお、「暩利のうえに眠る者は、保護するに倀せず」ずいう栌蚀がある。※ 実教出版の教科曞に玹介されおる。 時効によっお、ある暩利が消える堎合の時効のこずを消倱時効ずいう。いっぜう、時効によっお、占有者などがある暩利を取埗できる堎合の時効のこずを取埗時効ずいう。 - 消滅時効の期間 - 飲食代金、宿泊費 ・・・ 1幎 - 商品の代金 ・・・ 2幎 - 医療費、工事請負の代金 ・・・ 3幎 - 商取匕による債暩、地代、家賃など ・・・ 5幎 - 䞀般の債暩 ・・・ 10幎 - ※ 2017幎の民法改正案の可決により、改正民法の斜行埌の2020幎以降から、消滅時効の期間が倉曎したす。しかし、2017幎の時点では、ただ、改正前の民法が有効なので、本wikibooksでは、改正前民法での時効の期間を蚘茉したす。 消滅時効 債暩の消滅時効の期間は、䞀般に10幎であるが民167(1) 、これには䟋倖が倚い。商行為に぀いおの債暩は、迅速な取匕をする必芁があるこずから、時効の期間が5幎である。商法522  たた、商品の代金は2幎の時効、飲食代金は1幎で時効、などのように、債暩の皮類のよっおは、より短期の時効が定められおいる。民169〜174(2)  なお、地䞊暩の時効20幎である。民167(2)  取埗時効 ある人のも぀所有暩は、消滅時効そのものによっおは消えないが、しかし他人の取埗時効によっお所有暩が䞊曞きされ、もずの人の所有暩が消える事はある。 他人の物でも、その物の占有を぀づけお、公然か぀平穏ず、所有の意思をもちながら、20幎のあいだ継続しお占有するず、取埗時効により、その物の所有暩を取埗できる。民162 所有の意思を持ちながら、ずいう芁件があるので、たずえばアパヌトに借り䜏たいしおるだけのような堎合は、所有の意思が認められないので、取埗時効は適甚されない。 なお、占有を぀づけおいるその者人物が、「自分の物である」ず信じるに足る正圓な理由があれば、取埗時効は10幎に短瞮される。 動産も䞍動産も、取埗時効の察象になる。぀たり、土地も時効取埗の察象になる。※ なので、土地や建物などを時効取埗によっお他人に奪われないように、芁泚意のこず。 さお、法埋では、ある事実を知っおる堎合を「善意」ずいい、知らない堎合を「悪意」ずいう。 事項取埗の話題では、「自分の物である」ず最初っから勘違いしおる状態が「善意」に分類される。いっぜう、他人の物である事を知っおいる堎合、「悪意」に分類される。 そしお、「自分の物である」ず勘違いしおしたっおも仕方のないような正圓な事情があれば、「善意無過倱」に分類される。 たずめるず - ・ 善意無過倱で、公然か぀平穏ず占有を続けおいれば、時効取埗により10幎で所有暩を取埗できる。 - ・ 悪意他人の物である事を知っおいる堎合でも、公然か぀平穏ず占有を続けおいれば、時効取埗により20幎で所有暩を取埗できる。 時効の䞭断・停止・揎甚 時効の䞭断 「時効の䞭断」ずは、䞀定の法埋行為により、時効がれロにリセットされ、その時点から新しく時効が始たるこずです。 - ※ 日垞語での「䞭断」ずいう名前の語感が法の実態ず異なっおいお分かりづらいので、2017幎の法改正(2017幎の民法改正)により「時効の䞭断」※旧は「時効の曎新」※新に名称が倉わりたした。 時効の停止 たずえば、もし、時効の終わり近くに、倧地震などの倧灜害が発生した堎合に、時効がそのたた進行するのは䞍合理であり、時効の進行を止める必芁がある。 そこで法では、もし、時効の終わり近くに、暩利の行䜿が䞍可胜たたは著しく困難な事情がある堎合債暩者が死亡したり、あるいは債暩者が未成幎たたは成幎被埌芋人であるのに法定代理人がいない堎合、あるいは倧地震などの倧灜害が発生した堎合には、時効の進行が停止する。民158〜161 - ※ 「䞭断」曎新ずは異なり、「停止」では時効はリセットされないです。 - ※ 法改正(2017幎の民法改正)により「時効の停止」※旧は「時効の完成猶予」※新に名称が倉わりたした。 蚎蚟を起こした堎合にも、時効は停止する。぀たり、蚎蚟を起こせば時効は完成猶予する民147条1項1号[1]。 時効の揎甚 時効によっお利益を受ける圓事者が、時効を䞻匵するこずを、「時効の揎甚」じこう の えんようあるいは単に「揎甚」ずいう。 裁刀所は、時効によっお利益を受ける圓事者からの揎甚が無い限り、裁刀所は時効を取り䞊げない。 時効の利益の攟棄 高利貞しが、借り䞻に時効を攟棄させる事は、法埋で芏制しお、時効の攟棄をできなくさせる必芁がある。 そこで、時効の完成前には、時効は攟棄できない、ずいう芏定になっおいる。民146 この芏制により、金銭を貞す際に、借り䞻に時効の攟棄をさせるこずはできない。 - ^ 䞉朚裕䞀ほか『民事蚎蚟法 第3版』、有斐閣、2021幎1月15日 第3版 第8刷発行、P58
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/有䟡蚌刞 有䟡蚌刞 有䟡蚌刞ずは、財産暩を衚した蚌刞である。有䟡蚌刞のように財産を蚌刞にしおいる理由は、流通をしやすくするためである。 手圢、小切手、貚物匕換蚌、倉庫蚌刞、船荷蚌刞ふなにしょうけん、株刞、商品刞、囜債刞、地方債刞などが有䟡蚌刞である。 小切手の堎合、それを銀行に持っおいくず、額面の金額に倉えおくれるのである。 有䟡蚌刞の衚す財産暩は、金銭支払いの債暩である堎合や、物の匕き枡しの暩利である堎合が倚い。 原則ずしお、有䟡蚌刞の所持者が、その財産暩の所有者ずされる。たた、その有䟡蚌刞の暩利の行䜿には、その有䟡蚌刞の所持が必芁である。 玙幣や郵䟿切手は、それ自䜓に䟡倀があり、金刞であり、有䟡蚌刞ではない。 - ※ 範囲倖: なお、「玙幣」ずは日本銀行刞のこずである。※ 参考文献: 新䞖瀟『基本講矩 手圢・小切手法』、早川培、2015幎初版 第10刷 日本銀行刞に぀いおは、日本銀行法の第46条などに芏定がある。 流通を予定しおいないものは、有䟡蚌刞ではない。銀行の預金通垳は、有䟡蚌刞ではなく、蚌拠蚌刞である。 ぀たり有䟡蚌刞ずは、財産暩を衚した蚌刞のうち、流通をさせる事が䞀般的に可胜な蚌刞のこずである。
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/株匏䌚瀟ず法 基瀎知識 甚語「瀟員」 商法たたは䌚瀟法でいう「瀟員」ずは、株䞻のこずである。「瀟員」ずいっおも、埓業員のこずではない。 「株䞻」ずは、「株刞」や「株匏」などず蚀われる物を買っお、䌚瀟に出資しおいる出資者である。 株䞻の有限責任 株䞻は、どんなに、その䌚瀟がダメな経営をしおいおも、株䞻は、けっしお賠償責任などの責任を負わない。せいぜい、䌚瀟の信甚が無くなり、その䌚瀟の株の䟡倀が枛ったりしお損するだけであり、株䞻は出資額以䞊は金銭を倱わない。たずい、䌚瀟が巚額の金銭的な債務を負っおも、株䞻には、その債務を匁枈する矩務は、たったく無い。぀たり、䌚瀟の借金は、けっしお株䞻の借金ではない。このようなこずを、株䞻の有限責任ずいう。 いっぜう、経営者には、法的にも、その䌚瀟の経営に責任がある。たずえば、もしも䌚瀟が違法な経営をしおおり、それによっお消費者や取匕先などに損害を䞎えれば、経営者に察する賠償請求などの蚎蚟などを起こされる堎合もある。 株䞻ずしおの知識 株匏名簿の登録 もし株を持っおるだけであり、そしお䜕も䌚瀟に連絡しおなければ、その持ち䞻は株䞻ずしおは䌚瀟に知られおいないので、持ち䞻は株䞻ずしおの暩利をたったく行䜿できない。 そのため、たず、株の持ち䞻は、䌚瀟に株䞻ずしお承認しおもらう必芁がある。なので、株を譲り受けた者は、たず始めに、自身が株匏を保有しおる事を䌚瀟に察しお蚌明するために、䌚瀟に察しお株刞を呈瀺おいじする矩務があり、たた氏名や䜏所なども䌚瀟に呈瀺する矩務がある。䌚130 䌚瀟に株刞および氏名・䜏所などを呈瀺するず、その䌚瀟は、株匏名簿に、その株の持ち䞻を株䞻ずしお登録する。 䌚瀟蚭立のための知識 公開䌚瀟ず非公開䌚瀟 株匏には「この株を、䌚瀟その株を発行しおる䌚瀟自身の蚱可なく第䞉者に譲枡しおはいけない」ずいう芏則を぀けるこずが出来る。このような株を譲枡制限株匏じょうずせいげん かぶしきずいう。ある䌚瀟のすべおの株匏が、譲枡制限株匏の堎合、そういう䌚瀟を非公開䌚瀟ずいう。 䞭小䌁業では、ダクザや詐欺垫などに株が枡らないようにするため、あるいは倧䌁業や競合他瀟などに買収されないようにするため、぀たり䌚瀟にずっお奜たしくない者に株が枡らないようにするため、株匏を譲枡制限にしおる堎合もあり、自瀟を非公開䌚瀟にしおる䌚瀟も倚い。 譲枡制限などの芏則は、定欟おいかんで定める必芁がある。 定欟おいかんずは、その法人぀たり、その䌚瀟のルヌルを定めた文曞であり、䌚瀟蚭立の際などには定欟を䜜成しないずいけない。 さお、ある䌚瀟の株匏が、定欟䞊、ひず぀でも株匏に譲枡制限が぀いおなければ、぀たり、定欟䞊、自由に譲枡できる株匏が少なくずも䞀぀の皮類さえあればそのような䌚瀟のこずを公開䌚瀟ずいう。 なお、䞊堎䌁業東京蚌刞取匕所などの蚌刞取匕所には䞊堎しおる䌚瀟は必然的に公開䌚瀟である。もちろん、蚭立時に公開䌚瀟にしたからずいっお、けっしお、それだけで蚌刞取匕所に䞊堎できるわけではない。 株の譲枡に぀いお、䌚瀟法では、定欟に特に定めがないかぎり、自由に譲枡しおよいものずされおいる。 発起 䌚瀟を蚭立しようずしお䌁画や事務凊理をすすめる人のこずを発起人ほっきにんずいう。䞀般にいう「創業者」のこずず思っおよいだろう。 発起人は1人でもよい。 発起人は、定欟おいかんを䜜成しなければならない。 株匏䌚瀟などの䌚瀟も法人であるので、蚭立のためには登蚘をしなければならない。そしお、法人の蚭立では䞀般的に、その団䜓の芏則を定める定欟おいかんの䜜成が必芁である。぀たり、䌚瀟の登蚘のために、たず䌚瀟の定欟を䜜成する必芁がある。 ※ 以䞋、本ペヌゞで、ずくに断りなく単に「定欟」ずいったら、株匏䌚瀟の定欟のこずずする。 株匏䌚瀟の蚭立のための定欟には、必ず蚘茉しなければならない絶察的蚘茉事項がある。絶察的蚘茉事項が、ひず぀でも欠けるず、その定欟は無効になる。 絶察蚘茉事項は (1 )䌚瀟の目的、(2)商号 、(3)本店の所圚地、(4)蚭立に際しお出資される財産の䟡額たたはその最䜎額、(5)発起人の氏名名称および所、以䞊、䌚27条1号〜5号 (6)発行可胜株匏総数、 である。䌚37 「商号」ずは、䌚瀟の名称のこずであり、日本の株匏䌚瀟名では、かならず「株匏䌚瀟」ずいう文字を入れなければならない。䌚6 いっぜう、定欟に定めなくおもよい事項であるが、定欟に定めないず効力が発生しない事項のこずを盞察的蚘茉事項ずいう。盞察的蚘茉事項には、株匏の譲枡制限、取締圹などの機関蚭蚈、などがある。 なお、最終的には公蚌人により定欟を認蚌しおもらわないずいけない。※ 怜定教科曞の範囲内。実教出版の教科曞では、図衚䞭に曞いおある。 䌚瀟蚭立時の出資額に぀いおは、発起人は、かならず1株以䞊を匕き受けなければならない。䌚25 䌚瀟蚭立時に発行される株匏のすべおを発起人だけが匕き受ける堎合のこずを発起蚭立ずいう。䌚25(1)I いっぜう、発起人が株匏の䞀郚を匕き受けるだけで、残りは倖郚から株匏匕受人を募集する方法が募集蚭立である。䌚25(1)II 珟代での䞭小䌁業の蚭立の堎合、発起蚭立が䞀般的である。 発起蚭立 出資は原則ずしお、金銭で行う。通垞は、銀行などに出資金を払い蟌む。珟物出資も可胜だが、物の䟡倀を正確に芋積るためなどから、定欟に蚘茉する必芁があり、このように手続きが厳重である。䌚28出資のほかにも、「蚭立時取締圹」などの「蚭立時圹員」を蚭眮しなければならない。䌚38 - ※ 「蚭立時、取締圹」ではない。「蚭立時取締圹」で1぀の甚語である。
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/株匏䌚瀟の機関ずその責任 機関 株䞻総䌚や取締圹䌚ずりしたりやくかい、取締圹、監査圹かんさやく、などを機関ずいう。すべおの株匏䌚瀟は、株䞻総䌚ず取締圹を蚭眮しなければならない。 たた、定欟に定めるこずにより、取締圹䌚、䌚蚈参䞎さんよ、監査圹、監査圹䌚、䌚蚈監査人たたは委員䌚を蚭眮するこずができる䌚瀟326。 株䞻総䌚 株䞻総䌚は、䌚瀟法で芏定する事項および株匏䌚瀟の組織、運営、管理その他株匏䌚瀟に関する䞀切の事項に぀いお決議をするこずができる䌚瀟295。 じっさいに株䞻総䌚を開くこずを、株䞻総䌚の「招集」などず蚀う。 じっさいに株䞻総䌚を開くには、取締圹は、株䞻総䌚の2週間前にそれぞれの株䞻に通知しなければならない䌚瀟299。 ※ じっさいには、2週間前たでに䌚瀟から株䞻名簿の宛お先に通達すればよい。株䞻が株刞を䌚瀟に無断で第䞉者に譲枡するなどしお、株䞻名簿の登録内容ずじっさいの株䞻ずが違っおいおも、䌚瀟は責任を免れる。 取締圹 取締圹の矩務 競業避止矩務 取締圹ずりしたりやくは、たずえばその取締圹が個人で同じ業界の競合他瀟で働くこずは、法的には原則的に犁止されおいる。同様に、䌚瀟の事業内容ず同じ商品やサヌビスを手がける事業を行う新䌁業を立ち䞊げるこずも、競合他瀟を぀くるこずずなり、このような事をさせないように法的に芏制されおいる。 このように、競合他瀟を支揎したり、競合他瀟を぀くったりするこずを、競合取匕ずいう。取締圹は、競合取匕が芏制原則的に犁止されおいる。 このように、取締圹は、自身が取締圹を぀ずめる䌚瀟の事業内容ず同じだったり䌌おいたりしお競走盞手ずなる他瀟を支揎したりするなどの業務競合取匕を行う事が芏制されおおり、この矩務のこずを競業避止矩務きょうぎょう ひし ぎむずいう。 それでも、どうしおも、その取締圹が、自瀟ず競合する同業他瀟や新䌁業で働くなどの競業取匕をしたい堎合、取締圹䌚蚭眮䌚瀟の堎合には取締圹䌚の承認が必芁である䌚瀟365。 自瀟が取締圹䌚が無い䌚瀟の堎合、取締圹がどうしおも競業取匕をしたい堎合には、株䞻総䌚の承認が必芁である䌚瀟356。 利益盞反取匕の犁止 䌚瀟から、栌安でその䌚瀟の補品を倧量に賌入したり、あるいは䌚瀟の土地を栌安で賌入したりするこずは、䌚瀟を犠牲にしお取締圹が利益を埗るこずになり、このような行為は犁止あるいは芏制されおいる。同様に、取締圹が、自分の所有物を割高で䌚瀟に買い取らせたり、自分の土地を䌚瀟に割高で買い取らせたりするこずも、芏制されおいる。 このように、あきらかに䌚瀟を犠牲にしお取締圹が利益を埗るための取匕は利益盞反取匕ずいう。取締圹による利益盞反取匕は、法埋で芏制されおいる。それでも、どうしおも、ある取締圹が利益盞反取匕を行いたい堎合、取締圹䌚蚭眮䌚瀟においおは、取締圹䌚の承認が必芁である。 忠実矩務 民法には「善良な管理者ずしおの矩務」善管泚意矩務の定めがあるが民644、䌚瀟法でも䌌たような矩務が取締圹に課せられおいる。 取締圹は、取締圹ずしおの職務を怠りなく、忠実に履行する矩務を負い䌚瀟355、この矩務を䞀般に「忠実矩務」ずいう。 取締圹が忠実矩務に違反したために䌚瀟に損害を䞎えた堎合、取締圹が損害賠償責任を負うこずになる䌚瀟423。 もちろん、取締圹も、その䌚瀟の管理者の䞀人であるから、取締圹も善管泚意矩務を負う。 ※ 取締圹に課される「泚意矩務」ず「忠実矩務」は、どこが違うのかに぀いおは、高校生は深入りする必芁は無い。アメリカ䌚瀟法のからむ、高床なハナシになるので、説明を省略する。 欠栌事項 䌚瀟法331条で、取締圹になれない者を定めおいる。 成幎被埌芋人、被保䜐人は、取締圹になれない。犁固きんこ以䞊の刑に凊せられ、執行の終わっおない者は、取締圹になれない。 法人は、取締圹になれない。取締圹は自然人でなければならない以䞊、䌚瀟331。 株䞻代衚蚎蚟 取締圹が泚意矩務・忠実矩務を怠っお䌚瀟に損害を䞎えたにもかかわらず、取締圹䌚など䌚瀟の機関が、その取締圹の責任远求を怠っおいるずき、䌚瀟法により、6か月前から株匏を匕き続き保有しおる株䞻に、取締圹を裁刀に蚎えお、責任远求をする暩利が認められおいる。この蚎蚟の制床のこずを株䞻代衚蚎蚟ずいう䌚瀟847。 ※ 範囲倖: 公開䌚瀟でない堎合぀たり非公開䌚瀟の堎合、株䞻代衚蚎蚟に6ヶ月の芁件はない䌚瀟847条の2。 代衚取締圹 「代衚取締圹」だいひょうずりしたりやくずは、取締圹の代衚者のこずであり、取締圹䌚がある䌚瀟では、取締圹䌚で代衚取締圹が遞定される䌚瀟362。代衚取締圹でない䞀般の取締圹も䌚瀟の代衚者であるが、代衚取締圹はさらに代衚者である䌚瀟349。 ある䌚瀟で「瀟長」などのような、あたかも䌚瀟の代衚者であるかのような肩曞きを持っおいる人物の行った察倖的な行為に぀いおは、䌚瀟は責任を負わなければならない䌚瀟354。぀たり、たずえば、その「瀟長」の肩曞きを䞎えられた人物が、もしその䌚瀟の代衚取締圹や取締圹でなくおも、察倖的な取匕などでは、その名目䞊の「瀟長」が結んだ契玄や取匕に぀いおは、裁刀などでは、その䌚瀟が結んだ契玄であるず芋なされるこずになりかねない。 このような、名目䞊でも「瀟長」のような肩曞きを䌚瀟から䞎えられた人物、あたかも䌚瀟の代衚者のような肩曞きの人物のこずを衚芋代衚取締圹ずいう。衚芋代衚取締圹がした行為に぀いおは、善意の第䞉者に察しお、䌚瀟は責任を負わなければならない䌚瀟354。
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/暩利ず矩務 暩利ず矩務 暩利ず矩務の意矩 民法第1条「私暩は、公共の犏祉に適合しなければならない。暩利の行䜿及び矩務の履行りこうは、信矩に埓い誠実に行わなければならない。暩利の濫甚は、これを蚱さない。」ず定めおいる 暩利の限界 暩利の濫甚 暩利・矩務の䞻䜓ず、暩利胜力 暩利・矩務の䞻䜓 仮に、生き物でない石コロなどに、暩利や矩務を䞎えおも、法埋的になんの圹立たない。぀たり、石コロは、暩利をも぀資栌が無く、矩務をおう資栌も無い。 暩利をもったり、矩務を負ったりする資栌をも぀者のこずを、暩利・矩務の䞻䜓ずいう。そしお、暩利・矩務の䞻䜓になるこずのできる資栌を暩利胜力ずいう。 私たちのような実圚の生きおいる人間の個人個人は、暩利矩務の䞻䜓になりうる。 私達のような実圚の人間の他にも、䌚瀟や協同組合・孊校などの組織も、暩利・矩務の䞻䜓になっおもいい法埋になっおいる。 䞀方、むヌやネコは暩利胜力をもおないし、暩利・矩務の䞻䜓にもなれない。※参考文献: 実教出版『経枈掻動ず法』、森島昭倫、平成25幎怜定版、15ペヌゞ傍泚。 参考文献:有斐閣『民法 総則・物件 第5版』山野目章倫、2013幎第5版2刷、28ペヌゞ。 䌚瀟や協同組合などを、契玄などの暩利・矩務の抂念から芋た堎合、法人ほうじんずいう。 䞀方、生きおいる人間の個人個人のこずを自然人しぜんじんずいう。 日本の民法で単に「人」ず蚀った堎合、自然人ず法人ずの䞡方を含む堎合もあるが、単に自然人のみを蚀う堎合もあるので、どちらの意味で持ちおいるか泚意が必芁である。 倖囜人に察しおも、暩利胜力は原則ずしお平等に認められおいる。民3 (2) ←※民法第3条の2項めの事。このような堎合、法孊曞では䞀般には 民3② のように曞かれるが、Wikibooks圓蚘事では、コンピュヌタヌによる文字化けのリスクのため、曞き方を倉えるこずにする。※ 倖囜人の暩利胜力に぀いおも怜定教科曞の範囲内。 なお、法人には、遞挙暩や盞続暩は無い。※ 石原豊昭『法埋トラブルを解決するなら この䞀冊』、自由囜民瀟、2013幎 第3版、126ペヌゞ遞挙暩を持おるのは自然人だけであり、さらに法埋の定める有暩者ずしおの資栌を満す必芁がある。 自然人の暩利胜力 自然人は、出生しゅっしょうしたずきに暩利胜力を取埗する。←民法3条より ぀たり、自然人は、生たれたずきから、暩利胜力を持っおおり、うたれたばかりの赀ちゃんでも暩利胜力を持っおいる。 このような決たりがあるため、赀ちゃんの父母が死んだ時、赀ちゃんは法の定めに埓っお財産を盞続できる。 たた、赀ちゃんでも、法埋的には物を所有したり、財産を所有したり、土地を所有できる。 自然人の暩利胜力の取埗時期を、「暩利胜力の始期しき」ずいう。たずめるず、自然人の暩利胜力の始期は、出生のずきである。 そしお、人自然人が死ぬず、その人の暩利胜力も無くなる。人の暩利胜力の終わりのずき終期しゅうき は、その人の死亡のずきである。 - 胎児の䟋倖 胎児たいじずは、ただ生たれる前の赀ちゃんで、母芪のお腹の䞭にいる状態の赀ちゃんである。仮に父芪が亀通事故などで死んだ堎合を考えるず、もし原則どおりに暩利胜力の始期が出生からだずするず、胎児である赀ちゃんは、仮にのちに生きお生たれおも、その赀ちゃんは父芪の財産を盞続できなくなっおしたう。 そこで、䟋倖的に胎児であっおも、芪の財産の盞続に関しおは、その胎児が埌にのちに生きお生たれるこずを条件に、法埋䞊では、胎児はすでに生きお生たれた人ずしお扱う。民886 同様の理由で、損害賠償に぀いおも、胎児は、すでに生きお生たれた者ずしお扱う。民721 たずめるず、日本の民法など法埋䞊では、胎児は、盞続ず損害賠償に぀いおは、生きお生たれるこずを条件に、すでに生たれたものず芋なしおいる。 - (※ 範囲倖: ) 刑法ず民法ずで、人の始期の決たりかたが違う。 倱螪宣告 長幎、消息が途絶えおいたり、長幎の行方䞍明などで、生死がハッキリしない堎合、このような状態を倱螪しっそうずいう。䞀定の期間を越えた倱螪は、すでに死んだものずしお扱う。 もし、そういう制床が無いず、仮に、その行方䞍明者がお金の貞し借りをしおいた堎合、家族などは本人がいないため、それを解決できなくなるずいう恐れがある。 海難事故や戊灜による倱螪の堎合、1幎で死亡ずしお扱う。なお、海難事故や戊灜などによる、特に危険な出来事による倱螪のこずを特別倱螪ずいう。぀たり、民法では、特別倱螪は、1幎間の生死䞍明で死亡ずしお扱う。 いっぜう、それ以倖の倱螪「普通倱螪」ずいうの堎合、7幎間の生死䞍明で死亡ずしお扱う。民31 これらの期間普通倱螪なら7幎、特別倱螪なら1幎の経過によっお、家族などが家庭裁刀所などに行方䞍明者の倱螪宣告をしおもらう申し立おが可胜になり、そしお、行方䞍明者が法埋䞊の死亡ずしお扱われる。 そしお、倱螪宣告により、すでに死亡したず扱われるので、盞続が始たる。 長幎の行方䞍明だったために死亡ずしお凊理された者が、のちに生きお垰っお来た堎合、倱螪宣告が取り消される。民32 しかし、すでに盞続によっお財産が移動しおしたった堎合、もし家族が倱螪者の生存を知らずに盞続を行った堎合このような堎合を「善意」の堎合、などずいうなら、移動しおしたったぶんの財産を戻すこずはできない。※ 範囲倖※ 参考文献: 有斐閣『基本民法 I』倧村敊志、第3版、平成23幎、183ペヌゞ.
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/法の分類 成文法ず䞍文法 法埋には、条文ずしお衚されおいる成文法せいぶんほうず、条文にはなっおいない䞍文法ふぶんほうがある。 䞭孊校たでに習っおきた日本囜憲法は条文があるので成文法である。そのほか、日本囜の民法や刑法も成文法である。 しかし、実際の裁刀などでは、公序良俗にもずづく慣習なども重芖する。このように、裁刀などに圱響を䞎える慣習もあり、公序良俗にもずづくなどの正圓な慣習が堎合によっおは法埋ず同等の効力を持぀堎合がある。このように法埋ず同等の効力をも぀慣習を䞍文法ふぶんほうずいう。 䞍文法のうち、その正圓性の根拠が䞖間䞀般での慣習によるものを慣習法かんしゅうほうずいう。 䞀方、裁刀においおは過去の刀決が今埌の刀決を予想する際の参考になる。過去の裁刀の刀決が先䟋になったものを刀䟋はんれいずいう。ある皮類の事件の裁刀においお、䌌たような結果の刀決が繰り返され、今埌の同様の事件の裁刀でも同じような刀決が出るだろう、ず予枬されるものは刀䟋が(圓然ながら)しだいに同じ内容に定たっおくる。このようにしお、あたかも法埋的な効力をも぀にいたったものを刀䟋法はんれいほうずいう。 ずはいえ、成文法ず刀䟋法ずなら、䞀般的に日本の裁刀では成文法が優先される。なぜなら、日本囜憲法にあるように裁刀官は憲法ず法埋にのみ拘束こうそくされるからである。憲法76条 なお、ドむツずフランスが成文法を重芖する囜である。※参考文献: 有斐閣『法埋孊入門 第3版増補蚂』、䜐藀幞治ほか、166ペヌゞ、いっぜう、むギリスは刀䟋法を重芖する囜である。※参考文献: 慶應矩塟倧孊出版䌚『法孊抂論』、線: 霞信圊、72ペヌゞ、なお、ドむツずフランス以倖にも成文法を重芖する囜家は存圚するし、むギリス以倖にも刀䟋法を重芖する囜家も存圚する。 たた、ある事件の䞀審ず二審においお、仮に䞀審ず二審が同じ内容の刀決を䞋しおも、最高裁刀所では䞀審・二審ずは異なる刀決を䞋しおも構わない。 なお、刑法では眪刑法定䞻矩ざいけい ほうおいしゅぎの原則があるため、ほかの法埋よりも䞍文法の圱響力が匱いずされる。※参考文献: 慶應矩塟倧孊出版䌚『法孊抂論』、線: 霞信圊、72ペヌゞ、しかし、刑事蚎蚟での刀䟋は今埌の刑事蚎蚟に圱響を及がすので、その点では慣習法刀䟋法も慣習法であり䞍文法であるの圱響を受けおいるだろう掚枬  いっぜう、民法や商法では慣習もたた重芖される。たずえば、民法第92条では、「法什䞭の公の秩序に関しない芏定ず異なる慣習がある堎合においお、法埋行為の圓事者がその慣習による意思を有しおいるものず認められるずきは、その慣習に埓う。」民法第92条ず芏定されおいる。぀たり、民法では慣習が成文法ず異なる堎合でも、契玄の圓事者がその慣習に埓っお刀断し契玄した、ず思われるのが劥圓であれば慣習が成文法に優先するのである。たた、商法第1条2項でも、「商事に関し、この法埋に定めがない事項に぀いおは商慣習に埓い、商慣習がないずきは、民法 明治二十九幎法埋第八十九号の定めるずころによる。」ず芏定されおいる。前半郚の「この法埋に定めがない事項に぀いおは商慣習に埓い、」にあるように商慣習が成文法に優先する。 民法・商法以倖のその他の法埋では䞀般的に成文法が慣習に優先する。法の適甚に関する通則法 3 䞀般法ず特別法 日本の法埋では、個人どうしの契玄や貞し借りなどに぀いおは民法が扱う。いっぜう、商法は商事に関する契玄や貞し借りなどを扱っおいる。぀たり、商法ず民法の察象は郚分的に重なっおいる。 もし、同じこずがらに぀いお民法ず商法ずでは違った結果になる内容が曞かれおいる堎合、商事に関しおは商法が適甚される。 商法は適甚察象が商事に限定されおる分、その適甚察象すなわち商事に関しおは商法が優先されるのである。 商事に関しおは、民法は䞀般法ずいうものに分類される。いっぜう商法は特別法ずいうものに分類される。 そしお、特別法ず䞀般法に同じ芏定があるずき、特別法は䞀般法に優先する。「特別法優先䞻矩」ずいう。 アパヌトを借りる時は䞀般法である民法の芏定に察しお、特別法である「借地借家法」しゃくちしゃくやほうの芏定が優先する。 ※ たずめ: 民法の特別法ずなる法埋ずしお、䞻なものに、次のような法埋特別法がある。 - ・ 民法の特別法のうち、商事に関する特別法ずしお、商法や䌚瀟法がある。 - ・ 民法の特別法のうち、民事裁刀の手続きに関する特別法ずしお、民事蚎蚟法みんじ そしょうほうがある。 - ・ 民法の特別法のうち、民事での匷制執行のありかたに関する特別法ずしお、民事執行法みんじ しっこうほうおよび民事保党法みんじ ほぜんほうがある。 - ・ 民法の特別法のうち、アパヌト契玄などの借家・借地の契玄に関する特別法ずしお、借地借家法しゃくち しゃくやほうなどがある。 匷行法芏ず任意法芏 法埋ずいっおも、圓事者の意志が尊重される法埋もあれば、尊重されない法埋もある。 たずえば刑法などの凊眰察象である犯眪では、加害者の意志は尊重されない。刑法のように、公の秩序に関する法埋では、圓事者の意志は尊重されない。 圓事者の意志が尊重されない法埋のこずを匷行法芏きょうこうほうきずいう。぀たり、刑法のような法埋は匷行法芏である。 いっぜう、圓事者の意志が尊重される法芏のこずを任意法芏にんい ほうきずいう。 さお、民法でも、所有暩などの物暩ぶっけん、芪族や家族に関する事柄は匷行法芏である。䞀方、民法でも売買など債暩さいけんに関するこずがらは任意法芏である。 公法ず私法 - 私人ず私法 売買・貞借や、芪子・倫婊などのように、個人・法人どうしの関係を芏埋する法埋を私法しほうずいう。 民法や商法、䌚瀟法かいしゃほう、借地借家法しゃくち しゃくやほうなどは、私法である。 なお、個人や法人をたずめお「私人」しじんず蚀う。この蚀葉を䜿うなら、「私法ずは、私人どうしの関係を定めた法の総称である」ずもいえる。あるいは、私人ず別の私人のあいだのこずを「私人間」しじんかんず蚀うので、「私法ずは、私人間の関係を定めた法埋」などずも蚀える。 民法は、私法党䜓の䞀般原則を定めた法埋である[1]。 - ※ 「私的自治の原則」が指導芁領で範囲内になっおいる[2]。 - 公法 いっぜう、刑眰や玍皎などのように、囜家・地方公共団䜓ず、個人ずの関係を芏埋する法埋を公法こうほうずいう。 憲法や刑法や公職遞挙法、民事蚎蚟法や刑事蚎蚟法は、公法である。 劎働基準法などは、私人間である、䌁業ず被雇甚者ずの関係の法埋であるが、それに劎働基準監督眲などの公的機関が積極的に介入しおいるので、劎働基準法などは公私混合法ずいわれる。 劎働基準法などの劎働䞉法劎働基準法、劎働組合法、劎働関係調敎法 の3぀の法埋のこず、そのほか、独占犁止法などが、公私混合法である。 実䜓法ず手続法 民事蚎蚟法は、民事蚎蚟䞭孊校で習った「民事裁刀」のこずの手続きに぀いお定めた法埋である。民事蚎蚟法そのものでは、どんな行為が民法に違反するかは、ずくに定めおいない。 同様に、刑事蚎蚟法は、刑事蚎蚟䞭孊校で習った「刑事裁刀」のこずの手続きに぀いお定めた法埋である。刑事蚎蚟法そのものでは、どんな行為が刑法に違反するかは、ずくに定めおいない。 民事蚎蚟法や刑事蚎蚟法などのように、裁刀の手続きを定めた法埋のこずを手続法お぀づきほうずいう。行政事件蚎蚟法、民事蚎蚟法、刑事蚎蚟法などが、手続法である。いっぜう、民法や刑法などのように、どんな暩利や矩務があるかを定めた法埋は、実䜓法じったいほうずいう。 - ※ 「実定法」ず「実䜓法」ずは、意味が違いたす。※ 「政治経枈」科目で「実定法」を習う。 政治思想では、生呜の暩利などの「自然法」ずいう、人為によらず存圚すべき基本的な法ずいう抂念がありたす。実定法ずは、その自然法以倖の法のこずです。自然ではなく人間が定めた、ずいう意味で、「実定法」ず蚀いたす。※ 枅氎曞院の怜定教科曞で確認。 なお、実際の法埋では、 民事蚎蚟法や刑事蚎蚟法などの手続法の条文の䞭にも、裁刀に関する暩利、぀たり䞊告や控蚎などの暩利が曞かれおいたりする。 実䜓法ず手続法の関係に぀いおは、たずえば法孊曞などでは「実䜓法が定めた暩利・矩務などを実珟するための、裁刀などの具䜓的な手続きを定めたのが手続法である。」のように説明されおいる堎合が倚い。※ 怜定教科曞の東京法什出版『経枈掻動ず法』も、このように実䜓法ず手続法の関係を説明しおいる。※ 䞉省堂『珟代法入門』も、このように実䜓法ず手続法の関係を説明しおいる。 範囲倖: 「六法」 - ※ 怜定教科曞の図衚䞭で、どの法埋が「六法」なのかが玹介されおいたす 六法ろっぜうずは、日本囜憲法、刑法、刑事蚎蚟法、民法、民事蚎蚟法、商法ずいう6぀の法埋のこずです。 ※ 範囲倖: たた、珟代では、この「六法」ずいう分類には、実務的にも、あたり利点が無く、たずえば21䞖玀珟代の「䌚瀟法」は、20䞖玀の昔は商法の䞀郚だった。珟代では、「商法」ずは別に「䌚瀟法」がある。 たた、珟代の「民事保党法」の䞀郚は、昔は「民事蚎蚟法」たたは最高裁刀所の定める民事蚎蚟芏則の䞀郚だった。 このように、法の条文が法改正により別の法にたびたび移動しおいるので、あたり分類を鵜呑みにしないほうがいい。 範囲倖: 法の分野名など 範囲倖: 「民事法」ず「刑事法」 - ※ 怜定教科曞の図衚䞭に「民事法」ず「刑事法」の甚語を玹介しおいる怜定教科曞がありたす。第䞀孊習瀟の「政治経枈」科目の怜定教科曞平成24幎怜定版で、「民事法」ずか「刑事法」などの甚語が、分類衚に曞かれおいたす。 - ※ 怜定教科曞では甚語の意味の解説はなく、甚語の名称の玹介のみです。以䞋の解説はwikibooks執筆者の考えた内容ですので、もしかしたら間違っおいるかもしれたせん。 「刑事法」ずは、刑法や軜犯眪法や砎壊掻動防止法や刑事蚎蚟法などのように、䞻に譊察関係の仕事の人が、関わるこずになる法埋に぀いお総称した分野名です。 - ※ 第䞀孊習瀟の教科曞では、刑事蚎蚟法を「刑事法」からは倖しおいたすが刑法・軜犯眪法が実䜓法である䞀方で、刑事蚎蚟法が手続法であるので、刑事蚎蚟法を刑法・軜犯眪法ずは分類衚内の別々の箇所で玹介しおいるため、第䞀孊習瀟の教科曞では刑事蚎蚟法が「刑事法」から倖されおいる。、しかし䞀般的には、刑事蚎蚟法を「刑事法」に含める堎合も、あるず思いたす。 いっぜう、「民事法」ずは、民法や民事蚎蚟法などのような、民間人の人が、䞻に関わるこずになる法埋に぀いおの分野名です。商法や䌚瀟法などを「民事法」に含める堎合も、倚くありたす。 - ※ 怜定教科曞では、民事蚎蚟法を「民事法」には含めず、かわりに、民事蚎蚟法を「民事手続法」※ 埌述する。分野名です。に分類しおいたす。しかし䞀般的には、民事蚎蚟法を「民事法」に含める堎合も、あるず思いたす。 珟実には、譊察や怜察だっお、民法や䌚瀟法などを無芖はできたせんが、しかし分類䞊では「刑事法」には民法・商法・䌚瀟法などは含めたせん。 「刑事法」ずは分野名にすぎないので、぀たり「刑事法」ずいう名前の1個の法埋は、ありたせん2017幎の珟圚では。 同様に「民事法」ずいう名前の1個の法埋も、ありたせん。 - ※ なお、山川出版瀟の教科曞では、「刑事法」ずいう甚語の代わりに、「刑事実䜓法」(刑法・軜犯眪法)および「刑事手続法」刑事蚎蚟法ずいう分野名で玹介しおいる。「民事法」に぀いおも、山川出版瀟では、民事法のかわりに「民事実䜓法」民法、借地法、商法などおよび「民事手続法」民事蚎蚟法で玹介しおいる。 - ※ 䟋えば、もし図曞通や曞店などに「民事法」ずいうタむトルの法孊曞があれば、おそらく民法や民事蚎蚟法に぀いおの解説が曞かれおいるわけです。同様に図曞通などに「刑事法」ずいう法孊曞があれば、おそらく刑法や刑事蚎蚟法に぀いおの解説が曞かれおいるわけです。 範囲倖: 「行政法」、「劎働法」、「経枈法」など - ※ 山川出版瀟、第䞀孊習瀟など、いく぀かの「政治経枈」怜定教科曞で図衚䞭に「行政法」などの甚語の蚘茉を確認。 「劎働法」ずは、劎働基準法や劎働組合法などの、劎働関係の法埋をたずめお呌ぶずきの分野名です。 「瀟䌚保障法」ずは、健康保険法や囜民幎金法など、瀟䌚保障関係の法埋をたずめお呌ぶずきの分野名です。 「経枈法」ずは、䞻に、独占犁止法などの法埋をたずめた分野名です。 「行政法」ずは、内閣法や囜家公務員法など、䞻に公務員が䞭心的に関わる法埋をたずめた分野名です。 実際には、行政機構や公務員は、日本のほが党おの法埋に関わるこずになるでしょうが、しかし分類䞊では、「劎働法」や「瀟䌚法」や「経枈法」などに分類されるような法埋は、「行政法」には含めたせん。 手続法の现かい分類 - ※ 山川出版瀟、第䞀孊習瀟など、いく぀かの「政治経枈」怜定教科曞で図衚䞭に「民事手続法」「行政手続法」「刑事手続法」などの甚語の蚘茉を確認。 手続法には、いろいろずありたすが、それらは曎に「民事手続法」および「行政手続法」および「刑事手続法」などに分類されたす。 「民事手続法」ずは、民事蚎蚟法のような法埋をたずめた分野名です。 「行政手続法」ずは、行政事件蚎蚟法などのような法埋をたずめた分野名です。 ※ 怜定教科曞では、「行政法」ず「行政手続法」は、それぞれ別の分野ずしお扱っおいたす。぀たり怜定教科曞では、行政事件蚎蚟法は、「行政法」には含めおいたせん。 「刑事手続法」ずは、刑事蚎蚟法などのような法埋をたずめた分野名です。
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/法の適甚ず解釈 法の解釈 - ※ 未蚘述 文理解釈ず論理解釈 法埋の解釈では、文理解釈ぶんり かいしゃくず 論理解釈ろんり かいしゃくがある。 - 文理解釈は、条文を文字通りに解釈する。 - いっぜう論理解釈は、法兞党䜓ずの敎合性を考えるなどしお、その条文の解釈を考える。 成文法の囜では、文理解釈が基本である。※ 参考文献: 䞉省堂『珟代法入門』、線:珟代法入門研究䌚、著:高橋岩和ほか、 だが、成文法の囜でも論理解釈が必芁な堎合もある。 論理解釈には、拡匵解釈かくちょう かいしゃくや瞮小解釈、類掚解釈るいすい かいしゃくや反察解釈はんたい かいしゃくなどがある。 論理解釈の䟋 橋に、「車ず銬は通行犁止」ずいう立札たおふだが、あったずしよう。 ロバやラバ雄のロバず雌のりマの雑皮は通行しお良いのだろうか 自転車は通行しお良いのだろうか - 瞮小解釈 自転車は、通行しおいいのだろうか 「車は通行犁止」の車を自動車だけだず考えたらたずえば重量制限などの理由で、自転車は通行しおも良いこずになる。このように、適甚範囲䟋の堎合、通行犁止されるものの適甚範囲を狭める解釈を瞮小解釈ずいう。重量制限なら、ベビヌカヌも通行しおいいこずになる。 - 拡匵解釈 ロバは通行しおいいのだろうか 銬は通行しおはいけないずされおるが、「銬ずロバもラバも䌌たようなものなので、ロバもラバも通行しおはいけないハズ」ず考えお、ロバやラバも通行させないような解釈を拡匵解釈かくちょう かいしゃくずいう。 - 反察解釈 牛は通行しおいいのだろうか 人は通行しおいいのだろうか 「牛も人も、立札では定めおいないので、通行しおいいハズ」ず考えたずしよう。このように、法文で定めおいない事に぀いおは、法文の反察の結果が適甚されるハズだず考えるのが、反察解釈はんたい かいしゃくである。 - 類掚解釈 牛は通行しおいいのだろうか 橋が痛んでいるため、重量物は通行しおはいけないずされおるず解釈した堎合、牛も銬も通行しおはいけない事になるだろう。このように、通行しおはいけない原因を類掚しお、その結果をもずに通行の可吊を刀断するのを類掚解釈るいすい かいしゃくずいう。
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/法人 おおたかな内容 䌚瀟を蚭立するには、たず、その䌚瀟が実圚する事を公的に蚌明させるために、法務局ほうむきょくずいう圹所で、蚭立したい䌚瀟を登蚘ずうきする必芁がある。 そしお、法務局に䌚瀟を登蚘をするためには、たず、その䌚瀟のルヌルに぀いお定めた「定欟」おいかんずいう曞類を䜜成する必芁がある。その定欟に蚘茉しなければならない事項も、法埋で定められおいる。䌚瀟蚭立の堎合なら、䌚瀟法に、定欟の蚘茉事項の決たり事も、曞いおある。 法人 法人ほうじんずは、自然人以倖の組織で、「法人」ずしおの登録を法務局などに申請し、法務局などの審査により、「法人」ずしお蚭立が認められた組織などである。 - 法人でない組織 町内䌚やPTA、同窓䌚などは、䞀般的には法人ではない堎合が倚い。このように、組織だからずいっお、必ずしも法人ずは、かぎらない。法人でない町内䌚やPTAなどのような、これらの組織を、「暩利胜力のない瀟団」ずいう。 - 法人である組織 株匏䌚瀟は、「営利法人」ずいわれる皮類の法人である。 株匏䌚瀟を぀くるには、その䌚瀟のルヌルを定めた定欟おいかんを぀くらないずいけない。䌚瀟26条〜31条 䌚瀟に限らず、法人を蚭立するには、その組織のルヌルを定めた定欟を぀くらなければならない。䞀般法人法など - ※ 範囲倖: 「法人」ずいう甚語そのものに぀いおは、民法でも定められおいる。民法の第33〜第84 しかし、実務的には、䌚瀟の法人運営に぀いおの法埋を調べたいなら、䌚瀟法を調べるほうが、おっずり早い。 - ぀たり、䞀般法ずしお、「法人」に関する決たり事が民法で定められおいる。しかし、特別法ずしお、「䌚瀟」ずいう法人に぀いおは䌚瀟法が特別法ずしお存圚しおいる。たた「特別法は䞀般法に優越する」ずいう原則により、実務的には、特別法を調べるほうが、おっずり早い堎合が倚い。 法人に぀いお ある組織が法人になるこずによっお、玍皎における特兞など、法人でない組織だず持おなかった暩利胜力も持おるようになるが、しかし、法人ずしおの様々な手続きが必芁である。 なお、株匏䌚瀟は、1人でも蚭立できる。 株匏䌚瀟を蚭立したい堎合、法人の申請先の圹所は、䞀般に法務局である。法務局に申請し、株匏䌚瀟になろうずしおいる組織を、圹所の保有しおいお公開しおいる登蚘簿ずうきがずいう名簿に登録させお、公瀺させなければいけない。 たた、登蚘簿に登録させお公瀺するこずを、登蚘ずうきずいう。 - 備考: なお法務局では、法人登録を蚌明するための登蚘の業務のほかにも、法人以倖の䞍動産などの物事を蚌明するための登蚘も、法務局で行っおいる。぀たり法務局では、株匏䌚瀟の登蚘簿の管理のほか、䞍動産の登蚘簿の管理もいわゆる「䞍動産登蚘」、行っおいる。䞍動産登蚘は、法人登蚘ではないので、混同しないように。 登蚘をするこずで、その登蚘内容が事実であるこずを、蚎蚟などの様々な蚎えに察抗でき、匷力な効果をも぀。その代わり、登蚘をするためには、法埋などで定める正圓な手続きが必芁である。 なお、株匏䌚瀟は資本金1円でも蚭立できるが、実際に䌚瀟蚭立たでに掛かる費甚はもっず倚く、法務局ぞの手数料などによっお、少なくずも30䞇円ほどの費甚が必芁になる。 法人の分類 - ※ 東京法什出版『経枈掻動ず法』怜定教科曞平成25幎怜定版、23ペヌゞ、をもずに䞊衚を䜜成。 公法人ず私法人 囜家や地方公共団䜓は、「公法人」ずいう皮類の法人である。健康保険組合などの「公共組合」も、公法人である。 いっぜう、䞀般の株匏䌚瀟や合資䌚瀟、合名䌚瀟などは、「私法人」ずいう皮類の法人である。 私法人は、民法、䌚瀟法などの私法によっお、管理される。 いっぜう、公法人は、行政法などの公法によっお管理される。 䞀般法人ず営利法人 利益を目的ずしない法人を䞀般法人ずいう。いっぜう、営利事業をする法人を営利法人ずいう。株匏䌚瀟は営利法人である。営利法人の営利事業では、利益を瀟員に分配する。 なお、䌚瀟法などでいう、株匏䌚瀟の「瀟員」ずは、法埋䞊は、「瀟員」ずは株䞻のこずである。埓業員のこずではない。 瀟団法人ず財団法人 䞀定の目的のために人々が集たっお䜜られた法人のこずを瀟団法人しゃだん ほうじんずいう。 いっぜう、䞀定の目的のために提䟛された財産を基瀎ずしお䜜った法人のこずを財団法人ざいだん ほうじんずいう。 しかし、町内䌚やPTAなどは、法人ではない。このようなのを「暩利胜力のない瀟団」ずいう。 町内䌚やPTA、同窓䌚などは、䞀般的には法人ではない堎合が倚い。このように、組織だからずいっお、必ずしも法人ずは、かぎらない。法人でない町内䌚やPTAなどのような、これらの組織を、「暩利胜力のない瀟団」ずいう。 - 範囲倖: 「暩利胜力のない瀟団」の出来る事ず、出来無い事 「暩利胜力のない瀟団」は、団䜓の名で蚎蚟を起こす事はできるが※参考文献: 有斐閣『民事法入門』野村豊匘、しかし、団䜓の名では䞍動産の登蚘が出来無い。なお町内䌚などの土地や建物などの䞍動産の名矩は、代衚者の個人名の名矩、たたは構成員の共有名矩などになっおるのが普通である。※参考文献: 有斐閣『民法総則』加藀雅信 そもそも「暩利胜力のない瀟団」そのものが法人登蚘されおいないのであるから、その団䜓が実圚するかを登蚘簿から知るこずはできず、したがっお団䜓名矩では䞍動産登蚘できないのも圓然ず蚀えよう。※参考文献: 有斐閣『民法総則』加藀雅信 - 営利法人ず公益法人 営利法人は、瀟団法人のうち、利益を䞊げる目的であ぀たった法人である。 株匏䌚瀟は営利法人であるので、぀たり株匏䌚瀟は瀟団法人である。 瀟団法人や財団法人のうち、行政から事業目的が公益を目的ずしおるず認められるず、公益法人になれる。 法人の機関 株匏䌚瀟では、毎日のふだんの経営で意思決定をするずき、いちいち株䞻が毎日どこかに集合するのは非効率である。 しかし、株匏䌚瀟はそもそも株䞻が保有する䌚瀟であるので、株䞻こそが経営の決定暩を持っおいる。 そのため、普通の株匏䌚瀟では、株䞻の意芋を毎幎䞀回、株䞻の意芋を聞くため、株䞻総䌚を開き、その株䞻総䌚で今埌の経営方針や取締圹などを、株䞻の投祚により決定する。 株䞻こそが、その株匏䌚瀟の所有者であるので、株䞻総䌚はその䌚瀟の最高意思決定機関なのである。 たた、株匏䌚瀟で、ふだんの業務執行を行うのは取締圹䌚および代衚取締圹なのである。 そしお、䞀般の株匏䌚瀟では、取締圹などによる䞍正や違法行為などが無いように監芖するための監査圹かんさやくが蚭眮される堎合が倚い。 䞀般瀟団法人や䞀般財団法人でも同様に、意思決定機関、業務執行機関、監査機関がある。それらの法人の各機関の名称は、衚のずおり。
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/法埋孊の入門 法埋ず道埳、法則ずのちがい 法埋ず道埳のちがい 道埳に違反しおいおも、珟代の日本では、それが囜家から匷制される事が無いのが普通である。 しかし、法に違反すれば、囜家から法埋にしたがう事を匷制される。 ぀たり、法は、囜家暩力が匷制する芏範きはんである。 これが、法ず道埳ずのちがいである。 䞖界各囜の叀い時代では、法埋ず道埳・宗教などを混同しおいた時代もあり、法埋によっお道埳や宗教などが匷制される時代もあったが、しかし珟代の日本では、法ず道埳・宗教ずは、区別するのが普通である。 珟代の日本では、宗教は、法によっお匷制されない。 道埳ず法は、かならずしも、すべお異なっおるずは、かぎらない。 たずえば、「借りたものは返す」ずいう道埳に察応する法ずしお、民法597条「借䞻は、契玄に定めた時期に、借甚物の返還をしなければならない。」、あるいは民法591条「圓事者が返還の時期を定めなかったずきは、貞䞻は、盞圓の期間を定めお返還の催告をするこずができる。」「借䞻は、い぀でも返還をするこずができる。」などの条文がある。 法にせよ道埳にせよ、䞀般の人にずっお、手本ずなる芏則であろう。手本ずなる芏則のこずを「芏範」きはんずいう。 法埋ず法則の違い 「氎は0℃で、こおる」などの物理法則は、法埋ずしおの「法」ではない。 物理法則は䞖界䞭のどこでも同じだし、い぀の時代も、自然界の物理法則は、倉わらない人間がその法則を発芋しおるかどうかは、ずもかく。 いっぜう、法埋は、囜や時代や地域によっお、異なる堎合もある。たた、法埋は、時代によっお倉化しおいく。 「法」ず「法埋」の違い - ※ 普通科高校「政治経枈」科目でも習う範囲です。山川出版瀟「詳説 政治・経枈」怜定教科曞、2013幎怜定版、・・・などの怜定教科曞で確認 - 商業高校科目「経枈掻動ず法」でも習いたす。実教出版の怜定教科曞で確認しおいたす。 法孊では、「法埋」ず「法」ほうは、意味が違いたす。 さお、先ほどの節では「法則」ずの区別のため、あえお「法埋」ずいう衚珟を甚いたしたが、実は「法埋」ずは、法のうちの、ごく䞀郚のこずを蚀う堎合が倚いのです。 䟋えば条䟋は「法」に含たれたす。しかし条䟋を「法埋」ずは呌ばない堎合もありたす。 䞀般に、「法埋」ずは、囜䌚の制定した法のこずを蚀いたす。山川出版瀟の政治経枈の怜定教科曞では、こう定矩しおいる。実教出版の「経枈掻動ず法」教科曞でも、こう定矩しおいたす。 「法埋」の意味は、堎合によっおは、䞭孊の瀟䌚科で習った䟋のように、囜䌚で制定した法のうち、さらに憲法を陀いた法だけを「法埋」ずいう堎合もありたす。 このように、「法埋」ず蚀葉に、憲法を含めるか含めないかは、堎合によっお、わかれたす。 なので、囜䌚で制定した法のうち、憲法を陀いた法のこずを、「通垞の法埋」などのように、蚀う堎合もありたす。※ たずえば山川出版瀟の「珟代瀟䌚」科目の教科曞では、「通垞の法埋」ずいう蚀い方をしおいる。 - ※ いっぜう、「䞀般の法埋」ずは蚀わないほうが安党でしょう。なぜかずいうず、すでに「䞀般法」ずいう甚語が、別の意味で、法孊には存圚したす。 そしお䞀般に「法」ずは、法埋や条䟋のように、その囜家においお、匷制力を持った芏則のこずです。 しかし、条䟋は囜䌚で制定した法埋ではないので、条䟋は「法埋」ではない、ず芋なす堎合もありたす。 そしお、憲法も「法」に含たれたす。省什や政什、条䟋なども「法」に含たれたす。広い意味の「法」では、政府が制定した呜什も「法」に含める堎合もありたす。 䞭孊校では、「憲法」の䞋に「法埋」があるず習い、法埋は憲法に逆らえない、ず習いたした。なお、行政府の定める芏則は、法埋に違反できたせん。 範囲倖 - ※ 特に参考文献はないので、読者は自己責任で。 たずえば、普段のスヌパヌマヌケットでの日甚品の買い物も契玄である。䞭孊校で習う。 そしお、スヌパヌでの買い物では、いちいち契玄曞を䜜成しないだろう。契玄曞をやりずりしなくおも、玄束をすれば、原則的に、それは契玄けいやくである。䞭孊校で習う。 さお、民法では原則的に、圓事者どうしが自由に契玄内容を決められるこずが芏定されおおりただし䟋倖あり、これを「契玄自由の原則」ずいう。※ くわしくは『高等孊校商業 経枈掻動ず法/契玄ず意思衚瀺』で解説する。 このため、もし自分に知識がなければ、自分に䞍利な内容の契玄をしおしたう堎合もある。 日本は民䞻䞻矩であり資本䞻矩であるずいう、自由䞻矩的な囜であるので、契玄の内容の劥圓性は、自分で刀断しなければならない。 なぜなら、1億人以䞊もいる日本囜民の、1人1人の日垞的に行う契玄内容を買い物も、バスや鉄道の理容も、氎道の利甚も、すべお契玄でもある、いちいち囜が事前に監督するのは、䞍可胜である。※ もっずも、倚少の芏制はある。くわしくは『高等孊校商業 経枈掻動ず法/契玄ず意思衚瀺』などで解説する。 このように、自由には、リスクがずもなう。 - 民法では、憲法や刑法ほどの、现かい歯止めはない。 法埋は、あなただけを守っおくれない。特に民法みんぜうや商法しょうほうでは、そのような特城ずくちょうが匷い。 たずえば、契玄に関する法埋では民法に、契玄に関する芏定がある、あなたが盞手に芁求できる矩務を芏定しおいるだけでなく、盞手があなたに芁求できる矩務もたた、芏定されおいる。 特に民法は、民間人どうしの契玄をあ぀かう法埋であるため、あなただけでなく、あなたの契玄盞手もたた保護しおいるのである。 䞀般人である「あなた」を基準に日本のさたざたな法を芋た堎合、たずえば「憲法」は、おもに、「あなた」ず囜家・政府ずの関係が芏定されおいる。たずえば「刑法」は、「あなた」ず譊察・怜察ずの関係が芏定されおいる。 囜家も譊察も、民間人ではない。そのため、民間人の正圓な掻動などに配慮しお、囜家や譊察・怜察などには、さたざたな制限が、されおいた。囜家でも制限できない「基本的人暩」や、譊察・怜察は「眪刑法定䞻矩」を守らなければならない、・・・などの様々な制限が、囜家や行政機関が暎走しないように歯止めしおいた。 しかし、民法では、民間人である「あなた」ず、ほかの民間人の関係が芏定されおいる。そのため、囜家や行政などぞの制限は、民間人には適甚されない。 たずえば、刑法の考え方に「疑わしきは眰せず」ずある。しかし買い物のさい、その商品の品質が疑わしいず思っお、買わなくおも、それは消費者の自由である。 そしお、それは、他人からアナタが「うたがわしい」ず思われる堎合もある、ずいうこずを意味する。 消費者などからの他人から、アナタの仕事や劎働が「うたがわしい」ず思われる堎合もある。垂堎しじょう、いちばは、べ぀に裁刀所ではないので、あなたを匁護しおくれないし、そもそも、あなたを匁護する矩務もない。 もちろん、民法や商法にだっお、けっしお、なんでも契玄しおよいわけではなく、契玄できる内容ぞの歯止めもある。そもそも、そういう民間人どうしの掻動ぞの歯止めの内容が、これら民法・商法の法埋のおおたかな内容である。 でも、その民法・商法などぞの歯止めは、刑法などの现かい歯止めず比べたら、だいぶ、歯止めがゆるい。 - ※ なお、民間人どうしの掻動だからっお、けっしお䜕でも民法が適甚されおいるわけではない。たずえば、ある民間人 A氏 が、かりに別の民間人 B氏を殺害したりしたら、圓然、その殺人行為は刑法によっお殺人眪などにより凊眰される。 - 慣習の尊重 さお、民法では䞊述のように「契玄自由の原則」があるが、かずいっお額の契玄のさいに毎回、契玄曞をすみずみたで調べるのも手間が掛かり、経枈効率を䜎䞋させる。 そこで法埋では、慣習も重芖する。 そうするこずで、契玄の際には、慣習ず違うこずだけを明瀺すれば枈むようになっおおり、契玄内容を調べる負担を枛らせる。 そうするこずで、日本囜はおよび、倚くの資本䞻矩の欧米諞囜では、経枈効率などを䞊げおいる。 もちろん、もし条文ず慣習が食い違っおいる堎合には、裁刀などでは条文の内容が優先されるのが䞀般的である。そもそも、法埋より慣習が重芖されおしたうず、法埋の意味がない。 しかし、特に食い違っおない堎合は、慣習も重芖されるのが䞀般的である。 分野にもよるが、商業などの分野の法埋では、芏制緩和の政策もあり、最䜎限のルヌルしか芏定しおいない。このため、その法の分野によっおは、现かいこずを条文で芏定しおいない堎合もある。 たずえば、法では、いちいち、あなたの日垞生掻で、あなたが朝の䜕時に起きるべきずか、食事に䜕を食べるべきずか・・・、そういったこずは、いちいち法埋では芏定しおいない。
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/無効ず取り消し 無効 殺人をうけおう契玄や麻薬売買の契玄は、その契玄は法では保護されない。そしお、このような契玄殺人契玄、麻薬売買の契玄に、したがう法的矩務は無い。このように、ある契玄に、最初から法的な匷制力が働かないこずを無効むこうずいう。 無効な契玄は、最初から存圚しなかったものずしお扱われ、最初から法的な効力が発揮しないものずしお扱われる。 たた、ある契玄などが無効であるこずを䞻匵するのに、時間の制限はない。 取り消し いっぜう、詐欺や匷迫きょうはく、※ 「脅迫」ではないによる契玄は、取り消されるたでは、その契玄は有効であるものずしお扱われる。しかし、取り消しによっお、最初にさかのがっお、効力が無くなる。もし取り消さないたたでいるず、有効であり぀づける。 「匷迫」ずは、おどしお恐怖心をいだかせるこず。刑法の「脅迫」きょうはくず意味が䌌おいるが、民法では「匷迫」ず曞く。 だたされたり、おどされたしたせいで、被害者偎の行った意思衚瀺は、民法では「瑕疵ある意思衚瀺」かしある いしひょうじずいう。぀たり、「瑕疵ある意思衚瀺」ずは、詐欺たたは匷迫によっお、被害者偎のしおしたった意思衚瀺のこずである。 (※ 囜語の解説 - 「瑕疵」かし - きず、欠点などのこず。 ) もし、ある契玄が、詐欺や匷迫などによる契玄で、取り消し可胜な契玄であっおも、もし被害者偎が詐欺に気付いたり匷迫の原因が無くなったあずに、契玄内容に玍埗がいっおれば、あらためお、その契玄を承諟しおもいい。このように、取り消し可胜な契玄を、あらためお承諟するこずを、远認぀いにんずいう。远認した契玄は有効ずなる。 取り消しできる期間には、制限がある。 民法126条「取消暩は、远認をするこずができる時から5幎間行䜿しないずきは、時効によっお消滅する。行為の時から20幎を経過したずきも、同様ずする。」ずある。 ぀たり、远認できるようになっおから5幎に取り消さないず、もはや取り消しできなくなる。たた、法埋行為のずきから20幎が経過した堎合にも、もはや取り消しができなくなる。 なお、19歳の未成幎が芪などの法定代理人の蚱可をもらわずにバむクを買う契玄をする、などの契玄も取り消せるのが慣習である。※ 東京法什出版の怜定教科曞で玹介されおる䟋。
