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68 第章 理科の 各科目  ㋑ 䞇有匕力     䞇有匕力の法則及び䞇有匕力による物䜓の運動に぀いお理解するこず。 内容の取扱い    の㋐に぀いおはケプラヌの法則を扱うこず。㋑に぀いおは䞇有匕力による 䜍眮゚ネルギヌも扱うこず。  ここでは䞇有匕力に぀いおの芳察実隓などを通しお惑星の運動䞇有匕力に぀い お理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付けさせるずずもに思考力刀断力 衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。 ㋐ 惑星の運動に぀いお  ここでは惑星の芳枬資料に基づいお惑星の運動に関する法則を理解させるこずがね らいである。  惑星の運動に぀いおは䟋えば惑星の軌道デヌタを瀺すこずなどによりケプラヌの 法則を扱う。 ㋑ 䞇有匕力に぀いお  ここでは䞇有匕力の法則及び䞇有匕力による物䜓の運動に぀いお理解させるこずがね らいである。  䞇有匕力の法則に぀いおは惑星や人工衛星などの運動を扱い䞇有匕力による䜍眮゚ ネルギヌに぀いおも扱う。  気䜓分子の運動  ㋐ 気䜓分子の運動ず圧力    気䜓分子の運動ず圧力ずの関係に぀いお理解するこず。  ㋑ 気䜓の内郚゚ネルギヌ    気䜓の内郚゚ネルギヌに぀いお気䜓分子の運動ず関連付けお理解するこず。  ㋒ 気䜓の状態倉化     気䜓の状態倉化に関する実隓などを行い熱仕事及び内郚゚ネルギヌの関係 を理解するこず。 内容の取扱い    の㋐に぀いおは理想気䜓の状態方皋匏気䜓分子の速さ平均の運動゚ネル ギヌなどを扱うこず。㋑に぀いおは理想気䜓を扱うこず。㋒に぀いおは熱力孊第 䞀法則を扱うこず。  ここでは気䜓分子の運動に぀いおの芳察実隓などを通しお気䜓分子の運動ず圧力 気䜓の内郚゚ネルギヌ気䜓の状態倉化に぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技
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69  物理 胜を身に付けさせるずずもに思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいで ある。 ㋐ 気䜓分子の運動ず圧力に぀いお   「物理基瀎」では 「 2 様々な物理珟象ず゚ネルギヌの利甚」で原子や分子の熱運動 ず枩床ずの関係に぀いお孊習しおいる。  ここでは気䜓分子の運動ず気䜓の圧力ずの関係を理解させるこずがねらいである。  気䜓分子の運動ず圧力に぀いおは理想気䜓に぀いお成り立぀法則ずしおボむルの法 則やシャルルの法則を含めた気䜓の状態方皋匏を扱う。たた気䜓分子の速さや平均の運 動゚ネルギヌず気䜓の圧力絶察枩床熱力孊枩床ずの関係を扱う。 ㋑ 気䜓の内郚゚ネルギヌに぀いお   「物理基瀎」では 「 2 様々な物理珟象ず゚ネルギヌの利甚」で内郚゚ネルギヌの存 圚に぀いお孊習しおいる。  ここでは気䜓の内郚゚ネルギヌに぀いお気䜓の分子運動ず関連付けお理解させるこ ずがねらいである。  理想気䜓に぀いお内郚゚ネルギヌが絶察枩床に比䟋するこずを扱う。 ㋒ 気䜓の状態倉化に぀いお   「物理基瀎」では 「 2 様々な物理珟象ず゚ネルギヌの利甚」で熱ず仕事の倉換に぀ いお孊習しおいる。  ここでは気䜓の状態倉化における熱仕事及び内郚゚ネルギヌの関係を理解させるこ ずがねらいである。  気䜓の状態倉化に぀いおは内郚゚ネルギヌを含めた゚ネルギヌ保存の法則ずしお熱力 孊第䞀法則が成り立぀こずを扱う。たた関連しお熱機関の熱効率や熱力孊第二法則に觊 れるこずも考えられる。  気䜓の状態倉化に関する実隓ずしお䟋えば密閉した気䜓を急激に圧瞮させたり膚匵 させたりする実隓を行い気䜓の枩床倉化から仕事ず内郚゚ネルギヌの倉化の関係を定性 的に芋いだし熱仕事及び内郚゚ネルギヌの関係を理解させる。  たた簡易な熱機関の暡型を補䜜するこずにより熱機関の仕組みや気䜓の状態倉化に ぀いお調べさせるこずなどが考えられる。 2  波  氎面波音光などの波動珟象に぀いおの芳察実隓などを通しお次の事項を身 に付けるこずができるよう指導する。 ア 波に぀いお日垞生掻や瀟䌚ず関連付けお次のこずを理解するずずもにそれ らの芳察実隓などに関する技胜を身に付けるこず。 む 波に぀いお芳察実隓などを通しお探究し波の䌝わり方音光における芏 則性や関係性を芋いだしお衚珟するこず。
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70 第章 理科の 各科目  ここでは理科の芋方・考え方を働かせ氎面波音光などの波動珟象に぀いおの芳 察実隓などを通しお波に぀いお日垞生掻や瀟䌚ず関連付けお理解させるずずもに それらの芳察実隓などに関する技胜を身に付けさせ思考力刀断力衚珟力等を育成 するこずが䞻なねらいである。  思考力刀断力衚珟力等を育成するに圓たっおは波に぀いお芳察実隓などを通 しお探究し波の䌝わり方音光における芏則性や関係性を芋いだしお衚珟させるこず が倧切である。その際話合いやレポヌトの䜜成発衚を適宜行わせるこずも倧切であ る。  波の䌝わり方  ㋐ 波の䌝わり方ずその衚し方    波の䌝わり方ずその衚し方に぀いお理解するこず。  ㋑ 波の干枉ず回折    波の干枉ず回折に぀いお理解するこず。 内容の取扱い  内容の 2 のアの  の㋐に぀いおはホむヘンスの原理氎面波の反射や屈折及び 波の匏を扱うこず。㋑に぀いおは氎面波を扱うこず。  ここでは氎面波音や光などの波動珟象に぀いおの芳察実隓などを通しお波の䌝 わり方ずその衚し方波の干枉ず回折に぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜 を身に付けさせるずずもに思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいであ る。 ㋐ 波の䌝わり方ずその衚し方に぀いお   「物理基瀎」では 「 2 ア  ㋐ 波」で盎線状に䌝わる波の基本的な性質に぀いお孊 習しおいる。  ここでは波の䌝わり方ずその衚し方に぀いお理解させるこずがねらいである。  波の䌝わり方に぀いおはホむヘンスの原理氎面波の反射や屈折及び関連しお屈折率 を扱う。その際䟋えば氎波実隓噚を甚いお氎面䞊を䌝わる波を芳察させるこずなどが 考えられる。たた波の衚し方に぀いおは正匊波の匏及び関連しお䜍盞を扱う。 ㋑ 波の干枉ず回折に぀いお  ここでは波の干枉ず回折に぀いお理解させるこずがねらいである。  波の干枉ず回折に぀いおは氎面波の性質を扱う。その際䟋えば氎波実隓噚を甚い お氎面波の干枉ず回折を芳察させるこずなどが考えられる。  たた波源の間隔振動数などの条件を倉えるこずにより二぀の点を波源ずする氎面 波の干枉に぀いお調べさせるこずなどが考えられる。
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71  物理  音  ㋐ 音の干枉ず回折    音の干枉ず回折に぀いお理解するこず。  ㋑ 音のドップラヌ効果    音のドップラヌ効果に぀いお理解するこず。 内容の取扱い    の㋑に぀いおは芳枬者ず音源が同䞀盎線䞊を動く堎合を䞭心に扱うこず。  ここでは音に぀いおの芳察実隓などを通しお音の干枉ず回折音のドップラヌ効 果に぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付けさせるずずもに思考力 刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。 ㋐ 音の干枉ず回折に぀いお   「物理基瀎」では 「 2 ア  ㋑ 音ず振動」で気柱の共鳎匊の振動及び音の性質に ぀いお孊習しおいる。  ここでは音の干枉ず回折に぀いお理解させるこずがねらいである。  音の干枉に぀いおは䟋えばクむンケ管による実隓を取り䞊げるこずが考えられる。 音の回折に぀いおは身の回りの珟象ず関連付けお扱い関連しお音の屈折にも觊れる。  たた音の波圢分析や呚波数解析などを行うこずにより同じ高さの音でも楜噚によっ お音色が異なる理由に぀いお調べさせるこずなどが考えられる。 ㋑ 音のドップラヌ効果に぀いお  ここでは音のドップラヌ効果に぀いお理解させるこずがねらいである。  音のドップラヌ効果に぀いおは芳枬者ず音源が同䞀盎線䞊を動いおいるずきに芳枬さ れる珟象を䞭心に扱う。  䟋えば氎波実隓噚を甚いお盎線運動する波源から媒質に広がる波面の様子を芳察させ るなどしお波長の倉化ず音のドップラヌ効果ずを関連付けお理解させるこずが考えられ る。たた音源が音速以䞊の速さで動いおいるずきに起こる珟象に觊れるこずも考えられ る。  光  ㋐ 光の䌝わり方    光の䌝わり方に぀いお理解するこず。  ㋑ 光の回折ず干枉     光の回折ず干枉に関する実隓などを行い光の回折ず干枉を光波の性質ず関連 付けお理解するこず。
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72 第章 理科の 各科目 内容の取扱い    の㋐に぀いおは光の速さ波長反射屈折分散偏光などを扱い鏡や レンズの幟䜕光孊的な性質に぀いおは基本的な扱いずするこず。たた光は暪波で あるこずや光のスペクトルにも觊れるこず。㋑に぀いおはダングの実隓回折栌子 及び薄膜の干枉を扱うこず。  ここでは光に぀いおの芳察実隓などを通しお光の䌝わり方光の回折ず干枉に぀ いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付けさせるずずもに思考力刀断 力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。 ㋐ 光の䌝わり方に぀いお  䞭孊校では第分野「 1 身近な物理珟象」で光の反射や屈折の芏則性及び凞レン ズの働きに぀いお孊習しおいる。  ここでは䞭孊校での孊習を発展させ光の䌝わり方に぀いお理解させるこずがねらい である。  光の䌝わり方に぀いおは光の速さ波長反射屈折分散偏光などを扱う。鏡や レンズの幟䜕光孊的な性質に぀いおは凹面鏡や単䞀レンズの焊点ず光の進路の芏則性を 扱う。たた光は暪波であるこずや光のスペクトルにも觊れる。  䟋えばプリズムを甚いた実隓偏光板などを甚いた光の芳察凞レンズを甚いた実隓 を行うこずが考えられる。なお色の芋え方には個人差があるこずに留意する。 ㋑ 光の回折ず干枉に぀いお  ここでは光の回折ず干枉に関する実隓などを行い光の回折ず干枉を光波の性質ず関 連付けお理解させるこずがねらいである。  光の回折ず干枉に぀いおはダングの実隓回折栌子薄膜の干枉を扱い関連しお光 路長反射による䜍盞のずれに぀いおも觊れる。  光の回折ず干枉に関する実隓ずしお䟋えば光源の波長や耇スリットの間隔ず干枉瞞 ずの関係を調べる実隓を行い光の回折ず干枉を光波の性質ず関連付けお理解させる。く さび圢空気局やニュヌトンリングの実隓を行うこずも考えられる。  たたやなどの光ディスクでの反射光の色付きなど日垞生掻で芋られる干 枉珟象に぀いお調べさせるこずなどが考えられる。 3  電気ず磁気  電気や磁気に関する珟象に぀いおの芳察実隓などを通しお次の事項を身に付け るこずができるよう指導する。 ア 電気や磁気に぀いお日垞生掻や瀟䌚ず関連付けお次のこずを理解するずずも にそれらの芳察実隓などに関する技胜を身に付けるこず。 む 電気や磁気に぀いお芳察実隓などを通しお探究し電気ず電流電流ず磁界 における芏則性や関係性を芋いだしお衚珟するこず。
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73  物理  ここでは理科の芋方・考え方を働かせ電気や磁気に関する珟象に぀いおの芳察実 隓などを通しお電気や磁気に぀いお日垞生掻や瀟䌚ず関連付けお理解させるずずもに それらの芳察実隓などに関する技胜を身に付けさせ思考力刀断力衚珟力等を育成 するこずが䞻なねらいである。  思考力刀断力衚珟力等を育成するに圓たっおは電気や磁気に぀いお芳察実隓 などを通しお探究し電気ず電流電流ず磁界における芏則性や関係性を芋いだしお衚珟 させるこずが倧切である。その際話合いレポヌトの䜜成発衚を適宜行わせるこずも 倧切である。  電気ず電流  ㋐ 電荷ず電界     電荷が盞互に及がし合う力を理解するこず。たた電界の衚し方を理解するこ ず。  ㋑ 電界ず電䜍     電界ず電䜍ずの関係を静電気力による䜍眮゚ネルギヌず関連付けお理解するこ ず。  ㋒ 電気容量     コンデンサヌの性質を理解するずずもに電気容量を電界や電䜍差ず関連付け お理解するこず。  ㋓ 電気回路     電気回路に関する実隓などを行い電気回路における基本的な法則を理解する こず。 内容の取扱い  内容の 3 のアの  の㋐に぀いおは静電誘導も扱うこず。㋒に぀いおはコンデ ンサヌの接続にも觊れるこず。㋓に぀いおは抵抗率の枩床倉化内郚抵抗も扱うこ ず。たた半導䜓にも觊れるこず。  ここでは電気ず電流に぀いおの芳察実隓などを通しお電荷ず電界電界ず電䜍 電気容量電気回路に぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付けさせる ずずもに思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。 ㋐ 電荷ず電界に぀いお  䞭孊校では第1 分野「 3 電流ずその利甚」で静電気ず電流に぀いお孊習しおいる。 ここでは電荷が盞互に及がし合う力や電界電堎の衚し方を理解させるこずがねらい である。  クヌロンの法則電気量の保存電界の性質電気力線静電誘導を扱う。その際䟋 えば摩擊垯電や箔怜電噚の実隓電界の様子の芳察などを行うこずが考えられる。
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74 第章 理科の 各科目 ㋑ 電界ず電䜍に぀いお  ここでは電界ず電䜍ずの関係を静電気力による䜍眮゚ネルギヌず関連付けお理解させ るこずがねらいである。  電䜍に぀いおは電界䞭で電荷を移動させるずきの仕事ず関連付けお理解させる。たた 電䜍ず電界の向きや匷さずの関係を理解させる。関連しお実甚䞊の電䜍の基準に觊れ家 庭甚電気補品の接地や避雷針の圹割に぀いおも觊れるこずが考えられる。  䟋えば導電性の玙を䜿っお等電䜍線を調べる実隓を行うこずが考えられる。 ㋒ 電気容量に぀いお  䞭孊校では第1 分野「 3 電流ずその利甚」で静電気ず電流に぀いお孊習しおいる。  ここではコンデンサヌキャパシタヌの性質を理解させるずずもに電荷を蓄えた コンデンサヌの電気容量を電界や電䜍差ず関連付けお理解させるこずがねらいである。  コンデンサヌの性質に぀いおは充電ず攟電電気容量を扱い平行板コンデンサヌの 電気容量ず極板の面積及び間隔ずの関係を電界や電䜍差ず関連付けお理解させる。たた コンデンサヌの接続における合成容量に觊れ電気容量ず誘電䜓ずの関係にも觊れるこず が考えられる。  䟋えばコンデンサヌを充電し攟電させる実隓を通しおコンデンサヌの性質を理解 させるずずもに攟電時の電流をセンサで枬定し蓄えられおいた電気量や電気容量を求 めさせるこずなどが考えられる。たた耇数のコンデンサヌを盎列や䞊列に接続する実隓 を通しお各コンデンサヌにかかる電圧や蓄えられる電気量に着目しお合成容量を求め させるこずなども考えられる。 ㋓ 電気回路に぀いお  䞭孊校では第1 分野「 3 電流ずその利甚」で回路ず電流・電圧電流・電圧ず抵 抗に぀いお孊習しおいる。たた 「物理基瀎」では「 2 ア  電気」で物質によっお抵 抗率が異なるこず電気の利甚に぀いお孊習しおいる。  ここでは電気回路に関する実隓などを行い電気回路における基本的な法則を理解さ せるこずがねらいである。  電気回路に぀いおは抵抗率の枩床倉化電池などの内郚抵抗キルヒホッフの法則を 扱う。半導䜓に぀いおはpn 接合の電流ず電圧の特性に぀いお觊れる。  電気回路に関する実隓ずしおは䟋えば電池の起電力ず内郚抵抗の枬定電球やダむ オヌドに加える電圧を倉化させたずきに流れる電流の枬定ホむヌトストンブリッゞによ る抵抗倀の枬定などが考えられる。  䟋えば電池の起電力ず内郚抵抗の枬定の実隓では新しい電池ず叀い電池ずの違いに ぀いお話合いを通しお予想させた䞊でそれぞれの電池の端子電圧ず電流を枬定しお起 電力ず内郚抵抗を求めその結果を予想ず比范しお考察させるこずが考えられる。たた 䟋えばブリッゞ回路など耇数の抵抗からなる回路においお各抵抗にかかる電圧を枬定 したり各抵抗に流れる電流や電源からの電流などを枬定したりする実隓を行うこずが考 えられる。このように実隓などを行い電気回路における基本的な法則を理解させる。  さらに倪陜電池に照射する光の匷さを倉えたり耇数の倪陜電池の接続の仕方や接続
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75  物理 する抵抗を倉えたりしお発生する電流や電圧を枬定するこずにより倪陜電池の性質に ぀いお調べさせるこずなども考えられる。  電流ず磁界  ㋐ 電流による磁界    電流が぀くる磁界の様子を理解するこず。  ㋑ 電流が磁界から受ける力    電流が磁界から受ける力に぀いお理解するこず。  ㋒ 電磁誘導     電磁誘導に関する実隓などを行い磁束の倉化ず誘導起電力の向きや倧きさず の関係を芋いだしお理解するずずもに電磁誘導の法則を理解するこず。たた 亀流の発生に぀いお理解するこず。  ㋓ 電磁波    電磁波の性質ずその利甚を理解するこず。 内容の取扱い    の㋐に぀いおは盎線電流ず円電流が぀くる磁界を䞭心に扱うこず。㋑に぀い おはロヌレンツ力にも觊れるこず。㋒に぀いおは電磁誘導の法則を䞭心に扱い 自己誘導盞互誘導を扱うこず。たた亀流回路の基本的な性質にも觊れるこず。㋓ に぀いおは電気振動電磁波の発生にも觊れるこず。  ここでは電流ず磁界に぀いおの芳察実隓などを通しお電流による磁界電流が磁 界から受ける力電磁誘導電磁波に぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜を 身に付けさせるずずもに思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。 ㋐ 電流による磁界に぀いお  䞭孊校では第1 分野「 3 電流ずその利甚」で電流によっおコむルの回りに磁界 ができるこずに぀いお孊習しおいる。  ここでは電流が぀くる磁界の様子を理解させるこずがねらいである。  電流が぀くる磁界に぀いおは盎線電流の回り円圢電流の䞭心゜レノむドの内郚に できる磁界を扱う。たた関連しお磁性䜓や地磁気に぀いお觊れるこずも考えられる。  䟋えば方䜍磁針などを甚いお磁界の様子を芳察するこずが考えられる。たた䟋えば 盎線電流が぀くる磁界に぀いおは電流の倧きさや導線からの距離ず磁界の匷さずの関係 を調べる実隓を行うこずが考えられる。 ㋑ 電流が磁界から受ける力に぀いお  䞭孊校では第1 分野「 3 電流ずその利甚」で磁界䞭のコむルに電流を流すず力が 働くこずを孊習しおいる。  ここでは電流が磁界から受ける力に぀いお理解させるこずがねらいである。
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76 第章 理科の 各科目  電流が磁界から受ける力を衚す匏を扱い平行電流が及がし合う力ロヌレンツ力に觊 れる。  䟋えば磁界䞭における荷電粒子の運動の芳察を通しお荷電粒子が受ける力の向きを 調べるこずなどが考えられる。 ㋒ 電磁誘導に぀いお  䞭孊校では第1 分野「 3 電流ずその利甚」でコむルや磁石を動かすこずにより電 流が埗られるこず 盎流ず亀流の違いに぀いお孊習しおいる。たた 「物理基瀎」 では 「 2 ア  電気」で発電送電及び電気の利甚に぀いお孊習しおいる。  ここでは電磁誘導に関する実隓などを行い磁束の倉化ず誘導起電力の向きや倧きさ ずの関係を芋いだしお理解させるずずもに電磁誘導の法則や亀流の発生に぀いお理解さ せるこずがねらいである。  電磁誘導に぀いおはコむルを貫く磁束が倉化するずき及び導線が磁束を暪切るずきに 発生する誘導起電力自己誘導盞互誘導亀流発電機の仕組みなどを扱う。たた亀流 回路の基本的な性質にも觊れる。関連しおコンデンサヌやコむルのリアクタンスに觊れ 抵抗コンデンサヌコむルを盎列に぀ないだ回路のむンピヌダンスにも觊れる。なお 日垞生掻や瀟䌚で芋られる電磁誘導を利甚した機噚の仕組みに觊れるこずも考えられる。  電磁誘導に関する実隓ずしお䟋えばコむルを貫く磁束を倉化させたずきに発生する 誘導起電力の向きず倧きさを予想させた䞊でオシロスコヌプで調べる実隓を行い磁束 の倉化ず誘導起電力の向きや倧きさずの関係を芋いだしお理解させる。たたスむッチを 甚いお電磁石に流れる電流を倉化させ同様の実隓を行うこずも考えられる。関連しお 枊電流の芳察実隓を行うこずも考えられる。  さらに䟋えば抵抗コンデンサヌコむルを盎列に接続した回路に亀流電圧を加え たずき回路に加えた電圧ずそれぞれの玠子に加わる電圧ずの関係を予想させ枬定した 結果ず比范する実隓などが考えられる。 ㋓ 電磁波に぀いお  䞭孊校では 第1 分野「 3 電流ずその利甚」で線に぀いお たた 「物理基瀎」では 「 2 ア  電気」で電磁波の利甚に぀いお孊習しおいる。  ここでは電磁波の性質ずその利甚を理解させるこずがねらいである。  電磁波の性質に぀いおは電気振動電磁波の発生電磁波の䌝わる速さ電磁波が情 報や゚ネルギヌを運ぶこずに觊れる。たた物䜓からの熱攟射に觊れるこずも考えられる。  䟋えば電気振動の波圢の芳察を通しお電気振動の呚期を調べたりヘルツの実隓を再 珟したりするこずが考えられる。たたリモコンからの赀倖線を倪陜電池で怜知する実隓 デゞタルカメラを甚いた赀倖線の芳察蛍光による玫倖線の芳察なども考えられる。  電磁波の利甚に぀いおは電波の利甚などを扱う。䟋えば無線通信人工衛星からの 信号を甚いお䜍眮を決定する衛星枬䜍システム赀倖線ヒヌタヌなどを取り䞊げたり電 波時蚈や携垯電話の仕組みを調べたりするこずが考えられる。  たた身近な材料ずダむオヌドなどを組み合わせお簡単なラゞオを補䜜するこずにより ラゞオの受信の原理に぀いお調べさせるこずなどが考えられる。
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77  物理 4  原子  電子原子及び原子栞に関する珟象に぀いおの芳察実隓などを通しお次の事項 を身に付けるこずができるよう指導する。 ア 原子に぀いお次のこずを理解するずずもにそれらの芳察実隓などに関する 技胜を身に付けるこず。 む 原子に぀いお芳察実隓などを通しお探究し電子ず光原子ず原子栞におけ る芏則性や関係性を芋いだしお衚珟するこず。  ここでは理科の芋方・考え方を働かせ電子原子及び原子栞に関する珟象に぀いお の芳察実隓などを通しお原子に぀いお理解させるずずもにそれらの芳察実隓など に関する技胜を身に付けさせ思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいで ある。  思考力刀断力衚珟力等を育成するに圓たっおは原子に぀いお芳察実隓などを 通しお探究し電子ず光原子ず原子栞における芏則性や関係性を芋いだしお衚珟させる こずが倧切である。その際話合いやレポヌトの䜜成発衚を適宜行わせるこずも倧切 である。    電子ず光  ㋐ 電子    電子の電荷ず質量に぀いお理解するこず。  ㋑ 粒子性ず波動性    電子や光の粒子性ず波動性に぀いお理解するこず。 内容の取扱い  内容の 4 のアの  の㋐に぀いおは電子に関する歎史的な実隓にも觊れるこず。 ㋑に぀いおは光電効果電子線回折などを扱い線にも觊れるこず。  ここでは電子ず光に぀いおの芳察実隓などを通しお電子粒子性ず波動性に぀い お理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付けさせるずずもに思考力刀断力 衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。 ㋐ 電子に぀いお  䞭孊校では第分野「 3 電流ずその利甚」で電子の存圚に぀いお孊習しおいる。  ここでは電子の電荷ず質量に぀いお理解させるこずがねらいである。  電子に぀いおは電子の比電荷電気玠量を扱う。関連しお電子に関する歎史的な実 隓にも觊れる。  䟋えば電子の比電荷を求める実隓電気玠量の枬定真空攟電や陰極線に関する芳察 実隓などを行うこずが考えられる。
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78 第章 理科の 各科目 ㋑ 粒子性ず波動性に぀いお   「物理基瀎」では 「 2 様々な物理珟象ず゚ネルギヌの利甚」で波の性質倪陜光の ゚ネルギヌの利甚に぀いお孊習しおいる。  ここでは電子や光の粒子性ず波動性に぀いお理解させるこずがねらいである。  光に぀いおは光電効果光量子仮説電子に぀いおは電子線回折物質波などを扱う。 たた線の発生線回折コンプトン効果に぀いお觊れる。  䟋えば箔怜電噚の極板䞊に金属板を眮き負に垯電させおから玫倖線などを圓おたず きの箔の様子を芳察させるこずが考えられる。たた䟋えば光電管や発光ダむオヌドな どを甚いおプランク定数を求める実隓を行うこずも考えられる。  原子ず原子栞  ㋐ 原子ずスペクトル     原子の構造及びスペクトルず電子の゚ネルギヌ準䜍ずの関係に぀いお理解する こず。  ㋑ 原子栞    原子栞の構成原子栞の厩壊及び栞反応に぀いお理解するこず。  ㋒ 玠粒子    玠粒子の存圚に぀いお知るこず。 内容の取扱い    の㋐に぀いおは氎玠原子の構造を䞭心にスペクトルず関連させお扱うこず。 ㋑に぀いおは質量ず゚ネルギヌの等䟡性にも觊れるこず。  ここでは原子ず原子栞に぀いおの芳察実隓などを通しお原子ずスペクトル原子 栞玠粒子に぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付けさせるずずもに 思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。 ㋐ 原子ずスペクトルに぀いお  䞭孊校では第分野「 6 化孊倉化ずむオン」で原子が電子ず原子栞からできおい るこず原子栞が陜子ず䞭性子からできおいるこずに぀いお孊習しおいる。  ここでは原子の構造及びスペクトルず電子の゚ネルギヌ準䜍ずの関係に぀いお理解さ せるこずがねらいである。  原子の構造に぀いおは䟋えば歎史的なα粒子の散乱実隓の資料などを取り䞊げ原 子栞の存圚を扱う。たた原子が出す光のスペクトルず電子の゚ネルギヌ準䜍ずの関係に ぀いおはスペクトルの波長に芏則性があるこずボヌアの原子モデルなどを扱う。  䟋えば原子の発光スペクトルや吞収スペクトルを芳察したり氎玠原子の゚ネルギヌ 準䜍ずスペクトル系列の資料を基に考察したりしお氎玠原子のスペクトルに芏則性があ るこずを芋いださせるこずなどが考えられる。
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79  物理 ㋑ 原子栞に぀いお   「物理基瀎」では 「 2 様々な物理珟象ず゚ネルギヌの利甚」で攟射線の皮類ず性質 攟射性物質の基本的な性質及び原子力の利甚ずその課題に぀いお孊習しおいる。  ここでは原子栞の構成原子栞の厩壊及び栞反応に぀いお理解させるこずがねらいで ある。  原子栞に぀いおは原子栞の構成原子栞の厩壊半枛期栞分裂栞融合原子栞反 応を扱い質量ず゚ネルギヌの等䟡性にも觊れる。  䟋えば攟射線蚈枬霧箱を甚いた攟射線の飛跡の芳察などを行うこずが考えられる。 たた䟋えば攟射線の遮蔜を物質ずの盞互䜜甚ず関連付けたり攟射性物質の利甚法や 環境等ぞの圱響ず半枛期や攟出される攟射線の皮類ずを関連付けたりするなどしおこれ たでに孊習したこずを掻甚しながら総合的に考察させるこずも考えられる。 ㋒ 玠粒子に぀いお  ここでは玠粒子の存圚に぀いお知るこずがねらいである。  クォヌクずレプトンなどの玠粒子の存圚ず基本的な力などに぀いお觊れる。たた玠粒 子の存圚を確認する高゚ネルギヌ実隓などに関連しお質量の倉化や時間の遅れなどの盞 察論的効果に぀いお定性的に觊れ生埒の興味を喚起するこずも考えられる。  物理孊が築く未来  ㋐ 物理孊が築く未来     物理孊の成果が様々な分野で利甚され未来を築く新しい科孊技術の基盀ずな っおいるこずを理解するこず。 内容の取扱い    の㋐に぀いおは物理孊の発展ず科孊技術の進展に察する興味を喚起するよう な成果を取り䞊げるこず。  ここでは物理孊の発展ず成果が科孊技術の基盀を぀くりそれらが様々な分野におい お応甚され未来の瀟䌚の圢成未知の䞖界の探究に倧きな圹割を果たしおいるこずを理 解させるこずが䞻なねらいである。 ㋐ 物理孊が築く未来に぀いお  ここでは量子論盞察論宇宙論など先端の物理孊の理論やナノテクノロゞヌバ むオメカニクス物質科孊物理探査地球物理孊的探査など今埌の発展が期埅されお いる物理孊ずその応甚に぀いお䟋えば次のような具䜓的な事䟋を玹介し物理孊が科 孊技術の基盀ずなっおいるこずを理解させるずずもに物理孊が築く未来ぞの倢を育む。 ・光栌子時蚈の開発ず波及効果 ・量子コンピュヌタの開発ず応甚 ・栞融合発電などの新しい゚ネルギヌ源の開発や省゚ネルギヌシステムの開発
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80 第章 理科の 各科目 ・宇宙の始たり宇宙の構造物質の起源暗黒物質暗黒゚ネルギヌに関する研究 ・ニュヌトリノや重力波によるブラックホヌルや時空に関する研究 ・物理探査や資源開発環境保党ぞの物理孊の応甚 ・スピントロニクスに関する研究 ・加速噚を利甚した材料の分析ず開発超重元玠の合成及び反物質の創造 ・ナノ䞖界の物理ずナノマシンの開発 ・バむオメカニクスの開発ず医療・犏祉ぞの利甚 ・脳科孊や人工知胜ぞの物理孊の応甚 ・他の科孊ず融合し人類の未来に貢献する可胜性  たた物理孊が医療機噚や深海探査宇宙開発などに利甚されおいる事䟋プラズマや 玠粒子に関する研究などの物理孊の研究成果の調査や研究斜蚭の芋孊などを行い今埌 の発展の可胜性に぀いお調べさせるこずなども考えられる。
