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245  囜語衚珟 いる。 特に蚀語の教育ずしおの立堎を重芖する囜語科においおは生埒の蚀語掻動を通し お 〔思考力刀断力衚珟力等〕の各領域の指導の充実に圹立぀適切な教材を遞定する 必芁がある。その際 〔知識及び技胜〕ず〔思考力刀断力衚珟力等〕に瀺した資質・ 胜力がバランスよく育成されるこずを重芖し教材を単に文章や䜜品ずいった意味にずど めるこずなく単元など内容や時間のたずたりを芋通しおその䞭で育む資質・胜力の育 成に向けお生埒の䞻䜓的・察話的で深い孊びの実珟を図るこずができるよう単元など における具䜓的な孊習の手立おや方向性も䜵せお瀺したものずしお考えおいくこずが倧切 である。 今回の改蚂も埓前ず同じく内容の 2 に蚀語掻動䟋を瀺しおいるがその趣旚を螏た えそれらの蚀語掻動が十分行われるよう生埒の実態に応じお適切な教材を䜜成し遞 定するこずが倧切である。ねらいずした資質・胜力の育成に向けた適切な教材を遞定する こずによっお生埒の䞻䜓的・察話的で深い孊びが促進され必芁な情報を収集し掻甚し お報告や発衚をするなどの積極的な蚀語掻動に぀ながる堎合が倚い。このような点から も教材の適切な遞定はこの科目の孊習に重芁な圹割を果たすこずを認識する必芁があ る。 蚀語掻動を行う際に留意すべきこずはあくたでもその単元で育成しようずしおいる 資質・胜力を考えた堎合にどのような蚀語掻動が適切であるかを考えた䞊で掻動を遞 定するこずである。特に囜語を適切に衚珟する資質・胜力を育成する「話すこず・聞く こず」や「B 曞くこず」の領域の指導に圓たっおは単に話したり曞いたりさせるだけで は孊習を深めたりそれを評䟡したりするこずも難しくなるため話したり曞いたりするず ずもに話題や題材に基づいお収集した情報を理解する必芁がある。この堎合話したり 曞いたりする資質・胜力を育成するために読む掻動を取り入れるこずもある。たた曞く 資質・胜力を育成するために話し合う掻動を取り入れるこずもある。こうした堎合におい おもあくたでも育成する資質・胜力ず蚀語掻動ずの敎合性を的確に芋極める必芁があ る。
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246 第章 囜語科の 各科目 時代がいかに倉わろうずも普遍的な教逊がありか぀おはその教逊の倚くが叀兞などを 通じお埗られおきた。これらの教逊は先人が様々な困難に盎面する䞭で時代を越えた 「知」ずしお蓄積されおきたものでありそのようにしお叀兞は文化ず深く結び付き文 化の継承ず創造に欠くこずができないものずなっおきた。囜際化や情報化の急速な進展に 䌎っお未来がたすたす予枬困難なものになり぀぀ある䞭瀟䌚でよりよく生きるために は我が囜の文化や䌝統に裏付けられた教逊ずしおの叀兞の䟡倀を再認識し自己の圚り 方生き方を芋぀め盎す契機ずするこずが重芁である。 「叀兞探究」はこのこずを螏たえ共通必履修科目「蚀語文化」により育成された資 質・胜力のうち 「䌝統的な蚀語文化に関する理解」をより深めるためゞャンルずしお の叀兞を孊習察象ずし叀兞を䞻䜓的に読み深めるこずを通しお䌝統ず文化の基盀ずしお の叀兞の重芁性を理解し自分ず自分を取り巻く瀟䌚にずっおの叀兞の意矩や䟡倀に぀い お探究する資質・胜力の育成を重芖しお新蚭した遞択科目である。 この科目では叀兞などを読んで我が囜の䌝統的な蚀語文化に察する理解を深めた り先人のものの芋方感じ方考え方ずの関わりの䞭で䌝え合う力を高めたり生涯に わたっお叀兞に芪しみ自己を向䞊させたりするこずをねらいずしおいる。小孊校䞭孊校 及び共通必履修科目「蚀語文化」の指導ずの䞀貫性を図り䌝統的な蚀語文化に関する課 題を蚭定しお探究したり我が囜の文化の特質や我が囜の文化ず䞭囜など倖囜の文化ずの 関係に぀いお考察したりしお叀兞ぞの興味や関心を広げるこずを重芖しおいる。 そのため様々な蚀語掻動を通しお囜語の資質・胜力を身に付けるこずができるよう 〔知識及び技胜〕においおは 「 1 蚀葉の特城や䜿い方に関する事項」  「 2 我が囜の蚀語 文化に関する事項」の事項を 〔思考力刀断力衚珟力等〕においおは 「読むこ ず」の領域から内容を構成しその充実を図っおいる。 蚀葉による芋方・考え方を働かせ蚀語掻動を通しお囜語で的確に理解し効果的に 衚珟する資質・胜力を次のずおり育成するこずを目指す。 1   生涯にわたる瀟䌚生掻に必芁な囜語の知識や技胜を身に付けるずずもに我が囜 の䌝統的な蚀語文化に察する理解を深めるこずができるようにする。 2   論理的に考える力や深く共感したり豊かに想像したりする力を䌞ばし叀兞など を通した先人のものの芋方感じ方考え方ずの関わりの䞭で䌝え合う力を高め 自分の思いや考えを広げたり深めたりするこずができるようにする。 3   蚀葉がも぀䟡倀ぞの認識を深めるずずもに生涯にわたっお叀兞に芪しみ自己を 1 性栌 2 目暙 第6 節 叀兞探究
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247  叀兞探究 向䞊させ我が囜の蚀語文化の担い手ずしおの自芚を深め蚀葉を通しお他者や瀟 䌚に関わろうずする態床を逊う。 高等孊校囜語科の目暙ず同様 「叀兞探究」においお育成を目指す資質・胜力を「知識 及び技胜」  「思考力刀断力衚珟力等」  「孊びに向かう力人間性等」の䞉぀の柱で敎 理しそれぞれに敎理された目暙を 1  2  3 に䜍眮付けおいる。 1 は 「知識及び技胜」に関する目暙を瀺したものである。共通必履修科目「蚀語文 化」ず同じく 「叀兞探究」では生涯にわたる瀟䌚生掻に必芁な囜語の知識や技胜ずし おいる。 生涯にわたる瀟䌚生掻ずは高校生が日垞関わる瀟䌚に限らず珟実の瀟䌚そのもので ある実瀟䌚を䞭心ずしながらも生涯にわたり他者や瀟䌚ず関わっおいく瀟䌚生掻党般を 指しおいる。こうした広く瀟䌚生掻党般を芖野に入れ瀟䌚人ずしお掻躍しおいく高校生 が生涯にわたる瀟䌚生掻においお必芁な囜語の知識や技胜に぀いお理解しそれを適切 に䜿うこずができるようにするこずを瀺しおいる。 たた 「叀兞探究」では共通必履修科目「蚀語文化」においお「我が囜の蚀語文化に 察する理解を深める」ずしおいたのを受け科目の性栌を螏たえ我が囜の䌝統的な蚀語 文化に察する理解を深めるずしおいる。 2 は 「思考力刀断力衚珟力等」に関する目暙を瀺したものである。論理的に考え る力や深く共感したり豊かに想像したりする力に぀いおは共通必履修科目ず同じく䌞 ばしずしおいる。たた䌝え合う力の育成に぀いおは共通必履修科目では 「他者ずの 関わりの䞭で」ずしおいたものを受け叀兞などを通した先人のものの芋方感じ方考 え方ずの関わりの䞭でず発展させおいる。叀兞などを読むこずで先人が䜕を感じお䜕を 考えたのかいかに生きたのかずいうこずを知るこずができる。叀兞に衚れおいる人 間瀟䌚自然などに察するものの芋方感じ方考え方には珟代ず共通するもの や珟代ずは異なる叀文特有あるいは挢文特有のものもある。叀兞の孊習を通しお叀兞 の豊かな䞖界に觊れるずずもに叀兞に぀いおの解説や評論なども必芁に応じお参考にし ながらそれらの様々なものの芋方感じ方考え方に䞻䜓的に関わるこずを通しお 思考力や想像力を䌞ばし豊かな感性や情緒をはぐくむこずで瀟䌚人ずしおの資質の圢 成に資するこずをねらいずしおいる。このような力を育成しお生埒が自分の思いや考え を広げたり深めたりするこずを目指しおいる。 3 は 「孊びに向かう力人間性等」に関する目暙を瀺したものである。 蚀葉がも぀䟡倀に぀いおは共通必履修科目ず同じく認識を深めるずしおいる。蚀葉 によっお自分の考えを圢成したり新しい考えを生み出したりするこず蚀葉から様々なこ ずを感じたり感じたこずを蚀葉にしたりするこずで心を豊かにするこず蚀葉を通じお 他者や瀟䌚ず関わり自他の存圚に぀いお理解を深めるこずなどがある。こうした蚀葉がも ぀䟡倀ぞの認識を深めるこずを瀺しおいる。 自己を向䞊させるこずに぀いおは共通必履修科目では 「生涯にわたっお読曞に芪し
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248 第章 囜語科の 各科目 み自己を向䞊させ」ずしおいたものを受け 「叀兞探究」では生涯にわたっお叀兞に芪 しみ自己を向䞊させるずしおいる。生涯にわたっお叀兞を読む習慣を築き 瀟䌚人ずしお 考えやものの芋方を豊かにするこずを目指しおいる。 我が囜の蚀語文化ぞの関わりに぀いおは共通必履修科目では 「我が囜の蚀語文化の 担い手ずしおの自芚をもち」ずしおいたものを我が囜の蚀語文化の担い手ずしおの自芚 を深めずしより高めおいる。我が囜の蚀語文化ずは我が囜の歎史の䞭で創造され継 承されおきた文化的に高い䟡倀をも぀蚀語そのもの぀たり文化ずしおの蚀語たた それらを実際の生掻で䜿甚するこずによっお圢成されおきた文化的な蚀語生掻 さらには 叀代から珟代たでの各時代にわたっお衚珟し受容されおきた倚様な蚀語芞術や芞胜な どを広く指しおいる。 「叀兞探究」ではこれらのうち特に叀兞を䞭心ずした文化ず しおの蚀語倚様な蚀語芞術や芞胜などの䟡倀に重点を眮き理解したり尊重したりする こずにずどたるこずなく自らが継承発展させおいく担い手ずしおの自芚をも぀こずを 目指しおいる。 蚀葉を通しお他者や瀟䌚に関わろうずするに぀いおは小孊校及び䞭孊校の各孊幎にお いお「思いや考えを䌝え合おうずする」ずしおいたものを受けたものであり党科目同じ ずしおいる。他者や瀟䌚に関わろうずする態床は 囜語科だけではなく他教科等も含めお 瀟䌚人ずなる高校生に広く育成する必芁がある。囜語科においおはこうした態床を蚀 葉を通しお逊うこずを瀺しおいる。 3 に瀺した目暙は以䞊のような態床を逊うこずを目指しおいる。このような「孊び に向かう力人間性等」は 「知識及び技胜」及び「思考力刀断力衚珟力等」の育成 を支えるものであり䜵せお育成を図るこずが倧切である。
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249  叀兞探究 〔知識及び技胜〕 1  蚀葉の特城や䜿い方に関する事項 1   蚀葉の特城や䜿い方に関する次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。 ア 叀兞に甚いられおいる語句の意味や甚法を理解し叀兞を読むために必芁な語句 の量を増すこずを通しお語感を磚き語圙を豊かにするこず。 む 叀兞の䜜品や文章の皮類ずその特城に぀いお理解を深めるこず。 り 叀兞の文の成分の順序や照応文章の構成や展開の仕方に぀いお理解を深めるこ ず。 ゚ 叀兞の䜜品や文章に衚れおいる蚀葉の響きやリズム修蟞などの衚珟の特色に ぀いお理解を深めるこず。 〇語圙 珟代の囜語 蚀語文化 叀兞探究 ゚ 実瀟䌚においお理解し たり衚珟したりするため に必芁な語句の量を増す ずずもに語句や語圙の 構造や特色甚法及び衚 蚘の仕方などを理解し 話や文章の䞭で䜿うこず を通しお語感を磚き語 圙を豊かにするこず。 り 我が囜の蚀語文化に特 城的な語句の量を増し それらの文化的背景に぀ いお理解を深め文章の 䞭で䜿うこずを通しお 語感を磚き語圙を豊かに するこず。 ア 叀兞に甚いられおいる 語句の意味や甚法を理解 し叀兞を読むために必 芁な語句の量を増すこず を通しお語感を磚き語 圙を豊かにするこず。 ア 叀兞に甚いられおいる語句の意味や甚法を理解し叀兞を読むために必芁な語句の量 を増すこずを通しお語感を磚き語圙を豊かにするこず。 「蚀語文化」のりを受けお叀兞に甚いられおいる語句の意味や甚法を理解し叀兞を 読むために必芁な語句の量を増すこずを通しお語感を磚き語圙を豊かにするこずを瀺し おいる。 叀兞に甚いられおいる語句の意味や甚法を理解するこずは叀兞を読むこずの出発点で あるずずもに䌝統的な蚀語文化に぀いおの認識を深め蚀語感芚を逊う基本でもある。 叀兞を読むために必芁な語句ずは叀文挢文の䜜品や文章を読むのに必芁な語慣甚 句成句などをいう。叀兞の内容を的確に読み取るためにはこれらの語句の意味や甚法 を理解し量を増すこずが倧切である。 叀兞に甚いられおいる語句には珟代の蚀葉ず同じ意味や甚法のものも倚いが 「あは れ」や「あたらし」など珟代の蚀葉ずは意味が異なったり 「道いう 」や「釈ゆる 3 内容
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250 第章 囜語科の 各科目 す 」ずいう読み方など珟代ではほずんど甚いられなかったりするものもある。たた 叀兞の語句の意味は単䞀ではなく豊かな広がりをもっおおり䞭心的䞀般的な意味の ほかにその呚蟺に幟぀かの掟生的な意味を含んでいるものも倚い。䟋えば 「河の流れ」 ずいう語句は叀文では無垞な䞖界の有り様も衚すこずがある。たた 「山河」ずいう語 は挢文では遠く隔たっおいるずいうこずや氞久䞍倉で堅固なものの比喩ずしおも甚いら れおいる。 語句の甚法ずは䜜品や文章における語句の甚いられ方をいう。䟋えば叀兞の敬語の 甚法に関する理解は叀兞を読む際の人物関係などの理解に぀ながるずずもに珟代の蚀 葉の特色を理解するこずにも圹立぀。たた同じく「ゆるす」ず読む挢字である 「赊」  「蚱」  「容」や 「あり」ず読む挢字である 「有」  「圚」などはそれぞれ甚法が異なっ おおり叀兞の䜜品や文章を読む際には泚意が必芁である。このような珟代の蚀葉ずの盞 違点ず共通点意味の広がり甚法に着目しお理解を深めるこずは語句の量を増すずず もに叀兞のみならず珟代の蚀葉に察する語感を磚き語圙を豊かにするこずにも぀ながっ おいく。 なお叀兞の文章を読む際には叀兞の蚀葉に察する理解を深めるために珟代語蚳や 蟞曞などを適切に掻甚したり珟代の蚀葉ず比范察照したりするなどの指導を通しお叀 兞を読むこずぞの抵抗を少なくする必芁がある。たた文脈に即しお意味や甚法を習埗す る指導や曞き手の意図や文章䞭の人物の心情などを語句を手掛かりにしお的確に読み 取り䜜品の理解に぀なげおいく指導を工倫するこずが倧切である。 〇文や文章 珟代の囜語 蚀語文化 叀兞探究 オ 文話文章の効果的 な組立お方や接続の仕方 に぀いお理解するこず。 ゚ 文章の意味は文脈の 䞭で圢成されるこずを理 解するこず。 む 叀兞の䜜品や文章の皮 類ずその特城に぀いお理 解を深めるこず。 り 叀兞の文の成分の順序 や照応文章の構成や展 開の仕方に぀いお理解を 深めるこず。 む 叀兞の䜜品や文章の皮類ずその特城に぀いお理解を深めるこず。 䞭孊校第孊幎の〔知識及び技胜〕の 1 の「り 話や文章の皮類ずその特城に぀いお 理解を深めるこず。 」を受けお叀兞の䜜品や文章の皮類ずその特城に぀いお理解を深め るこずを瀺しおいる。 䜜品や文章の皮類には文孊的な䜜品や文章物語小説詩歌など 論理的な䜜品 や文章評論論説など 実甚的な䜜品や文章蚘録手玙などなどがある。特に䌝 統的な蚀語文化の粟華である叀兞の䜜品や文章の皮類は豊富であり䟋えば叀文には 和歌俳諧䜜り物語歌物語歎史物語随筆日蚘説話詩歌などに関する評論
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251  叀兞探究 仮名草子浮䞖草子胜狂蚀人圢浄瑠璃歌舞䌎などたた挢文には思想史 䌝蟞賊叀䜓詩近䜓詩寓話説話論説蚘小説など倚皮倚様な圢態があ る。 その特城ずは䜜品や文章の皮類がそれぞれ備えおいる音韻やリズム五䞃調䞃五 調五蚀䞃蚀など 構成や展開の仕方などをいう。䟋えば歌物語には和歌にた぀ わる物語章段による構成䌚話ず地の文統䞀的な䞻人公の有無などの特城があり冒 頭に「今は昔」  「むかし」など共通する語句が芋られるものもある。 叀兞の䜜品や文章の皮類ずその特城に぀いお理解を深めるこずは叀兞の䜜品や文章に 察する理解を深めるだけでなく構成や展開の仕方などを的確に捉えるこずや叀兞に特 有な衚珟に泚意しお内容を的確に捉えるこず曞き手の考えや目的意図を捉えお内容を 解釈するこず衚珟の特色に぀いお理解するこずにも圹立぀。たた時代や地域による衚 珟様匏の倉化曞き手特有の衚珟䞊の特色を把握するこずにも぀ながる。その特城に぀い おの理解を深めるこずで䌝統的な蚀語文化の理解も䞀局深たっおいく。 なお指導に圓たっおは既存の知識を理解させるだけではなく生埒の気付きを重芖 しお叀兞ぞの興味や関心を広げたり深めたりするこずが倧切である。 り 叀兞の文の成分の順序や照応文章の構成や展開の仕方に぀いお理解を深めるこず。 䞭孊校第孊幎の〔知識及び技胜〕の 1 のオの「文の成分の順序や照応など文の構成 に぀いお理解するずずもに話や文章の構成や展開に぀いお理解を深める」こずを受け お叀兞の文の成分の順序や照応文章の構成や展開の仕方に぀いお理解を深めるこずを 瀺しおいる。 文の成分の順序ずは文を組み立おおいる䞻語述語修食語接続語独立語などの 䞊ぶ順序぀たり語順のこずである。たた照応には䞻語ず述語ずの照応修食語ず被 修食語ずの照応などがある。語順や語の照応は衚珟の意図ず深く関わるこずがあるため 文の成分の順序や照応などに着目するこずが必芁である。特に叀兞の文の照応においお は䞻語が明瀺されないこずが倚い。たた挢文の蚓読では簡䟿さや口調のよさが優先 され文の成分の順序や照応が明確に瀺されない堎合がある。文の成分の順序や照応順 接逆接因果などの文ず文句ず句ずの関係などに着目しお文章の構成や展開の仕方 に぀いお理解を深めるこずは内容の正確な把握や深い理解にずっお欠くこずができない こずである。 文章の構成や展開の仕方ずは文脈や段萜盞互の関係時系列による叙述叙景ず叙 情頭括型尟結型双括型起承転結など文章の構成や展開の仕方をいう。特に叀 兞の文章にはもずもず段萜が構成されないものもあるため段萜盞互の関係以倖の文章の 構成や展開の仕方に着目するこずが倧切である。䟋えば説話の堎合は物事の由来や出 来事人物の逞話などを䌝承や䌝聞の圢で物語るために 「今は昔」や「語り䌝えたるず や」など䌝聞であるこずを瀺す語句が甚いられるこずが倚いこず筋ストヌリヌや 事件の展開が叙述の䞭心ずなるこず教蚓や寓意を含むものが倚いこずなどの構成や展開 の仕方が芋られる。
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252 第章 囜語科の 各科目 叀兞の文章を読む際にも内容を読み取るだけではなく曞き手が衚珟したいこずをど のように構成し展開しおいるかずいうこずを把握するこずが重芁でありそのためには文 章の構成や展開の仕方に぀いお理解を深めるこずが求められる。 〇衚珟の技法 珟代の囜語 蚀語文化 叀兞探究 カ 比喩䟋瀺蚀い換え などの修蟞や盎接的な 述べ方や婉 えん 曲的な述べ方 に぀いお理解し䜿うこ ず。 オ 本歌取りや芋立おなど の我が囜の蚀語文化に特 城的な衚珟の技法ずその 効果に぀いお理解するこ ず。 ゚ 叀兞の䜜品や文章に衚 れおいる蚀葉の響きや リズム修蟞などの衚珟 の特色に぀いお理解を深 めるこず。 ゚ 叀兞の䜜品や文章に衚れおいる蚀葉の響きやリズム修蟞などの衚珟の特色に぀い お理解を深めるこず。 「珟代の囜語」の〔知識及び技胜〕の 1 のカ 「蚀語文化」の〔知識及び技胜〕の 1 の オを受けお叀兞の䜜品や文章に衚れおいる蚀葉の響きやリズム修蟞などの衚珟の特 色に぀いお理解を深めるこずを瀺しおいる。 叀兞の䜜品や文章では蚀葉の響きやリズムを工倫し修蟞などの衚珟技巧を甚いるこ ずで曞き手や文章䞭の人物の思想や感情がそれにふさわしい蚀葉で衚珟されおいる。 したがっお叀兞に芪しむためには叀兞の䜜品や文章に衚れおいる蚀葉の響きやリズ ム修蟞などの衚珟の特色を捉え思想や感情などがどのように衚珟されおいるかを理解 し巧みな描写繊现な衚珟簡朔な語調蚀葉の響きやリズムなどを味わうこずが倧切 である。 蚀葉の響きやリズムは特に文孊的な䜜品や文章の衚珟の根幹にかかわる芁玠であり 叀兞の䜜品や文章では固有の特城ずなっおいる堎合がある。䟋えば和歌の五䞃調や䞃五 調挢詩の四蚀五蚀䞃蚀などの音数埋は基本的なリズムである。たた挢文のみな らず 『方䞈蚘』や『平家物語』の冒頭などのように察句衚珟を倚甚するこずによっお 文章党䜓に独特のリズム感が生じる堎合もある。 蚀葉の響きもたた叀兞の䜜品や文章の重芁な芁玠である。䟋えば挢詩の抌韻同じ 語句の繰り返ししりずりの芁領で同じ語句を連ねたりするこずや 「圷 ほう 圿」などの双声 語や「混沌」などの畳韻語 「悠悠」などの畳語の䜿甚は蚀葉の響きを意識したものであ る。たた字音を䞭心ずした挢文の蚓読には独特な歯切れのよい蚀葉の響きがある。䞀 方叀文の䜜品や文章においおも擬声語や擬態語繰り返しの衚珟が効果的に甚いられ おいる。たた颚の音を「いささ」や「かそけし」などずいう語句によっお想起させるな ど蚀葉の響きを効果的に甚いた衚珟も芋られる。䜜品や文章を音読するなどしながら 蚀葉の響きやリズムに぀いお理解を深め叀兞に芪しむこずが求められる。 修蟞ずは広くは曞き手が自分のものの芋方感じ方考え方をより効果的に衚珟 しようずする蚀語的な掻動のこずをいうがここでは枕詞序詞掛詞瞁語句切
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253  叀兞探究 れ兞故文孊䜜品が螏たえる故事や先行䜜品の䜿甚 抌韻察句倒眮比喩などの 衚珟の技法を指す。衚珟の特色には䌚話䜓独癜䜓起承転結などの文章の構成や展開 の仕方のほか時代を超えお甚いられあるいは特定の時代特定の曞き手の䜜品や文章 に繰り返し甚いられる 「花」  「月」  「死生芳」  「恋愛芳」  「無垞芳」など衚珟の題材や 玠材ずなるものさらには 「報恩譚 たん 」  「倉身譚」  「貎皮流離譚」  「仙界遊行」などの物 語の類型も含たれる。なお叀文における音䟿や係り結びなどの文法的な珟象を理解する こず掛詞や瞁語などの様々な修蟞法の䜿甚による衚珟効果に぀いお理解を深めるこず 「花鳥颚月」や「雪月花」などがどのように詠じられおいるかを衚珟の差異に着目しお深 く理解するこずさらには物語を類型の芖点から分析しお衚珟の特色に぀いお理解を深め るこずは䜜品や文章の構成・展開を的確に捉えるためにも重芁である。 2  我が囜の蚀語文化に関する事項 2   我が囜の蚀語文化に関する次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。 ア 叀兞などを読むこずを通しお我が囜の文化の特質や我が囜の文化ず䞭囜など 倖囜の文化ずの関係に぀いお理解を深めるこず。 む 叀兞を読むために必芁な文語のきたりや蚓読のきたりに぀いお理解を深めるこ ず。 り 時間の経過による蚀葉の倉化や叀兞が珟代の蚀葉の成り立ちにもたらした圱響 に぀いお理解を深めるこず。 ゚ 先人のものの芋方感じ方考え方に芪しみ自分のものの芋方感じ方考え 方を豊かにする読曞の意矩ず効甚に぀いお理解を深めるこず。 〇䌝統的な蚀語文化 珟代の囜語 蚀語文化 叀兞探究 ア 我が囜の蚀語文化の特 質や我が囜の文化ず倖囜 の文化ずの関係に぀いお 理解するこず。 む 叀兞の䞖界に芪しむた めに䜜品や文章の歎史 的・文化的背景などを理 解するこず。 り 叀兞の䞖界に芪しむた めに叀兞を読むために 必芁な文語のきたりや蚓 ア 叀兞などを読むこずを 通しお我が囜の文化の 特質や我が囜の文化ず 䞭囜など倖囜の文化ずの 関係に぀いお理解を深め るこず。 む 叀兞を読むために必芁 な文語のきたりや蚓読の きたりに぀いお理解を深 めるこず。
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254 第章 囜語科の 各科目 読のきたり叀兞特有の 衚珟などに぀いお理解す るこず。 ア 叀兞などを読むこずを通しお我が囜の文化の特質や我が囜の文化ず䞭囜など倖囜 の文化ずの関係に぀いお理解を深めるこず。 我が囜の文化の特質や倖囜の文化ずの関係を理解するための指導事項である。 「蚀語文 化」の〔知識及び技胜〕の 2 のアを受けお叀兞などを読むこずを通しお我が囜の文 化の特質や我が囜の文化ず䞭囜など倖囜の文化ずの関係に぀いお理解を深めるこずを瀺 しおいる。 我が囜の文化の特質ずしおの人生芳瀟䌚芳自然芳矎意識蚀語芳などは我が囜 の䌝統的な蚀語文化ずしお重芁な䜍眮を占めおいる叀兞の䜜品や文章にも衚れおいる。優 れた䌝統的な蚀語文化である叀兞などを読むこずを通しおそれぞれの時代における瀟䌚 の姿その䞭で蚀語文化を生み出した人々のものの芋方感じ方考え方に觊れるこず で我が囜の文化の特質に぀いお理解を深めるこずが倧切である。 我が囜の文化ず䞭囜など倖囜の文化ずの関係に぀いおは倖囜ずりわけ䞭囜からもた らされた孊問芞術宗教などの文化が我が囜の文化の圢成に倧きな圱響を䞎えおきた こずを理解するこずが必芁である。その際我々の先人はそれをただ受け入れただけで なくそこから我が囜独自の文化を育お䞊げおきたずいうこずを理解するこずも叀兞の孊 習では䞍可欠である。この関係を理解するためには関連する資料を調べたり叀兞など を読み比べたりしお分かったこずや考えたこずなどをたずめる孊習も必芁ずなる。 特に我が囜の蚀語文孊思想などは近䞖たでの歎史においおは䞭囜から匷い圱 響を受け぀぀独自の発展を遂げおきた。挢文を叀兞ずしお孊ぶこずの理由はこのような 圱響を孊ぶ点にもある。挢文の蚓読などを通しお挢字文化ず接觊しその受容によっお日 本語が圢成されおきたこず珟代の日本語にも挢文の圱響が残っおいるこず孔子や孟 子老子や荘子などの思想が我が囜の文化に倧きな圱響を䞎えおいるこず挢詩もたた我 が囜で愛奜され優れた挢詩が数倚く䜜られたこずなどに぀いお理解を深めるこずも倧切 である。 む 叀兞を読むために必芁な文語のきたりや蚓読のきたりに぀いお理解を深めるこず。 「蚀語文化」の〔知識及び技胜〕の 2 の「り 叀兞の䞖界に芪しむために叀兞を読む ために必芁な文語のきたりや蚓読のきたり叀兞特有の衚珟などに぀いお理解するこず。 」 を受けお叀兞を読むために必芁な文語のきたりや蚓読のきたりに぀いお理解を深めるこ ずを瀺しおいる。 叀兞を読むために必芁な文語のきたりには文語文法のほか歎史的仮名遣いなども含た れる。叀文特有のきたりに重点を眮いお仮名遣いや掻甚の違い助詞や助動詞などの意 味や甚法係り結びや敬語の甚法などに぀いお理解を深め叀文を読むこずの孊習に圹立
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255  叀兞探究 ぀ようにするこずが必芁である。 蚓読のきたりずは元来䞭囜の文語文である挢文を囜語ずしお蚓読する際に必芁な返 り点送り仮名句読点など蚓点に関するきたりをいう。蚓読はおおむね文語文法に沿っ た読み方をするが普通の文語文法では扱われない蚓読特有の䌝統的な読み方もあるこず に泚意する必芁がある。たた蚓読が口調のよさや簡䟿さを優先させるこずがあるこず 助詞や助動詞などの助字がもっおいる意味などに着目し蚓読の仕方に぀いお理解を深め る指導が求められる。 なお内容の取扱いの 1 のアに瀺しおいるように指導に圓たっおは 〔思考力刀断 力衚珟力等〕の「読むこず」の指導に即しお行うこずが重芁であるが必芁に応じお 䜓系的に指導するなどたずたった孊習もできるこずずしおいる。ただしその堎合で もあくたでも共通必履修科目「蚀語文化」における「叀兞に芪しむため」の孊習を螏た えた䞊で 「叀兞を読むために必芁な」ものに限定するこずずし断片的な知識の習埗に 終始しないよう留意する必芁がある。 〇蚀葉の由来や倉化倚様性 珟代の囜語 蚀語文化 叀兞探究 ゚ 時間の経過や地域の文 化的特城などによる文字 や蚀葉の倉化に぀いお理 解を深め叀兞の蚀葉ず 珟代の蚀葉ずの぀ながり に぀いお理解するこず。 オ 蚀文䞀臎䜓や和挢混亀 文など歎史的な文䜓の倉 化に぀いお理解を深める こず。 り 時間の経過による蚀葉 の倉化や叀兞が珟代の 蚀葉の成り立ちにもたら した圱響に぀いお理解を 深めるこず。 り 時間の経過による蚀葉の倉化や叀兞が珟代の蚀葉の成り立ちにもたらした圱響に぀ いお理解を深めるこず。 「蚀語文化」の〔知識及び技胜〕の 2 の「゚ 時間の経過や地域の文化的特城などによ る文字や蚀葉の倉化に぀いお理解を深め叀兞の蚀葉ず珟代の蚀葉ずの぀ながりに぀いお 理解するこず。 」を受けお時間の経過による蚀葉の倉化や叀兞が珟代の蚀葉の成り立 ちにもたらした圱響に぀いお理解を深めるこずを瀺しおいる。 時間の経過による蚀葉の倉化ずは叀兞の蚀葉ず珟代の蚀葉には時間的な連続性があ りその間に蚀葉の意味が移り倉わったこずを指しおいる。たた珟代の蚀葉の成り立ち ずは珟圚䜿われおいる蚀葉がたどっおきた倉遷の過皋を指しおいる。叀兞が珟代の蚀葉 の成り立ちにもたらした圱響に぀いお理解を深めるこずずは自分たちが珟圚䜿っおいる 蚀葉が䞊代から珟代に至るたでにどのような過皋をたどっおきたかずいうこずに぀いお
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256 第章 囜語科の 各科目 理解を深めるこずである。 叀兞の蚀葉ず珟代の蚀葉ずには時間的な連続性があり䞡者が時代を超えた䞀続きの蚀 語文化であるず捉えるこずが重芁である。䟋えば文語における動詞の四段掻甚が口語で は五段掻甚に倉化したり 『詩経』の歌謡の「颚」ず「雅」に基づく「颚雅」ずいう蚀葉 が我が囜にもたらされおからは「雅やかな趣」ずいう意味で甚いられたりするように なった。たた 『論語』の䞭にも「以䞊」  「未定」  「䜿者」など珟代の瀟䌚生掻の䞭で もしばしば䜿甚されおいるような語も倚く芋られる。このように叀兞が珟代の蚀葉の成 り立ちに倧きな圱響を䞎えおいるこずを知るこずは䌝統的な蚀語文化に察する興味や関 心を広げるこずにも぀ながる。なお孊習する際には蟞曞や参考資料などを掻甚しお孊 習効果を高めるようにする必芁がある。 〇読曞 珟代の囜語 蚀語文化 叀兞探究 ア 実瀟䌚ずの関わりを考 えるための読曞の意矩ず 効甚に぀いお理解を深め るこず。 カ 我が囜の蚀語文化ぞの 理解に぀ながる読曞の意 矩ず効甚に぀いお理解を 深めるこず。 ゚ 先人のものの芋方感 じ方考え方に芪しみ 自分のものの芋方感じ 方考え方を豊かにする 読曞の意矩ず効甚に぀い お理解を深めるこず。 ゚ 先人のものの芋方感じ方考え方に芪しみ自分のものの芋方感じ方考え方を 豊かにする読曞の意矩ず効甚に぀いお理解を深めるこず。 「蚀語文化」の〔知識及び技胜〕の 2 の「カ 我が囜の蚀語文化ぞの理解に぀ながる読 曞の意矩ず効甚に぀いお理解を深めるこず。 」を受けお先人のものの芋方感じ方考 え方に芪しみ自分のものの芋方感じ方考え方を豊かにする読曞の意矩ず効甚に぀い お理解を深めるこずを瀺しおいる。 叀兞に衚れおいる先人のものの芋方感じ方考え方には珟代ず共通するものがあ るず同時に叀文には叀文特有の挢文には挢文特有のものがある。叀兞の文章や䜜品を 読んだり叀兞に぀いおの解説や珟代語蚳なども必芁に応じお参考にしたりしおそれら の様々なものの芋方感じ方考え方に芪しむこずで思考力や想像力を䌞ばし豊かな 感性や情緒をはぐくむこずが倧切である。 情報化が進展する珟代瀟䌚においお自分のものの芋方感じ方考え方を豊かにする ためには幅広く叀兞に芪しむこずで読曞の幅を広げ読曞の習慣を逊い知識や情報を 収集し掻甚し探究する力を身に付けるこずが必芁である。読曞は長い歎史の䞭で蓄積さ れおきた先人の知識や知恵を継承し豊かな人間性を涵 かん 逊するのに欠くこずができないも のである。このような読曞の意矩ず効甚に぀いお深く認識するこずで生涯にわたる䞻䜓 的な読曞ぞず぀ながるような指導をするこずが重芁である。
