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家 庭 182 活について考察し,生活設計を工夫すること。 (2)青年期の自立と家族・家庭 ア 生涯発達の視点で青年期の課題を理解するとともに,家族・家庭の機能と家族関係,家族・家庭 生活を取り巻く社会環境の変化や課題,家族・家庭と社会との関わりについて理解を深めること。 イ 家庭や地域のよりよい生活を創造するために,自己の意思決定に基づき,責任をもって行動する ことや,男女が協力して,家族の一員としての役割を果たし家庭を築くことの重要性について考察 すること。 (3)子供の生活と保育 ア 乳幼児期の心身の発達と生活,親の役割と保育,子供を取り巻く社会環境,子育て支援について 理解するとともに,乳幼児と適切に関わるための基礎的な技能を身に付けること。 イ 子供を生み育てることの意義について考えるとともに,子供の健やかな発達のために親や家族及 び地域や社会の果たす役割の重要性について考察すること。 (4)高齢期の生活と福祉 ア 高齢期の心身の特徴,高齢者を取り巻く社会環境,高齢者の尊厳と自立生活の支援や介護につい て理解するとともに,生活支援に関する基礎的な技能を身に付けること。 イ 高齢者の自立生活を支えるために,家族や地域及び社会の果たす役割の重要性について考察する こと。 (5)共生社会と福祉 ア 生涯を通して家族・家庭の生活を支える福祉や社会的支援について理解すること。 イ 家庭や地域及び社会の一員としての自覚をもって共に支え合って生活することの重要性について 考察すること。 B 衣食住の生活の自立と設計  次の (1) から (3) までの項目について,健康・快適・安全な衣食住の生活を主体的に営むために,実践 的・体験的な学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。 (1)食生活と健康 ア 次のような知識及び技能を身に付けること。 (ア) ライフステージに応じた栄養の特徴や食品の栄養的特質,健康や環境に配慮した食生活につい て理解し,自己や家族の食生活の計画・管理に必要な技能を身に付けること。 (イ) おいしさの構成要素や食品の調理上の性質,食品衛生について理解し,目的に応じた調理に必 要な技能を身に付けること。 イ 食の安全や食品の調理上の性質,食文化の継承を考慮した献立作成や調理計画,健康や環境に配 慮した食生活について考察し,自己や家族の食事を工夫すること。 (2)衣生活と健康 ア 次のような知識及び技能を身に付けること。 (ア) ライフステージや目的に応じた被服の機能と着装について理解し,健康で快適な衣生活に必要 な情報の収集・整理ができること。 (イ) 被服材料,被服構成及び被服衛生について理解し,被服の計画・管理に必要な技能を身に付け ること。 イ 被服の機能性や快適性について考察し,安全で健康や環境に配慮した被服の管理や目的に応じた 着装を工夫すること。 (3)住生活と住環境 ア ライフステージに応じた住生活の特徴,防災などの安全や環境に配慮した住居の機能について理
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家 庭 183 解し,適切な住居の計画・管理に必要な技能を身に付けること。 イ 住居の機能性や快適性,住居と地域社会との関わりについて考察し,防災などの安全や環境に配 慮した住生活や住環境を工夫すること。 C 持続可能な消費生活・環境  次の (1) から (3) までの項目について,持続可能な社会を構築するために実践的・体験的な学習活動を 通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。 (1)生活における経済の計画 ア 家計の構造や生活における経済と社会との関わり,家計管理について理解すること。 イ 生涯を見通した生活における経済の管理や計画の重要性について,ライフステージや社会保障制 度などと関連付けて考察すること。 (2)消費行動と意思決定 ア 消費者の権利と責任を自覚して行動できるよう消費生活の現状と課題,消費行動における意思決 定や契約の重要性,消費者保護の仕組みについて理解するとともに,生活情報を適切に収集・整理 できること。 イ 自立した消費者として,生活情報を活用し,適切な意思決定に基づいて行動することや責任ある 消費について考察し,工夫すること。 (3)持続可能なライフスタイルと環境 ア 生活と環境との関わりや持続可能な消費について理解するとともに,持続可能な社会へ参画する ことの意義について理解すること。 イ 持続可能な社会を目指して主体的に行動できるよう,安全で安心な生活と消費について考察し, ライフスタイルを工夫すること。 D ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動  生活上の課題を設定し,解決に向けて生活を科学的に探究したり,創造したりすることができるよう 次の事項を指導する。 ア ホームプロジェクト及び学校家庭クラブ活動の意義と実施方法について理解すること。 イ 自己の家庭生活や地域の生活と関連付けて生活上の課題を設定し,解決方法を考え,計画を立て て実践すること。  3 内容の取扱い (1)内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。 ア 内容のAからCまでについては,生活の科学的な理解を深めるための実践的・体験的な学習活動 を充実するとともに,生活の中から問題を見いだしその課題を解決する過程を重視すること。また, 現在を起点に将来を見通したり,自己や家族を起点に地域や社会へ視野を広げたりして,生活を時 間的・空間的な視点から捉えることができるよう指導を工夫すること。 イ 内容のAの (1) については,人の一生を生涯発達の視点で捉え,各ライフステージの特徴などと 関連を図ることができるよう,この科目の学習の導入として扱うこと。また,AからCまでの内容 と関連付けるとともにこの科目のまとめとしても扱うこと。 ウ 内容のAの (3) 及び (4) については,学校や地域の実態等に応じて,学校家庭クラブ活動などとの 関連を図り,乳幼児や高齢者との触れ合いや交流などの実践的な活動を取り入れるよう努めること。 (5) については,自助,共助及び公助の重要性について理解できるよう指導を工夫すること。 エ 内容のBについては,実験・実習を中心とした指導を行うこと。 なお, (1) については,栄養,食 品,調理及び食品衛生との関連を図って扱うようにすること。また,調理実習については食物アレ ルギーにも配慮すること。
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家 庭 184 オ 内容のCの指導に当たっては,A及びBの内容と相互に関連を図ることができるよう工夫するこ と。 カ 内容のDの指導に当たっては,AからCまでの学習の発展として実践的な活動を家庭や地域など で行うこと。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 内容のAの (2) のアについては,関係法規についても触れること。 (3) から (5) までについては,生 涯にわたって家族・家庭の生活を支える福祉の基本的な理念に重点を置くこと。 (4) については,認 知症などにも触れること。アについては,生活支援に関する基礎的な技能を身に付けることができ るよう体験的に学習を行うこと。 イ 内容のBの (1) のア, (2) のア及び (3) のアについては,日本と世界の衣食住に関わる文化につい ても触れること。その際,日本の伝統的な和食,和服及び和室などを取り上げ,生活文化の継承・ 創造の重要性に気付くことができるよう留意すること。 ウ 内容のCの (1) のイについては,将来にわたるリスクを想定して,不測の事態に備えた対応など についても触れること。 (2) のアについては,多様な契約やその義務と権利について取り上げるとと もに,消費者信用及びそれらをめぐる問題などを扱うこと。 (3) については,環境負荷の少ない衣食 住の生活の工夫に重点を置くこと。 第2 家庭総合  1 目 標  生活の営みに係る見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を通して,様々な人々と協働し, よりよい社会の構築に向けて,男女が協力して主体的に家庭や地域の生活を創造する資質・能力を次の とおり育成することを目指す。 (1) 人の一生と家族・家庭及び福祉,衣食住,消費生活・環境などについて,生活を主体的に営むため に必要な科学的な理解を図るとともに,それらに係る技能を体験的・総合的に身に付けるようにする。 (2) 家庭や地域及び社会における生活の中から問題を見いだして課題を設定し,解決策を構想し,実践 を評価・改善し,考察したことを科学的な根拠に基づいて論理的に表現するなど,生涯を見通して課 題を解決する力を養う。 (3) 様々な人々と協働し,よりよい社会の構築に向けて,地域社会に参画しようとするとともに,生活 文化を継承し,自分や家庭,地域の生活の充実向上を図ろうとする実践的な態度を養う。  2 内 容 A 人の一生と家族・家庭及び福祉  次の (1) から (5) までの項目について,生涯を見通し主体的に生活するために,家族や地域社会の人々 と協力・協働し,実践的・体験的な学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導す る。 (1)生涯の生活設計 ア 次のような知識及び技能を身に付けること。 (ア) 人の一生について,自己と他者,社会との関わりから様々な生き方があることを理解するとと もに,自立した生活を営むために,生涯を見通して,生活課題に対応し意思決定をしていくこと の重要性について理解を深めること。 (イ) 生活の営みに必要な金銭,生活時間などの生活資源について理解し,情報の収集・整理が適切 にできること。
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家 庭 185 イ 生涯を見通した自己の生活について主体的に考え,ライフスタイルと将来の家庭生活及び職業生 活について考察するとともに,生活資源を活用して生活設計を工夫すること。 (2)青年期の自立と家族・家庭及び社会 ア 次のような知識を身に付けること。 (ア) 生涯発達の視点から各ライフステージの特徴と課題について理解するとともに,青年期の課題 である自立や男女の平等と協力,意思決定の重要性について理解を深めること。 (イ) 家族・家庭の機能と家族関係,家族・家庭と法律,家庭生活と福祉などについて理解するとと もに,家族・家庭の意義,家族・家庭と社会との関わり,家族・家庭を取り巻く社会環境の変化 や課題について理解を深めること。 イ 家庭や地域のよりよい生活を創造するために,自己の意思決定に基づき,責任をもって行動する ことや,男女が協力して,家族の一員としての役割を果たし家庭を築くことの重要性について考察 すること。 (3)子供との関わりと保育・福祉 ア 次のような知識及び技能を身に付けること。 (ア) 乳幼児期の心身の発達と生活,子供の遊びと文化,親の役割と保育,子育て支援について理解 を深め,子供の発達に応じて適切に関わるための技能を身に付けること。 (イ) 子供を取り巻く社会環境の変化や課題及び子供の福祉について理解を深めること。 イ 子供を生み育てることの意義や,保育の重要性について考え,子供の健やかな発達を支えるため に親や家族及び地域や社会の果たす役割の重要性を考察するとともに,子供との適切な関わり方を 工夫すること。 (4)高齢者との関わりと福祉 ア 次のような知識及び技能を身に付けること。 (ア) 高齢期の心身の特徴,高齢者の尊厳と自立生活の支援や介護について理解を深め,高齢者の心 身の状況に応じて適切に関わるための生活支援に関する技能を身に付けること。 (イ) 高齢者を取り巻く社会環境の変化や課題及び高齢者福祉について理解を深めること。 イ 高齢者の自立生活を支えるために,家族や地域及び社会の果たす役割の重要性について考察し, 高齢者の心身の状況に応じた適切な支援の方法や関わり方を工夫すること。 (5)共生社会と福祉 ア 次のような知識を身に付けること。 (ア) 生涯を通して家族・家庭の生活を支える福祉や社会的支援について理解すること。 (イ) 家庭と地域との関わりについて理解するとともに,高齢者や障害のある人々など様々な人々が 共に支え合って生きることの意義について理解を深めること。 イ 家庭や地域及び社会の一員としての自覚をもって共に支え合って生活することの重要性について 考察し,様々な人々との関わり方を工夫すること。 B 衣食住の生活の科学と文化  次の (1) から (3) までの項目について,健康・快適・安全な衣食住の生活を主体的に営むために,実践 的・体験的な学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。 (1)食生活の科学と文化 ア 次のような知識及び技能を身に付けること。 (ア) 食生活を取り巻く課題,食の安全と衛生,日本と世界の食文化など,食と人との関わりについ て理解すること。 (イ) ライフステージの特徴や課題に着目し,栄養の特徴,食品の栄養的特質,健康や環境に配慮し
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家 庭 186 た食生活について理解するとともに,自己と家族の食生活の計画・管理に必要な技能を身に付け ること。 (ウ) おいしさの構成要素や食品の調理上の性質,食品衛生について科学的に理解し,目的に応じた 調理に必要な技能を身に付けること。 イ 主体的に食生活を営むことができるよう健康及び環境に配慮した自己と家族の食事,日本の食文 化の継承・創造について考察し,工夫すること。 (2)衣生活の科学と文化 ア 次のような知識及び技能を身に付けること。 (ア) 衣生活を取り巻く課題,日本と世界の衣文化など,被服と人との関わりについて理解を深める こと。 (イ) ライフステージの特徴や課題に着目し,身体特性と被服の機能及び着装について理解するとと もに,健康と安全,環境に配慮した自己と家族の衣生活の計画・管理に必要な情報の収集・整理 ができること。 (ウ) 被服材料,被服構成,被服製作,被服衛生及び被服管理について科学的に理解し,衣生活の自 立に必要な技能を身に付けること。 イ 主体的に衣生活を営むことができるよう目的や個性に応じた健康で快適,機能的な着装や日本の 衣文化の継承・創造について考察し,工夫すること。 (3)住生活の科学と文化 ア 次のような知識及び技能を身に付けること。 (ア) 住生活を取り巻く課題,日本と世界の住文化など,住まいと人との関わりについて理解を深め ること。 (イ) ライフステージの特徴や課題に着目し,住生活の特徴,防災などの安全や環境に配慮した住居 の機能について科学的に理解し,住生活の計画・管理に必要な技能を身に付けること。 (ウ) 家族の生活やライフスタイルに応じた持続可能な住居の計画について理解し,快適で安全な住 空間を計画するために必要な情報を収集・整理できること。 イ 主体的に住生活を営むことができるようライフステージと住環境に応じた住居の計画,防災など の安全や環境に配慮した住生活とまちづくり,日本の住文化の継承・創造について考察し,工夫す ること。 C 持続可能な消費生活・環境  次の (1) から (3) までの項目について,持続可能な社会を構築するために実践的・体験的な学習活動を 通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。 (1)生活における経済の計画 ア 次のような知識及び技能を身に付けること。 (ア) 家計の構造について理解するとともに生活における経済と社会との関わりについて理解を深め ること。 (イ) 生涯を見通した生活における経済の管理や計画,リスク管理の考え方について理解を深め,情 報の収集・整理が適切にできること。 イ 生涯を見通した生活における経済の管理や計画の重要性について,ライフステージごとの課題や 社会保障制度などと関連付けて考察し,工夫すること。 (2)消費行動と意思決定 ア 次のような知識及び技能を身に付けること。 (ア) 消費生活の現状と課題,消費行動における意思決定や責任ある消費の重要性について理解を深
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家 庭 187 めるとともに,生活情報の収集・整理が適切にできること。 (イ) 消費者の権利と責任を自覚して行動できるよう,消費者問題や消費者の自立と支援などについ て理解するとともに,契約の重要性や消費者保護の仕組みについて理解を深めること。 イ 自立した消費者として,生活情報を活用し,適切な意思決定に基づいて行動できるよう考察し, 責任ある消費について工夫すること。 (3)持続可能なライフスタイルと環境 ア 生活と環境との関わりや持続可能な消費について理解するとともに,持続可能な社会へ参画する ことの意義について理解を深めること。 イ 持続可能な社会を目指して主体的に行動できるよう,安全で安心な生活と消費及び生活文化につ いて考察し,ライフスタイルを工夫すること。 D ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動  生活上の課題を設定し,解決に向けて生活を科学的に探究したり,創造したりすることができるよう 次の事項を指導する。 ア ホームプロジェクト及び学校家庭クラブ活動の意義と実施方法について理解すること。 イ 自己の家庭生活や地域の生活と関連付けて生活上の課題を設定し,解決方法を考え,計画を立て て実践すること。  3 内容の取扱い (1)内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。 ア 内容のAからCまでについては,生活の科学的な理解を深めるための実践的・体験的な学習活動 を充実するとともに,生活の中から問題を見いだしその課題を解決する過程を重視すること。また, 現在を起点に将来を見通したり,自己や家族を起点に地域や社会へ視野を広げたりして,生活を時 間的・空間的な視点から捉えることができるように指導を工夫すること。 イ 内容のAの (1) については,人の一生を生涯発達の視点で捉え,各ライフステージの特徴や課題 と関連を図ることができるよう,この科目の学習の導入として扱うこと。また,AからCまでの内 容と関連付けるとともにこの科目のまとめとしても扱うこと。 ウ 内容のAの (3) については,学校や地域の実態等に応じて,学校家庭クラブ活動などとの関連を 図り,幼稚園,保育所及び認定こども園などの乳幼児,近隣の小学校の低学年の児童との触れ合い や交流の機会をもつよう努めること。 また, (4) については,学校家庭クラブ活動などとの関連を図 り,福祉施設などの見学やボランティア活動への参加をはじめ,身近な高齢者との交流の機会をも つよう努めること。 (5) については,自助,共助及び公助の重要性について理解を深めることができ るよう指導を工夫すること。 エ 内容のBについては,実験・実習を中心とした指導を行うこと。 なお, (1) については,栄養,食 品,調理及び食品衛生との関連を図って指導すること。また,調理実習については食物アレルギー にも配慮すること。 オ 内容のCの指導に当たっては,A及びBの内容と相互に関連を図ることができるよう工夫するこ と。 (2) については,消費生活に関する演習を取り入れるなど,理解を深めることができるよう努め ること。 カ 内容のDの指導に当たっては,AからCまでの学習の発展として実践的な活動を家庭や地域など で行うこと。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 内容のAの (3) については,乳幼児期から小学校の低学年までの子供を中心に扱い,子供の発達 を支える親の役割や子育てを支援する環境に重点を置くこと。 また,アの (イ) については,子供の福
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家 庭 188 祉の基本的な理念に重点を置くこと。 (4) のアの (ア) については,食事,着脱衣,移動など高齢者の 心身の状況に応じて工夫ができるよう実習を扱うこと。 (イ) については,高齢者福祉の基本的な理念 に重点を置くとともに,例えば,認知症などの事例を取り上げるなど具体的な支援方法についても 扱うこと。 イ 内容のBの (1) のアの (ア) , (2) のアの (ア) 及び (3) のアの (ア) については,和食,和服及び和室など を取り上げ,日本の伝統的な衣食住に関わる生活文化やその継承・創造を扱うこと。 (2) のアの (ウ) については,衣服を中心とした縫製技術が学習できる題材を扱うこと。 ウ 内容のCの (1) のアの (ア) については,キャッシュレス社会が家計に与える利便性と問題点を扱う こと。 (イ) については,将来にわたるリスクを想定して,不測の事態に備えた対応などについて具体 的な事例にも触れること。 (2) のアの (イ) については,多様な契約やその義務と権利を取り上げると ともに消費者信用及びそれらをめぐる問題などを扱うこと。 (3) については,生活と環境との関わり を具体的に理解させることに重点を置くこと。 第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い 1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。 (1)  単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体 的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,生活の営みに係る見方・考え方を働かせ, 知識を相互に関連付けてより深く理解するとともに,家庭や地域及び社会における生活の中から問題を 見いだして解決策を構想し,実践を評価・改善して,新たな課題の解決に向かう過程を重視した学習の 充実を図ること。 (2)   「家庭基礎」及び「家庭総合」の各科目に配当する総授業時数のうち,原則として10 分の5以上を実 験・実習に配当すること。 (3)   「家庭基礎」は,原則として,同一年次で履修させること。その際,原則として入学年次及びその次 の年次の2か年のうちに履修させること。 (4)   「家庭総合」を複数の年次にわたって分割して履修させる場合には,原則として連続する2か年にお いて履修させること。また,内容のC については,原則として入学年次及びその次の年次の2か年のう ちに取り上げること。 (5)  地域や関係機関等との連携・交流を通じた実践的な学習活動を取り入れるとともに,外部人材を活用 するなどの工夫に努めること。 (6)  障害のある生徒などについては,学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の 工夫を計画的,組織的に行うこと。 (7)  中学校技術・家庭科を踏まえた系統的な指導に留意すること。また,高等学校公民科,数学科,理科 及び保健体育科などとの関連を図り,家庭科の目標に即した調和のとれた指導が行われるよう留意する こと。 2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。 (1)  生徒が自分の生活に結び付けて学習できるよう,問題を見いだし課題を設定し解決する学習を充実す ること。 (2)  子供や高齢者など様々な人々と触れ合い,他者と関わる力を高める活動,衣食住などの生活における 様々な事象を言葉や概念などを用いて考察する活動,判断が必要な場面を設けて理由や根拠を論述した り適切な解決方法を探究したりする活動などを充実すること。 (3)  食に関する指導については,家庭科の特質を生かして,食育の充実を図ること。
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家 庭 189 (4) 各科目の指導に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワークなどの活用を図り,学習の効果を 高めるようにすること。 3 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設備の安全管理に配慮し,学習環境を 整備するとともに,火気,用具,材料などの取扱いに注意して事故防止の指導を徹底し,安全と衛生に十 分留意するものとする。
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情 報 190 第10 節 情報 第1款 目 標  情報に関する科学的な見方・考え方を働かせ,情報技術を活用して問題の発見・解決を行う学習活動を通 して,問題の発見・解決に向けて情報と情報技術を適切かつ効果的に活用し,情報社会に主体的に参画する ための資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1)  情報と情報技術及びこれらを活用して問題を発見・解決する方法について理解を深め技能を習得する とともに,情報社会と人との関わりについての理解を深めるようにする。 (2)  様々な事象を情報とその結び付きとして捉え,問題の発見・解決に向けて情報と情報技術を適切かつ 効果的に活用する力を養う。 (3)  情報と情報技術を適切に活用するとともに,情報社会に主体的に参画する態度を養う。 第2款 各 科 目 第1 情報Ⅰ  1 目 標  情報に関する科学的な見方・考え方を働かせ,情報技術を活用して問題の発見・解決を行う学習活動 を通して,問題の発見・解決に向けて情報と情報技術を適切かつ効果的に活用し,情報社会に主体的に 参画するための資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1)  効果的なコミュニケーションの実現,コンピュータやデータの活用について理解を深め技能を習得 するとともに,情報社会と人との関わりについて理解を深めるようにする。 (2)  様々な事象を情報とその結び付きとして捉え,問題の発見・解決に向けて情報と情報技術を適切か つ効果的に活用する力を養う。 (3)  情報と情報技術を適切に活用するとともに,情報社会に主体的に参画する態度を養う。  2 内 容 (1)情報社会の問題解決  情報と情報技術を活用した問題の発見・解決の方法に着目し,情報社会の問題を発見・解決する活 動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。 ア 次のような知識及び技能を身に付けること。 (ア)  情報やメディアの特性を踏まえ,情報と情報技術を活用して問題を発見・解決する方法を身に 付けること。 (イ)  情報に関する法規や制度,情報セキュリティの重要性,情報社会における個人の責任及び情報 モラルについて理解すること。 (ウ)情報技術が人や社会に果たす役割と及ぼす影響について理解すること。 イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。 (ア)  目的や状況に応じて,情報と情報技術を適切かつ効果的に活用して問題を発見・解決する方法 について考えること。 (イ)  情報に関する法規や制度及びマナーの意義,情報社会において個人の果たす役割や責任,情報 モラルなどについて,それらの背景を科学的に捉え,考察すること。
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情 報 191 (ウ) 情報と情報技術の適切かつ効果的な活用と望ましい情報社会の構築について考察すること。 (2)コミュニケーションと情報デザイン  メディアとコミュニケーション手段及び情報デザインに着目し,目的や状況に応じて受け手に分か りやすく情報を伝える活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。 ア 次のような知識及び技能を身に付けること。 (ア) メディアの特性とコミュニケーション手段の特徴について,その変遷も踏まえて科学的に理解 すること。 (イ)情報デザインが人や社会に果たしている役割を理解すること。 (ウ) 効果的なコミュニケーションを行うための情報デザインの考え方や方法を理解し表現する技能 を身に付けること。 イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。 (ア) メディアとコミュニケーション手段の関係を科学的に捉え,それらを目的や状況に応じて適切 に選択すること。 (イ) コミュニケーションの目的を明確にして,適切かつ効果的な情報デザインを考えること。 (ウ) 効果的なコミュニケーションを行うための情報デザインの考え方や方法に基づいて表現し,評 価し改善すること。 (3)コンピュータとプログラミング  コンピュータで情報が処理される仕組みに着目し,プログラミングやシミュレーションによって問 題を発見・解決する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。 ア 次のような知識及び技能を身に付けること。 (ア) コンピュータや外部装置の仕組みや特徴,コンピュータでの情報の内部表現と計算に関する限 界について理解すること。 (イ) アルゴリズムを表現する手段,プログラミングによってコンピュータや情報通信ネットワーク を活用する方法について理解し技能を身に付けること。 (ウ) 社会や自然などにおける事象をモデル化する方法,シミュレーションを通してモデルを評価し 改善する方法について理解すること。 イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。 (ア) コンピュータで扱われる情報の特徴とコンピュータの能力との関係について考察すること。 (イ) 目的に応じたアルゴリズムを考え適切な方法で表現し,プログラミングによりコンピュータや 情報通信ネットワークを活用するとともに,その過程を評価し改善すること。 (ウ) 目的に応じたモデル化やシミュレーションを適切に行うとともに,その結果を踏まえて問題の 適切な解決方法を考えること。 (4)情報通信ネットワークとデータの活用  情報通信ネットワークを介して流通するデータに着目し,情報通信ネットワークや情報システムに より提供されるサービスを活用し,問題を発見・解決する活動を通して,次の事項を身に付けること ができるよう指導する。 ア 次のような知識及び技能を身に付けること。 (ア) 情報通信ネットワークの仕組みや構成要素,プロトコルの役割及び情報セキュリティを確保す るための方法や技術について理解すること。 (イ) データを蓄積,管理,提供する方法,情報通信ネットワークを介して情報システムがサービス を提供する仕組みと特徴について理解すること。 (ウ) データを表現,蓄積するための表し方と,データを収集,整理,分析する方法について理解し
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情 報 192 技能を身に付けること。 イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。 (ア) 目的や状況に応じて,情報通信ネットワークにおける必要な構成要素を選択するとともに,情 報セキュリティを確保する方法について考えること。 (イ)情報システムが提供するサービスの効果的な活用について考えること。 (ウ) データの収集,整理,分析及び結果の表現の方法を適切に選択し,実行し,評価し改善するこ と。  3 内容の取扱い (1) 内容の (1) から (4) までについては,中学校までの情報と情報技術及び情報社会に関する学習,問題 の発見・解決に関する学習並びにデータの活用に関する学習などとの関連に配慮するものとする。 (2) 内容の (1) については,この科目の導入として位置付け, (2) から (4) までとの関連に配慮するもの とする。アの (イ) 及び (ウ) 並びにイの (イ) 及び (ウ) については,生徒が情報社会の問題を主体的に発見し 明確化し,解決策を考える活動を取り入れるものとする。 (3) 内容の (2) のアの (イ) については,身近で具体的な情報デザインの例を基に,コンピュータなどを簡 単に操作できるようにする工夫,年齢や障害の有無,言語などに関係なく全ての人にとって利用しや すくする工夫などを取り上げるものとする。 (4) 内容の (3) のアの (イ) 及びイの (イ) については,関数の定義・使用によりプログラムの構造を整理す るとともに,性能を改善する工夫の必要性についても触れるものとする。アの (ウ) 及びイの (ウ) につい ては,コンピュータを使う場合と使わない場合の双方を体験させるとともに,モデルの違いによって 結果に違いが出ることについても触れるものとする。 (5) 内容の (4) のアの (ア) 及びイの (ア) については,小規模なネットワークを設計する活動を取り入れる ものとする。アの (イ) 及びイの (イ) については,自らの情報活用の評価・改善について発表し討議する などの活動を取り入れるものとする。アの (ウ) 及びイの (ウ) については,比較,関連,変化,分類など の目的に応じた分析方法があることも扱うものとする。 第2 情報Ⅱ  1 目 標  情報に関する科学的な見方・考え方を働かせ,情報技術を活用して問題の発見・解決を行う学習活動 を通して,問題の発見・解決に向けて情報と情報技術を適切かつ効果的,創造的に活用し,情報社会に 主体的に参画し,その発展に寄与するための資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 多様なコミュニケーションの実現,情報システムや多様なデータの活用について理解を深め技能を 習得するとともに,情報技術の発展と社会の変化について理解を深めるようにする。 (2) 様々な事象を情報とその結び付きとして捉え,問題の発見・解決に向けて情報と情報技術を適切か つ効果的,創造的に活用する力を養う。 (3) 情報と情報技術を適切に活用するとともに,新たな価値の創造を目指し,情報社会に主体的に参画 し,その発展に寄与する態度を養う。  2 内 容 (1)情報社会の進展と情報技術  情報技術の発展による人や社会への影響に着目し,情報社会の進展と情報技術との関係を歴史的に 捉え,将来の情報技術を展望する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。 ア 次のような知識を身に付けること。
