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本節は、囜・地方間の財政調敎の仕組みに぀いお解説したす。 シャりプ勧告ず地方自治䜓 第二次䞖界倧戊埌、連合囜軍総叞什郚のダグラス・マッカヌサヌが日本を支配したした。幎、カヌル・シャりプ皎制調査䜿節団が日本を蚪問するず、戊埌日本の皎制をどのようにしたらよいのかを提案したしたシャりプ勧告。なお、シャりプ勧告は地方自治の条件も挙げおいたす。シャりプ勧告に基づいお、郜道府県ず垂町村で皎源を分けるように勧められたした。䟋えば、郜道府県皎ずしお付加䟡倀皎を導入したり、垂町村皎ずしお垂町村民皎や固定資産皎を導入したりしたした垂町村優先の原則。しかし、郜道府県が垂町村優先の原則に反察したので、郜道府県ず垂町村の間で地方自治に぀いお察立を繰り返すようになりたした。幎代、教育委員の公遞制廃止・小䞭孊校教員任甚事務を郜道府県に移管・垂町村譊察の廃止・東京郜特別区区長の公遞制廃止などが行われたした「逆コヌス」の改革。その結果、垂町村の自治を匱めお郜道府県ず垂町村の䞊䞋関係を匷めるようになりたした。 地方平衡亀付金制床 連合囜軍最高叞什官総叞什郚の地方自治の考え方によるず、経枈力の栌差から自治䜓間に財政力の栌差を生む状況を認めおいたせん。たた、自治䜓が自䞻財源だけで運営出来なかったら、囜が自治䜓を助けなければならないず考えたした。 地方亀付皎制床 地方皎の統制 資料出所 - 東京曞籍『新しい瀟䌚 公民』矢ヶ厎兞隆ほか線著 2021幎 - 東京曞籍『公共』間宮陜介ほか線著 2022幎 - 東京曞籍『政治・経枈』杉田敊ほか線著 2022幎 - 枅氎曞院『私たちの公共 資料から考える珟代瀟䌚の課題』倧芝亮ほか線著 2022幎 - 枅氎曞院『高等孊校 公共 私たちがひらく未来・瀟䌚』䞭野勝郎ほか線著 2022幎 - 枅氎曞院『高等孊校 新政治・経枈』倧芝亮ほか線著 2022幎 - 第䞀孊習瀟『高等孊校 改蚂版 珟代瀟䌚』谷田郚 玲生ほか線著 2017幎 - 第䞀孊習瀟『高等孊校 政治・経枈』谷田郚 玲生ほか線著 2023幎 - KADOKAWA『倧孊入孊共通テスト 珟代瀟䌚の点数が面癜いほどずれる本』村䞭和之著 - KADOKAWA『改蚂版 䞭孊公民が面癜いほどわかる本』西村 創著 2021幎 - 枅氎曞院『甚語集 公共政治経枈 20232024幎版』 倧芝亮、菅野芚明ほか線著 - 東京リヌガルマむンド線『公務員詊隓マスタヌ 瀟䌚科孊』 - 東京リヌガルマむンド線『公務員詊隓マスタヌ 憲法』 - 東京リヌガルマむンド線『公務員詊隓マスタヌ 行政法』 - 出版『公務員詊隓 過去問攻略⅀テキスト 瀟䌚科孊 第版』2023幎 - 出版『公務員詊隓 過去問攻略⅀テキスト 行政孊 第版』2019幎 - 出版『枕元哲の行政孊たるごず講矩生䞭継』2013幎 - ゚クシア出版『寺本康之の行政孊ザ・ベストプラス』2020幎 - 資栌の倧原 公務員講座『テキスト 政治』 - 東京アカデミヌ『倧卒皋床 公務員詊隓準拠テキスト 教逊科目 ③瀟䌚科孊』 - 東京アカデミヌ『倧卒皋床 公務員詊隓準拠テキスト 専門科目 ⑬行政孊』
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本節は、環境暩に぀いお説明したす。 環境暩 綺麗な空気や氎のような䜏みやすい環境は私達の生掻に欠かせたせん。しかし、高床経枈成長の時期になるず、生掻環境の維持よりも経枈の発展が優先されたした。その結果、氎俣病・四日垂喘息・むタむむタむ病のような深刻な公害が発生したした。そこで、人間らしく健康で䜏みやすい環境を守るための暩利が䞻匵されるようになりたした環境暩。 日本囜憲法の環境暩は、幞犏远求暩ず生存暩を䞭心に定められおいたす。環境暩は、積極的な保党運動を掚進するための請求暩的偎面ず環境砎壊を防ぐための自由暩的偎面があるず考えられおいたす。ただし、環境暩の環境ずは䜕を指し、誰の暩利なのかはっきりしないので、最高裁刀所は環境暩を正匏に認めおいたせん。 問題が起こっおから救枈しおも、これたでの環境・健康・生呜は取り戻せたせん。珟圚、産業公害の防止・産業公害の克服・環境保護政策が求められおいたす。このうち、環境基本法は、囜・地方公共団䜓・䌁業の圹割を明らかにし぀぀、環境を守るために成立したした。たた、ダム・空枯・発電所のような倧きな開発は、環境の圱響をあらかじめ調べるために、環境アセスメント環境圱響評䟡を行わなければなりたせん。環境アセスメント環境圱響評䟡は、䜏民や地方自治䜓の意芋を聞き、その意芋を事業に反映させるために行われたす。事業が始たっおからも、もう䞀床アセスメントを行えたす。䞀郚の地方公共団䜓が環境アセスメント環境圱響評䟡を条䟋で定めおいたした。幎、環境アセスメント法環境圱響評䟡法が法埋ずしお定められたした。 幎、工堎・囜道・高速道路の倧気汚染が健康被害を招いおいるずしお、兵庫県尌厎垂の公害認定患者ずその家族が、裁刀を起こしたした尌厎公害蚎蚟。裁刀所は、囜ず阪神高速道路公瀟の責任を認めたした。囜偎・阪神高速道路公団偎・患者偎は倧型車の通行制限などの改善策を玄束したした。 広島県犏山垂の鞆の浊は、江戞時代の町䞊みず枯をそのたた残しおおり、歎史的な景勝地ずしお知られおいたす。広島県ず犏山垂は、枯湟を埋め立お、橋を架けお道路を繋ぐ蚈画を立おたした。しかし、地元䜏民がこの蚈画に匷く反察したので、歎史的・文化的な景芳を守るために裁刀を起こしたした鞆の浊景芳蚎蚟。幎、広島地方裁刀所は鞆の浊の景芳を「囜民の財産」ず認めたした。たた、景芳保護のために䜏民偎の䞻匵を党面的に認めたした。広島地方裁刀所は行政偎に埋め立お免蚱の事前差し止めを蚀い枡したした。結局、その蚈画は癜玙に戻されたした。 資料出所 - 東京曞籍『新しい瀟䌚 公民』矢ヶ厎兞隆ほか線著 2021幎 - 東京曞籍『公共』間宮陜介ほか線著 2022幎 - 枅氎曞院『私たちの公共 資料から考える珟代瀟䌚の課題』倧芝亮ほか線著 2022幎 - 枅氎曞院『高等孊校 公共 私たちがひらく未来・瀟䌚』䞭野勝郎ほか線著 2022幎 - 枅氎曞院『高等孊校 新政治・経枈』倧芝亮ほか線著 2022幎 - 第䞀孊習瀟『高等孊校 改蚂版 珟代瀟䌚』谷田郚 玲生ほか線著 2017幎 - 第䞀孊習瀟『高等孊校 政治・経枈』谷田郚 玲生ほか線著 2023幎 - 実教出版株匏䌚瀟『ビゞネス基瀎 新蚂版』片岡寛ほか線著 2017幎 - KADOKAWA『倧孊入孊共通テスト 珟代瀟䌚の点数が面癜いほどずれる本』村䞭和之著 - KADOKAWA『改蚂版 䞭孊公民が面癜いほどわかる本』西村 創著 2021幎 - 枅氎曞院『甚語集 公共政治経枈 20232024幎版』 倧芝亮、菅野芚明ほか線著 - 孊研プラス『䞭孊瀟䌚科甚語をひず぀ひず぀わかりやすく。 新装版』2021幎 - 東京リヌガルマむンド線『公務員詊隓マスタヌ 瀟䌚科孊』 - 東京リヌガルマむンド線『公務員詊隓マスタヌ 憲法』 - 出版『公務員詊隓 過去問攻略⅀テキスト 瀟䌚科孊 第版』2023幎 - 資栌の倧原 公務員講座『テキスト 政治』 - 東京アカデミヌ『倧卒皋床 公務員詊隓準拠テキスト 教逊科目 ③瀟䌚科孊』 - 東京アカデミヌ『倧卒皋床 公務員詊隓準拠テキスト 専門科目 ⑊憲法』
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本節は、戊埌の日本経枈史に関する特別講矩です。 戊埌埩興期幎幎 日本は幎月日、ポツダム宣蚀を受け入れ、無条件降䌏したした。それ以降、幎のサンフランシスコ講和条玄の発効による独立たでの幎間にわたり、連合囜軍総叞什郚が統治したした。 による占領政策ず戊埌改革 による最初の占領政策は非軍事化ず経枈の民䞻化でした。連合囜軍最高叞什官ダグラス・マッカヌサヌは、女性参政暩の統䞀、劎働団結暩、自由教育、専制政治廃止、経枈民䞻化ずいう倧改革を日本政府に呜什したした。 財閥解䜓 の財閥解䜓は、軍需産業の担い手財閥をなくし、財閥に集䞭する富の分配を実珟したす。その䞊で、自由競争を促しお、䞭産階玚を創出するものです。 幎に、持株䌚瀟敎理委員䌚が発足したした。持株䌚瀟敎理委員䌚では、倧財閥䞉井・䞉菱・䜏友・安田ず䞭小財閥など財閥を指定したす。その䞊で持株䌚瀟敎理委員䌚が財閥本瀟の持株を買い取り、䞀般に売华する圢で財閥をなくしたした。 幎月に制定された独占犁止法は、持株䌚瀟やトラスト・カルテルを犁止しおいたす。たた、独占犁止法を実斜する機関ずしお、公正取匕委員䌚が蚭立されたした。 財閥解䜓埌もなお残る巚倧䌁業を分割するため、昭和幎月、過床経枈力集䞭排陀法が公垃され、倧䌁業瀟が売华の察象ずなりたした。しかし、冷戊による占領軍の察日政策の転換により売华の察象が取り消されたした。最終的に指定されたのは瀟ずなり、うち実際に分割が行われたのは瀟にずどたりたした。 高床経枈成長期幎幎 幎代半ばから幎代を通じお日本経枈は幎平均を超える急激な発展を遂げ、これを高床成長高床経枈成長ず呌びたす。高床成長期ずされるのは、䞀般に幎から幎たでの期間です。 安定成長期幎幎 幎代 列島改造ブヌム 昭和幎月から昭和幎月たでか月続いた奜景気を列島改造ブヌムずいいたす。高床成長最埌の奜景気ずいわれたす。 幎に銖盞に就任した田䞭角栄は「日本列島改造蚈画」をスロヌガンに掲げたした。しかし列島改造蚈画ぞの期埅は地䟡の急隰で急激に薄くなりたした。 赀字囜債の倧量発行 幎の決算では、戊埌初めお実質がマむナス成長ずなりたした。 産業構造の倉化 幎代は産業構造が倉化した時代です。幎代は、鉄鋌・自動車など重厚長倧型の重化孊工業が急激に䌞びたした。その埌、オむル・ショックをきっかけに省資源・省゚ネルギヌ化が進められ、重厚長倧型から軜薄短小型ぞ移行するようになりたした。そしお、゚レクトロニクスやバむオテクノロゞヌ、通信などのいわゆるハむテク産業が台頭しおきたす。 台の高床成長から台の安定成長に転換したので、蚭備投資が過剰ずなり䌁業収益は倧幅に䜎䞋したした。 こうした努力の結果、省゚ネルギヌ技術が急速に進み、゚ネルギヌ消費を抑制しながら安定した経枈成長を果たせたした。 幎代 ドル高ず貿易摩擊 日本経枈の䞖界経枈におけるパフォヌマンスが倧きくなるに぀れお、日本が䞖界の貿易黒字を独り占めしおいるずの批刀経垞収支䞍均衡問題が生たれたした。これは日米貿易摩擊に代衚されたした。 幎に就任したアメリカのロナルド・レヌガン倧統領圓時はドル高による匷いアメリカを指向したした。このため、ドルは囜際収支の赀字にも関係なく各囜通貚に察しお増䟡したした。その埌、円安ドル高が生たれ察米貿易摩擊が問題ずなりたした。アメリカの貿易収支は察日本で倧幅赀字ずなりたした。 幎代初頭の、鉄鋌、繊維に始たり、幎代には、牛肉・オレンゞ、自動車、半導䜓、工䜜機械などの品目が問題ずしお取り䞊げられたした。日本は、この問題以降、茞出自䞻芏制やアメリカに工堎を建蚭しお珟地生産するなどの察応が採られたした。さらに、建蚭、金融面でも自由化が芁求されたした。 ずころがこの間、日本の経垞収支黒字額は増え続け、獲埗された倖貚がアメリカぞ投資される圢で囜際的資金埪環が圢成されたした。アメリカの財政赀字ず経垞収支赀字によっお䞍足した資金を日本が䟛絊したした。 プラザ合意による円高䞍況 アメリカの双子の赀字経垞収支赀字ず財政収支赀字は囜際問題ずしお取り扱われ、第期ロナルド・レヌガン政暩で先進囜が協調しおアメリカの経垞収支赀字削枛に取り組みたした。 幎には、ニュヌペヌクのプラザホテルに先進か囜財務盞日本、アメリカ、西ドむツ、むギリス、フランス・䞭倮銀行総裁䌚議が集たりたした。アメリカの経垞収支赀字を解消するために、倖囜為替垂堎に各囜が協調介入しお行き過ぎたドル高の改善を決定したした。これがプラザ合意です。 このプラザ合意により、各囜がドル売り・自囜通貚買いの協調介入を行った結果、円ドルレヌトは急激な円高・ドル安ずなり、日本では茞出産業を䞭心に「円高䞍況」になりたした。
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本節では、民䞻䞻矩ず立憲䞻矩の意味を理解したしょう。 民䞻䞻矩ず瀟䌚契玄説 アメリカの倧統領゚むブラハム・リンカヌンは「人民の、人民による、人民のための政治」ずいう蚀葉で囜民䞻暩・囜民の政治参加・囜民受益の原則を瀺したした。 瀟䌚契玄説 瀟䌚契玄説は、瀟䌚や囜家などの共同瀟䌚や集団組織は人々が契玄を結んで蚭立したずいう孊説で、垂民革呜に圱響を䞎えたした。絶察王政期の王暩神授説神暩説が統治者の暩力を神から䞎えられた神聖なものであるずしお正圓化するのに察しお、瀟䌚契玄説は統治者の暩力の正圓性を人々の契玄に求めたす。そのため、瀟䌚契玄説から囜民人民䞻暩ずいう考え方が生たれおきたす。䞖玀にかけおトマス・ホッブズ、ゞョン・ロック、ゞャンゞャック・ル゜ヌによっお瀟䌚契玄説は展開されたした。 トマス・ホッブズ『リノァむアサン』 トマス・ホッブズは契玄によっお蚭立された囜家を聖曞に登堎する怪物に䟋えおリノァむアサンず呌びたした。 自然状態戊争状態ず瀟䌚契玄各人の間の契玄 瀟䌚契玄が結ばれる以前の状態、぀たり囜家も法も存圚しない状態を自然状態ず蚀いたすが、トマス・ホッブズは、この自然状態を戊争状態ずみなしたした。なぜそうなるかず蚀うず、人々は自分の身を守る暩利自己保存暩を生たれながらに持っおいお、それをみんなが勝手に行䜿しようずするからです。しかし人間は理性的な動物なので、このような「䞇人の䞇人に察する闘争」が行われる無秩序な状態からの打開策を考えたした。これが囜家の創蚭です。 ぀たり、みんなが䞀斉に自己保存暩を攟棄し、匷力な囜家暩力にそれを党面的に譲枡するずいう契玄を結べば䞞く収たるずいうわけです。わかりやすく蚀うず、みんながピストルなどで歊装しおいる瀟䌚よりも、譊察などの囜家暩力が暎力を独占しおいるほうが安党です。 ただ、トマス・ホッブズの議論は無秩序を恐れるあたりに絶察君䞻を擁護に぀ながるず批刀されたした。 ゞョン・ロック『垂民政府二論』『統治二論』 自然状態䞀応自由で平等な平和の状態ず瀟䌚契玄囜民ず䞻暩者の間の契玄 ゞョン・ロックは、自然状態においお人間は自由・平等であるばかりでなく、基本的に平和だず䞻匵したした。しかし、生呜・自由・財産に察する暩利自然暩・所有暩が䞍安定か぀䞍確実です。自然状態では叞法機関が存圚しないので、所有暩の䟵害があった時に逮捕も裁刀も出来たせん。そこで、こうした暩利を確実にするために瀟䌚契玄によっお囜家機構を創蚭したした。トマス・ホッブズず違い、囜家に党暩利を譲枡するわけではありたせん。所有暩を確実にするずいう目的を実珟するために、人民の代衚者≒囜䌚議員に暩利の䞀郚を信蚗するだけです。 抵抗暩 代衚者達が䞊蚘の目的を守らなかった堎合、人民は抵抗暩・革呜暩に基づいお政府を倉曎したす。このような間接民䞻制を理想ずした䞻匵は、名誉革呜を正圓化するずずもに、アメリカ独立革呜に倧きな圱響を䞎えたした。アメリカでは今でも憲法で人民の歊装が暩利ずしお保障されおいたす。 ゞャンゞャック・ル゜ヌ『瀟䌚契玄論』 自然状態自由で平等な状態ず瀟䌚契玄各人ず共同䜓ずの間 ゞャンゞャック・ル゜ヌは自然状態を平和な状態ずずらえおいたす。無分別な赀ん坊が悪埳を知らないように、法の存圚しない未開の人々は玔朎で善良だからです。 ずころが、珟圚の文明瀟䌚には䞍平等ず䞍公正、それに悪埳が満ち満ちおいたす。その理由は、人々が私有財産ぞの暩利意識に目芚めたからです。みなが「自分の持ち物」に執着するようになるからこそ、様々な争いが起こっおしたいたす。以䞊の事態をゞャンゞャック・ル゜ヌは、「人間は自由なものずしお生たれたしたが、珟圚は至るずころで鉄鎖に぀ながれおいたす。」ず衚珟しおいたす。 このような事態は、瀟䌚契玄によっお本来の自由・平等を回埩しなくおはなりたせん。これは䞀般に「自然に垰れ」ずいう暙語で衚されたす。圌が䞻匵しおいるのは決しお原始時代ぞの回垰などではなく、人間本来のあり方を実珟したす。 䞀般意思ず盎接民䞻制 䞀般意志は個人の意芋の総和党䜓意志ではありたせん。もし䞀人ひずりが他人を考えずに自分の私的な利益だけを考えるなら、「皎金は廃止したしょう」みたいな結論が出るかもしれたせん。でもこれでは囜家が砎綻し、結果ずしおほずんどの人が䞍幞になっおしたいたす。 これに察しお、誰もが自分の私的利益を棚䞊げし、瀟䌚の䞀員公民ずしお瀟䌚にずっおの利益を考えるなら、議論の末に䜕かしら玍埗のいく結論ベストの皎制などが出るのではないでしょうか。これが䞀般意志です。 䞀般意志を導くためには、みんなにずっおの利益をみんなで考えなくおはならないので、私的利害の代衚者が集たる議䌚は認められたせん。したがっお、ゞャンゞャック・ル゜ヌは、ゞョン・ロックが肯定した間接民䞻制を批刀し、盎接民䞻制を擁護したした。
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瀟䌚芏範ず法 私達の瀟䌚では、他の人を傷぀けないよう行動しなければなりたせん。でも、行動の決たり事は、時代や堎所によっお倉わりたす。䟋えば、電車の䞭でスマヌトフォンを䜿っお話したり、化粧をしたりするのをどう思いたすか どの瀟䌚にも、人が䜕を倧切にし、どのように行動すべきかずいう決たりや考え方がありたす。これが、瀟䌚芏範です。その䞭には、法埋のように、政府が斜行する矩務を負っおいる堎合もありたす。法埋ずは、明文化された芏則で、それを砎った人は眰せられたす。その他、道埳やマナヌなどは、呚囲の人に厳しい目で芋られるだけで、法的な意味合いはありたせん。 慣習ず倫理・道埳 法の支配 法ずは、誰もが公平・公正に扱われるようにする瀟䌚芏範です。たた、盞互信頌に基づき、党員の最善の利益に目を配りたす。これは、人々が瀟䌚で起こる様々な問題に察凊するのに圹立ちたす。この圹割を支えおいるのが、法の支配ずいう考え方です。䞭䞖のむギリスでは、絶察王政のもず、王の呜什が垞に法埋でした。䞀方、党おの囜民に共通する法埋憲法は、王の暩力を瞛り、制限する圹割もあるず考えおいたした。法の支配は、政府を含む党おの人を同じ芏則のもずにおき、誰もが自由に、同じように扱われるようにしようずしたす。
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高等孊校公共/瀟䌚保障制床 瀟䌚保障制床のあゆみ 瀟䌚保障の歎史は、次の通りです。 瀟䌚政策ずしおの救貧政策むギリス 初期資本䞻矩のむギリスでは、土地の囲蟌みによっお土地を奪われた倧量の蟲民達が流民化し、浮浪化しお瀟䌚問題になっおいたした。その察策ずしお、幎、幎、幎に救貧法が制定され、幎の゚リザベス救貧法により集倧成されたした。゚リザベス救貧法は、救貧皎の拠出矩務により貧困察策に察する囜家の責任を明確化し、教区を行政の単䜍ずしお治安刀事が貧民監督官を任呜し救枈に回したした。貧民を、劎働出来る者、劎働胜力のない者、児童に分類し、匷制劎働、生掻救枈、埒匟奉公を各々の救枈手段ずしたした。救貧院を運営する財源には救貧皎ずよばれる皎金が圓おられたした。 その埌、産業革呜初期になるず無産垂民が増加したした。就業の劂䜕に関わらず、最䜎生掻費を保障する幎のスピヌナムランド制では、劎働者の賃金補助実質的には雇䞻に察する補助金制床が定められたした。 幎にいわゆる新「救貧法」が制定されたした。これにより劎働胜力をも぀貧民ぞの救枈、院倖救枈の制限、貚幣による救枈から珟物救枈ぞず、より生掻保護的なものずなりたしたが、䟝然ずしお、通垞劎働者の最䜎限の生掻以䞋ずする劣等凊遇の原則に基づくものでした。 ベノァリッゞ報告 むギリスの戊時連立内閣は、幎月、戊埌の囜内政策の第䞀目暙ずしお瀟䌚保障の敎備を掲げ、その青写真の䜜成を経枈孊者であるりィリアム・ヘンリヌ・ベノァリッゞを委員長ずする委員䌚に委ねたした。幎に「ゆりかごから墓堎たで」の生掻保障を瀺した「ベノァリッゞ報告」が提出されたした。
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人間ずは䜕か 私達は、他の生き物ず同じように呜があり、今も生きおいたす。どんな人皮や民族であっおも、みんなの心はひず぀です。だからこそ、私達は人間です。このがんやりずした考えを、人々は叀くから語っおきたした。キケロはこれをラテン語でフマニタスず呌びたした。人間はこうでなければならないずいった考え方人間性は、時代によっお倉わりたす。叀代ギリシアでは頭がよくお論理的だず思われおいたした。䞭䞖のペヌロッパでキリスト教が流行した時、民衆は自分の眪から目を離し、神ぞの信仰を求めようずしたした。近代になるず、ルネサンスに代衚されるように、感情的・感芚的な偎面に目を向けたした。珟代では科孊・制床・組織の発達に䌎っお、人間性の䜎䞋が語られるようになりたした。 人間が人間らしく生きるにはどうしたらいいのでしょうか。誰かがアむデアや哲孊を思い぀く時、それはその人が人間をどう芋おいるかに基づいおいたす。したがっお、哲孊者の数だけ、様々な人間芳があるず蚀えるでしょう。人間芳ずは、ある人が他の人をどう芋るか、どう考えるかずいう考え方です。䟋えば、人間は基本的に善人だず考えるず、䞭囜の孔子や孟子のような道埳哲孊を思い぀くでしょう。䞀方、人間は生たれ぀き悪人だず考えるず、孔子や孟子のような法治䞻矩的な考え方になるでしょう。 他者ずの関係 私達は日垞生掻の䞭で、人間ずは䜕かずいう問いをあたり深く考えないでしょう。この問いを深く考えるのは、他の人ずの関係、蚀い換えるず他者ずの関係で䜕かが起こった堎合がほずんどでしょう。 私達の悩みや䞍安の倚くは、他者ずの関係から来おいたす。家族・友人・恋人ずの関係や孊校での成瞟、将来の進路などに関しお、人間は、他の人がどのように瀟䌚で生きおいくのかを知るず、心配になりたす。たた、人から奜かれたいずいう思いが、スポヌツが苊手、自分の容姿に自信がないずいった劣等感に぀ながりたす。 様々な人間芳 様々な人間芳 私達はどのように生きれば、自分の人生に意味があるのでしょうか。和蟻哲郎は、『人間孊ずしおの倫理孊』の䞭で、「人間」ずいう蚀葉の意味には、「1人の人間」や「人ず人ずの間柄察人関係」が含たれおいるず指摘しおいたす。和蟻哲郎が蚀うように、昔の䞭囜では「人間」ずいう蚀葉は、䞖界や瀟䌚を意味しおいたした。䟋えば、儒教の荀子は、人間は匱く、爪や翌がなくおも、知恵を䜿い、集団で生掻する傟向があるので、他の動物を支配出来るず蚀っおいたす。たた、瀟䌚秩序を維持するための方法ずしお、瀌儀䜜法がいかに倧切かを語っおいたす。 ブレヌズ・パスカルは著曞『ペンセヌ瞑想録』の䞭で、「人間はただの葊なので、自然の䞭で最も匱い単茎の怍物です。それでも、それは考える葊ずなりたす。」ず蚘しおいたす。぀たり、思考が人間ずしお最も重芁な郚分ず蚀っおいたした。 叀代ギリシアの哲孊者アリストテレスは、「人間は元々ポリスのような動物瀟䌚的動物です。」ず蚀いたした。圌がこの蚀葉を残したのは、人間の䞭でポリスを䜜り出しおいる郚分に重点を眮いおいたからです。ギリシアでは、ポリスずそこに䜏む人間は同じでした。各人の仕事の最終目暙は、ポリスの目暙達成に圹立っおいたした。人間は家族・地域・囜に生たれ、人間ずしおの振る舞いを孊んで、瀟䌚的に認められる人間になりたす。人間はギリシアの神々が持っおいた火を取り、ナダダ教やキリスト教の神々が犁じおいた知恵の実を食べたした。これは、人間ずは䜕かを衚しおいるず蚀われおいたす。 人間が他人ず関わり、圱響を䞎えながら、その瀟䌚に適合した行動や経隓のパタヌンを圢成しおいく過皋を瀟䌚化ずいいたす。瀟䌚化では、瀟䌚のルヌル、芏範、考え方を、圓たり前で議論の察象倖ずしお受け入れおいきたす芏範の内面化。しかし、人間はただ瀟䌚に合わせるだけではありたせん。䞀人䞀人が自分の胜力や個性に合わせお、積極的に環境を倉えおいかなければなりたせん個性化。 昔から、人間は知恵を絞っお集団で生掻しおきたした。その特城は、人間らしさです。人間ずしお仲間ず䞀緒に生きおいくためには、䞀人䞀人が心身ずもに成長しなければなりたせん。あなたは今、成長のためのずおも倧切な時期を迎えおいたす。人間が長い歎史の䞭で身に぀けおきた瀟䌚的な技胜や知識を身に぀け、さらに新しい技胜や知識を身に぀ける時期ずいえたす。 人間の定矩 ホモ・サピ゚ンス理性人ずは、ラテン語で「賢い人」「利口な人」を意味したす。私達の祖先である珟圚の人類に付けられた孊問䞊の名称です。スりェヌデンの生物孊者カヌル・フォン・リンネが呜名したした。他の動物ず比范しお、人間は論理的に物事を考えられたす。叀代ギリシアでは、理性を䜿っお真理を芋抜く方法ずしお、物事を客芳的に芋るテオヌリア芳想の粟神が重芖されたした。 ホモ・ファヌベル工䜜人ずは、ラテン語で「䜜る人」「働く人」ずいう意味です。道具を䜜っお䜿えるのは自分だけなので、他の動物ずは違うずいう考え方です。ホモ=サピ゚ンスは静的な人間芳を持っおいたした。これに察しお、ホモ・ファヌベル工䜜人は近代を動かす動的な人間芳です。蚀い換えるず、人間が䜏む自然界は、神が䜜ったのではありたせん。そうではなくお、フランシス・ベヌコンの『知識は力なり』にあるように、人間が自然界に異論を唱え、人間に郜合のよいように倉えようずした人間芳です。 オランダの歎史孊者ペハン・ホむゞンガは、遊びやゲヌムに䟡倀を芋出す人間芳をホモ・ルヌデンス遊戯人ずいう蚀葉で衚珟したした。遊びの特城ずしお、自由な行動、日垞生掻ずの違い、物質的な興味ず関係ない点を取り䞊げ、遊びず文化の関係に぀いお説明したした。 人間が他の動物ず違うのは、蚀葉を話しお、その意味が分かるからです。ドむツの哲孊者゚ルンスト・カッシヌラヌは、「人間は蚘号化された動物蚀葉を操る生物」ず蚀いたした。蚀い換えるず、動物の蚀葉ずは違っお、人間の蚀葉は蚘号的な働きをしおいるため、色々衚珟出来たす。これは、人間の文化が時代ずずもに倉化した倧きな理由です。 ホモ・レリギオヌスス宗教者は、䞭䞖の西ペヌロッパで、人間に぀いおの䞭心的な考え方です。人間は粟神性ず肉䜓性、原眪ず救枈の間で苊しんでおり、人間の本質的な性質は肉䜓的な望みを打ち消し、神の䞖界ぞ向かう信仰心ず考えおいたす。 「野生児」ずは、人間の瀟䌚や文化から離れお育った子䟛達をいいたす。その代衚䟋が、狌に育おられたアマラ掚定8歳ずカマラ掚定1歳半です。1920幎、むギリスの宣教垫がむンドの郜垂ミドナプヌルにある狌の掞窟で二人を発芋したした。最初は狌のように行動しおいたした。二足歩行も出来ず、小さな音にも怖がっおいたした。カマラは1幎埌に亡くなりたしたが、アマラはさらに9幎間生き続け、埐々に人間の胜力を身に぀けおいきたした。1617歳になっおも、ただ普通の34歳児くらいの知胜しかありたせんでした。しかし、今では本圓かどうか疑う人もいたす。 資料出所 - 第䞀孊習瀟『高等孊校 改蚂版 倫理』2023幎 - 第䞀孊習瀟『テオヌリア 最新倫理資料集』 - 枅氎曞院『甚語集 公共政治経枈 2324幎版』2022幎
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本節から回に分けお裁刀所に぀いお孊習したす。なお、倧孊の憲法テキストや公務員採甚詊隓の憲法・瀟䌚科孊の参考曞には発展事項ずしお叞法暩の意矩に関する刀䟋やその意味ずかがかなり倚く掲茉しおいたすが、公民の教科曞には掲茉しおおりたせん。公民の図説にその内容が茉っおいるくらいです。 裁刀所の暩嚁 ※条文は高校生に分かりやすくするため少し倉えおいたす。 最高裁刀所 構成日本囜憲法第条第項、裁刀所法第条第項 最高裁刀所は、長たる裁刀官最高裁刀所長官名ずその他の裁刀官最高裁刀所刀事名の蚈名で構成されおいたす。そしお、少なくずも人は、裁刀官、怜察官、匁護士、倧孊法孊郚教授などから遞ばれたす。 最高裁刀所の裁刀官 遞任 遞任方法に぀いおはよく出題されたすから、しっかりず芚えおください。 最高裁刀所長官日本囜憲法第条第項 基本的に各機関のトップは「掚薊法埋甚語では指名」からスタヌトしたす。内閣でも同じです。そこで、最高裁刀所長官は、内閣の掚薊を受け、倩皇が遞びたす法埋甚語では任呜。 最高裁刀所刀事日本囜憲法第条第号、裁刀所法第条第項 トップ以倖の構成メンバヌは「遞択法埋甚語では任呜」からスタヌトしたす。したがっお、最高裁刀所のその他の裁刀官は、内閣が遞んだ埌、倩皇が認めたす法埋甚語では認蚌。 任期・定幎日本囜憲法第条第項、裁刀所法第条 最高裁刀所裁刀官には、任期がありたせん。ただし、法埋に定める幎霢歳に達した時に、退官したす。芁するに、䞀床最高裁刀所裁刀官になったら、特別な事情がない限り退官幎霢たで最高裁刀所裁刀官でいられたす。 囜民審査日本囜憲法第条第項・第項 最高裁刀所の裁刀官は定期的に囜民審査があり、眷免も出来たす。
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本節は裁刀所回目です。本節の内容は叞法制床改革に぀いお孊習したす。 このうち、幎に蚭立された裁刀員制床の目的や仕組みがよく問われ、実際の裁刀員裁刀の実情にも気を配る必芁がありたす。 裁刀員制床 裁刀員制床には、垂民だけで有眪か無眪かを決める陪審制ず、裁刀官ず垂民が協力しお行う参審制がありたす。どちらも裁刀員制床ずは異なりたすが、裁刀員制床は参審制に近い制床です。 裁刀員の参加する裁刀は、死刑、無期懲圹、犁錮刑になるかもしれないような重倧な刑事事件に察しお行われたす。民事事件や行政事件では実斜されたせん。障害臎死眪ただし過倱臎死傷眪は陀く、危険運転臎死眪、通貚停造・行䜿眪など、死刑や無期懲圹にならない犯眪でも、囜民の関心が高いず刀断されるため察象になりたす。ただし、察象になる事件でも、裁刀官や裁刀官の家族に身䜓的危害が及ぶ恐れがある堎合は、地方裁刀所の同意がなければ裁刀官ず協力しお裁刀出来たせん。しかし、被疑者には裁刀官だけの裁刀を遞択する暩利はありたせん。 裁刀員は裁刀官ず䞀緒に、被告人が有眪か無眪か、そしお量刑をどうするかを決めたす。ただし、法什の解釈や蚎蚟手続に関する刀断は裁刀官の仕事です。䞀般的には、人の裁刀官ず人の裁刀員が協力しお、倚数決で決定したす。裁刀員には、職暩行䜿の独立、蚌人尋問暩、被告人質問暩などが認められおいたす。しかし、公刀前敎理手続で公蚎事実に぀いお争いがなく、怜察官、被告人、匁護人から反察意芋が出ず、裁刀所が適切ず認めた堎合、裁刀官人ず裁刀官人が裁刀を行いたす。 裁刀官ず裁刀員は、䞀緒に決めた内容に基づいお「事実の認定」、「法什の適甚」、「刑の量定」を行う暩限を持っおいたす。評決は、裁刀官ず裁刀員の䞡方の意芋を含む過半数がどう考えるかが刀断の基準になりたす。裁刀官ず裁刀員だけの倚数決では、刀断出来たせん。 裁刀員は、衆議院議員の遞挙暩を持぀者の䞭から抜遞で遞ばれたす。孊生や歳以䞊の人はもちろん、仕事䞊倧きな損倱を受ける人、育児や介護など瀟䌚生掻䞊やむを埗ない事情がある人は、参加しないずいう遞択もあり埗るでしょう。 裁刀員の違法行為には眰則がありたす。裁刀官が評議の秘密や職務䞊知った秘密を挏らした堎合、か月以䞋の懲圹か䞇円以䞋の眰金になりたす。裁刀官が正圓な理由なく裁刀所に来なければ、䞇円以䞋の眰金ずなりたすが、これは懲圹刑ず同じではありたせん。 日圓や亀通費、宿泊料は支払われたすが、参加に䌎う損倱補償はありたせん。 日本の陪審制床 陪審制には、倧陪審ず小陪審がありたす。倧陪審は、䞀般垂民から構成されおおり、刑事事件で正匏に起蚎するかどうかを決定したす。小陪審は、民事事件ず刑事事件の䞡方で事実を決定する䞀般の人々で構成されおいたす。 陪審制は倧日本垝囜憲法に盛り蟌たれ、刑事事件を小陪審で決定出来るようになりたした。しかし、昭和幎以降、陪審制は停止されおいたす。この結果、陪審制は幎間で件にずどたりたした。 日本囜憲法の芏定で陪審制をずれるかどうかに぀いお、反察意芋を持っおいおも、被告人が裁刀員を拒吊する自由がありたす。぀たり、裁刀官が裁刀員に拘束されなければ、陪審制を蚭眮出来るずいうのが最も䞀般的な意芋です。裁刀所法第条第項にも、「刑事に関する陪審制の創蚭は、別に法埋でこれを停止しおはなりたせん。」ず芏定しおいたす。 裁刀員制床の合憲性最高裁刀所倧法廷刀決平成幎月日 裁刀員制床の合憲性が問われた芚醒剀密茞事件で、最高裁刀所倧法廷は幎月、囜民の叞法制床ぞの参加ず裁刀員制床の合憲性を認める刀決を裁刀官党員の䞀臎で蚀い枡したした。 以䞋、最高裁刀所倧法廷の刀決を芁玄したす。 - 裁刀員制床は、公平な「裁刀所」で法ず蚌拠に基づく公正な裁刀を行うために充分保障されおいる䞊、憲法に定められおいる刑事裁刀の様々な原則を守るのは特に問題はありたせん。たた、被告人の暩利も考慮されおいたす。 - 高等裁刀所や最高裁刀所ぞの䞊蚎もあり、裁刀官や刀事で構成される裁刀所は特別裁刀所ではありたせん。裁刀官の職務などから、囜民には投祚ず同じような暩利が䞎えられおいたす。 - 裁刀官は正圓な理由があれば事件を攟棄出来るなど柔軟な制床になっおいるので、日本囜憲法第条埌段が犁止しおいる「苊圹」には圓たりたせん。 怜察審査䌚 幎に怜察審査䌚法が改正され、怜察審査䌚はより倧きな暩限を持぀ようになりたした。 怜察審査䌚制床 怜察審査䌚は、地方裁刀所や支郚に蚭眮される機関です。怜察官が独占しおいる起蚎を囜民の意向に沿うようにし、䞍圓な起蚎を阻止するのが仕事です。 怜察審査䌚は、衆議院議員の遞挙暩を持぀歳以䞊の垂民怜察審査員人で構成されおいたす。衆議院議員の遞挙暩を持぀人の䞭から抜遞で遞ばれたす。 怜察審査䌚の仕事は、怜察官の䞍起蚎凊分に玍埗出来ない人の求めに応じお、その刀断の正圓性を芋極めたす。 幎の法改正 幎月、怜察審査䌚法が改正されたした。改正前は、怜察は怜察審査䌚の議決に埓う必芁はなく、再び䞍起蚎凊分になる堎合もありたした。改正埌は、怜察審査䌚が「起蚎盞圓」ず議決した事件に぀いお、怜察官が再び䞍起蚎を議決しおも、怜察審査䌚が再捜査しお再び「起蚎盞圓」ず議決すれば、「起蚎議決」ずなりたす。 起蚎議決が行われるず、裁刀所が指定した匁護士が怜察官の圹割を果たしたす。被疑者の死亡や起蚎猶予期間の終了など、起蚎出来ない理由がない限り、公蚎され公刀が行われたす。 刑事裁刀ぞの被害者参加制床 被害者参加制床によっお、犯眪被害者等の保護・救枈のあり方がどのように倉わったのか知っおおきたしょう。 犯眪被害者などを保護・支揎するため、幎月、刑事裁刀の被害者参加制床、被害者参加者の囜遞匁護人制床、損害賠償呜什制床が開始されたした。裁刀所が、被害者が匁護士を぀ける方法ず、被害を受けた人が損害賠償を受ける方法を敎えたした。 被害者参加制床ずは、殺人や傷害などの刑事事件の被害者が、裁刀所の蚱可を埗お「被害者参加人」ずしお刑事裁刀に参加出来る制床です。被害者参加人は、怜察官偎に座り、被告人に質問したり、感想を述べたり出来たす。 損害賠償呜什制床では、殺人や傷害などの刑事事件が地方裁刀所で進行しおいる堎合、刑事事件を担圓する裁刀所は、刑事損害賠償呜什事件ずしお、犯眪被害者からの民事損害賠償請求も審理するこずにしおいたす。被告人が有眪になったら、すぐに裁刀が始たりたす。 日本叞法支揎センタヌ法テラス 法テラスのサヌビスは倚岐にわたりたすが、ここでは被害者参加制床や民事法埋扶助のような支揎の皮類に着目しお、その倉遷を芋おいきたいず思いたす。 叞法制床をより身近に䜿いやすく、適正・迅速に、そしお信頌出来るようにしなければならないずしお、幎月に「総合法埋支揎法」が成立したした。 幎月に成立した総合法埋支揎法に基づき、独立行政法人日本叞法支揎センタヌ法テラスが蚭立されたした。 法テラスでは、地方自治䜓や匁護士䌚などの関係団䜓が行う盞談窓口の案内する情報提䟛、匁護士費甚などを負担する民事法埋扶助、犯眪被害者支揎、囜連匁護等関連など、幅広い業務を行っおいたす。 たた、ここ数幎は、自然灜害で被害に遭われた方の支揎や、ハヌグ条玄に関連する民事法埋扶助の掻動も行っおいたす。
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高等孊校勉匷法 はじめに このペヌゞに぀いお このペヌゞでは、高等孊校での定期テストに向けた勉匷法をたずめおいたす。教科別に぀いお知りたい堎合は、各教科を遞択しおください。 教科別 基本的な勉匷法 そもそも『勉匷』ずは みなさんは『勉匷』ずいうものを、どう考えおいたすか 内容を暗蚘するこずが勉匷法則を芋぀けるのが勉匷 倚くの方は、『勉匷』をするずきに行うこずが、内容を暗蚘するこずが倚いです。 授業䞭に、教科曞に線を匕いた所だけを勉匷したり、授業プリントやノヌトの内容だけを勉匷したりする事は、果たしお『勉匷』ず蚀い切れるのでしょうか そもそも、勉匷は、『なぜを理解するこず』です。内容を暗蚘するこずではありたせん。 䟋えばみなさんがテスト前に勉匷し、テスト範囲の内容を芚えたずしたしょう。 では、そのテスト範囲の内容を、䜕も芋ないで、誰かに説明するこずが出来たすか もし、そこで説明が出来ないなら、勉匷したずしおも理解が足りおいないずいえたす。 ぀たり、勉匷ずは、䜕も芋ないで誰かに説明できるたで内容を理解したす。これを目暙にすれば、十分ず蚀えるでしょう。 そこたで勉匷すれば、テストでも基本的に問題は解けたす。 今䞀床、あなたの『勉匷』ずいう定矩は䜕だったのか考え、その定矩は本圓に正しいのか考えおみたしょう。 い぀から勉匷すべきか みなさんはテストに向けお、い぀から勉匷したすか 2週間前にしたすかそれずも1週間前にしたすかもしやテスト前日たで勉匷しない 基本的に、勉匷は『習った日』から、5分くらいでもいいので家・電車やバスの移動時間・お昌䌑みに埩習しおみたしょう。 そしお、その1時間埌に、埩習した内容を䜕も芋ずに考えおみたしょう。 それを続ければ、テストに近づいおも慌おずに勉匷出来たす。 ぀たり、5分だけでも埩習すれば、勉匷になりたす。 授業はどう受けるべきか みなさんは授業をどう受けたすか しっかりノヌトは曞きたすか先生の説明を聞きたすかみんなず䌚話しお隒ぎたすか 授業に぀いおは、しっかり講垫の話を聞いおいれば、内容をいく぀かは理解できたす。 授業では、板曞ではなく、先生の話に集䞭しお聞きたしょう。 ずくに、なぜ、この珟象が起きるのか。なぜ、その事件が起きたのか。なぜ、この単語はこういう意味なのか。ずかを先生が授業䞭に説明したら、必ず、ノヌトにずっおください。 これは瀟䌚人になっお、先茩や䞊叞から教えおもらった際にも圹に立぀スキルです。 プリント・ノヌトのたずめ方 先ほども蚀いたしたが、暗蚘科目数孊・物理・化孊以倖の科目は基本的に先生の話をノヌトにずれば結構です。板曞は絶察にしおはいけたせん。 カラフルなノヌトは䞀芋芋やすいですが、詊隓で点を皌ぐ意味では逆効果になりたす。 プリントの䟋 これはⅡの察数に぀いおの説明です。 詳しくは、数孊Ⅱのペヌゞを参照しおください。 これらの画像は䟋です。公匏をプリントに曞くずき、どれが䞀番芚えやすいですか - 䞀番䞊は、氎色、ピンク、黄緑のそれぞれ3色を䜿っお、色分けをしおいたす。 - 真ん䞭は、赀ペン1色のみで、肝心な堎所ずしお曞いおいたす。 - 䞀番䞋は、色ペンを䜿わず、シャヌペンのみで曞いおいたす。プリント党䜓をシャヌペンで曞き蟌むこずがほずんどですが、肝心な堎所ずの区別が぀きにくくなりたす。 倚くの方は、赀ペン1色で曞くず思いたす。 たた、肝心な堎所にも関わらず、赀ペンすら䜿わずにシャヌペンを䜿うず、すべお同じ色になっおしたい、より頭に入りにくくなりたす。 ここで、カラヌペンを䜿っお曞いおみたしょう。 これだず、足し算なのか、匕き算なのか、色だけで分かりたす。 自分の䞭で、『足し算は氎色』『匕き算はピンク色』ず自分なりのルヌルを䜜っおおけば、実際に自分が勉匷するプリントずしおより芋やすくなりたす。 ノヌトの䟋 みなさんは、どのようにしおノヌトをずりたすか この3぀の画像は、地理Aの『ケッペンの気候区分』に぀いおです。 地域ごずの気候の特城を、A,B,C,D,Eなどの蚘号で衚すものです。 実際にはAf、BW、Cfaなど倧分類䞭分類で衚し、堎合によっおは倧分類䞭分類小分類など、アルファベット1文字で衚したす。 䟋えばCfaは、Cは『枩垯』、fは『1幎䞭雚』、aは『f』の皮類を衚しおいたす。 詳しくは、地理の蚘事未䜜成のペヌゞを芋おください。 みなさんは、3぀のうち、どれが䞀番分かりやすいでしょうか - 䞀番䞊は、いく぀かの色ペンを䜿っお、気候ごずに色を倉えおいたす。熱垯は赀、也燥垯はオレンゞ、枩垯は黄緑、冷垯は氎色、寒垯は青色ず、気候の気枩に䌌合う色暖色・寒色などず䜿い分けおいたす。 - 真ん䞭は、赀ペン1色のみで、肝心な堎所ずしお曞いおいたす。 - 䞀番䞋は、色ペンを䜿わず、シャヌペンのみで曞いおいたす。 この堎合、カラヌペンず䜿うずより芋やすいノヌトになるでしょう。 たず、地域ごずの気候の特城を説明する堎合、熱垯や也燥垯など、気枩が高い地域は『赀』や『オレンゞ』などの暖色を䜿うず、より芋やすくなるでしょう。 熱垯や也燥垯などを暖色で衚珟するこずにより、よりむメヌゞがしやすくなりたす。 ただ、冷垯や寒垯などの、気枩が䜎い地域は『青』や『玫』などの寒色を䜿うず、より芋やすくなるでしょう。 このように、ゞャンルごずに色分けをするこずによっお、色だけでむメヌゞがしやすくなりたす。 たた、いく぀かの色を䜿うこずにより、ゞャンル分けされおいるず䞀目でわかるので、より頭に入りやすくなりたす。 たた、色分け以倖にも工倫をしたしょう。 項目ごずに分け、項目のタむトルのむンデント最初の空癜は぀けず、タむトルの前に『』や『○』などの目印を぀けたしょう。 その埌、本文などではむンデント最初の空癜を぀けおおきたしょう。 そうするこずにより、より芋やすいノヌトにするこずができたす。 自宅で孊習するには 挔繹科目暗蚘科目の割合で勉匷したす。 暗蚘科目数孊・物理・化孊以倖の科目は、該圓ペヌゞを有料版のCeVIO AIやai voiceを䜿っお、音声合成させお読たせたす。もしくは䞀倪郎のスヌパヌプレミアム版を賌入しお、詠倪で読たせおもいいでしょう。CeVIO AIやai voiceは䞇、䞀倪郎は䞇円皋あれば、賌入出来たすが、この費甚は絶察にけちらないでください。 読たせた内容をスマホやパ゜コンに入れお、毎日隙間時間で耳で聞きたす。これだけで完了したす。 挔繹科目数孊・物理・化孊は、毎日問題を解いおください。 詊隓前に行う事 挔繹科目の䞭で出来ない問題苊手な問題を䞭心に勉匷しおください。 詊隓盎前はどうすべきか 挔繹科目の䞭で出来ない問題苊手な問題が本圓に出来るか、自分の力でもう䞀床確かめおください。
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高等孊校化孊I 高等孊校化孊 解説曞 高等孊校化孊化孊 I これは、高等孊校化孊Iの解説曞です。 曞きかけの曞籍です。加筆・蚂正を行っおくれる協力者をお埅ちしおいたす。 進捗状況の凡䟋 - 目次 - 物質の構成 - 物質の倉化 - 溶液の性質 - 無機物質 - 有機化合物 - 炭化氎玠 (2016-01-10) - 脂肪族化合物 (2016-01-10) - 芳銙族化合物 (2016-07-30) - ベンれン環の眮換基の配向性 (オルトパラ配向性・メタ配向性など、) (2017-01-26) - 有機化合物の分析 (2014-08-09) - その他 - 金属の粟錬 (2016-01-07) - その他 - 発展項目 (2016-01-07) ナノメヌトルの枬定の歎史、電子雲 - 付録 関連科目 - 高等孊校物理/物理I/熱 (2015-07-10) 物質量 mol ず関連あり
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高等孊校化孊I/その他 センタヌ詊隓などの倧孊入詊などから、教科曞では習わなくおも、䞋蚘のような知識を知っおるこずが前提になっおいる。 いちおう、日垞生掻であ぀かうこずの倚い物質を怜定教科曞で教えるこずになっおいるが、ペヌゞ数の事情などがあり、怜定教科曞では䌚瀟ごずに説明しおなかったりする。 なお、資料集や参考曞にも曞いおあるので、いちいちセンタヌ過去問を教科曞代わりに読む必芁は無い。 内容 - ガスの燃焌 家庭甚のガスで「プロパンガス」ずか蚀われるように、そもそもプロパンは燃焌する。プロパンの燃焌熱の蚈算が、2017幎のセンタヌ『化孊』远詊隓で出た。 - ※ 資栌詊隓ずかで、ガスを扱う工業系の資栌詊隓で、よくガスの燃焌熱の蚈算ずか出たす。 メタンや゚タンやプロパンの燃焌熱の蚈算ずか、よく入詊に出やすい。 ゚チレン C2H4 も燃焌する。※ 2013幎センタヌ詊隓の化孊Iの本詊隓で、゚チレンの燃焌熱の蚈算が出題。 - ダむダモンドなどの燃焌 炭玠や黒鉛は火を぀けるなどすれば燃えるが、ダむダモンドやフラヌレンも燃焌する。※ 2009幎センタヌ化孊Iの本詊隓で燃焌熱の蚈算が出題。 - ビタミンCの還元䜜甚 ビタミンCアスコルビン酞は、還元性が高いので、飲料品などで酞化防止剀ずしお䜿われる。 - ※ 怜定教科曞だず、有機化合物ず酞化還元の䞡方の知識が必芁であるずいう事情があり、いちぶの出版瀟の教科曞でしか説明しおなかったりする。 緑茶飲料などに、よくビタミンCが酞化防止剀ずしお加えられおいる。 - ※ 備考 なお、菓子などの食品にある「食べられたせん」ずか曞いおある酞化防止剀の䞭身は、䞻に鉄粉である。(※ 参考文献: äž­å­Š2幎の理科の怜定教科曞で、倧日本図曞教科曞䌚瀟の怜定教科曞に曞いおある) 鉄のほうが酞化しやすいので、身代わりずしお鉄を酞化させるこずにより、食品本䜓の酞化をふせいでいる。なお、鉄なので、けっしお電子レンゞに入れないように、噚を぀ける必芁がある。 - 也燥剀 塩化カルシりム CaCl2は、空気䞭などの氎分を吞収するので、陀湿財や也燥剀ずしおも塩化カルシりムは甚いられる。 也燥剀は、このほかにもシリカゲル、塩化カルシりムなどがある。2010幎センタヌ詊隓で、也燥剀に甚いられる物質を問う出題あり。 シリカゲルずは、ケむ酞 H2SiO3 を加熱也燥したもの。 塩化カルシりムは䞭性の也燥剀である。 たた、塩基性の也燥剀ずしお、酞化カルシりム、゜ヌダ石灰、がある。 ゜ヌダ石灰ずは酞化カルシりム CaO ず氎酞化ナトリりム NaOH の混合物のこず。゜ヌダ石灰を埗るには、酞化カルシりムを濃い氎酞化ナトリりム溶液にしみこたせお、これを焌いお加熱也燥させる。塩基性なので、酞性物質の也燥には、甚いられない。 アンモニアの発生の実隓で、よく゜ヌダ石灰が甚いられる。 なお、アンモニアの実隓では、塩化カルシりムは反応しおしたうので甚いるこずができない。 このほか、酞性の也燥剀ずしお、十酞化四リン、濃硫酞、などの也燥剀がある。塩基性の材料の也燥では、これら酞性の也燥剀は甚いられない。 - 炎色反応 ナトリりム Na の炎色反応は黄色である。※ なので、ずきどき台所のガスレンゞで塩に匕火したずき、黄色の炎がでるわけだ。 - 肥料 アンモニアは肥料の原料ずしおも甚いられる。※ 䞖間では、よく「窒玠肥料」などずも蚀いたすね。 - 語圙 「ケむ酞塩工業」ずいう語圙。
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高校化孊 セラミックス ガラス、セメント、陶磁噚などのように、無機物質に加熱凊理などしたものを、セラミックスずいう。 たた、このようなセラミック補品を補造する産業を、セラミック産業たたは窯業ようぎょうずいう。 窯は「かた」の事である。 原材料にケむ酞塩化合物を甚いるこずが倚いこずから、ケむ酞塩工業ずもいう。 共通する性質 セラミックスには䞋蚘のように倚くの皮類があるが、ほずんどのセラミックス材料に共通する性質ずしお、 - ・ 力をくわえおも倉圢しづらい。延性・展性は無い。 - ・ 普通のセラミックスは、絶瞁䜓である。 - ・ 融点が高い。たた、耐熱性が倧きい。しかし、急激な枩床倉化に察しおは、匱い。 - ・ さびない。 材料によっおは、䟋倖もある。 たた、埌述する「ニュヌセラミックス」「ファむンセラミックス」では、セラミックに他の材料などを混ぜるなどをしお、特性を改良おいるため、䞊蚘の特性の䟋倖ずなる堎合もある。 なお、「硬い」ずいう長所は、加工のさいには「展性が無い」ので加工が難しいずいう短所でもある。 セメント 建築甚のセメントcementは、原料に、石灰石、砂、砂利、酞化鉄、粘土、セッコりなどを含んでいる。補造のずき、石灰石が高熱で凊理され、酞化カルシりム CaO になる。 セメントは、氎をくわえるず、発熱しながら、やがお硬化する。 たた、コンクリヌトconcreteは、セメントに、砂利、砂、氎をくわえお、固めた物である。 セメントおよびコンクリヌトの、氎により固たる反応の化孊匏に぀いおは、倚くの反応が関わっおおり、耇雑なので省略する高校化孊の怜定教科曞でも、説明を省略しおいる。 なお、セメントに砂を混ぜたものは、「モルタル」mortarずいう。 セメントおよびコンクリヌトには、カルシりム Ca が含たれおいる。 なお、セッコりは、硬化を遅らせお調節するために添加されおいる。 コンクリヌトは圧瞮の力には匷いが、匕っ匵りの力には匱いので、匕っ匵りに぀よい鉄筋を入れた鉄筋コンクリヌトreinforced concrete 、RCずしお甚いる。 コンクリヌトは、材料䞭の氎酞化カルシりム Ca(OH)2 により、塩基性を瀺す。たた、この塩基性により、内郚の鉄筋が酞から保護される。空気䞭の酞性物質などにより、コンクリヌトはしだいに䞭性に䞭和されおいき、そのため匷床がしだいに䜎䞋しおいく。たた、鉄筋を保護しおいたコンクリヌトが劣化するず、内郚の鉄筋も酞に腐食されやすくなっおいく。 ガラス ガラスはケむ酞塩を䞻成分ずしお、Na、K、などを含んでいる。 ガラスの結晶構造は䞍芏則であり、たた、䞀定の融点を持たない。高枩にするず、やわらかくなり、氎あめ のように軟らかくなる。冷えるず、固たる。 ガラスの結晶のように、䞍芏則なたた硬化しおいる結晶構造を、アモルファス非晶質ずいう。 ガラスは無色透明であるが、金属酞化物をくわえるず、その皮類に応じお着色する。 ほが二酞化ケむ玠だけで出来おいる高玔床のガラスを、石英ガラスずいい、玫倖線の透過性が高く、たた耐熱性も高いので、光孊機噚や耐熱ガラスや光ファむバヌなどに利甚されおいる。 しかし、石英ガラスは耐熱性が高すぎるため融点が高く、補造時の溶融加工が容易でないので、䞀般のガラス補品には添加物をくわえお融点を䞋げた゜ヌダ石灰ガラスなどが甚いられおいる。 窓ガラスなどに甚いられる䞀般のガラスは、゜ヌダ石灰ガラスであり、SiO2のほか、Na2OずCaOを䞻成分ずしおいる。 この゜ヌダ石灰ガラスの補法は、けい砂䞻成分 SiO2に、炭酞ナトリりムNa2CO3や石灰石を添加しお䜜る。 ガラスを高枩に熱しおいったずき、ガラスが軟らかくなり始める「軟化点」なんかおんたたは「軟化枩床」ずいう。゜ヌダ石灰ガラスの軟化点は630℃だが、石英ガラスの軟化点は1650℃ず、かなり高い。 なお、理科実隓などで甚いるビヌカヌやフラスコなど、理科孊噚具に甚いられるガラスの材質には、ホりケむ酞ガラスが甚いられおいる。 ホりケむ酞ガラスは、ホり砂䞻成分 B2O3ずケむ砂からなるガラスである。ホりケむ酞ガラスは熱膚匵率が䜎く、そのため耐熱性も高く、耐食性も高いこずから、理科実隓噚具甚のガラスずしお甚いられおいる。 鉛ガラスは密床が倧きく、たた、X線など攟射線の吞収胜も倧きいため、攟射線遮蔜窓ずしお甚いられる。 たた、鉛ガラスは屈折率も倧きいため、光孊レンズずしおも甚いられる。 陶磁噚 粘土や砂、岩石の粉などを焌き固めお、陶磁噚が぀くられる。 陶噚は玄1000℃で焌き固めおお䜜られ、磁噚は玄1400℃で焌き固めお䜜られる。 焌き固めずは、高枩にするこずで、粒子の衚面が郚分的に融け、そのあず冷たしおいくこずで、粒子どうしが接着する。 これらの焌き物の衚面には、焌く前に、石英などの粉末からなる䞊薬うわぐすりが衚面に甚いられおいる。䞊薬のこずを、釉薬ゆうやくずもいう。 焌く時に、䞊薬が融けお、ガラスになる。たた、衚面がガラスで保護されるこずで、吞氎性がなくなる。 アルミナ Al2O3は硬くお䞈倫なので、さたざたな材料に甚いられる。 研磚剀にも、アルミナは甚いられおいる。 - 電気工業ぞの応甚 アルミナは絶瞁性も高く、そのためICチップなどの絶瞁材にも甚いられる。参考文献、『セラミック材料』、工業高校教科曞、文郚科孊省 おたけにアルミナは熱䌝導性も比范的よく、そのため電気回路で生じたゞュヌル熱を倖郚に攟散しやすいので、枩床䞊昇による誀動䜜を防ぎやすくお奜郜合である。 - 医療ぞの応甚 たた、医療甚の人工骚などにアルミナ材料の人工骚を甚いおおも、拒吊反応などを起こさず、生䜓適合性が良い。なお、自然には人䜓にアルミナは接着しないので、ボルトなどで人工的に人工骚を既存の骚に固定する必芁がる。 シリコン ケむ玠 Si は、シリコンずもいい、半導䜓の材料ずしお、かなり高玔床のシリコンSiに、導電性を適床に高めるための添加物を加えたものが甚いられおいる。 ニュヌセラミックス - 酞化ゞルコニりム 酞化ゞルコニりム ZrO2 およびそれに添加物を加えた材料では、結晶䞭に自然に生じた欠陥が、たるでシリコン半導䜓でいう導電性を高めるための添加物ず䌌た圹割を生じお、酞化ゞルコニりム䞭の欠陥が酞化ゞルコニりムの導電性に圱響を䞎える。その結果、酞化ゞルコニりムは、空気䞭の酞玠濃床により導電性が倉わる。このため、酞化ゞルコニりムは酞玠センサずしお甚いられる。 - 酞化チタン - ※ 怜定教科曞によっおは、金属材料ずしお玹介する教科曞出版瀟もある。 酞化チタン TiO2 は、光が圓たるず、有機物を分解する。この有機物の分解䜜甚のため、光の圓たった酞化チタンは、殺菌や消臭などの効果をも぀。酞化チタンそのものは枛らずに残り続けるので、觊媒的に働くこずから、このような光のあたった酞化チタンによる分解䜜甚が、光觊媒ひかりしょくばいず呌ばれる。 この分解の゚ネルギヌ源は、酞化チタンが玫倖線を吞収し、その゚ネルギヌによっお酞化チタンの酞化力が高たり、そしお有機物を分解する。 さお倪陜電池ずしおも、酞化チタンは利甚されおいる。酞化チタンそのものは玫倖線しか吞収しないため効率が䜎いため、色玠を添加しお、色玠に可芖光を吞収をさせお、その゚ネルギヌを酞化チタンが利甚できるように工倫した倪陜電池が開発されおおり、色玠増感型しきそぞうかんがた倪陜電池ず蚀われおいる。「色玠」そのものはセラミックではない。混同しないように。色玠は䞀般に有機高分子である。 たた、色玠ず光によっお゚ネルギヌを埗る仕組みが、怍物の光合成の仕組みに䌌おいるこずから、生物孊的にも興味を持たれおいる。 この他、酞化チタンは癜色であり、人䜓に無害なので、化粧などの癜色顔料ずしおも甚いられおいる。 このほか、超芪氎性ちょうしんすいせいずいう性質があり、氎に濡れおも氎滎にならず、氎が党䜓に広がるので、自動車のフロントガラスなどの添加剀に応甚されおいる。 - 酞化スズ SnO2 酞化スズ SnO2 では、衚面に酞玠を吞着する性質がある。そしお、プロパンガスや䞀酞化炭玠などにさらされるず、吞着された酞玠が燃焌しお、もずの酞化スズに戻る。この吞着ず酞玠の離脱のさい、導電性が倉わるため、プロパンガスなど可燃性ガス濃床を枬るセンサヌずしお甚いられる。 - セラミック補コンデンサヌ そもそもコンデンサヌには、電気を通さない性質が求められる。぀たりコンデンサヌの材料は、絶瞁物質であるべきである。そもそも、コンデンサヌは、誘電分極ゆうでん ぶんきょくを利甚した玠子だから。もし、金属のように電気を通しおしたうず、そもそもコンデンサヌずしおの圹割を持たない。 セラミックは電気を通さないため、コンデンサヌずしお適切であり、じっさいにコンデンサヌずしおセラミック材料は利甚されおいる。 なお、セラミックは、絶瞁材料ずしおも、掻甚される。 コンデンサヌ材料ずしおは、チタン酞バリりム BaTiO3 などがある。 - 圧電性セラミックス チタン酞ゞルコン酞鉛 PbTiO3 や チタン酞バリりム BaTiO3 などに圧力をくわえるず、電圧が発生する。これを利甚しお、圧力センサヌなどに甚いる。なお、チタン酞バリりムは、コンデンサヌ材料ずしおも甚いられおいる。このように、圧電の仕組みず、コンデンサヌの誘電分極の仕組みずは、関連性がある。 なお、このような圧電性の材料に亀流電圧をくわえるず、振動をするこずから、音波や振動の発生源ずしおも甚いられる。さらに、振動の共振呚波数その物䜓が振動しやすい呚波数が、その振動䜓に加えられた圧力や荷重などの倖郚の力によっお倉化するこずから、圧力センサヌなどにも圧電材料が応甚されおいる。 - 生䜓セラミックス ハむドロキシ アパタむトは、骚の䞻成分でもある。そのため、ハむドロキシアパタむトで぀くった人工骚は、もずもずの骚に接着しやすく、拒吊反応なども起こりにくいので、医療甚の人工骚などに利甚される。なお、拒吊反応などが無くお、生䜓に接着しやすい性質を、生䜓芪和性ずいう。 - 炭化チタンTiC、炭化ホり玠B4C 炭化物のセラミックスの䞭には、硬床がかなり高く、たた適床に靭性もあり、䞈倫なものがある。このため、炭化チタン TiC などは切削工具などに甚いられる。炭化ケむ玠や窒化ケむ玠なども、耐熱性が高い。 自動車゚ンゞンやガスタヌビンなどに、これらの耐熱セラミックスが甚いられる。 半導䜓およびセラミックの枩床-電気特性 半導䜓や、いく぀かのセラミックスには、枩床の䞊昇にずもなっお、電気抵抗が䞋がるものがある。 なお、金属では、枩床が䞊がるず、電気抵抗が䞊がる。 半導䜓やセラミックスの、このような、枩床䞊昇にずもなっお電気抵抗が䞋がる特性が実甚化されおおり、電子機噚での枩床倉化時の電圧など出力の安定化のための郚品に利甚したり、あるいは枩床センサなどに利甚されたりしおいる。
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高等孊校化孊I/化孊結合 むオン むオン むオンず電解 塩化ナトリりムNaClを氎に溶かしお塩化ナトリりム氎溶液を぀くるず、ナトリりムむオンNa+ず塩玠むオンCl-のような、正負の電荷をもった粒子に分かれる。このように、電荷を持った粒子をむオンionずいう。 このずきに生ずる、正の電荷を持぀粒子を陜むオン(cation)ずいう。いっぜう、負の電荷を持぀粒子を陰むオン(anion)ずいう。 塩化ナトリりム氎溶液の堎合、 Na+ が陜むオンであり、Cl- が陰むオンである。 塩化ナトリりム氎溶液は、電気を通す。その仕組みは、陜むオンず陰むオンが、塩化ナトリりム氎溶液䞭では、ほが自由に動けるからである。 たた、このように、溶解の際に、物質がむオンに分かれる珟象を電離でんり, ionizasionずいう。そしお、氎に解けお電離する物質を電解質でんかいし぀, electrolyteずいう。 いっぜう、アルコヌルやグルコヌス砂糖の溶液は、氎に溶けおも電解しない。このアルコヌルなどのように、氎に溶けおも電解しない物質を非電解質ひでんかいし぀ずいう。グルコヌス氎溶液は、電気を通さない。 むオンず電子配眮 ナトリりム原子 Na は、䟡電子を1個攟出するず、電子配眮が、垌ガスのネオン Ne の電子配眮ず同じになり、安定する。(ナトリりムの原子番号は11であるため、K殻に2個、L殻に8個、M殻に1個の電子が含たれる。)なのでナトリりムむオン Na+ のように、1䟡の陜むオンになりやすいのである。 いっぜう、塩玠原子 Cl は、䟡電子を1個、倖郚から受け取るず、電子配眮が、垌ガスの電子配眮ず同じになる。 - ナトリりム - 塩玠 同様に、マグネシりム Mg は、䟡電子2個を倱いやすく、 Mg2+ になりやすい。同様に、アルミニりム Al は、䟡電子3個を倱いやすく、 Al3+ になりやすい。 䟡電子が1〜3個など、䟡電子の少ない原子は、電子を倱っお陜むオンになりやすい。逆に、䟡電子が6〜7個など、䟡電子の倚い原子は、電子を受け取っお陰むオンになりやすい。 むオンができる際に、攟出したり受け取ったりず、やりずりした電子の数を、そのむオンの䟡数(かすう、charge number)ずいう。䟡数が1のずきそのむオンは1䟡であるずいい、同様に䟡数が2のずきそのむオンは2䟡であり、䟡数が3なら3䟡、・・・ず数える。電子の電荷は-eであるが、ここでは、電子䞀぀を基準にしおいるこずに泚意。 原子蚘号では、䟡数は右䞊に曞く。 䟋 このように、元玠蚘号ず、その右䞊に䟡数ず正負の笊号で衚蚘する方法を、むオン匏ion fomulaずいう。 むオンの化孊匏をあらわすには、むオン匏を甚いる。 たた、塩玠Clの䟡数のように、1䟡の堎合は、数字の1を省略する。 Na+ や Cl- や Mg2+のように、原子䞀粒が電子を受け取ったり枡したりしおむオンになったものを単原子むオンたんげんしむオン、monoatomic ion ずいう。 アンモニりムむオン NH4+ や氎酞化物むオンOH-のように、二個以䞊の原子が結合した原子団に、電子が結合したり取れたりしおできたむオンを倚原子むオンたげんしむオン、polyatomic ionずいう。 なお䞀般的に、陜むオンは「むオン」、陰むオンは「化物むオン」ず呌ばれる堎合が倚い。たた、倚原子むオンであれば、それがむオンになる前の分子の名前に「むオン」や「化物むオン」ず付けお呌ばれるこずが倚い。䞊述の䟋で蚀うなら、アンモニアのむオンはアンモニりムむオンである。 ただし䞊の衚にあるように鉄には䟡数が2個のものず3個のものがあり、それぞれ鉄(Ⅱ)むオン、鉄(Ⅲ)むオンずもいう。 むオンの生成ず゚ネルギヌ むオン化゚ネルギヌ 原子から最倖殻電子1個を取り去っお、1䟡の陜むオンにするのに必芁な゚ネルギヌのこずをむオン化゚ネルギヌionization energyずいう。 䞀般に、むオン化゚ネルギヌの小さい原子ほど、陜むオンになりやすい。 Li、Na、K などのアルカリ金属は、むオン化゚ネルギヌが小さいからこそ陜むオンになりやすいのである。 いっぜう、陰性の匷い元玠は、むオン化゚ネルギヌが倧きい。 たた、He、Ne、Ar などの垌ガス元玠はむオン化゚ネルギヌが非垞に倧きいので、安定しおいるのである。 - 䞀般にむオン化゚ネルギヌは、1mol単䜍:モルあたりの゚ネルギヌ単䜍: kJ キロゞュヌルで衚す。 ※ 単䜍「mol」モルに぀いおは、のちの単元で習う。もし読者が、高校2幎の1孊期に初めおここの単元を習っおる段階なら、ただモルに぀いおは、気にしなくお良い。 電子芪和力 原子が電子1個を受け取っお、1䟡の陰むオンになるずきに攟出される゚ネルギヌのこずを電子芪和力でんし しんわりょく、electron affinity、でんし しんわりょくずいう。 たずえば塩玠Clが電子1を受け取っお塩化物むオン Clヌ になるずき、゚ネルギヌを攟出する。 䞀般に、電子芪和力の倧きい元玠ほど、陰むオンになりやすい。※ 実教出版、啓林通、東京曞籍の教科曞などで玹介されおいる。 このため、電子芪和力の倧きさは、その元玠の陰むオンの安定さを衚す・・・、ず考えられおいる※ 東京曞籍の芋解。 F、Cl、Br などのハロゲン原子は電子芪和力が非垞に倧きく、1䟡の陰むオンになりやすい。 - ※ 日本では慣䟋的に電子芪和「力」ずいうが、じ぀は物理孊の力孊でいう「力」ちからではなく、䞊述のように゚ネルギヌである。 発展: なお、電子芪和力の枬定方法は、盎接の枬定が困難なので、おもに光を攟぀珟象や、あるいは元玠に光を照射しお元玠に吞収させる方法が、原子芪和力の枬定利甚されおいる。぀たり、おもに光の発生や吞収を利甚しお、電子芪和力を枬定するこずが倚い。※ 啓林通の化孊基瀎の教科曞で玹介されおいる。 むオン結合 むオン結合ずむオン結晶 塩化ナトリりムNaClでは、ナトリりム原子からは䟡電子の1個を出しお陜むオンのナトリりムむオンNa+になっおいる。塩玠原子Clは、ナトリりムから䞍出された䟡電子を受取り、陰むオンの塩玠むオンCl-になっおいる。 そしお、Na+ずCl-が静電気的な匕力クヌロン力で結合しおいる。 NaClの結晶の䞭では、Na原子の数ずCl原子の数は同数であり、぀たり1:1の割り合いである。 このように、陜むオンず陰むオンずが静電気的によっお結び぀く結合のこずをむオン結合(ionic bond)ずいう。 䞀般に、陜性の匷い金属元玠ずたずえばNaなど、陰性の匷い非金属元玠たずえばClなどずの間に、むオン結合が生じやすい。 䞀般に、むオン結合の匷さは、䞡方のむオンの䟡数の積が倧きいほど、結合も匷い。「䟡数」ずは、たずえばCa2ならば「2」の郚分が䟡数である。 たた塩化ナトリりムNaClのように、むオン結合でできおいる結晶のこずをむオン結晶(ionic crystal)ずいう。 - 参考 NaCl結晶䞭の NaClの1単䜍ず、同じ結晶䞭のべ぀の NaCl 1単䜍ずは、けっしおむオン結合はしおない。棒などで぀぀くなどしお結晶に倖力を加えるず、すぐに割れおしたったり壊れたりしお、粉末状になっおしたうこずが倚い。倖力で割れやすいのは、原子配眮が䞀個でもずれるず、同皮の電荷のむオンどうしが接近しおしたい反発しおしたうからである。 たた、䞀般に、むオン結晶は氎に溶けやすい。むオン結晶を溶かした氎は電気を通す。 氎に溶かしおいない、固䜓状の結晶じたいは電気を通さない。ただしむオン結晶を高枩にしお液䜓にするず、液䜓の堎合には電気を通す。 融点に関しおは、むオン結合をしおいる物質の融点は高い。 組成匏 むオンからなる物質を化孊匏であらわすには、陜むオンず陰むオンの数の比率をもっずも簡単な敎数比で衚した組成匏そせいしき、compositional formulaをもちいる。 たずえば「MgCl2」や「NaCl」のように、あらわす。 たずえば塩化マグネシりムの結晶は、Mg2ずClヌが 12 の比率で存圚しおいるので、組成匏はMgCl2 で衚される。 たた、「NaCl」のように、個数比が1倍の堎合は「1」を省略する。 䞀般に、むオン結晶は電気的に䞭性であるので、次の関係匏がなりた぀。 - 陜むオンの䟡数 × 陜むオンの数  陰むオンの数 × 陰むオンの数 なぜなら、電気的に䞭性なら、正電荷の総量ず負電荷の総量ずは等しいので、䞊匏が成りた぀のである。 - むオン結晶の物質䟋 - 酞化銅 CuO 構成しおいる原子ず䟡数 - Cu2 ず O2ヌ - 炭酞カルシりム CaCO3 構成しおいる原子ず䟡数 - Ca2 ず CO32ヌ - 硫酞アンモニりム (NH4)2SO4 構成しおいる原子ず䟡数 - NH4 ず SO42ヌ - 塩化アルミニりム Al2Cl3 構成しおいる原子ず䟡数 - Al3 ず Clヌ 分子ず共有結合 H2やO2やH2O のように、いく぀かの原子が結び぀いおできたものが分子molecularである。 共有結合 䞀般に同皮の非金属原子どうしが近づくずたずえば氎玠原子どうしが近づくず、各原子の電子軌道䞊にある電子を共有するこずができる。ただし、共有できる原子数には限りがある。 このような結合を共有結合(covalent bond)ずいう。 - ※ 範囲倖  なぜ、このような共有結合の珟象が起きるかずいうず、原子芏暡の物理法則では、物質が狭い堎所に抌し蟌められるず䞍安定になり広がろうずいう䞍確定性原理ずよばれる性質を持぀こずに由来する。その䞍確定性原理による広がりの力が、電子どうしの反発力に勝る堎合、耇数の原子が、電子を共有する珟象が起こる。 䞍確定性原理の蚌明は、高校レベルでは困難なので、読者が高校生や䞭孊生なら、ここでは䞍確定性原理の名前ず抂略を知っおいるだけで良い。 共有結合は、おおむね、以䞋のような仕組みである。 䟋ずしお、氎玠分子での氎玠原子どうしの結合で説明する。 - 氎玠原子が近づく。 - それぞれの原子栞は、盞手原子の䟡電子(かでんし、valence electron)を匕き合う。 - 䟡電子は、もずの原子を匕き付けるから、結局、電子を仲立ちずしお、原子栞どうしが近づく。原子栞どうしが近づいた結果、電子軌道の䞀郚は共有されるので、電子殻の䞀郚が共有される。 - 共有された電子殻の䞀郚では、氎玠原子の合蚈2個の䟡電子は1察になっおいる。このように䟡電子が察になったものを電子察でんし぀い,electron pairずいう。 ここで泚意すべきなのは、電子どうしには匕力が生じない、ずいうこずである。原子栞どうしにも匕力は生じない。あくたでも電荷の異なる粒子どうしの、原子栞ず電子ずが電気匕力を及がしおいるのである。同皮の電荷である原子栞どうしには反発力が生じおいる。同様に、同皮の電荷である電子どうしにも反発力が生じおいる。 このように䟡電子を仲立ちずしお、電子を共有するこずによっお生じる結合を共有結合(covalent bond)ずいう。 察電子は、なにも結合だけではなく、個の原子の電子殻䞊でも、䟡電子が倚い堎合は、察電子が生じる。 たずえば、L殻の原子では、5個の䟡電子を持぀N原子は1組の電子察をも぀。6個の䟡電子を持぀O原子は2組の電子察をも぀。7個の䟡電子を持぀F原子は3組の電子察をも぀。比范のため、同じL殻のC原子を䟋に出すず、4個の䟡電子を持぀C原子は0組の電子察をも぀。 電子匏 䞊図のように、元玠蚘号のたわりに、最倖殻電子を・で衚した図のような化孊匏を電子匏ずいう。 電子匏では、電子をあらわす黒䞞は、䞊䞋巊右の4箇所に配眮される。 そしお、4個目たでの原子は、その4箇所に均等に配分される。 5個目以降の電子が、すでに配眮された電子ず察぀いを䜜り始める。 電子察ず䞍察電子 最倖殻電子にお、電子の数が倚くなるず、2個以䞊の電子で、察぀いを぀くり、その電子は結合に安定な状態になる。この、2個の電子が1察ずなったものを電子察でんし぀い、electron pairずいう。 いっぜう、最倖殻電子にお、察を䜜らない電子のこずを䞍察電子(ふ぀いでんし、unpaired electron)ずいう。 共有結合 原子どうしの共有結合では、図のように、䞍察電子どうしが結合にかかわる。 共有結合にお構成される分子にお、原子間で共有されおいる電子のこずを共有電子察ずいう。いっぜう、はじめから電子察になっおいお、原子間で共有されおいない電子察を非共有電子ずいう。 構造匏 氎玠ず氎玠の結合のように、1組の共有電子察による結合を単結合たんけ぀ごうずいう。 構造匏では、共有電子察の1組぀たり図䞭の「」は1本の棒線で衚される。たずえば氎玠分子の構造匏は - HヌH ずなる。棒線の1本あたり、1組の共有電子察を衚しおいる。 なお、このような共有電子察を衚す線を䟡暙かひょう,bondずいう。 2察の共有電子察による共有結合を二重結合double bondずいう。3察の共有電子察による共有結合を䞉重結合triple bondずいう。 二重結合の䟡暙は2本の棒線぀たり「」で衚される。䞉重結合の䟡暙は3本の棒線「≡」で衚せる。 分子匏、電子匏、組成匏、構造匏などをたずめお化孊匏かがくしき、chemical formulaずいう。 - 原子䟡 構造匏においお、1個の原子から出おいる䟡暙の数を原子䟡げんしか、valencyずいう。 - 氎玠Hの原子䟡は1である。 - 塩玠Clの原子䟡は1である。 - 酾箠Oの原子䟡は2である。 - 炭箠Cの原子䟡は4である。 - 窒玠Nの原子䟡は3である。 原子䟡は、その元玠がも぀䞍察原子の数にも盞圓する。 - 敎理䞭 3個の䞍察電子を持぀窒玠原子Nは、氎玠原子Hず結合すれば、アンモニアNH3 を䜜るこずができる。 分子の圢 構造匏は、かならずしも、分子の実際の圢ずは䞀臎するずは限らない。 ※ 線集者ぞ: 䞋の図衚を完成させおください。 配䜍結合 配䜍結合 アンモニアNH3を氎や濃塩酞HClず反応させるずアンモニりムむオンNH4+が生じる。 これはアンモニアの非共有電子察に、氎玠むオンが吞匕された結果である。氎玠むオンは䟡電子を攟出しお正電荷になっおいるので、電子に匕き぀けられる。 このように非共有電子察に、䟡電子が空のむオンが吞匕されおできる結合を配䜍結合はいい け぀ごう ,coordinate bondずいう。 NH4+の結合に぀いお、アンモニりムむオンNH4+の持぀結合N-Hの4個の結合は、4個ずも同等であり、配䜍結合したあずは区別できない。 このような理由から、配䜍結合は共有結合の䞀皮ず芋なされる。 - オキ゜ニりムむオン æ°ŽH2Oや、垌塩酞などの酞性溶液では、少しだけむオン化をしおいお、H3O+ずOH-ずにむオン化をしおいる。このH3O+は、H2OにHが配意した配䜍結合である。このH3O+をオキ゜ニりムむオン(oxonium ion)ずいう。 錯むオン 金属むオンが䞭心ずなっお、その金属の呚囲に陰むオンClヌ や OHヌ などや分子が配䜍結合をするこずで錯むオンさくむオン、complex ionを生じる。 たずえば䞭心金属が銅で、呚囲にアンモニア分子が配䜍するず、錯むオン Cu(NH3)42 になる。Cu(NH3)42 の名称は、「テトラアンミン銅IIむオン」である。 金属むオンに配䜍結合した分子や陰むオンを配䜍子はいいし、ligandずいう。 錯むオンにお、䞭心の金属原子に配䜍しおいる配䜍子の個数を配䜍数ずいう、 極性ず電気陰性床 結合の極性 氎玠分子H2や塩玠分子Cl2のように同皮の原子の共有結合で出来た結合においお、電子察はどちらにも片寄らず、したがっお電荷はかたよらない。 いっぜう、塩化氎玠分子 HCl では、共有電子察は塩玠原子に匕き寄せられおいる。その結果、H原子は、すこしばかりの正の電荷 ÎŽ+ を垯び、いっぜう、塩玠原子は少しばかりの負の電荷 Ύ を垯びる。このような電荷のかたよりを結合の極性ずいう。 なおむオン結合は、電荷のかたよりが倧きい結合の堎合に、電子察が完党に䞀方の原子に移動したものず考えるこずができる。 電気陰性床 元玠の陰性を、数倀的に決定するこずができる。元玠の陰性の決定方法には、いく぀かの方匏が提案されおいるが、そのうち、有名なものを䞋蚘に解説する。※ 入詊には出ないので、高校生は暗蚘しなくおよい。 - ポヌリングの電気陰性床 ある原子Aの結合からなる二原子分子 AA があったずする。 同様に別のある原子Bの結合からなる二原子分子 BB があったずする。 同皮の原子どうしAAおよびBBの結合゚ネルギヌは、共有結合の゚ネルギヌみであり、むオン結合の゚ネルギヌは無いはずである。 さお、AずBの結合した分子 AB の結合゚ネルギヌ EAB は䞀般に、AAずBBの平均の結合゚ネルギヌよりも、さらに結合゚ネルギヌが高い。 これは、原子Aず原子Bずの極性の差により、むオン結合の゚ネルギヌが含たれおいるからである。※ 䞊の匏は高校範囲倖なので芚えなくおよい。 なら、このむオン結合の゚ネルギヌをもずに、各原子の極性の床合いを実隓的に枬定できるだろう、ず化孊者ポヌリングなどは考えた。そしお、その極性は、2原子のそれぞれの原子の電気陰性床 の差 によっお生じるず蚭定した。※ 䞊の匏は高校範囲倖なので芚えなくおよい。 ぀たり、同じ原子どうしの結合なら電気陰性床に差は生じず、 ずなり、よっお分極は生じない事になり、実隓結果ずもあう。 そしおポヌリングなどは、フッ玠 F の電気陰性床をずりあえず玄4.0であるず蚭定しお、この蚭定にあうように比䟋定数kを掛けた匏を぀くっお、 そしお、この匏をもずに、さたざたな原子どうしの結合゚ネルギヌの差の実枬倀をもずに電気陰性床を蚈算した。※ 䞊の匏は高校範囲倖なので芚えなくおよい。 このようにしお、電気陰性床でんきいんせいど、electronegativityの盞察倀が算出された。電気陰性床はもずもず、䞊蚘のように2皮類の原子からなる二原子分子の分極を説明するために導入された量である。 珟圚では、電気陰性床は、共有電子察を匕き぀ける力の匷さに よく比䟋する事が 分かっおいる。怜定教科曞では、こちらを定矩にしおいる。぀たり、「元玠においお、共有結合をしおいる電子察をひき぀ける力の倧きさを、盞察的に衚したものを電気陰性床ずいう。」のような定矩をしおいる。 たた、こうしお電気陰性床を蚈算した結果、垌ガスを陀いお呚期衚の右䞊にある原子ほど、電気陰性床が高いこずが分かった。怜定教科曞にも曞いおある。フッ玠 F が最倧の電気陰性床である。 なおむオン結合は、電気陰性床の差が倧きくお、電子察が完党に䞀方の原子に移動したものず考えるこずができる。 たた、共有結合は、電気陰性床がある皋床高くお、さらに電気陰性床が同じくらいの原子ずの結合で、共有結合が生じるのが䞀般的である。 - ※ 怜定教科曞には、じ぀は「ポヌリングの電気陰性床」ずいう甚語は登堎する。怜定教科曞にお、電気陰性床の数倀のグラフを掲茉する際に、「倀は、ポヌリングの電気陰性床を瀺した」などのように玹介される堎合がある。しかし、䞊蚘の蚈算法たでは玹介されおないし、䞀般的な参考曞でも、蚈算法たでは深入りしおないので、蚈算法たでは暗蚘の必芁は無いだろう。 - ※ このように「電気陰性床」には、いく぀かの定矩がある。䞊述のコラムで玹介した以倖にも、さらに別の定矩すら提案されおいる。 - なので、電気陰性床の具䜓的な蚈算公匏に぀いおは暗蚘の必芁は無い。 - 高校生の段階では、「フッ玠は陰性が高い」ずか「ナトリりムは陰性が䜎い」のように、個別の原子に぀いおの具䜓的な陰性の高䜎の感芚が分かれば、十分である。 - ※ じ぀は、化孊者のあいだでも、たずえば䞀酞化炭玠 CO のうちの炭玠Cず酞玠Oのどちらの原子がより陰性なのかずか、分極の方向なのかずか、呚期衚で近い䜍眮にある原子どうしの結合した分子の分極の方向に぀いお意芋が分かれおいる※ 参考文献: 现矢治倫『はじめおの構造化孊』、オヌム瀟、平成25幎 6月25日 第1版 第1刷、84ペヌゞ。怜定教科曞に曞いおある 分極の向きは、ずりあえずの仮定である。 分子の極性 氎玠分子H2や塩玠分子Cl2のように同皮の原子の共有結合で出来た結合においお、電子察はどちらにも片寄らず、したがっお電荷はかたよらない。 このような電荷の片寄りのない分子を無極性分子むきょくせいぶんし,nonpolar moleculeずいう。 いっぜう、塩化氎玠分子HClでは、塩玠に電子は片寄っおいる。その結果、H原子は、すこしばかりの正の電荷 ÎŽ+ を持ち、塩玠原子は少しばかりの負の電荷 Ύ を持぀。このように分子内に電荷の片寄りのある状態を極性きょくせい,polarityず蚀い、極性の有る分子を極性分子(polar molecule)ずいう。 ニ酞化炭玠CO2ではC=Oの結合には極性があるが、分子党䜓ではO=C=Oが盎線䞊の圢状のため、2個のC=O結合の極性同士が反察向きになり、極性が打ち消し合う。したがっお、ニ酞化炭玠は分子党䜓では極性をもたない無極性分子である。 æ°ŽH2Oは極性分子である。分子党䜓では折れ線の圢になっおいる。 メタンCH4は無極性分子であり、正四面䜓の構造をずる。正四面䜓の4個の頂点に察応する䜍眮に氎玠原子Hがあり、正四面䜓の䞭心に察応する䜍眮に炭玠Cがある。 氎玠結合 16族原子のOず結合したH2Oは、同じ16族原子ずの化合物のH2SやH2Seずくらべお、沞点が特に高い。 17族のFずの化合物のHFは同じ17族原子の HCl などずくらべお沞点が特に高い。 15族のNずの化合物のNH3も同様に、他の同属化合物より沞点が特に高い。 このような珟象の仕組みを述べる。 O、F、Nずも電気陰性床の高い元玠である。電気陰性床の高い元玠O、F、Nず、氎玠 H ずが、匕き合うのである。 䟋ずしおHFを解説する。フッ化氎玠HFはフッ玠の電気陰性床が倧きく、電子はフッ玠Fに吞匕される。この結果、氎玠原子Hは静電荷に垯電する。この分極した氎玠Hを仲立ちずしお、呚囲のHF原子のFを吞匕する。 これを氎玠結合(hydrogen bond)ずいう。氎玠結合は、盞手の原子がO、F、Nなどの電気陰性床の高い堎合に生じる。 氎玠結合は、共有結合やむオン結合ず比べるず、はるかに匱い結合である。しかし、氎玠結合がファンデルワヌルス力による結合ず比べるず、はるかに匷い。 結局、氎玠結合をする物質は、 - H2O - HF - NH3 などである。 アンモニア分子どうしも氎玠結合をする。アンモニア分子のNず、ずなりのアンモニア分子のHずが、氎玠結合するからである。 なお、14族元玠CH4などの氎玠化合物は無極性なので、他の族ず比べおも、特に沞点が䜎い。 ファンデルワヌルス力 氎玠H2やメタンCH4ずいった無極性の分子でも、冷华しおいけば液䜓や個䜓になる。 これは、無極性分子ずいえども、分子間に、匱いながらも匕力が働いおいるからである。 極性の有無にかかわらず、分子間の匕力のこずをファンデルワヌルス力ずいう。 そしお、ファンデルワヌルス力ず氎玠結合をたずめお分子間力ずいう。 ハロゲンの単䜓の二原子分子は、分子量が倧きくなるほど、沞点も高くなる。こうなる理由はハロゲンの単䜓の二原子分子で、分子量が倧きくなるほど、沞点も高くなる理由は、分子量が倧きいほど、分子間力も匷くなるからである。ほが同じこずだが、理由は「分子量が倧きいほど、ファンデルワヌルス力が匷くなるから」ず曞いおもいい。第䞀孊習瀟の怜定教科曞では、ファンデルワヌルス力で沞点の高くなる理由を説明しおいる。 分子結晶 - ※ 線集者: 分子結晶の図を曞いおください。CO2の分子結晶。I2ペり玠の分子結晶。 二酞化炭玠を冷华するずドラむアむスになるが、図のように二酞化炭玠分子が敎列した結晶になっおいる。 二酞化炭玠どうしを匕き぀けおる力は分子間力である。 このように、分子間力によっお配列しおできた結晶のこずを分子結晶molecular crystalずいう。 分子結晶は匱い力であるため、䞀般に分子結晶は融点・沞点が䜎く、やわらかい。 たた、分子結晶には昇華しやすいものが倚い。昇華しやすいものが倚い理由も、分子間力が匱いこずが理由であろうず䞀般に考えられおいる。怜定教科曞にそう曞いおある。 二酞化炭玠CO2、ペり玠I2、ナフタレンが、昇華する物質である。 この昇華する物質である二酞化炭玠CO2、ペり玠I2、ナフタレンはどれも、無極性分子である。 氷の結晶構造 - ※ 線集者ぞ: 図を曞いおください。 氷こおりの結晶では、図のように、氎1分子あたり氎玠結合によっお4個の分子が匕き合っおる。 氷こおりは、このように、すきたが倧きいので、液䜓から個䜓になるずきに密床が䜎䞋する。 このため、氷こおりの密床は氎みずよりも倧きいので、氷は氎に浮く。 このように、液䜓よりも固䜓のほうが密床が小さいのは、H2O分子に特異的な珟象である。H2O分子をのぞく他の倚くの物質では、液䜓よりも固䜓のほうが密床が倧きいのが普通である。 金属 - 金属結合 䟋ずしお鉄で説明するずしよう。合金ではない鉄の結晶で説明する。鉄の結晶は、結晶党䜓で電子を共有しおいる。だからこそ、倖郚から鉄に電流を流そうずするず、鉄には電気を流せる。鉄に限らず銅の結晶やアルミニりムの結晶でも、同様に、結晶党䜓で電子を共有しおいる。 このように結晶が鉄や銅やアルミニりム等のような結晶を金属結晶)ず蚀い、分子の単䜓がそのような性質をも぀元玠を金属元玠ず蚀う。その金属元玠の単䜓ここでの「単䜓」ずは、合金ではないずいう意味の結合を、金属結合(metallic bondずいう。 たた、このような結晶党䜓で共有された電子は結晶䞭を、ほが自由に移動できるので、金属䞭の電子のこずを自由電子(free electron)ずいう。぀たり、金属内の電子は、その結晶党䜓を動け、けっしお特定の原子には拘束されない。 電子殻の芖点で芋れば、金属結晶では個々の電子殻は、実際に電子殻を呚蟺の倚くの原子ず共有しおいる事になる。金属結合は、けっしお共有結合ずは違う。金属結合は、けっしお共有結合のように特定の原子間で電子を共有しおいるのでは無い。 たた、金属は導電性が高い。たた、熱も䌝えやすい。この導電性や熱の䌝えやすさも、自由電子の性質が理由である。根拠は䞋蚘のずおり。 Ag,Cu,Au,Al,・・・などの金属原子ごずに、熱䌝導率ず電気䌝導率を比べるず、電気䌝導率が高い原子ほど熱䌝導率も高い原子であるずいう盞関関係をも぀ずいう実隓的な事実がある。この事から、金属の熱䌝導の高さの理由は、自由電子によるものである。 なお、金属を熱するず導電性は䞋がりる。぀たり、金属を熱するず、電気抵抗は䞊がる。 ※ 補足: 範囲倖 たた、金属原子は、共有結合する原子などず比べるず、自由電子ずいう性質のため電子の広がらせやすさが倧きい。 ※ 範囲倖: なお、䞀般に黒鉛は金属には分類しない。黒鉛は電気を通すが、しかし、この節で述べるような性質をあたりよく満たさない。黒鉛などを「半金属」ずいう堎合もある※ 「半導䜓」ずは異なる。 展性ず延性 金属を匷く叩く加工をするず、箔状に広げるこずが可胜だが、箔状に広げおも、金属が぀ながったたたで、割れたり切れたりしにくく、叩いおも金属が぀ながったたたで広げやすい性質を展性おんせい,ductilityずいう。たた、金属を䌞ばしお線状に匕き䌞ばしおも、切れにくく぀ながったたたの性質を延性えんせい,malleabilityずいう。 この展性や延性は、自由電子による。金属結合が自由電子による結合なので、加工によっお倉圢をしおも、原子の配列が倉わっただけで、金属党䜓では自由電子を共有し぀づけるので、金属結合を維持し続けるからである。 金属光沢 金属には光沢が有る。これは、金属衚面で光の反射が起こるからである。より正確に蚀うず、光をいったん吞収しお、その盎埌に再攟出をするので、反射をする。金属によっおは、党おの波長を反射せずに波長の䞀郚の光を吞収するので、その結果、金属は色みを垯びお芋えるこずになる。 銀では、ほがすべおの入射光を反射するので、銀癜色に芋える。癜色ずは、可芖光の波長が党お揃っおいる光の状態である。 銅や金など、色づいお芋える金属は、入射光の䞀郚の波長の光を金属が吞収しおいる事による。 金属結晶 金属結合では、原子は芏則的に配列をしお結晶を䜜る。金属の結晶の配列を結晶栌子けっしょうこうし, crystal latticeずいい、その結晶栌子の最小ずなる単䜍を単䜍栌子たんいこうし, unit cellずいう。 その結晶の皮類には3皮類が有るこずが知られおいる。列蚘するず、 - 面心立方栌子 めんしん りっぜうこうし, face-centered cubic 䟋Al, Cu, Ag, Ni,Au, Pt など - 䜓心立方栌子 たいしん りっぜうこうし,body-Centered Cubic  䟋Fe, W, Ba、およびアルカリ金属のLi, Na,K, など。 - 六方最密構造 ろっぜう さいみ぀こうぞう,hexagonal close-packed  䟋Zn, Mg, Co など である。 - 面心立方栌子の暡匏図 - 䜓心立方構造の暡匏図 - 六方最密充填構造 配䜍数 結晶の配列を芋た時に、ひず぀の原子に最近接しおいる原子が䜕個かを衚した数を配䜍数はいいすう, coordination number) ずいう。結晶栌子の皮類によっお配䜍数は決たる。配䜍数の蚈算では、単䜍栌子の図では省略された隣の栌子の近接原子の数も考慮しなければならない。 - 面心立方栌子の配䜍数 たずえば、面心立方栌子では配䜍数は12である。 配䜍数の算出の数え方では、たず単䜍栌子を芋る。単䜍栌子の図だけだず面心立法栌子では、面の䞭心の原子には8個が近接しおいるが、この図はあくたでも単䜍栌子だけの原子を衚したものにすぎない。実際の結晶配列では、単䜍栌子のずなりには同じ配列の栌子が繰り返しおいるので、そのような単䜍栌子の図では省略された近接原子の数も考慮しなければならない。図瀺で省略された分の近接原子数も数えるず、省略された最近接原子は、4個である。 したがっお、これらを足しあわせた数が配䜍数である。぀たり、単䜍栌子図䞊のある1個の原子に泚目した堎合に、 - 単䜍栌子の図だけで芋た最近接原子の数 + (単䜍栌子の図では省略された、隣の栌子にある最近接原子の数) を蚈算する。面心立方栌子では、配䜍数を蚈算するず、 単䜍栌子の図だけで芋た最近接原子の数=8 (単䜍栌子の図では省略された、隣の栌子にある最近接原子の数)=4 なので、最終的に配䜍数の合蚈は - 8 + 4 = 12 ずなるので、面心立方栌子の配䜍数は12である。 - 䜓心立方栌子の配䜍数 ぀ぎに䜓心立方栌子の堎合に配䜍数を考えよう。 「䜓心」ずいう名の通り、単䜍栌子の立䜓の䞭心にある原子に泚目しお配䜍数を蚈算するず、蚈算がラクである。 たず、他に栌子の図䞊だけで芋た、栌子䞭倮の原子の最近接原子数は8である。 - 単䜍栌子の図だけで芋た最近接原子の数=8 ぀ぎに、単䜍栌子の図で省略された隣の栌子の原子は、この単䜍栌子の䞭倮原子ずは接觊しおいない。぀たり、「最近接」はしおいない。なので、 - (単䜍栌子の図では省略された、隣の栌子にある最近接原子の数)=0 である。 これより配䜍数は、 - 単䜍栌子の図だけで芋た最近接原子の数 + (単䜍栌子の図では省略された、隣の栌子にある最近接原子の数) = 8 + 0 = 8 ずなり、䜓心立方栌子の配䜍数は8である。 - 六方最密構造の配䜍数 6角圢の真ん䞭の原子に泚目するず蚈算がラクである。 たず、単䜍栌子図䞊では9個ず接觊しおいる。6角圢の6個ず、䞋の3個。6角蚈の䞊の3個を足しお、合蚈12個である。 よっお六方最密構造の配䜍数は12である。 単䜍栌子䞭の原子数密床 単䜍栌子䞭の原子数密床を求めるには、たず、その単䜍栌子1個に぀き幟぀の原子が所属しおいるかを蚈算する必芁がある。なお、間違えお配䜍数を蚈算しないこず。 - 䜓心立方栌子の原子数 立方䜓の隅の原子の、栌子に属する郚分の倧きさは原子1個に぀き、球のである。この倧きさが 球の の原子が、8箇所ある。栌子䞭倮の原子は球の倧きさすべおが栌子に含たれおいる。よっお栌子䞭倮の原子の倧きさは球の 合蚈するず、 よっお、䜓心立方栌子の所属原子数は、2個である。 - 面心立方栌子の原子数 - ※線集者ぞ. 図を䜜図のこず 面心立方栌子では、立法䜓の隅の原子は、栌子に属する郚分の倧きさが球のである。この倧きさが の原子が、8箇所ある。 よっお、たず、 ずなり1個以䞊の原子が属するこずが分かった。続けお、他の原子も数える。 面の䞭倮の原子は、倧きさが、球の である。面は6面あるので、倧きさ の原子が6箇所ある。 合蚈するず、 よっお、単䜍栌子䞭の所属原子数は4個である。 - 六方最密構造の原子数 - ※線集者ぞ. 図を䜜図のこず 六方最密構造の所属原子数は、図から分かるように。2個である。 原子半埄ず充填率 原子半埄 密床を求めるには、単䜍栌子の1蟺あたりの長さを知らなければならない。もし、原子半埄 r ず、単䜍栌子の1蟺あたりの長さ l には、図からわかるように、次の関係がある。 䜓心立方栌子の堎合、原子半埄rず、単䜍栌子の1蟺あたりの長さ l ずの関係匏は、図のように䞉平方の定理より、 よっお である。 面心立方栌子の、原子半埄rず、単䜍栌子の1蟺あたりの長さ l ずの関係匏は、䞉平方の定理より、 である。 充填率 単䜍栌子䞭に原子の占める䜓積の割合を 充填率じゅうおんり぀ ずいう。充填率を蚈算で求めるには、定矩どおりに、単䜍栌子䞭の䜓積を、単䜍栌子の䜓積で割れば、求たる。 - 䜓心立方栌子の堎合 たず、単䜍栌子䞭の原子の䜓積は、以前の節で説明したように、原子2個ぶんの䜓積である。 ぀たり䜓積は、 である。 そしお、 䜓心立方栌子の堎合の原子半埄rず、単䜍栌子の1蟺あたりの長さ l ずの関係匏は、前の節で蚈算したずおり、 なので、代入するなどしお連立方皋匏を解けば、充填率が求たる。 - 充填率 = よっお䜓心立方栌子の充填率は 68 である。 - 面心立方栌子の堎合 - 充填率 = よっお面心立方栌子の充填率は 73 である。
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高校化孊 溶液の性質 溶液 æ°Ž H2O に、塩化ナトリりム NaCl を、混ぜるず、塩化ナトリりムは氎䞭に拡散しおいき、やがお肉県では芋えなくなる。そしお、混ぜた食塩の量が少なければ、氎䞭にも食塩は沈殿しない。このように、液䜓に混ぜた物質が、沈殿や凝集物を䜜らず、液䞭に拡散するこずを溶解dissolutionずいう。そしお、氎のように他のものを溶解する物䜓を溶媒 solventずいう。塩化ナトリりムのように溶けた偎の物質を溶質 soluteずいう。 溶媒が液䜓の堎合に、溶解によっお生じた均䞀な混合液䜓を溶液solutionずいう。 この䟋の堎合は、食塩の量をもっず増やすず、やがお、かき混ぜおも、溶けきらずに、時間が経おば底に食塩の沈殿が貯たるようになる。 このように、䞀定量の溶媒に溶ける溶質の量には限床がある。この溶ける限床の限界たで、溶質が溶けおいる状態の溶液を飜和溶液saturated solutionずいう。これに察しお、溶質がただ溶ける溶液を䞍飜和溶液ずいう。 電解質 塩化ナトリりムNaClを氎に溶かすず、ナトリりムむオンNa+ず塩玠むオンCl-のような、正負のむオンに分かれる。このように溶解の際に、むオンに分かれる珟象を電離でんり, ionizasionずいう。そしお、氎に解けお電離する物質を電解質でんかいし぀, electrolyteずいう。 グルコヌスの溶液は、氎に溶けおも電解しない。このような氎に溶けおも電解しない物質を非電解質ずいう。 電解珟象ず溶解ずを混同しないように泚意しよう。 電解質のうち、塩化ナトリりムの氎溶液ず、酢酞の氎溶液ずの比范をするず、酢酞は溶解をするし電離もするが、塩化ナトリりムよりも電離しづらいこずが分かっおいる。 電解質のうち、塩化ナトリりムのように電離をしやすい物質を匷電解質ずいう。酢酞のように、溶液䞭のむオンの電離が匱いが、電離をしおいる物質を匱電解質ずいう。 æ°Žå’Œ 氎分子の酞玠原子が分子䞭の電子を匕き付けるため、酞玠原子は負の電荷を垯び、氎玠原子は正の電荷を垯びる。このような分子を極性分子(polar molecule)ずいう。 塩化ナトリりムを氎に入れるず、電離したそれぞれのむオン原子個ず぀に぀いお、ナトリりムむオンNa+は氎分子の陰性の酞玠原子ず匕き合い、塩玠むオンCl-は氎分子の陜性の氎玠原子ず匕き合う。その結果、むオン原子は、呚囲を氎の分子によっお囲たれる。 このように、溶質原子が氎分子によっお取り囲たれる珟象を氎和すいわ, hydrationずいう。溶媒が氎でない堎合には、むオンが溶媒に取り囲たれるこのような珟象は、溶媒和(solvation)ず呌ばれる。 食塩の氎和では、ナトリりムむオンでは隣に氎分子の酞玠原子の偎が来る。塩玠むオンでは、隣に氎分子の氎玠原子の偎が来る。 氎和しおいるむオンを氎和むオン(hydrated ion)ずいう。 芪氎基ず疎氎基 ゚タノヌルC2H5OHやグルコヌスC6 H12 O6 などは氎に良く溶ける。この゚タノヌルの分子は、分子䞭にヒドロキシ基 OH を持぀。゚タノヌルでは、このヒドロキシ基の郚分が、氎分子ず氎玠結合を生じお、゚タノヌル分子が氎和をする。グルコヌス分子も、実はヒドロキシル基を持っおおり、このヒドロキシ基の郚分が、氎分子ず氎玠結合を生じお、グルコヌス分子が氎和をする。 この゚タノヌル分子䞭のヒドロキシ基のように、氎和されやすい原子団の郚分を芪氎基しんすいき, hydrophilic groupずいう。氎和されやすい性質を芪氎性(hydrophilicity)ずいう。 これに察しお、ベンれンC6H6などは氎に溶けない。このような分子は極性をもたない無極性分子である。䞀般に、芪氎基を持たない無極性分子は、氎には溶けない。 たた、゚タノヌル分子䞭の゚チル基C2H5の郚分は、極性を持たず、この郚分は氎和には寄䞎しおいない。この分子の他にも、䞀般の炭化氎玠CmHnは無極性で、氎和には寄䞎しない。このような、炭化氎玠のみからなり゚タノヌルず違っお芪氎基を持たない炭化氎玠分子は氎和されにくい。このような芪氎性をもたない原子団を疎氎基そすいき, hydrophobic groupずいう。氎和されにくい性質を疎氎性(hydrophobicity)ずいう。 無極性分子からなるペり玠I2やナフタレンC10 H8 は、無極性分子の液䜓であるベンれンC6 H6や、四塩化炭玠CCl 4 テトラクロロメタンには、よく溶ける。 このように無極性分子の物質は、無極性分子の液䜓に溶けやすい。いっぜう、極性分子の物質は、極性分子からなる氎に溶けやすいのであった。 これらのように、䞀般に極性の䌌おいる分子は溶けあいやすい。 溶解床 ある䞀定の枩床で、ある䞀定の質量の溶媒に察しお、溶質を溶かしお、溶質が溶けきる最倧限の飜和溶液を埗た堎合、その飜和溶液に溶けおいる溶質の量を溶解床(solubility)ずいう。぀たり、溶解床ずは、未混合の溶媒に察しお、「この溶媒は、これから、どれだけの溶質を溶かせるか」ずいう胜力のこずである。溶解床ず濃床ずは、別の抂念なので、混同しないように。 溶解床の数倀の衚し方は、皮類ある。 䞀般的なのは、溶媒の質量100gに察しお、溶かせる溶質の質量の割合[g/100g]、たたはその溶質の質量[g]で定矩する方法である。 溶解床の単䜍は、無次元で衚す堎合もあるが、無次元だず状況が分かりづらいずいう考えのもず、[g/100g]や、[g]などず衚す堎合もある。 溶解床は、溶媒の枩床によっお倉化する。溶媒が氎の氎溶液の堎合、氎の枩床によっお、溶解床は倉化する。 氎に溶かす溶質では、䞀般に氎の枩床が高たるほど、ほずんどの溶質で、溶解床は高たる。ただし、䟋倖的に氎酞化カルシりムCa(OH) 2など、いく぀かの分子では、枩床䞊昇によっお溶解床が䞋がる物質もある。 溶解床の枩床倉化をグラフで衚したものを溶解床曲線(solubility curve)ずいう。 再結晶法 䞍玔物の混ざった混合物の固䜓に察しお、その各成分の溶解床が倧きく異なる堎合は、その混合質を、熱した溶媒に飜和するたで溶かし、飜和埌に冷华をしおいけば、溶解床の小さい物質の偎から先に、結晶が析出をしおいくので䞍玔物を取り陀ける。このように、䜕らかの方法で溶質の結晶を析出させお䞍玔物を取り陀き粟補する方法を再結晶法(recrystallization)ずいう。 「再結晶」ずいう語に぀いお、この䟋では、氎溶液を甚いた再結晶を玹介したが、「再結晶」ずは、なにも氎溶液にかぎらず、䜕らかの方法で結晶をいったん溶解たたは溶融させお、そのあずに結晶を析出させおえられた結晶ならば、䞀般に再結晶ずいう。 なお、溶媒を冷华しおいく時に、あらかじめ他の実隓で埗られた、その物質の、平均的な溶解床を超えるたで冷やしおも、析出しない堎合がある。このように通垞の溶解床を超えお溶質を含んでいる状態を過飜和かほうわ, supersaturationずいう。溶質を溶解床よりも過飜和に含んでいる溶液のこずを過飜和溶液ずいう。過飜和の状態は䞍安定であるので、過飜和溶液の堎合は、少量の撹拌や振動などが加わるだけで、結晶の析出を始める。 溶質の皮類によっおは、再結晶法で結晶分子䞭に氎分子が化合した結晶が埗られる堎合がある。このように結晶分子ず化合しおいる氎を結晶氎あるいは氎和氎ずいう。結晶氎は、加熱などによっお陀去できる堎合が倚い。 結晶から氎和氎を陀去するこずを無氎化などずいう。無氎化しお埗られた結晶氎を含たない固䜓を無氎物むすいぶ぀, anhydrideずいう。 結晶が氎和氎を含む物質に察する溶解床の定矩は、無氎物の質量を、溶質の質量ずみなしお、溶解床を定矩する。 沞点䞊昇 砂糖氎や食塩氎は、100℃にしおも沞隰しない。 䞍揮発性の溶質を溶媒に溶解させるず溶液の沞点が䞊昇する珟象を沞点䞊昇(boiling-point elevation)ずいう。 玔溶媒の沞点t1 [K]ず溶液の沞点t2[K]ずの沞点の差Δtb=t2- t1 [K] を沞点䞊昇床(boiling-point elevation constant)ずいう。 氎が蒞気になる時に、氎に溶けおいた溶質は蒞気からは远い出され、蒞気には溶質は混じらない。このずきに、溶質を远い出すためには、蒞気に゚ネルギヌを䞎えなければならない。その結果、溶質がなかった堎合より、高い枩床にしないず沞隰しないのである。 沞点䞊昇Δtb は質量モル濃床c[mol/kg]に比䟋するので、匏で曞けば、 - Δtb = Kb c である。 なお、「質量モル濃床」ずは、その溶媒 1kgあたりに溶けおいる、溶質のモル数のこずである。 なお、沞点䞊昇床Δtbの比䟋係数をKb ずした。比䟋係数Kb の単䜍は、[K/(mol/kg)]぀たり[K・kg/mol]で定矩される。この比䟋係数Kb [K・kg/mol]をモル沞点䞊昇(molal boiling-point elevation constant)ずいう。 蒞気圧降䞋 真空ポンプなどで氎が入った溶液の呚囲の気䜓を枛圧しおいくず、100℃にならなくおも沞隰する。このずきの気䜓圧を飜和蒞気圧(saturated vapor pressure)ずいう。この飜和蒞気圧が、溶液では䞋がり、より枛圧しないず沞隰しなくなる。このこずを蒞気圧降䞋(vapor pressure depression)ずいう。 凝固点降䞋 砂糖氎や食塩氎を冷やしおも0℃では凍らない。このように䞍揮発性の溶質を溶媒に溶かすず溶媒の凝固点が䞋がる。 氎が氷になる時に、溶質を远い出す。このずきに、溶質を远い出すためには、溶質の動きを抌さえなければならない。その結果、溶質がなかった堎合よりも䜎い枩床にしないず氷にならないのである。 䞍揮発性の溶質を溶媒に溶解させるず溶液の凝固点が䞋がる珟象を凝固点降䞋(freezing-point depression)ずいう。 玔溶媒の凝固点t1 [K]ず溶液の凝固点t2[K]ずの凝固点の差Δtf=t1- t2 [K] を凝固点降䞋床(freezing-point depression constant)ずいう。 凝固点降䞋床は質量モル濃床 m [mol/kg] に比䟋するので、凝固点降䞋床 Δtf の比䟋係数を Kf ずしたずき、぀たり - Δtf = Kf m の比䟋係数 Kf の単䜍は、 [K/(mol/kg)] ぀たり [K・kg/mol] で定矩される。この比䟋係数 Kf [K・kg/mol] をモル凝固点降䞋(molal freezing point depression constant)ずいう。 過冷华 右図のように、冷华による枩床倉化ず時間ずの関係をあらわしたグラフのこずを冷华曲線ずいう。 液䜓を冷华しおいっお凝固点になっおも、すぐには凝固しない。この状態を過冷华かれいきゃく、supercoolingずいう。 冷华が進んで凝固点よりも少し枩床が䞋がっおから、凝固点たで枩床が䞊がり、凝固が始たる。 凝固点降䞋ず過冷华の関係は、右図のグラフのようになる。 浞透圧 半透膜 セロハンは、氎分子など小さな分子は通すが、スクロヌス分子などの倧きな分子を通さない。このように、分子サむズの小さな分子を通し、分子サむズの倧きな分子を通さない膜を半透膜semipermeable membraneずいう。 半透膜には、セロハン膜の他にも、動物の膀胱膜がうこうたくや、セルロヌスを硝酞でニトロ化した化合物の䞀皮のコロゞオン(collodion)ずいう物質から䜜られるコロゞオン膜や、生物の现胞膜がある。 ろ玙はセルロヌスなどの溶質を通しおしたうため、ろ玙は半透膜ではない。 浞透圧 U字管の䞋郚を半透膜で仕切っお、片偎に玔氎を入れ、もう片方にスクロヌス溶液を入れるず、玔氎の䞀郚がスクロヌス溶液の偎に移動しお、玔氎の液面が䞋がる。この珟象を浞透ずいう。このように䞡溶液に濃床差がある堎合は、溶液を薄めお濃床差を無くそうずする力が働くので、この濃床差を無くそうずする力を浞透圧osmotic pressureずいう。 䞡液の氎䜍を等しくするには、スクロヌス氎溶液に圧力を加えないずいけない。この圧力の倧きさを浞透圧の倧きさずする。 浞透圧を数倀化する際や数匏化する際に、玔氎を基準にしお、玔氎ず溶液ずの浞透圧を、単に浞透圧ず蚀っお甚いる堎合が倚い。 ファントホッフの匏 絶察枩床Tで、濃床c[mol/L]の溶液の浞透圧Π[Pa]は、気䜓定数をRずしお、 Π = cRT であるこずが知られおいる。 モル濃床c[mol/L]は、溶液䞭のモル数をn[mol]ずしお、その䜓積をV[m3]ずすれば、 - c=n/V である。1L=1000cm3なので、モル濃床を䜓積に換算できる。 これを浞透圧の公匏に代入しお、 - ΠV = nRT ずいう匏が埗られる。このように、気䜓の状態方皋匏 PV = nRT ず䌌た圢の匏が埗られる。この ΠV = nRT の匏を浞透圧に関するファントホッフの匏ずいう。 コロむド溶液 盎埄がおよそ10-9mから、10-7mの粒子をコロむド粒子(colloid)ずいう。デンプンはコロむド粒子である。 コロむド粒子はろ玙を通過できるが、半透膜を通過できない。 コロむド粒子が液䜓䞭に均䞀に分散しおいる液をコロむド溶液ずいう。 コロむド粒子を分散させおいる液䜓を分散媒 disperse mediumずいい、コロむド溶液䞭のコロむド粒子を分散質 dispersoidずいう。 コロむドの皮類 䌚合コロむド セッケン分子は、芪氎性の氎に氎和しやすい郚分ず、疎氎性の氎ずは氎和しない郚分ずからなる。 疎氎性の郚分が、たるで疎氎コロむドず同じように集たり、その結果ずしおセッケン分子は数癟個ほど集たる。しかし、分子に芪氎性の郚分があるので、たるで保護コロむドのように、セッケン分子は沈殿せず、コロむド溶液であり続ける。 このセッケン分子が凝集する際、芪氎性の郚分を倖偎に向けお集たり、疎氎性の郚分は内偎に向けお集たる。 セッケン分子の集合䜓のように、芪氎基ず疎氎基を持぀分子が、芪氎基を倖偎に向けお集合したものをミセルずいう。 このようなコロむドを䌚合コロむドassociation colloidずいう。䌚合コロむドは芪氎コロむドの䞀皮に分類される。 分子コロむド デンプンやタンパク質の分子は倧きく、分子1個でコロむド粒子ずしお存圚する。このようなコロむドを分子コロむド(molecular colloid)ずいう。 分散コロむド 溶媒には本来溶解しない䞍溶性物質が现かく分散される事によっお構成されるコロむド。 炭玠や氎酞化鉄など疎氎コロむドの倚くを占める。 氎酞化鉄Ⅲのコロむド溶液 沞隰しおいる氎に、塩化鉄FeCl3 を少量ほど加えるず、赀色の氎酞化鉄Fe(OH)3 のコロむド溶液ができる。 Fe(OH)3 は氎に䞍溶であり、これのコロむド溶液は䞍溶のFe(OH)3 が氎に分散したものである。このような䞍溶の物質が分散したコロむド溶液を分散コロむド(dispersion colloid)ずいう。 電気泳動 U字管にコロむド溶液を入れ、電極を甚いお、盎流電圧を掛けおおくず、コロむド粒子はいっぜうの電極の偎に移動する。 電気を甚いお液䜓の䞭から特定の粒子を移動させる珟象を電気泳動electrophoresisずいう。 このこずから、コロむド粒子は電荷を垯びおいる事が分かる。コロむド粒子は溶液ごずに、正たたは負の電荷を垯びおいる事が分かる。 氎酞化鉄 Fe(OH)3 は正に垯電しおいる。コロむド粒子が正に垯電しおいる堎合を正コロむド (positive colloid)ずいう。たた氎酞化アルミニりムAl(OH)3は正に垯電しおいる。氎酞化アルミニりムも正コロむドである。 䞀般に金属の氎酞化物ず液䜓ずの混合物がコロむド溶液になる堎合は、正コロむドであるこずが倚い。 負電荷び垯電するコロむドを負コロむド(negative colloid)ずいう。負コロむドの具䜓䟋は、粘土、むオりS、CuS などの金属硫化物、デンプン,Au, Ag, Pt, などである。 コロむドが沈殿しないのは、この垯電によっお、互いの粒子どうしを反発させおいるからである。 では、なぜコロむドが電荷を垯びるのか。氎酞化鉄Fe(OH)3のコロむドが正に垯電するのは、化合物䞭のOH基の郚分が、溶液䞭の陜むオンのH+あるいはFe+を吞匕しやすいからだず考えられおいる。 セッケンのコロむドでは、コロむド粒子そのものがむオン化しおいる。 セッケンは ず電離する。 疎氎コロむド 氎酞化鉄Fe(OH)3 のコロむド溶液に、少量の電解質を加えるずコロむドが沈殿する。 粘土のコロむド溶液に電解質を加えおも同様に沈殿をする。 氎酞化鉄は正コロむドであり、粘土は負コロむドであるこずから、この沈殿珟象はコロむドが正負どちらの電荷でも生じる。 少量の電解質で沈殿するのは、最初に加えた電解質によっお、コロむド粒子に反察笊号のむオンが吞着し、その結果、分子間力が増えた結果、凝集しあっお沈殿するからである。 このように少量の電解質で沈殿するコロむドを疎氎コロむド(hydrophobic colloid)ずいう。疎氎コロむドが少量の電解質で沈殿する珟象を凝析ぎょうせき, flocculationずいう。 海氎の陜むオンによっお粘土のコロむドが凝集する。これは地理で習う䞉角州の圢成の原因である。 芪氎コロむド いっぜう、デンプンやタンパク質のコロむドは、倚量の電解質を加えないず沈殿しない。このデンプンやタンパク質の化孊匏を芋るず、-OH基や-COOH基や-NH2基などの基がある。これらは氎ず吞着しやすい芪氎性の原子団の芪氎基である。 このため、沈殿させるには、氎ずの吞着を無くすために倚量の電解質を加えお、溶液党䜓のむオンにおける、氎の圱響を薄めお吞着を無くさなければならない。電解質を加えおも溶液党䜓の電荷の合蚈自䜓は同じだが、氎玠結合は、他の結合よりも匷いこずを思いだそう。 デンプンやタンパク質などのように、氎和しおいるコロむドを芪氎コロむドずいう。 芪氎コロむドに倚量の電解質を加えお沈殿させるこずを塩析えんせき, salting outずいう。 電気泳動に関しお、芪氎コロむドは氎和のため、疎氎コロむドず比べお、芪氎コロむドは移動速床が小さい。 保護コロむド 疎氎コロむドず芪氎コロむドずを混ぜたコロむド溶液は、どういった特性を持぀だろうか。 疎氎コロむドが、電解質を加えおも沈殿しにくくなる。 芪氎コロむドは疎氎コロむドず吞着しおも、芪氎コロむドの芪氎性のため、少量の電解質を加えおも芪氎コロむドは沈殿しない。その芪氎コロむドず吞着した疎氎コロむドは、吞着しおいる芪氎コロむドが少量の電解質では沈殿しないため、䞀緒の疎氎コロむドも少量の電解質では沈殿しない。 このように芪氎性の高い芪氎コロむドずの吞着を仲立ちずしお疎氎コロむドが沈殿しづらくなる珟象を、芪氎コロむドによる保護あるいは保護䜜甚ずいい、この芪氎コロむドによる疎氎コロむドの保護を目的ずしお加える芪氎コロむドを加えた堎合、その芪氎コロむドを保護コロむドずいう。 保護コロむドの䟋ずしお、タンパク質の䞀皮であるれラチンや、墚汁に含たれるニカワなどがある。 れラチンもニカワも芪氎コロむドでもある。 むンキに含たれるアラビアゎムも保護コロむドである。ゎムずいうず、぀い連想で茪ゎムのような固䜓状のものを連想しがちかもしれないが、このアラビアゎムの玔物質は、倚糖類であり、氎溶性が高い芪氎コロむドである。 コロむドの生じる芁因 ゟルずゲル ゲル れラチンのコロむド溶液を冷やすず固䜓状に固たる。寒倩のコロむド溶液を冷やすず固䜓状に固たる。 このようにコロむド溶液が冷えお固たったものをゲル(ドむツ語Gel)ずいう。 ゲルを也燥させたものをキセロゲル(xerogel)ずいう。高野豆腐やシリカゲルは、キセロゲルである。 也かした寒倩やれラチンなどもキセロゲルである。キセロゲルを氎に぀けるず氎を吞っお膚らむ。これを膚最がうじゅんずいう。 ゟル コロむド溶液ずも蚀う。 コロむド粒子が分散しおいる流動性のある溶液のこず。 チンダル珟象 コロむド粒子が光を散乱させ、光の通路が茝いお芋える珟象。 ブラりン運動 コロむド粒子が、熱運動する分散媒粒子に衝突されお行う䞍芏則な運動。 その他(※ 範囲倖) æ°Ž50mLず゚タノヌル50mLを混ぜるず、合蚈の容積は97mLになり、単独の液䜓の䜓積の単玔な和よりも小さくなる。 これは、゚タノヌル分子の方が氎分子より倧きいため、゚タノヌル分子の間に氎分子が入り蟌んでいるためである。
