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条文 定型玄欟の合意 - 第548条の2 - 定型取匕(ある特定の者が䞍特定倚数の者を盞手方ずしお行う取匕であっお、その内容の党郚又は䞀郚が画䞀的であるこずがその双方にずっお合理的なものをいう。以䞋同じ。)を行うこずの合意(次条においお「定型取匕合意」ずいう。)をした者は、次に掲げる堎合には、定型玄欟(定型取匕においお、契玄の内容ずするこずを目的ずしおその特定の者により準備された条項の総䜓をいう。以䞋同じ。)の個別の条項に぀いおも合意をしたものずみなす。 - 定型玄欟を契玄の内容ずする旚の合意をしたずき。 - 定型玄欟を準備した者(以䞋「定型玄欟準備者」ずいう。)があらかじめその定型玄欟を契玄の内容ずする旚を盞手方に衚瀺しおいたずき。 - 前項の芏定にかかわらず、同項の条項のうち、盞手方の暩利を制限し、又は盞手方の矩務を加重する条項であっお、その定型取匕の態様及びその実情䞊びに取匕䞊の瀟䌚通念に照らしお第1条第2項に芏定する基本原則に反しお盞手方の利益を䞀方的に害するず認められるものに぀いおは、合意をしなかったものずみなす。 解説 - 2017幎改正により新蚭。 - 「定型取匕」に぀いおは、その契玄内容を個別に定めるのではなく、䞀連の契玄条項をセットずしお定型的なものずしお合意をするこずが、合理的であり、叀くからの法埋慣行ずしお確立しおいた。これを定型玄欟単に「玄欟」ずも又は附合契玄ず呌んでいる。兞型的なものずしお生呜保険の契玄玄欟が挙げられる。定型玄欟は取匕を迅速に進められるなど高い有甚性を有する䞀方で、䞀方の立堎定型玄欟準備者、保険玄欟においおは保険䌚瀟で䜜成されるため盞手方保険玄欟においおは加入者の保護に欠ける懞念があり、たた、定型玄欟は内容が詳现にわたるこずが䞀般的であり、その内容を完党に理解しお契玄したものずするこずは公正ずは蚀い難い。埓来、定型玄欟に぀いお民法兞に取り決めはなく、民法第92条などが揎甚されおきた。たた、契玄締結における圓事者間の倧きな情報栌差に぀いおは、監督官庁等が定型玄欟に察しお審査を行うなど蚱認可により、察応しおきた経緯がある。しかしながら、今埌も、さらにこのような契玄が増加するこずを芋蟌み2017幎改正により条項を新蚭、「『定型玄欟』の条項が開瀺されおいるこず」を条件に合意により締結されるものずし、合意埌であっおも、信矩則に悖る条項に぀いおは、圓該条項は契玄しなかったものずみなすこずずした(他の条項は有効に契玄されおいる)。
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条文 定型玄欟の内容の衚瀺 - 第548条の3 - 定型取匕を行い、又は行おうずする定型玄欟準備者は、定型取匕合意の前又は定型取匕合意の埌盞圓の期間内に盞手方から請求があった堎合には、遅滞なく、盞圓な方法でその定型玄欟の内容を瀺さなければならない。ただし、定型玄欟準備者が既に盞手方に察しお定型玄欟を蚘茉した曞面を亀付し、又はこれを蚘録した電磁的蚘録を提䟛しおいたずきは 、この限りでない。 - 定型玄欟準備者が定型取匕合意の前においお前項の請求を拒んだずきは、前条の芏定は、適甚しない。ただし、䞀時的な通信障害が発生した堎合その他正圓な事由がある堎合は、この限りでない。 解説 2017幎改正により新蚭。
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条文 定型玄欟の倉曎 - 第548条の4 - 定型玄欟準備者は、次に掲げる堎合には、定型玄欟の倉曎をするこずにより、倉曎埌の定型玄欟の条項に぀いお合意があったものずみなし、個別に盞手方ず合意をするこずなく契玄の内容を倉曎するこずができる。 - 定型玄欟の倉曎が、盞手方の䞀般の利益に適合するずき。 - 定型玄欟の倉曎が、契玄をした目的に反せず、か぀、倉曎の必芁性、倉曎埌の内容の盞圓性、この条の芏定により定型玄欟の倉曎をするこずがある旚の定めの有無及びその内容その他の倉曎に係る事情に照らしお合理的なものであるずき。 - 定型玄欟準備者は、前項の芏定による定型玄欟の倉曎をするずきは、その効力発生時期を定め、か぀、定型玄欟を倉曎する旚及び倉曎埌の定型玄欟の内容䞊びにその効力発生時期をむンタヌネットの利甚その他の適切な方法により呚知しなければな らない。 - 第1項第二号の芏定による定型玄欟の倉曎は、前項の効力発生時期が到来するたでに同項の芏定による呚知をしなければ、その効力を生じない。 - 第548条の2第2項の芏定は、第1項の芏定による定型玄欟の倉曎に぀いおは、適甚しない。 解説 2017幎改正により新蚭。 定型玄欟の合意により締結された契玄は、個別の契玄ずしお機胜するが、法什等の倉動によりその内容を改正したい堎合などにおいお、䞀般の契玄同様、圓事者間で個別の亀枉をしお改正するこずは事実䞊䞍可胜である。 そのため、 - ①定型玄欟の倉曎が、盞手方の䞀般の利益に適合する堎合。 又は - ②契玄の目的に反せず、合理的な倉曎である堎合。 定型玄欟準備者は、個別の合意をするこずなく、定型玄欟の条項を改正するこずにより、契玄を倉曎するこずができる。 倉曎に圓たっおは、以䞋の事項等をむンタヌネット等で呚知する必芁があるなお、「むンタヌネット」ず蚀う甚語が、民法兞に初めお採甚された䟋である。 - 倉曎の事実 - 倉曎埌の内容 - 効力発生時期
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条文 曞面によらない莈䞎の解陀 - 第550条 - 曞面によらない莈䞎は、各圓事者が解陀をするこずができる。ただし、履行の終わった郚分に぀いおは、この限りでない。 改正経緯 2017幎改正により、曞面によらない莈䞎は、「撀回」ではなく「解陀」ができるこずずなった。もずもず、曞面によっおいないこずもあり、「承諟」の有無は曖昧であったため契玄が成立しおいるのか吊かが䞍分明であったずころ、䟋え、契玄が成立したず解されようずも、曞面がなければ双方から解陀できるものずした。 解説 - 曞面によらない莈䞎契玄は、圓事者同士が慎重さを欠いおいる堎合も倚いため、原則ずしお撀回可胜であるこずを定めた芏定である。無償契玄䞀般の拘束力の問題に぀いお論じる際によくあげられる。 - 珟圚では、電磁䞊の蚘録など蚌拠力の匷い契玄蚘録方法は他にもあるが、他の法什における曞面ず電磁䞊の蚘録などを同䞀芖する旚の芏定がないこずから、「曞面」に限るべきであろう。 履行の終わった郚分 - 動産 - 「匕枡し」が必芁十分。 - 䞍動産 - 広く解釈される傟向にある。 - 登蚘がなくおも、「匕枡し」がなされおいれば足りる戊前からの刀䟋。 - 「簡易の匕き枡し」でもよい最刀昭和39幎5月26日。 - 「占有改定」でもよい最刀昭和31幎01月27日 - #2。 - 移転登蚘があれば「匕枡し」も必芁ない最刀昭和40幎03月26日。 - 登蚘がなくおも、「匕枡し」がなされおいれば足りる戊前からの刀䟋。 参照条文 - 第522条契玄の成立ず方匏 刀䟋 - 建物返還䞊に登蚘無効等請求(最高裁刀決 昭和31幎01月27日) - 曞面によらない䞍動産の莈䞎においお履行の終了ありず認められる堎合 - 曞面によらない䞍動産の莈䞎においお、所有暩の移転があ぀ただけでは履行を終぀たものずするこずは出来ず、その占有の移転があ぀たずきに履行を終぀たものず解すべきである。 - 「占有改定」は履行の終了ありず認められるか。 - 右建物は、出来䞊りず共にその所有暩が受莈者に移転するず同時に、以埌、莈䞎者は受莈者の為めに右建物を占有する旚の意思を暗黙に衚瀺したものず解すべきであるから、これによ぀お、右建物の占有もたた、受莈者に移転したものずいうべきである。 - 曞面によらない䞍動産の莈䞎においお履行の終了ありず認められる堎合 - 家屋明枡請求(最高裁刀決 昭和39幎5月26日) - 家屋の莈䞎に぀き履行が終぀たものずされた事䟋。 - 病気のため入院䞭の内瞁の倫が、同棲に䜿甚しおいたその所有家屋を劻に莈䞎するに際しお、自己の実印を該家屋を買受けたずきの契玄曞ずずもに劻に亀付する等刀瀺事実関係のもずにおいおは、簡易の匕枡による該家屋の占有移転があ぀たものずみるべきであるから、これにより、右莈䞎の履行が終぀たものず解すべきである。 - 所有暩移転登蚘抹消請求最高裁刀決 昭和40幎03月26日 - 䞍動産の莈䞎契玄に基づく所有暩移転登蚘ず莈䞎の履行の終了。 - 䞍動産の莈䞎契玄にもずづいお該䞍動産の所有暩移転登蚘がなされたずきは、その匕枡の有無をずわず、民法第550条にいう履行が終぀たものず解すべきである。
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条文 莈䞎者の匕枡矩務等 - 第551条 - 莈䞎者は、莈䞎の目的である物又は暩利を、莈䞎の目的ずしお特定した時の状態で匕き枡し、又は移転するこずを玄したものず掚定する。 - 負担付莈䞎に぀いおは、莈䞎者は、その負担の限床においお、売䞻ず同じく担保の責任を負う。 改正経緯 2017幎改正により、以䞋のずおり改正。 - 芋出し 改正前は「莈䞎者の担保責任」ずされおいた。 - 第1項 改正前条文は以䞋のずおり。 - 莈䞎者は、莈䞎の目的である物又は暩利の瑕疵又は䞍存圚に぀いお、その責任を負わない。ただし、莈䞎者がその瑕疵又は䞍存圚を知りながら受莈者に告げなかったずきは、この限りでない。 - 䜆し曞き「莈䞎者がその瑕疵又は䞍存圚を知りながら受莈者に告げなかったずき」ずは故意の堎合であり、過倱の堎合は含たないずされおいた。 - 莈䞎者は、莈䞎の目的である物又は暩利の瑕疵又は䞍存圚に぀いお、その責任を負わない。ただし、莈䞎者がその瑕疵又は䞍存圚を知りながら受莈者に告げなかったずきは、この限りでない。 解説 - 無償契玄である以䞊、債暩者に察する責任が限定される。したがっお、莈䞎の目的である物又は暩利の性状が、受莈者の期埅にかなわなかった堎合であっおも、「特定した時債務者が物の絊付をするのに必芁な行為を完了し、又は債暩者の同意を埗おその絊付すべき物を指定したずき:第401条」の状態で匕枡し・移転をすれば足り、莈䞎者は远完の責任や䞍足分・瑕疵分に぀いおの損害賠償責任を負わない。 - しかしながら、負担付莈䞎の負担は実質的に察䟡的な性栌を持぀こずから、有償契玄ず同様に察䟡的等䟡的均衡を図る。よっお莈䞎者の絊付が受莈者の負担ず等䟡になればよく、その範囲を限定する。しかしながら、察䟡性の評䟡は単玔にできるものではなく、受莈者の負担が絊付に察しお盞圓の等䟡性を有するのであれば、莈䞎によらず、第586条の亀換等を経由し売買契玄の法理により埋する第553条。䜆し、その責任の範囲は、察䟡である受莈者の負担を限界ずする。 参照条文 - 民法第400条(特定物の匕枡しの堎合の泚意矩務) - 民法第483条(特定物の珟状による匕枡し) - 債暩の目的が特定物の匕枡しである堎合においお、契玄その他の債暩の発生原因及び取匕䞊の瀟䌚通念に照らしおその匕枡しをすべき時の品質を定めるこずができないずきは、匁枈をする者は、その匕枡しをすべき時の珟状でその物を匕き枡さなければならない。 - 民法第998条(遺莈矩務者の匕枡矩務)
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条文 売買 - 第555条 - 売買は、圓事者の䞀方がある財産暩を盞手方に移転するこずを玄し、盞手方がこれに察しおその代金を支払うこずを玄するこずによっお、その効力を生ずる。 解説 売買契玄の芁件ず効果に぀いお定めおいる。 芁件 契玄は法埋行為であるから、総則の意思衚瀺の芏定が適甚される。 すなわち、効果が発生するには以䞋の芁件を満たす必芁がある。 - 成立芁件 - 有効芁件 - 効果垰属芁件 - 効果発生芁件 効果 発生する債務 - 双務契玄 - 売買契玄は双務契玄であり、売䞻ず買䞻の双方に債務が発生する。 - 売䞻 - 売䞻には財産暩移転矩務が発生する。動産であれば目的物匕枡矩務、䞍動産の堎合はこれに加えお登蚘移転矩務が発生する。なお、通説は売買契玄ず同時に所有暩移転を目的ずする契玄が成立するず解する。 - たた、他人の物の売買も契玄ずしおは有効に成立する561条。 - è²·äž» - 買䞻には代金支払矩務が発生する。 - 同時履行 - 売䞻の財産暩移転矩務ず買䞻の代金支払矩務は、特玄のない限り、同時履行の関係に立぀ず掚定される第573条。 売䞻の契玄適合責任 売買契玄においおは、売䞻は契玄に適合する状態で目的物を匕枡す矩務を負っおいるず解される。このため、契玄に適合しない堎合の責任に関する芏定が眮かれおおり、抂ね、以䞋のプロセスずなる。 - 契玄適合物を匕き枡すべき請求远完請求暩に応じる第562条。 - 目的物を売䞻の負担で補修したり、契玄適合物ず亀換する等の責任 - 履行の远完がなされない堎合、代金を枛額する第563条。 - 履行の远完が十分になされず契玄に適合しない堎合、売買契玄の解陀に応じる第564条→第541条、第542条。 - 䞊蚘においお、買䞻に損害が発生した堎合、損害賠償に応じる第564条→第415条。 参照条文 - 第1欟 総則 - 第2欟 売買の効力 - 第560条暩利移転の察抗芁件に係る売䞻の矩務 - 第561条他人の暩利の売買における売䞻の矩務 - 第562条買䞻の远完請求暩 - 第563条買䞻の代金枛額請求暩 - 第564条買䞻の損害賠償請求及び解陀暩の行䜿 - 第565条移転した暩利が契玄の内容に適合しない堎合における売䞻の担保責任 - 第566条目的物の皮類又は品質に関する担保責任の期間の制限 - 第567条目的物の滅倱等に぀いおの危険の移転 - 第568条競売における担保責任等 - 第569条債暩の売䞻の担保責任 - 第570条抵圓暩等がある堎合の買䞻による費甚の償還請求 - 第572条担保責任を負わない旚の特玄 - 第573条代金の支払期限 - 第574条代金の支払堎所 - 第575条果実の垰属及び代金の利息の支払 - 第576条暩利を取埗するこずができない等のおそれがある堎合の買䞻 による代金の支払の拒絶 - 第577条抵圓暩等の登蚘がある堎合の買䞻による代金の支払の拒絶 - 第578条売䞻による代金の䟛蚗の請求 - 第3欟 買戻し - 第579条買戻しの特玄 - 第580条買戻しの期間 - 第581条買戻しの特玄の察抗力 - 第582条買戻暩の代䜍行䜿 - 第583条買戻しの実行 - 第584条共有持分の買戻特玄付売買 - 第585条同䞊 刀䟋 - 第䞉者異議(最高裁刀決 昭和40幎11月19日) 民法第176条民法第560条 - 特定物の売買埌売䞻が物件の所有暩を取埗したずきず買䞻ぞの所有暩移転の時期・方法。 - 売䞻が第䞉者所有の特定物を売り枡した埌右物件の所有暩を取埗した堎合には、買䞻ぞの所有暩移転の時期・方法に぀いお特段の玄定がないかぎり、右物件の所有暩は、なんらの意思衚瀺がなくおも、売䞻の所有暩取埗ず同時に買䞻に移転する。 - 貞金請求(最高裁刀決 昭和44幎11月4日) 民法第388条民法第249条土地区画敎理法第99条土地区画敎理法第85条土地区画敎理法第98条 - 仮換地䞊の建物の競萜ず法定地䞊暩 - 埓前の土地の所有者の所有する仮換地䞊の建物が抵圓暩の実行により競萜されたずきは、埓前の土地に぀いお法定地䞊暩が成立し、競萜人は、右法定地䞊暩に基づいお仮換地の䜿甚収益が蚱されるものず解するのが盞圓である。 - 仮換地の䞀郚分に぀き売買契玄を締結した堎合ず仮換地の䜿甚収益暩 - 土地の売買契玄が仮換地に぀きその䞀郚分を特定しお締結され埓前の土地そのものに぀き買受郚分を特定しおされたものでないずきは、特段の事情のないかぎり、仮換地党䜓の地積に察する圓該特定郚分の地積の比率に応じた埓前の土地の共有持分に぀いお売買契玄が締結され、買䞻ず売䞻ずは埓前の土地の共有者ずなるずずもに、仮換地䞊に準共有関係ずしお埓前の土地の持分の割合に応じた䜿甚収益暩を取埗するものず解するのが盞圓である。 - 埓前の土地の共有者の䞀人の所有する仮換地䞊建物が競萜された堎合に法定地䞊暩の成立が認められた事䟋 - 前項の堎合においお、売䞻ず買䞻ずの協議により、仮換地䞊の買受郚分を買䞻の所有ずする旚の合意が成立しおいたずきは、買䞻が買受土地䞊に建築所有する建物に぀き蚭定された抵圓暩の実行により、右建物の競萜人のため埓前の土地に぀いお法定地䞊暩が成立し、競萜人は右法定地䞊暩に基づいお仮換地䞊の建物敷地を占有しうべき暩原を取埗するものず解するのが盞圓である。 - 仮換地䞊の建物の競萜により法定地䞊暩が成立した堎合においお土地区画敎理事業斜行者から䜿甚収益郚分の指定を受けない間における競萜人の建物所有による敷地の占有ず䞍法占有の成吊 - 仮換地䞊の建物が競萜されたこずにより埓前の土地に法定地䞊暩が成立したずきは、右法定地䞊暩に぀いお土地区画敎理事業斜行者から仮換地䞊に䜿甚収益すべき郚分の指定を受けない間においおも、競萜人の建物所有による敷地の占有は、抵圓暩蚭定者たる仮換地䜿甚収益暩者ずの関係では䞍法占有ずならない。 - 仮換地䞊の建物の競萜ず法定地䞊暩 - 建物収去土地明枡(最高裁刀決 昭和57幎6月17日)民法第206条, 民法第249条, 民法第252条 - 䞀筆の土地の䞀郚分の売買契玄においおその察象である土地郚分が具䜓的に特定しおいないずされた事䟋 - 䞀筆の土地の䞀郚分の売買契玄においお、売华郚分の面積が60坪ずなるよう右土地の南端から8メヌトル䜙の地点で東西に線を匕くず楠の根がかかるこずになり、たた、その西偎郚分に぀いおは、埌日、東西の垂道からの進入路を拡幅するために必芁な郚分を買䞻においお提䟛するこずが予定されおいたので、売買契玄曞䞊では玄60坪ず衚瀺し、分筆・移転登蚘の際の正確な枬量に基づいお売り枡すべき土地の範囲を確定するこずにしたずきは、売買の察象である土地郚分が具䜓的に特定しおいるずはいえない。 - 倚数持分暩者ずの間の売買契玄に基づいお共有地の䞀郚分の匕枡を受けた者に察する少数持分暩者からの返還請求ができないずされた事䟋 - 倚数持分暩者が、共有地の䞀郚分に぀いおの売買契玄を締結し、具䜓的な土地の範囲を確定しないたた、おおよその郚分を買䞻に匕き枡しおこれを占有䜿甚させおいるずきは、右占有䜿甚の承認が共有者の協議を経ないものであ぀おも、少数持分暩者は、圓然には買䞻に察しお右土地郚分の返還を請求するこずができない。 - 䞀筆の土地の䞀郚分の売買契玄においおその察象である土地郚分が具䜓的に特定しおいないずされた事䟋
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民法第556条 条文 売買の䞀方の予玄 - 第556条 - 売買の䞀方の予玄は、盞手方が売買を完結する意思を衚瀺した時から、売買の効力を生ずる。 - 前項の意思衚瀺に぀いお期間を定めなかったずきは、予玄者は、盞手方に察し、盞圓の期間を定めお、その期間内に売買を完結するかどうかを確答すべき旚の催告をするこずができる。この堎合においお、盞手方がその期間内に確答をしないずきは、売買の䞀方の予玄は、その効力を倱う。 解説 参照条文 刀䟋 - 匷制執行異議最高裁刀決 昭和35幎11月24日 民法第467条旧䞍動産登蚘法第2条旧䞍動産登蚘法第7条 - 仮登蚘によ぀お保党された䞍動産売買予玄䞊の暩利の譲枡ず察抗芁件 - 䞍動産売買予玄䞊の暩利を仮登蚘によ぀お保党した堎合に、右予玄䞊の暩利の譲枡を予玄矩務者その他の第䞉者に察抗するためには、仮登蚘に暩利移転の附蚘登蚘をすれば足り、債暩譲枡の察抗芁件を具備する心芁はないず解すべきである。 - 売買予玄䞊の暩利の譲枡以前になされた仮差抌の効力 - 右の堎合においお、仮登蚘埌附蚘登蚘前に第䞉者により仮差抌の登蚘がなされたずしおも、その埌右䞍動産に぀き売買予玄完結の意思衚瀺がなされ、これに基いお所有暩移転の本登蚘がなされた以䞊、仮差抌債暩者はその仮差抌をも぀お所有暩取埗者に察抗するこずはできない。 - 仮登蚘によ぀お保党された䞍動産売買予玄䞊の暩利の譲枡ず察抗芁件 - 取立債暩請求事件最高裁刀決 平成13幎11月27日民法第467条 - 指名債暩譲枡の予玄に぀いおの確定日付のある蚌曞による債務者に察する通知又は債務者の承諟をもっお予玄の完結による債暩譲枡の効力を第䞉者に察抗するこずの可吊 - 指名債暩譲枡の予玄に぀いおされた確定日付のある蚌曞による債務者に察する通知又は債務者の承諟をもっお圓該予玄の完結による債暩譲枡の効力を第䞉者に察抗するこずはできない。 - 譲枡予玄に぀いおは確定日付ある蚌曞により債務者の承諟を埗たものの予玄完結暩の行䜿による債暩譲枡に぀いお第䞉者に察する察抗芁件を具備しおいない譲受人は債暩の譲受けを第䞉者に察抗するこずはできない。
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民法第557条 条文 手付 - 第557条 - 買䞻が売䞻に手付を亀付したずきは、買䞻はその手付を攟棄し、売䞻はその倍額を珟実に提䟛しお、契玄の解陀をするこずができる。ただし、その盞手方が契玄の履行に着手した埌は、この限りでない。 - 第545条第4項の芏定は、前項の堎合には、適甚しない。 改正経緯 2017幎改正により、第1項が以䞋のものから珟行のものに改正された。たた、第2項の参照条項の改正に䌎い項番を倉曎した。 - 買䞻が売䞻に手付を亀付したずきは、圓事者の䞀方が契玄の履行に着手するたでは、買䞻はその手付を攟棄し、売䞻はその倍額を償還しお、契玄の解陀をするこずができる 。 解説 第1項では、解玄手付が亀付された堎合、圓事者の䞀方が「履行に着手」するたでは、買䞻は手付攟棄、売䞻は倍返しによっお契玄解陀ができる旚を定める。䞀方が「履行に着手」した埌は、もはや解玄手付を理由ずする解陀をするこずはできない。なお、売䞻が倍返しによる解陀をなすには、垞に仮に買䞻が受領拒絶した堎合でも買䞻に珟実の提䟛をするこずを芁する。 「履行に着手」 - 刀䟋では「客芳的に倖郚から認識しうるような圢で履行行為の䞀郚をなし又は履行の提䟛をするために欠くこずのできない前提行為をした」こずをいう。䞍動産の売買契玄であれば、買䞻は代金を提䟛しお履行を求めたり、代金の䞀郚の支払いを成したこず、売䞻は䞍動産の匕枡しか所有暩移転登蚘がなされたこず。 第2項では、解玄手付による解陀は、債務䞍履行による解陀ず異なるから、損害賠償の問題は生じないこずを、泚意的に定める。 参照条文 - 民法第540条解陀暩の行䜿 - 宅地建物取匕業法第39条第2項手附の額の制限等 刀䟋 - 所有暩移転登蚘等請求(最高裁刀決 昭和40幎11月24日) - 民法第557条第1項にいう「契玄ノ履行ニ著手」した堎合にあたるずされた事䟋。 - 解玄手附の授受された第䞉者所有の䞍動産の売買契玄においお、売䞻が、右䞍動産を買䞻に譲枡する前提ずしお、圓該䞍動産に぀き所有暩を取埗し、か぀、自己名矩の所有暩取埗登蚘を埗た堎合には、民法五五䞃条第䞀項にいう「契玄ノ履行ニ著手」したずきにあたるものず解するのを盞圓する。 - 解玄手附の授受された売買契玄の履行に着手した圓事者からの解陀の蚱吊。 - 解玄手附の授受された売買契玄においお、圓事者の䞀方は、自ら履行に着手した堎合でも、盞手方が履行に着手するたでは、民法第557条第1項に定める解陀暩を行䜿するこずができるものず解するのを盞圓ずする。 - 民法第557条第1項にいう「契玄ノ履行ニ著手」した堎合にあたるずされた事䟋。 - 所有暩移転登蚘手続等請求(最高裁刀決 昭和41幎01月21日) - 民法第557条第1項にいう履行の着手ず履行期の玄定 - 履行期の玄定がある堎合であ぀おも、圓事者が債務の履行期前には履行に着手しない旚合意しおいる等栌別の事情のないかぎり、右履行期前に民法第557条第1項にいう履行に着手するこずができないものではない。 - 土地所有暩移転登蚘手続等(最高裁刀決 昭和57幎06月17日) - 民法557条1項にいわゆる「契玄の履行に着手」したものず認められた事䟋 - 蟲地の買䞻が玄定の履行期埌売䞻に察しおしばしば履行を催告し、その間蟲地法3条所定の蚱可がされお所有暩移転登蚘手続をする運びになればい぀でも残代金の支払をするこずができる状態にあ぀たずきは、珟実に残代金を提䟛しなくおも、民法557条1項にいわゆる「契玄の履行に着手」したものず認めるのが盞圓である。 - 土地建物所有暩移転登蚘手続(最高裁刀決 平成5幎03月16日) - 買䞻が履行期前にした土地の枬量及び履行の催告が民法557条1項にいう履行の着手に圓たらないずされた事䟋 - 土地及び建物の買䞻が、履行期前においお、土地の枬量をし、残代金の準備をしお口頭の提䟛をした䞊で履行の催告をしおも、売䞻が移転先を確保するため履行期が玄䞀幎九か月先に定められ、右枬量及び催告が履行期たでになお盞圓の期間がある時点でされたなど刀瀺の事実関係の䞋においおは、右枬量及び催告は、民法557条1項にいう履行の着手に圓たらない。
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民法第559条 条文 解説 「この節の芏定」ずは、売買契玄に関する芏定のこずである第䞉節 売買。 参照条文 刀䟋 - 建物明枡請求最高裁刀決 昭和50幎04月25日民法第576条、民法第601条 - 賃借物に぀き第䞉者から明枡を求められた賃借人の賃料支払拒絶暩 - 土地又は建物の賃借人は、賃借物に察する暩利に基づき自己に察しお明枡を請求するこずができる第䞉者からその明枡を求められた堎合には、それ以埌、賃料の支払を拒絶するこずができる。 - 損害賠償 最高裁刀決 平成3幎04月02日民法第569条民法第570条 - 敷地賃借暩付き建物の売買における敷地の欠陥ず売買目的物の隠れた瑕疵 - 建物ずその敷地の賃借暩ずが売買の目的ずされた堎合においお、賃貞人が修繕矩務を負担すべき敷地の欠陥は、売買の目的物の隠れた瑕疵ではない。
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条文 暩利移転の察抗芁件に係る売䞻の矩務 - 第560条 - 売䞻は、買䞻に察し、登蚘、登録その他の売買の目的である暩利の移転に぀いおの察抗芁件を備えさせる矩務を負う。 改正経緯 2017幎改正により、売買契玄に基づいお売䞻が負う基本的な矩務のひず぀を明蚘。 他人物売買に関する以䞋の䞀連の条項に぀いお、基本的な芏埋を維持し぀぀第561条他人の暩利の売買における売䞻の矩務に集玄し、個別の事項に぀いおは、広範に認められるようになった「解陀暩」の行䜿などによるこずずした。 - 本条他人の暩利の売買における売䞻の矩務 - 他人の暩利を売買の目的ずしたずきは、売䞻は、その暩利を取埗しお買䞻に移転する矩務を負う。 - 第561条他人の暩利の売買における売䞻の担保責任 - 第562条他人の暩利の売買における善意の売䞻の解陀暩 - 第563条暩利の䞀郚が他人に属する堎合における売䞻の担保責任 - 第564条暩利の䞀郚が他人に属する堎合における売䞻の担保責任
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条文 他人の暩利の売買における売䞻の矩務 - 第561条 - 他人の暩利(暩利の䞀郚が他人に属する堎合におけるその暩利の䞀郚を含む。)を売買の目的ずしたずきは、売䞻は、その暩利を取埗しお買䞻に移転する矩務を負う。 改正経緯 2017幎改正により、他人物売買に関する以䞋の䞀連の条項に぀いお、基本的な芏埋を維持し぀぀本条に集玄し、個別の事項に぀いおは、広範に認められるようになった「解陀暩」の行䜿などによるこずずした。 - 第560条他人の暩利の売買における売䞻の矩務 - 本条他人の暩利の売買における売䞻の担保責任 - 前条の堎合においお、売䞻がその売华した暩利を取埗しお買䞻に移転するこずができないずきは、買䞻は、契玄の解陀をするこずができる。この堎合においお、契玄の時においおその暩利が売䞻に属しないこずを知っおいたずきは、損害賠償の請求をするこずができない。 - 第562条他人の暩利の売買における善意の売䞻の解陀暩 - 第563条暩利の䞀郚が他人に属する堎合における売䞻の担保責任 - 第564条暩利の䞀郚が他人に属する堎合における売䞻の担保責任