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情 報 193 (ア)情報技術の発展の歴史を踏まえ,情報社会の進展について理解すること。 (イ)情報技術の発展によるコミュニケーションの多様化について理解すること。 (ウ)情報技術の発展による人の知的活動への影響について理解すること。 イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。 (ア) 情報技術の発展や情報社会の進展を踏まえ,将来の情報技術と情報社会の在り方について考察 すること。 (イ) コミュニケーションが多様化する社会におけるコンテンツの創造と活用の意義について考察す ること。 (ウ) 人の知的活動が変化する社会における情報システムの創造やデータ活用の意義について考察す ること。 (2)コミュニケーションとコンテンツ  多様なコミュニケーションの形態とメディアの特性に着目し,目的や状況に応じて情報デザインに 配慮し,文字,音声,静止画,動画などを組み合わせたコンテンツを協働して制作し,様々な手段で 発信する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。 ア 次のような知識及び技能を身に付けること。 (ア) 多様なコミュニケーションの形態とメディアの特性との関係について理解すること。 (イ) 文字,音声,静止画,動画などを組み合わせたコンテンツを制作する技能を身に付けること。 (ウ) コンテンツを様々な手段で適切かつ効果的に社会に発信する方法を理解すること。 イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。 (ア) 目的や状況に応じて,コミュニケーションの形態を考え,文字,音声,静止画,動画などを選 択し,組合せを考えること。 (イ)情報デザインに配慮してコンテンツを制作し,評価し改善すること。 (ウ) コンテンツを社会に発信したときの効果や影響を考え,発信の手段やコンテンツを評価し改善 すること。 (3)情報とデータサイエンス  多様かつ大量のデータを活用することの有用性に着目し,データサイエンスの手法によりデータを 分析し,その結果を読み取り解釈する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導す る。 ア 次のような知識及び技能を身に付けること。 (ア) 多様かつ大量のデータの存在やデータ活用の有用性,データサイエンスが社会に果たす役割に ついて理解し,目的に応じた適切なデータの収集や整理,整形について理解し技能を身に付ける こと。 (イ) データに基づく現象のモデル化やデータの処理を行い解釈・表現する方法について理解し技能 を身に付けること。 (ウ) データ処理の結果を基にモデルを評価することの意義とその方法について理解し技能を身に付 けること。 イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。 (ア)目的に応じて,適切なデータを収集し,整理し,整形すること。 (イ) 将来の現象を予測したり,複数の現象間の関連を明らかにしたりするために,適切なモデル化 や処理,解釈・表現を行うこと。 (ウ) モデルやデータ処理の結果を評価し,モデル化や処理,解釈・表現の方法を改善すること。 (4)情報システムとプログラミング
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情 報 194  情報システムの在り方や社会生活に及ぼす影響,情報の流れや処理の仕組みに着目し,情報システ ムを協働して開発する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。 ア 次のような知識及び技能を身に付けること。 (ア)  情報システムにおける,情報の流れや処理の仕組み,情報セキュリティを確保する方法や技術 について理解すること。 (イ)  情報システムの設計を表記する方法,設計,実装,テスト,運用等のソフトウェア開発のプロ セスとプロジェクト・マネジメントについて理解すること。 (ウ)  情報システムを構成するプログラムを制作する方法について理解し技能を身に付けること。 イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。 (ア)  情報システム及びそれによって提供されるサービスについて,その在り方や社会に果たす役割 と及ぼす影響について考察すること。 (イ)  情報システムをいくつかの機能単位に分割して制作し統合するなど,開発の効率や運用の利便 性などに配慮して設計すること。 (ウ)  情報システムを構成するプログラムを制作し,その過程を評価し改善すること。 (5)情報と情報技術を活用した問題発見・解決の探究    「情報Ⅰ」及び「情報Ⅱ」で身に付けた資質・能力を総合的に活用し,情報と情報技術を活用して 問題を発見・解決する活動を通して,新たな価値の創造を目指し,情報と情報技術を適切かつ効果的 に活用する資質・能力を高めることができるよう指導する。  3 内容の取扱い (1)  内容の (1) については,この科目の導入として位置付けるものとする。アの (ア) については,情報セ キュリティ及び情報に関する法規や制度についても触れるものとする。また,将来の情報技術と情報 社会の在り方等について討議し発表し合うなどの活動を取り入れるものとする。 (2)  内容の (2) のアの (ア) 及びイの (ア) では,コンテンツに対する要求を整理する活動も取り入れるもの とする。アの (ウ) 及びイの (ウ) では,発信者,受信者双方の視点からコンテンツを評価する活動を取り 入れるものとする。 (3)  内容の (3) のアの (ア) については,データサイエンスによる人の生活の変化についても扱うものとす る。イの (イ) については現実のデータの活用に配慮するものとする。アの (ウ) 及びイの (ウ) については, アの (イ) 及びイの (イ) で行ったモデル化や処理,解釈・表現の結果を受けて行うようにするものとする。 (4)  内容の (4) のアの (ア) 及びイの (ア) については,社会の中で実際に稼働している情報システムを取り 上げ,それらの仕組みと関連させながら扱うものとする。 (5)  内容の (5) については,この科目のまとめとして位置付け,生徒の興味・関心や学校の実態に応じて, コンピュータや情報システムの基本的な仕組みと活用,コミュニケーションのための情報技術の活用, データを活用するための情報技術の活用,情報社会と情報技術の中から一つ又は複数の項目に関わる 課題を設定して問題の発見・解決に取り組ませるものとする。なお,学習上の必要があり,かつ効果 的と認められる場合は,指導の時期を分割することもできるものとする。 第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い 1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。 (1)  単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体 的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,情報に関する科学的な見方・考え方を働 かせ,情報と情報技術を活用して問題を発見し主体的,協働的に制作や討論等を行うことを通して解決
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情 報 195 策を考えるなどの探究的な学習活動の充実を図ること。 (2) 学習の基盤となる情報活用能力が,中学校までの各教科等において,教科等横断的な視点から育成さ れてきたことを踏まえ,情報科の学習を通して生徒の情報活用能力を更に高めるようにすること。また, 他の各教科・科目等の学習において情報活用能力を生かし高めることができるよう,他の各教科・科目 等との連携を図ること。 (3) 各科目は,原則として同一年次で履修させること。また, 「情報Ⅱ」については, 「情報Ⅰ」を履修し た後に履修させることを原則とすること。 (4) 公民科及び数学科などの内容との関連を図るとともに,教科の目標に即した調和のとれた指導が行わ れるよう留意すること。 (5) 障害のある生徒などについては,学習指導を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の 工夫を計画的,組織的に行うこと。 2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。 (1) 各科目の指導においては,情報の信頼性や信憑 ぴょう 性を見極めたり確保したりする能力の育成を図ると ともに,知的財産や個人情報の保護と活用をはじめ,科学的な理解に基づく情報モラルの育成を図るこ と。 (2) 各科目の指導においては,思考力,判断力,表現力等を育成するため,情報と情報技術を活用した問 題の発見・解決を行う過程において,自らの考察や解釈,概念等を論理的に説明したり記述したりする などの言語活動の充実を図ること。 (3) 各科目の指導においては,問題を発見し,設計,制作,実行し,その過程を振り返って評価し改善す るなどの一連の過程に取り組むことなどを通して,実践的な能力と態度の育成を図ること。 (4) 各科目の目標及び内容等に即して,コンピュータや情報通信ネットワークなどを活用した実習を積極 的に取り入れること。その際,必要な情報機器やネットワーク環境を整えるとともに,内容のまとまり や学習活動,学校や生徒の実態に応じて,適切なソフトウェア,開発環境,プログラミング言語,外部 装置などを選択すること。 (5) 情報機器を活用した学習を行うに当たっては,照明やコンピュータの使用時間などに留意するととも に,生徒が自らの健康に留意し望ましい習慣を身に付けることができるよう配慮すること。 (6) 授業で扱う具体例,教材・教具などについては,情報技術の進展に対応して適宜見直しを図ること。
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理 数 196 第11 節 理数 第1款 目 標  様々な事象に関わり,数学的な見方・考え方や理科の見方・考え方を組み合わせるなどして働かせ,探究 の過程を通して,課題を解決するために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1)  対象とする事象について探究するために必要な知識及び技能を身に付けるようにする。 (2)  多角的,複合的に事象を捉え,数学や理科などに関する課題を設定して探究し,課題を解決する力を 養うとともに創造的な力を高める。 (3)  様々な事象や課題に向き合い,粘り強く考え行動し,課題の解決や新たな価値の創造に向けて積極的 に挑戦しようとする態度,探究の過程を振り返って評価・改善しようとする態度及び倫理的な態度を養 う。 第2款 各 科 目 第1 理数探究基礎  1 目 標  様々な事象に関わり,数学的な見方・考え方や理科の見方・考え方を組み合わせるなどして働かせ, 探究の過程を通して,課題を解決するために必要な基本的な資質・能力を次のとおり育成することを目 指す。 (1)探究するために必要な基本的な知識及び技能を身に付けるようにする。 (2)多角的,複合的に事象を捉え,課題を解決するための基本的な力を養う。 (3)  様々な事象や課題に知的好奇心をもって向き合い,粘り強く考え行動し,課題の解決に向けて挑戦 しようとする態度を養う。  2 内 容  様々な事象についての探究の過程を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。 ア 次のような知識及び技能を身に付けること。 (ア)探究の意義についての理解 (イ)探究の過程についての理解 (ウ)研究倫理についての理解 (エ)観察,実験,調査等についての基本的な技能 (オ)事象を分析するための基本的な技能 (カ)探究した結果をまとめ,発表するための基本的な技能 イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。 (ア)課題を設定するための基礎的な力 (イ)数学的な手法や科学的な手法などを用いて,探究の過程を遂行する力 (ウ)探究した結果をまとめ,適切に表現する力  3 内容の取扱い (1)  実施に当たっては,次のような事象等の探究の過程を通して,内容に示す基本的な知識及び技能や 思考力,判断力,表現力等を身に付けるようにするものとする。
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理 数 197 ア 自然事象や社会事象に関すること イ 先端科学や学際的領域に関すること ウ 自然環境に関すること エ 科学技術に関すること オ 数学的事象に関すること (2) 実施に当たっては,探究した結果について,報告書などを作成させるものとする。 第2 理数探究  1 目 標  様々な事象に関わり,数学的な見方・考え方や理科の見方・考え方を組み合わせるなどして働かせ, 探究の過程を通して,課題を解決するために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 対象とする事象について探究するために必要な知識及び技能を身に付けるようにする。 (2) 多角的,複合的に事象を捉え,数学や理科などに関する課題を設定して探究し,課題を解決する力 を養うとともに創造的な力を高める。 (3) 様々な事象や課題に主体的に向き合い,粘り強く考え行動し,課題の解決や新たな価値の創造に向 けて積極的に挑戦しようとする態度,探究の過程を振り返って評価・改善しようとする態度及び倫理 的な態度を養う。  2 内 容  様々な事象について,主体的に課題を設定し探究の過程を通して,次の事項を身に付けることができ るよう指導する。 ア 次のような知識及び技能を身に付けること。 (ア)探究の意義についての理解 (イ)探究の過程についての理解 (ウ)研究倫理についての理解 (エ)観察,実験,調査等についての技能 (オ)事象を分析するための技能 (カ)探究の成果などをまとめ,発表するための技能 イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。 (ア)多角的,複合的に事象を捉え,課題を設定する力 (イ)数学的な手法や科学的な手法などを用いて,探究の過程を遂行する力 (ウ)探究の過程を整理し,成果などを適切に表現する力  3 内容の取扱い (1) 実施に当たっては,次のような事象等の探究の過程を通して,内容に示す知識及び技能や思考力, 判断力,表現力等を身に付けるようにするものとする。 ア 自然事象や社会的事象に関すること イ 先端科学や学際的領域に関すること ウ 自然環境に関すること エ 科学技術に関すること オ 数学的事象に関すること (2) 実施に当たっては,生徒の興味・関心,進路希望等に応じて, (1) のアからオまでの中から,個人又 はグループで適切な課題を設定させるものとする。
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理 数 198 (3)実施に当たっては,数学的な手法や科学的な手法などを用いるものとする。 (4)  実施に当たっては,探究の過程を振り返る機会を設け,意見交換や議論を通して,探究の質の向上 を図るものとする。 (5)  実施に当たっては,探究の成果などについて,報告書を作成させるものとする。 第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い 1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。 (1)  単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体 的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,生徒や学校,地域の実態等に応じて,生 徒が数学的な見方・考え方や理科の見方・考え方を組み合わせるなどして働かせ,様々な事象や課題に 向き合い,主体的に探究することができるよう創意工夫を生かした教育活動の充実を図ること。 (2)探究した結果や探究の成果などを発表させる機会を設けること。 (3)  各科目の指導に当たっては,数学又は理科の教師が指導を行うこと。その際,探究の質を高める観点 から,数学及び理科の教師を中心に,複数の教師が協働して指導に当たるなど指導体制を整えることに も配慮すること。 (4)  障害のある生徒などについては,学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の 工夫を計画的,組織的に行うこと。 (5)  理数に関する学科においては,原則として「理数探究」を全ての生徒に履修させるものとすること。 2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。 (1)  探究の過程における観察,実験などの内容やその中で生じた疑問,それに対する自らの思考の過程な どを記録させること。 (2)   「理数探究基礎」の内容のイの (イ) 及び「理数探究」の内容のイの (イ) の「数学的な手法」を用いる探 究の過程に関して,生徒の学習状況に応じ,様々な事象を数式などを用いて分析する数学的モデルをつ くり探究することも行われるよう配慮すること。 (3)  生命を尊重し,自然環境の保全に寄与する態度の育成を図ること。また,環境問題や科学技術の進歩 と人間生活に関わる内容等については,持続可能な社会をつくることの重要性も踏まえながら,科学的 な見地から取り扱うこと。 (4)研究倫理などに十分配慮すること。 (5)  観察,実験などの過程での情報の収集・検索,計測・制御,結果の集計・処理などにおいて,コンピ ュータや情報通信ネットワークなどを積極的かつ適切に活用すること。 (6)  観察,実験,野外観察などの体験的な学習活動を充実させること。また,環境整備に十分配慮するこ と。 (7)  大学や研究機関,博物館や科学学習センターなどと積極的に連携,協力を図るようにすること。 (8)  観察,実験,野外観察などの指導に当たっては,関連する法規等に従い,事故防止に十分留意すると ともに,使用薬品などの管理及び廃棄についても適切な措置を講ずること。 (9)  理数に関する学科においては, 「理数探究基礎」及び「理数探究」の指導に当たり,観察,実験などの 結果を分析し解釈して自らの考えを導き出し,それらを表現するなどの学習活動を充実すること。特に, 「理数探究」の指導に当たっては,課題の設定や振り返りの機会を工夫するなどして一層の探究の質の 向上を図ること。
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農 業 199 第3章 主として専門学科において開設される各教科 第1節 農業 第1款 目 標  農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,農業や農業関連産業 を通じ,地域や社会の健全で持続的な発展を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成すること を目指す。 (1)  農業の各分野について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2)  農業に関する課題を発見し,職業人に求められる倫理観を踏まえ合理的かつ創造的に解決する力を養 う。 (3)  職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を目指して自ら学び,農業の振興や社 会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。 第2款 各 科 目 第1 農業と環境  1 目 標  農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,農業の各分野で 活用する基礎的な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1)  農業と環境について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2)  農業と環境に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決 する力を養う。 (3)  農業と環境について基礎的な知識と技術が農業の各分野で活用できるよう自ら学び,農業の振興や 社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)   「農業と環境」とプロジェクト学習 ア 農業学習の特質 イ プロジェクト学習の方法と進め方 (2)暮らしと農業 ア 食料と農業 イ 自然環境と農業 ウ 環境保全と農業 エ 生活文化と農業 オ 農業の動向と展望 (3)農業生産の基礎 ア 農業生物の種類と特性
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農 業 200 イ 農業生物の育成と環境要素 ウ 農業生産の計画と工程管理・評価 エ 農業生物の栽培・飼育 (4)農業と環境のプロジェクト (5)学校農業クラブ活動  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 農業の社会的な役割と環境や暮らしとの関わりについて,地域農業の見学や地域環境の調査及び 統計資料の分析など具体的な学習を通して理解できるよう留意して指導するとともに,地域の実態 や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。 イ 〔指導項目〕 の (1) については,農業学習の特質とプロジェクト学習の意義やその進め方について 身近な事例を通して理解させ,生徒の興味・関心が高まるよう工夫して指導すること。 ウ 〔指導項目〕 の (3) については,農業生物の特性や育成環境との相互関係,具体的な栽培計画,農 業生産工程管理などを基礎的な実験・実習を通して学習できるようにすること。 エ 〔指導項目〕 の (4) については,プロジェクト学習を通して,科学的な見方・考え方を働かせ,農 業の各分野に関する学習への興味・関心が高まるよう工夫して指導すること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) については,農業学習の特質とプロジェクト学習の進め方について,身近な事 例を扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) については,社会や産業全体の課題及びその解決のために農業が果たしている 役割,働くことの社会的意義や役割,職業人に求められる倫理観についても取り上げること。また, 農業が有する生命を育むという生命倫理についても扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) については,農業生物の生理・生態的な特性,気象・土壌・生物などの環境要 素やそれらの相互関係及び農業生産工程管理などを扱うこと。 エ 〔指導項目〕の (4) については,学科の特色や地域性を考慮した題材を扱うこと。 オ 〔指導項目〕 の (5) については,学校農業クラブ活動の目標,内容,組織などについて各種活動を 通して実践的に扱うとともに,プロジェクト学習の成果を発表する機会を設けること。 第2 課題研究  1 目 標  農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,社会を支え産業 の発展を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 農業の各分野について体系的・系統的に理解するとともに,相互に関連付けられた技術を身に付け るようにする。 (2) 農業に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として解決策を探究し,科学的な根拠 に基づいて創造的に解決する力を養う。 (3) 課題を解決する力の向上を目指して自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組 む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕
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農 業 201 (1)調査,研究,実験 (2)作品製作等 (3)産業現場等における実習 (4)職業資格の取得 (5)学校農業クラブ活動  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 生徒の興味・関心,進路希望等に応じて, 〔指導項目〕 の (1) から (5) までの中から,個人又はグル ープで農業に関する適切な課題を設定し,主体的かつ協働的に取り組む学習活動を通して,専門的 な知識,技術などの深化・総合化を図り,農業に関する課題の解決に取り組むことができるように すること。なお,課題については, (1) から (5) までの2項目以上にまたがるものを設定することが できること。 イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるようにすること。 第3 総合実習  1 目 標  農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,農業の各分野の 改善を図る実践的な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 農業を総合的に捉え体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2) 農業に関する総合的な課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解 決する力を養う。 (3) 農業の総合的な経営や管理につながる知識や技術が身に付くよう自ら学び,農業の振興や社会貢献 に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)栽培と飼育,環境等に関する基礎的な実習 (2)農業の各分野に関する総合的な実習 ア 農業の総合的な知識と技術 イ 経営と管理の手法 (3)農業の産業現場等における総合的な実習 ア 農業の総合的な知識と技術 イ 経営と管理の手法 (4)学校農業クラブ活動  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 農業科に属する各科目の学習と関連付け,総合的な知識と技術の習得につながるよう留意して指 導すること。なお,実験・実習中の安全を確保するとともに,学習のねらいを明確にするなど課題 解決へつながるようにすること。 イ 〔指導項目〕 の (3) については,経営や管理の改善を図る実践的な能力と態度を育むようにすると ともに,先進的な地域や外部機関等との連携に配慮すること。
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農 業 202 ウ 〔指導項目〕 の (4) については,農業の各分野の学習を基に,学校農業クラブ活動における自主的 な研究活動を通して,技術及び経営と管理を体験的に理解させ,実践的な能力と態度を育むよう工 夫して指導すること。なお,地域の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (2) については,農業の各分野の技術,経営と管理手法及びその活用について,基 礎的な内容を総合的に扱うこと。その際,農業生産工程管理についても実践的に扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (3) については,産業現場等において,農業の各分野の技術,経営と管理手法及び その活用について,実践的な内容を総合的に扱うこと。 第4 農業と情報  1 目 標  農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,農業に関する情 報を主体的に活用するために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 農業に関する情報について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるように する。 (2) 農業情報の活用に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に 解決する力を養う。 (3) 農業に関する情報について主体的に調査・分析・活用ができるよう自ら学び,農業の振興や社会貢 献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)産業社会と情報 ア 産業社会における情報の意義 イ 農業における情報の役割と課題 ウ 情報モラルとセキュリティ管理 (2)農業に関する情報手段 ア ハードウェアとソフトウェア イ 農業の各分野における情報の役割 ウ 情報メディアとデータ (3)農業に関する情報の分析と活用 ア 情報通信ネットワーク イ 生産,加工,流通,経営のシステム化 ウ 農業情報の分析と活用 (4)農業学習と情報活用  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 産業社会における情報の意義を理解させ,農業の各分野における先進技術や革新技術を題材とし た探究的な学習活動を通して,創造的思考をもてるよう留意して指導すること。なお,生徒の実態 や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。 イ 〔指導項目〕 の (1) については,農業分野を中心に産業社会における情報の活用の具体的な事例を
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農 業 203 取り上げ,情報の意義を理解させ,農業の各分野における情報の役割や情報を適切に扱うことへの 責任などについて関心をもたせるよう工夫して指導すること。 ウ 〔指導項目〕の (2) 及び (3) については,実習や産業現場の見学などを通して,農業の各分野にお いて,情報と情報手段を適切かつ効果的に活用する能力を育むようにすること。また,農業技術の 先進的な事例を基に農業経営の発展に向けた探究的な学習活動を取り入れるなど,農業科に属する 他の科目との関連を図るようにすること。 エ 〔指導項目〕の (2) のア及び (3) のイについては,農業生産及び経営管理などへの効率的な利用を 見通して,基礎的なプログラミングなどを含むソフトウェアの活用について理解できるよう工夫し て指導すること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (2) については,農業の各分野で導入されている情報機器の種類や利用方法,農業 情報の活用場面に適したソフトウェアや情報メディアについて扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (3) については,情報通信ネットワークを介して流通するデータの種類,情報通信 ネットワークや情報システムがサービスを提供する仕組みと特徴について実際の事例を取り上げる こと。情報システムによる問題解決の方法については,モデル化,シミュレーションなど基礎的な 内容を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕の (4) については,農業情報を活用したプロジェクト学習などを扱うこと。 第5 作物  1 目 標  農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,作物の生産と経 営に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 作物の生産と経営について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるように する。 (2) 作物の生産と経営に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的 に解決する力を養う。 (3) 作物の生産と経営について生産性や品質の向上が経営発展へつながるよう自ら学び,農業の振興や 社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1) 「作物」とプロジェクト学習 ア 作物生産と経営に関するプロジェクト学習の意義 イ プロジェクト学習の進め方 (2)作物生産の役割と動向 ア 作物生産の役割 イ 生活と作物の利用 ウ 作物の流通と需給の動向 (3)作物の特性と栽培技術 ア 作物の種類と特徴 イ 作物の生育と生理