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高等孊校 化孊 高等孊校化孊I/炭化氎玠/有機化合物 から転送 この蚘事では高校化孊の解説をする。無機物質では無機物質の性質に぀いお孊ぶが、暗蚘が倧きな比重を占める。有機化合物では炭玠が関わる化合物に぀いお孊ぶ。高分子化合物では分子量の倧きい化合物に぀いお孊ぶ。人間の䜓や服などの繊維は高分子化合物によっお出来おいる。 物質の状態 物質の倉化ず平衡 無機物質 - 元玠ず呚期衚 - 氎玠ず貎ガス - ハロゲン - 16族元玠(酞玠ず硫黄) - 15族元玠(窒玠ずリン) - 14族元玠(炭玠ずケむ玠) - アルカリ金属 - 2族元玠 - アルミニりム - 亜鉛 - スズ - 鉛 - 鉄 - 銅 - 銀 - 金ず癜金 - 氎銀ずカドミりム - クロムずマンガン - セラミックス - 金属ず合金 - 無機化孊たずめ
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高等孊校化孊I/炭化氎玠/有機化合物/元玠分析 有機化合物の構造を盎接調べるこずは容易ではないが、その組成匏を実隓により掚定するこずは比范的簡単である。組成ず分子量が分かれば分子匏を求めるこずができ、そこから化合物の構造を絞り蟌むこずができる。 はじめに、ある化合物に含たれおいる元玠の皮類を掚定する方法を玹介する。基本的に有機化合物は炭玠ず氎玠を䞻成分ずしおできおいるが、わずかに塩玠原子や窒玠原子などを含んでいるものもある。ある化合物にこのような特定の元玠が含たれおいるかを実隓で調べるこずができる。 怜出方法 - 氎玠・炭玠の怜出 - 詊料を完党燃焌させるず、炭玠 C は二酞化炭玠 CO2 になり、氎玠 H は氎 H2O になる。燃焌により発生する気䜓を石灰氎に通しお癜濁すれば、二酞化炭玠が生じおいる。たた、燃焌により発生する液䜓を塩化コバルト玙に぀けたずき、青色から淡赀色に倉化すれば、氎が生じおいる。 - 窒玠の怜出 - 詊料に氎酞化ナトリりム NaOH を加え加熱するず、窒玠はアンモニア NH3 ずなる。ガラス棒の先端に濃塩酞を぀けおアンモニアに近づけるなどしお、もし濃塩酞を近づけお塩酞が癜煙をあげれば、窒玠を生じおいる。この癜煙は、塩化アンモニりムである。 - 塩玠の怜出 - 加熱した銅線の先に詊料を぀け炎に入れる。するず、塩玠は銅ず反応しお塩化銅(Ⅱ)のCuCl2ずなり、Cu2+による青緑色の炎色反応が芋られる。 - 硫黄の怜出 - たず、詊料に氎酞化ナトリりムを加え加熱したあず、氎に溶かす。この溶液をたず酢酞で酞性にしお、さらに酢酞鉛II氎溶液をくわえたずき、もし硫黄が含たれおいれば、硫化鉛Iの黒色沈殿ができる。たず詊料に氎酞化ナトリりムを加え加熱するず、硫黄は硫化ナトリりムNa2Sずなる。これは氎溶液䞭で電離しおS2-ずなっおおり、加熱埌の液䜓に酢酞鉛(Ⅱ)氎溶液を加えお黒色の沈殿が生じれば、硫化鉛(Ⅱ)が生じおいる。 もしこの化合物が炭玠ず氎玠のみ、あるいはこれらず酞玠の3皮類で構成されおいるこずが分かっおいれば、次の実隓により化合物の組成匏を掚定するこずができる。 実隓方法 - あらかじめ、2぀の吞収管の質量を枬定しおおく。 - 詊料を癜金皿に茉せ、也いた酞玠を吹き蟌みながらガスバヌナヌで加熱し燃焌させる。この際、酞化銅(Ⅱ)觊媒も加熱する。これにより、䞍完党燃焌により生じたCOを酞化しお完党にCO2ずするこずができる。 - 詊料は燃焌により二酞化炭玠ず氎を発生する。氎ず二酞化炭玠がそれぞれ2぀の吞収管に吞収される。 - 燃焌が終了したら、2぀の吞収管の質量を枬定する。先に求めた質量ずの差が、吞収した二酞化炭玠や氎の質量である。 蚈算 炭玠、氎玠、酞玠の化合物である詊料w [mg]の燃焌により氎a [mg]ず二酞化炭玠b [mg]が生じたずする。このずき、発生した氎の氎玠原子ず二酞化炭玠の炭玠原子は、ずもに詊料に由来するものである。したがっお、氎に含たれる氎玠原子の質量ず、二酞化炭玠に含たれる炭玠原子の質量は、詊料に含たれおいた氎玠原子ず炭玠原子の質量に等しい。原子量をH=1.0、C=12、O=16ずするず、分子量がH2O=18、CO2=44であるから、 - 氎玠原子の質量wH : [mg] - 炭玠原子の質量wC : [mg] ずなる。するず、詊料の残りは酞玠原子でできおいるので、 - 酞玠原子の質量wO : [mg] ずなる。なお、氎分子ず二酞化炭玠分子に含たれおいる酞玠原子はすべお詊料由来ではなく、吹き蟌んだ酞玠が結合しおいる分も含たれおいるので、氎ず二酞化炭玠の質量から求めるこずはできない。 以䞊より、詊料䞭の氎玠、炭玠、酞玠の質量を求めるこずができたため、元玠の個数の比を求めるこずができる。元玠1個あたりの質量の比は、原子量の比ず等しく - C:H:O = 12:1.0:16 であるから、詊料に含たれおいる各原子の個数の比は、 - C:H:O = で求められる。組成匏は化合物䞭の原子の個数の比を衚すものであるから、この比により組成匏が求められる。 分子1個に含たれおいる各原子の実際の個数は、組成匏の敎数倍ずなるから、分子量が求められおいれば、組成匏の匏量から珟実の原子の個数を蚈算し、分子匏を求めるこずができる。
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高等孊校化孊I/炭化氎玠/有機化合物/有機化合物ずその構造 有機化合物 炭玠を含む化合物を有機化合物(organic compound)ずいう。しかし、䞀酞化炭玠 や二酞化炭玠 、炭玠 自身は は䟋倖的に有機化合物ではなく無機物質ずしお扱われる。デンプンや糖類、゚タノヌル、酢酞、脂肪などは有機化合物である。 もずもず生物に関係する物質を有機物、鉱物から埗られる物質を無機物質ず分類しおいた。 か぀お有機化合物は生物だけが䜜れるず考えられおいた時代もあったが、1828幎にドむツのりェヌラヌが、無機物質のシアン酞アンモニりム NOH4CN から尿玠 CO(NH2)2 を合成したこずにより、無機物質から人工的に有機物質が合成できる事が分かった。 特城 有機化合物は前章たでに孊習した無機化合物ずは、倧きく異なる特城をも぀。 - 有機化合物を構成する䞻な元玠は、 C, H, O, N であり、元玠の皮類は限られるが、炭玠の原子䟡は 4 で、さたざたな構造を取れるため、倚くの皮類の有機化合物が存圚する。 - 有機化合物は極性が少ないものが倚いため、氎に溶けにくいものが倚い。゚タノヌルやゞ゚チル゚ヌテルなどの有機溶媒によく溶けるものが倚い。たた、氎に溶ける有機化合物でも電離するものは少ない。 - 有機化合物の融点や沞点は比范的に䜎く、化合物によっおは加熱により分解しお炭玠ず氎になるものもある。 - 空気䞭で燃焌するず、氎ず二酞化炭玠などを発生する。 分類 炭箠 C ず氎玠 H のみからなる化合物を炭化氎玠hydrocarbonずいう。炭化氎玠の構造が、さたざたな有機化合物の構造では、基本的な構造になる。 有機化合物の分子は、炭玠原子の぀ながった構造を骚栌ずしお持぀。この炭玠原子の結合のしかたにより、有機化合物は2皮類に分かれる。 - 飜和化合物(saturated compound) - 炭玠原子間の結合が党お単結合だけであるもの䟋: ゚タンC2H6、プロパンC3H8 - 䞍飜和化合物(unsaturated compound) - 炭玠原子間に二重結合や䞉重結合を䞀぀以䞊持぀もの䟋: ゚チレンC2H4 さらに、炭玠原子の骚栌の圢によっおも2皮類の分類がある。 - 鎖匏(acyclic) - 炭玠原子が盎線状、たたは枝分かれ状に結合しおいるもの。䟋: メタン CH4 、 アセチレン C2H2 - 環匏(cyclic) 炭玠原子が環状に結合しおいるものを含むもの䟋: ベンれンC6H6 、 シクロヘキサンC6H12 したがっお、有機化合物は倧たかに、鎖匏飜和化合物、鎖匏䞍飜和化合物、環匏飜和化合物、環匏䞍飜和化合物の4぀に分類するこずができる。特に、鎖匏で飜和の炭化氎玠を総称しおアルカン(alkane)ず蚀い、環匏で飜和の炭化氎玠をシクロアルカン(cycloalkane)ずいう。たた、炭玠原子間の二重結合を1぀も぀鎖匏䞍飜和炭化氎玠をアルケン(alkene)ず蚀い、䞉重結合を1぀持぀鎖匏䞍飜和炭化氎玠をアルキン(alkyne)ずいう。これらに぀いおは埌ほど孊ぶ。
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高等孊校化孊I/炭化氎玠/有機化合物/異性䜓 倚くの有機化合物は、分子匏が同じでも異なる構造をも぀こずがある。たずえば、分子匏C4H10ずなる有機化合物の構造には、次の2぀がある。 これらは、互いにたがいに異なった性質を持぀。このように、分子匏が同じでも構造が異なる物質を、「たがいに異性䜓いせいたい、isomerである」などずいう。分子を䜜る炭玠原子の数が増加するにしたがっお、異性䜓の数は激しく増加する。 構造異性䜓 同じ分子匏でも、原子の結合のしかたや構造が異なるこずによる異性䜓を構造異性䜓こうぞう いせいたい、stractural isomerずいう。たずえば、分子匏が C5H12 ずなる炭化氎玠の炭玠骚栌は、次の3぀が考えられる。 このように炭玠骚栌が異なる構造異性䜓の他に、結合の仕方が異なる異性䜓も存圚する。たずえば、分子匏がC2H6Oずなる有機化合物は、次の2぀がある。 この2぀では、たずえば氎ぞの溶けやすさや沞点ずいった化孊的性質が倧きく異なる。これは、この2぀の有機化合物の官胜基かんのうき、functional groupず呌ばれる、性質を決める構造が異なるからである。官胜基に぀いおは次の章で詳しく孊ぶこずにする。 たた、分子匏を曞くずき、たずえば゚タノヌルを C2H6O ずいう曞き方ではなく、 C2H5OH みたいに官胜基を取り出しお明蚘する曞きかたを瀺性匏しせいしき、rational formulaずいう。 炭玠骚栌や結合の仕方が同じであっおも、その結合の䜍眮が異なる異性䜓も存圚する。 幟䜕異性䜓 炭玠原子間の単結合は、それを軞にしお原子を回転させるこずができる。そのため、次のような2぀の構造匏で瀺される有機化合物は、異性䜓ずはいえない。 䞀方、炭玠原子間の二重結合は、それを軞にしお原子を回転させるこずができない。そのため、二重結合を含む化合物の䞭には、二重結合の䞡偎での眮換基の結合の仕方により、䞋のような2皮類の異性䜓が存圚するものがある。 巊偎の図のように眮換基が同じ偎にあるものをシス型(cis-)ずいい、右偎の図のように反察偎にあるものをトランス型(trans-)ずいう。このような二重結合による異性䜓を幟䜕異性䜓きか いせいたい、geometrical isomerず蚀う、あるいはシス・トランス異性䜓cis-trans isomerず蚀う。 䞊で甚いたトランス-2-ブテンの分子暡型の写真を次に瀺す。これを芋るず、二重結合を軞にしお原子が回転できないこずが分かるだろう。 光孊異性䜓 乳酞にゅうさん、lactic acidは、ペヌグルトなどに含たれおいるヒドロキシ酞であるが、この乳酞は炭玠原子に結合しおいる4぀の原子や原子団が、4぀ずも異なる。このように、4本のうでにそれぞれ異なる眮換基が結合した炭玠原子を、䞍斉炭玠原子ふせい たんそげんし,asymmetric carbon atomずいう。たずえば、乳酞CH3CH(OH)COOHには䞍斉炭玠原子が1個存圚する。 䞊図を芋るず分かるように、*印を぀けた炭玠原子の呚りに、それぞれ色分けされた4぀の異なる眮換基が結合しおいるのが分かる。この*印が぀いた炭玠原子が䞍斉炭玠原子である。 ここで䞊の構造匏は平面䞊に曞かれおいるが、珟実にはこの分子は立䜓ずしお存圚する。䞍斉炭玠原子を䞭心ずした正四面䜓の各頂点に、結合軞が配眮しおいるのである。するず、構造匏が䞊のように同䞀であっおも、立䜓的にはどう動かしおも重ね合わせるこずのできないものが存圚する。これらは、たがいに鏡に写した関係にある。 このように、構造匏が同䞀であるにもかかわらず立䜓的には重ね合わせるこずのできない異性䜓を光孊異性䜓こうがく いせいたい、optical isomerずいったり、あるいは鏡像異性䜓きょうぞう いせいたい、enantiomerずよぶ。 光孊異性䜓の䞀方をL䜓ずいい、もう䞀方をD䜓ずいう。 L䜓ずD䜓ずの関係のたずえずしお、よく、右手ず巊手ずの関係にたずえられる怜定教科曞でも、そういう䟋えが倚い。 光孊異性䜓は、L䜓ずD䜓ずで、融点や密床などほずんどの物理的性質は同じだし、化孊反応に察する化孊的性質も同じである。しかし、偏光に察する性質や、たた、味や におい などの生理䜜甚が異なる。 偏光に぀いおは、L䜓ずD䜓ずで、偏光をする向きが逆方向である。 乳酞のほかにも、アミノ酞の䞀皮であるアラニンにも䞍斉炭玠原子が存圚し、よっお光孊異性䜓が存圚する。 なお、乳酞は、近幎では、生分解性暹脂せいぶんかいせい じゅしの原料ずしおも、掻甚されおいる。 - ラセミ䜓 銙料などに䜿われるメントヌルはアルコヌルの䞀皮であるが、メントヌルにはL䜓ずD䜓ずがあり、このうち銙料ずしおの䜜甚があるのはL䜓のみである。光孊異性䜓をも぀化合物を、通垞の方法で化孊合成しお䜜ろうずするず、L䜓ずD䜓ずの等量混合物「ラセミ䜓」ずいうが、できおしたう。 しかし近幎、特別な觊媒を甚いた合成によっお、さたざたな光孊異性䜓の化合物のL䜓ずD䜓ずを区別しお、そのうちの䞀方のほうだけを遞択的に合成できる手法が確立した䞍斉合成、「ふせい ごうせい」。日本の野䟝のよりなどは、そのような觊媒であるBINAPバむナップ觊媒の開発によっお、ノヌベル賞を2001幎に受賞した。
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高校化孊 脂肪族炭化氎玠 脂肪族炭化氎玠の内、鎖匏炭化氎玠ですべお単結合な化合物をアルカン、二重結合が䞀個だけある化合物をアルケン、䞉重結合が䞀個だけある化合物をアルキンずいう。 環匏炭化氎玠ですべお単結合な化合物をシクロアルカンずいう。 アルカン アルカンは分子匏がCnH2n+2ず曞け、䞍飜和床0である。右におもなアルカンの分子匏ず名称、構造匏を瀺す。 アルカンが含たれる物質 倩然ガスには、メタン CH4 が含たれる。メタンは倩然ガスの䞻成分である。郜垂ガスの成分ずしお、メタンは利甚されおいる。 たた、ガ゜リンには、さたざたなアルカンなどの有機化合物が含たれおいる。 アルカンの立䜓構造 メタンは分子匏CH4であり、四面䜓構造をしおいる。 炭玠原子間の単結合ず䞉重結合は自由に回転できるが、二重結合は回転するこずができない。 したがっお、アルカンの炭玠間は自由に回転できる。 プロパンの炭玠は、折れ線状に、䞊んでいる。 アルカンの性質 盎鎖のアルカンは、炭玠数が増えるに぀れお沞点・融点が次第に高くなる。たずえば垞枩では、炭玠数1のメタンから炭玠数4のブタンたでは気䜓であるが、炭玠数5のペンタンや炭玠数6のヘキサンは液䜓である。 たた、アルカンの炭玠数が4以䞊になるず、そのアルカンには構造異性䜓が存圚する。炭玠原子数が倚くなるず異性䜓の数は爆発的に増加し、たずえば炭玠数4のブタンは他に1皮類のみ異性䜓を持぀が、炭玠数10のデカンは他に74皮の異性䜓を持぀。さらに、炭玠数20の゚むコサンになるず、他に36䞇皮を超える異性䜓が存圚する。 アルカンの性質 - 氎に溶けにくいが、有機溶媒ゞ゚チル゚ヌテルやトル゚ンなどが有機溶媒であるによく溶ける。 - ススをほずんど出さずに燃えお、二酞化炭玠ず氎を生じる。 - 固䜓や液䜓のアルカンは、氎より密床が小さいので、氎に浮く。 眮換反応 垞枩でアルカンは安定であり、薬品ず化孊反応を起こしにくい。しかし、光を圓おるずおもに玫倖線による䜜甚で、アルカンがハロゲン元玠ず反応しお、アルカンの氎玠原子がハロゲン原子ず眮き換わっおハロゲン化氎玠を生じる反応が起こる。これを眮換反応substitution reactionずいう。 メタン メタンは分子匏CH4の、もっずも炭玠数が少ない基本的なアルカンである。垞枩では無色の気䜓である。実隓宀では、酢酞ナトリりムず氎酞化ナトリりムを混合しお加熱するこずで埗られる。なお、この実隓では氎䞊眮換法で捕集する。 - CH3COONa + NaOH → Na2CO3 + CH4↑ メタンは光を圓おるずハロゲンず眮換反応を起こす。たずえば、メタンに光を圓おながら塩玠ず反応させるず、次のように1぀ず぀氎玠が塩玠に眮き換わる。 - CH4 + Cl2 → HCl + CH3Cl クロロメタン - CH3Cl + Cl2 → HCl + CH2Cl2 ゞクロロメタン - CH2Cl2 + Cl2 → HCl + CHCl3 トリクロロメタン、クロロホルム - CHCl3 + Cl2 → HCl + CCl4 テトラクロロメタン、四塩化炭玠 - メタンハむドレヌト 近幎、日本近海の海底など、䞖界のいく぀かの海底の倚くの堎所の地局䞭で、氷の結晶䞭にメタンが存圚しおいる事が明らかになった。この海底のメタンの含たれた氷をメタンハむドレヌトずいう。採掘されたメタンハむドレヌトの倖芋はドラむアむスに䌌おいる。採掘されたメタンハむドレヌトに点火するず、メタンだけが燃え、たた、最終的に氷が熱で解けお氎になる氷が燃えおるのではない。燃えおるのはメタンである。。 将来の゚ネルギヌ資源ずしお、メタンハむドレヌトが泚目されおいるしかし2016幎の珟状では、ただ資源ずしお実甚的な段階には、メタンハむドレヌトの利甚技術は達しおない。。 なお、メタンは枩宀効果ガスであるのでメタンの化孊匏には炭玠が含たれおいるので、燃やすず二酞化炭玠が発生するから、メタンハむドレヌトを燃やすこずでも枩宀効果があるので、気を぀けるべきである。 アルケン アルケンは分子匏がCnH2nず曞け、䞍飜和床1である。アルケンは䞍飜和炭化氎玠である。右におもなアルカンの分子匏ず名称、構造匏を瀺す。 ゚チレンの氎玠原子1個をメチル基 CH3- に眮き換えるず、プロピレンプロペンになる。 ゚チレン(ethylene)ぱテン(ethene)の慣甚名である。IUPAC呜名法でぱテンであるが、慣甚名の゚チレンの䜿甚も認められおいる。 シス-トランス異性䜓 アルケンは二重結合が含たれおいるが、二重結合の郚分は回転ができないため、そのため、いく぀かのアルケンでは、異性䜓が存圚する。このような異性䜓を、シス-トランス異性䜓cis-trans isomers[1]ずいう。 たずえば 2-ブテン では、シス圢(cis form)ずトランス圢(trans form)ずいう2皮類の異性䜓が存圚する。 - シス圢 cis-2-ブテン 融点:ヌ139℃ 沞点:4℃ - トランス圢 trans-2-ブテン 融点:ヌ106℃ 沞点:1℃ 付加反応 アルケンには二重結合が含たれおいるため、ハロゲンなどず反応しお二重結合の1぀を切っお、そこず単結合を぀くる。このような反応を付加反応(additional reaction)ずいう。反応䟋を䞋図に瀺す。 たずえば゚チレンは、臭玠ず反応するず、付加反応により、1,2-ゞブロモ゚タンになる。 たた、゚チレンは、觊媒ずしお癜金PtたたはニッケルNiの条件䞋で、゚チレンは氎玠ず付加反応をしお、゚タンになる。 なお、付加反応はアルケンに限らず䞍飜和化合物で芋られ、炭玠間の二重結合や䞉重結合に察しおおこる反応である。いっぜう、アルカンのような単結合のみの飜和炭化氎玠では起こらない反応である。 マルコフニコフ則 アルケンの二重結合に、HX[2]が付加するずき、二皮類の生成物が考えられるが、このずき、二重結合しおいる炭玠原子に結合しおいるHが倚いほうに、HXのHが付加し、少ない方にXが付加した化合物が倚く生成する。これをマルコフニコフ則Markovnikov ruleずいう。 酞化 たた、䞍飜和炭化氎玠は酞化剀ず反応しお酞化される。赀玫色の過マンガン酞カリりム氎溶液にたずえば゚チレンを通じるず、゚チレンは酞化され、二酞化マンガンの黒色沈殿を生じるずずもに赀玫色が消える。このような反応は、メタンをはじめアルカンでは起こらない。 その他 その他、アルケンは次のような有機化合物䞀般の性質をも぀。 - 氎に溶けにくい。 - ゚ヌテルなどの有機溶媒によく溶ける。 - ススを少し出しながら燃えお、二酞化炭玠ず氎を生じる。 ゚チレン ゚チレンehtyleneは分子匏C2H4の、もっずも炭玠数が少ない基本的なアルケンである。垞枩では無色の気䜓である。二重結合で結び぀いおいる炭玠原子ず、それに盎接結合した原子はすべお同䞀平面䞊にあるため、右図のように゚チレン分子は党おの原子が同䞀平面䞊にある。 ゚チレンは、実隓宀でぱタノヌルの分子内脱氎により埗られる。゚タノヌルに濃硫酞を加え、160℃皋床で加熱するするず、゚タノヌルの分子内で脱氎反応がおこり、゚チレンが生成する。䞋図に䟋を瀺す。 たた、゚チレンは二重結合を含むため、赀耐色の臭玠氎に通じるず、付加反応により臭玠の色が消え無色になる。䞋図に䟋を瀺す。 さらに、赀玫色の過マンガン酞カリりム氎溶液に通じるず、゚チレンは酞化され、黒色の二酞化マンガンの沈殿が生じる。 工業的には、ナフサの熱分解で゚チレンが埗られる。゚チレンは様々な薬品の合成原料であり、工業的に重芁な物質である。 ゚チレンは、怍物ホルモンでもある。 アルキン 右図のアセチレンのように、䞀般に、炭玠間の結合に䞉重結合を1぀含むため分子匏が CnH2n-2 ず曞ける炭化氎玠をアルキンalkyneずいう。右に、おもなアルカンの分子匏ず名称、構造匏を瀺す。 なお、アセチレン分子の立䜓構造は、すべおの原子が盎線䞊にならぶ配眮になっおいる。この理由は、䞉重結合の郚分は、回転をできないから、である。 アルキンの性質 アルキンは䞉重結合のため、付加反応を起こしやすく、酞化剀ず反応しお酞化される。 たた、アルキンは次のような有機化合物䞀般の性質をも぀。 - 氎に溶けにくい。 - ゚ヌテルなどの有機溶媒によく溶ける。 - ススを倚く出しながら燃えお、二酞化炭玠ず氎を生じる。 燃焌時のススの倚さは䞍飜和床が高いほど倚くなり、その時の炎も明るくなる。 アセチレン アセチレンは分子匏C2H2の、もっずも炭玠数が少ない基本的なアルキンである。アセチレンの構造匏は、右図のように HC≡CH ず曞く。垞枩ではアセチレンは無色の気䜓である。䞉重結合で結び぀いおいる炭玠原子ず、それに盎接結合した原子はすべお同䞀盎線䞊にあるため、右図のように゚チレン分子は党おの原子が䞀盎線䞊にある。 アセチレンは、実隓宀では炭化カルシりムCaC2を氎ず反応させるこずにより埗られる。炭化カルシりムを现かな穎をあけたアルミ箔で包み、氎を入れた氎槜に入れるず、アセチレンが発生する。アセチレンは氎に溶けないため、氎䞊眮換法により捕集する。 - CaC2 + 2H2O → Ca(OH)2 + C2H2↑ なお、アセチレンの工業的な補法では、石油などに含たれるアルカンを熱分解「クラッキング」ずいうしお、アセチレンを぀くる。 アセチレンは、溶接甚のバヌナヌの炎に甚いられる。アセチレンに酞玠を混ぜお点火するず、3000℃を超える高枩の炎が埗られる。そのため、金属の溶接や切断の際に酞玠アセチレン炎が甚いられる。 - ※ なお、炭化カルシりム CaC2 のこずを「カヌバむド」ずもいう。しかし、炭化カルシりム以倖の物質でも、金属の炭化物のこずもカヌバむドずいうので、暗蚘の必芁性は䜎い。 アセチレンの反応 付加反応 䞉重結合は付加反応を受けやすく、癜金やニッケルなどを觊媒ずしお氎玠ず反応させるず、゚チレンや゚タンを生じる。 過マンガン酞カリりム氎溶液 塩基性の過マンガン酞カリりム氎溶液赀玫色の状態に通じるず、MnO2の沈殿が生じる。 臭玠ずの反応 たた、アセチレンは䞉重結合を含むため、赀耐色の臭玠氎に通じるず、付加反応により1-1-2-2-テトラブロモ゚タンが生じるため臭玠の色が消え、無色になる。 氎ずの付加 硫酞氎銀 HgSO4 を觊媒ずしお、アセチレンに氎が付加するこずにより、䞍安定な䞭間生成物を経お、最終的にアセトアルデヒドを生じる。アセチレンは、たずはじめにビニルアルコヌルCH2CH(OH)になるが、これは非垞に䞍安定であり、アセトアルデヒドCH3CHOになる。 赀熱した鉄 アセチレンが、赀熱した鉄にふれるず、鉄が觊媒ずしお䜜甚し、アセチレンの3分子が重合しお、ベンれンが生じる。 炭玠が環状かんじょうに結合しおいる炭化氎玠のこずを 環匏炭化氎玠かんしき たんかすいそ ずいう。 シクロアルカン 䞀般匏CnH2nで衚される環匏炭化氎玠をシクロアルカンずいう。炭玠間の結合がすべお単結合である。右におもなシクロアルカンの分子匏ず名称および構造匏を瀺す。 シクロアルカンの「シクロ(cyclo-)」ずは環匏であるこずを衚す接頭蟞であり、「シクロアルカン」ずは環匏のアルカンであるこずを瀺しおいる。 䞀般的な性質 シクロアルカンは飜和炭化氎玠であり、アルカンに䌌た性質をも぀。 - 光を圓おるず眮換反応を起こす。 - 氎に溶けにくい。 - ゚ヌテルなどの有機溶媒ゆうき ようばいによく溶ける。 - 燃えおもススをほずんど出さずに燃えお、二酞化炭玠ず氎を生じる。 シクロヘキサン シクロヘキサンは分子匏C6H12のシクロアルカンである。分子の構造ずしお次の2皮類が存圚する。 舟型は䞍安定な構造であり、通垞はいす型の構造をずる。 シクロアルケン 環状構造で炭玠原子間に二重結合を1個も぀炭化氎玠を シクロアルケンcycloalkenずいう。 䞀般匏はCnH2n-2で衚される。 シクロアルケンの化孊的性質は、鎖匏構造のアルケンに䌌た性質があり、付加反応を起こしやすい。 シクロアルケンには、シクロペンテンC5H8やシクロヘキセンC6H10などがある。
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高等孊校化孊I/物質ず原子 物質ず元玠 物質の芁玠 物質は、原子(げんし、atom)ずいう基本構造が組み合わさるこずによっお構成されおいる。 - 元玠 - 原子の皮類のこずを元玠げんそ、elementずいう。 この元玠は、珟圚では110皮類ほどであり、これらのうち玄90皮類は倩然に存圚しおいる。元玠をあらわす蚘号には、ラテン語名などの頭文字から1文字たたは2文字をずった元玠蚘号げんそきごう、symbol of elementで衚される。元玠蚘号の1文字目は必ず倧文字であり、2文字目は必ず小文字である。代衚的な元玠の元玠蚘号を右の衚に蚘したので、参考にしおほしい。詳しい元玠蚘号の衚は、元玠蚘号呚期衚に掲茉しおおいた。 - ※ 「元玠蚘号」のこずを「原子蚘号」ずもいう※ 参考文献: チャヌト匏。 元玠の確認方法 炎色反応 元玠の確認方法には、さたざたな方法があるが、炎色反応で確認するこずができる。たずえば塩化ナトリりム氎溶液を぀けた癜金線、たたは氎酞化ナトリりム氎溶液を぀けた癜金線を、ガスバヌナヌの倖炎に圓おるず、黄色い炎が出る。 これは、ナトリりム元玠 Na による珟象である。塩化ナトリりムも氎酞化ナトリりムも、どちらの物質ずも、Na を含んでいる。 - 詊料を加えない堎合のガスバヌナヌの色 - リチりム赀 - ナトリりム黄色 - ナトリりム※ コバルトガラスを通した堎合 - カリりム赀玫 - カルシりム橙赀 - ストロンチりム赀 - 銅青緑 このように、物質を炎の䞭に入れたずき、その物質に特有の色の炎が芋られる珟象を炎色反応えんしょくはんのう、flame reactionずいう。炎色反応の色は、元玠の皮類によっお異なるので、元玠の皮類を調べたい時に炎色反応で元玠の皮類を確認する事ができる。 なお、花火の色は、炎色反応を利甚したものである。 石灰氎ず二酞化炭玠 石灰氎氎酞化カルシりム氎溶液は、二酞化炭玠を吹き蟌たれるこずで、癜く沈殿する。これは、氎に䞍溶の CaCO3 が発生したためである。 この䞀連の珟象を利甚しお、ある気䜓䞭での二酞化炭玠の有無を確認できる。 たた、ある物質を酞化させお燃やした時に発生する気䜓が、石灰氎を癜く濁らせれば、その物質には炭玠が含たれるこずが刀別できる。 - 具䜓䟋 倧理石に垌塩酞をそそぐず気䜓が発生する。この気䜓を、氎酞化カルシりム氎溶液にそそぐず、癜く沈殿する。このこずから、倧理石には炭玠Cが含たれおるこずが分かる。なお、生じた癜色沈殿は炭酞カルシりムである。 沈殿 食塩氎氎酞化ナトリりム氎溶液に硝酞銀氎溶液を加えるず、癜色沈殿塩化銀が生じる。 この沈殿反応を利甚するこずで、ある氎溶液䞭に銀 Ag たたは塩玠 Cl が含たれおいるか吊かを刀別できる。 参考:スクロヌスの成分元玠の怜出 - ※ 未蚘述. 執筆協力者を募集 物質の構成 単䜓ず化合物 たずえば氎を電気分解するず、氎玠ず酞玠の気䜓が2:1の比で分離する。氎玠だけからなる気䜓、酞玠だけからなる気䜓など、䞀぀の元玠のみから構成されおいる物質を単䜓(たんたい、simple substance)ずいう。 単䜓の䟋をあげるず、たずえば、玔粋な銅は、銅元玠のみからなる単䜓である。玔粋な氎玠の気䜓は、氎玠元玠のみからなる単䜓である。 いっぜう、氎は、氎玠ず酞玠が結合しおいる。このように、2皮類以䞊の元玠から成り立぀物質を化合物(compound)ずいう。 氎H2OはH元玠ずO元玠からなる分子から構成されおいる化合物である。他にも、酞化銅II(CuO)や、塩化アルミニりム(AlCl3)など、化合物には、いく぀もの皮類がある。 同玠䜓 - 黒鉛 - ダむダモンド 黒鉛ずダむダモンドは、ずもに炭玠 C からなるが、色・電気䌝導性など、性質が異なる。このように、ある元玠の単䜓どうしで、元玠の結び぀き方が違うために性質が違うもののこずを、たがいに同玠䜓(どうそたい、allotrope)ずいう。 たずえば「黒鉛はダむダモンドの同玠䜓である」ずいった具合に、この蚀葉を䜿甚する。圓然、組み合わさり方が䞀皮類しかないような元玠には、同玠䜓は無い。 硫黄 S の同玠䜓には、斜方硫黄しゃほう いおうず単斜硫黄たんしゃいおうおよびゎム状硫黄がある。斜方硫黄しゃほう いおうず単斜硫黄たんしゃいおうおよびゎム状硫黄は、これらはいずれも単䜓であるが、化孊的性質が異なる。 赀リンせきリンず黄リンおうリンは、リン P の同玠䜓である。 ほかにも炭玠の同玠䜓ずしお、フラヌレンやカヌボンナノチュヌブなどが知られおいる。しかしフラヌレンなどの説明には高床な専門性を芁するので、ここでは詳现は述べない。 玔物質ず混合物 - 玔物質 - 物質が単䜓か化合物であるずき、その物質を玔物質(pure substance)ず呌ぶ。 玔物質は、物理的操䜜(叩く、匕っ匵る、ろ過する、ずいった操䜜)によっおそれよりも小さい構成パタヌンに分けるこずができないようなパタヌンの集たりだず考えられる。ここで蚀うパタヌンずは、元玠の組み合わせのこずである。単䜓や化合物は、物理的な操䜜だけではその構成を倉えるこずができない。䟋えば、氎は蒞発させおも凍らせおも叩いおもろ過しおも、氎のたたである。しかし、電気分解を行うこずで氎玠ず酞玠に分解できるこずは、䞭孊校で孊習した通りだ。具䜓的には、前者を物理的操䜜、埌者を化孊的操䜜ず呌ぶ。 - 混合物 - 2皮類以䞊の物質が混ざった物質のこずを混合物(こんごうぶ぀、mixture)ず蚀う。食塩氎は混合物であるなぜなら、氎ず食塩ずが混同しおいるので。 なお、※ 教科曞には曞かれおないが、塩化ナトリりムそのものは玔物質である。 海氎は混合物である。※ 海氎の組成は芚えなくおもいいが、たず海氎には食塩塩化ナトリりムが含たれおるので、その時点ですでに塩化ナトリりムず氎ずの混合物。さらに海氎には塩化マグネシりムなども含たれおいるので、より混合物である。 空気は混合物である。なぜなら、空気には窒玠や酞玠などが混ざっおいるからである。窒玠そのものは玔物質である。酞玠そのものは玔物質である、 牛乳は混合物。石油は混合物。 ドラむアむスは玔物質。氷こおりは普通、玔物質。 玔粋な銅どうは玔物質である合金などは陀倖する。玔粋な鉄そのものは玔物質である合金などは陀倖する。硫黄いおうは玔物質。゚タノヌルは玔物質。 怜定教科曞には曞かれおないが、ほかにも、塩酞は塩化氎玠(HCl)ず氎(H2O)の混合物である※ チャヌト匏など参考曞で玹介。 ※ チャヌト匏など参考曞で玹介花厗岩かこうがんも混合物である。 ※ 玔物質ず混合物の分類の定矩に察しおは、盎芳的な理解で、かたわない。しかし、ある物質が玔物質か混合物かに぀いおは、しっかりず把握すべきである。 物質の構成による分類 これたでに孊習した単䜓、化合物、混合物に぀いおたずめた。右偎には具䜓䟋ずなる物質を挙げたので、参考にしおほしい。 原子の構造ず元玠の呚期衚 原子の構造 原子げんしは、䞭心にある原子栞(atomic nucleus)ず、その呚り(電子殻、electron shell)を飛び回るいく぀かの電子(electron,図では黄色)からなる。原子の圢状は、球状の構造である円状ではなく、球状である。(※ 電子殻でんしかくに぀いおは埌述する。) 右に瀺した図で蚀えば、真ん䞭の赀い粒が陜子(ようし、proton)、おなじく真ん䞭の黄緑色の粒が䞭性子(ちゅうせいし、neutron)。それから、呚りにある黄色い粒が電子である。党おの原子は、このような「原子栞の呚りに電子」ずいう構造をしおいるず考えられおいる。 原子栞 原子栞は、䜕個かの陜子(ようし、proton)ず䜕個かの䞭性子(ちゅうせいし、neutron)からなる。 原子の倧きさは、だいたい半埄 10-8 cm である 100億分の1メヌトル 、぀たり 10-10 m 。原子栞はさらに小さく、原子栞の倧きさは半埄 10-15 m である。 比喩ひゆずしお、原子をドヌム球堎の倧きさに䟋えるず、原子栞の倧きさは1円玉やビヌ玉の倧きさに盞圓するこずになる。 原子はあたりに小さいため、電子顕埮鏡などを甚いなければ圢状を芳察するこずができない。原子栞は、正の電荷chargeを持っおいる。基本的に原子栞は壊れない※ 高校化孊の段階では、ずくに断りのないかぎり、原子栞は壊れない、ずしお扱っおよい。 - ※ 範囲倖: 右䞊図のボヌアモデルのような、原子栞ず電子の䜍眮関係がなぜ分かったかずいうず、様々な実隓にもずづいおいるが、特に代衚的な実隓ずしおは、攟射線を甚いお原子栞を研究した物理孊者ラザフォヌドによる、金箔などに攟射線ラゞりムを甚いおアルファ線を出す実隓をしおいたを圓おる実隓によっお倧きく解明された[1]。くわしくは物理2 科目の 高等孊校物理/物理II/原子ず原子栞 で習う。ラザフォヌドの時代には、ただ䞭性子や陜子などずいった原子栞の䞭身の個別の粒子が知られおいなかったので、のちに物理孊者ボヌアなどによっお䞭性子や陜子などの知芋を加えたボヌアモデルに改良された。 原子の電荷 陜子が持぀電荷は、電子が持぀電気ず倧きさが同じで、笊号が反察である。化孊匏などでは䞀般に、電子の電荷の倧きさを最小単䜍ずしお衚す。぀たり、電子の電荷を -1 ずしお衚す。このため、陜子の電荷を +1 ずしお衚す。 䞭性子は電荷を持たない。䞭性子の電荷は 0 である。 原子に含たれる陜子の数を原子番号げんしばんごう、atomic numberずいう。元玠ごずに、陜子の数は決たっおいるので、぀たり元玠が決たれば、原子番号も決たる。たずえば氎玠は陜子を1個持぀ので、氎玠の原子番号は1である。 - ※ ちなみに、電子1個の電荷は、物理孊的には、-1.602×10-9〔C〕である。単䜍 c はクヌロンず読む。陜子1個の電荷は、物理孊的には、1.602×10-9〔C〕である。この 1.602×10-9〔C〕の倧きさを、化孊では蚈算を簡単化するため、単䜍1ずしお扱っおいるわけである。なお、1.602×10-9〔C〕の倧きさのこずを「電気玠量」でんきそりょうずいう。 原子の質量 原子栞䞭での、電子の数ず陜子の数は、同じである。よっお原子栞は、党䜓ずしおは電荷をもたない。よっお原子栞は電気的に䞭性である。 たた、陜子の質量ず䞭性子の質量は、ほが同じである。 電子の質量は、陜子の玄 倍である。よっお原子の質量は、ほが原子栞の質量になる。そしお、陜子1個の質量ず䞭性子1個の質量はほが同じである。ある原子1個での、陜子数ず䞭性子数ずの和を、質量数し぀りょうすう、mass numberずいう。 ぀たり、ある元玠の原子1個あたりの質量は、原子栞1個䞭の陜子ず䞭性子の質量数の和に、比䟋する。 具䜓䟋ずしお、通垞の氎玠 H の質量数は1である。通垞の氎玠の原子栞は、陜子1個のみである。 通垞のヘリりム He の質量数は4である。なぜなら通垞のヘリりムの原子栞は、陜子2個ず䞭性子2個からなる。 - 参考 - 䞭性子だけでは原子栞にはならない。いっぜう、氎玠原子のように、陜子だけでも原子栞は成り立぀堎合がある。 - 原子の構造は、高等孊校の化孊においおは䞀般的に、ボヌアの原子暡型ず呌ばれるモデルを䜿っお理解する。 ある元玠蚘号の質量数を衚す堎合、 のように、原子の巊䞊に小さく曞いお瀺す䟋ではヘリりムを䟋にした。 原子番号も曞く堎合は、 のように、巊䞋に原子番号を曞き、巊䞊に質量数を曞く。 - かりに質量数をMずしお、その元玠蚘号をXずするず、MX のように曞き衚す。 質量数はあくたで、陜子ず䞭性子の個数の和であり、質量そのものではないこずに泚意が必芁である。さらに蚀えば、これら質量数はあくたで指暙であり、実際の質量は厳密には異なっおくる。 - ※ 単元『高等孊校化孊I/物質量ず化孊反応匏』のペヌゞで、ある質量数の原子の個数ず実際の質量ずの関係に぀いお解説する。 同䜍䜓 同䜍䜓 倩然に存圚する氎玠原子の倧郚分は、原子栞が陜子1個だけからなる であるが、氎玠には、この他にも陜子1個ず䞭性子1個からなる も少量ながら存圚する。 このように、原子番号が同じでも質量数が異なる原子のこずを、たがいに同䜍䜓どういたい、isotopeであるずいう。あるいは同䜍䜓のこずをアむ゜トヌプisotopeずもいう。 氎玠の同䜍䜓には、さらに も、ごくわずかにある。 なお、「同䜍䜓」ずいう名前が「同玠䜓」ず䌌おいるが、異なる抂念なので、混同しないように読者は泚意のこず。 のこずを重氎玠じゅうすいそずいう。たた のこずを䞉重氎玠ずいう。 同䜍䜓どうしは質量が異なるが、化孊反応などの化孊的性質はほが同じである。なぜなら、原子栞に含たれる陜子の数が同じだからである。 炭箠Cの代衚的な同䜍䜓には、12C ず13C がある。 攟射性同䜍䜓 炭箠Cの同䜍䜓には14Cも存圚する堎合もあるが、この14Cは䞍安定であり、すぐに厩壊ほうかいしお質量数が倉わっおしたう。原子栞が壊れるずき、䞀般に攟射線をだすので、䞍安定な同䜍䜓が壊れたずきも攟射線を出す。14Cも厩壊するずきに攟射線を出す。 14Cのような、すぐに厩壊しお攟射線を出す同䜍䜓を攟射性同䜍䜓ほうしゃせいどういたい、ラゞオアむ゜トヌプ,radioisotopeずいう。 これに察しお安定しお存圚できる同䜍䜓を安定同䜍䜓(stable Isotope)ずいう。 原子力発電所の原子炉内では、質量数3の氎玠3Hも存圚する。この氎玠3Hを䞉重氎玠(さんじゅうすいそ、tritium トリチりム)ずいう。3Hは攟射性同䜍䜓である。 なお、すべおの元玠に、自然界で同䜍䜓が存圚するわけではない。 Be,F,Na,Al,P,Sc,Mnなどには、倩然には同䜍䜓は存圚しない。 攟射性同䜍䜓の掻甚ずしおは、化孊反応のしくみを远跡するずきに利甚される。ほかにも、幎代枬定などにも利甚される。 なお、攟射性に関する甚語ずしお、攟射線を出す性質のこずを「攟射胜」radioactivityずいう。攟射線を出すなどしお、原子が他の原子に倉わるこずを「厩壊」ずいう。 原子ごずに、原子栞が倉わるたでの、だいたいの時間が異なる。半分の量の原子栞が倉わるたでの時間を半枛期はんげんき、half lifeずいう。 14Cの半枛期は5830幎である。䟋えば14Cの量が元の1/8になっおいるなら 1/8=(1/2)3なので5830×3=17490幎経過しおいる。 - ※ 高校化孊の範囲倖: 生物の範囲: 攟射性同䜍䜓を䜿った実隓の前提ずしお、攟射性同䜍䜓の原子ばかりを呚囲の通垞の原子から分離する工皋が必芁である。では、そもそもどうやっお分離するのかずいうず、䞀䟋ずしお、遠心分離機などを甚いお質量差に起因する遠心力の差によっお分離する方法がある遠心分離法。遠心分離法は、よく生物孊の攟射性同䜍䜓をもちいた実隓でも䜿う。 - ※ 高校の範囲倖: 遠心分離法の他にも、枩床差や熱を甚いた熱拡散法による分離もある。その他、溶解した状態で電気を流すず質量差によっお泳動する速床がちがうこずを利甚する方法や「電気泳動法」ずいわれるが、生物孊でいう同名の方法ずは若干ちがう、ほかには蒞留を甚いた方法など、さたざたな方法がある[2]。 - このように、割ず普通の方法で攟射性同䜍䜓をほかの原子から分離できるので、高校生ずしおは、同䜍䜓の分離法に぀いおは特に悩む必芁は無い。 - 範囲倖: 「軜氎」けいすいずは 原子力工業などでいう「軜氎」けいすいずは、重氎玠を含たない普通の氎の事である。※ 参考文献: 電気孊䌚『電気孊䌚倧孊講座 発電工孊 〔改蚂版〕』、2015幎改蚂版 原子力工業の分野では、重氎玠を含んでいお普通でない氎のこずを「重氎」じゅうすいず呌んでいる。原子力工業の甚語では、「重氎」に察しお、普通の氎玠の化合によっお出来た氎のこずを「軜氎」ず呌んで、原子力工業では区別しおいる。 - ※ しかし、高校生にずっおは、「軜氎」は䞀般の化孊甚語ではないので、芚える必芁は無い。 たた、原子力の分野や、攟射性同䜍䜓を぀かった化孊分析の分野では、䞀般の氎玠原子を「重氎玠」ず区別するために、䞀般の氎玠原子のこずを「軜氎玠」ずいう堎合もある。※ 参考文献: サむ゚ンス瀟『工孊のための無機化孊 新蚂版』、橋本和明ほか著、2016幎新蚂第1版、118ペヌゞ だが、けっしお普通の氎玠ずは別に「軜氎玠」なんお元玠があるわけではない。普通の氎玠原子を重氎ずの区別のために「軜氎玠」ず呌んでいるだけである。 - ※ 䞭孊高校の理科では、特にこずわりのないかぎり、「氎玠原子」ずいったら、䞀般の氎玠 のこずであるので、「軜氎」「軜氎玠」の甚語は高校生は芚えなくお良い。 電子殻ず䟡電子 原子の構造のうち、電子が䞊んでいる原子栞の呚りの郚分に぀いお、より詳しく芋おいこう。 - 電子殻(でんしかく、electron shell) - 電子が飛び回っおいる郚分党䜓を指す。階局構造になっおいる。 この電子殻は䜕重かにわかれおおり、内偎からKæ®»(ケヌかく、K shell)、Læ®»(゚ルかく、L shell)、Mæ®»(M shell)、  ず呌ぶ。それぞれの局に入るこずのできる電子の数は決たっおおり、その数以䞊の電子が䞀぀の局に入るこずは無い。たずえば、K殻に入るこずのできる電子の数は2぀たでである。たた、電子は原則的に内偎の局から順に入っおいく。M殻以降では䟋倖もあるが、高等孊校の化孊ではこれに぀いおは扱わない。内偎から数えおn番目の電子殻に入るこずのできる電子の数は、最倧2n2たでである。 たた、いちばん倖偎の電子殻にある電子を最倖殻電子さいがいかく でんし、outermost-shell electronずいう。ある原子ずある原子ずの接点が、実際には電子殻であるため、原子の結合の仕方などはこの最倖殻電子の個数が重芁になっおくる。ある原子での最倖殻電子の数を䟡電子(かでんし、valence electron)ずいう。 各々の原子の電子の、電子殻ぞの配列の仕方を電子配眮 (でんしはいち、electron configuration)ずいう。 - ※ そもそも「䟡電子」が本圓に電子なのかどうかの根拠は、高校レベルでは、いちおう、高校化孊のあずの単元で習う『電気分解』などの電気化孊の実隓結果により、反応した物質の量から算出される「䟡電子」の数ず、電気回路によっお䞎えた電気量から算出される「電子」の数ずが䞀臎するので、䟡電子は電子だず思われおいる。 - なお、電子1個の電気量そのものの数倀の蚌明は、高校「物理」でならうミリカンの油滎の実隓などで怜蚌されおいる。 ヘリりムやネオンは、安定しおおり、化合物を぀くりづらい。ヘリりムガスは、化合しおないヘリりム原子が気䜓そのものの成分であり、分子化合物ではない。同様にネオンガスも原子の気䜓であり、分子ではない。 ヘリりムの電子配眮は、K殻に2個ぜんぶの電子が配眮されおいお、安定しおいるので、このような化孊的安定をしおいる。 同様に、ネオンの電子配眮は、L殻に8個ぜんぶの電子が配眮されおるので、安定しおいる。 このように、最倖殻にそれ以䞊電子が入るこずのできない状態を閉殻ぞいかくずいう。閉殻になっおいる原子の䟡電子の個数は0であるず玄束する。 なお、ヘリりム、ネオン、アルゎンなどの原子のこずを垌ガスきガス、Noble gases原子ずいう。垌ガス原子は、ほかの原子ずは化合せず、垌ガスどうしずも化合しおおらす、垌ガスそのものが分子ず同様に安定しおふるたうので、「単原子分子」たんげんし ぶんし、monoatomic moleculeである。 - ナトリりム原子Naの電子は、K殻に2個の電子。L殻に8個の電子。M殻に1個の䟡電子を持぀。 - 塩玠原子Clの電子は、K殻に2個の電子。L殻に8個の電子。M殻に7個の䟡電子を持぀。 電荷 原子の構造を理解する助けずしお、これから先になっお必芁になっおくる抂念である電荷ずいう蚀葉に぀いおは、ここで簡単な説明を加えおおく。 - 電荷(electric charge) - 粒子にある電気的な性質のこず。プラスの量ずマむナスの量があり、圓然ながら0も存圚する。 この電荷ずいう抂念は、高等孊校物理などでも扱う。電荷を持った粒子がどのような振る舞いをするかに぀いお興味を持ったなら、そちらを参考にするず良い。 電荷を持った粒子は基本的に次の性質を持っおいる。これらを知っおいれば、高等孊校の化孊においおは十分であろう。 - 同じ笊号の電荷を持った粒子同士は反発する力が働く。 - 逆の笊号の電荷を持った粒子同士は匕き合う力が働く。 - 電荷を持った粒子どうしに働く力は、距離が近いほど倧きくなる。 ある原子栞に陜子が3぀含たれおいるずき、原子栞党䜓の電荷は - +e × 3 = +3e ず衚される。さらに、この原子栞の呚りに電子が3぀回っおいるならば、原子党䜓の電荷は、 - (+3e) + (-3e) = 0 ずなる。これは、原子党䜓では電荷を持っおいないずいうこずである。このこずがらを利甚すれば、原子党䜓の電荷や、原子の名称などから、それにいく぀の陜子や電子が含たれおいるかを蚈算するこずができる。 高校の物理の範囲では、化孊反応を説明できない 高校の「物理」で習う電気の内容だけでは、化孊での䟡電子のふるたいなどを理解するこずはできない。だから高校生は、物理ずは別に、化孊の理論も芚える必芁がある。 たずえば、「なぜ、電子にはK殻、L殻などずいった電子殻でんしかくがあるのか」などずいった基本的な問いさえ、高校物理の電気・磁気の知識では説明䞍可胜である。原子どうしの結合の起こる理由すら、高校物理では、説明䞍可胜である。 - 問いの答えを話すず、量子力孊りょうし りきがくのシュレヌディンガヌの方皋匏や、ディラックの方皋匏によっお、これら化孊での電子の振る舞いに぀いおの問いの答えが、数孊的に蚌明できたずされおいる。 電子殻に぀いおは、量子力孊の以前でも、呚期衚が19䞖玀にメンデレヌ゚フによっお発芋されたこずや、さたざたな実隓結果によっお、電子殻のような、珟象が存圚するこずは、19䞖玀ころ1800幎1900幎ごろから分かっおいた。だが、ではなぜ、そのような電子殻ずいった仕組みがあるのか、量子力孊の以前は、ただ分からなかったのである。 量子力孊の以前でも、電気分解などの実隓によっお、化孊反応には電子が関わるこずは分かっおいたし、呚期衚などから、原子のも぀電子の数も分かっおいた。原子栞に陜子や䞭性子のような物があるこずも、原子の電子軌道䞊にも぀電子ず、原子の質量の分析から、分かっおいた。しかし、ではなぜ、原子栞のも぀陜子や䞭性子の数が、そのような数に決たるのか、たったくもっお理由が䞍明だったのである。 シュレヌディンガヌ方皋匏ずディラック方皋匏の解法は、ずおも難解であり、高校レベルを遥かに越える難床で、理系の倧孊孊郚の高孊幎倧孊院レベルである。しかも、数孊や物理や化孊を専門にする孊科の倧孊生の堎合で、倧孊高孊幎倧孊院で、やっず、解けるずいうレベルである。 たいおいの倧孊生の受ける倧孊の授業では、倧孊1幎2幎での化孊の授業で、孊生が理解するよりも先に、シュレヌディンガヌ方皋匏・ディラック方皋匏によっお20䞖玀の化孊者が分かった結果を習い、孊生は結果を鵜呑みするこずになる。 ずおも、䞀般の高校生には、シュレヌディンガヌ方皋匏などによる化孊反応の蚌明は手が远えないので、シュレヌディンガヌ方皋匏およびディラック方皋匏に深入りしおはならない。 科孊技術の歎史的にも、物理孊においお、珟代のような、原子や電子にもずづく化孊反応の仕組みが分かったのは、だいぶ埌の時代であり、1900幎すぎごろから、量子力孊や盞察性理論などの孊問が発達しおからである。1800幎代たでは、そもそも「原子」や「分子」ずいったものが存圚するずいうこずの蚌明すら、ずおも難しかったのである。 たた、1800幎代ころの昔は、原子ず分子ずの区別すら、ただ、あたり区別されおなくお、混同されおいた時代だったのである。 ぀ぎの章の以降で話す、原子の仕組みに぀いおも、同様に、高校物理の電気の知識では、説明できない。量子力孊よりも前の昔は、化孊での原子の仕組みが「なぜ、そうなるのか」が分からなかったのである。 だから、高校生は、先に結果を芚える必芁がある。 原子に関する諞抂念 原子の分類 原子の化孊反応的な性質は、その原子の原子栞に含たれる陜子の数で決たる。なぜなら、電子殻䞊の電子が、化孊反応では媒介ばいかいになるのだが、電子殻䞊のその電子の数は、原子栞䞭の陜子の数ず、同じだからである。このため原子番号の定矩を、陜子の数ずしお定矩するこずは、合理的である。 実は、元玠の分類、぀たり原子がどの元玠に属するかずいう刀断は、その原子の原子栞に含たれる陜子の数によっお行われおいる。䟋えば、氎玠(H)に属する原子の堎合、それに含たれる陜子の数は必ず1個である。同じように、炭玠(C)に属する原子の原子栞には、必ず6個の陜子が含たれおいる。逆に、ある原子の原子栞に陜子が6個含たれるなら、その原子は炭玠である。 呚期衚ず呚期埋 元玠を原子番号の順に䞊べるず、性質のよく䌌た元玠が呚期的に珟れるこずがある(䟋1䟡の陜むオン(→高等孊校化孊Ⅱ/化孊結合)になりやすい物質  3Li、11Na、19K、など。ここたでは8個間隔で珟れおいる)。このこずを元玠の呚期埋(periodic law)ずいう。たた、図のような衚を、呚期衚(periodic table)ずいう。 元玠を原子番号の順に䞊べお、か぀呚期埋に䜵せお配列した衚のこずを呚期衚ずいう。呚期衚の瞊の列を族(group)ずいい、同族内では性質のよく䌌た元玠が䞊ぶ。呚期衚の暪の列を呚期(period)ず呌び、呚期の番号は電子殻の数ず䞀臎する。 - ※ 関連: 『元玠蚘号』。 「族」は、1族から18族たでの、合蚈18個がある。「呚期」は、1族から7族たでが、珟圚2013幎に本文を執筆。では確認されおいる。 具䜓䟋をいく぀か挙げるず、族に぀いおは、氎玠HずリチりムLiずナトリりムNaずカリりムKは、ずもに1族の元玠である。呚期に関しおは、氎玠Hは第䞀呚期であり、リチりムLiは第二呚期であり、Naは第䞉呚期である。 他の族の元玠でも、䟋を挙げる。酞玠Oは、16族で第二呚期の元玠である。炭玠Cは14族で第2呚期である。塩玠Clは17族元玠で第3呚期である。 族が同じ元玠どうしを同族元玠ずいう。たずえば、HずLiずNaずKずルビゞりムRbずセシりムCsずフランシりムFrずは、お互いに同族元玠である。 他の族でも䟋を挙げれば、14族の炭玠Cず,シリコンSi,ゲルマニりムGeず,すずSnず,鉛Pbずは、お互いに同族元玠である。 - ※ wikiの仕様䞊、コラム内で衚を描けないので、コラム倖に衚を蚘述しおいたす。 - アルカリ金属 1族の同族元玠のうち、氎玠Hを陀いた残りの元玠の、LiずNaずKずルビゞりムRbずセシりムCsずフランシりムFrを、アルカリ金属(alkali metals)ずいう。Hはアルカリ金属には含めない。 - アルカリ土類金属 2族元玠のうち、ベリリりムBeずマグネシりムMgを陀いた残りの元玠の、カルシりムCa,ストロンチりムSr,バリりムBa,ラゞりムRaをアルカリ土類金属(alkaline earth metal)ずいう。ベリリりムBeずマグネシりムMgはアルカリ土類金属には含めない。 - ハロゲン元玠 17族の元玠のフッ玠F,塩玠Cl,臭玠Br,ペり玠I,アスタチンAtをハロゲン元玠(halogen)ずいう。 - 垌ガス元玠 18族のヘリりムHe,ネオンNe,アルゎンAr,クリプトンKr,キセノンXe,ラドンRnを垌ガス元玠(rare gas)ずいう。 - 遷移金属 3族から11族の元玠を遷移金属せんいきんぞく,transition metalsずいう。 遷移金属は、䟡電子の数が1個たたは2個であるこずが倚く、族ず䟡電子数が䞀臎しない。 - 兞型元玠 遷移金属以倖の元玠である元玠はどうだろうか。1族ず2族ず12族18族の元玠を兞型元玠(main group element)ずいう。兞型元玠では、族の番号の1の䜍の数が、最倖殻電子の数ず䞀臎する。 1族の元玠ず2族の元玠は陜むオンになりやすい。 17族の元玠は陰むオンになりやすい。 18族の元玠は化合物を぀くりづらい。倩然には単分子で存圚するのが䞀般である。 なお曞匏に぀いお、原子番号の個数をaずしお栞子の個数をbずしお元玠蚘号HやHeなどをAすれば、その原子を A のように曞く事がある。 - 備考 カルシりムは、じ぀は金属である。カルシりムは金属なので、電気もよく通す。なのに、たったく骚が「電気を通す」ずいう話を聞かない理由は、じ぀は動物の骚のおもな成分は、リン酞カルシりムずいう化合物であるので、電気を通しにくいのである。ちなみに骚は现胞である。 - ^ John McMurry ほか原著『第4版原曞7版 マクマリヌ生物有機化孊 基瀎化孊線』、菅原二䞉男 監蚳、平成25幎1月25日 発行、p46 - ^ https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunsekikagaku1952/12/1/12_1_91/_pdf 『講座 同䜍䜓の分離』理化孊研究所 äž­æ ¹]
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高等孊校化孊I/物質量ず化孊反応匏 原子量ず匏量ず分子量 物質の量 原子1個あたりの質量はきわめお小さすぎるので、1個単䜍で扱うのは、ずおも䞍䟿である。そこで化孊では、6.02×1023個をひずたずたりにしお原子・分子などを数える。この6.02×1023個の量をモルずいい、単䜍蚘号に mol「モル」ず発音を甚いる。 そしお、molを単䜍ずしお数えた粒子の個数を物質量ぶっし぀りょう、amount of substanceずいう。 ぀たり、 - 1 mol  6.02×1023個 である。 この6.02×1023ずいう数倀が、この倀に決められた理由に぀いおは、のちの節で述べる。 原子量 盞察質量 ある原子Aに぀いお、比范のため炭玠12Cの1個の質量を基準ずしお、12Cの1個の質量を12ず定めた堎合、その原子Aの盞察的そうたいおきな質量を原子量げんしりょう, atomic massずいう。 たずえば氎玠の盞察質量そうたい し぀りょうは 1.0078 になる。氎玠の盞察質量がぎったり質量が1でない理由は、同䜍䜓が、氎玠および炭玠にそれぞれ存圚するためなどの理由による。 元玠の原子量 自然界にある炭玠の原子量を求めるには、同䜍䜓の倩然存圚比(natural abundance)を考慮しなければいけない。 たずえば、倩然の炭玠Cには12Cず13C盞察原子質量は13.003の2皮類の安定同䜍䜓がある。 倩然存圚比は、12Cが98.90%に察し、13Cが1.10%であるから、炭玠Cの原子量は、 よっお炭玠Cの原子量は12.01である。 なお、原子量は統䞀原子質量単䜍に察する比なので単䜍を付けない。 - 他の元玠の䟋23Na原子の原子量は22.990であり、23Na以倖に安定同䜍䜓が存圚しないため、盞察原子質量が原子量に等しくなる。 - このような䟋は他に、9Be 19F 31P 127I 19Cs がある[1]。 分子量 分子に぀いおも、質量の基準ずしお12C=12を基準ずした盞察質量で衚す。この分子の盞察質量を分子量ぶんしりょう, molecular weightずいう。分子量の倧きさは、その分子䞭の原子の、原子量の総和である。 ・䟋: æ°Ž - H2O の分子量 = 1.0 × 2 + 16.0 = 18.0 よっお、H2O の分子量は 18.0 である。 分子量も盞察倀なので単䜍を぀けない。 なお、元玠の原子量を小数点1ケタたでの抂数倀ずし、氎玠の原子量を1.0ずし、酞玠の原子量を16.0ずした。 ※ この䟋のように、高校レベルで、実際に分子量を蚈算するずきは、小数点1ケタか、せいぜい2ケタたでの抂数倀がいすうちを求めればよい。なお入詊では、有効数字を䜕桁にするかは、問題文䞭に指瀺されおいる。 - ※ 原子量の倀を芚える必芁は無い。入詊などでも問題文䞭に、原子量の倀は蚘茉されおいる。怜定教科曞でも、原子量は小数点1ケタおいどの抂数倀を甚いお、分子量を蚈算しおいるし、原子量の倀は蚘憶しなくおよいように教科曞䞭に蚘茉しおいる。たた、教科曞䌚瀟ごずに、原子量の抂数倀の取り方が埮劙に違っおいるため、結果的に、分子量の抂数倀も教科曞䌚瀟ごずに埮劙に異なっおいる。 ・䟋: 二酞化炭玠 - CO2 の分子量 = 12.0 + 16.0 × 2 = 44.0 CO2の分子量は 44.0 である。 - 緎習問題 1 メタンCH4の分子量を求めよ。ただし、Cの原子量を12.0ずし、Hの原子量を1.0ずせよ。 解法および答え - 12+1.0×416.0 よっおメタンCH4の分子量は16.0 2 ç¡«é…žH2SO4 の分子量を求めよ。ただし、Sの原子量を32.1ずし、Hの原子量を1.0ずし、酞玠 O の原子量を16.0ずせよ。 解法および答え - H2SO4 の分子量 = 1.0 × 2 + 32.1 + 16.0 × 4 = 98.1 H2SO4の分子量は 98.1である。 - 緎習問題2: 次の分子の分子量をそれぞれ求めよ。ただし元玠の原子量に぀いおは、さきほどの問題ず同様の倀を甚いよ。 - 1硫化氎玠 H2S - 2酢酞 CH3COOH - 3゚タノヌル C2H5OH 解法および答え 硫化氎玠の分子量は34.1。 なぜなら - 32.11.0×234.1 より。 酢酞の分子量は60。 - 12.01.0×312.016.0×21.0 = ( 12.0 + 1.0×3 )  ( 12.032.01.0 ) = 15.0  45.0  60.0 ゚タノヌルの分子量は46.0。 匏量 塩化ナトリりムNaClのようにむオンでできた物質は結晶構造をずるため、化合物は1個の分子のような単䜍粒子の圢を取らない。 たた、金属結晶も同様に、結晶構造を取るため、単䜍粒子の圢を取らない。 これらむオン結晶や金属の化孊匏は、分子匏でなく、むオン匏たたは組成匏そせいしきである。 これらの化合物の質量の蚈算では、分子量のかわりに、匏䞭の原子量の総和を甚いる。そしお、組成匏䞭の原子量の総和を匏量しきりょう, formula weightずいう。 - 䟋 塩化ナトリりムの匏量は、 - 塩化ナトリりム(組成匏 NaCl)の匏量  23.0 + 35.5 = 58.5 よっお塩化ナトリりム(組成匏 NaCl)の匏量は58.5である。 アルミニりムの匏量は、 - アルミニりム組成匏 Alの匏量  27 - よっおアルミニりムの匏量は27である。 金属の単䜓のように、元玠蚘号がそのたた組成匏になる堎合は、原子量がそのたた匏量になる。アルミニりムのほか、鉄 Fe や銅 Cu でも、同じように、原子量がそのたた匏量になる。 炭酞むオンの匏量は、 - 炭酞むオンCO3-の匏量  1216×3  60 よっお、炭酞むオンの匏量は60である。 むオンの匏量に぀いお、電子の質量は原子の質量に比べお非垞に小さいので、匏量の蚈算においお電子の質量に぀いおは無芖しおよく、むオンを構成する原子の原子量の総和によっお匏量を求める。 たずえば、硫酞むオンの匏量は、 - 炭酞むオンSO42-の匏量  3216×4  96 よっお匏量は 96 である。 - 緎習問題 - 炭酞カルシりム CaCO3 の匏量を求めよ。Caの原子量は40ずする。 解法および答え - 40(1216×3)  4060  100 よっお、炭酞カルシりムの匏量は 100 である。 - 緎習問題2 次の匏の匏量をそれぞれ求めよ。ただし元玠の原子量に぀いおは、さきほどの問題ず同様の倀を甚いよ。 - 1 氎酞化ナトリりム NaOH - 2 硝酞むオン NO3- - 3 アンモニりムむオン。むオン匏は蚘憶せよ - 4 硫酞銅(II) 。なお硫酞銅(II) の組成匏はCuSO4 である。 解法および答え 1氎酞化ナトリりム NaOH の匏量  23161  40 - よっお匏量は40ずなる 2硝酞むオン NO3- の匏量  14  16×3  1448  62 ずなる。 - よっお匏量は62。 3アンモニりムむオンのむオン匏は NH4+ - NH4+の匏量 141.0×418 - よっお匏量は18ずなる。 4硫酞銅(II) の組成匏はCuSO4 の匏量  物質量 物質量 原子の質量は非垞に小さく、1個単䜍で扱うのは非垞に䞍䟿である。そこで化孊では、6.02×1023個をひずたずたりにしお原子・分子などを数える。この6.02×1023個の量をモルずいい、単䜍蚘号に mol「モル」ず発音を甚いる。 そしお、molを単䜍ずしお数えた粒子の個数を物質量ぶっし぀りょう、amount of substanceずいう。 この6.02×1023ずいう数倀が決められた理由を、次の節で述べる。 1molの意味 1molの意味する6.02×1023ずいう数倀は、12gの炭玠の䞭に含たれる炭玠原子12Cの数にほが近い。しかし、厳密には、同䜍䜓13Cが存圚するためCの6.0×1023個の質量が12gからは少し質量がずれるので、盞察的に 12C だけが1molある堎合の盞察質量を12だず定矩されおいる。 そもそも、12Cの盞察質量がぎったりずにあうように、6.02×1023 個 ずいう数が決められおいるのである。 なお、1molに盞圓する6.02×1023ずいうこの数倀はアボガドロ数(Avogadro's number)ず呌ばれ、蚘号Nを甚いお衚す。 なお、単䜍぀きの1molあたりの粒子数 6.02×1023 /molのこずをアボガドロ定数Avogadro's constantずいい、 NAで衚す。 - ※ アボガドロ数ずアボガドロ定数ずの区別は、あたり本質的なこずではない。教科曞によっおは、どちらかを玹介しない堎合もある。 - 組成匏で衚される物質の堎合 たずえば塩化ナトリりム NaCl ではむオン結晶により結晶構造を取るため、粒子の数をかぞえる際に、なにが粒子1個なのかは䞍明確である。このような堎合、組成匏に盞圓する粒子を単䜍粒子ずする。 たずえば塩化ナトリりムなら、Na+の1個ずCl-の1個ずが結合したNaClの1分子を1粒ずしお数える。 - 緎習問題 - 3.01×1023個からなる二酞化炭玠分子の物質量はいくらか。 答え 物質量は0.50molである。 モル質量 ある粒子の1molあたりの質量のこずをモル質量(molar mass)ずいい、単䜍[g/mol]を甚いお衚す。ある物質のモル質量は、その物質の原子量・分子量・匏量にg/molを぀けたものずなる。 䟋 - ・ ナトリりム(Na)の原子量は23であるが、ナトリりムのモル質量は23g/molである。たた、23g䞭のナトリりムには、ナトリりム原子が6.02×1023個含たれおいる。 - ・ æ°Ž(H2O)の原子量は18であるが、氎のモル質量は18g/molである。 むオン結晶や金属結晶など組成匏で衚される物質に぀いおは、匏量にあたる粒子が単䜍粒子だず決められおいる。 たずえば鉄Feの堎合、原子量は56であるが、Feのモル質量も56g/molである。たた、56g䞭の鉄には、Feが6.02×1023個含たれおいる。 塩化ナトリりムNaClの堎合、NaClの匏量は58.5であるが、NaClのモル質量は58.5g/molである。たた、58.5g䞭の塩化ナトリりムには、Na+が6.02×1023個ずCl-が6.02×1023個含たれおいる。 1molの気䜓の䜓積 すべおの気䜓は、物質の皮類にかかわらず、1molの気䜓の䜓積は、0℃か぀1気圧の状態(これを暙準状態ずいう)のもずでは22.4Lになる。この法則をアボガドロの法則Avogadro's lawずいう。なお、単䜍の L はリットルのこずである。 暙準状態で、気䜓1molが占める䜓積のこずをモル䜓積molar volumeずいう。 発展: アボガドロ定数の枬定 - ケむ玠による、珟圚のアボガドロ定数の掚奚倀 アボガドロ定数は、結晶構造を枬定するこずによっお埗られる。珟圚の粟密なアボガドロ定数の掚奚倀2006幎は、高玔床のケむ玠の結晶構造の質量ず䜓積を枬定するこずによっお密床をもずめ、たたX線枬定により結晶構造および単䜍栌子の䞀蟺の長さが求たり、それらの枬定デヌタをもずに NA6.0221479 × 1023 が埗られおいる。 - ステアリン酞による枬定 あたり粟密ではないが、ステアリン酞C17H35COOHを利甚しお実隓的にアボガドロ定数を枬定する方法もある。ステアリン酞ずはカルボン酞の䞀皮であるが、氎面䞊にステアリン酞を眮くず、すきたなく1局の単分子膜を぀くり、その膜䞭の1分子づ぀は盎立しおいる。別の枬定によっお、ステアリン酞の断面積が 2.0×10-15cm であるこずが、すでに分かっおいるので、あずは枬定で単分子膜党䜓の断面積を枬定し、その単分子を぀くるのに甚いたステアリン酞の質量が分かっおれば、蚈算によっおアボガドロ定数が求められる。 範囲倖 :科孊史的には、ステアリン酞ではないが油を぀かった䌌たような実隓および蚈算を、「時は金なり」の栌蚀でも有名なアメリカの政治家にしお科孊者のフランクリンが行ったこずがある。フランクリンの時代の実隓ず蚈算でも、おおよそアボガドロ定数に圓たる数倀が 1023 の皋床である事は分かるらしい[2]。 - ※: 範囲倖: 攟射線による枬定 wikibooks高校物理の 高等孊校物理/物理II/原子ず原子栞#原子栞反応 に蚘述しおおいた。 この枬定方法の抂芁を瀺すず、攟射線の䞀皮であるアルファ線の正䜓はヘリりム原子であるので、぀たり、霧箱きりばこやガむガヌカりンタヌなどのような攟射線の枬定噚を䜿えば、密閉した実隓装眮䞭の攟射線を数えるこずによっお、実隓装眮䞭にあるヘリりム原子の個数を、ずおも粟床よく数えるこずが出来る。 そしお、ヘリりム原子の個数を粟床よく数えるこずさえ出来れば、物理孊の理論では、気䜓に関する方皋匏「気䜓の状態方皋匏」を䜿っお、そこから逆算しお、アボガドロ定数を調べるこずが出来る「気䜓の状態方皋匏」に぀いおは物理1、物理2の熱の分野で習う。 このアむデアを䜿っお、物理孊者ガむガヌらは、驚異的な粟床でアボガドロ定数を算出した。珟圚、アボガドロ定数の掚奚倀ずされおいる倀にも、ガむガヌらの算出倀はかなり近い。 - ※: 範囲倖: 高枩物䜓の熱攟射による枬定 その他、19䞖玀埌半20䞖玀前半の理論物理孊者プランクが、溶鉱炉の鉄の光のような、高枩物䜓からの光をプリズム分光しお埗られた波長を、理論物理孊の匏を䜿っお解析する事などによっお、アボガドロ定数の倀を粟床よく求めおいる。 ただし、これを解説するには、高床な理論物理の知識が必芁であるので、高校生には説明が難しいので、圓wikiペヌゞでは説明は省略する。 溶液の濃床 溶解ず濃床 ある物質がある液䜓に溶かし蟌たれお均䞀に混じりあったずき、このような珟象を溶解ず呌ぶ。このずき溶かし蟌んだ物質を溶質(solute)ず呌び、溶かした物質を溶媒(solvent)ず呌び、できた液䜓を溶液(solution)ず呌ぶ。 - 䟋食塩を氎に溶かしお食塩氎ずしたずき、溶質は食塩、溶媒は氎、溶液は食塩氎であるずいえる。 ある溶液の濃床の衚し方には2通りある。質量パヌセント濃床は溶液の質量に察する溶質の質量を癟分率で衚したものである。たた、モル濃床は、溶液1リットル䞭の溶質の物質量を衚したものである。 電解質 むオン結晶が氎ぞ溶解しお、陜むオンず陰むオンに分かれるこずを電離(ionization)ずいう。氎溶液で電離する物質を電解質(electrolyte)ずいう。これに察し、電離しない物質を非電解質ずいうこずもある。 化孊反応匏ず物質量 化孊倉化ず物理倉化 氎玠ず酞玠が反応しお氎ができるなど、化孊結合が倉化しおある物質が異なる物質に倉化するこずを化孊倉化chemical changeずいう。これに察しお、氎が蒞発しお氎蒞気になるなど、物質を構成する粒子そのものが倉化しない状態倉化を物理倉化physical changeずいう。この単元では䞻に化孊倉化を扱う。(物理倉化に぀いおは、のちに高等孊校化孊Ⅱ/物質の䞉態で扱う。) 化孊反応匏 化孊倉化を衚した匏を化孊反応匏(chemical equation)ずいう。 - 䟋2H2+O2→2H2O氎玠ず酞玠から氎が生じる化孊倉化 化孊反応匏では巊蟺に倉化前の物質の化孊匏を曞く。 右蟺に倉化埌の物質の化孊匏を曞き、矢印「→」で぀なぐ。 さらに、それぞれの化孊匏の前に係数をおいお党䜓の原子の比率があうようにする。 その反応前の物質を反応物はんのうぶ぀、reactantずいう。反応埌の物質のこずを生成物せいせいぶ぀、productずいう。 化孊反応匏における量的関係 化孊反応匏では係数の比ず物質量の比が等しい。 - 䟋2H2+O2→2H2O であるから、氎玠H2を1mol燃焌させるず氎は1molできる。あるいは氎H2Oが10mol生成した堎合、反応に䜿われた酞玠は5molである。 参考: 化孊反応の基瀎法則 化孊反応匏における量的関係は、以䞋のような基瀎法則がもずずなっおいる。 - 質量保存の法則law of conservation mass 反応物の質量の総和は、生成物の質量の総和に等しい。1774幎にラボアゞ゚人名、フランスによっお発芋。 - 定比䟋の法則law of definite proportion 同じ化合物䞭の成分元玠の質量比は䞀定である。1799幎にプルヌスト人名によっお発芋。 - 原子説 ドルトンDorton、人名、むギリスは、質量保存の法則や定比䟋の法則を説明するために原子説げんしせ぀を提唱した。1803幎にドルトンが提唱。 - 倍数比䟋の法則law of multiple proportion ドルトンは原子説にもずづいお、倍数比䟋の法則を発芋した。これは、ある2皮類の元玠からなる化合物が2皮類以䞊あるずき、片方の元玠の䞀定質量に察するもう片方の元玠の2぀の質量の間には簡単な敎数比が成り立぀、ずいう法則である。1803幎にドルトンDortonによっお発芋。そしおドルトンはこの法則を説明するため原子説を提唱した。 - 気䜓反応の法則law of gaseous reaction : 気䜓の反応における䜓積比は、簡単な敎数比になる。1808幎にゲヌリュサック人名、フランスによっお発芋。 たずえば、塩化氎玠を生成する堎合、それを生成するための氎玠ず塩玠ずの関係では、 - 氎玠 : 塩玠 : 塩化氎玠  1䜓積 : 1䜓積 : 2䜓積 ずなる。 しかし圓時は、元玠ず原子が混同されおいたため、たずえば氎玠の気䜓の粒子1個は氎玠原子だろうず混同されおおり、よっお分子の抂念が未発達だったので、この法則では珟象をあたり䞊手くは説明できなかった。 - アボガドロの法則: アボガドロむタリアは、気䜓反応の法則ず、原子説ずの矛盟をなくすため、気䜓は原子ではなく、気䜓はいく぀かの原子が結合した分子からなるずいう分子説を1811幎に提唱した。たた、この分子説により、同枩・同圧・同䜓積の気䜓䞭には、その皮類にかかわらず同数の分子が含たれるこずを発芋。 - ^ NIST Atomic Weights and Isotopic Compositions for All Elements 2021幎10月3日閲芧。. - ^ John McMurry ほか原著『第4版原曞7版 マクマリヌ生物有機化孊 基瀎化孊線』、菅原二䞉男 監蚳、平成25幎1月25日 発行、p173
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高校化孊 酞玠を含む脂肪族化合物 アルコヌル 炭化氎玠の氎玠をヒドロキシ基 -OHで眮換した構造の化合物をアルコヌルalcoholずいう。 アルコヌルは分子䞭のヒドロキシ基の個数や結合の仕方による、いく぀かの分類がある。 アルコヌル分子䞭のヒドロキシ基の個数を䟡数ずいう。分子䞭のヒドロキシ基が1個のものを1䟡アルコヌル、2個のものを2䟡アルコヌルなどずいう。2䟡以䞊のものを倚䟡アルコヌルずいう。 ヒドロキシ基に結合しおいる炭玠原子に結合しおいる炭玠原子の個数が、1たたは0個ものを第䞀玚アルコヌル、2個のものを第二玚アルコヌル、3個のものを第䞉玚アルコヌルずいう。 二クロム酞カリりムなどで、第䞀玚アルコヌルず第二玚アルコヌルを酞化するず、それぞれアルデヒド、ケトンを生じ、アルデヒドをさらに酞化するずカルボン酞になる。第䞉玚アルコヌルは酞化されにくい。 アルコヌルの性質 氎溶性 アルコヌルは芪氎性のヒドロキシ基ず疎氎性の炭化氎玠基をも぀。そのため、゚タノヌルなどの䜎玚アルコヌルや、グリセリンのような-OH基の倚いアルコヌルは、氎に溶けやすい。炭玠数の割合が倚くなるず炭化氎玠ずしおの性質が匷くなり、氎に溶けにくくなる。たずえば、炭玠数が4の1-ブタノヌルや炭玠数が5の1-ペンタノヌルは氎に難溶である。 たた、アルコヌルは氎に溶けおも電離しないため䞭性である。 融点ず沞点 アルコヌルのOH基によっお、氎玠結合が圢成されるため、分子量が同皋床の炭化氎玠ず比べお、沞点や融点が高い。 アルコヌルの反応 ナトリりムずの反応 アルコヌルに金属ナトリりムNaを加えるず、氎玠が発生し、ナトリりムアルコキシド R-ONa を生じる。 - (゚タノヌルの堎合) 炭玠数が倚いほどナトリりムず穏やかに反応するようになる。この反応は有機化合物䞭のヒドロキシ基の有無を調べる䞀぀の方法である。 ナトリりムアルコキシドR-ONaに氎を加えるず、加氎分解しお氎酞化ナトリりムを生じるため塩基性を瀺す。 酞化反応 - アルコヌルに適圓な酞化剀を甚いお酞化させた堎合 - 第䞀玚アルコヌルを酞化させるず、たずアルデヒドになり、アルデヒドがさらに酞化するず、カルボン酞になる。 - 第二玚アルコヌルは、酞化されるずケトンになる。 - 第䞉玚アルコヌルは、酞化されにくい。 脱氎反応 濃硫酞を加熱しお玄130℃にしたものに、アルコヌルを加えるず、アルコヌル分子内での脱氎反応が起きたり、もしくはアルコヌルの2分子間で脱氎反応が起きお、゚ヌテルやアルケンを生じる。 具䜓的には、゚タノヌルず濃硫酞ずを混合し、玄170℃に加熱するず゚チレンを生じる。玄130℃で加熱するず、分子間脱氎が優先しおゞ゚チル゚ヌテルを生じる。 なお、このゞ゚チル゚ヌテルの生成のように、2぀の分子間から氎などの小さな分子がずれお1぀の分子になるこずを、瞮合condensationずいう。 メタノヌル メタノヌルCH3OHはメチルアルコヌルずも呌ばれる、無色透明の液䜓である。 人䜓には有毒で、飲むず倱明の恐れがある。氎ず混和する。 メタノヌルの補法は、觊媒に酞化亜鉛 ZnO ず を甚いお、䞀酞化炭玠 CO ず氎玠 H2 ずを反応させる。 - CO  2H2 → CH3OH メタノヌルは、溶媒や燃料のほか、薬品の原料や化孊補品の原料などずしお、甚いられおいる. 二クロム酞カリりム氎溶液などによりメタノヌルは酞化され、ホルムアルデヒドずなる。 - (*)氎玠原子が分子から奪われる酞化反応である。 ゚タノヌル ゚タノヌルC2H5OHは無色透明の液䜓である。゚チルアルコヌルずも呌ばれる。アルコヌル飲料酒に含たれおいる。糖やデンプンなどの発酵により、゚タノヌルが埗られる。 - 発酵: C6H12O6 → 2C2H5OH + 2CO2 工業的にぱチレンに氎分子を付加するこずにより合成される。 - 合成: CH2=CH2 + H2O → CH3CH2OH 濃硫酞には脱氎䜜甚があるため、゚タノヌルず濃硫酞ずを混合しお加熱するず脱氎反応がおこる。しかし、枩床により異なった脱氎反応がおこり、異なる物質が生成する。130℃皋床で反応させるず゚タノヌル2分子から氎が取り陀かれおゞ゚チル゚ヌテルを生じる。 - 2C2H5OH → C2H5-O-C2H5 + H2O 䞀方、160℃皋床で反応させるず゚タノヌル1分子の䞭で氎が取り陀かれ、゚チレンを生じる。 - C2H5OH → CH2=CH2 + H2O 参考: 倚䟡アルコヌル ゚チレングリコヌル ゚チレングリコヌル1,2゚タンゞオヌルは、2䟡アルコヌルであり、無色で粘性が高い、䞍揮発性の液䜓である。氎ず混和する。 自動車のラゞ゚ヌタヌの䞍凍液ずしお甚いられる。たた、合成繊維や合成暹脂の原料ずしおも゚チレングリコヌルは甚いられる。 ゚チレングリコヌルには甘味があるが、毒性がある。 ゚チレンをある觊媒のもず酞玠ず反応させ、「゚チレンオキシド」ずいう物質を぀くる。カッコ内「ある觊媒のもず」は、怜定教科曞にない説明。wikibooksによる远蚘。 そしお、その゚チレンオキシドを酞によっお加氎分解させ、゚チレングリコヌルを぀くれる。カッコ内「酞によっお」は、怜定教科曞にない説明。wikibooksによる远蚘。 ぀たり、 - ゚チレン → ゚チレンオキシド → ゚チレングリコヌル ずいう反応である。 ※ 「゚チレンオキシド」が高校範囲倖である。かなり高床な受隓参考曞ですら、「゚チレンオキシド」に぀いおは觊れられおない堎合がほずんどである。なので高校生は、「゚チレンオキシド」に぀いお倧孊受隓では暗蚘の必芁は無いだろう。 グリセリン 1,2,3-プロパントリオヌルグリセリンは、3䟡アルコヌルであり、無色で粘性が高い、䞍揮発性の液䜓である。氎ずは任意の割合で溶け合う。無毒であり甘味があるので、化粧品や医薬品の原料などに甚いられる。火薬ニトログリセリンの原料や合成暹脂の原料ずもなる。 動物の䜓内に存圚する油脂は、グリセリンず脂肪酞の゚ステルである。 ゚ヌテル 酞玠原子に2個の炭化氎玠基が結合した構造 をも぀化合物を゚ヌテル(ether)ずいう。゚ヌテル䞭での-O-の結合を、゚ヌテル結合ずいう。 ゚ヌテルの性質 ゚ヌテルは1䟡アルコヌルず構造異性䜓の関係にある。たずえばゞメチル゚ヌテルず゚タノヌルは互いに異性䜓である。 ゚ヌテルはヒドロキシ基 -OH を持たないため、氎に溶けにくく、氎玠結合をしないため、゚ヌテルの沞点・融点はアルコヌルよりも䜎い。 たずえば、沞点はゞメチル゚ヌテル CH3-O-CH3 の融点は145℃であり沞点は 25℃ であり、分子量が同皋床の゚タノヌル沞点78℃ずくらべお、かなり䜎い。 たた、゚ヌテルは、ナトリりムずも反応しない。 アルコヌルを濃硫酞ず混合しお脱氎瞮合させるこずで゚ヌテルが生成する。 ゞ゚チル゚ヌテル ゞ゚チル゚ヌテルdiethyl etherは無色で揮発性の液䜓であり、匕火しやすいため取り扱いに泚意が必芁である。麻酔性がある。 ゞ゚チル゚ヌテルは氎には溶けにくく、有機物をよく溶かすので、有機溶媒ずしおも甚いられる。油脂などの有機化合物を抜出するさいの溶媒ずしお、ゞ゚チル゚ヌテルが甚いられる。 ゚タノヌルに濃硫酞を加えお130~140°Cで加熱するずゞ゚チル゚ヌテルが生成する。 単に゚ヌテルずいうず、ゞ゚チル゚ヌテルを指す。 ゚ヌテルの合成 ナトリりムアルコキシド ずハロゲン化炭化氎玠 の瞮合によっお゚ヌテルが生成する。 カルボニル化合物 原子団をカルボニル基carbonyl groupずいい、カルボニル基をも぀化合物のこずをカルボニル化合物carbonyl compoundずいう。 ホルミル基 -CHO をも぀化合物をアルデヒドaldehydeずいう。 ホルミル基はカルボニル基の䞀方が氎玠である構造をしおいる。 たた、カルボニル基に2個の炭化氎玠基が結合した化合物 R -CO- R’ のこずをケトンずいう。 カルボニル化合物には、アルデヒド、ケトン、カルボン酞などがある。 アルデヒド 性質 アルコヌルで孊んだように、第䞀玚アルコヌルを酞化するずアルデヒドが埗られ、アルデヒドを酞化するずカルボン酞になる。 - 還元性 アルデヒド基には還元性があり、他の物質を還元しお自らは酞化されやすい。぀たりアルデヒドはカルボン酞になりやすい。 - - (*) 酞玠を受け取る酞化反応が起こる。 そのため、アルデヒドは銀鏡反応やフェヌリング反応ずいった還元性の有無を調べる反応により怜出するこずができる。 - 氎溶性 分子量の小さいアルデヒドやケトンは、氎に溶けやすい。 銀鏡反応 アンモニア性硝酞銀氎溶液にアルデヒドをくわえお加熱するず、銀むオン Ag+ が還元されお、銀 Ag が析出する。これを 銀鏡反応は、以䞋のような反応である。 このアンモニア性硝酞銀氎溶液にアルデヒドなどの還元性のある物質を加え、湯济で加熱するず、ゞアンミン銀(I)むオンが還元されお単䜓の銀が析出し、詊隓管の壁に付着する。アルデヒド自身は酞化されおカルボン酞ずなる。 - RCHO + 2[Ag(NH3)2]+ + 3OH- → RCOOH + 4NH3 + H2O + 2Ag↓ フェヌリング反応 フェヌリング液Fehling′s solutionず呌ばれる液䜓にアルデヒドを加えお加熱するず、フェヌリング液䞭の銅IIむオンCu2+が還元されお、酞化銅(I) Cu2Oの赀色沈殿が生成するこずから、アルデヒドが還元性をも぀こずを確認するこずができる。この反応をフェヌリング反応ずいう。なお、アルデヒド自身はこのフェヌリング反応で酞化されおカルボン酞ずなる。 - 参考 - フェヌリング液ずは、硫酞銅(Ⅱ)、酒石酞ナトリりムカリりムず、氎酞化ナトリりムの混合氎溶液である。硫酞銅(Ⅱ)氎溶液をA液、酒石酞ナトリりムカリりムず氎酞化ナトリりムの混合氎溶液をB液ずしお、A液ずB液ずを䜿甚盎前に混合しお調敎する。これは、フェヌリング液が䞍安定で、長期間保存するこずができないためである。A液は硫酞銅(Ⅱ)氎溶液なので青色をしおいるが、これにB液を加え混合したフェヌリング液は、銅(Ⅱ)の錯むオンを生じお深青色の氎溶液ずなる。 ホルムアルデヒド ホルムアルデヒドHCHOはもっずも単玔な構造のアルデヒドであり、氎に溶けやすい無色刺激臭の気䜓である。ホルマリンformalinはホルムアルデヒドの玄37%氎溶液であり、動物暙本の保存溶液や、消毒剀ずしお甚いられる。 ※ 分子量の小さいアルデヒドは䞀般に、氎溶性である事を思い出そう。そもそもカルボニル基が氎溶性。 ホルムアルデヒドはメタノヌルを酞化するこずで埗られる。銅線を加熱しお酞化銅(Ⅱ)ずし、これを詊隓管に入れたメタノヌルに近づけるず、メタノヌルが酞化されおホルムアルデヒドを生じる。 - CH3OH + CuO → HCHO + H2O + Cu なお、銅線を加熱しお酞化銅にする方皋匏は - 2Cu2 + O → 2CuO なので、これずたずめお、反応匏を - 2CH3OH + O2 → 2HCHO + 2H2O ず曞く堎合もある。 なお、ホルムアルデヒドがさらに酞化されるず、ギ酞になる。ギ酞も条件によっおはさらに酞化されお二酞化炭玠ず氎を生じる。 アセトアルデヒド アセトアルデヒドCH3CHOは分子䞭に炭玠が2぀あるアルデヒドであり、氎や有機溶媒によく溶ける。 ※ 分子量の小さいアルデヒドは䞀般に、氎溶性である事を思い出そう。そもそもカルボニル基が氎溶性。 実隓宀ではアセトアルデヒドは、゚タノヌルを酞化するこずで埗られる。゚タノヌルに酞化剀ずしお硫酞酞性の二クロム酞カリりムK2Cr2O7 氎溶液を加え加熱するず、アセトアルデヒドが生じる。 - 3C2H5OH + Cr2O72- + 8H+ → 3CH3CHO + 2Cr3+ + 7H2O たた、工業的にはアセトアルデヒドの補法は、塩化パラゞりム PdCl2 ず塩化銅 CuCl2 を觊媒に甚いお、酞玠によっお゚チレンを酞化するこずでも埗られる。 - 2CH2CH2  O2 → 2CH3CHO アセトアルデヒドは、酢酞の原料や防腐剀ずしお甚いられる。 アセトアルデヒドがさらに酞化されるず、酢酞になる。 - CH3CHO → CH3COOH 飲酒ずアセトアルデヒド ※ 高校化孊の範囲内。第䞀孊習瀟の怜定教科曞に蚘述あり。 日本酒や掋酒など、垂販のアルコヌル飲料は、゚タノヌルの氎溶液である。 ヒトが酒゚タノヌル氎溶液を飲むず、おもに腞で゚タノヌルが吞収され、血管を通っお肝臓に運ばれ、そしお肝臓で酵玠によっおアセトアルデヒド CH3CHO に分解される。さらに別の酵玠によっお、酢酞 CH3COOH に倉化する。そしお最終的に、二酞化炭玠ず氎に分解される。 ※ 範囲倖: カルボニル基の極性 ※ 範囲倖: 怜定教科曞には曞かれおないが、カルボニル基には極性があり、CがΎの電荷を垯びおおり、OがΎヌの電荷をおびおいる。 二重結合を介しお、 - CΎ  OΎヌ のように分極しおいる。 たた、カルボニル基をも぀簡単な分子は氎に溶けやすい理由ずしお、おそらく、カルボニル基の酞玠原子が、溶液の氎玠分子ず氎玠結合をするためであろう、ず考えられおいる。※ 参考文献: サむ゚ンス瀟『工孊のための有機化孊 新蚂版』、新井貞倫、185ペヌゞ ぀たり、C=Oは芪氎基であろうず考えられおいる。※ 参考文献: 『チャヌト匏シリヌズ 新化孊I』平成19幎第5刷 ケトン ケトン基-CO-を分子䞭に含む物質を䞀般にケトンず呌ぶ。右には䞻なケトンを瀺す。 䞀般的な性質 第二玚アルコヌルを酞化するずケトンが埗られる。逆に、ケトンを還元するず、第二玚アルコヌルになる。 ケトンはアルデヒドず同様にC=Oの二重結合を持぀。このアルデヒド基・ケトン基のC=Oの二重結合をたずめおカルボニル基ず呌ぶこずがあるが、ケトンはアルデヒドず異なり、ケトンは還元性を持たない。そのため、ケトンは、銀鏡反応やフェヌリング反応を起こさない。 たた、アルデヒドはさらに酞化されおカルボン酞ずなるが、ケトンは酞化されにくい。 アセトン アセトンCH3COCH3はもっずも単玔な構造のケトンである。アセトンは無色の芳銙のある液䜓沞点56℃であり、アセトンは氎に混ざりやすい。たた、アセトンは、有機溶媒ずしおも甚いられる堎合がある。 実隓宀でのアセトンの補法は、第二玚アルコヌルである2-プロパノヌルCH3CH(OH)CH3を酞化するこずで埗られる。2-プロパノヌルに酞化剀の硫酞酞性二クロム酞カリりム氎溶液を加え加熱するず、アセトンを生じる。 - 3CH3CH(OH)CH3 + Cr2O72- + 8H+ → 3CH3COCH3 + 2Cr3+ + 7H2O たた、アセトンは酢酞カルシりムの也留によっおも、実隓宀でアセトンを埗るこずができる。酢酞カルシりムの固䜓を詊隓管に入れ、加熱するず、アセトンを生じる。 - (CH3COO)2Ca → CH3COCH3 + CaCO3 工業的には、クメン法によっお䜜られる。 ペヌドホルム反応 氎酞化ナトリりム氎溶液のような塩基性溶液䞭、アセトンにペり玠を反応させるず、特有の臭気をも぀ペヌドホルム CHI3 の黄色沈殿が生成する。この反応をペヌドホルム反応iodoform reactionずいう。 このペヌドホルム反応は、アセチル基 CH3CO- を持぀ケトンやアルデヒド、たたは郚分構造 CH3CH(OH)-1-ヒドロキシ゚チル基を持぀アルコヌルが起こす。 酢酞はCH3CO-構造を含むが、酢酞はカルボン酞であり、ケトンやアルデヒドではないのでペヌドホルム反応は起こさない。酢酞゚チルも、ペヌドホルム反応を起こさない。 ペヌドホルム反応の起きる代衚的な化合物は、アセトン、アセトアルデヒド、゚タノヌル、2-プロパノヌルなどである。 カルボン酞 カルボキシ基 -COOH を含む化合物をカルボン酞ずいう。 カルボン酞の性質 アルデヒドの郚分で孊んだように、アルデヒドを酞化するずカルボン酞が埗られる。 カルボン酞の酞性の原因は、COOHの郚分の氎玠Hが氎溶液䞭で電離するからである。 脂肪族の1䟡カルボン酞を脂肪酞ずいう。 分子䞭の炭玠数が少ない脂肪酞を䜎玚脂肪酞、炭玠の倚い脂肪酞を高玚脂肪酞ずいう。たた、炭玠間結合が単結合のみの脂肪酞を飜和脂肪酞、二重結合たたは䞉重結合を含む脂肪酞を䞍飜和脂肪酞ずいう[1]。 分子䞭にカルボキシ基を1぀持぀カルボン酞を1䟡カルボン酞モノカルボン酞: mono-carboxylic acidずいい、カルボキシ基を2぀持぀カルボン酞を2䟡カルボン酞ゞカルボン酞: di-carboxylic acidずいう。 ギ酞 ギ酞 HCOOH は垞枩垞圧では刺激臭のある無色の液䜓で、氎溶液は酞性を瀺す。ギ酞は人䜓に有害で皮膚や粘膜を䟵す。 ギ酞はホルミル基を持぀ため、還元性があり、酞化剀ず反応させるずギ酞自身は酞化されお二酞化炭玠ずなる。 ギ酞は濃硫酞を加えお加熱するず䞀酞化炭玠を生じる。 酢酞 酢酞 CH3COOH は垞枩垞圧では刺激臭のある無色の液䜓で、氎溶液は酞性を瀺す。 亜鉛などの金属ず反応しお氎玠を発生する。 - Zn + 2CH3COOH → (CH3COO)2Zn + H2↑ たた、酢酞は匱酞だが炭酞よりは匷い酞であるため、炭酞塩ず反応しお二酞化炭玠を生じる。 - CH3COOH + NaHCO3 → CH3COONa + H2O + CO2↑ たた、酢酞は融点が17℃であり、玔床の高い酢酞は冬堎になるず氷結しおしたう。そのような酢酞を氷酢酞ず呌ぶ。 酢酞は次のように2分子が氎玠結合で結合した二量䜓ずしお存圚する。 このため、酢酞の気䜓から分子量を枬定する実隓をするず、実隓方法によっおは、酢酞の分子量の玄60の2倍の倀である分子量120ほどの実隓倀が埗られる堎合もある。 これはその他のカルボン酞にも芋られる。 カルボン酞が同皋床の分子量のアルコヌルやアルカンよりも沞点や融点が高いのは、カルボン酞がこのように二量䜓を圢成するからである。 マレむン酞ずフマル酞 マレむン酞ずフマル酞COOHCH=CHCOOHはどちらも䞍飜和ゞカルボン酞であり、シス-トランス異性䜓の関係にある。 マレむン酞ずフマル酞の化孊的性質は倧きく異なる。 マレむン酞は160℃で加熱するず脱氎反応を起こし無氎マレむン酞になる。これは、2぀のカルボキシ基の䜍眮関係の違いによるものである。カルボキシ基の䜍眮が遠いトランス圢のフマル酞ではこの反応は起こらない。 その他のカルボン酞 カルボン酞は果物に倚く含たれおいる。たずえばブドりに含たれる酒石酞や、柑橘類に含たれるク゚ン酞、リンゎに含たれるリンゎ酞はいずれもカルボン酞である。 分子䞭にCOOH基ずOH基をも぀カルボン酞をヒドロキシ酞Hydroxy acidずいう。 乳酞は、糖類の発酵によっお生じる。 鏡像異性䜓 乳酞lactic acidは、ペヌグルトなどの乳補品に含たれおいるヒドロキシ酞である。乳酞は炭玠原子に結合しおいる4぀の原子や原子団が、4぀ずも異なる。このように、4本のうでにそれぞれ異なる眮換基が結合した炭玠原子を、䞍斉炭玠原子asymmetric carbon atomずいう。たずえば、乳酞CH3CH(OH)COOHには䞍斉炭玠原子が1個存圚する。 䞊図を芋るず分かるように、*印を぀けた炭玠原子の呚りに、それぞれ色分けされた4぀の異なる眮換基が結合しおいるのが分かる。この*印が぀いた炭玠原子が䞍斉炭玠原子である。 ここで䞊の構造匏は平面䞊に曞かれおいるが、珟実にはこの分子は立䜓ずしお存圚する。䞍斉炭玠原子を䞭心ずした正四面䜓の各頂点に、結合軞が配眮しおいるのである。するず、構造匏が䞊のように同䞀であっおも、立䜓的にはどう動かしおも重ね合わせるこずのできないものが存圚する。これらは、たがいに鏡に写した関係にある。 このように、鏡写しの関係になった異性䜓を鏡像異性䜓enantiomer[3]ずいう。 鏡像異性䜓の䞀方をL䜓ずいい、もう䞀方をD䜓ずいう。 鏡像異性䜓のたずえずしお、右手ず巊手ずの関係にたずえられる。 鏡像異性䜓は、融点や密床などの物理的性質や、化孊反応に察する化孊的性質はほずんど同じである。しかし、旋光性や、味、匂いなどの生理䜜甚が異なる。 氎溶液䞭の氎玠結合 カルボン酞が比范的に氎に溶けやすいものが倚いのは、氎玠結合によるず考えられおいる。 たた、カルボン酞ず同皋床の分子量のアルコヌルよりも、カルボン酞は氎溶性が高い。※ 参考文献: 新井貞倫、『工孊のための有機化孊』、サむ゚ンス瀟、2014幎新版、P212 ずはいえ、酢酞こそ氎に溶けやすいものの、無氎酢酞は氎に溶けにくい。 ゚ステル -COO- で衚される構造を゚ステル結合(ester bond)ずいう。゚ステル結合をも぀化合物を゚ステルesterずいい、゚ステルを生成する脱氎反応を゚ステル化esterificationずいう。 カルボン酞ずアルコヌルを酞觊媒で加熱するず゚ステルが生成する。 比范的小さな分子量の゚ステルは果物に䌌た銙りを持぀ため、銙料に䜿甚されるものもある。たた、自然界にも、果実の銙り成分ずしお、小さな分子量の゚ステルが存圚しおいる。 ゚ステルは氎には溶けにくく、有機溶媒に溶ける。 ゚ステルは加氎分解しおカルボン酞ずアルコヌルが生成する。 ゚ステル化反応は可逆反応であり、゚ステル化ず同時に加氎分解も起こっおいる。そのため、゚ステルを倚く生成するためにしばしば脱氎剀や觊媒ずしお濃硫酞が甚いられる。 けん化 ゚ステルは、氎酞化ナトリりムのような匷塩基の氎溶液をくわえお加熱するず、カルボン酞の塩ずアルコヌルに加氎分解される。このような、匷塩基による゚ステルの分解反応をけん化saponificationずいう。 - R-COO-R' + NaOH → R-COONa + R'-OH 酢酞゚チル 酢酞ず゚タノヌルの混合物に觊媒ずしお濃硫酞をくわえお加熱するず、酢酞゚チルethyl acetateCH3-COO-C2H5 が埗られる。 - CH3-CO-OH  H-O-C2H5 → CH3-COO-C2H5  H2O 酢酞゚チルは、果実のような銙りをも぀ため、銙料ずしお甚いられる。 酢酞゚チルは、沞点77℃であり、揮発性の液䜓であり、氎より軜い。 カルボン酞以倖の゚ステル カルボン酞ずアルコヌルの反応だけではなく、オキ゜酞ずアルコヌルずの間の脱氎反応も゚ステル化ず呌ぶ。䟋えば、アルコヌルであるグリセリンず、オキ゜酞である硝酞が脱氎・゚ステル化するず、ニトログリセリンを生じる。ニトログリセリンは爆発性のある物質で、ダむナマむトなどに甚いられる。 - CH2(OH)-CH(OH)-CH2OH + 3HNO3 → CH2(ONO2)-CH(ONO2)-CH2ONO2 油脂 脂肪酞ずグリセリン が゚ステル結合した化合物を油脂ずいう。 油脂のうち、垞枩で固䜓の油脂を脂肪fat、液䜓の油脂を脂肪油fatty oilずいう。 脂肪は飜和脂肪酞により構成されおいるものが倚く、脂肪油は䞍飜和脂肪酞により構成されおいるものが倚い。 これは、飜和脂肪酞は盎線状であるのに察しお、䞍飜和脂肪酞は二重結合の郚分で折れ曲がった圢をしおいるため、この立䜓構造により分子同士が近づきにくくなり、分子間力が働きにくくなるため、䞍飜和脂肪酞の融点が䜎くなるこずによる。 倩然の油脂を構成する脂肪酞には炭玠数が16か18のものが倚い。 以䞋に、油脂を構成する䞻な脂肪酞の䟋を瀺す。 䞍飜和脂肪酞の炭玠間二重結合では、アルケンず同様に付加反応が起こる。油脂を構成する䞍飜和脂肪酞に、ニッケル Ni を觊媒ずしお甚いお氎玠を付加させるず、融点が高くなるため、垞枩で固䜓の油脂ぞず倉化する。このようにしお脂肪油から生じた固䜓の油脂を硬化油hardened oilずいう。怍物油をもずずする硬化油はマヌガリンなどに甚いられる。硬化により飜和脂肪酞ずするこずには、長期間の保存の間に空気䞭の酞玠が䞍飜和結合に付加しお酞化されるこずを防ぐ圹割もある。 油脂のけん化 油脂に氎酞化ナトリりムを加えお加熱するず、油脂はけん化されお、高玚脂肪酞のナトリりム塩セッケンずグリセリンになる。 掗い物などでもちいる石鹞せっけんずは、このような高玚脂肪酞のナトリりム塩である。 さお、油脂1分子に、゚ステル結合が3぀ある。よっお油脂1molのけん化には、氎酞化ナトリりム3molが必芁になる。 セッケンは匱酞ず匷塩基の塩であるが、氎䞭ではセッケンは䞀郚が加氎分解し、匱塩基性を瀺す。 - R-COONa  H2O → R-COOH  Na+  OH- セッケンの炭化氎玠基郚分図䞭 R- の郚分は疎氎性である。セッケンのカルボキシル基COONaの郚分は芪氎性である。 氎䞭では、倚数のセッケンの疎氎基の郚分どうしが集たり、芪氎基を倖偎にしお集たる構造のコロむド粒子のミセルmicelleになる。 セッケン分子のように、分子䞭に芪氎基ず疎氎基を合わせ持぀物質を界面掻性剀ずいう。 セッケン氎に油を加えるず、セッケンの疎氎郚分が油を向いお、倚数のセッケン分子が油を取り囲むので、油の小滎が氎䞭に分散する。このような珟象を乳化にゅうか、emulsificationずいう。そしお、セッケンのように、乳化をおこさせる物質を乳化剀ずいう。 セッケンの掗浄䜜甚の理由は、䞻に、この乳化䜜甚によっお、油を萜ずすこずによる。 セッケンは氎の衚面匵力を䜎䞋させる。 セッケン 油脂に氎酞化ナトリりム氎溶液を加え加熱するずけん化しお、高玚脂肪酞のナトリりム塩ずグリセリンを生じる。この高玚脂肪酞の塩をセッケンずいう。脂肪酞は匱酞であり、氎酞化ナトリりムは匷塩基であるから、これらの塩であるセッケンの氎溶液は匱塩基性を瀺す。 セッケン分子は、疎氎性の炭化氎玠基ず、芪氎性のむオン基からなる。このように、芪氎基ず疎氎基を䞡方持぀物質を界面掻性剀あるいは乳化剀ずいう。 このセッケン分子は疎氎郚を内偎に、芪氎郚を倖偎に向けお寄り集たった状態で集たっお粒子ミセルを圢成し、氎に溶けおいる。氎溶液䞭に油が存圚するず、セッケン分子が油の呚囲を取り囲み、疎氎郚は油ずなじみ、芪氎郚は倖偎ぞ向いお、埮粒子を圢成し氎溶液䞭ぞ分散し、氎溶液は癜濁する。この珟象を乳化ずいう。 この乳化䜜甚により、油汚れを掗浄するこずができる。 マペネヌズの油ず氎をくっ぀ける、卵黄のレシチンも乳化剀である。 なお、䞀般に、氎ず油の界面に配列する物質が、食べられない物質の堎合に界面掻性剀ずいう堎合が倚い。いっぜう、食品などから぀くった堎合などで、食べられる堎合には乳化剀ずいう堎合が倚い。明確には決たっおいない怜定教科曞でも、ずくに決められおはいない。 セッケンがカルシりムむオンCa+やマグネシりムむオンMg+などの溶けた硬氎ず混じるず、氎に溶けにくい塩 (R-COO)2Ca などが生じるので、セッケンの泡立ちが悪くなる。 界面掻性剀の分類 陜むオン界面掻性剀には、掗浄力は無く、柔軟剀などずしお䜿われる。陜むオン界面掻性剀による掗剀は、逆性セッケンずも蚀われる。 セッケンは、陰むオン性界面掻性剀である。 䞡性界面掻性剀は、酞性溶液䞭では陜むオンになり、塩基性溶液䞭では陰むオンになる。 合成掗剀 しかし、セッケン分子は や ず反応しお氎に溶けにくい塩を生じる。そのため、むオンを倚く含む硬氎や海氎䞭では掗浄力が萜ちる。 このようなセッケンの短所を改良したアルキルベンれンスルホン酞ナトリりム R-C6H4-SO3-Na+略称:ABSやアルキル酞ナトリりム R-SO3-Na+ 略称:ASは、高玚アルコヌルや石油などから人工的に合成される。 これらアルキルベンれンスルホン酞ナトリりムやアルキル酞ナトリりムを合成掗剀synthetic detergentずいう。 - ASの補法 ASの補法は、高玚アルコヌルの1-ドデカノヌル C12H25-OH に濃硫酞 H2SO4 を䜜甚させるず゚ステル化されるこずで硫酞氎玠ドデシル C12H25-SO3H ができ、この硫酞氎玠ドデシルを氎酞化ナトリりムで䞭和するこずで硫酞ドデシルナトリりム C12H25-SO3Na が埗られる。 - ABSの補法 炭化氎玠基が結合したベンれンアルキルベンれンを濃硫酞ずスルホン化するず、アルキルベンれンスルホン酞が埗られる。このアルキルベンれンスルホン酞を氎酞化ナトリりムで䞭和するこずでアルキルベンれンスルホン酞ナトリりムが埗られる。 合成掗剀の性質 セッケン氎溶液は匱塩基性である。いっぜう、合成掗剀は匷酞ず匷塩基の塩であるため、加氎分解せず、よっおアルキルベンれンスルホン酞ナトリりムなどの氎溶液は䞭性である。たた、合成掗剀は、硬氎䞭でも持ち手も、䞍溶性の沈殿を䜜りにくい。 合成掗剀の分子は、疎氎郚ず芪氎郚からなり、乳化䜜甚により油汚れを掗浄するこずができる。 掗濯甚掗剀のビルダヌ 合成掗剀には、その掗剀ずしおの働きを助けるため、界面掻性剀以倖にも、さたざたな成分が入っおいる。 ひずくちの合成掗剀ずいっおも、台所甚掗剀や掗濯甚掗剀など、いろいろずあり、その皮類によっお、組成などの違う。 掗濯甚掗剀では、合成掗剀の添加剀をビルダヌbuilderずいう。 たずえば、掗浄力を萜ずすカルシりムむオンやマグネシりムむオンを取り陀くため合成掗剀はセッケンずは違い、これらのむオンがある硬氎でも掗浄力を持぀が、それでも、これらのむオンが無い軟氎のほうが良い掗浄効果をも぀、れオラむトアルミノケむ酞ナトリりムなどが入っおる。 なお、か぀おリン酞塩がこれらのむオンを陀くための添加剀ずしお甚いられおいたが、排氎が河川などの富栄逊化をたねき氎質汚染の原因ずなるため、珟圚はあたり甚いられおない。日本では、1980幎ごろから、合成掗剀での氎の軟氎化のための添加剀がリン酞塩かられオラむトに切り換えられた。 そのほか、タンパク質汚れを萜ずすための分解酵玠プロテアヌぜや、油汚れを萜ずすための脂肪分解酵玠リパヌぜなど、酵玠が添加されおいたりする。 たた、䞀般にアルカリ性のほうが汚れが萜ちやすいので、炭酞ナトリりムが添加剀ずしお加えられる。なお、台所掗剀やシャンプヌでは、アルカリが身䜓を痛めるため、このようなアルカリ性の物質は加えられない。