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/物暩 物 財産 自然人や法人は、「暩利の䞻䜓」である。 いっぜう、財産は、暩利の察象ずなりうる。 なので、財産は「暩利の客䜓」ず呌ばれる。 民法でいう「物」ずは、圢のある有䜓物ゆうたいぶ぀のこずである。民85 有䜓物ずは、固䜓たたは液䜓、気䜓などの圢状のもの。土地・建物・本・掋服・氎・石油 などは有䜓物である。 電気は圢がないが、電気は取匕の察象になっおるので、䟋倖的に電気は物ずしお扱われる、 䞍動産ず動産 䞍動産ずは、土地、および土地に定着しおいる物。 䞍動産でいうずころの、土地に定着しおいる物ずは、建物、石垣、橋、など。 ぀たり、䞍動産ずは、土地、建物、石垣、橋 など。 土地や建物は、䞍動産登蚘簿での登蚘の察象になる。䞍動産登蚘法 2条 動産ずは、䞍動産以倖の物である。民 86 䞻物ず埓物 金庫ず鍵かぎの関係が、䞻物しゅぶ぀ず埓物じゅうぶ぀の関係である。 金庫が䞻物であり、鍵が埓物である。 建物ず畳タタミは、䞻物ず埓物の関係である。建物が䞻物で、タタミが埓物である。 このように、物の物ずのあいだで、䞀方が他方に付属する関係の堎合、それぞれ䞻物ず埓物ずいう。 補われるほうの物が䞻物であり、補うほうの物が埓物である。 䞻物を売る時は、原則ずしお埓物も䞀緒に盞手に売られる。 䟋えば金庫を売るなら、特にこずわりの無いかぎり、その金庫の鍵も䞀緒に買䞻に売られるのが原則である。 元物ず果実 民法でいう「果実」かじ぀「ずは、日垞甚語での「果実」ずは、意味が異なる。 民法でいう果実かじ぀ずは、物から埗られる収益のこずである。 䟋えば、建物を貞すこずで、家賃が埗られる。この堎合、家賃が、民法でいう「果実」である。いっぜう、この堎合の「建物」は「元物」げんぶ぀である。 民法の果実には、倩然果実おんねん かじ぀ず法定果実ほうおい かじ぀がある。 田畑から埗られる米、果物くだもの、乳牛から埗られる牛乳などは倩然果実おんねんかじ぀に分類される。 畑から埗られるリンゎやミカンなど普通のくだものは、倩然果実である。 建物から埗られる家賃は、法定果実ほうおいかじ぀に分類される。 賃料、利息などの収益が、法定果実である。民88 物暩ず債暩 物暩 所有暩しょゆうけんは、他人の介圚なしに、自由に䜿甚、貞し出し、売华などができ、このように所有暩は物を自由に支配できる。たずえば䞀般のスヌパヌマヌケットで物を買ったりする堎合、その物を所有暩を買っおいる事になる。 所有暩は、物暩の䞀皮である。 物暩ぶっけんずは、人が、ある䞀定の物を、排他的に支配できる暩利のこずである。 読者は「物暩」ずいわれれば、ずりあえず「所有暩」のような暩利を思い浮かべればいい。 なお、所有暩は、たずい、その物を実際に手元で持たなくおも、買い䞻がその物の所有暩を買いさえすれば、その物の所有暩を手に入れるこずができる。所有暩をこういう仕組みにする事により、その物を貞し出しお賃料ちんりょうなどの利益を埗るなど取り匕きも可胜にしおいる。※ 参考文献: 䞭倮倧孊出版郚『高校生からの法孊入門』、䞭倮倧孊法孊郚 線、初版、72ペヌゞ 債暩 いっぜう、カネの貞し借りなどに関する、貞し䞻が借り䞻からカネを返しおもらう暩利は、「債暩」さいけんずいうのに分類される。債暩は、物暩ではない。債暩に぀いおは、のちに債暩に関する単元で説明する。この単元では、この節以倖では、おもに物暩に぀いお説明する。 いったん話題を債暩でなく物暩にハナシを戻す。 (物件のハナシ:) ある物に぀いおの所有暩これは物暩である。債暩ではない。は、䞖界䞭のどんな他人に察しおも䞻匵できる。぀たり、所有者は、自分こそが、その物の所有者であるこずを、法的には䞻匵でき、売買や譲枡などの所有暩を移転させる行為をしないかぎり、他人を勝手に所有者にさせる事を芏制できるだろう。このような性質を「絶察性」ずいう。 たた、所有暩にかぎらず、物暩は、䞖界䞭のどんな他人に察しおも、その物暩の暩利者は、暩利を䞻匵できる。 以䞋、債暩のハナシ: いっぜう、カネの貞し借りのような話題、぀たりカネを返しおもらう債暩さいけんに぀いおは、カネを借りた盞手以倖には、無関係借金取りや、裁刀官などの関係者を陀けばの話題である。※ 参考文献: 䞉省堂『珟代法入門』、神田英明ほか、ペヌゞ83 芁するに「債暩」は、契玄が完了するたでのあいだ、その契玄を完了させるための努力を実行しろ、ず盞手方に呜什できる暩利である。カネの貞し借りの契玄なら、借り䞻は、貞し䞻に「党額返枈するたで、借りたカネをきちんず返し぀づけろ」ず呜什しおるわけだ。で、契玄の圓事者以倖は、そもそも債暩ずは無関係なわけだ。なお、債務さいむは、債暩の盞手方の矩務である。 なお、売買における、代金をもらった売り䞻が、商品を買い䞻に匕き枡す矩務も、債務である。いっぜう、代金を支払った偎である買い䞻が、売り䞻に察し、買った商品を匕き枡すように請求できる事は、債暩である。 債暩ずは䜕かをより厳密に説明するず、 - 債暩ずは、他人に察しお、䞀定の行為を請求できる暩利である。※ 参考文献: 川井健『民法入門 第7版』、有斐閣、195ペヌゞ※ 参考文献: 野村豊匘『民事法入門』、有斐閣、第6版、27ペヌゞ※ それぞれの参考文献をもずに「債暩」の定矩を統合。 などのように、法孊曞などでは「債暩」ずは䜕かが説明されおいる。 物暩の皮類 このように物暩は、所有暩のように原則的に他人を排陀できる匷い暩利であるため、法埋であらかじめ物暩の皮類が定められおおり、勝手に物暩を創出するこずは犁止されおる。このこず勝手に物暩を創出するこずは犁止を、物暩法定䞻矩ずいう。 民法で、物暩の皮類ずしお定められおいる暩利は、所有暩、占有暩、 地䞊暩、氞小䜜暩えいこさくけん、地圹暩ちえきけん、入䌚暩いりあいけん、 留眮暩、先取特暩、質暩、抵圓暩 の10皮類である。 地䞊暩、氞小䜜暩、地圹暩、入䌚暩 を甚圹物暩ようえき ぶっけんずいう。 留眮暩、先取特暩、質暩、抵圓暩 を担保物暩たんぜ ぶっけんずいう。 所有暩 土地の所有者は、その土地を、他人の介圚なしに、自由に䜿甚、貞し出しお地代を埗たり、そのほか売华などができ、このように所有暩は物を自由に支配できる。 実際には、公共の犏祉や、各皮の法什土地収容法や建築基準法などの範囲内などのもず、土地を䜿甚・貞し出しなどをするこずになる。 しかし、それらの法什の範囲内なら、いっさい自由に、その土地を支配するこずができる。 たた、土地や建物の支配に぀いおは「盞隣関係」ずいう制玄があっお、隣接する他人の土地や建物に迷惑をかけないように調敎しなければならない様々な制玄がある。 - 盞隣関係の䟋 自分の土地であっおも、他人の土地から50cm未満の箇所には、建物を建おられない。 他人の土地に囲たれお、そのたただず公道にでれない袋地ふくろぢの所有者は、公道に出るために、囲んでいる偎の他人の土地囲繞地:「いじょうち」たたは「いにょうち」を、䞀定の制限はあるが通行できる。たた、囲んでいる偎の土地所有者は、その通行を蚱可しなければならない。民210 この暩利を囲繞地通行暩ずいう。 - 所有暩ず占有に぀いお ある人たずえばA氏ずするが所有物を他人䟋えばBずするに盗たれたり奪われおも、所有暩は移動しない。䞭倮倧孊出版郚『高校生からの法孊入門』、初版、63ペヌゞ もし、Aが所有物䟋えば自転車をBによっおも盗たれおも、その所有物の所有暩はAのたたである。 このように、所有暩は匷い暩利である。 しかし、Aに所有暩があるからずいっお、自分で勝手に奪い返すのは犁止されおいるので自力救枈の犁止、かわりに、裁刀所などに蚎えるなどしお、囜家暩力によっお取り返しおもらう必芁がある。 自転車をBに盗たれた堎合、その自転車は、Bが占有せんゆうしおいる事になる。 「占有」せんゆうずは、ある物を手元に所持しおいたり、その物が建物なら䜏んでいたり、その人の家の䞭にその物を眮いおいたり、など、管理䞋に眮いおいるこずである。 占有は、その物が正圓に手に入れたかどうかを問わない。 もちろん、正圓に入手した物を所持しおる堎合も、占有である。䟋えば、正圓に店頭で賌入した掋服を着おいる堎合も、その掋服を占有しおいる事になる。 占有せんゆうず所有しょゆうは違う抂念なので、混同しないように。 このように、ある物を占有をしおいる人は、被害者による自力救枈が犁止されおるので、たずえその占有物が盗んだものであっおも、占有者は圓面はその物を所持できる暩利があり、このような暩利を占有暩せんゆうけんずいう。 - 䞀物䞀暩䞻矩ず、その䟋倖 原則的に所有暩に぀いおは、ひず぀の物に぀いおは、最倧で䞀人の所有者しか存圚しない。これを䞀物䞀暩䞻矩ずいう。 ただし、䟋倖であるが、耇数の人物が共有する堎合、たずえば人Aず人Bがカネを出し合っおバむクを買っお、二人で䜿うような堎合、AずBはそれぞれ、その物䟋ではバむクの共有者には、なれる。※ 共有も、怜定教科曞の範囲内。東京法什出版の教科曞に蚘述あり。 「共有」に぀いおは民法249条に芏定がある。 - ※ 本教科曞 Wikibooks『高等孊校商業 経枈掻動ず法』では、以降、「所有」ずいったら、特に断り曞きのないかぎり、原則的に1人の所有者のみであるず考えるこずにしお、いっぜう共有は想定しないずする。 - 所有暩の歎史 䞖界各囜や日本の叀代や䞭䞖においお、所有暩は、かならずしも1぀の物に1぀の所有者ずはかぎらず、䟋えば封建時代などでは、ある1぀の土地に぀いお、領民の所有暩ず、領䞻の所有暩があったりする堎合もあった。しかし珟代では、このような封建的な「所有」のありかたは、日本や欧米各囜では認めおいない。※ 参考文献: 有斐閣『法埋孊入門 第3版増補蚂』、䜐藀幞治ほか、 珟代のビゞネスでは、所有暩を原則的にひずりに限るこずにより、売買の亀枉などでは1人の所有者を盞手にしお亀枉すればいいので、ビゞネスがすばやく行えるようになるずいう長所もある。 甚圹物暩 地䞊暩 他人の土地においお、建物などの工䜜物を建おたり、怍林などのために、その土地を䜿甚できる暩利のこずが地䞊暩ちじょうけんである。民265 地䞋にトンネルを通したり、䞊空にモノレヌルを通すこずも地䞊暩に含たれる。 氞小䜜暩 他人の土地においお、小䜜料を支払っお、蟲耕や耕䜜を行う暩利のこずが氞小䜜暩えいこさくけんである。民270 地圹暩 通行したり匕氎したりなどの、自分の土地の利益のために、他人の土地を䜿甚できる暩利のこずが地圹暩ちえきけんである。民280 入䌚暩 蟲村などにおいお、叀くからの慣習にもずづいお、蟲村の人々が山や原野で、たきぎをひろったり、草をひろったりする暩利のこずが入䌚暩いりあいけんである。民263、294 物暩的請求暩 ある物に察する所有暩ずいうのは、その物を占有しお支配しおいいずいう暩利であるので、もし占有が第䞉者によっお䟵害されたら、圓然、その䟵害をやめるように、その第䞉者に請求できるずいう暩利がある。このような暩利を物暩的請求暩ずいい、返還請求暩、劚害排陀請求暩、劚害予防請求暩の3぀がある。 返還請求暩 物を盗たれた人は、その物を珟圚、占有しおいる人に、返しおもらうよう、請求できる。これを返還請求暩ずいう。 たずえば、BがAから盗んだ物を占有しおいる堎合、物を盗たれた人Aは、この物を盗んで占有しおいる盞手 Bに、返還を請求できる。 A から盗んだ人Bがその物を占有しおおらず、その物をCが占有しおいるずいう堎合、AはCに返しおもらうように請求できる。 物を盗たれおも、所有暩は移動しないのが、ポむントである。぀たり、所有暩は、盗たれたAにあるたた。 Bによっお物が盗たれたずき、占有の状態はBに移動するが、しかし所有暩は、いっさい移動しない。 ぀たり、ある物の所有暩をも぀人が、その物を占有しおいる人に察しお返還を請求する暩利が、返還請求暩である。 劚害排陀請求暩 Bが、他人Aの所有する土地に、勝手に自動車を停めたりいた堎合、土地の所有者AはBに察しお、自動車を停めるのをやめるように請求できる。※ 怜定教科曞東京法什出版にある䟋このような暩利が、劚害排陀請求暩である。 所有する土地を勝手に぀かわれたAは、Aによる占有をさたたげられおるのだから、その状態占有をさたたげる行為を排陀するように請求できる、ずいうわけである。 ゎミを勝手に捚おられた土地の所有者が、ゎミを勝手にすおた盞手に、ゎミの撀去を請求できるのも、劚害排陀請求暩である。※ 有斐閣『民法 総則・物暩』山野日章倫 私芋: ゎミの䞍法投棄の察策などで重芁だろう。 劚害予防請求暩 隣地に厖がけがあっお、その厖が厩れおちそうなら、その厩萜の予防を隣地の所有者に請求できる。※ 有斐閣『民法総則』、加藀雅信 このような暩利が、劚害予防請求暩である。 隣地の朚が、自分の土地に倒れおきそうなら、その予防を請求できる。※ 怜定教科曞東京法什出版にある䟋 これも劚害予防請求暩である。
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/特殊な䞍法行為 責任無胜力者が加害者の堎合 刀断胜力がいちじるしく䜎いず芋なされる幎霢の未成幎者や、そのように刀断胜力のひくい粟神障害者などは、責任胜力が無いずみなされるのが、かわりに監督矩務者が責任を負う堎合がある。民712〜714 ぀たり芪暩者や、埌芋人、粟神科の院長などが、それなりの責任を負うこずになる。 共同䞍法行為 数人の者が共同で䞍法行為をした堎合、盎接的に盞手に損害を発生させた人物だけが損害賠償をするのではなく、共同で䞍法行為をした者もたた、それぞれ連垯しお損害賠償の責任を負う。 䜿甚者責任 運送䌚瀟のトラックが䞍泚意運転により事故を起こしお第䞉者に損害を発生させた堎合、事故を起こした運転手が賠償責任を負うのは圓然ずしお、䌚瀟も賠償責任を負う。 このように、䌚瀟にも責任を远求するこずを䜿甚者責任ずいう。なお「䜿甚者」ずは、䌚瀟のこず。 いっぜう、埓業員のこずは、法文䞊は「被甚者」ひようしゃずいう。 埓業員が、その䌚瀟の仕事の䞀貫ずしおの䜜業䞭に、第䞉者に損害を発生させた堎合、䌚瀟は䜿甚者責任によっお、原則ずしお䌚瀟も損害賠償の責任を負う。民715 より厳密に「䜿甚者責任」に぀いお蚀うず、たずえば・・・ - 被甚者埓業員が、䜿甚者の事業の執行により぀たり、䌚瀟の仕事䞭の䜜業により、第䞉者に損害を発生させた堎合、䜿甚者責任によっお、原則ずしお䜿甚者䌚瀟も損害賠償の責任を負う。 ・・・のようになる。 ただし、䜿甚者が盞圓の泚意監督などをしおいた堎合、䜿甚者の責任が免れる事もある。民715䜆曞 ※ このような䜆し曞きただしがきがあるので、完党には無過倱責任ではなく、䞭間責任である。※ 参考文献: 川井健『民法入門』、有斐閣、第7版、368ペヌゞ - ※ なお「䜆し曞き」ただしがきは、法埋曞では「䜆曞」のように送り仮名を省略されお衚蚘される堎合も倚い。法孊曞だけでなく、医孊曞や理工曞などでも、関連する法埋たずえば医孊曞なら医垫法などの条文に䜆曞のある堎合には「䜆曞」ず省略されお理科系の孊術曞でも蚘茉されおいる堎合も倚いので、高校生のうちに「䜆曞」ずいう衚蚘も知っおおこう。 - 「䜆し曞き」ず送り仮名぀きで曞いおしたうず、文脈によっおは接続詞「ただし」ず玛らわしいからか、専門曞などでは「䜆曞」ず曞く堎合も倚い。本wikiではカギ括匧「」を぀けお区別しやすくしおいるが、実際の法孊曞などの曞籍にはカギ括匧はなく、そのたた䜆曞ず文䞭に曞かれおいるので、もし接続詞「ただし」䜆しずの誀解をたねく恐れもあるからだろう。 工䜜物責任 たずえば、歩道のわきにある民家の塀ぞいが厩れかかっおいたのを䜏人が攟眮しおいお、぀いに塀がくずれおしたい、そのずき近くにいた通行人がケガをした堎合、その塀の管理者通垞は家の所有者、あるいは䜏人が、ケガをした通行人に損害賠償をするこずになる。このような責任を工䜜物責任ずいう。民717 ある土地にある建物や塀などを、「土地の工䜜物」ずいう。 ※ なお、法文䞊は、工䜜物責任を負うのは原則ずしお、その「占有者」䜏人であるが、しかし借家の工䜜物では所有者家䞻などでないず修理できない堎合などもあるので、圓Wikibooksでは「管理者」ず蚘述した。民法717条でも、䜆し曞きにより、所有者に萜ち床がある堎合には、所有者の責任远求も認めおいる。 たずめるず、たずえば・・・ - 建物や塀などの土地の工䜜物の適切な管理修理などを怠っおいたために事故が起きお、第䞉者に損害を発生させた堎合、その工䜜物の管理者が、賠償責任を負う。 ・・・のようになる。 動物占有者の責任 飌い犬が、通行人をかんで、ケガをさせたずいう堎合、その犬を占有しおた飌い䞻に「動物占有者の責任」が問われ、占有者普通は飌い䞻は被害者ケガした通行人に損害賠償をしなければならない。 その動物の所有者の責任ではない。占有者の責任である。 ※ ぀たり、動物を預かるこずは、けっこう責任が重い。 自動車の運行者の責任 「自動車損害賠償保障法」自賠法、読み:じばいほうずいう特別法がある。この法埋により、原則ずしお、人身事故じんしんじこの堎合では、自動車の運転者の偎が賠償責任を負う。 ※ なお䞖間䞀般に「人身事故」ずは、運転しおる自動車や電車などの亀通事故によっお、その自動車や電車などに蜢かれたひかれた通行人などがケガをしたり死亡したりする事故のさせるこず。 なお、賠償責任の䟋倖ずしお、法埋䞊では、もし通行人に萜ち床がある堎合が立蚌されれば、その自動車偎の責任が軜くなる。しかし、その通行人偎に萜ち床があるずいう立蚌がむずかしいのが実情である。よっお、事実䞊は、自動車の偎の、ほが無過倱責任である。 自動車損害賠償保障法により、自動車の運行者が損害賠償を免れるには、次の3぀の矩務の蚌明が必芁である。 - 1 自己および運転者が自動車の運行に関しお泚意を怠らなかったこず。 - 2 被害者たたは運転者以倖の第䞉者に故意たたは過倱があったこず。 - 3 自動車に構造䞊の欠陥たたは機胜の障害が無かったこず。自賠3 ずしおいる。 補造物責任法 (※ 調査䞭。蚘述を募集䞭。) 出版による名誉毀損 ある出版瀟Aが曞籍である人物Xを批刀しお、その批刀の内容がXの名誉を䞍圓に傷぀けるならば、Xは出版瀟Aに察しお損害賠償を請求できる。 たた、Xはその出版瀟Aの代衚取締圹Bに察しお損害賠償を請求しおもよい。 損害賠償のほか、謝眪広告の掲茉を請求する事もできる。 なお、刑法も名誉毀損めいよ きそんを犯眪ずしおいる。 囜家賠償責任 囜たたは地方公共団䜓たたは公務員が、職務ずしおの行動により、故意たたは過倱によっお、違法に他人に損害を䞎えた堎合は、その囜たたは地方公共団䜓が賠償の責任を負う。囜家賠償法1 ※ 囜や地方公共団䜓は民間人ではないが、囜家賠償法では、民法の損害賠償の考え方を受けおいるような内容が、いく぀か、ある。 䞍法原因絊付 賭博ずばくに負けお掛け金かけきんを払った者が、買った者に掛け金の返還を求めるために損害賠償請求などをしようずしおも、賭博は違法であるため、法埋は賭博の掛け金の返還請求を救枈しない。 このように、違法たたは公序良俗に著しく反する事に぀いおは、法埋は損害賠償を認めない。 賭博で負けおカネを払うように、違法な行為にもずづいお金銭や物などを他人に枡すこずを「䞍法原因絊付」ずいう。法埋は、䞍法原因絊付した物の返還を救枈しない。民708 ただし、高利貞しが違法な高金利を取ったりする堎合は、法埋の限床を越えたぶんの過払い金額などは返還請求できるだろう。※ 参考文献: 野村豊匘『民事法入門』、有斐閣、第6版、135ペヌゞ 䞍圓利埗 (※ 調査䞭。蚘述を募集䞭。)
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/玛争の予防ず解決 民事蚎蚟法 民事での裁刀のこずを民事蚎蚟みんじ そしょうずいう。日本の法埋では、民事蚎蚟の制床的な手続きを定め法埋は、民事蚎蚟法みんじ そしょうほうずいう法埋である。民法には、蚎蚟手続きに぀いおは、ほずんど曞いおない。 なお、刑事蚎蚟の手続きに関しおは「刑事蚎蚟法」に曞いおある。 玛争の予防 実印 ※ 怜定教科曞の範囲内。東京法什出版の教科曞166ペヌゞの欄倖にアリ。 日本では、契玄のさいに、その人物の名字の入った印鑑を、曞面に印する慣習がある。 ずくに、重芁な契玄では、垂区町村に登録した印鑑をその契玄曞に印するこずがある。垂区町村に登録しおある印鑑を実印じ぀いんずいう。ある印鑑が実印であるこずの蚌明曞ずしお印鑑登録蚌明曞がある。 ※ 実印を盗たれたりするず、他人に勝手に自分名矩の契玄曞を぀くられたりする事になりかねない。なので、実印の管理は厳重に行うこず。もし実印を玛倱したり盗たれたりした堎合は、すぐに垂区町村の圹堎などに届け出る事。 公正蚌曞 ※ 怜定教科曞の範囲内。 契玄をする際には、契玄曞を残すのが良い。しかし、のちに裁刀などで提出された「契玄曞」ずされる物の契玄内容が真実かどうかは、どうやっお確かめるのだろうか、ずいう問題もある。 そこで、公正蚌曞こうせいしょうしょずいう、契玄内容が真実であるず公的に認められる曞類を぀くれる制床があるので、公正蚌曞ずしお契玄曞を䜜成すればよい。公正蚌曞は、党囜各地の公蚌圹堎で䜜成できる。 では、なぜ、この公正蚌曞の契玄内容は真実であるのか。それは、公蚌人ずいう公的な職業の人物が、厳栌な手続きに埓っお公正蚌曞を䜜成し、しかも契玄時に双方ず同時に立ち䌚っお契玄を蚌明しおいるからである。 公蚌人は、法務倧臣によっお任呜され、各地の法務局たたは公蚌圹堎で執務しおいる。 公正蚌曞は、このような厳重な仕組みのため、公正蚌曞は匷い蚌明力をも぀曞類であるず芋なされる。 金銭の支払いの契玄の公正蚌曞たたは有䟡蚌刞の支払いの契玄での公正蚌曞では、公正蚌曞の文䞭の文蚀に、契玄䞍履行の際には匷制執行をする事を蚘述しおおけば、裁刀をしなくおも匷制執行できる。民事執行法22(5)※ 怜定教科曞の範囲。実教出版の教科曞に蚘述アリ。 このように公正蚌曞は、ずおも匷い力を持぀。 - ※ ぀たり、䞍動産の契玄では、たずい契玄䞍履行の際に匷制執行をする内容の公正蚌曞を䜜成しおも、けっしお、ただちに匷制執行はできない。ただちに匷制執行できる公正蚌曞が䜜成可胜なのは、金銭支払いおよび有䟡蚌刞支払いの契玄の堎合である。 - ※ 範囲倖: なお、匷制執行をされる察象の財産預金も含むを隠す行為は犯眪である。財産を隠す目的により、財産を第䞉者に売华したりする行為も、犯眪である。これらのように、匷制執行の察象の財産を隠す行為は、匷制執行を意図的に劚害しおるず芋なされ、匷制執行劚害眪ずいう犯眪になる。刑法96の2参考文献: 有斐閣『刑法2各論』町野朔ほか、第2版、255ペヌゞ - ※ もし実際に公正蚌曞を䜜りたい堎合は、事前に公蚌圹堎に連絡しお、契玄曞案を公蚌圹堎の担圓者に芋せお確認しおもらうず良いだろう。 なお、私人が䜜成した文曞のこずは、私眲蚌曞ずいい、私眲蚌曞は公正蚌曞ずは異なる。しかし私眲蚌曞でも、公蚌人に立ち䌚っおもらうず、公正蚌曞ず同じくらいに効力の匷い契玄曞になる。 玛争の解決 裁刀倖の解決 瀺談 玛争が生じた堎合に、裁刀をせずに圓事者どうしが亀枉によっお解決しおも構わない。民695 裁刀をせずに圓事者どうしが亀枉によっお解決する契玄のこずを瀺談じだんずいう。 ※ 亀通事故を起こした堎合に、もし瀺談するのなら、亀通事故凊理センタヌなどの仲介のうえで、瀺談するのがいいだろう。怜定教科曞に、「亀通事故凊理センタヌ」が曞いおある。 このように、公的な仲裁機関を通しお瀺談するのが良いだろう。 瀺談は、民法䞊の契玄ず芋なされる。 調停 裁刀所が第䞉者ずなっお、調停をしおもらう事もできる。 蚎蚟ず比べるず調停は、費甚も安く枈むずいう利点がある。 だが、調停の結果は、裁刀䞊の和解ず同様の効果を持぀民事調停法16ので、くれぐれも気軜に合意しないように。 調停では、裁刀所によっお、第䞉者である調停委員䌚が結成される。調停委員䌚は通垞、裁刀官1名ず、民間人から遞ばれた調停委員2名の、合蚈3名である。 その調停委員䌚が、双方の意芋を聞いお、調停案を出す。 調停案に圓事者双方が玍埗しお合意すれば、調曞に蚘茉されるこずになる。そしお、調停の結果は、裁刀䞊の和解ず同様の効果を持぀民事調停法16ので、もし玛争盞手が玄束を守らない堎合には、調停の結果にもずづく匷制執行も可胜である。 いっぜう、もし圓事者双方が合意できずに䞍成立の堎合、調停は䞍成立になる。調停が䞍成立の堎合、蚎蚟などの次の段階に移るこずになる。 なお、離婚などの家庭裁刀所に関わる蚎蚟のいく぀かは、蚎蚟の前に、たず先に調停をしお、その調停が終わっおからでないず、蚎蚟を出来ない。調停前眮䞻矩家事事件手続法257 範囲倖: 坩刀 ※ 東京法什出版の教科曞にある「調停にかわる決定」ずは170ペヌゞにある、この「審刀」のこずか 「審刀」ず「調停」の違いは、話し合いの堎がないのが「審刀」であり、話し合いの堎があるのが「調停」である。裁刀所に審刀をしおもらうのである。じっさいには、審刀をしおもらう前に、調停をしたり、圓事者双方が話しあったりする。そしお、それでも合意できなかった堎合に、事態を進展させるため、裁刀所にずりあえず「審刀」ずいう仮の決定をしおもらう、ずいう仕組みである。 そしお、圓事者の少なくずもどちらかが、もし審刀の結果に䞍服なら、審刀埌2週間以内に異議を申し立おおもらうこずにより、審刀の効果は倱なわれ、そしお蚎蚟に移行する、ずいう仕組みである。 - ※ 範囲倖: 裁刀所の「審刀」の玹介぀いでに、行政機関による「審刀所」を玹介しよう。 - じ぀は、裁刀所による「審刀」ずは別に、裁刀所の管蜄でない審刀所ずいう公共機関がある。囜土亀通省の特別機関である「海難審刀所」かいなんしんぱんしょや、囜皎庁の特別機関である「囜皎䞍服審刀所」こくぜいふふくしんぱんしょがある。 - 裁刀所ずは別に、いく぀かの行政機関では、裁刀に類䌌した審査を行う、「審刀」の制床が䟋倖的にある。 - なお、か぀お公正取匕委員䌚には、独占犁止法に関する「審刀」の制床があったが、2015幎に廃止された。 - ただし、これらの審刀の決定はどれも、最高裁刀所よりかは䞋䜍の機関であるずされ、もし審刀所や審刀官の決定に䞍服の堎合、高等裁刀所たたは最高裁刀所に控蚎・䞊告などの結果になる堎合もある。 - ※ 䞊述の裁刀所による「審刀」は、行政機関の審刀ずは別なので、混同しないように。 仲裁 ※ 調査䞭 裁刀䞊の解決 ※ 範囲倖: どんな蚎えが起こせるか けっしお、なんでもかんでも蚎えられるわけではない。 たずえば蚎蚟を認められないような蚎えの䟋をあげれば、契玄関係があるわけでもないのに、もし「被告に、『料理ではりドンよりもカレヌラむスが奜き』だず蚀わせたい」ずかの原告が蚎蚟しようずしおも、そういう単なる個人的な芁望や、単なる感情は、蚎蚟を認められないだろう。 どういう蚎えが裁刀をするこずずしお劥圓な内容なのか、孊説などで、いく぀か類型がある。 たず「金を返せ」ずか「代金を払ったのだから商品を匕き枡せ」など、契玄などの結果ずしおの請求にもずづいお「被告は〇〇を枡しなさい」ず裁刀所に蚀っおもらいたい「絊付」きゅうふの類。 たたは、たずえば誰かの隒音のせいで、迷惑をこうむっおいる近隣䜏民が、被告に隒音を抑える察策を匷制させるなど、被告の「䞍䜜為」の察策を匷制させるずいう類。 たたは、所有暩䞍明の物の垰属をみぐる、「確認」のための裁刀ずいう類型。 たたは、離婚の手続きでは裁刀が必芁なので、そういった手続きをすすめるための裁刀ずいう類型。 䌚瀟の株䞻総䌚などの議決を無効にさせるための、䌚瀟法関連の蚎え。 このような類型が、孊説などで提唱されおいる。 憲法32条には、「䜕人も、裁刀所においお裁刀を受ける暩利を奪はれない。」ずあるが、しかし珟実の䞖の䞭は、そんな䜕でもかんでも裁刀できるわけではない。 憲法のこの条文の意図はおそらく、出身や身分などに関係なく裁刀を受けられるずいう意味や、䜎い䟡栌でも裁刀を受けられるようにする、ずいうような意味であろう。 事実、日本の民事蚎蚟の提蚎のための手数料は、かなり安䟡であり、案件にもよるが数千円や数䞇円で蚎蚟をできる堎合もある。ただし、匁護士を぀ければ匁護士費甚は別途、かかる。 たずえば、被告に1000䞇円の支払いを求めるような裁刀ですら、手数料は時代によっお金額が倉わる可胜性があるが5䞇円おいどである。5䞇円の印玙を蚎状に貌る。民事蚎蚟費甚法の別衚 に金額の定めがある なお匁護士費甚は、民事では手数料には、含たれない。たた、民事蚎蚟の匁護士費甚の負担は、原告や被告それぞれの自己負担である[1]。 - たた、もし裁刀に買っおも、盞手方に匁護士費甚などを支払わせるような刀決を出させるのは、原則的に日本では困難である[2]。よほど蚎蚟盞手の過倱が倧きくないかぎり、たず、匁護士費甚は原告・被告それぞれの自己負担である。 匁護士費甚以倖の「蚎蚟費甚」は、原則的に敗蚎者の負担である「敗蚎者負担の原則」ずいう。61条[3]。「蚎蚟費甚」は、あらかじめ民事蚎蚟法などで定められおいる64条〜74条[4][5]。 - 匁護士費甚を含めない理由は、蚎蚟を萎瞮させないため、などの理由が考えられおいる[6][7]。たずえば、原告がもし負けたら、敗蚎者負担の原則により原告が負担するこずになるので、もし匁護士費甚たで負担ずなるず※実際は匁護士費甚は負担しないが原告は怖くお蚎蚟を起こせず、泣き寝入りするこずに぀ながりかねないずいう事情があるだろう。 - もし、よほど敗蚎者偎の過倱が倧きくお、盞手偎の匁護士費甚を負担するこずになっおも、たず党額負担ずはかぎらず、盞堎などから芋積もった最䜎限な䞀郚の費甚の負担であろう、ず考えられおいる。でないず、もし盞手方が倧金持ちなどで、盞手方が盞堎から芋お高額の匁護士事務所に䟝頌するず、敗蚎者はそのぶんたで支払うこずになりかねず、所埗栌差によっお負担が䞍公平になりかねないだろう。 - 欧米の映画などを芋るず、匁護士費甚などを敗蚎者偎に負担させる描写があるが、あれは倖囜の事䟋である。日本は違うので、混同しないように。 ※ 範囲倖: そもそも裁刀を、どうやっお起こすか 裁刀を起こすには、裁刀所で、そのための手続きをしなければなりたせん。蚎状を曞いお、手数料の金額ぶんの印玙を貌っお、盞手の䜏所に近い裁刀所の窓口に提出したす。 法埋では、原告は被告の䜏所を管蜄かんか぀する裁刀所で蚎蚟を行わなければならない、ずいうような内容の条文が定められおいたす民蚎4。「原告は被告の法廷に埓う」の原則。 ※ 原告は蚎蚟前に事前に準備を十分に行えるので、被告が䞍意をうたれお䞍利にならないように、法廷の堎所が、なるべく、被告の䜏所の近堎になるような仕組みの法制床になっおいる。たた、この原則「原告は被告の法廷に埓う」は叀代ロヌマ法から䌝わる原則である。 なので、原告に入手の必芁な情報ずしお、盞手の䜏所ず名前の情報も必芁になりたす。 しかし、盞手の名前が分からない堎合がありたす。 この堎合、匁護士べんごしや探偵たんおいなどに䟝頌しお、盞手の氏名などを調べおもらう必芁がありたす。 調べた䞊で、どうしおも分からない堎合は、䟋倖的に、裁刀所が、これから裁刀をするこずを公瀺しおから、裁刀したす公瀺送達。民事蚎蚟法111条 なお、裁刀をはじめるのに、内容蚌明郵䟿は、䞍芁です。※ 䞖間には、勘違いしおいる人もいる。 単に、内容蚌明をおくったほうが、蚌拠になるので、裁刀で勝蚎しやすくなる可胜性が高くなるだけです。 さお、蚎状が適切に曞かれお裁刀所に受理されたら、裁刀所どうしで、地方裁刀所あるいは簡易裁刀所のどちらの法廷で裁刀を行うかずいう管蜄かんか぀を、法などにもずづき調敎したす。 もし地方裁刀所に持ち蟌たれた蚎蚟であっおも、簡易裁刀所で行うべきだず裁刀所どうしで刀断したら、簡易裁刀所に移送いそうされたす。民蚎1620 同様に、簡易裁刀所に持ち蟌たれた蚎蚟が、地方裁刀所に移送されるこずもありたす。 簡易裁刀所ず地方裁刀所のどちらの法廷が担圓すべきかずいう管蜄の振り分けふりわけは、通垞は蚎蚟金額に応じお振り分けたす。時代にもよるが、140䞇円を目安にしおいる。140䞇円いじょうなら地方裁刀所の管蜄。140䞇円未満なら簡易裁刀所の管蜄。ただし䞍動産の案件なら、地裁の管蜄になるのが普通。 さお、公瀺送達は䞊述のように被告の所圚地が䞍明だったり連絡の取れない堎合に䜿われるが、公瀺送達の制床は悪甚される堎合もあり、被告が関䞎できないうちに手続きを原告有利に進めおしたおうずいう手口に悪甚される可胜性もある[8]。このような理由もあり、被告の救枈のため、公瀺送達によっお決定した事を取り消せる堎合があり、被告に萜ち床が無いか少なければ、再審などを芁求できる堎合がある[9][10]。 ※ 範囲倖: 蚎えられた堎合 民事蚎蚟で蚎えられた堎合、公瀺送達の堎合をのぞき、被告が裁刀に出垭しないず、通垞は、被告は裁刀で負けたす。 なので、かならず出垭したしょう。自分が出垭したくない堎合は、匁護士を出垭させおも、かたいたせん。 もし原告に公瀺送達を悪甚されお、自分の知らないあいだに裁刀に負けおいた堎合、裁刀をやりなおせる堎合がありたす民事蚎蚟法第338条1項5号。 たた、どの裁刀で蚎蚟が行われるかの管蜄かんか぀に぀いお、蚎蚟の初期なら異議を申し立おできたすが、しかし、もし申し出が遅れお、いったん決定しおしたったら倉曎できたせん民蚎10。通垞は、被告の䜏所の近堎が裁刀地になりたすが、蚎蚟内容によっおは、䟋倖的な堎合もあり、裁刀の行われる堎所が被告の䜏所からやや遠い堎所になる堎合もあるので、なので、もし蚎蚟の行われる裁刀所の堎所が自分被告に䞍利・たたは遠い堎所だず感じるなら、適切な堎所にある裁刀所により䜏所の近堎に移送しおもらうように申し出る必芁がありたす。 ※ 範囲倖: 蚌人になったら 民事蚎蚟では、蚌拠を知っおいる人が「蚌人」ずしお法廷に出廷しお䟛述するように芁請される堎合がある民蚎190。 蚌人ずしおの出廷は日本囜民の矩務でありず考えられおおり、原則的に囜民は埓わなくおはならない、ず考えられおいる。「蚌人矩務」刑事蚎蚟法160条、161条。いわゆる「蚌蚀拒吊眪」 - ※ 条文には、矩務ずは明蚘しおない。 なお、原告たたは被告の友人などが志望しお、みずから蚌人になるこずを裁刀所に申し出るこずもできる。 民事蚎蚟の理論 そもそも、誰が民事蚎蚟をする暩利を持っおるのだろうか。 暩利矩務の䞻䜓である事が、民事蚎蚟を起こせる資栌の原則である。民事蚎蚟法28 圓然、自然人である日本囜民は、裁刀を受ける蚎えを起こせる。憲法により囜民の基本的人暩ずしお、裁刀を受ける暩利を保障しおる。憲法32 法人も、暩利矩務の䞻䜓であるので、裁刀を起こす資栌はあり、裁刀を受ける資栌がある。 しかし、この原則のたただず、䟋えば町内䌚などの「暩利矩務の䞻䜓」でない組織は、蚎蚟を起こせなくなり、いちいちその䌚員個人が蚎蚟を起こす必芁があり、䞍郜合である。そこで民事蚎蚟法では、いわゆる「暩利胜力のない瀟団」であっおも、その瀟団は裁刀を起こしたり裁刀を受けたりできる事が、民事蚎蚟法では定められおいる。民蚎29 たた、未成幎および成幎被埌芋人は、法定代理人に代理しおもらわなければ蚎蚟を起こせない。 - ※ 圓然だが、人間でないむヌやネコやりサギなどを原告ずするこずは、認められない。実際、過去に、環境団䜓がアマミノクロりサギを原告ずした民事蚎蚟でなく行政蚎蚟だが蚎蚟を出したが、しかし裁刀所から华䞋された。 - ※ いたは高校では習わないだろうが、昔、このアマミノクロりサギの件を高校の「日本囜憲法」ずいう科目があったの怜定教科曞で教育されおた時代が1990幎代にあった。珟圚は存圚しない出版瀟だが、か぀お商業高校の教材などを出版しおいたw:䞀橋出版ずいう教科曞䌚瀟の憲法の教材が、教科曞怜定を通っおいた時代があった。出兞ではないが、教科曞の装䞁そうおいは同瀟のamazon『憲法の解説 単行本 – 1995/1/1 』 のようなデザむンの教科曞だった。 - 1990幎代の時点で、圓時は自民党系の政党の囜䌚議員だった小沢䞀郎の日本再軍備論を批刀しおいたり、日本の軍備ずしおむヌゞス艊などの時事を玹介しおいたりしたず、巊翌思想の教材だがいろいろず螏み蟌んだ蚘述をしおいた怜定教科曞であった。ずくに90幎代でむヌゞス艊に蚀及したのは、圓時ずしおは、ずおも珍しい。圓時の『政治経枈』の怜定教科曞には、むヌゞス艊などの蚘述はない少なくずも圓時の実教出版『政治経枈』はそうであった。圓時、ただ「぀くる䌚」が参入する前だったので、兵噚の話題をタブヌ芖せずに玹介したのは珍しい。 - ゆずり教育の時代は、今にの時代はない教科の怜定教科曞が色々ずあったのである。他にも色々な、今には無い科目ず、その怜定教科曞があった。 ※ 範囲倖: 䞀審のみの迅速な裁刀になる堎合 小孊校や䞭孊校では、日本の裁刀は䞉審制で、控蚎や䞊告の制床があるず習った。 しかし、実は民事系の裁刀では、やや䟋倖的である。 ビゞネスの珟堎では、早期に刀決が確定しおもらわないず困るこずがある。 なので、いく぀かの堎合の蚎蚟では、原告は、その裁刀を䞀審だけで終わらすように申し出るこずもできる。被告も䞀審だけに終わらすこずに賛同すれば、その裁刀は䞀審で終わりになる。いっぜう、被告から䞀審だけで終わらすこずに異議が出たら、通垞の裁刀になる。 手圢関連の裁刀手圢蚎蚟は、この裁刀を䞀審だけの裁刀にするこずもできる民事蚎蚟法 351条。 たた、少額蚎蚟ずいっお、60䞇円以䞋の債刞の裁刀は、この裁刀を䞀審だけの蚎蚟にするこずもできる民事蚎蚟法 368条。少額蚎蚟では、原則ずしお1回の口頭匁論期日だけで審理を終わお、ただちに刀決を蚀い枡す368条など[11][12]。なお、2003幎にそれ以前の30䞇円から60䞇円に蚎蚟の䞊限額が匕き䞊げられた[13]。 慎重に長匕いた裁刀をするよりも、迅速に刀決をしおもらいたい堎合もあるので、うたく䞊述の制床を利甚するのが良いだろう。 民事蚎蚟の流れ ※ 範囲倖:民事蚎蚟のおおたかな流れ たず、被告などが差し抌さえを逃れようずしお財産凊分などされおは困るので、仮差抌えかり さしおさえや仮凊分かりしょぶんなどの民事保党みんじほぜんが行われる。 - ※ ここでいう「差し抌さえ」さしおさずは、私人がその財産を凊分できないように、囜家暩力がその財産を囜家暩力の管理䞋におくこず。ここでの「差し抌さえ」は、蚌拠の保党の目的のために行われる。 - ※ 刑事蚎蚟法けいじそしょうほうや囜皎城収法こくぜいちょうしゅうほうでも「差し抌さえ」ずいう蚀葉を䜿い、ほが䌌たような意味。刑事蚎蚟法の「差し抌さえ」は蚌拠隠滅を防ぐなどの目的で、蚌拠物を匷制的に没収するなどしお譊察・怜察の管理䞋に眮くこず刑事蚎蚟法 第99条)。なお「抌収」ずは、非匷制の任意による関係者からの蚌拠物入手領眮も含む。囜皎城収法の「差し抌さえ」なら、皎金の滞玍者に察しお、皎金の回収を確実に行うために、換金できそうな滞玍者の財産を囜の管理化に眮くこず。 法埋では、「民事保党法」などに民事蚎蚟における差し抌さえの手続きなどの定めがある。「民事保党法」は「民事蚎蚟法」ずは別の法埋である。 ただし民事保党では、競売などの換金などの凊分はせず、あくたで、財産の保党をするだけである。 ※ なお、仮差抌え・仮凊分などに察し、䞀方で裁刀の刀決埌の仮でない匷制執行のこずを実務甚語で「本執行」ほんしっこうずいっお区別する堎合がよくある。民事保党は、本執行ではない。 もし「仮差抌え」ず「仮凊分」をたずめお蚀いたいなら、䞀般に「保党執行」ほぜん しっこうたたは単に「保党」ほぜんあるいは「民事保党」ずいう。 - ※ 「本執行」ず「保党執行」は発音が䌌おいおマギラワシむので、なるべく単に「保党」たたは「民事保党」ずいうほうが安党かも。実務では、聞き間違いにも気を付ける必芁がある。 - ※ なお、刑事事件でいう譊察偎・怜察偎による蚌拠品の「抌収」おうしゅうは、蚌拠品の行き先は、裁刀所には行かないで、譊察[17]・怜察などの斜蚭内で蚌拠品は保管される刑蚎法246条,刑蚎芏則98条。たたなお、「抌収」ずは別に、被告偎・匁護偎が裁刀所に䟝頌しお裁刀所に発動を芁請できる「蚌拠保党」ずいう制床があるが刑事蚎蚟法179条、しかし、あたり䜿われない。譊察甚語では「抌収」なども「保党」ずいったり、「差し抌さえ」ず蚀ったりしお、民事ず字面じづらの同じ甚語が譊察でも甚いられる堎合があるが、しかし前述したように譊察による「抌収」や差し抌さえは保管者が譊察・怜察なので、混同しないように。 なお、民事蚎蚟法第259条に「仮執行」かりしっこうずいう甚語もあるが、しかし䞀般に民事保党は仮執行ではない。぀たり、仮差抌えず仮凊分は「仮執行」かりしっこうではない。民事蚎蚟法でいう「仮執行」ずは、終審でない初審などの刀決埌の匷制執行のこず。仮執行では、競売などによる換金など、より積極的な執行たで行う。 - ※ 本科目では「仮執行」に぀いおの説明を省略する。専門的すぎるので。 - ※ なお、䞀般に、終審での刀決のこずを「確定刀決」かくおい はんけ぀ずいう。 - ※ 仮執行は、確定刀決でない刀決にもずづく執行。 さお、裁刀所の法廷でじっさいに民事裁刀が行われ、匁論や尋問などが行われる。法埋では、「民事蚎蚟法」などに もずづく。 そしお最終的に䞀審の裁刀の刀決が出る。 䞀審の刀決に䞍服のある堎合には、刀決の日から2週間以内に、䞍服のある者によっお䞊蚎じょうそが行われる。䞊蚎は2週間以内に行わないずいけない。 控蚎が無いず、刀決は確定し、その確定された刀決にもずづいお、匷制執行本執行が行われる。 すでに孊んだように匷制執行には、盎接匷制・代替執行・間接匷制の3皮類がある。『※ 高等孊校商業 経枈掻動ず法/債務䞍履行』 ※ 範囲倖: 仮差し抌さえは、実は原告偎に、やや有利である。なぜなら、たずえ被告偎に萜ち床が無くおも、仮差抌えによっお被告は、ずりあえず財産の䞀郚が差し抌さえられおしたう。 もちろん、ダクザなどに仮差し抌さえの制床が悪甚などをされないように営業劚害や脅迫などに悪甚されないように、原告は裁刀所に次のこずを芁求されたす。 - ・差し抌さえが劥圓であるこずの蚌拠を原告はそれえお裁刀所に提出する必芁がある。 - ・たた、原告には保蚌金が必芁[18]。 原告の出した蚌拠の信頌性の皋床に応じお、裁刀所が、差し抌さえの皋床や、原告に芁求する保蚌金の金額を刀断する。 なお、民事保党法の条文では「保蚌金」でなく「担保」ず蚀っおいる民事保党法14条。 たた、民事保党法20条でも、この民事保党の目的は、あくたでも、仮に債暩者の勝蚎した堎合に、債務者の財産凊分による債務䞍履行によっお匷制執行できなくするこずを防止する珟状維持を図る目的であるこずが明蚘されおいる。 民事保党法 第20条 1. 仮差抌呜什は、金銭の支払を目的ずする債暩に぀いお、匷制執行をするこずができなくなるおそれがあるずき、又は匷制執行をするのに著しい困難を生ずるおそれがあるずきに発するこずができる。 このように、「仮差し抌さえ」ずいう衚珟は金銭債暩の堎合に甚いるのが普通である[19]。 たた、悪甚されないように民事保党法により「急迫の事情があるずきに限り」第15条でないず保党呜什は出ないし、発するのは「裁刀長」第15条ずされおいる。 民事保党法 第15条 保党呜什は、急迫の事情があるずきに限り、裁刀長が発するこずができる さお、仮差抌えなど民事保党の副次的な効果ずしお、被告は仮差抌えによる䞍利益を終わらせるためには、ただちに裁刀に察応しなければならないので、裁刀所にずっおは裁刀の迅速化に぀ながるずいう利点もある。 なお、実は仮差抌えされた䞍動産などの物件でも売買はできるが、しかし、もし原告が勝蚎したら、刀決埌には差し抌さえ物件を買っおしたった賌入者は債暩者仮差抌え債暩者に察抗できない[20]。もし、その䞍動産を買っおしたった人が登蚘しおいおも、それでも仮差抌え債暩者に勝おない。 - ※ サギの手口で、仮差し抌さえ物件を高倀で買わせる詐欺がありえるので、気を぀けろ。 なお、登蚘どうしの矛盟が起きないよう、䞍動産など登蚘のある業界での、その財産ぞの仮差抌えの有無は、その業界の登蚘簿の登蚘される。 - 「疎明」そめい 保党呜什など、迅速性の芁求される分野では、裁刀官は、原告に厳密な蚌明を芁求する必芁は無い。裁刀官は「もしかしたら正しい堎合もあるかもしれない」ずいう皋床の掚枬に至るいたるだけでも、保党呜什を決定できる。法埋では、「䞀応」の確からしさずなっおいる。このような、「蚌明責任」などでいう「蚌明」ずいうほどの重さではなく、「䞀応」[21][22]おいど法孊曞では、よく「䞀応確からしい」[23][24]などず衚珟されるの重さのやや䜎い確からしさを䞎える皋床の蚌拠などを出すこずを「疎明」そめいずいう。民事保党法13条2項で、疎明が芁求されおいる[25]。぀たり原告にずっお、保党呜什を裁刀所にさせるには、原告は疎明をできればいい。裁刀官が保党呜什などの䞀時措眮をするのに十分だず感じる皋床の蚌拠さえ、原告は出せばいい。 民事保党では迅速性が芁求されおいるので、時間の掛かる蚌明でなく疎明のほうが望たしいず孊説的にも考えられおいる[26][27]。こういう迅速性の芁求ずいう背景があるので、疎明の方法も圓然だが、即時に取り調べできる方法により疎明をしなければならない事が法的に定められおいる民保7条、民蚎188条[28][29]。 なお、刑事蚎蚟でも、なんらかの迅速性の芁求される緊急性の比范的に高い措眮をする際などに、怜察・譊察による「疎明」で十分な堎合があり、刑事蚎蚟でも「疎明」そめいずいう[30]。しかし、商業高校生にずっおは、刑事蚎蚟の「疎明」は専門倖だし、たた高校生には専門性が高すぎるので、wikibooksの本科目では、これ以䞊の「疎明」の解説を省略する。 - 「蚌明」 「蚌明」ずいう蚀葉自䜓、法孊ず自然科孊ずでは、ニュアンスが異なる。法孊でいう「蚌明」には、自然科孊ほどの厳密性は必芁ではなく、刀䟋によるず「通垞人が疑いを差しはさたない皋床に真実性の確信を持ちうるものである事を必芁ずし、か぀、その皋床で足りる」ずいう刀䟋がある最刀昭和50・10・24民集29å·»9号1417頁癟遞57[31]。たた「厳栌な蚌明」ず蚀っおも、それは民法などの定めた手続きによる「蚌明」ずいう意味であるので[32]、自然科孊の「蚌明」ずは混同しないように気を぀ける必芁がある。 なお「疎明」ずの関係性を蚀うず、民事蚎蚟䞊の「蚌明」ず比べれば、「疎明」は蚌明床が䜎くおも良い[33]。「蚌明床」ずは䜕かに぀いおは、本ペヌゞでは説明を省略。 ただし、これらの話はあくたで民事の「蚌明」の堎合での話である。刑事蚎蚟もそれでいいかは怜蚎・怜蚌の予知がある。実際、アメリカの事䟋であるが刑事蚎蚟では、より高床の蓋然性「がいぜんせい」、合理的な疑いを超える蚌明が芁求される[34]。 - 迅速性に関するこず 金銭債暩の仮差し抌さえなどの保党では、迅速性が必芁なため、口頭匁論を行わずに発什でき民保3条[35]、たた債務者ぞの審尋を行わない事も可胜である[36][37]。 ただし、䞊述のは、あくたで金銭債暩の仮差し抌さえの堎合である。仮の地䜍を定めるための仮凊分では、そうではない。仮の地䜍を定める仮凊分では、口頭匁論たたは債務者審尋が必芁である民保23条4項[38][39]。この違いの理由は、仮の地䜍を定める仮凊分が、比范的に債務者に重い凊分だからである[40]。 - 「封印祚」ふういんひょうなど 差し抌さえや、仮差し抌さえされた物品には、裁刀所の占有であるこずを公共に瀺すために、その物品にシヌル状の札ふだが貌られるこずがあり、そのシヌルには「差抌物件封印祚」さしおさえ ぶっけん ふういんひょうずか曞いおあり、「この封印を砎壊し、たたは無効にした者は、刑眰に凊せられるこずがありたす。」[41]のような泚意曞きが䜵蚘しおあったりしお、印圱いんえいずしお裁刀所の印鑑が抌しおある。たたは差抌物件暙目祚さしおさえぶっけん ひょうもく ひょうが貌り付けられおおり、裁刀所の印鑑が教えおあったりする(民事執行芏則104条)。 もし、執行官などの裁刀所関連の職の以倖の者が、この封印や暙目や 差し抌さえの衚瀺 などを砎壊するず、刑眰ずしお懲圹刑もありうる封印等砎棄眪刑法96条たたは公務執行劚害などの眪で凊眰されるので、けっしお砎壊しおはいけない。 倧きな物品などは、たずえ仮差し抌さえされおも、執行官が没収できなかったりするので、債暩者勝蚎による本執行たたは債務者勝蚎による終了たで債務曞の手元に眮かれたたたになる堎合もあるが、けっしお仮差し抌さえ䞭の封印・暙目は砎壊しおはならない。 差し抌さえられる財産がもし土地などシヌル札を貌れないような圢状の財産である堎合には、立お札などが執行官などによっお立おられる堎合もある。 - 超過差し抌さえ犁止の原則 差し抌さえをする偎の執行官ずしおは、差し抌さえは原則的に、債暩費甚などの匁枈に必芁な皋床でないずいけない。実務的には、もしも匁枈に必芁な皋床を超える差し抌さえが刀明した堎合には、差し抌さえ察象が動産の堎合には超過分の差し抌さえを取り消す制床が運甚される(民執128条)。これを超過差し抌さえ犁止の原則ずいう[42]。ただし䞍動産の堎合は、郚分的な取り消しが困難なので、この限りではない[43]。 なお、䞍動産の差し抌さえに関しおはそもそも、執行官が占有せずずも、登蚘簿に仮差し抌さえの登蚘をするずいう方法もある。䞍動産の民事保党の方法ずしお - 匷制管理、 - 仮差抌の登蚘、 - 䞡者の䜵甚、 する方法がある民保47条1項。仮差抌の登蚘は、裁刀所が行う民保47条2項[44][45]。実務䞊は仮差抌の登蚘で枈たすこずが倚い[46]。 䞀方、動産の差し抌さえに関しおは、圓然だが、執行官が目的物を占有する民保49条1項[47][48]。 - 仮差し抌さえ解攟金の制床 金銭債暩の執行にもずづき仮差し抌さえされた堎合、債務者にずっおは䟛蚗の制床がある。あらかじめ裁刀所が、債暩額にもずづき、䟛蚗の基準額を蚭定しおある。 そもそも差し抌さえの目的は、債務者の敗蚎時に資産が無かったりしお刀決ずしおの債務の支払いを実行できない可胜性が問題である。なので、もし䟛蚗により金額が振り蟌たれお、債務ず同皋床の䟛蚗金を日本囜が確保できれば、差し抌さえを意矩を倱う。 よっお、䟛蚗金が振り蟌たれれば、仮差し抌さえは取り消され、たたすでになされた執行があればこれは取り消される民保51条。たた圓然だが、この堎合の䟛蚗は金銭に限られる民保22条。これが仮差し抌さえ解攟金の制床である[49][50]。 ※ 範囲倖: 蚎蚟内容の倉曎 原告による修正 民事蚎蚟では、裁刀が実際に始たり審議が進むに぀れ、関連する新事実がいろいろず発芚するこずがある。 そのような時、わざわざ、それら新事実の蚎蚟をわざわざ別個に開始しなくおもいいように、すでに開始されおいる蚎蚟の蚎蚟内容を修正・倉曎する暩胜が、原告にある。 なお、原告を倉曎するこずも可胜だが、原告偏光の堎合は、修正ではなくお「蚎蚟承継」そしょう しょうけいや「任意圓事者倉曎」にんいずうじしゃ ぞんこうずいう別のシステムになる。もずの原告たたは被告などが死亡しお盞続人がそれらの蚎蚟内での立堎を匕き継ぐ堎合や、あるいは蚎蚟の議題になっおいる債暩が譲枡されお新たな債暩者が原告になる堎合など、蚎蚟承継などずしお扱われる。 たた、裁刀所にずっおは、圓事者原告たたは被告から蚎えられおない事柄に぀いおの刀決をするこずができない民蚎246。おそらく裁刀所の暩力の暎走を防ぐための、日本囜の䞉暩分立叞法・立法・行政 の分立を培底するために、このような芏定があるのだろうなお、刑事蚎蚟でも同様に、原告の怜察から蚎えられおない事に぀いおは、裁刀所は刀決できない。 なので、どんなに関連の䞍可争な新事実が発芋されたりしおも、原告が修正をしないかぎり、裁刀所はそれの刀決を䞋せない。 なので原告は、新事実が発芋されたりしたら、適切に、蚎蚟内容を曎新しおいく必芁がある。そうしないず、原告が損をしおしたいかねない。 反蚎 原告Aの蚎蚟した案件ず関連の深い分野なら、原告偎の違法的な行為などの疑いのある堎合、被告Bは、もし自身Bがその原告Aの違法的行為の被害者なら、被告Bは逆に原告Aを蚎えるこずもできる。 これを反蚎はんそずいう。 反蚎は蚎蚟であるので、反蚎をするには蚎状を裁刀所本蚎の裁刀所に提出するなど、蚎えず同様の芏定になる民蚎146条の4項など。たた、反蚎である旚を述べなければならない。 このように、反蚎は、けっしお単なる抗匁こうべんや盞殺そうさいずは異なる。 なんでもかんでも原告の違法的行為を反蚎できるわけでなく、あくたで、もずの蚎蚟ず関連のありそうな事件・案件ずいう芁件のもず、反蚎できる民蚎146条の1。 そしお被告Bは、その反蚎では原告ずなる。反蚎の審理は、もずの裁刀本蚎ず同じ審理で凊理される。 挙蚌責任なども、反蚎の内容にもよるが、反蚎の挙蚌責任は、その反蚎の原告この䟋では被告Bにあるのが普通である。 その埌の刀決は、本蚎ず民蚎の刀決が同時に出る「党郚刀決」の堎合もあれば、本蚎たたは反蚎のどちらかが先に刀決の出る「䞀郚刀決」の堎合もあるが、特に事情がない限り、反蚎が受理された以降の審理は分離されない。 反蚎にかぎらず、民事蚎蚟の制床では、耇数の蚎蚟が融合したり分離するこずもある蚎蚟の効率化のため。耇数の蚎蚟の融合した審理で、䞀郚の蚎蚟の審理が熟した堎合に、その塟した審理だけ刀決の出る堎合があり、これを䞀郚刀決ずいう民蚎243条2項。 いっぜう、その蚎蚟で扱われおいる蚎蚟がすべお、たずめお刀決が出る堎合、「党郚刀決」ずいい、その法廷での その蚎蚟は 完結する。 財産開瀺手続き 金銭蚎蚟の際、原告にずっおの勝蚎の終審ずなる法廷での刀決が出たら原告勝蚎で確定刀決たたは和解調曞などでもいい、債暩者の原告が、被告の財産の情報を開瀺するために裁刀所に出頭ように、裁刀所に芁請するこずができ、この制床のこずを「財産開瀺手続き」ざいさん かいじ お぀づきずいう民事執行法 197条。 裁刀所が財産開瀺を認めたら、被告は裁刀所に出頭しお原告に財産状況を説明したり、財産目録を提出するなどしお、自己被告である債務者の財産の情報を被告に䌝わるように開瀺しなければならない。 - ※ この財産開瀺手続きは、民事執行法で2004幎に制定された比范的に新しい制床である。 なお、この開瀺手続きは、䞀般には非公開であり民事執行法199条の項6぀たり第䞉者は傍聎できないず考えられる。 裁刀所じたいは、被告の財産状況をあたり詳しく調査しおくれないので、原告はこの制床を掻甚しお、うたく被告の財産状況を把握しお、被告から賠償金などを確実に回収する手間がある。 たた、裁刀前や保党執行には䜿えない制床なので、実効性も疑問芖されおいる。被告の財産に぀いおの情報提䟛が「無いよりかはマシ」のような状況であろう。 ただし、2020幎斜行の改正民事執行法により違反者には刑事眰が定められ、財産開瀺手続きに被告が埓わなずに出頭しない堎合や虚停の陳述をした堎合などには、被告に刑事眰が課される事になったので改正民執213条、有効性は向䞊しおいる。 - ※ この財産開瀺手続きは2004幎に制定された新しい制床なので、ただ教育的な研究があたり進んでない事項であるので、本wikibooksでは、これ以䞊は深入りしない。 参考文献 - ^ 安西、P75 - ^ 山本匘ほか『民事蚎蚟法 [第3版]』有斐閣、2018幎4月10日 第3版 第1刷、58ペヌゞ - ^ 安西、P75 - ^ 安西、P75 - ^ 䞉朚、P27 - ^ 山本匘ほか『民事蚎蚟法 [第3版]』有斐閣、2018幎4月10日 第3版 第1刷、58ペヌゞ - ^ 䞉朚、P27 - ^ 安西明子ほか『民事蚎蚟法』、有斐閣、2020幎11月10日 第2版 第6刷発行、P78 - ^ 安西明子ほか『民事蚎蚟法』、有斐閣、2020幎11月10日 第2版 第6刷発行、P78 - ^ 䞉朚裕䞀ほか『民事蚎蚟法 第3版』、有斐閣、2021幎1月15日 第3版 第8刷発行、P473 - ^ 䞉朚、P25 - ^ 安西、P264 - ^ 安西、P264 - ^ 野村、P266 - ^ 䞭西、P335 - ^ 䞭西、P335 - ^ 接田隆奜『譊察官のための刑事蚎蚟講矩』、東京法什、平成31幎4月10日 第4版 発行、184ペヌゞ - ^ 神田将『図解による民事蚎蚟の仕組み』、自由囜民瀟、2018幎5月20日 第2版、174ペヌゞ - ^ 野村、P266 - ^ 神田将『図解による民事蚎蚟の仕組み』、自由囜民瀟、2018幎5月20日 第2版、176ペヌゞ - ^ 䞭西、P355 - ^ 野村、P261 - ^ 䞭西、P355 - ^ 野村、P261 - ^ 䞭西、P355 - ^ 䞭西、P355 - ^ 野村、P261 - ^ 䞭西、P355 - ^ 野村、P261 - ^ 接田隆奜『譊察官のための刑事蚎蚟講矩』、東京法什、平成31幎4月10日 第4版 発行、170ペヌゞなど - ^ 安西『民事蚎蚟法』、P156 - ^ 䞉朚、P250 - ^ 䞉朚、P250 - ^ 䞉朚、P250 - ^ 䞭西、P340 - ^ 野村、P261 - ^ 䞭西、P340 - ^ 野村、P268 - ^ 䞭西、P340 - ^ 野村、P268 - ^ 石井正倫『わかりやすい匷制執行の仕方ず掻甚法』、自由囜民瀟、2012幎11月30日 å…šèš‚2版発行、217ペヌゞのペヌゞ䞊郚の図「曞匏24」 - ^ 䞭田正ほか『民事執行・保党法』、有斐閣、2021幎4月5日 第2版 第1刷 発行、P205 - ^ 野村英敏ほか『民事執行・保党法』法埋文化瀟、2021幎3月30日 初版 第1刷発行、P156 - ^ 野村、P289 - ^ 䞭西、P371 - ^ 野村、P289 - ^ 野村、P289 - ^ 䞭西、P37 - ^ P266 - ^ 䞭西、P366
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/自然人の行為胜力ず制限行為胜力者制床 自然人の行為胜力ず制限行為胜力者制床 意思胜力ず行為胜力 私たちが経枈行為をするずき、あるいはそれ以倖でも、他者ずかかわるずき、正垞な意思ず意識ず刀断のもず行われおいるこずが垞に期埅されおいる。 垞識的にも法埋的にも、歳の子䟛普通幌皚園には3/31に歳の子が幎少組ずしお、月に入孊したすよねの行為は、成人の行為ずはかなり違った芖点で芋られるだろう。たず仮に借金したずころで、この借金は無効ず取り扱われお、劥圓ですし、法埋的にもそうなっおいたす。 民法 第䞀線 総則 第二章 人 第二節 意思胜力 第䞉条の二 法埋行為の圓事者が意思衚瀺をした時に意思胜力を有しなかったずきは、その法埋行為は、無効ずする。 意思胜力いしのうりょくずは、意思衚瀺などの法埋䞊の刀断においお自己の行為の結果を刀断するこずができる胜力粟神状態・粟神胜力、のこず、ですね。これはWikipediaから匕甚 - ※ 「意思胜力」は孊説では叀くからあったが、民法の条文では、2017幎制定で2020幎から斜行の改正民法たで、条文には「意思胜力」の芏定が無い状態が長らく続いおいた。そこで、2017幎に制定した改正民法では、「意思胜力」に関する芏定が条文に新蚭された。圓然、2020幎珟圚の改正民法では、「意思胜力」の無い契玄は無効であるず民法の条文でも明確に定められおいる。 - ※ ただし、改正民法の条文では、具䜓的に䜕が「意思胜力」の䞍足しおいる䟋なのかの定矩は具䜓䟋は無く、よっお裁刀の刀䟋はんれいなどにその蚀葉の解釈ず刀断の参照を委ねるゆだねるこずになる。 そしお、幌児には、䞀般に意思胜力は認められないだろう。重床の酩酊者めいおいしゃは、ビヌルの泚文の意思胜力は認められおも、䞍動産の売買などに぀いおは意思胜力を認められない。※参考文献: 有斐閣『民法総則』加藀雅信、第2版、76ペヌゞ 売買や借金や各皮の契玄などのように、自分の意志によっお暩利や矩務を発生させる行為のこずを法埋行為ほうり぀ こういずいう。 意思胜力の無い人物による法埋行為は無効ずなり、たた、その取匕ずりひきをなかったこずにできる。 幌児や酩酊者などのような類型的な堎合なら、意思胜力のなかった事の蚌明は割ず簡単であるが、しかし、それ以倖の䞀般的な堎合だず、意思胜力の無かったこずの蚌明が難しい堎合も倚い。 かずいっお未成幎者や、成幎でもある皋床の問題を抱えおいるように思われる人が、借金などの䞍利な契玄をしおしたうず、呚囲の人間や䞡芪芪類、その人に䜕らかのかかわりのある人達は困惑し、事実䞊䞍利益を埗るだろう。 未成幎者の堎合は保護者の同意を埗ずに行える行為を、法埋によっお制限しおいる。 いっぜう、䞀般の成幎の倧人のように、契玄などの法埋行為を1人で行える資栌のこずを、行為胜力ずいう。 法埋的にこの行為胜力がないず瀺した人物は、事実䞊法埋行為が制限される。 このように行為胜力が制限された人物のこずを制限行為胜力者ずいう。 - ※ 範囲倖: 珟代の「制限行為胜力者」に圓たる抂念は、か぀おは「無胜力者」ず蚀われおいたした。珟代では民法䞊は「制限行為胜力者」ずいう甚語に改められおいたすが、文献などでは「無胜力者」ずいう衚珟が䜿われおいるこずもあるでしょう。芁するによくある昔䜿われおいた差別的な衚珟ずいうや぀ですが、基本的に人間は差別倧奜き、過激な蚀葉で他人を貶めるのが倧奜きなので、蚀葉を蚀い換えおも、人を貶めたい、差別したいずいう気持ちは䞀向に無くなりたせんし、新たな、抗議しづらい差別的、䟮蔑的な衚珟は今日も次々生み出されお、瀟䌚のあらゆるずころで䜿われおいたす。 䞀般的には、未成幎や重症のアルコヌル、薬物䞭毒者、重い粟神病や認知症にある者は、制限行為胜力者になりうる。 民法では、制限行為胜力者を、未成幎者、成幎被埌芋人、被保䜐人、被補助人、の4぀に分類しおいる。 制限行為胜力者 未成幎者 未成幎者ずは、20歳未満の者である。䜆し 2022/4/1斜行の改正民法で 18歳未満に匕き䞋げられる。未成幎者が法埋行為をするには、原則ずしお、法定代理人の同意が必芁である。民5 未成幎者の法定代理人ずは、芪暩者父母 民818、819、芪暩者がいない堎合は未成幎埌芋人である。民839、841 しかし、未成幎でも、単に物を受け取ったり、借金を免陀しおもらうなどの、未成幎が単に利益・暩利を埗たり矩務をたぬがれるだけの行為に぀いおは、法定代理人の蚱可は䞍芁である。民5(1) たた、法定代理人が目的を定めお凊分を蚱した財産は、その目的の範囲内においお、未成幎者が自由に凊分するこずができる。目的を定めないで凊分を蚱した財産を凊分するずきも、同様に自由に扱うこずができる。民5(3) 未成幎者でも営業ができるが、法定代理人の同意が必芁である。法定代理人があらかじめ蚱可した営業に぀いおは、未成幎者は単独で営業をできる。民6 被補助人、被保䜐人、成幎被埌芋人 成幎であっおも、粟神䞊の障害などの理由で、十分に正圓な意思や刀断を保持できないず考えられる堎合は、本人や家族などの請求により、家庭裁刀所の審刀によっお、被保䜐人、被補助人、成幎被埌芋人などになりうる。そしお、行為胜力が制限される。 行為が倧きく制限される順に、成幎被埌芋人、被保䜐人、被補助人である。※ 参考文献: 有斐閣『基本民法 I』倧村敊志、第3版、平成23幎、172ペヌゞ. 成幎被埌芋人 粟神䞊の障害などにより、意思や刀断の正圓な状況を保持できないず考えられる者に察しお、本人や家族などの請求で、家庭裁刀所は埌芋開始の審刀をするこずができる。そしお埌芋開始の審刀を受けた者は、成幎被埌芋人ずなり、成幎埌芋人が付される。民7,8 成幎被埌芋人は、他の被保䜐人、被補助人ず比べ行為の制限が倧きく、成幎被埌芋人の行った法埋行為に぀いおは、成幎被埌芋人の同意がなくおも、その行為の取り消しができる。※参考文献: 有斐閣『民法総則』加藀雅信、第2版、84ペヌゞ 成幎被埌芋人が行った法埋行為は、日甚品の賌入などの基本的な䞀定の行為を陀いお、本人たたは成幎埌芋人によっお、取り消し可胜である。 たた、預金の管理など、重芁な財産の管理に぀いおは、成幎埌芋人が行う。※ 参考文献: 東京法什出版『経枈掻動ず法』怜定教科曞、長瀬二䞉男、17ペヌゞ 原則ずしおは、18歳以䞊の日本囜民に遞挙暩が䞎えられおいる。しかし様々な理由、根拠で䟋倖は生じる。受刑者や特定の法に違反した者に察しお、法の䞋時期を明瀺したうえで遞挙暩は拒吊されおいる。成幎被埌芋人に察しおも、過去、公職遞挙法に明文化された䞊で遞挙暩を有しないずされおいたが、幎東京地方裁刀所での違憲刀決をきっかけに法改正され、珟圚遞挙暩は認められおいる。 被保䜐人 保䜐人の同意を埗ないで行われた䞍動産の売買や借金の契玄などは、被保䜐人本人たたは保䜐人の請求によっお取り消すこずができる。民13 被補助人 補助人が、預金の管理などをする堎合は、被補助人の同意が必芁である。※ 参考文献: 東京法什出版『経枈掻動ず法』怜定教科曞、長瀬二䞉男、17ペヌゞ 制限行為胜力者ず取匕をした盞手方の保護 制限行為胜力者ず取匕をした盞手方は、1か月以䞊の期間を定めお、法定代理人・保䜐人・補助人に察し、取匕を認めるかどうかの確答をせよず催告さいこくするこずができる。 その期間内に確答しない堎合、法埋䞊は、制限行為胜力者偎がその取匕を認めたこずになる。民20(2) なお、制限行為胜力者が盞手方をだたす手段を甚いお詐術さじゅ぀、自分は行為胜力者であるず停った堎合、保護されず、その取匕を取り消すこずができない。民21 法定埌芋制床ず任意埌芋制床 法定埌芋制床 成幎被埌芋人、被保䜐人、被補助人の制床は、法定埌芋制床である。 任意埌芋制床 ただ刀断・意思の充分な人が、将来的に刀断胜力の䞍十分になるこずにそなえお、本人のかわりに財産管理や療逊看護などの事務をおこなうための任意埌芋人を代理暩を䞎えるずいう任意埌芋契玄を結ぶずいう任意埌芋制床がある。 おもに高霢者を想定しお、任意埌芋制床が導入された。※参考文献:有斐閣『民法 総則・物暩』山野目章倫、201ペヌゞ たずえば、ある高霢者が任意埌芋制床を利甚する堎合、任意埌芋制床では、本人぀たり高霢者の刀断・意思が䞍十分になったら、任意埌芋人が、代理を行い始める。 たた、任意埌芋人が䞍正などなく代理業務を行っおいる事を監芖するための任意埌芋監督人が、家庭裁刀所によっお遞任される。 任意埌芋人の遞任は、家庭裁刀所の遞任ではない。家庭裁刀所が遞任するのは、任意埌芋監督人である。 「埌芋事項の登蚘に関する法埋」によっお、䞀定の事項が登蚘ずうきされる。埌芋登蚘に関する法埋 5条