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農 業 204 ウ 栽培環境と生育の調節 エ 品種改良と繁殖 (4)作物の栽培と管理・評価 ア 品種の特性と選び方 イ 作型と栽培計画 ウ 栽培管理 エ 商品化と生産物の管理・評価 オ 機械・施設の利用 (5)作物の生産と経営 ア 生産目標と経営計画 イ 生産工程の管理 ウ 流通と販売 エ 地域環境に配慮した作物生産 (6)作物生産と経営の実践  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 作物の生産から消費,経営までの仕組みと作物の利用形態を理解できるよう留意して指導するこ と。また,プロジェクト学習では観察や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,作 物生産に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域農業の実態や学科の特色等に応じて, 適切な題材を選定すること。 イ 〔指導項目〕の (1) については,科目学習の導入として扱うこと。また, (6) については, (1) を踏 まえ, (2) から (5) までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ 創造的に学習を進めるように扱うこと。 イ 〔指導項目〕の (2) については,作物の生産及び需給の動向について基礎的な内容を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) については,生育過程,生理作用,栽培環境と生育の調節や環境に配慮した作 物栽培の技術について基礎的な仕組みを扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) については,品種の選定,栽培計画の立案,生育段階に応じた栽培管理,商品 化と生産物の管理・評価などについて体系的に扱うこと。 オ 〔指導項目〕 の (5) については,生産目標の設定と経営計画の立案,農業生産工程管理,販売方法 の工夫,生産費や流通手段などについて基礎的な内容を扱うこと。 カ 〔指導項目〕 の (6) については,作物経営に関する実践的な活動を行うこと。 なお,起業や六次産 業化に関わる内容についても扱うこと。 第6 野菜  1 目 標  農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,野菜の生産と経 営に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 野菜の生産と経営について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるように する。
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農 業 205 (2) 野菜の生産と経営に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的 に解決する力を養う。 (3) 野菜の生産と経営について生産性や品質の向上が経営発展へつながるよう自ら学び,農業の振興や 社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1) 「野菜」とプロジェクト学習 ア 野菜生産と経営に関するプロジェクト学習の意義 イ プロジェクト学習の進め方 (2)野菜生産の役割と動向 ア 野菜生産の役割 イ 生活と野菜の利用 ウ 野菜の流通と需給の動向 (3)野菜の特性と栽培技術 ア 野菜の種類と特徴 イ 野菜の生育と生理 ウ 栽培環境と生育の調節 エ 品種改良と繁殖 (4)野菜の栽培と管理・評価 ア 品種の特性と選び方 イ 作型と栽培計画 ウ 栽培管理 エ 商品化と生産物の管理・評価 オ 機械・施設の利用 (5)野菜の生産と経営 ア 生産目標と経営計画 イ 生産工程の管理 ウ 流通と販売 エ 地域環境に配慮した野菜生産 (6)野菜生産と経営の実践  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 野菜の生産から消費,経営までの仕組みと野菜の利用形態を理解できるよう留意して指導するこ と。また,プロジェクト学習では観察や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,野 菜生産に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域農業の実態や学科の特色等に応じて, 適切な題材を選定すること。 イ 〔指導項目〕の (1) については,科目学習の導入として扱うこと。また, (6) については, (1) を踏 まえ, (2) から (5) までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ 創造的に学習を進めるように扱うこと。
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農 業 206 イ 〔指導項目〕の (2) については,野菜の生産及び需給の動向について基礎的な内容を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) については,生育過程,生理作用,栽培環境と生育の調節や環境に配慮した野 菜栽培の技術について基礎的な仕組みを扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) については,品種の選定,栽培計画の立案,生育段階に応じた栽培管理,商品 化と生産物の管理・評価などについて体系的に扱うこと。 オ 〔指導項目〕 の (5) については,生産目標の設定と経営計画の立案,農業生産工程管理,販売方法 の工夫,生産費や流通手段などについて基礎的な内容を扱うこと。 カ 〔指導項目〕 の (6) については,野菜経営に関する実践的な活動を行うこと。 なお,起業や六次産 業化に関わる内容についても扱うこと。 第7 果樹  1 目 標  農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,果実の生産と経 営に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 果実の生産と経営について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるように する。 (2) 果実の生産と経営に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的 に解決する力を養う。 (3) 果実の生産と経営について生産性や品質の向上が経営発展へつながるよう自ら学び,農業の振興や 社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1) 「果樹」とプロジェクト学習 ア 果実生産と経営に関するプロジェクト学習の意義 イ プロジェクト学習の進め方 (2)果実生産の役割と動向 ア 果実生産の役割 イ 生活と果実の利用 ウ 果実の流通と需給の動向 (3)果樹の特性と栽培技術 ア 果樹の種類と特徴 イ 果樹の生育と生理 ウ 栽培環境と生育の調節 エ 品種改良と繁殖 (4)果樹の栽培と管理・評価 ア 品種の特性と選び方 イ 作型と栽培計画 ウ 栽培管理 エ 商品化と生産物の管理・評価 オ 機械・施設の利用
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農 業 207 (5)果実の生産と経営 ア 生産目標と経営計画 イ 生産工程の管理 ウ 流通と販売 エ 地域環境に配慮した果実生産 (6)果実生産と経営の実践  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 果実の生産から消費,経営までの仕組みと果実の利用形態を理解できるよう留意して指導するこ と。また,プロジェクト学習では観察や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,果 実生産に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域農業の実態や学科の特色等に応じて, 適切な題材を選定すること。 イ 〔指導項目〕の (1) については,科目学習の導入として扱うこと。また, (6) については, (1) を踏 まえ, (2) から (5) までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ 創造的に学習を進めるように扱うこと。 イ 〔指導項目〕の (2) については,果実の生産及び需給の動向について基礎的な内容を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) については,生育過程,生理作用,栽培環境と生育の調節や環境に配慮した果 樹栽培の技術について基礎的な仕組みを扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) については,品種の選定,栽培計画の立案,生育段階に応じた栽培管理,商品 化と生産物の管理・評価などについて体系的に扱うこと。 オ 〔指導項目〕 の (5) については,生産目標の設定と経営計画の立案,農業生産工程管理,販売方法 の工夫,生産費や流通手段などについて基礎的な内容を扱うこと。 カ 〔指導項目〕 の (6) については,果樹経営に関する実践的な活動を行うこと。 なお,起業や六次産 業化に関わる内容についても扱うこと。 第8 草花  1 目 標  農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,草花の生産と経 営に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 草花の生産と経営について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるように する。 (2) 草花の生産と経営に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的 に解決する力を養う。 (3) 草花の生産と経営について生産性や品質の向上が経営発展へつながるよう自ら学び,農業の振興や 社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1) 「草花」とプロジェクト学習
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農 業 208 ア 草花生産と経営に関するプロジェクト学習の意義 イ プロジェクト学習の進め方 (2)草花生産の役割と動向 ア 草花生産の役割 イ 生活と草花の利用 ウ 草花の流通と需給の動向 (3)草花の特性と栽培技術 ア 草花の種類と特徴 イ 草花の生育と生理 ウ 栽培環境と生育の調節 エ 品種改良と繁殖 (4)草花の栽培と管理・評価 ア 品種の特性と選び方 イ 作型と栽培計画 ウ 栽培管理 エ 商品化と生産物の管理・評価 オ 機械・施設の利用 (5)草花の生産と経営 ア 生産目標と経営計画 イ 生産工程の管理 ウ 流通と販売 エ 地域環境に配慮した草花生産 (6)草花生産と経営の実践  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 草花の生産から消費,経営までの仕組みと草花の利用形態を理解できるよう留意して指導するこ と。また,プロジェクト学習では観察や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,草 花生産に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域農業の実態や学科の特色等に応じて, 適切な題材を選定すること。 イ 〔指導項目〕の (1) については,科目学習の導入として扱うこと。また, (6) については, (1) を踏 まえ, (2) から (5) までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ 創造的に学習を進めるように扱うこと。 イ 〔指導項目〕の (2) については,草花の生産及び需給の動向について基礎的な内容を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) については,生育過程,生理作用,栽培環境と生育の調節や環境に配慮した草 花栽培の技術について基礎的な仕組みを扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) については,品種の選定,栽培計画の立案,生育段階に応じた栽培管理,商品 化と生産物の管理・評価などについて体系的に扱うこと。 オ 〔指導項目〕 の (5) については,生産目標の設定と経営計画の立案,農業生産工程管理,販売方法 の工夫,生産費や流通手段などについて基礎的な内容を扱うこと。 カ 〔指導項目〕 の (6) については,草花経営に関する実践的な活動を行うこと。 なお,起業や六次産
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農 業 209 業化に関わる内容についても扱うこと。 第9 畜産  1 目 標  農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,家畜の飼育と畜 産経営に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 家畜の飼育と畜産経営について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるよ うにする。 (2) 家畜の飼育と畜産経営に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創 造的に解決する力を養う。 (3) 家畜の飼育と畜産経営について生産性や品質の向上が経営発展へつながるよう自ら学び,農業の振 興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1) 「畜産」とプロジェクト学習 ア 畜産に関するプロジェクト学習の意義 イ プロジェクト学習の進め方 (2)畜産の役割と動向 ア 畜産の役割 イ 生活と家畜・畜産物の利用 ウ 畜産物の流通と需給の動向 (3)家畜の特性と飼育技術 ア 家畜の種類と特徴 イ 家畜の発育と生理・生態 ウ 飼育環境の調節 (4)家畜の飼育と管理・評価 ア 品種の特性と選び方 イ 家畜の改良 ウ 繁殖計画と管理 エ 飼育計画と管理 オ 家畜と飼料 カ 家畜の病気と予防 キ 家畜・畜産物の商品化と管理・評価 ク 畜舎と機械・施設の利用 (5)畜産と経営 ア 生産目標と経営計画 イ 生産工程の管理 ウ 流通と販売 エ 地域環境に配慮した畜産 (6)家畜の飼育と畜産経営の実践
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農 業 210  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 畜産物の生産から消費,家畜経営までの仕組みを理解できるよう留意して指導すること。また, プロジェクト学習では観察や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,畜産に関する 実践力が身に付くようにすること。なお,地域農業の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を 選定すること。 イ 〔指導項目〕の (1) については,科目学習の導入として扱うこと。また, (6) については, (1) を踏 まえ, (2) から (5) までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ 創造的に学習を進めるように扱うこと。 イ 〔指導項目〕の (2) については,畜産物の生産及び需給の動向について基礎的な内容を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) については,家畜の発育過程や生理・生態,飼育環境の調節や環境に配慮した 家畜の飼育技術,危害分析・重要管理点方式の考え方を取り入れた飼養衛生管理技術などについて 基礎的な仕組みを扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) については,品種の選定,繁殖計画の立案と管理,飼育計画の立案,発育段階 に応じた飼育管理,家畜の飼料と病気,商品化と生産物の管理,発育成績や繁殖成績に基づく評価 などについて体系的に扱うこと。 オ 〔指導項目〕 の (5) については,生産目標の設定と経営計画の立案,農業生産工程管理,販売方法 の工夫,生産費や流通手段などについて基礎的な内容を扱うこと。また,安全な食品を供給するた めの食品トレーサビリティシステムについても扱うこと。 カ 〔指導項目〕 の (6) については,畜産経営に関する実践的な活動を行うこと。 なお,起業や六次産 業化に関わる内容についても扱うこと。 第10 栽培と環境  1 目 標  農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,栽培植物の育成 環境の調整・管理に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 栽培と環境について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2) 栽培と環境に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決 する力を養う。 (3) 栽培と環境について農業生物の栽培や管理に応用できるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主 体的かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1) 「栽培と環境」とプロジェクト学習 ア 栽培と環境に関するプロジェクト学習の意義 イ プロジェクト学習の進め方 (2)栽培と環境の診断・実験の方法 ア 調査と観察
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農 業 211 イ 生育と環境の診断 ウ 実験と検証 (3)栽培植物と環境要素 ア 環境の要素 イ 物質の循環 ウ 栽培技術と環境 (4)栽培植物の育成環境 ア 気象と災害対策 イ 土壌の管理と改良 ウ 肥料の性質と施肥の方法 エ 農薬の特性と防除の方法 オ 施設型農業の栽培環境 (5)環境に配慮した栽培の実践  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 「作物」 , 「野菜」 , 「果樹」 , 「草花」 などの科目と関連付けて指導計画を作成するとともに, 〔指導 項目〕の (1) から (5) まで横断的に学習できるようにすること。 イ 〔指導項目〕の (1) については,科目学習の導入として扱うこと。また, (5) については, (1) を踏 まえ, (2) から (4) までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。 ウ 〔指導項目〕の (2) については,調査と観察,診断の方法,各種の実験と検証の方法を理解させ, 科学的な見方と実践力が身に付くよう工夫して指導すること。 また, (3) については,栽培植物の種 類と特性に応じた育成管理と環境要素との関係について理解できるよう工夫して指導すること。 (4) については,栽培のプロジェクト学習を通して,実践的・体験的に取り組めるようにすること。施 設型農業については,施設内の栽培環境と環境制御について理解できるよう工夫して指導すること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕の (1) については, 「作物」 , 「野菜」 , 「果樹」 , 「草花」などの科目と関連付けながら, 科目全体で科学的かつ創造的に学習を進めるように扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) については,栽培植物の育成と環境要素に関する実験,調査,観察,診断など の方法と進め方について基礎的な内容を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) については,栽培植物の育成に関わる環境要素の役割や物質循環,栽培技術と 環境との相互関係について基礎的な内容を扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) については,栽培管理における環境要素の活用や,環境に配慮した栽培管理の 方法,農業生産工程管理やポジティブリスト制度,生態的な防除の方法など具体的な内容を扱うこ と。 オ 〔指導項目〕 の (5) については,環境に配慮した栽培技術を踏まえ,環境の保全や創造に関する地 域や学校での実践的な活動を行うこと。 第11 飼育と環境  1 目 標  農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,飼育動物の育成 環境の調整・管理に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
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農 業 212 (1) 飼育と環境について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2) 飼育と環境に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決 する力を養う。 (3) 飼育と環境について農業生物の飼育や管理に応用できるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主 体的かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1) 「飼育と環境」とプロジェクト学習 ア 飼育と環境に関するプロジェクト学習の意義 イ プロジェクト学習の進め方 (2)飼育の目的と現状 ア 飼育の目的 イ 飼育の現状と動向 (3)飼育と環境 ア 動物の種類と特性 イ 発育と環境 ウ 衛生と環境 (4)飼育技術と管理・評価 ア 飼育と管理・評価 イ 飼料と管理 ウ 動物バイオテクノロジーと繁殖技術 (5)飼育の実践  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 「畜産」 などの科目と関連付けて指導計画を作成するとともに, 〔指導項目〕 の (1) から (5) まで横 断的に学習できるようにすること。 イ 〔指導項目〕の (1) については,科目学習の導入として扱うこと。また, (5) については, (1) を踏 まえ, (2) から (4) までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕の (1) については, 「畜産」などの科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ創造 的に学習を進めるように扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) については,飼育目的ごとの動物の利活用の概要について基礎的な内容を扱う こと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) については,動物の発育過程や生理・生態,飼育環境の調節,環境に配慮した 動物の飼育技術や飼料生産,健康な動物を飼育するための飼養衛生管理技術などについて基礎的な 内容を扱うこと。なお,必要に応じて,農業生産工程管理や危害分析・重要管理点方式などについ ても扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) については,それぞれの飼育目的に応じた動物の役割や飼育管理の方法,動物 実験の基礎について体系的な内容を扱うこと。 オ 〔指導項目〕 の (5) については,動物の飼育や実験,畜産経営の深化などに関する実践的な活動を 行うこと。
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農 業 213 第12 農業経営  1 目 標  農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,農業経営とマー ケティングに必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 農業経営について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2) 農業経営に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決す る力を養う。 (3) 農業経営のマネジメントやマーケティングが経営発展へつながるよう自ら学び,農業の振興や社会 貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1) 「農業経営」とプロジェクト学習 ア 農業経営に関するプロジェクト学習の意義 イ プロジェクト学習の進め方 (2)農業の動向と農業経営 ア 我が国と世界の農業 イ 農業経営の動向 ウ 食料・農業・農村政策と関係法規 エ 農産物消費の動向と社会経済環境 (3)農業のマネジメント ア 農業マネジメントの概要 イ 組織のマネジメント ウ 人材のマネジメント エ 会計のマネジメント (4)農業のマーケティング ア 農業マーケティングの概要 イ 農業のマーケティング戦略 ウ 農産物のブランド化 (5)農業経営とマーケティングの活動 ア 市場調査・環境分析 イ 農業の起業計画・マーケティング戦略の策定 ウ 農業経営の実践と評価 (6)農業経営とマーケティングの実践  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 農業経営とマーケティングの基本的な内容について,学校農場の経営に関する事例を通して理解 させ,農業経営者の先進的な実践に触れるよう留意して指導すること。なお,地域の実態や学科の 特色等に応じて,適切な題材を選定すること。 イ 〔指導項目〕の (1) については,科目学習の導入として扱うこと。また, (6) については, (1) を踏
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農 業 214 まえ, (2) から (5) までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ 創造的に学習を進めるように扱うこと。 イ 〔指導項目〕の (2) については,グローバル化,消費者ニーズの多様化などに関わる消費者と農 業・食とをめぐる課題や社会構造の変化に着目し,六次産業化や農産物の輸出入などに関する農業 経営の動向を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) については,農業協同組合や生産組合の事業,農業生産組織や農地所有適格法 人の運営及び経営について,簿記などの内容を踏まえた基礎的な内容を扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) については,顧客の視点から見た農産物の価値の創造やマーケティングを実践 する過程について,マーケティング戦略の視点から扱うこと。また, (4) 及び (5) については,マー ケティングや経営管理に取り組むプロジェクト学習を扱うこと。 オ 〔指導項目〕 の (6) については,農業経営とマーケティングに関する実践的な活動を行うこと。 な お,起業や六次産業化に関わる内容についても扱うこと。 第13 農業機械  1 目 標  農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,農業機械の取り 扱いと維持管理に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 農業機械について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2) 農業機械に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決す る力を養う。 (3) 農業機械について特性を理解し,効率的な利用へつながるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に 主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)農業機械の役割 ア 農業機械化の意義 イ 農業機械の利用と現状 (2)農業機械の構造と操作 ア 原動機 イ トラクタ ウ 作業機 エ 燃料と潤滑油 (3)農業機械と安全 ア 農作業と安全 イ 農業機械の安全な取扱い (4)農業生産における農業機械の利用 ア 農業機械の効率的利用 イ 農作業体制の変化と機械の利用
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農 業 215 ウ 農業機械化体系の作成 (5)農業機械化の展望 ア 農作業の自動化・機械化 イ 農業機械の高度化・実用化  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 農業機械の構造と作業特性の相互関係から機械の点検や整備及び操作方法について理解できるよ う留意して指導すること。また,実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,農業機械 の維持管理を図る実践力が身に付くようにすること。なお,地域農業の実態や学科の特色等に応じ て,適切な題材を選定すること。 イ 機械及び燃料の安全な取扱いについて指導し,事故の防止に努めること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) については,農業機械の利用の現状及び農業の生産性の向上と機械化との相互 関係,農業の機械化に伴う今後の課題について扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) については,原動機・トラクタ・作業機の構造と種類,正しい操作技術,点検 や整備の方法,トラクタと作業機のマッチングや接続の原理についての基礎的な内容を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) については,農業機械の安全な取扱いや操作方法などの基礎的な内容を扱うこ と。 エ 〔指導項目〕 の (4) については,学校農場や地域農業の身近な事例を取り上げて,機械の作業効率 や利用経費など農業機械の効率的な利用と経営形態や目的に応じた機械の導入及び利用を考慮した 農業機械化体系の作成を扱うこと。 オ 〔指導項目〕 の (5) については,自動制御機器や人工知能などの技術の進展に対応した題材を取り 上げ,その活用について基礎的な内容を扱うこと。 第14 植物バイオテクノロジー  1 目 標  農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,植物に関するバ イオテクノロジーを農業の各分野で活用するために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指 す。 (1) 植物バイオテクノロジーについて体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付ける ようにする。 (2) 植物バイオテクノロジーに関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ 創造的に解決する力を養う。 (3) 植物バイオテクノロジーについて特質を理解し,農業の各分野で活用できるよう自ら学び,農業の 振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1) 「植物バイオテクノロジー」とプロジェクト学習 ア 植物バイオテクノロジーに関するプロジェクト学習の意義 イ プロジェクト学習の進め方
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農 業 216 (2)バイオテクノロジーの意義と役割 ア バイオテクノロジーの意義 イ 産業社会とバイオテクノロジー (3)植物バイオテクノロジーの特質と基本操作 ア 植物の構造と機能 イ 無菌操作の基本 (4)植物の増殖能力の利用 ア 組織培養の目的と技術体系 イ 培地の組成と調整 ウ 培養植物体の生育と環境 エ 野菜や草花への活用 オ 果樹や作物への活用 カ バイオテクノロジーの活用実態 (5)植物バイオテクノロジーの展望 ア 植物の遺伝情報の利用 イ バイオマス・エネルギーの利用 ウ 産業社会とバイオテクノロジーの動向 (6)植物バイオテクノロジーの実践  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 植物バイオテクノロジー技術を農業の各分野に活用する仕組みやその役割について理解できるよ う留意して指導すること。また,プロジェクト学習では観察や実験・実習を通して,科学的かつ創 造的に学習を進め,植物バイオテクノロジー技術の活用に関する実践力が身に付くようにすること。 なお,地域農業の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。 イ 〔指導項目〕の (1) については,科目学習の導入として扱うこと。また, (6) については, (1) を踏 まえ, (2) から (5) までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。 ウ 〔指導項目〕の (5) 及び (6) について,遺伝子組換えを扱う際には,適切な拡散防止の措置を講じ るなど安全に十分留意して指導し,雑菌による機器や施設などの汚染防止を図ること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ 創造的に学習を進めるように扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) については,植物の繁殖などの機能を利用するバイオテクノロジーの技術体系 及び農業などの産業各分野における利用の概要を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) については,茎頂など植物の組織・器官の構造と機能,植物ホルモンの作用及 び無菌的条件の設定も扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) については,植物細胞の分化全能性,培地の調整,組織培養及び培養植物体の 順化,育成を中心に扱うこと。カについては,地域の野菜や草花など身近な植物や貴重な遺伝資源 植物の種苗生産や品種改良などの具体的な実践を扱うこと。 オ 〔指導項目〕 の (5) については,細胞融合や遺伝子組換えなどの遺伝情報及びバイオマス・エネル ギーの利用など,植物バイオテクノロジーに関する今後の動向,課題及び可能性について基礎的な 内容を扱うこと。 カ 〔指導項目〕 の (6) については,植物バイオテクノロジーの技術を活用した農業の各分野での種苗