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81  物理  内容の取扱い  内容の取扱いに圓たっおは次の事項に配慮するものずする。 ア 内容の 1 から 4 たでに぀いおは 「物理基瀎」ずの関連を考慮しそれぞれの アに瀺す知識及び技胜ずむに瀺す思考力刀断力衚珟力等ずを盞互に関連させな がらこの科目の孊習を通しお科孊的に探究するために必芁な資質・胜力の育成 を目指すこず。 む この科目で育成を目指す資質・胜力を育むため 「物理基瀎」のの 1 のむず 同様に取り扱うずずもにこの科目の孊習を通しお探究の党おの孊習過皋を経隓 できるようにするこず。  アに぀いおは 「物理基瀎」ずの関連を考慮するずずもに知識及び技胜ず思考力 刀断力衚珟力等ずを盞互に関連させながらこの科目の孊習を通しお科孊的に探究す るために必芁な資質・胜力の育成を目指すこずを瀺したものである。たた孊びに向かう 力人間性等は「物理」の目暙の 3 に沿っお育成するものずする。  むに぀いおは各項目の孊習掻動ず関連させながら芳察実隓などを行うずずもにそ れらを通しお自然の事物・珟象の䞭に課題を蚭定し情報を収集し埗られた情報を適 切に凊理しお芏則性を芋いだしたり認識を深めたりするなど自然を探究する過皋を螏 たせるこずが倧切であり探究の方法を実際に甚いる䞭で科孊的に探究する力の育成を 図るこずの重芁性を瀺したものである。たたこの科目の孊習を通しお探究の党おの孊 習過皋を経隓させるこずを瀺したものである。その際情報の収集仮説の蚭定実隓の 蚈画実隓による怜蚌実隓デヌタの分析・解釈法則性の導出などの探究の方法を孊習 内容の特質に応じお適宜取り䞊げ具䜓的な課題の解決の堎面でこれらの方法を甚いるこ ずができるよう扱う必芁がある。実斜に圓たっおは生埒が䞻䜓的に課題に取り組み課 題を解決するこずができるようにするずずもに報告曞を䜜成させたり発衚を行う機䌚を 蚭けたりしお論理的な思考力や衚珟力の育成を図るこずが倧切である。  なお物理珟象を扱う際には生埒が経隓的にもっおいる玠朎な抂念に留意しお指導を するこずが倧切である。そのためには孊習課題に関する生埒の考えを匕き出し物理孊 の基本ずなる原理・法則ずの敎合性を議論させ他の生埒や教垫ずの関わりを通しお自 らの考えの正しかった郚分誀っおいた郚分等に぀いお振り返らせるこずが重芁である。
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82 第章 理科の 各科目  性栌   「化孊基瀎」は䞭孊校たでに孊習した内容を基瀎ずしお日垞生掻や瀟䌚ずの関連を 図りながら物質ずその倉化に関わり理科の芋方・考え方を働かせ芋通しをもっお芳察 実隓を行うこずなどを通しお科孊的に探究するために必芁な資質・胜力を育成する科目 である。   「化孊基瀎」の特城は物質ずその倉化に関わる基瀎的な内容を扱い日垞生掻や瀟䌚 ずの関連を図りながら化孊が科孊技術に果たす圹割などに぀いおの認識を深めさせ科 孊的に探究する力ず態床を育成するこずである。   「化孊基瀎」はこのような特城をもった科目であるので生埒に身の回りの事物・珟 象に関心をもたせ䞻䜓的に関わらせる䞭で科孊的に探究するために必芁な資質・胜力 を育成するこずが倧切である。たた日垞生掻や瀟䌚で掻甚されおいる具䜓的な事䟋を取 り䞊げお化孊が果たす圹割を理解させ物質ずその倉化に察する興味・関心を高めさせ るように配慮するこずが必芁である。   「化孊基瀎」の内容は䞭孊校理科ずの関連を考慮し 「 1 化孊ず人間生掻」  「 2 物 質の構成」  「 3 物質の倉化ずその利甚」の䞉぀の倧項目から構成されおいる。今回の改 蚂では 1 をこの科目の導入ずしお䜍眮付け その䞭で孊習の動機付けずなるように 「 1 ア  ㋐ 化孊の特城」を蚭けるずずもに 3 の䞭にこの科目で孊んだ事柄が日垞生 掻や瀟䌚を支えおいる科孊技術ず結び付いおいるこずを理解させるために「 3 ア  ㋐  化孊が拓 ひら く䞖界」を蚭けおいる。  この「化孊基瀎」の履修によっお物質ずその倉化に関する基本的な抂念や原理・法則 を理解させ科孊的に探究する力を育成するずずもに化孊ず日垞生掻や瀟䌚ずの関わり を考えるこずができるようにするこずが倧切である。   第節 化孊基瀎
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83  化孊基瀎  目暙  物質ずその倉化に関わり理科の芋方・考え方を働かせ芋通しをもっお芳察実 隓を行うこずなどを通しお物質ずその倉化を科孊的に探究するために必芁な資質・ 胜力を次のずおり育成するこずを目指す。 1 日垞生掻や瀟䌚ずの関連を図りながら物質ずその倉化に぀いお理解するずずも に科孊的に探究するために必芁な芳察実隓などに関する基本的な技胜を身に付 けるようにする。 2 芳察実隓などを行い科孊的に探究する力を逊う。 3 物質ずその倉化に䞻䜓的に関わり科孊的に探究しようずする態床を逊う。   「化孊基瀎」の目暙は高等孊校理科の目暙を受けお瀺しおいるものであり日垞生掻 や瀟䌚ずの関連を図りながら物質ずその倉化に関わり理科の芋方・考え方を働かせ 芋通しをもっお芳察 実隓を行うこずなどを通しお 科孊的に探究するために必芁な資質・ 胜力を育成するこずである。   「物質ずその倉化に関わり」ずあるのは身近な物質ずその倉化ぞの関心を高め自ら 課題を蚭定しようずする動機付けずするこずを瀺しおいる。   「理科の芋方・考え方を働かせ」ずあるのは 「自然の事物・珟象を質的・量的な関係 や時間的・空間的な関係などの科孊的な芖点で捉え比范したり関係付けたりするなど の科孊的に探究する方法を甚いお考える」ずいう「理科の芋方・考え方」を働かせるこず を瀺しおいる。   「芋通しをもっお芳察実隓を行うこずなどを通しお物質ずその倉化を科孊的に探究 するために必芁な資質・胜力を次のずおり育成するこずを目指す」ずあるのは探究の過 皋を通しお物質ずその倉化を科孊的に探究するために必芁な資質・胜力を育成する必芁 があるこずを瀺しおいる。このうち 「芋通しをもっお芳察 実隓を行うこず」ずは 芳察 実隓などを行う際䜕のために行うかどのような結果になるかを考えさせるなど予想 したり仮説を立おたりしおそれを怜蚌するための芳察実隓を行わせるこずを意味する。 さらに広く理科の孊習党般においおも生埒が芋通しをもっお孊習を進め孊習の結果 䜕が獲埗され䜕が分かるようになったかをはっきりさせ䞀連の孊習を自分のものにな るようにするこずが重芁である。このようなこずから 「芋通しをもっお」ずいうこずを 匷調しおいる。埓前の「目的意識をもっお」に比べ幅広く様々な堎面で掻甚するこずを より明確にした衚珟ずなっおいる。  目暙 1 は育成を目指す資質・胜力のうち知識及び技胜を瀺したものである。知識 及び技胜を育成するに圓たっおは日垞生掻や瀟䌚ずの関連を図りながら物質ずその倉 化に぀いおの芳察実隓などを行うこずを通しお物質ずその倉化に関する基本的な抂念 や原理・法則の理解を図るずずもに科孊的に探究するために必芁な芳察実隓などに関 する基本的な技胜を身に付けさせるこずが重芁である。化孊の基本ずなる抂念や原理・法
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84 第章 理科の 各科目 則は抜象化された圢で䞎えられおいるが重芁なこずはそれらを単に蚘憶するこずでは なく具䜓的な性質や反応ず結び付けお理解しそれらを掻甚する力を身に付けるこずで ある。そのためには幟぀かの事象が同䞀の抂念によっお説明したり抂念や原理・法則 を新しい事象の解釈に応甚したりする掻動を行うこずが重芁である。 「化孊基瀎」は環境 に配慮した䞊で健康で安党な生掻を送るために欠かせないものであるこずを実感をも っお理解させるこずが倧切である。  目暙 2 は育成を目指す資質・胜力のうち思考力刀断力衚珟力等を瀺したもの である。思考力刀断力衚珟力等を育成するに圓たっおは物質ずその倉化を察象に 探究の過皋を通しお情報の収集仮説の蚭定実隓の蚈画実隓による怜蚌実隓デヌ タの分析・解釈などの探究の方法を習埗させるずずもに報告曞を䜜成させたり発衚させ たりしお科孊的に探究する力を育おるこずが重芁である。  目暙 3 は育成を目指す資質・胜力のうち孊びに向かう力人間性等を瀺したもの である。孊びに向かう力人間性等を育成するに圓たっおは物質ずその倉化に察しお䞻 䜓的に関わりそれらに察する気付きから課題を蚭定し解決しようずする態床など科孊 的に探究しようずする態床を逊うこずが重芁である。  
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85  化孊基瀎  内容ずその範囲皋床  以䞋に瀺す内容はアずしお知識及び技胜むずしお思考力刀断力衚珟力等を身に 付けるよう指導するこずを瀺しおいる。なお 孊びに向かう力 人間性等に぀いおは 「化 孊基瀎」の目暙の 3 を適甚する。 1  化孊ず人間生掻  化孊ず人間生掻ずの関わりに぀いおの芳察実隓などを通しお次の事項を身に付 けるこずができるよう指導する。 ア 化孊ず人間生掻に぀いお次のこずを理解するずずもにそれらの芳察実隓な どに関する技胜を身に付けるこず。 む 身近な物質や元玠に぀いお芳察実隓などを通しお探究し科孊的に考察し 衚珟するこず。  ここでは理科の芋方・考え方を働かせ化孊ず人間生掻に぀いおの芳察実隓などを 通しお化孊ず物質に぀いお理解させるずずもにそれらの芳察実隓などに関する技胜 を身に付けさせ思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。  思考力刀断力衚珟力等を育成するに圓たっおは化孊ず人間生掻に぀いお芳察 実隓などを通しお探究し科孊的に考察し衚珟させるこずが倧切である。その際話合 いレポヌトの䜜成発衚を適宜行わせるこずも倧切である。  なお芳察実隓に圓たっおは保護県鏡の着甚などによる安党性の確保や適切な実 隓噚具の䜿甚ず操䜜による事故防止に留意する。その際詊薬は適切に取り扱い廃棄物 は適切に凊理するなど環境ぞの圱響などにも十分配慮する。  化孊ず物質  ㋐ 化孊の特城     日垞生掻や瀟䌚を支える身近な物質の性質を調べる掻動を通しお物質を察象 ずする科孊である化孊の特城に぀いお理解するこず。  ㋑ 物質の分離・粟補     物質の分離や粟補の実隓などを行い実隓における基本操䜜ず物質を探究する 方法を身に付けるこず。  ㋒ 単䜓ず化合物     元玠を確認する実隓などを行い単䜓化合物に぀いお理解するこず。  ㋓ 熱運動ず物質の䞉態     粒子の熱運動ず枩床ずの関係粒子の熱運動ず物質の䞉態倉化ずの関係に぀い お理解するこず。
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86 第章 理科の 各科目 内容の取扱い  内容の 1 のアの  の㋑に぀いおはろ過蒞留抜出再結晶及びクロマトグラ フィヌを扱うこず。㋒に぀いおは炎色反応や沈殿反応を扱うこず。㋓に぀いおは 物理倉化ず化孊倉化の違いにも觊れるこず。  ここでは化孊ず物質に぀いおの芳察実隓などを通しお化孊の特城物質の分離・ 粟補単䜓ず化合物熱運動ず物質の䞉態に぀いお理解させそれらの芳察実隓などの 技胜を身に付けさせるずずもに思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらい である。 ㋐ 化孊の特城に぀いお  䞭孊校では第分野「 7 ア  ㋑ 様々な物質ずその利甚」で日垞生掻や瀟䌚では 様々な物質が幅広く利甚されおいるこずに぀いお孊習しおいる。  ここでは日垞生掻や瀟䌚を支える身近な物質に泚目しこれらの物質の性質を調べる 掻動を通しお物質を察象ずする孊問である化孊の特城に぀いお理解させるずずもに化 孊ぞの興味・関心を高め孊習の動機付けずするこずがねらいである。  身近な物質の性質を調べる掻動ずしおは䟋えば砂糖氎ず食塩氎に぀いお調べる掻動 などが考えられる。砂糖や食塩の性質に぀いお曞籍や情報通信ネットワヌクなどで調べた 䞊で砂糖氎ず食塩氎の味を確かめずに芋分ける方法を考えさせたり話し合わせたりする こずなどが考えられる。その際各溶液の電気䌝導性を調べる埮量の各溶液を也燥させ お顕埮鏡で芳察するなど二぀の溶液を区別するための生埒の自由な発想を匕き出すこず が倧切である。  化孊の特城を理解させる際には䞊蚘のような掻動を行った埌䟋えば䞭孊校理科で の芳察実隓を振り返らせ化孊に関するものを挙げさせそれらに共通する特城を話し 合わせるこずなどが考えられる。ここでいう化孊の特城ずは䞭孊校たでの孊習で想起さ れる皋床のものであり䟋えば原子分子むオンに関するこず様々な物質の性質に 関するこずなどが考えられる。 ㋑ 物質の分離・粟補に぀いお  䞭孊校では第分野「 2 ア  ㋑ 物質の融点ず沞点」で物質は融点や沞点を境に 状態が倉化するこず融点沞点は物質によっお決たっおいるこず沞点の違いによっお 物質の分離ができるこず 「 2 ア  ㋐ 氎溶液」で溶解床の違いによっお溶質を取り 出せるこずに぀いお孊習しおいる。  ここでは身近な物質を取り䞊げ混合物から玔物質を分離したり粟補したりする実隓 などを行い実隓における基本操䜜ず物質を探究する方法を身に付けさせるこずがねらい である。  実隓における基本操䜜に぀いおはろ過蒞留抜出再結晶及びクロマトグラフィヌ を扱う。その際物質の分離・粟補ず関連付けお実蚌性再珟性客芳性などに觊れる こずが考えられる。
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87  化孊基瀎  ここで扱う実隓ずしおは䟋えば醀 しょう 油味噌 そ 梅干しなどから食塩を取り出す実隓や 取り出した食塩の量を比范する実隓などが考えられる。 ㋒ 単䜓ず化合物に぀いお  䞭孊校では第分野「 2 ア  ㋐ 身の回りの物質ずその性質」で物質には密床や 加熱したずきの倉化など固有の性質ず共通の性質があるこず 「 4 ア  物質の成り立 ち」で分解しお生成した物質は元の物質ずは異なるこずや物質を構成する原子の皮類 を元玠ずいうこずに぀いお孊習しおいる。  ここでは身近な物質を取り䞊げ元玠を確認する実隓などを行い単䜓や化合物に぀ いお理解させるこずがねらいである。  単䜓や化合物を構成しおいる元玠を確認する方法ずしお炎色反応や難溶性塩の沈殿反 応を扱う。  ここで扱う実隓ずしおは䟋えば炎色反応により䞻な成分元玠を怜出する実隓硝酞 銀によっお塩化物むオンを怜出する実隓などが考えられる。その際身近な物質の成分元 玠を確認する実隓の蚈画を立おさせるこずも考えられる。 ㋓ 熱運動ず物質の䞉態に぀いお  䞭孊校では第分野「 2 ア  状態倉化」で状態倉化によっお物質の䜓積は倉化 するが質量は倉化しないこず物質は融点や沞点を境に状態が倉化するこずに぀いお孊習 しおいる。  ここでは粒子の熱運動ず粒子間に働く力ずの関係により物質の状態倉化が起こるこ ずを理解させるこずがねらいである。  枩床倉化に䌎う物質の䜓積倉化に着目しお粒子の熱運動ず枩床ずの関係粒子の熱運 動ず物質の䞉態倉化ずの関係を扱う。その際物理倉化ず化孊倉化の違いに觊れる。  ここで扱う実隓ずしおは䟋えば泚射噚などの容積倉化が可胜な容噚に閉じ蟌めた気 䜓を枩めたり冷やしたりする実隓などが考えられる。  なお孊習指導芁領の「 内容の取扱い 1 り」には 「 1 化孊ず人間生掻」に関し お䞋蚘の取扱いが瀺されおおりこれに配慮するものずする。 内容の取扱い  内容の 1 に぀いおはこの科目の導入ずしお䜍眮付けるこず。  内容の「 1 化孊ず人間生掻」をこの科目の導入ずしお䜍眮付け化孊ぞの関心を高 める芖点で扱うこずを瀺しおいる。その際䞭孊校での探究の過皋を螏たえ以埌の孊習 に意欲的に取り組めるよう孊習の展開を工倫するこずが重芁である。 2  物質の構成  物質の構成に぀いお次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。
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88 第章 理科の 各科目 ア 物質の構成粒子に぀いお次のこずを理解するこず。たた物質ず化孊結合に぀ いおの芳察実隓などを通しお次のこずを理解するずずもにそれらの芳察実 隓などに関する技胜を身に付けるこず。 む 物質の構成に぀いお芳察実隓などを通しお探究し物質の構成における芏則 性や関係性を芋いだしお衚珟するこず。  ここでは理科の芋方・考え方を働かせ物質の構成粒子に぀いお理解させたた化 孊結合に぀いおの芳察実隓などを通しお物質ず化孊結合に぀いお理解させるずずもに それらの芳察実隓などに関する技胜を身に付けさせ思考力刀断力衚珟力等を育成 するこずが䞻なねらいである。  思考力刀断力衚珟力等を育成するに圓たっおは物質の構成に぀いお芳察実隓 などを通しお探究し物質の構成における芏則性や関係性を芋いだしお衚珟させるこずが 倧切である。その際話合いレポヌトの䜜成発衚を適宜行わせるこずも倧切である。  なお芳察実隓に圓たっおは保護県鏡の着甚などによる安党性の確保や適切な実 隓噚具の䜿甚ず操䜜による事故防止に留意する。その際詊薬は適切に取り扱い廃棄物 は適切に凊理するなど環境ぞの圱響などにも十分配慮する。  物質の構成粒子  ㋐ 原子の構造     原子の構造及び陜子䞭性子電子の性質を理解するこず。  ㋑ 電子配眮ず呚期衚     元玠の呚期埋及び原子の電子配眮ず呚期衚の族や呚期ずの関係に぀いお理解す るこず。 内容の取扱い  内容の 2 のアの  の㋐に぀いおは原子番号質量数及び同䜍䜓を扱うこず。そ の際攟射性同䜍䜓ずその利甚にも觊れるこず。㋑の「原子の電子配眮」に぀いおは 代衚的な兞型元玠を扱うこず。 「元玠の呚期埋」に぀いおはむオン化゚ネルギヌの 倉化にも觊れるこず。  ここでは原子の構造電子配眮ず呚期衚に぀いお理解させ思考力刀断力衚珟力 等を育成するこずが䞻なねらいである。 ㋐ 原子の構造に぀いお  䞭孊校では第分野「 4 ア  ㋑ 原子・分子」で物質は原子や分子からできおい るこずや第分野「 6 ア  ㋐ 原子の成り立ちずむオン」で原子は電子ず原子栞か らできおいるこず原子栞は陜子ず䞭性子からできおいるこず同じ元玠でも䞭性子の数 が異なる原子があるこずに぀いお孊習しおいる。
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89  化孊基瀎  ここでは原子の構造及び陜子䞭性子電子の性質を理解させるこずがねらいである。  原子の構造に぀いおは簡単な原子を取り䞊げ原子ず原子栞の倧きさや原子を構成 する陜子䞭性子電子の質量や電気の量を扱う。たた原子番号や質量数も扱う。その 際電子や原子栞の発芋の歎史にも觊れるこずが考えられる。  同䜍䜓に぀いおは氎玠炭玠酞玠などの身近な元玠を扱う。攟射性同䜍䜓に぀いお は䟋えば幎代枬定や医療などぞの利甚方法に觊れる。 ㋑ 電子配眮ず呚期衚に぀いお  䞭孊校では第分野「 4 ア  ㋑ 原子・分子」で原子には倚くの皮類が存圚する こずを呚期衚を甚いお孊習しおいる。  ここでは元玠の呚期埋及び原子の電子配眮ず呚期衚の族や呚期ずの関係に぀いお理解 させるこずがねらいである。  原子の電子配眮に぀いおは原子の簡単なモデルを甚いお原子番号20 番たでの代衚 的な兞型元玠を扱う。  元玠の呚期埋に぀いおは元玠の性質が最倖殻電子数ず関連しおいるこずや原子の電 子配眮ず呚期衚の族や呚期ずの関係を扱う。その際呚期埋ず関連付けおむオン化゚ネ ルギヌの倉化にも觊れる。  物質ず化孊結合  ㋐ むオンずむオン結合     むオンの生成を電子配眮ず関連付けお理解するこず。たたむオン結合及びむ オン結合でできた物質の性質を理解するこず。  ㋑ 分子ず共有結合     共有結合を電子配眮ず関連付けお理解するこず。たた分子からなる物質の性 質を理解するこず。  ㋒ 金属ず金属結合    金属の性質及び金属結合を理解するこず。 内容の取扱い    の㋐に぀いおは倚原子むオンも扱うこず。 「むオン結合でできた物質」に぀い おは代衚的なものを扱いその甚途にも觊れるこず。㋑に぀いおは代衚的な無機 物質及び有機化合物を扱いそれらの甚途にも觊れるこず。たた分子の極性や配䜍 結合にも觊れるずずもに共有結合の結晶及びプラスチックなどの高分子化合物の構 造にも觊れるこず。㋒に぀いおは代衚的な金属を扱いその甚途にも觊れるこず。  ここでは物質ず化孊結合に぀いおの芳察実隓などを通しおむオンずむオン結合 分子ず共有結合金属ず金属結合に぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身 に付けさせるずずもに思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。
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90 第章 理科の 各科目 ㋐ むオンずむオン結合に぀いお  䞭孊校では第分野「 6 ア  ㋐ 原子の成り立ちずむオン」でむオンの存圚やむ オンの生成が原子の成り立ちに関係するこずに぀いお孊習しおいる。  ここではむオンの生成を電子配眮ず関連付けお理解させるずずもにむオン結合がむ オン間の静電気的な匕力による結合であるこずやむオン結合でできた物質の性質を理解 させるこずがねらいである。  むオンに぀いおは代衚的な原子の陜むオン陰むオン及び倚原子むオンを扱う。  むオン結合でできた物質に぀いおは組成匏で衚せるこずを扱う。むオン結合でできた 物質の性質に぀いおは融点や沞点溶解性電気䌝導性などを扱う。むオン結合ででき た代衚的な物質に぀いおは䟋えば塩化ナトリりム塩化カルシりム炭酞カルシりム などを扱いそれらの甚途にも觊れる。  ここで扱う実隓ずしおは䟋えばむオン結合でできた物質に぀いお固䜓溶融塩 氎溶液における電気䌝導性を比范する実隓などが考えられる。 ㋑ 分子ず共有結合に぀いお  䞭孊校では第分野「 4 ア  ㋑ 原子・分子」で分子は幟぀かの原子が結び付い お䞀぀のたずたりになったものであるこずに぀いお孊習しおいる。  ここでは共有結合を電子配眮ず関連付けお理解させるこずや共有結合でできた物質 の性質を理解させるこずがねらいである。  共有結合に぀いおは共有電子察を圢成した結合であるこずを扱う。その際アンモニ りムむオンなどを䟋ずしお取り䞊げ配䜍結合に぀いおも觊れる。たた共有結合ででき た物質は分子からなる物質ず共有結合の結晶を扱う。  分子からなる物質に぀いおは分子匏や構造匏で衚すこずができるこずを扱う。たた その性質に぀いおは融点沞点溶解性などを扱い構成原子の電気陰性床ず関連付け お分子の極性に觊れる。分子からなる物質の䟋ずしお代衚的な無機物質に぀いおは氎 玠などの二原子分子や氎などの倚原子分子を扱う。代衚的な有機化合物に぀いおはメ タン゚チレンなどを扱う。その際これらの甚途にも觊れる。  共有結合の結晶に぀いおは炭玠の単䜓を䞭心に取り䞊げたた高分子化合物に぀い おはポリ゚チレンやポリ゚チレンテレフタラヌトなどを取り䞊げそれぞれの構造に觊 れる。  ここで扱う実隓ずしおは䟋えば物質の極性ず溶解性ずの関係を調べる実隓などが考 えられる。 ㋒ 金属ず金属結合に぀いお  䞭孊校では第分野「 2 ア  ㋐ 身の回りの物質ずその性質」で金属は電気䌝導 性金属光沢展性延性などの共通した性質があるこずに぀いお孊習しおいる。  ここでは金属結合は自由電子が介圚した結合であるこずや金属結合でできた物質の 性質を理解させるこずがねらいである。  金属の性質ずしおは電気䌝導性熱䌝導性展性延性融点などを金属結合ず関連 付けお扱う。代衚的な金属ずしおは鉄アルミニりム銅氎銀などを扱いそれらの
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91  化孊基瀎 甚途にも觊れる。  ここで扱う実隓ずしおは䟋えば金属の電気䌝導性展性延性を調べる実隓などが 考えられる。 3  物質の倉化ずその利甚  物質の倉化ずその利甚に぀いおの芳察実隓などを通しお次の事項を身に付ける こずができるよう指導する。 ア 物質量ず化孊反応匏化孊反応化孊が拓 ひら く䞖界に぀いお次のこずを理解する ずずもにそれらの芳察実隓などに関する技胜を身に付けるこず。 む 物質の倉化ずその利甚に぀いお芳察実隓などを通しお探究し物質の倉化に おける芏則性や関係性を芋いだしお衚珟するこず。  ここでは理科の芋方・考え方を働かせ物質の倉化ずその利甚に぀いおの芳察実隓 などを通しお物質量ず化孊反応匏化孊反応化孊が拓 ひら く䞖界に぀いお理解させるずず もにそれらの芳察実隓などに関する技胜を身に付けさせ思考力刀断力衚珟力等 を育成するこずが䞻なねらいである。  思考力刀断力衚珟力等を育成するに圓たっおは物質の倉化ずその利甚に぀いお 芳察実隓などを通しお探究し物質の倉化における芏則性や関係性を芋いだしお衚珟さ せるこずが倧切である。その際話合いレポヌトの䜜成発衚を適宜行わせるこずも倧 切である。  なお芳察実隓に圓たっおは保護県鏡の着甚などによる安党性の確保や適切な実 隓噚具の䜿甚ず操䜜による事故防止に留意する。その際詊薬は適切に取り扱い廃棄物 は適切に凊理するなど環境ぞの圱響などにも十分配慮する。  物質量ず化孊反応匏  ㋐ 物質量     物質量ず粒子数質量気䜓の䜓積ずの関係に぀いお理解するこず。  ㋑ 化孊反応匏     化孊反応に関する実隓などを行い化孊反応匏が化孊反応に関䞎する物質ずそ の量的関係を衚すこずを芋いだしお理解するこず。 内容の取扱い  内容の 3 のアの  の㋐に぀いおはモル質量や溶液のモル濃床も扱うこず。  ここでは物質量ず化孊反応匏に぀いおの芳察実隓などを通しお物質量化孊反応 匏に぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付けさせるずずもに思考力 刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。
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92 第章 理科の 各科目 ㋐ 物質量に぀いお  䞭孊校では第分野「 2 ア  ㋐ 氎溶液」で質量パヌセント濃床に぀いお孊習し おいる。  ここでは粒子の数に基づく量の衚し方である物質量の抂念を導入し物質量ず質量 物質量ず気䜓の䜓積ずの関係に぀いお理解させるこずがねらいである。  物質量ずその単䜍である「モル」を導入し原子量分子量匏量ずの関係やモル質量 ずの関係を扱う。たた気䜓に぀いおは䜓積ず物質量ずの関係溶液に぀いおは溶液の䜓 積ず溶質の物質量ずの関係を衚すモル濃床も扱う。  ここで扱う実隓ずしおは䟋えば分子量既知の気䜓ず分子量未知の気䜓の同䜓積での 質量の比范により気䜓の分子量を求める実隓などが考えられる。 ㋑ 化孊反応匏に぀いお  䞭孊校では第分野「 4 化孊倉化ず原子・分子」で簡単な化孊匏や化孊反応匏 化孊反応の前埌で物質の質量の総和が等しいこず互いに反応する物質の質量比が䞀定で あるこずに぀いお孊習しおいる。  ここでは化孊反応に関する実隓などを行い化孊反応匏が化孊反応に関䞎する物質ず その量的関係を衚すこずを芋いだしお理解させるこずがねらいである。  化孊反応匏の係数の比が化孊反応における物質量の比を衚すこずを扱う。たた反応に 関䞎する物質の質量や䜓積の間に成り立぀関係を物質量ず関連付けお扱い物質の倉化量 を化孊反応匏から求めるこずができるようにする。  ここで扱う実隓ずしおは䟋えば炭酞カルシりムず塩酞を反応させる実隓や炭酞氎玠 ナトリりムの熱分解の実隓などが考えられる。その際化孊反応匏の係数の比ず化孊反応 における物質量の比はどのような関係になっおいるのかに぀いお埗られた結果から反応 物ず生成物の物質量の比を求めさせ化孊反応匏の係数の比ず比范させるこずを通しお 物質量の比が化孊反応匏の係数の比を衚しおいるこずを芋いだしお理解させるこずが考え られる。たた化孊反応匏の係数の比が反応物ず生成物の質量の比を衚しおいるのでは なく物質量の比を衚しおいるこずに気付かせ化孊反応の量的関係を物質量で衚すこず の有甚性を感じさせるこずが倧切である。  化孊反応  ㋐ 酞・塩基ず䞭和     酞や塩基に関する実隓などを行い酞ず塩基の性質及び䞭和反応に関䞎する物 質の量的関係を理解するこず。  ㋑ 酞化ず還元     酞化ず還元が電子の授受によるこずを理解するこず。 内容の取扱い    の㋐に぀いおは酞や塩基の匷匱ず電離床の倧小ずの関係も扱うこず。 「酞ず塩
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93  化孊基瀎 基」に぀いおは氎玠むオン濃床ずpH ずの関係にも觊れるこず。 「䞭和反応」に぀ いおは生成する塩の性質にも觊れるこず。㋑に぀いおは代衚的な酞化剀還元剀 を扱うこず。たた金属のむオン化傟向やダニ゚ル電池の反応にも觊れるこず。  ここでは化孊反応に぀いおの芳察実隓などを通しお酞・塩基ず䞭和酞化ず還元 に぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付けさせるずずもに思考力 刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。 ㋐ 酞・塩基ず䞭和に぀いお  䞭孊校では第分野「 6 ア  氎溶液ずむオン」で酞ずアルカリの性質や䞭和に より氎ず塩が生成するこずpH はを䞭性ずしお酞性やアルカリ性の匷さを衚しおいる こずに぀いお孊習しおいる。  ここでは酞や塩基に関する実隓などを行い酞ず塩基の性質及び䞭和反応に関䞎する 物質の量的関係に぀いお理解させるこずがねらいである。  酞や塩基に぀いおは氎玠むオンの授受による定矩や酞や塩基の匷匱ず電離床の倧小 ずの関係を扱う。たたpH ず氎玠むオン濃床や氎の電離ずの関係にも觊れる。なお 「化 孊」の「 2 ア  ㋒ 電離平衡」でpH を氎のむオン積ず関連付けお扱う。  䞭和反応に぀いおは酞や塩基の䟡数ず物質量ずの関係を扱う。その際反応する酞や 塩基の匷匱ず生成する塩の性質ずの関係にも觊れる。  ここで扱う実隓ずしおは䟋えば食酢の䞭和滎定の実隓などが考えられる。その際 埗られた結果を分析しお解釈し䞭和反応に関䞎する物質の量的関係を理解させるこずが 考えられる。たた食酢䞭の酞のモル濃床ず質量パヌセント濃床ずの関係に觊れるこずも 考えられる。なお噚具の扱い方や溶液の調補方法など滎定操䜜における基本的な技胜を 身に付けさせるこずが倧切である。 ㋑ 酞化ず還元に぀いお  䞭孊校では第分野「 4 ア  ㋑ 化孊倉化における酞化ず還元」で酞化や還元が 酞玠の関係する反応であるこず第分野「 6 ア  化孊倉化ず電池」で金属の皮類 によっおむオンぞのなりやすさが異なるこずやダニ゚ル電池の基本的な仕組みに぀いお 孊習しおいる。  ここでは酞化還元反応が電子の授受によるこずを理解させるこずがねらいである。  酞化還元に぀いおはその定矩を酞玠や氎玠の授受から電子の授受ぞず広げ酞化ず 還元が垞に同時に起こるこずを扱う。たた酞化還元反応は反応に関䞎する原子やむオ ンの酞化数の増枛により説明できるこずも扱う。  代衚的な酞化剀還元剀ずしおは過マンガン酞カリりム過酞化氎玠ペり化カリり ムなどが考えられる。たた酞化還元反応に関連しお金属のむオン化傟向やダニ゚ル電 池の反応にも觊れる。なお 「化孊」の「 2 ア  ㋑ 電池」で代衚的な実甚電池の仕 組みを酞化還元反応ず関連付けお扱う。  ここで扱う実隓ずしおは䟋えば代衚的な酞化剀ず還元剀の反応の実隓金属のむオ ン化傟向を比范する実隓や金属暹の実隓などが考えられる。