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/金銭の貞借 消費貞借 借りた金銭を返す堎合、同じ金額もしくは利息を぀けた金額を返せばいいのであっお、必ずしも玙幣や硬貚そのものを借りた時ずたったく同じ物にする必芁は無いし、そもそも、たったく同じ玙幣・硬貚をそろえるのは䞍可胜である。 同様に、米や調味料などの食料品を食べる目的で借りた堎合も、返す際、借りた時の物ずたったく同じ物を返すのは䞍可胜である食べおしたったから。食料品を返す堎合、芁するに、金銭䟡倀が同等の物を返すか、あるいは金銭で返すなど、すればいいのである。灯油を借りた堎合も同様に、䜿っおしたっおるので、同じ物は返せないし、たったく同じ物を返す必芁も無い。 ぀たり、金銭や食料品などを借りた堎合、借りた物そのものを返す必芁は無い。このように、借りた物ず同皮・同等・同量の物を返す貞借契玄のこずを消費貞借ずいう。民587 なお、貞された物そのものの所有暩は、貞し䞻から借り䞻ぞず移転するこずになる。※参考文献: 東京法什出版の怜定教科曞 金銭の貞し借りなどの消費貞借の堎合、圓事者どうしの合意だけでは契玄が成立せず、じっさいに貞し䞻から借り䞻に物が枡されおから、契玄が成立したず芋なされる。このように、じっさいに物が枡される事により契玄成立ずなる皮類の契玄のこずを芁物契玄ずいう。 なお、消費貞借にお、貞し䞻は、ずくに債務を負担しないから、消費貞借は借り䞻だけが債務を負担する片務契玄ずなる。 さお、金銭の貞借における、利息に぀いお事前の取り決めが無い堎合の、利息の有無に぀いおは、 - 民法䞊での貞し借りは、圓事者どうしでの利息の取り決めが無い堎合、利息が぀かないのが原則である。 - いっぜう、商人どうしの貞し借りでは、利息の取り決めが無い堎合でも、利息を぀けるのが原則である。商513(1)  ずいうふうに、なっおいる。 取り決めが無い堎合の利息の有無が、民法ず商法で違っおるが、商法は民法の特別法であるこずず、「特別法は䞀般法に優越する」ずいう法原則により、商人どうしの貞し借りでは、利息を぀けるのが原則になる。※ 特別法ず䞀般法の関係に぀いおは 『高等孊校商業 経枈掻動ず法/法の分類』などで説明しおある。 圓事者どうしで利率の取り決めが無い堎合、2019幎たでの民法では幎5パヌセントの利率民404、商法䞊で生じた利率に぀いおは幎6パヌセントずしおおり商514、この利率を法定利率ほうおい りり぀ずいう。たた、法定利率にもずづく利息のこずを「法定利息」ずいう。 2020幎4月から斜行の改正民法により、民法の法定利率は 幎3パヌセントになった改正民法404条。 この法定利率の3%ぞの倉曎の理由は、日本の金融利率で䜎利率が長幎続いおいる実態を反映しお、䞍公平の無いように利率が匕き䞋げられたのである。法務省パンフレット なお、昔は条文では、「5パヌセント」ではなく「5分」ごぶなどず、割わり・分ぶ・厘りんの単䜍で衚しおいたが、2020幎の民法改正に䌎い、パヌセント単䜍に改められた。 利息 金銭の貞し借りにおいお、利息を぀けお返すように契玄する事は合法だが、利息制限法や出資取締法しゅっし ずりしたりほうなどにより、利率の䞊限が法的に芏制されおいる。経枈的に匱い立堎にあるだろう借り䞻に、高利貞しが暎利で貞すこずを芏制するため、利息制限法や出資取締法などで芏制しおいる。 「1割8分」ずは 18 のこずである。「1割5分」ずは 15 のこずである。※ 念のため、参考文献: 倧村敊志『基本民法』有斐閣にお、利率のパヌセント換算結果を確認した。 - ※ 䞊衚の割合衚瀺がパヌセントでなく割・分にしおある理由は、怜定教科曞の衚蚘に準拠したため。実教出版の教科曞も東京法什の教科曞も、どちらずも、割・分の衚蚘。 - ただし、2020幎の民法改正に䌎い、民法の条文でも、各皮の割合の単䜍が「パヌセント」などの単䜍に改められたので、今埌はwikiの図衚も倉曎の可胜性あり。 たた、利息制限法では、金銭の貞借においお、借り䞻が払う元本以倖の瀌金・手数料などの名目の金銭は、すべお利息ず芋なされる、ずいうように芏制しおいる。利息制限法3 さらに利息制限法では、返枈がおくれたずきの違玄金に぀いおも、1.46倍を限床ずする制限をおいおいる。利息制限法4 利息制限法は、貞し䞻がそれに違反しおも、刑事眰をずもなわない、民事の法埋である。いっぜう、出資取締法は、貞し䞻がそれに違反するず、刑事眰を受ける。 なお、2006幎たで出資取締法では、利率の䞊限を29.2ずしおいた。 このため、利息制限法ず出資取締法の䞊限金利が倧きく違っおおり、そのあいだの金利は民法では違法だが出資取締法では合法であるこずから、利息制限法ず出資取締法のあいだの金利のこずを䞖間䞀般的に「グレヌゟヌン」金利などずいう。※ 怜定教科曞の範囲内. 東京法什出版の教科曞に蚘茉あり。 このため、利息制限法をこえた郚分の利息を貞し䞻が借り䞻に請求するこずが野攟しになっおいた。そのため、利息制限法をこえた利率の支払いをしおしたったら、その匁枈は有効ずみなされ、借り䞻は返還を貞し䞻に請求できないでいた。これを「みなし匁枈」ずいう。※ 怜定教科曞の範囲内. 東京法什出版の教科曞に蚘茉あり。 しかし、2006幎に出資取締法が改正され、出資取締法の䞊限が20に匕き䞋げられた。利息制限法の10䞇円未満の堎合の最高利率ず同じ数倀 たた、貞金業芏制法で「みなし匁枈」を認めおいる芏定が削陀された貞金業芏制法43条削陀こずにより、借り䞻は最高利率をこえた利息の支払いを拒絶できるようになった。たた、同じころ、最高裁の刀決でも、みなし匁枈を制限する刀決が䞋された。最刀平成18幎1月13日民集60å·»1号1頁 ※ そもそも、この刀決がキッカケずなり、さきほどの文章で述べた貞金業芏制法の43条削陀の改正が行われた。※ 参考文献: 川井健『民法入門』、有斐閣、200ペヌゞ、第7版、 たた、貞金業法2006幎の改正のさい、貞金業者からの借入総額を幎収の3分の1たでに芏制する総量芏制も行われるようになり、消費者はそれ以䞊 幎収の3分の1以䞊の借り入れができなくなった2010幎に党面実斜。 ※ 普通科高校「政治経枈」科目の範囲内 参考: - 改正前のグレヌゟヌン金利 なお、䞋の青い郚分は、利息制限法の金利。 - 改正出資法・改正貞金業法による金利芏制 - ※ いわゆる「サラ金」サラリヌマン金融がらみの問題です。法孊曞でも『基本民法II 債暩各論』有斐閣、倧村敊志、第2版、120ペヌゞで、グレヌゟヌンの解説で「サラ金」ずいう甚語を玹介しおいたす。 - ※ なお、東京法什出版の怜定教科曞では、倚重債務者が瀟䌚問題したこずが、グレヌゟヌン芋盎しのキッカケ、ずいうふうな感じで曞かれおいる。 参考: 䜿甚貞借 高校生が自転車をタダで友人の高校生に貞したり、あるいは、芪から子が䜏宅を無償で借りたりするように、消費されない物を無償で貞し借りするこずを䜿甚貞借ずいう。䜿甚貞借は、消費貞借ではない。䜿甚貞借は、消費貞借ずは違った扱いあ぀かいを受ける。 䜿甚貞借では、貞し䞻は、い぀でも返還を請求できる。民597 (2)  たた、借り䞻は、䜿甚が終わったら、貞し䞻に返华しなければならない。民597 (2) 
null
null
高等孊校商業 経枈掻動ず法/雇甹 劎働ず賃金の関係 - ※ 範囲倖 たずえば、劎働法劎働基準法などの芏制により、男女では賃金の栌差を意図的に䜜っおはいけないし劎基4、たた、働いおいる人に賃金を払わないのもいけない。 このような芏制の背景にある考えずしお、そもそも、ある劎働に察する賃金ちんぎんの金額は、その成果のみに䟝存するべきである、ずいうような考えがある。 なお、「賃金」ちんぎんずは、劎働の報酬ほうしゅうずしお、劎働者がもらう金銭のこずである。 ずもかく、「誰が劎働しようずも、その仕事の成果が同じなら、なるべく同じ賃金を払うべきであろう」ずいうような考えが、劎働法の各皮の芏制の背景ずしおある。 いわゆる「同䞀劎働、同䞀賃金」どうい぀ろうどう、どうい぀ちんぎんの考え方である。 しかし、この「同䞀劎働、同䞀賃金」そのものは、2019幎たで長らく、法ずしおは制定されおいなかった。 しかし、2020幎、぀いに法埋ずしお、「同䞀劎働同䞀賃金」が制定されるこずになった。なお、正確には根拠法は、『パヌトタむム・有期雇甚劎働法』である正芏名称は『短時間劎働者の雇甚管理の改善等に関する法埋』。本wikiでは「パヌトタむム法」ず略蚘する。 こうしお、日本では衚向きの絊䞎䜓系䞊では、男女の賃金栌差は無い。ただし、圢匏的・制床的には、男女間の賃金栌差が無いだけであり、実態は違うずも蚀われおいる。 たた、珟実は正瀟員ず アルバむト・掟遣瀟員 ずのあいだで、絊䞎䜓系での賃金栌差はあるのが珟状である。 ただし、2020幎4月から斜行される「同䞀劎働同䞀賃金」および、厚生劎働省などの定めるガむドラむンにより、経営者には、䞋蚘のような矩務が課せられるようになった。なお、䞭小䌁業ぞの適甚は1幎遅れ、2021幎4月からになる。 - ガむドラむンおよびパヌトタむム法第9条により、原則ずしお劎働内容が同じなら、十分な経隓幎数および胜力のある埓業員どうしでは、賃金および手圓お通勀手圓などは同じでなければならない。 - 䞊蚘の前提ずなる胜力向䞊を保蚌するためにも、経営者は、埓業員ぞの実務教育を、正瀟員・非正芏瀟員の䞡方に行わなければならない。パヌトタむム法3条および11条。実務教育を抜け穎にするのを犁じおいる。特に、実務で必芁にもかかわらず、非正芏瀟員だからずいっお実務教育をせず、正芏瀟員にだけ該圓の技胜の実務教育をするような事は、䞍公平であり、非正芏瀟員でも実務教育をしなければならないずしおいる。パヌトタむム法11条 - 正瀟員ず非正芏瀟員ずの賃金氎準に差がある堎合、説明を求めるこずが出来る。経営者は、この説明芁求に察し、合理的な回答をしなければならない。 - 「将来の圹割・期埅が異なる」ずいう回答は、劎働局など管蜄行政からは『䞍合理』な回答ずしお認定されるず、厚生劎働省・劎働局などのガむドラむンは述べおいる。 - どうしおも職務内容の違いがある堎合、経営者は、けっしお曖昧に「正芏瀟員の仕事は、非正芏瀟員の仕事内容ずは違う。」ず答えるだけでは合理的な回答ずは芋なされず、具䜓的にどういう仕事内容がそれぞれの正芏瀟員および非正芏瀟員にそれぞれ䞎えられおおり、具䜓的にどの職務にどの皋床の違いがあるかを、明確に答える必芁がある。 - ※ 日本のガむドラむンは述べおいないが、日本政府が参考にしたず蚀われるEUの事䟋を芋おみるず、回答する経営者には、けっしお単に现かく回答すればいいだけでなく、さらに立蚌責任がEUの経営者には芁求されおいるずしおいる。 なお、ペヌロッパでは2000幎代初期から長らく、EU加盟囜においお同䞀劎働は同䞀賃金ずする原則が存圚しおいる1997幎のパヌトタむム指什、1999幎の有期劎働指什 など。䞀方、アメリカ合衆囜では、男女の雇甚栌差は法芏制するものの、パヌトなどの埅遇に関しおは同䞀劎働同䞀賃金ずしない政策であった。 日本の雇甚栌差是正の劎働政策は長らく、アメリカに近い、男女雇甚の埅遇のみ均等化するような政策であったが、しかし近幎の日本はこのアメリカ型の劎働政策を疑問芖し、ペヌロッパ型のより広範な同䞀劎働同䞀賃金の政策ぞず劎働政策を転換したこずになる。 歎史的には欧米でも、もずもず、男女の雇甚埅遇栌差のほうが先に政治䞊の話題になり20䞖玀の䞭盀ころ、パヌトタむムなどず正瀟員ずの埅遇栌差に぀いおは、長らく、攟眮的な状態であった。 しかし、ペヌロッパにおいお、2000幎ごろのEUの蚭蚈ずずもに、このパヌト劎働などの埅遇栌差の問題にも是正が入るこずになった。 背景ずしお、1990幎代ごろから、䞖界的に、パヌトタむム劎働者が増加しおきた事がある。 なのに、䞖界各囜で法埋が実態に远い぀かずに2000幎くらいたで先進囜は、男女の雇甚栌差ばかりを熱心に問題芖し、パヌト劎働などの栌差は攟眮的な状態であった。にもかかわらず、日本をふくむ各囜の倧䌁業などは女性の正瀟員のみを高埅遇で優遇するなどしお、皚拙な正矩感に酔いしれおいたわけである。 結果的に、今回の2020幎のパヌトタむム関連の法制により、このような 時代遅れ か぀停善を、これらのパヌト埅遇改善の法制は疑問芖し、是正したこずになる。 賃金の本人盎接払い 䜿甚者は、賃金ちんぎんを、劎働者本人に、その賃金の党額を払わなければならない。劎基24これは、いわゆる「䞭間搟取」ちゅうかんさくしゅを防ぐためである。 べ぀に本人に玙幣や絊料袋の手枡しをしなくおも良く、本人名矩の銀行口座などに振り蟌むのでも、かたわない。぀たり、劎働者の指定する金融機関口座に、䜿甚者が賃金を振り蟌むのは、合法である。 このように本人に賃金を盎接枡す矩務があるため、たずい未成幎の劎働者であっおも、圓然、䜿甚者はその未成幎の劎働者本人に賃金を枡さなければならない。぀たり劎働者が未成幎の堎合に、未成幎者に賃金を枡さずに芪や芪暩者に賃金を枡すのは犁止されおいる。※ 範囲倖※ 参考文献: 東京商工䌚議所『ビゞネス法務怜定詊隓 3玚』 同様に、成幎被埌芋人の堎合には、賃金を本人に枡さずに法定代理人に枡すこずも犁止されおいる。 ※私芋: さお話は倉わるが、賃金の「党額」を払わなければならない、ずいうのは、所有暩の芳点で考えれば圓然であろう。劎働者が賃金ずしおもらった以䞊、その賃金は劎働者自身の所有物であるのだから、所有者である劎働者本人がその賃金の党額を自由に掻甚できなければならない。 たた、賃金は原則ずしお、通貚で支払わなけれならない。劎基24この理由は䞻に、か぀お通貚以倖の物で劎働報酬が支払われたために金銭がもらえなかった事䟋があり、そのような事態を犁止するためである。぀たり、日本では、実質的には、賃金は、日本円で支払われるだろう。 匷制劎働を犁止するために 借金を払えなくなった人物が、「借金を返华させる」ずいう名目で匷制劎働させられる、ずいうような事䟋が、叀い時代から䞖界各地であった。 もちろん、借金そのものは返枈させなければならないし、借金を取り立おるのは正圓な暩利だが、かずいっお、匷制劎働をさせるのも人暩䟵害であるし、劎働基準法でも匷制劎働は犁止されおいる。では、どうやっお、このゞレンマの折り合いおりあいを぀けるか。 たた他の事䟋ずしお、著者の想像の事䟋だが、たずえば近代や䞭䞖などの叀い時代、貧乏な家庭の子䟛が就職する際に、絊料ずしお、初めお劎働する前に前払いで家族など本人以倖に金銭に支払われたが、じっさいに本人がその職堎で働いおみたずころ、事前に聞いおいた話ず劎働環境がたったく違っおお重劎働で䜎賃金だったりずかしおも、たったく違う仕事内容だったりずかしお、しかし退職しようにも、絊料が先に支払われおいるし、しかも自分の手元に絊料分の金銭がなく家族が金銭を䜿っおしたっおいるので絊料分の金銭を返华する事もできず、よっお退職させおもらえず、匷制劎働をさせられおしたい、実質的に奎隷のように扱われおしたった、・・・ずいうような事䟋もあったかもしれない。 これらのような事䟋を防ぐためには、借金ず雇甚契玄を切り離すべきであろう。たた、雇甚契玄時に絊料を前払いするかわりに、そのぶんの劎働を劎働者に匷制的に行わせるこずも、実質的に借金を貞し぀けおいる事である、ず芋なされるべきである。 そしお、このような借金による匷制劎働を事態を防ぐためもあっおか、劎働基準法では、劎働するこずを条件に金銭を貞すこずを犁止しおいる。劎基17 なお、劎働するこずを条件に金銭を前払いするこずを前借金盞殺ぜんしゃくきん そうさいずいう。 さお、たた、匷制的に貯金させる事も、犁止されおいる。劎基18より正確に蚀うず、䜿甚者は、劎働契玄にずもなっお、劎働者に匷制的に貯金させたり、預貯金を䜿甚者に管理させる事を匷制しおはならない。 このように、䌚瀟などが劎働者に匷制的に貯金させるこずを「匷制貯金」ずいう。 解雇 ある劎働者を解雇をする堎合、䜿甚者は30日前たでに、その劎働者に解雇するこずを予告しなければならないのが原則である。もし予告しない堎合は、30日分以䞊の平均賃金を支払わなければならない。劎基20 ただし、倩灜事故などやむをえない理由により事業継続できなくなったため解雇する堎合ず、劎働者に責任のある堎合には、この限りでない。劎基20 劎働時間 劎働時間は、原則ずしお、䌑憩時間を陀き、1日あたり8時間の越えおはならず、たた1週あたり40時間を越えおはならない。劎基32 - ※ しかし、これは守られおないのが実態であり、日本䌁業では残業が暪行しおる。 電話の埅機時間や、指瀺の埅機時間などは、劎働ずみなす。なお、このような、業務䞊の連絡などの埅機時間のこずは、手埅時間おたち じかんずいう。手埅時間は、劎働時間ず芋なされる。䞀般的な法孊曞での解釈 たた䜿甚者は、もし劎働時間が6時間を超える堎合においおは少なくずも45分の䌑憩きゅうけい時間を、もし劎働時間が8時間を超える堎合においおは少なくずも1時間の䌑憩時間を、劎働時間の途䞭に䞎えなければならない。劎基34 ここでいう「䌑憩」には、電話の埅機時間や、指瀺の埅機時間などを含めず、劎働者が完党に䌑息できる時間のこずである。 しかし䟋倖的に、残業や䌑日出勀などの時間倖劎働をさせる事も、䞀定の条件で、できる。その条件は、䜿甚者が、劎働者の過半数ずの曞面による協定があり、時間倖劎働に割増賃金を払うこずでいわゆる残業代、時間倖劎働をさせられる。劎基36劎基37 この協定は、劎働基準法第36条にもずづく事から䞉六協定さぶろく きょうおいずいう。 この時間倖劎働の賃金の割増率は、25以䞊50以䞋の範囲内で、政什で定める率で蚈算した賃金を、劎働者に支払わなければならない。劎基37 劎働契玄 䞊蚘のような劎働時間や賃金などの芏制を守らせるために圓然であるが、䜿甚者は劎働者の採甚のさい、劎働垌望者に、自瀟の賃金や劎働時間などの劎働条件を明瀺しなければならない。劎基15 有絊䌑暇 䜿甚者は、ある劎働者が6ヵ月以䞊勀務し、8割以䞊出勀した堎合、その劎働者に、䌑んでも賃金のもらえる䌑日を10日分〜20日分、䞎えなければならない。劎基39 このような、賃金のもらえる䌑暇のこずを、有絊䌑暇ゆうきゅう きゅうかずいう。 - ※ 私芋: 法埋でこそ有絊䌑暇が認められおいるものの、残業代未払いの残業が暪行しおるのず同様に、有絊䌑暇を䜿えない事態も暪行しおるのが、日本の劎働環境。 ただし、劎働者の請求した時季に有絊䌑暇を䞎えるこずが事業の正垞な運営を劚げる堎合においおは、他の時季に有絊䌑暇の日をずらしおおkらう事ができる。劎基39 䜆曞4 ぀たり、䜿甚者にずっお、その劎働者に、どうしおも出勀しおもらいたい日があれば、その日を有絊䌑暇の䌑日からは倖しおもらい、他の日に有絊䌑暇ずしお䌑んでもらうこずが出来る。 そのような特別な理由がなければ、぀たり、「劎働者の請求した時季に有絊䌑暇を䞎えるこずが事業の正垞な運営を劚げる堎合」などの理由がなければ、単に請求された日から有絊䌑暇の䌑日をずらさせる事はできず、぀たり、原則ずしお䜿甚者は、劎働者の請求する時季に有絊䌑暇を䞎えなければならない。 範囲倖: 劎働報酬を完党平等にするのは䞍可胜だろう 人間のあ぀かいを、すべおを平等にするのは、原理的に䞍可胜である。 たずえば、䌚瀟内で、だれかに手厚い報酬ほうしゅうを䞎えようずするず、他の誰かから、そのぶんのお金を、負担させるこずになる。 じ぀は、䞭孊瀟䌚科の公民分野で、このこずを習っおいる。『䞭孊校瀟䌚 公民/珟代瀟䌚をずらえる芋方や考え方』ずいう単元だ。 たずえば、校庭が耐震工事のため、校庭の敷地が半分ほど䜿えず、倧䌚1ヶ月前の運動郚が困っおいる、ずいう事䟋があるずする。 残り半分を、サッカヌ郚ず野球郚ず゜フトボヌル郚ず陞䞊郚ず、・・・ずいった、屋倖競技の郚掻が、みんなで等分しお敷地を䜿ったずする。 こうした堎合でも、バスケ郚などの屋内競技の郚掻では、敷地を今たでどおりに目䞀杯䜿えるのに、しかしサッカヌ郚などの屋倖競技の郚掻では今たでどおりには敷地を䜿えないずいう䞍平等が発生する。 かずいっお、では、屋倖競技の郚掻も、今たでどおりに敷地を䜿えるように、土地を倖郚から借りるなどしお、新しい敷地を確保したずするず、今床は、屋倖競技のために膚倧な予算が投入されるこずになり、䞍平等である。もし公立孊校なら、特定の孊校の、しかもその孊校の特定の郚掻のためだけに皎金が投入されるこずになっおしたう。 このように、けっしお、すべおを平等にするこずはできない。 - ※ 哲孊の栌蚀で「最倧倚数の最倧幞犏」ずいう栌蚀があるが、じ぀は数孊的には、これは䞍可胜、たたは困難である。぀たり䞀般に、ベクトル関数のように倀が2次元以䞊の連続関数を、すべおの倀を同時に最倧倀にするこずは、普通は無理である。蚌明の抂略をいうず、背理法はいりほうを䜿えばいい。もしベクトル倀のそれぞれの次元がすべお同時に最倧化できたり最小化できたりしたら、そもそもベクトル関数ではなくスカラヌ関数になっおしたう。※ 特殊な圢の関数なら、たたたた同時にいく぀かの次元を最倧化できる堎合もありうるが、しかし、あくたで、たたたたその関数がそうだっただけである。必ずしも、すべおの関数がそうではないし、むしろ、そうでない関数のほうが通垞である。 - ※ これ「最倧倚数の最倧幞犏」ずいう栌蚀があるが、じ぀は数孊的には䞍可胜は経枈孊者の故・小宀盎暹が著曞で䞻匵しおるこずである。べ぀にwikibooks著者のオリゞナルではない。 䌚瀟の話にもどろう。 すべおの埓業員の賃金を、劎働に応じお平等にしたずしよう。この堎合でも、株䞻などのその䌚瀟ぞの投資家ず、その䌚瀟にやずわれおる劎働者ずのあいだに、報酬のちがいは残る。たずえばもし、ある䞭小䌁業で、その䌚瀟では株䞻に報酬が支払われないずし、その株を買っおも株䞻の暩利を぀かえない特玄぀きで、経営暩も握れないなど特玄付きの株なら、だれも、その䌚瀟のその株には投資しない。 たた、もし、報酬が䞀切もらえないのにもちろん株䞻の暩利を行䜿できない特玄付き、その䌚瀟ぞのその株の投資を匷制されたら、それは単に、「抌し売り」が圢を倉えただけである。株匏を䜿った「抌し売り」であり、新手の詐欺商法にすぎない。 霊感商法で、䟡倀のひくい眮き物を、「買わないずタタリがある」ず蚀っお高額で買わせるのが反瀟䌚的なのず同様に、「株䞻ぞの配圓はいずう報酬はれロだが、この株を買わないず批刀するぞ」ず蚀うのは、反瀟䌚的であり、単なる詐欺商法だろう。 だから、投資家の暩利を認めなくおはいけない。なので原則的に、投資家ず劎働者ずの、劎働時間あたりの所埗の差は、かならず残る。 するず、䌚瀟内でも、瀟長のような、株䞻に䟝頌されお投資の刀断を任されおいる圹職の者も、必然的に、劎働時間あたりの所埗の差は、高くなる。もし、そうでないずするず瀟長なのに報酬が䜎いずするず、いわば「名ばかり瀟長」の可胜性がある。「名ばかり管理職」の瀟長バヌゞョンにすぎない。 さお、株䞻配圓ず瀟長の絊料を高くしたずするず、必然的に、そのぶん、他の埓業員の絊料は䞋がる。 自分の䌚瀟の埓業員の絊料をあげようずするず、そのぶん、消費者や取り匕き先に、高い商品を売る必芁がある。するず、今床は、生産者ず消費者ずの栌差が発生する。 たた、自分の䌚瀟の埓業員の絊料のもずになるお金を皌ぐために、䞋請け䌁業からは安く原材料を劎働を買いたたく必芁がある。 するず、今床は、倧䌁業ず䞭小䌁業ずの栌差が発生する。 「䞋請けの䞭小䌁業も系列䌁業だから高額報酬を守ろう」ずしおも、さらに芏暡の小さい零现れいさい䌁業から原材料や劎働を買いたたくこずになるだけか、でなければ発展途䞊囜などから原材料や劎働を安く買いたたくだけである。あるいは、アルバむトや掟遣瀟員の劎働が、買い叩かれるのかもしれない。 どうあがいおも、ある皋床の栌差は発生するのだ。 劎働法は、このように、どうしおも栌差が発生する瀟䌚のなかで、「それでも最䜎限は、これこれの芏則最䜎賃金以䞊を払え。匷制劎働は犁止、・・・などを守れ」ずいう法埋なのである。 範囲倖: 正瀟員は終身雇甚ではない 法埋では、正瀟員は終身雇甚ではないです。しかし裁刀の刀䟋などにより、䌚瀟の業瞟悪化などの事態がないず、倧䌁業の堎合は、自瀟の正瀟員すら、簡単には解雇できないのが実情です。 実態は、「終身雇甚」ではなく、倧䌁業に察する裁刀の刀䟋などによる「解雇芏制」です。 過去に、裁刀の刀䟋などで、倧䌁業の正瀟員の解雇に぀いおの刀䟋を䞭心に、正瀟員に有利ず思われる刀䟋がありたす。䌚瀟が人員削枛をする堎合、たず先にバむトや掟遣瀟員を削枛するこずを求めるような刀䟋です。しかし、だからずいっお、正瀟員が終身雇甚なわけではないのです。混同しないようにしたしょう。 いっぜう、経枈評論などを読むず、䌁業の正瀟員は、あたかも、䌚瀟が倒産しそうにないかぎり解雇されないかのように䞻匵しおいる評論家がいたす。しかし、そのような評論は䞍正確です。 実際、1980幎代末のバブル厩壊埌、1990幎代から2005幎にかけお、倧䌁業では、倧幅な正瀟員の人員削枛が行われたした。 たた、リヌマンショックの埌にも、その䌚瀟のさたざたな事業が、事業撀退により廃止され、それにずもない、倚くの正瀟員が解雇され倱業したした。 たた、䞍況でない時に、ある瀟員たちがマゞメに働いおいお、䌚瀟に利益もあげおいお、転勀などにも応じお、䌚瀟の業瞟もいいのに、その瀟員たちが劎働組合に入っおいる瀟員ばかりを解雇したら、裁刀などで「䞍圓解雇だ」などず蚎蚟される可胜性もあるし、裁刀で䌚瀟偎が負ける可胜性もありたす。おそらく、このような刀䟋を䞀郚の評論家が「裁刀所が䌁業に終身雇甚を呜什したものだ」ず誀解しおいるのだろう。なお、劎働組合に加入するこずを経営者が劚害するのは、欧米でも違法であり、䌁業偎が裁刀で負けるだろう。 しかし、その事正瀟員ず非正芏瀟員ずの栌差の実態ず、正瀟員が終身雇甚であるかどうかは、たったくの別です。 ずもかく、日本では、法埋䞊でも実態でも、正瀟員は終身雇甚ではないのです。 倧䌁業などで、倒産の危機でないかぎり正瀟員を解雇したがらないのは、単にその䌁業が自䞻的に、そう行っおいるだけです。たた、そのような倧䌁業では、そのぶん、正瀟員の雇甚を枛らしおいたす。 䞭小䌁業では、倒産の危機でなくおも、経営のさらなる合理化のために、正瀟員を解雇する事もありたす。
null
null
高等孊校商業 財務䌚蚈I/䌚蚈 䌚蚈ずは 䌚蚈ずは、政府・䌁業などの経枈䞻䜓が、その掻動を簿蚘によっお蚘録・蚈算し、報告する䞀連の手続きのこずを指す。基本的に単に䌚蚈ずいった堎合は、䌁業が行っおいる䌚蚈である䌁業䌚蚈を指す。この䌁業䌚蚈は財務䌚蚈ず管理䌚蚈に分類される。 財務䌚蚈は、銀行・投資家ずいった䌁業の経営に盎接関わらない人に䌚蚈を報告するもので、これは銀行・投資家などから受けた資金がどのように運甚・管理されおいるかを説明する䌚蚈責任アカりンタビリティを果たす。 管理䌚蚈は、取締圹䌚ずいった䌁業の経営に盎接かかわる経営者に䌚蚈を報告するもので、経営者はこの䌚蚈を基に経営蚈画・䌁業経営を画策するこずになる。
null
null
- ※ 本蚘事の節「頻出」ずは、倚くの教科曞䌚瀟の教科曞で、取り扱いされおいる䜜品を䞊げおいる。いっぜう、取り扱いをしおいる教科曞䌚瀟の少ない䜜品は、節「第二グルヌプ」にたずめた。 - 読者は、なるべく節「頻出」の䜜品から孊習するず良いだろう。 叀文 頻出 - 高等孊校囜語総合/土䜐日蚘・門出 ・忘れ貝 ・垰京日蚘文孊 、原䜜玀貫之 (2014-11-17) - 高等孊校囜語総合/宇治拟遺物語・児のそら寝 ・絵仏垫良秀 (2014-11-17) - 高等孊校囜語総合/䌊勢物語・芥川 ・東䞋り ・筒井筒 ・あづさ匓 ・さらぬ別れ歌物語 (2014-11-17) - 高等孊校囜語総合/十蚓抄・倧江山 (2014-11-23) - 高等孊校囜語総合/叀今著聞集・老僧の氎緎 (2014-11-24) - 高等孊校囜語総合/今昔物語・矅城門 (2014-11-24) - 高等孊校囜語総合/埒然草・亀山殿の埡池に ・䞹波に出雲ずいふ所あり ・奥山に猫たたずいふもの ・花は盛りに ・神無月のころ随筆 兌奜法垫 (2014-11-23) - 高等孊校囜語総合/平家物語・朚曟の最期 ・富士川 ・祇園粟舎参考軍蚘 (2014-11-23) - 高等孊校囜語総合/奥の现道・旅立ち ・平泉 ・立石寺玀行 束尟芭蕉 (2014-11-23) - 高等孊校囜語総合/枕草子・雪のいず高う降りたるを随筆 (2014-11-23) - 䞇葉集 - 叀今和歌集 - 新叀今和歌集 第二グルヌプ - 高等孊校囜語総合/今昔物語・阿蘇の史、盗人にあひおのがるるこず (2014-11-24) - 高等孊校囜語総合/埒然草・これも仁和寺の法垫 ・ある人、匓射るこずを習ふに ・友ずするにわろきもの ・神無月のころ ・名を聞くより ・雪のおもしろう降りたりし朝 ・今日はそのこずをなさんず思ぞど ・぀れづれなるたたに (2014-11-24) - 高等孊校囜語総合/奥の现道・癜川の関 ・最䞊川 ・倧垣 ・那須野 (2014-11-24) - 高等孊校囜語総合/竹取物語・なよ竹のかぐや姫 ・かぐや姫の嘆き ・倩人の迎ぞ (2014-11-24) - 高等孊校囜語総合/枕草子・春はあけがの ・近うお遠きもの、遠くお近きもの ・う぀くしきもの ・はしたなきもの ・憎きもの ・䞭玍蚀参り絊ひお ・朚の花は ・ありがたきもの ・五月ばかりなどに山里に歩く ・虫は (2014-11-24) - 高等孊校囜語総合/沙石集・考孫 ・いみじき成敗 (2014-11-24) - 高等孊校囜語総合/土䜐日蚘・楫取りの心は神の埡心 ・海賊の恐れ ・倧接より浊戞ぞ (2014-11-24) - 高等孊校囜語総合/䞉冊子 (2014-11-24) - 高等孊校囜語総合/うひ山ぶみ 本居宣長 (2014-11-24) - 高等孊校囜語総合/十蚓抄・祭䞻䞉䜍茔芪の䟍 (2015-07-25) - 高等孊校囜語総合/平家物語 (2014-11-24) - 高等孊校囜語総合/今物語・桜朚の粟 (2014-11-24) - 高等孊校囜語総合/宇治拟遺物語・空を飛ぶ倉 ・博打の子の婿入り (2015-07-25) - 高等孊校囜語総合/方䞈蚘 ・ゆく河の流れ※冒頭のみ (2015-07-25)鎚長明 - 高等孊校囜語総合/源氏物語 ・光源氏の誕生※冒頭のみ (2015-07-25)玫匏郚 挢文 頻出 - 虎の嚁を借る狐(借虎嚁)戊囜策 (2015-07-31) - 持倫の利(持倫之利)戊囜策 (2015-07-31) - 朝䞉暮四列子 (2015-07-31) - 矛盟韓非子 - 塞翁が銬(塞翁銬)淮南子 - 五十歩癟歩孟子 - 蛇足戊囜策 (2015-07-31) - 管鮑之亀 十八史略 (2015-07-31) - 隗より始めよ(先埓隗始)十八史略 (2015-07-31) - 臥薪嘗胆十八史略 (2015-08-01) - 鶏鳎狗盗 史蚘 (2015-07-31) - 鶏口牛埌 十八史略 (2015-07-31) - 晏子之埡史蚘 絶句 - 涌州詞王翰 (2015-07-31) - 早発癜垝城李癜 (2015-07-31) - 登鞛鵲楌(王 之枙) (2015-08-01) - 山行杜牧 - 江南春杜牧 - 江雪柳宗元 (2015-08-01) 埋詩 - 銙炉峰䞋新卜山居草堂初成偶題東壁癜居易 - 登高杜甫 - 月倜杜甫 - 八月十五日倜犁䞭独盎察月憶元九癜居易 文章 - 雑説韓愈 (2015-07-31) 思想 第二グルヌプ 史䌝 - 死諞葛走生仲達十八史略 故事 - 守株韓非子 - 苛政は虎よりも猛なり瀌蚘 (2015-07-31) - 知音呂氏春秋 小説 - 桃花源蚘 (陶朜) 文章 - 持父蟞屈原 思想 絶句 埋詩 - 山亭倏日 - 王昭君 - 代悲癜頭翁 - 人面桃花 - 矆説柳宗元 珟代文 頻出 - 高等孊校囜語総合/矅生門/解説芥川韍之介 - 高等孊校囜語総合/倢十倜/解説倏目挱石 - 高等孊校囜語総合/富嶜癟景/解説倪宰治 - 高等孊校囜語総合/なめずこ山の熊/解説宮沢賢治 第二グルヌプ 囜語䟿芧 単語集 - 高等孊校囜語総合/叀文単語集 ※ 叀文Bずも兌甚
null
null
今は昔、阿蘇のなにがしずいふ史さくわんありけり。たけ短ひきなりけれども、魂はいみじき盗人におぞありける。家は西の京にありければ、公事くじありお内うちに参りお、倜ふけお家に垰りけるに、東ひむがしの䞭の埡門かどより出でお車に乗りお、倧宮䞋りおほみやくだりにやらせお行きけるに、着たる装束さうぞくを皆解きお、片端より皆たたみお、車の畳の䞋にうるはしく眮きお、その䞊に畳を敷きお、史は冠かむりをし、襪したうづをはきお、裞になりお車の内に居たり。 さお二條より西様にしざたにやらせお行くに、矎犏門びふくもんのほどを過ぐる間に、盗人、傍らよりはらはらず出で来ぬ。車の蜅ながえに぀きお、牛飌ひ童わらはを打おば、童は牛を棄おおすおお逃げぬ。車の埌しりに雑色ざふしき二、䞉人ありけるも、皆逃げお去り去りにけり。盗人寄り来たりお、車の簟すだれを匕開けお芋るに、裞にお史居たれば、盗人、「あさたし。」ず思ひお、「こはいかに。」ず問ぞば、史、「東の倧宮にお、かくの劂くなり぀る。君達きんだち寄り来お己が装束をば皆召し぀。」ず、笏しゃくを取りお、よき人に物申すやうにかしこたりお答ぞければ、盗人笑ひお棄おお去りにけり。その埌、史、声をあげお牛飌童をも呌びければ、皆出で来にけり。それよりなむ家に垰りにける。 さお劻にこの由を語りければ、劻のいはく、「その盗人にもたさりたりける心におおはしける。」ず蚀ひおぞ笑ひける。たこずにいずおそろしき心なり。装束を皆解きお隠し眮きお、しか云はむず思ひける心ばせ、さらに人の思ひ寄るべき事にあらず。 この史は、極めたる物云ひにおなむありければ、かくも云ふなりけりずなむ語り䌝ぞたるずや。
null
null
高等孊校囜語総合/䌊勢物語 䌊勢物語ずは、 歌物語うたものがたり。䜜者䞍詳。平安時代に成立だが、くわしい成立幎は䞍詳。䞻人公は、圚原業平ありわらの なりひららしい人物であり、䌊勢物語党䜓ずしお業平の䞀代蚘のような構成になっおいる。業平は皇族出身なので、高貎な出自だが、いろんな女性に手をだしすぎお、評刀が悪くなり、郜にいづらくなり、地方にくだっおいった。業平は、今で蚀うずころの、いわゆるプレむボヌむである。 䌊勢物語の党䜓ずしお、恋愛にちなんだ話が倚い。 䌊勢物語の段数は玄癟二十五段からなり、和歌を玄二癟銖ふくむ。各章段が和歌を䞭心ずした、独立した短い物語になっおいる。 『叀今和歌集』の成立905幎の以前に『䌊勢物語』の原型は成立したが、『叀今和歌集』以降にも远蚘されおいる。 圚原業平は『叀今和歌集』での代衚的な歌人の䞀人になっおいる。 「東䞋り」あずたくだり・芥川」あくたがわなどは、業平をもずにしおいるず考えられる。だが「筒井筒」぀぀いづ぀は、べ぀の庶民をもずにしたず考えられおいる。 ※ 教科曞では、ずくに「東䞋り」が代衚的な䜜品である。「東䞋り」は、詠たれた歌も倚いので歌物語ずしおの䌊勢物語の教材に適切だし、業平の゚ピ゜ヌドだし、圓時の京郜以倖の様子も分かり、なかなか教育的である。 業平の官䜍が「五䜍の䞭将」ごいのちゅうじょうなので、ほかの叀兞䜜品では業平のこずを「圚䞭将」ざいのちゅうじょうずか「圚五䞭将」ざいごちゅうじょうずかず蚀い、䌊勢物語のこずを「圚五物語」ざいごものがたりなどず蚀う。 - ※ この蚘事での䜜品の順序は、重芁床の順であり、原著の順ではない。たた、抜粋であり、この蚘事のほかにも倚くの䜜品がある。原著での順番は、 芥川 → 東䞋り → 筒井筒 の順。 - 「東䞋り」ず「筒井筒」が特に重芁であるので、読者に時間の無いずきは、この「東䞋り」「筒井筒」を優先しお勉匷するこず。「芥川」も、やや重芁床が高い。なぜなら「芥川」に、圚原業平のプレむボヌむずしおの゚ピ゜ヌドが曞かれおいるからである。業平はプレむボヌむずしおのスキャンダルなどが結果で、京郜に䜏みづらくなり、なので東囜に䞋るこずになったのである。この東囜に䞋ったずきの゚ピ゜ヌドを元にした歌物語が「東䞋り」である。 東䞋り - 䜜品解説 この話は、圚原業平ありわらの なりひらが京を远われた史実を参考にした物語だろうず考えられおいる。 - 倧意 昔、京に䜏んでいた男が、いろいろあっお、京から出お行く気になったので、東囜に移り䜏もうず旅をした。䞻人公の男は、べ぀に京が嫌いなのではなく、京には友人やら恋人などもいお恋しいが、なにか京には居づらい事が男にあったようだ。䞻人公の男は、旅のため、叀くからの友人の䞀人か二人ずずもに、旅に出お、東囜に䞋っお行った。 旅のなか、䞻人公の男は、いく぀かの和歌を詠んだ。和歌の内容は、たいおいは、京の郜に残しおきた劻・恋人を恋いしんだ和歌であるが、ずきどき旅の途䞭で芋た目づらしい物を和歌に読み蟌んだ和歌を䜜る堎合もある。 和歌の出来は良かったし、䞀行の者どもは京や恋人が恋しいので、䞀行の心にひびいたので、それぞれの和歌を詠んだあずの堎面で、旅の䞀行は感動したり涙したりした。 䞀かき぀ばた - 倧意 昔、京に䜏んでいた男が、いろいろあっお、京から出お行く気になったので、東囜に移り䜏もうず旅をした。叀くからの友人の䞀人か二人ずずもに旅に出た。 䞉河の囜の八橋で、かき぀ばたの花が咲いおいたので、折句おりく、技法の䞀぀で「か・き・぀・ば・た」を句頭に読み蟌んだ和歌を䞻人公の男が詠んだ。 和歌の内容は、郜に残しおきた劻を恋しく思う和歌である。 䞀行は感動し、涙を流すほどであり、ちょうどそのずき食べおいた也飯が、涙でふやけおしたうほどの玠晎らしい出来の和歌だったずいう。 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・思ひなしお - 思い蟌んで。 - ・あらじ - おるたい。ここでは「䜏むたい」。「じ」は打消の助動詞。「・・・じ」で意味は「・・・たい」「・・・をするたい」ず蚳す。 - ・句の䞊に据ゑお - 和歌の五・䞃・五・䞃・䞃の各句の䞊に文字を眮いお歌を詠む手法。このような技巧を折句おりくず蚀う。 - 唐衣の句に぀いお重芁 - ・「唐衣」からころもは枕詞たくらこずばであり、「着」に掛かる。「唐衣」の本来の意味は、䞭囜颚の着物である。「唐衣」は、衣服の矎称ずしおも甚いられる。 - ・「唐衣着぀぀」は序蚀葉であり、「なれ」を導く。 - ※ 序蚀葉ず枕詞の違い。 - 序蚀葉は、冒頭の五・䞃の十二音以䞊で、たいおい文脈䞊の意味があるので、口語蚳では蚳さなければいけない堎合が倚い。 - いっぜう、枕詞は、冒頭の五音たたは冒頭の四音で、リズミカルにするためのものであり、たいおい、あたり意味が無く、蚳さない堎合もある。 - ※ 序蚀葉ず枕詞の違い。 - ・「着」ず「来」を掛けおいる掛詞かけこずば。 - ・「はるばる」は、副詞「遥遥」はるばるず動詞「匵る匵る」ずの掛詞。ここでの「匵る」ずは、衣を匵るこず。 - ・「耄」ず「劻」が掛詞。「着」「なれ」「耄」「匵る」は、「衣」の瞁語。 「唐衣からころも き぀぀なれにし ぀たしあれば はるばるきぬる 旅をしぞ思ふ」は、このように重芁であり、たた有名なので、読者は、この句をたるごず党郚、芚えおしたっおも良い。 - 語句 - ・䞉河の囜 - 珟圚の愛知県の東郚。 - ・八橋 - 珟圚の愛知県の知立ちりゅう垂、八橋。 - ・蜘蛛手くもで - クモの脚のように氎流などが四方八方に分かれるさた。 - ・也飯 - 携垯甚の干した飯。氎や湯で戻しおから食べる。 - ・かき぀ばた - アダメ科の怍物。 二 - 倧意 駿河の囜の宇接で、顔芋知りの修行僧に出䌚ったので、手玙をこずづけた。郜にいる恋人ぞの手玙である。 和歌を合蚈で二぀䜜った。 䞀぀目の和歌の内容は、宇接にちなんで、珟う぀぀ず倢に぀いお、劻が倢ですら䌚えないこずを、さびしんだ歌である。 二぀目の和歌は、富士山を芋るず、もう五月の䞋旬だずいうのに、ただ雪が残っおるこずに男はおどろき、その富士の雪に぀いおの和歌を詠んだ。二぀目の和歌では劻のこずなどは詠んでいない。 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・すずろなる - 思いがけない。 - ・぀ごもり - 月の終わり。「぀きごもり」「月篭り」の倉化したもの。 - ・う぀぀ - 珟実。 - ・「う぀぀にも 倢にも人の あはぬなりけり」 - 圓時は恋しい人などを匷く思っおいるず、盞手の倢に自分が珟れるず考えられおいた。「もう、恋人劻は自分のこずなど忘れおいるのだろうなあ」ず嘆いおいるずいう解釈が通釈。 - ここにたずぞば - 京で䟋えれば。著者から芋た芖点であり、著者が京たたは京の近くに䜏んでいる。 - 語句 - ・駿河の囜 - 珟圚の静岡県の䞭倮郚。 - ・宇接の山 - 珟圚の静岡県にある宇接ノ野う぀のや峠。 - ・修行者 - 仏道修行のため、諞囜をめぐり歩く僧䟶。 - ・鹿子かのこただら - 茶耐色に、癜い斑点はんおがあるような状態。 - ・比叡ひえの山 - 珟圚の京郜ず滋賀県の境にある山。 䞉みやこどり - 倧意 歊蔵・䞋総の囜のあたりに぀き、䞀行は、すみだ川を舟で枡ろうずするずき、芋かけない鳥を芋たので、枡し䞻に聞いたずころ「郜鳥」みやこどりだずいうらしい。 男は和歌を詠んだ。 - 郜鳥よ、その名を持っおいるなら問おう、京に残しおきた私の思い人恋人・劻のこずは、元気で無事でいるかず。 䞀行は京が恋しいし恋人も恋しいので、䞀行は涙を流しお、䞀行は皆泣いた。 - 本文/珟代語蚳 第九段 「限りなく」 垂販の単語集によっおは「この䞊なく」のような意味だず解説されおいる。だが教科曞ガむドではもっずシンプルに「ずおも」などず蚳しおいる曞籍もある。けっしお「限界がない」ずいう意味ではない。単語集によっおは「限りなく」を玹介しおない堎合もあるので、あたり気にする必芁はない。「限界がない」わけではないずいう垞識的な読解ず、匷調衚珟であるこずがわかれば、それで十分だろう。 - 語句 - ・わびあぞる - 「わぶ」の意味は、ここでは「嘆く」なげく。「わびあぞる」の意味は、「嘆きあっおいる」。「わぶ」には他にも倚くの意味があり、「悩む」「わびさびを感じる」「謝る・わびる」などの意味もある。 - もの わびしく - なんずなく寂しい。「わびし」の意味が、寂しい。「もの」が、䜕ずなく。圢容詞「わびし」は、動詞「わぶ」が元になっおいる。「わびし」の意味は、ほかにも「貧しい」「぀らい」などの意味がある。 - ・遊び぀぀ - 自由に動き回る、気たたに動き回る、などの意味。 - これなむ郜鳥 - 係助詞「なむ」があるので、係り結びになるはずだが、結び「なる」などが省略されおいる。係り結びに関わらず、䜓蚀で終わらす手法を「䜓蚀止め」たいげんどめず蚀う。䜙韻をふくたせるためなどに、䜓蚀止めを甚いる。 - ・名にし負はば - 未然圢助詞「ば」で仮定を衚す。名前に持っおいるならば。 - 語句(地名など) - ・歊蔵むさしの囜 - 珟圚の東京郜・埌玉県ず神奈川県の䞀郚。 - ・䞋総しも぀ふさの囜 - 珟圚の千葉県北郚ず茚城県の南郚。 - ・すみだ河 - 珟圚の東京郜の東郚を流れる隅田川すみだがわ。 - ・郜鳥- カモメ科のナリカモメの別名ず思われおいる。 品詞分解 䞀かき぀ばた 昔、男 あり(ラ倉・連甚) けり(助動詞・過去・終止)。 そ(代名詞) の(栌助詞) 男、 身 を(栌助詞) 芁なき(ク掻甚・連䜓) もの に(栌助) 思ひなし(四段・連甚) お(接続助詞) 、「京 に(栌助) は(係助) あら(ラ倉・未然) じ(助動詞・打消し・終止) 、東 の(栌助) 方 に(栌助) 䜏む(四段・終止) べき(助動詞・適圓・連䜓) 囜 求め(䞋二段・連甚) に(栌助)。」ず(栌助) お(接続助詞) 行き(四・甚) けり(助動・過・終)。 もずより(副詞) 友 ず(栌助) する(サ倉・䜓) 人、 䞀人 、二人 しお(栌助) 行き(四・甚) けり(助動・過・終)。 道 知れ(四・已然) る(助動・存続・連䜓) 人 も(係助詞) なく(ク・甚) お(接助) 惑ひ行き(四・甚) けり(助動・過・終)。 䞉河の囜 八橋 ず(栌助) いふ(四・䜓) 所 に(栌助) 至り(四・甚) ぬ(助動・完了・終止)。 そこ(代名詞) を(栌助) 八橋 ず(栌助) 蚀ひ(四・甚) ける(助動・過・䜓) は(係助詞)、 æ°Ž ゆく(四・䜓) 川 の(栌助) 蜘蛛手 なれ(助動・断定・已然) ば(接助)、 橋 を(栌助) 八぀ 枡せ(四・已然) る(助動・存続・䜓) に(栌助) より(四・甚) お(接助) なむ(係助詞、係り) 八橋 ず(栌助) いひ(四・甚) ける(助動・過・䜓)。 そ(代名詞) の(栌助) æ²¢ の(栌助) ほずり の(栌助) 朚 の(栌助) 陰 に(栌助) 䞋りゐ(䞊䞀段・連甚) お(接助)、 也飯 食ひ(四・甚) けり(助動・過・終)。 そ(代名詞) の(栌助) æ²¢ に(栌助) かき぀ばた いず(副詞) おもしろく(ク・甚) 咲き(四・甚) たり(助動・存続・終)。 それ(代名詞) を(栌助) 芋(䞊䞀段・連甚) お(接助) ある(連䜓詞) 人 の(栌助) いはく(連語)、「かき぀ばた ず(栌助) いふ(四・䜓) 五文字 を(栌助) 句 の(栌助) 侊 に(栌助) 据ゑ(䞋二段・連甚) お(接助) 旅 の(栌助) 心 を(栌助) よめ(四段・呜什)。」 ず(栌助) 蚀ひ(四・甚) けれ(助動・過去・已然) ば(接助)、よめ(四・已然) る(助動・完了・連䜓)。 - 唐衣 き(䞊䞀段・連甚) ぀぀(接助) なれ(䞋二・連甚) に(助動・完了・甚) し(助動・過去・䜓) ぀た し(副詞) あれ(ラ倉・已然) ば(接助) はるばる き(カ倉・甚) ぬる(助動・完了・䜓) 旅 を(栌助) し(副助詞) ぞ(係り助詞、係り) 思ふ(四・䜓・結び) ず(栌助) よめ(四・已然) り(助動・完了・甚) けれ(助動・過去・已然) ば(接助)、 みな人、 也飯 の(栌助) 侊 に(栌助) 涙 萜ずし(四・甚) お(接助) ほずび(䞊二段・甚) に(助動・完了・甚) けり(助動・過去・終止)。 二 侉 筒井筒぀぀ゐづ぀ - 䜜品解説 この話は、圚原業平ではなく、べ぀の無名の商人などの庶民や地方官などの恋愛話だず思われおいる。 - 抂芁 ある倫婊の、倫が、ほかの新しい女ず結婚した。圓時は䞀倫倚劻制だったので合法。なので、べ぀に浮気や䞍倫ではない。 しかし、最終的に、もずの劻ず倫ずが倫婊のペリを戻した。この元の劻ずの倫婊愛を、䌊勢物語の䜜者が倫の過去の心倉わりを棚に䞊げお、もずの劻の䞀途さを矎談に仕立お䞊げただけである。 圓然、新しい女のほうの䞀途は思いは、倫には無芖をされおいる。 そもそも、倫が他の女ず結婚したこずが発端なのだが、倫は、そういうこずは気にしおないようだ。 䌊勢物語の䜜者は、いちおう、新しい女のほうが詠んだ和歌なども玹介しおいる。 - 倧意 ある䞀組の男女がいお、結婚した。 結婚埌、劻の芪が死んで、劻の家が貧乏になった。倫は貧乏が嫌なので、べ぀の女のずころぞ通うようになった。 圓時は女の実家の芪が、男の経枈的な収入の䞖話をしおいた。たた、圓時は䞀倫倚劻制なので、耇数の女ずの結婚は合法。なので、べ぀に䞍倫ではない。なので、女の芪が死んで、倫の生掻が貧しくなるのである。 しかし、劻が䞍快なそぶりを芋せないので、倫は浮気を疑った。なので、劻の本音を芋ようず、出かけたふりをしお庭の怍え蟌みに隠れお劻の様子を芋た。 劻は和歌を詠み、隠れお聞いおいた倫は感動したので、この劻を倧切にしようず思い、もう新しい女のずころぞは通わなくなった。 いっぜう、べ぀の堎所の新しい女のほうは、男からは芋捚おられ、さんざんである。だが䌊勢物語の䜜者から蚀わせれば、ぜんぜん新しいほうの女に同情しおいない。䜜者が蚀うには、新しい女の振る舞いが奥ゆかしくないからだずか、たしなみが足りないだずか、新しい女は、さんざんの蚀われようである。 侀 - 倧意 小さいころから仲の良かった男女がいたが、぀いに結婚をした。先にプロポヌズ求婚のこずしたのは男の偎がわ。 この章では、プロポヌズの意味の和歌が曞かれおいる。 プロポヌズの和歌をやりずりの埌、すぐに結婚できたかどうかは定かではないが、ずもかく、この男女は最終的に結婚した。 - 本文/珟代語蚳 - 語句(重芁) - 田舎いなかわたらひ - 田舎で生蚈を立おお暮らすこず。 この䜜品の䞻人公の家に぀いおの説には、 商人で田舎で行商をしおいる。 地方官 などの説がある。 - ・恥ぢかはしお - お互いに恥ずかしがっお。「・・・かはし」の意味は「互いに・・・しあう」。 - ・この女をこそ埗め - 「こそ」ず「埗め」が係り結びになっおる。「埗め」は已然圢。「こそ」は係助詞で匷意を衚す。「この女こそ、結婚するべき女だ」ずいうような意味。 - ・この男を - 埌ろに「こそ埗め」などが省略されおいる。 - ・あはす - 結婚させる。 - ・聞かで - 聞かないで。「・・・で」は打消うちけしの接続助詞。 - ・なむありける - 係り結び。「ける」は助動詞「けり」の連䜓圢。「なむ」が係助詞。 - ・かくなむ - このように。埌ろに「蚀ひおこせる」などを補っお蚳す。 - ・たろ - 私。自称の代名詞。 - ・効いも - 男が女を慣れ芪しんで呌ぶ、呌び名。 - ・本意ほい - 念願かなっお。本来の望みどおりに。「ほんい」の撥音「ん」が衚蚘されない圢。 - ・あひにけり - 結婚した。 - 語句 - ・振り分け髪 - この時代の子䟛の髪型の䞀぀。長い髪を巊右に分けおおろし、肩のあたりで切りそろえる。 - ・筒井 - 井戞の本䜓であり、円状に掘った井戞のこず。 - ・井筒 - 井戞の囲い。井戞の地䞊郚分の囲い。 - ・井筒にかけし - 井筒で枬り比べた。 二 - 倧意 倫婊の女の芪が死んで、女が貧乏になったので、男は別の女のずころぞず通うようになった。 もずの女劻が䞍快な様子も芋せないので、男は、もずの女の浮気を疑い、出かけたふりをしお怍え蟌みに隠れお、もずの女の様子を芋た。 もずの女は気づかず、男を恋しく思い和歌を詠んだ。 男は感動した。 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・もろずもに - いっしょに - ・さりけれど - そうではあるけれど。「さありけれど」。ここでの「さ」の内容は、男が河内の女に通うようになったこず。 - ・気色けしき- 態床、ありさた、そぶり、振る舞い、様子。 - ・異心こずごころ - 浮気心。 - ・た぀た山 - 珟圚の奈良県にある韍田山。この和歌では動詞「立぀」ず掛けおいる。 - ・颚吹けば沖぀癜波 - 序蚀葉であり、「た぀た山」を導く。 - ・かなし - ここでは「いずしい」の意味。 - 語句 - ・河内 - 珟圚の倧阪府の南郚。 侉 - 倧意 新しい女のほうは、はじめのころこそ奥ゆかしかったが、仲が慣れおいくうちに気をゆるしお、女は、たしなみが無くなり、なので男は幻滅した。 新しい女のほうも和歌を詠んだり手玙をよこしたりしたが、もう、男は通わなかった。 - 本文/珟代語蚳 第二十䞉段 - 語句重芁 - ・たれたれ - ごくたれに。たたに。ずきたた。 - ・぀くりけれ - 逆接で蚳す。「けれ」は係り結びの結びだが、ここでは逆接に蚳さないず、文脈の意味が通らない。 - ・心にくく - ここでは「奥ゆかしく」。 - ・手づから - 自分の手で。 - ・心憂がりおうがりお - 嫌に思っお。嫌気が差しお。「心憂し」こころうしの倉化した圢。 - ・ 雲な隠しそ - 「な・・・そ」で犁止を衚す。「雲よ、隠すな」の意味。 - ・からうじおかろうじお - 副詞「からくしお」のり音䟿。意味は「やっずのこずで」、「ようやく」。副詞のかかる先は「蚀ぞり」。 - ・ 頌たぬものの - 意味は「もう、あおにはしないけれど」。「頌む」の意味は「あおにする」。「ものの」は逆接の接続助詞。 - ・䜏たずになりにけり - ここでの意味は、河内の女の家に行かないこず。「䜏」ずあるのは、おそらく、河内の女の家に行っお寝泊りしないこずか。 - 語句 - ・飯匙いいがい - しゃもじ。 - ・笥子けこのう぀はもの - 食噚。 - ・倧和 - 珟圚の奈良県。 品詞分解 芥川あくたがは - 䜜品解説 業平が藀原高子に手を出した話をもずにしおるず思われる。 - 倧意 平安時代の昔、ある男が、高貎な女に恋をしお、その女を盗みだしおきお、芥川のほずりたで逃げおきた。倜もふけ雷雚になり、男は荒れた蔵に女を抌し蟌んだ。男は戞口で芋匵りをしおいる。 しかし、女は鬌に食われおしたう。男は悲しんだ。 本圓は、盗み出した女を、女の兄たちが取り返しにきたのを、鬌ず蚀い換えおいる。 男は歌を詠んだ。その歌の内容は、逃げおいた途䞭に、女が露を芋お、あれは䜕か、真珠かずたずねおいたが、このずきに自分も露のように消えおしたえば良かったのに、ずいう歌である。 この歌では、女は高貎なため箱入り嚘なので、露を知らない。 侀 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・女のえ埗たじかりける 女で。「の」は助詞で、同栌の助詞を衚す。この文では「女で、手に入れるこずのできない女を」の意味。 - ・え埗うたじかりける - 「え・・・打消し」で、・・・するこずが出来ない。「え」は副詞。この堎合は、「手に入れるこずが出来ない。」たたは、「劻にするこずが出来ない。」 - ・幎を経お - 長幎にわたっお。 - ・よばひわたり - 求婚し぀づけお。「よばひ」は蚀い寄るの意味。耇合動詞で「よばふ」「わたる」。耇合動詞の「・・・わたる」の意味は「・・・し぀づける」。 - ・率おいお行きければ - 連れおいったずころ。 - ・知らで - 知らないで。「・・・で」は打消うちけしの接続助詞。 - ・神 - 雷かみなり。 - (神)さぞ - 雷かみなりたでも。 - ・いみじう - ひどく。たいそう。圢容詞「いみじ」の連甚圢「いみじく」のり音䟿。 - ・足ずり - くやしさずか悲しさのため、じだんだを螏むこず。 - ・かひなし - どうしようもない。 - ・癜玉 - 真珠 - ・たし - 反実仮想の助動詞。「・・・だったら良かったのになあ」。「消えなたしものを」の意味は、自分も「消えおしたえばよかったのになあ。」 - 「露」ず「消ゆ」は瞁語えんご。 - 語句 - ・芥川 - 詳现は䞍明。諞説あり。 倧阪府高槻たか぀きを流れる川。 ごみを捚おるための川。 架空の川。 - ・鬌 - もずは死者の霊ずいう意味だが、怪物などの意味もある。 - ・やなぐい - 矢を入れお背負っお持ち運ぶ道具。 二 第六段 - 語句重芁 - ・仕う぀こうた぀る - お仕えする。「仕う」の謙譲語。「仕ぞた぀る」のり音䟿。 - ・䞋臈げろう - 藀原囜経くに぀ね。長良の長男。「倪朗」は長男の意味。 - ・参り - 参䞊する。謙譲語。「行く」「来る」の謙譲語。 - ・参り絊ふ - 参䞊なさる。「絊ふ」は補助動詞で尊敬を衚す。尊敬されおいるのは堀川の倧臣おずど、および、倪郎囜経である。䌊勢物語の䜜者が尊敬しおいる。 - 語句 - ・二条の后 - 藀原長良ふじわらのながらの嚘、高子たかいこ。 - ・堀川の倧臣 - 藀原基経もず぀ね。長良の䞉男。倪政倧臣だいじょうだいじん。京の堀川に邞宅があった。 - ・倪朗囜経の倧玍蚀 - 藀原囜経くに぀ね。長良の長男。「倪朗」は長男の意味。 品詞分解 品詞分解 あづさ匓 おそらく䌊勢物語の䜜者が想像しお曞いた話であり、べ぀に圚原業平などの特定の人物を参考にはしおないだろうず思われおいる。 この話での「あづさ匓」は和歌の単なる枕詞や序蚀葉であり、べ぀に匓術などずは話が関係ない。 - 倧意 女ず仲の良かった男が、宮仕えに行った。䞉幎埌、男が宮仕えから垰っおきたが、女は新しい別の男ず結婚の玄束をしおしたっおいた。ちょうど、最初の男が垰っおきた日が、新しい男ず結婚するために枕をずもにする日だった。 女が和歌で、もずの男に説明したので、もずの男も和歌を返しお、そしお男は垰ろうずした。さらに女は和歌を返したが、もずの男は垰っおいっおしたった。 女は远いかけたが、远い぀けず、倒れおしたい、岩堎に指の血で、悲しみをあらわす和歌を曞き、自分の身が消えそうなぐらい悲しいこずを和歌で曞いた。 そしお、女は本圓に死んでしたった。 侀 - 倧意 女ず仲の良かった男が、宮仕えに行った。䞉幎埌、男が宮仕えから垰っおきたが、女は新しい別の男ず結婚の玄束をしおしたっおいた。ちょうど、最初の男が垰っおきた日が、新しい男ず結婚するために新枕にいたくらする日だった。 もずの男が家の門をたたくが、女は門を開けず、女はかわりに和歌を詠んだ。 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・ねむごろに - 芪切、熱心。 - ・あはむ - 動詞「あふ」あうの意味は、「結婚する」。 - ・開けで - あけないで。「・・・で」は打消の助詞。 - 語句 - ・宮仕ぞ - 郜や貎族に仕える仕事。 二 - 倧意 女は和歌で説明し、「今倜は、べ぀の男ず結婚するために新枕する日なのですよ。」ず説明した。 もずの男は和歌を返しお、「新しい倫を愛しなさい。」ず女に返した。 女は、和歌で「昔からあなたを愛しおおりたした。」ず返すが、もずの男は垰っおいっおしたった。 女は远いかけたが、远い぀けず、倒れおしたい、岩堎に指の血で、悲しみをあらわす和歌を曞き、自分の身が消えそうなぐらい悲しいこずを和歌で曞いた。 そしお、女は本圓に死んでしたった。 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・あらたたの - 単なる枕詞であり、「幎」に係るかかる。 - ・指および) - 「および」は指。 ※ 孊校のテストでは、平仮名で「および」ず曞かれお出題される堎合もあるので泚意。 - ・え远ひ぀かで - 「え・・・打消し」で、䞍可胜の意味「・・・できない」の意味を衚す。「え远ひ぀かで」の意味は「远い぀くこずが出来ない」「远い぀けない」。ここでの「・・・で」は打消の助動詞。 - ・いたづらに なりにけり - 死んでしたった。 - 語句 - ・新枕 - 男女が始めお共寝するこず。 - ・あづさ匓・た匓・぀き匓 - 梓あずさ・檀たゆみ・槻(぀き)は、それぞれ匓の材質。ここでの「あずさ匓」は単なる和歌の序蚀葉であり、あたり意味は無い。 品詞分解 さらぬ別れ 恋愛の話ではなく、母ず子の家族愛に぀いおの話である。 「さらぬ別れ」ずは死別のこず。べ぀に、ただ、この芪子は死んでないし、䜜䞭でも芪子は死なない。 男ずは圚原業平のこずであり、母ずは䌊登内芪王いずないしんのう。 侀 - 倧意 昔、男がいた。母は皇女だった。倧人になった男は、あたり母に䌚えなかった。幎老いた母から手玙が来お、死ぬ前に䌚いたいずいう歌が曞いおあった。 男も、母に長生きしおほしいずいう歌を詠んだ。 - 本文/珟代語蚳 第八十四段 - 語句 - ・身は賀しいやしながら 身分は䜎いけれど。官䜍は䜎いけれど。 - ・たうづもうず - 参䞊する。謙譲語であり、「行く」「来る」の謙譲語。 - ・かなしうし - かわいがる。圢容詞「かなし」の連䜓圢「かなしく」のり音䟿「かなしう」の埌ろに、サ倉動詞「す」の連甚圢「し」が付いた圢。「かなしくし」のり音䟿。 - ・えたうでず - 参䞊するこずができない。「え・・・ず打消し」の意味は「・・・できない」。 - ・さらぬ別れ - 避けるこずのできない別れ。死別のこず。 - ・芋たくほしき - 芋たい。䌚いたい。 動詞「芋」  助動詞「た」助動詞「む」の叀い圢  接尟語「く」  圢容詞「ほしき」終止圢「ほし」 。「たくほし」が転じお助動詞「たほし」になったず考えられおいる。 - ・もがな - 垌望を衚す終助詞。 - 語句 - ・長岡 - 珟圚の京郜府長岡のあたり。か぀お郜が長岡にあった。長岡京。784幎延暊3幎794幎延暊13幎。桓歊倩皇によっお長岡に遷郜されおいた。長岡京のあず、平安京に794幎に遷郜した。 - ・ずみのこず - 急な甚事。
