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53  内容の取扱 いに぀いお の配慮事項 ンするこずが倧切である。  探究的な孊習の過皋においおは情報の収集に続く情報の敎理も重芖されるべ きである。すなわち入手した情報の重芁性や信頌性を吟味した䞊で比范・分 類したり耇数のものを関連付けたり組み合わせたりしお新しい情報を創り出 すような「考えるための技法」を実際に探究的な孊習の過皋を通しお身に付け るようにするこずが倧切である。  情報の発信に圓たっおは発信した情報に察する返信や反応が埗られるように 工倫するこずが望たしい。同玚生や地域の人々他の孊校の児童たちから自分 の発信した情報に察する感想やアドバむスが返りそれを基にしお改善したり発 展させたりするサむクルをうたく぀くるこずで情報掻甚の実践力が育぀ず考え られる。たたこのようなサむクルを進めるこずによっお目的に応じ受け手の 状況を螏たえた情報発信を行おうずする情報発信者ずしおの意識の高たりが期 埅できる。䞀方情報を発信する孊習においおは他者の䜜成した情報を参考に したり匕甚したりするこずがある。この堎合情報の䜜成者の暩利を尊重し匕 甚した情報であるこずが分かるように転茉し出兞を明蚘するこずが必芁であ る。たた第孊幎及び第孊幎の囜語科においお孊習する「匕甚の仕方や出兞 の瀺し方」を螏たえ情報の䞭には所定の手順を螏んで初めお匕甚を蚱されるも のがあるこずに぀いおも孊ぶ必芁がある。  なおコンピュヌタなどの情報機噚や情報通信ネットワヌクなどを探究的な孊 習においお掻甚する堎合児童の発達段階や孊習過皋に応じお情報手段の基本 的な操䜜スキルを習埗するこずが望たれる。児童が基本的な操䜜スキルを習埗す るこずによっお情報機噚や情報通信ネットワヌクなどの情報手段を児童自身が 操䜜できるようになり児童自らが䞻䜓的に情報手段を遞択し掻甚する孊習掻動 が可胜ずなる。特にコンピュヌタで文字を入力するずいう操䜜スキルに぀いお は将来にわたる孊習掻動や情報掻甚胜力の基盀ずなるスキルず考えられ確か な習埗が望たれる。たたこれ以倖にもデゞタルカメラやタブレット型端末の基 本的な操䜜スキルなども今埌孊習掻動を進めおいく䞊で必芁ずなる基本的な 操䜜スキルず考えられ小・䞭・高等孊校における各教科等の孊習を豊かにしお いく䞊でも欠くこずのできないものである。  これらの情報手段の基本的な操䜜の習埗に圓たっおは探究的な孊習の過皋に おける実際の情報の収集・敎理・発信などの堎面を通しお習埗するこずが望たし い。自分にずっお必然性のある探究的な孊習の文脈においお情報手段を掻甚する 機䌚を蚭けるこずにより必芁感に迫られた孊習ずなる。探究的な孊習の文脈に おいお習埗された操䜜スキルは他の孊習掻動や珟実瀟䌚における探究的な孊習 においおも容易に掻甚するこずができ䞻䜓的な情報手段の掻甚が促されるこず
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54 第章 指導蚈画の 䜜成ず内容 の取扱い が期埅されるからである。  なおコンピュヌタで文字を入力する際は第章第節囜語第のの(1) のり「第孊幎におけるロヌマ字の指導に圓たっおは第章総合的な孊習の時 間の第のの(3) に瀺すコンピュヌタで文字を入力するなどの孊習の基盀ず しお必芁ずなる情報手段の基本的な操䜜を習埗し児童が情報や情報手段を䞻䜓 的に遞択し掻甚できるよう配慮するこずずの関連が図られるようにするこず。 」 を螏たえる必芁がある。 (4) 自然䜓隓やボランティア掻動などの瀟䌚䜓隓ものづくり生産掻 動などの䜓隓掻動芳察・実隓芋孊や調査発衚や蚎論などの孊習 掻動を積極的に取り入れるこず。  総合的な孊習の時間で重芖する䜓隓掻動は自分の身䜓を通しお倖界の事物や 事象に働きかけ孊んでいくものである。具䜓的には芖芚聎芚味芚嗅芚 觊芚ずいった諞感芚を働かせおあるいは組み合わせお倖界の事物や珟象に働 きかけ孊んでいく。このように児童が身䜓党䜓で察象に働きかけ実感をもっお 関わっおいく掻動が䜓隓掻動である。  前回の改蚂においお䜓隓掻動は蚀語掻動ず共に重芁なものずしお䜍眮付けら れた。たた今回の改蚂では第章総則の第のの(5) においお 「児童が 生呜の有限性や自然の倧切さ䞻䜓的に挑戊しおみるこずや倚様な他者ず協働す るこずの重芁性などを実感しながら理解するこずができるよう各教科等の特質 に応じた䜓隓掻動を重芖し家庭や地域瀟䌚ず連携し぀぀䜓系的・継続的に実斜 できるよう工倫するこず。 」ずされた。  児童は人々や瀟䌚自然ず関わる䜓隓掻動を通しお自分ず向き合い他者 に共感するこずや瀟䌚の䞀員であるこずを実感する。たた自然の偉倧さや矎し さに出䌚ったり文化・芞術に觊れたり瀟䌚事象ぞの関心を高め問題を発芋し たり友達ずの信頌関係を築いお物事を考えたりするなどしお喜びや達成感を 味わう。  こうしたこずから総合的な孊習の時間では䞀定の知識を芚え蟌たせるので はなく探究課題の特質や育成したい資質・胜力を芋通しお盎接的な䜓隓を 探究的な孊習の過皋に適切に䜍眮付ける必芁がある。䟋えば環境に぀いお孊 ぶ過皋においお自然に関わる䜓隓掻動を行ったり犏祉に぀いお孊ぶ過皋におい おボランティア掻動など瀟䌚ず関わる䜓隓掻動を行ったり地域に぀いお孊ぶ過 皋においおものづくりや生産文化や芞術に関わる䜓隓掻動などを行うこずが考 えられる。
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55  内容の取扱 いに぀いお の配慮事項  同様の趣旚から総合的な孊習の時間における孊習掻動は以䞋のような孊習 掻動を積極的に行う必芁がある。䟋えば事象を粟緻に芳察するこず科孊的な 芋方で仮説を立お実隓し怜蚌するこず実際に事象を芋孊したり事実を確 かめるために調査したりするこずなどを行い情報の収集を行うこず。たたそ うした情報をたずめお敎理したり関連付けたりする発衚や蚎論を行うこず。こ れらの孊習掻動によっお孊習の深たりが期埅できる。  䟋えば環境に関する探究課題を蚭定した堎合自然に察する豊かな感受性や 生呜を尊重する粟神環境に察する関心等は身近な自然に浞る時間を確保し 飌育・栜培や自然芳察などの掻動を実際に行わなければ培えない。たたボラン ティア掻動などの瀟䌚䜓隓が環境の保党やよりよい環境の創造のために働く 人々ぞの共感を生み䞻䜓的に行動する実践的な資質・胜力を育成するこずに぀ ながる。  さらに環境問題をより科孊的に認識するためには枩宀効果を確かめる実隓 や颚車を぀くっお発電する実隓などをしたり環境保党に関わる機関に芋孊に 行ったりする掻動が効果的である。たた自分たちが深く環境問題ず関わっおい るこずを実感するためには家庭や孊校での氎の䜿甚量や排出するゎミの皮類 ず量を調査するような掻動が有効である。こうしお調べたこずや実隓などで分 かったこずを発衚・蚎論させるこずを通しお具䜓的にどのように行動を倉えれ ばよいのかを考えさせたりそれを深めたりするこずが実珟できるのである。  なお䜓隓的な孊習を展開するに圓たっおは児童の発達の特性を螏たえ目 暙や内容に沿っお適切か぀効果的なものずなるよう工倫するずずもに児童をは じめ教職員や倖郚の協力者などの安党確保健康や衛生等の管理に十分配慮する こずが求められる。 (5) 䜓隓掻動に぀いおは第の目暙䞊びに第の各孊校においお定め る目暙及び内容を螏たえ探究的な孊習の過皋に適切に䜍眮付けるこ ず。  総合的な孊習の時間では䜓隓掻動を重芖しおいる。しかしただ単に䜓隓掻動 を行えばよいわけではなくそれを探究的な孊習の過皋に適切に䜍眮付けるこず が重芁である。  探究的な孊習の過皋に適切に䜍眮付けるずは䞀぀には蚭定した探究課題に 迫り課題の解決に぀ながる䜓隓掻動であるこずが挙げられる。予想を立おた䞊 で怜蚌する䜓隓掻動を行ったり䜓隓掻動を通しお実感的に理解した䞊で課題を 再蚭定したりするなど探究課題の解決に向かう孊習の過皋に適切に䜍眮付ける
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56 第章 指導蚈画の 䜜成ず内容 の取扱い こずが欠かせない。  二぀には児童が䞻䜓的に取り組むこずのできる䜓隓掻動であるこずが挙げら れる。そのためには児童の発達に合った児童の興味・関心に応じた䜓隓掻動 であるこずが必芁ずなる。児童にずっお過床に難しかったり明確な目的をもお なかったりする䜓隓掻動では十分な成果を埗るこずができない。  こうした䜓隓掻動を行う際には次の点に配慮したい。たずは幎間を芋通し た適切な時数の範囲で行われる䜓隓掻動であるこずが挙げられる。十分な䜓隓掻 動を䜍眮付けるこずは圓然であるが䜕のための䜓隓掻動なのかを明らかにし その目的のために必芁な時数を確保するこずが倧切である。たた児童の安党に 察しお十分に配慮した䜓隓掻動であるこずも挙げられる。䜓隓掻動はそれ自 䜓が魅力的であり児童の意欲を喚起するこずが倚い。たた屋倖で行ったり機 材などを䜿ったりするダむナミックな掻動であるこずも倚い。事前の準備や人的 な手配などを䞁寧に行い十分な安党確保の䞭で䜓隓掻動の魅力を存分に匕き出 すようにするこずが望たれる。  このように意図的・蚈画的に䜓隓掻動を䜍眮付けるこずによっお探究的な孊 習の過皋は䞀局充実し総合的な孊習の時間で育成を目指す資質・胜力が確実に 身に付くず考えられる。  なお䜓隓掻動の具䜓䟋ずしおは䟋えば自然の偉倧さや矎しさに出䌚った りその䞭で友達ず関わったりしながら協働的に孊ぶ自然䜓隓掻動なども考えら れる。この䜓隓掻動は特別掻動ずしお実斜する集団宿泊的行事の䞀郚ずしお行 うこずも考えられるがその際にも探究的な孊習の過皋に適切に䜍眮付く孊習 掻動でなければならない。  このように総合的な孊習の時間においお孊校行事ず関連付けお䜓隓掻動を実 斜するこずもあり埗る。しかしその堎合でも必ず総合的な孊習の時間の目暙 及び内容を螏たえたものであるこず探究的な孊習の過皋に䜍眮付いおいるこず などを満たさなければならない。その䞊で実際に総合的な孊習の時間の芁件を満 たす掻動の時数だけを正確に算出しお総合的な孊習の時間の時数ずしお蚈䞊す るこずが求められる。  平成20幎の孊習指導芁領解説においお運動䌚の準備や応揎緎習などは総合的 な孊習の時間ずしお適切ではないこずが明蚘されたが䞀方で十分な改善が図ら れおいないずいう指摘もある。総合的な孊習の時間ず特別掻動ずの目暙や内容の 違いを螏たえそれぞれの時間に盞応しい䜓隓掻動を行わなければならない。  総合的な孊習の時間ず特別掻動ずの関連を意識し適切に䜓隓掻動を䜍眮付け るためには次のような点に十分配慮すべきである。䟋えば修孊旅行ず関連を 図る堎合はその土地に行かなければ解決し埗ない孊習課題を児童自らが蚭定し
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57  内容の取扱 いに぀いお の配慮事項 おいるこず珟地の孊習掻動の蚈画を児童が立おるこずその䞊で珟地では芋 孊やむンタビュヌの機䌚を蚭けるなど児童の自䞻的な孊習掻動を保障するこず 事埌は解決できた郚分をたずめ解決できなかった郚分を別の手段で远究する 孊習掻動を行うこずなど䞀連の孊習掻動が探究的な孊習ずなっおいるこずが必 芁である。こうしたこずに十分配慮した䞊で総合的な孊習の時間ず特別掻動ず を関連させお実斜するこずが考えられる。その際総合的な孊習の時間の目暙や 内容に関わらない時間に぀いおは総合的な孊習の時間に該圓しないこずは圓然 であり適切な時数が配圓されるよう十分に泚意しなければならない。 (6) グルヌプ孊習や異幎霢集団による孊習などの倚様な孊習圢態地域 の人々の協力も埗぀぀党教垫が䞀䜓ずなっお指導に圓たるなどの指 導䜓制に぀いお工倫を行うこず。  倚様な孊習圢態の工倫を行うこずは児童の様々な興味・関心や倚様な孊習掻 動に察応し䞻䜓的・察話的で深い孊びを進めるため必芁なこずである。䟋え ば興味・関心別のグルヌプ衚珟方法別のグルヌプ調査察象別のグルヌプな ど倚様なグルヌプ線成や孊玚を越えた孊幎党䜓での掻動さらには教え合いや 孊び合いの態床を育むために異幎霢の児童が䞀緒に掻動するこずにも考慮する必 芁がある。  個人による孊習は䞀人䞀人が蚈画を立おお調査し分かったこずを䞀人でた ずめるこずが求められるため自分で孊習を進める力を育むこずができる。その 反面限られた時間で集められた資料だけで考えるこずになったり考えが䞀面 的になったりするこずもある。  グルヌプによる孊習ではメンバヌ党員で蚈画を立おお圹割分担をするこずが 求められる。この䞭で䞀人䞀人の個性を生かすこずを孊んだりコミュニケヌ ションの取り方を孊んだりするこずが期埅される。たた自分の圹割を最埌たで やり遂げるこずも求められる。䞀方で䞀人䞀人の児童に課題が蚭定されなかっ たり圹割に軜重が぀いたり党員の関心や意芋が十分に反映されなかったりす るずいうこずも考えられる。  孊玚党䜓での孊習では教垫の指導の䞋蚈画的に䜓隓を行ったり掻発な蚎 論を行ったりする。たたそれを基に新たな問題に向かっおいく孊習掻動の高た りも期埅できる。しかし䞀人䞀人が远究方法を考えたりたずめの資料を䜜り 䞊げたりする偎面が匱くなり他者に䟝存するこずが危惧される。  異幎霢集団で孊習を進めるこずは䞊玚生のリヌダヌシップを育み䞋玚生に ずっおも各自の資質や胜力だけでは経隓できないような孊習掻動を経隓できた
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58 第章 指導蚈画の 䜜成ず内容 の取扱い り䞊玚生の姿を芋お 「自分もこうなりたい」  「こういうこずができるように なりたい」ずいう意欲を高めるこずができたりするずいう利点がある。䞀方で 党員が孊習内容を理解するための時間がかかったり孊習掻動の管理が難しく なったりするこずも考えられる。  総合的な孊習の時間を充実させるためにはこれらの孊習圢態の長所短所を 螏たえた䞊で孊習掻動に即しお適切な孊習圢態を遞択したり組み合わせたりす る必芁がある。たた人数ず孊習掻動ずは適正かどれくらいの時間が必芁か 事前にどのような掻動を行っおおくかなどに぀いおしっかりずした蚈画を立お るこずも重芁である。このような蚈画の䞋で孊玚や孊幎を越えた取組を進めるこ ずで児童の倚様な興味・関心や孊習経隓などを生かすこずができる。  指導䜓制に぀いお工倫を行うこずは䞊のような倚様な孊習圢態を支えるずず もに孊習の幅や深たりを生み出すこずに぀ながる。  総合的な孊習の時間は保護者をはじめ地域の専門家など倖郚の人々の協力が 欠かせない。この時間を豊かな孊習掻動ずしお展開しおいくためには地域の 人々を積極的に掻甚するこずが必芁である。教員だけでは展開できない倚様な孊 習を行うこずができたり倚様な倧人ずの「察話的な孊び」 から児童が成長でき たりするずいう倧きな意矩をも぀。その際 「瀟䌚に開かれた教育課皋」の芖点 から孊校ず保護者ずが育成を目指す資質・胜力に぀いお共有し必芁な協力を 求めるこずも倧事である。  たたこの時間は特定の教垫のみが担圓するのではなく党教垫が䞀䜓ずなっ お組織的に指導に圓たるこずが求められる。このこずは暪断的・総合的な孊習 を行うなどのこの時間の目暙からも明らかである。そのためには同孊幎や異孊 幎の教垫が協働で蚈画や指導に圓たるこずはもちろん校長副校長教頭逊 護教諭栄逊教諭講垫などもこの時間の指導に関わる䜓制を敎え党教職員が この時間の孊習掻動の充実に向けお協力するなど孊校党䜓ずしお取り組むこず が䞍可欠である。その際幅広く倖郚にこの時間の孊習の状況や成果を公衚し 保護者をはじめ地域の人々からの評䟡も埗おその埌の実践に生かしおいくな ど孊校を取り巻く地域の理解ず協力を埗やすくするこずも倧切である。  地域ずの連携に圓たっおはコミュニティ・スクヌルの枠組みの積極的な掻甚 や地域孊校協働本郚ずの協働を図るこずなどが考えられる。地域の様々な課題 に即した探究課題を蚭定するに圓たっおは教育委員䌚のみならず銖長郚局ず連 携するこずも倧切である。  こうしたこずの蚈画や準備を行う際には党校的な組織を぀くり圹割を分担 する校内の指導䜓制を確立するこずが重芁である。その蚈画や準備のための時間 を十分に確保する必芁もある。なお総合的な孊習の時間における指導䜓制に぀
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59  内容の取扱 いに぀いお の配慮事項 いおは本解説第章で詳しく解説する。 (7) 孊校図曞通の掻甚他の孊校ずの連携公民通図曞通博物通等 の瀟䌚教育斜蚭や瀟䌚教育関係団䜓等の各皮団䜓ずの連携地域の教 材や孊習環境の積極的な掻甚などの工倫を行うこず。  総合的な孊習の時間における探究的な孊習の過皋では様々な事象に぀いお調 べたり探したりする孊習掻動が行われるため豊富な資料や情報が必芁ずなる。 そこで孊校図曞通やコンピュヌタ宀の図曞や資料を充実させタブレット型端 末を含むコンピュヌタ等の情報機噚や校内ネットワヌクシステムを敎備・掻甚す るこずが望たれる。  孊校図曞通の「孊習センタヌ」  「情報センタヌ」ずしおの機胜を充実させ図 曞の適切な廃棄・曎新に努めるこず等により最新の図曞や資料新聞やパンフ レットなどを各孊幎の孊習内容に合わせお䜿いやすいように敎理展瀺したり 関連する映像教材やデゞタルコンテンツを揃えおい぀でも利甚できるようにした りしおおくこずによっお調査掻動が効果的に行えるようになり孊習を充実さ せるこずができる。さらに叞曞教諭孊校図曞通叞曞等による図曞通利甚の指 導により児童が情報を収集遞択掻甚する胜力を育成するこずができる。た たむンタヌネットで必芁なものが効率的に調べられるように孊習掻動ず関連 するサむトをあらかじめ登録したペヌゞを䜜っお図曞通やコンピュヌタ宀など で利甚できるようにしおおくこずも望たれる。  䞀方でそれらを甚いお探究的な孊習を進める孊習の堎面や時間を十分確保す るこずやそのための倚様な孊習掻動を展開できるスペヌスを確保しおおくこず にも配慮が求められる。  たた総合的な孊習の時間の孊習掻動が䞭孊校の孊習掻動ず盞互に関連付けら れ連続的・発展的に展開できるようにしたり地域の孊校間で共通の課題を取り 扱ったりするなど他の孊校ずの連携にも配慮する必芁がある。䟋えば同じ河川 流域の孊校間で氎生生物の生息調査を協働しお行いその結果を共有化しお掻甚 するなどの連携によっお孊習掻動に必芁な情報を効率的に集めるこずができる 堎合がある。  異なる孊校を盎接的な亀流やICT を掻甚した遠隔亀流などにより結んで行 う協働的な孊習は共に孊習掻動を進めるずいう意識や高め合う意識を生んで孊 習意欲を向䞊させたり自分たちだけでは調べられない盞手の地域の情報を埗た りするずいう利点がある。たた倚様な他者ず協働し異なる意芋や他者の考え を受け入れる䞭で倚面的・倚角的に俯瞰しお捉えたり考えたりするこずにも
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60 第章 指導蚈画の 䜜成ず内容 の取扱い ぀ながる。䟋えば自分たちの䜏んでいる地域に぀いお調べたこずに぀いお他の 地域の孊校の児童ず盞互に玹介し合うこずにより様々な気付きを埗るずいうこ ずも考えられる。その䞀方堎合によっおは亀流が圢骞化しおしたう可胜性があ るこずも螏たえ協働しお蚈画を立案し実効性の高い連携を考えおいく必芁が ある。  地域には豊かな䜓隓掻動や知識を提䟛する公民通図曞通や博物通などの瀟 䌚教育斜蚭等やその地域の自然や瀟䌚に関する詳现な情報を有しおいる䌁業や 事業所瀟䌚教育関係団䜓や非営利団䜓等の各皮団䜓がある。たた遺跡や神 瀟・仏閣などの文化財䌝統的な行事や産業なども地域の特色を぀くっおいる。 この時間が豊かな孊習掻動ずしお展開されるためには孊習の必然性に配慮し぀ ぀こういった斜蚭等の利甚を促進し地域に特有な知識や情報ず適切に出䌚わ せる工倫が求められる。  その際芋孊などで斜蚭を蚪れるこずだけでなく斜蚭の担圓者に孊校に来お もらうこずも方法の䞀぀である。実際に来られないずきには手玙や電話メヌ ルやテレビ䌚議システムなどを䜿っお情報を提䟛しおもらったり児童の質問 に答えおもらったりするこずも有効である。  その䞀方で瀟䌚教育斜蚭等を無蚈画に蚪れるなどしお先方の業務に支障を 来すこずなどのないように配慮しなければならない。積極的に掻甚するこずず 無蚈画に利甚するこずは異なる。たた倖郚人材の掻甚の際に講話内容を任せ きりにしおしたうこずによっお自分で孊び取る䜙地が残らないほど詳现に教え おもらったり内容が高床で児童に理解できなかったりする堎合もある。たた 特定のものの芋方や個人の考え方だけが匷調されるこずも考えられる。孊習のね らいに぀いお事前に十分な打合せをしおおくこずが必芁であり倖郚人材に䟝 存し過ぎるこずのないようにすべきである。  地域ず孊校の連携・協働の䞋地域の䜏民が協力しお未来を担う児童の成長を 支えるずずもに地域を創造する掻動も掚進されおいる。たた地域の䜏民ず児 童が地域の課題に向き合い倚様な経隓や技術をも぀地域の人材・䌁業等の協力 を埗ながら課題解決に向けお協働する掻動を掚進しおいる地域もある。こうし た地域のも぀教育力を掻甚するこずはこの時間の目暙をよりよく実珟するこず に぀ながるだけでなく次のような教育的効果をもたらす。䞀぀は孊習掻動を 地域の䞭で行ったりその成果を保護者も含めた地域の人々に公開するこずによ り児童が瀟䌚の䞀員であるこずを自芚したり児童の孊習意欲が向䞊したりす るこずになる。次には孊習掻動を通しお児童が地域の人々ず芪密になった り地域の教育機関の利甚に慣れたり地域の自然や文化財等に関心をもった り地域の䌝統行事等に参加したりするようになり児童が地域ぞの愛着を高
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61  内容の取扱 いに぀いお の配慮事項 め豊かな生掻を送るこずに぀ながる。さらには郷土を創る次䞖代の人材育成 や持続可胜な地域瀟䌚の圢成にも぀ながるものず考えられる。  なお地域の人々の協力や地域の教材孊習環境の掻甚などに圓たっおは総 合的な孊習の時間の孊習に協力可胜な人材や斜蚭などに関するリスト人材・斜 蚭バンクを䜜成したり地域の有識者ずの協議の堎などを蚭けたりする工倫も 考えられる。たた地域によっおはこの時間のためにコヌディネヌタヌなどの 亀枉窓口が蚭眮されおいる堎合もある。平成29幎月の瀟䌚教育法の䞀郚改正に より孊校ず地域の連携・協働地域孊校協働掻動を掚進するためコヌディ ネヌタヌ圹ずなる地域孊校協働掻動掚進員を眮くこずができるこずが明蚘され た。このような制床を積極的に掻甚するこずが充実した総合的な孊習の時間の 実珟に぀ながる。たた平成20幎月の瀟䌚教育法の䞀郚改正により孊校が瀟 䌚教育関係団䜓等の関係者の協力を埗お教育掻動を行う堎合には瀟䌚教育䞻事 がその求めに応じお助蚀を行うこずができるこずずするこずに぀いおも地域の 実情に応じお掻甚を図るこずが考えられる。 (8) 囜際理解に関する孊習を行う際には探究的な孊習に取り組むこず を通しお諞倖囜の生掻や文化などを䜓隓したり調査したりするなど の孊習掻動が行われるようにするこず。  グロヌバル化が䞀局進む䞭で暪断的・総合的な課題ずしお囜際理解に関する 課題を扱い探究的な孊習を通しお取り組んでいくこずは意矩のあるこずであ る。  その際には広く様々な囜や地域を芖野に入れ倖囜の生掻や文化を䜓隓し慣 れ芪しむこずや衣食䜏ずいった日垞生掻の芖点から日本ずの文化の違いやそ の背景に぀いお調査したり远究したりするこずが重芁である。  䟋えば地域に暮らす倖囜人や倖囜生掻経隓者に協力を埗お諞倖囜の料理を 䜜っお食べる䜓隓を通しお食材の違いや気候・颚土ずの関係に぀いお考えた り食べ方の習慣ずその歎史や文化に぀いお調べたり我が囜の習慣や文化ず比 べたり䜓隓したこずを議論したり発衚したりするなど幅広く孊習を展開する こずが重芁である。  たた日本ず諞倖囜ずの関係に぀いお孊ぶ際に䟋えば地球枩暖化や食料の茞 出入の問題のように䟡倀が察立する問題に出䌚うこずがある。そのような問題 を積極的に生かしお䞖界䞭には倚様な考え方や䟡倀が存圚するこずを実感でき るような堎面を蚭定するこずも考えられる。たたそれを解決する方法を考えた り蚎論したりする孊習を通しお囜際的に協調しお取り組むこずの重芁さや難
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62 第章 指導蚈画の 䜜成ず内容 の取扱い しさに぀いお考える機䌚を蚭けるこずも想定できる。  なおスキルの習埗に重点を眮くなど単なる倖囜語の孊習を行うこずはこれ たでず同様総合的な孊習の時間にふさわしい孊習ずは蚀えない。囜際理解に関 する孊習を行っおいる孊校においおは探究的な孊習ずしお適切な孊習が行われ るよう䞁寧な点怜を行わなければならない。 (9) 情報に関する孊習を行う際には探究的な孊習に取り組むこずを通 しお情報を収集・敎理・発信したり情報が日垞生掻や瀟䌚に䞎え る圱響を考えたりするなどの孊習掻動が行われるようにするこず。第 章総則の第のの(3) のむに掲げるプログラミングを䜓隓しなが ら論理的思考力を身に付けるための孊習掻動を行う堎合にはプログ ラミングを䜓隓するこずが探究的な孊習の過皋に適切に䜍眮付くよ うにするこず。  珟代瀟䌚は高床に情報化した瀟䌚ず蚀われおいる。倚様で倧量な情報が瞬時 に䞖界に広がる。たた身の回りには様々な情報があふれそれらを適切に凊理 し掻甚する資質・胜力の育成が求められおいる。このような時代に総合的な孊 習の時間においお暪断的・総合的な課題ずしお情報に関する課題を扱いその 課題を探究的な孊習の過皋を通しお取り組んでいくこずには倧きな意矩がある。  ここでは 「探究的な孊習に取り組むこずを通しお」ずあるように電話 FAXコンピュヌタタブレット型端末を含む 校内LANむンタヌネット デゞタルカメラなどの情報手段を掻甚する必然性が䌎う孊習掻動を行うこずが重 芁でありその過皋においお情報手段の操䜜の習埗も自然ず行われるようにす るこずが望たれる。  情報を収集・敎理・発信したりするこずに぀いおは本章のの(3) においお も述べたように探究的な孊習の目的に応じお図曞やむンタヌネットを掻甚し たり適切な盞手を芋付けお問合せをしたりしお孊習課題に関する情報を幅広 く収集しそれらを敎理・分析しお自分なりの考えや意芋をもちそれを探究的 な孊習の目的に応じお身近な人にプレれンテヌションしたりむンタヌネットを 䜿っお広く発信したりするようなコンピュヌタや情報通信ネットワヌクなどを 含めた倚様な情報手段を目的に応じお効果的に遞択し掻甚する孊習掻動のこず を指しおいる。  情報が日垞生掻や瀟䌚に䞎える圱響を考えたりするこずに぀いおは総合的な 孊習の時間の孊習課題の䟋ずしお探究的な孊習の過皋においお情報技術の進 化によっお日垞生掻や消費行動がどのように倉化したのか瀟䌚がどのように豊
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63  内容の取扱 いに぀いお の配慮事項 かになったのかずいったこずを取り䞊げるこずが考えられる。同時に日垞生掻 にどのような新たな危険や困難がもたらされおいるのか瀟䌚にどのような新し い問題が起きおいるのかを考えるこずも重芁である。これらの情報技術の進化が 我々の生掻や瀟䌚にもたらす恩恵ず問題を考えるこずを通しお今埌の情報技術 の進化に䜵せお自分たちは将来どのような生掻を送りどのような瀟䌚を築 くこずが望たれるのか将来にわたる自分の生き方を芋぀め考える契機ずするこ ずが倧切である。あわせお児童自身が情報を収集・敎理・発信する掻動を通し お未成幎であっおも情報瀟䌚の䞀員ずしお生掻しおいるずいう自芚を促し発 信情報に責任をも぀などの意識をもたせる必芁もある。  その䞭で自分自身が危険に巻き蟌たれないこずや情報瀟䌚に害を及がさない こずなどの情報モラルに぀いおも機を芋お䞁寧に指導する必芁がある。䟋え ば電子掲瀺板を甚いおみんなで調べたこずを教え合うような孊習掻動では盞 手を䞭傷するような曞き蟌みが時折芋られるこずがある。そのような堎面を捉え おなぜそれがいけないのかどのようなこずに発展する可胜性があるのかなど を蚎論するようなこずが考えられる。このように情報モラルを取り扱う堎合に は児童自らの具䜓的で身近な玠材を取り䞊げ情報に関わる際の望たしい姿勢 や態床ならびに情報掻甚の方法などに぀いお自分のこずずしお芋぀め盎し考 えさせるこずを通しお情報モラルを確実に身に付けさせるこずが望たれる。  プログラミングを䜓隓しながら論理的思考力を身に付けるための孊習掻動に぀ いおは第章総則の第のの(3) のむに掲げられおいるずおり総合的な孊 習の時間のみならず算数科や理科をはじめずしお各教科等の特質に応じお䜓隓 しその意矩を理解するこずが求められおいる。なおプログラミングを䜓隓し ながら論理的思考力を身に付けるための孊習掻動をどの教科等においお実斜す るかずいうこずに぀いおは各孊校が教育課皋党䜓を芋枡しプログラミングを 䜓隓する単元を䜍眮付ける孊幎や教科等を決定しおいく必芁がある。  そこでは子䟛たちにプログラミングにより意図した凊理を行うよう指瀺す るこずができるずいうこずを䜓隓させながら身近な生掻でコンピュヌタが掻甚 されおいるこずや問題の解決には必芁な手順があるこずに気付き発達の段階 に即しお論理的思考力を育成しコンピュヌタの動きをよりよい人生や瀟䌚づく りに生かそうずする態床を涵逊するこずが挙げられる。  プログラミングを䜓隓しながら論理的思考力を身に付けるための孊習掻動ず は子䟛たちが将来どのような職業に就くずしおも時代を超えお普遍的に求め られる力ずしおの「プログラミング的思考」の育成を目指すものでありプログ ラミングのための蚀語を甚いお蚘述する方法コヌディングを芚え習埗するこ ずが目的ではない。 「プログラミング的思考」ずは自分が意図する䞀連の掻動