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農 業 217 生産や品種改良,絶滅危惧植物の保護や環境保全などに関する実践的な活動を行うこと。 第15 食品製造  1 目 標  農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,食品製造に必要 な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 食品製造について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2) 食品製造に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決す る力を養う。 (3) 食品製造について生産性や品質の向上が経営発展へつながるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献 に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1) 「食品製造」とプロジェクト学習 ア 食品製造に関するプロジェクト学習の意義 イ プロジェクト学習の進め方 (2)食品産業の現状と動向 ア 食品産業の現状 イ 食品産業の動向 (3)製造原理と原材料特性 ア 食品加工の原理 イ 原材料の特性と加工 (4)食品の安全と品質表示 ア 食品の安全性 イ 食品の衛生 ウ 食品の貯蔵 エ 食品の包装と品質表示 (5)機械と装置の利用 ア 製造用の機械と装置の利用 イ ボイラと冷却装置の利用 (6)生産工程の管理と改善 ア 品質管理 イ 作業体系の改善 (7)食品の製造実習 ア 穀物,小麦粉 イ 豆類,イモ類 ウ 野菜,果実 エ 畜産物 オ 発酵食品 (8)食品製造の実践
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農 業 218  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 農業生産,食品製造から流通・消費までの食料供給の仕組みを理解できるよう留意して指導する こと。また,プロジェクト学習では観察や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め, 食品製造技術の活用に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域農業の実態や学科の特 色等に応じて,適切な題材を選定すること。 イ 〔指導項目〕の (1) については,科目学習の導入として扱うこと。また, (8) については, (1) を踏 まえ, (2) から (7) までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。 ウ 〔指導項目〕の (4) から (8) までについては,食品衛生上の危害発生の防止と適正な品質表示,製 造用機器や器具の安全な取扱いに努めること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ 創造的に学習を進めるように扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) については,我が国の食生活における食品産業の現状と動向について扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) については,原材料の特性を利用した加熱,塩漬や発酵などの食品加工の方法 とその基本的な原理を扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) については,食品による危害の要因や食品の安全に関する法規の概要について, 危害分析・重要管理点方式や食品安全マネジメントシステムなどと関連付けて扱うこと。 オ 〔指導項目〕 の (5) については,食品製造の機械と装置,ボイラと冷却装置の基本的な操作や安全 にかかる整備について扱うこと。 カ 〔指導項目〕 の (6) については,食品企業における従業員の教育や管理の手法,作業の体系につい て扱うこと。 キ 〔指導項目〕 の (7) については,代表的な食品の製造方法について実習を行うこと。 なお,製品の 原価計算についても扱うこと。 ク 〔指導項目〕 の (8) については,食品製造に関する実践的な活動を行うこと。 なお,地域農業の発 展の視点で,食品産業との関連性や食品ブランドの活用や創造についても扱うこと。 第16 食品化学  1 目 標  農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,食品の成分と栄 養価値の利用に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 食品化学について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2) 食品化学に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決す る力を養う。 (3) 食品化学について食品の成分や栄養を理解し,農業の各分野で応用できるよう自ら学び,農業の振 興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1) 「食品化学」とプロジェクト学習 ア 食品化学に関するプロジェクト学習の意義
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農 業 219 イ プロジェクト学習の進め方 (2)食品の成分 ア 食品成分の分類 イ 食品成分の機能 ウ 食品成分の変化 (3)食品の栄養 ア 食品成分の代謝と栄養 イ 栄養改善と機能性食品 ウ 食品成分表と栄養的価値 (4)食品の成分分析 ア 基本操作 イ 定量分析 ウ 水分 エ タンパク質,脂質,炭水化物 オ 無機質,ビタミン (5)食品化学の実践 ア 成分分析の実践 イ 食品の衛生検査  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 食品の成分や栄養的な機能や性質が,食品製造や食生活の改善に果たしている役割を理解できる よう留意して指導すること。また,プロジェクト学習では観察や実験・実習を通して,科学的かつ 創造的に学習を進め,食品化学に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域農業の実態 や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。 イ 〔指導項目〕の (1) については,科目学習の導入として扱うこと。また, (5) については, (1) を踏 まえ, (2) から (4) までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ 創造的に学習を進めるように扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) については,食品中のタンパク質,脂質,ビタミンなどの性質や機能を扱うこ と。また,それらの化学式,構造式及び化学反応式を扱う場合は,基礎的な内容を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) については,食品成分の体内での消化・吸収や変化を中心に,機能性食品につ いても扱うこと。 エ 〔指導項目〕の (4) については,食品成分の分析方法とその原理及び分析機器の操作を扱うこと。 オ 〔指導項目〕 の (5) については,身近な食品を試料とした成分分析を行うこと。 また,危害分析・ 重要管理点方式や食品安全マネジメントシステムなどにおける衛生検査に関する内容を扱うこと。 第17 食品微生物  1 目 標  農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,食品微生物の利 用に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
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農 業 220 (1) 食品微生物について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2) 食品微生物に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決 する力を養う。 (3) 食品微生物について特質を理解し,農業の各分野で利用できるよう自ら学び,農業の振興や社会貢 献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1) 「食品微生物」とプロジェクト学習 ア 食品と微生物 イ 食品微生物に関するプロジェクト学習の意義 ウ プロジェクト学習の進め方 (2)食品微生物の種類 ア 微生物の形態と種類 イ 微生物の栄養と生理 ウ 微生物の増殖と遺伝 エ 微生物の酵素と種類 オ 微生物の代謝 (3)食品微生物の実験 ア 基本操作 イ かびの分離と培養 ウ 酵母の分離と培養 エ 細菌の分離と培養 オ きのこの培養 (4)微生物利用の動向 ア 微生物の改良 イ 固定化生体触媒 ウ エネルギー生産 エ 環境保全と浄化 (5)微生物利用の実践 ア 食品微生物を利用した実習 イ 食品の微生物検査  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 微生物の形態的特徴と生理的特性を理解できるよう留意して指導すること。また,プロジェクト 学習では観察や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,微生物の応用を図る実践力 が身に付くようにすること。なお,地域農業の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定す ること。 イ 〔指導項目〕の (1) については,科目学習の導入として扱うこと。また, (5) については, (1) を踏 まえ, (2) から (4) までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。 ウ 〔指導項目〕の (3) 及び (5) については,実験・実習を通して,微生物の安全な取扱いについて指 導すること。特に,有害微生物を扱う際には,適切な拡散防止の措置を講じるなど安全に十分留意
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農 業 221 して指導すること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ 創造的に学習を進めるように扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) について,微生物の学名や英名及び化学式や構造式を扱う場合は,基礎的な内 容を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) については,観察・実験を通して,微生物の形態的特徴と生理的特性を具体的 に扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) については,微生物及び微生物酵素利用の動向について扱い,特に遺伝子組換 え,バイオリアクター,バイオマスなどの原理を扱うこと。 オ 〔指導項目〕 の (5) については,微生物の有用性を確認するために,多様な発酵食品の製造を行う とともに,危害分析・重要管理点方式や食品安全マネジメントシステムなどにおける微生物検査に 関する内容を扱うこと。 第18 食品流通  1 目 標  農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,食品流通とマー ケティングに必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 食品流通について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2) 食品流通に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決す る力を養う。 (3) 食品流通の合理的な管理とマーケティングが経営発展へつながるよう自ら学び,農業の振興や社会 貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1) 「食品流通」とプロジェクト学習 ア 食品流通に関するプロジェクト学習の意義 イ プロジェクト学習の進め方 (2)食と消費の動向 ア 食をめぐる世界の動向 イ 食と生活の動向 ウ 食生活と健康 (3)食品の流通・保管と物流 ア 食品流通の構造 イ 食品の保管 ウ 物流と情報システム エ 食品の品質管理 オ 食品の輸出入 (4)食品のマーケティング ア 食品マーケティングの概要
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農 業 222 イ 食品マーケティング戦略 ウ 食品のブランド化 (5)食品流通とマーケティングの実践 ア 市場調査・環境分析 イ マーケティング戦略の策定 ウ 食品マーケティングの実践と評価  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 農業生産,食品製造から流通・消費までの食料供給の仕組みを理解できるよう留意して指導する こと。また,プロジェクト学習では観察や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め, 食品流通に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域農業の実態や学科の特色等に応じ て,適切な題材を選定すること。 イ 〔指導項目〕の (1) については,科目学習の導入として扱うこと。また, (5) については, (1) を踏 まえ, (2) から (4) までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ 創造的に学習を進めるように扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) については,世界と日本の食の動向について,世界的な視点と身近な食生活の 視点から扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) については,食品トレーサビリティシステムなどの品質管理と適正な食品表示 について扱うこと。また,危害分析・重要管理点方式及び食品安全マネジメントシステムなどの考 え方や方法についても扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) については,マーケティングの原理,方法,ブランド化について具体的に扱う こと。 オ 〔指導項目〕 の (5) については,顧客の視点からの分析,マーケティング戦略の策定,実践と評価 を具体的に行うこと。 第19 森林科学  1 目 標  農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,森林の構造や機 能並びに保全技術などを科学的に捉えるために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 森林科学について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2) 森林科学に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決す る力を養う。 (3) 森林を科学的に捉えるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を 養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1) 「森林科学」とプロジェクト学習 ア 森林科学に関するプロジェクト学習の意義
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農 業 223 イ プロジェクト学習の進め方 (2)森林と樹木 ア 森林の特性 イ 樹木の特性 ウ 林木の立地環境 (3)森林生態系の構造と多面的機能 ア 森林生態系の構造 イ 森林植生遷移と森林の発達段階 ウ 森林の構造と多面的機能との関係 (4)森林の機能と目標林型 ア 森林の機能と生態系サービス イ 目標林型 ウ ゾーニング (5)森林の施業技術や管理技術 ア 全体技術と個別技術 イ 生産林の施業技術 ウ 環境林の管理技術 (6)木材の収穫 ア 作業システム イ 林道,作業道 ウ 伐採,造材,集材 エ 労働安全 (7)森林の育成と活用の実践  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 森林生態系の構造と多面的機能,目標林型,森林の施業技術や管理技術の仕組みを理解できるよ う留意して指導すること。また,プロジェクト学習では観察や実験・実習を通して,科学的かつ創 造的に学習を進め,森林科学に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域林業の実態や 学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。 イ 〔指導項目〕の (1) については,科目学習の導入として扱うこと。また, (7) については, (1) を踏 まえ, (2) から (6) までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ 創造的に学習を進めるように扱うこと。 イ 〔指導項目〕の (2) については,様々な森林のタイプ分けについてその意義を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) については,森林生態系について図などを活用してわかりやすく丁寧に扱うこ と。 エ 〔指導項目〕 の (4) については,森林の機能と生態系サービスとの関係,目標林型,生態系サービ スと目標林型との関係などを扱うこと。 オ 〔指導項目〕 の (5) については,個別技術の意義や意味,技術の関連性と全体像,生産林に対して 人間が関与する意義,環境林の空間利用を含めた取扱いなどを扱うこと。 カ 〔指導項目〕 の (6) については,集材方法を考えた伐採,路網の設計,機材を使用する際の安全性
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農 業 224 などを扱うこと。 キ 〔指導項目〕の (7) については,森林の育成と活用に関する実践的な活動を行うこと。 第20 森林経営  1 目 標  農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,森林経営に必要 な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 森林経営について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2) 森林経営に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決す る力を養う。 (3) 森林経営について持続的な経営発展へ向けて自ら学び,農業の振興や社会貢献について主体的かつ 協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1) 「森林経営」とプロジェクト学習 ア 森林経営に関するプロジェクト学習の意義 イ プロジェクト学習の進め方 (2)世界と日本の森林・林業 ア 世界の森林・林業 イ 日本の森林・林業 (3)森林経営の目標と組織 ア 持続可能な森林経営 イ 森林経営の組織 ウ 森林経営の計画 (4)森林の測定と評価 ア 森林の測定 イ リモートセンシングの利用 ウ 森林の評価 (5)森林・林業の制度と政策 ア 制度と政策の特徴 イ 制度と政策の体系 ウ 政策主体と近年の政策動向 (6)山地と農山村の保全 ア 山地の保全 イ 治山事業 ウ 日本の農山村 (7)森林経営の実践  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 持続可能な森林経営や森林経営の組織と計画などについて理解できるよう留意して指導すること。
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農 業 225 また,プロジェクト学習では観察や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,森林経 営に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域林業の実態や学科の特色等に応じて,適 切な題材を選定すること。 イ 〔指導項目〕の (1) については,科目学習の導入として扱うこと。また, (7) については, (1) を踏 まえ, (2) から (6) までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。 ウ 〔指導項目〕の (4) については,学校林などを対象に森林認証制度についても学習すること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ 創造的に学習を進めるように扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) については,地球規模で森林・林業の現状を取り上げるとともに,世界各国の 森林・林業事情を踏まえ,我が国の森林・林業の特徴と問題点を扱うこと。また,木材の貿易,価 格,流通についても扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) については,持続可能な森林経営の概念,森林経営を担う組織及び森林経営に 関する計画などについて扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) については,持続可能な森林経営の基礎となる森林の測定と評価について扱う こと。 オ 〔指導項目〕 の (5) については,森林経営に関する制度や政策の概要を取り上げるとともに,国や 自治体の制度や政策の重要性について扱うこと。また,森林経営に関する法規の概要について扱う こと。 カ 〔指導項目〕の (6) については,農山村の振興方策など幅広く扱うこと。 キ 〔指導項目〕 の (7) については,森林経営に関する実践的な活動を行うこと。 なお,起業や六次産 業化に関わる内容についても扱うこと。 第21 林産物利用  1 目 標  農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,林産物の利用に 必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 林産物の利用について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2) 林産物の利用に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解 決する力を養う。 (3) 林産物が多様な利用につながるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組 む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1) 「林産物利用」とプロジェクト学習 ア 林産物利用に関するプロジェクト学習の意義 イ プロジェクト学習の進め方 (2)循環資源としての木材 ア 木材の性質 イ 木材の用途
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農 業 226 ウ 循環資源と環境 (3)林産業の概要 ア 林産業の現状 イ 木材需要の構造 ウ 外国の林産業 (4)製材・加工と木工 ア 製材・加工 イ 木工 ウ 安全衛生 (5)木材の改良と成分の利用 ア 木質材料の製造 イ 木材パルプと和紙 ウ 木質バイオマスの利用 (6)特用林産物の生産と加工 ア きのこの生産と加工 イ 木炭及び薪 まき の生産と利用 ウ その他の特用林産物 (7)林産物利用の実践  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 再生可能な森林資源を利用する林産物利用の意義と役割を理解できるよう留意して指導すること。 また,プロジェクト学習では観察や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,林産物 利用に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域林業の実態や学科の特色等に応じて, 適切な題材を選定すること。 イ 〔指導項目〕の (1) については,科目学習の導入として扱うこと。また, (7) については, (1) を踏 まえ, (2) から (6) までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ 創造的に学習を進めるように扱うこと。 イ 〔指導項目〕の (2) については,バイオマス利用と化石燃料との代替関係などについて扱うこと。 ウ 〔指導項目〕の (3) については,林産業の現状,木材需要の構造,各国の林産業の比較とともに, 各国の森林資源の成熟度や森林所有者団体などの比較も扱うこと。 エ 〔指導項目〕の (4) については,製材と木材の乾燥,木工,安全衛生について扱うこと。 オ 〔指導項目〕 の (5) については,木材の材質の改良,木材の物理的処理と化学的処理及び木質バイ オマスのエネルギー利用について基礎的な内容を扱うこと。 カ 〔指導項目〕 の (6) については,特用林産業が林業経営や地域社会の振興及び持続的発展に寄与し ていることを扱うこと。 キ 〔指導項目〕 の (7) については,林産物利用に関する実践的な活動を行うこと。 なお,起業や六次 産業化に関わる内容についても扱うこと。
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農 業 227 第22 農業土木設計  1 目 標  農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,農業土木事業の 計画と設計に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 農業土木設計について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2) 農業土木設計に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解 決する力を養う。 (3) 農業土木設計について農業土木事業が自然環境との調和へつながるよう自ら学び,農業の振興や社 会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1) 「農業土木設計」とプロジェクト学習 ア 農業土木設計に関するプロジェクト学習の意義 イ プロジェクト学習の進め方 (2)農業土木事業の計画と設計 ア 農業土木事業の意義と役割 イ 農業土木事業の計画 ウ 農業土木構造物の設計 (3)水と土の性質 ア 水の基本的性質 イ 土の基本的性質 ウ 土中の水 (4)構造物の設計 ア 設計の基礎 イ はり ウ 柱 エ トラス オ ラーメン (5)農業土木構造物 ア コンクリート構造 イ 鉄筋コンクリート構造 ウ 鋼構造 (6)農業土木設計の実践  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 農村の発展や国土保全・環境創造を担う農業土木事業の事例を通して,計画と設計について理解 できるよう留意して指導すること。また,プロジェクト学習では見学や実験・実習を通して,科学 的かつ創造的に学習を進め,農業土木事業の計画と設計に関する実践力が身に付くようにすること。 なお,地域農業の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。
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農 業 228 イ 〔指導項目〕の (1) については,科目学習の導入として扱うこと。また, (6) については, (1) を踏 まえ, (2) から (5) までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ 創造的に学習を進めるように扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) については,農業土木事業の計画,農業土木構造物の目的や特徴,種類及び特 質について,国土保全や環境創造と関連付けて扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) については,水路やせきなどの水利構造物,擁壁や農業土木構造物の基礎の設 計・施工・維持管理に必要な水と土の物理的性質について基礎的な内容を扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) については,農業土木構造物の構造材料である木材や鋼材,コンクリートなど の強さと特性,はり,柱とトラスに作用する外力と応力及びその計算方法について基礎的な内容を 扱うこと。また,ラーメン構造については概要を扱うこと。 オ 〔指導項目〕 の (5) については,コンクリート構造と鉄筋コンクリート構造,鋼構造の特性や構造 物設計に必要な基礎的な内容を扱うこと。 カ 〔指導項目〕の (6) については,農業土木設計に関する実践的な活動を行うこと。 第23 農業土木施工  1 目 標  農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,農業土木事業に おける施工と管理に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 農業土木施工について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2) 農業土木施工に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解 決する力を養う。 (3) 農業土木施工について自然環境や安全に配慮し,合理的な施工・管理ができるよう自ら学び,農業 の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1) 「農業土木施工」とプロジェクト学習 ア 農業土木施工に関するプロジェクト学習の意義 イ プロジェクト学習の進め方 (2)施工計画の基本 ア 施工計画の立案 イ 仮設計画 ウ 仕様と積算 (3)工事の管理 ア 工事の運営組織 イ 工程管理 ウ 品質管理 エ 安全管理 (4)農業土木関係の法規