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94 第章 理科の 各科目  化孊が拓 ひら く䞖界  ㋐ 化孊が拓 ひら く䞖界     この科目で孊んだ事柄が日垞生掻や瀟䌚を支えおいる科孊技術ず結び付いお いるこずを理解するこず。 内容の取扱い    の㋐に぀いおは日垞生掻や瀟䌚で利甚されおいる科孊技術の具䜓的事䟋を取 り䞊げるこず。 ㋐ 化孊が拓 ひら く䞖界に぀いお  䞭孊校では第分野「 7 ア  ㋑ 様々な物質ずその利甚」で日垞生掻や瀟䌚では 様々な物質が幅広く利甚されおいるこずや第分野「 7 ア  ㋒ 科孊技術の発展」で 科孊技術が人間の生掻を豊かで䟿利にしおいるこずに぀いお孊習しおいる。  ここでは 「化孊基瀎」で孊んだ事柄が日垞生掻や瀟䌚を支えおいる科孊技術ず結び 付いおいるこずを理解させるこずがねらいである。  科孊技術の具䜓的事䟋ずしおは安党な氎道氎を埗るための科孊技術食品を保存する ための科孊技術ものを掗浄するための科孊技術などを取り䞊げるこずが考えられる。  䟋えば安党な氎道氎を埗るための科孊技術ずしおはろ過や吞着を利甚した物質の分 離や粟補酞や塩基の性質を利甚した河川の䞭和酞化還元反応を利甚した殺菌などが考 えられる。食品を保存するための科孊技術ずしおは金属やプラスチックなどの材料の利 甚酞化還元反応を利甚した酞化防止剀などが考えられる。ものを掗浄するための科孊技 術ずしおは分子の極性を利甚したドラむクリヌニングなどが考えられる。  ここで扱う実隓ずしおは䟋えば氎道氎䞭の遊離残留塩玠濃床を枬定する実隓垂販 の飲料や食品に含たれるアスコルビン酞を怜出する実隓セッケンなどの掗剀の掗浄䜜甚 に぀いお調べる実隓などが考えられる。
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95  化孊基瀎  内容の取扱い  内容の取扱いに圓たっおは次の事項に配慮するものずする。 ア 内容の 1 から 3 たでに぀いおは䞭孊校理科ずの関連を考慮しそれぞれのア に瀺す知識及び技胜ずむに瀺す思考力刀断力衚珟力等ずを盞互に関連させなが らこの科目の孊習を通しお科孊的に探究するために必芁な資質・胜力の育成を 目指すこず。 む この科目で育成を目指す資質・胜力を育むため芳察実隓などを行い探究の 過皋を螏たえた孊習掻動を行うようにするこず。その際孊習内容の特質に応じお 情報の収集仮説の蚭定実隓の蚈画実隓による怜蚌実隓デヌタの分析・解釈 などの探究の方法を習埗させるようにするずずもに報告曞などを䜜成させたり 発衚を行う機䌚を蚭けたりするこず。 り 内容の 1 に぀いおはこの科目の導入ずしお䜍眮付けるこず。  アに぀いおは䞭孊校理科ずの継続性を考慮するずずもに知識及び技胜ず思考力 刀断力衚珟力等ずを盞互に関連させながらこの科目の孊習を通しお科孊的に探究す るために必芁な資質・胜力の育成を目指すこずを瀺したものである。たた孊びに向かう 力人間性等は「化孊基瀎」の目暙の 3 に沿っお育成するものずする。  むに぀いおは各項目の孊習掻動ず関連させながら芳察実隓などを行うずずもにそ れらを通しお自然の事物・珟象の䞭に課題を蚭定し情報を収集し埗られた情報を適 切に凊理しお芏則性を芋いだしたり認識を深めたりするなど自然を探究する過皋を螏 たせるこずが倧切であり 探究の方法を実際に甚いる䞭で この科目で育成を目指す資質・ 胜力を育むこずを瀺したものである。その際情報の収集仮説の蚭定実隓の蚈画実 隓による怜蚌実隓デヌタの分析・解釈などの探究の方法を孊習内容の特質に応じお適宜 取り䞊げ具䜓的な課題の解決の堎面でこれらの方法を甚いるこずができるよう扱う必芁 がある。実斜に圓たっおは生埒が䞻䜓的に課題に取り組み課題を解決するこずができ るようにするずずもに報告曞を䜜成させたり発衚を行う機䌚を蚭けたりしお論理的な 思考力や衚珟力の育成を図るこずが倧切である。  りに぀いおは内容の「 1 化孊ず人間生掻」をこの科目の導入ずしお䜍眮付け䞭 孊校での探究の過皋を螏たえ以埌の孊習に意欲的に取り組めるよう孊習の展開を工倫す るこずが重芁である。  
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96 第章 理科の 各科目  性栌   「化孊」は䞭孊校理科及び「化孊基瀎」ずの関連を図りながら化孊的な事物・珟象 を曎に深く取り扱い理科の芋方・考え方を働かせ芋通しをもっお芳察実隓を行うこ ずなどを通しお科孊的に探究するために必芁な資質・胜力を育成する科目である。  化孊は物質を察象ずする科孊でありその特城は芳察実隓を通しお物質の構造や 性質反応を調べるこずにより物質の特城を理解し物質に関する芏則性や関係性を芋い だすずずもにその知識を生かしお物質を利甚したり目的にかなった物質を぀くりだした りするこずにある。   「化孊」はこのような化孊の特城を螏たえお化孊的な事物・珟象に぀いおの内容を 扱い芳察実隓を行うこずなどを通しお化孊の基本的な抂念や原理・法則の理解を深 めさせ科孊的に探究する力や態床を育成するようにしおいる。   「化孊」はこのような科目であるので芳察実隓などを通しお探究の過皋を螏たえ た孊習掻動を行うこずが重芁である。たた化孊の抂念や原理・法則ずいった抜象化され た事項も単に蚘憶するだけではなく垞に物質の瀺す具䜓的なふるたいず結び付けお理 解させるこずが求められる。探究の過皋を螏たえた孊習掻動では幟぀かの事象が同䞀の 抂念によっお説明できるこずや事象の本質を突き぀めおいくこずによっお原理・法則に 行き぀くこずを経隓させるこずが倧切である。たた習埗した抂念や原理・法則を新しい 事象の解釈に応甚したり物質の倉化の結果を予枬したりできるようにするこずも倧切で ある。   「化孊」の内容は 「化孊基瀎」ずの関連を図りながら基本的な抂念や原理・法則を䜓 系的に孊習できるよう 「 1 物質の状態ず平衡 2 物質の倉化ず平衡」  「 3 無機 物質の性質」  「 4 有機化合物の性質」  「 5 化孊が果たす圹割」の五぀の倧項目から構 成されおいる。倧項目 1  2 では物質の性質や倉化を物質の構造や結合゚ネルギヌ などず関連させお理解させ倧項目 3  4 では無機物質有機化合物高分子化合物 の特城や性質を具䜓的な物質を通しお理解させ倧項目 5 では化孊が果たす圹割に぀ いお日垞生掻や瀟䌚ず関連付けお理解させる構成ずなっおいる。今回の改蚂では無機 物質有機化合物及び高分子化合物がそれぞれの特城を生かしお人間生掻の䞭で利甚され おいるこず化孊の成果が様々な分野で利甚され未来を築く新しい科孊技術の基盀ずなっ おいるこずを理解させるために倧項目「 5 化孊が果たす圹割」を新たに蚭けた。  この「化孊」の履修によっお化孊の基本的な抂念や原理・法則の理解を深めさせるず ずもに科孊的に探究する力や科孊的に探究しようずする態床を逊うこずが倧切である。   第節 化 孊
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97  化孊  目暙  化孊的な事物・珟象に関わり理科の芋方・考え方を働かせ芋通しをもっお芳察 実隓を行うこずなどを通しお化孊的な事物・珟象を科孊的に探究するために必芁な 資質・胜力を次のずおり育成するこずを目指す。 1 化孊の基本的な抂念や原理・法則の理解を深め科孊的に探究するために必芁な 芳察実隓などに関する技胜を身に付けるようにする。 2 芳察実隓などを行い科孊的に探究する力を逊う。 3 化孊的な事物・珟象に䞻䜓的に関わり科孊的に探究しようずする態床を逊う。   「化孊」の目暙は高等孊校理科の目暙を受け 「化孊基瀎」たでの孊習を螏たえお化 孊的な事物・珟象に関わり理科の芋方・考え方を働かせ芋通しをもっお芳察実隓を 行うこずなどを通しお化孊的な事物・珟象を科孊的に探究するために必芁な資質・胜力 を育成するこずである。   「化孊的な事物・珟象に関わり」ずあるのは化孊的な事物・珟象ぞの関心を高め自 ら課題を蚭定しようずする動機付けずするこずを瀺しおいる。   「理科の芋方・考え方を働かせ」ずあるのは 「自然の事物・珟象を質的・量的な関係 や時間的・空間的な関係などの科孊的な芖点で捉え比范したり関係付けたりするなど の科孊的に探究する方法を甚いお考える」ずいう「理科の芋方・考え方」を働かせるこず を瀺しおいる。   「芋通しをもっお芳察実隓を行うこずなどを通しお化孊的な事物・珟象を科孊的に 探究するために必芁な資質・胜力を次のずおり育成するこずを目指す」ずあるのは 「化 孊基瀎」ず同様に探究の過皋を通しお化孊的な事物・珟象を科孊的に探究するために 必芁な資質・胜力を育成する必芁があるこずを瀺しおいる。この資質・胜力を育成するた めには芳察実隓は倧きな圹割を果たしおいる。化孊が察象ずする事物・珟象は䞀般 的に実隓宀で取り扱えるこずが倚く実際に芳察実隓を行い探究の過皋を螏たえた孊 習掻動を行うようにするこずが倧切である。  目暙 1 は育成を目指す資質・胜力のうち知識及び技胜を瀺したものである。知識 及び技胜を育成するに圓たっおは化孊的な事物・珟象に぀いおの芳察実隓などを行う こずを通しお化孊の基本的な抂念や原理・法則の理解を図るずずもに科孊的に探究す るために必芁な芳察実隓などに関する技胜を身に付けさせるこずが重芁である。そのた めには幟぀かの事象が同䞀の抂念によっお説明したり抂念や原理・法則を新しい事象 の解釈に応甚したり物質の倉化の結果を予枬したりする掻動を行うこずが重芁である。  目暙 2 は育成を目指す資質・胜力のうち思考力刀断力衚珟力等を瀺したもの である。思考力刀断力衚珟力等を育成するに圓たっおは化孊的な事物・珟象を察象 に探究の過皋を通しお情報の収集仮説の蚭定実隓の蚈画実隓による怜蚌実隓 デヌタの分析・解釈などの探究の方法を習埗させるずずもに報告曞を䜜成させたり発衚
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98 第章 理科の 各科目 させたりしお科孊的に探究する力を育おるこずが重芁である。  目暙 3 は育成を目指す資質・胜力のうち孊びに向かう力人間性等を瀺したもの である。孊びに向かう力人間性等を育成するに圓たっおは化孊的な事物・珟象に察し お䞻䜓的に関わりそれらに察する気付きから課題を蚭定し解決しようずする態床など 科孊的に探究しようずする態床を逊うこずが重芁である。そのためには日垞生掻や瀟䌚 における科孊の有甚性を実感できるような堎面を蚭定するこずが倧切である。  
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99  化孊  内容ずその範囲皋床  以䞋に瀺す内容はアずしお知識及び技胜むずしお思考力刀断力衚珟力等を身に 付けるよう指導するこずを瀺しおいる。なお 孊びに向かう力 人間性等に぀いおは 「化 孊」の目暙の 3 を適甚する。 1  物質の状態ず平衡  物質の状態ず平衡に぀いおの芳察実隓などを通しお次の事項を身に付けるこず ができるよう指導する。 ア 物質の状態ずその倉化溶液ず平衡に぀いお次のこずを理解するずずもにそ れらの芳察実隓などに関する技胜を身に付けるこず。 む 物質の状態ず平衡に぀いお芳察実隓などを通しお探究し物質の状態ずその 倉化溶液ず平衡における芏則性や関係性を芋いだしお衚珟するこず。  ここでは理科の芋方・考え方を働かせ物質の状態ず平衡に぀いおの芳察実隓など を通しお物質の状態ずその倉化溶液ず平衡に぀いお理解させるずずもにそれらの芳 察実隓などに関する技胜を身に付けさせ思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが 䞻なねらいである。  思考力刀断力衚珟力等を育成するに圓たっおは物質の状態ず平衡に぀いお芳察 実隓などを通しお探究し物質の状態ずその倉化溶液ず平衡における芏則性や関係性を 芋いだしお衚珟させるこずが倧切である。その際話合いレポヌトの䜜成発衚を適宜 行わせるこずも倧切である。  なお芳察実隓に圓たっおは保護県鏡の着甚などによる安党性の確保や適切な実 隓噚具の䜿甚ず操䜜による事故防止に留意する。その際詊薬は適切に取り扱い廃棄物 は適切に凊理するなど環境ぞの圱響などにも十分配慮する。  物質の状態ずその倉化  ㋐ 状態倉化     物質の沞点融点を分子間力や化孊結合ず関連付けお理解するこず。たた状 態倉化に䌎う゚ネルギヌの出入り及び状態間の平衡ず枩床や圧力ずの関係に぀い お理解するこず。  ㋑ 気䜓の性質     気䜓の䜓積ず圧力や枩床ずの関係を理解するこず。  ㋒ 固䜓の構造     結晶栌子の抂念及び結晶の構造を理解するこず。
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100 第章 理科の 各科目 内容の取扱い  内容の 1 のアの  の㋐に぀いおは融解熱や蒞発熱を扱うこず。 「状態間の平衡」 に぀いおは気液平衡や蒞気圧を扱うこず。㋑に぀いおはボむル・シャルルの法則 や理想気䜓の状態方皋匏を扱うこず。その際分子量枬定にも觊れるこず。たた混 合気䜓分圧の法則及び実圚気䜓も扱うこず。気䜓分子の゚ネルギヌ分垃ず絶察枩床 にも觊れるこず。㋒の「結晶の構造」に぀いおは䜓心立方栌子面心立方栌子及び 六方最密構造を扱うこず。たたアモルファスにも觊れるこず。  ここでは物質の状態ずその倉化に぀いおの芳察実隓などを通しお状態倉化気䜓 の性質固䜓の構造に぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付けさせる ずずもに思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。 ㋐ 状態倉化に぀いお   「化孊基瀎」では 「 1 ア  ㋓ 熱運動ず物質の䞉態」で粒子の熱運動ず物質の䞉態 倉化ずの関係に぀いお孊習しおいる。たた 「 2 ア  物質ず化孊結合」でむオン結合 共有結合金属結合に぀いお孊習しおいる。  ここでは物質の沞点融点を分子間力や化孊結合ず関連付けお理解させるずずもに 状態倉化に䌎う゚ネルギヌの出入りや状態間の平衡ず枩床や圧力ずの関係に぀いお理解 させるこずがねらいである。  状態倉化に䌎う゚ネルギヌの出入りに぀いおは物質の融解熱蒞発熱を扱う。たた 物質の融点沞点は化孊結合や分子間力の皮類ず関係し粒子間に働く力が倧きいほど 高くなるこずを扱う。  化孊結合に぀いおはむオン結合共有結合金属結合を扱い分子間力に぀いおは ファンデルワヌルス力ず氎玠結合を扱う。  状態間の平衡に぀いおは気液平衡や蒞気圧を扱う。その際蒞気圧曲線や沞隰にも觊 れる。  ここで扱う実隓ずしおは䟋えば枛圧䞋での沞隰の実隓などが考えられる。 ㋑ 気䜓の性質に぀いお   「化孊基瀎」では 「 3 ア  ㋐ 物質量」で物質量ず気䜓の䜓積ずの関係に぀いお孊 習しおいる。  ここでは理想気䜓の䜓積ず圧力や絶察枩床ずの関係を理解させるこずがねらいである。  気䜓に぀いおはボむル・シャルルの法則から理想気䜓の状態方皋匏が導かれるこずを 扱う。その際気䜓の状態方皋匏を甚いた分子量枬定にも觊れる。たた気䜓分子の゚ネ ルギヌには䞀定の分垃が存圚し枩床倉化ずずもにその分垃が倉化するこずや絶察枩床 の定矩にも觊れる。  混合気䜓に぀いおは気䜓の状態方皋匏が成り立぀こずや分圧の法則を扱う。混合気䜓 ずしおは䟋えば空気を取り䞊げるこずが考えられる。  実圚気䜓に぀いおは理想気䜓ずの違いに぀いお理解させるずずもに理想気䜓の状態
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101  化孊 方皋匏の適甚条件などを扱う。  ここで扱う実隓ずしおはボむルの法則やシャルルの法則を怜蚌する実隓や気䜓の分 子量を枬定する実隓などが考えられる。 ㋒ 固䜓の構造に぀いお   「化孊基瀎」では 「 2 ア  物質ず化孊結合」でむオン結合共有結合金属結合 でできた物質に぀いお孊習しおいる。  ここでは固䜓の結晶栌子の抂念ず結晶の構造に぀いお理解させるこずがねらいである。  結晶栌子の抂念に぀いおは䟋えば塩化ナトリりムのむオン結晶を取り䞊げ結晶に おける構成粒子の配列ず関連付けお扱う。  結晶の構造に぀いおは金属結晶の䜓心立方栌子面心立方栌子六方最密構造を取り 䞊げそれらの構造の特城を扱う。  アモルファスに぀いおはガラスやシリコンを䟋に挙げお結晶ずの違いに觊れる。  ここで扱う実隓ずしおは䟋えば金属結晶の暡型づくりなどが考えられる。  溶液ず平衡  ㋐ 溶解平衡     溶解の仕組みを理解するこず。たた溶解床を溶解平衡ず関連付けお理解する こず。  ㋑ 溶液ずその性質     溶液ずその性質に関する実隓などを行い身近な珟象を通しお溶媒ず溶液の性 質の違いを理解するこず。 内容の取扱い    の㋐に぀いおは 固䜓及び気䜓の溶解床を扱うこず。㋑に぀いおは 蒞気圧降䞋 沞点䞊昇凝固点降䞋及び浞透圧を扱うこず。たたコロむド溶液も扱うこず。  ここでは溶液ず平衡に぀いおの芳察実隓などを通しお溶解平衡溶液ずその性質 に぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付けさせるずずもに思考力 刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。 ㋐ 溶解平衡に぀いお   「化孊基瀎」では 「 3 ア  ㋐ 物質量」で溶液のモル濃床に぀いお孊習しおいる。  ここでは溶解の仕組みを理解させるずずもに固䜓及び気䜓の溶解床を溶解平衡ず関 連付けお理解させるこずがねらいである。  溶解の仕組みに぀いおは溶媒ず溶質の組合せにより溶解のしやすさが異なるこずを 粒子のモデルず関連付けお扱う。たた飜和溶液を取り䞊げ溶解平衡が成り立っおいる こずを扱う。その際過飜和に぀いおも觊れるこずが考えられる。  気䜓の溶解床に぀いおはヘンリヌの法則を扱う。䟋えば二酞化炭玠や酞玠の氎ぞの
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102 第章 理科の 各科目 溶解などを取り䞊げ身近な珟象ずの関連に觊れるこずが考えられる。  ここで扱う実隓ずしおは䟋えば氎やヘキサンなどぞの極性分子及び無極性分子の溶 解の実隓などが考えられる。 ㋑ 溶液ずその性質に぀いお  ここでは溶液ずその性質に関する実隓などを行い溶媒ず溶液の性質の違いを身近な 珟象を通しお理解させるずずもにコロむド溶液の性質に぀いお理解させるこずがねらい である。  溶液の性質に぀いおは蒞気圧降䞋沞点䞊昇凝固点降䞋浞透圧を取り䞊げ溶媒 ずの違いを扱う。凝固点降䞋に関連しお過冷华や溶質の分子量枬定に぀いお觊れるこず が考えられる。  コロむド溶液の性質に぀いおはチンダル珟象ブラりン運動透析電気泳動などを 扱う。たた疎氎コロむド芪氎コロむド保護コロむドにも觊れるこずも考えられる。  ここで扱う実隓ずしおは䟋えば垌薄溶液の凝固点の枬定などが考えられる。その際 埗られた結果を分析しお解釈し溶液の凝固点降䞋ず質量モル濃床ずの関係を芋いださせ るこずが考えられる。 2  物質の倉化ず平衡  物質の倉化ず平衡に぀いおの芳察実隓などを通しお次の事項を身に付けるこず ができるよう指導する。 ア 化孊反応ず゚ネルギヌ化孊反応ず化孊平衡に぀いお次のこずを理解するずず もにそれらの芳察実隓などに関する技胜を身に付けるこず。 む 物質の倉化ず平衡に぀いお芳察実隓などを通しお探究し化孊反応ず゚ネル ギヌ化孊反応ず化孊平衡における芏則性や関係性を芋いだしお衚珟するこず。  ここでは理科の芋方・考え方を働かせ物質の倉化ず平衡に぀いおの芳察実隓など を通しお化孊反応ず゚ネルギヌ化孊反応ず化孊平衡に぀いお理解させるずずもにそ れらの芳察実隓などに関する技胜を身に付けさせ思考力刀断力衚珟力等を育成す るこずが䞻なねらいである。  思考力刀断力衚珟力等を育成するに圓たっおは物質の倉化ず平衡に぀いお芳察 実隓などを通しお探究し化孊反応ず゚ネルギヌ化孊反応ず化孊平衡における芏則性や 関係性を芋いだしお衚珟させるこずが倧切である。その際話合いレポヌトの䜜成発 衚を適宜行わせるこずも倧切である。  なお芳察実隓に圓たっおは保護県鏡の着甚などによる安党性の確保や適切な実 隓噚具の䜿甚ず操䜜による事故防止に留意する。その際詊薬は適切に取り扱い廃棄物 は適切に凊理するなど環境ぞの圱響などにも十分配慮する。  化孊反応ず゚ネルギヌ
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103  化孊  ㋐ 化孊反応ず熱・光     化孊反応ず熱や光に関する実隓などを行い化孊反応における熱及び光の発生 や吞収は反応の前埌における物質のも぀化孊゚ネルギヌの差から生じるこずを 理解するこず。  ㋑ 電池     電気゚ネルギヌを取り出す電池の仕組みを酞化還元反応ず関連付けお理解する こず。  ㋒ 電気分解     倖郚から加えた電気゚ネルギヌによっお電気分解が起こるこずを酞化還元反 応ず関連付けお理解するこず。たたその反応に関䞎した物質の倉化量ず電気量 ずの関係を理解するこず。 内容の取扱い  内容の 2 のアの  の㋐に぀いおはヘスの法則を扱うこず。たた結合゚ネルギ ヌにも觊れるずずもに吞熱反応が自発的に進む芁因にも定性的に觊れるこず。㋑に ぀いおは日垞生掻や瀟䌚で利甚されおいる代衚的な実甚電池を扱うこず。㋒に぀い おは氎溶液の電気分解を䞭心に扱うこず。  ここでは化孊反応ず゚ネルギヌに぀いおの芳察実隓などを通しお化孊反応ず熱・ 光電池電気分解に぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付けさせる ずずもに思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。 ㋐ 化孊反応ず熱・光に぀いお  䞭孊校では第分野「 4 ア  ㋒ 化孊倉化ず熱で化孊倉化には熱の出入りが䌎 うこずに぀いお孊習しおいる。  ここでは化孊反応ず熱や光に関する実隓などを行い化孊反応の前埌における物質の も぀化孊゚ネルギヌの差が熱光の発生や吞収ずなっお珟れるこずや化孊゚ネルギヌの 差を定量的に扱えるこずを理解させるこずがねらいである。  熱の発生や吞収に぀いおは反応熱が生成物ず反応物のも぀それぞれの化孊゚ネルギヌ の総和の差で衚せるこずやヘスの法則を扱う。化孊゚ネルギヌの差に぀いおは゚ンタル ピヌ倉化で衚す。たた反応熱ず結合゚ネルギヌずの関係にも觊れる。吞熱反応が自発的 に進む芁因に定性的に觊れる際には゚ントロピヌが増倧する方向に反応が進行するこず に觊れるこずが考えられる。  光の発生や吞収に぀いおは身近な䟋ずしお䟋えば化孊発光や光合成などを扱う。  ここで扱う熱に関する実隓ずしおは䟋えばヘスの法則を甚いる実隓などが考えられ る。その際ヘスの法則を甚いるこずにより枬定が困難な反応熱を求められるずいう知識 を掻甚しお実隓蚈画を立案し実隓を行いその結果を分析しお解釈し求めた反応熱 ず文献倀を比范し導き出した結論の劥圓性に぀いお怜蚎するこずが倧切である。
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104 第章 理科の 各科目  たた光に関する実隓ずしおは䟋えば化孊反応による発光の実隓などが考えられる。 ㋑ 電池に぀いお  䞭孊校では第分野「 6 ア  ㋑ 化孊倉化ず電池」で電解質氎溶液ず皮類の金 属などで電池の実隓を行い化孊゚ネルギヌが電気゚ネルギヌに倉換されおいるこずや ダニ゚ル電池の基本的な仕組みに぀いお孊習しおいる。 たた 「化孊基瀎」 では 「 3 ア  ㋑ 酞化ず還元」で酞化ず還元が電子の授受によるこずや金属のむオン化傟向ダニ゚ ル電池の反応を孊習しおいる。  ここでは電気゚ネルギヌを取り出す電池の仕組みを酞化還元反応ず関連付けお理解さ せるこずがねらいである。  電池に぀いおは日垞生掻や瀟䌚で利甚されおいる代衚的な実甚電池を扱う。代衚的な 実甚電池に぀いおは䟋えば也電池鉛蓄電池リチりムむオン電池燃料電池などが 考えられる。  ここで扱う実隓ずしおは䟋えば鉛蓄電池や燃料電池の補䜜などが考えられる。 ㋒ 電気分解に぀いお   「化孊基瀎」では 「 3 ア  ㋑ 酞化ず還元」で酞化ず還元が電子の授受によるこず に぀いお孊習しおいる。  ここでは倖郚から加えた電気゚ネルギヌによっお電気分解が起こるこずを酞化還元 反応ず関連付けお理解させるこずや反応に関䞎した物質の倉化量が流れた電気量に比䟋 するこずを理解させるこずがねらいである。  電気分解に぀いおは硫酞銅Ⅱや氎酞化ナトリりムなどの氎溶液を䞭心に取り䞊げ これらの氎溶液に䞀定倀以䞊の電圧をかけるず぀の電極でそれぞれ酞化反応ず還元反応 が起こるこずやファラデヌの法則を扱う。  ここで扱う実隓ずしおは䟋えばファラデヌの法則の怜蚌実隓などが考えられる。  化孊反応ず化孊平衡  ㋐ 反応速床     反応速床の衚し方及び反応速床に圱響を䞎える芁因を理解するこず。  ㋑ 化孊平衡ずその移動     可逆反応化孊平衡及び化孊平衡の移動を理解するこず。  ㋒ 電離平衡    氎のむオン積pH 及び匱酞や匱塩基の電離平衡に぀いお理解するこず。 内容の取扱い    の㋐に぀いおは簡単な反応を扱うこず。 「芁因」に぀いおは濃床枩床及び 觊媒の有無を扱うこず。㋑の「化孊平衡の移動」に぀いおはルシャトリ゚の原理を 䞭心に扱うこず。㋒に぀いおは塩の加氎分解や緩衝液にも觊れるこず。
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105  化孊  ここでは化孊反応ず化孊平衡に぀いおの芳察実隓などを通しお反応速床化孊平 衡ずその移動電離平衡に぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付けさ せるずずもに思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。 ㋐ 反応速床に぀いお  ここでは反応速床が単䜍時間内に倉化する物質の量で衚されるこずや反応速床が濃 床枩床觊媒などの圱響を受けお倉わるこずを理解させるこずがねらいである。  反応速床に぀いおは䟋えば過酞化氎玠の分解反応のような簡単な反応を取り䞊げ 速床定数を扱う。反応速床に圱響を䞎える芁因に぀いおは濃床枩床及び觊媒の有無を 扱う。その際掻性化゚ネルギヌや觊媒の利甚䟋に぀いおも觊れるこずが考えられる。  ここで扱う実隓ずしおは䟋えば濃床枩床及び觊媒の反応速床ぞの圱響を調べる実 隓などが考えられる。 ㋑ 化孊平衡ずその移動に぀いお  ここでは可逆反応化孊平衡及び化孊平衡の移動に぀いお理解させるこずがねらいで ある。  化孊平衡に぀いおは䟋えば氎玠ずペり玠の反応のような系を取り䞊げ平衡定数を 扱う。平衡の移動に぀いおは濃床圧力及び枩床の倉化を取り䞊げルシャトリ゚の原 理を䞭心に扱う。その際平衡が觊媒の圱響を受けないこずやアンモニアの工業的補法に 觊れるこずが考えられる。  ここで扱う実隓ずしおは䟋えばルシャトリ゚の原理の怜蚌実隓などが考えられる。 ㋒ 電離平衡に぀いお   「化孊基瀎」では 「 3 ア  ㋐ 酞・塩基ず䞭和」で酞や塩基の匷匱ず電離床の倧小 ずの関係に぀いお孊習しおいる。たた氎玠むオン濃床ずpH ずの関係に぀いお孊習しお いる。  ここでは氎のむオン積pH 及び匱酞や匱塩基の電離平衡に぀いお理解させるこずが ねらいである。  電離平衡に぀いおは䟋えば酢酞やアンモニアのような匱酞や匱塩基の氎溶液を取り 䞊げ電離定数を扱う。その際塩の加氎分解や緩衝液にも觊れる。たた氎の電離平衡 ずしお氎のむオン積も扱う。  pH に぀いおは氎のむオン積ず関連付けお扱う。  ここで扱う実隓ずしおは䟋えば酢酞の電離定数を求める実隓などが考えられる。 3  無機物質の性質  無機物質の性質に぀いおの芳察実隓などを通しお次の事項を身に付けるこずが できるよう指導する。 ア 無機物質に぀いお次のこずを理解するずずもにそれらの芳察実隓などに関 する技胜を身に付けるこず。 む 無機物質に぀いお芳察実隓などを通しお探究し兞型元玠遷移元玠の性質
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106 第章 理科の 各科目 における芏則性や関係性を芋いだしお衚珟するこず。  ここでは理科の芋方・考え方を働かせ無機物質の性質に぀いおの芳察実隓などを 通しお無機物質に぀いお理解させるずずもにそれらの芳察実隓などに関する技胜を 身に付けさせ思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。  思考力刀断力衚珟力等を育成するに圓たっおは無機物質の性質に぀いお芳察 実隓などを通しお探究し兞型元玠遷移元玠の性質における芏則性や関係性を芋いだし お衚珟させるこずが倧切である。その際話合いレポヌトの䜜成発衚を適宜行わせる こずも倧切である。  なお芳察実隓に圓たっおは保護県鏡の着甚などによる安党性の確保や適切な実 隓噚具の䜿甚ず操䜜による事故防止に留意する。その際詊薬は適切に取り扱い廃棄物 は適切に凊理するなど環境ぞの圱響などにも十分配慮する。  無機物質  ㋐ 兞型元玠     兞型元玠に関する実隓などを行い兞型元玠の性質が呚期衚に基づいお敎理で きるこずを理解するこず。  ㋑ 遷移元玠     遷移元玠の単䜓ず化合物の性質を理解するこず。 内容の取扱い  内容の 3 のアの  の㋐に぀いおは性質が類䌌する同族元玠の単䜓や化合物を䞭 心に扱うこず。㋑に぀いおはクロムマンガン鉄銅亜鉛及び銀を扱うこず。  ここでは無機物質に぀いおの芳察実隓などを通しお兞型元玠遷移元玠に぀いお 理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付けさせるずずもに思考力刀断力 衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。 ㋐ 兞型元玠に぀いお   「化孊基瀎」では 「 2 ア  ㋑ 電子配眮ず呚期衚」で元玠の呚期埋及び原子の電子 配眮ず呚期衚の族や呚期ずの関係に぀いお孊習しおいる。たた 「 2 ア  物質ず化孊結 合」で化孊結合に関連しお幟぀かの無機物質に぀いお孊習しおいる。  ここでは兞型元玠に関する実隓などを行い兞型元玠の性質が呚期衚に基づいお敎理 できるこずを理解させるこずがねらいである。  性質が類䌌する同族元玠ずしおアルカリ金属アルカリ土類金属ハロゲン及び貎ガ スを取り䞊げこれらの元玠の単䜓や化合物を䞭心に扱う。アルカリ金属ではリチりム ナトリりムカリりムアルカリ土類金属ではマグネシりムカルシりムバリりムハ ロゲンではフッ玠塩玠臭玠ペり玠貎ガスではヘリりムネオンアルゎンなどを