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64 第章 指導蚈画の 䜜成ず内容 の取扱い を実珟するためにどのような動きの組み合わせが必芁かどのように改善しお いけばより意図した掻動に近づくのかずいうこずを論理的に考えおいく力の䞀぀ である。このような思考力はプログラミングに携わる職業を目指す児童にだけ 必芁な力ではなくどのような進路を遞択しどのような職業に就くずしおも これからの時代においお共通に求められる力であるず考えられる。  特に総合的な孊習の時間においおはプログラミングを䜓隓しながら論理的思 考力を身に付けるための孊習掻動を行う堎合にはプログラミングを䜓隓するこ ずだけにずどたらず情報に関する課題に぀いお探究的に孊習する過皋におい お自分たちの暮らしずプログラミングずの関係を考えプログラミングを䜓隓 しながらそのよさや課題に気付き珟圚や将来の自分の生掻や生き方ず繋げお考 えるこずが必芁である。䟋えばプログラミングを䜓隓しながら生掻を䟿利に しおいる様々なアプリケヌション゜フトはもずより目に芋えない郚分で様々 な補品や瀟䌚のシステムなどがプログラムにより働いおいるこずを䜓隓的に理解 するようにするこずが考えられる。  䟋えばカプセルトむの販売機ずゞュヌスの自動販売機を比べおみる。カプセ ルトむの販売機に比べゞュヌスの自動販売機は䜕が起きおいるのか分からな い。お金を入れボタンを抌すこずで遞んだゞュヌスずお぀りが出る。自動販売 機の䞭では䜕が起きおいるのだろう。子䟛たちは自動販売機の䞭で「プログラ ム」が動いおいるこずを知り身近な生掻の䞭にはプログラムで動いおいるず 想像されるものがたくさんあるこずに気付く。ここでゞュヌスの自動販売機の䞭 で起きおいるこずをプログラミングする䜓隓を取り入れるこずによっおプログ ラムは「機械の䞭にあるもの」  「機械に人間が考えた動きをさせるための呜什で あるこず」  「効率的に順序立おた呜什文の積み重ねであるこず」などを理解す る。  身近にプログラムで動いおいるものに関心をもった児童は電気・氎道・公共 亀通機関などのラむフラむンを維持管理するためにもプログラムが働いおいるこ ずやAI人工知胜やビッグデヌタの掻甚ロボットの掻甚によっお私た ちの生掻がより快適になり効率的になっおいるこずにも気付いおいくこずが考え られる。  それらのプログラムの恩恵だけではなくプログラムを悪甚したコンピュヌタ りむルスやネット詐欺などの存圚にも觊れるこずで様々な新たな技術が開発さ れ自分たちの身近な存圚になる䞀方 「人間らしさずは䜕か」  「人間にしかでき ないこずずは䜕か」  「人間ずしおどのように暮らしおいけばいいのだろうか」な ど自分の生き方を考え盎すこずも期埅できる。  この展開䟋からも分かるように総合的な孊習の時間においおプログラミング
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65  内容の取扱 いに぀いお の配慮事項 を䜓隓するこずはそれが探究的な孊習の過皋に適切に䜍眮付けられおいるこず が欠かせない。  たたプログラミングを䜓隓しながら論理的思考力を身に付けるための孊習掻動 を行う堎合にあっおも党おの孊習掻動においおコンピュヌタを甚いおプログラ ミングを行わなければならないずいうこずではない。児童の発達段階や孊習過皋 を考慮し呜什文を曞いた玙カヌドを組み合わせ䞊べ替えるこずによっお実行 させたいプログラムを構成したり指什文を曞いお他者に枡しお指什どおりの 動きをしおもらえるかどうかを怜蚌したりするなど具䜓物の操䜜や䜓隓を通し お理解が深たるこずも考えられる。
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66 第章 総合的な孊習 の時間の指導 蚈画の䜜成  本章から第章たでにおいおは各孊校で定めた目暙及び内容を適切に実斜し おいくための党䜓蚈画の䜜成幎間指導蚈画や単元蚈画の䜜成評䟡の圚り方 孊習指導の進め方指導䜓制の敎備等に぀いおその基本的な考え方やポむント を手順や方法具䜓䟋などを亀えお解説する。各孊校においおは本章以降を 参考にしおこれたでの取組を芋盎すずずもに具䜓的な改善を進めるこずが期 埅される。 第節 総合的な孊習の時間における指導蚈画  指導蚈画の芁玠  教育課皋にはその孊校における教育掻動の蚈画が党領域党孊幎にわたっ お蚘される。指導蚈画ずはこの教育課皋の郚分蚈画であり䟋えば第孊幎 の指導蚈画囜語科の指導蚈画月の指導蚈画ずいった具合に教育課皋を構 成する特定の郚分に぀いおその教育掻動の蚈画を必芁に応じお瀺したものであ る。総合的な孊習の時間も教育課皋を構成する䞀郚であるからその指導蚈画は 圓然必芁である。第章第のの(2)「党䜓蚈画及び幎間指導蚈画の䜜成に圓 たっおは孊校における党教育掻動ずの関連の䞋に目暙及び内容孊習掻動 指導方法や指導䜓制孊習の評䟡の蚈画などを瀺すこず。 」がこのこずを明確 に瀺しおいる。  この蚘述にあるように総合的な孊習の時間の指導蚈画の䜜成に際しおは以 䞋の六぀に぀いお考える必芁がある。 (1) この時間を通しおその実珟を目指す「目暙」 。 (2) 「目暙を実珟するにふさわしい探究課題」及び「探究課題の解決を通しお 育成を目指す具䜓的な資質・胜力」からなる「内容」 。 (3) 「内容」ずの関わりにおいお実際に児童が行う「孊習掻動」 。これは実 際の指導蚈画においおは児童にずっお意味のある課題の解決や探究的な孊 習掻動のたずたりずしおの「単元」 さらにそれらを配列し組織した「幎 間指導蚈画」ずしお瀺される。 (4) 「孊習掻動」を適切に実斜する際に必芁ずされる「指導方法」 。 (5) 「孊習の評䟡」 。これには児童の孊習状況の評䟡教垫の孊習指導の評 第章 総合的な孊習の時間の指導蚈画の䜜成
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67  総合的な孊習 の時間におけ る指導蚈画 䟡(1)(4)(5) の適切さを吟味する指導蚈画の評䟡が含たれる。 (6) (1)(5) の蚈画実斜を適切に掚進するための「指導䜓制」 。  本章以䞋では本解説第章たでを螏たえ各孊校においおどのように指導蚈 画の䜜成を進めおいくべきかに぀いおこれら六぀の事項に即しおより具䜓 的実践的に解説を加えおいく。その際(1)(2) に぀いおは本章で(3) に぀ いおは第章で(4) に぀いおは第章で(5) に぀いおは第章で(6) に぀い おは第章で䞻に解説する。  党䜓蚈画ず幎間指導蚈画  第のの(2) では総合的な孊習の時間の指導蚈画のうち孊校ずしお党䜓 蚈画ず幎間指導蚈画の二぀を䜜成する必芁があるこず及びその䜜成に圓たっお の芁玠を瀺しおいる。  党䜓蚈画ずは指導蚈画のうち孊校ずしおこの時間の教育掻動の基本的な 圚り方を瀺すものである。具䜓的には各孊校においお定める目暙 「目暙を実 珟するにふさわしい探究課題」及び「探究課題の解決を通しお育成を目指す具䜓 的な資質・胜力」で構成する内容に぀いお明蚘するずずもに孊習掻動指導方 法指導䜓制孊習の評䟡等に぀いおもその基本的な内容や方針等を抂括的・ 構造的に瀺すこずが考えられる。  䞀方幎間指導蚈画ずは党䜓蚈画を螏たえその実珟のためにどのような 孊習掻動をどのような時期にどのように実斜するか等を瀺すものである。具 䜓的には幎間の時間的な流れの䞭に単元を䜍眮付けお瀺すずずもに孊校に おける党教育掻動ずの関連に留意する芳点から必芁に応じお他教科等における 孊習掻動も曞き入れ総合的な孊習の時間における孊習掻動ずの関連を瀺すこず などが考えられる。このように党䜓蚈画を単元ずしお具䜓化し幎間の流れ の䞭に配列したものが幎間指導蚈画であり幎間指導蚈画やそこに瀺された個々 の単元の成立のよりどころを蚘したものが党䜓蚈画でありこの二぀は関連し察 応する関係にある。したがっお各孊校においおはそれぞれを立案するずずも に二぀の蚈画が関連をも぀ように十分配慮しながら䜜成に圓たる必芁があ る。以䞊のこずからも分かるように指導蚈画を構成する䞊蚘六぀の芁玠に぀い おは指導蚈画のどこかで瀺しおいればよくしたがっお党䜓蚈画ず幎間指導蚈 画の少なくずも䞀方においお明瀺するこずで足りるず考えられる。
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68 第章 総合的な孊習 の時間の指導 蚈画の䜜成 〈目暙ず内容ず孊習掻動の関係〉  なお本章及び第章で䞻に扱う(1)「目暙」 (2)「内容」 (3)「孊習掻動単 元 」の盞互の関係に぀いおは䞊図のように瀺すこずができる。この図にある ように各孊校はたず第の目暙を螏たえるずずもに各孊校における教育目 暙を螏たえ孊校の総合的な孊習の時間の目暙を蚭定する。  次にそれらを螏たえ内容ずしお 「目暙を実珟するにふさわしい探究課 題」及び「探究課題の解決を通しお育成を目指す具䜓的な資質・胜力」を蚭定す る。  本解説第章でも述べた通り各孊校の「目暙を実珟するにふさわしい探究課 題」の蚭定に際しおは第章の第のの(5) に瀺された䞉぀の課題が参考に なる。たた 「探究課題の解決を通しお育成を目指す具䜓的な資質・胜力」の蚭 定に際しおは第章の第のの(6) に瀺された䞉぀の柱すなわち 「知識 及び技胜」  「思考力刀断力衚珟力等」  「孊びに向かう力人間性等」に配慮 しお蚭定する。その際第章の第のの(2) に瀺された各孊校においお定 める目暙及び内容に぀いおは各教科等の目暙及び内容ずの違いを留意し぀぀ 各教科等で育成を目指す資質・胜力ずの関係を重芖するこずが望たれる。さら に第章の第のの(7) に瀺すずおり 「目暙を実珟するにふさわしい探究 課題」及び「探究課題の解決を通しお育成を目指す具䜓的な資質・胜力」に぀い
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69  総合的な孊習 の時間におけ る指導蚈画 おは教科等を越えた党おの孊習の基盀ずなる資質・胜力が育たれ掻甚される ものずなるように配慮するこずが倧切である。  この「目暙を実珟するにふさわしい探究課題」及び「探究課題の解決を通しお 育成を目指す具䜓的な資質・胜力」の二぀をよりどころずしお実際に教宀で 日々展開される孊習掻動すなわち単元が蚈画実斜される。  なお指導蚈画を䜜成する際には責任者ずしおの校長の指導ビゞョンずリヌ ダヌシップの䞋党教職員がそれぞれの特性ず専門性を発揮しながら協力しお 自埋的創造的に行うこずが重芁である。そのための校内倖の䜓制づくり等に぀ いおは本解説第章で曎に詳しく解説する。
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70 第章 総合的な孊習 の時間の指導 蚈画の䜜成 第節 各孊校においお定める目暙の蚭定  各孊校においおは第の目暙を螏たえ各孊校の総合的な孊習の時間の目暙 を定めその実珟を目指さなければならない。この目暙は各孊校が総合的な孊 習の時間での取組を通しおどのような児童を育おたいのかたたどのような 資質・胜力を育おようずするのかなどを明確にしたものである。  各孊校においお総合的な孊習の時間の目暙を定めるに圓たり 「第の目暙を 螏たえ」ずは本解説第章で解説した第の目暙の趣旚を適切に盛り蟌むずい うこずである。  具䜓的には第の目暙の構成に埓っお以䞋の点を螏たえるこずが必芁ず なる。 (1) 「探究的な芋方・考え方を働かせ暪断的・総合的な孊習を行うこずを通 すこず」  「よりよく課題を解決し自己の生き方を考えおいくための資質・ 胜力を育成するこず」ずいう目暙に瀺された二぀の基本的な考え方を螏襲 するこず。 (2) 育成を目指す資質・胜力に぀いおは 「育成すべき資質・胜力の䞉぀の 柱」である「知識及び技胜」  「思考力刀断力衚珟力等」  「孊びに向かう 力人間性等」の䞉぀のそれぞれに぀いお第の目暙の趣旚を螏たえるこ ず。  各孊校においお定める総合的な孊習の時間の目暙は第の目暙を適切に螏た えおこの時間党䜓を通しお各孊校が育おたいず願う児童像や育成を目指す資 質・胜力孊習掻動の圚り方などを衚珟したものになるこずが求められる。  各孊校においおは第の目暙の趣旚をしっかりず螏たえ぀぀地域や孊校 児童の実態や特性を考慮した目暙を創意工倫を生かしお独自に定めおいくこず が望たれおいる。䞊蚘の点を適切に反映した䞊でこれたで各孊校が取り組んで きた経隓を生かしお各目暙の芁玠のいずれかを具䜓化したり重点化したり 別の芁玠を付け加えたりしお目暙を蚭定するこずが考えられる。  目暙の蚘述の仕方に぀いおは決たった型があるわけではないが䟋えば以䞋 のような瀺し方が考えられる。
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71  各孊校にお いお定める 目暙の蚭定 〔蚭定䟋〕  探究的な芋方・考え方を働かせ地域の人ものこずに関わる総合 的な孊習を通しお目的や根拠を明らかにしながら課題を解決し自己 の生き方を考えるこずができるようにするために以䞋の資質・胜力を 育成する。 (1) 地域の人ものこずに関わる探究的な孊習の過皋においお課題 の解決に必芁な知識及び技胜を身に付けるずずもに地域の特城やよ さに気付きそれらが人々の努力や工倫によっお支えられおいるこず に気付く。 (2) 地域の人ものこずの䞭から問いを芋いだしその解決に向けお 仮説を立おたり調査しお埗た情報を基に考えたりする力を身に付け るずずもに考えたこずを根拠を明らかにしおたずめ・衚珟する力 を身に付ける。 (3) 地域の人ものこずに぀いおの探究的な孊習に䞻䜓的・協働的に 取り組むずずもに互いのよさを生かしながら持続可胜な瀟䌚を実 珟するための行動の仕方を考え自ら瀟䌚に参画しようずする態床を 育おる。  この䟋では 「地域の人ものこずに関わる」こずを明蚘するこずで目暙 の具䜓化を図っおいる。  たた第の目暙における「よりよく課題を解決し」に぀いおその䞭身を 「目的や根拠を明らかにしながら課題を解決し」ずしお重点化しおいる。同様に (2) においおも 「考えたこずを根拠を明らかにしおたずめ・衚珟する力を身に 付ける」ず察応した重点化が図られおいる。  さらに(1) では第の目暙における「課題に関する抂念を圢成し探究的 な孊習のよさを理解するようにする」を「地域の特城やよさに気付きそれらが 人々の努力や工倫によっお支えられおいるこずに気付く」ず具䜓化しおいる。  たた(3) では 「孊びに向かう力人間性等」に぀いお 「持続可胜な瀟䌚を 実珟するための行動の仕方を考え自ら瀟䌚に参画しようずする態床を育おる」 を付加しおいる。  各孊校における目暙の蚭定に際しおは既に各孊校においお機胜しおいる目暙 に぀いおは第の目暙及び各孊校における教育目暙を螏たえ怜蚎するずころか ら始めるこずも考えられる。どちらにしおも各孊校における実践の成果を発展 させるずいう姿勢で取り組むこずが倧切である。実際の䜜業を進めおいく䞭で倚
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72 第章 総合的な孊習 の時間の指導 蚈画の䜜成 くの孊校が盎面するのは詳しく曞こうずすればするほど文章が長くなっおした い党䜓ずしおの意味の把握が難しくなるずいう問題である。重芁なこずは適 切な分量の䞭で各孊校が倧切にしたいこずを分かりやすい衚珟で盛り蟌むよう に工倫するこずである。そのためにも具䜓的な児童の姿をむメヌゞしながら 各孊校の実態に応じた目暙の蚘述ずなるよう校内での議論を尜くしおいくこず が重芁である。  ここたで述べおきた目暙を䜜成する䜜業に先立っお各孊校においおは総合 的な孊習の時間で育成したいものを明確化する必芁がある。具䜓的には各孊校 における教育目暙ないしは育おたい児童像のうち他教科等で実珟を目指しおい る郚分を確認した䞊で総合的な孊習の時間で育おたい児童の姿を明らかにしお いく。  その際以䞋の点に぀いお考慮するこずが重芁である。 ・ 児童の実態 ・ 地域の実態 ・ 孊校の実態 ・ 児童の成長に寄せる保護者の願い ・ 児童の成長に寄せる地域の願い ・ 児童の成長に寄せる教職員の願い  これらは既に校内で明らかにされ孊校教育目暙や育おたい児童像の䞭に盛り 蟌たれおいるはずである。今回の改蚂により改めお瀺された目暙の趣旚を螏た えおその芳点から怜蚎し盎す必芁がある。
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73  各孊校が定 める内容ず は 第節 各孊校が定める内容ずは  各孊校が定める内容ずは  本解説第章でも述べた通りこの時間の内容は 「目暙を実珟するにふさわ しい探究課題」及び「探究課題の解決を通しお育成を目指す具䜓的な資質・胜 力」を各孊校が定める。぀たり 「䜕を孊ぶか」ずそれを通しお「どのようなこ ずができるようになるか」ずいうこずを各孊校が具䜓的に蚭定するずいうこずで あり他教科等にない倧きな特城の䞀぀である。このこずはこれたでの総合的な 孊習の時間の考え方を転換するものではないが今回の改蚂党䜓ずしお 「䜕が できるようになるか育成するこずを目指す資質・胜力 」ずそのために「䜕 を孊ぶか孊習の内容 」ず「どのように孊ぶか孊習方法 」のいずれもが重芁 であるこずを明瀺したこずを受け総合的な孊習の時間の内容の蚭定においおも その趣旚を明確にしたものである。  各孊校が蚭定する内容は探究課題ずしおどのような察象ず関わりその探究 課題の解決を通しおどのような資質・胜力を育成するのかを蚘述する。このよ うに䞡者は互いに関係しおいるず同時に䞡者がそろっお初めお各孊校が定 める目暙の実珟に向けお指導蚈画は適切に機胜する。  目暙を実珟するにふさわしい探究課題  目暙を実珟するにふさわしい探究課題ずは目暙の実珟に向けお孊校ずしお蚭 定した児童が探究的な孊習に取り組む課題であり埓来「孊習察象」ず説明し おきたものに盞圓するがその課題に぀いお探究するこずを通しお孊ぶずいう孊 習過皋も重芁であるこずを含めお明確にするために今回の改蚂では「探究課 題」ずしお瀺した。  目暙を実珟するにふさわしい探究課題に぀いおは本解説第章第節で解説 したように孊校の実態に応じお䟋えば囜際理解情報環境犏祉・健康 などの珟代的な諞課題に察応する暪断的・総合的な課題地域の人々の暮らし 䌝統ず文化など地域や孊校の特色に応じた課題児童の興味・関心に基づく課題 など暪断的・総合的な孊習ずしおの性栌をもち探究的な芋方・考え方を働か せお孊習するこずがふさわしくそれらの解決を通しお育成される資質・胜力 がよりよく課題を解決し自己の生き方を考えおいくこずに結び付いおいくよ うな教育的に䟡倀のある諞課題であるこずが求められる。探究的な芋方・考え 方を働かせお孊習するこずがふさわしいずいうこずは䞀぀の決たった正しい答
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74 第章 総合的な孊習 の時間の指導 蚈画の䜜成 えがあるわけでなく様々な教科等で孊んだ芋方・考え方を総合的に掻甚しなが ら様々な角床から捉え考えるこずができるものであるこずが求められるずい うこずである。  しかしそれぞれの課題はあくたでも䟋瀺であり各孊校が探究課題を蚭定す る際の参考ずしお瀺したものである。これらの䟋瀺を参考にしながら各孊校の 総合的な孊習の時間の目暙や児童孊校地域の実態に応じお探究課題を蚭 定するこずが求められる。  䟋瀺されたこれらの課題は第孊幎から第孊幎たでの児童の発達の段階に おいお第の目暙から導かれる以䞋の䞉぀の芁件を適切に実斜するものずしお 考えられるものを瀺しおいる。 (1) 探究的な芋方・考え方を働かせお孊習するこずがふさわしい課題であるこ ず (2) その課題をめぐっお展開される孊習が暪断的・総合的な孊習ずしおの性 栌をも぀こず (3) その課題を孊ぶこずによりよりよく課題を解決し自己の生き方を考え おいくこずに結び付いおいくような資質・胜力の育成が芋蟌めるこず  以䞋に䟋瀺した課題の特質に぀いお瀺す。 珟代的な諞課題に察応する暪断的・総合的な課題  囜際理解情報環境犏祉・健康などの珟代的な諞課題に察応する暪断的・ 総合的な課題ずは瀟䌚の倉化に䌎っお切実に意識されるようになっおきた珟代 瀟䌚の諞課題のこずである。そのいずれもが持続可胜な瀟䌚の実珟に関わる課 題であり珟代瀟䌚に生きる党おの人がこれらの課題を自分のこずずしお考 えよりよい解決に向けお行動するこずが望たれおいる。たたこれらの課題に ぀いおは正解や答えが䞀぀に定たっおいるものではなく埓来の各教科等の枠組 みでは必ずしも適切に扱うこずができない。したがっおこうした課題を総合的 な孊習の時間の探究課題ずしお取り䞊げその解決を通しお具䜓的な資質・胜力 を育成しおいくこずには倧きな意矩がある。  これらを参考に探究課題を蚭定する堎合䟋えば以䞋のようなこずが考えら れる。 ・ 囜際理解地域に暮らす倖囜人ずその人たちが倧切にしおいる文化や䟡倀 芳 ・ 情報情報化の進展ずそれに䌎う日垞生掻や瀟䌚の倉化 ・ 環境身近な自然環境ずそこに起きおいる環境問題 ・ 犏祉身の回りの高霢者ずその暮らしを支揎する仕組みや人々
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75  各孊校が定 める内容ず は ・ 健康毎日の健康な生掻ずストレスのある瀟䌚 など  䞀方ここに瀺した課題を党お取り䞊げる必芁はない。地域や孊校児童の実 態に応じお取り組みやすい課題や特に必芁ず考えられる課題に重点的に取り組 むこずも考えられる。たた䟋瀺以倖の課題に぀いおの孊習掻動を行うこずも考 えられる。䟋えば以䞋に瀺すように資源゚ネルギヌ食科孊技術等に関わ る課題も想定できる。 ・ 資源゚ネルギヌ自分たちの消費生掻ず資源や゚ネルギヌの問題 ・ 食食をめぐる問題ずそれに関わる地域の蟲業や生産者 ・ 科孊技術科孊技術の進歩ず自分たちの暮らしの倉化 など 地域や孊校の特色に応じた課題  地域の人々の暮らし䌝統ず文化など地域や孊校の特色に応じた課題ずは町 づくり䌝統文化地域経枈防灜など各地域や各孊校に固有な諞課題のこず である。党おの地域瀟䌚にはその地域ならではのよさがあり特色がある。叀く からの䌝統や習慣が珟圚たで残されおいる地域地域の気候や颚土を生かした特 産物や工芞品を補造しおいる地域など様々に存圚しおいる。これらの特色に応 じた課題はよりよい郷土の創造に関わっお生じる地域ならではの課題であり 児童が地域における自己の生き方ずの関わりで考えよりよい解決に向けお地域 瀟䌚で行動しおいくこずが望たれおいる。たたこれらの課題に぀いおも正解や 答えが䞀぀に定たっおいるものではなく既存の各教科等の枠組みでは必ずしも 適切に扱うこずができない。したがっおこうした課題を総合的な孊習の時間の 探究課題ずしお取り䞊げその解決を通しお具䜓的な資質・胜力を育成しおいく こずには倧きな意矩がある。  これらを参考に探究課題を蚭定する堎合䟋えば以䞋のようなこずが考えら れる。 ・ 町づくり町づくりや地域掻性化のために取り組んでいる人々や組織 ・ 䌝統文化地域の䌝統や文化ずその継承に力を泚ぐ人々 ・ 地域経枈商店街の再生に向けお努力する人々ず地域瀟䌚 ・ 防灜防灜のための安党な町づくりずその取組 など 児童の興味・関心に基づく課題  児童の興味・関心に基づく課題ずは児童がそれぞれの発達段階に応じお興 味・関心を抱く課題のこずである。䟋えば将来ぞの倢や憧れをもち挑戊しよう ずするこずものづくりなどを行い楜しく豊かな生掻を送ろうずするこず生呜 の神秘や䞍思議さを明らかにしたいず思うこずなどが考えられる。これらの課 題は䞀人䞀人の生掻ず深く関わっおおり児童が自己の生き方ずの関わりで考 えよりよい解決に向けお行動するこずが望たれおいる。
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76 第章 総合的な孊習 の時間の指導 蚈画の䜜成  総合的な孊習の時間は児童が自ら孊び自ら考える時間であり児童の䞻䜓 的な孊習態床を育成する時間である。たた自己の生き方を考えるこずができる ようにするこずを目指した時間である。その意味からも総合的な孊習の時間に おいお児童の興味・関心に基づく探究課題を取り䞊げその解決を通しお具䜓 的な資質・胜力を育成しおいくこずは重芁なこずである。  なお児童の興味・関心に基づく課題に぀いおは暪断的・総合的な孊習ずし お探究的な芋方・考え方を働かせ孊習の質的高たりが期埅できるかどうか を教垫が十分に刀断する必芁がある。たずえ児童が興味・関心を抱いた課題で あっおも総合的な孊習の時間の目暙にふさわしくない堎合や十分な孊習の成果 が埗られない堎合には適切に指導を行うこずが求められる。  これらを参考に探究課題を蚭定する堎合䟋えば以䞋のようなこずが考えら れる。 ・ キャリア実瀟䌚で働く人々の姿ず自己の将来 ・ ものづくりものづくりの面癜さや工倫ず生掻の発展 ・ 生呜生呜珟象の神秘や䞍思議さずそのすばらしさ など  なお参考ずしお瀺した䞉぀の課題は互いに぀ながり合い関わり合っおい る課題でありそれぞれの孊習掻動の広がりず深たりによっおしばしば関連し お珟れおくるものである。  各孊校においお暪断的・総合的な課題地域や孊校の特色に応じた課題の趣 旚を螏たえお内容を蚭定する堎合にはそれぞれの地域における珟実の生掻ずの 関わりにおいお各課題がどのような具䜓的な珟れ方をしおいるかたた各課題 に関わっお人々や機関がどのように考えあるいはどのように行動しおいるか その実態を幅広く正確に把握する必芁がある。その際客芳的な把握ず同時に それらが児童にずっおどのように映っおいるか児童の実感や興味・関心の芳点 からも捉えおおく必芁がある。  たた児童の興味・関心に応じた課題の趣旚を螏たえお内容を蚭定する堎合に は各課題に関わっお児童が䜕を感じどのように考えあるいはどのように行 動しおいるかその実態を幅広く正確に把握する必芁がある。  各孊校においおは以䞊のような怜蚎を螏たえお䜕が内容ずしお適切である かを刀断するこずになる。この時扱いたいず考える内容はどうしおも倚くなり がちだが限られた時数の䞭で適切に扱うこずが可胜な内容にはおのずず限界 がある。各孊校で定めた目暙や児童の実態等に配慮し党䜓ずしおのバランスを ずりながら優先順䜍を考え取捚遞択するこずで質ず量の双方においお適切な 内容を遞定するこずになる。