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257  叀兞探究 〔思考力刀断力衚珟力等〕  読むこず 1   読むこずに関する次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。 ア 文章の皮類を螏たえお構成や展開などを的確に捉えるこず。 む 文章の皮類を螏たえお叀兞特有の衚珟に泚意しお内容を的確に捉えるこず。 り 必芁に応じお曞き手の考えや目的意図を捉えお内容を解釈するずずもに文章 の構成や展開衚珟の特色に぀いお評䟡するこず。 ゚ 䜜品の成立した背景や他の䜜品などずの関係を螏たえながら叀兞などを読みそ の内容の解釈を深め䜜品の䟡倀に぀いお考察するこず。 オ 叀兞の䜜品や文章に぀いお内容や解釈を自分の知芋ず結び付け考えを広げた り深めたりするこず。 カ 叀兞の䜜品や文章などに衚れおいるものの芋方感じ方考え方を螏たえ人間 瀟䌚自然などに察する自分の考えを広げたり深めたりするこず。 キ 関心をもった事柄に関連する様々な叀兞の䜜品や文章などを基に自分のものの 芋方感じ方考え方を深めるこず。 ク 叀兞の䜜品や文章を倚面的・倚角的な芖点から評䟡するこずを通しお我が囜の 蚀語文化に぀いお自分の考えを広げたり深めたりするこず。 2   1 に瀺す事項に぀いおは䟋えば次のような蚀語掻動を通しお指導するものずす る。 ア 叀兞の䜜品や文章を読みその内容や圢匏などに関しお興味をもったこずや疑問 に感じたこずに぀いお調べお発衚したり議論したりする掻動。 む 同じ題材を取り䞊げた耇数の叀兞の䜜品や文章を読み比べ思想や感情などの共 通点や盞違点に぀いお論述したり発衚したりする掻動。 り 叀兞を読みその語圙や衚珟の技法などを参考にしお和歌や俳諧挢詩を創䜜 したり䜓隓したこずや感じたこずを文語で曞いたりする掻動。 ゚ 叀兞の䜜品に぀いおその内容の解釈を螏たえお朗読する掻動。 オ 叀兞の䜜品に関連のある事柄に぀いお様々な資料を調べその成果を発衚したり 報告曞などにたずめたりする掻動。 カ 叀兞の蚀葉を珟代の蚀葉ず比范しその倉遷に぀いお瀟䌚的背景ず関連付けなが ら叀兞などを読み分かったこずや考えたこずを短い論文などにたずめる掻動。 キ 埀来物や挢文の名句・名蚀などを読み瀟䌚生掻に圹立぀知識の文䟋を集めそ れらの珟代における意矩や䟡倀などに぀いお随筆などにたずめる掻動。
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258 第章 囜語科の 各科目 〇構造ず内容の把握 珟代の囜語 蚀語文化 叀兞探究 ア 文章の皮類を螏たえ お内容や構成論理の 展開などに぀いお叙述を 基に的確に捉え芁旚や 芁点を把握するこず。 ア 文章の皮類を螏たえ お内容や構成展開な どに぀いお叙述を基に的 確に捉えるこず。 ア 文章の皮類を螏たえ お構成や展開などを的 確に捉えるこず。 む 文章の皮類を螏たえ お叀兞特有の衚珟に泚 意しお内容を的確に捉え るこず。 ア 文章の皮類を螏たえお構成や展開などを的確に捉えるこず。 䞻ずしお「蚀語文化」の〔思考力刀断力衚珟力等〕の「読むこず」の「ア 文章 の皮類を螏たえお内容や構成展開などに぀いお叙述を基に的確に捉えるこず。 」を受 けお叀兞を読む際に必芁ずなる文章の皮類を螏たえお構成や展開などを的確に捉え るこずを瀺しおいる。 構成や展開などを的確に捉えるずは文脈や段萜盞互の関係を螏たえ文章の構成や展 開を過䞍足なく読み取るこずである。叀兞の䜜品や文章の内容を正しく読み取るために は近代以降の文章ず同様に文脈や段萜盞互の関係を捉えるなど文章の構成や展開を 把握するこずが求められる。その際本文の叙述を離れお芳念的に捉えたり郚分にこだ わり読みを狭めたりするこずがないように留意するこずが必芁である。叀兞を読む孊習で は語句の意味の理解や文の解釈が䞭心になりがちであるが衚面的な意味を捉えるこ ずに終わらせず内容を把握するために文章の構成や展開の仕方を孊ぶこずも倧切であ る。 構成や展開を的確に捉えるには文章の皮類を螏たえるこずが重芁である。文章の皮類 を螏たえるずは論理的な文章文孊的な文章実甚的な文章ずいった文章の皮類ずその 特城を正しく螏たえるずいうこずである。䟋えば和歌や挢詩では䌝統的な圢匏的特城 に留意するこずが必芁である。文章の皮類を正しく螏たえた䞊でその皮類に即した文章 の構成や展開を的確に捉えるこずは叀兞を読む䞊で基本的か぀重芁なこずである。 なお指導に圓たっおは䟋えば 〔知識及び技胜〕の 1 の「む 叀兞の䜜品や文章の 皮類ずその特城に぀いお理解を深めるこず。 」などずの関連を図るこずが考えられる。 む 文章の皮類を螏たえお叀兞特有の衚珟に泚意しお内容を的確に捉えるこず。 䞻ずしお「蚀語文化」の〔思考力刀断力衚珟力等〕の「読むこず」の「ア 文章 の皮類を螏たえお内容や構成展開などに぀いお叙述を基に的確に捉えるこず。 」を受 けお文章の皮類を螏たえお叀兞特有の衚珟に泚意しお内容を的確に捉えるこずを瀺し おいる。
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259  叀兞探究 文章の皮類を螏たえお叀兞特有の衚珟に泚意しお内容を的確に捉えるこずは文章の 皮類に固有の特城や修蟞文䜓などを正しく理解した䞊で巧みな描写繊现な衚珟簡 朔な語調などを味わいながら曞き手や登堎人物の思想や感情堎面の蚭定自然や季節 の情景などずいった䜜品や文章の内容を正確に捉えるこずである。そのこずは単に䜜品 や文章の内容の理解に圹立぀だけではなく広く䞊代から近䞖に至るたでの䜜品や文章に 察する認識を深めるこずに぀ながる。 叀兞特有の衚珟ずは䟋えば蚀葉のリズム音䟿や係り結びなどの文法䞊の珟象修 蟞などのこずである。これらに泚意するこずは叀兞特有の衚珟の矎しさ深さ面癜さ を理解し味わうこずを通しお内容を的確に捉えるこずに぀ながる。珟代の文章ずは異 なるリズムや響きなどの叀兞の魅力に気付くこずで興味・関心が広がり䞻䜓的な読み取 りを促すこずになる。さらに文脈を捉え語句や衚珟に泚意するこずで間違いなく過 䞍足なく内容を理解するこずに぀ながる。たた読むこずだけではなく曞くこずにも関連 し蚀語感芚を豊かにするこずにも圹立぀こずが期埅される。その際叀兞の知識を理解 するこずに終始するのではなく叀兞の知識を掻甚しお文章や䜜品に芪しむこずも重芖し ぀぀蚀語掻動を通しお指導をするこずが倧切である。 なお指導に圓たっおは䟋えば 〔知識及び技胜〕の 1 の「む 叀兞の䜜品や文章の 皮類ずその特城に぀いお理解を深めるこず。 」や 「゚ 叀兞の䜜品や文章に衚れおいる 蚀葉の響きやリズム修蟞などの衚珟の特色に぀いお理解を深めるこず。 」などずの関連 を図るこずが考えられる。 〇粟査・解釈【①】 珟代の囜語 蚀語文化 叀兞探究 む 目的に応じお文章や 図衚などに含たれおいる 情報を盞互に関係付けな がら内容や曞き手の意 図を解釈したり文章の 構成や論理の展開などに ぀いお評䟡したりするず ずもに自分の考えを深 めるこず。 む 䜜品や文章に衚れおい るものの芋方感じ方 考え方を捉え内容を解 釈するこず。 り 文章の構成や展開衚 珟の仕方衚珟の特色に ぀いお評䟡するこず。 り 必芁に応じお曞き手の 考えや目的意図を捉え お内容を解釈するずずも に文章の構成や展開 衚珟の特色に぀いお評䟡 するこず。 り 必芁に応じお曞き手の考えや目的意図を捉えお内容を解釈するずずもに文章の構 成や展開衚珟の特色に぀いお評䟡するこず。 「蚀語文化」の〔思考力刀断力衚珟力等〕の「読むこず」の「む 䜜品や文章に
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260 第章 囜語科の 各科目 衚れおいるものの芋方感じ方考え方を捉え内容を解釈するこず。 」や 「り 文章の 構成や展開衚珟の仕方衚珟の特色に぀いお評䟡するこず。 」を受けお曞き手の考え や目的意図を捉えお内容を解釈するずずもに文章の構成や展開衚珟の特色に぀いお 評䟡するこずを瀺しおいる。 必芁に応じおずは曞き手の考えや目的意図を捉えるこずを読み手の目的に応じお 行うこずを指しおいる。叀兞の䜜品や文章における内容の解釈は垞に曞き手の考えや目 的意図を捉えなければ成立しないわけではない。ただし読み手の目的によっおは曞 き手の考え曞き手がその䜜品や文章を曞いた目的や意図を捉えるこずにより内容の解 釈が深たる堎合がある。䟋えば曞き手独自の思想や論の進め方の特城䜜品や文章の優 れた点を考察したりするために読むような堎合である。このような堎合には単に察象ず した文章でのみ内容を解釈するだけでなく曞き手の考えや目的意図ず関係付けるこず により曞き手や登堎人物の思想や感情堎面の蚭定自然や季節の情景などずいった内 容の解釈を深めるこずができる。 文章の構成や展開を正しく螏たえるこずで内容や芁旚などを文章の叙述から離れお芳 念的に捉えたり郚分にこだわっお読みを狭めたりするこずを少なくするこずができる。 それらを評䟡するずはその文脈や段萜盞互の関係の劥圓性や優劣などを刀断するこずで ある。たた衚珟の特色に぀いお評䟡するずは文章の修蟞文䜓など衚珟の仕方の特色 を捉えた䞊で思想や感情などの内容が効果的に衚珟されおいるかなどの芳点からその ような衚珟の特色に぀いお䟡倀刀断するこずである。 これらはいずれも䜜品や文章を読み味わうこずに぀ながるため䌝統的な蚀語文化で ある叀兞の孊習にずっおは倧きな意矩をも぀ものである。 なお指導に圓たっおは䟋えば 〔知識及び技胜〕の 1 の「゚ 叀兞の䜜品や文章に 衚れおいる蚀葉の響きやリズム修蟞などの衚珟の特色に぀いお理解を深めるこず。 」 などずの関連を図るこずが考えられる。 〇粟査・解釈【②】 珟代の囜語 蚀語文化 叀兞探究 む 目的に応じお文章や 図衚などに含たれおいる 情報を盞互に関係付けな がら内容や曞き手の意 図を解釈したり文章の 構成や論理の展開などに ぀いお評䟡したりするず ずもに自分の考えを深 めるこず。 再掲 ゚ 䜜品や文章の成立した 背景や他の䜜品などずの 関係を螏たえ内容の解 釈を深めるこず。 ゚ 䜜品の成立した背景や 他の䜜品などずの関係を 螏たえながら叀兞などを 読みその内容の解釈を 深め䜜品の䟡倀に぀い お考察するこず。 ゚ 䜜品の成立した背景や他の䜜品などずの関係を螏たえながら叀兞などを読みその内
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261  叀兞探究 容の解釈を深め䜜品の䟡倀に぀いお考察するこず。 「蚀語文化」の〔思考力刀断力衚珟力等〕の「読むこず」の「゚ 䜜品や文章の 成立した背景や他の䜜品などずの関係を螏たえ内容の解釈を深めるこず。 」を受けお 䜜品の成立した背景や他の䜜品などずの関係を螏たえながら叀兞などを読みその内容の 解釈を深め䜜品の䟡倀に぀いお考察するこずを瀺しおいる。 䜜品の成立した背景ずはある䜜品がどのような状況でできあがったかずいうこずであ り時代・時期曞き手・語り手の状況制䜜の意図など成立に関わる諞条件を瀺しお いる。他の䜜品などずは同じ時代に曞かれた他の䜜品や同じ題材やテヌマをも぀異な る時代に曞かれた他の䜜品のこずである。䜜品の成立した背景や他の䜜品などずの関係を 螏たえる必芁があるのは成立の背景に着目するこずで䜜品の内容の解釈を深めるこず が可胜になるこずが倚いためである。たた叀兞の䜜品は他の䜜品を螏たえお成立する こずも倚いため䜜品や文章ずの関係を抌さえるこずが必芁ずなる。 䜜品の䟡倀に぀いお考察するずは時代の倉遷の䞭で様々な評䟡を受け぀぀読み継がれ おきた䜜品がも぀䟡倀に぀いお認識するこずである。小孊校䞭孊校及び共通必履修科目 「蚀語文化」などず系統的に孊んできた叀兞の孊習を螏たえ叀兞の原文のみならず叀 兞に぀いおの評論文なども掻甚しお叀兞の普遍的䟡倀やその䜜品が叀兞ずしお珟代た で読み継がれおきた意味に぀いお考えを深めるずずもにその䜜品が自らにずっおどのよ うな䟡倀をも぀のかに぀いお考えるこずも倧切である。 〇考えの圢成共有【①】 珟代の囜語 蚀語文化 叀兞探究 む 目的に応じお文章や 図衚などに含たれおいる 情報を盞互に関係付けな がら内容や曞き手の意 図を解釈したり文章の 構成や論理の展開などに ぀いお評䟡したりするず ずもに自分の考えを深 めるこず。 再掲 オ 䜜品の内容や解釈を螏 たえ自分のものの芋方 感じ方考え方を深め 我が囜の蚀語文化に぀い お自分の考えをも぀こ ず。 オ 叀兞の䜜品や文章に぀ いお内容や解釈を自分 の知芋ず結び付け考え を広げたり深めたりする こず。 カ 叀兞の䜜品や文章な どに衚れおいるものの芋 方感じ方考え方を螏 たえ人間瀟䌚自然 などに察する自分の考え を広げたり深めたりする こず。
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262 第章 囜語科の 各科目 オ 叀兞の䜜品や文章に぀いお内容や解釈を自分の知芋ず結び付け考えを広げたり深 めたりするこず。 「蚀語文化」の〔思考力刀断力衚珟力等〕の「読むこず」の「オ 䜜品の内容や 解釈を螏たえ自分のものの芋方感じ方考え方を深め我が囜の蚀語文化に぀いお自 分の考えをも぀こず。 」を受けお叀兞の䜜品や文章に぀いお内容や解釈を自分の知芋 ず結び付け考えを広げたり深めたりするこずを瀺しおいる。 叀兞の䜜品や文章に぀いお読む堎合にも近代以降の文章を読む堎合ず同様に党䜓の 構成や展開を捉えおあらすじなどを぀かむ情景や人物の心情を把握しお内容を理解する などのプロセスが必芁ずなる。文孊的な文章ならば内容を読み取るだけでなく衚珟の矎 しさを味わうなど想像力や感性を働かせた情緒的な読み方になり論理的な文章なら ば曞き手の思考などの論理の展開を把握しながら芁旚を捉える読み方になる。内容や解 釈を自分の知芋ず結び付け考えを広げたり深めたりするずは叀兞の䜜品や文章を読ん で埗た内容や解釈を知識や経隓に基づいた䞀定の芋識ずしおの自分の知芋ず照らし合わ せ読むこずで埗た思想や感動などを捉え盎しながら深化させたりするこずで自分自身 の考えを豊かにするこずである。叀兞を読むこずは叀兞の䜜品や文章から䞀方的に知識 や情報を受け取るずいう受け身の掻動ではない。叀兞の文章や䜜品に衚れた人間瀟 䌚自然などに぀いおの芋方や考え方などを読み取りそれらに぀いお考察するこずを通 しお自身の人間芳瀟䌚芳自然芳などを広く確立しお深めるこずが倧切である。 カ 叀兞の䜜品や文章などに衚れおいるものの芋方感じ方考え方を螏たえ人間瀟 䌚自然などに察する自分の考えを広げたり深めたりするこず。 叀兞の䜜品や文章などに衚れおいるものの芋方や感じ方などを読み深めるこずを通し お自分の考えを拡匵したり深化させたりする指導事項である。 叀兞の䜜品や文章などずは叀兞の原文だけではなく叀兞の珟代語蚳や叀兞に関する 解説や評論など叀兞を翻案した近代以降の小説や戯曲など叀兞に関連する様々な䜜品 や文章を瀺しおいる。叀兞の䜜品や文章などに衚れおいるものの芋方感じ方考え方ず は叀兞の䜜品や文章などにおける曞き手や登堎人物などの先人が具䜓的に察象をどのよ うに受け止めたり感じたり考えたりしおきたかずいうこずを指しおいる。このようなもの の芋方感じ方考え方を螏たえるためには叀兞の䜜品や叀兞の文章などの内容曞き 手の意図を捉え共感したり疑問に思ったり思玢したりしお読み味わうずずもに 曞き手や登堎人物が物事をどのように捉えおいるかずいう点に泚意するこずが倧切であ る。それによっお生埒は思考力や想像力を䌞ばし人間瀟䌚自然などに察する自分 の考えを広げたり深めたりするようになる。たた幅広く様々な叀兞の䜜品や文章などを 読むこずも倧切である。 叀兞の䜜品や文章などにはそれらが成立した時代や背景の違いによっお曞き手や登 堎人物の人間瀟䌚自然などに察する様々なものの芋方感じ方考え方が衚珟され おいる。䟋えば 『平家物語』は因果芳や無垞芳を基調ずしお登堎人物の心情などが描 かれおいる。それらを的確に捉えるこずは䌝統的な蚀語文化である叀兞の孊習の重芁な
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263  叀兞探究 目的でもある。叀兞に衚れた様々なものの芋方感じ方考え方には珟代にも通じお共 感できるものや逆に違和感を芚えたり理解が難しかったりするものがある。たた優 れた掞察力や創造性に感動するものもある。このように叀兞の䜜品や文章を読む孊習で は論理的に考えるずずもに感性や情緒を働かせるこずで思考力や衚珟力を豊かにし他 者や先人ずの関わりの䞭で自分の思いや考えを広げたり深化させたりするこずができる。 〇考えの圢成共有【②】 珟代の囜語 蚀語文化 叀兞探究 む 目的に応じお文章や 図衚などに含たれおいる 情報を盞互に関係付けな がら内容や曞き手の意 図を解釈したり文章の 構成や論理の展開などに ぀いお評䟡したりするず ずもに自分の考えを深 めるこず。 再掲 オ 䜜品の内容や解釈を螏 たえ自分のものの芋方 感じ方考え方を深め 我が囜の蚀語文化に぀い お自分の考えをも぀こ ず。 再掲 キ 関心をもった事柄に関 連する様々な叀兞の䜜品 や文章などを基に自分 のものの芋方感じ方 考え方を深めるこず。 ク 叀兞の䜜品や文章を倚 面的・倚角的な芖点から 評䟡するこずを通しお 我が囜の蚀語文化に぀い お自分の考えを広げたり 深めたりするこず。 キ 関心をもった事柄に関連する様々な叀兞の䜜品や文章などを基に自分のものの芋 方感じ方考え方を深めるこず。 興味や関心をも぀題材やテヌマに関連する叀兞などを䞻䜓的に読むこずを通しお自分 のものの芋方感じ方考え方を深める指導事項である。叀兞の䜜品や文章の題材やテヌ マなどに関連する課題を自ら蚭定し叀兞の䜜品や文章を読んで探究するこずでその解 決を図る孊習が考えられる。 関心をもった事柄に関連する様々な叀兞の䜜品や文章などを基にそこに衚れた様々な 思想や感情などを的確に捉え分析し敎理し探究するこずは自分のものの芋方感じ 方考え方を深めお心情を豊かにするこずにも぀ながる。叀兞の孊習においおはこの ように生埒の思考力や想像力を䌞ばすこずも倧切である。そのためには孊校図曞通など ず連携した読曞指導を行い倚くの叀兞の䜜品や文章などに芪しむ機䌚を蚭けるこずが必 芁である。 叀兞の䜜品や文章などにはそれらが成立した時代に生きた先人の思想や感情などが蟌 められおおり曞き手や登堎人物の人間瀟䌚自然などに察する思想や感情が曞かれ た時代や環境の違いによっお様々に衚珟されおいる。それらを通しお叀兞特有のもの の芋方感じ方考え方を知り我が囜の䌝統的な蚀語文化の特質の理解を深めるこずが 倧切である。䟋えば関心をもった事柄に関連する同時代たたは異なる時代の様々な 叀兞の䜜品や文章などを読み比べるこずで䞻䜓的に自分の読みを深めるこずができる。
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264 第章 囜語科の 各科目 さらに先人の思想や感情を理解するこずを通しお自らが具䜓的に察象をどのように受 け止めたり感じたり考えたりしおいるかずいう自分のものの芋方感じ方考え方を芋 ぀め盎すこずが重芁である。 なお指導に圓たっおは䟋えば 〔知識及び技胜〕の 2 の「゚ 先人のものの芋方 感じ方考え方に芪しみ自分のものの芋方感じ方考え方を豊かにする読曞の意矩ず 効甚に぀いお理解を深めるこず。 」などずの関連を図るこずが考えられる。 ク 叀兞の䜜品や文章を倚面的・倚角的な芖点から評䟡するこずを通しお我が囜の蚀語 文化に぀いお自分の考えを広げたり深めたりするこず。 叀兞の䜜品や文章の䟡倀に぀いお感じたり考えたりしたこずを共有し合っお評䟡する ずずもに我が囜の蚀語文化に関する課題を蚭定し探究しおその解決を図る指導事項で ある。 叀兞の䜜品や文章を倚面的・倚角的な芖点から評䟡するずは䟋えばある䜜品や文章 のも぀䟡倀に぀いお同じ時代の我が囜の他の䜜品や文章同じ時代の倖囜の䜜品や文章 などず共時的な芳点から比范しお評䟡したり異なる時代の同じ題材やテヌマをも぀他 の䜜品や文章などず通時的な芳点から比范しお評䟡したりするこずである。 課題の蚭定に圓たっおは䟋えば季節や人事をはじめ様々な事柄に察する先人のもの の芋方感じ方考え方に぀いお珟代の人々ずの違いや䞭囜など倖囜の人々ずの違い 叀兞䜜品の文䜓の特色叀兞䜜品に衚れたテヌマの倉遷叀兞䜜品に衚れた䞭囜など倖囜 からの圱響などを時間的あるいは空間的な比范を通しお生埒が考え我が囜の䌝統的な 蚀語文化の特色が明確になるこずで我が囜の蚀語文化に぀いお自分の考えを広げたり深 めたりするこずが可胜になるものを遞択する必芁がある。なお課題の蚭定の䟋ずしおは 蚀語文化に盎接関係するもののほか自然や倩候先人の死生芳仕事や孊問病気や健 康宗教や道埳恋愛ず結婚など珟代瀟䌚に共通するものを遞択するこずも考えられる。 䌝統的な蚀語文化に぀いおの課題を探究する孊習が自ら蚭定した課題の解決にずどた らず我が囜の蚀語文化に぀いおの理解の深たりに資するこずが倧切である。囜際化情 報化が進む知識基盀瀟䌚に生きる生埒にずっお我が囜の䌝統的な蚀語文化の圚り方に぀ いお自分の考えをも぀こずは極めお重芁な意味がある。ずりわけ叀兞は我が囜の文化 の䞭で重芁な䜍眮を占めおおり叀兞を読むこずを通しお我が囜の文化の特質を考え囜 際化の時代における囜語の圚り方を考えるこずには倧きな意矩がある。たた䌝統的な蚀 語文化に察する深い理解は他者や瀟䌚ずの関係だけではなく自己ず察話しながら自分 の考えを深めおいく䞊でも倧切なこずである。このような孊習を重ねる過皋で我が囜の 䌝統的な蚀語文化に぀いおの課題も次第に明確になるこずが考えられる。その課題を自 ら蚭定しお探究するこずは孊習意欲を高めるずずもに蚀語文化に関する課題を解決し ようずする態床を育成するこずにも぀ながる。 なお指導に圓たっおは䟋えば 〔知識及び技胜〕の 2 の「ア 叀兞などを読むこず を通しお我が囜の文化の特質や我が囜の文化ず䞭囜など倖囜の文化ずの関係に぀いお 理解を深めるこず。 」などずの関連を図るこずが考えられる。
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265  叀兞探究 〇蚀語掻動䟋 珟代の囜語 蚀語文化 叀兞探究 ア 論理的な文章や実甚的 な文章を読みその内容 や圢匏に぀いお匕甚や 芁玄などをしながら論述 したり批評したりする掻 動。 む 異なる圢匏で曞かれた 耇数の文章や図衚等を 䌎う文章を読み理解し たこずや解釈したこずを たずめお発衚したり他 の圢匏の文章に曞き換え たりする掻動。 ア 我が囜の䌝統や文化に ぀いお曞かれた解説や評 論随筆などを読み我 が囜の蚀語文化に぀いお 論述したり発衚したりす る掻動。 む 䜜品の内容や圢匏に぀ いお批評したり蚎論し たりする掻動。 り 異なる時代に成立した 随筆や小説物語などを 読み比べそれらを比范 しお論じたり批評したり する掻動。 ゚ 和歌や俳句などを読 み曞き換えたり倖囜 語に蚳したりするこずな どを通しお互いの解釈の 違いに぀いお話し合った りテヌマを立おおたず めたりする掻動。 オ 叀兞から受け継がれお きた詩歌や芞胜の題材 内容衚珟の技法などに ぀いお調べその成果を 発衚したり文章にたずめ たりする掻動。 ア 叀兞の䜜品や文章を読 みその内容や圢匏など に関しお興味をもったこ ずや疑問に感じたこずに ぀いお調べお発衚した り議論したりする掻動。 む 同じ題材を取り䞊げた 耇数の叀兞の䜜品や文章 を読み比べ思想や感情 などの共通点や盞違点に ぀いお論述したり発衚し たりする掻動。 り 叀兞を読みその語圙 や衚珟の技法などを参考 にしお和歌や俳諧挢 詩を創䜜したり䜓隓し たこずや感じたこずを文 語で曞いたりする掻動。 ゚ 叀兞の䜜品に぀いお その内容の解釈を螏たえ お朗読する掻動。 オ 叀兞の䜜品に関連のあ る事柄に぀いお様々な資 料を調べその成果を発 衚したり報告曞などにた ずめたりする掻動。 カ 叀兞の蚀葉を珟代の蚀 葉ず比范しその倉遷に ぀いお瀟䌚的背景ず関連 付けながら叀兞などを読 み分かったこずや考え たこずを短い論文などに
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266 第章 囜語科の 各科目 たずめる掻動。 キ 埀来物や挢文の名句・ 名蚀などを読み瀟䌚生 掻に圹立぀知識の文䟋を 集めそれらの珟代にお ける意矩や䟡倀などに぀ いお随筆などにたずめる 掻動。 ア 叀兞の䜜品や文章を読みその内容や圢匏などに関しお興味をもったこずや疑問に感 じたこずに぀いお調べお発衚したり議論したりする掻動。 叀兞の䜜品や文章を読んで興味をもったり疑問に感じたりしたこずに぀いお調べお 発衚したり議論したりする蚀語掻動を瀺しおいる。 取り䞊げる叀兞の䜜品や文章ずしおは叀文では䜜り物語歌物語歎史物語随 筆日蚘説話評論仮名草子浮䞖草子和歌俳諧胜狂蚀人圢浄瑠璃歌舞 䌎などたた挢文では思想史䌝詩随筆説話評論小説などの圢態の䞭か ら叀兞の原文のみならず叀兞に関連する近代以降の文章も含めた様々なものが考えら れる。調べる察象に぀いおも叀兞の䜜品や文章の内容や圢匏などに関連しお䟋えば 動物寓話に登堎する動物の皮類ず性栌我が囜ず䞭囜など倖囜の季節感叀兞における喜 怒哀楜などの描かれ方曞き手や登堎人物など生埒が興味をもったこずや自分たちの 生き方ず比范しお疑問に感じたこずなどを䞻䜓的に遞択するこずが求められる。 調べお発衚したりする際に参考ずする資料に぀いおも叀兞の䜜品や文章の解説曞など の曞籍に加えおむンタヌネットなどの様々なメディアを掻甚するこずも考えられる。た た調べお発衚したりする際の手段に぀いおも口頭をはじめ玙の補助資料を䜜成しお 聞き手に配垃をしたりポスタヌを甚いたりする他にもコンピュヌタを掻甚し図衚や 画像など芖芚に蚎えるものを䜿甚するなどの方法が考えられる。議論したりする堎合に぀ いおもテヌマを蚭定しおペアやグルヌプで話す圢匏やディベヌト圢匏などが考えられ る。 む 同じ題材を取り䞊げた耇数の叀兞の䜜品や文章を読み比べ思想や感情などの共通点 や盞違点に぀いお論述したり発衚したりする掻動。 同じ題材の耇数の叀兞の䜜品や文章を読み比べおそれぞれの䜜品や文章に描かれおい る思想や感情などの共通点や盞違点を敎理しお論述したり発衚したりする蚀語掻動を瀺 しおいる。 曞かれた時代は異なるが同じ題材を取り䞊げた耇数の叀兞の䜜品や文章を読み比べる こずで時代を超えお我が囜の文化の底流にある思想や感情などに觊れるこずができ る。それらは䟋えば生老病死など人間にずっお䞍可避なこずに関する思想 や恋愛や友情芪子の愛情などい぀の時代も人間が倉わらずにもっおいる感情などの
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267  叀兞探究 共通点が考えられる。あるいは受けるむメヌゞの違いを感じ取ったり曞き手の意図に よる違いなどの盞違点を芋いだしたりするこずも考えられる。たた 「送別」  「詠懐」  「自然」などをテヌマずした挢詩に衚れた思想や感情 『長恚歌』や謡曲『楊貎劃』などで の楊貎劃の描かれ方の共通点や盞違点などに぀いお考察するこずも考えられる。 読み比べる際には原文はもちろん珟代語蚳や解説曞なども掻甚しおより倚くの䜜品 や文章に接するこずも重芁である。たた読み比べお分かった共通点や盞違点に぀いお論 述する際には自分の考えの根拠ずなる郚分を叀兞の䜜品や文章の䞭から明確に指摘を しお文章を曞くこずが求められる。さらに読み比べたこずに぀いお論述したり発衚し たりするためには分かったこずや考えたこずをたずめるこずも必芁ずなり䜜品や文章 の理解を深めるこずにも぀ながる。 り 叀兞を読みその語圙や衚珟の技法などを参考にしお和歌や俳諧挢詩を創䜜した り䜓隓したこずや感じたこずを文語で曞いたりする掻動。 叀兞を読んだこずを基に語圙や衚珟の技法などを参考にしお和歌や俳諧挢詩を創䜜 したり文語の文章を曞いたりする蚀語掻動を瀺しおいる。 叀兞を読むこずを通しお身に付けた文語のきたりや蚓読のきたり叀文や挢文などで甚 いられおいる語圙や修蟞や抌韻などの衚珟の技法を掻甚するなどその語圙や衚珟の技 法などを参考にしお和歌や俳諧挢詩などの韻文を創䜜したり孊校行事をテヌマずし た生掻䜜文や日蚘文など䜓隓したこずや感じたこずを文語で曞いたりするこずなどが考 えられる。 なお挢詩を創䜜する際には倚くの堎合五蚀の句は意味の䞊で二字ず䞉字の構成ず なり䞃蚀句は四字二字ず二字ず䞉字の構成になっおいるこずや絶句の起承転結の 展開を確認するこずが必芁である。そのうえで抌韻は正確でなくおもよいこずにするな どずしお絶句や埋詩などを創䜜するこずが考えられる。韻文を創䜜する際には叀兞の 䜜品を暡倣したり文語で文章を曞く際には短い分量の文章を曞いたりするなど䜿い 慣れおいない叀文や挢文などで甚いられおいる語圙を䜿甚するこずに配慮した指導の工倫 も必芁になる。 ゚ 叀兞の䜜品に぀いおその内容の解釈を螏たえお朗読する掻動。 叀兞の䜜品の党䜓あるいはその䞀郚を朗読する蚀語掻動を瀺しおいる。 朗読には捉えた内容を基に衚珟の仕方を工倫するなどの孊習を通しお解釈を䞀局深 める効果がある。叀兞の文章には独特の蚀い回しや矎しい響きがある。それらを生かし お朗読するこずにより叀兞の䞖界のむメヌゞも広がり内容の把握の深たりも期埅でき る。叀兞の䜜品に぀いおその内容の解釈を螏たえお朗読するこずは文章の解釈を自芚 したり生埒同士が文章の内容に぀いおの解釈の有り様を確認し合ったり評䟡し合った りするこずにも぀ながる。 朗読をする際には叀文や挢文がも぀特有の調子などを味わいながら行うこずが倧切で ある。特に挢文の朗読では 「長恚歌」などの長線の叀䜓詩や 「鎻 こう 門の䌚」などの䜜品
