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PC-9821シリーズ
PC-9821シリーズは、日本電気(以下NEC、現在はNECパーソナルコンピュータに分社)が1992年(平成4年)から2003年(平成15年)まで販売していたパーソナルコンピュータの製品群の俗称で、一般的にはPC-9800シリーズのうち「PC-9821」から始まる型番の機種群を指す。1993年(平成5年)発売の98MATEシリーズから1997年(平成9年)秋にPC98-NXシリーズが発売されるまでの約4年間におけるNECのPC製品の主力機種だった。PC-9801シリーズの上位互換製品である。製品名の「9821」のうち「21」部分だけが白抜き文字となっており、「21世紀に向けたPC-9800シリーズ」という意味が込められていた。しかし、21世紀を待たずに新アーキテクチャのPC98-NXシリーズが発売され、21世紀に入って数年で受注終了となった。 PC-9821シリーズは先行するPC-9801シリーズに対して上位互換性を有する、事実上の後継機となる機種群である。大半の機種では独自の256色表示回路(拡張グラフアーキテクチャ)が搭載されており、これはPC-9801型番のほとんどの機種では搭載されていなかったことからPC-9821の象徴的な特徴と見なされることがある。しかし若干の例外もあるため両者の型番以外の差異はそれほど厳密ではなく、おおむねMicrosoft Windowsの利用が想定された機種であり、標準で640×480ドット256色の画面モードを持つとされる。またPC-9801シリーズではノート機のカラーLCDモデルには"C"という型番・枝番が付けられていたが、PC-9821シリーズにはそれが無く、PC-9821Nmを除き全てカラーモデルだという特徴もある。PC-9801シリーズと同様に、関連機種としてファクトリーコンピュータ(産業用コンピュータ)であるFC-9821シリーズも存在する。 PC-9821型番のシリーズは1993年(平成5年)1月のMATE Aシリーズ登場によりNECの主力PCとして本格的にラインナップされるようになった。この時点では先行する初代PC-9821およびその直系の98MULTiシリーズとの共通点として、PEGCと呼ばれる拡張グラフアーキテクチャおよびPC-9801-86相当音源(86音源)の標準搭載がPC-9821型番の条件であると考えられていた。しかし86音源については早くも1993年(平成5年)5月発表のノート機PC-9821Neには搭載されなくなっている。その後1993年(平成5年)11月発表のMATE BシリーズやPC-9821TsではPEGCとは異なる仕様で互換性の無いグラフィックチップが採用されたことから、PEGCについてもPC-9821の必要条件とは言えなくなった。これについてNECは(PC-9821型番である)MATEシリーズの定義として、Windows上で標準で640×480ドット256色の画面モードを持つという見解を示している。翌1994年(平成6年)7月に主力ラインナップがMATE-Xシリーズに取って代わると、以降のPC-9821型番機では(一部のノート機を除き)PEGCに比べて一部機能を簡素化した下位互換性を有する拡張グラフアーキテクチャを標準搭載するようになり、後にWindowsでスタンダードディスプレイアダプタの役割を果たした。この画面モードは後にPC-9801型番最後の機種であるPC-9801BX4にも搭載された。そのため、最終的に拡張グラフアーキテクチャ(の搭載の有無)はPC-9821の十分条件とも言いがたくなった。 1992年(平成4年)10月に発売された、Intel 80386SXCPU機である初代PC-9821「98MULTI」(後にIは小文字に改められた。ロゴでは「mULTi」)は、前年の1991年(平成3年)10月に発売された、Windows 3.0(+MME)環境のためハードウェアの拡張を施したマルチメディア志向の「PC-98GS」に似た機能を持つ機種だが、一部機能が省略され価格が抑えられている。 グラフィック機能は従来のPC-9800シリーズのものに加え、EGC (Enhanced Graphic Charger)上位互換のPEGCによる640ドット×480ライン同時256色という拡張表示モードを持ち、音源はFM音源(YM2608/PC-98DO互換)とPCM音源を搭載した(後に音源部は単体でPC-9801-86ボードとして発売された)。さらにPC-98GSと同様にCD-ROM(SCSI接続)を搭載し、PC-9801-55相当のSCSIも搭載していた。 当時同じCPUを搭載した「PC-9801FS」より安価で多機能という意欲的な機種だったものの、Windows用途には非力だったことから当時はあまり注目されず、評価も芳しくなかった。一方、従来のPC-9800シリーズで利用されていたMS-DOSアプリケーションも活用できたことは、PC/AT互換機にはない利点だった。 Windows 3.xの時代(Windows 3.0の発売は英語版1990年5月/日本語版1991年2月、Windows 3.1は英語版1992年4月/日本語版1993年5月)には、主要なビジネスアプリケーションが相次いでWindowsへと対応したほか、DOS/Vの登場により、コンパックの製品など日本語に対応しつつも廉価なPC/AT互換機による攻勢が相次ぐようになり、日本の国産機メーカー各社はこれらへの対応を迫られていった。 1992年(平成4年)9月初め、NEC府中事業所でPC-9801FAの後継となる新機種の仕様が提案された。これは上層部に却下されており、FAをベースにCPUのクロックを引き上げたものと推測された。その後、互換性を保ちつつアーキテクチャーを大幅に変更した新案が出され、10月下旬に新シリーズの最終仕様が決定された。 主力デスクトップ製品にはそれまでの型名だけでなく「98MATE」(ロゴでは「mATE」。通称で「Mate」と表記されることもある)という愛称が採用された。それまでのシリーズは「98FELLOW」という愛称になった。これにより、それまでの「40万円くらいがあたり前」だった商品構成を二つに分け、従来の価格帯はハイエンドのPC-9821シリーズ(MATE)が担い、PC-9801シリーズ(FELLOW)は大幅な価格改定で20万円前後の廉価モデルという位置づけとなった。これは、MS-DOSが依然として支配的でありながらもWindowsが普及しようとしていた当時、Windowsの使用も視野に入れたハイエンド・ユーザー層と、安価なMS-DOSマシンを求めるローエンド・ユーザー層の両方を獲得する狙いがあった。 また、従来のPC-9800シリーズはいかにも事務機然とした筐体デザインであったが、この時期に発売されたものは初代Macintoshのマウスや後にPalm Vなどのデザインを手掛けているIDEOにデザインを依頼し、大幅なデザイン改訂を受けながらもPC-9800シリーズ伝統のアローラインは残されており、外観においても新世紀のオフィスPCというコンセプトを踏襲している。 これら新機種の実施設計と生産はNECの子会社で行われ、98MATEはNEC群馬、98FELLOWはNEC新潟が担当。3ヶ月という当時としては異例の短期間で開発され、1月中旬には店頭展示品の製造が開始された。 PC-9821シリーズの第1.5世代とも言うべきPC-9821 Ap/As/Ae 等の98MATE Aシリーズは全機種ともCPUがIntel486搭載となり、初代機同様のグラフィック・サウンド仕様を踏襲した上、従来のCバスに加え、CPUの高速化をふまえ独自の32bit 98ローカルバス スロットを装備した。更に上位機種ではWindows環境上でより高解像度・高速・多色表示を実現するグラフィックアクセラレータを搭載した。 初代PC-9821も含め、基本的にPC-9801(CS/USやFA/FS/FX)の完全上位互換機であり、PC-9801向けに開発されたソフトは(自身の性能は持て余すことになるものの)ほぼ問題なく動いた。また物理ディップスイッチでPC-9801VM相当の性能とすることも可能となっている。ただし、PC-9821Ap/As/AeのHDD搭載モデルではコストダウンのためにFDDを1基搭載としたため、FDD2基を前提に開発されていた従前のソフト(特にゲームソフト)は、FDDを増設しないと動作できない事態になった。この為、HDD非搭載モデルとサード製HDDの組み合わせで購入するユーザーが続出し、結果的にNECはカットしたコスト以上に売上機会を逃すことになる。 追って追加された、廉価版であるPC-9821 Bp/Bs/Be 等の98MATE BシリーズではWindows用のグラフィックアクセラレータを搭載しているものの、音源およびPEGC、98ローカルバススロットの搭載は省略されていた。つまり、「9821」と銘打たれていながら、PC-9801シリーズと同様のハードウェアにグラフィックアクセラレータチップを追加しただけのものであり、実際にもPC-9801シリーズに対応する機種が存在しないBf以外はPC-9801BX2/BS2/BA2と共通の基板を使用してコストダウンを計っていた。 PEGCを拡張ボード形式で後付けすることはITF/BIOS ROMに対する修正も必要で機構的に実装が困難であったため、9821固有グラフィック機能を追加するアドオンカードは発売されず、その結果このMATE BではMATE A用の一部の256色対応ソフトが全く使用できないため、混乱が生じた。 また、MATE AにはPC-9801FX/FS/FAシリーズから採用されたファイルスロットが搭載されているのに対し、MATE Bからはファイルベイに変更されている。どちらも外見は似ているが、前者はフロントパネルを外してデバイスを挿入するだけのイージーメンテナンス仕様である のに対し、後者はケースを開けて結線作業を行う必要のある、一般的なフロントベイとなっている。内蔵HDDについても同様で、MATE Aはコネクタの奥行きでSCSIとIDEを兼用するスロットと専用の特殊なHDDケースを用いることでフロントカバーを開けて差し込むだけの構造になっているのに対し、MATE Bはケースを開けて一般的な形でIDE HDDを内蔵するようになっている。このように、MATE AからMATE Bになったことで従来のSCSI機器構成とメンテナンスの簡便さを意識した高コストなものから、IDE構成による互換性を意識した低コストなものへ移行している。これらは以降のMATE Xにも踏襲され、ひとつの転換点となっている。 また、家庭向けマルチメディアパソコンと言う位置づけで、初代機の形状と名を継ぎCRTモニタをセットにした「C」型番を持つ98MULTiシリーズも登場し、ラインナップに厚みを加えた。こちらは音源とPEGCは初代機・MATE Aと同様な一方で、MATE Aで導入された98ローカルバスのスロットは搭載しなかった。 デスクトップに続いて1993年夏にはノート型にも256色/4096色中、640×480ドットの液晶を持ったPC-9821Neを登場させ、全シリーズの9821化が進んだ。これらは従来から「98NOTE」シリーズ(標準ノート)、「98NOTE Light」シリーズ(モバイルノート)を名乗っていたが、後に「Lavie」(標準ノート)、「Aile」(モバイルノート)のシリーズ名を与えられた。 上位のMATE Aシリーズは1993年7月にメーカー製PCとして世界初のPentium搭載機であるPC-9821 Af(Pentium-60MHzを搭載)、同様に1994年5月に世界初のP54Cを搭載したPC-9821 An を発売する等、PC-H98シリーズの後継となるPC-9800シリーズのフラグシップモデルとして展開された。 しかし、その2カ月後の1994年7月からのPC-9821シリーズは標準でプラグアンドプレイ (PnP) に対応し、256色表示機能(拡張グラフアーキテクチャ)およびWindowsSoundSystem (WSS) に準拠した新仕様のPCM音源(CS4231)を搭載した、PC-9821 Xn(Pentium-90 MHz)/Xp/Xs/Xe(i486機)の98MATE Xシリーズとして、MATE Bと同様にコストパフォーマンスを追求する方向でシリーズを展開していった。これはマイクロソフトのPC95規格に対応した変更で、これによりMATE Bシリーズと、1994年10月のAp3/As3を最後にMATE Aシリーズは打ち切りとなり、またPC-9821シリーズにPC-9801-86ボード互換音源や5.25インチFDDは標準搭載されなくなった。 もっとも、このMATE Xシリーズ初代機以降及び同時期発表のPC-9821Ap3/As3の拡張グラフアーキテクチャのグラフィックコントローラからはVRAMプレーンアクセスモード(PEGC)等の使用頻度が低いと判断された機能が幾つか廃止されており、一部のPC-9821シリーズ対応MS-DOSゲーム等で問題が生じるケースもあった。 なおPC95への対応は翌年のPC-9821Xa10/9/7以降で特に顕著になり、PC95での推奨に沿った形で第2シリアルポート(ノート機などの一部機種では赤外線ポート)が搭載されたほか、ディスプレイコネクタがAT互換機と同じミニD-sub 15ピン(3列)のVGA端子になるなど、いくつかの仕様変更があった。 また同じ1994年(平成6年)7月には、PCIバスアーキテクチャに基づいたPC-9821である PC-9821 Xa/Xtが発売され、以降は、MUITiシリーズを引き継いだ98MULTi CanBeシリーズ以外のPentium搭載機では、ローカルバスに代わってPCIバスが採用されるようになった。 CanBeシリーズであるCb/Cb2/Cf/Cx/Cx2と一部の98NOTEには継続してFM音源(YM2608下位互換のYMF288)が搭載されていたものの、PCM音源はWSS相当になっていた。このCanBeシリーズは当初、蜂を模したマスコットキャラクター「キューハチ君」をあしらい、本体起動時にメモリチェックとMS-DOS起動の画面を隠すようにNECの画像ロゴが出るとともに、内蔵ハードディスクにインストール済みのWindows 3.1には独自のGUIランチャー「98ランチ」を備えていた。ちなみに、グラフィック起動モードと、テキスト起動モードがあり、グラフィック起動モードは、前述の「キューハチ君」のグラフィックが表示され、MS-DOSの特殊なデバイスドライバにより、MS-DOSや、CONFIG.SYSなどに記述されたドライバの組み込み時のテキストが画面の下の方に目立たないように表示されるようになっていた。そのため、ユーザーがMS-DOSの画面に気付かないうちに、Windows 3.1の起動ロゴが表示されていた。また、Windows 3.1を終了すると通常はDOSプロンプトに戻るが、DOSプロンプトに戻らずに電源が切れるようになっていた。MS-DOSを利用するには、電源投入時にTABキーを押しているか、本体のセットアップメニューにより、テキスト起動モードに切り替える必要があった。一部の1FDD機種は、増設用スペースがないため2FDD構成にできない機種もあった。なお1995年11月のCx3以降では各音源の仕様が変更された上でMIDIサブボードの追加が可能となり、単体ではPC-9801-118ボードとして発売された。 1992年(平成4年)10月に発売された日本IBMのPS/Vシリーズや旧AXメーカーのDOS/Vパソコンなど、日本に製造拠点を置くパソコンメーカー各社は海外からの部品調達率を引き上げてきた。1993年(平成5年)10月に発売された富士通のFMVシリーズは台湾のエイサーからマザーボードをOEM調達した。これによって価格競争力と製品化サイクルを向上させることができた。 NECも1993年(平成5年)の円高を契機と見て、PC-9800シリーズの一部ロットでマザーボードのOEM調達を始めた。98FELLOWと98MATE XはECSやWEC (Wong's Electronics)、98MATE Aと98MULTiは致福(GVC、後にLite-On(英語版)に吸収)でマザーボードの生産が開始された。NECは品質への懸念に対して次のように触れている。 Windows 95の発売を控えた1995年(平成7年)にはXaシリーズへの統一化がなされたが、廉価版のXa7e(Xa7の拡張スロットを削減し、グラフィックアクセラレータをCirrus Logicのものに変更した機種)とXe10にCRTセットモデルが登場する。これは同年11月の日本語版Windows 95の登場とともに、PC-9821 Xaシリーズをベースに低価格化してCRTモニタをセットにしたMATE VALUESTAR(バリュースター)シリーズの登場へと発展した。同時に、廉価版の位置づけで残っていたPC-9801シリーズ(FELLOW)は販売ラインから駆逐された。なお、PC-9801シリーズのデスクトップ型最終モデルとなったPC-9801BX4(DX2版は1995年(平成7年)7月/ODP版は9月)はPC-9821Xe10(1995年(平成7年)6月)と共通部品を使用しMS-DOS上で640×480ドット256色表示可能であるなど、実質はPC-9821シリーズであった。 これに遅れること約半年、1996年(平成8年)6月に98MATE Rシリーズの1番機となるPC-9821Ra20/N12が発表された。 従来ハイエンド機であるタワー型モデルの98PROことPC-9821St15・20にのみ搭載されていたPentium ProをCPUとして搭載し、PC/AT互換機市場で新機軸として打ち出された、ソフトウェアによる電源管理を可能とするATX規格を可能な限り取り込んだこのマシンは、MATE RだけではなくMATE Xを含め以後PC-9800シリーズそのものの終焉まで使用されることとなる新設計のデスクトップ筐体が採用された。この新筐体は といった特徴を備え、Windows 95以降のOS側での電源制御を睨みつつ、ハードウェア構成の柔軟な変更に配慮したデザインとなった。また、この機種ではマザーボード上のオンボードデバイスの構成も見直され、この時期のPCとしては珍しく、100Base-TX対応のi82557ネットワークインターフェイスコントローラが標準搭載とされている。 このPC-9821Ra20/N12はPentium Pro搭載であったため、OSとしてWindows NT Workstation 3.51がプリインストールされ、主として法人向けのネットワーククライアントマシンとしての使途を想定されていたが、実際には価格が従来のPentium Pro搭載機の半分以下であった ためにこの機種は高速かつ廉価なWindows NTマシンを求める一部の個人ユーザー層の強い支持を受け、一時は予想外のヒットを飛ばす結果となった。 後に、ValueStarシリーズはCanBeシリーズのコンセプトを取り込み、広告に竹中直人を起用して家庭向けに、MATE Rシリーズは共通筐体にモデルチェンジした下位機種であるMATE Xシリーズ(/W型番以降)とともにビジネス向けを指向することとなる。 Windows 95の発売によりPC/AT互換機パーソナルコンピュータが爆発的に普及するにつれ、PC-9800シリーズのソフトウェア資産を背景としたPC-9821シリーズの優位性は薄れ、むしろ独自アーキテクチャであることが足かせとなりはじめた。既にハードディスクやCD-ROMドライブ、メモリなど、構成部品はほぼPC/AT互換機と同一になっていたが、Intelの新しいCPUとともに提供されるチップセットを採用しようにも、サウスブリッジは独自に専用LSIを開発する必要があった。しかも、そのままではディスクBIOSの仕様の問題などからソフトウェアの互換性を維持したままでの内蔵IDE HDDのバスマスタ転送(UDMAモード)への対応が困難であるなど、開発コストや性能面でPC/AT互換機と比較して著しく不利であった。 また1995年にはMacintoshを除く他社の独自アーキテクチャのパソコンや、PC-9801シリーズ互換機であるEPSON PCシリーズの販売が次々と終了し、日本国内も完全にPC/AT互換機路線に移行した。PC-9821シリーズはMacintoshと共に「PC界の孤児」となったが、Pentium Proを搭載したPC-9821 St15(通称98Pro)はCPU発表と同月に、Pentium IIを搭載し、RCC社 のChampion1.0 チップセットをPC-9821用にカスタマイズして搭載した PC-9821 RvII26はCPU発表の2カ月後に発売されていた。 1997年10月、PC 97ハードウェアデザインガイドに完全準拠したPC98-NXシリーズが発表され、PC-9821シリーズは主役の座を降りることとなり、同時に1982年以来続いたPC-9800シリーズは第一線を退いた。