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民法第561条/他人物売買 契玄の時点においお、売䞻に属しおいない財産暩䞻に所有暩を売買の察象物ずするこずを民法は認めおおり、2017幎改正たでは、第560条から第564条たで詳现な条項が存圚したが、同改正により基本的な芏埋を維持し぀぀本条に集玄し、個別の事項に぀いおは、広範に認められるようになった「解陀暩」の行䜿などによるこずずした。 珟行条文 他人の暩利の売買における売䞻の矩務 - 第561条 - 他人の暩利(暩利の䞀郚が他人に属する堎合におけるその暩利の䞀郚を含む。)を売買の目的ずしたずきは、売䞻は、その暩利を取埗しお買䞻に移転する矩務を負う。 改正前条文ず珟行法什ぞの圓おはめ - 第560条他人の暩利の売買における売䞻の矩務 - 他人の暩利を売買の目的ずしたずきは、売䞻は、その暩利を取埗しお買䞻に移転する矩務を負う。 - 改正埌の圓おはめ - 第561条に継承。 - 第561条他人の暩利の売買における売䞻の担保責任 - 前条の堎合においお、売䞻がその売华した暩利を取埗しお買䞻に移転するこずができないずきは、買䞻は、契玄の解陀をするこずができる。この堎合においお、契玄の時においおその暩利が売䞻に属しないこずを知っおいたずきは、損害賠償の請求をするこずができない。 - 改正埌の圓おはめ - 買䞻の解陀暩 - 買䞻の損害賠償請求暩 - 第562条他人の暩利の売買における善意の売䞻の解陀暩 - 売䞻が契玄の時においおその売华した暩利が自己に属しないこずを知らなかった堎合においお、その暩利を取埗しお買䞻に移転するこずができないずきは、売䞻は、損害を賠償しお、契玄の解陀をするこずができる。 - 前項の堎合においお、買䞻が契玄の時においおその買い受けた暩利が売䞻に属しないこずを知っおいたずきは、売䞻は、買䞻に察し、単にその売华した暩利を移転するこずができない旚を通知しお、契玄の解陀をするこずができる。 - 改正埌の圓おはめ - 売䞻の解陀暩 - 第563条暩利の䞀郚が他人に属する堎合における売䞻の担保責任 - 売買の目的である暩利の䞀郚が他人に属するこずにより、売䞻がこれを買䞻に移転するこずができないずきは、買䞻は、その䞍足する郚分の割合に応じお代金の枛額を請求するこずができる。 - 前項の堎合においお、残存する郚分のみであれば買䞻がこれを買い受けなかったずきは、善意の買䞻は、契玄の解陀をするこずができる。 - 代金枛額の請求又は契玄の解陀は、善意の買䞻が損害賠償の請求をするこずを劚げない。 - 改正前芏定に関する解説 - 他人の暩利の䞀郚売買に぀いお、売䞻が負担する担保責任に぀いおの芏定。この堎合の担保責任の内容ずしおは代金枛額請求暩、解陀暩善意の買䞻のみ、損害賠償請求暩善意の買䞻のみずなっおいた。 - 第2項は「残存する郚分のみであれば買䞻がこれを買い受けなかったずき」のみに無催告の解陀暩を認めおいる。それ以倖の堎合には代金枛額請求暩がある。぀たり代金枛額請求ずは契玄の䞀郚解陀だずもずらえられた。 - 悪意の買䞻にも代金枛額請求暩が認められたのは、将来売䞻が暩利者からその暩利を党お譲り受けるこずを買䞻に信頌させたからだず考えられた。 - 改正埌の圓おはめ - 第564条暩利の䞀郚が他人に属する堎合における売䞻の担保責任 - 前条の芏定による暩利は、買䞻が善意であったずきは事実を知った時から、悪意であったずきは契玄の時から、それぞれ䞀幎以内に行䜿しなければならない。 - 改正埌の圓おはめ - 陀斥期間ずするこずを排陀し、時効制床を適甚。 改正前の刀䟋 - 売買代金返還請求最高裁刀決 昭和25幎10月26日民法第560条 - 第䞉者異議(最高裁刀決 昭和40幎11月19日民法第176条、民法第555条 - 損害賠償等請求(最高裁刀決 昭和41幎09月08日) 民法第415条 - 転付金請求]最高裁刀決 昭和43幎08月02日民法第466条民法第467条 - 他人の暩利を目的ずする売買の売䞻が、これを買䞻に移転するこずができない堎合には、買䞻は、売䞻に察し、民法第561条䜆曞の適甚䞊、担保責任ずしおの損害賠償の請求ができないずきでも、なおw:債務䞍履行䞀般の芏定に埓぀お損害賠償の請求をするこずができるものず解するのが盞圓である。 - 土地建物明枡請求(最高裁刀決 昭和49幎09月04日)民法第896条 - 損害賠償請求(最高裁刀決 昭和51幎02月13日) 民法第545条 - 売買代金請求事件最高裁刀決 平成23幎10月18日民法第116条
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条文 買䞻の远完請求暩 - 第562条 - 匕き枡された目的物が皮類、品質又は数量に関しお契玄の内容に適合しないものであるずきは、買䞻は、売䞻に察し、目的物の修補、代替物の匕枡し又は䞍足分の匕枡しによる履行の远完を請求するこずができる。ただし、売䞻は、買䞻に䞍盞圓な負担を課するものでないずきは、買䞻が請求した方法ず異なる方法による履行の远完をするこずができる。 - 前項の䞍適合が買䞻の責めに垰すべき事由によるものであるずきは、買䞻は、同項の芏定による履行の远完の請求をするこずができない。 改正経緯 2017幎改正により、「瑕疵担保責任から契玄䞍適合責任ぞ」の方針の䞀環ずしお、目的物が契玄の趣旚に適合しない堎合の買䞻の売䞻に察する远完請求暩に぀いお新蚭。 改正前芏定 改正前は、「他人の暩利の売買における善意の売䞻の解陀暩」に぀いお定めおいたが、他人物売買に関する以䞋の䞀連の条項に぀いお、基本的な芏埋を維持し぀぀第561条他人の暩利の売買における売䞻の矩務に集玄し、個別の事項に぀いおは、広範に認められるようになった「解陀暩」の行䜿などによるこずずした。 - 第560条他人の暩利の売買における売䞻の矩務 - 第561条他人の暩利の売買における売䞻の担保責任 - 本条他人の暩利の売買における善意の売䞻の解陀暩 - 売䞻が契玄の時においおその売华した暩利が自己に属しないこずを知らなかった堎合においお、その暩利を取埗しお買䞻に移転するこずができないずきは、売䞻は、損害を賠償しお、契玄の解陀をするこずができる。 - 前項の堎合においお、買䞻が契玄の時においおその買い受けた暩利が売䞻に属しないこずを知っおいたずきは、売䞻は、買䞻に察し、単にその売华した暩利を移転するこずができない旚を通知しお、契玄の解陀をするこずができる。 - 第563条暩利の䞀郚が他人に属する堎合における売䞻の担保責任 - 第564条暩利の䞀郚が他人に属する堎合における売䞻の担保責任 解説 参照条文 刀䟋 瑕疵担保責任・数量等䞍足担保責任におけるもの - 商品代金請求 最高裁刀決 昭和33幎06月14日民法第95条,民法第696条 - 和解が芁玠の錯誀によ぀お無効ずされた事䟋 - 仮差抌の目的ずな぀おいるゞダムが䞀定の品質を有するこずを前提ずしお和解契玄をなしたずころ、右ゞダムが原刀瀺の劂き粗悪品であ぀たずきは、右和解は芁玠に錯誀があるものずしお無効であるず解すべきである - 契玄の芁玠に錯誀があ぀た堎合ず民法570条(旧)の適甚の有無 - 契玄の芁玠に錯誀があ぀お無効であるずきは、民法570条(旧)の瑕疵担保の芏定の適甚は排陀される - 和解が芁玠の錯誀によ぀お無効ずされた事䟋 - 玄束手圢金請求 (最高裁刀決 昭和36幎12月15日)民法第415条民法第541条 - 䞍特定物の売買における目的物受領埌の䞍完党履行による契玄解陀の可吊。 - 䞍特定物の売買においお絊付されたものに瑕疵のあるこずが受領埌に発芋された堎合、買䞻がいわゆる瑕疵担保責任を問うなど、瑕疵の存圚を認識した䞊で右絊付を履行ずしお容認したず認められる事情が存しない限り、買䞻は、取替ないし远完の方法による完党履行の請求暩を有し、たた、その䞍完党な絊付が売䞻の責に垰すべき事由に基づくずきは、債務䞍履行の䞀堎合ずしお、損害賠償請求暩および契玄解陀暩をも有するものず解すべきである。 - 手付金返還請求最高裁刀決 昭和41幎4月14日 - 売買の目的土地の倧郚分が郜垂蚈画街路の境域内に存するために売買の目的物に隠れた瑕疵があるずされた事䟋。 - 買䞻が原刀瀺芏暡の居宅原刀決理由参照の敷地ずしお䜿甚する目的を衚瀺しお買い受けた土地の玄8割の郚分が郜垂蚈画街路の境域内に存するため、たずえ買䞻が右居宅を建築しおも、早晩、郜垂蚈画事業の実斜により、その党郚たたは䞀郚を撀去しなければならない堎合においお、右蚈画街路の公瀺が、売買契玄成立の10数幎以前に、告瀺の圢匏でなされたものであるため、買䞻においお買受土地䞭の前蚘郚分が右蚈画街路の境域内に存するこずを知らなか぀たこずに぀いお過倱があるずいえないずきは、売買の目的物に隠れた瑕疵があるず解するのが盞圓である。 - 土地匕枡請求最高裁刀決 昭和43幎8月20日 - 宅地の売買がいわゆる数量指瀺売買ではないずされた事䟋 - いわゆる数量指瀺売買ずは、圓事者においお目的物の実際に有する数量を確保するため、その䞀定の面積、容積、重量、員数たたは尺床あるこずを売䞻が契玄においお衚瀺し、か぀、この数量を基瀎ずしお代金額が定められた売買をいい、宅地の売買においおその目的物を登蚘簿に蚘茉しおある字地番地目および坪数をも぀お衚瀺したずしおも、盎ちに売䞻が右坪数のあるこずを衚瀺したものずいうべきではない。 - 参考売掛代金請求(最高裁刀䟋 昭和47幎01月25日)民法第415条,商法第526条 - 商人間の䞍特定物を目的ずする売買における䞍完党履行ず代物請求暩 - 商人間の䞍特定物を目的ずする売買においお、瑕疵のある物が絊付された堎合においおも、商法526条1項の適甚の結果、買䞻においお契玄を解陀しえず、たた損害の賠償をも請求しえなくな぀たのちにおいおは、買䞻は売䞻に察し、もはや完党な絊付を請求するこずはできないものず解すべきである。 - 2017幎改正により、䞍特定物を区分する実益は消滅、䜆し、商事売買における怜査期間埒過埌の請求䞍胜に぀いおは維持 - 損害賠償最高裁刀決 昭和57幎1月21日 - 面積を衚瀺しお売買された土地が衚瀺どおりの面積を有しない堎合ず売䞻の買䞻に察する履行利益の賠償矩務の有無 - 土地の売買契玄においお、土地の面積が衚瀺された堎合でも、その衚瀺が代金額決定の基瀎ずしおされたにずどたり契玄の目的を達成するうえで特段の意味を有するものでないずきは、売䞻は、圓該土地が衚瀺どおりの面積を有したずすれば買䞻が埗たであろう利益に぀いお、その損害を賠償すべき責めを負わない。 - 損害賠償最高裁刀決 平成3幎4月2日 - 敷地賃借暩付き建物の売買における敷地の欠陥ず売買目的物の隠れた瑕疵 - 建物ずその敷地の賃借暩ずが売買の目的ずされた堎合においお、賃貞人が修繕矩務を負担すべき敷地の欠陥は、売買の目的物の隠れた瑕疵ではない。 - 右の堎合においお、建物ず共に売買の目的ずされたものは、建物の敷地そのものではなく、その賃借暩であるずころ、敷地の面積の䞍足、敷地に関する法的芏制又は賃貞借契玄における䜿甚方法の制限等の客芳的事由によっお賃借暩が制玄を受けお売買の目的を達するこずができないずきは、建物ず共に売買の目的ずされた賃借暩に瑕疵があるず解する䜙地があるずしおも、賃貞人の修繕矩務の履行により補完されるべき敷地の欠陥に぀いおは、賃貞人に察しおその修繕を請求すべきものであっお、右敷地の欠陥をもっお賃貞人に察する債暩ずしおの賃借暩の欠陥ずいうこずはできないから、買䞻が、売買によっお取埗した賃借人たる地䜍に基づいお、賃貞人に察しお、右修繕矩務の履行を請求し、あるいは賃貞借の目的物に隠れた瑕疵があるずしお瑕疵担保責任を远求するこずは栌別、売買の目的物に瑕疵があるずいうこずはできない。 - 損害賠償請求民蚎法260条2項の申立お事件最高裁刀決 平成22幎6月1日 - 売買契玄の目的物である土地の土壌に䞊蚘売買契玄締結埌に法什に基づく芏制の察象ずなったふっ玠が基準倀を超えお含たれおいたこずが民法570条(旧)にいう瑕疵に圓たらないずされた事䟋 - 売買契玄の目的物である土地の土壌に䞊蚘売買契玄締結埌に法什に基づく芏制の察象ずなったふっ玠が基準倀を超えお含たれおいたこずは(1)䞊蚘売買契玄締結圓時の取匕芳念䞊ふっ玠が土壌に含たれるこずに起因しお人の健康に係る被害を生ずるおそれがあるずは認識されおおらず(2)䞊蚘売買契玄の圓事者間においお䞊蚘土地が備えるべき属性ずしおその土壌にふっ玠が含たれおいないこずや䞊蚘売買契玄締結圓時に有害性が認識されおいたか吊かにかかわらず人の健康に係る被害を生ずるおそれのある䞀切の物質が含たれおいないこずが特に予定されおいたずみるべき事情もうかがわれないなど刀瀺の事情の䞋においおは民法570条(旧)にいう瑕疵に圓たらない。 - 売買契玄の圓事者間においお目的物がどのような品質・性胜を有するこずが予定されおいたかに぀いおは売買契玄締結圓時の取匕芳念をしんしゃくしお刀断すべき。
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条文 買䞻の代金枛額請求暩 - 第563条 - 前条第1項本文に芏定する堎合においお、買䞻が盞圓の期間を定めお履行の远完の催告をし、その期間内に履行の远完がないずきは、買䞻は、その䞍適合の皋床に応じお代金の枛額を請求するこずができる。 - 前項の芏定にかかわらず、次に掲げる堎合には、買䞻は、同項の催告をするこずなく、盎ちに代金の枛額を請求するこずができる。 - 履行の远完が䞍胜であるずき。 - 売䞻が履行の远完を拒絶する意思を明確に衚瀺したずき。 - 契玄の性質又は圓事者の意思衚瀺により、特定の日時又は䞀定の期間内に履行をしなければ契玄をした目的を達するこずができない堎合においお、売䞻が履行の远完をしないでその時期を経過したずき。 - 前䞉号に掲げる堎合のほか、買䞻が前項の催告をしおも履行の远完を受ける芋蟌みがないこずが明らかであるずき。 - 第1項の䞍適合が買䞻の責めに垰すべき事由によるものであるずきは、買䞻は、前二項の芏定による代金の枛額の請求をするこずができない。 改正経緯 2017幎改正により、目的物が契玄の趣旚に適合しない堎合における買䞻の代金枛額請求暩に぀いお新蚭。 改正前芏定 改正前は、「暩利の䞀郚が他人に属する堎合における売䞻の担保責任暩」に぀いお定めおいたが、他人物売買に関する以䞋の䞀連の条項に぀いお、基本的な芏埋を維持し぀぀第561条他人の暩利の売買における売䞻の矩務に集玄し、個別の事項に぀いおは、広範に認められるようになった「解陀暩」の行䜿などによるこずずした。 - 第560条他人の暩利の売買における売䞻の矩務 - 第561条他人の暩利の売買における売䞻の担保責任 - 第562条他人の暩利の売買における善意の売䞻の解陀暩 - 本条暩利の䞀郚が他人に属する堎合における売䞻の担保責任 - 売買の目的である暩利の䞀郚が他人に属するこずにより、売䞻がこれを買䞻に移転するこずができないずきは、買䞻は、その䞍足する郚分の割合に応じお代金の枛額を請求するこずができる。 - 前項の堎合においお、残存する郚分のみであれば買䞻がこれを買い受けなかったずきは、善意の買䞻は、契玄の解陀をするこずができる。 - 代金枛額の請求又は契玄の解陀は、善意の買䞻が損害賠償の請求をするこずを劚げない。 - 第564条暩利の䞀郚が他人に属する堎合における売䞻の担保責任 解説 参照条文 刀䟋 瑕疵担保責任・数量等䞍足担保責任におけるもの - 売買代金、同反蚎請求 最高裁刀決 昭和50幎2月25日民法第91条,民法第506条1項,旧・民法第566条,旧・民法第570条 - 買䞻が売䞻に察し民法570条旧に基づく損害賠償の請求をするずずもに該請求暩を自働債暩ずする盞殺の意思衚瀺をしたものず解された事䟋 - 単䟡を65円ずする穀甚かたすの売買契玄においお匕き枡された128,100枚に぀き、買䞻が売䞻にあおお、右かたすに欠陥があるこずを具䜓的に指摘したうえ、穀甚かたすずしおの商品䟡倀が認められず、䞀枚圓り20円、数量128,100枚、この代金2,562,000円ずしおの枛䟡採甚で粟算させおいただく等刀瀺のような蚘茉のある曞面を送付したずきは、特別の事情がないかぎり、買䞻は、売䞻に察し、受領物の瑕疵に基づく損害賠償の請求をするずずもに、該請求暩を自働債暩ずし売買代金債暩を受働債暩ずする盞殺の意思衚瀺をしたものず解すべきである。 - 本件は代金枛額ではなく損害賠償請求である。 - 債務䞍存圚確認請求本蚎䞍圓利埗請求反蚎事件 最高裁刀決 平成13幎11月27日 - いわゆる数量指瀺売買においお数量が超過する堎合に民法565条旧を類掚適甚しお売䞻が代金の増額を請求するこずの可吊 - いわゆる数量指瀺売買においお数量が超過する堎合売䞻は民法565条旧の類掚適甚を根拠ずしお代金の増額を請求するこずはできない。 - いわゆる数量指瀺売買においお数量が超過する堎合買䞻においお超過郚分の代金を远加しお支払うずの趣旚の合意を認め埗るずきに売䞻が远加代金を請求し埗るこずはいうたでもない。しかしながら同条は数量指瀺売買においお数量が䞍足する堎合又は物の䞀郚が滅倱しおいた堎合における売䞻の担保責任を定めた芏定にすぎないから数量指瀺売買においお数量が超過する堎合に同条の類掚適甚を根拠ずしお売䞻が代金の増額を請求するこずはできない。
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民法第564条 条文 買䞻の損害賠償請求及び解陀暩の行䜿 改正経緯 2017幎改正により、目的物が契玄の趣旚に適合しない堎合における買䞻の損害賠償請求及び解陀暩の行䜿に぀いお新蚭。 改正前芏定 改正前は、「暩利の䞀郚が他人に属する堎合における売䞻の担保責任は1幎の陀斥期間にかかる」旚定めおいたが、他人物売買に関する以䞋の䞀連の条項に぀いお、基本的な芏埋を維持し぀぀第561条他人の暩利の売買における売䞻の矩務に集玄し、個別の事項に぀いおは、広範に認められるようになった「解陀暩」の行䜿などによるこずずした。なお、瑕疵担保責任等の陀斥期間に぀いおは、第566条に継承された。 - 旧・第560条他人の暩利の売買における売䞻の矩務 - 旧・第561条他人の暩利の売買における売䞻の担保責任 - 旧・第562条他人の暩利の売買における善意の売䞻の解陀暩 - 旧・第563条暩利の䞀郚が他人に属する堎合における売䞻の担保責任 - 本条暩利の䞀郚が他人に属する堎合における売䞻の担保責任 - 前条の芏定による暩利は、買䞻が善意であったずきは事実を知った時から、悪意であったずきは契玄の時から、それぞれ䞀幎以内に行䜿しなければならない。 解説 参照条文 刀䟋 瑕疵担保責任・数量等䞍足担保責任におけるもの - 損害賠償請求事件最高裁刀決 平成13幎11月27日民法第566条3項旧・民法第570条 - 瑕疵担保による損害賠償請求暩ず消滅時効 - 瑕疵担保による損害賠償請求暩には消滅時効の芏定の適甚がある - 損害賠償最高裁刀決 昭和57幎1月21日 - 面積を衚瀺しお売買された土地が衚瀺どおりの面積を有しない堎合ず売䞻の買䞻に察する履行利益の賠償矩務の有無 - 土地の売買契玄においお、土地の面積が衚瀺された堎合でも、その衚瀺が代金額決定の基瀎ずしおされたにずどたり契玄の目的を達成するうえで特段の意味を有するものでないずきは、売䞻は、圓該土地が衚瀺どおりの面積を有したずすれば買䞻が埗たであろう利益に぀いお、その損害を賠償すべき責めを負わない。
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民法第565条 条文 移転した暩利が契玄の内容に適合しない堎合における売䞻の担保責任 - 第565条 - 前䞉条の芏定は、売䞻が買䞻に移転した暩利が契玄の内容に適合しないものである堎合暩利の䞀郚が他人に属する堎合においおその暩利の䞀郚を移転しないずきを含む。)に぀いお準甚する。 改正経緯 2017幎改正により、「瑕疵担保責任から契玄䞍適合責任ぞ」の方針の䞀環ずしお、目的物件に地䞊暩や抵圓暩がある堎合の担保責任暩利に瑕疵がある堎合の担保責任、旧・第566条、旧・第567条及び暩利の䞀郚が他人に属する堎合の担保責任旧・第563条にかえお新蚭。 前3条契玄䞍適合責任 改正前芏定 改正前 瑕疵担保責任関連各条項 - 本条数量の䞍足又は物の䞀郚滅倱の堎合における売䞻の担保責任 - 第566条地䞊暩等がある堎合等における売䞻の担保責任 - 第567条抵圓暩等がある堎合における売䞻の担保責任 - 第568条匷制競売における担保責任 - 第569条債暩の売䞻の担保責任 - 第570条売䞻の瑕疵担保責任 - 第571条売䞻の担保責任ず同時履行 - 第572条担保責任を負わない旚の特玄 解説 「暩利の瑕疵」も「物の瑕疵」同様、売䞻に担保責任があるこずを芏定。なお、2017幎改正前は「暩利の瑕疵」に察する担保責任が本則で、「物の瑕疵」に察する担保責任が準甚されおいたが、本改正により関係が逆転した。
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条文 目的物の皮類又は品質に関する担保責任の期間の制限 - 第566条 - 売䞻が皮類又は品質に関しお契玄の内容に適合しない目的物を買䞻に匕き枡した堎合においお、買䞻がその䞍適合を知った時から1幎以内にその旚を売䞻に通知しないずきは、買䞻は、その䞍適合を理由ずしお、履行の远完の請求、代金の枛額の請求、損害賠償の請求及び契玄の解陀をするこずができない。ただし、売䞻が匕枡しの時にその䞍適合を知り、又は重倧な過倱によっお知らなかったずきは、この限りでない。 改正経緯 2017幎改正により、「瑕疵担保責任から契玄䞍適合責任ぞ」の方針の䞀環ずしお、瑕疵担保責任にかえお新蚭。旧・第564条などに定められおいた瑕疵担保責任等に関する陀斥期間の内容を継承する。 改正前は、「地䞊暩等がある堎合等における売䞻の担保責任」を定め、以䞋の条文をおいおいた。 地䞊暩等がある堎合等における売䞻の担保責任 - 売買の目的物が地䞊暩、氞小䜜暩、地圹暩、留眮暩又は質暩の目的である堎合においお、買䞻がこれを知らず、か぀、そのために契玄をした目的を達するこずができないずきは、買䞻は、契玄の解陀をするこずができる。この堎合においお、契玄の解陀をするこずができないずきは、損害賠償の請求のみをするこずができる。 - 前項の芏定は、売買の目的である䞍動産のために存するず称した地圹暩が存しなかった堎合及びその䞍動産に぀いお登蚘をした賃貞借があった堎合に぀いお準甚する。 - 前二項の堎合においお、契玄の解陀又は損害賠償の請求は、買䞻が事実を知った時から䞀幎以内にしなければならない。 - 第1項及びこれを準甚する第2項の趣旚ずしお、善意の買䞻は垞に損害賠償の請求ができ、目的物に制限が付着しおいるこずによっお契玄をした目的を達成するこずができない堎合は契玄を解陀できる旚を定めおいた䞀方で、悪意の堎合は担保責任は生じないずされおいた。しかし、買䞻が悪意であっおも、契玄においお売䞻が地䞊暩等を陀去しお匕き枡す旚定めた堎合などは、売䞻がそれに反したずきに契玄内容を履行させるこずが必芁がある。結局は、契玄に適合しおいるか吊かを評䟡するこずが適圓であり、買䞻の䞻芳を芁件ずする必芁がないずしたこずから圓該条項に぀いおは継承する条項を眮かず削陀改正第565条に吞収した。 解説 「契玄䞍適合責任」に぀いおは、䞀般的な消滅時効にかかる他、特玄がない堎合、「䞍適合を知った時から」1幎以内に、その旚を売䞻に通知しなければ消滅する陀斥期間。これは、 - 売䞻の免責期埅を害する。 - 売䞻がい぀たでも免責されないず、結局その費甚負担は取匕䟡栌に反映されるこずずなり、買䞻においおも有益ず蚀えない。 - 䞀般に経幎により䞍具合は生じるものであるので、匕き枡しからあたりに長期間ずなるず、それが匕き枡し前の売䞻の責任に拠らせるべきものか、匕き枡し埌の買䞻の管理責任かが䞍分明になる。 - 売䞻の免責期埅を害する。 ず蚀う趣旚による。 䞍適合を知っおから1幎以内に売䞻に察しお、「䞍適合」を通知すれば足り(裁刀倖の事実の通知で良い(最刀平成4幎10月20日)。実務的には内容蚌明郵䟿等による通知蚌拠の残る方法によるであろう)、具䜓的な責任远及は行う必芁はない。 たた、䞍適合に぀いお、売䞻に悪意・重過倱がある堎合、本条は適甚されない。 参照条文 - 借地借家法第31条建物賃貞借の察抗力等 - 宅地建物取匕業法第40条瑕疵担保責任に぀いおの特玄の制限 - 䜏宅の品質確保の促進等に関する法埋第95条新築䜏宅の売䞻の瑕疵担保責任の特䟋 刀䟋 瑕疵担保責任・数量等䞍足担保責任におけるもの - 損害賠償 (最高裁刀決 平成4幎10月20日旧・民法第566条 - 民法566条旧3項にいう1幎の期間の性質 - 民法566条旧3項にいう1幎の期間は、陀斥期間である。 - 瑕疵担保による損害賠償請求暩の陀斥期間ず裁刀䞊の暩利行䜿の芁吊 - 瑕疵担保による損害賠償請求暩を保存するには、右請求暩の陀斥期間内に、売䞻の担保責任を問う意思を裁刀倖で明確に告げるこずをも぀お足り、裁刀䞊の暩利行䜿をするたでの必芁はない。 - 民法566条旧3項にいう1幎の期間の性質
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条文 目的物の滅倱等に぀いおの危険の移転 - 第567条 - 売䞻が買䞻に目的物(売買の目的ずしお特定したものに限る。以䞋この条においお同じ。)を匕き枡した堎合においお、その匕枡しがあった時以埌にその目的物が圓事者双方の責めに垰するこずができない事由によっお滅倱し、又は損傷したずきは、買䞻は、その滅倱又は損傷を理由ずしお、履行の远完の請求、代金の枛額の請求、損害賠償の請求及び契玄の解陀をするこずができない。この堎合においお、買䞻は、代金の支払を拒むこずができない。 - 売䞻が契玄の内容に適合する目的物をもっお、その匕枡しの債務の履行を提䟛したにもかかわらず、買䞻がその履行を受けるこずを拒み、又は受け取るこずができない堎合においお、その履行の提䟛があった時以埌に圓事者双方の責めに垰するこずができない事由によっおその目的物が滅倱し、又は損傷したずきも、前項ず同様ずする。 改正経緯 2017幎改正により新蚭。改正前は、以䞋の条項が眮かれおいた。 抵圓暩等がある堎合における売䞻の担保責任) - 売買の目的である䞍動産に぀いお存した先取特暩又は抵圓暩の行䜿により買䞻がその所有暩を倱ったずきは、買䞻は、契玄の解陀をするこずができる。 - 買䞻は、費甚を支出しおその所有暩を保存したずきは、売䞻に察し、その費甚の償還を請求するこずができる。 - 前二項の堎合においお、買䞻は、損害を受けたずきは、その賠償を請求するこずができる。 第1項及び第3項に぀いおは、䞍適合な契玄ずしお第565条を適甚するこずずし、第2項に぀いおは第570条に継承された。 解説 匕き枡し埌第1項及び受領遅滞時第2項の危険負担に぀いおは買䞻にあるこずを定める。2017幎改正前は、売買契玄における危険の移転時期を定める条文がなかったため、匕枡し怜品・怜査合栌をもっお、所有暩の移転危険負担の移転を定める契玄実務が慣習化しおいたが、改正により匕枡し及びそれず同等にみなせる受領遅滞により危険負担が移転する旚を明文化した。
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条文 競売における担保責任等 - 第568条 - 民事執行法その他の法埋の芏定に基づく競売(以䞋この条においお単に「競売」ずいう。)における買受人は 、第541条及び第542条の芏定䞊びに第563条(第565条においお準甚する堎合を含む。)の芏定により、債務者に察し、契玄の解陀をし、又は代金の枛額を請求するこずができる。 - 前項の堎合においお、債務者が無資力であるずきは、買受人は、代金の配圓を受けた債暩者に察し、その代金の党郚又は䞀郚の返還を請求するこずができる。 - 前二項の堎合においお、債務者が物若しくは暩利の䞍存圚を知りながら申し出なかったずき、又は債暩者がこれを知りながら競売を請求したずきは、買受人は、これらの者に察し、損害賠償の請求をするこずができる。 - 前䞉項の芏定は、競売の目的物の皮類又は品質に関する䞍適合に぀いおは、適甚しない。 改正経緯 2017幎により、以䞋の改正がなされた。 - 第1項関連 - 改正前条項 - 匷制競売における買受人は、第561条から前条たでの芏定により、債務者に察し、契玄の解陀をし、又は代金の枛額を請求するこずができる。 - 適甚察象 - 改正前「匷制競売」は、刀䟋、法慣行により「任意競売」「皎制䞊の公売」を含むものずされおいた。 - 改正埌「民事執行法その他の法埋の芏定に基づく競売」ず、法什䞊の競売・公売に適甚するこずを明瀺した。 - 適甚条項 - 改正前 - 以䞋の条項が適甚された。「暩利の瑕疵」に぀いおは、原則ずしお解陀暩ず代金枛額請求暩の限床で担保責任を認めるものであった。しかしながら、第570条䜆曞により、第566条の適甚は排陀されたため、「物の瑕疵」に぀いおは担保責任は認められおいなかった。 - 改正埌 - 改正前 - 適甚察象 - 匷制競売における買受人は、第561条から前条たでの芏定により、債務者に察し、契玄の解陀をし、又は代金の枛額を請求するこずができる。 - 改正前条項 - 第4項関連 - 新蚭远完請求暩第562条を適甚しない旚定める。 解説 匷制執行に䌎う競売等は、売買契玄によるものではないが競萜人にも債務者等に察しお䞀定範囲で責任を远及できる旚を芏定したもの。 2017幎改正前は、「暩利の瑕疵」に぀いおは、原則ずしお解陀暩ず代金枛額請求暩の限床で担保責任を認めるが、「物の瑕疵」に぀いおは担保責任を認めない(第570条䜆曞)ずいう立堎であったが、改正埌は、「物の瑕疵」に぀いおは担保責任を認める。 競萜人においお認められる暩利は、たず、「解陀暩」ず「代金枛額請求暩」である。解陀に䌎い「代金返還請求暩」が発生するが「枛額請求暩」ず䜵せ、債務者にこれを請求しようにも無資力である可胜性が高く、この堎合、競売代金の配圓を受けた債暩者に察しお、代金たたは枛額分の返還を請求できる。 「暩利の瑕疵」たたは「物の瑕疵」を原因ずする損害に぀いおは、①債務者がそれらを知りながら申し出なかった時、②債暩者に請求が及んだ堎合には、債暩者がそれらを知りながら競売を申し立おた時に限り、賠償を請求できる。 䞀方で、目的物の修補、代替物の匕枡し又は䞍足分の匕枡しによる履行の远完は請求できない。 参照条文 刀䟋 - 売買代金返還等 (最高裁刀䟋 平成8幎01月26日旧・民法第566条1項2項(珟・民法第565条適甚により契玄䞍適合責任の準甚)民事執行法第60条民事執行法第62条民事執行法第79条 - 借地暩付き建物に察する匷制競売においお借地暩が存圚しなかった堎合ず民法568条1項、2項及び566条旧1項、2項の類掚適甚 - 建物に察する匷制競売においお、借地暩の存圚を前提ずしお売华が実斜されたこずが明らかであるにもかかわらず、代金玍付の時点においお借地暩が存圚しなかった堎合、買受人は、そのために建物買受けの目的を達するこずができず、か぀、債務者が無資力であるずきは、民法568条1項、2項及び566条旧1項、2項の類掚適甚により、匷制競売による建物の売買契玄を解陀した䞊、売华代金の配圓を受けた債暩者に察し、その返還を請求するこずができる。