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268 第章 囜語科の 各科目 を内容の解釈や衚珟の匷調点などがグルヌプごずに異なるよう工倫しお矀読をする掻動 も考えられる。叀兞は珟代の文章ずは異なるリズムや響き衚珟の矎しさ深さ面癜 さに満ちおいる。朗読に加えお音読や暗唱などを通しおこのような叀兞の魅力に気付か せるこずは叀兞ぞの興味・関心を広げ生埒の䞻䜓的な孊習を促すこずに効果がある。 オ 叀兞の䜜品に関連のある事柄に぀いお様々な資料を調べその成果を発衚したり報告 曞などにたずめたりする掻動。 叀兞に関する課題を蚭定し叀兞の䜜品に関連のある事柄に぀いお様々な資料を調べる などしながら探究しお成果を発衚したり報告曞にたずめたりする蚀語掻動を瀺しおい る。 䞻䜓的に孊習に取り組む態床を育成するためには䞎えられた課題に぀いお孊習を進め るだけでなくそれたでの孊習経隓や身に付けた資質・胜力などを生かしながら生埒が 課題を自ら蚭定し探究する孊習が倧切である。叀兞の䜜品に関連のある事柄に぀いおず はそのような孊習掻動の前提ずしおの課題蚭定の範囲を瀺しおいる。叀兞の䜜品を読ん だ埌の生埒の興味・関心のもち方は倚様であり蚭定する課題も文章の内容や圢匏の䞡 面にわたるこずが想定される。 様々な資料を調べるずは孊校図曞通地域の公共図曞通むンタヌネットなどで参考 ずなる曞籍や資料などを調べたり珟地に出かけお取材したりするなど様々な方法に よっお課題に関する情報を収集敎理しそれに぀いお分析考察を行うこずである。こ のような掻動を基に蚭定した課題に぀いお自分なりの意芋をもち刀断を䞋しお成果 ずするこずが考えられる。発衚したり報告曞などにたずめたりするずは成果の公衚の仕 方を瀺しおいる。口頭で発衚したり文章にたずめお報告曞などに線集したりするこず は䞀連の孊習に぀いお成就感を味わわせ生埒の孊習意欲を高めるこずにも぀ながる。 報告曞などの線集に圓たっおは䞀人の生埒のものを線む堎合やグルヌプごずやホヌム ルヌム党䜓など耇数の生埒のものを線む堎合などが想定される。この蚀語掻動は倧孊 等や瀟䌚で調査研究掻動などを行いその成果を発衚する基瀎ずもなる。 カ 叀兞の蚀葉を珟代の蚀葉ず比范しその倉遷に぀いお瀟䌚的背景ず関連付けながら叀 兞などを読み分かったこずや考えたこずを短い論文などにたずめる掻動。 叀兞の蚀葉ず珟代の蚀葉を比范しその倉遷に぀いお分かったこずや考えたこずを論文 などにたずめる蚀語掻動を瀺しおいる。 蚀葉は長い幎月にわたっお倉遷し぀぀珟代に至っおいる。そのため叀兞の蚀葉を珟代 の蚀葉ず比范するこずに意矩がある。時代の掚移の䞭で倧きく倉化した蚀葉倉化の小さ い蚀葉などを様々な角床から取り䞊げお比范し察照するこずは囜語の特質の䞀端に觊れ るこずになる。䟋えば叀文では「ありがたし 「あからさたなり 「やがお」など 挢文では「故人 「迷惑 「遠慮」などを取り䞊げ叀兞の蚀葉ず珟代の蚀葉ずの間で 意味や甚法に぀いおどのような盞違点や類䌌点があるか 「文孊」  「文化」  「勉匷」など の蚀葉がどのような倉遷の過皋を経おきおいるかなどに぀いお調べるこずは䌝統的な
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269  叀兞探究 蚀語文化のみならず囜語に぀いおの認識を深めるこずに぀ながる。 その倉遷に぀いお瀟䌚的背景ず関連付けながら叀兞などを読みずは叀兞の蚀葉ず珟代 の蚀葉ずを比范しその倉遷に぀いお囜語蟞兞叀語蟞兞挢和蟞兞その他の関係資 料を甚いおそれぞれの蚀葉が甚いられた圓時の瀟䌚の状況などずの関係に留意し぀぀考 察するこずを瀺しおいる。分かったこずや考えたこずを短い論文などにたずめるずいう衚 珟掻動を行うこずは孊習の成果を筋道立おおたずめるずずもに䞀連の孊習に぀いお成 就感を味わわせ叀兞に぀いお探究する意欲を曎に高めるこずにも぀ながる。 キ 埀来物や挢文の名句・名蚀などを読み瀟䌚生掻に圹立぀知識の文䟋を集めそれら の珟代における意矩や䟡倀などに぀いお随筆などにたずめる掻動。 叀兞の実甚的な文䟋や名句・名蚀などの珟代における意矩や䟡倀に぀いお随筆などに たずめる蚀語掻動を瀺しおいる。 埀来物ずは埀埩曞簡埀来の圢匏を採った文䟋集に由来しおおり䞭囜の圱響を受 けながら 『十二月埀来』などの曞簡の文䟋を瀺したものや 『庭蚓 きん 埀来』などの曞簡圢匏 を採った単語集など近代以前に我が囜で独自に発展しおいった日垞生掻に必芁な実甚知 識を瀺したものである。挢文の名句・名蚀などずは䟋えば『論語』  『孟 もう 子』  『菜根譚』  『蚀志録』などにみられる。 瀟䌚生掻に圹立぀知識の文䟋を集める際には原文のみならず解説文や評論文なども 掻甚しおそれらの普遍的䟡倀やそれらが叀兞ずしお珟代たで読み継がれおきた意味や 理由に぀いお探究するこずも倧切である。その結果ずしお時代の倉遷の䞭で様々な評䟡 を受け぀぀読み継がれおきた䜜品や文章の珟代における意矩や䟡倀に぀いお生埒が認識 し考察を深めるこずが期埅される。たた埀来物や挢文の名句・名蚀などに甚いられおい る文䜓などの衚珟の仕方の特色を捉え䞭心ずなる思想などがどのように衚珟されおいる かを理解するずずもに描写や語調などの特城にも留意しながら感想や考察したこずを 随筆などにたずめる掻動は曞くこずを通しお読む胜力を高めるこずにも結び付く点で重 芁である。 1   内容の〔知識及び技胜〕に関する指導に぀いおは 次の事項に配慮するものずする。 ア  2 のむの指導に぀いおは 〔思考力刀断力衚珟力等〕の「読むこず」の指 導に即しお行い必芁に応じおある皋床たずたった孊習もできるようにするこず。 文語のきたりや蚓読のきたりなどの文語文法の指導は叀兞の䜜品や文章の読みを確か なものにしたり深く読み味わったりするために行うずいうこれたでず倉わらない原則 的な考えを明瀺しおいる。文語文法の指導は叀兞などを読むために必芁な指導を読む 4 内容の取扱い
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270 第章 囜語科の 各科目 こずの孊習に即しお行うずいう考え方である。必芁に応じおある皋床たずたった孊習もで きるようにするずしたのは文語文法をある皋床たずたった圢で孊ぶこずを通しお叀兞 に察する興味や関心を曎に広げそのこずが叀兞などを䞻䜓的に読むこずの孊習にも生か されるよう配慮したものである。そこで生埒の実態に応じおそのような孊習の必芁性 の有無を適切に刀断するずずもに文語文法の暗蚘に偏るなど興味や関心を広げるこず を軜芖した指導に陥らないような配慮ず工倫をする必芁がある。なお挢文の蚓読の指導 に際しおも読むこずの孊習に即しお行うずいう考え方であり文語文法ずの関連に泚意 させる必芁がある。 2   内容の〔思考力刀断力衚珟力等〕の「読むこず」に関する指導に぀いおは 次の事項に配慮するものずする。 ア 叀文及び挢文の䞡方を取り䞊げるものずし䞀方に偏らないようにするこず。 「叀兞探究」の内容の〔思考力刀断力衚珟力等〕の「読むこず」の指導においお は叀文及び挢文の䞡方を取り䞊げるものずし䞀方に偏らないようにするこずを瀺しお いる。 「叀兞探究」では科目の目暙ずしお叀兞などを通した先人のものの芋方感じ方 考え方ずの関わりの䞭で䌝え合う力を高めるこずず生涯にわたっお叀兞に芪しみ自己を 向䞊させるこずを瀺しおいる。叀文ず挢文は我が囜の叀兞ずしお共に重芁なものであり それを読むこずができるよう䞡方を取り䞊げお生埒に孊習させるこずが求められる。そ こで叀文ず挢文のいずれか䞀方に倚くの時間をかけたり取扱い方に深浅が生じたりす るこずがないよう配慮し党䜓ずしお䞡者をバランスよく指導する必芁がある。 む 叀兞を読み深めるため音読朗読暗唱などを取り入れるこず。 音読ずは声を出しお文章を読むこずをいい文章の内容や衚珟を理解し䌝えるこずに 重点がある。音読によっお叀兞の文章の特有のリズムに気付かせるこずも倧切である。 特に叀文や挢文などでは音読するこずによっお文章の調子に気付くこずも倚い。䜕回も 繰り返し音読しおそのリズムに慣れるよう指導するこずが倧切である。 朗読ずは文章の思想や感情などの内容を十分に理解した䞊で聞く人がよりよく理解 できるよう衚珟性を高めお読むこずである。文章の読み味わいが深いものであればあるほ ど優れた朗読が可胜ずなる。たた朗読するこずによっお読みが深たるこずも倚い。 暗唱ずは文章を読んで蚘憶した䞊でその文章を声に出すこずである。文章を蚘憶する こずで読みが深たるこずは倚い。たた暗唱を行うこずでより感情豊かに衚珟するこ ずが可胜ずなる。 音読朗読暗唱などずしたのは挔じるこずなども含めお幅広く音声蚀語などによ る掻動を指導に取り入れるこずが可胜であるこずを瀺すためである。指導に圓たっおは
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271  叀兞探究 掻動そのものが目的ずなるこずがないよう叀兞を読み深めるためずいうねらいに留意 し音読朗読暗唱などを取り入れる必芁がある。 り 必芁に応じお叀兞の倉遷を扱うこず。 「叀兞探究」における䜜品や文章の扱いは実際にそれを読むこずによっおその内容や 衚珟の特色を぀かみ考えを深めたり発展させたりするこずに䞻県を眮いおいる。した がっおそれに資するよう叀兞の䜜品や文章の倉遷に぀いおは必芁に応じお扱うこず ずしおいる。 叀兞の倉遷ずは近䞖以前の文章史や文孊史のこずである。䞊代から近䞖に至る時代の 掚移ず文章や文孊の倉遷ずは密接な関連がある。読んだ䜜品や文章の曞き手がどのよう な考えをもちその時代の他の曞き手はどのような考えをもっおいるのかを知るこずや 散文や韻文ずいった文章の皮類が曞かれた時代によっおどのように倉遷しおいるのかな どに぀いお理解を深めるこずが䞻䜓的で倚面的・倚角的な芖点からの読曞にも結び付い おいく。このこずを螏たえ生埒の発達の段階や科目の趣旚などを考慮しお䜜品や文章 の内容や特質を理解するために必芁に応じお取り扱うずいうこずである。 3   教材に぀いおは次の事項に留意するものずする。 ア 内容の〔思考力刀断力衚珟力等〕の「読むこず」の教材は叀兞ずしおの叀 文及び挢文ずし日本挢文を含めるずずもに論理的に考える力を䌞ばすよう叀兞 における論理的な文章を取り䞊げるこず。たた必芁に応じお近代以降の文語文や 挢詩文叀兞に぀いおの評論文などを甚いるこずができるこず。 〔思考力刀断力衚珟力等〕の「読むこず」の教材は叀兞ずしおの叀文及び挢文 ずしおいるこずを瀺しおいる。叀兞ずしおの叀文及び挢文ずは近䞖たでに曞かれた叀文 ず挢文のこずである。 その䞊で叀兞ずしおの叀文及び挢文に日本挢文を含めるこずを瀺しおいる。日本挢文 ずは䞊代から近䞖に至るたでの間に日本人が぀くった挢詩ず挢文ずをいう。これは本 来叀兞ずしおの挢文に含たれるものである。我が囜の文化においお挢文が倧きな圹割を 果たしおきたこずや日本人の思想や感情などが挢語挢文を通しお衚珟される堎合も 少なくなかったこずなどを考え䜵せるず日本挢文の適切な掻甚を図る必芁がありここ で改めお瀺しおいる。 加えお科目の性栌を螏たえた䞊で論理的に考える力を䌞ばすよう叀兞における論 理的な文章を取り䞊げるこずをここで改めお瀺しおいる。叀兞を読む孊習では教材ず しお文孊的な文章を重芖する傟向がある。しかし䟋えば叀文の歌論や俳論などの評 論挢文の思想など論理的に考える力を䌞ばすため教材ずしおふさわしい叀兞におけ る論理的な文章も存圚する。これらを叀兞ずしおの叀文及び挢文の教材ずしお取り䞊げ
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272 第章 囜語科の 各科目 るこずを瀺しおいる。 たた必芁に応じお近代以降の文語文や挢詩文叀兞に぀いおの評論文などを甚いる こずができるこずを瀺しおいる。これらに぀いおは必芁に応じお甚いるこずができるこ ずずしおいるこずから指導のねらい生埒の興味・関心指導の段階や時期などに配慮 し芪しみやすく効果的なものを甚いるこずが倧切である。 近代以降の文語文や挢詩文は時代的な範囲では叀兞に含たれないが近代以降にあっ おも叀兞の衚珟の特色を継承した優れた䜜品などがある。叀兞に぀いおの評論文などを 瀺したのは近代以降の文章にも叀兞の翻案などのほか叀兞の魅力や珟代的な意矩な どを平易な蚀葉で蚘した解説は倚く指導の段階や時期などに配慮し芪しみやすく効果 的なものを適切な分量で教材ずしお扱うこずで叀兞の䜜品や文章の䟡倀に぀いお考察す るこず蚀語文化の倉遷に぀いおの理解を深めるこず叀兞に぀いおの興味や関心を広げ るこずなどに資するこずができるためである。 む 内容の〔思考力刀断力衚珟力等〕の「読むこず」の 2 に掲げる蚀語掻動が 十分行われるよう教材を遞定するこず。 〔思考力刀断力衚珟力等〕の各領域の指導の充実を図るため各領域の 2 に掲げ る蚀語掻動が十分行われるよう教材を偏りなく取り䞊げるように配慮するこずを瀺しお いる。 特に蚀語の教育ずしおの立堎を重芖する囜語科においおは生埒の蚀語掻動を通し お 〔思考力刀断力衚珟力等〕の各領域の指導の充実に圹立぀適切な教材を遞定する 必芁がある。その際 〔知識及び技胜〕ず〔思考力刀断力衚珟力等〕に瀺した資質・ 胜力がバランスよく育成されるこずを重芖し教材を単に文章や䜜品ずいった意味にずど めるこずなく単元など内容や時間のたずたりを芋通しおその䞭で育む資質・胜力の育 成に向けお生埒の䞻䜓的・察話的で深い孊びの実珟を図るこずができるよう単元など における具䜓的な孊習の手立おや方向性も䜵せお瀺したものずしお考えおいくこずが倧切 である。 今回の改蚂も埓前ず同じく内容の 2 に蚀語掻動䟋を瀺しおいるがその趣旚を螏た えそれらの蚀語掻動が十分行われるよう生埒の実態に応じお適切な教材を䜜成し遞 定するこずが倧切である。ねらいずした資質・胜力の育成に向けた適切な教材を遞定する こずによっお生埒の䞻䜓的・察話的で深い孊びが促進され必芁な情報を収集し掻甚し お報告や発衚をするなどの積極的な蚀語掻動に぀ながる堎合が倚い。このような点から も教材の適切な遞定はこの科目の孊習に重芁な圹割を果たすこずを認識する必芁があ る。 蚀語掻動を行う際に留意すべきこずはあくたでもその単元で育成しようずしおいる 資質・胜力を考えた堎合にどのような蚀語掻動が適切であるかを考えた䞊で掻動を遞 定するこずである。特に囜語を的確に理解する資質・胜力を育成する「読むこず」の領 域の指導に圓たっおは単に読たせるだけでは孊習を深めたりそれを評䟡したりするこず
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273  叀兞探究 も難しくなるため読むずずもに把握したり解釈したり考えたりしたこずを衚珟する必 芁がある。この堎合読む資質・胜力を育成するために話したり曞いたりする掻動を取り 入れるこずもある。こうした堎合においおもあくたでも育成する資質・胜力ず蚀語掻 動ずの敎合性を的確に芋極める必芁がある。 教材の遞定に圓たっおは叀兞に芪しむ態床を育成するこず読むこずの胜力を育成す るこず我が囜の䌝統的な蚀語文化に察する理解を深めるこずをねらいずしお生埒の発 達の段階や囜語の資質・胜力の皋床興味や関心などに配慮し適切な叀兞の䜜品や文章 などをバランスよく取り䞊げるこずが倧切である。そのためには叀文ず挢文の䜜品や文 章の䞡方にわたっお適切に遞定する必芁がある。その際叀文には和歌俳諧物 語随筆日蚘説話浮䞖草子胜狂蚀評論など挢文には思想史䌝詩文な ど倚皮倚様な皮類の䜜品や文章があるこずに留意する必芁がある。 り 教材は蚀語文化の倉遷に぀いお理解を深める孊習に資するよう文章の皮類長 短や難易などに配慮しお適圓な郚分を取り䞊げるこず。 蚀語文化の倉遷に぀いお理解を深めるずは䟋えば 『叀事蚘』や『䞇葉集』など挢字 のみを甚いお衚蚘された䜜品から仮名文字が甚いられるようになった䜜品ぞずいった文 字衚蚘の倉遷女性文孊から隠者文孊庶民文孊ぞずいった文孊の担い手ず思朮の倉遷な どを理解したり軍蚘物語の文䜓に挢文蚓読の圱響を芋いだしたり俳諧の孊習においお その成立に至るたでの和歌連歌の歎史を通芳したりずいうように読むこずの孊習ず関 連しお蚀語文化の倉遷に぀いお理解を深めるずいうこずを瀺しおいる。 文章の皮類に配慮するずは文章の皮類や類型圢態に偏りなく幅広い範囲で教材を 取り䞊げるこずで叀兞の倚様な䞖界に觊れさせるずいうこずである。長短や難易などに 配慮するずは短く平易なものがよいずいうこずではなくある皋床たずたった量の教材 を読むこずで叀兞を読む胜力が逊われるずいう偎面もあるこずを螏たえおいる。叀兞を 読む資質・胜力を逊うためには生埒の発達の段階や指導の時期に即応しお長短難易 様々なものをバランスよく取り䞊げその配列を工倫するなどの配慮が必芁である。
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274 第章 各科目にわたる 指導蚈画の䜜成 ず内容の取扱い 〇䞻䜓的・察話的で深い孊びの実珟に向けた授業改善 1   単元など内容や時間のたずたりを芋通しお その䞭で育む資質 ・ 胜力の育成に向けお 生埒の䞻䜓的・察話的で深い孊びの実珟を図るようにするこず。その際蚀葉による 芋方・考え方を働かせ蚀語掻動を通しお蚀葉の特城や䜿い方などを理解し自分の 思いや考えを深める孊習の充実を図るこず。 この事項は囜語科の指導蚈画の䜜成に圓たり生埒の䞻䜓的・察話的で深い孊びの実 珟を目指した授業改善を進めるこずずし囜語科の特質に応じお効果的な孊習が展開で きるように配慮すべき内容を瀺したものである。 遞挙暩幎霢や成幎幎霢の匕き䞋げなど高校生にずっお政治や瀟䌚が䞀局身近なものず なる䞭孊習内容を人生や瀟䌚の圚り方ず結び付けお深く理解しこれからの時代に求め られる資質・胜力を身に付け生涯にわたっお胜動的に孊び続けるこずができるようにす るためにはこれたでの優れた教育実践の蓄積も生かしながら孊習の質を䞀局高める授 業改善の取組を掚進しおいくこずが求められおいる。 指導に圓たっおは 1 「知識及び技胜」が習埗されるこず 2 「思考力刀断力衚珟 力等」を育成するこず 3 「孊びに向かう力人間性等」を涵 かん 逊するこずが偏りなく実珟 されるよう単元など内容や時間のたずたりを芋通しながら生埒の䞻䜓的・察話的で深 い孊びの実珟に向けた授業改善を行うこずが重芁である。 䞻䜓的・察話的で深い孊びは必ずしも単䜍時間の授業の䞭で党おが実珟されるもの ではない。単元など内容や時間のたずたりの䞭で䟋えば䞻䜓的に孊習に取り組めるよ う孊習の芋通しを立おたり孊習したこずを振り返ったりしお自身の孊びや倉容を自芚でき る堎面をどこに蚭定するか察話によっお自分の考えなどを広げたり深めたりする堎面を どこに蚭定するか孊びの深たりを぀くりだすために生埒が考える堎面ず教垫が教える 堎面をどのように組み立おるかずいった芳点で授業改善を進めるこずが求められる。た た生埒や孊校の実態に応じ倚様な孊習掻動を組み合わせお授業を組み立おおいくこず が重芁であり単元など内容や時間のたずたりを芋通した孊習を行うに圓たり基瀎ずなる 「知識及び技胜」の習埗に課題が芋られる堎合にはそれを身に付けるために生埒の䞻 䜓性を匕き出すなどの工倫を重ね確実な習埗を図るこずが必芁である。 䞻䜓的・察話的で深い孊びの実珟に向けた授業改善を進めるに圓たり特に「深い孊 び」の芖点に関しお各教科等の孊びの深たりの鍵ずなるのが「芋方・考え方」である。 各教科等の特質に応じた物事を捉える芖点や考え方である「芋方・考え方」を習埗・掻 甚・探究ずいう孊びの過皋の䞭で働かせるこずを通じおより質の高い深い孊びに぀なげ るこずが重芁である。 囜語科においおは様々な事物経隓思い考え等をどのように蚀葉で理解しどの 1 指導蚈画䜜成䞊の配慮事項 第3 ç«  各科目にわたる指導蚈画の䜜成ず内容の取扱い
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275  指導蚈画 䜜成䞊の 配慮事項 ように蚀葉で衚珟するかずいう蚀葉を通じた理解や衚珟及びそこで甚いられる蚀葉その ものを孊習察象ずしおいる。蚀葉による芋方考え方を働かせるずは生埒が孊習の䞭 で察象ず蚀葉蚀葉ず蚀葉ずの関係を蚀葉の意味働き䜿い方等に着目しお捉えた り問い盎したりしお蚀葉ぞの自芚を高めるこずであるず考えられる。この「察象ず蚀 葉蚀葉ず蚀葉ずの関係を蚀葉の意味働き䜿い方等に着目しお捉えたり問い盎した りする」ずは蚀葉で衚される話や文章を意味や働き䜿い方などの蚀葉の様々な偎面 から総合的に思考・刀断し理解したり衚珟したりするこずたたその理解や衚珟に぀ いお改めお蚀葉に着目しお吟味するこずを瀺したものず蚀える。 なおこのこずは話や文章を理解したり衚珟したりする際に必芁ずなるものであるた めこれたでも囜語科の授業実践の䞭で生埒が蚀葉に着目しお孊習に取り組むこずによ り「知識及び技胜」や「思考力刀断力衚珟力等」が身に付くよう授業改善の創意工 倫が図られおきたずころである。 囜語科においお授業改善を進めるに圓たっおは蚀葉の特城や䜿い方などの「知識及び 技胜」や自分の思いや考えを深めるための「思考力刀断力衚珟力等」ずいった指導 事項に瀺す資質・胜力を育成するためこれたでも囜語科の授業実践の䞭で取り組たれお きたように生埒が蚀葉に着目し蚀葉に察しお自芚的になるよう孊習指導の創意工倫 を図るこずが期埅される。 〇各科目の履修に関する配慮事項 2   「論理囜語」  「文孊囜語」  「囜語衚珟」及び「叀兞探究」の各科目に぀いおは原 則ずしお 「珟代の囜語」及び「蚀語文化」を履修した埌に履修させるこず。 ここでは 「論理囜語」  「文孊囜語」  「囜語衚珟」及び「叀兞探究」の履修に぀いおの 配慮事項を述べおいる。すなわちこれらの各科目の履修に圓たっおは原則ずしお共 通必履修科目である「珟代の囜語」及び「蚀語文化」を履修した埌に遞択しお履修させる こずずしおいる。各孊校においおは共通必履修科目の履修孊幎や遞択科目の履修順序 履修孊幎などに぀いお十分な怜蚎を行い生埒の特性や孊校の実態等に応じた教育課皋の 線成や指導蚈画の䜜成が行われるようにする必芁がある。 高等孊校囜語科には 「珟代の囜語」  「蚀語文化」  「論理囜語」  「文孊囜語」  「囜語衚 珟」及び「叀兞探究」の科目がある。科目構成の䞊からこの科目の関係をみるず教 科の基本的な科目ずしお 「珟代の囜語」及び「蚀語文化」が総合的な蚀語胜力を育成す るこずを目指す共通必履修科目ずしお眮かれおいる。その他の遞択科目は共通必履修科 目の〔知識及び技胜〕  〔思考力刀断力衚珟力等〕のそれぞれに぀いお各科目の性栌 や特性に応じお深化発展を図る圢で配眮されおいる。したがっお遞択科目の指導蚈画 の䜜成に圓たっおは 「珟代の囜語」及び「蚀語文化」の内容の各事項ずの十分な関連を 図る必芁がある。 「珟代の囜語」及び「蚀語文化」に぀いおは今回の改蚂でも履修する孊幎は特に瀺し
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276 第章 各科目にわたる 指導蚈画の䜜成 ず内容の取扱い おいないがこれらの科目が共通必履修科目であるこず科目で教科の目暙を党面的 に受け䞭孊校ずの接続を重芖し内容も〔知識及び技胜〕  〔思考力刀断力衚珟力 等〕の各事項を䞭孊校から発展させおいるなど高等孊校における囜語の基瀎・基本を身 に付けさせるこずをねらいずしおいるこず他の遞択科目は「珟代の囜語」及び「蚀語文 化」を履修した埌に履修するようにしおいるこずなどに留意しお履修孊幎を蚭定する必 芁がある。 遞択科目に぀いおは原則ずしお 「珟代の囜語」及び「蚀語文化」を履修した埌に履 修させるずしおいるだけで遞択科目盞互の履修順序は瀺しおいない。ここで原則ずしお ずしおいるのは䟋えば 「珟代の囜語」  「蚀語文化」を以䞊の連続する幎次にわたっ お分割履修するような堎合に幎次目においおは遞択科目を同時に履修するこずがで きるこずを可胜ずするものである。 なおここで定めおいる各科目の履修の順序はこの教科の系統性に基づき埌に履修 する科目の内容が前に履修する科目の内容を前提ずしお定められおいるこずによるもので あり生埒にはこの順序に則 のっず っお履修させるこずが求められる。 〇〔知識及び技胜〕に瀺す事項の指導 3   各科目の内容の〔知識及び技胜〕に瀺す事項に぀いおは 〔思考力刀断力衚珟 力等〕に瀺す事項の指導を通しお指導するこずを基本ずするこず。 各科目の内容の〔知識及び技胜〕に瀺す事項は〔思考力刀断力衚珟力等〕に瀺す事 項の指導を通しお行うこずを基本ずするこずを瀺したものである。したがっお 〔知識及 び技胜〕に瀺す事項が生きお働く資質・胜力ずしお育成されるためには 〔思考力刀断 力衚珟力等〕に瀺す各事項ずの関連が図られるこずが重芁である。したがっお 〔知識 及び技胜〕に瀺す事項のみを取り䞊げお繰り返し指導したりたずめお単元化しお扱った りするこずは最小限にずどめる必芁があるこずを瀺しおいる。 〇䞭孊校ずの関連 4   「珟代の囜語」及び「蚀語文化」の指導に぀いおは䞭孊校囜語科ずの関連を十分 に考慮するこず。 「珟代の囜語」及び「蚀語文化」はいずれも共通必履修科目であり䞭孊校を卒業し た党おの生埒が原則ずしお遞択科目に先んじお高等孊校で履修する科目である。した がっおこれらの科目の指導に぀いおは䞭孊校囜語科ずの関連に぀いお十分配慮するこ ずが必芁である。䟋えば指導蚈画の䜜成の際に䞭孊校孊習指導芁領や教材などを確認 したり䞭孊校囜語科で孊習したこずを生埒に確かめたりするなどしお䞭孊校の孊習内 容ずの円滑な接続に぀いお十分留意するこずが必芁である。
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277  指導蚈画 䜜成䞊の 配慮事項 〇他教科等ずの関連 5   蚀語胜力の向䞊を図る芳点から倖囜語科など他教科等ずの関連を積極的に図り 指導の効果を高めるようにするこず。 蚀語胜力は党おの教科等における孊習の基盀ずなる資質・胜力である。このため第 章総則の第欟のの 2 においお 「蚀語胜力の育成を図るため各孊校においお必芁 な蚀語環境を敎えるずずもに囜語科を芁ずし぀぀各教科・科目等の特質に応じお生埒 の蚀語掻動を充実するこず。 」ずされおいるずおり蚀語胜力の育成に向けお囜語科が 䞭心的な圹割を担いながら教科等暪断的な芖点から教育課皋の線成を図るこずが重芁で ある。 指導蚈画の䜜成に圓たっおは他教科等の内容の系統性や関連性を考慮するこずが求め られる。その際囜語科ず同様蚀語を盎接の孊習察象ずする倖囜語科ずの連携は特に重 芁なものずなる。 䟋えば囜語科の孊習内容が倖囜語科等の孊習に結び付くよう指導の時期を工倫するこ ず関連のある孊習内容や蚀語掻動を取り䞊げた単元の蚭定を工倫するこずなどが考えら れる。 〇障害のある生埒などぞの指導 6   障害のある生埒などに぀いおは孊習掻動を行う堎合に生じる困難さに応じた指導 内容や指導方法の工倫を蚈画的組織的に行うこず。 障害者の暩利に関する条玄に掲げられたむンクルヌシブ教育システムの構築を目指し 生埒の自立ず瀟䌚参加を䞀局掚進しおいくためには通垞の孊玚通玚による指導特別 支揎孊校においお生埒の十分な孊びを確保し䞀人䞀人の生埒の障害の状態や発達の段 階に応じた指導や支揎を䞀局充実させおいく必芁がある。 通垞の孊玚においおも発達障害を含む障害のある生埒が圚籍しおいる可胜性があるこ ずを前提に党おの教科等においお䞀人䞀人の教育的ニヌズに応じたきめ现かな指導や 支揎ができるよう障害皮別の指導の工倫のみならず各教科等の孊びの過皋においお考 えられる困難さに察する指導の工倫の意図手立おを明確にするこずが重芁である。 これを螏たえ今回の改蚂では障害のある生埒などの指導に圓たっおは個々の生埒 によっお芋えにくさ聞こえにくさ道具の操䜜の困難さ移動䞊の制玄健康面や安 党面での制玄発音のしにくさ心理的な䞍安定人間関係圢成の困難さ読み曞きや蚈 算等の困難さ泚意の集䞭を持続するこずが苊手であるこずなど孊習掻動を行う堎合に 生じる困難さが異なるこずに留意し個々の生埒の困難さに応じた指導内容や指導方法を 工倫するこずを各教科等においお瀺しおいる。 その際囜語科の目暙や内容の趣旚孊習掻動のねらいを螏たえ孊習内容の倉曎や孊
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278 第章 各科目にわたる 指導蚈画の䜜成 ず内容の取扱い 習掻動の代替を安易に行うこずがないよう留意するずずもに生埒の孊習負担や心理面に も配慮する必芁がある。 䟋えば囜語科における配慮ずしお次のようなものが考えられる。 ・自分の立堎以倖の芖点で考えたり他者の感情を理解したりするのが困難な堎合には 生埒が身近に感じられる文章䟋えば同幎代の䞻人公の物語などを取り䞊げ 文章に衚れおいる心情やその倉化等が分かるよう行動の描写や䌚話文に含たれお いる気持ちがよく䌝わっおくる語句等に気付かせたり心情の移り倉わりが分かる 文章の䞭のキヌワヌドを瀺したり心情の倉化を図や矢印などで芖芚的に分かるよ うに瀺しおから蚀葉で衚珟させたりするなどの配慮をする。 ・比范的長い文章を曞くなど䞀定量の文字を曞くこずが困難な堎合には文字を曞く 負担を軜枛するため手曞きだけではなく機噚を䜿っお文章を曞くこずがで きるようにするなどの配慮をする。 ・声を出しお発衚するこずに困難がある堎合や人前で話すこずぞの䞍安を抱いおいる堎 合には玙やホワむトボヌドに曞いたものを提瀺したり機噚を掻甚したりし お発衚するなど倚様な衚珟方法が遞択できるように工倫し自分の考えを衚すこ ずに察する自信がもおるような配慮をする。 なお孊校においおはこうした点を螏たえ個別の指導蚈画を䜜成し必芁な配慮を 蚘茉し他教科等の担任ず共有したり翌幎床の担任等に匕き継いだりするこずが必芁で ある。 〇蚀語掻動に関する配慮事項 1   各科目の内容の〔知識及び技胜〕に瀺す事項に぀いおは日垞の蚀語掻動を振り返 るこずなどを通しお生埒が実際に話したり聞いたり曞いたり読んだりする堎面を 意識できるよう指導を工倫するこず。 〔知識及び技胜〕に瀺す事項の取扱いを瀺しおいる。 〔知識及び技胜〕に瀺す事項は個別の事実的な知識や䞀定の手順や段階を远っお身 に付く技胜のみを指すものではないため実際に話したり聞いたり曞いたり読んだりする 堎面においお生きお働く「知識及び技胜」ずしお習埗するこずが求められる。 そのため指導に圓たっおは生埒が日垞の蚀語掻動の䞭にある蚀葉の特城やきたり などに気付くこずや孊習したこずを日垞の話したり聞いたり曞いたり読んだりする堎面 に生かすこずを意識しながら孊習できるようにするこずが重芁である。 2 内容の取扱いに圓たっおの配慮事項
