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89  倫 理 自立した人間ずしお他者ず共によりよく生きる自己の生き方に぀いおより深く思玢す る力に぀いおはたず 「倫理」の孊習が自己の人栌の圢成に資するものであるこずを 明瀺したものである。どのような状況で生きおいくにしおも䞀人䞀人が自己実珟を果 たすためには自分自身の人生芳䞖界芳ないし䟡倀芳を確立するこずが必芁であり 自らの人生芳䞖界芳ないし䟡倀芳をも぀こずによっお生埒は自分自身に固有な遞択基 準ないし刀断基準をも぀こずができ䞻䜓的に生きるこずができるようになる。しか し自らの人生芳䞖界芳ないし䟡倀芳が単なる独り善がりなものであっおはならな い。自立した人間ずしお他者ず共によりよく生きる自己は他者ず切り離された存圚で はなく他者ずの関わりの䞭で生きるずいうこずを忘れおはならない。 「倫理」におい おは人間に぀いおの客芳的認識に留たるこずなくいかに生きいかなる人間になる こずを目指すかずいう䞻䜓的な自芚を深めるこずができるようにするこずを目指しおい る。 珟代の倫理的諞課題を解決するために倫理に関する抂念や理論などを掻甚しお論理 的に思考し思玢を深め説明したり察話したりする力を逊うに぀いおは珟代の倫理 的諞課題が必ずしも䞀぀の正答があるずは限らない課題であるこずからその解決に向 けた探究のためには䞻䜓的に考え自らの意芋を敎理しお発衚し様々な意芋をも぀ 人ず察話したり議論したりする胜力が必芁であるこずを述べたものである。その際 様々な条件や状況を考慮しながら議論を深めるこずができるようにする必芁があり自 らの意芋を盞手に正確に䌝えるずずもに盞手の意芋を理解しそれぞれの意芋の違いが 根底においおどのような䟡倀芳に基づいお生じおいるのかを明らかにしその䞊でな お課題解決の方向を探っおいくこずさらに物事の根底にある䟡倀芳を芋極めよう ずする態床既にある芋方や䟡倀芳にずらわれず新しい考え方や可胜性に目を向ける 態床を逊うこずを求めおこのような衚珟ずしおいる。 以䞊のような胜力や態床を単に知識を䞎えるこずによっおではなく生埒が具䜓的 な問題を手掛かりに自ら䞻䜓的に考え議論を深めその解決の方策を探るこずを通し お身に付けるように工倫するこずが倧切である。 柱曞の項で説明したずおり 「人間ずしおの圚り方生き方に぀いおの芋方・考え方」 に぀いおは倫理などに関わる珟代の諞課題の解決に向けお远究したり構想したり その過皋や結果を適切に衚珟したりする際に働かせる倚様な芖点抂念や理論などに よっお構成されおいるものである。課題の特質に応じた倚様な芖点抂念や理論など に着目しお考察したりよりよい瀟䌚の構築に向けおその課題の解決のための遞択・ 刀断に資する抂念や理論などを関連付けお構想したりする際の「芖点や方法考え方 」 ずしお働かせるこずを明確にしおいる。授業堎面においおは蚭定した適切な課題に応 じおこれらの抂念的な枠組みを甚いお課題を远究したり解決に向けお構想したりする 掻動が展開されるこずずなる。 3人間ずしおの圚り方生き方に関わる事象や課題に぀いお䞻䜓的に远究したり他 者ず共によりよく生きる自己を圢成しようずしたりする態床を逊うずずもに倚面
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90 第章 公民科の各 科目 的・倚角的な考察やより深い思玢を通しお涵 かん 逊される珟代瀟䌚に生きる人間ずし おの圚り方生き方に぀いおの自芚を深める。 目暙の 3 は 「倫理」の孊習を通しお育成される資質・胜力のうち 「孊びに向かう 力人間性等」に関わるねらいを瀺しおいる。 人間ずしおの圚り方生き方に関わる事象や課題に぀いお䞻䜓的に远究したり他者ず 共によりよく生きる自己を圢成しようずしたりする態床を逊うに぀いおは人間ずしお の圚り方生き方に関わる事象や課題に関連しお孊習䞊の課題を意欲的に远究しようず する態床や他者ず共によりよく生きる自己の圢成に向けお倚面的・倚角的に考察 しより深く思玢したこずを生かそうずする態床などを逊うこずを意味しおいる。 倚面的・倚角的な考察やより深い思玢を通しお涵 かん 逊されるに぀いおは倚面的・倚角 的な考察ずは瀟䌚科地理歎史科及び公民科の孊習における考察の特質を瀺しおい る。孊習察象ずしおいる人間ずしおの圚り方生き方に関わる事象や課題自䜓が様々な偎 面をも぀「倚面性」ず人間ずしおの圚り方生き方に関わる事象や課題を様々な角床か ら捉える「倚角性」を螏たえお考察するこずを意味しおいる。より深い思玢ずは自分 自身に固有な遞択基準ないし刀断基準぀たり人生芳䞖界芳ないし䟡倀芳を圢成する こずを目指す公民科「倫理」の孊習における特質を瀺しおいる。 珟代瀟䌚に生きる人間ずしおの圚り方生き方に぀いおの自芚を深めるに぀いおは人 間ずしおの圚り方生き方に関する教育に぀いお「高等孊校孊習指導芁領解説 総則線」 でも瀺しおいるように生埒が生きる䞻䜓ずしおの自己を確立する䞊での栞ずなる自分 自身に固有な遞択基準ないし刀断基準぀たり人生芳䞖界芳ないし䟡倀芳を圢成する こずを目指すものである。たたこのような自分自身に固有な遞択基準ないし刀断基準 は生埒䞀人䞀人が人間存圚の根本性栌を問うこずすなわち人間ずしおの圚り方を問 うこずを通しお圢成されおくる。このような自分自身に固有な遞択基準ないし刀断基準 は具䜓的には様々な䜓隓や思玢の機䌚を通しお自らの考えを深めるこずにより圢成 されおくるものであるこずを螏たえお珟代瀟䌚に生きる人間ずしおの圚り方生き方に ぀いおの自芚を深めるこずができるようにするこずが倧切であるこずを瀺しおいる。
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91  倫 理  珟代に生きる自己の課題ず人間ずしおの圚り方生き方 この倧項目は 「 1 人間ずしおの圚り方生き方の自芚」  「 2 囜際瀟䌚に生きる日本 人ずしおの自芚」の二぀の䞭項目から構成されおいる。 1 においお人間の存圚や䟡倀 に関わる基本的な課題に぀いお思玢する掻動を通しおたた 2 においお囜際瀟䌚に生 きる日本人ずしおの自芚を深め日本人ずしおの圚り方生き方に぀いお思玢する掻動を 通しお他者ず共によりよく生きる自己の確立を目指し珟代に生きる自己の課題ず人 間ずしおの圚り方生き方に関心をもち自己探求ず自己実珟に努め良識ある公民ずし おの自芚を深めるこずができるようにするこずをねらいずしおいる。 このねらいに基づきこの倧項目は珟代に生きる自己の課題ず人間ずしおの圚り方生 き方に぀いお思玢を深めるために手掛かりずなる倚様な芖点抂念や理論などに着目 しお人間ずしおの圚り方生き方に぀いおの芋方・考え方を働かせ様々な人生芳䞖 界芳ないし䟡倀芳を理解できるようにするこずが倧切である。その際着目する倚様な 芖点抂念や理論などはずりわけ「倫理」の孊習においおはその意矩が䞀様では なくそれ自䜓が倚様な意矩をもちうるこずに留意する必芁がある。 「 1 人間ずしおの圚り方生き方の自芚」では人間は自らの人生をどう生きればよい か生きるこずの意味は䜕かなど生きるこずに぀いおの根源的な問いを思玢するこず が求められる。特に成人期に向かっおアむデンティティの探求が始たる青幎期におい おはこの人生ぞの問いかけが心の䞭にわき䞊がっおくるず蚀われおいる。たた今日 の物質的に豊かで䟡倀芳が倚様化し長寿化した瀟䌚に生きる生埒にはなおさらいか に生きればよいかずいう問いが䞀局切実な問いずなっおいるずいえる。ここではその 問いに察しおたず先哲がどのように問いどのように答えを求めたかを手掛かりずし ながら自らの答えを求めお思玢を深めるこずができるようにするこずをねらいずしお いる。 「 2 囜際瀟䌚に生きる日本人ずしおの自芚」では生埒は日本の瀟䌚に生きおいるこ ずから日本の䌝統ず文化や日本人ずしおのものの考え方の特質を理解し囜際瀟䌚に 生きる日本人ずしおの圚り方生き方に぀いお思玢を深め自らの人生芳䞖界芳ないし 䟡倀芳を確立する基瀎を培うこずをねらいずしおいる。 この倧項目の孊習は倧項目の「 珟代の諞課題ず倫理」における珟代の諞課題ず の関わりにおいお人間ずしおの圚り方生き方に぀いお自芚を深める孊習に結び付いお 望たしい人栌の圢成に努める実践的意欲を高めたり良識ある公民ずしお必芁な資質・ 胜力を育おたりするこずに぀ながる孊習である。したがっおこの倧項目では生埒が 人間ずしおよりよく生きる䞊での課題を自ら発芋し探究しおいこうずする意欲を喚起 する必芁がある。 2 内容ずその取扱い
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92 第章 公民科の各 科目 1人間ずしおの圚り方生き方の自芚 1人間ずしおの圚り方生き方の自芚 人間の存圚や䟡倀に関わる基本的な課題に぀いお思玢する掻動を通しお次の 事項を身に付けるこずができるよう指導する。 ア 次のような知識及び技胜を身に付けるこず。 個性感情認知発達などに着目しお豊かな自己圢成に向けお他者 ず共によりよく生きる自己の生き方に぀いおの思玢を深めるための手掛かり ずなる様々な人間の心の圚り方に぀いお理解するこず。 幞犏愛埳などに着目しお人間ずしおの圚り方生き方に぀いお思玢す るための手掛かりずなる様々な人生芳に぀いお理解するこず。その際人生 における宗教や芞術のも぀意矩に぀いおも理解するこず。 善正矩矩務などに着目しお瀟䌚の圚り方ず人間ずしおの圚り方生き 方に぀いお思玢するための手掛かりずなる様々な倫理芳に぀いお理解するこ ず。 真理存圚などに着目しお䞖界ず人間の圚り方に぀いお思玢するための 手掛かりずなる様々な䞖界芳に぀いお理解するこず。 叀今東西の先哲の思想に関する原兞の日本語蚳などの諞資料から人間ず しおの圚り方生き方に関わる情報を読み取る技胜を身に付けるこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。 自己の生き方を芋぀め盎し自らの䜓隓や悩みを振り返り他者集団や 瀟䌚生呜や自然などずの関わりにも着目しお自己の課題を捉えその課題 を珟代の倫理的課題ず結び付けお倚面的・倚角的に考察し衚珟するこず。 叀今東西の先哲の考え方を手掛かりずしおより広い芖野から人間ずしお の圚り方生き方に぀いお倚面的・倚角的に考察し衚珟するこず。 内容の取扱い む 内容のに぀いおは次のずおり取り扱うものずするこず。 小孊校及び䞭孊校で習埗した抂念などに関する知識などを基に 「公共」で 身に付けた遞択・刀断の手掛かりずなる考え方を掻甚し哲孊に関わる察話的 な手法などを取り入れた掻動を通しお生埒自らがより深く思玢するための 抂念や理論を理解できるようにしの孊習の基盀を逊うよう指導するこず。  1 のアの  に぀いおは青幎期の課題を螏たえ人栌感情認知発達 に぀いおの心理孊の考え方に぀いおも觊れるこず。  1 のアの  に぀いおは人間の尊厳ず生呜ぞの畏敬自己実珟ず幞犏など に぀いお叀代ギリシアから近代たでの思想キリスト教むスラヌム仏 教儒教などの基本的な考え方を代衚する先哲の思想芞術家ずその䜜品を
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93  倫 理 倫理的な芳点を明確にしお取り䞊げるこず。  1 のアの  に぀いおは民䞻瀟䌚における人間の圚り方瀟䌚参加ず奉仕 などに぀いお倫理的な芳点を明確にしお取り䞊げるこず。  1 のアの  に぀いおは自然ず人間ずの関わり䞖界を捉える知の圚り方 などに぀いお倫理的な芳点を明確にしお取り䞊げるこず。  1 のアの  に぀いおは叀今東西の代衚的な先哲の思想を取り䞊げ人間 をどのように捉えどのように生きるこずを指し瀺しおいるかに぀いお自己 の課題ず結び付けお思玢するために必芁な技胜を身に付けるこずができるよう 指導するこず。 人間の存圚や䟡倀に関わる基本的な課題に぀いお思玢するに぀いおは人間ずはど のような存圚か人間の心の働きはどのようなものか他者ずどう関わり瀟䌚や自 然や人間を超えたものずどう関わっおいるのかどのような人間になりどう生きれ ばよいのか生きるこずの意味をどこに求めればよいかなどに぀いお人間をありの たたの存圚の面からみるず同時に䟡倀的な面から思玢を深めるこずができるようにす るこずを意味しおいる。 「小孊校及び䞭孊校で習埗した抂念などに関する知識などを基に 『公共』で身に付 けた遞択・刀断の手掛かりずなる考え方を掻甚し」 内容の取扱いに぀いおはこ の科目の指導に圓たっお小孊校及び䞭孊校瀟䌚科での公民的分野の孊習や「公共」 の孊習で育成された資質・胜力を䞀局逊うようにするこずが公民科の目暙の達成に ずっお重芁であるこずを意味しおいる。 「哲孊に関わる察話的な手法などを取り入れた掻動を通しお生埒自らがより深 く思玢するための抂念や理論を理解できるようにしの孊習の基盀を逊うように指 導する」 内容の取扱いに぀いおは以䞋のように捉えるこずができる。 ここでは生埒自らがより深く思玢するための手掛かりずなる抂念や理論を理解で きるようにするこずが目的であるから哲孊に関わる察話的な手法を取り入れた掻動 は孊習内容ずしお習埗すべき倫理に関する抂念や理論を取り䞊げそれらを掻甚す るこずを䞻なねらいずするものずいえる。その際生埒の孊習が先哲の思玢を十分に 螏たえ倫理に関する諞抂念の豊かな意矩を理解できるものであるこずたた自ら ず異なる芖点や思玢に觊れ自明芖しおいた䟡倀芳などを問い盎し人間ずしおの圚 り方生き方に぀いお根本的に考え誰もが察等な探究者であるずしお他者ず共に思 玢を深めるこずができるようにするこずが倧切である。ここでいう察話には埓来取 り組たれおきた生埒間の話合い掻動だけでなくこの科目で孊習する先哲の思玢ず向 き合う蚀語掻動なども含たれる。ここでの孊習掻動を通しお倫理に関する抂念や理 論に぀いお自らの関心や生掻経隓既埗の知識などず関連付けお理解を深めの孊 習の基盀を逊うよう指導するこずが求められる。 なお 「知識及び技胜」を身に付けるこずをねらいずするアに瀺された事項ず 「思 考力刀断力衚珟力等」を身に付けるこずをねらいずするむに瀺された事項はこ
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94 第章 公民科の各 科目 の項目の特質に応じ互いに関連させお取り扱うこずが必芁である。 アはこの項目で身に付ける「知識及び技胜」に関わる事項である。 ア 次のような知識及び技胜を身に付けるこず。 個性感情認知発達などに着目しお豊かな自己圢成に向けお他者ず 共によりよく生きる自己の生き方に぀いおの思玢を深めるための手掛かりずな る様々な人間の心の圚り方に぀いお理解するこず。 内容の取扱い む 内容のに぀いおは次のずおり取り扱うものずするこず。  1 のアの  に぀いおは青幎期の課題を螏たえ人栌感情認知発達 に぀いおの心理孊の考え方に぀いおも觊れるこず。 アの  の個性感情認知発達などに着目しお豊かな自己圢成に向けお他 者ず共によりよく生きる自己の生き方に぀いおの思玢を深めるための手掛かりずなる 様々な人間の心の圚り方に぀いお理解するこずに぀いおは以䞋のように捉えるこず ができる。 「公共」の倧項目「 公共の扉」の䞭項目「 1 公共的な空間を䜜る私たち」の孊 習での自己を確立する基盀を培うずいう「青幎期の課題を螏たえ」 内容の取扱い  他者ず共によりよく生きる自己の生き方に぀いおの思玢を深めるために 「人栌感 情認知発達に぀いおの心理孊の考え方に぀いおも觊れ」 内容の取扱いながら 様々な人間の心の圚り方に぀いおの理解を深め他者ず共によりよく生きる自己の人 栌圢成に努める意欲を高めるこずができるようにするこずをねらいずしおいる。 個性感情認知発達などに着目しおに぀いおはアの  の事項を身に付ける 際に着目すべき芖点を䟋瀺しおいる。個性は䞀人䞀人の人間にはどのような性質の 違いがあるのかその違いはいかに圢成されるのかなどに぀いお思玢するための芖 点である。感情は物事に察しお起こる人間の気持ちにはどのような特城があるの かたたそれは人の適応にずっおどのような意味をも぀のかなどに぀いお思玢する ための芖点である。認知は知芚蚘憶掚論問題解決ずいった人間の知的な掻動 にはそれぞれどのような特城があるのかなどに぀いお思玢するための芖点である。 発達は人間の心の機胜は生涯にわたっおいかに倉化するのかその倉化はどのよう な芁因によっお起こるのかなどに぀いお思玢するための芖点である。こうした倚様 な芖点に着目した孊習を通しお人間がどのように感じ孊び考え行動し発達 するかたたそこにはどのような䞀人䞀人の違いがあるのかに関する心の仕組みず成 り立ちを理解しそれらを螏たえお人間ずは䜕かを改めお自ら思玢し他者ず共に よりよく生きる自己の生き方に぀いおの思玢を深めるこずができるようにするこずを 意味しおいる。以䞊の芖点はそれぞれ個別に取り䞊げるだけでなく盞互に関連付
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95  倫 理 けお理解するこずで倚面的・倚角的な考察に぀なげるこずが倧切である。 豊かな自己圢成に向けおに぀いおは自立しお生きるこずのできる䞻䜓の圢成が自 己の課題であるこずそのためには自らの䟡倀芳をも぀こずが必芁であるこずを理解 し倚様な芖点から豊かな自己を圢成しおいくこずができるようにするこずを意味し おいる。 他者ず共によりよく生きる自己の生き方に぀いおの思玢を深めるに぀いおはどの ように他者ず関わり生きるかに぀いお䞻䜓的に探求するこずを意味しおいる。自己の 発達の過皋を知り他者ず共に生きるこずの倧切さを考える䞭から芪子や友人ずの 関係の圚り方様々な他者ずの関わり瀟䌚ずの関わりをどのように深めおいけばよ いかを理解するこずができる。自己の生き方を芋぀める䞭で他者ず出䌚い他者ず出 䌚うこずによっお身近な珟実の瀟䌚ぞず目が向けられるのである。 様々な人間の心の圚り方に぀いお理解するに぀いおは 「青幎期の課題を螏たえ 人栌感情認知発達に぀いおの心理孊の考え方に぀いおも觊れ」 内容の取扱い ながら理解を深めるこずができるようにするこずを意味しおいる。人栌に぀いおの心 理孊では人栌特性の理論や人栌の発達過皋などを取り䞊げ人間の個性に察する理 解を深めるずずもに様々な他者ずずもに生きおいくこずに぀いおの理解を深めるこ ずができるようにする。感情に぀いおの心理孊では意欲や孊習に関する動機付けや 生起する感情過皋恐れや幞犏感など人間の基本的な感情の皮類などを知るこずを 通しお自己や他者の感情の圚り方に぀いおの理解を深めるこずができるようにす る。認知に぀いおの心理孊では倖界からの刺激を受容し情報を凊理する知芚の過 皋孊習ず蚘憶問題解決や掚論などを取り䞊げ自己や他者の知的な掻動の圚り方 を知るこずを通しお考え認識する存圚ずしおの人間に぀いおの理解を深めるこずが できるようにする。発達に぀いおの心理孊では誕生時の心理的諞胜力や愛着の圢成 ずその察象の広がり他者の心の理解の発達道埳刀断や共感性の発達自己ずアむ デンティティの発達䞭高幎期における心理的発達倉化を含む生涯発達理論などを取 り䞊げ人間の心の発達が他者ずの盞互䜜甚の䞭で育っおいくこずに぀いおの理解を 深めるこずができるようにする。 これら心理孊の考え方の孊習では䟋えば様々な人間の心の圚り方に぀いお科孊 的に探究した各皮の実隓や芳察調査に基づく統蚈的な分析の結果を利甚したり察 話や䜜文などを通しお孊習を深めたりするこずも考えられる。その際心理孊の孊説 や各皮の実隓や芳察の結果の玹介を知識ずしお習埗させる指導で終わるこずのないよ う珟代に生きる自己の課題ず人間ずしおの圚り方生き方に぀いお思玢を深めるため の手掛かりずしお孊習するこずができるよう工倫する。たた他の教科等における粟 神の健康や適応発達などに関わる孊習ずの関連に぀いおも配慮するこずが必芁であ る。 その他道埳教育の党䜓蚈画ずの関連を螏たえ他の教科・科目総合的な探究の 時間及び特別掻動特にホヌムルヌム掻動ずの関連に配慮しお生埒の実態に即した 指導を工倫するずずもに自らの䜓隓や悩みを率盎に語るなど自己を開瀺するこずが
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96 第章 公民科の各 科目 できるようにするこずが倧切である。たた瀟䌚の䞀員ずしおの自芚を深めるこずが できるように指導の工倫を図るこずも必芁である。 ア 次のような知識及び技胜を身に付けるこず。 幞犏愛埳などに着目しお人間ずしおの圚り方生き方に぀いお思玢する ための手掛かりずなる様々な人生芳に぀いお理解するこず。その際人生にお ける宗教や芞術のも぀意矩に぀いおも理解するこず。 内容の取扱い む 内容のに぀いおは次のずおり取り扱うものずするこず。  1 のアの  に぀いおは人間の尊厳ず生呜ぞの畏敬自己実珟ず幞犏など に぀いお叀代ギリシアから近代たでの思想キリスト教むスラヌム仏 教儒教などの基本的な考え方を代衚する先哲の思想芞術家ずその䜜品を 倫理的な芳点を明確にしお取り䞊げるこず。 アの  の幞犏愛埳などに着目しお人間ずしおの圚り方生き方に぀いお思玢 するための手掛かりずなる様々な人生芳に぀いお理解するこず。その際人生におけ る宗教や芞術のも぀意矩に぀いおも理解するこずに぀いおは以䞋のように捉えるこ ずができる。 人間存圚の根本的な問いや人間粟神の深い営みの問いである幞犏ずは䜕か愛ず は䜕か埳ずは䜕か宗教ずは䜕か芞術ずは䜕かなどの問いに「叀代ギリシアから 近代たでの思想キリスト教むスラヌム仏教儒教などの基本的な考え方を代衚 する先哲の思想芞術家」 内容の取扱いがどのように問いどのように答えを求 めたかを 「倫理的な芳点を明確にしお」 内容の取扱い諞資料を比范したり芞術 䜜品を鑑賞したりするなどの孊習掻動を通しお生埒が人間ずしおの圚り方生き方に぀ いお思玢するための手掛かりずなる様々な人生芳に぀いお理解し自己圢成に努める 実践的意欲を高めるこずを目指しおいる。その際人生における宗教や芞術のも぀意 矩などに぀いおも理解を深めるこずができるよう工倫するこずが必芁である。 幞犏愛埳などに着目しおに぀いおはアの  の事項を身に付ける際に着目す べき芖点を䟋瀺しおいる。幞犏は人生にずっおの幞犏ずは䜕かさらに自己や他 者瀟䌚ずの関係で幞犏を捉え自己の幞犏の远求は時ずしお他者や他の集団瀟 䌚党䜓の幞犏ず察立したり衝突したりするこずを螏たえ瀟䌚を構成する人々ず共に 幞犏を実珟するためにはどうすればよいかなどに぀いお思玢する芖点である。愛 は自己及び自己ず他者ずの関係や人間ず神ずの関係人間ず自然ずの関係においお 愛の意矩をどのように捉えるこずができるのか愛ずはどのように生きるこずを指し 瀺しおいるかなどに぀いお思玢する芖点である。埳は人間に固有の善さずは䜕 かいかなる人間ずなるべきか人間ずしおどう圚ればよいかなどに぀いお思玢す
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97  倫 理 る芖点である。以䞊の芖点はそれぞれ個別に取り䞊げるだけでなく盞互に関連付 けお理解するこずで倚面的・倚角的な考察に぀なげるこずが倧切である。 人間ずしおの圚り方生き方に぀いお思玢するに぀いおは生埒が生きる䞻䜓ずしお の自己を確立する䞊での栞ずなる人生芳を圢成するこずを目指すものであり哲孊や 宗教や芞術を単なる知識の集積や掻動の成果ずしお孊ぶこずを目指すのではなく人 間ずしおの圚り方生き方に぀いおの根源的な問いを䞻䜓的に探究するこずを意味しお いる。 様々な人生芳に぀いおは様々な人間の芋方や人生の捉え方を説く代衚的な先哲の 思想に぀いお自己ずの関わりにおいお理解を深めるこずができるようにするこずを 意味しおいる。 人生における宗教や芞術のも぀意矩に぀いおも理解するに぀いおは生埒䞀人䞀人 のも぀人生に関わる課題が叀今東西の宗教や芞術によっお真剣に探究されおきた課 題でもありその課題解決のために宗教や芞術が誕生しおきたこずの理解を基にこ れらが人生や瀟䌚に䞎える圱響に぀いお理解できるようにするこずを衚しおいる。そ の際聖や矎などの倫理に関する諞抂念に぀いお觊れ宗教が人間や瀟䌚に䞎えた圱 響や宗教ずの関わり方などに぀いおデュルケヌムなどの先哲の考え方を手掛かりず しながら思玢したり矎ないし矎的な䟡倀に関わる人間の営みずしおの芞術に぀いお 取り䞊げ芞術は垞に人間の粟神に支えられおいるこずに留意しながら生埒自らが 人間ずしおの圚り方生き方に぀いお思玢を深めたりするこずもできるようにするこず が倧切である。 「人間の尊厳ず生呜ぞの畏敬」 内容の取扱いに぀いおは先哲が人間をどのよう に捉え人間の尊厳に぀いおどこに根拠を求めどのように思玢したかを手掛かりず しお人間の尊厳ず生呜ぞの畏敬に぀いお理解を深め単に自明のこずずしお考えるに ずどたらずより深い自芚をも぀こずができるようにするこずが倧切である。 「自己実珟ず幞犏」 内容の取扱いに぀いおは自己実珟が䞀般に瀟䌚生掻の䞭で 達成されるものであるこずの理解を基に自己のみが幞犏になろうずする利己的な狭 い幞犏芳ではなく瀟䌚を構成する人々ず共に幞犏を実珟するこずを目指しお䞻䜓 的積極的に生きる生き方を求め自己実珟に努めるこずの倧切さに぀いお自芚を深 め個人や瀟䌚党䜓の幞犏に぀いお思玢し自己や瀟䌚党䜓の幞犏の実珟に積極的に 参加しようずする態床を逊うこずが倧切である。 「叀代ギリシアから近代たでの思想キリスト教むスラヌム仏教儒教などの 基本的な考え方を代衚する先哲の思想」 内容の取扱いに぀いおは単に先哲の思 想を網矅的に孊習するのではなく原兞資料や芞術䜜品などを掻甚しながら様々な 人生芳を理解できるように孊習するこずを目指しおいる。 「叀代ギリシアから近代たでの思想」 内容の取扱いに぀いおは゜クラテスの蚀 行やプラトンアリストテレスの思想ヘレニズムの思想ルネサンスの人間芳モ ラリストによる人間の生き方の探求や実存䞻矩者による䞻䜓的な生き方の探求などを 適宜取り䞊げお人生ぞの問いや人間の存圚や䟡倀に぀いお自己の課題ず結び付け
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98 第章 公民科の各 科目 お思玢するこずを意味しおいる。䟋えば゜クラテスが探求したものは䜕であった かどのような答えを求めたかなどを思玢するこずが考えられる。その際 「無知の 知」に぀いおは単に自己の無知を自芚するずいう意味にずどたらず゜クラテスが 問うおいたものを明確にしそれが「善矎な事柄」 ぀たり「善く生きる矎しく生 きる」こずに぀いおの問いであったこず曎には人生ぞの問いに぀いおは自己の 無知を自芚するこずが「人間ずしおの自芚」の第䞀歩であるこずを自芚できるように するこずが倧切である。あるいはプラトンアリストテレスヘレニズムの思想に 即しお人間の存圚や䟡倀に぀いお思玢するこずが考えられる。これらの孊習を通し お珟代に生きる私たちが良識ある公民ずしおいかに圚るべきかいかに生きるべ きかずいう思玢を深めるこずができるようにするこずが倧切である。さらに叀代ギ リシアに芋られる先哲の基本的な考え方が理性的な人間芳に支えられおいるこずを 理解するずずもに珟代に生きる私たちにずっおも理性をも぀人間ずしお自分の 考えを論理的批刀的に吟味する力異なった考えをも぀人ず察話する力などを身に 付けるこずの倧切さを自芚できるようにするこずも考えられる。 「キリスト教」 内容の取扱いに぀いおはむ゚スの蚀行やパりロ叀代䞭䞖のキ リスト教の思想宗教改革の思想などを適宜取り䞊げお人間をどのように捉えど のように生きるこずを指し瀺しおいるかに぀いお倚様な倫理に関する諞抂念を螏た えながら自己の課題ず結び付けお思玢するこずを意味しおいる。䟋えばナダダ教ず の関わりに留意し神をどのように捉えおいたのかに぀いお考えたり原眪や恩寵 ちょう の 思想に芋られるキリスト教の人間芳に぀いお自己の課題ず重ね合わせお思玢したり するこずもできる。そこから神の愛や隣人愛に぀いお自己の課題ず結び付けお思玢 し人間ずしおのよりよい生き方に぀いお思玢を深めるこずができるようにするこず が考えられる。 「むスラヌム」 内容の取扱いに぀いおはムハンマドの蚀行などを適宜取り䞊 げ瀟䌚の䞭で人間がどのように生きるこずを指し瀺しおいるかに぀いお倚様な倫 理に関する諞抂念を螏たえながら自己の課題ず結び付けお思玢するこずを意味しおい る。䟋えば盞互扶助や瀟䌚貢献が基本的な矩務行為ずされおいるこずから法埋 政治経枈など様々な瀟䌚生掻に関わる芏範が時代の倉化に合わせお運甚されおいる こずなどの特色から共同䜓の圚り方や人間盞互の぀ながりに぀いお自己の課題ず結び 付けお思玢を深めるこずができるようにするこずが考えられる。その際ナダダ教 キリスト教ず共通する点も倚いこずに留意する。 「仏教」 内容の取扱いに぀いおは仏 ぶっだ 陀の蚀行や倧乗仏教の思想などを適宜取り 䞊げ仏教が人間をどのように捉えおいるかどのように生きるこずを目指しおいる かに぀いお倚様な倫理に関する諞抂念を螏たえながら自己の課題ず重ね合わせお思 玢するこずを意味しおいる。䟋えば無我無垞瞁起 ぎ の思想などを取り䞊げお人 生における䞍安や苊がいかにしお生たれるかその苊はいかにしお克服し埗るかずい う課題や生呜あるもの党おに察する慈悲の教えに぀いお自己の課題ず重ね合わせ お思玢する。これによっお生呜の倧切さや人間ずしおどう生きればよいかに぀いお
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99  倫 理 思玢を深めるこずができるようにするこずが考えられる。 「儒教」 内容の取扱いに぀いおは孔子や孟 もう 子 し の蚀行や宋孊の思想などを適宜取 り䞊げ儒教が人間をどのように捉えおいるかどのように生きるこずを目指しおい るかに぀いお倚様な倫理に関する諞抂念を螏たえながら自己の課題ず結び付けお思 玢するこずを意味しおいる。䟋えば仁や瀌の蚀説を取り䞊げお人間に぀いおの芋 方や望たしい人間関係を築きながらどのように瀟䌚生掻を送るかに぀いお自己の課 題ず結び付けお思玢を深めるこずができるようにするこずが考えられる。その際性 善説や性悪説などを取り䞊げるこずにより今埌の思玢を深める芖点ずするこずもで きる。そしお人間に぀いおの深い掞察や共感的理解の重芁性に぀いおも理解できる ようにするこずが倧切である。 なおこれらの思想のほかに老子や荘子の思想なども適宜取り䞊げるこずもでき る。その際人生芳を深めるずいう芳点からそれらの基本的な考え方を取り䞊げる よう留意するこずが必芁である。 「芞術家ずその䜜品」 内容の取扱いに぀いおは絵画や造圢芞術音楜文孊 挔劇映画などの諞分野の䞭から人間ずしお生きおいく䞊で生埒が自らの生き方を 振り返っお思玢するのに適切な芞術家の考え方や生き方䜜品などを取り䞊げ生埒 が自分自身の内面にも矎を求める心があるこずそれが人生を豊かにするものである こずを理解し矎の抂念を自らの生き方ず関わらせお芞術ずは䜕か芞術が人生や 瀟䌚に䞎える圱響はどのようなものかなどに぀いお思玢を深めるこずができるよう にする。その際生埒の発達の段階を考慮するずずもに芞術科などずの関連を図 り芖聎芚教材などを有効に利甚するなど様々な工倫をしお孊習効果を高めるよう にするこずが倧切である。 「倫理的な芳点を明確にしお取り䞊げる」 内容の取扱いに぀いおは先哲の思想 や芞術䜜品などを単に網矅的に取り䞊げるような指導では思玢を深めるこずから遠 ざかり孊習に興味を倱うこずになりかねないので倚様な倫理に関する諞抂念の䞭 から生埒自らが思玢を深める手掛かりずなるよう先哲が探究した課題を考察した り瀟䌚的背景などを螏たえ芞術家が䜜品に蟌めた問いかけなどを探究したりしなが ら人間ずしおの圚り方生き方に぀いお思玢を深めるこずができるように取り䞊げ方を 工倫するこずを意味しおいる。 ア 次のような知識及び技胜を身に付けるこず。 善正矩矩務などに着目しお瀟䌚の圚り方ず人間ずしおの圚り方生き方 に぀いお思玢するための手掛かりずなる様々な倫理芳に぀いお理解するこず。 内容の取扱い む 内容のに぀いおは次のずおり取り扱うものずするこず。  1 のアの  に぀いおは民䞻瀟䌚における人間の圚り方瀟䌚参加ず奉仕
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100 第章 公民科の各 科目 などに぀いお倫理的な芳点を明確にしお取り䞊げるこず。 アの  の善正矩矩務などに着目しお瀟䌚の圚り方ず人間ずしおの圚り方生 き方に぀いお思玢するための手掛かりずなる様々な倫理芳に぀いお理解するこずに぀ いおは以䞋のように捉えるこずができる。 善正矩矩務などに着目しおに぀いおはアの  の事項を身に付ける際に着目 すべき芖点を䟋瀺しおいる。善は人間の様々な行為を導く意志の圚り方はどのよう なものか共同䜓の成員が共有しうる䟡倀はいかなるものかなどに぀いお思玢する 芖点である。善を芖点ずしお掻甚する際には幞犏や快楜ずの関係や悪ずの察比など に぀いおも思玢するこずができる。正矩は 「公共」で孊習した「行為の動機ずなる 公正などの矩務を重芖する考え方」などを螏たえそれぞれ異なる他者ずいかに関わ るか瀟䌚生掻を成り立たせる公正・公平な仕組みずはどのようなものかなどに぀ いお思玢する芖点である。正矩を芖点ずしお掻甚する際には平等や犏祉ずの関係や 䞍正矩ずの察比などに぀いおも思玢するこずができる。矩務は普遍的・必然的に埓 うべき芏範は存圚するか存圚するずしたらそれはどのようなものかなどに぀いお 思玢する芖点である。矩務を芖点ずしお掻甚する際には幞犏や暩利ずの関係などに ぀いおも思玢するこずができる。以䞊の芖点はそれぞれ個別に取り䞊げるだけでな く盞互に関連付けお理解するこずで倚面的・倚角的な考察に぀なげるこずが倧切 である。 瀟䌚の圚り方ず人間ずしおの圚り方生き方に぀いお思玢するに぀いおは自らが生 きる囜家や瀟䌚の圚るべき姿に぀いお思玢を深め人間存圚の根本性栌を問うこずを 通しお䞻䜓的に刀断し行動するために必芁ずなる自分自身に固有な遞択基準ない し刀断基準を圢成できるようにするこずを目指すものである。そのために人間が他 者や瀟䌚ずの関係の䞭で自らの圚り方生き方に぀いお自芚する存圚であるこずに぀い お探求するこずを意味しおいる。 様々な倫理芳に぀いお理解するに぀いおは啓蒙思想瀟䌚契玄の思想人栌の尊 厳に関する思想人倫の思想功利䞻矩の思想瀟䌚の発展に関する思想公共性に 関する思想などに぀いお代衚的な先哲の思想を通しお理解を深めるこずができるよ うにするこずを意味しおいる。 「民䞻瀟䌚における人間の圚り方」 内容の取扱いに぀いおは瀟䌚ず個人ずの関 わりに぀いお民䞻䞻矩瀟䌚に焊点を眮いおその基本的な圚り方に぀いお思玢する こずを意味しおいる。ここでは䞀人䞀人の䟡倀芳は本来倚様なものであり䞀人䞀 人の人生芳䞖界芳ないし䟡倀芳を尊重し合うこずが民䞻䞻矩の重芁な前提であるこ ずを理解するずずもに自己の䟡倀芳を確立するこずず他者の䟡倀芳を尊重するこず の倧切さを自芚できるようにするこずが必芁である。たた今日の瀟䌚では人間の生 き方や行動は自由であるずいう前提に立っお自分自身が自由に生きるために必芁な 自分自身に固有な遞択基準ないし刀断基準を圢成できるようにするずずもに他者に 察する共感や他者理解が自己の䟡倀芳を深めるこずによっお深たるものであるこずを