ただし、この時点ではPC-9821の新機種が併せて発表されたほか、Windows 95/NT4.0についても次期バージョンまではサポートされる旨が宣言されている。この時の公約通り、後にPC-9821版のWindows 98/SEとWindows 2000が発売された。 1998年夏には98MATE VALUESTARの生産終了により正式にコンシューマー市場からのPC-9821シリーズの撤退が発表され、PC-9800シリーズはビジネス機(MATE R、LaVie)やエンジニアリング用途(FC-9800)にラインナップが絞られていった。 その後もしばらくはMATE Rを中心に現行製品クラスのスペックの機種の提供は続けられたものの、PC-9821Ra系の機種は1996年(平成8年)登場のPC-9821Ra20(Pentium Pro 200MHz搭載)のバリエーションであり、特に1997年のPC-9821RaII23(Pentium II 233MHz搭載)以降はほぼ同一のマザーボードでITF/BIOS-ROMのみが修正される という状況であった(後述)。 2000年5月、出荷時の標準構成としてはPC-9821シリーズの最高性能モデルとなるPC-9821Ra43(Celeron433MHz搭載)が発表された。しかしWindows 2000出荷開始後であったにもかかわらずMS-DOS 6.2プリインストールモデル が提供されたことや、あえて旧世代のCPUが搭載されていたことから、既にこの頃には従来資産の継承以外はほとんど考慮されなくなっていた。 そして21世紀に入ってからもPC-9821Ra43には新モデルが追加されているが、付属CRTの変更のみで本体に変更は無く、ほどなくしてPC-9821は受注生産のみという扱いに変わった。2003年9月30日、NECはPC-9821シリーズの受注を終了し、これをもってNECにおける全PC-9800シリーズのプロジェクトがクローズされた。ただし、サポートは継続するとアナウンスされていた。2010年、Microsoft社による最後の対応WindowsであるWindows 2000の延長サポートが7月13日に終了した。その後まもなく、最後の機種であるPC-9821Ra43およびNr300本体のサポート期限(生産終了後7年)も2010年10月末をもって終了し、その時代の幕を下ろした。 しかしNECの主力機がPC98-NXに移行した後も、P2P専用機やファイルサーバなどとして、PC-9821シリーズを「現役」に留まらせる事が、ディープなファンの間で行われるようになる。信頼性が高く運用の容易なWindows 2000がギリギリで発売された事が、その支えとなった。また一部のサードパーティーからはこれを支援するように「SCSIなどの複合PCIボード」「PCIをAGPに変換するボード」「PC-98用BIOSを搭載したBigDrive対応ATAインターフェースボード(挑戦者ブランド)」などのマニアックなアイテムが「使用は自己責任で」という断りつきで発売された。ただし、本体サポートが満了した2010年秋頃にはHDD製品の容量が最大3TBに達しており、2TBまでしか使えない旧来のシステムはファイルサーバとして充分とは言えなくなりはじめている。またWindows 2000はいくつかのセキュリティソフトが対応を継続してはいるものの、現実問題としてWindows XP以降で追加されたファンクションが使えない(一部を除く)。さらにPentium III以前のシステムではSSE2やx64以降の命令も使うことができない。これらはドライバやアプリケーションで実際に使われるようになってきており、実際にXPであれば使用できるUSB 3.0、IPv6、exFATといった、その後の基盤となる機能に2000は対応していない。たとえマシンパワーに目を瞑ったとしても、今後PC-98を「現役」として現実的に使うことは当時より難しくなってきている。 一方、主にソフトウェア資産活用を目的としての新規ハード需要も僅かに残っていたことから、数社からPC-9800互換機が発売された。NECの規模とマーケティングからは既に「終了した」規格であるため、かつてのエプソン互換機との競合のような状態には至らなかったが、これらはいずれも16色時代のPC-9801シリーズの相当品であり、NECオリジナルのPC-9800シリーズを凌駕する性能の機種はいまだ発売されていない。 小・中規模の製品業者の中には、PC-98シリーズ用に当時数千万円掛けて開発したソフトウェアの為にPC-98を使い続けるユーザーがいる。 「PC-98から移行する為には新規にソフトウェア開発が必要だが、今やそこまでの投資をしても回収できない」ユーザーが少なからず居り、中古の本体やパーツを保守用として買い集めている者もいる。 対策としてエミュレータにより新しいWindows上でソフトウェアを動かす、ROMを吸い出して仮想マシン上で動かすなどの延命もあるが、機器類の制御においてPC-98と独自開発したソフトウェアを用いている現場では、倶知安駅の運行管理システムなどのように、「高額な投資をして導入した機器本体の減価償却が済んでいない」関係から実機を使い続けなければならないという例もある。 PC-9800シリーズには、Windows 1.0から移植が行われていた。WindowsはGUIを実現する環境というほかに、MS-DOSでは実現できなかった、異機種間でのグラフィック描画などの共通化を念頭に置いて設計されていた。 本節では、PC/AT互換機との相違と一般にWindowsという存在が知られはじめたWindows 3.x以降のバージョンについて記述する。 PC/AT互換機とPC-98x1シリーズの間には様々なハードウェア的な差異があった。以下に主なハードウェア的な差異を列挙する。 これは全くと言って良いほど互換性が無い。PC-98x1の場合、基本グラフィックは各機種完全上位互換でそれにグラフィックアクセラレータを追加する形式となっている。コネクタ形状は、モノクロ、デジタルRGB、H98、アナログRGB、VGA互換と計5種存在するが、最後の3つについては映像信号線においては互換性がある。PC/AT、PS/2の場合、CGA/MDA/Hercules/EGA/VGA/XGA/XGA2全てにおいてハード的な互換性が低くディスプレイコネクタも統一されていなかった。Windows 3.x普及期において、PC/AT互換機で用いられたVESA仕様のBIOSを持つグラフィックアクセラレータが登場するに至って、ようやくコネクタ形状の統一や下位互換性が保証されたという有り様である。 Windows 3.1の頃からWindowsアクセラレーターボードなるものが使われるようになった。内蔵の機種もあったが、一部の機種は、アクセラレーターボードを増設しないとWindowsが640×400×16色でしか使用できなかった。 また、アクセラレータを増設した場合はMS-DOSでの描画にグラフィックビデオRAMと、テキストビデオRAMを使用した画面出力とし、Windows上ではアクセラレータからの画面出力を用いたため、アクセラレータボードから出た信号を一旦、RGB-IN端子でPC内部に引き込み、RGB-OUT端子から出力するか、またはRGB-IN端子のあるアクセラレータボードを増設して本体のRGB-OUTからアクセラレータのRGB-IN、アクセラレータのRGB-OUTから出力した。こうすることによって本体またはアクセラレータ上の自動切り替え機能によってWindowsが起動すると画面がアクセラレータ出力の画面に自動的に切り替わり、2種類のまったく互換性のない描画機能を両立していた。 一部機種にはRGB-IN端子がない機種があり、その機種にはRGB-IN端子のないアクセラレーターボードを増設することは出来ないとされていた。(ただし、これはそれぞれのRGB-OUT端子を切り替え器につなぎ、Windowsの起動・終了をするたびに手動で切り替える事によって対応可能)また、一部機種では、アクセラレーターボードに98独自の基本グラフィックが統合されたものがあり、この場合アクセラレータボードの(増設)交換は不可能であった。(PCIボードは可能である。表示切替はソフトで行っている。) PC-98x1の方が分解能が低く、Windowsのタイマ関数呼び出しの際、APIに記述されている注意書き(注:ハードウェア依存のため、指定値通りに動作するとは限らない)を無視して実装されたアプリケーションには問題が発生した。後年、Win32とPentium機の組み合わせでは、CPUの超高分解能タイマを使用するようWindows側の実装が変更された。 Intel 8259相当の割り込みコントローラをカスケード接続している所は全く同じであるが、割り込み番号と機器の対応には互換性がない。 PC-98x1はD-Sub25ピンコネクタでRS-232C準拠であり同期転送モードもサポートするが、PC/ATはサブセットのEIA-574であり、主にD-Sub9ピンコネクタで非同期転送のみサポートする。ちなみに、PCIベース(一部PCIがないものも)の9821の2ポート目のD-Sub 9ピンコネクタ(通称2nd CCU)は非同期モードのみサポートする。 PC-9801はプリンタの接続のみを考慮し、セントロニクス標準コネクタから不要な信号線を省いたフルピッチベローズ型コネクタを採用していた。PC-H98やPC-9821の中期モデル(As2やAp2など)からはハーフピッチ化したフル仕様のコネクタを採用し、特に後者はセントロニクス準拠の双方向通信が可能となっている。PC/ATは信号線や電気的な仕様こそセントロニクスに準拠しているものの、何故かRS-232Cのコネクタと全く同じD-Subタイプのコネクタを採用している。 PC-98x1はマイクロソフト仕様のバスマウスを標準採用している。また、初期にはマイクロソフト仕様のシリアルマウスも使用されていた。PC/ATにおいては、標準仕様が存在せず、初期にはバスマウスも使われ、以後はマイクロソフト仕様のシリアルマウスが主に使用されていた。IBM PS/2以降ではPS/2マウスが主流となった。 Windows 98か2000であればUSBボードを用いてスクロールマウスを実装することも可能である。 PC-98x1のバスマウスでホイールに対応したものは無く、ハード的にもホイールの実装が困難である。ホイールマウスを使用するにはUSBマウスやシリアルマウスを使うか、PS/2マウスを市販の変換機を介してシリアルポート・バスマウスコネクタ併用で使用する。なお、起動時にのみ初期化が実行されるPS/2マウスと異なり、98用バスマウスは動作中に抜き差ししても問題なく動作する仕様である。 Windows 3.x/95のPC-9800版にはシリアルマウスのドライバが含まれていなかったが、Windows 98/NT以降に限ってOS標準ドライバが使用できた。特に2nd CCU搭載機種においてはPC/AT用に販売されたシリアルマウスがそのまま接続できた。 PC-98x1はキーボードも異なる。PC/AT互換機と異なるのは、STOP、COPY、XFER、NFER、HOME CLRで、それぞれPC/AT互換機のBreak、PrtScr、変換、無変換、Homeに相当する。漢字の入力はCTRLキーと、XFERキーを押すことで可能になる。また、FEPやIMEによらず、カナキーをロック状態にすることで半角カタカナが入力できた。 PC-98x1固有のキーとしてHELP、カナ、GRPHがある。Windows 95発売以降の機種は、PC/AT互換機との操作性の共通化のため、HELPキーの側面にはEnd、GRPHキーの側面にはAltと刻印されていた。つまり、メニューバーのファイル(F)を開くには、GRPHキーとFキーを押すことになる。GRPHキーと文字キーを押すと、半角の年、月、日、時、分、秒などの記号を入力することができた。 Roll-Up、Roll-Downは、それぞれPageDown、PageUpに相当し、upとdownの表現がPC/AT互換機とは逆である。 ファンクションキーは、PC/AT互換機はF・1 - F・12であるのに対し、PC-9821ではF・1 - F・10で、これらとは別にVF・1 - VF・5がある。 CAPSキーとカナキーは押すとLEDが点灯する方式になっている。これは、OS/2などの出現で、画面上の各ウィンドウごとにCAPSキーとカナキーのステータスが異なるケースが発生しうるようになり、機械的なロック機構による状態表示では正しく対応できなくなったことへの対策として実施されたものである。 PC/AT互換機と同じ配列の106キーボード(PC-9801-116) や、特定のNEC製ソフトウェアに対応した専用キーボードも、NEC純正オプションとして発売されていた。 PC-9801は長らく1.25MBフォーマットを採用していたが、PC-9821の頃から、PC/AT互換機と同じ1.44MBのフォーマットも扱えるようになった。ただし、MS-DOSがそれに対応しているバージョン(Ver.5.00A-H以降)である必要がある。現在のPC/AT互換機では、1.25MBを読み書き(一部はフォーマットが出来ないなどの制限あり)するには、3-MODEに対応したBIOSと3モードフロッピーディスクドライブを用意し、ドライバを組み込む必要がある。メーカー製PCでは大抵扱うことが出来る。 98シリーズは、PC/AT互換機と違い、ドライブの質が一定だったため、フロッピーディスクの特定のトラックに特殊なフォーマットを施し、それをチェックすることで正規品か否かの判断をするコピープロテクトが主にゲームソフトで使われていた。これはMS-DOSによるコピーでは同一のフォーマットを再現することが出来ないため(特殊なフォーマットが施されたトラック)、コピーしたディスクでは正規品ではないとみなして動作しないようになっていた。なお、特殊フォーマットのチェックを外す「コピーツール」(ファイラー)と称するソフト本体とソフトごとに施された特殊フォーマットに対応するデータディスクが売られていた(詳細は割愛)。 PC-9801シリーズが全盛だった時代には高額だったこともあり、なかなかHDDの普及が進まなかったが、Windowsの利用を前提としたPC-9821シリーズの登場は転機となり、MATE・FELLOW以降ではHDDモデルを中心にデスクトップでもFDDが1台しかないモデルが登場するようになった。これらの機種では当初はHDD上に構築した専用ファイルを98ノートのRAMドライブのように扱う仮想FDDツールが添付され、FDD2台を前提としたソフトを動作させる配慮が見られた。しかしPCIアーキテクチャ搭載機ではそのようなツールもサポートされなくなり、ノート機でも物理的なRAMドライブが省略されるようになるなど、PC-9821の時代にはFDD2台という構成は次第にオプション扱いとなっていった。 PC-9801シリーズの内蔵ハードディスクはノート型を除きSASIもしくはSCSI接続だが、後のPC-9821ではIDEが標準となり、さらにその後は540MB以上を認識可能なE-IDE仕様となった。なお、初期のタワー型をはじめとするハイエンド機の大半はAdaptec製SCSIコントローラをオンボードで搭載しており、制限は「32Gの壁」くらいであった。 PC-9821シリーズの内蔵IDEコントローラは例外なくPIOモードのみのサポートであり、Ultra DMAを使うには後に発売されたサードパーティー製の拡張IDEボードに頼る必要があった。 また、Socket 5を搭載するMATE Xの一部機種に変換ソケットを使用してMMX Pentiumを搭載した場合、内蔵IDE-I/Fが有効であるとITFのコーディングの関係で起動に失敗するものがあり、この対策としてオンボードのIDEは使用せず全ドライブをSCSIで統一するユーザーも少なからずいた。これは、NECもIntelもCPU乗せ替えを保証しない機種に対して無理矢理搭載した場合に限って起こる不具合であり、IntelからPC-9821版として販売されたODPには専用のITF書き替えプログラムが添付されており、それを対象機種に使用する限りにおいては全く問題なく動作した。ただし、対象機種はIntel製チップセット搭載機に限られたため、VLSI製チップセット搭載機の場合はその恩恵にあずかる事は出来ず、前述の全SCSI化以外の選択肢が無かった。 PC-98x1とPC/AT互換機ではパーティション管理に全く互換性は無く、PC-98x1にはブートメニューが用意され、複数のOSを任意のドライブの任意のパーティションに導入し、同居させることができる。 その他の違いとして、標準のMS-DOS/Windowsでのハードディスクの先頭ドライブレターが、PC/AT互換機では起動先にかかわらず固定でC:が割り当てられるが(フロッピーディスクはA:、B:固定)、PC-98x1では起動ドライブがA:となる。 PC-9801ではサウンドカードとしてFM音源のYM2203(PC-9801-26)を事実上の標準音源とし、PC-9821では上位互換のYM2608 (PC-9801-86)を採用した。後者は前者の完全上位互換の上、PC-8800シリーズにおいて長年に渡って使用されてきた枯れた音源であったため、これらの間では互換性の面では問題はなかった。もっとも、後述の理由によりWindows 95時代になって登場したPC-9801-118およびこれに相当する内蔵音源(WindowsSoundSystem=WSS)では、YM2608の生産終了とWindows上での内蔵シンセサイザの高機能化要求から、YM2608の一部機能を省略したYMF288とSoundBLASTER 16で採用されていたYMF262-Mの機能を折衷・統合したYMF297が採用された。 PC-DOS時代のPC/AT互換機の音源は、有名な所ではCreative社のSoundBlaster/16/AWE32やGravis社の UltraSound等が群雄割拠しており、各ソフトウェアの側で複数のサウンドカードに個別にサポートする、といった対応がとられていた。 Windows 3.1にマルチメディア拡張が搭載され、マイクロソフトがMMCガイドラインにおいて標準PCM音源としてWindows Sound System(WSS)を規定したため、両機種ともその互換PCM音源を搭載することになったものの、既存のMS-DOS用のソフトではWSSに対応しておらず、混乱が生じた。PC-9800シリーズ用Windows 9xではPC-9801-73・PC-9801-86のPCMも引き続きサポートされたものの、同カードではPIO転送時の負荷が大きいため、場合によっては「音飛び」が発生する問題があった。なおWSS互換音源搭載WindowsマシンにPC-9801-86を挿して共存させようにも、音源種別を識別するための一部のI/Oポートが重複するなどリソースの競合が見られ、WSS互換音源のINTを変えるだけでは正常動作しなかったため、フリーソフトの切り替えツールを併用する必要があった。 PC-9821ではチップセットにインテル430VXを使用した機種の一部にUSBポートが搭載されている(Xcシリーズ、V166、V200など)。標準のOHCI準拠規格であったが、「PC-9821シリーズでは使用できません」と明記してあるUSB対応機器も多かった。Windows 2000以降はドライバ等の熟成もあり問題なく使用できる機器がほとんどだが、PC-9800シリーズへの対応を公式に謳うUSB対応機器は皆無に等しい。 またPCIスロットにUSBインターフェースを増設することも可能だが、PC-9800版Windows 2000にはUSB2.0のEHCI (Enhanced Host Controller Interface)ドライバが含まれていないため、インストールには若干の知識と工夫を要する。 初期のPC-9821ではPC-9801シリーズからの流れで、オンボードメモリの640KBから1024KBの間のアドレスはメモリ容量に含めない風習があった。例えばWindows 95(日本語版)のシステム要件で最低メモリ容量はPC/AT互換機で8MBに対し、PC-9800シリーズでは7.6MBとされていた。 デスクトップ機の場合、当時すでにAT互換機ではJEDEC仕様のSIMMが普及していたが、PC-9821では1993年5月のPC-9821Ceまでは別売りの専用メモリボードを介して増設する、いわゆる61SIMMと呼ばれる独自のSIMMが使われていた。同年7月のPC-9821AfからはほぼJEDEC仕様に準ずるSIMMが採用されているが、別売りの専用メモリボードを介す形式はその後の2代目MATE Aシリーズでも引き継がれた。これに対しMATE BはオンボードでJEDEC仕様のSIMMスロットが備えられており、標準搭載のメモリもSIMMが使われている。