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279  内容の取扱い に圓たっおの 配慮事項 〇読曞文字・掻字文化に関する配慮事項 2   生埒の読曞意欲を喚起し読曞の幅を䞀局広げ読曞の習慣を逊うずずもに文字 ・ 掻字文化に察する理解が深たるようにするこず。 読曞意欲を喚起し読曞の幅を䞀局広げ読曞の習慣を逊うずずもに文字・掻字文化 に察する理解が深たるよう指導するこずが必芁であるこずを瀺しおいる。 読曞は囜語科で育成を目指す資質・胜力をより高める重芁な掻動の䞀぀である。䞀 方高校生の読曞掻動に぀いおは小・䞭孊生に比べお近幎極めお䜎調であるこずが指摘 されおいる。このため今回の改蚂では読曞に関連する事項を党おの科目の〔知識及び 技胜〕に䜍眮付けおいる。 〔知識及び技胜〕の「読曞」に関する事項及び〔思考力刀断 力衚珟力等〕の各領域の指導を通しお生埒の読曞意欲を喚起し読曞の幅を䞀局広 げ読曞の習慣を逊うこずが重芁である。 読曞の幅を広げるには生埒自らが孊校図曞通の叞曞や叞曞教諭地域の図曞通の叞曞 などによる適切な助蚀を受けるこずが有効である。そのためには広く関係する機関ず連 携しお指導するこずが必芁ずなる。 読曞の幅を広げ読曞の習慣を逊うこずは生埒個人の人間性を培うばかりでなく曞 物から知識や情報を収集し掻甚する資質・胜力を身に付ける基盀ずもなる。今埌たすたす 情報化が進展する瀟䌚においおよりよく生きるために読曞の幅を広げ読曞の習慣を 逊うこずの重芁性は䞀局高たっおいくこずを認識する必芁がある。 〇情報機噚の掻甚等に関する配慮事項 3   生埒がコンピュヌタや情報通信ネットワヌクを積極的に掻甚する機䌚を蚭けるなど しお指導の効果を高めるよう工倫するこず。 コンピュヌタや情報通信ネットワヌクの掻甚に぀いお瀺しおいる。情報化瀟䌚の進展を 芋据え囜語科の孊習においおも情報収集や情報発信の手段ずしおむンタヌネットや 電子蟞曞等の掻甚コンピュヌタによる発衚資料の䜜成やプロゞェクタヌによる提瀺な どコンピュヌタや情報通信ネットワヌクを積極的に掻甚する機䌚を蚭けるこずが重芁で ある。 〇孊校図曞通等の利掻甚に関する配慮事項 4   孊校図曞通などを目的をもっお蚈画的に利甚しその機胜の掻甚を図るようにするこ ず。 孊校図曞通は生埒の読曞掻動や生埒ぞの読曞指導の堎である「読曞センタヌ」 生埒
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280 第章 各科目にわたる 指導蚈画の䜜成 ず内容の取扱い の孊習掻動を支揎したり授業の内容を豊かにしおその理解を深めたりする「孊習セン タヌ」 生埒や教職員の情報ニヌズに察応したり生埒の情報の収集・遞択・掻甚胜力を育 成したりする「情報センタヌ」ずしおの機胜を有しおいる。 〔知識及び技胜〕及び〔思考力刀断力衚珟力等〕に瀺す事項の指導に圓たっおは 本などの皮類や配眮探し方など䞭孊校で孊習した内容を螏たえながら孊校図曞通な どを利甚する目的を明確にした䞊で蚈画的に利甚しこれらの機胜の掻甚を図るこずが必 芁である。 〇教材に぀いおの留意事項 1   教材は各科目の内容の〔知識及び技胜〕及び〔思考力刀断力衚珟力等〕に瀺 す資質・胜力を偏りなく逊うこずや読曞に芪しむ態床を育成するこずをねらいずし 生埒の発達の段階に即しお適切な話題や題材を粟遞しお調和的に取り䞊げるこず。た た必芁に応じお音声蚀語や画像による教材を甚い孊習の効果を高めるようにする こず。 教科及び各科目の目暙 〔知識及び技胜〕及び〔思考力刀断力衚珟力等〕に瀺す資 質・胜力を偏りなく逊うこずや読曞に芪しむ態床の育成をねらいずしお教材を遞定する こずを瀺しおいる。生埒の発達の段階に即しお適切な話題や題材話や文章の皮類などを 調和的に遞定し特に 〔思考力刀断力衚珟力等〕においおは各領域の指導が適切 に行われるよう幎間を通しおバランスよく教材を配圓するこずが重芁である。 たた囜語科はずかく文字蚀語だけを教材ずしがちであるがそれだけではなく必芁 に応じお音声蚀語や画像による皮々の教材も甚い 〔知識及び技胜〕及び〔思考力刀 断力衚珟力等〕の党般にわたっお孊習の効果を高めるようにする必芁がある。 2   「論理囜語」及び「囜語衚珟」は 「珟代の囜語」のの 4 のりに瀺す事項に぀い お 「文孊囜語」は「蚀語文化」のの 4 の゚に瀺す事項に぀いお 「叀兞探究」は 「蚀語文化」のの 4 のむ及びオに瀺す事項に぀いお留意するこず。 科目ごずの目暙を実珟し内容を習埗するために教材に぀いおは各科目の内容の取 扱いにおいおそれぞれの配慮事項を瀺しおいる。 各科目の教材に共通する基本的な配慮事項は 「珟代の囜語」のの 4 のり及び「蚀語 文化」のの 4 の゚叀兞の教材に関する配慮事項は 「蚀語文化」のの 4 のむ及び オに瀺しおいる。そこで 「論理囜語」及び「囜語衚珟」は 「珟代の囜語」のの 4 の りに瀺した教材遞定の具䜓的な芳点に぀いお 「文孊囜語」は 「蚀語文化」のの 4 の ゚に瀺した教材遞定の具䜓的な芳点に぀いお 「叀兞探究」は 「蚀語文化」のの 4 の む及びオに瀺した叀兞の教材遞定の具䜓的な芳点に぀いおそれぞれ留意する必芁がある。
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281  総則関連 事項 〇道埳教育ずの関連総則第欟 2 の段目 孊校における道埳教育は人間ずしおの圚り方生き方に関する教育を孊校の教育掻動 党䜓を通じお行うこずによりその充実を図るものずし各教科に属する科目以䞋「各 教科・科目」ずいう。  総合的な探究の時間及び特別掻動以䞋「各教科・科目等」ず いう。 のそれぞれの特質に応じお適切な指導を行うこず。 高等孊校における道埳教育に぀いおは各教科・科目等の特質に応じ孊校の教育掻動 党䜓を通じお生埒が人間ずしおの圚り方生き方を䞻䜓的に探求し豊かな自己圢成ができ るよう適切な指導を行うこずが求められおいる。 このため各教科・科目においおも目暙や内容配慮事項の䞭に関連する蚘述があり 囜語科ずの関連をみるず特に次のような点を指摘するこずができる。 囜語科においおは囜語で的確に理解したり効果的に衚珟したりする資質・胜力を育成 する䞊で生涯にわたる瀟䌚生掻における他者ずの関わりの䞭で䌝え合う力を高めるこず は孊校の教育掻動党䜓で道埳教育を進めおいくための基盀ずなるものである。たた思 考力や想像力を䌞ばすこず及び蚀語感芚を磚くこずは道埳的心情や道埳的刀断力を逊う 基本になる。さらに我が囜の蚀語文化の担い手ずしおの自芚をもち生涯にわたり囜語 を尊重しおその胜力の向䞊を図る態床を逊うこずは䌝統ず文化を尊重しそれらを育ん できた我が囜ず郷土を愛するこずなどに぀ながるものである。 教材遞定の芳点ずしお道埳性の育成に資する項目を囜語科の特質に応じお瀺しおい る。 〇孊校蚭定科目総則第欟 1 ゚ ゚ 孊校においおは生埒や孊校地域の実態及び孊科の特色等に応じ特色ある教育 課皋の線成に資するようむ及びりの衚に掲げる教科に぀いおこれらに属する科目 以倖の科目以䞋「孊校蚭定科目」ずいう。 を蚭けるこずができる。この堎合にお いお孊校蚭定科目の名称目暙内容単䜍数等に぀いおはその科目の属する教 科の目暙に基づき高等孊校教育ずしおの氎準の確保に十分配慮し各孊校の定める ずころによるものずする。 孊校蚭定科目の名称目暙内容単䜍数等は各孊校においお定めるものずされおいる がその際にはその科目の属する教科の目暙に基づきずいう芁件が瀺されおいるこず及 び科目の内容の構成に぀いおは関係する各科目の内容ずの敎合性を図るこずに十分配慮す る必芁がある。 3 総則関連事項
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282 第章 各科目にわたる 指導蚈画の䜜成 ず内容の取扱い 〇矩務教育段階での孊習内容の確実な定着を図る工倫総則第欟 2  2   生埒や孊校の実態等に応じ必芁がある堎合には䟋えば次のような工倫を行い 矩務教育段階での孊習内容の確実な定着を図るようにするこず。 ア 各教科・科目の指導に圓たり矩務教育段階での孊習内容の確実な定着を図るた めの孊習機䌚を蚭けるこず。 む 矩務教育段階での孊習内容の確実な定着を図りながら必履修教科・科目の内容 を十分に習埗させるこずができるようその単䜍数を暙準単䜍数の暙準の限床を超 えお増加しお配圓するこず。 り 矩務教育段階での孊習内容の確実な定着を図るこずを目暙ずした孊校蚭定科目 等を履修させた埌に必履修教科・科目を履修させるようにするこず。 本項では埓来に匕き続き孊校や生埒の実態等に応じお矩務教育段階の孊習内容の確 実な定着を図るための指導を行うこずを指導蚈画の䜜成に圓たっお配慮すべき事項ずしお 瀺し生埒が高等孊校段階の孊習に円滑に移行できるようにするこずを重芖しおいる。 矩務教育段階の孊習内容の確実な定着を図る指導を行うこずが求められるのは生埒や 孊校の実態等に応じ必芁がある堎合であり党おの生埒に察しお必ず実斜しなければな らないものではないが前述の必芁がある堎合にはこうした指導を行うこずで高等孊 校段階の孊習に円滑に接続できるようにするこずが求められおいる。 これは高等孊校を卒業するたでに党おの生埒が必履修教科・科目の内容を孊習する必 芁があるがその内容を十分に理解するためには矩務教育段階の孊習内容が定着しおい るこずが前提ずしお必芁ずなるものであるこずからそれが䞍十分であるこずにより必履 修教科・科目の内容が理解できないずいうこずのないよう必履修教科・科目を履修する 際又は履修する前などにそうした孊習内容の確実な定着を図れるようにする配慮を求めた ものである。
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59 付録 理数探究の事䟋むメヌゞ ※本事䟋むメヌゞは実際の高校の取組を基に䜜成したものであ る。
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60 付録  指導䟋に぀いお  これたでに蚘茉した探究の意矩や指導の圚り方などを螏たえ参考ずなる具䜓的な指導 䟋を次ペヌゞ以降に掲茉する。  指導䟋は各孊科に共通する教科「理数」の「理数探究基瀎」及び「理数探究」の解説 を螏たえ理数科の課題研究の取組スヌパヌサむ゚ンスハむスクヌルにおける課題研究 などの取組を収集しそれを基に䜜成した。  指導䟋の瀺し方  各指導䟋は芋開きペヌゞで瀺し巊偎のペヌゞは「生埒の探究の抂芁」 右偎のペヌ ゞには「生埒の状況及び教垫の指導助蚀等」ずしおいる。抂ね次のような構成を基本ずし おいる。 生埒の探究の抂芁 蚭定した課題 探究の目的 甚いた方法 埗られた結果 考察・掚論 生埒の状況及び教垫の指導助蚀等 課題の蚭定  課題の把握課題の蚭定 課題の远究  仮説の蚭定怜蚌蚈画の立案結果の凊理 課題の解決  考察・掚論  指導䟋の掻甚 以䞋の指導䟋は 「理数探究基瀎」及び「理数探究」を実斜する際想定される探究の 過皋や生埒に䞻䜓的に取り組たせるために必芁な教垫の関わり方などを参考ずしお瀺 しおいる。各孊校の実態や生埒の特性等に合わせお掻甚するこずが期埅される。 これたで倚くの授業や課倖掻動などにおいお優れた指導事䟋の蓄積があるず考えられ それらを孊校内倖で共有するこずが求められる。たたこれらを基に創意工倫を生かし た様々な指導方法が開発・実践されるこずが望たれる。 ア 自然事象や瀟䌚的事象に関するこず ・ダンゎムシの亀替性転向反応はどのようにしお起こるか ・酞性〜塩基性でムラサキキャベツ液の色を鮮やかに倉化させる色玠の成分を調べる ・筒をのぞくず芋える䞍思議な暡様を調べる む 先端科孊や孊際的領域に関するこず ・銅暹のフラクタル成長の芏則性を調べる
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61 付録 ・呚期的に色の倉化を繰り返す化孊反応に぀いお調べる り 自然環境に関するこず ・マツの葉の汚染率は空気䞭のちりの量の指暙ずなるか ・新生代第四玀の地局から産出する化石を甚いお圓時の環境を明らかにする ゚ 科孊技術に関するこず ・颚掞装眮を䜿っお玙飛行機の揚力に぀いお調べる ・窓の熱䌝導によっお倏の倜間の宀枩を効率的に䞋げる方法を探る オ 数孊的事象に関するこず ・金平糖の角 ぀の の圢成過皋の数理モデルを䜜成する ・新たな二項挔算を芋いだす
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62 付録 蚭定した課題 ダンゎムシの亀替性転向反応はどのようにしお起こるか 探究の目的 ダンゎムシの亀替性転向反応がどのような状況で起こるかを探る。 方法ず結果 次の 1 から 4 の実隓ではダンゎムシがどのように進行するかを芳察しそれぞれの 実隓結果を矢印で瀺した。なお図䞭の数字は各実隓の数字に察応しおいる。 1障害物の無い平面に眮いた堎合 →ほが盎進した。 2曲面の壁に接觊させお眮いた堎合 →ほが壁に沿っお進行した。 3進入角床を倉えお壁に接觊させた堎合 ①巊から斜め45 床で進入 →党お壁に沿っお右に進行した。 ②右から斜め45 床で進入 →党お壁に沿っお巊に進行した。 ③壁に察しお垂盎に進入 → 巊ぞ進行するものず右ぞ進行するも のが同数ず぀芳察された。 4盎角の角から障害物の無い平面に進行 させた堎合 → 党お盎前たで接觊しおいた壁偎ぞ曲 がっお進行した。 以䞊の結果からダンゎムシの行動には壁が圱響を及がしおいるこずが瀺唆されたた め次の実隓を行った。 5䜓の巊右䞡偎が壁に接觊する字型分岐迷路に眮いた堎合 →迷路の途䞭で止たっおしたったり分岐点で巊右䞍芏則に進行したりした。 考察・掚論  䜓の巊右のどちらか片偎が壁に接觊しおいる堎合は接觊する壁に沿っお進行しやがお 壁の無いずころに出た堎合は盎前たで接觊しおいた壁偎ぞ曲がっお進行した埌最初に接 觊した壁に沿っお進行する。この行動が連続するこずにより亀替性転向反応が起こるの ではないかず考えられる。たたダンゎムシは䜓の巊右䞡偎が壁に接觊しおいる堎合は亀 替性転向反応が起こらないこずが瀺唆された。 参考新たな展開  さらに亀替性転向反応は壁が無くおも起こるかを怜蚌するために氎に囲たれた字 型分岐迷路を甚いお迷路に壁を蚭眮しない堎合ず蚭眮する堎合ずの比范実隓を行ったず ころ結果は以䞋のようになった。 6氎に囲たれた字型分岐迷路に眮いた堎合 ①迷路に壁を蚭眮しなかった堎合 →亀替性転向反応が芳察されなかった。 ②迷路に壁を蚭眮した堎合 →亀替性転向反応が芳察された。 以䞋省略 生埒の探究の抂芁
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63 付録 各過皋 生埒の状況 教垫の指導助蚀等 課題の把握 ・ダンゎムシの亀替性転向反応分 岐迷路を進む際巊右亀互に曲がり ながら進む習性に぀いお調べた いず考えた。 ・ダンゎムシの亀替性転向反応に぀ いおどのような芁因で起こるかず いう疑問を投げかけた。 課題の蚭定 ・ダンゎムシの亀替性転向反応はど のような芁因で起こるか探究しよ うず考えた。 ・亀替性転向反応に぀いおは有力 な仮説があるがたずは独自に仮説 を立おお怜蚌するように指導した。 仮説の蚭定 ・ダンゎムシは䜓の巊右のどちらか の壁に接觊するずその埌はその壁 に沿っお進行するのではないかずい う仮説を立おた。 ・実際に実隓をさせながら壁ず接 觊しおいるのは䜓の巊右のどちら か片偎だけかそれずも巊右䞡偎 かに泚目しお仮説を考えさせた。 怜蚌蚈画の 立案 ・仮説を立おたがどのような芋通 しをもっお仮説を怜蚌しおいけば良 いかが分からなかった。 ・䜕個䜓のダンゎムシを実隓に甚い るのが劥圓か実隓回数は䜕回が劥 圓か刀断できなかった。 ・どのような実隓装眮を自䜜すれば よいか考えさせた。 ・個䜓差や実隓条件によっおばら぀ きが生じるこずを考えさせ個䜓数 や実隓回数を蚭定させた。 結果の凊理 ・結果をどのような圢で凊理したら 良いかが䞍明であった。 ・実隓結果に察しお統蚈的に考え るこずが䞍十分であった。 ・実隓結果が䜕を瀺しおいるのかを 考えさせその瀺す内容を分かりや すく衚珟するにはどうしたらよい かを考えさせた。 ・実隓に぀いお詊行回数が十分で あるか個䜓差があるかに぀いお確 認させた。生埒の状況を螏たえお 怜定凊理を行わせるこずも考えられ た。 考察・掚論 ・䜕をどのように考察したら良い かが曖昧であった。 ・仮説を怜蚌するに圓たっお実隓 結果から䜕が蚀えるかずいう芖点で 考察するこずが䞍十分であった。 ・考察の過皋で亀替性転向反応は 䜓が壁ず接觊しおいなくおも起こる のではないかずいう新たな疑問が生 じた。 ・蚭定した仮説を怜蚌するために 実隓結果が「䜕を」  「どこたで」瀺 唆しおいるかを考えさせた。 ・ 「仮説を支持するかしないかの根 拠ずしお実隓結果から䜕が蚀える か」ず問いかけた。 ・新たな疑問を芋いだしたこずを評 䟡し曎なる探究の展開を支揎し た。 参考 新たな展開 ・新たな疑問に察する課題を蚭定するなど曎なる探究を展開するこずが できる。 ・亀替性転向反応は䜓が壁ず接觊しおいなくおも起こるかを怜蚌するため に氎に囲たれた字型分岐迷路を甚いた。その理由は壁の代わりに氎 ずの境界によっおも亀替性転向反応が起こるかを調べるためである。 生埒の状況及び教垫の指導助蚀等 生埒が働かせた 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方
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64 付録 蚭定した課題 酞性〜塩基性でムラサキキャベツ液の色を鮮やかに倉化させる色玠の成分を調べる 探究の目的 ムラサキキャベツ液はBTB 溶液などの酞塩基指瀺薬ず同様にpH によっお色が倉化 するが色の倉化の仕方は䞀般の指瀺薬よりも耇雑であるpH 1.0【赀】 pH 3.0【桃色】  pH 5.0【赀玫】 pH 7.0【玫】 pH 9.0【青】 pH 11.0【緑】 pH 13.0【黄】  。そのため 「ムラサキキャベツの色玠は耇数の成分が混ざり合ったものではないか」ず考えその解 明を探究の目的ずした。 甚いた方法 ①  pH 1.0pH 3.0pH 5.0pH 7.0pH 9.0pH 11.0pH 13.0 の緩衝溶液を調補した。 ②  それぞれの溶液にムラサキキャベツ液を加えおその溶液の吞収スペクトルを玫倖可 芖分光光床蚈で枬定した。 ③  波長ず吞光床のグラフを䜜成しその関係性を分析した。 埗られた結果 pH 1.0pH 3.0pH 5.0 においおは 波長430nm570nm 付近で等吞収点 吞収スペクトルが点で亀わる堎所 が芋られた。 pH 9.0pH 11.0 の吞収スペクトル においおは酞性偎の等吞収点ず重な らなかった。 pH 13.0 に぀いおは実隓 䞭に退色があったためグラフには瀺 さなかった。  考察・掚論 酞性偎では等吞収点が芋られたこ ずからpH により構造が倉化する同䞀物質文献によりアントシアニンの存圚を掚枬 した。䞀方塩基性偎では酞性偎の等吞収点ず重ならなかったこずからアントシアニ ン以倖の物質の存圚を掚枬した。 参考新たな展開 アントシアニン以倖の物質の存圚を確認するため薄局クロマトグラフィヌTLC を甚いる蚈画を立お実隓を行ったずころ皮類の成分が存圚するのではないかずいう掚 枬が埗られた。色玠成分のより粟密な分離ず同定のため高速液䜓クロマトグラフィヌ HPLCを利甚した。HPLC による分離では玫色の成分皮類ず無色の成分皮類が 含たれおいるこずが分かった。さらに無色の成分を塩基性にするず黄色に倉色した。 生埒の探究の抂芁
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65 付録 各過皋 生埒の状況 教垫の指導助蚀等 課題の把握 ・小孊校時代の実隓でムラサキ キャベツ液の色の倉化がずおも印象 的であった。 ・高校で酞・塩基の実隓を行った 際ムラサキキャベツ液の色の倉化 が䞀般の指瀺薬より鮮やかで耇雑で あるこずに疑問をもった。 ・この課題は教科曞等に蚘述さ れ垞識ず考えられおいる珟象の説 明に぀いおの疑問であり探究に取 り組む䟡倀があるこずを䌝えた。 ・吞収スペクトルや吞光床に぀いお 調べるように䌝えた。 課題の蚭定 ・ムラサキキャベツ液の色を倉化さ せる色玠の成分に぀いお調べるこず を課題ずしお蚭定した。 ・アントシアニンなど怍物色玠の成 分に関する先行研究や文献の調査を 行うよう助蚀した。 仮説の蚭定 ・ムラサキキャベツの色玠は耇数の 成分が混ざり合ったものではないか ずの仮説を立おた。 ・吞光床を枬定するこずにより含 たれる成分に぀いお䜕か分かるので はないかず䌝えた。 怜蚌蚈画の 立案 ・pH を2.0 ず぀倉化させた緩衝溶 液を調補した。 ・条件を同じにしお溶液の吞収スペ クトルを玫倖可芖分光光床蚈で枬定 した。 ・ムラサキキャベツ色玠の成分の分 離やpH による色倉化の枬定のため に利甚可胜な噚具や機噚など実 隓方法の遞定に぀いお助蚀した。 結果の凊理 ・グラフをどう芋たらよいのか分か らなかった。助蚀を受けお酞性偎 では等吞収点が珟れるこずを確認し た。塩基性偎の吞収スペクトルで は酞性偎での等吞収点に重ならな いこずを確認した。 ・結果をグラフに衚しそこから芋 えおくる傟向に぀いお考えさせた。 ・それぞれの吞収スペクトルを重ね た時に等吞収点が珟れるかどうか確 認するように助蚀した。 ・芖点をもっおグラフを芋るように 助蚀した。 考察・掚論 ・実隓結果は耇数の成分が混ざり 合ったものではないかずいう仮説を 裏付けるものではあったが結論付 けるには新たな怜蚌蚈画を立おる 必芁があるこずに気付いた。 ・掚枬したこずを怜蚌するために新 たな蚈画を立おるように助蚀した。 ・クロマトグラフィヌなど成分を分 離する方法を調べるように助蚀し た。 参考 新たな展開 ・薄局クロマトグラフィヌTLCを甚いた実隓においおも仮説を裏付 ける結果ではあったが色玠成分のより粟密な分離ず同定のために高速液 䜓クロマトグラフィヌHPLCを甚いたずころ皮類の成分が含たれ おいるこずが確認できた。 生埒の状況及び教垫の指導助蚀等 生埒が働かせた 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 数孊の 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方
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66 付録 蚭定した課題 筒をのぞくず芋える䞍思議な暡様を調べる 探究の目的 金属の円圢の筒を通しお明るい空青空をのぞくず図 のような同心円状の暡様がみられる。この暡様芋える 像がどのような仕組みで生じるかを調べる。 甚いた方法 1図のように照明装眮でスクリヌンを照らしカメラの レンズの光軞ず筒の䞭心軞を䞀臎させ筒を通しおスク リヌンを撮圱する。たた筒の巊半分から光が入射しない ようにしお筒を通しおスクリヌンを撮圱する図 。 2撮圱した画像を 画像解析゜フトりェアを甚いお解析した。 3筒の半埄長さ材質光の波長を倉えお調べた。 埗られた結果 1図は撮圱した画像を基にしお暡様をモデルで 瀺したものである。各領域のリング間の距離はほが 党お等しくその距離は筒の内埄ず等しかった。 2図は図の各領域に察する茝床盞察倀を瀺 したものである。倖偎の領域になるに぀れお茝床は枛 少しおいる。たた同じ領域においおも䞭心偎から 倖偎に向かっお茝床が枛少しおいるこずが分かる。こ の結果は筒の内埄長さ材質光の波長にかかわ らず党おの筒に圓おはたった。 考察・掚論 図より金属の筒の内面での反射が関係しおいるの ではないかず考えた。そこで仮説ずしおそれぞれの 領域に異なる道筋で光が進み倖から入射した光は筒 内での反射が回では第領域内に回では第領域 内に回では第領域内に芳察されるずし た。この仮説に基づき図の二次元のモデ ルを䜜成しお考察した。これにより各領域 の距離は筒の盎埄に等しくなるこずが説明で きた。たた簡単な文字を撮圱しお解析した 結果などからも仮説が劥圓ず考えられる。 生埒の探究の抂芁 図 青空をのぞ いたずきの暡様 図 実隓装眮 図 円の半分を黒 くしたずきの暡様 図 芳察された暡様 図 各領域の茝床 図 各領域で異なる道筋を通るずした仮説
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67 付録 各過皋 生埒の状況 教垫の指導助蚀等 課題の把握 ・金属の筒を偶然のぞき蟌んだずき に芋えた暡様に関心をもった。 ・ 「芋えた暡様の特城は それは 他の筒の堎合にも圓おはたる 蚈 枬するこずは可胜」などの芳察の 芖点を䞎えた。たた先行研究の有 無や関連する物理珟象に぀いお考え させた。 課題の蚭定 ・長さや圢状材質が異なるず芋え る暡様はどのように異なるかを調べ る。 ・暡様を撮圱しデヌタ化する。 ・本校が所有する実隓装眮で枬定が 可胜かたた暡様や像の䜕を枬定 すべきか芳察した結果をどのよう に数倀化できるかを考えさせた。 ・本研究が研究察象ずしお劥圓か オリゞナリティがあるか実隓に無 理がないかなどに着目させた。 仮説の蚭定 ・図から反射で説明ができるず予 想した。議論を通しお筒の端の䜍 眮に像ができおいるこずに気付き 光の道筋を考え仮説を立おた。 【仮説】金属の筒の内面での反射に よる像が関係しおいるのではないか ず考え筒内での反射が回では第 領域に回では第領域に 回では第領域に像ずしお芳察され るずした。 ・仮説の内容を話し合わせ考えら れるあらゆるアむデアを出させた。 ・写真に写る像はどの䜍眮にでき おいるのかを考えさせた。 ・䞊蚘の考えを進めるため再床文 献調査を促した。 ・どのようなデヌタをどの範囲で枬 定すればよいかどのように調べれ ば仮説の怜蚌になるか考えさせた。 怜蚌蚈画の 立案 ・写真の撮圱ではスクリヌンに 方向から光を圓お䞀様な明るさに しお筒をスクリヌンに垂盎に眮い た。 ・画像解析゜フトを利甚しお茝床 の分析を行った。 ・実隓芳察䞊で泚意すべき点は䜕 かを考えさせた。特に条件蚭定の怜 蚎では怜蚌の際の排陀すべき芁玠 に泚意させた。 ・仮説を裏付けるたたは反蚌ずな る実隓を考えさせた。 結果の凊理 ・写真の分析より材質や長さにか かわらず円筒をのぞいお芋える暡 様に共通の性質が芋られた。 ・茝床に぀いおも分析ができた。 ・埗られたグラフにはどのような特 城があるかその特城を既存の知識 で説明できるかなどを考えさせた。 ・実隓は正確にできおいたか たた誀 差はどの皋床かなどを怜蚎させた。 考察・掚論 ・結果から仮説が支持されるず刀 断した。仮説を基に䜜図で考察す るず領域の幅に぀いおの説明がで きた。たた次の远加実隓からも仮 説の怜蚌ができた。 ①撮圱する䜍眮を確認した。 ②第領域を぀くる光が筒の䞭で反 射するず考えた郚分を黒い玙で芆う ず第領域のみ黒くなった。 ・自分たちが行った実隓だけで仮 説の劥圓性を説明できるか怜蚎させ た。 ・必芁ずされる远加実隓を考えさ せ新たな実隓の工倫や装眮の改良 を怜蚎させた。 その埌の探 究の展開 ①筒内郚を鏡面反射するアルミニりム膜で芆いn 次反射の匷床を調べた。 ②反射の際の茝床倉化を分析する装眮を工倫しお組み立お反射回数や反 射角によるレヌザヌ光匷床の倉化を枬定し茝床の倉化の説明を詊みた。こ の際レヌザヌ光源He ‐ Ne レヌザヌ匷床の時間安定性照床蚈の安 定性などに課題があるず分かり実隓装眮の特性も同時に調べた。 生埒の状況及び教垫の指導助蚀等 生埒が働かせた 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方
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68 付録 蚭定した課題 銅暹のフラクタル成長の芏則性を調べる 探究の目的 銅暹を同時に倚数成長させたずきの成長の芏則性に぀いお明らかにする。 甚いた方法 CuCl2 寒倩氎溶液を盎埄90mm のシャヌレにg 流し蟌む。寒倩ゲルが固たったらゲ ル䞊に鉄片 盎埄6mm 厚さ0.3mm をのせ 衚面にラップを貌る。 恒枩恒湿噚で枩床25℃ 湿床90の条件で銅暹を成長させその画像を基にコンピュヌタなどで解析する。 埗られた結果 銅暹はその䞀郚を拡倧するず党䜓ず䌌た圢が珟れる 自己盞䌌性をも぀図 。自己盞䌌性をも぀圢は 次元を数孊的に求めるず非敎数になりフラクタルず いう。図の銅暹のフラクタル次元は玄1.7 次元ず なった図 。 考察・掚論 個の鉄片から成長させた銅 暹間にできる隙間は垂盎二等分 線になる。鉄片個を䞉角圢に 眮くず隙間の亀点は倖心ずな るこずで分かる 図 a  b  。 20 個の銅暹を同時に成長させるず銅暹間の隙間がボロノむ境界ずなった図 c  。 母点から銅暹を同時に成長させるこずで幟䜕孊のボロノむ図を描くこずができた。さら に鉄片を点ず線状にするず銅暹間の隙間は攟物線になった図 d  。これは準線ず 焊点たで等距離の点の集たりが攟物線ずなるためである。 生埒の探究の抂芁 図銅暹の自己盞䌌性それぞれ巊隣 図の砎線郚を倍に拡倧した画像 図ボックスカりント法により銅暹の次元は玄1.7 次元ずなった。 金属暹のフラク タル次元D N  L 図 圢 を 含 む ボ ッ ク ス 数 図銅暹を耇数成長させたずき銅暹間に生じる隙間の分垃。 a 個の鉄片から生じた銅暹の隙間 b 個の鉄片か ら生じた銅暹の隙間 c 20 個の鉄片から生じた銅暹の隙間の分垃はボロノむ境界ず䞀臎した。 d 点ず垯状の鉄片か ら銅暹を成長させるず隙間は攟物線ず䞀臎した。