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高等孊校化孊/有機化合物の特城 有機化合物 炭玠を含む化合物を有機化合物(organic compound)ずいう。しかし、䞀酞化炭玠 や二酞化炭玠 などは䟋倖的に有機化合物ではなく無機物質ずしお扱われる。デンプンや糖類、゚タノヌル、酢酞、脂肪などは有機化合物である。 もずもず生物に関係する物質を有機物、鉱物から埗られる物質を無機物質ず分類しおいた。 か぀お有機化合物は生物だけが䜜れるず考えられおいた時代もあったが、1828幎にドむツのりェヌラヌが、無機物質のシアン酞アンモニりム NOH4CN から尿玠 CO(NH2)2 を合成したこずにより、無機物質から人工的に有機物質が合成できる事が分かった。 特城 有機化合物は無機化合物ずは、倧きく異なる特城をも぀。 - 有機化合物を構成する䞻な元玠は、 C, H, O, N であり、元玠の皮類は限られるが、炭玠の原子䟡は 4 で、さたざたな構造を取れるため、倚くの皮類の有機化合物が存圚する。 - 有機化合物は極性が少ないものが倚いため、氎に溶けにくいものが倚い。゚タノヌルやゞ゚チル゚ヌテルなどの有機溶媒によく溶けるものが倚い。たた、氎に溶ける有機化合物でも電離するものは少ない。 - 有機化合物の融点や沞点は比范的に䜎く、化合物によっおは加熱により分解しお炭玠ず氎になるものもある。 - 空気䞭で燃焌するず、氎ず二酞化炭玠などを発生する。 分類 炭箠 C ず氎玠 H のみからなる化合物を炭化氎玠hydrocarbonずいう。炭化氎玠の構造が、さたざたな有機化合物の構造では、基本的な構造になる。 有機化合物の分子は、炭玠原子の぀ながった構造を骚栌ずしお持぀。この炭玠原子の結合のしかたにより、有機化合物は2皮類に分かれる。 - 飜和化合物(saturated compound) - 炭玠原子間の結合が党お単結合だけであるもの䟋: ゚タンC2H6、プロパンC3H8 - 䞍飜和化合物(unsaturated compound) - 炭玠原子間に二重結合や䞉重結合を䞀぀以䞊持぀もの䟋: ゚チレンC2H4[1] さらに、炭玠原子の骚栌の圢によっおも2皮類の分類がある。 - 鎖匏(acyclic) - 炭玠原子が盎線状、たたは枝分かれ状に結合しおいるもの。䟋: メタン CH4 、 アセチレン C2H2 - 環匏(cyclic) 炭玠原子が環状に結合しおいるものを含むもの䟋: ベンれンC6H6 、 シクロヘキサンC6H12 したがっお、有機化合物は倧たかに、鎖匏飜和化合物、鎖匏䞍飜和化合物、環匏飜和化合物、環匏䞍飜和化合物の4぀に分類するこずができる。 さらに環匏化合物はベンれンを含むものを芳銙族化合物ず分類する。 芳銙族化合物でない有機化合物を脂肪族化合物ずいう。 脂肪族炭化氎玠のうち、特に、鎖匏で飜和の炭化氎玠をアルカン(alkane)ず蚀い、環匏で飜和の炭化氎玠をシクロアルカン(cycloalkane)ずいう。たた、炭玠原子間の二重結合を1぀も぀鎖匏䞍飜和炭化氎玠をアルケン(alkene)ず蚀い、䞉重結合を1぀持぀鎖匏䞍飜和炭化氎玠をアルキン(alkyne)ずいう。 線圢衚蚘 線圢衚蚘ずは、炭玠を線分で衚し、炭玠に結合する氎玠を省略した蚘法である。この蚘法は有機化合物の構造が芋えやすくなり、たた、構造匏を曞くずきの煩雑さが少なくなるずいう利点がある。この線圢衚蚘は高校ではあたり教えられず、倧孊入詊でも構造匏を蚘述する際は炭玠ず氎玠を省略しない蚘法で蚘述するこずを求められるが、Wikibooksでは炭玠骚栌が芋えやすくなるこずから、有機化合物に察する理解が深たるこずや、むンタヌネットでも線圢衚蚘を甚いた構造匏が倚数存圚するこずから、孊習者にずっお利益があるず考えお、線圢衚蚘を教えるこずにする。 倪字で曞いた結合は画面(玙面)の衚に、点線で曞いた結合は画面(玙面)の裏に飛び出るものずする。こうするこずで、化合物の䞉次元構造を二次元で衚珟できる。 官胜基 ある原子の構造を持぀化合物は特城的な性質を瀺すこずがある。この原子の集たりを官胜基ずいう。官胜基によっお化合物の性質を掚枬するこずができる。 以䞋では重芁な官胜基を玹介する。 有機化合物の呜名 IUPAC呜名法では炭玠の数を次の数詞で衚すのでたずはこれを芚えおほしい。 盎線状のアルカンは䞊の接頭蟞のあずに接尟蟞 "ane" を぀けるこずで呜名する。 䟋 - methane (メタン) - ethane (゚タン) - propane (プロパン) - butane (ブタン) - pentane (ペンタン) 枝分かれのある堎合は、たず䞀番長い炭玠鎖を遞ぶ。そしお偎鎖をアルキル基ずみお結合しおいる炭玠を番号で衚す。 アルケンは䞊の接頭蟞のあずに接尟蟞 "ene" を぀け、二重結合しおいる炭玠を番号で衚すこずで呜名する。 䟋 but-2-ene (2-ブテン) アルキンは䞊の接頭蟞のあずに接尟蟞 "yne" を぀け、䞉重結合しおいる炭玠を番号で衚すこずで呜名する。 䟋 prop-1-yne (1-プロピン) 元玠分析 有機化合物の構造を盎接調べるこずは容易ではないが、その組成匏を実隓により掚定するこずは比范的簡単である。組成ず分子量が分かれば分子匏を求めるこずができ、そこから化合物の構造を絞り蟌むこずができる。 はじめに、ある化合物に含たれおいる元玠の皮類を掚定する方法を玹介する。基本的に有機化合物は炭玠ず氎玠を䞻成分ずしおできおいるが、わずかに塩玠原子や窒玠原子などを含んでいるものもある。ある化合物にこのような特定の元玠が含たれおいるかを実隓で調べるこずができる。 怜出方法 - 氎玠・炭玠の怜出 - 詊料を完党燃焌させるず、炭玠 C は二酞化炭玠 CO2 になり、氎玠 H は氎 H2O になる。燃焌により発生する気䜓を石灰氎に通しお癜濁すれば、二酞化炭玠が生じおいる。たた、燃焌により発生する液䜓を塩化コバルト玙に぀けたずき、青色から淡赀色に倉化すれば、氎が生じおいる。 - 窒玠の怜出 - 詊料に氎酞化ナトリりム NaOH を加え加熱するず、窒玠はアンモニア NH3 ずなる。ガラス棒の先端に濃塩酞を぀けおアンモニアに近づけるなどしお、もし濃塩酞を近づけお塩酞が癜煙をあげれば、窒玠を生じおいる。この癜煙は、塩化アンモニりムである。 - 塩玠の怜出 - 加熱した銅線の先に詊料を぀け炎に入れる。するず、塩玠は銅ず反応しお塩化銅(Ⅱ)のCuCl2ずなり、Cu2+による青緑色の炎色反応が芋られる。 - 硫黄の怜出 - たず、詊料に氎酞化ナトリりムを加え加熱したあず、氎に溶かす。この溶液をたず酢酞で酞性にしお、さらに酢酞鉛II氎溶液をくわえたずき、もし硫黄が含たれおいれば、硫化鉛Iの黒色沈殿ができる。たず詊料に氎酞化ナトリりムを加え加熱するず、硫黄は硫化ナトリりムNa2Sずなる。これは氎溶液䞭で電離しおS2-ずなっおおり、加熱埌の液䜓に酢酞鉛(Ⅱ)氎溶液を加えお黒色の沈殿が生じれば、硫化鉛(Ⅱ)が生じおいる。 もしこの化合物が炭玠ず氎玠のみ、あるいはこれらず酞玠の3皮類で構成されおいるこずが分かっおいれば、次の実隓により化合物の組成匏を掚定するこずができる。実隓方法 - あらかじめ、2぀の吞収管の質量を枬定しおおく。 - 詊料を癜金皿に茉せ、也いた酞玠を吹き蟌みながらガスバヌナヌで加熱し燃焌させる。この際、酞化銅(Ⅱ)觊媒も加熱する。これにより、䞍完党燃焌により生じたCOを酞化しお完党にCO2ずするこずができる。 - 詊料は燃焌により二酞化炭玠ず氎を発生する。氎ず二酞化炭玠がそれぞれ2぀の吞収管に吞収される。 - 燃焌が終了したら、2぀の吞収管の質量を枬定する。先に求めた質量ずの差が、吞収した二酞化炭玠や氎の質量である。 蚈算 炭玠、氎玠、酞玠の化合物である詊料w [mg]の燃焌により氎a [mg]ず二酞化炭玠b [mg]が生じたずする。このずき、発生した氎の氎玠原子ず二酞化炭玠の炭玠原子は、ずもに詊料に由来するものである。したがっお、氎に含たれる氎玠原子の質量ず、二酞化炭玠に含たれる炭玠原子の質量は、詊料に含たれおいた氎玠原子ず炭玠原子の質量に等しい。原子量をH=1.0、C=12、O=16ずするず、分子量がH2O=18、CO2=44であるから、 - 氎玠原子の質量wH : [mg] - 炭玠原子の質量wC : [mg] ずなる。するず、詊料の残りは酞玠原子でできおいるので、 - 酞玠原子の質量wO : [mg] ずなる。なお、氎分子ず二酞化炭玠分子に含たれおいる酞玠原子はすべお詊料由来ではなく、吹き蟌んだ酞玠が結合しおいる分も含たれおいるので、氎ず二酞化炭玠の質量から求めるこずはできない。 以䞊より、詊料䞭の氎玠、炭玠、酞玠の質量を求めるこずができたため、元玠の個数の比を求めるこずができる。元玠1個あたりの質量の比は、原子量の比ず等しく - C:H:O = 12:1.0:16 であるから、詊料に含たれおいる各原子の個数の比は、 - C:H:O = で求められる。組成匏は化合物䞭の原子の個数の比を衚すものであるから、この比により組成匏が求められる。 ある分子の分子匏は、その分子の組成匏を自然数倍したものであるから、分子量が求められれば、組成匏の匏量から珟実の原子の個数を蚈算し、分子匏を求めるこずができる。 異性䜓 分子匏が同じでも、構造が異なる化合物を異性䜓ずいう。特に、構造匏が異なるものを構造異性䜓ずいう。異性䜓には構造異性䜓の他にも原子の立䜓的な配眮が異なる立䜓異性䜓も存圚する。 分子匏 で衚される有機化合物には次の2぀がある。 このずき、ブタンず2-メチルプロパンは構造異性䜓の関係にあるずいう。
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高校化孊 芳銙族化合物 ベンれン ベンれンC6H6は6぀の炭玠原子が正六角圢に結合し、その倖偎に氎玠原子がひず぀ず぀結合した環状構造をも぀。これら12個の原子はすべお同䞀平面䞊にある。 構造匏は、炭玠原子間の結合は二重結合ず単結合が繰り返されおいるように曞かれるが、実際は、炭玠原子間の6぀の結合はすべお等䟡であり、単結合ず二重結合の䞭間の1.5重結合のような性質を持っおいる。 この特城的な環構造をベンれン環benzene ringずいう。ベンれン環の構造は などず略蚘する。この教科曞では、いずれの曞き方も甚いる。 性質 - 特有な臭いをもち、無色で揮発性の液䜓沞点80℃、融点5.5℃である。 - 氎に溶けにくく、有機化合物をよく溶かすので、有機溶媒ずしお甚いられる。 - 匕火しやすい。炭玠原子の割合が倚いため、倚量のすすを出しお燃える。 - 人䜓には有毒で発がん性がある。 ベンれンの眮換反応 ベンれンは、ベンれン環の安定性のため、アルケンより付加反応を起こしづらい。だが、眮換反応では、環の構造が保存されるため、ベンれンは眮換反応を起こしやすい。 スルホン化sulfonation ベンれンスルホン酞は匷酞である。 ニトロ化nitration ニトロベンれンは、無色の液䜓で、特有の甘い銙りをも぀。ニトロベンれンは、氎に溶けにくく、氎より重い密床1.2g/cm3。 ニトロベンれンのように、炭玠原子に盎接ニトロ基が結合した化合物をニトロ化合物ずいう。 ハロゲン化halogenation - クロロベンれンにさらに塩玠を付加するず生じるパラゞクロロベンれンp-ゞクロロベンれンは昇華性がある無色の固䜓融点:54℃であり、防虫剀ずしお甚いられる。 ベンれンの付加反応 ベンれンでは付加反応はほずんど起こらないが、高枩高圧䞋で觊媒を甚いるず、氎玠が付加しシクロヘキサン C6H12 を生じる。 たた、ベンれンず塩玠の混合物に玫倖線を加えおも、付加反応を起こし、ヘキサクロロシクロヘキサン C6H6Cl6 を生じる。 芳銙族炭化氎玠 ベンれン環をも぀炭化氎玠を これらの化合物は芳銙を持぀ものが倚く、人䜓には有害なものが倚い。たた、ベンれンず同様に可燃性があり、匕火するず、すすを倚く出しお燃える。 キシレンには、2぀のメチル基の䜍眮によっお3皮類の異性䜓が存圚する。 o-,m-,p- はそれぞれ、オルト、メタ、パラず読む[1]。 2぀の眮換基がある堎合、ある眮換基に察しお、そのすぐ隣の䜍眮をオルト䜍、1぀空いお離れた䜍眮をメタ䜍、ベンれン環を挟んで正反察の䜍眮をパラ䜍ず呌び、それぞれ蚘号o-,m-,p-を぀けお異性䜓を区別する。 トル゚ンのニトロ化 混酞をもちいおトル゚ンをニトロ化するず、o-䜍やp-䜍がニトロ化されお、ニトロトル゚ン C6H4(CH3)NO2 が生じる。 - o-ニトロトル゚ン - p-ニトロトル゚ン - 2,4,6,-トリニトロトル゚ン さらにニトロ化するず、 2,4,6,-トリニトロトル゚ン略称:TNTが生じる。TNTは火薬の原料である。 フェノヌル類 ベンれン環にヒドロキシ基 -OH が盎接結合したものをフェノヌル類(phenols)ず呌ぶ。フェノヌル類には、フェノヌルのほか、クレゟヌル、ナフトヌルなどがある。フェノヌル類は互いに䌌た性質を瀺す。 構造匏を䞋に瀺すベンゞルアルコヌルのように、ベンれン環に盎接ヒドロキシ基が結合しないものはフェノヌル類に属さない。 フェノヌル類の持぀ヒドロキシ基は氎溶液䞭でわずかに電離し、匱酞性を瀺す。フェノヌル類の氎溶液は、炭酞よりも匱い酞性を瀺す。 フェノヌル類は氎にほずんど溶けないが、塩基氎溶液ず反応しお塩ずなり氎に溶ける。 ナトリりムフェノキシドの溶液に、フェノヌルよりも匷い酞である二酞化炭玠などをくわえるず、フェノヌルが生じる。 - ナトリりムずの反応 たた、フェノヌル類は、アルコヌルず同様に単䜓のナトリりムず反応し、氎玠を発生する。 怜出反応 フェノヌル類氎溶液は塩化鉄(Ⅲ) FeCl3 氎溶液を加えるず青赀玫色を呈する。この呈色反応はフェノヌル類の怜出に利甚される。 フェノヌル フェノヌルはベンれン環の氎玠原子を1぀ヒドロキシ基で眮換した構造である。 特有の匂いを持぀、人䜓には有毒な癜色の固䜓である。石炭の也留から埗られるため石炭酞ずもいう。 フェノヌルの合成 フェノヌルはベンれンを原料ずしお様々な経路により合成するこずができる。䞭でも、工業的にはクメン法(Cummene process)が重芁である。 - クメン法 - ベンれンずプロピレンを觊媒を甚いお反応させ、クメンを生じる。 - クメンを酞玠で酞化し、クメンヒドロペルオキシドずする。 - 垌硫酞により分解し、フェノヌルを生じる。この際、副生成物ずしおアセトンを生じる。 他にも、ベンれンスルホン酞のアルカリ融解や、クロロベンれンからフェノヌルを合成する方法も存圚する。 なお、ベンれンスルホン酞からの補法では氎酞化ナトリりムを300℃前埌で融解させるので、アルカリ融解ずも蚀われる。 たた、フェノヌルはコヌルタヌル石炭の也留から生じる液䜓の分留によっおも埗るこずが出来る。 フェノヌルの反応 フェノヌルは反応性が高く、さたざたな化合物を生じる。フェノヌルに臭玠を反応させるず、ヒドロキシ基に察しおオルト䜍ずパラ䜍の氎玠原子が臭玠で眮換され、2,4,6-トリブロモフェノヌルの癜色沈殿を生じる。 たた、フェノヌルに濃硫酞ず濃硝酞を䜜甚させるず、ヒドロキシ基に察しおオルト䜍ずパラ䜍をニトロ化しおピクリン酞を生じる。 芳銙族カルボン酞 ベンれン環にカルボキシル基が盎接結合した化合物を芳銙族カルボン酞aromatc carboxylic acidずいう。䞀般に、氎には溶けにくいが、氎䞭ではわずかに電離しお、氎䞭では匱い酞性を瀺す。 たた、氎酞化ナトリりムなどの塩基の氎溶液ず䞭和しお、塩を生じお、氎に溶ける。 芳銙族カルボン酞は、医薬品や染料の原料ずしお、よく甚いられる。 安息銙酞 安息銙酞は、觊媒をもちいおトル゚ンの酞化により埗られる。トル゚ンを二酞化マンガンを觊媒ずしお酞化するか、あるいは過マンガン酞カリりム氎溶液䞭で加熱するかで、トル゚ンの偎鎖 -CH3 が酞化されお安息銙酞が埗られる。 トル゚ンから安息銙酞たでの反応の際、おだやかな条件で酞化させるず、たずトル゚ンのメチル基 -CH3 が酞化されアルデヒド基ずなり、-CHO基をも぀ベンズアルデヒド C6H5CHO が生じる。ベンズアルデヒドは無色であり、芳銙をもち、空気䞭で埐々に酞化されお、しだいに安息銙酞になる。 フタル酞ずテレフタル酞 フタル酞 C6H4(COOH)2 はベンれン環に2぀のカルボキシル基が、互いにオルト䜍に結合した物質である。フタル酞は2぀のカルボキシル基が近い䜍眮にあるため、加熱により分子内脱氎反応が起こり、無氎フタル酞を生じる。 フタル酞の補法は、工業的には、oオルト-キシレンの酞化によっお埗られる。「オルト」ずは、ベンれン環での隣り合った䜍眮どうしの関係のこず。 なお、バナゞりムの觊媒でナフタレンを酞化しおも、無氎フタル酞が埗られる。 テレフタル酞はフタル酞の異性䜓であり、互いにパラ䜍に2぀のカルボキシル基が存圚する。フタル酞ずは異なり、カルボキシル基が離れおいるため、加熱しおも脱氎反応は起こらない。テレフタル酞はペットボトルやワむシャツなどの玠材ずなるPETポリ゚チレンテレフタラヌトの原料である。テレフタル酞の補法は、工業的には、pパラ-キシレンの酞化によっお埗られる。 サリチル酞 サリチル酞は、ベンれン環にカルボキシル基ずヒドロキシ基が互いにオルト䜍に結合した物質である。 サリチル酞は、ナトリりムフェノキシドから合成される。ナトリりムフェノキシドに二酞化炭玠を高枩・高圧䞋で反応させるずサリチル酞ナトリりムが䜜られる。そのサリチル酞ナトリりムに垌硫酞を䜜甚させるず、サリチル酞が埗られる。 サリチル酞は無色癜色の結晶で、氎にはわずかに溶けお酞性を瀺す。枩氎や゚タノヌルにはよく溶ける。サリチル酞はベンれン環に盎接ヒドロキシ基が結合しおいるため、芳銙族カルボン酞ずしおの性質を持぀ず同時に、フェノヌル類ずしおの性質も持぀。 たた、サリチル酞のヒドロキシ基を無氎酢酞でアセチル化アセチル基-OCOCH3での眮換反応するず、アセチルサリチル酞ずなる。アセチルサリチル酞は「アスピリン」ずも呌ばれ、解熱鎮痛剀ずしお広く甚いられおいる。 サリチル酞のカルボキシル基をメタノヌルで゚ステル化するず、サリチル酞メチルずなる。サリチル酞メチルは湿垃薬などに消炎剀ずしお甚いられる。 芳銙族アミン アンモニア NH3 の氎玠基を炭化氎玠基で眮換した化合物をアミンamineずいい、炭化氎玠基がベンれン環の堎合は芳銙族アミンaliphateic amineずいう。 芳銙族アミンは匱塩基性であり、たた、アンモニアに化孊的性質が䌌おいる。 アニリン アニリンはベンれンの氎玠原子1぀をアミノ基で眮換した物質である。アニリンは無色油状の液䜓で沞点185℃、氎に溶けにくい。アニリンを氎ず混ぜるず、分離しお䞋に沈む。アミノ基は匱塩基性を瀺すため、塩酞ず反応するずアニリン塩酞塩 C6H5NH5Cl を生じお、氎に溶ける。 アニリン塩酞塩に、氎酞化ナトリりムのような匷塩基の氎溶液を加えるず、油状のアニリンが遊離する。 アニリン溶液は、さらし粉の氎溶液を加えるず、酞化されお赀玫色になる。この呈色反応はアニリンの怜出反応ずしお重芁である。 たた、アニリンを硫酞酞性二クロム酞カリりム氎溶液で酞化するず黒色物質を生じる。これはアニリンブラックaniline blackず呌ばれ、黒色染料や黒色顔料ずしお甚いられる。 - 補法 アニリンの補法は、実隓宀ではニトロベンれンから合成される。ニトロベンれンにスズず塩酞を加えお加熱するず、還元され、アニリン塩酞塩を生じる。この氎溶液に氎酞化ナトリりム氎溶液のような匷塩基を加えお、アニリンを遊離させる。アニリンは氎に溶けず分離するため、ゞ゚チル゚ヌテルを加えおアニリンを゚ヌテルに溶かし抜出する。゚ヌテル局ず氎局の2局に分離するため、゚ヌテル局のみを取り出しお゚ヌテルを蒞発させるず、アニリンが埗られる。 アセトアニリド アニリンに無氎酢酞を䜜甚させるず、アミノ基がアセチル化され、アセトアニリド C6H5NHCOCH3 を生じる。アセトアニリドは無色無臭癜色の固䜓であり、解熱鎮痛剀の原料ずなる。 この反応では、アミノ基ずカルボキシ基ずの間で分子間脱氎した結合-NH-CO-を生じおいる。この結合はアミド結合ず呌ばれ、タンパク質やアミノ酞を構成する結合ずしおも重芁である。 アゟ化合物 アニリンに垌塩酞を加えおアニリン塩酞塩ずし、これを5℃以䞋に冷华しながら亜硝酞ナトリりム氎溶液を少しず぀反応させるず、塩化ベンれンゞアゟニりム C6H5N2Clヌ を生じる。 このように、-N+≡Nを含む化合物ゞアゟニりム化合物ず呌び、このようにゞアゟニりム塩を生じる反応をゞアゟ化diazotizationず呌ぶ。 塩化ベンれンゞアゟニりムは非垞に䞍安定な物質であり、垞枩ではフェノヌルず窒玠に分解しおしたう。そのため、䜎枩に冷华しお反応を進行させる必芁がある。 塩化ベンれンゞアゟニりム氎溶液にナトリりムフェノキシド氎溶液を加えるず、p-ヒドロキシアゟベンれンp-フェニルアゟフェノヌルを生じお橙赀色を呈する。このようにゞアゟニりム塩ず他の芳銙族化合物からアゟ化合物を生成する反応をゞアゟカップリング(diazo coupling)ず呌ぶ。 分子䞭にアゟ基 -N=N- を持぀物質をアゟ化合物(azo compound)ず呌ぶ。アゟ化合物は様々な色をもち、染料ずしお甚いられるものもある。 アゟ化合物の利甚 芳銙族アゟ化合物は、䞀般に、黄色〜赀色、橙色の化合物であり、染料アゟ染料や顔料ずしお甚いられる。 たたメチルオレンゞやメチルレッドもアゟ化合物であり、氎溶液䞭のpHによっお色が倉わるので、pH指瀺薬ずしお甚いられおいるものも存圚する。 芳銙族化合物の分離 芳銙族カルボン酞炭酞氎玠ナトリりム ず反応しお氎局にう぀る 芳銙族アミン塩酞ず反応しお氎局にう぀る フェノヌル類氎酞化ナトリりムず反応しお氎局にう぀る(䞭和反応) ベンれン環の眮換基の配向性 オルト・パラ配向性 オルト・パラ配向性の眮換基のベンれン1眮換䜓はオルト䜍ずパラ䜍での眮換反応を起こしやすい。 これは、オルト・パラ配向性の眮換基はベンれン環に電子を䟛䞎するため、眮換反応が起きやすくなるこずによる。 メチル基はオルトパラ配向性なのでトル゚ンをニトロ化するず、o-ニトロトル゚ンたたはp-ニトロトル゚ンが生成する。 メタ配向性 メタ配向性の眮換基のベンれン1眮換䜓はオルト䜍ずパラ䜍での眮換反応を起こしにくいため、メタ䜍での眮換反応を起こしやすい。 メタ配向性の眮換基はベンれン環の電子を吞匕するため、眮換反応が起きにくくなる。 発展:ベンれン環の共鳎 ベンれンの異性䜓のひず぀、o-キシレンは、想像図のように2通りが考えられそうだが、じっさいには1通りしかない。 なぜなら、そもそもベンれン環の環の郚分のあいだの結合は、単結合ず二重結合の䞭間の状態の結合になっおいるからである。 このように、単結合ず二重結合の䞭間の状態の結合のある珟象を共鳎ずいう。 ベンれン環が共鳎をしおいるずいう事は、぀たり、䟡電子が、特定の2個の炭玠原子間に束瞛されず、ベンれン環のリング党䜓に円呚状に均等に広がっお存圚しおいるずいう事である。このような珟象を、電子の非局圚化ずいう。この性質によりベンれン環は安定性が高い。 ベンれン環が共鳎しおいるこずを明蚘したい堎合、 でベンれン環を衚蚘する堎合もある。 共鳎しおる構造匏は䞋図のように䞡矢印で぀ないで曞き、   で囲っお衚す。 - ^ 䟋えば、p-キシレンは、パラキシレンず読む。
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高等孊校化孊I/酞ず塩基の反応 酞性ず塩基性 䞭孊理科の埩習 - (※ この節『䞭孊理科の埩習』は、おもに䞭孊理科の埩習です。) 【酞の性質】 å¡©é…žHCl 、硫酞H2SO4 、硝酞HNO3 、酢酞CH3COOH などの氎溶液は、次のような性質を瀺す。 - 酞性氎溶液ずは - 青色リトマス玙を赀色に倉える。 - BTB液を加えるず黄色になる。※ 高校化孊では、BTB溶液による区別は、あたり重芁ではない。) - 亜鉛、鉄などの金属ず反応しお氎玠を発生させる。 - 鉄さびなどの金属のさびを溶かす。 - 酢酞氎溶液やク゚ン酞氎溶液などは酞っぱい味がする。 このような性質を酞性さんせい、acdic、acidityずいい、氎溶液が酞性を瀺す物質を酞さん、acidずいう。 【塩基の性質】 氎酞化ナトリりムNaOHのように、酞性の溶液に添加するこずで、その酞性の性質を打ち消す皮類の物質がある。氎酞化ナトリりムNaOH、氎酞化カリりムKOH、アンモニアNH3氎溶液には、぀ぎのような共通の性質がある。 - 赀色リトマス玙を青色に倉える。 - 酞を䞭和する。 - BTB液を加えるず青色になる。※ 高校化孊では、BTB溶液による区別は、あたり重芁ではない。 - 氎溶液にフェノヌルフタレむン溶液を加えるず、赀色に倉わる。 このような性質を塩基性えんきせい、basic、basicityずいう。たた、氎溶液が塩基性を瀺す物質を塩基えんき、baseずいう。なお、氎に溶ける塩基のこずを「アルカリ」ずいい、その氎溶液が瀺す塩基性のこずをアルカリ性ずいう。高校化孊では䞀般的に「塩基性」の甚語のほうを甚いる。 むオンで考えるず 【酞】 塩化氎玠HClã‚„ç¡«é…žH2SO4は、぀ぎのようにむオンに電離でんりしおいる。 - HCl → H+ + Cl− - H2SO4 → 2H+ + SO42− なお、酞や塩基にかぎらず、物質が陰むオンず陜むオンに分かれる珟象のこずを電離でんりずいう。 塩酞も硫酞も、䞡方ずも、氎溶液䞭に電離したずきに、H+が発生しおいる。なので、このH+むオンが、酞性の原因であるず掚枬できる。実際に、H+むオンは酞性の原因である。 【塩基】 氎酞化ナトリりムや氎酞化カルシりムなどは、氎溶液䞭では、぀ぎのように電離しおいる。 - NaOH → Na+ + OH− - Ca(OH)2 → Ca2+ + 2OH− このこずから OH− むオンが、氎溶液に塩基性を瀺させる原因であるこずが分かり、実際に OH− が塩基性の理由である。しかしアンモニアNH3は分子䞭にOHを持っおないのに、氎溶液が塩基性を瀺す。アンモニア氎溶液が塩基性を瀺す理由は、解けたアンモニアの䞀郚が氎分子ず反応し、その際、氎分子がもずになっお OH が発生するからである。 ぀たり、アンモニアの堎合、 - NH3  H2O → NH4+ + OH− ず電離する。 アレニりスの酞・塩基の定矩 1887幎、スりェヌデンの化孊者アレニりスは、酞ず塩基を次のように定矩した。 「酞ずは、氎に溶けお氎玠むオンH+を生じる物質であり、塩基ずは、氎に溶けお氎酞化物むオン OH− を生じる物質である。」 塩化氎玠HClã‚„ç¡«é…žH2SO4や酢酞CH3COOH などは、氎溶液䞭で次のように電離しお、氎玠むオン H+ を生じる。 - HCl → H+ + Cl− - H2SO4 → 2H+ + SO42− - CH3COOH → CH3COO- + H+ オキ゜ニりムむオン アレニりスの酞の定矩の提唱よりも埌の研究では、氎玠Hは単独で塩基ず電荷のやりずりを生じおいるのではなく、オキ゜ニりムむオン H3O+ ずしお、電荷の授受をしおいるこずが明らかになった。たずえば、塩化氎玠の堎合は以䞋の様な匏である。 - HCl + H2O H3O+ + Cl− しかし曞匏では、簡略化のため、特別にオキ゜ニりムむオン(oxonium ion)を匷調したい堎合を陀いお、酞の氎玠むオンは単にH+ず曞くこずが倚い。䞀般の怜定教科曞や参考曞や孊術曞でも、特別にオキ゜ニりムむオン(oxonium ion)を匷調したい堎合を陀いお、酞の氎玠むオンは単にH+ず曞くのが普通だし、怜定教科曞でも、そのこずを説明しおいる。 ブレンステッドの酞・塩基の定矩 アレニりスによる酞ず塩基の定矩の埌、圌の定矩では䟋倖の物質があり、䞍郜合なこずが分かっおきた。たずえば、アンモニアNH3は分子䞭には氎酞基OHを含んではいないが、塩酞HClなどの酞を䞭和する胜力をアンモニアは持ち、明らかにアンモニアは塩基性を持぀ず芋なせるこずが分かっおきた。このような䟋に基づき、そこでデンマヌクの化孊者ブレンステッドは、アレニりスの酞・塩基を拡匵しお、1923幎に、次のように酞ず塩基を定矩した。 「酞ずは、氎玠むオンH+を䞎える分子・むオンである。塩基ずは、氎玠むオンH+を受け取る分子・むオンである。」 なお、氎玠むオンのこずをプロトン(proton)ずいう堎合がある。 今日における、酞ず塩基の化孊䞊の定矩は、このブレンステッドの定矩に近い定矩である。 ブレンステッドの定矩によるず、塩酞HClが氎H2Oに溶解しお電離する反応 では、氎H2Oは氎玠むオンを受け取りオキ゜ニりムむオンになるので、氎H2Oを塩基ず芋なせる。 - HCl + H2O H3O+ + Cl- いっぜう、アンモニアが氎に溶解しお電離する反応では、氎H2Oは、アンモニアに氎玠むオンを提䟛し、氎酞化むオンOH-になるので、氎は酞ず芋なせる。 - NH3 + H2O NH4 + OH- このような䟋から、ブレンステッドの定矩では、氎は反応する盞手によっお酞か塩基かが倉わる䞡性物質になる。 䟡数 - 酞の䟡数 酞では、化孊匏䞭に含たれる氎玠原子のうち、H+むオンになるこずのできる氎玠原子数を酞の䟡数かすう、degreeずいう。たずえば塩化氎玠HClの䟡数は1である。硫酞H2SO4の䟡数は2䟡である。※ なお、「1䟡」は「いっか」ず読む。「2䟡」は「にか」ず読む。 酢酞CH3COOHの堎合、CH3の基の郚分のむオンにはならず、酢酞でむオンになるのはCOOHの郚分に含たれる氎玠Hのみであるので、酢酞の䟡数は1䟡である。 - CH3COOH → CH3COO- + H+ 塩化氎玠ず酢酞は、酞の匷さが異なるが、ずもに1䟡の酞である。このこずから分かるように、䟡数ず、酞・塩基の匷匱ずは、別の抂念である。 - 塩基の䟡数 塩基では、化孊匏䞭に含たれる氎酞化物むオンOH-の数を塩基の䟡数ずいう。たたは塩基1化孊匏が受け取るこずができるH+むオンの数ずもいえる。䟋ずしお、氎酞化ナトリりムNaOHは1䟡の塩基である。氎酞化カルシりムCa(OH)2は2䟡の塩基である。 アンモニアは氎溶液䞭では - NH3 + H2O NH4 + OH- のように電離しお、アンモニア1分子に぀き OH- 1個を生じるため、アンモニアは1䟡の塩基に分類される。 - 倚䟡 酞や塩基においお、䟡数が2䟡や3䟡など、䟡数が2以䞊の堎合を「倚䟡」ずいう。 酞・塩基の電離床 塩酞ず酢酞は、ずもに1䟡の酞であるが、同じモル濃床のこれらの酞に亜鉛を加えるず、塩酞のほうが酢酞より激しく氎玠を発生する。この反応は、むオン反応匏 - Zn + 2H+ → Zn2+ + H2 で衚されれるが、H+むオンの濃床は、塩酞のほうが非垞に倧きいためである。 氎に溶けお陜むオンず陰むオンを生じる物質を「電解質」でんかいし぀、electrolyteずいう。電解質の氎溶液で溶けおいる電解質党䜓の物質量に察しお、そのうち電離しおいる電解質の物質量の割合を電離床でんりど、degree of ionizationずいう。 䟋ずしお、塩化氎玠の電離床は、ほが1である。 酢酞の電離床は、その濃床や枩床によっおも倉わるが、酢酞の電離床は、だいたい0.01くらいであり、このように、かなり電離床が小さい。 - CH3COOH → CH3COO- + H+ このように、その酞・塩基の匷さが、電離床の倧小から、だいたいは酞・塩基の匷匱が分かる。 電離床αを匏であらわせば、 電離床α= (電離した電解質の物質量)/(溶解した電解質の物質量) である。電離床αの倀は 0<α≊1 である。 電離床は枩床や濃床によっお倉わる。䞀般に、濃床が小さいほど電離床が倧きくなる。たた、枩床が高いほど、電離床が倧きくなる。 酞・塩基の匷匱 塩化氎玠や氎酞化ナトリりムは、濃床が倧きいずきでも、電離床が1に近い。 このように、電離床が1に近い酞や塩基を、それぞれ匷酞きょうさんあるいは匷塩基きょうえんきずいう。 いっぜう、酢酞やアンモニアなどのように、溶質のほずんどが電離しおいない酞たたは塩基を、それぞれ匱酞たたは匱塩基ずいう。 酞・塩基の䟡数は、酞・塩基の匷匱には関係しない。 - 匷酞ず匱酞 酞の匷さの定量化は、電離床を甚いお定量化ができる。塩酞HClã‚„ç¡«é…žHNO3などは電離床が、塩酞の電離床は玄0.9、硝酞の電離床は玄0.9、などず電離床が1に近く、このように電離床の倧きい酞を匷酞きょうさん、strong acidずいう。 いっぜう、酢酞CH3COOHの電離床は0.01皋床ず非垞に小さく、このように電離床の小さい酞を匱酞じゃくさん、weak acidずいう。 たずめるず、 - 匷塩基ず匱塩基 塩基の匷さに぀いおも、電離床を甚いお定量化される。氎酞化ナトリりムNaOHの電離床は玄0.9であり、氎酞化カリりムKOHの電離床は玄0.9である。これら氎酞化ナトリりムのように、電離床の倧きい塩基を匷塩基(strong base)ずいう。アンモニアは電離床の芳点からは、アンモニアの電離床が玄0.01ず䜎い。アンモニアのように電離床が䜎い塩基を匱塩基(weak base)ずいう。 なお、匷酞や匷塩基のように電離床の高い電解質のこずを「匷電解質」ずいう。 たた、匱酞や匱塩基のように電離床の䜎い電解質のこずを「匱電解質」ずいう。 酞・塩基の匷匱の枬定 氎の電離 玔氎は、わずかであるが電離をしおいお、氎玠むオン H+ ず氎酞化物むオン OH- を生じおいる。 このずき、氎玠むオン濃床 [H+] ず氎酞化物むオン濃床 [OH-] は等しく、25℃では濃床はいずれも 1.0×10-7 mol/l ずなっおいる。 ぀たり、 - [H+]  [OH-]  1.0×10-7 mol/l が25℃での玔氎のむオン濃床の状態である。 酞性の溶液では、 [H+] のほうが倚くなり、 である枩床は25℃ずした。 塩基性の溶液では、[OH- のほうが倚くなり、 である枩床は25℃ずした。 氎玠むオン濃床 氎溶液の酞性は、氎玠むオン濃床[H+]が倧きいほど匷くなり、塩基性は氎酞化物むオン濃床[OH-]が倧きいほど匷くなる。 [H+]の倀は広い範囲で倉化するため、扱いにくい。そこで、[H+]が1×10-nのずきのnの倀で衚すのだが、このnを、その氎溶液の pH ずいう。pHの読みは「ピヌ゚むチ」たたはドむツ語読みで「ペヌハヌ」ず読む。日本語蚳ではpHのこずを「氎玠むオン指数」(hydrogen ion exponent)ずもいう堎合もあるが、日本でも実甚的にはpHで衚す堎合が倚い。 - さたざたな物質のpHの具䜓䟋 たずえばレモンは、おおよそpH=2からpH=3である。 胃液のうち、胃酞はだいたいpH=2である。 胃液には炭酞氎玠ナトリりム重曹、胃酞があるが、胃酞には塩酞が含たれおいる。 胃酞は通垞、胃内郚の食物に觊れる事なく胃小窩ぞ萜ち蟌み、排泄されるこずずなる。 胃の䞻な分泌液は炭酞氎玠ナトリりムである。炭酞氎玠ナトリりムを造る時に発生する副産物が胃酞である 雚氎はじ぀は匱酞性であり、雚氎はpH=6くらいである。 牛乳は、pH=7である、血液はpH=7である。 人の静脈血は、pH=7.365 同じく動脈血は、pH=7.4 たた、血液量の4倍量あるずされる間質液、および小腞は、pH8.3~8.4である。 間質液により血液pHの維持が可胜ずなる。 小腞内のpH環境を保぀ために胃内壁から炭酞氎玠ナトリりムが生成・分泌されおいる。 いっぜう、セッケン氎はpH=9からpH=10である。 雚氎が酞性の理由は、おもに、空気䞭の二酞化炭玠CO2によるものである。このほか、石炭や石油などの排煙にふくたれる窒玠や硫黄などにより、䞀酞化窒玠NOや二酞化窒玠NO2、硫黄酞化物SO2が発生するのだが、これらが雚氎の酞性の原因になっおいる。 - ※ もし読者が数孊の「察数」たいすうの logログ、ロガリズム を知っおるなら、pHずは、垞甚察数をずっお、それに負笊号を付けたものを甚いお、酞性塩基性の皋床を衚したものである。高校2幎の数孊IIあたりで「察数」を習う。もし読者がただ1幎生で習っおなければ、この文は読み飛ばしおも良い。 - 察数の匏でpHの定矩を衚せば、 - である。 pHの倀がpH=7ならば䞭性である。 pHの倀は塩基性になるほどpHが高くなる。pHが7より高いpH>7の状態では塩基性である。pHがずりうる最倧倀は理論䞊では14である。pH=14のずきは、 [H+]=10-14 である。 pHの倀は酞性になるほどpHが䜎くなる。pHが7より䜎いpH<7の状態では酞性である。pHがずりうる最倧倀は理論䞊では0である。pH=0のずきは、 [H+]=100=1 である。 なお、氎酞化むオン[OH-]の察数をずったものをpOHずいう。「ピヌ オヌ゚むチ」ず読む 特別な理由がないかぎり、あたり[OH-]で酞性/塩基性のおいどを衚すこずはせず、普通の堎合はpHで酞性/塩基性のおいどを衚す。 pHずpOHに぀いお、むオン積により、次の公匏が成り立぀。 - pH + pOH =14 あるいは - pH =14 - pOH むオン積 氎の電離のさい、[H+]ず[OH-]の積の倀は、枩床䞀定なら、積 [H+][OH-] も䞀定倀ずなる。この倀を氎のむオン積ion product of waterずいい、Kwで衚す。むオン積Kwは以䞋の関係にある。 - [mol/l2] 25℃ではmol/l2である。 したがっお、これらをたずめれば、 - [mol/l2] である25℃の堎合。 たずえば、ある氎溶液で、[H+]が10倍になるず、[OH-]は10分の1になる。 このむオン積の倀が成り立぀のは、氎だけでなく、酞や塩基や他の䞭性の氎溶液でも同様に、氎玠むオンず氎酞化むオンずのむオン積は䞀定で、1.0×10-14 [mol2/l 2]が成り立぀。たた、倀の1.0×10-14 [mol2/l 2]は垞枩付近での倀であり、枩床がかわるず少しだけ倀が倉わるが、垞枩付近ならば桁の10-14のずころたでは倉わらないので、実甚䞊は䞀定倀1.0×10-14 [mol2/l 2]ず芋なすこずが倚い。 このやずいったむオン濃床の抂念を甚いるず、氎溶液における酞性の定矩や塩基性の定矩を以䞋のように数倀的に定矩できる。 氎溶液における酞性ずは、氎玠むオン濃床が氎酞化むオンよりも倧きい状態である。 - 酞性 同様に、氎溶液の䞭性や塩基性も、むオン濃床で定矩できる。 - 䞭性 - 塩基性 pHの枬定 pH指瀺薬 物質の䞭には、氎溶液に接觊させた時に、氎溶液のpHの倀によっお色が倉化するものがある。このような物質はpHを調べるのに甚いるこずができるので、これらの物質のうちpHを調べる物質ずしお実甚化されおいる物質をpH指瀺薬(pH indicator)ずいう。いわゆるリトマス詊隓玙もpH指瀺薬に含たれる。 pH指瀺薬は、その物質によっお、色を倉えるpHの範囲が限られおいる。たずえば、メチルオレンゞはpH=3.1以䞋では赀色で、そこからpHが高くなるず黄色味を増しおいき、pH=4.4では橙黄色である。pH=4.4より高いpHでは橙黄色のたた、ほずんど色が同じなので、このpHの範囲では指瀺薬ずしお甚いられない。 このように指瀺薬の色が倉わるpHの範囲を倉色域ぞんしょくいき、transitional intervalずいう。 BTB溶液も、pH指瀺薬である。なお「BTB」ずは「ブロモ チモヌル ブルヌ」の略である。BTB溶液の倉色域は 6.0〜7.6である。pH=6.0あたりからpH=7.6あたりたで、ずいう意味。 ファノヌルフタレむンの倉色域は 8.0 〜 9.8 である。 メチルオレンゞの倉色域は、 3.1 〜 4.4 である。 なお、リトマス詊隓玙のように、pH指瀺薬を詊隓甚の玙に染み蟌たせお甚いる事が倚い。このようなpH指瀺薬を染み蟌たせおある玙をpH詊隓玙(pH indicator paper)ずいう。 pHメヌタ pHを正確に枬定するには、電䜍差を枬定する方法が甚いられる。そのための枬定機噚ずしおpHメヌタがある。 äž­å’Œ äž­å’Œ 䞭孊卒業たでに習ったように、酞ず塩基が反応しお、たがいの性質を打ち消しあうこずを䞭和ちゅうわ、neutralizationずいう。 これは、むオンの芳点からみれば、酞から生じる H+ ず、塩基から生じる OH- が結び぀いお H2O ずなる倉化である。 たずえば、塩酞HClず氎酞化ナトリりムNaOH氎溶液の䞭和反応は、次のように衚される。 - HCl + NaOH → NaCl + H2O たた䞭和埌の反応液を蒞発させるず、塩化ナトリりムNaClの結晶が埗られる。 NaClのように、䞭和反応で生じる酞の陰むオンず塩基の陜むオンずからなる化合物を塩えん、saltずいう。 䞭和反応は、次のようにたずめられる。 - 酾 + 塩基 → å¡© + æ°Ž 䞭和滎定 濃床䞍明の酞の濃床を枬りたいずきは、濃床が分かっおいる塩基で、䞭和反応に芁した溶液の䜓積をもずに、酞の濃床を枬定できる。 ぀たり、ある酞ず塩基が、過䞍足なく䞭和しあうずき、 - 酞から生じる [H+] の物質量  塩基から生じる [OH-]の物質量 の公匏が成り立぀。 さお、酞の溶液が、酞の䟡数がa䟡で、モル濃床cmol/lで、䜓積vmLずする。塩基の溶液が、䟡数はb䟡でモル濃床c'mol/lで䜓積v'mLずする。 するず、本節冒頭の説明ずたずめれば、 - acv=bc'v' である。 この原理を甚いお、濃床䞍明の酞の濃床を枬るずきは、濃床が分かっおいる塩基で、䞭和反応に芁した溶液の䜓積をもずに、酞の濃床を枬定できる。 同様に、濃床䞍明の塩基は、濃床が分かっおいる酞があれば、䞭和反応に芁した溶液の䜓積をもずに、塩基の濃床を枬定できる。 このように、䞭和反応に芁した溶液の量をもずに、濃床が未知の酞たたは塩基の濃床を枬定するこずを䞭和滎定ちゅうわ おきおいずいう。そしお枬定結果の、加えた溶液の䜓積ず、pHずの関係を右図のようにグラフにしたものを滎定曲線おきおいきょくせん、titration cureveずいう。 滎定曲線などで、ちょうどピッタリず䞭和するずころを䞭和点ちゅうわおん、neutrakization pointずいう。䞭和のさい、䞭和点の付近でpHが急激に倉わる。 䞭和点のさいの加えた溶液の䜓積をなるべく正確に知るため、指瀺薬が必芁である。その䞭和点のための指瀺薬ずしお、フェノヌルフタレむン略称:PPずメチルオレンゞ略称:MOの䞡方が、䞭和滎定では、よく甚いられる。 メチルレッドやブロモチモヌルブルヌを甚いる堎合もある。 なお、䞭和点のpHは、必ずしも7ずは限らない。䞭和で生じた塩が氎ず反応しお、酞性たたは塩基性を瀺す堎合があるから、である。 - 匱酞の滎定 たずえば匱酞である酢酞を、匷塩基である氎酞化ナトリりムで滎定するず、䞭和であらわれる塩が塩基性であるため、滎定曲線の䞭和点が pH7〜11 ず塩基性偎に偏るかたよる。 たた、メチルオレンゞは、酢酞氎溶液の滎定では、䞭和する前に色が倧きく倉わっおしたうため、メチルオレンゞは酢酞氎溶液では指瀺薬ずしお䞍適である。フェノヌルフタレむンは倉色域を塩基性偎に持぀ため、酢酞氎溶液の滎定でもフェノヌルフタレむンは指瀺薬ずしお䜿える。 - 匱塩基の滎定 いっぜう、匱塩基であるアンモニアを、塩酞のような匷酞で滎定するず、䞭和点のpHが酞性偎に偏る。䞭和点付蚘のpHの倉化は3〜9である。この堎合、フェノヌルフタレむンは指瀺薬ずしお䞍適圓である。いっぜう、メチルオレンゞは倉色域を酞性偎に持぀ため、指瀺薬ずしお䜿える。 䞭和滎定に甚いる道具 - 䜿甚する溶液で掗う道具 - ホヌルピペット - ビュレット なお、䜿甚する溶液で掗うこずを共掗いずもあらいずいう。 もし氎で掗うず、その氎が枬定䞭の溶液にたざっおしたうので、枬定結果が倉わっおしたうからである。 - 玔氎で掗っお濡れたたたでよい道具 - メスフラスコ - コニカルビヌカヌ これらの道具は、枬定倀を確定したあずの液䜓を集めるための道具なので、氎が混ざっおも、枬定倀の確定には圱響しない。 pH指瀺薬 - 匷酞+匷塩基 䞭和点は䞭性 - フェノヌルフタレむン - メチルオレンゞのいずれでもよい - 匱酞+匷塩基 䞭和点は匱塩基性 - フェノヌルフタレむンのみ - 匷酞+匱塩基 䞭和点は匱酞性 - メチルオレンゞのみ å¡© 塩の分類 NaHSO4は、氎酞化ナトリりム NaOH ず硫酞 H2SO4 の䞭和反応からなる塩には、硫酞ナトリりム Na2SO4 ず 硫酞氎玠ナトリりム NaHSO4 の2皮類がある。 このうち、硫酞氎玠ナトリりム NaHSO4 のように、組成に酞のHが残っおいる塩を酞性塩さんせいえん、acid saltずいう。いっぜう、硫酞ナトリりム Na2SO4 のように、組成に酞のHも塩基のOH含たない塩を正塩せいえん、normal saltずいう。 - 酞性塩 - 酞ず塩基が化合した塩のうち、硫酞氎玠ナトリりム NaHSO4 や 炭酞氎玠ナトリりム NaHCO3 のように、組成に酞のHが残っおいる塩を酞性塩さんせいえん、acid saltずいう。 なお、氎溶液が酞性かどうかは、酞性塩の定矩ずは無関係である。たずえば炭酞氎玠ナトリりム NaHCO3は酞性塩だが、その氎溶液は匱い塩基性である。なお、硫酞氎玠ナトリりム NaHSO4の氎溶液は酞性である。 - 塩基性塩 - 組成に塩基のOHが残っおいる塩を塩基性塩えんきせい えん、basic saltずいう。 塩化氎酞化マグネシりム MgCl(OH) は、氎酞化マグネシりム Mg(OH)2 ず塩化氎玠 HCl から生じた塩のうち、氎酞化マグネシりムの OH が残っおいる塩である。 - 正塩 - 塩化ナトリりム NaCl のように、組成に酞の H も塩基の OH も含たない塩を正塩せいえん、normal saltずいう。 塩化ナトリりムは、氎酞化ナトリりム NaOH ず塩化氎玠 HCl ずの塩である。 䟋 NaCl、NH4Cl、CH3COONa '泚意' この分類は、塩の氎溶液の液性ずは無関係なので芁泚意。 䟋 - NaHCO3は、酞性塩だが氎溶液は塩基性。 - NH4Clは、正塩だが、氎溶液は酞性。 塩の加氎分解 酢酞 CH3COOH ず氎酞化ナトリりム NaOH の䞭和で生じる酢酞ナトリりム CH3COONa の氎溶液は、塩基性である。 このように、䞀般に、匱酞ず匷塩基からなる塩の氎溶液は、塩基性を瀺す。 こうなる理由は、匱酞は電離床は小さく、匷塩基は電離床が倧きいからである。 CH3COONa が氎に溶けるず、いったん CH3COO- ず Na+ に分解するが、匱酞は電離床が小さいため、ほずんどは氎溶液䞭の H+ ず反応しお、酢酞分子CH3COOH に戻っおしたう。いっぜう、匷塩基は電離床が倧きいので、ほずんどは電離したたたなので OH- は枛らない。 このため、氎溶液䞭の H+ が枛り OH- が増えるので、氎溶液が塩基性になる。 この珟象を化孊匏でたずめるず、いったん ず分解しおから ずいう結合が起きたずいう珟象になる。 このように、電離しお生じたむオンが氎溶液ず反応しお、氎溶液が酞性たたは塩基性になる反応を、塩の加氎分解かすい ぶんかい、hydrolysisずいう。なお、塩化ナトリりムが氎溶液に溶けお䞭性になる時のような堎合は、加氎分解ずは呌ばない。 塩化アンモニりム氎溶液は、匱塩基のアンモニアず匷酞の塩酞からなる塩である。塩化アンモニりムの氎溶液は、酞性である。 こうなる理由は、匱塩基は電離床が小さく、匷酞は電離床が倧きいからである。 NH4Cl の倚くは、氎分子に H+ を䞎えお、自身はアンモニア NH3 分子になる。いっぜう、匷酞のHClは電離したたたである。 この結果、氎溶液䞭に H+ が倚くなるので、よっお酞性の氎溶液になる。 このように、匱塩基ず匷酞の塩による氎溶液は、䞀般に、酞性である。 塩化アンモニりムの氎溶液の反応を化孊匏にするず、 である - 匷酞ず匷塩基からなる塩 塩化ナトリりム NaCl のように、匷酞ず匷塩基からなる正塩の氎溶液は、䞭性である。よっお、匷酞ず匷塩基からなる塩は、加氎分解しない。 - 匷酞ず匷塩基からなる酞性塩たたは塩基性塩 正塩以倖の堎合は、぀たり酞性塩たたは塩基性塩の堎合なら、たずえ匷酞ず匷塩基からなる塩でも、氎溶液が酞性たたは塩基性の堎合もある。たずえば硫酞氎玠ナトリりム NaHSO4 は匷塩基 NaOH ず匷酞のH2SO4 からなる塩であり、硫酞のH が残っおるので酞性塩であるが、その氎溶液は酞性である。 - 酞性塩の氎溶液 炭酞氎玠ナトリりム NaHCO3 は酞性塩だが、この塩 NaHCO3 は、匱酞の炭酞 H2CO3 ず匷塩基 NaOH からなる。さきほど説明した「匱酞ず匷酞ずの塩の氎溶液は、塩基性」の原則どおりに、炭酞氎玠ナトリりム NaHCO3 の氎溶液は塩基性である。 硫酞氎玠ナトリりム NaHSO4 の氎溶液は、さきほど説明したように、酞性を瀺す。 匱酞・匱塩基の遊離 - 匱酞の塩ず匷酞の反応 CH3COONa のような匱酞ず匷塩基の塩に、 HClのような匷酞を加えるず、匱酞が遊離する。 - CH3COONa  HCl → CH3COOH  NaCl - 匱塩基の塩ず匷塩基の反応 塩化アンモニりム氎溶液ず氎酞化ナトリりムでは、匱塩基が遊離するため、アンモニアが発生する。 - NH4Cl  NaOH → NaCl  H2O  NH3 倚段階電離 溶液䞭で、倚䟡の酞が氎玠むオンを電離するずきは、段階的に個ず぀氎玠むオンを電離をしおいる。 たずえば䟡の酞である硫酞では、以䞋のように電離をする。 - H2SO4 → H+ + HSO4- 第1段階 - HSO4- → H+ + SO4- 第2段階 このように段階的に倚段階に電離するこずを、倚段階電離ずいう。 䞀般に、倚䟡の酞の電離床は、第2段階以降の段階の電離床ず比べお、第1段階の電離床がもっずも倧きい。 硫酞の堎合も第䞀段階の電離床が、もっずも倧きい。 - 倚䟡の塩基の堎合 いっぜう、倚䟡の塩基が電離するずきに぀いおは、事情が異なる。たずえばむオン結晶である氎酞化カルシりムCa(OH)2の氎に溶けお生じた電離では、段階でたずめお電離をする。 - Ca(OH)2 → Ca2+ + 2(OH)- 二段階䞭和 炭酞ナトリりムNa2CO3は塩えんである。炭酞ナトリりムの氎溶液は塩基性を瀺す。 炭酞ナトリりムに塩酞などの匷酞をくわえおいくず、2段階の䞭和反応を起こす。 - Na2CO3  HCl → NaCl  NaHCO3 (1) - NaHCO3  HCl → NaCl  H2O  CO2 (2) (1)の反応が終了しおからでないず、(2)の反応が起こらない。 この反応の滎定曲線は、図のように、pHが2か所で倧きく倉化する。その理由は2か所でpHが急倉する理由は、反応が(1)ず(2)の二段階で起きるからである。 第䞀䞭和点pH=8.5付近はフェノヌルフタレむンの倉色赀色→無色で刀定できる。第二䞭和点の付近では溶液が、反応匏(1)からも分るように、塩化ナトリりムず炭酞氎玠ナトリりムずの混合液になっおいる。 第二䞭和点pH=3.5付近はメチルオレンゞの倉色黄色→赀色で刀定できる。第二䞭和点の付近では溶液が、反応匏(2)からも分るように、塩化ナトリりムず炭酞二酞化炭玠ずの混合液になっおいる。
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高等孊校化孊I/酞化還元反応 酞化ず還元の定矩 銅Cuの粉末を空気䞭で加熱するず、黒色の粉末が埗られる。これは、銅が空気䞭の酞玠ず結合しお、酞化銅ⅡCuOになったからである。このように物質に酞玠が化合するこずを酞化さんか、oxidationずいう。 - 2Cu + O2 → 2CuO 酞玠が化合した物質に぀いおは、その物質は酞化されたずいう。酞化による生成物を酞化物ずいう。以䞊のような酞化する反応を酞化反応ずいう。 なお、「酞」化ずいっおも、酞性・塩基性ずは意味が異なるので、混同しないように泚意のこず。「酞化」の「酞」は、「酞玠」の「酞」である。 電荷を考えるず、銅の酞化では、 - 2Cu + O2 → 2CuO は、原子ごずの電荷は、それぞれ - 2Cu → 2Cu2+ + 4e- および - O2 + 4e- → 2O2- ずなる。 酞化の際、銅は電子を攟出しおいる。 さお、䞀方、酞化銅の粉末を耐熱ガラスなどに入れ、氎玠を通じながら加熱をするず、粉末は赀耐色の銅に戻る。 これは酞化銅から氎玠が酞玠を奪い、もずの銅に戻した珟象である。 - CuO + H2 → Cu + H2O このように、ある物質が酞玠を倱うこずを還元かんげん、reductionあるいはReductionずいう。このような還元する反応を還元反応ずいう。この銅の還元反応では、氎玠は逆に酞化をしお氎になっおいる。このように酞化反応ず還元反応は、同時に起こる。そこで、これら同時に起こる酞化反応ず還元反応ずをたずめお、酞化還元反応ずいう。 電荷を考えるず、酞化銅の還元では、原子ごずの電荷は、それぞれ - H2 → 2H+ + 2e- および - Cu2+O2- + 2e- → Cu + O2- ずなる。 このように、銅は、還元の際、電子を獲埗しおいる。 このように還元されるこずによっお、酞玠に吞匕されおいた電子が銅に戻り、銅は電子を獲埗しおいる。 このような考えのもず、還元の定矩を拡匵しお、原子が電子を受け取るこずを還元ずいう。たた、原子が電子を攟出するこずを酞化ずいう。 高校では、電子の授受をもずに、酞化・還元を定矩する。 この化合の際の、原子の電子の授受に基づく定矩で酞化ず還元ずを定矩するず、酞玠ず化合しない反応の堎合にも、酞化の定矩を拡匵できる。同様に、原子の電子の授受に基づいた定矩で、氎玠ず化合しない反応にも、還元の定矩を拡匵できる。 このように、普遍的に物質の酞化ず還元ずを刀別するには、電子の授受で考える。 他の物質の䟋で考えよう。 - 2H2S + O2 → 2S + 2H2O この反応は、硫化氎玠の酞化である。硫化氎玠の硫黄は酞玠ず化合しおるし、氎玠を倱っおいる。 酞化ず還元ずをたずめるず、以䞋のようになる。 酞化ずは 1.酞玠を受け取る(化合する)こず 2.氎玠を倱うこず 3.電子を倱うこず 還元ずは 1.酞玠を倱うこず 2.氎玠を受け取るこず 3.電子を受け取るこず 䟋 - 2Mg+O2→2MgO マグネシりムが酞化(酞玠が化合)しお酞化マグネシりムになった この化孊反応匏は以䞋の぀のむオン半反応匏に分解するこずができる。 - 2Mg → 2Mg2++4e- - O2+ 4e- → 2O2- 酞化還元反応の化孊反応匏は、たず半反応匏を぀くり、それを足し合わせるこずで䜜る。 酞化数 むオン結合では、電子の授受の方向が刀別しやすいが、いっぜう共有結合からなる化合物の化合反応では、電子の授受の方向が刀別しづらい堎合が倚い。そこで、共有結合のような、電子の授受の方向が刀別しづらい堎合でも、酞化の床合いを定矩できるように、次のような酞化数さんかすう、oxidation numberずいう抂念が考えられた。 酞化数の蚈算方法は、぀ぎ1〜5のように定められおる。 (1) 単䜓の原子の酞化数を0れロず定矩する。 䟋 - H2 の酞化数は0である。 - O2 の酞化数は0である。 - Cl2 の酞化数は0である。 - 単䜓の炭玠 C の酞化数は0である。 - 単䜓の Fe の酞化数は0である。 などなど・・・ (2) ほずんどの化合物䞭で、氎玠原子Hの酞化数は1。ほずんどの化合物䞭で、酞玠原子Oの酞化数はヌ2。 䟋 - æ°ŽH2Oでは、Hの酞化数は 1 であり、Oの酞化数は 2 である。 - 塩化氎玠 HCl では、Hの酞化数は 1、Clの酞化数は である。 ただし、過酞化氎玠H2O2では䟋倖的に、Oの酞化数は ヌ1 である。過酞化物では、Oの酞化数はヌ1である。 (3) 単原子むオンの酞化数は、むオンの電荷に等しい。 䟋 - Na+の酞化数は 1 である。 - Cl-の酞化数は ヌ1 である。 - Al3+の酞化数は 3 である。 (4) 電気的に䞭性の化合物では、構成する原子の酞化数の総和は 0 である。 NH3 では、 - ヌ3×1  1×3  0 H2O では、 - +1×2  -2×1  0 (5) 倚原子むオンを構成する化合物の酞化数の総和は、そのむオンの笊号を含めた電荷である。 䟋 SO42- では、 - 6-2×4  -2 よっお酞化数の総和は -2 である。 MnO4- では、 - +7-2×4  -1 よっお酞化数の総和は -1 である。 - 䟋 たずえば安定した䞀酞化炭玠 CO 䞭での炭玠 C の酞化数は (+2) だが、安定した二酞化炭玠 CO2 䞭のCの酞化数は (+4) である。このように、たずえ同じ元玠でも、化合物がむオン化しおない堎合でも化合物の皮類によっお、その元玠の酞化数が倉わる。 なので、あたり無闇に酞化数を芚える必芁はない。ただし、問題緎習などを通しお自然に芚えられる堎合は、芚えおしたったほうが早い。 たた、 - 2CO + O2 → 2CO2 に぀いお、Cの酞化数の倉化2から4に倉化から、Cは酞化されたこずが分かる。 - 䟋題1 - 過マンガン酞カリりム KMnO4 䞭の Mn の酞化数を求めよ。 解法 たず、 K+ ず MnO4- の化合物だず芋なす。 するず、あずは MnO4- 䞭のマンガンの酞化数を求めれば良く、 そのための方皋匏を立おれば、仮に代数 x を求めるMnの酞化数だずしお、 - x + (-2)×4 = -1 を解けばよい。 あるいは、最初から、 Kの酞化数(+1) 、および Oの酞化数(-2) 、およびKMnO4党䜓の酞化数0 、を仮定しお、次のような匏で解いおもよい。 - +1 x -2×4  0 どちらの解法の匏にせよ、解けば、 - x  7 よっおMnの酞化数は (7) である。 MnやCuやCrやFeなどの酞化数の問題は、このようにしお、解く。Mnなどの酞化数の数倀は、芚える必芁はない。 いっぜう、Kの酞化数は、芚えなければならない。たた、Oの酞化数も、芚えなければならない。 酞化剀ず還元剀 酞化剀ず還元剀の働き 酞化還元反応で、盞手の物質から電子を奪っお酞化をする物質を酞化剀さんかざい、oxidizing agentずいう。酞化還元反応で、盞手の物質に電子を䞎えお還元をする物質を還元剀かんげんざい、reducing agentずいう。 酞化剀は、酞化還元反応においお、自身は還元される。 還元剀は、酞化還元反応においお、自身は酞化される。 過マンガン酞カリりム 垌硫酞で酞性にした氎溶液の䞭で、過マンガン酞カリりムは、匷い酞化䜜甚を瀺す。 - MnO4-  8H+ +5e- → Mn2+ + 4 H2O 酞性 酞性でない氎溶液では、過マンガン酞カリりムの氎溶液の色は、赀玫色である。酞性の氎溶液では、過マンガン酞カリりム氎溶液の色は、ほが無色のうすい淡桃色である。教科曞によっおは、無色ず玹介しおいる本もあるので、「酞性氎溶液での過マンガン酞カリりムは無色」ず芚えおも良い。 過酞化氎玠 過酞化氎玠は、反応する盞手によっお、酞化䜜甚を瀺す堎合もあれば、還元䜜甚を瀺す堎合もある。䞀般的には、過酞化氎玠は、酞性氎溶液䞭で、酞化䜜甚を瀺す堎合のほうが倚い。 - 酞性 H2O2  2H+ + 2e- → 2H2O 䞊蚘の反応匏をみればわかるように、酞化に氎玠むオンが必芁なので、酞性溶液である必芁がある。 - ペり化カリりム KI ず過酞化氎玠が反応する堎合 たず、ペり化カリりム KI は、代衚的な還元剀の䞀぀である。いっぜう、過酞化氎玠は、代衚的な酞化剀の䞀぀である。 代衚的な酞化剀ず代衚的な還元剀ずが硫酞氎溶液で反応しあう堎合、圓然、代衚的な酞化剀のほうが酞化するのが、䞀般的である。 ペり化カリりム KI ず過酞化氎玠 H2O2 の反応でも、原則どおりにH2O2 は酞化䜜甚を瀺す。 ペり化カリりムの垌硫酞氎溶液に過酞化氎玠氎を加えるず、反応の結果、ペり玠 I2 を生じお、氎溶液は耐色になる。 この反応では、ペり化物むオン I- は、H2O2 に電子をうばわれおいる。 では、反応党䜓の反応匏を芋お行こう。 - 2KI + H2O2 + H2SO4 → I2 + 2H2O  K2SO4 なお、この匏を導くには、最終的な生成物を芚える必芁はあるが、 - H2O2  2H2 + 2e- → 2H2O - 2I- → I2 + 2e- を連立しお、巊右䞡蟺の電子e-の数を打ち消せばよい。 匷い酞化剀が過酞化氎玠の反応する盞手の堎合に、過酞化氎玠による酞化䜜甚が進たなかったり、むしろ過酞化氎玠が還元䜜甚を瀺す堎合もある。 このように、匷い酞化剀が反応盞手の堎合には、匱いほうの酞化剀が䜜甚できない堎合もある。 たずえば、硫酞で酞性にした氎溶液䞭で過マンガン酞カリりムず過酞化氎玠が反応する堎合、過酞化氎玠は還元剀ずしお働く。 - 5H2O2  3H2SO4 → 5O2  2MnSO4  K2SO4  8H2O なお、この匏を導くには、最終的な生成物を芚える必芁はあるが、 - H2O2  2H2 + 2e- → 2H2O - MnO4-  8H+ +5e- → MnO2 + 4 OH- を連立しお、巊右䞡蟺の電子e-の数を打ち消せばよい。 おもな酞化剀ず還元剀 酞化剀溶液を酞性にするさい、塩酞や硝酞ではなく硫酞で酞性にする理由 酞化剀溶液を塩酞で酞性にしようずするず、塩化物むオンが酞化されおしたい、塩酞が還元剀ずしお働いおしたうからである。 たた、硝酞では、硝酞じたいが酞化剀ずしお働いおしたう。 よっお、酞化剀溶液を酞性にする必芁がある堎合には、硫酞をもちいお酞化剀溶液を酞性にするのである。そのため、垌硫酞をくわえる。 酞化還元滎定 原理 濃床䞍明のある酞化剀の濃床を枬りたいずきは、濃床が分かっおいる還元剀をくわえお、酞化還元反応に芁した溶液の䜓積をもずに、酞化剀の濃床を枬定できる。 ぀たり、ある酞化剀ず還元剀が、過䞍足なく䞭和しあうずき、 - 酞化剀が受け取る電子 e- の物質量  還元剀が攟出する電子 e- の物質量 の公匏が成り立぀。 さお、酞化剀の溶液が、酞化剀の䟡数がa䟡で、もずもずのモル濃床cmol/lずしお、くわえた䜓積をvmLずする。還元剀の溶液が、䟡数はb䟡で、モル濃床はc'mol/lで、くわえた䜓積をv'mLずする。 するず、匏にたずめれば、 - acv=bc'v' である。 具䜓䟋をあげるず、濃床のわかっおいる過マンガン酞カリりム溶液硫酞酞性ず、濃床䞍明の過酞化氎玠氎では、 - 酞化剀 MnO4-  8H+ +5e- → MnO2 + 4 OH- 酞性 - 還元剀 H2O2 → O2 + 2H2O + 2e- なので、 - 酞化剀が受け取る電子 e- の物質量  5cv - 還元剀が攟出する電子 e- の物質量  2c'v' である。 よっお、方皋匏 - 5cv = 2c'v' ずなる。 この問題の堎合、求めたいのは濃床䞍明の還元剀の濃床 c' であり、方皋匏で移項しお蚈算すれば求たる。 このような原理を甚いお、濃床䞍明の酞化剀の濃床を枬るずきは、濃床が分かっおいる還元剀で、酞化還元反応に芁した溶液の䜓積をもずに、酞化剀の濃床を枬定できる。 同様に、濃床䞍明の還元剀は、濃床が分かっおいる酞化剀があれば、酞化還元反応に芁した溶液の䜓積をもずに、還元剀の濃床を枬定できる。 このように、酞化還元反応に芁した溶液の量をもずに、濃床が未知の酞たたは塩基の濃床を枬定するこずを酞化還元滎定さんかかんげん おきおい、redox titrationずいう。 酞化還元にもちいる噚具は、ボヌルピペット、ビュレットなど、䞭和滎定ず同じである。 具䜓䟋 - 濃床のわかっおる過マンガン酞カリりムをもちいお滎定する堎合 なお、過マンガン酞カリりムを甚いる堎合、酞性の過マンガン酞カリりムの色が酞性かどうかで倉わるので、過マンガン酞カリりムじたいが指瀺薬の圹割をはたす。なので、ほかの指瀺薬が䞍芁な堎合が倚い。 酞性の堎合、過マンガン酞カリりムは無色である。酞性でない、䞭性たたは塩基性の溶液のずきの過マンガン酞カリりムは赀玫色である。 過マンガン酞カリりムは酞性にせず、䞭性のたた、滎定に甚いる。぀たり、赀玫色の状態で、滎定に甚いる。 濃床のわかっおる過マンガン酞カリりムをもちいお、濃床が未知の還元剀を滎定する堎合、過マンガン酞カリりム溶液が滎䞋のために䞊方のビュレット偎になり、濃床をしりたい溶液がフラスコやビヌカヌなどの滎䞋される偎になる。そしお、濃床をしりたい溶液の偎に、硫酞をくわえお、酞性にしおおく。぀たり、フラスコやビヌカヌのほうに、硫酞が加えられる。 硫酞酞性の過マンガン酞カリりムが䞊偎のビュレット内で、盞手偎の濃床未知が䞋偎のフラスコ内になる。 䟋ずしお、濃床䞍明の過酞化氎玠氎の濃床をはかる堎合を考える。 過酞化氎玠氎は、䞊のビュレットから赀玫色の過マンガン酞カリりムをたらされおも、最初のうちは過マンガン酞カリりムが過酞化氎玠氎は着色せずに、すぐに無色になる。 なぜなら、䞋偎の溶液内で、぀ぎの反応匏が起きる。 - 2kMnO4 + 3H2SO4 + 5H2O2 → K2SO4 + 2MnSO4 + 5O2 + 8H2O 過酞化氎玠氎に過マンガン酞カリりムが滎䞋されるず、䞊匏の反応が起きるので、䞋偎の溶液が過マンガン酞カリりムの混合液から硫酞マンガンの混合液に倉わるので、そもそも過マンガン酞カリりムじたいが䞋偎の溶液色から消倱するので、よっお䞋偎の溶液が赀玫色でなくなる、ずいうわけである。硫酞マンガンの色は、ほが無色である。 しかし、滎定を぀づけおいき H2O2 が酞化され぀くすず、この反応が起きなくなり、kMnO4 が滎䞋溶液内に残り続けるので、赀玫色が残り続けるわけである。 このように、滎䞋を぀づけおいくず、やがお䞋偎の溶液に滎䞋された赀玫色が消えなくなるので、それを反応の終点ずする。 参考: COD化孊的酞玠芁求量 - ※ 怜定教科曞の範囲内です。 - ※ 未蚘述
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高等孊校化孊I/金属の粟錬 鉄鋌 銑鉄 鉄鉱石からの鉄の粟錬では、赀鉄鉱 Fe2O3 などの鉄鉱石を溶鉱炉でずかし、炭玠などを加えお還元し、たた䞍玔物をずりのぞくため石灰石 CaCO3 を加える。石灰石によりシリカSiO2やアルミナAl2O3などの脈石岩石を構成する成分のこず。が分離される。 このようにしお埗た鉄を銑鉄せんお぀ずいう。 石灰石は、鉱石䞭のケむ酞塩ず反応しスラグ CaSiO3 を圢成し、スラグは比重が銑鉄より軜いため、スラグは銑鉄に浮かぶので、これを溶鉱炉から分離する。スラグはセメントの原料になるので、スラグは廃棄せず分離しお回収する。 たた、炭玠や石灰石などの添加は、融点を䞋げる圹割も有る。凝固点降䞋ず同じ原理である。䞀般に混合物は融点が䞋がる。 銑鉄は還元に甚いた炭玠Cを倚く含む。 炭玠を4%以䞊より倚く含む鉄など、鉄䞭の炭玠が倚いず、粘りが無くなり、衝撃などに察しお脆く、硬いが割れやすくなる。 このような鉄は、割れやすいが混合物のため融点が䜎く、たた流動性も良いため鋳造ちゅうぞうに甚いられる。そのため、このように炭玠含有量の倚い鉄は鋳鉄ちゅうお぀ず呌ばれる。 しかし鋳鉄は割れやすいため、鋳造以倖の他の甚途には䞍䟿である。 䞈倫な鉄を埗るには銑鉄の炭玠量を適量に枛らす必芁があり、転炉で酞玠を加えお燃焌させお取り陀く。転炉には、酞玠吹き蟌み転炉などを甚いる。この酞玠吹き蟌みの酞化熱が、鉄を溶かし続ける熱源に䜿える。 炭玠含有量を枛らしお炭玠Cを0.02%2%ほど含む鉄を鋌こうずいう。 鋌の䞭の炭玠および他の合金成分の量が少ないず、鋌は柔らかくなり、比范的に軟らかい鋌を軟鋌なんこうずいう。 炭玠量および他の合金成分が倚いず、鋌は固くなるので、このような、固い鋌を硬鋌こうこうずいう。 鉄鉱石の還元反応は以䞋の反応である。 溶鉱炉内では段階的に還元し、 ず還元しおいく。 - [450℃] - [800℃] - [1200℃] 添加物のため融点は䞋がり、およそ1400℃で融解し、溶鉱炉の底に溶けた鉄がたたる。 なお、1200℃での反応の匏に぀いお、枩床が高くなりすぎるず、逆方向に反応が進んでしたいCO2によるFeの酞化が起きるので、1200℃皋床を保぀必芁がある。 鋌にCrやNiを混ぜた合金がステンレス鋌である。このステンレス鋌は化孊的な耐食性が高い。 銅 銅の鉱石には黄銅鉱CuFeS2がある。粟錬にはたず、黄銅鉱を溶鉱炉で溶かす。溶鉱炉にはコヌクスCおよびケむ砂SiO2を加える。 硫化銅Cu2Sは「かわ」ずよばれる。この硫化銅は炉の䞋局に沈む。FeSiO3 は䞊局に分離する。溶鉱で発生したFeSiO33は「からみ」ずいう。なおFeSiO3 の匏をFeOSiO2ず曞く堎合もある。 この硫化銅を転炉で空気を吹き蟌むず、銅が遊離する。 転炉で䜜った銅を粗銅そどうずいう。粗銅の玔床は98.5%皋床である。 粗銅の玔床を䞊げる目的で金属のむオン化傟向を利甚した電気粟錬が行われる。粗銅を陜極にしお、玔銅板を陰極にしお硫酞銅CuSO4氎溶液䞭で電気分解するず、陰極に玔床が高い銅99.97%皋床が析出する。 このように電気粟錬で埗た銅を電気銅ずいう。 この電気銅が、珟圚西暊2013幎に蚘事を執筆、甚いられおいる銅材料の原料である。 なお、電気粟錬の際に、銅䞭に銀Agや金Auなどの䞍玔物が混ざっおいるず、電気粟錬の際に、銀や金はむオン化傟向が銅よりも䜎いのでむオン化せず、金や銀が陜極の䞋に沈殿する。この沈殿を陜極泥ずいう。 電気銅は、ただ氎玠や硫黄などの䞍玔物が含たれおおり、それらの䞍玔物を取り陀くため電気銅のあずにも粟錬は続く。 特に、銅ぞの氎玠の混入は、氎玠脆性すいそぜいせいずいう金属材料が脆くなる原因になるので、取り陀かなければならない。 銅の特城ずしお、銅は電気の䌝導性がよく、たた熱の䌝導性も良い。なお、䞀般に玔金属の熱䌝導性ず電気䌝導性は比䟋する。 アルミニりム アルミニりムの粟錬は、鉱石のボヌキサむトからアルミナAl2O3を抜出する工皋ず、アルミナAl2O3から電解しおアルミニりムを埗る工皋からなる。 バむダヌ法 アルミニりムの倩然の鉱石はボヌキサむトbauxiteずいい、ボヌキサむトの化孊匏はAl2O3・nH2Oである。ボヌキサむトに濃い氎酞化ナトリりム溶液NaOHを加えおアルミン酞ナトリりム2Na[Al(OH)4]が埗られる。正確にはテトラヒドロキドアルミン酞ナトリりムずいう。 アルミン酞ナトリりム2Na[Al(OH)_4]の溶液を冷华し、加氎分解がおこるず氎酞化アルミニりムAl(OH)3 の沈殿が析出する。 生じたAl(OH)3 を分離しお、このAl(OH)3を1200℃に加熱しお酞化アルミニりムAl2O3にする。 これらのボヌキサむトからアルミナたでの工皋をバむダヌ法ずいう。 Al2O3 はアルミナずいう。アルミナは融点が高く、玄2000℃の融点なので、融点を次の融解塩電解ずいう凊理で䞋げる。 アルミナの融解塩電解 たず、氷晶石を加える。するず融点が䞋がる。これを電解しおアルミニりムにする。 この氷晶石を甚いたアルミナの融解の方法をホヌル・゚ルヌ法ずいう。 ※ 化孊でも電気分解を玹介しおるので、読者は必芁に応じ参照されたい。 工皋は以䞋のずおり。 アルミナAl2O3融点 2072 °Cに氷晶石Na3 AlF6融点 1012℃を、割合が氷晶石9.5重量%ほどになるたで少しず぀加える。氷晶石はアルミナにずっお䞍玔物であり、䞍玔物ずの混合によっお溶融枩床が䞋がり、融点が玄970℃になる。 溶融したアルミナを電気分解によっお、粟錬する。 たた、このように添加物を加えお融点を䞋げ、溶融させお電解する方法を融解塩電解たたは溶融塩電解ずいう。 溶融塩電解による粟錬は、アルミニりムの他に、酞化マグネシりムMgOからマグネシりムMgを粟錬する堎合や、酞化チタンTiO2からチタンTiを粟錬する堎合に甚いられる。 ちなみにアルミナAl2O3 はセラミック材料ずしお様々な優れた性質を持っおいる。 酞化マグネシりムマグネシアずいうや酞化チタンもセラミックス材料ずしお優れた性質を持っおいる。 アルミニりムやマグネシりムなどのように酞化物からの粟錬に手間が掛かる材料は、裏を返せば、アルミナやマグネシアのように酞化物はセラミックスずしお安定した性質を持っおいるずいうこずでもある。
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高校化孊 2族元玠 呚期衚の2族の元玠は、すべお金属元玠である。2䟡の䟡電子をもち、2䟡の陜むオンになりやすい。倩然には塩ずしお存圚しおいる。 2族元玠のこずをアルカリ土類金属ずいう[1]。 アルカリ土類金属元玠 2族元玠の単䜓は、いずれも、空気䞭で激しく燃焌しお酞化物を生じる。たずえばマグネシりムは癜い匷い光を出しながら燃焌しお癜色の酞化マグネシりムMgOを生じる。 - 2Mg + O2 → 2MgO マグネシりムは二酞化炭玠ずも熱や光を出しながら激しく反応する。 - 2Mg + CO2 → 2MgO + C 2族元玠の酞化物はいずれも塩基性酞化物であり、酞ず反応する。たずえば酞化マグネシりムは塩酞ず反応しお塩化マグネシりムを生じる。 - MgO + 2HCl → MgCl2 + H2O 塩化マグネシりムは癜色の固䜓であり、朮解性がある。 ベリリりム・マグネシりムずアルカリ土類金属ずでは、次のような違いがある。 - 炎色反応 - ベリリりムずマグネシりムの単䜓は、炎色反応を瀺さない。アルカリ土類金属元玠は炎色反応を瀺し、むオンの氎溶液を癜金線の先に぀けおガスバヌナヌの炎に入れるず、カルシりムでは橙赀色に、ストロンチりムでは玅色に、バリりムでは黄緑色に、それぞれ炎が色づく。 - 氎ずの反応性 - アルカリ土類金属の単䜓は垞枩で氎ず反応し、氎玠を発生する。 - Ca + 2H2O → Ca(OH)2 + H2↑ - 䞀方で、ベリリりムやマグネシりムの単䜓は垞枩では氎ず反応しない。ただし、マグネシりムは熱氎ず反応しお氎玠を発生しながら氎酞化物ずなる。 - Mg + 2H2O → Mg(OH)2 + H2↑ - アルカリ土類金属の単䜓は垞枩で氎ず反応し、氎玠を発生する。 - 氎酞化物の氎ぞの溶けやすさ - 䟋倖的に、氎酞化ベリリりム、氎酞化マグネシりムは氎に溶けにくい。だが、それ以倖のアルカリ土類金属の氎酞化物は氎に溶けやすい。 - 硫酞塩の氎ぞの溶けやすさ - 䟋倖的に、硫酞ベリリりム、硫酞マグネシりムは氎に溶けやすい。だが、それ以倖のアルカリ土類金属の硫酞塩は氎に溶けにくい。 バリりム 氎酞化バリりムの氎溶液などに垌硫酞を加えるず、硫酞バリりム BaSO4 の癜色沈殿が埗られる。 硫酞バリりム BaSO4 は癜色の粉末で、氎に溶けず、酞にも反応しない。 硫酞バリりムの実瀟䌚の甚途ずしお、医療では、この性質氎に溶けにくい、酞に反応しない、などを利甚しお、人䜓のX線撮圱の造圱剀ずしお、胃や腞など消化噚官のようすを撮圱するための造圱剀ずしお、硫酞バリりムは甚いられる。 なおバリりムおよび硫酞バリりムは、X線を透過させにくい。そのため、X線撮圱の際、人䜓内のバリりムのある堎所でX線が遮断され、撮圱装眮にX線が届かなくなるので、胃や腞でのバリりムのようすが芋える、ずいう仕組みである。 カルシりム カルシりムCaはアルカリ土類金属のひず぀である。単䜓は塩化カルシりムの融解塩電解により埗られる。 カルシりムの酞化物 単䜓を空気䞭で燃焌させるず酞化カルシりムCaOを生じる。酞化カルシりムは生石灰せいせっかいずも呌ばれる。 - 2Ca + O2 → 2CaO 酞化カルシりムに氎を加えるず熱を出しながら氎酞化カルシりムCa(OH)2を生じる。氎酞化カルシりムは消石灰ずも呌ばれる。 - CaO + H2O → Ca(OH)2 酞化カルシりムは氎を吞収し、そのさい発熱するこずから、也燥剀や発熱材ずしお甚いられる。 カルシりムの氎酞化物 酞化カルシりムに氎を加えるず熱を出しながら氎酞化カルシりムCa(OH)2を生じる。 - CaO + H2O → Ca(OH)2 逆に、氎酞化カルシりムを加熱するず酞化カルシりムが埗られる。 - Ca(OH)2 → CaO + H2O 氎酞化カルシりムはカルシりムを氎ず反応させるこずによっおも埗られる。 - Ca + 2H2O → Ca(OH)2 + H2 氎酞化カルシりムは癜色の粉末であり、氎酞化カルシりムは消石灰しょうせっかいずも呌ばれる。氎酞化カルシりムの氎溶液は塩基性を瀺し、䞀般に石灰氎せっかいすい、lime waterず呌ばれる。石灰氎に二酞化炭玠を通じるず、炭酞カルシりムの癜色沈殿を生じお癜濁する。この反応は二酞化炭玠の怜出に甚いられる。 - Ca(OH)2 + CO2 → CaCO3↓ + H2O しかし、癜濁した石灰氎にさらに二酞化炭玠を通じ続けるず、炭酞氎玠カルシりムずなっお沈殿は溶解し、無色の氎溶液になる。 - CaCO3 + CO2 + H2O → Ca(HCO3)2 この炭酞氎玠カルシりム氎溶液を加熱するず、ふたたび炭酞カルシりムの沈殿が生じる。 - Ca(HCO3)2 → CaCO3 + CO2 + H2O 氎酞化カルシりム氎溶液に塩酞を加えるず、塩化カルシりムを生じる。塩化カルシりムは吞湿性があり、也燥剀ずしおしばしば甚いられる。 - Ca(OH)2 + 2HCl → CaCl2 + 2H2O 氎酞化カルシりム氎溶液に塩玠を通じるず、さらし粉を生じる。 - Ca(OH)2 + Cl2 → CaCl(ClO)・H2O カルシりムの炭酞塩 炭酞カルシりム CaCO3 の固䜓は、倩然には石灰岩や倧理石ずしお存圚する。 鍟乳掞しょうにゅうどうや鍟乳石しょうにゅうせきは、炭酞カルシりムが地䞋氎にいったん溶けお、氎䞭で炭酞氎玠ナトリりムずなり、その埌、炭酞カルシりムに戻り、再床、固たったものでる。 炭酞カルシりムは塩酞などの匷酞ず反応しお、二酞化炭玠を発生する。 - CaCO3 + 2HCl → CaCl2 + H2O + CO2↑ 炭酞カルシりムは、セメントの原料や、チョヌクの原料、ガラスの原料、歯みがき粉の原料などずしお、䜿われおいる。 カルシりムの硫酞塩 氎酞化カルシりム氎溶液に硫酞を加えるず、硫酞カルシりム CaSO4 の癜色沈殿を生じる。硫酞カルシりムは倩然には二氎和物がセッコり石膏ずしお存圚する。セッコりを玄130℃で焌くこずにより、二分の䞀氎和物である焌きセッコりの癜色粉末ずなる。 - Ca(OH)2 + H2SO4 → CaSO4 + 2H2O 焌きセッコりの粉末に氎を少量たぜるず、硬化しお、䜓積が少し増え、セッコりになる。セッコり像や医療甚ギプスは、この性質を利甚しおいる。 カルシりムやバリりムの硫酞塩は氎に溶けにくく、この性質は陜むオンの系統分離においお重芁である。たた日垞生掻においおも重芁で、硫酞カルシりムは建築材や医療甚ギプスに、硫酞バリりムBaSO4はX線撮圱の造圱剀ずしお甚いられる。 発展: 硬氎ず軟氎 Ca2+やMg2+を倚く含む氎を硬氎ずいう。それらが少量しか含たれおいない氎のこずを軟氎ずいう。 日本では䞀般に、地䞋氎には硬氎が倚い。日本では河川氎には軟氎が倚い。 たた、硬氎を飲むず、䞋痢を起こしおしたう。なので、食甚には硬氎は䞍適切である。 しかし、蟲業甚氎に硬氎を䜿う分には問題がない。 もしボむラヌで硬氎を䜿うず、沈殿が残るので、配管の詰たりを起こしやすく、危険であり䞍適切である。 工業甚氎や生掻甚氎には、硬氎は䞍適切である。 倧陞の河川氎では、硬氎が倚い。その理由は、倧陞の河川氎は緩流なので、鉱物質が溶けこんでいるので、硬氎が倚い。 いっぜう、日本では急流が倚いこずが、日本の河川氎に軟氎が倚い。 ※ 範囲倖: ベリリりムずマグネシりムは、金属に分類されおいる高校教科曞でも、ベリリりムなどは金属に分類されおいる。。しかし、䞊述のように特殊な性質を瀺すこずもあり、䞀説には、ベリリりムはやや共有結合よりの金属結合をしおいる䞭間的な結合であるかもしれないず解釈する理論も存圚する。※ 参考文献: 東京化孊同人『無機化孊 - その珟代的アプロヌチ -』、第二版、94ペヌゞ  ベリリりムに他の金属が衝撃的にぶ぀かっおも火花が飛び散りづらい性質があるので、そのため特殊なカナヅチの材料ずしおベリリりム系の合金ベリリりムず銅の合金が䜿われおいるこずも倚い。 たたベリリりムはX線および電磁波を透過するので、X線管の材料のうち、X線を透過させたい郚分の材料に䜿われる。 倩然では、宝石の゚メラルドにベリリりムが含たれる。 なお、化孊的には、ベリリりムはアルミニりムに近い反応をするこずも倚い。※ 参考文献: 東京化孊同人『無機化孊 - その珟代的アプロヌチ -』、第二版、94ペヌゞ  ゚メラルドにも、アルミニりムは含たれる。゚メラルドの䞻成分は、シリコンずアルミニりムずベリリりムである。 ※ 範囲倖2: 耐火レンガ 酞化マグネシりム MgO は融点が高く玄2800℃、耐火レンガやる぀がの材料などに甚いられおいる。※ 数研出版のチャヌト匏にこのように曞かれおいる。 - ※ 叀い版のチャヌト匏では、融点が高いから耐火レンガに䜿われおいるず曞かれおいるが、最新の版では蚂正されおおり、これらは別個のこずずしお説明されおいる。 - ※ 怜定教科曞では、啓林通の科目『科孊ず人間生掻』教科曞で、組成は曞かれおないが、耐火レンガずいうものが存圚する事が曞かれおいる。 - 熱の䌝わりやすさの調節 チャヌト匏などでは範囲倖普通科高校の範囲倖なので觊られおないが、耐火レンガの材料などに酞化マグネシりムや酞化アルミニりムなどが甚いられる理由のひず぀ずしお、融点の高さのほかにも、熱の䌝わりやすさずいう、重倧な理由がある。※ 工業高校などの䞀郚の孊科で習う。※参考文献: 文郚科孊省著䜜教科曞『セラミック工業』平成15幎3月25日 初版発行、平成18幎1月25日、実教出版 発行、188ペヌゞや203ペヌゞなど。転炉や電気炉で近幎、マグネシアカヌボンれんが が甚いられおいるずいう。なお、高炉はアルミナ質れんが や 炭化ケむ玠れんが が甚いられおいるずいう。たた、補鉄の溶融スラグは塩基性であるず考えられおおり、酞化マグネシりムは耐塩基性ずしおの耐腐食性が高い぀たり、腐食しにくいず考えられおいるこずも、各所で酞化マグネシりムが䜿われる䞀因である。 もし る぀が等の䜿甚䞭に高熱が䞀箇所に蓄積するず、る぀が等が溶融しおしたい砎壊されおしたうので、熱を䌝えやすい材料を適切な堎所に甚いるこずで、る぀が等の寿呜をのばしおいるのである。 酞化マグネシりムや酞化アルミニりムなど、いちぶの金属の酞化物は金属酞化物を含たない単なる粘土レンガず比べれば比范的に熱を䌝えやすい。 名前こそ「耐火」レンガであるが、酞化マグネシりムを含たないからずいっお、耐熱性が䜎いわけでもないし、燃えやすいわけでもない。 酞化マグネシりム系レンガなどが必芁ずされる本圓の理由は、熱を分散・拡散しやすいこずである。 - ※ 『耐火レンガ』ずいう名称が、あたり適切ではないかもしれないが、瀟䌚では、この名前で定着しおしたっおいる。 耐火レンガを䜜る際、そもそもレンガの母材ずしお粘土が必芁であるが、それに酞化マグネシりムや酞化アルミニりムなどを適量に混ぜるこずで、熱の䌝わりやすさを調節しお、耐火レンガは蚭蚈される。 - ^ アルカリ土類金属の定矩ずしお、「Be,Mgを陀く2族元玠」ず定矩しおいるずころもある。これは、埌述するようにBe,Mgずその他の2族元玠の性質に異なるずころがあるからである。
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高校化孊 アルカリ金属 単䜓 氎玠を陀く1族元玠のリチりム Li, ナトリりム Na, カリりム K, ルビゞりム Rb, セシりム Cs, フランシりム Fr のこずをアルカリ金属ずいう。 アルカリ金属の単䜓は、いずれも銀癜色の固䜓である。融点が䜎くやわらかい金属で、カッタヌで簡単に切断するこずができる。 アルカリ金属の原子は䟡電子を1個もち、1䟡の陜むオンになりやすい。 このため、アルカリ金属の原子は酞化されやすいので、倩然には単䜓の状態では存圚せず、塩ずしお存圚する。 単䜓を埗るには、化合物の融解塩電解を行う。加熱しお融解させた化合物に電極を入れ、電気分解を行うず、陰極偎に金属の単䜓が析出する。 - X+ + e- → X↓ XはLi、Na、Kなど アルカリ金属は反応性が高く、還元性も高い。アルカリ金属は垞枩で空気䞭の酞玠や氎ず簡単に反応する。特に氎ずは、アルカリ金属は垞枩で氎ず反応しお氎玠を発生しながら激しく反応し、反応埌の溶液は匷塩基性の氎溶液になる。 - 4X + O2 → 2X2O - 2X + 2H2O → 2XOH + H2↑ XはLi、Na、Kなど そのため、アルカリ金属の単䜓を保存する際には、空気䞭の酞玠や氎ずの反応をふせぐために石油䞭灯油に保存する。リチりムは石油よりも軜いため、石油に浮く。たた、単䜓は玠手で觊れず、必ずピンセットなどを甚いお扱う。 むオンは炎色反応を瀺し、癜金線にむオン氎溶液を぀けガスバヌナヌの炎に入れるず、リチりムむオンでは赀色に、ナトリりムむオンでは黄色に、カリりムでは赀玫色にそれぞれ炎が色づく。 アルカリ金属の化合物 アルカリ金属は様々な化合物を䜜る。この章ではアルカリ金属の䞭でも、特にナトリりムの化合物に぀いお孊ぶ。 氎酞化物 アルカリ金属の単䜓が氎ず反応するず氎酞化物ずなる。たずえばリチりムは氎酞化リチりムLiOHに、ナトリりムは氎酞化ナトリりムNaOHに、カリりムは氎酞化カリりムKOHになる。 氎酞化ナトリりムの工業的な補法に぀いおは、塩化ナトリりム NaCl 氎溶液の電気分解によっお補造される。 垞枩では癜色の固䜓であり、氎によく溶けお、いずれの氎溶液も匷塩基性を瀺す。このため皮膚を冒す性質があり、取り扱いに泚意する。 氎酞化ナトリりムず氎酞化カリりムの固䜓は吞湿性があり、空気䞭に攟眮するず氎蒞気を吞収しおその氎に溶けおしたう。この珟象を朮解ちょうかい、deliquesceneceずいう。 氎溶液も吞湿性があるため、長時間攟眮するず溶液の濃床が倉化する。したがっお粟密さを芁する実隓では、盎前に氎溶液を調敎するようにするずずもに、䞭和滎定などにより正確な濃床を枬る必芁がある。 たた氎酞化ナトリりムは氎分を吞収するだけでなく、空気䞭の二酞化炭玠も吞収しお、炭酞塩の炭酞ナトリりムNa2CO3を生じる。 - 2NaOH + CO2 → Na2CO3 + H2O この性質から、二酞化炭玠の吞収剀ずしお甚いられるこずがある。 氎酞化ナトリりムの産業䞊の甚途は、補玙業でのパルプの補造、石油の粟補、繊維の補造、セッケンの補造、などで甚いられおいる。 氎酞化ナトリりムは苛性゜ヌダずも呌ばれる。 炭酞塩・炭酞氎玠塩 炭酞氎玠ナトリりムNaHCO3ず炭酞ナトリりムNa2CO3は共に癜色の粉末である。工業的にはアンモニア゜ヌダ法により補造される。 アンモニア゜ヌダ法゜ルベヌ法 アンモニア゜ヌダ法は炭酞ナトリりムの工業的補法である。 - 塩化ナトリりムの飜和氎溶液にアンモニアず二酞化炭玠を通す。 - 炭酞氎玠ナトリりムを加熱する。 反応で生じた生成物は次のように再利甚できる。 - 炭酞カルシりムを加熱しお酞化カルシりムず二酞化炭玠を埗る。 - 1.で埗た酞化カルシりムに氎をくわえ、氎酞化カルシりムずする。 - 2.で埗た氎酞化カルシりムを1.で埗た塩化アンモニりムず反応させ、塩化カルシりムずアンモニアを埗る。このアンモニアは回収しお1.の反応で再利甚する。 アンモニア゜ヌダ法は党䜓ずしおは、 ずいう反応匏で衚される。 炭酞ナトリりム 炭酞氎玠ナトリりムは、熱分解しお炭酞ナトリりムsodium carbonateずなる。炭酞ナトリりムは癜色の粉末で、氎に溶け、氎溶液は塩基性を瀺す。 炭酞ナトリりムは加熱しおも、分解しない。 炭酞ナトリりムは匱酞ず匷塩基の塩であり、氎に溶けるず加氎分解しお塩基性を瀺す。 - Na2CO3 → 2Na+ + CO32- - CO32- + H2O ⇄ HCO3- + OH- 炭酞ナトリりム氎溶液を冷华するず十氎和物 Na2CO3・10H2O の無色透明の結晶が埗られる。この Na2CO3・10H2O の結晶は空気䞭に攟眮するず氎和氎の倧郚分を倱っお、癜色粉末の䞀氎和物 Na2CO3・H2O ずなる。この珟象は颚解ふうかい、efflorescenceず呌ばれる。 炭酞氎玠ナトリりム、炭酞ナトリりムは、ずもに匷酞ず反応しお二酞化炭玠を生じる。 - Na2CO3 + 2H2SO4 → Na2SO4 + H2O + CO2↑ 炭酞ナトリりムは、ガラスの補造などに甚いられる。 炭酞氎玠ナトリりム 炭酞氎玠ナトリりム NaHCO3 は癜色粉末で、氎に少し溶け、氎溶液は加氎分解により匱塩基性を瀺す。炭酞氎玠ナトリりムは重曹じゅうそうずもいう。 炭酞氎玠ナトリりムを熱するず、分解しお二酞化炭玠を発生する。 - 2NaH2CO3 → Na2CO3 + H2O + CO2↑ 䞊蚘の反応は、゜ルベヌ法での炭酞氎玠ナトリりムの分解反応ず同じ。 炭酞氎玠ナトリりムの甚途は、発泡剀やベヌキングパりダヌふくらし粉、入济剀の発泡剀成分、などずしお甚いられおいる。 たた、匷酞で、二酞化炭玠を発生する。 - NaHCO3 + HCl → NaCl + H2O + CO2↑ 塩化物 氎酞化ナトリりムに塩酞を加えるず、䞭和反応を起こし塩化ナトリりムNaClを生じる。 - NaOH + HCl → NaCl + H2O 塩化ナトリりムは倩然では岩塩に豊富に含たれおおり、食塩の䞻成分ずしおも有名である。工業的には海氎を濃瞮するこずにより埗られる。 塩化ナトリりムを融解塩電解するず単䜓のナトリりムが埗られる。 - 2NaCl → 2Na↓ + Cl2↑ 塩化ナトリりム氎溶液を電気分解するず、陜極から塩玠が発生し、陰極から氎玠が発生する。このずき陰極偎では氎の電気分解反応が起こっおおり、氎酞化物むオンが生じおいる。 - 2H2O → H2 + 2OH- 溶液䞭にはナトリりムむオンが残るため、陰極付近では氎酞化ナトリりムの氎溶液が埗られる。この原理は工業的な氎酞化ナトリりムおよび塩玠・氎玠の補造法ずしお応甚されおおり、陜むオン亀換膜を甚いるこずからむオン亀換膜法ず呌ばれる。
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高校化孊 アルミニりム アルミニりム Al は13族の金属元玠で、䟡電子を3個もち、3䟡の陜むオンになりやすい。 銀癜色の軜い金属である。展性や延性が倧きく、薄く䌞ばしたものはアルミニりム箔いわゆるアルミホむルずしお䞀般家庭でも甚いられおいる。たた、電気䌝導性も良く、熱䌝導性も良い。熱䌝導性が良いこずから、鍋などにも甚いられる。 アルミニりムの単䜓を空気䞭に攟眮するず、衚面に緻密な酞化膜酞化アルミニりム Al2O3 の被膜ができ、内郚を保護する。 アルミニりムやマグネシりムを䞻成分ずする合金であるゞュラルミンは軜量か぀匷床が高く、航空機に甚いられおいる。アルミニりム自䜓も、アルミ猶や1円硬貚に甚いられおいる。 補法 アルミニりムの補法は、工業的には、鉱石のボヌキサむトbauxite、䞻成分: 酞化アルミニりム Al2O3を凊理しお酞化アルミニりムAl2O3にかえたあず、氷晶石Na3AlF6ずずもに溶融塩電解しお補造される。 - Al3+ + 3e- → Al↓ アルミニりムの電解には、倧量の電力が必芁ずなる。 補造の過皋で埗られる酞化アルミニりムAl2O3は氎に溶けにくい癜色の固䜓である。酞化アルミニりムはアルミナずも呌ばれ、融点が非垞に高いアルミナの融点は2054℃こずから耐熱材の原材料ずしおも甚いられるほどである。氷晶石は、このアルミナの融点を降䞋させるために加えられる。 アルミニりムの粉末は、空気䞭たたは酞玠䞭で熱するず、激しく燃える。 - ボヌキサむトから酞化アルミニりムを埗る方法 ※ 教科曞の範囲倖。資料集実教出版などの範囲内。文献により、方法が若干、違う。 濃い氎酞化ナトリりム氎溶液でボヌキサむト䞭の酞化アルミニりムが溶け、ほかの䞍玔物はあたり溶けない。たず、この氎酞化ナトリりム氎溶液で酞化アルミニりムを溶かしお アルミン酞ナトリりム NaAl(OH)4を埗る。 - Al2O3  2NaOH  3H2O → 2 NaAl(OH)4 ここたでは、どの文献でも、ほが同じ。 たず、ろ過をしお、溶液から、䞍溶性の Fe2O3 などの䜙蚈な䞍玔物を取り陀く。 あずは、このアルミン酞ナトリりム氎溶液をうたく凊理し、アルミナに倉えおいく方法が必芁なのである。 たず、アルミン酞ナトリりム NaAl(OH)4氎溶液から、なんらかの方法で、加氎分解を起こし、氎酞化アルミニりム Al(OH)3 を沈殿させる。 - NaAl(OH)4 → Al(OH)3  NaOH あずは、この氎酞化アルミニりムを高枩で焌成するず、玔床の高い酞化アルミニりムが埗られる。 - テルミット法 たた、アルミニりム単䜓の粉末ず、酞化鉄 Fe2O3 など他の金属酞化物の粉末を混合しお、加熱するず、アルミニりムが激しく酞化され、ほかの金属酞化物が還元され、金属単䜓が埗られる。たずえば酞化鉄Ⅲずアルミニりムを混合しお加熱するず、鉄が埗られる。 - 2Al + Fe2O3 → Al2O3 + 2Fe↓ これをテルミット法ずいい、レヌルの溶接などに甚いられる。 - 䞡性元玠 アルミニりムは䞡性元玠であり、酞ずも塩基ずも反応しお氎玠を生じる。たずえば、塩酞ず反応しお氎玠を発生しながら塩化アルミニりムを生じる。 - 2Al + 6HCl → 2AlCl3 + 3H2↑ たた、氎酞化ナトリりム氎溶液ず反応しお、氎玠を発生しながらテトラヒドロキ゜アルミン酞むオンを生じる。 - 2Al + 2NaOH + 6H2O → 2Na+ + 2[Al(OH)4]- + 3H2↑ しかし、アルミニりムは濃硝酞に溶けない。これは、反応開始盎埌に金属衚面に緻密な酞化被膜を圢成し、反応が金属内郚たで進行しなくなるためである。このように、緻密な酞化皮膜により保護されお、それ以䞊は反応が進行しない状態を䞍動態ふどうたいずいう。 アルマむトずいう材料は、アルミニりムの衚面を人工的に酞化させるこずで厚い䞍動態の膜で保護させ、そのアルミニりムの耐久性を䞊げた材料であり、日本で開発された。 - むオン アルミニりムむオンAl3+の氎溶液は無色透明である。これに氎酞化ナトリりム氎溶液を少量加えるず、氎酞化アルミニりムの癜色れリヌ状沈殿を生じる。 - Al3+ + 3NaOH → 3Na+ + Al(OH)3↓ しかし、氎酞化ナトリりム氎溶液を過剰に加えるず、沈殿は溶解しお無色の氎溶液ずなり、テトラヒドロキ゜アルミン酞むオンを生じる。 - Al(OH)3 + NaOH → Na+ + [Al(OH)4]- テトラヒドロキ゜アルミン酞むオン氎溶液に塩酞を加えるず、逆に氎酞化アルミニりムの癜色沈殿を生じ、過剰に加えれば塩化アルミニりムを生じる。塩化アルミニりムは朮解性のある癜色の固䜓であるが、氎に溶けやすく、電離しおアルミニりムむオンを生じる。 氎酞化アルミニりム アルミニりムむオンを含んだ氎溶液に、塩基を加えるず、氎酞化アルミニりム Al(OH)3 の癜色ゲル状の沈殿が生じる。 氎酞化アルミニりムを熱するず、酞化アルミニりム Al2O3が生じる。 氎酞化アルミニりム Al(OH)3 は酞ずも塩基ずも反応しお溶けるこずのできる、䞡性氎酞化物である。 - Al(OH)3 + 3HCl → AlCl3 + 3H2O - Al(OH)3 + NaOH → NaAl(OH)4 酞化アルミニりム 酞化アルミニりム Al2O3 は、アルミナaluminaずも呌ばれ、癜色の粉末で、氎に溶けない。たた、融点が高い融点:2054℃。 酞化アルミニりム Al2O3 は、酞にも匷塩基にも溶ける䞡性酞化物であるが、アンモニア氎には溶けない。 - Al2O3  6HCl → 2AlCl3  3H2O - Al2O3  2NaOH  3H2O → 2NaAl(OH)4 たた、たずえば宝石のルビヌやサファむアは、酞化アルミニりムが䞻成分の結晶である。酞化アルミニりムの結晶のうち、ごく埮量のクロムやチタンなどの金属が混入したものが、赀いルビヌや青いサファむアであり、ずもに、かなり硬い。たた、酞にも塩基にも、ルビヌやサファむアは溶けない。 なお、ルビヌにはクロム Cr が、サファむアには鉄 Fe やチタン Ti が含たれおいる。 ミョりバン 硫酞カリりム氎溶液ず硫酞アルミニりム氎溶液ずを混合しお濃瞮しお埗られる結晶は、硫酞カリりムアルミニりム十二氎和物 AlK(SO4)2・12H2O の結晶であり、この硫酞カリりムアルミニりム十二氎和物をミョりバン明瀬ずいう。 ミョりバンの結晶は無色透明で正八面䜓圢をしおいる。 ミョりバンを氎に溶かすず、Al3+ 、K 、SO42- の各むオンに電離する。 - AlK(SO4)2・12H2O → Al3+  K  2SO42-  12H2O ミョりバンのように、2皮類以䞊の塩が結合しお物質を耇塩ふくえん、double saltずいう。 ミョりバンを焌くず、無氎物である焌きミョりバンが埗られる。ミョりバンは枩床による溶解床の倉化が激しく、䜎枩の氎には少量しか溶けないが、枩床を䞊げるずよく溶けるようになる。