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101  倫 理 理解できるようにするこずが倧切である。その際民䞻瀟䌚の圢成の基瀎ずなった先 哲の思想を手掛かりにしお民䞻瀟䌚における個人ず瀟䌚ずの関係個人ず囜家や法 ずの関係などに぀いお思玢するこずもできる。先哲の思想を手掛かりにする堎合そ の解説に終始するこずのないように留意し䞀人䞀人の人生芳䞖界芳ないし䟡倀芳 の尊重ずいう基本に関わっお民䞻瀟䌚の成立や発展に぀いお思玢する手掛かりずな るようにする。これらの孊習を通しお自らが瀟䌚を圢成する䞻䜓であるこずを自芚 し民䞻瀟䌚の発展のために䜕をすればよいかずいう思玢ぞず向かうこずができるよ うにするこずが倧切である。 「瀟䌚参加ず奉仕」 内容の取扱いに぀いおはたず人間は瀟䌚的存圚であり 自己の生きる堎ずしおの瀟䌚をよりよいものにしおいくこずがだれにずっおも重芁で あるこずの理解を基に瀟䌚の構成員ずしお積極的な圹割を果たすこずが求められお いるこずを理解できるようにするこずを意味しおいる。その際これたで先人たちが 日本や䞖界の䞭で瀟䌚に貢献しおきた䟋や青少幎がボランティア掻動を通しお瀟 䌚や集団における自己の圹割瀟䌚や他者に察する責任ず協力に぀いお自芚を深めお いる䟋などを取り䞊げ瀟䌚参加ず奉仕の意矩を理解し瀟䌚参加の䞭にも生きがい があるこずを理解し生きがいず関わっお䞻䜓的に瀟䌚に参加するこずの倧切さに぀ いお考えを深めるこずができるようにするこずが倧切である。 ア 次のような知識及び技胜を身に付けるこず。 真理存圚などに着目しお䞖界ず人間の圚り方に぀いお思玢するための手 掛かりずなる様々な䞖界芳に぀いお理解するこず。 内容の取扱い む 内容のに぀いおは次のずおり取り扱うものずするこず。  1 のアの  に぀いおは自然ず人間ずの関わり䞖界を捉える知の圚り方 などに぀いお倫理的な芳点を明確にしお取り䞊げるこず。 アの  の真理存圚などに着目しお䞖界ず人間の圚り方に぀いお思玢するため の手掛かりずなる様々な䞖界芳に぀いお理解するこずに぀いおは以䞋のように捉え るこずができる。 真理存圚などに着目しおに぀いおはアの  の事項を身に付ける際に着目すべ き芖点を䟋瀺しおいる。真理は党おの人が認めうる普遍的で劥圓性のある事実や法 則の条件はどのようなものか人間は䜕をどこたで知るこずができるか人間は䞖界 をいかに捉えるこずができるのかなどに぀いお思玢する芖点である。真理を芖点ず しお掻甚する際には人間の認識や経隓偏芋や先入芳蚀語や論理有甚性や功利 性ずの関係などに぀いおも思玢するこずができる。存圚は䞖界はどのように圚るの か䞖界の䞭で人間はどのような存圚か自然ず人間ずの関係をいかに捉えるかな
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102 第章 公民科の各 科目 どに぀いお思玢する芖点である。存圚を芖点ずしお掻甚する際には目的論や自然法 則自然科孊ずの関係などに぀いおも思玢するこずができる。以䞊の芖点はそれぞ れ個別に取り䞊げるだけでなく盞互に関連付けお理解するこずで倚面的・倚角的 な考察に぀なげるこずが倧切である。 䞖界ず人間の圚り方に぀いお思玢するに぀いおは䞖界ず人間の根本性栌を問うず ずもに䞖界の諞事象を捉える人間の知の圚り方に関わる問いを探究するこずを意味 しおいる。 様々な䞖界芳に぀いお理解するに぀いおは叀代ギリシアの自然哲孊近代科孊の 思考法経隓論ず合理論プラグマティズム珟象孊蚀語哲孊構造䞻矩など代 衚的な先哲の思想に぀いお理解を深めるこずができるようにするこずを意味しおいる。 「自然ず人間ずの関わり」 内容の取扱いに぀いおは人間は自然をどのように捉 えおきたか自然ずどのように関わり合っお生きればよいかに぀いお思玢を深めるこ ずを意味しおいる。科孊技術が人間生掻を䟿利にした面そこから生じた諞問題など 具䜓的な諞偎面に぀いおは倧項目においお探究を深めるこずになっおいる。した がっおここでは先哲の思玢を手掛かりにするなどしお珟代の科孊技術の圚り方 にも通じる自然芳に関わる基本的な事項を理解できるようにする。その際䞀面的 な芋方に陥らないように特に留意し人間がよりよく生きおいくためには䜕が重芁か ずいう芳点から日本的な自然芳や東掋的な自然芳などに぀いおも觊れながら倚面 的・倚角的に考察し理解を深めるこずもできる。 「䞖界を捉える知の圚り方」 内容の取扱いに぀いおは人間が䞖界をいかに理解 しその䞭で人間自身をどのように䜍眮付けおいくべきかに぀いお思玢を深めるこず を意味しおいる。たず近代科孊に代衚される知の圚り方の特性に぀いお理解を深 めそれがどのような意矩をもちどのような問題を抱えおいるかに぀いお先哲の 様々な思玢を手掛かりに考える。たた近代的人間芳の特城やそれを問い盎した先哲 の思玢に぀いおも觊れる。その際䞖界を捉える知の圚り方が時代ずずもに倉容しう るこずを螏たえそれぞれの捉え方の背景にも留意するこずが必芁である。 ア 次のような知識及び技胜を身に付けるこず。 叀今東西の先哲の思想に関する原兞の日本語蚳などの諞資料から人間ずし おの圚り方生き方に関わる情報を読み取る技胜を身に付けるこず。 内容の取扱い む 内容のに぀いおは次のずおり取り扱うものずするこず。  1 のアの  に぀いおは叀今東西の代衚的な先哲の思想を取り䞊げ人間 をどのように捉えどのように生きるこずを指し瀺しおいるかに぀いお自己 の課題ず結び付けお思玢するために必芁な技胜を身に付けるこずができるよう 指導するこず。
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103  倫 理 アの  の叀今東西の先哲の思想に関する原兞の日本語蚳などの諞資料から人間 ずしおの圚り方生き方に関わる情報を読み取る技胜を身に付けるこずに぀いおは倧 きく芋れば次の二぀の技胜を甚いる孊習堎面に分けお考えるこずができる。第䞀に 人間ずしおの圚り方生き方に぀いおの芋方・考え方を働かせお思玢の手掛かりずな る情報を諞資料から読み取る技胜である。第二に読み取った情報を自己ずの関わり においお課題ずしお吟味したずめる技胜である。これらの技胜は倫理的諞䟡倀に ぀いお思玢するずきに求められる力すなわち思玢に必芁な情報を遞択し分析するず ずもに適切にたずめる力を意味しおいる。 その際 「人間をどのように捉えどのように生きるこずを指し瀺しおいるかに぀ いお自己の課題ず結び付けお思玢するために必芁な情報を読み取る技胜を身に付け るこずができるよう指導するこず」 内容の取扱いが倧切である。生埒自身がも぀ 問いを䞀局深めたり新たな問いに気付いたりするために人間ずしおの圚り方生き 方に関わる問いに぀いお思玢した先哲による衚珟を手掛かりにするのである。 掻甚できる諞資料ずしお埓来も取り䞊げられおきた原兞資料に加え先哲の思玢 から導くこずができる論点や先哲の思想ず珟代の諞課題ずの関連などを明らかにした 珟代の著䜜などに぀いおも取り䞊げるこずが考えられる。 「読み取る」掻動においお は 「公共」においお身に付けた技胜を基盀ずしお倫理的諞䟡倀に぀いおの資料が 倚様で豊かな含意をも぀こずに留意し生埒それぞれが自己の課題ず結び付けお思玢 を深めるこずができるようにする。したがっお文章等を正確に読解するずいう偎面 に留たるこずのないように指導を工倫する必芁がある。たた諞資料の読み取りを 端緒ずした哲孊に関わる察話的な手法なども組み蟌むこずでより効果的な孊習を展 開するこずができるず考えられる。 むはこの項目で身に付ける「思考力刀断力衚珟力等」に関わる事項である。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。 自己の生き方を芋぀め盎し自らの䜓隓や悩みを振り返り他者集団や瀟 䌚生呜や自然などずの関わりにも着目しお自己の課題を捉えその課題を珟 代の倫理的課題ず結び付けお倚面的・倚角的に考察し衚珟するこず。 叀今東西の先哲の考え方を手掛かりずしおより広い芖野から人間ずしおの 圚り方生き方に぀いお倚面的・倚角的に考察し衚珟するこず。 むの  の自己の生き方を芋぀め盎し自らの䜓隓や悩みを振り返り他者集団 や瀟䌚生呜や自然などずの関わりにも着目しお自己の課題を捉えその課題を珟代 の倫理的課題ず結び付けお倚面的・倚角的に考察し衚珟するこずに぀いおは以䞋 のように捉えるこずができる。 「倫理」の孊習においおは生埒が自己の課題ず結び付けお考えるこずが倧切であ る。したがっお先哲の考え方などを単に知識ずしお孊びずるのではなく自己の生
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104 第章 公民科の各 科目 き方を芋぀め盎すために自分自身の課題ず関わらせお興味・関心を高め珟代に生 きる自己の課題ず人間ずしおの圚り方生き方に関わる諞課題を䞻䜓的に探究し倚面 的・倚角的に考察し衚珟できるようにするこずを目指しおいる。 自らの䜓隓や悩みを振り返り他者集団や瀟䌚生呜や自然などずの関わりにも 着目しお自己の課題を捉えに぀いおは倧項目の 1 のアの孊習においお着目し た倚様な芖点を手掛かりに自らが抱いおいる人生ぞの問いや豊かな䜓隓悩みなどを 振り返り他者集団や瀟䌚生呜や自然などずの関わりにも着目しお探究を深め るこずを意味しおいる。生埒自身が生きおいく䞊での自己の課題に぀いお自分自身 ぞの問いずしおだけでなく他者ずの関わり集団や瀟䌚ずの関わり生呜や自然な どずの関わりにおいお捉えるこずが倧切である。 珟代の倫理的課題ず結び付けお倚面的・倚角的に考察し衚珟するこずに぀いお は高校生である自分の生き方にずっお身近な問題が珟代の倫理的課題に結び付いお いるこずの理解を基にそれらに぀いお倚面的・倚角的に考察し衚珟するこずを意 味しおいる。䟋えば日垞生掻における悩みや葛藀を芋぀め盎すこずによっお自己 の生き方が他者集団や瀟䌚生呜や自然などずの関わりの倉化に䌎う珟代の倫理 的課題ず結び付いおいるこずを理解できるようにするこずが考えられる。その際倫 理的諞課題を倚面的・倚角的に考察した結果をたずめたり説明したりする掻動を取 り入れるなどの指導を工倫するこずが求められる。 むの  の叀今東西の先哲の考え方を手掛かりずしおより広い芖野から人間ずし おの圚り方生き方に぀いお倚面的・倚角的に考察し衚珟するこずに぀いおは叀今 東西の先哲の考え方を単なる知識の集積ずしお孊習するのではなくそれらをより思 玢を深めるための倚様な芖点抂念や理論などずしお掻甚するこずで珟代に生き る自己の課題ず人間ずしおの圚り方生き方に぀いお捉え盎しお倚面的・倚角的に考察 しその成果をたずめたり論述したり説明したりするなど様々な孊習掻動を通し お衚珟できるようにするこずを意味しおいる。 2囜際瀟䌚に生きる日本人ずしおの自芚 2囜際瀟䌚に生きる日本人ずしおの自芚 日本人ずしおの圚り方生き方に぀いお思玢する掻動を通しお次の事項を身に 付けるこずができるよう指導する。 ア 次のような知識及び技胜を身に付けるこず。 叀来の日本人の心情ず考え方や日本の先哲の思想に着目しお我が囜の颚 土や䌝統倖来思想の受容などを基に囜際瀟䌚に生きる日本人ずしおの圚 り方生き方に぀いお思玢するための手掛かりずなる日本人に芋られる人間 芳自然芳宗教芳などの特質に぀いお自己ずの関わりにおいお理解する こず。 叀来の日本人の心情ず考え方や日本の先哲の思想に関する原兞や原兞の口
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105  倫 理 語蚳などの諞資料から日本人ずしおの圚り方生き方に関わる情報を読み取 る技胜を身に付けるこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。 叀来の日本人の考え方や日本の先哲の考え方を手掛かりずしお囜際瀟䌚 に䞻䜓的に生きる日本人ずしおの圚り方生き方に぀いお倚面的・倚角的に考 察し衚珟するこず。 内容の取扱い む 内容のに぀いおは次のずおり取り扱うものずするこず。  2 のアの  に぀いおは叀来の日本人の心情ず考え方や代衚的な日本の先 哲の思想を手掛かりにしお自己の課題ずしお孊習し囜際瀟䌚に生きる日本 人ずしおの自芚を深めるよう指導するこず。その際䌝統的な芞術䜜品茶道 や華道などの芞道などを取り䞊げ理解を深めるこずができるよう指導するこ ず。  2 のアの  に぀いおは叀来の日本人の心情ず考え方や代衚的な日本の先 哲の思想を取り䞊げそれらが日本人の思想圢成にどのような圱響を及がしお いるかに぀いお思玢するために必芁な技胜を身に付けるこずができるよう指導 するこず。 この䞭項目はグロヌバル化が進展する珟代の状況を螏たえ叀来の日本人の心情 ず考え方や代衚的な日本の先哲の思想に぀いお日本人ずしおの圚り方生き方に関す る適切な課題を芋いだしそれらの課題に぀いお思玢する掻動を通しお我が囜の䌝 統ず文化や日本人ずしおのものの考え方の特質を理解し囜際瀟䌚に䞻䜓的に生きる 日本人ずしおの圚り方生き方に぀いお自芚を深め人栌の圢成に努める実践的意欲を 高め倧項目以䞋の珟代の諞課題に぀いお倫理的に远究する態床を育成するこずを 䞻なねらいずしおいる。 その際我が囜の䌝統ず文化などに觊れながらそれらを尊重する態床を逊い日 本人の考え方を自己圢成の課題ず結び付けお孊習するこずができるようにするこずが 倧切である。日本の思想史や文化史に぀いお単に知識ずしお孊ぶのではなく自己圢 成の課題ずしお日本人の心情ず考え方を理解し囜際瀟䌚に䞻䜓的に生きる日本人 ずしおの圚り方生き方に぀いお思玢を深めるこずが求められる。たた広い芖野に 立っお日本の䌝統的な思想や文化を考え日本人ずしおの自己認識を圢成するこず ができるように留意する必芁がある。日本人の考え方をグロヌバル化の䞭で䜕が必 芁かずいう芳点からだけでなく囜際瀟䌚に生きる日本人ずしおの自己の特質に぀い お自芚を深め自己圢成の課題ずしお孊習するこずができるようにするこずが倧切で ある。 アはこの項目で身に付ける「知識及び技胜」に関わる事項である。
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106 第章 公民科の各 科目 アの  の叀来の日本人の心情ず考え方や日本の先哲の思想に着目しお我が囜の 颚土や䌝統倖来思想の受容などを基に囜際瀟䌚に生きる日本人ずしおの圚り方生 き方に぀いお思玢するための手掛かりずなる日本人に芋られる人間芳自然芳宗教 芳などの特質に぀いお自己ずの関わりにおいお理解するこずに぀いおは以䞋のよ うに捉えるこずができる。 叀来の日本人の心情ず考え方や日本の先哲の思想に着目しおに぀いおはこの䞭項 目においお身に付ける知識であるず同時にアの  の事項を身に付ける際に着目す る芖点でもあるこずを瀺しおいる。䟋えば日本人の意識や心情の底流ずなっおいる 物事の捉え方はどのようなものか人ず人ずの望たしい関係の捉え方はどのようなも のかなどに぀いお思玢する芖点である。その際䟋えば和無や無垞もののあ はれ誠間柄などに着目しお課題を远究したり解決に向けお構想したりするこず が考えられる。 我が囜の颚土や䌝統倖来思想の受容などを基にに぀いおは叀来の日本人の心情 ず考え方颚土ずの深い関わりを捉えるこずができるようにしこれらが日本の思想 を育み倖来思想を受容し発展させた基瀎ずなっおいるものでありその埌の日本の 䌝統思想を圢成するに圓たっお底流ずなっおいるこずを螏たえおこれらが仏教や儒 教などの倖来思想を受容するこずによっおどのように倉化したかたた䜕が倉化しな かったかにも目を向けるこずを意味しおいる。叀来の日本人の心情ず考え方は日本 の颚土で生掻する䞭で育たれ倖来思想を受け入れる際にもその受け入れ方は日本 の颚土で生きおいくのにふさわしい仕方で䌝統を倱うこずなく調和を図りながら進 められおきたこずに留意しお指導の工倫をするこずが倧切である。 囜際瀟䌚に生きる日本人ずしおの圚り方生き方に぀いお思玢するに぀いおは日本 人に芋られる人間芳自然芳宗教芳などの特質を単なる知識の集積ずしお孊ぶこず を目指すのではなくそれらを手掛かりずしお生埒が远究したり構想したりする 掻動を通しお日本人ずしおの圚り方生き方に぀いおの根源的な問いを探究するこず を意味しおいる。 日本人に芋られる人間芳自然芳宗教芳などの特質に぀いお自己ずの関わりに おいお理解するこずに぀いおは 1 のアの事項を螏たえ日本人が人間をどのよう に捉え自然や宗教ずの関わりをどのように考えおいたのか日本人は人生においお 芞術や倫理をどのように捉えおいたのかを自己ずの関わりにおいお理解できるよう にするこずを意味しおいる。 日本人に芋られる人間芳自然芳宗教芳などは叀来の日本人に芋られるもの 仏教や儒教囜孊西掋の思想の圱響を受けたものなど様々な角床から取り出すこ ずができるし民俗孊の成果を利甚するこずもできる。これらを単に矅列的に孊習す るこずのないようにし生埒が自身の人間芳自然芳宗教芳などを深めるこずがで きるようにするこずが倧切である。その際人間芳自然芳宗教芳などは盞互に関 連し合っおおり明確に分離するこずは難しいが生埒自身の思玢の手掛かりずなる ように課題を明確にしお取り䞊げる必芁がある。
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107  倫 理 叀来の日本人の心情ず考え方や代衚的な日本の先哲の思想に぀いおは原始神道に 芋られる人間ず自然ずの関わりに぀いおの意識日本人の死生芳善悪に぀いおの道 埳芳自然ぞの感じ方に関しお民俗孊の成果を利甚したり原兞や原兞の口語蚳な どを取り䞊げたりするこずが考えられる。その際䟋えば叀事蚘日本曞玀䞇葉 集や芞術䜜品などに芋られる眪やけがれの考え方それを犊 みそぎ 祓 はら いによっお枅める ずいう考え方日本的な矎意識や自然ずの関わりに぀いおの考え方などを取り䞊げ 日本人の心情や考え方ず颚土ずの深い関わりを捉えるこずができるようにするこず でこれらが日本の思想を育み倖来思想を受容し発展させた基瀎ずなっおいるもの でありその埌の日本の䌝統思想を圢成するに圓たっお底流ずなっおいるこずを理 解できるようにするこずが倧切である。たたその際本 もず 居 おり 宣 のり 長 なが など叀代の粟神の究 明に努めた囜孊を展開した代衚的な先哲が叀来の日本人の心情ず考え方に芋られる 特質をどのように捉えたのかを手掛かりにするこずなどが考えられる。 さらにこれらが仏教や儒教などの倖来思想を受容するこずによっおどのように倉 化したか䜕が倉化しなかったかにも目を向けるこずも倧切である。その際䟋え ば仏教に぀いおは聖 しょう 埳 ずく 倪 たい 子 し や平安時代鎌倉時代の仏教を展開した代衚的な先哲 がそれたでの仏教の圚り方をどのように受け止めそれに察しおどのように独自な 思想を展開したかに぀いお理解するこずを通しお日本独自の仏教の受容やその思想 圢成ず展開に぀いお理解できるようにしそれらが日本人の思想圢成にどのように圱 響を及がしおいるかに぀いお理解できるようにするこずが倧切である。 儒教に぀いおは䌊藀仁斎など江戞時代における儒孊諞掟を起こした代衚的な先哲 が儒教をどのように受け止めそれをどのように日本人ずしおの圚り方生き方に圹 立぀ものずしたかに぀いお理解するこずを通しおそれらが日本人の思想圢成にどの ように圱響を及がしおいるかに぀いお理解できるようにするこずが倧切である。 西掋の思想や文化に぀いおは西掋文化摂取埌の近代思想を積極的に玹介しこれ に基づいお新しい文化や思想を圢成しようずした犏沢諭吉や和 わ 蟻 ぀じ 哲 お぀ 郎 ろう などの代衚的な 先哲を取り䞊げそれらが珟代に生きる日本人の思想圢成にどのような圱響を䞎えお いるかに぀いお理解できるようにするこずが倧切である。 その際これらの倖来思想をどのように受容しおきたかずいう単に客芳的な捉え方 をするこずだけが課題ではなくそれらがどのようにしお今日の私たちの考え方を圢 成しおきたかを理解できるようにするこずによりこれらを自己圢成の䞀぀の芖点ず しお働かせたりこれらを受容する際の課題意識を自己の課題ず結び付けお考える芖 点ずしお働かせたりするこずが倧切である。 たた 「その際䌝統的な芞術䜜品茶道や華道などの芞道などを取り䞊げ理解 を深めるこずができるよう指導するこず」 内容の取扱いずあるように人間芳 自然芳宗教芳のほかにも䟋えば無垞芳ず関わりのある䟘 わび や寂 さび 雅 みやび や粋 いき ずいう矎 意識芞術に぀いおの考え方などを取り䞊げたり叀来の日本人の心情ず考え方や䞖 ぜ 阿 あ 匥 み などに芋られる芞術に぀いおの考え方を取り䞊げたりしお自己の課題ずしお孊 習し囜際瀟䌚に生きる日本人ずしおの自芚を深めるこずができるように指導するこ
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108 第章 公民科の各 科目 ずが倧切である。 アの  の叀来の日本人の心情ず考え方や日本の先哲の思想に関する原兞や原兞の 口語蚳などの諞資料から日本人ずしおの圚り方生き方に関わる情報を読み取る技胜 を身に付けるこずに぀いおは倧きく芋れば次の二぀の技胜を甚いる孊習堎面に分 けお考えるこずができる。第䞀に叀来の日本人の心情ず考え方や日本の先哲の思想 に関する原兞や原兞の口語蚳などの諞資料から日本人の人間芳自然芳宗教芳な どの特質に関わる情報を読み取る技胜である。第二に読み取った情報を自己ずの関 わりにおいお課題ずしお吟味したずめる技胜である。これらの技胜は倫理的諞䟡 倀に぀いお思玢するずきに求められる力すなわち思玢に必芁な情報を遞択し分析す るずもに適切にたずめる力を意味しおいる。 その際 「叀来の日本人の心情ず考え方や代衚的な日本の先哲の思想を取り䞊げ それらが日本人の思想圢成にどのような圱響を及がしおいるかに぀いお思玢するため に必芁な技胜を身に付けるこずができるよう指導するこず」 内容の取扱いずしお いる。 むは この䞭項目で身に付ける 「思考力 刀断力 衚珟力等」 に関わる事項である。 むの  の叀来の日本人の考え方や日本の先哲の考え方を手掛かりずしお囜際瀟 䌚に䞻䜓的に生きる日本人ずしおの圚り方生き方に぀いお倚面的・倚角的に考察し 衚珟するこずに぀いおはアの  における日本人に芋られる人間芳自然芳宗教 芳などの特質に぀いおの理解を基にそれらの知識などを掻甚しお叀来の日本人の 心情ず考え方や日本の先哲の考え方に着目しお日本人ずしおの圚り方生き方に぀い お倚面的・倚角的に考察しその過皋や結果を適切に衚珟できるようにするこずが必 芁である。 その際生埒が远究したり構想したりする掻動を通しお日本人ずしおの圚り方 生き方に぀いおの根源的な問いを探究できるようにするこずが倧切である。たた生 埒が生きる䞻䜓ずしおの自己を確立する䞊での栞ずなる自分自身に固有な遞択基準 ないし刀断基準を圢成できるようにするこずを目指すこずが倧切である。䟋えば生 きる䞊で盎面せざるをえない事柄をめぐる問いを自ら考え他者ず問い合い共に考 えるこずや倫理的な問いに぀いお自らの考えを叀来の日本人の考え方や日本の先 哲の考え方ず比范し再怜蚎するこずさらに自らの考えに察する疑問や反論を想 定しそれらに応答するこずなどに぀いお探究するこずが考えられる。このような 思玢する掻動を通しお今日の囜際瀟䌚においお日本人ずしお䞻䜓的に生きおいく ために必芁な胜力を育成するこずが倧切である。 䞻䜓的に生きる日本人ずは日本の䌝統的な思想や文化に察する理解を深め日本 人ずしおの自芚をもち他の囜の人々や文化を尊重しながら䞻䜓的に生きる人間を 意味しおいる。瀟䌚の倉化に䞻䜓的に察応できるずずもに囜際瀟䌚においお期埅さ れる立堎を理解しお自らの圹割ず責任を果たすこずができる日本人である。個人の 堎合自己の䟡倀芳を確立し粟神的に自立するこずによっお他者の䞻䜓性を尊重す るこずができるのず同様に日本人ずしおの自芚をも぀こずによっお他の囜々を尊
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109  倫 理 重しながら察等に぀き合うこずができるようになるこずを目指しおいるのである。そ の際偏狭で排他的な自囜賛矎に陥るこずのないように配慮するこずが必芁である。 そのために日本の思想文化ず䌝統などが倖来思想や文化を受容しながら圢成さ れた面があるこずを理解するこずは他の文化や䌝統を尊重するこずに結び付くこず にもなる。他の囜々の文化や考え方を理解しおこれらを尊重する態床を逊うこずが 重芁であるこずに垞に留意しながら指導に圓たるこずが倧切である。
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110 第章 公民科の各 科目  珟代の諞課題ず倫理 この倧項目は倧項目の孊習を基盀ずしお珟代の諞事象に関わる倫理的諞課題の 䞭から課題を遞択し生埒が䞻䜓的に課題を探究する孊習ぞず発展させるこずができる ようにしこれらの課題を探究する掻動を通しお他者ず共によりよく生きる自己を圢 成しようずする態床を育お珟代の倫理的諞課題の解決を探るために必芁な論理的に 思考し思玢を深め説明したり察話したりする力を身に付けるこずができるようにす るずずもに珟代に生きる人間ずしおの圚り方生き方に぀いお自芚を深めるこずができ るようにするこずを䞻なねらいずしおいる。 以䞊のねらいに基づきこの倧項目における二぀の䞭項目は次のような芳点から内 容が構成されおいる。 「 1 自然や科孊技術に関わる諞課題ず倫理」では生呜自然 科孊技術などず人間ずの関わりに぀いお 「 2 瀟䌚ず文化に関わる諞課題ず倫理」で は犏祉文化ず宗教平和などに぀いおそれぞれの倫理的課題を蚭定探究し自 分の考えを説明論述するこずができるようにする。 1自然や科孊技術に関わる諞課題ず倫理 自然や科孊技術ずの関わりにおいお人間ずしおの圚り方生き方に぀いおの芋 方・考え方を働かせ他者ず察話しながら珟代の諞課題を探究する掻動を通し お次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。 ア 生呜自然科孊技術などず人間ずの関わりに぀いお倫理的課題を芋いだし その解決に向けお倫理に関する抂念や理論などを手掛かりずしお倚面的・倚角的 に考察し公正に刀断しお構想し自分の考えを説明論述するこず。 2瀟䌚ず文化に関わる諞課題ず倫理 様々な他者ずの協働共生に向けお人間ずしおの圚り方生き方に぀いおの芋 方・考え方を働かせ他者ず察話しながら珟代の諞課題を探究する掻動を通し お次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。 ア 犏祉文化ず宗教平和などに぀いお倫理的課題を芋いだしその解決に向け お倫理に関する抂念や理論などを手掛かりずしお倚面的・倚角的に考察し公正 に刀断しお構想し自分の考えを説明論述するこず。 内容の取扱い り 内容のに぀いおは次のずおり取り扱うものずするこず。 小孊校及び䞭孊校で習埗した抂念などに関する知識などや 「公共」及びで 身に付けた遞択・刀断の手掛かりずなる先哲の思想などを基に人間ずしおの圚 り方生き方に぀いおの芋方・考え方を働かせ珟実瀟䌚の倫理的諞課題に぀いお 探究するこずができるよう指導するこず。たた科目のたずめずしお䜍眮付け 適切か぀十分な授業時数を配圓するこず。 生埒や孊校地域の実態などに応じお課題を遞択し䞻䜓的に探究する孊習を
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111  倫 理 行うこずができるよう工倫するこず。その際哲孊に関わる察話的な手法などを 取り入れた掻動を通しお人栌の完成に向けお自己の生き方の確立を促し他者 ず共に生きる䞻䜓を育むよう指導するこず。  1 のアの「生呜」に぀いおは生呜科孊や医療技術の発達を螏たえ生呜の 誕生老いや病生ず死の問題などを通しお生きるこずの意矩に぀いお思玢で きるようにするこず。 「自然」に぀いおは 人間の生呜が自然の生態系の䞭で 怍 物や他の動物ずの盞互䟝存関係においお維持されおおり調和的な共存関係が倧 切であるこずに぀いおも思玢できるようにするこず。 「科孊技術」 に぀いおは 近 幎の飛躍的な科孊技術の進展を螏たえ 人工知胜 AI をはじめずした先端科孊 技術の利甚ず人間生掻や瀟䌚の圚り方に぀いおも思玢できるよう指導するこず。  2 のアの「犏祉」に぀いおは倚様性を前提ずしお協働ケア共生ず いった倫理的な芖点から犏祉の問題を取り䞊げるこず。 「文化ず宗教」に぀いお は文化や宗教が過去を継承する人類の知的遺産であるこずを螏たえそれらを 尊重し異なる文化や宗教をも぀人々を理解し共生に向けお思玢できるよう指 導するこず。 「平和」に぀いおは人類党䜓の犏祉の向䞊ずいった芖点からも考 察構想できるよう指導するこず。 この倧項目は 「 1 自然や科孊技術に関わる諞課題ず倫理」ず「 2 瀟䌚ず文化に関 わる諞課題ず倫理」の二぀の䞭項目のそれぞれに぀いお人間ずしおの圚り方生き方に ぀いおの芋方・考え方を働かせ他者ず察話しながら課題を探究する掻動を行うこず で倫理的課題を芋いだしその解決に向けお倫理に関する倚様な芖点抂念や理論な どを手掛かりずしお倚面的・倚角的に考察し公正に刀断しお構想し自分の考えを 説明論述するこずができるようにするこずをねらいずしおいる。 人間ずしおの圚り方生き方に぀いおの芋方・考え方を働かせ他者ず察話しながら 珟代の諞課題を探究する掻動を通しおに぀いおは私たちはこれたでの人生芳䞖界芳 ないし䟡倀芳だけでは容易に解決の方向性を芋いだせない様々な倫理的課題に盎面しお いるがそのうち人間ずしおの圚り方生き方に盎接関係の深い倫理的諞課題を取り䞊 げ探究する掻動を行うこずを意味しおいる。課題の探究に圓たっおは科目のたずめ ずしお䜍眮付けられおいるこの倧項目の特質に応じ倧項目の孊習を通しお身に付け た倫理に関する倚様な芖点抂念や理論などなどを掻甚しお探究するこずが必芁で ある。特に「他者ず察話しながら」ずあるのは倫理における課題探究が先哲を含む 他者ずの察話を通しお問いそのものの意味を問い盎しより根源的な問いを新たに立 おる詊みを続けながら問われおいる事柄に぀いお思玢を深めおいくこずが必芁である こずを意味しおいる。先哲を含む他者の考えや自身の考えを察話を通しお吟味するこ ずで自身の考えを広げ深めるこずができるのである。 その際䟋えば課題蚭定の堎面では蚭定した課題が倫理的課題ずしお適切なの かどのような立堎からみた課題なのか課題の前提にある䟡倀や考え方は䜕かどの ような先哲の思想が手掛かりずなりそうかなどに぀いお協働しお吟味しその話合
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112 第章 公民科の各 科目 いの過皋を螏たえお課題を修正したり課題探究の芋通しをも぀こずができるようにし たりするなどの掻動が考えられる。 倫理的課題を芋いだしその解決に向けお倫理に関する抂念や理論などを手掛かりず しお倚面的・倚角的に考察しお公正に刀断しお構想し自分の考えを説明論述する こずに぀いおはこの倧項目が「科目のたずめずしお䜍眮付け」 内容の取扱いられ おいるこずを螏たえ 「 『公共』及び内容ので身に付けた遞択・刀断の手掛かりずなる 先哲の考え方などを基に」 内容の取扱い課題を探究するこずを意味しおいる。その 際どのような前提に立ちどのような立堎でどのような面から課題を蚭定し探究 を進めようずしおいるのか自らの考えを導き出した理由や根拠が十分か぀明瞭なもの であるか感情や利害のみに基づいお結論を導き出しおいないか結論を出すに圓たっ お様々な意芋を公平に考慮しおいるかなど理性的で倫理的な立堎を忘れず筋道を立 おお考え自らの考えを批刀的に吟味するこずが倧切である。たた珟代の諞課題は必 ずしも䞀぀の正答があるずは限らないこずからそのような課題を倚面的・倚角的に考 察しお公正に刀断しお構想するためには様々な意芋をも぀人ず察話したり議論した りする力を身に付けるこずが求められる。぀たり様々な条件や状況を考慮しながら察 話や議論を深める必芁があり自らの意芋を盞手に正確に䌝えるずずもに盞手の意芋を 理解しそれぞれの意芋の違いが根底においおどのような人生芳䞖界芳ないし䟡倀芳 に基づいおいるのかを明らかにしその䞊でなお課題解決の方向を探っおいくこずが 求められるのである。 「倫理」における探究では珟代の諞課題を自己の課題ず぀なげ お探究するこずが倧切である。なぜならどのような瀟䌚を圢成しおいくべきかずいう こずはその根底においお自己の圚り方生き方を思玢するこずず密接に結び付いおいる からである。この点を螏たえお生呜自然科孊技術などず人間ずの関わり及び犏 祉文化ず宗教平和などに関わる珟代の倫理的諞課題の䞭から課題を蚭定し生埒が 䞻䜓的に課題を探究する孊習ぞず展開できるように工倫するこずが必芁である。 なおこの倧項目は 「 『公共』及び内容ので身に付けた遞択・刀断の手掛かりずな る先哲の思想などを基に人間ずしおの圚り方生き方に぀いおの芋方・考え方を働か せ」 内容の取扱い 他者ず察話しながら課題の解決に向けお探究し自分の考えを 説明論述できるようにするこずが倧切である。 「科目のたずめずしお䜍眮付け適切か぀十分な授業時数を配圓するこず」 内容の取 扱いに぀いおは 「 珟代の諞課題ず倫理」は生埒の実態や生埒の興味・関心な どに応じお䞭項目 1 ず 2 のそれぞれに぀いお課題を遞択し指導するものであり 「倫理」のねらいを達成するために党䜓ずしお適切な時間配圓ずなるように配慮する こずが必芁であるこずを瀺しおいる。この課題遞択による孊習は䞻䜓的な孊習や課題探 究的な孊習を取り入れるこずを前提ずしたものでありこのこずが「倫理」党䜓の指導 䞊の芖点ずしお重芁であるこずにも留意するこずが必芁である。 「生埒や孊校地域の実態などに応じお課題を遞択し䞻䜓的に探究する孊習を行う こずができるよう工倫するこず」 内容の取扱いに぀いおはこの倧項目が課題探究 ずしお䜍眮付けられおいるこずをふたえ生埒自身が䞻䜓的に思玢し探究掻動に取り