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77  各孊校が定 める内容ず は  ここたで述べおきたように探究課題ずは児童が探究的に関わりを深める 人・もの・こずを瀺したものであり䟋瀺された䞉぀の課題を曎に具䜓化したも のである。䟋えば倖囜人ずの関わりが倚い地域の実態や囜際瀟䌚で掻躍するグ ロヌバルな人材育成ずいう孊校教育目暙を掲げる孊校が暪断的・総合的な課題 ずしお「囜際理解」を重芖した堎合 「地域に暮らす倖囜人ずその人たちが倧切 にしおいる文化や䟡倀芳」のような探究課題が考えられる。このようにしお䞉 ぀の課題を意識し各孊校の目暙の実珟にふさわしい探究課題を蚭定しおいく。 䟋えば以䞋のようなものなどである。 䞉぀の課題 探究課題の䟋 暪断的・総 合的な課題 珟代的な 諞課題 地域に暮らす倖囜人ずその人たちが倧切にしおいる文化や䟡倀芳 囜際理解 情報化の進展ずそれに䌎う日垞生掻や瀟䌚の倉化情報 身近な自然環境ずそこに起きおいる環境問題環境 身の回りの高霢者ずその暮らしを支揎する仕組みや人々犏祉 毎日の健康な生掻ずストレスのある瀟䌚健康 自分たちの消費生掻ず資源や゚ネルギヌの問題 資源゚ネルギヌ 安心・安党な町づくりぞの地域の取組ず支揎する人々安党 食をめぐる問題ずそれに関わる地域の蟲業や生産者食 科孊技術の進歩ず自分たちの暮らしの倉化科孊技術 など 地域や孊校 の特色に応 じた課題 町づくりや地域掻性化のために取り組んでいる人々や組織 町づくり 地域の䌝統や文化ずその継承に力を泚ぐ人々䌝統文化 商店街の再生に向けお努力する人々ず地域瀟䌚地域経枈 防灜のための安党な町づくりずその取組防灜 など 児童の興 味・関心に 基づく課題 実瀟䌚で働く人々の姿ず自己の将来キャリア ものづくりの面癜さや工倫ず生掻の発展ものづくり 生呜珟象の神秘や䞍思議さずそのすばらしさ生呜 など
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78 第章 総合的な孊習 の時間の指導 蚈画の䜜成  探究課題の解決を通しお育成を目指す具䜓的な資質・胜力  探究課題の解決を通しお育成を目指す具䜓的な資質・胜力ずは各孊校におい お定める目暙に蚘された資質・胜力を各探究課題に即しお具䜓化したものであ り児童が各探究課題の解決に取り組む䞭で教垫の適切な指導により実珟を目 指す資質・胜力のこずである。したがっお探究課題の解決を通しお育成を目指 す具䜓的な資質・胜力には各孊校の目暙が実珟された際に珟れる望たしい児童 の成長の姿が瀺されるこずになる。各孊校においお定める目暙ず探究課題の解 決を通しお育成を目指す具䜓的な資質・胜力の二぀によりこの時間の教育掻動 を通しお「どんな児童を育おたいか」を明瀺するこずになる。  これたでは総合的な孊習の時間においお「育おようずする資質や胜力及び態 床」ずしお育成を目指す資質・胜力・態床ずしおは 「孊習方法に関するこ ず」  「自分自身に関するこず」  「他者や瀟䌚ずのかかわりに関するこず」の䞉぀ の芖点を参考にしお䟋瀺されおいた。この芖点は党囜の実践事䟋を敎理する䞭 で芋いだされおきたものであるずずもにOECD が瀺した䞻芁胜力キヌ・コ ンピテンシヌにも笊合しおいる。各孊校においおは䞉぀の芖点を参考にしお 「育成を目指す資質・胜力」を明らかにしその育成に向けお取り組み成果を 䞊げおきた。  今回の改蚂ではこうした趣旚を受け継ぎ぀぀資質・胜力の䞉぀の柱に沿っ おこの時間における探究課題の解決を通しお育成を目指す具䜓的な資質・胜力 に぀いお各孊校で明らかにしおいく。 (1) 知識及び技胜  探究的な孊習の過皋においおそれぞれの課題に぀いおの事実的知識や技胜が 獲埗される。この「知識及び技胜」は各孊校が蚭定する内容に応じお異なる。 このため孊習指導芁領においおは習埗すべき知識や技胜に぀いおは瀺しおい ない。䞀方事実的知識は探究の過皋が繰り返され連続しおいく䞭で䜕床も 掻甚され発揮されおいくこずで構造化され生きお働く抂念的な知識ぞず高たっ おいく。  総合的な孊習の時間では各教科等の枠を超えお知識や技胜の統合がなされ おいくこずにより抂念的な知識に぀いおは教科や分野などを超えおより䞀 般化された抂念的なものを孊ぶこずができる。  䟋えば ・ それぞれには特城があり倚皮倚様に存圚しおいる倚様性 ・ 互いに関わりながらよさを生かしおいる盞互性
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79  各孊校が定 める内容ず は ・ 物事には終わりがあり限りがある有限性 などである。探究の過皋によりどのような抂念的な知識が獲埗されるかずいう こずに぀いおは䜕を探究課題ずしお蚭定するか等により異なる。䟋えば 「身 近な自然ずそこに起きおいる環境問題」を探究課題ずしお蚭定した堎合は ・  「生物は色圢倧きさなどに違いがあり生育の環境が異なるこず 倚様性 」 ・  「身近な自然においお生物はその呚蟺の環境ず関わっお生きおいるこず 盞互性 」 ・  「自然環境は様々な芁因で垞に倉化する可胜性があり䞀定ではないこ ず有限性 」 などが考えられる。この䟋では盎接的に孊習で関わる察象は「身近な自然」で あるがそれを探究的に孊習するこずを通しお獲埗される抂念は身近な自然だ けに圓おはたるものではなく䟋えば広く持続可胜な瀟䌚づくりに関わる様々な テヌマに぀いお考える際にも䜿うこずができる抂念的な知識ずもなりうるのであ る。各孊校が目暙や内容を蚭定するに圓たっおはどのような抂念的な知識が圢 成されるかどのように抂念的な知識を明瀺しおいくかなどに぀いおも怜蚎しお いくこずが重芁である。  技胜に぀いおも探究的な孊習の過皋が繰り返され連続しおいく䞭で䜕床 も掻甚され発揮されおいくこずで自圚に掻甚できる技胜ずしお身に付いおい く。各孊校においおは探究的な孊習の過皋に必芁な技胜の䟋を明瀺しおいくこ ずなども考えられる。 (2) 思考力刀断力衚珟力等   「思考力刀断力衚珟力等」の育成に぀いおは課題の解決に向けお行われ る暪断的・総合的な孊習や探究的な孊習においお①課題の蚭定②情報の収 集③敎理・分析④たずめ・衚珟の探究的な孊習の過皋が繰り返され連続す るこずによっお実珟される。この過皋では 「探究的な芋方・考え方」を働かせ ながらそれぞれの過皋で期埅される資質・胜力が育成される。  この資質・胜力に぀いおはこれたで各孊校で蚭定する「育おようずする資質 や胜力及び態床」の芖点ずしお「孊習方法に関するこず」ずしおいたこずに察応 しおいる。  こうした探究の過皋においお必芁ずなる資質・胜力を育成するこずは総合的 な孊習の時間が各教科等の孊習過皋の質的向䞊に資するこずを意味する。  重芁なこずは課題の解決に向けお必芁ずなる「思考力刀断力衚珟力等」 は実際に課題の解決に向けた孊習をする䞭で探究の過皋の各段階においお必
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80 第章 総合的な孊習 の時間の指導 蚈画の䜜成 芁ずなる「思考力刀断力衚珟力等」を実際に䜿うような孊習を行うこずで 成長しおいくものであるずいうこずである。  総合的な孊習の時間においお育成するこずを目指す「思考力刀断力衚珟力 等」を探究の過皋の各段階で敎理するず次のようになる。 探究の過皋における思考力刀断力衚珟力等の深たり 䟋 ①課題の蚭定 ④たずめ ・ 衚珟 ③敎理 ・ 分析 ②情報の収集 より耇雑な問題状況 確かな芋通し仮説 より効率的 ・ 効果的な手段 倚様な方法からの遞択 より深い分析 確かな根拠付け より論理的で効果的な衚珟 内省の深たり 䟋 ■盞手や目的に応じおわか りやすくたずめ衚珟する ■孊習の進め方や仕方を振 り返り孊習や生掻に生 かそうずする など 䟋 ■問題状況における事実や 関係を把握し理解する ■倚様な情報にある特城を 芋付ける ■事象を比范したり関連付 けたりしお課題解決に向 けお考える    など 䟋 ■情報収集の手段を遞択す る ■必芁な情報を収集し蓄 積する など 䟋 ■問題状況の䞭から課題を 発芋し蚭定する ■解決の方法や手順を考え 芋通しをもっお蚈画を立 おる など  こうした「思考力刀断力衚珟力等」はこの探究課題ならばこの力が育た れるずいったような察応関係があるものではなく耇数の単元を通しおさらに は孊幎や孊校段階をたたいで探究の孊習の過皋を繰り返すこずで時間を掛け ながら埐々に育成しおいくものである。  このためそれぞれの過皋で育成される資質・胜力に぀いお児童の発達の段 階や探究的な孊習ぞの習熟の状況その他児童や孊校の実態に応じた蚭定をし おいくこずが重芁である。  䟋えば課題の蚭定に぀いおは孊幎が䞊がり児童の探究的な孊習ぞの習熟 が高たるに぀れお問題状況を単玔なものからより耇雑なものぞずしたり解決 の手順等に぀いお教垫があらかじめ瀺すこずを段々ず少なくし児童自身が芋通 しや仮説を立おるこずに比重を移したりしお質を高めおいくこずが考えられ る。  同じように情報の収集においおは倚様な方法からより効率的・効果的な手 段を遞択できるようにしたり敎理・分析においおはより深く分析したりよ り確かな根拠付けが行われるよう質を高めおいくこずが考えられる。  たずめ・衚珟に぀いおは盞手や目的に応じおより分かりやすく䌝わるよう により論理的で効果的な衚珟を工倫したり孊習を振り返る䞭でより物事や 自分自身に関しお深い気付きずなるよう内省的な考え方が深たるようにしたりし おいくこずが考えられる。
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81  各孊校が定 める内容ず は (3) 孊びに向かう力人間性等   「孊びに向かう力人間性等」は本解説第章で解説したずおり今回の改 蚂では第章第のの(6) のりにおいお 「孊びに向かう力人間性等に぀ いおは自分自身に関するこず及び他者や瀟䌚ずの関わりに関するこずの䞡方の 芖点を螏たえるこず。 」ず瀺した。自分自身に関するこずずしおは䞻䜓性や自 己理解瀟䌚参画などに関わる心情や態床他者や瀟䌚ずの関わりに関するこず ずしおは協働性他者理解瀟䌚貢献などに関わる心情や態床が考えられる。  䞀方自分自身に関するこずず他者や瀟䌚ずの関わりに関するこずずは截然ず 区別されるものではなく䟋えば瀟䌚に参画するこずや瀟䌚ぞの貢献のよう にそれぞれは積極的に瀟䌚参画をしおいこうずいう態床を育むずいう意味に おいおは他者や瀟䌚ずの関わりに関するこずであるが探究的な掻動を通しお孊 んだこずず自己理解ずを結び付けながら自分の将来に぀いお倢や垌望をもずうず するこずは自分自身に関するこずずも深く関わるこずであるず考えるこずもで きる。  重芁なこずは自分自身に関するこずず他者や瀟䌚ずの関わりに関するこずの 二぀のバランスをずり関係を意識するこずである。䞻䜓性ず協働性ずは互いに 圱響し合っおいるものであり自己の理解なくしお他者を深く理解するこずは難 しい。  このように各孊校においお育成を目指す「孊びに向かう力人間性等」を蚭 定するに圓たっおは埓来各孊校が定めるこずずされおきた自分自身に関する こずず他者や瀟䌚ずの関わりに関するこずを参考に䞡者の぀ながりを怜蚎する こずも倧切になる。 自分の意思で目暙をもっお課 題の解決に向けた探究に取り組 もうずする 自他のよさを生かしながら協力 しお問題の解決に向けた探究に 取り組もうずする 探究的な掻動を通しお異なる 意芋や他者の考えを受け入れお 尊重しようずする 探究的な掻動を通しお進んで 実瀟䌚・実生掻の問題の解決に 取り組もうずする 探究的な掻動を通しお自己の 生き方を考え倢や垌望などを もずうずする 探究的な掻動を通しお自分の 生掻を芋盎し自分の特城やよ さを理解しようずする 自分自身に 関するこず 他者や瀟䌚ずの 関わりに関するこず 孊びに向かう力人間性等 䟋将来展望 ・ 瀟䌚参画 䟋䞻䜓性 ・ 協働性 䟋自己理解 ・ 他者理解  総合的な孊習の時間においお育成を目指す「孊びに向かう力人間性等」は 「思考力刀断力衚珟力等」にも増しお様々な孊習掻動を通しお時間を掛 けながらじっくりず逊い育んでいくものず考えるこずができる。すなわち確か に育んでいこうずする心情や態床を孊幎や孊校段階に応じお段階的か぀明確
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82 第章 総合的な孊習 の時間の指導 蚈画の䜜成 に蚭定しようずするこずは難しい。そうした特性を螏たえた䞊で孊幎が䞊がっ たり難易床の高い探究的な孊習を行ったりする䞭で 「孊びに向かう力人間 性等」は䟋えば以䞋のような芖点ず方向性で高たりながらゆっくりず着実 に育んでいくこずが期埅される。  䞀぀はより耇雑な状況や倚様で異なる他者ずの間においおも発揮されるよう になるこずである。䟋えば他者理解ずいう芖点で蚀えば異なる立堎異なる 考え方をも぀盞手のこずを認め理解しようずするこずができるようになるこず であり自己理解に぀いおは様々に困難な状況に挑戊する䞭で自分を客芳的に 芋぀め自分らしさを発揮できるようになるこずなどが考えられる。状況や堎面 が倉わる䞭でもそれらは確かに発揮できるように育成されるこずが期埅され る。  二぀はより自埋的でしかも安定的か぀継続的に発揮されるようになるこず である。自らの意志で自芚的にしかも粘り匷く発揮し続けられるようになるこ ずが期埅される。  䞉぀は 「自分自身に関するこず」  「他者や瀟䌚ずの関わりに関するこず」は 互いに぀ながりのあるものずなり䞡者が䞀䜓ずなった資質・胜力ずしお発揮さ れ育成されるようになるこずである。  このように各孊校においお育成を目指す「孊びに向かう力人間性等」を蚭 定するに圓たっおは孊幎や実斜する探究的な孊習に応じお先に蚘した芖点を 参考にゆるやかな高たりを意識するこずも考えられる。   「孊びに向かう力人間性等」は 「知識及び技胜」や「思考力刀断力衚珟 力等」ず切り離しお育おられるものではない。探究課題に䞻䜓的か぀協働的に取 り組む䞭で様々に思考したり抂念的知識を獲埗したりする䞭でこそ確実に 身に付けおいくこずできるものず考える。  考えるための技法の掻甚  本解説第章で解説したように今回の改蚂では 「探究的な孊習の過皋にお いおは他者ず協働しお問題を解決しようずする孊習掻動や蚀語により分析 したずめたり衚珟したりするなどの孊習掻動が行われるようにするこず。その 際䟋えば比范する分類する関連付けるなどの考えるための技法が掻甚さ れるようにするこず。 」ずした。本項ではこの「考えるための技法」の掻甚に ぀いおその意矩ず具䜓的な䟋を玹介する。
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83  各孊校が定 める内容ず は (1) 考えるための技法を掻甚する意矩  物事を比范したり分類したりするこずや物事を倚面的に捉えたり倚角的に考 えたりするこずは様々な圢で各教科等で育成するこずを目指す資質・胜力やそ のための孊習の過皋に含たれおいる。䟋えば理科においおは電気を通す物ず 通さない物を調べる際に実隓の結果を衚などに分類敎理する。家庭科におい おは食物を私たちの健康における意味・機胜に基づいお分類したりする。特別 掻動孊玚掻動においおは話合いの䞭で児童から出おきた意芋を基に蚘録 を担圓する児童が賛成意芋ず反察意芋に分けお板曞したりする。こうした過皋に おいおは察象や掻動が異なりか぀それぞれの教科等に特有の芋方・考え方も 関わっおいるが察象を䜕らかの性質に基づいお分類し気付きを埗たり理解を 深めたりするずいう思考が行われおいるこずに぀いおは共通しおいる。   「考えるための技法」ずはこの䟋のように考える際に必芁になる情報の凊 理方法を 「比范する」  「分類する」  「関連付ける」のように具䜓化し技法ず しお敎理したものである。総合的な孊習の時間が各教科等を越えお党おの孊習 における基盀ずなる資質・胜力を育成するこずが期埅されおいる䞭でこうした 教科等暪断的な「考えるための技法」に぀いお探究的な過皋の䞭で孊び実際 に掻甚するこずも倧切であるず考えられる。   「考えるための技法」を掻甚するずいうこずは自分が普段無意識のうちに 立っおいた芖点を明確な目的意識の䞋で自芚的に移動するずいう課題解決の戊略 が同じ事物・珟象に察しお別な意味の発芋を促しより本質的な理解や掞察を 埗るずいう孊びである。この共通性に児童が気付き察象や掻動の違いを超え お芖点の移動ずいう「考えるための技法」を身に付けその有効性を感埗し 様々な課題解決においお適切か぀効果的に掻甚できるようになるこずが望たれ る。  ずりわけ他教科等ず異なり総合的な孊習の時間ではどのような「考える ための技法」が課題解決に有効であるのかがあらかじめ芋えおいないこずが倚 い。他教科等の特質に応じお存圚しおいる「考えるための技法」を児童がより汎 甚的なものずしお身に付け実瀟䌚・実生掻の課題解決においお課題の特質に応 じお「考えるための技法」を自圚に掻甚できるようになるには総合的な孊習の 時間においおどのような察象なり堎面のどのような課題解決にどのような 理由でどのような「考えるための技法」が有効なのかを考え実際に詊しう たくいったりいかなかったりする経隓を積むこずが倧切になっおくる。そのため には他教科等で育成を目指す資質・胜力を抌さえそれらずの関連を意識し お総合的な孊習の時間の目暙及び内容の蚭定を工倫するこずが重芁になっおく る。こうした圢で総合的な孊習の時間は教科等暪断的なカリキュラム・マネ
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84 第章 総合的な孊習 の時間の指導 蚈画の䜜成 ゞメントにおいお重芁な圹割を果たしおいくのである。  総合的な孊習の時間においお 「考えるための技法」を掻甚するこずの意矩に ぀いおは倧きく䞉぀の点が考えられる。  䞀぀目は探究の過皋のうち特に「情報の敎理・分析」の過皋における思考 力刀断力衚珟力等を育おるずいう意矩である。情報の敎理・分析においお は集たった情報をどのように凊理するかずいう工倫が必芁になる。 「考えるた めの技法」はこうした分析や工倫を助けるためのものである。  二぀目は協働的な孊習を充実させるずいう意矩である。 「考えるための技 法」を䜿っお情報を敎理分析したものを黒板や玙などに曞くこずによっお可 芖化され児童間で共有しお考えるこずができるようになる。  䞉぀目は総合的な孊習の時間が各教科等を越えた党おの孊習の基盀ずなる 資質・胜力を育成するず同時に各教科等で孊んだ資質・胜力を実際の問題解決 に掻甚したりするずいう特質を生かすずいう意矩である。 「考えるための技法」 を意識的に䜿えるようにするこずによっお各教科等ず総合的な孊習の時間の孊 習を盞互に埀還する意矩が明確になる。 (2) 考えるための技法の䟋ず掻甚の仕方  孊習指導芁領においおは 「考えるための技法」がどのようなものか具䜓的に 列挙しお瀺すこずはしおいない。各孊校においお総合的な孊習の時間だけでな く各教科等においおどのような「思考力刀断力衚珟力等」を逊いたいか ずいうこずを螏たえ぀぀児童の実態に応じお掻甚を図るこずが期埅される。  ここでは孊習指導芁領においお各教科等の目暙や内容の䞭に含たれおいる 思考力刀断力衚珟力等に係る「考えるための技法」に぀ながるものを分析 し抂ね小孊校段階においお掻甚できるず考えられるものを䟋ずしお敎理した。  これらはあくたで䟋瀺であるず同時に挏れなく重なりなく列挙するものでは なく関わり合うものである。䟋えば耇数の察象同士を比范する堎合には䞀 旊共通点のあるもの同士を分類した䞊で比范するこずになる。たた䟋えば最初 は共通点が芋いだせなかった察象同士に぀いおそれぞれを「倚面的に芋お」耇 数の特城を曞き出しおいく䞭で関連付けるこずが可胜になるずいうこずもあ る。なおここでいう察象は具䜓的な物や事象であったり知識や情報であっ たり探究の過皋の䞭で出おくる考えであるこずもある。 ○ 順序付ける ・ 耇数の察象に぀いおある芖点や条件に沿っお察象を䞊び替える。 ○ 比范する ・ 耇数の察象に぀いおある芖点から共通点や盞違点を明らかにする。
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85  各孊校が定 める内容ず は ○ 分類する ・ 耇数の察象に぀いおある芖点から共通点のあるもの同士をたずめる。 ○ 関連付ける ・ 耇数の察象がどのような関係にあるかを芋付ける。 ・ ある察象に関係するものを芋付けお増やしおいく。 ○ 倚面的に芋る・倚角的に芋る ・ 察象のも぀耇数の性質に着目したり察象を異なる耇数の角床から捉え たりする。 ○ 理由付ける原因や根拠を芋付ける ・ 察象の理由や原因根拠を芋付けたり予想したりする。 ○ 芋通す結果を予想する ・ 芋通しを立おる。物事の結果を予想する。 ○ 具䜓化する個別化する分解する ・ 察象に関する䞊䜍抂念・芏則に圓おはたる具䜓䟋を挙げたり察象を構 成する䞋䜍抂念や芁玠に分けたりする。 ○ 抜象化する䞀般化する統合する ・ 察象に関する䞊䜍抂念や法則を挙げたり耇数の察象を䞀぀にたずめた りする。 ○ 構造化する ・ 考えを構造的網構造・局構造などに敎理する。  これらの「考えるための技法」により思考が深たる䞭で児童は䟋えば耇数 の軞で順序付け比范分類ができるようになったりより倚様な関連や様々な 性質に着目できるようになったり察象がも぀本質的な共通点や固有の性質に気 付いたりできるようになるなど 「考えるための技法」を甚いお効果的に思考す るこずができるようになっおいくず考えられる。特に比范したり分類したりす る際にどのような性質等に着目するかずいう芖点の蚭定ができるようになる こずが䞀぀のポむントであるず考えられる。最初は教垫が芖点の䟋䟋えば地 域の文化財を「有圢のもの」  「無圢のもの」で分類するずいう芖点を瀺し぀ ぀児童の習熟の状況に応じお児童自身が詊行錯誀しながら芖点を考えるよう にしおいくずいうこずが考えられる。このようにどのような芖点に着目しお比 范したり分類したりするかを児童が自圚に考えるこずができるようになるずいう こずは総合的な孊習の時間が各教科等の芋方・考え方を総合的に掻甚するも のであるこずず深く関わっおいるず蚀える。  これらの「考えるための技法」を意識的に䜿えるようにするためには児童の
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86 第章 総合的な孊習 の時間の指導 蚈画の䜜成 習熟の状況等を螏たえながら教垫が声掛けをしたり玙などに曞いお可芖化し たりするような掻動を取り入れるこずが有効である。䟋えば 「比范する」や 「分類する」を可芖化する方法ずしおは䟋えば事柄を䞀぀ず぀カヌドや付箋 玙に曞き出し性質の近いものを䞀カ所に集めるずいう手法などがある。共通す る性質を芋いだすこずは「抜象化する」こずに぀ながる。 「分類する」に぀いお は児童の発達の段階や習熟の状況に応じお瞊軞ず暪軞を蚭定しお象限に曞 き蟌んだりするこずも考えられる。たた関連付けるを可芖化する方法ずしお 䟋えばある事柄を䞭倮に眮き関連のある蚀葉を次々に曞き出し線で぀ない でいくずいう方法いわゆるりェビングなどが考えられる。  このように「考えるための技法」を玙の䞊などで可芖化するこずでいわば道 具のように意図的に䜿えるようになる。児童の思考を助けるためにあらかじめ ワヌクシヌトの圢で甚意しおおくこずも考えられる。 「考えるための技法」を可 芖化しお䜿うこずには次のような意矩があるず考えられる。  䞀぀には教科等を越えお児童の思考を助けるこずである。抜象的な情報を 扱うこずが苊手な児童にずっおはそれを曞き出すこずで思考がしやすくなる。 各孊校の䞭で䟋えば「○○小孊校思考ツヌル」ずしお共通のワヌクシヌト等を 掻甚するこずが各教科等における思考力刀断力衚珟力等を育成する䞊でも 有効であるず考えられる。  二぀には協働的な孊習察話的な孊習がしやすくなるずいうこずである。玙 などで可芖化するこずにより耇数の児童で情報の敎理分析を協働しお行いや すくなる。  䞉぀には孊習の振り返りや指導の改善に掻甚できるずいうこずである。䞀人 䞀人の児童の思考の過皋を可芖化するこずによりその堎で教垫が助蚀を行った り児童自身が単元の終わりに探究の過皋を振り返ったりするこずに掻甚でき る。  あわせおこうしたツヌルを掻甚するこず自䜓が目的化しないようにするずい うこずも重芁である。 「考えるための技法」を䜿うこずを児童に促すこずは孊 習の揎助になる䞀方で授業が曞く䜜業を行うこずに終始しおしたったり児童 の自由な発想を劚げるものになっおしたったりするこずもある。掻甚の目的を意 識しなければかえっおねらいを達成できないこずも考えられる。孊習の過皋に おいおどのような意図でどのように䜿甚するかを蚈画的に考える必芁があ る。 「考えるための技法」を甚いお思考を可芖化するずいうこずは蚀語掻動の 䞀぀の圢態であり蚀語掻動の様々な工倫ずあわせお効果的に掻甚するこずが望 たれる。
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87  各孊校が定 める内容ず は  内容の蚭定ず運甚に぀いおの留意点  内容の蚭定においお次のような点に十分配慮しなければならない。それは 内容を児童の興味・関心や必芁感に関わりなく圢匏的に網矅し芁玠的に䞀぀䞀 ぀孊び取らせおいくこずにならないようにするこずでありこの時間の孊習掻動 が教垫による䞀方的な䜓隓や掻動の抌し付け芁玠的な「知識及び技胜」の習 埗のみに終始するこずのないようにしなければならない。  総合的な孊習の時間ではこの時間で取り䞊げられる個々の孊習察象に぀いお 䜕らかの知識を身に付けるこずや課題を解決するこずそのものに䞻たる目的が あるのではない。児童が個々の孊習察象に䞻䜓的に関わる䞭で生じる様々な気付 きや認識の深たり豊かな経隓の広がりを通しお目暙にある資質・胜力が育成 され自己の生き方を考えるこずができるようにするこずを目指しおいる。その ためにも内容の蚭定ず運甚に際しおは次の点に぀いお十分に留意するこず が望たれる。  第に児童にずっお必然性のある孊習掻動の䞭で具䜓的な察象ず関わり䞻 䜓的な課題の解決や探究的な孊習の過皋においお育成を目指す具䜓的な資質・ 胜力を身に付けおいくよう単元の展開や指導の圚り方を工倫するこずが重芁で ある。そうするこずにより 「知識及び技胜」は盞互に関連付けられ瀟䌚の 䞭で生きお働くものずなり 「思考力刀断力衚珟力等」は未知の状況にお いおも掻甚できるものずしお身に付けられるようになり 「孊びに向かう力人 間性等」は孊びを人生や瀟䌚に生かすものずしお涵逊される。このこずは内容 の蚭定ずずもに単元構成や孊習指導の圚り方に関わっおいるこずであり本解 説第章及び第章でも詳しく述べる。  第に内容に぀いおはそれらを確実に取り扱うこずが望たしいこずはもち ろんであるが必芁に応じお目暙の実珟に向けお指導蚈画を柔軟に運甚するこ ずも考えられる。  これは内容の蚭定ず運甚における総合的な孊習の時間ならではの特質であ る。実瀟䌚や実生掻に関わるこずを取り䞊げるに圓たっお蚈画時点ず実斜時点 で様々な事情が倉わるずいうこずは十分に考えられるし孊習掻動の展開におい お児童の興味・関心を重芖するこずや事前の蚈画に必芁以䞊に瞛られない柔軟 で闊達な授業展開個に応じた指導内容の工倫ずいったこの時間の孊習掻動に 顕著な特質もこのこずず深く関係しおいる。  この考えに立぀ならば各孊校においお定めた目暙の実珟が図られる限りにお いお䟋えば同じ孊幎でも孊玚によっお取り扱われる内容に若干の違いが出る こずも十分にあり埗る。たた幎床によっお若干の倉化が生じるこずも孊校の
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88 第章 総合的な孊習 の時間の指導 蚈画の䜜成 刀断ず責任においお蚱容される。こうした措眮を講じる堎合には児童や保護者 等に察しおその趣旚が十分に理解されるよう説明責任ず結果責任を果たす必 芁がある。あわせお個々の孊玚個々の幎床個々人個々の小集団が結果的 に取り組んだ孊習経隓においお著しい偏りや重耇逆転が生じないようにするこ ずは極めお重芁である。  各孊校においおはこの時間の教育掻動が地域や孊校児童の実態等に応じ た創意工倫を生かしたものずなりそれによっおこの時間の目暙が十分に実珟 されるよう以䞊の点にも留意し぀぀適切な実践を行うこずが求められおい る。
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89  党䜓蚈画の 䜜成 第節 党䜓蚈画の䜜成  党䜓蚈画ずは指導蚈画のうち孊校ずしお総合的な孊習の時間の教育掻動 の基本的な圚り方を瀺すものである。今回の改蚂で総合的な孊習の時間の目暙 はその孊校の教育目暙ず盎接぀ながるものである趣旚が瀺されたずころであ る。  具䜓的には各孊校においお定める目暙及び内容に぀いお明蚘するずずも に孊習掻動指導方法指導䜓制孊習の評䟡等に぀いおもその基本的な内 容や方針等を抂括的・構造的に瀺すこずが考えられる。すなわち党䜓蚈画に盛 り蟌むべきものずしおは①必須の芁件ずしお蚘すもの②基本的な内容や方針 等を抂括的に瀺すもの③その他各孊校が自分の孊校の党䜓蚈画を瀺す䞊で必 芁ず考えるものの䞉぀に分けお考えられる。 ① 必須の芁件ずしお蚘すもの ・ 各孊校における教育目暙 ・ 各孊校においお定める目暙 ・ 各孊校においお定める内容目暙を実珟するにふさわしい探究課題探 究課題の解決を通しお育成を目指す具䜓的な資質・胜力 ② 基本的な内容や方針等を抂括的に瀺すもの ・ 孊習掻動 ・ 指導方法 ・ 指導䜓制環境敎備倖郚ずの連携を含む ・ 孊習の評䟡 ③ その他各孊校が党䜓蚈画を瀺す䞊で必芁ず考えるもの。具䜓的には䟋 えば以䞋のような事項等が考えられる。 ・ 幎床の重点・地域の実態・孊校の実態・児童の実態・保護者の願い・地 域の願い・教職員の願い ・ 各教科等ずの関連・地域ずの連携・䞭孊校ずの連携・近隣の小孊校ずの 連携 など  ①に瀺す䞉぀の事項に぀いおは本章で述べおきた通りである。  ②の抂括的に瀺す四぀の事項に぀いおは本解説第章から第章たでを参考 に各孊校ずしおこの時間の教育掻動の基本的な圚り方を瀺すために必芁な内 容や方針に絞っお数点を箇条曞きにするなど簡朔な蚘述ずなるよう工倫する必 芁がある。  参考ずしお蚘述の䞀䟋を以䞋に瀺す。あくたで䞀䟋であり各孊校はこれに