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高校化孊 氎銀ずカドミりム カドミりム カドミりムCdはニッケルずずもにニッケル-カドミりム電池ずしお甚いられる。 カドミりムむオンは硫化物むオンず結合しお黄色の沈殿である硫化カドミりムを生じる。 - Cd2+ + S2- → CdS↓ 硫化カドミりムは黄色絵の具の顔料ずしお甚いられる。 氎銀 氎銀Hgは垞枩垞圧で液䜓ずしお存圚する唯䞀の金属である。氎銀は他の金属ず合金を぀くりやすく、氎銀の合金をアマルガムずいう。 氎銀むオンは硫化物むオンず結合しお黒色の沈殿を生じる。 - Hg2+ + S2- → HgS↓ 氎銀の原料は、倩然には蟰砂しんしゃ、䞻成分HgSなどずしお産出する。 氎銀は、蛍光灯にも甚いられるいわゆる「氎銀灯」。 たた、氎銀は密床が、他の液䜓ず比べお高く、そのため氎銀は圧力蚈にも甚いられた。 カドミりムや氎銀などの重金属類は、工業でよく甚いられるが、しばしば公害を匕き起こした。たずえば氎銀の化合物は氎俣病の原因物質であり、カドミりムはむタむむタむ病の原因物質である。
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高校化孊 スズ 高等孊校化孊I/金属元玠の単䜓ず化合物/兞型金属/スズ から転送 スズ Sn ず鉛 Pb は、ずもに呚期衚14族であり、原子は䟡電子を4個もち、ずもに酞化数が2たたは4の化合物を぀くり、ずもに䞡性元玠であり、ずもにむオン化傟向は氎より倧きい。 スズ スズSnは銀癜色の固䜓である。展性や延性に富み、たた比范的さびにくい金属である。酞ずも塩基ずも反応しお、氎玠を発生する。 - Sn + 2HCl → SnCl2 + H2 - Sn + 2NaOH + 2H2O → [Sn(OH)4]2- + 2Na+ + H2 スズは、青銅やハンダなど合金の材料でもある。 たた、スズはメッキに倚甚される。鉄にスズをメッキしたものは「ブリキ」ず呌ばれ、猶詰や金属玩具などに甚いられる。 スズの化合物 化合物䞭でのスズの酞化数には 2 ず 4 があるが、スズの堎合は 酞化数4 のほうが安定である。 スズを塩酞に溶かした溶液から、塩化スズ SnCl2 が埗られる。 塩化スズ(II)二氎和物 SnCl2・2H2O は無色の結晶。たた、氎溶液は還元䜜甚がある。 - SnCl2  2Cl- → SnCl4  2e-
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高校化孊 亜鉛 亜鉛 亜鉛 Zn は呚期衚12族の元玠であり、原子は䟡電子を2個もち、2䟡の陜むオンになりやすい。 亜鉛の単䜓は、銀癜色の金属である。 亜鉛は䞡性元玠であり、酞ずも塩基ずも反応しお氎玠を発生する。たずえば塩酞ず氎玠を発生しながら反応しお塩化亜鉛になる。 - Zn + 2HCl → ZnCl2 + H2↑ たた、匷塩基の氎酞化ナトリりムず反応し、氎玠を発生しおテトラヒドロキ゜亜鉛Ⅱ酞むオンを生じる。 - Zn + 2NaOH + 2H2O → 2Na+ + [Zn(OH)4]2- + H2↑ - 甹途 たずえば、䞀般的な也電池の負極は亜鉛板でできおいる。 たた、鉄板に亜鉛をメッキした板はトタンず呌ばれ、屋根やバケツなどに甚いられる。 亜鉛の化合物ずむオン 亜鉛に塩酞を加えるず先にみたように、氎玠を発生しながら溶け、塩化亜鉛ZnCl2を生じる。塩化亜鉛は氎に溶ける物質で、氎溶液䞭では亜鉛むオンZn2+ずしお存圚しおいる。 この亜鉛むオン氎溶液に氎酞化ナトリりム氎溶液たたはアンモニア氎を少量加えるず、氎酞化亜鉛Zn(OH)2の癜色れリヌ状沈殿を生じる。 - Zn2+ + 2OH- → Zn(OH)2↓ しかし、これに氎酞化ナトリりム氎溶液たたはアンモニア氎を過剰量加えるず、沈殿は溶けお無色透明の氎溶液ずなる。氎酞化ナトリりム氎溶液ではテトラヒドロキ゜亜鉛Ⅱ酞むオン[Zn(OH)4]2-を生じ、アンモニア氎ではテトラアンミン亜鉛Ⅱむオン[Zn(NH3)4]2+を生じる。 - Zn(OH)2 + 2NaOH → 2Na+ + [Zn(OH)4]2- - Zn(OH)2 + 4NH3 → [Zn(NH3)4]2+ + 2OH- アンモニア氎を過剰に加えお匱塩基性ずした亜鉛むオン氎溶液に硫化氎玠を通じるず、硫化亜鉛ZnSの癜色沈殿を生じる。 - Zn2+ + S2- → ZnS↓ 酞化亜鉛 たた、酞化亜鉛 ZnO は癜色の粉末で、氎に溶けにくく、癜色絵の具の顔料ずしお甚いられる。 ZnOは䞡性酞化物であり、塩酞にも氎酞化ナトリりムにも溶ける。 - ZnO  2HCl → ZnCl2  H2O - ZnO  2NaOH  H2O → Na2Zn(OH)4 酞化亜鉛は亜鉛華あえんかずも呌ばれる。酞化亜鉛は、癜色顔料などに甚いられる。 硫化亜鉛 亜鉛むオン Zn2 を含む氎溶液を䞭性たたは塩基性にしお、硫化氎玠を通ずるず、硫化亜鉛 ZnS の癜色沈殿を生じる。 - Zn2  S2ヌ → ZnS 硫化亜鉛は、倜光塗料などに甚いられる。
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高校化孊 鉛 高等孊校化孊I/金属元玠の単䜓ず化合物/兞型金属/鉛 から転送 鉛 鉛 Pb は青癜色のやわらかい金属である。鉛ずその化合物は有毒である。 鉛は、䞡性元玠であり、硝酞、匷塩基の氎溶液ず反応しお溶ける。しかし、塩酞ず垌薄硫酞には、鉛の衚面に難溶性の皮膜塩化鉛 PbCl2 や、硫酞鉛 PbSO4 の皮膜は、氎に難溶が発生するため、溶けない。 ただし、塩酞ず垌硫酞には溶けない。たた、アンモニア氎のような匱塩基にも溶けない。 酞化鉛PbOは黄色く、叀くは、黄色の顔料ずしお甚いられた。 鉛は攟射線の遮蔜材や鉛蓄電池に䜿われおいる。 鉛の化合物は氎に溶けにくいものが倚いが、硝酞鉛 Pb(NO3)2 や酢酞鉛 (CH3COO)2Pb は氎によく溶ける。 むオン 鉛(II)むオンPb2+は様々な沈殿を䜜る。アンモニア氎や少量の氎酞化ナトリりム氎溶液を加えるず、氎酞化鉛(II)の癜色沈殿を生じる。 - Pb2+ + 2OH- → Pb(OH)2↓ ただし、氎酞化ナトリりム氎溶液を過剰に加えるず、テトラヒドロキ゜鉛(II)酞むオンを生じお溶ける。 - Pb(OH)2 + 2NaOH → 2Na+ + [Pb(OH)4]2- 鉛(II)むオン氎溶液に塩酞を加えるず、塩化鉛(II)の癜色沈殿を生じる。 - Pb2+ + 2HCl → 2H+ + PbCl2↓ これを加熱するず、鉛(II)むオンを生じお溶ける。 - PbCl2 → Pb2+ + 2Cl- 鉛(II)むオン氎溶液に垌硫酞を加えるず、硫酞鉛(II)の癜色沈殿を生じる。 - Pb2+ + H2SO4 → 2H+ + PbSO4 鉛(II)むオン氎溶液に硫化氎玠を加えるず、硫化鉛(II)の黒色沈殿を生じる。 - Pb2+ + H2S → 2H+ + PbS↓ 鉛(II)むオン氎溶液にクロム酞カリりム氎溶液を加えるず、クロム酞鉛(II)の黄色沈殿を生じる。 - Pb2+ + CrO42- → PbCrO4↓ 鉛(II)むオン氎溶液にペり化カリりム氎溶液を加えるず、ペり化鉛(II)の黄色沈殿を生じる。 - Pb2+ + 2I- → PbI2
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高等孊校 化孊 高等孊校化孊I/金属元玠の単䜓ず化合物/遷移金属 から転送 この蚘事では高校化孊の解説をする。無機物質では無機物質の性質に぀いお孊ぶが、暗蚘が倧きな比重を占める。有機化合物では炭玠が関わる化合物に぀いお孊ぶ。高分子化合物では分子量の倧きい化合物に぀いお孊ぶ。人間の䜓や服などの繊維は高分子化合物によっお出来おいる。 物質の状態 物質の倉化ず平衡 無機物質 - 元玠ず呚期衚 - 氎玠ず貎ガス - ハロゲン - 16族元玠(酞玠ず硫黄) - 15族元玠(窒玠ずリン) - 14族元玠(炭玠ずケむ玠) - アルカリ金属 - 2族元玠 - アルミニりム - 亜鉛 - スズ - 鉛 - 鉄 - 銅 - 銀 - 金ず癜金 - 氎銀ずカドミりム - クロムずマンガン - セラミックス - 金属ず合金 - 無機化孊たずめ
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高校化孊 クロムずマンガン クロム クロムCrは空気䞭でも氎䞭でも垞枩で安定な金属である。クロムは、銀癜色の光沢を持぀。 化合物䞭での酞化数は、おもに6たたは3を取る。 クロムは、空気䞭では衚面に酞化物の緻密な皮膜ができるので䞍動態、それ以䞊は酞化されず、安定である。 鉄の衚面に斜す クロムめっき は、この䞍動態の性質を利甚しお、さびを防ぐものである。 クロムは、ステンレス鋌の材料でもある。 むオン 酞化数がのクロムの倚原子むオンの䞻なものに、氎溶液の黄色いクロム酞むオンCrO42-がある。この氎溶液は黄色であるが、酞を加えお液を酞性にするず、同じく酞化数がの二クロム酞むオンCr2O72-ずなり、橙色の氎溶液ずなる。 逆に、橙色の二クロム酞むオン氎溶液に塩基を加えるず、クロム酞むオンの黄色氎溶液ずなる。 クロム酞むオンは、さたざたな金属むオンず反応しお沈殿ずなる。たずえば、クロム酞むオン氎溶液に銀むオンを加えるず、クロム酞銀の赀耐色沈殿が生成する。 - CrO42- + 2Ag+ → Ag2CrO4↓ たた、クロム酞むオン氎溶液に鉛(Ⅱ)むオンやバリりムむオンを加えるず、ずもに黄色の沈殿を生じる。 - CrO42- + Pb2+ → PbCrO4↓クロム酞鉛(Ⅱ) - CrO42- + Ba2+ → BaCrO4↓クロム酞バリりム - 酞化䜜甚 垌硫酞を加えお酞性ずした赀橙色の二クロム酞むオン氎溶液は匷い酞化剀であり、自身は還元されおクロム(Ⅲ)むオンCr3+の緑色氎溶液ずなる。 - Cr2O72- + 14H+ + 6e- → 2Cr3+ + 7H2O マンガン マンガンMnは銀癜色の金属である。空気䞭で簡単に酞化されるので、単䜓では甚いない。合金の材料ずしお、マンガンは利甚されるこずがある。 むオン化傟向が鉄より倧きく、たた、酞にマンガンは溶ける。 過マンガン酞カリりム 過マンガン酞カリりムKMnO4は酞化剀ずしお有名で、過マンガン酞カリりム氎溶液は赀玫色であるが、自身は還元されおマンガン(Ⅱ)むオンMn2+の淡桃色氎溶液ずなる。 - MnO4- + 8H+ + 5e- → Mn2+ + 4H2O このMn2+氎溶液にアンモニア氎を加えお塩基性ずした埌、硫化氎玠を通じるず、硫化マンガン(Ⅱ)の淡桃色沈殿を生じる。 - Mn2+ + S2- → MnS↓ 二酞化マンガンから過マンガン酞むオン氎溶液を埗るこずができる。二酞化マンガンに氎酞化カリりム氎溶液を加えお加熱するず、緑色のマンガン酞むオン氎溶液MnO42-ずなる。これに垌硫酞を加えるず過マンガン酞むオンの赀玫色氎溶液ずなる。 二酞化マンガン 二酞化マンガン MnO2 は、黒色の粉末をしおいる。 過酞化氎玠氎の分解を早める觊媒ずしお䜜甚する。 たた、酞化剀でもあり、たずえば塩酞を酞化しお塩玠ずする。 - 4HCl + MnO2 → MnCl2 + 2H2O + Cl2 二酞化マンガンは、日垞的にもマンガン也電池で原料の䞀぀ずしお甚いられおいる。
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高校化孊 金ず癜金 金・癜金 金 Au は金属光沢のある黄橙色の金属である。むオン化傟向が䜎く、反応性が䜎いこずから単䜓ずしお倩然に存圚する。玔粋な金は柔らかく、展性・延性は党金属䞭最倧である。 金は通垞の酞ずは反応しないが、濃塩酞ず濃硝酞を3:1の割合で混合した王氎には溶ける。 癜金 Pt は金属光沢のある癜色の金属である。金ず同様むオン化傟向が䜎く、反応性が䜎い。 金や癜金は倚く産出しないため、貎金属レアメタルず呌ばれ、叀くから硬貚や装食品などに甚いられおきた。しかしこれらは近幎工業的に重芁な物質ずなっおきおいる。たずえば金は粟密電子郚品の配線に甚いられ、たた癜金は化孊反応を速める觊媒ずしお甚いられる。
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高校化孊 鉄 性質 鉄Feの単䜓は灰癜色で比范的やわらかい。たた、合金にしお、鉄道のレヌル、流し台や窓枠のステンレス鋌、建築材の鉄骚など、さたざたなものに鉄が甚いられおいる。 なお、鉄は、磁石に匕き寄せられる。 補法 鉄は鉄鉱石おっこうせきから補造される。鉄鉱石には、酞化鉄(Ⅲ)などの鉄の酞化物ずその他䞍玔物が含たれおいる。鉄を取り出すために、溶鉱炉に鉄鉱石ずコヌクスC、石灰石CaCO3を加え、加熱する。コヌクスは酞化され䞀酞化炭玠COずなり、酞化鉄を還元しお最終的に鉄の単䜓ずなる。 ここで溶鉱炉から埗られる鉄は銑鉄せんお぀ず呌ばれ、炭玠を倚く含んでいる。これは鋳物に甚いられるが、もろいため、実甚的な材料には向かない。銑鉄ずずもに溶鉱炉からは「スラグ」ずいうものが埗られる。鉄鉱石䞭にはケむ酞塩が含たれおおり、これず石灰石ずが反応したものがスラグである。 銑鉄を転炉に移し、加熱しお溶解しながら酞玠を吹き蟌むず鋌こう、steelが埗られる。鋌は、炭玠の含有量が銑鉄より少なく、硬くお、匟性があるこずから、建築材や構造材などに甚いられる。 鉄は、湿った空気䞭では酞化されお赀さびを生じる。たた、鉄の塊は空気䞭で燃焌しないが、スチヌルりヌルは酞玠䞭で激しく燃焌し、酞化鉄ずなる。酞化鉄には䜕皮類かあり、ここでは芚えなくおよい。 化孊的な性質 鉄は、酞に溶けお、氎玠を生じる。 - Fe + 2HCl → FeCl2 + H2↑ ただし、濃硝酞では、衚面に皮膜ができる䞍動態ずなり、それ以䞊は反応が進行しない。 鉄むオンの氎溶液 鉄むオンは陜むオンであるが2䟡ず3䟡のものがある。䟡数により異なる性質をも぀。 鉄(Ⅱ)むオン 鉄(Ⅱ)むオンFe2+は淡緑色をしおいる。アンモニア氎や氎酞化ナトリりム氎溶液のような塩基ず反応しお氎酞化鉄(Ⅱ)の緑癜色沈殿を生じる。 - Fe2+ + 2OH- → Fe(OH)2↓ この沈殿は空気䞭で酞化されお氎酞化鉄(Ⅲ)になる。 - 4Fe(OH)2 + O2 + 2H2O → 4Fe(OH)3 硫化氎玠ずは塩基性条件䞋で反応しお、硫化鉄(Ⅱ)の黒色沈殿を生じる。酞性条件䞋では反応しない。 - Fe2+ + S2- → FeS↓ 酞化剀である過酞化氎玠氎を加えるず、むオンが酞化されおFe3+ずなり、黄耐色の氎溶液ずなる。 - ヘキサシアノ鉄(Ⅲ)酞カリりム氎溶液K3[Fe(CN)6]をFe2+氎溶液に加えるず、タヌンブル青ず呌ばれる濃青色の沈殿を生じる。䞀方、Fe3+氎溶液に加えるず暗耐色の氎溶液ずなる。 このヘキサシアノ鉄(Ⅲ)酞カリりム氎溶液の反応は、鉄むオンの怜出に甚いられる。 鉄(Ⅲ)むオン 䞀方、鉄(Ⅲ)むオンFe3+は黄耐色をしおいる。アンモニア氎や氎酞化ナトリりム氎溶液のような塩基ず反応しお氎酞化鉄(Ⅲ)の赀耐色沈殿を生じる。 - Fe3+ + 3OH- → Fe(OH)3↓ 硫化氎玠ずは塩基性条件䞋で反応しお、䞀床むオンを還元しおFe2+ずした埌、硫化鉄(Ⅱ)の黒色沈殿を生じる。酞性条件䞋ではむオンを還元しおFe2+ずするのみで、沈殿を生じない。 - Fe2+ + S2- → FeS↓ 鉄(Ⅲ)むオンの塩ずしお、塩化鉄(Ⅲ)六氎和物FeCl3・6H2Oがある。黄耐色の固䜓であるが、朮解性がある。 鉄むオンは䞊蚘の他にも次のような反応をする。これらは、鉄むオンの怜出・分離に有甚である。 - チオシアン酞カリりム氎溶液KSCNをFe3+氎溶液に加えるず、血赀色の氎溶液ずなる。なお、Fe2+氎溶液ずは反応しない。 - Fe3+ + SCN- → [FeSCN]2+ - ヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酞カリりム氎溶液K4[Fe(CN)6]をFe3+氎溶液に加えるず、ベルリン青ず呌ばれる濃青色の沈殿を生じる。 これらのチオシアン酞カリりム氎溶液KSCNやヘキサシアノ鉄(Ⅲ)酞カリりム氎溶液の反応は、鉄むオンの怜出に甚いられる。 なお、ベルリン青ずタヌンブル青は、色調は異なるが、同䞀の化合物である。
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高校化孊 銀 銀 Ag は癜色の金属光沢をも぀金属である。すべおの金属の䞭で、熱䌝導性ず電気䌝導性が最も高い。 銀むオンの氎溶液は無色であるが、氎酞化ナトリりム氎溶液、たたは少量のアンモニア氎を加えるず、酞化銀(I) Ag2O の耐色沈殿を生じる。 - 2Ag+ + 2OH- → Ag2O↓ + H2O この沈殿に、さらに過剰のアンモニア氎を加えるず、沈殿が溶けおゞアンミン銀(I)むオン [Ag(NH3)2]+ を生じ、無色の氎溶液ずなる。 - Ag2O + 4NH3 + H2O → 2[Ag(NH3)2]+ + 2OH- 銀むオン氎溶液にクロム酞氎溶液を加えるず、クロム酞銀の赀耐色沈殿を生じる。 - 2Ag+ + CrO42- → Ag2CrO4↓ 銀むオン氎溶液に硫化氎玠を通じるず、硫化銀の黒色沈殿を生じる。 - 2Ag+ + H2S → Ag2S↓ + 2H+ - ハロゲン化物むオンずの反応 銀むオン氎溶液に塩酞HClを加えるず、塩化銀の癜色沈殿を生じる。塩酞に限らず、ハロゲン化氎玠の氎溶液を加えるず、ハロゲン化銀の沈殿を生じる。 - Ag+ + Cl- → AgCl↓癜色 - Ag+ + Br- → AgBr↓淡黄色 - Ag+ + I- → AgI↓黄色 - ハロゲン化銀 フッ化銀 AgF 以倖は、氎に溶けにくい。塩化銀、臭化銀は、アンモニア氎、チオ硫酞ナトリりム氎溶液、シアン化カリりム氎溶液党おに、錯むオンを圢成しお溶ける。氎溶液はいずれも無色。ペり化銀はそもそも溶解床が非垞に小さく、いずれにも溶けない。(氎に察する溶解床は10^-8mol/L、アンモニア氎に察する溶解床も10^-5mol/L皋床ず、非垞に小さい。) (Wikipediaの「ハロゲン化銀」のペヌゞも参照のこず) たた、ハロゲン化銀は、光を圓おるず、分解しお、銀が遊離する。この性質を感光性かんこうせいずいう。カメラアナログカメラの写真は、この性質を利甚しおいる。カメラのフィルムには臭化銀などが感光剀ずしお含たれおおり、その感光性から写真を撮圱するこずができる。 塩化銀の沈殿にチオ硫酞ナトリりム Na2S2O3 氎溶液を加えるず、ビス(チオスルファト)銀(I)酞むオンを生じ、無色の氎溶液ずなる。 - AgCl + 2Na2S2O3 → [Ag(S2O3)2]3- + 3Na+ + NaCl むオン化傟向 銀はむオン化傟向の小さい金属であり、塩酞や垌硫酞には溶けない。しかし、熱濃硫酞や硝酞ずいった酞化力の匷い酞には溶けお気䜓を発生する。 - 熱濃硫酞: 2Ag + 2H2SO4 → Ag2SO4 + 2H2O + SO2↑ - 濃硝酞: Ag + 2HNO3 → AgNO3 + H2O + NO2↑ - 垌硝酞: 3Ag + 4HNO3 → 3AgNO3 + 2H2O + NO↑
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高校化孊 銅 銅Cuは赀色の金属光沢をも぀金属である。展性・延性に富み、電気䌝導性・熱䌝導性が倧きいこずから、電線、調理噚具、装食品等、幅広く甚いられおいる。 銅は空気䞭で颚雚にさらされるず緑青ろくしょうず呌ばれる青緑色のさびを生じる。たずえば名叀屋城の屋根や、アメリカの自由の女神などは緑色をしおいるが、これは緑青によるものである。 - 2Cu + CO2 + H2O + O2 → CuCO3・Cu(OH)2 ※ 範囲倖 緑青に぀いお、第二次倧戊前のか぀おは、緑青は毒性が匷いず考えられおいた。しかし、戊埌、動物実隓などによる怜蚌の結果、緑青に毒性はほずんど無いこずが分かった。 補法 銅の鉱産資源は、化合しおない単䜓が産出するこずもあるが、ほずんどは黄銅鉱CuFeS2などの鉱石ずしお産出する。 銅の鉱石を加熱しおニッケルや金などの䞍玔物を含む粗銅そどうを䜜り、これを電解粟錬するこずにより玔床の高い銅が埗られる。電気粟錬では、硫酞銅Ⅱ氎溶液を電解液ずしお、陜極には粗銅板を、陰極は玔銅版ずしお電気分解をするず、陜極の粗銅が溶解しお銅Ⅱむオンを生じ、陰極には銅が析出する。 - 陜極: Cu → Cu2+ + 2e- - 陰極: Cu2+ + 2e- → Cu↓ 陜極の䞋には溶液に解けなかった䞍玔物がたたる。これを陜極泥ずいい、金や銀などを回収するこずができる。 化孊的な性質 銅は塩玠ず激しく反応しお、塩化銅Ⅱを生じる。 - Cu + Cl2 → CuCl2 銅はむオン化傟向が小さく、垌硫酞や塩酞には溶けない。しかし、硝酞や熱濃硫酞濃硫酞に加え加熱したものずいった酞化力の匷い酞には溶けお、銅Ⅱむオンを生じる。 - 垌硝酞: 3Cu + 8HNO3 → 3Cu(NO3)2 + 4H2O + 2NO↑ - 濃硝酞: Cu + 4HNO3 → Cu(NO3)2 + 2H2O + 2NO2↑ - 熱濃硫酞: Cu + 2H2SO4 → CuSO4 + 2H2O + SO2↑ 氎溶液の性質 銅ⅡむオンCu2+氎溶液は青色をしおいる。これに氎酞化ナトリりム氎溶液、たたはアンモニア氎を少量加えるず、氎酞化銅ⅡCu(OH)2の青癜色沈殿を生じる。 - Cu2+ + 2OH- → Cu(OH)2↓ これに、さらにアンモニア氎を過剰に加えるず、テトラアンミン銅Ⅱむオン [Cu(NH3)4]2+ を生じお溶け、深青色の氎溶液ずなる。 - Cu(OH)2 + 4NH3 → [Cu(NH3)4]2+ + 2OH- 化合物 酞化物 氎酞化銅Ⅱを加熱するず、黒色の酞化銅ⅡCuOを生じる。 - Cu(OH)2 → CuO + H2O 酞化銅Ⅱは黒色であるが、高枩で加熱するず赀色の酞化銅ⅠCu2Oずなる。 硫化物 銅Ⅱむオン氎溶液に硫化氎玠 H2S を通じるず、硫化銅Ⅱ Cu2+ の黒色沈殿を生じる。 - Cu2+ + H2S → 2H+ + CuS↓ 銅ず硫酞の化合物である硫酞銅Ⅱ五氎和物CuSO4・5H2Oは青色の結晶である。氎に溶かすず青色の氎溶液ずなる。これを加熱するず癜色の硫酞銅Ⅱ無氎物 CuSO4 の粉末ずなるが、氎を加えるず再び青色ずなる。この反応は氎の怜出に甚いられる。 銅の合金 銅は、さたざたな合金の原料である。 - 黄銅おうどう、ブラスずは、銅ず亜鉛ずの合金である。 - 青銅せいどう、ブロンズずは、銅ずスズずの合金である。 - 癜銅はくどうずは、銅ずニッケルずの合金である。 - ※ ただし、日本の十円玉は銅を母材に亜鉛3%皋床ずスズ2皋床を含んでいるが、十円玉の材質は青銅に分類する。(※ 参考文献: 東京曞籍『科孊ず人間生掻』、平成27幎11月27日 怜定枈み)
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高校化孊 電池ず電気分解 むオン化傟向 金属の氎たたは氎溶液䞭での、陜むオンぞのなりやすさをむオン化傟向ionization tendencyずいう。 亜鉛ず銅のむオン化傟向 硫酞銅 氎溶液に亜鉛板Znを入れるず、亜鉛の衚面に銅が付着する。これは、亜鉛Znは銅Cuよりもむオン化傟向が倧きいため、 がむオン化し、 の単䜓が析出したためである。 銅ず銀のむオン化傟向 銅ず銀のむオン化傟向を比べるために、硝酞銀AgNO3の溶液に銅板を入れる。するず、銅板の衚面に銀が析出する。いっぜう、銅は陜むオンずなり溶ける。この銅むオンのため溶液はしだいに青くなる。以䞊の倉化を反応匏で曞くず、 なお、この反応で生じた銀を、生じ方が暹朚が䌞びるように析出した銀が䌞びるこずから銀暹ぎんじゅずいう。 たた、硫酞銅 CuSO4 の溶液に銀板Agをいれおも、倉化しない。 これらのこずから、銅は銀よりもむオン化傟向が倧きいこずがわかる。 むオン化列 さたざたな溶液や金属の組み合わせで、むオン化傟向の比范の実隓を行った結果、むオン化傟向の倧きさが決定された。 むオン化傟向の倧きい金属を䞊べた金属のむオン化列は、以䞋のようになる。 - Li > K > Ca > Na > Mg > Al > Zn > Fe > Ni > Sn > Pb > (H2) > Cu > Hg > Ag > Pt > Au 氎玠は金属では無いが比范のため、むオン化列に加えられる。金属原子は他にもあるが、高校化孊ではこの金属のむオン化列がよく䜿われる。 語呂合わせずしお、 「 がある。 電池の仕組み 二皮類の金属単䜓を電解質氎溶液に入れ、極間を導線で぀なぐず電池ができる。これはむオン化傟向が倧きい金属が電子を攟出しお陜むオンずなっお溶け、電子が導線を䌝っお、氎溶液䞭のむオン化傟向の小さい金属のむオンが電子を埗お析出するためである。 電子の流れ出す偎の電極の金属を負極negative electrodeずいう。電子を受け取る偎の金属の電極を正極positive electrodeずいう。 正極ず負極の電䜍差を起電力ずいう。正極で還元される物質を正極掻物質、負極で酞化される物質を負極掻物質ずいう。 各皮電池 ダニ゚ル電池 亜鉛板Znを入れたZnSO4氎溶液ず、銅板Cuを入れたCuSO4氎溶液を、䞡方の溶液が混ざらないように玠焌き板(溶液は混合しないがむオンは通過できる)などで区切った電池をダニ゚ル電池Daniell cellずいう。玠焌き板の間をSO42-が亜鉛板偎に移動する。CuSO4氎溶液は濃く、ZnSO4氎溶液は薄い方がよい(Znの溶出が進み、Cuの析出が進む方向)。 陜極(負極)での反応 - Zn → Zn2+ + 2e- 陰極(正極)での反応 - Cu2+ + 2e- → Cu 電池匏(-) Zn| ZnSO4aq | CuSO4aq |Cu (+) 起電力1.1 V 也電池 電池の電解液は液䜓なので、そのたたでは持ち運びに䞍䟿である。電解液を糊状にしお携垯できるようにした電池を也電池dry cellずいう。 代衚的な也電池にマンガン也電池zinc–carbon batteryがある。 - マンガン也電池 電池匏(-) Zn | ZnCl2aq, NH4Claq | MnO2,C (+) 起電力1.5 V 反応匏は、負極では亜鉛が以䞋のように反応しお溶け出る。 正極の炭玠棒は電子を媒介するだけで、炭玠は反応しない。電子を受け取るのはMnO2である。 二次電池 ダニ゚ル電池や也電池は、䜿甚しおいるず、だんだん起電力が䜎䞋し、再び電池ずしお䜿えるようにするこずは出来ない。このような電池を䞀次電池primary cellずいう。充電によっお、攟電時ずの逆反応が起こし、繰り返しお䜿甚できる電池を蓄電池たたは二次電池secondary cellずいう。 電池から電流を取り出しおいる状態を攟電dischargeずいう。 鉛蓄電池 鉛蓄電池は代衚的な二次電池で、自動車のバッテリヌなどに利甚される。 電池匏(-) Pb | H2SO4aq | PbO2 (+) 起電力2.1 V 攟電 攟電時の反応は、 負極 正極 である。攟電では、正極ず負極の䞡方に、 が付着する。電解液である硫酞は消費され、硫酞の濃床は䜎䞋しおいく。 - 充電 充電時は攟電の逆反応が起こる。 負極 正極 鉛蓄電池の反応をたずめるず次のようになる。 攟電時は、極板の質量が増加し、硫酞の濃床が枛少する。 充電時は、極板の質量が枛少し、硫酞の濃床が増加する。 燃料電池 氎玠などの陜極の燃料を、觊媒を甚いおむオン化させ、䜙った電子を取り出す電池。陜極の燃料が氎玠の堎合は、陰極で酞玠および回収した電子ず反応し氎になる。 様々な方匏の燃料電池がある。 リン酞型燃料電池の堎合、 - ヌH2H3PO4aqO2 電解質にリン酞氎溶液を甚いおいる。負極に氎玠を䟛絊する必芁があり、正極に酞玠を䟛絊する必芁のある電池である。 負極で起きる反応は、 - 負極 2H2 → 4H+ 4e- である。負極で生じた氎玠むオンが電解質を移動し、反察偎の正極にたで達し、぀ぎの反応が起きる。 - 正極 O2  4H+ 4e- → 2H2O ぀たり、氎玠むオンが酞玠によっお酞化したわけである。぀たり、氎玠むオンが燃焌したわけである。 この方匏の燃料電池の反応匏に぀いおは、高校生はずりあえず、負極で氎玠が反応しお氎玠むオンが発生するこずを、芚えおおけばよい。そしお、正極では酞玠ず反応しお氎が生じるこずを芚えおおけばよい。 起電力は玄1.2Vである。このリン酞型燃料電池は、酞玠の酞化によっお生じた゚ネルギヌの䞀郚を、電気゚ネルギヌにしおいる装眮ずしお、解釈できる。 氎の電気分解の、逆の原理であるず、解釈しおよい。 なお、正極ず負極は倚孔質になっおおり、氎玠や酞玠を通過させられるようになっおいる。 この燃料電池の生成物が氎なので、環境にやさしいず考えられおり、開発が進められおいお、䞀郚は実甚化もしおいる。 たた、反応源の氎玠を発生するためにも、電気分解などの電力゚ネルギヌなど、なんらかの゚ネルギヌが必芁なこずから、この電池は、氎玠の゚ネルギヌを電気゚ネルギヌに倉換しおいる装眮ずしお、解釈もできる。 アルカリ型燃料電池ずは、電解質に氎酞化カリりム KOH などを甚いる方匏である。 - ヌH2KOHaqO2 他に、固䜓高分子型や固䜓酞化物型などがある。 リチりムむオン電池 リチりムむオン電池は軜く、起電力が倧きいので、携垯電話やノヌトパ゜コンなどに幅広く利甚されおいる。 - 負極 Liず黒鉛Cの化合物 - 電解液 リチりム塩および有機溶媒 - 正極 コバルト酞リチりム LiCoO2 - 起電力 箄 4V - ニ次電池 ※ 参考: その他の実甚電池 実甚電池には䞊述した也電池や鉛蓄電池の他にも、さたざたな電池があるが、むオン化傟向を利甚しおいるずいうこずなどの基本的な仕組みは、あたり倉わらない。 その他の実甚されおいる化孊電池には、 - アルカリマンガン電池 - 銀電池 - リチりム電池 - ニッケルカドミりム電池 などがある。 - アルカリマンガン電池 - 負極 Zn - 電解液 KOH氎溶液 - 正極 MnO2 - 起電力 1.5V - 銀電池 - 負極 Zn - 電解液 KOH氎溶液 - 正極 Ag2O - 起電力 1.55V - 䞀次電池 銀電池は電圧が安定しおいるため、時蚈や電子䜓枩蚈などに甚いられる堎合が倚い。 - リチりム電池 - 負極 Li - 電解液 LiClO4 および有機溶媒 - 正極 (CF)n - 起電力 3.0V - 䞀次電池 リチりムは氎ず反応するので、電解質に氎を䜿うこずができない。このため、゚チレンカヌボネヌトなどの有機物を電解に甚いる。 リチりム電池は長寿呜のため、時蚈や電卓、心臓甚ペヌスメヌカなどに甚いられおいる。 - 空気電池 - 䞀次電池 空気電池は軜量なので、よく補聎噚に甚いられおいる。賌入時には、空気の䟵入をふせぐシヌルが貌られおいる。䜿甚し始める際には、シヌルをはがす。シヌルをはがすず攟電が始たる。はがしたシヌルを貌り盎しおも、保存は効かない。 - ニッケルカドミりム電池 - 負極 Cd - 電解液 KOH氎溶液 - 正極 オキシ氎酞化ニッケル NiO(OH) - 起電力 1.2V - ニ次電池 ニッケルカドミりム電池は電動工具などによく利甚されおいる。カドミりムの有害性の問題があるので、生産量は枛少しおおり、代替品ずしおニッケル氎玠電池に眮き換えられおいっおいる。 - ニッケル氎玠電池 - 負極 氎玠吞蔵合金MH - 電解液 KOH氎溶液 - 正極 オキシ氎酞化ニッケル NiO(OH) - 起電力 1.3V - ニ次電池 負極の氎玠吞蔵合金は、結晶栌子の間に氎玠を取り蟌め、必芁に応じお取り蟌んだ氎玠を攟出できる。ニッケル氎玠電池は自動車のハむブリッドカヌのバッテリヌに甚いられる。なお、氎玠蚘号のこずを蚘号でMHず衚す堎合もある。 ボルタ電池 ボルタ電池は教科曞では次のような説明がされるが、䞍正確な郚分があるため、定期詊隓で出題されない限りは、芚える必芁はない。 - 垌硫酞 H2SO4 の䞭に亜鉛板Znず銅板Cuを入れたもの。 負極亜鉛板での反応 - Zn → Zn2+ + 2e- 正極銅板での反応 - 2H + + 2e- → H2↑ 起電力 ボルタの電池では、埗られる䞡極間の電䜍差は、1.1Vである。起電力は、䞡電極の金属の組み合わせによっお決たる物質固有の倀である。 電池ず酞化還元ずの関係 ボルタの電池の亜鉛板で起きおいる反応は、電子を攟出するこずから酞化反応である。たた銅板で起きおいる反応は、電子を受けずっおいるので還元反応である。 電池図 ボルタ電池の構造を以䞋のような文字列に衚した堎合、このような衚瀺を電池図あるいは電池匏ずいう。 - (-) Zn | H2SO4aq |Cu (+) aqは氎のこずである。H2SO4aqず曞いお、硫酞氎溶液を衚しおいる。 分極 ボルタ電池では、正極の銅板で発生する氎玠が銅板を包むので、銅板ず溶媒ずのあいだの電子の移動が劚げられる分極が起きる。このような分極を防ぐために酞化剀を溶液に加える。この分極を防ぐ目的で加える酞化剀を枛極剀ずいう。枛極剀ずしおは過酞化氎玠氎 H2O2たたはMnO2たたはPbO2を䜿甚する。 電気分解 電解質の氎溶液に、電極を2本入れお、それぞれの電極に、倖郚の盎流電源から電気を通じるず、各電極で氎溶液䞭の物質に化孊反応を起こせる。これを電気分解ずいう。 電気分解で、盎流電源の負極に぀ないだ偎の電極を陰極ずいう。 電気分解で、盎流電源の正極に぀ないだ偎の電極を陜極ずいう。 陰極の電荷は、電源の負極から電子が送られおくるので、陰極は負電荷に垯電する。いっぜう、陜極の電荷は、正電荷に垯電する。 なお、電気分解の電極には、化孊的に安定な癜金 Pt や炭玠 C などを甚いる。 電気分解のさい、陜極では酞化反応が起こり、陰極では還元反応が起こる。 この電気分解の実甚䟋ずしお、金属の粟錬に利甚されおいる。 陰むオンのむオン化傟向はである。語呂合わせずしお、 電気分解の反応 陰極での反応 氎溶液の電気分解では、氎溶液䞭で、もっずも還元されやすい物質が電子を受け取り、還元反応が起こる。 - ・ なので、Cu2+、Ag+などのむオン化傟向の小さい金属むオンが溶けおいれば、これらの金属が析出する。 - ・ K2+、Na+などのむオン化傟向の倧きい金属むオンしか溶けおない堎合、かわりにH2Oが還元されるため氎玠H2が発生する。 陜極での反応 電極がPt,Au,炭玠の堎合、むオン化傟向が OH- より小さい Cl-,I- ,Br- があれば、酞化されおCl2、I2などが発生する。 むオン化傟向が OH- より倧きい SO42-、NO3- は酞化されにくいため、かわりにH2Oが還元される酞玠O2が発生する。 塩基性溶液では、OH-が酞化されおO2が発生する。 癜金や炭玠以倖の物質を陜極(Cuの堎合が倚い)にした堎合、陜極が酞化されお溶け出す。 塩化銅氎溶液の電気分解 電極には、炭玠電極たたは癜金 Pt を甚いる。塩化銅CuCl2氎溶液では、陰極付近の氎溶液では、電源から電子が送られおくるので以䞋の還元反応が起こり、陰極からは銅が析出する。 - 陰極 Cu + 2e- → Cu 陜極では、電源ぞ電子が奪われるので、以䞋の酞化反応が起こり、陜極からは塩玠が発生する。 - 陜極 2Cl- → Cl2 + 2e- 硫酞銅(II)氎溶液の電気分解 電極には、癜金 Pt を甚いるずする。硫酞銅 CuSO4 氎溶液。 - 陰極 Cu2+ + 2e- → Cu 陰極での反応は還元反応である。 - 陜極 2H2O → O2 + 4H+ + 4e- 陜極での反応は酞化反応である。 この硫酞銅での電気分解の珟象は、銅の電気粟錬に応甚されおいる。 氎の電気分解 玔氎な氎は電気を通さないので、導電性を高めるために硫酞か氎酞化ナトリりムを加える。 - 氎酞化ナトリりムを加えた堎合 H2ずNaのむオン化傟向を比べた堎合、Na>H2なので、陰極で還元されるのは氎玠むオンH+である。 - 陰極: 2H+ + 2e- → H2↑ 陰極では、氎玠H2が発生。 - 陜極: O2が発生。 電気分解の実甚䟋 氎酞化ナトリりムの補造 工業的な氎酞化ナトリりムの補造にはむオン亀換膜法が䜿われおいる。 図のように陜むオン亀換膜による隔壁でぞだおお片方に陜極、もう片方に陰極の電極を配眮する。 そしお、陜極偎にNaCl氎溶液を入れる。電圧をなにも加えお無い状䜓では、NaむオンずClむオンに分離しおいる。 そしお電圧を加えるず、電気分解が起きる。 陰極では - 還元 陜極では - 酞化 ずいう反応が起きる。 その結果、Cl-むオンが発生する。このCl-むオンは陜むオン亀換膜を通れず、Cl-むオンはそのたた陜極偎にずどたる。そしおCl-むオンは陜極のプラス電荷を受け取っお塩玠ガスになり気䜓ずなっお排出される。 いっぜうで、Na+むオンはそのたた氎溶液䞭にずどたり、たた陜むオン亀換膜を通過する。 いっぜう陰極偎ではOH-は陜むオン亀換膜を通過できないので、そのたた陰極偎にずどたる。たた、氎玠むオンH+は陰極で電荷を受け取り、氎玠ガスを発生しお、排出される。 こうしお、陰極偎の溶液ではNa+むオンずOH-むオンばかりになる。 Naはむオン化傟向が氎よりも倧きいので、陰極ではNa+はむオンのたたである。なので陰極では氎H2Oだけが還元されおOH-ができる。 こうしお、陰極ではNaOHの濃床の高い氎溶液が埗られる。この氎溶液を濃瞮するこずによっお、氎酞化ナトリりムNaOHが埗られる。 - 隔膜法 以前は、アスベストなどをもちいた隔膜法かくたくほうが甚いられおいた。この隔膜法も、電気分解を甚いる。濃い食塩氎塩化ナトリりム氎溶液を電気分解する方法で氎酞化ナトリりムは生産できる。電気分解したずきに、塩玠の気䜓が発生するので、気䜓を排出するこずにより、溶液䞭にNa+むオンを倚くさせおいる。 なお、陜むオン亀換膜をもちいた方法ずは違い、隔膜法の隔膜では塩玠むオンも通過しおしたうので、この方法では、埗られる氎溶液に䞍玔物ずしおNaClが混ざる。 たたなお、陜極は炭玠Cである。陰極は鉄網Feである。隔膜の倖郚を鉄網で芆っおいる。 陜極では 陰極では ずいう反応が起きる。Naはむオン化傟向が氎よりも倧きいので、氎が還元されおOH-ができる。 陰極で発生したOH-によっおNaOHができるが、そのたただず陜極のCl2ず反応しおしたいNaClになっおしたうので、NaずClずを結合させず隔離するために、隔膜ずしおアスベスト「石綿」ずもいう。などで぀くった倚孔質の膜を甚いる。アスベストは人䜓に有害である。 なお、氎酞化ナトリりムのこずを苛性゜ヌダかせいずもいう。 銅の粟錬 銅の鉱石を、コヌクスCなどずの加熱反応で還元したものは、玔床が玄99で、粗銅ずよばれる。粗銅には、亜鉛や銀などの䞍玔物が含たれるので、玔床をあげためには、䞍玔物を分離する必芁があり、そのために電解が利甚されおいる。 硫酞銅II氎溶液をもちいる。そのさいの電極陜極に、玔床をあげたい銅を甚いる。぀たり、粗銅を陜極に甚いる。玔床の高い銅を陰極に甚いる。電気分解により、次の反応が起こる。 - 陰極 Cu2 + 2e- → Cu - 陜極 Cu → Cu2 + 2e- 陜極からは、銅だけが溶け出すのではなく、むオン化傟向の倧きい鉄や亜鉛やニッケルなども溶け出す。しかし陰極で析出するのは、ほずんど銅だけなので、よっお陰極にお高玔床の銅が埗られる、ずいう仕組みである。 粗銅䞭に含たれおいる銀や金はむオン化傟向が銅よりも小さいため、陜極の䞋に沈殿する。これを陜極泥ようきょくでい、anode slimeずいう。 陰極には玔床の高い玔床99.99%皋床の銅が析出する。これを玔銅ずいう。 融解塩の電解 アルミニりムやマグネシりムやアルカリ金属やアルカリ土類金属はむオン化傟向が倧きいため、そのむオンをふくむ溶液を電気分解しおも、アルミニりムなどの単䜓は埗られない。そこで、むオン化傟向の倧きい金属を電気分解で埗たいずきは、塩や酞化物を融解し、これを電気分解するこずで単䜓を埗る。このような方法を、溶融塩電解ようゆうえん でんかいずいう。 アルミニりムの粟錬 酞化アルミニりムAl2O3の電気分解によっお、アルミニりムが埗られる。 酞化アルミニりムAl2O3は、鉱石のボヌキサむトAl2O3・nH2Oから、぀くられる。そのボヌキサむトからの酞化アルミニりムの぀くりかたの説明は省略する怜定教科曞でも、くわしい説明は省略。Al2O3は、アルミナずも呌ばれる。 アルミニりムを埗たい堎合、アルミナAl2O3は融点 2072 °Cず非垞に高いため、そのたたでは融解させづらい。そこで融点を䞋げるため、氷晶石Na3 AlF6融点 1012℃を、割合が氷晶石9.5重量%ほど加えるず、溶融枩床が䞋がり、融点が玄970℃になる。これを炭玠電極によっお電気分解によっお、陰極で、アルミニりムができる。 陜極では、電極の炭玠が空気䞭の酞玠ず反応しお、COやCO2ができる。 - 陰極 Al3+  3e- → Al この䞀連のアルミニりムの電解方法をホヌル・゚ルヌ法Hall-Héroult processずいう。 電気分解ず電気量ずの関係 単䜍の定矩 - クヌロン 1Aアンペアの電流が秒間、流れこんで貯たったずきの電気量を1クヌロンずいう。蚘号はCである。 電気量をQ[C]ずするず、電流i[A]で時間t秒の電流を流した堎合は、Q[C]ずi[A]ずt[S]の関係は、 - Q = i × t である。 - ファラデヌ定数 1molの電子がも぀電荷は玄96 500 Cである。そこで、この96 500 C/mol をファラデヌ定数Faraday constantずいう。 電子1個の電荷は - e  1.60×10-9 C である。 蚈算を実際にしおみるず、電子1個の電荷に、1モルぶんの粒子の個数を掛け算したものは、䞋蚘のように、たしかにファラデヌ定数になる。 ファラデヌの電気分解の法則 - 電気分解によっお、電極で倉化する物質量は、䞎えた電気量に比䟋する。 - 電気分解によっお、䟡数の異なる物質の倉化を比べた堎合、同じ電気量で倉化する物質量は物質の䟡数に反比䟋する。あるいは物質の(1/䟡数)に比䟋する。 この法則を、電気分解におけるファラデヌの法則ずいう。 - 䟋1 AgNO3の電気分解では、電流1Fで物質量1molのAgが析出する。なぜなら、Agは1䟡であり、反応匏は のように反応するからである。 - 䟋2 CuSO4の電気分解では、電流1Fで0.5molのCuが析出する。なぜなら、Cuは2䟡であり、反応匏は のように反応するから、銅を1分子析出させるのに電子が2個必芁だからである。 - 䟋3 H2SO4の電気分解では、電流1Fで0.5molのH2が発生する。反応匏は のように反応するから、氎玠H2を1分子発生させるのに電子が2個必芁だからである。 これ等の䟋のように、発生物の物質量を求める堎合の手順は、 - たず反応匏を曞いおから、 - その匏での、電子eの係数ず生成物の係数ずの比を元に、発生物の物質量を蚈算する。 ずいうふうに蚈算する。
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高校化孊 14族元玠 炭箠 C 、ケむ玠 Si はずもに14族に属する元玠である。䟡電子を4個持぀。 炭箠 炭箠 C は生物を構成する重芁な元玠である。たた、倚くの化孊補品に含たれおいる。䞀般に炭玠を含む物質は有機物ず呌ばれる。これらに぀いおは有機化合物の章で詳しく孊ぶ。この節では炭玠の単䜓ず䞀酞化炭玠、二酞化炭玠を孊ぶ。 単䜓 炭玠の単䜓は共有結合の結晶であるが、結合の仕方が異なるいく぀かの同玠䜓が存圚する。 - ダむダモンド C ダむダモンドは無色の固䜓である。1぀の炭玠原子に察しお4぀の炭玠原子が正四面䜓の頂点の方向に共有結合しおおり、これが倚数結合した構造をしおいる。共有結合の結晶であるこずから非垞に融点・沞点が高く、地球䞊においおもっずも硬い物質ずしお知られる。電気は通さないが、熱をよく通す。加工しお宝石ずされるほか、工業的にも研磚剀などずしおよく甚いられおいる。光の屈折率が倧きい。 - 黒鉛 C 黒鉛は金属光沢をも぀黒色の固䜓である。炭玠原子の4぀の非共有電子察のうち3぀を共有結合に䜿っお、正六角圢が぀ながった圢状の薄い局が䜕局にも重なった結晶を䜜り、残りの䟡電子は自由電子ずしお局ず局の間を自由に移動し結合しおいる。自由電子があるこずから電気をよく通す。たた熱もよく通す。局ず局ずの結合は非垞に匱いため、黒鉛は柔らかい結晶である。鉛筆の芯に甚いられるほか、電気分解甚の電極ずしおも甚いられる。 - フラヌレンC60、C70など フラヌレンfullereneは茶耐色の固䜓である。60個や70個など倚数の炭玠原子が球状に結合しお分子を圢成しおいる。右図に瀺しおいるのはC60フラヌレンのモデルで、炭玠原子が60個サッカヌボヌル状に結合しお分子を圢成しおいる。20䞖玀埌半に発芋された物質であり、珟圚研究が進められおいる。玔粋なフラヌレンは電気䌝導性が無いが、アルカリ金属を添加したものが超䌝導性を瀺すこずが分かっおいる。有機溶媒に溶ける。 - カヌボンナノチュヌブ 電気をよく通す。 - 無定圢炭玠 炭玠の同玠䜓ず別に、黒鉛や炭化氎玠などが䞍芏則に結合し、結晶状態をはっきりずは瀺さない状態の炭玠の固䜓がある。これを無定圢炭玠amorphous carbonず呌んでいる。朚炭やコヌクスなどがこれにあたる。このような無定圢炭玠の䞀皮である掻性炭は、倚孔質で、さたざたな物質を吞着する性質があるため、消臭剀などに甚いられおいる。 酞化物 炭玠が空気䞭で燃焌するず酞化物を生じる。 - 䞀酞化炭玠 炭玠や有機化合物が空気䞭で䞍完党燃焌するず、䞀酞化炭玠 を生じる。䞀酞化炭玠は垞枩で無色無臭の気䜓である。極めお有毒で、吞い蟌むず血液䞭のヘモグロビンず結合し、酞玠の運搬を劚げる。䞀酞化炭玠は氎に溶けない。 実隓宀での補法は、ギ酞を濃硫酞で脱氎しお埗るこずができる。 空気䞭で青癜い炎をあげお燃え、二酞化炭玠ずなる。 還元性があり、金属酞化物を還元しお単䜓にする性質がある。 - 二酞化炭玠CO2 炭玠や有機化合物が空気䞭で完党燃焌するず、二酞化炭玠 を生じる。実隓宀では、炭酞カルシりムに塩酞を加えお発生させる。 工業的には、石灰石の熱分解で、二酞化炭玠が埗られる。 二酞化炭玠は垞枩で無色無臭の気䜓である。毒性はない。酞性酞化物であり、氎に䞀郚が溶けお炭酞氎玠むオン を生じ、匱酞性を瀺す。 たた塩基ず反応しお塩を䜜る。 二酞化炭玠を石灰氎氎酞化カルシりム氎溶液に通じるず、炭酞カルシりムを生じお癜濁する。この反応は二酞化炭玠の怜出反応ずしお重芁である。 二酞化炭玠の固䜓は分子結晶の固䜓であり、ドラむアむスずしお知られ、冷华剀ずしお広く甚いられおいる。垞圧で昇華性があり、液䜓にならず盎接気䜓ずなる。 - (※ 範囲倖?: ) チャヌト匏には、二酞化炭玠の圧瞮の臚海枩床の話がある。31℃以䞊では、いくら圧瞮しおも液䜓にならず、この枩床を「臚界枩床」ずいう。なお「臚界」ずいう甚語は、いろんな分野で別の意味にも䜿われるので、ドラむアむスの専門倖の人に蚀う堎合には「圧瞮の臚海枩床」ずか「凝瞮の臚海枩床」などのように、適切に蚀葉を補っおもらいたい。 二酞化炭玠は生物の掻動においお攟出されたり吞収されたりする。生物の呌吞においおは、酞玠を吞収し糖類ず反応させお゚ネルギヌを取り出し、この過皋で二酞化炭玠が発生する。 逆に、怍物は二酞化炭玠を吞収しお光の゚ネルギヌを甚いお糖類を合成しおおり、これを光合成ずいう。 さらに、埮生物の䞭にぱネルギヌを埗るために糖類を発酵させるものがあり、この過皋で二酞化炭玠が生じる。 ケむ玠 ケむ玠 Si は酞玠の次に倚く地殻䞭に含たれおいる元玠である。氎晶などの鉱物にも含たれおいる。半導䜓の䞻な原料であり、工業的に重芁な元玠ずなっおいる。 単䜓 ケむ玠 Si は金属光沢をも぀銀灰色の固䜓である。ケむ玠は金属光沢をも぀が、しかし金属ではない。 光や玫倖線、赀倖線などは電磁波であるが、ケむ玠は電磁波の反射率が可芖光波長:780nm〜380nmのあたりだけ、反射率が高いため、人間の目で芋た堎合に、ケむ玠は金属光沢がるように芋える。※ 東京曞籍の教科曞で、コラムで玹介されおいる。 ケむ玠は倩然には単䜓ずしお存圚せず、酞化物を還元するこずにより補造される。単䜓は共有結合の結晶であり、ダむダモンドず同様の構造でケむ玠原子が結合する。そのためダむダモンド同様融点・沞点は高く、固い結晶を䜜る。導䜓ず䞍導䜓の䞭間皋床の電気抵抗を持぀半導䜓で、倪陜電池やコンピュヌタ郚品に甚いられる。 シリコンの結晶に、わずかにリンやホり玠を加えたものは、電気をよく通すものになる。これらの材料シリコンの結晶に、わずかにリンやホり玠を加えたものも「半導䜓」ずいう。※ 実教出版、数研出版の教科曞などで玹介しおいる。 ※ 『物理II』で詳しく習う。『高等孊校物理/物理II/電気ず磁気』などの単元で扱う。 - その他 ケむ玠の結晶構造は、ダむダモンドの結晶構造ず同じ。← 高校の範囲。 ※ 範囲倖:  ケむ玠には、グラファむト型の構造は無い。※ 参考文献: 化孊同人『理工系基瀎レクチャヌ 無機化孊』、2014幎第1版 第9刷 発行、99ペヌゞ この性質から、ケむ玠は炭玠ずは異なり倚重結合を぀くる性質が匱いこずが、うかがえる。 二酞化ケむ玠 二酞化ケむ玠SiO2は自然界で石英ずしお存圚する。透明な石英の結晶は「氎晶」ず呌ばれ、宝石ずしお甚いられる。たた、砂状のものはケむ砂ず呌ばれ、ガラスの原料ずなる。 二酞化ケむ玠は共有結合の結晶である。ケむ玠原子ず酞玠原子ずの結合は非垞に匷く、固く安定な結晶を䜜る。たた、匷い結合のためか、融点も高く、塩酞にも溶けない。しかし、フッ化氎玠酞ずは反応しお溶ける。 たた、二酞化ケむ玠は酞性酞化物であり、塩基ず反応しお塩を生じる。たずえば氎酞化ナトリりムず反応しお、ケむ酞ナトリりムNa2SiO3を生じる。 これに氎を加えお加熱するず、氎あめ状の氎ガラスwater glassが埗られる。たた、氎ガラスに塩酞を加えるず、ゲル状のケむ酞が埗られる。 ※ 実際は組成が安定せず、できるのがH2SiO3 のみずは限らない このずき塩化ナトリりムが副生成物ずしおできるので、塩化ナトリりムを氎掗しお陀き、のこったケむ酞を加熱也燥するずシリカゲルsilica gelが埗られる。シリカゲルは倚孔質で分子を吞着するため、也燥剀や吞着剀ずしお甚いられる。 - 発展: 氎晶振動子 ※ ほが範囲倖 電子工業における氎晶の応甚ずしお、氎晶振動子ずしおの利甚がある。 氎晶に電圧を掛けるず、䞀定の呚期で振動するこずから、時蚈などの発振噚ずしお利甚されおいる。 - ※ 『科孊ず人間生掻』で氎晶振動子が玹介された。
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高校化孊 15族元玠 窒玠N、リンPはずもに15族に属する非金属元玠である。䟡電子を5぀持぀。 窒玠 単䜓 窒玠N2は垞枩垞圧で無色無臭の気䜓である。窒玠原子2぀が䞉重結合しお1぀の分子を䜜っおいる、二原子分子の気䜓である。空気䞭に䜓積比でおよそ78%含たれおおり、工業的には液䜓空気の分留により生産される。液䜓の窒玠は物質の冷华にしばしば甚いられおいる。 アンモニア アンモニアNH3は無色刺激臭の気䜓である。氎に非垞に溶けやすく、氎溶液はアンモニア氎ず呌ばれ、匱塩基性を瀺す。 - NH3 + H2O → NH4+ + OH- アンモニアの補法は、工業的には、高枩高圧䞋で觊媒を甚いお窒玠ず氎玠を盎接反応させるハヌバヌ・ボッシュ法により補造される。 - N2 + 3H2 → 2NH3 実隓宀では、塩化アンモニりムず氎酞化カルシりムの粉末を混合しお加熱するこずにより埗られる。気䜓は䞊方眮換で捕集する。 - 2NH4Cl + Ca(OH)2 → CaCl2 + 2H2O + 2NH3↑ アンモニアが生成するこずを確かめるには、濃塩酞を近づければよい。アンモニアず濃塩酞が反応しお塩化アンモニりムの癜煙を生じる。 - NH3 + HCl → NH4Cl 氎溶液䞭のアンモニりムむオンNH4+を怜出する際には、ネスラヌ詊薬が甚いられる。アンモニりムむオンがあれば黄色耐色の沈殿を生じる。 アンモニアは、硝酞の原料、あるいは肥料の原料などずしおも利甚される。 窒玠酞化物 窒玠の酞化物は数皮類あり、それらの総称を窒玠酞化物ず呌ぶ。䞻なものに䞀酞化窒玠NOず二酞化窒玠NO2がある。 - 䞀酞化窒玠 NO 垞枩で無色の気䜓。氎に溶けにくい。垌硝酞に銅を加えるこずで発生する。空気䞭で酞化されやすいため、氎䞊眮換で捕集する。 - 3Cu + 8HNO3 → 3Cu(NO3)2 + 4H2O + 2NO↑ 空気䞭での酞化の反応匏は、 - 2NO + O2 → 2NO2 である。 - 二酞化窒玠 NO2 垞枩で耐色の気䜓。氎に溶けやすく、反応しお硝酞HNO3ずなる。 - 3NO2 + H2O → 2HNO3 + NO 実隓宀では濃硝酞に銅を加えるこずで発生する。氎に溶けやすいので䞋方眮換で捕集する。 - Cu + 4HNO3 → Cu(NO3)2 + 2H2O + 2NO2↑ 空気䞭では䞀郚で2分子が結合しお四酞化二窒玠N2O4ずなる。 - 2NO2 ⇄ N2O4 窒玠は垞枩では燃焌しない。すなわち酞玠ず反応しお酞化物にならない。しかし、高枩䞋では窒玠ず酞玠が盎接反応しお窒玠酞化物を生じる。たた化石燃料の燃焌によっおも窒玠酞化物が生成する。そのため車の゚ンゞンなどから窒玠酞化物が発生し、倧気䞭に攟出されたものが雚氎に吞収され、硫黄酞化物ず同様に酞性雚の原因ずなる。 硝酞 - ※ 範囲倖 :  硝石しょうせきの぀くり方がどこにも曞いおないのはオカシむので、改革しお硝石の䜜りかたの芁点を曞く。おおもずの原料は、糞尿である。尿などにふくたれるアンモニアが、土壌䞭でさたざたな物質ず反応しお、硝酞むオンを倚く含む物質になる。この硝酞むオンを原料に、カリりムをふくむ灰汁あくずずもに煮るず化孊反応をしお硝酞カリりムになるが、この硝酞カリりムこそが、自然界のいわゆる「硝石」しょうせきの䞻な原料である。䞭䞖や近䞖では、この硝石を䞭間材料ずしお、火薬などを䜜っおいた。以䞊、範囲倖。 ↓ 以䞋、高校の範囲 硝酞HNO3は窒玠のオキ゜酞であり、有名な匷酞である。通垞はHNO3の氎溶液を硝酞ず呌ぶ。濃床によりやや異なる性質を瀺し、濃床の濃いものを濃硝酞、薄いものを垌硝酞ず呌ぶ。硝酞は揮発性の酞であるため、実隓宀では硝酞塩に濃硫酞を加えるこずにより埗られる。 - NaNO3 + H2SO4 → NaHSO4 + HNO3 硝酞の補法は、工業的には、オストワルト法Ostwald processにより補造される。次のような工皋を経お硝酞が埗られる。 - アンモニアず空気の混合気䜓を、觊媒の癜金 Pt に觊れさせ、800℃〜900℃でアンモニアを酞化させお䞀酞化窒玠ずする。 - 4NH3 + 5O2 → 4NO + 6H2O - 䞀酞化窒玠を空気䞭でさらに酞化しお、二酞化窒玠ずする。 - 2NO + O2 → 2NO2 - 二酞化窒玠を氎に吞収させ、硝酞ずする。ここで発生する䞀酞化窒玠は回収し、2に戻っお再び酞化する。 - 3NO2 + H2O → 2HNO3 + NO 硝酞は無色の氎溶液であるが、光や熱により分解しお二酞化窒玠ず酞玠を生じる。そのため、保管のさいには、硝酞は耐色びんに入れ冷暗所で保存するようにする。 - 4HNO3 → 4NO2 + 2H2O + O2 匷い酞化䜜甚を持っおおり、氎玠よりむオン化傟向の小さい銅Cuや銀Agなどの金属も酞化しお溶かす。たた、むオン化傟向の倧きい金属ず反応しお窒玠酞化物を生じる。垌硝酞からは䞀酞化窒玠が、濃硝酞からは二酞化窒玠がそれぞれ発生する。 - 垌硝酞3Cu + 8HNO3 → 3Cu(NO3)2 + 4H2O + 2NO↑ - 濃硝酞Cu + 4HNO3 → Cu(NO3)2 + 2H2O + 2NO2↑ たた硝酞は匷酞であり、むオン化傟向の倧きい金属ず反応しお氎玠を発生する。 - 2Al + 6HNO3 → 2Al(NO3)3 + 3H2↑ - 䞍動態 ただし、鉄 Fe やアルミニりム Al やニッケル Ni は、硝酞ずは反応しお氎玠を発生するが、濃硝酞に加えおも溶けない。これは、金属の衚面が酞化され、氎に溶けにくい緻密な酞化被膜を生成しお、内郚が保護され、反応が内郚たで進行しなくなるためである。このような状態を䞍動態ふどうたい、passive stateずいう。 - その他 硝酞塩はほずんど氎に溶ける。そのため、ガラス噚具にこびり぀いた金属類を掗浄する際に甚いられるこずも倚い。 硝酞は火薬の補造に甚いられる。 窒玠の応甚 たずえば、ポテトチップスなどのような油で揚げたスナック菓子の酞化防止のため、袋の䞭に窒玠が぀められる。酞玠があるず、油が酞化しおしたうが、代わりに䜕らかの気䜓を぀める必芁があるので、窒玠を袋の䞭に぀めおいるのである。※ 2017幎のセンタヌ詊隓『化孊基瀎の』本詊隓で出題 リン 単䜓 リンPは5皮類の同玠䜓を持぀。代衚的なものは黄リンP4ず赀リン Pxの2぀である。 黄リンP4は淡黄色のろう状固䜓であり、人䜓にきわめお有毒である。空気䞭で自然発火するため、氎䞭に保存する。二硫化炭玠CS2に溶ける。 赀リンPxは赀耐色の粉末状固䜓であり、匱い毒性を持぀。二硫化炭玠CS2に溶けない。赀リンはマッチの箱のすり薬ずしお甚いられおいる。 - ※ マッチでリンが䜿われおる郚分は、マッチ棒ではなく、マッチ箱のほう。 酞化物 リンを空気䞭で燃焌させるず、十酞化四リンP4O10の癜煙を生じる。 - 4P + 5O2 → P4O10 十酞化四リンは癜色の粉末状固䜓であり、匷い吞湿性を瀺し、也燥剀ずしお甚いられる。この吞湿性から、空気䞭に攟眮するず空気䞭の氎蒞気を吞収しお自分自身がその氎に溶ける。この珟象を朮解ずいう。十酞化四リンは朮解性ちょうかいせい、deliqusceneceのある物質である。 十酞化四リンは氎ず反応しおリン酞H3PO4ずなる。 - P4O10 + 6H2O → 4H3PO4 リン酞は酢酞のような匱酞よりは匷いが、塩酞のような匷酞よりは匱い、䞭皋床の匷さの酞である。 リンは生物にずっお必芁䞍可欠な元玠である。生物はリンの化合物であるATPアデノシン䞉リン酞に゚ネルギヌを保存し、利甚する。蟲業においおも必芁な元玠で、リン酞肥料ずしお甚いられる。䞻なものずしお、リン鉱石ず硫酞ず氎ずの反応から埗られるリン酞二氎玠カルシりムCa(H2PO4)2ず、硫酞カルシりムCaSO4ずの混合物である過リン酞石灰がある。 この過リン酞石灰が、リン肥料の䞻成分である。 リン酞カルシりム Ca3(PO4)2 およびヒドロキシアパタむト Ca5(PO4)3(OH) は、動物の骚や歯の䞻成分である。
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高校化孊 16族元玠 16族に属する酞玠O、硫黄Sはずもに䟡電子を6぀持ち、2䟡の陰むオンになる。ずもに単䜓は同玠䜓を持぀。 酞玠の単䜓 酞玠の単䜓には、原子2個で1぀の分子を䜜っおいる酞玠O2ず、原子3個で1぀の分子を䜜っおいるオゟンO3がある。いずれも垞枩では気䜓であるが、倧きく異なった性質を瀺す。 酞玠は空気䞭で玄21ふくたれる。たた、酞玠は地殻を構成する䞻な元玠でもあり、およそ半分は酞玠である。 酾箠 酞玠O2は垞枩で無色無臭の気䜓である。 工業的な補法は、液䜓空気の分留によっお酞玠を埗る。 実隓宀で酞玠を埗るには、過酞化氎玠氎に酞化マンガン(IVを加えればよい。この反応で酞化マンガンIVは觊媒ずしお働き、過酞化氎玠が分解しお酞玠を発生する。 - 2H2O2 → 2H2O + O2↑ たた、塩玠酞カリりムず酞化マンガンIVを混合しお加熱しおもよい。この反応でもやはり酞化マンガンIVは觊媒ずしお働く。 - 2KClO3 → 2KCl + 3O2↑ オゟン オゟンO3は、酞玠䞭で無声攟電を行うか、匷い玫倖線を圓おるこずで生成する。 - 3O2 ⇄ 2O3 オゟン O3 は分解しやすく、分解のさいに匷い酞化䜜甚を瀺す。オゟンは淡青色・特異臭の気䜓で、人䜓には有害である。オゟンの分子は、酞玠原子が3぀結合しお1぀の分子を䜜っおいる。 たた、オゟンの酞化䜜甚は、ペり化カリりムデンプン玙を青倉する。 - 2KI + O3 + H2O → 2KOH + O2 + I2 このためオゟンの怜出法は、氎で湿らせたペり化カリりムデンプン玙でオゟンを怜出できる。 倧気䞭には䞊空25000mほどにオゟンが豊富に含たれる局があり、オゟン局ず呌ばれる。オゟン局は人䜓に有害な玫倖線を吞収する働きがあるが、近幎このオゟン局が南極付近で局所的に薄くなっおおりオゟンホヌル、環境問題ずしお取り䞊げられるこずが倚くなっおいる。 酞玠の化合物 酞玠の化合物は䞀般に酞化物ず呌ばれる。酞玠はあらゆる物質ず化合するこずができ、䞀般に金属元玠ずはむオン結合、非金属元玠ずは共有結合による酞化物を䜜る。 酞化物は、酞や塩基ずの反応のしかたから3通りに分類される。 - 酞性酞化物 : 氎に溶けお酞性を瀺したり、塩基ず反応しお塩を生じる酞化物を、酞性酞化物ずいう。 - 塩基性酞化物 : 氎に溶けお塩基性を瀺したり、酞ず反応しお塩を生じる酞化物を、塩基性酞化物ずいう。 - 䞡性酞化物: 酞・塩基のどちらずも反応しお塩を生じる酞化物を、䞡性酞化物ずいう。 䞀般に、非金属元玠の酞化物は酞性酞化物であり、金属元玠の酞化物は塩基性酞化物である。 - 酞性酞化物の䟋 二酞化炭玠や二酞化硫黄など、非金属元玠の酞化物の倚くは、酞性酞化物である。 酞性酞化物の定矩により、酞性酞化物は氎に溶けるず、酞性を瀺す。 - SO3 + H2O → H2SO4 - ※ H2SO4は酞。 たた、酞性酞化物は塩基ず反応するず、塩を぀くる。 - SO2 + 2NaOH2O → Na2SO3  H2O - ※ Na2SO3は塩。 二酞化炭玠CO2は塩基ず反応しお塩を生じる。 - CO2 + Ca(OH)2 → CaCO3 + H2O - ※ CaCO3は塩。 二酞化窒玠NO2は氎に溶けお硝酞HNO3ずなる。 - 3NO2 + H2O → 2HNO3 + NO - 塩基性酞化物の䟋 氎に溶けお塩基性を瀺したり、酞ず反応しお塩を生じる酞化物を、塩基性酞化物ずいう。 - Na2O + H2O → 2NaOH - ※ NaOHは塩基。 金属元玠の酞化物の倚くは、塩基性酞化物である。酞化カルシりムや酞化ナトリりムなどが、塩基性酞化物である。 酞化カルシりムCaOは氎に溶けお氎酞化カルシりムCa(OH)2ずなる。 - CaO + H2O → Ca(OH)2 たた、これは酞ず反応しお塩を生じる。 - CaO + 2HCl → CaCl2 + H2O - 䞡性酞化物の䟋 酞・塩基のどちらずも反応しお塩を生じる酞化物を、䞡性酞化物ずいう。 酞化アルミニりムAl2O3や酞化亜鉛は、酞ずも塩基ずも反応しお塩を生じる。 - Al2O3 + 6HCl → 2AlCl3 + 3H2O - Al2O3 + 2NaOH + 3H2O → 2Na[Al(OH)4] オキ゜酞 塩玠の酞性酞化物を氎に溶かすず、氎ず反応しお酞を生じる。 塩玠の酞化物には、いく぀かの皮類があるが、䞀䟋ずしお酞を生じる反応ずしお、䞋蚘の化孊反応がある。 - Cl2O7  H2O → HClO4 リンの酞性酞化物も、氎ず反応し、酞を生じる。 - P4O10  6H2O → 4H3PO4 たた、このように酞性酞化物を氎ず反応させお埗られた酞は、分子䞭に酞玠原子ず氎玠原子を含む堎合が倚い。 塩玠の堎合は、過塩玠酞 HClO4 などが埗られるし、窒玠の堎合は、亜硝酞HNO2ず硝酞HNO3などが埗られるし、分子匏を芋ればわかるように酞玠原子ず原子が分子䞭に含たれおる。 䞀般に、分子䞭に酞玠分子のある構造の酞のこずをオキ゜酞oxoacidずいう。「オキ゜酞」ずいった堎合、氎玠原子は、なくおも構わない。 ※ 東京曞籍ず実教出版の芋解。 いっぜう、啓林通などが、「オキ゜酞」の定矩に氎玠原子を含たせる定矩である。 オキ゜酞の分子構造に぀いおの議論のさいには、塩玠原子や窒玠原子など、由来ずなった酞性酞化物の元玠を「䞭心原子」ず蚭定しお議論するのが䞀般的である。぀たり、酞玠原子や氎玠原子は、䞭心ではない。 䞭心元玠が同じであれば、結合しおいる酞玠の数が倚いほど、オキ゜酞の酞性は匷くなる。 たずえば窒玠のオキ゜酞ずしお亜硝酞HNO2ず硝酞HNO3があるが、硝酞の方が匷い酞である。 たた、䞭心元玠が第3呚期のリン、硫黄、塩玠であるようなオキ゜酞は、この順に酞性が匷くなる。リン酞H3PO4は匱酞であるが、硫酞H2SO4は匷酞であり、過塩玠酞HClO4はさらに匷い酞性を瀺す。 塩玠のオキ゜酞の酞性の順は、 - ぀よい偎 HClO4  HClO3  HClO2  HClO よわい偎 名称は - HClO4 過塩玠酞。 HClO3 塩玠酞。 HClO2 亜鉛玠酞。HClO 次亜鉛玠酞。 である。 - ※ 範囲倖: いたのずころ、䞊蚘の4぀以倖は、塩玠のオキ゜酞は発芋されおいない。※ 参考文献: 化孊同人『理工系基瀎レクチャヌ 無機化孊』、鵜沌秀郎 ほか 著、2007幎第1版、2014幎第1版第9刷、73ペヌゞ 硫黄の単䜓 硫黄Sの単䜓には、斜方硫黄、単斜硫黄、ゎム状硫黄などの同玠䜓がある。単䜓は火山地垯から倚く産出され、たた重油の粟補過皋のひず぀である脱硫だ぀りゅうの工皋においお倚く埗られる。 - 斜方硫黄S8 斜方硫黄は垞枩で安定な黄色・塊状の結晶である。硫黄原子が8぀環状に結合しお1぀の分子を圢成しおいる。 - 単斜硫黄S8 単斜硫黄は高枩で安定な黄色・針状の結晶である。硫黄原子が8぀環状に結合しお1぀の分子を圢成しおいる。斜方硫黄を加熱するこずで埗られる。 - ゎム状硫黄Sx ゎム状硫黄は耐色の無定圢固䜓である。ただし、玔粋なものは黄色を瀺すものがある。数十䞇の硫黄原子がゞグザグに結合しおいるため、匕っ匵るず結合角が倉わり匟力性がある。 斜方硫黄を加熱するずコハク色の液䜓ずなる。これを加熱し続けるず次第に暗耐色ずなり、粘性が増しおくる。さらに加熱するず濃青色の液䜓ずなり、これを氎䞭に入れ急冷するずゎム状硫黄ずなる。 - 反応性 硫黄は、高枩で反応性が高い。 硫黄は高枩では倚くの元玠ず化合しお硫化物ずなる。たずえば鉄粉ず硫黄の粉末を混合しお加熱するず、硫化鉄II FeS が生じる。 - Fe + S → FeS たた、空気䞭で青癜い炎をあげお燃焌し、二酞化硫黄ずなる。 - S + O2 → SO2 硫黄の化合物 硫化氎玠 硫化氎玠H2Sは無色腐卵臭の気䜓である。人䜓に有毒であるため、䜿甚時には十分な換気に泚意しなければならない。硫化氎玠は氎に溶け、匱酞性を瀺す。 - H2S ⇄ HS- + H+ ⇄ S2- + 2H+ 火山ガスや枩泉に豊富に含たれるが、実隓宀では硫化鉄IIに匷酞を加えるこずで埗られる。 - FeS + 2HCl → FeCl2 + H2S↑ - FeS + H2SO4 → FeSO4 + H2S↑ 硫化氎玠は、おおくの堎合に還元剀ずしお働き、二酞化硫黄を還元しお硫黄の単䜓を生じる。 - 2H2S + SO2 → 2H2O + 3S↓ 倚くの金属むオンず反応しお硫化物の沈殿を䜜るため、金属むオンの分離や怜出に倚く甚いられる。 - Fe2+ + H2S → 2H+ + FeS↓ 二酞化硫黄 二酞化硫黄SO2)は腐卵臭をも぀無色の有毒な気䜓で、刺激臭がある。たた、火山ガスや枩泉などに含たれる。 酞性酞化物であり、氎に溶けお匱酞性を瀺す。 - SO2 + H2O ⇄ HSO3- + H+ 実隓宀では、銅を濃硫酞に加えお加熱するか、亜硫酞塩を垌硫酞ず反応させるこずにより埗られ、䞋方眮換で埗る。 - Cu + 2H2SO4 → CuSO4 + 2H2O + SO2↑ - NaHSO3 + H2SO4 → NaHSO4 + H2O + SO2↑ - Na2SO3 + H2SO4 → Na2SO4 + H2O + SO2↑ 工業的には、硫黄の燃焌により補造される。 - S + O2 → SO2 二酞化硫黄は還元性があり、挂癜䜜甚がある。ただし、硫化氎玠のような匷い還元剀がある堎合は、酞化剀ずしお䜜甚する。 硫黄を含む物質は燃焌により二酞化硫黄を生じる。二酞化硫黄の氎溶液は、匱い酞性を瀺す。 硫黄は石油や石炭に倚く含たれおいるため、このような化石燃料を倧量に燃焌させるず、倧気䞭に倚量の二酞化硫黄が攟出され、雚氎に溶け蟌み、酞性雚の原因ずなる。 ç¡«é…ž 硫酞H2SO4は工業的に接觊法contact processにより、酞化バナゞりムを䞻成分ずしお觊媒をもちいお、次のような工皋で補造されおいる。 - 硫黄を燃焌させ、二酞化硫黄を䜜る。 - S + O2 → SO2 - 二酞化硫黄ず酞玠ずの混合気䜓を也燥させ、酞化バナゞりムV2O5を觊媒ずしお反応させお䞉酞化硫黄を䜜る。 - 2SO2 + O2 → 2SO3 - 䞉酞化硫黄を濃硫酞に吞収させ、発煙硫酞ずする。 - SO3 + H2O → H2SO4 - 発煙硫酞を垌釈し、濃硫酞ずする。 硫酞は、硫黄のオキ゜酞である。通垞はH2SO4の氎溶液を硫酞ず呌ぶ。硫酞は無色透明で粘性があり、密床の倧きい重い液䜓である。濃床により性質が異なり、濃床の90以䞊皋床の濃いものを濃硫酞concentrated sulfuric acidずいい、薄いものを垌硫酞(diluted sulfuric acid)ず呌ぶ。 濃硫酞を氎で垌釈するこずで垌硫酞が埗られる。垌釈する際は氎を入れたビヌカヌを氎を匵った氎槜䞭に入れ、冷华しながら濃硫酞を静かに加えるようにする。これは、硫酞の氎ぞの溶解熱が非垞に倧きいためである。けっしお、これを逆にしおはならない。もし、濃硫酞に氎を加えるようにするず、溶解熱によっお氎が蒞発し濃硫酞が跳ねるこずがあり、たいぞん危険である。 硫酞は沞点が高い、䞍揮発性の酞である。したがっお、塩酞や硝酞のような揮発性の酞の塩ず反応しお塩を䜜り、揮発性酞が遊離する。 - NaCl + H2SO4 → NaHSO4 + HCl↑ 濃硫酞には次のような性質がある。 - 酞化䜜甚: 金属を加え加熱するず、銅などのむオン化傟向の小さい金属を酞化するようになる。加熱した濃硫酞を熱濃硫酞ず呌ぶこずもある。 - Cu + 2H2SO4 → CuSO4 + 2H2O + SO2↑ - 脱氎䜜甚だっすいさよう、dehydration: 有機化合物の分子内に含たれおいる酞玠原子や氎玠原子を、氎分子H2Oずしお奪う。たずえば玙に濃硫酞を垂らすず、その郚分から酞玠ず氎玠が奪われ、炭化する。 - 吞湿䜜甚: 匷い吞湿䜜甚があり、也燥剀ずしお甚いられる。 - 䞍揮発性: 垌硫酞は匷酞であり、倚くの金属ず反応しお氎玠を発生する。䞀方濃硫酞は氎をほずんど含たないため電離床が小さく、ほずんど酞性を瀺さない。 硫酞むオンSO42-はBa2+やCa2+ず反応しお癜色沈殿を生じる。そのため、これらのむオンの怜出・分離に甚いられる。たた日垞生掻においおも、硫酞はカヌバッテリヌや非垞甚電源などずしお䜿われる鉛蓄電池の電解液ずしお甚いられおいる。
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高校化孊 ハロゲン 呚期衚の17族に属する、フッ玠 F、塩玠 Cl、臭玠 Br、ペり玠 I、アスタチン At をハロゲンずいう。 ハロゲンの原子は最倖殻に䟡電子を7぀持っおいる。ハロゲンは1䟡の陰むオンになりやすい。 このためハロゲンは化合物を぀くりやすい。そのため、倩然では、ハロゲンは鉱物ホタル石 CaF2 、岩塩 NaClずしお存圚しおいる堎合も倚い。たたは、海氎䞭に陰むオンずしおハロゲンが存圚しおいる堎合が倚い。 ハロゲンの単䜓の性質 ハロゲンの単䜓はいずれも二原子分子で有色、毒性である。 沞点bp・融点mpは、原子番号の倧きいものほど高い。 ハロゲンの単䜓は酞化力が匷い。酞化力の匷さは原子番号が小さいほど倧きくなる。぀たり酞化力の匷さは、 である。 たずえば、ペり化カリりム氎溶液に塩玠を加えるず、ペり玠は酞化されお単䜓ずなる。 逆に、塩化カリりム氎溶液にペり玠を加えおも、ペり玠よりも塩玠のほうが酞化力が匷いため、反応は起こらない。 たた、ハロゲンの各元玠ごずの酞化力の違いは、氎や氎玠ずの反応にも関わる。 最も酞化力の぀よいフッ玠は、氎ず激しく反応し、酞玠を発生する。 - 2F2  2H2O → 4HF  O2 フッ玠 F₂ 垞枩垞圧䞋では淡黄緑色の気䜓である。 酞化力が非垞に匷く、様々な物質ず激しく反応する。ガラスでさえフッ玠を吹き付けるず燃えるように反応するため扱いが難しい。 氎や氎玠ずの反応物であるフッ化氎玠(HF)が氎に溶けたフッ化氎玠酞(HFaq)はガラスを䟵すため、ポリ゚チレン容噚に入れ保管する。 塩玠 塩玠 Cl2 は垞枩垞圧で黄緑色の有毒な気䜓である。 補法 工業的塩化ナトリりム氎溶液の電気分解で぀くる。 実隓宀的酞化マンガン(IV)に濃塩酞を加え、加熱する。 - なお、この反応では塩玠ず同時に氎も生成する。さらに、濃塩酞には次節に芋るように揮発性がある。したがっお、この反応により埗られる気䜓は玔粋な塩玠ではなく、氎や塩化氎玠を少量含んでいる。それらを取り陀くため、この気䜓を氎ず濃硫酞に順番に通す。たず氎に通すこずで、揮発した塩化氎玠が吞収される。次いで濃硫酞に通すこずで、濃硫酞の吞湿䜜甚により気䜓䞭の氎が吞収され、玔粋な塩玠を埗るこずができる。なお、この氎・濃硫酞に通す順番を逆にしおはならない。先に濃硫酞に通した埌氎に通しおも、埗られる気䜓の䞭には最埌に通した氎から蒞発した氎蒞気が含たれおいるためである。塩玠は空気よりも重いため、濃硫酞を通したあずの塩玠を、䞋方眮換で集める。 塩化ナトリりム、酞化マンガン(IV)に濃硫酞を加えお加熱する。 さらし粉に塩酞を加える。 性質 塩玠は、氎に少し溶けお、その䞀郚が次亜塩玠酞 になる。 次亜塩玠酞は、匷い酞化䜜甚がある。塩玠 Cl2 の氎溶液を塩玠氎chlorine waterずいう。 塩玠氎および次亜塩玠酞は、挂癜剀や殺菌剀ずしお氎道やプヌルの氎の殺菌などに広く甚いられおいる。 - さらし粉 氎酞化カルシりムず塩玠を反応させるず、さらし粉䞻成分:CaCl(ClO)・H2Oができる。 さらし粉たたは高床さらし粉䞻成分:Ca(ClO)2・2H2Oに塩酞を加えるこずによっおも塩玠の単䜓を埗るこずができる。 - CaCl(ClO)・H2O + 2HCl → CaCl2 + 2H2O + Cl2↑ - Ca(ClO)2・2H2O + 4HCl → CaCl2 + 4H2O + 2Cl2↑ 工業的には塩化ナトリりム氎溶液の電気分解を甚いた、むオン亀換膜法により補造される。 高床さらし粉は、挂癜剀や殺菌剀ずしお利甚される。 - (※ 範囲倖: ) いわゆる「カルキ」ずは、この、さらし粉のこず。ドむツ語のクロヌルカルキを略しおカルキず読んでいる。 - その他 塩玠はさたざたな金属ず反応しお塩化物ずなる。たずえば、単䜓の塩玠の䞭に加熱した銅線を入れるず、煙状の塩化銅(II) CuCl2 を生成する。 - Cu + Cl2 → CuCl2 ペり玠 ペり玠I2は垞枩垞圧で黒玫色の固䜓である。昇華性があり、加熱するず固䜓から液䜓にならず盎接気䜓ずなる。これを利甚しお、固䜓のペり玠の玔床を䞊げるこずができる。1リットルビヌカヌに䞍玔物を含むペり玠の固䜓を入れ、ガスバヌナヌで加熱する。ビヌカヌの䞊郚には冷氎を入れた䞞底フラスコを眮いおおく。加熱によりペり玠のみが気䜓ずなり、䞊昇しおフラスコの底郚付近で冷やされお固䜓に戻る。そのため、フラスコ底郚に玔床の高いペり玠の針状結晶が析出する。 ペり玠は氎に溶けにくいが、゚ヌテルなどの有機溶媒にはよく溶ける。たた、ペり化カリりム氎溶液にもよく溶けお耐色の溶液ずなる。 デンプン氎溶液にペり玠を溶かしたペり化カリりム氎溶液を加えるず、青玫色を呈する。このようにデンプンにペり玠を䜜甚させお青玫色ずなる反応をペり玠デンプン反応ず呌ぶ。これにより、ペり玠やデンプンの怜出ができる。 ペり玠デンプン反応を甚いた詊薬に、ペり化カリりムデンプン玙がある。これは、ろ玙にデンプンずペり化カリりムを含たせたものであり、酞化力の匷い物質の怜出に甚いられる。酞化力の匷い物質がある堎合、ペり化カリりムは酞化されおペり玠の単䜓ずなる。 - 2I- → I2 + e- このペり玠がデンプンに䜜甚しお玫色から青玫色に倉化する。 ハロゲンの化合物 ハロゲン化氎玠 ハロゲンは氎玠ず化合しおハロゲン化氎玠ずなる。いずれも無色刺激臭の気䜓である。 たた、ハロゲン化氎玠の氎溶液は酞性を瀺す。 ハロゲン氎溶液の酞性は、フッ化氎玠酞だけが匱酞である。それ以倖は匷酞である。 フッ化氎玠HF フッ化氎玠は、ホタル石䞻成分 CaF2に濃硫酞をくわえお加熱するこずで、埗られる。 - CaF2  H2SO4 → 2HF  CaSO4 フッ化氎玠は氎によく溶け、匱酞のフッ化氎玠酞hydrofluoric acidずなる。 フッ化氎玠酞は、ガラスの䞻成分である二酞化ケむ玠 SiO2を溶かすため、保存するずきはポリ゚チレン容噚に保存する。 - SiO2 + 6HF → H2SiF6 + 2H2O 工業の甚途ずしお、ガラスの衚面凊理や、くもりガラスの補造に、フッ化氎玠酞が甚いられる。 フッ化氎玠だけ沞点が他のハロゲン化氎玠よりも高いが、この原因は、フッ化氎玠では氎玠結合が生じるからである。← ※ 実教出版、数研出版、第䞀孊習瀟の教科曞で玹介。 フッ化氎玠酞だけ匱酞である理由も、同様に氎玠結合によっお電離床が䜎くなっおいるためである。← ※ 実教出版、第䞀孊習瀟の教科曞の芋解。 塩化氎玠HCl 塩化氎玠の、実隓宀での補法は、塩化ナトリりムに濃い硫酞を加え加熱するこずで埗られる。 - NaCl + H2SO4 → NaHSO4 + HCl↑ 塩化氎玠は氎によく溶け、その氎溶液は塩酞hydrochloric acidである。濃床の濃いものは濃塩酞、薄いものは垌塩酞ず呌ばれる。塩酞は匷酞性を瀺し、倚くの金属ず反応しお氎玠を発生する。 - 2HCl + Zn → ZnCl2 + H2↑ たた、匷酞性であるこずから、匱酞の塩ず反応しお塩を生じ、匱酞を遊離させる。 - HCl + NaHCO3 → NaCl + H2O + CO2 塩酞には揮発性があり、垞枩で䞀郚が気䜓ずなる。そのため、アンモニアの぀いたガラス棒を近づけるず、塩酞の気䜓ずアンモニアずが觊れお反応し、塩化アンモニりム NH4Cl が生じる。この反応は、塩化氎玠やアンモニアの怜出に甚いられる。 - HCl + NH3 → NH4Cl ハロゲン化銀・ハロゲン化鉛 ハロゲン化銀は、フッ化銀を陀いお、䞀般に氎に溶けにくい。このため、ハロゲンの化合物の氎溶液に、硝酞銀をくわえるず、塩化銀、臭化銀、ペり化銀などのハロゲン化銀が沈殿する。 塩化氎玠HCl 塩化銀、臭化銀、ペり化銀には感光性があり、生じた沈柱に光を圓おるず銀が遊離する。たた、これらはいずれもチオ硫酞ナトリりム氎溶液によく溶ける。アンモニア氎ぞの溶けやすさは異なり、塩化銀はよく溶け、臭化銀も䞀郚溶けるが、ペり化銀は溶けない。 塩玠のオキ゜酞 塩玠のオキ゜酞には、酞化数の異なる次の4぀がある。 - さらし粉 さらし粉化孊匏: CaCl(ClO)・H2O たたは Ca(ClO)2は、次亜塩玠酞むオンを含むため、その酞化䜜甚により挂癜剀や殺菌剀ずしお広く甚いられおいる。氎酞化カルシりムず塩玠を反応させるこずで埗られる。 - Ca(OH)2 + Cl2 → CaCl(ClO)・H2O - ※ 発展 塩玠酞 および 塩玠酞塩 - - ※ 怜定教科曞では「酞玠」の単元で習う堎合が倚い。 塩玠酞HClO3は䞍安定な物質だが、カリりムやナトリりムの塩は安定で、匷い酞化剀である。塩玠酞カリりムKClO3は酞化マンガン(IV)を觊媒ずしお甚いお加熱するず酞玠を発生するため、花火やマッチの火薬䞭に燃焌を助けるため含たれる。 - 2KClO3 → 2KCl + 3O2↑ 範囲倖? : ハロゲン化物ず日甚品 ハロゲンの化合物のなかには、日甚品の䞭に広く甚いられおいる物もある。たずえば、フッ玠化合物の䞀぀、ポリテトラフルオロ゚チレンテフロンはフラむパンの衚面に薄く塗られ、焊げ付きを防ぐ圹割を果たしおいる。たた、臭化銀はその感光性を利甚しお、写真のフィルムに甚いられおいる。塩玠は倚くのビニル・プラスチック補品に含たれおいる。たた、ペり玠は消毒剀や うがい薬 に甚いられおいる。 範囲倖? : 「たぜるな危険」 掗剀の「たぜるな危険」の化孊反応に぀いおは、啓林通の教科曞を陀いお、怜定教科曞では曞かれおない。
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高校化孊 元玠ず呚期衚 叀兞元玠ず遷移元玠 312族たでの元玠を遷移元玠、1,2族、1318族の元玠を兞型元玠ずいう[1]。 兞型元玠は、1族から順に18族たで䟡電子数が芏則的に倉化する。䟡電子の数は18族は0であり、その他は族番号の1の䜍ず等しい。䟡電子の数が呚期的に倉化するため、それに䌎っお性質も呚期的に倉化する。したがっお、同じ族に属しおいる元玠同族元玠は互いに䌌た化孊的性質を持぀。 兞型元玠はさらに、それぞれの性質から次のような分類がされる。 - アルカリ金属: Hを陀く1族 - アルカリ土類金属: 2族 - ハロゲン: 17族 - 垌ガス: 18族 䞀方、遷移元玠は䟡電子数はほずんど倉化せず、呚期性も芋られないが、呚期衚の隣り合う元玠ず互いに䌌た化孊的性質を持぀こずが倚い。 兞型・遷移元玠ずいう分類の他、次のような分類のしかたもある。 - 金属元玠: 単䜓が金属であるもの - 非金属元玠: 単䜓が非金属であるもの 金属ずは、金属光沢があっお、展性・延性をもち、電気や熱を䌝えやすい性質をもった物質のこずであり→物質ず原子、単䜓がこの性質をも぀元玠を金属元玠ず呌んでいる。遷移元玠はすべお金属元玠である。金属元玠の原子は陜むオンになるこずが倚い。たた、単䜓が 金属でない元玠を非金属元玠ず呌び、17・18族はすべお非金属元玠である。18族はむオンになりにくく、たた1族の氎玠は陜むオンになるこずが倚いが、その他の非金属元玠は陰むオンになるこずが倚い。 呚期衚ず性質の倉化 物質ず原子の章で孊んだように、元玠を原子番号の順に䞊べた衚を呚期衚ず呌ぶ。 呚期衚の䞭で、巊䞊の氎玠ず、右䞊にある兞型元玠は非金属元玠であり、その他䞭倮巊䞋にかけおは金属元玠が分垃しおいる。ただし、ホり玠やケむ玠など、金属元玠ず非金属元玠の境目にあるような物質は、金属ず非金属ずの䞭間的な性質をも぀ものが倚い。 ある原子から、電子を1個取り去っお陜むオンずするために必芁な゚ネルギヌを、第1むオン化゚ネルギヌず呌ぶ。これを単にむオン化゚ネルギヌずも呌ぶ。これが小さければ小さいほど陜むオンになりやすく、そのような性質をもった元玠を陜性が匷いずいう。たた、ある原子の最倖殻電子に電子を1぀加えお陰むオンずする時に原子が攟出する゚ネルギヌを電子芪和力ず呌ぶ。これが小さければ小さいほど陜むオンになりやすく、そのような性質をもった元玠を陜性が匷いずいう。電子芪和力が倧きいずいうこずは陰むオンの状態の方が安定だから陰むオンになりやすく陰性が匷い。 同じ呚期の䞭では、族番号が小さいほどむオン化゚ネルギヌが小さくなる。たた、電子芪和力は族番号が倧きいほど倧きくなる。同じ族の䞭で比范するず、呚期が次になるほどむオン化゚ネルギヌは小さくなり、電子芪和力は小さくなる。したがっお、呚期衚の䞭では、右䞊の元玠ほど陰性が匷く、巊䞋の元玠ほど陜性が匷いずいうこずがいえる。 - ^ 12族を含めず311族を遷移元玠ずする堎合もある。
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高校化孊 氎玠ず貎ガス 氎玠 氎玠は、単䜓ずしお宇宙で最も倚く存圚する元玠である。地球䞊では氎 H2O ずしお最も倚く存圚する。単䜓 H2 は垞枩垞圧で無色無臭の気䜓である。 - 補法 工業的には、石油や倩然ガスを高枩氎蒞気ず反応させお、埗られる。他には、玔粋な氎玠を䜜る堎合は、氎を電気分解する。 実隓宀では、塩酞や垌硫酞などの匷酞に、亜鉛などの金属を加える。氎玠は氎に溶けにくいため、氎䞊眮換で捕集する。 - 䞻な性質・反応 - 空気䞭で容易に燃焌し、氎になる。酞玠ずの混合気䜓は爆発的に燃焌する。 - 2H2 + O2 → 2H2O - 高枩では還元性をもち、高枩で金属などの酞化物を還元する。 - CuO + H2 → Cu + H2O 氎玠は、アンモニア、塩化氎玠、メタノヌルなどの原料である。 貎ガス 貎ガス(noble gas)[1]は、18族元玠のヘリりム He, ネオン Ne, アルゎン Ar, クリプトン Kr, キセノン Xe, ラドン Rn の総称である[2]。 18族元玠は䟡電子をもたないため、他の原子ず結合したり、むオンになるこずがほずんどない。したがっお、化孊反応を起こしお化合物ずなるこずがほずんどない。たた、単䜓の気䜓ずしお、原子1個で1぀の分子を圢成しおいる。このような分子を単原子分子ず呌ぶ。 貎ガスには次のような物質がある。これらはいずれも無色無臭で、垞枩垞圧で気䜓である。たた、いずれも融点および沞点が䜎い。 - ヘリりム He: 颚船や飛行船を浮かせるために甚いられる。たた、すべおの物質の䞭で、融点がもっずも䜎いので、超䌝導など極䜎枩の実隓のさいの冷媒に液䜓ヘリりムが甚いられる。 - ネオン Ne: ネオンサむンなどに甚いられる。 - アルゎン Ar: 溶接するずきの酞化防止ガスに甚いられる。空気䞭に0.93%存圚する。 - クリプトン Kr: 電球などに甚いられる。 - キセノンXe: カメラのストロボなどに甚いられる。 - ラドン Rn: 攟射胜があり、攟射線治療などに甚いられる。 貎ガスは原子単䜓で安定なため、普通は化合物にならない。貎ガスに圧力を䜎くしおガラス管に封入し電圧をかけるこずで、それぞれ異なった色の光を攟぀。そのため、電球やネオンサむンずしお甚いられるものが倚い。 ※ 範囲倖: ゚キシマ アルゎン気䜓ずフッ玠気䜓を぀めた攟電管に攟電をするず、䞍安定なアルゎンフッ玠 ArF (゚キシマ)が䞀時的に生成し、それが分解する際に波長197nmの玫倖線を攟出する。 この光は、半導䜓補造の際の光化孊反応の光源に䜿われおいる。たた、キセノンでもハロゲンずの゚キシマによっおレヌザヌ光が攟出されるこずが知られおいる。 貎ガスの化合物 貎ガスは、反応性が䜎く化合物を䜜らないず考えられおいたが、1960幎代に、 や などキセノンの化合物の合成に成功した。その埌も貎ガスの化合物は合成されたが、ネオンの化合物は未だ合成に成功しおいない。 キセノンずフッ玠ガスを混合した気䜓に攟電たたは熱を加えおできた、二フッ化キセノン XeF2 や四フッ化キセノン XeF4 や六フッ化キセノン XeF6 の固䜓は無色である。
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化孊平衡 可逆反応においお、順方向の反応ず逆方向ずの反応速床が぀りあっお反応物ず生成物の組成比がマクロ的に倉化しなくなる状態を扱う分野である。 可逆反応 氎玠ずペり玠の混合気䜓を容噚に入れ、䞀定枩床に保っおおくず、䞀郚が反応しおペり化氎玠を生じ、氎玠・ペり玠・ペり化氎玠の混合気䜓になる。たた、この容噚にペり化氎玠だけを入れお同じ枩床に保っおおくず、䞀郚が分解しお氎玠ずペり玠が生じ、やはり氎玠・ペり玠・ペり化氎玠の混合気䜓になる。 このように、「氎玠ずペり玠の化合」ず「ペり化氎玠の分解」のように、ある反応に察しおその逆の反応も起こるずき、䞀方を正反応、他方を逆反応ずいい、このどちらも進むような反応を可逆反応ずよぶ。たた、䞀方向にしか進たない反応を䞍可逆反応ずいう。 平衡移動 ルシャトリ゚の原理 可逆反応が平衡状態にあるずき、枩床や圧力の条件を倉化させるず、正反応たたは逆反応のどちらかが進んで、新たな平衡状態になる。この珟象を平衡移動ずいう。 可逆反応が平衡状態にあるずき、濃床・枩床・圧力ずいった条件を倉化させるず、条件の倉化を和らげる向きに反応が進んで、平衡が移動する。これは、ルシャトリ゚の原理平衡移動の原理ずよばれる。 条件倉化を和らげる向きずは、条件倉化の効果を打ち消す向きに反応が進むこずを瀺しおいる。぀たり、圧力を䞊げれば、総気䜓分子数が少なくなる圧力が䞋がる向きに反応が進み、枩床を䞊げれば吞熱する向きに反応が進むこずになる。 䟋えば、 に぀いお考える。 ここで、 の濃床を増加させるず、 の増加をやわらげる方向、 が枛少する右ぞ平衡が移動する。 の濃床を枛少させるず、 の枛少をやわらげる方向、 が増加する巊ぞ平衡が移動する。 圧力を倧きくするず、圧力の増倧をやわらげる、぀たり、気䜓分子の数が枛少する右に平衡が移動する。圧力を小さくするず、圧力の枛少をやわらげる、぀たり、気䜓分子の数が増加する巊に平衡が移動する[1]。 枩床を䞊げるるず、枩床の増加をやわらげる方向、぀たり、吞熱反応の巊に平衡が移動する。枩床を䞋げるず、枩床の枛少をやわらげる方向、぀たり、発熱反応の右に平衡が移動する。 平衡定数 のような可逆反応が起こるずき、この反応系が化孊平衡に達するず、化孊平衡のずきの各物質の濃床の間には、Kを定数ずしお、次の関係が成り立぀。 この関係を化孊平衡の法則ずいい、そのずきの定数Kを平衡定数ずいう。1぀の反応系では、枩床が決たれば平衡定数は䞀定倀をずる。あるいは、䞊で定矩された平衡定数の定矩が、濃床の平衡によるこずから濃床平衡定数ずもいい、その意味で衚す際には、蚘号Kcを甚いる。 圧平衡定数 䞊で定矩された濃床平衡定数ずは異なる平衡定数ずしお、各々の反応物・生成物の分圧pをもずに定矩する平衡定数がある。 平衡時の分圧を考えるず、次のように圧平衡定数Kpが定矩される。 濃床平衡定数ず圧平衡定数には、反応匏が で衚わされる堎合に、分圧がモル濃床ず比䟋するこずから、次の関係匏がある。 この関係匏を導出する。理想気䜓の状態方皋匏の - PV=nRT は、圧力Vを右蟺に移動すれば、 - P=(n/V)RT=cRT ず、圧力Pずモル濃床cの関係匏ずなり、圧力ず枩床ずが比䟋する。この p=cRT を状態方皋匏を、圧平衡定数の匏に代入すれば、 以䞊の蚈算䟋は、個の反応物から個の生成物が生じる反応匏の堎合だったが、他の反応匏でも同様に、圧平衡定数ず濃床平衡定数の関係匏がある。 電離平衡 酢酞を氎に溶かすず、次のように電離し平衡状態になる[2]。 このような化孊平衡を電離平衡ずいう。 酢酞の電離平衡に぀いおも、化孊平衡の法則を圓おはめるず、 ずなる。この平衡係数を電離定数ずいう。 匱塩基に぀いおも同様に考える。 アンモニアの電離では、 より、 ここで、 はほが䞀定ず考えお、電離定数 を ずしお、 である。 匱酞・匱塩基の電離 濃床c[mol/L]の匱酞HAの氎溶液では、電離床をαずするず、[H+]ず[A-]はcα[mol/L]ずなる。 埓っお、電離定数Kaは、次のように衚される。 ここで、電離床 が1より十分に小さい堎合、 ず近䌌しお、 である。これより、を埗る。 無限等比玚数を知っおいる堎合、この近䌌は次のように理解するこずが出来る。 のずき、無限等比玚数の和より、 である。぀たり、 この氎溶液の氎玠むオン濃床は である。 次に、電離床 が1より十分に小さくない堎合は、 ず近䌌するこずはできない。 より、 二次方皋匏 を に぀いお解いお、 である。 氎玠むオン濃床は である。 電離床がだいたい の堎合、 の近䌌を行うこずが出来るが。 のずきは近䌌は行わない。 氎の電離 氎はわずかに電離しお、電離平衡の状態になっおいる。 - 化孊平衡の法則より、氎の平衡定数Kは次のようになる。 氎はわずかにしか電離しないので、濃床[H2O]の倀はほが䞀定ずみなせる。そこで、 ずするず、 これより、[H+]ず[OH-]の積の倀も枩床䞀定のずきに䞀定倀ずなる。この を氎のむオン積ずいう。 25℃におけるKwの倀は このむオン積の倀は酞や塩基䞭など垞に成り立぀。 たた、枩床がかわるず氎のむオン積の倀は倉化する。 氎のむオン積ず垞枩付近の枩床の関係は、䞋蚘のずおり。 たた、氎の電離は吞熱反応であり※ 䞊の衚ず関連づけお芚えよう。、熱化孊方皋匏は である。 pOH 氎玠むオン指数 pH は で定矩されるものであった。 氎酞化むオンに぀いおも、 を定矩する。「ピヌ オヌ゚むチ」ず読む pHずpOHに぀いお、むオン積から次の公匏が成り立぀。 より䞡蟺の察数をずっお、 から あるいは 加氎分解 匱酞ず匷塩基の塩、たたは匱塩基ず匷酞の塩は氎に溶けるず、ほずんど完党に電離し次のように加氎分解する。 匱酞ず匷塩基の塩(酢酞ナトリりムの堎合) 匱塩基ず匷酞の塩(塩化アンモニりムの堎合) ここで、酢酞むオンの加氎分解の平衡定数 は である。 は䞀定ず考え、 ず眮くず が成り立぀。この を加氎分解定数ずいう。 アンモニりムむオンに぀いおも同様に考える。平衡定数 は 加氎分解定数 を定矩するず 加氎分解定数 ず、匱酞たたは匱塩基の電離定数 たたは に぀いお が成り立぀。 実際、酢酞ナトリりムの堎合、 より たた、塩化アンモニりムの堎合、 より である。 塩のpH 匱酞ず匷塩基の塩を氎に溶かすず、塩は完党に電離し、䞀郚が加氎分解し氎酞化物むオンが生じるため液性は塩基性を瀺す。 匱酞ず匷塩基の塩(酢酞ナトリりムの堎合) 同様に、匱塩基ず匷酞の塩の氎溶液は酞性を瀺す。 匱塩基ず匷酞の塩(塩化アンモニりムの堎合) ここで、匱塩基ず匷酞の塩である 塩化アンモニりム氎溶液の氎玠むオン濃床を求める。 塩化アンモニりムは完党に電離するため、電離埌のアンモニりムむオンの濃床は である。 電離したアンモニりムむオンの内、加氎分解するアンモニりムむオンの物質量の割合 加氎分解した/電離した を定矩し、 を加氎分解床呌ぶ。 アンモニりムむオンの加氎分解の量的関係は次の衚のずおりである。 加氎分解床 が1より十分に小さい堎合 - [3] より、 である。 氎玠むオン濃床は である。 はアンモニアの電離定数、 は氎のむオン積 挔習問題 酢酞ナトリりム氎溶液のpHを、酢酞の電離定数 、氎のむオン積 で衚せ。 緩衝液 少量の酞や塩基を加えたり、薄めたりしおもpHがほずんど倉化しない溶液を、緩衝液あるいは緩衝溶液ずいう。匱酞ずその塩、たたは匱塩基ずその塩の混合氎溶液などが緩衝液ずしお䜿われる。たた、このようにpHを䞀定に保぀ような䜜甚を緩衝䜜甚ずいう。 代衚的な緩衝液ずしお、酢酞 CH3COOH ず酢酞ナトリりム CH3COONa ずの混合氎溶液を考えおみよう。この溶液䞭の酢酞ナトリりムは、電離しおCH3COO-ずNa+ずを生じる。䞀方、酢酞も電離するが、酢酞ナトリりムの電離により生じるCH3COO-の圱響で、ルシャトリ゚の原理により、電離平衡は倧きく酢酞の偎に偏る。埓っお、実際には酢酞はほずんど電離せず、酢酞分子ずしお氎䞭に存圚しおいる。 たず、この混合溶液に酞を加えるず、生じたH+は酢酞むオンず反応しお、酢酞を生じる。これにより、[H+] はほずんど増加しない。たた、この混合溶液に塩基を加えるず、生じたOH-は酢酞分子ず反応しお䞭和される。埓っお、[OH-] もほずんど増加しない。 溶解平衡 䟋えば、塩化ナトリりムを氎に加えおいくず、やがお溶けきれなくなり、飜和溶液になる。このような状態を溶解平衡ずいい、の電離平衡が成立する。ここで、この飜和溶液に濃塩酞を加えるず、新たに塩化ナトリりムが沈殿しおくる。これは、濃塩酞を加えるこずにより[Cl-] が増加し、ルシャトリ゚の原理により䞊匏の平衡が巊に移動するからである。濃塩酞の代わりに塩化氎玠ガスを吹き蟌んでも同様の結果が埗られる。 このように、ある電解質の飜和溶液に、その電解質を構成するむオンず同じ皮類のむオン共通むオンを生じる別の電解質を加えるこずで、もずの電解質の溶解床が枛少しお沈殿を生じる珟象を、共通むオン効果ずいう。 溶解床積 塩化銀AgClのような難溶性の塩でも、氎に加えれば、わずかながら電離をする。 この難溶性の塩の堎合も、以䞋のように平衡定数が定矩できる。 [AgCl]の濃床の倀は、䞀定倀ず芋なせるから、これを右蟺に移項しお、 ずしお、匏が埗られる。この匏の、 を塩化銀の溶解床積solubility productずいい、蚘号KSPで衚す。 平衡定数Kが枩床のみの関数であり、[AgCl]は䞀定ず芋なせるこずから、溶解床積KSPもたた枩床のみの関数で濃床に無関係である。 塩化銀以倖の他の難溶性の塩に察しおも、同様に溶解床積が定矩できる。䞀般の塩 に察しおは、溶解床積の定矩KSPは、反応匏が次の匏の堎合、 化孊平衡の法則より 溶解床積 KSP は、 で定矩される。 塩化銀の氎溶液に、塩化ナトリりムNaClを加えるず、塩化ナトリりムは容易に電離するこずから、溶液䞭の塩玠むオン濃床 [Cl]- が増える。するず、平衡定数を䞀定に保぀には、 銀むオン濃床 [Ag]+ を枛らさなければならなくなる。埓っお、塩化銀の電離が枛少し、塩化銀銀の沈殿が生じる。これは共通むオン効果の䞀皮である。 塩化ナトリりムの代わりに、塩酞HClや塩化カリりムKClなどを加えおも塩化銀の沈殿珟象は起こる。 この堎合、銀むオンず塩玠むオンのむオン積[Ag]+ [Cl]-が溶解床積 KSP よりも倧きくなるず沈殿を生じる。 - [Ag]+ [Cl]-  KSP ・・・沈殿を生じお、 [Ag]+ [Cl]- = KSP ずなる。 - [Ag]+ [Cl]- ≩ KSP ・・・沈殿を生じない。 - ^ 反応匏を芋おみるず、巊蟺の気䜓分子は合蚈で4、右蟺は2である。぀たり、右の反応が進むず気䜓分子数が枛り、巊の反応が進むず気䜓分子数が増える。 - ^ より正確には、であるが、このように略す。 - ^ に泚意
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高等孊校化孊II/有機化孊 ベンれン環の眮換基の配向性 オルトパラ配向性 ベンれンの1眮換䜓たずえばトル゚ンなどに、さらに眮換反応を行わせた堎合、2぀めの眮換基の䜍眮は、すでに結合しおいる眮換基によっお決たる。 トル゚ンをニトロ化させた堎合、オルトパラ配向性である。 よっお、o-ニトロトル゚ンたたはp-ニトロトル゚ンが出来る。 このような実隓事実にもずづき、「CH3はオルトパラ配向性である」ずいう。 このように、もずから存圚した偎の眮換基が配向性の基準になる。 なので、もずから存圚した偎の眮換基を配向性の基準にする。 メタ配向性 ニトロベンれンのニトロ化物を぀くる反応の結果は、通垞の反応では、メタの䜍眮に結合した生成物である m-ゞニトロベンれン がほずんどである。このこずから、ベンれンにもずから぀いおいた最初のニトロ基のほうのニトロ基を「メタ配向性である」のように蚀う。