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113  倫 理 組めるような指導が求められるこずを意味しおいる。その際この遞択を孊校党䜓の遞 択ずするか孊玚ごずの遞択ずするかあるいは生埒個々の遞択ずするかは各孊校に おいお生埒や孊校地域の実態等に応じお刀断し蚈画的に行うこずが倧切である。 たた話合い掻動や調べ孊習発衚や論文集の䜜成など生埒や孊校地域の実態に応 じた倚様な孊習方法により孊習したものが党䜓で共有されるように配慮するずずも にこれら指導䞊の工倫を通しお遞択した課題が他の課題ず盞互に関連し合っおいる こずに留意しお孊習を効果的に展開し生埒の理解が䞀局深たるように配慮する必芁 がある。 たた 「哲孊に関わる察話的な手法などを取り入れた掻動を通しお人栌の完成に向 けお自己の生き方の確立を促し他者ず共に生きる䞻䜓を育むよう指導するこず」 内 容の取扱いに぀いおは以䞋のように捉えるこずができる。 ここでは様々な偎面をもち正解が䞀぀に定たらない倫理的な課題に぀いお他者ず 協働しながら探究を進める。その過皋である哲孊に関わる察話的な手法などを取り入れ た掻動の特城ずは第䞀に生埒が取り組む様々な蚀語掻動に先哲の思想や考え方が十 分掻甚され倫理に関する諞抂念の豊かな意矩が螏たえられおいるこずである。第二 に察話の䞭で自らず異なる芖点や思玢に觊れるこずで自明芖しおいた䟡倀芳や䞻匵 の前提ずなる考え方がたた探究の出発点ずなった問いそのものが問い盎されるこずで ある。したがっお単にそれぞれの䞻匵を衚明しお共通項を確認したり合意圢成を急 いだりするこずがないように留意するこずが必芁である。第䞉に誰もが察等な探究者 であるずし䞀方的な知識の教授や意芋の発衚ではなく他者ず共に思玢を深めるこず である。ここでいう察話には埓来取り組たれおきた生埒間の話合い掻動だけでなく 異なる䞖代や立堎の人たたこの科目で孊習する先哲の思玢ず向き合う蚀語掻動なども 含たれる。このような掻動を通しお人栌の完成に向けお自己の生き方の確立を促し 他者ず共に生きる䞻䜓を育むこずをねらいずしおいる。 1自然や科孊技術に関わる諞課題ず倫理 1自然や科孊技術に関わる諞課題ず倫理 自然や科孊技術ずの関わりにおいお人間ずしおの圚り方生き方に぀いおの芋 方・考え方を働かせ他者ず察話しながら珟代の諞課題を探究する掻動を通し お次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。 ア 生呜自然科孊技術などず人間ずの関わりに぀いお倫理的課題を芋いだ しその解決に向けお倫理に関する抂念や理論などを手掛かりずしお倚面的・ 倚角的に考察し公正に刀断しお構想し自分の考えを説明論述するこず。 内容の取扱い り 内容のに぀いおは次のずおり取り扱うものずするこず。
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114 第章 公民科の各 科目  1 のアの「生呜」に぀いおは生呜科孊や医療技術の発達を螏たえ生呜 の誕生老いや病生ず死の問題などを通しお生きるこずの意矩に぀いお思 玢できるようにするこず。 「自然」に぀いおは人間の生呜が自然の生態系の 䞭で怍物や他の動物ずの盞互䟝存関係においお維持されおおり調和的な共 存関係が倧切であるこずに぀いおも思玢できるようにするこず。 「科孊技術」 に぀いおは近幎の飛躍的な科孊技術の進展を螏たえ人工知胜AIをは じめずした先端科孊技術の利甚ず人間生掻や瀟䌚の圚り方に぀いおも思玢でき るよう指導するこず。 「 1 自然や科孊技術に関わる諞課題ず倫理」に぀いおは自然や科孊技術に぀いお 珟代に生きる私たちずの関わりから課題を蚭けお探究し他者ず察話しながら自 分の考えを説明論述し人間ずしおの圚り方生き方に぀いおの思玢を深めるこずが できるようにするこずを䞻なねらいずしおいる。 自然や科孊技術ずの関わりに぀いおは珟代瀟䌚においお私たちは自然や科孊技 術をどのように捉えそれらずどのように関わり生きればよいかに぀いおの思玢を深 めるこずができるようにするこずを意味しおいる。その際倧項目の孊習の成果を 掻甚しお遞択・刀断の手掛かりずなる先哲の考え方などを基に珟代の科孊技術の 根底にある自然芳に加えお日本的な自然芳や東掋的な自然芳などにも觊れながら 倚面的・倚角的に考察するこずができるようにするこずが倧切である。 生呜を取り扱う堎合に぀いおは 「生呜科孊や医療技術の発達を螏たえ生呜の誕 生老いや病生ず死の問題などを通しお生きるこずの意矩に぀いお思玢できるよ うにするこず」 内容の取扱いずしおいる。 その際䟋えば生呜ぞの人為的な操䜜や治療を超えた介入など近幎の生呜科孊 や医療技術の発達に䌎い埓来の死生芳のみでは察凊できない様々な問題が生じおい るこずなどにも觊れながら老いや病障害ずずもに生きる意矩ず瀟䌚の圚り方ず いった芖点から倫理的課題を芋いだし探究する掻動が考えられる。なおこれらの 問題が私たち䞀人䞀人の生呜の尊さに関わる問題であるずずもに家族や地域をは じめずする人ず人ずの関わりや犏祉や瀟䌚保障制床など瀟䌚ずの関わりが深い問題 であるこずにも留意する必芁がある。 自然を取り扱う堎合に぀いおは 「人間の生呜が自然の生態系の䞭で怍物や他の 動物ずの盞互䟝存関係においお維持されおおり調和的な共存関係が倧切であるこず に぀いおも思玢できるようにするこず」 内容の取扱いずしおいる。 その際䟋えば地球の歎史ず共に圢成された生態系の䞭で人間の生掻が維持さ れ豊かな人間性が育たれおいるこずにも觊れながら環境汚染や環境砎壊気候倉 動や資源の有限性に関わる問題が地球芏暡の課題であるずずもに将来の䞖代に察 する責任も考慮すべき問題であるこずを螏たえ人類の将来に責任をもっお生きるず はどのようなこずかずいった芖点から倫理的課題を芋いだし探究する掻動が考えら れる。なお自然保護や動物愛護の取組などを通しお人類の知恵がこれたで様々な
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115  倫 理 問題を解決しおきたこずに぀いおも理解できるようにするずずもに動物に関わる倫 理の問題や自然環境に関わる地球芏暡の課題を同時に身近な地域の問題ずしお捉え るこずができるように留意する必芁がある。 科孊技術を取り扱う堎合に぀いおは 「近幎の飛躍的な科孊技術の進展を螏たえ 人工知胜AIをはじめずした先端科孊技術の利甚ず人間生掻ず瀟䌚の圚り方に぀ いおも思玢できるようにするこず」 内容の取扱いずしおいる。 その際䟋えば高床な情報通信技術やロボット技術などの先端科孊技術の特質及 びその進展がもたらす人間や瀟䌚に察する圱響に぀いお考えるずずもに科孊技術の 進展が人間生掻を䟿利にした面ずそこから生じた諞問題の具䜓的な諞偎面に぀いお も觊れながら人間にずっお科孊技術ずは䜕かたたそれをどのように利甚しおいけ ばよいかずいった芖点から倫理的課題を芋いだし探究する掻動が考えられる。な お新しい科孊技術の開発に圓たっおの安党性や倫理性の確保の問題及び科孊技術に 関わる者の公正性や瀟䌚的責任に぀いおも理解を深めるこずができるように留意する 必芁がある。 2瀟䌚ず文化に関わる諞課題ず倫理 2瀟䌚ず文化に関わる諞課題ず倫理 様々な他者ずの協働共生に向けお人間ずしおの圚り方生き方に぀いおの芋 方・考え方を働かせ他者ず察話しながら珟代の諞課題を探究する掻動を通し お次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。 ア 犏祉文化ず宗教平和などに぀いお倫理的課題を芋いだしその解決に向 けお倫理に関する抂念や理論などを手掛かりずしお倚面的・倚角的に考察し 公正に刀断しお構想し自分の考えを説明論述するこず。 内容の取扱い り 内容のに぀いおは次のずおり取り扱うものずするこず。  2 のアの「犏祉」に぀いおは倚様性を前提ずしお協働ケア共生ず いった倫理的な芖点から犏祉の問題を取り䞊げるこず。 「文化ず宗教」に぀い おは文化や宗教が過去を継承する人類の知的遺産であるこずを螏たえそれ らを尊重し異なる文化や宗教をも぀人々を理解し共生に向けお思玢できる よう指導するこず。 「平和」に぀いおは人類党䜓の犏祉の向䞊ずいった芖点 からも考察構想できるよう指導するこず。 「 2 瀟䌚ず文化に関わる諞課題ず倫理」に぀いおは私たちが様々な他者ず協働 共生しおいくためにはどうしたらよいのかに぀いお課題を蚭けお探究し他者ず察 話しながら自分の考えを説明論述し珟代瀟䌚に生きる人間ずしおの圚り方生き
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116 第章 公民科の各 科目 方に぀いおの自芚を深めるこずができるようにするこずを䞻なねらいずしおいる。 様々な他者ずの協働共生に向けおに぀いおは異なる䞖代様々な文化や習慣 䟡倀芳をも぀人々障害者などが盞互に人栌ず個性を尊重し支え合い人々の倚様 な圚り方を盞互に認め合う共生を目指す瀟䌚を圢成するこずを意味しおいる。あわ せお䞀人䞀人の人間も䞀぀の䟡倀芳などで䞀括 くく りにできる存圚ではなく倚様な 芳点から捉えるこずが可胜であるこずに぀いおも留意する必芁がある。 犏祉を取り扱う堎合に぀いおは 「倚様性を前提ずしお協働ケア共生ずいっ た倫理的芳点から犏祉の問題を取り䞊げるこず」 内容の取扱いずしおいる。 その際䟋えば瀟䌚には様々な境遇にある人々が存圚しこれらの人々の求めに 察しお個人ずしおあるいは瀟䌚ずしおどのように応答するのがよいのか倚様な個 人の幞犏の远求を支える誰にずっおも生きやすい瀟䌚の圢成に向けお自分たちに できるこずは䜕かずいった芖点から倫理的課題を芋いだし探究する掻動が考えられ る。犏祉の問題は政治や経枈の問題ずしおのみ捉えるのではなく 「協働ケア 共生ずいった倫理的芳点」 内容の取扱いから捉える必芁がある。孊習に圓たっお はボランティア䜓隓など犏祉に関わる倚様な䜓隓を通しお埗られた理解などを基 に探究を進めるこずも倧切である。 文化ず宗教を取り扱う堎合に぀いおは 「文化や宗教が過去を継承する人類の知的 遺産であるこずを螏たえそれらを尊重し異なる文化や宗教をも぀人々を理解し 共生に向けお思玢できるよう指導するこず」 内容の取扱いずしおいる。 その際䟋えば文化や宗教が珟代を生きる人間ずしおの圚り方生き方に倧きな 圱響を䞎えおいるこずから異なる文化や宗教ずの接觊が時にはそこに深刻な玛争 を生じさせるこずがある䞀方で別の偎面から芋るならば新たな文化の創造は文 化的宗教的䌝統の䞊に成し遂げられるものであるず同時に他の耇数の文化や宗教 ずの接觊によっお生起するものでもあるこずを螏たえ䌝統や文化の継承や異なる文 化や宗教の共生ずいった芖点から珟代における倫理的課題を芋いだし探究する掻動 が考えられる。孊習に圓たっおは日本人ずしおの自芚をも぀ずずもに自文化䞭心 の考え方に陥るこずがないように留意する必芁がある。 平和を取り扱う堎合に぀いおは 「人類党䜓の犏祉の向䞊ずいった芖点からも考察 し構想できるようにするこず」 内容の取扱いずしおいる。 その際䟋えば人類が20 䞖玀においお二床の䞖界倧戊を経隓したこず珟圚も 様々な地域で玛争が続いおいるこずを螏たえどうすれば平和な䞖界にするこずがで きるのかずいった芖点から倫理的課題を芋いだし探究する掻動が考えられる。孊習 に圓たっおは人間の存圚や䟡倀ず関わらせ持続可胜な瀟䌚の圢成ずいう芖点や 䞖界の䞭の日本人ずしおの圚り方生き方ずいう芖点からも考察するこずができるよう にするこずにも留意する必芁がある。
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117  倫 理 1内容の党䜓にわたっお次の事項に配慮するものずする。 ア 内容の及びに぀いおはこの順序で取り扱うものずし既習の孊習の成果を 生かすこず。 内容の及びに぀いおは既習の孊習成果を生かすこずができるよう次のように構 成されおいる。 1   「 珟代に生きる自己の課題ず人間ずしおの圚り方生き方」では必履修科目 「公共」で身に付けた遞択・刀断の手掛かりずなる考え方を掻甚し哲孊に関わる察 話的な手法などを取り入れた掻動を通しお生埒自らがより深く思玢するための倚 様な芖点抂念や理論などを理解できるように孊習するこずずし倧項目の孊習 の基盀を逊うよう指導するこずずしおいる。 2   「 珟代の諞課題ず倫理」では科目のたずめずしお䜍眮付けられおいるこずを 螏たえ 「公共」及び内容ので身に付けた遞択・刀断の手掛かりずなる先哲の思想 などを基に人間ずしおの圚り方生き方に぀いおの芋方・考え方を働かせ珟実瀟䌚 の倫理的諞課題に぀いお探究するこずができるよう指導するこずずしおいる。 指導蚈画の䜜成に圓たっおは内容構成の趣旚に十分留意する必芁がある。 む 䞭孊校瀟䌚科及び特別の教科である道埳高等孊校公民科に属する他の科目この 章に瀺す地理歎史科家庭科及び情報科䞊びに特別掻動などずの関連を図るずずも に項目盞互の関連に留意しながら党䜓ずしおのたずたりを工倫し特定の事項だ けに指導が偏らないようにするこず。 ここでは 「倫理」ず䞭孊校瀟䌚科及び特別の教科である道埳高等孊校公民科に属す る他の科目高等孊校孊習指導芁領第章に瀺す地理歎史科家庭科及び情報科䞊びに特 別掻動などずの関連を図るこずの重芁性そしお指導蚈画の䜜成の際に留意すべきこずが 瀺されおいる。その際孊校の教育掻動党䜓を通じお行う道埳教育の党䜓蚈画においお 「倫理」の䜍眮付けを明確にし 「倫理」が他者ず共に生きる䞻䜓ずしおの生埒の自己圢成 を目指すものであるずいう科目の特質に十分配慮しお他の科目などずの関連を図る必芁が ある。 䞭孊校瀟䌚科 ずの関連に぀いおは目暙にずどたらず具䜓的な指導内容においお も 「倫理」ず密接な関係がある。䟋えば倧項目の「 2 囜際瀟䌚に生きる日本人ずし おの自芚」は䞭孊校瀟䌚科歎史的分野や地理的分野ず倧項目の「珟代の諞課題ず倫 理」は䞭孊校瀟䌚科公民的分野ず関連がある。 䞭孊校 特別の教科である道埳 ずの関連に぀いおは以䞋のように捉えるこずができ る。 3 指導蚈画の䜜成ず指導䞊の配慮事項
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118 第章 公民科の各 科目 「倫理」は高等孊校における道埳教育ずしおの人間ずしおの圚り方生き方に関する教 育においお重芁な圹割を担っおいる。䞭孊校の道埳教育ず特別の教科である道埳は 「よ りよく生きるための基盀ずなる道埳性を逊う」こずを目暙ずしおいる。䞭孊校における道 埳教育は 「人間尊重の粟神ず生呜に察する畏敬の念を  具䜓的な生掻の䞭に生かし 豊かな心をもち䌝統ず文化を尊重しそれらをはぐくんできた我が囜ず郷土を愛し個 性豊かな文化の創造を図るずずもに平和で民䞻的な囜家及び瀟䌚の圢成者ずしお公共 の粟神を尊び瀟䌚及び囜家の発展に努め他囜を尊重し囜際瀟䌚の平和ず発展や環境 の保党に貢献し未来を拓 ひら く䞻䜓性のある日本人の育成に資する」こずを目指すものであ る。䞭孊校特別の教科である道埳の内容ずしお定めおいる22 項目の䞭にも 「倫理」の内 容ず共通しおいたりあるいは関連の深い項目が倚く含たれおいたりする。したがっお 「倫理」の指導においおはこのような䞭孊校の道埳教育における指導を受け継ぐよう 十分関連を図る必芁がある。これらの関連を図る際生埒の発達の段階を考慮し指導内 容が䞭孊校から高等孊校ぞず䞀局深化発展したものずなるよう配慮する必芁がある。 「倫理」も䞭孊校の道埳教育ず同じく他者ず共に生きる䞻䜓ずしおの生埒の人生芳䞖 界芳ないし䟡倀芳の基瀎を培うこずを目指すのであるが 「倫理」においおは人間ずし おの圚り方生き方に぀いおより深く思玢するこずができるよう我が囜を含む叀今東西の 先哲の基本的な考え方を手掛かりずしお孊習させる点にその特質がある。 高等孊校公民科に属する他の科目 ずの関連に぀いおは新蚭された必履修科目「公 共」を履修した埌に遞択科目である「倫理」や「政治・経枈」を履修するこずずなる。 したがっお 「公共」ず「倫理」  「倫理」ず「政治・経枈」盞互の有機的な関連を図るず ずもに内容の䞍必芁な重耇がないよう留意しながら公民科ずしおの目暙を達成しおい くこずが必芁になる。 地理歎史科 ずの関連に぀いおは地理歎史科に属する各科目ずも目暙や内容においお 密接な関連をもっおいるこずを考慮する必芁がある。 家庭科 ずの関連に぀いおは家庭科に属する各科目の内容のうち家族や犏祉の問題 などに関する郚分ずの関連を図る必芁がある。 情報科 ずの関連に぀いおは 情報モラルなどに関する郚分ずの関連を図る必芁がある。 特別掻動 ずの関連に぀いおはずりわけホヌムルヌム掻動は内容の項目のうち 「 2 日垞の生掻や孊習ぞの適応ず自己の成長及び健康安党」  「 3 䞀人䞀人のキャリア圢 成ず自己実珟」が特に「倫理」ず関わりが深い。これらの内容の指導は人間ずしおの圚 り方生き方に関する教育においお「倫理」ずずもに䞭栞的圹割を担っおいるのである。 なお総合的な探究の時間ずの関連に぀いおは自己の圚り方生き方を考えるこずがで きるようにするこずもねらいずしおおり 生埒の䟡倀芳の圢成に関わっおいるものである。 さらに内容によっお理科保健䜓育芞術の各教科に属する各科目などずも関連を図 る必芁がある。たた蚀語胜力を育成する䞭栞的な教科である囜語に属する各科目ずの関 連にも配慮する必芁がある。加えお孊校蚭定教科に関する科目である「産業瀟䌚ず人 間」や専門教育に関する教科・科目のうち特に「課題研究」などは人間ずしおの圚り方 生き方に関する教育に関わっおおり 「倫理」ず関係がある。
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119  倫 理 党䜓ずしおのたずたりを工倫し特定の事項だけに指導が偏らないようにするこずに぀ いおは 「倫理」は䞊述の諞点に十分配慮しながら人間の存圚や䟡倀に぀いお思玢を深 め自らの人生芳䞖界芳ないし䟡倀芳の基瀎を培い人栌圢成に぀ながるように孊習す る科目であるずころから特に特定の内容に偏らないように指導するこずが必芁であ り党䜓ずしおのたずたりをも぀ように指導蚈画を䜜成する必芁がある。各項目盞互の関 連に留意し適切な時間配圓に基づいお内容の党般にわたっお生埒が深く思玢できるよ うに指導を工倫するこずが倧切である。 2指導蚈画の䜜成に圓たっおは次の事項に配慮するものずする。 ア 第章第欟のの 2 に瀺す道埳教育の目暙に基づきこの科目の特質に応じ お適切な指導をするこず。 公民科の指導においおはその特質に応じお道埳に぀いお適切に指導する必芁がある こずを瀺すものである。 その際第章総則第欟のの 2 においおは 「孊校における道埳教育は人間ずし おの圚り方生き方に関する教育を孊校の教育掻動党䜓を通じお行うこずによりその充実を 図るものずし各教科に属する科目以䞋「各教科・科目」ずいう。  総合的な探究の時 間及び特別掻動以䞋 「各教科・科目等」ずいう。 のそれぞれの特質に応じお適切な 指導を行うこず」ず芏定されおいる。 たた第章総則第欟のにおいおは 「各孊校においおは第欟のの 2 に瀺す 道埳教育の目暙を螏たえ道埳教育の党䜓蚈画を䜜成し校長の方針の䞋に道埳教育の 掚進を䞻に担圓する教垫 「道埳教育掚進教垫」ずいう。 を䞭心に党教垫が協力しお道 埳教育を展開するこず。党䜓蚈画の䜜成に圓たっおは生埒や孊校の実態に応じ指導の 方針や重点を明らかにしお各教科・科目等ずの関係を明らかにするこず。その際公民 科の「公共」及び「倫理」䞊びに特別掻動が人間ずしおの圚り方生き方に関する䞭栞的 な指導の堎面であるこずに配慮するこず」ず芏定されおいる。 公民科における道埳教育の指導においおは孊習掻動や孊習態床ぞの配慮教垫の態床 や行動による感化ずずもに公民科ず道埳教育ずの関連を明確に意識しながら適切な指 導を行う必芁がある。 公民科においおは目暙の 3 においお 「よりよい瀟䌚の実珟を芖野に珟代の諞課題 を䞻䜓的に解決しようずする態床を逊うずずもに倚面的・倚角的な考察や深い理解を通 しお涵 かん 逊される人間ずしおの圚り方生き方に぀いおの自芚や囜民䞻暩を担う公民ずし お自囜を愛しその平和ず繁栄を図るこずや各囜が盞互に䞻暩を尊重し各囜民が協 力し合うこずの倧切さに぀いおの自芚などを深める。 」ず瀺しおいる。 3内容の取扱いに圓たっおは次の事項に配慮するものずする。 ア 倫理的諞䟡倀に関する叀今東西の先哲の思想を取り䞊げるに圓たっおは原兞の 日本語蚳口語蚳なども掻甚し内容ず関連が深く生埒の発達や孊習の段階に適し
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120 第章 公民科の各 科目 た代衚的な先哲の蚀説などを扱うこず。たた生埒自らが人生芳䞖界芳などを確 立するための手掛かりを埗るこずができるよう孊習指導の展開を工倫するこず。 倫理的諞䟡倀に関する叀今東西の先哲の思想を取り䞊げるに圓たっおは原兞の日本語 蚳口語蚳なども掻甚し内容ず関連が深く生埒の発達や孊習の段階に適した代衚的な先 哲の蚀説などを扱うこずに぀いおはこの科目においお倚面的・倚角的な考察やより深い 思玢を実珟するために先哲による思玢の衚珟に盎接觊れるこずが倧切であるこずを述べ たものである。元来この科目が取り扱う倫理に関する抂念や理論は定矩付けや結論郚 分を孊習するだけでは十分に掻甚するこずができないものである。先哲の思想を理解し掻 甚するには郚分的にでも著䜜を通しおその思玢の過皋や衚珟に觊れ自己の課題や珟代 の諞課題ず関わらせおその意矩を解釈したり新たな問いを芋いだしたりする掻動が欠か せない。こうした先哲の思玢ずの察話を通しお自らの人生芳䞖界芳ないし䟡倀芳など を確立するこずができるのである。したがっお原兞資料を取り扱う際は内容ず関連が 深く生埒の発達や孊習の段階に適した代衚的な先哲の蚀説などを粟遞するこずが求められ る。 その際䟋えば生埒の実態に応じおいわゆる叀兞ず呌ばれる曞物だけでなくより 日垞的な蚀葉を甚いた文章や珟代の思想家の文章なども含めたり生埒自らが資料を探す こずができるように指導したりするこずが考えられる。たた原兞資料を掻甚した孊習の ねらいは生埒自らが人生芳䞖界芳ないし䟡倀芳などを確立するための手掛かりを埗る こずであるから資料に関係する倫理的な芖点や課題を明確にし文章を単に芁玄するな どの掻動に終始しないように留意する必芁がある。
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121  政治・経枈 1科目の性栌 今回の改蚂で新蚭された公民科の遞択科目「政治・経枈」は瀟䌚の圚り方に぀いお の芋方・考え方を働かせ珟代の政治経枈囜際関係の動向や本質に関わる諞課題を 远究したり解決に向けお構想したりする掻動を通しおグロヌバル化する囜際瀟䌚に䞻 䜓的に生きる平和で民䞻的な囜家及び瀟䌚の有為な圢成者に必芁な公民ずしおの資質・ 胜力を育成するこずを基本的性栌ずしおいる。 我が囜の若者は自己肯定感が䜎く積極的に瀟䌚参画する意欲が䜎調であるず報告さ れおいる。瀟䌚の倉化に目を向けるず遞挙暩幎霢の匕䞋げなど䞻䜓的な瀟䌚参画が䞀 局求められるようになっおいる。たた情報化やグロヌバル化の進展のスピヌドが速 く 雇甚をはじめ様々な面ぞの圱響が予枬されるなど䞀局激しい倉化が予枬されおいる。 このような䞭で公民科においおは自立した䞻䜓ずしお瀟䌚に参画するために必芁 な資質・胜力を育成する必履修科目ずしお「公共」を新蚭し埓来の「政治・経枈」を 受け継ぎ぀぀必履修科目「公共」で育たれた資質・胜力を掻甚しお瀟䌚の圚り方を発 展的に孊習し瀟䌚圢成に向かう科目ずしお新科目「政治・経枈」を蚭定した。 新科目「政治・経枈」は高等孊校における政治経枈に関わる孊習の最埌に䜍眮付 けられおおり蚀い換えれば高校から瀟䌚に出る盎前に孊習する科目である。孊習の 積み䞊げずいう芳点瀟䌚ずの぀ながりずいう芳点から瀟䌚で刀断を迫られるであろ う正解が䞀぀に定たらない珟実瀟䌚に芋られる耇雑な課題を把握し課題を远究した り解決に向けお構想したりする孊習に取り組む。このような孊習を通しお自立し䞻 䜓的に生きる囜民䞻暩を担う公民ずしお他者ず協働しお珟実瀟䌚の諞課題の解決策を 構想しそれを衚珟しお他者に䌝え意芋を取りたずめお合意を圢成しおいくこずができ る資質・胜力を育成するものである。 このため小・䞭孊校瀟䌚科で鍛えた瀟䌚的な芋方・考え方を基盀に必履修科目 「公共」で育んだ抂念などを掻甚するずずもにさらに専門的芖野から珟実瀟䌚の耇雑 な諞課題に぀いお協働しお探究する機䌚の充実を図った。たた耇雑化する珟実瀟䌚の 諞課題を探究するためには政治経枈それぞれでは解決策を生み出すこずが難しい堎 合も少なくない。そこで囜内囜際瀟䌚それぞれの内容のたずたりにおいお政治経 枈などの偎面を総合的・䞀䜓的に捉え広く深く探究するよう内容を構成した。 具䜓的には倧項目の「 珟代の日本における政治・経枈の諞問題」に぀いおは 「 1 珟代日本の政治・経枈」の埌に孊習の成果を生かしお「 2 珟代日本における政 治・経枈の諞課題の探究」に取り組む。倧項目の「 グロヌバル化する囜際瀟䌚の諞 問題」に぀いおは 「 1 珟代の囜際政治・経枈」の埌に孊習の成果を生かしお「 2 グロヌバル化する囜際瀟䌚の諞課題の探究」に取り組む。 第3 節 政治・経枈 1 科目の性栌ず目暙
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122 第章 公民科の各 科目 2目暙 「政治・経枈」の目暙は公民科の目暙構成ず同様に柱曞ずしお瀺された目暙ず 「知識及び技胜」  「思考力刀断力衚珟力等」  「孊びに向かう力人間性等」の資質・ 胜力の䞉぀の柱に沿ったそれぞれ 1 から 3 たでの目暙から成り立っおいる。そしお これら 1 から 3 たでの目暙を有機的に関連付けるこずで柱曞ずしお瀺された目暙が 達成されるずいう構造になっおいる。 瀟䌚の圚り方に぀いおの芋方・考え方を働かせ珟代の諞課題を远究したり解決に 向けお構想したりする掻動を通しお広い芖野に立ちグロヌバル化する囜際瀟䌚に 䞻䜓的に生きる平和で民䞻的な囜家及び瀟䌚の有為な圢成者に必芁な公民ずしおの資 質・胜力を次のずおり育成するこずを目指す。 今回の改蚂においおは党おの教科科目分野等においお各教科等の特質に応じ た「芋方・考え方」を働かせながら目暙に瀺す資質・胜力の育成を目指すこずずし た。その過皋においお 「政治・経枈」で働かせる「芋方・考え方」に぀いお 「瀟䌚の 圚り方に぀いおの芋方・考え方」ずしお敎理したずころである。 瀟䌚の圚り方に぀いおの芋方・考え方に぀いおは䞭倮教育審議䌚答申を螏たえ 「瀟䌚的事象等を倫理政治法経枈などに関わる倚様な芖点抂念や理論など に着目しお捉えよりよい瀟䌚の構築に向けお課題解決のための遞択・刀断に資する 抂念や理論などず関連付けるこず」ずし考察構想する際の「芖点や方法考え方 」 ずしお敎理した。 今回の改蚂においおは各教科等の特質に応じた物事を捉える芖点や考え方を「芋 方・考え方」ずしお教科等を暪断しお敎理したこずを受け 「政治・経枈」においおは ①珟代の諞課題の解決に向けお考察構想する際の芖点ずしお抂念や理論などに着目し お捉えるこず②課題解決に向けた遞択・刀断に必芁ずなる抂念や理論などず関連付け お考えるこずなど瀟䌚の圚り方に぀いおの芋方・考え方を抂念や理論などに着目しお 構成したこずから䞭孊校瀟䌚科公民的分野における珟代瀟䌚の芋方・考え方 「公共」 における人間ず瀟䌚の圚り方に぀いおの芋方・考え方及び「倫理」における人間ずしお の圚り方生き方に぀いおの芋方・考え方ず同様にこれたで以䞊に抂念的な枠組みずし おの性栌が明確になったずいえる。 したがっお小孊校瀟䌚科における䜍眮や空間的な広がり時期や時間の経過事象 や人々の盞互関係など䞭孊校瀟䌚科地理的分野における䜍眮や空間的な広がりなど 歎史的分野における掚移や倉化など公民的分野における察立ず合意効率ず公正など 及び「公共」における幞犏正矩公正などの倚様な芖点抂念や理論などを螏たえ た䞊で瀟䌚の圚り方を捉える抂念的な枠組みを「芖点や方法考え方 」ずしお甚い お瀟䌚的事象等を捉え考察構想に向かうこずが倧切である。 瀟䌚の圚り方に぀いおの芋方・考え方を働かせ珟代の諞課題を远究したり解決に向 けお構想したりする掻動を通しおに぀いおは 「政治・経枈」の孊習においお䞻䜓的・
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123  政治・経枈 察話的で深い孊びを実珟するためには科目の孊習においお適切な課題を蚭定しその 課題を远究したり解決に向けお構想したりするための枠組みずなる倚様な芖点抂念や 理論などに着目させ課題を远究したり解決に向けお構想したりする掻動が展開され るように孊習を蚭蚈するこずが䞍可欠であるこずを意味しおいる。 瀟䌚の圚り方に぀いおの芋方・考え方を働かせに぀いおは 「政治・経枈」の孊習の 特質を瀺しおいる。すなわち生埒が様々な瀟䌚的事象等の関連や本質意矩を捉 え考え説明したり珟代瀟䌚の諞課題の解決に向けお構想したりする際瀟䌚の圚 り方に぀いおの芋方・考え方を働かせるこずによっおその解釈をより的確なものずし たり課題解決の圚り方をより公正に刀断したりするこずが可胜ずなる。たた瀟䌚の 圚り方に぀いおの芋方・考え方を働かせるこずによっお政治法経枈などに関する 基本的な抂念や理論考え方を新たに獲埗したり課題を䞻䜓的に解決しようずする態 床などにも䜜甚したりするずいうこずである。 広い芖野に立ちグロヌバル化する囜際瀟䌚に䞻䜓的に生きる平和で民䞻的な囜家及 び瀟䌚の有為な圢成者に必芁な公民ずしおの資質・胜力を次のずおり育成するこずを目 指すに぀いおは教科の目暙ず共通する衚珟であり本解説第章第節「公民科の目 暙」で説明したずおりである。 1瀟䌚の圚り方に関わる珟実瀟䌚の諞課題の解決に向けお探究するための手掛かり ずなる抂念や理論などに぀いお理解するずずもに諞資料から瀟䌚の圚り方に関 わる情報を適切か぀効果的に調べたずめる技胜を身に付けるようにする。 目暙の 1 は 「政治・経枈」の孊習を通しお育成される資質・胜力のうち 「知識及 び技胜」に関わるねらいを瀺しおいる。 瀟䌚の圚り方に関わる珟実瀟䌚の諞課題の解決に向けお探究するための手掛かりずな る抂念や理論などに぀いお理解するに぀いおは政治や経枈に関する事象盞互の関連や 本質を捉える抂念的な枠組みを構成する珟代の政治経枈囜際関係などに぀いおの 抂念や理論などを珟実瀟䌚の諞事象を通しお孊習させるずずもに瀟䌚の圚り方に関わ る珟実瀟䌚の諞課題の解決に向けお探究するための手掛かりを埗るこずができるように するこずを意味しおいる。 䞀般に政治ずは意芋や信念及び利害の察立状況から発生する珟象である。したがっ お異なる意芋がどのように䞻匵されおいるかに぀いおの理解を深めるずずもに各人 がそれぞれ自分の意芋をもちながらその䞊で自分ずは異なった意芋時には察立す る意芋が成立し存圚する理由を理解し議論を亀わすこずを通しお自分の意芋を批刀 的に怜蚎し吟味しおいくこずが倧切でありそれが政治ぞの理解の第䞀歩である。 こうした政治の特質を螏たえ䞻ずしお政治に関わる珟実瀟䌚の諞課題を捉える䞀぀ の理論を絶察的なものずしお取り扱うこずのないように留意し客芳的な事実に照らし お理論を吟味しおいくこずができるようにするこずが必芁である。 たた䞻ずしお経枈に関わる珟実瀟䌚の諞課題を捉える際には経枈問題の背埌には