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90 第章 総合的な孊習 の時間の指導 蚈画の䜜成 ずらわれるこずなく児童や孊校地域の実態等に応じお工倫が求められるこず は蚀うたでもない。 孊習掻動 ・ 第孊幎は地域第孊幎は環境第孊幎は犏祉ず健康第孊幎は囜 際理解から探究課題を蚭定する。 ・ 単元は孊幎で開発し䞭孊幎は幎間単元高孊幎は幎間単元皋床 ずする。 ・ 孊玚ごずに幎間テヌマでの取組を基本ずする。 ・ 各孊幎20時間皋床を孊幎合同で残り50時間皋床を孊玚独自で行う単元ず する。 ・ 第孊幎は個別探究による卒業研究を行う。 ・ 蟲業䜓隓は幎間を通しおの垯単元ずしお実斜する。 ・ 10月ず月の発衚䌚を節目ずした単元展開を工倫する。 など 指導方法 ・ 児童の課題意識を連続発展させる支揎 ・ 個に応じた指導の工倫 ・ 諞感芚を駆䜿する䜓隓掻動の重芖 ・ 協働的な孊習掻動の充実 ・ 教科ずの関連的な指導の重芖 ・ 察話を䞭心ずした個別支揎の培底 ・ 蚀語掻動による䜓隓の意味の自芚化 など 指導䜓制 ・ 運営委員䌚における校内の連絡調敎ず支揎䜓制の確立 ・ カリキュラム管理宀を拠点ずした情報の集積ず掻甚 ・ 地域孊校協働掻動掚進員等のコヌディネヌタヌずの連携䜓制 ・ 地域教育力の人材バンクぞの登録ず効果的運甚 ・ ティヌム・ティヌチングの日垞化 ・ ワヌクショップ研修の重芖 ・ 担任以倖の教職員による支揎䜓制の暹立 ・ メディアセンタヌずしおの䜙裕教宀の敎備・充実 など 孊習の評䟡 ・ ポヌトフォリオを掻甚した評䟡の充実 ・ 芳点別孊習状況を把握するための評䟡芏準の蚭定 ・ 個人内評䟡の重芖 ・ 指導ず評䟡の䞀䜓化の充実
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91  党䜓蚈画の 䜜成 ・ 孊期末孊幎末における指導蚈画の評䟡の実斜 ・ 授業分析による孊習指導の評䟡の重芖 ・ 孊校運営協議䌚における教育課皋に察する評䟡の実斜 など  ③のその他各孊校が必芁ず考える事項に぀いおは②の抂括的に瀺す四぀の 事項ず同じくこの時間の教育掻動の基本的な圚り方を瀺すために必芁な内容や 方針に絞っお箇条曞きにするなど簡朔な蚘述ずなるよう工倫する必芁がある。 党䜓蚈画の曞匏に぀いおは孊校ずしおこの時間の教育掻動の基本的な圚り方 を抂括的・構造的に瀺すずいう趣旚から基本的には各芁玠の関係が分かるよう 簡朔に瀺すこずが求められる。たた盛り蟌たれた事項盞互の関係が容易に把握 できるよう蚘述や衚珟を工倫するこずも必芁である。
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92 第章 総合的な孊習の時間 の幎間指導蚈画及び 単元蚈画の䜜成  本章では第章第のの(2) に瀺された指導蚈画を構成する六぀の芁玠の うち䞻に孊習掻動に関する事項に぀いお述べる。本章第節では幎間指導蚈 画及び単元蚈画の基本的な考え方を瀺す。第節では幎間指導蚈画の䜜成に圓 たっおの考え方ず配慮事項第節では単元蚈画の具䜓的な考え方や進め方を 瀺し第節では運甚に際しおの留意事項を瀺す。 第節 幎間指導蚈画及び単元蚈画の基本的な考え方  幎間指導蚈画及び単元蚈画は党䜓蚈画ずは異なり児童が日々取り組む孊習 掻動の指導蚈画である。児童の実態を螏たえ孊校や地域のも぀特色を生かし 珟代的な諞課題に぀ながるなどしお探究的に孊習するための蚈画である。幎間 を通しお䞀぀の単元で構成される堎合においおも耇数の単元で構成される堎合 でも育成を目指す資質・胜力を䞭心に蚈画を立おるこずが倧切である。  幎間指導蚈画ずは幎間の流れの䞭に単元を䜍眮付けお瀺したものであり どのような孊習掻動をどのような時期にどのくらいの時数で実斜するのかな ど幎間を通しおの孊習掻動に関する指導の蚈画を分かりやすく瀺したものであ る。総合的な孊習の時間における幎間指導蚈画は各孊校で䜜成した総合的な孊 習の時間の党䜓蚈画を螏たえ孊幎や孊玚においおその幎床の総合的な孊習の 時間の孊習掻動の芋通しをも぀ために幎間にわたる児童の孊習掻動を構想し お瀺すものである。  単元蚈画ずは課題の解決や探究的な孊習が発展的に繰り返される䞀連の孊習 掻動のたずたりである単元に぀いおの指導蚈画である。単元は目暙を実珟する にふさわしい探究課題及び探究課題の解決を通しお育成を目指す具䜓的な資質・ 胜力をよりどころずしお蚈画され実斜される。  幎間指導蚈画及び単元蚈画の䜜成に圓たっおは前幎床に教育課皋の芋盎しを 行っおおくこずが必芁である。前幎床の孊習掻動の様子ず校内をはじめずする 圓該孊幎の過去の実践事䟋を基に党䜓蚈画を参照し孊習掻動や育成を目指す 資質・胜力の実珟を䞭心に蚈画を立案し芋通しをもっお月を迎えるこずが倧 切である。幎間指導蚈画ず単元蚈画は盞互に関連しおおりその䜜成䜜業の実際 においおは䞡者を垞に芖野に入れそれぞれの蚈画を䜜成するこずが倧切であ る。  実際に児童を目の前にし児童ず話し合いながら総合的な孊習の時間における 第章 総合的な孊習の時間の幎間指導蚈画及び単元蚈画の䜜成
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93  幎間指導蚈画及 び単元蚈画の基 本的な考え方 孊習掻動を決めたいずいう考え方もある。たた月から䞀定の時間を掛けお 児童ず共に孊習掻動の蚈画を立おおいくこず自䜓を重芁な孊習の機䌚ず䜍眮付 け適切に実斜する䞭で資質・胜力を育成しおきた事䟋もある。  こうした堎合においおも前幎床の孊習掻動の様子や校内をはじめずする圓該 孊幎の過去の実践事䟋を基に育成を目指す資質・胜力を䞭心に蚈画を立案し 芋通しをもっお月を迎えるこずが倧切である。䟋えば児童が第孊幎の時点 で興味・関心を抱くこず第孊幎の時点で䞍思議に思うこずなどがあるのも事 実である。たた実際に指導する児童に぀いお前の孊幎での孊習掻動や取組の 様子を事前に把握するこずもできる。  先に䟋瀺した児童ずずもに孊習掻動を蚈画しおきた孊校でも実際には指導 する教垫が蚈画を䜜成し十分な芋通しをもっお児童ず向かい合っおいる。そう であるからこそ児童の自発的な意芋亀換の䞭から成果が期埅できる孊習掻動 を生み出せるのである。各孊校においおは呚到な蚈画や十分な芋通しをも぀こ ずで目の前の児童の思いや願いに䞁寧か぀迅速に察応できる。
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94 第章 総合的な孊習の時間 の幎間指導蚈画及び 単元蚈画の䜜成 第節 幎間指導蚈画の䜜成  幎間指導蚈画の圚り方  幎間指導蚈画は孊幎の始たる月から翌幎月たでの幎間における児童の 孊びの倉容を想定し時間の流れに沿っお具䜓的な孊習掻動を構想し単元を配 列したものである。幎間指導蚈画における単元の配列には幎間を通しお䞀぀ の単元を行う堎合や耇数の単元を行う堎合などがある。いずれにおいおも孊 習掻動や児童の意識が連続し発展するように配列するこずが倧切である。  特に今回の改蚂により第章第のの(1) においお 「幎間や単元な ど内容や時間のたずたりを芋通しおその䞭で育む資質・胜力の育成に向けお 児童の䞻䜓的・察話的で深い孊びの実珟を図るようにするこず。その際児童や 孊校地域の実態等に応じお児童が探究的な芋方・考え方を働かせ教科等の 枠を超えた暪断的・総合的な孊習や児童の興味・関心等に基づく孊習を行うなど 創意工倫を生かした教育掻動の充実を図るこず。 」ずされたこずを螏たえるこず が重芁である。ここで各教科等ず異なり単元の芋通しだけでなく幎間ずいう芖 点が入れられおいるのは他の教科等ずの関連を意識しお䞻䜓的・察話的で深い 孊びの実珟を図るためには幎間を芋通すずいうこずが倧倉重芁であるずいう 総合的な孊習の特質を螏たえたものである。  幎間指導蚈画に蚘茉される䞻たる芁玠ずしおは単元名各単元における䞻な 孊習掻動掻動時期予定時数などが考えられる。さらに各孊校が実斜する教 育掻動の特質に応じお必芁な芁玠を盛り蟌み掻甚しやすい様匏に工倫するこず が考えられる。䟋えば他の教科等や他孊幎ずの関連を瀺す衚を䜜成し共有す るこずは党校䜓制でこの時間の孊習掻動を適切に行うための共通理解を図り 連携を図るこずができる。  幎間の孊習掻動の展開を構想する際には地域や孊校の特色に加えお各孊 校においお積み重ねおきた実践を振り返りその成果を生かすこずで事前に準 備を進めるこずができる。これたでの掻動に぀いお実斜時期は適切であった か時数の配圓に過䞍足はないかなどに぀いお育成を目指す資質・胜力を䞭 心に児童の孊習状況等を適切に把握しながら必芁に応じた蚈画の芋盎しを適宜 行うこずが考えられる。  䜜成及び実斜䞊の配慮事項  以䞋幎間指導蚈画の䜜成及び実斜に圓たっお留意すべき四぀の点に぀いお述
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95  幎間指導蚈 画の䜜成 べる。 (1) 児童の孊習経隓に配慮するこず  幎間指導蚈画を䜜成するに圓たっおは圓該孊幎たでの児童の孊習経隓やその 経隓から埗られた成果に぀いお事前に把握しその経隓や成果を生かしながら幎 間指導蚈画を立おる必芁がある。総合的な孊習の時間に初めお取り組む第孊幎 の堎合は生掻科など䜎孊幎における孊習経隓に぀いお把握するずずもに生掻 科等の孊習掻動ずこれから行う総合的な孊習の時間の孊習掻動の関連性に぀いお もあらかじめ確認しおおくこずが倧切である。  䟋えば第孊幎で高霢者犏祉斜蚭を蚪問しそれを契機に高霢者ずの継続的 な亀流掻動を行う際には生掻科で地域の高霢者から昔の遊びを教わる掻動の䞭 で䜕を経隓し䜕を孊んでいるかを確認し新たな孊習掻動の出発点ずしお指 導蚈画を構想しおいくこずなどが考えられる。このように類䌌の掻動を繰り返す 堎合には孊ぶこずが期埅される内容が圓該孊幎の児童に合臎しおいるか繰り 返し取り組むこずによる孊習の質的な高たりがあるかなどに぀いお十分な怜蚎 を行うこずが必芁である。  たた発達段階に応じた経隓の有無が埌の孊習掻動の成吊を巊右するこずも あり泚意を芁する。䟋えば留孊生ずの亀流掻動を段階的な積み䞊げがない たた高孊幎で実斜しようずしおも児童が粟神的なバリアを匵っおしたいうた く展開できないこずがある。それたでにどのような亀流の経隓を積み重ねおおく かに十分配慮しなければならない。たた䜓隓の積み重ねが䞍足しおいる堎合に はその状況に応じた掻動ずなるよう配慮するこずが必芁である。 (2) 季節や行事など適切な掻動時期を生かすこず  幎間指導蚈画の䜜成においおは幎間の季節や行事の流れを生かすこずが重 芁である。季節の倉化地域や校内の行事等に぀いお時期ず内容の䞡面から 総合的な孊習の時間の展開に生かしたり関連付けたりするこずができるのかを あらかじめ怜蚎するこずが倧切である。  地域の䌝統行事や季節の倉化動怍物ずの関わりなど孊習掻動が特定の時期 に集䞭するこずで効果が高たったり適切な時期を逃しおしたうこずで効果が薄 くなったりするこずがある。  䟋えば地域の䌝統行事が開催される日皋やそれに関わる関係者の準備等の掻 動の展開を把握しおおくこずで児童が行事等を参芳したりするだけでなく行 事の準備をする地域の人々に話を聞いたり準備に関わるこずで行事の背景や地 域の人の思いや願いに぀いお盎接觊れたり感じたりするこずができる。たた
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96 第章 総合的な孊習の時間 の幎間指導蚈画及び 単元蚈画の䜜成 その準備や行事に参加するなどの孊習掻動を蚭定するずいったこずができる。児 童が䞻䜓的に行事に参加できたり地域や行事ず自分たちずの関わりを知ったり するこずで参加ぞの意欲や孊習の質を高めるこずができる。  生産掻動を䞭心ずした課題の解決や探究的な孊習を展開する際にも同様のこず が考えられる。䟋えばブドり栜培の盛んな地域では梅雚に入る前に栜培した ブドりに雚があたらないよう保護甚の袋をかける。難しい䜜業の倚いブドり栜培 の䞭では比范的単玔な䜜業でありこのような時期を捉え児童が蟲䜜業の手䌝 いを申し出るこずで実際の䜜業を䜓隓するこずができブドり栜培に深く関わ るこずが可胜ずなる。たた䜜業をしながら蟲家の人に話を聞くこずで蟲家の 人がブドり栜培にかける思いブドり蟲家の幎の暮らしなどを共感的に理解す るこずができる。 (3) 各教科等ずの関連を明らかにするこず  第章第のの(3) に瀺したずおり幎間指導蚈画の䜜成に圓たっおは各 教科等ずの関連的な指導を行うこずが求められおいる。たた関連的な指導は 各教科道埳科倖囜語掻動総合的な孊習の時間及び特別掻動の党おにおいお 倧切にしおいるが暪断的・総合的な孊習を行う芳点から総合的な孊習の時間 においお最も数倚く幅広く行われるこずが予想される。こうした特性を螏たえ お第章第のの(3) に各教科等ずの関連付けを明蚘しこの時間においお 特に重芖しおいる。  具䜓的には各教科等で身に付けた資質・胜力を十分に把握し組織し盎し 改めお珟実の生掻に関わる孊習においお掻甚されるこずが期埅されおいる。そう した資質・胜力を適切に掻甚するこずが総合的な孊習の時間における探究的な 孊習掻動を充実させるこずに぀ながる。  䟋えば瀟䌚科の資料掻甚の方法を生かしお情報を収集したり算数科のデヌ タの掻甚での孊びを生かしお情報を敎理したり囜語科で孊習した文章の曞き方 を生かしお分かりやすいレポヌトを䜜成したりするこずなどが考えられる。た た理科で孊んだ生物ず環境の孊習を生かしお地域に生息する生き物の生育環 境を考えるこずなども考えられる。このように各教科等で孊んだこずを総合的な 孊習の時間に生かすこずで児童の孊習は䞀局の深たりず広がりを芋せる。  総合的な孊習の時間で行われた孊習掻動によっお各教科等での孊習のきっか けが生たれ意欲的に孊習を進めるようになったり各教科等で孊習しおいるこず の意味やよさが実感されるようになったりするこずも考えられる。䟋えば総合 的な孊習の時間で行った䜓隓掻動を生かしお囜語科の時間に案内状や埡瀌状を曞 くなど総合的な孊習の時間での䜓隓掻動が各教科等における孊習の玠材ずなる
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97  幎間指導蚈 画の䜜成 こずも考えられる。たた総合的な孊習の時間で食や健康に関心をもった児童 は家庭科における栄逊を考えた食事や快適な䜏たい方の孊習に前向きに取り組 む姿が想像できる。たた䜓育科における保健の孊習でも総合的な孊習の時間で 犏祉・健康に぀いお孊んだこずの成果を生かしお孊習に深たりず広がりを生み 出すこずが期埅できる。  䞋蚘のように各教科等ずの関連を明瀺した曞匏を工倫するこずも考えられ る。䟋えば孊幎の党教育掻動を芖野に入れるこずができるように総合的な孊 習の時間における単元ず各教科等の単元を配眮するこずに加え盞互の関連を 線で結べば幎間の流れの䞭で各教科等ずの関連を芋通した幎間指導蚈画単 元配列衚を䜜成するこずができる。  特に単元名や孊習掻動だけでなく育成を目指す資質・胜力が蚘されそれ らが盞互に関連するこずが瀺されればそれぞれの孊習掻動は䞀局充実し資 質・胜力が確かに育成される。総合的な孊習の時間においお各教科等で育成さ れた資質・胜力が発揮されたり逆に総合的な孊習の時間で育成された資質・胜 力が各教科等の孊習掻動で掻甚されたりずいったこずを児童が経隓するこずに よっお身に付けた資質・胜力は汎甚的な資質・胜力ずしお育成される。 総合的な孊習の時間ず各教科等の単元を関連付けた幎間指導蚈画䟋 (4) 倖郚の教育資源の掻甚及び異校皮ずの連携や亀流を意識するこず  総合的な孊習の時間を効果的に実践するには保護者や地域の人専門家など の倚様な人々の協力瀟䌚教育斜蚭や瀟䌚教育団䜓等の斜蚭・蚭備など様々な 教育資源を掻甚するこずが倧切である。このこずは第章第のの(7) に瀺 した通りである。幎間指導蚈画の䞭に児童の孊習掻動を支揎しおくれる団䜓や個 人を想定し孊習掻動の深たり具合に合わせおい぀でも連携・協力を求められる
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98 第章 総合的な孊習の時間 の幎間指導蚈画及び 単元蚈画の䜜成 よう日頃から関係づくりをしおおくこずが望たれる。孊校倖の教育資源の掻甚 はこの時間の孊習掻動を䞀局充実したものにしおくれるからである。  たた総合的な孊習の時間の幎間指導蚈画の䞭に幌皚園認定こども園保 育所䞭孊校や特別支揎孊校等ずの連携や幌児・児童・生埒が盎接的な亀流を 行う単元を構成するこずも考えられる。異校皮ずの連携や亀流掻動を行う際に は児童にずっお亀流を行う必芁感や必然性があるこず亀流を行う盞手にも教 育的な䟡倀のある互恵的な関係であるこずなどに十分配慮しなければならない。 教垫保育者が互いに目的をもっお蚈画的・組織的に進めるこずが倧切である。  なお孊校倖の倚様な人々の協力を埗たり異校皮ずの連携や亀流掻動を䜍眮 付けたりしお孊習掻動を充実させるには綿密な打合せを行うこずが䞍可欠であ る。そのための適切な時間や機䌚の確保は充実した孊習掻動を実斜する䞊で配 慮すべき事項である。
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99  単元蚈画の 䜜成 第節 単元蚈画の䜜成  単元蚈画の基本的な考え方  単元ずは課題の解決や探究的な孊習掻動が発展的に繰り返される䞀連の孊習 掻動のたずたりずいう意味である。単元蚈画の䜜成ずは教垫が意図やねらいを もっおこのたずたりを適切に生み出そうずする䜜業にほかならない。単元づく りは教垫の自埋的で創造的な営みである。孊校ずしお既に十分な実践経隓が蓄 積され毎幎実斜する䟡倀のある単元蚈画が存圚する堎合でも改めお目の前の 児童の実態に即しお単元づくりを行う必芁がある。  単元蚈画を立おるに圓たっおは今回の改蚂により第章第のの(1) に おいお「幎間や単元など内容や時間のたずたりを芋通しおその䞭で育む資 質・胜力の育成に向けお児童の䞻䜓的・察話的で深い孊びの実珟を図るように するこず。その際児童や孊校地域の実態等に応じお児童が探究的な芋方・ 考え方を働かせ教科等の枠を超えた暪断的・総合的な孊習や児童の興味・関心 等に基づく孊習を行うなど創意工倫を生かした教育掻動の充実を図るこず。 」ず されたこずを螏たえるこずが重芁である。  総合的な孊習の時間の孊習掻動に぀いおは探究的な孊習であるこずを重芁な 芁件の䞀぀ずしおいる。したがっお総合的な孊習の時間では児童にずっお意 味のある課題の解決や探究的な孊習掻動のたずたりずなるように単元を蚈画する こずが倧切である。児童は自分を取り巻く人ものこずに぀いお様々な興 味・関心を抱いおいる。教垫はその䞭から教育的に芋お䟡倀のあるものを捉 えそれを適切に生かしお孊習掻動を組織する。孊習掻動の展開においおは育 成を目指す資質・胜力が育成されるように児童が自ら課題を解決する過皋を想 定しお単元の蚈画を立おる。  このようにしお生み出された単元は児童の興味・関心をよりどころずするた め児童の掻動ぞの意欲は高い。たたそこでの孊習も真剣なものずなりやす く孊んだ内容も生きお働くものずなるこずが倚い。その䞀方で児童が䞻䜓的 に進める掻動の展開においおは教垫が意図した内容を児童が自ら孊んでいくよ うに単元を構成する点に難しさがある。この点がうたくいかないず単なる䜓隓 や掻動に終始しおしたう堎合もある。いわゆる「掻動あっお孊びなし」ずはこ のような状況に陥った実践を批刀した衚珟である。  総合的な孊習の時間の単元蚈画に際しおは次の二぀の重芁なポむントがあ る。䞀぀は児童による䞻䜓的で粘り匷い課題の解決や探究的な孊習掻動を生み 出すには児童の興味や疑問を重芖し適切に取り扱うこずである。もう䞀぀
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100 第章 総合的な孊習の時間 の幎間指導蚈画及び 単元蚈画の䜜成 は課題の解決や探究的な孊習掻動の展開においおいかにしお教垫が意図した 孊習を効果的に生み出しおいくかである。  以䞋この二぀のポむントに沿っお単元蚈画を䜜成する際の芁点を解説する。 (1) 児童の関心や疑問を生かした単元の構想  総合的な孊習の時間では児童の関心や疑問が単元の源であり単元蚈画を䜜 成する際の出発点でもある。では児童の関心や疑問をどのように捉え単元蚈 画に぀なげおいけばよいか。そこには䞉぀の留意すべき点がある。  第に児童の関心や疑問はその党おを本人が意識しおいるずは限らず無 意識の䞭に存圚しおいる郚分も倚いず捉えるこずである。  䞻䜓的で粘り匷い課題の解決や探究的な孊習掻動を生み出すにはその出発点 である児童の関心や疑問が本人にずっお切実なものであるこずが重芁である。し かし䜕が自分にずっおの関心や疑問であるか児童が十分に自芚できおいな かったり適切に蚀語化できおいなかったりするこずも倚い。興味・関心をもっ おいるこず取り組んでみたいこずなどに぀いお児童が話したこずや曞いたこ ずのみを頌りに単元を蚈画しおもうたくいかないのはこのためである。  単元の蚈画に際しおは児童の関心や疑問は䜕かを䞁寧に芋取り把握するこ ずが求められる。具䜓的には日垞生掻の䞭での語りや぀ぶやき日蚘やその他 の日垞生掻の蚘録保護者から寄せられた児童の様子など児童の関心や疑問が うかがえる各皮の資料を収集し粟査するこずが考えられる。あるいは䌑み時 間や絊食の時間など日垞の䜕げない機䌚を捉え児童ず䞁寧に䌚話する機䌚を 蚭ける工倫なども有効である。䌚話の䞭で自分の考えや思いを語り無自芚だっ た関心や疑問を児童自身が自芚するこずもある。  第に児童の関心や疑問ずは児童の内に閉ざされた固定的なものではな く環境ずの盞互䜜甚の䞭で生たれ倉化するものず捉えるこずである。今珟 圚児童が抱いおいる関心や疑問は過去や珟圚における児童を取り巻く環境ず の盞互䜜甚の䞭で生たれおきたものである。そしお今埌も様々な盞互䜜甚を通 しお倉化しおいく。  このように考えるず事前に児童が抱いおいる関心や疑問だけで単元蚈画を構 想する必芁はない。教垫の働きかけなどにより新たな関心や疑問が芜生える可 胜性も十分あるからである。そうやっお新たに生たれた関心や疑問をよりどころ に掻動を組織し単元を生み出すこずも含めお考えるこずで単元蚈画の遞択肢 は広がる。  䟋えば䜓隓を通しお児童に新たな関心や疑問が生じるこずは十分考えられる しそれを意図しお特定の䜓隓を蚭定するこずは教垫の意図的で蚈画的な指導
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101  単元蚈画の 䜜成 の䞀環である。あるいはもっず盎接的に「こんなこずをしおはどうだろう」ず 具䜓的な掻動を提案しおもよい。児童だけでは思い付かないが教垫に提案され れば是非ずもやっおみたいず思う掻動もあり埗る。  第に児童にずっお切実な関心や疑問であれば䜕を取り䞊げおもよいずいう わけではなく総合的な孊習の時間においお䟡倀ある孊習に結び付く芋蟌みのあ るものを取り䞊げ単元を蚈画するこずである。  教垫が遞択しお取り䞊げるずいう点に぀いお児童の関心や疑問に十分に応え るこずにならないのではないかずの疑念をも぀かもしれない。しかし総合的 な孊習の時間においお児童の関心や疑問を倧切にしそれをよりどころずしお 孊習掻動を生み出すのはその先で䟡倀ある孊習を実珟するためである。そのた めには䜕でもよいずいうわけにはいかない。  たた児童の興味・関心は䞀぀ではない。第の留意点で述べた通り尋ねれ ば児童は䞀぀の関心事を挙げるかもしれないがそれが唯䞀の関心でも興味の 党おでもない。今珟圚児童が興味をも぀こずや関心を寄せるものなどはたくさ んありさらに呚囲の環境ずの盞互䜜甚の䞭で新たな関心や疑問は生たれおくる ものである。倧切なのは教垫が教育的な意図で遞択しお取り䞊げたものが児 童にずっおの関心や疑問に぀ながっおいるこずである。 (2) 意図した孊習を効果的に生み出す単元の構成  児童の関心や疑問を源ずする児童䞻䜓の孊習掻動の䞭でいかにすれば教垫が 意図する孊習を効果的に生み出し資質・胜力を育成するこずができるかに぀い お以䞋に述べる。  たずその関心や疑問から児童はどのような掻動を求め展開しおいくだろ うかず考える。そしお掻動の展開においお出䌚う様々な問題堎面ずその解 決を目指しお児童が行う課題の解決や探究的な孊習掻動の様盞さらにそれぞれ の孊習掻動を通しお児童が孊ぶであろう内容に぀いお考えられる可胜性をでき るだけ倚面的網矅的に予枬する。もちろんその際には各孊校で定めた目暙や 内容ずの照らし合わせを行う。  䟋えば「孊校の池をビオトヌプにしよう」ずいう単元を考えおみる。理科の孊 習をきっかけに飌育しおいるメダカが増え氎槜では飌いきれなくなったずき 児童は池に攟そうず考える。しかし池の実態を調査しおみるずその池があたり メダカにずっおよい環境でないずいうこずぞの気付きから池を䜕ずかしたい メダカのためによい環境の池を䜜りたいず願う。この問題堎面における児童の情 意がこの埌の意欲的な探究的な孊習掻動に぀ながる。  池の構造やそこに生息する動怍物を調査しメダカの生態を軞に生き物にずっ
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102 第章 総合的な孊習の時間 の幎間指導蚈画及び 単元蚈画の䜜成 お䜏みよい環境を考える䞭で児童は生呜の尊さや昔のたちの環境生態系ずは 䜕か日垞の䞭に朜む環境の問題等に気付く。その際か぀おのたちの自然環境 や怍生を調べる掻動の䞭でむンタビュヌや調査掻動を行うこずを通じお様々な 䞖代の人や関係機関ず぀ながり様々な人ず適切にコミュニケヌションする力が 求められる。その䞭でたちの人の優しさや思いに觊れたちぞの愛着ず地域の 䞀員ずしおの自芚を深めおいくであろう。  そしお池をビオトヌプにするこずがメダカにずっおはよい環境に違いないず仮 説を立お池をビオトヌプ化する蚈画を立お始める。そもそもビオトヌプずは䜕 かどのように䜜り管理するのかずいう調査や研究が始たる。図曞やむンタヌ ネット等の情報を収集し敎理・分析を行う。䞀般的なビオトヌプに぀いおの知 識や䜜り方に぀いおは理解が進むがそれだけでは孊校にある池を実際にどのよ うに改造できるのか分からず専門的な知識や経隓をもった人を求めるようにな る。専門家に巡り合い繰り返し自分たちの考えや蚭蚈に぀いお話を聞いたりア ドバむスをもらったりする䞭でその人の自然に察する考え方や生き方に觊れ それたで以䞊に深く考えながらビオトヌプ䜜りに没頭しおいく。  本気になっお本物のビオトヌプを䜜ろうず考える児童は倢が膚らむ䞀方で児 童の力ではやりきれない珟実の問題に出䌚う。ここで教垫はかねおからアンテナ を広げ関わっおいた行政やNPOボランティア団䜓等児童の掻動を支揎しお くれる瀟䌚資源を掻甚し児童の必芁感ず掻動の必然性に乗せおタむミングよく 出䌚わせたい。そのずき埗られるさたざたな芖点や立堎からの支揎は䞀぀のこ ずを通しお瀟䌚が぀ながっおいるずいう瀟䌚構造の䞀端に気付くこずになり自 分たちが生きおいく䞊で人や瀟䌚ず぀ながり関わるこずのよさず心匷さを実感 するこずになる。  たたこの先ビオトヌプを持続的・発展的に管理しおいくためには圚校生を はじめ地域や保護者の理解ず協力を埗るこずが必芁ず考えおビオトヌプに぀いお の説明䌚を開くこずになる。いかに分かりやすくしかもその重芁性を的確に䌝 えるこずが倧切かずいう切実感は発衚の工倫を生み児童の思考力や衚珟力は曎 に高められるこずになる。  このように児童の目線で䞁寧に単元を構想する䞭で各孊校が蚭定した目暙及 び内容が確かに実珟するかどうかを刀断しおいかなければならない。特に教 垫はどこでどのような意図的な働きかけをする必芁があるのかたたその際に留 意すべき事柄は䜕かなども具䜓的に明らかにすべきである。  なお先の䟋からも分かるように単元を構成するに圓たっおは次の点に 留意するこずが倧切である。  䞀぀は孊習の展開における児童の意識や掻動の向かう方向を的確に予枬する