特にMATE X以降はメモリ増設時に標準搭載のSIMMを別売りのSIMMに交換することがサポートされるようになっており、建前上640KBから1024KBの0.4MBもメモリ容量に数えて論じざるを得なくなっている。この場合でもその0.4MBはユーザーは利用できないことから、カタログの類では「32MB(ユーザーズメモリ31.6MB)」のような表現で併記されている。 JEDEC仕様のSIMMが使えるようになってもしばらくはNEC独自のメモリコントローラが使われていたが、やがてMATE X以降でPCIチップセットを持つようになってからはPCIチップセットのメモリコントローラが使われている。デスクトップ機の場合、PCIチップセット開発以前の製品であるMATE Aや1枚単位でSIMMを増設できる機種を除き、Pentium以上のPC-9821では物理的なPCIスロットを持たない機種でもPCIチップセットでメモリが管理されている。 基本的にPC-9801シリーズ用の物がそのまま利用可能。PC単体でN88-BASIC(86)を起動可能(ROM-BASIC) なのも同じ。 またFDDモデルを除くほぼ全ての機種でWindows 3.1もしくはWindows 95が標準搭載されており、購入してすぐに使用可能な状態で出荷されていた。Windows 95発売からしばらくは出荷時にWindows 3.1とWindows 95が両方搭載されていて、購入後直後の初回起動時に使用するOSを Windows 95 と Windows 3.1+MS-DOS 6.2 のいずれかを選択する。選ばれなかった方はこの時点で削除され、以後復元することが出来ない。再セットアップに必要なディスク類はWindows 95のもののみ同梱されているが(ただし、再セットアップに必要な起動用フロッピーには何も書き込まれていない)、Windows 3.1+MS-DOS 6.2 を選択した場合はWindows 95の一式をNECに返送することでWindows 3.1+MS-DOS 6.2の再セットアップディスク類が送られるようになっていた。また、Windows 95の再セットアップに必要な起動用フロッピーは、Windows 95を選択して起動した際、1回だけ作成可能となっていた。ただし、付属のフロッピー以外には作成ができないようになっているが、作成したフロッピーのコピーや、コピーしたフロッピーからの起動は可能であった。また、選ばれなかった側やWindows NTなどその他のOSを別途購入してインストールするためのドライバ類を入れたフロッピーディスクが別途付属していた(Windows 95用ドライバは返送後交換されるWindows 3.1+MS-DOS 6.2の再セットアップ用ディスク類に附属)。 さらにNEC以外のサードパーティが作成した独自のMS-DOS互換OSや、有志により作成されたUnix系OSなども存在し、PC-9801シリーズ同様様々なOSを利用可能。 Windows 3.1は高速化の為に固定スワップファイルへのファイルシステムAPIを経由しない直アクセス等のPC/AT互換機にべったりと依存した実装を行っていたため、移植が困難であったと言われている。もっとも、FMRシリーズやJ-3100シリーズ、それにMULTI 16シリーズ等にも各社が移植を行っていたため、困難であったか否かの判断は難しい。 なお、Windows 3.1の日本語への移植はNECが担当していたが、オリジナルであるAT互換機版と比べ、スタンダードモードでDOSプロンプトが使えないといった制限があった。また、EPSONからも自社製98互換機向けにWindows 3.1が発売されていたが、こちらはスタンダードモードでもDOSプロンプトが利用できるものの、PC-9821用PEGCドライバが同梱されていなかった。なおNEC版でもPC-9821用PEGCドライバが搭載されたのはWindows 3.0B以降であり、Windows 3.0/3.0AにおいてPEGCは利用できない。 一般には、PC-9821がPCIアーキテクチャへ転換したため、Windows 9x系の移植に有利となったと言われているが、これは間違いである。本家PC/AT互換機版がISAやISA+VL世代の機器をも動作対象としていたことから類推できよう。 Windows 3.1に比べ、OS本体の仮想化が進んでいたため、ドライバやVXDレベルに差異を押し込めることが可能になったのでOS本体の移植の難易度は下がり、ドライバの開発が困難になったのでは無いかと思われるが、他の国産機への移植がFM TOWNSとEPSON 98互換機のみであったため、判断は難しい。 本来、複数のCPUアーキテクチャでの動作を前提としていたWindows NT系は移植が楽で、極論すればHALと98形式のHDDパーティション解析レイヤとドライバ類だけ開発すれば良い。 NT系は抽象化が高度であり、Windows NT 3.1の時代からWindows 2000に至るまで、ネットワークカード等のROMを持たないカードは当然として、ROMを持つPCIカードでもそれを無効にすれば、PCIの機種依存実装の見本とも言えるビデオカードがPC/AT互換機のドライバで(内部のリレースイッチ切り替えを除き)動作する場合があり、SCSIカードやRAIDコントローラもBOOTを前提としなければドライバを含めてそのまま利用可能な場合がある。 余談だが、このCanBeシリーズは当初、蜂を模したマスコットキャラクター「キューハチ君」をあしらい、本体起動時にメモリチェックとMS-DOS起動の画面を隠すようにNECの画像ロゴが出るとともに、内蔵ハードディスクにインストール済みのWindows 3.1には独自のGUIランチャー「98ランチ」を備えていた。ちなみに、グラフィック起動モードと、テキスト起動モードがあり、グラフィック起動モードは、前述の「キューハチ君」のグラフィックが表示され、MS-DOSの特殊なドライバにより、MS-DOSや、CONFIG.SYSなどに記述されたドライバの組み込み時のテキストが画面の下の方に目立たないように表示されるようになっていた。そのため、ユーザーはMS-DOSの画面に気付かないうちに、ウィンドウズ3.1の起動ロゴが表示されていた。それと、ウィンドウズを終了すると、通常はMS-DOSのプロンプトに戻るが、電源が切れるようになっていた。MS-DOSを利用するには、電源投入時にTABキーを押しているか(この場合は一時的な切り替え)、本体のセットアップメニューにより、テキスト起動モードに切り替える必要があった。 下記の他、PC-9821Cr13(98MULTi CanBe Jam / 通称「ミシン型CanBe」。TFT液晶モニタ一体型、CバスやPCIバスがなくPCカードスロットがある)、PC-9821F200・F166(98FINE、液晶モニタ一体型)が存在する。 下記の他、Xcシリーズ(98MATE X)およびVALUESTARの一部モデル(V200/M7など)がある。 商品コンセプトとしてはSV-H98シリーズの後継にあたるPCサーバで、型番にPC-9821とは付かないものの、前述のようにPC-9821BfはSV-98初代機 (model 1) とほぼ共通の設計が利用されていた。このためBfと同じく、当初のSV-98はmodel 2の頃まで9821グラフィックを持たないシリーズだったが、後期の機種からは9821相当の画面モードも備えるようになった。さらに後継機としてPC-9821Rsシリーズにその商品コンセプトが受け継がれたという事情もあり、関連機種として本稿に記す。 SV-98シリーズではCPUの高性能化とPCIスロットのサポート(model 1を除く)に加え、サーバOSでのメモリ実装量の増大要求に応え各モデルで同時期のデスクトップ機を上回る最大実装メモリ量がサポートされ、model 1では最大79.6MB、model 2・model 1A・model 1A2では最大255.6MB、model 3では最大511.6MBの実装が可能となった。また、model 3ではCPU増設ボードの追加によりPC-9800シリーズ(およびその派生機種)では初となるデュアルプロセッサ機能が実現された。 A4型のNシリーズ、それ以下のサイズでサブノート型のLシリーズがある。中期以降の多くはWSS相当のPCM音源を搭載する他、Nシリーズの一部機種はFM音源も内蔵する。液晶ディスプレイについては廉価版はデュアルスキャンSTN、それ以外はTFTを採用していた。Windows 95登場以前の機種には、2FDD構成でなければ動作しない一部のMS-DOSソフトウェア(主にゲームソフト)に1FDD構成で対応するために、「RAMドライブ」と名付けられた機能が実装されていた。この機能は内蔵メモリから1.25MBを割り当てて、仮想的に1基のFDDとしてソフトウェアに認識させるもので、ドライバを必要としないよう、BIOSレベルでサポートされたものであった。ただし、あくまで仮想のFDDであり、記録された内容は電源が確保されている間だけ保護される。また、コピープロテクトを採用しているゲームソフトは起動用のディスクにプロテクトを掛けることが多く、起動ディスクをRAMドライブにコピーしてもプロテクトが機能して起動させることができない。したがって、プロテクトの掛けられていないデータディスクをRAMドライブにコピーし、FDDに起動ディスクをセットして起動させることになる。データディスクが複数枚あるソフトウェアで処理中にデータディスクの入れ替えを要求される場合は、RAMドライブは入れ替えることができないため、この機能をもってしても対応できなかった。そのため、一部のゲームソフトではノート専用版として、起動ディスクにはプロテクトを掛けず(RAMドライブにコピーして起動)、データディスクにプロテクトを掛けて(FDDにセットして置く)おき、プロテクトチェックの際は、データディスクをチェックすることで対応したものもあった。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "PC-9821シリーズは、日本電気(以下NEC、現在はNECパーソナルコンピュータに分社)が1992年(平成4年)から2003年(平成15年)まで販売していたパーソナルコンピュータの製品群の俗称で、一般的にはPC-9800シリーズのうち「PC-9821」から始まる型番の機種群を指す。1993年(平成5年)発売の98MATEシリーズから1997年(平成9年)秋にPC98-NXシリーズが発売されるまでの約4年間におけるNECのPC製品の主力機種だった。PC-9801シリーズの上位互換製品である。製品名の「9821」のうち「21」部分だけが白抜き文字となっており、「21世紀に向けたPC-9800シリーズ」という意味が込められていた。しかし、21世紀を待たずに新アーキテクチャのPC98-NXシリーズが発売され、21世紀に入って数年で受注終了となった。", "title": null }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "PC-9821シリーズは先行するPC-9801シリーズに対して上位互換性を有する、事実上の後継機となる機種群である。大半の機種では独自の256色表示回路(拡張グラフアーキテクチャ)が搭載されており、これはPC-9801型番のほとんどの機種では搭載されていなかったことからPC-9821の象徴的な特徴と見なされることがある。しかし若干の例外もあるため両者の型番以外の差異はそれほど厳密ではなく、おおむねMicrosoft Windowsの利用が想定された機種であり、標準で640×480ドット256色の画面モードを持つとされる。またPC-9801シリーズではノート機のカラーLCDモデルには\"C\"という型番・枝番が付けられていたが、PC-9821シリーズにはそれが無く、PC-9821Nmを除き全てカラーモデルだという特徴もある。PC-9801シリーズと同様に、関連機種としてファクトリーコンピュータ(産業用コンピュータ)であるFC-9821シリーズも存在する。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "PC-9821型番のシリーズは1993年(平成5年)1月のMATE Aシリーズ登場によりNECの主力PCとして本格的にラインナップされるようになった。この時点では先行する初代PC-9821およびその直系の98MULTiシリーズとの共通点として、PEGCと呼ばれる拡張グラフアーキテクチャおよびPC-9801-86相当音源(86音源)の標準搭載がPC-9821型番の条件であると考えられていた。しかし86音源については早くも1993年(平成5年)5月発表のノート機PC-9821Neには搭載されなくなっている。その後1993年(平成5年)11月発表のMATE BシリーズやPC-9821TsではPEGCとは異なる仕様で互換性の無いグラフィックチップが採用されたことから、PEGCについてもPC-9821の必要条件とは言えなくなった。これについてNECは(PC-9821型番である)MATEシリーズの定義として、Windows上で標準で640×480ドット256色の画面モードを持つという見解を示している。翌1994年(平成6年)7月に主力ラインナップがMATE-Xシリーズに取って代わると、以降のPC-9821型番機では(一部のノート機を除き)PEGCに比べて一部機能を簡素化した下位互換性を有する拡張グラフアーキテクチャを標準搭載するようになり、後にWindowsでスタンダードディスプレイアダプタの役割を果たした。この画面モードは後にPC-9801型番最後の機種であるPC-9801BX4にも搭載された。そのため、最終的に拡張グラフアーキテクチャ(の搭載の有無)はPC-9821の十分条件とも言いがたくなった。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "1992年(平成4年)10月に発売された、Intel 80386SXCPU機である初代PC-9821「98MULTI」(後にIは小文字に改められた。ロゴでは「mULTi」)は、前年の1991年(平成3年)10月に発売された、Windows 3.0(+MME)環境のためハードウェアの拡張を施したマルチメディア志向の「PC-98GS」に似た機能を持つ機種だが、一部機能が省略され価格が抑えられている。", "title": "初代" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "グラフィック機能は従来のPC-9800シリーズのものに加え、EGC (Enhanced Graphic Charger)上位互換のPEGCによる640ドット×480ライン同時256色という拡張表示モードを持ち、音源はFM音源(YM2608/PC-98DO互換)とPCM音源を搭載した(後に音源部は単体でPC-9801-86ボードとして発売された)。さらにPC-98GSと同様にCD-ROM(SCSI接続)を搭載し、PC-9801-55相当のSCSIも搭載していた。", "title": "初代" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "当時同じCPUを搭載した「PC-9801FS」より安価で多機能という意欲的な機種だったものの、Windows用途には非力だったことから当時はあまり注目されず、評価も芳しくなかった。一方、従来のPC-9800シリーズで利用されていたMS-DOSアプリケーションも活用できたことは、PC/AT互換機にはない利点だった。", "title": "初代" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "Windows 3.xの時代(Windows 3.0の発売は英語版1990年5月/日本語版1991年2月、Windows 3.1は英語版1992年4月/日本語版1993年5月)には、主要なビジネスアプリケーションが相次いでWindowsへと対応したほか、DOS/Vの登場により、コンパックの製品など日本語に対応しつつも廉価なPC/AT互換機による攻勢が相次ぐようになり、日本の国産機メーカー各社はこれらへの対応を迫られていった。", "title": "Intel 486 CPUとWindows 3.1時代" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "1992年(平成4年)9月初め、NEC府中事業所でPC-9801FAの後継となる新機種の仕様が提案された。これは上層部に却下されており、FAをベースにCPUのクロックを引き上げたものと推測された。その後、互換性を保ちつつアーキテクチャーを大幅に変更した新案が出され、10月下旬に新シリーズの最終仕様が決定された。", "title": "Intel 486 CPUとWindows 3.1時代" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "主力デスクトップ製品にはそれまでの型名だけでなく「98MATE」(ロゴでは「mATE」。通称で「Mate」と表記されることもある)という愛称が採用された。それまでのシリーズは「98FELLOW」という愛称になった。これにより、それまでの「40万円くらいがあたり前」だった商品構成を二つに分け、従来の価格帯はハイエンドのPC-9821シリーズ(MATE)が担い、PC-9801シリーズ(FELLOW)は大幅な価格改定で20万円前後の廉価モデルという位置づけとなった。これは、MS-DOSが依然として支配的でありながらもWindowsが普及しようとしていた当時、Windowsの使用も視野に入れたハイエンド・ユーザー層と、安価なMS-DOSマシンを求めるローエンド・ユーザー層の両方を獲得する狙いがあった。", "title": "Intel 486 CPUとWindows 3.1時代" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "また、従来のPC-9800シリーズはいかにも事務機然とした筐体デザインであったが、この時期に発売されたものは初代Macintoshのマウスや後にPalm Vなどのデザインを手掛けているIDEOにデザインを依頼し、大幅なデザイン改訂を受けながらもPC-9800シリーズ伝統のアローラインは残されており、外観においても新世紀のオフィスPCというコンセプトを踏襲している。", "title": "Intel 486 CPUとWindows 3.1時代" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "これら新機種の実施設計と生産はNECの子会社で行われ、98MATEはNEC群馬、98FELLOWはNEC新潟が担当。3ヶ月という当時としては異例の短期間で開発され、1月中旬には店頭展示品の製造が開始された。", "title": "Intel 486 CPUとWindows 3.1時代" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "PC-9821シリーズの第1.5世代とも言うべきPC-9821 Ap/As/Ae 等の98MATE Aシリーズは全機種ともCPUがIntel486搭載となり、初代機同様のグラフィック・サウンド仕様を踏襲した上、従来のCバスに加え、CPUの高速化をふまえ独自の32bit 98ローカルバス スロットを装備した。更に上位機種ではWindows環境上でより高解像度・高速・多色表示を実現するグラフィックアクセラレータを搭載した。", "title": "Intel 486 CPUとWindows 3.1時代" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "初代PC-9821も含め、基本的にPC-9801(CS/USやFA/FS/FX)の完全上位互換機であり、PC-9801向けに開発されたソフトは(自身の性能は持て余すことになるものの)ほぼ問題なく動いた。また物理ディップスイッチでPC-9801VM相当の性能とすることも可能となっている。ただし、PC-9821Ap/As/AeのHDD搭載モデルではコストダウンのためにFDDを1基搭載としたため、FDD2基を前提に開発されていた従前のソフト(特にゲームソフト)は、FDDを増設しないと動作できない事態になった。この為、HDD非搭載モデルとサード製HDDの組み合わせで購入するユーザーが続出し、結果的にNECはカットしたコスト以上に売上機会を逃すことになる。", "title": "Intel 486 CPUとWindows 3.1時代" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "追って追加された、廉価版であるPC-9821 Bp/Bs/Be 等の98MATE BシリーズではWindows用のグラフィックアクセラレータを搭載しているものの、音源およびPEGC、98ローカルバススロットの搭載は省略されていた。