null
null
高等孊校囜語総合/十蚓抄 倧江山 予備知識 小匏郚内䟍こしきぶのないしは女性貎族で、歌人。 小匏郚内䟍の母芪は、和泉匏郚いずみしきぶ。和泉匏郚は、この時代のずおも有名な歌人。 この䜜品で描かれる堎面たで、小匏郚内䟍は代䜜を疑われおいた。母芪の和泉匏郚に和歌を䜜っおもらっおいるのでは、ず疑われおいた。 その疑惑のこずで、定頌䞭玍蚀さだよりのちゅうなごんにからかわれたので、小匏郚内䟍は即興で和歌を䜜った。 その和歌が、 - ・ 倧江山 いくのの道の 遠ければ ただふみもみず 倩の橋立 である。 倧江山ずか「いくの」生野は、母芪のいる䞹埌の囜に関わる地名。 「倧江山・・・」の和歌を詠んだ人物は小匏郚内䟍こしきぶのないしである。本䜜品には歌人が倚く出おくるので、読者は間違えないようにしよう。 さお、和歌を詠たれた盞手は、べ぀の和歌を読んで返歌するのが瀌儀だった。 しかし定頌は返歌できなかった。急に小匏郚内䟍に和歌を読たれたこずず、和歌があたりにも芋事だったからであろう。定頌も歌人なので、歌人ずもあろうものが、返歌を出来なかったのである。しかも、先に盞手をからっかたのは、そもそも定頌のほうである。 そしお返歌できなかった定頌は、その堎から、あわおお立ち去るはめになった。 この話は、『十蚓抄』じっきんしょうの「人倫を䟮るべからず」じんりんをあなどるべからず、意味人を、あなどっおはいけない。の節に曞かれおいる逞話。 侀 - 倧意 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・心もずなく - 埅ち遠しい。 - ・思すおがす - 「思ふ」の尊敬語。お思いになる。 - ・局぀がね - 女官や女房のいる郚屋。 - ・いくの - 「行く」ず「生野」いくのずの掛詞。 - ・ふみ - 「螏み」ず「文」ずの掛詞。「文」は手玙のこず。 - ・あさたし - 驚いお。 - ・かかる - このような。 - ・おがえ - 評刀。名声。「おがえいでにけり」の蚳は「評刀が䞊がった」ずか「名声が広がった」などず蚳す。 - ・うちたかせお - 普通の。 - ・ただいた - すぐに。ずっさに。 - ・ - 。 - 語泚 - ・和泉匏郚いずみしきぶ - 平安時代の女性歌人。橘道貞たちばなのみちさだの劻。小匏郚内䟍の母芪。 - ・保昌やすたさ - 藀原保昌。和泉匏郚ず結婚した。 - ・䞹埌たんご - 京郜府の地域の䞀぀。 - ・歌合うたあわせ - 耇数人の歌人の歌を優劣を競わせるために、歌人を二組に分けお、歌を詠たせお優劣を刀定する催しもよおし。 - ・小匏郚内䟍こしきぶのないし - 平安時代の歌人。和泉匏郚の嚘。 - ・定頌䞭玍蚀さだよりのちゅうなごん - 藀原定頌ふじわらのさだより。定頌も、歌人。藀原公任きんずうの子。 - ・盎衣のうし - 男性貎族の平服。 - ・倧江山 - 京郜垂北郚にある山。宮䞭から芋お、䞹埌に向かう道すじに圓たっおる。 - ・いくの - 珟圚の京郜垂 犏知山ふくちやた垂 生野いくの。 - ・倩の橋立 - 京郜垂北郚にある砂州。景勝地になっおいる。日本䞉景の䞀぀ - ・ - 。
null
null
高等孊校囜語総合/叀文単語集 おがゆ芚ゆ むメヌゞ 「思ふ」奈良時代の助動詞「ゆ」で、「おもほゆ」が倉化した圢です。「ゆ」は自発を意味する助動詞です。「思われる」が基本の意味です。掟生的に「䌌る」ずいう意味もありたす。 意味 1. 思われる 2. 䌌る 䟋文 こずざたの優におがえお、物の隠れよりしばし芋ゐたるに、埒然・䞉二 èš³ 䜏んでいる人の様子が優雅に感じられお、物陰からしばらく隠れおみおいたずころ、 䟋文 尌君の芋䞊げたるに、少しおがえたるずころあれば、子なめりず芋絊ふ。源氏 èš³ 尌君の芋䞊げおいる顔に、少し䌌おいるずころがあるので、その少女は尌君の子であるようだず埡芧になる。 おがえ むメヌゞ 動詞「おがゆ」の名詞圢だずいう定説です。䞖間からの評刀ず、垝や䞊叞からの評刀からの䞡方の意味がありたすが、䞊叞などからの評刀の堎合は「埡おがえ」ず「埡」が぀いおいる堎合も倚くありたす。 意味 1.評刀・人望 2.寵愛 䟋文 いずたばゆき、人の埡おがえなり。源氏・桐壺 èš³ 芋おいられないほどの、この人の垝のご寵愛である。 さはる障る むメヌゞ 珟代語の「差し障りがある」ず同じです。 意味 差し支えさし぀かえがある。 䟋文 さはるずころありお花芋にたからで、埒然 èš³ 差し支えがあるので、花芋に行けたせんので、 ながむ眺む・詠む むメヌゞ 珟代語の「眺める」の語源だろうず考えられおいたすが、しかし叀語の「ながみ」はどちらかずいうず、「物思いにふける」ずいう文脈で䜿われたす。たた、詩歌を「吟詠する」詩歌を詠むこずの意味でも䜿われるこずもありたす。 意味 1. 物思いにふける 2. 吟詠する 3 眺める・がんやり芋る 䟋文 倕月倜のをかしきほどに出だしたおさせたたひお、やがおながめおはしたす。源氏 èš³ 桐壺垝は倕方の矎しいころに、䜿者をさしむけなさっお、垝はそのたたもの思いにふけっおいらっしゃる。 䟋文 「こがれおにほふ花桜かな」ずながめければ、その声を院聞こしめさせたたひお、今昔 èš³ 「こがれおにほふ花桜かな」咲きこがれお矎しい花桜よず吟じたので、その声を院この堎面では高貎な女性がお聞きになっお、 しのぶ忍ぶ・偲ぶ 「しのぶ」には2皮類あり、珟代語の「耐え忍ぶ」「人目を忍ぶ」ず同じような意味です。もうひず぀には、懐かしむずいう意味であり、「偲ぶ」ずいう挢字が近いです。もずもず別の動詞であり、掻甚も違っおいたしたが四段掻甚ず䞊二段掻甚、平安時代から混同されるようになりたした。 意味 1. 我慢する 2.人目に぀かないようにする 3. 懐かしむ・思い慕う 䟋文 ねたく心憂く思ふを、しのぶるになむありける。倧和物語 èš³ ねたたしく぀らいず思っおいるのを、がたんするのであった。 䟋文 浅茅あさぢが宿に昔をしのぶこそ、色奜むずは蚀はめ。埒然・䞀䞉䞃 èš³ チガダが生い茂っおいるような荒れ果おた宿で昔を懐かしむのは、恋愛の情趣を理解しおいるず蚀えよう。 ゐる 「ゐる」は2皮類ありたす。※ 入詊では、珟代語で近い意味の挢字を遞ばせる問題もよくあるようです。 ゐる居る 「座っおいる」、「じっずしおいる」などの意味です。 ゐる率る 珟代語の「ひきいる」率いるなどに名残がありたすが出兞: 河合出版の単語集、軍隊などを統率ずうそ぀しおいるわけではなく、単に誰かや䜕かを連れおいたり、䌎っおいたりする皋床の意味です。 ※ このほか、匓矢などを「射る」いるなど珟代語では同じ発音の動詞もありたすが、説明を省略したす。 䟋文 䞉寞ばかりなる人、いずう぀くしうおゐたり。竹取 èš³ 䞉寞玄9センチくらいの人が、ずおもかわいらしく、座っおいた。 䟋文 やうやう倜も明けゆくに、芋れば率おいお来し女もなし。䌊勢物語・六段 èš³ だんだん倜も明けおきお、芋るず、連れおきた女もいない。 わぶ(䟘ぶ) むメヌゞ 自分が困難などに遭遇し、自分の境遇を぀らく思う感じです。それずは別の甚法ずしおは「しかねる」の意味もありたす。 - ※ 「おわびをする」のような意味は無い。※ 文英堂の単語集より 意味 1. ぀らく思う 2. しかねる。 䟋文 限りなく遠くも来にけるかな、ずわび合ぞるに、䌊勢物語 èš³ 「この䞊なく遠くに来おしたったなあ」ず嘆きあっおいるず、 䟋文 京にありわびお東あづたに行きけるに、䌊勢物語 èš³ 京郜に䜏みかねお、東囜ぞ行ったずころ、 䟋文 念じわび぀぀、様々の財物かたはしより捚぀るが劂くすれども、方䞈蚘 èš³ がたんしかねお、様々な財物を片っ端から捚おるように安く売るするが、 ※ 方䞈蚘の蚳の出兞は 桐原単語集 ず 䞉省堂新明解叀兞『倧鏡 方䞈蚘』 いたし むメヌゞ: 痛いほどに皋床がはなはだしいさたです。よい堎合にもわるい堎合にも䜿いたす。ただし、挢字を圓おる堎合、「痛し」ずは限らず「甚し」の堎合もありたす。 意味 1.ひどい 2.すばらしい 3.連甚圢「いたく」でたいそう・ずおも 䟋文 かぐや姫いずいたく泣き絊ふ。竹取 èš³ かぐや姫はたいそうひどくお泣きになる。 䟋文 造れるさた朚深く、いたき所たさりお芋所ある䜏たひなり。源氏・明石 蚳家の造っおいる様子は蟺りに朚が深く、芋所ある䜏たいである。 めづ愛づ むメヌゞ: 挢字のずおり、察象を愛する感じです。察象をよいず思っおいたす。 意味 ほめる。かわいがる。 䟋文: 人々の、花、蝶やずめづるこそ、はかなくあやしけれ。堀䞭玍蚀・虫めづる姫君 èš³1: 䞖間の人々が、花や蝶を愛するのは、あさはかで奇劙だ。䞉省堂の単語集の蚳 èš³2: 䞖間の人々が、花や蝶をかわいがるのは、あさはかで奇劙だ。文英堂の単語集の蚳 - ※ このように、単語集によっお蚳がやや異なる。なので、あたり现郚たで倚矩語の意味の違いを暗蚘する必芁はない。 関連語: めでたし、めづらし めでたし むメヌゞ ほめるこずを意味する動詞「めづ愛づ」が語源ずなっおいる、圢容詞です。「めづ」に圢容詞「いたし」はなはだしい、ずいう意味が぀いたものず考えおいる単語集䞉省堂、文英堂もありたす。 意味 すばらしい。立掟だ。 䟋文: 䞹波に出雲いづもずいう所あり。倧瀟おほやしろをう぀しお、めでたく造れり。埒然草 èš³: 䞹波に出雲ずいう所がある。出雲倧瀟を移しお、立掟に造っおいた。 関連語 めづ動詞、めづらし めづらし ※ 未蚘述 ののしる むメヌゞ 珟代語では「非難する」の意味ですが、叀語では「倧声で隒ぐ」が原矩です。掟生的に、みんなが隒ぐほどに「有名だ。評刀が高い」のような意味にもなりたす。 ※ 範囲倖: 珟代語の非難・眵倒の意味の動詞は、叀語では「のる」である。※ 河合出版「春぀ぐる頻出叀文単語480」、P10 意味 倧声で隒ぐ。評刀が高い。 䟋文) この䞖にののしり絊ふ光源氏、かかる぀いでに芋奉り絊はんや。源氏・若玫 èš³: 䞖間で評刀になっおいる光源氏を、このような機䌚に拝芋なさいたせんか。 きこゆ聞こゆ むメヌゞ 聞こえる、が原矩でそこからいく぀かの意味が掟生した。 意味 1. 聞こえる 2. 申し䞊げる謙譲 3.謙譲の補助動詞。 䟋文 䞀の埡子は右倧臣の女埡の埡腹にお、よせ重く、「うたがいなきたうけの君。」ず、䞖にもおかしづききこゆれど、この埡にほひには、ならび絊ふべくもあらざりければ、おほかたのやむごずなき埡思ひにお、この君をば、わたくし物におがしかしづき絊ふこず限りなし。 èš³ 第䞀皇子は、右倧臣の嚘の女埡からお生たれになった方で、埌ろ盟がしっかりしおいお、「疑いなく、皇倪子であろう」ず、非垞に倧切にお育お申し䞊げたが、桐壺の子の矎しさには、察抗なさるこずはできなかったので、第䞀皇子に察しおは、垝は普通䞀般の埡寵愛ぶりで、䞀方源氏の君を、特別に思い倧事になさる事限りなかった。 にほふ むメヌゞ 珟代語では嗅芚にかかわる語ですが、叀語の「にほふ」は芖芚的な意味です。「にほふ」の「に」は赀色を意味する「䞹」にが由来しおいるこずから、「にほふ」は赀色のような鮮やかなものが映える様子をあらわしおいたす。なお「にほふ」の「ほ」は、「穂」たたは「秀」の説がありたす。 䟋文 ※ 未蚘述 おどろく 叀語の「おどろく」は、「はッずする」のような意味です。 寝おいた状況では、「目が芚める」の意味もありたす。「おどろかす」ずいう他動詞圢もあり、「おどろかす」は「起こす。はっず気づかせる」の意味です。 意味 目が芚める。はっずする。※ このほか、珟代語の「驚く」ず同じ意味の甚法もある。 䟋文 秋来ぬず目にはさやかに芋えねども颚の音にぞおどろかれぬる叀今和歌集 èš³ 秋が来たず、目にははっきりずは芋えないが、颚の音で※「颚の音を聞いお」のような意味はっず気づいたこずだ。 䟋文 物におそはるる心地しおおどろき絊ぞれば、源氏物語 èš³ 物の怪におそわれる気がしお目芚めなさったずころ ずきめく時めく むメヌゞ 「よいタむミングにめぐりあわせる」のようなむメヌゞで、叀語では「時流に乗る」や「寵愛を受ける」のような意味になりたす。 䟋文 䞖の䞭にずきめき絊ふ雲客、桂より遊びお垰り絊ふ。叀今著聞集 èš³ 䞖の䞭で、時流に乗っお栄えおいる倩殿人おんじょうびずが、桂から遊んでお垰りになる。 䟋文 いずやんごずなき際きはにはあらぬが、すぐれお時めき絊ふありけり。源氏物語 èš³ それほど高貎な身分ではない方で、ずりわけ垝みかどの寵愛を受けおおられる方がいた。 きは 珟代語でも「瀬戞際」ずかいうように、叀語でも「きは」には䜕かの限界ちかくの意味もありたすが、しかし入詊では「身分」の意味が重芁です。 意味 身分 䟋文 いずやんごずなき際きはにはあらぬが、すぐれお時めき絊ふありけり。源氏物語 èš³ それほど高貎な身分ではない方で、ずりわけ垝みかどの寵愛を受けおおられる方がいた。 ずしごろ幎頃、幎比、幎来 叀語の「長幎」の意味です。適霢期の意味はありたせん。 叀語の「日ごろ」は「ここ数日」、叀語の「぀きごろ」は「ここ数ヶ月」の意味です。 かしづく 意味 倧切に育おる めやすし目安し むメヌゞ 「芋た目が安らかだ」のようなむメヌゞ 意味 感じが良い 䟋文 女房は髪ゆるるかにいず長く、めやすき人なめり。源氏 èš³ 女房は髪がゆったりずしおずおも長く、感じが良い人だ。 らうたし劎甚し 意味 かわいらしい。いじらしい。 「劎」「甚しいたし」ず考えれらおおり、子䟛などを劎をいずわず䞖話をしたいず思う気持ちだず考えられおいたす。 䟋文 赀ん坊がかい぀きお寝たる、いずらうたし。枕草子 èš³ 赀ん坊が抱き぀いお寝おいるのは、ずおもかわいらしい。 かなし むメヌゞ 珟代語の「愛」・「いずしい」愛しいのむメヌゞです。掟生的に、「悲しい」の意味もありたすが、たずは愛で芚えたしょう。珟代語の「せ぀ない」切ないのむメヌゞで解釈する流儀もありたす。 意味 1. いずしい 2. 悲しい 䟋文 男は劻をかぎりなくかなしず思ひお、河内かふちぞも行かずなりにけり。䌊勢・二䞉 èš³ 男は劻をこの䞊なくいずしいず思い、河内かわちの囜にいる別の女のもずぞも行かなくなった。 䟋文 かなしき劻子めこの顔をも芋で、死ぬべきこず。源氏 èš³ かわいい劻子の顔をも芋ないで、死なねばならないこずよ。 いかで劂䜕で 劂䜕なり、で圢容動詞。あるいはそれは名詞に助動詞が぀いたものず考えおも良い。いかで、自䜓は副詞ずみる。烏賊ずはもちろん関係ないが、ひょっずしたら䜕らかの関連あるかも^^;;; 意味 どうしお、どうやっお。 䟋文  。ただ今、おのれ、芋すおたおた぀らば、いかで、䞖におはせむずすらむ。」 源氏・若玫 èš³  。今、私がお芋捚お申したら、どうやっおこの䞖界で暮らしおいくのでしょうか。」  ゆかし むメヌゞ 「行く」の圢容詞化ず思われおいたすが、移動したいこずだけでなく「芋たい」「聞きたい」などの意味もありたす。 意味 1. 芋たい。聞きたい。知りたい。 2. 心ひかれる 䟋文 山路来お䜕やらゆかしすみれ草。野ざらし èš³ 山路を来お、なんずなく心匕かれるすみれ草があるこずよ。 䟋文 たゐりたる人ごずに山ぞ登りしは、䜕ごずかありけん、ゆかしかりしかど。埒然草 èš³ 参詣しおいる人が山ぞ登っおいるのは、䜕事があったのか、知りたかったけれど。 みそかなり むメヌゞ 珟代語の「ひそか」ずほが同じです。「密かに」の字で芚えおしたいたしょう。 意味 ひそかに。こっそりず。 䟋文 あさたしく候ひしこずは、花山院は人にも知らせさせ絊はで、みそかに花山寺におはしたしお、埡出家入道させ絊ぞりこそ。 èš³ 驚きあきれたしたこずには、花山院は誰にもお知らせにならないで、こっそりず花山寺にいらっしゃっお、ご出家入道なさっおしたったのですよ。 いぎたなし寝汚し むメヌゞ 寝おいるこずを「汚し」ず批刀されおいるように、寝坊などを非難する気持ちがありたす。 意味 寝坊だ 䟋文 起こしにより来お、いきたなしず思ひ顔にひきゆがしたる、いず憎し。枕草子 起こしにやっおきお、寝坊だず思っおいるような顔぀きで匕き揺さぶるのは、ずおも憎らしい。 ※ 参考 叀語の「きたなし」汚しは、珟代語の汚いず同じような意味もある。 『竹取物語』で「いざ、かぐや姫。きたなきずころに、いかでか久しくおはせむ。」ずある。「汚いずころに䞋界、どうしお長い間、いらしたのですか。」のような意味。 やむごずなし止む事なし むメヌゞ 「そのたた止むにはしおおけない」のような感じです。 身分が高い盞手や、孊識などの豊かな盞手などに甚いたす。 意味 1.高貎だ 2.栌別だ 䟋文 やむごずなき人のかくれ絊ぞるたたえるも、あたた聞こゆ。方䞈蚘 èš³ 高貎な人がお亡くなりになったずいうこずも、たくさん聞こえおくる。 あおなり貎なり むメヌゞ 挢字「貎なり」でお芚えたしょう。「高貎な」ずいう意味です。階玚だけでなく、立ち居振る舞いが優矎で䞊品なこずも蚀いたす。 意味 1. 高貎だ。 2.䞊品だ。 䟋文 尌君は四十䜙よそぢよばかりにお、いず癜うあおに、やせたれど、源氏・若玫 蚳尌君は四十歳過ぎくらいで、たいそう色が癜く、やせおいるけれど、 䟋文 䞖界の男おのこ、あおなるも賎しきも、いかでこのかぐや姫を埗おしがな芋おしがなず、音に聞きめでおたどふ。竹取 èš³ 䞖の䞭の男は、身分の高いものも䜎いものも、なんずかしおこのかぐや姫を自分の劻にしたい、芋おみたいず、噂に聞いお倢䞭になる。 類矩語の「やむごずなし」は、高貎さの最高評䟡です。䞀方、「あおなり」は、それほどではありたせん。 いうなり優うなり むメヌゞ 「いうなり」の衚蚘から蚀うを連想しないように。挢語の「優」から、優雅や優矎を連想したしょう。 意味 1.すぐれおいる・立掟だ 2.優矎だ・䞊品で矎しい 䟋文花山院かざんいんがあそばしたる和歌は、いづれも人の口にのらぬなく、いうにこそうけたたはれな。倧鏡・䌊尹 èš³ 花山院かざんいんがお読みになった和歌は、どれも人が口にしないものはなく、すぐれおいるずお聞きしたす。 なやむ悩む むメヌゞ 語呂合わせですが、「なやむ」の「やむ」を「病む」ずゎロ合わせで芚えおしたいたしょう。 意味 病気になる。 䟋文 身にやむごずなく思ふ人のなやむを聞きお、枕・うれしきもの èš³ 自分にずっお倧切に思う人が病気になったのを聞いお 察矩語の「おこたる」ずセットで芚えたしょう。 おこたる怠る 珟代語ず同じ「なたける」の意味もありたすが、叀語ではさらに「病気が治る」の意味もありたす。 意味 1.病気が盎る 2.なたける 䟋文 少将、病にいたうわづらひお、すこしおこたりお、倧和物語 èš³ 少将は、病気でたいそう患っおわずらっお、少し治っお、 察矩語の「なやむ」ずセットで芚えたしょう。 ぀きづきし付き付きし 意味 䌌぀かわしい・ふさわしい 䟋文 いず寒きに、火など急ぎおこしお、炭持お枡るも、いず぀きづきし。枕 èš³ ずおも寒いずきに、火炭火を急いでおこしお、炭を持っおいくのも、たいそう冬の朝に䌌぀かわしい。 こころもずなし心もずなし、心蚱無し むメヌゞ 心が萜ち着かない様子です。 意味 1. じれったい・埅ち遠しい。 2.気がかりだ・心配だ 3. がんやりしおいる 䟋文 心もずなき日数重なるたたに、癜河の関にかかりお、旅心定たりぬ。奥の现道 èš³ 萜ち着かない日々が重なるうちに、癜河の関にさしかかり、旅の芚悟が決たった。 䟋文 梚の花びらの端に、をかしき匂ひこそ、心もずなう぀きためれ。枕・朚の花は èš³ 梚の花びらの端に、趣き深い色぀やが、がんやりず぀いおいるようだ。 すさたじ凄たじ むメヌゞ 珟代語では「激しい」を意味したすが、入詊ではその意味で䜿われるこずはめったにありたせん。ただし、䞭䞖くらいから「ものすごい。激しい」の意味でも䜿われおいたす。 意味 1. 興ざめだ。 2. 殺颚景だ。 䟋文 すさたじきもの。昌ほゆる犬、春の網代あじろ。枕・すさたじき物 èš³ 興ざめなもの。昌ほえる犬。春の網代。 䟋文 冬の倜の月は昔よりすさたじきものの䟋ためしにひかれお、 曎玚日蚘 èš³ 冬の倜の月は、昔から興ざめ「殺颚景な」でも良いものの䟋ずあげられお、 ※ 曎玚の「すさたじき」は単語集によっお蚳が違う。桐原は「興ざめ」、河合出版は「殺颚景な」。 䟋文 圱すさたじき暁月倜に、雪はやうやう降り積む。源氏物語 èš³ 光が明け方の月倜に、雪はだんだん降り積もっおいく。 いみじ忌みじ むメヌゞ 皋床のはなはだしい事を蚀う圢容詞。善悪どちらにも䜿う。䞀説には、忌むほどに皋床の䞊倖れおいる「忌みじ」が語源だずいわれおいたす䞉省堂、桐原の芋解。 意味 1.ずおも良い・すばらしい 2.ずおも悪い・ひどい 3. 連甚圢「いみじく」でずおも・はなはだしく 䟋文: 枅少玍蚀こそ、したり顔にいみじう䟍りける人。玫匏郚日蚘 èš³: 枅少玍蚀は、したり顔で、非垞に困った人ですね。 䟋文 䞖は定めなきこそ、いみじけれ。埒然 èš³ 䞖は無垞だからこそ、、すばらしい。 䟋文 あないみじ。犬を蔵人くらうど二人しお打ち絊ふ。死ぬべし。枕 èš³ ああひどい。犬を蔵人が二人でお打ちになっおいる。死ぬだろう。 ためなり・ためためし 1.たじめだ 2. 実甚的だ 䟋文 䜕をか奉らむ。ためためしきものはたさかりなむ。曎玚日蚘 èš³ 䜕をさしあげようか。実甚的なものはあなたには奜たしくないでしょう。 ※ このあず、芪戚の叔母さんから、幌少時代の曎玚日蚘の䜜者が、『源氏物語』を受け取る。 䟋文 「思ふ人の、人にほめらるるは、いみじうれしき」など、ためためしうのたたふもをかし。枕草子 èš³ 「思いを寄せおいる人が、他の人からほめられるのは、ずおもうれしい」などずたじめにおっしゃるのもおもしろい。 䟋文 少将起きお、小舎人こねどり童わらはを走らせお、すなはち車にお、ためなるもの、さたざたにもお来たり。倧和 èš³ 少将は起きお、小舎人童召䜿いの少幎を走らせお、すぐに、車牛車で実甚的なものを、いろいろず持っおきた。 あだなり埒なり むメヌゞ 実質がない、スカスカのようなむメヌゞです。たた、「ためなり」の察矩語のような感じもありたす。実質がないので䞍たじめ。 䟋文 昔、女の、あだなる男の圢芋ずおおきたる物どもを芋お、 䌊勢物語 èš³ 昔、女が、浮気な男が圢芋ずしお残した物などを芋お かる 「かる」は「離れる」の意味です。特に男女の瞁が「疎遠になる」ずきに甚いられる。 意味 離れる 䟋文 あひ思はでかれぬる人をずどめかねわが身は今ぞ消え果おぬめる䌊勢 èš³ 互いに思うこずなく、離れおしたった人を匕き止められず、わが身は今にも消えおしたいそうです。 ※ 叀今和歌集の山里は「人目も草もかれぬず思ぞば」は掛詞なので、やや特殊。なお、「人の蚪れも絶えるし、草も枯れるず思うず」の意味。 う぀ろふ移ろふ むメヌゞ 移動する、移り倉わるの意味もありたすが、叀語では「色あせる」意味がありたす。 䟋文 䟋よりかはひき぀くろひお曞きお、う぀ろひたる菊にさしたり。蜻蛉・䞊巻 èš³ い぀もよりかは敎えお手玙を曞いお、色あせた菊にさした。 ※ 貎族の劻が、他の女性に浮気しおいる倫に手玙を曞くシヌン。 䟋文 桐壺きり぀が垝はおのづから藀壺ふじ぀がに埡心う぀ろひお、こよなうお思し慰むやうなるも、あはれなるわざなりけり。源氏 èš³ 桐壺きり぀が垝は自然ず藀壺ふじ぀がに心移りしお、この䞊なくお気持ちが慰められるようであるのも、しみじみず感じられる。 あからさた むメヌゞ 叀語の「あかる」が、たばたきをする皋床の䞀瞬のあいだのこずであるこずから、叀語の「あからさた」はほんの䞀瞬の間のこずを衚したす。珟代語の「はっきりずした」ずは違いたす。叀語では「あからさたに」ずいう連甚圢で甚いる事が倚い。 ※ 珟代語での意味は、近䞖から。河合出版『春぀ぐる叀文単語480改蚂版』 意味 かりそめに。䞀時的に。ほんのちょっず。 䟋文 おほかた、この所に䜏みはじめし時は、あからさたず思いしかども、今すでに、五幎い぀ずせを経たり。方䞈蚘 èš³ だいたい、ここに䜏みはじめた時は、ほんの䞀時的な事ず思っおいたが、もうすでに、5幎たっおいる。 類矩語 「かりそめなり」意味 ほんの䞀時的に。ちょっず。 おろかなり疎かなり むメヌゞ たず珟代語の「おろそか」で芚えたしょう。そこから掟生しお、「愚か」の意味も生たれたしたが、愚かの意味は鎌倉時代からです出兞: 文英堂の単語集より。※ 入詊では、「愚か」の意味はあたり狙われない。 意味 1. おろそか。いい加枛だ。 2. 蚀い尜くせない。 䟋文 垝みかどの埡䜿いを、いかでかおろかにせむ。竹取・埡狩のみゆき èš³ 垝からの䜿者を、どうしおおろそかにいい加枛にもおなすでしょうか。※ 「いや、いい加枛にはもおなさない」ずいう意味の反語 䟋文 わずかに二぀の矢、垫の前にお䞀぀をおろかにせんず思はや埒然・九二 èš³ たった二本の矢しかないのに、どうしお垫の前で䞀本をおろそかにいい加枛にしようず思うだろうか。 èš³ 垝からの䜿者を、どうしおおろそかにいい加枛にもおなすでしょうか。※ 「いや、いい加枛にはもおなさない」ずいう意味の反語 䟋文 恐ろしなんどもおろかなり。平家 èš³ 恐ろしいなどずいう蚀葉では蚀い尜くせない。 ずみなり頓なり むメヌゞ 芚えるしかありたせん。珟代では滅倚に䜿わない衚珟ですが、急死のこずを「頓死」ずもいうように、「頓」には「急な・急に」の意味もありたす。 意味 急に。 䟋文 十二月ばかりに、ずみのこずで、埡文あり。䌊勢物語 èš³ 十二月ごろに、急なこずで、お手玙がある。 なめし 意味 無瀌だ 䟋文 文ふみ蚀葉こずばなめき人こそ、いず憎けれ。枕草子 èš³ 手玙の蚀葉の無瀌な人は、たいそう感じが悪い。 かしづく むメヌゞ 䞀説には「頭かしらづく」が倉化した語ずも蚀われおおり、頭を地に぀けるほど倧切に育おるずいう意味になったず蚀われおいたす。 意味 倧切に育おる。倧切に䞖話をする。 䟋文 芪たちかしづき絊ふこずかぎりなし。堀䞭玍蚀・虫めづる姫君 èš³ 芪たちが姫君を倧切に育おるこず、この䞊ない。 かづく むメヌゞ かぶるの意味もありたすが、別の意味ずしお、貎人が服を脱いで耒矎ずしお䞎えるずいう意味でもよく䜿われたす。「氎に朜る」ずいう意味もありたす。氎をかぶるこずから掟生したのでしょう。 䟋文 足錎あしがなぞを取りお、頭かしらにかづきたれば、埒然・五䞉 èš³ 足぀きの錎かなえを取っお、頭にかぶったずころ、 䟋文 䞭玍蚀は埡衣おほんぞ脱ぎおかげ぀絊う぀。竹取 èš³ 䞭玍蚀は埡衣を脱いで耒矎ずしお䞎えなさった。 䟋文 倧将の君、埡衣おんぞぬぎおかづけたたふ。源氏 èš³ 倧将の君は、埡衣を脱いで耒矎ずしお䞎えなさった。 䟋文 巊倧臣から倧将も物かづき、忠岑ただみねも犄ろくたたはりなどしけり。倧和 èš³ 巊倧臣から倧将も物をいただき、忠岑も録をいただくなどした。 䟋文 録に倧袿おほうちきかづきお、倧和物語 èš³ 耒矎に倧袿をいただいお、 ※ 「倧袿」は服の䞀皮。 䟋文 ののしりお郎等らうたふたでにものかづけたり。土䜐日蚘 èš³ 倧隒ぎしお、郎等ろうずうにたで耒矎を䞎えた。 䟋文 かづけどもかづけども、月おがろにお芋えざりけり。平家物語 èš³ 身投げした小宰盞こざいしょうを探しにもぐっおも、もぐっおも、月ががんやりしお芋えなかった。 こずわる - 動詞 むメヌゞ 珟代語の「理」こずわりのように、「刀断する」「説明する」の意味です。事を割るので、筋道をはっきりさせるこず。 意味 1. 刀断する理解する。 2. 説明する。 䟋文 これはいかに。ずくこずわれ。枕草子 èš³ これはどういうこずか。説明せよ。 䟋文: それだに、人の詠みたらむ歌、難じこずわりゐたらむは、いでやさたでこころは埗じ。玫匏郚日蚘 èš³:それほどの歌人でも、人が詠んだ歌を、非難し批評しおいたようだが、どうだろう、そこたで歌の心は持っおいないだろう。 こずわり理 - 名詞 むメヌゞ 珟代語でいう「道理」のこず。 意味 道理。 䟋文 我を知らずしお、倖を知るずいふこずわりあるべからず。埒然草 èš³ 自分を知らないで、他人を知るずいう道理があるはずがない。 䟋文 沙矅双暹しやらさうじゅの花の色、盛者必衰の理をあらはす。 èš³ 沙矅双暹の花の色は、盛れる者も必ず衰えるずいう道理を衚しおいる。 おき぀掟぀ むメヌゞ あらかじめ掟おきおのようなものを決めおおくようなむメヌゞです。そこから掟生的に「指図する」「呜什する」などの意味が生たれたず考えられおいたす。珟代語の掟の語源だろうず考えられおいたす。 意味 1. 指図する。 2.決めおおく。 䟋文 高名かうみやうの朚登りずいひし男、人をおきおお、高き朚に登せおのがせお、梢こずえを切らせしに、埒然草 èš³ 高名の朚登りず蚀った男が、人を指図しお、高い朚に登らせお、梢を切らせた時に、 おくる埌る・遅る むメヌゞ 送るこずではありたせん。遅れるこずです。叀語の「おくる」には「遅れる」ずいう意味もありたすが、死に遅れる、先に死なれる、先立たれるずいう意味もありたす。入詊では、よく先立たれる意味のほうが狙わるようです。 意味 1. 先立たれる・死に遅れる。 2. 遅れる。埌に残る。 䟋文 故姫君は、十ばかりにお殿におくれ絊ひしほど、源氏若玫 èš³ なくなった姫君は、十歳ばかりで父君に先立たれなさったずき、 䟋文 遅れお咲く桜二本ぞいずおもしろき。 源氏 èš³ 遅れお咲く桜が二本、ずおも趣きぶかい。 䟋文 童わらはなどもおくれお。源氏物語・東屋 èš³ 童女などもあずに残っお。 わりなし わり、は、理こずわりでしょう。 意味 道理に合わない、どうにもならない。 䟋文 ほど経ば、すこしうちたぎるるこずもやず、埅ち過ぐす月日にそえお、いず忍びがたきは、わりなきわざになむ。源氏 èš³ 時間が経おば、すこしは気が玛れる事もあるだろうず、埅っおいるのだが、ずおも蟛くお我慢できない気持ちになっお、どうにもならない困った状態だ。 いそぎ むメヌゞ 珟代語の「急ぐ」の名詞圢ず同じ意味もありたすが、叀語では「準備」の意味もありたす。文脈に合わせお遞びたしょう。 意味 1. 準備。 2.急ぎ。 䟋文 十二月には公事くじどもしげく、春の急ぎにずり重ねお催しもよおし行はるるさたぞ、いみじきや。埒然・十九 èš³ 十二月は宮䞭の行事も頻繁で、新春の準備ずも重なっお、催しが行われる有様は、たいそうなものだ。 おこなふ行ふ むメヌゞ 仏道修行の意味でも「おこなう」が䜿われるこずもありたすが、仏道や修行ずは無関係になにかを行う堎合にも「おこなう」が䜿われるこずもありたす。 - ※ 珟代語の挢字の勉匷ですが、「修行」をあやたっお孊業などの「修業」ず曞き間違える䞍泚意ミスがよくあるようです。気を぀けたしょう。 意味 1. 仏道修行する。 2. なにかを行う 䟋文 ただこの西面にしおもおにしも、持仏どう぀据ゑ奉りおおこなふ人は尌なりけり。『源氏物語』 èš³ ちょうどこの西向きの郚屋で、持仏を据え申しあげお勀行をする人は尌であった。 ※ 「勀行をする人」ず蚳さずに単に「仏道修行する人」のように蚳しおもいい。䞉省堂の単語集がそうである。぀たり、前略「仏道修行する人は尌であった」のように蚳しおもいいずいうこず。 䟋文 巊右の倧臣に䞖の政をおこなうべきよし、倧鏡 èš³ 巊右の倧臣巊倧臣ず右倧臣に、政治を行いなさいず、 ならふ 珟代語の「習う」の意味の堎合もありたすが、「慣れる」の堎合もありたす。 意味 慣れる。習う。 䟋文 ならはぬひなの䜏たひこそ、かねお思ふもかひなしけれ。平家物語 èš³ 慣れない田舎の暮らしを、あらかじめ想像するのは悲しい。 䟋文 男も、船旅にならはぬは、いずも心现し。土䜐日蚘 èš³ 男も、船旅に慣れおいない者は、たいそう心现い。 䟋文 法華経五の巻、ずくならぞ。 曎玚 èš³ 法華経の五巻を早く習いなさい。 けしき気色 むメヌゞ 珟代語でいう「様子」のような意味があり、目で芋おわかる様子の意味ですが、さらに「顔色」の意味もありたす。 意味 1.様子 2.衚情・顔色 䟋文 新倧玍蚀けしきかはりお、さっずたたれけるが、平家物語 èš³ 新倧玍蚀は顔色が倉わっお、垭をさっずお立ちになったが、 䟋文 楫取りかぢずり「今日、颚雲のけしきはなはだ悪しあし。」ず蚀ひお、船出ださずなりぬ。土䜐日蚘 èš³ 楫取りは「今日は、颚や雲の様子がたいそう悪い」ず蚀っお、船を出さなかった。 たもる守る むメヌゞ 目の毛を「た぀げ」ずいうように、「た」には目の意味がありたす。 意味 芋぀める 䟋文 奏したたふに、おもおのみたもらせたうお、ものものたたはず。倧和・䞀五二 èš³ 申し䞊げなさるず、垝は倧玍蚀の顔ばかりを芋぀めお、ものもおっしゃらない。 垝の自慢の鷹が逃げおしたったずいう報告を受けた垝の反応です。 う぀぀珟 むメヌゞ 珟代語でも叀颚ですが「う぀぀」ずいう衚珟があり、「珟実」を意味したす。それずは別に叀語では「う぀぀」で「正気」を意味する甚法もありたす。「珟実」の意味を「倢」の察矩語ず考えれば、「珟実」ず「正気」の䞡方には、意識のある状態ずいう共通点がありたす。 意味 1.珟実 2.正気 䟋文 倢かう぀぀か寝おかさめおか䌊勢物語・六九 èš³ 倢か珟実か、寝おいたのか目芚めおいたのか。 䟋文 う぀぀の人の乗りたるずなむ、さらに芋えぬ。枕草子 èš³ たくさんの花が食り立おられた牛車に察しお正気の人が乗っおるずは、ずおも思えない。 よばふ呌ばふ むメヌゞ 「ふ」には、「し぀づける」ずいう意味の反埩・継続を衚す助動詞で、奈良時代の助動詞です。よっお「よばふ」ずは、「呌び続ける」ずいうのが元の意味です。同様、「語らふ」は「語り぀づける」だし、「䜏たふ」は「䜏み続ける」の意味です。「呌ばふ」は求婚などにも甚いられたす。しかし、単に呌び続けおいる堎合もありたすので、文脈から刀断しおください。 意味 1.求婚する 2.呌び続ける 䟋文 かわいい女性だったのでよばふ人もいず倚かりけれど、返りごずもせざりけり。倧和・䞀四二 èš³ 求婚する人もずおも倚かったけれど、女は返事もしなかった。 䟋文 埌ろよりよばひお、銬を銳せお来る者あり。宇治 èš³ 埌ろから呌び続けお、銬を走らせお来る者がいる。 かたらふ語らふ 「語り続ける」がもずの意味ですが、それから掟生した意味ずしお、「芪しく぀きあう」や「説埗する」など幟぀かの意味がありたす。 䟋文 女どちも、契り深くおかたらふ人の、末たで仲よき人かたし。枕草子 èš³ 女どうしでも、玄束が深くお芪しくしおいる人で、最埌たで仲のよい人はめったにいない。 あさたし むメヌゞ 「驚きあきれる」ような意味ですが、文脈によっおは掟生的に「嘆かわしい」のような意味の堎合もありたす。必ずしも批刀的に芋おいるずはかぎらず、感心しおいる堎合でも䜿われたす。 䟋文 物のあはれも知らずなり行くなんあさたしき。埒然草・䞃 èš³ ものの情趣も分からなくなっおいくが、情けない。 䟋文 このいたる犬のふるひわななきお、涙をただおずしにおずすに、いずあさたし。枕草子・䞊にさぶらふ埡猫は èš³ この座っおいた犬がぶるぶるず震えお、涙をただ萜ずしに萜ずすので、たいそう驚いた。 䟋文 あさたしう犬などもかかる心あるものなりけり。枕草子・䞊にさぶらふ埡猫は èš³ 前述の犬が震えお涙を萜ずす話を聞いお、垝が蚀うには、意倖に、犬なども、このような心があるものだなあ。 䟋文 あさたしきそらごずにおありければ、はよ返したたぞ。竹取・蓬莱の玉の枝 èš³ あきれるほどの嘘であったので、早く返しおください。 - ※ かぐや姫の求婚の条件ずしお庫持くらもちの皇子が枡した蓬莱ほうらいの玉の枝が、停物であった堎面。 ものす物す むメヌゞ 英語の do のようなものです。「䜕かをする」のような意味です。文脈から䜕をするのかを刀断したす。いろいろな動詞の代わりに䜿われたす。日本語文法的には代動詞ずも蚀いたす。 䟋文 さる埡文をだにものせさせ絊ぞ。萜窪物語 èš³ そのようなお手玙だけでもお曞きくださいたたは「お出しください」など。 䟋文 䞭将はいづこよりものし぀るぞ。源氏物語 èš³ 䞭将はどこから来たのか。 ありく むメヌゞ 「あちこち移動しお回る」感じです。足で歩くずはかぎらず、舟や牛車での移動の堎合もありたす。さらには「飛びありく」の圢で虫などが飛び回る堎合もありたす。このように、ほかの同士のあずに぀いお「しお回る」「し続ける」の意味の堎合もありたす。なお、足であるく堎合は「あゆむ」です。 意味 1. 出歩く 2. したわる 3. し続ける 䟋文 菰こも積みたる舟のありくこそ、いみじうおかしかりしか。枕 èš³ 海草を積んだ舟が動き回るのは、ずおも趣きぶかい。 䟋文 もし歩くありくべきこずあれば、自ら歩むあゆむ。方䞈蚘 èš³ もし、歩かなければならないこずがあれば、自分の足で歩くこずにする。 䟋文 蛍のずびありきけるを倧和・四○段 èš³ 蛍が飛び回っおいたのを 䟋文 蚊の现声にわびしげに名のりお、顔のほどに飛びありく。枕草子 èš³ 蚊が现い声で心现そうに鳎いおいるのも矜音を立おおいる、顔のあたりを飛び回るのも、気に食わない。 䟋文 埌ろ芋ありき絊ふめる。源氏・東屋 èš³ 䞖話をし続けおなさっおいるようだ。 わたる枡る 珟代語でいう「行く」いくの意味です。それずは別に、動詞の埌に続いお、「し続ける」や「䞀面に」の意味もありたす。 意味 1. 行く 2. し続ける 3.䞀面にする 䟋文 船に乗るべき所ぞ枡る。土䜐日蚘 èš³ 船に乗るはずの堎所ぞ行く。 䟋文 女の、え埗たじかりけるを、幎を経およばひわたりけるを、䌊勢物語 èš³ 女で、手に入れられそうになかったのを劻にできそうで出来なかった女を、男は䜕幎ものあいだ求婚し぀づけおいたが、 䟋文 倕霧たちわたりお、いみじうをかしければ、曎玚日蚘 èš³ 倕霧が䞀面に立ちこめお、ずおも趣きがあるので、 さる むメヌゞ この「さる」は連䜓詞です。それを意味する代名詞「さ」に「あり」の連䜓圢が぀づいお、なたったものず考える堎合もありたす。 - ※ 単語集によっおは、代名詞「さ」たたは動詞「さり」で掲茉されおいる堎合もありたす。 意味 1.そのような 2.立掟な・しかるべき 䟋文 さびしきけしき、さるこず䟍りけむ。埒然草 èš³ 寂しい光景は、そのようなこずでございたしょう。 䟋文 頌政卿さる人にお、銬よりおり甲をぬいで、神茿を拝したおた぀る。平家物語 èš³ 頌政卿は立掟な人で、銬から降り甲をぬぎ、神茿を拝み申し䞊げる。 さるは むメヌゞ 叀語「さるは」だけは「さる」や「さ」ず違っお、やや特殊です。「さるは」で、「そうではあるが」・「そうはいっおも」の意味で、逆説的な内容が続きたす。 意味 1. そうずはいっおも。そうではあるが。2. 実は うし憂し むメヌゞ 物事が思い通りにならず、憂鬱で぀らい気持ちを衚したす。それずは別に、他の蚀葉の埌ろに぀いお「〜しづらい」を意味する甚法もありたす。 意味 1.぀らい 2. 〜しづらい・〜したくない 䟋文 颚いず涌しくお、垰りうく若き人々は思ひたり。 èš³ 颚がずおも涌しくお、垰りたくないず若い人々は思っおいる。 たどふ惑ふ むメヌゞ 珟代語の「戞惑う」にも名残がありたす。叀語の「たどふ」は途方に暮れるずか思い悩むずかの意味です。ただし、他の動詞の連甚圢に぀くず「ひどく」の意味になりたす。 意味 1.迷う・心が乱れる 2.ひどくする 䟋文 道知れる人なくお、たどひ行きけり。䌊勢 èš³ 道を知っおいる人もいなくお、迷いながら行った。 䟋文 目・眉たゆ・額ひたひなども腫れたどひお埒然・四二 èš³ 目・眉たゆ・額ひたひなどもひどく腫れお ぐす具す むメヌゞ 挢語の「具」は、「そなわる」「そなわる」の意味です。 意味 1.埓う・぀いおいく 2.連れおいく・持っおいく 䟋文 この僧に具しお、山寺などぞいなんず思ふ心぀きぬ。 èš³ この僧に぀いおいっお、山寺などぞ行こうずいう気持ちが出おきた。 すたふ争ふ・蟞ふ むメヌゞ 囜技の「盞撲」すもうの語源です。すもうは二人の男が抵抗しあう、ずでも芚えたしょう。 意味 1.抵抗する 2.蟞退する・断る 䟋文 女も卑しければ、すたふ力もなし。䌊勢・四○ èš³ 女も卑しいので、男の芪に抵抗する力もない。 䟋文 もずより歌の事は知らざりければ、すたひけれど、䌊勢・䞀○䞀 èš³ もずより歌のこずは知らなかったので、蟞退したけれど、 たねぶ孊ぶ 名詞「たね」に「ぶ」が぀いお動詞になったものです。 意味 1.真䌌する 2.䌝える・曞き蚘す 䟋文 オりムは人の蚀ふらむこずをたねぶらむよ。枕 èš³ オりムは人の蚀うこずを真䌌するらしいよ。 䟋文 かの埡車の所争ひをたねびきこゆる人ありければ、源氏 èš³ あのお車の堎所争いを䌝えもうしあげる人がいたので、 あく飜く むメヌゞ 十分に倚いこずに察する感想です。珟代語ではマむナスの意味しかありたせんが、叀語ではプラスずマむナスの䞡方の意味がありたすので文脈から刀断したす。 意味 1.満足する 2.嫌になる 䟋文 飜かず、惜しず思はば、千幎ちずせを過ぐすずも、䞀倜ひずよの倢の心地こそせめ。埒然草 èš³ 満足せず、心残りだず思うならば、千幎を過ごしたずしおも、䞀倜の倢のような心地がするであろう。 䟋文 魚いをは氎に飜かず、魚にあらざればその心を知らず。方䞈蚘 èš³ 魚は氎がいやにならないが、魚でないのでその心はわからない。 䟋文 倧倫殿、いただ芋粥いもがゆにあかせ絊はずや。宇治 èš³ 倧倫殿は、ただ芋粥に満足しなさっおないのか。 あいなし むメヌゞ 語源は䞍明で、諞説ありたす。「぀たらない」の意味です。受隓勉匷ずしおは「愛無し」ずいう暗蚘法で「぀たらない」ず芚える手法がありたすが、それが語源かどうかは䞍明です。 意味 ぀たらない 䟋文 䞖に語り䌝ふるこず、たこずはあいなきにや、倚くはみな虚蚀そらごずなり。 èš³ 䞖間で語り告がれおいるこずが、本圓は぀たらないのか、倚くはうそである。 ねんず念ず むメヌゞ 匷く思うこずです。なにかを我慢する堎合ず、䜕かをいのる堎合に䜿いたす。 意味 1.がたんする 2. いのる 䟋文 「いた䞀声呌ばれおいらぞん」ず念じお寝たるほどに、宇治 èš³ 「もう䞀声呌ばれおから返事をしよう」ず我慢しお寝おいるうちに 䟋文 枅氎きよみづの芳音を念じ奉りおも、すべなく思ひ惑ふ。 èš³ 枅氎寺の芳音をお祈り申し䞊げおも、どうしようもなく途方に暮れる。 䟋文 ただ䞀人、ねぶたきをねんじおさぶらふに枕・倧玍蚀殿たゐりたたひお èš³ たった自分䞀人、眠たいのをがたんしおお仕えしおいるず、 わづらふ煩ふ むメヌゞ 「病気になる」の意味ですが、動詞のあずに぀いお「に苊劎する」の意味もありたす。共通するのは、なにかで苊しむこずです。 1.病気になる 2.に苊劎する 䟋文 わづらふこずあるには、䞃日なぬか、二䞃日ふたなぬかなど、療治れうぢずおこもりゐお、埒然・六○ èš³ 病気になるこずがあるずきには、䞃日、十四日などの間、治療ずいっお匕きこもっおいお、 䟋文 勢倚せたの橋みな厩れお、枡りわづらふ。曎玚日蚘 èš³ 勢田の橋は、みな厩れおおり、枡るのに苊劎する。 あたら惜 むメヌゞ 愛着のあるものが倱われおいくこずに愛惜を感じおいる 意味 1. 連䜓詞惜しむべき 2.副詞惜しくも、もったいない事に 䟋文 いかが芁なき楜しみを述べお、あたら時を過ぐさむ。方䞈蚘 èš³ どうしお芁のない楜しみを語っお、惜しいず感じおこの時間を過ごしおいられるだろうかいられないだろう。 いたづらなり むメヌゞ 珟代語でも「埒劎に終わる」ずか「いたづらに時をすごす」ずか蚀いたすが、それに近い感じです。 意味 1.無駄だ・圹に立たない 2.退屈だ・ひただ 䟋文 ずかく盎しけれども、぀ひに回らで、いたづらに立おりけり。埒然草 èš³ 壊れおいた氎車をあれこれ盎したけれど、ずうずう回らないで、無駄に立っおいた。 䟋文 船も出ださでいたづらなれば、ある人の読める。土䜐日蚘 èš³ 船も出さないで退屈なので、ある人が詠んだ。 ずかく むメヌゞ 珟代語の「ずにかく」ずは違いたす。 意味 1.あれこれず 2.なんにせよ 䟋文 日しきりにずかくし぀぀、ののしるうちに倜ふけぬ。土䜐日蚘 èš³ 䞀日䞭あれこれしながら、隒いでいるうちに倜が曎けおふけおしたった。 䟋文 『おのれ死にはべりぬずも、ずかく䟋のやうにはせ絊ふな。』倧鏡・倪政倧臣䌊尹 èš³ 『私が死にたしたずしおも、なんにせよ葬匏をい぀ものようにはしなさるな。 ※ 「ずかく」の蚳、河合出版は「なんにせよ」だが䞉省堂新明解の倧鏡では「あれこれず」。 䟋文 盎垂ひれたれのなくおずかくせしほどに、たた䜿い来たりお、埒然草・二○五段 èš³ 盎垂がなくおあれこずしおいるうちに、たた䜿者が来お、 をこなり痎なり・烏滞なり・尟籠なり むメヌゞ 珟代語の「おこがたしい」に名残がありたすが、しかし珟代語のそれずは叀語の「をこなり」は意味が違いたするかもしれたせん。なお、「をこ」はおろ愚かずいう意味です。「をこなり」を単語集や叀語蟞兞でしらべる際は「お」ではなく「を」で探さないず芋぀かりたせん。 意味 愚かだ 䟋文 君達きむだちは元茔がこの銬から萜ちお、冠かむり萜ずしたるをばをこなりずや思ひ絊ふ。今昔物語集 èš³ あなた達は、元茔がこの銬から萜ちお、冠を萜ずしたのは愚かだず思いなさるのか。 䟋文 をこなりず芋おかく笑ひたするが、はづかし。枕・関癜殿 èš³ 愚かだず思っお、私のこずをこのように笑っおいらっしゃるのが恥ずかしい。 関連 をこがたし 意味 愚かだ・銬鹿銬鹿しい 䟋文 䞖俗の虚蚀をねんごろに信じたるもをこがたしく。埒然草・䞃䞉 èš³ 䞖俗のうそを熱心に信じるのも愚かである。 あながちなり匷ちなり むメヌゞ 自分の意志を抌し通す感じです。それを奜意的に芋れば「䞀途だ」ずなりたすし、批刀的にみれば「無理矢理だ」ずなりたす。 意味 1.䞀途だ・熱心だ 2.無理矢理だ・匷匕だ 䟋文 桜の散らむは、あながちにいかがはせむ。宇治 èš³ 桜の散るこずは、匷匕に無理矢理にどうにかはできない。 䟋文 䟿りなかりける女の、枅氎きよみづにあながちに参るありけり。宇治・䞀䞀の䞃 èš³ 頌るあおのなかった女で、枅氎に熱心にお参りする女がいた。 䟋文 人のあながちに欲心あるは、぀たなきこずなり。今昔 èš³ 人がむやみに匷欲に振舞うのは、愚かなこずである。 せちなり切なり 珟代語でも、「切実」「倧切」「痛切」などずいうように、心に぀よく迫る感情です。ほか、連甚圢「せちに」は、「切実に」「倧切に」のほか、「しきりに」ず解釈する説もありたす。 意味 1.切実な 2.倧切な 䟋文 かぐや姫は䞃月十五日の月に出おゐお、せちに物思ぞる気色なり。竹取 èš³ かぐや姫は䞃月十五日の満月に瞁偎に出お座り、切実に物思いをしおいる様子である。 ※「せちに」を「しきりに」ず蚳す説もあるので、単語集によっおは埌半郚を「しきりに物思いをしおいる様子である」ず蚳す説もある。文英堂など 䟋文 倧玍蚀、宰盞もろずもに忍びものぞ絊ぞ。せちなるこず聞こえむ。う぀ほ èš³ 倧玍蚀、宰盞ずいっしょに、こっそりず、お越しくださいいらっしゃい。倧切なこずを申し䞊げよう。 む぀かし むメヌゞ 珟代語で幌児の機嫌が悪いずきに「むずがる」ず蚀う衚珟に、名残がありたす。叀語で幌児にかぎらず䞍快に思ったり機嫌を悪くするこず等を「む぀かる」ずいい、それの圢容詞化したものが「む぀かし」です。「難しい」ではないので泚意。 意味 1. うっずうしい・䞍快だ 2. 面倒だ 3.気味が悪い・恐ろしい 䟋文 女君玫の䞊は、暑くむ぀かしずお、埡髪みぐしすたしお、源氏・若玫䞋 èš³ 女君玫の䞊は、「暑く、うっずうしい」ず蚀っお、髪を掗っお、 䟋文 奥の方かたは、暗うものむ぀かしさず、女は思ひたれば、 - 光源氏が倕顔を、ある荒れ果おお院に連れお行った堎面 èš³ 奥のほうは暗くおなんずなく気味が悪いず、女が思っおいるので、 びんなし䟿なし 「䟿」は郜合のこず。珟代語でも、「䟿宜」べんぎず蚀う衚珟がありたす。「びんなし」で、郜合がないので「郜合が悪い」の意味になりたす。 䟋文 月芋るずお䞊げたる栌子おろすは䜕者のするぞ。いず䟿なし。倧鏡 èš³ 月を芋るず蚀っお、䞊げおいる栌子をおろすのは䜕者がすこずか。ずおも困った。たたは「ずおもけしからん」。 ※ 単語集によっお蚳が違う。文英堂は「困った」、桐原は「けしからん」。このように単語集で蚳が違うので、现かい意味の違いは芚えなくおよい。 類矩語 䞍䟿ふびんなり 意味 1. 郜合が悪い・具合が悪い 2.気の毒だ えうなし むメヌゞ 芁えうなし、或いは甚ようなし、でしょう。圹なしの音䟿だずするずやうなしになっおしたうので䞍適ずの指摘がある出兞にある。 意味 必芁がない。圹に立たない。 䟋文 その男、身をえうなきものに思いなしお、京にはあらじあづたの方に、䜏むべき囜求めにずお行きけり。䌊勢物語 èš³ その男、自分自身が䞋らないものだず思っお悲嘆しお、京郜ではなく東囜のほうに、䜏むこずができる堎所を探しに行こうず出おいった。 ゆゆし 珟代語の「ゆゆしい」ずは意味が違いたす。なお珟代語の「ゆゆしい」の意味は、「攟っおおくず倧倉なこずになりそうな様子」の意味です。叀語の「ゆゆし」は、もずは神聖なもの、あるいは䞍吉なものなど、なにか霊的なものを感じる様子のこずです。「斎」ゆたたは「忌」ゆが語源だろうず思われおいたす。掟生的に、「はなはだしい」「すばらしい」「ひどい」などの意味も生たれたした。プラスの意味でもマむナスの意味でも、どちらでも䜿いたす。 意味 1.忌たわしい・䞍吉だ・恐ろしい 2.神聖 3.立掟だ・優れおいる 4.たいそう・はなはだしく 䟋文 海はなほ、いずゆゆしず思ふ。枕 èš³ 海はやはり、ずおも恐ろしいず思う 䟋文 おのおの拝みお、ゆゆしく信、起こしたり。埒然 èš³ それぞれが拝んで、はなはだしく信心をおこした。 なほ むメヌゞ 基本的な意味は「やはり」の意味です。ただし、どういう文脈で「やはり」ず思っおるのかによっお意味がやや倉わり、前埌の時間の経過にもかかわらず状況が倉わらずに「䟝然ずしおやはり」ず思っおるのか、それずも予想にもずづいお「なんずいっおもやはり」ず思っおるのか、蚳が倉わりたす。そのほか、「さらに」の意味がありたす。 意味 1.䟝然ずしお、 2.なんずいっおもやはり・そうはいっおもやはり 3.さらに 䟋文 颚波やたねば、なほ同じずころにあり。土䜐日蚘・䞀月五日 èš³ 颚や波がやたないので、舟は䟝然ずしお同じずころにいる。 䟋文 東路あづたぢの道のはおよりも、なほ奥぀方に生ひ出でたる人、曎玚 èš³ 東囜の道の果およりも、さらに奥のほうで育った人、 おどろおどろし 文字だけ芋ればあたかも「驚く」を2回続けおいお匷調しおいるかのようですが、しかし意味は単なる匷調ずは埮劙に違いたす。単語集では色々ずこじ぀けおいたすが、芚えるしかないでしょう。甚䟋ずしおは、䜕かを叩く音や、雚の激しく降る様子などに䜿われる事䟋が倚い※ 河合出版の単語集『春぀ぐる 頻出 叀文単語480 PLUS』。珟代語でも、「気味が悪い」の意味は䜿われたす。よっお入詊察策ずしおは、珟代語にはない「おおげさだ」の意味のほうを芚えるこずになりたす。 意味 1. おおげさだ・隒々しい 2.気味が悪い 䟋文 倜いたく曎けおふけお、門をいたうおどろおどろしうたたけば、『枕草子』 èš³ 倜もたいそうふけお、門かどをいたうおどろおどろしうたたけば、 䟋文 いずおどろおどろしくかきたれ雚の降る倜、『倧鏡』 èš³ ずおも気味悪く、䞀面に雚の降る倜。 なめし むメヌゞ 偶然かどうかわかりたせんが、珟代語で盞手に無瀌な態床をずるずきの「なめる」の俗語に、意味が近いです。なので、䞀説では無瀌を意味する珟代語の「なめる」は 叀語の「なめし」に由来するずいう説を玹介しおいる単語集もありたす桐原など。 意味 1.無瀌だ 2.倱瀌だ 䟋文 文蚀葉なめき人こそ、いずにくけれ。枕 èš³ 手玙の蚀葉づかいの無瀌な人は、たいそう気に食わない。 なためかし 珟代語の「なためかしい」には色っぜいずいう意味がありたすが、叀語では違いたす。叀語の「なためかし」は、若々しいずか䞊品だずか、そういう意味です。 叀語の「なた」は、若くお未熟ずいう意味です。たずえるなら珟代語の生ビヌルずかの生ゞュヌスずかが新鮮なビヌルやゞュヌスをあらわすのず䌌たような感芚でしょうか数研出版の芋解。あるいは、叀語「なた」は倖来語のフレッシュに近いかもしれたせん文英堂の芋解。叀語の「なためかし」の意味は、実際に若い堎合の意味ず、もうひず぀、優矎・䞊品の意味がありたす。 意味 1.若々しい 2.優矎だ・䞊品だ 䟋文 なためかしきもの、ほそやかに枅げなる君達きんだちの盎衣なほし姿。枕 èš³ 優矎なもの、ほっそりずしおいおきれいな貎公子たちの盎衣姿。 うるはし 珟代語の「うるわしい」ず䌌た意味で、叀語「うるはし」は敎った矎しさを衚したすが、しかし叀語「うるはし」にはさらに「芪密」の意味の堎合もありたす。 意味 1.端正だ。きちんずしおいる。 2.芪密だ 䟋文 昔、男、いずうるはしき友ありけり。䌊勢 èš³ 昔、男には、ずおも仲のいい友達がいた。 むげなり無䞋なり むメヌゞ 「むげなり」は「無䞋なり」で「それより䞋がない」の意味で、「最䜎だ」「ひどい」の意味です。 意味 最䜎だ・ひどい いかに、殿ばら、殊勝のこずはご芧じずがめずや。むげなり。埒然 なんず、皆様、この獅子の栌別なこずは、ご芧になっおお気にならないのですか。ひどいです。 いはけなし むメヌゞ 「いはけ」は幌少ずいう意味です。「いはけなし」でも幌少の意味です。ここでの「なし」は吊定ではなく、「はなはだしい」を意味する叀語です。「いずけなし」も同様に幌少の意味です。 意味 子䟛っぜい・あどけない 䟋文 若玫がいはけなくかいやりたる額ひたい぀き、髪ざし、いみじうう぀くし。源氏・若玫 èš³ 若玫が子䟛っぜく髪をかきあげた額のようす、髪の生え際のあたりが、ずおもかわいい。 ぀れなし連れ無し むメヌゞ 冷淡だずか平然ずかの意味です。䞀説には「぀れ」連れずは呚囲のもののこずで、「぀れなし」で呚囲に感情が動かされないので、冷淡ずか平然ずかの意味になるのだろうず蚀われおいたす。たた、倉化がないこずにも䜿われたす。冷淡の意味は、珟代語の「぀れない」に近いかもしれたせん数研出版の芋解。 意味 冷淡だ・平然ずしおいる 䟋文 昔、男、぀れなかりける女にいひやりける。䌊勢 èš³ 昔、ある男が、自分に冷淡だった女に歌を詠んでおくった。 䟋文 巊の䞭将のいず぀れなく知らず顔におゐたたたりしを、枕草子 èš³ 巊の䞭将が、たったく平然ずそ知らぬ顔で座っおいらっしゃったのを、 䟋文 雪の山぀れなくお幎もかぞりぬ。枕 èš³ 雪の山は倉化がなく十二月から䞀月になり幎も改たった、 たかづ眷づ 眷り出づ、の玄 意味 1. 退出する謙譲 2. 尊い所から卑しい所ぞ行く・来る謙譲 䟋文 呜婊、かしこにたかで着きお、門ひき入るるより気配あはれなり。源氏 èš³ 呜婊女官、曎衣の里に行き぀いお、門に入るずその雰囲気は荒れ果おお寂しかった。 さうざうし むメヌゞ 珟圚の「隒々しい」ずは違いたす。叀語「さうざうし」は「玢々し」さくざくしのこずであり、「あるはずのものがない」ずいう元の意味から、「物足りない」ずいう意味になりたす。 意味 1.物足りない 䟋文 垝、さうざうしず思し召しからけむ、殿䞊おんじやうに出でおさせおはしたしお倧鏡・道長 èš³ 垝は、物足りないずお思いになったのだろうか、殿䞊おんじょうの間に出おいらっしゃっお、 あやし むメヌゞ 「䞍思議だ」の意味ず、「身分が䜎い」の意味ずいう、2぀の意味がありたす。䞀説には、貎族には身分の䜎い者の考えは理解しづらいので、もずの「䞍思議だ」の意味から掟生しお「身分が䜎い」の意味が生じたのだろう、ずする説もありたす。 感動品「あや」が倉化したものが語源だずいう説がありたす桐原曞店の芋解。ほか、「䞍郜合だ」の意味もありたす。䞍郜合なものは、倉だず思うずいうこずでしょう。 意味 1. 䞍思議だ・倉だ 2.身分が䜎い 3.䞍郜合だ。 䟋文 あやしき䞋げらふなれども、聖人しやうにんの戒めにかなぞり。埒然草 èš³ 身分の䜎い者であるが、聖人の教えに合臎しおいる。 䟋文 遣戞やりどを荒く立お開くるも、いずあやし。枕草子 èš³ 匕き戞を荒く開けるのも、たいそう、䞍郜合だ。 やさし むメヌゞ 珟代語の「やさしい」ずは党く違いたす。叀語の「やさし」は「やせる」が元の意味で、それから「やせるほど぀らい」→「やせるほど恥ずかしい」の意味から「恥ずかしい」の意味になりたした。 意味 1.恥ずかしい 䟋文 昚日今日、垝ののたたはむこずに぀かむ、人聞きやさし。竹取 èš³ 昚日や今日、垝がおっしゃるこずに埓うのは求婚、倖芋が恥ずかしい。 - ※ かぐや姫が垝からの求婚をこずわるための蚀い蚳です。 䟋文 いくさの陣ぞ笛も぀人はよもあらじ。䞊臈じやうらふは猶なほはやさしかりけり。平家 èš³ 戊陣に笛を持っおくる人はたさかいないだろう。身分が高い人はやはり優矎だなあ。 - ※ 熊谷盎実くたがいなおざねが平敊盛を捕らえた時、笛を持っおいるのに気づいおのこずです。その「たさか」の人がいたずいう、逆説的に優矎さを匷調する衚珟でしょう。 くたなし むメヌゞ 「くた」は芋えない物陰の意味です。「曇りがない」ので「明るい」ずいう意味です。珟代語の「くたなく」ずは意味が違いたすが、むしろ叀語のほうが本来の語源どおりの意味です。掟生的に、ある話題に぀いお「隠し事がない」ずか「䜕でも知っおいる」の意味もありたす。 意味 1.暗いずころがない 2.䜕でも知っおいる 䟋文 花は盛りに、月はくたなきをのみ芋るものかは。埒然草 èš³ 花は満開を、月はくもりのない満月のだけを芋るのがよいものなのか。いやそうではない反語  - ※ 終わりの「かは」葉よく反語衚珟で䜿われたす。぀いでに芚えおしたいたしょう。 䟋文 くたなきもの蚀ひも、定めかねお、いたくうち嘆く。源氏・ハハキ朚 èš³ (女がらみのこずは)䜕でも知っおいる論客巊銬頭さたのかみも、結論を決めかねお、ひどくため息を぀く。 こころぐるし 珟代語の「心苊しい」は盞手に察しお「申し蚳ない」の意味ですが、叀語「こころぐるし」は同情や心配の意味です。 意味 気の毒だ、心配だ 䟋文 思はむ子を法垫になしたらむこそ、心苊しけれ。枕 èš³ かわいがっおいる子を法垫にするのは、気の毒だ。 こころづきなし心づきなし 心が぀いおいかない、ずいう意味合い。 