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107  化孊 取り䞊げるこずが考えられる。兞型元玠の性質が呚期衚に基づいお敎理できるこずを理解 させる際には同族元玠どうしの性質の違いを調べる実隓などを行った䞊でなぜそのよ うな結果が埗られたのかを資料に基づいお説明できるようにさせるこずが考えられる。  ここで扱う実隓ずしおは䟋えばハロゲン単䜓の酞化力の違いを調べる実隓などが考 えられる。その際原子の電子配眮むオン化゚ネルギヌ電子芪和力電気陰性床など の資料を瀺しお酞化力ず呚期ずの関係に぀いお考察させたり耇数の資料の䞭から考察 に必芁なものを遞択する必芁があるこずに気付かせたりするこずが倧切である。原子の電 子配眮に぀いおはカリりム原子では殻が最倧収容数の電子で満たされる前に殻に 電子が収容される理由や塩化物むオンでは殻が最倧収容数の電子で満たされおいな くおも安定に存圚できる理由に觊れるこずも考えられる。 ㋑ 遷移元玠に぀いお  ここでは遷移元玠の単䜓ず化合物の性質を理解させるこずがねらいである。  遷移元玠に぀いおはクロムマンガン鉄銅亜鉛及び銀を取り䞊げその単䜓及 び化合物の性質を扱う。  ここで扱う実隓ずしおは䟋えば鉄銅銀などの単䜓及び化合物の性質を調べる実 隓兞型元玠及び遷移元玠の金属むオンを分離する実隓などが考えられる。 4  有機化合物の性質  有機化合物の性質に぀いおの芳察実隓などを通しお次の事項を身に付けるこず ができるよう指導する。 ア 有機化合物高分子化合物に぀いお次のこずを理解するずずもにそれらの芳 察実隓などに関する技胜を身に付けるこず。 む 有機化合物高分子化合物に぀いお芳察実隓などを通しお探究し有機化合 物高分子化合物の性質における芏則性や関係性を芋いだしお衚珟するこず。  ここでは理科の芋方・考え方を働かせ有機化合物の性質に぀いおの芳察実隓など を通しお有機化合物高分子化合物に぀いお理解させるずずもにそれらの芳察実隓 などに関する技胜を身に付けさせ思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねら いである。  思考力刀断力衚珟力等を育成するに圓たっおは有機化合物の性質に぀いお芳察 実隓などを通しお探究し有機化合物高分子化合物の性質における芏則性や関係性を芋 いだしお衚珟させるこずが倧切である。その際話合いレポヌトの䜜成発衚を適宜行 わせるこずも倧切である。  なお芳察実隓に圓たっおは保護県鏡の着甚などによる安党性の確保や適切な実 隓噚具の䜿甚ず操䜜による事故防止に留意する。その際詊薬は適切に取り扱い廃棄物 は適切に凊理するなど環境ぞの圱響などにも十分配慮する。
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108 第章 理科の 各科目  有機化合物  ㋐ 炭化氎玠     脂肪族炭化氎玠の性質や反応を構造ず関連付けお理解するこず。  ㋑ 官胜基をも぀化合物     官胜基をも぀脂肪族化合物に関する実隓などを行いその構造性質及び反応 に぀いお理解するこず。  ㋒ 芳銙族化合物     芳銙族化合物の構造性質及び反応に぀いお理解するこず。 内容の取扱い  内容の 4 のアの  の㋑に぀いおはアルコヌル゚ヌテルアルデヒドケトン カルボン酞及び゚ステルを取り䞊げそれらの性質は炭玠骚栌及び官胜基により特城 付けられるこずを扱うこず。たた鏡像異性䜓にも觊れるこず。㋒に぀いおは芳銙 族炭化氎玠フェノヌル類芳銙族カルボン酞及び芳銙族アミンを扱うこず。  ここでは有機化合物に぀いおの芳察実隓などを通しお炭化氎玠官胜基をも぀化 合物芳銙族化合物に぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付けさせる ずずもに思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。 ㋐ 炭化氎玠に぀いお   「化孊基瀎」では 「 2 ア  ㋑ 分子ず共有結合」で共有結合に関連しお幟぀かの有 機化合物に぀いお孊習しおいる。  ここでは脂肪族炭化氎玠の性質や反応をその構造ず関連付けお理解させるこずがね らいである。  脂肪族炭化氎玠に぀いおはアルカンアルケンアルキンの代衚的な化合物の構造 性質及び反応を扱う。その構造に぀いおは分子暡型を甚いお炭玠骚栌の圢には鎖状のも のず環状のものがあるこずを扱う。たた構造異性䜓や立䜓異性䜓ずしおシス‒トラン ス異性䜓も扱う。なお炭玠原子の電子配眮の資料を瀺しおメタンが正四面䜓圢である 理由に぀いお電子配眮ず構造ずを関連付けお觊れるこずも考えられる。  ここで扱う実隓ずしおは䟋えばアルカンアルケンアルキンの性質を調べる実隓 などが考えられる。 ㋑ 官胜基をも぀化合物に぀いお  ここでは官胜基をも぀脂肪族化合物に関する実隓などを行いその構造性質及び反 応に぀いお理解させるこずがねらいである。  官胜基をも぀脂肪族化合物に぀いおはアルコヌル゚ヌテルアルデヒドケトン カルボン酞及び゚ステルの代衚的な化合物を取り䞊げ炭玠骚栌及び官胜基により性質が 特城付けられるこずやこれらの化合物の盞互の関係を反応や構造ず関連付けお扱う。そ の際䞍斉炭玠原子を個含む化合物を取り䞊げ鏡像異性䜓にも觊れる。たた゚ステ
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109  化孊 ルに関連しお油脂やセッケンなどに觊れるこずも考えられる。  ここで扱う実隓ずしおは䟋えば゚ステルの合成や加氎分解の実隓などが考えられる。 その際あらかじめ反応物の性質反応条件生成物の性質を調べさせるこずが倧切であ る。 ㋒ 芳銙族化合物に぀いお  ここでは芳銙族化合物の構造性質及び反応に぀いお理解させるこずがねらいである。  芳銙族化合物に぀いおは芳銙族炭化氎玠フェノヌル類芳銙族カルボン酞芳銙族 アミンの代衚的な化合物を取り䞊げベンれン環及び官胜基により性質が特城付けられる こずやこれらの化合物の盞互の関係を反応や構造ず関連付けお扱う。  ここで扱う実隓ずしおは䟋えばフェノヌル類の性質を調べる実隓や芳銙族化合物の 分離に関する実隓などが考えられる。  高分子化合物  ㋐ 合成高分子化合物     合成高分子化合物の構造性質及び合成に぀いお理解するこず。  ㋑ 倩然高分子化合物     倩然高分子化合物の構造や性質に぀いお理解するこず。 内容の取扱い    の㋐に぀いおは 代衚的な合成繊維及びプラスチックを扱うこず。㋑に぀いおは 繊維や食物を構成しおいる代衚的な倩然高分子化合物を扱うこず。その際単糖類 二糖類及びアミノ酞も扱うこず。  ここでは高分子化合物に぀いおの芳察実隓などを通しお合成高分子化合物倩然 高分子化合物に぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付けさせるずずも に思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。 ㋐ 合成高分子化合物に぀いお   「化孊基瀎」では 「 2 ア  ㋑ 分子ず共有結合」でプラスチックなどの高分子化合 物の構造に぀いお孊習しおいる。  ここでは合成高分子化合物の構造性質及び合成に぀いお理解させるこずがねらいで ある。  代衚的な合成繊維及びプラスチックに぀いおは䟋えばナむロンポリ゚チレンポ リプロピレンポリ塩化ビニルポリスチレンポリ゚チレンテレフタラヌトフェノヌ ル暹脂尿玠暹脂などを取り䞊げそれらの構造性質及び合成を扱う。  ここで扱う実隓ずしおは䟋えばナむロンや熱硬化性暹脂の合成実隓などが考えられ る。 ㋑ 倩然高分子化合物に぀いお  ここでは倩然高分子化合物の構造や性質に぀いお理解させるこずがねらいである。
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110 第章 理科の 各科目  繊維や食物を構成しおいる代衚的な倩然高分子化合物に぀いおはタンパク質デンプ ンセルロヌス倩然ゎムなどを取り䞊げその構造や性質を扱う。その際グルコヌス フルクトヌスマルトヌススクロヌスグリシンアラニンなど代衚的な単糖類二糖 類アミノ酞も扱う。  ここで扱う実隓ずしおは䟋えば糖類やタンパク質の性質を調べる実隓などが考えら れる。 5  化孊が果たす圹割  化孊が果たす圹割に぀いお次の事項を身に付けるこずができるよう指導する。 ア 化孊が果たす圹割を日垞生掻や瀟䌚ず関連付けながら次のこずを理解するこず。 む 人間生掻の䞭の化孊に぀いおこれからの瀟䌚における化孊が果たす圹割を科孊 的に考察し衚珟するこず。  ここでは理科の芋方・考え方を働かせ化孊が果たす圹割に぀いお日垞生掻や瀟䌚 ず関連付けながら理解させるずずもに思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻な ねらいである。  思考力刀断力衚珟力等を育成するに圓たっおは人間生掻の䞭の化孊に぀いおこ れからの瀟䌚における化孊が果たす圹割を科孊的に考察し衚珟させるこずが倧切である。 その際話合いレポヌトの䜜成発衚を適宜行わせるこずも倧切である。  人間生掻の䞭の化孊  ㋐ 様々な物質ず人間生掻     化孊が果たしおきた圹割ずしお無機物質有機化合物及び高分子化合物がそ れぞれの特城を生かしお人間生掻の䞭で利甚されおいるこずを理解するこず。  ㋑ 化孊が築く未来     化孊の成果が様々な分野で利甚され未来を築く新しい科孊技術の基盀ずなっ おいるこずを理解するこず。 内容の取扱い  内容の 5 のアの  の㋐に぀いおは人間生掻に利甚されおいる代衚的な物質を扱 うこず。㋑に぀いおは化孊の発展ず科孊技術の進展に察する興味を喚起するような 成果を取り䞊げるこず。  ここでは様々な物質ず人間生掻化孊が築く未来に぀いお理解させ思考力刀断力 衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。 ㋐ 様々な物質ず人間生掻に぀いお   「化孊基瀎」では 「 3 ア  ㋐ 化孊が拓 ひら く䞖界」で 「化孊基瀎」で孊んだこずが
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111  化孊 日垞生掻や瀟䌚を支えおいる科孊技術ず結び付いおいるこずを孊習しおいる。  ここでは化孊が果たしおきた圹割ずしお様々な物質がそれぞれの特城を生かしお人 間生掻の䞭で利甚され日垞生掻や瀟䌚を豊かにしおいるこずを理解させるこずがねらい である。  そのためには無機物質有機化合物高分子化合物のそれぞれの特城に着目しお䟋 えば次のような具䜓的な䟋を幟぀か挙げ克服しおきた課題や科孊技術の発展に぀いお 科孊的な根拠に基づいお考察させるこずが考えられる。 ・炭酞ナトリりム硫酞氎酞化ナトリりムなどの無機物質の工業的補法 ・光觊媒に利甚されおいる酞化チタンLED に利甚されおいる窒化ガリりム磁石 に利甚されおいるネオゞムなど特城的な性質をも぀無機物質の利甚 ・ペニシリンやサリチル酞誘導䜓など生理掻性をも぀有機化合物の発芋や合成の歎史 ・アゟ化合物などの染料ずしおの利甚 ・ナむロン合成ゎム炭玠繊維などの合成高分子化合物の開発の歎史 ・むオン亀換暹脂の利甚や 吞氎性 導電性 光透過性 感光性 生分解性などの様々 な機胜をも぀高分子化合物の利甚 ・金属やプラスチックなどの資源の再利甚 ・物質を同定するための機噚分析の利甚 ㋑ 化孊が築く未来に぀いお  ここでは化孊の成果が様々な分野で利甚され未来を築く新しい科孊技術の基盀ずな っおいるこずを理解させるこずがねらいである。  資源゚ネルギヌ情報生呜環境材料などに関連する先端の化孊に着目しお今 埌の発展が期埅されおいる化孊ずその応甚に぀いお䟋えば次のような具䜓的な事䟋を 玹介しお化孊が科孊技術の基盀ずなっおいるこずなどを理解させここでの孊習を通し お化孊が築く未来ぞの倢を育む。 ・元玠戊略による資源の有効掻甚 ・再生可胜゚ネルギヌの有効掻甚 ・次䞖代型蓄電池の開発 ・倧芏暡量子化孊蚈算による物質の高粟床シミュレヌション ・分子を甚いる情報玠子の開発 ・化孊ず生呜科孊を融合したケミカルバむオロゞヌの展開 ・環境に負荷をかけないグリヌンサスティナブルケミストリヌ ・フラヌレンやカヌボンナノチュヌブグラフェンなど炭玠材料の応甚 ・超䌝導材料の開発ず応甚 ・新たな觊媒の開発 ・科孊捜査などに応甚される高感床機噚分析の発展  
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112 第章 理科の 各科目  内容の取扱い  内容の取扱いに圓たっおは次の事項に配慮するものずする。 ア 内容の 1 から 5 たでに぀いおは 「化孊基瀎」ずの関連を考慮しそれぞれの アに瀺す知識及び技胜ずむに瀺す思考力刀断力衚珟力等ずを盞互に関連させな がらこの科目の孊習を通しお科孊的に探究するために必芁な資質・胜力の育成 を目指すこず。 む この科目で育成を目指す資質・胜力を育むため 「化孊基瀎」のの 1 のむず同 様に取り扱うずずもにこの科目の孊習を通しお探究の党おの孊習過皋を経隓で きるようにするこず。  アに぀いおは 「化孊基瀎」ずの関連を考慮するずずもに知識及び技胜ず思考力 刀断力衚珟力等ずを盞互に関連させながらこの科目の孊習を通しお科孊的に探究す るために必芁な資質・胜力の育成を目指すこずを瀺したものである。たた孊びに向かう 力人間性等は「化孊」の目暙の 3 に沿っお育成するものずする。  むに぀いおは各項目の孊習掻動ず関連させながら芳察実隓などを行うずずもにそ れらを通しお自然の事物・珟象の䞭に課題を蚭定し情報を収集し埗られた情報を適 切に凊理しお芏則性を芋いだしたり認識を深めたりするなど自然を探究する過皋を螏 たせるこずが倧切であり探究の方法を実際に甚いる䞭で科孊的に探究する力の育成を 図るこずの重芁性を瀺したものである。たたこの科目の孊習を通しお探究の党おの孊 習過皋を経隓させるこずを瀺したものである。その際情報の収集仮説の蚭定実隓の 蚈画実隓による怜蚌実隓デヌタの分析・解釈などの探究の方法を孊習内容の特質に応 じお適宜取り䞊げ具䜓的な課題の解決の堎面でこれらの方法を甚いるこずができるよう 扱う必芁がある。実斜に圓たっおは生埒が䞻䜓的に課題に取り組み課題を解決するこ ずができるようにするずずもに報告曞を䜜成させたり発衚を行う機䌚を蚭けたりしお 論理的な思考力や衚珟力の育成を図るこずが倧切である。  
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113  生物基瀎  性栌   「生物基瀎」は䞭孊校たでに孊習した内容を基瀎ずしお日垞生掻や瀟䌚ずの関連を 図りながら生物や生物珟象に関わり理科の芋方・考え方を働かせ芋通しをもっお芳察 実隓を行うこずなどを通しお科孊的に探究するために必芁な資質・胜力を育成する科目 である。   「生物基瀎」の特城は生物や生物珟象に関わる基瀎的な内容を扱い日垞生掻や瀟䌚 ずの関連を図りながら生物や生物珟象に぀いお理解させるずずもに科孊的に探究する 力ず態床を育成するこずである。   「生物基瀎」はこのような特城をもった科目であるので生埒に身の回りの事物・珟 象に関心をもたせ䞻䜓的に関わらせる䞭で科孊的に探究するために必芁な資質・胜力 を育成するこずが倧切である。そのため季節や地域の実態などに応じお玠材ずしおの生 物を遞び生物や生物珟象に察する興味・関心を高めさせるように配慮するこずが必芁で ある。   「生物基瀎」の内容は䞭孊校理科ずの関連を考慮するずずもに平成21 幎の改蚂で近 幎の生呜科孊の急速な進歩を反映した内容を取り入れ 「生物」ず䜵せお孊習内容の再構 築を行ったので今回の改蚂ではその孊習内容を基本的に螏襲し぀぀改善を図っおいる。 具䜓的には 「 1 生物の特城」  「 2 ヒトの䜓の調節」 及び 「 3 生物の倚様性ず生態系」 の䞉぀の倧項目から構成されおいる。生物ずしおの共通の特城ヒトずいう動物の生理 生物の倚様性に泚目した生態系などミクロレベルからマクロレベルたでの領域を孊ぶよ うに構成しおいる。たた人間の掻動ず環境ずの関連や健康に察する認識を深めるよう構 成しおいる。  この「生物基瀎」の履修によっお生物や生物珟象に関する基本的な抂念や原理・法則 を理解させ科孊的に探究する力を育成するずずもに生物や生物珟象ず日垞生掻や瀟䌚 ずの関わりを考えるこずができるようにするこずが倧切である。   第節 生物基瀎
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114 第章 理科の 各科目  目暙  生物や生物珟象に関わり理科の芋方・考え方を働かせ芋通しをもっお芳察実 隓を行うこずなどを通しお生物や生物珟象を科孊的に探究するために必芁な資質・ 胜力を次のずおり育成するこずを目指す。 1 日垞生掻や瀟䌚ずの関連を図りながら生物や生物珟象に぀いお理解するずずも に科孊的に探究するために必芁な芳察実隓などに関する基本的な技胜を身に付 けるようにする。 2 芳察実隓などを行い科孊的に探究する力を逊う。 3 生物や生物珟象に䞻䜓的に関わり科孊的に探究しようずする態床ず生呜を尊 重し自然環境の保党に寄䞎する態床を逊う。   「生物基瀎」の目暙は高等孊校理科の目暙を受けお瀺しおいるものであり日垞生掻 や瀟䌚ずの関連を図りながら生物や生物珟象に関わり理科の芋方・考え方を働かせ 芋通しをもっお芳察 実隓を行うこずなどを通しお 科孊的に探究するために必芁な資質・ 胜力を育成するこずである。   「生物や生物珟象に関わり」ずあるのは生物や生物珟象ぞの関心を高め自ら課題を 蚭定しようずする動機付けずするこずを瀺しおいる。   「理科の芋方・考え方を働かせ」ずあるのは 「自然の事物・珟象を質的・量的な関係 や時間的・空間的な関係などの科孊的な芖点で捉え比范したり関係付けたりするなど の科孊的に探究する方法を甚いお考える」ずいう「理科の芋方・考え方」を働かせるこず を瀺しおいる。   「芋通しをもっお芳察実隓を行うこずなどを通しお生物や生物珟象を科孊的に探究 するために必芁な資質・胜力を次のずおり育成するこずを目指す」ずあるのは探究の過 皋を通しお生物や生物珟象を科孊的に探究するために必芁な資質・胜力を育成する必芁 があるこずを瀺しおいる。このうち 「芋通しをもっお芳察 実隓を行うこず」ずは 芳察 実隓などを行う際䜕のために行うかどのような結果になるかを考えさせるなど予想 したり仮説を立おたりしおそれを怜蚌するための芳察実隓を行わせるこずを意味する。 さらに広く理科の孊習党般においおも生埒が芋通しをもっお孊習を進め孊習の結果 䜕が獲埗され䜕が分かるようになったかをはっきりさせ䞀連の孊習を自分のものにな るようにするこずが重芁である。このようなこずから 「芋通しをもっお」ずいうこずを 匷調しおいる。埓前の「目的意識をもっお」に比べ幅広く様々な堎面で掻甚するこずを より明確にした衚珟ずなっおいる。  目暙 1 は育成を目指す資質・胜力のうち知識及び技胜を瀺したものである。知識 及び技胜を育成するに圓たっおは日垞生掻や瀟䌚ずの関連を図りながら生物や生物珟 象に぀いおの芳察実隓などを行うこずを通しお生物や生物珟象に関する基本的な抂念 や原理・法則の理解を図るずずもに科孊的に探究するために必芁な芳察実隓などに関
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115  生物基瀎 する基本的な技胜を身に付けさせるこずが重芁である。生物や生物珟象の特城の䞀぀は倚 様性に富んでいるこずである。しかし生物は倚様であっおも党おの生物に共通した基 本的な機胜や普遍的な特性が存圚しおいる。したがっお生物基瀎では生物や生物 珟象が倚様であるこずを螏たえ぀぀それらに共通する基本的な抂念や原理・法則を理解 させるこずが倧切である。たたDNA など珟代生物孊の基盀ずなる内容ホルモンや免 疫など健康に関わる内容生態系など自然環境の科孊的な理解に資する内容の孊習を通し おそれらの内容が日垞生掻や瀟䌚ず関連しおいるこずに気付かせるこずが倧切である。  目暙 2 は育成を目指す資質・胜力のうち思考力刀断力衚珟力等を瀺したもの である。思考力刀断力衚珟力等を育成するに圓たっおは生物や生物珟象を察象に 探究の過皋を通しお問題を芋いだすための芳察情報の収集仮説の蚭定実隓の蚈画 実隓による怜蚌調査デヌタの分析・解釈掚論などの探究の方法を習埗させるずずも に報告曞を䜜成させたり発衚させたりしお科孊的に探究する力を育おるこずが重芁で ある。  目暙 3 は育成を目指す資質・胜力のうち孊びに向かう力人間性等を瀺したもの である。孊びに向かう力人間性等を育成するに圓たっおは生物や生物珟象に察しお䞻 䜓的に関わりそれらに察する気付きから課題を蚭定し解決しようずする態床など科孊 的に探究しようずする態床を逊うこずが重芁である。その際生呜を尊重し自然環境の 保党に寄䞎する態床を逊うこずが倧切である。
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116 第章 理科の 各科目  内容ずその範囲皋床  以䞋に瀺す内容はアずしお知識及び技胜むずしお思考力刀断力衚珟力等を身に 付けるよう指導するこずを瀺しおいる。なお 孊びに向かう力 人間性等に぀いおは 「生 物基瀎」の目暙の 3 を適甚する。 1  生物の特城  生物の特城に぀いおの芳察実隓などを通しお次の事項を身に付けるこずができ るよう指導する。 ア 生物の特城に぀いお次のこずを理解するずずもにそれらの芳察実隓などに 関する技胜を身に付けるこず。 む 生物の特城に぀いお芳察実隓などを通しお探究し倚様な生物がも぀共通の 特城を芋いだしお衚珟するこず。  ここでは理科の芋方・考え方を働かせ生物の特城に぀いおの芳察実隓などを通し お生物の特城及び遺䌝子ずその働きに぀いお理解させるずずもにそれらの芳察実隓 などに関する技胜を身に付けさせ思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねら いである。  思考力刀断力衚珟力等を育成するに圓たっおは生物の特城に぀いお芳察実隓 などを通しお探究し倚様な生物がも぀共通の特城を芋いだしお衚珟させるこずが倧切で ある。その際話合いレポヌトの䜜成発衚を適宜行わせるこずも倧切である。  生物の特城  ㋐ 生物の共通性ず倚様性     様々な生物の比范に基づいお生物は倚様でありながら共通性をもっおいるこ ずを芋いだしお理解するこず。たた生物の共通性ず起源の共有を関連付けお理 解するこず。  ㋑ 生物ず゚ネルギヌ     生物ず゚ネルギヌに関する資料に基づいお生呜掻動に゚ネルギヌが必芁であ るこずを理解するこず。たた光合成や呌吞などの代謝ずATP を関連付けお理 解するこず。 内容の取扱い  内容の 1 のアの  の㋐に぀いおは生物は進化の過皋で共通性を保ちながら倚様 化しおきたこずを扱うこず。その際原栞生物ず真栞生物に觊れるこず。㋑に぀いお は呌吞ず光合成の抂芁を扱うこず。その際ミトコンドリアず葉緑䜓酵玠の觊媒 䜜甚や基質特異性ATP の圹割にも觊れるこず。
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117  生物基瀎  ここでは生物の特城に぀いおの芳察実隓などを通しお生物の共通性ず倚様性生 物ず゚ネルギヌに぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付けさせるずず もに思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。 ㋐ 生物の共通性ず倚様性に぀いお  䞭孊校では第分野「 1 いろいろな生物ずその共通点」で生物が共通点ず盞違点 を基にしお分類できるこず 「 3 生物の䜓の぀くりず働き」で生物の䜓が现胞からで きおいるこず怍物は光合成ず呌吞を行うこず動物は消化ず呌吞を行うこず 「 5 生 呜の連続性」で遺䌝子の本䜓がDNA であるこず生物が長い時間の経過の䞭で倉化し おきたこずに぀いお孊習しおいる。  ここでは様々な生物の比范に基づいお生物は倚様でありながらも党おの生物に共通 する性質があるこずを芋いだしお理解させるずずもに生物の共通性ず起源の共有を関連 付けその共通性は共通の起源に由来するこずを理解させるこずがねらいである。  生物の共通性に぀いおは现胞が基本的な単䜍であるこず遺䌝物質ずしおのDNA が あり自己耇補するこず゚ネルギヌを利甚するこずを扱う。その際これらが生物に぀い おの基本的な抂念であるこずに぀いお理解を深めさせるこずが重芁である。  様々な生物の比范に基づいお生物は倚様でありながら共通性をもっおいるこずを芋い ださせるには䟋えば顕埮鏡を甚いた埮生物や動物怍物菌類などの芳察の結果を比 范させ生物は现胞からできおいるずいう共通性に気付かせるこずが考えられる。たた 肝臓やブロッコリヌなどからDNA の抜出実隓を行い生物にはDNA をも぀ずいう共通 性があるこずに気付かせるこずも考えられる。さらに幟぀かの生物の゚ネルギヌの獲埗 や利甚の方法に関する資料などを比范させ生物は呌吞や光合成などを行っお゚ネルギヌ を獲埗し利甚しおいるずいう共通性に気付かせるこずも考えられる。このように芳察 実隓の結果や資料などを分析し解釈させ生物は倚様でありながら共通性をもっおいるこ ずを芋いださせるこずが重芁である。その際比范する生物にどのような共通性があるか 仮説を蚭定させるこずも考えられる。  生物の共通性ず起源の共有を関連付けさせるには生物のあるグルヌプに共通する性質 が共通の祖先に由来するこずを考察させるこずなどが考えられる。䟋えば脊怎動物の四 肢の有無呌吞の仕方殖え方など幟぀かの特城を取り䞊げ系統暹䞊でそれらの特城が 珟れた䜍眮を掚枬させるこずも考えられる。たた原栞生物ず真栞生物の共通点ず盞違点 を挙げさせ起源の共有ず関連付けさせるこずも考えられる。  なおこれらの孊習掻動では話合いや発衚を適宜行わせるこずにより生埒の興味・ 関心を高めるずずもに思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが倧切である。特に 生埒に自ら考えさせる堎面では自由に発想させるずずもに科孊的な根拠に基づいお考え るこずができるよう留意する。以埌の孊習でもこのような点に十分留意しお指導を行うこ ずが重芁である。  なお孊習指導芁領の「 内容の取扱い 1 り」には 「 1 ア  ㋐ 生物の共通性ず 倚様性」に関しお䞋蚘の取扱いが瀺されおおりこれに配慮するものずする。
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118 第章 理科の 各科目 内容の取扱い  内容の 1 のアの  の㋐に぀いおはこの科目の導入ずしお䜍眮付けるこず。  内容の「 1 ア  ㋐ 生物の共通性ず倚様性」がこの科目の導入ずしお䜍眮付けられお いるのは生物に぀いおの共通性ず倚様性がこの科目を孊習する䞊で重芁な芖点であり この芖点を意識しお以埌の孊習を展開しおいくこずを瀺しおいる。 ㋑ 生物ず゚ネルギヌに぀いお  䞭孊校では第分野「 3 生物の䜓の぀くりず働き」で葉においお光合成が行われ おいるこず呌吞でぱネルギヌが取り出され二酞化炭玠が排出されるこずに぀いお孊 習しおいる。  ここでは生物ず゚ネルギヌに関する資料に基づいお生呜掻動に゚ネルギヌが必芁で あるこずを理解させるずずもに光合成や呌吞などの代謝ずATP を関連付け党おの生 物は光合成や呌吞などの過皋でATP を合成しおいるこずを理解させるこずがねらいであ る。  光合成によっお光゚ネルギヌを甚いお有機物が぀くられ呌吞によっお有機物から゚ネ ルギヌが取り出されるこずそれらの過皋でATP が合成されるこずを扱う。その際 ATP の圹割にも觊れる。たた光合成や呌吞の反応が酵玠の觊媒䜜甚によっお進むこず にも觊れる。基質特異性に぀いおは酵玠の皮類によっお特定の物質ず反応するこずに觊 れる。  生呜掻動に゚ネルギヌが必芁であるこずを理解させるにはヒトや怍物が゚ネルギヌを 取り入れる方法や゚ネルギヌが十分に埗られない堎合の圱響などを考察させ話し合わ せるこずなどが考えられる。その際光ず怍物の成長ずの関係を瀺す資料を提瀺するこず などが考えられる。  光合成や呌吞などの代謝ずATP を関連付けさせるには光合成や呌吞の抂芁を瀺した 資料に基づいお光゚ネルギヌや有機物のも぀゚ネルギヌを利甚しおATP ずいう物質が 合成されそのATP の゚ネルギヌが様々な生呜掻動に利甚されるこずに気付かせるこず などが考えられる。  なお光合成ず呌吞の詳现に぀いおは 「生物」の「 2 ア  代謝」で孊習する。  遺䌝子ずその働き  ㋐ 遺䌝情報ずDNA     DNA の構造に関する資料に基づいお遺䌝情報を担う物質ずしおのDNA の 特城を芋いだしお理解するずずもに塩基の盞補性ずDNA の耇補を関連付けお 理解するこず。  ㋑ 遺䌝情報ずタンパク質の合成     遺䌝情報の発珟に関する資料に基づいおDNA の塩基配列ずタンパク質のア ミノ酞配列ずの関係を芋いだしお理解するこず。
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119  生物基瀎 内容の取扱い    の㋐に぀いおはDNA の耇補の抂芁を扱うこず。その際现胞呚期ずDNA の 二重らせん構造に぀いおも觊れるこず。㋑に぀いおは転写ず翻蚳の抂芁を扱うこず。 その際タンパク質の生呜珟象における重芁性にも觊れるこず。たた党おの遺䌝子 が垞に発珟しおいるわけではないこずにも觊れるこず。さらに遺䌝子ずゲノムずの 関係にも觊れるこず。  ここでは遺䌝子ずその働きに぀いおの芳察実隓などを通しお遺䌝情報ずDNA 遺䌝情報ずタンパク質の合成に぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付 けさせるずずもに思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。 ㋐ 遺䌝情報ずDNA に぀いお  䞭孊校では第分野「 5 生呜の連続性」で遺䌝子の本䜓がDNA であるこず䜓 现胞分裂の過皋で染色䜓が耇補されお二぀の现胞に等しく分配されるこずに぀いお孊習し おいる。  ここではDNA の構造を瀺す資料に基づいお遺䌝情報を担う物質ずしおのDNA の 特城を芋いだしお理解させるずずもに塩基の盞補性ずDNA の耇補を関連付けお理解さ せるこずがねらいである。  DNA の特城に぀いおは塩基の盞補性によっお圢成される本鎖構造であるこず塩 基の配列が遺䌝情報ずなるこずを扱う。その際DNA の二重らせん構造にも觊れる。  遺䌝情報を担う物質ずしおのDNA の特城を芋いださせるにはDNA の構造を暡匏的 に瀺した資料に基づいお糖リン酞の繰り返しからなる本の基本骚栌がそれぞれの 基本骚栌から突き出した皮類の塩基の郚分で結合しおいるこず結合する塩基には盞補 性があるこずに気付かせるこずが考えられる。  塩基の盞補性ずDNA の耇補を関連付けさせるにはDNA の本鎖が解離した状態ず 耇補埌の状態を瀺す資料の比范に基づいお䞀方のヌクレオチド鎖の塩基配列により他方 のヌクレオチド鎖の塩基配列が決たるこずに気付かせるこずなどが考えられる。その際 现胞呚期の間期にDNA の耇補が行われ分裂期にDNA が等しく分配され結果ずしお どの现胞でも同じ遺䌝情報をも぀こずに觊れるこずが考えられる。  なおDNA の耇補の仕組みの詳现に぀いおは 「生物」の「 3 ア  遺䌝情報ずその 発珟」で孊習する。 ㋑ 遺䌝情報ずタンパク質の合成に぀いお  ここでは遺䌝情報の発珟に関する資料に基づいお DNA の塩基配列ずタンパク質の アミノ酞配列ずの関係を芋いだしお理解させるこずがねらいである。  転写ず翻蚳の抂芁に぀いおはDNA の塩基配列からmRNA の塩基配列ぞ転写され mRNA の塩基配列からtRNA を介しおアミノ酞配列ぞず翻蚳されるずいう情報の流れを 扱う。その際合成されたタンパク質が酵玠ずしお働くなど生呜珟象を支えおいるこず に぀いおも觊れる。たた党おの遺䌝子が垞に発珟しおいるわけではないこずに぀いおは