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農 業 229 ア 農村計画関連の法規 イ 環境保全関連の法規 (5)農業土木工事の施工 ア 土木材料 イ 土工 ウ コンクリート工 エ 鉄筋コンクリート工 オ 基礎工 カ 道路工 キ 植栽工 ク いろいろな施工技術 (6)農業土木施工の実践  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 農村の発展や国土保全・環境創造を担う農業土木工事の事例を通して,農業土木施工・管理につ いて理解できるよう留意して指導すること。また,プロジェクト学習では見学や実験・実習を通し て,科学的かつ創造的に学習を進め,農業土木施工・管理に関する実践力が身に付くようにするこ と。なお,地域農業の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。 イ 〔指導項目〕の (1) については,科目学習の導入として扱うこと。また, (6) については, (1) を踏 まえ, (2) から (5) までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ 創造的に学習を進めるように扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) については,合理的かつ自然環境に配慮した施工計画の立案や工事費と工期と の関係,設計図書について基礎的な内容を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕の (3) については,工事の運営手順や工程図の種類とそれぞれの特徴及び作成方法, 品質管理手法や安全衛生管理について基礎的な内容を扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) については,施工計画や施工管理に関連付けながら,農村計画関連法規及び環 境保全関連法規の目的と概要について扱うこと。 オ 〔指導項目〕 の (5) については,農業土木構造物の新設工事,既設構造物の補修・補強工事,災害 復旧工事の特質や各種施工法の特徴について基礎的な内容を扱うこと。なお,イについては,農地 整備と農地造成についても扱うこと。 カ 〔指導項目〕の (6) については,農業土木施工に関する実践的な活動を行うこと。 第24 水循環  1 目 標  農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,循環する水を有 効に活用するために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 水循環について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2) 水循環に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する 力を養う。
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農 業 230 (3) 水循環について環境保全や農業の持続的な発展へつながるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に 主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1) 「水循環」とプロジェクト学習 ア 水循環に関するプロジェクト学習の意義 イ プロジェクト学習の進め方 (2)水と地球環境 ア 水と大気 イ 水文循環 ウ 水と森林・河川・農地 エ 水と生態系 (3)水と生活環境 ア 水と人間の歴史 イ 資源としての水 ウ 水の有効利用と水質保全 (4)水と農林業 ア 水と農地の土壌 イ 水と農業生物の栽培 ウ 水と森林の土壌 (5)農業水利 ア 利水と治水 イ かんがいと排水 ウ 水利施設 エ 農業用水の多面的機能 (6)水資源の保全と活用の実践  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 水循環と環境や生物との関わり,水資源の確保など水を総合的に理解できるよう留意して指導す ること。また,プロジェクト学習では見学や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め, 農業の持続的な発展と国土保全・環境創造に水を有効かつ継続的に利用する実践力が身に付くよう にすること。なお,地域農業の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。 イ 〔指導項目〕の (1) については,科目学習の導入として扱うこと。また, (6) については, (1) を踏 まえ, (2) から (5) までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ 創造的に学習を進めるように扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) については,地球全体と流域における森林・河川・農地それぞれの水循環の視 点で捉えた大気や水,生物のあり方とそれぞれの相互関係及び環境について基礎的な内容を扱うこ と。 ウ 〔指導項目〕 の (3) については,水の制御と技術の発達,水と農業形態や農業技術の発達,地球規
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農 業 231 模での水資源の種類や分布,農業用水や工業用水,生活用水や環境用水の機能や相互の関係,水の 量的な不足や質的な変化について基礎的な内容を扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) については,水の動きに伴う肥料や農薬の動きと環境との関わり,農地と森林 の水源涵 かん 養機能及び環境保全への寄与について扱うこと。 オ 〔指導項目〕 の (5) については,用排水機場や水門など主な水利施設の計画・施工・維持管理につ いて基礎的な内容を扱うこと。なお,アについては,利水や治水に関連付けながら,水害や干ばつ による被害とそれらの対策についても扱うこと。 カ 〔指導項目〕の (6) については,水資源の保全と活用に関する実践的な活動を行うこと。 第25 造園計画  1 目 標  農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,造園計画に必要 な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 造園計画について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2) 造園計画に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決す る力を養う。 (3) 造園計画について目的や環境に応じた造園空間の創造につながるよう自ら学び,農業の振興や社会 貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1) 「造園計画」とプロジェクト学習 ア 造園計画に関するプロジェクト学習の意義 イ プロジェクト学習の進め方 (2)造園計画の意義と役割 ア 地球環境と造園 イ 生活環境と緑地環境 ウ 造園計画と造園空間 (3)環境と造園の様式 ア 我が国の緑地環境と造園様式 イ 外国の緑地環境と造園様式 (4)造園デザインと造園製図 ア 造園デザイン イ 造園製図 (5)造園の計画・設計 ア 住宅庭園 イ 屋上・室内・壁面緑化 ウ その他の造園 (6)公園や緑地の計画・設計 ア 都市緑地 イ 農村緑地
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農 業 232 ウ 自然公園,緑地 (7)造園計画の実践  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 緑地環境や造園空間の機能と生活空間での造園の役割について理解できるよう留意して指導する こと。また,プロジェクト学習では見学や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め, 造園計画に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域の緑地環境の実態や学科の特色等 に応じて,適切な題材を選定すること。 イ 〔指導項目〕の (1) については,科目学習の導入として扱うこと。また, (7) については, (1) を踏 まえ, (2) から (6) までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ 創造的に学習を進めるように扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) については,造園の目的と計画及びそれに基づく造園空間の創造と利用,緑地 環境の種類,快適な生活環境を創造する造園計画の役割の概要について扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) については,我が国と外国の主な造園様式と実際の造園との関わり,時代の変 遷並びにそれを取り巻く自然環境,文化的環境及び社会的環境で捉え,総合的に扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) については,造園デザインと身近な造園空間との関わり,図面の種類や製図技 術の基礎的な内容について総合的に扱うこと。 オ 〔指導項目〕 の (5) については,様々な造園の調査,構想,地割・動線及び計画・設計や機能,構 成の基礎的な内容を扱うこと。 カ 〔指導項目〕 の (6) については,緑地や公園の機能,特徴や種類,都市公園法による公園の計画・ 設計の基礎的な内容を扱うこと。なお,イ及びウについては,設計を扱わないことができること。 キ 〔指導項目〕の (7) については,造園計画に関する実践的な活動を行うこと。 第26 造園施工管理  1 目 標  農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,造園施工管理に 必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 造園施工管理について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2) 造園施工管理に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解 決する力を養う。 (3) 造園施工管理について目的や環境に応じた合理的な施工と維持管理につながるよう自ら学び,農業 の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1) 「造園施工管理」とプロジェクト学習 ア 造園施工管理に関するプロジェクト学習の意義 イ プロジェクト学習の進め方 (2)造園施工管理の意義と役割
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農 業 233 ア 社会環境と造園施工管理 イ 造園施工管理の意義 ウ 造園施工管理の特色と役割 (3)造園材料の種類と特性 ア 石材 イ 木材,竹材 ウ 金属材料 エ コンクリート材料 オ コンクリート二次製品 カ 窯製品 キ その他の造園材料 (4)造園土木施工 ア 敷地造成と土壌改良 イ コンクリート工 ウ 給排水工 (5)施設施工管理 ア 園路・広場工 イ 水景施設工 ウ 庭園施設工 エ 公園施設工 オ 工作物の管理 カ 景観の管理 (6)施工計画と工事の管理 ア 工程管理 イ 品質管理 ウ 安全管理 (7)造園施工管理の実践  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 造園や造園施工材料の特質及び合理的な施工管理方法について理解できるよう留意して指導する こと。また,プロジェクト学習では見学や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め, 造園施工管理に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域の緑地環境の実態や学科の特 色等に応じて,適切な題材を選定すること。 イ 〔指導項目〕の (1) については,科目学習の導入として扱うこと。また, (7) については, (1) を踏 まえ, (2) から (6) までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ 創造的に学習を進めるように扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) については,緑地環境,造園,造園施工と管理の現状,適切な施工材料の必要 性,施工管理の技術,施工管理の課題の概要について扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) については,造園施工材料の種類と特性から造園空間に見合った造園施工材料 の選定及び施工管理に至るまで系統的に扱うこと。
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農 業 234 エ 〔指導項目〕 の (4) については,造園土木施工で使用する機械,器具について基礎的な内容を扱う とともに,合理的かつ安全な機械,器具の使用方法について扱うこと。 オ 〔指導項目〕の (5) については,施工に必要な機械,器具について基礎的な内容を扱うとともに, 工作物の補修などの維持管理及び造園の目的に沿った景観の維持管理について扱うこと。 カ 〔指導項目〕の (6) については,実際の工事を想定した施工計画と工事の管理を関連付けながら, 工程管理,安全管理,品質管理に関する基礎的な内容を扱うこと。 キ 〔指導項目〕の (7) については,造園施工管理に関する実践的な活動を行うこと。 第27 造園植栽  1 目 標  農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,造園植栽に必要 な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 造園植栽について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2) 造園植栽に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決す る力を養う。 (3) 造園植栽について目的や環境に応じた合理的な植栽につながるよう自ら学び,農業の振興や社会貢 献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1) 「造園植栽」とプロジェクト学習 ア 造園植栽に関するプロジェクト学習の意義 イ プロジェクト学習の進め方 (2)造園植栽の意義と役割 ア 造園植栽の意義 イ 造園植栽の特色と役割 ウ 植栽と風景 (3)植物材料の種類と特性 ア 造園樹木 イ 地被植物 ウ 造園で活用する草花 (4)植栽計画 ア 配植のデザイン イ 植物の特性と植栽計画 (5)造園植栽施工 ア 植栽施工 イ 芝生,地被の造成 ウ 花壇の造成 (6)造園植栽管理 ア 樹木の管理 イ 芝生,地被,花壇の管理
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農 業 235 ウ 景観と植栽管理 (7)造園植栽の実践  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 造園や植物材料の特質及び合理的な造園植栽の施工と管理方法について理解できるよう留意して 指導すること。また,プロジェクト学習では観察や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習 を進め,造園植栽に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域の緑地環境の実態や学科 の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。 イ 〔指導項目〕の (1) については,科目学習の導入として扱うこと。また, (7) については, (1) を踏 まえ, (2) から (6) までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ 創造的に学習を進めるように扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) については,住宅庭園,都市公園などの緑地や造園植栽の特色と役割,植栽施 工管理の現状と課題,風景の構成要素と植栽,配植のデザインの概要について扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) については,植物材料の種類や特性及び育成と,植栽施工や管理の特性を関連 付けながら総合的に扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) については,身近な造園空間を題材として,地域的に特色のある植物材料を活 い かした植栽デザインについて基礎的な内容を扱うこと。 オ 〔指導項目〕 の (5) については,樹木の根回し,樹木の移植などの植栽工事技術や芝生,地被,花 壇の造成工事に関する基礎的な内容を扱うこと。 カ 〔指導項目〕 の (6) については,樹木の整枝剪 せん 定や病害虫の防除,景観に配慮した管理など植栽管 理に関する基礎的な内容を扱うこと。 キ 〔指導項目〕の (7) については,造園植栽に関する実践的な活動を行うこと。 第28 測量  1 目 標  農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,測量に必要な資 質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 測量について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2) 測量に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力 を養う。 (3) 測量について国土保全や環境創造に応用できるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ 協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1) 「測量」とプロジェクト学習 ア 測量に関するプロジェクト学習の意義 イ プロジェクト学習の進め方 (2)測量の意義と役割
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農 業 236 (3)位置や高さの測量 ア 平板測量 イ 角測量 ウ トラバース測量 エ 水準測量 オ 基準点測量と衛星測位 (4)地理空間情報 ア 写真測量の原理 イ 写真測量の利用 ウ リモートセンシングの原理と種類 エ リモートセンシングの利用 オ 地理情報システムの原理と役割 カ 地理情報システムの利用 (5)測量の実践 ア 地形測量 イ 路線測量 ウ 工事測量 エ 河川測量 オ 森林測量  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 農林業の発展や国土保全・環境創造を担う公共測量の身近な事例を通して,測量について理解で きるよう留意して指導すること。また,プロジェクト学習では現地調査や実験・実習を通して,科 学的かつ創造的に学習を進め,測量に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域の実態 や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。 イ 〔指導項目〕の (1) については,科目学習の導入として扱うこと。また, (5) については, (1) を踏 まえ, (2) から (4) までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ 創造的に学習を進めるように扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) については,測量の意義や役割,座標系と基準点,測定値の処理と誤差につい て基礎的な内容を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) については,点の平面的位置や高低位置を決定する測量の原理や測量機器の操 作及び測定値の具体的な処理について基礎的な内容を扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) については,写真測量やリモートセンシングの測定原理及びデータ処理の方法, 地理情報システムの原理や表現方法とデータの種類及び処理の方法について扱うこと。また,基盤 地図情報の利用についても扱うこと。 オ 〔指導項目〕 の (5) については,既存の地図情報の利用,各種事業の目的に応じた測量の選択,デ ータの精度と表現方法に関する基礎的な内容を扱うとともに,実践的な活動を行うこと。なお,技 術の進展に対応した測量技術についても扱うこと。
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農 業 237 第29 生物活用  1 目 標  農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,園芸作物や社会 動物の活用に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 生物活用について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2) 生物活用に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決す る力を養う。 (3) 生物活用について生物の特性を活用し生活の質の向上につながるよう自ら学び,農業の振興や社会 貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1) 「生物活用」とプロジェクト学習 ア 生物活用に関するプロジェクト学習の意義 イ プロジェクト学習の進め方 (2)生物活用の意義と役割 ア 園芸作物,社会動物と健康的な暮らし イ 生物を活用した活動と療法 ウ 緑のある環境・園芸の特性と効用 エ 社会動物の特性と効用 (3)園芸作物の栽培と活用 ア 草花・野菜・ハーブの栽培と活用 イ 園芸デザインとその活用 ウ 園芸作物の安全性 (4)社会動物の飼育と活用 ア 社会動物の飼育としつけ イ 社会動物の活用 ウ 社会動物の安全性と衛生管理 (5)生物を活用した療法 ア 園芸療法 イ 動物介在療法 (6)生物活用の実践 ア 対象者の理解と交流の技法 イ 交流活動と評価 ウ 療法的な活動  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 生物の特性を活用することで,生活の質の向上につながることを事例を通して理解できるよう留 意して指導すること。また,プロジェクト学習では見学や実験・実習を通して,科学的かつ創造的 に学習を進め,生物活用に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域の実態や学科の特
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農 業 238 色等に応じて,適切な題材を選定すること。 イ 〔指導項目〕の (1) については,科目学習の導入として扱うこと。また, (6) については, (1) を踏 まえ, (2) から (5) までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ 創造的に学習を進めるように扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) については,園芸作物や社会動物が人の健康にもたらす心理的・身体的・社会 的特性及び専門家が療法として行う行為と一般の人々が健康増進などを目的として行う活動の違い を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) については,教育や健康などに関する効用に着目した園芸作物の栽培や園芸デ ザインの活動を中心に扱い,それを活用した交流活動の準備や活動の支援,植物の安全性について も扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) については,教育や健康などに関する効用に着目した社会動物との交流とその ための飼育やしつけを中心に扱うこと。その際,社会動物を活用した交流活動の準備や活動の支援 も扱うこと。また,ストレスや疾病の軽減など社会動物の快適性に配慮した飼養管理についても扱 うこと。 オ 〔指導項目〕の (5) については,園芸療法,動物介在療法の基礎的な内容を扱うこと。 カ 〔指導項目〕 の (6) については,生物活用に関する実践的な活動を行うこと。 また,交流対象者の 発達段階や特性,ライフステージ,健康状態の理解及び交流対象者を想定した試行,交流中の対象 者の観察,交流に必要な技術と交流活動の評価についても扱うこと。 第30 地域資源活用  1 目 標  農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,地域資源の活用 に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 地域資源の活用について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにす る。 (2) 地域資源の活用に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に 解決する力を養う。 (3) 地域資源の活用について新たな価値の創造に寄与できるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主 体的かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1) 「地域資源活用」とプロジェクト学習 ア 地域資源活用に関するプロジェクト学習の意義 イ プロジェクト学習の進め方 (2)農山村社会の変化と地域振興 ア 農山村社会の現状と変化 イ 地域活性化に向けた施策・取組 (3)地域資源活用の意義と役割
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農 業 239 ア 地域資源の魅力と価値 イ 地域振興に向けた施策・取組 ウ 異業種連携と商品価値の創造 エ 地域資源活用の実践と課題 オ 情報の活用と発信 (4)地域資源の価値と活用 ア 観光への活用 イ 商品開発への活用 ウ サービス業への活用 エ 教育・福祉への活用 (5)地域と連携した活動 ア 地域資源のマーケティングとブランドづくり イ 地域資源を活用したサービス ウ 農業のユニバーサルデザイン化 エ 地域振興活動と評価 (6)地域資源活用の実践  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 地域資源の活用や地域振興について身近な事例を通して理解できるよう留意して指導すること。 また,プロジェクト学習では見学や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,地域資 源の活用に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域の実態や学科の特色等に応じて, 適切な題材を選定すること。 イ  〔指導項目〕の (1) については,科目学習の導入として扱うこと。また, (6) については, (1) を踏 まえ, (2) から (5) までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア  〔指導項目〕 の (1) については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ 創造的に学習を進めるように扱うこと。 イ  〔指導項目〕 の (2) については,農山村と都市の現状を考察し,それらに合わせた異業種との連携 及びそこから生み出される地域資源の活用について扱うこと。 ウ  〔指導項目〕 の (3) については,国内外の地域資源活用に関する取組について取り上げ,生徒自ら が身近な地域資源を理解し,その活用を実践できるように扱うこと。 エ  〔指導項目〕の (4) 及び (5) については,地域調査から地域の価値を見いだし,魅力を伝える取組 についてプロジェクト学習を通して扱うこと。 オ  〔指導項目〕 の (5) については,地域資源の活用におけるユニバーサルデザイン化及び地域振興活 動の指標を定める評価方法について基礎的な内容を扱うこと。 カ  〔指導項目〕 の (6) については,地域資源の活用に関する実践的な活動を行うこと。 なお,起業や 六次産業化に関わる内容についても扱うこと。 第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い 1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。 (1)  単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体
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農 業 240 的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,農業の見方・考え方を働かせ,安定的な 食料生産と環境保全及び資源活用の視点で捉え,持続可能で創造的な農業や地域振興と関連付けるなど の実践的・体験的な学習活動の充実を図ること。 (2) 農業に関する各学科においては, 「農業と環境」 及び 「課題研究」 を原則として全ての生徒に履修させ ること。 (3) 農業に関する各学科においては,原則として農業科に属する科目に配当する総授業時数の10 分の5 以上を実験・実習に配当すること。また,実験・実習に当たっては,ホームプロジェクトを取り入れる こともできること。 (4) 地域や産業界,農業関連機関等との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業体験活動を積極的に 取り入れるとともに,社会人講師を積極的に活用するなどの工夫に努めること。 (5) 障害のある生徒などについては,学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の 工夫を計画的,組織的に行うこと。 2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。 (1) 農業に関する課題について,科学的な根拠に基づくプロジェクト学習などによる課題解決に向けた主 体的・協働的な調査や実験などを通して,情報分析,考察,協議などの言語活動の充実を図ること。 (2) コンピュータや情報通信ネットワークなどの活用を図り,学習の効果を高めるよう工夫すること。 3 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設備や薬品等の安全管理に配慮し,学 習環境を整えるとともに,事故防止の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意するものとする。
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工 業 241 第2節 工業 第1款 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,ものづくりを通じ, 地域や社会の健全で持続的な発展を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1)  工業の各分野について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2)  工業に関する課題を発見し,職業人に求められる倫理観を踏まえ合理的かつ創造的に解決する力を養 う。 (3)  職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を目指して自ら学び,工業の発展に主 体的かつ協働的に取り組む態度を養う。 第2款 各 科 目 第1 工業技術基礎  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,工業の諸課題を 適切に解決することに必要な基礎的な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1)  工業技術について工業のもつ社会的な意義や役割と人と技術との関わりを踏まえて理解するととも に,関連する技術を身に付けるようにする。 (2)  工業技術に関する課題を発見し,工業に携わる者として科学的な根拠に基づき工業技術の進展に対 応し解決する力を養う。 (3)  工業技術に関する広い視野をもつことを目指して自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働的に取り 組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)人と技術と環境 ア 人と技術 イ 技術者の使命と責任 ウ 環境と技術 (2)加工技術 ア 形態を変化させる加工 イ 質を変化させる加工 (3)生産の仕組み ア 生産工程 イ 分析と測定技術  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア  〔指導項目〕 の (1) のアについては,産業社会,職業生活,産業技術に関する調査や見学を通して,