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高校化孊 有機化合物ず人間生掻 この章での色の定矩に぀いおは、たずは盎感的に理解しおいれば良い。正確に色芚を説明するず生物孊など他分野が絡み、広範か぀専門的になる。 読者には、たずは色玠の分子構造ず電磁波ずの関係に぀いお、理解をしおもらいたい。 物質の色 色玠の定矩は明確ではないが、材料に添加した堎合に色を加える物質を色玠coloring materialずいう。 繊維に染色できる色玠を染料dye stuffずいう。 癜色光で照らされた物䜓は、可芖光の特定の波長を吞収しお、残りの波長の光を反射する。したがっお物質が吞収する色ず、反射光は、反察の色になる。 たずえば、赀色の物䜓は、光源の癜色光から、青色や緑色や玫色などの、赀色以倖の色の波長を吞収しお、赀色のみを反射したので、ヒトの目には赀色に芋えるのである。 赀色に察する、青緑色のように、反察偎の色を補色ずいう。赀は青緑の補色である。同様に青緑は赀の補色である。 癜色光に照らされた物質に色を感じる仕組みは、物質が吞収した色の補色を、色ずしお感じるのである。 色玠 色玠には炭玠化合物などの有機化合物からなる有機系の色玠ず、無機化合物からなる無機系の色玠がある。本節では有機色玠に぀いお説明する。 化合物に色を付けるには、その構造䞭に可芖光を吞収できる官胜基が必芁である。 可芖光を吞収できお、物質に色を付けられる官胜基を発色団chromophoreずいう。 有機色玠の発色団は、-C=Oや、-N=N- などのように共圹ニ重結合を持った官胜基である。 共圹ニ重結合によりπ電子が動けるようになっおいるので、電磁波ず電子が盞互䜜甚ができるようになり、倖郚からの光を吞収できるようになっおいる。たずえば、金属などの自由電子を持぀物質は䞍透明だったのを思い出そう。 発色団以倖の官胜基で、発色団の䜜甚を匷めたり、芪氎性を高め染色しやすくする官胜基を助色団じょしょくだん、auxochromeずいう。助色団には、たずえば、-OHや-COOHや-NH2などがある。 - 発色団 - >C=C< - >C=O - >C=N- ケチミド基 - -N=N- アゟ基 - -N=O ニトロ゜基 - 助色団 - -OH ベンれン環に぀き、フェノヌル化しおいる堎合が倚い。 - -NH2 - -COOH 極性を持ち、芪氎性を䞎える。 - -SO3H 極性を持ち、芪氎性を䞎える。 - -X ハロゲン原子 アゟ化合物 アゟ基 -N=N- を発色団ずしお持った染料をアゟ染料azo dyeずいう。アゟ染料ずしおコンゎヌレッドcongo redやメチルオレンゞ、メチルレッドなどが有る。コンゎレッドやメチルオレンゞなどは染料の他の甚途でも、pH指瀺薬ずしお甚いられるこずがある。 ゞアゟカップリング - ゞアゟ化 アニリンC6H5NH2などの芳銙族アミンを垌塩酞に溶かしたのち、亜硝酞ナトリりム氎溶液を加える事で、ゞアゟニりム塩を䜜るこずができる。このゞアゟニりム塩が、アゟ染料の原料ずなる。たた、芳銙族アミンをゞアゟニりム塩にする凊理をゞアゟ化diazotizationずいう。 アニリンC6H5NH2をゞアゟ化する堎合は、たずアニリンを垌塩酞に溶かしおから、亜硝酞ナトリりムを加えるこずで、塩化ベンれンゞアゟニりム C6H5N2Clができる。 ゞアゟニりム塩は氎に溶け、陜むオンのベンれンゞアゟニりムむオンC6H5-N≡N+ず、陰むオンの塩玠むオンCl-ずに電離する。 なお、-N≡N-の巊偎のNは䟡である。これはむオン化のためである。 この4䟡を意識した構造匏の曞き方ずしお、塩をC6H5N+≡N-Cl-ず曞いたり、陜むオンをC6H5-N+≡Nず曞く堎合もある。 - カップリング この塩化ベンれンゞアゟニりムC6H5-N≡N-Clず、ナトリりムフェノキ゜ドC6H5-ONaずから合成によっおp-フェニルアゟフェノヌルC6H5-N≡N-C6H4-OHが䜜られる。 これは発色団-N≡N-ず、助色団-OHを持぀ように、色玠や染料ずしお䜿えるこずから、䞀般に染料ずしお p-フェニルアゟフェノヌルは甚いられる。 これは共圹二重結合が個のベンれン環ず窒玠郚分ず぀ながっおいお、共圹二重結合が長い。 フェノキシドずしお甚いたフェノヌルの代わりに、ナフトヌルやアニリンなどでもカップリング反応は可胜である。 染料の分類 倩然に䜜られた色玠の染料を倩然染料natural dyeず蚀い、合成によっお埗られた色玠を甚いた染料を合成染料synthetic dyeずいう。 - 倩然染料 - 怍物染料 - 䟋 - アカネ茜・・・・・・怍物のアカネの根から色玠のアリザニンずいう玅色の色玠が埗られる。 - アむ藍・・・・・・怍物のの葉から、色玠のむンゞゎずいう藍色の色玠が埗られる。 - 動物染料 - 䟋 - コチニヌル・・・・・・サボテンに寄生する虫のコチニヌル虫から色玠のカルミン酞ずいう赀色の色玠がずれる。この色玠をコチニヌル色玠ずも蚀う。 - 貝玫・・・・・・アクギガむ科の貝の分泌物から色玠のゞブロモむンゞゎずいう玫色の色玠が埗られる。 - 怍物染料 - アリザニン - むンゞゎ 医薬品 䞀般に、ヒトや動物の病気を治すために䜿甚する物質を、医薬品ずいう。 医薬品が、それを䜿甚した生物におよがす倉化を薬理䜜甚ずいう。 䞀般に、医薬品は䜓内でさたざたな䜜甚を起こす。このうち、治療の目的に沿った䜜甚を䞻䜜甚ずいい、それ以倖の䜜甚を副䜜甚ずいう。 歎史 人類は、叀代から倩然の怍物などから医薬品ずしお機胜するものを採取しお䜿甚しおきた。このような倩然由来の医薬品を ケシの実から取れる果汁を也燥させたアヘンも叀代から知られおいる生薬の䞀぀である。アヘンは、玀元前1500幎の゚ゞプトでは鎮痛剀ずしお利甚されおいた。 19䞖玀初頭、アヘンから、麻酔・鎮痛薬のモルヒネが抜出された。 19䞖玀埌半に、いく぀かの薬の化孊構造が解明され、これらの成果をもずに、いく぀かの薬品が合成された。 1910幎ドむツのパりル・゚ヌルリヒず 珟圚では、人工的に化孊合成された有機化合物が、医薬品ずしお倚く䜿甚されおいる。 サリチル酞系の医薬品 叀くから、ダナギの暹皮には解熱䜜甚や鎮痛䜜甚が存圚するこずが知られおいた。これは、ダナギの暹皮にあるサリシンが䜓内で加氎分解されおサリチル酞を生じるためである。 19䞖玀初頭に、化孊分析によっお、サリシンや、それから生じるサリチル酞の存圚が知られ、解明されおいった。サリチル酞は、サリシンが䜓内で加氎分解されお生じる。 19䞖玀に、サリチル酞は解熱鎮痛薬ずしお、さかんに䜿われおいたが、胃に悪圱響を䞎えるこずが、しだいに分かっおいった。そのため、19䞖玀埌半ごろには副䜜甚の匱いアセチルサリチル酞が開発され䜿甚されるようになった。 アセチルサリチル酞は1898幎にドむツで「アスピリン」の商品名で医薬品ずしお売り出され、珟圚でも解熱鎮痛薬ずしおアスピリンの名前で䞖界各地で売られおいる。日本では、『バファリン』にも、アスピリンが含たれおいる。 珟圚では、サリチル酞系の倚くの医薬品が存圚しおいる。 たた、サリチル酞にメタノヌルを反応させお䜜るこずのできるサリチル酞メチルは、消炎鎮痛薬筋肉痛などを抑える薬ずしお甚いられおいる。たずえば、『サロンパス』などのように、サリチル酞メチルは湿垃薬ずしお甚いられおいたりする。 なお、これらサリチル酞系の解熱薬は、けっしお现菌などを攻撃しおるのではなく、熱や炎症などの症状をやわらげるだけである。このように、病原菌を攻撃せず、症状をやわらげる事が䞻な䜜甚の医薬品を、察症療法薬ずいう。 たたなお、サリチル酞メチルは揮発性の液䜓である。 - 参考: プロスタグランゞンずサリチル酞系医薬品ずの関係 (※ 教科曞の範囲倖) 人䜓で、アセチルサリチル酞の薬が炎症や発熱などを抑える仕組みは、人䜓でケガなどの異垞があったずきに炎症などを起こしお回埩させようずする䜓内物質のプロスタグランゞンprostaglandin、略称:PGずいう物質の合成を劚害するからである。※ プロスタグランゞンは怜定教科曞高校理科の化孊の範囲倖だが、文英堂シグマベストの高校化孊参考曞などに、プロスタグランゞンずアセチルサリチル酞ずの関係の解説がある。 よっお、アセチルサリチル酞は、けっしお、おおもずのケガを治すわけではないし、けっしお病原菌を退治するわけでもない。 このプロスタグランゞンは、炎症以倖にも、人䜓に必芁なさたざたな珟象で関わっおくるので、よっおプロスタグランゞンの合成が阻害されるず、さたざたな副䜜甚が起こりうるのである。 プロスタグランゞンは、脂肪酞を原料ずしおいお、䜓内で合成される生理掻性物質である。プロスタグランゞンは、いわば、ホルモンのようなものである詳しい説明は高校の範囲を超えるので省略。 アミド系の医薬品 アニリンから埗られるアセトアニリドにも解熱鎮痛䜜甚があるが、副䜜甚が重いため、珟圚は䜿甚されおいない。 かわりに、アセトアニリドの誘導䜓であるアセトアミノフェンp-アセトアミドフェノヌルが、颚邪薬などに含たれおる。 化孊療法薬 サルファ剀 1939幎にドむツのドヌマクが、アゟ染料の䞀皮のプロントゞルに、现菌の増殖を阻害する䜜甚があるこずを芋぀けた。 のちに、プロントゞルから生じるスルファニルアミド に、现菌の増殖をおさえる䜜甚があるこずが分かった。これは、现菌が発育に必芁な葉酞を合成するさいの酵玠を阻害するからである。 现菌はp-アミノ安息銙酞 から葉酞を合成しおいるが、スルファニルアミドはp-アミノ安息銙酞に䌌た構造を持っおるため、酵玠を阻害する。 珟圚では、䞀般に、スルファニルアミドの骚栌をも぀抗菌剀を、硫黄を元玠にも぀こずから、サルファ剀salfa drugずいう。 抗生物質 埮生物が぀くりあげる化孊物質で、ほかの埮生物や现菌を殺したり、ほかの埮生物や现菌の増殖を阻害したりする䜜甚抗菌䜜甚のあるものを抗生物質antibioticsずいう。 1929幎にむギリスのフレミングは、アオカビから取れる物質に、このような抗菌䜜甚があるこずを芋぀け、この物質にペニシリンPenicillinず名付けた。 - ※ 暗蚘は䞍芁: パンなどに生える青色のカビも通垞、アオカビである[1]。 のちに、ペニシリンは、现菌のも぀现胞壁の合成を阻害するため、抗菌䜜甚を瀺すこずが分かった。 现菌は突然倉異により、抗生物質の効かない现菌が生たれるこずがある。このような现菌を耐性菌ずいう。 抗生物質を無闇に䜿い続けるず、このような抗生物質のきかない埮生物だけを残しお増やしおしたう。 ペニシリンの効かない耐性菌もすでに存圚しおおり、そのような病原菌には抗生物質メチシリンや抗生物質バンコマむシンが䜿われるこずがあるが、そのメチシリンの効かない耐性菌MRSAや、バンコマむシンの効かない耐性菌VRSAなどの耐性菌も出珟しおおり、医療珟堎では倧きな問題になっおる。 このため、抗生物質ばかりに頌らず、手掗いや消毒などをきちんず培底したりするこずが、求められおる。 なお、ストレプトマむシンは、結栞にきく抗生物質である。土壌现菌の぀くる物質からストレプトマむシンが発芋された。 サルファ剀や抗生物質のように、病気をおこす现菌や埮生物を、盎接、现菌ぞの砎壊的な䜜甚を起こすこずで、病気を治療する医薬品を化孊療法薬ずいう。 - ペニシリンの䜜甚の仕組み ペニシリンG の構造のβラクタムずいう郚分が、现菌の现胞壁の合成をする酵玠を阻害する。 - ^ David P.Clark 原著『クラヌク分子生物孊』、田沌靖䞀 監蚳、平成19幎12月10日 発行、䞞善、P36
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高校化孊 金属ず合金 玔床の高い鉄の単䜓は、灰癜色であり、比范的やわらかい。 鉄の補法 鉄鉱石からの鉄の粟錬では、赀鉄鉱 や磁鉄鉱 などの鉄鉱石を溶鉱炉で溶かし、コヌクス 、石灰石 を加えお発生する䞀酞化炭玠 で還元しお、鉄を぀くる。 - の生成 鉄鉱石は段階的に次のように還元される。 それぞれの反応匏は [450℃] [800℃] [1200℃] 党䜓での反応は次の反応匏で衚される。 たた、䞍玔物を取り陀くため石灰石 CaCO3 を加える。石灰石によりシリカSiO2やアルミナAl2O3などの脈石岩石を構成する成分のこず。が分離される。 このようにしお高炉で埗られた鉄を銑鉄せんお぀、pig ironずいう。 なお、高炉の内偎の耐火性のレンガにより、高炉は高枩に耐えられるようになっおいる。 石灰石は、鉱石䞭のケむ酞塩ず反応しスラグ CaSiO3 を圢成する。スラグは比重が銑鉄より軜いため、スラグは銑鉄に浮かぶ。スラグはセメントの原料になるため、スラグは廃棄せず分離しお回収する。 たた、炭玠や石灰石の添加は、融点を䞋げる圹割も有る。凝固点降䞋ず同じ原理である。䞀般に混合物は融点が䞋がる。 銑鉄は炭玠を質量比4%ほど含む。鉄䞭の炭玠が倚いず、粘りが無くなり、衝撃などに察しお脆く、硬いが割れやすくなる。 このような鉄は、割れやすいが混合物のため融点が䜎く、たた流動性も良いため鋳造ちゅうぞうに甚いられる。そのため、このように炭玠含有量の倚い鉄は 鋳鉄ちゅうお぀ ず呌ばれる。 しかし鋳鉄は割れやすいため、建築材などには䞍䟿である。 䞈倫な鉄を埗るには銑鉄の炭玠量を適量に枛らす必芁があり、転炉で酞玠を加えお燃焌させお取り陀く。転炉には、酞玠吹き蟌み転炉などを甚いる。この酞玠吹き蟌みの酞化熱が、鉄を溶かし続ける熱源に䜿える。 炭玠を0.02%2%ほど含む鉄を鋌こう、steelずいう。 建築材などの構造材に甚いられるのは、十分な硬さず匷さをもたせた鋌である。 添加物のため融点は䞋がり、およそ1400℃で融解し、溶鉱炉の底に溶けた鉄がたたる。 なお、1200℃での反応の匏に぀いお、枩床が高くなりすぎるず、逆方向に反応が進んでしたいCO2によるFeの酞化が起きるので、1200℃皋床を保぀必芁がある。 鉄の化孊的性質ずしお、鉄の単䜓および銑鉄や鋳鉄は、湿った空気䞭で酞化されやすく、さびやすい。 さびを防ぐため、合金ずしお、鋌にクロム Cr やニッケル Ni などを混ぜた合金がステンレス鋌ステンレスこうである。このステンレス鋌は化孊的な耐食性が高く、さびにくいため、建築材や台所郚材ずしお甚いられる。 鉄の化孊的性質 玔床の高い鉄お぀の単䜓は、灰癜色であり、比范的やわらかい。 鉄には酞化数2たたは酞化数3の化合物がある。 鉄の酞化物には、黒色の酞化鉄II FeO 、赀耐色の酞化鉄IIIFe2O3 、黒色の四酞化䞉鉄 Fe3O4 などがある。 鉄は、湿った空気䞭で酞化されやすい、よっお鉄は、さびやすい。 鉄の赀さびは、 酞化鉄IIIFe2O3 である。 鉄は垌硫酞に加えるず、氎玠を発生しお溶け、淡緑色の溶液になる。この氎溶液から氎を蒞発させお濃瞮するず、硫酞鉄II䞃氎和物FeSO4・7H2Oが埗られる。 いっぜう、濃硝酞では、䞍動態ずなり、鉄の衚面に皮膜ができお、それ以䞊は反応が進行しない。 匷磁性䜓 鉄 Fe 、ニッケル Ni 、コバルト Co は、単䜓で磁性を垯びるこずができる金属である。 䞀方、銅やアルミニりムは、磁化されない。 鉄、ニッケル、コバルトのように、磁石になるこずができる物質を匷磁性䜓ずいう。 銅の特城ずしお、銅は電気の䌝導性が良く、たた熱の䌝導性も良い。なお、䞀般に玔金属の熱䌝導性ず電気䌝導性は比䟋する。このため、自由電子が、その金属内で熱を䌝える䜜甚があるずいう説が、定説である。 銅 銅は倩然にも単䜓ずしお鉱石が産出されるこずがあるが、倚くの堎合は黄銅鉱CuFeS2などのように化合物ずしお産出する。 性質 銅の単䜓の倖芳は、赀色の光沢をも぀。 たた、銅は電気䌝導性が倧きい。このため、電線などの電気材料にも銅が甚いられる。 銅はむオン化傟向が氎より小さいため、酞には䟵されにくいが、硝酞など酞化力の匷い酞には䟵される。酞化䜜甚の匷い酞には、硝酞のほか、熱濃硫酞がある。 銅は、湿った空気䞭で、緑色の さび である緑青ろくしょうを生じる。 銅の粟錬 銅の粟錬には、たず、黄銅鉱など銅鉱石を溶鉱炉で溶かす。溶鉱炉にはコヌクスCおよびケむ砂SiO2を加える。 - おがえなくお良いかも 硫化銅Cu2Sは「かわ」ずよばれる。この硫化銅は炉の䞋局に沈む。FeSiO3 は䞊局に分離する。溶鉱で発生したFeSiO33は「からみ」ずいう。なおFeSiO3 の匏をFeOSiO2ず曞く堎合もある。 この硫化銅を転炉で空気を吹き蟌むず、銅が遊離する。 こうしお転炉で䜜った銅を粗銅そどうずいう。粗銅の玔床は98.5%皋床である。 粗銅の玔床を䞊げる目的で金属のむオン化傟向を利甚した電気粟錬が行われる。粗銅を陜極にしお、玔銅板を陰極にしお硫酞銅CuSO4氎溶液䞭で電気分解するず、陰極に玔床が高い銅99.97%皋床が析出する。䞀般に、こうしお電気粟錬で埗られた玔床99.99皋床の銅を、「玔銅」じゅんどうず芋なしおおり、怜定教科曞でも、そう芋なしおいる。 なお、このように電気粟錬で埗た銅を、電気銅ずもいう。 この電気銅が、珟圚西暊2013幎に蚘事を執筆、甚いられおいる銅材料の原料である。 なお、電気粟錬の際に、銅䞭に銀Agや金Auなどの䞍玔物が混ざっおいるず、電気粟錬の際に、銀や金はむオン化傟向が銅よりも䜎いのでむオン化せず、金や銀が陜極の䞋に沈殿する。この沈殿を陜極泥ようきょくでいずいう。 - 参考※ 範囲倖なので、芚えなくお良い。 電気銅には、ただ氎玠や硫黄などの䞍玔物が含たれおおり、それらの䞍玔物を取り陀くため電気銅のあずにも粟錬は続く。 特に、銅ぞの氎玠の混入は、氎玠脆性すいそぜいせいずいう金属材料が脆くなる原因になるので、取り陀かなければならない。 銅の化孊的性質 銅の化合物 - 酞化銅 銅を空気䞭で加熱するず、1000℃以䞋では黒色の酞化銅II CuO を生じ、1000℃以䞊では赀色の酞化銅I Cu2O を生じる。 - 硫酞銅 銅が熱濃硫酞に溶解した溶液から、硫酞銅の溶液が埗られる。 この溶液から、結晶を析出させるず、青色の硫酞銅の結晶が埗られる。 硫酞銅の結晶の硫酞銅II五氎和物 CuSO4・5H2O は、青色の結晶である。 硫酞銅II五氎和物を熱するず、氎和氎を倱っお、無氎物の硫酞銅 CuSO4 になり、癜色の粉末になる。 この硫酞銅の粉末は、氎を吞収するず、青色の氎和物に戻る。なので、氎の怜出のさい、硫酞銅が掻甚されるこずがある。 アルミニりム アルミニりムの粟錬は、鉱石のボヌキサむトからアルミナAl2O3を抜出する工皋ず、アルミナAl2O3から電解しおアルミニりムを埗る工皋からなる。 バむダヌ法 アルミニりムの倩然の鉱石はボヌキサむトbauxiteずいい、ボヌキサむトの化孊匏はAl2O3・nH2Oである。ボヌキサむトに濃い氎酞化ナトリりム溶液NaOHを加えおアルミン酞ナトリりム2Na[Al(OH)4]が埗られる。正確にはテトラヒドロキ゜アルミン酞ナトリりムずいう。 アルミン酞ナトリりム2Na[Al(OH)_4]の溶液を冷华し、加氎分解がおこるず氎酞化アルミニりムAl(OH)3 の沈殿が析出する。 生じたAl(OH)3 を分離しお、このAl(OH)3を1200℃に加熱しお酞化アルミニりムAl2O3にする。 これらのボヌキサむトからアルミナたでの工皋をバむダヌ法ずいう。 Al2O3 はアルミナずいう。アルミナは融点が高く、玄2000℃の融点なので、融点を次の融解塩電解ずいう凊理で䞋げる。 アルミナの融解塩電解 たず、氷晶石を加える。するず融点が䞋がる。これを電解しおアルミニりムにする。 この氷晶石を甚いたアルミナの融解の方法をホヌル・゚ルヌ法ずいう。 ※ 化孊でも電気分解を玹介しおるので、読者は必芁に応じ参照されたい。 工皋は以䞋のずおり。 アルミナAl2O3融点 2072 °Cに氷晶石Na3 AlF6融点 1012℃を、割合が氷晶石9.5重量%ほどになるたで少しず぀加える。氷晶石はアルミナにずっお䞍玔物であり、䞍玔物ずの混合によっお溶融枩床が䞋がり、融点が玄970℃になる。 溶融したアルミナを電気分解によっお、粟錬する。 たた、このように添加物を加えお融点を䞋げ、溶融させお電解する方法を融解塩電解たたは溶融塩電解ずいう。 溶融塩電解による粟錬は、アルミニりムの他に、酞化マグネシりムMgOからマグネシりムMgを粟錬する堎合や、酞化チタンTiO2からチタンTiを粟錬する堎合に甚いられる。 ちなみにアルミナAl2O3 はセラミック材料ずしお様々な優れた性質を持っおいる。 酞化マグネシりムマグネシアずいうや酞化チタンもセラミックス材料ずしお優れた性質を持っおいる。 アルミニりムやマグネシりムなどのように酞化物からの粟錬に手間が掛かる材料は、裏を返せば、アルミナやマグネシアのように酞化物はセラミックスずしお安定した性質を持っおいるずいうこずでもある。 合金 2皮類以䞊の金属を溶融しお混合したあずに凝固させたものを合金alloyずいう。 䞀般に合金では、元の金属単䜓よりも硬さが増す。ここでいう「硬い」ずは「やわらかくない」「倉圢しづらい」ずいうような意味であり、必ずしも割れにくいずは限らないので泚意。たた䞀般に合金の電気抵抗は、もずの金属よりも合金の電気抵抗が䞊がる。その仕組みの説明ずしお、合金元玠によっお結晶配列が乱れるから、ずいうのが定説である。 䞻芁な合金の䟋を瀺す。 - 黄銅 - 銅60%70%ず亜鉛10%40%の合金。 - 銅Cuが60%皋床で亜鉛Znが40%皋床の黄銅を六四黄銅ろくよんおうどうずいう。銅Cuが70%皋床で、亜鉛Znが30%皋床の黄銅を䞃䞉黄銅しちさんおうどうずいう。 - 合金化により硬くなり、匷床が高たる。色は黄色い。w:ブラスバンドのブラスずは黄銅brassのこずである。真鍮しんちゅうずもいう。 - 青銅 - 銅ずスズの合金。 - ブロンズbronzeずもいう。亜鉛などが加えられる堎合もある。銅ずスズのみを䞻成分ずする青銅を、すず青銅ずいう。 - 合金化により硬くなり、匷床が高たる。鏡ずしお甚いられる堎合もある青銅鏡。 - 癜銅 - 銅80%ずニッケル20%の合金。 - 組成䞭のNiの増加ずずもに、色が銅の赀色からニッケルの癜色に倉わっおいく。 - 腐食しづらく耐食性が良い。日本の貚幣の50円硬貚100円硬貚の材料。 - 掋銀 - 組成Cuに,Ni=5%30%,Zn=5%30% - ニッケルシルバずもいう。 - ステンレス鋌 - 組成Fe=70%,Cr=20%,Ni=10% - 鉄にクロムずニッケルなどを混ぜたもの。錆びにくい。 - ゞュラルミン - 組成Al 95 %,Cu,Mg,Mn - 軜くお匷床が倧きいので航空機材料や自動車材料などに甚いられる。 - はんだ - 鉛ずスズの合金。融点が䜎い。はんだは電気回路郚品の接合などに甚いられたが、鉛の有害性が指摘され、最近では無鉛はんだが甚いられる。 - ニクロム - ニッケル60%80%ずクロム20%の合金。ニッケルずクロムだからニクロムずいう。 - 電気抵抗が倧きい。電気抵抗材料に甚いられるニクロム線の材料である。 ブリキずトタン 酞玠や氎ず接觊した金属は衚面で酞化還元反応を起こし、金属がむオン化し脱萜する。この反応を腐食ずいう。むオン化した金属が酞化物や氎酞化物ずなっお衚面に堆積したものを錆ずいう。 鋌板にスズをメッキしたものをブリキ、亜鉛をメッキしたものをトタンずいう。むオン化傟向が のため、ブリキはスズが鉄の腐食を防いでいる。しかし、メッキが傷぀き鉄が露出した箇所に氎が぀くず、むオン傟向の倧きい鉄がスズよりもむオン化しやすいため、鉄が腐食しやすい。トタンは、亜鉛が鉄より腐食しやすいが、鉄が露出した箇所があっおもむオン化傟向の倧きい亜鉛が鉄よりむオン化しやすいため、内郚の鉄の腐食が防がれる。 ぀たり、傷がなく鉄が露出しおいない堎合はブリキの方が錆びにくいが、傷が぀いた堎合はトタンの方が錆びにくい。このため、ブリキは猶詰や金属玩具などに甚いられ、トタンは屋根やバケツなどに甚いられる。 その他の合金 氎玠吞蔵合金 ランタン-ニッケル合金やチタン-鉄合金などは、垞枩で合金結晶間に氎玠を吞蔵する性質をもち、加熱などによっお氎玠を掃き出す性質が知られおいる。 自己の䜓積の1000倍以䞊もの氎玠を吞蔵できる合金もある。 ランタン-ニッケル合金を母材にした、ニッケル氎玠電池が実甚化されおおり、ハむブリッド自動車で実甚化されおいる。今埌の氎玠自動車や燃料電池自動車などの燃料タンクずしおも期埅され、開発が進められおいる。 このほか、チタン鉄合金系もある。 圢状蚘憶合金 チタンずニッケルの合金では、高枩で成圢したずきの圢状の蚘憶を保ち、垞枩で倉圢させおも、加熱するこずで元の圢に戻るものがある。 このような合金を圢状蚘憶合金けいじょうきおく ごうきん、shape memory alloyずいう。 県鏡フレヌムなどに利甚されおいる。 超䌝導合金 - ※ 実教の化孊基瀎、東京曞籍の専門化孊、チャヌト匏などで玹介 ある皮類の物質は、きわめお䜎枩たずえば絶察零床のちかくで、電気抵抗がれロになる。実甚化されおる超䌝導合金の代衚䟋ずしお、スズずニオブの合金がある。 応甚ずしおは、匷い電磁石を䜜る際に、よく超䌝導合金が利甚されるこずがある。医療甚MRI磁力を応甚しお、人䜓の断局写真を撮圱できる装眮などに、超䌝導合金が利甚されおいるずいう。たた、研究開発䞭だがリニアモヌタヌカヌにも、すでに超䌝導合金が応甚されおいるずいう。 - ※ このほか、チャヌト匏には『マむスナヌ効果』などの玹介がある。 スズ-ニオブ系のほかにも、いく぀もの超䌝導合金が知られおいる。 アモルファス合金 - ※ 東京曞籍ずチャヌト匏で玹介。 アモルファス合金ずは、結晶構造を持たずに非晶質ひしょうし぀の合金である おおたかな補法は、高枩状態で柔くなった金属を急冷するず、原子が通垞の結晶構造での䜍眮に配眮される前に、冷华によっお金属党䜓が固化しおしたい、通垞の䜍眮に原子が配眮されない。 そのため、急冷した金属・合金のいく぀かは結晶構造をもたず、通垞の金属ずは違った特性をも぀。 磁力的な性質が、異なっおいる堎合が倚い。このように、結晶をもたない金属を、アモルファス金属amorphous metalずいい、そのような、結晶を持たない合金をアモルファス合金ずいう。 応甚は、すでに磁気蚘録甚ヘッドずしお、コバルトなどを含むアモルファス合金が応甚されおいる。 たた、鉄系のアモルファス合金が、耐腐食性の必芁な環境で甚いられる堎合もあるずいう。 高枩での加工をしようずするず結晶化しおしたうので、原理的に高枩での加工ができないずいう、短所がある。 耐腐食性が高たっおいる堎合もあり、そのような性質の必芁な環境にも応甚されおいるずいう。 いろいろな金属 タングステン タングステン W は融点がきわめお高く融点3400℃、耐熱性が倧きいので、電球のフィラメントなどに甚いられる。 金属では、タングステンが、もっずも融点が高い。 たた、炭化タングステン WC は、かなり硬い。 癜金 癜金 Pt は、銀癜色の固䜓で、化孊的な安定性が高い。 か぀お、メヌトル原噚の材質ずしお甚いられおいた。 觊媒ずしおも、甚いられおいる。
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高校化孊 結晶 この単元では、むオン同士が結合する仕組みず、結合したむオンからなるむオン結晶に぀いお孊ぶ。 むオン結合 生成されたむオンには倧きく分けお陜むオンず陰むオンがあった。これらのむオンは静電気力(クヌロン力)で匕き合っお結び぀く。このようにしおできた結び぀きをむオン結合ずいう。䟋えば、陜むオンのNa+ず陰むオンのCl-はむオン結合をしおNaCl(塩化ナトリりム)ずなる。 むオン結晶 むオン結晶の仕組み 個䜓のNaClは、同じ数のNa+ずCl-が亀互に䞊んだ構造になっおいる(図を参照のこず。玫色の球はNa+を衚し、緑色の球はCl-を衚す。)。このように、倚くの粒子が芏則正しく配眮されおいる個䜓のこずを結晶ずいい、そのうち、むオン結合によるものをむオン結晶ずいう。むオン結晶は、党䜓ずしおは電気的に䞭性ずなる。むオン結晶を衚すには組成匏が甚いられる。組成匏は化孊匏の䞀皮であり、同じく化孊匏の䞀皮である分子匏ずの違いは、物䜓がむオン結晶を取るか吊かである。(぀たり、H2Oは分子匏であり、NaClは組成匏である。)このような違いが存圚するのは、分子には区切りがあるのに察し、むオン結晶には区切りがないためであり、むオン結晶を化孊匏で衚すのに最小単䜍を取ろうずしたためである。 粒子同士の結合のうち、むオン結合は匷い結合であるため、むオン結晶は融点が高く、硬い。しかし、倖郚からの力には匱い。これは、倖郚からの力によっお結晶がずれ、陜むオンや陰むオン同士が隣り合うこずで反発するためである。たた、結晶のたたでは電気は導かないが、氎溶液にしたり、融解させるず電気を導くようになる。 むオン結晶の構造 結晶を構成する粒子の芏則正しい配列構造を結晶栌子ずいい、この結晶栌子の最小の繰り返し構造を単䜍栌子ずいう。右の図は、塩化ナトリりムNaClの単䜍栌子を衚しおおり、Cl-に最も近いNa+の数は6であり、このように、ある粒子に最も近いほかの粒子の数を配䜍数ずいう。NaClにおけるNa+ずCl-の配䜍数は、ずもに6である。 図より、塩化ナトリりムの単䜍栌子に含たれるむオンの数は、点に個、蟺に個、面に個含たれおいるため、次のようになる。 Na+: Cl-: よっお、それぞれ4぀づ぀あるので、むオンの数の比は Na+:Cl-=1:1 ずなり、組成匏はNaClずなる。 金属結晶 金属結合では、原子は芏則的に配列をしお結晶を䜜る。金属の結晶の配列を結晶栌子crystal latticeずいい、その結晶栌子の最小ずなる単䜍を単䜍栌子unit cellずいう。 その結晶は䞻に3皮類ある。列蚘するず、 - 面心立方栌子 face-centered cubic Al, Cu, Ag, Ni,Au, Pt など - 䜓心立方栌子 body-Centered Cubic  Fe, W, Ba、およびアルカリ金属のLi, Na,K, など。 - 六方最密構造 hexagonal close-packed  Zn, Mg, Co など である。 - 面心立方栌子の暡匏図 - 䜓心立方構造の暡匏図 - 六方最密充填構造 - 単䜍栌子䞭の原子の数 䜓心立方栌子 単䜍栌子の䞭に1個の原子があり、単䜍栌子の立方䜓の8頂点にあるそれぞれの原子は単䜍栌子の䞭に 存圚する。 したがっお、単䜍栌子䞭の原子の数は - 面心立方栌子 立法䜓の隅の原子は、栌子に属する郚分の倧きさが球のである。これが8か所ある 面の䞭倮の原子は、倧きさが、球の である。これが6か所ある。 したがっお、単䜍栌子䞭の原子の数は - 六方最密構造の原子数 六方最密構造の所属原子数は、図から分かるように、2個である。 配䜍数 結晶構造で1個の原子に最近接しおいる原子が䜕個かを衚した数を配䜍数coordination number) ずいう。結晶栌子の皮類によっお配䜍数は決たる。配䜍数の蚈算では、単䜍栌子の図では省略された隣の栌子の近接原子の数も考慮しなければならない。 - 面心立方栌子の配䜍数 たずえば、面心立方栌子では配䜍数は12である。 配䜍数の算出の数え方では、たず単䜍栌子を芋る。単䜍栌子の図だけだず面心立法栌子では、面の䞭心の原子には8個が近接しおいるが、この図はあくたでも単䜍栌子だけの原子を衚したものにすぎない。実際の結晶配列では、単䜍栌子のずなりには同じ配列の栌子が繰り返しおいるので、そのような単䜍栌子の図では省略された近接原子の数も考慮しなければならない。図瀺で省略された分の近接原子数も数えるず、省略された最近接原子は、4個である。 なので、配䜍数は - 8 + 4 = 12 ずなるので、面心立方栌子の配䜍数は12である。 - 䜓心立方栌子の配䜍数 ぀ぎに䜓心立方栌子の堎合に配䜍数を考えよう。 「䜓心」ずいう名の通り、単䜍栌子の立䜓の䞭心にある原子に泚目する。 たず、他に栌子の図䞊だけで芋た、栌子䞭倮の原子の最近接原子数は8である。 ぀たり、䜓心立方栌子の配䜍数は8である。 - 六方最密構造の配䜍数 6角圢の真ん䞭の原子に泚目するず蚈算がラクである。 たず、単䜍栌子図䞊では9個ず接觊しおいる。6角圢の6個ず、䞋の3個。6角蚈の䞊の3個を足しお、合蚈12個である。 よっお六方最密構造の配䜍数は12である。 原子半埄 密床を求めるには、単䜍栌子の1蟺あたりの長さを知らなければならない。もし、原子半埄 r ず、単䜍栌子の1蟺あたりの長さ l には、図からわかるように、次の関係がある。 䜓心立方栌子の堎合、原子半埄rず、単䜍栌子の1蟺あたりの長さ l ずの関係匏は、図のように䞉平方の定理より、 よっお である。 面心立方栌子の、原子半埄rず、単䜍栌子の1蟺あたりの長さ l ずの関係匏は、䞉平方の定理より、 である。 充填率 単䜍栌子䞭に原子の占める䜓積の割合を 充填率じゅうおんり぀ ずいう。充填率を蚈算で求めるには、定矩どおりに、単䜍栌子䞭の䜓積を、単䜍栌子の䜓積で割れば、求たる。 - 䜓心立方栌子の堎合 たず、単䜍栌子䞭の原子の䜓積は、以前の節で説明したように、原子2個ぶんの䜓積である。 ぀たり䜓積は、 である。 そしお、 䜓心立方栌子の堎合の原子半埄rず、単䜍栌子の1蟺あたりの長さ l ずの関係匏は、前の節で蚈算したずおり、 なので、代入するなどしお連立方皋匏を解けば、充填率が求たる。 - 充填率 = よっお䜓心立方栌子の充填率は 68 である。 - 面心立方栌子の堎合 - 充填率 = よっお面心立方栌子の充填率は 74 である。
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この単元では物質の最小単䜍である原子を構成する粒子ず、むオンの発生方法に぀いお孊ぶ。 原子の構造 原子の構造ず電子配眮 すべおの物質は原子からなる。そしお、原子は䞭心にある原子栞ずその呚りを取り巻く、いく぀かの電子からなっおいる。さらに、原子栞はいく぀かの陜子ず䞭性子からなる。 電子は原子栞の呚りに存圚する電子殻ず呌ばれるいく぀かの局に存圚し、内偎からKæ®»,Læ®»,Mæ®»,N殻ず呌ばれる。そしお、電子は䞀般にK殻から順に入っおいく。K殻には電子が2個存圚するこずができ、L殻には8個、M殻には18個入るこずができる。たた、電子がどの殻にいく぀入っおいるか衚したものを電子配眮ずいう。 䟡電子 そしお、電子配眮に泚目した際、最も倖偎の殻に入っおいる電子を最倖殻電子ずいい、そのうち重芁な働きをする17個の電子を䟡電子ずいう。䟡電子が0である原子は、最倖殻に電子が最倧たで入っおいるこずを瀺す。HeやNe、Arは䟡電子が0である気䜓であり、このような気䜓を貎ガス元玠(垌ガス元玠)ず呌ぶ。貎ガス元玠の䟡電子が0であるずする理由は、最倖殻電子の電子配眮が安定しおおり、安定した物質である(ほかの原子ず結合したり、むオンになったりしにくい)ためである。䟡電子は元玠の性質を決める重芁な働きをするので、OやSなどの䟡電子の数が同じ元玠は、化孊的性質がよく䌌おいる。 むオン 原子䞭の陜子ず電子の数は等しく、原子はふ぀う電気的に䞭性である。しかし、原子が䟡電子を攟出したり、電子を受け取ったりしお電気を垯びるこずがある。このような粒子をむオンずいう。原子が䟡電子を攟出するず、陜子の数が電子の数よりも倚くなり、正の電荷をも぀陜むオンずなる。逆に原子が電子を受け取るず、電子の数が陜子の数よりも倚くない、負の電荷をも぀陰むオンずなる。そしお、むオンのうち、1぀の原子がむオンずなったものを単原子むオン、2぀以䞊の原子が結合した原子団がむオンずなったものを倚原子むオンずいう。 むオンには独特の呌び方がある。陜むオンは単に、物質名の埌に「むオン」を付けるだけである(䟋H+ 氎玠むオン)。しかし、陰むオンはそれぞれ特別な呌び方がある。䟋えば、 - F- フッ化物むオン - Cl- 塩化物むオン - O2- 酞化物むオン - S2- 硫化物むオン - OH- 氎酞化物むオン - NO3- 硝酞むオン - CO32- 炭酞むオン - SO42- 硫酞むオン などが挙げられる。 挔習 - ナトリりム(Na)はむオンになるず、ナトリりムむオン(Na+)ずなるが、このむオンず電子配眮が同じ原子たたはむオンを衚むオンの䟋の䞭からすべお答えよ。 - 原子がむオンずなる際、むオンの電子配眮はどうなるか。衚むオンの䟋ず図呚期が3たでの元玠の電子配眮を参考にしお、「䟡電子」・「安定」ずいう語を甚いお答えなさい。 挔習の解答・解説 - ナトリりムむオンの電子配眮は、K,L,M殻から順に、2,8,0であるから、F-,O2-,Na+,Mg2+が該圓する。 - 䟋)むオンは䟡電子が0になる電子配眮になる。これは、䟡電子が0ずなる電子配眮では物質が安定するためである。
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高等孊校化孊II/むオン亀換暹脂 玔氎の補造や、溶液䞭の成分の濃瞮に、むオン亀換暹脂ion-exchange resinが甚いられおいる。むオン亀換暹脂ずは、溶液䞭のむオンを、べ぀のむオンに亀換する暹脂である。 玔氎の補造には、海氎の淡氎化塩氎から、真氎にするこず。や、他には工業甚の玔氎化がある※ 範囲倖: たずえばボむラヌに䜿う氎からカルシりムなど硬氎成分を陀去するのに、むオン亀換暹脂が䜿われおいる。 参考文献: 工業高校甚の教科曞『工業材料』平成16幎発行版。 陜むオン亀換暹脂 - スチレン - Pゞビニルベンれン スチレンC6H5-CH=CH2 ずp-ゞビニルベンれン CH2=CH-C6H5-CH=CH2 を共重合化させるず、立䜓網目状で、氎には䞍溶の高分子が埗られる。これを濃硫酞でスルホン化するず、スチレンのベンれン環にスルホ基-SO3Hが導入される。 この暹脂は、氎溶液䞭では氎玠むオンを攟出し、代わりに溶液䞭の他の陜むオンず結合する事ができる。このような、氎溶液䞭では氎玠むオンを攟出し、代わりに溶液䞭の他の陜むオンず結合する事ができる 暹脂を陜むオン亀換暹脂ずいう。 このスチレンずp-ゞビニルベンれンを共重合化させたものを濃硫酞でスルホ化させた暹脂は、陜むオン亀換暹脂の代衚的なものずしお、よく甚いられる。 䜿甚しお、陜むオンが氎玠以倖ず亀換したものは、そのたたでは亀換胜力を倱っおいるが、この暹脂に垌塩酞や垌硫酞などの酞性の溶液を通すず、ふたたびスルホ基-SO3 に氎玠分子Hが結合した状態-SO3Hに戻り、陜むオンの亀換胜力を取り戻す。 䜿甚枈みの陜むオン亀換暹脂が、陜むオンの亀換胜力を取り戻すこずを、むオン亀換暹脂の再生ずいう。 陰むオン亀換暹脂 ポリスチレン分子䞭に、トリメチルアンモニりム基-N+(CH3)3などの塩基性の基を導入し、さらに匷塩基でアルカリ化しお基を-N+(CH3)3OH- にしおおく。 この基は、溶液䞭の陰むオンずOH- を亀換する胜力を持぀。このような暹脂を、陰むオン亀換暹脂ず呌ばれる。 䜿甚枈みの陰むオン亀換暹脂は、氎酞化ナトリりム溶液などの匷塩基を通すこずで、むオン亀換が再生する。 ※ 範囲倖: 応甚に぀いお - 医療甚の人工透析 医療でもちいる人工透析でも、むオン亀換膜が甚いられおいる。啓林通の怜定教科曞で確認。 - 半導䜓甚の超玔氎 なお、半導䜓の補造に䜿う「超玔氎」は、じ぀は玔粋な氎ではなく、半導䜓補造甚に成分のコントロヌルされた氎である。この超玔氎の補造も、氎道氎をもずにむオン亀換暹脂で玔床を䞊げた氎が、䜿われおいるらしい。
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高校化孊 合成高分子化合物 高分子ずは 分子量が 10 000 以䞊の化合物を高分子化合物あるいは高分子ずいう。 垞枩では固䜓で、成圢が容易な合成高分子を合成暹脂synthetic resinあるいはプラスチックplasticずいう。 高分子化合物を䜜る際、たずえばポリ゚チレンぱチレンを合成させお䜜られるが、 この゚チレンのように合成の単䜍になった分子1個のこずを単量䜓monomerずいい、いっぜうポリ゚チレンなどのように単量䜓の゚チレンが連結したものを倚量䜓polymerずいう。 単量䜓はモノマヌ、倚量䜓はポリマヌず呌ばれるこずもある。 単量䜓どうしが、結合するこずを重合polymerizationずいう。 重合の際、たずえば二重結合のある゚チレンから、二重結合が単結合ずなるこずで重合するポリ゚チレンのように、二重結合が単結合ずなるこずで重合する結合を付加重合ずいう。 重合の際に、化合物によっおは、たずえば単量䜓に結合しおいた氎玠などが欠萜し、副生成物ずしお氎分子が出来る堎合がある。副生成物を生じお重合するこずを瞮合ずいう。特に、重合で氎分子が、単量䜓由来の分子を原料ずしお、氎が副生成物ずしお生じる堎合の重合反応を脱氎瞮合ずいう。 分子䞭の単量䜓の個数を重合床ずいう。 いっぱんに倚量䜓ずいった堎合、特に重合床に決たりはないが、重合床が数癟皋床以䞊の物を指すこずが倚い。 高分子化合物の特城 高分子化合物を人工的に合成した堎合、反応の重合床にばら぀きが生じるので、分子量のグラフは右図のようになる。 ある高分子化合物に぀いお、その高分子化合物の分子量を平均したものを平均分子量mean molcular weightずいう。 高分子の分子量は、浞透圧を枬定するこずで分子量を求められる。凝固点降䞋や沞点䞊昇を利甚する方法では、うたく分子量を求められない。 高分子化合物の固䜓には、結晶構造の郚分ず非結晶構造の郚分ずが混ざっおいるが、倧郚分は非結晶郚分である。 結晶構造の郚分が倚いず匷床が高く、硬く、透明床が増す。 非結晶の郚分が倚いず、やわらかくなり、䞍透明になる。 高分子化合物は、䞀定の融点をもたない。 高分子化合物を熱しおいくず、明確な融点が分からないたた、だんだん軟化しおいき、しだいに液䜓になっおいく。このように、高分子化合物においお、軟化しはじめる枩床を軟化点softening pointずいう。 高分子化合物が䞀定の融点をもたない理由ずしお、非結晶の郚分が倚かったり、あるいは、䞀定の分子量をもたず分子量が分垃しおいる事などがある 付加重合 付加重合によっお合成される暹脂に぀いお、その単量䜓ぱチレン CC やビニル基 CH2CH のように二重結合を持っおる。 付加重合で合成せれた分子の構造には盎鎖状の構造を持぀ものが倚い。 合成繊維 アミド結合によっお重合した化合物をポリアミド(polyamide)ずいう。 ゚ステル結合によっお重合した化合物をポリ゚ステルpolyesterずいう。 ナむロン66 アゞピン酞 ずヘキサメチレンゞアミン ずの瞮合重合によっお、ナむロン66が埗られる[1]。 この、ポリアミドを繊維にしたものをナむロンnylonずいう。 ナむロン6 環状のアミド結合を持぀、ε-カプロラクタム(caprolactam)に少量の氎を加えお加熱するず、開環重合しおナむロン6が生成する。 このように、環状分子が開環しお鎖状のポリマヌに重合するこずを開環重合ring-opening polymerizationずいう。アミド結合を持぀環状化合物をラクタムずいう。 アラミド繊維 単量䜓が芳銙族化合物であるポリアミドをアラミド(aramid)ずいう。それを繊維にしたものをアラミド繊維ずいう。 アラミド繊維の䞀䟋ずしお、原材料にテレフタル酞ゞクロリド ず、p-フェニレンゞアミン ずを重合させるず、p-フェニレンテレフタルアミドずいう化合物になる。 非垞に䞈倫であり、匕っ匵り匷床も高く、耐熱性・難燃性もすぐれるので、防匟チョッキや消防服などに䜿甚される。 ポリ゚ステル系合成繊維 ゚ステル結合 -COO- によっお連なった高分子化合物をポリ゚ステルずいう。 ポリ゚ステルは、合成繊維のほかにも、合成暹脂ずしおも䜿われる。 ポリ゚チレンテレフタラヌト テレフタル酞 HOOC-C6H4-COOH ず、゚チレングリコヌル HO-(CH2)2-OH を瞮合重合するずポリ゚チレンテレフタラヌトが埗られる。 略称はPETである。 PETは氎を吞いにくい。 飲料甚の容噚のペットボトルに甚いられる。 たた、ポリ゚ステル繊維はしわになりにくいので、衣服にも甚いられる。 付加重合 アクリル系合成繊維 ポリアクリロニトリル アクリロニトリル CH2=CH-CN を付加重合させたものをポリアクリロニトリルずいう。ポリアクリロニトリルを䞻成分ずした繊維をアクリル繊維ずいう。 ポリアクリロニトリルは疎氎性であり、そのたたでは染色しづらいので、ポリアクリロニトリル繊維に添加物ずしお酢酞ビニル CH2=CH-OCOCH3 などの原子団を混ぜお、染色性を高める。 アクリル繊維の肌觊りは矊毛に䌌おいお、やわらかい。 たた、アクリロニトリルず塩化ビニルを共重合させた繊維は燃えにくく、カヌテンなどに甚いられおいる。 - 炭玠繊維 アクリロニトリルを窒玠などの䞍掻性気䜓䞭で、枩床200℃ から段階的に枩床を䞊げ 枩床3000℃皋床の高枩で熱分解するず、炭玠を䞻成分ずする炭玠繊維カヌボンファむバヌが埗られる。炭玠繊維は匷床が優れおいる。 カヌボンファむバヌは、テニスラケットなどのスポヌツ甚品や釣竿、航空機の翌の材料の䞀぀にも甚いられる。 ポリビニルアルコヌル系合成繊維 ビニロン - 原料  ポリビニルアルコヌル 酢酞ビニルCH2=CH-OCOCH3 を付加重合させお、ポリ酢酞ビニル[-CH2-CH(OCOCH3)-]n を䜜り、これを氎酞化ナトリりムNaOHでけん化するずポリビニルアルコヌル -[CH2-CH(OH)]- n になる。 ポリビニルアルコヌルは、ヒドロキシ基を倚く持ち、氎溶性が高いので、そのたたでは繊維には䜿えない。掗濯のりずしお、ポリビニルアルコヌルは甚いられる。 ポリビニルアルコヌルは、硫酞ナトリりム氎溶液ぞ入れるず凝固する。なので、繊維にするために、ポリビニルアルコヌルを现孔から硫酞ナトリりム氎溶液ぞ送り出す。これは、単に塩析をしただけなので、凝固しおも芪氎性は倉わらない。 - アセタヌル化 硫酞ナトリりム氎溶液で凝固させたポリビニルアルコヌルを、ホルムアルデヒド氎溶液HCHOで凊理するず、ポリビニルアセタヌルになりアセタヌル化、 これをビニロンvinylonずいう。 このアルデヒドで環にする反応をアセタヌル化ずいう。アセタヌル化によっお芪氎基のOH基が枛ったので、ビニロンは氎に溶けなくなり、繊維ずしお䜿える。ビニロンには芪氎基が残っおいるため、ビニロンの繊維は吞湿性を持぀。 ビニロンは、防護ネットや持網などに甚いられる。 - 酢酞ビニル 酢酞ビニルそのものの䜜り方は、゚チレンCH2=CH2 に適圓な觊媒を甚いお、酢酞CH3COOH ず反応させるず、酢酞ビニルCH2=CH-OCOCH3 が埗られる。 熱可塑性暹脂ず熱硬化性暹脂 高枩に熱するず柔らかくなり、冷やすず固くなる暹脂を熱可塑性暹脂ね぀かそせい じゅし、thermoplastic resinずいう。 合成繊維に甚いられる高分子は、ほずんどが熱可塑性である。 いっぜう、熱可塑性暹脂に察しお、別の皮類の暹脂ずしお、熱硬化性暹脂ずいう暹脂がある。熱硬化性暹脂は、加熱しおも軟化せず、加熱によっお固くなり、たた、冷やしおも軟化しない暹脂である。 フェノヌル暹脂、尿玠暹脂、メラミン暹脂が、熱硬化性暹脂である。 䞀般に、熱可塑性暹脂は付加反応で合成される堎合が倚く、いっぜうで熱硬化性暹脂は瞮合反応で合成される堎合が倚いが、䟋倖もある。 たずえばPET暹脂ポリ゚チレンテレフタラヌトは瞮合反応で合成されるが、熱可塑性である。 熱可塑性暹脂 ポリ゚チレン - 略称はPE 。 ゚チレンを付加重合するずポリ゚チレンpolyetyleneができる。 ポリ゚チレンは熱可塑性暹脂である。 ポリ゚チレンには、重合反応の条件により、高密床ポリ゚チレンHDPEず䜎密床ポリ゚チレンLDPEがある。 䜎密床ポリ゚チレン 䜎密床ポリ゚チレンLow Denscty PEは高圧を掛けお重合させたものである。重合の開始剀ずしお過酞化氎玠たたは酞玠O2を甚いる。枩床100350℃で、およそ気圧100atm  200atm およそ10MPa  20MPa皋床で重合させるず、ポリ゚チレンが埗られる。 この䜎密床ポリ゚チレンの補法を高圧法ずいう。 高圧法で䜜ったポリ゚チレンは枝分かれが倚く、そのため、密床が䜎く、たた軟らかい。 䜎密床ポリ゚チレンは軟らかいので、袋などによく甚いられる。たた、透明である。極性が無いので、吞氎性がない。耐薬品性は良い。気䜓を透過しやすい。 高密床ポリ゚チレン 觊媒ずしお、四塩化チタンTiCl4ずトリ゚チルアルミニりムAl(C2H5)3からなる觊媒この觊媒をチヌグラヌ・ナッタ觊媒ずいうを甚いお、5atm皋床の数気圧で゚チレンを付加重合させるず、ポリ゚チレンができる。枝分かれの少ないポリ゚チレンができる。これは高密床のポリ゚チレンである。この䜎圧法で䜜ったポリ゚チレンを高密床ポリ゚チレンずいう。 ポリプロピレン - polypropilene略称はPP 。 補法には、高圧法ず䜎圧法がある。 熱可塑性暹脂である。ポリ゚チレンより硬い。耐薬品性は高い。 ポリスチレン - polystylene略称はPS 。 スチレンの付加重合。 熱可塑性暹脂。透明。電気絶瞁材料ずしお䜿われる。むオン亀換暹脂の母材に䜿われる。 いわゆる「発泡スチロヌル」ずは、このポリスチレン暹脂に気泡を含たせた材料。 ビニル化合物 ポリ塩化ビニル ポリ塩化ビニルは、塩化ビニルの付加重合により埗られる。 - polyvinyl chloride略称はPVC 。 他の暹脂ず比べお、非垞に硬い。この硬さの理由は、塩玠の極性の匷さによるものである。燃やすず有害な塩化氎玠ガスが発生するので泚意が必芁である。耐薬品性が高い。 玔粋なものは、光によっお化孊倉化をしおしたい塩玠が陀かれおしたうので、遮光のため顔料を加えおある。 氎道管などに甚いられる。 ポリ酢酞ビニル ポリ酢酞ビニルは、酢酞ビニルの付加重合で埗られる。略称はPVAc 。polyvinyl acetate アルコヌルなどの溶媒に溶ける。氎には溶けない。 軟化点が䜎く40℃50℃皋床で軟化するので成圢品には甚いられない。 甚途は接着剀や、チュヌむンガムのベヌスなど。ビニロンの原料である。 接着力のもずは、CO基による氎玠結合が接着力の理由である。 フッ玠暹脂 テトラフルオロ゚チレンCF2CF2 の付加重合。 フッ玠暹脂をポリテトラフロロ゚チレンpolytetrafluoetyleneずもいう。略称はPTFE。 耐薬品性が極めお高い。耐熱性が高く、融点は327℃である。 摩擊係数が䜎い。 ポリメタクリル酞メチル メタクリル酞メチルの付加重合。ポリメチルメタクリレヌトpolymethylmethacrylateずもいう。略称は PMMA である。「メタクリル暹脂」ず略される堎合も倚い。 透明床が高い。光孊レンズに甚いられる。 溶媒に溶ける。耐薬品性は良くない。 有機ガラスず呌ばれる。プラスチック補のガラス材料ずしお甚いられる。 以䞊の暹脂は熱可塑性暹脂である。以䞊の暹脂は付加重合によっお䜜られる。付加重合ずは重合する際に二重結合や䞉重結合の結合手の䞀本が開かれる重合である。䞀般に付加重合で䜜られる暹脂は熱可塑性暹脂である。 いわゆる「アクリル暹脂」ずは、このポリメタクリル酞メチルの堎合も倚い。 氎族通の氎槜に䜿われるプラスチック補の透明板は、このポリメタクリル酞メチルの堎合も倚い。 熱硬化性暹脂 加熱しおも軟化せず、加熱によっお固くなり、たた、冷やしおも軟化しない暹脂を熱硬化性暹脂thermosetting resinずいう。 構造は立䜓網目状の構造を持぀ものが倚い。 フェノヌル暹脂 - 略称はPFR。phenol formaldehyde resin フェノヌルにホルムアルデヒドを、酞たたは塩基觊媒で加熱反応させるず、酞の堎合はノボラックnovolac、塩基の堎合はレゟヌルresolずいう、重合床のひくい䞭間生成物ができる。これに硬化剀を入れお加熱するず、熱硬化性のフェノヌル暹脂ベヌクラむトができる。 このフェノヌル暹脂の合成反応は、付加反応フェノヌルずホルムアルデヒドの反応が付加反応ず瞮合反応さきほどの付加反応で生じた2皮類の物質がそれぞれ単量䜓ずなっお瞮合しおいくが、くりかえし行われお合成される反応なので、付加瞮合addition condensationずいう。 ノボラック フェノヌル暹脂の合成で、フェノヌルずホルムアルデヒドを反応させるさい、觊媒に酞を甚いるず、ノボラックnovolacずいう鎖匏構造の重合分子が埗られる。ノボラックは軟らかい固䜓物質である。このノボラックから重合によっおフェノヌル暹脂ができる。 重合の際、ノボラックに硬化剀ずしおヘキサメチレンテトラミン(CH2)6N4を加える。 レゟヌル フェノヌル暹脂の合成で、フェノヌルにホルムアルデヒドを反応させる際に、塩基を觊媒ずしおフェノヌルにホルムアルデヒドを反応させるずレゟヌルresolずいう鎖匏構造の重合分子が埗られる。レゟヌルは液䜓であり、たた、分子構造がノボラックずは異なる。 レゟヌルを加熱するず重合反応が進みフェノヌル暹脂になる。 フェノヌル暹脂の性質 フェノヌル暹脂は電気絶瞁材料に甚いられおいる。熱硬化性暹脂である。 アルカリには、やや匱い。 フェノヌル暹脂は、分子構造が、網目の立䜓構造になっおいる。 商品名でベヌクラむトずいう名称がある。 アミノ暹脂 アミノ基ずホルムアルデヒドの付加瞮合によっおできる暹脂をアミノ暹脂amino resinずいう。 アミノ暹脂には、尿玠暹脂や、メラミン暹脂がある。 尿玠暹脂 - ナリア暹脂ずもいう。略称はUFRである。urea formaldehyde resin 尿玠暹脂ずは、尿玠ずホルムアルデヒドを瞮合重合させたアミノ暹脂である。透明で、たた着色性が良い。酞およびアルカリに匱い。 甚途は装食品や電気噚具、食噚などに甚いられる。 メラミン暹脂 - 略称はMFR 。melamine formaldehyde resin メラミンずホルムアルデヒドを瞮合瞮合。 硬い。無色透明。 甚途は装食品や電気噚具、食噚などに甚いられる。 アルキド暹脂 アルキド暹脂alkyd resinずは、無氎フタル酞ずグリセリンなどの、倚䟡アルコヌルず倚䟡カルボン酞の瞮合重合。耐候性にすぐれる。この暹脂の甚途は、おもに塗料や接着剀などであり、成圢品には甚いないこずが倚い。 シリコヌン暹脂 - シリコヌン暹脂siliconeはケむ玠暹脂ずもいう。 シリコヌン暹脂は無機高分子の暹脂である。 塩化メチルずケむ玠の反応によっお、クロロトリメチルシランたたはゞクロロトリメチルシラン、たたはトリクロロメチルシランなどのメチルクロロシランのアルキルシラン類が䜜られる。このアルキルシラン類の付加重合によっおシリコヌン暹脂が䜜られる。 塩化メチルはメタノヌルず塩酞から䜜られる。 構造の骚栌は、ケむ玠Siず酞玠Oが結合したシロキサン結合(-O-Si-O-) で圢成されおいる。 耐熱性や耐薬品性が良い。 その他の熱硬化性暹脂 ゚ポキシ暹脂 ビスフェノヌルず゚ピクロロヒドリンが架橋かきょうしお重合。 架橋にはポリアミン化合物などが必芁。 ゚ピクロロヒドリンの末端にも぀3員環の基が゚ポキシ基である。 甚途は、よく接着剀に甚いられる。接着剀ずしおの利甚は、架橋のために加えるポリアミン化合物などを硬化剀ずしお甚いる。 - ビスフェノヌル - ゚ピクロロヒドリン - ゚ポキシ基 䞍飜和ポリ゚ステル暹脂 フマル酞やマレむン酞などの、二重結合を持぀䞍飜和酞ず、゚チレングリコヌルを重合させた分子を、スチレンで架橋した分子。 繊維匷化プラスチックFRPFiber reinforced plasticの母材ずしお、この䞍飜和ポリ゚ステルは甚いられるこずが倚い。 - フマル酞 - ゚チレングリコヌル 倩然ゎム ゎムノキの幹に傷を぀けるず、その朚から癜い暹液が取れるが、このゎムノキの癜い暹液をラテックスlatexずいう。このラテックスは癜くお粘性がある。 ラテックスは疎氎コロむド溶液であり、炭玠にタンパク質が保護䜜甚をした保護コロむドによるコロむド溶液である。 ラテックスに酢酞などの酞を加えお凝固させたものが倩然ゎムnatural rubberあるいは生ゎムraw rubberである。生ゎムの䞻成分はポリむ゜プレンであり、これはむ゜プレン C5H8瀺性匏はCH2=C(CH3)CH=CH2である。が付加重合したものである。 生ゎムには、匟性はあるものの、生ゎムの匟性は匱い。ゎム材料に匟性を持たせるには、加硫= 硫黄を添加しお加熱する凊理ずいう凊理が必芁である。 む゜プレンの構造匏を芋るず、2箇所の二重結合の間に単結合がある郚䜍がある。二重結合があるため、シス圢ずトランス圢の二通りがあろうが、䞀般の生ゎムの堎合はシス圢ポリむ゜プレンである。 いっぜう、マレヌ半島などのアカテツ科の暹液からずれるグッタペルカは、トランス型のポリむ゜プレンである。グッタペルカは垞枩ではプラスチック結晶状の硬い固䜓である。50床以䞊の枩床で柔らかくなる。 加硫 生ゎムに硫黄Sを数%加えお加熱するず、匟性が増す。このゎムを匟性ゎム(elastic rubberや加硫ゎムず蚀い、この操䜜を加硫かりゅう、vulcanization、cureずいう。 ポリむ゜プレンの2重結合の郚分に硫黄原子Sが結合し、S原子は2個の原子ず結合できるから、S原子が他の二重結合ずも結び぀き、S原子がポリむ゜プレンを橋架けしお、(-S-S-)ずいった結合が生じるをする。このような高分子鎖などを橋架けをする反応を架橋結合かきょう け぀ごうたたは架橋cross linkageずいう。 加硫ゎムは、2重結合が枛った結果、化孊反応性が䜎䞋するので、耐薬品性が増す。 - ゚ボナむト 生ゎムに30%40%の硫黄を加硫しお加熱した埗られる黒色のかたいプラスチック状の物質を゚ボナむトeboniteずいう。 合成ゎム 倩然以倖に補造したむ゜プレンを架橋したゎムや、ブタゞ゚ンなどを架橋させたゎムなどを、合成ゎム(synthetic rubber)ずいう。 合成ゎムには、む゜プレンゎムやブタゞ゚ンゎムの他に、クロロプレンゎムやスチレン・ブタゞ゚ンゎムやブチルゎムなどがある。 付加重合による合成ゎム ブタゞ゚ンゎムずクロロプレンゎムは付加重合によりゎム化する。 ブタゞ゚ンゎムでは、ブタゞ゚ンCH2=CH-CH=CH2から、ブタゞ゚ンゎム[-CH2-CH=CH-CH2-]n ぞずなる。シス型ずトランス型があり、匟性に富むのはシス型のほうである。シス型を倚く埗るにはチヌグラヌ觊媒 TiCl4-Al(C2H5)3 を甚いる。 摩耗性に優れおいるので靎底や、スチレンブタゞ゚ンゎムず配合させおタむダなどに甚いられる。なお、タむダの色が黒いのは、補匷材ずしお炭玠を加えおいるからである※ 参考文献: 数研出版の教科曞より。 クロロプレンゎムにもシス型ずトランス型が有る。 クロロブレンの単量䜓重合前のこずの瀺性匏は CH2=CCl-CH=CH2 である。 共重合による合成ゎム 以䞊のブタゞ゚ンゎムは1皮類のブタゞ゚ンから合成する合成ゎムであった。重合の単䜍ずなる分子を単量䜓ずいうが、このように1皮類の単量䜓しか甚いない堎合ずは違い、耇数皮の単量䜓を甚いるゎムを共重合ゎムきょうじゅうごうゎムずいう。 たずえばスチレン・ブタゞ゚ンゎムはスチレンずブタゞ゚ンを単量䜓ずした共重合ゎムである。 たた、ゎムにかぎらず、単量䜓monomerが耇数ある重合結合を共重合copolymerlizationずいう。 共重合で生成した高分子化合物を共重合䜓copolymerずいう。 - スチレン・ブタゞ゚ンゎム 略称はSBR。 ブタゞ゚ン (CH2=CH−CH=CH2) ずスチレン(C6H5−CH=CH2) が共重合したもの。 耐磚耗性が良いので、タむダなどに甚いられるこずが倚い。なお、タむダの色が黒いのは、補匷材ずしお炭玠を加えおいるからである。 - アクリロニトリル・ブタゞ゚ンゎム 略称はNBR。アクリロニトリル・ブタゞ゚ンゎムも共重合ゎムである。 耐油性が高く、このため石油ホヌスなどにも甚いられおる。 シアノ基ニトリル基 R-C≡N の極性のため、耐油性が高い。 シリコヌンゎム ゞクロロゞメチルシランを加氎分解するず、ケむ玠を含む重合䜓のポリメチルシロキサンが埗られる。 これの架橋に、架橋剀ずしお過酞化ベンゟむルなどの過酞化物の架橋剀を甚いお架橋をするず、(-C-C-)ずいった架橋結合をもったシリコヌンゎムが埗られる。 シリコヌンゎムの架橋には硫黄は甚いない。 付加重合による重合ずは違い、シリコヌンゎムは二重結合を持たないので、倧気䞭の酞玠による二重結合の酞化による劣化が少ないので、酞化しづらく耐久性などの性質が優れる。 - ^ 6,6-ナむロンずも蚀われる。ナむロン66の6はそれぞれ、アゞピン酞ずヘキサメチレンゞアミンの炭玠数6に由来しおいる。
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高等孊校化孊II/医薬品の化孊 医薬品 䞀般に、ヒトや動物の病気を治すために䜿甚する物質を、医薬品ずいう。 医薬品が、それを䜿甚した生物におよがす倉化を薬理䜜甚ずいう。 䞀般に、医薬品は䜓内でさたざたな䜜甚を起こす。このうち、治療の目的に沿った䜜甚を䞻䜜甚ずいい、それ以倖の䜜甚を副䜜甚ずいう。 歎史 人類は、叀代から倩然の怍物などから医薬品ずしお機胜するものを採取しお䜿甚しおきた。このような倩然由来の医薬品を ケシの実から取れる果汁を也燥させたアヘンも叀代から知られおいる生薬の䞀぀である。アヘンは、玀元前1500幎の゚ゞプトでは鎮痛剀ずしお利甚されおいた。 19䞖玀初頭、アヘンから、麻酔・鎮痛薬のモルヒネが抜出された。 19䞖玀埌半に、いく぀かの薬の化孊構造が解明され、これらの成果をもずに、いく぀かの薬品が合成された。 1910幎ドむツのパりル・゚ヌルリヒず 珟圚では、人工的に化孊合成された有機化合物が、医薬品ずしお倚く䜿甚されおいる。 サリチル酞系の医薬品 叀くから、ダナギの暹皮には解熱䜜甚や鎮痛䜜甚が存圚するこずが知られおいた。これは、ダナギの暹皮にあるサリシンが䜓内で加氎分解されおサリチル酞を生じるためである。 19䞖玀初頭に、化孊分析によっお、サリシンや、それから生じるサリチル酞の存圚が知られ、解明されおいった。サリチル酞は、サリシンが䜓内で加氎分解されお生じる。 19䞖玀に、サリチル酞は解熱鎮痛薬ずしお、さかんに䜿われおいたが、胃に悪圱響を䞎えるこずが、しだいに分かっおいった。そのため、19䞖玀埌半ごろには副䜜甚の匱いアセチルサリチル酞が開発され䜿甚されるようになった。 アセチルサリチル酞は1898幎にドむツで「アスピリン」の商品名で医薬品ずしお売り出され、珟圚でも解熱鎮痛薬ずしおアスピリンの名前で䞖界各地で売られおいる。日本では、『バファリン』にも、アスピリンが含たれおいる。 珟圚では、サリチル酞系の倚くの医薬品が存圚しおいる。 たた、サリチル酞にメタノヌルを反応させお䜜るこずのできるサリチル酞メチルは、消炎鎮痛薬筋肉痛などを抑える薬ずしお甚いられおいる。たずえば、『サロンパス』などのように、サリチル酞メチルは湿垃薬ずしお甚いられおいたりする。 なお、これらサリチル酞系の解熱薬は、けっしお现菌などを攻撃しおるのではなく、熱や炎症などの症状をやわらげるだけである。このように、病原菌を攻撃せず、症状をやわらげる事が䞻な䜜甚の医薬品を、察症療法薬ずいう。 たたなお、サリチル酞メチルは揮発性の液䜓である。 - 参考: プロスタグランゞンずサリチル酞系医薬品ずの関係 (※ 教科曞の範囲倖) 人䜓で、アセチルサリチル酞の薬が炎症や発熱などを抑える仕組みは、人䜓でケガなどの異垞があったずきに炎症などを起こしお回埩させようずする䜓内物質のプロスタグランゞンprostaglandin、略称:PGずいう物質の合成を劚害するからである。※ プロスタグランゞンは怜定教科曞高校理科の化孊の範囲倖だが、文英堂シグマベストの高校化孊参考曞などに、プロスタグランゞンずアセチルサリチル酞ずの関係の解説がある。 よっお、アセチルサリチル酞は、けっしお、おおもずのケガを治すわけではないし、けっしお病原菌を退治するわけでもない。 このプロスタグランゞンは、炎症以倖にも、人䜓に必芁なさたざたな珟象で関わっおくるので、よっおプロスタグランゞンの合成が阻害されるず、さたざたな副䜜甚が起こりうるのである。 プロスタグランゞンは、脂肪酞を原料ずしおいお、䜓内で合成される生理掻性物質である。プロスタグランゞンは、いわば、ホルモンのようなものである詳しい説明は高校の範囲を超えるので省略。 アミド系の医薬品 アニリンから埗られるアセトアニリドにも解熱鎮痛䜜甚があるが、副䜜甚が重いため、珟圚は䜿甚されおいない。 かわりに、アセトアニリドの誘導䜓であるアセトアミノフェンp-アセトアミドフェノヌルが、颚邪薬などに含たれおる。 化孊療法薬 サルファ剀 1939幎にドむツのドヌマクが、アゟ染料の䞀皮のプロントゞルに、现菌の増殖を阻害する䜜甚があるこずを芋぀けた。 のちに、プロントゞルから生じるスルファニルアミド に、现菌の増殖をおさえる䜜甚があるこずが分かった。これは、现菌が発育に必芁な葉酞を合成するさいの酵玠を阻害するからである。 现菌はp-アミノ安息銙酞 から葉酞を合成しおいるが、スルファニルアミドはp-アミノ安息銙酞に䌌た構造を持っおるため、酵玠を阻害する。 珟圚では、䞀般に、スルファニルアミドの骚栌をも぀抗菌剀を、硫黄を元玠にも぀こずから、サルファ剀salfa drugずいう。 抗生物質 埮生物が぀くりあげる化孊物質で、ほかの埮生物や现菌を殺したり、ほかの埮生物や现菌の増殖を阻害したりする䜜甚抗菌䜜甚のあるものを抗生物質antibiotics [1]ずいう。 1929幎にむギリスのフレミングは、アオカビから取れる物質に、このような抗菌䜜甚があるこずを芋぀け、この物質にペニシリンPenicillinず名付けた。 - ※ 暗蚘は䞍芁: パンなどに生える青色のカビも通垞、アオカビである[2]。 のちに、ペニシリンは、现菌のも぀现胞壁の合成を阻害するため、抗菌䜜甚を瀺すこずが分かった。 现菌は突然倉異により、抗生物質の効かない现菌が生たれお、生き残るこずがある。そのような、抗生物質に぀よい现菌を耐性菌ずいう。 抗生物質を無闇に䜿い続けるず、このような抗生物質のきかない埮生物だけを残しお増やしおしたう。 ペニシリンの効かない耐性菌もすでに存圚しおおり、そのような病原菌には抗生物質メチシリンや抗生物質バンコマむシンが䜿われるこずがあるが、そのメチシリンの効かない耐性菌MRSAや、バンコマむシンの効かない耐性菌VRSAなどの耐性菌も出珟しおおり、医療珟堎では倧きな問題になっおる。 このため、抗生物質ばかりに頌らず、手掗いや消毒などをきちんず培底したりするこずが、求められおる。 なお、ストレプトマむシンは、結栞にきく抗生物質である。土壌现菌の぀くる物質からストレプトマむシンが発芋された。 サルファ剀や抗生物質のように、病気をおこす现菌や埮生物を、盎接、现菌ぞの砎壊的な䜜甚を起こすこずで、病気を治療する医薬品を化孊療法薬ずいう。 - ペニシリンの䜜甚の仕組み ペニシリンG の構造のβラクタムずいう郚分が、现菌の现胞壁の合成をする酵玠を阻害するずいう仕組み。
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高等孊校化孊II/有機化孊 < 高等孊校化孊II高等孊校化孊Ⅱ/有機化孊 から転送 ベンれン環の眮換基の配向性 オルトパラ配向性 ベンれンの1眮換䜓たずえばトル゚ンなどに、さらに眮換反応を行わせた堎合、2぀めの眮換基の䜍眮は、すでに結合しおいる眮換基によっお決たる。 トル゚ンをニトロ化させた堎合、オルトパラ配向性である。 よっお、o-ニトロトル゚ンたたはp-ニトロトル゚ンが出来る。 このような実隓事実にもずづき、「CH3はオルトパラ配向性である」ずいう。 このように、もずから存圚した偎の眮換基が配向性の基準になる。 なので、もずから存圚した偎の眮換基を配向性の基準にする。 メタ配向性 ニトロベンれンのニトロ化物を぀くる反応の結果は、通垞の反応では、メタの䜍眮に結合した生成物である m-ゞニトロベンれン がほずんどである。このこずから、ベンれンにもずから぀いおいた最初のニトロ基のほうのニトロ基を「メタ配向性である」のように蚀う。
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高等孊校化孊II/有機化孊の発展知識 ベンれン環の眮換基の配向性 オルトパラ配向性 ベンれンの1眮換䜓たずえばトル゚ンなどに、さらに眮換反応を行わせた堎合、2぀めの眮換基の䜍眮は、すでに結合しおいる眮換基によっお決たる。 トル゚ンをニトロ化させた堎合、オルトパラ配向性である。 よっお、o-ニトロトル゚ンたたはp-ニトロトル゚ンが出来る。 このような実隓事実にもずづき、「CH3はオルトパラ配向性である」ずいう。 このように、もずから存圚した偎の眮換基が配向性の基準になる。 なので、もずから存圚した偎の眮換基を配向性の基準にする。 メタ配向性 ニトロベンれンのニトロ化物を぀くる反応の結果は、通垞の反応では、メタの䜍眮に結合した生成物である m-ゞニトロベンれン がほずんどである。このこずから、ベンれンにもずから぀いおいた最初のニトロ基のほうのニトロ基を「メタ配向性である」のように蚀う。 䞊蚘の衚の配向性の基準は、ベンれン環にもずから着いおいたほうの眮換基である事に、気を぀けよう。 範囲倖: 配向性の電子䟛䞎ず電子求匕 - ※ おもに倧孊範囲。いちおう、実教出版の怜定教科曞の巻末発展事項に䌌たような内容が曞いおあり、たた、数研出版の高校化孊の資料集『芖芚でずらえる フォトサむ゚ンス 化孊図鑑』に、チラっず解説されおいる。 メタ配向性の分子たずえばニトロベンれンなどは、反応性が悪いこずが、実隓的に確かめられおいる。← この実隓事実が、ふ぀うの高校教科曞には曞かれおない。※ この実隓事実に぀いおの参考文献: サむ゚ンス瀟『工孊のための有機化孊』、荒井貞倫、新蚂版、2014幎1刷、114ペヌゞ。※ 参考文献: 化孊同人『ベヌシック有機化孊』、山口良平・山本行男・田村類、第2版6刷、2015幎3月1日発行,90ペヌゞ メタ配向性の眮換基だず反応掻性が悪くなる理由は高校レベルの説明では、ニトロ基が、ベンれン環のπ電子を求匕しおしたっおるため、ベンれン環党䜓の電子密床が䜎䞋しおしたっおいるからである、・・・ず考えられおいる。※ 参考文献: 数研出版『芖芚でずらえる フォトサむ゚ンス 化孊図鑑』、183ペヌゞ このため、ニトロ基NO2などのメタ配向性眮換基のように、反応性を䜎䞋させる眮換基のこずを「䞍掻性化基」ずもいう。 逆に、オルト・パラ配向性の分子たずえばトル゚ンなどは、反応性は悪くない分子である堎合の倚いこずが、実隓的に確かめられおいる。トル゚ンが、通垞のベンれン環よりも反応性が高いこずが、実隓的に確かめられおいる。ベンれンずニトロトル゚ンずの1:1混合物をニトロ化するず、ニトロベンれンはあたり生じず、おもにニトロトル゚ンの異性䜓が生じる。※ この実隓事実に぀いおの参考文献: サむ゚ンス瀟『工孊のための有機化孊』、荒井貞倫、新蚂版、2014幎1刷、114ペヌゞ。これは、メチル基がベンれン環に電子を䟛䞎しおいるからである、ず考えられおいる。※ 参考文献: サむ゚ンス瀟『工孊のための有機化孊』、荒井貞倫、新蚂版、2014幎1刷、118ペヌゞ。 なお、 トル゚ンにおけるメチル基CH3などのように、反応を掻性化する眮換基を「掻性化基」ずもいう。 メチル基など、ベンれン環など接合しおいる分子構造に察しお電子を䟛䞎する性質のこずを電子䟛䞎性でんしきょうよせいずいう。 オルト・パラ配向性眮換基が、かならずしも掻性化基ずは限らない。しかし、メタ配向性眮換基はすべお䞍掻性基である。※ 参考文献: 実教出版の怜定教科曞、平成24幎怜定枈、382ペヌゞ - ※ 備考: 䞊の䞀芧衚を芋れば分かるように -Cl などのハロゲンはオルト・パラ配光性基であるが䞍掻性基である。※ 参考文献: 化孊同人『ベヌシック有機化孊』、山口良平・山本行男・田村類、第2版6刷、2015幎3月1日発行,93ペヌゞ参考文献: サむ゚ンス瀟『工孊のための有機化孊』、荒井貞倫、新蚂版、2014幎1刷、115ペヌゞ そしお䞊衚にも挙げられおるオルト・パラ眮換基で掻性化基である -OH、-CH3 、-NH2 、-NHCOCH3 、-OCH3 は、電子䟛䞎性である。 - 電子求匕性ず電子䟛䞎性 - ※ 「ハロゲンは17族原子だから電子を吞匕するのではなかったか」ずか思うかもしれないが、ハロゲンの電子吞匕ずは、䞀般の原子の䟡電子に察しおの吞匕である。䞊蚘の衚は、ベンれン環の共圹二重結合で生じる電子雲に察する吞匕や䟛䞎のこずであるので、区別するように。 トル゚ンの反応性がベンれンよりも高いのは、トル゚ンのメチル基が電子䟛䞎性であるため、反応䞭間䜓が安定化するからである。 いっぜう、ニトロ基などのメタ配向性眮換基のように、ベンれン環の電子を匕きよせる性質を電子求匕性であるずいう。そしお、ニトロ基などは電子求匕性であるため、ベンれン環のπ電子を匕きよせるため、ベンれン環党䜓の電子密床が䜎䞋しおしたい、そのためベンれン環を䞍掻性化するのである。※ ずいうのが高校レベルの説明。 なお、ハロゲンがオルト・パラ眮換基なのに䞍掻性化基である。 ハロゲンは電気陰性床が高いこずが、電子求匕性に寄䞎しおいる。いっぜうでハロゲンは非共有電子察が倚いため、それが電子䟛䞎性に寄䞎しおいる、ず考えられおいる。参考文献: サむ゚ンス瀟『工孊のための有機化孊』、荒井貞倫、新蚂版、2014幎1刷、120ペヌゞ - ※ 倧孊教科曞では、どの倧孊教科曞でも、「ハロゲンは電子求匕性である」ずされおいる。しかし本wikibooksでは、あたり高校分野の理解には、ハロゲンの電子求匕性の刀定は重芁ではないので、ハロゲンが電子求匕性であるかどうかに぀いおは明蚀を避けるこずにする。 - ※ ハロゲンが付加する堎合は、眮換基の原子が1個だけなので、電気陰性床が ほがそのたた 電子求匕性の原因になっおいる。しかし、眮換基が耇数の堎合、-OH が電子䟛䞎性であるこずからもわかるように、酞玠Oは炭玠Cず比范すればわりかし電気陰性床が高めだが、しかし -OH 党䜓では電子䟛䞎性である。 備考 - ・ 掻性化基によっお反応をしやすくなるずいう事は、぀たり掻性化基は、掻性化゚ネルギヌを䞋げるずいう事でもある。 ※ 実教出版の怜定教科曞でも、この事を解説しおいる。 - ・ 同様に、䞍掻性化基は、掻性化゚ネルギヌを䞊げる、ずいう事でもある。 掻性化基は、反応途䞭に生成する䞭間䜓を安定化させるために、掻性化゚ネルギヌが䞋がっおいる、・・・ず考えられおいる。※ 実教出版の怜定教科曞でも、この事を解説しおいる。 逆に、䞍掻性化基は、䞭間䜓が䞍安定なため、掻性化゚ネルギヌが高い、・・・ず考えられおいる。 電気陰性床ず電子求匕性 ハロゲン原子は電気陰性床が高いこずを、高校で習う。 そしお、䞍掻性化基には、「電子求匕性」ずいう甚語のように、電気的な性質が関係しおいる。 よっお、電気陰性床ず電子吞匕性には、あきらかに関係がある。たた、電気陰性床から蚈算できる「分極」も、関係ありそうである。なお化孊では、電気陰性床ず分極のをたずめお「誘起効果」ずいう。 実際、倧孊の教科曞でも、電気陰性床や分極を、電子吞匕性や電子䟛䞎性に関連づけお、考察しおいる。 ※ 探求的な発展 : 共鳎 - ※ この節の内容は、読者は自己責任で、参考にするなり、疑うなり、しおください。 参考文献では明蚀されおないが、化孊匏の構造ず、電子求匕/䟛䞎のちがいずの関連には、䞋蚘のような傟向がある。 「ベンれン環に盎接くっ぀く CO 二重結合は、共鳎によっおメタ配向性に寄䞎する傟向がある」 メタ配向性の -COOHや-COCH3 のように、ベンれン環に盎接 -CO が぀くず、メタ配向性になる傟向がある。 たた、おなじくメタ配向性の -CHO も、構造匏をみるず、CO ずいう二重結合がある。もちろん、 -COOHや-COCH3 の構造匏にも CO 二重結合がある。 このこずから、どうやら「ベンれン環に盎接くっ぀く CO 二重結合は、メタ配向性に寄䞎する傟向がある」ようである。 いっぜう、オルトパラ配向性にある -NHCOCH3 は、構造䞭に二重結合をも぀が、しかしベンれン環には盎接はCOはくっ぀いおない。 さおカルボン酞には、共鳎ずいう珟象が知られおいる。この共鳎が、メタ配向性に寄䞎する傟向があるようだ。 - ※ 倧孊レベルの参考文献では、慎重を期すため、因果関係を逆にしお説明しおいる。぀たり倧孊教科曞では、具䜓的にメタ配向性だず知られおいる眮換基に぀いお、「この眮換基では、共鳎がメタ配向性に寄䞎しおいる」のような蚀い方をしおいる。 - しかし高校レベルでは、そこたで慎重になる必芁も無いだろう。 䞊蚘をたずめお、どうやら、「ベンれン環に盎接くっ぀く CO 二重結合は、共鳎によっおメタ配向性に寄䞎する傟向がある」ようだ。そしお、共鳎は電子のふるたいによっお起きるこずから、電子求匕基であるこずが原因だろう、ず掚枬されるだろう。 ぀たり、これらの眮換基のうち、ベンれン環に盎接぀く原子が共鳎しおいる眮換基が電子求匕基か぀䞍掻性化基であるこずから、「ベンれン環に盎接぀く原子が共鳎しおいる堎合は、原則的に電子求匕に寄䞎する傟向がある」ようだ。 しかも、-NO2 にも、ベンれンに盎接぀いおいる元玠Nのずなりの原子ずしお酞玠がある。NO2も、共鳎をしおいる、ず考えられおいる。 さお、 - ・ 電子求匕/䟛䞎性には、前の節の「その他」で述べたように、電気陰性床や分極などの「誘起効果」も関係しおいる。 - ・ そしお、この節で述べたように、「共鳎」も、電子求匕/䟛䞎性に関係しおいる。 このこずから、倧孊教科曞では CO 二重結合の分極による寄䞎も考察したりする。しかし、高校では、そこたで深入りする必芁も無いだろう。本曞では、これ以䞊の説明は、もはや専門的に高床になりすぎるので、説明を省略する。 「-Cなんずか」の「なんずか」郚分の電気陰性床 この衚で、右䞋のメタ配向性の䞍掻性基のうち、炭玠Cのあるのをみるず、どれも、Cの隣りに、酞玠Oや窒玠Nなど、電気陰性床がCよりも高い元玠がある。アルデヒド基 -CHOも、構造匏でみれば、CのずなりにOが結合しおいる。 このこずから、眮換基の最初のCのずなりに結合しおいる原子の電気陰性床が高いず、電子求匕性に寄䞎するこずが、すでに解明されおいる。ただし、C≡N や -COOHのように、倚重結合があるので、それらの圱響も加わるので、実際の個々の原子では そう単玔ではない。 じっさい、逆に電子䟛䞎性の偎を調べれば分かる。 電子䟛䞎性である -CH3 は、Cのずなりに結合しおいる氎玠 H は、Cず比べれば電気陰性床の䜎い原子である。 このように、眮換基の最初のCのずなりに結合しおいる原子の電気陰性床が、電子求匕/䟛䞎 性に、圱響を䞎える。 このような事から、たずえば、もし -CF3 を眮換基ずしおベンれンに結合させたらなお「F」はフッ玠原子、C6H5-CF3 は電子求匕性ずしおの性質が匷い生成物になる事も予想が぀く※ サむ゚ンス瀟の䟋の教科曞では、CF3 を電子求匕性ずしお考えおいる。。 酞・塩基ずの関係性の有無 ぀い぀い読者は、衚右䞋の「-COOH」ずか「-SO3H」ずか芋るず、「もしかしお眮換基が酞性だず、電子求匕性になるのでは」ず予想するだろう。 しかし、衚巊䞊の-OH基を、芋萜ずさないようにしよう。フェノヌルは匱酞性である。 よっお、酞性基は必ずしも電子求匕性ずは、かぎらない。 しかし、その䞀方で、電子䟛䞎性の-NH2基をみるず、読者によっおは アンモニア NH4を思い浮かべるかもしれない。 たた、衚右䞋の -NO2 を芋るず、読者によっおは 硝酞 HNO3 を思い浮かべるかもしれない。 なお、シアン化氎玠 HCN は匱酞性である。たた、テレビの刑事ドラマなどで毒物そちえ「青酞カリ」ずも呌ばれるシアン化カリりムが玹介されるが、シアン化カリりムは匷塩基性である。しかし「青酞」ずいうように、シアンそのものは酞性である。青酞カリが塩基性なのは、カリりム郚分の圱響である。 このように、酞ず電子䟛䞎は、どうも関係性はありそうである。 実際に倧孊教科曞でも、個々の眮換基ごずに、酞性/塩基性ず電子䟛䞎/求匕性ずの関係を考察しおいる。 ぀たり、倧孊教科曞では「-COOH基では、酞性ずしおの䜜甚が電子求匕性を匷めおいるようだ」のような、眮換基ごずに個別に蚀及をしおいる。 しかし読者は高校生なので、蚘憶さえできれば充分なので※ そもそも範囲倖なので、高校生には蚘憶の必芁すら無いが・・・、「傟向ずしお酞性基なら、たぶん、電子求匕性。䟋倖は、高校でならう範囲では、氎酞基 -OH くらい。」おいどの倧胆な芚え方で、充分だろう。 倧孊に向けお 倧孊の有機化孊の教科曞を読むず、ベンれン化合物をさきに考察しお、あずからアルカンやアルコヌルやアルデヒドなど個別の原子を考察する。高校ずは順序が逆である。 有機化合物は膚倧にあるので、たず先に基準ずしお、あたかもベンれンを共通語のように、勉匷するのである。 ベンれン化合物は䞊述したように、共鳎や電子䟛䞎/求匕などのような、䜓系的な解明がされおいる。なので、倧孊の有機化孊ではベンれンを土台に勉匷しおいく。 そしお、ベンれンに氎酞基を぀けたでのフェノヌル C6H5-OH が匱酞性であるこずに泚目すれば、酞性/塩基性ず、電子䟛䞎/求匕 ずの関係も考察しおいける。 そしお芳銙族アルコヌルであるフェノヌルを考察できれば、それをもずに、脂肪族アルコヌルである゚タノヌルやメタノヌルも考察しおいける。倧孊教科曞は、このような順序になっおいる。 そしお脂肪族アルコヌルを手掛かりに、アルデヒドや゚ヌテルなどほかの脂肪族も考察できる。倧孊での脂肪族の考察では、埌述するマルコフニコフ則などずも関連づけお、考察しおいく。 このように、倧孊での有機化孊の教育順序は、高校ずは教育順序が逆である。倧孊では、電子䟛䞎/吞匕性などの探求をするために、あえお、このような順序にしおいる。しかし高校生は、たずは高校レベルの基瀎孊力を習埗するのが先なので、高校の教科曞の順序で、勉匷しおいこう。 マルコフニコフ則ずザむツェフ則 マルコフニコフ則 アルケンの炭玠炭玠二重結合に、HX型のハロゲン氎玠HClなどが付加するずき、二皮類の生成物があるが、Hがどちらの炭玠に付加したものが䞻生成物になるかには法則性がある。もずもず結合しおいるHが倚いほうに、さらにHX分子のHが付加するこずで出来た反応物が䞻生成物になる、ずいう経隓則があり、この経隓則をマルコフニコフ則Markovnikov ruleずいい、ロシアのマルコフニコフが倚くの実隓結果により確かめた。 ザむツェフ則 第二玚たたは第䞉玚アルコヌルの分子内脱氎反応で、アルケンが生成するずき、OH基の぀いおいるC原子の䞡隣のC原子のうち、氎玠原子の少ないほうのHが脱氎に䜿われた分子が䞻生成物になる。この法則をザむツェフ則Saytzeff ruleずいう。 結果的に付加しおるHの少ないCは、たすたす付加しおいるHが少なくなる。 ※ 範囲倖: たた、この反応の結果、䞻生成物ず副生成物のそれぞれの二重結合のずなりをみるず、䞻生成物のほうが眮換基CH3やCH2などが倚い。2ブテンでは二重結合のずなりは眮換基CH3が2぀だが、1ブテンでは二重結合のずなりの眮換基CH2が1぀である。 ※ 範囲倖: ようするに、䞀般的に炭玠の高分子化合物では、眮換基が倚いほうが安定である。 ※ 範囲倖:぀たり、2ブテンのような内郚アルケンのほうが、1ブテンのような末端アルケンよりも化孊的に安定である。※ 参考文献: サむ゚ンス瀟『工孊のための有機化孊』、荒井貞倫、新蚂版、2014幎1刷、151ペヌゞ。 本蚘事では、玹介物質は、高校甚に別物質に眮き換えたため、参考文献での玹介物質ずは異なる。 なぜ、ザむツェフ則がなりた぀のか - ※ マルコフニコフ則に぀いおは、高校レベルを超える説明になるので圓りィキブックスでは説明を省略する。 - ※ 本節の「超共圹」の説明は、あたり正確な説明ではないので、高校生はこの「超共圹」に぀いおの説明を芚えなくお良い。 ザむツェフ則のなりた぀理由ずしお考えられおる䞀説ずしお、超共圹ちょうきょうやくずいう説がある。 - ※ 怜定教科曞には「超共圹」の甚語は曞いおないので、芚えなくお良いだろう。 - ※予備知識: たず、二重結合ず単結合が続く結合を共圹二重結合ずいう。ポリアセチレンなどが、構造に共圹二重結合を持぀。 で、ザむツェフ則では、䞻生成物2ブテンの二重結合のずなりが単結合であるが、これがあたかも、共圹二重結合二重結合ず単結合の繰り返しの構造ず同じように安定的なため、䞻生成物になるのだろう、・・・ずいう説がある。 では、なぜ共圹二重結合が安定かずいうず、それは、共鳎しおるからである。『高等孊校化孊I/芳銙族化合物/芳銙族炭化氎玠』 共鳎ずは䜕かを思い出すには、ベンれン環たたはベンれン環をふくむ化合物を思い出しおほしい。図のoキシレン䞭のベンれンでは䟿宜䞊、二重結合を぀かっお曞きあらわされるが、実際にはベンれン環党䜓にわたっお電子が均䞀に分垃しおいるのであった。『高等孊校化孊I/芳銙族化合物/芳銙族炭化氎玠』 それず䌌た珟象がポリアセチレンのような共圹二重結合でも起きおいるず考えられおいお、共圹二重結合の物質では、電子が二重結合の倖偎の単結合にたでハミ出しお分垃しおいるのだろう、・・・ず考えられおいる。そしお、そのハミ出した結果、より安定床が増すのだろう、ず考えられおいる。䞀般に、電子は、狭い堎所に閉じ蟌められるよりも、広い堎所に分垃するほうが、安定する。いわゆる「䞍確定性原理」。電子は、狭い堎所に局圚化するよりも、電子はなるべく広い堎所に「非局圚化」するほうが安定である。 さお、ザむツェフ則の䟋の2ブテンや1ブテンのハナシに戻る。 内郚アルケン2-ブテンは、二重結合の電子が䞡偎にハミ出せるが、しかし末端アルケン1-ブテンだず片偎にしかハミ出せない。副生成物の1-ブテンは、二重結合が、末端のCに぀いおいるので、安定床がやや劣るがため、そもそも生成率が䜎いのだろう、・・・ず考えられおいる。 二重結合のずなりの結合に電子がハミ出すための前提ずしお、二重結合のずなりにメチル基CH3やCH2やCHが必芁である。※ 参考文献: 化孊同人『ベヌシック有機化孊』、山口良平・山本行男・田村類、第2版6刷、2015幎3月1日発行,61ペヌゞ参考文献の該圓ペヌゞはマルコフニコフ則の起きる原因ずしおCH結合ずの超共圹を述べおいる。 - ※ 倧孊レベルの化孊曞では、実際の仮説はさらに耇雑で、「σ結合」や「p軌道」がどうこう・・・ずいった理由付けがされるが、高校レベルを遥かに超えるので本蚘事では説明省略する。 ※ 範囲倖 有機電子論の限界 倧孊の教科曞では、よく有機化孊の専門化孊の『有機反応論』で、有機化合物の化孊反応の説明においお、電子を黒䞞で衚珟あるいは「(-)」のようにマむナスを䞞で囲った蚘号で電子を衚珟しお、それが構造匏䞭でどう反応しお・・・、みたいな図が矢印などず共に描かれるが、実はこれは䟿宜的な仮説であり、必ずしも電子がそれらの教科曞の図のように流れおいる保蚌は無い[1]。 なぜなら、根本的な理由ずしお、量子力孊によれば「電子は波」でありそれを珟代化孊の基瀎に眮いおいるのに、䞀方で有機電子論では粒子ずしお電子を黒䞞や䞞マむナスで描くモデルを提瀺するので、矛盟的な状況であり、だから根本的に量子論ず矛盟するので信憑性には問題がある[2]。 䞖界䞭の倧孊の教科曞などの専門曞に曞いおある図や衚は、あたかも普遍の真実かのように思いがちかもしれないが、実は有機化孊の理論ずは、そういうものではないのである。
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高等孊校化孊II/怜定教科曞で扱われおる発展的話題 æ•°å­Š - 埮分方皋匏 掲茉されおいる教科曞: 啓林通。 未分類 - 液晶 掲茉されおいる教科曞: 実教出版。 - 栞磁気共鳎スペクトルや赀倖共鳎スペクトルなど 掲茉されおいる教科曞: 啓林通。 無機化孊 - 䞉元觊媒 自動車ずかに䜿われおる浄化装眮。 掲茉されおいる教科曞: 実教出版。 - 固溶䜓 資料集にお、䟵入型固溶䜓ず眮換型固溶䜓が、「䟵入型合金」および「眮換型合金」の名前で玹介されおいる。 - 氎玠吞蔵合金 掲茉されおいる教科曞: 数研出版。 - 超䌝導 ニオブ-チタン合金など。 掲茉されおいる教科曞: 数研出版。 高分子 - 平均分子量の分垃 掲茉されおいる教科曞: 東京曞籍、実教出版、数研出版。 なお、高分子化合物が明確な融点を持たない理由は、この分子量が䞀定ではなく分垃しおいる事による、ずいうのが定説である。 - チヌグラヌナッタ觊媒 - 量子化孊のs軌道、sp混成軌道、π結合、など 掲茉されおいる教科曞: 第䞀孊習瀟 - ベンれン環の共鳎 - マルコフニコフ則 掲茉されおいる教科曞: 数研出版。 染料アリザニンの原料がアントラセンであるこず。 アリザニンの化孊匏も怜定教科曞にある。 - 立䜓芏則性 固䜓の高分子化合物においお、 シンゞオタクチックやアむ゜タクチックやアタクチックなどの構造。 このうち、シンゞオタクチックおよびアむ゜タクチックは構造が芏則的なので、結晶になりやすい。 掲茉されおいる教科曞: 啓林通、実教出版、東京曞籍。 - ニトログリセリンの䜜甚 医薬品の説明にお。ニトログリセリンが匷心剀であるこず。 掲茉されおいる教科曞: 啓林通の教科曞。 その䜜甚の原理および副䜜甚。 ニトログリセリンは䜓内で䞀酞化窒玠NOを攟出し、そのNOが血管を広めるこずで匷心䜜甚をも぀。 ニトログリセリンの副䜜甚ずしお頭痛がある。ニトログリセリンは血管をひろめるため、頭痛も起こる。 - 毒薬ず劇薬の違い。 掲茉されおいる教科曞: 啓林通。 - 「局所麻酔」ずいう甚語 掲茉されおいる教科曞: 啓林通。 - LD50Lethal dose 50、半数臎死量に぀いお。 掲茉されおいる教科曞: 啓林通。 - 粘床蚈 甚語ず䜿い方のみ。流䜓力孊の話題に぀いおは觊れおない。粘床の蚈算も高校化孊の教科曞には無い。 - プラスチック成圢 射出成圢や圧瞮成圢、䞭空成圢など。 掲茉されおいる教科曞: 啓林通、第䞀孊習瀟。 - オルト-パラ配向性 掲茉されおいる教科曞: 数研出版、実教出版、啓林通。 ベンれンの1眮換䜓たずえばトル゚ンなどに、さらに眮換反応を行わせた堎合、2぀めの眮換基の䜍眮は、すでに結合しおいる眮換基によっお決たる。 トル゚ンをニトロ化させた堎合、オルトヌパラ配向性である。よっお、o-ニトロトル゚ンたたはp-ニトロトル゚ンが出来る。 ベンれンのニトロ化はメタ配向性。ベンれンをニトロ化させた堎合、メタ配向性である。よっお、m-ゞニトロベンれンが出来る。 - 酵玠の反応速床のミカ゚リスメンテン匏 電気化孊 燃料電池の話題ず絡んで、郜垂ガスの䞻成分がメタンである事などを玹介。 掲茉されおいる教科曞: 数研出版教科曞の巻末芋開き。 物理化孊 - 電気の双極子モヌメント 実教出版の教科曞の巻末ちかくの付録で玹介されおいる。科孊者デバむの名前も玹介されおいる。 - ゚ンタルピヌ 実教出版の教科曞の巻末近くの付録で玹介されおいる。 名前の䌌おいる゚ントロピヌも同教科曞にお玹介されおいる。 - ゚ンタルピヌ 啓林通の教科曞で玹介。 溶液などの䟋で説明。 - ギブス゚ネルギヌ。 実教出版の教科曞の巻末近くの付録で玹介されおいる。別名「ギブスの自由゚ネルギヌ」の甚語も玹介されおいる。 ΔGΔHヌTΔS の匏も玹介されおいる。 Hぱンタルピヌ。Sぱントロピヌ。 - ボルツマン因子の匏 実教出版の教科曞の巻末ちかくの付録で玹介されおいる。匏䞭の゚ネルギヌ項ずしおギブス゚ネルギヌを採甚しおる。 気䜓定数Rのあるアレニりスの匏ではなく、ボルツマン定数kを甚いたボルツマン因子の匏の圢で、実教出版の教科曞にお玹介されおいる。 超化孊 - クラりン゚ヌテル 実教出版の教科曞の巻末ちかくの付録で玹介されおいる。 その他 - クロスカップリング反応 東京曞籍の教科曞の巻末の芋開きの付録にある。 - 存圚する語句 - 「亜鉛」ず「ホり玠」ず「パラゞりム觊媒」。画像だが、ベンれン環っぜい化合物のある反応経路むラストがある。 - その反応経路むラスト䞭に「ハロゲン」ずいう文字あり。 - 「液晶」や「医薬品」などの応甚。 こういう反応。 パラゞりム系の觊媒のもず、Xをハロゲンずしお ずいう反応が比范的に安定な反応ずしお進む。亜鉛Znのかわりにホり玠Bでもいい。 実甚的な反応では、䞊匏のRおよび R'は、しばしばベンれン環たたは類䌌した環状化合物であるこずも倚い。 䞊匏および、これず類䌌した、有機化合物どうしをパラゞりム系觊媒などで぀なげる反応が知られおおり、これらの反応をたずめおクロスカップリング反応ずいう。クロスカップリング反応は2010幎のノヌベル化孊賞。 反応機構ずしお、䞀時的にパラゞりムが R-X ず反応し、R-Pd-X のようになっおいるず考えられおいる怜定教科曞でも、その芋解。 ※ 教科曞には説明はないが、「パラゞりム觊媒」ずいっおも、実際はパラゞりム単䜓ずはかぎらず、パラゞりムず化合した有機化合物の錯䜓が觊媒である堎合もある。参考文献 東京化孊同人『無機化孊 ヌ その珟代的アプロヌチ ヌ 』、2014幎第2版、164ペヌゞ、 そのため本りィキブックスでは「パラゞりム系觊媒」ず衚蚘した。
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高等孊校化孊II/機胜性高分子 吞氎性暹脂 アクリル酞ナトリりムCH2=CH-COONaを架橋させたポリアクリル酞ナトリりムは、倚量の氎を吞収する。 吞氎の仕組みは、氎が加わるず、電離によっおCOONa郚分が、COO-ずNa+に電離するが、このずきむオンの増加により浞透圧が発生するので、氎を吞収する。 たた、COO-どうしは同皮の電荷なので反発しあい、暹脂が膚匵するので、膚匵した隙間に氎が入り蟌めるようになり、氎を吞収する。 吞氎性暹脂の甚途ずしおは、玙おむ぀や土壌保氎剀などがある。 感光性暹脂 光おもに玫倖線を圓おるこずで急激に重合しお硬化し溶媒に溶けにくくなる暹脂がある。 ポリビニルアルコヌルの暹脂にケむ皮酞 C6H5CHCHCO2Hを結合させた高分子は、玫倖線を圓おるず、架橋反応が起きる。数研出版チャヌト匏化孊でケむ皮酞が玹介されおいる。 たた、他の暹脂では、光を圓おるこずによっお化孊倉化をしお溶媒に溶けるようになる暹脂もある。 このように、光を圓おるこずによっお性質が倧幅に倉化する暹脂のこずを感光性暹脂かんこうせいじゅし、photosenstive polymerずいう。 - 応甚䟋 感光性暹脂は、プリント配線や集積回路の補造、印刷、金属の粟密加工、歯科の充填剀などに利甚されおいる。 生分解性暹脂 自然界で、埮生物などにより分解される暹脂を生分解性暹脂(せいぶんかいせい じゅし、biodegradable polymer)ずいう。 たた生分解性暹脂などが、自然界で分解されるこずを生分解ずいう。 分子構造の皮類は、おもに、タンパク質のものず、乳酞を重合させお埗られるポリ乳酞や、ポリグリコヌル酞のものや、デンプンやセルロヌス、キトサンなどから぀くられるものがある。埮生物などの䜜甚によっお、これらの生分解性暹脂は、しぜんに分解される。 倖科手術甚の瞫合糞に、抜糞の必芁がないため、ポリ乳酞やポリグリコヌル酞の糞が䜿われおいる啓林通、東京曞籍の怜定教科曞に蚘述あり。 䞀般に、生分解性暹脂は芪氎性が高たるほど、生分解されやすくなる。なお、ポリ乳酞の原料の乳酞は、デンプンなどから埗られるため、石油系のプラスチックの代替ずしおも期埅されおいる。 導電性高分子 性質 アセチレンの重合䜓であるポリアセチレンの導電率は、ポリアセチレンそのものは、電気をさしお通さない。 しかし、ペり玠I2を加えるず、電気を通すようになり、なお、その堎合の導電率は銅に近い。 - (※ 範囲倖: ) 添加物ずしお、ペり玠でなく、臭玠やフッ化アセチレンAsF6 でも良い。が添加されおいる。ペり玠もフッ玠も臭玠もハロゲンである。たた、ペり玠もフッ玠も臭玠も、それ単䜓は、倧した導電性を持たない。※ チャヌト匏に蚘述あり。ペり玠も臭玠もハロゲン17族なので、ハロゲンの電子を吞匕する性質が関係しおいるだろうず考えられおいる。 しかし、ペり玠などの添加によっお、ポリアセチレンは金属䞊みの導電性を持぀銅くらいの導電性ずされる。 このため、ポリアセチレンのような、導電性をもった高分子のこずを導電性高分子どうでんせい こうぶんし、conducting polymerずいう。 導電性高分子の産業の応甚ずしお、コンデンサヌ、ポリマヌ電池などの応甚・研究などが進んでいる。 日本の癜川英暹しらかわひできは、この導電性ポリアセチレンの発芋ず研究で、ノヌベル賞を2000幎に受賞した。 発展: 共圹二重結合系 - ※ チャヌト匏などで、共圹二重結合が玹介されおいる。 ずころで、ポリアセチレンの構造は、長い共圹二重結合きょうやく にじゅう け぀ごうをもった化合物である。単結合ず二重結合が繰り返しおいる構造を、共圹二重結合ずいう。 ポリアセチレンのほか、ベンれンも、共圹二重結合をもっおいるなお、このベンれンの共圹二重結合こそが、ベンれンの安定性の理由の䞀぀である。 䞀般に、化合物の䟡電子は、共圹二重結合の内郚を動き回れる性質がある。この共圹二重結合を動き回れる䟡電子をπ電子「パむでんし」ずいう。 この共圹二重結合ずπ電子が、ペり玠の加わったポリアセチレンの導電性の理由でもある。 - (※ 範囲倖: ) なお、ポリアセチレンのシス型ずトランス型ずで導電性は異なる。トランス型のほうが導電性が倧きい。 備考 有機EL - ポリオレフィン系 ポリオレフィンビニレンの高分子は導電性高分子であり、さらに電気を通すず発光するこずから、有機ELなどのディスプレむ発光玠子ずしおの研究が進められおいる。 ※ 範囲倖: 半導䜓ずの類䌌点ず盞違点 半導䜓産業の甚語にならっおだろうか、この、導電率をあげるためにポリアセチレンにペり玠などを加える操䜜のこずを「ドヌピング」ずいう。(シリコン半導などの半導䜓䜓産業にも「ドヌピング」ずいう甚語がある。) このように、類䌌点があるが、しかし盞違点もある。 盞違点のひず぀は、䞋蚘のずおり。 - シリコン半導䜓の堎合、ドヌピングさせる元玠通垞は䟡電子3個か䟡電子5個かの2皮類の皮類によっお、埗られる半導䜓はP型ずN型に分かれる。 - しかし、導電性高分子の堎合、呚期衚でハロゲンの反察偎の元玠はリチりムやナトリりムずいった1族の金属である。リチりムなどを1族の金属をポリアセチレンに添加しおも導電性が向䞊するのだが、しかし添加された金属そのものも導電率が高いので、果たしお添加埌の暹脂の導電率の高さに぀いお、半導䜓的なメカニズムによっお導電性が向䞊したのか、それずも単に金属を添加したから導電性が向䞊したのか、いたいち䞍明確である。 ここたで盞違点。 ※ このように盞違点もあるので、怜定教科曞では半導䜓ずの類䌌点を蚘述しおいないこずにも、教育的な合理性がある。 導電性暹脂のハロゲン添加においお、単䜓では導電性を持たないペり玠を添加しお導電性が向䞊するのは、ペり玠に電子が吞収されるからであるずされおいる。ペり玠の他に、ハロゲンであるBr2やFeCl2なども、電子を吞収する。これらの性質を電子求匕性でんし きゅういんせいずいう※ 「吞匕」ではなく「求匕」。たた電子求匕性をもった化合物を「アクセプタヌ」ずいう。(半導䜓産業にも「アクセプタヌ」ずいう甚語がある。) いっぜう、NaやLiなどは電子を䟛䞎する物質であり、これらを添加するこずでも、ポリアセチレンの導電性を向䞊できる。ただし、ナトリりムやリチりムの堎合、それ自䜓が金属であるので、果たしお共圹二重結合的なメカニズムによっお導電率が向䞊したのか、それずも、単に金属が添加されたこずで導電率が向䞊したのか、䞍明確である。 この電子を䟛䞎する性質を電子䟛䞎性ず蚀い、たた電子䟛䞎性のある化合物を「ドナヌ」ずいう。(半導䜓産業にも「ドナヌ」ずいう甚語がある。) この原理は、シリコン半導䜓などのドヌピングの原理ず䌌た原理である。 なので共圹π電子系の導電性高分子でも、ドナヌやアクセプタヌの添加を「化孊ドヌピング」あるいは「ドヌピング」ずいう。 範囲倖: その他 なお、ポリアセチレンそのものの合成は、チヌグラヌ觊媒を甚いおアセチレンガスず有機金属化合物から合成できる。 ポリアセチレンの他の高分子でも導電性暹脂の開発が進められおいる。 たずえばポリチオフェンやポリアニリンが有る。 それらも同様に、共圹二重結合をもった導電性暹脂の堎合は、導電の仕組みは共圹二重結合によるものである。 - ※ 範囲倖: 導電性高分子の産業ぞの実甚ずしお、コンデンサの誘電材料ぞの応甚がある。コンデンサの原理に぀いおは、『高等孊校物理/物理II/電気ず磁気』を参照せよ。 導電性高分子コンデンサでは、「導電」ずいう名ずは裏腹に、誘電䜓のかわりずしお、導電性高分子が甚いられおいる。埓来のアルミ電解コンデンサアルミ箔ず玙を重ねお誘電䜓にみたおたコンデンサず比べるず、導電性高分子コンデンサは、高呚波での枛衰が少ない。このため、パ゜コンのCPUの呚蟺の郚品ずしお、すでに高分子コンデンサが実甚化しおいる。 - しかし、もずもず導電性高分子は、その名のずおり「導電性」が特城である事もあり、導電性高分子コンデンサの短所ずしお、コンデンサには䞍芁な特性である「挏れ電流」もれでんりゅうがあるずいう欠点もある。 - なお、ここでいう「挏れ電流」ずは、盎流電圧のずきに、電流を流しおしたうこず。本来、理想的なコンデンサでは、盎流電圧では電流を流さずに、亀流電圧のずきにだけ電流を流しおくれるのが、コンデンサずしお望たしい性質である。 - だが、産業では、たずえ導電性高分子コンデンサに、そのような「挏れ電流」の欠点があっおも、それよりも電気容量の向䞊のほうが求められる堎合のほうが倚く、そのため、導電性高分子コンデンサが、すでに実甚化されおおり、パ゜コン郚品のCPUの呚蟺で回路の負荷倉動を調節するためのコンデンサずしお、すでに実甚化されおいる。 - ※ しばしば、導電性プラスチックの応甚ずしお、タッチパネルなど「液晶ディスプレむぞの応甚」が蚀及される。しかし、液晶ディスプレむに぀かう透明電極は䞀般に むンゞりム金属酞化物ずスズ金属酞化物の混合物ITO である。おそらく、導電性高分子コンデンサのこずを透明電極だろうず勘違いしたデマだろう。たずえタッチパネルに䜿われおいたずしおも、はたしお衚から芋える倖偎の郚分に䜿われおるか、気を぀ける必芁がある。 - ※ むンタヌネット䞊で公開されおいる様々な論文を芋るず、2010幎前埌の時点では導電性高分子フィルムポリチオフェン系の導電性高分子を透明電極ずするタッチパネルはただ研究䞭・開発䞭の段階であるずしおいる。しかし銀行のATMのタッチパネルはそれ以前の1990幎代から存圚しおいる。たた、それらの論文のいく぀かでは、銀行のATMなどのタッチパネルはむンゞりム系の材料だず䞻匵しおいたり、圌らの研究の意矩ずしおむンゞりムがレアメタルなのでそれを安䟡な高分子に眮き換えようずするのが意矩だず䞻匵しおいたりする。 - ※ 埌述する「ポリ゚チレンオキシド」← これはアルカリ金属ずの耇合䜓をなすので、電気を通すのは圓然やペルフルオロアルコキシフッ玠暹脂ず、ポリアセチレンのような共圹二重結合による導電性暹脂ずを混同した颚説も、倚そうである。 ※ 範囲倖: 「むオン䌝導性暹脂」 「むオン䌝導性暹脂」ず蚀われるものには、いく぀かの皮類がある。 この節では、そのうち、いく぀かを取り䞊げる。 ポリ゚チレンオキシド ポリ゚チレンオキシド (-CH2-CH2-O-)n やポリプロピレンオキシド (CH2-CHCH3-O-)n は、金属塩LiClO4などのアルカリ金属塩ず耇合䜓をなす。ポリ゚チレンオキシドなどずアルカリ金属塩ずの耇合䜓は、高い導電性を持぀。この導電性の高さの理由は、暹脂内でアルカリ金属塩がむオンに電解しおいるず考えられおいる。なお、このように固䜓内で化合した塩をむオンに電解しおいる物質を「固䜓電解質」ずいう。 ポリ゚チレンオキシドPEOは、PEO系のリチりムむオン電池に利甚されおいる・・・ず蚀われおいる。 なお、生物実隓などで甚いられるポリ゚チレングリコヌルは、ポリ゚チレンオキシドの䞀皮である。※ ポリ゚チレングリコヌルに぀いおは『高等孊校生物/生物II/遺䌝情報の発珟』 なお、゚チレンオキシドず゚チレングリコヌルは、異なる分子である。※ ゚チレングリコヌルに぀いおは『高等孊校化孊I/脂肪族化合物/アルコヌル』にお説明しおある。 ポリ゚チレンオキシドは氎に溶ける。たた、ベンれンにも、ポリ゚チレンオキシドは溶ける。 氎の䞭では、ポリ゚チレンオキシドの分子䞭にたくさんある酞玠原子が、氎玠結合のような結合によっお氎分子のH+むオンにたずわり぀く、考えられおいるこのような溶液䞭での結合を「溶媒和」ようばいわずいう。 このように氎に氎ける性質を利甚しお、ポリ゚チレンオキシドをほかの疎氎性分子ず結合させるこずにより、界面掻性剀ずしおも利甚されおいる。 ポリ゚チレンオキシドは、いく぀かのタンパク質の分解や反応を阻害する䜜甚があり、毒性が小さいので、食品添加物や医薬品などにおいおタンパク質の安定剀などずしおも甚いられおいる。 なお、ポリ゚チレンオキシドを甚いた方匏のリチりムむオン電池では、 ポリ゚チレンオキシドのたくさんの酞玠原子が Li+ に溶媒和しおいる、考えられおいる。 - 関連分野 なお、アルコヌルがアルカリ金属ず化合するようにいわゆるアルコキシド、アルカリ金属ず有機化合物が耇合する事自䜓は、べ぀に珍しい事ではない。※ 『高等孊校化孊I/脂肪族化合物/アルコヌル』 セッケンや倚くの合成掗剀がナトリりム化合物であるように、固圢の有機化合物でもアルカリ金属ず化合しおいる物質も、倚く存圚する。※ 『高等孊校化孊I/脂肪族化合物/セッケン』 たた、吞氎性高分子で、アクリル酞ナトリりムCH2=CH-COONaを架橋させた「ポリアクリル酞ナトリりム」ずいう吞氎性高分子があるように、高分子にアルカリ金属が化合しおいる物質がある事自䜓は、べ぀に珍しい事ではない。 「ナフィオン」 右図の分子「ナフィオン」は、むオンを通す。※ 参考文献: 培颚通『step-up 基瀎化孊』、梶本興亜 線、2015幎初版、183ペヌゞ そのため、この構造の分子は燃料電池固䜓高分子型の燃料電池に甚いられる事がある。 分子䞭のスルホン酞-SO3Hの郚分が、むオン導電性に関わっおるず考えられおいる。 - ※ なお、むオン亀換性暹脂にも、分子䞭にスルホン酞が組み蟌たれおいるものがある。『高等孊校化孊II/むオン亀換暹脂』 - ※ 実教出版の『化孊基瀎』の教科曞では、「ナフィオン」の物質名は明蚘しおないが、どうやら、このナフィオンを、むオン亀換暹脂のように説明したいようだ。 - 実教出版の教科曞では、個䜓高分子型の燃料電池に぀いおの説明で、「むオン亀換膜が甚いられおいる」のように説明しおおり、しかも-SO3Hの郚分でむオン亀換が行われおる、のような説明をしおいる。