意味 気が進たない、面癜くない。 䟋文  、「䟋の、心なしの、かかるわざをしお、さいなたるるこそ、いず心づきなけれ。 源氏・若玫 èš³ 、 「い぀ものように、心埗の悪い子が、このような事をしお、怒られるのも、ずおも困ったこずで面癜くないわね。  かたはらいたし傍ら痛し むメヌゞ 珟代語ずは意味が違いたす。叀語のは「傍らかたわらで芋おいお心がき぀い」の意味です。同情的な意味だけでなく批刀的な意味「芋苊しい」などにも䜿うので、文脈から刀断したす。珟代語の「片腹痛し」は圓お字にすぎたせん。傍らではなく自分のこずですが、「きたりが悪い」「恥ずかしい」ずいった堎合にも䜿いたす。 意味 1.気の毒だ 2.芋苊しい・聞き苊しい 3.恥ずかしい 䟋文 すのこはかたはらいたければ、南のひさしに入れ奉る。源氏・朝顔 èš³ すのこ瞁偎は気の毒なので、南の庇ひさしの間たに源氏ををお入れ申し䞊げる。 䟋文 埡前にお申すは、かたはらいたきこずにはさぶらぞども、今昔 èš³ (倧臣の)埡前で申し䞊げるのは、きたり悪いこずではありたすが、 うしろめたし むメヌゞ 「埌ろ目痛し」「埌ろ蟺痛し」が語源だず蚀われおいたす。背埌だけでなく、将来など目に芋えないものを心配する堎合もありたす。珟代語の「うしろめたい」ず同様の「良心がずがめる」「やたしい」気持ちで心配な堎合でも「うしろめたし」を䜿う甚法もありたす。 意味 1.気がかりだ・心配だ 2.やたしい・ 䟋文 いずはかなうものし絊ふこそ、あはれにうしろめたけれ。源氏 èš³ 若玫がたいそう幌くお頌りなくいらっしゃるのが、ずおも気がかりだ。 ほいなし むメヌゞ 「本意なし」で䞍本意だずいう意味です。「残念だ」の意味もありたす。 意味 䞍本意だ・残念だ 䟋文 過ぎ別れぬるこず、かぞすがぞす本意なくこそおがえ䟍れ。竹取 èš³ 私が去っお別れおしたうこずは、぀くづく残念に思われたす。 ほい本意 意味 本来の意志、本来の目的 䟋文 神ぞ参るこそ本意なれど思ひお、山たでは芋ず。埒然 èš³ 神ぞ参るのが本来の目的だず思っお、山たでは芋おいない。 やがお むメヌゞ 珟代語ずは意味が違いたす。叀語では「やがお」はニュアンス的に「前埌の動䜜が離れおない」「ほが同じ」ような感じがあり、よっお「そのたた」や「すぐに」の意味になりたす。なお、珟代語の「そのうち」のような甚法は江戞時代以降のものです文英堂の芋解。 意味 そのたた・すぐに 䟋文 薬も食はず。やがお起きもあがらで、病み臥せり。竹取 èš³ 翁は薬も飲たない。そのたた起き䞊がりもしないで、病気になっおしたった。 䟋文 名を聞くより、やがお面圱おもかげは掚しはからるる心地するを、埒然・䞃䞀 èš³ 名前を聞くや吊や、すぐに面圱が掚枬される気持ちがするのに、 わざず むメヌゞ 珟代語ずはニュアンスが違いたす。うたい暗蚘法は特になく、䞋蚘の意味を芚えるしかありたせん桐原曞店の芋解。単語集では解説をあきらめお、さっさず意味を玹介するスタンスである。 意味 1. わざわざ 2. 栌別に 3.正匏な 䟋文 わざずの埡孊問はさるものにお、琎笛の音ねにも、源氏・桐壷 èš³ 正匏な埡孊問は圓然のこず、琎や笛の音色でも、 なべお むメヌゞ 「䞊べお」のむメヌゞで、「䞀般に」ずいう意味です。珟代語でいう「おしなべお」ず同じ。 意味 䞀般に・普通に 䟋文 なべおならぬ法ども行はるれど、さらにそのしるしなし。方䞈 èš³ 普通でない修行の数々が行われるが、たったくその効き目がない。 こうず困ず むメヌゞ 「こうず」は「困ず」で「困っお」の意味です。肉䜓的に「疲れる」の意味もありたす。 意味 1.困る 2.疲れる 䟋文 いかにいかにず日々に責め立おられこうじお、源氏 èš³ どうなのかどうなのかず毎日責め立おられ困っお、 すずろなり挫ろなり むメヌゞ 挫然たんぜんのむメヌゞです。 意味 1.わけもなく・なんずいうこずもなく 2.むやみやたらに 䟋文 昔、男、すずろに陞奥みちの囜たでたどひにけり。䌊勢 èš³ 昔、男が、なんずいうこずもなく陞奥の囜たでさたよい出かけた。 䟋文 すずろに酒を飲たせ぀れば、うるはしき人もたちたちに狂人ずなりおをこがたしく、埒然 èš³ むやみやたらに酒を飲たせおしたうず、瀌儀のきちんずした人も、たちたち狂人ずなっお銬鹿げた振る舞いをし、 うち぀けなり むメヌゞ 動詞「打ち付く」から生じたず考えられおいたす。䜕かを打ち付けるように突然なさたを衚しおいたす。 意味 1.突然だ 2.軜率だ 䟋文 うち぀けに海は鏡の面のごずなりぬれば、土䜐日蚘 èš³ 突然に、海は鏡の面のように静かになったので、 䟋文 ものや蚀ひ寄らたしず思おがせど、うち぀けに思さむず、心恥づかしくお、やすらひたたう。源氏 èš³ 源氏は姫君に䜕か蚀っお近づこうず思うが、軜率だずお思うになるだろうず、気が匕けお、ためらいなさる。 はづかし 珟代語の「恥ずかしい」の意味もありたすが、こちらが恥ずかしくなるほどに盞手が立掟だずいう耒め蚀葉の甚法もありたす。 1.恥ずかしい・きたりが悪い 2.立掟だ 䟋文 はづかしき人の、歌の本末もずすゑ問ひたるに、ふずおがえたる、我ながらうれし。枕・うれしきもの èš³ 立掟な人が、歌の䞊の句や䞋の句を尋ねたずきに、ふず思い出したのは、我ながらうれしい。 はかばかし むメヌゞ 珟代語の「仕事がはかどる」などの「はかどる」の「はか」ず同じ語源だず考えられおいたす。 意味 1.しっかりした 䟋文 父芪を亡くした桐壺の曎衣はずりおおお、はかばかしき埌芋しなければ、源氏 èš³ 特に、しっかりした埌芋人がいないので ぀いで むメヌゞ「継ぎお」が「぀いで」になっおず考えられおいる。 意味 1順序 2.機䌚 䟋文四季はなほ定たれる぀いであり。埒然 èš³ 四季にはやはり定たった順序がある。 なかなか 珟代語では随分、ずか、かなり、ずいう意味の副詞になるが、叀語では少し意味が違う。 意味 なたじっか、かえっお、むしろ 䟋文  、はかばかしう埌芋思ふ人なきたじらひは、なかなかなるべきこずず、思う絊ぞながら、 源氏・桐壷 èš³  、しっかりず、埌芋しお䞋さる方のいない宮廷生掻は、むしろかえっお蟛い事であるだろうずは、存じおはいたのですが、  すさぶ むメゞ 自然ず湧いおくる勢いに任せお、䜕かをするこずです。 意味 気の向くたたにする、興じる 䟋文 笛をえならず吹きすさびたる、あはれず聞き知る。埒然 èš³ 笛を蚀いようもなく吹き興じおいるのを、趣き深いず聞き分ける。 ゆめ むメヌゞ 䞋に犁止・打ち消しを䌎っお「けっしおするな」の意味の副詞です。 䟋文 ゆめこの雪萜ずすな。倧和物語 èš³ けっしおこの雪を萜ずすな。 䟋文 この山に我ありずいふこずを、ゆめゆめ人に語るべからず。宇治 èš³ この山に私がいるずいうこずを、けっしお人に語っおはならない。 げに(実に) むメヌゞ 珟実や盎前の発蚀などを受けお、「なるほど」ずか玍埗したり、あるいは玍埗のいくこずに感動する思うような感じです。「珟げんに」が由来だずいう説がありたす。ただし、挢字を圓おる堎合には「実に」ず圓おる慣習です。 意味 なるほど・実に・本圓に 䟋文 かぐや姫はげにただ人にはあらざりけりず思しお、竹取 èš³ なるほどかぐや姫は普通の人ではなかったのだなあずお思いになっお、 すなはち即ち、則ち、乃ち 珟代語ず同じ意味もありたすが、叀語では「すぐに」の意味が倧事です。 䟋文 立おこめたる所の戞、すなはちただ開きに開きぬ。竹取物語 èš³ かぐや姫を閉じ蟌めおいた堎所の戞が、すぐにただもう開いおしたった。 䟋文 おのづから短き運を悟りぬ。すなはち、五十いそじの春を迎ぞおむかぞお、家を出でいで䞖を背けりそむけり。方䞈 èš³ 自然ず運のうすい人生を悟った。そこで五十歳の春を迎えたずころ、出家をしお俗䞖から離れた。 - ※ 末尟「䞖を背けり」の蚳、数研出版では「俗䞖から離れた」、文英堂では「遁䞖ずんせいした」。 やうやう 䞀説には「やうやく」のり音䟿だず思われおいたすが※ 数研、文英堂の単語集、しかし珟代語の「ようやく」ずは意味が違いたす。もずもず叀語「やうやう」は、時間の経過ずずもに少しず぀倉化しおいくさたを衚しおいたした。なので珟代語でいう「しだいに」「だんだん」の意味に察応したす。「やっず」ずか「かろうじお」の意味が぀いたのは鎌倉時代からです。平安時代には「しだいに」「だんだん」の意味だけです※ 桐原の芋解。 意味 1. しだいに・だんだん 2. やっず・かろうじお 䟋文 黄金こがねある竹を芋぀くるこず重なりぬ。かくお翁やうやう豊かになりゆく。竹取 èš³ 黄金の入っおいる竹を芋぀けるこずが重なった。こうしお翁はしだいに豊かになっおいった。 - ※ 出兞は文英堂の単語集、および䞉省堂 新明解叀兞『竹取物語 土䜐日蚘』。「やうやう」の蚳はどちらずも「だんだん」。なお䞉省堂では「重なりぬ」の蚳が「たび重なった」ずなっおいる。 ※ このほかの䟋文ずしおは、枕草子の春は「あけがの。やうやう」もある倚くの単語集に照䌚されおいるが、本wikiでは小孊校や䞭孊校ですでに説明枈みなので省略する。 類矩語 「やや」 意味 しだいに・だんだん 䟋文 仮の庵いほもややふるさずになりお、軒に朜ち葉ふかく、土居ぬ苔むせり。 èš³ 仮の庵いおりもしだいに䜏み慣れた堎所になっお、軒に朜ち葉も倚く、土台には苔が生えおいる。 - ※ 「やや」の蚳、文英堂の単語集では「だんだん」、䞉省堂 新明解叀兞『倧鏡 方䞈蚘』では「しだいに」 さすがに むメヌゞ 珟代語の意味ずは違いたす。「さすがに」の「さ」は、「そう」を意味する指瀺語の叀語「さ」だず考えられたす※ 数研の芋解。 意味 そうはいっおもやはり 閌䌜棚あかだなに菊・玅葉など折り散らしたる、さすがに䜏む人のあればなるべし。 埒然 閌䌜棚あかだなに菊・玅葉など折り散らしおいるのは、やはり䜏む人がいるからなのだろう。 - ※ 前半郚の「折り散らしたる」の蚳は駿台文庫の単語集、䞉省堂新明解叀兞『埒然草』では「折り散らしおいるのは」ずほが盎蚳。䞉省堂の新明解叀兞ではなく単語集のみ「無造䜜に折っおある、」ず意蚳しおいる。 - ※ 埌半郚の「あればなるべし」の蚳、新明解のみ「いるから」で、䞉省堂および駿台の単語集では「あるから」ず盎蚳 䟋文 祇王ぎおうもずより思ひたうけたる道なれども、さすがに昚日きのふ今日ずは思ひよらず。平家 èš³ 祇王ぎおう、※人名、平家偎の女性はもずから芚悟しおいた道だけど、そうはいうもののやはり昚日今日のこずずは思えない。 - ※ 桐原ず駿台の単語集に曞いおある。駿台のは出兞平家が曞いおないので芋぀けるのが難しい。「思ひ」の蚳を駿台は「芚悟」、桐原は「予想」。 - ※ なお、祇王が平家を去るこずになった理由は単に、枅盛が寵愛する女性が別の女性「仏埡前」ほずけごぜんずいう女性に倉わったから。源平合戊での平家の敗退は無関係。 ここら むメヌゞ 「たくさん」の意味です。珟代語のここらぞんの意味はないです。 䟋文 ここらの囜を過ぎぬるに、駿河するがの枅芋きよみが関ず逢坂あふさかの関ずばかりはなかりけり。曎玚 èš³ たくさんの囜を通り過ぎおきたが、駿河の枅矎が関ず逢坂の関ほど心ひかれた堎所はなかった。 あたた 意味 たくさん・倧勢・倚く 䟋文 いづれの恩時にか、女埡にようご、曎衣かういあたた候ひ絊ひける䞭に、源氏 èš³ どの垝の時代だったか、女埡や曎衣がたくさんお仕えなさっおいた䞭、 䟋文 士぀はものどもあたた具しお山ぞのがりけるよりなむ、その山を「ふじの山」ずは名づけるる。竹取 èš³ 兵士たちをたくさん連れお山ぞ登ったこずによっお、その山を「富士ふじの山」ず名づけた。 類矩語「そこばく」 など 文頭の「など」は「なぜ・どうしお」の意味です。疑問の堎合ず反語の堎合ずがあり、文脈から刀断したす。 意味 どうしお・なぜ 䟋文 「などいらぞもせぬ」ず蚀ぞば、「涙のこがるるに目も芋えず、ものもいはれず」ずいふ䌊勢 èš³ 「どうしお返事もしないのか」ず蚀えば、女は「涙がこがれるので目も芋えず、ものも蚀うこずができない」ず蚀う。 䟋文 などかく疎たしきものにしもおがすべき。源氏・垚朚 èš³ どうしおこのように疎たしい者ずお思いになっおよいだろうかいや、よくない。 しるし はっきりしおいるずいう意味の圢容詞。著しいちじるし、も同系統の語。ただし著ししるしず、挢字で曞く堎合もある。印ずか、知る、ずいう蚀葉ずも関係あるように思える。 意味 際立っおいる、はっきりしおいる。 䟋文 いずいたうや぀れ絊ぞれど、しるき埡様なれば、源氏・若玫 èš³ 光源氏はたいそう服装が質玠だが、高貎であるこずがはっきりず分かるので、 めざたし むメヌゞ 元の意味は、目が芚めるほどに皋床のすごい様子をいいたすが、叀語では特に、「癪しゃくに觊る」、「気に食わない」ずいう意味でも䜿うこずが重芁です。䞀方、ほめる堎合にも䜿うこずがありたすが、ただし䞊䜍の者が䞋䜍の者を芋る目線の堎合が倚いです文英堂および桐原の芋解。 意味 1.気に食わない 2.玠晎らしい 䟋文 はじめより我はず思ひあがりたたぞる埡方々、めざたしきものにおずしめそねみたたふ。源氏・桐壺 èš³ はじめから我こそはず思いあがっおいた方々は、垝の寵愛を受ける桐壺の曎衣を気に食わない者ずしおさげすみ、ねたみなさる。 䟋文 気高きさたしお、めざたしうもありけるかなず、芋捚おがたく口惜しうおがさる。源氏・明石 èš³ 気高い様子で、すばらしいなあず、芋捚おがたく残念にお思いなさる。 䟋文 なほ和歌はめざたしきこずなりかしずおがえ䟍りしか。倧鏡 èš³ やはり和歌はすばらしいものだよず思われたした。 すごし むメヌゞ 背筋が「ぞっずする」感じです。転じお、ぞっずするほどに玠晎らしいものをほめる堎合にも䜿いたす。 意味 1.ぞっずするほど気味が悪い 2.ものさびしい 3.ぞっずするほど玠晎らしい 䟋文 日の入りぎはの、いずすごく霧りわたりたるに、曎玚 èš³ 日の入り際の日没間近の、ずおもものさびしく霧が䞀面に立ちこめおいるずきに、 䟋文 舞楜はなためかしくすごいうおもしろく、源氏・若玫䞋 èš³ 舞楜は、優雅で、すばらしく颚流で、 䟋文 霰あられ降り荒れおすごき倜のさたなり。源氏・若玫 èš³ 霰が降り荒れお、君の悪い倜である。 はしたなし むメヌゞ もずの意味は「端はしたなき」から䞭途半端ずいう意味ですが、「きたりが悪い」のようなマむナスの意味でよく䜿われたす。 意味 1. きたりが悪い 2.そっけない・無愛想だ 3.皋床がはなはだしい・激しい 4.䞭途半端だ・どっち぀かずだ 䟋文 はしたなきもの。異人これひずを呌ぶに、我ぞずさし出でたる。枕・はしたなきもの èš³ きたりが悪いもの。違う人を呌んだのに、「私」ず蚀っお出おくるこず。 䟋文 ある倜野分のわきはしたなう吹いお、玅葉こうえふみな吹き散らし、平家 èš³ ある倜、暎颚季節的に「台颚」がひどく吹いお、玅葉をみな吹き散らし、 ほど 意味 1時間・ころ 2.距離・広さ 3.身分・幎霢 4.様子 䟋文 ほど狭しせばしずいぞども、倜臥す床あり、昌ゐる座あり。方䞈 èš³ 郚屋の広さは狭いずいっおも、倜寝る床はあり、昌座る堎所もある。 䟋文 桐壺の曎衣ず同じほど、それより䞋げらふの曎衣たちは、たしお安からず。源氏・桐壺 èš³ 桐壺の曎衣ず同じ身分、それよ䜎い身分の曎衣たちは、たしお心穏やかではない。 䟋文 髪は颚に吹きたよはされお、すこしうちふくみだるが、肩にかかれるほど、たこずにめでたし。枕・颚は èš³ 髪が颚に吹き乱されお、少しふくらんでいるのが、肩にかかっおいる様子は、ほんずうに魅力的だ。 いずど むメヌゞ 「たすたす」の意味です。語源的には匷調の叀語「いず」を回続けたものず考えられおいたすが、しかし意味がやや違いたすので、芚えるしかありたせん。入詊では「いず」に぀られお「ずおも」×など匷調の意味で蚳すず誀答だずみなされるかもしれたせん桐原の芋解。 䟋文 散ればこそ、いずど桜はめでたけれ。憂き䞖になにか久しかるべき。䌊勢 èš³ もずから桜は矎しいが散っおしたうからこそ、たすたす桜は矎しい。この぀らい䞖の䞭に、なにか長く続くものはあるだろうか。いや、ありはしない 䟋文 いずどしき朝霧にいづこずもなく惑う心地し絊ふ。源氏・倕顔 èš³ たすたすはなはだしく朝霧に、光源氏はどこずも知れない道に迷うお気持ちになる。 みる芋る むメヌゞ 珟代語ず同じ「目で芋る」のが本来の意味ですが、叀語ではさらに「䌚う」の意味で䜿われるこずもあり、結婚の意味で䜿われるこずもありたす。 䟋文 「かかる道は、いかでかいたする」ず蚀ふをみれば、みし人なり。䌊勢 èš³ 「このような道に、どうしおおいでですか」ず蚀う人を芋るず、以前に郜で䌚った人であった。 䟋文 さようならむ人をこそ芋め。源氏・桐壺 èš³ そういう人ず結婚しよう。 䟋文 うち語らひお、心のたたに教ぞ生ほし立おおみばや。源氏 èš³ 芪しく亀際しお、自分の思い通りに、教え育お䞊げお結婚したい。 みゆ芋ゆ むメヌゞ 「芋る」「ゆ受身・自発・可胜」です。女性が男性に姿を芋られる→結婚を意味するこずになりたした。 意味 1.芋られる受身、芋せる可胜 2.結婚する 䟋文 かかる異様こずやうのもの、人に芋ゆべきにもあらず。埒然 èš³ このような倉わり者は、結婚しないほうがよい。 - ※末尟の「あらず」の蚳、数研が「結婚しないほうがよい」、䞉省堂は「結婚しおはならない」。 䟋文 いかならむ人にもみえお、身をも助け、幌き者どもをはぐくみ絊ふべし。平家・䞃・維盛郜萜 èš³ 盞手がどのような男であっおも、あなた自身の身を助けるために、幌い子䟛たちを倧切に育おおください。 ねんごろなり懇ろなり むメヌゞ 珟代語では「ねんごろ」は男女の友人関係を超えたこずの婉曲衚珟いわゆる「肉䜓関係」でもあるが出兞は䞉省堂新明快囜語蟞兞 第八版など他、叀語ではそういう意味はない。叀語「ねんごろなり」は、「念がこもっおいる」→「熱心だ」「芪切だ」の意味。珟代語でも「ねんごろ」は挢字で「懇ろ」ず曞き、これは懇切䞁寧こんせ぀おいねいの「こん」の字であるので、叀語の意味ず通じる郚分もある。 意味 1.心がこもっおいる・熱心だ・䞁寧だ・䞀生懞呜だ 2.芪密だ・仲がよい 䟋文 狩かりはねんごろにもせで、酒をのみ飲み぀぀、やたず歌にかかれけり䌊勢・八二 èš³ 鷹狩りたかがりはそれほど熱心にしないで、酒ばかり飲み぀぀、和歌を詠んでいた。 䟋文 ねんごろに語らふ人の、かうお埌おずづれぬに、曎玚日蚘 èš³ 芪密に亀際しおいた人が、それから埌は、たよりも無いので、 䟋文 思ひわびお、ねんごろにあひ語らひける友だちのもずに、䌊勢・䞀六 èš³ 思い悩んで、芪密に亀際しおいた友人のずころに、 ざえ才 「生たれ぀きの才胜」のこずではありたせん。平安時代の「才」ずは挢孊のこずです。平安時代の男性貎族が習埗すべき孊問が挢孊だったこずに由来したす。ただし、和歌や音楜などの事も「才」ず蚀いたす。 意味 1.挢孊・挢詩文の孊問・孊才 2.音楜などの技胜・才胜 䟋文 なほ、ざえをもずずしおこそ、倧和魂やたずだたしひの䞖に甚ゐらるる方も匷うはべらめ。源氏 èš³ やはり、孊問を基本ずしおこそ、実務の胜力が䞖間で重んじられるずいうこずも匷くありたしょう。 ※䟋文䞭の「倧和魂」ずは、挢孊に察しお、日本人が本来持っおいる実務胜力や実践的な知恵のこずです数研および文英堂の芋解。 䟋文 琎きん匟かせたたふこずなん䞀のざえにお、次には暪笛、琵琶びは、筝さうの琎をなむ、次々に習ひたたぞる。源氏・絵合 èš³ 琎をお匕きになるのが第䞀の才胜で、次には暪笛、琵琶、筝そうの琎を、次々にお習いになった。 たうく蚭く むメヌゞ 珟代語の「蚭ける」ずほが同じ意味です。 意味 準備する・甚意する 䟋文 汝なんぢ、䟛逊せむず思はば、たさに財宝をたうくべし。今昔 èš³ お前は、仏を䟛逊しようず思うなら、さしあたっお財宝を準備しなさい。 ためらふ 平安時代では「気を静める」「萜ち着く」の意味です。珟代語ず同じ「躊躇する」の意味は鎌倉時代からです。 意味 1.気を静める 2.躊躇する 3.静逊する・逊生する 颚邪起こりお、ためらひはべるほどにお。源氏 颚邪をひいお、静逊しおいたすので。 ※なお、珟代語の「躊躇する」の意味でよく䜿われる叀語は「やすらふ」です。 関連語 やすらふ䌑らふ 意味 躊躇する・立ち止たる 䟋文 やすらはで寝なたしものをさ倜ふけおかたぶくたでの月を芋しかな。埌拟遺 èš³ あなたに䌚えないのだったら埅たずにためらわないで寝おしたえばよかったのに。実際は倜明けたであなたを埅ったので倜が曎けお西に沈もうずする月を芋おしたったよ。 しげし繁し むメヌゞ 珟代語では草朚が倚いずきに「しげる」ず蚀いたすが、叀語では草朚以倖でも䜿いたす。なお珟代語でも、商売繁盛のハンの字のように草朚以倖でも䜿うこずがありたす。 䟋文 されど人目しげければ、え逢はず。 èš³ しかし、人目が倚いので、あうこずができない。 ※ 桐原、文英堂の単語集で「しげし」を玹介。玹介しおいる単語集が少ない。 ありし 意味 以前の・過去の・昔の 䟋文 倧人になりたたひお埌は、ありしやうに埡簟みすの内にも入れやたはず。源氏・桐壺 èš³ 光源氏が倧人になっおから埌は、以前のようには藀壺の女埡の埡簟の䞭にもお入れにならない。 さ然 意味 そのように・そう 䟋文 たこずにさにこそ候ひけれ。埒然草・四䞀 èš³ ほんずうにそのようでございたしたなあ。 さながら 文法的には副詞「さ」助詞「ながら」です。意味に぀いおは、䞀説には、「そのたた」が原矩で、「数量がそのたた」→「党郚」ずいうように意味が広がっおいったずいう説もある※ 河合出版。 意味 1.そのたた 2.党郚 䟋文 䞃珍䞇宝さながら灰燌くわいじんになりにき。方䞈 èš³ 火事で倚くの財宝がすべお灰になっおしたった。 さらに むメヌゞ 珟代語ずは違い、叀語「さらに」では打ち消し・犁止をずもなっお、「たったくでない」「少しもない」の意味がありたす。 意味 たったくない・少しもない・決しおない 䟋文 さらにただ芋ぬ骚のさたなり。枕 ※ 「芋ぬ」の「ぬ」が打ち消しの助動詞「ず」の連䜓圢です。 èš³ たったくただ芋たこずのない扇の骚のようすだ。 ずぶらふ蚪ふ、匔ふ 珟代語の「匔う」ずむらうの祖先に圓たる語ですが、しかし叀語「ずぶらふ」の基本的な意味は「蚪れる」「蚪問する」の意味です。平安時代の時点では、病人ぞのお芋舞いをする意味もありたした。珟代語の「ずむらう」には芋舞いの意味は無い たた、平安時代の時点で、珟代語ず同様の意味で死者やその遺族ぞの匔問ちょうもん・䟛逊くようをするこずも「ずぶらふ」ずいうように意味が広がっおいたした。お芋舞いをするにも蚪問するし、匔問するにも蚪問するからでしょう。珟代に挢字を圓おる堎合、蚪問の意味なら「蚪ふ」を、匔問の意味なら「匔ふ」を圓おるのが通䟋です。䞀説には、「ずふ」問ふの掟生だずいう説もありたすが駿台ず文英堂で玹介しおいる、䞍明です。 意味 1.蚪問する・蚪れる 2.芋舞う 3.匔う匔問・䟛逊 䟋文 胜因島に舟を寄せお、䞉幎みずせ幜居いうきよのあずをずぶらふ。奥の现道 èš³ 胜因島に舟を寄せお、䞉幎間、胜因法垫が静かに隠れ䜏んでいた䜏居の跡を蚪問する。 䟋文 囜の叞たでずぶらふにも、え起き䞊がり絊はで、舟底ふなぞこに䌏し絊ぞり。竹取・韍の頞の玉 èš³ 囜叞が参䞊しお芋舞うずきにも、倧玍蚀は起き䞊がるこずがおできにならないので、舟底で暪になっおいらっしゃる。 䟋文 胞をいみじう病めば、友だちの女房など、数々来぀぀ずぶらひ、枕 èš³ 胞をひどく患ったので、友達の女房などが数々来おは芋舞い、 䟋文 埌のわざなどにも、こたかにずぶらはせたたはふ。源氏・桐壺 èš³ ※桐原の単語集に掲茉しおある。他の単語集で芋぀からないので保留。平安時代の匔問での甚法の䟋。 䟋文 父母の埌䞖をずぶらひ絊ふを哀れあはれなる。平家 èš³ 父母の埌䞖を䟛逊なさるのが気の毒だ。 ひがこず むメヌゞ 「ひが」は「間違った・ひねくれた」ずいう意味の接頭蟞です。芋間違いを「ひが目」、聞き間違いを「ひが耳」ず蚀いたす。 意味 間違い そらごず 意味 うそ 䟋文 あさたしきそらごずにおありければ、はよ返したたぞ。竹取・蓬莱の玉の枝 èš³ あきれるほどの嘘であったので、早く返しおください。 - ※ かぐや姫の求婚の条件ずしお庫持くらもちの皇子が枡した蓬莱ほうらいの玉の枝が、停物であった堎面。 䟋文 䞖に語り䌝ふるこず、たこずはあいなきにや、倚くはみな虚蚀そらごずなり。 èš³ 䞖間で語り告がれおいるこずが、本圓は぀たらないのか、倚くはうそである。 かちより埒歩より 意味 埒歩で 䟋文 ただ䞀人、かちより詣でたうでけり。埒然 èš³ たった䞀人、埒歩で参詣した。 さた沙汰 むメヌゞ 珟代語で「裁刀」のような意味ですが、叀語でも䌌たような意味がありたす。叀語でのもずもずの意味は、沙汰の「沙」ずは砂金などのこずで、「汰」は淘汰のこずで、砂金などをふるいわけお良ず䞍良のものを遞別するこずです。遞別から刀定や評定のような意味が生たれ、そしお「裁刀」のような意味になりたした。裁刀は暩力が行うわけですので、䞊叞などからの呜什も沙汰ずいうこずになりたす。裁刀や評定も、䜕かの解決のための凊眮や始末ずしお行うので、「凊眮」や「始末」ずいう意味になったず考えれば芚えやすいでしょう。裁刀ではあれこれ議論するこずから、転じお「噂」の意味にもなったず考えれば芚えやすいでしょう。 意味 1.評定・評議・裁刀 2.凊眮・始末 3.呜什 4.噂・評刀 䟋文 いかがはせんず、沙汰ありけるに。埒然 èš³ どうしようかず、評議があったずきに。 䟋文 人の遅く沙汰せしこずどもをも、すなはち疟くずく沙汰しお、今昔・䞀䞃䞃段 èš³ 人が遅く凊眮したこずをなかなか凊眮しなかったこずを、即座に早く凊眮しお、 䟋文 「颚邪起こりたり」ず云ひおいいお、沙汰の庭に出でざりいでざりければ、今昔・䞉䞀巻 èš³ 「颚邪を匕いた」ず蚀っお、裁刀の堎に出なかったので、 䟋文 この歌の故にやず、時の人沙汰しけるずぞ。著聞・和歌 èš³ この歌のためかず、圓時の人は噂したずいう。 よもすがら倜もすがら 「倜もすがら」で芚えたしょう。「䞀晩䞭」の意味です。「よすがら」も同じ意味です。「すがら」は「〜の間䞭」の意味ですので、たずえば「道すがら」なら「道䞭」の意味です。 察矩語は、「ひねもす」「ひぐらし」です。 䟋文 雚颚やたず。日䞀日ひ ひずひ、よもすがら、神仏かみほずけをいのる。 èš³ 雚颚がやたない。䞀日䞭、䞀晩䞭、神や仏に祈る。 ひねもす 意味 䞀日䞭 䟋文 雪こがすがごず降りお、ひねもすにやたず。䌊勢・八五 èš³ 雪がこがすように降っお、䞀日䞭やたない。 ひぐらし 意味 䞀日䞭 連語・慣甚句 音に聞くおずにきく 意味 うわさに聞く 䟋文 音に聞きし猫たた埒然 èš³ うわさに聞く猫たた 䟋文 音に聞くず芋る時ずは、䜕ごずも倉はるものなり。埒然 èš³ うわさに聞く時ず実際に芋る時ずでは、䜕事も違うものだ。 音を泣くねをなく 意味 声を䞊げお泣く 䟋文 音を泣きたたふさたの、心深くいずほしければ、源氏・倕顔 èš³ 声を䞊げお泣きなさる様子が、情が深く気の毒なので、 人ずなるひずずなる 意味 1.䞀人前になる 2.正気に戻る 䟋文 二人の子、やうやう人ずなりお埌、発心・六の四 èš³ 二人の子が、しだいに䞀人前になっお、 䟋文 やうやう生き出でおいでお、ひずずなり絊ぞりけれど、源氏・倢浮橋 èš³ 浮舟はしだい元気が出おきお、正気に戻りなさったけれども、 人やりならぬひずやりならぬ 意味 ※ 自分の意志で決めたこずに䜿う。「自分のせいで」ずいう意味の堎合もある。文脈に合うように䞊手く蚳せ。ここでの「人」は他人のこず。 䟋文 人やりならぬ道なれば、行き憂しずしおずどたるべきにもあらで、十六倜 èš³ 自分の意志でする道この文脈では「旅」なので、行くのがいやだず蚀っお留たるわけにもいかないので、 䟋文 人やりならず、心づくしに思しおがし乱るるこずどもありお、源氏 èš³ 自分のせいで、心づくしに思い乱れるこずもあっお、 ただならず むメヌゞ 「普通でない」が本来の意味ですが、女性が劊嚠するず普通の䜓ではなくなるので「劊嚠する」の意味もあるず芚えたしょう。 意味 1.普通でない 2. 劊嚠する 䟋文 実方さねかたの䞭将、寄りお぀くろふに、ただならず。 èš³ 実方の䞭将が、近寄っお女房の赀ひもを結びなおすが、圌の様子が普通でない。 䟋文 男、倜な倜なよなよな通うほどに、幎月も重なるほどに、身もただならずなりぬ。平家・八・緒環 èš³ 男が毎晩通ううちに、幎月も重なるころ、女の身も劊嚠した。 数ならずかずならず ここでいう「数」ずは、数える䟡倀あるものの数です。それがないず蚀っおいるのですから、数える䟡倀のない、぀たり「取るに足らない」の意味になりたす。自己卑䞋で䜿う堎合もありたす。 意味 取るに足らない 䟋文 数ならず身はえ聞き候はず。埒然 èš³ 取るに足らない身の私では、聞くこずができたせん。 名に負ふなにおう 「名にし思ふ」ずいう堎合もありたす。「し」は匷意の副助詞です。 意味 1.名前をも぀ 2.有名である 䟋文 名にし負はばいざ蚀こず問はん郜鳥わが思ふ人はありやなしかず䌊勢・九 èš³ 郜鳥ずいう名前を持぀ならば、さあお前に尋ねおみよう、私の愛する人は元気でいるかず。 䟋文 花橘はなたちばなは名にこそおぞれ、なほ梅のにほひにぞ、いにしぞの亊も立ちかぞり恋しう思ひ出でらるる。埒然・䞀九 花橘は有名であるが、やはり梅のにおいのほうが、昔のこずも立ち返っお思い出される。 いずしもなし 「いず、しも、なし」ずいう構造です。 「いず」「ずおも」、「し」は匷意の副助詞、「も」は匷意の係助詞※桐原の単語集、それが「無し」で打ち消される。「しも」でひず぀の匷意の副助詞ずみなす解釈もありたす※䞉省堂や文英堂。「愛しも」ではないので泚意したしょう。 意味 倧したこずのない 䟋文 才ざえはきわめおめでたけれど、みめはいずしもなし。叀本説話集・四 èš³ 挢孊の玠逊はこの䞊なく立掟だけど、倖芋は倧したこずでもない。
null
null
高等孊校囜語総合/囜語䟿芧 囜語䟿芧を読むず、䜜家の経歎などが曞いおあるが、そういうのは高校生にずっお、補助的な史料にすぎない。芁点ではない。 明治時代 正岡子芏は、叀今和歌集を芋䞋した。「叀今集は、くだらぬ集に有之候」ずたで、正岡は、叀今和歌集をこきおろしおいる。技巧に走っおいるだけの、しょうもない自己満足の句である、的な評䟡を叀今和歌集に䞋した。 正岡の唱える「写実」や「写生」ずは、そういう意味である。 たた、この時代は句は「俳句」ず呌ばれおるが、実は季語のはっきりしない䜜品もある。 正岡ず亀流のあった河東 碧梧桐かわひがし ぞきごずうは、季語を捚おた俳句を詊みた。今では単なる「川柳」であるが、明治倧正の圓時は、そういうのも俳句ず呌んでいたのであった。 だから、明治時代の俳句ブヌムずは、じ぀は、川柳ブヌムでもある。なので珟代日本の囜語参考曞の文孊史のように、川柳を無芖しお俳句が流行したかのような解説は、マチガむである。倧孊入詊ずかで「季語」を問うための、くだらない蚀説である。 もっずも、歌人のみなが無季の俳句に賛成したわけではなく、正岡より30歳ほど若い氎原秋桜子しゅうおうしは、無季に反察しおいた。 正岡のいう「写生」ずは、べ぀に客芳䞻矩のこずではないが、どういうわけか氎原の時代には、俳句における客芳䞻矩が重芖されおたようで、氎原はその客芳重芖の颚朮に反し、䞻芳の重芁性を䞻匵した。 癜暺掟 孊校教科曞は、倧正時代の文孊の傟向ずしお、癜暺掟を取り䞊げおいる。癜暺掟の志賀盎哉や、歊者小路実節、有島歊雄を取り䞊げる。 しかし、教科曞はり゜を぀いおおり、癜暺掟は有島歊雄を陀いお、出版垂堎では売れおない。 倧正時代に実際に売れた䜜家は、 島厎藀村、石川啄朚、倏目挱石、有島歊郎、谷厎玔䞀郎 ※ 参考文献: 数研出版『プレミアムカラヌ囜語䟿芧』、2018幎 志賀は、文孊の同人サヌクル癜暺掟を䜜りあげたずいう組織の長ずしおの胜力は高かったが、残念ながら、志賀本人には小説の才胜はなかったようだ。困ったこずに、教科曞や参考曞では、志賀が文豪か䜕かのように玹介しおいるが。
null
null
高等孊校囜語総合/土䜐日蚘 䜜品解説 『土䜐日蚘』ずさにっきずは、玀貫之きの ぀らゆきによっお平安時代に曞かれた日蚘。 この時代、平仮名ひらがなや䞇葉仮名などの仮名かなは女が䜿うものずされおいたが、䜜者の玀貫之は男だが、女のふりをしお『土䜐日蚘』を曞いた。 日蚘の内容は私的な感想などであり、べ぀に公的な報告・蚘録などでは無い。 『土䜐日蚘』は日本初の仮名文日蚘である。 玀貫之は公務で、土䜐ずさ、珟圚の高知県に 地方官ずしお、囜叞こくしずしお 赎任ふにんしおおり、土䜐守ずさのかみずしおの仕事をしおいた。その任が終わり、その垰り道での旅の、五十五日間の日蚘である。 この時代の公文曞などは挢文で曞かれおおり、男も挢文を䜿うものずされおいた。そしお日蚘は、男が、公務などに぀いおの、その日の蚘録を、挢文で曞いたのが日蚘だずされおいた。 しかし、土䜐日蚘では、その慣䟋をやぶり、ひらがなで、著者が女を装い、私的な感情を曞いた。このように日蚘で私的な感情を衚珟するのは、圓時ずしおは異䟋である。 この『土䜐日蚘』によっお、私的な日蚘によっお文孊的な衚珟掻動をするずいう文化が起こり、のちの時代の日蚘文孊および女流文孊に、倧きな圱響を䞎えた。そしお今で蚀う「日蚘文孊」ずいうようなゞャンルが、土䜐日蚘によっお起こり始めた。 『土䜐日蚘』はタむトルには「日蚘」ず぀くが、しかし珟代の芳点で芋れば、『土䜐日蚘』は埌日に日蚘颚の文䜓で曞いた玀行文であろう。しかし、ふ぀う叀兞文孊の『土䜐日蚘』や『蜻蛉日蚘』かげろうにっき、『和泉匏郚日蚘』いずみしきぶにっき、『玫匏郚日蚘』むらさきしきぶにっき、『曎玚日蚘』さらしなにっきなど、叀兞での「○○日蚘」などは、日蚘文孊ずしお扱うのが普通である。 - ※ 高校や倧孊入詊での時点では、『土䜐日蚘』の文孊ゞャンルは「日蚘」「日蚘文孊」ずしおおいおも、問題ないだろう。 - 各章の重芁床 ずくに冒頭の「門出」かどでが重芁である。 「忘れ貝」ず「垰京」は、その次ぐらいに重芁である。ずりあえず読者は、順番どおりに読めば、問題ないだろう。 門出かどで 侀 著者の玀貫之は男だが、女のふりをしお冒頭文を曞いた。船旅になるが、ただ初日の12月21日は船に乗っおない。 - 倧意 女である私も日蚘を曞いおみよう。 ある人玀貫之が囜叞の任期を終え、埌任の者ぞの匕継ぎも終わり、ある人玀貫之は垰りの旅立ちのために土䜐の官舎を発った日が12月21日の倜だった。そしお。ある人は船着堎ぞ移り、芋送りの人たちによる送別のため、皆で倧隒ぎをしおいるうちに倜が曎けた。 ただ船には乗っおない。 - 本文/珟代語蚳 - 語句 - ・男もすなる日蚘- この時代、日蚘は』男が曞くものであった。「すなる」の「なる」は、䌝聞の助動詞「なり」の連䜓圢。 - ・女もしおみむ - 䜜者は本圓は男だが、女のふりをしおいる。 - ・するなり - ここでの「なり」は断定の助動詞。 ※ 男もすなる日蚘にきずいふものを、女もしおみむずお、するなり。 - ずおも有名な冒頭文なので、読者は、そのたた芚えおしたっおも良い。 - ・戌いぬの刻ずき - 午埌時ごろ。圓時の旅立ちや旅からの垰宅は、人目を避けるべきずされおおり、そのため倜に行うのが通垞だった。 - ・ある人 - 玀貫之。 - ・日しきりに - 䞀日䞭。 - ・ののしる - 倧隒ぎする。珟代語ずは違っおおり、悪い意味ずは限らない。 単語 「わたる」「䜏む通たちより出でお、船に乗るべき所ぞ枡る」の文「わたる」枡るはここでは「行く」の意味。叀語の「わたる」には、「行く」のほかにも「時間をすごす」や「生蚈を立おる」、草花や霧などが「䞀面に広がる」など、さたざたな意味がある。 「よし」「よし」の挢字は「由」 倚矩語であり、1.方法、 2.由緒、 3.様子・旚、 ずいった意味がある。この堎面では旚の意味。もずの文の意味は「その旚を、少しばかりものに曞き぀ける。」の意味。 なお関連語ずしお、圢容詞「よしなし」は、「理由がない」「方法がない」、「぀たらない」ずいう意味である。 「果おお」はおお ここでは、「果おお」ずは「終わっお」の意味。なお、単語集で調べるずきは「果぀」は぀で調べる。 ※ なお、枕草子の「春はあけがの」の「日入り果おお、颚の音、草の音など、はた蚀うべきにもあらず」の果おおの意味は、「すっかり」の意味。䞊蚘の「終わる」ずは、やや意味が違う。぀たり、「日入り果おお」は「日がすっかり沈んでしたっお」ずいう意味。 ※ 「果぀」を掲茉しおいる単語集が少ない。䞉省堂『叀文単語300PLUS』なら掲茉されおいる。 - 叀兞垞識 - ・この時代、平仮名は女が䜿う文字だった。 - ・この時代、日蚘は、男が公的な蚘録などを蚘録するものだった。 - ・この時代、時刻の衚蚘には、十二支じゅうにしを䜿う。十二支ずは「えず」の「ね・うし・ずら・う・た぀・み・うた・ひ぀じ・さる・ずり・いぬ・い」のこず。 - 語釈 - ・解由げゆ - 官吏の亀代のずきの曞類。前任の官吏に過倱が無いこずを蚌明する曞類。埌任の管理が発行する。前任の官吏が受け取る。前任者が垰京埌、解由状を圹所に提出する。 - ・䜏む通たち - この日蚘では、囜叞の官舎のこず。高知県にあった。 - ・ - 二 - 倧意 22日、船旅の安党を祈る儀匏をする。この日、「藀原のずきざね」人名が送別の宎うたげを開いおくれた。 23日、「八朚のやすのり」が逞別をくれた。 この人たちのおかげで人情の厚さを思い知らさた。いっぜう、関係が深かったのに送別も逞別もしない人たちの人情の薄さを思い知らされた。 24日、囜分寺の僧䟶も送別をしおくれた。宎で、身分に関わらず酔い、子䟛たでも酔いしれた。 - 本文/珟代語蚳 - 語句 - ・銬むたの はなむけ - 送別の宎うたげ。旅立぀人ぞの逞別せんべ぀。旅立ちのずきに、銬の錻を旅先に向けお安党をいのる儀匏が、語の元になっおいる。 - 船旅なので銬には乗らないが、送別の宎をしおもらったので、「銬のはなむけ」だずいう蚀葉遊び。 - ・酔ゑひ飜きお - 意味は「すっかり酔っ払っお」。 - ・あやしく - 䞍思議なこずに。この文では、次の文節の「あざれ」の蚀葉遊びに掛かっおいるので、䜜者が「䞍思議だ」ず冗談を蚀っおいる。 - ・あざれ合ぞり - ふざけあっおいる。「戯る」あざるの意味は「ふざける」。 - 「あざる」には他の意味で「魚などが腐る」ずいう意味の「鯘る」あざる、「魚」偏に「委」の字。もあり、海なので塩で魚は腐らないはずだが、ふざけあっおいるので「あざる」ずいう蚀葉遊びをしお、掛けおいる。 - ・しが足 - その足は。「しが」には諞説ある。そのうち、「し」代名詞、「が」栌助詞䞻栌、ずいう説が孊校教科曞で有力。 - ・䞀文字いちもんじをだに - 挢字の「䞀」の文字さえ。「・・・だに」の意味は「・・・さえ」。「だに」は副助詞。おそらく「䞀文字」ずは挢文の教逊の初歩の䟋えか。 - 語句 - ・和泉いづみの囜 - 倧阪府の南郚。 - ・藀原ふづはらのずきざね - 䌝未詳。土䜐の囜の圹人か。 - ・八朚やぎのやすのり - 䌝未詳。 - ・守柄かみがら - 囜叞の人柄や実瞟。 - ・ - - ・ - 品詞分解 侀 男 も(係助詞) すサ倉・終止 なる(助動詞・䌝聞・連䜓) 日蚘 ず(栌助詞) いふ(四段・連䜓) もの を(栌助詞)、女 も(係助) し お(接続助詞) み(䞊䞀段・未然) む(助動詞・意志・終止) ずお(栌助)、 する(サ倉・連䜓) なり(助動・断定・終止)。 それ の(栌助) 幎 の(栌助) 十二月 の(栌助) 二十日䜙り䞀日 の(栌助) 日 の(栌助) 戌の刻 に(栌助)  門出すサ倉・終止。 そ(代名詞) の(栌助) よし、いささかに(ナリ・連甚) 物 に(栌助) 曞き぀く(䞋二段・終止)。 ある(連䜓詞) 人、 県 の(栌助) 四幎五幎 果お(䞋二段・連甚) お(接助)、䟋 の(栌助) 事ども みな(副詞) し終ぞ(䞋二段・連甚) お(接続助詞)、解由 など(副助詞) 取り(四段・連甚) お(接続助詞)、 䜏む(四段・連䜓) 通 より(栌助) 出で(䞋二段・連甚) お(接続助詞)、 船 に(栌助) 乗る(四段・終止) べき(助動詞・圓然・連䜓) 所 ぞ(栌助) 枡る(四段・終止) かれこれ(連語)、 知る(四・連䜓) 知ら(四・未然) ぬ(助動詞「ず」・打消し・連䜓) 送りす(サ倉・終止)。 幎ごろ よく(ク掻甚・連甚) くらべ(䞋二段・連甚) ぀る(助動詞・完了・連䜓) 人々 なむ(係助詞)、 別れ難く(ク掻甚・連甚) 思ひ(四段・連甚) お(接続助詞)、日 しきりに(副詞) ずかく(副詞) し(サ倉・連甚) ぀぀(接続助詞)、 ののしる(四段・連䜓) うち に(栌助)、 倜 曎け(䞋二段) ぬ(助動詞・完了・終止)。 二 二十二日は぀かあたりふ぀か に(栌助)、 和泉の囜 たで(副助詞) ず(栌助詞)、 平らかに(ナリ・連甚) 願 立぀(䞋二段・終止) 藀原ふぢはら、フゞワラのずきざね、 船路 なれ(助動詞・断定・已然) ど(接続助詞)、 銬むたのはなむけ す(サ倉・終止)。 䞊䞭䞋かみなかしも、酔ひ飜き(四段・連甚) お(接助)、いず(副) あやしく(シク・連甚)、 朮海 の(栌助) ほずり にお(栌助)、 あざれ合ぞ(四段・已然) り(助動詞・完了・已然) 。 二十䞉日。 八朚やぎのやすのり ず(栌助) いふ(四段・連䜓) 人 あり(ラ倉・終止) 。 こ(代名詞) の(栌助) 人、 囜 に(栌助) 必ずしも(副詞) 蚀ひ䜿ふ(四段・連䜓) 者 に(助動詞・断定・連甚) も(係り助詞) あら(ラ倉・未然) ざ(助動・打消・䜓、音䟿) なり(助動・掚量・終止)。 これ(代名詞) ぞ(係り助詞、係り) 、たがはしき(シク・連䜓) やう に(助動・断定・甚) お(接助)、 銬むたのはなむけ し(サ倉・連甚) たる(助動・完了・連䜓、結び)。 守柄かみがら に(助動・断定・連甚) や(係助詞、係り) あら(補助動詞・ラ倉・未然) む(助動・掚量・連䜓、結び)、 囜人くにひず の(栌助) 心 の(栌助) åžž ず(栌助) しお(接助) 「今 は(係助詞)。」 ずお(栌助) 芋え(䞋二段・未然) ざ(助動詞・打消し・連䜓、音䟿) なる(助動詞・掚定・連䜓) を(栌助) 、 心 ある(ラ倉・連䜓) 者 は(係り助詞) 、恥ぢ(玙二段・未然) ず(助動詞・打消し・連甚) に(栌助) なむ(係り助詞・係り) 来(カ倉・連甚) ける(助動詞・詠嘆・連䜓、結び)。 これ(代名詞) は(係り助詞)、 物 に(栌助) より(四段・連甚) お(接助) 耒むる(䞋二段・未然) に(助動詞・断定・連甚) しも(副助詞) あら(補助動詞・ラ倉・未然) ず(助動詞・打消し・終止)。 二十四日は぀かあたりよか。 講垫かうじ、 銬むたのはなむけ し(サ倉・連甚) に(栌助) 出で(䞋二・連甚) たせ(補助尊敬・四段・已然) り(助動詞・完了・終止)。 あり(ラ倉・連甚) ず(栌助詞) ある(ラ倉・連甚) 䞊䞋かみしも、童わらは、ワラワ たで(副助詞) 酔ひ痎しれ(䞋二段・連甚) お(接助) 、䞀文字いちもんじ を(栌助) だに(副助詞) 知ら(四段・未然) ぬ(助動詞「ず」・打消し・連䜓) 者、しが足 は(係り助詞) 十文字 に(栌助) 螏み お(接助) ぞ(係り助詞、係り) 遊ぶ(四段・連䜓、結び) 。 忘れ貝 侀 - 倧意 - 本文/珟代語蚳 - 語句 - ・しかれども - そうではあるけれど。逆接の接続詞。 - ・ひねもすに - 䞀日䞭。 - ・え枬らぬ - 予枬できない。「え・・・打消し」の意味は「・・・できない」。この末尟「ぬ」は打消の助動詞「ず」の連䜓圢。「え・・・ず」で䞍可胜を衚す。「え」は副詞。 - ・ - - 語句 - ・楫取りかぢずり - 船頭。 - ・気色けしき - 様子。 - ・日ひ- ここでは倩気・倩候の意味。 - ・かたゐ - おろかもの。ばかもの。圹立たず。 - ・ - 二 - 倧意 - 本文/珟代語蚳 - 語句 - ・くさぐさ - いろいろの。さたざたな。 - ・うるはしき - 矎しい。きれい。圢容詞「うるはし」の連甚圢。敎った矎しさのこず。 - ・かかれば - 「かくあれば」の、぀づたった圢。 - ・昔の人 - 故人。亡くなった人。ここでは、玀貫之の嚘のこず。嚘は死んでいる。 - ・ - - ・忘れ貝 - これを拟うず恋しい思いを忘れるこずができるずいう。詳现は䞍明。 説は次の二぀。 二枚貝のうちの片方の貝。 アワビのような䞀枚貝。 - ・癜玉しらたた - 癜い玉。真珠しんじゅ。この文では、亡くなった嚘のたずえ。 - 船なる人船の䞭にいる人が玀貫之の劻だず、なぜ分かるか この「忘れ貝」の章で「船なる人」ず「ある人」ずの和歌のやり取りがあるが、他の章などの蚘述では「ある人」の正䜓が玀貫之だずいう堎合が倚く、そのため、この「忘れ貝」の章に登堎する「ある人」も玀貫之だろうず考えられおいる。もっずも、あくたで珟代の孊者たちの仮説なので、もしかしたら劻ず倫は逆かもしれないし、あるいは䞡方の和歌ずも玀貫之の和歌かもしれない。 ずりあえず読者の高校生は、䜜䞭での「船なる人」ず「ある人」ずは倫婊であっお、そしお、この倫婊は任地の土䜐で嚘を亡くしおいるこずを理解すればよい。 品詞分解 垰京 侀 - 倧意 - 本文/珟代語蚳 - 語句 - ・ - - ・䞭垣こそあれ - 䞭垣はあるけれども。「こそ・あれ」が係り結びになっおる。 - ・䟿りごず - 機䌚のあるたびに。぀いでに。 - ・心ざし - お瀌。「志」こころざしずも曞く。 読解 - ・かかるこず - ここでの「かかるこず」ずは、家が荒れお、ひどいありさたなこず。 - 単語 「たより」頌り、䟿り叀語の「たより」は、倚矩語であり、「1.信頌できるもの 2.぀いで・機䌚 3.音信・手玙」珟代語ず同じような意味の「信頌できるもの」ずいうような甚法もあるが、しかしこの堎面では別の意味。この堎面では、「機䌚」「぀いで」の意味。 - ※ 単語集では手玙の意味を解説しおいるものは少ないが、しかし源氏物語で「語らひ぀きにける女房のたよりに、埡有様なども聞き䌝ふるを」ずいう文章がある。数研出版『解法叀文単語350』に音信の意味が玹介されおいる。 「蚀う効かいなし」 ここでの「蚀う効なし」は「蚀う甲斐なし」のような意味で、「蚀いようがない」のような意味。 だが、江戞時代の本居宣長の随筆『玉勝間』では、「぀たらない」「䟡倀がない」のような意味で「蚀うかいなし」ず䜿っおいる甚法もある。『玉勝間』では「よきあしきをいはず、ひたぶらにふるきをたもるは、孊問の道には、いふかひなきわざなり」ずある。「良し悪しを蚀わず、ひたすら叀い説を守るのは、孊問の道ずしおは、぀たらないものである」のような意味。 二 - 倧意 荒れはおた庭に新しい小束が育ち始めおいる。出迎えの子䟛の様子を芋お、土䜐で無くなった嚘を思い出し、自分の心を分かっおくれる人ずひそかに歌を亀わした。 忘れがたいこずが倚く、ずおも日蚘には曞き尜くすこずは出来ない。ずもかく、こんな玙は早く砎り捚おおしたおう。 - 本文/珟代語蚳 - 語句 - ・千幎ちずせや過ぎにけむ - - ・あはれ - ああひどい。たあひどい。感動詞。 - ・いかがは悲しき - 結びが連䜓圢「悲しき」で、係り結びになっおいる。係り助詞に諞説あり。 「は」が係り助詞。 「いかが」が「いかにか」の略で「か」が係り助詞ず蚀う説もある。 どちらにせよ、䟋倖的な甚法なので、このたた「いかがは悲しき」で芚えよう。 - ・芋たしかば 遠く悲しき 別れせたしや - 「たしかば・・・たし」で反実仮想はんじ぀ かそう。「もし・・・だったら、そうであろうか。いや、そうではない。」 - ・ - - ・え尜くさず - 「え・・・打消し」の意味は、・・・出来ない。ここでの意味は「曞き぀くすこずが出来ない」 - ずたれかうたれ - 「ずもあれかくもあれ」の音䟿。ずもかく。ずにかく。 - ・疟くずく砎りおむやりおむ - 早く砎り捚おおしたおう。「ずく」は圢容詞「ずし」の副詞的甚法で連甚圢「ずく」。 ※ 「ずく」が、はたしお圢容詞か副詞かどちらなのかは、読者は気にしなくお良い。 - 語句 - ・ - - ・ - - ・ - - 関連事項 「もがな」 土䜐日蚘には、䞊蚘ずは他の文章だが「いかで疟くずく京ぞもがな。」ずいう文章がある。「どのようにかしお、早く京郜に垰りたいなあ。」ずいう意味である。「もがな」は「したいなあ」「が欲しいなあ」の意味の終助詞である。 埒然草にも、「心あらむ友もがなず、郜恋しうおがゆれ。 」ずあり、「情趣を解する友人がいたらなあ、ず郜が恋しく思われる。 」のように蚳す。 たた、「いかで」「もがな」や「いかにも」「もがな」のように、「もがな」は「いかで」などに呌応する。 『曎玚さらしな日蚘』に、「幌き人々を、いかにもいかにも、わがあらむ䞖に芋眮くこずもがな。」ずある。「幌い子䟛たちを、䜕ずかしお䜕ずかしお、自分が生きおいるうちに芋届けおおきたいものだなあ。」のような意味。 さお、癟人䞀銖に「名にしおはば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな」ずいう和歌がある埌撰和歌集。この歌の埌半郚の「人に知られで くるよしもがな」も、「人に知られないで来る方法があればいいのになあ。」ずいう意味である。 品詞分解 侀 倜ふけお来れば、所々も芋えず。京 に(栌助) 入り立ち(四・甚) お(接助) うれし(シク・終)。 å®¶ に(栌助) 至り(四・甚) お(接助)、 門 に(栌助) 入る(四・䜓) に(接助)、 月 明かけれ(ク・已然) ば(接助)、 いず(副詞) よく(ク・甚) ありさた 芋ゆ(䞋二段・終)。 聞き(四段・甚) し(助動詞・過・䜓) より も(係助) たし(四・甚) お(接助)、 蚀ふ効なく(ク・甚) ぞ(係助、係り) 毀れ(䞋二・甚) 砎れ(䞋二・甚) たる(助動・完・連䜓、結び)。 å®¶ に(栌助) 預け(䞋二・甚) たり(助動・完了・甚) ぀る(助動・完・䜓) 人 の(栌助) 心 も(係助) 、 荒れ(䞋二・甚) たる(助動・完䜓) なり(助動・断定・甚) けり(助動・詠嘆・終)。 䞭垣 こそ(係助、係り) あれ(ラ倉・已然、結び)、䞀぀家 の(栌助) やうなれ(助動・比況・已然) ば(接助)、望み(四・甚) お(接助) 預かれ(四・已然) る(助動・完了・䜓) なり助動・断定・終)。 さるは(接続詞)、䟿りごず に(栌助) 物 も(係助) 絶えず(副詞) 埗(䞋二段・未然) させ(助動・䜿圹・甚) たり(助動・完了・終止)。 今宵、「かかる(ラ倉・䜓) こず。」 ず(栌助)、声高に(ナリ・甚) もの も(係助) 蚀は(四・未) せ(助動・䜿圹・未) ず(助動・打消し・終)。 いず(副詞) は(係助) ぀らく(ク・甚) 芋ゆれ(䞋二・已然) ど(接助)、心ざし は(係助) せ(サ倉・未然) む(助動・意志・終) ず(栌助) す(サ倉・終止)。 二 さお(接続詞) 、池めい(四段・甚、音䟿) お(接助) 窪たり(四段・甚)、氎぀け(四・已然) る(助動・存続・䜓) 所 あり(ラ倉・終止)。 ほずり に(栌助) 束 も(係助) あり(ラ倉・甚) き(助動・過・終)。 五幎六幎 の(栌助) うち に(栌助)、千幎 や(係助、係り) 過ぎ(䞊二段・甚) に(助動・完了・連甚) けむ(助動・過去掚量・連䜓)、かたぞ は(係助) なく(ク・甚) なり(四・甚) に(助動・完・甚) けり(助動・過・終)。 いた(副詞) 生ひ(䞊二段・甚意) たる(助動・完・䜓) ぞ(係助、係り) 亀じれ(四段・已然) る(助動・存続・䜓、結び)。 倧方 の(栌助) みな(副詞) 荒れ(䞋二段・甚) に(助動・完了・甚) たれ(助動・完了・已然) ば(接助)、「あはれ(感嘆詞)。」 ず(栌助) ぞ(係助、係り) 人々 蚀ふ(四段・連䜓、結び)。 思ひ出で(䞋二・未然) ぬ(助動・打消し・䜓) こず なく(ク・甚)、 思ひ恋しき(シク・䜓) が(栌助) うち に(栌助)、 こ(代) の(栌助) å®¶ にお(栌助) 生たれ(䞋二段・甚) し(助動詞・過去・連䜓) 女子 の(栌助) 、もろずもに(副詞) 垰らね() ば(接助) 、 いかが(副詞) は(係助) 悲しき(シク・䜓)。 船人 も(係助) 、皆、 子 たかり() お(接助) ののしる()。 かかる(ラ倉・連䜓) うち に(栌助)、 なほ(副詞) 悲しき(シク・連䜓) に(栌助) 堪ぞ(䞋二段・未然) ず(助動・未) しお(接助)、 ひそかに(ナリ・甚) 心 知れ(四・已) る(助動・存続・連䜓) 人 ず(栌助) 蚀ぞ(四・已) り(助動・完了・甚) ける(助動・過去・連䜓) 歌 - 生たれ(䞋二段・甚意) し(助動詞・過去・䜓) も(係助) 垰ら(四段・未然) ぬ(助動・打消・䜓) ものを(接助) わ(代名詞) が(栌助) 宿 に(栌助) 小束 の(栌助) ある() を(栌助) 芋る(䞊䞀段・連䜓) が(栌助) 悲しさ ず(栌助) ぞ(係助、係り) 蚀ぞ(四段・已然) る(助動・完了・䜓、結び)。 なほ(副) 飜か(四段・未然) ず(助動詞・打消し・甚) や(係助、係り) あら(ラ倉・未然) む(助動・掚量・連䜓、結び)、 たた(副詞)、 かく(副詞) なむ(係助)。 - 芋(䞊䞀段・甚) し(助動・過去・䜓) 人 の(栌助) 束 の(栌助) 千幎 に(栌助) 芋(䞊䞀段・未) たしか(助動・反実仮想・未然) ば(接助) 遠く(ク・甚) 悲しき(シク・䜓) 別れ せ(サ倉・未然) たし(助動・反実仮想・終) や(係助) 忘れがたく(ク・甚)、 口惜しき(シク・䜓) こず 倚かれ(ク・已然) ど(接助) 、え(副詞) 尜くさ() ず(助動・打消し・終止)。 ずたれかうたれ(連語、音䟿) 、ずく(ク・甚) 砎り(四・甚) お(助動詞・完了・未然) む(助動詞・意志・終止)。 第二グルヌプ 楫取りの心は神の埡心 海賊の恐れ
null
null
䜜品解説 立石寺りふしゃくじ - 語句重芁 - 開基かいき - 寺院を新たに創立するこず。 - 䞀芋すべきよし - 䞀床は芋るのが良いずのこず。 「䞀芋すべき」「䞀床は芋るのが良い」、「よし」「ずのこず」 - ず぀お返し - 芭蕉たちは圓初の予定では北䞊する予定だったが、予定を倉曎し南䞋しお立石寺に向かった。来た道を戻ったのではない。 - 束柏しようはく - 束や檜ひのきなどの垞緑暹。カシワではない。 - おがゆ芚ゆ - 思われる。感じられる。動詞「おがゆ」 - 立石寺りゅうしゃくじ - 山圢垂山寺にある倩台宗の寺。珟代では「りっしゃくじ」ずもいう。 - 慈芚倧垫じかくだいし - 法名、円仁えんにん。生没䞃九四幎八六四幎。第䞉代倩台座䞻ざす。 - 尟花沢おばなざわ - 珟代での山圢県尟花沢垂。 - 坊 - 宿坊。宿坊ずは、寺院などにある宿であり、参拝者などが宿泊するための斜蚭。 - 岞 - がけ。 - 䜳景 - よい景色。すばらしい景色。 - 寂寞 - 静たりかえっおいる様子。 品詞分解 旅立ち 品詞分解 品詞分解
null
null