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工 業 242 働くことの社会的意義や役割,工業技術と人間との関わり及び工業技術が日本の発展に果たした役 割について理解できるよう工夫して指導すること。イについては,安全な製品の製作や構造物の設 計・施工,法令遵守など,工業における技術者に求められる職業人としての倫理観や使命と責任に ついて理解できるよう工夫して指導すること。 イ 〔指導項目〕の (2) 及び (3) については,相互に関連する実験や実習内容を取り上げるよう留意し, 工業の各分野に関する要素を総合的に理解できるよう工夫して指導すること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) のアについては,工業の各分野に関連する職業資格及び知的財産権についても 扱うこと。ウについては,環境に配慮した工業技術について,身近な事例を通して,その意義や必 要性を扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) については,日常生活に関わる身近な製品の製作例を取り上げ,工業技術への 興味・関心を高めさせるとともに,工具や器具を用いた加工及び機械や装置類を活用した加工を扱 うこと。アについては,塑性加工など,形態を変化させる加工を扱うこと。イについては,化学変 化など,材料の質を変化させる加工を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) のアについては,工業製品の製作を通して,生産に関する技術を扱うこと。 イ については,工業製品の製作を通して,生産に関わる材料の分析及び測定技術を扱うこと。 第2 課題研究  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,社会を支え産業 の発展を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 工業の各分野について体系的・系統的に理解するとともに,相互に関連付けられた技術を身に付け るようにする。 (2) 工業に関する課題を発見し,工業に携わる者として独創的に解決策を探究し,科学的な根拠に基づ き創造的に解決する力を養う。 (3) 課題を解決する力の向上を目指して自ら学び,工業の発展や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組 む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)作品製作,製品開発 (2)調査,研究,実験 (3)産業現場等における実習 (4)職業資格の取得  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 生徒の興味・関心,進路希望等に応じて, 〔指導項目〕 の (1) から (4) までの中から,個人又はグル ープで工業に関する適切な課題を設定し,主体的かつ協働的に取り組む学習活動を通して,専門的 な知識,技術などの深化・総合化を図り,工業に関する課題の解決に取り組むことができるように すること。なお,課題については, (1) から (4) までの2項目以上にまたがるものを設定することが できること。
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工 業 243 イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるようにすること。 ウ 〔指導項目〕 の (4) については,社会において必要な専門資格に関して調査,研究する学習活動と なるよう留意すること。 第3 実 習  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,工業の発展を担 う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 工業の各分野に関する技術を実際の作業に即して総合的に理解するとともに,関連する技術を身に 付けるようにする。 (2) 工業の各分野の技術に関する課題を発見し,工業に携わる者として科学的な根拠に基づき工業技術 の進展に対応し解決する力を養う。 (3) 工業の各分野に関する技術の向上を目指して自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働的に取り組む 態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)要素実習 (2)総合実習 (3)先端的技術に対応した実習  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 安全に配慮するとともに,生徒の興味・関心,進路希望等に応じて実習内容を重点化することや 生徒が実習内容を選択できるようにするなど,弾力的に扱うこと。 イ 工業の各分野に関する日本の伝統的な技術・技能,安全衛生や技術者として求められる倫理,環 境及びエネルギーへの配慮などについて,総合的に理解できるよう工夫して指導すること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕の (1) については,工業の各分野に関連する要素的な内容を扱うこと。 イ 〔指導項目〕の (2) については, (1) の個々の要素技術を総合化した内容を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) については,工業の各分野に関連する先端的技術に関わる内容を選択して扱う ことができること。 第4 製 図  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,工業の各分野の 製図に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 工業の各分野に関する製図について日本産業規格及び国際標準化機構規格を踏まえて理解するとと もに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2) 製作図や設計図に関する課題を発見し,工業に携わる者として科学的な根拠に基づき工業技術の進 展に対応し解決する力を養う。
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工 業 244 (3) 工業の各分野における部品や製品の図面の作成及び図面から製作情報を読み取る力の向上を目指し て自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)製図の役割 ア 製図と規格 イ 図面の表し方 (2)工業の各分野に関する製図・設計製図 (3)情報機器を活用した設計製図 ア CAD の機能 イ 三次元CAD  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 必要に応じて内容と関連する国際規格を取り上げ,具体的な事例を通して,製図に関する技術の 活用方法を理解できるようにするとともに,技術者に求められる倫理観を踏まえ適切な図面を作成 できるよう工夫して指導すること。 イ 〔指導項目〕 の (2) については,生徒や地域の実態,学科の特色等に応じて,関連する適切な内容 を選択して扱うことができること。 ウ 〔指導項目〕 の (3) のイについては,生徒や地域の実態,学科の特色等に応じて,扱わないことが できること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) のアについては,日本産業規格の製図に関する内容を扱うこと。 イについては, 図法及び製図用具の使い方を扱うこと。 第5 工業情報数理  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,工業の各分野に おける情報技術の進展への対応や事象の数理処理に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指 す。 (1) 工業の各分野における情報技術の進展と情報の意義や役割及び数理処理の理論を理解するとともに, 関連する技術を身に付けるようにする。 (2) 情報化の進展が産業社会に与える影響に関する課題を発見し,工業に携わる者として科学的な根拠 に基づき工業技術の進展に対応し解決する力を養う。 (3) 工業の各分野において情報技術及び情報手段や数理処理を活用する力の向上を目指して自ら学び, 工業の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)産業社会と情報技術 ア 情報化の進展と産業社会
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工 業 245 イ 情報モラル ウ 情報のセキュリティ管理 (2)コンピュータシステム ア ハードウェア イ ソフトウェア ウ 情報通信ネットワーク (3)プログラミングと工業に関する事象の数理処理 ア アルゴリズムとプログラミング イ データの入出力 ウ 数理処理 エ 制御プログラミング  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 情報技術の進展,産業界の動向を踏まえ適切に扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (1) については,情報化の進展が産業社会に及ぼす影響や望ましい情報社会の在り 方,情報技術を適切に活用することの必要性を理解できるよう工夫して指導すること。 ウ 〔指導項目〕 の (2) については,コンピュータにおいて情報が処理される仕組みや表現方法,情報 通信ネットワークの構成要素,プロトコルの役割及び情報通信の活用を理解できるよう工夫して指 導すること。 エ 〔指導項目〕 の (3) については,課題の解法をアルゴリズムを用いて表現する方法やコンピュータ による処理手順を理解できるよう工夫して指導すること。ウについては,生徒の実態や学科の特色 等に応じて,適切な工業の事象を題材とした演習を重視し,数学,物理及び化学の理論を工業に関 する事象を処理する道具として活用する数理処理について理解できるよう工夫して指導すること。 また,実際にコンピュータを活用して数理処理と関連付けて扱うこと。エについては,生徒の実態 や学科の特色等に応じて,扱わないことができること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) のイについては,個人のプライバシーや著作権など知的財産の保護,収集した 情報の管理,受け手のことを想定した情報コンテンツの制作及び発信する情報に対する責任につい ても扱うこと。ウについては,情報セキュリティを高めるための方法を扱うこと。また,情報を保 護することの必要性とそのための法規及び個人の責任を扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) のアについては,コンピュータの構造と内部処理や周辺機器とインタフェース などを扱うこと。イについては,オペレーティングシステムの役割及びソフトウェアの役割と開発 方法を扱うこと。ウについては,情報通信ネットワークの活用を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) のアについては,アルゴリズムを表現するための順次,選択及び繰り返しの構 造を扱うこと。また,流れ図や構造化チャートなどを取り上げ,アルゴリズムの図式化を扱うこと。 ウについては,工業に関わる事象の数理処理を扱うこと。単位換算については,演習の中で扱うこ と。また,測定した値の精度,位取り,有効数字の取扱い方及び実験の測定値をグラフに表す方法 についても扱うこと。エについては,コンピュータ制御と組込み技術についても扱うこと。
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工 業 246 第6 工業材料技術  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,工業の各分野に おける材料に関わる技術の進展への対応に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 工業材料について製造,組織,性質及び用途を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付 けるようにする。 (2) 工業材料に関する課題を発見し,工業に携わる者として科学的な根拠に基づき工業技術の進展に対 応し解決する力を養う。 (3) 工業材料を品質改善する力の向上を目指して自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働的に取り組む 態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)社会生活と工業材料 (2)工業材料の性質と構造 ア 物質の状態と材料の構造 イ 変形と流動 ウ 性質と構造 (3)工業材料の検査 ア 機械的性質の検査 イ 顕微鏡による組織検査 ウ 計器による検査 (4)工業材料の製造 ア 金属材料の製造 イ セラミック材料の製造 ウ 高分子材料の製造 エ 複合材料の製造 (5)工業材料の加工 ア 工業材料の加工性 イ 主な加工法 (6)工業材料と環境 ア 工業材料と環境保全 イ 工業材料のリサイクル  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 工業材料の性質,検査方法,製造方法及び加工技術について理解できるよう工夫して指導するこ と。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕の (1) については,工業材料が社会生活及び産業に果たしている役割を扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) のアについては,工業材料の化学結合の原理及び結晶構造を扱うこと。 イにつ
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工 業 247 いては,工業材料の変形及び流動を化学結合や組織と関連付けて扱うこと。ウについては,工業材 料の結晶構造と機械的,物理的,化学的性質との関連性を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) については,検査の原理,検査方法及び検査結果と工業材料の性質との関係を 扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) については,主な工業材料を取り上げ,製造法の原理と工業材料の機械的,物 理的,化学的性質との関連性を扱うこと。 オ 〔指導項目〕 の (5) のアについては,金属材料,セラミック材料,高分子材料及び複合材料の加工 性の違いを扱うこと。イについては,鋳造,成形,機械加工,焼結,表面処理などの主な加工の原 理と方法を扱うこと。 カ 〔指導項目〕 の (6) のアについては,環境保全のための化学技術を扱うとともに,環境に配慮した 工業材料の製造及び利用についても扱うこと。イについては,工業材料のリサイクルに関わる技術 及び関連する法規の目的と概要を扱うこと。 第7 工業技術英語  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,技術英語を活用 した生産に関わる業務に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 技術英語について業務の状況を踏まえて理解するとともに,目的に応じた表現技術を身に付けるよ うにする。 (2) 技術英語による情報の整理や発信に関する課題を発見し,工業に携わる者として工業技術の進展に 対応し解決する力を養う。 (3) 技術英語を活用して伝え合う力の向上を目指して自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働的に取り 組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)工業に関連した会話 (2)工業技術に関連したリーディングとライティング (3)プレゼンテーション (4)情報通信ネットワークを利用したコミュニケーション  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 英語を担当する教師やネイティブ・スピーカーとの連携に留意し,工業の各分野における実践的 なコミュニケーションを想定した学習を取り入れ,技術英語を活用して伝え合うことができるよう 工夫して指導すること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕の (1) については,工場や実験室などにおける技術者としての会話を扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) については,工業の各分野における工業製品の仕様書及び技術書の読解,報告 書や図面の作成など具体的な題材を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕の (3) については,各種の資料を用いて発表する際の語彙や表現を扱うこと。また, 司会者として会議を進める際に必要な表現,会議での質問の方法及び自分の意見を述べる方法など
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工 業 248 についても扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) については,情報通信ネットワークを活用した英文による部品の注文や説明な どを扱うこと。 第8 工業管理技術  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,工業生産の管理 に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 工業生産の管理技術について企業における経営事例を踏まえて理解するとともに,関連する技術を 身に付けるようにする。 (2) 工業生産の管理技術に関する課題を発見し,工業に携わる者として科学的な根拠に基づき工業技術 の進展に対応し解決する力を養う。 (3) 工業生産を管理する力の向上を目指して自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度 を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)工業管理技術の概要 (2)生産の計画と管理 ア 生産計画 イ 生産管理 ウ 生産と流通 (3)工程管理と品質管理 ア 工程管理 イ 品質管理 (4)安全管理と環境管理 ア 保守と保全 イ 生産現場の災害とその防止 ウ 環境の保全 (5)工場の経営 ア 人事管理 イ 工業会計 ウ 工場経営に関する法規 エ 工業と起業  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 工業生産の現場見学や企業での事例及び工業に携わる者に求められる倫理観を踏まえて,具体的 に理解できるよう工夫して指導すること。 イ 〔指導項目〕 の (5) については,工業の各分野における具体的な経営事例を取り上げるなど工夫し て指導すること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
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工 業 249 ア 〔指導項目〕 の (1) については,工業生産の管理技術の意義と工業生産に関する組織の概要を扱う こと。 イ 〔指導項目〕の (2) のアについては,需要予測と生産数量及び生産方式の選定の概要を扱うこと。 イについては,生産に関わる全般的な管理の概要を扱うこと。ウについては,生産と流通手段や経 費などを扱うこと。 ウ 〔指導項目〕の (3) のアについては,生産工程の計画や作業日程などを扱うこと。イについては, 品質管理方式の原理及び活用方法を扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) のアについては,機械の保守と保全を扱うこと。 イについては,安全管理の意 義,目的及びその手法に重点を置いて,災害防止の概要を扱うこと。ウについては,生産活動にお ける環境汚染の防止,省エネルギー及びリサイクルの概要を扱うこと。 オ 〔指導項目〕 の (5) のアについては,人事管理の進め方,賃金,福利厚生及び労使関係などの概要 を扱うこと。イについては,原価計算についても扱うこと。ウについては,工場経営に関する法規 の目的と概要を扱うこと。エについては,起業家精神についても扱うこと。 第9 工業環境技術  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,環境に関する調 査,評価,管理に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 環境技術について工業の各分野における産業と環境との関係や環境の保全技術を踏まえて理解する とともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2) 環境技術に関する課題を発見し,工業に携わる者として科学的な根拠に基づき工業技術の進展に対 応し解決する力を養う。 (3) 環境技術を用いて持続可能な社会を構築する力の向上を目指して自ら学び,工業の発展に主体的か つ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)環境と人間 (2)環境と産業 ア 環境問題の推移 イ 環境リスクと安全 ウ 産業界の対応 (3)生活環境の保全 ア 都市環境 イ 住環境と健康 ウ 防災と減災 (4)環境に関する法規 ア 環境保全に関する法規 イ 環境評価 (5)環境対策技術 ア 大気汚染
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工 業 250 イ 水質汚濁 ウ 土壌汚染 エ 音,振動,臭気 オ 廃棄物  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 工業生産において環境への配慮が重要であることを理解できるようにするとともに,工業に携わ る者に求められる倫理観を踏まえ環境の改善について考察するよう工夫して指導すること。 イ 地域の身近な環境問題を取り上げ,調査,報告書の作成,発表などできるよう工夫して指導する こと。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) については,地球の成り立ち,資源やエネルギーの有限性,地球環境の現状な どを扱うこと。また,持続可能な社会の構築に向け技術者が果たす役割についても扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) のイについては,環境へのリスクの概要を扱うこと。 ウについては,産業界に おける環境保全やリサイクルなどの対策を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) のアについては,都市環境の保全技術の概要を扱うこと。 イについては,住環 境による健康への影響の概要を扱うこと。ウについては,自然災害に対する備えや対応などを扱う こと。 エ 〔指導項目〕 の (4) のアについては,環境保全に関する法規の目的と概要を扱うこと。 イについて は,環境評価の手法を扱うこと。 オ 〔指導項目〕の (5) については,環境汚染を防止する技術を扱うこと。 第10 機械工作  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,機械材料の加工 や工作に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 機械工作について機械材料の加工性や工作法を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付 けるようにする。 (2) 機械工作に関する課題を発見し,技術者として科学的な根拠に基づき工業技術の進展に対応し解決 する力を養う。 (3) 工業生産における適切な機械材料の加工や工作する力の向上を目指して自ら学び,情報技術や環境 技術を活用した製造に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)機械工作法の発達 (2)機械材料 ア 機械材料の加工性と活用 イ 新素材の加工性と活用 (3)各種の工作法 (4)工業量の測定と計測機器
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工 業 251 ア 工業量の測定 イ 計測機器の活用 (5)生産の管理 ア 生産計画と管理 イ 情報技術による生産のシステム化  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 技術の進展,産業界の動向に着目するとともに,実習などを通して,具体的に理解できるよう工 夫して指導すること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) については,機械材料,工作機械及び工作法が相互に関連して発展してきたこ とを扱うこと。また,産業社会と機械の発達との関係についても扱うこと。 イ 〔指導項目〕の (2) については,材料の機械的性質と活用方法を工業生産に関連付けて扱うこと。 ウ 〔指導項目〕の (3) については,実際の工作機械や装置の構造,機能及び操作を扱うこと。 エ 〔指導項目〕の (4) については,工業量の測定と計測機器の原理とを関連付けて扱うこと。 オ 〔指導項目〕 の (5) については,生産の管理手法について総合的に扱うこと。 また,災害の予防や 安全対策及び情報技術を活用した生産の管理システムを扱うこと。 第11 機械設計  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,器具や機械など の設計に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 機械設計について機械に働く力,材料及び機械装置の要素を踏まえて理解するとともに,関連する 技術を身に付けるようにする。 (2) 機械設計に関する課題を発見し,技術者として科学的な根拠に基づき工業技術の進展に対応し解決 する力を養う。 (3) 安全で安心な機械を設計する力の向上を目指して自ら学び,情報技術や環境技術を活用した製造に 主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)生産における設計の役割 (2)機械に働く力 ア 機械に働く力と運動 イ エネルギーと仕事及び動力との関係 (3)材料の強さ ア 機械部分に生じる応力とひずみとの関係 イ 機械部分の形状 (4)機械要素と装置 ア 締結要素 イ 軸要素
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工 業 252 ウ 伝達装置 エ 緩衝装置 オ 管路,構造物,圧力容器 (5)器具と機械の設計 ア 器具の設計 イ 機械の設計  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 機械に働く力や機構について工学的に理解できるよう工夫して指導すること。 イ 〔指導項目〕 の (4) のイ,エ及びオについては,生徒の実態や学科の特色等に応じて,選択して扱 うことができること。 ウ 〔指導項目〕 の (5) については,生徒の実態や学科の特色等に応じて,ア又はイのいずれかを選択 して設計の手順について理解できるようにするとともに,設計できるよう工夫して指導すること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕の (1) については,機械が機構と機械要素から成り立っていることを扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) のアについては,機械に働く力と運動に関する法則及び具体的な事例を通した 計算方法を扱うこと。イについては,エネルギーと仕事及び動力をそれぞれ関連付けて扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) のアについては,機械部分に生じる応力とひずみを扱うとともに,機械部分の 形状と大きさを決める方法と計算方法についても扱うこと。また,座屈については,計算式の活用 を中心に扱うこと。イについては,はりの断面の形状と寸法の計算方法を扱うこと。 エ 〔指導項目〕の (4) のアからオまでについては,要素と装置の種類,特性及び用途を扱うこと。 オ 〔指導項目〕の (5) については,コンピュータを活用した設計の方法についても扱うこと。 第12 原動機  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,原動機によりエ ネルギーを有効活用することに必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 原動機について構造と機能を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2) 原動機に関する課題を発見し,技術者として科学的な根拠に基づき工業技術の進展に対応し解決す る力を養う。 (3) 原動機に関わるエネルギーを有効に利用する力の向上を目指して自ら学び,省エネルギーや環境保 全に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)エネルギー変換と環境 ア 動力とエネルギー イ エネルギーと原動機 ウ エネルギーと環境 (2)流体機械 ア 流体の性質と力学
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工 業 253 イ 水車とポンプ ウ 送風機と圧縮機 エ 油空圧機器 (3)内燃機関 ア 熱力学 イ 内燃機関の原理 ウ ガソリン機関 エ ディーゼル機関 オ 内燃機関と自動車 (4)タービンエンジン ア 蒸気タービン イ ガスタービン (5)冷凍装置  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 原動機の理論と実際の機器とを関連付けて,具体的に理解できるよう工夫して指導すること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) のウについては,エネルギー消費と環境問題との関連を扱うこと。 また,技術 の進展に対応した新エネルギーの内容を扱うとともに,自然エネルギーの活用についても扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) のアについては,液体及び気体の性質と流体の力学計算を扱うこと。 イからエ までについては,流体機械の構造,機能及び利用例を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) のアについては,熱と仕事との関係を扱うこと。 ウ及びエについては,エネル ギー変換の原理と機関の構造を扱うこと。また,機関の性能については,各種サイクルの熱効率及 び日本産業規格に基づく性能試験を扱うこと。オについては,内燃機関,自動車及び環境対策技術 を関連付けて扱うこと。 エ 〔指導項目〕の (4) のアについては,火力発電及び原子力発電における動力発生について,原理, 構成,利用及び環境への配慮を扱うこと。イについては,ジェットエンジンについても扱うこと。 オ 〔指導項目〕の (5) については,冷凍装置の原理と仕組みを扱うこと。 第13 電子機械  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,電子機械の発展 への対応に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 電子機械について機械,電気,電子及び情報に関する各分野の構成を踏まえて理解するとともに, 関連する技術を身に付けるようにする。 (2) 電子機械に関する課題を発見し,技術者として科学的な根拠に基づき工業技術の進展に対応し解決 する力を養う。 (3) 電子機械を活用する力の向上を目指して自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度 を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
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工 業 254 〔指導項目〕 (1)産業社会と電子機械 ア 身近な電子機械 イ 電子機械と生産ライン (2)機械の機構と運動の伝達 ア 機械要素 イ 機械の機構 (3)電子機械の入力や出力を構成する要素 ア センサ イ アクチュエータ (4)電子機械の制御方法 ア シーケンス制御 イ フィードバック制御 (5)コンピュータによる電子機械の制御 ア 制御用コンピュータの構成 イ 制御用コンピュータのハードウェア ウ 制御用コンピュータのソフトウェア エ 制御のネットワーク化 (6)社会とロボット技術 ア 産業用ロボット イ 社会生活とロボット技術  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 持続可能な社会の創造や情報化の進展などにメカトロニクスの活用が果たす役割について,身近 な事例を通して考察するよう工夫して指導すること。 イ 〔指導項目〕 の (5) については,制御用コンピュータなどの実験・実習を通して,実際の活用と関 連付けて考察するよう工夫して指導すること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) については,身近な事例を通して,電子機械が社会生活や産業において果たし ている役割,省エネルギー及び環境保全を扱うこと。 イ 〔指導項目〕の (2) については,機械要素の概要や電子機械のメカニズムを扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) については,電子機械において入力や出力を構成するメカトロニクスの要素を 扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) のアについては,具体的な事例を通して,シーケンス制御の仕組みを扱うこと。 イについては,原理や実用例を扱うこと。 オ 〔指導項目〕の (5) については,マイクロコンピュータの組込み技術についても扱うこと。 カ 〔指導項目〕の (6) のアについては,産業現場における人とロボットの協働についても扱うこと。 イについては,社会生活の中で活用されるパートナーロボットなどとの共生についても扱うこと。