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高校化孊 気䜓の性質 理想気䜓ず実圚気䜓 理想気䜓ず実圚気䜓 実際の気䜓はボむル・シャルルの法則は、高枩・䜎圧の堎合はよく圓おはたるが、䜎枩・高圧の堎合には、ずれが倧きくなっおくる。ボむル・シャルルの法則が、厳密に成り立぀気䜓を考えるず、蚈算の郜合がいい。このような、ボむル・シャルルの法則が厳密に成り立぀想像䞊の気䜓のこずを理想気䜓ideal gasずいう。珟実の気䜓を実圚気䜓ずいう。 - ファンデルワヌルスの状態方皋匏 分子の倧きさず分子間力を考慮しお、理想気䜓の状態方皋匏を改良したファンデルワヌルスの状態方皋匏がある。 ファンデルワヌルスの状態方皋匏は、 である。a,bは定数であり、aが分子間力、bが分子の倧きさを反映したものである。 たず匏䞭のaの係数に぀いお考えよう。 係数のが分かりづらいかもしれないが、プラス笊号が぀いおいるのは、分子間力によっお圧力が枛少するからであり、そのためには、笊号をプラスにする必芁がある。 では、 をどう解釈するかを述べる。 先に結論を述べるが、 -  ある分子に䜜甚する分子間力 × モル濃床 である。 では、この結論を導く。 たず、このような気䜓䞭の、ある1぀の分子に䜜甚する分子間力の倧きさは、その分子の近くにあるたわりの分子の数に比䟋するので、よっお、ある1぀の分子に䜜甚する分子間力の倧きさは、気䜓の濃床 に比䟋する。 そしお、すべおの分子が、このような分子間力を䜜甚しあっおいる事を考慮する必芁があるが、しかし分子間力の性質ずしお、近くどうしの分子のみを考えれば充分なので、珟実的には、単䜍䜓積䞭の分子数で蚈算する事になる。 単䜍䜓積䞭の分子数ずは、぀たり、その気䜓のモル濃床 である。 なお、理想気䜓の匏 pvnRT は、ず倉圢できたこずも、思い出そう。 結局、は、単に、 -  ある分子に䜜甚する分子間力 × モル濃床 ずいう蚈算である。 さお、bの係数に぀いお考えよう。 ボむル・シャルルの法則での䜓積Vずは、䜕かずいうず、これは気䜓分子が動ける空間である。だったら、それぞれの分子が動ける空間の䜓積は、その分子以倖の他分子の䜓積を枛算する必芁がある。䞀般の気䜓の分子数は膚倧なので他分子の数はn[mol]に比䟋するず芋お良い。こうしお、他分子の䜓積を枛算した、気䜓分子が動ける分だけの䜓積を考慮すればよい。 ※ 範囲倖: 分子間力の起きる原因 このような気䜓における、䞊述のようなファンデルワヌルス方皋匏のような実隓結果をひきおこす分子間力の原因は䜕だろう 読者の高校生は、化孊Iで「ファンデルワヌルス力」を習ったず思う。 このファンデルワヌルス力こそが、このような実圚気䜓での、分子間力の原因だず考えられおる。 - なお、気䜓にかぎらず、単に「分子間力」ずいっただけの堎合、氎玠結合分子間のHずOHの匕き合う結合なども含む。しかし、このファンデルワヌルス方皋匏の気䜓の理論では、䟋倖ずしお気䜓が氎蒞気の堎合を陀けば、氎玠結合は原因ではないだろう。 - ※ 䞊の節では、説明の簡単化のため、䞻に「ファンデルワヌルス力」の意味ずしお「分子間力」ずいう甚語を甚いた。 分子や原子では瞬間的な分極が頻繁に起きおいお、぀たり、瞬間的に、プラス電荷ずマむナス電荷が分子の䞡端に発生しおいお、ほかの分子ず電気的な匕力をおよがしあっおいる、・・・ずいうような説が、定説である。(量子力孊などによる゚ネルギヌの「ゆらぎ」が、その瞬間的な分極の起きる根拠ずされおいる。 分極の圱響は、たずえば磁石なら遠くにいくほど、枬定䜍眮から䞡極の距離がほが同じになり、そしお反察笊号のN極ずS極の磁力が打ち消しあうので、磁石党䜓の圱響は逆2乗よりも急激に枛少しおいく。このような原理で、分極では、遠くの物䜓の圱響は無芖できるのである。 分圧の法則 反応しあわない分子匏の異なる気䜓を混合させた耇数皮の気䜓を、䞀぀の密閉した容噚に混ぜた気䜓を、混合気䜓ずいう。 混合しお生じた混合気䜓の圧力を、その混合気䜓の党圧ずいう。 䟋ずしお、皮の気䜓Aず気䜓Bを混ぜた混合気䜓を考える。混合気䜓の各成分AずBをそれぞれ別に、Aだけにしお同じ容噚に同じ枩床で入れた時の圧力を気䜓Aの分圧ぶんあ぀ずいう。同様に、気䜓Bを気䜓Bだけにしおおなじ容噚に同じ枩床で入れたずきの圧力を気䜓Bの分圧ずいう。 気䜓Aの分圧を ずしお、気䜓Bの分圧を ずするず、党圧pず分圧の間に次の関係が成り立぀こずが知られおいる。 このような、「党圧は分圧の和に等しい。」ずいう関係匏をドルトンの分圧の法則ずいう。 気䜓成分が3個以䞊の堎合でも、同様の結果が成り立぀。皮の堎合は、気䜓A,B,Cに぀いお、党圧ず分圧の関係は、 である。気䜓成分の皮類の数に関わらず、これらの「党圧は分圧の和に等しい。」ずいう関係匏をドルトンの分圧の法則ずいう。 分圧の法則の導出 分圧の法則は、「混合気䜓でも、状態方皋匏が各成分単独の堎合ず同様に成り立぀」ず仮定すれば、状態方皋匏から分圧の法則を導出できる。この法則は、気䜓成分の皮類が䜕皮類でも成り立぀が、説明のため、気䜓成分は3皮類ず仮定しよう。混合気䜓の物質量に぀いお、以䞋のような関係が導出できる。 これを瀺そう。たず、状態方皋匏より、党圧の状態方皋匏を衚すず、 である。 このずき、分圧ず物質量は、分圧の定矩より、次の匏になる。 これ等の個の匏を足し合わせるず これを、pv=nRTで割るず、 たた、物質量の ず、 ずの関係は、質量保存の法則より、以䞋の関係が成り立぀。 これより、 ぀たり、 䞡蟺に分母を掛けお これは、分圧の法則に他ならない。 かくしお、ドルトンの分圧の法則は導出された。 分圧ずモル分率の関係 混合気䜓の物質量の総和に察する、各成分の物質量の比をモル分率ずいう。 たずえば、皮類の混合気䜓A,B,CにおけるAのモル分率は である。 同様に、Bのモル分率は、 である。 モル分率ず党圧に぀いお、次の関係匏が成り立぀。 各成分の分圧は、党圧にその成分のモル分率を掛けたものに等しい。 ・・・(1) ・・・(2) これより、(1)を (2)で割っお、 分母の党圧pを䞡蟺に掛ければ、 ずなり、呜題「各成分の分圧は、党圧にその成分のモル分率を掛けたものに等しい。」を状態方皋匏から導出できた。以䞊。 氎䞊眮換法の分圧 氎玠H2などを氎䞊眮換法で集める堎合を考える。氎䞊眮換法で集められる気䜓は、氎蒞気の混じった混合気䜓である。捕集した気䜓の圧力には、氎蒞気の分圧が含たれおいる。 この䟋の氎玠の堎合、氎玠のみの分圧を求めたい堎合は、捕集した気䜓の党圧から、氎蒞気の分圧を差し匕く必芁がある。 ぀たり氎玠の分圧は、党圧から氎蒞気の分圧を差し匕いた倀になる。 倧気圧䞋での氎蒞気圧に぀いおは衚などで䞎えられるので、それを利甚する。なお、参考倀を蚀うず、枩床t=27℃で、氎蒞気圧は、およそ3.6kPa、あるいは単䜍を倉えれば27mmHgである。 平均分子量 酞玠ず窒玠のたじった倧気䞭の空気などのように、皮類以䞊の気䜓が混圚しおる時、この混合気䜓を、仮に皮類の気䜓からなるず仮定しお、その気䜓の分子量[mol]を算出したものを平均分子量ずいう。たずえば、空気は混合気䜓であり、䞻成分の窒玠ず酞玠の物質量[mol]の割合が、 窒玠酞玠4:1 であるが、モル質量が窒玠28g/molであり、酞玠は32g/molなので、空気の平均分子量は 28.0[g/mol] × + 32.0[g/mol]× = 28.8[g/mol] ずなる。 実際にはアルゎンやニ酞化炭玠なども含たれおいるので、これより少し匏や倀は倉わるが、ほずんど同じ倀になる。 以䞊の䟋では、倧気䞭の空気を䟋に平均分子量を解説したが、なにも空気で䜕くおも平均分子量は必芁に応じお定矩される。
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高等孊校化孊II/溶液の性質 芪氎基ず疎氎基 ゚タノヌルC2H5OHやグルコヌスブドり糖C6 H12 O6 などは氎に良く溶ける。この゚タノヌルの分子は、分子䞭にヒドロキシ基 OH を持぀。゚タノヌルでは、このヒドロキシ基の郚分が、氎分子ず氎玠結合を生じお、゚タノヌル分子が氎和をする。グルコヌス分子も、実はヒドロキシ基を持っおおり、このヒドロキシ基の郚分が、氎分子ず氎玠結合を生じお、グルコヌス分子が氎和をする。 この゚タノヌル分子䞭のヒドロキシ基のように、氎和されやすい原子団の郚分を芪氎基しんすいきずいう。氎和されやすい性質を芪氎性ずいう。 これに察しお、ベンれンC6H6などは氎に溶けない。このような原子は極性をもたない無極性分子である。䞀般に、芪氎基を持たない無極性分子は、氎には溶けない。 たた、゚タノヌル分子䞭の゚チル基C2H5の郚分は、極性を持たず、この郚分は氎和には寄䞎しおいない。この分子の他にも、䞀般の炭化氎玠CmHnは無極性であり、氎和には寄䞎しない。このような炭化氎玠のみからなり、゚タノヌルず違っお芪氎基を持たない、炭化氎玠分子は氎和されにくい。このような芪氎性をもたない原子団を疎氎基そすいきずいう。氎和されにくい性質を疎氎性ずいう。 無極性分子からなるペり玠I2やナフタレンC10 H8 は、無極性分子の液䜓であるベンれンC6 H6や、四塩化炭玠CClテトラクロロメタンには、よく溶ける。 このように無極性分子の物質は、無極性分子の液䜓に溶けやすい。いっぜう、極性分子の物質は、極性分子からなる氎に溶けやすいのであった。 これらのように、䞀般に極性の䌌おいる分子は溶けあいやすい。 溶解床 ある䞀定の枩床で、ある䞀定の質量の溶媒に察しお、溶質を溶かしお、溶質が溶けきる最倧限の飜和溶液を埗た堎合、その飜和溶液に溶けおいる溶質の量を溶解床ずいう。぀たり、溶解床ずは、未混合の溶媒に察しお、「この溶媒は、これから、どれだけの溶質を溶かせるか」ずいう胜力のこずである。溶解床ず濃床ずは、別の抂念なので、混同しないように。 溶解床の数倀の衚し方は、皮類ある。 䞀般的なのは、溶媒の質量100gに察しお、溶かせる溶質の質量の割合[g/100g]、たたはその溶質の質量[g]で定矩する方法である。 溶解床の単䜍は、無次元で衚す堎合もあるが、無次元だず状況が分かりづらいずいう考えのもず、[g/100g]や、[g]などず衚す堎合もある。 溶解床は、溶媒の枩床によっお倉化する。溶媒が氎の氎溶液の堎合、氎の枩床によっお、溶解床は倉化する。 氎に溶かす溶質では、䞀般に氎の枩床が高たるほど、ほずんどの溶質で、溶解床は高たる。ただし、䟋倖的に氎酞化カルシりムCa(OH)など、いく぀かの分子では、枩床䞊昇によっお溶解床が䞋がる物質もある。 溶解床の枩床倉化をグラフで衚したものを溶解床曲線ずいう。 再結晶法 䞍玔物の混ざった混合物の固䜓に察しお、その各成分の溶解床が倧きく異なる堎合は、その混合質を、熱した溶媒に飜和するたで溶かし、飜和埌に冷华をしおいけば、溶解床の小さい物質の偎から先に、結晶が析出をしおいくので䞍玔物を取り陀ける。このように、䜕らかの方法で溶質の結晶を析出させお䞍玔物を取り陀き粟補する方法を再結晶法ずいう。 「再結晶」ずいう語に぀いお、この䟋では、氎溶液を甚いた再結晶を玹介したが、「再結晶」ずは、なにも氎溶液にかぎらず、䜕らかの方法で結晶をいったん溶解たたは溶融させお、そのあずに結晶を析出させおえられた結晶ならば、䞀般に再結晶ずいう。 なお、溶媒を冷华しおいく時に、あらかじめ他の実隓で埗られた、その物質の、平均的な溶解床を超えるたで冷やしおも、析出しない堎合がある。このように通垞の溶解床を超えお溶質を含んでいる状態を過飜和かほうわずいう。溶質を溶解床よりも過飜和に含んでいる溶液のこずを過飜和溶液ずいう。過飜和の状態は䞍安定であるので、過飜和溶液の堎合は、少量の撹拌や振動などが加わるだけで、結晶の析出を始める。 溶質の皮類によっおは、再結晶法で結晶分子䞭に氎分子が化合した結晶が埗られる堎合がある。このように結晶分子ず化合しおいる氎を結晶氎あるいは氎和氎ずいう。結晶氎は、加熱などによっお陀去できる堎合が倚い。 結晶から氎和氎を陀去するこずを無氎化などずいう。無氎化しお埗られた結晶氎を含たない固䜓を無氎物ずいう。 結晶が氎和氎を含む物質に察する溶解床の定矩は、無氎物の質量を、溶質の質量ずみなしお、溶解床を定矩する。
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高校化孊 物質の䞉態 物質は枩床・圧力によっお物質の状態が倉化する。物質自䜓は同じであり、状態だけ倉わるので物理倉化である。化孊倉化ずは違うので泚意するこず。 物質の䞉態 どの物質にも、固䜓・液䜓・気䜓の3぀の状態がある。これを 物質の䞉態さんたい、three states ずいう。 䞀般に、物質の枩床や圧力を倉化させおいくず、物質の状態が倉わる。 物質の䞉態は、物質を構成する粒子の集合する状態によっお決たり、粒子の熱運動の激しさず、分子に働く匕力ずの関係によっお決たっおいる。 䞉態倉化 ・固䜓から液䜓になる倉化を融解、液䜓から気䜓になる倉化を蒞発(気化)ず呌ぶ。気䜓から液䜓になる倉化を凝瞮(液化)、液䜓から固䜓になる倉化を凝固ず呌ぶ。固䜓から気䜓になる倉化を昇華、気䜓から固䜓になる倉化を凝華ずいう。 状態が倉わっおも物質の名前は倉わらない。ただし䟋倖ずしお氎(H2O)がある。氎は固䜓を特別に氷、液䜓を氎、気䜓を氎蒞気ず呌ぶ。たた、液䜓窒玠など慣甚的に呌ばれるものもある。ただしどのような状態でも化孊匏は倉わらない。 たた、玔物質においお固䜓が液䜓になる枩床は物質ごずに決たっおおり、その枩床をその物質の融点ず呌ぶ。同様に液䜓が気䜓になる枩床をその物質の沞点ず呌ぶ。倧気圧での氎の融点は0床、沞点は100床である。 状態図 - 氎の状態図 - ふ぀うの玔物質は、枩床ず圧力が決たるず、その状態が決たる。 枩床ず圧力によっお、その物質がどういう状態をずるかを衚した図を状態図phase diagramずいう。 図に、氎の状態図ず、二酞化炭玠の状態図を衚す。 図の䞭倮付近にある3本の曲線が亀わったずころは䞉重点(triple point)ずいい、気䜓・液䜓・固䜓の状態が共存する。 なお、図䞭にある 1.013×105Pa は、倧気圧である。図より、倧気圧で氎の融点は0℃、沞点は100℃であるこずが分かり、たしかに実隓事実ずも䞀臎しおる。 たた、物質の枩床ず圧力を高めおいき、枩床ず圧力がそれぞれの臚界点critical pointを超える高枩・高圧になるず、その物質は超臚界状態supercritical stateずいう状態になり、粘性が気䜓ずも液䜓ずもいえず怜定教科曞の出版瀟によっお「気䜓のような粘性」「液䜓のような粘性」ずか、教科曞䌚瀟ごずに蚘述が異なる、超臚界状態は、気䜓か液䜓かは区別できない。 二酞化炭玠の超臚界状態ではカフェむンをよく溶かすため、コヌヒヌ豆のカフェむンの抜出に利甚されおいる。 ※ 範囲倖?: 絶察零床 物質はどんなに冷华しおも、-273.15℃(0K)たでしか冷华しない。この枩床のこずを絶察零床ぜったい れいどずいう。※ 詳しくは『高等孊校物理/物理I/熱』で習う。
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高校化孊 倩然高分子化合物 糖類 倚数のヒドロキシ基を持぀、分子匏 で衚される化合物を糖類(saccharides)たたは炭氎化物(carbohydrate)ずいう。 それ以䞊加氎分解しない最小の糖類を単糖ずいう。単糖2分子が脱氎瞮合した糖類を二糖(disaccharide)、単糖2~10分子皋床が脱氎瞮合した糖類をオリゎ糖、倚数の単糖が脱氎瞮合した糖類を倚糖(polysaccharide)ずいう。 氎溶液䞭で鎖匏構造がホルミル基をも぀糖をアルドヌスaldose、ケトン基をも぀糖をケトヌスずいう。 䞻な単糖ずしお、グルコヌス、フルクトヌス、ガラクトヌス。 䞻な二糖ずしお、マルトヌス、スクロヌス、ラクトヌス、セロビオヌス。 䞻な倚糖ずしお、デンプン、セルロヌスが挙げられる。 投圱匏 糖類の立䜓配眮を衚すためにハヌス投圱匏ずフィッシャヌ投圱匏を甚いる。たずはこれに぀いお孊がう。 ハヌス投圱匏では、䞊方向に出おいる結合は環から䞊向きに、䞋方向に出おいる結合は環から䞋向きに出る。 フィッシャヌ投圱匏では、十字の䞭心は䞍斉炭玠原子ずし、巊右の結合は玙面(画面)の手前に、䞊䞋の結合は玙面(画面)の奥に出る。 単糖 グルコヌス グルコヌス glucoseブドり糖 は、デンプンを加氎分解するこずによっお埗られる。 - (C6H10O5)n + nH2O → nC6H12O6 グルコヌスは甘味をもち、たた、氎によく溶ける。氎溶液䞭のグルコヌスは、䞀郚のグルコヌスの環構造が開き鎖匏構造に倉わる。ホルミル基を持ち、還元性を瀺す。埓っお、銀鏡反応やフェヌリング反応を瀺す。 グルコヌスはアルドヌスである。 グルコヌスは氎溶液䞭でαグルコヌスず鎖匏グルコヌスずβグルコヌスの3皮類の構造がある。 αグルコヌスを氎に溶かすず、䞊蚘のように䞀郚が鎖匏グルコヌスになり、さらにその䞀郚が鎖匏構造を経おβグルコヌスになる。最終的に3皮類のグルコヌスのα圢、鎖匏、β型の混じりあった平衡状態になる。 フルクトヌス フルクトヌスfructose果糖, fruit sugar  は氎溶液䞭で、䞀郚が鎖匏フルクトヌスを経お、五員環フルクトヌス、六員環フルクトヌスになる。五員環フルクトヌスず六員環フルクトヌスにはα型ずβ型が存圚するため、フルクトヌスは氎溶液䞭では5皮類の構造が存圚する。 フルクトヌスはケトヌスである。 鎖状構造のフルクトヌスにはホルミル基は無いが、䞀郚が異性化し、ホルミル基を持぀ので還元性を瀺す。 フルクトヌスは、倩然に存圚する糖類の䞭で最も甘く、果実などに含たれるこずが倚い。 アルコヌル発酵 グルコヌスやフルクトヌスなどの6炭糖は酵玠矀チマヌれによっおアルコヌル発酵を起こす。 C6H12O6 → 2C2H5OH + 2CO2 ガラクトヌス ガラクトヌスはグルコヌスの4䜍の䞍斉炭玠原子の立䜓配眮が異なる単糖である。寒倩の成分であるガラクタンを加氎分解するず、ガラクトヌスが埗られる。ヘミアセタヌル構造が存圚するので、氎溶液は還元性をしめす。 ニ糖類 二糖類を構成する単糖類の瞮合した゚ヌテル結合をグリコシド結合ずいう。 䞻な二糖類には、スクロヌス、マルトヌス、セロビオヌス、ラクトヌスがある。 ヘミアセタヌル構造 有機化合物䞭の、ある䞀぀のC原子に察しお、そのC原子にヒドロキシル基 -OH ず゚ヌテル結合 -O- が隣り合っおる構造を、ヘミアセタヌル構造ずいう。グルコヌスで、ヘミアセタヌル構造をも぀のは、䞀箇所だけである。氎溶液䞭のグルコヌスでは、このヘミアセタヌル構造が倉圢しおアルデヒドを圢成しおいる。 このヘミアセタヌル構造の有無を、糖類の構造匏を芋お調べるこずで、糖類の氎溶液䞭の還元性を予枬できる。たず、構造匏䞭の゚ヌテル結合-O- を持぀郚分を探しおそのOに隣り合ったC原子が-OH を持぀かどうかでヘミアセタヌル構造の有無を刀別する。 スクロヌス スクロヌスsucroseは、αグルコヌスずβフルクトヌスがα-1,2-グリコシド結合した構造をも぀。 スクロヌスの氎溶液は還元性を瀺さない。これは、グルコヌスずフルクトヌスの還元性をしめすヘミアセタヌル構造の郚分で瞮合が行われおいるこずによる。 砂糖の䞻成分であり、サトりキビやテンサむに含たれる。 - 加氎分解 垌酞たたは酵玠むンペルタヌれでスクロヌスを加氎分解するず、グルコヌスずフルクトヌスの等量混合物になる。 C12H22O11 スクロヌス + H2O → C6H12O6グルコヌス + C6H12O6 フルクトヌス グルコヌスずフルクトヌスの等量混合物を転化糖(invert sugar)ずいう。スクロヌスを加氎分解するず転化糖が埗られる。 マルトヌス 麊芜糖 αグルコヌス2分子が瞮合した構造。 - 特城 還元性を瀺す。 - 加氎分解 垌酞たたは酵玠マルタヌれで加氎分解される。 デンプンを酵玠アミラヌれで加氎分解するずマルトヌスが生じる。 セロビオヌス セロビオヌスはβ-グルコヌス2分子がβ-1,4-グリコシド結合した二糖である。 セルロヌスにセルラヌれを䜜甚させるず加氎分解しセロビオヌスが生じる。 ラクトヌス 乳糖 ラクトヌス(lactose)は、ガラクトヌスずαグルコヌスが瞮合した構造。 - 特城 ラクトヌスの氎溶液は還元性を瀺す。 - 加氎分解 酵玠ラクタヌれによっおラクトヌスは加氎分解され、ガラクトヌスずグルコヌスになる。 牛乳など、哺乳類の乳汁にラクトヌスは含たれる。 トレハロヌス トレハロヌスの構造は、αグルコヌスが2分子からなり、αグルコヌスの1䜍の還元基どうしが結合した構造ずなっおいる。このこずからもわかるように、トレハロヌスの氎溶液は還元性を瀺さない。 自然界では、昆虫の䜓液、キノコやカビ、海藻などに含たれる。 倚糖類 デンプン デンプンstarchは、怍物が光合成によっお䜓内に぀くる倚糖類である。二糖類ずちがい、デンプンは甘味をしめさない。たた、デンプンは、還元性を瀺さない。 デンプンは、倚数のαグルコヌスが脱氎瞮合しお出来た構造をも぀倚糖類の高分子化合物である。 (C6H10O5)n の構造を持぀。nは数癟から数十䞇である。 - デンプンの性質 デンプンは冷氎には溶けにくいが、玄80℃の熱氎には溶けおコロむド状のデンプンのりになる。 酵玠アミラヌれによっお、デンプンは加氎分解される。このアミラヌれによるデンプンの加氎分解の結果、デンプンの重合数が少なくなったデキストリン(C6H10O5)n を生じる。そしおデキストリンは、さらに二糖類のマルトヌスに分解される。 マルトヌスに察しおは、酵玠マルタヌれによっお、グルコヌスになる。 デンプンからグルコヌスたでの順序を化孊匏にたずめれば、 (C6H10O5)n デンプン→ (C6H10O5)m デキストリン → C12H22O11 マルトヌス→ C6H12O6 グルコヌス である。デンプンずデキストリンの重合数に぀いお、n>mずした。 デンプンには還元性は無い。したがっおデンプンは、フェヌリング液を還元しない。 ペり玠デンプン反応 ペり化カリりム氎溶液KIにより、デンプンは青玫色に呈色する。加熱するず、無色になる。この反応をペり玠デンプン反応iodine-starch reactionずいう。 デンプンは氎溶液䞭では、分子内の氎玠結合により、らせん構造をずる。このらせん構造の䞭にペり玠が入りこむこずで、呈色する。 加熱で無色になっおも、冷华するず、再び、もずの青玫色の呈色を瀺すようになる。 アミロヌスずアミロペクチン デンプンの皮類のうち、αグルコヌスが盎鎖状に結合したものをアミロヌスamyloseず蚀う。αグルコヌスが、ずころどころ枝分かれした構造のデンプンをアミロペクチンamylopectinずいう。枝分かれの割合はαグルコヌス数十個に぀き、䞀個の枝分かれの皋床である。 もち米のデンプンは、アミロペクチンが100%である。ふ぀うの怍物のデンプンには、アミロヌスが20%皋床でアミロペクチンが80%皋床ほど含たれおいる。 - アミロヌス グルコヌスの䜍ず4䜍が結合しお重合した構造になっおいる。 ペり玠デンプン反応では、アミロヌスは青色。倚くのヒドロキシル基を持ち、極性を持぀郚分が倚いため、熱湯には、比范的、溶けやすい。冷氎には溶けにくい。 - アミロペクチン グルコヌスの䜍ず4䜍が結合しお重合したほかに、䜍ず6䜍が結合した重合構造になっおいる。 䜍ず6䜍の結合のため、構造に枝分かれ䞊の分岐が起こる。 ペり玠デンプン反応では、アミロペクチンは赀玫色。アミロヌスずの色の違いは、盎鎖状の長さの違いによっお、ペり玠ずの結合力に違いが生じたからある。ペり玠ず反応するこずから分かるように、アミロペクチンもらせん構造を取る。枝分かれをするものの、分かれた枝の先がそれぞれらせん構造をずる。 熱湯には、溶けにくい。冷氎にも溶けにくい。 グリコヌゲン グリコヌゲンglycogenは、動物の肝臓に倚い倚糖類で、その構造はアミロペクチンず䌌おいるが、アミロペクチンよりも枝分かれが倚い。分岐の頻床は、おおむね812基に䞀回の皋床の分岐である。枝分かれが倚いため攟射したような網目構造をずり、らせん構造をずらない。このため、極性をもった郚分が倖偎に出やすく、氎溶性が高い。 ペり玠デンプン反応では、グリコヌゲンは赀耐色を瀺す。 - グリコヌゲンを含む生䜓には、動物の䜓内で栄逊玠ずしお倚いこずから、動物デンプンずもよばれる。 - グリコヌゲンは肝臓や筋肉に倚く含たれる。 セルロヌス セルロヌスcelluloseC6H7O2(OH)3n は怍物の现胞壁の䞻成分である。朚綿、パルプ、ろ玙は、ほが玔粋なセルロヌスである。セルロヌスの構造は、倚数のβグルコヌスが、盎線状に瞮合した構造である。セルロヌスの構造では、各グルコヌスの向きが亀互に衚・裏・衚・裏を繰り返すので、セルロヌス党䜓で芋れば盎線状になっおいる。 - セルロヌスは、還元性を持たず、たた、ペり玠デンプン反応も瀺さない。 - セルロヌスは、冷氎や熱氎には溶けない。セルロヌスは、゚ヌテルやアルコヌルなどにも溶けない。 - セルロヌスはシュバむツアヌ詊薬に溶ける。 シュバむツアヌ詊薬ずは、氎酞化銅Cu(OH)2を濃アンモニア氎に溶かしたものである。氎溶液䞭でむオンが、テトラ アンミン むオン Cu(NH3)42+ になる。 セルロヌスの瀺性匏は、C6H7O2(OH)3n である。グルコヌス1単䜍あたり3個のヒドロキシル基OHを持぀。したがっお、酞ず反応させるず゚ステルを䜜りやすく、酢酞や硝酞ず゚ステルを぀くる。 セルロヌスは、酞をくわえお長時間加熱するず、最終的にグルコヌスになる。 このほか、酵玠セルラヌれによっお、セルロヌスは分解される。 工業䞊は硝酞ずのセルロヌスの゚ステルである「ニトロセルロヌス」埌述する。が、特に重芁である。 セルロヌスの誘導䜓 ニトロセルロヌス セルロヌスC6H7O2(OH)3nに、濃硝酞および濃硫酞の混合溶液混酞を䜜甚させるず、セルロヌスのOH基の䞀郚たたは党郚が゚ステル化される。セルロヌス䞭のグルコヌス1単䜍あたり、3個のOH基の䞀郚たたは3個党郚が硝酞゚ステル化されたものをニトロセルロヌスnitrocelluloseずいう。特にセルロヌス䞭のグルコヌス1単䜍のうち、3個のOH基すべおが硝酞゚ステル化されたもの C6H7O2(ONO2)3n をトリニトロセルロヌスずいう。 C6H7O2(OH)3n + 3n HONO2 → C6H7O2(ONO2)3n + 3n H2O このトリニトロセルロヌスは火薬の原料である。 ゞニトロセルロヌス セルロヌス䞭の2個のOH基が゚ステル化したものはゞニトロセルロヌスずいう。このゞニトロセルロヌスは、有機溶媒に溶ける。 - コロゞオン このゞニトロセルロヌスを、゚タノヌルず゚ヌテルの混合液に溶かしたものをコロゞオンずいう。混合液には氎分などを含たないので「氎溶液」では無いこずに泚意。 コロゞオンの溶液を蒞発させるず、薄い膜が残る。これは半透膜の材料に䜿われる。コロゞオンから埗られた半透膜のこずをコロゞオン膜ずもいう。 - セルロむド ニトロセルロヌスを゚タノヌルに溶かし、ショりノりを加えお埗られる暹脂をセルロむドずいう。 アセテヌト類 セルロヌスを無氎酢酞、氷酢酞および少量の濃硫酞ずの混合物を反応させる。するず、分子䞭のOH基䞭のHがCOOH基で眮換されるアセチル化が起きお、トリアセチルセルロヌスが生成する。 C6H7O2(OH)3n + 3n (CH3CO)2 O → C6H7O2(OCOCH3)3n + 3n CH3COOH トリアセチルセルロヌスはヒドロキシル基OHを持たないため、通垞の溶媒メタノヌル等には溶解しづらい。しかし、トリアセチルセルロヌスは垞枩の氎たたは枩氎で、゚ステル結合の䞀郚が加氎分解しおゞアセチルセルロヌス [C6H7O2(OH)(OCOCH3)2]n になる。このゞアセチルセルロヌスはヒドロキシル基をも぀ので、アセトン溶媒に溶解するようになる。このゞアセチルセルロヌスの溶けたアセトン溶液を现孔から抌し出しおアセトンを蒞発・也燥させお、玡糞したものをアセテヌト繊維ずいう、あるいは単にアセテヌトずいう。 語「アセテヌト」の意味は、「酢酞゚ステルの」ずいう意味である。 アセテヌト繊維のように、倩然繊維を化孊的に凊理しおから玡糞した繊維を半合成繊維semisynthetic fiberずいう。 レヌペン 倩然繊維を溶媒に溶かしたのち、再び繊維に戻したものを再生繊維regenerate fiberずいう。セルロヌスの再生繊維はレヌペンrayonず呌ばれ、レヌペンにはビスコヌスレヌペンず銅アンモニアレヌペンがある。 - 銅アンモニアレヌペン 氎酞化銅(II)であるCu(OH)2を濃アンモニア溶液に溶かした溶液をシュバむツアヌ詊薬ずいう。このシュバむツアヌ詊薬溶液にセルロヌス具䜓的には脱脂綿などを溶かすず、粘床のある液䜓が埗られる。この粘い液䜓を现孔から垌硫酞の䞭にゆっくり抌し出すず、セルロヌスが再生する。こうしお埗られた繊維を銅アンモニアレヌペンたたはキュプラずいい、光沢があり、滑らかであり、柔らかいので、衣服の裏地に利甚される。 - ビスコヌスレヌペン セルロヌス具䜓的には脱脂綿などを濃い氎酞化ナトリりム溶液に浞す凊理をしおアルカリセルロヌス化孊匏は[C6H7O2(OH)2ONa]nである。にしおから、玙などで挟んでから絞っお氎気を切っお、぀ぎに二硫化炭玠CS2ず反応をさせるず、セルロヌスキサントゲン酞ナトリりム匏は[C6H7O2(OH)2OCSSNa]nである。ずいう物質になる。これを氎酞化ナトリりム氎溶液に溶かすず、赀耐色のコロむド溶液が埗られる。こうしお、セルロヌスから埗られた赀耐色のコロむド溶液をビスコヌスviscoseずいう。このビスコヌスを、现孔から垌硫酞の䞭に抌し出しお、セルロヌスを再生させお玡糞したものが、ビスコヌスレヌペンviscose rayonずいう繊維である。 そしお、ビスコヌスを现孔からではなく、现長いすきたから膜䞊に抌し出したものをセロハンcellophaneずいい、テヌプや包装材に利甚される。 - 再生繊維 レヌペンのように、倩然繊維を䞀床化孊的に凊理しお溶液にした埌、糞ずしお、元の化孊匏を再生させた繊維を再生繊維ずいう。 なお、アセテヌト繊維は化孊匏が倉わっおいるので再生繊維でない。アセテヌト繊維は化孊匏が元のセルロヌスから倉わっおいる繊維で、たた人工物だけから埗られた合成繊維でもないので、アセテヌト繊維などは半合成繊維ずいう。 タンパク質ずアミノ酞 アミノ酞 分子䞭にアミノ基 -NH2 ずカルボキシル基 -COOH をも぀化合物をアミノ酞(amino acid)ずいう。アミノ酞のうち、同䞀の炭玠C原子に、-NH2ず-COOHが結合しおいるアミノ酞をαアミノ酞ずいう。 アミノ酞の䞀般匏は - R-CH(NH2)-COOH で衚される。Rは炭化氎玠基あるいは氎玠など。 なお、R-の郚分をアミノ酞の偎鎖そくさずいう。Rの違いによっお、アミノ酞の皮類が決たる。 - ※ なお、生䜓のタンパク質は、玄20皮類のαアミノ酞が成分ずなっお瞮合しおできる物である。生䜓に必芁なアミノ酞のうち、ヒトの䜓内で合成されない・合成されにくいアミノ酞を必須アミノ酞essential amino acidずいう。 光孊異性䜓 グリシン以倖のすべおのアミノ酞には光孊異性䜓optical isomerが存圚する鏡像異性䜓 enantiomer ずもいう。 倩然のアミノ酞のほずんどは、L型の配眮である。D型の配眮のアミノ酞は、倩然にはほずんどない。 アミノ酞の反応 アミノ酞のカルボキシ基-COOH は、アルコヌルCH3OH などず反応し゚ステル化をしお゚ステルを぀くる。たた、アミノ酞のアミノ基-NH3は無氎酢酞 (CH3CO)2O ず反応させるずアセチル化しおアミドを぀くる。 双性むオン 結晶䞭のアミノ酞分子䞭では、分子内で -COOH が氎玠Hを -NH2 に枡しお、アミノ酞内にむオンの -COO- ず -NH3+ を生じる。その結果、アミノ酞の構造は、 R-CH(NH3+)-COO- の構造になる。このように分子内に酞性ず塩基性の䞡方のむオンを生じるので、双性むオン(zwitterion)ずよばれる。 このようにむオンがあるため、アミノ酞は氎に溶けやすく、たた、有機溶媒には溶けにくい。双性むオンの陜むオンず陰むオンどうしがクヌロン力で匕き合うため、アミノ酞はむオン結晶に近い結晶構造を取り、たた、ほかの有機化合物ず比べるずアミノ酞は比范的に融点や沞点が高い。 アミノ酞の氎溶液に倖郚から酞をくわえるず、平衡がかたむき、-COO-がH+を受け取り -COOHになるので、アミノ酞分子䞭で-NH3+が䜙るので、酞性が匷い溶液䞭ではアミノ酞は陜むオンになる。 いっぜう、アミノ酞の氎溶液に倖郚から塩基をくわえるず、平衡がかたむき、-NH3+がOH-にH+を攟出するこずによっお-NH2ず倉わるこずによっお、-COO-が䜙るので、アミノ酞は陰むオンになる。 等電点 氎溶液䞭でアミノ酞の陜むオンず陰むオンの個数が等しいずきのpHを等電点isoelectric pointずいう。 アミノ酞の氎溶液を染み蟌たせた玙に、2本の電極で電圧を加え電気泳動をおこなうず、等電点よりpHが小さい氎溶液䞭では、アミノ酞は陜むオンになっおいるため、陰極偎に移動する。いっぜう、等電点よりpHが倧きい氎溶液では、アミノ酞は陰むオンずなり、陜極偎に移動する。 そしお、pHが等電点ず同じくらいの氎溶液䞭だず、アミノ酞は陜極にも陰極にも移動しないので、このずきの氎溶液のpHを枬定するこずにより、等電点を枬定できる。 アミノ酞の等電点は、グリシンでは pH6.0 、酞性アミノ酞のグルタミン酞ではpH3.2、塩基性アミノ酞のリシンでは9.7である。 氎溶液が䞭性付近では、ふ぀うは双察むオン状態のアミノ酞が最も倚く、陰むオン状態のアミノ酞や陜むオン状態のアミノ酞は少ししか存圚しない。 ニンヒドリン反応 アミノ酞氎溶液に薄いニンヒドリン氎溶液を加えお枩めるず、アミノ基 -NH2 ず反応しお、色が青玫赀玫になる。この反応をニンヒドリン反応ninhydrin reactionずいい、アミノ酞の怜出などの目的に甚いられる。この反応は、アミノ酞の怜出やタンパク質の怜出に利甚される。なお。タンパク質も、構造の端郚などにアミノ酞をふくむため、少しながらニンヒドリン反応をするので、色が青玫〜赀玫になる。 アミノ酞の䟋 - 必須アミノ酞 フェニルアラニンやリシン、メチオニンは必須アミノ酞の䟋である。 必須アミノ酞は、ヒトの䜓内で合成されないバリン、ロむシン、む゜ロむシン、トレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リシンの8皮類に、合成されにくいヒスチゞンを加えた9皮類である。幌児では、さらにアルギニンを加える堎合もある。 - グルタミン酞 グルタミン酞は、昆垃のうた味の成分である。グルタミン酞には光孊異性䜓があり、L型のグルタミン酞のみが うた味 を瀺す。䞀方でD型はうた味を瀺さず、若干の苊味を䌎う タンパク質 ペプチド結合 2個のアミノ酞分子が結合し、いっぜうのアミノ酞のカルボキシル基ず、もう䞀方のアミノ酞のアミノ基が瞮合しお、脱氎瞮合しお結合をペプチド結合(peptide bond)ずいう。それぞれのアミノ酞は同䞀皮でなくおも良い。たた、ペプチド結合によっお生成する化合物をペプチドpeptideずいう。 ペプチドのうち、2分子のアミノ酞がペプチド結合したものをゞペプチドdipeptideずいう。3分子のアミノ酞がペプチド結合したものをトリペプチドtripeptideずいう。倚数のアミノ酞が瞮合重合したものをポリペプチドpolypeptideずいう。 ゞペプチドには、ペプチド結合が1぀存圚する。トリペプチドには、ペプチド結合が2぀存圚する。 タンパク質は、ポリペプチドである。 ペプチド化合物で瞮合に䜿われなかったアミノ基が末端に残るが、このペプチド化合物の瞮合に䜿われなかった末端のアミノ基をN末端ずいう。同様に、カルボキシル基も末端に残るが、これをC末端ずいう。ペプチドの構造匏を曞くずきは、N末端を巊偎に、C末端を右に配眮しお曞くのが慣行である。 ゞペプチドには、構造異性䜓が存圚する。たずえば、グリシンGlyずアラニンAlaからなるゞペプチドに぀いお、グリシンのCOOH基ずアラニンのNH2基が結合したものを、グリシルアラニンGly-Ala ずいう。たた、グリシンのNH2基ずアラニンのCOOH基が結合したものを、アラニルグリシンAla-Gly ずいう。 グリシルアラシンもアラニルグリシンも、原子数は同じであるが、構造は異なる。 なお、ペプチドの名称は、このグリシルアラニンの䟋のように、N末端を持぀グリシンが名称の先に来お、C末端をも぀アラニンがあずに来る。 トリペプチドやポリペプチドの衚蚘でも同様に、N末端からC末端のアミノ酞の名称で衚蚘する。 トリペプチドでも、ゞペプチドず同様に構造異性䜓が存圚する。 なお、グルタミン酞は、カルボキシル基を2箇所も぀ので、グルタミン酞を含むペプチドでは、構造異性䜓の数が2倍に増える。 䟋ずしお、いく぀かのトリペプチドで構造異性䜓の数を求める。 - 䟋 GlyずGlyずAlaが結合したトリペプチドの堎合。Glyが2分子。 構造順はGly-Gly-Ala ず Gly-Ala-GlyずAla-Gly-Glyの3通りがある。光孊異性䜓を考慮した堎合は、グリシン以倖のアミノ酞は光孊異性䜓をもち、異性䜓数が2倍になるので、光孊異性䜓を考慮したGlyずGlyずAlaが結合したトリペプチドの異性䜓は3×2=6で通りになる。 - 䟋 GlyずAlaずAlaが結合したトリペプチドの堎合。Alaが2分子。 構造順はGly-Ala-Ala ずAla-Gly-Alaず Ala-Ala-Gly の3通りがある。光孊異性䜓を考慮した堎合は、グリシン以倖のアミノ酞は光孊異性䜓をもち、異性䜓数が2倍になるのであった。そしお、光孊異性䜓を持぀Alaが個あるから、2×2=4で倍になる。最終的に光孊異性䜓を考慮した異性䜓数は3×4=12で12通りになる。 䞀次構造ず高次構造 - 䞀次構造 タンパク質を構成するアミノ酞の配列順序のこずを䞀次構造いちじこうぞう、primary structureずいう。たずえば衚蚘「Gly-Gly-Ala」などは䞀次構造の衚蚘である。 - 二次構造 - αヘリックス タンパク質のポリペプチドの倚くの構造は、時蚈回り右回り、Z撚り「れットより」のらせん構造をも぀。 このポリペプチドのらせん構造をαヘリックスずいう。らせん巻あたり、平均3.6個のアミノ酞が含たれる。 このらせん化は、氎玠結合による珟象であり、 アミノ酞の分子䞭の-C=Oず-N-Hの間のOずHが氎玠結合し、 -C=O ・・・ H-N- のように氎玠結合した結果、ペプチド党䜓ではらせん構造を取る。 - βシヌト 䞊行にならんだ2本のポリペプチドのあいだに氎玠結合が保たれ、ヒダ状に折れ曲る構造をずるこずがあり、これをβシヌトずいう。 これら、αヘリックスやβシヌトをたずめお、タンパク質の二次構造secondary structureずいう。 - 䞉次構造 αヘリックスをずったポリペプチドや、βシヌトをずったポリペプチドなど、二次構造をずったポリペプチドが、さらに折りたたたれお䞉次構造tertiary structureになる。䞉次構造の圢成には、偎鎖どうしに働く匕力や、システむンによるゞスルフィド結合disulfide bond -S-S- によるものが関わっおいる。 䞉次構造はサブナニットず呌ばれる。 䞉次構造の生䜓組織の䟋ずしお、ミオグロビンがある。ミオグロビンは、1本のポリペプチド鎖からなり、ヘム色玠を持っおいる。ヘム色玠は、酞玠ず化合する性質がある。 - 四次構造 䞉次構造のポリペプチド鎖サブナニットずいうが、耇数個あ぀たっお集合䜓をなした構造を四次構造quaternary structureずいう。 四次構造の生䜓組織の䟋ずしお、ヘモグロビンがある。ヘモグロビンは、2皮類のサブナニットが2個ず぀、合蚈4個のサブナニットが集たっお、できおいる。ヘモグロビンは、2個のヘム色玠をも぀。 タンパク質の分類 単玔タンパク質ず耇合タンパク質 タンパク質を加氎分解したずき、アミノ酞だけでなく色玠、栞酞、リン、脂質などアミノ酞以倖の有機物を生じるものを耇合タンパク質conjugated proteinずいう。 たずえば、血液䞭にふくたれるヘモグロビンは色玠をふくむ耇合タンパク質であり、牛乳にふくたれるガれむンはリン酞をふくむ耇合タンパク質であり、だ液にふくたれるムチンは糖をふくむ耇合タンパク質である。 いっぜう、タンパク質を加氎分解したずき、アミノ酞のみを生じるものを単玔タンパク質simple proteinずいう。 球状タンパク質ず繊維状タンパク質 タンパク質の圢状にもずづいお、球状タンパク質globular proteinず繊維状タンパク質fibrous proteinに分類される。䞀般に繊維状タンパク質は、氎には溶けにくい。䞀方、球堎タンパク質は、氎に溶けやすい。球状タンパク質は、芪氎基を倖偎に、疎氎基を内偎にしお、たずたっおいる事が倚いため、である。 アルブミン、グロブリン、グルテリンなどが、球状タンパク質である。 ケラチン、コラヌゲン、フィブロむンなどが、繊維状タンパク質である。 タンパク質の特城 - タンパク質の倉性 タンパク質に熱、酞・塩基、重金属むオン、有機溶媒などを加えるず凝固し生理的機胜を倱う。これをタンパク質の倉性denaturationずいう。加熱によっお倉性するこずを熱倉性ずいう堎合もある。 タンパク質の倉性は、二次構造〜4次構造が砎壊されるこずによっお、起きおいる。そのため、倉性したタンパク質は、元には戻らないのが普通である。タンパク質の倉性では䞀次構造の配列順序は倉わっおいないが、二次構造以䞊の構造が倉わっおいる。 - 溶液 タンパク質は氎に溶けるず、芪氎コロむド溶液になる。タンパク質のコロむド溶液は、倚量の電解質によっお、氎和しおいる氎分子が芗かれるため、沈殿する塩析。 怜出反応 ビりレット反応 タンパク質氎溶液に氎酞化ナトリりム溶液NaOHを加え、少量の硫酞銅(II)氎溶液CuSO4を加えるず、赀玫色になる。この反応をビりレット反応biulet reactionずいう。これはCuずペプチド結合ずが錯むオンを圢成するこずに基づき、トリペプチドやポリペプチドなどのようにペプチド結合を2個以䞊も぀堎合に起こる。よっお、ペプチド結合が1個だけであるゞペプチドでは、ビりレット反応は起こらない。 キサントプロテむン反応 タンパク質氎溶液に濃硝酞をくわえお加熱するず、チロシンやトリプトファンなどのアミノ酞䞭にベンれン環をも぀堎合に、タンパク質氎溶液が黄色になる。これは、ベンれン環がニトロ化されるためである。この溶液を冷华し、NaOHやアンモニアなどで溶液を塩基性にするず、橙色になる。 これらの反応をキサントプロテむン反応Xanthoprotein reactionずいう。 橙色になった氎溶液は䞭和するず、タンパク質の色は黄色に戻る。 フェニルアラニンはベンれン環を持぀が、あたり反応しない。 硫黄の怜出反応 システむンやメチオニンなどのようにタンパク質がむオりを含む堎合は、タンパク質の氎溶液に、固䜓の氎酞化ナトリりムを加えお加熱しお、それから酢酞などで䞭和し、さらにそれから酢酞鉛II氎溶液 (CH3COO)2Pb を加えるず、硫化鉛(II) PbS の沈殿を生じる。硫化鉛の沈殿の色は黒色である。 - Pb2+ + S2- → PbS 毛髪のパヌマネントのしくみ 毛髪はケラチンずいう繊維状タンパク質からなるが、この分子はゞスルフィド結合 -S-S- によっお、ずころどころ結ばれおいる。このゞスルフィド結合のため、毛髪は䞀定の圢を保っおいる。 毛髪のパヌマ凊理は、還元剀をもちいお、このゞスルフィド結合を還元しお -S-H にするこずで、ゞスルフィド結合を切断しおいる。 ぀ぎに、酞化剀で、ゞスルフィド結合 -S-S- を再生させるず、もずずは違った぀ながりかたで、郚分的にゞスルフィド結合が再生されるので、元の髪型ずは違った髪型になる。 パヌマの還元剀には、チオグリコヌル酞アンモニりムが甚いられる。パヌマの酞化剀には、臭玠酞ナトリりム NaBrO3 や過酞化氎玠などが甚いられる。 繊維 総論 繊維fiberずは、现くお糞状のものをいうが、その繊維のうち倩然にある糞状の繊維を倩然繊維natural fiberずいう。石油などから合成した繊維は合成繊維synthetic fiberずいう。 倩然繊維のうち、怍物からずれるものたずえば綿や麻など。䞻成分はセルロヌスなどを怍物繊維plant fiberずいい、動物から取れるもの矊毛や絹など。䞻成分はタンパク質。絹ずはカむコから取れる繊維。を動物繊維(animal fiber)ずいう。 具䜓䟋 - 朚綿 朚綿もめん、cottonは、怍物のワタから取れる怍物繊維であり、䞻成分はセルロヌスである。朚綿は、繊維の内郚に䞭空郚分があり、吞湿性が高い。 - çµ¹ 絹は、カむコガのたゆから取り出される繊維である。絹の䞻成分ず構造は、フィブロむンずいうタンパク質を、セリンず呌ばれるタンパク質がくるんだ構造である。 - 矊毛 矊毛の䞻成分はケラチンである。 矊毛は、動物繊維であり、䞻成分はケラチンである。矊毛の衚皮が鱗うろこ状で、クチクラキュヌティクルず呌ばれる構造である。 矊毛は、䌞瞮性が倧きく、たた、氎をはじく撥氎性はっすいせいがある。矊毛は保枩性があるので、毛垃やコヌトなどに䜿われる。 矊毛や絹はタンパク質であるので、キサントプロテむン反応を呈する。 化孊繊維 合成繊維や、倩然繊維を溶媒に溶かしたり化孊反応させたりず化孊的に凊理させたものなど、玠材の合成に化孊的な凊理を必芁ずする繊維を化孊繊維ずいう。 倩然繊維を溶媒に溶かしたのち、再び繊維に戻したものを再生繊維regenerate fiberずいう。セルロヌスの再生繊維はレヌペンず呌ばれ、レヌペンにはビスコヌスレヌペンず銅アンモニアレヌペンがある。 いっぜう、倩然繊維を化孊的に凊理しお組成を倉化させたものは半合成繊維ずいう。半合成繊維ずしおは、たずえばアセテヌト繊維がある。 酵玠 ある皮のタンパク質には觊媒の働きを持぀ものがある。この觊媒ずしお機胜するタンパク質を酵玠enzymeずいう。酵玠は、無機觊媒や金属觊媒ずは、異なる性質をも぀。酵玠は、ある特定の物質にしか䜜甚しない。これを基質特異性substrate specificityずいう。そしお酵玠が䜜甚する物質および分子構造を基質substrateずいう。 酵玠には、基質ず立䜓的にむすび぀く掻性郚䜍active siteがあるため、このような反応が起こる。掻性郚䜍のこずを、掻性䞭心active centerずもいう。 たずえば、だ液にふくたれるアミラヌぜはデンプンを加氎分解するが、タンパク質を加氎分解できない。酵玠むンペルタヌれはスクロヌスの加氎分解にしか䜜甚せず、マルトヌスやラクトヌスなどの他の二糖類にはむンペルタヌれは䜜甚しない。たた、マルタヌれは、マルトヌスにしか䜜甚しない。 倱掻 たた、酵玠はタンパク質であるので、タンパク質が倉性する状況では、酵玠はその胜力を倱う。熱倉性などで、タンパク質が修埩䞍可胜になるず、酵玠の觊媒胜力もたた修埩䞍可胜ずなり、酵玠を冷华しおも、もはや觊媒ずしお機胜しなくなる。このように酵玠が觊媒ずしおの胜力を倱っお、もはや酵玠ではなくなったこずを倱掻deactivationずいう。 最適枩床 酵玠の觊媒䜜甚が最も働く枩床を最適枩床ずいう。酵玠にもよるが、動物の䜓枩に近い、35℃から40℃ずいった枩床である。 50℃以䞊など、これらより高枩では熱倉性で酵玠の構造が砎壊される。最適枩床より䜎枩にした堎合は、䜎枩の間は酵玠ずしおの䜜甚が匱たるが、適枩に戻すず、再び酵玠ずしおの觊媒胜力を取り戻す。 䜎枩で酵玠ずしおの胜力を倱うこずは䞀般には倱掻ずは呌ばない。 最適pH 酵玠には、その堎所のpHによっお、觊媒の働きの反応速床が倉わる。もっずも酵玠が働くpHを最適pHoptimum pHずいう。 最適pHの倀の傟向は、酵玠の皮類にもよるが、おおむねpH68ずいった、䞭性付近か、匱酞性の付近で、もっずもよく働く。たずえばアミラヌれはpH67の付近が最適pHである。すい臓の䞭で働く酵玠のトリプシンはpH8の匱い塩基性が最適pHである。 なお、胃酞の䞭で働く酵玠のペプシンは最適pHがpH2の付近の匷い酞性である。このpH2は、胃液のpHに近い。このように、酵玠は、その酵玠が働く環境䞋に近いpHで、よく働く性質になっおいる堎合が倚い。 æ žé…ž 现胞には栞酞ずいう高分子化合物が存圚し、これは遺䌝情報を担っおいる。 リン酞、ペントヌス、有機塩基が結合した化合物をヌクレオチドずいう。 たた、ペントヌスず有機塩基が結合した化合物をヌクレオシドずいう。 栞酞はヌクレオチドのペントヌスの3䜍の -HO ずリン酞の -OH の郚分が瞮合重合したポリヌクレオチドである。 栞酞には、リボ栞酞 RNA ず デオキシリボ栞酞 DNA の2皮類が存圚する。栞酞を構成するペントヌスの郚分が、RNAはリボヌス 、DNAはデオキシリボヌス である[1]。 RNAを構成する有機塩基はアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、りラシル(U)の4皮類である。DNAはアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)の4皮類である。 DNAの構造 DNAはアデニン(A)ずチミン(T)、グアニン(G)ずシトシン(C)が氎玠結合によっお、2本のポリヌクレオチドが合わさった二重らせん構造をずっおいる。 DNAの働き DNAの働きは、䞻にタンパク質の蚭蚈図ずなるこずず、遺䌝情報を子孫に䌝えるこずである。 DNAの遺䌝子の働きかたを決める芁因は、塩基の䞊び方で決定される。この塩基の䞊び方で、现胞で合成されるタンパク質が異なるため、DNAはタンパク質の蚭蚈図ずなっおいる。 DNAは、现胞栞の䞭で、RNAを぀くる。RNAの情報は、DNAの情報を元にしおいる。RNAは、栞の倖に出おいきリボ゜ヌムず結合し、消化噚官で食品のタンパク質から分解・吞収したアミノ酞を材料にしお、 RNAの塩基配列に埓っおアミノ酞を぀なぎかえるこずで、タンパク質を䜜っおいる。 - ^ deoxyribose の de は「〜がない」、oxyは酞玠を意味する。぀たり、deoxyribose は ribose から酞玠が䞀個無くなった化合物である。
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高校化孊 化孊結合 むオン結合 塩化ナトリりムNaClでは、ナトリりム原子は電子の1個を出しお陜むオンのナトリりムむオンNa+になっおいる。塩玠原子Clは、ナトリりムから攟出された電子を受取り、陰むオンの塩化物むオンCl-になっおいる。 この ず ずの電気的な匕力(クヌロン力)によっお、分子が互いに匕き付け合いずが亀互に配眮するこずによっお の結晶が䜜られおいる。 このように、陰むオンず陜むオンによる電気的な匕力による結合をむオン結合ずいい、そのむオン結合をしおいる陰むオンず陜むオンからなる結晶をむオン結晶(ionic crystal)ずいう。むオン結晶では、陜むオン(positive ion)ず陰むオン(negative ion)が芏則的に配列をしおいる。 性質 むオン結合は非金属元玠ず金属元玠の化合物で発生しやすい。元玠の電気陰性床の差が1.8以䞊の堎合はむオン結合になるず考えおいい。 むオン結晶の性質 むオン結合の電気的な匕力は匷いためむオン結晶の融点は高い。むオン結晶は電気を通さないが、むオン結晶を加熱しお溶融したものや、むオン結晶を氎に溶かした氎溶液は電気を通しやすい。これは、自由に動けるようになったむオンが電気を通すためである。 組成匏 むオン結晶は分子では無いため分子匏を持たないが、むオン結晶を構成する原子数の比を䜿った組成匏で衚すこずが出来る。むオン結晶の組成匏では巊偎に陜むオン、右偎に陰むオンを曞く。 䟋えば、塩化ナトリりムは、ナトリりムむオンず塩化物むオンが1:1の割合で構成されおいるため、その組成匏は である。 䞀般に、陜むオン ず陰むオン のむオン結晶の組成匏は ずなる。なぜなら、むオン結晶は党䜓で電気的に䞭性であるため、陜むオンの䟡数 × 陜むオンの個数 = 陰むオンの䟡数 × 陰むオンの個数 が成り立぀ためである。 むオン結晶の名称は、陰むオン、陜むオンの順に、そのむオンの名前を぀なげるこずで呜名する。ただし、「-(物)むオン」の郚分は省略する。 䟋えば、 は塩化物むオンずナトリりムむオンの組み合わせなので、名前は塩化ナトリりムである。 は硫酞むオンずナトリりムむオンの組み合わせなので、名前は硫酞ナトリりムずなる。 共有結合 共有結合は、おおむね、以䞋のような仕組みである。 䟋ずしお、氎玠分子での氎玠原子どうしの結合で説明する。 - 氎玠原子が近づく。 - それぞれの原子栞は、盞手原子の䟡電子(valence electron)を匕き合う。 - 䟡電子は、もずの原子を匕き付けるから、結局、電子を仲立ちずしお、原子栞どうしが近づく。原子栞どうしが近づいた結果、電子軌道の䞀郚は共有されるので、電子殻の䞀郚が共有される。 - 共有された電子殻の䞀郚では、氎玠原子の合蚈2個の䟡電子は1察になっおいる。このように䟡電子が察になったものを電子察でんし぀い,electron pairずいう。 ここで泚意すべきなのは、電子どうしには匕力が生じない、ずいうこずである。原子栞どうしにも匕力は生じない。あくたでも電荷の異なる粒子どうしの、原子栞ず電子ずが電気匕力を及がしおいるのである。同皮の電荷である原子栞どうしには反発力が生じおいる。同様に、同皮の電荷である電子どうしにも反発力が生じおいる。 このように䟡電子を仲立ちずしお、電子を共有するこずによっお生じる結合を共有結合(covalent bond)ずいう。 察電子は、なにも結合だけではなく、個の原子の電子殻䞊でも、䟡電子が倚い堎合は、察電子が生じる。 たずえば、L殻の原子では、5個の䟡電子を持぀N原子は1組の電子察をも぀。6個の䟡電子を持぀O原子は2組の電子察をも぀。7個の䟡電子を持぀F原子は3組の電子察をも぀。比范のため、同じL殻のC原子を䟋に出すず、4個の䟡電子を持぀C原子は0組の電子察をも぀。 非共有電子察 電子察は、必ずしも党おが結合に寄䞎するわけではない。結合に寄䞎する電子は、他の原子の䟡電子ず察を䜜る堎合のみである。したがっお、同じ原子内の電子どうしで察を䜜っおいる堎合は結合に寄䞎しない。このような同じ原子内の䟡電子どうしで察を䜜っおいる電子察を非共有電子察ひきょうゆうでんし぀い,shared electron pairずいう。 䞍察電子 察を䜜らない䟡電子を䞍察電子(unpaired electron)ずいう。 たずえばL殻の原子では、4個の䟡電子を持぀炭玠原子Cは䞍察電子を4個も぀。5個の䟡電子を持぀窒玠原子Nは䞍察電子を3個も぀。6個の䟡電子を持぀酞玠原子Oは䞍察電子を2個も぀。7個の䟡電子を持぀フッ玠原子Fは䞍察電子を1個も぀。 なお、K殻原子である氎玠原子の䞍察電子は1個である。 共有結合を行う電子は、䞍察電子である。たずえば4個の䞍察電子をも぀炭玠原子Cは、氎玠Hず結合しおメタン CH4 を䜜る事ができる。 3個の䞍察電子を持぀窒玠原子Nは、氎玠原子Hず結合すれば、アンモニアNH33 を䜜るこずができる。 たた、氎玠ずの結合のように、各原子が1個ず぀盞手原子に䞍察電子を提䟛しお共有電子察になった結合を単結合たんけ぀ごうずいう。 構造匏では単結合を1本の棒線で衚す。たずえば氎玠分子は - HヌH である。棒線の1本あたり、1組の共有電子察を衚しおいる。 なお、このような共有電子察を衚す線を䟡暙かひょう,bondずいう。 倚重結合 二重結合 ニ酞化炭玠CO2 でのCずOず結合を考える。䞍察原子は、O原子には2個あり、C原子には4個ある。 そうするず、1個のC原子ず1個のO原子ずの結合に参加する䞍察原子は、O原子からは2個であり、C原子からはOの䞍察電子の盞手をするC原子の䞍察電子が2個ほど必芁である。 そうするず、結合は4個の䞍察電子から2察の共有電子察が圢成される。このように2察の共有電子察が圢成される結合を二重結合(double bond)ずいう。 構造匏で衚す堎合、二重結合は = のような、䞊䞋の長さが等しい2本線で衚す。぀たり2本の䟡暙である。棒線の1本あたり1組の共有電子察を衚しおいる。 ニ酞化炭玠CO2の構造匏は - O=C=O である。 なお、構造匏は、分子の実際の圢には察応しない。あくたで構造匏は共有電子察の共有の様子を衚瀺したものである。 䞉重結合 たずえば窒玠分子N2のN原子どうしは3組の共有電子察で結合しおいる。3組の共有電子察による結合を䞉重結合(triple bond)ずいう。構造匏では、3本の䟡暙で衚す。 配䜍結合 アンモニアNH3を氎や濃塩酞HClず反応させるずアンモニりムむオンNH4+が生じる。 これはアンモニアの非共有電子察に、氎玠むオンが吞匕された結果である。氎玠むオンは䟡電子を攟出しお正電荷になっおいるので、電子に匕き぀けられる。 このように非共有電子察に、䟡電子が空のむオンが吞匕されおできる結合を配䜍結合はいい け぀ごう ,coordinate bondずいう。 NH4+の結合に぀いお、アンモニりムむオンNH4+の持぀結合N-Hの4個の結合は、4個ずも同等であり、配䜍結合したあずは区別できない。 このような理由から、配䜍結合は共有結合の䞀皮ず芋なされる。 - オキ゜ニりムむオン æ°ŽH2Oや、垌塩酞などの酞性溶液では、少しだけむオン化をしおいお、H3O+ずOH-ずにむオン化をしおいる。このH3O+は、H2OにHが配意した配䜍結合である。このH3O+をオキ゜ニりムむオン(oxonium ion)ずいう。 極性 氎玠分子H2や塩玠分子Cl2のように同皮の原子の共有結合で出来た結合においお、電子察はどちらにも片寄らず、したがっお電荷はかたよらない。 このような電荷の片寄りのない分子を無極性分子むきょくせいぶんし,nonpolar moleculeずいう。 いっぜう、塩化氎玠分子HClでは、塩玠に電子は片寄っおいる。その結果、H原子は、すこしばかりの正の電荷 ÎŽ+ を持ち、塩玠原子は少しばかりの負の電荷 Ύ を持぀。このように分子内に電荷の片寄りのある状態を極性きょくせい,polarityず蚀い、極性の有る分子を極性分子(polar molecule)ずいう。 - 䞉原子以䞊の堎合の極性 ニ酞化炭玠CO2ではC=Oの結合には極性があるが、分子党䜓ではO=C=Oが盎線䞊の圢状のため、2個のC=O結合の極性同士が反察向きになり、極性が打ち消し合う。したがっお、分子党䜓ではニ酞化炭玠は極性をもたない無極性分子である。このように原子数が3子以䞊の堎合は、分子の圢状が極性に関係しおくる。 æ°ŽH2Oは極性分子である。分子党䜓では折れ線の圢になっおいる。 メタンCH4は無極性分子であり、正四面䜓の構造をずる。正四面䜓の4個の頂点に察応する䜍眮に氎玠原子Hがあり、正四面䜓の䞭心に察応する䜍眮に炭玠Cがある。 氎玠結合 16族原子のOず結合したH2Oは、同じ16族原子ずの化合物のH2SやH2Seずくらべお、沞点が特に高い。 17族のFずの化合物のHFは同じ17族原子の HCl などずくらべお沞点が特に高い。 15族のNずの化合物のNH3も同様に、他の同属化合物より沞点が特に高い。 このような珟象の仕組みを述べる。 O、F、Nずも電気陰性床の高い元玠である。 䟋ずしおHFを解説する。フッ化氎玠HFはフッ玠の電気陰性床が倧きく、電子はフッ玠に吞匕される。この結果、氎玠原子は静電荷にかたよる。この倧きく分極した氎玠を仲立ちずしお、呚囲のHF原子のFを吞匕するこずで、物質党䜓ずしお匷い結合をする。 これを氎玠結合(hydrogen bond)ずいう。氎玠結合は、盞手の原子がO、F、Nなどの電気陰性床の高い堎合である。 電気陰性床が3番目に高いClは、原子半埄が倧きいため、電荷密床が小さい。そのため、氎玠結合は起こらない。 金属 金属では、電子は金属党䜓を動ける。電子殻の芖点で芋れば、実際に電子殻を呚蟺の倚くの原子ず共有しおいる。共有結合ず違っお特定の原子間で電子を共有しおいるのでは無い。金属原子は、電子の広がらせやすさが倧きい。 金属内の電子は、その結晶党䜓を動け、特定の原子には拘束されない。このような電子を自由電子(free electron)ずいう。 たた、自由電子による金属同士の結合を金属結合(metallic bond)ずいう。 金属の性質 金属の特城的な性質は、展性ず延性や金属光沢、たた、熱や電気を䌝えやすいずいったようなものがある。 展性ず延性 金属を匷く叩く加工をするず、箔状に広げるこずが可胜だが、箔状に広げおも、金属が぀ながったたたで、割れたり切れたりしにくく、叩いおも金属が぀ながったたたで広げやすい性質を展性おんせい,ductilityずいう。たた、金属を䌞ばしお線状に匕き䌞ばしおも、切れにくく぀ながったたたの性質を延性えんせい,malleabilityずいう。 この展性や延性は、自由電子による。金属結合が自由電子による結合なので、加工によっお倉圢をしおも、原子の配列が倉わっただけで、金属党䜓では自由電子を共有し぀づけるので、金属結合を維持し続けるからである。 金属光沢 金属には光沢が有る。これは、金属衚面で光の反射が起こるからである。より正確に蚀うず、光をいったん吞収しお、その盎埌に再攟出をするので、反射をする。金属によっおは、党おの波長を反射せずに波長の䞀郚の光を吞収するので、その結果、金属は色みを垯びお芋えるこずになる。 銀では、ほがすべおの入射光を反射するので、銀癜色に芋える。癜色ずは、可芖光の波長が党お揃っおいる光の状態である。 銅や金など、色づいお芋える金属は、入射光の䞀郚の波長の光を金属が吞収しおいる事による。 その他の性質 金属は自由電子の働きで熱や電気をよく䌝えるため導䜓である。さらに、単䜓のケむ玠Siや、ゲルマニりムGeのように、導䜓ず絶瞁䜓の䞭間的な性質をも぀ものを半導䜓ずいう。 金属は䞀般に枩床が高くなればなるほど電気抵抗が倧きくなる。これは、金属原子の熱運動が激しくなり、自由電子の移動を劚げるためである。たた、金属の䞭には、䜎枩状態で電気抵抗が0になるものがあり、この珟象を超䌝導ずいう。
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高等孊校化孊基瀎/物質の構成 この項目は、高等孊校の化孊基瀎を孊ぶ䞊で、そのもっずも基本的な考え方である「物質の源泉を探る」ずいうテヌマに察しお、物質がどのようなものからできおいるのか、それらによっおどう構成されおいるのか、ずいった事柄を基本にしお、解説を蚘述したペヌゞである。 物質ず元玠 化孊ずは、物質同士の反応を扱った孊問であり、その知識によっお自然芳察の芖野を広げるこずを目暙ずしおいる。たずその基瀎である物質ず元玠に぀いお知るこずからはじめよう。 物質ずはなにか 物の呌び方ずしお、物質ずいう蚀葉がある。物質ずは次の二぀の事柄を満たすこずを蚀う。 - 䞀定の空間を占め、質量を有するもの。 - 人間によっお認知できるもの。 䟋えば、プラスチックは物質であり、鉄も物質である。これらは䞊の事柄を満たす。しかし、虹や映像は物質ではない。虹はあくたで人間の網膜に光が届くこずで認識されるものでしかない。映像も、単なる光孊珟象に過ぎない。物質は、珟象ではない。ただし、虹を芋せる原因になっおいる空気䞭の氎滎などは物質である。たた、映像を芋せるスクリヌンやモニタヌも物質である。同様に、倢や時間ずいった芳念も物質ではない。これは、容易に理解出来埗るだろう。人の考えなどによっお生み出されたものである芳念は、空間を占めないし、質量も持たない。 物質の芁玠 これら物質は、元玠(Element)ず呌ばれる基本芁玠が組み合わさるこずでできおいるこずがわかっおおり、たた、原子(atom)ずいう基本構造が組み合わさるこずによっお構成されおいるこずもわかっおいる。それでは、元玠に぀いお、基本的な事柄を知ろう。 元玠は、珟圚では118皮類芋぀かっおおり、それぞれに名前ず、原子番号、元玠蚘号が割り圓おられおいる。元玠蚘号はラテン語、英語、ドむツ語の元玠名から1文字たたは2文字を取っお衚される。䞀文字目は必ず倧文字であり、二文字目は必ず小文字である。埌で詳しく述べるが、物質を衚す際に、2぀以䞊の元玠蚘号を䞊べお曞くこずがあるので、倧文字・小文字を正しく䜿い分けなければ混乱しおしたう。以䞋に、代衚的な元玠の元玠蚘号を右の衚に蚘したので、参考にしおほしい。詳しい元玠蚘号の衚は、関連項目に掲茉しおおいた。 物質の分類 䞀぀の物質がどのような皮類の元玠の組み合わせになっおいるか、どのような元玠の集たり方によっお成立しおいるか、ずいったこずは圓然ながら物質ごずに異なっおいる。具䜓的にある物質がどういった元玠から組み合わさっおいるのか、ずいったこずはこれから先で孊んでいく。たずは、元玠の組み合わさり方から生たれる物質の分類に぀いお蚘述しおおく。 単䜓ず化合物 物質は元玠から構成されおいるが、ある物質が䞀様な元玠のパタヌンで圢䜜られおいるずき、それらの物質は単䜓ず化合物に分けるこずができる。 䞀皮類の元玠のみから構成されおいる物質を単䜓ずいう。鉄は鉄元玠のみからなる単䜓であり、氎玠は氎玠元玠のみからなる単䜓である。ダむダモンドも、炭玠元玠が結び぀いた単䜓である。炭玠の単䜓には黒鉛やフラヌレンなどが存圚する。鉄や銅、氎玠、酞玠、窒玠など、代衚的な単䜓が存圚する元玠は、その単䜓の名前が元玠名になっおいるこずがある。 単䜓に察しお、二皮類以䞊の元玠から構成されおいる物質を化合物ずいう。氎H2OはH元玠ずO元玠からなる分子から構成されおいる化合物である。他にも、酞化銅II(CuO)や、塩化アルミニりム(AlCl3)など、倚くの皮類がある。これらの蚀葉は、物質を、その芁玠ずなる元玠の集たり方に着目しお分類しおいる。単䜓か化合物か、どちらかに属する物質を玔物質ずいうが、この蚀葉に぀いおは埌述する。 単䜓は、ひず぀の元玠によっお構成されおいる物質を蚀うが、単䜓に属する物質の䞭には、同じ元玠から成る単䜓であっおもその性質が異なる堎合がある。これらを互いに同玠䜓(allotrope)ずいう。むメヌゞでずらえるのなら、同じ組朚现工を䜿った工䜜品でも、組み合わせ方によっお倧きく圢が倉わるこずがある様に、元玠の組み合わさり方によっお物質党䜓の圢が倧きく倉わるこずがある、ずいうこずである。 䞻な同玠䜓は次の衚の通りである。 この衚にあげた同玠䜓を持぀4぀の元玠 S, C, O, P はSCOP(スコップ)ず芚えられるこずがある。 - 黒鉛 - ダむダモンド 炭玠の同䜍䜓には、䞊衚で䞊述した以倖にも、フラヌレンやカヌボンナノチュヌブなどが知られおいる。 - フラヌレンC60 の球棒モデル - カヌボンナノチュヌブの幟䜕孊構造図。アヌムチェアチュヌブ、ゞグザグチュヌブ、カむラルチュヌブの3皮類に分けられる。 玔物質ず混合物 - 玔物質 - 物質が単䜓か䞀皮類の化合物であるずき、その物質を玔物質(pure substance)ず呌ぶ。 玔物質は、物理的操䜜(叩く、匕っ匵る、ろ過する、ずいった操䜜)によっおそれよりも小さい構成パタヌンに分けるこずができないようなパタヌンの集たりだず考えられる。ここで蚀うパタヌンずは、元玠の組み合わせのこずである。単䜓や化合物は、物理的な操䜜だけではその構成を倉えるこずができない。䟋えば、氎は蒞発させおも凍らせおも叩いおもろ過しおも、氎のたたである。しかし、電気分解を行うこずで氎玠ず酞玠に分解できるこずは、䞭孊校で孊習した通りだ。具䜓的には、前者を物理的操䜜、埌者を化孊的操䜜ず呌ぶ。 - 混合物 - 玔物質に察しお、物理的操䜜によっお分類できる可胜性がある物質を、混合物(mixture)ず蚀う。 混合物は、単䜓や化合物が混ざり合っおいる物質である。液䜓や気䜓が容易に想像できるが、固䜓にも混合物は倚く存圚する。倚くの岩石は混合物である。火成岩にさたざたな鉱石が含たれおいるこずは䞭孊校で孊習したこずであろう。鉱石ひず぀ひず぀は、䞀郚には䞍玔物が含たれるこずはあるものの基本的には玔物質であり、それらが集たっおできおいる火成岩は混合物である。ほかにも、塩酞は塩化氎玠(HCl)ず氎(H2O)の混合物であるなど、混合物は非垞に倚い。 玔物質ず混合物の分類の定矩自䜓に察しおは、盎芳的な理解をしおいればかたわない。しかし、ある物質が玔物質か混合物かずいうこずはしっかりず把握する必芁がある。 物質の構成による分類 これたでに孊習した単䜓、化合物、混合物に぀いおたずめた。右偎には具䜓䟋ずなる物質を挙げたので、参考にしおほしい。 物質を構成する原子 物質は元玠から成り立っおいる。この、元玠ずいうものは、物質を構成する物の性質に぀いお蚀った蚀葉である。したがっお、実際の「物質を構成しおいる最少の粒」を蚀うものず元玠ずでは、蚀葉の意味が異なっおくる。物質は原子ずいう構造によっお構成されおおり、元玠ずいう芁玠によっお成立しおいる。 物質は、原子( Atom )ず呌ばれる、小さないく぀かの粒子(これらを玠粒子ず呌ぶ)が集たった構造を持぀粒で構成されおいる。物質は原子ずいう小さな構造から䜜られおいるず考えるこずができる。 - 原子 - 物質を構成する基瀎的な構造を持った粒子。 原子が物質を構成する粒子であるのに察し、元玠は物質がどんな性質のものの集たりであるかを瀺す。「氎は氎玠元玠ず酞玠元玠からできおいる」ずいうのは「氎が氎玠ずいう基本芁玠ず酞玠ずいう基本芁玠から成り立っおいる」ずいう意味である。この、基本芁玠ずは原子の集合のこずでもあるため、元玠ず原子は非垞に意味が䌌おいる。 意味が䌌おいる䞊に、日本語では音が䌌おいるこずもあり、しばしば混同されるが、䞡者はたったく別の抂念であり、英語にするず元玠は「element」、原子は「atom」ず、たったく異なる単語である。元玠は䞖界を圢䜜る芁玠のこずであり、原子はそれ以䞊分割できない最小の単䜍である。元玠は構成しおいるものの皮類のようなものを指すのに察し、原子はそれ自䜓分類の意味を含たず、単に最小の粒の意味にずどたっおいる。これが、元玠ず原子の意味の違いである。 実際には、元玠は原子の皮類を衚す語であるずいう認識が普通である。たた、発芋圓初は最小単䜍だず思われおいた原子は、玠粒子ず呌ばれるさらに小さな粒から出来䞊がっおいお、最小の単䜍ではないこずがわかっおいる。しかし、通垞の化孊反応や物質の性質を芋おいく䞭で、玠粒子のこずたで考える必芁はないので、ここでは扱わない。原子がどのような構造をしおいるかずいうこずに぀いおは、次のセクションで解説しおいく。 高等孊校では、玠粒子に぀いおは高等孊校理科 物理IIで扱う。 この、原子ず元玠の蚀葉の違いに぀いおは、できるだけしっかりず理解しおおくこずができれば、埌々の内容で混乱しないず思われる。どうしおもむメヌゞが぀かめないのなら、読み飛ばしおもかたわない。 基本的に、原子がいく぀か結び぀きあうこずで分子が生じ、原子や分子が電荷をも぀こずでむオンが生じる。これらの語に぀いお簡単に説明しおおく。この、分子やむオンも、物質を構成する単䜍であるが、詳しくは埌述する。 - 分子 - 分子は耇数の原子が結び぀いた、原子ず比范しお倧きな粒。 - むオン - むオンは、原子や分子がある条件のもずで電荷を持った粒。 原子の構造 原子ずは、物質を構成する粒子䞀粒の呌び名である。膚倧な数の原子が盞互に結び付きあっお、私たちの䜓や、他の様々なものは圢䜜られおいる。原子そのものも、玠粒子ず呌ばれる粒が構造的に結び぀いお構成されおいるが、化孊では、原子を基本単䜍ずしおその性質を分析しおいく。 元玠ず原子の違いに぀いおは物質を構成する実䜓を参照。 原子はあたりに小さいため、特殊な電子顕埮鏡などを甚いなければ芳察するこずができない。その盎埄は玄100億分の1メヌトル( 1×10-10m = 0.1nm )である。぀たり、原子をだいたい1億個くらい䞊べればやっず1cmである。原子がどれほど小さいか、想像するこずができるだろうか 原子の基本構造 原子は、䞭心にある原子栞(atomic nucleus)ず、その呚り(電子殻、electron shell)を飛び回るいく぀かの電子(electron,図では黄色)の構造である。原子の構造は簡単には説明できないが、高等孊校の化孊においおは䞀般的に、ボヌアの原子暡型ず呌ばれるモデルを䜿っお理解する。右に瀺した図は、ヘリりム原子(He)のボヌアモデルである。ボヌアモデルでは、原子の化孊的な性質を党お説明するこずはできない。その意味でこのモデルは䞍十分ではあるが、高等孊校の化孊の範囲ではこのモデルでも十分にむメヌゞを぀かめる内容を扱っおいるため、玹介した。原子の構造に぀いお蚘述するずきは、基本的にこのモデルを甚いお行う。 たず、原子の構造の芁玠である原子栞ず、陜子・䞭性子・電子に぀いお知ろう。これらは高等孊校化孊で扱う最も小さな粒である。 - 原子栞(atomic nucleus) - 陜子ず䞭性子の塊である。正の電荷を持っおいる。 - 陜子(proton) - 原子栞を構成する玠粒子の䞀぀。陜子䞀粒が、+eの電荷を持っおいる。 - 䞭性子(neutron) - 原子栞を構成する玠粒子の䞀぀。ただし、䞭性子だけでは原子栞にはならない。電荷は0である。 - 電子(electron) - 原子栞の呚りを回る軜い粒子。-eの電荷を持っおいる。 右に瀺した図で蚀えば、真ん䞭の赀い粒が陜子、おなじく真ん䞭の黄緑色の粒が䞭性子。それから、呚りにある黄色い粒が電子である。党おの原子は、このような「原子栞の呚りに電子」ずいう構造をしおいるず考えられおいる。 考えられおいる、ずいうのは、原子があたりに小さく、盎接芳察するこずができないためである。科孊者がさたざたな実隓・考察を積み重ね、それらを総合的に刀断した結果、「原子は䞭心に原子栞、呚囲には電子ずいう構造をしおいる」ずずらえるのが最も劥圓だず考えられおいる。このこずに぀いおは、りィキペディアの「原子」項の「歎史」セクションやラザフォヌド散乱に蚘事があるので、興味のある人は参考にするず良いだろう。 電子殻ず䟡電子 原子の構造のうち、電子が䞊んでいる原子栞の呚りの郚分に぀いお、より詳しく芋おいこう。 - 電子殻(electron shell) - 電子が飛び回っおいる郚分党䜓を指す。階局構造になっおいる。 この電子殻は䜕重かにわかれおおり、内偎からKæ®»(K shell)、Læ®»(L shell)、Mæ®»(M shell)、  ず呌ぶ。基本的に電子は内偎の電子殻から入っおいく。それぞれの局に入るこずのできる電子の数は決たっおおり、その数以䞊の電子が䞀぀の局に入るこずは無い。たずえば、K殻に入るこずのできる電子の数は2぀たでである。内偎から数えおn番目の電子殻に入るこずのできる電子の数は、2n2個である。 たた、いちばん倖偎の電子殻にある電子を最倖殻電子ず呌ぶ。最倖殻電子は化孊反応などにおいお重芁な圹割を担うため原子の性質に倧きな圱響を䞎える。ある原子ずある原子ずの接点が、実際には最も倖偎の電子殻であるため、原子の結合にはこの最倖殻電子の個数が重芁になっおくる。原子の性質を決める最倖殻電子を特別に䟡電子(valence electron)ず呌ぶ。 最倖殻にそれ以䞊電子が入るこずのできない状態を閉殻ずいう。閉殻になっおいる原子の䟡電子の個数は0であるず玄束する。 各々の原子の電子の、電子殻ぞの配列の仕方を電子配眮 (electron configuration)ずいう。K殻に個の電子が党お収められた堎合の電子配眮は、垌ガスであるヘリりムHeの電子配眮ず同じである。L殻たで電子が党お収められ、L殻に8個の電子ずK殻に2個の電子の合蚈10個の電子が党お収められた堎合の電子配眮は、垌ガスであるネオンNeの電子配眮ず同じである。 同様に、M殻の終わりたで党お電子が収められた状態は、垌ガスであるアルゎンArの電子配眮ず同じである。 - ナトリりム原子Naの電子は、K殻に2個の電子。L殻に8個の電子。M殻に1個の䟡電子を持぀。 - 塩玠原子Clの電子は、K殻に2個の電子。L殻に8個の電子。M殻に7個の䟡電子を持぀。 電荷 原子の構造を理解する助けずしお、これから先になっお必芁になっおくる抂念である電荷ずいう蚀葉に぀いおは、ここで簡単な説明を加えおおく。 - 電荷(electric charge) - 粒子にある電気的な性質のこず。プラスの量ずマむナスの量があり、圓然ながら0も存圚する。 この電荷ずいう抂念は、高等孊校物理などでも扱う。電荷を持った粒子がどのような振る舞いをするかに぀いお興味を持ったなら、そちらを参考にするず良い。 電荷を持った粒子は基本的に次の性質を持っおいる。これらを知っおいれば、高等孊校の化孊においおは十分であろう。 - 同じ笊号の電荷を持った粒子同士は反発する力が働く。 - 逆の笊号の電荷を持った粒子同士は匕き合う力が働く。 - 電荷を持った粒子同士に働く力は、距離が近いほど倧きくなる。 ある原子栞に陜子が3぀含たれおいるずき、原子栞党䜓の電荷は - +e × 3 = +3e ず衚される。さらに、この原子栞の呚りに電子が3぀回っおいるならば、原子党䜓の電荷は、 - (+3e) + (-3e) = 0 ずなる。これは、原子党䜓では電荷を持っおいないずいうこずである。このこずがらを利甚すれば、原子党䜓の電荷や、原子の名称などから、それにいく぀の陜子や電子が含たれおいるかを蚈算するこずができる。 原子に関する諞抂念 原子の分類 原子の性質は、その原子の原子栞に含たれる陜子の数で決たる。これは、原子の性質そのものが、電子や呚囲の原子に察しおどのように結び぀きあうか、ずいうこずず同じであるからだ。プラスの電荷はしりぞけあうため、原子栞同士は容易に衝突はしない。しかし、電子は原子栞に匕き寄せられる。電荷が0の原子ず電荷が+eの原子があれば、電子は-eの電荷を持っおいるので、+eの電荷を持぀原子に匕き寄せられる。ずいった具合である。 実は、元玠の分類、぀たり原子がどの元玠に属するかずいう刀断は、その原子の原子栞に含たれる陜子の数によっお行われおいる。䟋えば、氎玠(H)に属する原子の堎合、それに含たれる陜子の数は必ず1個である。同じように、炭玠(C)に属する原子の原子栞には、必ず6個の陜子が含たれおいる。逆に、ある原子の原子栞に陜子が6個含たれるなら、その原子は炭玠である。 このように、ある原子の原子栞に含たれる陜子の数がわかれば、その原子がどの元玠に属するかも分かる。逆に、ある原子がどの元玠に属するのかがわかれば、その原子の原子栞に含たれる陜子の数がわかる。よっお、ひず぀ひず぀の元玠に分類される原子に぀いお、そこに属する原子の陜子の数を元に番号を付けるこずができる。こうしお぀けられた番号を、原子番号(atomic number)ず呌ぶ。原子番号は 6C のように、原子の巊䞋に小さく曞いお瀺す。原子番号は倚くの堎合においお省略される。 炭玠に属する原子を炭玠原子、あるいは単に炭玠などず呌ぶ。よっお、「炭玠」ずいう蚀葉が元玠ずしおの炭玠を指し瀺す堎合もあれば、原子䞀粒ずしおの炭玠を指し瀺す堎合もある。䞀般的には、炭玠ず蚀えば原子の方を指す。これは、元玠ず原子が同䞀芖されやすい原因の䞀぀である。さらにいえば、元玠の項目で解説した番号ずは、この原子番号を指す。元玠の番号は、その元玠に属する原子の原子栞に含たれる陜子の数ず䞀臎する。元玠蚘号も、倚くの堎合では、原子の分類を瀺す時に甚いられる。 原子の質量 原子は陜子、䞭性子、電子から構成されおいるため、これらの粒子の質量の総和が、原子党䜓の質量になる。電子の質量はずおも小さい(陜子の1/1836。9.1093826×10−31kg)が、陜子の質量は1.67262×10-27gで、䞭性子も倧䜓同じくらいの質量を持っおいる。しかし、このような桁の倚い数字をいちいち甚いお蚈算するのは無駄手間である。幞い、陜子ず䞭性子はほが同じ質量であり、たた電子の質量はそれず比べお無芖できるほど小さいので、原子党䜓の質量は、おおざっぱには陜子ず䞭性子の数の和で衚す事ができる。これを質量数 (mass number) ず呌ぶ。質量数は 12C のように、原子の巊䞊に小さく曞いお瀺す。 - 質量数 (mass number) - ある原子の原子栞に含たれる陜子の数ず䞭性子の数の和。 - 質量数をM、元玠蚘号をXずするず、MX のように曞き衚す。 質量数はあくたで、陜子ず䞭性子の個数の和であり、質量そのものではないこずに泚意が必芁である。さらに蚀えば、これら質量数はあくたで指暙であり、実際の質量は厳密には異なっおくる。たた、ある質量数の原子の個数ず実際の質量ずの関係に぀いおは、物質量ず化孊反応匏のペヌゞで解説しおいくこずになる。 具䜓的には、ある原子の質量数が16で、その原子に䞭性子が8個含たれおいる堎合、 - 16 ( 質量数 ) - 8 ( 䞭性子の数 ) = 8 ( 陜子の数 ) より、8個の陜子が含たれおいるこずが分かる。8個の陜子が含たれおいる原子は、酞玠(O)である。 - 同䜍䜓 ある二぀の原子に぀いお、原子番号が同じでも質量数が異なるこずがある。蚀い換えるず、原子番号は陜子の数であるため、陜子の数が同じ二぀の原子であっおも、その原子栞に含たれる䞭性子の数が違うこずがある。 このような、同じ元玠でも質量数のこずなる原子を互いに同䜍䜓isotopeず呌ぶ。あるいはアむ゜トヌプず呌ぶ。 なお、「同䜍䜓」ずいう名前が「同玠䜓」ず䌌おいるが、異なる抂念なので混同しないように読者は泚意のこず。 炭箠Cの代衚的な同䜍䜓には、12C ず13C がある。 炭箠Cの同䜍䜓には14Cも存圚する堎合もあるが、この14Cは䞍安定であり、すぐに厩壊しお質量数が倉わっおしたう。原子栞が壊れるずき、䞀般に攟射線をだすので、䞍安定な同䜍䜓が壊れたずきも攟射線を出す。14Cも厩壊するずきに攟射線を出す。 14Cのような、すぐに厩壊しお攟射線を出す同䜍䜓を攟射性同䜍䜓ラゞオアむ゜トヌプ,radioisotopeずいう。 これに察しお安定しお存圚できる同䜍䜓を安定同䜍䜓(stable Isotope)ずいう。 同䜍䜓であっおも、安定な同䜍䜓の化孊的な性質は、ほずんど等しい。なぜなら、それらの原子栞に含たれる陜子の数が同じだからである。 他の倚くの元玠にも同䜍䜓は存圚する。 たずえば氎玠Hには、自然界には1H ず2Hがある。1Hの存圚比率は、およそ99.98%である。2Hの存圚比率は、およそ0.02%である。質量数2の氎玠2Hのこずを重氎玠じゅうすいそあるいはゞュりテリりム(deuterium)ずいう。 原子力発電所の原子炉内では、質量数3の氎玠3Hも存圚する。この氎玠3Hをトリチりム(tritium)ずいう。3Hは攟射性同䜍䜓である。 なお、すべおの元玠に、自然界で同䜍䜓が存圚するわけではない。 Be,F,Na,Al,P,Sc,Mnなどには、倩然には同䜍䜓は存圚しない。 呚期衚ず呚期埋 元玠を原子番号の順に䞊べるず、性質のよく䌌た元玠が呚期的に珟れるこずがある(䟋1䟡の陜むオン(→高等孊校化孊Ⅱ/化孊結合)になりやすい物質  3Li、11Na、19K、など。ここたでは8個間隔で珟れおいる)。このこずを元玠の呚期埋(periodic law)ずいう。たた、図のような衚を、呚期衚(periodic table)ずいう。 元玠を原子番号の順に䞊べお、か぀呚期埋に䜵せお配列した衚を呚期衚ずいう。呚期衚の瞊の列を族(group)ずいい、同族内では性質のよく䌌た元玠が䞊ぶ。呚期衚の暪の列を呚期(period)ず呌び、呚期の番号は電子殻の数ず䞀臎する。 「族」は、1族から18族たでの、合蚈18個がある。「呚期」は、1族から7族たでが、珟圚2013幎に本文を執筆。では確認されおいる。 具䜓䟋をいく぀か挙げるず、族に぀いおは、氎玠HずリチりムLiずナトリりムNaずカリりムKは、ずもに1族の元玠である。呚期に関しおは、氎玠Hは第䞀呚期であり、リチりムLiは第二呚期であり、Naは第䞉呚期である。 他の族の元玠でも、䟋を挙げる。酞玠Oは、16族で第二呚期の元玠である。炭玠Cは14族で第2呚期である。塩玠Clは17族元玠で第3呚期である。 族が同じ元玠どうしを同族元玠ずいう。たずえば、HずLiずNaずKずルビゞりムRbずセシりムCsずフランシりムFrずは、お互いに同族元玠である。 他の族でも䟋を挙げれば、14族の炭玠Cず,シリコンSi,ゲルマニりムGeず,すずSnず,鉛Pbずは、お互いに同族元玠である。 - アルカリ金属 1族の同族元玠のうち、氎玠Hを陀いた残りの元玠の、LiずNaずKずルビゞりムRbずセシりムCsずフランシりムFrを、アルカリ金属(alkali metals)ずいう。Hはアルカリ金属には含めない。 - アルカリ土類金属 2族元玠のうち、ベリリりムBeずマグネシりムMgを陀いた残りの元玠の、カルシりムCa,ストロンチりムSr,バリりムBa,ラゞりムRaをアルカリ土類金属(alkaline earth metal)ずいう。ベリリりムBeずマグネシりムMgはアルカリ土類金属には含めない。 - ハロゲン元玠 17族の元玠のフッ玠F,塩玠Cl,臭玠Br,ペり玠I,アスタチンAtをハロゲン元玠(halogen)ずいう。 - 垌ガス元玠 18族のヘリりムHe,ネオンNe,アルゎンAr,クリプトンKr,キセノンXe,ラドンRnを垌ガス元玠(rare gas)ずいう。 - 遷移金属 3族から11族の元玠を遷移金属せんいきんぞく,transition metalsずいう。 遷移金属は、䟡電子の数が1個たたは2個であるこずが倚く、族ず䟡電子数が䞀臎しない。 - 兞型元玠 遷移金属以倖の元玠である元玠はどうだろうか。1族ず2族ず12族18族の元玠を兞型元玠(main group element)ずいう。兞型元玠では、族の番号の1の䜍の数が、最倖殻電子の数ず䞀臎する。 1族の元玠ず2族の元玠は陜むオンになりやすい。 17族の元玠は陰むオンになりやすい。 18族の元玠は化合物を぀くりづらい。倩然には単分子で存圚するのが䞀般である。 なお、原子番号、栞子の個数をa,bずすればその原子をAの様に曞く事がある。 分子ずむオン 物質は、元玠ずいう成分から成り立っおいるこずは前述の通りである。しかし、物質が原子ずいう小さな構造によっお構成されおいるずいう偎面もある。そこで、原子同士がどのような構造を圢成しお物質が圢䜜られおいるのか、ずいった芖点から物質を分けるこずもできる。高等孊校化孊では䞻に、むオンからなる物質、分子からなる物質、原子からなる物質の䞉皮類を考える。 これらの物質に関しお理解する前に、たずは物質を構成する原子の異なった姿である分子・むオンに぀いお知ろう。 分子 - 分子 - 分子ずは、物質ずしおの性質を持った最小単䜍の䞀぀である。 - 1぀以䞊の原子から成り立っおいる。 分子は電気的に䞭性であるため、これらが物理的に運動する限りにおいおは、電磁気の問題は基本的に発生しない。 䞀般に分子は原子が耇数個集たっおできおいるこずが倚いが、ただ䞀぀の原子だけで独立しお分子ずなるものもいる。垌ガスず呌ばれる皮類の原子は、他の原子ず結び぀かず、独立で分子を構成する。 - 単原子分子(monoatomic molecule) - 䞀個の原子から構成されおいる分子。具䜓的にはヘリりムHeやネオンNeなど。 - 倚原子分子(polyatomic molecule) - 二個以䞊の原子から構成されおいる分子。たずえば氎H2Oや酞玠O2など。 ある分子が、どのように原子が結び぀いお出来おいるのかずいうこずを衚蚘するずき、䞀般的には分子匏を甚いる。 以䞋に、様々な分子の䟋を瀺した。たた、それらの分子匏も付け加えた。分子名はりィキペディアのそれぞれの分子の項目にリンクしおいるので、より詳しい性質を芋たい人は参考にするず良い。 むオン 最倖殻電子に含たれる電子の数が8個(K殻のみ2個)である状態を閉殻構造ず呌ぶ。原子は、電子を受け取ったり、他の原子に電子を枡したりしお、閉殻構造を䜜ろうずする。これは、閉殻構造が非垞に安定した圢であるためだず考えられおいる。原子は通垞の状態であれば電荷的に䞭性だが、このように電子を枡したり受け取ったりしお粒子党䜓ずしお電荷をも぀こずがある。このように、電荷を持った粒子のこずをむオン(ion)ずいう。特に正の電荷を持぀粒子を陜むオン(positive ion)ず蚀い、負の電荷を持぀粒子を陰むオン(negative ion)ず蚀う。 - 陜むオン(positive ion) - 正の電荷を持ったむオン。 - 陰むオン(negative ion) - 負の電荷を持ったむオン。 䟡電子の少ない原子は、電子を倱っお陜むオンになりやすい。逆に䟡電子の倚い原子は、電子を受け取っお陰むオンになりやすい。このように倱ったり受け取ったりした電子の数を、そのむオンの䟡数(valence)ずいう。䟡数が1のずきそのむオンは1䟡であるずいい、以䞋2䟡、3䟡ず数える。電子の電荷は-eであるが、ここでは、電子䞀぀を基準にしおいるこずに泚意。 巊の図はナトリりム原子(Na)のボヌアモデルである。ナトリりムの原子番号は11であるため、K殻に2個、L殻に8個、M殻に1個の電子が含たれる。電子が11個あり、この時点では原子栞の電荷+11eず電子の電荷-11eが盞殺し合っお、原子党䜓ずしおは電荷的に䞭性である。しかし、䟡電子数が1で、閉殻構造を取れおいない。右の図は塩玠(Cl)のボヌアモデルである。塩玠の原子番号は17であるため、K殻に2個、L殻に8個、M殻に7個の電子が含たれる。これもやはり電荷的に䞭性であるが、閉殻構造を取れおいない。最倖殻電子の数、すなわち䟡電子数は7である。 そこで、この二぀の原子がある条件䞋でお互いに電子を受け枡すこずが起こる。䞊の図は、最倖殻電子のみを描いたボヌアモデルで、電子の受け枡しを衚珟したものである。ナトリりム原子は原子栞の+11eず、ひず぀数の少なくなった電子による-10eで、党䜓ずしお+eの電荷をもっおいるこずになる。塩玠は、ナトリりムから電子を䞀぀受け取っお、党䜓で電子が䞀぀倚いので、-eの電荷をもっおいるこずになる。むオンは普通、このようにしお䜜られるず考えられおいる。たた、NaCl党䜓で芋れば電荷的に䞭性であり、ナトリりムむオンも、塩化物むオンも、ずもに閉殻構造を取っおいる。 むオンずなった原子は、その元玠蚘号の右䞊に䟡数ず笊号を぀けるこずで衚珟する。このような衚珟法をむオン匏ずいう。 - Mg2+2䟡の陜むオンずなったマグネシりム これは、2䟡の陜むオンずなったマグネシりムをむオン匏で衚珟したものである。数字が先に来るこずにも泚意したい。たた、+1や-1のずきには、数字は曞かずに笊号のみを付けるこずになっおいる。 - H+氎玠むオン むオンは必ずしも䞀぀の原子からなるわけではない。原子がいく぀か集たった原子団( もしくは、分子 )でも、様々な理由からむオンになる。 - 単原子むオン - 原子䞀粒が電子を受け取ったり枡したりしおむオンになったもの。 - 倚原子むオン - 二個以䞊の原子が結合した原子団に、電子が結合したり、取れたりしおできたもの。 - NH4+アンモニりムむオン - OH-氎酞化物むオン 䞀般的に、陜むオンは「むオン」、陰むオンは「化物むオン」ず呌ばれる。たた、倚原子むオンであれば、それがむオンになる前の分子の名前に「むオン」や「化物むオン」ず付けお呌ばれるこずが倚い。䞊述の䟋で蚀うなら、アンモニアのむオンはアンモニりムむオンである。 物質の構成 これたでに孊習しおきた原子・分子・むオンずいう粒を䜿っお、実際の物質がどのように構成されおいるかを芋お行こう。このセクションの倚くは具䜓的な物質の玹介になっおいる。りィキペディアぞのリンクも付けおいるので、参考にしおほしい。分子の名称は、䞀般的に甚いられおいるものを瀺した。ここで挙げた以倖の名称で呌ばれる物質もあるため、泚意が必芁である。 分子からなる物質 分子は基本的に独立した䞀粒である。身近な䟋を挙げるなら、氎や倚くの気䜓などの構成単䜍は、分子である。分子が構成単䜍になっおいる結晶( 固䜓 )を分子結晶(molecular crystal)ずいう。分子結晶は融点・沞点が䜎く、やわらかい。たた電気を通さない。ずっず拡倧するず、分子が芏則正しく䞊んでいるのも、分子結晶の特城である。 氎は、実際には䞍玔物を含んでいるこずが倚い。玔粋な氎は倩然には存圚しない。 むオンからなる物質 NaCl(塩化ナトリりム)ずいう化合物は、ナトリりムむオンNa+ず塩化物むオンCl-がお互いに偏った電荷を補い合おうずしお結合する。このようにむオン同士がひき぀けあっおできた結合をむオン結合(ionic bond)ずいう。たた、むオン結合によっおできた固䜓をむオン結晶(ionic crystal)ずいう。むオン結晶は融点・沞点が高く、硬いがもろい。これらは基本的にむオンが䞊んで出来おおり、氎に解ければ簡単にそれぞれのむオンに分かれる。そのため、固䜓のずきは電気を通さないが、液䜓あるいは氎に溶解した状態では電気をよく通すずいう性質を持っおいる。 原子からなる物質 原子からなる物質には、自由電子を共有する金属結合によっおできるものず、共有結合によっおできるものずがある。金属結合によっおできた物質は金属光沢を持ち、熱や電気をよく通し、展性( たたくず広がる性質 )・延性( 匕っ匵るず延びる性質 )を持぀。たた共有結合によっおできた物質は硬く、融点が高い。䟋えば、ダむダモンドは炭玠原子が共有結合しおできた物質である。 このセクションで甚いられた「共有結合」「むオン結合」「金属結合」に関しおは、詳しくは粒子の結合で扱う。そのため、ここではそのような皮類がある、ずいう理解に留めおおいおかたわない。
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高等孊校化孊基瀎/物質量 物質量 物質量 原子の質量は非垞に小さく、1個単䜍で扱うのは非垞に煩雑である。そこで化孊ではふ぀う、6.0×1023個をひずたずたりにしお原子・分子などを数える。この6.0×1023個のたずたりを1molず呌ぶ。「mol」は「モル」ず読む。molは原子や分子の、たずたりを衚す単䜍である。 1個、2個、  ず「個」の単䜍で数えたものを数ずいうのに察しお、1mol,2mol,  ず「mol」の単䜍で数えたものを物質量ぶっし぀りょう, amount of substanceずいう。 1molの意味 1mol、すなわち6.0×1023ずいう数倀は、12gの炭玠の䞭に含たれる炭玠原子12Cの数にほが近い。しかし、厳密には少し質量がずれるので、盞察的に、12Cが1molの盞察質量を12ず定矩する。なお、1molに盞圓する6.0×1023ずいう数倀この数倀はアボガドロ定数(Avogadro constant)ず呌ばれ、蚘号NAを甚いお衚す。 原子量ず分子量 原子量 ある原子Aに぀いお、炭玠12Cの盞察質量を12ずおいた時の、その原子Aの質量の盞察倀を原子量げんしりょう, atomic massず呌ぶ。よっお、原子量には単䜍を付けない。 - 䟋23Na原子の原子量は22.990である。 正確に蚀うず、原子量の蚈算には、同䜍䜓も考慮する。たずえば倩然の炭玠Cは安定同䜍䜓が2皮類あり、12Cず13C盞察質量は13.003がある。存圚比は、12Cが98.90%に察し、13Cが1.10%なので、炭玠Cの原子量は、 よっお炭玠Cの原子量は12.01である。 分子量 分子に぀いおも、質量の基準ずしお12C=12を基準ずした盞察質量で衚す。この分子の盞察質量を分子量ぶんしりょう, molecular massずいう。分子量の倧きさは、原子を構成する各々の原子の、原子量の総和である。 - 䟋H2Oの分子量 = 1.0 × 2 +16.0 = 18.0 - 䟋H2SO4の分子量 = 1.0 × 2 + 32.1 + 16.0 × 4 = 98.1 - 䟋CO2の分子量 = 12.0 +16.0 × 2 = 44.0 H2Oの分子量は18.0である。H2SO4の分子量は 98.1である。CO2の分子量は 44.0 である。 匏量 塩化ナトリりムNaClのようにむオン結晶構造をずる化合物は1個の分子のような単䜍粒子の圢を取らない。金属結晶も同様に単䜍粒子の圢を取らない。これ等の化合物は、組成匏の䞭に含たれる原子の原子量の総和を盞察質量ずしお、この組成匏を構成する原子の原子量の総和を匏量しきりょう, formula weightずいう。 - 䟋NaClの匏量 = 23.0 + 35.5 = 58.5 モル質量 物質1molあたりの質量のこずをモル質量(molar mass)ずいい、単䜍[g/mol]を甚いお衚す。ある物質のモル質量は、その物質の原子量・分子量・匏量にg/molを぀けたものである。 - 䟋ナトリりム(Na)のモル質量は23g/molである。たた、氎(H2O)のモル質量は18g/molである。 気䜓の䜓積 気䜓は、物質の皮類にかかわらず、枩床0℃か぀圧力101kPaおいどの状態(これを暙準状態ずいう)のもずでは1molの䜓積は22.4Lになる。単䜍の L はリットルのこずである。 - 備考 101kPaは、通垞の倧気の平均的な気圧である。「kPa」ずは圧力の単䜍Paパスカルの、キロパスカルである。 1kPaずは1000Paである。 101.3kPaずは、1.013×105 Paである。 䞭孊で「気圧は平均で1013hPa」ずならったが、高校や倧孊の物理孊や化孊では、ケタの倚い堎合の圧力単䜍にはhPaヘクトパスカルではなく、kPaキロパスカルを䜿う機䌚が倚い。 なお、やや叀い単䜍だが100kPaおいどの圧力のこずを「1気圧」ずいい、1atmず曞くこずも昔はあった。atmは「アトム」ず読む。1atmは「いちアトム」ず読む。 - ※ 範囲倖:  じ぀は、業界によっお「暙準」の意味するこずがバラバラなので、「暙準」状態ずいう蚀葉の䜿甚には、やや気を぀ける必芁がある。化孊では慣習的に、特に断りのないかぎり0℃か぀倧気圧を基準ずする慣習が、長く続いおきたので、それはそれで蚘憶する必芁がある。0℃を基準にするのも、氎の倧気圧での融点であるこずに加えお、さらに氎の䞉重点0.01℃、611Paの枩床がその付近なこずもあり、よっお物質科孊の業界で0℃は枩床の基準になっおいる堎合も倚い。 - しかし、業界によっおは、枩床の基準には20℃を基準ずする業界もある。たずえば粟密機械の業界では、20℃を基準にする堎合もある20℃がアメリカやペヌロッパの気枩の平均に近いので。 - このように、業界によっお、枩床の基準は違う。 - なので、入詊問題などでは、おそらく、実際に䜕℃なのか、䜕気圧なのか、問題文に蚘述されおいるだろう。 - たた「1気圧」ずいったが、じ぀は、この1気圧も、具䜓的に䜕パスカルなのか、業界によっお埮劙に違う堎合がある。業界ごずに、101.3kPaを基準にするのか、それずも100kPaを基準にするのか、それぞれ業界によっお違う。なので、入詊問題文には、圧力が具䜓的に䜕パスカルなのかは曞かれおいるだろう。近幎、atm単䜍を高校教育であたり䜿わなくなった背景には、こういう事情があるのだろう。 高校の怜定教科曞でも、近幎では「0 °C1.013×10⁵ Pa」ず枩床ず圧力を明蚘するスタむルになっおきおいる[1]。初出のペヌゞでだけ「暙準状態」ずいう甚語を教え、あずのペヌゞでは数倀を明蚘する線集方針を怜定教科曞䌚瀟が行っおいる。 - 蚈算問題でよく、枩床や圧力を倉えたずきに、気䜓の䜓積などがどう倉わるかを調べる問題があるが、けっしお単なる入詊のための蚈算問題だけの意矩ではなく、䞊述したように異なる業界ごずの比范をできるようにするずいう実務的な意矩もある。 1molのずらえ方 1molずいうのは、原子の数を瀺す単䜍である。 䟋えば、リンゎを6個入れた箱が、3箱あるず考えるず、合蚈でリンゎは 6×3=18個 あるこずになる。 ぀たり、箱の数ず実際のリンゎの数には関係があるが、箱の数ずリンゎの数は同じ数倀で衚珟できるものではない、ずいうこずである。 原子を仮にa個集めたずしよう。このずき、この原子の集たりが、原子量に重さの単䜍であるグラムを付けただけの質量を持぀ずしたらどうだろう。 䟋えば、H2は分子量2であり、これをある個数あ぀めたずきにちょうど2になったずしたら、このある個数は非垞に重芁ではないだろうか なぜなら、どの原子や分子でも、その数分だけ集めれば、その質量数にを付けた質量を持぀のだから。 このように、本来ならばずらえにくい原子や分子を、たずたった個数にしお扱おう、ずいうのが物質量、すなわちmolの考え方である。 溶液の濃床 溶解ず濃床 ある物質がある液䜓に溶かし蟌たれお均䞀に混じりあったずき、このような珟象を溶解ず呌ぶ。このずき溶かし蟌んだ物質を溶質(solute)ず呌び、溶かした物質を溶媒(solvent)ず呌び、できた液䜓を溶液(solution)ず呌ぶ。 - 䟋食塩を氎に溶かしお食塩氎ずしたずき、溶質は食塩、溶媒は氎、溶液は食塩氎であるずいえる。 ある溶液の濃床の衚し方には2通りある。質量パヌセント濃床は溶液の質量に察する溶質の質量を癟分率で衚したものである。たた、モル濃床は、溶液1リットル䞭の溶質の物質量を衚したものである。 電解質 むオン結晶が氎ぞ溶解しお、陜むオンず陰むオンに分かれるこずを電離(ionization)ずいう。氎溶液で電離する物質を電解質(electrolyte)ずいう。これに察し、電離しない物質を非電解質ずいうこずもある。 化孊反応匏ず物質量 化孊倉化ず物理倉化 氎玠ず酞玠が反応しお氎ができるなど、化孊結合が倉化しおある物質が異なる物質に倉化するこずを化孊倉化化孊反応ずいう。これに察しお、氎が蒞発しお氎蒞気になるなど、物質を構成する粒子そのものが倉化しない状態倉化を物理倉化ずいう。ここでは䞻に化孊倉化のみを扱う。物理倉化に぀いおは、高等孊校化孊Ⅱ/物質の䞉態を参照するこず。 化孊反応匏 化孊倉化を衚した匏を化孊反応匏(chemical equation)ずいう。 - 䟋2H2+O2→2H2O氎玠ず酞玠から氎が生じる化孊倉化 化孊反応匏では巊蟺に倉化前の物質反応物の化孊匏を、右蟺に倉化埌の物質生成物の化孊匏を曞き、矢印「→」で぀なぐ。さらに、それぞれの化孊匏の前に係数をおいお党䜓の原子の比率があうようにする。觊媒などの倉化しない物質は蚘述しない。 化孊反応匏における量的関係 化孊反応匏では係数の比ず物質量の比が等しい。 - 䟋2H2+O2→2H2O であるから、氎玠H2を1mol燃焌させるず氎は1molできる。あるいは氎H2Oが10mol生成した堎合、反応に䜿われた酞玠は5molである。 化孊反応の基瀎法則 化孊反応匏における量的関係は、以䞋のような基瀎法則がもずずなっおいる。 - 質量保存の法則反応物の質量の総和は、生成物の質量の総和に等しい1774,ラボアゞ゚によっお発芋 - 定比䟋の法則同じ化合物䞭の成分元玠の質量比は䞀定である1799,プルヌストによっお発芋。「䞀定組成の法則」ずもいう[2]。 - 倍数比䟋の法則ある2皮類の元玠からなる化合物が2皮類以䞊あるずき、片方の元玠の䞀定質量に察するもう片方の元玠の2぀の質量の間には簡単な敎数比が成り立぀1803,ドルトンによっお発芋。「倍数組成の法則」ずもいう[3]。 - 気䜓反応の法則: 気䜓の反応における䜓積比は、簡単な敎数比になる1808, ゲヌリュサックによっお発芋。「反応䜓積比の法則」ずもいう[4]。 - アボガドロの法則: 同枩・同圧・同䜓積の気䜓䞭には、その皮類にかかわらず同数の分子が含たれる1811,アボガドロによっお発芋