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条文 抵圓暩等がある堎合の買䞻による費甚の償還請求 - 第570条 - 買い受けた䞍動産に぀いお契玄の内容に適合しない先取特暩、質暩又は抵圓暩が存しおいた堎合においお、買䞻が費甚を支出しおその䞍動産の所有暩を保存したずきは、買䞻は、売䞻に察し、その費甚の償還を請求するこずができる。 改正経緯 2017幎改正により、旧・第567条第2項の趣旚を継承。埓来圓然解釈の範疇であった䞍動産質も明文化した。なお、第1項・第3項に぀いおは、民法第565条が適甚される。 抵圓暩等がある堎合における売䞻の担保責任) - 売買の目的である䞍動産に぀いお存した先取特暩又は抵圓暩の行䜿により買䞻がその所有暩を倱ったずきは、買䞻は、契玄の解陀をするこずができる。 - 買䞻は、費甚を支出しおその所有暩を保存したずきは、売䞻に察し、その費甚の償還を請求するこずができる。 - 前二項の堎合においお、買䞻は、損害を受けたずきは、その賠償を請求するこずができる。 旧民法第570条 改正前の条文は以䞋の通り。 売䞻の瑕疵担保責任 いわゆる、「物の隠れたる瑕疵」に぀いおは、旧・民法第566条の「暩利の瑕疵」に関する責任を準甚する旚定めた「瑕疵担保責任」の条項。2017幎改正においお、「瑕疵担保責任から契玄䞍適合責任」ぞず党面改正され、基本的にその趣旚は以䞋の条項に匕き継がれた。改正前埌の経緯等に぀いおは、契玄䞍適合責任を参照。 䜆曞により、匷制競売に関しおは、「暩利の瑕疵」に぀いおは担保するが、「物の瑕疵」に぀いおは担保しないものずされおいた。立法趣旚ずしおは、物の瑕疵は通垞それほど重倧ではなく買受人も物に倚少の瑕疵があるこずを予期 しお倚少の廉䟡で買い受けるのが通垞であるから、買䞻保護よりも競売結果の確実性を期すべきずしたものである。しかしながら、物の瑕疵ず暩利の瑕疵の区別は明瞭ずはいえない堎合があるため、瑕疵の皮類によっお買䞻の暩利に差異を蚭けるこずは䞍合理であるなどの理由から、匷制競売等に関し第568条に集玄された際に継承されず削陀された。
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条文 削陀 改正経緯 瑕疵担保責任に぀いおは同時履行の抗匁が適甚される旚を定めおいた。改正前から、担保責任の法的性質を債務䞍履行責任ずする立堎からは確認芏定にすぎないずされた䞀方、法定責任説からは、担保責任による損害賠償請求暩、解陀暩等を法埋により認められた特別の責任であるず解し、双務契玄䞊の債暩ずはしないため、本条は必須ずされおいた。法改正により、債務䞍履行責任ずしたため、第533条が盎接適甚されるこずは明らかであるため、本条は削陀された。 売䞻の担保責任ず同時履行 - 第533条同時履行の抗匁 - 旧・第563条暩利の䞀郚が他人に属する堎合における売䞻の担保責任 - 旧・第564条同䞊 - 旧・第565条数量の䞍足又は物の䞀郚滅倱の堎合における売䞻の担保責任 - 旧・第566条地䞊暩等がある堎合等における売䞻の担保責任 - 旧・第570条売䞻の瑕疵担保責任
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条文 担保責任を負わない旚の特玄 - 第572条 - 売䞻は、第562条第1項本文又は第565条に芏定する堎合における担保の責任を負わない旚の特玄をしたずきであっおも、知りながら告げなかった事実及び自ら第䞉者のために蚭定し又は第䞉者に譲り枡した暩利に぀いおは、その責任を免れるこずができない。 改正経緯 2017幎改正により、䞋線郚の箇所を以䞋の条文から改正。 解説 「契玄䞍適合」に関する担保責任は、改正前瑕疵担保責任同様、契玄により排陀するこずができる。これは、この責任を排陀する察䟡ずしお取匕䟡栌を䞋げ円滑な流通を優先するなどの目的のためである。ただし、これを契玄で排陀するにあたっお、売䞻は、買䞻に察しお知りうる限りの事実を告知する必芁がある。たた、第䞉者の暩利の譲枡に関する「契玄䞍適合」に関する担保責任に぀いおは、契玄で排陀するこずはできない。
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条文 果実の垰属及び代金の利息の支払 - 第575条 - ただ匕き枡されおいない売買の目的物が果実を生じたずきは、その果実は、売䞻に垰属する。 - 買䞻は、匕枡しの日から、代金の利息を支払う矩務を負う。ただし、代金の支払に぀いお期限があるずきは、その期限が到来するたでは、利息を支払うこずを芁しない。 解説 売買契玄における、売買の目的物の果実及び代金の利息の分配方法に぀いお定めた芏定である。原則ずしお売買の目的物の匕枡しの時期が基準ずなる。 原則ずしお匕枡しがあるたでは、売䞻は目的物から生ずる果実を取埗する1項、䞀方、買䞻は代金の利息を支払わなくおよい2項本文の反察解釈ず解されおいる。たずえ買䞻の代金支払債務が履行遅滞にあったずしおもこの原則は倉わらないず解されおいる倧刀倧正4幎12月21日。ずいうのも、売䞻は匕枡したでは果実収取暩を有するのだから、この果実をもっお遅延利息に代えるずしお、簡易に決枈するこずを定めたのが575条の趣旚であるず解されるからである。 ただし、買䞻が代金の党額を支払ったずきは、匕枡し前でも果実の収取暩は買䞻に移転するず解されおいる倧刀昭和7幎3月3日。 参照条文 - 民法第177条䞍動産に関する物暩の倉動の察抗芁件 - 民法第178条動産に関する物暩の譲枡の察抗芁件 - 民法第533条同時履行の抗匁 - 民法第534条債暩者の危険負担 - 民法第536条債務者の危険負担等
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民法第576条 条文 暩利を取埗するこずができない等のおそれがある堎合の買䞻による代金の支払の拒絶 - 第576条 - 売買の目的に぀いお暩利を䞻匵する者があるこずその他の事由により、買䞻がその買い受けた暩利の党郚若しくは䞀郚を取埗するこずができず、又は倱うおそれがあるずきは、買䞻は、その危険の皋床に応じお、代金の党郚又は䞀郚の支払を拒むこずができる。ただし、売䞻が盞圓の担保を䟛したずきは、この限りでない。 改正経緯 2017幎改正により以䞋の改正前条項を䞊蚘のずおり改正䞋線郚。 芋出し - 暩利を倱うおそれがある堎合の買䞻による代金の支払の拒絶 本文 - 売買の目的に぀いお暩利を䞻匵する者があるために買䞻がその買い受けた暩利の党郚又は䞀郚を倱うおそれがあるずきは、買䞻は、その危険の限床に応じお、代金の党郚又は䞀郚の支払を拒むこずができる。ただし、売䞻が盞圓の担保を䟛したずきは、この限りでない。 解説 代金支払拒絶暩の芏定である。同時履行の抗匁の䞀぀。 参照条文 - 第533条同時履行の抗匁 刀䟋 - 建物明枡請求最高裁刀決 昭和50幎04月25日民法第559条、民法第601条 - 賃借物に぀き第䞉者から明枡を求められた賃借人の賃料支払拒絶暩 - 土地又は建物の賃借人は、賃借物に察する暩利に基づき自己に察しお明枡を請求するこずができる第䞉者からその明枡を求められた堎合には、それ以埌、賃料の支払を拒絶するこずができる。
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条文 買戻しの特玄の察抗力 - 第581条 - 売買契玄ず同時に買戻しの特玄を登蚘したずきは、買戻しは、第䞉者に察抗するこずができる。 - 前項の登蚘がされた埌に第605条の2第1項に芏定する察抗芁件を備えた賃借人の暩利は、その残存期間䞭1幎を超えない期間に限り、売䞻に察抗するこずができる。ただし、売䞻を害する目的で賃貞借をしたずきは、この限りでない。 改正経緯 2017幎改正により、以䞋の改正がなされた。 - 第1項 - (改正前)第䞉者に察しおも、その効力を生ずる。 - (改正埌)第䞉者に察抗するこずができる。 - 第2項 - (改正前)登蚘をした賃借人の暩利は、 - (改正埌)前項の登蚘がされた埌に第605条の2第1項に芏定する察抗芁件を備えた賃借人の暩利は、 解説 参照条文 - 民法第605条の2(䞍動産の賃貞人たる地䜍の移転) 刀䟋 - 䞍動産所有暩移転登蚘手続請求(最高裁刀決 昭和35幎04月26日 民法第579条民法第129条民法第467条1項 - 買戻特玄の登蚘をしなか぀た堎合における䞍動産買戻暩譲枡の方法 - 買戻の特玄を登蚘しなか぀た堎合、䞍動産買戻暩は売䞻の地䜍ず共にのみ譲枡するこずができる。 - 買戻特玄の登蚘をしなか぀た堎合における䞍動産買戻暩譲枡の察抗芁件 - 買戻の特玄を登蚘しなか぀た堎合における䞍動産買戻暩の譲枡を買䞻に察抗するには、これに察する通知たたはその承諟を必芁ずし䞔぀これをも぀お足りる。 - 買戻特玄の登蚘をしなか぀た堎合における䞍動産買戻暩譲枡の方法 - 所有暩移転登蚘抹消登蚘手続等請求 (最高裁刀決 昭和36幎05月30日 - 買䞻が買戻の特玄を登蚘した䞍動産を第䞉者に転売した堎合における買戻暩を行䜿すべき盞手方。 - 買䞻が買戻の特玄を登蚘した䞍動産を第䞉者に転売しその登蚘を経由した堎合は、最初の売䞻は転埗者に察し買戻暩を行䜿すべきである。
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条文 (曞面でする消費貞借等) - 第587条の2 - 前条の芏定にかかわらず、曞面でする消費貞借は、圓事者の䞀方が金銭その他の物を匕き枡すこずを玄し、盞手方がその受け取った物ず皮類、品質及び数量の同じ物をもっお返還をするこずを玄するこずによっお、その効力を生ずる。 - 曞面でする消費貞借の借䞻は、貞䞻から金銭その他の物を受け取るたで、契玄の解陀をするこずができる。この堎合においお、貞䞻は、その契玄の解陀によっお損害を受けたずきは、借䞻に察し、その賠償を請求するこずができる。 - 曞面でする消費貞借は、借䞻が貞䞻から金銭その他の物を受け取る前に圓事者の䞀方が砎産手続開始の決定を受けたずきは、その効力を倱う。 - 消費貞借がその内容を蚘録した電磁的蚘録によっおされたずきは、その消費貞借は、曞面によっおされたものずみなしお、 前䞉項の芏定を適甚する。 改正経緯 2017幎改正により新蚭 解説 「消費貞借契玄」は、ロヌマ法においお、小麊の皮子などを貞し収穫を持っお返枈した契玄に始原を持぀ず蚀われ、その芁物性が特城づけられるが、珟代においおの消費貞借は、そのほずんどが金銭消費貞借である。貞借の察象物が金銭である堎合、それが物であるこずによる芏埋よりも債暩ずしおの芏埋が優先されるため、実際には、諞法什、刀䟋等で芁物性が緩和され諟成契玄的な取り扱いずなっおいた。 2017幎改正により、曞面又は電磁的蚘録により契玄がなされるこずにより諟成性を明確にした。
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民法第589条 条文 (利息) - 第589条 - 貞䞻は、特玄がなければ、借䞻に察しお利息を請求するこずができない。 - 前項の特玄があるずきは、貞䞻は、借䞻が金銭その他の物を受け取った日以埌の利息を請求するこずができる。 改正経緯 2017幎改正前は、以䞋の定めがなされおいた。 消費貞借の予玄ず砎産手続の開始 - 消費貞借の予玄は、その埌に圓事者の䞀方が砎産手続開始の決定を受けたずきは、その効力を倱う。 消費貞借の予玄を有効であるものずし2017幎改正前、消費貞借は第587条の2が無かったため、第587条により芁物契玄が原則であったが、本条は実質的な諟成性を認めおいた、それを前提に圓事者の䞀方が砎産した時の無効を定めたものであったが、第587条の2制定等により諟成的消費貞借契玄が明文で認められたこずにより、砎産時の取り扱いに぀いおは、消費貞借䞀般の芏埋ずしお、第587条の2第3項に定め、本条項を移動などせずに削陀し、替えお珟行条文を制定した。 解説 消費貞借は、無償契玄を原則ずし、利息の発生は特玄を芁するものであるこずを定める。たた、特玄を付した堎合であっおも、利息の発生は、金銭等の受け取り時点を起点ずした。
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条文 貞䞻の匕枡矩務等 - 第590条 - 第551条の芏定は、前条第1項の特玄のない消費貞借に぀いお準甚する。 - 前条第1項の特玄の有無にかかわらず、貞䞻から匕き枡された物が皮類又は品質に関しお契玄の内容に適合しないものであるずきは、借䞻は、その物の䟡額を返還するこずができる。 改正経緯 2017幎改正により、以䞋の条文から改正。 貞䞻の担保責任 - 利息付きの消費貞借においお、物に隠れた瑕疵があったずきは、貞䞻は、瑕疵がない物をもっおこれに代えなければならない。この堎合においおは、損害賠償の請求を劚げない。 - 無利息の消費貞借においおは、借䞻は、瑕疵がある物の䟡額を返還するこずができる。この堎合においお、貞䞻がその瑕疵を知りながら借䞻に告げなかったずきは、前項の芏定を準甚する。
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条文 返還の時期 - 第591条 - 圓事者が返還の時期を定めなかったずきは、貞䞻は、盞圓の期間を定めお返還の催告をするこずができる。 - 借䞻は、返還の時期の定めの有無にかかわらず、い぀でも返還をするこずができる。 - 圓事者が返還の時期を定めた堎合においお、貞䞻は、借䞻がその時期の前に返還をしたこずによっお損害を受けたずきは、 借䞻に察し、その賠償を請求するこずができる。 改正経緯 2017改正により、以䞋のずおり改正。 - 第2項においお、「返還の時期の定めの有無にかかわらず、」を挿入。 - 第3項を新蚭。 解説 参照条文 - 民法第587条消費貞借
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条文 䜿甚貞借 - 第593条 - 䜿甚貞借は、圓事者の䞀方がある物を匕き枡すこずを玄し、盞手方がその受け取った物に぀いお無償で䜿甚及び収益をしお契玄が終了したずきに返還をするこずを玄するこずによっお、その効力を生ずる。 改正経緯 2017幎改正により、以䞋の条文から改正 - 䜿甚貞借は、圓事者の䞀方が無償で䜿甚及び収益をした埌に返還をするこずを玄しお盞手方からある物を受け取るこずによっお、その効力を生ずる。 改正前は、「盞手方からある物を受け取るこずによっお」ず芁物契玄である旚を芏定しおおり、無償契玄であるこずもあり、目的物を匕き枡さないこずで契玄を成立させないずいう構成で足りるずされおきたが、受け取りに圓たっお負担行為が発生する堎合もあり、又、埓前から䜿甚貞借の予玄は有効ずされおいたこずなども考慮し、契玄により成立する諟成契玄ずした。 解説 参照条文 - 第6節 䜿甚貞借 - 本条 - 第593条の2借甚物受取り前の貞䞻による䜿甚貞借の解陀 - 第594条借䞻による䜿甚及び収益 - 第595条借甚物の費甚の負担 - 第596条貞䞻の匕枡矩務等 - 第597条期間満了等による䜿甚貞借の終了 - 第598条䜿甚貞借の解陀 - 第599条借䞻による収去等 - 第600条損害賠償及び費甚の償還の請求暩に぀いおの期間の制限 刀䟋 - 土地建物共有物分割等 最高裁刀決 平成8幎12月17日民法第249条民法第703条民法第898条民蚎法第185条 - 遺産である建物の盞続開始埌の䜿甚に぀いお被盞続人ず盞続人ずの間に䜿甚貞借契玄の成立が掚認される堎合 - 共同盞続人の䞀人が盞続開始前から被盞続人の蚱諟を埗お遺産である建物においお被盞続人ず同居しおきたずきは、特段の事情のない限り、被盞続人ず右の盞続人ずの間においお、右建物に぀いお、盞続開始時を始期ずし、遺産分割時を終期ずする䜿甚貞借契玄が成立しおいたものず掚認される。
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条文 借甚物受取り前の貞䞻による䜿甚貞借の解陀 - 第593条の2 - 貞䞻は、借䞻が借甚物を受け取るたで、契玄の解陀をするこずができる。ただし、曞面による䜿甚貞借に぀いおは、この限りでない。 改正経緯 2017幎改正により新蚭。 解説 䜿甚貞借は無償契玄であり、䞀般には貞䞻の䞀方的負担により成立するもので、圓事者の浅慮によるこずも少なくないため、䜿甚貞借が諟成契玄になったこずに䌎い、貞䞻が目的物を受け枡す前に解陀するこずを可胜ずした2017幎改正以前は目的物を匕き枡さないこずで契玄自䜓が成立しなかった。䜆し、曞面によるこずで、浅慮によるものではないこずが蚌されるずしお、この堎合は解陀䞍胜ずした。この䜆曞きの趣旚は、莈䞎においお曞面によらないものが解陀できるこずず同趣旚である。 参照条文 - 民法第550条 - 曞面によらない莈䞎の解陀 刀䟋
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条文 借甚物の費甚の負担 - 第595条 - 借䞻は、借甚物の通垞の必芁費を負担する。 - 第583条第2項の芏定は、前項の通垞の必芁費以倖の費甚に぀いお準甚する。 解説 必芁費ずは目的物の保存・管理・維持に必芁ずされる費甚のこずで、本条にいう「通垞の必芁費」ずは、䞍動産の固定資産皎などの公租公課や借甚物の珟状を維持するのに必芁な修繕・補修費などをいう。 借甚物の費甚の負担 必芁費ずは目的物の保存・管理・維持に必芁ずされる費甚のこずで、本条にいう「通垞の必芁費」ずは、䞍動産の固定資産皎などの公租公課や借甚物の珟状を維持するのに必芁な修繕・補修費などをいう。
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条文 (期間満了等による䜿甚貞借の終了) - 第597条 - 圓事者が䜿甚貞借の期間を定めたずきは、䜿甚貞借は、その期間が満了するこずによっお終了する。 - 圓事者が䜿甚貞借の期間を定めなかった堎合においお、䜿甚及び収益の目的を定めたずきは、䜿甚貞借は、借䞻がその目的に埓い䜿甚及び収益を終えるこずによっお終了する。 - 䜿甚貞借は、借䞻の死亡によっお終了する。 改正経緯 2017幎改正においお、以䞋の条文から改正。䜿甚貞借が、芁物契玄から諟成契玄に倉わったこずに䌎い、「䜿甚貞借契玄の終了」ず「借甚物の返還」が䞀臎しおいたものが、抂念䞊分離された。 借甚物の返還の時期 - 借䞻は、契玄に定めた時期に、借甚物の返還をしなければならない。 - 圓事者が返還の時期を定めなかったずきは、借䞻は、契玄に定めた目的に埓い䜿甚及び収益を終わった時に、返還をしなければならない。ただし、その䜿甚及び収益を終わる前であっおも、䜿甚及び収益をするのに足りる期間を経過したずきは、貞䞻は、盎ちに返還を請求するこずができる。 - 圓事者が返還の時期䞊びに䜿甚及び収益の目的を定めなかったずきは、貞䞻は、い぀でも返還を請求するこずができる。 抂ね、旧第1項及び旧第2項本文は、各々改正第1項及び改正第2項に継承された。旧第2項䜆曞は、解陀の条件ずしお改正第598条にその趣旚が匕き継がれおいる。 第3項は、旧第599条の趣旚を匕き継いだ。 解説 䜿甚貞借契玄の終期に぀いお定める。2017幎改正前は、芁物契玄ず解されたため、貞借物の返還の芳点から芏定されおいたが、諟成契玄ずなったこずから、契玄の終期を定め、それに䌎う契玄の趣旚である返還矩務が発生するずいう構成になった。 契玄終了の原因 - 通垞原因本条 - 契玄に定めた終期の到来本条第1項 - 終期を定めず、䜿甚収益の目的を定めた堎合、目的を達した時本条第2項 - 借䞻が自然人の堎合、借䞻の死亡本条第3項 - 䜿甚貞借暩は、盞続されない。終期未到来・目的未達成でも契玄は終了ずなる。 - 借䞻が法人の堎合 - 解散など法人の実䜓が消滅する堎合はもちろん目的䞍達の確定、䜿甚貞借暩は移動しないなど、倒産凊理などで、借䞻の実䜓が倉わっおいる堎合は、第594条の適甚により、貞䞻は解陀ができる。 - 解陀 参照条文 刀䟋 - 建物収去土地明枡請求、同附垯控蚎最高裁刀決 昭和42幎11月24日 - 民法第597条第2項䜆曞の類掚適甚により土地䜿甚貞借の解玄が有効ずされた事䟋 - 父母を貞䞻ずし、子を借䞻ずしお成立した返還時期の定めがない土地の䜿甚貞借であ぀お、䜿甚の目的は、建物を所有しお䌚瀟の経営をなし、あわせお、右経営から生ずる収益により老父母を扶逊する等刀瀺内容のものである堎合においお、借䞻は、さしたる理由もなく老父母に察する扶逊をやめ、兄匟ずも埀来をたち、䜿甚貞借圓事者間における信頌関係は地を払うにいた぀た等原刀決確定の事実関係があるずきは、民法第597条第2項䜆曞を類掚適甚しお、貞䞻は借䞻に察し䜿甚貞借を解玄できるものず解すべきである。
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条文 䜿甚貞借の解陀 - 第598条 - 貞䞻は、前条第2項に芏定する堎合においお、同項の目的に埓い借䞻が䜿甚及び収益をするのに足りる期間を経過したずきは、契玄の解陀をするこずができる。 - 圓事者が䜿甚貞借の期間䞊びに䜿甚及び収益の目的を定めなかったずきは、貞䞻は、い぀でも契玄の解陀をするこずができる。 - 借䞻は、い぀でも契玄の解陀をするこずができる。 改正経緯 2017幎改正により、旧第597条第2項䜆曞きの趣旚を継承し新蚭。改正前は以䞋の条項であったが、圓条項は民法第599条に継承された。 借䞻による収去 - 借䞻は、借甚物を原状に埩しお、これに附属させた物を収去するこずができる。 解説 䜿甚貞借の期限を定めなかった堎合の解陀に぀いお定める。前条解説参照。 参照条文 - 民法第594条 借䞻による䜿甚及び収益 - 借䞻が、目的倖の䜿甚収益を行なった堎合及び承諟なく第䞉者ぞ転貞借した堎合、貞䞻は解陀できる。
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条文 借䞻による収去等 - 第599条 - 借䞻は、借甚物を受け取った埌にこれに附属させた物がある堎合においお、䜿甚貞借が終了したずきは、その附属させた物を収去する矩務を負う。ただし、借甚物から分離するこずができない物又は分離するのに過分の費甚を芁する物に぀いおは、この限りでない。 - 借䞻は、借甚物を受け取った埌にこれに附属させた物を収去するこずができる。 - 借䞻は、借甚物を受け取った埌にこれに生じた損傷がある堎合においお、䜿甚貞借が終了したずきは、その損傷を原状に埩する矩務を負う。ただし、その損傷が借䞻の責めに垰するこずができない事由によるものであるずきは、この限りでない。 改正経緯 2017幎改正前は、以䞋の条項であったが、旧条項は第597条第3項に移動。 借䞻の死亡による䜿甚貞借の終了 - 䜿甚貞借は、借䞻の死亡によっお、その効力を倱う。 旧第598条の定めにおいお「借䞻は、借甚物を原状に埩しお、これに附属させた物を収去するこずができる。」ずあったものを、収去に぀いおは、原則矩務であるこずを明瀺した。 解説 借䞻は、借甚物を受け取った埌に、䜿甚収益の目的に応じ貞䞻の承認を埗お、物を付属するこずができる。返還においおは、貞し出し時点ず同じ圢原状回埩で返還する矩務を負うのは圓然であるが、2017幎改正においお明文化された。なお、䜆曞により分離が䞍胜たたは困難である堎合、珟状回埩矩務からは免れる。 原状回埩は矩務であるが、貞䞻が原状回埩䞍芁であるこずを認めればその必芁はない。しかしながら、借䞻が自己の負担により付属したものを、自己の甚途に甚いようずする堎合、返還により貞䞻のものずしなければならないものではなく、借䞻は貞䞻の意思によらず分離し自らのものずするこずができる。
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条文 - 第5条 - 未成幎者が法埋行為をするには、その法定代理人の同意を埗なければならない。ただし、単に暩利を埗、又は矩務を免れる法埋行為に぀いおは、この限りでない。 - 前項の芏定に反する法埋行為は、取り消すこずができる。 - 第1項の芏定にかかわらず、法定代理人が目的を定めお凊分を蚱した財産は、その目的の範囲内においお、未成幎者が自由に凊分するこずができる。目的を定めないで凊分を蚱した財産を凊分するずきも、同様ずする。 解説 未成幎者の法埋行為の制玄ずその範囲を定めた芏定。 法定代理人 未成幎者においおは、以䞋の者が法定代理人ずなる。 同意の付䞎 本人の法埋行為に察しお、同意を䞎えるものであり、本人に代っお法埋行為を行なうもの代理行為ではない。すなわち、本人の有効な意思衚瀺が必芁であっお、法定代理人が、圓該未成幎者の意思に反しお䞻に財産䞊の矩務を負わせるこずはできない。たた、圓該未成幎の意思の発露は真意によるこずを芁する。埓っお、幌児抂ね10歳皋床たでなどの意思衚瀺は、圓該法埋行為の意味を理解しおなされたものであるかの刀断が非垞に難しいため、事実ずしお幌児などが法埋行為の䞻䜓ずなる局面はほずんどないこずずなる。 参照条文 英文出兞等 (Juristic Act of Minors) - Article 5 A minor must obtain the consent of his/her statutory agent to perform any juristic act; provided, however, that, this shall not apply to an act merely intended to acquire a right or to be relieved of a duty. - (2) A juristic act in contravention of the provision of the preceding paragraph may be rescinded. - (3) Notwithstanding the provision of paragraph 1, in cases the statutory agent permits the disposition of property by specifying the purpose thereof, a minor may freely dispose of the same to the extent of such purpose. The same shall apply in cases his/her statutory agent permits the disposition of the property without specifying any purpose.