つまり、「9821」と銘打たれていながら、PC-9801シリーズと同様のハードウェアにグラフィックアクセラレータチップを追加しただけのものであり、実際にもPC-9801シリーズに対応する機種が存在しないBf以外はPC-9801BX2/BS2/BA2と共通の基板を使用してコストダウンを計っていた。", "title": "Intel 486 CPUとWindows 3.1時代" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "PEGCを拡張ボード形式で後付けすることはITF/BIOS ROMに対する修正も必要で機構的に実装が困難であったため、9821固有グラフィック機能を追加するアドオンカードは発売されず、その結果このMATE BではMATE A用の一部の256色対応ソフトが全く使用できないため、混乱が生じた。", "title": "Intel 486 CPUとWindows 3.1時代" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "また、MATE AにはPC-9801FX/FS/FAシリーズから採用されたファイルスロットが搭載されているのに対し、MATE Bからはファイルベイに変更されている。どちらも外見は似ているが、前者はフロントパネルを外してデバイスを挿入するだけのイージーメンテナンス仕様である のに対し、後者はケースを開けて結線作業を行う必要のある、一般的なフロントベイとなっている。内蔵HDDについても同様で、MATE Aはコネクタの奥行きでSCSIとIDEを兼用するスロットと専用の特殊なHDDケースを用いることでフロントカバーを開けて差し込むだけの構造になっているのに対し、MATE Bはケースを開けて一般的な形でIDE HDDを内蔵するようになっている。このように、MATE AからMATE Bになったことで従来のSCSI機器構成とメンテナンスの簡便さを意識した高コストなものから、IDE構成による互換性を意識した低コストなものへ移行している。これらは以降のMATE Xにも踏襲され、ひとつの転換点となっている。", "title": "Intel 486 CPUとWindows 3.1時代" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "また、家庭向けマルチメディアパソコンと言う位置づけで、初代機の形状と名を継ぎCRTモニタをセットにした「C」型番を持つ98MULTiシリーズも登場し、ラインナップに厚みを加えた。こちらは音源とPEGCは初代機・MATE Aと同様な一方で、MATE Aで導入された98ローカルバスのスロットは搭載しなかった。", "title": "Intel 486 CPUとWindows 3.1時代" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "デスクトップに続いて1993年夏にはノート型にも256色/4096色中、640×480ドットの液晶を持ったPC-9821Neを登場させ、全シリーズの9821化が進んだ。これらは従来から「98NOTE」シリーズ(標準ノート)、「98NOTE Light」シリーズ(モバイルノート)を名乗っていたが、後に「Lavie」(標準ノート)、「Aile」(モバイルノート)のシリーズ名を与えられた。", "title": "Intel 486 CPUとWindows 3.1時代" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "上位のMATE Aシリーズは1993年7月にメーカー製PCとして世界初のPentium搭載機であるPC-9821 Af(Pentium-60MHzを搭載)、同様に1994年5月に世界初のP54Cを搭載したPC-9821 An を発売する等、PC-H98シリーズの後継となるPC-9800シリーズのフラグシップモデルとして展開された。", "title": "Pentium CPUとWindows 95時代" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "しかし、その2カ月後の1994年7月からのPC-9821シリーズは標準でプラグアンドプレイ (PnP) に対応し、256色表示機能(拡張グラフアーキテクチャ)およびWindowsSoundSystem (WSS) に準拠した新仕様のPCM音源(CS4231)を搭載した、PC-9821 Xn(Pentium-90 MHz)/Xp/Xs/Xe(i486機)の98MATE Xシリーズとして、MATE Bと同様にコストパフォーマンスを追求する方向でシリーズを展開していった。これはマイクロソフトのPC95規格に対応した変更で、これによりMATE Bシリーズと、1994年10月のAp3/As3を最後にMATE Aシリーズは打ち切りとなり、またPC-9821シリーズにPC-9801-86ボード互換音源や5.25インチFDDは標準搭載されなくなった。", "title": "Pentium CPUとWindows 95時代" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "もっとも、このMATE Xシリーズ初代機以降及び同時期発表のPC-9821Ap3/As3の拡張グラフアーキテクチャのグラフィックコントローラからはVRAMプレーンアクセスモード(PEGC)等の使用頻度が低いと判断された機能が幾つか廃止されており、一部のPC-9821シリーズ対応MS-DOSゲーム等で問題が生じるケースもあった。", "title": "Pentium CPUとWindows 95時代" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "なおPC95への対応は翌年のPC-9821Xa10/9/7以降で特に顕著になり、PC95での推奨に沿った形で第2シリアルポート(ノート機などの一部機種では赤外線ポート)が搭載されたほか、ディスプレイコネクタがAT互換機と同じミニD-sub 15ピン(3列)のVGA端子になるなど、いくつかの仕様変更があった。", "title": "Pentium CPUとWindows 95時代" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "また同じ1994年(平成6年)7月には、PCIバスアーキテクチャに基づいたPC-9821である PC-9821 Xa/Xtが発売され、以降は、MUITiシリーズを引き継いだ98MULTi CanBeシリーズ以外のPentium搭載機では、ローカルバスに代わってPCIバスが採用されるようになった。", "title": "Pentium CPUとWindows 95時代" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "CanBeシリーズであるCb/Cb2/Cf/Cx/Cx2と一部の98NOTEには継続してFM音源(YM2608下位互換のYMF288)が搭載されていたものの、PCM音源はWSS相当になっていた。このCanBeシリーズは当初、蜂を模したマスコットキャラクター「キューハチ君」をあしらい、本体起動時にメモリチェックとMS-DOS起動の画面を隠すようにNECの画像ロゴが出るとともに、内蔵ハードディスクにインストール済みのWindows 3.1には独自のGUIランチャー「98ランチ」を備えていた。ちなみに、グラフィック起動モードと、テキスト起動モードがあり、グラフィック起動モードは、前述の「キューハチ君」のグラフィックが表示され、MS-DOSの特殊なデバイスドライバにより、MS-DOSや、CONFIG.SYSなどに記述されたドライバの組み込み時のテキストが画面の下の方に目立たないように表示されるようになっていた。そのため、ユーザーがMS-DOSの画面に気付かないうちに、Windows 3.1の起動ロゴが表示されていた。また、Windows 3.1を終了すると通常はDOSプロンプトに戻るが、DOSプロンプトに戻らずに電源が切れるようになっていた。MS-DOSを利用するには、電源投入時にTABキーを押しているか、本体のセットアップメニューにより、テキスト起動モードに切り替える必要があった。一部の1FDD機種は、増設用スペースがないため2FDD構成にできない機種もあった。なお1995年11月のCx3以降では各音源の仕様が変更された上でMIDIサブボードの追加が可能となり、単体ではPC-9801-118ボードとして発売された。", "title": "Pentium CPUとWindows 95時代" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "1992年(平成4年)10月に発売された日本IBMのPS/Vシリーズや旧AXメーカーのDOS/Vパソコンなど、日本に製造拠点を置くパソコンメーカー各社は海外からの部品調達率を引き上げてきた。1993年(平成5年)10月に発売された富士通のFMVシリーズは台湾のエイサーからマザーボードをOEM調達した。これによって価格競争力と製品化サイクルを向上させることができた。", "title": "Pentium CPUとWindows 95時代" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "NECも1993年(平成5年)の円高を契機と見て、PC-9800シリーズの一部ロットでマザーボードのOEM調達を始めた。98FELLOWと98MATE XはECSやWEC (Wong's Electronics)、98MATE Aと98MULTiは致福(GVC、後にLite-On(英語版)に吸収)でマザーボードの生産が開始された。NECは品質への懸念に対して次のように触れている。", "title": "Pentium CPUとWindows 95時代" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "Windows 95の発売を控えた1995年(平成7年)にはXaシリーズへの統一化がなされたが、廉価版のXa7e(Xa7の拡張スロットを削減し、グラフィックアクセラレータをCirrus Logicのものに変更した機種)とXe10にCRTセットモデルが登場する。これは同年11月の日本語版Windows 95の登場とともに、PC-9821 Xaシリーズをベースに低価格化してCRTモニタをセットにしたMATE VALUESTAR(バリュースター)シリーズの登場へと発展した。同時に、廉価版の位置づけで残っていたPC-9801シリーズ(FELLOW)は販売ラインから駆逐された。なお、PC-9801シリーズのデスクトップ型最終モデルとなったPC-9801BX4(DX2版は1995年(平成7年)7月/ODP版は9月)はPC-9821Xe10(1995年(平成7年)6月)と共通部品を使用しMS-DOS上で640×480ドット256色表示可能であるなど、実質はPC-9821シリーズであった。", "title": "Pentium CPUとWindows 95時代" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "これに遅れること約半年、1996年(平成8年)6月に98MATE Rシリーズの1番機となるPC-9821Ra20/N12が発表された。", "title": "Pentium CPUとWindows 95時代" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "従来ハイエンド機であるタワー型モデルの98PROことPC-9821St15・20にのみ搭載されていたPentium ProをCPUとして搭載し、PC/AT互換機市場で新機軸として打ち出された、ソフトウェアによる電源管理を可能とするATX規格を可能な限り取り込んだこのマシンは、MATE RだけではなくMATE Xを含め以後PC-9800シリーズそのものの終焉まで使用されることとなる新設計のデスクトップ筐体が採用された。この新筐体は", "title": "Pentium CPUとWindows 95時代" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "といった特徴を備え、Windows 95以降のOS側での電源制御を睨みつつ、ハードウェア構成の柔軟な変更に配慮したデザインとなった。また、この機種ではマザーボード上のオンボードデバイスの構成も見直され、この時期のPCとしては珍しく、100Base-TX対応のi82557ネットワークインターフェイスコントローラが標準搭載とされている。", "title": "Pentium CPUとWindows 95時代" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "このPC-9821Ra20/N12はPentium Pro搭載であったため、OSとしてWindows NT Workstation 3.51がプリインストールされ、主として法人向けのネットワーククライアントマシンとしての使途を想定されていたが、実際には価格が従来のPentium Pro搭載機の半分以下であった ためにこの機種は高速かつ廉価なWindows NTマシンを求める一部の個人ユーザー層の強い支持を受け、一時は予想外のヒットを飛ばす結果となった。", "title": "Pentium CPUとWindows 95時代" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "後に、ValueStarシリーズはCanBeシリーズのコンセプトを取り込み、広告に竹中直人を起用して家庭向けに、MATE Rシリーズは共通筐体にモデルチェンジした下位機種であるMATE Xシリーズ(/W型番以降)とともにビジネス向けを指向することとなる。", "title": "Pentium CPUとWindows 95時代" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "Windows 95の発売によりPC/AT互換機パーソナルコンピュータが爆発的に普及するにつれ、PC-9800シリーズのソフトウェア資産を背景としたPC-9821シリーズの優位性は薄れ、むしろ独自アーキテクチャであることが足かせとなりはじめた。既にハードディスクやCD-ROMドライブ、メモリなど、構成部品はほぼPC/AT互換機と同一になっていたが、Intelの新しいCPUとともに提供されるチップセットを採用しようにも、サウスブリッジは独自に専用LSIを開発する必要があった。しかも、そのままではディスクBIOSの仕様の問題などからソフトウェアの互換性を維持したままでの内蔵IDE HDDのバスマスタ転送(UDMAモード)への対応が困難であるなど、開発コストや性能面でPC/AT互換機と比較して著しく不利であった。", "title": "シリーズの終焉" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "また1995年にはMacintoshを除く他社の独自アーキテクチャのパソコンや、PC-9801シリーズ互換機であるEPSON PCシリーズの販売が次々と終了し、日本国内も完全にPC/AT互換機路線に移行した。PC-9821シリーズはMacintoshと共に「PC界の孤児」となったが、Pentium Proを搭載したPC-9821 St15(通称98Pro)はCPU発表と同月に、Pentium IIを搭載し、RCC社 のChampion1.0 チップセットをPC-9821用にカスタマイズして搭載した PC-9821 RvII26はCPU発表の2カ月後に発売されていた。", "title": "シリーズの終焉" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "1997年10月、PC 97ハードウェアデザインガイドに完全準拠したPC98-NXシリーズが発表され、PC-9821シリーズは主役の座を降りることとなり、同時に1982年以来続いたPC-9800シリーズは第一線を退いた。ただし、この時点ではPC-9821の新機種が併せて発表されたほか、Windows 95/NT4.0についても次期バージョンまではサポートされる旨が宣言されている。この時の公約通り、後にPC-9821版のWindows 98/SEとWindows 2000が発売された。", "title": "シリーズの終焉" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "1998年夏には98MATE VALUESTARの生産終了により正式にコンシューマー市場からのPC-9821シリーズの撤退が発表され、PC-9800シリーズはビジネス機(MATE R、LaVie)やエンジニアリング用途(FC-9800)にラインナップが絞られていった。", "title": "シリーズの終焉" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "その後もしばらくはMATE Rを中心に現行製品クラスのスペックの機種の提供は続けられたものの、PC-9821Ra系の機種は1996年(平成8年)登場のPC-9821Ra20(Pentium Pro 200MHz搭載)のバリエーションであり、特に1997年のPC-9821RaII23(Pentium II 233MHz搭載)以降はほぼ同一のマザーボードでITF/BIOS-ROMのみが修正される という状況であった(後述)。", "title": "シリーズの終焉" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "2000年5月、出荷時の標準構成としてはPC-9821シリーズの最高性能モデルとなるPC-9821Ra43(Celeron433MHz搭載)が発表された。しかしWindows 2000出荷開始後であったにもかかわらずMS-DOS 6.2プリインストールモデル が提供されたことや、あえて旧世代のCPUが搭載されていたことから、既にこの頃には従来資産の継承以外はほとんど考慮されなくなっていた。", "title": "シリーズの終焉" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "そして21世紀に入ってからもPC-9821Ra43には新モデルが追加されているが、付属CRTの変更のみで本体に変更は無く、ほどなくしてPC-9821は受注生産のみという扱いに変わった。2003年9月30日、NECはPC-9821シリーズの受注を終了し、これをもってNECにおける全PC-9800シリーズのプロジェクトがクローズされた。ただし、サポートは継続するとアナウンスされていた。2010年、Microsoft社による最後の対応WindowsであるWindows 2000の延長サポートが7月13日に終了した。その後まもなく、最後の機種であるPC-9821Ra43およびNr300本体のサポート期限(生産終了後7年)も2010年10月末をもって終了し、その時代の幕を下ろした。", "title": "シリーズの終焉" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "しかしNECの主力機がPC98-NXに移行した後も、P2P専用機やファイルサーバなどとして、PC-9821シリーズを「現役」に留まらせる事が、ディープなファンの間で行われるようになる。信頼性が高く運用の容易なWindows 2000がギリギリで発売された事が、その支えとなった。また一部のサードパーティーからはこれを支援するように「SCSIなどの複合PCIボード」「PCIをAGPに変換するボード」「PC-98用BIOSを搭載したBigDrive対応ATAインターフェースボード(挑戦者ブランド)」などのマニアックなアイテムが「使用は自己責任で」という断りつきで発売された。ただし、本体サポートが満了した2010年秋頃にはHDD製品の容量が最大3TBに達しており、2TBまでしか使えない旧来のシステムはファイルサーバとして充分とは言えなくなりはじめている。またWindows 2000はいくつかのセキュリティソフトが対応を継続してはいるものの、現実問題としてWindows XP以降で追加されたファンクションが使えない(一部を除く)。