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103  単元蚈画の 䜜成 こずである。そのための方策ずしおはたず児童の立堎で考えるこず。次に 耇数の教垫で予枬を行い意芋が異なった点に぀いおは慎重に怜蚎するこず。た たタむプの異なる児童を想定し 「この児童であればこの堎面ではこう考える のではないか」などず可胜な限り具䜓に即しお䞁寧に予枬するこずなどが考 えられる。  もう䞀぀は十分な教材研究である。先の䟋で蚀えばビオトヌプの抂念やそ の実珟性掻動を支揎しおくれそうな専門家や関連機関などに぀いお教垫が十分 に把握しおいなければ掻動堎面における孊習の可胜性に気付くこずは難しい。  なお総合的な孊習の時間においおは児童にずっお意味のある課題の解決や 探究的な孊習掻動のたずたりを基に単元を構成するためその掻動の過皋におい お取り扱う内容は䞀぀ずは限らない。䞀぀の単元の䞭で耇数の内容が芋蟌たれる こずも考えられる。  したがっお教材研究においおもできるだけ幅広く拡散的に思考を巡らせ おいくこずが重芁である。  ビオトヌプの教材ずしおの広がりを想定した図のように特定の玠材から広が る掻動や察象をできるだけ幅広く拡散的に探玢する手法を甚いるこずが有効な のはこのためである。 研究する 飌育・栜培する ○○小のビオトヌプ 絶滅危惧皮 倖 来 皮 氎 ・ 土 亀流する 掻動や察象の結び付き 発展的な結び付き 察 象 掻 動 拡散的に探玢する手法の䟋 地域の圚来皮 たちの怍生 垂怍物園 たちの景芳 芳察する 蚘録する 黒メダカ ヘラオモダカ アサザ・ガマ ホトケドゞョり ビオトヌプ通信発行 ホヌムペヌゞ䜜成 関わる 資 金 倖界ずの぀ながり 孊校ビオトヌプ 孊校の仲間 発信する ビオトヌプ 造 る 改良する 管理する 生物・怍物  行 政 工堎のビオトヌプ 芳察池 ビオトヌプ アドバむザヌ ビオトヌプ管理士 たちの人 ○○川ずの぀ながり ○○川の良さず問題 生 態 系
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104 第章 総合的な孊習の時間 の幎間指導蚈画及び 単元蚈画の䜜成  単元蚈画ずしおの孊習指導案  先に蚘した単元の蚈画を具䜓的に衚珟するには䟋えば次に瀺す項目を孊習 指導案に䜍眮付けるこずが考えられる。以䞋にその項目を蚘す。 ① 単元名  総合的な孊習の時間においおどのような孊習が展開されるかを䞀蚀で端的に 衚珟したものが単元名である。総合的な孊習の時間の単元名に぀いおは䟋え ば次の点に配慮するこずが倧切である。䞀぀目は児童の孊習の姿が具䜓的に むメヌゞできる単元名にするこずである。二぀目は孊習の高たりや目的が瀺唆 できるようにするこずである。 ② 単元目暙  どのような孊習を通しお児童にどのような資質・胜力を育成するこずを目指 すのかを明確に瀺したものが単元目暙である。各孊校の目暙や内容を芖野に入 れ䞭栞ずなる孊習掻動を基に構成するこずが考えられる。なお目暙の衚蚘に ぀いおは䞀文で瀺す堎合箇条曞きにする堎合などが考えられる。 ③ 児童の実態  単元を構想し構成する際には児童の実態を明確に把握する必芁がある。特 に目暙を実珟するにふさわしい探究課題探究課題の解決を通しお育成を目指 す具䜓的な資質・胜力に぀いおどのような実態であるかを把握しおおくこずが 欠かせない。たた䞭栞ずなる孊習掻動に぀いおどのような経隓をもっおいる のかも明らかにする必芁がある。 ④ 教材に぀いお  教材ずは児童の孊習を動機付け方向付け支える孊習の玠材のこずであ る。単元蚈画の䞭に教材に぀いお蚘すに圓たっおは教材の玹介にずどたらず 児童がその教材に出䌚うこずによっお孊ぶ孊習事項に぀いお分析し教材のどこ に䟡倀があるのかを具䜓的に蚘すこずが倧切である。 ⑀ 単元の展開  単元の展開では目暙を実珟するにふさわしい探究課題探究課題の解決を通 しお育成を目指す具䜓的な資質・胜力児童の興味・関心を基に䞭栞ずなる孊習 掻動を蚭定する。  単元の孊習を通しおどのような抂念的な知識を児童に獲埗しおほしいのか どのような思考力刀断力衚珟力等や孊びに向かう力人間性等の䌞長を期埅 しおいるのかを明確にし児童の興味・関心から始たる孊習掻動の連続が探究 的な孊習掻動ずなるよう単元を構想しなければならない。この段階では具䜓的
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105  単元蚈画の 䜜成 な時数や孊習環境なども芖野に入れ単元の展開を具䜓化するこずが求められ る。
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106 第章 総合的な孊習の時間 の幎間指導蚈画及び 単元蚈画の䜜成 第節 幎間指導蚈画・単元蚈画の運甚  幎間指導蚈画及び単元蚈画の運甚に圓たっおは幎床圓初に立おた蚈画も孊 習掻動の展開や児童の取組や願いを随時把握し育成を目指す資質・胜力ず照ら し合わせながら必芁に応じお適宜芋盎しおいく柔軟か぀匟力的な姿勢をも぀こ ずが倧事である。  総合的な孊習の時間ではいかに呚到に単元蚈画を䜜成しおも教垫が想定し た以䞊の児童らしい発想や远究の姿が芋られるこずがある。たた児童の探究の 方向性や課題の捉え方に教垫の想定ずのずれが生じお蚈画通りに展開しない堎 合や育成を目指す資質・胜力の高たりが芋られない堎合がある。あるいは児童 の取組や思考が停滞しお次の段階ぞ進むこずが困難になるこずもある。  そこで児童の探究の様子や意識の流れ等を垞に捉え圓初䜜成した幎間指導 蚈画や単元蚈画を芋盎し修正をしおいくこずが必芁になる。  䟋えばたちの環境問題を調べお癜曞にたずめ区圹所や垂の環境センタヌに 眮いおもらうこずで環境問題を蚎えるずいう単元に぀いお考える。圓初倧気 汚染の状況調査や川の氎質調査ごみ凊理の問題などに取り組み始めた児童 はその掻動に没頭する。しかし児童は環境問題ぞの取組ずいうゎヌルの芋え ない掻動に疑問を感じ始め癜曞にたずめたずころでそれが実際の問題解決に぀ ながるのかず考えるようになる。  ここで教垫はたず単元蚈画を芋盎し掻動のゎヌルを癜曞の䜜成ではなく それたでの掻動や䜓隓を通しおたちの人に盎接に蚎え児童がたちの人の反応や 掻動の達成感をより味わえる掻動にしようず単元蚈画を修正する。児童は話合い の䞭で環境問題を起こすのも解決するのも私たち人間であるから人々の心を 少しず぀でも倉えおいくこずが自分たちにできるこずであるず結論を出し方 法ずしお劇を通しおの蚎えを行っおいこうず決める。そしお劇団を䜜り自分たち の䜓隓を基に脚本を䜜ったりプロの挔出家に指導を受けたりしながら劇を通 しお人の心を倉えるこずで環境問題に向き合っおいく。䜓隓に基づいた脚本や たちの環境をよくしたいずいう切実な思い溢れる挔技は質の高い劇を創り出 したちの公民通や垂の環境セミナヌなどで繰り返し䞊挔を行っおいくこずにな る。  このように掻動䞭の児童の疑問や問題意識をきちんず぀かみ改めお単元蚈 画を芋盎す䞭で育成を目指す資質・胜力の高たりを捉えながら適宜孊習掻動 の充実を図るこずが倧切である。  次にこのような単元の流れをしっかりず蚘録し幎間指導蚈画を修正しなが ら孊校党䜓で共有するこずで次幎床以降の単元づくりに倚くの瀺唆を䞎えるこ
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107  幎間指導蚈 画・単元蚈 画の運甚 ずになる。  たた単元蚈画の倉曎に䌎い授業時間の面でも匟力的な運甚が求められる。  総合的な孊習の時間ではその目暙を実珟するためには児童の孊習掻動が䞻䜓 的に連続しおいくように適宜可胜な指導や支揎を想定し授業を実斜する。 ぀たり児童の思考や掻動がなるべく䞭断されずに自己の孊びを振り返るこずが できるような探究的な孊習掻動の区切りを芋極めおいく必芁がある。そのために は単䜍時間の蚭定においおはその掻動目的に応じお単䜍時間の匟力化が求め られる。  ほかにも掻動の目的や方法内容が倉曎された堎合には幎間指導蚈画を芋盎 し改めお関連する教科等の内容が無いかを怜蚎し児童の孊びの必芁感や必然 性に基づいお䜍眮付けたり新たに児童の思考や掻動を深める専門家や関連機関 等ずの連携も芖野に入れお教材研究し盎したりするこずが必芁になる。
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108 第章 総合的な孊 習の時間の 孊習指導  本章では総合的な孊習の時間においおどのような孊習指導を行うこずが求 められおいるのかを蚘しおいく。たず本章第節では孊習指導の基本的な考 え方を「児童の䞻䜓性の重芖」  「適切な指導の圚り方」  「具䜓的で発展的な教 材」の䞉぀から蚘述しおいく。そしお本章第節では総合的な孊習の時間に おける「䞻䜓的・察話的で深い孊び」に぀いお述べる。さらに本章第節で はこれらの考え方を受け孊習指導の際のポむントを「探究的な孊習の過皋」 に沿っお具䜓的に解説しおいく。 第節 孊習指導の基本的な考え方  児童の䞻䜓性の重芖  総合的な孊習の時間の孊習指導の第の基本は孊び手ずしおの児童の有胜さ を匕き出し児童の発想を倧切にし育おる䞻䜓的創造的な孊習掻動を展開す るこずである。  児童は本来知的奜奇心に富み自ら課題を芋付け自ら孊ぶ意欲をもった存 圚である。児童は具䜓的な事実に盎面したり様々な情報を埗たりする䞭で察 象に匷い興味や関心をも぀。たた実際に䜓隓したり調査したりしお繰り返し 察象に働きかけるこずで察象ぞの思いを膚らたせおいく。  さらに児童は未知の䞖界を自らの力で切り開く可胜性を秘めた存圚である。 興味ある事象に぀いおの孊習掻動に取り組む児童は玍埗するたで課題を远究 し本気になっお考え続ける。この孊習の過皋においお児童はよりよく課題を 解決し自己の生き方を考えおいくための資質・胜力を育んでいく。  こうした児童がも぀本来の力を匕き出しそれを支え䌞ばすように指導しお いくこずが倧切でありそうした肯定的な児童芳に立぀こずが欠かせない。しか し児童の䞻䜓性を重芖するずいうこずは教垫が児童の孊習に察しお積極的に 関わらないずいうこずを意味するものではない。  䟋えば児童の䞻䜓性が発揮されおいる堎面では児童が自ら倉容しおいく姿 を芋守るこずが倧切である。たた児童の取組が停滞したり迷ったりしおいる堎 面では適切な指導が必芁である。そのようにしお児童のも぀朜圚的な力が発 揮されるような孊習指導を行うこずが倧切である。 第章 総合的な孊習の時間の孊習指導
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109 1 孊習指導の 基本的な考 え方  適切な指導の圚り方  孊習指導の第の基本は探究課題に察する考えを深め資質・胜力の育成に ぀ながる探究的な孊習ずなるように教垫が適切な指導をするこずである。  第の基本に瀺したように原則ずしおは児童のよさや可胜性を匕き出しそ れを支え䌞ばすこずが重芁である。そこでは児童の䞻䜓的な取組を重芖す る。しかしそれだけでは孊習の広がりや深たりは期埅できない。そこでで 述べる適切な教材が甚意されおいるこずが倧切でありさらに探究的な孊習ず しお展開しおいくように教垫が指導性を発揮するこずが重芁である。どのよう な䜓隓掻動を仕組みどのような話合いを行いどのように考えを敎理しどの ようにしお衚珟し発信しおいくかなどはたさに教垫の指導性にかかる郚分であ り児童の孊習を掻性化させ発展させるためには欠かせない。こうした教垫の 指導性ず児童の自発性・胜動性ずのバランスを保ちそれぞれを適切に䜍眮付け るこずが豊かで質の高い総合的な孊習の時間を生み出すこずに぀ながる。  そのためには児童の状況や教材の特質に応じお教垫がどのような意図を もっお展開しおいくかが問われる。孊習を展開するに圓たっお教垫自身が明確 な考えをもち期埅する孊習の方向性や望たしい倉容の姿を想定しおおくこずが 䞍可欠である。孊習掻動のむメヌゞをも぀こずでどのような堎面でどのように 指導するのかが明らかになる。たた児童の望たしい倉容の姿を想定しおおくこ ずで孊習状況に応じた適切な指導も可胜になる。  具䜓的で発展的な教材  孊習指導の第の基本は身近にある具䜓的な教材発展的な展開が期埅され る教材を甚意するこずである。  総合的な孊習の時間では児童の自䞻性や自発性を重芖し児童の思いや願い を倧切にするこずを蚘しおきた。しかし充実した孊習掻動を展開し孊習を深 め児童が探究課題の解決を通しお育成を目指す具䜓的な資質・胜力を身に付け おいくためにはで述べたように適切な教材孊習材が甚意されおいるこず が欠かせない。  教材は探究的な孊習ずしお質の高い孊習掻動が展開されるように児童の孊 習を動機付けたり方向付けたり支えたりするものであるこずが望たれる。児 童の興味・関心をこれたで以䞊に重芖しながら児童の身の回りの日垞生掻や瀟 䌚にある事物や珟象を適切に取り䞊げ児童にずっお孊ぶ䟡倀のある教材ずしお いくこずが重芁である。
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110 第章 総合的な孊 習の時間の 孊習指導  総合的な孊習の時間の教材には以䞋の特城があるこずが求められる。䞀぀に は児童の身近にあり芳察したり調査したりするなど盎接䜓隓をしたり繰り 返し働きかけたりするこずのできる具䜓的な教材であるこずである。総合的な孊 習の時間は探究的な孊習の過皋に䜓隓掻動を適切に䜍眮付けるこずが重芁であ りそうした䞭で行われる党身を䜿った察象の把握ず情報の収集が欠かせない。 総合的な孊習の時間においおは間接的な䜓隓による二次情報も必芁ではある がより優先すべきは実物に觊れたり実際に行ったりするなどの盎接䜓隓で あるこずは蚀うたでもない。  二぀には児童の孊習掻動が豊かに広がり発展しおいく教材であるこずであ る。児童は実瀟䌚や実生掻ずの぀ながりのある具䜓的な掻動や䜓隓を行うこず によっお意欲的で前向きな姿勢ずなる。そのため䞀぀の察象から次々ず孊習 掻動が展開し自然事象や瀟䌚事象ぞず倚様に広がり孊習の深たりが生たれる こずが倧切である。たた生掻の䞭にある教材であっおもそこから広い䞖界が 芋えおくるなど身近な事象から珟代瀟䌚の課題等に発展しおいくこずが期埅さ れる。  このように総合的な孊習の時間における教材は実際の生掻の䞭にある問題 や事象を取り䞊げるこずが効果的である。䟋えば食生掻の問題を取り䞊げたず しおもそこから自然環境の問題や劎働問題食料自絊率の問題などが芋えおく る。身近にある具䜓的な教材発展的な展開が期埅される教材であるこずが望た れる。  䞉぀には実瀟䌚や実生掻に぀いお倚面的・倚角的に考えるこずができる教材 であるこずである。身近な事象や珟代瀟䌚の課題等には様々な捉え方や考え方 ができるものがありそれらに぀いお特定の立堎や芋方に偏った取扱いがされお いるような教材は適切ではない。
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111  探究的な孊習の過皋 における「䞻䜓的・ 察話的で深い孊び」 第節 探究的な孊習の過皋における「䞻䜓的・察話的で深い孊び」  本解説第章第節で瀺したように探究的な孊習ずは日垞生掻や瀟䌚に生 起する耇雑な問題に぀いおその本質を探っお芋極めようずする孊習のこずであ り問題解決的な掻動が発展的に繰り返されおいく䞀連の孊習掻動のこずであ る。前回の改蚂では総合的な孊習の時間を探究的な孊習ずするために 「課題 の蚭定」  「情報の収集」  「敎理・分析」  「たずめ・衚珟」の孊習過皋が繰り返さ れる䞭で児童の資質・胜力が育ち孊習が曎に高たっおいくこずが重芁である こずが瀺された。そしおその過皋の䞭で実瀟䌚や実生掻ず関わりのある孊び に䞻䜓的に取り組んだり異なる倚様な他者ずの察話を通じお考えを広めたり深 めたりする孊びを実珟するこずが倧切にされおきた。したがっお総合的な孊習 の時間においお「䞻䜓的・察話的で深い孊び」の芖点による授業改善を重芖する こずは探究的な孊習の過皋をより䞀局質的に高めおいくこずにほかならない。  なお今回の改蚂で重芖される「䞻䜓的な孊び」  「察話的な孊び」  「深い孊 び」の䞉぀の芖点は子䟛の孊びずしおは䞀䜓ずしお実珟されるものでありた たそれぞれ盞互に圱響し合うものでもある。単元のたずたりの䞭でそれぞれ のバランスに配慮しながら孊びの状況を把握し改善しおいくこずが求められる。 以䞋探究的な孊習の過皋における「䞻䜓的・察話的で深い孊び」の実珟に぀い お具䜓的に解説する。   「䞻䜓的な孊び」の芖点   「䞻䜓的な孊び」ずは孊習に積極的に取り組たせるだけでなく孊習埌に自 らの孊びの成果や過皋を振り返るこずを通しお次の孊びに䞻䜓的に取り組む態 床を育む孊びである。これたでも総合的な孊習の時間においおは孊習したこ ずをたずめお衚珟しそこからたた新たな課題を芋付け曎なる問題の解決を始 めるずいった孊習掻動を発展的に繰り返しおいく過皋を重芖しおきた。  こうした孊習過皋の䞭で児童が䞻䜓的に孊んでいく䞊では課題蚭定ず振り返 りが重芁ずなる。課題蚭定に぀いおは児童が自分の事ずしお課題を蚭定し䞻 䜓的な孊びを進めおいくようにするために実瀟䌚や実生掻の問題を取り䞊げる こずが考えられる。たた孊習掻動の芋通しを明らかにし孊習掻動のゎヌルず そこに至るたでの道筋を鮮明に描くこずができるような孊習掻動の蚭定を行うこ ずも倧切になる。  䞀方振り返りに぀いおは自らの孊びを意味付けたり䟡倀付けたりしお自 芚し他者ず共有したりしおいくこずに぀ながる。蚀語によりたずめたり衚珟し
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112 第章 総合的な孊 習の時間の 孊習指導 たりする孊習掻動ずしお文章やレポヌトに曞き衚したり口頭で報告したりす るこずなどを行うこずが考えられる。特に文字蚀語によっおたずめるこずは 孊習掻動を振り返り䜓隓したこずず収集した情報や既有の知識ずを関連させ 自分の考えずしお敎理する深い理解に぀ながっおいく。なお振り返りは必ずし も単元の最埌に行うずは限らない。時には探究の過皋においお途䞭で䞀旊立ち 止たっお振り返っお考え盎しおみるずいうこずも䞻䜓的な孊びずいう芖点から は意矩があるものず考えられる。   「察話的な孊び」の芖点   「察話的な孊び」ずは他者ずの協働や倖界ずの盞互䜜甚を通じお自らの考 えを広げ深めるような孊びである。以前より総合的な孊習の時間では他者ず ずもに探究的な孊習に取り組むこずを倧切にしおきたように探究的な孊習の過 皋を質的に高めおいくためには匕き続き異なる倚様な他者ず力を合わせお課題 の解決に向かうこずが欠かせない。  ここで行われる異なる倚様な他者ず察話するこずには次の䞉぀の䟡倀が考え られる。䞀぀は他者ぞの説明による情報ずしおの知識や技胜の構造化である。 児童は身に付けた知識や技胜を䜿っお盞手に説明しお話すこずで぀ながりのあ る構造化された情報ぞず倉容させおいく。二぀は他者からの倚様な情報収集で ある。倚様な情報が他者から䟛絊されるこずで構造化は質的に高たるものず考 えられる。䞉぀は他者ずずもに新たな知を創造する堎の構築ず課題解決に向け た行動化ぞの期埅などである。実際の授業堎面では情報の質ず量再構成の方 法等に配慮しお具䜓的な孊習掻動や孊習圢態孊習環境ずしお甚意する必芁があ る。䟋えば 「考えるための技法」を意識的に䜿っおいくこずなどは察話的な 孊びを確かに実珟しおいくものず期埅できる。なぜなら情報が「可芖化」され 「操䜜化」されるこずで児童が自ら孊び共に孊ぶ姿が具珟化されるからであ る。こうした授業改善の工倫により思考を広げ深め新たな知を創造する児童 の姿が生たれるず考えられる。  䞀方で協働的な孊習はグルヌプずしお結果を出すこずが目的ではなくその 過皋を通じお䞀人䞀人がどのような資質・胜力を身に付けるかずいうこずが重 芁である。グルヌプずしお考えるだけでなく䞀人䞀人が孊習の芋通しをもった り振り返ったりするこずが求められる。  なお 「察話的な孊び」は孊校内においお他の児童ず掻動を共にするずいう こずだけではなく䞀人でじっくりず自己の䞭で察話するこず先人の考えなど ず文献で察話するこず離れた堎所をICT 機噚などで぀ないで察話するこずな
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113  探究的な孊習の過皋 における「䞻䜓的・ 察話的で深い孊び」 ど様々な察話の姿が考えられる。   「深い孊び」の芖点   「深い孊び」に぀いおは探究的な孊習の過皋を䞀局重芖しこれたで以䞊に 孊習過皋の質的向䞊を目指すこずが求められる。探究的な孊習の過皋では各教 科等で身に付けた「知識及び技胜」  「思考力刀断力衚珟力等」の資質・胜力 を掻甚・発揮する孊習堎面を䜕床も生み出すこずが期埅できる。それにより各 教科等で身に付けた「知識及び技胜」は関連付けられお抂念化し 「思考力刀 断力衚珟力等」は掻甚堎面ず結び付いお汎甚的なものずなり倚様な文脈で䜿 えるものずなるこずが期埅できる。  たたこのように充実した孊習の過皋においお児童は手応えを぀かみ前向き で奜たしい感芚を埗るこずが期埅できる。そのこずが曎なる孊習過皋の掚進に 向かう安定的で持続的な意志を涵逊しおいく。  総合的な孊習の時間における探究的な孊習の過皋が充実するこずにより各教 科等で育成された資質・胜力は繰り返し掻甚・発揮される。そのこずによっお 生きお働く知識及び技胜ずしお習埗され未知の状況にも察応できる思考力刀 断力衚珟力等が育成され孊びを人生や瀟䌚に生かそうずする孊びに向かう 力人間性等の涵逊に぀ながるのである。  探究的な孊習の各段階においお 「深い孊び」の芖点を意識するために倧切ず 考えられるポむントは次節においお解説する。
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114 第章 総合的な孊 習の時間の 孊習指導 第節 探究的な孊習の指導のポむント  今回の改蚂においおは 「暪断的・総合的な孊習」を 「探究的な芋方・考え 方」を働かせお行うこずを通しおよりよく課題を解決し自己の生き方を考え おいくための「資質・胜力」を育成するこずを目指しおいる。本解説第章第 節で述べたようにこの「探究的な芋方・考え方」ずは各教科等における芋 方・考え方を総合的に掻甚するずずもに広範な事象を倚様な角床から俯瞰しお 捉え実瀟䌚・実生掻の課題を探究し自己の生き方を問い続けるこずであるず 蚀える。この探究的な芋方・考え方は各教科等の芋方・考え方を掻甚するこず に加えお 「俯瞰しお察象を捉え探究しながら自己の生き方を問い続ける」ず いう総合的な孊習の時間に特有の物事を捉える芖点や考え方である。぀たり 探究的な芋方・考え方を働かせるずいうこずはこれたでの総合的な孊習の時間 においお倧切にしおきた「探究的な孊習」の䞀局の充実が求められおいるず考え るこずができる。  本節においおは今回の改蚂の趣旚を実珟するための具䜓的な孊習指導のポむ ントを次の二぀に分けお瀺しおいく。䞀぀は 「孊習過皋を探究的にするこ ず」ずし探究的な孊習の過皋のむメヌゞを明らかにしおいく。もう䞀぀は 「他者ず協働しお䞻䜓的に取り組む孊習掻動にするこず」ずし 「探究的な孊習」 の曎なる充実に向けた方向性を明らかにしおいく。  孊習過皋を探究的にするこず  探究的な孊習ずするためには孊習過皋が以䞋のようになるこずが重芁であ る。   【①課題の蚭定】  䜓隓掻動などを通しお課題を蚭定し課題意識をも぀   【②情報の収集】  必芁な情報を取り出したり収集したりする   【③敎理・分析】  収集した情報を敎理したり分析したりしお思考する   【④たずめ・衚珟】  気付きや発芋自分の考えなどをたずめ刀断し衚珟する  なおここでいう情報ずは刀断や意思決定行動を巊右する党おの事柄を指 し広く捉えおいる。蚀語や数字など蚘号化されたもの映像や写真など芖芚化 されたものによっお情報を埗るこずもできるし具䜓物ずの関わりや䜓隓掻動な ど事象ず盎接関わるこずによっお情報を埗るこずもできる。  もちろんこうした探究の過皋はい぀も①④が順序よく繰り返されるわけ ではなく順番が前埌するこずもあるし䞀぀の掻動の䞭に耇数のプロセスが䞀
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115  探究的な孊 習の指導の ポむント 䜓化しお同時に行われる堎合もある。およその流れのむメヌゞであるがこのむ メヌゞを教垫がも぀こずによっお探究的な孊習を具珟するために必芁な教垫の 指導性を発揮するこずに぀ながる。たたこの探究の過皋は䜕床も繰り返され 高たっおいく。  䟋えば地域に倚くの芳光客が蚪れるこずから児童は「地域のよさっお䜕だ ろう。 」ず考える①課題の蚭定 。孊玚内で「地域のよさ」に぀いお話合いをし たり地域の人や芳光客からアンケヌトを取ったりする②情報の収集 。その 収集した情報を仲間分けしおいくず気付いおいなかった地域のよさが明らかに なっおくる③敎理・分析 。そのよさを確かめるために実際に芋孊に行った り䜓隓をしたりなどしお 「地域のよさ」に぀いお新たな情報を集めおくる② 情報の収集 。さらに友達ず「本圓の地域のよさ」に぀いお情報亀換し話合い をする④たずめ・衚珟 。話し合う䞭で 「もっず地域の魅力を知りたい。 」ず いう新たな課題が蚭定され曎なる課題の解決が始たる。 「地域のよさっお䜕 だろう。 」ずいう最初の疑問は児童にずっお本気で真剣な「地域の魅力を調べ よう。 」ぞず曎新されおいく。  以䞋にそれぞれのプロセスごずの孊習掻動のむメヌゞずそこで行われる具 䜓的な教垫の孊習指導のポむントを蚘す。 ① 課題の蚭定  総合的な孊習の時間にあっおは児童が実瀟䌚や実生掻に向き合う䞭で自ら 課題意識をもちその意識が連続発展するこずが欠かせない。しかし児童が自 ら課題をも぀こずが倧切だからずいっお教垫は䜕もしないでじっず埅぀のでは なく教垫が意図的な働きかけをするこずが重芁である。䟋えば人瀟䌚自 然に盎接関わる䜓隓掻動においおも孊習察象ずの関わり方や出䌚わせ方など を教垫が工倫する必芁がある。その際事前に児童の発達や興味・関心を適切 に把握しこれたでの児童の考えずの「ずれ」や「隔たり」を感じさせたり察 象ぞの「憧れ」や「可胜性」を感じさせたりする工倫をしなくおはならない。  䟋えば児童は察象やそこに存圚する問題事象に盎接出䌚い向き合うずき 「䞍思議だ」  「どうしおかな」ずいう疑問や 「びっくりした」  「知らなかった」 ずいう驚きなど珟実の状況ず理想の姿ずの察比などから問題を芋いだし課題 意識を高めるこずが倚い。身近な川を察象にし川の探怜をする掻動では川に ゎミが萜ちおいるこずや川が汚れおいるこずなどに気付く。こうした川の珟実の 姿を知るこずで理想的な川のむメヌゞずのずれなどから児童は身近な川の環 境問題に意識を向ける。ここでは実際の川を目で芋お肌で觊れるこずが効果 的である。身䜓党䜓を通しお川ず関わり川を理解するこずが 「どうしお川が 汚れおいるのだろう」  「い぀ごろから川が汚くなったのだろう」  「生き物は生息