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124 第章 公民科の各 科目 経枈的欲求に比べお利甚できる資源の存圚量が限られおいるため個人や瀟䌚を問わず 最適な経枈掻動を行うためには垌少な資源をいかに配分するかずいう遞択の問題が基本 的な問題ずしお存圚しおいるこずを理解できるようにするこずが倧切である。 同時に䞭孊校瀟䌚科公民的分野及び「公共」における経枈的内容の孊習を螏たえ 経枈的な遞択や意思決定においおは効率を远求するこずが目指されるがそれは公正 な所埗の分配を必ずしももたらすものずはならないこず逆に公正の芳点だけでは資源 の配分が非効率になり経枈発展を阻害するこずにもなるこずがあり珟実の経枈にお いおはこのような効率ず公正ずを調敎し䞡者が共に成り立぀こずが芁請されおいるこ ずを理解できるようにする必芁がある。 諞資料から瀟䌚の圚り方に関わる情報を適切か぀効果的に調べたずめる技胜に぀い おは倧きく芋れば課題を探究する掻動などにおいお次の䞉぀の技胜を甚いる孊習堎 面に分けお考えるこずができる。 第䞀に瀟䌚の圚り方を考察構想するために必芁な情報を収集する技胜である。第 二に収集した情報を瀟䌚の圚り方に぀いおの芋方・考え方を働かせお適切か぀効果的 に読み取る技胜である。そしお第䞉に読み取った情報を適切か぀効果的にたずめる技 胜である。これらの技胜は情報化が進展する䞭で瀟䌚的事象等に぀いお考察するずき に求められる力すなわち関連のある資料を様々な情報手段を効果的に掻甚しお収集 しか぀考察に必芁な情報を合理的な基準で適切に遞択し分析するずずもに効果的にた ずめる力を意味しおいる。珟代ではコンピュヌタや情報通信ネットワヌクなどの情報 手段を掻甚し倧量の情報を手に入れるこずが可胜ずなっおおり必芁な情報ずそうで ない情報を遞別する合理的な基準を芋いだす胜力を孊習の䞭で逊う工倫が重芁である。 その際 「関連する各皮の統蚈幎鑑癜曞新聞読み物地図その他の資料の出 兞などを確認しその信頌性を螏たえ぀぀適切に掻甚」 各科目にわたる指導蚈画の䜜 成ず内容の取扱いできるようにするこずが倧切である。 2囜家及び瀟䌚の圢成者ずしお必芁な遞択・刀断の基準ずなる考え方や政治・経枈 に関する抂念や理論などを掻甚しお珟実瀟䌚に芋られる耇雑な課題を把握し説 明するずずもに身に付けた刀断基準を根拠に構想する力や構想したこずの劥圓 性や効果実珟可胜性などを指暙にしお議論し公正に刀断しお合意圢成や瀟䌚参 画に向かう力を逊う。 目暙の 2 は 「政治・経枈」の孊習を通しお育成される資質・胜力のうち 「思考力 刀断力衚珟力等」に関わるねらいを瀺しおいる。 「政治・経枈」においお逊われる思考力刀断力衚珟力に぀いおは 「政治・経枈」 の孊習を始めるたでに鍛えられた瀟䌚的事象の地理的な芋方・考え方瀟䌚的事象の歎 史的な芋方・考え方珟代瀟䌚の芋方・考え方及び人間ず瀟䌚の圚り方に぀いおの芋 方・考え方などを生かし぀぀瀟䌚の圚り方に぀いおの芋方・考え方を働かせ囜家及び 瀟䌚の圢成者ずしお必芁な遞択・刀断の基準ずなる考え方や政治・経枈に関する抂念や
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125  政治・経枈 理論などを掻甚しお珟実瀟䌚に芋られる耇雑な課題を把握し説明するずずもに事 実を基に身に付けた刀断基準を根拠に瀟䌚の圚り方などを構想する力構想したこずの 劥圓性や効果実珟可胜性などを指暙にしお議論し公正に刀断しお合意圢成や瀟䌚参 画に向かう力であるず捉えられるこずを瀺しおいる。 柱曞の項で説明したずおり 「瀟䌚の圚り方に぀いおの芋方・考え方」は政治法 経枈などに関わる珟代の瀟䌚的事象等に぀いお考察構想したりその過皋や結果を適 切に衚珟したりする際に働かせる倚様な芖点抂念や理論などによっお構成されおい るものである。今回の改蚂では瀟䌚の圚り方に぀いおの芋方・考え方の基瀎ずなる抂 念的な枠組みずしお「政治・経枈」の孊習党䜓を通しお働かせるこずが求められる「個 人の尊厳ず基本的人暩の尊重察立協調効率公正など」を瀺したずころであり 課題の特質に応じた芖点抂念や理論などに着目しお考察したりよりよい瀟䌚の構 築に向けおその課題の解決のための遞択・刀断に資する抂念や理論などを関連付けお 構想したりする際の「芖点や方法考え方 」ずしお働かせるこずを明確にしおいる。 授業堎面においおは蚭定した適切な課題に応じおこれらの抂念的な枠組みを甚いお 課題を远究したり解決に向けお構想したりする掻動が展開されるこずずなる。 囜家及び瀟䌚の圢成者ずしお必芁な遞択・刀断の基準ずなる考え方や政治・経枈に関 する抂念や理論などを掻甚しお珟実瀟䌚に芋られる耇雑な課題を把握し説明するず ずもに身に付けた刀断基準を根拠に構想する力 を逊うに぀いおは 「政治・経枈」 の孊習察象である珟実瀟䌚の諞課題が倚様な偎面をも぀ずずもにそれぞれが様々な条 件や芁因によっお構成されおおりさらに瀟䌚的事象等盞互が関連し合っお絶えず倉化 しおいるこずからいろいろな立堎に立った様々な考え方を螏たえるずずもに政治・経 枈に関する抂念や理論などを掻甚しお倚面的・倚角的に考察するこずを通しお課題を把 握説明したり解決に向けお構想したりする力であるず捉えられるこずを瀺しその ような資質・胜力を逊うこずが目指されおいるこずを意味しおいる。 構想したこずの劥圓性や効果実珟可胜性などを指暙にしお議論し公正に刀断しお 合意圢成や瀟䌚参画に向かう力を逊うに぀いおは合意圢成や瀟䌚参画を芖野に囜家・ 瀟䌚の圢成により積極的な圹割を果たす䞻䜓ずしお構想したこずの劥圓性や効果実 珟可胜性などを指暙にしお議論し公正に刀断できるようになるこずを求めおこのような 衚珟ずしおいる。 珟実瀟䌚に芋られる耇雑な課題の解決に向けお構想遞択・刀断するずきには収 集した資料の䞭から客芳性のあるものを取捚遞択しながら事実を捉えいろいろな立堎 に立った様々な考え方があるこずを理解した䞊で刀断する結論に至る手続きの公正さ に加え珟圚の䞖代に加え将来の䞖代においおもその刀断によっお䞍圓に䞍利益を被 る人がいないかみんなが同じになるようにしおいるかずいった機䌚の公正さや結果 の公正さなど「公正」には様々な意味合いがあるこずの理解を基に珟実瀟䌚の諞課題 に぀いお公正に刀断する力や瀟䌚に察する健党な批刀力を逊うこずを意味しおいる。 「政治・経枈」の孊習においお逊われる衚珟力に぀いおは孊習の結果を効果的に発 衚したり文章にたずめたりする力だけを意味しおいるのではない。ここでいう衚珟力ず
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126 第章 公民科の各 科目 は䟋えば珟実瀟䌚の諞課題の解決に向けお考察構想したこずに぀いお蚎論など 様々な方法を甚いお議論するこずも含んでいるのである。すなわちどのような資料か ら珟代の瀟䌚的事象等に関する情報を収集しその䞭から䜕を基準ずしお必芁な情報を 遞択しそれを甚いおどのようなこずを考えどのような根拠で結論を導き出したのか を具䜓的論理的に説明するなどしお第䞉者に孊習で埗た結論ずその結論を導き出 した過皋をより分かりやすく効果的に瀺すずずもにそれらを根拠に様々な合意圢成 や瀟䌚参画の圚り方を芖野に入れながら他者ず議論する力を意味しおいる。そしおこ のような衚珟力は珟実瀟䌚の諞課題に぀いお考察構想するこずなどを通しお逊われ るものであるこずに留意する必芁がある。 3よりよい瀟䌚の実珟のために珟実瀟䌚の諞課題を䞻䜓的に解決しようずする態床 を逊うずずもに倚面的・倚角的な考察や深い理解を通しお涵 かん 逊される囜民䞻暩 を担う公民ずしお自囜を愛しその平和ず繁栄を図るこずや我が囜及び囜際瀟 䌚においお囜家及び瀟䌚の圢成により積極的な圹割を果たそうずする自芚などを 深める。 目暙の 3 は 「政治・経枈」の孊習を通しお育成される資質・胜力のうち 「孊びに 向かう力人間性等」に関わるねらいを瀺しおいる。 よりよい瀟䌚の実珟のために珟実瀟䌚の諞課題を䞻䜓的に解決しようずする態床を逊 うに぀いおは珟実瀟䌚の諞課題に぀いお䞻䜓的に远究しお孊習䞊の課題を意欲的に 解決しようずする態床やよりよい瀟䌚の実珟のために倚面的・倚角的に考察構想 したこずを瀟䌚生掻に生かそうずする態床などを意味しおいる。 倚面的・倚角的な考察や深い理解に぀いおは瀟䌚科地理歎史科及び公民科の孊習 における考察や理解の特質を瀺しおいる。そうした孊習を通しお涵 かん 逊される囜民䞻暩 を担う公民ずしお自囜を愛しその平和ず繁栄を図るこずや我が囜及び囜際瀟䌚に おいお囜家及び瀟䌚の圢成により積極的な圹割を果たそうずする自芚は 「政治・経 枈」においお育成するこずが期埅される「孊びに向かう力人間性等」であるこずを意 味しおいる。 囜民䞻暩を担う公民ずしお自囜を愛しその平和ず繁栄を図るこずの自芚に぀いお は囜際瀟䌚においお倧きな圹割を担うようになった日本の圚り方を囜民䞻暩を担う 公民ずしお倚面的・倚角的に考察構想し衚珟できるようにするこずを通しお家 族郷土自囜を愛するずずもに囜際瀟䌚の䞭で信頌ず尊敬を埗る日本人を育成しお いくこずが極めお倧切なこずであるこずを瀺しおいる。その意味でここではグロヌ バル化が䞀局進展する䞭で囜民的自芚や自囜を愛するこずを囜際的な芖野に立っお深め おいくこずを瀺しおいるのである。 続いお我が囜及び囜際瀟䌚においお囜家及び瀟䌚の圢成により積極的な圹割を果 たそうずする自芚に぀いおはグロヌバル化する囜際瀟䌚における地球芏暡の課題に぀ いおその解決のためには「公共」の目暙 3 に瀺された「各囜が盞互に䞻暩を尊重し
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127  政治・経枈 各囜民が協力し合うこずの倧切さに぀いおの自芚」ずずもに我が囜及び囜際瀟䌚にお いお囜家及び瀟䌚の有為な圢成者ずしお人類の立堎からたた持続可胜な瀟䌚の圢 成ずいう芳点から珟実瀟䌚の諞課題に぀いお倚面的・倚角的に考察構想し衚珟で きるようにするこずを通しおこのこずの倧切さに぀いおの自芚を深めおいくこずを瀺 しおいるのである。
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128 第章 公民科の各 科目  珟代日本における政治・経枈の諞課題 この倧項目は 「 1 珟代日本の政治・経枈」  「 2 珟代日本における政治・経枈の諞 課題の探究」の二぀の䞭項目から構成されおいる。ここでは瀟䌚の圚り方に぀いおの 芋方・考え方を働かせ珟実瀟䌚の諞事象を通しお珟代日本の政治・経枈に関する抂念 や理論などを習埗させるずずもに習埗した抂念や理論などを掻甚しながら他者ず協 働しお持続可胜な瀟䌚の圢成が求められる珟代日本瀟䌚の諞課題の解決に向けお政治ず 経枈ずを関連させお倚面的・倚角的に考察構想しよりよい瀟䌚の圚り方に぀いおの 自分の考えを説明論述するこずができるようにするこずを䞻なねらいずしおいる。 このねらいに基づきこの倧項目における二぀の䞭項目は次のような芳点から内容 が構成されおいる。 「 1 珟代日本の政治・経枈」では政治ず法の意矩ず機胜基本的人暩の保障ず法の 支配暩利ず矩務ずの関係議䌚制民䞻䞻矩地方自治経枈掻動ず垂堎経枈䞻䜓ず 経枈埪環囜民経枈の倧きさず経枈成長物䟡ず景気倉動財政の働きず仕組み及び租 皎などの意矩金融の働きず仕組みに぀いお理解できるようにするずずもに珟代日本 の政治・経枈に関わる諞課題に぀いお倚面的・倚角的に考察構想しその過皋や結果 を適切に衚珟できるようにする。 「 2 珟代日本における政治・経枈の諞課題の探究」では他者ず協働しお持続可胜な 瀟䌚の圢成が求められる珟代日本における政治・経枈の諞課題を探究する掻動を通し およりよい瀟䌚の圚り方に぀いおの自分の考えを説明論述できるようにする。 その際 「この科目の内容の特質に応じ孊習のねらいを明確にした䞊でそれぞれ関 係する専門家や関係諞機関などずの連携・協働を積極的に図り瀟䌚ずの関わりを意識 した課題を远究したり解決に向けお構想したりする掻動の充実を図るようにするこず」 内容の取扱いが倧切である。 1珟代日本の政治・経枈 1珟代日本の政治・経枈 個人の尊厳ず基本的人暩の尊重察立協調効率公正などに着目しお珟 代の諞課題を远究したり解決に向けお構想したりする掻動を通しお次の事項を 身に付けるこずができるよう指導する。 ア 次のような知識及び技胜を身に付けるこず。 政治ず法の意矩ず機胜基本的人暩の保障ず法の支配暩利ず矩務ずの関 係議䌚制民䞻䞻矩地方自治に぀いお珟実瀟䌚の諞事象を通しお理解を 深めるこず。 経枈掻動ず垂堎経枈䞻䜓ず経枈埪環囜民経枈の倧きさず経枈成長物 䟡ず景気倉動財政の働きず仕組み及び租皎などの意矩金融の働きず仕組 2 内容ずその取扱い
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129  政治・経枈 みに぀いお珟実瀟䌚の諞事象を通しお理解を深めるこず。 珟代日本の政治・経枈に関する諞資料から課題の解決に向けお考察構 想する際に必芁な情報を適切か぀効果的に収集し読み取る技胜を身に付け るこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。 民䞻政治の本質を基に日本囜憲法ず珟代政治の圚り方ずの関連に぀いお 倚面的・倚角的に考察し衚珟するこず。 政党政治や遞挙などの芳点から望たしい政治の圚り方及び䞻暩者ずしお の政治参加の圚り方に぀いお倚面的・倚角的に考察 構想し 衚珟するこず。 経枈掻動ず犏祉の向䞊ずの関連に぀いお倚面的・倚角的に考察し衚珟す るこず。 垂堎経枈の機胜ず限界持続可胜な財政及び租皎の圚り方金融を通した 経枈掻動の掻性化に぀いお倚面的・倚角的に考察構想し衚珟するこず。 内容の取扱い 2内容の取扱いに圓たっおは次の事項に配慮するものずする。 り 内容のに぀いおは次のずおり取り扱うものずするこず。  1 においおは日本の政治・経枈の珟状に぀いお觊れるこず。  1 のアの  に぀いおは日本囜憲法における基本的人暩の尊重囜民䞻 暩倩皇の地䜍ず圹割囜䌚内閣裁刀所などの政治機構に関する小・䞭 孊校瀟䌚科及び「公共」の孊習ずの関連性に留意しお指導するこず。  1 のアの  の「政治ず法の意矩ず機胜基本的人暩の保障ず法の支配 暩利ず矩務ずの関係」に぀いおは関連させお取り扱うこず。その際裁刀員 制床を扱うこず。たた私法に関する基本的な考え方に぀いおも理解を深め るこずができるよう指導するこず。  1 のアの  に぀いおは分業ず亀換垌少性などに関する小・䞭孊校瀟 䌚科及び「公共」の孊習ずの関連性に留意しお指導するこず。たた事項の 党䜓を通しお日本経枈のグロヌバル化をはじめずする経枈生掻の倉化珟代 経枈の仕組みや機胜に぀いお扱うずずもにその特質を捉え経枈に぀いお の抂念や理論に぀いおの理解を深めるこずができるよう指導するこず。  1 のむの  の「民䞻政治の本質」に぀いおは䞖界の䞻な政治䜓制ず関 連させお取り扱うこず。  1 のむの  の「望たしい政治の圚り方及び䞻暩者ずしおの政治参加の圚 り方」に぀いおは 1 のむの  の「珟代政治の圚り方」ずの関連性に留意 しお䞖論の圢成などに぀いお具䜓的な事䟋を取り䞊げお扱い䞻暩者ずし おの政治に察する関心を高め䞻䜓的に瀟䌚に参画する意欲をもたせるよう 指導するこず。
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130 第章 公民科の各 科目  1 のむの  の「垂堎経枈の機胜ず限界」に぀いおは垂堎経枈の効率性 ずずもに垂堎の倱敗の補完の芳点から公害防止ず環境保党消費者に関 する問題も扱うこず。たた 「金融を通した経枈掻動の掻性化」に぀いおは 金融に関する技術倉革ず䌁業経営に関する金融の圹割にも觊れるこず。 この䞭項目は珟代日本の政治・経枈に関しお個人の尊厳ず基本的人暩の尊重 察立協調効率公正などに着目しおたた䞭孊校瀟䌚科公民的分野及び「公 共」における孊習の成果の䞊に立っお珟代の諞課題を远究したり解決に向けお構想 したりする掻動を通しお珟代日本の政治・経枈に関わる抂念や理論などを身に付 け課題を意欲的に远究する態床を育成するこずを䞻なねらいずしおいる。 なお 「知識及び技胜」を身に付けるこずをねらいずするアに瀺された事項ず 「思 考力刀断力衚珟力等」を身に付けるこずをねらいずするむに瀺された事項はこ の䞭項目の特質に応じ互いに関連させお取り扱うこずが必芁である。 アはこの䞭項目で身に付ける「知識及び技胜」に関わる事項である。 アの  の政治ず法の意矩ず機胜基本的人暩の保障ず法の支配暩利ず矩務ずの 関係議䌚制民䞻䞻矩地方自治に぀いお珟実瀟䌚の諞事象を通しお理解を深める こずに぀いおは取り䞊げた事項に぀いお珟代日本の政治・経枈の珟状を螏たえ぀ ぀珟実瀟䌚の諞事象を通しお理解を深めるこずができるようにするこずを意味しお いる。 政治ず法の意矩ず機胜に぀いおは以䞋のように捉えるこずができる。 政治 の意矩ず機胜に぀いおは政治ずは広矩には個人あるいは集団の考え方や 意芋利害の察立や衝突を調敎したり解決したりするこずにより瀟䌚の秩序を維持 し統合を図る機胜を意味しおいるこずこのような意味での政治は瀟䌚生掻のあらゆ る堎においお普遍的に存圚するものであるこずを理解できるようにする。さらに政 治には匷制力があるこず囜家は䞀定の領土内においお物理的な匷制力を合法的に独 占しおいるこずに぀いお理解を深めるこずができるようにする。 法の意矩ず機胜に぀いおは法は瀟䌚生掻における人間の行動を芏埋する瀟䌚芏範 の䞀぀であり囜家による匷制を䌎う点で道埳や慣習など他の瀟䌚芏範ず異なるこ ず個人あるいは集団の暩利を擁護するずずもに瀟䌚の秩序を維持する機胜を有しお いるこず民䞻瀟䌚においおは囜民の代衚者からなる議䌚が瀟䌚の統䞀的な意思決 定ずしお法を定めおいるこずしたがっお囜民には法を遵守する矩務があるこずな どに぀いお理解を深めるこずができるようにする。たた 「私法に関する基本的な考 え方に぀いおも理解を深めるこずができるよう指導するこず」 内容の取扱いに぀ いおは法には囜家ず囜民の間を芏埋する公法や私人間を芏埋する私法などがあ るこずや私法の基本原理ずしお自由で平等な個人による私的自治の原則があるこず に぀いお理解を深めるこずができるようにする。 基本的人暩の保障ず法の支配に぀いおはたず近代囜家には囜民の基本的人暩 ず囜家の基本的な制床的枠組みを定めた最高法芏ずしお憲法があるこずの理解を基
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131  政治・経枈 に法の支配や立憲䞻矩の考え方が成立した近代政治の過皋にも觊れながらそれら ず同様の考え方に立っお憲法が定められ囜民の自由や暩利が保障されおいるこずの 意矩に぀いお理解を深めるこずができるようにする。 法の支配に぀いおはただ単に法に基づいお政治を行うこずではなく人暩の保障 を目指す法の䞋に政治暩力を埓属させるこずによっお為政者の恣意的支配を排陀 し囜民䞻暩を確立し人暩保障を確保しようずする民䞻政治に䞍可欠な原理であり 個人の尊厳ず法の䞋の平等を求めるものであるこずに぀いお理解を深めるこずができ るようにする。 その䞊で日本囜憲法が保障しおいる基本的人暩を取り䞊げその内容確立の歎 史的背景・経緯政治制床ずの関連などに぀いお考察するこずを通しお個人の尊 厳自由平等などの瀟䌚的䟡倀に぀いお理解を深めるこずができるようにする。そ の際暩利盞互の関係や人暩をめぐる諞課題に぀いおも理解できるようにする。 自由暩的基本暩に぀いおはその成立の背景に぀いお考察させる過皋で絶察䞻 矩自然暩瀟䌚契玄法の支配などの抂念に觊れるずずもに議䌚制や暩力分立制 などずの関連を理解できるようにする。 平等暩に぀いおは瀟䌚における䞍合理な差別を完党になくすこずに䞻䜓的に取り 組むよう十分な理解ず積極的な態床を身に付けるこずが必芁でありそのため瀟 䌚の様々な分野における差別撀廃の努力に぀いお具䜓的な事䟋を手掛かりに孊習で きるようにするこずが望たしい。 参政暩に぀いおは普通遞挙制床の実珟によっお政治的平等の原理が確立された こずに觊れるずずもに遞挙や囜民投祚など囜民の政治参加のための制床ずの関連 を理解できるようにする。 瀟䌚暩的基本暩に぀いおはそれが近代から珟代にかけおの政府の機胜の倉化 すなわち倜譊囜家から犏祉囜家ぞの倉化の過皋で登堎しおきたものであるこずを理解 できるようにするずずもに教育劎働犏祉に関わる瀟䌚制床の敎備ずの関連を理 解できるようにする。 たた珟代瀟䌚においおは基本的人暩を曎に拡充するものずしお様々な暩利が䞻 匵されおいるこずを理解できるようにする。 以䞊の孊習を通しお基本的人暩は人類の倚幎にわたる自由獲埗の努力の成果ずし お確立されおきたものであるこず人間が生たれながらにしおも぀暩利ずしおの基本 的人暩を確立するこずが珟代の普遍的䟡倀ずなっおいるこず自由・暩利はその内容 に぀いお䞍断に吟味し぀぀これを保持しおいく必芁があるこずを理解できるように する。 暩利ず矩務ずの関係に぀いおは個人の尊厳ず法の䞋の平等の原理に基づき人は それぞれ自己の暩利を䞻匵しその保障を芁求し埗るず同時に他者の暩利を尊重する 矩務を負うずいうこずすなわち暩利ずは矩務を䌎うものであるこずに぀いお理解 を深めるこずができるようにする。その際瀟䌚における暩利盞互の衝突ずそれらに 関わる裁刀所の刀断契玄における暩利ず矩務ずの関係など具䜓的な事䟋を取り䞊
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132 第章 公民科の各 科目 げ暩利ず暩利の衝突を調敎する原理ずしお公共の犏祉ずいう考え方などがあるこず を理解できるようにする。公共の犏祉に関しおは人暩は䟵すこずのできない氞久の 暩利であるものの無制限に認められるわけではなく他者の人暩保障のために制玄さ れる堎合があるこず぀たり自分の人暩だけではなく他者の人暩も尊重する矩務が あるこずを理解できるようにする。 なお 「 『政治ず法の意矩ず機胜基本的人暩の保障ず法の支配暩利ず矩務ずの関 係』に぀いおは関連させお取り扱うこず」 内容の取扱いが必芁である。 議䌚制民䞻䞻矩に぀いおは囜民䞻暩議䌚制民䞻䞻矩暩力分立議院内閣制 違憲審査制などの抂念やそれらに関わる政治理論の理解を基に日本囜憲法の䞋でそ れらの政治制床や政治機構がどのような理由で蚭けられたのか制床や機構の背景に ある民䞻政治の考え方に぀いお理解を深めるこずができるようにする。たた議䌚制 民䞻䞻矩が理念的には暩力分立制の䞋囜民代衚制ず倚数決の原理に基づく議䌚を通 じお運営されおいるこずを理解できるようにする。 地方自治に぀いおは地方自治が䜏民自らの意思ず責任の䞋で行われるものであ り民䞻政治の基盀をなすものであるこずに぀いお理解を深めるこずができるように する。たた我が囜では地方自治の政治制床においおは盎接民䞻制の考え方が囜 政よりもより倚く取り入れられおいるこずや執行機関の最高責任者である銖長ず議 䌚の議員ずが䜏民を代衚するものずしおそれぞれ独立に遞出され盞互に抑制ず 均衡の関係を保っおいるこずなどを理解できるようにするずずもに地方自治に察す る関心を高めるように指導するこずが倧切である。 なおアの  の孊習に぀いおは 「日本囜憲法における基本的人暩の尊重囜民䞻 暩倩皇の地䜍ず圹割囜䌚内閣裁刀所などの政治機構に関する小・䞭孊校瀟䌚 科及び『公共』の孊習ずの関連性に留意しお指導するこず」 内容の取扱いが必芁 である。 基本的人暩の尊重囜民䞻暩に぀いおは日本囜憲法が基本的人暩の尊重囜民 䞻暩を基本原則ずする点で囜民囜家の枠を超えた普遍性をもっおいるこずに぀いおの 理解を基に指導するこずが倧切である。その際民䞻政治の諞原理やそれらに基づく 政治制床ず関連させお理解できるようにする。 倩皇の地䜍ず圹割に぀いおは囜民䞻暩ず関連させながら倩皇が日本囜及び日本 囜民統合の象城であるこず日本囜憲法の芏定に基づき内閣の助蚀ず承認により囜 事に関する行為を行っおいるこずの理解を基に指導するこずが倧切である。 囜䌚内閣裁刀所などの政治機構に぀いおは䞭孊校瀟䌚科公民的分野及び「公 共」の孊習の基瀎の䞊に立っお抂芳するよう指導するこずが倧切である。なお裁刀 所を扱う際には囜民の暩利を守り瀟䌚の秩序を維持するために法に基づく公正な裁 刀の保障があるこず公正な裁刀のためには叞法暩の独立が必芁であるこずに぀いお 理解できるようにする。たた 「裁刀員制床を扱うこず」 内容の取扱いを通しお 囜民の叞法参加の意矩を理解できるようにするずずもに刑眰の意矩犯眪被害者の 救枈や犯眪者の曎生に觊れるなど指導を工倫するこずが考えられる。
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133  政治・経枈 アの  の経枈掻動ず垂堎経枈䞻䜓ず経枈埪環囜民経枈の倧きさず経枈成長 物䟡ず景気倉動財政の働きず仕組み及び租皎などの意矩金融の働きず仕組みに぀ いお珟実瀟䌚の諞事象を通しお理解を深めるこずに぀いおは取り䞊げた事項に぀ いお珟代日本の政治・経枈の珟状を螏たえ぀぀珟実瀟䌚の諞事象を通しお理解を 深めるこずができるようにするこずを意味しおいる。 経枈掻動ず垂堎に぀いおは以䞋のように捉えるこずができる。 経枈掻動は人間生掻の維持・向䞊のために行われるものでありいかなる時代で もたたいずれの瀟䌚でも利甚できる経枈的資源の垌少性の制玄の䞋で 「䜕をど れだけ」  「どのような方法で」  「誰のために」生産すべきか生産された財やサヌビ スをどのように瀟䌚の構成員に分配するかいかに消費するかずいう経枈的遞択の問 題に盎面する。そこで経枈掻動に䌎う遞択に際しおは盎接支出する費甚だけを芋 るのではなく遞ばれなかった遞択肢の䟿益を含めた抂念ずしおの機䌚費甚ず遞択 した結果埗られる䟿益を比范衡量しお行う必芁があるこずに぀いお理解を深めるこず ができるようにする。このような経枈掻動の䞭で発生する遞択問題を瀟䌚的に解決す る方法ずしおは慣習による方法や蚈画や統制による方法などあるが珟代では垂 堎を通しお行う方法が支配的であるこずを理解できるようにする。 たた経枈掻動における垂堎は需芁ず䟛絊を぀なぐ取匕の堎であり取匕をする 財やサヌビスによっお生産物垂堎金融垂堎劎働垂堎など様々な皮類の垂堎が存 圚しそれらが盞互に結び付いお経枈瀟䌚の分業ず亀換の仕組みを圢成しおいる。 それぞれの垂堎においお圢成される䟡栌を誘因ずしお生産が調敎されたり資本や 劎働などの生産芁玠が囜内倖に移動したりするなど経枈的資源が効率的に配分され る仕組みをもっおいる。 その際䟋えばこのような経枈掻動ず垂堎の関係を代衚的な経枈孊者の考え方 や垂堎構造の倉動具䜓的な垂堎における䟡栌圢成の事䟋を取り䞊げながら考察する こずを通しお理解を深めるこずができるようにするなど指導を工倫するこずが考えら れる。 経枈䞻䜓ず経枈埪環に぀いおは家蚈䌁業政府は珟代の経枈における䞻芁な経 枈䞻䜓でありこれら経枈䞻䜓間においお財・サヌビスず貚幣がそれぞれの垂堎で 亀換されるこずを通しお経枈瀟䌚党䜓の経枈埪環を構成しおいる。たたこの流れ は海倖ずも関わっおいるこずに぀いお各経枈䞻䜓の圹割ずずもに理解を深めるこず ができるようにする。 家蚈の圹割に぀いおは家蚈は所埗の制玄の䞭で消費や貯蓄を行い劎働を䌁業に 䟛絊しおいるこず消費ず貯蓄が䌁業の生産や投資ず密接に関連しおいるこずを理解 できるようにする。 䌁業の圹割に぀いおは䌁業が家蚈や他の䌁業から提䟛された土地劎働資本ず いった生産芁玠を結合し生産掻動を行うこずを理解できるようにする。 政府の圹割に぀いおは珟代の政府は家蚈や䌁業の経枈掻動に委ねるこずの困難 な郚門を匕き受けおいるこず資源の配分景気倉動の調敎所埗や資産分配の䞍平
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134 第章 公民科の各 科目 等を是正するなどの圹割を果たしおいるこずを理解できるようにする。 たた今日では家蚈䌁業政府以倖に特定非営利掻動法人NPO 法人など の新たな経枈䞻䜓が生たれおいお経枈埪環が耇雑倚様化しおいるこずを理解でき るようにする。 囜民経枈の倧きさず経枈成長に぀いおは以䞋のように捉えるこずができる。 囜民経枈の倧きさは䞀囜の豊かさを瀺すものでありそれはストックずフロヌの 䞡偎面から芋るこずができる。ストックである囜富はこれたでの経枈掻動で蓄積され た囜内倖の資産でありフロヌは䞀定期間にどれだけの経枈掻動が行われたかを衚す もので囜内総生産や囜民総所埗囜民所埗などの指暙が䜿われおいるこずを理解で きるようにする。 経枈掻動の目的は囜民犏祉の向䞊にありその実珟のためには囜民経枈の芏暡の 拡倧を意味する経枈成長が䞍可欠であるこずの理解を基に経枈成長を蚈枬する方法 で最も利甚されおいるのは囜内総生産の倉化を瀺す経枈成長率であるこずを理解でき るようにする。 経枈成長のためには劎働人口資本ストック技術などの芁因の掻甚や生産性の 向䞊が求められる。そのため経枈成長を図るためには家蚈や䌁業の個別の創意工 倫新機軞の導入に加えお政府の適切な支揎や政策が必芁ずなるこずに぀いお理解 を深めるこずができるようにする。 物䟡ず景気倉動に぀いおは物䟡は䞀囜の景気の動向や生掻の安定を枬定するた めの指暙であるこずを理解できるようにする。その際物䟡の倉動を蚈枬するための 指暙には消費者物䟡指数や䌁業物䟡指数がありそれぞれの特城を理解できるように する。 たたむンフレヌションやデフレヌションなどの経枈状況は物䟡の倉動によっお 刀別するこずができその芁因は囜内の経枈掻動によっお生じるばかりでなく囜際 的な芁因に基づく堎合もあるこずの理解を基にむンフレヌションは囜民の所埗や富 の栌差を拡倧しデフレヌションは景気埌退や䞍況ず結び付いお囜民生掻に圱響を䞎 えるこずに぀いお理解を深めるこずができるようにする。 さらに経枈掻動の過皋で景気倉動は䞍可避であるがその芁因を理解し囜民生 掻の安定のためには物䟡や景気の動向を刀断しながら政府や䞭倮銀行の適切な政策 が必芁ずなるこずに぀いお理解を深めるこずができるようにする。 その際䟋えば景気倉動を枬る指暙である景気動向指数鉱工業生産指数倱業 率及び物䟡指数などに関する統蚈資料を甚いお物䟡ず景気倉動の芁因や経枈の状態 を理解できるようにするなど指導を工倫するこずが考えられる。 財政の働きず仕組み及び租皎などの意矩に぀いおは以䞋のように捉えるこずがで きる。 財政ずは政府による経枈掻動であるこずの理解を基に財政には資源配分の調 敎所埗や資産の再分配経枈の安定化を行っお囜民犏祉の向䞊に寄䞎する働きがあ り財政掻動に際しおは財政に投入された費甚に察しおそれから埗られる効果を比
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135  政治・経枈 范しながら最適な政策を遞択しおいく必芁があるこずを理解できるようにする。 たた財政掻動を行うには財源が必芁であるこずの理解を基に租皎や囜債など財 源の調達方法の仕組みやそれぞれの問題点に぀いお理解できるようにする。 さらに財政の仕組みは囜だけでなく地方公共団䜓も行っおいるこずの理解を基 に䞡者の圹割分担や連携に関しお理解を深めるこずができるようにする。 租皎に関しおは囜民生掻における租皎の意矩ず圹割に関心をもち公正で適切な 負担ず受益の関係に基づいお皎制床が䜜られるこずに぀いお理解を深めるこずができ るようにする。その際囜民が玍皎の矩務を果たすずずもに玍皎者ずしおその䜿途 に぀いお関心をも぀こずが倧切であるこずに぀いお理解を深めるこずができるように する。 金融の働きず仕組みに぀いおは金融ずは経枈䞻䜓間の資金の融通であり同時 に将来資金を受け取る暩利の取匕であるこずの理解を基に金融を通しお経枈䞻䜓間 の資金の過䞍足が解消され経枈掻動が円滑に進行する䞀方金融取匕には情報の非 察称性や䞍確実性が発生するため信甚が倧切ずなるこずに぀いお理解を深めるこず ができるようにする。 このような金融における資金の需絊は金融垂堎における金利の倉化や株匏垂堎 ず債刞垂堎の動向などによっお調節されるこずを銀行蚌刞䌚瀟保険䌚瀟など各 皮金融機関の圹割や間接金融盎接金融の仕組みず䜵せお理解できるようにする。 たた金融垂堎における金利の動向はマネヌストック通貚䟛絊量の倉化に波及 したり逆に通貚䟛絊量を倉化させるこずで金利を操䜜する政策が行われたりする こずがある。たた金利の倉動は消費や貯蓄投資行動に圱響したり物䟡や株䟡 さらには景気の倉動に倧きな圹割を果たしたりするこずの理解を基にその関連にお いお䞭倮銀行の圹割や金融政策に぀いお理解を深めるこずができるようにする。 なおアの  に぀いおは 「分業ず亀換垌少性などに関する小・䞭孊校瀟䌚科及 び「公共」の孊習ずの関連性に留意しお指導するこず。たた事項の党䜓を通しお日 本経枈のグロヌバル化をはじめずする経枈生掻の倉化珟代経枈の仕組みや機胜に぀ いお扱うずずもにその特質を捉え経枈に぀いおの抂念や理論に぀いおの理解を深 めるこずができるよう指導するこず」 内容の取扱いが必芁である。 アの  の珟代日本の政治・経枈に関する諞資料から課題の解決に向けお考察 構想する際に必芁な情報を適切か぀効果的に収集し読み取る技胜を身に付けるこず に぀いおは瀟䌚の圚り方に぀いおの芋方・考え方を働かせお珟代日本の政治・経 枈に関する諞資料から課題の解決ずいう目的に合わせお必芁な情報を適切か぀効果 的に収集し読み取る技胜を身に付けるこずを意味しおいる。 この堎合の適切か぀効果的にに぀いおは課題の解決に向けお客芳的で誰もが玍埗 し埗る説埗力のある情報を耇数の資料を照らし合わせながら収集しおいくこずを意 味しおいる。そしお収集した情報を䞭孊校瀟䌚科及び「公共」の孊習などで働か せた芋方・考え方に加えお瀟䌚の圚り方に぀いおの芋方・考え方を働かせお比范した り関連付けたりしお事象や出来事の原因や理由結果や圱響に぀いお読み取り
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136 第章 公民科の各 科目 解釈する技胜が必芁ずなる。さらにその解釈を怜蚎評䟡しお珟実瀟䌚の諞課題 の解決策を構想しそれを衚珟しお他者に䌝え意芋を取りたずめお合意を圢成しおい くこずができるようになるこずに぀ながるように指導を工倫するこずが倧切である。 これらの技胜はコンピュヌタや情報通信ネットワヌクなどの情報手段を容易に掻 甚でき短時間で倧量の情報を手に入れるこずが可胜ずなった珟代瀟䌚においおは 特に必芁ずされるようになっおきおいる。倧量の情報があふれる瀟䌚においお信頌 できる情報源を芋極めお必芁な情報ずそうでない情報信甚できる情報ずそうでな い情報を遞別するための合理的な基準を圢成するこずは孊習を進めおいく䞊で必芁 䞍可欠なこずずなっおいる。したがっおこれらの技胜を知識を身に付けたり思 考力刀断力衚珟力等を身に付けたりする孊習過皋においお䜵せお身に付けるよ うにするこずが必芁である。 むは この䞭項目で身に付ける 「思考力 刀断力 衚珟力等」 に関わる事項である。 むの  の民䞻政治の本質を基に日本囜憲法ず珟代政治の圚り方ずの関連に぀い お倚面的・倚角的に考察し衚珟するこずに぀いおは以䞋のように捉えるこずがで きる。 民䞻政治の本質に぀いおは䞀囜の政治の圚り方を最終的に決定する暩力が囜民に あるずする囜民䞻暩の考えを原理ずし囜民による承認ないし同意に暩力の正統性を 求める政治であるこずの理解を基に民䞻政治は囜民の自治を最倧限に重芖しながら も自治の偎面ず匷制の偎面ずのバランスをずっおいこうずする政治䜓制であるこず を理解できるようにする。 なお民䞻政治の本質に぀いおは 「䞖界の䞻な政治䜓制ず関連させお取り扱うこ ず」 内容の取扱いが必芁でありそれらの䜓制が囜によっお具䜓的な仕組みは異 なっおいるものの民䞻政治の本質を反映しお䜜られおいるこずを螏たえおその䜓制 の䞋で生じおいる政治に関わる諞事象ず関連付けながら理解できるようにする必芁が ある。 その際䟋えば同じ民䞻政治でもむギリスでは議院内閣制アメリカ合衆囜で は倧統領制ずいうように各囜の政治文化を背景にしお様々な圢態があるこずを理解 できるようにするこずが倧切である。たた近隣アゞア諞囜の政治䜓制政治状況の 特質や動向を取り䞊げ民䞻政治の珟状ず将来に関する芖野を広げるこずができるよ うにするこずも倧切である。 日本囜憲法ず珟代政治の圚り方ずの関連に぀いお倚面的・倚角的に考察し衚珟す るこずに぀いおは民䞻政治の本質に぀いおの理解を基に憲法ずは囜民の自由や基 本的人暩を保障するためにそれらを制限するこずができる囜家の組織や政府の行為 に぀いお芏定するものであり囜のあらゆる法の基盀ずなる最高法芏であるずいう立 憲䞻矩の考え方に基づいお日本囜憲法ず珟代政治の圚り方ずの関連に぀いお倚面 的・倚角的に考察し衚珟できるようにするこずを意味しおいる。 その際䟋えば憲法改正の囜民投祚に぀いおは憲法改正に぀いお最終的な意思 決定が囜民によっおなされるずいうこずを意味し法埋によっお満18 歳以䞊の囜民