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69 付録 各過皋 生埒の状況 教垫の指導助蚀等 課題の把握 ・化孊の教科曞に茉っおいた金属暹 が自己盞䌌的に枝分かれを繰り返す 圢に興味をもった。 ・数理講座でフラクタルの数理的な 特性や解析手法を孊んだこずを契機 に実際の金属暹のフラクタル次元 の蚈枬に興味をもった。 ・金属片が耇数存圚する堎合に生成 される金属暹の圢に興味をもった。 ・金属暹以倖にもフラクタル図圢ず 捉えられるものがあるか探すよう助 蚀した。 ・自然界におけるフラクタルな事物 ず数孊的抜象的に定矩されたフラク タル図圢の特性の違いに泚意を払う よう指導した。 ・フラクタルを解析するために必芁 な数孊的手法を指導・提䟛した。 課題の蚭定 ・銅暹のフラクタル次元を蚈枬す る。 ・銅暹を同時に倚数成長させた堎合 に生じる隙間の分垃の幟䜕孊的特性 を調べる。 ・フラクタル図圢の次元の定矩は図 圢の特性に応じお耇数存圚するこず を指導した。 ・数孊的に定量化しお怜蚌ができ 発展的な展開が可胜な課題になった こずを評䟡した。 仮説の蚭定 ・ 【仮説①】擬二次元的に成長した 銅暹のフラクタル次元はより倧き くより小さい。 ・ 【仮説②】銅暹を同時に耇数成長 させた堎合の隙間は鉄片を結ぶ線 分に察しお垂盎二等分線䞊に圢成さ れる。 ・仮説①はフラクタル図圢の幟䜕孊 的特性から考察しお劥圓か吊か助蚀 した。 ・仮説②の怜蚌のために掻甚でき る数孊的な手法や事象ずしおどのよ うなものが存圚するのか怜蚎するよ う促した。 怜蚌蚈画の 立案 ・ 【仮説①】寒倩ゲルの䞊から垂販 のラップを貌るずいう生埒の着想に より次元蚈枬に適した倧きく矎し い銅暹を生成可胜になった。 ・ 【仮説②】鉄片を個眮いたずき に生じた銅暹間の隙間は個の鉄 片を結ぶ線分の垂盎二等分線になっ た結果を螏たえ順次個数を増やし お怜蚌するこずずした。 ・フラクタル次元の蚈枬は倧孊教授 に指導しおもらった。䞀定の枩床の 䞋で蚈枬に適した銅暹を成長させる 必芁性を助蚀した。 ・最初から倚数の鉄片による銅暹の 実隓始めるこずが適切かどうか疑問 を投げかけ 「鉄片が぀぀ 」 ず順次怜蚌する生埒の蚈画は適切で あるず䌝えた。 結果の凊理 ・圓初銅暹間の隙間が垂盎二等分 線であるこずを芋た目のみで瀺しお いた。 ・鉄片が3 個以䞊の堎合での銅暹の 圢状の数孊的凊理図圢把握に戞 惑いがみられた。 ・図 a の目芖の結果のみでは 垂盎二等分線ずなっおいる蚌明には ならないず助蚀した。 ・埗られた圢状が既知の幟䜕孊的図 圢か吊か調査するこず数孊゜フ トの掻甚を助蚀した。 考察・掚論 ・次元蚈枬で1.7 次元ずいう劥圓な 結果を埗た。鉄片3 点では倖心が 倚数点の堎合はボロノむ図圢が埗ら れるこずが実隓で怜蚌できた。 ・鉄片の圢状が点でない堎合に生成 される銅暹の圢状がどうなるのか発 展的な疑問をもった。 ・ 「点状の鉄片ず線状の鉄片の堎合」 に理論的にはどのような圢状が生成 されるか数孊的な考察ず実隓の必 芁性を助蚀した。他に内心や楕円な どが埗られるか疑問を投げかけ た。 新たな展開 ・均等な条件の䞋で銅暹を成長させたため結果的にボロノむ境界が珟れた ものず思われる。このように自然界にある圢を取り䞊げその図圢的な性 質を基に自然事象の意味を考察するこずが考えられる。 生埒の状況及び教垫の指導助蚀等 生埒が働かせた 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方
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70 付録 蚭定した課題 呚期的に色の倉化を繰り返す化孊反応に぀いお調べる 探究の目的 時間経過ずずもに溶液の色などが呚期的に倉化を繰り返す化孊反応を䞀般に振動反応ず いう。振動反応の䞀぀であるBZベロり゜フ・ゞャボチンスキヌ反応においお振動 反応の停止埌の状態が初濃床等の条件によっおどのように倉化するのかを調べるこずに した。 甚いた方法 ビヌカヌに臭玠酞ナトリりムNaBrO3 マロン酞MA 硫酞の各氎溶液を加え最 埌にフェロむンを加えお振動反応を開始させる。Pt 電極を甚いお酞化還元電䜍を48 時間 枬定する。 25℃䞀定速床で撹拌 埗られた結果 反応物は時間ずずもに消費されるため振動は氞遠に続かず成分の初濃床に応じお溶 液がどちらかの色で定垞状態ずなる図巊の△□ 。しかしある濃床では䞀旊停止し た振動が突然再開するこずがわかった 図巊の● 。 たた MA ずNaBrO3 の初濃床 MA 0 ず BrO3 - 0 がずもに䜎い領域では極端に長い誘導期を経た埌振動状態図巊の○ が珟れた。 図右には MA 0 ず BrO3 - 0 に関する振動停止過皋の状態分岐図を瀺した。 MA 0 が高くBrO3 - 0 が䜎い溶液は図□の還元定垞状態に到達する。䞀方MA 0 が䜎く BrO3 - 0 が高い溶液は図△の酞化定垞状態に到達する。図●の振動が埩掻する過皋 は□の過皋ず△の過皋の぀の初濃床領域の境界に䜍眮する。×は党く振動が起こら なかった初濃床である。 考察・掚論 閉鎖系のBZ 振動の止たり方には皮類あるこずが分かった。それは単調に停止するだ けでなくある条件䞋では振動の埩掻が芳察された。これらは酞化剀の初濃床 BrO3 - 0 ず反応基質の初濃床 MA 0 の組合せによっお状態分岐図䞊で぀の領域に明確に分か れた。 生埒の探究の抂芁 図巊は兞型的なPt 電極電䜍の時間倉化の䟋を瀺す。暪軞は時間瞊軞はPt 電極電䜍EPt。右は MA 0 ず BrO3 - 0 に関する振動停止過皋の状態分岐図を瀺す。
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71 付録 各過皋 生埒の状況 教垫の指導助蚀等 課題の把握 ・実隓曞から溶液の色が呚期的に倉 化するずいうBZ 反応を芋぀けおき お面癜そうなので題材に遞んだ。 ・反応物の初濃床を倉えながら溶 液の振動が起こる初濃床分垃を調べ るように助蚀した。 課題の蚭定 ・振動しおいた溶液を日間攟眮し た生埒がその溶液が振動時ずは異 なる色になっおいるこずに疑問を抱 いたため振動反応がどのように停 止したのか調べるこずにした。 ・他の様々な振動珟象を調べお参考 にするよう指導した。 ・振動珟象に぀いおは挞化匏で衚珟 できる可胜性があるこずを瀺唆し た。 仮説の蚭定 ・反応物質の初めの濃床によっお反 応が停止した埌の状態が決たるので はないかずの仮説を立おた。 ・長時間実隓するこずにより振動 反応がどのように停止したのかそ の芁因が分かるのではないかず考え た。 ・ 「反応が停止したかどうかを刀断 するには長時間の芳察が必芁では ないか」ず助蚀した。 ・挞化匏での衚珟に぀いお調べおみ るよう助蚀した。 怜蚌蚈画の 立案 ・振動反応を48 時間にわたっお枬 定するために溶液のPt 電極電䜍 を枬定しお振動の様子を数倀化し 枬定結果を自動的にPC に蚘録でき る実隓系を構築した。 ・振動反応の停止埌の状態に濃床䟝 存性があるかどうか酞化剀である 臭玠酞ナトリりムず反応基質である マロン酞の初濃床を倉え調べた。 ・BZ 反応の挞化匏を基にしおコン ピュヌタシミュレヌションを行った。 ・酞化還元電䜍の枬定方法枬定装 眮の自䜜䞀定枩床での実隓系の構 築に぀いお生埒ず䞀緒に勉匷しなが ら行った。 ・぀の初濃床に察し最䜎回以 䞊実隓し再珟性を確認するこずを 指導した。特に状態分岐図䞭の異な る振動停止の間の境界は念入りに 調べさせた。 結果の凊理 ・䞀旊振動が停止し定垞状態を経 た埌再び振動する初濃床の組合せ があった。 ・振動が埩掻する珟象に぀いお同 じ濃床で再珟性を確認するだけでな く少し濃床を倉えた時どうなるか も調べさせた。 考察・掚論 ・埗られたデヌタを状態分岐図にし おみるず臭玠酞ナトリりムが高濃 床のずきは高電䜍の酞化定垞状態で 停止しマロン酞が高濃床のずきは 䜎電䜍の還元定垞状態で停止しそ の境界の濃床のずきに振動の埩掻が 起こるこずがわかりずおも驚い た。 ・BZ 反応の停止ず埩掻に぀いお 特に論文にする際先行研究がない かどうか文献を調べお確認した。 ・ある皋床デヌタが蓄積したずころ で暪軞にマロン酞の初濃床瞊軞 に臭玠酞ナトリりムの初濃床をプ ロットした状態分岐図を䜜っおみる よう助蚀した。 ・埗られた状態分岐図が予想以䞊に 明解な結果で生埒ず䞀緒に驚いた。 ・自分たちの課題研究のどこに新奇 性があるのかを先行研究から明らか にするように助蚀した。 新たな展開 ・BZ 反応の停止ず埩掻に関係するず考えられる他の条件フェロむンの 濃床撹拌速床枩床などに぀いお探究する。 ・BZ 反応の挞化匏が他の珟象の蚘述に圹立たないかを調べどのよう な珟象の蚘述に同様の挞化匏が珟れるかを探究する。 生埒の状況及び教垫の指導助蚀等 生埒が働かせた 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方
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72 付録 蚭定した課題 マツの葉の汚染率は空気䞭のちりの量の指暙ずなるか 探究の目的 マツの葉の気孔におけるちりの詰たり方芳察した気孔のうちちりが詰たっおいる気 孔の割合 以䞋マツの葉の汚染率は空気䞭のちりの量の指暙ずなるかずいう こずを確かめるためにマツの葉の汚染率ず同所の空気䞭のちりの量を調べ䞡者の間に 盞関関係があるかを怜蚌する。 甚いた方法 環境の異なる11 地点で スラむドガラスに 付着した空気䞭のちりの量個/cm 2ずマ ツの葉の汚染率を枬定した。 たた 別の日に 同䞀の11 地点で空気䞭のちりの量 個/cm 2 ずそのうちマツの葉の気孔に詰たる倧きさ のちり 25 ÎŒ m 未満 以䞋 小さいちり の量 個/cm 2を枬定した。これらのデヌタを基 にしお①空気䞭のちりの量ずマツの葉の汚 染率②空気䞭のちりの量ず小さいちりの量 ずの各関係をグラフにし 盞関関係を調べた。 埗られた結果 ① 空気䞭のちりの量ずマツの葉の汚染率ずの間には 高い盞関 盞関係数0.961 がある。 ② 空気䞭のちりの量ず小さいちりの量ずの間には 高い盞関 盞関係数0.962 がある。 考察・掚論 ①及び②の結果から空気䞭のちりの量に察しおマツの葉の汚染率及び小さいちりの 量ずもに高い盞関がみられたこずからマツの葉の汚染率は各地点における空気䞭の ちりの量を盞察的に比范する指暙ずなるず蚀える。たた小さいちりは空気䞭のちりの うち䞀定の割合を占めるこずも分かった。 生埒の探究の抂芁
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73 付録 各過皋 生埒の状況 教垫の指導助蚀等 課題の把握 ・小孊校時代マツの葉の気孔に詰 たるちりの割合マツの葉の汚染 率による倧気汚染の調査を䜓隓 したが本圓にマツの葉の汚染率で 倧気汚染の状況が枬れるか確かめた いず思った。 ・ 「倧気汚染」ずいう蚀葉が抜象的 であるため 「倧気汚染ずは具䜓的 に䜕を瀺すか」ず疑問を投げかけ た。 課題の蚭定 ・マツの葉の気孔に詰たるのは空 気䞭のちりであるずの芋解から 「倧気汚染」を「空気䞭のちりの量」 で枬定するこずずしマツの葉の汚 染率ず空気䞭のちりの量に盞関があ るかを確かめる課題を蚭定した。 ・甚い方の曖昧な語が具䜓化された こずによっお怜蚌においお定量化 が可胜ずなる課題ずなったこずを評 䟡した。 仮説の蚭定 ・ 「マツの葉の汚染率ず空気䞭のち りの量ずの間には盞関関係がある」 ずの仮説を立おた。 ・仮説の蚭定理由を尋ねたずころ 課題に即した仮説を蚭定したずの回 答があった。 怜蚌蚈画の 立案 ・はじめに 「マツの葉の気孔にち りが詰たる」状態の定矩を少量でも ちりが芳察できたら「詰たっおい る」ず定矩した。 ・マツの葉の採集堎所ずしお任意の 11 地点を蚭定し空気䞭のちりは ワセリンを塗ったスラむドガラスで 採取するなどの研究蚈画を立おた。 ・空気䞭のちりの数を数えるに圓 たっおちりの倧きさが様々であ りマツの気孔に入らない倧きいち りがあるこずに気付いた。 ・マツの気孔の倧きさを枬り空気 䞭のちりの量の枬定に加えおマツ の気孔の倧きさ25 ÎŒ mよりも小 さいちりの量も枬定するこずずし た。 ・ 「ちりが詰たる」定矩を蚭定した こずに぀いおこのような定矩を怜 蚌前に行うこずが重芁であるず助蚀 した。 ・葉の採集䜍眮及び枚数空気䞭の ちりの採取䜍眮及び時間などの条件 蚭定が䞍十分であったので条件蚭 定を詳现に考えるよう助蚀した。 ・空気䞭のちりに぀いおマツの気 孔の倧きさに着目しお倧きさの芳 点を入れたこずを評䟡した。 ・採集サンプル数に぀いお信頌性 のあるデヌタを埗るために十分な量 であるかたた各採集堎所での枬 定方法の統䞀性がずれおいるかなど を確認させた。 結果の凊理 ・空気䞭のちりの量マツの葉の汚 染率25 ÎŒ m 未満のちりの量の各枬 定デヌタに぀いお散垃図で確認し 盞関係数を求めるこずが適圓である こずに詊行錯誀の埌気付くこず ができた。 ・生埒の詊行錯誀の状況を芋お統 蚈凊理に関する曞籍を提瀺し参考 にするよう助蚀した。 ・結果の凊理方法に぀いお分かり やすく敎理されおいたこずを評䟡し た。 考察・掚論 ・空気䞭のちりの量マツの葉の汚 染率25 ÎŒ m 未満のちりの量ずの各 関係に高い盞関があるこずが分かっ たが仮説が支持されたずいうこず をどう衚珟すれば良いか迷っおい た。 ・以䞋の点を確認させ段階的に 文章化するよう助蚀した。 ①結果を「根拠」ずしお明らかに なったこずは䜕か。 ②自分が聞き手偎に立っおどのよ うに説明されれば玍埗できるか。 理数探究ず しおの意矩 ・マツの葉を甚いた同様の調査は䞻に小孊校や䞭孊校での倧気汚染に関 する孊習で行われおいるが科孊的根拠を瀺す先行研究はそれほど倚くは ない。そこで本探究の成果を公衚するこずで同様の調査における科孊 的根拠を瀺すデヌタずしお掻甚しおもらうこずができるず考えられる。 生埒の状況及び教垫の指導助蚀等 生埒が働かせた 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方
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74 付録 蚭定した課題 新生代第四玀の地局から産出する化石を甚いお圓時の環境を明らかにする 探究の目的 新生代第四玀は氷期ず間氷期を繰り返した地質時代なので産出する化石から掚枬され る圓時の堆積環境が地局の局準ごずに異なるかどうか調べる。 甚いた方法 1関東地方の垂の露頭で地局の芳察を行った埌぀の異なる局準から化石を採 集した。 2第四玀の化石のほずんどは珟生皮であるので珟生の貝類図鑑などを参考に同定を 行いさらに貝類の皮ごずに珟圚の垂盎深床 氎平緯床分垃を調べた。 3採集した貝類化石が珟圚のどの蟺りの海の貝類矀集に盞圓するかを掚定した。 埗られた結果 局準から産出した貝類の党おが珟 圚生息しおいる緯床の範囲は北緯 37° 〜42° である。この緯床は犏島県 沖から接軜海峡付近に盞圓する。同様 の方法で他の局準に぀いおも調べた 結果皮を陀き局準は北緯37° 〜42°  局準は北緯37° 〜42° ずなっ た。぀の局準で比べるず局準から 産出した貝化石の組合せが異なった。 深床に぀いおは倚くの化石がN1 の䞊浅海垯氎深20 〜30m たでに 分垃するものであり汜氎域のものが 皮含たれおいた。 考察・掚論 局準は犏島県以北の貝矀集なので地局ができた時代は珟圚よりも寒かったず掚 枬される。ただし局準では北緯43° 以北でのみ生息する貝ず北緯42° 以南で のみ生息する貝が同時に産出した。そこで再床同定を行ったがどちらの同定にも間違 いはなかった。汜氎域を生息範囲ずする皮が死埌運搬されお混入したものであるず掚 論した。 生埒の探究の抂芁
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75 付録 各過皋 生埒の状況 教垫の指導助蚀等 課題の把握 ・自然環境の倉化に぀いお化石を 甚いお調べたいず考えおいた。 ・䞭孊校の授業で行った地局の芳察 で倚くの皮類の貝化石が産出した こずからそれらを調べたらその化 石が生きおいた圓時の環境が掚枬で きるのではないかず考えた。 ・ 「自然環境」ずいう蚀葉は幅広く 甚いられるため䜕を調べたいか考 えさせた。 ・化石が産出する堎所に぀いお調べ るよう助蚀した。 課題の蚭定 ・垂に露出する地局の耇数の局準 から産出する化石を甚いお新生代 第四玀の寒暖や氎深の倉化を探るず いう課題を蚭定した。 ・課題が具䜓的になっおきたこずを 評䟡し新生代第四玀に関わる資料 を幟぀か玹介した。 仮説の蚭定 ・新生代第四玀は倧きな気候倉動が 䜕床もあった時代なので化石から 掚枬される氎枩や氎深などが地局の 局準ごずに異なるのではないかずい う仮説を立おた。 ・新生代第四玀ずいう地質時代の自 然環境の特城に泚目しお仮説を考え させた。 怜蚌蚈画の 立案 ・仮説を立おたがどのような方法 で寒暖や氎深を掚枬すればよいのか が分からなかった。 ・新生代第四玀の化石のほずんど が珟圚も生息しおいる皮ず同じな のでそれらの生息範囲を基に掚枬 できるこずを助蚀した。 結果の凊理 ・調査結果をどのような圢で凊理し たら良いのかが䞍明であった。 ・生息緯床や氎深の共通範囲に着目 し調査結果を凊理するよう助蚀し た。 考察・掚論 ・調査結果を基にどのように考察 したら良いのかが曖昧であった。 ・緯床や氎深の結果を図にたずめた ずころ同䞀の地局から産出した化 石が瀺す氎枩に矛盟する結果が珟 れるこずに気付いた。 ・圓初蚭定した仮説を怜蚌するため に自分たちの調査結果から䜕がど こたで掚枬できるのかを考えさせ た。 ・化石の同定の再怜蚎貝の生息氎 深の比范保存状態を基にした死埌 運搬の可胜性を怜蚎するよう助蚀し た。 新たな展開 ・この内容をより発展させ地局の耇数の局準から産出する化石を基に 自然環境を掚枬するなどより深い探究に぀なげるこずができる。 ・化石暙本の倧きさや圢などを枬定しその倉化に぀いお統蚈的に考察す るなどの展開も考えられる。 生埒の状況及び教垫の指導助蚀等 生埒が働かせた 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方
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76 付録 蚭定した課題 颚掞装眮を䜿っお玙飛行機の揚力に぀いお調べる 探究の目的 航空ショヌで飛行機の曲芞飛行を芋たずきどうしおあんなに重い飛行機が飛ぶのだろ うかず疑問に思ったので調べおみるず揚力ずいう力がカギになっおいるこずが分かっ た。そこで揚力に぀いお調べる。 甚いた方法 1折り玙の玙飛行機競技甚の玙飛行機それらを支え るスタンドを補䜜した。仮説ずしお颚の匷さが倧きく なればその分だけ揚力も倧きくなり電子おんびんの 倀も小さくなるずした。 2図のように扇颚機電子おんびんにスタンドで固 定した玙飛行機を配眮し実隓ずしお扇颚機の颚を あおる匷さを倉えお電子おんびんが瀺す倀を調べた。 その際スタンドをのせおれロ点調敎を行った。 3たた図のような颚掞装眮を補䜜しお同様にしお 実隓を行った。その際吹き流しを蚭眮し颚掞装眮 の倖偎には颚が吹いおいないこず確かめた。 4次に颚量ず颚の流れをより安定させるためスト ロヌを束ねお颚掞装眮の颚の吹き出し口に敷き詰めお 図のようにしお実隓を行った。 埗られた結果 扇颚機の颚を玙飛行機に圓おるず電子おんびんの倀は 䞀定の倀を瀺さずある範囲の倀を瀺す。そこで最倧倀 ず最小倀を蚘録した。図は実隓における颚の匷さ に察する電子おんびんの倀を瀺したものである。 考察・掚論 実隓では颚の圓たり方が䞍安定になり玙飛行 機を抑える颚などの圱響により電子おんびんの倀が颚を 圓おないずきよりも倧きくなるこずがあった。ストロヌを 甚いた実隓では実隓結果によっお仮説が支持され颚の匷さが匷くなるほど電子おん びんを瀺す倀が小さくなり揚力が倧きくなるこずが分かった。この埌颚速の違いによ る飛行機の翌が氎平面ずのなす角ず揚力ずの関係に぀いお調べる実隓を蚈画した。 生埒の探究の抂芁 図 実隓の様子 図 実隓の様子 図 実隓の様子 図 実隓の結果
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77 付録 各過皋 生埒の状況 教垫の指導助蚀等 課題の把握 ・揚力に぀いお調べるため玙飛行 機の翌の迎え角氎平面ず翌のなす 角ず飛行距離ずの関係を調べる実 隓を蚈画しおいた。 ・玙飛行機の発射を制埡するこずが できないず迎え角ず飛行距離ずの 関係を調べるこずができないのでは ないか飛行距離を調べるだけでは 揚力に぀いお調べおいないのではな いかず指摘した。 たた 「揚力」 に぀い お 他者に説明できるように助蚀した。 課題の蚭定 ・事象を芳察し倉数を特定し定量 的な関係に着目した。 ・飛行距離ではなく颚の匷さず揚 力ずの関係に絞っお調べるこずにし た。 ・芁因が絞られたこずで実隓で調 べるこずができる課題になったず䌝 えた。䞀方実際の実隓蚈画を進め る際に具䜓的にどのような条件を 敎える必芁があるかを考えさせた。 仮説の蚭定 ・ 「颚の匷さが倧きいほど揚力は 倧きく働く」ず考えた。 ・揚力の枬定方法に぀いお調べおい た。 ・再珟性に着目し 「颚の匷さの制 埡」  「揚力の枬定方法」を考えさせ た。その際぀の穎あき磁石を反 発させお䞀方が浮いおいるずきの 力を電子おんびんで枬定する実隓を 想起させた。 怜蚌蚈画の 立案 ・スタンドに固定した玙飛行機を電 子おんびんに眮き颚を圓おないず きず颚を圓おたずきの差を求めるこ ずで揚力を調べるこずにした。 ・折り玙飛行機ず競技甚玙飛行機の 皮類を䜜成した。 ・扇颚機の颚の匷さを倧きくしお も倒れないスタンドを䜜成した。 ・実隓では扇颚機の颚を盎接圓 おお匷さを倉化させる実隓を行っ た。実隓では盎方䜓の筒型颚掞 装眮を䜜成した。実隓ではスト ロヌを束ねお颚掞装眮の敎流郚に 装着した。 ・探究を行うために必芁な実隓機 材賌入する材料などを提出させ た。 ・揚力を枬定するため再珟性や条 件制埡を考慮し飛行が安定しおい る飛行機を䜜成するように助蚀し た。 ・耇数回の実隓を通しお再珟性を 確認するよう助蚀した。 ・乱れのない颚を぀くる工倫をする よう助蚀した。 ・颚によっおスタンドが傟いた り移動したりするこずがないかな ど枬定時の条件を考えさせた。 結果の凊理 ・実隓では扇颚機の颚の乱 れが圱響しお電子おんびんの倀が 仮説ずは異なる倀を瀺した。 ・実隓でストロヌを甚いるこず で電子おんびんの倀が安定し図 の結果が埗られた。 ・耇数回の枬定を通しお枬定倀の 散らばりなどに぀いお助蚀した。 ・玙飛行機に働く颚の向きの圱響に ぀いお考えさせた。 考察・掚論 ・颚掞装眮を工倫するこずで安定し た颚を圓おるこずができた。 ・枬定結果から仮説が怜蚌され た。 ・颚の匷さず揚力ずの関係が分かり やすい図を䜜成するこず探究の過 皋を分かりすく説明するこず先行 研究を螏たえお自分たちの探究の䟡 倀を説明するこずなどを助蚀した。 その埌の探 究の展開 ・高さの異なる皮類のスタンドを䜜成しそれぞれで揚力を調べた。 ・颚速蚈を賌入し飛行機の迎え角翌が氎平面ずなす角ず揚力ずの関 係に぀いお調べた。 ・発射装眮を䜜成し実際に玙飛行機を飛ばしお迎え角ず飛行の様子を 調べた。 生埒の状況及び教垫の指導助蚀等 生埒が働かせた 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方
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78 付録 蚭定した課題 窓の熱䌝導によっお倏の倜間の宀枩を効率的に䞋げる方法を探る 探究の目的 䞀般的に屋倖では倜間攟射冷华によっお気枩が䞋がる。䞀方倜間に閉め切った屋内 においおも気枩が䞋がるが宀枩䜎䞋の䞻たる芁因は屋倖ずの枩床差による熱䌝導であ る。ここで電気代を節玄するために空調を䜿甚せずに倜間の宀枩を䞋げようずしたず き熱䌝導が生じやすい窓ガラスによっお空気を冷华させるこずが考えられる。この探究 では屋内の窓ガラスに接する空気を匷制的に撹拌させるこずで撹拌させないずきず比 べ倜間の宀枩が䜎䞋するかどうかを確かめる。 甚いた方法 実隓は階建お校舎の階の教宀教宀で行った。宀枩は教宀の机䞊で枬定した。 空気を匷制的に撹拌させるために倩井付近の空気を扇颚機を甚いお窓に圓おるように した。この時の宀枩倉化ず比范するために隣の教宀教宀の宀枩を甚いお撹拌がな い時の教宀の宀枩倉化を掚定した。掚定にはあらかじめ教宀においお攪拌し ないずきの倜間の宀枩を枬定しその結果の盞関から埗た換算匏を甚いた。 埗られた結果 教宀の宀枩から教宀の宀枩を掚定する匏が埗られた。次にこの匏を甚いお撹拌さ せなかった堎合の教宀の宀枩を掚定し撹拌させた堎合の実枬倀ず比范したずころ撹 拌させた堎合の宀枩の方が䜎䞋率が小さかった。 考察・掚論 倜間に郚屋の空気を攪拌させるず宀枩は䞋がりにくくなるこずが分かった。この結果 は次のように考えられる。窓は教宀の壁の䞭ほどの高さに䜍眮するため撹拌がない堎合 は倩井付近には暖かい空気が滞留しおおり窓の高さ以䞋の空気だけが冷华される。し かし撹拌するず暖かい空気も冷华されるこずになるため机䞊の空気の枩床が䞋がりに くくなる。枩床枬定地点を机䞊以倖にも増やすこずでこの説明の怜蚌が可胜である。 生埒の探究の抂芁
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79 付録 各過皋 生埒の状況 教垫の指導助蚀等 課題の把握 ・自然環境を利甚した省゚ネに関す る研究がしたいず考えおいた。 ・実斜時期が倏であったので孊校の 空調の䜿甚電力を抑えたいず考え た。 ・省゚ネを数倀化する方法を考え た。 ・省゚ネずいう蚀葉は抜象的であ り具䜓的にどういった点で効率 化を図りたいかずいうこずを考えさ せた。 ・具䜓的にどの時間垯を察象ずする かを考えさせた。たた気枩の日呚 倉化の芁因に぀いお調べさせた。 課題の蚭定 ・倜間の教宀の宀枩がどのように䜎 䞋するかを探究するこずにし攟射 冷华ず熱䌝導のどちらが倜間の宀枩 を䞋げるこずに効果があるかを怜蚎 するこずにした。 ・蚈算の結果攟射冷华よりも熱䌝 導による冷华の効果が倧きいこずが 分かった。 ・教宀の宀枩倉化は実枬できるが 攟射冷华に぀いおは枬定が難しいの で簡単なモデルを぀くり蚈算し た方がよいず助蚀した。 ・攟射平衡の考え方や熱䌝導の考え 方に関する曞籍を玹介した。 仮説の蚭定 ・宀内の空気を撹拌させる方が熱䌝 導による冷华効果が倧きくなるので はないかずいう仮説を蚭定した。 ・根拠に基づいた仮説が蚭定できお いるこずを評䟡した。 怜蚌蚈画の 立案 ・倜間撹拌をする堎合ずしない堎 合で宀枩䜎䞋率が異なるかを調べ るこずにした。 ・空気を撹拌させおいない他の教宀 の結果ず比べるこずにした。 ・倩気や倖気枩の圱響があるので実 隓日が異なる結果を単玔には比范で きないこずを䌝えた。 ・他の教宀ず宀枩の倉化が同じにな るずいう確蚌がないこずを䌝えた。 結果の凊理 ・䜕回か枬定したずころ枩床差が あったため手法を再怜蚎しようず した。 ・枬定結果をグラフにたずめたずこ ろ぀の教宀の宀枩の関係が䞀次 関数で衚せるず仮定しおも無理がな いこずに気付いた。 ・実隓の結果予想に反しお撹拌し た方が宀枩が高くなった。 ・枬定結果をグラフにたずめさせ 片方の教宀からもう片方の教宀の宀 枩が掚定できるず考えればよいずい う気付きが生じるたで埅った。 ・生埒の気付きを評䟡しその結果 を甚いお実隓を進めるよう促し た。 考察・掚論 ・実隓が倱敗したず考えもう䞀床 やり盎そうずした。 ・空気の流れのモデル図を曞き自 然冷华ず匷制撹拌をした堎合ずで 冷やさなければならない空気の量に 違いがあるこずに気付いた。 ・䜕か芋萜ずしがないかを怜蚎させ た。 ・ 「教宀の䞭で枩床が高い空気はど こにあった」 「氎を容噚の暪から 冷やしたらどうなる」などの質問 をしお埗られた結果を説明できる 別のモデルを考えるよう助蚀した。 新たな展開 ・空気党䜓の枩床を倉化させるよりも生掻する範囲のみの空気の枩床を 制埡する方法䟋えば倏季においおは教宀の䞋偎の空気を倜間に効果的に 冷华する方法などの新たな課題を探究するこずも考えられる。 生埒の状況及び教垫の指導助蚀等 生埒が働かせた 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 理科の 芋方・考え方
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80 付録 蚭定した課題 金平糖の角 ぀の の圢成過皋の数理モデルを䜜成する 探究の目的 金平糖を䜜る過皋で自然にできる角の圢成過皋を数理モデルで再珟しそのメカニズム を解明する。 甚いた方法 固䜓物理の文献を基に金平糖の角の圢成過皋を確認しお数理モデルを䜜成しおシミュ レヌションを行い実際の金平糖ず比范する。 埗られた結果 固䜓物理の文献によるず栞ずなる皮粒子の衚面にショ糖粒子が付着し結晶化するこず によっお突起が生たれ角に成長する。私たちの仮説は皮粒子を球ず仮定しお角の圢 成過皋は次の仮定によっお説明できるずいうものである。 i 突出した郚分ほどショ糖粒子が付着しやすく高くなりやすい ii呚囲ずある皋床高䜎差が぀くずならされる厩壊 簡単のため金平糖の断面で考える。 皮粒子を正円ず仮定し呚をN 等分し 時刻t 地点 n の高さをa , n t ショ糖粒子の付着しやすさをp , n t ずするず i  ii を満たす匏の䞀䟋が   i p k a a , , , n t i t i N n t 1 = = !    1 a p Q a p Q b , ,, , , , , n t n t n t n t n t n t n t 2 E = + ] ] g g *   ii b b b b a b b b b b b or and , , , , , , , , , , , n t n t n t n n t n t n t n t n t n t n t t 1 1 1 1 1 1 1 F Fa a a b a = - - - - - + - + - + ] ] g g * である。ここで単䜍時間圓たりに぀く粒子の総数の期埅倀がk厩壊が起きるずきの閟 倀がa厩壊する粒子の個数がbQ , n t は Q 0 1 , n t E E を満たす乱数である。 考察・掚論 数理モデルによる金平糖の断面図ず実際の金平糖の断面図が類䌌しおいる こずから金平糖の断面の特城を再珟するこずができたず蚀える。たた金平糖の角の圢 成のメカニズムを説明するモデルを䜜るこずができた。 生埒の探究の抂芁 図2 実際の金平糖の断面 図1 数理モデルによる金平糖の断面 k 3 =  14 a =  9 b = N 48 =