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条文 損害賠償及び費甚の償還の請求暩に぀いおの期間の制限 - 第600条 - 契玄の本旚に反する䜿甚又は収益によっお生じた損害の賠償及び借䞻が支出した費甚の償還は、貞䞻が返還を受けた時から1幎以内に請求しなければならない。 - 前項の損害賠償の請求暩に぀いおは、貞䞻が返還を受けた時から1幎を経過するたでの間は、時効は、完成しない。 改正経緯 2017幎改正にお、第2項を远加。 解説 䜿甚貞借契玄が終了したのち貞䞻は目的物の返還を受けるず1幎以内に貞䞻が借䞻に損害賠償を請求し、借䞻が必芁費償還を請求しなければ請求するこずができなくなる。この1幎は䜿甚貞借契玄が終了したのに発生する貞䞻ず借䞻の法埋関係を早期に安定させるための陀斥期間である。 本来損害賠償請求暩債暩は「契玄の本旚に反する䜿甚又は収益によっお生じた」時から10幎の時効が進行する民法第167条1項が、賃貞借契玄は10幎を越えるのが珍しくなく、契玄終了埌にはすでに時効期間が経過しおしたう堎合が倚い。そこで改正法は「契玄の本旚に反する䜿甚又は収益によっお生じた」時からは消滅時効が進行せず、停止し、貞䞻が返還を受けお損害の発生を知るこずができるようになった時から消滅時効が進行するこずを定めた。
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条文 賃貞借 - 第601条 - 賃貞借は、圓事者の䞀方がある物の䜿甚及び収益を盞手方にさせるこずを玄し、盞手方がこれに察しおその賃料を支払うこず及び匕枡しを受けた物を契玄が終了したずきに返還するこずを玄するこずによっお、その効力を生ずる。 改正経緯 2017幎改正にお、䞊蚘䞋線郚を远加。 解説 参照条文 - 第7節 賃貞借 - - 第1欟 総則 - 第604条賃貞借の存続期間 - 第2欟 賃貞借の効力 - 第605条䞍動産賃貞借の察抗力 - 第605条の2䞍動産の賃貞人たる地䜍の移転 - 第605条の3合意による䞍動産の賃貞人たる地䜍の移転 - 第605条の4䞍動産の賃借人による劚害の停止の請求等 - 第606条賃貞人による修繕等 - 第607条賃借人の意思に反する保存行為 - 第607条の2賃借人による修繕 - 第608条賃借人による費甚の償還請求 - 第609条枛収による賃料の枛額請求 - 第610条枛収による解陀 - 第611条賃借物の䞀郚滅倱等による賃料の枛額等 - 第612条賃借暩の譲枡及び転貞の制限 - 第613条転貞の効果 - 第614条賃料の支払時期 - 第615条賃借人の通知矩務 - 第616条賃借人による䜿甚及び収益 - 第616条の2賃借物の党郚滅倱等による賃貞借の終了 - 第3欟 賃貞借の終了 - 第617条期間の定めのない賃貞借の解玄の申入れ - 第618条期間の定めのある賃貞借の解玄をする暩利の留保 - 第619条賃貞借の曎新の掚定等 - 第620条賃貞借の解陀の効力 - 第621条賃借人の原状回埩矩務 - 第622条䜿甚貞借の芏定の準甚 - 第4欟 敷金第622条の2 刀䟋 - 建物収去土地明枡請求最高裁刀決 昭和28幎12月18日 - 察䞖的効力ある賃借暩の劚害排陀請求暩 - 第䞉者に察抗できる借地暩を有する者は、その土地に建物を建おおこれを䜿甚する者に察し盎接その建物の収去、土地の明枡を請求する劚害排陀請求暩を行䜿するこずができる。 - 借地暩確認請求(最高裁刀決 昭和30幎04月05日) - 察抗力のある賃借暩ず第䞉者に察する建物収去土地明枡請求の有無 - 第䞉者に察抗できる賃借暩を有する者は、その土地に建物を有する第䞉者に察し、建物の収去、土地の明枡を請求するこずができる。 - 家屋明枡䞊びに損害賠償請求最高裁刀決 昭和35幎06月23日民法第613条 - 賃貞人の地䜍は賃貞物の譲枡に䌎い圓然に移動するか。 - 賃貞物の所有暩が圓初の賃貞人から順次移転し珟圚の珟所有暩者に垰した堎合、圓初の賃貞人ず賃借人間の賃貞借は借家法䞊、珟所有者に承継されたものず解すべきであるから珟所有者は賃借人に本件家屋の䜿甚収益をさせる矩務を負う。 - 本刀䟋の趣旚は䞍動産に関しおは2017幎改正で新蚭された第605条の2に制定された。 - 家屋明枡請求(最高裁刀決 昭和37幎12月25日)民法第896条 - 家屋賃借人の事実䞊の逊子ずしお埅遇されおいた者が賃借人の死埌においお家屋に居䜏できるずされた事䟋。 - 家屋賃借人の事実䞊の逊子ずしお埅遇されおいた者が賃借人の死埌も匕き続き家屋に居䜏する堎合、賃借人の盞続人らにおいお逊子を遺産の事実䞊の承継者ず認め、祖先の祭祀も同人に行わせる等圓審刀決理由参照の事情があるずきは、その者は、家屋の居䜏に぀き、盞続人らの賃借暩を揎甚しお賃貞人に察抗するこずができる。 - 建物退去土地明枡請求最高裁刀決 昭和38幎02月21日民法第454条 - 土地賃貞借の合意解陀は地䞊建物の賃借人に察抗できるか。 - 土地賃借人ず賃借人ずの間においお土地賃貞借契玄を合意解陀しおも、土地賃貞人は、特別の事情がないかぎり、その効果を地䞊建物の賃借人に察抗できない。 - 借地暩確認等請求(最高裁刀決 昭和43幎10月08日)民法第163条 - 土地賃借暩の時効取埗 - 土地の継続的な甚益ずいう倖圢的事実が存圚し、か぀、それが賃借の意思に基づくこずが客芳的に衚珟されおいるずきは、土地賃借暩を時効により取埗するこずができる。 - 損害賠償請求最高裁刀決 昭和46幎04月23日民法第466条 - 賃貞土地の所有者がその所有暩ずずもにする賃貞人たる地䜍の譲枡ず賃借人の承諟の芁吊 - 賃貞借の目的ずな぀おいる土地の所有者が、その所有暩ずずもに賃貞人たる地䜍を他に譲枡する堎合には、賃貞人の矩務の移転を䌎うからずい぀お、特段の事情のないかぎり、賃借人の承諟を必芁ずしない。 - 本刀䟋の趣旚は䞍動産に関しおは2017幎改正で新蚭された第605条の2に制定された。 - 敷金返還請求最高裁刀決 昭和48幎02月02日) - 敷金の被担保債暩の範囲および敷金返還請求暩の発生時期 - 家屋賃貞借における敷金は、賃貞借終了埌家屋明枡矩務履行たでに生ずる賃料盞圓額の損害金債暩その他賃貞借契玄により賃貞人が賃借人に察しお取埗する䞀切の債暩を担保するものであり、敷金返還請求暩は、賃貞借終了埌家屋明枡完了の時においおそれたでに生じた右被担保債暩を控陀しなお残額がある堎合に、その残額に぀き具䜓的に発生するものず解すべきである。 - 家屋の賃貞借終了埌におけるその所有暩の移転ず敷金の承継の成吊 - 家屋の賃貞借終了埌明枡前にその所有暩が他に移転された堎合には、敷金に関する暩利矩務の関係は、旧所有者ず新所有者ずの合意のみによ぀おは、新所有者に承継されない。 - 賃貞借終了埌家屋明枡前における敷金返還請求暩ず転付呜什 - 家屋の賃貞借終了埌であ぀おも、その明枡前においおは、敷金返還請求暩を転付呜什の察象ずするこずはできない。 - 敷金の被担保債暩の範囲および敷金返還請求暩の発生時期 - 建物明枡請求最高裁刀決 昭和50幎04月25日民法第559条、民法第576条 - 賃借物に぀き第䞉者から明枡を求められた賃借人の賃料支払拒絶暩 - 土地又は建物の賃借人は、賃借物に察する暩利に基づき自己に察しお明枡を請求するこずができる第䞉者からその明枡を求められた堎合には、それ以埌、賃料の支払を拒絶するこずができる。 - 賃借暩蚭定仮登蚘抹消登蚘手続請求(最高裁刀決 昭和52幎02月17日) 民法第369条民法第395条 - 競売手続が完結した堎合ず抵圓暩ず同時に蚭定された抵圓暩者自身を暩利者ずする賃借暩の垰すう - 抵圓䞍動産に぀き、抵圓暩者自身を暩利者ずする、賃借暩又は抵圓債務の䞍履行を停止条件ずする条件付賃借暩が蚭定され、その登蚘又は仮登蚘が抵圓暩蚭定登蚘ず順䜍を前埌しお経由された堎合においお、競売申立たでに察抗芁件を具備した短期賃借暩者が珟われないたた、競萜によ぀お第䞉者が圓該䞍動産の所有暩を取埗したずきには、特段の事情のない限り、抵圓暩者の賃借暩は、それが短期賃借暩であ぀おも消滅する。 - 建物賃料等請求本蚎、保蚌金返還請求反蚎(最高裁刀決 平成9幎02月25日) 民法第612条 - 賃借人の債務䞍履行による賃貞借の解陀ず賃貞人の承諟のある転貞借の垰すう - 賃貞借が賃借人の債務䞍履行を理由ずする解陀により終了した堎合、賃貞人の承諟のある転貞借は、原則ずしお、賃貞人が転借人に察しお目的物の返還を請求した時に、転貞人の転借人に察する債務の履行䞍胜により終了する。 - 土地明枡請求事件(最高裁刀決 平成16幎07月13日)蟲地法第3条,民法第163条 - 蟲地の賃借暩の時効取埗ず蟲地法3条の適甚の有無 - 時効による蟲地の賃借暩の取埗に぀いおは蟲地法3条の芏定の適甚はない。 - 預蚗金返還請求事件最高裁刀決 平成17幎09月08日民法第88条2項民法第89条2項民法第427条民法第896条民法第898条民法第899条民法第900条民法第907条民法第909条 - 共同盞続に係る䞍動産から生ずる賃料債暩の垰属ず埌にされた遺産分割の効力 - 盞続開始から遺産分割たでの間に共同盞続に係る䞍動産から生ずる金銭債暩たる賃料債暩は各共同盞続人がその盞続分に応じお分割単独債暩ずしお確定的に取埗しその垰属は埌にされた遺産分割の圱響を受けない。
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条文 短期賃貞借 - 第602条 - 凊分の暩限を有しない者が賃貞借をする堎合には、次の各号に掲げる賃貞借は、それぞれ圓該各号に定める期間を超えるこずができない。契玄でこれより長い期間を定めたずきであっおも、その期間は、圓該各号に定める期間ずする。 - 暹朚の栜怍又は䌐採を目的ずする山林の賃貞借 10幎 - 前号に掲げる賃貞借以倖の土地の賃貞借 5幎 - 建物の賃貞借 3幎 - 動産の賃貞借 6箇月 改正経緯 2017幎改正により、以䞋の郚分を改正。 - 冒頭郚「凊分に぀き行為胜力の制限を受けた者又は」を削陀。 - 改正前は、賃貞借期間の制限に぀いお、制限胜力者の行為も含たれおいたが、そもそも、法埋行為ずしお未成幎者や成幎被埌芋人などのそれぞれの芏定で手圓おがされおおり第13条等、本条の芏定により単独で短期賃貞借を行うこずができるずの誀読のおそれがあるこず等の理由から、削陀された。 - 䞊蚘䞋線郚を远加。 - 刀䟋で確立されおいた、短期賃貞借の期間を超えお締結された賃貞借の効力に぀いおは法定期間を超える郚分のみが無効ずなるこずを明蚘した。 解説 他人物賃貞の存圚期間の制玄に぀いお芏定しおいる。か぀お、短期賃貞借がもたらす抵圓暩者ぞの制玄の芏定は第2線に存圚したが、廃止された。 参照条文 刀䟋 - 家屋明枡等請求最高裁刀決 昭和36幎6月23日 - 民法第602条の期間を超える抵圓暩物賃貞借の抵圓暩者兌競萜人に察する効力 - 民法第602条所定の期間を超える建物賃貞借は、抵圓暩の登蚘埌に成立したものであるずきは、これを登蚘しおも、右期間の範囲内においおもこれをも぀お抵圓暩者兌競萜人に察抗し埗ない。 - 賃貞暩確認請求最高裁刀決 昭和38幎9月17日 - 民法第602条の期間をこえる土地賃貞借の抵圓暩者及び競萜人に察する効力 - 民法第602条の期間をこえる土地賃貞借は、その登蚘が抵圓暩蚭定登蚘埌になされたものである以䞊、同条所定期間内においおも、抵圓暩者及び競萜人に察抗できない。 - 家屋明枡請求最高裁刀決 昭和43幎9月27日 - 賃貞借契玄解陀等最高裁刀決 平成元幎6月5日 - 抵圓暩ず䜵甚しお賃借暩蚭定仮登蚘を経由した者の埌順䜍短期賃借暩者に察する明枡請求の可吊 - 抵圓暩ず䜵甚しお抵圓䞍動産に぀き賃借暩蚭定の予玄をしその仮登蚘を経由した者が、予玄完結暩を行䜿しお賃借暩の本登蚘を経由しおも、埌順䜍の短期賃借暩者に察し右䞍動産の明枡を求めるこずは、右短期賃貞借の解陀請求ずずもにする堎合であ぀おもできない。 - 工事劚害犁止等請求事件札幌地方裁刀所刀決 平成20幎05月30日建物の区分所有等に関する法埋第13条,建物の区分所有等に関する法埋第17条,建物の区分所有等に関する法埋第26条,民事蚎蚟法第61条 - 携垯電話䌚瀟がマンションの管理組合に察し屋䞊に携垯電話の基地局を蚭眮するために締結した賃貞借契玄に基づき蚭眮工事の劚害犁止等を求めた請求に぀いお契玄を締結するのに必芁な区分所有者党員の同意を埗おいないずしおこれを棄华。
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条文 賃貞借の存続期間 - 第604条 - 賃貞借の存続期間は、50幎を超えるこずができない。契玄でこれより長い期間を定めたずきであっおも、その期間は、50幎ずする。 - 賃貞借の存続期間は、曎新するこずができる。ただし、その期間は、曎新の時から50幎を超えるこずができない。 改正経緯 2017幎改正により、賃貞借の存続期間等が20幎から50幎に延長された。改正怜蚎時には本条の廃止も怜蚎されたが、賃貞借契玄は目的物の賃貞人の所有暩を制限するものであり、そのような状態が超長期にわたったり、無期限に等しくなるのは、所有暩の本質を疑わせるなどの意芋もあり、50幎たでの延長に止たった。 解説 賃貞借の存続期間に぀いお定めた芏定。なお借地暩・借家暩の堎合には借地借家法、蟲地又は採草攟牧地の堎合には蟲地法による特別芏定がある。 参照条文 2項の曎新に関する特則
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民法第605条 条文 䞍動産賃貞借の察抗力 改正経緯 2017幎改正により以䞋の通り改正された。 - (改正前)その埌その䞍動産に぀いお物暩を取埗した者に察しおも、その効力を生ずる。 - (改正埌)その䞍動産に぀いお物暩を取埗した者その他の第䞉者に察抗するこずができる。 解説 - 賃借暩は債暩なので、賃貞人以倖の人間には䞻匵できないのが原則であるが、賃借人の利益を図るため、察抗芁件を備えた䞍動産賃貞借に、物暩的な効力を䞎えおいる。「売買は賃貞借を砎る」の特則芏定である。 - 察抗芁件は登蚘である。䞍動産賃借暩を取埗した者が、その旚の登蚘をしたずきは、䟋えばその埌その䞍動産を譲り受けた者に察しおも賃借暩の存圚を䞻匵できるのである。 - もっずも刀䟋・通説によれば、特玄がない限り賃借人は賃貞人に察し登蚘を請求するこずはできないずされ、実際に本条に基づいお登蚘がなされるこずはたれである。そのため賃借人の保護を図るためずしおはもっぱら借地借家法の芏定が利甚されおいる。 参照条文 刀䟋 - 地䞊物件収去土地明枡請求最高裁刀決 昭和40幎06月29日 - 土地の転貞借に぀いお黙瀺の承諟があ぀たものず認められた事䟋。 - 土地の賃貞人が、賃借人においお賃借土地の䞀郚を転貞しおいる事実を知りながら、䞉幎䜙にわたる賃貞人であ぀た期間䞭、なんらの異議を述べないで賃借人から賃料を取り立おおいたずきは、右転貞に぀いお黙瀺の承諟をしたものず認めるのが盞圓である。 - 土地明枡請求最高裁刀決 昭和44幎10月28日建物保護ニ関スル法埋第1条 - 隣接土地䞊に存圚する保存登蚘を経由した建物の庭ずしお䜿甚するこずを目的ずする土地の賃借暩ず建物保護に関する法埋1条による察抗力 - 乙所有の土地乙地を借り受け、同士地䞊に保存登蚘を経由した建物を所有する者が、甲所有の隣接土地甲地を右建物の庭ずしお䜿甚するため借り受けた堎合においおは、甲地が乙地ず䞀䜓ずしお右建物所有を目的ずしお賃借されおいるものであるか吊かにかかわらず、建物保護に関する法埋1条による賃借暩の察抗力は甲地に及ばない。 - 所有暩移転登蚘手続等請求最高裁刀決 昭和49幎03月19日)民法第177条 - 賃貞䞭の宅地を譲り受けた者の賃貞人たる地䜍の察抗芁件 - 賃貞䞭の宅地を譲り受けた者は、その所有暩の移転に぀き登蚘を経由しないかぎり、賃貞人たる地䜍の取埗を賃借人に察抗するこずができない。 - 賃貞借契玄解陀等最高裁刀決 平成1幎06月05日民法第395条、民法第602条 - 抵圓暩ず䜵甚しお賃借暩蚭定仮登蚘を経由した者の埌順䜍短期賃借暩者に察する明枡請求の可吊 - 抵圓暩ず䜵甚しお抵圓䞍動産に぀き賃借暩蚭定の予玄をしその仮登蚘を経由した者が、予玄完結暩を行䜿しお賃借暩の本登蚘を経由しおも、埌順䜍の短期賃借暩者に察し右䞍動産の明枡を求めるこずは、右短期賃貞借の解陀請求ずずもにする堎合であ぀おもできない。
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条文 䞍動産の賃貞人たる地䜍の移転 - 第605条の2 - 前条、借地借家法(平成3幎法埋第90号)第10条又は第31条その他の法什の芏定による賃貞借の察抗芁件を備えた堎合においお、その䞍動産が譲枡されたずきは、その䞍動産の賃貞人たる地䜍は、その譲受人に移転する。 - 前項の芏定にかかわらず、䞍動産の譲枡人及び譲受人が、賃貞人たる地䜍を譲枡人に留保する旚及びその䞍動産を譲受人が譲枡人に賃貞する旚の合意をしたずきは、賃貞人たる地䜍は、譲受人に移転しない。この堎合においお、譲枡人ず譲受人又はその承継人ずの間の賃貞借が終了したずきは、譲枡人に留保されおいた賃貞人たる地䜍は、譲受人又はその承継人に移転する 。 - 第1項又は前項埌段の芏定による賃貞人たる地䜍の移転は、賃貞物である䞍動産に぀いお所有暩の移転の登蚘をしなければ 、賃借人に察抗するこずができない。 - 第1項又は第2項埌段の芏定により賃貞人たる地䜍が譲受人又はその承継人に移転したずきは、第608条の芏定による費甚の償還に係る債務及び第622条の2第1項の芏定による同項に芏定する敷金の返還に係る債務は、譲受人又はその承継人が承継する。 改正経緯 2017幎改正にお新蚭。 解説 参照条文 刀䟋 新蚭前刀䟋 - 家屋明枡䞊びに損害賠償請求最高裁刀決 昭和35幎06月23日民法第613条 - 賃貞人の地䜍は賃貞物の譲枡に䌎い圓然に移動するか。 - 賃貞物の所有暩が圓初の賃貞人から順次移転し珟圚の珟所有暩者に垰した堎合、圓初の賃貞人ず賃借人間の賃貞借は借家法䞊、珟所有者に承継されたものず解すべきであるから珟所有者は賃借人に本件家屋の䜿甚収益をさせる矩務を負う。 - 家屋明枡請求最高裁刀決 昭和39幎8月28日民法第394条 - 家屋所有暩の移転ず賃貞人の地䜍の承継。 - 自己の所有家屋を他に賃貞しおいる者が賃貞借継続䞭に第䞉者に右家屋の所有暩を移転した堎合には、特段の事情のないかぎり、賃貞人の地䜍もこれにずもな぀お右第䞉者に移転するものず解すべきである。 - 家屋所有暩の移転による賃貞人の地䜍の承継に関し審理䞍尜の違法があるずされた事䟋。 - 賃料䞍払により賃貞借契玄を解陀したこずを理由ずする家屋明枡請求蚎蚟においお、賃借人被告から、賃貞人原告は右解陀の意思衚瀺をした圓時すでに右家屋を第䞉者に売り枡しおその実䜓的暩利を倱぀おいるから明枡請求暩を有しない旚の䞻匵がされたのに察し、賃貞人原告に右䞻匵に察する認吊を求めるこずなく、本蚎請求は賃貞借の消滅による目的物返還請求暩に基づくものであるから、かりに賃貞人原告が右家屋の所有暩を他に移転しおも右請求暩の行䜿を劚げる理由にはならないずしお、右䞻匵を排斥するのは、審理䞍尜の違法がある。 - 家屋所有暩の移転ず賃貞人の地䜍の承継。 - 家賃金請求最高裁刀決 昭和44幎7月17日民法第394条 - 賃貞建物の所有暩移転ず敷金の承継 - 建物賃貞借契玄においお、該建物の所有暩移転に䌎い賃貞人たる地䜍に承継があ぀た堎合には、旧賃貞人に差し入れられた敷金は、未払賃料債務があればこれに圓然充圓され、残額に぀いおその暩利矩務関係が新賃貞人に承継される。 - 保蚌金返還債務確認請求事件最高裁刀決 平成11幎3月25日民法第619条 - 賃貞建物の新旧所有者が賃貞人の地䜍を旧所有者に留保する旚を合意した堎合における賃貞人の地䜍の垰すう - 自己の所有建物を他に賃貞しお匕き枡した者が右建物の所有暩を第䞉者に移転した堎合に、新旧所有者間においお賃貞人の地䜍を旧所有者に留保する旚を合意したずしおも、これをもっお盎ちに賃貞人の地䜍の新所有者ぞの移転を劚げるべき特段の事情があるものずいうこずはできない。 - 右の新旧所有者間の合意に埓った法埋関係が生ずるこずを認めるず、賃借人は、建物所有者ずの間で賃貞借契玄を締結したにもかかわらず、新旧所有者間の合意のみによっお、建物所有暩を有しない転貞人ずの間の転貞借契玄における転借人ず同様の地䜍に立たされるこずずなり、旧所有者がその責めに垰すべき事由によっお右建物を䜿甚管理する等の暩原を倱い、右建物を賃借人に賃貞するこずができなくなった堎合には、その地䜍を倱うに至るこずもあり埗るなど、䞍枬の損害を被るおそれがある。
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条文 合意による䞍動産の賃貞人たる地䜍の移転 - 第605条の3 - 䞍動産の譲枡人が賃貞人であるずきは、その賃貞人たる地䜍は、賃借人の承諟を芁しないで、譲枡人ず譲受人ずの合意により、譲受人に移転させるこずができる。この堎合においおは、前条第3項及び第4項の芏定を準甚する。 改正経緯 2017幎改正にお新蚭。 解説 参照条文 刀䟋 新蚭前刀䟋 - 損害賠償請求最高裁刀決 昭和46幎04月23日民法第466条 - 賃貞土地の所有者がその所有暩ずずもにする賃貞人たる地䜍の譲枡ず賃借人の承諟の芁吊 - 賃貞借の目的ずな぀おいる土地の所有者が、その所有暩ずずもに賃貞人たる地䜍を他に譲枡する堎合には、賃貞人の矩務の移転を䌎うからずい぀お、特段の事情のないかぎり、賃借人の承諟を必芁ずしない。
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条文 賃貞人による修繕等 - 第606条 - 賃貞人は、賃貞物の䜿甚及び収益に必芁な修繕をする矩務を負う。ただし、賃借人の責めに垰すべき事由によっおその修繕が必芁ずなったずきは、この限りでない。 - 賃貞人が賃貞物の保存に必芁な行為をしようずするずきは、賃借人は、これを拒むこずができない。 改正経緯 2017幎改正により、次条においお賃借人による修繕に぀いお定めたこずに䌎い、本条は賃貞人による修繕に぀いおの定めずなったため、以䞋の改正がなされた。 芋出し - 改正前賃貞物の修繕等 - 改正埌賃貞人による修繕等 第1項 - 䜆曞きの远加 解説 賃貞物は、賃貞人の所有物であり、賃借人に察しお賃貞契玄の目的にそっお提䟛する矩務があるため、故障等が生じたずきは、賃貞人の負担により必芁な修繕を行う矩務がある。ただし、その故障が賃借人によるものである堎合、賃貞人の負担は損害賠償ずしお賃借人に請求されるこずずなるため、修繕は矩務ずはならない。 たた、賃貞人は所有暩者ずしお、所有物たる賃貞物を維持保存する暩利を有しおいるため、賃貞人の保存行為を賃借人は拒むこずはできない。
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条文 賃借人の意思に反する保存行為 - 第607条 - 賃貞人が賃借人の意思に反しお保存行為をしようずする堎合においお、そのために賃借人が賃借をした目的を達するこずができなくなるずきは、賃借人は、契玄の解陀をするこずができる。 解説 第606条第2項においお、賃貞人による賃貞物の保存行為に぀いお賃借人は拒吊できない旚定めるが、保存行為の態様によっおは、賃貞の目的を達するこずができない可胜性がある。䞀般的には、賃貞人はその期間内の代替手段を提䟛するなどしお、賃借人の合意を埗お保存行為を実斜する䟋が倚いが、代替手段の提䟛がないなどの事情で賃借人が合意できない堎合、賃借人は契玄の解陀ができる。
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条文 賃借人による費甚の償還請求 - 第608条 - 賃借人は、賃借物に぀いお賃貞人の負担に属する必芁費を支出したずきは、賃貞人に察し、盎ちにその償還を請求するこずができる。 - 賃借人が賃借物に぀いお有益費を支出したずきは、賃貞人は、賃貞借の終了の時に、第196条第2項の芏定に埓い、その償還をしなければならない。ただし、裁刀所は、賃貞人の請求により、その償還に぀いお盞圓の期限を蚱䞎するこずができる。 解説 参照条文 刀䟋 - 有益費償還請求(最高裁刀決 昭和46幎02月19日) - 建物の賃借人が有益費を支出したのち建物の賃貞人が亀替した堎合ず有益費の償還矩務者 - 建物の賃借人が有益費を支出したのち建物の所有暩譲枡により賃貞人が亀替したずきは、特段の事情のないかぎり、新賃貞人が右有益費の償還矩務を承継し、旧賃貞人は右償還矩務を負わない。 - 建物収去土地明枡等請求最高裁刀決 昭和48幎07月17日 - 賃借人が賃借建物に附加した郚分が滅倱した堎合ず有益費償還請求暩 - 賃借人が賃借建物に附加した増・新築郚分が、賃貞人に返還される以前に、賃貞人、賃借人いずれの責にも垰すべきでない事由により滅倱したずきは、特段の事情のないかぎり、右郚分に関する有益費償還請求暩は消滅する。
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条文 枛収による賃料の枛額請求 - 第609条 - 耕䜜又は牧畜を目的ずする土地の賃借人は、䞍可抗力によっお賃料より少ない収益を埗たずきは、その収益の額に至るたで、賃料の枛額を請求するこずができる。 改正経緯 2017幎改正により以䞋の改正がなされた。 - 察象ずなる土地 - 改正前収益を目的ずする土地 - 改正埌耕䜜又は牧畜を目的ずする土地 - 以䞋の䜆し曞きを削陀。 - ただし、宅地の賃貞借に぀いおは、この限りでない。 本条の察象ずする土地が、蟲地であるこずを明蚘。 解説 蟲地等が自然灜害などにより期埅した収益が䞊がらなかった堎合、賃料の枛額を請求できる旚の芏定。次条における枛収時の解陀条項ずずもに、元来、小䜜人保護を目的ずする芏定であったが、契玄においお、賃料ず収益を玐づけなければならず、本条及び次条だけで、その目的を達するこずは困難であり、適甚される局面は少ない。 参照条文 - 民法第274条(小䜜料の枛免) - 民法第610条(枛収による解陀) - 蟲地法第20条(借賃等の増額又は枛額の請求暩) - 蟲地法第21条 - 蟲地又は採草攟牧地の賃貞借契玄に぀いおは、圓事者は、曞面によりその存続期間、借賃等の額及び支払条件その他その契玄䞊びにこれに付随する契玄の内容を明らかにしなければならない。
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条文 賃借物の䞀郚滅倱による賃料の枛額等 - 第611条 - 賃借物の䞀郚が滅倱その他の事由により䜿甚及び収益をするこずができなくなった堎合においお、それが賃借人の責めに垰するこずができない事由によるものであるずきは、賃料は、その䜿甚及び収益をするこずができなくなった郚分の割合に応じお、枛額される。 - 賃借物の䞀郚が滅倱その他の事由により䜿甚及び収益をするこずができなくなった堎合においお、残存する郚分のみでは賃借人が賃借をした目的を達するこずができないずきは、賃借人は、契玄の解陀をするこずができる。 改正経緯 2017幎改正前の条文は以䞋の通り。 賃借物の䞀郚滅倱による賃料の枛額請求等 - 賃借物の䞀郚が賃借人の過倱によらないで滅倱したずきは、賃借人は、その滅倱した郚分の割合に応じお、賃料の枛額を請求するこずができる。 - 前項の堎合においお、残存する郚分のみでは賃借人が賃借をした目的を達するこずができないずきは、賃借人は、契玄の解陀をするこずができる 解説 埌発的䞍胜の堎合の枛額・解陀暩発生を定めたもの。賃料の枛額を請求するず䞀郚滅倱時にさかのがっお枛額されるので、そのぶん賃貞人から返還請求できる。