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137  政治・経枈 にその暩利があるず定められおいるこずを螏たえお憲法改正の囜民投祚の意味や意 矩に぀いお倚面的・倚角的に考察し衚珟できるようにするなど指導を工倫するこず が考えられる。 むの  の政党政治や遞挙などの芳点から望たしい政治の圚り方及び䞻暩者ずし おの政治参加の圚り方に぀いお倚面的・倚角的に考察構想し衚珟するこずに぀い おは以䞋のように捉えるこずができる。 政党政治や遞挙に関しおは政党が同じ政治䞊の䞻矩・䞻匵を有する者により組織 され政策を瀺し遞挙を通しお倚くの人々の合意を埗お政暩を獲埗しそれを実珟し ようずする団䜓であり議䌚制民䞻䞻矩の運営䞊欠くこずのできないものであるこず に぀いおの理解を基に望たしい政治の圚り方及び䞻暩者ずしおの政治参加の圚り方 に぀いお倚面的・倚角的に考察構想し衚珟できるようにするこずが求められる。 その際䟋えば珟代政治における個人政党及び圧力団䜓の行動䜏民運動に぀ いお取り䞊げ客芳的な資料を基に囜民の政治参加が政策決定に及がす圱響に぀い お倚面的・倚角的に考察し衚珟できるよう指導を工倫するこずが考えられる。た たこれらの孊習を通しお議䌚政治は察話を通しお盞反する意芋や利害を調敎 し共存の可胜性を芋いだしおいく働きをも぀ものずしお重芁な䟡倀を有しおいるこ ずや民䞻䞻矩は倚数者の意思に基づく政治を基本ずするが同時に少数者の暩利や 意芋の尊重が必芁であるこずなどに぀いお理解できるようにするこずも倧切である。 たた䟋えば党䞖界で民䞻䞻矩がほずんど唯䞀の正統な政治原理ずしお承認され るようになったこず䟡倀芳が倚様化し利害の察立が耇雑化した瀟䌚状況の䞭で政 府による利害調敎の働きに察する囜民の期埅が倧きくなっおいるこず民䞻䞻矩の䞋 で政治参加が重芖されるようになったこずなどの理解を基に行政囜家官僚制倧 衆民䞻䞻矩などの抂念を取り䞊げ犏祉囜家の䞋で囜家機胜が著しく耇雑化・倧芏暡 化しお行政府の圹割が増倧化したこずマスメディアなどが囜民䞖論の圢成に果た す圹割が倧きいこず特定の政治的志向をもたない人々が増加したり政治的無関心 の広がりが芋られたりするこずなどを螏たえ望たしい政治の圚り方及び䞻暩者ずし おの政治参加の圚り方に぀いお倚面的・倚角的に考察構想し衚珟できるようにす るなど指導を工倫するこずも考えられる。 さらに䟋えば民䞻政治を維持するには囜民の合理的な意思決定ず公正な䞖論の 圢成政治参加ず自埋的な行動が倧切であるこず憲法改正手続における囜民投祚や 地方自治における盎接請求暩など投祚以倖にも倚様な政治参加の圚り方があるこず に぀いおの理解を基に生埒自らの䞻暩者ずしおの政治参加の圚り方に぀いお倚面 的・倚角的に考察構想し衚珟できるようにするなど指導を工倫するこずも考えら れる。 なお 「 『望たしい政治の圚り方及び䞻暩者ずしおの政治参加の圚り方』に぀いお は 1 のむの  の『珟代政治の圚り方』ずの関連性に留意しお䞖論の圢成などに ぀いお具䜓的な事䟋を取り䞊げお扱い䞻暩者ずしおの政治に察する関心を高め䞻 䜓的に瀟䌚に参画する意欲をもたせるように指導するこず」 内容の取扱いが必芁
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138 第章 公民科の各 科目 である。その際遞挙暩をも぀者ずしおの自芚を促すずずもに普段から政治や瀟䌚 に関心をもっお䞻䜓的に関わり自分なりの考えをもっお様々な機䌚を通しおそれ を政治に反映させようずする態床を育成するこずが倧切である。 むの  の経枈掻動ず犏祉の向䞊ずの関連に぀いお倚面的・倚角的に考察し衚珟 するこずに぀いおは以䞋のように捉えるこずができる。 経枈掻動は囜民生掻や犏祉の向䞊のために運営されるが経枈の発展を促進する 効率性の远求ず囜民犏祉の向䞊で求められる公平性や公正さずは必ずしも䞀臎する ずは限らない。そのため経枈掻動においお䞀぀の目暙を達成するために他の目暙 の達成が阻害される堎合があるこずに関しお経枈掻動ず犏祉の向䞊ずの関連に぀い お倚面的・倚角的に考察し衚珟できるようにするこずが必芁ずなる。 その際䟋えば経枈発展の結果所埗や資産の栌差が開いた堎合その理由はど こにあるか誰がどのような察策を立おるべきかを客芳的な資料を基に倚面的・倚角 的に考察し衚珟できるようにするなど指導を工倫するこずが考えられる。 たた䟋えば所埗再分配政策による所埗の平準化は囜民生掻を安定させ経枈 成長の基盀ずなるがその䞀方競争や新技術の開発導入に察する誘因を匱める芁 因になるような堎合もあり経枈掻動ず犏祉の向䞊ずの関連に぀いお倚面的・倚角的 に考察し衚珟できるようにするなど指導を工倫するこずも考えられる。 むの  の垂堎経枈の機胜ず限界 に぀いお倚面的・倚角的に考察構想し衚珟 するこずに぀いおは以䞋のように捉えるこずができる。 垂堎経枈では垂堎の競争性が維持されおいる堎合においおも公共財やサヌビス の提䟛がされにくいこずや環境砎壊のような倖郚䞍経枈が発生するなどの垂堎の倱 敗がある。さらに今日倚くの垂堎では提䟛する財やサヌビスの性質や䌁業の巚 倧化により寡占化が進んで䟡栌メカニズムが理論どおりには十分に働かなくなっお いる面がある。それに察しお䟡栌の芏制や独占犁止政策など自由で公正な競争を 維持するための政府による適切な政策が必芁になっおいる。これらの垂堎の機胜ず限 界や課題の解決の圚り方に぀いお倚面的・倚角的に考察構想し衚珟できるように するこずが求められる。 なお 「垂堎経枈の効率性ずずもに垂堎の倱敗の補完の芳点から公害防止ず環 境保党消費者に関する問題も扱うこず」 内容の取扱いが必芁である。 その際䟋えば公害防止ず環境保党に関する問題に぀いおは倖郚䞍経枈に぀い おの理解を基に倖郚䞍経枈の内郚化の方法を倚面的・倚角的に考察構想し衚珟 できるようにするなど指導を工倫するこずが考えられる。消費者に関する問題に぀い おは家蚈䌁業政府間の情報栌差ずいう情報の非察称性に぀いおの理解を基に 補品事故や薬害問題などを扱い政府や䌁業の責任に觊れるようにするこずに加え 消費者も自らの利益の擁護及び増進のために自立した消費者になるずずもに個々の 消費者の特性及び消費生掻の倚様性を尊重し぀぀自らの消費生掻に関する行動が珟 圚及び将来の䞖代にわたっお内倖の瀟䌚経枈情勢及び地球環境に圱響を及がし埗るも のであるこずを自芚しお公正か぀持続可胜な瀟䌚の圢成に積極的に参画するこずが
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139  政治・経枈 期埅されおいるこずやどのような消費者行政が行われおいるのかずいうこずに぀い お関心をも぀こずができるよう指導を工倫するこずも考えられる。 なお平成30 幎月の民法の改正により什和幎月日から成幎幎霢が18 歳に 匕き䞋げられ18 歳から䞀人で有効な契玄をするこずができるようになる䞀方保 護者の同意を埗ずに締結した契玄を取り消すこずができる幎霢が18 歳未満たでずな るこずから自䞻的か぀合理的に瀟䌚の䞀員ずしお行動する自立した消費者の育成の ためたた若幎者の消費者被害の防止・救枈のためにもこうした消費者に関する 内容に぀いお指導するこずが重芁である。 持続可胜な財政及び租皎の圚り方 に぀いお倚面的・倚角的に考察構想し衚珟 するこずに぀いおは以䞋のように捉えるこずができる。 財政が持続可胜であるためには歳入である租皎の範囲で歳出を行うこずが原則で ある。しかし珟代の経枈瀟䌚では政府の経枈掻動は倚様化し皎収だけでは財政掻 動が維持できない珟状がある。そこで囜債の発行などが行われおいるが財政赀字 が垞態化し囜債の償還ができなくなるず財政砎綻が発生する。そのような事態にな らないために持続可胜な財政及び租皎の圚り方に぀いお限られた財源をいかに配 分すれば囜民犏祉が向䞊するかたたどうすれば皎収を増やすこずができるかな ど持続可胜な財政の圚り方を倚面的・倚角的に考察構想し衚珟できるようにす るこずが求められる。 その際䟋えば増皎が必芁なのかそれずも歳出の削枛が必芁なのかたた皎 ずしおは消費皎がよいのか环進型の所埗皎がよいのかなど客芳的な資料を基に考 察蚎論するこずが考えられる。たた瀟䌚生掻や産業構造の倉化の䞭で新たな財源 を求めるずするずどのようなものが考えられるか倚面的・倚角的に考察構想し 衚珟できるようにするこずなどが考えられる。 金融を通した経枈掻動の掻性化に぀いお倚面的・倚角的に考察構想し衚珟する こずに぀いおは以䞋のように捉えるこずができる。 金融は個人の資産圢成に関係する掻動だけでなく家蚈や䌁業からの資金を様々な 経枈䞻䜓に投資するこずで資本を増加させ生産性を高め瀟䌚を豊かに発展させる 圹割を担っおいる。このような金融を通した経枈掻動の掻性化の仕組みや圚り方を倚 面的・倚角的に考察構想し衚珟できるようにするこずが求められおいる。 その際䟋えば資金に䜙裕のある家蚈が幟぀かの投資蚈画のうちどれを遞択す ればよいかを協働しお考察し評䟡するこずが考えられる。たた䟋えば経枈掻動 を掻性化させるための䞭倮銀行の金融政策はどうあるべきかを䞭倮銀行の政策委員 䌚の委員になった぀もりで考察 構想するなどの暡擬的な掻動を取り入れるこずも考 えられる。 なお 「金融を通した経枈掻動の掻性化に぀いおは金融に関する技術倉革ず䌁業 経営に関する金融の圹割にも觊れるこず」 内容の取扱いが必芁である。 金融に関する技術倉革に぀いおはフィンテックず呌ばれるIoTビッグデヌタ 人工知胜ずいった技術を䜿った革新的な金融サヌビスを提䟛する動きや仮想通貚な
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140 第章 公民科の各 科目 ど倚様な支払・決枈手段の普及などによる囜民経枈家蚈䌁業ぞの圱響に぀いお理 解できるようにするこずが求められる。 たた䌁業経営に関する金融の圹割に関しおは珟代における株匏䌚瀟の仕組みず 特色䌁業統治や䌁業の瀟䌚的な責任などに぀いおの理解を基に䌁業経営で必芁な 資金は盎接もしくは間接に金融垂堎から調達しおいるこずに関しお䌁業䌚蚈の圹 割ず関連付けお理解できるようにするこずが倧切である。 その際䟋えば株匏や瀟債の発行による資金調達が蚌刞垂堎など金融垂堎の動向 ず関連しおいるこずを䌁業の䌚蚈情報などを掻甚し暡擬的な掻動を通しお理解で きるようにするずずもに䌁業を経営したり支えたりするこずぞの関心を高めるこず が考えられる。たた䟋えば起業に際しおどのように資金を調達すればよいか 起業の䌁画案ず資金調達を䌁業偎ず資金提䟛偎に分かれお䌁業経営ず金融ずの関係を 具䜓的に理解できるようにするこずも考えられる。 なお 「 1 においおは日本の政治・経枈の珟状に぀いお觊れるこず」 内容の取 扱いが必芁であり珟実瀟䌚の諞事象を通しお理解を深めるこずができるよう指導 するこずが倧切である。 2珟代日本における政治・経枈の諞課題の探究 2珟代日本における政治・経枈の諞課題の探究 瀟䌚的な芋方・考え方を総合的に働かせ他者ず協働しお持続可胜な瀟䌚の圢 成が求められる珟代日本瀟䌚の諞課題を探究する掻動を通しお次の事項を身に 付けるこずができるよう指導する。 ア 少子高霢瀟䌚における瀟䌚保障の充実・安定化地域瀟䌚の自立ず政府倚 様な働き方・生き方を可胜にする瀟䌚産業構造の倉化ず起業歳入・歳出䞡 面での財政健党化食料の安定䟛絊の確保ず持続可胜な蟲業構造の実珟防灜 ず安党・安心な瀟䌚の実珟などに぀いお取り䞊げた課題の解決に向けお政治 ず経枈ずを関連させお倚面的・倚角的に考察構想しよりよい瀟䌚の圚り方 に぀いおの自分の考えを説明論述するこず。 内容の取扱い 2内容の取扱いに圓たっおは次の事項に配慮するものずする。 む 内容の及びに぀いおは次の事項に留意するこず。 及びのそれぞれの 2 においおは小孊校及び䞭孊校で習埗した抂念 などに関する知識や 「公共」で身に付けた遞択・刀断の手掛かりずなる考 え方などを基にそれぞれの 1 における孊習の成果を生かし政治及び経 枈の基本的な抂念や理論などの理解の䞊に立っお理論ず珟実の盞互関連を 螏たえながら事実を基に倚面的・倚角的に探究できるよう孊習指導の展開
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141  政治・経枈 を工倫するこず。その際生埒や孊校地域の実態などに応じお及び のそれぞれにおいお探究する課題を遞択させるこず。たた適切か぀十分な 授業時数を配圓するこず。 り 内容のに぀いおは次のずおり取り扱うものずするこず。  2 における課題の探究に圓たっおは日本瀟䌚の動向に着目したり囜 内の諞地域や諞倖囜における取組などを参考にしたりできるよう指導するこ ず。 「産業構造の倉化ず起業」を取り䞊げる際には䞭小䌁業の圚り方に぀ いおも觊れるよう指導するこず。 この䞭項目は珟代日本における政治・経枈の諞課題に関しお瀟䌚的な芋方・考 え方を総合的に働かせ他者ず協働しお持続可胜な瀟䌚を圢成するずいう芳点から 課題を蚭けお探究し自分の考えを説明論述し合意圢成や瀟䌚参画に向かう力を 育成するこずを䞻なねらいずしおいる。 瀟䌚的な芋方・考え方を総合的に働かせに぀いおは遞択科目である「政治・経 枈」における課題の探究に圓たっおは小孊校瀟䌚科における瀟䌚的事象の芋方・考 え方䞭孊校瀟䌚科地理的分野における瀟䌚的事象の地理的な芋方・考え方歎史的 分野における瀟䌚的事象の歎史的な芋方・考え方公民的分野における珟代瀟䌚の芋 方・考え方 「公共」における人間ず瀟䌚の圚り方に぀いおの芋方・考え方などに加 え 「政治・経枈」における瀟䌚の圚り方に぀いおの芋方・考え方を総合的に働かせ るこずを期埅しおこれらの「芋方・考え方」の総称である「瀟䌚的な芋方・考え方 を総合的に働かせ」 探究するこずずしおいるのでありこのこずは倧項目の䞭項 目 2 においおも同様である。 なおこの䞭項目においおは 「小孊校及び䞭孊校で習埗した抂念などに関する知 識や 『公共』で身に付けた遞択・刀断の手掛かりずなる考え方などを基に 1 における孊習の成果を生かし政治及び経枈の基本的な抂念や理論などの理解の䞊に 立っお理論ず珟実の盞互関連を螏たえながら事実を基に倚面的・倚角的に探究で きるよう孊習指導の展開を工倫するこず」 内容の取扱いが必芁である。 たたその際 「生埒や孊校地域の実態などに応じお 探究する課題を遞択さ せるこず。たた適切か぀十分な授業時数を配圓するこず」 内容の取扱いも必芁 である。 さらに 「課題の探究に圓たっおは日本瀟䌚の動向に着目したり囜内の諞地域 や諞倖囜における取組などを参考にしたりできるよう指導するこず」 内容の取扱い が必芁である。 少子高霢瀟䌚における瀟䌚保障の充実・安定化に぀いおは瀟䌚保障制床の充実に 䌎い瀟䌚保障の目的は生掻の最䜎限床の保障から広く囜民に安定した生掻を保障 するものぞず倉化しおきおいる。少子高霢化が進む日本では劎働力需絊や経枈成長 など囜民経枈に倧きな圱響が出おおりたた生産幎霢人口の枛少や家族構成の倉化 などにより公的医療保険や公的幎金保険などの瀟䌚保険をはじめずする瀟䌚保障費
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142 第章 公民科の各 科目 の財政負担の増倧も倧きな問題ずなっおいる。 このような珟状を螏たえお少子高霢瀟䌚における瀟䌚保障の充実・安定化に぀い お自助共助及び公助による瀟䌚保障の考え方を察照させ真に豊かで持続可胜な 犏祉瀟䌚の実珟ずいう芳点から探究できるようにする。 その際䟋えば少子高霢瀟䌚における問題点を個人の生掻様匏や就劎圢態の倚 様化家族構成の倉化䜎所埗や貧困ずその連鎖介護ず医療を必芁ずする人の増 加女性や高霢者の安定的雇甚などだけでなく消費氎準を平準化させる機胜や長生 きに䌎うリスクを枛少させる圹割を果たしおいる瀟䌚保障に関しお䞖代間及び䞖代 内の公平性を確保できる受益ず負担の均衡のずれた制床の圚り方に぀いおたた子 育お支揎や教育費の支揎ず生掻保障など日本のこれからの充実した犏祉瀟䌚の圚り 方に぀いお自分の考えを説明論述できるようにするこずが考えられる。さらに瀟 䌚保険の圹割ずずもに自助ずしおの医療保険生呜保険私的幎金保険などの民間 保険の圹割なども調べ広い芖野から持続可胜な瀟䌚保障の圚り方に぀いお自分の考 えを説明論述できるようにするこずも考えられる。 地域瀟䌚の自立ず政府に぀いおは少子高霢化や人口枛少ずいう家族や䜏民生掻の 圚り方にも関わる瀟䌚構造の倉化の䞭これからの地域瀟䌚の圚り方に぀いお様々な 議論がある。䟋えば囜ず地方公共団䜓ずの財政面での関わりに぀いお地方亀付皎 などぞの䟝存床などもその䞀぀である。たた地域の政治や経枈の動きは䜏民の生 掻はもちろんのこず囜際的な政治や経枈にも深く関わっおいる。さらに地域の基 幹産業が衰退し課題の解決に苊慮する地域がある䞀方で新たな産業が創出され そこに雇甚ず共同䜓的な぀ながりを生んでいる地域もある。 このような珟状を螏たえお地域瀟䌚が特色を生かしながら自立し䜏民生掻が向 䞊しおいくためにどのような政策や制床が必芁なのか囜ず地方公共団䜓の関係の 圚り方に぀いお 劥圓性や効果 実珟可胜性などを指暙にしお探究できるようにする。 その際䟋えば課題を抱えおいる地域の事䟋や課題解決に取り組む事䟋を手掛か りずしながら生埒自らが居䜏しおいる地域瀟䌚が高床経枈成長期以降どのように倉 化しおきたのかそしお珟圚どのような課題があるのかを調べ地域瀟䌚が自立し 持続可胜な発展ず生掻の向䞊を支える政策や制床に぀いお構想しさらにそれらを実 珟するためにどのような経枈掻動を展開しどのように財源を確保するのかずいった こずに぀いお自分の考えを説明論述できるようにするこずが考えられる。たた諞 倖囜の地方自治の制床や珟状に぀いお調べこれからの日本の地方自治の圚り方に぀ いおの自分の考えを説明論述できるようにするこずも考えられる。 倚様な働き方・生き方を可胜にする瀟䌚に぀いおは日本の総人口ずずもに劎働力 人口が枛少する䞭劎働力䞍足を人工知胜AIやロボットの掻甚により仕事の代 替が可胜になっおきおいる。たた情報通信技術ICTを掻甚し時間や堎所を有 効に掻甚できる柔軟な働き方であるテレワヌク雇甚関係によらない働き方であるフ リヌランスなどが進展するなど就業圢態が倚様化し劎働垂堎は倧きく倉化しおい る。たた日本の劎働垂堎の特城であった終身雇甚制や幎功序列賃金䜓系などに぀い
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143  政治・経枈 おも倉化が芋られる。 このような珟状を螏たえおそれぞれの事情に応じた倚様な働き方・生き方を遞択 できる瀟䌚の圚り方に぀いお劎働保護立法の策定や劎働組合の果たす圹割劎䜿協 調などにより雇甚の安定を確保するずいう考え方ず芏制緩和による就業圢態の曎な る倚様化成果䞻矩に基づく賃金䜓系劎䜿の新しい関係などにより劎働力を効率的 に掻甚するずいう考え方ずを察照させ幎霢で区分せずに胜力や意思があれば働き続 けられる雇甚環境の敎備さらに仕事ず生掻の調和ワヌク・ラむフ・バランスの 芳点などから探究できるようにする。 その際䟋えば勀劎の暩利ず矩務劎働基本暩の保障劎働組合の圹割などを基 に正芏・非正芏雇甚の䞍合理な凊遇の差や長時間劎働などの問題掟遣劎働者や パヌトタむマヌなど非正芏劎働者女性や若幎者高霢者障害者などの雇甚・劎働 問題倱業問題倖囜人劎働者問題など具䜓的な事䟋を取り䞊げお自分の考えを説 明論述できるようにするこずが考えられる。たた諞倖囜における劎働条件や劎䜿 関係劎働組合の珟状倖囜人劎働者の流入ず就劎などに぀いおも調べこれからの 日本の雇甚ず働き方に぀いお広い芖野から自分の考えを説明論述できるようにする こずも考えられる。 産業構造の倉化ず起業に぀いおは少子高霢化情報化グロヌバル化など瀟䌚の 倉化に䌎っお今埌新たな発想や構想に基づいお財やサヌビスを創造するこずの必芁 性が䞀局高たるこずが予想される䞭で様々な圢態の起業が求められおいる。このよ うに産業構造が倉化する䞭にあっお高い技術力をも぀䞭小䌁業の䞭には芏暡に応 じた事業を展開したりベンチャヌ䌁業ずしお新たな事業を展開したりするなど経枈 的に倧きな圹割を果たしおいる䌁業もある。しかし䞀方で䞋請けの圹割を担う䞭小 䌁業ず倧䌁業ずの間に是正すべき様々な栌差も存圚しおいる。さらに経枈のグロヌ バル化や囜際競争の激化芏制緩和の進展などの状況が芋られる䞭で業皮の垣根を 越えお様々な䌁業の間で激しい競争も繰り広げられおいる。 このような珟状を螏たえお日本の産業ず䞭小䌁業の圚り方に぀いお経枈の安定 化のための政府による保護育成の立堎ず芏制緩和をさらに進める自由化の立堎ずを 察照させ䌁業の芏暡や新たな起業による瀟䌚党䜓の利益消費者劎働者の利益な どの芳点から経枈掻動の具䜓的な成果に関わっお探究できるようにする。 その際䟋えば日本の䌁業のほずんどが䞭小䌁業である珟状を螏たえ䞭小䌁業 の資金や取匕の珟状あるいはグロヌバル化の進展に䌎う課題や発展の可胜性先端 的科孊技術に察する投資の実態などを調べたずめるこずが考えられる。そしお起業 の実態やその特城䌁業ずしおの成長過皋や成長を支え保護育成に぀ながった政策や 制床芏制がなされなかったからこそ成長できた䌁業などを取り䞊げ珟状をよりよ いものに倉えおいく産業や䌁業の圚り方政府の圹割に぀いお自分の考えを説明 論述できるようにするこずが考えられる。 その際 「 『産業構造の倉化ず起業』を取り䞊げる際には䞭小䌁業の圚り方に぀い おも觊れるよう指導するこず」 内容の取扱いが必芁である。
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144 第章 公民科の各 科目 歳入・歳出䞡面での財政健党化に぀いおは皎収の䞍足など必芁ずなる財源の確保 ができない䞭での公債金ぞの䟝存歳出における瀟䌚保障関係費や囜債費の増加ず それに䌎うその他の政策的な経費の割合の瞮小先進囜の䞭で芋た堎合の瀟䌚保障支 出ず囜民負担率の䞍均衡債務残高の环増ず将来の䞖代ぞの負担の付け回しなど 様々な問題が芋られる。 このような珟状を螏たえお今日芋られる犏祉囜家の圚り方の維持ず安定を重芖し ぀぀財政健党化を進める考え方ず今日芋られる犏祉囜家の圚り方を芋盎し財政健党 化を進める考え方ずを察照させ歳入や歳出に぀いおの芋盎し囜民生掻や犏祉の向 䞊経枈掻動の掻性化䞖代間の公平性などの芳点から探究できるようにする。 その際䟋えば察照させる耇数の考え方を芋いだし探究できるよう所埗皎法 人皎消費皎などの皎収及び皎制瀟䌚保障関係費地方亀付皎亀付金等公共事業 関係費文教及び科孊振興費防衛関係費などの各皮経費及び囜債費財政収支や債 務残高これらの問題点や動向・倉容に぀いお調査掻動を通しお調べたずめるこず が考えられる。そしお察照させるそれぞれの考え方が皎制の芋盎しや必芁ずなる 財源の確保予算制床の圚り方や効率的か぀効果的な資源配分基瀎的財政収支の改 善や債務残高の瞮枛瀟䌚保障の充実・安定化瀟䌚資本の敎備ず維持管理各皮の 公的サヌビスの提䟛民間郚門の各䞻䜓の経枈掻力経枈成長や景気倉動金利や金 融システムの安定ず信頌確保珟圚の䞖代ず将来の䞖代ずの間の䞍公平の芋盎しなど にどう関わるかを探究できるようにするこずが考えられる。たた倚数ある芳点の 䞭から自分が特に重芖するものを幟぀か遞択しお取り䞊げ諞倖囜における様々な状 況や取組なども参考にしお考察構想し自分の考えを説明論述できるようにする こずも考えられる。 食料の安定䟛絊の確保ず持続可胜な蟲業構造の実珟に぀いおは食料自絊率の䌞び 悩み蟲業埓事者の高霢化担い手䞍足による蟲地の荒廃や生産基盀の脆匱化分散 した経営耕地や零现な経営芏暡のもずでの䜎い生産性囜民党䜓が享受しおいる蟲業 や蟲村の有する諞機胜の䜎䞋など様々な問題が芋られる。䞀方で近幎は蟲地の集 積・集玄化技術革新などの掚進などによる生産性の向䞊生産や雇甚における法人 経営䜓の存圚感の増倧蟲業所埗向䞊のための蟲業関連団䜓の改革囜内倖の需芁の 取り蟌み次産業化茞出などを通した販路拡倧や高付加䟡倀化蟲村の掻性化を 目指した地産地消の取組や蟲業のプロセスの商品化なども芋られる。 このような珟状を螏たえお食料の安定䟛絊の確保ず持続可胜な蟲業構造の実珟に ぀いお蟲業における生産流通貿易などを自由化する考え方ず蟲業を保護する ための政策を掚進する考え方ずを察照させ食料の安定䟛絊生産や流通の革新効 率化持続可胜な蟲業蟲村の振興掻性化などの芳点から探究できるようにする。 その際䟋えば察照させる耇数の考え方を芋いだし探究できるよう日本の食料 自絊率蟲業経営䜓の経営状況蟲村の就業構造これらの問題点や動向・倉容に぀ いお調査掻動を通しお調べたずめるこずが考えられる。そしお察照させるそれぞ れの考え方が食料安党保障の確立食の安党ず消費者の信頌確保蟲産物䟡栌の安
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145  政治・経枈 定や倉動倚様な蟲業経営䜓が行う生産や経営の維持ず発展蟲地問題の解消生 産・流通珟堎の技術革新の促進囜土保党や氎源涵 かん 逊などの蟲業や蟲村が有する倚面 的機胜の維持蟲村ぞの移䜏や蟲村での起業の促進などにどう関わるかを探究でき るようにするこずが考えられる。たた倚数ある芳点の䞭から自分が特に重芖するも のを幟぀か遞択しお取り䞊げ囜内の諞地域や諞倖囜における様々な状況や取組など も参考にしお考察構想し自分の考えを説明論述できるようにするこずも考えら れる。 防灜ず安党・安心な瀟䌚の実珟に぀いおは珟代瀟䌚においお自然灜害はじめ安 党を脅かす芁因には実に様々なものがある。安党・安心な瀟䌚を実珟するために は安党・安心を脅かす芁因から生呜ず財産を守るため政策の立案実行が求められ る。䟋えば防灜枛灜の芳点から既存の斜蚭蚭備を怜蚌し限られた財源の䞭で 改修・改築新たな構築に取り組むこずが求められるがその際その他の事業や政 策も含めた優先順䜍付けや想定される効果ず財政負担ずのバランスを調敎するこずが 必芁ずなる。さらに関連斜蚭を敎備する過皋で地域䜏民の様々な暩利を制限する 堎合もある。たた合意を圢成するために時間を芁する堎合もある。これらの課題を 解決するために政府の圹割は䜕か地域䜏民や地元䌁業などができるこずは䜕かな ど解決しなければならない課題は倚い。 このような珟状を螏たえお珟実瀟䌚の具䜓的な事䟋を取り䞊げ安党・安心な瀟 䌚を実珟するためにはどのような斜蚭・蚭備政策や制床が必芁なのかその実珟 のための財源はどのように確保するのか劥圓性や効果実珟可胜性などを指暙にし お探究できるようにする。 その際䟋えば防灜枛灜安党環境などの芳点から生埒自らが居䜏しおい る地域の自然環境ず防灜枛灜のための斜蚭蚭備や取組などに぀いおその珟状を調 べさらに関連する具䜓的な政策ず財源確保の圚り方実斜に䌎っお発生する地域 䜏民ぞの圱響などを協働しお考察 構想できるようにし 財政負担䞊びに費甚察効果 財産暩など基本的人暩の尊重などの芳点から限られた財源の䞭で䜕を優先すべきな のか公共の利益ず個人の暩利をどのように調敎すべきなのか合意圢成に向かう方 法や手順などを探究できるようにするこずが考えられる。そしおその実珟に向けた 瀟䌚の圚り方に぀いお自分の考えを説明論述できるようにするこずが考えられる。
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146 第章 公民科の各 科目  グロヌバル化する囜際瀟䌚の諞課題 この倧項目は 「 1 珟代の囜際政治・経枈」  「 2 グロヌバル化する囜際瀟䌚の諞課 題の探究」の二぀の䞭項目から構成されおいる。ここでは瀟䌚の圚り方に぀いおの芋 方・考え方を働かせ珟実瀟䌚の諞事象を通しお珟代の囜際政治・経枈に関する抂念や 理論などを習埗させるずずもに習埗した抂念や理論などを掻甚しながら他者ず協働 しお持続可胜な瀟䌚の圢成が求められる囜際瀟䌚の諞課題の解決に向けお政治ず経枈ず を関連させお倚面的・倚角的に考察構想しよりよい瀟䌚の圚り方に぀いおの自分の 考えを説明論述するこずができるようにするこずを䞻なねらいずしおいる。 このねらいに基づきこの倧項目における二぀の䞭項目は次のような芳点から内容 が構成されおいる。 「 1 珟代の囜際政治・経枈」では囜際瀟䌚の倉遷人暩囜家䞻暩領土領海 領空を含む。 などに関する囜際法の意矩囜際連合をはじめずする囜際機構の圹割 我が囜の安党保障ず防衛囜際貢献貿易の珟状ず意矩為替盞堎の倉動囜民経枈ず 囜際収支囜際協調の必芁性や囜際経枈機関の圹割に぀いお理解できるようにするずず もに珟代の囜際政治・経枈に関わる諞課題に぀いお倚面的・倚角的に考察構想し その過皋や結果を適切に衚珟できるようにする。 「 2 グロヌバル化する囜際瀟䌚の諞課題の探究」では他者ず協働しお持続可胜な瀟 䌚の圢成が求められるグロヌバル化する囜際瀟䌚の諞課題を探究する掻動を通しおよ りよい瀟䌚の圚り方に぀いおの自分の考えを説明論述できるようにする。 その際 「この科目の内容の特質に応じ孊習のねらいを明確にした䞊でそれぞれ関 係する専門家や関係諞機関などずの連携・協働を積極的に図り瀟䌚ずの関わりを意識 した課題を远究したり解決に向けお構想したりする掻動の充実を図るようにするこず」 内容の取扱いが倧切である。 1珟代の囜際政治・経枈 1珟代の囜際政治・経枈 囜際平和ず人類の犏祉に寄䞎しようずする自芚を深めるこずに向けお個人の 尊厳ず基本的人暩の尊重察立協調効率公正などに着目しお珟代の諞課 題を远究したり解決に向けお構想したりする掻動を通しお次の事項を身に付け るこずができるよう指導する。 ア 次のような知識及び技胜を身に付けるこず。 囜際瀟䌚の倉遷人暩囜家䞻暩領土 領海領空を含む。 などに関す る囜際法の意矩囜際連合をはじめずする囜際機構の圹割我が囜の安党保 障ず防衛 囜際貢献に぀いお 珟実瀟䌚の諞事象を通しお理解を深めるこず。 貿易の珟状ず意矩為替盞堎の倉動囜民経枈ず囜際収支囜際協調の必 芁性や囜際経枈機関の圹割に぀いお珟実瀟䌚の諞事象を通しお理解を深め るこず。
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147  政治・経枈 珟代の囜際政治・経枈に関する諞資料から課題の解決に向けお考察構 想する際に必芁な情報を適切か぀効果的に収集し読み取る技胜を身に付け るこず。 む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。 囜際瀟䌚の特質や囜際玛争の諞芁因を基に囜際法の果たす圹割に぀いお 倚面的・倚角的に考察し衚珟するこず。 囜際平和ず人類の犏祉に寄䞎する日本の圹割に぀いお倚面的・倚角的に考 察構想し衚珟するこず。 盞互䟝存関係が深たる囜際経枈の特質に぀いお倚面的・倚角的に考察し 衚珟するこず。 囜際経枈においお果たすこずが求められる日本の圹割に぀いお倚面的・倚 角的に考察構想し衚珟するこず。 内容の取扱い 2内容の取扱いに圓たっおは次の事項に配慮するものずする。 ゚ 内容のに぀いおは次のずおり取り扱うものずするこず。  1 においおは囜際政治及び囜際経枈の珟状に぀いおも扱うこず。  1 のアの  の 「囜家䞻暩 領土 領海 領空を含む。  などに関する囜際 法の意矩囜際連合をはじめずする囜際機構の圹割」に぀いおは関連させお 取り扱い我が囜が固有の領土である竹島や北方領土に関し残されおいる 問題の平和的な手段による解決に向けお努力しおいるこずや尖閣諞島をめ ぐり解決すべき領有暩の問題は存圚しおいないこずなどを取り䞊げるこず。  1 のむの  の「囜際玛争の諞芁因」に぀いおは倚様な角床から考察さ せるずずもに軍瞮や栞兵噚廃絶などに関する囜際的な取組に぀いおも扱う こず。 この䞭項目は珟代の囜際政治・経枈に関しお個人の尊厳ず基本的人暩の尊重 察立協調効率公正などに着目しおたた䞭孊校瀟䌚科公民的分野及び「公 共」における孊習の成果の䞊に立っお珟代の諞課題を远究したり解決に向けお構想 したりする掻動を通しお珟代の囜際政治・経枈に関わる抂念や理論などを身に付 け囜際平和ず人類の犏祉に寄䞎しようずする自芚を深めるこずを䞻なねらいずしお いる。 なお 「知識及び技胜」を身に付けるこずをねらいずするアに瀺された事項ず 「思 考力刀断力衚珟力等」を身に付けるこずをねらいずするむに瀺された事項はこ の䞭項目の特質に応じ互いに関連させお取り扱うこずが必芁である。 アはこの䞭項目で身に付ける「知識及び技胜」に関わる事項である。 アの  の囜際瀟䌚の倉遷人暩囜家䞻暩領土領海領空を含む。 などに関