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116 第章 総合的な孊 習の時間の 孊習指導 しおいるのだろうか」などずいった課題意識を高めおいく。  課題を蚭定する堎面ではこうした察象に盎接觊れる䜓隓掻動が重芁であり そのこずがその埌の息の長い探究的な孊習掻動の原動力ずなる。 ② 情報の収集  課題意識や蚭定した課題を基に児童は芳察実隓芋孊調査探玢远 䜓隓などを行う。こうした孊習掻動によっお児童は課題の解決に必芁な情報を 収集する。情報を収集する掻動はそのこずを児童が自芚的に行う堎合ず無自芚 的に行っおいる堎合ずがある。目的を明確にしお調査したりむンタビュヌしたり するような掻動では自芚的に情報を収集しおいるこずになる。䞀方䜓隓掻動 に没頭したり䜓隓掻動を繰り返したりしおいる時には無自芚のうちに情報を 収集しおいるこずが倚い。そうした自芚的な堎ず無自芚的な堎ずは垞に混圚しお いる。意図や目的をもっお栜培掻動を繰り返す掻動では育おおいる䜜物に関す る様々な情報を収集しおいるのだが同時にその䞭で無自芚的な情報の収集も行 われおいる。このように情報を収集するこずにおいおも䜓隓掻動は重芁であ る。  䟋えば川に生息する氎生生物を調べたりパックテストなどで氎質調査をし たりする。実際に川に入っお生き物を探したり氎質を調べたりする。たた川 の呚蟺の怍生などを芳察するこずも考えられる。その他にも川の昔ず今の様子 を図曞通の文献で調べたり川の近くの䜏民にむンタビュヌしたりするこずも考 えられる。  こうした堎面ではいく぀かの配慮すべき事項がある。  䞀぀目は収集する情報は倚様でありそれは孊習掻動によっお倉わるずいう こずである。䟋えばパックテストを䜿えば数倀化した情報を収集するこずがで きる。文献を調べたりむンタビュヌをしたりすれば蚀語化した情報を手に入れ るこずができる。実際に䜓隓掻動を行えば「汚い」  「くさい」ずいった感芚的な 情報の獲埗が考えられる。どのような孊習掻動を行うかによっお収集する情報の 皮類が違うずいうこずでありその点を十分に意識した孊習掻動が行われるこず が求められる。特に総合的な孊習の時間では䜓隓を通した感芚的な情報の収 集が倧切でありそうした情報こそが児童の真剣な探究的な孊習掻動を支える。  二぀目は課題解決のための情報収集を自芚的に行うこずである。具䜓的な䜓 隓掻動が䜕のための孊習掻動であるのかを自芚しお行うこずが望たしい。䜓隓掻 動自䜓の目的を明確にしそこで獲埗される情報を意識的に収集し蓄積するこず が倧切である。そのこずによっおどのような情報を収集するのかどのような 方法で収集するのかどのようにしお蓄積するのかなどの準備が敎うこずにな る。
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117  探究的な孊 習の指導の ポむント  䞉぀目は収集した情報を適切な方法で蓄積するこずである。数倀化した情 報蚀語化した情報などはデゞタルデヌタをはじめ様々な圢のデヌタずしお蓄 積するこずが倧切である。その情報がその埌の探究的な孊習掻動を深める圹割を 果たすからである。収集した堎所や盞手期日などを明瀺しおポヌトフォリオ やファむルボックスコンピュヌタのフォルダなどに蓄積しおいく。その際個 別の蓄積を基本ずし必芁に応じお孊玚やグルヌプによる共同の蓄積方法を甚意 するこずが考えられる。䞀方適切な方法で蓄積するこずが難しいのは感芚的な 情報である。䜓隓掻動を行ったずきの感芚そのずきの思いなどは時間の経過 ずずもに薄れおいき忘れ去られる。しかしそうした情報は貎重なものであ りその埌の課題解決に生かしたい情報である。したがっお䜓隓掻動を適切に 䜍眮付けおいくだけではなく䜓隓で獲埗した情報をレポヌトなどで蚀語化し お察象ずしお扱える圢で蓄積するこずにも配慮が必芁である。  たたこうした情報の収集堎面では各教科等で身に付けた資質・胜力を発揮 するこずでより倚くの情報より確かな情報が収集できる。䟋えば理科で身 に付けた芳察する技胜や動怍物に察する知識は河川の呚蟺の情報を豊かに集め るこずに぀ながる。たた囜語科で身に付けた話すこず・聞くこずに関する思考 力刀断力衚珟力等を生かし呚蟺の䜏民にむンタビュヌをしおたくさんの情 報を入手するこずも可胜になる。瀟䌚科の資料掻甚の孊習を生かしお倚様な文 献を探し出し資料を比范するこずも考えられる。なお情報の収集に際しお は必芁に応じお教垫が意図的に資料等を提瀺するこずも考えられる。 ③ 敎理・分析  ②の孊習掻動によっお収集した倚様な情報を敎理したり分析したりしお思考 する掻動ぞず高めおいく。収集した情報はそれ自䜓は぀ながりのない個別なも のである。それらを皮類ごずに分けるなどしお敎理したり现分化しお因果関係 を導き出したりしお分析する。それが思考するこずでありそうした孊習掻動を 䜍眮付けるこずが重芁である。  䟋えば氎生生物の分垃の様子を地図䞊に敎理したり氎質の倉化をグラフ化 したりするこずが考えられる。たた文献から埗た情報を幎代ごずに衚にたずめ たりむンタビュヌから埗た情報をカヌドにしお敎理したりするこずも考えられ る。あるいは論点を明確にしお決断を迫るような蚎論を行うこずなども考えら れる。  このような孊習掻動を通しお児童は収集した情報を比范したり分類した り関連付けたりしお情報内の敎理を行う。このこずこそ情報を掻甚した掻発 な思考の堎面でありこうした孊習掻動を適切に䜍眮付けるこずが重芁である。 その際には以䞋の点に配慮したい。
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118 第章 総合的な孊 習の時間の 孊習指導  䞀぀は児童自身が情報を吟味するこずである。自分が芋たこず人から聞い たこず図曞やむンタヌネット等で調べたこずなど様々な情報が集たる。特に情 報通信技術の発達によりむンタヌネット等で倧量の情報に接するこずが容易ず なった今日においおはどのように入手した情報なのかどのような性栌の情報 なのかずいうこずを螏たえお敎理を行うこずが必芁である。特に児童は図曞や むンタヌネット等で瀺されおいる情報をそのたた客芳的な事実ずしお捉えがちで ある。しかし実際には統蚈などの客芳的なデヌタや圓事者が公匏に発衚しおい る䞀次情報だけでなく誰かの個人的な意芋であったり他所からの転甚であっ たりする情報も倚い。䞀旊収集した情報を敎理する段階で吟味するこずの必芁性 に぀いお考えさせるこずが重芁である。  二぀はどのような方法で情報の敎理や分析を行うのかを決定するこずであ る。情報の敎理の仕方は数倀化された情報ず蚀語化した情報ずでは扱い方が 違っおくる。たた情報の分量が倚いか少ないかによっおも扱い方は倉わっおく る。数倀化された情報であれば統蚈的な手法でグラフにするこずが考えられ る。グラフの䞭にも折れ線グラフ棒グラフ円グラフなど様々な方法が考え られる。蚀語化された情報であればカヌドにしお敎理する方法出来事を時間 軞で䞊べる方法調査した結果をマップなどの空間軞に敎理する方法などが考え られる。情報に応じお適切な敎理や分析の方法が考えられるずずもにその孊習 掻動によっおどのように考えさせたいのかが問われる。  ここでは情報を敎理・分析するこずを意識的に行うために比范しお考え る分類しお考える序列化しお考える類掚しお考える関連付けしお考え る原因や結果に着目しお考えるなどの「考えるための技法」を意識するこず がポむントずなる。䜕をどのように考えさせたいのかを意識し 「考えるため の技法」を甚いた思考を可芖化する思考ツヌルを掻甚するこずで敎理・分析堎 面の孊習掻動の質を高め党おの児童に資質・胜力を確かに育成しおいくこずが 求められおいる。  なおここでも先の事䟋でも明らかなように囜語科の「情報の扱い方」や 算数科の「デヌタの掻甚」をはじめ様々な教科での孊習成果が生かされる。 ④ たずめ・衚珟  情報の敎理・分析を行った埌それを他者に䌝えたり自分自身の考えずしお たずめたりする孊習掻動を行う。そうするこずでそれぞれの児童の既存の経隓 や知識ず孊習掻動により敎理・分析された情報ずが぀ながり䞀人䞀人の児童 の考えが明らかになったり課題がより䞀局鮮明になったり新たな課題が生た れたりしおくる。このこずが孊習ずしお質的に高たっおいくこずであり衚面的 ではない深たりのある探究的な孊習掻動を実珟するこずに぀ながる。
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119  探究的な孊 習の指導の ポむント  䟋えば調査結果をレポヌトや新聞ポスタヌにたずめたり写真やグラフ 図などを䜿っおプレれンテヌションずしお衚珟したりするこずなどが考えられ る。盞手を意識しお䌝えたいこずを論理的に衚珟するこずで自分の考えは䞀 局確かになっおいく。身近な川における環境の問題を考えながら自らの日頃の 行動の圚り方身近な環境ず共生する方法に぀いお考えるこずになる。  こうした堎面では次の点に配慮したい。  䞀぀は盞手意識や目的意識を明確にしおたずめたり衚珟したりするこずで ある。誰に䌝え䜕のためにたずめるのかによっおたずめや衚珟の手法は倉わ り児童の思考の方向性も倉わるからである。二぀はたずめたり衚珟したりす るこずが情報を再構成し自分自身の考えや新たな課題を自芚するこずに぀な がるずいうこずである。䞉぀は䌝えるための具䜓的な方法を身に付けるずずも にそれを目的に応じお遞択しお䜿えるようにするこずである。䟋えば様々な 手法を䜿っお探究的な孊習掻動によっお分かったこずや考えたこずを孊玚の 友達や保護者地域の人々などに分かりやすく䌝えるずいったこずである。こ こでは各教科等で獲埗した衚珟方法を積極的に掻甚するこずが考えられる。文 章衚珟はもちろん図衚やグラフ絵音楜などを䜿いそれらを組み合わせお 衚珟するこずなども考えられる。  このように衚珟するに圓たっおは囜語科音楜科図画工䜜科などの教科で 身に付けた力が発揮されるこずが予想できる。なおここでの孊習掻動はそれ 自䜓が②③④の孊習掻動を同時に行っおいるず考えるこずができる堎合もある。  ここたで①【課題の蚭定】 ②【情報の収集】 ③【敎理・分析】 ④【たず め・衚珟】の探究的な孊習の過皋に沿っお孊習掻動を具䜓的にむメヌゞしおき た。こうした孊習掻動を繰り返しおいくこずが探究的な孊習を実珟するこずに぀ ながる。  他者ず協働しお䞻䜓的に取り組む孊習掻動にするこず  䞭倮教育審議䌚答申では䞻䜓的に孊ぶこず協働的に孊ぶこずの意矩を説明 するに圓たり人工知胜にない人間の匷みに぀いお以䞋のように蚀及しおいる。   「人工知胜がいかに進化しようずもそれが行っおいるのは䞎えられた目的の 䞭での凊理である。䞀方で人間は感性を豊かに働かせながらどのような未来 を創っおいくのかどのように瀟䌚や人生をよりよいものにしおいくのかずいう 目的を自ら考え出すこずができる。倚様な文脈が耇雑に入り亀じった環境の䞭で も堎面や状況を理解しお自ら目的を蚭定しその目的に応じお必芁な情報を芋 いだし情報を基に深く理解しお自分の考えをたずめたり盞手にふさわしい衚
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120 第章 総合的な孊 習の時間の 孊習指導 珟を工倫したり答えのない課題に察しお倚様な他者ず協働しながら目的に応 じた玍埗解を芋いだしたりするこずができるずいう匷みを持っおいる。 」  総合的な孊習の時間においおは目暙にも明瀺されおいるように特に異な る倚様な他者ず協働しお䞻䜓的に課題を解決しようずする孊習掻動を重芖する必 芁がある。それは倚様な考え方をも぀他者ず適切に関わり合ったり瀟䌚に積 極的に参画したり貢献したりする資質・胜力の育成に぀ながるからである。た た協働的に孊ぶこずにより探究的な孊習ずしお児童の孊習の質を高めるこ ずに぀ながるからである。そしおその前提ずしお䜕のために孊ぶのかどのよ うに孊ぶのかずいうこずを児童自身が考え䞻䜓的に孊ぶ孊習が基盀にあるこず が重芁である。  協働的に孊ぶこずの意矩の䞀぀目は倚様な情報の収集に觊れるこずである。 同じ課題を远究する孊習掻動を行っおいおも収集する情報は協働的な孊習の方 が倚様でありその量も倚い。情報の倚様さず倚さはその埌の敎理や分析を質 的に高めるために欠くこずのできない重芁な芁件である。二぀目は異なる芖点 から怜蚎ができるこずである。敎理したり分析したりする際には異なる芖点や 異なる考え方があるこずの方が深たりが出おくる。䞀面的な考え方や同じ思考 の傟向の䞭では情報の敎理や分析も画䞀的になりやすい。䞉぀目は地域の人 ず亀流したり友達ず䞀緒に孊習したりするこずが盞手意識を生み出したり孊 習掻動のパヌトナヌずしおの仲間意識を生み出したりするこずである。共に孊ぶ こずが個人の孊習の質を高め同時に集団の孊習の質も高めおいく。  このように協働的に取り組む孊習掻動を行うこずが児童の孊習の質を高め 探究的な孊習を実珟するこずにも぀ながる。具䜓的には以䞋のような堎面ず児 童の姿が想定できる。 (1) 倚様な情報を掻甚しお協働的に孊ぶ  䜓隓掻動ではそれぞれの児童が様々な䜓隓を行い倚様な情報を手に入れる。 それらを出し合い情報亀換しながら孊玚党䜓で考えたり話し合ったりしお課 題が明確になっおいく堎面が考えられる。  䟋えば町の様子を探怜した埌に発芋したこずを出し合いそれを黒板に敎 理し 「みんなが芋付けた発芋の䞭で䌌おいたり共通しおいたりするこずは ないだろうか」などず発問する。このこずで児童は町探怜で発芋しおきた情報 を改めお芋぀め盎し互いの発芋の共通点や盞違点に気付いたり互いの発芋の 関連性を芋付けたりする。 「ここがもっず知りたくなった詳しく調べおみたい ずいうこずはないだろうか」ず曎に問い掛けるこずで 「たた探怜に出かけおみ たい」  「今床は詳しく調べおきたい」などず目的や課題を明確にしおいくこずが
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121  探究的な孊 習の指導の ポむント できる。  孊玚ずいう集団での協働的な孊習を有効に機胜させ倚様な情報を適切に掻甚 するこずで探究的な孊習の質を高めるこずが可胜ずなる。 (2) 異なる芖点から考え協働的に孊ぶ  物事の決断や刀断を迫られるような話合いや意芋亀換を行うこずは収集した 情報を比范したり分類したり関連付けたりしお考えるこずに぀ながる。その ような堎面では異なる芖点からの意芋亀換が行われるこずで互いの考えは深 たる。  䟋えば米䜜りの掻動を行う際に蟲薬の䜿甚に぀いお話し合う堎面が考えら れる。蟲薬の䜿甚は米を順調に生育させ病害虫などから守る圹目がある。䞀 方で蟲薬を䜿甚しないこずに䟡倀を芋いだしおいる蟲家も存圚する。実際に米 䜜りの䜓隓をしたり生産者の苊劎などを盎接聞き取ったり蟲䜜物の成長や蟲 薬の科孊的な働きを調べたりした䞊で話合いを行うず異なる芖点での意芋が出 され互いの考えを深めるこずに぀ながっおいく。このこずにより蟲薬の䜿甚 がどのような理由で行われおいるのかそのこずが食糧生産や蟲業事情ず深く関 わっおいるこずなど児童の幅広い理解ず思考の深たりを生む。  このように異なる芖点を出し合い怜蚎しおいくこずで事象に察する認識が 深たり孊習掻動を曎に探究的な孊習ぞず高めおいくこずが考えられる。  そのためにそれぞれ異なる個性興味関心をもっおいる児童同士で孊ぶこず には倧きな意矩がある。家業が蟲業であったり芪戚に蟲業埓事者がいたりする児 童食に぀いおの安党性に関心がある児童食に぀いお深く考えたこずはないが スポヌツを通しお健康に関心のある児童倖囜での生掻経隓がある児童など異 なる興味関心や経隓がある児童同士が孊ぶこずにより異なる芖点からの考えを出 し合いやすくなるこずが考えられる。たたそうした孊習を通しお互いのよさや 可胜性を尊重し合う態床の育成にも぀ながっおいく。 (3) 力を合わせたり亀流したりしお協働的に孊ぶ  䞀人でできないこずも集団で実珟できるこずは倚い。児童同士で解決できない こずも地域の人や専門家などずの亀流を通じお孊んだこずを手掛かりに孊ぶこず もできる。たた地域の倧人などずの亀流は児童の瀟䌚参画の意識を目芚めさ せる。  䟋えば自分たちの生掻する地域のよさを孊びその地域のよさを特産品ずし お開発する孊習掻動が考えられる。児童は特産品を開発し地域の人や専門家に 提案しようずする。その際孊玚の友達ず力を合わせたり分担したりしお特産品
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122 第章 総合的な孊 習の時間の 孊習指導 を䜜り䞀人ではできなかったこずも仲間がいるこずで成し遂げられるこずを 実感する。たたそこでは開発した特産品のよさを地域の人に䌝えようずした り特産品の特城を分かりやすく䌝えようずしたりしお真剣に掻動に取り組 む。  こうした補䜜や亀流の堎面では友達や専門家からの助蚀地域の倧人からの 激励を受ける堎面を蚭定するこずができる。児童は特産品を開発する掻動を通し お力を合わせお取り組むこずの倧切さや地域瀟䌚に関わる喜びなどを実感しお いく。  こうした探究的な孊習に協働的に取り組むこずを通しお児童は協働的な孊習 のよさや意矩を孊ぶこずができる。協働的に孊ぶこずは総合的な孊習の時間だけ でなく孊校教育党䜓で進めおいくものであるがあらかじめ䞀぀の決たった答 えのない探究的な孊習だからこそ協働的な孊習のよさが芋えやすいずいう面があ る。 (4) 䞻䜓的か぀協働的に孊ぶ  本章の(1) から(3) たでに瀺したように協働的に取り組む孊習掻動においお は 「なぜその課題を远究しおきたのか目的 」  「これを远究しお䜕を明らかに しようずしおいるのか内容 」  「どのような方法で远究すべきなのか方法 」 などの点が児童の䞭で繰り返し問われるこずになる。このこずは児童が自らの 孊習掻動を振り返りその䟡倀を確認するこずにも぀ながる。協働しお孊習掻動 に取り組むこずが児童の探究的な孊習を持続させ発展させるずずもに䞀人䞀 人の児童の考えを深め自らの孊習に察する自信ず自らの考えに察する確信をも たせるこずにも぀ながる。孊玚集団や孊幎集団を生かすこずで個の孊習ず集団 の孊習が互いに響き合うこずに十分配慮し質の高い孊習を成立させるこずが求 められる。  児童が瀟䌚に出たずきに盎面する様々な問題のほずんどは䞀人の力だけでは 解決できないもの協働するこずでよりよく解決できるものである。しかし問 題を自分のこずずしお受け止めよりよく解決するために自分が取り組もうずす る䞻䜓性がなければ協働は成り立たない。  総合的な孊習の時間は協働的な孊習を基盀ずする。しかしその目指すずこ ろは目暙に明瀺したように䞀人䞀人がよりよく課題を解決し自己の生き方を 考えおいくための資質・胜力を逊うこずにある。指導蚈画の䜜成の段階孊習掻 動を行う段階孊習評䟡を行う段階のいずれにおいおもこのこずを意識しおお きたい。  協働的に孊ぶずいうこずはそれぞれの個性を生かすずいうこずでもある。孊玚
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123  探究的な孊 習の指導の ポむント の䞭では党おの児童が瀟亀的開攟的であるずは考えられないし内省を奜む 児童もいれば他者ずの関わりに困難さを感じる児童もいお圓然である。党おの 児童を同じ方向に導くずいうこずではなくそれぞれの児童なりに䞻䜓的に孊ぶ こず協働的に孊ぶこずのよさを実感できるように工倫するこずが必芁である。 そのためにも協働性ず䞻䜓性の䞡方をバランスよく意識したい。第の目暙の 䞭に探究的な孊習に䞻䜓的・協働的に取り組むこずが明瀺されたこず各孊校が 育成を目指す資質・胜力を蚭定するに圓たり「孊びに向かう力人間性等に぀い おは自分自身に関するこず及び他者や瀟䌚ずの関わりに関するこずの䞡方の芖 点を螏たえるこず。 」ずされた趣旚はこうした䞻䜓的であるこずず協働的であ るこずの䞡方が重芁であるずしたこずによるものである。  なお埓来「協同的」ずしおきたものを今回の改蚂で「協働的」ず改めた趣旚 は意図するずころは同じであるがここたで述べたような異なる個性をも぀ 者同士で問題の解決に向かうこずの意矩を匷調するためのものである。
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124 第章 総合的な孊 習の時間の 評䟡 第節 孊習評䟡の充実  孊習評䟡は孊校における教育掻動に぀いお児童の孊習状況を評䟡するもの である。 「児童にどのような力が身に付いたか」ずいう孊習の成果を的確に捉え た䞊で教垫が指導の改善を図るずずもに児童が自らの孊びを振り返っお次の 孊びに向かうこずができるようにするこずが求められる。そのためには孊習評 䟡の圚り方が極めお重芁であり教育課皋や孊習・指導方法の改善ず䞀貫性を もった圢で改善を進めるこずが求められる。  総合的な孊習の時間の評䟡に぀いおはこの時間の趣旚ねらい等の特質が生 かされるよう教科のように数倀的に評䟡するこずはせず掻動や孊習の過皋 報告曞や䜜品発衚や蚎論などに芋られる孊習の状況や成果などに぀いお児童 のよい点孊習に察する意欲や態床進歩の状況などを螏たえお適切に評䟡する こずずし䟋えば指導芁録の蚘茉においおは評定は行わず所芋等を蚘述する こずずしおきた。  第章総則の第のにおいおは 「孊習評䟡の実斜に圓たっおは次の事項 に配慮するものずする。児童のよい点や進歩の状況などを積極的に評䟡し孊習 したこずの意矩や䟡倀を実感できるようにするこず。たた各教科等の目暙の実 珟に向けた孊習状況を把握する芳点から単元や題材など内容や時間のたずたり を芋通しながら評䟡の堎面や方法を工倫しお孊習の過皋や成果を評䟡し指導 の改善や孊習意欲の向䞊を図り資質・胜力の育成に生かすようにするこず。創 意工倫の䞭で孊習評䟡の劥圓性や信頌性が高められるよう組織的か぀蚈画的な 取組を掚進するずずもに孊幎や孊校段階を越えお児童の孊習の成果が円滑に接 続されるように工倫するこず。 」ず瀺された。  たた第章総合的な孊習の時間の第のの(2) においおは 「孊校におけ る党教育掻動ずの関連の䞋に目暙及び内容孊習掻動指導方法や指導䜓制 孊習の評䟡の蚈画などを瀺すこず。 」ず瀺されおいる。  総合的な孊習の時間における児童の孊習評䟡に぀いおは総合的な孊習の時間 の特質を螏たえた䞊で教垫や孊校が創意工倫の䞭で孊習評䟡の劥圓性や信頌性 が高められるよう組織的か぀蚈画的な取組を掚進するずずもに孊幎や孊校段 階を越えお児童の孊習の成果が円滑に接続されるように工倫するこずが重芁であ る。 第章 総合的な孊習の時間の評䟡
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125  児童の孊習 状況の評䟡 第節 児童の孊習状況の評䟡  児童の孊習状況を評䟡するこずで児童䞀人䞀人がどのように成長しおいる か資質・胜力が確かに育成されおいるかどうかを捉えおいくこずになる。加え お教垫が児童のよい点や進歩の状況などを積極的に評䟡するこずにより児童 自身が孊習したこずの意矩や䟡倀を実感できるようにするこずも肝芁である。   「目暙に準拠した評䟡」に向けた評䟡の芳点の圚り方  総合的な孊習の時間の評䟡に぀いおは各孊校が自ら蚭定した芳点の趣旚を明 らかにした䞊でそれらの芳点のうち児童の孊習状況に顕著な事項がある堎合 などにその特城を蚘入する等児童にどのような資質・胜力が身に付いたかを文 章で蚘述するこずずしおいる。  今回の改蚂においおも孊習指導芁領が定める目暙第の目暙を螏たえお 各孊校が目暙や内容を蚭定するずいう総合的な孊習の時間の特質から考えるず 各孊校が芳点を蚭定するずいう枠組みは維持する必芁がある。孊習指導芁領に瀺 された総合的な孊習の時間の目暙第の目暙を螏たえ各孊校の目暙内容 に基づいお定めた芳点による芳点別孊習状況の評䟡を基本ずするこずが考えられ る。  各孊校においおは第の目暙を螏たえ各孊校が総合的な孊習の時間の目暙 を定める。この目暙を実珟するにふさわしい探究課題ず探究課題の解決を通しお 育成を目指す具䜓的な資質・胜力を瀺した内容が蚭定される。この目暙ず内容に 基づいた芳点を各孊校においお蚭定するこずが考えられる。  ここでは特に探究課題の解決を通しお育成を目指す具䜓的な資質・胜力に ぀いお第章第のの(6) においお ア 知識及び技胜に぀いおは他教科等及び総合的な孊習の時間で習埗する知 識及び技胜が盞互に関連付けられ瀟䌚の䞭で生きお働くものずしお圢成さ れるようにするこず。 む 思考力刀断力衚珟力等に぀いおは課題の蚭定情報の収集敎理・ 分析たずめ・衚珟などの探究的な孊習の過皋においお発揮され未知の状 況においお掻甚できるものずしお身に付けられるようにするこず。 り 孊びに向かう力・人間性等に぀いおは自分自身に関するこず及び他者や 瀟䌚ずの関わりに関するこずの䞡方の芖点を螏たえるこず。 ずされおいるこずに配慮するこずが倧切である。
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126 第章 総合的な孊 習の時間の 評䟡  評䟡芏準の蚭定ず評䟡方法の工倫改善  総合的な孊習の時間における児童の孊習状況の評䟡に圓たっおはこれたでず 同様にペヌパヌテストなどの評䟡の方法によっお数倀的に評䟡するこずは適 圓ではない。  具䜓的な評䟡に぀いおは各孊校が蚭定する評䟡芏準を孊習掻動における具䜓 的な児童の姿ずしお描き出し期埅する資質・胜力が発揮されおいるかどうかを 把握するこずが考えられる。その際には具䜓的な児童の姿を芋取るに盞応しい 評䟡芏準を蚭定し評䟡方法や評䟡堎面を適切に䜍眮付けるこずが欠かせない。 特に総合的な孊習の時間においおは幎間や単元など内容や時間のたずたりを 芋通しながら評䟡堎面や評䟡方法を工倫し指導の改善や児童の孊習意欲の向䞊 を図り資質・胜力の育成に生かすようにするこずが重芁である。  評䟡芏準を蚭定する際の基本的な考え方や䜜業手順は以䞋のように考えるこず ができる。  たず各孊校の党䜓蚈画や単元蚈画を基に単元で実珟が期埅される育成を目 指す資質・胜力を蚭定する。本解説第章で説明したように総合的な孊習の時 間の目暙や内容に぀いお各孊校が蚭定する際には幎間や単元を通しおどのよう な資質・胜力を育成するこずを目指すかを蚭定するこずずしおいる。このため 評䟡芏準に぀いおは幎間や単元を通しお育成したい資質・胜力をそのたた圓お はめるこずができる。そしお各芳点に即しお実珟が期埅される児童の姿が特 に実際の探究的な孊習の堎面を想起しながら単元のどの堎面のどのような孊習 掻動においおどのような姿ずしお実珟されるかをむメヌゞする。  総合的な孊習の時間における児童の具䜓的な孊習状況の評䟡の方法に぀いお は信頌される評䟡の方法であるこず倚面的な評䟡の方法であるこず孊習状 況の過皋を評䟡する方法であるこずの䞉぀が重芁である。  第に信頌される評䟡ずするためには教垫の適切な刀断に基づいた評䟡が 必芁であり著しく異なったり偏ったりするこずなくおよそどの教垫も同じよ うに刀断できる評䟡が求められる。䟋えばあらかじめ指導する教垫間におい お評䟡の芳点や評䟡芏準を確認しおおきこれに基づいお児童の孊習状況を評 䟡するこずなどが考えられる。この堎合には各孊校においお定められた評䟡の 芳点を単䜍時間で党お評䟡しようずするのではなく幎間や単元などの内 容のたずたりを通しお䞀定皋床の時間数の䞭においお評䟡を行うように心がけ る必芁がある。  第に児童の成長を倚面的に捉えるために倚様な評䟡方法や評䟡者による 評䟡を適切に組み合わせるこずが重芁である。倚様な評䟡の方法ずしおは䟋え
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127  児童の孊習 状況の評䟡 ば次のようなものが考えられる。いずれの方法も児童が総合的な孊習の時間を 通しお資質・胜力を育おるこずができおいるかどうかを芋るこずが目的である。 成果物の出来映えをそのたた総合的な孊習の時間の評䟡ずするこずは適切ではな くその成果物から児童がどのように探究の過皋を通しお孊んだかを芋取るこ ずが倧事である。 ・ 発衚やプレれンテヌションなどの衚珟による評䟡 ・ 話合い孊習や掻動の状況などの芳察による評䟡 ・ レポヌトワヌクシヌトノヌト絵などの制䜜物による評䟡 ・ 孊習掻動の過皋や成果などの蚘録や䜜品を蚈画的に集積したポヌトフォリ オを掻甚した評䟡 ・ 評䟡カヌドや孊習蚘録などによる児童の自己評䟡や盞互評䟡 ・ 教垫や地域の人々等による他者評䟡 など  第に孊習状況の結果だけではなく過皋を評䟡するためには評䟡を孊習掻 動の終末だけではなく事前や途䞭に適切に䜍眮付けお実斜するこずが倧切であ る。孊習掻動前の児童の実態の把握孊習掻動䞭の児童の孊習状況の把握ず改 善孊習掻動終末の児童の孊習状況の把握ず改善ずいう各過皋に蚈画的に䜍眮 付けられるこずが重芁である。たた党おの過皋を通しお児童の実態や孊習状 況を把握したこずを基に適切な指導に圹立おるこずが倧切である。  なお総合的な孊習の時間では児童に個人ずしお育たれるよい点や進歩の状 況などを積極的に評䟡するこずやそれを通しお児童自身も自分のよい点や進歩 の状況に気付くようにするこずも倧切である。グルヌプずしおの孊習成果に着目 するのではなく䞀人䞀人の孊びや成長の様子を捉える必芁がある。そうした評 䟡を行うためには䞀人䞀人が孊習を振り返る機䌚を適切に蚭けるこずが重芁で ある。  今埌は教垫䞀人䞀人が児童の孊習状況を的確に捉えるこずが求められる。 そのためには評䟡の解釈や方法等を統䞀するずずもに評䟡芏準や評䟡資料を 怜蚎しお劥圓性を高めるこずモデレヌションなどにより孊習評䟡に関する 力量圢成のための研修等を行っおいくこずも考えられる。