さらにPentium III以前のシステムではSSE2やx64以降の命令も使うことができない。これらはドライバやアプリケーションで実際に使われるようになってきており、実際にXPであれば使用できるUSB 3.0、IPv6、exFATといった、その後の基盤となる機能に2000は対応していない。たとえマシンパワーに目を瞑ったとしても、今後PC-98を「現役」として現実的に使うことは当時より難しくなってきている。", "title": "その後" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "一方、主にソフトウェア資産活用を目的としての新規ハード需要も僅かに残っていたことから、数社からPC-9800互換機が発売された。NECの規模とマーケティングからは既に「終了した」規格であるため、かつてのエプソン互換機との競合のような状態には至らなかったが、これらはいずれも16色時代のPC-9801シリーズの相当品であり、NECオリジナルのPC-9800シリーズを凌駕する性能の機種はいまだ発売されていない。", "title": "その後" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "小・中規模の製品業者の中には、PC-98シリーズ用に当時数千万円掛けて開発したソフトウェアの為にPC-98を使い続けるユーザーがいる。 「PC-98から移行する為には新規にソフトウェア開発が必要だが、今やそこまでの投資をしても回収できない」ユーザーが少なからず居り、中古の本体やパーツを保守用として買い集めている者もいる。", "title": "その後" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "対策としてエミュレータにより新しいWindows上でソフトウェアを動かす、ROMを吸い出して仮想マシン上で動かすなどの延命もあるが、機器類の制御においてPC-98と独自開発したソフトウェアを用いている現場では、倶知安駅の運行管理システムなどのように、「高額な投資をして導入した機器本体の減価償却が済んでいない」関係から実機を使い続けなければならないという例もある。", "title": "その後" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "PC-9800シリーズには、Windows 1.0から移植が行われていた。WindowsはGUIを実現する環境というほかに、MS-DOSでは実現できなかった、異機種間でのグラフィック描画などの共通化を念頭に置いて設計されていた。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "本節では、PC/AT互換機との相違と一般にWindowsという存在が知られはじめたWindows 3.x以降のバージョンについて記述する。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "PC/AT互換機とPC-98x1シリーズの間には様々なハードウェア的な差異があった。以下に主なハードウェア的な差異を列挙する。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "これは全くと言って良いほど互換性が無い。PC-98x1の場合、基本グラフィックは各機種完全上位互換でそれにグラフィックアクセラレータを追加する形式となっている。コネクタ形状は、モノクロ、デジタルRGB、H98、アナログRGB、VGA互換と計5種存在するが、最後の3つについては映像信号線においては互換性がある。PC/AT、PS/2の場合、CGA/MDA/Hercules/EGA/VGA/XGA/XGA2全てにおいてハード的な互換性が低くディスプレイコネクタも統一されていなかった。Windows 3.x普及期において、PC/AT互換機で用いられたVESA仕様のBIOSを持つグラフィックアクセラレータが登場するに至って、ようやくコネクタ形状の統一や下位互換性が保証されたという有り様である。 Windows 3.1の頃からWindowsアクセラレーターボードなるものが使われるようになった。内蔵の機種もあったが、一部の機種は、アクセラレーターボードを増設しないとWindowsが640×400×16色でしか使用できなかった。 また、アクセラレータを増設した場合はMS-DOSでの描画にグラフィックビデオRAMと、テキストビデオRAMを使用した画面出力とし、Windows上ではアクセラレータからの画面出力を用いたため、アクセラレータボードから出た信号を一旦、RGB-IN端子でPC内部に引き込み、RGB-OUT端子から出力するか、またはRGB-IN端子のあるアクセラレータボードを増設して本体のRGB-OUTからアクセラレータのRGB-IN、アクセラレータのRGB-OUTから出力した。こうすることによって本体またはアクセラレータ上の自動切り替え機能によってWindowsが起動すると画面がアクセラレータ出力の画面に自動的に切り替わり、2種類のまったく互換性のない描画機能を両立していた。 一部機種にはRGB-IN端子がない機種があり、その機種にはRGB-IN端子のないアクセラレーターボードを増設することは出来ないとされていた。(ただし、これはそれぞれのRGB-OUT端子を切り替え器につなぎ、Windowsの起動・終了をするたびに手動で切り替える事によって対応可能)また、一部機種では、アクセラレーターボードに98独自の基本グラフィックが統合されたものがあり、この場合アクセラレータボードの(増設)交換は不可能であった。(PCIボードは可能である。表示切替はソフトで行っている。)", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "PC-98x1の方が分解能が低く、Windowsのタイマ関数呼び出しの際、APIに記述されている注意書き(注:ハードウェア依存のため、指定値通りに動作するとは限らない)を無視して実装されたアプリケーションには問題が発生した。後年、Win32とPentium機の組み合わせでは、CPUの超高分解能タイマを使用するようWindows側の実装が変更された。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "Intel 8259相当の割り込みコントローラをカスケード接続している所は全く同じであるが、割り込み番号と機器の対応には互換性がない。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "PC-98x1はD-Sub25ピンコネクタでRS-232C準拠であり同期転送モードもサポートするが、PC/ATはサブセットのEIA-574であり、主にD-Sub9ピンコネクタで非同期転送のみサポートする。ちなみに、PCIベース(一部PCIがないものも)の9821の2ポート目のD-Sub 9ピンコネクタ(通称2nd CCU)は非同期モードのみサポートする。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "PC-9801はプリンタの接続のみを考慮し、セントロニクス標準コネクタから不要な信号線を省いたフルピッチベローズ型コネクタを採用していた。PC-H98やPC-9821の中期モデル(As2やAp2など)からはハーフピッチ化したフル仕様のコネクタを採用し、特に後者はセントロニクス準拠の双方向通信が可能となっている。PC/ATは信号線や電気的な仕様こそセントロニクスに準拠しているものの、何故かRS-232Cのコネクタと全く同じD-Subタイプのコネクタを採用している。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "PC-98x1はマイクロソフト仕様のバスマウスを標準採用している。また、初期にはマイクロソフト仕様のシリアルマウスも使用されていた。PC/ATにおいては、標準仕様が存在せず、初期にはバスマウスも使われ、以後はマイクロソフト仕様のシリアルマウスが主に使用されていた。IBM PS/2以降ではPS/2マウスが主流となった。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "Windows 98か2000であればUSBボードを用いてスクロールマウスを実装することも可能である。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "PC-98x1のバスマウスでホイールに対応したものは無く、ハード的にもホイールの実装が困難である。ホイールマウスを使用するにはUSBマウスやシリアルマウスを使うか、PS/2マウスを市販の変換機を介してシリアルポート・バスマウスコネクタ併用で使用する。なお、起動時にのみ初期化が実行されるPS/2マウスと異なり、98用バスマウスは動作中に抜き差ししても問題なく動作する仕様である。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "Windows 3.x/95のPC-9800版にはシリアルマウスのドライバが含まれていなかったが、Windows 98/NT以降に限ってOS標準ドライバが使用できた。特に2nd CCU搭載機種においてはPC/AT用に販売されたシリアルマウスがそのまま接続できた。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "PC-98x1はキーボードも異なる。PC/AT互換機と異なるのは、STOP、COPY、XFER、NFER、HOME CLRで、それぞれPC/AT互換機のBreak、PrtScr、変換、無変換、Homeに相当する。漢字の入力はCTRLキーと、XFERキーを押すことで可能になる。また、FEPやIMEによらず、カナキーをロック状態にすることで半角カタカナが入力できた。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "PC-98x1固有のキーとしてHELP、カナ、GRPHがある。Windows 95発売以降の機種は、PC/AT互換機との操作性の共通化のため、HELPキーの側面にはEnd、GRPHキーの側面にはAltと刻印されていた。つまり、メニューバーのファイル(F)を開くには、GRPHキーとFキーを押すことになる。GRPHキーと文字キーを押すと、半角の年、月、日、時、分、秒などの記号を入力することができた。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "Roll-Up、Roll-Downは、それぞれPageDown、PageUpに相当し、upとdownの表現がPC/AT互換機とは逆である。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "ファンクションキーは、PC/AT互換機はF・1 - F・12であるのに対し、PC-9821ではF・1 - F・10で、これらとは別にVF・1 - VF・5がある。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "CAPSキーとカナキーは押すとLEDが点灯する方式になっている。これは、OS/2などの出現で、画面上の各ウィンドウごとにCAPSキーとカナキーのステータスが異なるケースが発生しうるようになり、機械的なロック機構による状態表示では正しく対応できなくなったことへの対策として実施されたものである。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "PC/AT互換機と同じ配列の106キーボード(PC-9801-116) や、特定のNEC製ソフトウェアに対応した専用キーボードも、NEC純正オプションとして発売されていた。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "PC-9801は長らく1.25MBフォーマットを採用していたが、PC-9821の頃から、PC/AT互換機と同じ1.44MBのフォーマットも扱えるようになった。ただし、MS-DOSがそれに対応しているバージョン(Ver.5.00A-H以降)である必要がある。現在のPC/AT互換機では、1.25MBを読み書き(一部はフォーマットが出来ないなどの制限あり)するには、3-MODEに対応したBIOSと3モードフロッピーディスクドライブを用意し、ドライバを組み込む必要がある。メーカー製PCでは大抵扱うことが出来る。 98シリーズは、PC/AT互換機と違い、ドライブの質が一定だったため、フロッピーディスクの特定のトラックに特殊なフォーマットを施し、それをチェックすることで正規品か否かの判断をするコピープロテクトが主にゲームソフトで使われていた。これはMS-DOSによるコピーでは同一のフォーマットを再現することが出来ないため(特殊なフォーマットが施されたトラック)、コピーしたディスクでは正規品ではないとみなして動作しないようになっていた。なお、特殊フォーマットのチェックを外す「コピーツール」(ファイラー)と称するソフト本体とソフトごとに施された特殊フォーマットに対応するデータディスクが売られていた(詳細は割愛)。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "PC-9801シリーズが全盛だった時代には高額だったこともあり、なかなかHDDの普及が進まなかったが、Windowsの利用を前提としたPC-9821シリーズの登場は転機となり、MATE・FELLOW以降ではHDDモデルを中心にデスクトップでもFDDが1台しかないモデルが登場するようになった。これらの機種では当初はHDD上に構築した専用ファイルを98ノートのRAMドライブのように扱う仮想FDDツールが添付され、FDD2台を前提としたソフトを動作させる配慮が見られた。しかしPCIアーキテクチャ搭載機ではそのようなツールもサポートされなくなり、ノート機でも物理的なRAMドライブが省略されるようになるなど、PC-9821の時代にはFDD2台という構成は次第にオプション扱いとなっていった。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "PC-9801シリーズの内蔵ハードディスクはノート型を除きSASIもしくはSCSI接続だが、後のPC-9821ではIDEが標準となり、さらにその後は540MB以上を認識可能なE-IDE仕様となった。なお、初期のタワー型をはじめとするハイエンド機の大半はAdaptec製SCSIコントローラをオンボードで搭載しており、制限は「32Gの壁」くらいであった。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "PC-9821シリーズの内蔵IDEコントローラは例外なくPIOモードのみのサポートであり、Ultra DMAを使うには後に発売されたサードパーティー製の拡張IDEボードに頼る必要があった。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "また、Socket 5を搭載するMATE Xの一部機種に変換ソケットを使用してMMX Pentiumを搭載した場合、内蔵IDE-I/Fが有効であるとITFのコーディングの関係で起動に失敗するものがあり、この対策としてオンボードのIDEは使用せず全ドライブをSCSIで統一するユーザーも少なからずいた。これは、NECもIntelもCPU乗せ替えを保証しない機種に対して無理矢理搭載した場合に限って起こる不具合であり、IntelからPC-9821版として販売されたODPには専用のITF書き替えプログラムが添付されており、それを対象機種に使用する限りにおいては全く問題なく動作した。ただし、対象機種はIntel製チップセット搭載機に限られたため、VLSI製チップセット搭載機の場合はその恩恵にあずかる事は出来ず、前述の全SCSI化以外の選択肢が無かった。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "PC-98x1とPC/AT互換機ではパーティション管理に全く互換性は無く、PC-98x1にはブートメニューが用意され、複数のOSを任意のドライブの任意のパーティションに導入し、同居させることができる。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "その他の違いとして、標準のMS-DOS/Windowsでのハードディスクの先頭ドライブレターが、PC/AT互換機では起動先にかかわらず固定でC:が割り当てられるが(フロッピーディスクはA:、B:固定)、PC-98x1では起動ドライブがA:となる。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "PC-9801ではサウンドカードとしてFM音源のYM2203(PC-9801-26)を事実上の標準音源とし、PC-9821では上位互換のYM2608 (PC-9801-86)を採用した。後者は前者の完全上位互換の上、PC-8800シリーズにおいて長年に渡って使用されてきた枯れた音源であったため、これらの間では互換性の面では問題はなかった。もっとも、後述の理由によりWindows 95時代になって登場したPC-9801-118およびこれに相当する内蔵音源(WindowsSoundSystem=WSS)では、YM2608の生産終了とWindows上での内蔵シンセサイザの高機能化要求から、YM2608の一部機能を省略したYMF288とSoundBLASTER 16で採用されていたYMF262-Mの機能を折衷・統合したYMF297が採用された。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "PC-DOS時代のPC/AT互換機の音源は、有名な所ではCreative社のSoundBlaster/16/AWE32やGravis社の UltraSound等が群雄割拠しており、各ソフトウェアの側で複数のサウンドカードに個別にサポートする、といった対応がとられていた。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "Windows 3.1にマルチメディア拡張が搭載され、マイクロソフトがMMCガイドラインにおいて標準PCM音源としてWindows Sound System(WSS)を規定したため、両機種ともその互換PCM音源を搭載することになったものの、既存のMS-DOS用のソフトではWSSに対応しておらず、混乱が生じた。PC-9800シリーズ用Windows 9xではPC-9801-73・PC-9801-86のPCMも引き続きサポートされたものの、同カードではPIO転送時の負荷が大きいため、場合によっては「音飛び」が発生する問題があった。なおWSS互換音源搭載WindowsマシンにPC-9801-86を挿して共存させようにも、音源種別を識別するための一部のI/Oポートが重複するなどリソースの競合が見られ、WSS互換音源のINTを変えるだけでは正常動作しなかったため、フリーソフトの切り替えツールを併用する必要があった。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "PC-9821ではチップセットにインテル430VXを使用した機種の一部にUSBポートが搭載されている(Xcシリーズ、V166、V200など)。標準のOHCI準拠規格であったが、「PC-9821シリーズでは使用できません」と明記してあるUSB対応機器も多かった。Windows 2000以降はドライバ等の熟成もあり問題なく使用できる機器がほとんどだが、PC-9800シリーズへの対応を公式に謳うUSB対応機器は皆無に等しい。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "またPCIスロットにUSBインターフェースを増設することも可能だが、PC-9800版Windows 2000にはUSB2.0のEHCI (Enhanced Host Controller Interface)ドライバが含まれていないため、インストールには若干の知識と工夫を要する。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "初期のPC-9821ではPC-9801シリーズからの流れで、オンボードメモリの640KBから1024KBの間のアドレスはメモリ容量に含めない風習があった。