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148 第章 公民科の各 科目 する囜際法の意矩囜際連合をはじめずする囜際機構の圹割我が囜の安党保障ず防 衛囜際貢献に぀いお珟実瀟䌚の諞事象を通しお理解を深めるこずに぀いおは取 り䞊げた事項に぀いお珟代の囜際政治・経枈の珟状を螏たえ぀぀珟実瀟䌚の諞事 象を通しお理解を深めるこずができるようにするこずを意味しおいる。 囜際瀟䌚の倉遷に぀いおは囜際間の盞互䟝存玛争の平和的解決のために囜際連 合をはじめずする囜際機構や囜際法が発展しおきたこずの理解を基に21 䞖玀以 降の囜際瀟䌚の動向に぀いお理解を深めるこずができるようにする。すなわち発展 途䞊囜の䞭から急速な経枈成長を遂げる囜が珟れるなど囜際瀟䌚の倚極化が䞀局進ん だこず環境人暩貿易などに぀いお各囜の立堎が激しく察立する問題が発生する 䞀方で問題解決ぞ向けお様々な囜際協力が展開されおいるこずグロヌバル化の進 展が囜際政治に倧きな圱響を䞎えおいるこず貧困や人暩䟵害を匕き起こす地域玛争 に察しお囜連などの囜際機関から非政府組織NGOたで様々なレベルにおいお 平和ず安定を取り戻す掻動が行われおいるこずなどを理解できるようにする。 人暩囜家䞻暩領土領海領空を含む。 などに関する囜際法の意矩に぀いお は囜際法の基本的な仕組みに぀いおの理解を基に囜際法に぀いおは統䞀的な立法 機関がなく囜際叞法裁刀所の裁刀も圓事囜の合意をもっお始められるなど匷制力 が十分には機胜しないこずや囜家間の関係を芏埋する法である囜際法が近幎は個 人䌁業囜際機関などの囜家以倖のものも芏埋するようになっおきおいるこずを理 解できるようにする。たた軍瞮人暩環境資源の保護などに察する囜際䞖論の 高たりや地域統合の進展に䌎い囜際法の重芁性が高たっおきおいるこずに぀いお理 解を深めるこずができるようにする。 人暩 に関する囜際法の意矩に぀いおは囜際連合によっお採択された䞖界人暩宣 蚀囜際人暩芏玄などの意矩を螏たえその埌も人暩に察する意識の高たりを背景に 様々な宣蚀などが採択されるなど人暩擁護は人類共通の課題であるずいう認識が䞖 界的に広たったこずを理解できるようにする。 囜家䞻暩 に関する囜際法の意矩に぀いおは䞀囜内に最高暩力を暹立するこずに よっお囜家統䞀を達成しやがおは囜民䞻暩ぞの道を開く䞀方で囜家間の察立や領 土玛争を発生させたこずの理解を基に囜際法による囜家䞻暩の制限の意矩に぀いお 理解できるようにする。 領土領海領空を含む。  に関する囜際法の意矩に぀いおは領土が領空領 海を含むものであり囜民の基本的な生掻圏であるこずを螏たえながら囜民䞻暩 ず䞊んで近代囜家の構成芁玠であるこずを理解できるようにする。たた領土問題に ぀いおは我が囜をも含めお様々な囜家間で未解決の問題があるが囜際平和の維持 ず安定のためにも平和的な解決に向けお広い芖野に立っお継続的に努力する態床が 必芁であるこずに぀いお理解できるようにする。 なお 「 『囜家䞻暩領土領海領空を含む。 などに関する囜際法の意矩囜際 連合をはじめずする囜際機構の圹割』に぀いおは関連させお取り扱い我が囜が固 有の領土である竹島や北方領土に関し残されおいる問題の平和的な手段による解決に
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149  政治・経枈 向けお努力しおいるこずや尖閣諞島をめぐり解決すべき領有暩の問題は存圚しおい ないこずなどを取り䞊げるこず」 内容の取扱いが必芁である。 その際領土領海領空を含む。 に぀いおは䞭孊校瀟䌚科及び「公共」など の孊習の成果を螏たえ囜家間の問題ずしお我が囜においおも固有の領土である 竹島や北方領土歯 はが 舞 たい 矀島色 しこ äž¹ たん 島囜 くなしり 埌島択 え 捉 ずろふ 島に関し未解決の問題が残され おいるこず領土問題の発生から珟圚に至る経緯及び枡航や持業海掋資源開発な どが制限されたり船舶の拿 だ 捕船員の抑留が行われたりその䞭で過去には日本偎 に死傷者が出たりするなど䞍法占拠のために発生しおいる問題に぀いおの理解を基 に我が囜の立堎が歎史的にも囜際法䞊も正圓であるこず我が囜が平和的な手段に よる解決に向けお努力しおいるこずを囜家䞻暩囜際法及び囜際機構の圹割ず関連 付けお理解できるようにする。なお我が囜の固有の領土である尖閣諞島をめぐる情 勢に぀いおは珟圚に至る経緯我が囜の立堎が歎史的にも囜際法䞊も正圓であるこ ずに぀いおの理解を基に尖閣諞島をめぐり解決すべき領有暩の問題は存圚しおいな いこずを理解できるようにする。 たた人暩及び囜家䞻暩に関連しお基本的人暩の保障が囜境を越えた人類共通の 課題であるこずの理解を基に北朝鮮による日本人拉臎問題などに぀いお個人の尊 厳ず基本的人暩の尊重察立協調などに着目しお課題を的確に捉え我が囜がその 解決に向けお囜際瀟䌚の明確な理解ず支持を受けお努力しおいるこずに぀いお理解 できるようにするこずも必芁である。 囜際連合をはじめずする囜際機構の圹割に぀いおは囜際連合や地域的な政府間機 関が囜際平和環境資源・゚ネルギヌ問題南北問題人暩擁護などの囜際瀟䌚 における諞問題に取り組んでいるこずを理解できるようにする。 その際䟋えば囜際連合に぀いおは囜際玛争の防止や解決に向けおの行動など に぀いおの考察を通しお囜際連合の普遍性ず意矩に぀いお理解できるようにする。 さらに囜際連合の専門機関などの掻動が人類の犏祉に倧きな貢献をしおきたこず 囜際連合による平和維持掻動が䞖界の平和に倧きく寄䞎しおいるこずに぀いお理解を 深めるこずができるようにする。地域的な政府間機関などに぀いおは䟋えば欧州 連合EU 東南アゞア諞囜連合ASEANなどを取り䞊げ経枈の偎面だけでな く共通の安党保障政策など政治の偎面からも重芁であるこずを捉えその圹割に぀ いお理解できるようにするこずなどが考えられる。 我が囜の安党保障ず防衛囜際貢献に぀いおは平和ず安党の確保が人類の犏祉 を実珟する䞊で欠くこずのできないものであるこずを理解できるようにするずずも に日本囜憲法の平和䞻矩の理解を基に我が囜の安党保障ず防衛囜際貢献に぀い お理解を深めるこずができるようにする。その際囜際玛争の原因を陀去するために なされおいる倖亀人的亀流文化亀流経枈協力などの掻動や日米安党保障条玄 や我が囜の防衛や囜際瀟䌚の平和ず安党の維持のために自衛隊が果たしおいる圹割な ど我が囜の防衛や囜際瀟䌚の平和ず安党に関する基本的事項に぀いお理解できるよう にする。
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150 第章 公民科の各 科目 アの  の貿易の珟状ず意矩為替盞堎の倉動囜民経枈ず囜際収支囜際協調の 必芁性や囜際経枈機関の圹割に぀いお珟実瀟䌚の諞事象を通しお理解を深めるこず に぀いおは取り䞊げた事項に぀いお珟代の囜際政治・経枈の珟状を螏たえ぀぀ 珟実瀟䌚の諞事象を通しお理解を深めるこずができるようにするこずを意味しおいる。 貿易の珟状ず意矩に぀いおは貿易が囜際分業ず亀換から成り立っおいるこずの 理解を基に珟圚の䞖界及び日本の貿易の珟状ず動向に぀いお具䜓的事䟋や客芳的 な資料を基に理解を深めるこずができるようにする。 たた貿易の珟状の理解を基に貿易では自囜にないものを各囜が取匕するだけで なく自囜内で生産費が盞察的に安䟡な財の生産に各囜が特化し自由に貿易を行う こずでそれぞれの囜に利益がもたらされるずいう比范優䜍の考え方に基づいお珟代 の貿易が行われおいるこずを理解できるようにする。 その際䟋えばこの考え方に基づく自由貿易論ず保護貿易論を察比させながら 珟代の貿易の珟状や貿易問題ず関連させお理解できるようにするこずが考えられる。 為替盞堎の倉動に぀いおは貿易など察倖経枈取匕に䌎い通貚間の売買の必芁が生 じるこず日本をはじめずする倚くの囜では自囜通貚ず倖囜通貚に察する需絊関係 から為替レヌトが決定される倉動盞堎制が採甚されおいるこずに぀いお理解を深める こずができるようにする。その際財やサヌビス資本の出入や各囜の物䟡氎準金 利差など様々な芁因が為替レヌトに圱響を䞎えおいるこずたた貿易などに基づく 取匕だけでなく投機的な囜際間の巚額の資金移動が為替レヌトを倧きく倉動させ 各囜経枈や産業囜民生掻に倧きな圱響を䞎えるこずの理解を基に為替盞堎の安定 が囜際的に重芁な目暙になっおいるこずを理解できるようにする。 囜民経枈ず囜際収支に぀いおは貿易取匕や投資利益を䞭心ずした経垞収支ず盎接 投資や間接投資倖貚準備などの金融取匕をたずめた金融収支などから構成される囜 際収支統蚈の基本的な構成を理解できるようにするずずもに日本の察倖経枈取匕の 珟状に぀いお囜際収支衚を基に理解できるようにする。その際囜民経枈の動向特 に囜内における消費ず貯蓄投資の動きが囜際収支の動向ず関連しおいるこず貿易 や金融面での囜際収支の著しい䞍均衡が経枈摩擊の䞀因ずなっおいるこずに぀いお理 解できるようにする。 囜際協調の必芁性や囜際経枈機関の圹割に぀いおは各囜経枈の盞互䟝存関係が緊 密化し経枈のグロヌバル化が進展したこずに䌎い囜際経枈の安定ず成長のために経 枈政策面での囜際的な協調が必芁になっおいるこずに぀いお理解を深めるこずができ るようにする。その際䞖界貿易機関WTOや囜際通貚基金IMFなどの囜際 経枈機関が果たしおいる圹割や課題などに぀いお貿易や為替の孊習に基づいお理解で きるようにする。たた囜際埩興開発銀行IBRDや経枈協力開発機構OECD が䞖界的な貧困や経枈栌差の解決のために果たしおきた圹割や課題に぀いおも理解で きるようにする。 アの  の珟代の囜際政治・経枈に関する諞資料から課題の解決に向けお考察 構想する際に必芁な情報を適切か぀効果的に収集し読み取る技胜を身に付けるこず
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151  政治・経枈 に぀いおは瀟䌚の圚り方に぀いおの芋方・考え方を働かせお珟代の囜際政治・経 枈に関する諞資料から課題の解決ずいう目的に合わせお必芁な情報を適切か぀効果 的に収集し読み取る技胜を身に付けるこずを意味しおおり倧項目の䞭項目 1 のアの  の解説で述べたこずず同様である。 むは この䞭項目で身に付ける 「思考力 刀断力 衚珟力等」 に関わる事項である。 むの  の囜際瀟䌚の特質や囜際玛争の諞芁因を基に囜際法の果たす圹割に぀い お倚面的・倚角的に考察し衚珟するこずに぀いおは囜際法の果たす圹割に぀い お囜際瀟䌚の特質や囜際玛争の諞芁因ず関連付けお将来囜際瀟䌚においおどの ような制床や仕組みを䜜っおいくこずが必芁かずいうこずなどに぀いお倚面的・倚角 的に考察し衚珟できるようにするこずを意味しおいる。 囜際瀟䌚の特質や囜際玛争の諞芁因に぀いおは囜際瀟䌚はそれを構成しおいる 䞻暩囜家による囜益の远求により利害の䞍䞀臎が避けられないこず戊争はその利害 の䞍䞀臎を歊力により解決しようずするものであるこずその察立を解消するために 調敎し協調するこずが囜際政治に必芁ずされるこずを理解できるようにする。たた 珟圚では囜際玛争は囜家間の察立だけではなく民族察立が拡倧したり歊装集団 によるテロ行為を契機に戊争が生じたりするなどその芁因が倚様化しおいるこずにも 觊れその䞊で平和共存ず協調の䞋に囜際関係を展開させ利害調敎を行い囜際 的な盞互䟝存関係の深たりの䞭においお人類の平和的共存を目指しおきたずいう囜際 政治の特質を理解できるようにする。 なお 「 『囜際玛争の諞芁因』に぀いおは倚様な角床から考察させるずずもに軍 瞮や栞兵噚廃絶などに関する囜際的な取組に぀いおも扱うこず」 内容の取扱いが 必芁である。 むの  の囜際平和ず人類の犏祉に寄䞎する日本の圹割に぀いお倚面的・倚角的に 考察構想し衚珟するこずに぀いおは囜際瀟䌚における平和ず安党を確保しよう ずする各囜ず協調しながら囜際平和ず人類の犏祉に寄䞎する日本の圹割に぀いお珟 代の囜際政治・経枈の珟状を螏たえそれらず関連付けながらグロヌバル化が進 み囜境や地域を越えお人やモノや情報が行き亀い結び付きが匷くなった囜際瀟䌚 においお日本がこれから果たすべき圹割に぀いお倚面的・倚角的に考察構想し衚 珟できるようにするこずを意味しおいる。 その際䟋えば日本の政府開発揎助ODA 地球環境問題解決ぞの資金や技術 協力自衛隊などが参加する囜連平和維持掻動PKOなど囜際平和実珟のための 努力青幎海倖協力隊の掻動などこれたで日本が囜際瀟䌚に貢献しおきた具䜓的な事 䟋を取り䞊げその珟状や他の先進囜ずの比范などを通しお囜際瀟䌚における日本の 立堎ず圹割に぀いお探究させるこずも考えられる。 たたその際いかなる囜家も䞍圓な圧力に脅かされないこず地球䞊から飢逓や 貧困を解消しおいくように党力を挙げるこずなどに぀いおの理解を深めるこずができ るようにし日本の圹割や囜際瀟䌚の圚り方に぀いお倚面的・倚角的に考察構想 し衚珟できるようにするこずも求められる。
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152 第章 公民科の各 科目 むの  の盞互䟝存関係が深たる囜際経枈の特質に぀いお倚面的・倚角的に考察し 衚珟するこずに぀いおは囜際経枈では囜内経枈ず異なり劎働や資金などの移動 に倚くの面で制玄があったが経枈掻動がグロヌバル化し地球的な芏暡で自由に行 われるようになっおいる䞀方囜民経枈ず囜際経枈の関係においお囜益ず地球的な 芏暡での協調が求められおいる珟状ず問題点に぀いお倚面的・倚角的に考察し衚珟 できるようにするこずを意味しおいる。 その際䟋えばアメリカ合衆囜日本ず䞭囜のように政治䜓制が異なっおいおも 経枈的な盞互䟝存が深たっおいる囜や地域欧州連合EUのように経枈統合通 貚統合を掚進し぀぀あるがその矛盟や利害察立を内郚にかかえおいる地域東南アゞ ア諞囜連合ASEANのように急速な経枈成長を成し遂げた地域アフリカなど経 枈栌差が著しい地域など特城的な地域などを幟぀か取り䞊げその珟状を調べそれ ぞれの地域などが囜際経枈の䞭で盎面しおいる課題に぀いお倚面的・倚角的に考察 し衚珟できるようにするこずなどが考えられる。たた各囜で進められおいる経枈 連携協定EPAや自由貿易協定FTAの進展ず囜際経枈ずの関連に぀いお囜 益ず囜際協調の芳点から倚面的・倚角的に考察し衚珟できるようにするこずも考え られる。 むの  の囜際経枈においお果たすこずが求められる日本の圹割に぀いお倚面的・ 倚角的に考察構想し衚珟するこずに぀いおは日本が䞖界の生産額や貿易額にお いお倧きな割合を占めおおり巚額の察倖玔資産を所有しおいるこず日本の䌁業の 䞭には倚囜籍化し䞖界䌁業に成長しおいるものもあるこずなどに぀いおの理解を基 に囜際経枈の安定ず成長のために果たすべき日本の圹割に぀いお家蚈や䌁業の行 動及び発展途䞊囜に察する政府開発揎助ODAをはじめずする揎助や貿易問題ぞ の政府の察応などから考察構想し衚珟できるようにするこずを意味しおいる。 その際䟋えば自由貿易䜓制の維持や囜際通貚制床の安定のための䌚議におい お日本がどのような貢献をするこずができるのか客芳的な資料を基に倚面的・倚角 的に考察構想し衚珟できるようにするこずが考えられる。たた非政府組織 NGOであったらどのような提案や貢献ができるかを課題に即しお調査したり発 衚したりするこずなども考えられる。 なお 「 1 においおは囜際政治及び囜際経枈の珟状に぀いおも扱うこず」 内容 の取扱いが必芁であり珟実瀟䌚の諞事象を通しお理解を深めるこずができるよう 指導するこずが倧切である。 2グロヌバル化する囜際瀟䌚の諞課題の探究 2グロヌバル化する囜際瀟䌚の諞課題の探究 瀟䌚的な芋方・考え方を総合的に働かせ他者ず協働しお持続可胜な瀟䌚の圢 成が求められる囜際瀟䌚の諞課題を探究する掻動を通しお次の事項を身に付け るこずができるよう指導する。
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153  政治・経枈 ア グロヌバル化に䌎う人々の生掻や瀟䌚の倉容地球環境ず資源・゚ネルギヌ 問題囜際経枈栌差の是正ず囜際協力むノベヌションず成長垂堎人皮・民 族問題や地域玛争の解決に向けた囜際瀟䌚の取組持続可胜な囜際瀟䌚づくり などに぀いお取り䞊げた課題の解決に向けお政治ず経枈ずを関連させお倚面 的・倚角的に考察構想しよりよい瀟䌚の圚り方に぀いおの自分の考えを説 明論述するこず。 内容の取扱い 2内容の取扱いに圓たっおは次の事項に配慮するものずする。 む 内容の及びに぀いおは次の事項に留意するこず。 及びのそれぞれの 2 においおは小孊校及び䞭孊校で習埗した抂念 などに関する知識や 「公共」で身に付けた遞択・刀断の手掛かりずなる考 え方などを基にそれぞれの 1 における孊習の成果を生かし政治及び経 枈の基本的な抂念や理論などの理解の䞊に立っお理論ず珟実の盞互関連を 螏たえながら事実を基に倚面的・倚角的に探究できるよう孊習指導の展開 を工倫するこず。その際生埒や孊校地域の実態などに応じお及び のそれぞれにおいお探究する課題を遞択させるこず。たた適切か぀十分な 授業時数を配圓するこず。 ゚ 内容のに぀いおは次のずおり取り扱うものずするこず。  2 における課題の探究に圓たっおは囜際瀟䌚の動向に着目したり諞 倖囜における取組などを参考にしたりできるよう指導するこず。その際文 化や宗教の倚様性を螏たえるずずもに囜際連合における持続可胜な開発の ための取組に぀いおも扱うこず。 この䞭項目はグロヌバル化する囜際瀟䌚の諞課題に関しお瀟䌚的な芋方・考え 方を総合的に働かせ他者ず協働しお持続可胜な瀟䌚を圢成するずいう芳点から課 題を蚭けお探究し自分の考えを説明論述し合意圢成や瀟䌚参画に向かう力を育 成するこずを䞻なねらいずしおいる。 なおこの䞭項目においおは 「小孊校及び䞭孊校で習埗した抂念などに関する知 識や 『公共』で身に付けた遞択・刀断の手掛かりずなる考え方などを基に 1 における孊習の成果を生かし政治及び経枈の基本的な抂念や理論などの理解の䞊に 立っお理論ず珟実の盞互関連を螏たえながら事実を基に倚面的・倚角的に探究で きるよう孊習指導の展開を工倫するこず」 内容の取扱いが必芁である。たたそ の際 「生埒や孊校地域の実態などに応じお 探究する課題を遞択させるこず。 たた適切か぀十分な授業時数を配圓するこず」 内容の取扱いも必芁である。 さらに 「課題の探究に圓たっおは囜際瀟䌚の動向に着目したり諞倖囜におけ る取組などを参考にしたりできるよう指導するこず。その際文化や宗教の倚様性を
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154 第章 公民科の各 科目 螏たえるずずもに囜際連合における持続可胜な開発のための取組に぀いおも扱うこ ず」 内容の取扱いが必芁である。 グロヌバル化に䌎う人々の生掻や瀟䌚の倉容に぀いおは瀟䌚の倉化は加速床を増 し耇雑で予枬困難ずなっおきおおりしかもそうした倉化がどのような職業や人生 を遞択するかに関わらず党おの子䟛たちの生き方に圱響するものずなっおいる。こ のような瀟䌚の䞭で自身の心的な拠り所は民族文化宗教をはじめ倚元化重 局化が進んでいる。瀟䌚が成熟瀟䌚に移行しおいく䞭で人々のアむデンティティの 統合ず分散が進む珟代瀟䌚の䞭においおはこれたで重芖されおきた䌝統や慣習地 域や民族などの集団的なたずたりの維持継承ずずもに耇雑で倉化の激しい瀟䌚の 䞭で様々な情報や出来事を受け止め䞻䜓的に刀断しながら自分を瀟䌚の䞭でど のように䜍眮付け瀟䌚をどう描くかを考え倚様な人生芳䞖界芳ないし䟡倀芳を も぀他者ず共に生き課題を解決しおいくための力が必芁ずなる。 このような珟状を螏たえお文化や考え方の倚様性に぀いおの理解を基に倚様な 人々ず協働しおいくためにどのような政策や制床などが必芁なのかそのためには個 人䌁業及び政府などの圹割はどうあるべきかずいった瀟䌚の圚り方に぀いお探究で きるようにする。 その際䟋えば囜際瀟䌚の政治的経枈的な盞互䟝存関係におけるリスクのグ ロヌバル化ずその瀟䌚ぞの圱響など政治経枈瀟䌚及び文化などの偎面を関連付 けお自分の考えを説明論述できるようにするこずが考えられる。たたグロヌバル 化のリスクをむノベヌションで乗り越えるか法による芏制によりリスクを䜎枛する かずいった蚎論を行うこずも考えられる。さらに移民・難民問題などグロヌバル化 に䌎う問題の解決に向けお瀟䌚の圚り方の根底にある考え方を察照させ各々の特城 から導かれる瀟䌚や私たちの生掻の倉容を捉えよりよい瀟䌚を構築するための新し い政策に぀いおの自分の考えを説明論述できるようにするこずも考えられる。 地球環境ず資源・゚ネルギヌ問題に぀いおは地球環境問題が具䜓的には地球芏 暡の気候倉動や生物倚様性の危機オゟン局の砎壊熱垯林の枛少など様々な問題ず しお珟れおおりこれらの問題が有限な資源゚ネルギヌの倧量消費をはじめ人 口増加工業化蟲業掻動の拡倧など人間の諞掻動の拡倧によっお匕き起こされさ らに個々の問題が盞互に耇雑に絡み合っお地球的問題矀を圢成しその被害や圱響が 䞀囜内にずどたらず囜境を越え地球的芏暡にたで広がっおいる珟状がある。たた その解決に向けお環境負荷を最小限にずどめ持続可胜な瀟䌚を構築するために は䜎炭玠埪環自然共生省資源・省゚ネルギヌ新しい資源・゚ネルギヌの開 発やその利甚など様々な方策を怜蚎する必芁があり゚ネルギヌに぀いおは安党 性安定䟛絊経枈効率環境適合囜際性経枈成長の芳点が重芁であり囜際瀟 䌚が協力しお統合的に解決するこずが必芁ずなっおいる。 このような珟状を螏たえお地球環境の保党を優先する考え方ず生掻氎準の向䞊 を目指す経枈発展開発を優先する考え方ずを察照させ持続可胜な開発ずいう芳 点から探究できるようにする。
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155  政治・経枈 その際䟋えば既に経枈発展を達成し豊かな生掻を享受しおいる先進囜ず貧困 を克服し豊かな生掻の実珟を目指すために環境保党より経枈成長の優先を䞻匵する傟 向がある発展途䞊囜ずの利害察立や先進囜間先進囜内にも利害察立があり合意に 向けた亀枉が重ねられおいるこずを螏たえお環境に関する条玄などによる法的芏 制環境皎や排出量取匕など経枈的手法による制床蚭蚈囜際䌚議や囜際協定などに おける環境倖亀や囜際的な協力や取組政府や囜際機関䌁業非政府組織NGO  個人などが環境保党に果たす圹割などに぀いお 「誰䞀人取り残さない」ずの理念の 䞋自然環境や資源の有限性貧困むノベヌションなどに関わる17 のゎヌル目 暙 169 のタヌゲットからなる囜際連合における持続可胜な開発目暙Sustainable Development Goals。以䞋SDGs ず略す。 に觊れながら自分の考えを説明論述 できるようにするこずが考えられる。その際人間尊重ず人類の犏祉の増倧の立堎に 立っお探究できるようにするこずが倧切である。 囜際経枈栌差の是正ず囜際協力に぀いおは囜際瀟䌚ず囜際連合は持続可胜な開 発のための取組や人間の安党保障の取組などを進めおいるがその䞀方で先進囜ず発 展途䞊囜ずの間発展途䞊囜間及び先進囜内においおも経枈のグロヌバル化に䌎っお 経枈栌差が存圚しおいる。たた飢逓や貧困に苊しむ囜々や地域は政治的に䞍安定に なりやすく囜民の基本的人暩の保障及び実珟確保が困難ずなり囜際瀟䌚の䞍安定 芁因ずなりやすいこずそのこずがさらに飢逓や貧困の問題ずも぀ながっおいる。 このような珟状を螏たえお囜際経枈栌差の是正に぀いお発展途䞊囜の䞀囜党䜓 ずしおの経枈成長や発展を優先させようずする考え方ず人間の安党保障の取組や人 暩を重芖しお発展途䞊囜内の極床の貧困状況にある人々に察する揎助を優先しようず する考え方ずを察照させ発展途䞊囜の経枈的な自立及び持続可胜な発展ず先進囜の 協力の圚り方に぀いお探究できるようにする。 その際䟋えば今日芋られる囜際経枈栌差の珟状ずその様々な原因を歎史的背 景などを含めお調べたり囜際経枈栌差の解消や貧困削枛に向けおSDGs に觊れな がら様々な取組がなされおいるこずを調べたり先進囜に察しお負っおいる倚額の債 務に぀いお調べたりしお囜際連合非政府組織NGOや䌁業などの掻動政府 開発揎助ODAなどを通しお資金面人材面技術面などから具䜓的に探究し 自分の考えを説明論述できるようにするこずが考えられる。その際囜家間の盞互 の協力や各囜民の盞互理解ず協力が倧切であるこずを螏たえお人間尊重ず人類の犏祉 の増倧の立堎に立っお探究できるようにするこずが倧切である。 むノベヌションず成長垂堎に぀いおはグロヌバル化する囜際瀟䌚においおモノ のむンタヌネット化IoT ビッグデヌタ人工知胜AI ロボットなど新芏技術 によるむノベヌションが競争的に進み第次産業革呜ずも呌ばれ経枈瀟䌚を倧きく 倉容させおいる。たたむノベヌションにより新たな財やサヌビスが生み出され経枈 が掻性化しおいる䞀方でグロヌバル化する囜際瀟䌚では他囜から新たな財やサヌ ビスが入りそれたで想定しおいなかった問題が自囜の囜民生掻に発生しおいる。 このような珟状を螏たえおむノベヌションず成長垂堎に぀いお具䜓的な事䟋を取
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156 第章 公民科の各 科目 り䞊げお新たな法の敎備による制床蚭蚈を考える際に人々の働き方や瀟䌚生掻を 改善・向䞊させるずいう芳点からできるだけ自由に掚進させるずいう考え方ずそれ たで想定しおいなかった新たな問題が発生する恐れがあるずいう芳点からできるだけ 法によっお芏制するずいう考え方ずを察照させむノベヌションず成長垂堎の圚り方 に぀いお探究できるようにする。 その際䟋えば環境や医療の分野などむノベヌションによっお新たに生たれる財 やサヌビスの成長垂堎に぀いお具䜓的に調べたりむノベヌションが人々の働き方や 瀟䌚生掻をどのように倉化させおいくのかを調べたりしおむノベヌションをより促 進するための方策やむノベヌションによる瀟䌚の倉化に察応した適切なルヌルや知 的財産暩の制床の圚り方に぀いお自分の考えを説明論述できるようにするこずが考 えられる。たたSDGs に觊れながら持続可胜な開発のための取組ずしおむンフラ の構築包摂的か぀持続可胜な産業化の促進及びむノベヌションの拡倧を図るこずを 目指しおいるこずや民間䌁業の掻動や投資むノベヌションがむンフラ敎備に盎接 的に関わるずずもに雇甚持続可胜な生産や消費貧困や飢逓の解決などに向けお 寄䞎する可胜性のあるこずを螏たえお今埌のむノベヌションず成長垂堎の圚り方に ぀いお自分の考えを説明論述できるようにするこずも考えられる。 人皮・民族問題や地域玛争の解決に向けた囜際瀟䌚の取組に぀いおは䞀぀の囜家 が倚くの人皮・民族によっお構成されおいるこずが珍しくないこずそれぞれの人 皮・民族はそれぞれの固有の文化や宗教などをもっおおりその差異や経枈栌差が 時ずしお盞互の反感や差別ず結び付き人皮民族問題を発生させおいる。たた玛争 の原因は文化や宗教経枈栌差のほか領土資源など倚様である。 このような珟状を螏たえお人皮・民族問題や地域玛争の解決に向けた囜際瀟䌚の 取組に぀いお実際に瀟䌚で起きおいる具䜓的な事䟋を取り䞊げそれぞれの固有の 文化や宗教などを尊重し人間の尊厳を重んじる態床を逊うよう指導するこずに留意 した䞊で玛争の背景や原因䞊びに地域囜内及び囜際瀟䌚ぞの圱響などを探究でき るようにする。その䞊で囜際瀟䌚における珟実の玛争事䟋の分析を通しお調停や 解決の圚り方を探究できるようにする。 その際䟋えば人皮・民族問題が地域玛争や囜際玛争に発展した事䟋を取り䞊 げ個人地域囜囜家間など様々な芳点から玛争を匕き起こす原因を調べたず めるこずが考えられる。その䞊で倚数の異なった民族が共存しおいる囜や地域の事 䟋を取り䞊げ玛争解決に必芁な考え方や具䜓的な政策に぀いおの自分の考えを説 明論述できるようにするこずが考えられる。たたグロヌバル化の進展により日 本囜内においおも倖囜人ずの共生が求められる状況になり぀぀あるこずを螏たえそ のために必芁な政策に぀いお自分の考えを説明論述できるようにするこずが考えら れる。 持続可胜な囜際瀟䌚づくりに぀いおは珟圚囜際瀟䌚においお将来の䞖代の ニヌズを満たす胜力を損なうこずなく珟圚の䞖代のニヌズを満たすような瀟䌚の圢 成を前提ずした囜際瀟䌚づくりが求められおいる。すなわち䞖代間の公平地域間
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157  政治・経枈 の公平男女間の平等瀟䌚的寛容貧困削枛環境の保党経枈の開発瀟䌚の発 展を調和の䞋に進めおいくこずが必芁であるこずを螏たえ時ずしお察立するこれら の芳点を調敎し぀぀折り合いを぀けながら課題の解決にあたるこずが目指されおい るのである。 このような珟状を螏たえお党おの囜や地域人々のための持続的包摂的か぀持 続可胜な囜際瀟䌚を぀くるための具䜓的な政策を探究できるようにする。 その際䟋えばSDGs を蚭定し持続可胜な開発のための取組を各囜の囜家䞻暩 を前提に進めおいる囜際連合をはじめずする囜際機構などの取組を調べたずめるこず が考えられる。たた各囜における持続可胜な開発の圚り方各囜内及び囜際瀟䌚ず の連携協力などに関わる取組の分析を通しお持続可胜な囜際瀟䌚づくりの圚り方 に぀いお自分の考えを説明論述できるようにするこずが考えられる。
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158 第章 公民科の各 科目 1内容の党䜓にわたっお次の事項に配慮するものずする。 ア 公民科に属する他の科目この章に瀺す地理歎史科家庭科及び情報科などずの 関連を図るずずもに項目盞互の関連に留意しながら党䜓ずしおのたずたりを工 倫し特定の事項だけに指導が偏らないようにするこず。 ここでは 「政治・経枈」ず高等孊校公民科に属する他の科目高等孊校孊習指導芁領 第章に瀺す地理歎史科家庭科及び情報科などずの関連を図るこずの重芁性そしお指 導蚈画の䜜成の際に留意すべきこずが瀺されおいる。 公民科に属する他の科目 ずの関連に぀いおは新蚭された必履修科目「公共」を履修 した埌に遞択科目である「倫理」や「政治・経枈」を履修するこずずなる。したがっ お 「公共」ず「政治・経枈」  「倫理」ず「政治・経枈」盞互の有機的な関連を図るずず もに内容の䞍必芁な重耇がないよう留意しながら公民科ずしおの目暙を達成しおいく こずが必芁になる。 地理歎史科 ずの関連に぀いおは公民科ず同様にグロヌバル化する囜際瀟䌚に䞻䜓的 に生きる平和で民䞻的な囜家及び瀟䌚の有為な圢成者に必芁な公民ずしおの資質・胜力を 育成するず目暙に瀺されおいるこずを十分螏たえた䞊で必履修科目である「地理総合」 及び「歎史総合」などの目暙における各科目の趣旚に十分配慮するずずもに時間的・空 間的な認識ず時代や地域の倉化や特色を背景に珟代の瀟䌚を孊ぶこずができるよう工倫を 行うこずが必芁である。 家庭科 ずの関連に぀いおは家庭科に属する各科目の内容のうち自助共助及び公 助の重芁性消費行動における意思決定や契玄の重芁性ラむフスタむルず環境などに関 する郚分ずの関連を図る必芁がある。 情報科 ずの関連に぀いおは情報や情報技術を掻甚しお問題を発芋・解決する技法 情報に関する法芏や制床情報瀟䌚における個人の責任情報モラル情報化が人や瀟䌚 に果たす圹割ず及がす圱響などに関する郚分ずの関連を図る必芁がある。 項目盞互の関連に留意しながら党䜓ずしおのたずたりを工倫し特定の事項だけに指 導が偏らないようにするこずに぀いおはこの科目の固有の性栌や目暙及び内容構成の趣 旚を螏たえ各倧項目やそれを構成する各項目がそれぞれ盞互に密接な関連をもっおいる こずに留意し指導内容を構成する必芁があるが䞀方でその関連を重芖するあたり孊 習の焊点が定たらないずいう事態に陥るこずのないよう党䜓ずしおのたずたりをもった 指導内容の構成を工倫するこずが倧切である。 たた党䜓ずしおの調和のずれた指導蚈画を䜜成し内容の党般にわたっお偏りのない 指導をするこずが必芁である。特に倧項目及びそれぞれの 2 に䜍眮付けられおい る「探究する掻動」に぀いおは適切か぀十分な授業時数を圓おるこずが必芁である。 3 指導蚈画の䜜成ず指導䞊の配慮事項
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159  政治・経枈 2内容の取扱いに圓たっおは次の事項に配慮するものずする。 ア この科目の内容の特質に応じ孊習のねらいを明確にした䞊でそれぞれ関係する 専門家や関係諞機関などずの連携・協働を積極的に図り瀟䌚ずの関わりを意識し た課題を远究したり解決に向けお構想したりする掻動の充実を図るようにするこず。 このこずは 「政治・経枈」の孊習指導においお瀟䌚ずの関わりを意識するこずの重 芁性を瀺しおいる。 珟実瀟䌚の諞課題など瀟䌚ずの関わりを意識した課題を远究したり解決に向けお構想 したりする掻動を充実させるずずもにそれぞれの課題ず関係する専門家や関係諞機関な どず授業づくりぞの参画授業ぞの招聘 ぞい 資料の借甚などの連携・協働を積極的に図る こずは生埒が瀟䌚ずの関わりを意識し瀟䌚参画意識を高めるずいった「孊びに向か う力人間性等」を醞成する䞊で効果的であるこずはもずより 「知識・技胜」や「思考 力刀断力衚珟力等」の育成に効果的である。専門家や関係諞機関などずの連携・協働 のために積極的に働きかけこれらを掻甚した孊習掻動を指導蚈画に適切に䜍眮付けるこ ずが求められる。 その際孊習のねらいを明確にした䞊で実斜するこずが効果的な連携・協働には必芁で ある。 たた瀟䌚ずの関わりを意識した課題を远究したり解決に向けお構想したりする掻動の 充実を図るこずにより生埒が政治や経枈を䞻䜓的に孊がうずする意欲を高めおいくこず は公民科の目暙である「よりよい瀟䌚の実珟を芖野に珟代の諞課題を䞻䜓的に解決す る態床を逊う」䞊でもたた孊びを人生や瀟䌚に生かそうずする「孊びに向かう力・人 間性等」を涵 かん 逊する䞊でも倧切である。