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工 業 255 第14 生産技術  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,工業生産のシス テムを構築することに必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 生産技術について自動化やネットワーク化を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付け るようにする。 (2) 生産技術に関する課題を発見し,技術者として科学的な根拠に基づき工業技術の進展に対応し解決 する力を養う。 (3) 人と機械が協調して生産性を改善する力の向上を目指して自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働 的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)社会構造の変化と生産技術 ア 生産技術の発達 イ 社会と工業との関わり (2)生産における電気技術 ア 直流回路 イ 交流回路 ウ 電気設備 (3)生産における電子技術 ア 電子回路 イ 電子部品と情報機器 (4)生産における制御技術 ア 制御の原理と制御機器の構成 イ コンピュータ制御 (5)生産におけるロボット技術 ア ロボットの概要 イ ロボットの制御システム ウ ロボットの操作と安全管理 (6)生産の自動化技術 ア CAD/CAM イ 数値制御工作機械 ウ 工業生産の自動化システムの構成 エ 生産のネットワーク化  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 生産技術の進歩と社会の変化との関連について,コンピュータを活用した実験・実習を通して考 察するよう工夫して指導すること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
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工 業 256 ア 〔指導項目〕 の (1) については,情報化に対応した生産技術の発達及び生産活動への人間の関わり 方の変化を扱うこと。 イ 〔指導項目〕の (2) については,電流と磁気に関する計算方法を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕の (3) については,工業の生産技術に関わる電子回路素子や回路を扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) については,シーケンス制御とフィードバック制御の原理を実際の制御装置と 関連付けて扱うこと。 オ 〔指導項目〕 の (5) については,技術の進歩によるロボット技術の活用の広がりについても扱うこ と。 カ 〔指導項目〕 の (6) については,工業生産の自動化に関する技術及び工業生産を統合するネットワ ーク技術を扱うこと。 第15 自動車工学  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,安全で安心な自 動車の提供に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 自動車について構造と機能を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2) 自動車に関する課題を発見し,技術者として科学的な根拠に基づき工業技術の進展に対応し解決す る力を養う。 (3) 自動車の付加価値を高める力の向上を目指して自ら学び,自動車産業の発展に主体的かつ協働的に 取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)人と自動車 (2)自動車の原理 ア 自動車の概要と力学 イ 自動車用機関の働きと動力伝達に関する装置 ウ 自動車の操作と制動 (3)自動車の構造 ア 自動車用機関と性能 イ 自動車用機関の付属装置 ウ 車体と付属装置 エ 走行と性能 (4)自動車と電気・電子技術 ア 自動車の電気装置 イ 自動車の制御技術 (5)自動車と安全 ア 予防安全装置 イ 衝突安全装置 (6)自動車と環境
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工 業 257  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 自動車技術の進展,経済性,安全性及び環境対策の動向に着目するとともに,実習などを通して, 具体的に理解できるよう工夫して指導すること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) については,自動車の発明と進歩,自動車産業と社会との関わり及び自動車と 人間生活との関わりを扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) のアについては,動力の発生,自動車の操作装置,材料の性質などを扱うこと。 イについては,自動車用機関の働きと動力伝達に関連する装置の機能を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) のウについては,自動車の構造に関する技術の進展に対応した題材を取り上げ, 実際に活用する技術を扱うこと。エについては,走行性能と走行試験とを関連付けて扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) のアについては,自動車の電気装置の原理と構造及び機能を扱うこと。 イにつ いては,自動車における制御技術の活用を扱うこと。 オ 〔指導項目〕の (5) については,自動車の安全確保に関する技術を扱うこと。 カ 〔指導項目〕 の (6) については,排出ガスの対策など自動車の環境保全に関する技術,再利用可能 な部品を素材としてリサイクルする技術及び効率よく動力を取り出すなどの省エネルギーに関する 技術を扱うこと。 第16 自動車整備  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,自動車の性能の 維持,快適で安全な走行及び環境汚染の防止に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 自動車について法規と整備の目的を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付けるように する。 (2) 自動車の整備に関する課題を発見し,技術者として科学的な根拠に基づき工業技術の進展に対応し 解決する力を養う。 (3) 自動車の整備を行う力の向上を目指して自ら学び,自動車産業の発展に主体的かつ協働的に取り組 む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)自動車整備と関係法規 ア 自動車整備の目的と内容 イ 自動車整備に関する法規 ウ 自動車整備事業と自動車整備士 (2)自動車用材料 ア 自動車用材料の加工 イ 自動車用材料のリサイクル ウ 自動車整備に伴う工作法と機器 (3)自動車の整備と試験 ア 自動車用機関と関連装置の整備
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工 業 258 イ 自動車シャシと関連装置の整備 ウ 環境保全と安全確保に関する装置の整備  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 自動車整備と関係法規に着目するとともに,実習などを通して,具体的に理解できるよう工夫し て指導すること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) のイについては,自動車整備に関する法規の目的と概要について,整備の体系 と関連付けて扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) のアについては,自動車用材料の加工法を扱うこと。 イについては,再利用可 能な部品を素材としてリサイクルする仕組みを通して,省資源と環境保全の重要性を扱うこと。ウ については,自動車の整備に関わる工作機器の原理と工作法を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕の (3) のア及びイについては,関連する装置も含めて総合的に,点検,測定,調整, 検査及び試験を扱うこと。 第17 船舶工学  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,船舶の建造に必 要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 船舶について国際的な安全や環境に関わる規制と技術を踏まえて理解するとともに,関連する技術 を身に付けるようにする。 (2) 船舶に関わる規制や技術に関する課題を発見し,技術者として科学的な根拠に基づき工業技術の進 展に対応し解決する力を養う。 (3) 安全で高性能・高品質な船舶を建造する力の向上を目指して自ら学び,船舶産業の発展に主体的か つ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)船舶の概要 ア 海に関わる諸事象 イ 船舶の種類 ウ 船舶に関わる規制 エ 船舶に関わる産業 (2)船舶の構造と設備 ア 船舶の構造 イ 船舶の設備 (3)船舶設計 ア 船舶設計の概要 イ 船舶計算 ウ 船舶の抵抗や推進 エ 船舶の構造力学
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工 業 259 (4)船舶建造 ア 造船の概要 イ 現図,加工,組立 ウ 搭載,進水 エ 艤 ぎ 装,塗装 (5)船舶の管理 ア 検査制度 イ 修繕工事  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 国際的な安全や環境に関わる規制,技術の進展及び地域の実態と関連付けて理解できるよう工夫 して指導すること。 イ 〔指導項目〕 の (2) , (3) 及び (5) については,生徒や地域の実態,学科の特色等に応じて,選択し て扱うことができること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) のアについては,海に関わる諸事象と船舶とを関連付けて扱うこと。 ウについ ては,国際的な安全や環境に関わる規制の目的や概要を扱うこと。 イ 〔指導項目〕の (2) については,船舶の省エネルギー技術を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕の (3) については,船舶の性能及び安全性を扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) については,船舶の品質に着目し,造船の現場における船殻工程と艤 ぎ 装工程と を関連付けて扱うこと。イについては,機械工作法についても扱うこと。 オ 〔指導項目〕の (5) については,船舶の性能維持や堪 たん 航性に関わる検査制度を扱うこと。 第18 電気回路  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,電気現象を量的 に取り扱うことに必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 電気回路について電気的諸量の相互関係を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付ける ようにする。 (2) 電気回路に関する課題を発見し,技術者として科学的な根拠に基づき工業技術の進展に対応し解決 する力を養う。 (3) 電気回路を工業技術に活用する力の向上を目指して自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働的に取 り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)電気回路の要素 ア 電気回路の電流・電圧・抵抗 イ 電気抵抗 ウ 静電容量と静電現象 エ インダクタンスと磁気現象
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工 業 260 (2)直流回路 ア 直流回路の電流・電圧 イ 消費電力と発生熱量 ウ 電気の各種作用 (3)交流回路 ア 交流の発生と表し方 イ 交流回路の電流・電圧・電力 ウ 記号法 エ 三相交流 (4)電気計測 ア 電気計器の原理と構造 イ 基礎量の測定 ウ 測定量の取扱い (5)各種の波形 ア 非正弦波交流 イ 過渡現象  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 工業生産に関連付けて考察するよう工夫して指導すること。また,計算方法の取扱いに当たって は,演習を重視し,実際に活用できるよう工夫して指導すること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) のアについては,電流,電圧及び抵抗の意味と関係する量を扱うこと。 ウにつ いては,関係する量と計算方法を扱うこと。エについては,インダクタンス及び電流と磁気に関わ る量と計算方法を扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) のアについては,直流回路における電流,電圧及び抵抗の計算方法を扱うこと。 イについては,電流による発熱,電力及び電力量を扱うこと。ウについては,電気による各種作用 の原理と利用を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) のアについては,交流の状態を表す諸量を扱うこと。 イについては,交流回路 における抵抗,静電容量及びインダクタンスについての計算方法を扱うこと。ウについては,交流 回路における電流及び電圧の計算方法を扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) のアについては,電気計器の原理,構造,特性及び取扱い方法を扱うこと。 イ については,基礎量の測定法を扱うこと。ウについては,測定に伴う誤差や測定値の取扱いなどを 扱うこと。 オ 〔指導項目〕 の (5) のアについては,非正弦波形の発生を扱うこと。 イについては,電気回路にお ける過渡現象の発生とその回路の時定数を扱うこと。 第19 電気機器  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,電気機器を活用 した工業生産に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 電気機器についてエネルギーの変換を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付けるよう
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工 業 261 にする。 (2) 電気機器に関する課題を発見し,技術者として科学的な根拠に基づき工業技術の進展に対応し解決 する力を養う。 (3) 電気機器に関わる電気エネルギーを活用する力の向上を目指して自ら学び,工業の発展に主体的か つ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)直流機器 ア 直流発電機 イ 直流電動機 ウ 特殊電動機 (2)交流機器 ア 変圧器 イ 誘導機 ウ 同期機 (3)電気材料 ア 導電材料 イ 磁性材料 ウ 絶縁材料 (4)パワーエレクトロニクス ア パワーエレクトロニクス素子 イ 電力変換 ウ 電力変換回路  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 計算方法の取扱いに当たっては,演習を重視し,実際に活用できるよう工夫して指導すること。 イ 工業生産に関連付けて考察できるようにするとともに,電気機器に関する法規及び日本産業規格 などの各種規格についても理解できるよう工夫して指導すること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕の (1) , (2) 及び (4) のアについては,原理,構造及び特性を扱うこと。 イ 〔指導項目〕の (3) については,特性及び取扱い方法を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (4) のイについては,方式及び原理を扱うこと。 ウについては,パワーエレクトロ ニクス素子を使用した電子回路を扱うこと。 第20 電力技術  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,電力を供給する 技術を活用した工業生産に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 電力技術について電力の供給と利用技術を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付ける ようにする。
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工 業 262 (2) 電力の供給と利用技術に関する課題を発見し,技術者として科学的な根拠に基づき工業技術の進展 に対応し解決する力を養う。 (3) 電力を効率的に利用する力の向上を目指して自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働的に取り組む 態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)発電 ア 発電方式 イ 火力発電 ウ 再生可能エネルギーによる発電 エ 原子力発電 (2)送電と配電 ア 送電 イ 配電 ウ 自家用変電所と屋内配線 (3)電力の制御 ア シーケンス制御 イ フィードバック制御 ウ コンピュータ制御 (4)電力の利用 ア 照明 イ 電熱 ウ 電気化学 エ 電気鉄道 オ 家庭用電気機器 (5)省エネルギー技術 ア 発電や送電の省エネルギー技術 イ 電力利用の省エネルギー技術 (6)電気に関する法規 ア 電気事業に関する法規 イ 電気工事に関する法規 ウ 電気用品に関する法規  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (4) のアからオまでについては,生徒の実態や学科の特色等に応じて,いずれか三 つ以上を選択して扱うことができること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) のアについては,発電方式の概要と特徴を扱うこと。 イからエまでについては, 発電の原理,方法,構成及び特性を扱うこと。ウについては,水力発電,太陽光発電,風力発電な どを扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) のアについては,送電の方式と特性,変電所の構成及び運用を扱うこと。 イに
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工 業 263 ついては,配電の方式,構成,特性及び保守を扱うこと。ウについては,自家用変電所の構成,関 連する法規の目的と概要及び屋内配線の設計・施工を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) については,電気エネルギーに関する制御の原理,制御系の構成及び動作を扱 うこと。 エ 〔指導項目〕の (4) については,電力利用の原理,機器と装置の構成及び利用例を扱うこと。 オ 〔指導項目〕 の (5) については,発電,送電及び電力利用時の省エネルギー技術の原理と方法を扱 うこと。 カ 〔指導項目〕の (6) については,電気に関する法規の目的と概要を扱うこと。 第21 電子技術  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,電子技術を活用 した工業生産に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 電子技術について半導体や電子回路と電子機器との関係を踏まえて理解するとともに,関連する技 術を身に付けるようにする。 (2) 電子技術に関する課題を発見し,技術者として科学的な根拠に基づき工業技術の進展に対応し解決 する力を養う。 (3) 電子技術を活用する力の向上を目指して自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度 を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)電子技術の概要 (2)半導体と電子回路 ア 半導体 イ 電子回路 (3)通信システム ア 有線通信 イ 無線通信 ウ 画像通信 エ データ通信 オ 通信に関する法規 (4)音響・映像機器 ア 音響機器 イ 映像機器 (5)電子計測 ア 高周波計測 イ センサによる計測  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 工業生産に関連付けて考察するよう工夫して指導すること。また,計算方法の取扱いに当たって
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工 業 264 は,演習を重視し,実際に活用できるよう工夫して指導すること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕の (1) については,電子技術の発達や現代社会における役割などを扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) のアについては,半導体の原理並びに半導体素子の種類,特性及び具体的な働 きを扱うこと。イについては,増幅回路などのアナログ回路並びに論理回路などのデジタル回路の 動作と特性を扱うこと。また,AD 変換回路,DA 変換回路の原理と活用例を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) のアからエまでについては,通信に必要な電子機器の特性と利用例及び通信機 器と通信システムの内容を扱うこと。オについては,通信に関する法規の目的と概要を扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) については,アナログ及びデジタル技術を利用した音響機器及び映像機器の原 理と構造を扱うこと。 オ 〔指導項目〕 の (5) のアについては,高周波計測に用いる測定器の原理と測定方法を扱うこと。 イ については,電子計測に用いられるセンサの原理と活用例を扱うこと。 第22 電子回路  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,電子回路の設 計・製作に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 電子回路について機能や特性を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2) 電子回路に関する課題を発見し,技術者として科学的な根拠に基づき工業技術の進展に対応し解決 する力を養う。 (3) 電子回路を設計・製作する力の向上を目指して自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働的に取り組 む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)電子回路素子 ア ダイオード イ トランジスタ ウ 集積回路 (2)増幅回路 ア 低周波増幅回路 イ 高周波増幅回路 (3)各種の電子回路 ア 電源回路 イ 発振回路 ウ パルス回路 エ 変調・復調回路  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 電子回路素子の機能や特性,増幅回路,各種の電子回路について定量的に扱うとともに,実習な どを通して,具体的に理解できるよう工夫して指導すること。
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工 業 265 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) のア及びイについては,電子回路で用いる代表的な素子の構造,性質及び用途 を扱うこと。ウについては,アナログ及びデジタル回路に用いられる集積回路の種類,特徴,機能 及び利用例を実際の活用に関連付けて扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) については,増幅回路の原理,利得,帯域幅などの特性及び電力増幅を扱うこ と。また,増幅回路の設計・製作を行い,実際の活用に関連付けて扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) については,回路の構成,動作原理及び取扱い方法を実際の活用に関連付けて 扱うこと。ウについては,パルス波の有用性,発生及び整形の方法を扱うこと。 第23 電子計測制御  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,電子計測制御に 必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 電子計測制御について計測と制御との関係を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付け るようにする。 (2) 電子計測制御に関する課題を発見し,技術者として科学的な根拠に基づき工業技術の進展に対応し 解決する力を養う。 (3) 計測制御システムを構築する力の向上を目指して自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働的に取り 組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)電子計測制御の概要 ア 電子計測制御の仕組み イ 計測制御機器とデータ処理 (2)シーケンス制御 ア シーケンス制御の概要 イ シーケンス制御の機器 ウ シーケンス制御の回路 エ プログラマブルコントローラの活用 (3)フィードバック制御 ア フィードバック制御の概要 イ 制御特性 ウ フィードバック制御の活用 (4)ネットワークを活用した計測制御 ア 制御装置とインタフェース イ 制御プログラム ウ ネットワークを活用した計測制御システム  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 計測技術,自動制御技術及びネットワーク技術を総合的に理解できるよう工夫して指導すること。
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工 業 266 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) のアについては,電子計測制御の考え方,人間生活を支える技術及び計測・制 御の対象となる物質の性質について,相互に関連付けて扱うこと。イについては,計測制御機器に よるデータの測定方法及び処理方法を実際の活用に関連付けて扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) については,シーケンス制御の原理と特徴及びシーケンス制御に使用される電 子機器の構成と取扱い方法を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕の (3) については,フィードバック制御の原理と特徴及び実用例を扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) のアについては,コンピュータと外部機器との接続方法を扱うこと。 イについ ては,外部機器を制御するプログラミングの方法を扱うこと。ウについては,ネットワークを活用 した計測制御システムの概要を扱うこと。 第24 通信技術  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,情報通信を行う ことに必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 通信技術について通信機器の機能や特性を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付ける ようにする。 (2) 通信技術に関する課題を発見し,技術者として科学的な根拠に基づき工業技術の進展に対応し解決 する力を養う。 (3) 通信技術を通して情報通信の付加価値を高める力の向上を目指して自ら学び,工業の発展に主体的 かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)有線通信 ア 有線通信システム イ データ通信とネットワーク ウ 光通信 (2)無線通信 ア 電波とアンテナ イ 無線通信システム ウ 無線機器 エ 衛星を利用した通信システム (3)画像通信 ア 静止画像の通信 イ テレビジョン技術 ウ 圧縮 エ 暗号化 (4)通信装置の入出力機器 ア 情報のデジタル化 イ 入出力機器
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工 業 267 (5)通信に関する法規  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (5) については,法的な根拠を踏まえ, (1) から (4) までと関連付けて理解できるよ う工夫して指導すること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) のアについては,有線通信回線を用いたアナログ及びデジタル通信による通信 システムの構成及び概要を扱うこと。イについては,データ通信システム及びネットワークの概要 を扱うこと。また,通信プロトコルと交換機についても扱うこと。ウについては,光通信の原理と 利用方法を扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) のアについては,電波の性質,アンテナの電気的特性及び電波の放射と受信を 扱うこと。イについては,無線通信の方法と通信システムについて,アナログ及びデジタル通信を 扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) のアについては,ファクシミリの送受信の原理を扱うこと。 イについては,テ レビジョンの電波と送受信機の概要及びデジタル放送の特徴を扱うこと。ウについては,通信デー タの圧縮及び復元の仕組みを扱うこと。エについては,暗号化の理論を扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) については,情報のデジタル化技術や技術の進展に対応した入出力機器を扱う こと。 オ 〔指導項目〕の (5) については,通信に関する法規の目的と概要を扱うこと。 第25 プログラミング技術  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,コンピュータの プログラミングに必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) コンピュータのプログラミングについてシステムソフトウェアとプログラミングツールを踏まえて 理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2) コンピュータのプログラミングに関する課題を発見し,技術者として科学的な根拠に基づき工業技 術の進展に対応し解決する力を養う。 (3) コンピュータのプログラムを開発する力の向上を目指して自ら学び,情報技術の発展に主体的かつ 協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)アルゴリズム ア アルゴリズムと流れ図 イ 順次型のアルゴリズム ウ 選択型のアルゴリズム エ 繰り返し型のアルゴリズム (2)プログラム技法 ア データ構造 イ プログラムの標準化