例えばWindows 95(日本語版)のシステム要件で最低メモリ容量はPC/AT互換機で8MBに対し、PC-9800シリーズでは7.6MBとされていた。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "デスクトップ機の場合、当時すでにAT互換機ではJEDEC仕様のSIMMが普及していたが、PC-9821では1993年5月のPC-9821Ceまでは別売りの専用メモリボードを介して増設する、いわゆる61SIMMと呼ばれる独自のSIMMが使われていた。同年7月のPC-9821AfからはほぼJEDEC仕様に準ずるSIMMが採用されているが、別売りの専用メモリボードを介す形式はその後の2代目MATE Aシリーズでも引き継がれた。これに対しMATE BはオンボードでJEDEC仕様のSIMMスロットが備えられており、標準搭載のメモリもSIMMが使われている。特にMATE X以降はメモリ増設時に標準搭載のSIMMを別売りのSIMMに交換することがサポートされるようになっており、建前上640KBから1024KBの0.4MBもメモリ容量に数えて論じざるを得なくなっている。この場合でもその0.4MBはユーザーは利用できないことから、カタログの類では「32MB(ユーザーズメモリ31.6MB)」のような表現で併記されている。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "JEDEC仕様のSIMMが使えるようになってもしばらくはNEC独自のメモリコントローラが使われていたが、やがてMATE X以降でPCIチップセットを持つようになってからはPCIチップセットのメモリコントローラが使われている。デスクトップ機の場合、PCIチップセット開発以前の製品であるMATE Aや1枚単位でSIMMを増設できる機種を除き、Pentium以上のPC-9821では物理的なPCIスロットを持たない機種でもPCIチップセットでメモリが管理されている。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "基本的にPC-9801シリーズ用の物がそのまま利用可能。PC単体でN88-BASIC(86)を起動可能(ROM-BASIC) なのも同じ。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "またFDDモデルを除くほぼ全ての機種でWindows 3.1もしくはWindows 95が標準搭載されており、購入してすぐに使用可能な状態で出荷されていた。Windows 95発売からしばらくは出荷時にWindows 3.1とWindows 95が両方搭載されていて、購入後直後の初回起動時に使用するOSを Windows 95 と Windows 3.1+MS-DOS 6.2 のいずれかを選択する。選ばれなかった方はこの時点で削除され、以後復元することが出来ない。再セットアップに必要なディスク類はWindows 95のもののみ同梱されているが(ただし、再セットアップに必要な起動用フロッピーには何も書き込まれていない)、Windows 3.1+MS-DOS 6.2 を選択した場合はWindows 95の一式をNECに返送することでWindows 3.1+MS-DOS 6.2の再セットアップディスク類が送られるようになっていた。また、Windows 95の再セットアップに必要な起動用フロッピーは、Windows 95を選択して起動した際、1回だけ作成可能となっていた。ただし、付属のフロッピー以外には作成ができないようになっているが、作成したフロッピーのコピーや、コピーしたフロッピーからの起動は可能であった。また、選ばれなかった側やWindows NTなどその他のOSを別途購入してインストールするためのドライバ類を入れたフロッピーディスクが別途付属していた(Windows 95用ドライバは返送後交換されるWindows 3.1+MS-DOS 6.2の再セットアップ用ディスク類に附属)。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "さらにNEC以外のサードパーティが作成した独自のMS-DOS互換OSや、有志により作成されたUnix系OSなども存在し、PC-9801シリーズ同様様々なOSを利用可能。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "Windows 3.1は高速化の為に固定スワップファイルへのファイルシステムAPIを経由しない直アクセス等のPC/AT互換機にべったりと依存した実装を行っていたため、移植が困難であったと言われている。もっとも、FMRシリーズやJ-3100シリーズ、それにMULTI 16シリーズ等にも各社が移植を行っていたため、困難であったか否かの判断は難しい。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "なお、Windows 3.1の日本語への移植はNECが担当していたが、オリジナルであるAT互換機版と比べ、スタンダードモードでDOSプロンプトが使えないといった制限があった。また、EPSONからも自社製98互換機向けにWindows 3.1が発売されていたが、こちらはスタンダードモードでもDOSプロンプトが利用できるものの、PC-9821用PEGCドライバが同梱されていなかった。なおNEC版でもPC-9821用PEGCドライバが搭載されたのはWindows 3.0B以降であり、Windows 3.0/3.0AにおいてPEGCは利用できない。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "一般には、PC-9821がPCIアーキテクチャへ転換したため、Windows 9x系の移植に有利となったと言われているが、これは間違いである。本家PC/AT互換機版がISAやISA+VL世代の機器をも動作対象としていたことから類推できよう。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "Windows 3.1に比べ、OS本体の仮想化が進んでいたため、ドライバやVXDレベルに差異を押し込めることが可能になったのでOS本体の移植の難易度は下がり、ドライバの開発が困難になったのでは無いかと思われるが、他の国産機への移植がFM TOWNSとEPSON 98互換機のみであったため、判断は難しい。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "本来、複数のCPUアーキテクチャでの動作を前提としていたWindows NT系は移植が楽で、極論すればHALと98形式のHDDパーティション解析レイヤとドライバ類だけ開発すれば良い。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "NT系は抽象化が高度であり、Windows NT 3.1の時代からWindows 2000に至るまで、ネットワークカード等のROMを持たないカードは当然として、ROMを持つPCIカードでもそれを無効にすれば、PCIの機種依存実装の見本とも言えるビデオカードがPC/AT互換機のドライバで(内部のリレースイッチ切り替えを除き)動作する場合があり、SCSIカードやRAIDコントローラもBOOTを前提としなければドライバを含めてそのまま利用可能な場合がある。", "title": "9821とWindows" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "余談だが、このCanBeシリーズは当初、蜂を模したマスコットキャラクター「キューハチ君」をあしらい、本体起動時にメモリチェックとMS-DOS起動の画面を隠すようにNECの画像ロゴが出るとともに、内蔵ハードディスクにインストール済みのWindows 3.1には独自のGUIランチャー「98ランチ」を備えていた。ちなみに、グラフィック起動モードと、テキスト起動モードがあり、グラフィック起動モードは、前述の「キューハチ君」のグラフィックが表示され、MS-DOSの特殊なドライバにより、MS-DOSや、CONFIG.SYSなどに記述されたドライバの組み込み時のテキストが画面の下の方に目立たないように表示されるようになっていた。そのため、ユーザーはMS-DOSの画面に気付かないうちに、ウィンドウズ3.1の起動ロゴが表示されていた。それと、ウィンドウズを終了すると、通常はMS-DOSのプロンプトに戻るが、電源が切れるようになっていた。MS-DOSを利用するには、電源投入時にTABキーを押しているか(この場合は一時的な切り替え)、本体のセットアップメニューにより、テキスト起動モードに切り替える必要があった。", "title": "主な機種" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "下記の他、PC-9821Cr13(98MULTi CanBe Jam / 通称「ミシン型CanBe」。TFT液晶モニタ一体型、CバスやPCIバスがなくPCカードスロットがある)、PC-9821F200・F166(98FINE、液晶モニタ一体型)が存在する。", "title": "主な機種" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "下記の他、Xcシリーズ(98MATE X)およびVALUESTARの一部モデル(V200/M7など)がある。", "title": "主な機種" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "商品コンセプトとしてはSV-H98シリーズの後継にあたるPCサーバで、型番にPC-9821とは付かないものの、前述のようにPC-9821BfはSV-98初代機 (model 1) とほぼ共通の設計が利用されていた。このためBfと同じく、当初のSV-98はmodel 2の頃まで9821グラフィックを持たないシリーズだったが、後期の機種からは9821相当の画面モードも備えるようになった。さらに後継機としてPC-9821Rsシリーズにその商品コンセプトが受け継がれたという事情もあり、関連機種として本稿に記す。", "title": "主な機種" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "SV-98シリーズではCPUの高性能化とPCIスロットのサポート(model 1を除く)に加え、サーバOSでのメモリ実装量の増大要求に応え各モデルで同時期のデスクトップ機を上回る最大実装メモリ量がサポートされ、model 1では最大79.6MB、model 2・model 1A・model 1A2では最大255.6MB、model 3では最大511.6MBの実装が可能となった。また、model 3ではCPU増設ボードの追加によりPC-9800シリーズ(およびその派生機種)では初となるデュアルプロセッサ機能が実現された。", "title": "主な機種" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "A4型のNシリーズ、それ以下のサイズでサブノート型のLシリーズがある。中期以降の多くはWSS相当のPCM音源を搭載する他、Nシリーズの一部機種はFM音源も内蔵する。液晶ディスプレイについては廉価版はデュアルスキャンSTN、それ以外はTFTを採用していた。Windows 95登場以前の機種には、2FDD構成でなければ動作しない一部のMS-DOSソフトウェア(主にゲームソフト)に1FDD構成で対応するために、「RAMドライブ」と名付けられた機能が実装されていた。この機能は内蔵メモリから1.25MBを割り当てて、仮想的に1基のFDDとしてソフトウェアに認識させるもので、ドライバを必要としないよう、BIOSレベルでサポートされたものであった。ただし、あくまで仮想のFDDであり、記録された内容は電源が確保されている間だけ保護される。また、コピープロテクトを採用しているゲームソフトは起動用のディスクにプロテクトを掛けることが多く、起動ディスクをRAMドライブにコピーしてもプロテクトが機能して起動させることができない。したがって、プロテクトの掛けられていないデータディスクをRAMドライブにコピーし、FDDに起動ディスクをセットして起動させることになる。データディスクが複数枚あるソフトウェアで処理中にデータディスクの入れ替えを要求される場合は、RAMドライブは入れ替えることができないため、この機能をもってしても対応できなかった。そのため、一部のゲームソフトではノート専用版として、起動ディスクにはプロテクトを掛けず(RAMドライブにコピーして起動)、データディスクにプロテクトを掛けて(FDDにセットして置く)おき、プロテクトチェックの際は、データディスクをチェックすることで対応したものもあった。", "title": "主な機種" } ]
PC-9821シリーズは、日本電気(以下NEC、現在はNECパーソナルコンピュータに分社)が1992年(平成4年)から2003年(平成15年)まで販売していたパーソナルコンピュータの製品群の俗称で、一般的にはPC-9800シリーズのうち「PC-9821」から始まる型番の機種群を指す。1993年(平成5年)発売の98MATEシリーズから1997年(平成9年)秋にPC98-NXシリーズが発売されるまでの約4年間におけるNECのPC製品の主力機種だった。PC-9801シリーズの上位互換製品である。製品名の「9821」のうち「21」部分だけが白抜き文字となっており、「21世紀に向けたPC-9800シリーズ」という意味が込められていた。しかし、21世紀を待たずに新アーキテクチャのPC98-NXシリーズが発売され、21世紀に入って数年で受注終了となった。
{{出典の明記|date=2016年10月}} [[ファイル:PC9821 Nb10 NEC.jpg|thumb|250px|ノートパソコンの一例<br /> PC9821 Nb10]] '''PC-9821シリーズ'''は、[[日本電気]](以下NEC、現在は[[NECパーソナルコンピュータ]]に分社)が[[1992年]]([[平成]]4年)から[[2003年]](平成15年)まで販売していた[[パーソナルコンピュータ]]の製品群の俗称で、一般的には[[PC-9800シリーズ]]のうち「PC-9821」から始まる型番の機種群を指す。[[1993年]](平成5年)発売の98MATEシリーズから[[1997年]](平成9年)秋に[[PC98-NXシリーズ]]が発売されるまでの約4年間におけるNECのPC製品の主力機種だった。[[PC-9801シリーズ]]の[[互換性|上位互換]]製品である。製品名の「9821」のうち「21」部分だけが[[袋文字|白抜き文字]]となっており、「[[21世紀]]に向けたPC-9800シリーズ」という意味が込められていた<ref>{{Cite journal|和書|year=1993|title=特集・98とともに歩く, これからの10年|journal=[[Oh!PC]]|issue=9/15号|page=137|publisher=[[SBクリエイティブ|ソフトバンク]]}}</ref>。しかし、21世紀を待たずに新[[コンピュータ・アーキテクチャ|アーキテクチャ]]のPC98-NXシリーズが発売され、21世紀に入って数年で受注終了となった<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.express.nec.co.jp/care/pctechinfo/pc9800.html |title=PC-9800シリーズ受注終了のお知らせ |date=2003-08-07 |accessdate=2015-10-01 |publisher=NEC |archiveurl= https://web.archive.org/web/20030807165959/http://www.express.nec.co.jp/care/pctechinfo/pc9800.html |archivedate=2003-08-07}}</ref>。 == 概要 == PC-9821シリーズは先行する[[PC-9801シリーズ]]に対して上位[[互換性]]を有する、事実上の後継機となる機種群である。大半の機種では独自の256色表示回路(拡張グラフアーキテクチャ)が搭載されており、これはPC-9801型番のほとんどの機種では搭載されていなかったことからPC-9821の象徴的な特徴と見なされることがある。しかし若干の例外もあるため両者の型番以外の差異はそれほど厳密ではなく、おおむね[[Microsoft Windows]]の利用が想定された機種であり、標準で640×480ドット256色の画面モードを持つとされる。またPC-9801シリーズでは[[ノートパソコン|ノート機]]のカラー[[液晶ディスプレイ|LCD]]モデルには"C"という型番・枝番が付けられていたが、PC-9821シリーズにはそれが無く、PC-9821Nmを除き全てカラーモデルだという特徴もある。PC-9801シリーズと同様に、関連機種としてファクトリーコンピュータ(産業用コンピュータ)であるFC-9821シリーズも存在する。 PC-9821型番のシリーズは1993年(平成5年)1月のMATE Aシリーズ登場によりNECの主力PCとして本格的にラインナップされるようになった。この時点では先行する初代PC-9821およびその直系の98MULTiシリーズとの共通点として、PEGCと呼ばれる拡張グラフアーキテクチャおよびPC-9801-86相当音源(86音源)の標準搭載がPC-9821型番の条件であると考えられていた。しかし86音源については早くも1993年(平成5年)5月発表のノート機PC-9821Neには搭載されなくなっている。その後1993年(平成5年)11月発表のMATE BシリーズやPC-9821TsではPEGCとは異なる仕様で互換性の無いグラフィックチップが採用されたことから、PEGCについてもPC-9821の必要条件とは言えなくなった。これについてNECは(PC-9821型番である)MATEシリーズの定義として、Windows上で標準で640×480ドット256色の画面モードを持つという見解を示している<ref name="SOFTBANK">SOFTBANK BOOKS、PC-98パワーアップ道場、ISBN 9784797305777</ref>。翌1994年(平成6年)7月に主力ラインナップがMATE-Xシリーズに取って代わると、以降のPC-9821型番機では(一部のノート機を除き)PEGCに比べて一部機能を簡素化した下位互換性を有する拡張グラフアーキテクチャを標準搭載するようになり、後にWindowsでスタンダードディスプレイアダプタの役割を果たした。この画面モードは後にPC-9801型番最後の機種であるPC-9801BX4にも搭載された<ref group="注">PC-9821シリーズの下位機種であるXe10と共通設計の[[マザーボード]]を採用したため。なお、Xe10とBX4の出荷時でのハードウェアの相違点は搭載CPUや実装メモリ量、それに搭載FDDの台数(BX4は2台、Xe10は1台を搭載する)程度でしかない。</ref>。そのため、最終的に拡張グラフアーキテクチャ(の搭載の有無)はPC-9821の十分条件とも言いがたくなった。 == 初代 == 1992年(平成4年)10月に発売された、[[Intel 80386|Intel 80386SX]][[CPU]]機である初代PC-9821「'''98MULTI'''」(後にIは[[小文字]]に改められた。[[ロゴタイプ|ロゴ]]では「mULTi」)は、前年の[[1991年]](平成3年)10月に発売された、[[Microsoft Windows 3.x|Windows 3.0]](+MME)環境のため[[ハードウェア]]の拡張を施した[[マルチメディア]]志向の「PC-98GS」に似た機能を持つ機種だが、一部機能が省略され価格が抑えられている。 グラフィック機能は従来のPC-9800シリーズのものに加え、EGC (Enhanced Graphic Charger)上位互換のPEGCによる640ドット×480ライン同時256色という拡張表示モードを持ち、音源は[[FM音源]]([[YM2608]]/[[PC-9801|PC-98DO<sup>+</sup>]]互換)と[[PCM音源]]を搭載した(後に音源部は単体でPC-9801-86ボードとして発売された)。