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81 付録 各過皋 生埒の状況 教垫の指導助蚀等 課題の把握 ・先茩が行った颚王に芋られる呚期 的なパタヌンを数孊的アプロヌチで 説明した研究に興味をもち同じ手 法を甚いお解析できそうな珟象を探 すこずから始めた。 ・颚王の圢成過皋では 「より高い 䜍眮にある砂粒ほど遠くぞ飛ぶ」  「傟斜が倧きいずきには砂粒は高い 方から䜎い方に転がる」ずいう぀ の仮定から数理モデルを䜜成しおい たのであたり耇雑な条件がなさそ うな珟象を探すように提案した。 課題の蚭定 ・ 「突出した郚分ほど糖蜜が付着し やすくより突出しやすい」  「呚囲ず ある皋床高䜎差が぀くず突出した郚 分が削れる」ずいう぀の仮定から 数理モデルを䜜成し再珟性を怜蚌 するずいう目暙を蚭定した。 ・金平糖の角の圢に着目するず先 茩が行った数理モデリングの手法を 䜿えそうであるず助蚀した。 ・数理モデルを甚いお金平糖の断面 の圢状を再珟するこずで角圢成の メカニズムを説明できればよいず助 蚀した。 仮説の蚭定 ・金平糖の角がどのようなメカニズ ムで圢成されおいるのかを解明する こずを目暙に蚭定した。 ・぀の仮定から数理モデルを䜜成 する方法を助蚀した。 方法 ・金平糖の補造過皋の芳察から始め た。 ・工堎に協力を䟝頌し圢成過皋の サンプルをもらった。 ・角の圢成過皋を぀の仮定で説明 できるずいう仮説を立おお数理モデ ルを䜜成し数倀シミュレヌション を行った。 ・金平糖の角は球面䞊にあるが単 玔化理想化しお断面の圢状を再珟 するずいう次元で扱う方法を提案 した。 ・グルヌプのメンバヌが人いたた め圹割分担を明確に行うよう助蚀 した。 結果 ・䜜成した数理モデルが劥圓である こずを怜蚌する方法数理モデルか ら䜕が蚀えるのか迷いがあった。 ・数理モデルから角圢成のメカニズ ムをどのように説明するのか問いか けた。 ・数理モデルが劥圓であるこずを怜 蚌する方法を提案した。 考察・掚論 ・幎半かけお取り組んだ内容を 限られたペヌゞ数の䞭でどのように 衚珟するのかが難しく感じた。 ・぀の仮定から角の圢成過皋を説 明できるこず数倀シミュレヌショ ンの結果ず比范しお数倀モデルが劥 圓であるこずが怜蚌できたこずを䞭 心にするよう助蚀した。 ・先行研究で䜕がどこたで明らかに なっおいるのかを把握し論文に本 研究の独自性を蚘述するように助蚀 した。 新たな展開 ・同様の手法で数理モデルを䜜成できる事象は他にもあるず考える。曎に 事象を広げ数理モデルを䜜成し同様の数理モデルに぀いおは共通点など に぀いお探究をするこずが考えられる。 生埒の状況及び教垫の指導助蚀等 生埒が働かせた 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方
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82 付録 蚭定した課題 新たな二項挔算を芋いだす 探究の目的 四則挔算以倖に「䜿い勝手のよい」二項挔算があればこれたで耇雑な蚘法が必芁だっ た匏も簡朔に衚せるのではないか。そのような挔算を芋いだす。 甚いた方法 乗法は加法を繰り返したものでありか぀分配法則を満たす。通垞繰り返しの回数は 自然数でしかないが分配法則は実数党䜓で成り立぀ので埌者を「䜿い勝手のよさ」の候 補ずした。具䜓的には 「䜿い勝手のよい」挔算ずは既知の挔算加法乗法ずずも に䜓を成すものだず定めそれを満たす挔算が存圚するか非自明な次の堎合を考察した 0 以倖の党実数の集合をR # ずし通垞の乗法を・ずするずき ; , R : O # ] g を䜓にする ような挔算Oが存圚するか。即ち5 ぀の条件 党おの, a b R ! # に察しおa b b a O O =   亀換法則 党おの, , a b c R ! # に察しおa b c a b c O O O O = ] ] g g  結合法則 党おの, , a b c R ! # に察しお b c a b a a c : O O : O = ] ] ] g g g  分配法則  ある R ! e # が存圚しお党おのa R ! # に察しa a a O O e e = = このe は唯䞀぀ に定たり ; , R : O # ] g の単䜍元ず蚀う  a 1 ! である党おのa R ! # に察しおそれぞれあるa R ! # l が存圚しa a a a O O e = = l l  a a a a O O e = = l l 䜆しe は条件で定めた単䜍元。 このal を Oに関する a の逆元ず蚀う を満たす挔算OをR # 䞊に定矩できるか。 これらの条件から 「a b 1 O =   (  a 1 = たたはb 1 = 」 が導かれる このずき ; , R : O # ] g は敎域ずいう 。たた 1 1 O : e e - = ] ] g g も成り立぀。ここで 1 1 ! - より 1 : e e= が埓 う。曎に 1 ! e が分かり 1 e=- ずなる。これを条件の匏にb c 1 e = = =- ず代入す るず党おのa R ! # に察しおa a 1 : = ずなる。 これは矛盟であり仮定を満たす挔算は存圚しないず分かった。 埗られた結果 ; , R : O # ] g を䜓にするような挔算Oは存圚しない。 考察・掚論 通垞の四則挔算がよくできおいるこずが分かった。たた䞊の結果は実数䜓では 1 1 !- であるこずから1 1 =- ずなっお生じるものである。 「䜿い勝手のよい」二項挔算を芋いだすこずはできなかったが具䜓的な事䟋ずしお  ; , R : O # ] g を䜓にするような挔算Oは存圚しないずいう蚌明ができた。䜓に぀いおより理 解を深め1 1 =- である䜓暙数の䜓ではどのような結果が導かれるのかを確かめ たい。 生埒の探究の抂芁
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83 付録 各過皋 生埒の状況 教垫の指導助蚀等 課題の把握 ・階乗の蚘号「!」を知ったずきに  / n n n 1 2 1 2 g + + + = + ] g のように 乗法よりも「䞊䜍」の挔算を䜿えば 「!」を䜿わなくおも枈むのではない かず思った。 ・階乗の衚蚘方法ずしおは広矩積分 を甚いたCガンマ 関数があるが そのこずに぀いおは必芁な時期が来 るたで觊れずにおくこずにした。 課題の蚭定 ・䜿い勝手のよい新たな二項挔算を 探すこずにした。 ・ 「䜿い勝手がよい」こずに぀いお 他者ぞの説明も重芖しどんなモチ ベヌションで䜕をしようずするかを 蚀語化するよう助蚀した。 仮説の蚭定 ・ / n n n 1 2 1 2 g + + + = + ] g ず同じ ように巊蟺が積のずき右蟺に盞圓 する堎合の挔算が存圚するずいう仮 説を立おた。 ・ 「積のずきに右蟺に盞圓する」ず は䜕かを問いかけた。 怜蚌蚈画の 立案 ・か぀お「かけ算はたし算を繰り返 したもの」ず習ったこずを思い出 し乗法の繰り返しである环乗が乗 法の「䞊䜍」に来る挔算ずしお適切 ではないかず考えた。 ・环乗は亀換結合法則を満たさな いこずに気付いた。 ・代わりに指数察数法則から逆 算しお「䞊䜍」の挔算を新たに定矩 した。 ・加法乗法は実数党䜓で定矩され るが新しい挔算は察数を甚いおい るため正の実数でしか定矩されない こずに気付いた。 ・䞭間発衚で亀流したずころ 「䜓」 ずいう抂念を知り探し求めおいる のはそれであるず確信し 「積に盞 圓する挔算」の意味を確定した。 ・本人の理解の敎理や䌝える緎 習助蚀の獲埗のためにも数孊仲 間ず亀流するよう促した。 ・加法ず乗法の関係ずしお指数 察数法則もあるこずを助蚀した。 ・法則を芋付けるこずには䟡倀があ るず励たした。 ・他人に䌝える難しさを知るこずは 収穫だず䌝えた。 ・盞手に䌝わっおいるかどうか䞁 寧に確認しながら発衚するよう助蚀 した。 結果の凊理 ・実数䜓ずは別に有限䜓でも同じこ ずを考え具䜓的に手を動かしお蚈 算するず芏則が芋えおきた。 ・実数䜓でも同じ芏則があるこずを 確認し以倖の党実数の集合にお いお乗法の「䞊䜍」に来る挔算は存 圚しないこずが分かった。 ・仮説ず反察の結果が出たがその 結果から分かるこずを考えさせた。 考察・掚論 ・通垞の四則挔算の「優秀さ」を実 感した。 ・今回の結果は実数䜓においお  1 1 !- であるこずから生じおいる ず認識した。 ・発衚の仕方を工倫しお党䜓を発衚 するよう助蚀した。 新たな展開 ・問題意識にしたがっお課題を曎に発展させるこずず埗られた結果の意 味に぀いお改めお考察する。 生埒の状況及び教垫の指導助蚀等 生埒が働かせた 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方 数孊的な 芋方・考え方
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特別掻動線 高等孊校孊習指導芁領 平成30 幎告瀺 解説 平成30 幎7 月
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文郚科孊省では平成30 幎3 月30 日に孊校教育法斜行芏則の䞀郚改正ず高等孊校孊習 指導芁領の改蚂を行った。新高等孊校孊習指導芁領等は平成34 幎床から幎次進行で実斜 するこずずし平成31 幎床から䞀郚を移行措眮ずしお先行しお実斜するこずずしおいる。 今回の改蚂は平成28 幎12 月の䞭倮教育審議䌚答申を螏たえ ① 教育基本法孊校教育法などを螏たえこれたでの我が囜の孊校教育の実践や蓄積 を生かし生埒が未来瀟䌚を切り拓 ひら くための資質・胜力を䞀局確実に育成するこずを 目指す。その際求められる資質・胜力ずは䜕かを瀟䌚ず共有し連携する「瀟䌚に 開かれた教育課皋」を重芖するこず。 ② 知識及び技胜の習埗ず思考力刀断力衚珟力等の育成ずのバランスを重芖する平 成21 幎改蚂の孊習指導芁領の枠組みや教育内容を維持した䞊で知識の理解の質を 曎に高め確かな孊力を育成するこず。 ③ 道埳教育の充実や䜓隓掻動の重芖䜓育・健康に関する指導の充実により豊かな 心や健やかな䜓を育成するこず。 を基本的なねらいずしお行った。 本曞は倧綱的な基準である孊習指導芁領の蚘述の意味や解釈などの詳现に぀いお説明 するために文郚科孊省が䜜成するものであり高等孊校孊習指導芁領第章「特別掻 動」に぀いおその改善の趣旚や内容を解説しおいる。 各孊校においおは本曞を埡掻甚いただき孊習指導芁領等に぀いおの理解を深め創 意工倫を生かした特色ある教育課皋を線成・実斜されるようお願いしたい。 むすびに本曞「高等孊校孊習指導芁領解説特別掻動線」の䜜成に埡協力くださった各 䜍に察し心から感謝の意を衚する次第である。  平成30 幎月 文郚科孊省初等䞭等教育局長        髙 橋 道 和   た え が き
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  第章 総説 1     第節 改蚂の経緯及び基本方針 1       改蚂の経緯 1       改蚂の基本方針 2     第節 特別掻動改蚂の趣旚及び芁点 6       改蚂の趣旚 6       改蚂の芁点 7   第章 特別掻動の目暙 11     第節 特別掻動の目暙 11       特別掻動の目暙 11        特別掻動の目暙ず各掻動・孊校行事の       目暙ずの関連 18        特別掻動における「䞻䜓的・察話的で       深い孊び」の実珟 20     第節 特別掻動の基本的な性栌ず教育掻動        党䜓における意矩 22       人間圢成ず特別掻動 22       特別掻動の教育掻動党䜓における意矩 25       特別掻動の内容盞互の関連 28        特別掻動ず各教科総合的な探究の       時間及び道埳教育などずの関連 29   第章 各掻動・孊校行事の目暙ず内容 36     第節 ホヌムルヌム掻動 36       ホヌムルヌム掻動の目暙 36       ホヌムルヌム掻動の内容 40       ホヌムルヌム掻動の指導蚈画 58       ホヌムルヌム掻動の内容の取扱い 66
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    第節 生埒䌚掻動 70       生埒䌚掻動の目暙 70       生埒䌚掻動の内容 71       生埒䌚掻動の指導蚈画 76       生埒䌚掻動の内容の取扱い 81     第節 孊校行事 86       孊校行事の目暙 86       孊校行事の内容 88       孊校行事の指導蚈画 96       孊校行事の内容の取扱い 100   第章 指導蚈画の䜜成ず内容の取扱い 104     第節 指導蚈画の䜜成に圓たっおの配慮事項 104        特別掻動における生埒の䞻䜓的・察話的で       深い孊び 104        特別掻動の党䜓蚈画ず各掻動・孊校行事の       幎間指導蚈画 105       ホヌムルヌム経営の充実ず生埒指導ずの関連                          110        障害のある生埒など孊習掻動の困難さに       応じた指導内容や指導方法の工倫 112       道埳教育ずの関連 113     第節 内容の取扱いに぀いおの配慮事項 115       生埒の自発的自治的な掻動の効果的な展開                          115       指導内容の重点化ず内容間の関連や統合 117        ガむダンスずカりンセリングの趣旚を       螏たえた指導を図る 120
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       異幎霢集団や幌児高霢者障害のある人々や       幌児児童生埒ずの亀流等を通しお協働するこず       や瀟䌚に貢献するこずの喜びを埗る掻動の重芖                          121       孊校絊食に関する取扱い 122     第節 入孊匏や卒業匏などにおける囜旗及び        囜歌の取扱い 124     第節 特別掻動の指導を担圓する教垫 125     第節 特別掻動における評䟡 127
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  付録 129     付録孊校教育法斜行芏則抄 130     付録高等孊校孊習指導芁領 第章 総則 135     付録高等孊校孊習指導芁領 第章 特別掻動                          153     付録䞭孊校孊習指導芁領 第章 特別掻動 158     付録小・䞭孊校における「道埳の内容」の         孊幎段階・孊校段階の䞀芧衚    164
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1  改蚂の経緯 及び基本方 針 今の子䟛たちやこれから誕生する子䟛たちが成人しお瀟䌚で掻躍する頃には我が囜 は厳しい挑戊の時代を迎えおいるず予想される。生産幎霢人口の枛少グロヌバル化の進 展や絶え間ない技術革新等により瀟䌚構造や雇甚環境は倧きくたた急速に倉化しおお り予枬が困難な時代ずなっおいる。たた急激な少子高霢化が進む䞭で成熟瀟䌚を迎え た我が囜にあっおは䞀人䞀人が持続可胜な瀟䌚の担い手ずしおその倚様性を原動力ず し質的な豊かさを䌎った個人ず瀟䌚の成長に぀ながる新たな䟡倀を生み出しおいくこず が期埅される。 こうした倉化の䞀぀ずしお進化した人工知胜AIが様々な刀断を行ったり身近 な物の働きがむンタヌネット経由で最適化されるIoT が広がったりするなどSociety5.0 ずも呌ばれる新たな時代の到来が瀟䌚や生掻を倧きく倉えおいくずの予枬もなされおい る。たた情報化やグロヌバル化が進展する瀟䌚においおは倚様な事象が耇雑さを増 し倉化の先行きを芋通すこずが䞀局難しくなっおきおいる。そうした予枬困難な時代を 迎える䞭で遞挙暩幎霢が匕き䞋げられ曎に平成342022幎床からは成幎幎霢が18 歳ぞず匕き䞋げられるこずに䌎い高校生にずっお政治や瀟䌚は䞀局身近なものずなるず ずもに自ら考え積極的に囜家や瀟䌚の圢成に参画する環境が敎い぀぀ある。 このような時代にあっお孊校教育には子䟛たちが様々な倉化に積極的に向き合い 他者ず協働しお課題を解決しおいくこずや様々な情報を芋極め知識の抂念的な理解を 実珟し情報を再構成するなどしお新たな䟡倀に぀なげおいくこず耇雑な状況倉化の䞭 で目的を再構築するこずができるようにするこずが求められおいる。 このこずは本来我が囜の孊校教育が倧切にしおきたこずであるものの教垫の䞖代亀 代が進むず同時に孊校内における教垫の䞖代間のバランスが倉化し教育に関わる様々 な経隓や知芋をどのように継承しおいくかが課題ずなり子䟛たちを取り巻く環境の倉化 により孊校が抱える課題も耇雑化・困難化する䞭でこれたでどおり孊校の工倫だけにそ の実珟を委ねるこずは困難になっおきおいる。 こうした状況の䞋で平成26 幎11 月には文郚科孊倧臣から新しい時代にふさわし い孊習指導芁領等の圚り方に぀いお䞭倮教育審議䌚に諮問を行った。䞭倮教育審議䌚にお いおは幎か月にわたる審議の末平成28 幎12 月21 日に「幌皚園小孊校䞭孊 校高等孊校及び特別支揎孊校の孊習指導芁領等の改善及び必芁な方策等に぀いお答 申 」 以䞋「平成28 幎12 月の䞭倮教育審議䌚答申」ずいう。 を瀺した。 平成28 幎12 月の䞭倮教育審議䌚答申においおは “よりよい孊校教育を通じおよりよ い瀟䌚を創る”ずいう目暙を孊校ず瀟䌚が共有し連携・協働しながら新しい時代に求 められる資質・胜力を子䟛たちに育む「瀟䌚に開かれた教育課皋」の実珟を目指し孊習 第1 ç«  総 説 第1 節 改蚂の経緯及び基本方針 1 改蚂の経緯
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2 第章 総 説 指導芁領等が孊校家庭地域の関係者が幅広く共有し掻甚できる「孊びの地図」ずし おの圹割を果たすこずができるよう次の点にわたっおその枠組みを改善するずずも に各孊校においお教育課皋を軞に孊校教育の改善・充実の奜埪環を生み出す「カリキュ ラム・マネゞメント」の実珟を目指すこずなどが求められた。 ①  「䜕ができるようになるか」 育成を目指す資質・胜力 ②  「䜕を孊ぶか」 教科等を孊ぶ意矩ず教科等間・孊校段階間の぀ながりを螏たえた 教育課皋の線成 ③  「どのように孊ぶか」 各教科等の指導蚈画の䜜成ず実斜孊習・指導の改善・充 実 ④  「子䟛䞀人䞀人の発達をどのように支揎するか」 子䟛の発達を螏たえた指導 ⑀  「䜕が身に付いたか」 孊習評䟡の充実 ⑥  「実斜するために䜕が必芁か」 孊習指導芁領等の理念を実珟するために必芁な方 策 これを螏たえ文郚科孊省においおは平成29 幎月31 日に幌皚園教育芁領小孊校 孊習指導芁領及び䞭孊校孊習指導芁領をたた同幎月28 日に特別支揎孊校幌皚郚教 育芁領及び小孊郚・䞭孊郚孊習指導芁領を公瀺した。 高等孊校に぀いおは平成30 幎月30 日に高等孊校孊習指導芁領を公瀺するずずも に孊校教育法斜行芏則の関係芏定に぀いお改正を行ったずころであり今埌平成34 2022幎月日以降に高等孊校の第孊幎に入孊した生埒単䜍制による課皋にあっ おは同日以降入孊した生埒孊校教育法斜行芏則第91 条の芏定により入孊した生埒で 同日前に入孊した生埒に係る教育課皋により履修するものを陀く。  から幎次進行により 段階的に適甚するこずずしおいる。たたそれに先立っお新孊習指導芁領に円滑に移行 するための措眮移行措眮を実斜するこずずしおいる。 今回の改蚂は平成28 幎12 月の䞭倮教育審議䌚答申を螏たえ次の基本方針に基づき 行った。 1今回の改蚂の基本的な考え方 ① 教育基本法孊校教育法などを螏たえこれたでの我が囜の孊校教育の実践や蓄積 を生かし生埒が未来瀟䌚を切り拓 ひら くための資質・胜力を䞀局確実に育成するこずを 目指す。その際求められる資質・胜力ずは䜕かを瀟䌚ず共有し連携する「瀟䌚に 開かれた教育課皋」を重芖するこず。 ② 知識及び技胜の習埗ず思考力刀断力衚珟力等の育成ずのバランスを重芖する平 成21 幎改蚂の孊習指導芁領の枠組みや教育内容を維持した䞊で知識の理解の質を 曎に高め確かな孊力を育成するこず。 ③ 道埳教育の充実や䜓隓掻動の重芖䜓育・健康に関する指導の充実により豊かな 心や健やかな䜓を育成するこず。 2 改蚂の基本方針
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3  改蚂の経緯 及び基本方 針 2育成を目指す資質・胜力の明確化 平成28 幎12 月の䞭倮教育審議䌚答申においおは予枬困難な瀟䌚の倉化に䞻䜓的に 関わり感性を豊かに働かせながらどのような未来を創っおいくのかどのように瀟 䌚や人生をよりよいものにしおいくのかずいう目的を自ら考え自らの可胜性を発揮 しよりよい瀟䌚ず幞犏な人生の創り手ずなる力を身に付けられるようにするこずが重 芁であるこずこうした力は党く新しい力ずいうこずではなく孊校教育が長幎その育成 を目指しおきた「生きる力」であるこずを改めお捉え盎し孊校教育がしっかりずその 匷みを発揮できるようにしおいくこずが必芁ずされた。たた汎甚的な胜力の育成を重 芖する䞖界的な朮流を螏たえ぀぀知識及び技胜ず思考力刀断力衚珟力等ずをバラ ンスよく育成しおきた我が囜の孊校教育の蓄積を生かしおいくこずが重芁ずされた。 このため「生きる力」をより具䜓化し教育課皋党䜓を通しお育成を目指す資質・胜 力をア「䜕を理解しおいるか䜕ができるか生きお働く「知識・技胜」の習埗 」  む「理解しおいるこず・できるこずをどう䜿うか未知の状況にも察応できる「思考 力・刀断力・衚珟力等」の育成 」 り「どのように瀟䌚・䞖界ず関わりよりよい人生 を送るか孊びを人生や瀟䌚に生かそうずする「孊びに向かう力・人間性等」の涵 かん 逊 」 の䞉぀の柱に敎理するずずもに各教科等の目暙や内容に぀いおもこの䞉぀の柱に基 づく再敎理を図るよう提蚀がなされた。 今回の改蚂では知・埳・䜓にわたる「生きる力」を生埒に育むために「䜕のために 孊ぶのか」ずいう各教科等を孊ぶ意矩を共有しながら授業の創意工倫や教科曞等の教 材の改善を匕き出しおいくこずができるようにするため党おの教科等の目暙や内容を 「知識及び技胜」  「思考力刀断力衚珟力等」  「孊びに向かう力人間性等」の䞉぀ の柱で再敎理した。 3 「䞻䜓的・察話的で深い孊び」の実珟に向けた授業改善の掚進 子䟛たちが孊習内容を人生や瀟䌚の圚り方ず結び付けお深く理解しこれからの時 代に求められる資質・胜力を身に付け生涯にわたっお胜動的に孊び続けるこずができ るようにするためにはこれたでの孊校教育の蓄積も生かしながら孊習の質を䞀局高 める授業改善の取組を掻性化しおいくこずが必芁である。 特に高等孊校教育に぀いおは倧孊入孊者遞抜や資栌の圚り方等の倖郚芁因によっ おその教育の圚り方が芏定されおしたい目指すべき教育改革が進めにくいず指摘さ れおきたずころであるが今回の改蚂は高倧接続改革ずいう高等孊校教育を含む初 等䞭等教育改革ず倧孊教育の改革そしお䞡者を぀なぐ倧孊入孊者遞抜改革ずいう䞀 䜓的な改革や曎にキャリア教育の芖点で孊校ず瀟䌚の接続を目指す䞭で実斜される ものである。改めお高等孊校孊習指導芁領の定めるずころに埓い各高等孊校におい お生埒が卒業たでに身に付けるべきものずされる資質・胜力を育成しおいくためにど のようにしおこれたでの授業の圚り方を改善しおいくべきかを各孊校や教垫が考える 必芁がある。 たた遞挙暩幎霢及び成幎幎霢が18 歳に匕き䞋げられ生埒にずっお政治や瀟䌚が
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4 第章 総 説 䞀局身近なものずなる䞭高等孊校においおは生埒䞀人䞀人に瀟䌚で求められる資 質・胜力を育み生涯にわたっお探究を深める未来の創り手ずしお送り出しおいくこず がこれたで以䞊に重芁ずなっおいる。 「䞻䜓的・察話的で深い孊び」の実珟に向けた 授業改善アクティブ・ラヌニングの芖点に立った授業改善ずは我が囜の優れた教 育実践に芋られる普遍的な芖点を孊習指導芁領に明確な圢で芏定したものである。 今回の改蚂では䞻䜓的・察話的で深い孊びの実珟に向けた授業改善を進める際の指 導䞊の配慮事項を総則に蚘茉するずずもに各教科等の「第欟 各科目にわたる指導 蚈画の䜜成ず内容の取扱い」等においお単元や題材など内容や時間のたずたりを芋通 しおその䞭で育む資質・胜力の育成に向けお䞻䜓的・察話的で深い孊びの実珟に向 けた授業改善を進めるこずを瀺した。 その際以䞋の点に留意しお取り組むこずが重芁である。 ① 授業の方法や技術の改善のみを意図するものではなく生埒に目指す資質・胜力を 育むために「䞻䜓的な孊び」  「察話的な孊び」  「深い孊び」の芖点で授業改善を進 めるものであるこず。 ② 各教科等においお通垞行われおいる孊習掻動蚀語掻動芳察・実隓問題解決的 な孊習などの質を向䞊させるこずを䞻県ずするものであるこず。 ③ 回回の授業で党おの孊びが実珟されるものではなく単元や題材など内容や時 間のたずたりの䞭で孊習を芋通し振り返る堎面をどこに蚭定するかグルヌプなど で察話する堎面をどこに蚭定するか生埒が考える堎面ず教垫が教える堎面ずをどの ように組み立おるかを考え実珟を図っおいくものであるこず。 ④ 深い孊びの鍵ずしお「芋方・考え方」を働かせるこずが重芁になるこず。各教科等 の「芋方・考え方」は 「どのような芖点で物事を捉えどのような考え方で思考し おいくのか」ずいうその教科等ならではの物事を捉える芖点や考え方である。各教科 等を孊ぶ本質的な意矩の䞭栞をなすものであり教科等の孊習ず瀟䌚を぀なぐもので あるこずから生埒が孊習や人生においお「芋方・考え方」を自圚に働かせるこずが できるようにするこずにこそ教垫の専門性が発揮されるこずが求められるこず。 ⑀ 基瀎的・基本的な知識及び技胜の習埗に課題がある堎合にはそれを身に付けさせ るために生埒の孊びを深めたり䞻䜓性を匕き出したりずいった工倫を重ねながら 確実な習埗を図るこずを重芖するこず。 4各孊校におけるカリキュラム・マネゞメントの掚進 各孊校においおは教科等の目暙や内容を芋通し特に孊習の基盀ずなる資質・胜力 蚀語胜力情報掻甚胜力情報モラルを含む。以䞋同じ。  問題発芋・解決胜力等 や珟代的な諞課題に察応しお求められる資質・胜力の育成のために教科等暪断的な孊習 を充実するこずや䞻䜓的・察話的で深い孊びの実珟に向けた授業改善を単元や題材な ど内容や時間のたずたりを芋通しお行うこずが求められる。これらの取組の実珟のため には孊校党䜓ずしお生埒や孊校地域の実態を適切に把握し教育内容や時間の配 分必芁な人的・物的䜓制の確保教育課皋の実斜状況に基づく改善などを通しお教
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5  改蚂の経緯 及び基本方 針 育掻動の質を向䞊させ孊習の効果の最倧化を図るカリキュラム・マネゞメントに努め るこずが求められる。 このため総則においお 「生埒や孊校地域の実態を適切に把握し教育の目的や 目暙の実珟に必芁な教育の内容等を教科等暪断的な芖点で組み立おおいくこず教育課 皋の実斜状況を評䟡しおその改善を図っおいくこず教育課皋の実斜に必芁な人的又は 物的な䜓制を確保するずずもにその改善を図っおいくこずなどを通しお教育課皋に基 づき組織的か぀蚈画的に各孊校の教育掻動の質の向䞊を図っおいくこず以䞋「カリ キュラム・マネゞメント」ずいう。 に努める」こずに぀いお新たに瀺した。 5教育内容の䞻な改善事項 このほか蚀語胜力の確実な育成理数教育の充実䌝統や文化に関する教育の充 実道埳教育の充実倖囜語教育の充実職業教育の充実などに぀いお総則や各教 科・科目等各教科・科目総合的な探究の時間及び特別掻動をいう。以䞋同じ。 に おいおその特質に応じお内容やその取扱いの充実を図った。
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6 第章 総 説 䞭倮教育審議䌚答申においお孊習指導芁領等改蚂の基本的な方向性が瀺されるずずも に各教科等における改蚂の具䜓的な方向性も瀺されおいる。今回の特別掻動の改蚂は これらを螏たえお行われたものである。 1特別掻動の成果ず課題 特別掻動はホヌムルヌム掻動生埒䌚掻動孊校行事から構成されそれぞれ構成 の異なる集団での掻動を通しお生埒が孊校生掻を送る䞊での基盀ずなる力や瀟䌚で生 きお働く力を育む掻動ずしお機胜しおきた。協働性や異質なものを認め合う土壌を育む など生掻集団孊習集団ずしお機胜するための基盀ずなるずずもに集団ぞの所属 感連垯感を育みそれがホヌムルヌム文化孊校文化の醞成ぞず぀ながり各孊校の 特色ある教育掻動の展開を可胜ずしおいる。 䞀方で 曎なる充実が期埅される今埌の課題ずしおは 以䞋のような点が挙げられる。 特別掻動においお育成するこずを目指す資質・胜力の芖点 特別掻動は「なすこずによっお孊ぶ」こずを方法原理ずし各孊校においお特色ある 取組が進められおいるが各掻動・孊校行事においお身に付けるべき資質・胜力は䜕な のかどのような孊習過皋を経るこずにより資質・胜力の向䞊に぀なげるのかずいうこ ずが必ずしも意識されないたた指導が行われおきたずいう実態も芋られる。特別掻動が 各教科等の孊びの基盀ずなるずいう面もあり教育課皋党䜓における特別掻動の圹割や 機胜も明らかにする必芁がある。 内容の瀺し方の芖点 内容や指導のプロセスの構造的な敎理が必ずしもなされおおらず各掻動等の関係性 や意矩圹割の敎理が十分でないたた実践が行われおきたずいう実態も芋られる。 耇雑で倉化の激しい瀟䌚の䞭で求められる胜力を育成するずいう芖点 瀟䌚参画の意識の䜎さが課題ずなる䞭で自治的な胜力を育むこずがこれたで以䞊に 求められおいるこずキャリア教育を孊校教育党䜓で進めおいく䞭で特別掻動が果たす 圹割ぞの期埅が倧きいこず防灜を含む安党教育や䜓隓掻動など瀟䌚の倉化や芁請も 芖野に入れ各教科等の孊習ず関連付けながら特別掻動においお育成を目指す資質・ 胜力を瀺す必芁がある。 2改蚂の基本的な方向性 ・ 特別掻動は様々な構成の集団から孊校生掻を捉え課題の発芋や解決を行いよ 第2 節 特別掻動改蚂の趣旚及び芁点 1 改蚂の趣旚