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工 業 268 ウ ファイル処理 エ 入出力設計 オ プログラムの構造化設計  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 生徒の実態や学科の特色等に応じて,適切なプログラミング言語を選択し,演習や実習などを通 して,具体的に理解できるよう工夫して指導すること。 イ 〔指導項目〕 の (1) については,プログラム言語の規則の習得に偏ることのないよう,適切な事例 を活用した演習を取り入れ,論理的な思考を重視するよう工夫して指導すること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕の (1) については,アルゴリズムの表現方法及びプログラムの処理手順を扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) については,適切な事例を活用した演習を取り入れ,プログラムの計画,作成, 実施,評価及び効果的に情報を処理する方法を扱うこと。 第26 ハードウェア技術  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,工業生産や社会 生活に役立つコンピュータのハードウェアの開発に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指 す。 (1) コンピュータのハードウェアについて機能,構成及び制御技術を踏まえて理解するとともに,関連 する技術を身に付けるようにする。 (2) コンピュータのハードウェアに関する課題を発見し,技術者として科学的な根拠に基づき工業技術 の進展に対応し解決する力を養う。 (3) コンピュータのハードウェアを開発する力の向上を目指して自ら学び,情報技術の発展に主体的か つ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)コンピュータの電子回路 ア 電子回路と素子 イ 論理回路 ウ フリップフロップ エ 各種レジスタ オ コンピュータによる論理回路設計 (2)コンピュータの構成 ア マイクロプロセッサと処理装置 イ 記憶装置と周辺機器 ウ データの流れと命令語の構成 (3)コンピュータによる制御 ア ハードウェアに適した言語 イ コンピュータによる制御の構成
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工 業 269 ウ センサとアクチュエータ エ 制御プログラム (4)マイクロコンピュータの組込み技術 ア 組込みシステムの構成 イ 組込みハードウェア ウ 組込みソフトウェア  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 生徒の実態や学科の特色等に応じて,適切なマイクロコンピュータ及びプログラミング言語を選 択し,演習や実習などを通して,具体的に理解できるよう工夫して指導すること。 イ 〔指導項目〕 の (1) のア及びオについては,生徒の実態や学科の特色等に応じて,選択して扱うこ とができること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) については,コンピュータのハードウェアを構成する回路の動作原理を扱うこ と。 イ 〔指導項目〕 の (2) のア及びイについては,装置や機器の動作原理,機能及び役割を扱うこと。 ウ については,データの処理手順を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) のアについては,機械語及びアセンブリ言語の特徴と用途を扱うこと。 イにつ いては,インタフェースの用途と機能を扱うこと。ウについては,コンピュータ制御に用いられる センサとアクチュエータの原理,構造及び特性を扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) のアについては,マイクロプロセッサを搭載した組込みシステムの構成と動作 や仕組みを扱うこと。 イについては,マイクロプロセッサを組み込むための実装技術を扱うこと。 ウ については,マイクロプロセッサを組み込むためのプログラムの開発を扱うこと。 第27 ソフトウェア技術  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,制御対象を動作 させるコンピュータのソフトウェアの活用に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) コンピュータのソフトウェアについてシステムソフトウェアとプログラミングツールを踏まえて理 解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2) コンピュータのソフトウェアに関する課題を発見し,技術者として科学的な根拠に基づき工業技術 の進展に対応し解決する力を養う。 (3) コンピュータのソフトウェアを開発する力の向上を目指して自ら学び,情報技術の発展に主体的か つ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)オペレーティングシステム ア オペレーティングシステムの概要 イ オペレーティングシステムの機能 ウ オペレーティングシステムの管理
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工 業 270 (2)セキュリティ技術 ア 情報セキュリティ技術 イ 情報セキュリティ管理 ウ 情報セキュリティに関する法規 (3)ソフトウェアの制作 ア ソフトウェアの制作手順 イ ソフトウェアの制作環境 ウ アプリケーションソフトウェアの制作  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 生徒の実態や学科の特色等に応じて,適切なオペレーティングシステム及びアプリケーションプ ログラムを選択し,演習や実習などを通して,具体的に理解できるよう工夫して指導すること。 イ 情報化の進展が及ぼす影響について技術者倫理の視点から考察できるようにするとともに,情報 モラルについて理解できるよう工夫して指導すること。 ウ 〔指導項目〕の (3) のウについては,生徒の実態や学科の特色等に応じて,選択して扱うことがで きること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) のイについては,オペレーティングシステムの機能と役割を扱うこと。 ウにつ いては,オペレーティングシステムのインストール,運用及び管理を扱うこと。 イ 〔指導項目〕の (2) のアについては,暗号化やアクセス管理の必要性を扱うこと。イについては, リスク分析と評価,情報セキュリティポリシー及びネットワークのセキュリティ管理など具体的な 事例を扱うこと。ウについては,情報セキュリティに関する法規の目的と概要を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) のア及びイについては,ソフトウェアの制作における要求分析や設計,ドキュ メンテーション及びテストを関連付けた効果的な制作の技法を扱うこと。 第28 コンピュータシステム技術  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,コンピュータシ ステムを活用した情報処理の効率化に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) コンピュータシステム技術について情報処理システムの運用を踏まえて理解するとともに,関連す る技術を身に付けるようにする。 (2) コンピュータシステムに関する課題を発見し,技術者として科学的な根拠に基づき工業技術の進展 に対応し解決する力を養う。 (3) コンピュータシステムを開発する力の向上を目指して自ら学び,情報技術の発展に主体的かつ協働 的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)コンピュータシステムの構築 ア コンピュータシステムの概要 イ コンピュータシステムの分析と設計
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工 業 271 ウ コンピュータシステムの評価 (2)ネットワーク技術 ア データ通信の概要 イ データ通信の技術 ウ ネットワークアーキテクチャ エ ネットワークシステムの設計 オ ネットワークシステムの運用と保守 カ ネットワークセキュリティ (3)データベース技術 ア データベースの概要 イ データベースの設計 ウ データベースの利用 (4)情報媒体の活用技術 ア 情報媒体の概要 イ デジタル化技術 ウ 情報媒体の表現技法  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 生徒の実態や学科の特色等に応じて,適切なオペレーティングシステム及びアプリケーションプ ログラムを選択し,演習や実習などを通して,具体的に理解できるよう工夫して指導すること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) のアについては,ディレクトリ構成,環境設定及びユーザ管理を扱うこと。 イ については,コンピュータシステムの具体的な事例を取り上げ,システムの分析及び設計の手法を 扱うこと。ウについては,コンピュータシステムの運用方法,保守及び評価方法を扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) のイについては,データ通信の方式,伝送方式,伝送制御手順及び無線通信技 術を扱うこと。ウについては,ネットワーク階層,通信プロトコル及び伝送制御を扱うこと。エに ついては,IP ネットワークの動作の仕組み及びIP 通信を支える物理インフラを扱うこと。オにつ いては,利用者登録,リソース管理及びセキュリティ管理を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕の (3) のアについては,データとファイル構造を扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) のイについては,文字,音声,画像をデジタル化する技術と情報の圧縮,伸張 の原理と方法を扱うこと。ウについては,情報機器を活用した具体的な事例を通して,情報表現の 特性を扱うこと。 第29 建築構造  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,建築物の構造の 提案に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 建築物の構造について荷重に対する安全性や材料の特性を踏まえて理解するとともに,関連する技 術を身に付けるようにする。 (2) 建築物の構造や建築材料に関する課題を発見し,技術者として科学的な根拠に基づき工業技術の進 展に対応し解決する力を養う。
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工 業 272 (3) 安全で安心な建築物の構造を実現する力の向上を目指して自ら学び,建築の発展に主体的かつ協働 的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)建築構造の概要 (2)建築材料 (3)木構造 (4)鉄筋コンクリート構造 (5)鋼構造 (6)合成構造 ア 鉄骨鉄筋コンクリート構造 イ コンクリート充填 てん 鋼管構造 (7)建築物の耐震技術 ア 耐震技術 イ 耐震補強と住宅の耐震化  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 地域の実態を踏まえ,建築物の見学,メディア教材の活用及び実習などを通して,具体的に理解 できるよう工夫して指導すること。 イ 建築物の構造に関わる課題について,建築に携わる技術者に求められる倫理観を踏まえ法的な側 面から考察するよう工夫して指導すること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) については,技術の進展に対応した建築物の構法,建築物の構造の種類,歴史 的な発達過程及び特徴を扱うこと。 イ 〔指導項目〕の (2) については,建築材料の種類,特徴,規格及び性能を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕の (3) から (5) までについては,それぞれの構造に関する各部の名称,構成及び機能 を扱うこと。 エ 〔指導項目〕の (6) については,合成構造の種類,構成及び機能の概要を扱うこと。 オ 〔指導項目〕の (7) については,耐震技術及び耐震補強を扱うこと。 第30 建築計画  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,建築物の計画に 必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 建築物の計画について住空間の快適性やエネルギーを踏まえて理解するとともに,関連する技術を 身に付けるようにする。 (2) 建築物の計画に関する課題を発見し,技術者として科学的な根拠に基づき工業技術の進展に対応し 解決する力を養う。 (3) 安全で快適な建築物を計画する力の向上を目指して自ら学び,建築の発展に主体的かつ協働的に取 り組む態度を養う。
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工 業 273  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)建築計画の概要 (2)建築の歴史 ア 日本の建築 イ 西洋の建築 ウ 近代の建築 エ 現代の建築 (3)建築と住環境 ア 気候 イ 熱 ウ 通風と換気 エ 光 オ 音 カ 色彩 (4)建築の設備 ア 給排水や衛生に関わる設備 イ 空気調和や換気に関わる設備 ウ 電気や通信に関わる設備 エ 防災や搬送に関わる設備 オ 省エネルギー技術 (5)建築物の企画や計画 ア 独立住宅 イ 集合住宅 ウ 各種建築物 エ バリアフリーとユニバーサルデザイン (6)都市の計画 ア 都市計画の概要 イ 都市計画と地域計画  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 地域の実態を踏まえ,建築物の見学,メディア教材の活用,身の回りの環境に関する調査及び実 測などを通して,具体的に理解できるよう工夫して指導すること。 イ 建築物の計画に関わる課題について,建築に携わる技術者に求められる倫理観を踏まえ考察する よう工夫して指導すること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕の (1) については,建築計画の意義と過程,建築計画の要素を扱うこと。 イ 〔指導項目〕の (2) については,建築の歴史的な変遷や建築様式の特徴を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) については,それぞれの項目と建築物との関係及び自然条件が建築物に与える 影響を扱うこと。 エ 〔指導項目〕の (4) のアからエまでについては,技術の進展に対応した設備についても扱うこと。
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工 業 274 アからウまでについては,設備の種類,構成及び特徴を扱うこと。エについては,災害の予防や人 命の保護に関する設備を扱うこと。オについては,環境への配慮や省エネルギーの必要性と関連す る技術を扱うこと。 オ 〔指導項目〕 の (5) のア及びイについては,建築物の企画や計画の手法について,身近な住宅を中 心として扱うこと。ウについては,不特定多数の利用者を対象とした公共建築物などの空間構成と 災害に対する配慮の必要性を扱うこと。エについては,バリアフリーへの配慮の必要性,ユニバー サルデザインとの関係性を扱うこと。 カ 〔指導項目〕の (6) については,都市景観及び都市防災の概要についても扱うこと。 第31 建築構造設計  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,構造物の設計に 必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 構造物の設計について構造物の安全性を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付けるよ うにする。 (2) 構造物に関する力学的な課題を発見し,技術者として科学的な根拠に基づき工業技術の進展に対応 し解決する力を養う。 (3) 安全で安心な構造物を設計する力の向上を目指して自ら学び,建築の発展に主体的かつ協働的に取 り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)建築構造設計の概要 (2)構造物に働く力 ア 構造物と荷重 イ 力のつり合い ウ 支点と反力 エ 構造物の安定・不安定と静定・不静定 (3)静定構造物に働く力 ア 応力 イ 静定ばり ウ 静定ラーメン エ 静定トラス (4)部材に関する力学 ア 構造材料の力学的特性 イ 断面の性質 ウ はりや部材の変形 (5)不静定構造物に働く力 ア 不静定構造物の概要 イ 不静定ばりと不静定ラーメン (6)各種構造物の設計
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工 業 275 ア 木構造 イ 鉄筋コンクリート構造 ウ 鋼構造 (7)建築物の耐震設計 ア 建築物の地震被害 イ 耐震設計の概要 ウ 耐震改修  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 地域の実態を踏まえ,構造物に働く力の現象について,構造模型を用いた実験,建築物の見学, メディア教材の活用及び実習などを通して,具体的に理解できるよう工夫して指導すること。 イ 建築物の設計に関わる課題について,建築に携わる技術者に求められる倫理観を踏まえ考察する よう工夫して指導すること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) については,地震が建築物に与える影響と関連付けて建築構造設計の意義を扱 うこと。 イ 〔指導項目〕の (2) については,構造物に作用する荷重の原理及び力学的な特性を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕の (3) については,静定構造物に働く力の解法を扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) のアについては,応力度とひずみ度との関係及び許容応力度と部材設計との関 係を扱うこと。 イについては,部材の断面形状について力学的な特性を扱うこと。 ウについては,は りや部材の変形と安全性及び部材の設計に関する内容を扱うこと。 オ 〔指導項目〕の (5) については,不静定構造物に働く力の解法を扱うこと。 カ 〔指導項目〕の (6) については,各種構造物の断面設計の概要と構造設計の計算方法を扱うこと。 第32 建築施工  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,建築物の施工に 必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 建築物の施工について安全性や環境への配慮を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付 けるようにする。 (2) 建築物の施工に関する課題を発見し,技術者として科学的な根拠に基づき工業技術の進展に対応し 解決する力を養う。 (3) 安全で安心な建築物を施工する力の向上を目指して自ら学び,建築の発展に主体的かつ協働的に取 り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)建築施工の概要 ア 建築施工の意義と工事の過程 イ 安全管理 ウ 建築物の維持保全
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工 業 276 (2)建築の施工業務 ア 施工方式 イ 工事契約 ウ 施工計画と施工監理 (3)各種工事 ア 仮設工事 イ 基礎工事と地業工事 ウ く体工事 エ 仕上工事 オ 設備工事 カ 耐震補強工事 キ 生産システムの自動化や省力化 ク 解体工事と環境保全 (4)工事用機械や関連する器具 (5)建築積算 ア 建築積算の概要 イ 概算見積と明細見積 ウ 入札制度  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 地域の実態を踏まえ,建築現場の見学,メディア教材の活用及び実習などを通して,具体的に理 解できるよう工夫して指導すること。 イ 建築物の施工に関わる課題について,建築に携わる技術者に求められる倫理観を踏まえ考察する よう工夫して指導すること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕の (1) については,建築工事に関する技術者の資格についても扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) については,建築物の施工に関する法規や性能保証との関係についても扱うこ と。 ウ 〔指導項目〕 の (3) のアからキまでについては,建築測量と関連付けて工事の施工法や工場におけ る生産システムを扱うこと。また,技術の進展に対応した工法や施工技術についても扱うこと。ク については,解体工事における廃材の処理,リサイクル及び環境への配慮を扱うこと。 エ 〔指導項目〕の (4) については,工事用機械や関連する器具の種類,特徴及び用途を扱うこと。 オ 〔指導項目〕 の (5) については,建築積算の意義を扱うこと。 ウについては,電子入札についても 扱うこと。 第33 建築法規  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,建築物の計画, 設計,施工及び管理に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 建築関係法規について法的な側面から建築物の安全性や快適性を踏まえて理解するようにする。 (2) 法的な側面から建築物に関する課題を発見し,技術者として法的な根拠に基づき解決する力を養う。
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工 業 277 (3) 安全で安心な建築物を計画,設計,施工及び管理する力の向上を目指して自ら学び,建築の発展に 主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)建築業務等に関する法規の概要 ア 建築に関する法規の意義 イ 建築に関する法規の構成 (2)建築基準法 ア 単体規定 イ 集団規定 (3)建築業務等に関する法規 ア 建築の業務に関する法規 イ 都市計画に関する法規 ウ 良好な建築物の促進に関する法規 エ 労働安全衛生に関する法規  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 建築物の見学,メディア教材の活用及び具体的な事例を通して,建築物が法規によって規制され ていることや法令を遵守することの意義を理解できるよう工夫して指導すること。 イ 建築物に関わる課題について,法的な側面から捉え,建築に携わる技術者に求められる倫理観を 踏まえ考察するよう工夫して指導すること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) のアについては,建築に関する法規の沿革を扱うこと。 イについては,建築関 係法規の体系と構成の概要を扱うこと。 イ 〔指導項目〕の (2) については,単体規定と集団規定を相互に関連付けて扱うこと。 ウ 〔指導項目〕の (3) については,建築業務等に関する法規の目的と概要を扱うこと。 第34 設備計画  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,設備の計画に必 要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 設備計画について設備の要素と建築物や社会基盤との関係を踏まえて理解するとともに,関連する 技術を身に付けるようにする。 (2) 設備の計画に関する課題を発見し,技術者として科学的な根拠に基づき工業技術の進展に対応し解 決する力を養う。 (3) 安全で快適な生活環境における設備を提案する力の向上を目指して自ら学び,工業の発展に主体的 かつ協働的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕
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工 業 278 (1)住環境と設備 ア 自然環境 イ 室内環境 ウ 流体や熱に関する力学 (2)設備に関係した建築構造 ア 建築物の計画 イ 建築物の構造 ウ 構造物の力学 (3)建築物の設備計画 ア 設備計画の概要 イ 各種設備の計画 ウ 機器や配管の所要スペース (4)設備の施工 ア 施工管理 イ 設備工事の積算 (5)建築設備に関する法規 ア 労働安全衛生に関する法規 イ 建築に関する法規 ウ 設備に関する法規 エ 環境に関する法規  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 設備に関する技術の進展に対応するとともに,省資源,省エネルギーなど環境への配慮及びバリ アフリーへの配慮の必要性についても理解できるよう工夫して指導すること。 イ メディア教材を活用し,実習や製図などを通して,具体的に理解できるよう工夫して指導するこ と。 ウ 〔指導項目〕 の (4) のイについては,生徒の実態や学科の特色等に応じて,扱わないことができる こと。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕の (1) のウについては,水,空気及び熱の流れを扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) については,建築物の構造及び構造物の力学を設備計画と関連付けて扱うこと。 ウ 〔指導項目〕の (4) のアについては,施工計画,工程管理及び安全管理を扱うこと。 エ 〔指導項目〕の (5) については,建築設備に関する法規の目的と概要を扱うこと。 第35 空気調和設備  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,空気調和に関わ る設備の設計・施工に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 空気調和に関わる設備について設計法や施工法と建築物との関係を踏まえて理解するとともに,関 連する技術を身に付けるようにする。 (2) 空気調和に関わる設備に関する課題を発見し,技術者として科学的な根拠に基づき工業技術の進展
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工 業 279 に対応し解決する力を養う。 (3) 空気調和に関わる設備による生活環境の向上を目指して自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働的 に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)空気調和の概要 ア 空気調和の方式 イ 冷房及び暖房の負荷 ウ 湿り空気の状態 (2)空気調和装置 ア 空気調和装置の構成 イ 中央式及び個別式の空気調和機 ウ 空気調和装置の制御 エ 空気調和装置の省エネルギー技術 オ 空気調和装置の設計 (3)換気や排煙に関わる設備 ア 換気設備の構成と設計 イ 省エネルギーに配慮した換気設備 ウ 排煙設備の構成と計画 (4)直接暖房装置 ア 直接暖房装置の構成 イ 直接暖房装置と配管の設計 (5)空気調和設備の施工 ア 機器の据付けと配管工事 イ 空気調和設備の試験,検査,保守  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 設備に関する技術の進展に対応するとともに,省資源,省エネルギーなど環境への配慮の必要性 についても理解できるよう工夫して指導すること。 イ メディア教材を活用し,実習や製図などを通して,具体的に理解できるよう工夫して指導するこ と。 ウ 〔指導項目〕 の (4) については,生徒や地域の実態,学科の特色等に応じて,扱わないことができ ること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) のアについては,地域の実態を考慮した方式を扱うこと。 イについては,冷房 及び暖房の負荷計算を扱うこと。ウについては,湿り空気の組成及び空気線図の仕組みを扱うこと。 イ 〔指導項目〕 の (2) のア及びイについては,空気調和装置を構成している機器の構造,性能及び用 途を扱うこと。ウ及びエについては,省エネルギーに配慮した制御技術,空気調和技術を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕 の (3) のア及びイについては,換気設備の重要性,法的根拠及び省エネルギー機能を 扱うこと。ウについては,排煙設備の重要性及び法的根拠を扱うこと。 エ 〔指導項目〕 の (4) のアについては,直接暖房装置を構成する機器の構造,用途及び配管を扱うこ
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工 業 280 と。 オ 〔指導項目〕 の (5) のアについては,保温や保冷に関わる工事を扱うこと。 イについては,空気調 和設備に関する法規との関わりを扱うこと。 第36 衛生・防災設備  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,衛生・防災に関 わる設備の設計・施工に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 衛生・防災に関わる設備について設計法や施工法と建築物や社会基盤との関係を踏まえて理解する とともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2) 衛生・防災に関わる設備に関する課題を発見し,技術者として科学的な根拠に基づき工業技術の進 展に対応し解決する力を養う。 (3) 衛生・防災に関わる設備による生活環境の向上を目指して自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働 的に取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)給水や給湯に関わる設備 ア 水資源と上水道 イ 給水や給湯に関わる機器と構成 ウ 給水や給湯に関わる設備の設計 (2)排水や通気に関わる設備 ア 排水と下水道 イ 排水や通気に関わる設備の設計 ウ 住宅の給排水設備 (3)排水処理設備 ア 排水浄化の原理と方法 イ し尿浄化設備と排水再利用 (4)防災設備 ア 防火対象物と消防用設備 イ 消火設備の設計 (5)ガス設備と通信設備 ア ガス設備 イ 通信設備 (6)衛生・防災設備の施工 ア 機器の据付けと配管工事 イ 衛生・防災設備の試験,検査,保守  3 内容の取扱い (1)内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。 ア 設備に関する技術の進展に対応するとともに,省資源,省エネルギーなど環境への配慮及びバリ アフリーへの配慮の必要性についても理解できるよう工夫して指導すること。
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工 業 281 イ メディア教材を活用し,実習や製図などを通して,具体的に理解できるよう工夫して指導するこ と。 ウ 〔指導項目〕の (3) 及び (5) については,生徒や地域の実態,学科の特色等に応じて,選択して扱 うことができること。 (2)内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。 ア 〔指導項目〕 の (1) のアについては,水質基準と水道施設の概要を扱うこと。 また,雨水の活用に ついても扱うこと。イについては,給水の方式を扱うこと。ウについては,給水量や給湯量の計算 方法,配管機器の設計及び給水管径や給湯管径の計算方法を扱うこと。 イ 〔指導項目〕の (2) のアについては,排水の種類と下水道施設の概要を扱うこと。イについては, 排水系統や通気系統の機器と構成,衛生器具の排水量及び排水管径や通気管径の計算方法を扱うこ と。ウについては,住宅の具体的な事例を通して,給排水設備の設計を扱うこと。 ウ 〔指導項目〕の (3) については,し尿浄化設備の構成と排水の再利用を扱うこと。 エ 〔指導項目〕の (4) については,防災設備の重要性を法的根拠と関連付けて扱うこと。 オ 〔指導項目〕の (5) については,コージェネレーションシステムについても扱うこと。 カ 〔指導項目〕の (6) のイについては,衛生・防災設備に関する法規との関わりを扱うこと。 第37 測 量  1 目 標  工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,測量技術を用い た土木工事に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 測量について実際の土木工事を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2) 測量に関する課題を発見し,技術者として科学的な根拠に基づき工業技術の進展に対応し解決する 力を養う。 (3) 安全で安心な社会基盤を整備する力の向上を目指して自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働的に 取り組む態度を養う。  2 内 容  1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)土木における測量 ア 測量の概要 イ 距離の測量 ウ 角の測量 (2)平面の測量 ア 骨組測量 イ 細部測量 ウ 面積の計算 (3)高低の測量 ア レベルによる高低の測量 イ 縦横断測量 ウ 体積や土量の計算 (4)地形図