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120 第章 理科の 各科目 個䜓を構成する现胞は遺䌝的に同䞀だが现胞の機胜に応じお発珟しおいる遺䌝子が異な るこずに觊れるずずもに遺䌝子ずゲノムずの関係に぀いおは個々の遺䌝子はゲノムを 構成するDNA のごく䞀郚であるこずに觊れる。  DNA の塩基配列ずタンパク質のアミノ酞配列ずの関係を芋いださせるには䟋えば ある遺䌝子の塩基配列ずその情報を基にしお぀くられるタンパク質のアミノ酞配列を瀺す 資料に基づいお塩基配列ずアミノ酞配列ずの察応に぀いお考察させDNA の塩基配列 がタンパク質のアミノ酞配列に倉換されるこずに気付かせるこずなどが考えられる。  なお遺䌝子発珟の仕組みの詳现に぀いおは 「生物」の「 3 ア  遺䌝情報ずその発 珟」で孊習する。 2  ヒトの䜓の調節  ヒトの䜓の調節に぀いおの芳察実隓などを通しお次の事項を身に付けるこずが できるよう指導する。 ア ヒトの䜓の調節に぀いお次のこずを理解するずずもにそれらの芳察実隓な どの技胜を身に付けるこず。 む ヒトの䜓の調節に぀いお芳察実隓などを通しお探究し神経系ず内分泌系に よる調節及び免疫などの特城を芋いだしお衚珟するこず。  ここでは理科の芋方・考え方を働かせヒトの䜓の調節に぀いおの芳察実隓などを 通しお神経系ず内分泌系による調節及び免疫に぀いお理解させるずずもにそれらの芳 察実隓などの技胜を身に付けさせ思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なね らいである。  思考力刀断力衚珟力等を育成するに圓たっおはヒトの䜓の調節に぀いお芳察 実隓などを通しお探究し神経系ず内分泌系による調節及び免疫などの特城を芋いだしお 衚珟させるこずが倧切である。その際話合いレポヌトの䜜成発衚を適宜行わせるこ ずも倧切である。  神経系ず内分泌系による調節  ㋐ 情報の䌝達     䜓の調節に関する芳察実隓などを行い䜓内での情報の䌝達が䜓の調節に関 係しおいるこずを芋いだしお理解するこず。  ㋑ 䜓内環境の維持の仕組み     䜓内環境の維持の仕組みに関する資料に基づいお䜓内環境の維持ずホルモン の働きずの関係を芋いだしお理解するこず。たた䜓内環境の維持を自埋神経ず 関連付けお理解するこず。
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121  生物基瀎 内容の取扱い  内容の 2 のアの  の㋐に぀いおは䜓内環境の倉化に応じた䜓の調節に神経系ず 内分泌系が関わっおいるこずを取り䞊げるこず。たた䞭枢神経系に関連しお脳死に ぀いおも觊れるこず。㋑に぀いおは血糖濃床の調節機構を取り䞊げるこず。その際 身近な疟患の䟋にも觊れるこず。たた血液凝固にも觊れるこず。  ここでは神経系ず内分泌系による調節に぀いおの芳察実隓などを通しお情報の䌝 達䜓内環境の維持の仕組みに぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付 けさせるずずもに思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。 ㋐ 情報の䌝達に぀いお  䞭孊校では第分野「 3 生物の䜓の぀くりず働き」で動物が倖界の刺激に適切に 反応しおいる仕組みを感芚噚官神経系及び運動噚官の぀くりず関連付けお孊習しおいる。  ここでは䜓の調節に関する芳察実隓などを行い䜓内での情報の䌝達が䜓の調節に 関係しおいるこずを芋いだしお理解させるこずがねらいである。  神経系に぀いおは䞭枢神経系ず末梢神経系に分けられるこず末梢神経系の䞀぀であ る自埋神経系が意識ずは無関係に働くこずを扱う。その際自埋神経系の䞭枢ずしおの脳 幹の働きに関連しお党おの脳の機胜が停止しお回埩䞍可胜な状態ずなる脳死に぀いおも 觊れる。内分泌系に぀いおは血液䞭に分泌されるホルモンが暙的噚官に情報を䌝達し 調節が行われるこずを扱う。  䜓内での情報の䌝達が䜓の調節に関係しおいるこずを芋いださせるには䟋えば数分 間の螏み台昇降運動の前埌で心拍数を枬定する実隓を行い運動するず心拍数が増加する ずいうこずから運動郚䜍である脚から情報が䌝えられお心臓の拍動が倉化するこずに気 付かせるこずなどが考えられる。たた心臓の拍動が自埋神経やホルモンの働きによっお 促進されたり抑制されたりする資料などを提瀺し䜓内環境の倉化に応じた䜓の調節に 神経系ず内分泌系が関わっおいるこずに぀いお考察させるこずが考えられる。その際内 分泌系では神経系に比べお持続的な調節が行われるこずを取り䞊げるこずも考えられる。  なお自埋神経系を陀く神経系の働きに぀いおは 「生物」の「 4 ア  動物の反応ず 行動」で孊習する。 ㋑ 䜓内環境の維持の仕組みに぀いお  䞭孊校では第分野「 3 生物の䜓の぀くりず働き」で埪環系ずその働き血液の 成分ずその働きの抂芁及び腎臓ず肝臓の働きの抂芁に぀いお孊習しおいる。  ここでは䜓内環境の維持の仕組みに関する資料に基づいお䜓内環境の維持ずホルモ ンの働きずの関係を芋いだしお理解させるずずもに䜓内環境の維持を自埋神経ず関連付 けホルモンず自埋神経の働きによっお䜓内環境が維持されおいるこずを理解させるこず がねらいである。  䜓内環境の維持の仕組みに぀いおは血糖濃床がホルモンの䜜甚により調節されおいる こずを扱う。
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122 第章 理科の 各科目  䜓内環境の維持ずホルモンの働きずの関係を芋いださせるには䟋えば食事の前埌に おける血糖濃床ず血䞭のむンスリン濃床の経時的倉化を瀺す資料に基づいお血糖濃床の 倉化ずむンスリン濃床の倉化を比范し分析させ血糖濃床ずむンスリンの働きずの関係に ぀いお気付かせるこずが考えられる。さらにグルカゎンに぀いおも血䞭濃床が食事の前 埌でどのように倉化するのかを掚枬させ血糖濃床の調節ずホルモンの働きずの関係に぀ いお理解を深めさせるこずも考えられる。たた身近な疟患の䟋ずしおむンスリンの分 泌䞍足により糖尿病が発症するこずなどに觊れるこずが考えられる。  䜓内環境の維持を自埋神経ず関連付けさせるためには䟋えば血糖調節に関わる自埋 神経ずホルモンの働きを瀺す資料に基づいお内分泌系ずずもに自埋神経系の働きによっ お血糖濃床が維持されおいるこずに気付かせるこずなどが考えられる。  なお血液凝固に぀いおは倱血を防ぐこずによっお䜓内環境を保぀こずに関わっお いるこずに觊れる。  免疫  ㋐ 免疫の働き     免疫に関する資料に基づいお異物を排陀する防埡機構が備わっおいるこずを 芋いだしお理解するこず。 内容の取扱い    の㋐に぀いおは身近な疟患の䟋にも觊れるこず。 ㋐ 免疫の働きに぀いお  ここでは免疫に関する資料に基づいお異物を排陀する防埡機構が備わっおいるこず を芋いだしお理解させるこずがねらいである。  異物を排陀する防埡機構に぀いおは免疫応答の抂芁を扱う。その際身近な疟患の䟋 ずしお花粉症や゚むズなどに觊れるこずが考えられる。  異物を排陀する防埡機構が備わっおいるこずを芋いださせるには䟋えば癜血球によ る食䜜甚に぀いおの資料に基づいお癜血球が䜓内に䟵入した異物を现胞内に取り蟌み 凊理する胜力をも぀こずに気付かせるこずが考えられる。たた䞀次応答ず二次応答にお ける抗䜓生産量の倉化を瀺した資料に基づいお同じ疟患に二床かかりにくい理由に気付 かせるこずも考えられる。その際免疫応答における蚘憶现胞の存圚や予防接皮などを取 り䞊げるこずも考えられる。 3  生物の倚様性ず生態系  生物の倚様性ず生態系に぀いおの芳察実隓などを通しお次の事項を身に付ける こずができるよう指導する。
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123  生物基瀎 ア 生物の倚様性ず生態系に぀いお次のこずを理解するずずもにそれらの芳察 実隓などに関する技胜を身に付けるこず。たた生態系の保党の重芁性に぀いお認 識するこず。 む 生物の倚様性ず生態系に぀いお芳察実隓などを通しお探究し生態系におけ る生物の倚様性及び生物ず環境ずの関係性を芋いだしお衚珟するこず。  ここでは理科の芋方・考え方を働かせ生物の倚様性ず生態系に぀いおの芳察実隓 などを通しお怍生ず遷移及び生態系ずその保党に぀いお理解させるずずもにそれらの 芳察実隓などに関する技胜を身に付けさせ思考力刀断力衚珟力等を育成するこず が䞻なねらいである。  思考力刀断力衚珟力等を育成するに圓たっおは生物の倚様性ず生態系に぀いお 芳察実隓などを通しお探究し生態系における生物の倚様性及び生物ず環境ずの関係 性を芋いだしお衚珟させるこずが倧切である。その際話合いレポヌトの䜜成発衚を 適宜行わせるこずも倧切である。  たたこれらの孊習を通しお生態系の保党の重芁性に぀いお認識を深めさせ自然環 境の保党に寄䞎する態床を育おるこずが倧切である。  怍生ず遷移  ㋐ 怍生ず遷移     怍生の遷移に関する資料に基づいお遷移の芁因を芋いだしお理解するこず。 たた怍生の遷移をバむオヌムず関連付けお理解するこず。 内容の取扱い  内容の 3 のアの  の㋐に぀いおは怍生の遷移には光や土壌などが関係するこず を扱うこず。たた怍物の環境圢成䜜甚にも觊れるこず。環境条件によっおは遷移 の結果ずしお森林の他に草原や荒原になるこずにも觊れるこず。 ㋐ 怍生ず遷移に぀いお  ここでは怍生の遷移に関する資料に基づいお遷移の芁因を芋いだしお理解させるず ずもに怍生の遷移をバむオヌムず関連付けお理解させるこずがねらいである。  遷移に぀いおは裞地に始たり草原を経お森林に至るモデル的な過皋を取り䞊げるこ ずが考えられる。その際遷移の進み方はモデル的な過皋をたどるずは限らず遷移の結 果ずしお成立する怍生は環境に応じお異なるこずに觊れる。  遷移の芁因を芋いださせるには遷移の各段階における土壌の発達の皋床や怍生内の光 環境の倉化に関する資料ず怍物の光に察する特性に関する資料に基づいお土壌や光環 境の倉化によっお遷移が進行するこずに気付かせるこずが考えられる。その際怍物によ り土壌や光環境などが倉化するこずにも觊れる。たた遷移に関する孊習の導入ずしお
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124 第章 理科の 各科目 身の回りにある怍生を芳察させ土壌光の圓たり方などの環境条件ずの関係に気付かせ るこずも考えられる。  怍生の遷移をバむオヌムず関連付けさせるには遷移の進行に぀いおの資料及び幟぀か のバむオヌムに぀いおの資料に基づいお珟存するバむオヌムは遷移を経お成立しおいる こずに気付かせるこずなどが考えられる。その際䟋えば暙高による気枩や降氎量など の倉化ずそこに成立しおいるバむオヌムの資料を提瀺しお環境条件によっおは遷移の 結果ずしお森林の他に草原や荒原になるこずにも觊れる。  生態系ずその保党  ㋐ 生態系ず生物の倚様性     生態系ず生物の倚様性に関する芳察実隓などを行い生態系における生物の 皮倚様性を芋いだしお理解するこず。たた生物の皮倚様性ず生物間の関係性ず を関連付けお理解するこず。  ㋑ 生態系のバランスず保党     生態系のバランスに関する資料に基づいお生態系のバランスず人為的攪 かく 乱を 関連付けお理解するこず。たた生態系の保党の重芁性を認識するこず。 内容の取扱い    の㋐に぀いおは生物の絶滅にも觊れるこず。 「生物間の関係性」に぀いおは 捕食ず被食を扱うこず。その際それに起因する間接的な圱響にも觊れるこず。㋑に ぀いおは人間の掻動によっお生態系が攪 かく 乱され生物の倚様性が損なわれるこずが あるこずを扱うこず。  ここでは生態系ずその保党に぀いおの芳察実隓などを通しお生態系ず生物の倚様 性生態系のバランスず保党に぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付 けさせるずずもに思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。たた 生態系の保党の重芁性に぀いお認識を深めさせ自然環境の保党に寄䞎する態床を育おる こずが重芁である。 ㋐ 生態系ず生物の倚様性に぀いお  䞭孊校では第分野「 7 自然ず人間」で怍物動物及び埮生物を栄逊面から関連 付けお捉え自然界ではこれらの生物が぀り合いを保っお生掻しおいるこずに぀いお孊 習しおいる。  ここでは生態系ず生物の倚様性に関する芳察実隓などを行い生態系には倚様な生 物皮が存圚するこずを芋いだしお理解させるずずもに生物の皮倚様性ず生物間の関係性 ずを関連付けお理解させるこずがねらいである。  生態系における生物の皮倚様性を芋いださせるには䟋えば土壌動物の採集や校内の 怍物調査などを行い身近な生態系の䞭に倚皮類の生物が存圚するこずに気付かせるこず
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125  生物基瀎 が考えられる。土壌動物を採集させる際にはたずある堎所で埗られた土壌動物を双県 実䜓顕埮鏡等で芳察しお倧たかに分類させる。次に環境の異なる幟぀かの堎所に぀いお 出珟する土壌動物の皮類数や個䜓数ず環境ずの関係を予想させた䞊で調査させる。そし おこの結果を分析しお解釈させ皮倚様性ず環境ずの関係に぀いお考察させるこずが考 えられる。  生物の皮倚様性ず生物間の関係性ずを関連付けさせるには䟋えば磯の生態系に芋ら れる生物の食物網の資料ずヒトデのような䞊䜍の捕食者を取り去ったずきの䞋䜍の生物 の皮数や生息密床の倉化を瀺す資料に基づいお倉化が生じた理由を考えさせ捕食ず被 食の関係が皮倚様性に関わるこずに気付かせるこずが考えられる。その際絶滅にも觊れ るこずが考えられる。たた䞊䜍の捕食者ずしおのラッコがいる環境ずいない環境でのり ニず海藻の生息密床を瀺す資料を提瀺するなどしお食物連鎖を通じた間接的な圱響に觊 れるこずも考えられる。 ㋑ 生態系のバランスず保党に぀いお  䞭孊校では第分野「 7 自然ず人間」で様々な芁因が自然界の぀り合いに圱響し おいるこず自然環境を保党するこずの重芁性に぀いお孊習しおいる。  ここでは生態系のバランスに関する資料に基づいお生態系のバランスず人為的攪 かく ä¹± を関連付けお理解させるずずもに生態系の保党の重芁性を認識させるこずがねらいであ る。  生態系のバランスに぀いおは生態系は垞に倉動しおおり倉動の幅が䞀定の範囲内に 保たれる堎合や倧きな攪 かく 乱によっおバランスが厩れる堎合があるこずを扱う。  生態系のバランスず人為的攪 かく 乱を関連付けさせるには䟋えば河川に生掻排氎が流入 した際の氎䞭の埮生物溶存酞玠などの倉化を瀺す資料に基づいお生態系では倚様な生 物ず環境が関係し合いながらバランスを保っおいるこず攪 かく 乱が倧きい堎合にはバランス が厩れるこずに気付かせるこずなどが考えられる。たた人為的攪 かく 乱によっお生物の倚様 性が損なわれるこずがあるこずに぀いおは䟋えばオオクチバスなどの倖来魚の生態 移入前埌の圚来魚の皮数や個䜓数などを瀺す資料を提瀺しお倖来生物の移入が圚来生物 の皮数や個䜓数にどのように圱響を䞎えたかなどに぀いお気付かせるこずが考えられる。  生態系の保党の重芁性を認識させるには䟋えば道路などを建蚭した堎合に生息堎所 の分断や環境の倉化が生物の行動や繁殖にどのように圱響するかを予想させその予想ず 実際のデヌタずを比范し分析させお人為的攪 かく 乱の圱響を少なくするための環境アセスメ ントの必芁性に぀いお気付かせるこずなどが考えられる。さらに身近な環境を調査させ たり保党に関わる問題を考えお解決するための話合いをさせたりしお生態系の保党の 重芁性に぀いお認識を深めさせるこずも考えられる。  
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126 第章 理科の 各科目  内容の取扱い  内容の取扱いに圓たっおは次の事項に配慮するものずする。 ア 内容の 1 から 3 たでに぀いおは䞭孊校理科ずの関連を考慮しそれぞれのア に瀺す知識及び技胜ずむに瀺す思考力刀断力衚珟力等ずを盞互に関連させなが らこの科目の孊習を通しお科孊的に探究するために必芁な資質・胜力の育成を 目指すこず。 む この科目で育成を目指す資質・胜力を育むため芳察実隓などを行い探究の 過皋を螏たえた孊習掻動を行うようにするこず。その際孊習内容の特質に応じお 問題を芋いだすための芳察情報の収集仮説の蚭定実隓の蚈画実隓による怜 蚌調査デヌタの分析・解釈掚論などの探究の方法を習埗させるようにするず ずもに報告曞などを䜜成させたり発衚を行う機䌚を蚭けたりするこず。 り 内容の 1 のアの  の㋐に぀いおはこの科目の導入ずしお䜍眮付けるこず。 ゚ この科目で扱う甚語に぀いおは甚語の意味を単玔に数倚く理解させるこずに指 導の重点を眮くのではなく䞻芁な抂念を理解させるための指導においお重芁ずな る200 語皋床から250 語皋床たでの重芁甚語を䞭心にその甚語に関わる抂念を 思考力を発揮しながら理解させるよう指導するこず。なお重芁甚語には䞭孊校で 孊習した甚語も含たれるものずする。  アに぀いおは䞭孊校理科ずの継続性を考慮するずずもに知識及び技胜ず思考力 刀断力衚珟力等ずを盞互に関連させながらこの科目の孊習を通しお科孊的に探究す るために必芁な資質・胜力の育成を目指すこずを瀺したものである。たた孊びに向かう 力人間性等は「生物基瀎」の目暙の 3 に沿っお育成するものずする。  むに぀いおは各項目の孊習掻動ず関連させながら芳察実隓などを行うずずもにそ れらを通しお自然の事物・珟象の䞭に課題を蚭定し情報を収集し埗られた情報を適 切に凊理しお因果関係を芋いだしたり認識を深めたりするなど自然を探究する過皋を 螏たせるこずが倧切であり探究の方法を実際に甚いる䞭でこの科目で育成を目指す資 質・胜力を育むこずを瀺したものである。その際問題を芋いだすための芳察情報の収 集仮説の蚭定実隓の蚈画実隓による怜蚌調査デヌタの分析・解釈掚論などの 探究の方法を孊習内容の特質に応じお適宜取り䞊げ具䜓的な課題の解決の堎面でこれら の方法を甚いるこずができるよう扱う必芁がある。実斜に圓たっおは生埒が䞻䜓的に課 題に取り組み課題を解決するこずができるようにするずずもに報告曞を䜜成させたり 発衚を行う機䌚を蚭けたりしお論理的な思考力や衚珟力の育成を図るこずが倧切である。  なお芳察実隓などを行う際に必芁な生物材料は生埒にずっお身近な玠材を甚いる などの工倫が考えられる。たた教材ずする生物が季節や地域によっお制玄を受けるよう な堎合にはこの科目の内容を季節や地域の実態に適合した順序で孊習させるこずが求め られる。
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127  生物基瀎  りに぀いおは内容の「 1 ア  ㋐ 生物の共通性ず倚様性」の解説の末尟にも瀺しお いるずころである。今回の改蚂では理科における「芋方」に぀いお「生呜」を柱ずする 領域では生呜に関する自然の事物・珟象を䞻ずしお共通性・倚様性の芖点で捉えるこず ず敎理された。そこで生物や生物珟象を総合的に捉えるこずができるようにこの科目 の導入郚分でこの芖点に぀いお理解させるずずもに以埌孊習するそれぞれの内容でこ の芖点を意識させるよう指導する。  ゚に぀いおは平成28 幎12 月の䞭倮教育審議䌚答申の䞭で教材の敎備・充実に぀い お 「 「生物」などでは教材で扱われる甚語が膚倧ずなっおいるこずが指摘される䞭で 科目のねらいを実珟するため䞻芁な抂念に぀ながる重芁甚語を䞭心に敎理するずずもに 「芋方・考え方」 を働かせお考察・構想させるために必芁な教材ずするこずが求められる。 」 ずされたこずを受けおこの科目で扱う甚語に぀いお瀺したものである。この芏定は孊 習内容を削枛するこずを意味するものではなく生物や生物珟象に関する基本的な抂念や 原理・法則を理解させるためには甚語の意味を単玔に数倚く孊習させるこずではなく 䞻芁な抂念を理解させるこずに指導の重点を眮くこずが重芁であるこずから芏定したもの である。このため䞻芁な抂念を理解させるための指導においお重芁ずなる200 語皋床か ら250 語皋床たでの重芁甚語を䞭心にその甚語に関わる抂念を生埒が思考力や刀断力 などを発揮しながら理解できるように指導するこずが必芁である。 「䞻芁な抂念を理解さ せるための指導においお重芁ずなる200 語皋床から250 語皋床たでの重芁甚語」に぀いお は生埒の実態に応じお教科曞等の教材を参考に各孊校においお取り扱うこずずなるが 生埒が思考力や刀断力などを発揮しながら理解できるように指導する䞊でその他の甚語 に觊れるこずを吊定するものではない。なおこの芏定に぀いおは平成29 幎に日本孊 術䌚議から出された報告「高等孊校の生物教育における重芁甚語の遞定」も参考にした。  
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128 第章 理科の 各科目  性栌   「生物」は䞭孊校理科及び「生物基瀎」ずの関連を図りながら生物や生物珟象を曎 に深く取り扱い理科の芋方・考え方を働かせ芋通しをもっお芳察実隓を行うこずな どを通しお科孊的に探究するために必芁な資質・胜力を育成する科目である。  生物や生物珟象の特城は倚様でありながら共通性が芋られるこず倚くの生物的・非 生物的芁因が関䞎しおいるずいうこずである。たたこれらが生物の進化によるものであ るこずも特城である。   「生物」はこのような生物や生物珟象の特城を螏たえた科目であり今回の改蚂では 進化の芖点を重芖しおいる。この芖点を意識しながら芳察実隓を行うこずなどを通し お生物孊の基本的な抂念や原理・法則の理解を深めさせ科孊的に探究する力や態床を 育成するようにしおいる。さらに季節や地域の実態などに応じお玠材ずしおの生物を遞 び生物や生物珟象に察する探究心を高めさせるように配慮するこずが必芁である。  生物の内容は平成21 幎の改蚂で近幎の生呜科孊の急速な進歩を反映した内容を取 り入れ 「生物基瀎」ず䜵せお孊習内容の再構築を行ったので今回の改蚂ではその孊習 内容を基本的に螏襲し぀぀改善を図っおいる。特に進化の芖点を重芖する芳点から進 化に関する孊習内容を導入ずしお䜍眮付けおいる。たた生物珟象の仕組みや抂念盞互の 関係を扱い 「生物基瀎」で孊習した生物や生物珟象の基本的な抂念の理解を深めさせる よう構成しおいる。具䜓的には 「 1 生物の進化」  「 2 生呜珟象ず物質」  「 3 遺䌝 情報の発珟ず発生」  「 4 生物の環境応答」  「 5 生態ず環境」の五぀の倧項目から構成 されおいる。進化や生態など生物界党䜓を抂芳する内容生物や生物珟象を分子の倉化や 働きを螏たえお扱う内容動物や怍物に぀いお䞻に個䜓レベルで芋られる珟象やその仕組 みなどミクロレベルからマクロレベルたで幅広い領域を孊ぶように構成しおいる。  この生物の履修によっお生物孊の基本的な抂念や原理・法則の理解を深めさせる ずずもに科孊的に探究する力や科孊的に探究しようずする態床を逊うこずが倧切である。   第節 生 物
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129  生物  目暙  生物や生物珟象に関わり理科の芋方・考え方を働かせ芋通しをもっお芳察実 隓を行うこずなどを通しお生物や生物珟象を科孊的に探究するために必芁な資質・ 胜力を次のずおり育成するこずを目指す。 1 生物孊の基本的な抂念や原理・法則の理解を深め科孊的に探究するために必芁 な芳察実隓などに関する基本的な技胜を身に付けるようにする。 2 芳察実隓などを行い科孊的に探究する力を逊う。 3 生物や生物珟象に䞻䜓的に関わり科孊的に探究しようずする態床ず生呜を尊 重し自然環境の保党に寄䞎する態床を逊う。   「生物」の目暙は 高等孊校理科の目暙を受けお 生物や生物珟象に関わり 理科の芋方・ 考え方を働かせ芋通しをもっお芳察実隓を行うこずなどを通しお生物や生物珟象を 科孊的に探究するために必芁な資質・胜力を育成するこずである。   「生物や生物珟象に関わり」ずあるのは生物や生物珟象ぞの関心を高め自ら課題を 蚭定しようずする動機付けずするこずを瀺しおいる。   「理科の芋方・考え方を働かせ」ずあるのは 「自然の事物・珟象を質的・量的な関係 や時間的・空間的な関係などの科孊的な芖点で捉え比范したり関係付けたりするなど の科孊的に探究する方法を甚いお考える」ずいう「理科の芋方・考え方」を働かせるこず を瀺しおいる。   「芋通しをもっお芳察実隓を行うこずなどを通しお生物や生物珟象を科孊的に探究 するために必芁な資質・胜力を次のずおり育成するこずを目指す」ずあるのは 「生物基 瀎」ず同様に探究の過皋を通しお生物や生物珟象を科孊的に探究するために必芁な資 質・胜力を育成する必芁があるこずを瀺しおいる。  目暙 1 は育成を目指す資質・胜力のうち知識及び技胜を瀺したものである。知識 及び技胜を育成するに圓たっおは生物や生物珟象に぀いおの芳察実隓などを行うこず を通しお 生物孊の基本的な抂念や原理・法則の理解を図るずずもに 科孊的に探究するた めに必芁な芳察実隓調査等に関する基本的な技胜を身に付けさせるこずが重芁である。  目暙 2 は 育成を目指す資質・胜力のうち 思考力 刀断力 衚珟力等を瀺したもので ある。思考力 刀断力 衚珟力等を育成するに圓たっおは 生物や生物珟象を察象に 探究 の過皋を通しお問題を芋いだすための芳察情報の収集仮説の蚭定実隓の蚈画実 隓による怜蚌調査デヌタの分析・解釈掚論などの探究の方法を習埗させるずずもに 報告曞を䜜成させたり発衚させたりしお科孊的に探究する力を育おるこずが重芁である。  目暙 3 は 育成を目指す資質・胜力のうち 孊びに向かう力 人間性等を瀺したものであ る。孊びに向かう力 人間性等を育成するに圓たっおは 生物や生物珟象に察しお䞻䜓的に 関わり それらに察する気付きから課題を蚭定し解決しようずする態床など 科孊的に探究 しようずする態床を逊うこずが重芁である。その際 生呜を尊重し 自然環境の保党に寄䞎 する態床や 自然の事物・珟象を総合的に考察しようずする態床を逊うこずが倧切である。  
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130 第章 理科の 各科目  内容ずその範囲皋床  以䞋に瀺す内容はアずしお知識及び技胜むずしお思考力刀断力衚珟力等を身に 付けるよう指導するこずを瀺しおいる。なお 孊びに向かう力 人間性等に぀いおは 「生 物」の目暙の 3 を適甚する。 1  生物の進化  生物の進化に぀いおの芳察実隓などを通しお次の事項を身に付けるこずができ るよう指導する。 ア 生物の進化に぀いお次のこずを理解するずずもにそれらの芳察実隓などの 技胜を身に付けるこず。 む 生物の進化に぀いお芳察実隓などを通しお探究し生物の進化に぀いおの特 城を芋いだしお衚珟するこず。  ここでは理科の芋方・考え方を働かせ生物の進化に぀いおの芳察実隓などを通し お生呜の起源ず现胞の進化遺䌝子の倉化ず進化の仕組み生物の系統ず進化に぀いお 理解させるずずもにそれらの芳察実隓などの技胜を身に付けさせ思考力刀断力 衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。  思考力刀断力衚珟力等を育成するに圓たっおは生物の進化に぀いお芳察実隓 などを通しお探究し生物の進化に぀いおの特城を芋いだしお衚珟させるこずが倧切であ る。その際話合いレポヌトの䜜成発衚を適宜行わせるこずも倧切である。  なお孊習指導芁領の「 内容の取扱い 1 り」には 「 1 生物の進化」に関しお䞋 蚘の取扱いが瀺されおおりこれに配慮するものずする。 内容の取扱い  内容の 1 に぀いおはこの科目の導入ずしお䜍眮付け以埌の孊習においおも 進化の芖点を意識させるよう展開するこず。  内容の「 1 生物の進化」がこの科目の導入ずしお䜍眮付けられおいるのは生物の 進化がこの科目を孊習する䞊で重芁な芖点でありこの芖点を意識しお以埌の孊習を展開 しおいくこずを瀺しおいる。  生呜の起源ず现胞の進化  ㋐ 生呜の起源ず现胞の進化     生呜の起源ず现胞の進化に関する資料に基づいお生呜の起源に関する考えを 理解するずずもに现胞の進化を地球環境の倉化ず関連付けお理解するこず。
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131  生物 内容の取扱い  内容の 1 のアの  の㋐に぀いおは化孊進化及び现胞内共生を扱うこず。 ㋐ 生呜の起源ず现胞の進化に぀いお  䞭孊校では第分野「 5 生呜の連続性」で珟存の倚様な生物は過去の生物が長い 時間の経過の䞭で倉化しお生じおきたものであるこずに぀いお孊習しおいる。たた 「生 物基瀎」では 「 1 生物の特城」で生物は倚様でありながら共通の起源に由来する共 通性をもっおいるこずに぀いお孊習しおいる。  ここでは生呜の起源ず现胞の進化に関する資料に基づいお生呜の起源に関する考え を理解させるずずもに现胞の進化を地球環境の倉化ず関連付けお理解させるこずがねら いである。  生呜の起源ず现胞の進化に぀いおは化孊進化の抂芁及び现胞内共生ず地球環境の倉化 ずの関連を扱う。  生呜の起源に関する考えに぀いおは䟋えば生呜の起源に関する実隓の資料に基づい お生呜が誕生する以前にアミノ酞などの有機物が生じ蓄積したこずに぀いお科孊的な蚌 拠が埗られおいるこずを理解させるこずが考えられる。さらにDNA やタンパク質は単 玔な有機物が繰り返し結合した耇雑な有機物であるこずを振り返らせた䞊で生呜の誕生 に至るたでの化孊進化の抂芁に぀いお理解させるこずが考えられる。その際原始地球の 倧気組成や熱氎噎出孔に぀いおの資料を提瀺しお化孊進化が起きた堎所や条件に぀いお 話し合わせるこずも考えられる。  现胞の進化を地球環境の倉化ず関連付けさせるには䟋えば倧気䞭の酞玠濃床の倉化 を瀺す資料に基づいおシアノバクテリアの出珟や真栞生物の现胞内共生が倧気組成の倉 化ず関わりがあるこずに気付かせるこずが考えられる。  遺䌝子の倉化ず進化の仕組み  ㋐ 遺䌝子の倉化     遺䌝子の倉化に関する資料に基づいお突然倉異ず生物の圢質の倉化ずの関係 を芋いだしお理解するこず。  ㋑ 遺䌝子の組合せの倉化     亀配実隓の結果などの資料に基づいお遺䌝子の組合せが倉化するこずを芋い だしお理解するこず。  ㋒ 進化の仕組み     進化の仕組みに関する芳察実隓などを行い遺䌝子頻床が倉化する芁因を芋 いだしお理解するこず。 内容の取扱い    の㋑に぀いおは連鎖ず組換えを扱うこず。たた性染色䜓にも觊れるこず。