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7  特別掻動改 蚂の趣旚及 び芁点 りよい集団や孊校生掻を目指しお様々に行われる掻動の総䜓である。その掻動の範囲 は孊幎孊校段階が䞊がるに぀れお広がりをもっおいきそこで育たれた資質・胜力 は瀟䌚に出た埌の様々な集団や人間関係の䞭で生かされおいくこずになる。このよ うな特別掻動の特質を螏たえ指導する䞊での重芁な芖点を「人間関係圢成」  「瀟䌚 参画」  「自己実珟」の䞉぀ずしお敎理した。 ・  特別掻動においお育成するこずを目指す資質・胜力に぀いおは 「人間関係圢成」  「瀟䌚参画」  「自己実珟」の䞉぀の芖点を螏たえお特別掻動の目暙及び内容を敎理し ホヌムルヌム掻動 生埒䌚掻動 孊校行事を通じお育成する資質・胜力を明確化する。 ・ 内容に぀いおは様々な集団での掻動を通しお自治的な胜力や䞻暩者ずしお積極 的に瀟䌚参画する力を重芖するためホヌムルヌムや孊校の課題を芋いだしよりよ く解決するため話し合っお合意圢成し実践するこずや䞻䜓的に組織を぀くり圹 割分担しお協力し合うこずの重芁性を明確化する。たた特別掻動を芁ずし小孊校 から高等孊校たでの教育掻動党䜓の䞭で「基瀎的・汎甚的胜力」を育むずいうキャリ ア教育本来の圹割を改めお明確にするなど小・䞭・高等孊校の぀ながりを明確にす る。 高等孊校においおは矩務教育ずしお行われる普通教育の成果を曎に発展させるずいう 芳点を重芖し぀぀改善の基本方針を螏たえお次のように改善を行った。 1目暙の改善 今回の改蚂では第章第節で瀺すように各教科等の孊びを通しお育成するこずを 目指す資質・胜力を䞉぀の柱により明確にし぀぀それらを育むに圓たり生埒がどの ような孊びの過皋を経隓するこずが求められるかさらにはそうした孊びの過皋にお いお質の高い深い孊びを実珟する芳点から特別掻動の特質に応じた物事を捉える芖 点や考え方芋方・考え方を働かせるこずが求められるこずを瀺しおいる。 特別掻動の目暙に぀いおも 「人間関係圢成」  「瀟䌚参画」  「自己実珟」ずいう䞉぀ の芖点を手掛かりずしながら資質・胜力の䞉぀の柱に沿っお目暙を敎理した。そし おそうした資質・胜力を育成するための孊習の過皋ずしお 「様々な集団掻動に自䞻 的実践的に取り組み互いのよさや可胜性を発揮しながら集団や自己の生掻䞊の課題 を解決するこずを通しお」資質・胜力の育成を目指すこずずした。第章においお詳述 するようにこの孊習の過皋はこれたでの特別掻動の目暙においお「望たしい集団掻 動を通しお」ずしおきたこずを具䜓的に瀺したものである。 そしお特別掻動の特質に応じた芋方・考え方ずしお 「集団や瀟䌚の圢成者ずしお の芋方・考え方」を働かせるこずずした。第章以降においお詳述するように集団や 瀟䌚の圢成者ずしおの芋方・考え方は特別掻動ず各教科等ずが埀還的な関係にあるこ ずを螏たえお各教科・科目等における芋方・考え方を総合的に働かせお集団や瀟䌚 2 改蚂の芁点
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8 第章 総 説 における問題を捉えよりよい人間関係の圢成よりよい集団生掻の構築や瀟䌚ぞの参 画及び自己の実珟に関連付けるこずずしお敎理するこずができる。 2内容構成の改善 特別掻動がホヌムルヌム掻動生埒䌚掻動孊校行事の各掻動及び孊校行事から構成 されるずいう倧枠の構成に倉化はないが今回の改蚂においおは特別掻動党䜓の目暙 ず各掻動ずの関係に぀いおそれぞれの掻動や行事の意矩や掻動を行う䞊で必芁ずなる こずに぀いお理解し䞻䜓的に考えお実践できるように指導するこずを通しお特別掻 動の目暙に瀺す資質・胜力の育成を目指しおいくものであるこずを瀺した。そのため に埓来は項目名だけが瀺されおいた各掻動の内容に぀いおそれぞれの項目においお どのような過皋を通しお孊ぶのかを端的に瀺した。 なお各掻動及び孊校行事で育成する資質・胜力はそれぞれ別個のものではなく 各掻動及び孊校行事の特質に応じ぀぀特別掻動党䜓の目暙の実珟に向けおいくものであ る。このため告瀺䞊各掻動及び行事の目暙の䞭に育成するこずを目指す資質・胜力 を䞉぀の柱で瀺しおいない。 〔ホヌムルヌム掻動〕の内容の構成に぀いおは小・䞭・高等孊校を通しお育成する こずを目指す資質・胜力の芳点から次のように系統性が明確になるよう敎理した。 ・ 小孊校の孊玚掻動に「 3 䞀人䞀人のキャリア圢成ず自己実珟」を蚭けキャリア 教育の芖点からの小・䞭・高等孊校の぀ながりが明確になるようにした。 ・ 高等孊校においお䞎えられた課題ではなくホヌムルヌム生掻における課題を自分 たちで芋いだしお解決に向けお話し合う掻動に䞭孊校の経隓を生かしお取り組むよ う 1 の内容を重芖する芖点から 2  3 の項目を敎理した。 これによりホヌムルヌム掻動の内容の構成の倧枠は小・䞭・高等孊校の系統性が明 らかになるよう敎理し぀぀それぞれの具䜓的な内容や瀺し方は総則や各教科・科目 等の孊習内容ずの関係も螏たえながら各孊校段階に応じたものずした。 3内容の改善・充実 特別掻動党䜓を通しお自治的な胜力や䞻暩者ずしお積極的に瀟䌚参画する力を育お るこずを重芖しホヌムルヌムや孊校の課題を芋いだしよりよく解決するため話し 合っお合意圢成するこず䞻䜓的に組織を぀くり圹割分担しお協力し合うこずの重芁性 を明確にした。 各掻動における内容の改善・充実のポむントは次の通りである。 〔ホヌムルヌム掻動〕 ○ 小孊校段階から孊玚掻動の内容に「 3 䞀人䞀人のキャリア圢成ず自己実珟」を新 たに蚭けた。 ○ 高等孊校においおホヌムルヌムや孊校の生掻を向䞊・充実に向けた「 1 ホヌム ルヌムや孊校における生掻づくりぞの参画」の指導の充実を図るため 2  3 の内 容を各項目の関連に配慮しお敎理した。
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9  特別掻動改 蚂の趣旚及 び芁点 ○ 孊習の過皋ずしお 「 1 ホヌムルヌムや孊校に生掻づくりぞの参画」に぀いおは 集団ずしおの合意圢成を 「 2 日垞の生掻や孊習ぞの適応ず自己の成長及び健康安 党」及び「 3 䞀人䞀人のキャリア圢成ず自己実珟」に぀いおは䞀人䞀人の意思決 定を行うこずを瀺した。 ○ 総則においお特別掻動が孊校教育党䜓を通しお行うキャリア教育の芁ずなるこず が瀺されたこずを螏たえキャリア教育に関わる様々な掻動に関しお孊校家庭及 び地域における孊習や生掻の芋通しを立お孊んだこずを振り返りながら新たな孊 習や生掻ぞの意欲に぀なげたり将来の生き方を考えたりする掻動を行うこずずし た。たたその際生埒が芋通しを立おたり振り返ったりするための教材等を掻甚す るこずずした。 〔生埒䌚掻動〕 ○ 内容の 1 を「生埒䌚の組織づくりず生埒䌚掻動の蚈画や運営」ずしお生埒が䞻 䜓的に組織を぀くるこずを明瀺した。 ○ 孊校内の掻動に加えおボランティア等の瀟䌚参画を重芖するこずずした。 〔孊校行事〕 ○ 就業䜓隓掻動やボランティア掻動等の䜓隓掻動を匕き続き重芖するこずずした。 ○ 健康安党・䜓育的行事の䞭で事件や事故灜害から身を守るこずに぀いお明瀺し た。 なおホヌムルヌム掻動絊食の時間を陀く。 の暙準授業時数は幎間35 単䜍時間 ずし生埒䌚掻動及び孊校行事に぀いおはそれらの内容に応じ幎間孊期ごず月 ごず等に適切な時間を充おるこずに぀いお倉曎はない。 4孊習指導の改善・充実 特別掻動の目暙の実珟のため孊校の教育掻動党䜓の䞭における特別掻動の圹割も螏 たえお充実を図るこずが求められるこずずしお次のような点を瀺した。 ○ 特別掻動の深い孊びずしお生埒が集団や瀟䌚の圢成者ずしおの芋方・考え方を働 かせ様々な集団掻動に自䞻的実践的に取り組む䞭で互いのよさや個性倚様な 考えを認め合い等しく合意圢成に関わり圹割を担うようにするこずを重芖するこず ずした。 ○ 特別掻動の党䜓蚈画や各掻動及び孊校行事の幎間指導蚈画を䜜成する際瀟䌚の䞀 員ずしおの自己の生き方を探究するなど人間ずしおの圚り方生き方の指導が行われ るよう配慮するこずずした。 ○ ホヌムルヌム掻動における生埒の自発的自治的な掻動を䞭心ずしお各掻動ず孊 校行事を盞互に関連付けながらホヌムルヌム経営の充実を図るこずずした。 ○ いじめの未然防止を含めた生埒指導ずの関連を図るこず孊校生掻ぞの適応や人間 関係の圢成などに぀いお䞻に集団の堎面で必芁な指導や揎助を行うガむダンスず
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10 第章 総 説 個々の生埒の倚様な実態を螏たえ䞀人䞀人が抱える課題に個別に察応した指導や揎助 を行うカりンセリングの双方の趣旚を螏たえお指導を行うこずを瀺した。 ○ 異幎霢集団による亀流を重芖するずずもに高霢者や障害のある幌児児童生埒ずの 亀流及び共同孊習等を通じ協働するこずや他者の圹に立ち瀟䌚に貢献するこずの喜 びを埗られる掻動を充実するこずを瀺した。
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11  特別掻動の 目暙 孊習指導芁領第章第「目暙」で次のずおり瀺しおいる。 集団や瀟䌚の圢成者ずしおの芋方・考え方を働かせ様々な集団掻動に自䞻的実践 的に取り組み互いのよさや可胜性を発揮しながら集団や自己の生掻䞊の課題を解決す るこずを通しお次のずおり資質・胜力を育成するこずを目指す。 1倚様な他者ず協働する様々な集団掻動の意矩や掻動を行う䞊で必芁ずなるこずに ぀いお理解し行動の仕方を身に付けるようにする。 2集団や自己の生掻人間関係の課題を芋いだし解決するために話し合い合意 圢成を図ったり意思決定したりするこずができるようにする。 3自䞻的実践的な集団掻動を通しお身に付けたこずを生かしお䞻䜓的に集団や 瀟䌚に参画し生掻及び人間関係をよりよく圢成するずずもに人間ずしおの圚り 方生き方に぀いおの自芚を深め自己実珟を図ろうずする態床を逊う。 この特別掻動の目暙はホヌムルヌム掻動生埒䌚掻動及び孊校行事の䞉぀の内容以 䞋「各掻動・孊校行事」ずいう。 の目暙を総括する目暙である。 特別掻動は 「集団や瀟䌚の圢成者ずしおの芋方・考え方」を働かせながら「様々な集 団掻動に自䞻的実践的に取り組み互いのよさや可胜性を発揮しながら集団や自己の生 掻䞊の課題を解決する」こずを通しお資質・胜力を育むこずを目指す教育掻動である。 今回の改蚂では各教科・科目等の指導を通しおどのような資質・胜力の育成を目指す のかを明確にし぀぀それらを育むに圓たり生埒がどのような孊びの過皋を経るのかず いうこずさらにはそうした孊びの過皋においお各教科・科目等の特質に応じた「芋 方・考え方」を働かせながら教育掻動の充実を図るこずを各教科・科目等の目暙の䞭 で瀺した。 特別掻動においおもこうした考え方に基づいお目暙を瀺した。このこずはこれたでの 特別掻動の基本的な性栌を転換するものではなく教育課皋の内倖を含めた孊校の教育掻 動党䜓における特別掻動の圹割をより䞀局明確に瀺すものである。 1特別掻動における「人間関係圢成」  「瀟䌚参画」  「自己実珟」の芖点 特別掻動においお育成するこずを目指す資質・胜力やそれらを育成するための孊習 過皋の圚り方を敎理するに圓たっおはこれたで目暙においお瀺しおきた芁玠や特別掻 動の特質教育課皋党䜓においお特別掻動が果たすべき圹割などを勘案しお 「人間関 1 特別掻動の目暙 第2 ç«  特別掻動の目暙 第1 節 特別掻動の目暙
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12 第章 特別掻動の 目暙 係圢成」  「瀟䌚参画」  「自己実珟」の䞉぀を芖点ずしお敎理した。 これらの䞉぀の芖点は特別掻動においお育成する資質・胜力における重芁な芁玠で あり 4 においお述べるようにこれらの資質・胜力を育成する孊習の過皋においお も重芁な意味をも぀ものである。 「人間関係圢成」  「瀟䌚参画」  「自己実珟」の䞉぀の 芖点が育成するこずを目指す資質・胜力に関わるものであるず同時にそれらを育成 する孊習の過皋においおも重芁な意味をも぀ずいうこずは特別掻動の孊習の方法原理 が「なすこずによっお孊ぶ」ずいうこずにある。 䞉぀の芖点はそれぞれ重芁であるが盞互に関わり合っおいお明確に区別されるも のでないこずにも留意するこずが必芁である。 ①  「人間関係圢成」 「人間関係圢成」は集団の䞭で人間関係を自䞻的実践的によりよいものぞず 圢成するずいう芖点である。人間関係圢成に必芁な資質・胜力は集団の䞭におい お課題の発芋から実践振り返りなど特別掻動の孊習過皋党䜓を通しお個人ず個 人あるいは個人ず集団ずいう関係性の䞭で育たれるず考えられる。幎霢や性別ずいっ た属性考え方や関心意芋の違い等を理解した䞊で認め合い互いのよさを生かす ような関係を぀くるこずが倧切である。 なお 「人間関係圢成」ず「人間関係をよりよく圢成するこず」は同じ芖点ずしお 敎理しおいる。 ②  「瀟䌚参画」 「瀟䌚参画」はよりよいホヌムルヌムや孊校生掻づくりなど集団や瀟䌚に参画し 様々な問題を䞻䜓的に解決しようずするずいう芖点である。瀟䌚参画のために必芁な 資質・胜力は集団の䞭においお自発的自治的な掻動を通しお個人が集団ぞ関 䞎する䞭で育たれるものず考えられる。孊校は䞀぀の小さな瀟䌚であるず同時に 様々な集団から構成される。孊校内の様々な集団における掻動に䞻䜓的に関わるこず が地域や瀟䌚に察する参画持続可胜な瀟䌚の担い手ずなっおいくこずにも぀な がっおいく。たた䞻暩者ずしおの自芚の醞成にも結び付くものである。 なお瀟䌚は様々な集団で構成されおいるず捉えられるこずからホヌムルヌム や孊校の集団をよりよくするために参画するこずず瀟䌚をよりよくするために参画 するこずは 「瀟䌚参画」ずいう意味で同じ芖点ずしお敎理しおいる。 ③  「自己実珟」 「自己実珟」は䞀般的には様々な意味で甚いられるが特別掻動においおは集 団の䞭で珟圚及び将来の自己の生掻の課題を発芋しよりよく改善しようずする芖 点である。自己実珟のために必芁な資質・胜力は自己の理解を深め自己のよさや 可胜性を生かす力自己の生き方を考え蚭蚈する力など集団の䞭においお個々人 が共通しお圓面する珟圚及び将来に関わる課題を考察する䞭で育たれるものず考えら
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13  特別掻動の 目暙 れる。 2集団や瀟䌚の圢成者ずしおの芋方・考え方を働かせる ホヌムルヌムや孊校は生埒にずっお最も身近な瀟䌚である。生埒はホヌムルヌムや 孊校ずいう瀟䌚での生掻の䞭で様々な集団掻動を通しお倚様な人間関係の築き方 や集団の発展に寄䞎するこずやよりよい自分を远求するこずなどを孊ぶこずにな る。生埒は孊幎・孊校段階が䞊がるに぀れお人間関係や掻動の範囲を広げ特別掻動 で身に付けたこのような資質・胜力ず教科・科目等で孊んだこずを地域・瀟䌚など その埌の様々な集団や人間関係の䞭で生かしおいく。 こうした孊習の過皋においおは特別掻動ならではの「芋方・考え方」を働かせるこ ずが重芁である。今回の改蚂で各教科・科目等の目暙に䜍眮付けられた「芋方・考え 方」は各教科・科目等の特質に応じた各教科・科目等ならではの物事を捉える芖点 や考え方であり各教科・科目等を孊ぶ意矩の䞭栞をなすものである。特別掻動の特質 が課題を芋いだし解決に向けお取り組むずいう実践的な孊習であるずいうこずや各 教科・科目等で孊んだこずを実際の生掻においお総合的に掻甚しお実践するずいうこず にあるこずから考え特別掻動の特質に応じた「芋方・考え方」は「集団や瀟䌚の圢成 者ずしおの芋方・考え方」ずしお瀺した。 「集団や瀟䌚の圢成者ずしおの芋方・考え方」を働かせるずいうこずは各教科・科 目等の芋方・考え方を総合的に働かせながら自己及び集団や瀟䌚の問題を捉えより よい人間関係の圢成よりよい集団生掻の構築や瀟䌚ぞの参画及び自己の実珟に向けた 実践に結び付けるこずである。こうした「芋方・考え方」は特別掻動の孊習の䞭で働く だけでなく倧人になっお生掻しおいくに圓たっおも重芁な働きをする。 3様々な集団掻動に自䞻的実践的に取り組み互いのよさや可胜性を発揮し ながら集団や自己の生掻䞊の課題を解決する 今回の改蚂では資質・胜力を育成するために 「様々な集団掻動に自䞻的実践的 に取り組み互いのよさや可胜性を発揮しながら集団や自己の生掻䞊の課題を解決する こず通しお」ずいう孊習の過皋を瀺した。 ① 様々な集団掻動 私たちは瀟䌚の䞭で様々な集団を単䜍ずしお掻動する。集団ず個は掻動の目的 によっお぀ながっおいたり生掻する地域を同じにするずいう点においお぀ながっお いたりず様々なものがある。目的や構成が異なる様々な集団での掻動を通しお自分 や他者のよさや可胜性に気付いたり それを発揮したりするこずができるようになる。 孊校は䞀぀の小さな瀟䌚であり様々な集団から構成される。特別掻動は各掻 動・孊校行事における様々な集団掻動の䞭で生埒が集団や自己の課題の解決に向け お取り組む掻動である。集団の掻動の範囲は孊幎や孊校段階が䞊がるに぀れお広がり をもっおいき瀟䌚に出た埌の様々な集団や人間関係の䞭でその資質・胜力は生かさ
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14 第章 特別掻動の 目暙 れおいくこずになる。 ホヌムルヌム掻動は孊校生掻においお最も基瀎的な集団であるホヌムルヌムを基 盀ずした掻動である。卒業埌においおは職業生掻を共にする職堎における集団や 日々の生掻の基盀ずなる家庭ずいった集団での生掻に぀ながる掻動である。 日々の生掻を共にする䞭で生埒は䞀人䞀人の意芋や意思は倚様であるこずを知 り時には葛藀や察立を経隓する。こうした䞭で自ら芏埋ある生掻を送るために 様々な課題を芋いだし課題の解決に向けお話し合い合意圢成を図っお決たったこ ずに察しお協力しお実践したり意思決定したこずを努力しお実践したりする。 生埒䌚掻動は䞻に孊校生掻党般に関する自発的自治的な掻動である。卒業埌に おいおは地域瀟䌚における自治的な掻動に぀ながる掻動である。生埒䌚では生埒 䌚党䜓が䞀぀の集団であるずいう面ず委員䌚掻動などにおいお圹割を同じくする 異幎霢の集団を構成する面もある。いずれにしおもホヌムルヌムの枠を超えよりよ い孊校づくりに参画し協力しお諞課題の解決を行う掻動である。 孊校行事は孊幎や孊校党䜓ずいう倧きな集団においお䞀぀の目的のもずに行わ れる様々な掻動の総䜓である。卒業埌は地域や瀟䌚の行事や催し物など様々な集団 で所属感や連垯感を高めながら䞀぀の目暙などに向かっお取り組む掻動に぀ながる掻 動である。孊幎や孊校が蚈画し実斜するものであり生埒が積極的に参加したり協 力したりするこずにより充実する教育掻動である。生埒の積極的な参加による䜓隓的 な掻動を行うものであり孊校内だけでなく地域行事や催し物等孊校倖の掻動ず も぀ながりをもち内容によっおは地域の様々な人々で構成する集団ず協力するこ ずもある。このような孊校行事の掻動を通しお生埒は倚様な集団ぞの所属感や連垯 感を高めながら䞀぀の目暙に向かっお取り組む掻動を䜓隓し育成を目指す資質・胜 力を身に付けるのである。 ② 自䞻的実践的に取り組む 特別掻動の各掻動・孊校行事は䞀人䞀人の生埒のホヌムルヌムや孊校の生掻の向 䞊・充実に向け諞問題ぞの察応や課題解決の仕方などを自䞻的実践的に孊ぶ掻動 内容によっお構成されおいる。特別掻動の目暙や内容で瀺しおいる資質・胜力は自 䞻的実践的な掻動を通しお初めお身に付くものである。䟋えば倚様な他者ず協働 する様々な集団掻動の意矩を理解しそうした掻動に積極的に取り組もうずする態床 を育おるためには実際にホヌムルヌムや孊校の生掻をよりよくするための掻動に党 おの生埒が取り組むこずを通しおそのよさや倧切さを䞀人䞀人が実感を䌎っお理 解するこずが倧切である。たた䟋えば事件や事故灜害等から身を守る安党な行動 を䜓埗するためには衚面的・圢匏的ではなくより具䜓的な堎面を想定した蚓緎等 を䜓隓するこずによっお各教科・科目等で孊習した安党に関する資質・胜力が実際 に掻甚できるものずなる。このように集団掻動の䞭で䞀人䞀人の生埒が自䞻 的実践的に生掻における課題の解決に取り組むこずを通しお孊ぶこずが特別掻動 の方法原理である「なすこずによっお孊ぶ」こずなのである。この「なすこずによっ
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15  特別掻動の 目暙 お孊ぶ」が「䜓隓あっお孊びなし」ず曲解されないように留意すべきである。 特別掻動のいずれの掻動も生埒が自䞻的実践的に取り組むこずを特質ずしおい るがホヌムルヌム掻動の内容 1 及び生埒䌚掻動においおはさらに自発的自治 的であるこずも特質ずしおいる。 「自発的自治的な掻動」は 「自䞻的実践的」で あるこずに加えお目的をもっお線制された集団においお生埒が自ら課題等を芋い だしその解決方法・取扱い方法などに぀いおの合意圢成を図り協力しお目暙を達 成しおいくものである。生埒の自発的自治的な掻動に係る内容ずそれ以倖の内容 に぀いおは本解説第章で説明するように孊習過皋に違いがあるがいずれの堎 合にも生埒の自䞻的実践的な掻動が助長されるようにする必芁がある。この点に ぀いおは本解説第章で解説する。 ③ 互いのよさや可胜性を発揮しながら 「互いのよさや可胜性を発揮しながら」はこれたでの孊習指導芁領の目暙で「望 たしい集団掻動を通しお」ずしお瀺した趣旚をより具䜓的にしたものである。 ①で説明したように特別掻動の倧きな特質の䞀぀ずしお様々な集団での掻動を 基本ずするこずが挙げられる。特別掻動における集団掻動の指導においおは過床に 個々やグルヌプでの競争を匷いたり過床に連垯による責任を求めお同調圧力を高め たりするこずによっおなどその指導方法によっおは違いを排陀するこずに぀なが りかねない。䟋えばいじめなどに芋られるように䞀郚の生埒が排斥されたり䞍登 校のきっかけになったり生埒䞀人䞀人のよさが十分発揮できなかったりするなどの 状況も危惧される。たた䞀芋するずホヌムルヌム党䜓で協力的に実践が進められお いるように芋えおも実際には教垫の意向や䞀郚の限られた生埒の考えだけで動かさ れおいたり単なるなれ合いずなっおいたりしおいる堎合もある。このような状況 は特別掻動の孊習過皋ずしお望たしいものずは蚀えない。 集団における合意圢成では同調圧力に流されるこずなく批刀的思考力をもち 他者の意芋も受け入れ぀぀自分の考えも䞻匵できるようにするこずが倧切である。そ しお異なる意芋や意思を基に様々な解決の方法を暡玢し問題を倚面的・倚角的 に考えお解決方法に぀いお合意圢成を図るこずが 「互いのよさや可胜性を発揮し ながら」に぀ながるのである。 こうしたこずを垞に念頭に眮き特別掻動における集団掻動の指導に圓たっおは 「いじめ」や「䞍登校」等の未然防止等も螏たえ生埒䞀人䞀人を尊重し生埒が互 いのよさや可胜性を発揮し生かし䌞ばし合うなどよりよく成長し合えるような 集団掻動ずしお展開しなければならない。このような特別掻動の特質はホヌムルヌ ム経営や生埒指導の充実ずも深く関わるものである。 なお孊習指導芁領の前文においおも 「 䞭略䞀人䞀人の生埒が自分のよさや 可胜性を認識するずずもにあらゆる他者を䟡倀のある存圚ずしお尊重し倚様な 人々ず協働しながら様々な瀟䌚的倉化を乗り越え豊かな人生を切り拓 ひら き持続可胜 な瀟䌚の創り手ずなるこずができるようにするこずが求められる。 」ず瀺されおいる。
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16 第章 特別掻動の 目暙 このこずは特別掻動にずどたらず孊校教育党䜓で倧切にする必芁があるこずを瀺し おいる。 ④ 集団や自己の生掻䞊の課題を解決する 「集団や自己の生掻䞊の課題を解決する」ずは様々な集団掻動を通しお集団や個 人の課題を芋いだし解決するための方法や内容を話し合っお合意圢成や意思決定 をするずずもにそれを協働しお成し遂げたり匷い意志をもっお実珟したりする生埒 の掻動内容や孊習過皋を瀺したものである。 「なすこずによっお孊ぶ」こずを方法原理ずしおいる特別掻動においおはホヌム ルヌムや孊校の生掻には自分たちで解決できる課題があるこずその課題を自分たち で芋いだすこずが必芁であるこず単に話し合えば解決するのではなくその埌の実 践に取り組み振り返っお成果や課題を明らかにし次なる課題解決に向かうこずな どが倧切であるこずに気付いたりその方法や手順を䜓埗できるようにしたりするこ ずが求められる。 ここで蚀う「課題」は珟圚生じおいる問題を解消するにずどたらず広く集団や 自己の珟圚や将来の生掻をよりよくするために取り組む内容を指しおいる。各掻動・ 孊校行事における課題に぀いおは第章においお解説する。 4特別掻動で育成を目指す資質・胜力 特別掻動では孊んだこずを人生や瀟䌚での圚り方ず結び付けお深く理解したりこ れからの時代に求められる資質・胜力を意識しお身に付けたり生涯にわたっお胜動的 に孊び続けたりするこずができるようになるこずが重芁である。 そこで指導に圓たっおは生埒が互いのよさや可胜性を発揮しよりよく成長し合 えるような集団掻動を特別掻動における「集団や瀟䌚の圢成者ずしおの芋方・考え方」 を働かせながら展開するこずを通しお以䞋のような資質・胜力を育むこずが倧切であ る。 ①  「知識及び技胜䜕を知っおいるか䜕ができるか 」 1倚様な他者ず協働する様々な集団掻動の意矩や掻動を行う䞊で必芁ずなるこず に぀いお理解し行動の仕方を身に付けるようにする。 ホヌムルヌムや孊校における集団掻動を前提ずする特別掻動はよりよい人間関係 の圢成や合意圢成意思決定をどのように図っおいくかずいうこずを倧切にしおい る。こうした集団掻動を通しお話合いの進め方やよりよい合意圢成ず意思決定の仕 方チヌムワヌクの重芁性や圹割分担の意矩等に぀いお理解するこずが必芁である。 これは方法論的な知識や技胜だけではなくよりよい人間関係ずはどのようなものな のか合意圢成や意思決定ずはどういうこずなのかずいう本質的な理解も極めお重
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17  特別掻動の 目暙 芁である。知識や技胜を教授するのではなく各教科・科目等においお孊習したこず も含めお特別掻動の実践掻動や䜓隓掻動を通しお䜓埗させおいくようにするこずが 必芁である。 具䜓的には䟋えば次のように知識や技胜を身に付けおいくこずが考えられる。 ○ 集団で掻動する䞊での様々な困難を乗り越えるためには䜕が必芁になるのかを理 解するこず。集団でなくおは成し遂げられないこずや集団で行うからこそ埗られる 達成感があるこずを理解するこずなど集団ず個ずの関係に぀いお理解するこず。 たた集団掻動の意矩が瀟䌚の䞭で果たしおいる圹割や意矩人間ずしおの圚り方 や生き方ずの関連で集団掻動の䟡倀を理解するこず。 ○ 基本的な生掻習慣孊校生掻のきたり瀟䌚生掻におけるルヌルやマナヌ及びそ の意矩に぀いお理解し実践できるようにするこずなど集団や人間関係をよりよ く構築しおいく䞭で倧切にすべきこずを理解し実践できるようにするこず。 ○ 珟圚及び将来の自己ず孊習の関連や意矩を理解し課題解決に向けお意思決定 し行動するこずの意矩やそのために必芁ずなるこずを倧切にしなければならな いこずを理解するこず。特に将来の瀟䌚的・職業的な自立ず珟圚の孊習がどのよ うに関わるかずいうこずを理解し珟圚自分でできるこずを意思決定し実践し おいくこず。 ②  「思考力刀断力衚珟力等知っおいるこずできるこずをどう䜿うか 」 2集団や自己の生掻人間関係の課題を芋いだし解決するために話し合い合 意圢成を図ったり意思決定したりするこずができるようにする。 特別掻動ではホヌムルヌムや孊校における様々な集団掻動を通しお自己の生掻 䞊の課題や他者ずの関係の䞭で生じる課題を芋いだす。そしおその解決のために話 し合い決たったこずを実践する。さらに実践したこずを振り返っお次の課題解決 に向かう。この䞀連の掻動過皋においお生埒が各教科・科目等で孊んだ知識などを 課題解決に関連付けながら䞻䜓的に考えたり刀断したりするこずを通しお個人ず集 団ずの関わりの䞭で合意圢成や意思決定が行われこうした経隓や孊習の積み重ねに より課題解決の過皋においお必芁ずなる「思考力刀断力衚珟力等」が育成され る。 具䜓的には様々な集団掻動の䞭で䟋えば次のようなこずができるようにするこ ずが考えられる。 ○ 人間関係をよりよく構築しおいくために倚様な堎面で自分ず異なる考えや立 堎にある倚様な他者を尊重し認め合いながら支え合ったり補い合ったりしお 協働しおいくこず。 ○ 集団をよりよく改善したり䞻䜓的に瀟䌚に参画し圢成したりするために自他 のよさや可胜性を発揮しながら䞻䜓的に集団や瀟䌚の問題に぀いお理解し合意
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18 第章 特別掻動の 目暙 圢成を図っおよりよい解決策を決めそれに取り組むこず。 ○ 珟圚及び将来に向けた自己実珟のために自己のよさや個性眮かれおいる環境 を様々な角床から理解するずずもに進路や瀟䌚に関する情報を収集・敎理し将 来を芋通しお人間ずしおの生き方を遞択・圢成するこず。たた意思決定したこず に向けお努力したり必芁に応じお芋盎したりするこず。 ③   「孊びに向かう力人間性等どのように瀟䌚・䞖界ず関わりよりよい人生を送 るか 」 3自䞻的実践的な集団掻動を通しお身に付けたこずを生かしお䞻䜓的に集団 や瀟䌚に参画し生掻及び人間関係をよりよく圢成するずずもに人間ずしおの 圚り方生き方に぀いおの自芚を深め自己実珟を図ろうずする態床を逊う。 人は実瀟䌚においお目的を達成するためたた自己実珟を図るために様々な 集団に所属したり集団を構築したりする。その䞭で様々な困難や障害を克服し自 分を磚き人間性を高めおいる。したがっお倚様な集団に所属しその䞭でよりよい 人間関係を圢成しようずしたりよりよい集団や瀟䌚を構築するこずによっお自己 実珟を図ろうずしたりするこずはたさに孊び続ける人間ずしおの圚り方や生き方ず 深く関わるものである。 特別掻動では様々な集団掻動の圹割や意矩を理解し生埒自身が様々な掻動に自 䞻的実践的に関わろうずする態床を育おるこずが必芁である。 具䜓的には䟋えば次のような態床を逊うこずが考えられる。 ○ 倚様な他者の䟡倀芳や個性を受け入れ助け合ったり協力し合ったり新たな環 境のもずで人間関係を築こうずする態床 ○ 集団や瀟䌚の圢成者ずしお倚様な他者ず協働し問題を解決しよりよい生掻 を぀くろうずする態床 ○ 日垞の生掻や自己の圚り方を䞻䜓的に改善しようずしたり将来を思い描き自 分にふさわしい生き方や職業を䞻䜓的に考え遞択しようずしたりする態床 特別掻動は各掻動・孊校行事で構成されおおりそれぞれ独自の目暙ず内容をも぀教 育掻動である。しかしそれらは決しお別々に異なる目暙を達成するこずずしおいるもの ではない。構成や芏暡掻動の圢態などが異なる集団掻動を通しお第の目暙に掲げる 特別掻動で育成すべき資質・胜力を身に付けるこずを目指しお行うものである。 孊習指導芁領第章第では各掻動・孊校行事の目暙を次のずおり瀺しおいる。 いずれの目暙も集団の特質や掻動の過皋の特城を螏たえた掻動を通しお第の目暙 に瀺す資質・胜力を育おるものであるこずを瀺しおいる。孊習指導芁領においお各掻 2 特別掻動の目暙ず各掻動・孊校行事の目暙ずの関連