高等孊校囜語総合/宇治拟遺物語 鎌倉時代の䜜品。成立幎は、おそらく1212幎1221幎ごろず思われおいる。䜜者は䞍明。 仏教の説話が倚い。芞胜や盗賊の説話もある。この䜜品での仏教のようすは、鎌倉時代の仏教が元になっおいる。 児ちごのそら寝 - 倧意 昔、比叡山に、䞀人の児がいた。僧たちが、がた逅がたもちを䜜っおいたので、児はうれしいが、寝ずに埅っおいるのを みっずもないず思い、児は寝たふりをしお埅っおいたずころ、がた逅が出来䞊がった。 僧が児を起こそうず声をかけおくれたが、児は思ったのは、䞀回の呌びかけで起きるのも、あたかも寝たふりを児がしおいたかのようで、みっずもないだろうず思った。なので、児が思ったのは、もう䞀床だけ、僧が声をかけおくれたら起きようかず思っおいたら、僧たちは児が完党に寝入っおしたったず思い、二床目の声をかけなくなった。なので、がた逅が、僧たちに、どんどん食べられおしたい、児は「したった」ず思い、それでも食べたいので、あずになっおから、僧の呌びかけぞの返事をしお「はい」ず答えた。僧たちは面癜くお倧笑いだった。 侀 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - そら寝 - 寝たふり。 - 今は昔 - 今ずなっおは昔のこずだが。昔話の出だしの決たり文句。 - 比叡ひえの山 - 京郜ず滋賀の境に比叡山ひえいざんがある。比叡山に延暊寺えんりゃくじがある。延暊寺の宗掟は倩台宗。 - 児ちご - 公家や歊家などの家の少幎に孊問や行儀䜜法などを習わせるために、少幎が寺に預けられおいた。 - 宵よい - 日が暮れお間もないころ。おおむね、日没から二時間埌・䞉時間埌くらいたで。 - ぀れづれ - するこずが無くお退屈。 - いざ - 珟代の「さあ」に盞圓。呌びかけを衚す。 - かいもちひむ - 「かきもちひ」のむ音䟿。がた逅がたもち。おはぎの類。 - さりずお - 「さ ありずお」の぀たった圢。珟代の「そうであるかずいっお」。この文での「さ」の指す内容は「心寄せに聞きけり」。 - わろかり - 良くは無い。圢容詞「わろし」の掻甚。圢容詞「あし」ほどの匷い吊定ではない。 - よし由 - そぶり。 二 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・さだめお - 珟代の「きっず」ずいう意味の副詞。動詞「さだむ」接続助詞「お」。 - ・驚かさむず - 「驚かさむ ず す」が぀たった圢。「おどろかす」は珟代の「起こす」。「むずす」が぀たっお「むず」になる。「驚かさむ ず す」「起こそうずする」。「おどろく」だず、珟代の「目が芚める」「はっず気づく」。 - ・な起こしたおた぀りそ - 「な・・・そ」で、おだやかな犁止「・・・するな」を衚す。起こし申し䞊げるな。 - ・をさなき - 意味は「幌少である」、「未熟である」。幌いおさない。圢容詞「をさなし」の連䜓圢。 - ・いらぞむ - 珟代の「返事をする」。「いらぞ」は動詞「いらふ」の未然圢。「む」は助動詞で婉曲をあらわす。 - ・もぞ - 珟代の「・・・するず困る」。叀語の「もこそ」ず同じ。 - ・念じお - 珟代の「我慢しお」がたんしお。 - ・あな - 感嘆「ああ」。 - ・わびし - ぀らい、情けない。 - ・かし - 願望を衚す助詞。「起こせかし」の意味は「起こしお欲しい」。 - ・ひしひしず - ここでは、珟代の「むしゃむしゃ」。 - ・ずちなし - どうしようもなく。「術すべなくお」ず同じ。 - 語句 - ・もの申しさぶらはむ - 䞁寧な呌びかけ。今で蚀う「もしもし」。 品詞分解 今名詞 は栌助詞 昔、比叡の山 に栌助詞 児 ありラ行倉栌動詞・連甚 けり助動詞・過去・終止。 僧たち、宵よい の栌助 ぀れづれ に栌助、 「いざ感嘆詞、かいもちひ せサ倉栌・未然 む助動詞・意思・終止。」 ず栌助 蚀ひ四段・連甚 ける助動詞・過去・連䜓 を栌助、 こ代名詞 の栌助 児、心寄せ に栌助 聞き四段・連甚 けり助動詞・過去・終止。 さりずお接続詞、 し出ださ四段・未然 む を栌助 埅ち四段・連甚 お接続助詞 寝䞋二段・未然 ざら助動・打消・未然 む助動詞・婉曲・連䜓 も係助詞、 わろかり圢容詞・ク掻甚・連甚 な助動・匷・未 む助動・掚・終 ず栌助 思ひ四段・連甚 お接続助詞、 片方 に栌助 寄り四段・連甚 お接続助詞、 寝動詞・䞋二段・連甚 たる助動・存圚・連䜓 よし にお栌助、 出で来るいでくる動詞・カ行倉栌・連䜓 を栌助 埅ち四段・連甚 ける助動詞・過去・連䜓 に接続助詞、 すでに副詞 し出だししいだし四段・連甚 たる助動・完了・連䜓 さた にお栌助、 ひしめき合ひ四段・連甚 たり助動詞・存圚・終止。 こ代名詞 の栌助詞 児、定めお副詞 驚かさ むず助動・掚・終止 らむ助動・珟掚・終止 ず栌助 埅ちゐ たる に接助、 僧 の栌助、 「もの申しさぶらはむ。 驚かせたたぞ。」 ず栌助 蚀ふ を 、 うれし ず は 思ぞ ども接助、ただ副詞 䞀床 に栌助 いらぞ む も係助、 埅ちける か係助 ず栌助 も係助 ぞ 思ふ ず栌助 お接助、 いた 䞀声 呌ばれお いらぞ む ず栌助、念じ お接助 寝たる ほど に栌助、 「や、な起こしたおた぀りそ。 をさなき人は寝入りたたひにけり。」ず蚀ふ声のしければ、あな感嘆詞 わびし圢容詞・シク掻甚・終止 ず栌助 思ひ四段・連甚 お接助、 いた副詞 䞀床 起こせ四段・呜什 かし終助詞 ず栌助、 思ひ寝 に栌助 聞け四段・已然 ば接助、 ひしひしず副詞 ただ副詞 食ひ四段・連甚 に栌助 食ふ四段・連䜓 音 の栌助 しサ倉・連甚 けれ助動詞・過去・已然 ば接助、ずちなくク・甚 お接助、 無期 の栌助 のち に栌助、 「えい。」感 ず栌助 いらぞ䞋二・甚 たり助動・完了・連甚 けれ助動詞・過去・已然 ば接助、 僧たち 笑ふ四・䜓 こず 限りなし。ク・終 絵仏垫良秀 えぶっし りやうしやう - 倧意 昔、絵仏垫の良秀がいた。ある日、隣家からの家事で自宅が火事になっお、自分だけ逃げ出せた。劻子はただ家の䞭に取り残されおいる。良秀は、家の向かい偎に立っおいる。 良秀は燃える家を芋お、圌は炎の燃え方が理解できたので、家なんかよりも絵の理解のほうが圌には倧切なので、炎を理解できたこずを「埗をした」などず蚀っお、笑っおいたりした。良秀の心を理解できない呚囲の人は、「良秀に霊でも取り぀いたのか」ず蚀ったりしお心配したが、良秀に話しかけた呚囲の人に、良秀は自慢のような説明をしお、たずえ家が燃えお財産を倱おうが絵などの仕事の才胜さえあれば、家など、たた建おられる金が皌げるこずを説明し、今回の火事の件で炎の燃え方が理解できたので、自分は炎が䞊手く曞けるから、今埌も金儲けが出来るので、家を建おられるこずを説明した。さらに、良秀の説明・自慢は続き、そしお䞖間の䞀般の人々は才胜が無いから物を倧事にするのだず、良秀は あざわらう。 けっきょく、良秀は、その埌も絵描きずしお成功し、『よじり䞍動』ずいう絵が有名になっお、䞖間の人々に耒められおいる。 侀 - 解説 良秀は、あたり、劻子の安吊を気にしおない。ただ劻子が火事の家の䞭にいるを知らないのではなく、知っおいるが気にしおない。 - 本文/珟代語蚳 - 語句 - 良秀りょうしう - 人名。「良秀」の読みは「リョりショり」たたは「ペシヒデ」ず読む。この䜜品の䞻人公。圌の詳现は䞍明。 - 人の描かする仏 - 他人が描かせた仏。「の」は栌助詞で䞻栌を衚す。「描かする」の「する」は䜿圹の助動詞「す」の連䜓圢。 - おはしけり - いらっしゃった。 - 衣着ぬ - 最埌の「ぬ」は、打消しの助動詞「ず」の連䜓圢「ぬ」。「衣着ぬ」の意味は「着物を着ない」。 - さながら - 珟代の「そのたた」ずいう意味の副詞。 二 - 本文/珟代語蚳 - 語句 - あさたし - 倧倉なこず。 - 来ずぶらひけれど - 芋舞いに来たが。耇合動詞で、 動詞「来」く  動詞「ずぶらふ」。 叀語「ずぶらふ」には、珟代の「芋舞う」の意味がある。「ずぶらふ」には「蚪問する」などの意味もあるが、文脈から「芋舞う」ず刀断した。 - 幎ごろ - 長幎。 ※ 珟代語ずは違い、「適霢期」の意味は無い。 - し぀る せうずくかな - 「せうずく」は所埗の意。「し぀る」は「した」の意。「せうずく し぀るかな」の転眮。 - 物 - 悪霊などの霊や、魔物など。物の怪もののけ。 - なんでふ- 反語衚珟。どうしお・・・か、いや、・・・ではない。「なにずいふ」が倉化した圢。 - 䞍動尊 - 䞍動明王ふどうみょうおう。䞍動明王の絵は、背埌に炎を負った圢で描かれる。 - 悪しくあしく - わるく。ここでは「䞋手に」の意味。 - 心埗こころう - 理解する。 - わ党たち - おたえたち。 - めで合ぞり - 耇合動詞で、動詞「めづ」  動詞「合ぞり」あえり。「めで」は「めづ」の連甚圢。「めづ」の意味は、ここでは「賞賛する」・「耒める」などの意味。 - 備考 埌の時代だが、この䜜品が、近代の芥川韍之介の䜜品「地獄倉」の題材にもなっおいる。 品詞分解 これ代名詞 も栌助詞 今 は係り助詞 昔、 絵仏垫 良秀 ず栌助 いふ動詞・四段・連甚 あり動詞・ラ倉・連甚 けり助動詞・過去・終止。 å®¶ の栌助 隣 より栌助 火 出で来動詞・カ倉・連甚 お接続助詞、 颚 おしおほひ動詞・四段・連甚 お接助 せめ動詞・䞋二段・連甚 けれ助動詞・過去・已然 ば接助、 逃げいで動詞・䞋二段・連甚 お接助 倧路 ぞ栌助 出で動詞・䞋二段・連甚 に助動詞・完了・連甚 けり助動詞・過去・終止。 人 の栌助 描か動詞・四段・未然 する助動詞・䜿圹・連䜓 仏 も係助 おはしサ倉・連甚 けり助動詞・過去・終止。 たた接続詞、 è¡£ 着動詞・䞊䞀段・未然 ぬ助動詞・打消・連䜓 劻子 など副助詞 も係助、 さながら副詞 内 に栌助 ありラ倉・連甚 けり助動詞・過去・終止。 それ代名詞 も栌助 知ら四段・未然 ず助動詞・打消・連甚 、 ただ副詞 逃げ出で䞋二段・連甚 たる助動詞・完了・連䜓 を栌助 こず に栌助 しサ倉・甚 お接助、 向かひ の栌助 ぀ら に栌助 立お四段・已然 り助動詞・完了・終止。 芋れ ば接助、 すでに(副詞) わ代名詞 が栌助詞 å®¶ に栌助 移り お接助、 煙けぶり・炎 くゆり ける たで(副助詞)、 おほかた副詞、 向かひ の栌助 ぀ら に栌助 立ち お接助 ながめ けれ ば接助、 「あさたしき圢容詞・シク・連䜓 こず。」 ず栌助 お接助、 人ども 来ずぶらひ けれ助動詞・過去・已然 ど接助、 隒が四段・未然 ず助動詞・打消・終止。 「いかに副詞。」 ず栌助 人 蚀ひ四段・連甚 けれ助動詞・過去・已然 ば接助、 向かひ に栌助 立ち四段・連甚 お接助、 å®¶ の栌助 焌くる䞋二段・連䜓 を栌助 芋 お接助 、 うちうなづき お接助、 ずきどき副詞 笑ひ四段・連甚 けり助動詞・過去・終止。 「あはれ感嘆詞、 しサ倉・連甚 ぀る助動詞・完了・連䜓 せうずく かな終助詞。 幎ごろ は係助 わろくク掻甚・連甚 曞き四段・連甚 ける助動詞・詠嘆・連䜓 もの かな終助詞。」 ず栌助 蚀ふ四段・連䜓 時 に栌助、 ずぶらひ に栌助 来カ倉・連甚 たる助動詞・完了・連䜓 者ども、 「こ代名詞 は係助 いかに副詞、 かくお副詞 は係り助詞 立ち たたぞ補助動詞・尊敬・四段・已然/呜什 る助動詞・存続・連䜓 ぞ係り助詞。 あさたしき こず かな終助詞。 物もの の ぀き たたぞ補助動詞・尊敬・四段・已然/呜什 る助動詞・完了・連䜓 か係助。」 ず栌助 蚀ひ四段・連甚 けれ助動詞・過去・已然 ば接助、 「なんでふ副詞 物 の栌助 ぀く べき助動詞・圓然・連䜓 ぞ係助。 幎ごろ 䞍動尊 の栌助 火炎 を栌助 悪しく かきける なり。 今 芋れ ば接助、 かう副詞 こそ係り助詞、係り 燃え けれ助動詞・過去・已然・結び ず栌助、 心埗 ぀る助動詞・完了・連䜓 なり助動詞・断定・終止。 これ こそ係り助詞 せうずく よ終助詞。 こ代名詞 の栌助 道 を栌助 立お䞋二段・連甚 お接助 侖 に栌助 あらラ倉・未然 む助動詞・仮定・連䜓 に栌助 は係助、 仏 だに副詞 よくク掻甚・連甚 曞き四段・連甚 たおた぀ら補助動詞・尊敬・四段・未然 ば接助、 癟千 の栌助 å®¶ も係助 出で来カ倉・連甚 な助動詞「ぬ」・匷意・未然 む助動詞・掚量・終止。 わ党たち こそ係り助詞、係り、 させる連䜓詞 胜 も係り助詞 おはせサ倉・未然 ね助動詞・打消・已然 ば接助、 物 を栌助 も係り助詞 惜しみ四段・連甚 たたぞ補助動詞・尊敬・四段・已然結び。」 ず栌助詞 蚀ひ四段・連甚 お接助、 あざ笑ひ四段・連甚 お接助 こそ係り助詞、係り 立お四段・已然 り助動詞・存続・連甚 けれ助動詞・過去・已然・結び。 そ代名詞 の栌助 のち に助動詞・断定・連甚 や係り助詞、 良秀 が栌助 よぢり䞍動 ず栌助 お接助、 今に副詞 人々、 めで合ぞ四段・已然/呜什 り助動詞・存続・終止。 『宇治拟遺物語』に぀いお 鎌倉時代初期に成立した説話集。線者は䞍明。茪数は玄二癟話からなる。癟九十䞃話 仏教に関した話が倚い。 第二グルヌプ 空を飛ぶ倉
null
null
高等孊校囜語総合/埒然草 䜜品解説 䜜者の兌奜法垫は、鎌倉時代の人物。 本名は、卜郚兌良うらべ かねよし。 はじめは、卜郚家が代々、朝廷に神職ずしお仕えおいたので、兌奜法垫も埌二条倩皇に仕えおいたが、のちに兌奜法垫は出家した。 京郜の「吉田」ずいう堎所に䜏んでいたので、吉田兌奜よしだけんこうずもいう。 花は盛りに 侀 - 倧意 花や月は、花の咲いおいる頃や、倜空に曇りの無い月など、その時期が芋所ずされおいる。それ自䜓は、圓然な感想であり、べ぀に悪くは無いけれど、いっぜうの咲いおない花や曇りや雚の倜空にも、たた、芋所がある。しかし、情趣を解しない人は、咲いおいる花だけしか楜しもうずしないようだ。 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - 花 - ここでは、桜さくらの花。日本の叀文では、「花」ず蚀ったら桜を指す堎合が倚い。 - ・芋るものかは - 芋るものだろうか。いや、そうではない。 反語衚珟になっおいる。「かは」は反語を衚す係助詞。 - ・なほ - やはり。 - ・たからで - 参りたせんので。「で」は打消しの終助詞。「たかる」の意味は「参る」である。「行く」の謙譲語。 - ・劣れるこずかは - 劣るだろうかいや、そうではない。 反語衚珟。 - ・咲きぬべきほど - 今にも咲きそうなほどの。「ぬ」は匷意の助動詞。「ぬべし」で匷意を衚す。 - ・さるこず - この文での意味は「もっずもなこず」「圓然なこず」。 - ・かたくななる人 - 颚流ではない人。趣深くない人。教逊の無い人。 - ・蚀ふめる - 「める」は婉曲の助動詞「めり」連䜓圢。 - ・ - 。 - 語泚 - ・雚に向かひお月を恋ひ - 挢文『類聚句題抄』るいじゅうくだいしょうからの文章「察雚恋月」をたねた衚珟。『類聚句題抄』は、源順みなもずのしたがうの著䜜。 - ・垂れ蟌めお春の行方知らぬ -叀今集に「垂れ蟌めお春のゆくぞも知らぬたに埅ちし桜もう぀ろひにけり」ずいう藀原因銙よるかの和歌がある 。 - ・詞曞こずばがき - 和歌の前曞き。和歌の前曞きでは、その和歌の制䜜に圓たっおの事情などを説明をしおいるこずが倚い。 - ・ - 。 二 - 倧意 どんなこずも始めず終わりにこそ趣があるものだ。恋愛も、男女が䌚うばかりが趣ではない。䌚えずにいおも、䞀人で盞手のこずを思いながらしみじみずするのも、恋の情趣であろう。 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・をかし - ここでの意味は「趣がある」。 - ・男女をずこをんなの情け - 男女の恋愛。 - ・ひずぞに - ひたすら。 - ・逢ひあひ、アむ芋る - ここでの意味は、男女が出䌚っお、契りを結ぶこずなど。けっしお、単に、䌚っお、芋るこずではない。 - ・蚀ふものかは - 蚀うものだろうか。「かは」は反語。 - ・あだなり - はかない。 - ・かこ぀ - 嘆く。 - ・色奜む - 恋の情趣を理解しおいる。珟代での悪い意味での「色奜み」ずは違うので泚意。 - 語泚 - ・遠き雲井 - 雲井ずは元の意味は倧空のこずだが、ここでは離れ離れになった恋人どうしのこず。 - ・浅茅あさぢが宿 - 荒れはおた家。茅ち、ちがやずは雑草の䞀皮で、むネ科の雑草。 - ・色奜む - 恋愛の情趣を理解する。 - ・ - 。 侉 - 倧意 月芋に぀いおも、満月よりも、他の月を芋ほうが趣深いだろう。 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・望月も぀づき - 満月。満月でかげり・曇りのなく照っおいる状態。 - ・心深う - 趣深く。ここでの「心」は情趣を理解する心のこず。「心深う」は「心深く」のり音䟿。 - ・圱 - 叀語での「圱」の意味には、珟代で蚀う「光」、人や者の「圱」、「姿」などの意味がある。ここでは「光」の意味。 - ・うちしぐれたる - 「うち」は接頭語で、さっず、の意味。 - ・むら雲 - 䞀たずたりに矀がっおいる雲。村雲。 - ・心あらむ友 - 情趣を理解する友人。 - ・心あらむ友もがな - 情趣を解する友人がいたらなあ。「もがな」は願望の終助詞。 - 語泚 - ・望月の隈なきを千里の倖たで - 挢文の『癜氏文集』はくしもんじょうに癜居易の詩の䞀節で、「䞉五さんご倜䞭やちゅう新月ノ月 二千里倖故人ノ心」さんごやちゅうしんげ぀の぀き にせんりがいこじんのこころずある。 - ・怎柎しいしば・癜暫しらかば - 䞡方ずもブナ科の垞緑高朚。 - ・ - 。 四 - 倧意 月芋や花芋は、盎接に目で芋るのを楜しむべきではなく、心で楜しむこずこそ、趣深いこずだ。だから、情趣のある人の楜しみ方は、あっさりしおいる。情趣の無い人は、なにごずも、物質的に、芖芚的に、盎接に楜しむ。 - 本文/珟代語蚳 第䞀䞉䞃段 - 語句重芁 - ・たのもしう - 期埅が持おお楜しみで。 - ・なほざり - 気にせずあっさりしおいる。 - ・たもりお - 芋続けお。芋぀めお。 - ・ - 。 - 語泚 - ・色濃く - し぀こく。 - ・あからめ - よそ芋。 - ・ - 。 品詞分解 奥山に猫たたずいふもの 侀 - 倧意 「猫たた」ず蚀う怪獣が出るずいう、うわさを聞いおいた連歌法垫が、ある日の倜、動物に飛び掛られたので、おっきり猫たたに襲われおいるず思っお、おどろいお川に飛び蟌んだ。 実は、法垫の飌い犬がじゃれお飛び぀いただけだった。 - 本文/珟代語蚳 第八十九段 - 語句重芁 - ・あなる - 「あるなる」の省略圢。ここでの末尟の「なる」は䌝聞の助動詞「なり」の連䜓圢。 - ・連歌れんが - 和歌の圢匏の䞀぀。和歌の五䞃五䞃䞃のうち、最初の五䞃五ず、あずの䞃䞃ずを分けお、二人以䞊の人で読む。さらに、句を䜕十句ず぀なげおいくのを長連歌ちょうれんがずか鎖連歌くさりれんがなどず蚀う。いっぜう、二句だけの、五䞃五ず䞃䞃だけで終わらすのを短連歌たんれんがず蚀う。ここでは、䜜品の曞かれた鎌倉時代の終わりごろには長連歌が流行っおいた。なので珟代では、本文の「連歌」ずは、長連歌だず思われおいる。 - ・ありかん - 「ありく」ずは、歩く、のこず。 - ・ころしも - 「頃しも」のこずで、意味は「ちょうどその頃」。必ずしも入詊などでは、挢字で「頃しも」ず本文が曞かれるずは限らないので泚意。「しも」は匷意を衚す副助詞。 - ・やがお - すぐに。 - ・頚くび - 銖。頭ず肩の間の郚分。 - ・防かん - 防ごう。「ん」は意志の助動詞。「防か」は、「防く」の未然圢。 - ・こはいかに - これはどうしたこずか。「こ」ずは、法垫が川に萜ちお、猫たたに襲われた助けおくれず、助けを求めおる状態。 - ・皀有にしお - かろうじお。やっずのこずで。「皀有にしお」は慣甚衚珟で、ぎりぎりで助かったずきに甚いる衚珟。「皀有」そのものの意味は「めったに無いこず」。 - ・垌有にしお助かりたるさたにお、這ふ這ふはふはふ家に入りけり。 この時点では、連歌法垫は、ただ「猫たた」だず思っおた動物が飌い犬だず気づいおいないか、あるいは、ただ腰を抜かした様子が盎っおないのだろう。 - 語泚 - ・猫たた - 劖怪の䞀皮。化け猫。猫のような顔で、䜓は倧型の犬のように長いずいう。『名月蚘』藀原定家の日蚘によるず「目は猫のごずく、其その䜓は犬のごずく長し。」、 - ・䜕阿匥陀仏 - 法垫の名前をがかしおある。圓時、浄土宗や時宗などで、法垫などの間で自称の末尟に「阿匥」「阿」を蚌する者が倚かった。たずえば「䞖阿匥」など。 - ・行願寺 - 京郜にあった倩台宗の寺。革堂こうどうずも蚀う。今は移転しお京郜垂䞭京区にある。圓時は今の堎所ず違い、䞊京区のあたりにあった。 - ・肝心きもごころ - 平垞心。正気。思考力。 - ・束 - たいた぀。「たいた぀」は挢字で束明たいた぀ず曞く。本文の「束ども」の、「ども」は、耇数を衚す接尟語。぀たり、いく぀もの束明で呚囲を照らしおいる状況に、本文の圓堎面は、なっおいる。本文で「家々より」ずあるので、耇数の家から、それそれの家の人が、たいた぀を持っおきた状況なのだろう。 - ・連歌の賭物 - 連歌の䌚の賞品。 - 鑑賞・解釈など おそらく䜜者の気持ちでは、笑い話、ず思っおるのだろう。 䜜者の兌奜法垫も、職業が同じく「法垫」なので、䜜者は色々ず思うずころがあっただろう。 品詞分解 亀山殿の埡池に 侀 - 倧意 埌嵯峚䞊皇ごさがじょうこうが亀山殿かめやたどのの埡池みいけに倧井川おおいがわの氎を匕き入れようずしお、地元の倧井の䜏人に氎車を造らせお、氎車は組みあがったが、思うように回っおくれず、氎を埡池に組み入れるこずができない。 そこで、氎車䜜りの名所である宇治から人を呌び寄せお、氎車を䜜らせたずころ、今床の氎車は、思いどおりに回っおくれお、埡池に川の氎を汲み入れるこずができた。 䜕事に぀けおも、その道の専門家は、貎重なものである。 - 本文/珟代語蚳 第五䞀段 - 語句重芁 - ・仰せおおおせお - お呜じになっお。「呜じる」「蚀う」などの尊敬語に圓たる。 - ・おほかた - 䞋に打消の語を䌎っお、党く「たったく」、党然の意味。 - ・いたづらに - なんの圹に立たずに。 「いたづらなり」なんの圹にも立たない、無駄だ、の意味。 - ・こしらぞさせられければ - 「させ」は䜿圹の助動詞で、察象は里人。「られ」は尊敬の助動詞で、察象は䞊皇。・・・ずいうふうに参考曞などでは解釈されおいる。蚳は、「お぀くらせになるず」などず蚳すず良いだろう。 - ・やすらかに - 容易に。やすやすず - ・めでたかりけり - 芋事であった。 「めでたし」すばらしい、芋事だ、の意味。 - ・やんごずなし - 尊い。貎重だ。たいしたものだ。 - 名蚀 - ・䞇よろづに、その道を知れる者は、やんごずなきものなり。 - この栌蚀は、けっこう有名な栌蚀なので、そのたた圓文章および蚳を芚えおしたっおも良い。蚳は「䜕事に぀けおも、その専門の道に詳しい者は、貎重なものである。」などず蚳す。 - 語泚 - ・亀山殿かめやたどの - 珟圚の京郜垂右京区にある倩韍寺。 - ・倧井川おおいがわ - 京郜の嵐山の麓ふもずを流れる川。 - ・たかせられん - お匕き入れになさろう。 - ・土民 - 土地の䜏民。 - ・宇治うじ - 珟圚の京郜垂宇治垂および呚蟺のあたり。 - ・やすらかに結びお - やすやすず組み立おお。 - ・ - 。 品詞分解 高名の朚登り 侀 - 倧意 朚登りの名人が、他人を朚に登らせるずき、登っおいるずきには泚意しないで、䞋りおきおから気を぀けるように泚意しおいた。筆者の兌奜法垫が、わけを尋ねたずころ、「人間は、自分が危険な高い堎所にいる時には、本人も甚心するので、私は泚意しないのです。ですが、降りるずきは安心しおしたうので、甚心しなくなっおしたいがちなので、甚心させるように泚意するのです。倱敗は、むしろ安党そうな時にこそ、起こりやすいのです。」ず蚀うようなこずを蚀った。 朚登り名人の意芋は、身分の䜎い者の意芋だが、聖人の教えにも匹敵するような、立掟な教蚓であろう。 - 本文/珟代語蚳 第䞀〇九段 - 語句重芁 - ・いず - ずおも。 - ・あやしき - 本文では「身分が䜎い」の意味。 「あやし」の意味はいく぀かあり、䞍思議だ。 、みっずもない。 身分が䜎い。 本文では。 - ・仕た぀る぀かた぀る - 動詞「す」「行ふ」などの謙譲語。 - ・かなぞり - 匹敵する。 - ・ - 。 - 語泚 - ・掟おおおきおお - 指図しお。 - ・䞋臈げろう - 身分の䜎い者。本来、「臈」ずは、僧の、修行を積んだ幎数のこず。仏道では、修行の幎数の䜎い者を「䞋臈」ず呌んでいた。いっぜう、修行を倚く積んだ者は「䞊臈」ず蚀う。 - ・鞠たり - 蹎鞠けたりのこず。蹎鞠ずは、貎族の遊戯の䞀぀で、革靎をはいた数人の者たちが鞠を蹎り䞊げあっお、地面に萜ずさないように、䜕床も数人で蹎り䞊げ続ける遊び。 - ・ - 。 品詞分解 䞹波に出雲ずいふ所あり 侀 - 読解䞊の泚意 - ・ 本策の䞻人公は、聖海䞊人しょうかいしょうにん。本䜜では、他人から参拝に誘われお、京郜の神瀟ぞ参拝する。 - ・ 参拝に誘った人物は「しだのなにがし」である。聖海䞊人が誘ったのではない。 - ・ 参拝した先は京郜䞹波にある神瀟。この京郜の神瀟は、兵庫県の出雲倧瀟に関係がある神瀟。聖海䞊人たちは、出雲倧瀟には参拝しおいない。島根県に出雲倧瀟がある。 - 予備知識 京郜の䞹波にある神瀟は、出雲倧瀟から神霊を分けおもらっおいる。぀たり、耇数の神瀟で、同じ神がた぀られおいる。 出雲倧瀟の䞻神は倧囜䞻オオクニヌシ。 - 倧意 䞹波の囜にある出雲神瀟を、聖海䞊人しょうかいしょうにんが倧勢の人たちずいっしょに参拝した。 瀟殿の前にある像の、狛犬こたいぬの像ず獅子ししの像ずが背䞭合わせになっおいるのを芋お、聖海䞊人は早合点をしお、きっず深い理由があるのだろうず思い蟌み、したいには䞊人は感動のあたり、䞊人は涙たで流し始めた。 そしお、出雲倧瀟の神官に像の向きの理由を尋ねたずころ、子䟛のいたずらだず蚀われ、神官は像の向きを元通りに盎しおた。 䞊人の涙は無駄になっおしたった。 - 本文/珟代語蚳 第二䞉六段 - 語句重芁 - ・あな めでたや - 「あな」は感動したずきの蚀葉。「ああ」。 - ・めでたく - すばらしい。立掟だ。 - ・ゆゆしく - 倚くの意味があるが、ここでの意味は「皋床が甚だしいはなはだしい」。 - ・おずなし - 倧人らしい。 - ・殿ばら - 皆様方。「ばら」は耇数を衚す。 - ・無䞋なり - ひどい。 - ・あやしむ - 䞍思議がる。 - ・ゆかしがりお - 知りたがっお。芋たがっお。聞きたがっお。 語源は「行かしがりお」が転じたず考えられおいる。 - ・さだめお - きっず。 - ・ばや - 願望を衚す終助詞。 「承らばや」  承りたい・お䌺いしたい、 などず蚳す。 - ・さがなき - 性栌が悪い。いたずら奜き。 - ・仕り぀かた぀りける - ここでの叀語「仕る」぀かた぀るの意味は、珟代の「する」の謙譲語。ここでの意味ずは違うが、「お仕えする」ず蚀う謙譲語の意味も、叀語「仕る」にはある。 - ・いたづらに - 無駄に。 - ・ - 。 - 語泚 - ・䞹波に出雲ずいふ所 - 珟代でいう京郜府 亀岡垂 千歳ちずせ町。ここには出雲倧瀟は無い。 - ・倧瀟 - 出雲倧瀟。珟代でいう島根県にある。 - ・掻逅かいもちひ - がたもち。おはぎ。 - ・぀ず - みやげ。 - ・ - 。 品詞分解 九月二十日のころ 侀 - 倧意 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - 語泚 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 品詞分解 第二グルヌプ これも仁和寺の法垫 - 倧意 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - 語泚 - ・仁和寺 - 。 - ・ - 。 - ・足錎 - 。 - ・垷子 - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 静かに思ぞば - 倧意 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - 語泚 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 ある人、匓射るこずを習ふに - 倧意 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - 語泚 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 友ずするにわろきもの - 倧意 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - 語泚 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 神無月のころ - 倧意 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - 語泚 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 名を聞くより - 倧意 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - 語泚 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 雪のおもしろう降りたりし朝 - 倧意 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - 語泚 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 今日はそのこずをなさんず思ぞど - 倧意 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - 語泚 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 ぀れづれなるたたに - 倧意 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - 語泚 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。
null
null
高等孊校囜語総合/故事・寓話 苛政は虎よりも猛なり 癜文ず曞き䞋し文 (原兞:『瀌蚘』) - 倫子:先生や幎長者ぞの敬称。ここでは孔子のこず。 - 匏:「軟」ず同じ。銬車の前面の暪朚に手を茉せお、䞊䜓をかがめお敬瀌するこず。 - 子路:孔子の匟子・仲由の字(あざな)。孔子より9歳䞋で、匟子たちの䞭では幎長。 - 苛政:人々を苊しめる政治。特に厳しい租皎や賊圹を指す。 - 小子:門䞋生や匟子ぞの呌びかけ。 重芁衚珟 - 䜿子路問之:子路をしお之に問はしめお - 䜿二ムAヲシテB䞀セ:「AにBさせる」の意味。 - 䜕為䞍去也:䜕為れぞ去らざるやず。 - 䜕為レゟ也:「なんすレゟダ」ず読む。「どうしおか」ずいう疑問圢。 珟代語蚳 孔子が泰山のそばを通った。墓のずころで声を䞊げお泣く婊人がいお、(その様子は)悲しげだった。先生は車の暪朚に手を぀いお䞁寧に瀌をしおその声を聎いお、子路に(䌝蚀しお)そのわけを質問させた。(質問内容は以䞋の通り)「あなたが声を䞊げお泣く様子は重ね重ねの悲しみがおありのようです。」そうしたら(その婊人は)蚀った。「そうです。昔、私の舅が虎によっお死に、私の倫もたた(虎によっお)死に、今床は私の子が(虎によっお)死にたした。」先生は「どうしお(危険なこの堎所を)立ち去らないのですか」ず蚀った。(婊人は)「ひどい政治がないからです」ず蚀った。先生は「おたえたち、このこずをよく芚えおおきなさい。ひどい政治は虎よりも恐ろしいのだ」ず蚀った。 解説 䞭囜においお虎は最匷の動物ずされおきた。そんな虎よりも獰猛(たたは恐ろしい)のが厳しい政治だずいう話である。 朝䞉暮四 癜文ず曞き䞋し文 (原兞:『列子』) 語釈 - 宋そう: 春秋戊囜時代の囜の䞀぀。 - 狙公そこう: 「狙」は猿さるのこず。狙公は猿を飌う人・サルたわしのこず。しかし、職業を人名のようにするこずがあるため、「狙公」を普通の名前のようにしおもよい。 - 家口かこう: 家族が口にする食物。 - 芧しょ: トチ。トチの実はドングリずは異なるが、珟代語蚳のずきには「ドングリ」ず蚳すこずがある。 - 欲よく - この文猿の欲を埗たりでは、食欲のこず。 - 若なんじ - おたえ。二人称の代名詞。 - 誑くあざむく - だたす。欺くあざむく。 - 衆狙 - 猿ども。倚くの猿。 - 限 - 制限する。 - 銎なれ - な぀く。 重芁衚珟 - 胜よク - 可胜の意味を衚す助字。 - 狙亊埗公之心: 狙も亊た公の心を埗たり。 - 亊:この字を単独で䜿うず「同様に」の意味。「たタ」ず読むが意味の異なる字が倚いので泚意したい。 - 将限其食: 将に其の食を限らんずし。 - 将たさ二: 「たさニ(セント)ス」ず読む再読文字。意味は「ちょうどしようずする」。 - 足乎たルか: 足りるか。「乎」は疑問を衚す助字。 珟代語蚳 宋そうに狙公(そこう)ずいう者がいた。(圌は)サルを愛しお逊い(増えおいき)矀れをなしおいた。(狙公は)よくサルの心がわかり、サルもたた狙公の気持ちがわかった。(狙公は)自分の家族の食事を枛らしおも、サルの食欲を満足させた。(ずころが)突然、貧乏になった。(そこで)サルの食事を枛らそうずしたが、サルたちが自分になじたなくなるこずを恐れた。たず、サルをだたそうずしお蚀った。「お前たちにトチの実を䞎えるのに、朝は䞉぀、倕方に四぀にしよう。足りるか。」サルたちはみんな立ち䞊がっお怒った。(そこで圌は)急に(蚀葉を倉えお)蚀った。「(では) お前たちにトチの実を䞎えるのに、朝は四぀、倕方に䞉぀にしよう。足りるか。」サルたちはみんなひれ䌏しお喜んだ。 解説 この故事成語「朝䞉暮四」だが、狙公の立堎ずサルの立堎ずで意味が異なる。 - ぀たらない技で人をだたすこず。 - 目の前の差に惑わされお、本質が同じこずに気が぀かないこず。 狙公の立堎なら前者、サルの立堎なら埌者の意味で取れる。どちらも甚法は正しい。 朝少ないず損をした気分になるが、朝を増やしお倜を枛らせば䞀緒である。このこずに気が぀かないのが、猿知恵ずいえよう。 虎の嚁を借る狐 孊校教科曞では、たずえ話の郚分が出るが、参考曞では、たずえの前埌の楚その宣王の話も出るので、時間があれば、そこも勉匷しおおくこず。 原文ず曞き䞋し文 (原兞: 『戊囜策』) 語釈 - 荊: 楚そず同じ。 - 北方: 楚は長江流域にあったため、黄河流域を䞭心ずした他の囜々をこう呌んだ。 - 昭奚恀: 楚の什尹(宰盞・君䞻を補䜐した最高䜍の官職)。 - 江乙: 楚の家臣。 - 倩垝: 䞭囜における最高神。 - 垯甲・甲兵: 「甲」はよろいの意味。転じおここでは兵士。 - 果誠䜕劂: 果たしお誠か䜕劂。 - 䜕劂:疑問詞で状態を問う堎合に䜿う(劂䜕ず混同しないこず。こちらは手段を問う)。「どうか」「いかがか」。 重芁衚珟 - 無敢食我也: 敢ぞお我を食らふこず無かれ。 - 「無敢〜」で「けっしお〜するな」の意味で、匷い犁止きんしを衚す。「也」は、ここでは、断定や匷意を衚す眮字おきじ。 - 䞍(無)二敢䞀:匷い吊定。「敢䞍二䞀」ず混同しないようにしたい。「敢」だけなら、しづらい事を、抌し切っお実行するこず。その「敢」の吊定圢だから、犁止の意味合いになる。 - 䜿我長癟獣: 我をしお癟獣に長たらしむ。 - 䜿二ムAヲシテB䞀セ:「AにBさせる」の意味。「䜿」は䜿圹しえきを衚す。ただしここでは応甚圢の「䜿䞉ムAヲシテC二セB䞀ニ」(AをBにCずした)の圢ずなっおいる。「しむ」は日本語の叀文での䜿圹の助動詞なので、曞き䞋し文では、必ず平仮名で曞き䞋す。 - 敢䞍走乎: 敢ぞお走らざらんや。 - 敢䞍二䞀:「どうしおしないだろうか、いやする」ずいう反語はんご衚珟。぀たり、「敢ぞお走らざらんや。」「どうしお逃げないだろうか」→「いや、きっず逃げるはずだ。」ずいう意味。 - なお、「䞍(無)二敢䞀」ず混同しないようにしたい。 本文は混同しやすい句法も倚いため、重芁句法をよく確認しおおきたいずころである。 - 遂に: 「故 に遂 に之 ず行 く。」より「そのたた」の意味。「ずうずう」ではないので、泚意。 参考衚珟 - èµ°: 「逃げる」の意味。逃走。 - 癟獣: 倚くの獣。すべおの獣。 - 而: 順接を衚す眮き字。 - 食: 挢文の蚓読では必ず「くらう」ず読む。「くう」ずは読たない。 - 子し: あなた。二人称の敬称。ここでは「虎」を衚す。 - 今いた: 仮定を衚す。もずもずは、珟圚の時を衚す語句だが、そこから転じお、仮定の意味を持぀堎合もある。 - 吟: 「我」ず同じ䞀人称だが、「我」よりも気取った蚀い方。 - 䞎之:※ 原文の語句 「䞎」は「 - 獣之を芋お皆走る: ここでの「之」は、「虎」のこず。 珟代語蚳 楚その宣王せんおうが家臣たちに「私は北方の囜々が昭奚恀しょうけいじゅ぀を恐れおいるず聞いた。(これは)はたしお本圓なのかどうなのか」ず聞いた。家臣たちは答えなかった。江乙こうい぀がこう答えお蚀った。「虎がたくさんの動物を探しお食べおいたずころ、狐を捕たえたした。狐は『君は決しお私を食べおはいけない。倩垝おんおい、意味:神様のこずは私を党おの動物の長官ずした。今、君が私を食べたなら、それは倩垝の呜什に逆らうこずになるのだ。(もし)君が私の蚀ったこずを信じないのならば、私は君のために先に立っお行こう。君は私の埌ろに埓っお芋おみなさい。党おの動物は私を芋るず必ず逃げ出す』ず蚀いたした。虎はそれをもっずもだず思いたした。ですから、結局、狐ず(䞀緒に)歩きたした。動物たちは狐ず虎を芋るずみんな逃げたした。虎は動物が自分を恐れお逃げるのを知りたせんでした。『狐を恐れおいるのだ』ず思いたした。(さお、)今、王様の領地は五千里四方で兵士は癟䞇人おりたすが、それをすっかり昭奚恀に任せおおりたす。ですから、北方の囜々は奚恀を恐れおいたすが、実のずころ王様の兵隊を恐れおいるのです。が、(それは先ほどの話の䞭で)党おの動物が虎を恐れおいたのず同じなのです。」 解説 「虎の嚁を借る狐」の語源ずなった話。これから「勢力や暩力者の圱響力を利甚しおいばる人物」の意味ずなった。なお、この話は暩力を持぀者ぞの譊告ずもずれる。 人物関係 虎に䟋えられおいる人物は、宣王せんおう。狐に䟋えられおいる人物は、昭奚恀しょうけいじゅ぀である。この喩え話を考えお話した人物は、江乙こうい぀である。 ぀たり、江乙こうい぀は、遠回しに、昭奚恀しょうけいじゅ぀を批刀しおいる。 「癟獣」は、楚その呚蟺諞囜の䟋え。぀たり、秊しん・魏ぎ・斉せいの囜が、癟獣。 珟圚の意味 珟圚、「虎の嚁を借る」の意味は、「実力の䜎い小人物が、暩力を持぀他人にずり行っお、その暩力ある他人の力に頌っお、小人物が嚁匵り散らすこず。」のような意味で䜿われる。「虎の嚁を借る狐」ずは、そのような小人物のこず。 この甚法では、「虎」が、暩力・暩嚁のある人物ずしお、扱われおいる。 持倫の利 原文ず曞き䞋し文 (原兞: 『戊囜策』) - 蘇代: 「合埓連衡」に登堎した蘇秊の匟。やはり瞊暪家ずしお蘇秊の埌を぀いで掻動した。 - 臣: 君䞻に察する臣䞋。これから臣䞋の䞀人称(「私」)ずなった。 - 易氎: 趙ず燕の囜境ずなっおいた川。 - 蚌: ドブガむ。ハマグリず解釈するこずもある。どちらも二枚貝で食甚になる。 - 曝: 「日光にさらす」の意味。 - é·ž: シギ。湿原や草原に䜏み、貝やカニなどを食べる。食甚になる。 重芁衚珟 - 趙䞔䌐燕:趙䞔に燕を䌐たんずす。 - 侔:「たさニ(セント)ス」ず読む再読文字。意味は「ちょうどしようずする」。 - 即・乃:ずもに「すなはチ」ず読むが意味が異なる。「即」は「すぐに」、「乃」は「そこで」「ずころが」。 珟代語蚳 趙がいたにも燕を攻撃しようずした。蘇代は燕のために(趙の)恵王にこう蚀った。「今日、わたくしがここに来るずころ、易氎を通りたした。どぶ貝がちょうど出おきおひなたがっこをしおいたした。するずシギがどぶ貝の肉を぀぀きたした。どぶ貝は(貝殻を)閉じおシギのくちばしを挟みたした。シギは『今日雚が降らず、明日も雚が降らなければ、たちたち死んだどぶ貝ができるぞ』ず蚀いたした。どぶ貝もたたシギに向かっお『今日、(くちばしが)抜けず、明日も抜けなければ、たちたち死んだシギができあがるぞ』ず蚀いたした。䞡方ずも盞手を攟すこずを承知したせん。(そうしたずころ、やっおきた)持垫が䞡方䞀床に捕たえおしたいたした。(さお、)今、趙はいたにも燕を攻撃しようずしおいたす。燕ず趙が長く互いに争っおいるず民衆は疲れるでしょう。わたくしは匷倧な秊が(先ほどの話の)持垫になるこずを恐れるのです。王様はこのこずを良くお考えください。」恵王は「そのずおりだ」ず蚀った。そしお(燕を攻撃するこずを)やめた。 解説 元々は原文から「持父(ぎょほ)の利」ず蚀われたが今では「持倫の利」ず曞く。「鷞蚌の争い」ずも呌ばれる。ただし意味の倉化はなく、いずれも意味は「争っおいる隙に第䞉者が利益を埗る」である。 さお、ここに出おくる蘇代のような遊説家は蚀葉次第で地䜍を高めるこずもできるが、倱敗すれば最悪の堎合、呜の危険にさらされる。だからこそ、圌らはたくみなたずえ話を甚いお自説を説く必芁があった。この「持倫の利」は優れたたずえ話の䞀぀に数えられるだろう。 蛇足 原文ず曞き䞋し文 (原兞: 『戊囜策』) - 祠る者 :神霊を祭る人。神官。 - 舎人 :門人。いそうろう。食客。 - 巵酒 :「巵」は倧杯(おおさかずき・たいはい)のこずで4升(圓時の1升は玄190ml。よっお玄720ml)入る。転じお倧杯䞀杯の酒。 - 請う :䞁寧・婉曲なお願いに䜿う。珟代語蚳では「䜕々しようではないか」「どうぞ䜕々させおください」。 重芁衚珟 - 䞔飲之:䞔に之を飲たんずす。 - 侔:「たさニ(セント)ス」ず読む再読文字。意味は「ちょうどしようずする」。 - 未成:未だ成らず。 - 未:「いたダズ」ず読む再読文字。意味は「ただしおいない」。 - 子安胜為之足:子安んぞ胜く之が足を為らん。 - 安:「いずくンゟ」。「どうしおか、いやではない」ずいう反語衚珟。 珟代語蚳 楚に神官がいた。その食客に倧杯䞀杯の酒を䞎えた。食客たちは盞談しお蚀った。「数人でこれを飲めば足りないし、䞀人で飲めばあたるほどある。地面に蛇を描いお、䞀番先にできた者が酒を飲むようにしよう。」䞀人の蛇がたず描き䞊がった。酒を匕き寄せお、いたにも飲もうずした。そしお、巊手で杯をもっお、右手で蛇を曞き足しお、「私は蛇の足を描くこずができる」ず蚀った。(しかし、その足は)ただできなかった。(そのうち別の)䞀人の蛇が完成した。最初に蛇を描いた者の杯をうばっお「蛇にはもずもず足はない。君はどうしお蛇の足を描けるのだ(いや、描けはしない)。」ず蚀った。結局、(二番目に蛇を描いた者が)その酒を飲んだ。蛇の足を描いた者は、ずうずう酒を飲みそこなった。 解説 速く曞きあがった者は䜙裕を芋せた぀もりだったが、「蛇には足がない」ず぀っこたれお結局、酒を飲み損ねた。この話から、「蛇足」は「よけいな぀けたし」「無甚の長物」の意味を持぀。「画蛇添足」ずいうこずもある。
null
null
高等孊校囜語総合/方䞈蚘 ゆく河の流れ 侀 - 本文/珟代語蚳 - 倧意 䞖の䞭のものはすべお、い぀かは死んで滅びる。䞀芋するず、長幎倉わりのないように芋える物でも、たずえば川の流れのように、叀いものが消えおは、新しいものが来おいるずいう結果、倖から芋るず川の圢が倉わらずに芋えおいるだけに過ぎないように、じ぀は川の䞭身が倉わっおおり、川の昔の氎は流されおしたうように、決しお、ある人が氞久に繁栄し぀づけるこずは出来ない。 - 語句重芁 - ・絶えずしお - 「絶え」は動詞「絶ゆ」の未然圢。「しお」は接続助詞。 - ・よどみ - 川などの流れの䞀郚分が、障害物で停滞するこず、たたは停滞した郚分。珟圚でも、文孊に限らず、川や颚などの液䜓・気䜓の流れで、障害物などにより、呚囲よりも流れが遅くなり停滞しおいる箇所がある堎合、そのように流れの停滞しおいる箇所の事を、「よどみ」淀みず蚀う。 - ・か぀消えか぀結びお - 「か぀」は副詞。「か぀」の意味は「䞀方では」。「䞀方では消えお、もう䞀方では出来お」。 - ・ためし - 前䟋。先䟋。 - ・かくのごずし - このようなものである、の意味。「ごずし」は比況の助動詞であり、意味は「たるで・・・のようだ」。 - 語泚 - ・うたかた - 氎面の泡。はかない物のたずえ。 - ・ - 。 察句になっおる箇所 「ゆく河の流れは絶えずしお、しかも、もずの氎にあらず。」 - ず 「よどみに浮かぶうたかたは、か぀消えか぀結びお、久しくずどたりたるためしなし」 においお、それぞれ察句は、 - ・「ゆく川の」 ず 「よどみに浮かぶ」 - ・「流れは」 ず 「うたかたは」 - ・「絶えずしお」 ず 「か぀消えか぀結びお」 - ・「しかも・・・あらず」 ず 「ひさしく・・・ためしなし」 などのように察句になっおいる。参考曞によっお区切り方が埮劙に違うので、あたり厳密には、こだわらなくお良いだろう。 次の文の 「䞖の䞭にある人ずすみかず、たたかくのごずし。」にも察句がある。 - ・「人」 ず 「すみか」 が察句になっおいる。 品詞分解 ゆく(動詞・四段・連䜓) æ²³(名詞) の(栌助詞) 流れ(名詞) は(係助詞) 絶え(動詞・䞋二段・未然) ず(助動詞・打消・連甚) しお(接続助詞)、 しかも(接続詞)、 もず(名詞) の(栌助詞) æ°Ž に(栌助) あら(補助動詞・ラ倉・未然) ず(助動・打消・終止)。 よどみ(名) に(栌助) 浮かぶ(四段・連䜓) うたかた(名) は(係助)、 か぀(副詞) 消え(䞋二・甚) か぀(副詞) 結び(四・甚) お(接助)、 久しく(圢容詞・シク・甚) ずどたり(四段・甚) たる(助動・存続・䜓) ためし(名) なし(圢・ク・終)。 䞖の䞭(名) に(栌助) ある(動・ラ倉・䜓) 人(名) ず(栌助) すみか(名) ず(栌助)、 たた(副詞) かく(副詞) の(栌助) ごずし(助動・比況・終止)。
null
null
高等孊校囜語総合/枕草子 雪のいず高う降りたるを 侀 - 芁旚 䞭宮定子ちゅうぐうおいしは、枅少玍蚀せいしょうなごんの知識を詊そうずしお、雪の日に、癜居易はくきょいの詩を匕甚しお、「銙炉峰かうろほうの雪は、どうなっおるか。」ず問いかけた。枅少玍蚀は癜居易の詩句のずおりに、簟すだれを高く巻き䞊げお、䞭宮を満足させた。 - 備考 䞭宮定子は、女性。藀原 定子ふじわら の おいし。枅少玍蚀は、䞭宮定子に仕えおいた。 - 倧意 - 本文/珟代語蚳 第二八〇段 - 語句重芁 - ・さべき - ふさわしい。「さべき」は「さるべき」の倉化。 - ・さべきなめり - ふさわしいようだ。「めり」は掚量の助動詞「めり」の終止圢。「なめり」は「なるめり」の撥音䟿。 - ・ - 。 - 読解 - ・さるこず - 癜居易の詩句「銙炉峰の雪は簟すだれを撥げおかかげお看るみる。」のこず。 - ・この官の人 - 䞭宮定子のこず。 なお、「宮」の文字通りの意味では、叀語でも宮殿の意味がある。 - 語泚 - ・炭櫃すび぀ - いろり。四角い火鉢。 - ・銙炉峰こうろほうの雪 - 癜居易の詩『癜氏文集』に「銙炉峰の雪は簟すだれを撥げおかかげお看るみる。」ずある。詳现は「高等孊校叀文/挢詩/銙炉峰䞋、新卜山居、草堂初成、偶題東壁」を参照 - ・ - 。 品詞分解 品詞分解 雪名詞の栌助詞いず副詞高う圢容詞・ク掻甚・連甚圢のり音䟿降りラ行四段掻甚・連甚圢たる存続の助動詞・連甚圢を接続助詞、䟋名詞なら断定の助動詞・未然圢ず打消の助動詞・連甚圢埡栌子名詞たゐりラ行四段掻甚・連甚圢お接続助詞、炭び぀名詞に栌助詞火名詞おこしサ行四段掻甚・連甚圢お接続助詞、物語名詞など副助詞しサ行倉栌掻甚・連甚圢お接続助詞集たりラ行四段掻甚・連甚圢さぶらうハ行四段掻甚・連䜓圢に接続助詞、「少玍蚀名詞よ終助詞。銙炉峰名詞の栌助詞雪名詞いかなら圢容動詞「いかなり」の未然圢む掚量の助動詞「む」の終止圢。」ず栌助詞仰せサ行䞋二段掻甚・未然圢らるれ尊敬の助動詞・已然圢ば接続助詞、埡栌子名詞䞊げガ行䞋二段掻甚・未然圢させ䜿圹の助動詞・連甚圢お接続助詞、埡簟名詞を栌助詞高く圢容詞・ク掻甚・連甚圢䞊げガ行䞋二段掻甚・連甚圢たれ完了の助動詞・已然圢ば接続助詞、笑はハ行四段掻甚・未然圢せ尊敬の助動詞・連甚圢たたふ尊敬の補助動詞・ハ行四段掻甚・終止圢。 人々名詞も係助詞「さるラ行倉栌掻甚・連䜓圢―連䜓詞こず名詞は係助詞知りラ行四段掻甚・連甚圢、歌名詞など副助詞に栌助詞さぞ副助詞歌ぞハ行四段掻甚・已然圢ど接続助詞、思ひハ行四段掻甚・連甚圢こそ係助詞よらラ行四段掻甚・未然圢ざり打消の助動詞・連甚圢぀れ完了の助動詞・已然圢。なほ副詞、こ代名詞の栌助詞宮名詞の栌助詞人名詞に栌助詞は係助詞、さ副詞たたはラ行倉栌掻甚「さり」の連䜓圢「さる」の撥音䟿無衚蚘べき圓然たたは適圓の助動詞「べし」の連䜓圢な断定の助動詞「なり」の連䜓圢の撥音䟿無衚蚘めり掚定の助動詞・終止圢。」ず栌助詞蚀ふハ行四段掻甚・終止圢。
null
null
高等孊校囜語総合/源氏物語 『源氏物語』 䜜者玫匏郚 光源氏ひかるげんじの誕生 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・いづれの埡時おおんずきにか - どの垝の埡代みよであったか。 - ・女埡、曎衣 - 䞡方ずも倩皇の倫人である身分。皇后・䞭宮の地䜍に次いで女埡があり、女埡に次いで曎衣がある。 - ・あたた - たくさん。数倚く。 - ・やむごずなし - 身分が高い。䞊々でない。 - ・際きわ - 身分。 - ・時めき - この語を女性に䜿う堎合、「寵愛を受ける」の意味。珟代語での「寵愛」の読みは「ちょうあい」。叀語䞀般には「時めく」の意味は「時流に乗る」の意味。 - ・ - 。 䜜者・䜜品解説 - 源氏物語 物語。䜜者は玫匏郚。平安時代の䜜品。五十四垖じょうからなる。 - 玫匏郚 藀原為時ためずきの嚘。生没幎未詳。  九䞃○幎  䞀○䞀九幎  宮仕え先は䞭宮地子ちゅうぐう しょうしに仕え、女房ずしお仕えた。䞭宮地子は、䞀条いちじょう倩皇の䞭宮である。 『源氏物語』の倧たかな内容 恋物語。光源氏が女ったらしな男性貎族なので、いろんな女ずの恋愛をする。光源氏はモテるずいう蚭定である。容姿は玠晎らしいずいう蚭定である。そもそも呌び名の「光源氏」の「光」が、その矎貌を元に付けられた呌び名である。よっお「光」は、べ぀に本名ではない。光源氏は、教逊も知性も高いずいう蚭定である。 䜜䞭には、ほが、たったく政治や行政などの実務的な話は出ず、ほずんどが恋愛に関する内容である。 - 予備知識 『源氏物語』の䞻人公は光源氏ひかるげんじずいう男である。冒頭の章の内容は、光源氏が生たれる前の話で、母芪を玹介する話である。父芪は垝で桐壺垝きり぀がおいである。光源氏の母芪は「桐壺の曎衣」きり぀がのこういなどず呌ばれる。 光源氏は、倩皇の子である。よっお、光源氏の身分は、地䜍のそこそこ高い貎族である。 䜜䞭の時代背景は、はっきりずは曞いおいないが、おおむね平安時代のような蚘述である。そもそも『源氏物語』は平安時代に曞かれた䜜品である。 - 泚意事項 - ・鎌倉幕府や平家物語などでの歊士の「源氏」ずは、光源氏は無関係である。 品詞分解 いづれ(代名詞) の(栌助詞) 埡時(名詞) に(助動詞・断定・甚意) か(係助詞)、女埡(名詞)、曎衣(名詞) あたた(副詞) 候ひ(動詞・四段・連甚) 絊ひ(補助動詞・四段・連甚) ける(助動詞・過去・連䜓) なか(名詞) に(栌助詞)、いず(副詞) やむごずなき(圢容詞・ク・連䜓) 際(名詞) に(助動詞・断定・甚) は(係助詞) あら(補動・ラ倉・未) ぬ(助動詞・打消・䜓) が(栌助詞)、 すぐれお(副詞) 時めき(動詞・四・甚) 絊ふ(補動・四・䜓) あり(動・ラ倉・甚) けり(助動詞・過去・終止)。
null
null
高等孊校囜語総合/挢文/先埓隗始 先埓隗始先づ隗より始めよずは、故事成語の䞀぀。 先埓隗始 - たず かいより はじめよ。 元々は『戊囜策』「燕策」の䞀぀である。 本文は『十八史略(原䜜者 珟代語蚳 燕えんの囜の人々は倪子の平を立おお王ずした。これが昭王しょうおうである。戊死者を匔いずむらい、生存者を芋舞い、ぞりくだった蚀葉遣いをし、倚くの瀌物を甚意しお、賢者を招聘しょうぞいしようずした。昭王は郭隗にたずねお、「斉はわが囜の混乱に぀けこんで、燕を攻め砎った。私は燕が小囜で、報埩できないこずをよく承知しおいる。(そこで)ぜひずも賢者を味方に埗お、その人物ず共に政治を行い、先代の王の恥をすすぐこずが、私の願いである。先生、それにふさわしい人物を掚薊しおいただきたい。私自身その人物を垫ずしおお仕えしたい」ず蚀った。 郭隗かくかいは、「昔の王で、涓人けんじんに千金せんきんを持たせお、䞀日いちにちに千里せんり走る名銬めいばを買いに行かせた者ものがおりたした。(ずころが、涓人は)死んだ銬の骚を五癟金で買っお垰っお来たした。王は怒りたした。涓人は蚀いたした『(名銬であれば)死んだ銬の骚でさえ(倧金を出しお)買ったのです。たしお生きおいる銬だったらなおさら(高く買うに違いないず䞖間の人は思うこずでしょう)。千里の銬はすぐにやっお来たす』ず。䞀幎もたたないうちに、千里の銬が䞉頭もやっお来たした。今、王がぜひずも賢者を招き寄せたいずお考えならば、たずこの隗かいからお始めください。(そうしたら)私より賢い人は、どうしお千里の道を遠いず思いたしょうか。いや、遠いず思わずにやっお来るでしょう。」ず答えた。 そこで昭王は郭隗のために新たに邞宅を造っお郭隗に垫事しじした。その結果、賢者たちは先を争っお燕に駆け぀けた。 解説 「隗より始めよ」かいより はじめよずいう故事成語の基になった話である。もずもずこの話からわかるように「私からたず䜿っおください」ずいう自薊の蚀葉だったのが、だんだん意味が倉化しお「物事にずりかかろうずする時は、たずは、なるべく身近な課題から解決しなさい。」「たずは蚀い出した本人から、始めなさい。」ずいうような意味で䜿われるこずが倚くなっおいる。 気を぀けたいのは郭隗のたずえ話である。「死んだ銬」ずいっおも、けっしお、なんでもよい蚳ではない。名銬だからこそ死んでも䟡倀があり、たしお生きた名銬ならもっず䟡倀がある、ずいうこずである。「どこぞの銬の骚」でも良いわけではない。ここに郭隗の(いくらか謙遜の混じった)自己掚薊が芋えおくるようである。 さお、ここでは省略したが、この郭隗の策は倧圓たりしお、埌に戊囜時代の名将ずされる楜毅がくき、がっきが燕にやっおくる。そしお昭王の望んだずおり燕は斉に猛反撃を行い、楜毅の掻躍によっお斉の70あたりの城を奪ったずいう。 癜文ず曞き䞋し文 (原兞: 十八史略) 重芁衚珟 - 死銬䞔買之。況生者乎 - 死銬すら䞔぀之を買ふ。況んや生ける者をや。 - 「A すら䞔぀か぀ B 、況んやいわんや C 乎や」 - Aですら B するのだ。たしお C ならば、なおさらでBあろう。 この「死銬䞔〜」の堎合、「死銬ですら、これを買うのだから、たしお生きおいる名銬なら、なおさら高く買うだろう。」のような意味。 なお、文䞭の「之」ずは、死んだ名銬のこず。 このような句法( A 侔 B 、況 C )を、抑揚よくようずいう。 - 豈遠千里哉 - 豈にあに千里せんりを遠しずおしずせん哉や。 - どうしお「千里を遠い」ず思うのだろうか。いや、思うはずがない。 「豈に」あにで、'反語'はんごの意味である。蚳すずきは、「どうしお〜〜か。いや、そうではない。」などのように蚳す。 たた、文末の「哉」やは、感動を衚す助字。 - 先埓隗始 - たず隗より始めよ 「埓」は「より」ず読む助字であり、「〜から」ず蚳す。 たず、この隗から、始めおください。 - 斌いお - 賢斌隗者 - 隗より賢なる者は ここでは、比范を衚す。いろんな意味がある助字。 参考 - 幣ぞい - 瀌物。 - 孀こ - 王䟯の謙遜した䞀人称。特に喪䞭(死者を匔う間)に䜿う。 - 涓人けんじん - 「涓」は「朔」の意味。王の巊右にいお枅掃を぀かさどる者。 - 千里の銬 - 叀来より䞭囜では、最高の名銬は䞀日に千里走るずされた。なお、圓時の䞭囜の1里は540m。 - 期幎きねん - 䞀幎。 - 士し - 賢士・賢者。 - 今いた - もずもずは珟圚を衚す意味だが、仮定を衚す意味で、よく甚いられる。 - 䜿涓人求千里銬 - 「䜿」で䜿圹を衚す。「涓人に千里銬を買いに行かせた。」のような意味。 語釈 - 燕 - 囜名。 - 昭王しょうおう - 燕の囜の王のこず。 - 郭隗かくかい - 昭王の重臣。人物名。
null
null
高等孊校囜語総合/挢文/山行 抂芁 秋の物寂しい山を行く䜜者が道䞭で、぀い芋ずれた楓林の矎しさを詠んだ詩。 本文 癜文 蚓読文 山行 山行 遠䞊寒山石埄斜 遠く寒山に䞊れば石埄斜めなり 癜雲生凊有人家 癜雲生ずる凊 人家有り 停車坐愛楓林晩 車を停めお坐ろに愛す楓林の晩くれ 霜葉玅斌二月花 霜葉は二月の花よりも玅なり 珟代語蚳 - 起句遠く秋の物寂しい山を登るず、石の倚い小道が斜めに぀づいおいる。 - 承句ずっず向こうの癜雲がわき起こるように芋える蟺りに人家がある。 - 転句車を止めお呚囲の楓の林の倕暮れを、そのたた眺めおいる。 - 結句赀く色づいた朚の葉は、二月に咲く桃の花などより玅く矎しい。 鑑賞 晩唐の詩人、杜牧の䞃蚀絶句。 詩の前半では、秋の山の寂しさず特に芋るべきものがない単調な颚景を描写しおいる。 詩の埌半、転句で䜜者は倕日に映える玅葉した楓の林に気付き車を止め、しばらく眺めおいる。 結句では深玅に染たる楓の葉は、春に咲く桃の花などよりも矎しいず詠じおいる。 遠景ず近景ずの察比、モノトヌンずカラフルさずの察比描写が芋事な詩である。 抌韻 - 斜・家・花
null
null
高等孊校囜語総合/挢文/早発癜垝城 早぀ずに癜垝城はくおいじょうを発すはっす - 李癜りはく 事前の解説 川䞋りの速さを歌っおいる歌である。 なので、埌述する第二句の「千里せんりの江陵こうりょう 䞀日いちじ぀にしお還るかえる」が、特に重芁。 本文 曞き䞋し文 - 朝あしたに蟞すじす 癜垝はくおい圩雲さいうんの間かん - 千里せんりの江陵こうりょう 䞀日いちじ぀にしお還るかえる - 䞡岞りょうがんの猿声えんせい 啌いおないお䜏たざるやたざるに - 軜舟けいしゅう已にすでに過ぐすぐ 䞇重ばんちょうの山やた 圢匏 䞃蚀絶句 珟代語蚳 - タむトル: 朝早く、癜垝城はくおいじょうを発぀た぀ - 朝早くに、矎しくあざやかな雲のたなびく䞭、癜垝城をあずに蟞去した。 - 千里の圌方かなたにある江陵こうりょうたで、激流の川䞋りで䞀日で垰っおきた。 - 䞡岞で鳎く猿の声が、ただ鳎きやたないうちにただ、耳に残っおいるうちに、 - 船足が速くお軜快な小舟は、いく぀もの連なった山々を、すでに通過しおしたった。 察比 文章から確実に分かる察比は、 - 「千里」ず「䞀日」の察比。しかも、それによっお、川の激流の速さを匷調しおいる。※ 算数で、「距離」÷「時間」は「速さ」だったのを思い出そう - 「癜垝」ず「圩雲」ずの察比。「癜垝」の「癜」の名から、癜色を連想するだろう。それず、「圩雲」から連想するだろう、朝焌けの赀や、埮劙に混じった青などの色ずを察比させおいる。 - 「軜舟」が、いく぀もの山を「䞇重」ばんじゅうの山を、通り過ぎおしたったずいう、「軜」ず「重」ずの察比さえもある。 などの察比だろう。 - なお、「䞇重」ばんじゅうの「山」に぀いおは、「山」ずは蚀っおるが、おそらく厖がけが含たれおいる。なぜなら、「䞡岞」ずいうふうに「岞」ず蚀っおたり、たた地理的な背景から、おそらくは厖がけである可胜性が高い。 - おそらく䜜者の意図は、厖の険しさを衚珟するこずで、川䞋りの難所であるこずを衚珟し、それにも関わらず、そこをあっずいう間に舟が通過したずいうこずを説明するこずで、舟の軜快さを衚珟しおいるのだろう。 抌韻 「間」かん、「還」かん、「山」さんで、韻を螏んでいる。 語釈 - 蟞 - 蟞去する。蟞去ずは、別れの挚拶を぀げるこず。蟞去ず䌌た意味で「いずたごい」ずもいう。 - 癜垝はくおい - 埌挢の公孫述こうそんじゅ぀、人名のこず。 - 癜垝城はくおいじょう - 今でいう重慶垂の東にある、叀城こじょう。埌挢の公孫述こうそんじゅ぀が、四川省のあたりに築いた。長江ちょうこうに近い。 - 圩雲さいうん - 色鮮やかな雲のこずだが、この文の状況から考えお、ここでは朝日による「朝焌け雲」あさやけぐものこずだろう。 - 千里せんり - 圓時の䞀里は、玄 五六○ メヌトル。ここでいう「千里」は、おそらく、長い距離を衚す比喩であり、実際の距離ではないだろう、ず考えられおいる。 - 江陵こうりょう - 珟圚でいう湖北省こほくしょう荊州垂けいしゅうし。長江ぞいの町。
null
null
高等孊校囜語総合/挢文/江雪 事前の解説 雪景色の、静かな颚景を詩にしおいる。䜜者の孀独な気持ちを衚しおいる。なお、䜜者は、この地に巊遷させんされおいる。 珟代語では、「巊遷」させんずは、組織づずめをしおるサラリヌマンなどが、䜎い圹職に萜ずされるこず。 原文 江雪 - 柳 宗元 - 千山鳥飛絶 - 䞇埄人蹀滅 - 孀舟蓑笠翁 - 独釣寒江雪 (原兞: 唐詩䞉癟銖) 曞き䞋し文 江雪こうせ぀ - 柳 宗元りゅう そうげん - 千山せんざん 鳥ずり 飛ぶこずずぶこず絶えたえ - 䞇埄ばんけい 人じん 蹀しょう滅めっす - 孀舟こしゅう 蓑笠さりゅうの翁おう - 独りひずり釣る぀る 寒江かんこうの雪ゆきに 珟代語蚳 - すべおの山から、鳥の飛ぶ姿が、たったく消え、 - 倚くの小道は、人の足あずが消えおしたった。 - 川の䞊で、䞀艘の小舟に、蓑みのず笠かさを぀けた老人が、 - 独りひずり、雪の降るふる寒々ずした川で、釣りをしおいる。 察比など - 起句きくず承句しょうくが察句぀いくになっおいる。 - 千山 ⇔ 䞇埄 - é³¥ ⇔ 人 - 飛 ⇔ è¹€ - çµ¶ ⇔ 滅 「蹀」しょうずは、「足あず」のこず - 各句の最初が数に関する字 「千」「䞇」「孀」「独」ずいうふうに、すべお数に関する字になっおいる。 圢匏 五蚀絶句 句法など - 独釣寒江雪 - ( 独りひずり釣る぀る 寒江かんこうの雪ゆき ) 倒眮法ずうちほうで蚓読されおいる。 普通の語順では、「独り寒江の雪に釣る」になる。 韻 「絶ぜ぀」「滅め぀」「雪せ぀」 語釈 - 千山 - 倚くの山。 - 蓑笠さりゅう - みの ず かさ。 - 江雪 - 川に降る雪。
null
null
高等孊校囜語総合/挢文/登鞛鵲楌 事前の解説 高い建物から芋枡した、雄倧な眺めに察する感動。 その建物の名前が「鞛鵲楌」かんじゃくろう。 原文 登鞛鵲楌 - 王 之枙 - 癜日䟝山尜 - 黄河入海流 - 欲窮千里目 - 曎䞊䞀局楌 曞き䞋し文 鞛鵲楌かんじゃくろうに登るのがる - 王 之枙 おう しかん - 癜日はくじ぀ 山やたに䟝りおよりお尜き぀き - 黄河こうが 海うみに入りおいりお流るながる - 千里せんりの目めを 窮めんきわめんず欲しほっし - 曎にさらに䞊るのがる 䞀局いっそうの楌ろう 圢匏 五蚀絶句 珟代語蚳 - 照り茝く倪陜は、山に寄り添っお沈んでいく - 黄河は、海に向かっお流れおいく。 - はるか千里の圌方かなたの眺望を、芋たいず思い、 - さらにもう䞀階、䞊ぞず登った。 察比 - 察句぀いく - 起句 ⇔ 承句 - 癜日 ⇔ 黄河 「癜」「黄」の色の察比、「日」「河」ずいう倩地の察比 - 流 ⇔ 入 動詞が察応 - å±± ⇔ æµ· 地圢が察比的 - å°œ ⇔ 流 動詞が察応 転句ず結句 千里目 ⇔ 䞀局桜 「千」ず「䞀」ずの察比。 韻 「流」りゅうず「楌」ろう 句法など - 欲窮千里目 「欲」で願望を衚す。 語圙 - 癜日はくじ぀ - 茝く倪陜。照り茝く倪陜。単に「倪陜」ず蚳す堎合もある。 語釈 - 鞛鵲楌かんじゃくろう - 圓時、あった建物。今でいう山西省さんせいしょう氞枈えいぜい垂にあった。 - 王 之枙 おう しかん - 唐代の詩人の䞀人。 - 千里目せんりノめ - 千里の圌方たで芋枡す眺めながめ。
null
null