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132 第章 理科の 各科目 ㋒に぀いおは皮分化の過皋も扱うこず。  ここでは遺䌝子の倉化ず進化の仕組みに぀いおの芳察実隓などを通しお遺䌝子の 倉化遺䌝子の組合せの倉化進化の仕組みに぀いお理解させそれらの芳察実隓など の技胜を身に付けさせるずずもに思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねら いである。 ㋐ 遺䌝子の倉化に぀いお  䞭孊校では第分野「 5 生呜の連続性」で遺䌝子に倉化が起きお圢質が倉化する こずがあるこずを孊習しおいる。  ここでは遺䌝子の倉化に関する資料に基づいお突然倉異ず生物の圢質の倉化ずの関 係を芋いだしお理解させ進化の理解に぀なげるこずがねらいである。  遺䌝子の倉化に぀いおは塩基の眮換挿入及び欠倱を扱う。  突然倉異ず生物の圢質の倉化ずの関係を芋いださせるには䟋えばヒトの䞀塩基眮換 ず察応する倉異に関する資料に基づいお個䜓間の圢質の違いが遺䌝子の塩基配列の倉化 によっお生じるこずに気付かせるこずが考えられる。さらに仮想的な塩基配列をアミノ 酞配列に倉換する掻動を行わせるこずも考えられる。その際塩基の眮換挿入及び欠倱 が起こるこずによっお元ず異なるタンパク質が生じたり塩基の眮換が必ずしもアミノ 酞配列の倉化をもたらさなかったりするこずなどに぀いお考察させるこずも考えられる。 ㋑ 遺䌝子の組合せの倉化に぀いお  䞭孊校では第分野「 5 生呜の連続性」で染色䜓にある遺䌝子を介しお芪の圢質 が子に䌝わるこず及び分離の法則に぀いお孊習しおいる。  ここでは亀配実隓の結果などの資料に基づいお有性生殖によっお遺䌝子の倚様な組 合せが生じるこずを芋いだしお理解させるこずがねらいである。  遺䌝子の組合せが倉化するこずに぀いおは染色䜓の組合せによっお遺䌝子の組合せが 倉化したり枛数分裂の際に染色䜓の乗換えにより遺䌝子の組換えが起きるこずによっお 遺䌝子の組合せが倉化したりするこずを扱う。たた組換えによっお新たな連鎖が生じる こずを扱う。  遺䌝子の組合せが倉化するこずを芋いださせるには䟋えばショりゞョりバ゚の亀配 実隓の結果などの資料に基づいお枛数分裂ず受粟における遺䌝子の組合せの倉化に気付 かせるこずなどが考えられる。その際遺䌝子はそれぞれ特定の遺䌝子座を占め盞同染 色䜓䞊に䞀察存圚するこずを理解させた䞊で同じ染色䜓䞊にある二察の遺䌝子に぀いお 芪ず異なる遺䌝子の組合せをも぀染色䜓が子に䌝わるこずに気付かせるこずが考えられる。  なお有性生殖に関連しお性染色䜓の存圚に぀いお觊れるこずが考えられる。 ㋒ 進化の仕組みに぀いお  ここでは進化の仕組みに関する芳察実隓などを行い遺䌝子頻床が倉化する芁因を 芋いだしお理解させるこずがねらいである。  遺䌝子頻床が倉化する芁因ずしお遺䌝的浮動ず自然遞択を扱う。皮分化の過皋に぀い おは空間的あるいは時間的な隔離によっお集団間に遺䌝的な差異が生じ皮分化に至る
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133  生物 こずを扱う。  遺䌝子頻床が倉化する芁因を芋いださせるにはモデル実隓を行い遺䌝的浮動や自然 遞択が遺䌝子頻床を倉化させる芁因であるこずに気付かせるこずが考えられる。䟋えば 色のコむンを䞀察の遺䌝子に芋立おた遺䌝子頻床の倉化に぀いおのモデル実隓が考えら れる。その際同数の色のコむンを芪の䞖代ずする。次に色の比率を保っおコむンの 数を数倍に増やす。そこから芪の䞖代ず同じ数のコむンを無䜜為に遞んでこれを子の䞖 代ずする。この操䜜を数回繰り返しそれぞれの色のコむンを数えお結果をグラフなどで 敎理させるこずが考えられる。たたコむンの数などの条件を倉化させるず結果がどう倉 化するか仮説を立おお実隓を行い遺䌝的浮動に぀いお理解を深めさせるこずなども考え られる。さらに芪の䞖代ず同じ数のコむンを遞ぶ際に䞀方の色がより倚く遞択されるよ うな条件で実隓を行うこずによっお自然遞択が遺䌝子頻床を倉化させる芁因であるこず に気付かせるこずが考えられる。  生物の系統ず進化  ㋐ 生物の系統ず進化     生物の遺䌝情報に関する資料に基づいお生物の系統ず塩基配列やアミノ酞配 列ずの関係を芋いだしお理解するこず。  ㋑ 人類の系統ず進化     霊長類に関する資料に基づいお人類の系統ず進化を圢態的特城などず関連付 けお理解するこず。 内容の取扱い    の㋐に぀いおはドメむンを扱うこず。たた高次の分類矀ずしお界や門に も觊れるこず。  ここでは生物の系統ず進化に぀いおの芳察実隓などを通しお生物の系統ず進化 人類の系統ず進化に぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付けさせるず ずもに思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。 ㋐ 生物の系統ず進化に぀いお  䞭孊校では第分野「 1 いろいろな生物ずその共通点」で共通点ず盞違点に基づ いお動物や怍物が分類できるこず 「 5 生呜の連続性」で珟存の倚様な生物は過去の 生物が長い時間の経過の䞭で倉化しお生じおきたものであるこずに぀いお孊習しおいる。  ここでは生物の遺䌝情報に関する資料に基づいお生物の系統ず塩基配列やアミノ酞 配列ずの関係を芋いだしお理解させるこずがねらいである。  生物の系統ず塩基配列やアミノ酞配列ずの関係を芋いださせるには塩基配列やアミノ 酞配列に関する資料に基づいお生物皮間の系統関係が塩基配列やアミノ酞配列によっお 掚定できるこずに気付かせるこずが考えられる。䟋えばヘモグロビンα鎖のアミノ酞配
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134 第章 理科の 各科目 列に関する資料を基に脊怎動物の系統暹を䜜成させるこずが考えられる。その際察象 ずする生物は魚類䞡生類爬 は 虫類鳥類哺乳類から皮ず぀ずしそれらの生物に ぀いお圢態から掚定できる系統暹ず珟圚埗られおいる分子系統暹ずに盞違がないものを 遞ぶ。さらに鳥類ず数皮の爬 は 虫類に぀いお同様の系統暹を䜜成させ圢態を基に掚定さ れる系統暹が分子系統暹ず必ずしも䞀臎しない堎合があるこずに気付かせおその理由な どに぀いお考察させるこずも考えられる。  なおドメむンを扱う際にはドメむンの䞋に界や門を眮く考えに぀いおも觊れる。 たた分類矀同士の系統関係や分類矀の掟生圢質に぀いお詳现に孊習するのではないこず に留意する。 ㋑ 人類の系統ず進化に぀いお  ここでは霊長類に関する資料に基づいおヒトを含む人類の系統ず進化を圢態的特城 などず関連付けお理解させるこずがねらいである。  人類の系統ず進化に぀いおの抂芁を扱う。  人類の系統ず進化を圢態的特城などず関連付けさせるには䟋えば骚栌などに関する 資料に基づいおヒトや化石人類を含む霊長類の脳容積倧埌頭孔骚盀足の構造など を比范し霊長類に共通の特城やヒトだけに芋られる特城に気付かせるこずが考えられる。 たた二足歩行ず圢態的特城ずの関係に぀いおの資料を提瀺し人類の進化の道筋に぀い お考察させるこずも考えられる。 2  生呜珟象ず物質  生呜珟象ず物質に぀いおの芳察実隓などを通しお次の事項を身に付けるこずが できるよう指導する。 ア 生呜珟象ず物質に぀いお次のこずを理解するずずもにそれらの芳察実隓な どの技胜を身に付けるこず。 む 生呜珟象ず物質に぀いお芳察実隓などを通しお探究し生呜珟象ず物質に぀ いおの特城を芋いだしお衚珟するこず。  ここでは理科の芋方・考え方を働かせ生呜珟象ず物質に぀いおの芳察実隓などを 通しお现胞ず分子及び代謝に぀いお理解させるずずもにそれらの芳察実隓などの技 胜を身に付けさせ思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。  思考力刀断力衚珟力等を育成するに圓たっおは 生呜珟象ず物質に぀いお芳察 実隓などを通しお探究し生呜珟象ず物質に぀いおの特城を芋いだしお衚珟させるこずが 倧切である。その際話合いレポヌトの䜜成発衚を適宜行わせるこずも倧切である。  现胞ず分子  ㋐ 生䜓物質ず现胞     生䜓物質ず现胞に関する資料に基づいお现胞を構成する物質を现胞の機胜ず
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135  生物 関連付けお理解するこず。  ㋑ 生呜珟象ずタンパク質     生呜珟象ずタンパク質に関する芳察実隓などを行いタンパク質の機胜を生 呜珟象ず関連付けお理解するこず。 内容の取扱い  内容の 2 のアの  の㋐に぀いおは生䜓膜を扱うこず。たた栞酞や现胞骚栌に も觊れるこず。㋑に぀いおはタンパク質が生呜珟象を支えおいるこずを の䟋 を挙げお扱うこず。たた酵玠に぀いおはその働きずタンパク質の立䜓構造ずの関 係を扱うこず。  ここでは现胞ず分子に぀いおの芳察実隓などを通しお生䜓物質ず现胞生呜珟象 ずタンパク質に぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付けさせるずずも に思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。 ㋐ 生䜓物質ず现胞に぀いお   「生物基瀎」では 「 1 ア  遺䌝子ずその働き」でDNARNA 及びタンパク質に ぀いおの抂芁を孊習しおいる。  ここでは生䜓物質ず现胞に関する資料に基づいお现胞を構成する物質を现胞の機胜 ず関連付けお理解させるこずがねらいである。  现胞を構成する䞻な物質ずしおはタンパク質栞酞脂質を取り䞊げる。ただしタ ンパク質ず栞酞に぀いおの抂芁は「生物基瀎」で扱っおおりたたタンパク質に぀いお は次項の「㋑ 生呜珟象ずタンパク質」で 栞酞に぀いおは「 3 遺䌝情報の発珟ず発生」 で詳现に扱うのでここでは脂質を䞭心に取り䞊げ现胞膜などの生䜓膜を構成する䞻芁 な成分であるこずを扱う。  现胞を構成する物質を现胞の機胜ず関連付けさせるには芪氎性の物質ず疎氎性の物質 が基本的には混じり合わないこず生䜓膜を構成するリン脂質は分子の䞭に芪氎性の郚分 ず疎氎性の郚分の䞡方をもっおいるこずを瀺す資料に基づいお现胞が安定しおその構造 を保おる理由を考察させるこずなどが考えられる。その際掗剀の働きやシャボン玉の構 造など身近な䟋を取り䞊げるこずも考えられる。  なおDNA やRNA が栞酞ず総称されるこずに觊れる。たた现胞が様々な圢を保持 できるこずに関連しお现胞骚栌に觊れる。 ㋑ 生呜珟象ずタンパク質に぀いお   「生物基瀎」では 「 1 ア  ㋑ 生物ず゚ネルギヌ」でタンパク質が酵玠ずしお働く こずなどに぀いお孊習しおいる。  ここでは生呜珟象ずタンパク質に関する芳察実隓などを行いタンパク質の機胜を 生呜珟象ず関連付けタンパク質が生呜珟象を担う䞻芁な物質であるこずを理解させるこ ずがねらいである。
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136 第章 理科の 各科目  タンパク質が生呜珟象を支えおいる䟋ずしお生䜓觊媒である酵玠膜茞送タンパク質 ホルモン受容䜓などを取り䞊げるこずが考えられる。たた酵玠の機胜にタンパク質の 立䜓構造が関わっおいるこずを扱う。  タンパク質の機胜を生呜珟象ず関連付けさせるには酵玠に関する実隓を行い生呜珟 象に酵玠の働きが関わっおいるこずに気付かせるこずが考えられる。䟋えばルシフェラ ヌれによる生物発光の実隓や解毒䜜甚に関連するカタラヌれによる過酞化氎玠の分解の 実隓などが考えられる。その際酵玠反応に必芁な条件に぀いお怜蚎させ実隓の蚈画を 立案させるこずが考えられる。さらに立案した方法で実隓を行い埗られた結果を分析 し解釈させ高枩によっおタンパク質が䞍可逆的に倉化するこずなどに気付かせるこずが 考えられる。たたタンパク質の立䜓構造や熱による倉性などの資料に基づいお酵玠の 機胜がタンパク質の立䜓構造に関わっおいるこずを理解させるこずが考えられる。  代謝  ㋐ 呌吞     呌吞に関する資料に基づいお呌吞を゚ネルギヌの流れず関連付けお理解する こず。  ㋑ 光合成     光合成に関する資料に基づいお光合成を゚ネルギヌの流れず関連付けお理解 するこず。 内容の取扱い    の㋐に぀いおはATP 合成の仕組みを扱うこず。その際解糖系ク゚ン酞回 路及び電子䌝達系に觊れるこず。たた発酵にも觊れるこず。㋑に぀いおはATP 合成の仕組みを扱うこず。その際光化孊系電子䌝達系及びカルビン回路に觊れる こず。  ここでは代謝に぀いおの芳察実隓などを通しお呌吞光合成に぀いお理解させ それらの芳察実隓などの技胜を身に付けさせるずずもに思考力刀断力衚珟力等を 育成するこずが䞻なねらいである。 ㋐ 呌吞に぀いお   「生物基瀎」では 「 1 ア  ㋑ 生物ず゚ネルギヌ」で呌吞によりATP が合成され るこずを孊習しおいる。  ここでは呌吞に関する資料に基づいお呌吞をATP が合成されるたでの゚ネルギヌ の流れず関連付けお理解させるこずがねらいである。  呌吞に぀いおは糖の゚ネルギヌが解糖系ク゚ン酞回路電子䌝達系ず流れおいき ATP が合成されるこずを扱う。その際電子䌝達系によっお氎玠むオンの濃床差が生じ るこずその濃床差を利甚しおATP が合成されるこずを扱う。発酵におけるATP 合成
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137  生物 にも觊れる。  呌吞を゚ネルギヌの流れず関連付けさせるには糖の゚ネルギヌを基にNADH などの 高い゚ネルギヌをも぀物質が䜜られるこずやその゚ネルギヌによっおATP が合成され るこずを瀺す資料に基づいおATP 合成に至るたでの゚ネルギヌの流れに気付かせるこ ずが考えられる。  たた呌吞に関する理解を深めるために呌吞基質を燃焌させる実隓や脱氎玠酵玠の実 隓などを行うこずも考えられる。 ㋑ 光合成に぀いお   「生物基瀎」では 「 1 ア  ㋑ 生物ず゚ネルギヌ」で光合成の過皋でATP が合成 されるこずを孊習しおいる。  ここでは光合成に関する資料に基づいお光合成を糖の合成に至るたでの゚ネルギヌ の流れず関連付けお理解させるこずがねらいである。  光合成に぀いおは光の゚ネルギヌが光化孊系ず電子䌝達系を流れおいきATP や NADPH が合成されそれらを䜿っおカルビン回路で糖が合成されるたでの゚ネルギヌの 流れを扱う。その際電子䌝達系によっお氎玠むオンの濃床差が生じるこずその濃床差 を利甚しおATP が合成されるこずを扱う。  光合成を゚ネルギヌの流れず関連付けさせるには光゚ネルギヌによっお高い゚ネルギ ヌをも぀クロロフィルが生じその゚ネルギヌによっおATP やNADPH などが合成さ れそれらを䜿っお糖が぀くられるこずを瀺す資料に基づいお光から糖の合成に至るた での゚ネルギヌの流れに気付かせるこずが考えられる。  たた光合成に関する理解を深めるためにクロロフィルが光を吞収したり攟出したり するこずに぀いおの実隓などを行うこずも考えられる。  なお孊習指導芁領の「 内容の取扱い 2 む」には 「 2 生呜珟象ず物質」に関し お䞋蚘の取扱いが瀺されおおりこれに配慮するものずする。 内容の取扱い  内容の 2 に぀いおは生呜珟象を分子レベルで捉えるために必芁な最小限の化孊 の知識にも觊れるこず。  内容の「 2 生呜珟象ず物質」で取り䞊げる生呜珟象を分子レベルで理解するために必 芁な最小限の化孊的な知識に觊れるこずを瀺しおいる。 3  遺䌝情報の発珟ず発生  遺䌝情報の発珟ず発生に぀いおの芳察実隓などを通しお次の事項を身に付ける こずができるよう指導する。 ア 遺䌝情報の発珟ず発生に぀いお次のこずを理解するずずもにそれらの芳察
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138 第章 理科の 各科目 実隓などに関する技胜を身に付けるこず。 む 遺䌝情報の発珟ず発生に぀いお芳察実隓などを通しお探究し遺䌝子発珟の 調節の特城を芋いだしお衚珟するこず。  ここでは理科の芋方・考え方を働かせ遺䌝情報の発珟ず発生に぀いおの芳察実隓 などを通しお遺䌝情報ずその発珟発生ず遺䌝子発珟遺䌝子を扱う技術に぀いお理解 させるずずもにそれらの芳察実隓などに関する技胜を身に付けさせ思考力刀断力 衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。  思考力刀断力衚珟力等を育成するに圓たっおは遺䌝情報の発珟ず発生に぀いお 芳察実隓などを通しお探究し遺䌝子発珟の調節の特城を芋いだしお衚珟させるこずが 倧切である。その際話合いレポヌトの䜜成発衚を適宜行わせるこずも倧切である。  遺䌝情報ずその発珟  ㋐ 遺䌝情報ずその発珟     DNA の耇補に関する資料に基づいおDNA の耇補の仕組みを理解するこず。 たた遺䌝子発珟に関する資料に基づいお遺䌝子の発珟の仕組みを理解するこ ず。 内容の取扱い  内容の 3 のアの  の㋐の「DNA の耇補の仕組み」に぀いおはDNA ポリメラ ヌれに觊れるこず。 「遺䌝子の発珟の仕組み」に぀いおは転写及び翻蚳を扱い RNA ポリメラヌれずリボ゜ヌムに觊れるこず。たた スプラむシングにも觊れるこず。 ㋐ 遺䌝情報ずその発珟に぀いお   「生物基瀎」では 「 1 ア  遺䌝子ずその働き」でDNA が遺䌝情報を担う物質ず しおの特城をも぀こずDNA が耇補されるこずDNA の塩基配列がタンパク質のアミ ノ酞配列に倉換されるこずに぀いお孊習しおいる。  ここではDNA の耇補に関する資料に基づいおDNA の耇補の仕組みを理解させる ずずもに遺䌝子発珟に関する資料に基づいお遺䌝子の発珟の仕組みを理解させるこず がねらいである。  DNA の耇補の仕組みに぀いおはDNA の本鎖が解離しDNA ポリメラヌれの働き で盞補的な新しい鎖が合成されるこずを瀺す資料に基づいおDNA の遺䌝情報が正確に 耇補されるこずを理解させるこずが考えられる。  遺䌝子の発珟の仕組みに぀いおはRNA ポリメラヌれの働きでmRNA が合成される 転写の過皋やリボ゜ヌムでタンパク質が合成される翻蚳の過皋を瀺す資料に基づいお DNA の遺䌝情報を基にタンパク質が合成されるこずを理解させるこずが考えられる。  なお真栞生物においおスプラむシングが行われるこずに぀いお觊れる。
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139  生物  発生ず遺䌝子発珟  ㋐ 遺䌝子の発珟調節     遺䌝子の発珟調節に関する資料に基づいお遺䌝子の発珟が調節されおいるこ ずを芋いだしお理解するこず。たた転写の調節をそれに関わるタンパク質ず関 連付けお理解するこず。  ㋑ 発生ず遺䌝子発珟     発生に関わる遺䌝子の発珟に関する資料に基づいお発生の過皋における分化 を遺䌝子発珟の調節ず関連付けお理解するこず。 内容の取扱い    の㋐に぀いおは原栞生物ず真栞生物に共通する転写レベルの調節を扱うこず。 ㋑に぀いおは皮類皋床の生物を䟋にしおその抂芁を扱うこず。たた動物の配偶 子圢成受粟卵割圢成䜓ず誘導现胞分化ず圢態圢成噚官分化の始たりに぀い おも觊れるこず。  ここでは発生ず遺䌝子発珟に぀いおの芳察実隓などを通しお遺䌝子の発珟調節 発生ず遺䌝子発珟に぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付けさせるず ずもに思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。 ㋐ 遺䌝子の発珟調節に぀いお   「生物基瀎」では 「 1 ア  ㋑ 遺䌝情報ずタンパク質の合成」で党おの遺䌝子が垞 に発珟しおいるわけではないこずに぀いお孊習しおいる。  ここでは遺䌝子の発珟調節に関する資料に基づいお遺䌝子の発珟が調節されおいる こずを芋いだしお理解させるずずもに転写の調節をそれに関わるタンパク質ず関連付け お理解させるこずがねらいである。  原栞生物ず真栞生物に共通する遺䌝子発珟の調節の仕組みずしおタンパク質が遺䌝子 付近のDNA 郚䜍に結合するこずによっお遺䌝子の発珟を調節しおいるこずを扱う。  遺䌝子の発珟が調節されおいるこずを芋いださせるには䟋えばβ‒ガラクトシダヌ れにより発色する物質を含んだ培地䞊で圢成される倧腞菌コロニヌに぀いおの実隓結果を 瀺す資料に基づいお培地にグルコヌスを添加しおも発色しないがラクトヌスなどを添加 した堎合には発色する理由に぀いお考察させ培地䞭の物質によっおβ‒ガラクトシダヌ れの遺䌝子が発珟したりしなかったりするこずに気付かせるこずなどが考えられる。  転写の調節をそれに関わるタンパク質ず関連付けさせるには䟋えば䞊蚘の倧腞菌の β‒ガラクトシダヌれに぀いおの実隓結果及び調節遺䌝子の存圚を瀺す資料に基づいお その調節遺䌝子から぀くられるタンパク質が転写を調節するこずに気付かせるこずが考え られる。 ㋑ 発生ず遺䌝子発珟に぀いお  䞭孊校では第分野「 5 ア  生物の成長ず殖え方」で受粟卵の䜓现胞分裂によ り耇雑な䜓が぀くられるこずに぀いお孊習しおいる。
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140 第章 理科の 各科目  ここでは動物の発生に関わる遺䌝子の発珟に関する資料に基づいお発生の過皋にお ける分化を遺䌝子発珟の調節ず関連付けお理解させるこずがねらいである。  発生ず遺䌝子発珟に぀いおは皮類皋床の動物を䟋にしお発生における现胞の分化 が遺䌝子の発珟調節に起因するこずの抂芁を扱う。たた動物の配偶子圢成受粟卵割 圢成䜓ず誘導现胞分化ず圢態圢成噚官分化の始たりの抂芁にも觊れる。  発生の過皋における分化を遺䌝子発珟の調節ず関連付けさせるには䟋えば卵现胞内 の遺䌝子産物の局圚及び受粟埌の胚 はい 内における遺䌝子発珟ず胚 はい の各郚の分化ずの関係を瀺 す資料に基づいお遺䌝子発珟が調節されるこずにより胚 はい の領域ごずに異なる遺䌝子が 発珟し分化が起こるこずに気付かせるこずなどが考えられる。  遺䌝子を扱う技術  ㋐ 遺䌝子を扱う技術     遺䌝子を扱う技術に぀いおその原理ず有甚性を理解するこず。 内容の取扱い    の㋐に぀いおは 制限酵玠 ベクタヌ及び遺䌝子の増幅技術に觊れるこず。たた それらが実際にどのように甚いられおいるかに぀いおも觊れるこず。 ㋐ 遺䌝子を扱う技術に぀いお  ここでは遺䌝子を扱う技術に぀いおその原理ず有甚性を理解させるこずがねらいで ある。  遺䌝子を扱う技術に぀いおは䟋えば制限酵玠やベクタヌを甚いた遺䌝子組換え技術 による医薬品の補造や増幅技術であるPCR 法を甚いたDNA 解析などに぀いおの資料 を瀺しその原理ず有甚性を理解させるこずなどが考えられる。 4  生物の環境応答  生物の環境応答に぀いおの芳察実隓などを通しお次の事項を身に付けるこずが できるよう指導する。 ア 生物の環境応答に぀いお次のこずを理解するずずもにそれらの芳察実隓な どの技胜を身に付けるこず。 む 生物の環境応答に぀いお芳察実隓などを通しお探究し環境倉化に察する生 物の応答の特城を芋いだしお衚珟するこず。  ここでは理科の芋方・考え方を働かせ生物の環境応答に぀いおの芳察実隓などを 通しお動物の反応ず行動及び怍物の環境応答に぀いお理解させるずずもにそれらの芳 察実隓などの技胜を身に付けさせ思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なね らいである。
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141  生物  思考力刀断力衚珟力等を育成するに圓たっおは生物の環境応答に぀いお芳察 実隓などを通しお探究し環境倉化に察する生物の応答の特城を芋いだしお衚珟させるこ ずが倧切である。その際話合いレポヌトの䜜成発衚を適宜行わせるこずも倧切であ る。  動物の反応ず行動  ㋐ 刺激の受容ず反応     刺激の受容ず反応に関する資料に基づいお倖界の刺激を受容し神経系を介し お反応する仕組みを関䞎する现胞の特性ず関連付けお理解するこず。  ㋑ 動物の行動     動物の行動に関する資料に基づいお行動を神経系の働きず関連付けお理解す るこず。 内容の取扱い  内容の 4 のアの  の㋐に぀いおは受容噚ずしお県 め を効果噚ずしお筋肉を扱う こず。たた刺激の受容から反応たでの流れを扱うこず。その際神経系に関連しお 蚘憶にも觊れるこず。  ここでは動物の反応ず行動に぀いおの芳察実隓などを通しお刺激の受容ず反応 動物の行動に぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付けさせるずずもに 思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。 ㋐ 刺激の受容ず反応に぀いお  䞭孊校では第分野「 3 ア  動物の䜓の぀くりず働き」で動物が倖界の刺激に 適切に反応する仕組み感芚噚官神経系及び運動噚官の぀くりに぀いお孊習しおいる。 たた 「生物基瀎」では 「 2 ヒトの䜓の調節」で自埋神経系ず内分泌系に぀いお孊習 しおいる。  ここでは刺激の受容ず反応に関する資料に基づいお 受容噚による刺激の受容から神 経系での興奮の䌝導ず䌝達を介しお効果噚による反応が起こるたでの仕組みを関䞎する 现胞の特性ず関連付けお理解させるこずがねらいである。  倖界の刺激を受容し神経系を介しお反応する仕組みに぀いおは受容噚ずしお県 め を効 果噚ずしお筋肉を取り䞊げ受容噚ず効果噚は䞭枢神経系ず末梢神経系からなる神経系に よっお連絡されおいるこず神経现胞に興奮が発生しお神経现胞間を䌝わるこず神経现 胞から興奮が䌝わり効果噚が反応するこずを扱う。たた神経系に関連しおシナプスの可 塑性による蚘憶の圢成に぀いお觊れる。  倖界の刺激を受容し神経系を介しお反応する仕組みを関䞎する现胞の特性ず関連付け させるには䟋えば神経现胞に掻動電䜍が発生しお䌝導するこずやシナプスを介しお䌝 達するこずを瀺す資料や神経筋暙本を甚いた実隓の結果を瀺す資料に基づいお神経现
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142 第章 理科の 各科目 胞の掻動電䜍ず筋収瞮の仕組みずの関係に぀いお考察させるこずなどが考えられる。  たた受容噚ずしおの県 め に぀いおの理解を深めさせるために盲斑の怜出実隓を行った り色芚に関しお補色が残像ずしお知芚される実隓結果ず錐䜓现胞の光吞収曲線を比范さ せたりするこずなども考えられる。 ㋑ 動物の行動に぀いお  ここでは動物の行動に関する資料に基づいお行動を神経系の働きず関連付けお理解 させるこずがねらいである。  刺激に察する反応ずしおの動物の行動を神経系における情報の流れず関連付けお扱う。  行動を神経系の働きず関連付けさせるには䟋えばカむコガの䞭枢神経系の぀くりを 瀺す資料ず性フェロモンによる定䜍行動及び觊角や頭郚を切陀したずきの行動の倉化を 瀺す資料に基づいお情報の流れを遮断した際の行動の倉化から神経系の働きず行動ず の関係に぀いお考察させるこずが考えられる。たたアメフラシのえら匕っ蟌め反射にお ける慣れが起こるずきの神経现胞の興奮の頻床の倉化を瀺す資料に基づいお神経现胞の 掻動の倉化により行動の倉化が匕き起こされおいるこずに気付かせるこずなども考えられ る。  たた動物の反応ず行動に関しお理解を深めさせるために䟋えばミツバチに砂糖氎 を䞎えたずきの吻 ふん 䌞展反射に関する資料ず叀兞的条件付けに぀いおの実隓などに関する 資料に基づいお動物が色を知芚できるかどうかを調べる実隓を蚈画させるこずなども考 えられる。  怍物の環境応答  ㋐ 怍物の環境応答     怍物の環境応答に関する芳察実隓などを行い怍物の成長や反応に怍物ホル モンが関わるこずを芋いだしお理解するこず。 内容の取扱い    の㋐に぀いおは被子怍物を扱うこず。 「怍物の成長」に぀いおは配偶子圢成 受粟胚 はい 発生及び噚官分化に぀いお觊れるこず。たた怍物ホルモンは 皮類に ぀いお取り䞊げるこず。その際怍物ホルモンに関わる光受容䜓に぀いおも觊れるこ ず。 ㋐ 怍物の環境応答に぀いお  䞭孊校では第分野「 3 ア  怍物の䜓の぀くりず働き」で怍物の䜓の぀くりず 光合成呌吞蒞散の働きに぀いお孊習しおいる。  ここでは怍物の環境応答に関する芳察実隓などを行い怍物の成長や反応に怍物ホ ルモンが関わるこずを芋いだしお理解させるこずがねらいである。  被子怍物の成長や反応に怍物ホルモンが関わるこずを扱う。その際被子怍物の粟现胞 ず卵现胞の圢成過皋受粟及び胚 はい の圢成過皋花の圢態圢成などの噚官分化に぀いおそ
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143  生物 れぞれの抂芁に觊れるこずが考えられる。たた怍物ホルモンの䟋ずしお゚チレンオ ヌキシンゞベレリンなどを取り䞊げるこずが考えられる。怍物ホルモンず関わる光受容 䜓ずしおフィトクロムに觊れるこずが考えられる。  怍物の成長や反応に怍物ホルモンが関わるこずを芋いださせるには䟋えば゚ンドり の芜生えをリンゎの果実ず䞀緒に袋に入れ密閉したものず芜生えだけを密閉したものを数 日間栜培する実隓を行い実隓前埌におけるそれぞれの芜生えの長さや倪さを蚈枬した結 果を分析しお解釈し゚ンドりの芜生えの䌞長や肥倧にリンゎの果実が圱響を䞎えるこず に気付かせるこずなどが考えられる。さらに䞀緒に入れる果物の皮類や数量などにも泚 目しお課題を蚭定し仮説を立おお実隓を蚈画させるこずも考えられる。 5  生態ず環境  生態ず環境に぀いおの芳察実隓などを通しお次の事項を身に付けるこずができ るよう指導する。 ア 生態ず環境に぀いお次のこずを理解するずずもにそれらの芳察実隓などに 関する技胜を身に付けるこず。 む 生態ず環境に぀いお芳察実隓などを通しお探究し生態系における生物間 の関係性及び生物ず環境ずの関係性を芋いだしお衚珟するこず。  ここでは理科の芋方・考え方を働かせ生態ず環境に぀いおの芳察実隓などを通し お個䜓矀ず生物矀集及び生態系に぀いお理解させるずずもにそれらの芳察実隓など に関する技胜を身に付けさせ思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいで ある。  思考力刀断力衚珟力等を育成するに圓たっおは生態ず環境に぀いお芳察実隓 などを通しお探究し生態系における生物間の関係性及び生物ず環境ずの関係性を芋い だしお衚珟させるこずが倧切である。その際話合いレポヌトの䜜成発衚を適宜行わ せるこずも倧切である。  個䜓矀ず生物矀集  ㋐ 個䜓矀     個䜓矀内の盞互䜜甚に関する芳察実隓などを行い個䜓矀が維持される仕組 みや個䜓間の関係性を芋いだしお理解するこず。  ㋑ 生物矀集     個䜓矀間の盞互䜜甚に関する資料に基づいお生物矀集が維持される仕組みや 個䜓矀間の関係性を芋いだしお理解するこず。 内容の取扱い  内容の 5 のアの  の㋐に぀いおは個䜓矀内の盞互䜜甚ずしお皮内競争ず瀟䌚性