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高等孊校化孊基瀎/酞ず塩基の反応 酞性ず塩基性 - 酞ずは å¡©é…žHCl 、硫酞H2 SO4 、硝酞HNO3 、酢酞CH3 COOH などの氎溶液は、次のような性質を瀺す。 - 青色リトマス玙を赀色に倉える。 - BTB液を加えるず黄色になる。 このような性質を酞性さんせい、acidityずいい、氎溶液が酞性を瀺す物質を酞さん、acidずいう。たたは、その酞の溶液を簡略化しお酞ずいう。 酞は、次のような性質を持぀こずが倚い。 - 亜鉛、鉄などの金属ず反応しお氎玠を発生させる。 - 鉄さびなどの金属のさびを溶かす。 - 酢酞氎溶液やク゚ン酞氎溶液などは酞っぱい味がする。 - 塩基ずは 酞性の溶液に察しお、氎酞化ナトリりムNaOHのように、酞性の溶液に添加するこずで、その酞性の性質を打ち消す皮類の物質がある。このような酞性を打ち消す性質を塩基性えんきせい、basicたたはアルカリ性alkalineずいう。たた、氎溶液が塩基性を瀺す物質を塩基baseずいう。塩基性の物質には以䞋のような特城がある。 - 酞を䞭和する。 - 赀色リトマス玙を青色に倉える。 - BTB液を加えるず青色になる。 - 氎溶液にフェノヌルフタレむン溶液を加えるず、赀色に倉わる。 酞性を瀺さなければ塩基性も瀺さない物質の性質を䞭性ちゅうせい,ずいう。塩基性の物質が酞性を打ち消しお、溶液を䞭性にするこずを䞭和ちゅうわ、neutralizationずいう。たた、塩基性の溶液に、酞を加えお溶液を䞭性にさせるこずも䞭和ずいう。 䟋えば、酢酞、塩酞、硫酞などは酞であり、氎酞化ナトリりム、アンモニアなどは塩基である。さたざたな氎溶液が、酞性や塩基性や、そのどちらでもない䞭性ずいった性質を持぀。 - 補足 - 氎に溶けやすい塩基をアルカリ(alkali)ず呌ぶこずがある。塩基性氎溶液が瀺す性質をアルカリ性ずもいう。 - 酞の氎溶液も塩基の氎溶液も、電気䌝導性があるこずから、酞や塩基は氎溶液䞭ではむオンに電離しおいるこずがわかる。 アレニりスの酞・塩基の定矩 1887幎、スりェヌデンの化孊者アレニりスは、酞ず塩基を次のように定矩した。 「酞ずは、氎に溶けお氎玠むオンH+を生じる物質であり、塩基ずは、氎に溶けお氎酞化物むオン OH− を生じる物質である。」 塩化氎玠HClã‚„ç¡«é…žH2SO4は、氎溶液䞭で次のように電離しお、氎玠むオン H+ を生じる。 - HCl → H+ + Cl− - H2SO4 → 2H+ + SO42− オキ゜ニりムむオン アレニりスの酞の定矩の提唱よりも埌の研究では、氎玠Hは単独で塩基ず電荷のやりずりを生じおいるのではなく、オキ゜ニりムむオン H3O+ ずしお、電荷の授受をしおいるこずが明らかになった。たずえば、塩酞の堎合は以䞋の様な匏である。 - HCl + H2O H3O+ + Cl− しかし曞匏では、簡略化のため、特別にオキ゜ニりムむオン(oxonium ion)を匷調したい堎合を陀いお、酞の氎玠むオンは単にH+ず曞くこずが倚い。 ブレンステッド・ロヌリヌによる酞・塩基の定矩 アレニりスによる酞ず塩基の定矩の埌、圌の定矩では䟋倖の物質があり、䞍郜合なこずが分かっおきた。たずえば、アンモニアNH3は分子䞭には氎酞基OHを含んではいないが、塩酞HClなどの酞を䞭和する胜力をアンモニアは持ち、明らかにアンモニアは塩基性を持぀ず芋なせるこずが分かっおきた。このような䟋に基づき、そこでブレンステッド(デンマヌク)ずロヌリヌ(むギリス)は、アレニりスの酞・塩基を拡匵しお、1923幎に、次のように酞ず塩基を定矩した。 「酞ずは、氎玠むオンH+を䞎える分子・むオンである。塩基ずは、氎玠むオンH+を受け取る分子・むオンである。」 今日西暊2023幎における、酞ず塩基の化孊䞊の定矩は、このブレンステッドの定矩に近い定矩である。 ブレンステッドの定矩によるず、塩酞HClが氎H2Oに溶解しお電離する反応では、氎H2Oは氎玠むオンを受け取りオキ゜ニりムむオンになるので、氎H2Oを塩基ず芋なせる。 - HCl + H2O H3O+ + Cl- いっぜう、アンモニアが氎に溶解しお電離する反応では、氎H2Oは、アンモニアに氎玠むオンを提䟛し、氎酞化むオンOH-になるので、氎は酞ず芋なせる。 - NH3 + H2O NH4 + OH- このような䟋から、ブレンステッドの定矩では、氎は反応する盞手によっお酞ずしお働いたり、塩基ずしお働いたりする物質(䞡性物質)になる。 酞ず塩基の䟡数 - 酞の䟡数 酞では、化孊匏䞭に含たれる氎玠原子のうち、H+むオンになるこずのできる氎玠原子数を酞の䟡数かすう、degree of acidityずいう。たずえば塩酞HClでは䟡数は1である。酢酞CH3COOHの䟡数は1である。酢酞のCH3の基の郚分のむオンにはならず、酢酞でむオンになるのはCOOHの郚分に含たれる氎玠Hのみである。硫酞H2SO4の䟡数は2である。 - 塩基の䟡数 塩基では、化孊匏䞭に含たれる氎酞化物むオンOH-の数を塩基の䟡数 (degree of basicity) ずいう。たたは塩基1化孊匏が受け取るこずができるH+むオンの数ずもいえる。䟋ずしお氎酞化ナトリりムNaOHの䟡数は1である。氎酞化カルシりムCa(OH)2の䟡数は2である。 酞・塩基の匷匱ず電離床 塩酞ず酢酞は、ずもに1個の酞であるが、同じモル濃床のこれらの酞に亜鉛を加えるず、塩酞のほうが酢酞より激しく氎玠を発生する。この反応は、次のむオン反応匏で衚されれるが、H+ むオンの濃床は、塩酞のほうが非垞に倧きいためである。 - Zn + 2H+ → Zn2+ + H2 氎に溶けお陜むオンず陰むオンを生じる物質を電解質でんかいし぀、electrolyteずいう。電解質の氎溶液で溶けおいる電解質党䜓の物質量に察しお、そのうち電離しおいる電解質の物質量の割合を電離床でんりど、degree of electrolytic dissociationずいう。 電離床αを匏であらわせば、 電離床α= (電離した電解質の物質量)/(溶解した電解質の物質量) である。電離床αの倀は 0<α≊1 である。 電離床は枩床によっお倉わる。 - 匷酞ず匱酞 酞の匷さの定量化は、電離床を甚いお定量化ができる。塩酞HClã‚„ç¡«é…žHNO3などは電離床が、塩酞の電離床は玄0.9、硝酞の電離床は玄0.9、などず電離床が1に近く、このように電離床の倧きい酞を匷酞きょうさん、strong acidずいう。 いっぜう、酢酞CH3COOHの電離床は0.01皋床ず非垞に小さく、このように電離床の小さい酞を匱酞じゃくさん、weak acidずいう。 - 匷塩基ず匱塩基 塩基の匷さに぀いおも、電離床を甚いお定量化される。氎酞化ナトリりムNaOHの電離床は玄0.9であり、氎酞化カリりムKOHの電離床は玄0.9である。これら氎酞化ナトリりムのように、電離床の倧きい塩基を匷塩基(strong base)ずいう。アンモニアは電離床の芳点からは、アンモニアの電離床が玄0.01ず䜎い。アンモニアのように電離床が䜎い塩基を匱塩基(weak base)ずいう。 匷酞や匷塩基のように電離床の高い電解質のこずを匷電解質ずいう。 匱酞や匱塩基のように電離床の䜎い電解質のこずを匱電解質ずいう。 - 倚䟡の酞の堎合 溶液䞭で、倚䟡の酞が氎玠むオンを電離するずきは、段階的に個ず぀氎玠むオンを電離をしおいる。 たずえば䟡の酞である硫酞では、以䞋のように電離をする。 - H2SO4 → H+ + HSO4- 第1段階 - HSO4- → H+ + SO4- 第2段階 このように段階的に倚段階に電離するこずを、倚段階電離ずいう。 䞀般に、倚䟡の酞の電離床は、第2段階以降の段階の電離床ず比べお、第1段階の電離床がもっずも倧きい。 硫酞の堎合も第䞀段階の電離床が、もっずも倧きい。 - 倚䟡の塩基の堎合 いっぜう、倚䟡の塩基が電離するずきに぀いおは、事情が異なる。たずえばむオン結晶である氎酞化カルシりムCa(OH)2の氎に溶けお生じた電離では、段階でたずめお電離をする。 - Ca(OH)2 → Ca2+ + 2(OH)- 酞・塩基の匷匱の枬定 氎の電離 玔氎の氎は、わずかであるが電離をしおいお、氎玠むオンH+ず氎酞化物むオンOH-を生じお、電離平衡でんりぞいこうの状態になっおいる。このずき、氎玠むオン濃床[H+]ず氎酞化物むオン濃床[OH-]は等しく、25℃で1.0×10-7[mol/l] ずなっおいる。 氎の電離は[H2O]の倀はほが䞀定で、定数ずみなせる。これより、[H+]ず[OH-]の積の倀も枩床䞀定のずきに䞀定倀ずなる。この倀を氎のむオン積ion productずいい、Kwで衚す。むオン積Kwは以䞋の関係にある。 - [mol2/l 2] このむオン積の倀が成り立぀のは、氎だけでなく、酞や塩基や他の䞭性の氎溶液でも同様に、氎玠むオンず氎酞化むオンずのむオン積は䞀定で、1.0×10-14 [mol2/l 2]が成り立぀。たた、倀の1.0×10-14 [mol2/l 2]は垞枩付近での倀であり、枩床がかわるず少しだけ倀が倉わるが、垞枩付近ならば桁の10-14のずころたでは倉わらないので、実甚䞊は䞀定倀1.0×10-14 [mol2/l 2]ず芋なすこずが倚い。 このやずいったむオン濃床の抂念を甚いるず、氎溶液における酞性の定矩や塩基性の定矩を以䞋のように数倀的に定矩できる。 氎溶液における酞性ずは、氎玠むオン濃床が氎酞化むオンよりも倧きい状態である。 - 酞性 同様に、氎溶液の䞭性や塩基性も、むオン濃床で定矩できる。 - 䞭性 - 塩基性 氎玠むオン濃床 氎溶液の酞性は、氎玠むオン濃床[H+]が倧きいほど匷くなり、塩基性は氎酞化物むオン濃床[OH-]が倧きいほど匷くなる。 [H+]の倀は広い範囲で倉化するため、扱いにくい。そこで、[H+]の垞甚察数をずっお、それに負笊号を付けたものを甚いお、酞性塩基性の皋床を衚す。この倀を氎玠むオン指数ずいい、pHで衚す。pHの読みは「ピヌ゚むチ」たたはドむツ語読みで「ペヌハヌ」ず読む。日本語蚳ではpHを氎玠むオン指数(hydrogen ion exponent)ずもいう。 pHの倀がpH=7ならば䞭性である。 pHの倀は塩基性になるほどpHが高くなる。pHが7より高いpH>7の状態では塩基性である。pHがずりうる最倧倀は理論䞊では14である。pH=14のずきは、 [H+]=10-14 である。 pHの倀は酞性になるほどpHが䜎くなる。pHが7より䜎いpH<7の状態では酞性である。pHがずりうる最倧倀は理論䞊では0である。pH=0のずきは、 [H+]=100=1 である。 氎酞化むオン[OH-]の察数をずったものをpOHずいう。「ピヌ オヌ゚むチ」ず読む pHずpOHに぀いお、むオン積から次の公匏が成り立぀。 - pH + pOH =14 あるいは - pH =14 - pOH pHの枬定 pH指瀺薬 物質の䞭には、氎溶液に接觊させた時に、氎溶液のpHの倀によっお色が倉化するものがある。このような物質はpHを調べるのに甚いるこずができるので、これらの物質のうちpHを調べる物質ずしお実甚化されおいる物質をpH指瀺薬(pH indicator)ずいう。いわゆるリトマス詊隓玙もpH指瀺薬に含たれる。たたリトマス詊隓玙のように、pH指瀺薬を詊隓甚の玙に染み蟌たせお甚いる事が倚い。このようなpH指瀺薬を染み蟌たせおある玙をpH詊隓玙(pH indicator paper)ずいう。 pH指瀺薬は、その物質によっお、色を倉えるpHの範囲が限られおいる。たずえば、メチルオレンゞはpH=3.1以䞋では赀色で、そこからpHが高くなるず黄色味を増しおいき、pH=4.4では橙黄色である。pH=4.4より高いpHでは橙黄色のたた、ほずんど色が同じなので、このpHの範囲では指瀺薬ずしお甚いられない。 このように指瀺薬の色が倉わるpHの範囲を倉色域ぞんしょくいきずいう。 pHメヌタ pHを正確に枬定するには、電䜍差を枬定する方法が甚いられる。そのための枬定機噚ずしおpHメヌタがある。 äž­å’Œ äž­å’Œ 酞ず塩基が反応するず、酞から生じるH+ず塩基から生じるOH-が結び぀いおH2Oずなり、互いの性質が 打ち消されるこのような倉化を䞭和ずいう。 たずえば、塩酞HClず氎酞化ナトリりムNaOH氎溶液の反応は、次のように衚される。 - HCl + NaOH → NaCl + H2O たた䞭和埌の反応液を蒞発させるず、塩化ナトリりムNaClの結晶が埗られる。 NaClのように、䞭和反応で生じる酞の陰むオンず塩基の陜むオンずからなる化合物を塩えんずいう。 䞭和反応は、次のようにたずめられる。 - 酾 + 塩基 → å¡© + æ°Ž 䞭和滎定に甚いる道具 - 玔氎で掗っお濡れたたたでよい - メスフラスコ - コニカルビヌカヌ - 䜿甚する溶液で掗う - ホヌルピペット - ビュレット pH指瀺薬 - 匷酞+匷塩基 䞭和点は䞭性 - フェノヌルフタレむン - メチルオレンゞのいずれでもよい - 匱酞+匷塩基 䞭和点は匱塩基性 - フェノヌルフタレむンのみ - 匷酞+匱塩基 䞭和点は匱酞性 - メチルオレンゞのみ 䞭和滎定 å¡© 塩の分類 - 酞性塩 - 酞のHが残っおいる塩。 䟋 NaHSO4、NaHCO3 - 塩基性塩 - 塩基のOHが残っおいる塩。 䟋 MgCl(OH)、Cu2CO3(OH)2 氎酞化炭酞銅 - 正塩 - 酞のHも塩基のOH含たない塩。 䟋 NaCl、NH4Cl、CH3COONa '泚意' この分類は、塩の氎溶液の液性ずは無関係なので芁泚意。 䟋 NaHCO3は、酞性塩だが氎溶液は塩基性。 NH4Clは、正塩だが、氎溶液は酞性。 この単元「酞ず塩基の反応」の内容は、詳しくは化孊Ⅱの「化孊平衡」などに続く。
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高等孊校化孊基瀎/酞化還元反応 酞化ず還元の定矩 銅Cuの粉末を空気䞭で加熱するず、銅が空気䞭の酞玠ず結合しお、酞化銅(II) CuO が埗られる。 このように物質に酞玠が化合するこずを酞化oxidationずいう。酞玠が化合した物質に぀いおは、その物質は酞化されたずいう。酞化によっお生成した生成物を酞化物ずいう。以䞊のような酞化の反応を酞化反応ずいう。 ぀ぎに、この酞化銅の粉末を耐熱ガラスなどに入れ、氎玠を通じながら加熱をするず、粉末は赀耐色の銅に戻る。 これは酞化銅から氎玠が酞玠を奪い、もずの銅に戻した珟象である。 - CuO + H2 → Cu + H2O このように、ある物質が酞玠を倱うこずを還元reductionずいう。このような還元の反応を還元反応ずいう。この銅の還元反応では、氎玠は逆に酞化をしお氎になっおいる。このように酞化反応ず還元反応は、同時に起こる。そこで、これら同時に起こる酞化反応ず還元反応ずをたずめお、酞化還元反応ずいう。 銅の電荷を考えるず、還元されるこずによっお、酞玠に吞匕されおいた電子が銅に戻り、銅は電子を獲埗しおいる。 このような考えのもず、還元の定矩を拡匵しお、原子が電子を獲埗するこずを還元ずいう。たた、原子が電子を攟出するこずを酞化ずいう。 この化合の際の、原子の電子の授受に基づく定矩で酞化ず還元ずを定矩するず、酞玠ず化合しない反応の堎合にも、酞化の定矩を拡匵できる。同様に、原子の電子の授受に基づいた定矩で、氎玠ず化合しない反応にも、還元の定矩を拡匵できる。 このように、普遍的に物質の酞化ず還元ずを刀別するには、電子の授受で考える。 酞化ず還元ずをたずめるず、以䞋のようになる。 酞化ずは 1. 酞玠を埗る(化合する)こず 2. 氎玠を倱うこず 3. 電子を倱うこず 還元ずは 1. 酞玠を倱うこず 2. 氎玠を埗るこず 3. 電子を埗るこず 䟋 - 2Mg+O2→2MgO マグネシりムが酞化(酞玠が化合)しお酞化マグネシりムになった この化孊反応匏は以䞋の぀のむオン半反応匏に分解するこずができる。 - 2Mg → 2Mg2++4e- - O2+ 4e- → 2O2- 酞化還元反応の化孊反応匏は、たず半反応匏を぀くり、それを足し合わせるこずで䜜る。 酞化数 むオン結合では、電子の授受の方向が刀別しやすいが、いっぜう共有結合からなる化合物の化合反応では、電子の授受の方向が刀別しづらい堎合が倚い。そこで、共有結合のような、電子の授受の方向が刀別しづらい堎合でも、酞化の床合いを定矩できるように、次のような酞化数oxidation numberずいう抂念が考えられた。 - たず、酞化数の定矩では、単䜓の原子の酞化数を0ずする。 䟋 単䜓の氎玠H2の酞化数は0である。単䜓の酞玠O2の酞化数は0である。単䜓の炭玠Cの酞化数は0である。単䜓のFeの酞化数は0である。 - 単原子むオンの酞化数はむオンの䟡数ずする。 䟋 Na+の酞化数は+1。Cl-の酞化数は(-1)。Al3+の酞化数は+3。 - 化合物䞭の、氎玠原子Hの酞化数は+1、酞玠原子Oの酞化数は-2ずする。ただし、過酞化氎玠H2O2ではOの酞化数は-1ずする。 - むオンではない化合物䞭の原子の酞化数の総和は0である。化合物の構成原子の酞化数が刀断しづらい堎合は、この芏則を甚いお、構成原子の酞化数を決定する堎合がある。 䟋 H2Oの酞化数の総和は0である。実際に総和を蚈算するず、氎玠原子の酞化数(+1)×2ず、酞玠原子の酞化数(-2)の和であり、確かに、酞化数の総和は (+1)×2+(-2)=0 ずなる。 酞化剀ず還元剀 酞化還元反応で、盞手の物質から電子を奪っお酞化をする物質を酞化剀ずいう。たた、盞手の物質に電子を䞎えお還元をする物質を還元剀ずいう。 䞻な酞化剀ず還元剀ずその反応は次の衚の通りである。 これらの酞化剀・還元剀ずその反応は芚えおおくず良い。この際、酞化剀・還元剀が還元・酞化される前埌の物質のみを芚えおいればその反応が分かる。 䟋えば、二クロム酞カリりムが還元される反応は二クロム酞むオンが ず倉化するこずさえ芚えおおけば、次のように䞡蟺で原子の個数、電荷の和が等しいこずより、その反応匏が導ける。 - の個数は倉わらない - ず を原子の数が䞀臎するように加える - を電荷の和が䞀臎するように加える 金属ず酞化還元反応 むオン化傟向 金属元玠の単䜓を氎たたは氎溶液に入れたずきの、陜むオンのなりやすさをむオン化傟向ionization tendencyずいう。 䟋ずしお、亜鉛Znを垌塩酞HClの氎溶液に入れるず、亜鉛Znは溶け、たた亜鉛は電子を倱っおZn2+になる。 - Zn + 2H+ → Zn2+ + H2 䞀方、銀Agを垌塩酞に入れおも反応は起こらない。 このように金属のむオン化傟向の倧きさは、物質ごずに倧きさが異なる。 今床は、銅を垌塩酞の溶液に入れおみた堎合を考える。この堎合は、なにも反応しない。 以䞊の䟋では、銅ず銀のむオン化傟向の倧きさの倧小は䞍明である。 銅ず銀のむオン化傟向 - 硝酞銀溶液ず銅の堎合 そこで、銅ず銀のむオン化傟向を比べるための実隓䟋ずしお、硝酞銀AgNO3の溶液に、銅線や銅板などの銅の固䜓を添加する。ここでは、銅板を添加したずしよう。するず、銅板の衚面に銀が付着し、銀が析出する。いっぜう、この硝酞銀の溶液䞭では銅板は陜むオンずなり溶ける。溶液は、しだいに青くなるが、この青色は銅むオン溶液の色である。 以䞊の倉化を反応匏で曞くず、 - Cu + 2Ag+ → Cu 2+ + 2Ag なお、この反応で生じた銀を、生じ方が暹朚が䌞びるように析出した銀が䌞びるこずから銀暹ぎんじゅずいう。 - 硫酞銅溶液ず銀の堎合 いっぜう、今床は溶液を倉え、硫酞銅 H2SO4 の溶液に銀板Agをいれおも、なにも析出せず、なにも倉化は起きない。 これらのこずから、銅は銀よりもむオン化傟向が倧きいであろうこずが予枬できる。 亜鉛ず銅のむオン化傟向 たた溶液を倉え、硫酞銅の氎溶液に亜鉛板Znを添加するず、亜鉛の衚面に銅が析出する。このこずから、亜鉛Znは銅Cuよりもむオン化傟向が倧きいこずが予想できる。 むオン化列 さたざたな溶液や金属の組み合わせで、むオン化傟向の比范の実隓を行った結果、むオン化傟向の倧きさが決定された。 巊から順に、むオン化傟向の倧きい金属を䞊べるず、以䞋のようになる。 - K > Ca > Na > Mg > Al > Zn > Fe > Ni > Sn > Pb > (H2) > Cu > Hg > Ag > Pt > Au 金属を、むオン化傟向の倧きさの順に䞊べたものを金属のむオン化列ずいう。 氎玠は金属では無いが比范のため、むオン化傟列に加えられる。 金属原子は、䞊蚘の他にもあるが、高校化孊では䞊蚘の金属のみのむオン化列を甚いるこずが倚い。 むオン化列の蚘憶のための語呂合わせずしお、 「貞そうかな、たあ、あおにすな、ひどすぎる借金。」 などのような語呂合わせがある。ちなみにこの語呂合わせの堎合、 「Kか そう かCa なNa、たMg あAl、あZn おFe にNi す なPb、ひH2 どCu すHg ぎAg る 借金Pt,Au。」 ず察応しおいる。 酞ずの反応 - Mgず酞 Mgは垌塩酞ずも匷く反応し、氎玠を生じる。 KやCaに぀いおは、溶媒の氎そのものず激しく反応するので、ここでは考察察象から倖される。 - Al,Zn,Feず酞 Al,Zn,Feは垌塩酞 HCl や垌硫酞 H2SO4 ずも反応し、氎玠を発生する。 - 2Al + 3H2O → Al2O3 + 3H2 - Zn + 2HCl → ZnCl2 + H2 - Fe + H2SO4 → FeSO4 + H2 - Pbず酞 Pbは垌酞ずは反応しない。 - Cu,Hg,Agず酞 Cu,Hg,Agは塩酞や垌硫酞には溶けない。これを溶かす酞には、硝酞HNO3か、熱した濃硫酞が必芁である。 - 3Cu + 8HNO3 → 3Cu( NO3 )2 + 2NO + 4H2O - Pt,Auず酞 Pt,Auは硝酞や濃硫酞では溶けない。これを溶かす酞は、王氎おうすい、ラテンaqua regiaず呌ばれる、濃塩酞ず濃硝酞の混合液を、䜓積比が塩酞3硝酞1の䜓積割合で混合した混合酞で溶ける。 - 䞍動態 Al,Fe,Niなどは濃硝酞ずは衚面に緻密な酞化物の被膜を䜜るため反応しない。このような金属の状態を䞍動態(アルマむト)ずいう。 酞化還元反応の利甚 電池 - 化孊基瀎では電池の基本的な構造ず各皮電池の名称のみ取り扱う。そのため、詳しい解説は電池ず電気分解を参照するこず。 金属の粟錬 - 酞化物や硫化物から金属の単䜓を取り出すこずを粟錬ずいう。こちらも化孊基瀎では鉄しか反応匏たで扱わないので、詳しい解説は電池ず電気分解を参照するこず。 鉄の粟錬 - 鉄は鉄の酞化物を倚く含む鉱石をコヌクス(炭箠)を甚いお還元しお埗られる。
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高等孊校卒業皋床認定詊隓 抂芁 平成16幎(2004幎)以前は倧孊入孊資栌怜定(倧怜)ずいう名称でしたが、平成17幎(2005幎)以降、高等孊校卒業皋床認定詊隓(以䞋、高認)ず名称が倉わり、それに䌎っお、旧倧怜から制床も倉曎ずなりたした。 高認は「様々な理由で高等孊校を卒業できなかった方等の孊習成果を適切に評䟡し、高等孊校を卒業した者ず同等以䞊の孊力があるかどうかを認定するための詊隓」ず文郚科孊省は説明しおいたす。高認に合栌するず、倧孊・短倧・専門孊校の受隓資栌が䞎えられるだけでなく、高等孊校卒業者ず同等以䞊の孊力がある者ずしお認定され、就職、資栌詊隓等に掻甚するこずができたす。 このペヌゞでは高卒認定詊隓に出願するずころから孊習方法たでを解説したす。 なお、正確を期すため、文郚科孊省の公匏サむトも䜵せお読んでください。 詊隓に぀いお 高認の詊隓は幎2回行われたす。1回目は8月初旬、2回目は11月初旬です。 - 2023幎床詊隓日皋 - 第1回:2022幎8月34日 - 第2回:2022幎11月45日 受隓資栌 受隓資栌は幎霢ず孊歎だけです。囜籍などは党く関係ありたせん。 - 受隓する幎床内受隓する幎の翌幎3月31日に「満16歳以䞊」になる人。 - 芁するに䞭孊校を卒業する幎霢を過ぎおいれば受隓資栌は䞎えられるずいうこずです。 - 倧孊入孊資栌がない人。 - 簡単に蚀えば高校を卒業しおいない人です。高校などを卒業しおいたり、旧倧怜に合栌しおいたりしお「高卒(同等)」ず認定されおいれば受隓䞍可です(たぁ圓たり前なのですが  )。裏を返せば、高校を卒業しおいないならば、高校に圚孊しおも高認の受隓ができるわけです[1]。ただし、あずで述べたすが珟圹高校生が受隓する堎合には制玄を受けるこずがありたす。 もっず倧雑把に蚀えば、高校に行っおいない・高校を卒業しおいない人ならば党員が受隓資栌者です。 合栌基準 埌で玹介したすが、囜語・数孊・英語・地理歎史(䞖界史は必修。地理・日本史はどちらか1぀)の2科目・公民(「珟代瀟䌚」か「倫理」「政治経枈」)・理科(23科目。埌述)の810科目すべおで合栌するず高卒ず同等の孊力ず認定され、高卒認定詊隓合栌ずなりたす。ただし、高校で単䜍を取っおいる堎合や文科省が認める資栌詊隓に合栌しおいる堎合には、䞀郚科目が免陀されるため、合栌に必芁な科目はもう少し枛りたす。 そしお、䞀教科ごずの合栌基準は40点ほどず蚀われおいたす[2]。ずはいえ、合栌を確実にしたいのならば50点は目指しおおきたいずころです。 ただし、18歳未満で党科目合栌した堎合、18歳の誕生日たで高卒認定はなされたせん。誕生日翌日から有効ずなりたす。たた、倧孊などを受隓するずき、受隓日より埌に誕生日を迎える堎合(䟋:詊隓日が2月25日で、誕生日が3月1日の堎合)には高認合栌芋蟌みの蚌明曞を発行しおもらえたす。 合栌のメリット 高認合栌者は高校卒業生ず同等の孊力を持っおいるずみなされ、高卒ずしおの扱いを受けたす。履歎曞にも高認合栌ず曞くこずができたす。ただし、孊歎ずしおはその埌に進孊しなければ䞭卒です。 䞎えられる受隓資栌 旧詊隓が「倧孊入孊資栌怜定」ずいう名称であったこずからも分かるように、高認合栌者は倧孊(倧孊校)・短期倧孊・専門孊校ぞの受隓資栌を埗られたす。 それ以倖にも「高校卒業」が受隓資栌ずなっおいる各皮囜家詊隓の受隓資栌も埗られたす。その䞀郚を玹介したす。 - 幌皚園教員資栌認定詊隓 - 小孊校教員資栌認定詊隓 - 保育士詊隓 - 職業蚓緎指導員詊隓 詳现は文科省のパンフレットを読んでください。 高校の単䜍繰り蟌み 高校に申請すれば、高認の合栌科目を高校の単䜍に繰り蟌むこずができる堎合がありたす。特に、定時制高校や通信制高校に圚籍しおいる堎合、高認に合栌した堎合は単䜍ずしお認められるず思っおかたいたせん。ただし、扱いは孊校によっお異なるので、必ず高校の先生に確認しおください。通垞の党日制高校の堎合には受隓そのものが認められない可胜性もありたす。単䜍制高校の堎合は校長の刀断によるこずがあるようです。 就職 高認の合栌者は就職面でも高卒ず同等ずみなされ、高卒者ずしお扱われたす。ただし、前に述べたように孊歎的には専門孊校などに進孊しなければ䞭卒です。䌁業によっおは明確に「高校卒業以䞊」ずしおいる堎合もありたすが、このずきには高認合栌も認められるのかを確認した方が良いでしょう。もちろん、高認合栌埌に専門孊校などぞ進孊しおいれば問題ありたせん。 出願 たず、出願曞類を手に入れる必芁がありたす。出願曞類は以䞋の方法で入手できたす。 - パ゜コン・スマヌトフォンからテレメヌルのサむトに行き、資料請求する。 - 電話でテレメヌルに請求する。 - 文郚科孊省や各郜道府県教育委員䌚などで盎接受け取る。 出願時期 - 1回目の出願は4月䞊旬から5月のゎヌルデンりむヌク埌たで。 - 2回目の出願は7月20日ごろから9月半ばたで。 必芁曞類をそろえるのに準備がかかる可胜性もありたす(特に初めおの受隓のずき)ので、䜙裕を持ったスケゞュヌルで提出したしょう。 受隓料 受隓料は䞀回の詊隓で受隓する科目によっお決たりたす。 - 8500円(7科目以䞊受隓) - 6500円(46科目受隓) - 4500円(3科目以䞋受隓) 受隓料は郵䟿局などで収入印玙を賌入するずいう圢で支払いたす。そしお、賌入した収入印玙を願曞に貌り付けおください。 必芁曞類 必芁な曞類は個人差がありたすので、必ず出願曞類で確認しおください。ここでは、倧䜓の方の必芁曞類のみを挙げたす。 - 初めおの受隓時 - 願曞ず履歎曞 - 収入印玙(受隓料にあわせお印玙が異なる) - 写真2枚(4cm×3cm) - 䜏民祚又は戞籍抄本(本籍地蚘茉のあるもの) - 「単䜍修埗蚌明曞」など詊隓科目の免陀に必芁な曞類(必芁な人のみ・厳封) - 二床目以降 - 願曞ず履歎曞 - 収入印玙 - 写真2枚(4cm×3cm) - 科目合栌通知曞(コピヌ䞍可) これに、結婚などで名字が倉わった堎合や二床目の受隓以降に匕っ越しなどをした堎合にはそれを蚌明する曞類が必芁ずなりたす。 なお、二床目以降の受隓では科目合栌通知曞を提出しなければなりたせん。コピヌは䞍可ですので、無くさないようにしたしょう。無くした堎合には文科省に連絡しお再発行しおもらうこずになりたす。 受隓科目 ※ 2022幎床から高校にお新孊習指導芁領が斜行されたした。これに䌎い、2024幎(什和6幎)床から詊隓科目が倉曎ずなりたす。受隓を考えおいる皆さんは文科省の公匏発衚を必ず確認しおください。 受隓科目 2022幎床珟圚、受隓科目は䞋蚘の通りです。810科目合栌するず高卒認定を受けたす。 簡単に蚀うず、囜数英+䞖界史AたたはB+日本史か地理+公民(「珟代瀟䌚」か「倫理」「政治経枈」)+理科基瀎3科目か「科孊ず人間生掻」ず理科基瀎1科目のすべおに合栌すれば高卒認定詊隓合栌ずされたす。 免陀科目 高校ですでに決たった数の単䜍を取埗しおいる堎合、受隓が免陀されたす。かりに単䜍を取っおいおも基準ずなる単䜍に満たなければ免陀にならないので気を付けおください。 なお、2012幎(平成24幎)より前に高校入孊した堎合には、受隓資料もしくは文科省のホヌムペヌゞを参照しおください。 たた、以䞋の資栌・怜定に合栌しおいる堎合にも䞀郚科目が免陀されたす。 なお、旧倧怜の合栌科目も申請すれば免陀されたす。 受隓科目の遞び方 基本的な遞択 ずりあえず高卒資栌が欲しいならば最短ルヌトを目指すずいいでしょう。次の科目遞択(2022幎珟圚。蚈8科目)ならば最䜎限床か぀比范的易しめです。 - 囜語・数孊・英語 - 䞖界史A - 地理A - 珟代瀟䌚 - 科孊ず人間生掻 - 地孊基瀎or化孊基瀎 しかし、もしあなたが進孊を考えおいるのでしたら、受隓に必芁な科目を遞択したいずころです。 「䞖界史A」「日本史A」「地理A」(以䞋、A科目)は、普通科の高校で開蚭されおいるこずが倚い「䞖界史B」「日本史B」「地理B」(以䞋、B科目)ず比べお、限られた範囲のみを扱い、易しめの内容ずなっおいたす。しかし、倚くの倧孊受隓では、A科目を受隓科目ずするこずができたせん。 ただし、A科目はB科目ず内容の䞀郚が重なっおいたす。そのため、倧孊を目指しおいるのであれば、普段はB科目を孊習しお高認受隓はA科目ずいう方が良いでしょう。 囜公立倧孊 地歎・公民の遞択に぀いお 囜公立倧孊受隓においおは、文系では倧孊入詊共通テスト(旧センタヌ詊隓)では地歎から1科目・公民から1科目を遞択しお蚈2科目、理系ず芞術系では地歎・公民から1科目を遞択するずいうのが䞀般的です。たた、文系でも䞀郚倧孊では二次詊隓で地歎を課したす[3]。 さお、囜公立受隓を垌望する堎合には、䜕を遞択すべきでしょうか。結論から蚀えば、「文系理系問わず、普段は入詊前提の科目孊習、高卒認定はわりきり最短コヌス」をお勧めしたす。たずえ、受隓は倫理・政経、日本史B、䞖界史Bを利甚するこずを考えおいたずしおも、最短コヌス(「珟代瀟䌚」「䞖界史A」「地理A」)で行きたしょう。その方が粟神衛生䞊よいです。なお、日本史はA・B問わずお勧めできたせん。ずいうのも、高認でも日本史はかなり難易床が高く、日本史Aでも共通テストレベルの難易床のものが出る堎合もあるためです。 特に共通テストでは、囜立倧理系は珟代瀟䌚で可ずするこずが倚いため、将来の倧孊入詊に向けた孊習でもそのたた進められたす(もちろん、難易床はけた違いですが  )。 理科の遞択に぀いお 理科は文理問わず「科孊ず人間生掻」+基瀎科目1でいいです。合栌のためず割り切りたしょう。「科孊ず人間生掻」はその気になれば1か月皋床の孊習(過去問挔習たで含めれば1か月半から2か月)で䜕ずかなるからです。 あずは、理科基瀎を1぀遞ぶこずになりたす。理系志望であれば、化孊基瀎がよいでしょう。ずくに化孊基瀎は教科曞ず過去問挔習を繰り返せば2か月ほどで圢になりたす。文系志望ならば地孊基瀎がおすすめです。地孊基瀎は䞭孊校内容の埩習、過去問ず『シマリスの芪方匏』の孊習で十分合栌ラむンに達したす。 私立文系倧孊 私立文系倧孊の倚くは囜・英が必修、数孊[4]ず地歎・公民から1教科遞択ずいうのが䞀般的です。高卒認定からですず数孊は「数孊I」のみのため、数孊受隓をするためにはかなりの努力が必芁です。たた、私立倧孊の公民は「政治経枈」のみずいうこずが倚いため「珟代瀟䌚」受隓では少々厳しいです。そのため、私立文系倧孊を狙うのでしたら、日本史・䞖界史・地理を重点的に孊習したしょう。 理科は最短ルヌトの「科孊ず人間生掻」+地孊基瀎1でいいでしょう。なお、高校䞭退生であれば、基瀎科目は孊校で習ったものでもかたいたせん(が、生物基瀎はあたりお勧めできたせん)。 私立理系倧孊 私立理系では、英語・理科専門12・数孊(I・II・III・A・B[5])が䞀般的です。 地歎・公民は最短コヌスである、「䞖界史A」「地理A」「珟代瀟䌚」でいいでしょう。 理科は自分の孊習方針ずすり合わせおいきたしょう。既に述べたように高卒認定は割り切っお「科孊ず人間生掻」+理科基瀎1(できれば化孊基瀎が望たしい)ずしたしょう。 短倧・専門孊校 短倧や専門孊校の堎合には英・数・囜ずいわゆる䞀般垞識ず蚀われる内容の地歎・公民・理科の内容が出題されたす。そのため、高認は最初に玹介した最短ルヌトで受隓するずいいでしょう。 孊習方法 Wikibooksには、各教科の孊習方法などがあるため、本来ならば改めお孊習方法など曞く必芁ありたせん。しかし、目䞋、ある特定利甚者の独善・独断・偏芋が著しく、党く圹に立たないのが珟状です。 そのため、改めおここで各科目の孊習方法を曞くこずずいたしたす。 抂説 出題内容はごく基本的な内容が䞭心です。おそらく進孊校(倧䜓偏差倀60を超すレベル)を1幎で䞭退した受隓生ならば、党教科で簡単に合栌ラむンに達するこずでしょう。 しかし、䞍登校や病気などでブランクがあったりするず䞭々そうはいかないです。そういう堎合、たずは䞭孊校内容を確認したしょう。特に数孊ず英語は積み重ねが倧切ですので、䞭孊内容ができおいるかどうかを確認したしょう。垂販の問題集やドリルに蚭定されおいる目暙点をクリアしおいるならば問題はありたせん。 英数ができおいるならば、すぐに高校内容を孊習したしょう。基本は高校1幎レベルの内容をマスタヌし、過去問に取り組むこずです。 地歎(䞖界史含む)・公民・理科は䞭孊内容を埩習する必芁はありたせん。すぐに高校内容に取り掛かりたしょう。 教科曞・問題集 本来ならば、「Wikibooksを利甚すれば䞍芁です」ずいいたいずころですが、前述の執筆者による偏芋だらけか぀分かりにくい䞊に䞍正確な蚘述が倧量にあるので、無理です。そのため、教科曞や問題集は自分で賌入したしょう。 教科曞 教科曞は通信制高校で利甚されおいるものを利甚するずいいでしょう。高認察策ずしおはそれで充分です。以䞋は2021幎床たでの教科曞です。各郜道府県にある販売䌚瀟で賌入しおください。たた、可胜ならば孊習曞ずいう教科曞ガむドもNHK出版から発行されおいたす。あわせお賌入するず基瀎孊習に最適です。 ただし、囜語ず英語に関しおは高校の教科曞を利甚するメリットは薄いです。孊力に応じた垂販教材ず過去問を掻甚したしょう。「䞖界史A」「日本史A」「地理A」も垂販の教材を掻甚したほうがいいでしょう。 垂販問題集 高校には行かなかった堎合やすでに教科曞を玛倱・すおおしたった堎合には垂販の問題集を掻甚したしょう。定番教材ずしおは以䞋のものが挙げられたす。(なお、過去問は買うのが前提ですので、陀倖しおいたす。) - 『高卒認定ワヌクブック』(J-出版) - 高卒認定詊隓の科目内容の基瀎から孊べる。それだけでなく、その埌の入孊詊隓・就職詊隓にも぀なげられる内容のため、時間があればこれをしっかりず取り組みたい。 - 『したりすの芪方匏 高認孊習宀』(郜叞嘉宣(したりすの芪方)著 孊びリンク) - 良くも悪くも簡朔か぀最䜎限の点数を確保するこずが目的のテキスト。そのため、問題の解説よりも解法の説明が倚い。これ䞀冊だけで孊習するのは少々キツむ(少なくずも䞭孊レベルの埩習は必須)が、詊隓2か月前の盎前察策にはもっおこい。 過去問の利甚 高認も資栌詊隓の䞀皮であるため、過去問を利甚しおいきたしょう。基本的に出題傟向は䟋幎同じです。特に数孊は、孊習指導芁領の改蚂がない限り、過去問で出たものは必ず出る、過去問にないものは出ないずいっおいいくらいです。 過去問自䜓は文郚科孊省の公匏ペヌゞに掲茉されおおり、無料で利甚できたす。しかし、解説が党くありたせん。たた、䞀郚の図衚や写真がなぜか省かれおいたす(特に地理や珟代瀟䌚)。そのため、垂販の過去問集を買った方が良いです[6]。 - J-出版 - 6回分(3幎×2回)を収録。 - 1教科1冊。党教科の問題集が発行されおいる。 - 解説には問題の重芁床が蚘茉されおいる。 - 1冊2000円前埌(皎蟌)であり、声の教育瀟に比べお高めの倀段。 - 過去問挔習・解説に特化しおいるため、過去問挔習ならばこちらがおすすめ。 - 声の教育瀟 - 4回分(4幎×1回)を収録。 - 耇数教科セット(囜数英、珟代瀟䌚・地理A、日本史AB・䞖界史AB、科孊ず人間生掻・化孊基瀎・生物基瀎)。地理B・物理基瀎・地孊基瀎の問題はない。 - マヌクシヌトに沿った解答ではないため、やや採点しにくい。 - 1冊1980円(皎蟌)のため、J-出版より盞圓安い。 - 高認合栌者の進路や合栌率など、過去問以倖の情報も豊富。過去問以倖の情報が欲しい人向け。 その他 高卒認定詊隓は党おマヌクシヌト方匏です。高卒認定詊隓で初めおマヌクシヌト詊隓を受ける人もいるず思いたすので、いく぀か泚意点を説明したす。 マヌクシヌト匏の堎合、かならず鉛筆で回答しおください。シャヌプペンシルの堎合、䞇が䞀金属郚分でひっかいおしたうず二床ず盎せない堎合があるためです。 泚意したいのは、「科孊ず人間生掻」ず「数孊」です。「科孊ず人間生掻」は倧問そのものを遞択しなければなりたせん。もし、回答した倧問番号にマヌクを぀けなければ、党問正解しおも0点になっおしたいたす。
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高等孊校卒業皋床認定詊隓/囜語 抂芁 ここでは、高認の囜語察策を解説したす。 高卒認定詊隓の䞭で、囜語はやや倧倉な郚類に含たれたす。問題そのものは決しお難しくはないのですが、読たなくおはならない文章は解答時間50分に比しおやや倚いため、テキパキず問題文ず遞択肢を読んでいく力もしくはテクニックが芁求されたす。堎合によっおは数孊や英語以䞊に孊習時間を必芁ずするかもしれたせん。 なお、囜語はここ10幎の間で、最も倧きく内容が倉わった科目です。2016幎たでは旧倧孊入詊センタヌ詊隓を螏襲した構成ずなっおいたした[1]。 しかし、2017幎以降、珟行の共通テストでの「囜語」の改革(予定)および、2022幎床から斜行される高校の新孊習指導芁領に合わせたような問題構成に倉曎されたした。そのため、過去問は2017幎床分からで十分です。 倧問構成 蚀語知識 挢字・熟語だけでなく、こずわざ・慣甚句、敬語、珟代文法などが出題されたす。たた、簡単な文章の解釈や叀文の蚳をするこずもありたす。 䌚話文 あるテヌマに沿っお高校生たちが話し合いをしおおり、発蚀の理由や議論の流れを远う問題が出たす。 実甚文 アンケヌト調査の結果や案内のチラシ、メヌルや挚拶の手玙などを読んで問題点などを指摘する問題が出たす。たた、ここでも䌚話文が挿入されるこずがありたす。 文章読解 埓来の珟代文の問題です。説明的文章か文孊的文章のどちらかが出題されたす。2022幎珟圚、説明的文章ず文孊的文章のどちらが出やすいずいう傟向ははっきりしないため、受隓者の皆さんは䞡方察策しおおきたしょう。 叀文・挢文 類䌌するテヌマの叀文ず挢文を読みたす。叀文の郚分は内容に関するこずが聞かれる䞀方、挢文は叀文ずのテヌマの共通点ず盞違点を指摘する問題がよく出たす。 孊習方針 党䜓的方針 詊隓時間は50分ですが、問題冊子は32ペヌゞあり、かなりの量をこなす必芁がありたす。たず、曞かれおいる文章をテキパキず読んでいく力が問われたす。そのため、様々な本を読んだり、問題を解いたりしながら、読む速床を向䞊させおいく必芁があるでしょう。 埌述するように、䌚話文や実甚文の問題集はありたせんので、たず過去問を買いたしょう。囜語に限りたせんが、高認は過去問が最も重芁か぀基本的な問題集です。 蚀語知識 たず、䞭孊レベルの挢字や熟語、こずわざ、慣甚句をおさらいしたしょう。それができおいれば、高認受隓ずしおは問題はありたせん。具䜓的には、高校受隓甚のドリル・問題集でかたわないので、たず挢字の読み曞きがどれだけできるかを確認しおおきたしょう。こずわざ・慣甚句のテキストに関しおは、思い切っお小孊高孊幎甚のものを䜿っおもいいかもしれたせん。䞭孊受隓甚ならばもっず良いです。 文法事項に぀いおは時間ずの兌ね合いで取り組みの量は調敎したしょう。叀文を理解するためにはある皋床叀兞文法を知らねばならず、叀兞文法を習うためには珟代文法が必芁ではあるのですが、党郚埩習しおいたら時間が足りないのも事実です。時間がない堎合には、文のしくみず掻甚語、敬語だけに集䞭するずいいかもしれたせん。 䌚話文・実甚文 2022幎珟圚、䌚話やメヌル、手玙などの実甚的な文章の読解に関する専門的な問題集はありたせん。そのため、過去問挔習が最良の緎習ずなりたす。 そもそも、䌚話文も実甚文も過去問以䞊の特別な察策は必芁ありたせん。ずいうのも、「䞻匵の根拠」「論点」などは䌚話文独特の衚珟ではありたすが、普通に囜語の問題挔習を行っおいけば自然ず身に぀くずころでもありたす。 文章読解 叀文・挢文 - ^ 正確に蚀えば、倧問1ず2が逆でした。旧センタヌ詊隓(及び珟行の共通テスト)は1.説明的文章 2.文孊的文章でしたが、高認は1.文孊的文章 2.説明的文章の順でした。
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高等孊校卒業皋床認定詊隓/æ•°å­Š 抂芁 ここでは、高認の数孊を解説したす。 高認の数孊は数孊Iのみが詊隓範囲です。 そしお、高認の䞭でも過去問挔習が最も重芁な科目です。なぜなら、高卒認定の数孊は過去に出たものは必ず出る・出ないものは出ないずいう傟向が明確だからです。 準備 ここでは、高卒認定詊隓の数孊受隓に必芁な小䞭孊内容を玹介したす。そのため、この章は小䞭孊内容ができおいるならば飛ばしおかたいたせん。察象ずなるのは小䞭孊内容に䞍足があるず考えおいる方向けです。具䜓的には   - 小䞭孊で䞍登校だった。 - 高霢で、既に小䞭孊の内容を忘れおしたった。 - 小䞭孊校の内容が分からずにドロップアりトしおしたった。 実を蚀うず、高卒認定詊隓合栌だけであれば、党おを埩習する必芁はありたせん。特に図圢の倚くはカットしおもよいです。 小孊校高孊幎内容 - 小数の蚈算 - 分数の蚈算 - 比 - 図圢の面積 䞭孊内容 1幎 - 正負の数 - 文字ず匏 - 1次方皋匏 - 比䟋ず反比䟋 2幎 - 匏の蚈算 - 連立方皋匏 - 1次関数 3幎 - 匏の展開ず因数分解 - 平方根 - 2次方皋匏 - 2次関数 - 䞉平方の定理 問題解説 倧問1 æ•°å­ŠIの「数ず匏」の「倚項匏の敎理」「匏の展開」「因数分解」「集合ず論理」から出題されたす。 - 「倚項匏の敎理」「匏の展開」「因数分解」 難しい問題ではないので、匏の展開ず因数分解はしっかり緎習しおおくこずが必芁です。ここは挔習量が最もものをいうずころです。たた、埌の倧問3・4ずも関連の深いずころです。䜕床も䜕床も緎習したしょう。 - 集合ず論理 集合はずの意味を理解しおいれば、ごく単玔な問題ばかりです。 論理は呜題の真停を遞ばせるものか、逆・裏の呜題を遞択させるものです。特に吊定した堎合の䞍等号の扱いに気を付けたいずころです。 倧問2 「数ず匏」の䞀次䞍等匏から出題されたす。䟋幎2問のみしか出題されず、1問目は簡単な䞀次䞍等匏を解く問題、2問目は問題文から適切な1次䞍等匏を導き出す問題が出されたす。 1問目は絶察に萜ずさないようにしたしょう。できれば、2問目も解いお党問正解したいずころです。 倧問3・4 2次関数が出題されたす。倧たかに蚀えば、倧問3が「2次関数のグラフ」「2次関数の匏」、倧問4が「2次関数の最倧倀・最小倀」「2次䞍等匏」ずなっおいたす。 倧問5 䞉角比が出題されたす。 2022幎珟圚、出題内容はほが䟋幎同じです。しっかり察策すれば満点も狙えたす。䞭孊内容が十分でなかったり、孊習時間が少ない(残り1月未満)なら最初の2問にしがるずいいでしょう。最初の2問は必ず、䞉角比を甚いた枬量ず䞉角比の倀です。盞互関係の問題も確実に出されるため、できればこれもできるようしたいずころです。盞互関係はこの二぀だけで十分です。 䜙匊定理はほが確実に出たすが、正匊定理は䞉角圢の面積ず入れ替わりになるこずが倚いです。 - 䞉角比を甚いた枬量 - 䞉角比の倀(鋭角・鈍角) - 䞉角比の盞互関係 - 正匊定理 - 䜙匊定理 - 䞉角圢の面積 倧問6 デヌタの分析が出題されたす。蚀葉の意味さえ理解すれば、蚈算はごく単玔(算数レベルの蚈算しか䜿わない)ため、数孊Iの䞭でも最も易しいずころです。数孊が苊手な人でも4問䞭3問は普通に狙えたす。 - デヌタの特城(範囲・平均倀・䞭倮倀・最頻倀) - 箱ひげ図 - 平均倀・分散・暙準偏差 - 盞関係数ず散垃図 この䞭で少し厄介なのは箱ひげ図でしょう。これは、箱ひげ図の意味を読み取らなければならないので、少し緎習が必芁です。しかし、その他は蚀葉の意味を正しく理解しおいれば、党く難しくありたせん。分散の蚈算をする堎合もありたすが、分散の公匏は問題文䞭にちゃんず曞いおいたす。そのため、どういう蚈算かを倧たかに芚えるだけでよいです。 盞関係数も蚈算は党く必芁なく、盞関係数の意味するずころを芚えおおけば盎芳的に解くこずが可胜です。 孊習方針 小孊校内容 たず、小䞭孊校の内容ができおいるかです。もし、それが䞍十分だず思うのでしたら、たずそこから始めた方がよいでしょう。既に述べたように、小孊校内容は1.小数の蚈算 2.分数の蚈算 3.比 4.図圢の蚈算 の4぀を埩習するずいいでしょう。これは、数孊だけでなく理科でも䜿いたす。 小孊校内容はサポヌトしおくれる人や堎所があるのなら、蚈算ドリルでの埩習でよいでしょう。 䞭孊校内容 䞭孊内容もじっくりず取り組んでいく時間の確保が難しいでしょう。しかし、ある皋床ここで基瀎固めをすれば高校数孊の内容はかなり楜になるのも事実です。もし、䞍登校などで䞭孊校内容を習っおいない堎合、1幎間を高認孊習期間ずしお倧䜓6か月ほどを芋おおいた方がよいでしょう。 既に孊習すべき点は曞いおいたすが、特に重芁なのは正負の数ず文字匏、1次方皋匏(以䞊、1幎次)、文字匏の蚈算、1次関数(以䞊2幎次)です。これはしっかり時間をかけおください。3幎内容は高校内容ず重なるので、残り時間によっおは高校内容ず同時に進めおもよいでしょう。 高校内容 教科曞 高卒認定詊隓合栌を目指すのでしたら、東京曞籍の『新数孊I』がよいでしょう。独孊するなら『解答線』も買っおおきたしょう。これは、通信制高校でも採甚されおいるもので、小䞭孊の埩習や高卒認定詊隓でも出やすい内容にしがった内容ずなっおいたす。なお、教科曞は教科曞販売曞店で賌入すれば安䟡で賌入できたす。 高認「数孊I」ならばこの『新数孊I』ず過去問に取り組むだけで十分です。チャヌト匏などの他の問題集や参考曞は、倧孊受隓たで芖野に入れおいるのでなければ䞍芁です。
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高等孊校叀文 高等孊校叀兞 から転送 孊習内容 和文 文法 敬語 倧きく分けお、尊敬語、謙譲語、䞁寧語に分類される。 倚くの堎合、尊敬語は行為の䞻䜓(䞻語)、謙譲語は行為の客䜓(受け手)、䞁寧語は読者に察しお甚いられる。 䌚話を䌎わない文では党お筆者から䞊蚘に察するものである䞀方、䌚話文䞭ではどれが䞻䜓でどれが客䜓に圓たるかを識別する手法を孊ぶ。 倧きく分けお、尊敬語、謙譲語、䞁寧語に分類される。 倚くの堎合、尊敬語は行為の䞻䜓(䞻語)、謙譲語は行為の客䜓(受け手)、䞁寧語は読者に察しお甚いられる。 䌚話を䌎わない文では党お筆者から䞊蚘に察するものである䞀方、䌚話文䞭ではどれが䞻䜓でどれが客䜓に圓たるかを識別する手法を孊ぶ。
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高等孊校叀兞B/俊頌髄脳 沓冠折句く぀かぶりをりくの歌 - 解説 沓冠折句く぀かぶり おりくずは、次のような折句おりくの技法。 たずえば「あ・わ・せ・た・き・も・の・す・こ・し」合わせ薫き物少しずいう題に察しお、 - あふさかも はおはいききの せきもゐず たずねおこばこ きなばかえさじ - 逢坂あふさかも 果おは行き来の 関もゐず 尋ねお来こば来 来なば垰さじ ず答える。 それぞれの句の頭文字を、䞀文字ず぀、぀なげるず、「あはせたき」になる。 それぞれの句の末尟を、䞀文字ず぀、぀なげるず、「ものずこじ」になり、濁点を省くず「ものすこし」になる。 侀 - 倧意 沓冠折句く぀かぶり おりくずいう技巧がある。十文字ある蚀葉を、和歌の各の䞊䞋に眮いお詠んだ歌である。 光孝倩皇が、埌宮の人々の、和歌の教逊を詊そうずしお、この技法で和歌を詠んだずころ、広幡ひろはたの女埡だけが折句に気づき、和歌を解読しお「合わせ薫き物少し。」ずいう折句に気づき、埡息所は倩皇に薫き物を差し䞊げた。 倩皇は、広幡ひろはたの女埡の和歌のたしなみの深さに感心したずいう。 この圢匏ずは別に、沓冠折句く぀かぶり おりくには、各句の䞋の字を逆に詠むこずもある。 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・果おははおは、ハテワ - したいには。最埌には。 - ・心こころある - 「心」には倚くの意味があるが、ここでは「和歌などを理解する情趣がある」ずいうような意味。ここでは耒める意味で「心ある」を甚いおいるが、必ずしも叀語での「心ある」は良い意味ずは限らず、いい意味でも悪い意味でも「心ある」は甚いられる。 - ・ - 。 - 語泚 - ・合わせ薫き物あわせたきもの - 数皮類の銙を緎り合わせたもの。緎り銙。 - ・逢坂 - 今の滋賀県倧接垂の逢坂山おうさかやたのふもずに眮かれた逢坂の関。 - ・関 - 関所。関守。ここでは関守の意味。 - ・仁和の垝 - 光孝倩皇。 - ・広幡ひろはたの埡息所みやすんどころ - 村䞊倩皇の曎衣。源庶明(もろあきら)の嚘、蚈子(けいし)。源庶明(もろあきら)が「広幡䞭玍蚀」ず呌ばれたので。 - ・あやな - 圢容詞「あやなし」であり、意味は、「道理に合わない」、「無意味である」。ここでは「道理に合わない」。 - ・ - 。 - 薄すすき - 萩はぎ
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高等孊校叀兞B/去来抄 - 『去来抄』きょらいしょう 俳論。䜜者は向井去来むかい きょらい。 向井去来は、束尟芭蕉の匟子。 蕉門および門人たちに぀いおの句の批評や俳諧論が曞かれおいる。䞀䞃○二幎元犄十五幎頃にかけお成立したずみられるが、出版された時期は、去来の没埌から玄䞃○幎埌の䞀䞃䞃五幎安氞四幎。 - 向井去来むかい きょらい 生没 䞀六五䞀幎  䞀䞃○四幎 。慶安四幎宝氞元幎 江戞時代前期の俳人。蕉門十哲のうちの䞀人。芭蕉の句集の䞀぀である『猿蓑』さるみのの線集に参加しおおり、凡兆がんちょうずずもに線集した。 行く春を 侀 - 予備知識 - ・近江おうみず䞹波たんばは別の囜。近江は今の滋賀県のあたり。䞹波は今の兵庫県のあたり。 - 倧意 芭蕉の「行く春を」の句を尚癜しょうはくが批刀しお、句䞭の語句の眮き換えを尚癜は䞻匵した。この事に぀いお、先生芭蕉は私去来に意芋を求めたので、私は、もずの芭蕉の句のほうが実景に基づいおおり、さらに実感がこもっおおり、もずのほうが良い句だず答えた。 先生芭蕉は、私の意芋に喜んだ。 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・行く春 - 季語。この句の季節は春。過ぎ行く春、ずいう意味。 - ・いはく - 蚀うには。おっしゃるには。「蚀ふ」の未然圢「蚀は」に接尟語「く」が付いた圢。挢文などで「曰」を「いはく」ず蚓読する。挢文の語順では「曰」のあずに、語った内容を曞くのが普通。 - ・汝なんぢ - おたえ。あなた。察等たたは目䞋の盞手に甚いる二人称の代名詞。 - ・をさをさ - 「をさをさ打消し」の圢で䜿い、意味は「ほずんどない」「少しもない」「めったにない」などの意味。 - ・ものを - 詠嘆の終助詞。 - ・たより - よりどころ。 - ・ - 。 - 語泚 - ・近江 - 珟圚でいう滋賀県の旧囜名。 - ・芭蕉 - 束尟芭蕉。江戞時代前期の代衚的な俳人。生没䞀六四四  䞀六九四。 - ・先垫 - 亡くなった垫匠。執筆の時点で、芭蕉は亡くなっおいる。 - ・尚癜しょうはく - 芭蕉䞀門のうちの䞀人。生没䞀六五〇  䞀䞃二二。 - ・䞹波 - 珟圚でいう兵庫県の旧囜名。 - ・ふる - もずの意味は「振り動かす」の意味だが、この䜜品では「眮き換える」の意味。珟代でも「振り替え」などず蚀う衚珟に名残があろう。 - ・湖氎 - の䜜品では琵琶湖のこず。 - ・颚雅 - ここでは俳諧のこず。 - ・ - 。
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倢よりもはかなき䞖の䞭を 和泉匏郚は倫だった為尊ためたか芪王を亡くしお未亡人になったが、為尊芪王の匟である垥宮そちのみやずの間で、埓者を通しお、間接的に話し合っおいるしおいるうちに、和泉匏郚ず垥宮そちのみやずは芪しくなる。この章ではただ恋仲ではないが、埌の章で恋仲になっおいく。 倫だった亡き為尊ためたか芪王を亡くしお悲しみ぀぀日々を過ごしおいたら、ある日、為尊芪王に仕えおいた小舎人童こどねりわらわが和泉匏郚の所にやっおきお、䜕事かず思えば、為尊芪王の匟君である垥宮そちのみや様からの莈り物ずしお、橘たちばなの花を持っおきた。 私は叀歌の䞀節を思い出し、橘の花は昔を思い出させるずいう意図をくみずり、歌で返事をしようず、ほずずぎすを詠みこんだ歌を詠み、曞いお、垥宮そちのみや様にお䌝えするようにず小舎人童にこずづけた。 - ・暗がりもおゆく - しだいに暗くなっおいく。この文での朚の䞋が暗くなっおいく理由は、四月ごろなので葉が生い茂るのため。 - ・えしもあらじ - 「え・・・打消し」の構文で、意味は、「・・・できないだろう」。「しも」は匷意の副助詞で、意味は「必ずしも」。 - ・぀぀たし - 遠慮される。気が匕ける。 - ・あお - 䞊品。 - ・かたはらいたく - 決たりが悪い。 - ・ほずずぎす - 垥宮をたずえおいる。 - ・ - 。 - ・倢よりもはかなき䞖の䞭 - 為尊ためちか芪王が死に、䜜者ずの恋が終わった。 為尊芪王は、生没、九䞃䞃幎  䞀○○二幎 。 - ・四月 - 䞀○○䞉幎長保五幎四月。 - ・築土 - 土で築いた塀。土塀。 - ・透垣 - 竹や朚などで線んだ垣であり、透けおみえる皋床に、目の粗い垣。 - ・故宮こみや - 亡くなった為尊ためちか芪王。 - ・小舎人童こどねりわらは - 貎人が召し䜿う人間。子䟛ずは限らない。 - ・垥宮そちのみや - 敊道あ぀みち芪王。為尊ためちか芪王の匟。「垥」そちずは九州の倧宰府だざいふの長官。もっずも実際には赎任せず、次官の暩垥ごんのそちや倧匐だいにに珟地の政務をさせるのが普通。 - ・けけしう - 近づきがたく。芪しみがたく。「けけし」の連甚圢「けけしく」の音䟿。 - ・昔の人の - 叀今和歌集の歌「五月さ぀き埅぀花橘の銙をかげば昔の人の袖の銙ぞする」よみびず知らずを螏たえおいる。 - ・隠れの方 - 物陰。 - ・あだあだし - 浮気っぜい。 童が垥宮の所に戻り、和泉匏郚から預かった和歌を報告した。 垥宮は返事の和歌を詠み、曞いお、この返事の和歌を和泉匏郚に枡すように、ず童に呜什した。 和歌の内容は、和泉匏郚ず盎接䌚っお話をしたい、ず受け取れる内容である。 童が和泉匏郚の元に、さきほどの垥宮からの返歌を持っおきたが、和泉匏郚は遠慮しお返事を出さなかった。 - ・ゆめ人に蚀ふな - けっしお人に蚀うな。「ゆめな」の意味は、決しおするな。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・けしきばみける - せき払いなどをしお合図をするこず。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・はかなき - 倚くの意味があり、「頌りない」、「ちょっずした」、「たわいない」、「取るにたらない」などの意味がある。いい意味でも悪い意味でも䜿う。ここでは「ちょっずした」の意味 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・けしきばみける - せき払いなどをしお合図をするこず。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。
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『倧鏡』おおかがみは、平安時代埌期の䞀〇〇〇幎䞀䞀○○幎ごろに曞かれ、平安時代の藀原道長など、摂関家せっかんけずしお藀原ふじわら氏の䞀族が暩勢を持っおいた時代に぀いおの歎史物語。 䜜者は未詳。 䜜品の内容が、藀原䞀族の暩力抗争のための行動に぀いおは批刀的であり、たた䜜品が宮䞭の内情に詳しいこずから、おそらく䜜者の立堎は、藀原氏を批刀的に芋る立堎にあった貎族たたは教逊人であるず思われる。 文䜓は、和文䜓である。歎史の蚘述のしかたは䌝蚘ふうであり、ある時代の倩皇の䌝蚘これを本玀ほんぎずいう、たたは䞻芁人物の䌝蚘でありこれを列䌝れ぀でんずいう、いわゆる玀䌝䜓きでんたいである。 『倧鏡』よりも前の時期に『栄華物語』えいがものがたり、栄花物語が曞かれた。『栄花物語』の内容は、藀原氏を、ほめたたえる内容。 『倧鏡』、『今鏡』いたかがみ、『氎鏡』みずかがみ、『増鏡』たすかがみの四぀の歎史物語をたずめお「四鏡」しきょうず蚀う。 「四鏡」ずも歎史物語。『倧鏡』は、四鏡の䞭で最初に曞かれた。 「倧鏡」の「鏡」ずは、䞊質の鏡が物を映し出すように、『倧鏡』で歎史の真実を映し出そうずいう意図のようである。 䞉船の才 - ・入道殿 - 藀原道長ふじわらのみちなが。䞀○䞀九幎に五十四歳のずき出家したので、こう蚀う。ただし、本文の出来事は、出家前の出来事。「入道」ずは、仏門に入った人のこず。 - ・逍遥しょうよう - 気たたにあちこちを歩き回る。 - ・あそばし - 動詞「す」などの尊敬語。 - ・かばかり - これほど、これくらい。副詞。 - ・口惜し - 残念だ。 - ・心おごり - 埗意気になる。 - ・ - 。 - ・倧井川 - 今でいう京郜垂の西郚を流れる川。 - ・䜜文さくもん - 挢詩を䜜るこず。 - ・倧玍蚀殿 - 藀原公任ふじわらのきんずう。関癜頌忠よりただの子。歌人であり、『和歌朗詠集』の遞者。 - ・小倉山 - 倧井川の北偎にある山。嵐山ずは、倧井川を挟んで、向かい合っおいる。 - ・あらし - 嵐山の「あらし」に、぀よい颚の「あらし」を掛けおる、たたは「荒らし」を掛けおるず思われる。掛詞かけこずば。 - ・ - 。 匓争ひ 垥殿(そちどの)藀原䌊呚これちかの開いた匓の競射に、道長みちながは招埅されおないのに、勝手に道長はやっおきた。ずりあえず道長にも矢を射させたら、道長の射た矢が良く圓たる。 いっぜう、垥殿(そちどの)の矢は、道長よりも圓たった本数が二本ほど少なかった。 負けを嫌った䌊呚これちかたちが延長をしたずころ、道長は今床は自分の家の繁栄を願った発蚀ずずもに射るず、的の真ん䞭に、二本の矢ずも圓たった。 䌊呚の父である䞭関癜殿藀原道隆みちたかは、䌊呚が二本目を射ようずするずき「もう射るな。」ず止めお、その堎が癜けおしたった。 - ・あそばし - 動詞「す」の尊敬語。 - ・あやし - 䞍思議だ。 - ・䞋臈げろう - 官䜍の䜎い者。 - ・臆す - 気埌れする。 - ・䞭心なからには圓たるものかは - 「かは」は反語や詠嘆の終助詞。ここでは詠嘆。 - ・な射そ - 「な・・・そ」で、「・・・するな」の意味。「な」は副詞、「そ」は終助詞。 - ・垥殿 - 藀原䌊呚これちか。 - ・南院みなみのゐん - 二条邞の䞀郚。 - ・この殿 - 藀原道長。 - ・䞭の関癜殿 - 藀原道隆。䌊呚の父。 - ・饗応し - 機嫌を取り、もおなし。 - ・入道殿 - 藀原道長。この匓争いの時点では、ただ道長は出家しおないが、『倧鏡』では、道長のこずを入道ず呌ぶ堎合がある。 - ・けにや - 「故けにや」で、意味は「・・・のため」「・・・のせい」。「に」は断定の助動詞、「や」は係助詞。 - ・無蟺䞖界 - 仏教語で、䜕も無い䞖界のこず。この䜜品では、ずんでもない方向のこず。 - ・ - 。 花山院の出家 花山院かさんいん倩皇は、だたされお出家しおしたった。たた、出家前に、花山院かさんいんは倩皇の地䜍からは退䜍しおしたった。 この策略を考えたのは、藀原兌家ふじわら かねいえである。文䞭の「東䞉条殿」ずは藀原兌家のこず。 花山院が退䜍するず、次の倩皇には、兌家の孫である春宮ずうぐうが即䜍する。 そのため、兌家の䞀族が、倩皇の倖戚がいせきずしお暩力を握れる。倖戚ずは母方の芪戚のこず。 倩皇を退䜍させるため、兌家の子である藀原道兌みちかねにり゜を぀かせた。もし花山院が退䜍しお出家したら、道兌もいっしょに出家するずいうり゜である。 実際には道兌みちかねは出家をしなかった。花山寺はなやたでらで倩皇が出家をした盎埌、道兌みちかねは口実を぀けお寺から郜に垰った。 花山院かさんいん倩皇は、十䞃歳で倩皇に即䜍し、十九歳で退䜍し出家した。倩皇ずしおの圚䜍は二幎間。出家埌、二十二幎間を生存した。 - ・おはしたし - 動詞「おはしたす」は尊敬語であり、「行く」「来」「ある」などの意味で甚いられる。 - ・みそかに - こっそりず。ひそかに。 - ・あさたし - 意倖だ。 - ・ - 。 - ・花山院かさんいん - 花山倩皇。圚䜍 九八四幎  九八六幎。。 - ・ - 。 出家予定の倜、倩皇は、月が明るいから目立぀ずしお、出家をためらうが、粟田殿藀原道兌は、倩皇の出家をせきたおる。たた、倩皇が手玙を取りに戻ろうずしたので、粟田殿は、さらにうそ泣きをしおたで、倩皇を出家にせかす。 - ・有明ありあけの月 - 陰暊十六日以降の月。 - ・さやけき - 明るい。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・藀壺の䞊の埡局 - 枅涌殿の北偎にある、后劃のための郚屋。 - ・顕蚌に - あらわで、はっきりしおいるさた。 - ・神璜・宝剣 - 䞉皮の神噚のうちの、二぀の、八尺瓊募玉やさかにのたがたたず倩叢雲剣あめのむらくもの぀るぎ。なお、䞉皮の神噚のもう䞀぀は、八咫鏡やたのかがみ。 - ・粟田殿 - 藀原道兌みちかね。 生没 九六䞀  九九五 。兌家の子。「粟田」ずは屋敷の名前。圓時、蔵人くろうどずしお花山倩皇の埓者だった。 - ・春宮ずうぐう - 円融えんゆう倩皇の皇子。のちの䞀条倩皇。母は、兌家の嚘の詮子せんし。「東宮」ずも曞く。 - ・匘埜殿の女埡 こきでんのにょうご - 花山倩皇の女埡。本文の前幎の九八五幎に病死。 倩皇が花山寺ぞ行く途䞭、陰陜垫おんみょうじの安倍枅明あべの せいめいの家の前を通る。枅明は、家の前を倩皇が通っおいるこずに気づいおいない。陰陜垫である枅明は、倩倉によっお、倩皇が退䜍なさったこずを察知する。その事を告げる枅明の声が、ちょうど家の前を通っおいた倩皇にも聞こえ、倩皇は自らの運呜を感慚深く感じる。 枅明は匏神を宮䞭に行かせようずするが、匏神からの報告で、倩皇が家の前を通った事を報告される。 - ・奏そうせむ - 「奏す」そうすは、参䞊する、申し䞊げる。倩皇・䞊皇に申し䞊げる堎合にのみ䜿う。 - ・ - 。 - 率ゐお出だしたゐらせたたふ - 「たゐらす」は謙譲語であり、花山倩皇に察する敬意。謙譲語は動䜜の受け手ぞの敬意。この堎合、連れ出された人物は花山倩皇だから。 - 「たたふ」は尊敬語であり、粟田殿に察する敬意。尊敬語は動䜜者ぞの敬意。 - ・土埡門぀ちみかど - 土埡門倧路。 - ・匏神しきじん - 陰陜垫が操る鬌神。 - ・ - 。 - ・ - 。 花山寺に到着しお、倩皇が剃髪し終わっおも、粟田殿道兌は出家しなかった。倩皇は、だたされたず知り、お泣きになる。だたされたずは、どういうこずかず蚀うず、実は以前から、もし倩皇が出家したら粟田殿も䞀緒に出家する、ず粟田殿は玄束しおいたのであった。 さお、この間、粟田殿の父である東䞉条殿は、粟田殿が無理やりに出家させられないようにするため、手䞋の者に倩皇・粟田殿を芋匵りらせおいた。護衛ずいう名目で芋匵りは行われおおり、倩皇・粟田殿の䞀行いっこうが郜から寺たでの移動する間ず、䞀行が寺にいる間に、䞀行の芋匵りずしお手䞋の者を付けさせおいた。 花山院 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・すかし申し - 「すかす」だたす。 - ・おずなし - 思慮分別のある。 - ・花山寺 - 今でいう京郜垂 山科やたしな区 北花山 にあった寺。今の元慶寺がんぎょうじ。 - ・東䞉条殿ずうさんじょうどの - 藀原兌家かねいえ。「東䞉条」ずは屋敷の堎所から。 - ・䞀尺 - 玄䞉十センチメヌトル。
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『方䞈蚘』の䜜者は、鎚長明かもの ちょうめい、かもの ながあきら。随筆である。 鎌倉時代の初期ごろの䜜品であり、䞀二䞀二幎健暊二幎ごろに成立。 『埒然草』の䜜者の兌奜法垫けんこうほうしず間違えないように。兌奜法垫ず鎚長明ずは、別人である。 『方䞈蚘』の文䜓は和挢混亀文わかん こんこうぶん。 そもそも和挢混亀文の文䜓が日本で定着した時期が、この鎌倉時代の初期のころである。 なお、日本最叀の和挢混亀文の䜜品は『今昔物語』こんじゃく ものがたりであるず䞀般にいわれおいる。京郜の鎚神瀟の犰宜ねぎ・鎚長継かもの なが぀ぐの次男ずしお生たれた。 『平家物語』や『埒然草』よりも、『方䞈蚘』は叀い。 『平家物語』ず『埒然草』は、『方䞈蚘』の圱響を受けおいるず思われれる。 鎚長明の生きた時代は、源平の合戊の時代の前埌にあたり、鎚長明の人生芳には、この争乱および、䜜䞭で語られた灜害飢饉などなどが、䜜䞭の無垞芳などに圱響を䞎えおいるず思われる。 ゆく河の流れ 䞖の䞭のものはすべお、い぀かは死んで滅びる。䞀芋するず、長幎倉わりのないように芋える物でも、たずえば川の流れのように、叀いものが消えおは、新しいものが来おいるずいう結果、倖から芋るず川の圢が倉わらずに芋えおいるだけに過ぎないように、じ぀は川の䞭身が倉わっおおり、川の昔の氎は流されおしたうように、決しお、ある人が氞久に繁栄し぀づけるこずは出来ない。 - ・絶えずしお - 「絶え」は動詞「絶ゆ」の未然圢。「しお」は接続助詞。 - ・よどみ - 川などの流れの䞀郚分が、障害物で停滞するこず、たたは停滞した郚分。珟圚でも、文孊に限らず、川や颚などの液䜓・気䜓の流れで、障害物などにより、呚囲よりも流れが遅くなり停滞しおいる箇所がある堎合、そのように流れの停滞しおいる箇所のこずを、「よどみ」淀みずいう。 - ・か぀消えか぀結びお - 「か぀」は副詞。「か぀」の意味は「䞀方では」。「䞀方では消えお、もう䞀方では出来お」。 - ・ためし - 前䟋。先䟋。 - ・かくのごずし - このようなものである、の意味。「ごずし」は比況の助動詞。 - ・いやし賎し、卑し - 身分が䜎い。 - ・知らず、※䞭略、いづ方かたぞか去る - 倒眮法により、動詞が先に来おいる。 - ・たがためにか心を悩たし - 「か」は係助詞だが、「悩たし」は連䜓圢であるが、係り結びだからではなく、文が続くからである。係り結びが流れおいる。 - ・䜕によりおか目を喜ばしむる - 「たがためにか心を悩たし」ず察句的な衚珟になっおる。「しむる」は䜿圹の助動詞「しむ」の連䜓圢。 - ・無垞 - 仏教甚語で、すべおのものは生滅や倉化をし぀づけ、同じ状態ではいられず、氞遠であるこずは出来ないずいうこず。 - ・露 - はかない物のたずえずしお、よく叀文で甚いられる。 - ・うたかた - 氎面の泡。 - ・たたしきの - 「玉敷きの」のこずで、宝石を敷いたように矎しい、ずいう意味。 - ・甍いらか - 屋根瓊やねがわら。 - ・去幎こぞ - 意味は、珟代の「去幎」きょねんず同じ。読みが「こぞ」ず読むこずに泚意。 察句になっおる箇所 「ゆく河の流れは絶えずしお、しかも、もずの氎にあらず。」 - ず 「よどみに浮かぶうたかたは、か぀消えか぀結びお、久しくずどたりたるためしなし」 においお、それぞれ察句は、 - ・「ゆく川の」 ず 「よどみに浮かぶ」 - ・「流れは」 ず 「うたかたは」 - ・「絶えずしお」 ず 「か぀消えか぀結びお」 - ・「しかも・・・あらず」 ず 「ひさしく・・・ためしなし」 「ゆく川」ず「もずの氎」 などのように察句になっおいる。参考曞によっお区切り方が埮劙に違うので、あたり厳密には、こだわらなくお良いだろう。 次の文の 「䞖の䞭にある人ずすみかず、たたかくのごずし。」にも察句がある。 - ・「人」 ず 「すみか」 が察句になっおいる。 他の文にも、倚くの察句的な文もある。 「たたしきの・・・小家ずなる」の文では、 - ・「棟を䞊べ」 ず 「甍を争ぞる」 - ・「高き」 ず 「いやしき」 - ・「去幎焌けお」 ず 「今幎䜜れり」 - ・「倧家滅びお」 ず 「小家ずなる」 が察句。 「あるいは露萜ちお花残れり」の文では - ・「露萜ちお」 ず 「花残れり」 などが察句。 他にも、倚くの察句がある。「䜏み人も䌌たりける」の文や、「知らず異ならず」の文などに、いく぀もの察句がある。 「䜏み人も䌌たりける」の文では、 - ・「所も倉はらず」 ず 「人も倚かれど」 - ・「朝に死に」 ず 「倕べに生たるる」 が察句。 「知らず異ならず」の文では、 - ・「生たれ」 ず 「死ぬる」 - ・「いづかたより来たりお、」 ず 「いづかたぞか去る。」 - ・「たがためにか心を悩たし」 ず 「䜕によりおか目を喜ばしむる」 - ・「あるじ」 ず 「すみかいづかたぞか去る。」 が察句。 このように、方䞈蚘では察句が倚く甚いられおいる。 察句法のほかにも技巧は䜿われおおり、「知らず」などのように倒眮法が甚いられおいる。 倧火ず぀じ颚 安元の倧火 郜ですら、けっしお倉わらないこずはできず、火事になっおしたえば、火も広がりやすい。なのに、どうしお䞖間の人は郜に家を建おたがるのだろうか。䜏たいにこだわるなんお、぀たらないこずである。 - ・ずかく - あちらこちら。 - ・さながら - すっかり。党郚。 - ・おろかなり - 愚かだ。 - ・あじきなし - ぀たらない。 - ・ - 。 - ・ものの心 - 物事の道理。 - ・いんじ - 「いにし」埀にし、去にしの撥は぀音䟿。 - ・安元䞉幎 - 䞀䞀䞃䞃幎。 - ・戌の刻ばかり - 午埌八時ごろ。 - ・朱雀門 - 倧内裏の南偎にある正門。 - ・倧極殿 - 朝廷の正殿。 - ・倧孊寮 - 官吏を逊成する教育機関。 - ・民郚省 - 戞籍・城皎などを぀かさどる機関。 - ・暋口富小路ひぐちずみのこうぢ - 暋口小路ず富小路ずの亀差した堎所。 - ・䞀町 - 長さの単䜍、および面積の単䜍。長さの堎合、玄癟九メヌトル。面積の堎合、玄癟二十平方メヌトル。 - ・う぀し心 - 正気。平垞心。この方䞈蚘の文では、文脈から「生きた心地」。 - ・たぐれお - 目がくらんで。 - ・公卿 - 朝廷の䞉䜍以䞊の䞊玚貎族。 - ・ - 。 ぀じ颚 治承四幎、倧きな぀むじ颚によっお、京の郜が甚倧な被害を受けた。たるで地獄の業の颚かず思うような、すさたじさだった。 - ・ - 。 - ・治承ぢしょう四幎 - 䞀䞀八〇幎。 - ・䞭埡門京極なかみかどきょうごく - 䞭埡門倧路ず京極倧路ずの亀差する堎所。 - ・蟻颚぀じかぜ - 竜巻。぀むじ颚。 - ・地獄の業ごうの颚 - 地獄で吹く暎颚。地獄に萜ちた悪人の、悪事の重さに応じお、匷い颚が吹いお、苊しめる。 - ・未ひ぀じの方 - 南南西。 - ・ - 。 逊和の飢饉 逊和の頃、干ば぀・倧颚、措氎などにより䞍䜜ずなり、倧きな飢饉があった。京の路䞊には物乞いがあふれた。 - ・あさたしき - 驚きあきれるほど、ひどい。 - ・ひでり - 干ば぀。日照りのこず。 - ・ - 。 - ・逊和 - 䞀䞀八䞀幎から翌幎たでの幎号。 - ・五穀 - 本来は米・麊・粟あわ・黍きび・豆のこずだが、ここでは穀物党般のこず。 - ・ぞめき - にぎわい。 - ・ならひ - 習慣。習わしならわし。 - ・念じわび぀぀ - 我慢しかねる。こらえきれない。 - ・目芋立぀る - 目をずめる。 - ・耳に満おり - あちこちで聞かれる。至る所で聞かれる。 - ・ - 。 翌幎になっおも飢饉は終わらず、さらに疫病たでもが流行した。道端は死䜓であふれかえり、腐臭で満たされおいた。さらに、薪たきぎさえも䞍足しお、人々は自分の家を打ち壊しお薪ずしお売る者もいた。䞭には仏像や仏具を盗み出しお薪ずしお売りさばく者もいた。 - ・からうじお - 「からくしお」のり音䟿。やっずのこずで。 - ・あたりさぞ - そのうえ。さらに。 - ・ひたすらに - いちずに。ただもう。 - ・頌む - 圓おにする。面倒を芋おもらう。 - ・あやしき賎山が぀ - ここでの「あやし」は身分が䜎いの意味。山に䜏む身分の䜎い者。朚こりや猟垫などのこず。 - ・あやしきこず - ここでの「あやし」は䞍思議の意味。 - ・尋ぬれば - 調べれば。 - ・ - 。 - ・明くる幎 - 逊和二幎。 - ・疫癘えきれい - 疫病。 - ・少氎の魚 - 死が目前に迫っおるこずのたずえ。『法句経』『埀生芁集』などにある蚀葉。 - ・笠うち着、足匕き包み - 高貎な婊人の服装。垂女笠いちめがさなどをかぶり、玠足をみせないように足を包んだ服装。 - ・山が぀ - 朚こりや猟垫など、山に䜏む者で、身分の䜎い者。 - ・赀き䞹に - 赀色の塗料。 - ・濁悪䞖じょくあくせ - 仏教甚語であり、末法の䞖の䞭のこず。五濁十悪ごじょくじゅうあくの䞖のこず。 倫婊間では、愛情の深いほうが先に死ぬ。なぜなら盞手に食べ物をゆずるからである。芪子間では、きたっお芪が先に死ぬ。 - ・いずけなき - 幌い。 - ・なほ - 「やはり」「そのたた」「盞倉わらず」など倚くの意味があるが、どの意味の堎合でも、ある状態が持続しおいる時に甚いる。 - ・ - 。 - ・たれたれ - ごくたれ。 - ・かれ - 男女に関係なく甚いられる人称代名詞。 - ・ - 。 仁和寺にんなじにいる隆暁法印りゅうぎょうほういんずいう僧は、路䞊で行き倒れになっおいる死䜓を、せめお死䜓を成仏させようずしお、額に「阿」の字を曞いお、成仏させた。 死䜓の数は、京の䞀郚地域だけでも、四月・五月の、たったの二か月だけで四䞇二千䞉癟䜙りずいうこずだ。 たしお、この前埌の月日も飢饉で人が死んでおり、京のほかの堎所でも人が死んでおり、日本党土での死者の数は、芋圓も぀かないほどに倚いだろう。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・川原 - 。 - ・返地ぞんじ- 蟺鄙ぞんぎな土地。ここでは京郜近郊の、やや田舎じみた土地のこず。 - ・䞃道諞囜 - 「䞃道」は、東海道・東山道・北陞道・山陰道・山陜道・南海道・西海道。
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『曎玚日蚘』さらしなにっきは、菅原孝暙女すがわら の たかすえ の むすめ)ずいう平安時代の女性貎族の自䌝および回想録。日蚘文孊に分類される。 䜜者である菅原孝暙女は、幌少のころは『源氏物語』の物語の䞖界にあこがれおいた。十䞉歳になるたでの幌少時代を地方の䞊総かずさで育ったので、圓時は京を詳しく知らなかったこずもあり、おっきり京の郜は物語のような䞖界だず無邪気に勘違いしおいた。そしおなにより、圌女は、おっきり自分も『源氏物語』のような恋物語に出おくる女性たちのように、高貎な貎族の男に熱心に愛される女性になれるだろうず勘違いしおいた。しかし圌女は十䞉歳のずきに家族ず共に䞊京しお、そしお成長するに぀れ、人生の぀らい事や、たいぞんな事も、色々ず経隓しおいき、物語の䞖界が珟実ずは違う事に気づかされおゆく。 䜜䞭では、倧人になった圌女自身が幌少期の自分の勘違いを思い起こしお、あきれおいる。そしお圌女は、しだいに仏道ぞの信仰に感心をよせおいく。 圌女が『曎玚日蚘』を曞いた頃、圌女は五十歳過ぎである。 東囜のさらに奥地の䞊総の囜で育った䜜者は、少女のころ、物語ずいうものを知り、あこがれを抱いおいく。だが、䞊総の地では、本を入手するこずが出来ない。読みたいずいう気持ちが、぀のっおいく。 䜜者は等身倧の薬垫仏を造り、本が読めるように拝んだりもした。 ぀いに自分が十䞉歳になる幎に、父の䞊総での赎任が終わり、䜜者の家族および埓者たちは䞊京するこずになった。䞊京にあたっお、薬垫仏も䞊総の家に眮いおくこずになった。䜜者は人知れず、぀い泣いおしたった。 - ・あんなる - 「あん」は「ある」の撥音䟿。 - ・みそかに - こっそり。ひそかに。 - ・ゆかしさたされど - 「ゆかし」は芋たい・聞きたいなど。 - ・東路あづたぢの道の果お - 今の茚城県。垞陞ひたちの囜。 - ・なほ奥぀方かた - 今の千葉県。䞊総かずさの囜。䜜者の父・菅原孝暙すがわらのたかすえの赎任地。 - ・薬垫仏 - 薬垫瑠璃光劂来やくし るりこう にょらい。 - ・いたたち - 地名か。詳现は䞍明。 - ・ - 。 門出しお䞀時しのぎに移った先は「いたたち」ずいう。九月十五日、぀いに京に向けおの長旅に出る、本圓の門出である。その日は雚が激しく、ずおも怖いず思った。 そしお䞊総の囜の「いかた」ずいう所に泊たった。 そしお翌日は、出発の遅れた人を埅぀䞀日ずなった。 十䞃日の早朝、出発する。旅先の地で、「たのの長者」ず蚀う人の䌝説を聞き、その䌝説に蚀われた川を枡る。私は心の䞭で歌をよんだ。「朜ちもせぬ この川柱 残らずは 昔の跡を いかで知らたし」ずいう歌を。 - ・ - 。 - ・ - 。 源氏の五十䜙巻 䞊京した埌の、その幎治安元幎の春、疫病が流行した。乳母は䞉月䞀日に亡くなった。以前の私の、物語を読みたいずいう気持ちも湧かなくなるほどであった。䟍埓の倧玍蚀の姫君も亡くなった。か぀お、私が京に着いた時、手習いの芋本ずしお倧玍蚀から姫君の筆跡の曞かれた手本をいただいた。その手本に曞かれた歌を思い返すず、死別に関する歌もあった。筆跡もすばらしく、私はそれを芋おは、いっそう涙がこみ䞊げおくるのであった。 - ・いずど - たすたす。そのうえさらに。いっそう。 - ・月圱 - 月の光に照らし出された姿。 - ・はかなく - 匱匱しく。「はかなくなる」で死ぬの意味。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 叔母から源氏物語の党巻ず、そのほかいく぀かの物語の本をもらった。その時は、ずおもわくわくした。 - ・心もずなく - じれったく。 - ・ためためし - 「実甚的な」。 ※「実甚的な」の意味は、垂販の単語集などでも出おくる兞型的な甚䟋なので芚えよ。このほか、「ためためし」には「本気で」の意味もあり、『源氏物語』垚朚ははきぎの「ためためしくうらみたるさたも芋ず」本気でうらんでいるようには芋えないの甚法もある。 - ・たさなかり - 「たさなし」は、「䞍郜合」、「よくない」の意味。 - ・ - 。 - ・ - 。 口惜し: 「残念だ」 ゆかし: 「芋たい」、「知りたい」などの意味であり、文脈に応じお「聞きたい」「読みたい」などになる。『埒然草』52にも「参りたる人ごずに山ぞ登りしは䜕事かありけん。ゆかしかりかれど」参拝しお山に登った人に䜕事かあったのか。知りたいず思ったけれどずいう甚䟋がある。 - ・思ひくんじたる - ふさぎこんでいるのを。乳母など芪しい人を疫病で亡くしたので、ふさぎこんでいた。 - ・玫のゆかり - 「源氏物語」の各巻のうち、登堎人物の女性の䞀人である玫䞊むらさきのうえあるいは若玫わかむらさきに぀いお曞かれおいる巻。玫䞊ず若玫は別人。「ゆかり」ずは瞁や関係があるもののこず。 - ・倪秊うずたさ - 今の京郜垂右京区倪秊にある広隆寺。 - ・圚䞭将ざいちゅうじょう - 圚原業平ありわらのなりひらなどを䞻人公ずした物語である『䌊勢物語』のこず。 - ・ずほぎみ・せり河かは・しらら・あさうづ - それぞれ物語の名前。珟圚には残っおおらず、内容は䞍明。 - ・ - 。 - ・ - 。 叔母からもらった物語の本を、私は熱心に読んだ。少女の頃の私は、自分も将来は、源氏物語の登堎人物の女性たちのようになれるだろうず思っおいた。ずっくに倧人になった今から芋れば、少女時代の私は、じ぀に䞖間知らずであり、あきれ果おる。 - ・はしるはしる - 蚳に諞説あり。参考曞などでは、「わくわくしながら」などず蚳される堎合が倚い。 - ・心も埗ず - ここでの「心」の意味は「内容」・「話の筋」。それたで䜜者は断片的にしか物語を読めなかったので、いたいち内容を把握できなかった。 - ・ - 。 - ・たづいずはかなく - 「たづ」は、意味が「実に」「なんずも」などの意味で、副詞。「いず」は意味が「たいそう」「ずおも」などの意味の副詞。「たづいず」ず䜵甚される事がある。 - ・あさたし - あきれはおる。 - ・ - 。 - ・法華経ほけきょう五の巻 - 『劙法蓮華経』みょうほうれんげきょう第五巻。第五巻では、女人成仏にょにんじょうぶ぀が説かれおいる。 - ・倕顔 - 『源氏物語』の登堎人物の女性の䞀人。 - ・宇治の倧将 - 光源氏の子、薫かおる。 - ・浮舟 - 『源氏物語』宇治十垖うじじゅうじょうの登堎人物の女性の䞀人。薫に愛されたが、最終的に出家する。 - ・ - 。 - ・ - 。
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『源氏物語』 䜜者玫匏郚 恋物語。光源氏が女ったらしな男性貎族なので、いろんな女ずの恋愛をする。光源氏はモテるずいう蚭定である。容姿は玠晎らしいずいう蚭定である。そもそも呌び名の「光源氏」の「光」が、その矎貌を元に付けられた呌び名である。よっお「光」は、べ぀に本名ではない。光源氏は、教逊も高く、知性も高いずいう蚭定である。 䜜䞭には、ほが、たったく政治や行政などの実務的・具䜓的な話は出ず、ほずんどが恋愛に関する内容である。 『源氏物語』の䞻人公は光源氏ひかるげんじずいう男である。冒頭の章の内容は、光源氏が生たれる前の話で、母芪を玹介する話である。父芪は垝で桐壺垝きり぀がおいである。光源氏の母芪は「桐壺の曎衣」きり぀がのこういなどず呌ばれる。 光源氏は、倩皇の子である。よっお、光源氏の身分は、地䜍のそこそこ高い貎族である。 䜜䞭の時代背景は、はっきりずは曞いおいないが、おおむね平安時代のような蚘述である。そもそも『源氏物語』は平安時代に曞かれた䜜品である。 - ・䞻人公の「光源氏」は、鎌倉幕府や平家物語などでの歊士の「源氏」ずは、無関係である。 - ・『源氏物語』は長線であり、ずおも長い。すべおを叀文で読みきるこずは、高校生には䞍可胜なので、高校生は、参考曞などで代衚的な箇所だけを詠み、抂芁などを掎むべし。 - ・物語であり、史実ではない。 - ・べ぀に日本最叀の物語ではない。日本最叀の物語は『竹取物語』だず䌝えられおいる。たた、『䌊勢物語』のほうが『源氏物語』よりも叀いので、べ぀に恋愛や歌に関する最叀の物語ではない。 けっしお、埌の時代の日蚘文孊『曎玚日蚘』の䜜者のように、けっしお源氏物語を宮䞭の珟実だず勘違いしおはならない。むしろ『倧鏡』などの歎史物語のほうが、実際の宮䞭の実情に近いだろう。 したがっお『源氏物語』から、日本の歎史を知るこずは、たず䞍可胜である。裏を返せば、歎史や経枈などずの瀟䌚ずは切り離しお、圓時の人の内面的な䟡倀芳ずかを分析するのには、うっお぀けなのである。なので文孊的な芳点などから、鎌倉時代以降から叀兞ずしお嗜たれおたしなたれおおり、江戞時代には本居宣長が源氏物語を研究し、源氏物語の䞻題を「もののあはれ」だず考えた。宣長の蚀う「もののあはれ」ずは、意蚳するず「情緒」「感情」「愛情」に基づく「本音」「本心」のような意味だろう。「あはれ」ずはいっおも、べ぀に颚流心ではない。 - ・入詊に出やすい。 今の所、センタヌ詊隓では出る頻床が少ないが、各倧孊の詊隓には出る堎合が倚い。 光源氏ひかるげんじの誕生 冒頭では、ただ䞻人公の光源氏ひかるげんじは生たれおいない。冒頭では、光源氏の母ず父に぀いお説明をしおいる。 光源氏は、垝を父ずする。光源氏は垝の子である。母芪の身分は、宮廷での身分ずしおは、あたり身分の高くない曎衣こういである。曎衣ずは、女官の圹職の䞀぀。 ある垝の治䞖に、さほど身分の高い曎衣が、垝からの寵愛を深く受けた。ほかの女埡・曎衣は、その寵愛を深く受けた曎衣に嫉劬した。䞖間も、その曎衣に非難の目を向ける。 その曎衣の父の倧玍蚀は既に亡くなっおおり、母の北の方きたのかたが、取り蚈らっおいたが、その人脈だけでは、その曎衣の埌ろ盟ずなる勢力が匷くないので、その曎衣は心现そうであった。 - ・いづれの埡時おおんずきにか - どの垝の埡代みよであったか。 - ・女埡、曎衣 - 䞡方ずも倩皇の倫人である身分。皇后・䞭宮の地䜍に次いで女埡があり、女埡に次いで曎衣がある。 - ・あたた - 数倚く。 - ・䞋臈 - 身分の䜎い者。 - ・北の方きたのかた - 貎人の劻で、正劻の者。 - ・よしある - 教逊のある。この語の意味の別説ずしお「由緒ある家柄の」ずいう説もある。 - ・時めき - この語を女性に䜿う堎合、「寵愛を受ける」の意味。 - ・めざたしき - 目に䜙る。目ざわりだ。䞍愉快だ。気にくわない。 - ・あ぀し - 病気がち。挢字に぀いおは諞説あり「節し」か「熱し」か、さたざたな説があるので、挢字は気にしなくお良い。 - ・埌ろ芋 - 経枈面などの面倒を芋る人。埌ろ盟。今の日垞語でいう「埌芋人」の意味に近いが、法埋甚語の「埌芋人」ず日垞語の「埌芋人」ずの意味は違っおいるので泚意。 - ・たばゆき - 「たばゆし」。 - ・おずしめ - 「おずしむ」さげすむ、芋䞋す。 - ・えはばからせたたはず - 「えず」の構文で、「え憚らせ絊わず」のこず。はばかるこずができない。 - ・あぢきなう - 苊々しい、䞍快である、の意味。圢容詞「あじきなし」の連甚圢「あじきなく」のり音䟿。 - ・あいなく - 気にくわなく。圢容詞「あいなし」気に食わない、困ったこずだ、の意味。 - ・はしたなき - 䜓裁が悪い。 - ・かたじけなき - 恐れ倚い。もったいない。 - ・ - 。 - ・䞊達郚 - 公卿くぎょう。䞉䜍以䞊の人。 - ・䞊人 - 殿䞊人。枅涌殿の殿䞊の間に昇殿を蚱された人で、四䜍・五䜍の人である。くわえお六䜍の蔵人くろうど。 - ・楊貎劃 - 唐の玄宗皇垝に愛された劃きさき。矎女ずされる。 - ・ - 。 光源氏が生たれる。矎貌を持っお、光源氏は生たれる。垝は、光源氏を倧切に育おた。 曎衣が玉のような矎しい男の子を産む。この子が光源氏。 第䞀皇子は別の子であり、右倧臣家の子である。垝の自分の子ぞの愛情は、第䞀皇子よりも、若宮光源氏にそそがれた。 - ・契り - 瞁えん。 - ・い぀しか - 「早く、したい」ずいう気持ち。い぀になったら。 - ・かしづく - 倧切に育おる。 - ・にほひ - 矎しさ。぀ややかな矎しさ。 - ・おほかた - 䞖間䞀般の。 - ・たうけの君 - 䞖継ぎの者。皇倪子。 - ・ - 。 「枅らなり」 『倧和物語』ずいう別䜜品で、矎人の女性が倚くの男たちに求婚される堎面で、女のこずを「枅ら」ず蚀っおいる。倧和物語・150「顔かたちいみじうきよらにお、人々よばひ、殿䞊人などもよばひけれど、あはざれなりけり。」ずある。これら『倧和物語』ず『源氏物語』を合わせお考えれば、䞭䞖でいう「枅ら」には「矎しい」のような意味合いがあるず考えるのが劥圓だろう。 䌌た単語で「枅げなり」きよげなりずいうのがあるが、これは、「こぎれい」皋床の意味である。皮肉に䜿われる堎合もあるが倧鏡「埡かたちなどはきよげにおはしけれど、埡心はきはめおしれものずぞ聞き奉りし」、かならずしも皮肉ずはかぎらず、よい意味で䜿う堎合もある倧和168「いず枅げなりしを思いひいでお、涙もずどたざりけり。」。 竹取物語に「けうらなり」ずいう単語があるが、これは「きよらなり」の転じたものだず思われおいる。「けうらなり」の意味は単語集によっお「枅らかで矎しい」たたは「枅らかできれいだ」ずか、埮劙に単語集によっお違う。 竹取物語「光満ちおけうらにおゐたる人あり」。意味はおおむね、「光が満ちおいお、枅らかで矎しいきれいな人がいる」のような意味であろう。 なお、「けうらなり」は「きよら」の音䟿的な転甚であるが、しかし垂販の単語集では「けうら」ず「きよら」は玹介されおいる意味の原矩が埮劙に違う。 桐壺 - ・おしなべお - ありきたり。ごく普通の。 - ・わりなく - むやみに。 「わりなし」の原矩は、理が無い、ず蚀う意味。道理に合わなかったり、皋床がずばぬけおいるこずを蚀う。悪い意味でも、いい意味でも、どちらでも䜿う。 - ・遊び - 管匊や詩歌など。 - ・倧殿籠るおおずのごもる - 寝る。「寝ぬ」いぬの尊敬語。 - ・やがお - そのたた。 - ・あながちに - むやみに。無理に。圢容動詞「あながちなり」の連甚圢。 ※ 副詞「あながち」ずは意味が違う副詞「あながち」は、けっしお、必ずしも、の意味ので泚意。 - ・おのづから - 自然ず。 - ・かしこし - 恐れ倚い。「かしこき」は圢容詞「かしこし」の連䜓圢。 ※ ここでの「かしこき」は、賢い、頭が良い、ずは意味が違うので泚意。頭が良いずいう意味の「かしこし」も叀語では䜿うので、どちらの意味なのかは文脈から刀断するこず。 - ・ - 。 - ・なめり - であるようだ。「めり」は掚定の助動詞。「なるめり」などの音䟿。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・䞊宮仕ぞうぞみやづかえ - 垝ぞの、お偎おそば仕え。日垞的な庶務や雑甚などをする。 - ・ - 。 - ・䞀の皇子 - 第䞀皇子。のちの朱雀垝すざくおい。 - ・右倧臣の女埡 - 右倧臣の嚘である女埡。匘埜殿こきでんの女埡。「匘埜殿」は埌宮こうきゅうの䞃殿五舎のうちの䞀぀。 - ・坊 - 東宮埡所。ここでは皇倪子のこず。 - ・ - 。 - ・桐壺 - 埌宮五舎の䞀぀、淑景舎しげいしゃのこず。䞭庭に桐が怍えおあるので、こう呌ぶ。 このあず、光源氏は䞉歳のころ、母芪ず死別する。 そしお、高麗人の予蚀などを参考に、垝は光源氏を臣籍に䞋した。光源氏はこうしお源氏の姓を䞎えられ、「光源氏」ず呌ばれるようになった。 光源氏は元服しおから、葵の䞊あおいのうえず結婚したが、源氏の本心では、別の女が奜きだった。源氏は、藀壺ふじ぀がが奜きだったのである。桐壺ず藀壷は、別人。藀壺は父の后であった。぀たり、源氏の藀壺ぞの恋は、蚱されない恋愛感情である。 藀壺の倖芋が、桐壺にそっくりな若い女性だずいう蚭定であり、源氏は、母・桐壺曎衣の面圱を感じさせる藀壺に心をひかれたずいう蚭定である。藀壺の幎霢は、源氏ずは歳違いで、源氏よりも幎䞊の女性である。 この段階では、ただであるが、最終的に源氏は藀壺に手を出し、藀壺を劊嚠させ、藀壺は源氏の子を産んでしたう。父・桐壺垝は真盞を知らず、藀壺の産んだ子を自分桐壺垝の子だず思っおいる。 このように、源氏の心は葵の䞊にはなく、藀壺にあるので、葵の䞊ずの倫婊仲は、いたいち良くない。 しかし、葵の䞊の兄匟である頭䞭将ずは、源氏は、うたが合うようで、ある倜、頭䞭将たちの語る女性論による女性の品定めを源氏も聞いた。頭䞭将らが蚀うには、䞭流階玚の女が狙い目だず蚀う。䞭流ず蚀っおも、䞭倮の朝廷に勀めおいる貎族から芋れば䞭流ずいう意味であっお、自分たちよりも少しだけ官䜍の䜎い貎族の女性ずいう意味である。なので䞀般庶民からすれば、䞭将の蚀う䞭流ずは、かなり高䜍な階玚である。源氏は、十䞃歳。 以䞊、箒朚ははきぎの巻の内容。 そしお、さたざたな恋愛をし、倕顔ゆうがおなどず恋愛をする。だが、倕顔は死んでしたう。ちなみに、倕顔は頭䞭将の愛人であった。 箒朚の章での品定めが䌏線になっおいる。 以䞊、倕顔ゆうがおの巻の内容。 若玫ずの出䌚い 源氏は十八歳。 のちに源氏の劻ずなる「玫の䞊」むらさきのうえを、源氏が初めお芋かけたシヌンである。 光源氏が18歳のずき、光源氏が䜓調を厩したので、病のお祈りのために、京郜北山の聖のずころに滞圚しおいたずき、ある家を芋かけお、小柎垣こしばがきから䞭をちょっず芗いおみたら、なにやら可愛い少女がいたので、そのたた様子を芋おみた。 向こうは若玫の偎は、たったく源氏に気づいおいない。倕暮れ時に、源氏が芗いおいた。 ストヌリヌの、この段階では、玫の䞊は、ただ十歳前埌の幌い少女である。 ただ「玫の䞊」ずは呌ばれおない。説明の䟿宜などのため、少女時代の玫の䞊のこずを「若玫」わかむらさきなどず蚀う堎合が倚い。 ちなみに、このずき源氏が芗いた家は、僧郜そうづの䜏たいであった。僧郜そうづずは、仏教での僧䟶の階玚の䞀぀で、ずおも偉い階局の人である。䞀番偉い階玚は僧正そうじょうであるが、僧郜は、その次に偉い。 この少女・若玫は、実は、藀壺の芪戚であった。なので、藀壺に恋をしおいる源氏にずっお、この少女が矎人に芋える。 - ・぀れづれなり - するこずもなく退屈。 - ・行ふ - 仏道修行する。勀行ごんぎようをする。 叀語で、僧䟶や尌などが、目的語を指定せず「行ふ」ず蚀った堎合、修行のこずがある。 ここでの意味ずはちがうが、叀語の「行ふ」には、仏道に限らず䜕かを実行するず蚀う意味もある。 - ・なやたしげ - 倧儀そう。気分が悪そう。 ※ 珟代語ずは違い、色っぜいの意味は無い。 - ・ただ人 - 普通の人。 - ・あおなり - 䞊品。 - ・なかなか - かえっお。むしろ。副詞。 - ・ - 。 - ・小柎垣 - 现い朚などで結っお䜜った垣根。 - ・惟光朝臣これみ぀のあそん - 源氏の埓者の䞀人の名前。源氏の乳母の子である。「朝臣」は五䜍以䞊の貎族ぞの尊称。 - ・持仏じぶ぀ - 個人で持ち運べるほどの倧きさの、小型の仏像。 - ・脇息きょうそく - 肘掛け。 - ・そがれたる - いわゆる「尌そぎ」のこず。圓時の尌は、髪を肩のあたりで切りそろえる。 - ・倧人 - ここでは、幎配の女性のこず。 - ・山吹 - 襲かさねの色。衚が赀みがかった薄い黄色、裏が黄色の、山吹襲やたぶきがさね。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・心なし - 䞍泚意。 叀語での「心あり」や「心なし」の「心」には、倚くの意味があるが基本的には「颚流心」の意味である。文脈に応じお、「心」は、思いやり・思慮分別しりょふんべ぀・恋愛感情などの意味に転じる。「思慮分別」・「思いやり」などず蚀っおも、平安時代の叀文䜜品の堎合は、「心」ずは貎族などにずっお郜合の良い思慮分別のこずである堎合が倚いので、「心」の基本的な意味は颚流心だず抌さえおおけばよい。 - ・心づきなし - 気に食わない。 - ・もこそ - もししたら倧倉だ。 - ・なめり - であるようだ。「めり」は掚定の助動詞。「子なめり」ず、源氏は「尌君の子だろう」ず掚枬しおいるが、実際は尌君の孫であり、尌君の子ではない。 - ・いはけなく - あどけなく。子䟛っぜい。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・犬君いぬき - 遊び盞手の名前。 - ・䌏籠ふせご - 銙炉や火鉢などにかぶせる籠。この䞊に衣服をかぶせる。銙をたいたり、衣服を暖めるのに䜿う。 - ・眉たゆのわたりうちけぶり - 少女なので、ただ眉をそっおおらず、ただ曞き眉ではない。 - ・髪ざし - 髪の様子。「ざし」は、「たなざし」の「ざし」、などず同じような意味。 - ・ - 。 少女は尌君の孫であるようだ。少女の母芪が尌君の嚘であるようだ。少女の母芪は、すでに死んで亡くなったらしい。 若玫 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・僧郜そうづ - 僧䟶の官䜍の䞀぀。僧正そうじょうに぀いで偉い。ここでは、尌君の兄が僧郜である。 - ・源氏の䞭将 - 光源氏。 - ・わらはやみ - 熱病の䞀皮。 - ・ - 。 須磚の秋 源氏は二十䞉歳。 色々ずあっお、郜での立堎が悪くなったので、ほずがりが冷めるたで、源氏は須磚すたで過ごすこずにした。須磚は、今で蚀う兵庫県の南西郚の沿岞郚のあたり。 父が厩埡したこずもあり、源氏は立堎が悪くなり䞍遇になる。たた、朧月倜おがろづきよずいう女性に手を出したこずが、匘埜殿こきでんの女埡の䞍評を買った。朧月倜は、匘埜殿こきでん女埡の効。 たぶん『䌊勢物語』の東䞋りなどのパロディ。 本文䞭にも、「行平」ゆきひらずいう、圚原業平ありわらのなりひらの兄の名前が出おくる。たた、圓時の平安時代は、菅原道真すがわらのみちざねが倧宰府だざいふに巊遷されたように、䞍遇になった貎族が遠隔地に巊遷されお飛ばされる時代でもあったので、源氏は䞀時的に身を匕いたのかもしれない。 源氏は、いやいやながらも、保身のため、仕方なく須磚に退いた。なので、本心では郜が恋しい。 - ・いずど - いっそう。ひずしお。副詞。 - ・げに - 本圓に。 - ・すごう - 気味が悪い。寂しい。ぞっずするほど寂しい。圢容詞「すごし」の連甚圢「すごく」のり音䟿。 - ・めでたう - 玠晎らしく。圢容詞「めでたく」の連甚圢「めでたく」のり音䟿。 - ・たがふ - 芋分けが付かない。䌌おいお芋分けが付かない。混じっおいお芋分けが付かない。芋間違える。䌌おいる物の仲に芋倱う。 - ・あいなう - わけもなく。圢容詞「あいなし」の連甚圢「あいなく」のり音䟿。「合いなく」の意味か。 - ・須磚すた- 今で蚀う兵庫県の南西郚の海岞の須磚すたの浊あたり。 - ・心づくしの秋颚 - 『叀今和歌集』に、「朚の間このたよりもりくる月の圱芋れば心づくしの秋は来にけり」ずある。 - ・行平ゆきひらの䞭玍蚀 - 圚原業平ありわらのなりひらの兄。歌人。文埳倩皇のずき須磚に移䜏させられたずいう。 - ・浊波 - 浜蟺に打ち寄せる波。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。
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高等孊校叀兞B/挢文/䞍出門 『門を出でず』 もんをいでず - 菅原道真すがわらの みちざね 原文 䞍出門 䞀埓謫萜圚柎荊 䞇死兢兢跌蹐情 郜府桜纔看瓊色 芳音寺只聎鐘声 䞭懐奜逐孀雲去 倖物盞逢満月迎 歀地雖身無怜繋 䜕為寞歩出門行 - 原兞: 菅家埌集かんけこうしゅう  曞き䞋し文 䞀たびひずたび謫萜たくらくせられお柎荊さいけいにありおより 䞇死ばんし兢兢きょうきょうたり 跌蹐きょくせきの情じょう 郜府桜ずふろうは纔かにわずかに瓊かわらの色を看み 芳音寺かんのんじは只ただ鐘かねの声を聎く 䞭懐ちゅうかいは奜しおはん 孀雲こうんを逐ひおおいお去り 倖物がいぶ぀は盞あい逢わんあいお 満月の迎ふ 歀の地 身怜繋けんけいせらるるこず無しず雖もいえども 䜕為れぞなんすれぞ寞歩すんぜも門を出でお行かん 語釈 - 菅原道真すがわら の みちざね- 平安時代の政治家・孊者・詩人。政敵の藀原時平の讒蚀ざんげんにより、九○䞀幎に右倧臣から倪宰暩垥に巊遷させんされた。 - 謫萜たくらく - 眪によっお官職を萜ずされお流される。 - 柎荊さいけい - 粗末な䜏居。ここでは倪宰府の官舎のこず。 - 兢兢きょうきょう - 恐れ慎むさた。恐れおののくさた。 (※「競競」ではないので間違えないように。) - 跌蹐きょくせき - 「跌」ずは瞮こたる、身をかがめる。「蹐」ずは、抜き足差し足。よっお「跌蹐」ずは、身の眮きどころのない境遇を衚したのか。 - 詩経しきょうにある「跌倩蹐地」きょくおんせきちの略。頭が倩にぶ぀かるの恐れるかのように身をかがめ、地を恐れ抜き足で歩くこずから。 - 郜府桜ずふろう - 「郜府」ずふは倪宰府だざいふ。「郜府桜」ずは正門の高桜。 - 芳音寺かんのんじ - 芳䞖音寺かんぜのんじのこず。倪宰府の東方にあった。 - 䞭懐ちゅうかい - 胞䞭の思い。 - 孀雲こうん - 離れ雲。 - 倖物がいぶ぀ - 自分以倖の、倖の䞖界。 - 怜繋けんけい - 束瞛。「怜」は取り調べのこず。 - - 語圙 - 䞇死ばんし - 䜕回も死ぬような思いや苊痛。 - 寞歩すんぜ - きわめお近い距離。 - - 珟代語蚳 ひずたび官職を萜ずされお筑玫぀くしに流されお、粗末な官舎に䜏んで以来、 䞇死に倀する重い眪に恐れおののき、身の眮きどころの無い思いだ。 倪宰府の正門の高桜は、わずかに瓊の色を芋るこずができるが、 芳音寺はただ鐘の音を聎くだけである。 胞䞭の思いは、さお、離れ雲のようで。 我が身以倖の䞖界には、私は満月の迎えるように円満な気持ちで接しよう。 この地では、身柄を瞛られるこずはないけれど、 どうしお䞀歩たりずも門を出るだろうか。いや出はしない。 圢匏 䞃蚀埋詩 抌韻 「荊」「情」「声」「迎」「行」が同じ韻。 解説 遣唐䜿を廃止したこずでも有名な、平安時代の政治家である菅原道真すがわらの みちざねが、倪宰府だざいふに巊遷されたあずの、道真みちざねの心境を読んだ詩。
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高等孊校叀兞B/挢文/䟵官之害 「䟵官之害」は䞀般に「かんをおかすのがい」ず読む。 これは 『韓非子』は、法埋によっお人を支配しなければならないずいう あらすじ 昔、 颚邪を匕くずいう䞀時的なこずよりも、郚䞋が他人の職分を䟵すずいうこずのほうが、匊害が倚い。 郚䞋の仕事内容ず圹職ずは、䞀臎させなければならない。 癜文 昔者、韓昭䟯酔而寝。兞冠者芋君之寒也、故加衣斌君之䞊。芚寝而説、問巊右曰、「誰加衣者」。巊右察曰、「兞冠」。君因兌眪兞衣䞎兞冠。其眪兞衣、以為倱其事也。其眪兞冠、以為越其職也。非䞍悪寒也。以為、䟵官之害、甚斌寒。 故明䞻之蓄臣、臣䞍埗越官而有功、䞍埗陳蚀而䞍圓。越官則死、䞍圓則眪。守業其官、所蚀者貞也、則矀臣䞍埗朋党盞為矣。 曞き䞋し文 - 官かんを䟵すおかすの害がい 故に明䞻の臣を - 二柄 語圙 - 巊右 - 偎近。 - 誰たれ - だれ。「たれ」ず読むこずに泚意。「だれ」ずは読たない。 語釈 - 韓昭䟯 - 玀元前の戊囜時代の韓かんの囜の君䞻。 - 説せ぀、え぀ - よろこぶ。挢語では「悊」゚ツず発音が同じであり、そのため、「悊」の「喜ぶ」ずいう意味ず同様に、「説」にも「喜ぶ」ずいう意味がある。 - 察こた゚テ - お答えする。目䞊のものに答える。 - 兞冠 - 君䞻の冠を管理する圹人。 - å…žè¡£ - 君䞻の衣服を管理する圹人。 - 因よりテ - そのために。 - 兌眪かネテ ぀みせり - 兞衣ず兞冠の二人ずも眰した。 - 明䞻めいしゅ - 賢明な君䞻。すぐれた君䞻。 - 貞おい - 正しいこず。忠実。 - - 珟代語蚳 - 他人の職分を䟵すこずは害悪だ。 昔、韓の昭䟯が、酒に酔っお寝おしたった。そこで、冠を管理する圹人が君䞻昭䟯の寒そうな様子を芋お、衣をかぶせた。 昭䟯は眠りから芚めお喜び、偎近に尋ねお、「誰が衣をかけおくれたのか。」ず聞いた。 偎近は答えお蚀った、「兞冠です」。 君䞻はこれをきいお、兞衣ず兞冠の䞡方ずも眰した。 兞衣を眰した理由は、自分の職務をしなかったからである。 兞冠を眰した理由は、職務を超えたからである。 昭䟯は、寒さを苊手ずしないわけではない。 昭䟯は、他人の圹職を䟵すこずが寒さよりも重倧事だず考えたのである。 それゆえ、賢い君䞻が臣䞋を召しかかえるにあたり、臣䞋は圹職を超えお行動するのは蚱されず、意芋を述べたのに蚀葉ず行動ずが䞀臎しないのも蚱されない。 官職を超えれば死刑にされ、意芋を実行しなければ凊眰される。 臣䞋が職分をおのおの守り、発蚀が䞀臎すれば、家臣たちどうしが埒党を組んで自分勝手なこずをするこずは無いのである。 儒家ず法家の察比 法家の思想は「君䞻は、人民ぞの愛情ではなく、法埋によっお、人民を統治するべきである」「法埋を培底するため、芏則に反する者は、刑眰などで、きびしく眰するべきである」などのように厳栌な法の適甚によっお囜を治める思想である。『韓非子』はその理論を説いおいる。 仁矩などの道埳の優䜍ず教育の意矩を説いた儒家じゅかの思想ずは、法家は察立しおいる。そしお、儒教的な考え方では、君子が道埳的になれば、民衆の倚くも道埳的になり、政治は䞊手くゆくだろう、ず考えるのが䞀般的である。 韓非は性悪説を説いた儒家の荀子に思想を孊んだ。しかし、韓非は、玠朎な儒教的な考え方を吊定する。儒家の説く道埳などずいうのは、しょせんは個人的な奜き嫌いであり、瀟䌚のこずを考えお䜜られた法埋を超越するものではない、ず。 韓非の思想 韓非の生きおいた時代は、戊囜時代であり、たた政治が耇雑化しおいっお巚倧化しおいたため、君䞻が領内を把握しづらくなっおきおいたので、このような統制を重んじる思想が、政治家からは求められおいた。そのため、韓非以倖にも法家に属する思想家・政治家もいた[2]。 「人の心が善人か悪人かずいう難問は、政治の実務にずっおは倧したこずはなく、法埋を培底させるずいうこずこそが、君䞻にずっおは倧切である。」ずいうのが、韓非子の考えである。 韓非は、けっしお善意にもずづく人情の䟡倀をすべお吊定しおいるのではなく、人情が法埋をないがしろにするこずを批刀しおいるのである。個人の人情よりも、法埋のほうが客芳的であり、法埋を重芖すべき、ずしたのである。 たた、民衆にずっおの道埳ず、君䞻にずっおの道埳ずは違うのである、ず韓非は考えたのである。 たずえば、䞖間䞀般での、母芪による子どもぞの愛情に぀いお、韓非が蚀うには、意蚳するず「実際に子どもを救うのは、医垫や教垫である。医垫は病気やケガの治療によっお人々を救う。」「教垫は、教育によっお、子どもが悪人になるのを防ぎ、結果的に人々を救うのである。」「医垫も教垫も、その人ぞの愛情はあたり無いだろうが、しかしその人を確実に救っおいるのである。」「確かに肉芪による愛情は深いこずは事実だろうしが、それ自䜓は、盎接は人々を救わないのである。」「だから、こどもは母芪の呜什に埓うよりも、父芪の呜什によく埓う。そしお父芪の呜什に埓うよりも、圹人の呜什によく埓う。」ず述べおいる。[3] たた、君䞻のありかたに぀いお、韓非は「君䞻は、人を信じおはいけない。なぜなら郚䞋にずっおは、もし君䞻が死ねば、そのぶん自分たちの官䜍が䞊がる。たた、同盟囜など他囜は、もし同盟囜などを信甚すれば、裏切っお手薄な譊備のずころを䟵略しおくる。だから君䞻は、぀ねに裏切りには察策しおおかねばならない。」みたいなこずを述べおいる。[4] 法埋を犯した者の事情も考えずに、法埋を犯した者を凊眰するこずは、人情味は無いなどずしお民衆などには憎たれるが、しかし、そのように䟋倖を認めずに凊眰をするこずによっお、法埋を䟵す者が枛り、結果的には瀟䌚を安定させるこずができるのである。これこそが君䞻にずっおの道埳であるず、韓非は考えたのである。 圱響 戊囜時代の秊王・政のちに秊の始皇垝は、この韓非の時代ず同じ時代の人間である。『韓非子』[5]に秊王は感激し、始皇垝の政治にも韓非の思想が採甚された。しかし、始皇垝の政治は、䞭囜を統䞀するたでは、なんずか䞊手くいったが、圌の死埌に秊垝囜はすぐに滅亡する。統䞀から、わずか15幎埌のこずだった。 脚泚 - ^ 埌幎の人々は圌のこずを敬しお韓非子ず呌ぶ。ここでは、歎史䞊の人物は韓非、著曞を『韓非子』ずする。 - ^ 詳しくは高等孊校倫理/諞子癟家の思想、䞖界の倧思想・哲孊、䞭囜史/戊囜時代などを参照のこず。 - ^ 『芁説 諞子癟家・文章』p.51、p.55 - ^ 同䞊p.52 - ^ 厳密には「孀憀」「五蠹」の二篇。 参考文献 - 『芁説 諞子癟家・文章』日栄瀟、昭和45幎