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128 第章 総合的な孊 習の時間の 評䟡 第節 教育課皋の評䟡  カリキュラム・マネゞメントの芖点からの評䟡  教育課皋を線成実斜したものを評䟡し改善しおいくこずはこれたでも 重芁であったが今回の改蚂においおカリキュラム・マネゞメントを重芖する こずを䞀局明確にしたこずを受け教育課皋の評䟡を䞀局充実しおいくこずが必 芁である。  第章総則の第のにおいおカリキュラム・マネゞメントに぀いおは以䞋 の䞉぀の偎面が瀺されおいる。今埌の「瀟䌚に開かれた教育課皋」の実珟を通じ お児童に必芁な資質・胜力を育成するずいう新しい孊習指導芁領等の理念を螏 たえれば総合的な孊習の時間に぀いおもこれらの偎面に留意しながら着目し お教育課皋を評䟡するこずが考えられる。 ⅰ児童や孊校地域の実態を適切に把握し教育の目的や目暙の実珟に必芁 な教育の内容等を教科等暪断的な芖点で組み立おおいくこず。 ⅱ教育課皋の実斜状況を評䟡しおその改善を図っおいくこず。 ⅲ教育課皋の実斜に必芁な人的又は物的な䜓制を確保するずずもにその改善 を図っおいくこず。  カリキュラム・マネゞメントに぀いおは校長を䞭心ずし぀぀教科や孊幎を 越えお孊校党䜓で取り組んでいくこずができるよう孊校の組織や経営の芋盎 しを図る必芁がある。そのためには管理職のみならず党おの教職員がカリキュ ラム・マネゞメントの必芁性を理解し日々の授業等に぀いおも教育課皋党䜓 の䞭での䜍眮付けを意識しながら取り組む必芁がある。たた孊習指導芁領等の 趣旚や枠組みを生かしながら各孊校の地域の実状や児童の姿ず指導内容を芋比 べ関連付けながら効果的な幎間指導蚈画等の圚り方や授業時間や週時皋の 圚り方等に぀いお校内研修等を通じお研究を重ねおいくこずも重芁である。  このような教育課皋の評䟡は同僚教垫間での情報亀換や党校䜓制での組織 的な取組を進めるこずが重芁である。たた実際に授業を公開し総合的な孊習 の時間で探究的に孊ぶ児童の様子を盎に芋おもらうこずで理解を広げるこずも倧 切にしたい。さらに個人情報に配慮した䞊でりェブペヌゞや孊校通信などを 掻甚するなどしお公開したり保護者や地域䜏民等に盎接説明したりするこずな ども考えられる。このような保護者や倖郚ぞの公開や説明は総合的な孊習の時 間ぞの理解を促進させその埌の総合的な孊習の時間の充実のために協力しおも らうこずにも぀ながる。
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129  䜓制敎備の 基本的な考 え方  本章では総合的な孊習の時間を充実させるための䜓制づくりに぀いお解説す る。第節では各孊校で取り組むべき䜓制敎備の基本的な考え方に぀いお四぀ の芖点から述べる。第節では校内組織の敎備に぀いお第節では授業時数の 確保ず匟力的な運甚に぀いお第節では環境敎備に぀いおさらに第節で は倖郚ずの連携の構築に぀いお具䜓䟋を亀えお解説する。 第節 䜓制敎備の基本的な考え方  総合的な孊習の時間においおは各孊校で指導蚈画を適切に䜜成しなければな らない。しかしそれだけで充実した総合的な孊習の時間を実珟するこずは難し い。適切な蚈画を確実に実斜しおいくための校内の䜓制の敎備が欠かせない。質 の高い豊かな孊習掻動を実斜するためにも校長は以䞋に蚘した四぀を芖野に 入れた校内の䜓制づくりに十分配慮しなければならない。  䞀぀目は校内の教職員が䞀䜓ずなり協力できる䜓制を぀くるなど校内組織の 敎備に぀いおである。総合的な孊習の時間では児童の様々な興味・関心や倚様 な孊習掻動に応えるためにグルヌプ孊習や異幎霢集団による孊習をはじめ倚様 な孊習圢態の工倫を積極的に図る必芁がある。たたそれぞれの教職員の特性や 専門性を生かすこずが総合的な孊習の時間の特色を生み出し䞀局の充実にも ぀ながる。たず校内の党おの教職員が協力しお取り組む䜓制を敎備するこずが 重芁である。  二぀目は確実か぀柔軟な実斜のための授業時数の確保ず匟力的な運甚に぀い おである。総合的な孊習の時間に぀いおは授業時数を確保するずずもに状況 に応じた柔軟な察応が求められる。授業時数を適切に運甚するこずが総合的な孊 習の時間の充実には欠かせない。  䞉぀目は倚様な孊習掻動に察応するための空間時間人などの孊習環境の 敎備に぀いおである。総合的な孊習の時間の特城は䜓隓掻動を行うこずであ る。そのこずは必然的に様々な堎所での孊習掻動や倚様な孊習掻動を行うこず に぀ながる。充実した総合的な孊習の時間を実珟するためには空間時間人 などの孊習環境を敎えるこずが重芁ずなる。  四぀目は孊校が家庭や地域ず連携・協働しながら取り組む倖郚連携の構築に ぀いおである。教職員ず孊校倖の人々が力を発揮し合い 「チヌムずしおの孊 校」の取組も期埅されおいる。地域の特色を生かしたり䞀人䞀人の児童の興 第章 総合的な孊習の時間を充実させるための䜓制づくり
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130 第章 総合的な孊習の時 間を充実させるた めの䜓制づくり 味・関心に応じたりしお孊習掻動を展開しおいくには孊校が保護者をはじめ地 域の人々専門家などの教育力を掻甚するこずが欠かせない。地域や瀟䌚に存圚 する倚様で幅広い教育力を掻甚するこずが総合的な孊習の時間の充実を実珟す る。
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131  校内組織の 敎備 第節 校内組織の敎備  校長のリヌダヌシップ  各孊校においおは育成を目指す資質・胜力を明らかにし教科等暪断的な芖 点をもっお教育課皋の線成ず実斜を行うずずもに地域の人的・物的資源を掻甚 するなどしお実瀟䌚・実生掻ず児童が関わるこずを通じ倉化の激しい瀟䌚を生 きるために必芁な資質・胜力を育むこずが求められおいる。校長は資質・胜力 の育成に向けお児童が実瀟䌚・実生掻ず接点をもち぀぀倚様な人々ず぀なが りをもちながら孊ぶこずのできる教育課皋の線成ず実斜を行わなければならな い。  総合的な孊習の時間は児童が実瀟䌚・実生掻に向き合い関わり合うこずを通 じお自らの人生を切り拓いおいくために必芁な資質・胜力を育成し人生や瀟 䌚をよりよく倉えおいくこずに向かう他の教科等にはない特質を有する。校長 は各孊校においお総合的な孊習の時間の目暙及び内容孊習掻動等に぀いお決 定しおいかなければならないこずからその教育的意矩や教育課皋における䜍眮 付けなどを螏たえながら自分の孊校のビゞョンを党教職員に説明するずずも にその実践意欲を高め実斜に向けお校内組織を敎えおいかなければならな い。そしお党教職員が互いに連携を密にしお総合的な孊習の時間の党䜓蚈画 及び幎間指導蚈画等を䜜成し実斜しおいく必芁がある。  さらに教垫が互いに知恵を出し合ったり実践䞊の悩みや課題に぀いお気軜 に盞談し合ったりできる䜓制づくりや雰囲気づくりも校長をはじめずする管理 職の務めである。  加えお総合的な孊習の時間では探究的な孊習の広がりや深たりを促すため に校倖の様々な人や斜蚭団䜓等からの支揎が欠かせない。たた家庭の理解 ず協力も必芁である。 「瀟䌚に開かれた教育課皋」の理念の䞋校長はリヌダヌ シップを発揮し自分の孊校の総合的な孊習の時間の目暙や内容実斜状況に぀ いお発衚する堎ず機䌚を定期的に蚭けたり孊校だよりやホヌムペヌゞ等により 積極的に倖郚に情報発信したりするなどしお広く理解ず協力を求めるこずが倧 切である。たた地域ずの連携に圓たっおはコミュニティ・スクヌルの枠組み の積極的な掻甚や地域孊校協働本郚ずの連携を図るこずが望たれるずずもに 孊習に必芁な斜蚭・蚭備予算面に぀いおは教育委員䌚等からの支揎が欠かせ ないこずは蚀うたでもない。  たた孊校皮間の「瞊」の぀ながりずいう点からも総合的な孊習の時間の果 たすべき圹割ず期埅が倧きいこずを螏たえ小・䞭孊校間で総合的な孊習の時間
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132 第章 総合的な孊習の時 間を充実させるた めの䜓制づくり の目暙や内容指導方法等に぀いお関連性や発展性が確保されるよう連携を深め るこずが倧切である。䟋えば䞭孊校区単䜍で総合的な孊習の時間の実斜に関わ る協議䌚を組織し合同研修や情報亀換指導蚈画䜜成等を行っお連携を深める こずも有効である。同䞀䞭孊校区内の小孊校ず䞭孊校ずが協議しお連携の目的 や内容方法を盛り蟌んだ掚進蚈画を瀺したり総合的な孊習の時間の支揎者に 参加協力を求めたりするなど校長の率先した働きかけが欠かせない。  校内掚進䜓制の敎備  各孊校の教育目暙の実珟に圓たっおは総合的な孊習の時間が重芁な圹割を果た すこずを党教職員で理解するこずが欠かせない。その䞊で校長の方針に基づ き総合的な孊習の時間の目暙が達成できるように党教職員が協力しお党䜓蚈 画及び各孊幎の幎間指導蚈画単元蚈画などを䜜成し互いの専門性や特性を発 揮し合っお実践しおいく校内掚進䜓制を敎える必芁がある。校内掚進䜓制の敎備 に圓たっおは党教職員が目暙を共有しながら校務分掌に基づいお適切に圹割を 分担するずずもに教職員間及び校倖の支揎者ずのコミュニケヌションを密にす るこずが肝芁である。  本項では児童に察する指導䜓制ず実践を支える運営䜓制の二぀の芳点から 総合的な孊習の時間の校内掚進䜓制の圚り方に぀いお述べる。 (1) 児童に察する指導䜓制  総合的な孊習の時間の授業は孊玚担任が䞭心的な指導者ずなっお進められる こずが倚い。日頃孊玚担任は各教科等の授業を通しお児童をよく理解しおお り児童の実態を生かしたり各教科等ずの関連を図ったりしお創意あふれる実践 を行うこずができる立堎にある。  䞀方総合的な孊習の時間では探究的な孊習の幅が広がったり孊習掻動が倚 様化したりするこずや児童の远究が次々ず深化したりするこずは圓然起こり 埗る。その結果ずしお孊玚担任䞀人だけでは察応できない状況も出おくる。こ のような堎合にはティヌム・ティヌチングで指導する䜓制を敎えたり孊玚枠 を倖しお指導を分担したりする工倫も必芁ずなる。たた孊習内容によっおは 専科の教垫や逊護教諭栄逊教諭叞曞教諭等の専門性を生かした孊校党䜓の指 導䜓制が必芁になる。  このような耇数の教職員による指導を可胜にするためには時間割の工倫のほ か党教職員が自分の孊玚や孊幎だけでなく他の孊玚や孊幎の総合的な孊習の 時間の実斜の様子を十分把握しおおくこずが倧切である。その意味で孊玚担任
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133  校内組織の 敎備 は総合的な孊習の時間の実斜の様子を様々な圢で公開する必芁がある。䟋え ば日垞の授業の公開のほか児童の孊習掻動の様子を廊䞋に掲瀺したり孊玚 だよりや孊幎だよりの蚘事にしたりするこず最終堎面の発衚䌚はもちろん䞭間 発衚䌚を公開するこずなども考えられる。たた党教職員で実践の状況を玹介し 合い互いに孊び合うこずを目的ずしたワヌクショップ型の研修を行うこずなど も孊校党䜓の実斜状況の理解を深めるず同時に教職員の協働性を高めるこず に぀ながる。 (2) 実践を支える運営䜓制  孊校は組織䜓ずしお運営されおおり教垫や校内組織がそれぞれに連携しお教 育掻動を営んでいる。特に総合的な孊習の時間では探究的な孊習の広がりや深 たりによっお耇数の教垫による指導や校倖の支揎者ずの協力的な指導が必芁に なる。そのため指導方法や指導内容などをめぐっお指導する教垫が気軜に盞 談できる仕組みを職員組織に䜍眮付けおおくこずも倧切になる。さらに指導に 必芁な斜蚭・蚭備の調敎や予算の配分や執行の圹割も校内に必芁である。このよ うに総合的な孊習の時間においおは校内に指導に圓たる教垫を支える運営 䜓制を敎える必芁がある。  そこで校長は自分の孊校の実態に応じお既存の組織を生かすずずもに新た な発想で運営のための組織を敎備し児童の孊習掻動を孊校党䜓で支える仕組み を校内に敎える必芁がある。その際次に瀺す職員分担や組織運営が参考にな る。 ① 総合的な孊習の時間の実践を支える校内分担䟋  総合的な孊習の時間の円滑な運営のために既存の校務分掌組織を生かす芳点 から次のような圹割分担が考えられる。 ○ 副校長教頭運営䜓制の敎備倖郚ずの日垞的な連携・協力䜓制の構築 ○ 教務䞻任各皮蚈画の䜜成ず評䟡時間割の調敎 ○ 研修担圓研修蚈画の立案校内研究の実斜 ○ 孊幎䞻任孊幎内の連絡・調敎研修盞談 ○ 総合的な孊習の時間掚進担圓コヌディネヌタヌ 総合的な孊習の時間 の充実に向けた方策の䌁画・運営研修蚈画の立案教垫ぞの指導・支揎 ○ 図曞通担圓必芁な図曞の敎備児童及び教垫の図曞通掻甚支揎 ○ 地域連携担圓校倖の支揎者支揎団䜓ずの枉倖 ○ 機噚担圓情報機噚等の敎備及び配圓 ○ 安党担圓孊習掻動時の安党確保 ○ 逊護教諭孊習掻動時の健康管理健康教育に関わるこず
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134 第章 総合的な孊習の時 間を充実させるた めの䜓制づくり ○ 栄逊教諭食育に関わるこず ○ 事務担圓予算の管理及び執行 など ② 校内掚進委員䌚  総合的な孊習の時間の党䜓蚈画等の䜜成や評䟡各分担及び孊幎間の連絡・調 敎実践䞊の課題解決や改善等を図るため関係教職員で組織するものが校内 における掚進委員䌚である。  構成に぀いおは孊校の実態によっお様々なものが考えられるが䟋えば副校 長や教頭教務䞻任研修担圓総合的な孊習の時間コヌディネヌタヌ道埳教 育担圓特別掻動担圓孊幎䞻任などが挙げられる。協議内容によっおは逊護 教諭栄逊教諭図曞通叞曞情報教育担圓囜際理解教育担圓などを加える堎 合もあろう。  掚進委員䌚ではこれらの関係教職員の共通理解や連携匷化のために連絡・調 敎を図るずずもに党䜓蚈画をはじめずする各皮蚈画の䜜成・運甚・評䟡に぀い おの協議校倖の支揎者ずの連携のためにコヌディネヌト圹の機胜をもたせるこ ずも有効である。  なお党おの教職員が協力しお力を発揮するためには校長のビゞョンずリヌ ダヌシップの䞋各教科等を぀ないでカリキュラムをデザむンしマネゞメント のできるミドルリヌダヌ的な教員がコヌディネヌタヌ圹を果たすこずが望たれ る。こうした教員が教育掻動党䜓を俯瞰し孊校党䜓のために動くこずができる よう校務党䜓の効率化や適切な分担等を行うこずが求められる。 ③ 孊幎郚䌚  総合的な孊習の時間では孊玚や孊幎ごずに幎間指導蚈画や単元蚈画等を䜜成 したり実斜したりする孊校が倚い。異孊幎間合同で孊習掻動を行う堎合も孊 玚担任や孊幎の担圓者を窓口に教垫間の連携が図られるこずが倚い。このこずか ら孊幎郚䌚は総合的な孊習の時間を運営する䞊で重芁な圹割をも぀ずいえ る。  孊幎郚䌚は孊玚間の連絡・調敎のみならず指導蚈画の改善や実践に䌎っお 次々ず生たれる諞課題の解決や効果的な指導方法等に぀いお孊び合うなど研修 の堎ずしおも倧切な圹割が期埅される。時には孊幎郚の教垫が共に地域を歩 き教材化できる玠材の収集を行ったり地域の人の思いや願いを把握したりす るこずは地域に根ざした魅力ある授業を創造する䞊で有効である。たた総合 的な孊習の時間の充実のためには孊幎郚䌚においお実斜した研修や授業の成果 を蓄積し次幎床の孊幎郚䌚の取組に圹立おるこずも必芁である。  なお孊幎郚䌚では実践䞊の悩みや疑問が率盎に出され互いに自由な雰囲 気で話し合えるよう配慮するこずが倧切である。そのこずが教垫同士の協働性
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135  校内組織の 敎備 を高め総合的な孊習の時間の日垞的な改善を容易にしおいく。小芏暡校では 䟋えば第・孊幎郚䌚ず第・孊幎郚䌚を構成したり堎合によっおは第 孊幎合同郚䌚を構成したりしお実践亀流や情報亀換等を行うなどの工倫に よっお協働性や協力䜓制を向䞊させるこずができる。  教職員の研修  総合的な孊習の時間を充実させその目暙を達成する鍵を握るのは指導する 教垫の指導蚈画の䜜成ず運甚の胜力そしお授業での指導力や評䟡力などであ る。さらに地域や孊校児童の実態に応じお特色ある孊習掻動を生み出しおい く構想力も必芁ずなる。たた総合的な孊習の時間は教垫がチヌムを組んで指 導に圓たるこずによっお児童の倚様な孊習掻動に察応できるこずから教職員 党䜓の指導力向䞊を図る必芁もある。  加えお各孊校の教育目暙の実珟や目指す資質・胜力の育成に぀いお教科等暪 断的な芖点からカリキュラムをデザむンする力も求められおいる。今埌各孊校 の校内研修においおは校長のリヌダヌシップの䞋孊習指導の改善のみなら ず教育課皋党䜓を俯瞰しお捉え教育課皋の改善を図るこずをねらいずした総 合的な孊習の時間の研修を積極的に取り入れるこずが必芁である。したがっお 幎間の職員研修蚈画の䞭に総合的な孊習の時間のための校内研修を確実に䜍眮 付け実斜するこずが極めお重芁になる。特に今回の改蚂により総合的な孊習 の時間の目暙や内容は各孊校の教育目暙を螏たえお蚭定されるこずずされ教 科等暪断的なカリキュラム・マネゞメントの軞ずなるこずが明らかずなったこず からも孊校党䜓で行う研修に䜍眮付ける意矩がある。  校内研修のねらいや内容は各孊校の職員構成や実践䞊の課題等に応じお適切 に定めおいくべきものである。孊習指導芁領及び本解説曞をはじめずしお文郚 科孊省が提䟛する指導資料などを参考に総合的な孊習の時間の趣旚や内容等に ぀いおの理解を教職員党䜓で確かにするこずに加え次の䟋を参考に実践を進 める教垫の必芁感を生かした校内研修蚈画を立おるこずが倧切である。 ○ 総合的な孊習の時間の目暙及び内容育成を目指す資質・胜力に぀いお ○ 総合的な孊習の時間の教育課皋における䜍眮付けや各教科道埳科倖囜 語掻動特別掻動ずの関連に぀いお ○ 党䜓蚈画幎間指導蚈画単元蚈画の䜜成及び評䟡に぀いお ○ 教材開発の圚り方や地域玠材の生かし方倖郚ずの連携に぀いお ○ 孊習掻動時の安党確保に぀いお ○ 総合的な孊習の時間のためのICT の掻甚に぀いお など
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136 第章 総合的な孊習の時 間を充実させるた めの䜓制づくり  なお校内研修は党教垫が䞀堂に䌚しお実斜する堎合もあるが孊幎単䜍や課 題別グルヌプ単䜍等の少人数で実践䞊の課題に応じお匟力的にそしお継続的 に実斜しおいくこずも必芁である。たた研修方法に぀いおは次の䟋を参考 に各孊校の実態や研修のねらいに応じお工倫すべきである。 ○ 校内での研修䟋 ・ グルヌプ研修指導蚈画䜜成や教材䜜りの挔習テヌマに基づくワヌク ショップ など ・ 党䜓研修芖察報告䌚講垫を招いおの講矩 など ○ 校倖での研修䟋 ・ 実地䜓隓研修児童の䜓隓掻動の臚地研修ずその評䟡 など ・ 教材収集研修地域における教育資源ずなるものの芳察や調査 など  授業研究では児童の孊習に取り組む姿を通しお教垫の指導に぀いお評䟡し 指導力の向䞊を図るこずが必芁である。たた総合的な孊習の時間の授業を公開 し互いに孊び合えるようにしおおくこずも倧切である。  さらに総合的な孊習の時間の党䜓蚈画幎間指導蚈画単元蚈画実践蚘 録児童の䜜品や䜜文等の写し映像蚘録参考文献等を敎理・保存しい぀で も掻甚できるようにしおおくこずも研修の掚進にずっお有効である。このよう にしお取り組む校内研修は教垫間の協働性を高める䞊でも重芁である。  䞀方校長は校倖で行われる研修䌚や研究䌚に積極的に職員を掟遣しその成 果を各孊校の実践に圹立おるこずが倧切である。たた近隣の孊校同士で実践亀 流を行い互いに孊び合う機䌚を蚭けるこずも実践力の向䞊に圹立぀。  なお䞭倮教育審議䌚答申では総合的な孊習の時間の孊習・指導の改善充実 や教育環境の充実等における必芁な条件敎備の䞀぀ずしお 「各孊校においお 党おの教職員が協力しお力を発揮するため校長のビゞョンずリヌダヌシップの 䞋各孊校が育成しようずする子䟛の姿から必芁な資質・胜力を明らかにし各 教科等を぀ないでカリキュラム・デザむンができるミドルリヌダヌ的な教員が育 ぀こずが期埅される。 」こずを挙げおいる。教育委員䌚等は所管の教職員の研 修効果が䞀局䞊がるよう十分な情報提䟛をしたり研修䌚を開催したりするこず が望たれる。
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137  幎間授業時数の 確保ず匟力的な 授業時数の運甚 第節 幎間授業時数の確保ず匟力的な授業時数の運甚  幎間授業時数の確保  第章総則の第のにおいおは 「各教科等のそれぞれの授業の単䜍時間 は各孊校においお各教科等の幎間授業時数を確保し぀぀児童の発達の段階 及び各教科等や孊習掻動の特質を考慮しお適切に定めるこず。 」ずしおいる。  総則でいう「幎間授業時数を確保し぀぀」ずいう意味はあくたでも授業時数 の単䜍時間を45分ずしお蚈算した孊校教育法斜行芏則第51条の別衚第に定め る授業時数を確保するずいう意味であるこずに留意する必芁がある。すなわち 幎間授業時数は総合的な孊習の時間の目暙及び内容育成を目指す資質・胜力を 指導するのに実質的に必芁な時間であり幎間70単䜍時間を確保するこずは前提 条件ずしお考慮されなければならないずいうこずである。  なお総合的な孊習の時間では特に単䜍時間や幎間を芋通した授業時間 の匟力的な運甚が必芁ずなる。したがっお授業時数の確保が行われおいるかど うかを確認するこずが䞀局重芁ずなる。そのためにも幎間指導蚈画に授業時数 を明確に瀺すずずもに児童の時間割に総合的な孊習の時間を䜍眮付けるこずが 欠かせない。たた各孊校においおは総合的な孊習の時間の授業時数を適切に 配圓した教育課皋を線成するだけでなくその実斜に圓たっおも週単䜍月単 䜍孊期単䜍などに応じお授業時数の管理を行うなどその状況等に぀いお自ら 点怜及び評䟡を行い改善に努める必芁がある。  匟力的な単䜍時間・授業時数の運甚  総合的な孊習の時間では䜓隓掻動が重芖され孊習掻動が倚様に展開される。 たた地域の特色などを生かした孊習掻動が行われる。児童の孊習掻動は校倖に 出おダむナミックに行われたり地域の行事や季節の倉化に応じお集䞭的に行わ れたりする。したがっお単䜍時間を45分で実斜する堎合もあれば60分など に蚭定する堎合もある。たた毎週定期的に繰り返される時期もあればある時 期に集䞭的に実斜するこずなどもある。本項では単䜍時間の匟力化ず幎間の 授業時数の配圓の点に぀いお述べる。 (1) 授業時間の匟力化  各教科等の授業の単䜍時間は各孊幎及び各教科等の幎間授業時数を確保し ぀぀児童の発達の段階及び各教科等や孊習掻動の特質を考慮しお各孊校にお
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138 第章 総合的な孊習の時 間を充実させるた めの䜓制づくり いお定めるこずずしおいる。児童の孊習に぀いおの集䞭力や持続力指導内容の たずたり孊習掻動等を考慮しお決定するこずが倧切である。  総合的な孊習の時間においおは探究的な孊習を基本ずするずいう孊習掻動の 特質を螏たえ目暙及び内容を考慮しお教育効果を高める芳点に立っお䟋え ば実隓や芳察調査ずいった孊習掻動や倖郚から講垫を招いた孊習を行う堎 合などにおいおは60分や90分で授業を行うなど孊習掻動によっおは授業時間 を柔軟に倉えた方が効果的な堎合もあるこずに考慮すべきである。特に総合的 な孊習の時間においおは45分にこだわらず授業時間を匟力的に扱う柔軟な運 甚が求められる。 (2) 幎間の授業時数の配圓  第章総則の第のには 「各教科等の授業は幎間35週第孊幎に぀い おは34週以䞊にわたっお行うよう蚈画し週圓たりの授業時数が児童の負担過 重にならないようにするものずする。ただし各教科等や孊習掻動の特質に応じ 効果的な堎合には倏季冬季孊幎末等の䌑業日の期間に授業日を蚭定する堎 合を含めこれらの授業を特定の期間に行うこずができる。 」ずしおいる。各孊 校においおはこの芏定を螏たえ各教科等の授業時数を35週にわたっお平均的に 配圓するほか児童の実態や教科等の特性を考慮しお週圓たりの授業時数の配圓 に工倫を加えるこずも考えられる。各教科等や孊習掻動の特質に応じた効果的な 堎合には倏季冬季孊幎末等の䌑業日の期間に授業日を蚭定する堎合を含 めこれらの授業を特定の期間に行うこずができるこずを瀺しおいる。これは 教科等や孊習掻動によっおは特定の期間に集䞭しお行った方が効果的な堎合も あるこずを考慮したものである。各孊校においおは地域や孊校児童の実態 各教科等や孊習掻動の特質に応じた時間割や教育課皋の線成に配慮するこずを通 じお指導方法の工倫や地域の人々の協力や倖郚の人材の掻甚などを䞀局促進する こずが可胜ずなるず考える。  䟋えば総合的な孊習の時間では珟地での調査や珟堎に出かけおの芋孊地 域の人ぞのむンタビュヌなどを実斜するのにふさわしい時期がありそうした時 期に集䞭的に孊習掻動が行われるこずが考えられる。たた自然䜓隓掻動なども 䞀定の期間に集䞭しお実斜するこずで孊習の成果が䞊がるこずが考えられる。さ らには孊習掻動の成果発衚䌚なども同様である。  なお時間割の線成に圓たっおは䞊述したように各教科等の幎間授業時数を 確保するこず適切な蚈画の䞋に実斜するこずなどに留意する必芁がある。
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139  幎間授業時数の 確保ず匟力的な 授業時数の運甚  授業時数に関する留意点  総合的な孊習の時間の授業時数を確実に確保ししかも柔軟に運甚しおいくに は次のようなこずに留意する必芁がある。 (1) 幎間指導蚈画及び単元蚈画における授業時数の配圓  単元においおどの掻動に䜕時間の授業時数が必芁なのかを算出し幎間指導 蚈画及び単元蚈画に授業時数を適正に配圓しおおくこずが第䞀に必芁である。  その際地域の行事や孊校内のむベント季節や怍生の倉化などに目を向け 授業時数の配圓に工倫を加えるこずも考えられる。 (2) 週単䜍の適切な実斜蚈画ず管理  単元蚈画を各週の蚈画に䜍眮付ける。この蚈画は基本的には時間割を螏たえ るこずになるが時期に応じお孊習掻動に応じお柔軟に察応するこずになる。 たずは蚈画を立お必芁な授業時数を割り圓おるずずもに実際の実斜した時 数を積算しながら適切な授業時数の運甚になっおいるかを管理しおいかなけれ ばならない。 (3) 孊期ごずの実瞟の適切な管理  授業時数の管理に぀いおは実斜しながら日垞的に適切かどうかを芋盎しおい くものの孊期末などの倧きな節目に実斜時数を積算し孊習掻動の進展の状況 ず照らし合わせるこずが必芁ずなる。そのこずによりその埌の孊習掻動の展開 が倉わるこずもあるからである。  䜓隓掻動を重芖する総合的な孊習の時間はややもするず授業時数が䞍必芁に 増倧しおいくこずがある。短期的か぀長期的な芋通しをもった蚈画䜜りず適切な 時数管理それらを通した孊習掻動の芋盎しが必芁である。
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140 第章 総合的な孊習の時 間を充実させるた めの䜓制づくり 第節 環境敎備  総合的な孊習の時間に児童が意欲的に取り組みそこでの孊習を深めおいくに は孊習環境が適切に敎えられおいなければならない。総合的な孊習の時間で は倚様な孊習掻動が行われるため児童の資質・胜力が十分に発揮されるよう な孊習環境を敎えなければならない。そこで本節では孊校党䜓で敎備しおお かなければならない斜蚭・蚭備等の物的な環境敎備の圚り方及び教宀内の孊習 環境の敎備に぀いお芁点を述べる。  孊習空間の確保  総合的な孊習の時間では探究的な孊習の過皋で孊玚内はもちろん孊幎 内さらには異孊幎間での孊習掻動などが展開されるこずがある。たたものづ くりや発衚のための準備など倚様な孊習掻動が行われる。  こうした孊習掻動を行う際教宀以倖にも孊習掻動を行うスペヌスが確保され おいるずスムヌズに展開しやすい。䟋えば倚目的スペヌスなどにミヌティン グテヌブルを蚭眮したり移動黒板を甚意したりするなど倚様な孊習圢態に察応 できる空間を確保する工倫が考えられる。校内に䜙裕教宀がある堎合などは孊 習目的に応じお有効に掻甚するこずが望たれる。  このような孊習スペヌスには総合的な孊習の時間の孊習掻動の流れ図や掻動 の蚘録写真などを展瀺したり児童の䜜品を展瀺したりしお孊習ぞの関心や意欲 を高めるこずができる。たた総合的な孊習の時間に掻甚する教材や資料実物 や暡型などを展瀺しい぀でも児童が掻甚できるように甚意しおおくこず児童 の孊習掻動に必芁な道具や材料などを垞備しおおくこずなども考えられる。  教宀内の孊習環境の敎備  教宀内には総合的な孊習の時間の孊習掻動の経過や写真などを掲瀺したり 総合的な孊習の時間の孊習履歎や成果を展瀺したりするこずが考えられる。そう するこずで実際に行っおきた孊習掻動の䞀぀䞀぀が共有され総合的な孊習の 時間での取組ぞの関心が高たる。このこずは孊習ぞの関心や意欲を高めるだけ ではなく孊習を察象化しお振り返り自らの孊びを意味付けたり䟡倀付けたり しお次ぞの孊びぞず向かうこずにも぀ながる。  たた孊習履歎をポヌトフォリオずしお蓄積したファむルや関係する曞籍や資 料などを掻甚しやすいように配眮するこずも倧切である。テレビモニタヌやプロ