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144 第章 理科の 各科目 を扱うこず。㋑に぀いおは個䜓矀間の盞互䜜甚ずしお皮間競争ず盞利共生を扱うこ ず。たた倚様な皮が共存する仕組みを扱うこず。  ここでは個䜓矀ず生物矀集に぀いおの芳察実隓などを通しお個䜓矀生物矀集に ぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付けさせるずずもに思考力刀 断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。 ㋐ 個䜓矀に぀いお  ここでは個䜓矀内の盞互䜜甚に関する芳察実隓などを行い個䜓矀が維持される仕 組みや個䜓間の関係性を芋いだしお理解させるこずがねらいである。  個䜓矀が維持される仕組みや個䜓間の関係性を芋いださせるには䟋えばハツカダむ コンやりキクサなどを甚いた個䜓矀密床に関する実隓を行いその結果を分析しお解釈さ せ個䜓矀内には栄逊分や生掻空間などの資源をめぐる皮内競争が存圚し個䜓矀密床が 高くなるず個䜓矀の成長が制限を受けるこずに気付かせるこずが考えられる。その際時 間の経過ずずもに個䜓矀密床がどのように倉化するかを予想させその倉化に圱響する芁 因を考えお仮説を立おお実隓を蚈画させるこずなども考えられる。  なお瀟䌚性に぀いおは぀がい関係や血瞁関係など個䜓同士の関係性が個䜓矀の特 城に反映されるこずを扱う。 ㋑ 生物矀集に぀いお   「生物基瀎」では 「(3) 生物の倚様性ず生態系」で生態系には倚様な生物皮が存圚す るこず捕食ず被食の関係及びそれに起因する間接的な圱響に぀いお孊習しおいる。  ここでは個䜓矀間の盞互䜜甚に関する資料に基づいお生物矀集が維持される仕組み や個䜓矀間の関係性を芋いだしお理解させるこずがねらいである。  個䜓矀間の関係性に぀いおは生物矀集は様々な個䜓矀から成りそれぞれが特定の生 態的地䜍ニッチを占め個䜓矀間に盞互䜜甚が芋られるこずを扱う。その際皮間競 争ず盞利共生を扱う。倚様な生物皮が共存する仕組みに぀いおは食物や生息堎所などの 資源の利甚の仕方が異なるこずによっお共存できるこずを扱う。  生物矀集が維持される仕組みや個䜓矀間の関係性を芋いださせるには䟋えば互いに 圱響を及がし合う皮の個䜓矀の倉動を瀺す資料に基づいお倉動の傟向や個䜓矀間の盞 互䜜甚に぀いお気付かせるこずが考えられる。  生態系  ㋐ 生態系の物質生産ず物質埪環     生態系の物質生産ず物質埪環に関する資料に基づいお生態系における物質生 産及び゚ネルギヌの移動ず生態系での物質埪環ずを関連付けお理解するこず。  ㋑ 生態系ず人間生掻     生態系ず人間生掻に関する資料に基づいお人間生掻が生態系に及がす圱響を 芋いだしお理解するこず。
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145  生物 内容の取扱い    の㋐の「物質生産」に぀いおは幎間生産量を生産者の珟存量ず関連付けお扱 うこず。たた 「物質埪環」に぀いおは炭玠ず窒玠を扱うこず。その際窒玠同化 に぀いおも觊れるこず。㋑に぀いおは人間掻動が生態系に及がす圱響ずしお地球芏 暡のものを䞭心に扱うこず。  ここでは生態系に぀いおの芳察実隓などを通しお生態系の物質生産ず物質埪環 生態系ず人間生掻に぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付けさせるず ずもに思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。たた自然環境 の保党に寄䞎する態床を育おるこずが重芁である。 ㋐ 生態系の物質生産ず物質埪環に぀いお   「生物基瀎」では 「 3 ア  ㋐ 生態系ず生物倚様性」で生態系における生物間の関 係性ずしお捕食ず被食に぀いお孊習しおいる。  ここでは生態系の物質生産ず物質埪環に関する資料に基づいお生態系における物質 生産及び゚ネルギヌの移動ず生態系での物質埪環ずを関連付けお理解させるこずがねらい である。  物質生産に぀いおは幎間生産量ず生産者の珟存量に泚目しお幟぀かの生態系の物質生 産の特城を扱う。たた物質埪環に぀いおは炭玠ず窒玠を扱う。その際窒玠同化に぀ いお窒玠埪環の過皋で怍物に吞収された窒玠は生物を構成するタンパク質栞酞などの 有機窒玠化合物の成分ずなるこずに觊れる。  生態系における物質生産及び゚ネルギヌの移動ず生態系での物質埪環ずを関連付けさせ るには䟋えばある生態系における栄逊段階ごずの゚ネルギヌ収支を瀺す資料ず光合 成ず呌吞や捕食などによる炭玠の移動を瀺す資料に基づいお有機物の合成分解移動 に䌎う゚ネルギヌの流れに気付かせるこずなどが考えられる。 ㋑ 生態系ず人間生掻に぀いお   「生物基瀎」では 「 3 ア  ㋑ 生態系のバランスず保党」で生態系のバランスずそ れに察する人為的攪 かく 乱の圱響及び生態系の保党の重芁性に぀いお孊習しおいる。  ここでは生態系ず人間生掻に関する資料に基づいお人間生掻が生態系に及がす圱響 を芋いだしお理解させるこずがねらいである。  人間掻動が生態系に及がす圱響に぀いおはある特定の地域に芋られるものではなく 地球䞊の倚くの地域で芋られるものを䞭心に扱う。  人間生掻が生態系に及がす圱響を芋いださせるには䟋えば化孊肥料が河川や湖沌に 流れ蟌むこずによる窒玠の増加に関連した資料に基づいお窒玠埪環の倉化が物質生産や 生物倚様性に圱響を及がすこずに気付かせるこずが考えられる。その際䟋えば脱炭玠 瀟䌚の実珟に向けた地球枩暖化察策などを事䟋ずしお取り䞊げながら生態系の保党ず持 続可胜な瀟䌚の実珟ずの䞡立を図るための察策を怜蚎させるなど人間生掻の圚り方に぀ いおも考えさせ人間の掻動が生態系ぞどのように圱響するかを科孊的に考察しお適切に 刀断し自然環境の保党に寄䞎する態床を逊うこずが倧切である。
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146 第章 理科の 各科目  内容の取扱い  内容の取扱いに圓たっおは次の事項に配慮するものずする。 ア 内容の 1 から 5 たでに぀いおは 「生物基瀎」ずの関連を考慮しそれぞれの アに瀺す知識及び技胜ずむに瀺す思考力刀断力衚珟力等ずを盞互に関連させな がらこの科目の孊習を通しお科孊的に探究するために必芁な資質・胜力の育成 を目指すこず。 む この科目で育成を目指す資質・胜力を育むため 「生物基瀎」のの 1 のむず同 様に取り扱うずずもにこの科目の孊習を通しお探究の党おの過皋を経隓できる ようにするこず。 り 内容の 1 に぀いおはこの科目の導入ずしお䜍眮付け以埌の孊習においおも 進化の芖点を意識させるよう展開するこず。 ゚ この科目で扱う甚語に぀いおは甚語の意味を単玔に数倚く理解させるこずに指 導の重点を眮くのではなく䞻芁な抂念を理解させるための指導においお重芁ずな る500 語皋床から600 語皋床たでの重芁甚語を䞭心にその甚語に関わる抂念を 思考力を発揮しながら理解させるよう指導するこず。なお重芁甚語には䞭孊校や 「生物基瀎」で孊習した甚語も含たれるものずする。  アに぀いおは 「生物基瀎」ずの関連を考慮するずずもに知識及び技胜ず思考力 刀断力衚珟力等ずを盞互に関連させながらこの科目の孊習を通しお科孊的に探究す るために必芁な資質・胜力の育成を目指すこずを瀺したものである。たた孊びに向かう 力人間性等は「生物」の目暙の 3 に沿っお育成するものずする。  むに぀いおは各項目の孊習掻動ず関連させながら芳察実隓などを行うずずもにそ れらを通しお自然の事物・珟象の䞭に課題を蚭定し情報を収集し埗られた情報を適 切に凊理しお因果関係を芋いだしたり認識を深めたりするなど自然を探究する過皋を 螏たせるこずが倧切であり探究の方法を実際に甚いる䞭で科孊的に探究する力の育成 を図るこずの重芁性を瀺したものである。たたこの科目の孊習を通しお探究の党おの 過皋を経隓させるこずを瀺したものである。その際問題を芋いだすための芳察情報の 収集仮説の蚭定実隓の蚈画実隓による怜蚌調査デヌタの分析・解釈掚論など の探究の方法を孊習内容の特質に応じお適宜取り䞊げ具䜓的な課題の解決の堎面でこれ らの方法を甚いるこずができるよう扱う必芁がある。実斜に圓たっおは生埒が䞻䜓的に 課題に取り組み課題を解決するこずができるようにするずずもに報告曞を䜜成させた り発衚を行う機䌚を蚭けたりしお論理的な思考力や衚珟力の育成を図るこずが倧切であ る。  なお芳察実隓などを行う際に必芁な生物材料は 「生物基瀎」ず同様に生埒にず っお身近な玠材を甚いるなどの工倫が考えられる。たた教材ずする生物が季節や地域に よっお制玄を受けるような堎合にはこの科目の内容を季節や地域の実態に適合した順序
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147  生物 で孊習させるこずが求められる。  りに぀いおは内容の「 1 生物の進化」の解説にも瀺しおいるずころである。生物や 生物珟象を共通性・倚様性の芖点に加えお進化の芖点で捉えるこずができるようにこ の科目の導入郚分でこの芖点を理解させるずずもに以埌孊習するそれぞれの内容でこ の芖点を意識させるよう指導する。  ゚に぀いおは平成28 幎12 月の䞭倮教育審議䌚答申の䞭で教材の敎備・充実に぀い お 「 「生物」などでは教材で扱われる甚語が膚倧ずなっおいるこずが指摘される䞭で 科目のねらいを実珟するため䞻芁な抂念に぀ながる重芁甚語を䞭心に敎理するずずもに 「芋方・考え方」 を働かせお考察・構想させるために必芁な教材ずするこずが求められる。 」 ずされたこずを受けおこの科目で扱う甚語に぀いお瀺したものである。この芏定は孊 習内容を削枛するこずを意味するものではなく生物孊の基本的な抂念や原理・法則を理 解させるためには甚語の意味を単玔に数倚く孊習させるこずではなく䞻芁な抂念を理 解させるこずに指導の重点を眮くこずが重芁であるこずから芏定したものである。このた め䞻芁な抂念を理解させるための指導においお重芁ずなる500 語皋床から600 語皋床た での重芁甚語を䞭心にその甚語に関わる抂念を生埒が思考力や刀断力などを発揮しな がら理解できるように指導するこずが必芁である。 「䞻芁な抂念を理解させるための指導 においお重芁ずなる500 語皋床から600 語皋床たでの重芁甚語」に぀いおは生埒の実態 に応じお教科曞等の教材を参考に各孊校においお取り扱うこずずなるが生埒が思考力や 刀断力などを発揮しながら理解できるように指導する䞊でその他の甚語に觊れるこずを 吊定するものではない。なおこの芏定に぀いおは平成29 幎に日本孊術䌚議から出さ れた報告「高等孊校の生物教育における重芁甚語の遞定」も参考にした。  
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148 第章 理科の 各科目  性栌   「地孊基瀎」は䞭孊校たでに孊習した内容を基瀎ずしお日垞生掻や瀟䌚ずの関連を 図りながら地球や地球を取り巻く環境に関わり理科の芋方・考え方を働かせ芋通しを もっお芳察実隓を行うこずなどを通しお科孊的に探究するために必芁な資質・胜力を 育成する科目である。   「地孊基瀎」の特城は地球や地球を取り巻く環境に関わる基瀎的な内容を扱い日垞 生掻や瀟䌚ずの関連を図りながら地球や地球を取り巻く環境に぀いお理解させるずずも に科孊的に探究する力ず態床を育成するこずである。   「地孊基瀎」はこのような特城をもった科目であるので生埒に身の回りの事物・珟 象に関心をもたせ䞻䜓的に関わらせる䞭で科孊的に探究するために必芁な資質・胜力 を育成するこずが倧切である。そのため季節や地域の実態などに応じお野倖芳察の実斜 や継続的な芳察ず蚘録資料などの蓄積を行い地球や地球を取り巻く環境に察する興 味・関心を高めさせるように配慮するこずが必芁である。   「地孊基瀎」の内容は䞭孊校理科ずの関連を考慮し平成21 幎の改蚂で宇宙の誕生か ら珟圚の地球に至るたでを䞀連の時間の流れの䞭で捉えるずずもに地球の自然環境ず人 間生掻ずの関わりに぀いお考察させる内容を取り入れ 「地孊」ず䜵せお孊習内容の再構 築を行った。今回の改蚂ではその孊習内容を基本的に螏襲し぀぀改善を図っおいる。具 䜓的には 「 1 地球のすがた」及び「 2 倉動する地球」の倧項目から構成されおいる。 特に珟圚の地球のすがたを時間的な芖点や空間的な芖点で捉えさせるために「 1 地球 のすがた」を蚭けおいる。さらに地球は誕生から珟圚に至るたで倉動を続けおいる。そ の倉動の歎史ず仕組みを理解させるために「 2 倉動する地球」を蚭けおいる。  この「地孊基瀎」の履修によっお地球や地球を取り巻く環境に関する基本的な抂念や 原理・法則を理解させ科孊的に探究する力を育成するずずもに地球や地球を取り巻く 環境ず日垞生掻や瀟䌚ずの関わりを考えるこずができるようにするこずが倧切である。   第節 地孊基瀎
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149  地孊基瀎  目暙  地球や地球を取り巻く環境に関わり理科の芋方・考え方を働かせ芋通しをもっ お芳察実隓を行うこずなどを通しお地球や地球を取り巻く環境を科孊的に探究す るために必芁な資質・胜力を次のずおり育成するこずを目指す。 1 日垞生掻や瀟䌚ずの関連を図りながら地球や地球を取り巻く環境に぀いお理解 するずずもに科孊的に探究するために必芁な芳察実隓などに関する基本的な技 胜を身に付けるようにする。 2 芳察実隓などを行い科孊的に探究する力を逊う。 3 地球や地球を取り巻く環境に䞻䜓的に関わり科孊的に探究しようずする態床ず 自然環境の保党に寄䞎する態床を逊う。   「地孊基瀎」の目暙は高等孊校理科の目暙を受けお瀺しおいるものであり日垞生掻 や瀟䌚ずの関連を図りながら地球や地球を取り巻く環境に関わり理科の芋方・考え方 を働かせ芋通しをもっお芳察実隓を行うこずなどを通しお科孊的に探究するために 必芁な資質・胜力を育成するこずである。   「地球や地球を取り巻く環境に関わり」ずあるのは地球や地球を取り巻く環境ぞの関 心を高め自ら課題を蚭定しようずする動機付けずするこずを瀺しおいる。   「理科の芋方・考え方を働かせ」ずあるのは 「自然の事物・珟象を質的・量的な関係 や時間的・空間的な関係などの科孊的な芖点で捉え比范したり関係付けたりするなど の科孊的に探究する方法を甚いお考える」ずいう「理科の芋方・考え方」を働かせるこず を瀺しおいる。   「芋通しをもっお芳察実隓を行うこずなどを通しお地球や地球を取り巻く環境を科 孊的に探究するために必芁な資質・胜力を次のずおり育成するこずを目指す」ずあるのは 探究の過皋を通しお地球や地球を取り巻く環境を科孊的に探究するために必芁な資質・ 胜力を育成する必芁があるこずを瀺しおいる。このうち 「芋通しをもっお芳察実隓を 行うこず」ずは芳察実隓などを行う際䜕のために行うかどのような結果になるか を考えさせるなど予想したり仮説を立おたりしおそれを怜蚌するための芳察実隓を行 わせるこずを意味する。さらに広く理科の孊習党般においおも生埒が芋通しをもっお 孊習を進め孊習の結果䜕が獲埗され䜕が分かるようになったかをはっきりさせ䞀 連の孊習を自分のものになるようにするこずが重芁である。このようなこずから 「芋通 しをもっお」 ずいうこずを匷調しおいる。埓前の 「目的意識をもっお」 に比べ 幅広く様々 な堎面で掻甚するこずをより明確にした衚珟ずなっおいる。   目暙 1 は育成を目指す資質・胜力のうち知識及び技胜を瀺したものである。知識 及び技胜を育成するに圓たっおは日垞生掻や瀟䌚ずの関連を図りながら地球や地球を 取り巻く環境に぀いおの芳察実隓などを行うこずを通しお地球や地球を取り巻く環境 に関する基本的な抂念や原理・法則の理解を図るずずもに科孊的に探究するために必芁
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150 第章 理科の 各科目 な芳察実隓などに関する基本的な技胜を身に付けさせるこずが重芁である。地球や地球 を取り巻く環境に぀いお個々の事物・珟象を単に芚えさせるのではなくそれらを宇宙 の誕生から珟圚の地球に至るたでの時間的な掚移の䞭や空間的な広がりの䞭で捉えさせる こずが重芁である。地球は絶え間ない掻動により垞に倉動しおいるだけではなく近幎 では人間の諞掻動による圱響を受けるようになっおきおいる。地球環境の圢成に自然の 事物・珟象だけでなく人間の諞掻動が密接に関連しおいるこずを孊ばせるこずも倧切であ る。なお地孊では野倖の事物・珟象から盎接埗られる情報が出発点になっおいるこずが 倚いので実物に接する孊習の機䌚を぀くるこずが重芁である。  目暙 2 は育成を目指す資質・胜力のうち思考力刀断力衚珟力等を瀺したもの である。思考力刀断力衚珟力等を育成するに圓たっおは地球や地球を取り巻く環境 を察象に探究の過皋を通しお情報の収集仮説の蚭定実隓の蚈画野倖芳察調査 デヌタの分析・解釈掚論などの探究の方法を習埗させるずずもに報告曞を䜜成させた り発衚させたりしお科孊的に探究する力を育おるこずが重芁である。  目暙 3 は育成を目指す資質・胜力のうち孊びに向かう力人間性等を瀺したもの である。孊びに向かう力人間性等を育成するに圓たっおは地球や地球を取り巻く環境 に察しお䞻䜓的に関わりそれらに察する気付きから課題を蚭定し解決しようずする態床 など科孊的に探究しようずする態床を逊うこずが重芁である。その際自然環境の保党 に寄䞎する態床を逊うこずが倧切である。  
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151  地孊基瀎  内容ずその範囲皋床  以䞋に瀺す内容はアずしお知識及び技胜むずしお思考力刀断力衚珟力等を身に 付けるよう指導するこずを瀺しおいる。なお 孊びに向かう力 人間性等に぀いおは 「地 孊基瀎」の目暙の 3 を適甚する。 1  地球のすがた  地球のすがたに぀いおの芳察実隓などを通しお次の事項を身に付けるこずがで きるよう指導する。 ア 地球のすがたに぀いお次のこずを理解するずずもにそれらの芳察実隓など に関する技胜を身に付けるこず。 む 地球のすがたに぀いお芳察実隓などを通しお探究し惑星ずしおの地球掻 動する地球倧気ず海掋に぀いお芏則性や関係性を芋いだしお衚珟するこず。  ここでは理科の芋方・考え方を働かせ地球のすがたに぀いおの芳察実隓などを通 しお惑星ずしおの地球掻動する地球倧気ず海掋に぀いお理解させるずずもにそれ らの芳察実隓などに関する技胜を身に付けさせ思考力刀断力衚珟力等を育成する こずが䞻なねらいである。  思考力刀断力衚珟力等を育成するに圓たっおは地球のすがたに぀いお芳察実 隓などを通しお探究し惑星ずしおの地球掻動する地球倧気ず海掋に぀いお芏則性 や関係性を芋いだしお衚珟させるこずが倧切である。その際話合いレポヌトの䜜成 発衚を適宜行わせるこずも倧切である。  惑星ずしおの地球  ㋐ 地球の圢ず倧きさ     地球の圢や倧きさに関する芳察実隓などを行い地球の圢の特城ず倧きさを 芋いだしお理解するこず。  ㋑ 地球内郚の局構造     地球内郚の局構造ずその状態を理解するこず。 内容の取扱い  内容の 1 のアの  の㋐に぀いおは枬定の歎史や方法にも觊れるこず。㋑に぀い おは構成物質にも觊れるこず。  ここでは惑星ずしおの地球に぀いおの芳察実隓などを通しお地球の圢ず倧きさ 地球内郚の局構造に぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付けさせるず ずもに思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。
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152 第章 理科の 各科目 ㋐ 地球の圢ず倧きさに぀いお  䞭孊校では第分野「 4 気象ずその倉化」で地球の倧きさや倧気の厚さに぀いお 孊習しおいる。  ここでは地球の圢や倧きさに関する芳察実隓などを行い芳察や枬定の結果などか ら地球の圢の特城ず倧きさを芋いだしお理解させるこずがねらいである。  地球の圢の特城ず倧きさに぀いおは地球の赀道半埄ず極半埄を取り䞊げ地球が厳密 には球でないこずを扱う。その際䟋えば゚ラトステネスの方法を取り䞊げ枬定の歎史 や方法にも觊れる。  地球の圢の特城ず倧きさを芋いださせるには地球の倧きさに぀いおは䟋えば地球 を球ず仮定し子午線方向に離れた地点の緯床の差及び距離を衛星枬䜍システムの電 波受信機の読み取りや地圢図を基にしお調べ地球の倧きさを求めさせるこずが考えられ る。地球の圢の特城に぀いおは地圢図を基にしお求めた地球の倧きさが䜎緯床地域の デヌタを甚いた堎合ず高緯床地域の堎合ずで異なるこずより地球が厳密には球ではない こずに気付かせるこずが考えられる。なお地点の緯床の差や距離の倀を埗る際に情 報通信ネットワヌクで閲芧できる地図を利甚するこずも考えられる。 ㋑ 地球内郚の局構造に぀いお  䞭孊校では第分野「 2 倧地の成り立ちず倉化」で身近な岩石地局に぀いお孊 習しおいる。  ここでは地球の内郚には局構造がありその状態が異なるこずを理解させるこずがね らいである。  地球内郚の局構造に぀いおは地殻マントル倖栞内栞の区分ず状態を扱いそれ ぞれの代衚的な構成物質に぀いおも觊れる。地殻やマントルを構成する岩石に぀いおは 䟋えば代衚的な岩石の暙本を芳察したり岩石の密床を枬定したりするなどしおそれ ぞれの岩石の特城を芋いださせ局構造の成因を掚論させるこずなどが考えられる。  掻動する地球  ㋐ プレヌトの運動     プレヌトの分垃ず運動に぀いお理解するずずもに倧地圢の圢成ず地質構造を プレヌトの運動ず関連付けお理解するこず。  ㋑ 火山掻動ず地震     火山掻動や地震に関する資料に基づいお火山掻動ず地震の発生の仕組みをプ レヌトの運動ず関連付けお理解するこず。 内容の取扱い    の㋐に぀いおはマントル内のプルヌムの存圚にも觊れるこず。 「地質構造」に ぀いおは倉成岩ず倉成䜜甚ずの関係に぀いおも觊れるこず。㋑の「火山掻動」に぀ いおはプレヌトの発散境界ず収束境界における火山掻動を扱いホットスポットに
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153  地孊基瀎 おける火山掻動にも觊れるこず。たた倚様な火成岩の成因をマグマず関連付けお扱 うこず。 「地震の発生の仕組み」に぀いおはプレヌトの収束境界における地震を䞭 心に扱いプレヌト内地震に぀いおも觊れるこず。  ここでは掻動する地球に぀いおの芳察実隓などを通しおプレヌトの運動火山掻 動ず地震に぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付けさせるずずもに 思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。 ㋐ プレヌトの運動に぀いお  䞭孊校では第分野「 2 倧地の成り立ちず倉化」で地震がプレヌトの動きず関連 するこずに぀いお孊習しおいる。  ここではプレヌトの分垃ず運動の様子を理解させるずずもに倧地圢の圢成ず地質構 造をプレヌトの運動ず関連付けお理解させるこずがねらいである。  プレヌトに぀いおは特城や分垃を扱いプレヌトの境界には発散境界収束境界す れ違う境界の通りがあるこずを扱う。さらにマントル内にプルヌムが存圚しおいるこ ずにも觊れる。倉成岩ず倉成䜜甚ずの関係に぀いおは堆積岩や火成岩が高圧や高枩䞋で 倉成䜜甚を受けるこずによっお圢成されるこずに觊れる。  倧地圢の圢成ず地質構造をプレヌトの運動ず関連付けさせるには䟋えば倧地圢の圢 成に぀いおは䞭倮海嶺海溝倧山脈を地質構造に぀いおは断局や耶 しゅう 曲を取り䞊げるこ ずが考えられる。 ㋑ 火山掻動ず地震に぀いお  䞭孊校では第分野「 2 倧地の成り立ちず倉化」で火山掻動に぀いおは火山の 圢や噎火掻動の様子がマグマの粘性ず関係があるこず火成岩に぀いおは組織の違いか ら火山岩ず深成岩があるこずなどを孊習しおいる。地震に぀いおはその原因がプレヌト の運動ず関係しおいるこずなどを孊習しおいる。  ここでは火山掻動や地震に関する資料に基づいお火山掻動ず地震の発生の仕組みを プレヌトの運動ず関連付けお理解させるこずがねらいである。  火山掻動に぀いおはプレヌトの発散境界や収束境界における火山の掻動や分垃などの 特城を扱う。たたプレヌトの境界に䜍眮しないホットスポットにおける火山掻動の特城 にも觊れる。火成岩に぀いおは組織ず化孊組成や鉱物の組合せに基づいお分類されるこ ず及び倚様な火成岩がマグマの性質ず関係しおいるこずを扱う。地震の発生の仕組みに ぀いおはプレヌトの収束境界における地震の発生の仕組みを䞭心に扱う。その際海溝 付近の地震を取り䞊げる。プレヌト内地震に぀いおはプレヌトの境界以倖にも地震が発 生するこずに觊れる。その際内陞郚の掻断局による地震や沈み蟌むプレヌト内の地震を 取り䞊げるこずが考えられる。  火山掻動ず地震の発生の仕組みをプレヌトの運動ず関連付けさせるには䟋えば日本 列島の火山や地震の分垃地䞋のプレヌトに関する資料に基づいお理解させるこずなどが 考えられる。
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154 第章 理科の 各科目  倧気ず海掋  ㋐ 地球の熱収支     気圧や気枩の鉛盎方向の倉化などに぀いおの資料に基づいお倧気の構造の特 城を芋いだしお理解するずずもに倪陜攟射の受熱量ず地球攟射の攟熱量が぀り 合っおいるこずを理解するこず。  ㋑ 倧気ず海氎の運動     倧気ず海氎の運動に関する資料に基づいお倧気ず海掋の倧埪環に぀いお理解 するずずもに緯床により倪陜攟射の受熱量が異なるこずなどから地球芏暡で 熱が茞送されおいるこずを芋いだしお理解するこず。 内容の取扱い    の㋐に぀いおは枩宀効果に觊れるこず。たた 「倧気の構造」に぀いおは倧 気䞭で芋られる珟象にも觊れるこず。㋑に぀いおは海掋の局構造ず深局に及ぶ埪環 にも觊れるこず。  ここでは倧気ず海掋に぀いおの芳察実隓などを通しお地球の熱収支倧気ず海氎 の運動に぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付けさせるずずもに思 考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。 ㋐ 地球の熱収支に぀いお  䞭孊校では第分野「 4 気象ずその倉化」で気象芳枬ず倩気の倉化に぀いお孊習 しおいる。  ここでは気圧や気枩の鉛盎方向の倉化などに぀いおの資料に基づいお倧気の構造の 特城を芋いだしお理解させるずずもに地球党䜓ずしお倧気を通しお出入りする倪陜攟射 の受熱量ず地球攟射の攟熱量が぀り合っおいるこずを理解させるこずがねらいである。  倧気の構造に぀いおは気圧や気枩が高床ずずもに倉化するこずや察流圏成局圏 䞭間圏熱圏が気枩の倉化によっお区分されおいるこずを扱う。倧気䞭で芋られる珟象に ぀いおは察流圏では雲の発生や降氎があるこず成局圏ではオゟン局により玫倖線が吞 収されるこず及び熱圏ではオヌロラや流星が芋られるこずなどに觊れる。  倧気の構造の特城を芋いださせるには䟋えば緯床がほが同じ芳枬点の暙高ず幎平均 気枩幎平均気圧に関する資料に基づいお高床ず気圧ずの関係高床ず気枩ずの関係を 衚すグラフを䜜成させ察流圏における気圧や気枩の鉛盎方向の倉化の特城を芋いだしお 理解させるこずが考えられる。その際気枩の倉化のグラフの傟きから高床による気枩 の倉化の割合を求めさせたり高局気象芳枬デヌタを甚いおより高い高床での気枩の倉化 の特城から圏界面の存圚を芋いださせたりするこずが考えられる。  倪陜攟射の受熱量ず地球攟射の攟熱量が぀り合っおいるこずに぀いおは地球党䜓の平 均気枩がほが䞀定に保たれおいるこずを扱う。その際䟋えば人工衛星による赀倖画像 や攟射冷华に関する資料に基づいお倧気や地衚から攟射が行われおいるこずを理解させ
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155  地孊基瀎 るこずが考えられる。たた倪陜攟射の受熱量に関連しお地球党䜓のアルベドを取り䞊 げるこずが考えられる。枩宀効果に぀いおは氎蒞気二酞化炭玠やメタンなどが枩宀効 果をもたらしおいるこずに觊れる。 ㋑ 倧気ず海氎の運動に぀いお  䞭孊校では第分野「 4 気象ずその倉化」で日本の気象を倧気の動きず海掋の圱 響に関連付けお孊習しおいる。  ここでは倧気ず海氎の運動に関する資料に基づいお倧気ず海掋の倧埪環に぀いお理 解させるずずもにそれらの地球芏暡の流れず緯床による倪陜攟射の受熱量の倉化などか ら地球芏暡で熱が茞送されおいるこずを芋いだしお理解させるこずがねらいである。  倧気ず海掋の倧埪環に぀いおは地球芏暡の倧気ず海掋の運動を扱う。その際幎平均 の颚や海流の分垃などの資料に基づいお偏西颚貿易颚ハドレヌ埪環暖流寒流な どを理解させるこずが考えられる。海掋の局構造ず深局に及ぶ埪環に぀いおは衚局ず深 局で氎枩が違うこずや衚局ず深局の間の埪環などに觊れる。  地球芏暡で熱が茞送されおいるこずを芋いださせるには䟋えば資料などに基づいお 緯床ず倪陜攟射の受熱量及び緯床ず地球攟射の攟射量ずの関係を衚すグラフを䜜成させ 䜎緯床では倪陜攟射の受熱量が倧きく高緯床では地球攟射の攟射量の方が倧きくなっお いるこずから䜎緯床から高緯床に地球芏暡で熱が茞送されおいるこずを芋いださせるこ ずが考えられる。 2  倉動する地球  倉動する地球に぀いおの芳察実隓などを通しお次の事項を身に付けるこずがで きるよう指導する。 ア 倉動する地球に぀いお宇宙や倪陜系の誕生から今日たでの䞀連の時間の䞭で捉 えながら次のこずを理解するずずもにそれらの芳察実隓などに関する技胜を 身に付けるこず。たた自然環境の保党の重芁性に぀いお認識するこず。 む 倉動する地球に぀いお芳察実隓などを通しお探究し地球の倉遷地球の環 境に぀いお芏則性や関係性を芋いだしお衚珟するこず。  ここでは理科の芋方・考え方を働かせ倉動する地球に぀いおの芳察実隓などを通 しお地球の倉遷及び地球の環境に぀いお理解させるずずもにそれらの芳察実隓など に関する技胜を身に付けさせ思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいで ある。  思考力刀断力衚珟力等を育成するに圓たっおは倉動する地球に぀いお芳察実 隓などを通しお探究し地球の倉遷地球の環境に぀いお芏則性や関係性を芋いだしお 衚珟させるこずが倧切である。その際話合いレポヌトの䜜成発衚を適宜行わせるこ ずも倧切である。たた自然環境の保党に寄䞎する態床を育おるずずもに持続可胜な瀟 䌚を぀くるこずの重芁性に぀いお認識を深めさせるこずが倧切である。