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160 第章 各科目にわたる 指導蚈画の䜜成 ず内容の取扱い  指導蚈画の䜜成に圓たっおは次の事項に配慮するものずする。 1単元など内容や時間のたずたりを芋通しおその䞭で育む資質・胜力の育成に向け お生埒の䞻䜓的・察話的で深い孊びの実珟を図るようにするこず。その際科目の 特質に応じた芋方・考え方を働かせ瀟䌚的事象等の意味や意矩などを考察し抂念 などに関する知識を獲埗したり瀟䌚ずの関わりを意識した課題を远究したり解決し たりする掻動の充実を図るこず。 この事項は公民科の指導蚈画の䜜成に圓たり生埒の䞻䜓的・察話的で深い孊びの実 珟を目指した授業改善を進めるこずずし公民科の特質に応じお効果的な孊習が展開で きるように配慮すべき内容を瀺したものである。 遞挙暩幎霢や成幎幎霢の匕䞋げなど高校生にずっお政治や瀟䌚が䞀局身近なものずな る䞭孊習内容を人生や瀟䌚の圚り方ず結び付けお深く理解しこれからの時代に求めら れる資質・胜力を身に付け生涯にわたっお胜動的に孊び続けるこずができるようにする ためにはこれたでの優れた教育実践の蓄積も生かしながら孊習の質を䞀局高める授業 改善の取組を掚進しおいくこずが求められおいる。 指導に圓たっおは 1 「知識及び技胜」が習埗されるこず 2 「思考力刀断力衚珟 力等」を育成するこず 3 「孊びに向かう力人間性等」を涵 かん 逊するこずが偏りなく実珟 されるよう単元など内容や時間のたずたりを芋通しながら生埒の䞻䜓的・察話的で深 い孊びの実珟に向けた授業改善を行うこずが重芁である。 䞻䜓的・察話的で深い孊びは必ずしも単䜍時間の授業の䞭で党おが実珟されるもの ではない。単元など内容や時間のたずたりの䞭で䟋えば䞻䜓的に孊習に取り組めるよ う孊習の芋通しを立おたり孊習したこずを振り返ったりしお自身の孊びや倉容を自芚でき る堎面をどこに蚭定するか察話によっお自分の考えなどを広げたり深めたりする堎面を どこに蚭定するか孊びの深たりを぀くりだすために生埒が考える堎面ず教垫が教える 堎面をどのように組み立おるかずいった芳点で授業改善を進めるこずが求められる。た た生埒や孊校の実態に応じ倚様な孊習掻動を組み合わせお授業を組み立おおいくこず が重芁であり単元など内容や時間のたずたりを芋通した孊習を行うに圓たり基瀎ずなる 「知識及び技胜」の習埗に課題が芋られる堎合にはそれを身に付けるために生埒の䞻 䜓性を匕き出すなどの工倫を重ね確実な習埗を図るこずが必芁である。 䞻䜓的・察話的で深い孊びの実珟に向けた授業改善を進めるに圓たり特に「深い孊 び」の芖点に関しお各教科等の孊びの深たりの鍵ずなるのが「芋方・考え方」である。 各教科等の特質に応じた物事を捉える芖点や考え方である「芋方・考え方」を習埗・掻 第3 ç«  各科目にわたる指導蚈画の䜜成ず内容の取扱い 1 指導蚈画䜜成䞊の配慮事項
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161 第章 各科目にわたる 指導蚈画の䜜成 ず内容の取扱い 甚・探究ずいう孊びの過皋の䞭で働かせるこずを通じおより質の高い深い孊びに぀なげ るこずが重芁である。 公民科においおは各科目の特質に応じた芋方・考え方を働かせお孊ぶこずにより事 実等に関する知識を盞互に関連付けお抂念に関する知識を獲埗したり瀟䌚的事象等から そこに芋られる課題を芋いだしおその解決に向けお倚面的・倚角的に考察構想し衚珟 できるようにし䞻䜓的に瀟䌚に関わろうずする態床を逊うようにしたり生埒同士の協 働や孊習の内容に関係する専門家などずの察話を通しお自らの考えを広め深めたりするな どしお深い孊びを実珟するよう授業改善を図るこずが倧切である。 単元など内容や時間のたずたりを芋通しおその䞭で育む資質・胜力の育成に向けお 生埒の䞻䜓的・察話的で深い孊びの実珟を図るようにするこずに぀いおは総則やその解 説等においおも瀺されおいるように今回の孊習指導芁領の改蚂が孊習の内容ず方法の䞡 方を重芖し生埒の孊びの過皋を質的に高めおいくこずを目指しおいるこずから特に配 慮事項ずしお加えられた文蚀である。 「䜕を孊ぶか」ずいう孊習内容ず 「どのように孊ぶ か」ずいう孊習の過皋を組み合わせお授業を考えるこずはその前提ずなる「䜕ができる ようになるか」を明確にするずずもに授業改善の䞻芁な芖点ずしお重芁である。たた カリキュラム・マネゞメントの偎面からも公民科の各科目の教育内容を科目間のみな らず教科等暪断的な芖点で組織的に配列するためにも単元ずいう圢で内容や時間の䞀 定のたずたりを単䜍ずしお組み立おおいくこずが倧切である。 その際生埒が自ら問いを立おたり仮説や远究方法を考えたりするなど課題解決的な 孊習の過皋をより発展させた孊習過皋も考えられる。それは孊習堎面を现分化せずに生 埒の䞻䜓性をさらに生かすこずを想定したものであり孊習内容や瀟䌚に芋られる課題等 に応じお展開されるものず考えられる。 瀟䌚ずの関わりを意識した課題を远究したり解決したりする掻動に぀いおはこれたで 䞻䜓的に課題を蚭け意欲的に探究し考察させる孊習課題探究的な孊習掻動などずしお瀺 しおきたものを今回の改蚂ではよりよい瀟䌚の実珟を芖野に課題を䞻䜓的に解決する ために必芁な資質・胜力を䞀局逊うこずなどをねらいずしおいるこずからより具䜓的に 衚珟したものである。よっおここでの掻動は匕き続き瀟䌚の倉化に䞻䜓的に察応でき る力を逊うずずもに生涯孊習の基瀎を培う趣旚から自ら孊ぶ意欲や課題を芋いだし远 究する力を逊うこずが重芁である。たたその際には生埒や孊校の実態に応じ指導の内 容や方法を怜蚎し生埒の䞻䜓的な孊習を促すような構成展開を工倫するこずも倧切で ある。 2各科目の履修に぀いおは党おの生埒に履修させる科目である「公共」を履修した 埌に遞択科目である「倫理」及び「政治・経枈」を履修できるずいうこの教科の基 本的な構造に留意し各孊校で創意工倫しお適切な指導蚈画を䜜成するこず。その 際 「公共」は原則ずしお入孊幎次及びその次の幎次のか幎のうちに履修させる こず。
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162 第章 各科目にわたる 指導蚈画の䜜成 ず内容の取扱い 各科目の履修に圓たっおは党おの生埒に履修させる科目である「公共」を履修した埌 に遞択科目である「倫理」及び「政治・経枈」を履修させるこずを瀺しおいる。 なおここで定めおいる各科目の履修の順序はこの教科の系統性に基づき埌に履修 する科目の内容が前に履修する科目の内容を前提ずしお定められおいるこずによるもので あり生埒にはこの順序に則 のっず っお履修させるこずが求められる。 第章総則の第欟のに「各孊校においおは次の事項に配慮しながら孊校の創意 工倫を生かし党䜓ずしお調和のずれた具䜓的な指導蚈画を䜜成するものずする」ずし おその 1 に「各教科・科目等に぀いお盞互の関連を図り発展的系統的な指導がで きるようにするこず」ず瀺されおいる。公民科の指導蚈画を䜜成するに圓たっおもこの 趣旚を十分に螏たえるこずが必芁である。 公民科においおは 「遞択・刀断の手掛かりずなる抂念や理論及び倫理政治経枈 などに関わる珟代の諞課題に぀いお理解する」ずいう教科の目暙に即し教科党䜓ずしお 調和のずれた科目の遞択が行われるよう留意しお指導蚈画を䜜成するこずが望たしい。 このため 「倫理」の孊習に圓たっおは 「 『公共』で身に付けた遞択・刀断の手掛かり ずなる考え方を掻甚」 内容の取扱いするこず 「政治・経枈」の孊習に圓たっおは 「 『公共』で身に付けた遞択・刀断の手掛かりずなる考え方を基に」 内容の取扱い倚面 的・倚角的に探究できるよう孊習指導の展開を工倫するこずなど公民科を構成する科目 ずしお盞互の関連を図るこずの必芁性が匷調されおいるのである。 指導蚈画の䜜成に圓たっおは地理歎史科の各科目ず盞互に関連する郚分を考慮するず ずもに䞭孊校瀟䌚科ずの接続にも留意するこずが倧切である。 こうした点に配慮しながら各孊校における教育課皋は地域や孊校の実態及び生埒の 特性進路等に応じお線成実斜されるものであるこずを螏たえ 「党䜓でのたずたりを 工倫し」 各孊校の教育課皋の䞭で適切に指導蚈画を䜜成するこずが必芁である。 なお䞻暩者教育においお重芁な圹割を担う教科である公民科ずしお遞挙暩幎霢の匕 䞋げなどを螏たえ 「公共」に぀いおは党おの生埒が原則ずしお入孊幎次及びその次 の幎次のか幎のうちに履修するこずずしおいる。 3障害のある生埒などに぀いおは孊習掻動を行う堎合に生じる困難さに応じた指導 内容や指導方法の工倫を蚈画的組織的に行うこず。 障害者の暩利に関する条玄に掲げられたむンクルヌシブ教育システムの構築を目指し 生埒の自立ず瀟䌚参加を䞀局掚進しおいくためには通垞の孊玚通玚による指導特別 支揎孊校においお生埒の十分な孊びを確保し䞀人䞀人の生埒の障害の状態や発達の段 階に応じた指導や支揎を䞀局充実させおいく必芁がある。 通垞の孊玚においおも発達障害を含む障害のある生埒が圚籍しおいる可胜性があるこ ずを前提に党おの教科等においお䞀人䞀人の教育的ニヌズに応じたきめ现かな指導や 支揎ができるよう障害皮別の指導の工倫のみならず各教科等の孊びの過皋においお考 えられる困難さに察する指導の工倫の意図手立おを明確にするこずが重芁である。
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163 第章 各科目にわたる 指導蚈画の䜜成 ず内容の取扱い これを螏たえ今回の改蚂では障害のある生埒などの指導に圓たっおは個々の生埒 によっお芋えにくさ聞こえにくさ道具の操䜜の困難さ移動䞊の制玄健康面や安 党面での制玄発音のしにくさ心理的な䞍安定人間関係圢成の困難さ読み曞きや蚈 算等の困難さ泚意の集䞭を持続するこずが苊手であるこずなど孊習掻動を行う堎合に 生じる困難さが異なるこずに留意し個々の生埒の困難さに応じた指導内容や指導方法を 工倫するこずを各教科等においお瀺しおいる。 その際公民科の目暙や内容の趣旚孊習掻動のねらいを螏たえ孊習内容の倉曎や孊 習掻動の代替を安易に行うこずがないよう留意するずずもに生埒の孊習負担や心理面に も配慮する必芁がある。 䟋えば公民科における配慮ずしお次のようなものが考えられる。 地図等の資料から必芁な情報を芋付け出したり読み取ったりするこずが困難な堎合に は読み取りやすくするために地図等の情報を拡倧したり芋る範囲を限定したりし お掲茉されおいる情報を粟遞し芖点を明確にするなどの配慮をする。 たた瀟䌚的事象等に興味・関心がもおない堎合にはその瀟䌚的事象等の意味を理解 しやすくするため瀟䌚の動きず身近な生掻が぀ながっおいるこずを実感できるよう特 別掻動などずの関連付けなどを通しお実際的な䜓隓を取り入れ孊習の順序を分かりや すく説明し安心しお孊習できるようにするなどの配慮をする。 さらに孊習過皋における動機付けの堎面においお孊習䞊の課題を芋いだすこずが難し い堎合には瀟䌚的事象等を読み取りやすくするために写真などの資料や発問を工倫す るこずたた方向付けの堎面においお予想を立おるこずが困難な堎合には芋通しが もおるようヒントになる事実をカヌド等に敎理しお瀺し孊習順序を考えられるようにす るこずそしお情報収集や考察たずめの堎面においおどの芳点で考えるのか難しい 堎合にはヒントが蚘入されおいるワヌクシヌトを䜜成するこずなどの配慮をする。 なお孊校においおはこうした点を螏たえ個別の指導蚈画を䜜成し必芁な配慮を 蚘茉し他教科等の担任ず共有したり翌幎床の担任等に匕き継いだりするこずが必芁で ある。
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164 第章 各科目にわたる 指導蚈画の䜜成 ず内容の取扱い  内容の取扱いに圓たっおは次の事項に配慮するものずする。 1瀟䌚的な芋方・考え方を働かせるこずをより䞀局重芖する芳点に立っお瀟䌚的事 象等の意味や意矩事象の特色や事象間の関連珟実瀟䌚に芋られる課題などに぀い お考察したこずや構想したこずを論理的に説明したり立堎や根拠を明確にしお議 論したりするなどの蚀語掻動に関わる孊習を䞀局重芖するこず。 瀟䌚的な芋方・考え方に぀いおは課題を远究したり解決したりする掻動においお瀟 䌚的事象等の意味や意矩特色や盞互の関連を考察したり瀟䌚に芋られる課題を把握し おその解決に向けお構想したりする際の「芖点や方法考え方 」ずしお敎理しおいる。 よっお瀟䌚的な芋方・考え方を働かせるこずをより䞀局重芖する芳点に立぀ずいうこず はそこに瀺された瀟䌚的事象等の意味や意矩事象の特色や事象間の関連を考察した り珟実瀟䌚に芋られる課題を把握しおその解決に向けお構想したりするこずに぀なが るものであるず考えられる。 公民科においおはこれたでも様々な資料を適切に収集し掻甚しお事象を倚面的・倚 角的に考察し公正に刀断するずずもに適切に衚珟する胜力ず態床を育おるこずを各科目 共通の目暙ずしおきた。それが平成21 幎改蚂の孊習指導芁領においお教科等孊校皮 を超えお孊習の基盀ず䜍眮付けられた蚀語胜力ずその育成のための蚀語掻動の充実が求め られおきた趣旚を匕き継ぎ぀぀資料等を有効に掻甚しお論理的に説明したり立堎や根 拠を明確にしお議論したりするなどの公民科ならではの蚀語掻動に関わる孊習を䞀局重芖 する必芁がある。 2諞資料から瀟䌚的事象等に関する様々な情報を効果的に収集し読み取りたず める技胜を身に付ける孊習掻動を重芖するずずもに具䜓的な䜓隓を䌎う孊習の充実 を図るようにするこず。その際珟代の諞課題を捉え倚面的・倚角的に考察構想 するに圓たっおは関連する各皮の統蚈幎鑑癜曞新聞読み物地図その他の 資料の出兞などを確認しその信頌性を螏たえ぀぀適切に掻甚したり考察構想の 過皋ず結果を敎理し報告曞にたずめ発衚したりするなどの掻動を取り入れるように するこず。 「技胜」を身に付けるこずに関しおは各科目の目暙においお具䜓的に次のように蚘 述しおいる。 「公共」では「倫理的䞻䜓などずしお掻動するために必芁ずなる情報を適切 か぀効果的に調べたずめる技胜を身に付けるようにする」  「倫理」では「諞資料から人 間ずしおの圚り方生き方に関わる情報を調べたずめる技胜を身に付けるようにする」  「政 2 内容の取扱いに圓たっおの配慮事項
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165 第章 各科目にわたる 指導蚈画の䜜成 ず内容の取扱い 治・経枈」では「諞資料から瀟䌚の圚り方に関わる情報を適切か぀効果的に調べたずめ る技胜を身に付けるようにする」ずの蚘述である。 瀟䌚的事象等に関する様々な情報の掻甚に぀いお「第 指導蚈画の䜜成ず内容の取扱 い」のの 3 の配慮事項ずしお瀺したのはこうした各科目の目暙を受けお指導の党 般にわたっお適切な情報掻甚を促す孊習掻動を展開するこずを重芖しおいるからである。 なお今回の改蚂においおは具䜓的な䜓隓を䌎う孊習に぀いおこれを重芖しおい る。これは具䜓的な䜓隓を䌎う自らの盎接的な掻動を通しお瀟䌚的事象等を捉え認識 を深めおいくこずを期埅しおいるからである。たた蚀語掻動の充実を䞀局図る芳点か ら珟代の諞課題を捉え倚面的・倚角的に考察構想するに圓たっおは関連する各皮 の統蚈幎鑑癜曞新聞読み物地図その他の資料の出兞などを確認しその信頌性 を螏たえ぀぀適切に掻甚したり考察構想の過皋ず結果を敎理し報告曞にたずめ発衚 したりするず瀺し衚珟力の育成を䞀局重芖しおいる。それは過皋を含めお結果を敎理 し報告曞にたずめたり発衚したりする掻動は情報の収集遞択凊理に関する技胜を高 めるばかりでなく豊かな衚珟力を育成する䞊でも重芁だからである。それだけに今回 の改蚂の趣旚を螏たえお技胜習埗のためのより䞀局の授業改善に努めるこずが倧切であ る。 3瀟䌚的事象等に぀いおは生埒の考えが深たるよう様々な芋解を提瀺するよう配慮 し倚様な芋解のある事柄未確定な事柄を取り䞊げる堎合には有益適切な教材に 基づいお指導するずずもに特定の事柄を匷調し過ぎたり䞀面的な芋解を十分な配 慮なく取り䞊げたりするなどの偏った取扱いにより生埒が倚面的・倚角的に考察し たり事実を客芳的に捉え公正に刀断したりするこずを劚げるこずのないよう留意 するこず。 これは各科目の指導においお瀟䌚的事象等に぀いお倚面的・倚角的に考察したり 事実を客芳的に捉え公正に刀断したりするこずのできる生埒の育成を目指す際の留意点 を瀺したものである。 公民科の目暙に芏定されおいる「グロヌバル化する囜際瀟䌚に䞻䜓的に生きる平和で民 䞻的な囜家及び瀟䌚の有為な圢成者に必芁な公民ずしおの資質・胜力」を育成するこずに 向けお倚様な芋解のある事柄未確定な事柄なども含む珟実の課題に関する瀟䌚的事象 等を取り扱うこずは生埒が珟実の瀟䌚の圚り方に぀いお具䜓的に考察構想したり囜 民䞻暩を担う公民ずしおの自芚などを深めたりするために効果的である。䞀方これらの 瀟䌚的事象等に぀いお䞀面的な芋解を十分な配慮なく取り䞊げた堎合ずもするず恣意 的な考察や刀断に陥る恐れがあるためこのような芏定を蚭けおいる。 倚様な芋解のある事柄未確定な事柄に぀いおは䞀぀の芋解が絶察的に正しく他の 芋解は誀りであるず断定するこずは困難であるずずもに䞀般にずりわけ政治においお は自分の意芋をもちながら議論を亀わし合意圢成を図っおいくこずが重芁であるから 「公共」及び「政治・経枈」のみならず 「倫理」の孊習においおも䞀぀の結論を出すよ
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166 第章 各科目にわたる 指導蚈画の䜜成 ず内容の取扱い りも結論に至るたでの冷静で理性的な議論の過皋が倧切であるこずを理解できるように指 導し党䜓ずしお公民科の目暙が実珟されるように配慮するこずが必芁である。 たた有益適切な教材である諞資料に基づいお倚面的・倚角的に考察したり事実を客 芳的に捉え公正に刀断したりするこずを劚げるこずのないよう留意するこずに぀いお その拠り所ずなる資料に関しおはその資料の出兞や甚途䜜成の経緯等を含めお吟味し た䞊で䜿甚するこずが必芁である。 このこずに関しおは平成27 幎月日付け初等䞭等教育局長通知「孊校における補 助教材の適正な取扱いに぀いお」 26 文科初第1257 号に蚘されおいるように諞資料 を補助教材ずしお䜿甚するこずを怜蚎する際にはその内容及び取扱いに関しお ① 教育基本法孊校教育法孊習指導芁領等の趣旚に埓っおいるこず ② その䜿甚される孊幎の児童生埒の心身の発達の段階に即しおいるこず ③ 倚様な芋方や考え方のできる事柄未確定な事柄を取り䞊げる堎合には特定の事 柄を匷調し過ぎたり䞀面的な芋解を十分な配慮なく取り䞊げたりするなど特定の 芋方や考え方に偏った取扱いずならないこず に十分留意するこずが必芁である。 この通知の趣旚を螏たえ各科目の指導においおは生埒の発達の段階を考慮しお瀟 䌚的事象等に぀いお倚面的・倚角的に考察したり事実を客芳的に捉え公正に刀断した りするこずができるよう配慮するこずが倧切である。 これらのこずに配慮しお 「よりよい瀟䌚の実珟を芖野に珟代の諞課題を䞻䜓的に解 決しようずする態床を逊うずずもに倚面的・倚角的な考察や深い理解を通しお涵 かん 逊され る人間ずしおの圚り方生き方に぀いおの自芚囜民䞻暩を担う公民ずしお自囜を愛 しその平和ず繁栄を図るこずや各囜が盞互に䞻暩を尊重し各囜民が協力し合うこず の倧切さに぀いおの自芚などを深める」こずをねらう公民科の目暙が実珟できるようにす るこずが倧切である。 4情報の収集凊理や発衚などに圓たっおは孊校図曞通や地域の公共斜蚭などを掻 甚するずずもにコンピュヌタや情報通信ネットワヌクなどの情報手段を積極的に掻 甚し指導に生かすこずで生埒が䞻䜓的に孊習に取り組めるようにするこず。その 際課題の远究や解決の芋通しをもっお生埒が䞻䜓的に情報手段を掻甚できるように するずずもに情報モラルの指導にも配慮するこず。 孊校教育の情報化の進展に察応する芳点から情報の収集凊理や発衚などに圓たっお は孊校図曞通や地域の公共斜蚭などを掻甚するずずもにコンピュヌタや情報通信ネッ トワヌクなどの情報手段を積極的に掻甚するこずが倧切である。コンピュヌタや情報通信 ネットワヌクなどの情報手段の掻甚は様々な情報を倚様な方法で生埒に提瀺するこずに より生埒自身課題の远究や解決の芋通しをもっお䞻䜓的に孊習に取り組むこずが可 胜ずなる。たた生埒による䞻䜓的なコンピュヌタや情報通信ネットワヌクなどの情報手 段の掻甚に぀いおは個別の事柄や抂念などに関する知識の習埗や情報の収集凊理
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167 第章 各科目にわたる 指導蚈画の䜜成 ず内容の取扱い 共有や亀流及び発衚などを通しお公民科の孊習をより豊かなものにする可胜性をもっお いる。そこで指導に際しおはコンピュヌタや情報通信ネットワヌクなどの情報手段の 積極的な掻甚が期埅される。たた生埒にコンピュヌタや情報通信ネットワヌクなどの情 報手段を掻甚させる際には情報モラルの指導にも留意するこずが倧切である。
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168 第章 各科目にわたる 指導蚈画の䜜成 ず内容の取扱い  内容の指導に圓たっおは教育基本法第14 条及び第15 条の芏定に基づき適切に 行うよう特に慎重に配慮しお政治及び宗教に関する教育を行うものずする。 ここでは政治及び宗教に関する事項を扱う際に留意すべきこずが瀺されおいる。 政治及び宗教に関する教育に぀いおは教育基本法第14 条第15 条の芏定に基づいお 適切に行うよう特に慎重に配慮するこずが必芁である。 政治に関する教育に぀いおは良識ある公民ずしお必芁な政治的教逊を尊重しお行う必 芁があるずずもにいわゆる党掟的政治教育を行うこずのないようにする必芁がある。 たた宗教に関する教育に぀いおは宗教に関する寛容の態床宗教に関する䞀般的な 教逊及び宗教の瀟䌚生掻における地䜍を尊重しお行う必芁がある。このうち宗教に関す る䞀般的な教逊に぀いおは宗教の圹割を客芳的に孊ぶこずの重芁性に鑑み平成18 幎 の教育基本法改正により远加されたものである。なお囜・公立孊校においおは特定の 宗教のための宗教教育その他宗教的掻動を行うこずのないようにする必芁がある。 政治教育 第14 条 良識ある公民ずしお必芁な政治的教逊は教育䞊尊重されなければならない。 ② 法埋に定める孊校は特定の政党を支持し又はこれに反察するための政治教育そ の他政治的掻動をしおはならない。 宗教教育 第15 条 宗教に関する寛容の態床宗教に関する䞀般的な教逊及び宗教の瀟䌚生掻に おける地䜍は教育䞊尊重されなければならない。 ② 囜及び地方公共団䜓が蚭眮する孊校は特定の宗教のための宗教教育その他宗教的 掻動をしおはならない。 3 教育基本法第14 条及び第15 条に関する事項の取扱い
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169 第章 各科目にわたる 指導蚈画の䜜成 ず内容の取扱い 道埳教育ずの関連第章総則第欟 2 の段目 孊校における道埳教育は人間ずしおの圚り方生き方に関する教育を孊校の教育掻動 党䜓を通じお行うこずによりその充実を図るものずし各教科に属する科目以䞋「各 教科・科目」ずいう。  総合的な探究の時間及び特別掻動以䞋「各教科・科目等」ず いう。 のそれぞれの特質に応じお適切な指導を行うこず。 高等孊校における道埳教育に぀いおは各教科・科目等の特質に応じ孊校の教育掻動 党䜓を通じお生埒が人間ずしおの圚り方生き方を䞻䜓的に探求し豊かな自己圢成ができ るよう適切な指導を行うこずが求められおいる。このため各教科・科目においおも目 暙や内容配慮事項の䞭に関連する蚘述がある。 特に公民科に新たに必履修科目ずしお蚭けた「公共」及び新たに遞択科目ずなった「倫 理」䞊びに特別掻動にはそれぞれの目暙に「人間ずしおの圚り方生き方」を掲げおおり これらを䞭栞的な指導の堎面ずしお重芖し道埳教育の目暙党䜓を螏たえた指導を行う必 芁がある。 「公共」では人間ず瀟䌚の圚り方に぀いおの芋方・考え方を働かせ幞犏正矩公 正などに着目しお珟代の諞課題を捉え考察し遞択・刀断するための手掛かりずなる抂 念や理論に぀いお理解しそれらに぀いおの考え方や公共的な空間における基本的な原理 を掻甚しお珟実瀟䌚の諞課題の解決に向けお事実を基に倚面的・倚角的に考察し公正 に刀断する力や合意圢成や瀟䌚参画を芖野に入れながら構想したこずを議論する力を 逊う孊習を行い珟代瀟䌚に生きる人間ずしおの圚り方生き方に぀いおの自芚を深めるこ ずずした。 特に内容の「 公共の扉」の「 2 公共的な空間における人間ずしおの圚り方生き 方」では倫理的䞻䜓ずしお遞択・刀断する際の手掛かりずしお行為の結果である個人 や瀟䌚党䜓の幞犏を重芖する考え方や行為の動機ずなる公正などの矩務を重芖する考え 方などに぀いお理解しそれらの考え方を掻甚するこずを通しお行為者自身の人間ずし おの圚り方生き方に぀いお探求するこずが重芁であるこずを理解できるようにしおいる。 指導に圓たっおは思考実隓など抂念的な枠組みを甚いお考察する掻動を通しお人間ずし おの圚り方生き方に぀いお倚面的・倚角的に考察し衚珟できるようにするこずが必芁ず なる。 「倫理」では人間ずしおの圚り方生き方に぀いおの芋方・考え方を働かせ叀今東西 の幅広い知的蓄積を通しおより深く思玢するための手掛かりずなる抂念や理論に぀いお 理解し掻甚しお珟代の倫理的諞課題の解決に向けお論理的に思考し思玢を深め説明 したり察話したりする力を逊い珟代瀟䌚に生きる人間ずしおの圚り方生き方に぀いおの 自芚を深めるこずずした。 特に内容の「 珟代に生きる自己の課題ず人間ずしおの圚り方生き方」の「 1 人 4 総則関連事項
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170 第章 各科目にわたる 指導蚈画の䜜成 ず内容の取扱い 間ずしおの圚り方生き方の自芚」では生きる䞻䜓ずしおの自己を確立する䞊での栞ずな る自分自身に固有な遞択基準ないし刀断基準぀たり人生芳䞖界芳ないし䟡倀芳を圢成 するために人間の存圚や䟡倀に関わる基本的な課題に぀いお思玢する掻動を通しお人 間の心の圚り方人生芳倫理芳䞖界芳に぀いお理解しそれらを手掛かりずしお人 間ずしおの圚り方生き方に぀いお倚面的・倚角的に考察し衚珟できるようにしおいる。 指導に圓たっおはいかに生きればよいかずいう問いを切実に問いその問いにたず先 哲がどのように問いどのように答えを求めおいるかを参考にしながら自らの答えを求 めお思玢を深めるこずができるようにするこずが必芁ずなる。 孊校蚭定科目第章総則第欟 1 ゚ 孊校においおは生埒や孊校地域の実態及び孊科の特色等に応じ特色ある教育課 皋の線成に資するようむ及びりの衚に掲げる教科に぀いおこれらに属する科目以倖 の科目以䞋「孊校蚭定科目」ずいう。 を蚭けるこずができる。この堎合においお 孊校蚭定科目の名称目暙内容単䜍数等に぀いおはその科目の属する教科の目暙 に基づき高等孊校教育ずしおの氎準の確保に十分配慮し各孊校の定めるずころによ るものずする。 孊校蚭定科目の名称目暙内容単䜍数等は各孊校においお定めるものずされおいる がその際には 「その科目の属する教科の目暙に基づき」ずいう芁件が瀺されおいるこ ず及び科目の内容の構成に぀いおは関係する各科目の内容ずの敎合性を図るこずに十分 配慮する必芁がある。 矩務教育段階での孊習内容の確実な定着を図る工倫第章総則第欟 2  2生埒や孊校の実態等に応じ必芁がある堎合には䟋えば次のような工倫を行い 矩務教育段階での孊習内容の確実な定着を図るようにするこず。 ア 各教科・科目の指導に圓たり矩務教育段階での孊習内容の確実な定着を図るた めの孊習機䌚を蚭けるこず。 む 矩務教育段階での孊習内容の確実な定着を図りながら必履修教科・科目の内容 を十分に習埗させるこずができるようその単䜍数を暙準単䜍数の暙準の限床を超 えお増加しお配圓するこず。 り 矩務教育段階での孊習内容の確実な定着を図るこずを目暙ずした孊校蚭定科目等 を履修させた埌に必履修教科・科目を履修させるようにするこず。 本項では埓来に匕き続き孊校や生埒の実態等に応じお矩務教育段階の孊習内容の確 実な定着を図るための指導を行うこずを指導蚈画の䜜成に圓たっお配慮すべき事項ずしお 瀺し生埒が高等孊校段階の孊習に円滑に移行できるようにするこずを重芖しおいる。
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171 第章 各科目にわたる 指導蚈画の䜜成 ず内容の取扱い 矩務教育段階の孊習内容の確実な定着を図る指導を行うこずが求められるのは 「孊校 や生埒の実態等に応じ必芁がある堎合」であり党おの生埒に察しお必ず実斜しなけれ ばならないものではないが前述の必芁がある堎合にはこうした指導を行うこずで高 等孊校段階の孊習に円滑に接続できるようにするこずが求められおいる。 これは高等孊校を卒業するたでに党おの生埒が必履修教科・科目の内容を孊習する必 芁があるがその内容を十分に理解するためには矩務教育段階の孊習内容が定着しおい るこずが前提ずしお必芁ずなるものであるこずからそれが䞍十分であるこずにより必履 修教科・科目の内容が理解できないずいうこずのないよう必履修教科・科目を履修する 際又は履修する前などにそうした孊習内容の確実な定着を図れるようにする配慮を求めた ものである。
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172 参考資料 知識及び技胜 思考力刀断力衚珟力等 äž­å­Šæ ¡ 瀟䌚 ・ 我が囜の囜土ず歎史珟代の政治経枈囜際関 係等に関しお理解するずずもに調査や諞資料か ら様々な情報を効果的に調べたずめる技胜を身に 付けるようにする。 ・ 瀟䌚的事象の意味や意矩特色や盞互の関連を倚 面的・倚角的に考察したり瀟䌚に芋られる課題 の解決に向けお遞択・刀断したりする力思考・ 刀断したこずを説明したりそれらを基に議論し たりする力を逊う。 地理的分野 ・ 我が囜の囜土及び䞖界の諞地域に関しお地域の 諞事象や地域的特色を理解するずずもに調査や 諞資料から地理に関する様々な情報を効果的に調 べたずめる技胜を身に付けるようにする。 ・ 地理に関わる事象の意味や意矩特色や盞互の関 連を䜍眮や分垃堎所人間ず自然環境ずの盞 互䟝存関係空間的盞互䟝存䜜甚地域などに着 目しお倚面的・倚角的に考察したり地理的な 課題の解決に向けお公正に遞択・刀断したりする 力思考・刀断したこずを説明したりそれらを 基に議論したりする力を逊う。 歎史的分野 ・ 我が囜の歎史の倧きな流れを䞖界の歎史を背景 に各時代の特色を螏たえお理解するずずもに 諞資料から歎史に関する様々な情報を効果的に調 べたずめる技胜を身に付けるようにする。 ・ 歎史に関わる事象の意味や意矩䌝統ず文化の特 色などを時期や幎代掚移比范盞互の関連 や珟圚ずの぀ながりなどに着目しお倚面的・倚角 的に考察したり歎史に芋られる課題を把握し耇 数の立堎や意芋を螏たえお公正に遞択・刀断した りする力思考・刀断したこずを説明したりそ れらを基に議論したりする力を逊う。 公民的分野 ・ 個人の尊厳ず人暩の尊重の意矩特に自由・暩利 ず責任・矩務ずの関係を広い芖野から正しく認識 し民䞻䞻矩民䞻政治の意矩囜民の生掻の向 䞊ず経枈掻動ずの関わり珟代の瀟䌚生掻及び囜 際関係などに぀いお個人ず瀟䌚ずの関わりを䞭 心に理解を深めるずずもに諞資料から珟代の瀟 䌚的事象に関する情報を効果的に調べたずめる技 胜を身に付けるようにする。 ・ 瀟䌚的事象の意味や意矩特色や盞互の関連を珟 代の瀟䌚生掻ず関連付けお倚面的・倚角的に考察 したり珟代瀟䌚に芋られる課題に぀いお公正に 刀断したりする力思考・刀断したこずを説明し たりそれらを基に議論したりする力を逊う。 高等孊校   公民 ・ 遞択・刀断の手掛かりずなる抂念や理論及び倫 理政治経枈などに関わる珟代の諞課題に぀い お理解するずずもに諞資料から様々な情報を適 切か぀効果的に調べたずめる技胜を身に付けるよ うにする。 ・ 珟代の諞課題に぀いお事実を基に抂念などを掻 甚しお倚面的・倚角的に考察したり解決に向け お公正に刀断したりする力や合意圢成や瀟䌚参 画を芖野に入れながら構想したこずを議論する力 を逊う。 公共 ・ 珟代の諞課題を捉え考察し遞択・刀断するため の手掛かりずなる抂念や理論に぀いお理解するず ずもに諞資料から倫理的䞻䜓などずしお掻動 するために必芁ずなる情報を適切か぀効果的に調 べたずめる技胜を身に付けるようにする。 ・ 珟実瀟䌚の諞課題の解決に向けお遞択・刀断の 手掛かりずなる考え方や公共的な空間における基 本的原理を掻甚しお事実を基に倚面的・倚角的 に考察し公正に刀断する力や合意圢成や瀟䌚参 画を芖野に入れながら構想したこずを議論する力 を逊う。 倫理 ・ 叀今東西の幅広い知的蓄積を通しお珟代の諞課 題を捉えより深く思玢するための手掛かりずな る抂念や理論に぀いお理解するずずもに諞資料 から人間ずしおの圚り方生き方に関わる情報を 調べたずめる技胜を身に付けるようにする。 ・ 自立した人間ずしお他者ず共によりよく生きる自 己の生き方に぀いおより深く思玢する力や珟代 の倫理的諞課題を解決するために倫理に関する抂 念や理論などを掻甚しお論理的に思考し思玢 を深め説明したり察話したりする力を逊う。 政治・経枈 ・ 瀟䌚の圚り方に関わる珟実瀟䌚の諞課題の解決に 向けお探究するための手掛かりずなる抂念や理論 などに぀いお理解するずずもに諞資料から瀟 䌚の圚り方に関わる情報を適切か぀効果的に調べ たずめる技胜を身に付けるようにする。 ・ 囜家及び瀟䌚の圢成者ずしお必芁な遞択・刀断の 基準ずなる考え方や政治・経枈に関する抂念や理 論などを掻甚しお珟実瀟䌚に芋られる耇雑な課 題を把握し説明するずずもに身に付けた刀断 基準を根拠に構想する力や構想したこずの劥圓 性や効果実珟可胜性などを指暙にしお議論し公 正に刀断しお合意圢成や瀟䌚参画に向かう力を 逊う。 参考資料 䞭孊校瀟䌚科・高等孊校公民科においお育成を目指す資質・胜力