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高等孊校叀兞B/挢文/四面楚歌 『鎻門之䌚』のあず、項矜は楚の王ずしお即䜍し、沛公を挢王ずしお圓時は田舎であった蜀の地に远いやる。 その埌、項矜は、反乱軍の盟䞻であった懐王かいおうず察立し、懐王を殺しおしたう。 このこずにより、項矜に䞍満のあった諞䟯たちが反発し、その結果、それらの反発勢力を䞊手くたずめた沛公の陣営が匷倧化しおしたう。 そしお、楚そず挢かんずの戊争になる。 楚その王は項矜である。挢かんの王は劉邊(沛公・高祖)である。 なお、范増はんぞうは、すでに項矜のもずから去っおいる。 そしお、項矜の軍勢は負け、぀たり項矜の軍が負けおおり、項矜たちは垓䞋がいかに远い詰められた。 この戊堎での楚軍は、項矜が盎接、率いおいる。そのため、項矜は戊堎にいる。 侀 原文ず曞き䞋し文 原文 項王軍壁垓䞋。兵少、食尜。挢軍及諞䟯兵、囲之数重。倜聞挢軍四面皆楚歌、項王乃倧驚曰、「挢皆已埗楚乎。是䜕楚人之倚也。」項王則倜起飲垳䞭。有矎人、名虞、垞幞埓。駿銬、名隅、垞階之。斌是項王乃非歌忌慚、自為詩曰、 - 力抜山兮気蓋䞖 - 時䞍利兮隅䞍逝 - 隅䞍逝兮可奈䜕 - 虞兮虞兮奈若䜕 歌数闋、矎人和之。項王泣数行䞋。巊右皆泣、莫胜仰芖。 曞き䞋し文 項王の軍ぐん垓䞋がいかに壁すぞきす。兵ぞい少なく食しょく尜く぀く。挢軍かんぐん及びおよび諞䟯の兵ぞい之これを囲むかこむこず数重すうちょうなり。倜よる挢軍かんぐんの四面しめん皆みな楚歌そかするを聞ききき、項王乃ちすなわち倧いおほいに驚きおおどろきお曰はく、「挢かん皆みな已にすでに楚そを埗たるえたるか。是れこれ䜕ぞなんぞ楚人そひずの倚きおおきや。」ず。 項王則ちすなわち倜よる起ちおたちお垳䞭ちょうちゅうに飲すいんす。矎人有りあり、名なは虞ぐ、垞に぀ねに幞こうせられお埓ふしたがう。駿銬しゅんめあり、名なは隅すい、垞に之に階すきす。是ここに斌いお項王乃ちすなわち非歌忌慚ひかこうがいし自らみづから詩しを為りお぀くりお曰はくいわく、 - 力ちから山やたを抜きぬき気き䞖よを蓋ふおおう - 時ずき利りあらず隅すい逝かずゆかず - 隅すいの逝かざる奈䜕いかんすべき - 虞ぐや虞ぐや若なんぢを奈䜕いかんせんず 歌ふこず数闋すうけ぀、矎人びじん之これに和すわす。項王、泣なみだ数行すうぎょう䞋るくだる。巊右さゆう皆みな泣きなき、胜くよく仰ぎあおぎ芖るみるもの莫しなし。 語釈 - 垓䞋がいか - 今の安埜省あんきしょう霊璧県れいぞきけん - 壁ぞき - 立おこもる。 - 楚歌そか - その地方の歌。 - 垳䞭ちょうちゅう - ずばりの䞭。※ ずばりは挢字で「垳」ず曞く。 - 幞こう - ここでは「寵愛」ちょうあいの意味。原文に受身の字は句法は無いが、ここでは文脈から「こうせられお」ず受け身で蚓読する。 - 忌慚(こうがい) - 憀りいきどおり嘆くなげく。 - 兮 - 語調を敎える助字。 - 逝 - 進む。 - 闋 - 歌が䞀曲終わるこず。 - - 句法など - 䜕〜也 なんゟ〜や - 䜕楚人之倚也 なんゟそひずのおおキや - 「䜕〜也」で「なんぞ〜や」ず蚓読しお、「なんず 〜 なこずよ」ずいう詠嘆えいたんを衚す。 - 䟋文の蚳: なんず楚の囜の人の倚いこずよ。 珟代語蚳 項王の軍は、垓䞋がいかの城壁に立おこもった。楚軍の兵は残り少なく、食料も尜きはおた。挢軍かんぐんず、挢の同盟囜の諞䟯の軍が、これ楚軍のいる城を包囲しおいるのが、幟重いくえにもなっおいる。ある日の倜、倖偎の挢軍の東西南北の四方向から楚の民謡みんようが聞こえおきお、なので項王はずおも驚いお、蚀ったこずは「挢はすでに楚を占領したのか。これは䜕ずも楚人の倚いこずだ。」ず。 項王はそこで倜に起きお、ずばりの䞭で飲んだ。そこに矎人がいた。矎人の名前は虞ぐである。い぀も寵愛されおおり、項矜に付き埓っおいた。たた名銬がいた。銬の名前は隅すい。項王は戊堎などではい぀もこの銬隅に乗っおいた。 ここにおいお、項王は悲しげに歌い、憀りいきどおり嘆きなげき、みずから詩を䜜っお蚀うには、 - わが力は山を匕きぬき わが意気は䞖界を圧倒する - 時勢はわれに䞍利であり 隅すいは進たない - 隅すいの進たないこず どうすればよいだろうかどうしようもない - 虞や虞や おたえをどうしようか 項矜の歌うこず数曲、矎人虞はこれに項矜の曲に唱和した。 項王は涙を幟筋か流した。巊右の偎近たちも皆泣き、顔を芋䞊げお項王を芋るこずができるものはいなかった。 ニ 原文ず曞き䞋し文 原文 斌是、項王乃欲東枡烏江。烏江亭長檥船埅。謂項王曰、「江東雖小、地方千里、衆数十䞇人、亊足王也。願倧王急枡。今独臣有船。挢軍至、無以枡。」 項王笑曰、「倩之亡我、我䜕枡為。䞔籍䞎江東子匟八千人、枡江而西、今無䞀人還。瞊江東父兄憐而王我、我䜕面目芋之。瞊圌䞍蚀、籍独䞍愧斌心。乃請亭長曰、「吟知公長者。吟階歀銬五歳、所圓無敵。嘗䞀日行千里。䞍忍殺之、以賜公。」 曞き䞋し文 是ここに斌いおおいお項王こうおう乃ちすなわち東しおひがししお烏江うこうを枡らんわたらんず欲すほっす。烏江うこうの亭長おいちょう、船を檥ぎしお埅぀た぀。項王に謂ひおいいお曰はくいわく、「江東こうずう小しょうなりず雖もいえども、地ちは方千里ほうせんり、衆しゅうは数十䞇人すうじゅうたんにん、亊たた王おうたるに足るたるなり。願わくはねがわくは倧王だいおう急ぎいそぎ枡れわたれ。今いた独りひずり臣しんのみ船ふね有りあり。挢軍かんぐん至るもいたるも以おもっお枡る無からん。」ず。 項王笑いおわらいお曰はく、「倩おんの我われを亡がすほろがすに、我われ䜕ぞなんぞ枡るわたるこずを為さんなさん。䞔぀か぀籍せき江東こうずうの子匟しおい八千人はっせんにんず、江こうを枡りお西にしせり。今いた䞀人いちにんの還るかえるもの無しなし。瞊ひたずい江東こうずうの父兄ふけい憐れみおあわれみお我われを王おうずすずも、我われ䜕のなんの面目めんもくありおか之これに芋えんたみえん。瞊ひたずい圌かれ蚀はずいわずずも、籍せき独りひずり心こころに愧ぢはぢざらんや」ず。 乃ちすなわち亭長おいちょうに請ひおいいお曰はくいわく、「吟われ公こうの長者ちょうじゃたるを知るしる。吟われ歀のこの銬うたに階きするこず五歳ごさい、圓たるあたる所ずころ敵おき無しなし。 嘗おか぀お䞀日いちにちに千里せんりを行けり。之これを殺すにころすに忍びずしのびず。以おもっお公こうに賜はんたたわん。」ず。 句法など - 独〜 ひずり〜ノミ - 今いた独りひずり臣しんのみ船ふね有りあり - - 今、私だけが船を持っおいたす。 - 限定の意味。 - 瞊たずい〜 - 「たずえ〜したずしおも」の意味。逆接の仮定。 - 瞊江東父兄憐而王我 - èš³: 「たずえ江東の父兄が私をあわれんで王ずするずしおも」の意味。 語釈 - 烏江うこう - 安埜省あんきしょう和県にある枡し堎の地名。 - 亭長おいちょう - 宿堎しゅくばの長。 - 願倧王急枡 - 「どうか倧王さた、いそいで枡っおください」。「願〜」で「どうか〜しおください」の意味。願望を衚す。 - 江東こうずう - 長江䞋流の東南のあたりの地域。 - 子匟しおい - 若者。 - 雖いえどモ- 「たずえ〜ずしおも」ずいう逆接の仮定。あるいは「・・・であるけれども」ずいう逆接の確定。この四面楚歌でも、教科曞・参考曞によっお、どちらの蚳の堎合もある。 - 長者ちょうじゃ - 埳の高い人。 - - 読解 - 我われ䜕ぞなんぞ枡るわたるこずを為さんなさん。 - いたさらどうしお私が枡るだろうか。私は枡らない。 - 反語である。 - 籍せき独りひずり心こころに愧ぢはぢざらんや - この籍項矜、䞀人ひずり心に、恥じぬこずがあろうか。恥ずべきである。 - 反語である。 珟代語蚳 そこで項王は東に進み、烏江うこうの枡し堎から長江を枡ろうずしおいた。烏江うこうの亭長おいちょうは、船を準備しお埅機しおいる。亭長が項王に面ず向かっお蚀うこずは、「たずえ江東の地が小さいずしおも、土地の広さは千里四方、人口は数十䞇人、あなた項王がたた王ずしお君臚するのに充分な土地です。どうか倧王さた、急いで長江を枡っおください。今、船を持っおいる者は、私だけです。挢軍がやっおきおも枡る手段は無いのです。」ず。 項王は笑っお蚀った。「倩が私を滅がそうずしおいるのだよ。いたさらどうしお私が枡るだろうか。私は枡らない。もはや倩呜は倉えられない。その䞊、この籍項矜は、か぀お江東の若者八千人ず長江を枡っお西に進んだのだ。しかし今は、䞀人もずもに垰る者がいない。たずえ江東の父兄が同情しお私を王にさせおくれるずしおも、私には䜕の面目があっお、圌らず䌚えるだろうか。たずえ圌らが蚀わなくおも、この籍項矜、䞀人ひずり心に、恥じぬこずがあろうか。恥ずべきである。」 そこで亭長に向かっお項矜の蚀うには、「あなたが埳の高い人であるこずが、私には分かった。私がこの銬隅に乗るこずは五幎間だが、向かうずころ敵なしだった。そのような名銬です。か぀お䞀日に千里も走ったこずもある。これ隅を殺させるのは忍びない。そこで、あなたに差し䞊げたす。」ず。 問題 - 項王が烏江を枡らなかったのはなぜか。説明せよ。 䞻に、次の぀の理由である。 - 倩が自分を滅がしおいるず考えたため、たずえ逃げのびお再起しおも、倩䞋の情勢は倉わらず、たた自分は負けるず思ったから。 - 江東の若者をたくさん死なせおしたったので、その若者の家族などに顔向けできないし、自分もふがいなくお恥ずかしく、そのような自分は生きおいる䟡倀が無いず思ったから。 侉 原文ず曞き䞋し文 原文 乃什階皆䞋銬歩行、持短兵接戊。独項王所殺挢軍、数癟人。項王身亊被十䜙創。顧芋挢階叞銬呂銬童曰、「若非吟故人乎。」 銬童面之、指王翳曰、「歀項王也。」 項王乃曰、「吟聞挢賌我頭千金・邑䞇戞。吟為若埳。」 乃自刎而死、楚地皆降挢。 曞き䞋し文 乃ちすなわち階きをしお皆みな銬うたを䞋りおおりお歩行ほこうせしめ、短兵たんぺいを持しおじしお接戊せっせんす。独りひずり項王の殺すずころの挢軍、数癟人なり。項王の身みも亊たた十䜙創じゅうよそうを被るこうむる。顧みおかえりみお挢かんの階叞銬きしば呂銬童りょばどうを芋おみお曰はく、「若なんぢは吟がわが故人こじんに非ずあらずや。」ず。銬童ばどう之にこれに面めんし、王翳おうえいに指ゆびさしお曰はく、「歀れこれ項王なり。」ず。 項王乃ちすなわち曰はく、「吟われ聞くきく挢かん我がわが頭こうべを千金せんきん・邑䞇戞ゆうばんこに賌ふあがなうず。吟われ若なんぢが為ために埳ずくせしめん。」ず。 乃ちすなわち自刎じふんしお死ししし、楚その地ち、皆みな挢かんに降るくだる。 語圙 - 故人こじん - 昔なじみ。 - 自刎じふん - みずから銖をはねお死ぬこず。 語釈 - 短兵たんぺい - 刀・剣などの短い歊噚。 - 階叞銬きしば - 階兵の隊長。 - 面めんシ、そむキ - 面を「めん」ず読むか「そむク、そむキ」ず読むかで意味が倉わる。「めん」ず読む堎合、銬童が、いったん項矜を芋おから、応氞に顔の向きを倉えたずいう意味。「そむク」ずした堎合、項矜から顔をそむけたずいう意味。 - 邑䞇戞ゆうばんこ - 䞀䞇戞の町。 - - 珟代語蚳 そこで皆、銬から䞋ろさせお歩かせお、刀剣などの短い歊噚を持っお挢の軍ず接近しお戊った。項王が䞀人で殺した挢軍の数は数癟人であった。項王の身もたた、十数カ所も傷を負った。項王が振り返っお芋るず、挢の階兵隊長である呂銬童りょばどうがいお、項王の蚀うには、「おたえは私の昔なじみむかしなじみではないか。」ず。 銬童ばどうはこれに項矜に顔を背け、挢軍の王翳おうえいに項王を指差しお蚀うには、「こい぀が項王だ。」ず。 項王はそこで蚀った。「私の聞いた話では、挢は私の銖に千金・䞀䞇戞の町の賞金をかけたずな。私は、おたえのために、恩恵を斜しおやろう。」ず。 そしお項矜は自ら銖をはねお自殺した。楚の領地の者はすべお、挢に降䌏こうふくした。 「四面楚歌」の珟圚の意味 「たわりが敵ばかりで味方が存圚しない状況」ずいう意味で、「四面楚歌」は珟圚、甚いられおいる。 項矜の性栌の描写 怜定教科曞などに玹介される項矜に぀いおの描写では、『鎻門之䌚』でも『四面楚歌』でも、感情的であり冷静な刀断ができないずいう欠点のある䞀方で、人情味があり、それなりに矩理堅い人物ずしお曞かれおいる。 この『四面楚歌』の項矜の最期でも、か぀おの郚䞋の呂銬童りょばどうに項矜の呜を狙われおも、項矜は、そのこずをを咎めないずがめないのである。 『鎻門之䌚』の前での項矜の行動は、凜谷関の関所を攻撃したりず、攻撃的であり、短気である。しかし、その䞀方で、『四面楚歌』では項矜は負けを悲芳しお自殺もする。 たずえば『鎻門之䌚』では、自分に謝眪しにきた沛公はいこうを蚱し、その沛公を助けにきた暊噲はんかいを高く評䟡したかのように蚘述されおおり、項矜は人情味がある人物ずしお曞かれおいる。 どちらにせよ、項矜の行動の方針は、「生き延びる」ずいう芳点では䞀貫しおおらず、項矜は感情的な人物ずしお描かれおいる。 ただし、このような、項矜の人物像は、実際の人物像ずは異なる可胜性がある。 - 項矜ず沛公の察比 䞀方、沛公はいこうの人物像は、史実などでの、この四面楚歌のあずの展開を知っおいるず分かるのだが、沛公は冷酷な人物である。 この四面楚歌の戊争で沛公の勝利のために功瞟を立おた郚䞋である韓信かんしんを、沛公は、韓信の勢力が倧きくなっお自分が滅がされるこずを恐れ、韓信を滅がすほろがすのである。 なお、この韓信は、「背氎の陣」はいすいのじんでも有名な戊闘で、勝利した男でもある。このように韓信は、沛公のために䜕床も戊闘を指揮しお功瞟をおさめた、優れた郚䞋である。だが、その韓信を、沛公は滅がすのである。 おそらく『史蚘』での項矜の人物像は、この冷酷な沛公ずは察比的に項矜が描かれおいるため、項矜が人情深い人物かのように描かれおいるのであろう。
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高等孊校叀兞B/挢文/倧道廃有仁矩 倧道たいどう廃れおすたれお、仁矩じんぎ有りあり - 老子ろうし 倧意 儒家の䞻匵は間違っおる。なぜなら儒家の説く「仁矩」「智恵」などの道埳は、人為的だ。人為的なものは、間違っおいる。そもそも儒家の蚀うような「仁矩」などず蚀う䞻匵が出おきたのは、その瀟䌚に仁矩が無いから、わざわざ仁矩を䞻匵する必芁があるのだ。儒家は「智恵」を説くが、智恵がでおきお、人為的な制床がでおきたそしお、そのような人為的な制床は、間違っおいる。 原文 曞き䞋し文 - 第十八章 語釈 - 倧道たいどう - 老子の説く、無為自然むいしぜんの道。 - 仁矩じんぎ - 「仁」は思いやり、慈悲。「矩」は人ずしおの正しい道。 - 倧停たいぎ - 人為的な道埳、人為的な制床。 - 六芪りくしん - 父母・兄効・倫婊。 - 孝慈こうじ - 「孝」は子が芪や祖先などの目䞊のものに尜くすこず。「慈」は母が子に愛情をかけるように、目䞋の者に、い぀くしむこず。 - - 。 珟代語蚳 偉倧な道が廃れお、「仁矩」が説かれるようになった。知恵ずいうものが出お来お、人為的な制床がでおきた。芪子・兄効・倫婊が䞍和になっおいからこそ、孝行が目立ったり、孝行の道埳が説かれる。囜家が混乱しおいるからこそ、忠矩ある家臣が目立ったり、忠矩の道埳が説かれる。
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高等孊校叀兞B/挢文/孊䞍可以已 孊は以お已むべからず。がく は もっお やむべからず - 荀子じゅんし 原文 曞き䞋し文 孊がくは以おもっお已むやむべからず。青あおは之これを藍あいより取りおずりお、藍あいより青くあおく、氷こおりは氎みず之を為しおなしお、氎みずより寒たし぀めたし。朚きの盎ちょくなるこず瞄なわ、じょうに䞭たるあたるも、茮めおたわめお以お茪ず為せば、其のその曲きょく芏きに䞭たるあたる。槁暎こうばく有りず雖もいえども、埩たたた挺おいせざる者ものは、茮むるたわむるこず之これをしお然らしむしからしむなり。故にゆえに朚き瞄なわを受くれば則ちすなわち盎くなおく、金きん瀪れいに就けば぀けば則ち利くするどく、君子博くひろく孊びお日ひに己おのれを参省さんせいすれば、則ち智ち明らかあきらかにしお行ひおこない過ちあやたち無しなし。故にゆえに高山こうざんに登らざればのがらざれば、倩のおんの高きたかきを知らざるなり。深谿しんけいに臚たざればのぞたざれば、地ちの厚きあ぀きを知らざるなり。先王せんおうの遺蚀いげんを聞かざれば、孊問の倧だいなるを知らざるなり。干かん・越え぀・倷い・㹮ばくの子こ、生たれお声こえを同じくすれども、長じおちょうじお俗ぞくを異こずにするは、教きょう之これをしお然らしむるなり。 - 勧孊 語釈 - 藍あい - アむグサ。染料の青あおを採れる草。 - 茮たわメテ - 曲げお。 - 芏き - コンパス。 - 挺おい - たっすぐになる。 - 槁暎こうばく - 「槁」は枯れる。「暎」は也く。 - 参省さんせい - 䜕床も反省。 「䞉床の反省」ではない。 - 深谿しんけい - 深い谷。 - 先王せんのう - 叀代のすぐれた王。叀代の聖王。ずくに、堯ぎょう、舜しゅん、犹うの王。 - 遺蚀いげん - 残した蚀葉。 ※ 死の間際の蚀葉ではないので、「ゆいごん」ずは読たない。 - - 。 泚目事項 この埌に「靑取之斌藍、而靑斌藍」ず続く。こずわざの「青は藍より出でお、藍より青し」あお は あい より いでお、あい より あおしのもずになった挢文である。 このこずわざの珟代での意味ず、この挢文の䞻匵は、少し異なる。 「青は藍より出でお、藍より青し」の珟代での意味は、匟子が垫匠を超えるこずだ。 しかし、挢文を読んでみるず、匟子が垫匠を越えるかどうかには、荀子は関心がない。この挢文で荀子が重点的に䞻匵しおいるこずは、教育の重芁性や、孊問の方法論 信甚できる教垫に習い、信甚できる曞籍を䜿うべきである。 珟代語蚳 孊問はやめおはならない。染料の青ずいう色はこれを藍アむグサずいう怍物からずっお䜜るが、藍より青い。氷は氎からできるが、氎よりも冷たい。さお、教育を受ける者は、朚のようなものである。どういうこずかずいうず、朚きの真っすぐたっすぐなものは、もずもず墚瞄すみなわをあおるずぎたりず合うけれど、曲げお茪にすれば、その曲がり具合はコンパスに合う。仮に枯れお也いたずしおも、もずの真っすぐな状態には戻らないのは、曲げるこずが、そのようにさせたのである。 それゆえ、朚は、墚瞄をあおれば削れば真っすぐになり、金属は砥石ずいし、おいせきに掛ければ鋭くなり、道埳のある人は広く孊んで、毎日、䜕床も己を反省すれば、知識は明らかになり、行動の間違いも無くなる。よっお、高い山に登らなければ、倩の高さは分からない。深い谷を芋なければ、地の厚さも分からない。先王の残した蚀葉を聞かなければ、孊問の倧きさを分からない。 干かん・越え぀・倷い・㹮ばくの子は、生たれた時は産声を䞭囜の赀ん坊ず同じようにするけれども、成長しお颚習が違うのは、教育がそうさせたのである。 備考 荀子は、埌倩的な教育の重芁性を、ほかの著䜜でも説いおいる。たずえば高等孊校叀兞B/挢文/人之性悪 。荀子。
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高等孊校叀兞B/挢文/小囜寡民 小囜寡民しょうこく かみん - 老子ろうし 倧意 今いる境遇で満足するこずが倧切。 理想の囜は、自絊自足が出来るように、狭い囜土で人民が少なく、䟿利な乗り物をあたり甚いず、食べ物はあるけど、その土地の普通の食べ物で満足しお、自分の囜の土地に満足し、けっしお隣ずなりの囜を「うらやたしい。」ずお互いに思わない。 これが理想の瀟䌚だろう。 原文 小囜寡民、䜿有什䌯之噚而䞍甚。䜿民重死而䞍遠埙、雖有舟茿、無所乗之、雖有甲兵、無所陳之。䜿民埩結瞄而甚之、甘其食、矎其服、安其居、楜其俗、隣囜盞望、鶏犬之声盞聞、民至老死、䞍盞埀来。 曞き䞋し文 小囜寡民しょうこくかみん、什拍じゅうはくの噚う぀わ有れどもあれども甚ゐざらしむもちいざらしむ。民たみをしお死しを重んじおおもんじお遠くずおく埒らざらしめばう぀らざらしめば、舟茿しゅうよ有りありず雖もいえども、之これに乗るのる所ずころ無くなく、甲兵こうぞい有りず雖もいえども、之これを陳ぬる぀らぬる所ずころ無しなし。民たみをしお埩たたた瞄なわを結びおむすびお之これを甚ゐもちい、其のその食しょくを甘しあたし、うたしずし、其のその服ふくを矎び、うるはしずし、其のその居きょに安んじやすんじ、其の俗ぞくを楜したたのしたしめば、隣囜りんごく盞望みあいのぞみ、鶏犬けいけんの声こえ盞聞こゆるあいきこゆるも、民たみ老死ろうしに至るいたるたで、盞あい埀来おうらいせず。 - 第八十章 語圙 - 寡か - 少ない。 - 雖いえどモ - 仮定を衚す。「雖A」で意味は「たずえAずしおも」。 句法 - 䜿AB - 「AをしおBせしむ」 「䜿」は䜿圹しえきをあらわす。 語釈 - 什䌯じゅうはく - 「什」の意味は数の「十」。「䌯」の意味は数の「癟」。「什䌯」の意味は「十癟」。いろいろ。 - 埩たた - もう䞀床。今䞀床。 - - 。 - 埒う぀ル - 移䜏する。 - 茿よ - 車。乗り物。 - 甲兵 – よろいず歊噚。 - 陳぀らヌル - ならべる。 - 結瞄 - 文字の無い時代に、瞄に結び目を぀くっお、蚘録などに甚いた。 - 安やすンゞ - 満足する。 - 甘あたシ、うたシ - おいしい。 - 俗ぞく - 颚俗ふうぞく。 - 盞望あいのぞミ - 互いに眺められ。 - - 。 珟代語蚳 小さな囜で人口が少なく、いろいろな䟿利な道具があっおも人民に䜿わせない。人民に呜を重んじお、遠くに移䜏させないようにする。たずえ舟や車があっおも、之に乗るこずなく、よろいず歊噚があっおも、これを䞊べるこずはない。(戊争するこずはない。)民に昔にならっお瞄に結び目を぀くっおこれを連絡手段のために)䜿わせ、自分の食べおいるその食事をおいしいず思い、自分の着おいるその衣服を矎しいず思い、䜏んでいるその䜏居に満足し、䜏んでいる土地のその颚俗を楜したせれば、ずなりの囜がすぐに芋えるずころにあっお、鶏や犬の声が互いに聞こえあっおも、人民は老いお死ぬたで、たがいに行き来しない。これが理想である。
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高等孊校叀兞B/挢文/胡蝶之倢 胡蝶の倢 こちょう の ゆめ - 荘子そうし 原文 昔者荘呚倢為胡蝶。栩栩然胡蝶也。 自喩適志䞎。䞍知呚也。俄然芚、則蘧蘧然呚也。 䞍知、呚之倢為胡蝶䞎、胡蝶之倢為呚䞎。 呚䞎胡蝶、則必有分矣。歀之謂物化。 曞き䞋し文 昔者むかし荘呚そうしゅう倢ゆめに胡蝶こちょうず為るなる。栩栩然くくぜんずしお胡蝶こちょうなり。 自らみずから喩しみおたのしみお志こころざしに適えるかなえるかな。呚しゅうたるを知らざるなり。 俄にわかにしお芚むればさむれば、則ち蘧々然きょきょぜんずしお呚しゅうなり。 知らず、呚の倢に胡蝶こちょうず為れる(なれる)か、胡蝶こちょうの倢に呚ず為れるかなれるかを。 呚ず胡蝶ずは、則ち必ず分ぶん有らんあらん。歀れこれを之これ物化ぶっかず謂ういう。 語釈 - 胡蝶こちょう - 蝶ちょう。 - 昔者むかし - 昔。「者」は時を衚す助字であり、蚓読しない。 - 荘呚そうしゅう - 戊囜時代の思想家の䞀人。 - 栩栩然くくぜん - ※ あたり蚳がハッキリしない。文脈から考えお「のびのびず」飛ぶずか「ひらひらず」飛ぶずか、うたく蚳せば良いだろう。 - 蘧蘧然きょきょぜん - ※ あたり蚳がハッキリしない。文脈から考えお「はっず驚いお」ずか「我にかえっお」ずか、うたく蚳せば良いだろう。 - 物化ぶっか - 䞇物が倉化するこず。 - - 。 珟代語蚳 以前、荘呚そうしゅうは倢の䞭で蝶ちょうになった。ひらひらず飛んでいお、蝶そのものであった。自身が楜しくお、思いのたただった。そしお自分が人間の呚であるこずに気づかなかった。急に目が芚めお、我にかえっお、そこには呚がいた。私には分からない、はたしお人間である呚が倢の䞭だけで蝶になったのか、それずも蝶が倢の䞭で人間になったのか。 垞識的には呚ず蝶には必ず区別があるはずである。しかし、実際は垞識どおりではない。このこず倢のように、区別など無いのだ、ずいうこずを「物化」ぶっか䞇物は倉化するずいう。 荘子の思想 政治の知識や商売の知識などを、䞖俗せぞくの知識ずしお嫌っおいるようである。䞖俗せぞくの知識には、ずらわれるべきではない、ずいう思想のようである。 老子ろうしの思想に近いず考えられおおり、老子・荘子の䞡者の思想をたずめお、老荘思想ろうそう しそうずいう。
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高等孊校叀兞B/挢文/送倏目挱石之䌊予 予備知識 正岡子芏ず倏目挱石ずは、高等孊校の同玚生ずしお知り合っお以来の友人どうし。 明治28幎4月、孊校教垫ずしお愛媛県の束山䞭孊た぀やた ちゅうがくに赎任ふにんした倏目挱石は、その幎の暮れに芋合いのため東京に戻った。その際に正岡子芏の家を蚪問した。 『倏目挱石の䌊予に之くを送る』は、幎が明けお愛媛県束山に垰る倏目に正岡が送った詩である。正岡子芏の故郷は愛媛えひめ県なので、正岡子芏は、倏目挱石の赎任先の実情をよく知っおいるので、そのこずが詩の内容にも衚れおいる。 珟代語蚳 行きたたえ、䞉千里のかなたぞ。 君を送るず、倕暮れの寒さが生じる。 空には倧きな山富士山が懞かり、 海 瀬戞内海 倪平掋の果おには倧きな波が起きる。 䌊予のような僻地には、友人ずの付き合いも少なく、 孊校のいたずらっ子は、教えるのが難しいだろう。 四月の枅明せいめいのころに、たた䌚おう。 遅れるなよ、遅咲きの桜が散っおしたわないように。 曞き䞋し文 倏目挱石の䌊予に之くを送る な぀めそうせきのいよにゆくをおくる - 正岡子芏たさおか しき - 去けよゆけよ 䞉千里さんぜんり - 君きみを送ればおくれば暮寒がかん生しょうず - 空䞭くうちゅうに倧岳たいがく懞かりかかり - 海末かいば぀に長瀟ちょうらん起こるおこる - 僻地ぞきち 亀遊こうゆう少なくすくなく {あるいは「少に」たれにずも読む} - 狡児こうじ 教化きょうか難しかたし {あるいは「難からん」かたからんずも読む} - 枅明せいめい 再䌚さいかいを期きす - 埌るるおくるる莫かれなかれ晩花ばんかの残はるるそこなわるるに 原文 送倏目挱石之䌊予 - 去矣䞉千里 - 送君生暮寒 - 空䞭懞倧岳 - 海末起長瀟 - 僻地亀遊少 - 狡児教化難 - 枅明期再䌚 - 莫埌晩花残 語圙 - 僻地ぞきち - 蟺鄙ぞんぎな田舎いなか。 - 長瀟ちょうらん-長く連なる波。 - 教化きょうか - 教育しお感化かんかさせる。 - 再䌚さいかい -再び䌚うこず。 - 期すきす -玄束する。 語釈 - 䌊予いよ - 今の愛媛県えひめけん。 - 狡児こうじ -いたずらっ子。 - 枅明せいめい - 四月の枅明節。二人の状況から考えるに、春䌑みのこずだろう。 - - 読解 - 暮寒がかん生しょうず 文字通り読めば、倕暮れの寒さが生じるこずであるが、ここでは挱石を芋送るこずの寂しさを䟋えたのだろうず、参考曞などでは䞀般的に解釈されおいる。 圢匏 五蚀埋詩 韻 寒・瀟・難・残 察句 - 空䞭懞倧岳 ⇔ 海末起長瀟 - 空䞭 ⇔ 海末 - 懞 ⇔ èµ· - 倧岳 ⇔ 長瀟 ずいうふうに、察句的になっおいる。 句法 - 莫埌おくるるなかれ 「おくれるな」。 「莫〜」で犁止を衚す。
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高等孊校叀兞B/挢文/鎻門之䌚 鎻門之䌚 『史蚘』項矜本玀 叞銬遷 これたでのあらすじ 皇垝の座を狙う者たちの䞭に、 さお、反乱軍は秊軍ず戊い、各地で勝利をおさめ、反乱軍の占領地は広たっおいき、そしお反乱軍はずうずう秊の郜の 反乱軍の暫定的なリヌダヌだった、楚の懐王は、関䞭を先に占領した者を、関䞭の王ずしよう、ず決めた。このため、各地の反乱軍が、関䞭を目指した。 項矜は北偎から関䞭に向かい、劉邊は南偎から関䞭に向かった。 反乱軍の䞭で、 劉邊もたた、倩䞋取りを狙っおいる。 䞀方、項矜たちは 項矜は怒っお、関所ごず、劉邊の軍を攻撃した。そしお項矜軍は、これから本栌的に、劉邊軍に攻め蟌もうずした。 この時点では、劉邊の軍勢よりも、項矜の軍勢の方が匷倧であり、そのため、もし項矜軍がこれから本栌的に攻め蟌んできたら、劉邊軍に勝ち目は無い。 項矜の芪戚の この緊急の知らせを聞いた劉邊は、さっそく、 その埌、劉邊が停戊のため、項矜に面䌚を申し蟌み、そしお 予備知識 - 「 沛公」  「 劉邊」 である。 この「鎻門の䌚」の時点で、項矜ず劉邊が面䌚䞭。 これから、項王の参謀である 范増は、項矜に、目配せで劉邊の暗殺蚈画を䌝えたが、項矜はこの暗殺蚈画を採甚しなかった。 范増は、項矜の手䞋の 劉邊が面䌚䞭なので、項荘は、項荘が歊噚を持った状態で劉邊に近づくために、「もおなしをしたいが、戊堎なので歊噚しかないので、 しかし、 項䌯は項矜の芪戚だが、劉邊の参謀の これたでの人物を敎理するず - 劉邊を殺したい人 范増、項荘 - 劉邊を守りたい人 匵良、項䌯 - その他 項矜劉邊の殺害蚈画には興味がない、劉邊狙われおいる本人 原文 沛公、旊日埓癟䜙階、来芋項王。至鎻門、謝曰、「臣䞎将軍戮力而攻秊。将軍戊河北、臣戊河南。然䞍自意、胜先入関砎秊、埗埩芋将軍斌歀。今者有小人之蚀、什将軍䞎臣有郀。」項王曰、「歀沛公巊叞銬曹無傷蚀之。䞍然、籍䜕以至歀。」 項王即日因留沛公、䞎飲。項王・項䌯東嚮坐、亜父南嚮坐。亜父者范増也。沛公北嚮坐、匵良西嚮䟍。范増数目項王、舉所䜩玉玊、以瀺之者䞉。項王黙然䞍応。范増起、出召項荘、謂曰、「君王為人䞍忍。若入前為寿。寿畢、請以剣舞、因撃沛公斌坐殺之。䞍者、若属皆䞔為所虜。」荘則入為寿。寿畢曰、「君王䞎沛公飲。軍䞭無以為楜。請以剣舞。」項王曰、「諟。」項荘抜剣起舞。項䌯亊抜剣起舞、垞以身翌蔜沛公。荘䞍埗撃。 斌是匵良至軍門、芋暊噲。暊噲曰、「今日之事、䜕劂。」良曰、「甚急。今者項荘抜剣舞、其意垞圚沛公也。」噲曰、「歀迫矣。臣請、入䞎之同呜。」噲即垯剣擁盟入軍門。亀戟之衛士欲止䞍內。暊噲偎其盟以撞、衛士仆地。噲遂入、披垷西嚮立、瞋目芖項王、頭髪䞊指、目眊尜裂。項王按剣而跜曰、「客䜕為者。」匵良曰、「沛公之参乗暊噲者也。」項王曰、「壮士。─賜之卮酒。」則䞎斗卮酒。噲拝謝、起、立而飲之。項王曰、「賜之團肩。」則䞎䞀生團肩。暊噲芆其盟斌地、加團肩䞊、抜剣切而啗之。 項王曰、「壮士。胜埩飲乎。」暊噲曰、「臣死䞔䞍避、卮酒安足蟞。倫秊王有虎狌之心、殺人劂䞍胜舉、刑人劂恐䞍勝、倩䞋皆叛之。懐王䞎諞将玄曰、『先砎秊入咞陜者王之。』今沛公先砎秊入咞陜、毫毛䞍敢有所近、封閉宮宀、還軍芇䞊、以埅倧王来。故遣将守関者、備他盗出入䞎非垞也。劎苊而功高劂歀、未有封䟯之賞、而聎现説、欲誅有功之人、歀亡秊之続耳。窃為倧王䞍取也。」項王未有以応、曰、「坐。」暊噲埓良坐。坐須臟、沛公起劂廁、因招暊噲出。 沛公已出、項王䜿郜尉陳平召沛公。沛公曰、「今者出、未蟞也、為之柰䜕。」暊噲曰、「倧行䞍顧现謹、倧瀌䞍蟞小譲。劂今人方為刀俎、我為魚肉、䜕蟞為。」斌是遂去。乃什匵良留謝。良問曰、「倧王来䜕操。」曰、「我持癜璧䞀双、欲献項王、玉斗䞀双、欲䞎亜父。䌚其怒、䞍敢献。公為我献之。」匵良曰、「謹諟。」 圓是時、項王軍圚鎻門䞋、沛公軍圚芇䞊、盞去四十里。沛公則眮車階、脱身独階、䞎暊噲、倏䟯嬰、靳圊、玀信等四人持剣盟歩走、埓酈山䞋、道芷陜間行。沛公謂匵良曰、「埓歀道至吟軍、䞍過二十里耳。床我至軍䞭、公乃入。」 沛公已去、間至軍䞭、匵良入謝、曰、「沛公䞍勝桮杓、䞍胜蟞。謹䜿臣良奉癜䞀双、再拝献倧王足䞋、玉斗䞀双、再拝奉倧将軍足䞋。」項王曰、「沛公安圚。」良曰、「聞倧王有意督過之、脱身独去、已至軍矣。」項王則受璧、眮之坐䞊。亜父受玉斗、眮之地、抜剣撞而砎之、曰、「唉。豎子䞍足䞎謀。奪項王倩䞋者、必沛公也。吟属今為之虜矣。」沛公至軍、立誅殺曹無傷。 侀 珟代語蚳 沛公はいこうは翌朝、癟䜙階ひゃくよきを埓え、やっおきお項王こうおうに面䌚しようずし、鎻門こうもんに到着した。 沛公が項王に謝眪しお蚀うには、「私は将軍ず協力しお秊を攻撃したした。将軍は黄河こうがの北方ほっぜうで戊い、私は黄河の南方なんぜうで戊いたした。しかしながら、自分でも予想しおなかったこずに、私が先に関䞭に入っお秊を倒すこずに成功しお、再び将軍項矜に、この地でお䌚いできるずは。今、぀たらぬ人間が告げ口をしお、将軍ず私を仲違いさせようずしおいたす。」ず蚀った。 項王が蚀うには、「そのこずは沛公の巊叞銬さしばの曹無傷そうむしょうから、それ倩䞋取りにお、沛公が項矜を出し抜こうずしおいるを聞いたのだ。そうでなければ、どうしお私がこういう事沛公軍に攻撃をするに至るでしょうか。いや、攻撃するはずがない。」 曞き䞋し文 沛公はいこう、旊日たんじ぀癟䜙階ひゃくよきを埓ぞしたがえ、来たりきたりお項王こうおうに芋えんみえんずし、鎻門こうもんに至りいたり、 謝しゃしお曰はくいわく「臣しん将軍しょうぐんず力ちからを戮せおあわせお秊しんを攻むせむ。 将軍は河北かほくに戊ひたたかい、臣しんは河南かなんに戊ふ。 然れどもしかれども自らみずから意はざりきおもわざりき、胜くよく先たず関せきに入(い)りお秊しんを砎りやぶり、埩たたた将軍に歀ここに芋ゆるたみゆるこずを埗んえんずは。今者いた、小人しょうじんの蚀げん有り。将軍をしお臣ず郀げき有らしむあらしむ。」ず。 項王こうおう曰はく、「歀れこれ沛公の巊叞銬さしば曹無傷そうむしょう之これを蚀ふいふ。然らずんばしからずんば、籍せき䜕なにを以おもっお歀ここに至らんいたらん。」ず。 語圙・読解 - 埩たたタ - 再びふたたび。 - 埩たたた将軍に歀ここに芋ゆるたみゆるを埗んえん この文での「歀」ここずは鎻門こうもんのこず。 ここでの「埗」ずは、機䌚に恵たれるずいうこず。項王ず面䌚できた、ずいう機䌚に぀いお。䞀方、胜力があっお「〜できる」ずいう堎合は「胜」を甚いる。 - 䞍然しかラずンバ - そうでなければ。ここでの「そう」ずは、曹無傷が蚀ったずいうこず。 - 䜕以至歀なにヲもッテここニいたラン-どうしお、こんなこずをしようか、いや、しない。 「䜕以〜」は理由や手段を問う疑問であるが、ここでは反語の意味。 語句 - 芋項王こうおうニたみ゚ン ここでは、項王に敬意を衚すため、「たみ゚ン」ず蚓読する。 - 謝 しゃシテ- 謝眪しお。沛公が凜谷関を封鎖しお項矜を怒らせたこずなどを謝眪しおいる。 - 臣しん - 私。ぞりくだっおいう堎合の䞀人称。 - 然しかレドモ - 接続詞。ここでは逆接。 - 䞍自意みずからおもハざりキ - 自分で思わなかったこずで - 今者いた - 今。「者」は、ここでは時ずきを衚すずきに添える接尟語。 - 小人しょうじん - 取るにたらない者。぀たらぬ者。 - 什しム-䜿圹を衚す。 「什将軍䞎私臣有郀」で、「将軍ず私を仲違いさせようずしおいる」の意味。 語釈 - 沛公はいこう - 劉邊りゅうほう。のちに項矜を倒し、䞭囜を統䞀し、挢王朝の始祖になる。秊ぞの反乱の祭、沛はいで旗䞊げしたので沛公ず呌ばれた。䞉十九歳のずきに挙兵。沛は今の江蘇省こうそしょう沛はい県。 - 旊日たんじ぀ - 朝。翌朝。 - 項王こうおう - 項矜こうう。名は籍せき。「矜」は字あざな。぀たり項籍こうせきが本名。二十四歳のずきに挙兵。 - 鎻門こうもん - 地名か。 - 将軍しょうぐん - 項矜のこず。この時点では、項矜はただ楚王ではない。 - 戮力ちからヲあわせテ - 力を合わせお。協力しお。 - 河北かほく - 黄河こうがの北方ほっぜうの地域。 - 籍せき - ここでは「関䞭」の地のこず。今でいう陝西省せんせいしょう南郚。 - 郀げき - 仲違い。 - 巊叞銬さしば - 圹職名。歊官の官名である。 二 珟代語蚳 項王はその日、沛公を匕きずどめお、酒宎をひらき䞀緒に酒をくみかわした。項王ず項䌯は西偎の垭に座っお東を向いお座り、亜父あほは北偎の垭に座り南を向いお座った。亜父あほずは范増はんぞうのこずである。沛公は南偎の垭に座っお北を向いお座り、匵良ちょうりょうは西を向いお沛公のそばに控えおいる。 范増はたびたび項王に目配せをしお、腰に぀けおいた玉食りを挙げお、項王に沛公を殺すべきだず䞉床も瀺した。しかし項王は黙ったたた応じなかった。范増は立ち䞊がり宎垭の倖に出お、項荘を呌び寄せお蚀うには「わが君項矜は、人柄から、沛公をだたし蚎ちで殺すようなむごいこずができない。だから代わりに、おたえが、沛公を殺せ。その手順は、たず、おたえが宎垭に入り、沛公の前に進んで長寿を祝え。祝いが終わったら、剣で舞うこずを願い出お、舞いをしお、その機䌚に沛公を宎垭で斬り殺しおしたえ。そうしないず、将来、今のずころは軍勢が優勢である項矜の身内であるお前の身内も皆、近い将来、勢力を䌞ばした沛公の軍勢に攻めこたれ、お前たち項䞀族は今にも捕虜ほりょになっおしたうだろう。」ず。 項荘はすぐにも宎垭に入っお長寿を祝った。長寿を祝い終わっお項荘が蚀うには、「わが君が沛公ず飲んでおられたす。軍䞭なので、楜噚※ 嚯楜ず蚳す堎合もあるがありたせん。どうか剣で舞わせおください。」ず。項王は「よろしい。」ず。← 剣舞を蚱可した 項荘は剣を抜き、立ち䞊がっお舞った。舞い始めた。 意図に気づいた項䌯もたた沛公を守ろうずしお剣を抜いお立ち䞊がっお舞い、垞に身をもっお、たるで芪鳥が子を翌でかばうように、沛公をかばった。そのため項荘は沛公を蚎぀こずができなかった。 曞き䞋し文 項王こうおう即日そくじ぀因りおよりお沛公はいこうを留めおずどめお䞎にずもに飲いんす。項王・項䌯こうはくは東嚮ずうきょうしお坐しざし、亜父あほは南嚮なんきょうしお坐すざす。亜父あほずは范増はんぞうなり。沛公は北嚮ほっきょうしお坐ざし、匵良は西嚮せいきょうしお䟍すじす。 范増数しばしば項王に目もくし、䜩ぶるおぶる所の玉玊ぎょくけ぀を挙げお、以぀おこれに瀺すこず䞉たびす。項王黙然ずしお応ぜず。 范増起ちたち、出でおいでお項荘を召しめし、請ひおいいお曰はく「君王くんおう人ひずず為りなり忍びずしのびず。若なんぢ入りいり、前みおすすみお寿じゅを為せなせ。寿じゅ畢はらばおわらば剣けんを以(もっ)お舞はんこずを請(こ)い、因りおよりお沛公はいこうを坐ざに撃ちおうちお之これを殺せころせ。䞍者ずんばしからずんば、若なんぢが属ぞく皆みな䞔にたさに虜ずりこずする所(ずころ)ず為らんならんずす。」ず。 荘そう則ちすなわち入りおいりお寿じゅを為すなす。寿じゅ畢はりおおわりお曰はくいわく「君王くんおう沛公はいこうず飲すいんす。軍䞭ぐんちゅう以おもっお楜(がく)を為すなす無しなし。請ふこう剣けんを以おもっお舞はんたわん。」ず。項王こうおう曰はくいわく、「諟。」だくず。 項荘こうそう剣けんを抜きぬき起ちおたちお舞ふたう。項䌯こうはくも亊たた剣けんを抜きぬき起ちおたちお舞ひたい、垞に぀ねに身みを以぀おもっお沛公はいこうを翌蔜よくぞいす。荘そう撃぀う぀を埗ずえず。 語圙・読解 - 即日そくじ぀ - その日。圓日。 - 因りおよりお - 「その機䌚に」。「そのために」。沛公が項矜を蚪ねおきた機䌚なので、ずいうような意味。 - 䞎飲ずもにのむ、ずもにいんす - 䞀緒に飲んだ。「䞎」は「䞀緒に」ずいう意味。 - 数しばしば - 䜕床も。 - 范増数しばしば項王に目もくし、 范増は項王に目配せをした。ここでの目配せの意図は、沛公を殺す蚱可を、項矜に求めおいる。 - 若なんじ - おたえ。二人称。「若」ごずしず同じ字。 - 䞍者しからずんば - そうでなければ。ここでは「沛公を殺さなければ」の意味。 - 䞔為所捕虜たさにずりこずするずころならん - 今にも捕虜になっおしたうだろう。 「䞔〜」たさにで、「いたにも 〜 になるだろう」の意味。 - 請以剣舞けんをもっおたわんこずをこい - 剣舞を舞うこずを願う。「請A」で「Aを芁望する」。「請」は願望がんがうを衚す。 - 諟だく - 承諟しょうだくする、ずいう意味。「よかろう」「よろしい」。 - 䞍埗撃う぀こずをえず - 蚎぀こずができない。「䞍埗〜」で、機䌚が無くお「〜できない」の意味。 語釈 - 亜父あほ - 父に次いで、尊敬される者。「亜」ずは「〜に次いで」ずかの意味。 - 范増はんぞう - 項矜の参謀。 - 東嚮ずうきょう - 宎䌚の垭で、西に座っお東を向いおいる。圓時の宎䌚では、西が最䞊座。぀たり東嚮が最䞊座。 - 匵良ちょうりょう - 劉邊の参謀。 - 項䌯こうはく - 項矜の叔父おじ。 - 目 - 目くばせする。 - 玉玊ぎょくけ぀ - 茪の圢をした、玉食りの䞀皮。「玊」が「決」に通じ、決断を意味する。 - 項荘こうそう - 項矜のいずこ。 - 属ぞく - 䞀族。身うち。 - 前みおすすみお - 進んで - 畢わらばおわらば - 終わったら。 - 翌蔜よくぞい - 芪鳥がひなを翌でかばうように守る。 侉 珟代語蚳 そこで匵良は軍営の門に来お、暊噲はんかいを䌚った。暊噲は「今日の様子は、どうか」ず蚀った。匵良は蚀った。「非垞に切迫しおいる。今、項荘が剣を抜いお舞いをしおいる。そのねらいは、垞に沛公にある。沛公を殺そうず狙っおいる。」ず蚀った。暊噲は「これは緊急だ。お願いです、私は宎垭の䞭に入っお沛公ず生死をずもにしたい。」ず蚀った。暊噲はただちに剣を身に぀け盟を抱えお、軍営の門に向かった。※ 曞き䞋し文は「入る」だが、盎埌の展開ず文脈が通じないので、蚳を「向かった」にした。 しかし戟げきを亀差させおいる番兵が止めお入れないようにしようずした。暊噲は盟を傟けお、それで番兵を぀いお地面に倒した。暊噲はずうずう軍営に入り、宎垭䌚堎の幕を開きあげお、西を向いお立ち、目を芋開いお項王を芋た。暊噲の頭髪は逆立ち、たなじりはこずごずく裂けおいた。目を芋開いおいる 項王は、刀の぀かに手をかけ膝ひざを぀いお身構えお蚀うには、「おたえは䜕者か」ず。 匵良が答えるには、「沛公の車で護衛の添え乗りをしおいる、暊噲はんかいずいう者です。」ず。 項王が蚀うには、「勇敢な男だ。これに倧杯たいはいの酒を䞎えよ。」ず。そこで䞀斗「いっず」、圓時は玄二リットルの酒を䞎えた。 暊噲は、瀌を蚀っお立ち䞊がり、立ったたたでこれ酒を飲んだ。項王が蚀うには「圌に豚の肩の肉を振る舞え。」ず。そこで、ひず塊かたたりの生の豚の肩の肉を䞎えた。暊噲は、その持っおきた盟を地にふせお、豚の肩の肉をその䞊に眮いお、剣を抜いお豚肉を切っお、これ豚肉を食べた。 曞き䞋し文 是ここに斌いおおいお匵良ちょうりょう軍門ぐんもんに至りいたりお、暊噲はんかいを芋る。暊噲曰はく、「今日こんにちの事こず䜕劂いかん。」ず。良りょう曰はく、「甚だはなはだ急きゅうなり。今者いた、項荘こうそう剣けんを抜きおぬきお舞ふたう。其のその意い垞に぀ねに沛公に圚るなり。」ず。噲かい曰はくいわく、「歀れこれ迫れりせたれり。臣しん請ふこう、入りおいりお之これず呜めいを同じくおなじくせん。」ず。噲かい即ちすなわち剣けんを垯びおび盟たおを擁しおようしお軍門ぐんもんに入るいる。亀戟こうげきの衛士えいし止めおずどめお入れざらんいれざらんず欲すほっす。 暊噲はんかい其のその盟たおを偎だおおそばだおお、以おもっお衛士えいしを撞きお぀きお地にたおす。噲かい遂に぀いに入りいり、垷いを披きおひらきお西嚮せいきょうしお立ち、目を瞋らしおいからせお項王こうおうを芖るみる。頭髪ずうは぀䞊指じょうしし、目眥もくし尜くこずごずく裂くさく項王こうおう剣けんを按じおあんじお、跜ひざたずきしお曰はく、「客かく䜕為るなんする者ものぞ。」ず。 匵良ちょうりょう曰はくいわく、「沛公はいこうの参乗さんじょう暊噲はんかいずいう者ものなり。」ず。 項王曰はく、「壮士そうしなり。之これに卮酒ししゅを賜ぞたたえ。」ず。則ちすなわち斗卮酒ずししゅを䞎ふ。噲かい、拝謝はいしゃしお起ちたち、立ちながらたちながらにしお之これを飲むのむ。項王曰はく、「之にこれに團肩おいけん賜ぞたたえ。」ず。則ちすなわち䞀い぀の生團肩せいおいけんを䞎ふあたう。暊噲はんかい其のその盟たおを地ちに芆せふせ、團肩おいけんを䞊うえに加ぞくわえ、剣けんを抜きぬき、切りおきりお之これを啗らふくらふ。 語圙・読解 - 斌是ここにおいお - 「そこで」「こうしお」「それで」。接続詞的な意味の熟語。 - 䜕劂いかん - いかがですか。疑問を衚す。 - 甚はなはだ急きゅう - 「甚」ずは「非垞に」「ずおも」の意味。「甚倧」じんだいの「甚」の字ず同じ。「急」は、「緊急」の急の字ず同じ。急は、文脈から、切迫せっぱく、急迫きゅうはくの意味。 - 歀迫矣これせたれり - 「矣」は断定を衚す助字であり、蚓読しない。 語釈 - 目眥もくし - 目尻。たなじり。 - 参乗さんじょう - 護衛のため銬車に同乗する兵士。護衛のための添え乗り。 - 斗ず - 圓時の䞀斗は玄二リットル。 - 團肩おいけん - 豚の肩の肉。 四 珟代語蚳 項王は蚀う、「勇士である。ただ酒を飲めるか。」ず。暊噲が蚀うには、「私は死ですら避けようずしたせん。たしおやどうしお酒を、どうしお断る必芁があるのでしょうか。いや、断りたすたい。」ず。 暊噲が蚀うには、「そもそも秊王は、虎や狌のような残忍な心を持っおいたした。人を殺すこずは、数えきれないほどで倚くお、人を凊刑するこずは、しきれないこずを恐れるほどでした。秊の王は、そういう事をしおいたので、倩䞋の人々は皆みな、秊に背きそむきたした。楚の懐王が将軍たちず玄束しお蚀うには、『先に秊を撃砎しお咞陜かんように入堎した者は、その地関䞭の王ずしよう。』ず。今、沛公は先に秊を砎っお咞陜かんように入堎したしたが、ほんの少しの物宝物なども、けっしお近づけようずしたせん。 自分のものにしたせんでした。宮殿を封鎖し、匕き返しお、芇氎のほずりに駐屯し、倧王項矜の来られるのをお埅ちしおいたのです。わざわざ将兵を掟遣しお凜谷関かんこくかんを守らせたのは、他の盗賊の出入りず、非垞事態に備えたからです。沛公は苊劎しお功瞟の高いこずは以䞊の通りですが、いただに諞䟯に封ずる 沛公に領地を䞎えお、沛公を諞䟯のうちの䞀人ずしお扱う・・・ずいうような意味ずいう恩賞がありたせん。それどころか、぀たらない人のたわごずを聞いお、功瞟ある人 沛公を眪を責めお殺そうずしおいたす。これでは、滅んだ秊の、二の舞いになるだけです。倱瀌ながら私は蚀いたすが、倧王のためには埗策ではありたせん。」ず。 項王は、いただに答えるこずが、できなかった。 項王が蚀うには、「たあ、座れ。」ず。 暊噲は匵良のそばに座った。座っおから、しばらくしお、沛公は立ち䞊がり䟿所に行き、その぀いでに暊噲を招いお䞀緒に出た。 曞き䞋し文 項王曰く、「壮士(そうし)なり。胜く(よく)埩た(たた)飲むか。」ず。暊噲(はんかい)曰く、「臣(しん)死すら䞔぀(か぀)避けず。卮酒(ししゅ)安んぞ(いずくんぞ)蟞する(じする)に足らんや。倫れ(それ)秊王虎狌(ころう)の心有り。人を殺すこず挙ぐる(あぐる)胜は(あたは)ざるが劂く(ごずく)、人を刑するこず勝ぞ(たぞ)ざるを恐るるが劂し(ごずし)。倩䞋皆之(これ)に叛く(そむく)。懐王(かいおう)諞将(しょしょう)ず玄しお曰く、『先ず(たず)ç§Š(しん)を砎りお咞陜(かんよう)に入る者は、これに王たらしめん。ず』今、沛公(はいこう)先ず秊を砎りお咞陜かんように入り。豪毛(ごうもう)も敢ぞお(あぞお)近づくる所有らずしお、宮宀(きゅうし぀)を封閉(ふうぞい)し、還りお(かえりお)芇䞊(はじょう)に軍しお、以お(もっお)倧王の来たるを埅おり。故ら(こずさら)に将を遣はし関(かん)を守らしめし者は、他の盗の出入ず非垞ずに備ぞしなり。劎(ろう)苊だしく(はなはだしく)しお功(こう)高きこず歀く(かく)のごずきに、未だ(いた)だ封䟯(ほうこう)の賞有らず。而(しか)るに现説(さいせ぀)を聎きお、有功(ゆうこう)の人を誅せんず(ちうせんず)欲す(ほっす)。歀れ(これ)亡秊の続きなるのみ。窃か(ひそか)に倧王の為に取らざるなり。」ず。 項王未だ(いただ)以お応(こた)ふるこず有らず。曰はく、「坐せよ。」ず。暊噲(はんかい)良に埓ひお坐す。坐するこず須(しゆ)臟(ゆ)にしお、沛公起ちお廁(かわや)に劂き(ゆき)因り(より)お暊噲を招きお出ず(いず)。 語圙・読解 - 胜埩飲乎よくたたのむか - 飲めるか。「胜A」は「Aが可胜」の意味。「乎」かは疑問の意味。 - 死䞔䞍避。巵酒安足蟞。 - 死ですら避けようずしない。どうしお倧杯の酒を蟞退するか。いや、倧杯の酒を蟞退しない。 「A 侔 B 。 安 C 。」で、「AですらBである。どうしおCであろうか。いやCではない。」の意味。抑揚よくようの意味。 - 䞍敢有所近あえおちかづくるずころあらず - 「䞍敢〜」で「すすんで〜しようずはしない」の意味。 - 故こずさらニ - 「故意に」「わざず」の意味。ここでは文脈から「わざわざ」ず解釈する。 - 誅ちゅう - 眪を責めお殺す。 - 耳のみ - 匷い断定や限定。「亡秊之続耳」がうしんのぞくのみは「滅んだ秊の二の舞いである」のような意味。 語釈 - 豪毛ごうもう - ほんのわずか。豪は獣の现い毛。 - 窃かひそか - はばかりながら。ぞりくだっお蚀う蚀葉。 - 須臟しゅゆ - しばらくしお。 - - 五 珟代語蚳 沛公はすでに宎垭から脱出した。項王は、郜尉ずいの陳平ちんぺいに沛公を呌びに行かせた。沛公が蚀うには、「いた出おきたずきに、ただ別れのあいさ぀をしおいない。これは、そうするべきだろうか。」ず。 暊噲が蚀うには、「倧きな事業を行うには、小さな慎み぀぀しみにはこだわらず、倧きな瀌節のためには小さな瀌節を無芖する必芁も有りたす。いた、盞手はちょうど、包䞁ほうちょうずたな板であり、私達は料理されかねない魚肉です。なんで、あいさ぀などに、こだわっおいる堎合でしょうか。あいさ぀の必芁はありたせん。速く逃げないず危険です。」 そこで、ずうずう沛公は去った。それで匵良を留たらせお項王に謝眪させた。匵良が沛公に質問しお蚀ったのは、「倧王沛公が来たずき、土産ずしお䜕を持っおきたしたか。」ず。沛公が蚀うには、「私は癜璧の䞀察を持っおきお、項王に献䞊しようず思い、玉斗の䞀察を亜父どのに䞎えようず思っおいたが、その項王らの怒りを買っおいたので、進んで献䞊しようずはしなかった。あなたが私のために、これを献䞊しおくれ。」ず蚀った。匵良が蚀うには「謹んで承知したした。」ず。 曞き䞋し文 沛公はいこう已にすでに出づいづ。項王こうおう郜尉ずい陳平ちんぺいをしお沛公を召さしむ。沛公曰はくいわく、「今者いた、出づるいづるに未だいただ蟞じせざるなり。之を為すこず奈䜕いかん。」ず。暊噲はんかい曰はく、「倧行たいこうは现謹さいきんを顧みずかえりみず、倧瀌たいれいは现譲しょうじょうを蟞せず。劂今いた(じょこん)、人ひずは方にたさに刀俎ずうそたり、我われは魚肉ぎょにくたり。䜕ぞなんぞ蟞じするを為さんなさん。」ず。 是ここに斌いおおいお遂に぀いに去るさる。乃ちすなわち匵良ちょうりょうをしお留たりずどたり謝しゃせしむ。良りょう問ひおずいお曰はく、「倧王だいおう来たるきたるずき、䜕なにをか操れるずれる。」ず。 曰はく、「我われ癜璧はくぞき䞀双いっそうを持ぢし、項王こうおうに献けんぜんず欲しほっし、玉斗ぎょくず䞀双いっそうをば、亜父あほに䞎ぞんあたえんず欲しほっしも、其のその怒りいかりに䌚ひおあいお、敢ぞおあえお献けんぜず。公こう我がわが為にために之これを献ぜよけんぜよ。」ず。 匵良ちょうりょう曰はくいわく、「謹みお぀぀しみお諟だくす。」ず。 語圙・読解 - 已出すでにいず - すでに出た。 - 䜿 - 䜿圹。 - 奈䜕いかん - どうしようか。疑問を衚す。手段・方法を問う。「劂䜕」「若䜕」ず同じ意味・甚法。 - 劂今いた - ちょうどうど今。 - 方たさに - ちょうど今。たさに。 - 䜕蟞為なんぞじするこずなさん - どうしお別れのあいさ぀をするこずがあろうか、いや、するこずはない。反語 - 䞍敢献 - 「䞍敢A」で「すすんでAしようずしない」。 語釈 - 郜尉ずい – 軍事を぀かさどる官名。 - 蟞じ - 別れのあいさ぀。 - 刀俎ずうそ - 包䞁ずたな板 - 操 - 土産ずしお持っおくる。 - 癜璧はくぞき - 癜い、環状の宝石。 - 玉斗ぎょくず - 玉で䜜ったひしゃく。 六 珟代語蚳 このずき、項王の軍は鎻門に駐屯しおおり、沛公の軍は芇氎のあたりに駐屯しおいた。おたがいの駐屯地の距離は四十里玄十六キロメヌトルであった。沛公は、よっお、持っおきた車ず連れおきた兵を鎻門に残し、身䞀人で脱出しお階銬に乗り、暊噲・倏䟯嬰かこうえい・靳圊きんきょう・玀信きしんたちの四人ず、剣ず盟を持っお埒歩で走り、驪山りざんのもずから、芷陜しようぞの道を、抜け道を通っお行った。 沛公ず匵良の別れ際に、沛公が匵良に蚀っおいたこずは、「この道で自軍に到着するたでが、たったの二十里に過ぎない。私が自軍に到着した頃合いを芋蚈らっお、そなたはそこで宎垭に入れ。」ず。 曞き䞋し文 是のこの時ずきに圓たりあたり、項王の軍ぐんは鎻門こうもんの䞋に圚りあり、沛公はいこうの軍ぐんは芇䞊はじょうに圚りあり盞去るあいさるこず四十里しじゅうりなり。沛公則ちすなわち車階しゃきを眮きおき、身を脱だっしお独りひずり階きし、暊噲・倏䟯嬰かこうえい・靳圊きんきょう・玀信きしんら四人よにんの剣盟けんじゅんを持ぢしお歩走ほそうするものず、驪山りざんの䞋もずより、芷陜しように道みちしお、間行かんこうす。 語圙・読解 語釈 - 四十里しじゅうり - 圓時の䞀里は玄四癟メヌトル。 - 間行かんこう - 抜け道を行く。 - 床はかリ- 芋積もるみ぀もる。掚し量るおしはかる。 䞃 珟代語蚳 沛公はすでに鎻門を去り、しばらくしお自軍の軍䞭に到着した。匵良は宎垭に入っお陳謝しお蚀うには、 - 「沛公は、これ以䞊は酒が飲めず深く酔っおいお、別れのあいさ぀もできたせん。そこで沛公は謹んで臣䞋である私・匵良に癜璧の䞀察を預け、沛公が私に呜什しお蚀うには、再拝しお倧王項王の足元に献䞊し、玉斗の䞀察を、再拝しお倧将軍范増の足元に差し䞊げよ、ずのこずです。」 項王が蚀うには、「沛公はどこにいるのか。」ず。 匵良が答えお蚀うには、「倧王が沛公の過倱かし぀をずがめるず聞き、単身たんしんで脱出したした。すでに自軍に到着しおいるでしょう。」ず。 項王はそこで癜璧を受け取り、これを座垭のそばに眮いた。亜父は玉斗を受け取るず、これを地面に眮き、剣を抜いお、突いお砎壊しお、蚀うには、「ああ、小僧め、ずもに謀略をするに倀あたいしない。項王の倩䞋を奪ううばう者は、必ず沛公だ。われらの䞀族は、今に沛公の捕虜になるだろう。」ず。 沛公は自軍に到着し、曹無傷の眪を責めお、ただちに凊刑した。 曞き䞋し文 沛公はいこう已にすでに去りさり、間しのびお軍䞭ぐんちゅうに至るいたる。 匵良ちょうりょう入りいり、謝しおしゃしお曰はくいわく、「沛公桮杓はいしゃくに勝ぞずたえず、蟞じするに胜はずあたわず。謹みお臣良しんりょうをしお癜璧はくぞき䞀双いっそうをば、再拝さいはいしお倧将軍だいしょうぐんの足䞋そくかに奉ぜしむほうぜしむ。」ず。 項王曰はく、「沛公安くにかいずくにか圚るある。」ず。 良りょう曰はく、「倧王だいおう之これを督過ずくかするに意い有りありず聞ききき、身みを脱だっしお独りひずり去れりされり。已にすでに軍ぐんに至らんいたらん。」ず。 項王則ちすなわち璧ぞきを受けうけ、之これを坐䞊ざじょうに眮くおく。 亜父あほは玉斗ぎょくずを受けうけ、之これを地ちに眮きおき、剣を抜き撞きお぀きお之これを砎りおやぶりお曰はく、「唉ああ、豎子じゅし䞎に謀るはかるに足らずたらず。項王の倩䞋おんかを奪ふうばう者ものは、必ずかならず沛公ならん。吟がわが属ぞく今にいたに之これが虜ずりこず為らん。」ず。 沛公はいこう軍ぐんに至りいたり立ちどころたちどころに曹無傷そうむしょうを誅殺ちゅうさ぀す。 語圙・読解 - 安圚いづくニカあル - どこにいるのか。疑問。なお、「安」を「いづくンゟ」ず蚓読すれば理由を問う衚珟になる。 語釈 - 督過ずくか – 過倱をずがめる。 - 再拝さいはい - 再床のお蟞儀。䞁寧なお蟞儀。深い敬意を衚すしぐさ。 - 足䞋そっか - 足元に差し出すこずで、敬意を衚しおいる、ず思われる。 - 豎子じゅし - 小僧こぞう。青二才あおにさい。 - 立たちどころに - すぐに。ただちに。たちどころに。すぐさた。 項矜の性栌など - 『鎻門之䌚』での項矜の性栌 - ・項矜は、沛公はいこうを殺す決断ができず、決断力の無い人物ずしお、描かれおいる。 - ・感情的で短気である䞀方で、人情味があり矩理堅い人物ずしお曞かれおいる。 怜定教科曞などに玹介される項矜の逞話では、項矜は感情的で短気である䞀方で、人情味があり矩理堅い人物ずしお曞かれおいる。 たずえば『鎻門之䌚』では、凜谷関などを封鎖した沛公に怒り、関所を攻撃するものの、自分に謝眪しにきた沛公はいこうを蚱し、その沛公を助けにきた暊噲はんかいを高く評䟡したかのように蚘述されおおり、項矜は人情味がある人物ずしお曞かれおいる。 『鎻門之䌚』で曞かれた范増はんぞうによる評䟡でも、項矜を、そのような、謝眪に来た沛公の殺害をためらうような、矩理堅い人物ずしお、范増は項矜を評䟡しおいるので、范増は項荘こうそうに沛公の殺害を呜じたのであった。 - 実際の性栌 だが、『史蚘』の教科曞では玹介されおいない郚分での項矜の実際の行動や、歎史䞊の実際での行動では、この『鎻門之䌚』で描かれたような人物像ずは、やや異なる。 『鎻門之䌚』のあず、項矜は、反秊の盟䞻である懐王かいおうを殺したりしおおり、あたり矩理堅いずは思えない人物だし、人情味も無いず思われる。そもそも、この懐王の殺害によっお、のちに沛公劉邊が項矜が滅がす倧矩名分の原因の䞀぀になったのである。 『鎻門之䌚』の蚘述だけを信甚するにしろ、それ以倖の『史蚘』の蚘述も信甚するにしろ、どちらにせよ、項矜の行動の方針は䞀貫しおおらず、項矜は感情的である。 - 人物像の察比 項矜以倖の他の人物の性栌は、『鎻門之䌚』では、項矜ずは察比的に描かれおいる。 たずえば范増はんぞうや項荘は、沛公はいこうの殺害をすすめるなど、目的のためには冷酷な遞択でも、ためらわない。 たずえば沛公は、郚䞋の匵良ちょうりょうの進蚀をよく受け入れる人物ずしお、描かれおいる。この点が、范増の進蚀を受け入れなかった項矜ずは異なる。 たた、沛公の野心を項矜に䌝えた曹無傷を、沛公は凊刑するように、沛公は人を殺す人物ずしお描かれおいる。この点、沛公の殺害をためらった項矜ずは異なる。しかも、沛公の野心を曹無傷から聞いたずいう話を、項矜は、うっかりず、沛公に喋っおしたうのである。
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『無名抄』むみょうしょう 歌論曞。 䜜者は鎚長明かもの ちやうめい 、カモノ チョりメむ。䞀二䞀䞀幎建暊元幎以降に成立。章段の数は、玄八十段からなる。 深草の里 - 「俊成しゅんぜい自賛歌のこず」 - ・腰の句 - 和歌の第䞉句。 - ・景気を蚀ひながしお - 景色や雰囲気をさらりず詠み衚しお。 - ・歌の詮せん - 和歌のもっずも重芁なずころ。 - ・いはく - いう事には。 - ・぀いで - 際。折。機䌚。 - ・定め䟍れど - 「さだむ」の意味は倚数あり、 「決める」。 「論じる」。 などの意味がある。 ずのどちらでも解釈ができるが、ずりあえず本蚘事ではで蚳した。参考曞によっおはで蚳しおいるのもある。 - ・たさしく - 確かに。 - ・承らんうけたたわらん - 「聞く」や「受く」などの謙譲語。 ここでは「聞く」の謙譲語なので、意味は、「お聞きする」、「䌺う」うかがうの意味。 - ・あたねく - 広く䞀般に。「䞖にあたねく」で、意味は「䞖間に広く䞀般に」。 - ・いさ -「さあ、どうだか」の意味。「いさ知らず」の圢で「さあ、に぀いおは、わからないけれど、」。 - ・心にくく - 奥ゆかしい。 - ・むげ - ひどい。よくない。最䜎だ。 - ・そら - 暗蚘などで、文を読んでいない状態。 - ・おが぀かなく - 圢容詞「おが぀かなし」連甚圢。「おが぀かなし」は、はっきりずは分からない、の意味。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・かのたぐひ - 「おもお歌」のこず。 - ・ - 。 - ・俊恵しゅんえ - 平安時代の歌人。源俊頌みなもずのずしよりの子。鎚長明の歌の垫。 - ・五条䞉䜍入道 - 藀原俊成ふじわらのずしなり。歌人。『千茉集』せんざいしゅうの撰者せんじゃ。 - ・倕されば - 『千茉集せんざいしゅう』秋䞊に所収。 - ・深草 - 今でいう京郜垂 䌏芋ふしみ区 深草ふかくさ。 - ・おもお歌 - 代衚的な和歌。 - ・面圱に - 『新勅撰ちょくせん集』春䞊に所収。 - ・さはず - はっきりず、あっさりず、の意味か。 - ・み吉野 - 今でいう奈良県吉野矀の䞀垯。 - ・み吉野の - 『新叀今和歌集』に所収。 - ・䞖の末 - 将来。埌䞖。 - ・ - 。
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高等孊校叀兞B/無名草子 - 『無名草子』むみょうぞうし。 䜜者は䞍明。評論。物語を䞭心に評論しおいる。぀たり、文孊評論。日本に珟存する、日本の物語評論ずしおは、日本で最叀。 䞀䞀九八幎  䞀二○二幎 ごろに成立したず考えられおいる。䜜者は、通説では藀原俊成女ふじわらのずしなりのむすめずいう説があるが、確蚌は無く、䜜者は未詳。 『源氏物語』『䌊勢物語』『倧和物語』などを論評しおいる。 文ふみ - 党䜓の倧意 手玙は玠晎らしいものである。なぜなら、䌚えない人からも、語り䌝えおもらえるから。あの人からも、もう亡くなっおしたった、あの人からも、手玙では語り䌝えおもらうこずができる。たた、たったく䌚ったこずのないような昔の人からも、手玙では語り䌝えおもらうこずができる。異囜の事だっお、手玙では語れる。 そしお未来の人ぞも、私たちが手玙で語り䌝える事もできる。 侀 - 倧意 手玙は玠晎らしいものである。 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・心地 - 気持ち。 - ・めづらし - ここでは「玠晎らしい」の意味か。珟代語ず同様に「珍しい」の意味ずも取れる。 - ・劣りおやはある - 劣っおいるだろうか。「やは」は反語の係助詞。係助詞「や」に係助詞「は」が぀いたものだが、「やは」で䞀぀の助詞ずしお扱っおよい。 - ・ - 。 - 語泚 - ・枕草子に - 「めづらしずいふべきこずにはあらねど、文こそなほめでたきものには。」第二癟十䞀段ずある。 - ・ - 。 二 - 倧意 亡くなった人の手玙を芋るのは、ずりわけ、感慚深い。 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・ただ昔ながら - 党く昔ながら。「ただ」は副詞。 「ただ差し向かひ」の「ただ」ずは意味が違うので、混同しないように。 - ・぀ゆ倉はるこずなきも - たったく党く倉わるこずがないのも。「぀ゆ打消し」で、「たったくない」の意味。 - ・ - 。 - 語泚 - ・ - 。 侉 - 倧意 手玙は、昔の人からも、語り䌝えおもらう事ができる。手玙は、異囜の事ですらも、語り䌝えおもらう事ができる。しかも、単に昔から今だけではない。さらに加えお、今から未来にも、である。぀たり、手玙は、私たちが文字さえ手玙に曞いおおけば、あずは手玙が残りさえすれば、私たちが埌䞖の人にも曞き䌝えるこずができる。だから手玙は玠晎らしいのである。 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・なからたしかば - なかったなら。「たしかば」で、「もしだったらな」※実際は違うの意味。反実仮想はんじ぀かそう。「・・・たしかば ○○○ たし」で、「もしだったら、○○○ だろう。」の意味。「たし」は反実仮想の助動詞。 - ・よも - たさか。よもや。「よも打消し」で、意味が「たさかない」。 - ・ - 。 - 語泚 - ・延喜・倩暊 - 醍醐倩皇・村䞊倩皇の時代。延喜は醍醐倩皇の元号、倩暊は村䞊の元号である。倩皇芪政の時代だずされおおり、貎族政治の良い時代だずされおいた。 - ・倩竺おんじく - むンド。 - ・ - 。
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高等孊校叀兞B/玉勝間 『玉勝間』たたか぀た - 予備知識 著者は本居宣長もずおり のりなが。宣長は江戞時代の囜孊者こくがくしゃである。 本文䞭の「垫」ずは、賀茂真淵かもの たぶちのこず。賀茂真淵も囜孊者である。賀茂真淵は、本居宣長の囜孊の垫匠であった。 垫の説になづたざるこず - 倧意 もし孊問で垫の説が間違っおいたら、間違いを指摘するこずが正しい態床だろう。わが垫匠・賀茂 真淵かもの たぶちの教えでも、もし垫の教えに間違いがあれば指摘するようにず、私・本居宣長もずおり のりながは習った。 そもそも孊問ずは、けっしお䞀人の仕事だけで完成するものではなく、先人たちの研究をもずにしお、もし孊説に間違いがあれば修正しおいくこずで、少しず぀孊問は改良されお正しくなっおいくものである。 垫の教えをそのたた鵜呑みにする態床は、䞀芋するず垫匠に忠矩を尜くしおいる態床のように思えるが、じ぀は孊問をないがしろにしおいる態床であり、よくない態床だろう。 䞖間の人の䞭には、垫匠の孊説を批刀するこずもありうる考え方を、垫匠ぞの䞍忠矩の態床だずしお、批刀するかもしれない。だから私も非難されるかもしれない。それならば、どうぞ私を非難するが良かろう。たずえ他者から非難されようが、私は孊問をねじたげる態床なんお取りたくない。 侀 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・なはばかりそ - 遠慮するな。「な・・・そ」で犁止の構文。「な」は呌応の副詞で、「そ」は終助詞。構文「な・・・そ」で芚えたほうが良いだろう。 - ・䞖に -実に。たこずに。たいそう。ずおも。 ※ 「䞖の䞭に」ではないので、間違えないように。 - ・ - 。 - 語泚 - ・垫 - 賀茂真淵かもの たぶち。(生没䞀六九䞃  䞀䞃六九。) 江戞䞭期の囜孊者の䞀人。著䜜に『䞇葉考』『歌意考』などがある。 - ・ - 。 - 単語 「わろし」  おおもずの意味は「よくない」桐原単語集でも䞉省堂単語集でも共通。掟生的に、単語集によっおは䞉省堂は「適圓でない」、「貧しい」ずあり、桐原は「䞋品だ」「䜓裁が悪い」ずある。 ※ 単語集によっお意味が異なる郚分は、暗蚘しなくおいいだろう。 叀語の「あし」が、本質的に状態の悪い事を蚀うのに察し、䞀方、「わろし」は状態のよくないずいう消極的な意味合いである。 二 - 倧意 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・おほかた倧方 - そもそも。だいたい。 - ・さらに - たったく。けっしお。 - ・などか - どうしお。 ここでは反語の意味。「などか」は疑問の副詞。 ※ 高校生甚の参考曞では品詞分解で諞説ある。「などか」で䞀぀の副詞ずしお考える堎合ず、「など」係助詞「か」ずで考える堎合がある。 - ・などかなからむ - どうしお、ないだろうかいや、あるはずだ。 末尟「ん」は掚量の助動詞「む」の連䜓圢。 連䜓圢になる理由の説は、いく぀かある。 説副詞「などか」のように疑問や反語の副詞のばあい、文末は連䜓圢で結ぶ、ずいう説。 説「などか」は「など」係助詞「か」ずいう説。 どちらの説にせよ、構文「などかなからむ」ごず芚えお、結びは連䜓圢だ、ず芚えたほうが早い。 - ・混じらではえあらず - 混じらないずいうこずは、ありえない。打消「で」ず打消「ず」ずで、二重吊定になっおいる。「混じらで」の「で」は打消の接続助詞。「ず」は打消の助動詞「ず」。「え・・・ず」のように、副詞「え」ず打消「ず」などで䞍可胜を衚す。 - ・なづみ守る - 「なづむ」ずは、「こだわる」「執着する」の意味。 - ・ひたぶるに - ひたすら。䞀途に。 - ・いふかいなき - 「蚀ふ甲斐なき」。蚀っおも仕方が無いほど、わるい。蚀う䟡倀が無い。などの意味 - ・かしこく - 恐れ倚く。ここでの「かしこく」の原圢「かしこし」を挢字にすれば「畏し」かしこし・「恐し」かしこし。 間違っお「賢し」ずしないように。「賢し」だず文脈に合わない。 - ・ - 。 - 読解 - ・それも蚀はざれば - 「それ」の内容を文䞭から抜き出すず、「おのが垫などのわろきこず」。 - 語泚 - ・わきたぞいふ - 蚳刀断しお蚀う。 「わきたぞ」は刀断・識別・刀別などの意味 - ・あるべくもあらず - 蚳あるはずがない。 - ・よさた - 「よきさた」のこず。 - ・期ご - 機䌚。期間。折。 侉 - 倧意 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・えしも顧みかぞりみざる - 「えしも・・・ず」「ず」は打消しの意味は、「どうしお・・・できない」の意味。「えしも」の蚳は「どうしおも」などず蚳す。䞍可胜の構文「え・・・ず」ず同様。「しも」は匷意の副助詞。 - ・そしりおよ - 非難しおくれ。「そしる」ずは非難。「およ」は匷意の助動詞「぀」の呜什圢。 - ・さおあるわざ - そのたたでいるこず。 - ・えせず - 「・・・できない」。「え・・・ず」の構文。 - ・ - 。 - 語泚 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 品詞分解 著者に぀いお - 本居宣長もずおり のりなが 生没䞀䞃䞉〇䞀八〇䞀 江戞時代の囜孊者の䞀人。出生地は䌊勢いせの囜、束坂今の䞉重県束坂垂に生たれる。京郜で孊び、契沖けいちゅうや荻生埂埠おぎゅう そらいの孊説に圱響を受ける。賀茂真淵の匟子になった。本居宣長の著曞に『叀事蚘䌝』『源氏物語玉の小櫛おぐし』などのほか、倚くの著䜜がある。 - 玉勝間たたか぀た 本居宣長の随筆集。党十四巻。数え方によっおは党十五巻。
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『蜻蛉日蚘』かげろうにっきの䜜者は藀原道綱母ふじわらのみち぀なのはは。 䜜者の倫は藀原兌家かねいえ。䜜者の子は藀原道綱みち぀な。 倫ず䞍仲であり、日蚘内に、そのような事に関した話が倚い。 『蜻蛉日蚘』は女流日蚘文孊ずしお日本最叀。「土䜐日蚘」は男の玀貫之の䜜なので女流文孊ではない。 兌家の子の道隆みちたかや道長みちながなどは、兌家の、他の劻である時姫ずきひめずの子であり、藀原道綱母の子ではない。 鷹を攟぀ 倫・兌家かねいえずの䞍仲に悩み、䜜者は死にたいず思うものの、䞀人息子の道綱みち぀なのこずを考え死なないで、かわりに出家しようずする。 出家しようず考えおいる事を息子・道綱に盞談するず、息子は、「母が出家するなら、もはや自分も法垫になっおしたおう。」などず蚀う。 あたりに悲しいので、冗談で飌っおいた鷹を今埌どうするかず質問したずころ、息子の出家の決心は思いのほか匷く、なんず鷹を逃がしおしたった。 - ・いかが - 「いかにか」の぀づたった圢。「いかに」の次の「か」が係助詞なので、結びは連䜓圢になる。 - ・しがな - 願望の終助詞。「にしがな」「おしがな」などの圢で䜿う。 - ・たろ - 自称の代名詞。男女ずもに䜿う。 - ・やをら - そっず。静かに。 - ・争そぞば - この文では、倫婊仲が悪いこず。 - ・倩雲あたぐも - 尌あたずの掛詞。 - ・そる - 鷹が飛び去る意味の「逞る」ず、剃髪の意味の「剃る」ずの、掛詞。 - ・ - 。 う぀ろひたる菊 - ・手たさぐりに - 手先で、もおあそぶこず。転じお意味が、䜕気なし、䜕気なく、などの意味になった。 - ・むべなう - 「むべなし」の事で、意味は、案の定あんのじょう。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・䞉倜みよ - 圓時の婚瀌では、䞉日、通い぀づける。䞉日続けお、兌家が自宅に来ないずいう事は、他の女ず婚瀌をしたず䜜者は考えおいる。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・これより - ここから。この文での「これ」ずは䜜者の家。 - ・さればよ - やっぱり。「されば」は「さあれば」の倉化した圢。 - ・ものしたり - 動詞「ものす」は婉曲的な衚珟。䜕をするのかは、文脈による。この䜜品では「行く」の意味。 - ・ずみなる - 急な。 - ・こずわりなり - もっずもである。圓然。蚀うたでも無い。 - ・げにやげに - 「げに」の意味は、「実に」「本圓に」。「げにやげに」ず二回続けるこずで協調した蚀い方。 - ・おそくあくる - 「あくる」は「明くる」ず「開くる」を掛けた掛詞ず思われる。 - ・いずどし - たすたす激しい。たすたすはなはだしい甚だしい。 - ・嘆き぀぀ - この歌は小倉癟人䞀銖に所収された。 - ・う぀ろひたる菊 - 兌家の心移りを暗瀺させた。 - ・たき - 檜ひのきなど。 - ・ - 。
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高等孊校叀兞B/西鶎諞囜ばなし 倧晊日おお぀ごもりは合はぬ算甚 - こういう話 ある浪人たちが宎䌚を開いた。客は䞃人。䞻催者も客も浪人である。 宎䌚の途䞭、䞻催者の持っおいた小刀十䞡を包み玙ごず客に芋せ、宎䌚の終わりに回収しお枚数を確認したら、なんず䞀䞡足りず九䞡である。客たちの間に、誰かが小刀䞀䞡を盗んだのか、ずいう疑いが生じおしたった。䞻催者は隒ぎをしずめようず、自分がもずもず䞀䞡䜿っおしたっおいたこずにしお、隒ぎをしずめようずしたが、客たちは、先ほどは確かに十䞡あったはずだ、ず蚀い、隒ぎがしずたらない。぀いには、運悪く小刀を持ち合わせおいた人が、疑いをかけられるこずを䞍名誉ずし、自害するずたで蚀い出す。 さらにあたりを探しおいたら、今床は、もう二枚小刀が出おきお、合蚈で十䞀䞡になっおしたい、今床は逆に、小刀が䞀䞡あたっおしたった。 客の誰かが隒ぎをしずめるために、䞀䞡を出したのだろう、ず䞻催者は考え、この䞀䞡を持ち䞻に返そうずするが、仲間を気づかっおか名乗り出ない。 問題が解決しないので、い぀たでたっおも垰れない。 そこで、䞻催者は䞀蚈を思い぀き、客を䞀人ず぀垰すこずにしお、垰る際に持ち䞻が芋られるこずなく小刀を持っお垰れるように、離れの庭に小刀䞀䞡を眮くこずにした。持ち䞻が回収しおくれ、ずいう事である。 客を党員垰しおから、䞻催者が最期に庭を確認したら、小刀がなくなっおいたので、誰かが回収したはず、その誰かずは持ち䞻が回収したずいうこずにしよう、ずいうこずにした。 こうしお、隒ぎを解決させた。 䞻人の機転、座慣れした歊士の振る舞い、芋事なものだ。 侀 - 倧意 原田内助はらだ うちすけが、矩理の兄から借金十䞡を借りた。 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - ・ - 。 - 語泚 - ・やた草 - シダの䞀皮。正月の食り぀け甚。 - ・神田の明神 - 今の東京郜千代田区ちよだく神田かんだにある神田明神かんだみょうじん。 - ・金子きんす十䞡 - 小刀十枚。「䞡」は貚幣の単䜍。 - ・内儀 - 䞻婊の敬称。 - ・ - 。 二 - 倧意 内助は矩兄の揎助に喜び、浪人仲間ず宎䌚を開いた。 十䞡を包んだ玙の䞊曞きが面癜かったので、宎䌚を盛り䞊げるため、小刀ずいっしょに玙の䞊曞きを回芧しお、仲間のみんなに包み玙の䞊曞きを芋せた。そしお宎䌚の終わる頃、小刀ず包み玙を回収するず、なんず小刀が䞀䞡足りない。 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・くだんの - 䟋の。件くだんの。「くだりの」䞋りのが音䟿によっお「くだんの」になった。 - ・ - 。 - 語泚 - ・千秋楜せんしゅうらく - 宎䌚の終わりの挚拶のこず。 - ・玙子かみこ - 和玙で䜜られた着物。安䟡なため、貧しいものに流行った。 - ・燗鍋かんなべ - 酒を枩めるための鍋。 侉 - 倧意 内助はその堎を収めようおさめようず、すでに䞀䞡䜿っおいたが忘れおいたずいうこずにしたが、浪人仲間たちが蚀うには確かに十䞡あったはずだずなり、堎が収たらない。衣服を脱いで探したら仲間の客がたたたた䞀䞡持ち合わせおいたが、身の朔癜を蚌明するため自害するずたで蚀い出す。さらに念入りにあたりを探すず、さらにもう二枚小刀が出おきお、合蚈十䞀䞡になっおしたった。 浪人仲間が持ち合わせおいた䞀䞡は合蚈から陀いおいる。 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・それがし - 拙者せっしゃ。男性の自称。鎌倉時代以降に甚いられた。 - ・持぀たじきにもあらず - 「たじき」は打消圓然の助動詞「たじ」の連䜓圢、「ず」は打消しの助動詞「じ」の連䜓圢。二重吊定によっお、匷い肯定を衚しおいる。 - ・あさたしき身 - 萜ちぶれた身。 - ・さもあるべし - そういうこずもあるだろう。 - ・いづれも - どの人も、どなたも、などの意。 - ・ - 。 - 語泚 - ・めいよ - 䞍思議なこず。面劖めんようのなたりか。 - ・十面 - 䞍機嫌な面。 - ・埳乗ずくじょう - 埌藀埳乗ごずうずくじょうずいう圫金家のこず。 - ・唐物屋 - 䞭囜からの茞入品などを売っおいる店。工芞品なども扱っおいた。 - ・歩 - 江戞時代の貚幣の単䜍。四分で䞀䞡になる。 - ・生害 - 自害。 - ・かばね - しかばね屍。 - ・内蚌 - 奥の間、台所など。応接間では無い堎所。この䜜品では台所のこずだろう。 - ・ひたもの - ひたすら。 - ・ - 。 四 - 倧意 内助の考えるに、だれかが隒ぎを沈めるため䞀䞡を出したこずになり、その䞀䞡を内助は持ち䞻に返そうずするが、誰も名乗り出ない。たた、解決しないので、垰るに垰れない。そこで内助は、小刀を倖の庭の手氎鉢の䞊に眮いお、垰る際に持ち䞻に取っおもらうように蚀い、そしお䞀人ず぀戞を閉めお垰すこずにした。その埌、内助が芋るず、小刀はなくなっおいたので、぀たり誰かが持ち垰ったこずになる。 こうしお、隒ぎは解決した。 䞻人の機転、座慣れした歊士の振る舞い、芋事なものだ。 - 本文/珟代語蚳 - 語句重芁 - ・返事のしおもなく - 「しお」は「仕手」ず曞き、する人のこず。 - ・しこなし - ふるたい。うたい凊理。 - ・ - 。 - 語泚 - ・䞀生枡いっしょうたす - 䞀升が入る枡。「升」しょうは容積の単䜍。䞀升は玄䞀・八リットル。 - ・ - 。 品詞分解 侀 抧・かち栗・神の束・やた草 の(栌助) 売り声 も(栌助) せはしく(シク・甚) 、逅 ぀く四・䜓 宿 の(栌助) 隣 に(栌助 、煀 を(栌助) も(係助) 払は(四・未) ず(助動・打消・甚) 、二十八日 たで(副助) é«­ も(係助) そら(四・未) ず(助動・打消・甚) 、朱鞘 の(栌助) そり を(栌助) かぞし(四・甚) お(接助)、「春 たで(副助) 埅お(四・呜) ず(栌助) 蚀ふ(四・䜓) に(接助)、 是非に(副) 埅た(四・未) ぬ(助動・打消・䜓) か(係助)。」ず(栌助)、 米屋 の(栌助) 若い(ク・䜓・音䟿) 者 を(栌助) 、にらみ぀け(䞋二・甚) お(接助)、 すぐなる(ナリ・䜓) 今 の(栌助) 侖 を(栌助) 、暪 に(栌助) わたる(四・䜓) 男 あり(ラ倉・䜓)。 名 は(係助) 原田内助 ず(栌助) 申し(四・甚) お(接助)、 かくれ も(係助) なき(ク・䜓) 浪人。 広き(ク・䜓) 江戞 に(栌助) さぞ(副助) 䜏みかね(䞋二・甚)、 こ(代) の(栌助) 四、五幎、 品川 の(栌助) 藀茶屋 の(栌助) あたり に(栌助) 棚 借り(四・甚) お(接助)、朝 の(栌助) 薪 に(栌助) こず を(栌助) 欠き(四・甚)、 倕べ の(栌助) 油火 を(栌助) も(係助) 芋(䞊䞀・未然) ず(助動・打消・終)。 これ(代) は(栌助) かなしき(シク・䜓)、 幎 の(栌助) 暮れ に(栌助)、女房 の(栌助) 兄、 半井枅庵なからゐせいあん ず(栌助) 申し(四・甚) お(接助)、 神田 の(栌助) 明神 の(栌助) 暪町 に(栌助)、 薬垫 あり(ラ倉・終)。 こ(代) の(栌助) もず ぞ(栌助)、 無心 の(栌助) 状 を(栌助)、 遣はし四・甚 ける(助動・過・䜓) に(接助)、 たびたび(副) 迷惑ながら、芋捚おがたく(ク・甚)、金子きんす十䞡 包み(四・甚) お(接助)、 䞊曞き に(栌助) 「貧病 の(栌助) 劙薬、金甚䞞、よろづ に(栌助) よし(ク・終)。」 ず(栌助) 蚘し(四・甚) お(接助)、内儀 の(栌助) かた ぞ(栌助) おくら(四・未) れ(助動・尊・甚) ける(助動・過・䜓)。 二 内助 よろこび(四・甚)、 日ごろ(副) 別しお(副) 語る(四・䜓)、浪人仲間 ぞ(栌助)、「酒ひず぀ 盛ら(四・未) ん(助動・勧・終)。」 ず(栌助)、 呌び に(栌助) 遣はし(四・甚)、 幞ひ(副) 雪 の(栌助) 倜 の(栌助) おもしろさ、 今 たで(副) は(係助)、 くづれ次第 の(栌助)、 柎 の(栌助) 戞 を(栌助) 開け お(接助)、 「さあ(感) これ(代) ぞ(栌助)。」 ず(栌助) 蚀ふ(四・終)。 以䞊 䞃人 の(栌助) 客、 いづれ(代) も(係助) 玙子 の(栌助) 袖 を(栌助) ぀らね(䞋二・甚)、 時 なら(助動・断・未) ぬ(助動・打消・䜓) 䞀重矜織 、どこやら(副) むかし を(栌助) 忘れ(䞋二・未) ず(助動・打消・終)。 åžž の(栌助) 瀌儀 すぎ(䞊二・甚) お(接助) から(栌助)、 亭䞻 たかり出で(䞋二・甚) お(接助)、「私代 仕合はせ の(栌助) 合力 を(栌助) 請け お(接助)、思ひたた の(栌助) 正月 を(栌助) ぀かた぀る。」 ず(栌助) 申せ(四・已) ば(接助)、おのおの()、「それ(代) は(係助)、あやかりもの。」 ず(栌助) 蚀ふ(四・終)。 「それ(代) に(栌助) ぀き四・甚 䞊曞き に(栌助) 䞀䜜 あり(ラ倉・終)。」 ず(栌助)、 くだんの(連䜓) 小刀 を(栌助) いだせ(四・已) ば(接助)、 「さおも(感) 軜口なる(ナリ・䜓) 埡事。」 ず(栌助) 芋 お(接助) 回せ() ば(接助)、杯 も(係助) 数 かさなり(四・甚) お(接助)、 「よい(ク・䜓、音䟿) 幎忘れ、 こずに(副) 長座。」 ず(栌助) 、千秋楜 を(栌助) うたひ出し(四・甚)、 燗鍋・塩蟛壺 を(栌助) 手ぐり に(栌助) し(サ倉・甚) お(接助) あげ(䞋二・未然) させ(助動・䜿・甚)、「小刀 も(係助) たづ(副)、埡仕舞ひ(四・甚) 候ぞ(補䞁・四・呜)。」 ず(栌助) 集むる(䞋二・䜓) に(接助)、十䞡 あり(ラ倉・甚) し(助動・過・䜓) うち、 䞀䞡 足ら(四・未) ず(助動・打消・終)。 座䞭 居盎り(四・甚)、 袖 など(副) ふるひ(四・甚)、 前埌 を(栌助) 芋れ ども(接助)、 いよいよ(副) ない(ク・䜓、音䟿) に(栌助) 極たり() ける(助動・過去・䜓)。 侉 あるじ の(栌助) 申す(四・䜓) は(係助)、「そ(代) の(栌助) うち 䞀䞡 は(係助)、 さる(連䜓) 方 ぞ(栌助) 払ひ(四・甚) し(助動・過・䜓) に(接助)、 拙者 の(栌助) 芚え違ぞ。」 ず(栌助) 蚀ふ(四・終)。「ただ今 たで(副助) たしか(副) 十䞡 芋え(䞋二) し(助動・過・䜓) に(接助)、 めいよ の(栌助) こず ぞ(終助) かし(終助)。 ずかく(副詞) は(係助) めいめい の(栌助) 芋晎れ。」 ず(栌助) 䞊座 から(栌助) 垯 を(栌助) ずけ(四・已) ば(接助)、 そ(代) の(栌助) 次 も(係助) 改め(䞋二・甚) ける(助動・過・䜓)。 䞉人目 に(栌助) あり(ラ倉・甚) し(助動・過・䜓) 男、 枋面 ぀く぀(四・連甚、音䟿) お(接助) もの を(栌助) も(係助) 蚀は(四・未) ざり(助動・打消・甚) し(助動・過・䜓) が(接助)、 膝 立お盎し、「浮䞖 に(栌助) は(係助)、かかる(ラ倉・䜓) 難儀 も(係助) ある もの かな(終助)。 それがし(代) は(係助)、身ふるふ(四段・䜓) たで(副助) も(係助) なし(ク・終)。 金子 䞀䞡 持ち合はす(四・䜓) こそ(係助、係り)、 因果 なれ(助動・断・已、結び)。 思ひ(四・甚) も(係助) よら(四・未) ぬ(助動・打消・䜓) こず に(栌助)、 䞀呜 を(栌助) 捚぀る(䞋二・䜓)。」 ず(栌助) 思ひ切぀(四・連甚、音䟿) お(接助) 申せ(四・已) ば(接助)、 䞀座 口 を(栌助) そろぞ(䞋二・甚) お(接助)、「こなた(代) に(栌助) 限ら(四・未) ず(助動・打消・甚)、あさたしき(シク・䜓) 身 なれ(助動・断・已) ば(接助) ずお(栌助)、 小刀 䞀䞡 持぀(四・終) たじき(助動・打消圓然・䜓) もの に(助動・断定・甚) も(係助) あら(補動・ラ倉・未然) ず(助動・打消・終止)。」 ず(栌助) 申す四・終。 「いかにも(副) こ(代) の(栌助) 金子 の(栌助) 出所 は(係助)、 私(代) 持ち来たり(四・甚) たる(助動・完・連䜓)、 埳乗 の(栌助) 小柄、唐物屋十巊衛門かた ぞ(栌助)、䞀䞡二歩ぶ に(栌助)、昚日 売り(四・甚) 候ふ(補䞁・四・䜓) こず、たぎれ は(係助) なけれ(ク・已然) ども(接助)、折ふし わるし(ク・終)。 ぀ねづね(副) 語り合はせ(䞋二・甚) たる(助動・完・䜓) よしみ に(栌助) は(係助)、生害 に(栌助) および(四・甚) し(助動・過・䜓) あず にお(栌助)、埡尋ね(䞋二・甚) あそばし(補尊・四段・連甚) 、かばね の(栌助) 恥 を(栌助) 、せめお(副) は(係助) 頌む(四・終)。」 ず(栌助) 申し(四・甚) も(係助) あぞ(補動・䞋二段・未然) ず(助動・打消・甚)、 革柄 に(栌助) 手 を(栌助) 掛くる(䞋二・䜓) 時、「小刀 は(係助) これ(代) に(栌助) あり(ラ倉・終)。」 ず(栌助)、 䞞行灯 の(栌助) 圱 より(栌助)、 投げいだせ(四・已) ば(接助)、 「さおは(接)。」 ず(栌助) 事 を(栌助) 静め(䞋二・甚)、 「もの に(栌助) は(係助)、 念 を(栌助) 入れ(䞋二・甚) たる(助動・了・䜓) が(栌助) よい(ク・䜓、音䟿)。」 ず(栌助) 蚀ふ(四・䜓) 時、 内蚌 より(栌助)、 内儀 声 を(栌助) 立お(䞋二・甚) 、「小刀 は(係助) こ(代) の(栌助) 方 ぞ(栌助) たゐ぀(四・甚、音䟿) た(助動・完・終、口語)。」 ず(栌助)、 重箱 の(栌助) 蓋ふた に(栌助) ぀け(䞋二・甚) お(接助)、座敷 ぞ(栌助) いださ(四・未) れ(助動・尊・甚) ける(助動・過・䜓)。 これ(代) は(係助) 宵 に(栌助)、 山の芋 の(栌助)、 煮しめ物 を(栌助) 入れ(䞋二・甚) お(接助) 出ださ(四・未) れ(助動・受・甚) し(助動・過・䜓) が(接助)、 そ(代) の(栌助) 湯気 にお(栌助)、 取り぀き(四・甚) ける(助動・過・䜓) か(係助)。 さ(副) も(係助) ある(ラ倉・連䜓) べし(助動・掚・終)。 これ(代) で(助動・断・甚) は(係助) 小刀 十䞀䞡 に(栌助) なり(四・甚) ける(助動・過・䜓)。 いづれ(代) も(係助) 申さ(四・未) れ(助動・尊・甚) し(助動・過・䜓) は(係助)、 「こ(代) の(栌助) 金子、ひたもの(副) 数 倚く(ク・甚) なる(四・䜓) こず、 めでたし(ク・終)。」 ず(栌助) 蚀ふ(四・終)。 四 亭䞻 申す(四・䜓) は(係助)、 「九䞡 の(栌助) 小刀、 十䞡 の(栌助) 詮議 する(サ倉・䜓) に(接助)、 十䞀䞡 に(栌助) なる(四・䜓) こず、 座䞭 金子 を(栌助) 持ち合はせ られ(助動・尊・甚)、 最前 の(栌助) 難儀 を(栌助)、 救は(四・未) ん(助動・婉曲・連䜓) ため に(栌助)、 埡出だしあり(連語) し(助動・過・䜓) は(係助) 疑ひなし(ク・終)。 こ(代) の(栌助) 䞀䞡 我(代) が(栌助) 方 に(栌助) 、 玍む(䞋二・終) べき(助動・圓・䜓) 甹 なし(ク・終)。 埡䞻 ぞ(栌助) 返し(四・甚) たし(助動・願・終)。」 ず(栌助) 聞く(四・䜓) に(接助)、 たれ(代) 返事 の(栌助) しお も(係助) なく(ク・甚)、 䞀座 異な(ナリ・䜓、口語) もの に(栌助) なり(四・甚) お(接助)、 倜曎け鶏 も(係助)、鳎く(四・䜓) 時 なれ(助動・断・已) ども(接助)、 おのおの(副) 立ちかね(䞋二・未) られ(助動・自発・甚) し(助動・過・䜓) に(接助)、 「こ(代) の(栌助) うぞ は(係助) 亭䞻 が(栌助)、 所存 の(栌助) 通り に(栌助) あそばさ(四・未) れ(助動・尊敬・甚) お(接助) たたはれ(補尊・四・呜)。」 ず(栌助) 、願ひ(四・甚意) し(助動・過・䜓) に(接助)、 「ずかく(副) あるじ の(栌助)、 心たかせ に(栌助)。」 ず(栌助) 、 申さ(四・未) れ(助動・尊・甚) けれ(助動・過・已) ば(接助)、 か(代) の(栌助) 小刀 を(栌助) 䞀升枡 に(栌助) 入れ(䞋二・甚) お(接助)、 庭 の(栌助) 手氎鉢 の(栌助) 侊 に(栌助) 眮き(四・甚) お(接助)、「どなた(代) に(助・断・甚) お(接助) も(接助)、 こ(代) の(栌助) 金子 の(栌助) 䞻、 取らせ(䞋二・未) られ(助・尊敬・甚) お(接助)、 埡垰り(四・甚) たたはれ(補尊・四・呜)。」 ず(栌助) 、埡客 䞀人づ぀、立た(四・未) したし(助・尊・甚) お(接助)、 䞀床䞀床に(副) 戞 を(栌助) さしこめ(䞋二・甚) お(接助)、 䞃人 を(栌助) 䞃床 に(栌助) 出だし(四・甚) お(接助)、そ(代) の(栌助) 埌 内助 は(係助)、 手燭 ずもし(四・甚) お(接助) 芋る(䞊䞀・䜓) に(接助)、 たれ(代) ず(栌助) も(係助) 知れ(䞋二・未) ず(助動・打消・甚)、 取぀(四・甚、音䟿) お(接助) 垰り(四・甚) ぬ(助・完・終)。 あるじ 即座 の(栌助) 分別、 座 なれ たる(助動・存続・䜓) 客 の(栌助) しこなし、 かれこれ(代) 歊士 の(栌助) ぀きあひ、 栌別 ぞ(終助) かし(終助)。
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高等孊校叀文 孊習内容 和文 文法 敬語 倧きく分けお、尊敬語、謙譲語、䞁寧語に分類される。 倚くの堎合、尊敬語は行為の䞻䜓(䞻語)、謙譲語は行為の客䜓(受け手)、䞁寧語は読者に察しお甚いられる。 䌚話を䌎わない文では党お筆者から䞊蚘に察するものである䞀方、䌚話文䞭ではどれが䞻䜓でどれが客䜓に圓たるかを識別する手法を孊ぶ。 倧きく分けお、尊敬語、謙譲語、䞁寧語に分類される。 倚くの堎合、尊敬語は行為の䞻䜓(䞻語)、謙譲語は行為の客䜓(受け手)、䞁寧語は読者に察しお甚いられる。 䌚話を䌎わない文では党お筆者から䞊蚘に察するものである䞀方、䌚話文䞭ではどれが䞻䜓でどれが客䜓に圓たるかを識別する手法を孊ぶ。
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高等孊校叀文/助動詞 叀語掻甚衚に、叀語助動詞の掻甚衚ずやや詳しい説明がありたす(2022/5時点。このペヌゞでは、珟線集者が叀語助動詞に関しお重芁だず思われるこずを、倚少恣意的に蚘述しおいきたす。 甚蚀の連甚圢ず接続する助動詞 助動詞は、甚蚀や䜓蚀、助詞の埌に぀く事もありたす。甚蚀の埌に぀くずきは、特定の助動詞は、特定の掻甚を持぀蚀葉に察しお特定の掻甚圢で぀ながりたす。䟋えば  䟋文「雀の子を犬君いぬきが逃がし぀る。䌏籠ふせごの内にこめたり぀るものを。」ずお、いず口惜しず思ぞり。源氏物語、若玫 意味「雀の子を犬君が逃がしちゃった。䌏籠の䞭に入れおおいたのに。」ず云っお、すごく悔しがっおいるようだ。 倪字の「぀る」は、完了の助動詞「぀」の連䜓圢です。前者の「぀」がなぜ終止圢ではなく連䜓圢なのかずいうず、逃がしたこずを怒っおいるの。、ずいう省略があるからでしょう。或いは係り結びの法則には入っおいたせんが、䞻栌の助詞「が」がある堎合は連䜓圢で受け、感動衚珟ずなるこずは、叀語ではよく芋られたす。 そしお、「逃がし぀る」ですから、動詞、逃がすの連甚圢に぀ながっおいる。 ぀たり助動詞「぀」は、甚蚀ずは連甚圢で接続する。 甚蚀ず連甚圢で぀ながる助動詞の芚え方ずしお、 ツネッタリ぀・ぬ・たりケッタリけり・たしはキケンき・けむ ずいう語呂がありたす。 ぀たり、助動詞、「぀、ぬ、たり、けり、たし、き、けむ」は連甚圢接続で、そしお倧雑把に蚀うず、それ以倖の助動詞は連甚圢以倖の接続ず芋おいいず思いたす。 ただし、叀語の助動詞を正確に党お数えるこずが出来るのか、数えるこずが出来たずしお本圓に䟋倖は無いのか、ずいう事に関しお珟線集者は未確認なので、100% 確実な指摘ではありたせん。 掚量、適圓、矩務の助動詞「べし」 助動詞「べし」も倚矩であり、堎合によっおいろいろな蚳し方を考えなければいけないが、基本的な意味は、珟状を経隓や道理から刀断しお、そうなるに違いない、ず、蚀いたいずきに䜿う。 䟋えば掚量の意味ずしおは、 䟋文芋捚おたおた぀りおたかる空よりも萜ちぬべき心地する」ず曞き眮く。竹取物語、かぐや姫の昇倩 意味あなた方を芋捚お申し䞊げお垰っおいく空から萜ちおしたったような気持ちです。」ず、曞き眮いた。 この気持ちは空から萜ちおしたったに違いない、ぐらいの感芚ですかね。掚量は倧抵、たずは、「ダロり」で蚳したすから、萜ちおしたったのだろう、そんな気持ちだ、ずいうニュアンスですね。 そしお矩務の意味ずしおは、 䟋文物ひずこず蚀いおくべきこずありけり」ず蚀ひお、文曞く。竹取物語、かぐや姫の昇倩 意味䞀蚀蚀っおおかなければいけないこずがありたした。」ず蚀っお、手玙を曞く。 これは珟代口語の「べき」そのものでしょう。䞀応珟代では、叀語の「べし」の連䜓圢を䞭心に、いく぀かの甚法で残っお䜿われおいたすよね。 受身、可胜、尊敬の助動詞 珟代口語の「れる」「られる」は、叀語では、「る」「らる」になりたす。「れる」は五段掻甚ずサ行倉栌掻甚の動詞の埌に぀き、「られる」はそれ以倖の掻甚を持぀動詞の埌に぀く。䞀方叀語の助動詞「る」は、四段掻甚ずナ行、ラ行倉栌掻甚の動詞の埌に぀く。「らる」はそれ以倖の掻甚の動詞ですね。 䟋文人の品高く生たれぬれば、人にもおかしづかれお、隠るゝ事おほく、自然じねんにそのけはいこよなかるべし。源氏物語、垚朚 意味身分の高い家柄に生たれるず、皆に倧切に䞖話されお、欠点の隠れるこずも倚く、自然にその様子も、この䞊なく良く芋えるこずになるでしょう。 る→れ、れ連甚圢、る終止圢、るる、るれ、○ 䜿圹、尊敬の助動詞 珟代口語の「せる」「させる」は、叀語では、「す」「さす」になりたす。「せる」は五段掻甚ずサ行倉栌掻甚の動詞の埌に぀き、「させる」はそれ以倖の掻甚を持぀動詞の埌に぀く。䞀方叀語の助動詞「す」は、四段掻甚ずナ行、ラ行倉栌掻甚の動詞の埌に぀く。「さす」はそれ以倖の掻甚の動詞の埌。 䟋文埡胞぀ずふたがりお、぀ゆたどろたれず、明しかねさせ絊ふ。源氏物語、桐壷 意味胞がいっぱいになったたた、たるでお䌑みになれず、倜を明しかねおいらっしゃる。 さす→させ・させ連甚圢・さす終止圢・さする・さすれ・させよ これは尊敬甚法で、絊ふなどの尊敬語の前に぀けお、最高の尊敬を瀺しおいるのですが、䜕か尊い人は、自分自身の行動も、䜕かもっず尊い存圚が自分自身を動かしおいるずいうむメヌゞがあるんですかね。もちろんそんな现かい分析をしなくおも、絊う、おはしたすなどの前に぀けお尊敬を匷調するず端的に芚えおいいんですが 。 完了の「ぬ」ず打消の「ず」 卯の花の 匂う垣根に 時鳥ほずずぎす 早も来鳎きお 忍音しのびねもらす 倏は来ぬ 『倏は来ぬ』䜐䜐朚信綱䜜詞 この倏は来きぬの「ぬ」は、叀語の完了の助動詞です。倏は今、来おいる。叀語になれおいない若い人は、これを打ち消しの助動詞だず思うこずがありたすが、叀語の打消しの助動詞を䜿うずきは、「倏は来こず」。そしおこれがそもそも混乱の元なのですが、珟代口語の打消しの助動詞を䜿うずきは、「倏は来こぬ[orん]」、になりたす。もちろん倏は来ない、の蚀い方の方が普通ですけどね。
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高等孊校叀文/動詞 四段掻甚、ナ行倉栌掻甚、ラ行倉栌掻甚、䞋䞀段掻甚 この぀の掻甚は、同類ずしお䞀纏めにしおおくずいいようだ。 四段掻甚 四段掻甚は珟代語における「五段掻甚」である。叀兞語の「飜く」、「乗る」ずいう動詞は次のように掻甚する。 ア段・む段・り段・゚段の四぀の段にわたっお掻甚する動詞を四段掻甚ずいう。 珟代語の五段掻甚の動詞の倧郚分が叀兞語における四段掻甚であるが、「死ぬ」ナ行倉栌掻甚「有り」ラ行倉栌掻甚「蹎る」䞋䞀段掻甚ずいったように䟋倖がある。 ナ行倉栌掻甚 ラ行倉栌掻甚 䞋䞀段掻甚 䞋ニ段掻甚 䞊䞀段掻甚、䞊ニ段掻甚 カ行倉栌掻甚、サ行倉栌掻甚 ※参考 叀語掻甚衚に、叀語動詞の掻甚衚ずやや詳しい説明がありたす(2022/5時点。
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高等孊校叀文/叀兞文法入門 文語ず口語 珟圚私たちが䜿っおいる蚀葉を口語珟代語ず蚀う。察しお、明治初期たで䜿甚されおいた蚀葉を文語叀兞語ずいう。高校の孊習や䞀般瀟䌚においお文語は、奈良時代から江戞時代たでの蚀葉を指すこずが倚い。 次の文章は『竹取物語』の冒頭郚分であるこの文章の内容は䞭孊校囜語 叀文/竹取物語を参照。 この文章から、珟代語ず叀兞語の違いをたずめる。 - 䞻語を衚す助詞「が」の省略 「竹取の翁ずいふものがありけり」 「もずが光る」 - 掻甚の仕方が違う 「野山にたじりお」珟代語では「たじっお」ずなる - 仮名遣いが異なる歎史的仮名遣い 「いふ」いう 「よろづ」よろず 品詞 党おの単語は3぀の基準で分類される。 - 自立語か付属語か - 掻甚するかしないか - 文を䜜る際にどんな働きをするか 䜓蚀ず甚蚀 䜓蚀名詞 - 普通名詞 - 固有名詞 - 数詞 - 圢匏名詞 - 代名詞 甚蚀 - 動詞 - 圢容詞 - 圢容動詞
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高等孊校叀文/叀兞文法入門/歎史的仮名遣い 今は昔、竹取の翁おきなず[いふ]ものありけり。 野山にたじりお竹をずり぀぀、[よろづ]のこずに[䜿ひ]けり。 []で囲んだ郚分が歎史的仮名遣い、たたは旧かなづかいですね。叀文はこの仮名遣いで曞かれたす。今珟圚の仮名の曞き方、珟代仮名遣いに盎すず、 いふ→いう よろづ→よろず 䜿ひ→぀かい になりたす。歎史的かなづかいで曞かれた叀文は、平安前期以前の日本語の発音を瀺しおいたす。その埌日本語の口語の音が倉化しおいった䞀方で、文章のかなづかいはそのたた䜿われおいきたした。 第二次䞖界倧戊埌に、文章のかなづかいが芋盎され、珟代仮名遣いずしお今珟圚䜿われおいるかなづかいが普通になりたした。このかなづかいは今珟圚の日本語の音を的確に衚珟する曞き方が遞ばれたわけです。 歎史的仮名遣いの読み方 ルヌルを二぀指摘したす。䟋倖もありたす。 1. は・ひ・ふ・ぞ・ほ が語頭以倖にある時は、ワ・む・り・゚・オず読む。 䟋 æ²³ かは → 「カワ」 ず読む 歌う うたふ → 「りタり」 ず読む 倚し おほし → 「オオシ」 ず読む 䜆し 二぀以䞊の語が合わさっおできた語で、䞋の語のは行かなづかいはそのたたハ行で読む語頭扱い 朝日 あさひ → 「アサヒ」 ず読む 二本 にほん → 「ニホン」 ず読む 2. 母音「ア・む・゚」が぀く文字に「う、たたはふ」が぀いた堎合「オヌ・ナヌ・ペヌ」ず読む。 䟋 郎等 らうだう → 「ロヌド―」 ず読む 例郎 げらふ → 「ゲロヌ」 ず読む 矎しう う぀くしう → 「りツクシュ―」 ず読む 墚汁 がくじふ → 「ボクゞュヌ」 ず読む 謡曲 えうきよく → 「ペヌキョク」 ず読む 今日 けふ → 「キョヌ」 ず読む 䜆し 扇ぐ(あふぐは「オヌグ」ではなく、「アオグ」ず読む。危ふしあやふしは「アペヌシ」ではなく「アダりシ」ず読む。aふ が 「オヌ」ではなく、 「aオ」や 「aり」になる堎合がある。 幟぀かの指摘 字音かなづかい 挢字の音を仮名で曞く方法で、叀文ずしおは、歎史的かなづかいず䌌たかなづかいで瀺される。 京郜 叀文では「きょうず」ではなく「きやうず」 叀文では促音っ、拗音ゃ,ゅ,ょは小さく曞かない 八方 は぀ぱう 修行 しゆぎやう 叀語蟞兞 叀語蟞兞は歎史的かなづかいで匕く