高等孊校囜語総合/挢文/管鮑之亀 管鮑かんぜうの亀わりたじわり 予備知識 登堎人物の管仲かんちゅうは、この文䞭の昔話の圓時は商人であり、圓時は政治家ではない。 管仲かんちゅうは、のちに斉せいの囜の宰盞さいしょうになったが、圓時は商人である。文䞭に戊ずいう文字が䜕床かあるが、最初の「戊」は、商売のこずであり、実際の戊争ではない。 鮑叔ほうしゅくは、管仲かんちゅうの友人であり、商売でも協力者。 春秋時代の話。 出兞は『十八史略』。 珟代語蚳 管仲かんちゅうずいう人物がいた、字あざなは倷吟いごずいう。 以前、鮑叔ほうしゅくず䞀緒に商売をしおいたこずがある。 管仲かんちゅうは分け前を、自分に倚く 管仲に倚く、取っおいた。 しかし、鮑叔ほうしゅくは、このこずで管仲かんちゅうを欲匵りずは思わなかった。 なぜなら、管仲かんちゅうが、貧乏なこずを知っおいたからである。 以前に管仲は、䜕床か商売の事業を立ち䞊げお、その事業はすべお倱敗しおかえっお貧乏になっおしたった。 鮑叔ほうしゅくは、管仲を愚かだずは思わなかった。 時勢じせいによっお、ものごずが䞊手く行く時もあるし、䞊手く行かないずきもあるこずを知っおいたからである。 以前に管仲は、䜕床か戊いにでお、その床ごずに逃げた。 鮑叔ほうしゅくは、管仲を臆病だずは思わなかった。 管仲には、圌が面倒を芋なければならない老いた母がいたこずを知っおいたからである。 そんな鮑叔のこずに぀いお、管仲は蚀った、「私を生んだのは父母であるが、私を理解しおくれるのは鮑叔さんである。」 曞き䞋し文 管仲かんちゅう 字あざなは倷吟いご。 嘗おか぀お鮑叔ほうしゅくず賈すこす。 利りを分か぀わか぀に倚くおほく自らにみづからに䞎ふあたふ。 鮑叔ほうしゅく以぀おも぀お貪たんず為さず。 仲ちゆうの貧しきひんしきを知ればしればなり。 嘗おか぀お事こずを謀りおはかりお窮困きゅうこんす。 鮑叔ほうしゅく以぀おも぀お愚ぐず為さずなさず。 時にずきに利りず䞍利ふりず有るあるを知ればなり。 嘗おか぀お䞉たびみたび戊ひおたたかひお䞉たびみたび走るはしる。 鮑叔ほうしゅく以぀おも぀お怯けふず為さずなさず。 仲ちゅうに老母有るを知ればなり。 仲ちゅう曰はくいはく、「我われを生むうむ者ものは父母ふが、我を知るしる者ものは鮑子ほうしなり。」ず。 桓公かんこう諞䟯しょこうを九-合きゅうごうし、倩䞋を䞀-匡いっきょうせしは、皆みな仲ちゅうの謀なりはかごずなり。䞀にも則ちすなわち仲父ちゅうほ、二にも則ちすなわち仲父ずいぞりちゅうほずいぞり。 語句 ・菅仲  春秋時代、斉せいの桓公に仕えた名宰盞。 ・字  成人した時に぀けた名。 ・嘗おか぀お - 以前に。過去のこずに぀いお説明するずきの衚珟。 ・䞎ず - 「鮑叔ほうしゅくず賈すこす 」の「ず」の郚分。「䞎」は原文䞭にある語句。「䞎 A 」で「Aず䞀緒に」の意味。曞き䞋し文では「ず」ず蚓読する。 ・鮑叔  斉の倧倫たいふの職に就いおいた重臣。 ・賈  商売をする。 ・倚自䞎  自分の方に倚く取る。 ・貪  欲ばかり。 ・窮困  行き詰たっお苊しむ。 ・走  逃げる。 ・怯  臆病。 ・䞉 - 回数が倚いこずを衚す堎合に、挢文でよく甚いられる比喩的な衚珟。実際の回数ずは、限らない。 ・九合  䞀぀に集めたずめる。九は糟に通じる。 ・䞀匡  乱を治めお、倩䞋を統䞀する。匡は、正す。 ・䞍以為貪 - 「A以B為C」で「AがBをCだず思う」の意味。「A以為C」はBを省略した圢である。「鮑叔䞍以為貪」は「鮑叔䞍以管仲為貪」の省略圢。貪欲かどうかが、この文の話題になっおる盞手は管仲であり、鮑叔ではない。「䞍」があるので吊定圢であり、最終的に「鮑叔䞍以為貪」は「鮑叔が管仲を貪欲だずは評䟡しない。」の意味。 ※ なお、「貪」は「たん」ず読む。 語釈 - 賈 - 商売する。店を構えお商売する。いっぜう、これに察しお、「商」は「行商」の意味。 - 貪たん - 欲匵り。貪欲。「たん」ず読む。 - èµ° - 逃げる。 - 怯きょう - 卑怯ひきょう。臆病おくびょう。 - 知 - 理解する。分かる。 - 管仲かんちゅう - のちに斉の宰盞になる。 - 鮑叔ほうしゅく - のちに斉の重臣になる。 - 字あざな - 叀代・䞭䞖の䞭囜で、男子の成人のさい、本名の他に付ける別名。 - 鮑子ほうし - 鮑叔ほうしゅくのこず。「子」は敬称。 䌌た熟語 「刎頞の亀わり」ふんけい の たじわりが、よく䟋ずしお挙げられる。 この他にも、「知音」、「氎魚の亀わり」、「竹銬の友」晋曞など、䌌た意味の語は倚い。
null
null
高等孊校囜語総合/挢文/臥薪嘗胆 臥薪嘗胆 - (がしん しょうたん) - 出兞: 十八史略じゅうはっしりゃく 解説 故事成語ずもなった「臥薪嘗胆」の、もずもずの話である。 叀代䞭囜玀元前500幎ごろの春秋戊囜時代の、呉ごの囜ず、越え぀の囜ずの、戊いの話である。 春秋戊囜時代そのものは、玀元前8䞖玀から玀元前5䞖玀ごろたで続いた。 珟代語蚳 呉王の闔廬こうりょは、䌍員ごうんを重甚ちょうようしお、囜の政治を盞談しおいた。䌍員ごうんの字あざなは子胥ししょずいい、楚その囜の人の䌍奢ごしゃの子こである。 䌍奢ごしゃが楚の王に眪を責められ殺されたので、子の䌍員ごうんは呉に逃れた。 䌍員ごうんは呉の軍隊を率いお、楚そに攻め蟌み、楚の銖郜である郢えいを占領した。 その埌、呉ごは越え぀を攻撃した。そのずきの戊いで、呉王である闔廬こうりょが負傷しお死んだ。闔廬の子の倫差ふさが王䜍に぀いた。先代の王である闔廬こうりょに仕えおいた子胥ししょは、闔廬に仕えたころず同様に、倫差に仕えた。 倫差は、父闔廬こうりょの仇かたきを蚎぀う぀こずを、心に誓ったちかった。 倫差は、「父のかたきを取る」ずいう、恚みを忘れないようにするため、朝晩あさばんは薪たきぎの䞊に寝おねお、 家臣が出入りするたびに家臣に、叫ばせた内容は、「倫差よ、おたえは越え぀の連䞭が、おたえの父を殺したのを忘れたのか」ず。 呚の敬王の治䞖の二十六幎に、倫差は越え぀を倫怒ふしょうで砎った。 越王の募践こうせんは、残った兵敗残兵を匕き連れお䌚皜山かいけいざんにこもり、本音では越王は埩讐をたくらんでいるが、ひずたず圓面を生き延びるため、埩讐心を隠しお、越王は呉王に蚱しをこい、呜乞いを願い出た。その願い出た内容は、越王みずから呉王の臣䞋になり、越王の劻は呉王に䟍女じじょずしお差し出すこずを願い出た。 子胥ししょは、「だめです。越王・募践を蚱しおはいけない。募践は殺されるべき。」ず呉王に蚀った。 ずころが、宰盞さいしょうの䌯嚭はくひが、越からの賄賂を受け取り、倫差を説埗しお越王を蚱させお越王を釈攟させおしたった。 募践は、囜越に戻り、埩讐心を忘れないようにするため、苊い味の肝きもを嘗めなめられるように、獣の肝を寝起きする堎所に吊るしおおき、寝起きするそのたびに肝を芋䞊げお嘗めおなめお蚀うには、「おたえは䌚皜で受けた恥を忘れたのか」ず自分自身に、越王・募践は、寝起きのたびに蚀った。 王自身は軍事に専念できるように、経枈・叞法などの囜内の非・軍事の政治はすべお倧倫圹職名、倧臣みたいなものの文皮に任せお、越王自身は范蠡はんれいず䞀緒に軍隊を蚓緎したりしお、呉を攻略するための蚈画軍備増匷や、䜜戊づくり、などに専念した。 呉の宰盞さいしょうの䌯嚭はくひ賄賂ワむロを越から、受け取ったずされおいる人は、倫差に子胥ししょが自分の蚈略が採甚されなかったこずで倫差をうらんでいるず、うその進蚀をした。 倫差はその蚎えを信じおしたい、子胥ししょに自殺を呜じお属鏀しょくるの剣を䞎えた。 子胥は自殺を呜じた呉王をうらんで、子胥の家族に遺蚀ずしお䌝えたのは「必ず、私の墓のそばに、ひさぎ の朚を怍えよ。ひさぎの朚は棺桶かんおけの材料にするこずができる。呉王の棺桶だ。そしお、私の目をえぐりだしお、郜の東の門に、かけおくれ。越の軍隊が攻め蟌んできお呉を滅がすのを芋おやろう。」ず。 そこで、子胥は、自殺のため、自分の銖をはねお死んだ。 倫差は怒り、子胥の死䜓を埋葬させずに取り䞊げお、銬の皮で䜜られた袋に入れお、長江揚子江に投げ入れた。 呉の人々は、子胥ししょをあわれみ、川べりに祠ほこらを立おお、胥山しょざんず名付けた。 それからのち、肝を嘗めた募践の囜である越は富囜匷兵のため十幎をかけお富囜のため人口を増やし囜の財貚を増やし経枈力などを高め、さらに、匷兵のため、その埌の十幎をかけお人民を教育し蚓緎した。合蚈で20幎の期間。 呚の元王の幎、越は呉を攻撃した。呉は䞉床戊い、䞉床ずも呉が敗退した。肝を嘗めた募践の越が勝った。 倫差は講和のため、姑蘇こそに䞊り、越に請い願った。 しかし、范蠡はんれいは講和を聞き入れなかった。 倫差が蚀うには、「私は、死んだあず、あの䞖で子胥に䌚わせる顔がない。」ず。 なので、そこで、死者の顔をおおうための四角い垃を䜜り、顔を芆っおおおっお隠しおかくしお、死んだ自殺。 語句ず人物の関係 「臥薪」がしんした人ず、「嘗胆」しょうたんした人は別人であり、おたがいに敵囜どうしで、敵。 - ・「臥薪」した人は、呉ごの王の倫差ふさであり、のちに最終的に越に負けお、自殺に远い蟌たれる。 - ・「嘗胆」しょうたんした人は、越え぀の王の募践こうせんであり、最終的に呉を滅がす。 - 「臥薪」がしん 「臥薪」ずは、硬い薪たきぎの䞊で寝るこず。痛い、ず考えられおる。この痛みで、埩讐心を思い出すためである。 「闔廬」こうりょは倫差の父であり、呉の、倫差の前の時代の王。そもそも倫差は、この「闔廬」を倱った仇かたきのために、「臥薪」したのであった。 - 「嘗胆」しょうたん 「嘗胆」ずは、肝きもを嘗めるなめるこず。味が苊く、この苊味で、埩讐心を思い出すため、である。 最終的に、「嘗胆」した募践は、「臥薪」した倫差を滅がした。 人物どうしの関係 䞀芧 呉越各囜で䞊べるず、・・・ - 呉の偎 - 闔廬倫差の父、呉王 、 倫差呉王、 子胥「ししょ」、闔廬の郚䞋、倫差の郚䞋、䌯嚭「はくひ」、呉の宰盞・倧臣のような階玚 - 越の偎 - 募践越王、劻募践の劻、文皮越の倧臣、「倧倫皮」ず同䞀人物、范蠡「はんれい」、募践の郚䞋 - その他 - 呚の敬王けいおう、元王げんおう - 呉越の戊いには、呚は、参戊しおいない。この春秋戊囜時代は、呚が、名目䞊だけは䞭囜を支配するこずになっおいる王朝だったが、実際には諞䟯しょこうが矀雄割拠ぐんゆうかっきょの時代だった。 - 䌍奢ごしゃ - 子胥ししょの父。楚の人。䌍奢が楚王に殺されるので、子の子胥が楚をうらみに思い、子胥の仕えた呉によっお楚に攻め蟌んだ。 楚ず呉は戊争をしおいるが、この戊争の戊前・戊埌では䞡囜ずも、「臥薪」も「嘗胆」もしおいない。子胥ししょも、楚を倒そうずいう埩讐心を持っおいるが、子胥は「臥薪」も「嘗胆」もしおいない。 「臥薪」たたは「嘗胆」をした人物は、二人ずも、王である。 詳现 - 子胥ししょ - 「䌍員」ごうん、ず同䞀人物。子胥は、倫差ふさ、呉王の郚䞋だが、倫差に聞き入れられず、他の倧臣の謀略により、最終的に子胥ししょは無実の眪を着せられお、自殺を呜じられる。 - か぀お、募践越王が倫差呉王に呜ごいしたずきに、呉の子胥は、募践を殺すように呉王・倫差に進蚀した。しかし、聞き入れおもらえず、募践は生き延びおしたった。 埌日談 このあず、しばらくしおから、越の臣䞋だった范蠡はんれいが越王の郚䞋を蟞めお、そしお越から倖囜に抜け出す。 范蠡はんれいは、越王に倱望したのである。䞀説には、呉の子胥ししょが自殺を呜じられたようにのように、越王から疎んじられお自殺などに远い蟌たれるこずを恐れたのずいう説を䞻匵する、参考曞もある。 たた、越の倧臣である文皮は、越王に疎んじられお、自殺を呜じられおしたう。 范蠡はんれいは斉せいの囜に移り、商人になり、財産を築いた。 故事の意味 「臥薪嘗胆」のもずもずの意味は、この物語のように、「かたき蚎ちや、埩讐のために、぀らいこずでも我慢するこず」のような意味の、ぶっそうな内容だった。 珟圚の21䞖玀の日本での孊校教育では、「臥薪嘗胆」から、ぶっそうな意味合いはほずんどなくなり、「目的達成のために、぀らいこずでも我慢するこず」のような意味で䜿われる。 曞き䞋し文 闔廬かふりょ䌍員ごうんを挙げおあげお、囜事こくじを謀らしむはからしむ。 員うん 字あざなは子胥ししょ、楚人そひず䌍奢ごしゃの子こなり。 奢しゃ誅ちゅうせられお呉ごに奔るはしる。 呉ごの兵ぞいを以ゐおひきいお郢えいに入るいる。 呉ご 越え぀を䌐぀う぀。 闔廬かふりょ傷きず぀きお死すしす。 子この倫差ふさ立぀た぀。 子胥ししょ埩たたた之これに事ふ぀かふ。 倫差ふさ讎あだを埩ふくせんず志すこころざす。 朝倕おうせき薪䞭しんちゅうに臥しふし、出入しゆ぀にふするに人ひずをしお呌ばしめおよばしめお曰はくいわく、 「倫差ふさ、而なんぢ越人え぀ひずの而なんぢの父ちちを殺せしころせしを忘れたるわすれたるか。」ず。 呚しうの敬王けいおうの二十六幎にじふろくねん、倫差ふさ越え぀を倫怒ふせうに敗るやぶる。 越王え぀おう募践こうせん、 䜙兵よぞいを以ゐおひきいお䌚皜山くわいけいざんに棲みすみ、臣しんず為りなり劻぀たは功せふず為らんならんこずを請ふこふ。 子胥ししょ蚀ふいふ、「䞍可ふかなり。」ず。 倪宰たいさい䌯嚭はくひ 越え぀の賂ひたひなひを受けうけ、倫差ふさに説きおずきお越ゑ぀を赊さしむゆるさしむ。 募践こうせん囜くにに反りかぞり、胆きもを坐臥ざぐわに懞けかけ、即ちすなはち胆きもを仰ぎあふぎ之これを嘗めおなめお曰はくいわく、 「女なんぢ䌚皜くわいけいの恥はぢを忘れわすれたるか。」ず。 囜政こくせいを挙げおあげお倧倫皮たいふしょうに属しよくし、而しおしかうしお范蠡はんれいず兵ぞいを 治めをさめ、呉ごを謀るはかるを事こずずす。 倪宰嚭たいさいひ、子胥ししよ謀はかりごずの甚ゐもちゐられざるを恥ぢお怚望ゑんばうすず譖しんす。倫差ふさ乃ちすなはち子胥ししよに属鏀しよくるの剣けんを賜ふたたふ。 子胥ししよ其のその家人かじんに告げお぀げお曰はくいはく、 「必ずかならず吟がわが墓はかに檟かを暹ゑようえよ。檟かは材ざいずすべきなり。 吟がわが目めを抉りおゑぐりお、東門ずうもんに懞けよかけよ。 以おも぀お越兵ゑ぀ぞいの呉ごを滅がすほろがすを芳んみん。」ず。乃ちすなはち自剄じけいす。 倫差ふさ其のその尞しかばねを取りずり、盛るにもるに鎟倷しいを以おも぀おし、之これを江かうに投ずずうず。 呉人ごひず之これを憐れみあはれみ、祠しを江䞊かふじやうに立おたお、呜けおなづけお胥山しょざんず曰ふいふ。 越え぀十幎じふねん生聚せいしゆうし、十幎じふねん教蚓けふくんす。呚しうの元王げんわうの四幎よねん、越呉ゑ぀ごを䌐぀う぀。 呉ご䞉たびみたび戊ひおたたかひお䞉たびみたび北ぐにぐ。 倫差ふさ姑蘇こそに䞊りのがり、亊たたた成たひらぎを越ゑ぀に請ふこふ。 范蠡はんれい可かずきかず。 倫差ふさ曰はくいはく、 「吟われ以おも぀お子胥ししよを芋るみる無しなし。」ず。 幎冒べきがうを為りお぀くりお乃ちすなはち死すしす。 原文 呉王闔廬、挙䌍員謀囜事。員、字子胥、楚人䌍奢之子。奢誅而奔呉、以呉兵入郢。 呉䌐越、闔廬傷而死。子䞍差立。子胥埩事之。倫差志埩讎、朝倕臥薪䞭、出入䜿人呌曰、 「倫差而忘越人之殺而父邪。」 呚敬王二十六幎、倫差敗越于倫怒。越王募践以䜙兵棲䌚皜山、請為臣劻為功。 子胥蚀、「䞍可。」 倪宰䌯嚭受越賂、説倫差赊越。募践反囜、懞胆斌坐、臥即仰胆、嘗之曰、 「汝、忘䌚皜之恥邪。」 挙囜政属倧倫皮、而䞎范蠡治兵、事謀呉。 倪宰嚭、譖「子胥恥謀䞍甚怚望。」 倫差乃賜子胥属鏀之剣。子胥告其家人曰、 「必暹吟墓檟。檟可材也。抉吟目、懞東門。以芳越兵之滅呉。」 乃自剄。倫差取其尞、盛以鎟倷、投之江。呉人憐之、立祠江䞊、呜曰胥山。 越十幎生聚、十幎教蚓。呚元王四幎、越䌐呉。呉䞉戊䞉北。倫差䞊姑蘇、亊請成斌越。范蠡䞍可。 倫差曰、「吟無以芋子胥。」 為幎冒乃死。 重芁衚珟 - ・以ゐるひきいる - ここでの原文の「以」は、「ひきいる」ず蚓読する。「率いる」ひきいるの意味。 - 而忘越人之殺而父邪 - ・而なんぢ - おたえ。「汝」なんじず同じ意味。 - 邪か - 文末にあり、疑問ぎもんを衚す助字。 ぀たり、「而忘越人之殺而父邪」は、「おたえは、越人がおたえの父を殺したのを、忘れたのか。」の意味。 - ・䜿人呌 - 「䜿」は「〜させる」の意味。「䜿〜」で䜿圹しえきを衚す句法。「䜿人呌」で「人に呌ばせる」の意。 - ・ - - ・ - - ・ - - ・ - - ・ - - ※ 蚘述䞭 読解 - ・耇たタ - 「ふたたび」「さらに」などの意味。芪子二代にわたっお子胥ししょが仕えたこず。闔廬が戊死しおしたった為 - ・ - - ・ - - ・ - - ・ - 参考 - ・ - - ・囜事こくじ - 囜の政治に぀いおの事。 - ・ - - ・ - - ・ - - ・ - - ・奔はしル - 逃亡する。 - ・請うこう - 願う。 - ・賂たいない - 賄賂わいろ。 - ・説く - ここでは「説埗する」の意味。 - ・坐臥ざが - 座ったり寝たりする堎所。 - ・女なんじ - おたえ。汝なんじに同じ。 - ・ - - ・ - - ・赊ゆるサシム - 「赊」は「蚱す」ゆるすの意味。文脈から、䜿圹しえきず捉えお、曞き䞋し文では「〜しむ」が補われおいる。 - ・䞎范蠡 - 「䞎」は「ず」ず読み、「〜ず䞀緒に」の意味。「䞎范蠡」で「范蠡ずずもに」。 - ・治兵ぞいヲおさメ - 「軍隊を敎備し」の意味。「治」は「敎備する」の意。 - ・ - - ・ - - ・ - - ・怚望えんがう - うらむ。 - ・ - - ・ - - ・ - - ・自剄じけい - 自分で銖をはねお死ぬ、自殺の方法。䞭囜での歊将などの自殺方法。「自刎」じふんずもいう。日本でいう切腹せっぷくのようなもの。 - ・ - - ・ - - ・ - - ・ - - ・䞉たびみたび戊ひおたたかひお䞉たびみたび北ぐにぐ。 -「䞉たび」など「䞉」は回数の倚いこずを衚す。 たた、「北」は敗北、敗退のこず。この「北」を、単に「負ける」などず蚳しおもよい。 語釈 - ・呉 - 囜名。江蘇省こうそしょうのあたりにあった囜。 - ・郢えい - 楚その郜。 - ・越 - 囜名。浙江省せっこうしょうのあたりにあった囜。 - ・字あざな - 叀代通囜では、成人になったずきに、実名のほかに付ける別名。 - ・倫怒ふしょう - 山の名前。江蘇省こうそしょう蘇州そしゅう垂のあたりにある山。 - ・䌚皜山かいけいざん - 山の名前。珟圚でいう浙江省せっこうしょう玹興(しょうこう)垂の南東にある。 - ・功 - 女性の䜿甚人。 - ・ - - ・ - - ・ - - ・ - - ・属鏀之剣 - 剣の名前。名剣のようだ。 - ・檟か - ひさぎ。棺ひ぀ぎの材料ずしお、よく甚いられた。 - ・ - - ・ - - ・尞し - なきがら。死䜓。 - ・鎟倷しい - 銬の皮で䜜った、酒を入れる袋。 - ・ - - ・ - - ・ - - ・ - - ・生聚せいしゅう - 人民を増やし、物資を豊かにする。 - ・姑蘇こそ - 台の名前。この姑蘇台こそだいが、珟圚の江蘇省こうそしょう蘇州垂の姑蘇山こそざんにあった。 - ・成 - 講和。 - ・幎冒べきがう -死者の顔をおおうための四角い垃。
null
null
高等孊校囜語総合/挢文/送元二䜿安西 本文 癜文 蚓読文 送元二䜿安西 元二の安西に䜿ひするを送る 枭城朝雚浥軜塵 枭城の朝雚 軜塵を浥し 客舎青青柳色新 客舎青青 柳色新たなり 勧君曎尜䞀杯酒 君に勧む 曎に尜くせ䞀杯の酒 西出陜関無故人 西のかた陜関を出づれば 故人無からん 珟代語蚳 - 起句枭城の街は朝の雚で土埃がしっずりず湿り、 - 承句旅通の柳は雚に掗われお青々ず鮮やかだ。 - 転句君よ、別れの酒をもう䞀杯飲んでくれたたえ。 - 結句西の陜関を過ぎたら、もう酒を飲み亀わす友人もいないのだから。 鑑賞 盛唐期の詩人、王維の䞃蚀絶句。 詩の前半では、友人元二ずの別れの堎面、すがすがしい朝の情景を描写しおいる。 詩の埌半、転句では手元の䞀杯の酒に目線が泚がれる。「曎に尜くせ」ず酒を勧める行為に、䜜者の深い友情を感じるこずができる。 結句では芖点をさらに西方に移し、遙か圌方の安西ぞ旅立぀友人ずの離別の悲しさを詠じおいる。 抌韻 - 塵・新・人
null
null
高等孊校囜語総合/挢文/鶏口牛埌 『鶏口牛埌』は䞀般に「けいこう ぎゅうご」ず読む。 予備知識 春秋戊囜時代の、「戊囜の䞃雄」ず蚀われる、䞃぀の匷い囜ができた時代の話。 秊しんは、その䞭でも、ずくに匷い囜の䞀぀。 珟代語蚳 匷囜である秊しんの囜の人々が、呚蟺諞囜を軍事力で脅しお、秊に領土を割譲か぀じょうせよ、ず迫っおせたっおきた。 掛陜の人で、蘇秊そしんずいう人がいた。 蘇秊そしんはか぀お政治家になるための就職掻動で、秊の恵王に挔説しにいったが、雇甚こようしおもらえず、 そのため他囜に行っお、燕えんの囜の文䟯ぶんこうに自説を挔説しお、趙ちょうず同盟を結ばせようずした。 燕えんの文䟯ぶんこうはこの同盟案に賛同し、そこで倖亀の䜿者ずしお、蘇秊そしんに金銭旅費などの費甚を䞎え、蘇秊を趙に行かせた。 蘇秊が、趙の粛䟯しゅくこうに説埗しお蚀うには、「秊以倖の諞䟯が力を合わせたずするず、兵の数は秊の十倍です。諞囜が力を合わえお西の秊に察抗すれば、秊は必ず敗れるでしょう。王様のための蚈画を考えたすず、秊以倖の六囜燕・趙・斉・魏・韓・楚が協力しお秊を远い払う事に、たさる策はありたせん。」ず。 趙の粛䟯しゅくこうは、この同盟案に賛同し、そこで蘇秊そしんに金銭旅費などを䞎え、蘇秊を䜿者ずしお諞囜に同盟を結ばせに行かせお、そしお同盟を結ばせた。 蘇秊そしんは、通俗的な衚珟を甚いお、諞䟯に説明しお蚀ったこずは、 「いっそ鶏のくちばしになるこずはあっおも、牛の尻になるな。」ず。 こうしお六囜は、同盟を結んだ。 曞き䞋し文 秊人しんひず 諞䟯しょこうを恐喝きょうか぀しお、地ちを割かんさかんこずを求むもずむ。 掛陜らくようの人ひず、蘇秊そしんずいうもの有りあり。 秊の恵王に枞説いうぜいしお甚ゐられずもちゐれず、 乃ちすなはち埀きおゆきお燕えんの文䟯ぶんこうに説きずき、趙ちょうず埓芪しょうしんせしめんずす。 燕えん 之これに資ししし、以おもっお趙おうに至らもたらしむ。 粛䟯しゅくこうに説きおずきお曰はくいはく、 「諞䟯しょこうの卒そ぀、秊しんに十倍じふばいせり。 力ちからを并せおあわせお西にしに向かはばむかわば、秊しん 必ずかならず砎れんやぶれん。倧王だいおうの為ために蚈るはかるに、六囜りっこく埓芪しょうしんしお以おもっお秊しんを擯くるしりぞくるに若くしくは莫しなし。」ず。 粛䟯しゅくこう 乃ちすなはち之これに資ししし、以おもっお諞䟯しょこうに玄やくせしむ。 蘇秊そしん 鄙諺ひげんを以おもっお諞䟯しょこうに説きおずきお曰はくいはく、 「寧ろむしろ鶏口けいこうずなるずも、牛埌ぎゅうごず為るなる無かれなかれ。」ず。 是ここに斌いおおいお、六囜りっこく埓合しょうごうす。 重芁語句 - 「寧 A 無 B」で、「いっそAしおでも、Bするな」の意。 語句 - ・恐喝きょうか぀ - 脅すおどすこず。珟代語でも、「恐喝」ずいう語がある。 - ・乃ちすなはち - 「そこで」「それで」などの意味の接続詞。 - ※ 蚘述䞭 語釈 - 秊人しんひず - 秊の囜の人。 - 掛陜らくよう - 地名。今でいう河南省かなんしょう掛陜垂らくようし。 - 蘇秊そしん - 人名。この時代の匁論家のうちの䞀人。 - 卒そ぀ - 兵卒ぞいそ぀。 - ※ 蚘述䞭 珟圚の意味 珟圚、「鶏口ずなるずも牛埌ずなるこずなかれ」・「鶏口牛埌」ずは、「倧きな組織などに埓うよりかは、小さい組織などの長になるほうが良い。」のような意味で䜿われる。 反察の意味のこずわざは、「寄らばよらば倧暹たいじゅの陰かげ」 癜文ず曞き䞋し文 埌半※ 参考 珟代語蚳 蘇秊そしんは、鬌谷先生きこくせんせいずいう人を垫しずしおいる。 初めに(秊に)遊説する為に故郷を出たが、困窮の果おに垰っおきた。(しかし)劻は、はたおり機を䞋りず、兄嫁は圌の為に食事を䜜らなかった。その埌、連合の長ずなり、六囜の宰盞を兌ねるこずになった。(旅の途䞭で)掛陜を通り過ぎた(ずきのこず)。圌の行列の車や銬は、王のようであった。 兄匟や劻、兄嫁などは(恐れ入っお)圌から目をそらし、たずもに芋るこずができなかった。ただ平身䜎頭で付き埓い、食事の絊仕をした。蘇秊は笑っお蚀った。「どうしお前は嚁匵っおいたのに、今床はうやうやしいのか」ず。兄嫁は「あなたの身分が高く、金持ちになったのを芋たからです」ず蚀った。蘇秊はがっかりしおため息を぀いお蚀った。「私は同䞀人物であるのに、 裕犏で身分が高ければ芪戚も恐れおびくびくし、貧しく身分も䜎ければ軜んじあなどる。たしお䞀般の民衆はなおさらだ。 もし、私に掛陜郊倖の良田が二頃あれば(安穏ずしおいられたのだから)、六囜の宰盞の印を腰に぀けるこずができただろうか」ず。そこで、莫倧な金をばらたいお、芪族や友人に䞎えた。やがお蘇秊は同盟を結び終えお、趙に垰った。粛䟯は圌に領土を䞎え、歊安君ずした。その埌、秊は犀銖に呜じお、趙をあざむき同盟を砎壊しようずした。(その蚈略によっお)斉ず魏は趙を攻撃した。蘇秊は(その様子を芋お)恐れお趙を去ったため、南北の六囜同盟は苊しみ぀぀も消滅しおしたった。 (さお、今床は)魏の囜の人に匵儀ずいう者がいた。蘇秊ず同じ鬌谷先生に垫事した。か぀お、楚に遊説した際、楚の宰盞に恥をかかされた。劻は怒っお文句を蚀った。匵儀は「私の舌を芋ろ、ただちゃんずあるか(もしあるならばきっず名誉を挜回しおやる)」ず蚀った。蘇秊が南北六囜の同盟を結んだずき、(蘇秊は)匵儀を怒らせ(るず同時に発奮させ)お秊に行くよう仕向けた。匵儀はこう蚀った、「蘇君が健圚なうちは、どうしお私は(圌の策に反するような)自説を説くだろうか(いや、そんなこずはしない)」ず。蘇秊が趙を去っお、南北六囜の同盟は厩れた。(そこで、぀いに)匵儀はもっぱら連衡を説いお、六囜を暪に連ねおそれぞれを秊に仕えさせた。 解説 この話の䞭で少しわかりにくいのは匵儀が「蘇君の時、儀䜕ぞ敢ぞお蚀はん(蘇君が健圚なうちは、どうしお私は圌の策に反するような自説を説くだろうか)」ずいったこずだろう。 たず蘇秊の説いた「合埓」に぀いお芋おみよう。これは秊以倖の党おの囜々が協力しお秊に察抗する䜜戊である。それに察しお匵儀が説いた「連衡」は秊が六囜それぞれず同盟を結ぶこずで、六囜をばらばらにするず同時に事実䞊、秊に服属させる倖亀戊略である。蘇秊・匵儀によっお䞃囜の同盟関係が倉化した(「察秊包囲網」から「秊ぞの埓属政策」ぞ)こずから二人が行った倖亀戊略の名前をずっお「合埓連衡」ずいう蚀葉が生たれた。珟代では立堎や目的が異なる団䜓や人物が䞀時の利害から協力するこず(そしお、それがすぐに砎綻ないし倉化しそうなこず)を指す。 このあたりは『史蚘』の「蘇秊列䌝」「匵儀列䌝」に詳しいのだが、少し述べる。蘇秊は合埓が秊によっお砎られるのをおそれ、同門の匵儀を秊に掟遣するこずで合埓を有利に運がうずした。しかも、ただ掟遣するだけでなく䟮蟱しお怒らせ、発奮させるず同時に掻動資金に困っおいる匵儀をひそかに支揎しお秊に行かせお、恵王に仕えられるようにした。匵儀は埌日、このこずに気付き、蘇秊ぞの恩矩ず深い掞察ぞの感服から蘇秊が健圚なうちは合埓策に手を出さないこずにしたずいわれる。 癜文ず曞き䞋し文 語釈 - 鬌谷先生 姓は王、名は詡(く)。珟河南省登封県の鬌谷にいたために鬌谷先生ず号した。蘇秊・匵儀の垫であるため、瞊暪家の祖ずされる。著䜜ずしお『鬌谷子』を著したずされるが疑わしい。 - 盾 政治家のトップである宰盞のこず。「盞たり」で「宰盞になる」ず解する。 - 喟然 嘆く様子。がっかりしお。 - 「掛陜負郭の田二頃」 「負」は背、「郭」は倖城の意味。このこずから「掛陜の倖城を背にした」ずなる。さらに城に近い田は良い田だったずされる。「頃」は面積の単䜍で、1頃は玄170a(䞀説には玄280a)。 - 犀驖 秊の圹職。ここでは遊説家だった公孫衍のこず。 - 激す 刺激する。発奮させる。 - 暪 「衡」ず同じ意味で東西をさす。
null
null
高等孊校囜語総合/挢文/鶏鳎狗盗 鶏鳎狗盗 - けいめい くずう - 原䜜者: 曟先之 そう せんし 解説 戊囜四君ず呌ばれた孟嘗君もうしょうくんの゚ピ゜ヌドである。 秊しんの昭王しょうおうが、他囜である斉せいの囜の孟嘗君もうしょうくんの優れた知芋の評刀を聞いたので、敵囜に優秀な人物がいおは秊が困るから、いっそ殺しおしたおうず考えお、昭王は孟嘗君もうしょうくんをだたしお秊に蚪問させ、そしお、孟嘗君が秊に到着するやいなや、秊の兵士らは孟嘗君を抑留よくりゅうし、孟嘗君もうしょうくんの呜が狙われたのである。 ※ 「抑留」ずは、盞手を捕たえるなどしお、その堎所に眮き留めるこず。 最終的に、脱出するが、そのずき、孟嘗君の郚䞋であり同行しおた二人の人物が掻躍した。物を盗むのがうたい人物ず、鶏の鳎き真䌌がうたい人物ずいう、二人が、特に掻躍した。 たず抑留された祭、抑留を話しおもらえるように、 珟代語蚳 靖郭君田嬰せいかくくん でんえいずいう人は、斉せいの宣王せんおうの異母匟である。薛せ぀に領地をもらっお領䞻ずなった。子どもがいお(その名を)文ぶんずいう。食客しょくかくは数千人いた。その名声は諞䟯に䌝わっおいた。孟嘗君もうしょうくんず呌ばれた。秊の昭王しょうおうがその賢明さを聞いお、人質を入れお䌚芋を求めた。(昭王は孟嘗君が)到着するずその地にずどめお、捕らえお殺そうずした。 孟嘗君は配䞋に呜じお、昭王の寵愛ちょうあいしおいる姫ぞ行かせお解攟するように頌たせた。寵姫は「孟嘗君の狐癜裘こはくきゅうがほしい」ず蚀った。実は孟嘗君は狐癜裘を昭王に献䞊しおいお、狐癜裘はなかった。食客の䞭にこそ泥の䞊手い者がいた。秊の蔵の䞭に入っお狐癜裘を奪っお寵姫に献䞊した。寵姫は(孟嘗君の)ために口ぞえをしお釈攟された。すぐに逃げ去っお、氏名を倉えお倜ふけに凜谷関かんこくかんに぀いた。 関所の法では、鶏にわずりが鳎いたら旅人を通すこずになっおいた。秊王が埌で(孟嘗君を釈攟したのを)埌悔しお远いかけおくるこずを恐れた。食客に鶏の鳎きたねの䞊手い者がいた。(圌が鶏の鳎きたねをするず)鶏はすべお鳎いた。ずうずう旅客を出発させた。出おからたもなく、孟嘗君が䞍安に思っおたずおりにやはり远う者がやっおきたが、远い぀くこずはできなかった。 孟嘗君は垰囜するず秊をうらんで、韓かん・魏ぎずずもに秊を攻めお凜谷関の内偎に入った。秊は町を割譲しお和平を結んだ。 癜文ず曞き䞋し文 (原兞: 十八史略) 重芁衚珟 - 色々な「すなわち」 「すなわち」ず読む「則」「乃」「即」には、意味が色々ずあり、䜜品や文脈によっお異なるので、䜜品ごずに個別に芚えたほうがよい。 - 至れば則ちすなわち止む - 「則」で「〜ば已然圢則ち・・・」ず読み、ここでは、「そこですぐに」のような意味。 - 乃ちすなわち先づたづ質ちを斉せいに玍れいれ) - 「そこで、たずは人質を斉の囜に送り、」のような意味。 - 即ちすなわち銳せはせ去りさり、 - ここでの「即」は「すぐに」の意味。「すぐに銬を走らせお去り、」のような意味。 - - - - - - - - - ※ 蚘述䞭 代名詞 - 其のその賢けん - 「其の」ずは、孟嘗君の評刀の高さのこず。 - 囚ぞおずらえお之これを殺さん - 「之」ずは孟嘗君のこず。孟嘗君の呜が狙われおいるので、たずは孟嘗君を抑留する必芁があるのである。 ※ 「抑留」よくりゅうずは、盞手を捕たえるなどしお、その堎所に眮き留めるこず。 参考衚珟 - 食客しょくかく - この時代、有力者などは、䞀芞を持぀者などの有胜な人物を、今でいう「いそうろう」のような客分ずしお抱えおいた。 - 封 - ここでは、「領土を預けお、領䞻ずする。」のような意味。 - 乃ちすなわチ - そこで。 - 蓋けだシ - 本来は掚量すいりょうの意味の字なのだが、この文では文脈から「ずころが」「しかし」などずいうふうに逆説的に蚳す。 - 胜くよく狗盗くずうを為すなす者 - 「胜」よクは可胜を衚す。 - 姓名せいめいを倉じぞんじ - 孟嘗君たちは、秊の远手おっおから呜を狙われおいるので、远手に気づかれないように、孟嘗君たちは秊から脱出するたでの間は停名を名乗っおいるのである。 語釈 - 庶匟しょおい: 腹違いの匟。異母匟。 - 薛せ぀: 珟圚の山東省 滕州ずうしゅう垂。地名。 - 幞姫: お気に入りの女官。寵姫。 - 狐癜裘こはくきゅう: 狐のわきの癜い毛だけを集めお䜜った衣。䞀着に狐が䞀䞇匹必芁ず蚀われるほど非垞に垌少なものであった。 - 凜谷関かんこくかん: 今でいう河南省かなんしょう霊宝垂のあたりにあった関所。 - 靖郭君田嬰せいかくくん でんえい - 人名。 - 昭王 - 昭襄王しょうじょうおう。 - 質ち - 人質。 - 狗盗くずう - 「狗」ずは犬。「狗盗」は「こそどろ」のような意味。 - 釈- 釈攟 - 䌝でん - 諞説あり。説:「駅䌝の銬車」、説2:「通行蚌」。どちらの説ずも、怜定教科曞、受隓参考曞に曞かれおいる。 - 食傟しょくけい - 食事をする間。転じお、短い時間。 - 城 - 町のこず。叀代・䞭䞖の䞭囜では、町を防衛などのため、壁で囲んでいた。日本の城ずは違うので、泚意。 - 果たしお - 孟嘗君の思ったずおりに。 句圢 - 䜿人抵昭王幞姫求解 - - 「䜿」は䜿圹しえきを衚す。 「(孟嘗君は配䞋に)呜じお、昭王の寵愛ちょうあいしおいる姫ぞ行かせお解攟するように頌たせた」の意味。 - 願埗君狐癜裘 - 「願」は願望がんがうを衚す。 - 「あなたの狐癜裘を私にください」のような意味。 故事の珟圚の意味 珟圚では「鶏鳎狗盗」けいめい くずうずいう故事が、「取るに足らない技芞の持ち䞻。たたは、その技芞。」「぀たらない技芞の持ち䞻。」などの意味で甚いられる。たた、「取るに足らない぀たらない技芞でも、䜕かの圹に立぀堎合もある。」ずいうような意味でも甚いられる堎合もある。 客人の圹割 ・「鶏鳎」けいめい・・・にわずりの鳎きマネをしお、凜谷関を開かせる。凜谷関では、芏則ずしお、朝に鶏が鳎いたら関所を開いお通行できるようにする、それたでは前日の日没からは関所を閉じおおく、ずいう芏則があった。 関所を通行できないず、孟嘗君たちが脱出できず、秊の兵士たちに殺されおしたうので、鳎きたねで関所の番人をだたそうずしお、関所を開かせたのである。だたせたかどうかはどもかく、鳎きたねに぀られお本物の鶏も鳎いたし、ずもかく関所が開かれ、孟嘗君たちが関所を通行でき、秊から脱出できたのである。 ・「狗盗」くずう・・・狐癜裘こはくきゅうを盗たせる。この盗んだ狐癜裘を、欲しがっおた姫に差し出しお、孟嘗君の抑留を解いおもらったのである。 枕草子 日本で、鶏鳎の故事をふたえお䜜られた和歌がある。癟人䞀銖にも収められおいる枅少玍蚀の、 - 「倜よをこめお 鳥ずりのそらねは はかるずも よに逢坂あふさかの 関せきは ゆるさじ」 ずいう和歌である。 - 意味: 鶏の鳎きたねをしおも、あの凜谷関ならずもかく、逢阪の関は通したせんよ。けっしお䌚いたせんよ。 男女の出䌚いの「逢う」ず、「逢阪の関」の「逢」あうずを掛けおいる掛詞がある。ある貎族の男からの口説きを、枅少玍蚀が断っおいる。
null
null
高等孊校囜語衚珟のペヌゞです。 タむトルは倧修通曞店の旧課皋教科曞『囜語衚珟 改蚂版』に埓っおいたす。 なお、新課皋の倧修通曞店の教科曞『囜語衚珟』は、内容の衚題や䜍眮が倉わっおいるだけです。 本文内容は旧課皋ず党く倉わりたせん。 進捗状況の凡䟋 第郚 衚珟力を培う 瀟䌚人ずしお生きおいくためには、次の心構えが必芁です。 - コミュニケヌションを䞊手にずりたす。 - 盞手を説埗出来るように、わかりやすく説明したす。 - 䌚話で信頌関係を築き、物事を語り、結論を瀺さなければなりたせん。 第郚では、瀟䌚人になっおも恥ずかしくないように、必芁な日本語衚珟の䜜法を孊んでいきたす。 第章 蚀葉ず出䌚う 私たちは毎日、様々な理由で文章を曞いおいたす。誰かに䜕かを䌝えるために文章を曞く時、どんな点に泚意すれば、より正確でわかりやすい文章になるのでしょうか。䞀文の曞き方から党䜓の曞き方たで、文章の基本を孊びたしょう。 第章 小論文・レポヌト入門 根拠や理由をもずに、玍埗のいくように自分の意芋を綎りたす。小論文やレポヌトにも必芁なこのスキルは、瀟䌚生掻ではさらに重芁です。人に玍埗しおもらえる文章の曞き方を孊びたしょう。 - 小論文ずは䜕か - 反論を想定しお曞く 圓ペヌゞ内容の
null
null
誰かに䜕かを䌝えるための文章は、曞いた内容を盞手が理解出来おこそ意味がありたす。読み手に「読みにくい」「意味がわからない」ず思われないように、䜕を意識しおわかりやすい文章を䜜るかが重芁です。 䞀文を短く 長い文章を読むのは倧倉です。文は出来るだけ短く、䞻語ず述語を近づけるず分かりやすくなりたす。文の長さに぀いおは、厳密な決たりはありたせん。文章の内容次第です。倚くの堎合、文章は文字以内に収めるずよいでしょう。 たた、「が」で結ばれた長い文章は読みにくくなっおしたいたす。「が、」を芋たら、間に句読点を入れたほうがいいかもしれたせん。これを専門甚語では、冗長衚珟ずいいたす。 冗長衚珟は、このほか「ずいう」「こず」「するこずが出来る」ずかがありたす。 読点の打ち方 読点「、」は意味の倉化を衚し、文章を分かりやすくしたす。文䞭の「、」はどこに入れるべきか、明確な決たりはありたせん。文のリズムやテンポ、話し手の奜みによっお、「、」の䜍眮は様々です。しかし、䞀般的には次のような䜿い分けをすればよいでしょう。 〈基本的な読点の打ち方〉 - 意味の切れ目 - 䞊列で語句を䞊べる時 - 接続詞の埌 - 長い䞻語の埌 曖昧な文 圌女は黙っおコヌヒヌを飲む恋人の口元を芋぀めおいたした。 䞊の文章は、通りの読み方が出来たす。それぞれどのような意味だず考えられたすか - 圌女は、黙っおコヌヒヌを飲む恋人の口元を芋぀めおいた。→「黙っお」いるのは「恋人」です。 - 圌女は黙っお、コヌヒヌを飲む恋人の口元を芋぀めおいた。→「黙っお」いるのは「圌女」です。 いろいろな意味に取れるような文章は、読者に意味が䌝わらないので避けたしょう。 たずめ - 文章が長くなりすぎず、分かりやすい文章にする方法がよくわかりたした。 - 正しい句読点を䜿い、分かりにくい文章を避けるのが倧切な理由がよくわかりたした。 参考資料 - 日経『「文章術ベストセラヌ冊」のポむントを冊にたずめおみた。』藀吉豊ほか線著 - よくある冗長衚珟5぀曞き換えるコツやチェックする方法を解説䟋文あり
null
null
高等孊校囜語衚珟/絵や写真を芋お曞く 蚀いたい内容を曞きたす。曞かれたものを読めば、自分の蚀いたい内容が理解出来たす。これが、誰かず話すために曞く時の基本です。ここでは、絵や写真を䜿っお、盞手に䌝わるように曞く緎習をしおみたしょう。 倧切な情報を萜ずさずに 重芁な郚分を省かずに文章を曞く堎合、読み手の立堎に立っお、確実に䌝えたい内容を曞きたしょう。 説明の順序 説明する順番を考えるのも倧切です。説明する時は、以䞋のルヌルに気を぀けたしょう。 郚分→党䜓詳现→抜象的→珟実 比喩を甚いた説明 圢に぀いお話すのに、「円」や「四角」ずいった名前を䜿ったり、それらがどのように組み合わされおいるかを説明したりする必芁はありたせん。たた、比喩を䜿うのも良いでしょう。「゜フトクリヌムのような」「鉛筆のような」などがその䟋です。 この方法は、あたり正確ではありたせんが、党䜓の感じを分かりやすく衚珟するにはよい方法です。たた、比喩を䜿っお党䜓像を瀺し、その埌で现郚をより詳しく説明するず良いでしょう。 文章を曞くためのメモ 実際に曞き始める前に、曞きたい内容ず曞かなきゃいけない内容をざっずたずめおおきたしょう。い぀、どこで、誰が、なぜ、䜕を、どのようになどの重芁な情報を敎理したす。重芁な情報を挏らさないようにするためには、箇条曞きで玠早く曞くずよいでしょう。 䟋えば、䞊の写真をもずに文章を曞こうず思ったら、次のような内容を考えおみるずよいでしょう。 【メモの項目䟋】 - 写真に写っおいるのは誰ですか - その人物は䜕をしおいたすか - それはどこで起こっおいたすか - 䜕が起こっおいたすか - 季節や時間はい぀ですか - どう感じたしたか、どう思いたしたか 段萜を分けお曞く 文曞が長い堎合、読者が理解しやすいように段萜を分けお曞くずよいでしょう。各段萜が1぀のトピックをカバヌするように曞くずよいでしょう。 䞊の写真を参考に文章を曞く堎合、次のような段萜構成にするずよいでしょう。 第段萜どのような写真ですか 第段萜感想 たずめ - 図や絵を芋お、文章を曞くのに必芁な芁玠がわかり、盞手にもわかる文章が曞けたした。 - 自分の䞻匵が䌝わるような、わかりやすい文章を曞けたした。
null
null
高等孊校地孊/地孊/地球の内郚 地球の内郚構造 地球内郚の局構造 地震波の芳枬によっお、地球内郚での地震波の䌝わる速床が分かる。地震波の速床の解析から、地䞋の深さ30km〜60kmあたりで、地震波の速床が急激に倉化する深さがあるこずが発芋された。これは、地殻ずマントルずの境界である。この境界面をモホロビチッチ䞍連続面モホ面英Mohorovičić discontinuityずいう。モホ面より䞊が地殻ちかく、crustである。モホ面より䞋をマントルmantleずしおいる。 地震波が芳枬地点に到達するたでの時間を走時そうじずいう。 暪軞に震倮からの距離を取り、瞊軞に走時を取っおグラフにしたものを走時曲線そうじきょくせんずいう。 地殻の厚さは、倧陞の地殻ず海掋䞋の地殻ずでは、厚さが倧きく違う。 䞀般に倧陞地殻は厚さ 30km〜60km であり、海掋地殻は厚さ 5km〜10km である。 地球の半埄は 箄6400km であるので、地球半埄ず比べるず、地殻は、ずおもうすい。 倧陞䞋の地殻を倧陞地殻たいりく ちかく、continental crustずいう。海掋䞋の地殻を海掋地殻かいよう ちかく、oceanic crustずいう。 倧陞地殻の䞊郚は花こう岩質であり、倧陞地殻の䞋郚は、玄歊岩げんぶがん質である。この䞊郚地殻ず䞋郚地殻の境界をコンラッド䞍連続面ずいう。 海掋地殻は、ほずんど玄歊岩質である。 アむ゜スタシヌ 氎には、朚などの密床の䜎い物質が浮かぶ。さお、マントルの密床ず比べお、地殻の密床は小さい。よっお地殻はマントルの䞊に浮かぶような浮力を受けおいるず芋なせる。たずえば、海䞭に氷山が浮かぶようなものである。 さおマントルに浮かぶ地殻に぀いお、ある地点の付近での、地殻が安定するためには、力孊的に盎感的に考えれば、暙高の高い地殻は、そのぶん浮力も倚く必芁なので、地䞋深くにたで地殻が続いおいる必芁がある。 このような地殻ずマントルの、浮力ず重力の釣り合いを、アむ゜スタシヌisostacyずいう。 ある䞀定深さでは、その地点付近では、ある面にかかる圧力は同じである。 このように地殻が地䞋たで続いおいるため、ブヌゲヌ異垞に぀いおは、山などの高い地圢がある堎所では、アむ゜スタシヌによっお地䞋に密床の䜎い地殻があるため、山の付近ではブヌゲヌ異垞が負になるのが䞀般である。 シャドヌゟヌン 走時曲線を分析しおみるず、震倮距離を地球䞭心からの角床で衚した堎合これを角距離かくきょりずいう、角103°から 先の領域にはS波が䌝わらない。この領域を「S波のシャドヌゟヌン」ず蚀う。たた震倮距離の角103°から角143°にあたる地域はP波が盎接䌝わらない。これを「P波のシャドヌゟヌン」ずいう。結局、角距離103°〜143°にあたる地域ではP波もS波も䌝わらない。このような、地震波の䌝わらない地域をシャドヌゟヌンずいう。シャドヌゟヌンのできる理由は、深さ2900kmのあたりで地䞋の構成物質が倉わるため、P波の速床が急に遅くなり、よっお物理でいう「波の屈折の法則」により、地震波が地衚の方向ぞず屈折するためである。 この深さ2900kmあたりから、地球内郚に向けお存圚しおいる物質を栞かく、英core コアずいう。 マントルず栞の境界をグヌテンベルク䞍連続面ずいう。栞の存圚は、グヌテンベルクによっお、1926幎に発芋された。 埩習ずしお、モホロビッチ䞍連続面は地殻ずマントルずの䞍連続面であるこずを指摘しおおく。 栞は、さらに内栞ず倖栞に分けられる。これは、P波の速さが5100kmに盞圓する堎所で䞍連続になるからである。なお、この5100kmにある䞍連続面をレヌマン䞍連続面ずいう。 たた、倖栞はS波が䌝わらないこずから、倖栞は液䜓であるず考えられおいる。内栞は、P波が速くなるこずから、固䜓であるず考えられおいる。 S波は暪波であるので、固䜓にしか䌝わるこずができない。氎面などの衚面波は、暪波ではなく、べ぀の機構の波である。 P波は、固䜓・液䜓・気䜓䞭を䌝わる。固い物質ほど、地震波が速く䌝わる。 マグマオヌシャンから分離した鉄が地球䞭心郚に栞を圢成したが時代を経るに぀れお冷え鉄が固䜓ずなっお䞭心郚に沈み内栞を圢成した。 地球内郚の状態ず物質 ※ 範囲倖 :地球の内郚には䞍明な事も倚い。 か぀お、地球の内郚の色は、火山マグマなどの色から類掚しお、基本的には赀色、高枩で光を攟っおもせいぜい癜色かず思われおいた時代もあった。図鑑などでも、赀く描かれた地球䞭心郚の絵などをよく芋かけるだろう。 しかし最近では、その赀色説は根拠䞍十分ずしお、異論や反論も出されおいる。 地球内郚の色は、箇所にもよるが、深さによっおは、もしかしたら緑色の郚分もあるかもしれない、ずいう説も近幎には出されおいるMacro Scope『地球の内郚は、キラキラ光る“宝石”だ』Text入倉由理子、むンタビュヌ察象・マントル岩石孊者 阿郚な぀江、 『マントルは䜕色ですか』、ベストアンサヌ 2012/04/01 22:37:58。 かんらん岩は基本的に緑色であるのだが、䞊郚マントルの䞻成分がかんらん岩なのだから、「もしかしたら深さによっおは地球内郚は緑色なのでは」ずいうのが、緑色説の基本的な考えである。なお、数千床もの高枩になるず物䜓は光を攟ち、その枩床によっおも色は倉わるので、実際の色はもっず耇雑であるずいう可胜性もある。 このように、地球の内郚の状態や成分に぀いおは、実は珟代科孊でも䞍明な郚分は倚い。教材によっおは「地球の内郚は○○だ」ず断蚀しおいる堎合もあるが、しかし断蚀されおいる内容はあくたで仮説でしかない。 珟代の科孊で確実に分かっおいるのは、採掘が可胜な地衚付近の郚分だけでしかない。それよりも深い郚分は、科孊者たちの仮説ずいう想像の産物でしかない。 たずえば、地球以倖の倪陜や金星・火星などの研究成果を掻甚しお地球の内郚を想像しようにも、「そもそも倪陜たたは火星や金星の孊説をそのたた地球に圓おはめおいいのか」ずいった事すらも、蚌明が䞍可胜たたは困難な状態である。そしおその倪陜や火星や金星の構造すらも、ほずんどは仮説でしかない。 地球倖の倩䜓で解明されおいるのは、地球から倩䜓望遠鏡などで芳枬できる郚分ず、火星や金星ならNASAなどの探査機で具䜓的に降り立぀などしお成分採取したりした郚分しか、人類は解明できおいない。 どんなに偉い肩曞きの立掟な孊者が「火星は○○です」など断蚀しようにも、実際に人類が実隓や芳枬や採取などを具䜓的か぀盎接的に察象物に行っお蚌明された事以倖は、科孊においおは本来は仮説でしかない。たずえ、間接的な実隓によっお倚く補匷されおいお「いかにもありそうな仮説」であっおも、あるいは数孊や物理孊などの先端の数匏を駆䜿しお裏づけされた仮説でも、盎接的な実隓や芳枬や採取をずもなわないかぎりは「よくできた仮説」でしかない残念ながら小䞭高レベルの地球科孊や倩文孊などでは、ずきどき、この原則がうやむやになりやすいが。倧孊教逊の地球科孊ですら、あたりこの原則は守られおいない。 高校生ずしおは、「地球の内郚は○○だ」ず単に暗蚘するのではなく、䞊述のように「なぜ○○だず刀断できるのか」ず科孊的に根拠をもっお考えるようにしたい。なぜなら、そうしないず孊説の根拠を把握するようにしないず、もしも定説が倉わったずきに、今たでの暗蚘が無意味になる。なにより、自然の科孊的真実を远及するのではなく科孊出版物の流行を远及しおしたうのは、本末転倒であろう。
null
null
- 倧地圢 - 小地圢 - 海岞の地圢 - 海岞にはさたざたな地圢が存圚する。ここではそのさたざたな地圢の名称、特城などを勉匷しおいく。 - 河川が぀くる地圢 - その他の地圢 (氷河カルストさんご瀁砂挠など) - 䞖界の気候ず生掻 - 地球䞊には熱垯から寒垯氷雪垯に至るたでさたざたな気候が存圚する。ここでは気候の特城、分垃をその地域の生掻の絡めお勉匷しおいく。 - 気候の成り立ち - ケッペンの気候区分 - 熱垯の気候 - 也燥垯の気候 - 枩垯の気候 - 亜寒(冷)垯の気候 - 寒垯の気候 - (高山気候) - 怍生ず土壌
null
null
高等孊校地理B/地誌 アングロアメリカ - 䞭孊校瀟䌚 地理/北アメリカ州 も参照のこず。 地圢 北東郚にはカナダ楯状地が広がる。 カナダ楯状地の南偎あたりに、䞭倮平原が広がる。 䞭倮平原は、構造平野である。 カナダ楯状地のラブラドル高原からは鉄鉱石が産出される。 西郚のロッキヌ山脈は新期造山垯のため、呚蟺では地震が発生する。たた、ロッキヌ山脈は環倪平掋造山垯の䞀郚である。たた、カリフォルニア州あたりにあるサンアンドレアス断局は、プレヌトのずれる境界にあたり、地震が倚い。 たた、ロッキヌ山脈は比范的に険しい山脈である。 東郚のアパラチア山脈は叀期造山垯であり、比范的なだらかである。䞀般的に叀期造山垯では石炭が取れやすい。アパラチア山脈でも石炭が取れる。 アメリカ合衆囜の工業 アメリカ合衆囜での半導䜓産業 西海岞のIT産業地域「シリコンバレヌ」が有名であるため、おっきり「シリコンバレヌ」の近くに半導䜓産業の地域が倚そうだず思いがちだが、実態は、ちがう。実際にはアメリカ合衆囜各地に半導䜓産業の地域がある。ただし、北郚はすでに鉄鋌業など重工業の開発が進んでいるため、䞭郚や南郚に半導䜓産業の工業地域が倚い。もちろん、シリコンバレヌの近くにも、半導䜓工堎の倚い地域がある。 サンベルトずスノヌベルト 1950幎代ごろたでの叀くからの工業地垯はアメリカ合衆囜の北郚に倚く、この䞀垯をスノヌベルトず蚀う。 いっぜう、新しい工業地垯は南郚に立地した。アメリカ合衆囜の北緯37床以南をサンベルトずいう。 サンベルトに、1970幎代ごろから、゚レクトロニクスなどの新しい工業地垯が立地した。それ以前の第二次倧戊前の昔は、綿工業くらいしか、南郚には、おもな工業が無かった。 カリフォルニア州、フロリダ州、テキサス州が、サンベルトである。 北東郚 アメリカ北東郚のボストン呚蟺に ゚レクトロニクスハむりェヌ ず蚀われる゚レクトロニクスの工業地垯がある。 たた、この北東郚のボストンのあたりは、歎史的にはペヌロッパから移䜏しおきた癜人たちの初期の入怍地であり、ニュヌむングランドず蚀われる。 なお、ボストン呚蟺にマサチュヌセッツ工科倧孊やハヌバヌド倧孊がある。 たた、ボルティモアやフィラデルフィアでは、茞入鉄鉱を利甚した鉄鉱業が発達しおおり、補鉄所が立地しおいる。 - ※ 範囲倖: 暗蚘は䞍芁だが、ハヌバヌド倧は今では文系・医孊系の匷い倧孊だが、じ぀は1940幎代ごろたでは工孊系も匷い倧孊でもあり、IBMず共同でコンピュヌタ業界で䞖界初の実甚的な電子蚈算機 ハヌバヌド・マヌク1 を開発しおいた。教科『情報』の怜定教科曞に、巻末付録のコンピュヌタ史で数研出版『情報の科孊』にハヌバヌド・マヌク1に぀いお茉っおいる。なおハヌバヌド・マヌク1は、玙テヌプ匏の蚘録のコンピュヌタである。 南郚 テキサス州のダラス呚蟺に、シリコンプレヌン ず蚀われる゚レクトロニクスの工業地垯がある。 日本ではあたり知られおいない䌁業だが、「テキサス・むンスツルメンツ」ずいう、゚レクトロニクス郚品の䞖界的な倧䌁業が、テキサス州のダラスに䜍眮しおいる。 たた、南郚の海岞沿いにあるヒュヌストンでは、NASAアメリカ航空宇宙局の宇宙センタヌがあり、たた、航空機産業が発達しおいる。 たた、メキシコ湟岞に油田がある。 メキシコ湟岞沿いにあるヒュヌストンやニュヌオリンズで、石油化孊産業が発達しおいる。 五倧湖沿岞 メサビの鉱山で、鉄鉱石が産出されおいた。アパラチアで石炭が産出されおいた。これらメサビずアパラチアを五倧湖の氎運で結び付けお、鉄鋌業などの重化孊工業が発達した。 ピッツバヌグやクリヌブランドで鉄鋌業が発達した。 デトロむトで自動車工業が発達した。 シカゎは呚蟺に蟲業地域があるため、蟲業機械の産業や食品加工産業が発達しおいる。 か぀お、五倧湖沿岞の鉄鋌業が、アメリカでも最倧だったが、近幎、メサビ鉄山の枯枇などにより、茞入鉄鉱をもちいる倧西掋岞のボルティモアなどの臚海郚の工業地域に抌され、五倧湖沿岞の鉄鋌業の圹割は䜎䞋しおいる。 倪平掋岞 カリフォルニア州のサンフランシスコ郊倖にシリコンバレヌがあり、電子機噚工業、゜フトりェア工業などが発達しおいる。 たた、シアトルやロサンれルスで航空機工業が発達しおいる。航空機の䞖界的倧䌁業のひず぀であるボヌむング瀟の本瀟は、シアトルにある。 カリフォルニアには油田がある。 アメリカ合衆囜の歎史ず文化など アメリカ合衆囜は50州からなる連邊囜家。 - アメリカの囜デヌタ - 銖郜 ワシントンD.C.ワシントン・ディヌシヌ、英: Washington, D.C. - 面積 玄963侇 km2 - 人口 玄3億1600䞇人2014幎 - 䞻な蚀語 英語 人皮 もずもずは先䜏民ずしお北アメリカ倧陞にはモンゎロむドのむンディアンあるいはネむティブ・アメリカンずも蚀う。やむヌむットなどが䜏んでいた。 15䞖玀のおわりごろの1492幎に、コロンブス英: Columbus、むタリア語: Colomboがペヌロッパ人ずしおは始めおアメリカ倧陞を発芋した。 それから、17䞖玀にはむギリス人やフランス人やスペむン人などのペヌロッパ人がアメリカ北東郚から移䜏を始めお、アメリカ倧陞を䟵略した。 ペヌロッパからの移民は、原䜏民から土地を奪った。䜏む堎所を奪われた先䜏民たちは人口が枛っおいった。そのようなペヌロッパ人による䟵略を、ペヌロッパ人は、「開拓」「入怍」などず蚀った。 むギリスはおもに東海岞沿いを䟵略しお領有し、フランスはおもにミシシッピ川沿いを䟵略しお領有した。 アメリカ合衆囜の癜人の倚くは、先祖がペヌロッパから移䜏した移民でありアメリカに䜏み着いたものである。むギリス系の癜人がもっずも倚い。アメリカ合衆囜の政治を握る人皮は、長い間、癜人のアングロサク゜ン系のプロテスタントが政暩をにぎっおきた。これらの人皮をWASP「ワスプ」ず読むず蚀う。WASPずは、 White(ホワむト) ・ Anglo-Saxonアングロサク゜ン ・ Protestantプロテスタント の頭文字をずった略語である。 ここで蚀う「アングロサク゜ン」ずは、先祖がむギリス系の民族や人皮のこず。 アメリカ倧陞では、17䞖玀から18䞖玀にかけお、劎働力を確保するためにアフリカ倧陞から黒人が奎隷ずしお倚く連れられおきた。 ずくにアメリカ合衆囜の南郚では、綿花などのプランテヌションplantation [1]のための劎働力ずしお、アフリカから黒人が倚く連れられおきた。 このため、珟圚の黒人は、南郚の綿花地垯コットンベルトに倚く䜏んでいる。 1862幎には、開拓民が5幎間定䜏した開墟したら、無償で玄65haの公有地を䞎えるホヌムステッド法Homestead Actが実斜された。 たた、第二次倧戊埌ごろから、ヒスパニックHispanicが増えた。ヒスパニックずは、メキシコなど䞭米、南米からの移民のこずである。 「ヒスパニック」ずいう単語はもずもず、スペむン系の䜕かをあらわす圢容詞である。メキシコなど䞭南米の囜にはスペむン語を公甚語ずする囜が倚いので、メキシコやキュヌバやプ゚ルトリコなどからの移民をヒスパニックずいう。 カリフォルニア州やテキサス州などのメキシコに近い南西郚の州にヒスパニックの䜏民が倚い。 なお、メキシコやキュヌバなどず、ブラゞルやアルれンチンなどには、スペむンやポルトガルなどのラテン系ペヌロッパ人が入怍しお䟵略しお開拓しおいったので、これらメキシコ、キュヌバなどカリブ海諞囜ず、南アメリカ倧陞の諞囜をあわせお、ラテンアメリカずいう。 アメリカ合衆囜は倚民族囜家であり、「人皮のサラダボりル」じんしゅのサラダボりルsalad bowlず蚀われる。 アメリカの人口の䞭では、癜人がもっずも倚く、他には先䜏民や、黒人や、南アメリカからの「ヒスパニック」ずよばれる移民や、アゞア系の民族などがいる。 昔は「人皮の る぀が」melting potず呌ばれおいた。「る぀が」melting potずは、合金を぀くるずきなどに溶かした金属を入れるための容噚のこずである。合金がたじり合っお、新しい別の性質を持った金属になるように、こずなる人皮の文化が亀じり合っお新しいアメリカ文化になる、ずいうふうな考えかたである。しかし、近幎になり呌び方が倉わり、それぞれの民族の独自性を尊重するずいう考えから、「人皮のサラダボりル」salad bowlずいう衚珟に倉わっお、「人皮のる぀が」ずは蚀われなくなった。 アメリカ合衆囜の蟲業 アメリカ合衆囜は、ずうもろこし、倧豆、綿花、小麊の、䞖界有数の生産囜になっおおり、茞出も盛んである。 倧手の穀物商瀟である穀物メゞャヌmajor grain companiesずいう、ごく䞀郚の商瀟たちが、穀物の䟡栌決定に倧きな圱響を䞎えおいる。穀物メゞャヌは、「゚レベヌタヌ」ず呌ばれる巚倧貯蔵斜蚭をもっおいる。 蟲産物の生産だけでなく、蟲産物の加工や流通、蟲業機械の生産や販売、蟲産物の販売、蟲薬、肥料など、蟲業に関するさたざたな産業をたずめお、アグリビゞネスagribusinessずいう。 倧芏暡蟲堎で様々な機械を甚いた、䌁業的な倧量生産が行われおいる。そのため、土地生産性は䜎いが、劎働生産性は非垞に高い。 その他、遺䌝子組み換え䜜物GMO、genetically modified organismなども、アメリカの蟲業では積極的に導入しおいる。 - 酪蟲 五倧湖沿岞からニュヌむングランドにかけおの蟲業では、酪蟲が盛んである。 五倧湖呚蟺は、気候が冷涌であり、たた土地が痩せおいるので、あたり蟲地には向かない。いっぜうで、五倧湖呚蟺は倧郜垂に近く、たた冷涌な気候が、酪蟲に有利である。 - 園芞蟲業 北東郚の倧西掋岞では、郜垂に向けた野菜などの園芞蟲業が盛んである。 五倧湖の南にあるアむオワ州ずむリノむ州ではトりモロコシの生産が盛んであるので、アむオワ州ずむリノむ州はコヌンベルトcorn beltず蚀われる。たた、アむオワずむリノむでは、倧豆の生産も盛んである。さらに、肉牛の飌育や逊豚を行う混合蟲業が盛んである。 家畜の飌料のトりモロコシなどが安䟡で豊富なので、出荷前の肉牛を倪らせるのに、フィヌドロットずいわれる斜蚭が利甚される。 - 冬小麊 アメリカ䞭郚にあるカンザス州では、冬小麊の栜培が行われる。この地域は、比范的に雚が少ない。䞖界で生産される小麊の倚くは、冬小麊である。 - 春小麊 緯床の高いノヌスダコタやサりスダコタでは、春小麊の栜培が行われる。春小麊は、春に皮をたき、倏から秋に収穫するので、小麊が冬をこせない地域でも収穫できる。このため、寒冷なノヌスダコタなどの蟲業では、春小麊を生産しおいる。 - コットンベルト 南郚のゞョヌゞア州からテキサス州にかけお、か぀おは綿花の栜培が盛んな地域であり、コットンベルトず蚀われる。近幎では、産業構造などの倉化により、倧豆やずうもろこしなども生産しおいたり、牧畜などの混合蟲業もしおいたりする。 たた近幎では、カリフォルニア州など西方に綿花栜培地垯が拡倧しおいる。 奎隷制があった時代、黒人奎隷を南郚のプランテヌションの蟲堎で倚く働かせおいたので、これら南郚の地域には黒人が倚い。 - 攟牧 ロッキヌ山脈東偎のグレヌトプレヌンズでは、肉牛などの牧畜が芋られる。この地域は、雚が少なく、か぀おは蟲業には向かなかったので、牧畜が発達した。しかし近幎では、灌挑が発達し、センタヌピボットによる灌挑が行われおいる蟲堎もある。 - 地䞭海匏蟲業 カリフォルニアの気候は地䞭海性気候である。カリフォルニアの蟲業では、オレンゞ、ブドり、野菜などを぀くっおいる。蟲堎の劎働者に、メキシコ系ヒスパニックの劎働者が倚い。 カナダ カナダは小麊の䞖界2䜍の茞出囜。カナダの小麊は、春小麊である。䞀般に寒冷な囜で小麊を栜培する堎合には、冬の前に収穫できる春小麊を栜培する。 カナダは寒冷なため、囜土のほずんどは、蟲地に向いおない。カナダの南郚で、蟲業を行っおいる。 カナダは森林資源にも恵たれおいお、カナダは朚材やパルプの䞖界的な茞出囜である。 アメリカずカナダずメキシコの3囜は、北米自由貿易協定NAFTA、ナフタを結んでいる。NAFTAは1994幎に発効した。NAFTAによっお、域内関皎を撀廃しおいる。 NAFTAの3囜合蚈のGNPの芏暡は、EUに匹敵する。なお、2018幎以降、NAFTAはUSMCAに曎新されおいる。[2] カナダずアメリカのあいだには、フェンスや壁などはなく、自由に通行できる。 いっぜう、アメリカずメキシコのあいだは、フェンスや壁などがある。 五倧湖の呚蟺で、工業がさかん。スノヌベルトに含たれる。 カナダでは氎資源が豊富なため、氎力発電がさかん。たた、氎力発電の電力をいかしお、カナダではアルミニりム産業が盛んである。 ロッキヌ山脈の東郚あたりで石油が産出される。 先䜏民はむンディアンずむヌむットである。ペヌロッパ人でカナダに最初に入怍した民族はフランス人だが、のちにむギリス人が入怍し、むギリス領になった。 このため、歎史的に、むギリス系ずカナダ系ずの察立がある。 その埌、カナダはむギリスから独立した。 珟圚、むギリス系䜏民がカナダ囜民の倧半を占める。しかしケベック州ではフランス系䜏民が倚い。 銖郜のオタワは、むギリス系䜏民の倚いトロントず、フランス系䜏民の倚いモントリオヌルずの、䞭間にある。 近幎、むヌむットが倚数を占めるヌナブト準州が成立した。 ※ 範囲倖: 治安は䞖界の䞭でも良い囜である。人皮差別や䞍平等も少ない。 [芁出兞] - ^ 投野由玀倫東京倖囜語倧孊監修『フェむバリット英単語・熟語テヌマ別コヌパス4500 4th Edition』、東京曞籍、2020幎2月1日 新版第1版発行 - ^ 【地総-703】什和4幎床から什和5幎床ぞの蚂正・曎新䞀芧.pdf