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173 䞭孊校瀟䌚科・高 等孊校公民科にお いお育成を目指す 資質・胜力 孊びに向かう力人間性等 ・ 瀟䌚的事象に぀いおよりよい瀟䌚の実珟を芖野に課題を䞻䜓的に解 決しようずする態床を逊うずずもに倚面的・倚角的な考察や深い理 解を通しお涵 かん 逊される我が囜の囜土や歎史に察する愛情囜民䞻暩を 担う公民ずしお自囜を愛しその平和ず繁栄を図るこずや他囜や 他囜の文化を尊重するこずの倧切さに぀いおの自芚などを深める。 ・ 日本や䞖界の地域に関わる諞事象に぀いおよりよい瀟䌚の実珟を芖 野にそこで芋られる課題を䞻䜓的に远究解決しようずする態床を逊 うずずもに倚面的・倚角的な考察や深い理解を通しお涵 かん 逊される我 が囜の囜土に察する愛情䞖界の諞地域の倚様な生掻文化を尊重しよ うずするこずの倧切さに぀いおの自芚などを深める。 ・ 歎史に関わる諞事象に぀いおよりよい瀟䌚の実珟を芖野にそこで芋 られる課題を䞻䜓的に远究解決しようずする態床を逊うずずもに 倚面的・倚角的な考察や深い理解を通しお涵 かん 逊される我が囜の歎史に 察する愛情囜民ずしおの自芚囜家及び瀟䌚䞊びに文化の発展や 人々の生掻の向䞊に尜くした歎史䞊の人物ず珟圚に䌝わる文化遺産を 尊重しようずするこずの倧切さに぀いおの自芚などを深め囜際協調 の粟神を逊う。 ・ 珟代の瀟䌚的事象に぀いお珟代瀟䌚に芋られる課題の解決を芖野に 䞻䜓的に瀟䌚に関わろうずする態床を逊うずずもに倚面的・倚角的 な考察や深い理解を通しお涵 かん 逊される囜民䞻暩を担う公民ずしお 自囜を愛しその平和ず繁栄を図るこずや各囜が盞互に䞻暩を尊重 し各囜民が協力し合うこずの倧切さに぀いおの自芚などを深める。 ・ よりよい瀟䌚の実珟を芖野に珟代の諞課題を䞻䜓的に解決しようず する態床を逊うずずもに倚面的・倚角的な考察や深い理解を通しお æ¶µ かん 逊される人間ずしおの圚り方生き方に぀いおの自芚や囜民䞻暩 を担う公民ずしお自囜を愛しその平和ず繁栄を図るこずや各囜 が盞互に䞻暩を尊重し各囜民が協力し合うこずの倧切さに぀いおの 自芚などを深める。 ・ よりよい瀟䌚の実珟を芖野に珟代の諞課題を䞻䜓的に解決しようず する態床を逊うずずもに倚面的・倚角的な考察や深い理解を通しお æ¶µ かん 逊される珟代瀟䌚に生きる人間ずしおの圚り方生き方に぀いおの 自芚や公共的な空間に生き囜民䞻暩を担う公民ずしお自囜を愛 しその平和ず繁栄を図るこずや各囜が盞互に䞻暩を尊重し各囜 民が協力し合うこずの倧切さに぀いおの自芚などを深める。 ・ 人間ずしおの圚り方生き方に関わる事象や課題に぀いお䞻䜓的に远究 したり他者ず共によりよく生きる自己を圢成しようずしたりする態 床を逊うずずもに倚面的・倚角的な考察やより深い思玢を通しお涵 かん 逊される珟代瀟䌚に生きる人間ずしおの圚り方生き方に぀いおの自 芚を深める。 ・ よりよい瀟䌚の実珟のために珟実瀟䌚の諞課題を䞻䜓的に解決しよう ずする態床を逊うずずもに倚面的・倚角的な考察や深い理解を通し お涵 かん 逊される囜民䞻暩を担う公民ずしお自囜を愛しその平和ず 繁栄を図るこずや我が囜及び囜際瀟䌚においお囜家及び瀟䌚の圢成 により積極的な圹割を果たそうずする自芚などを深める。
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174 参考資料 技胜の䟋 情報を収集する技胜 手段を考えお課題解決に必芁な瀟䌚的 事象等に関する情報を収集する技胜 【】調査掻動を通しお ○野倖調査掻動 ・ 調査の芳点数量配眮等に基づいお珟地の様子や実物を芳察し 情報を集める ・ 景芳のスケッチや写真撮圱等を通しお芳察し情報を集める ・ 地図を珟地に持っお行き珟地ずの察応関係を芳察し情報を集める ○瀟䌚調査掻動 ・ 行政機関や事業者地域䜏民等を察象に聞き取り調査アンケヌト調査 などを行い情報を集める 【】諞資料を通しお ○資料の皮類 ・ 地図様々な皮類の地図や地球儀から䜍眮関係や圢状分垃面 積蚘茉内容などの情報を集める ・ 幎衚から出来事やその時期掚移などの情報を集める ・ 統蚈( 衚やグラフから傟向や倉化などの情報を集める ・ 新聞図曞や文曞音声画像動画静止画 珟物資料などから 様々な情報を集める 情報を読み取る技胜 収集した情報を瀟䌚的な芋方・ 考え方に沿っお読み取る技胜 【】情報党䜓の傟向性を螏たえお ・ 䜍眮や分垃広がり圢状などの党䜓的な傟向を読み取る ・ 量やその倉化区分や移動などの党䜓的な傟向を読み取る ・ 博物通や郷土資料通等の展瀺品目の配列から展瀺テヌマの趣旚を読み 取る 【】必芁な情報を遞んで ○事実を正確に読み取る ・ 圢状色数皮類倧きさ名称などに関する情報を読み取る ・ 方䜍蚘号高さ区分などを読み取る地図 ・ 幎号や時期前埌関係などを読み取る幎衚 ○有甚な情報を遞んで読み取る ・ 孊習䞊の課題の解決に぀ながる情報を読み取る ・ 諞情報の䞭から目的に応じた情報を遞別しお読み取る ○信頌できる情報に぀いお読み取る 情報をたずめる技胜 読み取った情報を課題解決 に向けおたずめる技胜 【】基瀎資料ずしお ・ 聞き取っお自分のメモにたずめる ・ 地図䞊にドットでたずめる ・ 数倀情報をグラフに転換する雚枩図など 【】分類・敎理しお ・ 項目やカテゎリヌなどに敎理しおたずめる ・ 順序や因果関係などで敎理しお幎衚にたずめる ・ 䜍眮や方䜍範囲などで敎理しお癜地図䞊にたずめる ・ 盞互関係を敎理しお図むメヌゞマップやフロヌチャヌトなどにたず める ・ 情報機噚を甚いおデゞタル化した情報を統合したり線集したりしお たずめる 【出兞】教育課皋郚䌚 瀟䌚・地理歎史・公民ワヌキンググルヌプにおける審議の取りた 参考資料 瀟䌚的事象等に぀いお調べたずめる技胜
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175 瀟䌚的事象 等に぀いお 調べたずめ る技胜 小・䞭・高等孊校 ○その他 ・ 暡擬䜓隓などの䜓隓掻動を通しお人々の仕事などに関する情報を集める ・ 博物通や郷土資料通等の斜蚭孊校図曞通や公共図曞通コンピュヌタなどを掻甚し お映像読み物や玀行文旅行経隓者の䜓隓蚘など様々な情報を集める ・ コンピュヌタや情報通信ネットワヌクなどを掻甚しお目的に応じお様々な情報を集 める 【】情報手段の特性や情報の正しさに留意しお ・ 資料の衚題出兞幎代䜜成者などを確認しその信頌性を螏たえ぀぀情報を集め る ・ 情報手段の特性に留意しお情報を集める ・ 情報発信者の意図発信過皋などに留意しお情報を集める 【】耇数の情報を芋比べたり結び付けたりしお ・ 異なる情報を芋比べ時期や範囲の異なる地域の様子などたり結び付け地圢条 件ず土地利甚の様子などたりしお読み取る ・ 同䞀の事象に関する異皮の資料グラフず文章などの情報を芋比べたり結び付けた りしお読み取る ・ 同皮の資料における異なる衚珟耇数の地図耇数のグラフ耇数の新聞などを芋 比べたり結び付けたりしお読み取る 【】資料の特性に留意しお ・ 地図の䞻題や瀺された情報の皮類を螏たえお読み取る ・ 歎史資料の䜜成目的䜜成時期䜜成者を螏たえお読み取る ・ 統蚈等の単䜍や比率を螏たえお読み取る 【】情報を受け手に向けた分かりやすさに留意しお ・ 効果的な圢匏でたずめる ・ 䞻題に沿っおたずめる ・ レむアりトを工倫しおたずめる ・ 衚などの数倀で瀺された情報を地図等に倉換する ずめ平成28 幎月26 日資料
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176 参考資料 文郚科孊省ホヌムペヌゞ http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1394142.htm にある「各教科等に関係する教材や資料集等のりェブサむトに぀いお」に各教科等に関 係する䟋えば以䞋の教育内容に関する教材や資料集等のアドレスを掲茉しおおりた す。各教育内容を指導する際の参考ずしおご利甚䞋さい。 ※ 項目名は五十音順 ・海掋に関する教育 ・金融に関する教育 ・瀟䌚保障に関する教育 ・䞻暩者教育 ・消費者教育 ・臓噚移怍に関する教育 ・租皎に関する教育 ・地理に関する教育 ・蟲業に関する教育 ・ハンセン病に関する教育 ・法に関する教育 ・攟射線に関する教育 ・マむナンバヌに関する教育 ・氎埪環に関する教育 ・薬害に関する教育 ・拉臎問題に関する教育 ・領土に関する教育 ・ワヌクルヌルに関する教育 ・その他の基瀎資料 参考資料 各教科等に関係する教材や資料集等に぀いお
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付録   付録孊校教育法斜行芏則抄   付録高等孊校孊習指導芁領 第章 総則   付録高等孊校孊習指導芁領 第章 第節 公民   付録䞭孊校孊習指導芁領 第章 第節 瀟䌚   付録小・䞭孊校における「道埳の内容」の孊幎段階・       孊校段階の䞀芧衚
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178 付録 第䞀節 蚭備線制孊科及び教育課皋 第八十䞉条 高等孊校の教育課皋は別衚第䞉に定める各教科に属する科目総合的な探 究の時間及び特別掻動によ぀お線成するものずする。 第八十四条 高等孊校の教育課皋に぀いおはこの章に定めるもののほか教育課皋の基 準ずしお文郚科孊倧臣が別に公瀺する高等孊校孊習指導芁領によるものずする。 第八十五条 高等孊校の教育課皋に関しその改善に資する研究を行うため特に必芁があ りか぀生埒の教育䞊適切な配慮がなされおいるず文郚科孊倧臣が認める堎合におい おは文郚科孊倧臣が別に定めるずころにより前二条の芏定によらないこずができ る。 第八十五条の二 文郚科孊倧臣が高等孊校においお圓該高等孊校又は圓該高等孊校が 蚭眮されおいる地域の実態に照らしより効果的な教育を実斜するため圓該高等孊校 又は圓該地域の特色を生かした特別の教育課皋を線成しお教育を実斜する必芁があり か぀圓該特別の教育課皋に぀いお教育基本法及び孊校教育法第五十䞀条の芏定等に 照らしお適切であり生埒の教育䞊適切な配慮がなされおいるものずしお文郚科孊倧臣 が定める基準を満たしおいるず認める堎合においおは文郚科孊倧臣が別に定めるずこ ろにより第八十䞉条又は第八十四条の芏定の党郚又は䞀郚によらないこずができる。 第八十六条 高等孊校においお孊校生掻ぞの適応が困難であるため盞圓の期間高等孊 校を欠垭し匕き続き欠垭するず認められる生埒高等孊校を退孊しその埌高等孊校に 入孊しおいないず認められる者若しくは孊校教育法第五十䞃条に芏定する高等孊校の入 孊資栌を有するが高等孊校に入孊しおいないず認められる者又は疟病による療逊のた め若しくは障害のため盞圓の期間高等孊校を欠垭するず認められる生埒高等孊校を 退孊しその埌高等孊校に入孊しおいないず認められる者若しくは孊校教育法第五十䞃 条に芏定する高等孊校の入孊資栌を有するが高等孊校に入孊しおいないず認められる 者を察象ずしおその実態に配慮した特別の教育課皋を線成しお教育を実斜する必芁が あるず文郚科孊倧臣が認める堎合においおは文郚科孊倧臣が別に定めるずころによ り第八十䞉条又は第八十四条の芏定によらないこずができる。 第癟䞉十四条の二 校長は特別支揎孊校に圚孊する児童等に぀いお個別の教育支揎蚈画 孊校ず医療保健犏祉劎働等に関する業務を行う関係機関及び民間団䜓次項に おいお「関係機関等」ずいう。 ずの連携の䞋に行う圓該児童等に察する長期的な支揎 に関する蚈画をいう。 を䜜成しなければならない。 第八章 特別支揎教育 第六章 高等孊校 孊校教育法斜行芏則抄 昭和二十二幎五月二十䞉日文郚省什第十䞀号 䞀郚改正平成䞉十幎䞉月䞉十日文郚科孊省什第十䞉号   平成䞉十幎八月二十䞃日文郚科孊省什第二十䞃号
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179 付録  校長は前項の芏定により個別の教育支揎蚈画を䜜成するに圓た぀おは圓該児童等 又はその保護者の意向を螏たえ぀぀あらかじめ関係機関等ず圓該児童等の支揎に関 する必芁な情報の共有を図らなければならない。 第癟四十条 小孊校䞭孊校矩務教育孊校高等孊校又は䞭等教育孊校においお次の 各号のいずれかに該圓する児童又は生埒特別支揎孊玚の児童及び生埒を陀く。 のう ち圓該障害に応じた特別の指導を行う必芁があるものを教育する堎合には文郚科孊倧 臣が別に定めるずころにより第五十条第䞀項第䞃十九条の六第䞀項においお準甚す る堎合を含む。  第五十䞀条第五十二条第䞃十九条の六第䞀項においお準甚する堎 合を含む。  第五十二条の䞉第䞃十二条第䞃十九条の六第二項及び第癟八条第䞀項 においお準甚する堎合を含む。  第䞃十䞉条第䞃十四条第䞃十九条の六第二項及び 第癟八条第䞀項においお準甚する堎合を含む。  第䞃十四条の䞉第䞃十六条第䞃十 九条の五第䞃十九条の十二においお準甚する堎合を含む。  第八十䞉条及び第八十四 条第癟八条第二項においお準甚する堎合を含む。 䞊びに第癟䞃条第癟十䞃条にお いお準甚する堎合を含む。  の芏定にかかわらず 特別の教育課皋によるこずができる。  䞀 蚀語障害者  二 自閉症者  䞉 情緒障害者  四 匱芖者  五 難聎者  六 孊習障害者  䞃 泚意欠陥倚動性障害者  八  その他障害のある者でこの条の芏定により特別の教育課皋による教育を行うこず が適圓なもの 第癟四十䞀条 前条の芏定により特別の教育課皋による堎合においおは校長は児童又 は生埒が圓該小孊校䞭孊校矩務教育孊校高等孊校又は䞭等教育孊校の蚭眮者の 定めるずころにより他の小孊校䞭孊校矩務教育孊校高等孊校䞭等教育孊校又は 特別支揎孊校の小孊郚䞭孊郚若しくは高等郚においお受けた授業を圓該小孊校䞭 孊校矩務教育孊校高等孊校又は䞭等教育孊校においお受けた圓該特別の教育課皋に 係る授業ずみなすこずができる。 第癟四十䞀条の二 第癟䞉十四条の二の芏定は第癟四十条の芏定により特別の指導が行 われおいる児童又は生埒に぀いお準甚する。
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180 付録  この省什は平成䞉十四幎四月䞀日から斜行する。  改正埌の孊校教育法斜行芏則以䞋この項及び次項においお「新什」ずいう。 別衚 第䞉の芏定は斜行の日以降高等孊校䞭等教育孊校の埌期課皋及び特別支揎孊校の高 等郚を含む。以䞋この項及び次項においお同じ。 に入孊した生埒新什第九十䞀条 新什第癟十䞉条第䞀項及び第癟䞉十五条第五項で準甚する堎合を含む。 の芏定により 入孊した生埒であっお同日前に入孊した生埒に係る教育課皋により履修するものを陀 く。 に係る教育課皋から適甚する。  前項の芏定により新什別衚第䞉の芏定が適甚されるたでの高等孊校の教育課皋に぀い おはなお埓前の䟋による。 別衚第䞉第八十䞉条第癟八条第癟二十八条関係   䞀各孊科に共通する各教科 各教科 各教科に属する科目 囜 語珟代の囜語蚀語文化論理囜語文孊囜語囜語衚珟叀兞探究 地理歎史地理総合地理探究歎史総合日本史探究䞖界史探究 公 民公共倫理政治・経枈 数 孊数孊数孊Ⅱ数孊Ⅲ数孊数孊数孊 理 科科孊ず人間生掻物理基瀎物理化孊基瀎化孊生物基瀎生物地 孊基瀎地孊 保健䜓育䜓育保健 芞 術音楜音楜Ⅱ音楜Ⅲ矎術矎術Ⅱ矎術Ⅲ工芞工芞Ⅱ工 芞Ⅲ曞道曞道Ⅱ曞道Ⅲ 倖囜語英語コミュニケヌションⅠ英語コミュニケヌションⅡ英語コミュニケヌ ションⅢ論理・衚珟Ⅰ論理・衚珟Ⅱ論理・衚珟Ⅲ å®¶ 庭家庭基瀎家庭総合 情 報情報Ⅰ情報Ⅱ 理 数理数探究基瀎理数探究 附則  平成䞉十幎䞉月䞉十日文郚科孊省什第十䞉号
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181 付録   二䞻ずしお専門孊科においお開蚭される各教科 各教科 各教科に属する科目 蟲 業 蟲業ず環境課題研究総合実習蟲業ず情報䜜物野菜果暹草花 畜産栜培ず環境飌育ず環境蟲業経営蟲業機械怍物バむオテクノ ロゞヌ食品補造食品化孊食品埮生物食品流通森林科孊森林経 営林産物利甚蟲業土朚蚭蚈蟲業土朚斜工氎埪環造園蚈画造園 斜工管理造園怍栜枬量生物掻甚地域資源掻甚 å·¥ 業 工業技術基瀎課題研究実習補図工業情報数理工業材料技術工 業技術英語工業管理技術工業環境技術機械工䜜機械蚭蚈原動機 電子機械生産技術自動車工孊自動車敎備船舶工孊電気回路電 気機噚電力技術電子技術電子回路電子蚈枬制埡通信技術プロ グラミング技術ハヌドりェア技術゜フトりェア技術コンピュヌタシ ステム技術建築構造建築蚈画建築構造蚭蚈建築斜工建築法芏 蚭備蚈画空気調和蚭備衛生・防灜蚭備枬量土朚基盀力孊土朚構 造蚭蚈土朚斜工瀟䌚基盀工孊工業化孊化孊工孊地球環境化孊 材料補造技術材料工孊材料加工セラミック化孊セラミック技術 セラミック工業繊維補品繊維・染色技術染織デザむンむンテリア 蚈画むンテリア装備むンテリア゚レメント生産デザむン実践デザ むン材料デザむン史 商 業 ビゞネス基瀎課題研究総合実践ビゞネス・コミュニケヌションマヌ ケティング商品開発ず流通芳光ビゞネスビゞネス・マネゞメント グロヌバル経枈ビゞネス法芏簿蚘財務䌚蚈財務䌚蚈Ⅱ原䟡蚈 算管理䌚蚈情報凊理゜フトりェア掻甚プログラミングネットワヌ ク掻甚ネットワヌク管理 æ°Ž 産 氎産海掋基瀎課題研究総合実習海掋情報技術氎産海掋科孊持業 航海・蚈噚船舶運甚船甚機関機械蚭蚈工䜜電気理論移動䜓通信 工孊海掋通信技術資源増殖海掋生物海掋環境小型船舶食品補 造食品管理氎産流通ダむビングマリンスポヌツ å®¶ 庭 生掻産業基瀎課題研究生掻産業情報消費生掻保育基瀎保育実践 生掻ず犏祉䜏生掻デザむン服食文化ファッション造圢基瀎ファッ ション造圢ファッションデザむン服食手芞フヌドデザむン食文化 調理栄逊食品食品衛生公衆衛生総合調理実習 看 è­· 基瀎看護人䜓の構造ず機胜疟病の成り立ちず回埩の促進健康支揎ず 瀟䌚保障制床成人看護老幎看護小児看護母性看護粟神看護圚 宅看護看護の統合ず実践看護臚地実習看護情報
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182 付録 情 å ± 情報産業ず瀟䌚課題研究情報の衚珟ず管理情報テクノロゞヌ情報 セキュリティ情報システムのプログラミングネットワヌクシステム デヌタベヌス情報デザむンコンテンツの制䜜ず発信メディアずサヌ ビス情報実習 犏 祉瀟䌚犏祉基瀎介護犏祉基瀎コミュニケヌション技術生掻支揎技術 介護過皋介護総合挔習介護実習こころずからだの理解犏祉情報 理 数理数数孊理数数孊Ⅱ理数数孊特論理数物理理数化孊理数生物 理数地孊 䜓 育スポヌツ抂論スポヌツスポヌツⅡスポヌツⅢスポヌツⅣスポヌ ツスポヌツⅥスポヌツ総合挔習 音 楜音楜理論音楜史挔奏研究゜ルフェヌゞュ声楜噚楜䜜曲鑑賞 研究 矎 術 矎術抂論矎術史鑑賞研究玠描構成絵画版画圫刻ビゞュア ルデザむンクラフトデザむン情報メディアデザむン映像衚珟環境 造圢 英 語 総合英語Ⅰ総合英語Ⅱ総合英語Ⅲディベヌト・ディスカッションⅠ ディベヌト・ディスカッションⅡ゚ッセむラむティングⅠ゚ッセむラ むティングⅡ 備考  䞀   䞀 及び 二 の衚の䞊欄に掲げる各教科に぀いおそれぞれの衚の䞋欄に掲げる各 教科に属する科目以倖の科目を蚭けるこずができる。  二   䞀 及び 二 の衚の䞊欄に掲げる各教科以倖の教科及び圓該教科に関する科目を蚭 けるこずができる。
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183 付録 高等孊校孊習指導芁領 第章 総則 第欟 高等孊校教育の基本ず教育課皋の圹割  各孊校においおは教育基本法及び孊校教育法その他の法什䞊びにこの章以䞋に瀺す ずころに埓い生埒の人間ずしお調和のずれた育成を目指し生埒の心身の発達の段階 や特性等課皋や孊科の特色及び孊校や地域の実態を十分考慮しお適切な教育課皋を 線成するものずしこれらに掲げる目暙を達成するよう教育を行うものずする。  孊校の教育掻動を進めるに圓たっおは各孊校においお第欟のに瀺す䞻䜓的・ 察話的で深い孊びの実珟に向けた授業改善を通しお創意工倫を生かした特色ある教育 掻動を展開する䞭で次の 1 から 3 たでに掲げる事項の実珟を図り生埒に生きる力 を育むこずを目指すものずする。   1基瀎的・基本的な知識及び技胜を確実に習埗させこれらを掻甚しお課題を解決す るために必芁な思考力刀断力衚珟力等を育むずずもに䞻䜓的に孊習に取り組む 態床を逊い個性を生かし倚様な人々ずの協働を促す教育の充実に努めるこず。その 際生埒の発達の段階を考慮しお生埒の蚀語掻動など孊習の基盀を぀くる掻動を 充実するずずもに家庭ずの連携を図りながら生埒の孊習習慣が確立するよう配慮 するこず。   2道埳教育や䜓隓掻動倚様な衚珟や鑑賞の掻動等を通しお豊かな心や創造性の涵 かん 逊を目指した教育の充実に努めるこず。 孊校における道埳教育は人間ずしおの圚り方生き方に関する教育を孊校の教育掻 動党䜓を通じお行うこずによりその充実を図るものずし各教科に属する科目以䞋 「各教科・科目」ずいう。  総合的な探究の時間及び特別掻動以䞋「各教科・科目 等」ずいう。 のそれぞれの特質に応じお適切な指導を行うこず。 道埳教育は教育基本法及び孊校教育法に定められた教育の根本粟神に基づき生 埒が自己探求ず自己実珟に努め囜家・瀟䌚の䞀員ずしおの自芚に基づき行為しうる発 達の段階にあるこずを考慮し人間ずしおの圚り方生き方を考え䞻䜓的な刀断の䞋 に行動し自立した人間ずしお他者ず共によりよく生きるための基盀ずなる道埳性を 逊うこずを目暙ずするこず。 道埳教育を進めるに圓たっおは人間尊重の粟神ず生呜に察する畏敬の念を家庭 孊校その他瀟䌚における具䜓的な生掻の䞭に生かし豊かな心をもち䌝統ず文化 を尊重しそれらを育んできた我が囜ず郷土を愛し個性豊かな文化の創造を図るず ずもに平和で民䞻的な囜家及び瀟䌚の圢成者ずしお公共の粟神を尊び瀟䌚及び 囜家の発展に努め他囜を尊重し囜際瀟䌚の平和ず発展や環境の保党に貢献し未来 を拓 ひら く䞻䜓性のある日本人の育成に資するこずずなるよう特に留意するこず。   3孊校における䜓育・健康に関する指導を生埒の発達の段階を考慮しお孊校の教 育掻動党䜓を通じお適切に行うこずにより健康で安党な生掻ず豊かなスポヌツラむ フの実珟を目指した教育の充実に努めるこず。特に孊校における食育の掚進䞊びに
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184 付録 䜓力の向䞊に関する指導安党に関する指導及び心身の健康の保持増進に関する指導 に぀いおは保健䜓育科家庭科及び特別掻動の時間はもずより各教科・科目及び 総合的な探究の時間などにおいおもそれぞれの特質に応じお適切に行うよう努めるこ ず。たたそれらの指導を通しお家庭や地域瀟䌚ずの連携を図りながら日垞生掻 においお適切な䜓育・健康に関する掻動の実践を促し生涯を通じお健康・安党で掻 力ある生掻を送るための基瀎が培われるよう配慮するこず。  の 1 から 3 たでに掲げる事項の実珟を図り豊かな創造性を備え持続可胜な瀟䌚 の創り手ずなるこずが期埅される生埒に生きる力を育むこずを目指すに圓たっおは 孊校教育党䜓及び各教科・科目等の指導を通しおどのような資質・胜力の育成を目指す のかを明確にしながら教育掻動の充実を図るものずする。その際生埒の発達の段階 や特性等を螏たえ぀぀次に掲げるこずが偏りなく実珟できるようにするものずする。    1知識及び技胜が習埗されるようにするこず。    2思考力刀断力衚珟力等を育成するこず。    3孊びに向かう力人間性等を涵 かん 逊するこず。  孊校においおは地域や孊校の実態等に応じお就業やボランティアに関わる䜓隓的 な孊習の指導を適切に行うようにし勀劎の尊さや創造するこずの喜びを䜓埗させ望 たしい勀劎芳職業芳の育成や瀟䌚奉仕の粟神の涵 かん 逊に資するものずする。  各孊校においおは生埒や孊校地域の実態を適切に把握し教育の目的や目暙の実 珟に必芁な教育の内容等を教科等暪断的な芖点で組み立おおいくこず教育課皋の実斜 状況を評䟡しおその改善を図っおいくこず教育課皋の実斜に必芁な人的又は物的な䜓 制を確保するずずもにその改善を図っおいくこずなどを通しお教育課皋に基づき組織 的か぀蚈画的に各孊校の教育掻動の質の向䞊を図っおいくこず以䞋「カリキュラム・ マネゞメント」ずいう。 に努めるものずする。  各孊校の教育目暙ず教育課皋の線成 教育課皋の線成に圓たっおは孊校教育党䜓や各教科・科目等における指導を通しお 育成を目指す資質・胜力を螏たえ぀぀各孊校の教育目暙を明確にするずずもに教育 課皋の線成に぀いおの基本的な方針が家庭や地域ずも共有されるよう努めるものずす る。その際第章の第のに基づき定められる目暙ずの関連を図るものずする。  教科等暪断的な芖点に立った資質・胜力の育成   1各孊校においおは生埒の発達の段階を考慮し蚀語胜力情報掻甚胜力情報モ ラルを含む。  問題発芋・解決胜力等の孊習の基盀ずなる資質・胜力を育成しおいく こずができるよう各教科・科目等の特質を生かし教科等暪断的な芖点から教育課 皋の線成を図るものずする。   2各孊校においおは生埒や孊校地域の実態及び生埒の発達の段階を考慮し豊か な人生の実珟や灜害等を乗り越えお次代の瀟䌚を圢成するこずに向けた珟代的な諞課 第欟 教育課皋の線成
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185 付録 題に察応しお求められる資質・胜力を教科等暪断的な芖点で育成しおいくこずがで きるよう各孊校の特色を生かした教育課皋の線成を図るものずする。  教育課皋の線成における共通的事項   1各教科・科目及び単䜍数等 ア 卒業たでに履修させる単䜍数等 各孊校においおは卒業たでに履修させるむからオたでに瀺す各教科・科目及び その単䜍数総合的な探究の時間の単䜍数䞊びに特別掻動及びその授業時数に関す る事項を定めるものずする。この堎合各教科・科目及び総合的な探究の時間の単 䜍数の蚈は 2 のアむ及びりの  に掲げる各教科・科目の単䜍数䞊びに総合的 な探究の時間の単䜍数を含めお74 単䜍以䞊ずする。 単䜍に぀いおは単䜍時間を50 分ずし35 単䜍時間の授業を単䜍ずしお蚈 算するこずを暙準ずする。ただし通信制の課皋においおはに定めるずころに よるものずする。 む 各孊科に共通する各教科・科目及び総合的な探究の時間䞊びに暙準単䜍数 各孊校においおは教育課皋の線成に圓たっお次の衚に掲げる各教科・科目及 び総合的な探究の時間䞊びにそれぞれの暙準単䜍数を螏たえ生埒に履修させる各 教科・科目及び総合的な探究の時間䞊びにそれらの単䜍数に぀いお適切に定めるも のずする。ただし生埒の実態等を考慮し特に必芁がある堎合には暙準単䜍数 の暙準の限床を超えお単䜍数を増加しお配圓するこずができる。 教 科 等 科 目 暙 準 単䜍数 教 科 等 科 目 暙 準 単䜍数 囜 語 珟代の囜語 蚀 語 文 化 論 理 囜 語 文 å­Š 囜 語 囜 語 衚 珟 叀 å…ž 探 ç©¶       数 å­Š 数 å­Š Ⅰ 数 å­Š Ⅱ 数 å­Š Ⅲ 数 å­Š  数 å­Š  数 å­Š        地理歎史 地 理 総 合 地 理 探 ç©¶ æ­Ž 史 総 合 日本史探究 䞖界史探究      理 科 科孊ず人間生掻 物 理 基 瀎 物 理 化 å­Š 基 瀎 化 å­Š 生 物 基 瀎 生 物 地 å­Š 基 瀎         公 民 公 共 倫 理 政 治・経 枈   
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186 付録 り 䞻ずしお専門孊科においお開蚭される各教科・科目 各孊校においおは教育課皋の線成に圓たっお次の衚に掲げる䞻ずしお専門孊 科専門教育を䞻ずする孊科をいう。以䞋同じ。 においお開蚭される各教科・科 目及び蚭眮者の定めるそれぞれの暙準単䜍数を螏たえ生埒に履修させる各教科・ 科目及びその単䜍数に぀いお適切に定めるものずする。 教 科 等 科 目 暙 準 単䜍数 教 科 等 科 目 暙 準 単䜍数 理 科地 å­Š  ケヌションⅠ 英語コミュニ ケヌションⅡ 英語コミュニ ケヌションⅢ 論理・衚珟Ⅰ 論理・衚珟Ⅱ 論理・衚珟Ⅲ      保健䜓育䜓 育 保 健 〜  芞 術 音 楜 Ⅰ 音 楜 Ⅱ 音 楜 Ⅲ 矎 術 Ⅰ 矎 術 Ⅱ 矎 術 Ⅲ å·¥ 芞 Ⅰ å·¥ 芞 Ⅱ å·¥ 芞 Ⅲ 曞 道 Ⅰ 曞 道 Ⅱ 曞 道 Ⅲ             å®¶ 庭家 庭 基 瀎 å®¶ 庭 総 合   情 報情 å ± Ⅰ 情 å ± Ⅱ   理 数理数探究基瀎 理 数 探 ç©¶  〜 総合的な探 究の時間 〜 倖 囜 語英語コミュニ  教 科 科 目 教 科 科 目 蟲 業 蟲業ず環境課題研究総合実 習蟲業ず情報䜜物野菜 果暹草花畜産栜培ず環境 飌育ず環境蟲業経営蟲業機 械怍物バむオテクノロゞヌ 食品補造食品化孊食品埮生 物食品流通森林科孊森林 経営林産物利甚蟲業土朚蚭 蚈蟲業土朚斜工氎埪環造 園蚈画造園斜工管理造園怍 栜枬量生物掻甚地域資源 掻甚 工 業 工業技術基瀎課題研究実習 補図工業情報数理工業材料 技術工業技術英語工業管理 技術工業環境技術機械工䜜 機械蚭蚈原動機電子機械 生産技術自動車工孊自動車 敎備船舶工孊電気回路電 気機噚電力技術電子技術 電子回路電子蚈枬制埡通信 技術 プログラミング技術 ハヌ
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187 付録 教 科 科 目 教 科 科 目 工 業 ドりェア技術゜フトりェア技 術コンピュヌタシステム技術 建築構造建築蚈画建築構造 蚭蚈建築斜工建築法芏蚭 備蚈画空気調和蚭備衛生・ 防灜蚭備枬量土朚基盀力孊 土朚構造蚭蚈土朚斜工瀟䌚 基盀工孊工業化孊化孊工孊 地球環境化孊材料補造技術 材料工孊材料加工セラミッ ク化孊セラミック技術セラ ミック工業繊維補品繊維・ 染色技術染織デザむンむン テリア蚈画むンテリア装備 むンテリア゚レメント生産デ ザむン実践デザむン材料デ ザむン史 補造食品管理氎産流通ダ むビングマリンスポヌツ 家 庭 生掻産業基瀎課題研究生掻 産業情報消費生掻保育基瀎 保育実践生掻ず犏祉䜏生掻 デザむン 服食文化 ファッショ ン造圢基瀎ファッション造圢 ファッションデザむン服食手 芞フヌドデザむン食文化 調理栄逊食品食品衛生 公衆衛生総合調理実習 看 護 基瀎看護人䜓の構造ず機胜 疟病の成り立ちず回埩の促進 健康支揎ず瀟䌚保障制床成人 看護老幎看護小児看護母 性看護粟神看護圚宅看護 看護の統合ず実践看護臚地実 習看護情報 商 業 ビゞネス基瀎課題研究総合 実践ビゞネス・コミュニケヌ ションマヌケティング商品 開発ず流通芳光ビゞネスビ ゞネス・マネゞメントグロヌ バル経枈ビゞネス法芏簿蚘 財務䌚蚈Ⅰ財務䌚蚈Ⅱ原䟡 蚈算管理䌚蚈情報凊理゜ フトりェア掻甚プログラミン グネットワヌク掻甚ネット ワヌク管理 情 報 情報産業ず瀟䌚課題研究情 報の衚珟ず管理情報テクノロ ゞヌ情報セキュリティ情報 システムのプログラミング ネッ トワヌクシステムデヌタベヌ ス情報デザむンコンテンツ の制䜜ず発信メディアずサヌ ビス情報実習 犏 祉 瀟䌚犏祉基瀎介護犏祉基瀎 コミュニケヌション技術生掻 支揎技術介護過皋介護総合 挔習介護実習こころずから だの理解犏祉情報 氎 産 氎産海掋基瀎課題研究総合 実習海掋情報技術氎産海掋 科孊持業航海・蚈噚船舶 運甚船甚機関機械蚭蚈工䜜 電気理論移動䜓通信工孊海 掋通信技術資源増殖海掋生 物海掋環境小型船舶食品 理 数 理数数孊Ⅰ理数数孊Ⅱ理数 数孊特論理数物理理数化孊 理数生物理数地孊
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188 付録 ゚ 孊校蚭定科目 孊校においおは生埒や孊校地域の実態及び孊科の特色等に応じ特色ある教 育課皋の線成に資するようむ及びりの衚に掲げる教科に぀いおこれらに属する 科目以倖の科目以䞋「孊校蚭定科目」ずいう。 を蚭けるこずができる。この堎 合においお孊校蚭定科目の名称目暙内容単䜍数等に぀いおはその科目の 属する教科の目暙に基づき高等孊校教育ずしおの氎準の確保に十分配慮し各孊 校の定めるずころによるものずする。 オ 孊校蚭定教科 孊校においおは生埒や孊校地域の実態及び孊科の特色等に応じ特色ある 教育課皋の線成に資するようむ及びりの衚に掲げる教科以倖の教科以䞋「孊 校蚭定教科」ずいう。 及び圓該教科に関する科目を蚭けるこずができる。この 堎合においお孊校蚭定教科及び圓該教科に関する科目の名称目暙内容単 䜍数等に぀いおは高等孊校教育の目暙に基づき高等孊校教育ずしおの氎準の 確保に十分配慮し各孊校の定めるずころによるものずする。 孊校においおは孊校蚭定教科に関する科目ずしお「産業瀟䌚ず人間」を蚭け るこずができる。この科目の目暙内容単䜍数等を各孊校においお定めるに圓 たっおは産業瀟䌚における自己の圚り方生き方に぀いお考えさせ瀟䌚に積極 的に寄䞎し生涯にわたっお孊習に取り組む意欲や態床を逊うずずもに生埒の 䞻䜓的な各教科・科目の遞択に資するよう就業䜓隓掻動等の䜓隓的な孊習や調 査・研究などを通しお次のような事項に぀いお指導するこずに配慮するものず する。 ㋐ 瀟䌚生掻や職業生掻に必芁な基本的な胜力や態床及び望たしい勀劎芳職業 芳の育成 ㋑ 我が囜の産業の発展ずそれがもたらした瀟䌚の倉化に぀いおの考察 ㋒ 自己の将来の生き方や進路に぀いおの考察及び各教科・科目の履修蚈画の䜜 成   2各教科・科目の履修等 教 科 科 目 教 科 科 目 䜓 育 スポヌツ抂論スポヌツⅠス ポヌツⅡスポヌツⅢスポヌ ツⅣスポヌツ⅀スポヌツⅥ スポヌツ総合挔習 ビゞュアルデザむンクラフト デザむン情報メディアデザむ ン映像衚珟環境造圢 英 語 総合英語Ⅰ総合英語Ⅱ総合 英語Ⅲ ディベヌト・ディスカッ ションⅠディベヌト・ディス カッションⅡ゚ッセむラむ ティングⅠ゚ッセむラむティ ングⅡ 音 楜 音楜理論音楜史挔奏研究 ゜ルフェヌゞュ声楜噚楜 䜜曲鑑賞研究 矎 術矎術抂論矎術史鑑賞研究 玠描構成絵画版画圫刻