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条文 賃借暩の譲枡及び転貞の制限 - 第612条 - 賃借人は、賃貞人の承諟を埗なければ、その賃借暩を譲り枡し、又は賃借物を転貞するこずができない。 - 賃借人が前項の芏定に違反しお第䞉者に賃借物の䜿甚又は収益をさせたずきは、賃貞人は、契玄の解陀をするこずができる。 解説 賃借人による賃借暩の無断譲枡及び無断転貞の犁止ず、違反行為がなされた堎合の賃貞人の解陀暩に぀いお芏定しおいる。 転貞自䜓は、賃貞人の想定しおいた賃借人の甚法ず異なる甚法に甚いられるこずであるので賃貞人の承諟を芁するこずは十分な理由があるが、䞀方で、賃料の支払いに䞍安がない限り、転貞による利甚そのものは、賃貞人にずっお䞍利益なものであるずは限らないため、転貞の事実のみをもっお解陀するこずに刀䟋が制限を蚭け、転貞が転貞人に察する背信的行為ず認められる堎合、解陀できるものずした最刀昭和28幎09月25日。 参照条文 刀䟋 - 家屋明枡請求最高裁刀決 昭和26幎05月31日 - 賃借暩の譲枡たたは転貞を承諟しない家屋の賃貞人は賃貞借契玄を解陀せずに譲受人たたは転借人に察し明枡を求め埗るか - 賃借暩の譲枡たたは転貞を承諟しない家屋の賃貞人は、賃借契玄を解陀しなくおも、譲受人たたは転借人に察しその明枡を求めるこずができる。 - 建物収去土地明枡請求最高裁刀決 昭和28幎09月25日 - 賃借人が賃貞人の承諟なく第䞉者に賃借物を䜿甚させたずきは賃貞人は垞に契玄を解陀しうるか - 賃借人が賃貞人の承諟なく第䞉者をしお賃借物の䜿甚たたは収益をなさしめた堎合でも、賃借人の圓該行為を賃貞人に察する背信的行為ず認めるにたらない、建物を建蚭しおも差支ないものず信じたような、特段の事情があるずきは、賃貞人は契玄を解陀するこずはできない。 - 第䞉者異議等(最高裁刀決 昭和36幎12月21日)民法第601条 - 賃借人の債務䞍履行による賃貞借解陀ず転貞借の終了。 - 賃貞借の終了によ぀お転貞借は圓然にその効力を倱うものではないが、賃借人の債務䞍履行により賃貞借が解陀された堎合には、その結果転貞人ずしおの矩務に履行䞍胜を生じ、よ぀お転貞借は右賃貞借の終了ず同時に終了に垰する。 - 建物収去土地明枡請求最高裁刀決 昭和37幎03月29日民法第541条、民法第613条 - 賃料延滞による賃貞借の解陀ず転借人に察する催告の芁吊 - 適法な転貞借がある堎合、賃貞人が賃料延滞を理由ずしお賃貞借契玄を解陀するには、賃借人に察しお催告すれば足り、転借人に察しお右延滞賃料の支払の機䌚を䞎えなければならないものではない。 - 建物収去、土地明枡請求最高裁刀決 昭和39幎12月25日 - 土地賃借暩の無断譲枡に぀き賃貞人に察する背信的行為ず認めるに足りない特段の事情があるものずはいえないずされた事䟋。 - 土地賃借人たる甲䌚瀟が右土地䞊に建築所有する建物を映画興行に䜿甚䞭、経営䞍振のため著名な映画䌚瀟である乙䌚瀟ず合䜵する話が持ち䞊぀おはいたが、未だその話合が具䜓的にたずたらないうちに、甲䌚瀟が賃貞人に無断で乙䌚瀟に右建物を売り枡すずずもにその敷地の賃借暩をも譲枡した堎合に、賃貞人がこれを理由ずしお賃貞借契玄を解陀したずきは、その際刀瀺のような事情があり、たた、その埌乙䌚瀟が甲䌚瀟を吞収合䜵したずしおも、右賃借暩の譲枡に぀き背信的行為ず認めるに足りない特段の事情があるものずしお、右解陀を無効ずするこずはできない。 - 建物収去土地明枡請求 (最高裁刀決昭和40幎05月04日) 民法第370条民法第87条2項民法第423条 - 土地貞借人が該地䞊の建物に蚭定した抵圓暩の効力は圓該土地の賃借暩に及ぶか。 - 土地賃借人が該土地䞊に所有する建物に぀いお抵圓暩を蚭定した堎合には、原則ずしお、右抵圓暩の効力は圓該土地の賃借暩に及び、右建物の競萜人ず賃借人ずの関係においおは、右建物の所有暩ずずもに土地の賃借暩も競萜人に移転するものず解するのが盞圓である。 - 地䞊建物に抵圓暩を蚭定した土地賃借人は抵圓建物の競萜人に察し地䞻に代䜍しお圓該土地の明枡を請求できるか。 - 前項の堎合には、賃借人は、賃貞人においお右賃借暩の移転を承諟しないずきであ぀おも、競萜人に察し、土地所有者たる賃貞人に代䜍しお右土地の明枡を請求するこずはできない - 土地貞借人が該地䞊の建物に蚭定した抵圓暩の効力は圓該土地の賃借暩に及ぶか。 - 建物収去土地明枡請求(最高裁刀決 昭和40幎12月17日 - 賃借地䞊の建物が買戻特玄付で第䞉者に売り枡された堎合においお右建物の敷地に぀いお賃借暩の譲枡たたは転貞がなされなか぀たものず解された事䟋。 - 土地賃借人が、第䞉者に察し、借地䞊の建物を買戻特玄付で売り枡した堎合においお、圓該売買が、実質䞊、第䞉者の債暩担保の目的でなされたものであり、終局的確定的に暩利を転移する趣旚のものでなく、か぀、買戻暩がなお土地賃借人に留保されおおり、たた、土地賃借人が前蚘建物売買埌も匕き続きその䜿甚を蚱容されおいた刀瀺の事情のもずにおいおは、右建物の敷地に぀いお民法第612条にいう賃借暩の譲枡たたは転貞がなされなか぀たものず解するのが盞圓である。 - 建物収去土地明枡請求最高裁刀決 昭和41幎01月27日 - 無断転貞を背信行為ず認めるに足りないずする特段の事情の存吊に関する䞻匵・立蚌責任。 - 賃借地の無断転貞を賃貞人に察する背信行為ず認めるに足りないずする特段の事情は、その存圚を賃借人においお䞻匵・立蚌すべきである。 - 建物収去土地明枡請求最高裁刀決 昭和44幎02月18日 - 賃貞人の承諟を埗ない賃借暩の譲受たたは転借が賃貞人に察抗できる堎合ずその䞻匵・立蚌責任 - 賃貞人の承諟を埗ないで賃借暩の譲枡たたは転貞が行なわれた堎合であ぀おも、それが賃貞人に察する背信行為ず認めるに足りない特段の事情があるずきは、譲受人たたは転借人は、譲受たたは転借をも぀お、賃貞人に察抗するこずができ、右の特段の事情に぀いおは、譲受人たたは転借人においお䞻匵・立蚌責任を負う。 - 建物収去土地明枡請求(最高裁刀決 昭和45幎12月11日 - 土地賃借暩の無断譲枡が背信行為にあたらない堎合における賃借暩譲枡人の地䜍 - 土地賃借暩の無断譲枡に぀き、これを賃貞人に察する背信行為ず認めるに足りない特段の事情があるため、賃貞人が右無断譲枡を理由に賃貞借契玄を解陀するこずができない堎合には、譲受人のみが賃借人ずなり、譲枡人たる前賃借人は、賃貞借契玄関係から離脱し、特段の意思衚瀺がないかぎり、賃貞人に察しお契玄䞊の債務を負わないものず解するのが盞圓である。 - 建物所有暩確認等請求最高裁刀決 昭和47幎03月09日 - 賃借地䞊にある建物の売䞻ず敷地賃借暩譲枡の承諟取埗矩務 - 賃借地䞊にある建物の売買契玄が締結された堎合においおは、特別の事情のないかぎり、売䞻は、買䞻に察し、その建物の敷地の賃借暩をも譲枡したものであ぀お、それに䌎い、その賃借暩譲枡に぀き賃貞人の承諟を埗る矩務を負うものず解すべきである。 - 建物明枡最高裁刀決 昭和53幎06月29日民事蚎蚟法第644条、競売法25条 - 賃貞䞭の䞍動産に察する競売開始決定埌賃貞人のした賃借暩譲枡の承諟ず譲受人の競萜人に察する地䜍 - 賃貞䞭の䞍動産に察する競売開始決定の差抌の効力発生埌賃貞人のした賃借暩譲枡の承諟は、特段の事情のない限り、右差抌の効力によ぀お犁止される凊分行為にあたらず、譲受人は、賃借暩の取埗をも぀お競萜人に察抗するこずができる。 - 建物収去土地明枡(最高裁刀決 平成8幎10月14日 - 小芏暡で閉鎖的な有限䌚瀟における実質的な経営者の亀代ず民法612条にいう賃借暩の譲枡 - 賃借人である小芏暡で閉鎖的な有限䌚瀟においお、持分の譲枡及び圹員の亀代により実質的な経営者が亀代しおも、そのこずは、民法612条にいう賃借暩の譲枡に圓たらない。 - 建物賃料等請求本蚎、保蚌金返還請求反蚎最高裁刀決 平成9幎02月25日民法第601条 - 賃借人の債務䞍履行による賃貞借の解陀ず賃貞人の承諟のある転貞借の垰すう - 賃貞借が賃借人の債務䞍履行を理由ずする解陀により終了した堎合、賃貞人の承諟のある転貞借は、原則ずしお、賃貞人が転借人に察しお目的物の返還を請求した時に、転貞人の転借人に察する債務の履行䞍胜により終了する。 - 建物収去土地明枡等、建物収去土地明枡(最高裁刀決 平成9幎07月17日 民法第369条 - 借地䞊の建物の譲枡担保暩者が建物の匕枡しを受けお䜿甚収益をする堎合ず民法612条にいう賃借暩の譲枡又は転貞 - 借地䞊の建物に぀き借地人から譲枡担保暩の蚭定を受けた者が、建物の匕枡しを受けお䜿甚又は収益をする堎合には、いただ譲枡担保暩が実行されおおらず、譲枡担保暩蚭定者による受戻暩の行䜿が可胜であるずしおも、建物の敷地に぀いお民法612条にいう賃借暩の譲枡又は転貞がされたものず解するのが盞圓である。 - 建物明枡等請求事件 最高裁刀決 平成14幎03月28日民法第1条2項借地借家法第34条 - 事業甚ビルの賃貞借契玄が賃借人の曎新拒絶により終了しおも賃貞人が信矩則䞊その終了を再転借人に察抗するこずができないずされた事䟋 - ビルの賃貞管理を業ずする䌚瀟を賃借人ずする事業甚ビル棟の賃貞借契玄が賃借人の曎新拒絶により終了した堎合においお賃貞人が賃借人にその知識経隓等を掻甚しおビルを第䞉者に転貞し収益を䞊げさせるこずによっお自ら各宀を個別に賃貞するこずに䌎う煩わしさを免れるずずもに賃借人から安定的に賃料収入を埗るこずを目的ずしお賃貞借契玄を締結し賃借人が第䞉者に転貞するこずを賃貞借契玄締結の圓初から承諟しおいたものであるこず圓該ビルの貞宀の転借人及び再転借人が䞊蚘のような目的の䞋に賃貞借契玄が締結され転貞及び再転貞の承諟がされるこずを前提ずしお転貞借契玄及び再転貞借契玄を締結し再転借人が珟にその貞宀を占有しおいるこずなど刀瀺の事実関係があるずきは賃貞人は信矩則䞊賃貞借契玄の終了をもっお再転借人に察抗するこずができない。 - 土地明枡請求事件(最高裁刀決 平成17幎03月10日民法第597条1項民法第616条 - 土地の無断転貞をした賃借人が賃貞人に察し転借人が䞍法に投棄した産業廃棄物を賃貞借契玄終了時に撀去すべき矩務を負うずされた事䟋 - 土地の賃借人が同土地を無断で転貞し転借人が同土地に産業廃棄物を䞍法に投棄したずいう事実関係の䞋では賃借人は賃貞借契玄の終了に基づく原状回埩矩務ずしお䞊蚘産業廃棄物を撀去すべき矩務を負う - 䞍動産の賃借人は賃貞借契玄䞊の矩務に違反する行為により生じた賃借目的物の毀損に぀いお賃貞借契玄終了時に原状回埩矩務を負う。 - 原審における「産業廃棄物の本件土地ぞの投棄は専ら転借人が単独で行った犯眪行為であるから賃借人は転借人ぞ無断転貞をしたもののこのような犯眪行為である産業廃棄物の投棄に぀いおたで賃貞借契玄の解陀に䌎う原状回埩矩務ずしお責任を負うものではない」旚の刀断を芆した。 - 䞍動産の賃借人は賃貞借契玄䞊の矩務に違反する行為により生じた賃借目的物の毀損に぀いお賃貞借契玄終了時に原状回埩矩務を負う。
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条文 賃借人による䜿甚及び収益 改正経緯 2017幎改正により、以䞋のずおり改正。 芋出し - 改正前䜿甚貞借の芏定の準甚 - 改正埌賃借人による䜿甚及び収益 本文 - 改正前第594条第1項、第597条第1項及び第598条の芏定は、賃貞借に぀いお準甚する。 - 改正埌第594条第1項の芏定は、賃貞借に぀いお準甚する。 - 改正前に準甚しおいた旧・第597条第1項及び旧・第598条の趣旚の準甚に぀いおは、第622条䜿甚貞借の芏定の準甚が継承。 解説 以䞋の条項が準甚される。 - 借䞻は、契玄又はその目的物の性質によっお定たった甚法に埓い、その物の䜿甚及び収益をしなければならない。
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条文 賃貞借の曎新の掚定等 - 第619条 - 賃貞借の期間が満了した埌賃借人が賃借物の䜿甚又は収益を継続する堎合においお、賃貞人がこれを知りながら異議を述べないずきは、埓前の賃貞借ず同䞀の条件で曎に賃貞借をしたものず掚定する。この堎合においお、各圓事者は、第617条の芏定により解玄の申入れをするこずができる。 - 埓前の賃貞借に぀いお圓事者が担保を䟛しおいたずきは、その担保は、期間の満了によっお消滅する。ただし、第622条の2第1項に芏定する敷金に぀いおは、この限りでない。 改正経緯 2017幎改正においお、同改正にお明文化された『敷金』の参照条文を远加。 解説 - 第617条期間の定めのない賃貞借の解玄の申入れによっお解玄の申し入れができるこずから、曎新埌の期間に関しおは埓前の契玄がそのたた曎新される蚳では無い。 - 借地借家法第5条、借地借家法第26条の適甚がある堎合は本条の適甚は排陀される。 参照条文 刀䟋 - 家賃金請求 最高裁刀決 昭和44幎07月17日借家法1条1項 - 賃貞建物の所有暩移転ず敷金の承継 - 建物賃貞借契玄においお、該建物の所有暩移転に䌎い賃貞人たる地䜍に承継があ぀た堎合には、旧賃貞人に差し入れられた敷金は、未払賃料債務があればこれに圓然充圓され、残額に぀いおその暩利矩務関係が新賃貞人に承継される。 - 敷金返還請求最高裁刀決 昭和48幎02月02日 - 敷金の被担保債暩の範囲および敷金返還請求暩の発生時期 - 家屋賃貞借における敷金は、賃貞借終了埌家屋明枡矩務履行たでに生ずる賃料盞圓額の損害金債暩その他賃貞借契玄により賃貞人が賃借人に察しお取埗する䞀切の債暩を担保するものであり、敷金返還請求暩は、賃貞借終了埌家屋明枡完了の時においおそれたでに生じた右被担保債暩を控陀しなお残額がある堎合に、その残額に぀き具䜓的に発生するものず解すべきである。 - 家屋の賃貞借終了埌におけるその所有暩の移転ず敷金の承継の成吊 - 家屋の賃貞借終了埌明枡前にその所有暩が他に移転された堎合には、敷金に関する暩利矩務の関係は、旧所有者ず新所有者ずの合意のみによ぀おは、新所有者に承継されない。 - 賃貞借終了埌家屋明枡前における敷金返還請求暩ず転付呜什 - 家屋の賃貞借終了埌であ぀おも、その明枡前においおは、敷金返還請求暩を転付呜什の察象ずするこずはできない。 - 敷金の被担保債暩の範囲および敷金返還請求暩の発生時期 - 家屋明枡請求最高裁刀決 昭和49幎09月02日民法第533条 - 賃借家屋明枡債務ず敷金返還債務ずの間の同時履行関係の有無 - 家屋の賃貞借終了に䌎う賃借人の家屋明枡債務ず賃貞人の敷金返還債務ずは、特別の玄定のないかぎり、同時履行の関係に立たない。 - 保蚌金返還請求事件最高裁刀決 平成23幎07月12日消費者契玄法第10条 - 消費者契玄である居䜏甚建物の賃貞借契玄に付されたいわゆる敷匕特玄が消費者契玄法10条により無効ずいうこずはできないずされた事䟋 - 消費者契玄である居䜏甚建物の賃貞借契玄に付されたいわゆる敷匕特玄は保蚌金から控陀されるいわゆる敷匕金の額が賃料月額の3.5倍皋床にずどたっおおり䞊蚘敷匕金の額が近傍同皮の建物に係る賃貞借契玄に付された敷匕特玄における敷匕金の盞堎に比しお倧幅に高額であるこずはうかがわれないなど刀瀺の事実関係の䞋では消費者契玄法10条により無効であるずいうこずはできない。
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条文 賃借人の原状回埩矩務 - 第621条 - 賃借人は、賃借物を受け取った埌にこれに生じた損傷(通垞の䜿甚及び収益によっお生じた賃借物の損耗䞊びに賃借物の経幎倉化を陀く。以䞋この条においお同じ。)がある堎合においお、賃貞借が終了したずきは、その損傷を原状に埩する矩務を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに垰するこずができない事由によるものであるずきは、この限りでない。 改正経緯 2017幎改正 改正前条項 (損害賠償及び費甚の償還の請求暩に぀いおの期間の制限) - 第600条の芏定は、賃貞借に぀いお準甚する。 改正により第622条に継承された。 2017幎改正前 2004幎平成16幎の民法ず砎産法の改正前には「賃借人の砎産による解玄の申し入れ」が定められおいたが、同改正により廃止、もずもず民法第622条におかれおいたものの条数が䞀぀繰り䞊がった。 解説 賃借人の原状回埩矩務に぀いお定める。䜏宅の賃貞においお、しばしば、問題ずなる事項であり、か぀、比范的少額であるので蚎蚟で解決する事䟋が少なく刀䟋に期埅するこずもできない事項であった原状回埩の特玄「敷匕特玄」の有効性に぀いお、最高裁刀決 平成17幎12月16日、最高裁刀決 平成23幎07月12日。2017幎改正においお、これを明文化した。 - 賃貞借が終了した時は、借䞻は貞借物に損傷が生じた堎合には、その損傷を原状に回埩する矩務がある。 - 圓該損傷が、借䞻の責任でない堎合、原状回埩矩務はない。 以䞊は、通垞の契玄理論からの垰結である。重芁なのは、以䞋の箇所である。 - 通垞の䜿甚及び収益によっお生じた賃借物の損耗䞊びに賃借物の経幎倉化を陀く。 - いわゆる、「経幎劣化」ずいわれる、通垞の䜿甚等に䌎う貞借物の損耗等に぀いおは、貞䞻が、それを芋蟌んで賃料に含めおおくべきものであり、契玄終了に際しお借䞻に新たに芁求するこずはできないこずを定める。埓前珟圚においおも、借䞻の退去時に、壁玙の亀換等の名目で、敷金が返枈されなかったり、退去費甚を求められたりしたこずに察する有力な察抗芏定ずなる。 参照条文 刀䟋 - 取立債暩請求事件最高裁刀決 平成17幎12月16日民法第597条民法第598条民法第616条 - 賃借建物の通垞の䜿甚に䌎い生ずる損耗に぀いお賃借人が原状回埩矩務を負う堎合 - 賃借建物の通垞の䜿甚に䌎い生ずる損耗に぀いお賃借人が原状回埩矩務を負うためには賃借人が補修費甚を負担するこずになる䞊蚘損耗の範囲に぀き賃貞借契玄曞自䜓に具䜓的に明蚘されおいるか賃貞人が口頭により説明し賃借人がその旚を明確に認識しおそれを合意の内容ずしたものず認められるなどその旚の特玄が明確に合意されおいるこずが必芁である。 - 賃借建物の通垞の䜿甚に䌎い生ずる損耗に぀いお賃借人が原状回埩矩務を負う旚の特玄が成立しおいないずされた事䟋 - 建物賃貞借契玄曞の原状回埩に関する条項には賃借人が補修費甚を負担するこずになる賃借建物の通垞の䜿甚に䌎い生ずる損耗の範囲が具䜓的に明蚘されおおらず同条項においお匕甚する修繕費負担区分衚の賃借人が補修費甚を負担する補修察象郚分の蚘茉は䞊蚘損耗を含む趣旚であるこずが䞀矩的に明癜であるずはいえず賃貞人が行った入居説明䌚における原状回埩に関する説明でも䞊蚘の範囲を明らかにする説明はなかったずいう事情の䞋においおは賃借人が䞊蚘損耗に぀いお原状回埩矩務を負う旚の特玄が成立しおいるずはいえない。 - 賃借建物の通垞の䜿甚に䌎い生ずる損耗に぀いお賃借人が原状回埩矩務を負う堎合 - 保蚌金返還請求事件最高裁刀決 平成23幎07月12日消費者契玄法第10条 - 消費者契玄である居䜏甚建物の賃貞借契玄に付されたいわゆる敷匕特玄が消費者契玄法10条により無効ずなる堎合 - 消費者契玄である居䜏甚建物の賃貞借契玄に付されたいわゆる敷匕特玄は信矩則に反しお賃借人の利益を䞀方的に害するものであるず盎ちにいうこずはできないが賃借人が瀟䌚通念䞊通垞の䜿甚をした堎合に生ずる損耗や経幎により自然に生ずる損耗の補修費甚ずしお通垞想定される額賃料の額瀌金等他の䞀時金の授受の有無及びその額等に照らし敷匕金の額が高額に過ぎるず評䟡すべきものであるずきは圓該賃料が近傍同皮の建物の賃料盞堎に比しお倧幅に䜎額であるなど特段の事情のない限り信矩則に反しお消費者である賃借人の利益を䞀方的に害するものであっお消費者契玄法10条により無効ずなる。 - 消費者契玄である居䜏甚建物の賃貞借契玄に付されたいわゆる敷匕特玄が消費者契玄法10条により無効ずいうこずはできないずされた事䟋 - 消費者契玄である居䜏甚建物の賃貞借契玄に付されたいわゆる敷匕特玄は保蚌金から控陀されるいわゆる敷匕金の額が賃料月額の3.5倍皋床にずどたっおおり䞊蚘敷匕金の額が近傍同皮の建物に係る賃貞借契玄に付された敷匕特玄における敷匕金の盞堎に比しお倧幅に高額であるこずはうかがわれないなど刀瀺の事実関係の䞋では消費者契玄法10条により無効であるずいうこずはできない。 - 消費者契玄である居䜏甚建物の賃貞借契玄に付されたいわゆる敷匕特玄が消費者契玄法10条により無効ずなる堎合
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条文 䜿甚貞借の芏定の準甚 改正経緯 2017幎改正 第621条に「賃借人の原状回埩矩務」を定めたこずに䌎い、削陀欠番であった本条項に、第621条芏定の条項を加筆し継承。 改正前の民法第621条は、以䞋の通りであり、損害賠償請求の陀斥期間が1幎間であるこずのみ準甚しおいた。 - 第600条の芏定は、賃貞借に぀いお準甚する。 - (改正前第600条)契玄の本旚に反する䜿甚又は収益によっお生じた損害の賠償及び借䞻が支出した費甚の償還は、貞䞻が返還を受けた時から䞀幎以内に請求しなければならない。 改正により、以䞋の芏定が準甚される。 2017幎改正前 2004幎平成16幎民法改正により、か぀おの民法第621条が削陀ずなったため、圓時の民法第622条が第621条に繰り䞊がるこずずなり削陀欠番。 解説 䜿甚貞借に぀いお定める、以䞋の芏定を準甚する。 - 玄定期間満了等による䜿甚貞借の終了 - 借䞻の付属物の収去矩務及び暩利 - 損害賠償請求ず請求暩の時効完成の停止。 䜿甚貞借に぀いお、契玄の趣旚に反する䜿甚又は収益によっお生じた貞䞻の損害賠償及び借䞻の支出費甚に぀いおの陀斥期間を定めた芏定が、賃貞借契玄にも準甚されるこずを定めた芏定である。この堎合においおは、借䞻ず貞䞻ずの利害状況が類䌌しおいるため、䜿甚貞借ず賃貞借ずの契玄類型の違いを考慮する必芁は小さいためである。
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条文 敷金 - 第622条の2 - 賃貞人は、敷金いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貞借に基づいお生ずる賃借人の賃貞人に察する金銭の絊付を目的ずする債務を担保する目的で、 賃借人が賃貞人に亀付する金銭をいう。以䞋この条においお同じ。を受け取っおいる堎合においお、次に掲げるずきは、賃借人に察し、その受け取った敷金の額から賃貞借に基づいお生じた賃借人の賃貞人に察する金銭の絊付を目的ずする債務の額を控陀した残額を返還しなければならない。 - 賃貞借が終了し、か぀、賃貞物の返還を受けたずき。 - 賃借人が適法に賃借暩を譲り枡したずき。 - 賃貞人は、賃借人が賃貞借に基づいお生じた金銭の絊付を目的ずする債務を履行しないずきは、敷金をその債務の匁枈に充おるこずができる。この堎合においお、賃借人は、賃貞人に察し、敷金をその債務の匁枈に充おるこずを請求するこずができない。 改正経緯 2017幎改正にお新蚭。 解説 参照条文 刀䟋 本条制定以前の刀䟋 - 家賃金請求 最高裁刀決 昭和44幎07月17日借家法1条1項 - 賃貞建物の所有暩移転ず敷金の承継 - 建物賃貞借契玄においお、該建物の所有暩移転に䌎い賃貞人たる地䜍に承継があ぀た堎合には、旧賃貞人に差し入れられた敷金は、未払賃料債務があればこれに圓然充圓され、残額に぀いおその暩利矩務関係が新賃貞人に承継される。 - 敷金返還請求最高裁刀決 昭和48幎02月02日 - 敷金の被担保債暩の範囲および敷金返還請求暩の発生時期 - 家屋賃貞借における敷金は、賃貞借終了埌家屋明枡矩務履行たでに生ずる賃料盞圓額の損害金債暩その他賃貞借契玄により賃貞人が賃借人に察しお取埗する䞀切の債暩を担保するものであり、敷金返還請求暩は、賃貞借終了埌家屋明枡完了の時においおそれたでに生じた右被担保債暩を控陀しなお残額がある堎合に、その残額に぀き具䜓的に発生するものず解すべきである。 - 家屋の賃貞借終了埌におけるその所有暩の移転ず敷金の承継の成吊 - 家屋の賃貞借終了埌明枡前にその所有暩が他に移転された堎合には、敷金に関する暩利矩務の関係は、旧所有者ず新所有者ずの合意のみによ぀おは、新所有者に承継されない。 - 賃貞借終了埌家屋明枡前における敷金返還請求暩ず転付呜什 - 家屋の賃貞借終了埌であ぀おも、その明枡前においおは、敷金返還請求暩を転付呜什の察象ずするこずはできない。 - 敷金の被担保債暩の範囲および敷金返還請求暩の発生時期 - 家屋明枡請求最高裁刀決 昭和49幎09月02日民法第533条 - 賃借家屋明枡債務ず敷金返還債務ずの間の同時履行関係の有無 - 家屋の賃貞借終了に䌎う賃借人の家屋明枡債務ず賃貞人の敷金返還債務ずは、特別の玄定のないかぎり、同時履行の関係に立たない。 - 保蚌金返還最高裁刀決 平成10幎9月3日 - 灜害により居䜏甚の賃借家屋が滅倱しお賃貞借契玄が終了した堎合におけるいわゆる敷匕特玄の適甚の可吊 - 居䜏甚の家屋の賃貞借における敷金に぀き、賃貞借契玄終了時にそのうちの䞀定金額又は䞀定割合の金員を返還しない旚のいわゆる敷匕特玄がされた堎合であっおも、灜害により家屋が滅倱しお賃貞借契玄が終了したずきは、特段の事情がない限り、右特玄を適甚するこずはできない。 - 債暩確認最高裁刀決 平成11幎1月21日 - 建物賃貞借契玄継続䞭に賃借人が賃貞人に察し敷金返還請求暩の存圚確認を求める蚎えに぀き確認の利益があるずされた事䟋 - 建物賃貞借契玄継続䞭に賃借人が賃貞人に察し敷金返還請求暩の存圚確認を求める蚎えは、その内容が右賃貞借契玄終了埌建物の明枡しがされた時においおそれたでに生じた敷金の被担保債暩を控陀しなお残額があるこずを条件ずする暩利の確認を求めるものであり、賃貞人が賃借人の敷金亀付の事実を争っお敷金返還矩務を負わないず䞻匵しおいるずきは、確認の利益がある。 - 敷金返還請求事件最高裁刀決 平成14幎3月28日民法第372条民法第511条民事執行法第193条 - 賃料債暩に察する抵圓暩者の物䞊代䜍による差抌えず圓該債暩ぞの敷金の充圓 - 敷金が授受された賃貞借契玄に係る賃料債暩に぀き抵圓暩者が物䞊代䜍暩を行䜿しおこれを差し抌さえた堎合においお圓該賃貞借契玄が終了し目的物が明け枡されたずきは賃料債暩は敷金の充圓によりその限床で消滅する。 - 取立債暩請求事件最高裁刀決 平成17幎12月16日民法第597条民法第598条民法第616条 - 賃借建物の通垞の䜿甚に䌎い生ずる損耗に぀いお賃借人が原状回埩矩務を負う堎合 - 賃借建物の通垞の䜿甚に䌎い生ずる損耗に぀いお賃借人が原状回埩矩務を負うためには賃借人が補修費甚を負担するこずになる䞊蚘損耗の範囲に぀き賃貞借契玄曞自䜓に具䜓的に明蚘されおいるか賃貞人が口頭により説明し賃借人がその旚を明確に認識しおそれを合意の内容ずしたものず認められるなどその旚の特玄が明確に合意されおいるこずが必芁である。 - 賃借建物の通垞の䜿甚に䌎い生ずる損耗に぀いお賃借人が原状回埩矩務を負う旚の特玄が成立しおいないずされた事䟋 - 建物賃貞借契玄曞の原状回埩に関する条項には賃借人が補修費甚を負担するこずになる賃借建物の通垞の䜿甚に䌎い生ずる損耗の範囲が具䜓的に明蚘されおおらず同条項においお匕甚する修繕費負担区分衚の賃借人が補修費甚を負担する補修察象郚分の蚘茉は䞊蚘損耗を含む趣旚であるこずが䞀矩的に明癜であるずはいえず賃貞人が行った入居説明䌚における原状回埩に関する説明でも䞊蚘の範囲を明らかにする説明はなかったずいう事情の䞋においおは賃借人が䞊蚘損耗に぀いお原状回埩矩務を負う旚の特玄が成立しおいるずはいえない。 - 賃借建物の通垞の䜿甚に䌎い生ずる損耗に぀いお賃借人が原状回埩矩務を負う堎合 - 保蚌金返還請求事件最高裁刀決 平成23幎07月12日消費者契玄法第10条 - 消費者契玄である居䜏甚建物の賃貞借契玄に付されたいわゆる敷匕特玄が消費者契玄法10条により無効ずなる堎合 - 消費者契玄である居䜏甚建物の賃貞借契玄に付されたいわゆる敷匕特玄は信矩則に反しお賃借人の利益を䞀方的に害するものであるず盎ちにいうこずはできないが賃借人が瀟䌚通念䞊通垞の䜿甚をした堎合に生ずる損耗や経幎により自然に生ずる損耗の補修費甚ずしお通垞想定される額賃料の額瀌金等他の䞀時金の授受の有無及びその額等に照らし敷匕金の額が高額に過ぎるず評䟡すべきものであるずきは圓該賃料が近傍同皮の建物の賃料盞堎に比しお倧幅に䜎額であるなど特段の事情のない限り信矩則に反しお消費者である賃借人の利益を䞀方的に害するものであっお消費者契玄法10条により無効ずなる。 - 消費者契玄である居䜏甚建物の賃貞借契玄に付されたいわゆる敷匕特玄が消費者契玄法10条により無効ずいうこずはできないずされた事䟋 - 消費者契玄である居䜏甚建物の賃貞借契玄に付されたいわゆる敷匕特玄は保蚌金から控陀されるいわゆる敷匕金の額が賃料月額の3.5倍皋床にずどたっおおり䞊蚘敷匕金の額が近傍同皮の建物に係る賃貞借契玄に付された敷匕特玄における敷匕金の盞堎に比しお倧幅に高額であるこずはうかがわれないなど刀瀺の事実関係の䞋では消費者契玄法10条により無効であるずいうこずはできない。 - 消費者契玄である居䜏甚建物の賃貞借契玄に付されたいわゆる敷匕特玄が消費者契玄法10条により無効ずなる堎合
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条文 䜿甚者の暩利の譲枡の制限等 - 第625条 - 䜿甚者は、劎働者の承諟を埗なければ、その暩利を第䞉者に譲り枡すこずができない。 - 劎働者は、䜿甚者の承諟を埗なければ、自己に代わっお第䞉者を劎働に埓事させるこずができない。 - 劎働者が前項の芏定に違反しお第䞉者を劎働に埓事させたずきは、䜿甚者は、契玄の解陀をするこずができる。 解説 参照条文 刀䟋 - 雇甚関係確認等本蚎、建物明枡請求反蚎(最高裁刀決 昭和60幎04月05日) - いわゆる圚籍出向䞭の劎働者に察する埩垰呜什ず圓該劎働者の同意の芁吊 - 䜿甚者が劎働者に察し、雇甚契玄䞊の身分を保有させながら第䞉者の指揮監督の䞋に劎務を提䟛させる圢態のいわゆる圚籍出向を呜じおいる堎合に、右出向関係を解消しお埩垰を呜ずるためには、特段の事由のない限り、圓該劎働者の同意を埗るこずを必芁ずしない。
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条文 期間の定めのある雇甚の解陀 - 第626条 - 雇甚の期間が幎を超え、又はその終期が䞍確定であるずきは、圓事者の䞀方は、幎を経過した埌、い぀でも契玄を解陀するこずができる。 - 前項の芏定により契玄の解陀をしようずするずきは、それが䜿甚者であるずきは箇月前、劎働者であるずきは週間前に、その予告をしなければならない。 改正経緯 2017幎改正により、以䞋の条項から改正。 - 雇甚の期間が幎を超え、又は雇甚が圓事者の䞀方若しくは第䞉者の終身の間継続すべきずきは、圓事者の䞀方は、幎を経過した埌、い぀でも契玄の解陀をするこずができる。ただし、この期間は、商工業の芋習を目的ずする雇甚に぀いおは、10幎ずする。 - 前項の芏定により契玄の解陀をしようずするずきは、箇月前にその予告をしなければならない。 劎働基準法第14条によっお、劎働基準法の適甚のある期間の定めのある雇甚契玄は原則3幎で終了し、これを経た埌の雇甚の継続は期間の定めの無い契玄ずしおい぀でも契玄を解陀するこずができる。埓っお劎働基準法の適甚されない雇甚契玄同居の芪族のみを䜿甚する事業・家事䜿甚、劎働基準法第116条に぀いお民法第626条が適甚され、そのため第䞀項䜆曞きは削陀された。「終身の間継続すべきずき」も公序良俗違反ず考えられお削陀された。 解説 参照条文 - 劎働基準法第14条 - 劎働契玄法第16条 - 解雇暩の制限 - 劎働契玄法第4ç«  期間の定めのある劎働契玄
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条文 期間の定めのない雇甚の解玄の申入れ - 第627条 - 圓事者が雇甚の期間を定めなかったずきは、各圓事者は、い぀でも解玄の申入れをするこずができる。この堎合においお、雇甚は、解玄の申入れの日から2週間を経過するこずによっお終了する。 - 期間によっお報酬を定めた堎合には、䜿甚者からの解玄の申入れは、次期以埌に぀いおするこずができる。ただし、その解玄の申入れは、圓期の前半にしなければならない。 - 6箇月以䞊の期間によっお報酬を定めた堎合には、前項の解玄の申入れは、3箇月前にしなければならない。 改正経緯 2017幎改正により以䞋の改正がなされた。 第2項 - 改正埌䜿甚者からの解玄の申入れは、次期以埌に぀いお - 改正前解玄の申入れは、次期以埌に぀いお 本改正により、第2項及び第3項は、䜿甚者からの解玄の申入れ、即ち解雇予告のみ芏埋するこずが明瀺された。 解説 第2項及び第3項は、「期間」内は雇甚の継続がされるずいう劎働者の期埅を保護しおいる。 劎働基準法第20条は民法627条2項を修正し、少なくずも30日前の解雇予告、それより埌の解雇予告をした堎合には30日分の賃金支払いを矩務づけおいる。 参照条文 刀䟋 - 雇傭関係存圚確認請求日本食塩事件(最高裁刀決 昭和50幎4月25日) - 陀名が無効な堎合におけるナニオン・ショップ協定に基づく解雇の効力 - 劎働組合から陀名された劎働者に察し䜿甚者がナニオン・ショップ協定に基づく劎働組合に察する矩務の履行ずしお行う解雇は、右陀名が無効な堎合には、他に解雇の合理性を裏づける特段の事由がないかぎり、無効である。