さらにPC-98GSと同様に[[CD-ROM]]([[Small Computer System Interface|SCSI]]接続)を搭載し、PC-9801-55相当のSCSIも搭載していた。 当時同じCPUを搭載した「PC-9801FS」より安価で多機能という意欲的な機種だったものの、Windows用途には非力だったことから当時はあまり注目されず、評価も芳しくなかった<ref name="SOFTBANK" />。一方、従来のPC-9800シリーズで利用されていた[[MS-DOS]][[アプリケーションソフトウェア|アプリケーション]]も活用できたことは、[[PC/AT互換機]]にはない利点だった。 == Intel 486 CPUとWindows 3.1時代 == === コンパック・ショックと98MATEシリーズの登場 === [[ファイル:NEC PC-9821Ap 5-inch FDD model.jpg|サムネイル|PC-9821Ap (98MATE)]] Windows 3.xの時代(Windows 3.0の発売は英語版[[1990年]]5月/日本語版[[1991年]]2月、Windows 3.1は英語版1992年4月/日本語版1993年5月)には、主要なビジネスアプリケーションが相次いでWindowsへと対応したほか、[[DOS/V]]の登場により、[[コンパック]]の製品など日本語に対応しつつも廉価なPC/AT互換機による攻勢が相次ぐようになり、日本の国産機メーカー各社はこれらへの対応を迫られていった。 1992年(平成4年)9月初め、NEC府中事業所でPC-9801FAの後継となる新機種の仕様が提案された。これは上層部に却下されており、FAをベースにCPUのクロックを引き上げたものと推測された<ref name=":0">{{Cite journal|和書|author=|year=|date=1993-03-15|title=特集 : 追う98、追われる98|journal=[[日経パソコン]]|volume=|page=|pages=130-145}}</ref>。その後、互換性を保ちつつアーキテクチャーを大幅に変更した新案が出され、10月下旬に新シリーズの最終仕様が決定された<ref name=":0" />。 主力[[デスクトップパソコン|デスクトップ製品]]にはそれまでの型名だけでなく「'''98MATE'''」(ロゴでは「m<small>ATE</small>」。通称で「[[Mate (デスクトップパソコン)|Mate]]」と表記されることもある)という愛称が採用された。それまでのシリーズは「'''98FELLOW'''」という愛称になった。これにより、それまでの「40万円くらいがあたり前」だった商品構成を二つに分け、従来の価格帯はハイエンドのPC-9821シリーズ(MATE)が担い、PC-9801シリーズ(FELLOW)は大幅な価格改定で20万円前後の廉価モデルという位置づけとなった。これは、MS-DOSが依然として支配的でありながらもWindowsが普及しようとしていた当時、Windowsの使用も視野に入れた[[ハイエンド]]・ユーザー層と、安価なMS-DOSマシンを求める[[ローエンド]]・ユーザー層の両方を獲得する狙いがあった<ref name=":0" />。 また、従来のPC-9800シリーズはいかにも事務機然とした筐体デザインであったが、この時期に発売されたものは初代[[Macintosh]]の[[マウス (コンピュータ)|マウス]]や後に[[Palm (PDA)|Palm]] Vなどのデザインを手掛けている[[IDEO]]にデザインを依頼し<ref name=":0" />、大幅なデザイン改訂を受けながらもPC-9800シリーズ伝統のアローラインは残されており、外観においても新世紀のオフィスPCというコンセプトを踏襲している。 これら新機種の実施設計と生産はNECの子会社で行われ、98MATEはNEC群馬、98FELLOWはNEC新潟が担当。3ヶ月という当時としては異例の短期間で開発され、1月中旬には店頭展示品の製造が開始された<ref name=":0" />。 [[ファイル:NEC PC-9821A-E01 Window Accelerator Board top.jpg|サムネイル|ローカルバス専用ボード PC-9821A-E01 ウィンドウアクセラレータボード]] PC-9821シリーズの第1.5世代とも言うべきPC-9821 Ap/As/Ae 等の'''98MATE A'''シリーズは全機種ともCPUが[[Intel486]]搭載となり、初代機同様のグラフィック・サウンド仕様を踏襲した上、従来の[[Cバス]]に加え、CPUの高速化をふまえ独自の32bit [[98ローカルバス]]<ref group="注">Mate Local Busを略してMLバスとも呼称される。</ref> スロットを装備した。更に上位機種ではWindows環境上でより高解像度・高速・多色表示を実現する[[グラフィックアクセラレータ]]を搭載した。 初代PC-9821も含め、基本的にPC-9801(CS/USやFA/FS/FX)の完全上位互換機であり、PC-9801向けに開発されたソフトは(自身の性能は持て余すことになるものの)ほぼ問題なく動いた。また物理ディップスイッチでPC-9801VM相当の性能とすることも可能となっている。ただし、PC-9821Ap/As/AeのHDD搭載モデルではコストダウンのためにFDDを1基搭載としたため、FDD2基を前提に開発されていた従前のソフト(特にゲームソフト)は、FDDを増設しないと動作できない事態になった。この為、HDD非搭載モデルとサード製HDDの組み合わせで購入するユーザーが続出し、結果的にNECはカットしたコスト以上に売上機会を逃すことになる。 === ハイエンドMATE Aと低コストMATE Bの二分化 === 追って追加された、[[廉価版]]であるPC-9821 Bp/Bs/Be 等の'''98MATE B'''シリーズではWindows用のグラフィックアクセラレータを搭載しているものの、音源およびPEGC、98ローカルバススロットの搭載は省略されていた。つまり、「9821」と銘打たれていながら、PC-9801シリーズと同様のハードウェアにグラフィックアクセラレータチップを追加しただけのものであり、実際にもPC-9801シリーズに対応する機種が存在しないBf以外はPC-9801BX2/BS2/BA2と共通の基板を使用してコストダウンを計っていた。 PEGCを[[拡張カード|拡張ボード]]形式で後付けすることはITF<ref group="注">Initial Test [[ファームウェア|Firmware]]</ref>/[[Basic Input/Output System|BIOS]] [[Read Only Memory|ROM]]に対する修正も必要で機構的に実装が困難であったため、9821固有グラフィック機能を追加するアドオンカードは発売されず、その結果このMATE BではMATE A用の一部の256色対応ソフトが全く使用できないため、混乱が生じた<ref group="注">この問題についてのNEC側の公式見解は、9821とは「標準(出荷時状態)でWindows 3.1において640×480ドット表示が可能なもの」を指すとしていた。この問題はその後、「PC-9801」として発売された「PC-9801BX4」は「PC-9821Xe10」とマザーボードを共用してコストダウンを図る目的でPEGCがそのまま搭載されていて、いずれの機種でも640×480ドット256色表示が可能であったため、さらに混乱が深まった。</ref>。 また、MATE AにはPC-9801FX/FS/FAシリーズから採用された'''ファイルスロット'''が搭載されているのに対し、MATE Bからは'''ファイルベイ'''に変更されている。どちらも外見は似ているが、前者はフロントパネルを外してデバイスを挿入するだけのイージーメンテナンス仕様である<ref group="注">デバイスの種類ごとに異なるコネクタが位置をずらして配置されている。</ref> のに対し、後者はケースを開けて結線作業を行う必要のある、一般的なフロントベイとなっている。内蔵HDDについても同様で、MATE Aはコネクタの奥行きでSCSIと[[Advanced Technology Attachment#IDE|IDE]]を兼用するスロットと専用の特殊なHDDケースを用いることでフロントカバーを開けて差し込むだけの構造になっているのに対し、MATE Bはケースを開けて一般的な形でIDE HDDを内蔵するようになっている。このように、MATE AからMATE Bになったことで従来のSCSI機器構成とメンテナンスの簡便さを意識した高コストなものから、IDE構成による互換性を意識した低コストなものへ移行している。これらは以降のMATE Xにも踏襲され、ひとつの転換点となっている。 また、家庭向けマルチメディアパソコンと言う位置づけで、初代機の形状と名を継ぎCRTモニタをセットにした「C」型番を持つ'''98MULTi'''シリーズも登場し、ラインナップに厚みを加えた。こちらは音源とPEGCは初代機・MATE Aと同様な一方で、MATE Aで導入された98ローカルバスのスロットは搭載しなかった。 デスクトップに続いて1993年夏にはノート型にも256色/4096色中、640×480ドットの液晶を持ったPC-9821Neを登場させ、全シリーズの9821化が進んだ。これらは従来から「'''[[98NOTE]]'''」シリーズ(標準ノート)、「98NOTE Light」シリーズ(モバイルノート)を名乗っていたが、後に「'''[[LAVIE|Lavie]]'''」(標準ノート)、「'''[[Aile]]'''」(モバイルノート)のシリーズ名を与えられた。 == Pentium CPUとWindows 95時代 == === MATE Aの終焉とMATE BからMATE Xへの進化 === 上位のMATE Aシリーズは[[1993年]]7月にメーカー製PCとして世界初の[[Pentium]]搭載機であるPC-9821 Af(Pentium-60MHzを搭載)、同様に[[1994年]]5月に世界初の[[Intel Pentium (1993年)#第二世代|P54C]]を搭載したPC-9821 An<ref group="注">Pentium-90MHz搭載。ただし、CPUソケットはSocket 5よりピン数が少ない専用品である。</ref> を発売する等、[[PC-H98シリーズ]]の後継となるPC-9800シリーズのフラグシップモデルとして展開された。 しかし、その2カ月後の[[1994年]]7月からのPC-9821シリーズは標準で<ref group="注">AnはBIOSアップデート(プラグ&プレイ サポートソフト)の適用でPnPに対応した。</ref>プラグアンドプレイ (PnP) に対応し、256色表示機能(拡張グラフアーキテクチャ)およびWindowsSoundSystem (WSS)<ref group="注">PCMデータを従来のFIFO転送ではなく、[[Direct Memory Access|DMA]]転送で再生する。</ref> に準拠した新仕様のPCM音源(CS4231)を搭載した、PC-9821 Xn(Pentium-90 MHz)/Xp/Xs/Xe(i486機)の'''98MATE X'''シリーズとして、MATE Bと同様にコストパフォーマンスを追求する方向でシリーズを展開していった。これはマイクロソフトの'''PC95規格'''に対応した変更<ref>SE編集部、『僕らのパソコン30年史 ニッポンパソコンクロニクル』、翔泳社、2012年、p206。[https://books.google.co.jp/books?isbn=4798129992]</ref>で、これによりMATE Bシリーズと、[[1994年]]10月のAp3/As3を最後にMATE Aシリーズは打ち切りとなり、またPC-9821シリーズにPC-9801-86ボード互換音源や5.25インチFDDは標準搭載されなくなった。 もっとも、このMATE Xシリーズ初代機以降及び同時期発表のPC-9821Ap3/As3の拡張グラフアーキテクチャの[[グラフィックコントローラ]]からは[[VRAM]]プレーンアクセスモード(PEGC)等の使用頻度が低いと判断された機能が幾つか廃止されており、一部のPC-9821シリーズ対応MS-DOSゲーム等で問題が生じるケースもあった。 なおPC95への対応は翌年のPC-9821Xa10/9/7以降で特に顕著になり、PC95での推奨に沿った形で第2シリアルポート(ノート機などの一部機種では赤外線ポート)が搭載されたほか、ディスプレイコネクタがAT互換機と同じミニD-sub 15ピン(3列)の[[VGA端子]]になるなど、いくつかの仕様変更があった。 === PCIバスアーキテクチャの採用 === また同じ1994年(平成6年)7月には、[[Peripheral Component Interconnect|PCI]][[バス (コンピュータ)|バス]]アーキテクチャに基づいたPC-9821である PC-9821 Xa/Xtが発売され、以降は、MUITiシリーズを引き継いだ'''[[98MULTi CanBe]]'''シリーズ以外のPentium搭載機では、ローカルバスに代わってPCIバスが採用されるようになった<ref group="注">のちのCanBeシリーズには[[拡張スロット|拡張バススロット]]を廃止したモデル(Cr13)やPCIバススロットのみを実装したモデル(Ctシリーズ)も登場し、発展形と言えるCEREBシリーズでもこの仕様が踏襲された。</ref>。<!-- 注) Xa 7/9/10発売時点ではまだWin95は存在しない --> CanBeシリーズであるCb/Cb2/Cf/Cx/Cx2と一部の98NOTEには継続してFM音源(YM2608下位互換の[[YM2608#YMF288 (OPN3)|YMF288]])が搭載されていたものの、PCM音源はWSS相当になっていた<ref group="注">サウンド機能のシステムからの切り離しはMATE Xシリーズなどと違って不可である。</ref>。このCanBeシリーズは当初、蜂を模した[[マスコット]]キャラクター「キューハチ君」をあしらい、本体起動時にメモリチェックとMS-DOS起動の画面を隠すようにNECの画像ロゴが出るとともに、内蔵ハードディスクにインストール済みのWindows 3.1には独自の[[グラフィカルユーザインタフェース|GUI]]ランチャー「98ランチ」を備えていた。ちなみに、グラフィック起動モードと、テキスト起動モードがあり、グラフィック起動モードは、前述の「キューハチ君」のグラフィックが表示され、MS-DOSの特殊な[[デバイスドライバ]]により、MS-DOSや、[[CONFIG.SYS]]などに記述されたドライバの組み込み時のテキストが画面の下の方に目立たないように表示されるようになっていた。そのため、ユーザーがMS-DOSの画面に気付かないうちに、Windows 3.1の起動ロゴが表示されていた。また、Windows 3.1を終了すると通常は[[DOSプロンプト]]に戻るが、DOSプロンプトに戻らずに電源が切れるようになっていた。MS-DOSを利用するには、電源投入時に[[タブキー|TABキー]]を押しているか、本体のセットアップメニューにより、テキスト起動モードに切り替える必要があった。一部の1FDD機種は、増設用スペースがないため2FDD構成にできない機種もあった。なお[[1995年]]11月のCx3以降では各音源の仕様が変更された上で[[MIDI]]サブボードの追加が可能となり、単体ではPC-9801-118ボードとして発売された。 === 海外部品調達率の引き上げ === 1992年(平成4年)10月に発売された[[日本アイ・ビー・エム|日本IBM]]の[[PS/V]]シリーズや旧[[AX]]メーカーのDOS/Vパソコンなど、日本に製造拠点を置くパソコンメーカー各社は海外からの部品調達率を引き上げてきた。1993年(平成5年)10月に発売された[[富士通]]の[[FMV]]シリーズは台湾の[[エイサー (企業)|エイサー]]からマザーボードを[[OEM]]調達した。これによって価格競争力と製品化サイクルを向上させることができた<ref name=":1">{{Cite journal|和書|author=|year=|date=1995-03-13|title=第2特集 : 浸透する台湾パソコン|journal=[[日経パソコン]]|volume=|page=|pages=182-187}}</ref>。 NECも1993年(平成5年)の円高を契機と見て、PC-9800シリーズの一部ロットでマザーボードのOEM調達を始めた。98FELLOWと98MATE Xは[[エリートグループコンピューター・システムズ|ECS]]やWEC (Wong's Electronics)、98MATE Aと98MULTiは致福(GVC、後に{{仮リンク|Lite-On|en|Lite-On}}に吸収)でマザーボードの生産が開始された<ref name=":1" />。NECは品質への懸念に対して次のように触れている。{{Quote|品質も1つのコスト・パフォーマンスだ。台湾ほど過剰品質にならないようにするのにたけているところはない。そうした点で学んだところもある。NEC自身もその時々で設計基準を見直してきた。例えば電源のリップル(変動)の基準。汎用コンピューターの場合に大きなシステムの隅々まで同じ電圧を保つために必要な基準は厳しいものだが、筐体が机の上に乗るようなパソコンで必ずしも同じレベルの基準は必要ない。|戸坂馨(当時、NEC取締役支配人第一パーソナルC&C事業本部長)。『日経パソコン』1995年3月13日号、186頁。}} === 低コストMATE VALUE STARとハイエンドMATE R === [[Microsoft Windows 95|Windows 95]]の発売を控えた[[1995年]](平成7年)にはXaシリーズへの統一化がなされたが、廉価版のXa7e(Xa7の拡張スロットを削減し、グラフィックアクセラレータを[[シーラス・ロジック|Cirrus Logic]]のものに変更した機種)とXe10にCRTセットモデルが登場する。これは同年11月の日本語版[[Microsoft Windows 95|Windows 95]]の登場とともに、PC-9821 Xaシリーズをベースに低価格化してCRTモニタをセットにした'''MATE VALUESTAR'''(バリュースター)シリーズの登場へと発展した。同時に、廉価版の位置づけで残っていたPC-9801シリーズ(FELLOW)は販売ラインから駆逐された。なお、PC-9801シリーズのデスクトップ型最終モデルとなったPC-9801BX4([[IntelDX2|DX2]]版は1995年(平成7年)7月/[[オーバードライブプロセッサ|ODP]]版は9月)はPC-9821Xe10(1995年(平成7年)6月)と共通部品を使用しMS-DOS上で640×480ドット256色表示可能であるなど、実質はPC-9821シリーズであった。 これに遅れること約半年、[[1996年]](平成8年)6月に'''98MATE R'''シリーズの1番機となるPC-9821Ra20/N12が発表された。 従来ハイエンド機であるタワー型モデルの98PROことPC-9821St15・20にのみ搭載されていた[[Pentium Pro]]をCPUとして搭載し、PC/AT互換機市場で新機軸として打ち出された、ソフトウェアによる電源管理を可能とする[[ATX]]規格を可能な限り取り込んだこのマシンは、MATE RだけではなくMATE Xを含め以後PC-9800シリーズそのものの終焉まで使用されることとなる新設計のデスクトップ筐体が採用された。この新筐体は *[[リセット]]スイッチの廃止 *電源スイッチのソフトウェア制御化 *増設[[フロッピーディスク|フロッピー]][[ディスクドライブ]]の横並びでの追加搭載<ref group="注">従来はFDD2基を重ねて搭載可能なレイアウトであったが、2基を横並び増設とすることでファイルベイの位置を引き上げ、その下に生じた空きスペースに標準搭載の内蔵HDDを固定するように変更された。ただし、MATE-XであってもXc型番のデスクトップモデルでは、その後も従来のFDD縦並び型の筐体が使われ続けた。</ref> *筐体の平面寸法の拡大(380mm(W)×390mm(D)→400mm(W)×410mm(D)) *2本のPCIスロット、3本のCバススロット、それに1本の専用グラフィック用スロット(形状はPCIだが、一部の信号線を除きPCIスロットとの互換性はない)と専用サウンドボードスロットを搭載<ref group="注">従来は専用グラフィックとサウンド機能は[[マザーボード]]に直接搭載であった。