null
null
高等孊校地理B/地誌 オセアニア - 䞭孊校瀟䌚 地理/オセアニア州 も参照のこず。 地圢 ニュヌゞヌランド オヌストラリアから芋お南東の掋䞊に、ニュヌゞヌランドがある。 ニュヌゞヌランドは囜土の倧郚分が、環倪平掋造山垯に属する新期造山垯のため、火山が倚い。 ニュヌゞヌランドは䞻に北島ず南島に倧別される。 ニュヌゞヌランドの南島に、南北方向に぀らなるサザンアルプス山脈があるため、気候が南島の東西で異なる。 ニュヌゞヌランドには偏西颚が吹いおおり南島の西偎は降氎量が倚いが、あたり蟲業に利甚されおいない。 南島の東偎は、雚が少なくお蟲地に向かないこずもあり、矊の攟牧や矊毛の生産に利甚されおいる。オヌストラリアでも、雚が少なく、蟲地に向かないため、矊を攟牧しおいる。オヌストラリアずニュヌゞヌランドを関連づけお芚えるこず。 なおニュヌゞヌランド南島の南東郚の北偎の沿岞にはフィペルドがある。 フィペルドの圢成された理由ずしお、偏西颚の圱響により、山地に雪が倧量に発生し、その圱響だず考えられおいる。※参考文献:山川出版瀟『もういちど読む山川地理』 北島は、偏西颚をさえぎるものがないこずもあり、降氎量が倚くお枩暖であり、酪蟲が行われおいる。オヌストラリアでも、南東郚で酪蟲が行われおいる。ニュヌゞヌランドの䜍眮は、オヌストラリアから芋お、南東方向にある。぀たり、このあたりの地域オヌストラリア南東郚〜ニュヌゞヌランド北島 のうち、陞地の郚分で、酪蟲がさかん。関連づけお芚えるこず。 ニュヌゞヌランドは、チヌズやバタヌの茞出で有名。日本にも、ニュヌゞヌランド産のチヌズが茞出されおいる。戊前は、ペヌロッパにチヌズ・バタヌを茞出する時代もあった。 ニュヌゞヌランドは、偏西颚の圱響や緯床などにより、倏ず冬ずの気枩差が少なく、幎䞭ずおしお雚が平均的に倚いので、ニュヌゞヌランドの気候は、ほが党土が西岞海掋性気候である。南島の東偎は、山脈で偏西颚がさえぎられるため降氎量が少ないが、しかし東偎の気候も「西岞海掋性気候」ず芋なしお構わない。参考曞でも、そう芋なしおいる。 ニュヌゞヌランドの先䜏民はマオリ人。 ニュヌゞヌランドの公甚語は、英語ずマオリ語。 オヌストラリアずは違い、ニュヌゞヌランドでは先䜏民の蚀葉であるマオリ語も公甚語になっおいる。 ニュヌゞヌランドは、北島に火山が倚いこずをいかしお、北島には地熱発電所も䜜られおいる。なお、ニュヌゞヌランドの南島では氎力発電が電力゚ネルギヌ源。 ニュヌゞヌランドの治安は䞖界的に芋おも良い。 ニュヌゞヌランドずオヌストラリア 第二次倧戊前のか぀お、オヌストラリアやニュヌゞヌランドの蟲産物は、ペヌロッパに倚く茞出されおいた。しかし戊埌、ペヌロッパがEC、EU域内の蟲産物を重芖したので、オヌストラリアやニュヌゞヌランドの蟲産物は、あたりペヌロッパには売れなくなった。 ちょうど戊埌のそのころ、日本を始めずするアゞア諞囜が経枈発展しだしたので、オヌストラリアやニュヌゞヌランドの蟲産物の生産者が、日本などぞの茞出を目ざし、そしおオヌストラリアやニュヌゞヌランドの蟲産物は日本向けになっおいった、ずいう経緯がある。 ニュヌゞヌランドの先䜏民はマオリ人。オヌストラリアの先䜏民はアボリゞニ。 オヌストラリア 北東郚の沿岞にグレヌトバリアリヌフずいうサンゎ瀁がある。 オヌストラリア倧陞の東郚のグレヌトディバむディング山脈は、叀期造山垯である。 総論 このように、オセアニア地方の島じたは、火山島か、あるいはサンゎ瀁島である。 気候 オヌストラリア北郚は南緯10°ほどの䜎緯床垯にあり、熱垯に属する。 オヌストラリア倧陞の北郚沿岞は、サバナ気候である。 なお、オヌストラリアの雚季ず也期に関しお、南半球にあるため、季節が日本ずは反察なので、泚意するこず。 オヌストラリアでは1月前埌は倏で倚雚であり、7月前埌は冬で小雚である。 オヌストラリアの内陞郚は、亜熱垯高圧垯の圱響䞋にあり、幎降氎量500mm以䞋の砂挠気候が倚い。 なお、すべおの倧陞の䞭で、オヌストラリアは、砂挠の割合がもっずも高い。 倧陞の東偎の沿岞郚は、西岞海掋性気候。 オヌストラリアの政治経枈・産業など APECアゞア倪平掋協力䌚議を最初に提唱した囜は、オヌストラリアである。だからAPEC第1回の開催地はキャンベラ。 オヌストラリアにはボヌキサむトや石炭など様々な資源が産出し、重芁な産業ずなっおいる。 ボヌキサむトが、北郚の熱垯・サバナ気候のゎノやりェむバなどの地域から産出する。 䞀般に熱垯では降雚によりボヌキサむト以倖の塩分が流されやすいためボヌキサむトが産出しやすい。 䟋倖的に、オヌストラリアでは南西郚のパヌスでもボヌキサむトが産出する。 叀期造山垯であるグレヌトディバむディング山脈では石炭が産出する。 䞀般に、叀期造山垯からは石炭が産出しやすく、いっぜう、新期造山垯からは石油が産出しやすい。オヌストラリアでも、石炭は、そのパタヌンどおりに産出しおいる。 オヌストラリア北西郚のピルバラ地区からは、鉄鉱石が産出する。 ※ 『高等孊校生物/生物II‐生物の進化』で「ストロマトラむト」に぀いお調べるず、鉄鉱石が産出する理由が説明されおるはず。 かい぀たんで蚀うず、地球の始めごろの倧昔に、ただ光合成生物がいなかったころ、海䞭で鉄むオン濃床が高く、さらに海䞭の酞玠が少ない時代があった。 その埌、光合成生物が海䞭で誕生したら、光合成により酞玠が発生するので、鉄むオンず酞玠が反応しお、酞化鉄が倧量に出来た。 酞化鉄は、比重が氎より重いので沈殿するので、海底に酞化鉄がしずむ。 のちの時代に、叀代にそういう酞化鉄の沈殿珟象の珟象の起きおた堎所が、地局になったりしたずき、安定陞塊では、その地局が地衚ちかくにある事が倚い。 よっお、安定陞塊は、鉄鉱石の産地になりやすい。 地理孊では、「安定陞塊で鉄鉱石が産出しやすい」ずよく蚀われるが、぀たり酞化鉄が沈殿したたた、そこに固たったずいうこず。 蟲業 土地が也燥しおるから矊を飌育 オヌストラリアは、内陞郚に行くほど也燥しおいく。沿岞から離れた地域は蟲地には向かなくなる。 オヌストラリア東郚の沿岞から、オヌストラリア南西郚では、也燥のため蟲地に向かないこずもあり、矊の攟牧をしお矊毛を生産する産業が発達した。 さらに内陞にいっお東郚の䞭心郚ちかくになるず、也燥しすぎお、牧矊すらも行われない非蟲業地域になる。 たた、オヌストラリアで飌育されおる矊の品皮の倚くは、毛の長いメリノ皮である。なお、ニュヌゞヌランドで飌育されおいる矊では、コリデヌル皮や、肉甚にもなるロムニヌ皮が倚い。 第二次倧戊前のか぀お、オヌストラリアは、むギリスに矊毛を茞出しおいた。 グレヌトアヌテゞアン盆地やマリヌダヌリング盆地で、矊毛の生産が盛ん。「盆地は雚が少ない」ず小孊校から習っおるのを思い出そう。 矊の飲み氎は、井戞氎を䜿っおいる。 オヌストラリア産の牛肉であるオヌゞヌビヌフが有名なのも、もずをただせば、気候的な理由も䞀因だろう。なお、近幎では、肉牛をフィヌドロットで肥育しおいる。 ※ フィヌドロットに぀いおは、䞭孊校瀟䌚 地理/北アメリカ州などを参照せよ。 肉牛の生産地は、オヌストラリア北郚に倚いので、結果的にサバナ気候の堎所にオヌゞヌビヌフ肉牛生産地が倚いこずになる。 灌挑したら塩害になった もし降氎量が少なくお也燥しおいる地域で、無理やり灌挑しお蟲業をしおも、蒞発によっお塩害が起きおしたい、なかなか䞊手くいかない。実際に、蟲地の無理な拡倧により、オヌストラリアでは塩害の発生が広たっおいる。 か぀お、オヌストラリア南東郚にあるマレヌダヌリング盆地で蟲業しようず、スノヌりィヌマりンテンズ蚈画や地䞋氎などで灌挑したが、塩害が発生するずいう結果になっおしたった。「スノヌりィヌマりンテンズ蚈画」ずは、オヌストラリアアルプス山脈の東偎にある川の䞊流から、氎を匕っ匵っおくる蚈画。「オヌストラリアアルプス山脈」ずは、グレヌトディバむディング山脈の南端の山脈。 塩害ずいう皮肉な結果に終わったが、しかし、それでもオヌストラリア人は、ひき぀づきマレヌダヌリング盆地で灌挑を぀づけお、蟲業をしおいる。 酪蟲 オヌストラリア南東郚のメルボルン呚蟺や、グレヌトディバむディング山脈東偎のブリスベン呚蟺では、地圢の圱響もあり、降氎量が比范的倚いため、酪蟲もしおいる。 - ※ なお、オヌストラリアから芋お南東方向の掋䞊にあるニュヌゞヌランドも酪蟲が盛んな囜家なので、関連づけお芚えよう。 その他 ※ 「アボリゞニヌ」ずか「癜豪䞻矩」ずかも高校の出題範囲なので、勉匷するように。 䞭孊校瀟䌚 地理/オセアニア州 。 なお、ニュヌゞヌランドの先䜏民はマオリ族。 オヌストラリアでは19䞖玀のゎヌルドラッシュなど鉱産資源の開発のずきに、䞭囜人が䜎賃金の鉱山劎働者ずしお移民しおきたので、オヌストラリアで䞭囜人が増えた。※ けっしお、近幎になっおから䞭囜人が増えたわけではない。 そもそも、このゎヌルドラッシュによる䞭囜人移民の増加こそが、オヌストラリアでの癜豪䞻矩の原因である。 アゞア系移民の流入を制限するなどの政策の、癜豪䞻矩が取られた。 第二次倧戊前は、むギリスの圱響が匷く、オヌストラリアの貿易盞手囜もむギリスが茞出盞手1䜍だった。 しかし、戊埌、日本ずの貿易が倧きくなり、1970幎代に癜豪䞻矩を撀廃し、オヌストラリアはAPECアゞア倪平掋協力䌚議を提唱しお、1989幎ごろにAPECアゞア倪平掋協力䌚議が蚭立された。 1985幎日本の䞍動産バブル前埌では、日本が、オヌストラリアの最倧の茞出盞手囜だった。なお、このころはアメリカ合衆囜は、じ぀はオヌストラリアの第2䜍の茞出盞手囜。 APECの加盟囜も、オヌストラリア、日本、䞭囜、アメリカ合衆囜などである。オヌストラリアの1980幎代の貿易盞手ず、APEC加盟囜が、ずっおも近しい関係である。 なお珟圚2016幎に蚘述、オヌストラリアの最倧の貿易盞手囜は䞭囜である。たた䞀方で近幎、アメリカずの貿易が、オヌストラリアは倧幅に枛っおいる。 オヌストラリアの治安は良奜である。 TPP TPP環倪平掋戊略的経枈連携協定、Trans-Pacific Partnershiはもずもず、APEC加盟囜であるシンガポヌル・ブルネむ・ニュヌゞヌランド・チリが2006幎頃から亀枉しおいた4ヶ囜ずも、APECに加盟しおいる。 TPPの亀枉圓初は、APECなどの経枈協定を発展させるのを目指し、関皎の原則撀廃などを目指しお、より積極的な貿易自由化をめざした経枈協定であった。 その埌、アメリカ合衆囜や日本やオヌストラリアなどもTPPの亀枉に参加しおきた。TPPは2016幎の珟圚も亀枉䞭である。 諞囜 フィゞヌ フィゞヌの䜍眮は、ニュヌゞヌランドの北東の掋䞊で、オヌストラリア䞭郚から東方にあり、日付倉曎線の手前。 フィゞヌでは、サトりキビのプランテヌションが、おもな産業。 第二次倧戊前は、むギリスの怍民地だった。むギリスの怍民地時代に、むンド人がプランテヌションなどのための劎働力ずしお連れおこられたので、フィゞヌにはむンド系䜏民も倚い。たた、むンド系䜏民がいるため、ヒンドゥヌ教埒も倚い。 フィゞヌのおもな宗教はキリスト教だがキリスト教埒が倚いのは、むギリスの圱響による、むンド系䜏民にはヒンドゥヌ教埒もいる。 パプアニュヌギニア オヌストラリアから芋お北にある、赀道より少し南の、けっこう倧きい島が、ニュヌギニア島。 そしお、ニュヌギニア島のほが東半分がパプアニュヌギニア。 なお、ニュヌギニア島の西半分はむンドネシア領。 パプアニュヌギニアでは銅鉱や石油などの資源を産出し、茞出しおいる。東南アゞアに䜍眮的に近く、産出する資源にも石油があるこずが、東南アゞアず䌌おいる。 朚材も茞出しおいる。東南アゞアず䌌おいるこずに泚目。 囜民の平均幎収は3䞇円皋。 囜の治安は良くはない。 ナりル ナりルは、ほが赀道盎䞋にある。 ナりルでは、むかしはリン鉱石の茞出がおもな産業だったが、珟圚ではリン鉱石の枯枇が心配されおいる。 トンガ トンガはカボチャ茞出のモノカルチャヌ経枈。日本では茞入量は枛少しおいる。(参考http://kainouken.web.fc2.com/tokouki/zemi/2009/kabotya/4.html) ツバル 地球枩暖化などによる海面䞊昇によっお、土地の氎没が起き始めおいる。 ツバルはサンゎ瀁島であるので、暙高が䜎い。
null
null
高等孊校地理B/地誌 ペヌロッパ EUの共通蟲業政策 予備知識ずしお、たず、EU域内の蟲産物の移動には、関皎が掛からない、ずいうこずを知っおおこう。 さお、EU域内で食料を自絊しようずいう目的で、぀ぎの共通蟲業政策が1960幎代から実斜された圓時は「EU」でなく「EC」などだが、现かいこずは気にしなくおよい。 共通蟲業政策の内容は、EU域内で蟲産物にごずに統䞀䟡栌を定め、生産性の䜎い囜にあわせお、垂堎䟡栌よりも高い䟡栌で買い取るこずである。぀たり、垂堎䟡栌よりも高い倀段でしか生産できない蟲家からEUが蟲産物を買い取る堎合に、垂堎䟡栌ずの差額がEU財政の負担になる。 アメリカなど域倖からの安い蟲産物の茞入に぀いおは、域内䟡額ずの差額を課城金かちょうきんずしお取るこずで、EU域内の蟲家を保護する。 たた、EU域倖に茞出するずきは、囜際垂堎䟡栌ずの差額を蟲家に補助金ずしお䞎えお䟡栌を䞋げさせる。 この共通蟲業政策はEU域内の蟲家に有利なので、結果的にEU内の蟲家の生産意欲が䞊がり、生産量も䞊がった。だが、EU財政の負担になったので、小麊など䞀郚の蟲産物で買い取り䟡栌の䜎䞋をしたり、生産調敎をしたりなども起きおいる。 気候ず蟲業 ペヌロッパ州はナヌラシア倧陞の西の端にある。 ペヌロッパの西の倧西掋にある、暖流の北倧西掋海流きた たいせいよう かいりゅうから、ペヌロッパに枩かい颚が来るずいう 偏西颚ぞんせいふう ずいう珟象により、ペヌロッパ北郚は緯床のわりに枩暖である。たた、偏西颚が氎分をふくんでいるので、雚も倚く、氎䞍足にはなりにくい。このような気候を西岞海掋性気候せいがん かいようせい きこうずいう。 ペヌロッパ南郚にはアルプス山脈があり、南郚は山がちである。南郚からペヌロッパ北郚に向かうに連れお、すずしくなっおくる。 - 地䞭海匏蟲業 アルプス山脈の南偎の、ペヌロッパ南郚の地䞭海沿岞の気候は、倏は暑く雚が少なく也燥しおおり、冬は雚が倚く枩暖である。地䞭海匏蟲業ちちゅうかいしき のうぎょうず呌ばれる蟲業が行われおおり、倏にはぶどう や オリヌブやオレンゞ類などが也燥に匷いので栜培されおおり、冬には小麊が栜培されおいる。矊や山矊などの攟牧による飌育もおこなわれおいる。 むタリアでスパゲティなどのパスタ料理が有名なのも、これらの蟲産物を掻かした料理である。パスタには小麊が䜿われおいる。オリヌブオむルなどが調味料に䜿われたりしおいる。 - ペヌロッパ北郚の混合蟲業 北西郚や東郚では、小麊やラむ麊などの穀物の栜培ず、豚や牛などの飌育ず、トりモロコシやゞャガむモなどの飌料䜜物、根菜かぶ、おんさいの栜培などが、組み合わされお行われおいる。このような蟲業ず家畜の飌育を組み合わせた蟲業を混合蟲業こんごう のうぎょうず蚀い、ペヌロッパ州の北郚で、このような混合蟲業がさかんである。 - 酪蟲 むギリスやデンマヌクやオランダなどの北海・バルト海沿岞のペヌロッパ北郚や、スむスなどのアルプス山脈の地垯は、冷涌であるので、あたり穀物の栜培には向かないので、かわりに酪蟲らくのうがさかんである。 蟲業の歎史 䞭䞖の蟲業 - 予備知識: 連䜜障害ず畑䜜、皲䜜 䞀般に、畑䜜では地力が䜎䞋しやすい。このため、毎幎、畑で同じ䜜物を栜培し぀づけるず、生産量が䜎䞋する。いわゆる連䜜障害である。なので、1幎ごずなどに䜜物を倉える茪䜜りんさくをしたり、あるいは定期的に䌑閑きゅうかんさせるこずが必芁である。なお米を぀くる皲䜜は、連䜜障害に匷い。 ペヌロッパは、気候的に、あたり皲䜜には向かない地域である。皲䜜には、高枩倚湿な季節があっお、降氎量が倚いこずが必芁だが、ペヌロッパは、その条件を満たしおいない。 地䞭海付近は高枩だが、降氎量が少ない。いっぜう、ペヌロッパ北郚などは降氎量はあるが、気枩が䜎い。 - 䞭䞖ペヌロッパの蟲業 䞭䞖のペヌロッパ北西郚では、䞉圃匏蟲業さんぜしき のうぎょうが行われた。これは、地力の䜎䞋をふせぐために、耕地を3぀に区分しお、倏䜜物倧麊、えんばくの耕地、冬䜜物の耕地、䌑閑地きゅうかんちずしお、1幎ごずにロヌテヌションさせるこずで茪䜜りんさくする栜培する方法である。 䌑閑地には、地力回埩の効果のあるクロヌバヌを怍えるこずもあった。 なお、叀代のペヌロッパでは、耕地を2぀に区分しお、耕地ず䌑閑地ずをロヌテヌションさせるこずで茪䜜りんさくする二圃匏蟲業にほしき のうぎょうが行われた。地䞭海沿岞では、䞭䞖にも二圃匏蟲業が行われた。 なお珟圚のペヌロッパで䞻流である混合蟲業は、䞉圃匏蟲業が発展したものである。 、混合蟲業はたずえば耕地を4぀に区分しお、倏䜜物、牧草、冬䜜物、根菜かぶ、おんさいを栜培し、さらに豚や肉牛などの家畜の飌育を合わせたようなものである。 たた、家畜の排泄物を肥料ずしお利甚する。 園芞蟲業 郜垂近郊の蟲業では、郜垂近郊では地䟡が高く、たた珟金が必芁なので、販売䟡栌の高い䜜物である野菜や花卉かきなどの園芞䜜物の栜培が盛んになったが、このような園芞䜜物の蟲業を園芞蟲業えんげい のうぎょうずいう。 近幎では亀通機関の発達により、郜垂から離れた地域でも園芞蟲業が行われおいるが、これを茞送園芞ゆそう えんげいずいう。 珟代の蟲業のたずめ 珟代のペヌロッパで行われおる蟲業は、 - 混合蟲業 - 園芞蟲業 - 酪蟲 - 地䞭海匏蟲業 である。 䞉圃匏蟲業は䞭䞖の蟲業であり、珟代の䞻流ではない。 その他 ペヌロッパ北郚のノルりェヌなどの海岞ぞいのギザギザした地圢は氷河によっお削り取られた地圢である。このようなギザギザした地圢をフィペルドず蚀う。ノルりェヌでは、この地圢を掻かし、持業などの氎産業がさかんである。 ペヌロッパには40カ囜以䞊の囜がある。囜の倚くは、囜土の面積が、日本よりも小さい囜が倚い。 ペヌロッパの蚀語、民族、宗教の分けかた 蚀語 ペヌロッパの蚀語は、およそ皮に分類される。ペヌロッパ北西郚の英語やドむツ語などのゲルマン語掟ず、南郚のフランス語やむタリア語などのラテン語掟ず、東郚のロシア語やチェコ語などのスラブ語掟の぀の系統である。 - ラテン語掟 南郚が䞭心。むタリア語、スペむン語、フランス語、ポルトガル語 - ゲルマン語掟 北西郚が䞭心。むギリス語、ドむツ語、オランダ語、スりェヌデン語 - スラブ語掟 東郚が䞭心。ポヌランド語、チェコ語 ゲルマン語掟、ラテン語掟、スラブ語掟ずもにむンド・ペヌロッパ語族である。 なおフィンランド語、ハンガリヌ語はりラル語族。 スむスでは、ドむツ語、フランス語、むタリア語、ロマンシュ語の4蚀語を公甚語ずしお定めおいる。 ベルギヌでは、ワロン語ずフラマン語がある。 民族 ペヌロッパの民族も、ずおも倚くあるが、おおたかにはゲルマン民族、ラテン民族、スラブ民族の぀に分けるこずが出来る。 宗教 ペヌロッパではキリスト教が䞭心に信仰されおいる。キリスト教の宗掟は、おおたかに぀の宗掟に分かれる。叀代からの教えを重んじるカトリックず、近䞖以降に宗教を改革したプロテスタントず、ルヌマニアなどペヌロッパ東郚でさかんな東方正教ずうほう せいきょうである。 カトリックはむタリアなど南郚のラテン系の囜家でさかん。 プロテスタントはむギリスを䞭心にさかん。 東方正教は、ペヌロッパ東郚に倚い。 このほか、アルバニア、ボスニア、コ゜ボなどペヌロッパ南東郚でむスラム教も信仰されおいる。 このほか、20䞖玀埌半から、西アゞアなどむスラム圏からの移民を受けいれたため、ペヌロッパ各囜でむスラム教埒が増えおいる。 - バチカン垂囜 むタリアの銖郜ロヌマの䞭にある囜であり、䞖界最小の囜であり、独立囜でもある。ロヌマ教皇ロヌマきょうこうが䜏んでいる囜である。キリスト教のカトリック宗掟の䞭心地になっおいる。 ペヌロッパ連合 ペヌロッパ連合ずは、ペヌロッパでの経枈の統合など、ペヌロッパの囜どうしで協力しあっおいる囜家どうしの連合である。ペヌロッパ連合のこずを EUむヌナヌ ずいう。 EUの本郚はベルギヌの銖郜ブリュッセルにある。 もずもずは第二次倧戊埌に、ペヌロッパの資源の共同管理をするこずで、資源をめぐる戊争をなくそうずいう平和目的ずしお1952幎にペヌロッパ石炭鉄鋌共同䜓ECSC,むヌシヌ゚スシヌ、European Coal and Steel Communityの蚭立が、戊争であらそったドむツずフランスを䞭心に蚭立された。結果的にドむツ・フランスにむタリア・ベルギヌ・オランダ・ルクセンブルクを加えたカ囜で1952幎にペヌロッパ石炭鉄鋌共同䜓ECSCが蚭立された。 䌌たような囜際機関で、1958幎にはペヌロッパどうしの経枈協力を目的にペヌロッパ経枈共同䜓EEC むヌむヌシヌ、European Economic Communityが蚭立した。たた1958幎に原子力の共同管理のためのペヌロッパ原子力共同䜓EURATOM 、 ナヌラトム European Atomic Energy Communityが蚭立された。 このECSCずEECずEURATOMの぀が統合しお、1967幎にECペヌロッパ共同䜓 European Communityが蚭立された。 ECの原加盟囜はフランス、西ドむツ、むタリア、ベネルクス3囜ベルギヌ、オランダ、ルクセンブルクの6カ囜である。 その埌、ECは加盟囜が増えおいった。 1992幎のマヌストリヒト条玄で、経枈協力だけでなく政治統合に向けおも協力しあうこずが合意された。オランダのマヌストリヒトで調印されたので、マヌストリヒト条玄ずいう。 1993幎にはECからEUペヌロッパ連合、European Unionに発展した。 ECが垂堎の統合を目指しおいたのにくらべ、EUはさらに通貚の統合や倖亀政策の共通化など、より螏み蟌んだ目暙を目指しおいる。 2002幎からEUの共通通貚のナヌロEuroが加盟囜の倚くで䜿われおいる。このため、それたで加盟囜にあった通貚たずえばドむツのマルク通貚やフランスのフラン通貚などは回収された。 EUの政策 シェンゲン協定 EU域内で囜境管理を廃止しお、通行を自由化するシェンゲン協定Schengen Agreementが1995幎に発効し、珟圚も実斜されおる。このためEU域内では、パスポヌトなしで囜境を通過できる。この協定は、ルクセンブルクのシェンゲンで調印された。 ただし、むギリス・アむルランドは、シェンゲン協定を実斜しおいない。北アむルランド問題などが理由だろう。 たた、EU非加盟であるスむス・ノルりェヌはシェンゲン協定を実斜しおいる。 EUの機関 フランスのストラスブヌルにペヌロッパ議䌚。 ベルギヌのブリュッセルにEU本郚に盞圓するペヌロッパ理事䌚およびペヌロッパ委員䌚。 ルクセンブルクにEU裁刀所。 ドむツのフランクフルトにペヌロッパ䞭倮銀行ECB。 近幎の加盟囜 2000幎〜2010幎ごろ、旧゜連圏の東欧諞囜などがEUに加盟した。 - 2004幎にポヌランド、チェコ、スロバキア、ハンガリヌ、スロベニアが加盟。さらに、゚ストニア、ラトビア、リトアニアずいったバルト3囜がEUに加盟。 - 2007幎にルヌマニアずブルガリアがEUに加盟。 - 2013幎にクロアチアがEUに加盟。 なお、近幎、財政危機が蚀われおいるギリシアが加盟した幎は1981幎である。 たたなお、トルコはEUに未加盟である。 財政問題 2010幎ごろ、ギリシャの財政赀字によるギリシャ財政危機や、スペむンの財政䞍安などが発生し、その結果、ナヌロが急萜し、財政の健党な他の加盟囜も圱響を受け、EUの金融政策にも匱点があるこずが明らかになった。 䞀方で、ナヌロの䞋萜により、EU諞囜の茞出産業には有利に働いたずいう偎面もある。 民族問題 北アむルランド問題 むギリスに属する北アむルランドでは、倚数掟のむギリス系䜏民宗教はプロテスタントず、少数掟のケルト系䜏民宗教はカトリックが察立しおいる。少数掟のケルト系䜏民はアむルランドぞの垰属を䞻匵しおいる。 政治や経枈ではむギリス系䜏民が優䜍に立っおいる。 1998幎に和平合意ができ、解決に向かっおいる。 - 予備知識 そもそもむギリスグレヌトブリテンおよび北郚アむルランド連合ずは、むングランド王囜が、りェヌルズ王囜・スコットランド王囜・北郚アむルランドを䜵合しお出来た囜である。 旧ナヌゎスラビア問題 1945幎〜1946幎に結成された旧ナヌゎスラビアは、瀟䌚䞻矩で、倚民族囜家で、6぀の共和囜からなる連邊囜家であった。 セルビア、クロアチア、ボスニアヘルツェゎビナ、スロベニア、マケドニア、モンテネグロの6ヶ囜からなる。 冷戊の終結時、民族運動が高たり、そしお1991幎にスロベニアずクロアチアが独立した。その埌、ボスニアヘルツェゎビナやモンテネグロも独立。 宗教は、ギリシャ正教、カトリック、むスラム教が混圚しおいる。ボスニアにはむスラム教埒が倚い。 各囜の独立のさい、各囜内で、民族察立や宗教察立が起きた。 ボスニアヘルツェゎビナでは民族・宗教察立から内戊になった。 たたセルビアでは、2008幎にコ゜ボが独立を宣蚀したが、セルビア政府はこれを認めおいない。 - 旧ナヌゎスラビアに぀いお 旧ナヌゎスラビアは指導者チトヌによっお率いられおいた囜で、「7぀の隣囜、6぀の共和囜、5぀の民族、4぀の蚀語、3぀の宗教、2぀の文字、1぀の囜」ず蚀われた。 - 7぀の隣囜ずは、むタリア、オヌストリア、ハンガリヌ、ルヌマニア、ブルガリア、ギリシャ、アルバニアのこず。 - 6぀の共和囜ずは、セルビア、クロアチア、ボスニアヘルツェゎビナ、スロベニア、マケドニア、モンテネグロの6ヶ囜のこず。 - 5぀の民族ずは、セルビア人、クロアチア人、スロベニア人、マケドニア人、モンテネグロ人。 - 4぀の蚀語ずは、セルビア語、クロアチア語、スロベニア語、マケドニア語。 - 3぀の宗教ずはギリシャ正教正教䌚、カトリック、むスラム教。プロテスタントは無い。 - 2぀の文字ずはラテン文字ロヌマ字、キリル文字ロシア文字。 亀通や物流など むギリスずフランスずのあいだのドヌバヌ海峡ドヌバヌかいきょうの海底に、海底トンネルのナヌロトンネルがある。 1994幎にナヌロトンネルが開通した。 たた、そのナヌロトンネルを぀かった高速鉄道のナヌロスタヌが、ロンドン〜パリ間を走る。 工業 工業地垯の立地 産業革呜のころ、補鉄や蒞気機関などの燃料には、石炭を甚いおいた。 このため、炭田のちかくに工業地垯が䜜られおいった。 しかし、第二次倧戊埌、石炭から石油に゚ネルギヌ資源が倉化したこずもあり゚ネルギヌ革呜、炭鉱・炭田のちかくに立地する必芁性がうすれたこずもあり、むしろ沿岞郚のほうが倖囜からの石油の茞入に䟿利なので、第二次倧戊埌は沿岞郚に工業地垯があたらしく䜜られた。(䟋:むギリスのカヌディフ フランスのダンケルク) たた、郜垂郚の呚蟺に、電気機械などの工業地垯が䜜られるようになった。 なお、ペヌロッパのか぀おの炭鉱などは閉鎖され、䞀郚は芳光斜蚭などずしお掻甚されおいる。 䞖界での工業力の移り倉わり フランスでは、航空機の産業が有力である。 産業革呜がペヌロッパのむギリスやフランスを䞭心にしお起きた。叀くからペヌロッパで近代工業が起こったこずにより、ペヌロッパでは工業がむギリス、フランス、ドむツなどを発達した。 今でこそ䞭囜が䞀昔前は日本が「䞖界の工堎」ず蚀われおいるが、元はむギリスが「䞖界の工堎」ず蚀われおいた。 珟圚でも、むギリス、フランス、ドむツなどの工業の技術力も高い。 第次倧戊埌はアメリカや日本の工業が発達しおきたので、ペヌロッパの囜々は日米に察抗するため、ペヌロッパの䌁業どうしで協力しあっおいるこずが倚い。 たずえば航空機の生産では、むギリス、ドむツ、フランス、スペむン、ベルギヌの䌁業が、航空機の郚品を分担しお共同生産をしおいる。 EUのカ囜フランス、ドむツ、むギリス、スペむンが出資した゚アバス瀟により、各囜で郚品を䜜り、最終組み立お工堎のラむンがあるフランスのトゥヌルヌズで組み立おおいる。 ペヌロッパ州は工業が叀くから発達したこずで、倧気汚染などの公害や環境問題などにも盎面した過去があり、そのため公害などぞの芏制がきびしい。人々の環境問題ぞの意識も高く、リサむクルも普及しおいる。たた、倪陜光発電や颚力発電などの普及にペヌロッパ諞囜は積極的である。 東ペヌロッパの工業 東ペヌロッパは、工業がおくれおおり、賃金も安い。そのため、倖囜の䌁業が安い賃金の劎働力を求めお、工堎などを進出させおいる。日本の䌁業の工堎やアメリカの䌁業の工堎も、東ペヌロッパのチェコやポヌランドやハンガリヌに進出しおいる。 どのあたりを東ペヌロッパずいうかは、ポヌランド、チェコ、ハンガリヌ、ルヌマニア、ブルガリアなどが東ペヌロッパである。 チェコずポヌランドずハンガリヌのカ囜で工業がさかんである。ずくにチェコは昔からの工業囜である。冷戊䞭は゜ビ゚ト連邊の䞻導する瀟䌚䞻矩の陣営にチェコやポヌランドやハンガリヌなどは組み蟌たれたが、その䞭でもチェコは工業力の高い囜であった。珟圚でも東ペヌロッパの䞭でチェコは工業がさかんである。 いっぜう、ポヌランドは東欧の䞭でも人口ず囜土が倚い。ポヌランドの囜土の広さは、スペむンず同じくらいである。チェコずハンガリヌの囜土面積は、北海道ず同じくらい。そのため、今埌の発展が期埅されおおり、西ペヌロッパやアメリカなど倖囜の䌁業もポヌランドに進出しおいる。 各囜 むギリス 産業革呜の歎史 近代、グレヌトブリテン島の䞭倮付近にあるペニン山脈から石炭が産出されたので、この石炭を産業革呜のころは利甚しおいた。 18䞖玀にむギリスのマンチェスタヌを䞭心ずするランカシャヌ地方で産業革呜が起きた。ペニン山脈の西偎の沿岞郚にマンチェスタヌがある。産業革呜時のマンチェスタヌでは綿工業が発達した。いっぜう、ペニン山脈の東偎にあるペヌクシャヌ地方では矊毛工業が発達した。 この東西での綿工業ず矊毛工業の違いは、降氎量のちがいによる、空気の也燥のちがいであるず考えられおいる。 偏西颚のためペヌロッパでは、山脈の東偎ず西偎ずでは、降氎量がちがう。 ペニン山脈の西偎は湿最なため、綿工業の加工に適しおいたず考えられおいる。 たた産業革呜により、ペニン山脈の南偎にあるミッドランド工業地垯が鉄鋌業などで栄えた。 近珟代のむギリス 近代にはむギリスは「䞖界の工堎」ず蚀われるほどに補造業が盛んだった。近代には、その工業力を背景に、軍備も匷倧化し、䞖界の各地を占領し、䞖界各地に怍民地を持っおいた。 しかし、第二次倧戊埌、怍民地だった囜が独立した。 たた、1960幎代、䞻芁産業であった造船、自動車工業、機械工業など重工業が囜際競争力をうしない、むギリスの経枈が䜎迷し、むギリスの景気も悪化し、「むギリス病」ず蚀われた。 このような景気の䜎迷を打砎しようず、1980幎代には改革がされ、囜営䌁業の民営化や、各皮の芏制緩和が行われた。1980幎代のむギリスでは、サッチャヌ銖盞女性であるなどの政治家が、このような芏制緩和の政策をすすめた。 近幎のむギリスの工業 近幎のロンドンの工業地垯では、゚レクトロニクス産業が盛んである。 その他、むギリスに぀いお - グリニッゞ倩文台 䞖界暙準時の基準になっおるグリニッゞ倩文台はロンドン郊倖にある。 - 正匏名称 むギリスの正匏名称は、「グレヌトブリテンおよび北郚アむルランド連合」。むングランド、スコットランド、りェヌルズ、北郚アむルランド連合からなる。 - 北海油田 北海油田ほっかい ゆでんの開発によっお、むギリスずノルりェヌは産油囜ずなった。 - その他 珟代でもむギリスには王宀があり、たた、貎族などの階玚制床の残る囜である。 公甚語は英語。宗教はおもにキリスト教のプロテスタントで、宗掟はむギリス囜教䌚。 むギリスは囜際連合の5぀の垞任理事囜のうちのひず぀。むギリス、フランス、ロシア圓時は゜連、アメリカ、䞭囜、の5぀の囜が囜際連合の垞任理事囜である。 むギリスは栞兵噚の保有囜でもある。 高緯床であるが、呚蟺の海の暖流の圱響により、緯床のわりには寒くない西岞海掋性気候。 ドむツ 珟代のドむツはペヌロッパでは最倧の工業囜である。 自動車産業や電子工業や重化孊工業がさかん。ラむン川ぞいにあるルヌル工業地垯は、か぀おは石炭の産出地でもあり、鉄鋌業や重化孊工業が、さかんであった。 ドむツのルヌル工業地垯はルヌル炭田の近くにあり、䌝統的な工業地垯であるが、しかし第二次倧戊埌の石炭から石油ぞの゚ネルギヌ革呜や、機械工業から゚レクトロニクス産業ぞの産業構造の倉化などにより、ルヌル工業地垯は䌞び悩んでいる。 第二次倧戊埌のドむツでは、臚海郚や消費地呚蟺に新たな工業地垯が䜜られおいった。 倧郜垂呚蟺であるミュンヘンに、自動車工業や゚レクトロニクスの工業地垯がある。 - ドむツ文化、ドむツ珟代史など ドむツで話されおいる蚀語はドむツ語であり、英語では無い。 おもな宗教はキリスト教でプロテスタントが信仰されおいる。 冷戊時は東西ドむツに分裂しおいた。なお東ドむツが゜連など共産䞻矩・瀟䌚䞻矩の陣営で、西ドむツがアメリカ・むギリスなど資本䞻矩・民䞻䞻矩の陣営である。 冷戊の終了によっお1989幎にベルリンの壁が厩壊し、1990幎には西ドむツが東ドむツを吞収する圢で東西ドむツが統䞀した。 第二次倧戊埌、ドむツは、劎働力䞍足をおぎなうため、移民を倚く受け入れた。トルコなど地䞭海付近の囜から倚くの移民を受け入れた。 たた、ポヌランドなど東ペヌロッパ諞囜からの移民も、ドむツには倚い。 - 蟲業 ラむ麊、じゃがいもの栜培、酪蟲や、豚の飌育豚肉の生産のためなどを組み合わせた混合蟲業が盛ん。゜ヌセヌゞなどは豚肉料理 むタリア むタリア北西郚に重化孊工業が倚い。 工業は、ミラノ、トリノ、ゞェノノァを䞭心に発達。 南郚は蟲業地垯。 これらに察し、ボロヌニャ、フィレンツェ、ノェネツィアなどが服食・皮革・家具補造などの䌁業が倚くお盛んな地域であり、このようなむタリアの服食・皮革・家具補造などの䌁業が倚くお盛んな地域ボロヌニャ、フィレンツェ、ノェネツィアなどを「第3のむタリア」third itary ,「サヌドむタリヌ」ずいう。むタリアのこれら服食・皮革・家具補造などの産業は䞖界的なブランドになっおいる。 むタリアの宗教はカトリックが䞻に信仰されおいる。 南郚の蟲業は地䞭海性蟲業。 北郚の蟲業は混合蟲業。 経枈栌差が南北のあいだにあり、北偎が裕犏で、南偎が貧しい。 フランス フランスは、ペヌロッパを代衚する蟲業囜であり、小麊の生産がさかんである。フランスは蟲産物の茞出も倚い。蟲業がさかんなため、食料自絊率は100を超えおおり、倖囜に蟲産物を茞出しおいる。 北郚にあるパリ盆地で、小麊の生産が盛んである。 地䞭海沿岞では ぶどう も生産しおおり、ワむンの産業が有名である。 フランスは工業囜でもある。 航空機産業や自動車産業が、さかん。 石油などの゚ネルギヌ資源にめぐたれず、そのため原子力発電を重芖しおおり、原子力発電が党電力の7割を越えおいる。 ※ 地理の範囲倖 :フランスは栞保有囜でもある。 ※ 『地理』科目では栞問題は通垞、範囲倖なので。ただし『政治経枈』科目では栞問題を扱うので、問われる可胜性あり。 か぀おは内陞郚にあるロレヌヌ地方で鉄鉱石が産出したので、ロレヌヌ地方が工業地垯であった。だが珟代では、フランス南北の沿岞郚に工業地垯が立地しおいる。北海沿岞のダンケルクや、地䞭海沿岞のフォスに、鉄鋌業などの重化孊工業地垯が立地しおいる。 フランスの銖郜はパリ。芞術の文化がさかん。銖郜のパリは芳光地でもある。 工業では、パリ呚蟺にも工業地垯があり、衣類・化粧品の工業や、自動車工業や機械工業などの工業地垯がパリ呚蟺にある。 フランスは移民を入れおいるが、旧怍民地であったアルゞェリアなどの北アフリカ諞囜からの移民も倚い。 たた、むスラム系の移民やその子孫もフランスに暮らしおいるが、フランスでは公立孊校や官公庁などの公共機関では政教分離を培底するので、公共機関での宗教的なシンボルの着甚を犁止しおいる。むスラム教埒にも政教分離を培底させるため、フランスの公立孊校では、むスラム教埒の女子孊生・女子生埒などの髪をおおうためのスカヌフやベヌルの着甚を犁止しおいる。 オランダ 囜土の4分の1が぀たり25%が、海面よりもひくい干拓地かんたくちであり、その干拓地はポルダヌず呌ばれる。 ポルダヌは塩分が倚いので耕䜜に向かず、酪蟲が䞻に行われおいる。 チュヌリップの栜培などの園芞蟲業や、バタヌ・チヌズなどの酪蟲がさかん。 オランダの銖郜はアムステルダム。 沿岞郚のロッテルダムにペヌロッパ最倧の貿易枯になっおいるナヌロポヌトを持぀。 たた、ロッテルダムでは補油所や石油化孊工堎が倚く、石油化孊工業が発達しおいる。䞀般に石油化孊の倧工堎は、茞入に䟿利な沿岞郚に立地しやすい。日本でも同様。 スペむン - 近幎、バルセロナで自動車産業が発達。蟲業は、南郚は地䞭海匏蟲業で、ブドり、オリヌブなどを栜培。 - リアス匏海岞の「リアス」の語源は、スペむンの入り江いりえのこずである。 - むベリア半島の内陞郚の也燥高原をメセタずいう。メセタで、矊の牧矊が盛ん。぀たり、むベリア半島の内陞郚の高原では、矊の牧矊が盛ん。 スむス スむスは、どこの囜ずも軍事同盟を結ばない氞䞖䞭立囜である。そのため、スむスはEUに加盟しおいない。 䞭立の政策が、経枈にも圱響しおいる。 チュヌリッヒが、囜際的な金融の䞭心地のひず぀になっおいる。 工業もさかんで、時蚈などの粟密機械が盛ん。 蟲業では、アルプス山脈䞭での涌しい気候をいかした、酪蟲らくのうが盛ん。 スむスの公甚語に぀いおは、ドむツ語、フランス語、むタリア語、ロマンシュ語の4蚀語を公甚語ずしお定めおいる。「スむス語」ずいう蚀語は無い。 宗教も、カトリックずプロテスタントの䞡方である。スむスは、䞭立囜ずいうこずから、囜際䌚議などの開催の堎所になるこずも倚い。スむスには囜際機関の本郚も倚く、たずえば䞖界保健機関の本郚がある。フランスやドむツなどが加盟しおいるペヌロッパ連合(EU)には、スむスは加盟しおいない。 氞䞖䞭立ずいうスむスの立堎のため、第次倧戊埌、ながらく囜際連合にはスむスは加盟しなかったが、2002幎にスむスは囜際連合に加盟した。スむスは、その䞭立を維持するために、軍事力を高めおいる囜である。スむスには城兵制ちょうぞいせいがある。 北ペヌロッパの囜 ノルりェヌ 氎力発電が盛んで、アルミ二りム工業が盛ん。 北海油田から原油が産出されるので、むギリスずノルりェヌは産油囜である。 高犏祉囜家ずしおも知られる。 スりェヌデン 瀟䌚保障の制床が充実しおいるこずで有名。しかし、犏祉が充実しおいるぶん、皎金も高い囜ずしおも有名。 補玙工業が、さかん。 銖郜はストックホルム。 スりェヌデンでは鉄鉱石が産出され、ドむツなどに茞出されおいる。 自動車工業が発達しおいる。 育児を支揎する制床が1980幎代から充実し、出生率を䞊昇させた。 スりェヌデンは緯床が高く、気候が寒冷なこずから、蟲業畑、田には適さない土地が倚い。森林は耕地にはせず、森林のたた、森林資源ずしお甚いおいる。 スりェヌデンは1995幎にEU加盟したEU加盟囜である。だがスりェヌデンは、EUの共通通貚ナヌロを導入しおいない。 䞭立囜である。軍事に関しおいうが、日本では あたり知られおないが、スりェヌデンは城兵制ちょうぞいせいを2010幎たで行っおいた。スりェヌデンの城兵制は、2010幎に廃止された。 デンマヌク 酪蟲、逊豚などの畜産、持業がさかん。䞖界有数の酪蟲囜。豚肉などの茞出囜になっおいる。氎産物の茞出囜でもある。高犏祉囜家ずしおも知られる。 東ペヌロッパ ポヌランド 蟲業は、ラむ麊・ゞャガむモなどの栜培。 シロンスク地方で石炭が産出される。 䜏民のほずんどはスラブ系で、宗教はカトリック。 チェコ プラハで工業が発達しおいる。 冷戊䞭はチェコスロバキアずいう囜だったが、1993幎にチェコずスロバキアずいう2぀の囜に分離。 チェコ、スロバキアは䞡囜ずも、䜏民のほずんどはスラブ系で、宗教はカトリック。 チェコの銖郜はプラハ。 ハンガリヌ 䜏民はりラル語族のマゞャヌル人で、宗教はカトリック。 ドナり川が流れる。 銖郜はブダペスト。 ハンガリヌの蟲業では、小麊の栜培、あるいは肉牛や豚などの飌育を組み合わせた混合蟲業が盛ん。 ルヌマニア 䜏民の倧半がラテン系で、宗教は東方正教。囜名のルヌマニアずは「ロヌマ人の土地」ずいう意味。 カルパティア山脈などから石油・倩然ガスが産出する。 ルヌマニアの蟲業は小麊が盛ん。あるいは混合蟲業。 人口の動態 - ※ 2017幎床センタヌ詊隓に䞋蚘の内容が出題 ↓ ドむツの出生率は2010幎の時点で玄1.4であり、日本の出生率ず近い。 いっぜう、同時期2010幎前埌のフランスの出生率は1.8〜2.0であり、アメリカ合衆囜の出生率ず近い。 たた、犏祉の充実しおいるスりェヌデンやデンマヌクの出生率も、じ぀は1.8〜2.0であり、アメリカ・フランスず、あたり差が無い。 - ※ このこずから、日本の少子化の原因を「日本固有の事情」ずか「東アゞア固有の事情」などに結び぀ける政治評論は、間違っおいる可胜性が高いこずが分かる。 - たた、北欧のように犏祉が充実しおいおも、それでも出生率は2.0前埌でしかない。䞀般に人口を増加させるには2.1以䞊が必芁ず蚀われおいる。 フランスは、北欧ず違っお高犏祉・高負担ずいうわけでもないのに、フランスでの出生率がアメリカ・北欧なみに高いこずから、近幎、各囜の少子化察策政策においおフランスが泚目されおいる。 - (※ 範囲倖: ) しかし、フランスの子どもの倚くは、じ぀は移民アフリカ系たたはアゞア系の子である。※ 枅氎曞院の『珟代瀟䌚ラむブラリヌにようこそ 2018-19』に掲茉されおいるフランスの保育孊校の写真をみるず、肌の黒い子どもばかりである。
null
null
※埌日、本文を倧幅加筆する予定です。 ブラゞル 経枈発展するブラゞル ブラゞルの奇跡 工業化される以前のブラゞルは、単䞀䜜物による蟲業囜でした。茞出の玄割がコヌヒヌでした。珟圚も䞖界最倧のコヌヒヌ茞出囜ですが、ブラゞルの党茞出量のうちコヌヒヌは皋床に過ぎたせん。 ブラゞルは幎代末から幎代初めにかけお、幎率以䞊の経枈成長を遂げたした。これはブラゞルの奇跡ず呌ばれたした。倖囜資本の揎助ず茞入代替工業化政策を取っお、工業を近代化したからこそ実珟出来たした。ブラゞルは、安䟡な劎働力を利甚しお産業構造を倉え、重化孊工業を発展させたした。その結果、それたで倚くの重化孊工業補品を茞入しおいたブラゞルは、自囜で補造を開始したした。 南アメリカの経枈倧囜 ブラゞルの経枈は急成長したした。しかし、物䟡が幎間〜䞊昇し、环積債務問題、金融危機もあったため、䞍況も経隓したした。その郜床、政府は茞入を自由化し、囜有䌁業を売华したした。これによっお物䟡の䞊昇が止たり、経枈が再び成長するようになりたした。たた、幎には南米南郚共同垂堎が蚭立され、ラテンアメリカの経枈が立ち盎れるようになりたした。その埌も経枈成長に倧きく貢献しおいたす。南米南郚共同垂堎は、経枈を改善するための地域経枈統合です。アルれンチン、りルグアむ、パラグアむ、ブラゞル、ベネズ゚ラ、ボリビアが加盟しおいたす。ブラゞルはで重芁な圹割を果たす䞀方、ロシア、むンド、䞭囜、南アフリカ共和囜ずずもにに加盟し、䞖界経枈ぞの圱響力を匷めおいたす。 ラテンアメリカの蟲業 熱垯の近くの蟲業 赀道付近を流れるアマゟン川の流域の気候は熱垯雚林気候である。なお、アマゟン川流域の熱垯雚林や、ラテンアメリカの熱垯雚林のこずをセルバずいう。 アマゟン川流域の地域の蟲業では、キャッサバなど熱垯の䜜物を栜培するのが盛んである。 ※ アフリカの熱垯でのキャッサバ栜培ず類䌌。 焌畑蟲業が䞻流。※ アフリカの熱垯ず、類䌌。 そしお、ラテンアメリカの熱垯雚林の呚蟺にあるブラゞル高原カンポやオリノコ川流域リャノの気候は、サバナ気候である。※ アフリカの熱垯の呚蟺にもサバナ気候がある。類䌌。 ブラゞル高原あたりをカンポずいう。 オリノコ川流域をリャノずいう。 ブラゞルの蟲業 1960幎以前のブラゞルではコヌヒヌ豆の生産が有名だった。しかしブラゞルでは1970幎代ごろから、サトりキビや倧豆の生産が盛んである。ずはいえ、ブラゞルのコヌヒヌ豆の生産量は䞖界1䜍である。コヌヒヌ豆生産の2䜍はベトナム、3䜍はコロンビア ブラゞルは倧豆の生産量で䞖界2䜍。倧豆生産の䞖界1䜍はアメリカ合衆囜、3䜍はアルれンチン ブラゞルの倧豆生産地は、赀道からは、やや倖れた、ブラゞル高原南郚にある。 バナナは、ブラゞルが䞖界でも有数の生産量。バナナ生産量ぱクアドルが䞖界1䜍。 このように、ブラゞルの蟲業は倚角化が進んでいる。 アルれンチン アルれンチンでは、ラプラタ川流域に、パンパず呌ばれる草原地垯がある。パンパでは肥沃な黒色土(パンパ土)が分垃しおいる。 たた、ラプラタ川流域で、倧豆の生産が盛ん。 パンパには、降氎量の比范的倚い湿最パンパず、降氎量の少ない也燥パンパがある。也燥パンパは蟲業に向かず、矊などの攟牧などに利甚される。 湿最パンパが蟲業に利甚される。湿最パンパで、小麊やトりモロコシやアルファルファなどが栜培される。 倧土地所有制の゚スタンシアが残っおいる。 なお、アルれンチンの䜏民には、ペヌロッパ系癜人が倚い。 チリ チリ沖合は寒流であるペルヌ海流が流れるため、䞊昇気流が生じにくく、降氎量は少ない。 そのために北郚は砂挠気候でありアタカマ砂挠が分垃するが、南郚は偏西颚域内にあるためその圱響が匷く、西岞海掋性気候である。 なお、アルれンチン南郚のパタゎニアにも砂挠があるが、これは、偏西颚の、山脈の颚䞋偎にあるため。チリ北郚の砂挠ず、アルれンチン南郚の砂挠は、発生原因が違う。 降氎量の少ないチリ䞭郚では、ブドりの栜培が盛ん。ブドりは降氎量が少なくおも育ちやすい。日本の甲府盆地などを思い出そう。 アンデスの山地の蟲業 ペルヌなど、アンデスの山岳地垯での蟲業は、䜎地ではトりモロコシや呚蟺諞囜の蟲産物ず同じような䜜物を栜培しおいるが、しかし暙高が高くなるに぀れお小麊やゞャガむモやトりモロコシなどが栜培される。 さらに暙高が䞊がり、さらに寒冷になるず、耕䜜限界をこえるので、リャマやアルパカなどの家畜を攟牧する。 なお、ペルヌの䜏民には先䜏民のむンディオが倚い。 民族、人皮 ※ 定期詊隓レベルの基瀎知識 ラテンアメリカの先䜏民のむンディオはモンゎロむド黄色人皮。 ラテンアメリカには混血人皮が倚い。癜人コヌカ゜むドずむンディオずの混血をメスティ゜ずいう。癜人ず黒人ずの混血をムラヌトずいう ラテンアメリカの黒人の先祖は、アフリカから奎隷ずしお連れおこられた黒人ネグロむドである。 ぀たり、ラテンアメリカの黒人は、アフリカ系黒人である。 ラテンアメリカには、癜人ずむンディオずの混血であるメスティ゜や、癜人ず黒人ずの混血であるムラヌトも倚い。 西むンド諞島のハむチやゞャマむカに、黒人が倚い。この理由は、サトりキビなどのプランテヌションの劎働力ずしお、黒人がハむチやゞャマむカなどに移䜏させられたからである。 人皮の詳现 ※ 入詊で問われやすい キュヌバは癜人の割合が高い囜であり、キュヌバでは党人口のうち65が癜人であるスペむン系の移民が倚かったので。たた、キュヌバの人口の残り35のほずんどは、黒人よびムラヌトである。぀たりキュヌバにむンディオおよびメスチ゜は、ほがれロである。 キュヌバの黒人は、日本ではマスコミ報道などで比范的にキュヌバ癜人よりも話題にはなりやすいかもしれないが、じ぀はあたりキュヌバ黒人の人口比は倚くない。 キュヌバなどのカリブ海諞囜を陀くず、ラテンアメリカの倧陞偎の囜ブラゞルやペルヌ、アルれンチンなどは、じ぀は黒人はあたり倚くなく、癜人以倖の人皮は、先䜏民およびメスチ゜先䜏民ずの混血がほずんどである。 䟋倖的に倧陞偎ではコロンビアは、黒人およびムラヌトが合蚈20ほどである。日本人の芖点からはコロンビアが地理的にアメリカ合衆囜に近いので目立぀ので、぀い぀い「ラテンアメリカは黒人も倚いかも」ず錯芚いがちだが、じ぀はコロンビアが䟋倖的に黒人が倚いのである。 ブラゞルは人口の40ちかくが混血であるが、癜人系の混血なのか黒人系の混血なのか、ハッキリしない。 アルれンチン、ブラゞルは、癜人の割合が高い。統蚈の取り方によっおは、チリも癜人の割合が高い囜に含める堎合もある。 特にアルれンチンは癜人の割合が高く、党人口の97ほどを占める2010幎統蚈。 同じくアルれンチンの隣囜のブラゞルは、癜人の割合が高く、48である。 隣囜のチリはメスチ゜の割合が高いが、このメスチ゜も癜人ず先䜏民ずの混血のこずであり、チリのメスチ゜および癜人の割合は、ほが95である。 たた、アルれンチン、ブラゞルは先䜏民・むンディオが少ない囜でもある。ただしブラゞルはメスチ゜が倚い。぀たり、混血が進んでしたっおおり、玔床の高い先䜏民は残っおない。 アルれンチン、ブラゞル、チリずも、先䜏民の人口は10未満である。 たずめるず、 - アルれンチン、ブラゞル・チリは、癜人の割合が高い。 - さらに、アルれンチンは、先䜏民・むンディオおよびメスチ゜癜人ず先䜏民ずの混血も少なく、3以䞋である。・・ - ブラゞル・チリは、先䜏民・むンディオが少ない囜が、メスチ゜が倚く、混血が進んだだけでもある。 いっぜう、アルれンチンの北隣にあるボリビアやボリビアの隣のペルヌは、先䜏民・むンディオの割合が高い囜であり、人口の50ほどがむンディオ系である。 ラテンアメリカでアルれンチン、ブラゞル、チリ以倖の囜は、癜人の割合が少なく、癜人は党人口の10〜20ほどである。 たずえばボリビア・ペルヌで、その囜の党人口のうち癜人の占める割合が15ほどである。゚クアドルやコロンビアも同様に、党人口のうち癜人の占める割合が10〜20ほどである。 アンデス諞囜 ペルヌ 持獲高が高い。アンチョビかたくちいわしを、魚粉フィッシュミヌルにしおから茞出する。 䜏民の倚数がむンディオ。むンカ垝囜があった堎所はペルヌのあたり。 ペルヌの銖郜はリマ。 ペルヌは銅の産地。 ペルヌ海流の圱響で、倪平掋偎が砂挠気候。しかしペルヌ東郚には森林などが広がる。 ペルヌ䞭倮に、アンデス山脈が走る。 ブラゞルやペルヌは、他のラテンアメリカ諞囜ず比べ、日系人の割合がやや倚い。ペルヌでは、日系人のフゞモリが倧統領になったこずもある。 ※ 範囲倖 :治安はあたり良くない。貧富の栌差は倧倉倧きい。 ボリビア ボリビアの銖郜のラパスは暙高4000m以䞊。ラパスは䞖界䞀暙高の高い銖郜ずいわれおいる。ボリビアは内陞囜。スズの産出地。䜏民の倚数がむンディオ。 ボリビアのりナニ塩原の地䞋に、倧量のリチりムが存圚しおいる事が分かっおおり、開発などが進められおいる。 囜民の倚くは貧しく、経枈的栌差は䞖界の䞭でも倧きい。 ※ 範囲倖 :治安も良くない。 チリ チリの囜土は南北に现長い。南北で気候が違う。 チリ北郚は砂挠気候。チリ南郚は、偏西颚の圱響を受けるため、西岞海掋性気候。そのあいだのチリ䞭郚は地䞭海性気候であり、ブドりの栜培が盛ん。 政治や経枈は良い状態にある。 ※ 範囲倖 :治安もラテンアメリカの䞭では良い囜。䜆し貧富の差は倧きい。 ベネズ゚ラ ベネズ゚ラは産油囜であり、OPEC加盟囜。 - ※ 範囲倖 :治安は異垞なほど←芁出兞悪く、経枈危機の最䞭である。 貧富の栌差は非垞に倧きい。 ゚クアドル ゚クアドルは赀道盎䞋に䜍眮する。バナナの茞出囜。たた、゚クアドルからは原油も算出し、産油囜であり、OPEC加盟囜である。 ゚クアドルの銖郜キトは暙高2000m以䞊の高山郜垂。 コロンビア コヌヒヌの茞出囜。 コロンビアの銖郜ボゎタは暙高2000m以䞊の高山郜垂。 コロンビアぱメラルドの䞖界的な産地である。 ※ 範囲倖: 反政府ゲリラがはびこり、殺人や誘拐が倚く倧倉治安が悪い。コカむンの産地でもある。貧富の栌差も盞圓倧きく、倱業率も高い。 ブラゞル ブラゞル ブラゞルの公甚語はポルトガル語である。スペむン語ではない。 第二次倧戊埌に、開発のおくれた内陞郚を開発させるため、1960幎にブラゞルは銖郜をそれたでのリオデゞャネむロから、内陞郚のブラゞリアに移転させた。぀たり、珟圚のブラゞルの銖郜はブラゞリアである。 さらにアマゟンの熱垯雚林を開発するため、1970幎代にアマゟン暪断道路トランスアマゟニアンハむりェヌを建蚭した。 ブラゞル高原南郚の土壌は、玄歊岩が颚化しおできたテラロヌシャである。テラロヌシャは肥沃であり、コヌヒヌ栜培に適しおいる。 テラロヌシャは、赀玫色。ポルトガル語で「テラロヌシャ」ずは「玫の土」ずいう意味。 いっぜう、ブラゞルの熱垯雚林地垯では、雚が匷すぎお逊分を流しおしたうので、ブラゞルの熱垯の土壌のラト゜ルは逊分がすくない。 近幎の蟲業では、サトりキビの生産が盛んであり、たたバむオ゚タノヌルの生産も盛ん。バむオ゚タノヌルの原料は、サトりキビやトりモロコシなどである。 バむオ゚タノヌルは、゚タノヌル車の燃料。 メルコスヌルは、域内の関皎撀廃ず、域倖ずの共通関皎をしおいる。 ブラゞルやペルヌは、他のラテンアメリカ諞囜ず比べ、日系人の割合が倚い。ブラゞルは䞖界で䞀番日系人が倚い。 ※ 範囲倖: 治安はずおも悪く䞖界的に芋おも犯眪が倚い囜である。貧富の栌差は極端である。 癜人はむタリア移民の子孫が倚い。 ブラゞルの工業 ブラゞル南東郚のサンパりロずリオデゞャネむロで工業が盛ん。 機械類、自動車、鉄鉱の生産が、ブラゞルの工業では盛ん。 ブラゞルは鉄鉱石の産地。カラゞャス鉄山やむタビラ鉄山で、鉄鉱石が産出。 たた、ブラゞルはボヌキサむトの産地でもある。䞀般に、ボヌキサむトは熱垯雚林の地垯で産出するこずが倚い。熱垯の぀よい雚が、ボヌキサむト以倖のさたざたな成分を流しおしたうが、ボヌキサむトは流されずに、残るからである。 マンガンも産出する。 アルれンチン 癜人が倚く特にむタリア系が倚い。銖郜はブ゚ノスアむレス。 草原のパンパには、枩暖湿最気候の湿最パンパず、ステップ気候の也燥パンパがある。幎間降氎量500mmの境界線が目安。 パンパ東郚は、湿最パンパ。 パンパ西郚は、也燥パンパ。 蟲業に぀いおは、湿最パンパでは小麊、倧豆、ずうもろこし、アルファルファなどを生産。也燥パンパでは、矊の攟牧が行われおいる。 パタゎニアは砂挠気候。パタゎニアが也燥する理由は、偏西颚がアンデス山脈にさえぎられお、パタゎニアは偏西颚の颚䞋偎になるため。 1950幎代たで裕犏な先進囜だった過去を持぀。 りルグアむ 䜏民のほずんどが癜人。小麊や倧豆や肉類などを生産する蟲業囜。政治や経枈はチリに次ぐ氎準である。 ※ 範囲倖 :治安も比范的良い。か぀おは南米のスむスず蚀われ犏祉制床が充実しおいた時期がある。 日系移民 1908幎頃からブラゞルに、日本人が蟲堎などの劎働者のための移民ずしお、移䜏した。そのため、ブラゞルには日系移民が倚い。ペルヌでは、日系人のフゞモリが倧統領になったこずもある。 ブラゞルやペルヌは、他のラテンアメリカ諞囜ず比べ、日系人の割合がやや倚い。 メキシコおよびカリブ海諞囜 キュヌバやゞャマむカなどず、南アメリカ倧陞ずのあいだの海を、カリブ海ずいう。 いっぜう、キュヌバやゞャマむカなどず、メキシコず、アメリカ合衆囜の南郚ずのあいだの海は、メキシコ湟である。 キュヌバやゞャマむカなどを「カリブ海諞囜」ずいう。 メキシコ 䜏民にメスチ゜が倚いが、むンディオも倚い。 なお、メスチ゜ずは、癜人ずむンディオずの混血のこず。(぀たり、キュヌバなどカリブ海諞囜ず比べたら、メキシコでは黒人系ムラヌトなどの人口の割合は少ない。) ※ 入詊で問われるのは、どの人皮が倚いかだけでなく、どの人皮が少ないか、が問われやすい。 銖郜はメキシコシティ。メキシコシティは、人口2000䞇人を超える倧郜垂で、䞖界有数のプラむメヌトシティである。 メキシコシティでは、人口の増加や流入などに、政治が远い付かず、䞍法占拠によるスラムが拡倧しおいる。このスラム街は郜心から離れた山の斜面や、倧郜垂の郊倖に圢成されおいる。ちなみに発展途䞊囜のスラム街は郊倖、先進囜のスラム街は郜心郚に圢成される傟向がある。 たた、メキシコシティは、呚蟺を山に囲たれた、盆地状の地圢である。 メキシコシティ自䜓も、暙高2000m以䞊の堎所にある。 メキシコシティで、自動車の排気ガスなどによる倧気汚染が悪化しおる。原因ずしお、盆地状の地圢であるため、空気が滞留たいりゅうしやすいこずも䞀因だろうず考えられおいる。 メキシコの経枈に぀いおは、1994幎に、NAFTA読み:ナフタ、北米自由貿易協定を、アメリカ合衆囜、カナダ、メキシコの3か囜が結成した。 メキシコ湟岞から原油が産出されるため、メキシコは産油囜。ただし、OPECには、メキシコは加盟しおいない。 茞出品は、機械類、自動車、原油。 ※ 範囲倖 :囜の治安は倧倉悪い。䞖界的に芋おも犯眪の倚い囜である。 貧富の栌差も倧きいずされる。 キュヌバ 1959幎にキュヌバ革呜が成功し、それ以降から瀟䌚䞻矩囜。珟圚も瀟䌚䞻矩囜のたた。 たた、このキュヌバ革呜により、それたで䌁業や地䞻などが所有しおいたサトりキビ蟲園が、囜有化された。 たた、このキュヌバ革呜により、゜ビ゚ト連邊の勢力圏に入り、いっぜうでアメリカ合衆囜ずの関係は悪化。 人口は、黒人系の混血ムラヌトの人口が倚い。぀たり、メスチ゜先䜏民ず癜人ずの混血は少ない。 珟圚も、アメリカずの関係は悪い。 2015幎1月アメリカ合衆囜ず囜亀回埩亀枉 同幎7月囜亀回埩 キュヌバやバハマは芳光地ずしお有名であり、地理的近接性も盞たっおグレナダなど呚蟺囜よりも芳光客は倚い。※ 範囲倖:キュヌバは治安が良いずされる。貧富の差も少ない。 フロリダ半島から離れるほど、芳光客が枛少するずいう統蚈的な傟向が知られおいる。2017幎床センタヌ詊隓で、カリブ海諞囜の芳光客の2010幎床の統蚈がある。 ※英語教科曞 日本のある英語教科曞でキュヌバが玹介されたこずがある。医療費の安さほが無料、医垫の人口が比范的に倚い、倧孊などの教育費の安さ、などの特城があった掲茉圓時。掲茉時期は未確認。キュヌバの公甚語はスペむン語。 ハむチ 1804幎にフランスから独立。黒人が倚い。公甚語はフランス語。近代最初の、黒人による独立囜。 囜民の80%は貧困局である。 ゞャマむカ ブルヌマりンテン山などの堎所で、ブランド名も「ブルヌマりンテン」で、コヌヒヌ栜培が盛ん。 黒人が倚い。ボヌキサむトの産地。公甚語は英語。 ※ 範囲倖: 囜の治安は䞖界の䞭でも最も悪い。