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条文 やむを埗ない事由による雇甚の解陀 - 第628条 - 圓事者が雇甚の期間を定めた堎合であっおも、やむを埗ない事由があるずきは、各圓事者は、盎ちに契玄の解陀をするこずができる。この堎合においお、その事由が圓事者の䞀方の過倱によっお生じたものであるずきは、盞手方に察しお損害賠償の責任を負う。 解説 劎働基準法には、劎働基準法それ自䜓が劎働者を守るための法埋であるずいう芳点から䌁業偎の䞀方的な解雇などに察しお蚀及する条文はあっおも、劎働者偎が無蚱可もしくは無断による退職した堎合などの劎働者偎の䞍法行為や契玄違反ずなるような䞀方的な退職の責任に぀いお特に定めがない。 䌁業偎が劎働者の無蚱可・無断での退職に法的責任を求める堎合には、この民法628条が適甚される。 䌁業偎の暩利に぀いおは、他にも民法415条および民法709条など、いずれも民法に条文があるものず考えられる。
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条文 泚文者が受ける利益の割合に応じた報酬 - 第634条 - 次に掲げる堎合においお、請負人が既にした仕事の結果のうち可分な郚分の絊付によっお泚文者が利益を受けるずきは、その郚分を仕事の完成ずみなす。この堎合においお、請負人は、泚文者が受ける利益の割合に応じお報酬を請求するこずができる。 - 泚文者の責めに垰するこずができない事由によっお仕事を完成するこずができなくなったずき。 - 請負が仕事の完成前に解陀されたずき。 改正経緯 2017幎改正により、以䞋の条項に代え芏定。 請負人の担保責任 - 仕事の目的物に瑕疵があるずきは、泚文者は、請負人に察し、盞圓の期間を定めお、その瑕疵の修補を請求するこずができる。ただし、瑕疵が重芁でない堎合においお、その修補に過分の費甚を芁するずきは、この限りでない。 - 泚文者は、瑕疵の修補に代えお、又はその修補ずずもに、損害賠償の請求をするこずができる。この堎合においおは、第533条の芏定を準甚する。 解説 刀䟋は、仕事の完成が䞍可胜になった堎合であっおも、既に行われた仕事の成果が可分であり、か぀、泚文者が既履行郚分の絊付を受けるこずに利益を有するずきは、特段の事情のない限り、既履行郚分に぀いお請負を解陀するこずはできず、請負人は既履行郚分に぀いお報酬を請求するこずができるずしおいたが倧刀昭和7幎4月30日、この刀䟋法理を成文化した。 参照条文 - 民法第648条の2 - 有償の委任における準甚
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民法第635条 条文 - 第635条 削陀 改正経緯 2017幎改正により削陀。 削陀前には以䞋の条項が芏定されおおり、泚文者が請負人に察しお有する契玄の解陀暩ずその䟋倖に぀いお芏定しおいた。本文郚は、本改正により、契玄䞍適合に関する解陀に぀いおは、民法第541条及び民法第542条の適甚に集玄され、䜆曞に぀いおは、改正前から刀䟋最刀平成14幎9月24日により空文化されおおり、それを受けお継承なく廃止された。埓っお、建物その他の土地の工䜜物に関する請負においおも、その契玄䞍適合の床合いによっおは解陀が可胜であるこずが明瀺された。 請負人の担保責任 - 仕事の目的物に瑕疵があり、そのために契玄をした目的を達するこずができないずきは、泚文者は、契玄の解陀をするこずができる。ただし、建物その他の土地の工䜜物に぀いおは、この限りでない。 改正前条項の解説 建物内装工事リフォネットのペヌゞなどの堎合は泚文者に解陀暩が認められる。泚文者が消費者の堎合、消費者契玄法第8条の2によっお、泚文者に解陀暩を認めない特玄は無効である。 䜆曞き 建物など土地工䜜物を目的物ずする堎合、泚文者が解陀すれば請負人が土地工䜜物を自費で収去しなければならず予想倖の損害を被るし、公益にずっお土地工䜜物の原状回埩を匷制した堎合ず匷制しなかった堎合ずを比范するず、瀟䌚にずっお匷制しなかった堎合の方がよい。埓っおこの堎合、解陀暩が認められない。これは匷行法芏であり、工䜜泚文者に解陀暩を認める特玄は無効である。 - 「請負人が建築した建物に重倧な瑕疵があっお建お替えるほかはない堎合」構造の安党性、耐久性に重倧な圱響が及ぶ瑕疵がある - これに察応するのは瑕疵修補民法第634条では無理である。 - 刀䟋最刀平成14幎9月24日においお、「建お替え費甚分の損害賠償を匕枡しから5幎以内朚造あるいは10幎以内鉄筋やコンクリヌトの堎合に請求し、泚文者の建物工事報酬債暩ず盞殺するこずができる。重倧な瑕疵のある建物を収去するのは公益的に倧きな負担ではないから635条䜆曞きに反しない。さらに解䜓工事費も請求できる。」ずした。 - これは、事実䞊解陀した堎合ず同じで䜆曞きの趣旚を没华する。建物は土地工䜜物の代衚だから、635条䜆曞きは事実䞊空文化した。 参照条文 改正前条項の刀䟋 - 損害賠償請求事件最高裁刀決 平成14幎9月24日民法第634条2項 - 建築請負の仕事の目的物である建物に重倧な瑕疵があるためにこれを建お替えざるを埗ない堎合に泚文者が請負人に察し建物の建お替えに芁する費甚盞圓額の損害賠償を請求するこずの可吊 - 建築請負の仕事の目的物である建物に重倧な瑕疵があるためにこれを建お替えざるを埗ない堎合には泚文者は請負人に察し建物の建お替えに芁する費甚盞圓額の損害賠償を請求するこずができる。
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条文 請負人の担保責任の制限 - 第636条 - 請負人が皮類又は品質に関しお契玄の内容に適合しない仕事の目的物を泚文者に匕き枡したずき(その匕枡しを芁しない堎合にあっおは、仕事が終了した時に仕事の目的物が皮類又は品質に関しお契玄の内容に適合しないずき)は、泚文者は、泚文者の䟛した材料の性質又は泚文者の䞎えた指図によっお生じた䞍適合を理由ずしお、履行の远完の請求、報酬の枛額の請求、損害賠償の請求及び契玄の解陀をするこずができない。ただし、請負人がその材料又は指図が䞍適圓であるこずを知りながら告げなかったずきは、この限りでない。 改正経緯 2017幎改正により以䞋の条項から改正。 請負人の担保責任|担保責任に関する芏定の䞍適甚 - 前二条の芏定は、仕事の目的物の瑕疵が泚文者の䟛した材料の性質又は泚文者の䞎えた指図によっお生じたずきは、適甚しない。ただし、請負人がその材料又は指図が䞍適圓であるこずを知りながら告げなかったずきは、この限りでない。 解説 仕事の目的物が契玄の内容に適合しない堎合の、泚文䞻の各皮請求暩に぀いおは、2017幎改正においお、契玄䞍適合責任ずしお定立され、第559条を通しお、以䞋の条項が準甚される。 泚文者が、請負人に察しお材料の提䟛や指図がなされ、それに埓っお仕事をした堎合、請負人は担保責任を負わない。 ただし、泚文者の提䟛する材料や指図が䞍適圓であるこずを、請負人が認識し、それを泚文者に告げなかった堎合、担保責任は免ぜられない。 2017幎改正 改正前の請負契玄に぀いおは、独自に『請負人の瑕疵担保責任』が、以䞋の通り定められおおり、第559条の適甚はなく、埓っお、売買契玄の『隠れたる瑕疵担保責任』は盎接適甚されなかった。 - 旧・第634条:請負人の担保責任瑕疵修補責任、損害賠償責任代金枛額請求暩含む - 旧・第635条:請負人の担保責任解陀、建物等に関する適甚陀倖 - 旧・第636条:請負人の担保責任に関する芏定の䞍適甚泚文者の指図責任 - 旧・第637条:請負人の担保責任の存続期間 - 旧・第638条:請負人の担保責任の存続期間建物等 - 旧・第639条:担保責任の存続期間の䌞長 - 旧・第640条:担保責任を負わない旚の特玄 売買の瑕疵担保責任ず請負の瑕疵担保責任の䞻な差異は以䞋のずおりであった。各々、改正による圱響を蚘す。 - 担保の察象は「隠れたる瑕疵」に限らない。 - →売買においおも「隠れたる瑕疵」に限らず、契玄䞍適合に関する責任ずなった。 - 泚文者は瑕疵修補請求暩を有するが買䞻にはない。 - →買䞻にも同様に远完請求暩が認められるようになった。 - 目的物の瑕疵が泚文者から提䟛されたものに起因する堎合は担保責任がない。売買の堎合は、売䞻の提䟛は想定されない。 - →泚文䞻の指瀺に関する責任は継続。 - 建物等の請負に぀いおは解陀暩はない。 - →建物等の請負に関する適甚陀倖は無くなった。 - 請負の担保責任の存続期間の方が長い。 - →個別の芏定は削陀、第566条及び時効制床によるこずずなった。 請負人の担保責任 - 仕事の目的物に瑕疵があるずきは、泚文者は、請負人に察し、盞圓の期間を定めお、その瑕疵の修補を請求するこずができる。ただし、瑕疵が重芁でない堎合においお、その修補に過分の費甚を芁するずきは、この限りでない。 - 泚文者は、瑕疵の修補に代えお、又はその修補ずずもに、損害賠償の請求をするこずができる。この堎合においおは、第533条の芏定を準甚する。 - (改正前 解説) - 第1項では、泚文者の瑕疵修補請求暩に぀いお定めおいる。 - 第2項では、瑕疵修補請求暩ず損害賠償請求暩ずは、泚文者がどちらかを遞択しお行䜿するこずも、䞡方を行䜿するこずも泚文者の任意であるこずを定めおいる。泚文者が損害賠償を請求する堎合においお、泚文者の損害賠償請求ず請負人の報酬請求暩ずが同時履行の関係にあるこずを芏定しおいる。 - 「請負人が建築した建物に重倧な瑕疵があっお建お替えるほかはない堎合」はどうか。 - 構造の安党性、耐久性に重倧な圱響が及ぶ瑕疵がある建物を匕き枡されたが、重倧な瑕疵のあるこずを知り぀぀も泚文者はしばらく䜿甚せざるを埗ず、ようやく別の建物を借りお建物を取り壊し新たに別の建物を建おお、かかった費甚を損害賠償ずしお請負人に請求した堎合を考える。 - 建お替え費甚分の損害賠償をこの条文の修補に代わる損害賠償に含たれるず解釈する。匕枡しから5幎以内朚造あるいは10幎以内鉄筋やコンクリヌトの堎合に請求し最刀平成14幎9月24日、泚文者の建物工事報酬債暩ず盞殺するこずができる。重倧な瑕疵のある建物を収去するのは公益的に倧きな負担ではないから635条䜆曞きに反しない。さらに解䜓工事費も請求できる。 - では泚文者がしばらく䜿甚した分を損益盞殺ずしお賠償額から控陀するこずが認められるか。 - 請負契玄ではなく宅建業者から譲り受けた事案で損益盞殺は認められおいない。 - では泚文者がしばらく䜿甚した分を損益盞殺ずしお賠償額から控陀するこずが認められるか。 - 「請負人が建築した建物に重倧な瑕疵があっお建お替えるほかはない堎合」はどうか。 参照条文 - 䜏宅の品質確保の促進等に関する法埋第94条䜏宅の新築工事の請負人の瑕疵担保責任の特䟋 - 䜏宅の品質確保の促進等に関する法埋第95条新築䜏宅の売䞻の瑕疵担保責任の特䟋 刀䟋 改正前関係刀䟋 - 請負代金請求(最高裁刀決 昭和36幎07月07日) - 請負契玄の目的物の瑕疵修補に代る損害賠償請求ず損害額算定の基準時 - 請負契玄における仕事の目的物の瑕疵に぀き、請負人に修補を請求したがこれに応じないので、修補に代る損害の賠償を請求する堎合においおは、右修補請求の時を基準ずしお損害の額を算定するのが盞圓である。 - 損害賠償(最高裁刀決 昭和54幎03月20日) 民法第506条2項 - 民法506条2項の法意 - 盞殺の意思衚瀺は、双方の債務が互いに盞殺をするに適するにいた぀た時点に遡぀お効力を生ずるものであり、その蚈算を双方の債務に぀き匁枈期が到来し、盞殺適状ずな぀た時期を基準ずしお双方の債暩額を定め、その察等額においお差匕蚈算をすべきものである。 - 民法634条旧2項所定の損害賠償債暩の発生時期及び期限の有無 - 民法634条旧2項の損害賠償債暩は、泚文者が泚文にかかる目的物の匕枡を受けた時に発生する期限の定めのない債暩である。 - 民法506条2項の法意 - 玄束手圢金本蚎、損害賠償反蚎(最高裁刀決 昭和58幎01月20日) - 造船の請負契玄による建造船舶に比范的軜埮な瑕疵があるがその修補に著しく過分の費甚を芁する堎合においお右修補に代えお改造工事費及び滞船料盞圓の金員に぀き損害賠償請求をするこずが蚱されないずされた事䟋 - 造船の請負契玄によ぀お建造された船舶に存する瑕疵が比范的軜埮であるが、その修補に著しく過分の費甚を芁するなど原刀瀺の事実関係のもずにおいおは、泚文者は、請負人に察し、右修補に代えお、右修補に芁する改造工事費及び滞船料に盞圓する金員を損害賠償ずしお請求するこずはできない。 - 工事代金最高裁刀決 平成9幎02月14日民法第1条2項民法第412条民法第533条 - 請負契玄の泚文者が瑕疵の修補に代わる損害賠償債暩をもっお報酬党額の支払ずの同時履行を䞻匵するこずの可吊 - 請負契玄の目的物に瑕疵がある堎合には、泚文者は、瑕疵の皋床や各契玄圓事者の亀枉態床等にかんがみ信矩則に反するず認められるずきを陀き、請負人から瑕疵の修補に代わる損害の賠償を受けるたでは、報酬党額の支払を拒むこずができ、これに぀いお履行遅滞の責任も負わない。 - 請負工事代金請求、民蚎法䞀九八条二項の裁刀申立(最高裁刀決 平成9幎07月15日) 民法第412条民法第506条2項民法第533条民蚎法198条2項商法第514条 - 請負人の報酬債暩ず泚文者の瑕疵修補に代わる損害賠償債暩ずの盞殺がされた埌の報酬残債務に぀いお泚文者が履行遅滞による責任を負う時期 - 請負人の報酬債暩に察し泚文者がこれず同時履行の関係にある瑕疵修補に代わる損害賠償債暩を自働債暩ずする盞殺の意思衚瀺をした堎合、泚文者は、盞殺埌の報酬残債務に぀いお、盞殺の意思衚瀺をした日の翌日から履行遅滞による責任を負う。 - 損害賠償請求事件最高裁刀決 平成14幎09月24日民法第635条 - 建築請負の仕事の目的物である建物に重倧な瑕疵があるためにこれを建お替えざるを埗ない堎合に泚文者が請負人に察し建物の建お替えに芁する費甚盞圓額の損害賠償を請求するこずの可吊 - 建築請負の仕事の目的物である建物に重倧な瑕疵があるためにこれを建お替えざるを埗ない堎合には泚文者は請負人に察し建物の建お替えに芁する費甚盞圓額の損害賠償を請求するこずができる。 - 請負代金請求事件(最高裁刀決 平成15幎10月10日) - 請負契玄における玄定に反する倪さの鉄骚が䜿甚された建物建築工事に瑕疵があるずされた事䟋 - 建物建築工事の請負契玄においお耐震性の面でより安党性の高い建物にするため䞻柱に぀いお特に倪い鉄骚を䜿甚するこずが玄定されこれが契玄の重芁な内容になっおいたにもかかわらず建物請負業者が泚文䞻に無断で䞊蚘玄定に反し䞻柱工事に぀き玄定の倪さの鉄骚を䜿甚しなかったずいう事情の䞋では䜿甚された鉄骚が構造蚈算䞊居䜏甚建物ずしおの安党性に問題のないものであったずしおも圓該䞻柱の工事には瑕疵がある。
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条文 目的物の皮類又は品質に関する担保責任の期間の制限 - 第637条 - 前条本文に芏定する堎合においお、泚文者がその䞍適合を知った時から1幎以内にその旚を請負人に通知しないずきは、泚文者は、その䞍適合を理由ずしお、履行の远完の請求、報酬の枛額の請求、損害賠償の請求及び契玄の解陀をするこずができない。 - 前項の芏定は、仕事の目的物を泚文者に匕き枡した時その匕枡しを芁しない堎合にあっおは、仕事が終了した時においお、請負人が同項の䞍適合を知り、又は重倧な過倱によっお知らなかったずきは、適甚しない。 改正経緯 2017幎改正により、以䞋の条項を改正。 請負人の担保責任の存続期間 - 前䞉条の芏定による瑕疵の修補又は損害賠償の請求及び契玄の解陀は、仕事の目的物を匕き枡した時から䞀幎以内にしなければならない。 - 仕事の目的物の匕枡しを芁しない堎合には、前項の期間は、仕事が終了した時から起算する。 解説 請負人の担保責任に぀いおは、「䞍適合を知った時」から、1幎以内に通知するこずで、契玄䞍適合責任は保党され、以降は時効制床の䞀般原則により、債暩の消滅時効である5幎が適甚される第166条。 参照条文 - 民法第566条:目的物の皮類又は品質に関する担保責任の期間の制限
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条文 - 第638条 削陀 改正経緯 2017幎改正により削陀、削陀前の条項は以䞋のずおり。 - 建物その他の土地の工䜜物の請負人は、その工䜜物又は地盀の瑕疵に぀いお、匕枡しの埌五幎間その担保の責任を負う。ただし、この期間は、石造、土造、れんが造、コンクリヌト造、金属造その他これらに類する構造の工䜜物に぀いおは、十幎ずする。 - 工䜜物が前項の瑕疵によっお滅倱し、又は損傷したずきは、泚文者は、その滅倱又は損傷の時から䞀幎以内に、第634条の芏定による暩利を行䜿しなければならない。 - 旧・第637条請負人の担保責任の存続期間の䟋倖芏定。担保責任の存続期間は原則䞀幎間だが、䟋倖ずしお建物その他の土地の工䜜物は五幎間、さらに䟋倖ずしお石造等堅固な工䜜物は十幎間ず定めおいた。建物等に぀いおは瑕疵が発芋しづらい䞀方でその圱響は甚倧であるこずを考慮したものである。2017幎改正により、瑕疵担保責任から契玄䞍適合責任になったこずにより、他の有償契玄同様、契玄の䞍適合を発芋しおから1幎以内の告知により請負人に責任が問えるようになり、本条は削陀されたが、䞍適合の発芋ずそれに基づく告知に぀いおは、第166条第1項第2号により10幎間存続するため、改正埌も泚文䞻の暩利が瞮枛されたものではない。 - 参照条文 - 旧・第639条担保責任の存続期間の䌞長 - 䜏宅の品質確保の促進等に関する法埋第94条䜏宅の新築工事の請負人の瑕疵担保責任の特䟋 - 参照条文
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条文 - 第639条 削陀 改正経緯 2017幎改正により削陀、削陀前の条項は以䞋のずおり。 担保責任の存続期間の䌞長 - 旧・第637条請負人の担保責任の存続期間及び、旧・第638条第1項が任意芏定であるこずを明瀺し、旧・第167条に定められおいた債暩の消滅時効である10幎たで、契玄によっお担保責任の存続期間を延長できるこずを定めおいた。2017幎改正により、瑕疵担保責任から契玄䞍適合責任になったこずにより、他の有償契玄同様、契玄の䞍適合を発芋しおから1幎以内の告知により請負人に責任が問えるようになり、本条は削陀されたが、䞍適合の発芋ずそれに基づく告知に぀いおは、第166条第1項第2号により、特玄等の存圚を芁さず10幎間存続するため、改正埌も泚文䞻の暩利が瞮枛されたものではない。
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民法第642条 条文 - 第642条 - 泚文者が砎産手続開始の決定を受けたずきは、請負人又は砎産管財人は、契玄の解陀をするこずができる。ただし、請負人による契玄の解陀に぀いおは、仕事を完成した埌は、この限りでない。 - 前項に芏定する堎合においお、請負人は、既にした仕事の報酬及びその䞭に含たれおいない費甚に぀いお、砎産財団の配圓に加入するこずができる。 - 第1項の堎合には、契玄の解陀によっお生じた損害の賠償は、砎産管財人が契玄の解陀をした堎合における請負人に限り、請求するこずができる。この堎合においお、請負人は、その損害賠償に぀いお、砎産財団の配圓に加入する。 改正経緯 2017幎改正により、以䞋の改正がなされた。 - 第1項 - 埌段を以䞋の通り改正。仕事完成埌は請負人には解陀暩がない旚を定め、改正前の芏定は第2項に継承。 - 改正前この堎合においお、請負人は、既にした仕事の報酬及びその䞭に含たれおいない費甚に぀いお、砎産財団の配圓に加入するこずができる。 - 改正埌ただし、請負人による契玄の解陀に぀いおは、仕事を完成した埌は、この限りでない。 - 埌段を以䞋の通り改正。仕事完成埌は請負人には解陀暩がない旚を定め、改正前の芏定は第2項に継承。 - 第2項 - 改正前第1項埌段を継承。 - 第3項 - 第2項から項数繰り䞋げ、これに䌎い、「前項の堎合には、」を「第1項の堎合には、」に改正。 解説 泚文者に぀き砎産手続の開始が決定されたずきか぀おの砎産宣告に盞圓は、請負人ず砎産管財人に、請負契玄の解陀暩が発生する。請負人はそれぞれの堎合に぀き、䞀定の暩利を理由ずしお砎産財団の配圓に加入する暩利を有する。
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民法第643条 条文 委任 - 第643条 - 委任は、圓事者の䞀方が法埋行為をするこずを盞手方に委蚗し、盞手方がこれを承諟するこずによっお、その効力を生ずる。 解説 匁護士に事件の匁護を䟝頌する堎合が、兞型的な委任契玄。ただし法埋行為でない事務の䟝頌に぀いおも委任契玄の芏定が準甚される(656条、準委任ずいう)。 参照条文 - 建物の区分所有等に関する法埋第28条委任の芏定の準甚 - 第10節 委任 - 刀䟋 - 損害賠償(最高裁刀決 平成5幎03月25日) 劎働基準法昭和62幎法埋第99号による改正前のもの第24条1項民法第651条1項 - いわゆるチェック・オフず個々の組合員からの委任の芁吊 - 䜿甚者ず劎働組合ずの間にいわゆるチェック・オフ協定が締結されおいる堎合であっおも、䜿甚者が有効なチェック・オフを行うためには、賃金から控陀した組合費盞圓分を劎働組合に支払うこずに぀き個々の組合員から委任を受けるこずが必芁である。
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民法第644条 条文 - 第644条 - 受任者は、委任の本旚に埓い、善良な管理者の泚意をもっお、委任事務を凊理する矩務を負う。 解説 いわゆる善管泚意矩務に぀いお定めた芏定である。 具䜓的にどのような矩務が呜じられるかは、法什や契玄などによっお芏定される。 参照条文 - 民法第659条無償受寄者の泚意矩務 - 民法第876条の3保䜐監督人 - マンション暙準管理委蚗契玄曞第5条善管泚意矩務 - 䌚瀟法第825条䌚瀟の財産に関する保党凊分 刀䟋 - 取締圹の責任远及請求(八幡補鉄事件 最高裁刀決 昭和45幎06月24日)民法第43条(削陀廃止),商法第166条1項1号(珟・䌚瀟法第27条1号),商法第254条ノ2(珟・䌚瀟法第331条),商法第254条3項(珟・䌚瀟法第330条),憲法第3ç«  - 損害賠償請求(最高裁刀決 昭和46幎06月10日)手圢法第10条,手圢法第75条,手圢法第77条2項 - 銀行が圓座勘定取匕契玄に基づき手圢の印圱を照合するにあた぀お尜くすべき泚意矩務の皋床 - 銀行が、圓座勘定取匕契玄に基づき、届出の印鑑ず手圢䞊の印圱ずを照合するにあた぀おは、銀行の照合事務担圓者に察しお瀟䌚通念䞊䞀般に期埅されおいる業務䞊盞圓の泚意をも぀お慎重に行なうこずを芁し、右事務に習熟しおいる銀行員が右のような泚意を払぀お熟芖するならば肉県で発芋しうるような印圱の盞違が看過されお停造手圢が支払われたずきは、その支払による䞍利益を取匕先に垰せしめるこずは蚱されない。 - 印圱照合に぀いおの銀行の泚意矩務ず免責玄欟の効力 - 銀行が手圢の印圱ず届出印鑑ずが笊合するず認めお支払をした堎合は責任を負わない旚の圓座勘定取匕契玄䞊の免責玄欟は、銀行が手圢の印圱照合にあた぀お尜くすべき前項の泚意矩務を軜枛する趣旚のものではない。 - 圓座勘定取匕契玄に基づき手圢の支払委蚗をうけた銀行が振出日欄癜地の玄束手圢を支払぀た堎合における取匕先に察する効力 - 圓座勘定取匕契玄䞊の支払委蚗は、特段の事情のないかぎり、振出日欄癜地の確定日払の玄束手圢の支払を含む趣旚ずは解されず、銀行が、支払委蚗の有無を確認するための盞圓な方法をずるこずなく、右癜地手圢の支払をしたずきは、その結果を取匕先に垰属させるこずは蚱されない。 - 銀行が圓座勘定取匕契玄に基づき手圢の印圱を照合するにあた぀お尜くすべき泚意矩務の皋床 - 損害賠償(最高裁刀決 昭和53幎07月10日)民法第651条,叞法第曞士法第1条 - 登蚘暩利者及び登蚘矩務者双方から登蚘手続の委蚗を受けた叞法曞士が登蚘矩務者から登蚘手続に必芁な曞類の返還を求められた堎合における登蚘暩利者に察する委任契玄䞊の矩務 - 登蚘暩利者及び登蚘矩務者双方から登蚘手続の委蚗を受け、右手続に必芁な曞類の亀付を受けた叞法曞士は、手続の完了前に登蚘矩務者から右曞類の返還を求められおも、登蚘暩利者に察する関係では、同人の同意があるなど特段の事情のない限り、その返還を拒むべき委任契玄䞊の矩務がある。 - 取締圹の責任远及(最高裁刀決 平成5幎09月09日)商法昭和56幎法第埋第74号による改正前のもの210条(珟・䌚瀟法第155条),商法第254条3項(珟・䌚瀟法第330条),商法第266条1項5号(珟・䌚瀟法第423条),民法第415条 - 䌚瀟が同瀟のすべおの発行枈み株匏を有する乙䌚瀟の株匏を取埗するこずず商法210条 - 甲䌚瀟が同瀟のすべおの発行枈み株匏を有する乙䌚瀟の株匏を取埗するこずは、商法210条にいう自己株匏の取埗に圓たる。 - 甲䌚瀟が同瀟のすべおの発行枈み株匏を有する乙䌚瀟の株匏の売買により損倱を被った堎合ず乙䌚瀟に生じる損害 - 甲䌚瀟が同瀟のすべおの発行枈み株匏を有する乙䌚瀟の指瀺により同瀟の株匏を売買しお買入䟡栌ず売枡䟡栌の差額に盞圓する損倱を被った堎合、乙䌚瀟の取締圹は、特段の事情のない限り、その党額を乙䌚瀟に生じた損害ずしお、賠償の責めに任ずる。 - 䌚瀟が同瀟のすべおの発行枈み株匏を有する乙䌚瀟の株匏を取埗するこずず商法210条
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条文 受任者による報告 - 第645条 - 受任者は、委任者の請求があるずきは、い぀でも委任事務の凊理の状況を報告し、委任が終了した埌は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。 解説 参照条文 刀䟋 - 報酬金請求 最高裁刀決 昭和45幎10月22日民法第130条,民法第648条 - 宅地建物取匕業者を排陀しお売買契玄が成立した堎合に停止条件の成就が故意に劚げられたずしお右業者の報酬請求暩が認められた事䟋 - 土地等の買受人が、その買受に぀き宅地建物取匕業者に仲介を䟝頌し、買受契玄の成立を停止条件ずしお䞀定額の報酬を支払う旚を玄したのに、買受人が右業者を排陀しお盎接売枡人ずの間に契玄を成立させた堎合においお、右契玄の成立時期が業者の仲介掻動の時期に近接しおいるのみならず、圓時その仲介掻動により買受人の買受垌望䟡額にあず僅かの差が残぀おいるだけで間もなく買受契玄が成立するに至る状態にあ぀たのであり、しかも、買受契玄における買受䟡額が業者ず買受人が䞋盞談した䟡額を僅かに䞊廻る等の事情のあるずきは、買受人は、業者の仲介によ぀お間もなく買受契玄の成立に至るべきこずを熟知しお故意にその仲介による契玄の成立を劚げたものずいうべきであり、業者は、停止条件が成就したものずみなしお、買受人に察し、玄定報酬の請求をするこずができる。
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条文 受任者の報酬 - 第648条 - 受任者は、特玄がなければ、委任者に察しお報酬を請求するこずができない。 - 受任者は、報酬を受けるべき堎合には、委任事務を履行した埌でなければ、これを請求するこずができない。ただし、期間によっお報酬を定めたずきは、第624条第2項の芏定を準甚する。 - 受任者は、次に掲げる堎合には、既にした履行の割合に応じお報酬を請求するこずができる。 - 委任者の責めに垰するこずができない事由によっお委任事務の履行をするこずができなくなったずき。 - 委任が履行の䞭途で終了したずき。 改正経緯 2017幎改正により、第3項が以䞋の条項から改正された。危険負担が倉曎されおいるこずに泚意。 - 委任が受任者の責めに垰するこずができない事由によっお履行の䞭途で終了したずきは、受任者は、既にした履行の割合に応じお報酬を請求するこずができる。 解説 - 受任者の報酬請求暩に぀いおの芏定である。 - 民法䞊、委任契玄はロヌマ法の沿革から無償が原則であり、報酬を請求するには特玄が必芁である。たた報酬特玄があっおも、委任事務履行の埌でなければ報酬請求はできない。 - なお、商法では特玄がなくおも盞圓な報酬を請求できる特則があり、しかもこれを担保するための匷力な留眮暩が定められおいる。 参照条文 刀䟋 - 着手金䞊びに報酬金請求最高裁刀決 昭和37幎02月01日民法第649条匁護士法第33条2項8号 - 匁護士報酬額算定の基準 - 匁護士の蚎蚟委任事務凊理に察する報酬の額に぀き䟝頌者ずの間に別段の定めがなか぀た堎合には、事件の難易、蚎額および劎力の皋床ばかりでなく、䟝頌者ずの平生からの関係、所属匁護士䌚の報酬芏則等その他諞般の状況をも審査し、圓事者の意思を掚定し、以お盞圓報酬額を算定すべきである。 - 着手金、成功報酬金の額が盞圓ず認められた事䟋 - 原刀決認定の事実関係原刀決理由参照のもずにおいお、匁護士が、蚎蚟事務凊理に関するいわゆる着手金ずしお蚎額の五分にあたる金䞉二䞇二九八八円、いわゆる成功報酬金ずしお和解による利益金の五分にあたる金䞉〇䞇四〇〇〇円を請求するこずは、䞍盞圓ずはいえない。 - 匁護士報酬額算定の基準 - 報酬金請求 最高裁刀決 昭和45幎10月22日民法第130条,民法第645条 - 宅地建物取匕業者を排陀しお売買契玄が成立した堎合に停止条件の成就が故意に劚げられたずしお右業者の報酬請求暩が認められた事䟋 - 土地等の買受人が、その買受に぀き宅地建物取匕業者に仲介を䟝頌し、買受契玄の成立を停止条件ずしお䞀定額の報酬を支払う旚を玄したのに、買受人が右業者を排陀しお盎接売枡人ずの間に契玄を成立させた堎合においお、右契玄の成立時期が業者の仲介掻動の時期に近接しおいるのみならず、圓時その仲介掻動により買受人の買受垌望䟡額にあず僅かの差が残぀おいるだけで間もなく買受契玄が成立するに至る状態にあ぀たのであり、しかも、買受契玄における買受䟡額が業者ず買受人が䞋盞談した䟡額を僅かに䞊廻る等の事情のあるずきは、買受人は、業者の仲介によ぀お間もなく買受契玄の成立に至るべきこずを熟知しお故意にその仲介による契玄の成立を劚げたものずいうべきであり、業者は、停止条件が成就したものずみなしお、買受人に察し、玄定報酬の請求をするこずができる。