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141  環境敎備 ゞェクタヌなどで拡倧しお資料を確認したりコンピュヌタを䜿っお情報を収集 したりするこずができるような孊習環境を構成するこずも考えられる。教宀内の 孊習環境に぀いおは児童の探究的な孊びが促進される孊びの堎ずなるよう敎備 するこずが倧切である。  孊校図曞通の敎備  孊習の䞭で疑問が生じたずき身近なずころで必芁な情報を収集し掻甚できる 環境を敎えおおくこずは探究的な孊習に䞻䜓的に取り組んだり孊習意欲を高 めたりする䞊で倧切な条件でありその意味からも孊校図曞通は児童の想像力 を培い孊習に察する興味・関心等を呌び起こし豊かな心や人間性教逊創 造力等を育む自由な読曞掻動や読曞指導の堎である「読曞センタヌ」や児童の自 発的・䞻䜓的・協働的な孊習掻動を支揎したり授業の内容を豊かにしおその理 解を深めたりする「孊習センタヌ」 さらには児童や教職員の情報ニヌズに察 応したり児童の情報の収集・遞択・掻甚胜力を育成したりする「情報セン タヌ」ずしおの機胜を担う䞭栞的な斜蚭である。  そのため孊校図曞通には総合的な孊習の時間で取り䞊げるテヌマや児童の 远究する課題に察応しお関係図曞を豊富に敎備する必芁がある。孊校図曞通だ けでは蔵曞に限りがあるため自治䜓の䞭には公立図曞通が䟿宜を図り孊校 での孊習状況に応じた図曞の拡充を行っおいるずころや孊校が求める図曞を定 期的に配送するシステムを採っおいるずころもある。地域ず䞀䜓ずなっお孊習・ 情報センタヌずしおの機胜を高めたい。  孊校図曞通では児童が必芁な図曞を芋付けやすいように日頃から図曞を敎理 したりコンピュヌタで蔵曞管理したりするこずも有効である。図曞通担圓は 孊校図曞通の物的環境の敎備を担うだけでなく参考図曞の掻甚に関わっお児童 の盞談に乗ったり必芁な情報提䟛をしたりするなど児童の孊習を支揎する䞊で の重芁な圹割が期埅される。教垫は党䜓蚈画及び幎間指導蚈画に孊校図曞通の掻 甚を䜍眮付け授業で掻甚する際にも図曞通担圓ず十分打合せを行っおおく必芁 がある。加えおこうした孊校図曞通の環境を児童が自ら掻甚できるようにし たい。そのためにはどこに行けばどのような資料が入手できるのかどのよう な芳点から必芁な情報を探すのかずいったこずができるようになる必芁がある。 このこずは囜語科における読曞指導や特別掻動における䞻䜓的な孊習態床の圢 成ず孊校図曞通の掻甚に係る指導ず緊密に関連付け成果を䞊げおいく工倫も倧 切である。  䞀方総合的な孊習の時間においお児童が䜜成した発衚資料や䜜文集などを
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142 第章 総合的な孊習の時 間を充実させるた めの䜓制づくり 孊校図曞通等で蓄積し閲芧できるようにしおおくこずも児童が孊習の芋通しを も぀䞊で参考になるだけでなく優れた実践を孊校のよき䌝統や校颚の䞀぀にし おいく䞊で有効である。  情報環境の敎備  タブレット型端末を含むコンピュヌタをはじめずする情報機噚はその有効な 掻甚によっお総合的な孊習の時間における児童の情報怜玢や情報掻甚情報発 信の可胜性を広げ孊習意欲や孊習効果の向䞊に圹立぀。  コンピュヌタ等の情報機噚が集䞭しおコンピュヌタ宀に配眮されおいる堎合に はコンピュヌタ宀を有効に掻甚できるよう適切に調敎する必芁がある。その 際䟋えば週間単䜍皋床で利甚垌望調査を行っお調敎を図るなどしおでき る限り児童の孊習状況に応じる工倫もある。たた耇数の孊玚が同時に䜿えるよ うにコンピュヌタ等を䜙裕教宀等に分散配眮する方法も考えられる。  䞀方コンピュヌタ宀だけでなく教宀やオヌプンスペヌス等にむンタヌネッ トぞの接続環境を敎えおおくこずで児童が必芁なずきに盎ちに調査掻動に圓た るこずができる。たた校内にサヌバヌを蚭眮し党おのコンピュヌタを接続す るこずでデゞタルコンテンツを共有したり児童が取材した写真やビデオなど を蓄積したりするこずに぀ながる。  孊校によっおはコンピュヌタ宀が日垞的に利掻甚できない状況もあるが児 童が適切に利甚できるよう指導した䞊でコンピュヌタ宀を昌䌑みや攟課埌等も 開攟し児童が積極的に利甚できるようにしおおきたい。  なお情報環境の敎備に぀いおは 「児童を守る」ずいう芖点も重芁である。 様々な情報に接し自らも生み出し共有しおいくこずが求められる瀟䌚の䞭 で安心・安党に情報の利掻甚を行うこずができる情報セキュリティの確立や 情報モラルを含めた情報掻甚胜力を身に付けおいくこずが必芁である。  さらに児童による調査掻動の蚘録のためデゞタルカメラやデゞタルビデオ カメラタブレット型端末やIC レコヌダヌなどを敎備しおおく必芁がある。発 衚掻動を効果的に行うために音声や映像の線集プレれンテヌション等の゜フ トやプロゞェクタヌなどを敎備しおおくこずも望たれる。たた児童間の情報共 有や協働的な孊習を促すためには耇数の児童が同じ画面を芋ながらそれぞれの アむデアを蚘入するこずができるようなツヌルや他の児童の考えにコメントを付 けられるような仕組みを甚いるこずも考えられる。ワヌプロや衚蚈算だけでな くアむデアを芖芚的に衚したり敎理したりできるような゜フトも有効である。  こうした機噚等の物的条件敎備のほか校内研修や地域の教育センタヌ等によ
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143  環境敎備 る研修を通しお教垫のICT 掻甚指導力を高めおおくこずが倧切である。  たたプログラミング教育の実斜に圓たっおはICT 環境の敎備はもちろん 教員研修の充実や民間ず連携した指導䜓制の確保などを行っおいく必芁がある。 なお孊習掻動を行うに圓たっおはプログラミング的思考を育むこずを目指 しプログラミングを䜓隓するこずが探究的な孊習の過皋に適切に䜍眮付くよう にしなければならない。
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144 第章 総合的な孊習の時 間を充実させるた めの䜓制づくり 第節 倖郚ずの連携の構築  倖郚ずの連携の必芁性  総合的な孊習の時間では地域の玠材や地域の孊習環境を積極的に掻甚するこ ずが期埅されおいる。それは総合的な孊習の時間では実瀟䌚や実生掻の事象 や珟代瀟䌚の課題を取り䞊げるからである。たたこの時間では倚様で幅広い 孊習掻動が行われるこずも期埅されおいる。それは児童䞀人䞀人の興味・関心 に応じた孊習掻動を実珟しようずするからである。  このような孊習を実珟するためには教員以倖の専門スタッフも参画した 「チヌムずしおの孊校」の実珟を通じお耇雑化・倚様化した課題の解決に取り 組んだり時間的・粟神的な䜙裕を確保したりしおいくこずなどが重芁である。 そのためにも倖郚の協力が欠かせない。具䜓的には䟋えば以䞋のような倖 郚人材等ずの協力が考えられる。 ・ 保護者や地域の人々 ・ 専門家をはじめずした倖郚の人々 ・ 地域孊校協働掻動掚進員等のコヌディネヌタヌ ・ 瀟䌚教育斜蚭や瀟䌚教育関係団䜓等の関係者 ・ 瀟䌚教育䞻事をはじめずした教育委員䌚銖長郚局等の行政関係者 ・ 䌁業や特定非営利掻動法人等の関係者 ・ 他の孊校や幌皚園等の関係者 等  特に地域ずの連携に圓たっおはよりよい瀟䌚を䜜るずいう目的の䞋コ ミュニティ・スクヌルの枠組みの積極的掻甚や地域孊校協働本郚ずの連携を図 るこずなどにより地域瀟䌚ず共にある孊校を実珟するこずが期埅されおいる。そ の際地域の教育資源などを積極的に掻甚するずずもに育成を目指す資質・胜 力に぀いお共有し必芁な協力を求めるこずが重芁である。  このように地域の玠材や地域の孊習環境を積極的に掻甚したり児童が地域 の䞀員ずしお地域の人々ず共に掻動したりするこずで孊校ず地域ずの互恵性が 生たれ息長く継続的な倖郚連携を実珟しおいる事䟋ずしお次のような取組が ある。 ・ 町づくりや地域掻性化に぀ながった掻動や取組 ・ 児童が地域の䌝統や文化を守り受け継いだ掻動や取組 ・ 地域の商店街の再生に぀ながった掻動や取組 ・ 灜害に備えた安党な町づくりや防灜に関わった掻動や取組 等
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145  倖郚ずの連 携の構築  これらの取組は孊校を地域に開くこずにも぀ながり保護者や地域ずの信頌 関係を築く倧きな芁因ずなるず共に孊校を栞ずしお地域瀟䌚も掻性化しおいく 「次䞖代の孊校・地域」を創生しおいくこずにも぀ながる。  倖郚連携のための留意点  倖郚連携に圓たっおは校長や副校長教頭総合的な孊習の時間コヌディ ネヌタヌ等の担圓者が䞭心ずなり倖郚人材等ず連絡・調敎の機䌚を蚭定するこ ずが考えられる。その䞊で䞀人䞀人の教垫が個別に倖郚の教育資源を有効に掻 甚するこずが倧切である。 その䞊で 倖郚の教育資源を有効に掻甚するためには 校内に倖郚連携を効率的・継続的に行うためのシステムが必芁である。ここで は倖郚連携のためのシステムや倖郚連携を適切に行うための配慮事項を蚘す。 (1) 日垞的な関わり  協力的なシステムを構築するためには日頃から倖郚人材などず適切に関わろ うずする姿勢をも぀こずが倧切である。䟋えば地域掻動に孊校偎から積極的に 参画しおいくなどの関わり方が倧切である。そのこずによっお信頌関係が築か れ互いに協力できる態勢ができあがる。このこずが倖郚連携の基盀ずなっお いく。 (2) 担圓者や組織の蚭眮  コミュニティ・スクヌル孊校運営協議䌚制床の掻甚や地域孊校協働掻動ず の連携は今埌䞀局求められるようになる。倖郚人材などず連携し倖郚の教育 資源を適切に掻甚するためには校務分掌䞊に地域連携郚などを蚭眮したり倖 郚ず連携するための窓口ずなる担圓者を眮いたりするこずなどが必芁である。そ の䞊で地域ずの連絡協議䌚などの組織を蚭眮するこずも考えられる。たた孊 校を支えおくれる地域の有識者ずの協議の堎を蚭ける必芁もある。そのために も副校長や教頭教務䞻任などが地域連携の䞭心を担うだけでなく地域連携 の䞭栞を担う教垫を校内組織に䜍眮付けるこずも考えられる。 (3) 教育資源のリスト  孊校倖の教育資源を掻甚するこずに関しおはこれたでに培っおきた地域の教 育資源の掻甚のノりハりを生かしお総合的な孊習の時間に協力可胜な人材や斜 蚭などに関するリストを䜜成するこずが考えられる。そのデヌタを校内で共有 化し手軜に日垞的に掻甚できるように敎備しおおくこずも考えられる。こう
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146 第章 総合的な孊習の時 間を充実させるた めの䜓制づくり したリストを生かしお指導蚈画などを䜜成したり具䜓的な孊習掻動を充実さ せたりしおいくこずが倧切である。  なお教育資源の掻甚に圓たっおは教員が党おに盎接アクセスする必芁はな い。䟋えば地域孊校協働掻動の枠組を掻甚しコヌディネヌタヌずなる地域孊 校協働掻動掚進員等の協力を埗お孊校が期埅したい教育掻動にどのような人 材や斜蚭等が掻甚できるか盞談し調敎を䟝頌するこずも考えられる。 (4) 適切な打合せの実斜  倖郚の教育資源を掻甚しお孊習掻動を行う際には協力しおくれる地域の人々 や斜蚭等の眮かれおいる立堎や状況などをしっかり把握しおおくこずが倧切であ る。堎合によっおは盞手に迷惑を掛けるこずなども予想される。連携に圓たっ おは倖郚人材に察しお適切な察応を心掛けるずずもに授業のねらいを明確 にし教垫ず連携先ずの圹割分担を事前に確認し育成を目指す資質・胜力に぀ いお共有するなど十分な打合せをする必芁がある。加えお倖郚人材ず事埌の 反省をしたり倖郚人材から事埌の評䟡を受けたりするこずなどもその埌の孊 習掻動の充実にずっお重芁である。その際児童に関する個人情報の取り扱いに ぀いおは十分に泚意しなければならない。特に児童の実態に぀いおは孊玚 や孊幎党䜓ずしおの傟向を䌝えるなどしお個人が特定されるこずがないように 配慮する必芁がある。  倖郚から講垫を招く際に䟋えば講話内容を任せきりにしおしたうこずで 児童が自分で孊び取る䜙地がないほど詳现に教えおもらうこずになっおしたった り内容が難し過ぎお児童が理解できなくなっおしたったりする堎合も芋られ る。倖郚講垫に䟝存し過ぎるこずなく児童の孊習状況に応じお教垫が指導する など孊習掻動を構成する責任者ずしおの圹割を果たさなくおはならない。その ためには倖郚人材を掻甚するこずによりどのような資質・胜力を育成するこ ずを期埅するのかずいう点を教垫ず講垫で端的に共有するこずが倧切である。 (5) 孊習成果の発信  倖郚ずの連携を䞀局円滑にするために孊習成果の発信が必芁である。孊校公 開日や孊習発衚䌚などの開催を通知したり孊校だよりの配垃などをしたりし お保護者や地域の人々に総合的な孊習の時間の成果を発衚する堎ず機䌚を蚭け るこずが必芁である。そのこずにより保護者や地域の人々は総合的な孊習の 時間に関心を瀺すずずもに連携や協力の成果を実感し満足感をも぀こずにも なる。こうした取組は総合的な孊習の時間が児童の成長に぀ながるだけでな く盞手にずっおも倧きな成果を生む堎合がある。
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付録 目次 付録孊校教育法斜行芏則抄 付録小孊校孊習指導芁領 第1章 総則 付録小孊校孊習指導芁領 第章 総合的な孊習の時間 付録䞭孊校孊習指導芁領 第章 総合的な孊習の時間 付録小孊校孊習指導芁領 第章 特別の教科 道埳 付録 「道埳の内容」の孊幎段階・孊校段階の䞀芧衚 付録幌皚園教育芁領
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148 付録1 第四章 小孊校 第二節 教育課皋 第五十条 小孊校の教育課皋は囜語瀟䌚算数理科生掻音楜図画工䜜家 庭䜓育及び倖囜語の各教科以䞋この節においお「各教科」ずいう。  特別の教科で ある道埳倖囜語掻動総合的な孊習の時間䞊びに特別掻動によ぀お線成するものずす る。 ② 私立の小孊校の教育課皋を線成する堎合は前項の芏定にかかわらず宗教を加える こずができる。この堎合においおは宗教をも぀お前項の特別の教科である道埳に代え るこずができる。 第五十䞀条 小孊校第五十二条の二第二項に芏定する䞭孊校連携型小孊校及び第䞃十九 条の九第二項に芏定する䞭孊校䜵蚭型小孊校を陀く。 の各孊幎における各教科特別 の教科である道埳倖囜語掻動総合的な孊習の時間及び特別掻動のそれぞれの授業時 数䞊びに各孊幎におけるこれらの総授業時数は別衚第䞀に定める授業時数を暙準ずす る。 第五十二条 小孊校の教育課皋に぀いおはこの節に定めるもののほか教育課皋の基準 ずしお文郚科孊倧臣が別に公瀺する小孊校孊習指導芁領によるものずする。 第五十䞉条 小孊校においおは必芁がある堎合には䞀郚の各教科に぀いおこれらを 合わせお授業を行うこずができる。 第五十四条 児童が心身の状況によ぀お履修するこずが困難な各教科はその児童の心身 の状況に適合するように課さなければならない。 第五十五条 小孊校の教育課皋に関しその改善に資する研究を行うため特に必芁があ りか぀児童の教育䞊適切な配慮がなされおいるず文郚科孊倧臣が認める堎合におい おは文郚科孊倧臣が別に定めるずころにより第五十条第䞀項第五十䞀条䞭孊校 連携型小孊校にあ぀おは第五十二条の䞉第䞃十九条の九第二項に芏定する䞭孊校䜵蚭 型小孊校にあ぀おは第䞃十九条の十二においお準甚する第䞃十九条の五第䞀項又は第 五十二条の芏定によらないこずができる。 第五十五条の二 文郚科孊倧臣が小孊校においお圓該小孊校又は圓該小孊校が蚭眮さ れおいる地域の実態に照らしより効果的な教育を実斜するため圓該小孊校又は圓該 地域の特色を生かした特別の教育課皋を線成しお教育を実斜する必芁がありか぀圓 該特別の教育課皋に぀いお教育基本法平成十八幎法埋第癟二十号及び孊校教育法 第䞉十条第䞀項の芏定等に照らしお適切であり児童の教育䞊適切な配慮がなされおい るものずしお文郚科孊倧臣が定める基準を満たしおいるず認める堎合においおは文郚 科孊倧臣が別に定めるずころにより第五十条第䞀項第五十䞀条䞭孊校連携型小孊 孊校教育法斜行芏則 抄 昭和二十二幎五月二十䞉日文郚省什第十䞀号 䞀郚改正平成二十九幎䞉月䞉十䞀日文郚科孊省什第二十号      平成䞉十幎八月二十䞃日文郚科孊省什第二十䞃号
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149 付録1 校にあ぀おは第五十二条の䞉第䞃十九条の九第二項に芏定する䞭孊校䜵蚭型小孊校に あ぀おは第䞃十九条の十二においお準甚する第䞃十九条の五第䞀項又は第五十二条の 芏定の党郚又は䞀郚によらないこずができる。 第五十六条 小孊校においお孊校生掻ぞの適応が困難であるため盞圓の期間小孊校を欠 垭し匕き続き欠垭するず認められる児童を察象ずしおその実態に配慮した特別の教育 課皋を線成しお教育を実斜する必芁があるず文郚科孊倧臣が認める堎合においおは文 郚科孊倧臣が別に定めるずころにより第五十条第䞀項第五十䞀条䞭孊校連携型小 孊校にあ぀おは第五十二条の䞉第䞃十九条の九第二項に芏定する䞭孊校䜵蚭型小孊校 にあ぀おは第䞃十九条の十二においお準甚する第䞃十九条の五第䞀項又は第五十二条 の芏定によらないこずができる。 第五十六条の二 小孊校においお日本語に通じない児童のうち圓該児童の日本語を理 解し䜿甚する胜力に応じた特別の指導を行う必芁があるものを教育する堎合には文 郚科孊倧臣が別に定めるずころにより第五十条第䞀項第五十䞀条䞭孊校連携型小 孊校にあ぀おは第五十二条の䞉第䞃十九条の九第二項に芏定する䞭孊校䜵蚭型小孊校 にあ぀おは第䞃十九条の十二においお準甚する第䞃十九条の五第䞀項及び第五十二条 の芏定にかかわらず特別の教育課皋によるこずができる。 第五十六条の䞉 前条の芏定により特別の教育課皋による堎合においおは校長は児童 が蚭眮者の定めるずころにより他の小孊校矩務教育孊校の前期課皋又は特別支揎孊校 の小孊郚においお受けた授業を圓該児童の圚孊する小孊校においお受けた圓該特別の 教育課皋に係る授業ずみなすこずができる。 第五十六条の四 小孊校においお孊霢を経過した者のうちその者の幎霢経隓又は勀 劎の状況その他の実情に応じた特別の指導を行う必芁があるものを倜間その他特別の時 間においお教育する堎合には文郚科孊倧臣が別に定めるずころにより第五十条第䞀 項第五十䞀条䞭孊校連携型小孊校にあ぀おは第五十二条の䞉第䞃十九条の九第二 項に芏定する䞭孊校䜵蚭型小孊校にあ぀おは第䞃十九条の十二においお準甚する第 䞃十九条の五第䞀項及び第五十二条の芏定にかかわらず特別の教育課皋によるこず ができる。 第䞉節 孊幎及び授業日 第六十䞀条 公立小孊校における䌑業日は次のずおりずする。ただし第䞉号に掲げる 日を陀き圓該孊校を蚭眮する地方公共団䜓の教育委員䌚公立倧孊法人の蚭眮する小 孊校にあ぀おは圓該公立倧孊法人の理事長。第䞉号においお同じ。 が必芁ず認める 堎合はこの限りでない。 䞀 囜民の祝日に関する法埋昭和二十䞉幎法埋第癟䞃十八号に芏定する日 二 日曜日及び土曜日 䞉 孊校教育法斜行什第二十九条第䞀項の芏定により教育委員䌚が定める日 第六十二条 私立小孊校における孊期及び䌑業日は圓該孊校の孊則で定める。
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150 付録1 第八章 特別支揎教育 第癟䞉十四条の二 校長は特別支揎孊校に圚孊する児童等に぀いお個別の教育支揎蚈画 孊校ず医療保健犏祉劎働等に関する業務を行う関係機関及び民間団䜓次項に おいお「関係機関等」ずいう。 ずの連携の䞋に行う圓該児童等に察する長期的な支揎 に関する蚈画をいう。 を䜜成しなければならない。  校長は前項の芏定により個別の教育支揎蚈画を䜜成するに圓た぀おは圓該児童等 又はその保護者の意向を螏たえ぀぀あらかじめ関係機関等ず圓該児童等の支揎に関 する必芁な情報の共有を図らなければならない。 第癟䞉十八条 小孊校䞭孊校若しくは矩務教育孊校又は䞭等教育孊校の前期課皋におけ る特別支揎孊玚に係る教育課皋に぀いおは特に必芁がある堎合は第五十条第䞀項 第䞃十九条の六第䞀項においお準甚する堎合を含む。  第五十䞀条第五十二条第 䞃十九条の六第䞀項においお準甚する堎合を含む。  第五十二条の䞉第䞃十二条第 䞃十九条の六第二項及び第癟八条第䞀項においお準甚する堎合を含む。  第䞃十䞉条 第䞃十四条第䞃十九条の六第二項及び第癟八条第䞀項においお準甚する堎合を含 む。  第䞃十四条の䞉第䞃十六条第䞃十九条の五第䞃十九条の十二においお準甚 する堎合を含む。 及び第癟䞃条第癟十䞃条においお準甚する堎合を含む。 の芏定に かかわらず特別の教育課皋によるこずができる。 第癟䞉十九条の二 第癟䞉十四条の二の芏定は小孊校䞭孊校若しくは矩務教育孊校又 は䞭等教育孊校の前期課皋における特別支揎孊玚の児童又は生埒に぀いお準甚する。 第癟四十条 小孊校䞭孊校矩務教育孊校高等孊校又は䞭等教育孊校においお次の 各号のいずれかに該圓する児童又は生埒特別支揎孊玚の児童及び生埒を陀く。 のう ち圓該障害に応じた特別の指導を行う必芁があるものを教育する堎合には文郚科孊倧 臣が別に定めるずころにより第五十条第䞀項第䞃十九条の六第䞀項においお準甚す る堎合を含む。  第五十䞀条第五十二条第䞃十九条の六第䞀項においお準甚する堎 合を含む。  第五十二条の䞉第䞃十二条第䞃十九条の六第二項及び第癟八条第䞀項 においお準甚する堎合を含む。  第䞃十䞉条第䞃十四条第䞃十九条の六第二項及び 第癟八条第䞀項においお準甚する堎合を含む。  第䞃十四条の䞉第䞃十六条第 䞃十九条の五第䞃十九条の十二においお準甚する堎合を含む。  第八十䞉条及び第 八十四条第癟八条第二項においお準甚する堎合を含む。 䞊びに第癟䞃条第癟十䞃 条においお準甚する堎合を含む。 の芏定にかかわらず特別の教育課皋によるこずが できる。 䞀 蚀語障害者 二 自閉症者 䞉 情緒障害者 四 匱芖者 五 難聎者
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151 付録1 別衚第䞀第五十䞀条関係 区    分 第孊幎 第孊幎 第孊幎 第孊幎 第孊幎 第孊幎 各教科の 授業時数 囜 語 306 315 245 245 175 175 瀟 䌚 70 90 100 105 算 数 136 175 175 175 175 175 理 科 90 105 105 105 生 掻 102 105 音 楜 68 70 60 60 50 50 図画工䜜 68 70 60 60 50 50 å®¶ 庭 60 55 䜓 育 102 105 105 105 90 90 倖 囜 語 70 70 特別の教科である道埳 の授業時数 34 35 35 35 35 35 倖囜語掻動の授業時数 35 35 総合的な孊習の時間の 授業時数 70 70 70 70 特別掻動の授業時数 34 35 35 35 35 35 総授業時数 850 910 980 1015 1015 1015 備考  䞀 この衚の授業時数の䞀単䜍時間は四十五分ずする。  二  特別掻動の授業時数は小孊校孊習指導芁領で定める孊玚掻動孊校絊食に係るものを陀 く。 に充おるものずする。  䞉  第五十条第二項の堎合においお特別の教科である道埳のほかに宗教を加えるずきは宗教 の授業時数をも぀おこの衚の特別の教科である道埳の授業時数の䞀郚に代えるこずができる。 別衚第二及び別衚第四の堎合においおも同様ずする。  六 孊習障害者 䞃 泚意欠陥倚動性障害者 八 その他障害のある者でこの条の芏定により特別の教育課皋による教育を行うこず が適圓なもの 第癟四十䞀条 前条の芏定により特別の教育課皋による堎合においおは校長は児童又 は生埒が圓該小孊校䞭孊校矩務教育孊校高等孊校又は䞭等教育孊校の蚭眮者の 定めるずころにより他の小孊校䞭孊校矩務教育孊校高等孊校䞭等教育孊校又は 特別支揎孊校の小孊郚䞭孊郚若しくは高等郚においお受けた授業を圓該小孊校䞭 孊校矩務教育孊校高等孊校又は䞭等教育孊校においお受けた圓該特別の教育課皋に 係る授業ずみなすこずができる。 第癟四十䞀条の二 第癟䞉十四条の二の芏定は第癟四十条の芏定により特別の指導が行 われおいる児童又は生埒に぀いお準甚する。 附 則平成二十九幎䞉月䞉十䞀日文郚科孊省什第二十号  この省什は平成䞉十二幎四月䞀日から斜行する。
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152 付録2 第 小孊校教育の基本ず教育課皋の圹割  各孊校においおは教育基本法及び孊校教育法その他の法什䞊びにこの章以䞋に瀺すずころに 埓い児童の人間ずしお調和のずれた育成を目指し児童の心身の発達の段階や特性及び孊校や 地域の実態を十分考慮しお適切な教育課皋を線成するものずしこれらに掲げる目暙を達成す るよう教育を行うものずする。  孊校の教育掻動を進めるに圓たっおは各孊校においお第のに瀺す䞻䜓的・察話的で深 い孊びの実珟に向けた授業改善を通しお創意工倫を生かした特色ある教育掻動を展開する䞭 で次の(1) から(3) たでに掲げる事項の実珟を図り児童に生きる力を育むこずを目指すもの ずする。 (1) 基瀎的・基本的な知識及び技胜を確実に習埗させこれらを掻甚しお課題を解決するために 必芁な思考力刀断力衚珟力等を育むずずもに䞻䜓的に孊習に取り組む態床を逊い個性 を生かし倚様な人々ずの協働を促す教育の充実に努めるこず。その際児童の発達の段階を考 慮しお児童の蚀語掻動など孊習の基盀を぀くる掻動を充実するずずもに家庭ずの連携を 図りながら児童の孊習習慣が確立するよう配慮するこず。 (2) 道埳教育や䜓隓掻動倚様な衚珟や鑑賞の掻動等を通しお豊かな心や創造性の涵 かん 逊を目指 した教育の充実に努めるこず。   孊校における道埳教育は特別の教科である道埳以䞋「道埳科」ずいう。 を芁ずしお孊 校の教育掻動党䜓を通じお行うものであり道埳科はもずより各教科倖囜語掻動総合的 な孊習の時間及び特別掻動のそれぞれの特質に応じお児童の発達の段階を考慮しお適切な 指導を行うこず。   道埳教育は教育基本法及び孊校教育法に定められた教育の根本粟神に基づき自己の生き 方を考え䞻䜓的な刀断の䞋に行動し自立した人間ずしお他者ず共によりよく生きるための 基盀ずなる道埳性を逊うこずを目暙ずするこず。   道埳教育を進めるに圓たっおは人間尊重の粟神ず生呜に察する畏敬の念を家庭孊校そ の他瀟䌚における具䜓的な生掻の䞭に生かし豊かな心をもち䌝統ず文化を尊重しそれら を育んできた我が囜ず郷土を愛し個性豊かな文化の創造を図るずずもに平和で民䞻的な囜 家及び瀟䌚の圢成者ずしお公共の粟神を尊び瀟䌚及び囜家の発展に努め他囜を尊重し 囜際瀟䌚の平和ず発展や環境の保党に貢献し未来を拓 ひら く䞻䜓性のある日本人の育成に資するこ ずずなるよう特に留意するこず。 (3) 孊校における䜓育・健康に関する指導を児童の発達の段階を考慮しお孊校の教育掻動党 䜓を通じお適切に行うこずにより健康で安党な生掻ず豊かなスポヌツラむフの実珟を目指し た教育の充実に努めるこず。特に孊校における食育の掚進䞊びに䜓力の向䞊に関する指導 安党に関する指導及び心身の健康の保持増進に関する指導に぀いおは䜓育科家庭科及び特 別掻動の時間はもずより各教科道埳科倖囜語掻動及び総合的な孊習の時間などにおいお もそれぞれの特質に応じお適切に行うよう努めるこず。たたそれらの指導を通しお家庭や 地域瀟䌚ずの連携を図りながら日垞生掻においお適切な䜓育・健康に関する掻動の実践を促 し生涯を通じお健康・安党で掻力ある生掻を送るための基瀎が培われるよう配慮するこず。  の(1) から(3) たでに掲げる事項の実珟を図り豊かな創造性を備え持続可胜な瀟䌚の創り 手ずなるこずが期埅される児童に生きる力を育むこずを目指すに圓たっおは孊校教育党䜓䞊 びに各教科道埳科倖囜語掻動総合的な孊習の時間及び特別掻動以䞋「各教科等」ずい 小孊校孊習指導芁領 第章 総則