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19  特別掻動の 目暙 動・孊校行事ごずに育成するこずを目指す資質・胜力を資質・胜力の䞉぀の柱に即しお具 䜓的に瀺しおいないのはそのためであり各孊校においおはこうした特別掻動の党䜓目 暙ず各掻動・孊校行事の目暙の関係を螏たえお指導蚈画を䜜成し指導の充実を図るこず が倧切である。 特別掻動の目暙党䜓目暙  集団や瀟䌚の圢成者ずしおの芋方・考え方を働かせ様々な集団掻動に自䞻的実践 的に取り組み互いのよさや可胜性を発揮しながら集団や自己の生掻䞊の課題を解決す るこずを通しお次のずおり資質・胜力を育成するこずを目指す。 1倚様な他者ず協働する様々な集団掻動の意矩や掻動を行う䞊で必芁ずなるこずに ぀いお理解し行動の仕方を身に付けるようにする。 2集団や自己の生掻人間関係の課題を芋いだし解決するために話し合い合意 圢成を図ったり意思決定したりするこずができるようにする。 3自䞻的実践的な集団掻動を通しお身に付けたこずを生かしお䞻䜓的に集団や 瀟䌚に参画し生掻及び人間関係をよりよく圢成するずずもに人間ずしおの圚り 方生き方に぀いおの自芚を深め自己実珟を図ろうずする態床を逊う。 ホヌムルヌム掻動の目暙 ホヌムルヌムや孊校での生掻をよりよくするための課題を芋いだし解決するために 話し合い合意圢成し圹割を分担しお協力しお実践したりホヌムルヌムでの話合い を生かしお自己の課題の解決及び将来の生き方を描くために意思決定しお実践したりす るこずに自䞻的実践的に取り組むこずを通しお第の目暙に掲げる資質・胜力を 育成するこずを目指す。 生埒䌚掻動の目暙 異幎霢の生埒同士で協力し孊校生掻の充実ず向䞊を図るための諞問題の解決に向け お蚈画を立お圹割を分担し協力しお運営するこずに自䞻的実践的に取り組むこず を通しお第の目暙に掲げる資質・胜力を育成するこずを目指す。 孊校行事の目暙 党校若しくは孊幎又はそれらに準ずる集団で協力しよりよい孊校生掻を築くための 䜓隓的な掻動を通しお集団ぞの所属感や連垯感を深め公共の粟神を逊いながら第 の目暙に掲げる資質・胜力を育成するこずを目指す。
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20 第章 特別掻動の 目暙 孊習指導芁領第章総則第欟のの 1 においお資質・胜力を偏りなく育成するた めに生埒の䞻䜓的・察話的で深い孊びの実珟に向けた授業改善を行うこずその際には 各教科・科目等の芋方・考え方を働かせ各教科・科目等の孊習過皋を重芖しお充実を図 るこずを瀺しおいる。 特別掻動においおは生埒同士の話合い掻動や生埒が自䞻的・実践的に掻動するこず をその特質ずしおきた。特別掻動における䞻䜓的・察話的で深い孊びの実珟は各掻動・ 孊校行事の孊習過皋においお授業や指導の工倫改善を行うこずで䞀連の掻動過皋の䞭で の質の高い孊びを実珟するこずである。それは特別掻動の各掻動・孊校行事の内容を深 く理解しそれぞれを通しお資質・胜力を身に付け高等孊校卒業埌も胜動的に孊び続け るようにするこずでもある。 「䞻䜓的な孊び」の実珟ずは孊ぶこずに興味・関心をもち孊校生掻に起因する諞課 題の改善・解消やキャリア圢成の方向性ず自己ずの関連を明確にしながら芋通しをもっ お粘り匷く取り組み自己の掻動を振り返りながら改善・解消に励むなど掻動の意矩を 理解した取組である。 特別掻動においおはホヌムルヌムや孊校における集団掻動を通しお生掻䞊の諞課題 を芋いだし解決できるようにするこずが倧切である。䟋えば自分たちの実態や自己の珟 状に即しお課題を芋いだしたり解決方法を決めお実践したりその取組を振り返り よい点や改善点に気付いたりできるようにするこずが倧切である。こうした孊習過皋に よっお集団や自己の新たな課題の発芋や目暙の蚭定が可胜ずなり生掻を曎によりよく しようずいう次の掻動ぞの動機付けずなるなど生埒の䞻䜓的な孊びが可胜になる。 「察話的な孊び」の実珟ずは生埒盞互の協働教職員や地域の人ずの察話先哲の考 え方や資料等を手掛かりに考えるこずを通しお自己の考え方を協働的に広げ深めおいく こずである。 特別掻動は倚様な他者ずの様々な集団掻動を行うこずを基本ずしそこでの「話合い」 を党おの掻動においお重芖しおきた。ホヌムルヌム掻動や生埒䌚掻動の自治的な掻動にお いおはホヌムルヌムや孊校における生掻䞊の課題を芋いだし解決するために合意圢成 を図ったり意思決定したりする䞭で他者の意芋に觊れ自分の考えを広げ課題に぀ いお倚面的・倚角的に考えたりするこずが重芁である。 たた察話的な孊びはホヌムルヌムなど同䞀集団の生埒同士の話合いにずどたるもの ではない。異幎霢の児童生埒や障害のある幌児児童生埒等倚様な他者ず察話しながら協 働するこずや地域の人ずの亀流を通しお自分の考えを広げたり自分のよさや努力に気付 き自己肯定感を高めたりするこず自然䜓隓掻動を通しお自然ず向き合い孊校生掻では埗 られない䜓隓から新たな気付きを埗るこず就業䜓隓掻動を通しお働く人の思いに觊れお 自分の勀劎芳・職業感を高めるこずキャリア圢成に関する自分自身の意思決定の過皋に おいお他者や教垫ずの察話を通じお自己の考えを発展させるこずなど感性や思考力実 3 特別掻動における「䞻䜓的・察話的で深い孊び」の実珟
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21  特別掻動の 目暙 践力を豊かにしよりよい合意圢成や意思決定ができるようになるこずも特別掻動にお ける察話的な孊びずしお重芁である。 「深い孊び」の実珟ずは孊びの過皋の䞭で各教科・科目等の特質に応じた「芋方・ 考え方」を働かせながら知識を盞互に関連付けおより深く理解したり情報を粟査しお 考えを圢成したり新たな課題を芋いだしお解決策を考えたり思いや考えを基に創造し たりするこずで孊んだこずを深めるこずである。 特別掻動における「深い孊び」の実珟には特別掻動が重芖しおいる「実践」を単に 行動の堎面ず狭く捉えるのではなく課題の蚭定から振り返りたでの䞀連の掻動を「実 践」ず捉えるこずが倧切である。特別掻動においお重芖する「人間関係圢成」  「瀟䌚参 画」  「自己実珟」の䞉぀の芖点のいずれに぀いおも各教科・科目等で育成する資質・胜力 ず様々に関わっおいる。䞀連の実践過皋で各教科・科目等の特質に応じた芋方・考え方 を総合的に働かせ各教科・科目で孊んだ知識や技胜などを集団及び自己の問題の解決 のために掻甚しおいくこずが倧切である。 そのためにはそれぞれの孊習過皋においおどのような資質・胜力を育むこずが必芁 なのかを明確にした䞊で意図的・蚈画的に指導に圓たるこずが 「深い孊び」の実珟に ぀ながるのである。
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第章 特別掻動の 目暙 22 特別掻動は様々な集団掻動を通しお自己や孊校生掻を捉え課題を芋いだしその 改善・解消に向けよりよい集団や孊校生掻を目指しお行われる様々な掻動の総䜓であ る。その掻動の範囲は孊幎・孊校段階が䞊がるに぀れお広がりをもっおいき瀟䌚に出た 埌の様々な集団や人間関係の䞭でその資質・胜力は生かされおいくこずになる。このこず から特別掻動の基本的な性栌を次のずおり捉えるこずができる。 瀟䌚の倉化は加速床を増し耇雑で予枬困難ずなっおきおいる。しかもそうした倉化 がどのような職業や人生を遞択するかにかかわらず党おの生埒の生き方に圱響するも のずなっおいる。すなわちこれからの耇雑で倉化の激しい瀟䌚においお将来瀟䌚 的・職業的に自立しお生きるための 「生きる力」 を育成するこずが 䞀局求められおいる。 特にグロヌバル化や情報化の進む瀟䌚においお様々な情報や出来事を受け止め䞻 䜓的に遞択・刀断しながら自分を瀟䌚の䞭でどのように䜍眮付け瀟䌚をどう描くかを 考え倚様な他者ず共に生き課題を解決しおいくための力がたすたす重芁ずなる。 加えお平和で民䞻的な囜家及び瀟䌚の圚り方に責任を有する䞻暩者ずしおたた自 己の個性や胜力を生かしお掻躍する自立した人間ずしお基本的な生掻習慣の確立適切 な刀断や意思決定に基づき䞻䜓的に瀟䌚参画をするこずが匷く求められおいるずころ である。 このような耇雑で倉化の激しい瀟䌚をたくたしく生きおいかなければならない生埒に は倚様な他者ず協働しお創造的に課題を解決する力や垌望や目暙をもっお生きる態床 を身に付けるこずが重芁である。 これたで特別掻動は孊校における集団掻動や䜓隓的な掻動を通しお各教科・科目 や道埳教育等で身に付けた力を実際の生掻においお生きお働く汎甚的な力ずするため人 間圢成の堎ずしお教育課皋䞊の重芁な圹割を担っおきた。たた生埒が孊校生掻を送る 䞊での基盀ずなる力や実際の生掻においお生きお働く力ずするための人間圢成の堎ずしお 機胜しおきた。 孊校は人ず人ずが関わり合う䞀぀の瀟䌚である。生埒は倚様な他者ず関わり合っお生 き特別掻動を通しお孊校における生掻の向䞊に努め倚様な他者ず関わり合っおよりよ く生きようずするこずを孊ぶのである。 このような資質・胜力は孊校の教育掻動党䜓を通しお育成されるものであるが特 に特別掻動は孊校における様々な集団掻動や䜓隓的な掻動を通しお生埒の人間圢成 を図るこずを特質ずしおおり極めお倧きな圹割を担うものである。 1孊校生掻や孊びの基盀ずしおの集団づくり 特別掻動はホヌムルヌムや孊校の様々な集団づくりに重芁な圹割を果たしおいる。 1 人間圢成ず特別掻動 第2 節 特別掻動の基本的な性栌ず教育掻動党䜓における意矩
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 特別掻動の基本的 な性栌ず教育掻動 党䜓における意矩 23 特別掻動では孊校の内倖で倚様な他者ず関わり合う集団掻動の機䌚が豊富にある。 ホヌムルヌム掻動生埒䌚掻動孊校行事を通しお生埒は倚様な集団掻動を経隓 し集団における行動や生掻の圚り方を孊びよりよい集団づくりに参画する。 特にホヌムルヌムの集団づくりは生埒䞀人䞀人のよさや可胜性を生かすず同時に 他者の倱敗や短所に寛容で共感的なホヌムルヌムの雰囲気を醞成する。ホヌムルヌム掻 動における自発的自治的な掻動やホヌムルヌムずしお孊校行事に取り組むこずを通 しおホヌムルヌムに所属する生埒䞀人䞀人がホヌムルヌムぞの垰属意識や生掻䞊の 芏範意識を高め自分の居堎所ずしお安心しお孊習に励むこずのできるホヌムルヌムづ くりに぀ながっおいく。たたホヌムルヌム掻動を通しお個々の生埒の生掻や孊習䞊 の課題を解消するこずや孊ぶ意矩に぀いおの理解を深め自己の進路の実珟を図ろう ずする自己実珟に向けた生埒の掻動を通しお生埒が各教科・科目等の孊習に䞻䜓的 に取り組むこずができるようになっおいく。 このような指導は個々の生埒の孊校生掻の基盀づくりや教科・科目等における孊習 環境づくりに欠くこずのできない重芁な圹割を担う。なおこうした指導に぀いお生埒 指導の芖点からは孊業指導ず呌びホヌムルヌムにおいお孊びに向かう集団づくりを 行うこずが重芁である。 䞀方集団づくりにおいお 「連垯感」や「所属感」を倧切にするあたりずもすれ ば教垫の期埅する生埒像や集団の姿からの逞脱を蚱容しないこずで過床の同調圧力 に぀ながりかねないずいう問題もあった。 たたグロヌバル化や情報化の進展する瀟䌚においお珟圚の瀟䌚がどのような瀟䌚 であるかずいうこずを基準にするのではなく将来ずは予枬するこずが困難なものであ るずいう前提で生埒が孊習するこずが必芁なものが䜕かを提起する必芁がある。䟋え ば近幎地域を問わず倖囜籍の生埒やいわゆる倖囜に぀ながる生埒が孊校に増えお きおいるように様々な瀟䌚的・文化的背景をも぀他者ず共に生掻するずいうこずが急 速に身近になり぀぀ある。たた実際に他者ず察面する珟実空間だけでなくむンタヌ ネットなどを通した仮想空間での他者ずの関わりも増え地域や囜ずいう境界を超えお 人ず人ずの぀ながりが広がっおいる。このような瀟䌚の倉化においお生埒は倚様な 他者ず関わり未知なる文化に向き合っお生きるこずになる。人ず人ずの関わりも倉容 しおいく瀟䌚においお生埒には自立した人間ずしお他者ずよりよく協働するこずがで きる資質・胜力を育むこずが求められおいる。 こうしたこずを螏たえ特別掻動における様々な集団掻動においおはそれぞれの掻 動過皋が䞀人䞀人のよさや可胜性が認められるものでなければならないこずを特別 掻動の目暙においお明確に瀺した。 このように孊校生掻や孊習の基盀ずしおの集団づくりは生埒の珟圚及び将来に匷く 関わるものでありこれたでも特別掻動ずしお特に倧事にしおきたものを今回の改蚂に おいおも改めお明確にしたものである。
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第章 特別掻動の 目暙 24 2発達的な特質を螏たえた指導 高等孊校は䞭孊校における教育の基瀎の䞊に心身の発達及び進路に応じお高床 な普通教育及び専門教育を斜すこずを目的ずしおいる。孊校教育においおは生埒の心 身の発達に応じお䜓系的な教育を組織的に行うこずが必芁であり高等孊校教育にお いおは䞭孊校ずの円滑な接続や高等孊校卒業埌の進路ずの接続も芖野に入れ぀぀高 校生の発達の段階を螏たえた教育掻動の充実を図るこずが求められる。 高等孊校段階の生埒たちの成長の過皋における䞻な特城ずしおは自我の圢成もかな り進み身䜓的にもほが成熟し独立や自埋の芁求が高たっおいくこずが挙げられる。 たた所属する集団が増加し人間関係もより広がりさたざたな圹割や期埅に応えなが ら人間関係を築いおいくこずが求められる時期である。 このように高校生の時期には自我の圢成や心身の発達により自䞻独立の芁求が高た るこずから生埒の自発的自治的な掻動をできる限り尊重し生埒が自らの力で組織 を䜜り掻動蚈画を立お協力し合っお互いに尊重しよさを認め発揮し合えるような 集団づくりができるように導くこずが倧切になる。しかし生埒の自䞻性が高たるずは いえ生掻䜓隓や瀟䌚䜓隓もただ十分でなく自分の考えにも十分な自信がもおない生 埒も少なくないため教垫の適切な指導や個別的な揎助などが必芁である。そのために は生埒の心情をよく理解するずずもに指導の圚り方の工倫に努め生埒の自䞻的 実践的な掻動を促しおいくこずが倧切である。 たた孊校生掻においおも新しい友達や教垫ずの出䌚いや瀟䌚的関心の広がり そしお進路の遞択など新しい環境や課題に盎面しおいく時期である。そうした䞭生埒 は人間ずしおの圚り方や珟圚及び将来における自己の生き方に぀いお暡玢し進路の 遞択などにかかわる䞍安や悩みなど重芁な課題に盎面するが個々の䟡倀芳が倚様化 し人間ずしおの圚り方生き方にも様々な倉化や問題点が生じおいる珟代の瀟䌚にあっ おはすべおの生埒が圚り方生き方を自芚しこれを深められるずは限らない。なかに は自己に䞍安をもち自己を芋倱う生埒もおりたた挫折や倱敗にこだわっお自 信のない生き方をしおいる生埒も少なくはない。特に高校生の段階においおは理想 を求めるこずに急でずかく珟実を吊定する傟向も匷たるため生埒はこの時期特有の 様々な䞍安や悩みをかかえるこずになり生埒の䞭には無気力傟向などに陥ったり 非行に走ったりする者も芋られる。珟実から逃避したり今の自分さえよければ良いず 考えたりする「閉じた個」ではなく他者瀟䌚自然などの環境ずのかかわりの䞭で 生きるずいう自制を䌎った「開かれた個」ずしお成長しおいくこずが倧切である。その ためには孊校における倚様な集団掻動の充実を図るずずもに瀟䌚的な䜓隓を重芖 し人間ずしおの圚り方や生き方の自芚を深め䞻䜓的に物事を遞択し珟圚及び将来 を豊かに生きるための態床や胜力を逊う特別掻動の充実が重芁である。 なお本解説においおは特別掻動の堎面における教垫から生埒ぞの適切な働きかけ を党お「指導」ず衚珟するがその䞭には単に教垫が望たしいず考える方向ぞず導こ うずする狭い意味での「指導」 だけでなく生埒自らが成長しようずしたり生埒 同士で互いに成長し合おうずしたりするこずなどを促す 「揎助」 こずの䞡方の偎面 から関わっおいく必芁がある。
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 特別掻動の基本的 な性栌ず教育掻動 党䜓における意矩 25 特別掻動は 「集団掻動」ず「実践的な掻動」を特質ずするこずが匷調されおきた。 ホヌムルヌムや孊校における集団はそれぞれの掻動目暙をもち目暙を達成するため の方法や手段を党員で考え共通の目暙を目指しお協力しお実践しおいくものである。特 に実践的な掻動ずは生埒がホヌムルヌムや孊校生掻の充実・向䞊を目指しお自分た ちの力で諞問題の解決に向けお具䜓的な掻動を実践するこずを意味しおいる。したがっ お生埒の実践を前提ずし実践を助長する指導が求められるのであり生埒の発意・発 想を重芖し啓発しながら 「なすこずによっお孊ぶ」を方法原理ずするこずが倧切であ る。 この特質を継承しながらさらに次の教育的意矩が今回の改蚂では匷調されおいる。 1特別掻動の特質を螏たえた資質・胜力の育成 特別掻動は孊校生掻を送る䞊での基盀ずなる力や瀟䌚で他者ず関わっお生きお働 く力を育む掻動ずしお機胜し人間圢成の䞭でも特に情意面や態床面の資質・胜力の 育成に぀いお匷調しおきた。今回の改蚂では各教科・科目等を通しお育成するこずを 目指す資質・胜力ずしお「知識及び技胜」  「思考力・刀断力・衚珟力等」  「孊びに向か う力人間性等」をバランスよく育むこずを重芖しおいる。そのために重芁なこずは 目暙に「様々な集団掻動に自䞻的実践的に取り組み」ずあるように自䞻的実践的 な掻動を重芖するずいうこずである。様々な集団掻動の䞭で 「思考力・刀断力・衚珟 力等」を掻甚しながら他者ず協力しお実践するこずを通しお 「知識及び技胜」は実感 を䌎っお䜓埗され掻動を通しお埗られたこずを生涯にわたっお積極的に生かそうずす る「孊びに向かう力人間性等」が育成されおいく。特別掻動の内容は各教科・科目 等に広く関わるものであるがこうした特城をも぀特別掻動だからこそ目指すこずがで きる資質・胜力を育むこずが倧切である。 このため今回の改蚂では特別掻動党䜓を通しお育成するこずを目指す資質・胜力 を第の目暙においお瀺すずずもに各掻動・孊校行事の特質を螏たえお育成するこず が期埅される資質・胜力に぀いおの基本的な考え方を各掻動・孊校行事の目暙の䞭で 明瀺したずころである。 2ホヌムルヌム経営の充実ず特別掻動 特別掻動は教育課皋党䜓の䞭で特別掻動の各掻動・孊校行事においお資質・胜力 を育む圹割だけではなく党教育掻動を通じお行われおいるホヌムルヌム経営に寄䞎す るこずから孊習指導芁領では次のずおり瀺されおいる。 孊習指導芁領第章総則第欟のの「 1 孊習や生掻の基盀ずしお教垫ず生埒ず の信頌関係及び生埒盞互のよりよい人間関係を育おるため日頃からホヌムルヌム経営 の充実を図るこず。 」ず瀺されおいる。これに察応しお孊習指導芁領第章特別掻動 第のの「 3 ホヌムルヌム掻動における生埒の自発的自治的な掻動を䞭心ずしお 2 特別掻動の教育掻動党䜓における意矩
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第章 特別掻動の 目暙 26 ホヌムルヌム経営の充実を図るこず。 」ず瀺されおいる。 ホヌムルヌムは生埒にずっお孊習や生掻など孊校生掻の基盀ずなる堎である。生 埒は孊校生掻の倚くの時間をホヌムルヌムで過ごすため自己ずホヌムルヌムの他の 成員ずの個々の関係や自己ずホヌムルヌム集団ずの関係は孊校生掻そのものに倧きな 圱響を䞎えるこずずなる。教垫は個々の生埒がホヌムルヌム内でよりよい人間関係 を築きホヌムルヌムの生掻に適応するこずで各教科・科目等の孊習や様々な掻動の 効果を高めたいず考えホヌムルヌム内での個別指導や集団指導を工倫しおいく。ホヌ ムルヌム経営の内容は倚岐にわたるがホヌムルヌム集団ずしおの質の高たりを目指し たり教垫ず生埒生埒盞互のよりよい人間関係を構築しようずしたりするこずはそ の䞭心的な内容である。そのためホヌムルヌム担任が孊校の教育目暙やホヌムルヌム の実態を螏たえお䜜成したホヌムルヌム経営の目暙・方針に即しお必芁な諞条件の敎 備を行い運営・展開されるものである。その点では生埒が自発的自治的によりよい 生掻や人間関係を築こうずしお様々に展開される特別掻動は結果ずしお生埒が䞻䜓的 に集団の質を高めたりよりよい人間関係を築いたりするこずになる。 ホヌムルヌムがよりよい生掻集団や孊習集団ぞず向䞊するためには教垫の意図的・ 蚈画的な指導ずずもに生埒の䞻䜓的な取組が䞍可欠である。ホヌムルヌム経営は特別 掻動を芁ずしお蚈画され特別掻動の目暙に瀺された資質・胜力を育成するこずによ り曎なる深化が図られるこずずなる。 こうしたこずを通しお本章第節のの 1 で説明したような孊びに向かう集団 づくりの基盀ずなり各教科・科目等で䞻䜓的・察話的で深い孊びを実珟する授業改善 を行う䞊ではこうした基盀があるこずは欠かせないものである。 3各教科・科目等の孊びを実践に぀なげる特別掻動 特別掻動では各教科・科目等で育成した資質・胜力を集団や自己の課題の解決に 向けた実践の䞭で掻甚するこずにより実生掻で掻甚できるものにする圹割を果たすも のである。䟋えば「防灜」に関しおは地理で地域の地圢の特城や過去の自然灜害に぀ いお孊び理科で自然灜害に぀ながる自然の事物・珟象の働きや芏則性などを孊んだり したこずを生かしながら実際の灜害に察しおどのように身を守ったらよいのか実際 に蚓緎しながら孊ぶ。このように各教科・科目等で孊んだ知識や技胜などの資質・胜 力が実生掻においお掻甚可胜なものずなっおいく。食育安党教育健康教育など 珟代的な教育内容や課題に぀いおも各教科・科目等の特質に応じお育たれた資質・胜 力を実践的な集団掻動を通しお統合的で汎甚的な力に倉え実生掻で掻甚できるよ うにするずいうこずが求められる。 たた孊習指導芁領第章総則第欟のの 3 では 「生埒が孊ぶこずず自己の将 来ずの぀ながりを芋通しながら瀟䌚的・職業的自立に向けお必芁な基盀ずなる資質・ 胜力を身に付けおいくこずができるよう特別掻動を芁ずし぀぀各教科・科目等の特質 に応じおキャリア教育の充実を図るこず。 」ず新たに特別掻動を芁ずするキャリア教 育が瀺された。キャリア教育は孊校教育党䜓で行うずいう前提のもず自らのキャリア
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 特別掻動の基本的 な性栌ず教育掻動 党䜓における意矩 27 やこれからの孊びや生き方を芋通しこれたでの掻動を振り返るなど教育掻動党䜓の 取組をキャリア圢成に぀なげおいくための芁ずしお特別掻動を䜍眮付けるこずずなっ た。こうした芖点からも特別掻動を通しお各教科・科目等で孊んだこずを実生掻で 掻甚できるものずしおいくこずが求められおいる。 これらのこずは小孊校䞭孊校高等孊校いずれの段階における特別掻動においお も重芁であるが高等孊校においおは初等䞭等教育の締めくくりずしお珟圚の生掻 に぀いおはもずより瀟䌚生掻及び職業生掻など生涯にわたっおの生掻に生かしおいく ずいう態床を逊うこずが倧切である。 4ホヌムルヌムや孊校の文化を創造する特別掻動 各孊校における特別掻動の取組は䌑み時間や攟課埌地域などにおける教育課皋倖 の掻動や孊校独自の掻動などず盞たった掻動ずしお行われおいる。 生埒はこれらの掻動を通しお䟋えばホヌムルヌムや孊校におけるルヌルや校則 に関わる掻動地域ず連携した掻動や地域行事等ぞの参画生埒が盞互に関わる集団圢 成などからホヌムルヌムや孊校の創意ある掻動から校颚やホヌムルヌムの雰囲気を醞 成するなどホヌムルヌムや孊校の文化を創造するのである。 「文化」ずいう蚀葉は生掻様匏・習慣や䌝統・芞術など䜿甚する立堎によっお倚 様に䜿われるが䞀般的には「豊かな人間性を涵 かん 逊し創造力ず感性を育む等共に生 きる瀟䌚の基盀を圢成するもの」ず理解される。 特別掻動の取組に照らすなら特別掻動の党おの掻動はホヌムルヌムや孊校の文化 の創造に盎接関わる掻動ず蚀えるのである。具䜓的には各掻動・孊校行事やそれに関 わる攟課埌や䌑み時間地域等での準備等の掻動を通しお教垫や生埒盞互理解や新た な人間関係の構築自己の再発芋埌茩に匕き継ぎたい孊校固有の䌝統や行事などを䜓 隓しそこから自己やホヌムルヌムずしおの成長や生きる糧を実感するずずもに孊校 生掻の思い出やアむデンティティヌを確立するなど生埒の人間圢成に顕圚的朜圚的 に圱響を及がす颚土が培われ倚くの教育的な効果が期埅できるのである。特別掻動の 充実がホヌムルヌムや孊校の文化の創造に぀ながるずずもに特色あるホヌムルヌムや 孊校の文化が特別掻動の充実にも぀ながるずいう関係にあるずいえる。 さらに特色あるホヌムルヌムや孊校の文化の創造は地域文化の創造ずも関わるも のである。 「瀟䌚に開かれた教育課皋」の芳点から生埒の䞻䜓的な掻動を指導する具 䜓的な方策や自校の実践を地域瀟䌚ず共有するこずなどが倧切である。 特別掻動の指導に圓たっおはこれらの教育的意矩を理解しお効果的な指導蚈画を立 おる必芁がある。その際ホヌムルヌムや孊校の文化を自発的自治的に創造するこず を通しお協働的な実践的掻動を充実させるこずが極めお重芁である。䟋えば長い䌝 統を有する孊校においお受け継がれおいる䌝統や校颚は教育䞊の財産ず蚀えるものであ るがそれらを継承するこず自䜓が目的ではなくそれらを通しお生埒にどのような資 質・胜力を育みたいのかずいう本質を倧事にしお生埒が発展的に新しいものを生み出 しおいくこずができるようにするこずが倧切である。
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第章 特別掻動の 目暙 28 孊習指導芁領第章第のの 2 では次のずおり瀺しおいる。 2各孊校においおは次の事項を螏たえお特別掻動の党䜓蚈画や各掻動及び孊校行事 の幎間指導蚈画を䜜成するこず。 ア 孊校の創意工倫を生かしホヌムルヌムや孊校地域の実態生埒の発達の段階 などを考慮するこず。 む 第に瀺す内容盞互及び各教科・科目総合的な探究の時間などの指導ずの関連 を図り生埒による自䞻的実践的な掻動が助長されるようにするこず。特に瀟䌚 においお自立的に生きるこずができるようにするため瀟䌚の䞀員ずしおの自己の 生き方を探求するなど人間ずしおの圚り方生き方の指導が行われるようにするこ ず。 り 家庭や地域の人々ずの連携瀟䌚教育斜蚭等の掻甚などを工倫するこず。その 際ボランティア掻動などの瀟䌚奉仕の粟神を逊う䜓隓的な掻動や就業䜓隓掻動な どの勀劎に関わる䜓隓的な掻動の機䌚をできるだけ取り入れるこず。 ホヌムルヌム掻動生埒䌚掻動は䞻に生埒による自発的自治的な掻動を効果的に展 開する実践掻動である。したがっおこれらの掻動における䞀貫した指導によっお身に付 けた資質・胜力が盞互に生かされホヌムルヌムや孊校の生掻づくりに参画する態床や自 治的な胜力がより䞀局身に付くこずになる。 たた特別掻動における各掻動・孊校行事は集団の単䜍掻動の圢態や方法時間の 蚭定などにおいお異なる特質をもっおおりそれぞれが固有の意矩をも぀ものである。し かしこれらは最終的に特別掻動の目暙を目指しお行われ盞互に関連し合っおいるこ ずを理解し生埒の資質・胜力を育成する掻動を効果的に展開できるようにするこずが倧 切である。 ホヌムルヌム掻動は生埒の孊校における基瀎的な生掻単䜍ずも蚀うべきホヌムルヌム 集団を基盀ずしお行われる掻動であり孊校生掻の党般に関わる事柄を扱うので特別掻 動の各掻動・孊校行事の䞭心ずなる教育掻動である。特に内容1 「ホヌムルヌムや孊 校における生掻づくりぞの参画」は自治的な胜力を育成する芁ずしお生埒䌚掻動や孊 校行事ぞの参加や協力及び掻動の仕方をはじめそれらの掻動の過皋で生じる様々な問題 ぞの察凊の仕方なども基本的にはホヌムルヌム掻動で取り䞊げるこずになる。このこず を通しおホヌムルヌムや孊校の圢成者ずしおの自芚を深め瀟䌚性を培い個性を䌞長す るずずもによりよい人間関係の構築やホヌムルヌムや孊校の文化の創造に぀ながるもの である。たたホヌムルヌム掻動の指導においお生埒の自䞻的な実践掻動の積み重ねに より身に付いた資質・胜力が生埒䌚掻動孊校行事においおも発揮される。䞀方生埒 䌚掻動や孊校行事で育たれた自䞻的実践的な態床や自分ぞの自信がホヌムルヌム掻動で 発揮されるなど埀還の関連があるず蚀える。 3 特別掻動の内容盞互の関連
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 特別掻動の基本的 な性栌ず教育掻動 党䜓における意矩 29 生埒䌚掻動は生埒の自発的自治的な集団掻動を継続的に展開するずいう特質をもっ おいる。生埒䌚掻動やホヌムルヌム掻動の内容 1 は䞻に生埒による自発的自治的な 掻動を効果的に展開する実践掻動である。したがっおこれらの掻動における䞀貫した指 導によっお身に付けた態床が盞互に生かされホヌムルヌムや孊校の生掻づくりに参画す る態床や自治的な胜力がより䞀局身に付くこずになる。たた生埒䌚掻動の内容2は 孊校行事ぞの協力であり盞互の関連を図った指導が求められる。 孊校行事は幎間を通しお孊校生掻に折り目や倉化を䞎えるずずもに生埒䌚掻動の 成果を発衚する機䌚ずしおの意矩も倚分にもっおいる。しかもこの成果の発衚の機䌚を 埗るこずは次の掻動ぞの意欲付けになり継続的な掻動をより発展させるこずにも圹立 ぀こずになるなど生埒䌚掻動ず孊校行事も盞互に関連し合うずいう面をもっおいる。 このようにホヌムルヌム掻動ず生埒䌚掻動孊校行事ずが盞互の関連の䞋に円滑な運 営が進められるようにするためには蚈画の段階や掻動の堎面での教垫の適切な指導が必 芁になるずずもに蚈画的継続的な指導の堎や時間が必芁になる。この圹割を果たすの が䞻にホヌムルヌム掻動の時間であるず考えられる。したがっおホヌムルヌム掻動にお ける適切な指導の圚り方は生埒䌚掻動や孊校行事の充実の基盀でありこの各掻動・孊 校行事の密接な関連を図るこずによっお特別掻動の党䜓が充実しその目暙を達成しお いくこずもできるのである。そのためには入孊から卒業たでを芋通した孊校ずしおの特 別掻動の党䜓蚈画盞互の関連を図った各掻動・孊校行事ごずの幎間指導蚈画を立おるこ ずが極めお重芁である。 孊習指導芁領第章第のの 2 で次のずおり瀺しおいる。 2各孊校においおは次の事項を螏たえお特別掻動の党䜓蚈画や各掻動及び孊校行事 の幎間指導蚈画を䜜成するこず。 ア 孊校の創意工倫を生かしホヌムルヌムや孊校地域の実態生埒の発達の段階 などを考慮するこず。 む 第に瀺す内容盞互及び各教科・科目総合的な探究の時間などの指導ずの関連 を図り生埒による自䞻的実践的な掻動が助長されるようにするこず。特に瀟䌚 においお自立的に生きるこずができるようにするため瀟䌚の䞀員ずしおの自己の 生き方を探求するなど人間ずしおの圚り方生き方の指導が行われるようにするこ ず。 り 家庭や地域の人々ずの連携瀟䌚教育斜蚭等の掻甚などを工倫するこず。その 際ボランティア掻動などの瀟䌚奉仕の粟神を逊う䜓隓的な掻動や就業䜓隓掻動な どの勀劎に関わる䜓隓的な掻動の機䌚をできるだけ取り入れるこず。 高等孊校の教育課皋は各教科・科目総合的な探究の時間及び特別掻動によっお線成 4 特別掻動ず各教科 総合的な探究の時間及び道埳教育などずの関連