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条文 成果等に察する報酬 - 第648条の2 - 委任事務の履行により埗られる成果に察しお報酬を支払うこずを玄した堎合においお、その成果が匕枡しを芁するずきは、報酬は、その成果の匕枡しず同時に、支払わなければならない。 - 第634条の芏定は、委任事務の履行により埗られる成果に察しお報酬を支払うこずを玄した堎合に぀いお準甚する。 解説 2017幎改正により新蚭。 第2項読み替え:民法第634条(泚文者が受ける利益の割合に応じた報酬)の準甚 - 次に掲げる堎合においお、受任者が既にした委任事務の結果のうち可分な郚分の絊付によっお委任者が利益を受けるずきは、その郚分を委任事務の履行ずみなす。この堎合においお、受任者は、委任者が受ける利益の割合に応じお報酬を請求するこずができる。 - 委任者の責めに垰するこずができない事由によっお委任事務の履行するこずができなくなったずき。 - 委任が委任事務の履行前に解陀されたずき。
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条文 受任者による費甚等の償還請求等 - 第649条 - 委任事務を凊理するに぀いお費甚を芁するずきは、委任者は、受任者の請求により、その前払をしなければならない。 解説 委任された事務凊理の費甚に぀いおの委任者の前払請求暩を定めた芏定である。 参照条文 刀䟋 - 転付呜什に察する執行抗告棄华決定に察する蚱可抗告事件(最高裁刀決 平成18幎04月14日)民事執行法第159条 - 委任事務終了前における委任者の受任者に察する前払費甚に぀いおの返還請求暩の被転付適栌 - 委任者が委任事務の凊理のために受任者に亀付した前払費甚に぀いおの返還請求暩は圓該委任事務の終了前においおは刞面額を有するものずはいえず被転付適栌を有しない。
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条文 受任者による費甚等の償還請求等 - 第650条 - 受任者は、委任事務を凊理するのに必芁ず認められる費甚を支出したずきは、委任者に察し、その費甚及び支出の日以埌におけるその利息の償還を請求するこずができる。 - 受任者は、委任事務を凊理するのに必芁ず認められる債務を負担したずきは、委任者に察し、自己に代わっおその匁枈をするこずを請求するこずができる。この堎合においお、その債務が匁枈期にないずきは、委任者に察し、盞圓の担保を䟛させるこずができる。 - 受任者は、委任事務を凊理するため自己に過倱なく損害を受けたずきは、委任者に察し、その賠償を請求するこずができる。 解説 委任契玄における受任者は、その事務を凊理するに぀き、費甚を支出し、債務を負担し、あるいは損害を受ける事態を生じる。その堎合の費甚等のリスクの分配に぀き、受任者ず委任者ずの関係を定めた代匁枈請求暩の芏定である。 参照条文 - 民法第643条委任 - 民法第648条受任者の報酬 - 民法第649条受任者による費甚の前払請求 - 民法第926条限定承認者による管理 - 民法第940条盞続の攟棄をした者による管理 - 䌚瀟法第825条䌚瀟の財産に関する保党凊分 刀䟋 - 民法650条2項前段の代匁枈請求暩ず盞殺 - 受任者が民法650条2項前段に基づいお有する代匁枈請求暩に察しおは、委任者は、受任者に察する債暩をも぀お盞殺するこずはできない。
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条文 委任の解陀 - 第651条 - 委任は、各圓事者がい぀でもその解陀をするこずができる。 - 前項の芏定により委任の解陀をした者は、次に掲げる堎合には、盞手方の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを埗ない事由があったずきは、この限りでない。 - 盞手方に䞍利な時期に委任を解陀したずき。 - 委任者が受任者の利益専ら報酬を埗るこずによるものを陀く。をも目的ずする委任を解陀したずき。 改正経緯 2017幎改正で第2項が以䞋のものから珟行のものに改正された。 - 圓事者の䞀方が盞手方に䞍利な時期に委任の解陀をしたずきは、その圓事者の䞀方は、盞手方の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを埗ない事由があったずきは、この限りでない。 - 第2号の括匧曞き「専ら報酬を埗るこずによるものを陀く。」は第648条で解決させおおりそれを陀くの趣旚である。 解説 受任者の利益をも目的ずする委任の解陀 - もずもず、刀䟋では、委任契玄が受任者の利益受任者の報酬も含むをも目的ずする堎合には、委任者は原則ずしお本条に基づいお委任を解陀するこずができないずしおいた倧刀倧正9幎4月24日民録26茯562頁。しかし、受任者が著しく䞍誠実な行動に出た堎合などには解陀を認めるようになり最刀昭和43幎9月20日、さらには、積極的に解陀暩を攟棄したず解される堎合を陀き、第1項の本則に則り解陀できるものずした最刀昭和56幎1月19日。2017幎改正においお、これを受けお、「受任者の利益をも目的ずする委任」も各圓事者が制限なく解陀できるものずし、その際に生じる報酬等の問題に぀いおは、第648条及び損害賠償で察応するものずした。 参照条文 - マンション暙準管理委蚗契玄曞第19条解玄の申入れ 刀䟋 - 取立呜什に基づく取立請求最高裁刀決 昭和43幎09月20日 - 委任契玄に基づく委任事務の凊理が受任者の利益でもある堎合ず右契玄の解陀事由 - 委任契玄に基づく委任事務の凊理が、委任者の利益であるず同時に受任者の利益でもある堎合においおも、受任者が著しく䞍誠実な行動に出た等やむをえない事由があるずきは、委任者は民法第651条に則り委任契玄を解陀するこずができる。 - 損害賠償(最高裁刀決 昭和53幎07月10日)民法第644条,叞法第曞士法第1条 - 登蚘暩利者及び登蚘矩務者双方から登蚘手続の委蚗を受けた叞法曞士が登蚘矩務者から登蚘手続に必芁な曞類の返還を求められた堎合における登蚘暩利者に察する委任契玄䞊の矩務 - 登蚘暩利者及び登蚘矩務者双方から登蚘手続の委蚗を受け、右手続に必芁な曞類の亀付を受けた叞法曞士は、手続の完了前に登蚘矩務者から右曞類の返還を求められおも、登蚘暩利者に察する関係では、同人の同意があるなど特段の事情のない限り、その返還を拒むべき委任契玄䞊の矩務がある。 - 譲受債暩 最高裁刀決 昭和56幎01月19日 - 受任者の利益のためにも締結された委任契玄においお委任者が解陀暩自䜓を攟棄したものずは解されない事情がある堎合ず民法651条 - 受任者の利益のためにも締結された委任契玄であ぀おも、その契玄においお委任者が委任契玄の解陀暩自䜓を攟棄したものずは解されない事情がある堎合は、委任者は、やむをえない事由がなくおも、民法651条に則り右契玄を解陀するこずができる。 - 損害賠償(最高裁刀決 平成5幎03月25日) 劎働基準法昭和62幎法埋第99号による改正前のもの第24条1項民法第643条 - いわゆるチェック・オフず個々の組合員からの委任の芁吊 - 䜿甚者ず劎働組合ずの間にいわゆるチェック・オフ協定が締結されおいる堎合であっおも、䜿甚者が有効なチェック・オフを行うためには、賃金から控陀した組合費盞圓分を劎働組合に支払うこずに぀き個々の組合員から委任を受けるこずが必芁である。
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条文 - 第652条 - 第620条の芏定は、委任に぀いお準甚する。 解説 民法第620条賃貞借の解陀の効力のあおはめ。 - 委任の解陀をした堎合には、その解陀は、将来に向かっおのみその効力を生ずる。この堎合においお、損害賠償の請求を劚げない。 なお、2017幎改正前は「圓事者の䞀方に過倱があったずき」ずの文蚀があったが、改正により削陀。圓事者双方の事情を勘案しお、損害の量定をするこずを明瀺しおいる。 参照条文 刀䟋 - 䞍圓利益返還(最高裁刀決 昭和57幎03月04日 - 継続性のない事務凊理を目的ずする委任契玄の債務䞍履行による解陀ず民法652条の適甚 - 民法652条の芏定は、継続性のない事務凊理を目的ずする委任契玄を委任者の債務䞍履行を理由にしお解陀する堎合にも適甚される。
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条文 委任の終了事由 - 第653条 - 委任は、次に掲げる事由によっお終了する。 - 委任者又は受任者の死亡 - 委任者又は受任者が砎産手続開始の決定を受けたこず。 - 受任者が埌芋開始の審刀を受けたこず。 解説 圓事者による解陀の意思衚瀺がなくずも委任が終了する原因に぀いお芏定する。 類型的に委任の事務凊理矩務を受任者が果たすこずができない堎合に぀いお定めおいる。 1号があるため、受任者の盞続人に委任契玄䞊の矩務が承継されるこずはなくなる。 2号の受任者の砎産があるず、受任者の匁護士、公認䌚蚈士等、それに、成幎埌芋人や保䜐人等は、財産管理をする者ずしおふさわしくないので、資栌取消し、登録抹消凊分を受ける。これに察し医垫等は、個人砎産しおも、財産管理をする者ずしおふさわしくないずしお資栌取消し、登録抹消凊分を圓然には受けない。 取締圹受任者も砎産・埌芋開始するず䌚瀟ずの委任契玄が終了する。ただし、䌚瀟が、砎産しお埩暩しおいない元取締圹を取締圹に遞ぶのは認められおいる。埌芋開始した元取締圹は遞べない䌚瀟法第331条1項。 参考条文 - 民法第111条代理暩の消滅事由 - 民法第651条委任の解陀 - 民法第652条委任の解陀の効力 - 民法第654条委任の終了埌の凊分 - 民法第655条委任の終了の察抗芁件 - 䞍動産登蚘法第17条代理暩の䞍消滅
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条文 寄蚗 - 第657条 - 寄蚗は、圓事者の䞀方がある物を保管するこずを盞手方に委蚗し、盞手方がこれを承諟するこずによっお、その効力を生ずる。 改正経緯 2017幎改正により、寄蚗の定矩が以䞋のずおり改正された。 - 改正前 圓事者の䞀方受寄者が盞手方寄蚗者のために保管をするこずを玄しおある物を受け取るこず芁物性。 - 改正埌 圓事者の䞀方寄蚗者がある物を保管するこずを盞手方受寄者に委蚗し、盞手方受寄者がこれを承諟するこず。 本改正においおも、芁物性の芁件が薄れ、諟成契玄であるこずが明確になっおいる。 解説 参照条文 - 第11節 寄蚗 - 商法 第2ç·š 第9ç«  寄蚗 - 「商事寄蚗」に぀いお定める。 - 第1節 総則 - 受寄者の善管泚意矩務、堎屋における寄蚗に぀いお定める。 - 第2節 倉庫営業 - 倉庫業法 刀䟋 - 暪領(最高裁刀決 昭和26幎05月25日)刑法第252条 - 䜿途を定められお寄蚗された金銭ず暪領眪 - 䜿途を定められお寄蚗された金銭に぀いおは特別の事情のないかぎり受蚗者は刑法第252条にいわゆる「他人ノ物」を占有するものず解すべきであ぀お、受蚗者がその金銭に぀いお擅に委蚗の本旚に違぀た凊分をしたずきは暪領眪を構成する。 - 䜿途を定めず金銭を寄蚗した堎合は消費寄蚗ずなるため返枈ができる限りは暪領眪を構成しない。
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条文 寄蚗物受取り前の寄蚗者による寄蚗の解陀等 - 第657条の2 - 寄蚗者は、受寄者が寄蚗物を受け取るたで、契玄の解陀をするこずができる。この堎合においお、受寄者は、その契玄の解陀によっお損害を受けたずきは、寄蚗者に察し、その賠償を請求するこずができる。 - 無報酬の受寄者は、寄蚗物を受け取るたで、契玄の解陀をするこずができる。ただし、曞面による寄蚗に぀いおは、この限りでない。 - 受寄者(無報酬で寄蚗を受けた堎合にあっおは、曞面による寄蚗の受寄者に限る。)は、寄蚗物を受け取るべき時期を経過したにもかかわらず、寄蚗者が寄蚗物を匕き枡さない堎合においお、盞圓の期間を定めおその匕枡しの催告をし、その期間内に匕枡しがないずきは、契玄の解陀をするこずができる。 解説 2017幎改正により新蚭。前条改正により、諟成契玄であるこずが明瀺されたため、寄蚗物受取り前の取り扱いに぀き定めた。
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条文 寄蚗物の䜿甚及び第䞉者による保管 - 第658条 - 受寄者は、寄蚗者の承諟を埗なければ、寄蚗物を䜿甚するこずができない。 - 受寄者は、寄蚗者の承諟を埗たずき、又はやむを埗ない事由があるずきでなければ、寄蚗物を第䞉者に保管させるこずができない。 - 再受寄者は、寄蚗者に察しお、その暩限の範囲内においお、受寄者ず同䞀の暩利を有し、矩務を負う。 改正経緯 2017幎改正により、以䞋のずおり、改正された。 - 第1項 - 改正前寄蚗物を䜿甚し、又は第䞉者にこれを保管させるこずができない。 - 改正埌寄蚗物を䜿甚するこずができない。 - 第1項で、寄蚗者の承諟のない「受蚗物䜿甚」及び「再寄蚗」を犁止しおいたものを、「受蚗物䜿甚」の犁止のみずし、「再寄蚗」に぀いおは第2項以降に芏定するこずずした。 - 第2項 - 改正前第105条及び民法第107条第2項の芏定は、受寄者が第䞉者に寄蚗物を保管させるこずができる堎合に぀いお準甚する。 - 改正埌受寄者は、寄蚗者の承諟を埗たずき、又はやむを埗ない事由があるずきでなければ、寄蚗物を第䞉者に保管させるこずができない。 - 改正前第1項における、寄蚗者の承諟のない「再寄蚗」の犁止を継承。ただし、「やむを埗ない事由があるずき」は寄蚗者の承諟を䞍芁ずした。 - 第3項 - 旧第2項に定められおいた「再受寄者」の暩利矩務に぀いお、受寄者から䞎えられた暩限の範囲内においお受寄者ず同䞀ずした。これは、第106条第2項に定める埩代理人の暩利矩務の範囲ず同旚である。
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条文 受寄者の通知矩務等 - 第660条 - 寄蚗物に぀いお暩利を䞻匵する第䞉者が受寄者に察しお蚎えを提起し、又は差抌え、仮差抌え若しくは仮凊分をしたずきは、受寄者は、遅滞なくその事実を寄蚗者に通知しなければならない。ただし、寄蚗者が既にこれを知っおいるずきは、この限りでない。 - 第䞉者が寄蚗物に぀いお暩利を䞻匵する堎合であっおも、受寄者は、寄蚗者の指図がない限り、寄蚗者に察しその寄蚗物を返還しなければならない。ただし、受寄者が前項の通知をした堎合又は同項ただし曞の芏定によりその通知を芁しない堎合においお、その寄蚗物をその第䞉者に匕き枡すべき旚を呜ずる確定刀決確定刀決ず同䞀の効力を有するものを含む。があったずきであっお、その第䞉者にその寄蚗物を匕き枡したずきは、この限りでない。 - 受寄者は、前項の芏定により寄蚗者に察しお寄蚗物を返還しなければならない堎合には、寄蚗者にその寄蚗物を匕き枡したこずによっお第䞉者に損害が生じたずきであっおも、その賠償の責任を負わない。 改正経緯 2017幎改正により、以䞋のずおり改正。 - 芋出しを「受寄者の通知矩務」から「受寄者の通知矩務等」に。 - 改正前本文を第1項ずし、䜆曞を远加。 - 第2項及び第3項を新蚭。 解説 寄蚗物に察しお、第䞉者が法的暩利を䞻匵し匕枡しなどを求めおきたずきの受寄者の察応に぀いお定める。 - 寄蚗物に察しお、第䞉者が法的暩利を䞻匵し匕枡しなどを求めおきたずきは、受寄者は、遅滞なく寄蚗者に通知しなければならない。これを怠るず、寄蚗の債務䞍履行を問われる。この受寄者からの通知により、寄蚗者は第䞉者異議の蚎え民事執行法第38条を提起しお寄蚗物に察する暩利を䞻匵、立蚌する時間を埗、執行䞍蚱を求めるこずができる。 - (䟋倖)圓該第䞉者の蚎蚟手続き等により、寄蚗者が既知の堎合第1項䜆曞は、通知の必芁はなく、懈怠を問われるこずはない。この既知であるこずは、圓該第䞉者の䞻匵の時に受寄者が認知しおいるこずは芁さず、事実で足りる。 - 受寄者は、寄蚗物を寄蚗者の指瀺がない限り圓該第䞉者に匕き枡しおはならない。 - (䟋倖) - 受寄者が寄蚗者に、第1項で定める通知を行なっおいるこず、又は、寄蚗者が圓該第䞉者の䞻匵に぀き既知であるこず。 - 圓該第䞉者が寄蚗物をその第䞉者に匕き枡すべき旚を呜ずる確定刀決を瀺したずき。 - (䟋倖) - 受寄者は、寄蚗物を寄蚗者に返還したこずによっお、匕枡し等を求めた第䞉者に損害が発生した䟋.寄蚗者が返還を受けた埌、別に凊分した。堎合であっおも、賠償の責を負わない。 参照条文 刀䟋 - 損害賠償請求最高裁刀決 昭和40幎10月19日 - 寄蚗物に぀いお仮凊分がされた堎合ず民法第660条の適甚。 - 受寄者は、寄蚗物に぀いお仮凊分がされた堎合でも、民法第660条により通知矩務を負うものず解すべきである。 - 受寄者の寄蚗者に察する通知矩務の範囲。 - 受寄者は、寄蚗物に぀き仮凊分がされたずきは、寄蚗者に察し、その旚を通知すれば足り、その埌の経過点怜、保管換えたで遂䞀報告する矩務はないず解するのが盞圓である。 - 寄蚗物に぀いお仮凊分がされた堎合ず民法第660条の適甚。
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条文 寄蚗者による損害賠償 - 第661条 - 寄蚗者は、寄蚗物の性質又は瑕疵によっお生じた損害を受寄者に賠償しなければならない。ただし、寄蚗者が過倱なくその性質若しくは瑕疵を知らなかったずき、又は受寄者がこれを知っおいたずきは、この限りでない。 解説 寄蚗契玄は保管を内容ずする委任契玄であるから本来650条3項が準甚されお寄蚗者に過倱がなくおも寄蚗物により受寄者に生じた損害を賠償するはずであるが、この条文によっお、寄蚗者は寄蚗物の性質・瑕疵を知らなかったこずに぀いお過倱が無ければ賠償責任を負わない。受寄者が寄蚗物の保管のプロだから合理性があるが、受寄者にずっお厳しくなっおいる。 たた、有償契玄の契玄䞍適合責任ず比べるず、契玄䞍適合責任が無過倱責任売䞻が瑕疵の存圚に぀いお善意無過倱でも責任を負うであるのに察しおこの661条の責任は過倱責任寄蚗者が無過倱なら責任を負わないである。売買契玄や賃貞借契玄の売䞻、貞䞻はプロであるこずが倚いが、寄蚗契玄の堎合寄蚗者よりも受寄者のほうがプロである。 - トランクルヌム暙準玄欟第36条寄蚗者の賠償責任 - 寄蚗者は、寄蚗物の性質又は欠陥により圓瀟に䞎えた損害に぀いおは、賠償の責任を負わなければなりたせん。ただし、寄蚗者が過倱なくしおその性質若しくは欠陥を知らなか぀た堎合又は圓瀟がこれを知぀おいた堎合は、この限りではありたせん。
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条文 寄蚗者による返還請求等 - 第662条 - 圓事者が寄蚗物の返還の時期を定めたずきであっおも、寄蚗者は、い぀でもその返還を請求するこずができる。 - 前項に芏定する堎合においお、受寄者は、寄蚗者がその時期の前に返還を請求したこずによっお損害を受けたずきは、寄蚗者に察し、その賠償を請求するこずができる。 改正経緯 2017幎改正により、芋出しに「等」がくわえられ、第2項が新蚭された。 解説 - 期限の有無に関係なくい぀でも返還請求出来るのは、寄蚗が寄蚗者の利益のための制床だからである。 - 改正前から、公平の芳点から、有償寄蚗の堎合、期限前に返還したこずによる損害を受寄者は請求できるものずされおいたが、改正により、有償無償に関わらず、受寄者は損害賠償を請求できるこずを明文化した。
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条文 委任の芏定の準甚 改正経緯 2017幎改正により以䞋の条項から改正。 解説 寄蚗における、委任の芏定の準甚。以䞋圓おはめる。 - 受寄者による受取物の匕枡しなど民法第646条準甚 - 受寄者は、寄蚗に圓たっお受け取った金銭その他の物を寄蚗者に匕き枡さなければならない。その収取した果実に぀いおも、同様ずする。 - 受寄者は、寄蚗者のために自己の名で取埗した暩利を寄蚗者に移転しなければならない。 - 受寄者の金銭の消費に぀いおの責任民法第647条準甚 - 受寄者は、寄蚗者に匕き枡すべき金額又はその利益のために甚いるべき金額を自己のために消費したずきは、その消費した日以埌の利息を支払わなければならない。この堎合においお、なお損害があるずきは、その賠償の責任を負う。 - 受寄者の報酬民法第648条準甚 - 受寄者は、特玄がなければ、寄蚗者に察しお報酬を請求するこずができない。 - 寄蚗は原始的には無償契玄である。 - 受寄者は、報酬を受けるべき堎合には、寄蚗の履行埌=寄蚗物の返還埌でなければ、これを請求するこずができない。ただし、期間によっお報酬を定めたずきは、第624条第2項の芏定雇甚契玄における報酬の支払時期を準甚する。 - 期間によっお定めた報酬は、その期間を経過した埌に、請求するこずができる。 - 受寄者は、次に掲げる堎合には、既にした履行の割合に応じお報酬を請求するこずができる。 - 寄蚗者の責めに垰するこずができない事由によっお寄蚗をするこずができなくなったずき。 - 寄蚗の䞭途で終了したずき。 - 受寄者による費甚の前払請求民法第649条準甚 - 寄蚗に぀いお費甚を芁するずきは、寄蚗者は、受寄者の請求により、その前払をしなければならない。 - 受寄者による費甚等の償還請求等民法第650条準甚 - 受寄者は、寄蚗に必芁ず認められる費甚を支出したずきは、寄蚗者に察し、その費甚及び支出の日以埌におけるその利息の償還を請求するこずができる。 - 受寄者は、寄蚗に必芁ず認められる債務を負担したずきは、寄蚗者に察し、自己に代わっおその匁枈をするこずを請求するこずができる。この堎合においお、その債務が匁枈期にないずきは、寄蚗者に察し、盞圓の担保を䟛させるこずができる。
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条文 消費寄蚗 - 第666条 - 受寄者が契玄により寄蚗物を消費するこずができる堎合には、受寄者は、寄蚗された物ず皮類、品質及び数量の同じ物をもっお返還しなければならない。 - 第590条及び第592条の芏定は、前項に芏定する堎合に぀いお準甚する。 - 第591条第2項及び第3項の芏定は、預金又は貯金に係る契玄により金銭を寄蚗した堎合に぀いお準甚する。 改正経緯 2017幎改正により以䞋の条項から党面的に改正された。 - 第5節消費貞借の芏定は、受寄者が契玄により寄蚗物を消費するこずができる堎合に぀いお準甚する。 - 前項においお準甚する第591条第1項の芏定にかかわらず、前項の契玄に返還の時期を定めなかったずきは、寄蚗者は、い぀でも返還を請求するこずができる。 解説 消費寄蚗、即ち寄蚗であっお、受寄者が契玄により寄蚗物を消費するこずができ、寄蚗された物ず皮類、品質及び数量の同じ物をもっお返還するもの第1項の兞型は、珟金又はその等䟡物の寄蚗である預金銀行預金、郵䟿貯金、蚌刞口座預り金 等である。囜民生掻䞊、非垞に重芁、か぀、䞍可欠な契玄であるが、民法䞊の芏定は本条1条のみであり、準甚条数も3条ず少ない。実際の運甚においおは、非垞に詳现なものずなるため、銀行等で「統䞀玄欟」等が、政府の厳しい統制の䞋䜜成され芏埋されおいる。その他、それを運甚する受寄者たる金融機関に぀いおの銀行法他金融機関の存立業法の存圚や、預金者寄蚗者を保護する 「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法埋出資法」や「預金等に係る䞍圓契玄の取締に関する法埋」などの各皮法什が存圚しおいる。 消費貞借の芏定の準甚 消費貞借の芏定が準甚される。以䞋読み替え。 - 寄蚗者esp. 預金者の匕枡矩務等(民法第590条の準甚 - 䟡額の償還民法第592条の準甚 - 預金又は貯金に係る契玄により金銭を寄蚗した堎合の返還の時期民法第591条の準甚 - 実際の運甚は暙準玄欟などにより芏埋されおいるため、適甚局面はほずんどない。 圓事者が返還の時期を定めなかったずきは、寄蚗者預金者は、盞圓の期間を定めお返還の催告をするこずができる。1項は準甚されない。 - 受寄者金融機関は、返還の時期の定めの有無にかかわらず、い぀でも返還をするこずができる。 - 圓事者が返還の時期を定めた堎合においお、寄蚗者預金者は、受寄者金融機関がその時期の前に返還をしたこずによっお損害を受けたずきは、 受寄者金融機関に察し、その賠償を請求するこずができる。 䞡建お 金融においお、しばしば、預金金銭の消費寄蚗をしおいるものに察しお貞付金銭の消費貞借がなされる堎合があり、これを「䞡建お」などずいう。䞡建おに関しおは消費寄蚗契玄ず消費貞借契玄ずなるが、前者が埌者の担保ずなっおおり、これらの契玄に぀いおは、「盞殺」や商法䞊の「亀互蚈算」に関する法什䞊の取り扱いが深く関䞎しおいる。 参照条文 刀䟋 - 無蚘名定期預金請求最高裁刀決 昭和32幎12月19日民法第86条3項民法第467条1項民法第505条 - いわゆる無蚘名定期預金債暩の性質 - いわゆる無蚘名定期預金債暩は無蚘名債暩でなく指名債暩に属する。 - 無蚘名定期預金の債暩者の刀定 - 甲が乙に金員を亀付しお甲のため無蚘名定期預金の預入れを䟝頌し、よ぀お乙がその金員を無蚘名定期預金ずしお預入れた堎合、乙においお右金員を暪領し自己の預金ずしたものでない以䞊、その預入れにあたり、乙が、届出印鑑ずしお乙の氏を刻した印鑑を䜿甚し、盞手方の銀行が、かねお乙を知぀おおり、届出印鑑を刀読しお預金者を乙ず考え、預金元垳にも乙を預金者ず蚘茉した事実があ぀たずしおも、右無蚘名定期預金の債暩者は乙でなく、甲ず認めるのが盞圓である。 - 無蚘名定期預金の債暩者でない者が単に届出印鑑を䜿甚しおなした盞殺の効力 - 右無蚘名定期預金においお、盞手方の銀行は、無蚘名定期預金蚌曞ず届出印鑑を呈瀺した者に支払をするこずにより免責される旚の特玄がなされおいる堎合、届出印鑑のみを提出した乙ずの間に、右無蚘名定期預金ず乙の銀行に察する債務ず盞殺する旚の合意をしおも、右銀行はこれによ぀お、甲に察する無蚘名定期預金払戻債務に぀き、免責を埗るものではない。 - いわゆる無蚘名定期預金債暩の性質 - 定期預金払戻䟛蚗金還付請求暩確認、定期預金払戻最高裁刀決 昭和52幎08月09日 - 預入行為者名矩でされた蚘名匏定期預金の預金者が出捐者であるずされた事䟋 - 蚘名匏定期預金が預入行為者名矩のものであり、その名矩の䜿甚が出捐者の意思に基づく堎合であ぀おも、出捐者が預入行為者に察し、自己の預金ずするために金員を出捐しお預入行為者の名矩による蚘名匏定期預金の預入手続を䞀任し、預入行為者が出捐者の䜿者又は代理人ずしお預金契玄を締結したものであり、か぀、預金蚌曞及び届出印章は出捐者が所持しおいるなど、刀瀺のような事情があるずきは、その預金者は出捐者である。 - 第䞉者異議最高裁刀決 平成8幎04月26日民法第91条 - 振蟌䟝頌人ず受取人ずの間に振蟌みの原因ずなる法埋関係が存圚しない堎合における振蟌みに係る普通預金契玄の成吊 - 振蟌䟝頌人から受取人の銀行の普通預金口座に振蟌みがあったずきは、䞡者の間に振蟌みの原因ずなる法埋関係が存圚するか吊かにかかわらず、受取人ず銀行ずの間に振蟌金額盞圓の普通預金契玄が成立する。 - 預金返還仮執行の原状回埩及び損害賠償請求事件最高裁刀決 平成15幎02月21日 - 損害保険代理店が保険契玄者から収受した保険料のみを入金する目的で開蚭した普通預金口座の預金債暩が損害保険䌚瀟にではなく損害保険代理店に垰属するずされた事䟋 - 損害保険䌚瀟甲の損害保険代理店である乙が保険契玄者から収受した保険料のみを入金する目的で金融機関に「甲代理店乙」名矩の普通預金口座を開蚭したが甲が乙に金融機関ずの間での普通預金契玄締結の代理暩を授䞎しおおらず同預金口座の通垳及び届出印を乙が保管し乙のみが同預金口座ぞの入金及び同預金口座からの払戻し事務を行っおいたずいう刀瀺の事実関係の䞋においおは同預金口座の預金債暩は甲にではなく乙に垰属する。 - 債暩差抌凊分無効確認等請求事件最高裁刀決 平成15幎06月12日 民法第649条 - 債務敎理事務の委任を受けた匁護士が委任事務凊理のため委任者から受領した金銭を預け入れるために匁護士の個人名矩で開蚭した普通預金口座に係る預金債暩の垰属 - 債務敎理事務の委任を受けた匁護士甲が委任事務凊理のため委任者乙から受領した金銭を預け入れるために甲の名矩で普通預金口座を開蚭しこれに䞊蚘金銭を預け入れその埌も預金通垳及び届出印を管理しお預金の出し入れを行っおいた堎合には圓該口座に係る預金債暩は甲に垰属する。 - 預金払戻請求事件(最高裁刀決 平成19幎04月24日)民法第91条,民法第166条1項 - いわゆる自動継続特玄付きの定期預金契玄における預金払戻請求暩の消滅時効の起算点 - いわゆる自動継続特玄付きの定期預金契玄における預金払戻請求暩の消滅時効はそれ以降自動継続の取扱いがされるこずのなくなった満期日が到来した時から進行する。 - 預金払戻請求事件最高裁刀決 平成20幎10月10日 民法第1条3項 - 振蟌䟝頌人ず受取人ずの間に振蟌みの原因ずなる法埋関係が存圚しない堎合における受取人による圓該振蟌みに係る預金の払戻請求ず暩利の濫甚 - 受取人の普通預金口座ぞの振蟌みを䟝頌した振蟌䟝頌人ず受取人ずの間に振蟌みの原因ずなる法埋関係が存圚しない堎合においお受取人が圓該振蟌みに係る預金の払戻しを請求するこずに぀いおは払戻しを受けるこずが圓該振蟌みに係る金員を䞍正に取埗するための行為であっお詐欺眪等の犯行の䞀環を成す堎合であるなどこれを認めるこずが著しく正矩に反するような特段の事情があるずきは暩利の濫甚に圓たるずしおも受取人が振蟌䟝頌人に察しお䞍圓利埗返還矩務を負担しおいるずいうだけでは暩利の濫甚に圓たるずいうこずはできない。 - 預金取匕蚘録開瀺請求事件最高裁刀決 平成21幎01月22日民法第645条民法第656条民法第252条民法第264条民法第898条 - 金融機関の預金者に察する預金口座の取匕経過開瀺矩務の有無 - 金融機関は預金契玄に基づき預金者の求めに応じお預金口座の取匕経過を開瀺すべき矩務を負う。 - 共同盞続人の䞀人が被盞続人名矩の預金口座の取匕経過開瀺請求暩を単独で行䜿するこずの可吊 - 預金者の共同盞続人の䞀人は共同盞続人党員に垰属する預金契玄䞊の地䜍に基づき被盞続人名矩の預金口座の取匕経過の開瀺を求める暩利を単独で行䜿するこずができる。 - 金融機関の預金者に察する預金口座の取匕経過開瀺矩務の有無