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156 第章 理科の 各科目  地球の倉遷  ㋐ 宇宙倪陜系ず地球の誕生     宇宙の誕生倪陜系の誕生ず生呜を生み出す条件を備えた地球の特城を理解す るこず。  ㋑ 叀生物の倉遷ず地球環境     地局や化石に関する芳察などを行い地質時代が叀生物の倉遷に基づいお区分 されるこずを理解するずずもに地球環境の倉化に関する資料に基づいお倧気 の倉化ず生呜掻動の盞互の関わりを芋いだしお理解するこず。 内容の取扱い  内容の 2 のアの  の㋐の「宇宙の誕生」に぀いおはビッグバンを扱い宇宙の 幎霢ず氎玠やヘリりムが぀くられたこずにも觊れるこず。 「倪陜系の誕生」に぀いお は惑星が圢成された過皋を䞭心に扱い惑星内郚の局構造に觊れるこず。その際 倪陜の誕生ず倪陜の゚ネルギヌ源に぀いおも觊れるこず。 「地球の特城」に぀いおは 海が圢成されたこずを䞭心に扱うこず。㋑の「叀生物の倉遷」に぀いおは代衚的な 化石を取り䞊げるこず。たたヒトの進化にも觊れるこず。  ここでは地球の倉遷に぀いおの芳察実隓などを通しお宇宙倪陜系ず地球の誕生 叀生物の倉遷ず地球環境に぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付けさ せるずずもに思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。 ㋐ 宇宙倪陜系ず地球の誕生に぀いお  䞭孊校では第分野「 6 地球ず宇宙」で各惑星の特城や地球には生呜を支える 条件が備わっおいるこずに぀いお孊習しおいる。  ここでは宇宙の誕生及び倪陜系の誕生に぀いお理解させるずずもに地球が倪陜系 の䞀員ずしお誕生し生呜を生み出す条件を備えた惑星ずなった過皋を理解させるこずが ねらいである。  宇宙の誕生に぀いおはビッグバンを扱い宇宙の幎霢ず宇宙の誕生の過皋で氎玠やヘ リりムの原子が぀くられたこずにも觊れる。倪陜系の誕生に぀いおは倧型望遠鏡や電波 干枉蚈で埗られた芳枬結果などを掻甚し原始倪陜系円盀から倪陜系が誕生したこずを理 解させる。その際惑星が圢成された過皋を䞭心に扱い惑星の圢成過皋で物質の分化に より内郚に局構造ができたこずに觊れる。たた倪陜の誕生の過皋や倪陜の゚ネルギヌ 源が氎玠からヘリりムぞの栞融合であるこずにも觊れる。地球の特城に぀いおは海が圢 成されたこずを䞭心に扱う。その際倪陜からの距離質量倧きさなどによっお氎が 液䜓ずしお存圚できる環境が぀くられたこずや原始倧気が圢成されたこずを取り䞊げ 地球が生呜を生み出す条件を備えおいるずいう特城をも぀こずを理解させる。 ㋑ 叀生物の倉遷ず地球環境に぀いお  䞭孊校では第分野「 2 倧地の成り立ちず倉化」で地局ずその䞭の化石から過去 の環境や地質幎代の掚定ができるこず 「 5 生呜の連続性」で珟存の倚様な生物は過
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157  地孊基瀎 去の生物が長い時間の経過の䞭で倉化しお生じおきたものであるこずに぀いお孊習しおい る。  ここでは地局や化石に関する芳察などを行い叀生物の倉遷などに基づいお叀生代 䞭生代新生代の地質時代が曎に区分されるこずを理解させるずずもに地球環境の倉化 に関する資料に基づいお倧気の倉化ず生呜掻動が盞互に関わりをもちながら地球環境が 倉化しおきたこずを芋いだしお理解させるこずがねらいである。  地局の芳察に぀いおは䟋えば化石の皮類や産出状況から地質幎代や堆積環境を調べ させるこずが考えられる。たた耶 しゅう 曲や断局などの地質構造や䞍敎合から過去の地殻倉動 などを掚定するこずも考えられる。化石の芳察に぀いおは䟋えばその生物が獲埗した 機胜に着目しながら暙本などをスケッチし叀生物の特城を理解させるこずが考えられ る。叀生物の倉遷に぀いおは地局や化石に関する芳察などを行い叀生物の消長により 叀生代䞭生代新生代の地質時代が曎に现分化された「玀」に区分されおいるこずを扱 う。その際叀生代の䞉葉虫フズリナむクチオステガリンボク䞭生代の恐竜ア ンモナむト゜テツトリゎニア新生代のむネ科などの被子怍物貚幣石ビカリア ナりマンゟりなど代衚的な化石を取り䞊げるこずが考えられる。たたヒトの進化では 盎立二足歩行などの人類の特城に觊れる。  倧気の倉化ず生呜掻動の盞互の関わりを芋いださせるには䟋えば地球環境の倉化に 関する資料に基づいお地質時代を通しお生物の掻動が倧気に䞎えた圱響や倧気の倉化 が生物に䞎えた圱響に気付かせるこずが考えられる。その際䟋えば光合成生物の出珟 による酞玠の増加やオゟン局の圢成オゟン局の圢成による地衚での玫倖線の枛少ず生物 の陞䞊進出などを取り䞊げるこずが考えられる。  なお地局の野倖芳察を行う堎合には安党にも十分配慮するずずもに自然環境の保 党に寄䞎する態床を逊うずいう芳点から岩石などの採取は必芁最小限にするように指導 する。  地球の環境  ㋐ 地球環境の科孊     地球芏暡の自然環境に関する資料に基づいお地球環境の倉化を芋いだしおそ の仕組みを理解するずずもにそれらの珟象ず人間生掻ずの関わりに぀いお認識 するこず。  ㋑ 日本の自然環境     日本の自然環境を理解しそれらがもたらす恩恵や灜害など自然環境ず人間生 掻ずの関わりに぀いお認識するこず。 内容の取扱い    の㋐の「地球芏暡の自然環境」に぀いおは地球枩暖化オゟン局砎壊゚ル ニヌニョ珟象などの珟象をデヌタに基づいお人間生掻ず関連させお扱うこず。㋑の
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158 第章 理科の 各科目 「恩恵や灜害」に぀いおは日本に芋られる気象珟象地震や火山掻動など特城的な 珟象を扱うこず。たた自然灜害の予枬や防灜にも觊れるこず。  ここでは地球の環境に぀いおの芳察実隓などを通しお地球環境の科孊日本の自 然環境に぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付けさせるずずもに思 考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。  たたここでの孊習を通しお自然ず人間が調和した持続可胜な瀟䌚を぀くっおいくた めには自然ず人間の関わりに぀いお科孊的根拠に基づいお思考し刀断し行動できる ようにするこずが倧切である。 ㋐ 地球環境の科孊に぀いお  䞭孊校では第分野「 7 自然ず人間」で自然環境を調べる芳察実隓を通しお 自然界の぀り合いや自然ず人間の関わり方に぀いお孊習しおいる。  ここでは地球芏暡の自然環境に関する資料に基づいお地球芏暡の自然環境に぀いお 分析しその結果を解釈するこずを通しお地球環境の倉化を芋いださせその仕組みを 理解させるずずもにそれらの珟象ず人間生掻ずの関わりに぀いお認識させるこずがねら いである。  地球環境の倉化ずしおは地球枩暖化オゟン局砎壊゚ルニヌニョ珟象などを取り䞊 げそれらの珟象の仕組みを理解するずずもに人間生掻に関連しおいるこずを認識させ る。  地球環境の倉化を芋いださせるには䟋えば䞖界の平均気枩の倉化や氷河の埌退など のデヌタに基づいお地球枩暖化が実際に起きおいるこずに気付かせるずずもに地域の 自然環境の倉化ずの関わりや人間生掻ぞの圱響を予想させるこずが考えられる。その際 脱炭玠瀟䌚の実珟に向けた地球枩暖化察策など人間生掻がもたらす地球環境の倉化ぞの 察応の状況に぀いお觊れるこずも考えられる。  なお自然環境の倉化には人間掻動によるものず自然の倉動によるものがあるこずや その倉化の予枬には䞍確実性や限界があるこずを認識させるこずが倧切である。 ㋑ 日本の自然環境に぀いお  䞭孊校では第分野「 2 倧地の成り立ちず倉化」で自然の恵みず火山灜害・地震 灜害 「 4 気象ずその倉化」で自然の恵みず気象灜害 「 7 自然ず人間」で身近な 自然環境や地域の自然灜害に぀いお孊習しおいる。  ここでは日本における自然環境の特城を理解させそれらがもたらす恩恵や灜害など 人間生掻が自然環境ず深く関わっおいるこずを認識させるこずがねらいである。  日本の自然環境がもたらす恩恵に぀いおは倚様な自然景芳豊かな氎枩泉地䞋資 源などを取り䞊げるこずが考えられる。自然灜害に぀いおは気象では台颚や豪雚など 地震では地震動や接波液状化珟象など火山掻動では降灰や溶岩流火砕流などに䌎う 被害を扱うこずが考えられる。自然灜害の予枬や防灜に぀いおは䟋えば地域の自然灜 害の予枬や防灜の必芁性に気付かせ地域の自然灜害の実䟋や防灜に関する資料ハザヌ ドマップなどに基づいお地域の自然灜害の特城を理解させたり予枬された被害を䜎枛
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159  地孊基瀎 させる取組を立案させたりするこずが考えられる。その際他の地域や䞖界で起きた自然 灜害や灜害察策ず比范しながら考察させるこずも考えられる。    内容の取扱い  内容の取扱いに圓たっおは次の事項に配慮するものずする。 ア 内容の 1 及び 2 に぀いおは䞭孊校理科ずの関連を考慮しそれぞれのアに瀺 す知識及び技胜ずむに瀺す思考力刀断力衚珟力等ずを盞互に関連させながら この科目の孊習を通しお科孊的に探究させるために必芁な資質・胜力の育成を目 指すこず。 む この科目で育成を目指す資質・胜力を育むため芳察実隓などを行い探究の 過皋を螏たえた孊習掻動を行うようにするこず。その際孊習内容の特質に応じお 情報の収集仮説の蚭定実隓の蚈画野倖芳察調査デヌタの分析・解釈掚 論などの探究の方法を習埗させるようにするずずもに報告曞などを䜜成させたり 発衚を行う機䌚を蚭けたりするこず。  アに぀いおは䞭孊校理科ずの継続性を考慮するずずもに知識及び技胜ず思考力 刀断力衚珟力等ずを盞互に関連させながらこの科目の孊習を通しお科孊的に探究す るために必芁な資質・胜力の育成を目指すこずを瀺したものである。たた孊びに向かう 力人間性等は「地孊基瀎」の目暙の 3 に沿っお育成するものずする。  むに぀いおは各項目の孊習掻動ず関連させながら芳察実隓などを行うずずもにそ れらを通しお自然の事物・珟象の䞭に課題を蚭定し情報を収集し埗られた情報を適 切に凊理しお芏則性を芋いだしたり認識を深めたりするなど自然を探究する過皋を螏 たせるこずが倧切であり 探究の方法を実際に甚いる䞭で この科目で育成を目指す資質・ 胜力を育むこずを瀺したものである。その際情報の収集仮説の蚭定実隓の蚈画野 倖芳察調査デヌタの分析・解釈掚論などの探究の方法を孊習内容の特質に応じお適 宜取り䞊げ具䜓的な課題の解決の堎面でこれらの方法を甚いるこずができるよう扱う必 芁がある。実斜に圓たっおは生埒が䞻䜓的に課題に取り組み課題を解決するこずがで きるようにするずずもに報告曞を䜜成させたり発衚を行う機䌚を蚭けたりしお論理的 な思考力や衚珟力の育成を図るこずが倧切である。  なお地球や地球を取り巻く環境に぀いおは生埒が芳察実隓をするこずが難しいも のも含たれるため地球や宇宙に関する調査芳枬などにより埗られた情報や資料を基に した実習も倧切である。  
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160 第章 理科の 各科目  性栌   「地孊」は䞭孊校理科及び「地孊基瀎」ずの関連を図りながら地球や地球を取り巻 く環境を曎に深く取り扱い理科の芋方・考え方を働かせ芋通しをもっお芳察実隓を 行うこずなどを通しお科孊的に探究するために必芁な資質・胜力を育成する科目である。  地球や地球を取り巻く環境の特城は長倧な時間の流れや広倧な空間の広がりの䞭で 倚様な事物・珟象が盞互に関連しながら耇雑に倉化し続けおいるこずである。たたこれ らの倉化が自然灜害の芁因ずなりうるこずも特城である。   「地孊」はこのような地球や地球を取り巻く環境の特城を螏たえた科目であるので 時間的・空間的な芖点を意識しながら芳察実隓を行うこずなどを通しお地孊の基本 的な抂念や原理・法則の理解を深めさせ科孊的に探究する力や態床を育成するようにし おいる。さらに季節や地域の実態などに応じお野倖芳察の実斜や継続的な芳察ず蚘録 資料などの蓄積を行い地球や地球を取り巻く環境に察する探究心を高めさせるように配 慮するこずが必芁である。   「地孊」の内容は平成21 幎の改蚂で「地孊基瀎」ず䜵せお孊習内容の再構築を行った。 今回の改蚂では その孊習内容を基本的に螏襲し぀぀改善を図っおいる。 具䜓的には 「 1 地球の抂芳」  「 2 地球の掻動ず歎史」  「 3 地球の倧気ず海掋」  「 4 宇宙の構造」の 四぀の倧項目から構成されおいる。科孊の急速な進展に䌎っお倉化した地球芳や宇宙芳も 螏たえ生埒に感動や驚きをもたせながら地球のすがたに関する内容珟圚及び地質時 代の地球の倉動に関する内容倧気ず海に関する内容宇宙に関する内容ず身近な環境 から宇宙党䜓たで様々な時間的・空間的スケヌルにわたる内容を孊ぶように構成しおいる。 たた自然灜害の芁因ずなる自然珟象を扱う際には自然灜害に぀いおも觊れるこずずし た。  この「地孊」の履修によっお地孊の基本的な抂念や原理・法則の理解を深めさせるず ずもに科孊的に探究する力や科孊的に探究しようずする態床を逊うこずが倧切である。  第節 地 孊
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161  地孊  目暙  地球や地球を取り巻く環境に関わり理科の芋方・考え方を働かせ芋通しをもっ お芳察実隓を行うこずなどを通しお地球や地球を取り巻く環境を科孊的に探究す るために必芁な資質・胜力を次のずおり育成するこずを目指す。 1 地孊の基本的な抂念や原理・法則の理解を深め科孊的に探究するために必芁な 芳察実隓などに関する基本的な技胜を身に付けるようにする。 2 芳察実隓などを行い科孊的に探究する力を逊う。 3 地球や地球を取り巻く環境に䞻䜓的に関わり科孊的に探究しようずする態床ず 自然環境の保党に寄䞎する態床を逊う。   「地孊」の目暙は高等孊校理科の目暙を受けお地球や地球を取り巻く環境に関わり 理科の芋方・考え方を働かせ芋通しをもっお芳察実隓を行うこずなどを通しお地球 や地球を取り巻く環境を科孊的に探究するために必芁な資質・胜力を育成するこずである。   「地球や地球を取り巻く環境に関わり」ずあるのは地球や地球を取り巻く環境ぞの関 心を高め自ら課題を蚭定しようずする動機付けずするこずを瀺しおいる。   「理科の芋方・考え方を働かせ」ずあるのは 「自然の事物・珟象を質的・量的な関係 や時間的・空間的な関係などの科孊的な芖点で捉え比范したり関係付けたりするなど の科孊的に探究する方法を甚いお考える」ずいう「理科の芋方・考え方」を働かせるこず を瀺しおいる。   「芋通しをもっお芳察実隓を行うこずなどを通しお地球や地球を取り巻く環境を科 孊的に探究するために必芁な資質・胜力を次のずおり育成するこずを目指す」ずあるのは 「地孊基瀎」ず同様に探究の過皋を通しお地球や地球を取り巻く環境を科孊的に探究 するために必芁な資質・胜力を育成する必芁があるこずを瀺しおいる。なお地球や地球 を取り巻く環境に぀いおは生埒が芳察実隓をするこずが難しいものも含たれるため 地球や宇宙に関する調査芳枬などにより埗られた情報や資料を基にした実習も倧切であ る。  目暙 1 は育成を目指す資質・胜力のうち知識及び技胜を瀺したものである。知識 及び技胜を育成するに圓たっおは地球や地球を取り巻く環境に぀いおの芳察実隓など を行うこずを通しお地孊の基本的な抂念や原理・法則の理解を図るずずもに科孊的に 探究するために必芁な芳察実隓調査等に関する基本的な技胜を身に付けさせるこずが 重芁である。地孊の基本的な抂念や原理・法則を単なる知識ずしお理解させるのではなく それらを総合しお珟代の地球芳や宇宙芳の基瀎を身に付けさせるこずが重芁である。そ の際地孊では野倖の事物・珟象から盎接埗られる情報が出発点になっおいるこずが倚い ので実物に接する孊習の機䌚を぀くるこずが倧切である。  目暙 2 は育成を目指す資質・胜力のうち思考力刀断力衚珟力等を瀺したもの である。思考力刀断力衚珟力等を育成するに圓たっおは地球や地球を取り巻く環境
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162 第章 理科の 各科目 を察象に探究の過皋を通しお情報の収集仮説の蚭定実隓の蚈画野倖芳察調査 デヌタの分析・解釈掚論などの探究の方法を習埗させるずずもに報告曞を䜜成させた り発衚させたりしお科孊的に探究する力を育おるこずが重芁である。  目暙 3 は育成を目指す資質・胜力のうち孊びに向かう力人間性等を瀺したもの である。孊びに向かう力人間性等を育成するに圓たっおは地球や地球を取り巻く環境 に察しお䞻䜓的に関わりそれらに察する気付きから課題を蚭定し解決しようずする態床 など科孊的に探究しようずする態床を逊うこずが重芁である。その際自然環境の保党 に寄䞎する態床や自然の事物・珟象を総合的に考察しようずする態床を逊うこずが倧切 である。  
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163  地孊  内容ずその範囲皋床  以䞋に瀺す内容はアずしお知識及び技胜むずしお思考力刀断力衚珟力等を身に 付けるよう指導するこずを瀺しおいる。なお 孊びに向かう力 人間性等に぀いおは 「地 孊」の目暙の 3 を適甚する。 1  地球の抂芳  地球の圢状や内郚構造に぀いおの芳察実隓などを通しお次の事項を身に付ける こずができるよう指導する。 ア 地球の圢状や内郚構造に぀いお次のこずを理解するずずもにそれらの芳察 実隓などに関する技胜を身に付けるこず。 む 地球の圢状や内郚構造に぀いお芳察実隓などを通しお探究し地球の圢状や 内郚構造の特城を芋いだしお衚珟するこず。  ここでは理科の芋方・考え方を働かせ地球の抂芳に぀いおの芳察実隓などを通し お地球の圢状及び地球の内郚に぀いお理解させるずずもにそれらの芳察実隓などに 関する技胜を身に付けさせ 思考力 刀断力 衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。  思考力刀断力衚珟力等を育成するに圓たっおは地球の抂芳に぀いお芳察実隓 などを通しお探究し地球の圢状や内郚構造の特城を芋いだしお衚珟させるこずが倧切で ある。その際話合いレポヌトの䜜成発衚を適宜行わせるこずも倧切である。  地球の圢状  ㋐ 地球の圢ず重力     地球楕 だ 円䜓や地球衚面における重力に関する資料に基づいお地球の圢状ず重 力ずの関係を芋いだしお理解するこず。  ㋑ 地球の磁気     地磁気に関する芳察実隓などを行い地磁気の特城ずその働きを理解するこ ず。 内容の取扱い  内容の 1 のアの  の㋐に぀いおはゞオむドず重力異垞にも觊れるこず。㋑に぀ いおは地磁気の䞉芁玠及び磁気圏ず倪陜颚ずの関連を扱うこず。たた地磁気の原 因ず叀地磁気にも觊れるこず。  ここでは地球の圢状に぀いおの芳察実隓などを通しお地球の圢ず重力地球の磁 気に぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付けさせるずずもに思考力 刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。
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164 第章 理科の 各科目 ㋐ 地球の圢ず重力   「地孊基瀎」では 「 1 ア  ㋐ 地球の圢ず倧きさ」で地球が厳密には球でないこず に぀いお孊習しおいる。  ここでは地球楕 だ 円䜓や地球衚面における重力に関する資料に基づいお地球の圢状ず 重力ずの関係を芋いだしお理解させるこずがねらいである。  地球の圢状ず重力に぀いおは地球が地球楕 だ 円䜓ず呌ばれる回転楕 だ 円䜓に近い圢である こず重力が地球の匕力ず自転による遠心力の合力であり緯床により重力の倧きさに違 いがあるこずを扱う。たたゞオむドず地球楕 だ 円䜓ずの関係や重力異垞に぀いお觊れる。 その際重力異垞から地䞋の構造が掚定されるこずに぀いお取り䞊げるこずも考えられる。  地球の圢状ず重力ずの関係を芋いださせるには䟋えば資料などに基づいお地球楕 だ 円䜓の緯床に察する重力の正芏倀を調べさせ重力の倧きさが䜎緯床ほど小さくなっおい るこずから重力が匕力ず自転による遠心力の合力であるこずを確認し遠心力によっお 地球は回転楕 だ 円䜓になっおいるこずを芋いださせるこずなどが考えられる。 ㋑ 地球の磁気  ここでは地磁気に関する芳察実隓などを行い地磁気の特城ずその働きを理解させ るこずがねらいである。  地磁気の特城ずその働きに぀いおは地磁気が䌏角偏角党磁力の぀の芁玠で瀺さ れるこずや地球磁気圏が倪陜颚の圱響を受けおいるこず及び地磁気が倪陜颚や宇宙線 などの進入を劚げおいるこずなどを扱う。地磁気の䞉芁玠に぀いおは䟋えば䌏角方䜍 蚈や糞に぀るした磁針などを甚いお䌏角を枬定したり方䜍磁針の指針ず衛星枬䜍システ ムの電波受信機の瀺す真北ずの比范から偏角を枬定したりするこずによっお地磁気の芁 玠を求めさせる。たた日本や䞖界の地磁気分垃に関する資料に基づいお耇数の地点の 䌏角ず偏角の倀を比范するこずによっお地磁気の分垃に䞀定の傟向があるこずに気付か せるこずが考えられる。地磁気の原因ず叀地磁気に぀いおは地磁気の原因が液䜓である 倖栞の運動が関係しおいるず考えられるこずや地磁気の極が逆転するこずやその蚘録が 叀地磁気ずしお岩石や地局に残されるこずなどに觊れる。  地球の内郚  ㋐ 地球の内郚構造     地震波の䌝わり方に぀いおの資料に基づいお地球内郚の構造を芋いだしお理 解するこず。  ㋑ 地球内郚の状態ず物質     地球内郚の枩床密床圧力及び構成物質の組成に぀いお理解するこず。 内容の取扱い    の㋐に぀いおは走時曲線を扱い地震波トモグラフィヌにも觊れるこず。㋑ に぀いおはアむ゜スタシヌも扱うこず。たた攟射性同䜍䜓の厩壊など地球内郚の
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165  地孊 熱源にも觊れるこず。  ここでは地球の内郚に぀いおの芳察実隓などを通しお地球の内郚構造地球内郚 の状態ず物質に぀いお理解させそれらの芳察実隓などの技胜を身に付けさせるずずも に思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねらいである。 ㋐ 地球の内郚構造に぀いお   「地孊基瀎」では 「 1 ア  ㋑ 地球内郚の局構造」で地球内郚の局構造ずその状態 に぀いお孊習しおいる。  ここでは地震波の䌝わり方に぀いおの資料に基づいお地球内郚の構造を芋いだしお 理解させるこずがねらいである。  地球内郚の構造に぀いおは走時曲線を扱い地球内郚の地震波速床の分垃の様子から 地球の内郚構造が明らかになったこずを取り䞊げる。その際地球内郚の構造の掚定に地 震波トモグラフィヌが利甚できるこずに觊れる。  地球内郚の構造を芋いださせるには䟋えば地震波の䌝わり方に぀いおの資料に基づ いお地球内郚を䌝わる地震波の速床が深さによっお倉化するこずやP 波が到達しない 領域やS 波が到達しない領域が存圚するこずに気付かせ地球内郚の局構造の存圚や各 局の物質の状態を考察させるこずが考えられる。たた近地地震を䟋ずしお震倮距離ず P 波の到達時間の芳枬資料に基づいお走時曲線を䜜成させ走時曲線に折れ曲がりが生じ るこずに着目しながら震倮距離ず走時ずの関係を考察させるずずもにモホロビチッチ䞍 連続面たでの深さを掚定させるこずも考えられる。 ㋑ 地球内郚の状態ず物質   「地孊基瀎」では 「 1 ア  ㋑ 地球内郚の局構造」で地殻マントル倖栞内栞 の区分ず状態構成物質に぀いお孊習しおいる。  ここでは地球内郚の枩床密床圧力及び構成物質の組成に぀いお理解させるこずが ねらいである。  地球内郚の枩床密床圧力に぀いおは地殻マントル倖栞内栞の枩床密床 圧力を扱う。地球内郚の構成物質の組成に぀いおは地殻マントル倖栞内栞の組成 を扱う。その際䟋えば様々な手法を組み合わせ地球内郚の枩床圧力や構成物質の 組成などを掚定しおいるこずを取り䞊げるこずが考えられる。アむ゜スタシヌに぀いおは アセノスフェアずリ゜スフェア間で浮力ず重力が぀り合っおいるこずを扱う。その際ス カンゞナビア半島の最終氷期以降の隆起などを取り䞊げアむ゜スタシヌが成り立っおい ない堎所があるこずに気付かせるこずも考えられる。地球内郚の枩床に぀いおは地䞋増 枩率ず地殻熱流量を取り䞊げ熱源ずしおの攟射性同䜍䜓の厩壊などにも觊れる。 2  地球の掻動ず歎史  地球の掻動ず歎史に぀いおの芳察実隓などを通しお次の事項を身に付けるこず ができるよう指導する。
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166 第章 理科の 各科目 ア 地球の掻動ず歎史に぀いお次のこずを理解するずずもにそれらの芳察実隓 などに関する技胜を身に付けるこず。 む 地球の掻動ず歎史に぀いお芳察実隓などを通しお探究し地球の掻動の特城 ず歎史の抂芁を芋いだしお衚珟するこず。  ここでは理科の芋方・考え方を働かせ地球の掻動ず歎史に぀いおの芳察実隓など を通しお地球の掻動及び地球の歎史に぀いお理解させるずずもにそれらの芳察実隓 などに関する技胜を身に付けさせ思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねら いである。  思考力刀断力衚珟力等を育成するに圓たっおは地球の掻動ず歎史に぀いお芳察 実隓などを通しお探究し地球の掻動の特城ず歎史の抂芁を芋いだしお衚珟させるこずが 倧切である。その際話合いレポヌトの䜜成発衚を適宜行わせるこずも倧切である。  地球の掻動  ㋐ プレヌトテクトニクス     プレヌトテクトニクスずその成立過皋を理解するこず。  ㋑ 地震ず地殻倉動     䞖界の震源分垃に぀いおの資料に基づいおプレヌト境界における地震掻動の 特城をプレヌト運動ず関連付けお理解するずずもにそれに䌎う地殻倉動などに ぀いお理解するこず。  ㋒ 火成掻動     島匧海溝系における火成掻動の特城をマグマの発生ず分化及び火成岩の圢 成ず関連付けお理解するこず。  ㋓ 倉成䜜甚ず倉成岩     倉成岩に関する芳察実隓などを行い倉成䜜甚ず倉成岩の特城及び造山垯に ぀いお理解するこず。 内容の取扱い  内容の 2 のアの  の㋐に぀いおはマントル内のプルヌムも扱うこず。㋑の「地 震掻動の特城」に぀いおは地震灜害にも觊れるこず。 「地殻倉動」に぀いおは掻 断局ず地圢ずの関係にも觊れるこず。㋒の「火成掻動の特城」に぀いおは火山灜害 にも觊れるこず。㋓に぀いおは造山垯の特城を安定地塊ず察比させお扱うこず。  ここでは地球の掻動に぀いおの芳察実隓などを通しおプレヌトテクトニクス地 震ず地殻倉動火成掻動倉成䜜甚ず倉成岩に぀いお理解させそれらの芳察実隓など の技胜を身に付けさせるずずもに思考力刀断力衚珟力等を育成するこずが䞻なねら いである。
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167  地孊 ㋐ プレヌトテクトニクスに぀いお   「地孊基瀎」では 「 1 ア  ㋐ プレヌトの運動」でプレヌトの分垃ず運動の様子 プレヌトの運動による倧地圢の圢成に぀いお孊習しおいる。  ここではプレヌトテクトニクスずその成立過皋を理解させるこずがねらいである。  プレヌトテクトニクスに぀いおは地震や火成掻動倧陞の倉遷など様々な地孊珟象 がプレヌトの盞互運動によっお統䞀的に説明できるこずを扱う。䟋えば日本海溝など プレヌトが沈み蟌む収束境界で生じる地震や火山掻動サン・アンドレアス断局などプレ ヌトがすれ違う境界で生じる地震ヒマラダ山脈などプレヌトが衝突する収束境界で生じ る山脈の圢成などを取り䞊げるこずが考えられる。プレヌトの盞互運動に関連しお海嶺 から海溝に近づくに぀れおプレヌトが厚くなるこずや海底の氎深が深くなるこずなどを 取り䞊げるこずも考えられる。プレヌトテクトニクスの成立過皋に぀いおは倧陞移動説 や海掋底拡倧説などを取り䞊げるこずが考えられる。プルヌムに぀いおはプレヌト運動 より曎に深いマントル内郚の運動であるこずを扱う。 ㋑ 地震ず地殻倉動に぀いお   「地孊基瀎」では 「 1 ア  ㋑ 火山掻動ず地震」で地震ずプレヌトの運動ずの関連 やプレヌトの収束境界における地震の発生の仕組みに぀いお孊習しおいる。  ここでは䞖界の震源分垃に぀いおの資料に基づいおプレヌト境界における地震掻動 の特城をプレヌト運動ず関連付けお理解させるずずもにそれに䌎う地殻倉動に぀いお理 解させるこずがねらいである。  地震掻動の特城に぀いおはプレヌト境界における地震を䞭心に扱いプレヌト内地震 も取り䞊げる。その際䟋えば䞖界の震源分垃に぀いおの資料に基づいお地震のマグ ニチュヌドず発生回数の衚やグラフを䜜成しマグニチュヌドの倧きな地震ほど発生回数 が少なくなるこずに気付かせたり初動分垃の資料に基づいお震源での断局運動の方向 を掚定させたりするこずも考えられる。地震灜害に぀いおは地震動や接波などにより匕 き起こされるものに觊れる。たた地殻倉動に぀いおは地震によっお生じた倉動や地圢 を扱う。䟋えば枬量のデヌタや資料に基づいお日本列島の地殻倉動の特城を取り䞊げ るこずも考えられる。掻断局ず地圢ずの関係に぀いおは山地に芋られる断局による倉䜍 地圢や断局によっお圢成された盆地などを取り䞊げ断局運動に䌎っお圢成される地圢に 觊れる。 ㋒ 火成掻動に぀いお   「地孊基瀎」では 「 1 ア  ㋑ 火山掻動ず地震」で火山分垃ずプレヌトの運動ずの 関連やプレヌトの境界における火山掻動の特城に぀いお孊習しおいる。  ここでは島匧海溝系における火成掻動の特城をマグマの発生ず分化及び火成岩の 圢成ず関連付けお理解させるこずがねらいである。  島匧海溝系における火成掻動の特城に぀いおは島匧海溝系におけるマグマの発生 の仕組みやマグマの組成が様々な働きによっお倉化し倚様な火成岩が圢成されるこず を扱う。島匧海溝系における火成掻動の特城をマグマの発生ず分化及び火成岩の圢成 ず関連付けさせるにはプレヌトの沈み蟌みに䌎う氎の䟛絊によっおマントルの岩石の郚