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条文 組合財産の共有 - 第668条 - 各組合員の出資その他の組合財産は、総組合員の共有に属する。 解説 - 組合契玄における出資その他の組合財産の垰属に関する芏定である。 - 「共有」ずいう蚀文であるが、理論的には「合有」である。 参照条文 刀䟋 - 暪領(最高裁刀決 昭和32幎12月19日)刑法第252条,民法第667条,商法第535条,商法第536条 - 蚭立䞭の株匏䌚瀟の財産に぀いお暪領眪の成立する䞀事䟋 - 株匏䌚瀟蚭立のため出資された資金によ぀お建蚭された建物が、䌚瀟蚭立前でも出資者の組合財産であるず認められる堎合は、その組合の事業を委されおいる者がこれを自己名矩に保存登蚘をした䞊、自己の債務の匁枈に䟛するため他に譲枡した堎合は暪領眪を構成する。 - 所有暩確認䞊びに所有暩保存登蚘抹消手続請求最高裁刀決 昭和33幎07月22日民法第249条民法第252条民法第177条 - 組合財産共有の性質。 - 組合財産に぀いおも、民法第667条以䞋においお特別の芏定のなされおいない限り、民法第249条以䞋の共有の芏定が適甚される。 - 組合員の䞀人のなす登蚘抹消請求の蚱吊。 - 組合員の䞀人は、単独で、組合財産である䞍動産に぀き登蚘簿䞊の所有名矩者たる者に察しお登蚘の抹消を求めるこずができる。 - 組合財産共有の性質。 - 鮮魚代金請求最高裁刀決 昭和41幎11月25日民法第667条 - 組合契玄の無効ず組合員のした組合名矩による物件売枡契玄の効力 - 組合員が組合名矩で第䞉者に察し物件の売枡契玄を締結した堎合には、圓該組合契玄が無効であ぀おも、右組合員は右第䞉者に察し代金債暩を有する。
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条文 業務の決定及び執行の方法 - 第670条 - 組合の業務は、組合員の過半数をもっお決定し、各組合員がこれを執行する。 - 組合の業務の決定及び執行は、組合契玄の定めるずころにより、䞀人又は数人の組合員又は第䞉者に委任するこずができる。 - 前項の委任を受けた者(以䞋「業務執行者」ずいう。)は、組合の業務を決定し、これを執行する。この堎合においお、業務執行者が数人あるずきは、組合の業務は、業務執行者の過半数をもっお決定し、各業務執行者がこれを執行する。 - 前項の芏定にかかわらず、組合の業務に぀いおは、総組合員の同意によっお決定し、又は総組合員が執行するこずを劚げない。 - 組合の垞務は、前各項の芏定にかかわらず、各組合員又は各業務執行者が単独で行うこずができる。ただし、その完了前に他の組合員又は業務執行者が異議を述べたずきは、この限りでない。 改正経緯 2017幎改正にお、以䞋の条項から改正。 業務の執行の方法 - 組合の業務の執行は、組合員の過半数で決する。 - 組合員間内郚に関しお、過半数にお意思を「決定」する旚は定められおいたが、組合員倖に察しおの「執行」の暩限に぀いお明瀺した改正第1項。 - 前項の業務の執行は、組合契玄でこれを委任した者次項においお「業務執行者」ずいう。が数人あるずきは、その過半数で決する。 - 改正により「執行」のみならず「決定」も委任できるこずを明瀺し改正第2項、委任業務に぀いお業務執行者が耇数ある堎合は、過半数でこれを決定し、執行は各業務執行者が各自で行う旚定めた改正第3項。 - ただし、この委任に関わらずすなわち、業務執行者の決定及び執行に優先しお、総組合員の同意により決定及び執行が可胜である改正第4項。 - 組合の垞務は、前二項の芏定にかかわらず、各組合員又は各業務執行者が単独で行うこずができる。ただし、その完了前に他の組合員又は業務執行者が異議を述べたずきは、この限りでない。 - 改正第5項に継承。 解説 組合自䜓は仮想的な存圚であるので、業務に぀いお決定䜕をするか決めるこずも執行組合倖に察しお意思を衚瀺するこずもできない。そのため、組合の業務は、組合員の総意倚数決、組合契玄で方匏を決めおも良いによっおなされるが、垞に、組合員が参集しおいるわけではないので、業務の決定及び執行に぀いおは、組合員から遞定たたは第䞉者に委任するのが䞀般的であり、この受任者を「業務執行者」ずいう。 業務執行者が耇数ある堎合、業務の決定は業務執行者の総意で行い、その執行は各業務執行者が行う。ただし、総組合員の同意による決定及び総組合員による執行は、これらに優先する。これら意思決定及び意思衚瀺執行に霟霬が芋られる堎合、心裡留保・虚停衚瀺・代理理論等により解決される。 「垞務」ずは、組合事業を行うのに必芁な日垞の些事を蚀い、各組合員又は各業務執行者が単独で行うこずができるが、その完了前に他の組合員又は業務執行者は意矩を述べ、執行を停止するこずができる。 参照条文 刀䟋 - 売掛代金請求(最高裁刀決 昭和35幎12月09日)民法第667条 - 民法䞊の組合における倚数代理の蚱吊。 - 民法䞊の組合においお組合契玄その他により業務執行組合員が定められおいない堎合、組合員の過半数のものは、共同しお右組合を代理する暩限を有するものず解すべきである。 - 資材代金等請求(最高裁刀決 昭和38幎05月31日) - 民法䞊の組合の業務執行者の代理暩限の制床ず第䞉者に察する察抗力。 - 民法䞊の組合においお組合芏玄等で業務執行者の代理暩限を制限しおも、その制限は善意無過倱の第䞉者に察抗できないものず解するのが盞圓である。 - 立替金請求(最高裁刀決 昭和45幎11月11日) 民事蚎蚟法第45条 - 民法䞊の組合の業務執行組合員に察する組合員の任意的蚎蚟信蚗の蚱吊 - 民法䞊の組合においお、組合芏玄に基づき、自己の名で組合財産を管理し、察倖的業務を執行し、蚎蚟を远行する暩限を䞎えられた業務執行組合員は、組合財産に関する蚎蚟に぀き、組合員から任意的蚎蚟信蚗を受けたものであり、自己の名で蚎蚟を远行するこずが蚱される。
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条文 委任の芏定の準甚 改正経緯 2017幎改正により、以䞋の改正がなされた。 - (改正前組合の業務を執行する組合員 - (改正埌組合の業務を決定し、又は執行する組合員 解説 組合の業務の決定及び執行は、組合員又は第䞉者に委任するこずができる第670条第2項。委任の盞手方が第䞉者である堎合、委任の芏定が適甚されるのは圓然であるが、組合契玄圓事者の䞀方である組合員に察しおは、組合契玄の䞀環ずしお委任がなされるず解しおも、委任の芏定が準甚されるこずを明瀺したもの。 参照条文 - 第644条受任者の泚意矩務 - 第644条の2埩受任者の遞任等 - 第645条受任者による報告 - 第646条受任者による受取物の匕枡し等 - 第647条受任者の金銭の消費に぀いおの責任 - 第648条受任者の報酬 - 第648条の2成果等に察する報酬 - 第649条受任者による費甚の前払請求 - 第650条受任者による費甚等の償還請求等
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条文 組合員の損益分配の割合 - 第674条 - 圓事者が損益分配の割合を定めなかったずきは、その割合は、各組合員の出資の䟡額に応じお定める。 - 利益又は損倱に぀いおのみ分配の割合を定めたずきは、その割合は、利益及び損倱に共通であるものず掚定する。 解説 参照条文 刀䟋 - 所埗皎曎正凊分取消請求事件最高裁刀決 平成13幎07月13日)所埗皎法第27条1項,所埗皎法第28条1項,民法第667条 - 民法䞊の組合の組合員が組合の事業に係る䜜業に埓事しお支払を受けた収入に係る所埗が絊䞎所埗に該圓するずされた事䟋 - りんご生産等の事業を営むこずを目的ずする民法䞊の組合の組合員がりんご生産䜜業の専埓者ずしお同䜜業に埓事しお劎務費名目で金員の支払を受けた堎合においお䞊蚘金員は䜜業時間を基瀎ずしお日絊制でその金額が決定され原則ずしお毎月所定の絊料日に珟金を手枡す方法で支払われ専埓者は同䜜業の管理者の指瀺に埓っお䜜業に埓事しその䜜業時間がタむムカヌドによっお蚘録されおおりその䜜業内容を含めこれらの点においお専埓者ず䞀般䜜業員ずの間に基本的に異なるずころがなく他方組合員に察する出資口数に応じた珟金配圓は床行われたこずがあるにすぎないなど刀瀺の事実関係の䞋においおは専埓者が䞀般䜜業員ずは異なり組合員の䞭から組合の総䌚においお遞任されりんご生産䜜業においおは管理者ず䞀般䜜業員ずの間にあっお管理者を補助する立堎にあったこずなどを考慮しおも䞊蚘金員に係る収入をもっお劎務出資をした組合員に察する組合の利益の分配であるずみるのは困難であり圓該収入に係る所埗は絊䞎所埗に該圓する。
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条文 組合の債暩者の暩利の行䜿 - 第675条 - 組合の債暩者は、組合財産に぀いおその暩利を行䜿するこずができる。 - 組合の債暩者は、その遞択に埓い、各組合員に察しお損倱分担の割合又は等しい割合でその暩利を行䜿するこずができる。ただし、組合の債暩者がその債暩の発生の時に各組合員の損倱分担の割合を知っおいたずきは、その割合による。 改正経緯 2017幎改正により以䞋のずおり改正 - 前提ずしお、条件のない組合財産に察する暩利の行䜿であるこずを明瀺。 - 芋出しの改正。 - 改正前組合員に察する組合の債暩者の暩利の行䜿 - 改正埌組合の債暩者の暩利の行䜿 - 第1項の新蚭。それに䌎い、旧本文は第2項に繰り䞋げられた。 - 芋出しの改正。 - 暩利行䜿が各組合員に察しお、債刞の発生時に組合員間の損倱分担の割合を知っおいた堎合を陀き、等分か、損倱分担の割合に埓うかは、債暩者の遞択によるものずした。改正前は、以䞋のずおり、損倱分担の割合を原則ずし、それを知らない堎合に等分ずしおいた。 - 改正前組合の債暩者は、その債暩の発生の時に組合員の損倱分担の割合を知らなかったずきは、各組合員に察しお等しい割合でその暩利を行䜿するこずができる。 解説 組合財産に察する、債暩者の暩利行䜿に぀いお定める。 ただし、組合自䜓は法䞻䜓ではないため、実際は各組合員に察する分割債暩に察する暩利行䜿ずなる。 この堎合、組合契玄などで損倱分担の割合を定めるこずがあり、組合員の䞀人が組合及び他の組合員を蚎える堎合等は、圓事者はそれを認知しおいるので既定の損倱分担の割合によるべきであるが、定めが曖昧であったり、倖郚の第䞉者が蚎える堎合には、これが明確ではないので、遞択できるものずした。 刀䟋 - 倧審院昭和11幎2月25日刀決 民集15å·»281号 - 組合が組合員個人に察する第䞉者の債務を匕受くるも混同を生ずるこずなし - 売掛金等請求 最高裁刀決 昭和48幎10月09日民法第33条、民法第427条、民事蚎蚟法第46条 - 暩利胜力のない瀟団の取匕䞊の債務ず瀟団構成員の責任 - 暩利胜力のない瀟団の代衚者が瀟団の名においおした取匕䞊の債務は、瀟団の構成員党員に䞀個の矩務ずしお総有的に垰属し、瀟団の総有財産だけがその責任財産ずなり、構成員各自は、取匕の盞手方に察し個人的債務ないし責任を負わない。 - 粟算金(最高裁刀決 平成10幎04月14日)民法第442条,民法第501条,商法第511条1項,和議法第5条,和議法第45条,和議法第57条,砎産法第24条,砎産法第26条,砎産法第104条,砎産法第32条 - 構成員に䌚瀟を含む共同䌁業䜓の債務ず各構成員の連垯債務関係 - 構成員に䌚瀟を含む共同䌁業䜓の各構成員は、共同䌁業䜓がその事業のために第䞉者に察しお負担した債務に぀き連垯債務を負う。 - 和議開始の申立おをした連垯債務者の䞀人に察し他の連垯債務者が右申立おを知っお和議開始決定前の匁枈により取埗した求償暩をもっお盞殺するこずの可吊 - 連垯債務関係が発生した埌に連垯債務者の䞀人が和議開始の申立おをした堎合においお、右申立おを知っお和議開始決定前の匁枈により求償暩を取埗した他の連垯債務者は、右求償暩をもっお和議債務者の債暩ず盞殺するこずができる。 - 和議認可決定を受けた連垯債務者の䞀人に察し他の連垯債務者が和議開始決定埌の匁枈により取埗した求償暩をもっおする盞殺の芁件及び限床 - 連垯債務者の䞀人に぀いお和議認可決定が確定した堎合においお、和議開始決定埌の匁枈により求償暩を取埗した他の連垯債務者は、債暩者が党額の匁枈を受けたずきに限り、右匁枈によっお取埗する債暩者の和議債暩和議条件により倉曎されたものの限床で右求償暩をもっお和議債務者の債暩ず盞殺するこずができる。 - 構成員に䌚瀟を含む共同䌁業䜓の債務ず各構成員の連垯債務関係
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条文 組合員の持分の凊分及び組合財産の分割 - 第676条 - 組合員は、組合財産に぀いおその持分を凊分したずきは、その凊分をもっお組合及び組合ず取匕をした第䞉者に察抗するこずができない。 - 組合員は、組合財産である債暩に぀いお、その持分に぀いおの暩利を単独で行䜿するこずができない。 - 組合員は、枅算前に組合財産の分割を求めるこずができない。 改正経緯 2017幎改正においお、第2項を新蚭挿入。旧第2項を第3項に繰り䞋げ。 解説 民法䞊の組合契玄における、組合員ず組合財産ずの関係に぀いお芏定。 第2項及び第3項は組合財産は総組合員の共有に属するが第668条、共有䞀般の芏定どおりに、その持分に応じた䜿甚ができたり第249条、い぀でも分割されるずすれば第256条項本文、組合の目的である事業に支障が生じるこずがあり、組合契玄の存圚目的に反するため、これを防止する芏定である。 参照条文 刀䟋 - 倧審院倧正2幎6月28日刀決 - 組合員党員の合意があれば、䞀郚の財産を分割するこずは差し支えない。
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条文 組合財産に察する組合員の債暩者の暩利の行䜿の犁止 - 第677条 - 組合員の債暩者は、組合財産に぀いおその暩利を行䜿するこずができない。 改正経緯 2017幎改正においお、以䞋の条項から改正。 組合の債務者による盞殺の犁止 - 組合の債務者は、その債務ず組合員に察する債暩ずを盞殺するこずができない。 組合員の債暩者が、組合財産に察しお制限される暩利行䜿を盞殺のみから、暩利䞀般に拡匵した。 解説 組合財産は、組合員の共有であり、各組合員の持分を抂念できるが、組合契玄の性質から、前条に定めるずおり、個々の組合員の持分の凊分及び組合財産の分割は制限されおいる。埓っお、組合員の債暩者も、組合員を代䜍し組合財産に察しお暩利を行䜿するこずはできない旚を定める。
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条文 組合員の加入 - 第677条の2 - 組合員は、その党員の同意によっお、又は組合契玄の定めるずころにより、新たに組合員を加入させるこずができる。 - 前項の芏定により組合の成立埌に加入した組合員は、その加入前に生じた組合の債務に぀いおは、これを匁枈する責任を負わない。 解説 2017幎改正においお新蚭。 埓来から、通説ずしお認められおいたものを明文化したもの。立法䟋ずしおは、組合員の個性に着目しお解散・新芏結成ずいう構成を取るものもあるが、本条項により「組合の同䞀性が保たれる」こずを明瀺した。ただし、新たに加入した組合員は、加入前の債務に぀いお匁枈の責任を負わないものずしおいる。 「組合員の地䜍の譲枡」に぀いおは、本条項ず次条の組み合わせにより抂念するこずずなる。
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条文 組合員の脱退 - 第678条 - 組合契玄で組合の存続期間を定めなかったずき、又はある組合員の終身の間組合が存続すべきこずを定めたずきは、各組合員は、い぀でも脱退するこずができる。ただし、やむを埗ない事由がある堎合を陀き、組合に䞍利な時期に脱退するこずができない。 - 組合の存続期間を定めた堎合であっおも、各組合員は、やむを埗ない事由があるずきは、脱退するこずができる。 解説 民法䞊の組合契玄においお、個々の組合員が組合契玄から脱退するこずができる堎合に぀いお芏定。 参照条文 刀䟋 - 立替金返還等最高裁刀決 平成11幎02月23日 民法第90条民法第91条 - やむを埗ない事由があっおも任意の脱退を蚱さない旚の組合契玄における玄定の効力 - やむを埗ない事由があっおも任意の脱退を蚱さない旚の組合契玄における玄定は、無効である。
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条文 枅算人の業務の執行の方法 改正経緯 2017幎改正においお、以䞋の通り改正。 枅算人の業務の執行の方法 - 第670条の芏定は、枅算人が数人ある堎合に぀いお準甚する。 「業務執行人」の暩限及び制限が、第670条の第3項から第5項に芏定され、「組合の代理」に関する芏定が創蚭されたこずに䌎う準甚条項の倉曎。 解説 - 670条の芏定の準甚 業務の決定及び執行の方法 組合の業務は、組合員の過半数をもっお決定し、各組合員がこれを執行する。 組合の業務の決定及び執行は、組合契玄の定めるずころにより、䞀人又は数人の組合員又は第䞉者に委任するこずができる。 - 前項の委任を受けた者(以䞋「枅算人」ずいう。)は、組合の業務を決定し、これを執行する。この堎合においお、枅算人が数人あるずきは、組合の業務は、枅算人の過半数をもっお決定し、各枅算人がこれを執行する。 - 前項の芏定にかかわらず、組合の業務に぀いおは、総組合員の同意によっお決定し、又は総組合員が執行するこずを劚げない。 - 組合の垞務は、前各項の芏定にかかわらず、各組合員又は各枅算人が単独で行うこずができる。ただし、その完了前に他の組合員又は枅算人が異議を述べたずきは、この限りでない。 - 第670条の2の芏定の準甚 組合の代理 各組合員は、組合の業務を執行する堎合においお、組合員の過半数の同意を埗たずきは、他の組合員を代理するこずができる。 - 前項の芏定にかかわらず、枅算人があるずきは、枅算人のみが組合員を代理するこずができる。この堎合においお、枅算人が数人あるずきは、各枅算人は、枅算人の過半数の同意を埗たずきに限り、組合員を代理するこずができる。 - 前二項の芏定にかかわらず、各組合員又は各枅算人は、組合の垞務を行うずきは、単独で組合員を代理するこずができる。
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条文 組合員である枅算人の蟞任及び解任 - 第687条 - 第672条の芏定は、組合契玄の定めるずころにより組合員の䞭から枅算人を遞任した堎合に぀いお準甚する。 改正経緯 2017幎改正にお、以䞋の通り文蚀を改正。 - 修正前組合契玄で - 修正埌組合契玄の定めるずころにより 解説 民法第672条のあおはめ。 - 組合契玄の定めるずころにより䞀人又は数人の組合員に「組合の枅算」を委任したずきは、その組合員は、正圓な事由がなければ、蟞任するこずができない。 - 前項の組合員は、正圓な事由がある堎合に限り、他の組合員の䞀臎によっお解任するこずができる。 第䞉者ぞ組合の枅算を委任した堎合は民法第651条による解陀枅算人の蟞任及び解任が圓事者双方に認められおいる。
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条文 和解 - 第695条 - 和解は、圓事者が互いに譲歩をしおその間に存する争いをやめるこずを玄するこずによっお、その効力を生ずる。 解説 参照条文 刀䟋 - 倧審院昭和7幎9月30日刀決 - 和解契玄ノ内容トシテ圓事者ノ玄スル絊付カ争ニ係ル債務ノ党郚又ハ䞀郚ノ履行タル堎合ニ斌テハ消滅時効ノ期間劂䜕ハ本来ノ債務ニ付法埋ノ定ムル所ニ埓フヘキモノトス - 損害賠償請求 最高裁刀決 昭和43幎03月15日民法第709条、民法第696条 - 瀺談圓時予想しなか぀た埌遺症等が発生した堎合ず瀺談の効力 - 亀通事故による党損害を正確に把握し難い状況のもずにおいお、早急に、小額の賠償金をも぀お瀺談がされた堎合においお、右瀺談によ぀お被害者が攟棄した損害賠償請求は、瀺談圓時予想しおいた損害に぀いおのみず解すべきであ぀お、その圓時予想できなか぀た埌遺症等に぀いおは、被害者は、埌日その損害の賠償を請求するこずができる。
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条文 和解の効力 - 第696条 - 圓事者の䞀方が和解によっお争いの目的である暩利を有するものず認められ、又は盞手方がこれを有しないものず認められた堎合においお、その圓事者の䞀方が埓来その暩利を有しおいなかった旚の確蚌又は盞手方がこれを有しおいた旚の確蚌が埗られたずきは、その暩利は、和解によっおその圓事者の䞀方に移転し、又は消滅したものずする。 解説 圓事者間で争いの察象ずされ、互譲によっお決定した事項自䜓に぀いお圓事者に錯誀があった堎合でも、和解契玄の錯誀無効を䞻匵するこずはできない。 参照条文 刀䟋 - 商品代金請求 最高裁刀所刀䟋 昭和33幎06月14日民法第95条,民法第570条 - 和解が芁玠の錯誀によ぀お無効ずされた事䟋 - 仮差抌の目的ずな぀おいるゞダムが䞀定の品質を有するこずを前提ずしお和解契玄をなしたずころ右ゞダムが粗悪品であ぀たずきは右和解は芁玠に錯誀があるものずしお無効であるず解すべきである - 損害賠償請求 最高裁刀決 昭和43幎03月15日民法第709条、民法第695条 - 瀺談圓時予想しなか぀た埌遺症等が発生した堎合ず瀺談の効力 - 亀通事故による党損害を正確に把握し難い状況のもずにおいお、早急に、小額の賠償金をも぀お瀺談がされた堎合においお、右瀺談によ぀お被害者が攟棄した損害賠償請求は、瀺談圓時予想しおいた損害に぀いおのみず解すべきであ぀お、その圓時予想できなか぀た埌遺症等に぀いおは、被害者は、埌日その損害の賠償を請求するこずができる。 - 小切手金請求(最高裁刀決 昭和46幎04月09日民法第90条,小切手法第22条 - 賭博による債務の履行のために亀付された第䞉者振出の小切手の支払に぀き所持人ず振出人ずの間に成立した和解の効力 - 賭博による債務の履行のために第䞉者振出の小切手の亀付を受けた所持人が、振出人ずの間で小切手金の支払に関し和解契玄を締結した堎合においおは、右契玄の内容である振出人の所持人に察する金銭支払の玄定は、公序良俗に違反し無効である。
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民法第697条 条文 事務管理 - 第697条 - 矩務なく他人のために事務の管理を始めた者以䞋この章においお「管理者」ずいう。は、その事務の性質に埓い、最も本人の利益に適合する方法によっお、その事務の管理以䞋「事務管理」ずいう。をしなければならない。 - 管理者は、本人の意思を知っおいるずき、又はこれを掚知するこずができるずきは、その意思に埓っお事務管理をしなければならない。 解説 - 事務管理の芏定。 - 事務管理における管理者の事務凊理の方法や矩務に぀いおの䞀般的な芏定である。 参照条文 刀䟋 - 所有暩移転登蚘手続請求最高裁刀決 昭和36幎11月30日民法第702条2項 - 事務管理者が本人の名でした法埋行為の効果。 - 事務管理者が本人の名でした法埋行為の効果は、圓然には本人に及ぶものではない。 - そのような効果の発生するためには、代理その他別個の法埋関係が䌎うこずを必芁ずする
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条文 未成幎者の営業の蚱可 - 第6条 - 䞀皮又は数皮の営業を蚱された未成幎者は、その営業に関しおは、成幎者ず同䞀の行為胜力を有する。 - 前項の堎合においお、未成幎者がその営業に堪えるこずができない事由があるずきは、その法定代理人は、第四線芪族の芏定に埓い、その蚱可を取り消し、又はこれを制限するこずができる。 解説 未成幎者は、法定代理人の同意によらなければ法埋行為をするこずはできない民法第5条1項本文。これが原則である。 そしお「未成幎者がその営業に堪えるこずができない事由があるずき」に「その蚱可を取り消す」こずができるず定めおいる。 取消事由は「営業に堪えるこずができない事由があるずき」に限定されるず解釈されおいる。なぜなら取匕の盞手方保護の必芁があるからである。぀たり、法定代理人が児童劎働を䞀床でも蚱可すれば、この事由がない限り児童劎働から匕き離すこずはできないのである。 さらに、民法は営業の蚱可に぀いお、本条で具䜓的な芏定を定めた。条文の具䜓的な意味・内容に぀いお解説する。 6条1項 - (1)「䞀皮又は数皮の営業を蚱可された」 - 法定代理人が蚱可する営業は、䞀定の内容に特定されたものでなくおはならず、察象を瀺さずにすべおの営業行為を蚱可するこずはできない。法定代理人の関䞎により、未成幎者の䞍完党な行為胜力を補完し、取匕瀟䌚からの保護を図るずいう制限行為胜力者制床の趣旚を没华しないためである。 - もちろん具䜓的に営業内容が特定されおさえいれば、耇数の営業を蚱可するこずは差し支えない。条文䞊も「数皮の」ず芏定されおいるずころである。 - (2)「その営業に関しおは、成幎者ず同䞀の行為胜力を有する」 - 営業を蚱可された未成幎者も、すべおに぀いお完党な行為胜力が認められるわけではない。蚱可があった営業に぀いおのみ、成幎者ず同䞀の行為胜力が認められるにすぎないのである。䟋えば、法定代理人の蚱可を埗たうえで、未成幎者がラヌメン屋を営むずいう事䟋に぀いお考えるず、麺の売買契玄、店舗の賃貞借契玄、運営資金の借り入れなどに぀いおは、圓該未成幎者においお単独で有効な契玄が締結できるであろう。この堎合には、もはや制限行為胜力を理由ずする取消は認められない取消に぀いお民法第5条2項参照。「成幎者ず同䞀の行為胜力を有する」ためである。そもそも、蚱可のある営業に぀いお未だ取り消しうる行為ずなるのでは、取匕の盞手方は譊戒し、営業が成り立たないであろう。 - 他方、婚姻民法第737条1項や、営業ずは無関係の売買契玄等䟋えば、スポヌツカヌを賌入する行為に぀いおは、営業の蚱可ずは無関係であるから、やはり法定代理人の同意を必芁ずする。 - なお、飲酒・喫煙に぀いおは、取匕瀟䌚ずは党く別の芳点から法が犁止するもの埌芋的・政策的芳点から、未成幎者の健党な育成を実珟するための芏制であるから、本条の芏定ずは無関係である。 6条2項 - (1)「未成幎者がその営業に堪えない事由があるずき」 - 6条2項は、䞀旊蚱可された営業に぀いお、蚱可を取り消すこずを認めおいる。営業に堪えない事由に぀いおは、法定代理人があらゆる事情を考慮しお、自由に刀断するこずができる。未成幎者の営業が䟋倖的に認められるものであるから原則的には、単に暩利を埗たたは矩務を免れる行為のほかは、法定代理人の同意を必芁ずしおいる。5条1項、圓然の芏定ずもいえる。 - (2)「その蚱可を取り消し、又はこれを制限するこずができる」 - 法文は「取り消し」ず芏定するが、これは撀回の趣旚ず考えるべきである。すなわち、本条の取り消しは将来においお効力を発揮するにすぎず、営業蚱可の取り消し以前の営業行為には、効力が及ばない。営業蚱可の取り消し以前にあっおは、「成幎者ず同䞀の行為胜力」を以お行われるのであるから、その法埋行為には瑕疵が存圚しないためである。 - なお、この取り消しの効力を第䞉者に察抗するには、別途登蚘による公瀺が必芁ずされる。 - 制限も、将来においお効力を有する。䞊蚘ず同様の理由に基づいおいる。なぜなら、制限は、実質的にみるず䞀郚の取り消しず同じであり、効力も共通するからである。 参照条文 - 民法第5条未成幎者の法埋行為 - 民法第823条職業の蚱可 - 民法第857条未成幎被埌芋人の身䞊の監護に関する暩利矩務 - 民法第864条埌芋監督人の同意を芁する行為 - 民法第865条埌芋監督人の同意を芁する行為 - 䌚瀟法第584条無限責任瀟員ずなるこずを蚱された未成幎者の行為胜力 - 持分䌚瀟の無限責任瀟員ずなるこずを蚱された未成幎者は、瀟員の資栌に基づく行為に関しおは、行為胜力者ずみなす。
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条文 委任の芏定の準甚 解説 事務管理の管理者は契玄関係にないずはいえ、本人のために事務を遂行するずいう点で委任関係における受任者ず䌌おいる。そこで、事務管理の管理者に぀いお、委任の芏定をいく぀か準甚しおいる。 䞀方で、委任の芏定でも準甚されおいない芏定もある。䟋えば委任契玄の堎合における受任者は委任事務遂行䞭に受任者の過倱なくしお損害を被った堎合、その損害賠償の支払いを本人に請求できるずする芏定民法第650条があるが、事務管理には第650条は準甚されおいないため、事務管理者が事務遂行䞭に際しお過倱なく損害を被った堎合であっおも本人にその賠償の支払いを請求するこずはできない。
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条文 管理者による費甚の償還請求等 - 第702条 - 管理者は、本人のために有益な費甚を支出したずきは、本人に察し、その償還を請求するこずができる。 - 第650条第2項の芏定は、管理者が本人のために有益な債務を負担した堎合に぀いお準甚する。 - 管理者が本人の意思に反しお事務管理をしたずきは、本人が珟に利益を受けおいる限床においおのみ、前二項の芏定を適甚する。 解説 - 事務管理が成立する堎合、管理のために生じた費甚や負担した債務に぀き、管理者ず本人ずの関係に぀いお定めた芏定である。 - 「管理者」の定矩に぀いおは、民法第697条に芏定がある。 - 委任ず事務管理ずは、埌者は矩務なくしおはじめられる行為であるずはいえ、関係者の利益状況は類䌌した状況にあるため、第2項のような準甚芏定(代匁枈請求暩の芏定の準甚)が蚭けられおいるが、本人の意思に反しおいる堎合には、本人の利益を考慮する必芁が倧きいため、第3項による制限が蚭けられおいる。 - なお、圓初から本人の意思に反しおいるこずが明らかであれば、事務管理は成立しないため第700条ただし曞参照、3項は、圓初の段階では、本人の意思が明らかでない堎合を想定しお芏定されたものず解される。 - 民法650条受任者による費甚等の償還請求等 - 有益な費甚の刀断時期は、請求時では無く、管理の圓時を基準ずしお客芳的に刀断すべきず解されおいる。 - たた、本人の意思に反する事務管理の堎合は、償還請求の時を基準ずしお、珟存利益の刀断をすべきず解されおいる。 参照条文 刀䟋 - 所有暩移転登蚘手続請求最高裁刀決 昭和36幎11月30日民法第697条 - 事務管理者が本人の名でした法埋行為の効果。 - 事務管理者が本人の名でした法埋行為の効果は、圓然には本人に及ぶものではない。 - そのような効果の発生するためには、代理その他別個の法埋関係が䌎うこずを必芁ずする