ただし、従来のMATE-XでもXe10やXb10にはそれらとは形状の異なるサウンド専用スロットがあり、モデルによっては最初からサウンドボードがドータボードの形で搭載されていた。</ref> といった特徴を備え、Windows 95以降のOS側での電源制御を睨みつつ、ハードウェア構成の柔軟な変更に配慮したデザインとなった<ref group="注">もっとも、増設されたPCIスロット1本はPEGCとWindows用グラフィックコントローラをセットで搭載する(ビデオメモリを共有する)特殊な設計の専用グラフィックカードが占有し、これを抜くとマシンそのものが起動しなくなるため、実質的な拡張性そのものはスタンドアローンで使用する限りは従来のMATE Xなどと大差ない。</ref>。また、この機種ではマザーボード上の[[オンボード]]デバイスの構成も見直され、この時期のPCとしては珍しく、[[100メガビット・イーサネット|100Base-TX]]対応のi82557[[ネットワークカード|ネットワークインターフェイスコントローラ]]が標準搭載とされている。 このPC-9821Ra20/N12はPentium Pro搭載であったため、OSとして[[Microsoft Windows NT|Windows NT]] Workstation 3.51がプリインストールされ、主として法人向けのネットワーククライアントマシンとしての使途を想定されていたが、実際には価格が従来のPentium Pro搭載機の半分以下であった<ref group="注">同じCPUとOSを搭載するPC-9821St20/L16が定価850,000円に対し、この機種は定価398,000円で、同時期に販売されていた同クラスのPC/AT互換機と比較しても低廉な価格であった。</ref> ためにこの機種は高速かつ廉価なWindows NTマシンを求める一部の個人ユーザー層の強い支持を受け、一時は予想外のヒットを飛ばす結果となった。 後に、ValueStarシリーズはCanBeシリーズのコンセプトを取り込み、広告に[[竹中直人]]を起用して家庭向けに、MATE Rシリーズは共通筐体にモデルチェンジした下位機種であるMATE Xシリーズ(/W型番以降)とともにビジネス向けを指向することとなる。 == シリーズの終焉 == Windows 95の発売によりPC/AT互換機[[パーソナルコンピュータ]]が爆発的に普及するにつれ、PC-9800シリーズのソフトウェア資産を背景としたPC-9821シリーズの優位性は薄れ、むしろ独自アーキテクチャであることが足かせとなりはじめた。既にハードディスクやCD-ROMドライブ、メモリなど、構成部品はほぼPC/AT互換機と同一になっていたが、Intelの新しいCPUとともに提供される[[チップセット]]を採用しようにも、[[チップセット#構成|サウスブリッジ]]は独自に専用LSIを開発する必要があった。しかも、そのままではディスクBIOSの仕様の問題などからソフトウェアの互換性を維持したままでの内蔵IDE HDDのバスマスタ転送(UDMAモード)への対応が困難であるなど、開発コストや性能面でPC/AT互換機と比較して著しく不利であった<ref group="注">逆に後発となったことで、PIIX3以前の未成熟UDMAや、[[チップセット#構成|ノースブリッジ]]である430HXの初期ロットのエラッタである[[ECCメモリ|ECC]]が使用できないなどのトラブルが収束するのを見越してからチップセットを採用することができた。</ref>。 また[[1995年]]には[[Macintosh]]を除く他社の独自アーキテクチャのパソコンや、PC-9801シリーズ[[互換機]]である[[EPSON PCシリーズ]]の販売が次々と終了し、日本国内も完全にPC/AT互換機路線に移行した。PC-9821シリーズはMacintoshと共に「PC界の孤児」となったが、[[Pentium Pro]]を搭載したPC-9821 St15(通称98Pro)はCPU発表と同月に、[[Pentium II]]を搭載し、RCC社<ref group="注">Reliance Computer Corporation、後のServerWorks社で、2001年に[[ブロードコム|BroadCom]]社に買収された。</ref> のChampion1.0 [[チップセット]]をPC-9821用にカスタマイズして搭載した PC-9821 RvII26はCPU発表の2カ月後に発売されていた。 [[1997年]]10月、[[PC 97ハードウェアデザインガイド]]に完全準拠した[[PC98-NXシリーズ]]が発表され、PC-9821シリーズは主役の座を降りることとなり、同時に1982年以来続いたPC-9800シリーズは第一線を退いた<ref group="注">初期のPC98-NXシリーズは独自性を打ち出すあまり、USBキーボードを標準としオンボードの[[PS/2コネクタ|PS/2ポート]]を廃止するなどの見切り発車的なレガシーフリー・デザインとしたため、PC/AT互換機とPC-9821シリーズ双方のユーザーから非難され、後にPS/2ポート等の[[レガシーインターフェース]]を搭載をする方向転換を行うこととなった</ref>。ただし、この時点ではPC-9821の新機種が併せて発表されたほか、Windows 95/NT4.0についても次期バージョンまではサポートされる旨が宣言されている。この時の公約通り、後にPC-9821版の[[Microsoft Windows 98|Windows 98/SE]]と[[Microsoft Windows 2000|Windows 2000]]が発売された。 [[1998年]]夏には[[VALUESTAR|98MATE VALUESTAR]]の生産終了により正式にコンシューマー市場からのPC-9821シリーズの撤退が発表され、PC-9800シリーズはビジネス機(MATE R、[[LaVie]])やエンジニアリング用途([[PC-9800シリーズ|FC-9800]])にラインナップが絞られていった。 [[File:NEC pc-9821 Ra40.jpg|thumb|250px|PC-9821 Ra40]] その後もしばらくはMATE Rを中心に現行製品クラスのスペックの機種の提供は続けられたものの、PC-9821Ra系の機種は1996年(平成8年)登場のPC-9821Ra20(Pentium Pro 200MHz搭載)のバリエーションであり、特に1997年のPC-9821RaII23(Pentium II 233MHz搭載)以降はほぼ同一のマザーボードでITF/BIOS-ROMのみが修正される<ref group="注">ソケット370版Celeronを搭載するRa40/43については、ソケットとスロットの間の[[ゲタ (CPU)|ソケット変換下駄]](Micro Star社製MS-6905)を用いてCPUを実装してあった。</ref> という状況であった([[#98MATE R|後述]])。 2000年5月、出荷時の標準構成としてはPC-9821シリーズの最高性能モデルとなるPC-9821Ra43([[Intel Celeron|Celeron]]433MHz搭載)が発表された。<!-- ただし、正式に「PC-9821対応」が表明されているCPUアクセラレータまで含めれば667MHzの製品が存在し<ref>{{Wayback |url=http://buffalo.melcoinc.co.jp/taiou/kisyu/cpu/pc9821.html |title=対応情報 CPUアクセラレータ NEC PC-9821 |date=20051124234729 }}</ref>、その対象機種はRa300/333のみとなっていた<ref group="注">Ra40/43はCPUリテンションの形状がRa300/333とは異なる。</ref> なお、PC-9800シリーズのCPU換装で最大限可能なものは、Ra20/U12に搭載可能なPentium III / Celeron(P6)の1.4GHz(933MHz駆動)である。PowerLeap社のCPUソケット変換器を組み合わせて可能になる。しかしそのままでは起動しないなどの個体差があり、現実問題としてはそれなりの知識を要する改造が必要。 -->しかしWindows 2000出荷開始後であったにもかかわらずMS-DOS 6.2プリインストールモデル<ref group="注">MS-DOSプリインストールモデルではプラグアンドプレイ機能などについてWindows 9xプリインストールモデルとは細部の挙動が異なるITF/BIOS ROMが搭載されていた。これはかつてのWindows NTプリインストールモデルと同様である。</ref> が提供されたことや、あえて旧世代のCPUが搭載されていたことから、既にこの頃には従来資産の継承以外はほとんど考慮されなくなっていた。 そして21世紀に入ってからもPC-9821Ra43には新モデルが追加されているが、付属CRTの変更のみで本体に変更は無く、ほどなくして{{いつから|date=2013年10月}}PC-9821は受注生産のみという扱いに変わった。[[2003年]][[9月30日]]、NECはPC-9821シリーズの受注を終了し、これをもってNECにおける全PC-9800シリーズのプロジェクトがクローズされた。ただし、サポートは継続するとアナウンスされていた。[[2010年]]、Microsoft社による最後の対応WindowsであるWindows 2000の延長サポートが7月13日に終了した。その後まもなく、最後の機種であるPC-9821Ra43およびNr300本体のサポート期限(生産終了後7年)も2010年10月末をもって終了し<ref>{{Cite web|和書|url=http://121ware.com/navigate/support/repair/partslimit/|title=修理対応期間について|publisher=121ware.com|accessdate=2010-10-07}}</ref>、その時代の幕を下ろした。 == その後 == しかしNECの主力機がPC98-NXに移行した後も、[[Peer to Peer|P2P]]専用機や[[ファイルサーバ]]などとして、PC-9821シリーズを「現役」に留まらせる事が、ディープなファンの間で行われるようになる。信頼性が高く運用の容易なWindows 2000がギリギリで発売された事が、その支えとなった。また一部の[[サードパーティー]]からはこれを支援するように「SCSIなどの複合PCIボード」「PCIを[[Accelerated Graphics Port|AGP]]に変換するボード」「PC-98用BIOSを搭載した[[Advanced Technology Attachment#48bit LBA(BigDrive)|BigDrive]]対応[[Advanced Technology Attachment|ATA]]インターフェースボード([[挑戦者]]ブランド)」などのマニアックなアイテムが「使用は自己責任で」という断りつきで発売された。ただし、本体サポートが満了した2010年秋頃にはHDD製品の容量が最大3[[テラバイト|TB]]に達しており、2TBまでしか使えない旧来のシステムはファイルサーバとして充分とは言えなくなりはじめている。またWindows 2000はいくつかの[[アンチウイルスソフトウェア|セキュリティソフト]]が対応を継続してはいるものの、現実問題として[[Microsoft Windows XP|Windows XP]]以降で追加されたファンクションが使えない(一部を除く<ref group="注">Windows 2000(PC-98に限らない)で一部のXP用ファンクションを代弁するフリーソフトが存在する。</ref>)。さらに[[Pentium III]]以前のシステムでは[[ストリーミングSIMD拡張命令#SSE2|SSE2]]や[[x64]]以降の命令も使うことができない。これらはドライバやアプリケーションで実際に使われるようになってきており、実際にXPであれば使用できる[[ユニバーサル・シリアル・バス#USB 3.0|USB 3.0]]、[[IPv6]]<!-- Windows 2000はSP1であれば試験的にIPv6が提供されたことがあるが、少なくとも現在、AT互換機用しか入手できない。-->、[[exFAT]]といった、その後の基盤となる機能に2000は対応していない。たとえマシンパワーに目を瞑ったとしても、今後PC-98を「現役」として現実的に使うことは当時より難しくなってきている。 一方、主にソフトウェア資産活用を目的としての新規ハード需要も僅かに残っていたことから、数社からPC-9800互換機が発売された。NECの規模とマーケティングからは既に「終了した」規格であるため、かつての[[EPSON PCシリーズ|エプソン互換機]]との競合のような状態には至らなかったが、これらはいずれも16色時代のPC-9801シリーズの相当品であり、NECオリジナルのPC-9800シリーズを凌駕する性能の機種はいまだ発売されていない<ref group="注">2007年9月現在、ロムウィン社98BASEシリーズ、エルミック・ウェスコム社iNHERITORシリーズなどが製造・販売されているが、iNHERITORシリーズについては2007年9月28日での受注終了が予告されている</ref>。 小・中規模の製品業者の中には、PC-98シリーズ用に当時数千万円掛けて開発したソフトウェアの為にPC-98を使い続けるユーザーがいる。 「PC-98から移行する為には新規にソフトウェア開発が必要だが、今やそこまでの投資をしても回収できない」ユーザーが少なからず居り、中古の本体やパーツを保守用として買い集めている者もいる。 対策としてエミュレータにより新しいWindows上でソフトウェアを動かす、ROMを吸い出して[[仮想マシン]]上で動かすなどの延命もあるが、機器類の制御においてPC-98と独自開発したソフトウェアを用いている現場では、[[倶知安駅]]の運行管理システム<ref>http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/160729-1.pdf</ref><ref>写真から「PC-9821 Xb10」と機種名が読み取れる。</ref>などのように、「高額な投資をして導入した機器本体の[[減価償却]]が済んでいない」<ref>倶知安駅は[[北海道旅客鉄道]](JR北海道)の駅で、そもそもJR北海道の経営自体が困窮している。なお、倶知安駅は[[北海道新幹線]]の延伸開業時に[[函館本線]]も高架化されることになっているが、運行管理システムについては未定。</ref>関係から実機を使い続けなければならないという例もある。 == 9821とWindows == PC-9800シリーズには、[[Microsoft Windows 1.0|Windows 1.0]]から移植が行われていた。WindowsはGUIを実現する環境というほかに、MS-DOSでは実現できなかった、異機種間でのグラフィック描画などの共通化を念頭に置いて設計されていた。 本節では、PC/AT互換機との相違と一般にWindowsという存在が知られはじめたWindows 3.x以降のバージョンについて記述する。 === PC/AT互換機との相違 === [[PC/AT互換機]]とPC-98x1シリーズの間には様々なハードウェア的な差異があった。以下に主なハードウェア的な差異を列挙する。 ==== 画面表示機能 ==== これは全くと言って良いほど互換性が無い。PC-98x1の場合、基本グラフィックは各機種完全上位互換でそれにグラフィックアクセラレータを追加する形式となっている。コネクタ形状は、モノクロ、デジタルRGB、H98、アナログRGB、VGA互換と計5種存在するが、最後の3つについては映像信号線においては互換性がある。[[PC/AT]]、[[IBM PS/2|PS/2]]の場合、[[Color Graphics Adapter|CGA]]/[[Monochrome Display Adapter|MDA]]/[[Hercules Graphics Card|Hercules]]/[[Enhanced Graphics Adapter|EGA]]/[[Video Graphics Array|VGA]]/[[Extended Graphics Array|XGA]]/XGA2全てにおいてハード的な互換性が低くディスプレイコネクタも統一されていなかった。Windows 3.x普及期において、PC/AT互換機で用いられた[[VESA]]仕様の[[VESA BIOS Extensions|BIOS]]を持つ[[グラフィックアクセラレータ]]が登場するに至って、ようやくコネクタ形状の統一や下位互換性が保証されたという有り様である。 Windows 3.1の頃からWindowsアクセラレーターボードなるものが使われるようになった。内蔵の機種もあったが、一部の機種は、アクセラレーターボードを増設しないとWindowsが640×400×16色でしか使用できなかった。 また、アクセラレータを増設した場合はMS-DOSでの描画にグラフィックビデオRAMと、テキストビデオRAMを使用した画面出力とし、Windows上ではアクセラレータからの画面出力を用いたため、アクセラレータボードから出た信号を一旦、RGB-IN端子でPC内部に引き込み、RGB-OUT端子から出力するか、またはRGB-IN端子のあるアクセラレータボードを増設して本体のRGB-OUTからアクセラレータのRGB-IN、アクセラレータのRGB-OUTから出力した。こうすることによって本体またはアクセラレータ上の自動切り替え機能によってWindowsが起動すると画面がアクセラレータ出力の画面に自動的に切り替わり、2種類のまったく互換性のない描画機能を両立していた。 一部機種にはRGB-IN端子がない機種があり、その機種にはRGB-IN端子のないアクセラレーターボードを増設することは出来ないとされていた。(ただし、これはそれぞれのRGB-OUT端子を切り替え器につなぎ、Windowsの起動・終了をするたびに手動で切り替える事によって対応可能)また、一部機種では、アクセラレーターボードに98独自の基本グラフィックが統合されたものがあり、この場合アクセラレータボードの(増設)交換は不可能であった。(PCIボードは可能である。表示切替はソフトで行っている。) <!-- なお、Canbeシリーズはテレビチューナボードの関係で内部接続されており、RGB-IN端子はなかった。ただし、MPEG再生ボード増設のためにRGB-IN/OUTコネクタを備えるCanbeもあった。 --> ==== タイマ分解能 ==== PC-98x1の方が分解能が低く、Windowsのタイマ関数呼び出しの際、APIに記述されている注意書き(注:ハードウェア依存のため、指定値通りに動作するとは限らない)を無視して実装されたアプリケーションには問題が発生した。後年、Win32とPentium機の組み合わせでは、CPUの超高分解能タイマを使用するようWindows側の実装が変更された。 ==== 割り込みベクタ ==== Intel 8259相当の割り込みコントローラをカスケード接続している所は全く同じであるが、割り込み番号と機器の対応には互換性がない。 ==== シリアルコントローラ ==== PC-98x1はD-Sub25ピンコネクタで[[RS-232|RS-232C]][[準拠]]であり同期転送モードもサポートするが、PC/ATはサブセットの[[EIA-574]]であり、主にD-Sub9ピンコネクタで非同期転送のみサポートする。ちなみに、PCIベース(一部PCIがないものも)の9821の2ポート目のD-Sub 9ピンコネクタ(通称2nd CCU)は非同期モードのみサポートする。 ==== パラレルコントローラ ==== PC-9801はプリンタの接続のみを考慮し、[[セントロニクス]]標準コネクタから不要な信号線を省いたフルピッチベローズ型コネクタを採用していた。PC-H98やPC-9821の中期モデル(As2やAp2など)からはハーフピッチ化したフル仕様のコネクタを採用し、特に後者はセントロニクス準拠の双方向通信が可能となっている。PC/ATは信号線や電気的な仕様こそセントロニクスに準拠しているものの、何故かRS-232Cのコネクタと全く同じD-Subタイプのコネクタを採用している。 ==== マウス ==== PC-98x1はマイクロソフト仕様の[[バスマウス]]を標準採用している。また、初期にはマイクロソフト仕様のシリアルマウスも使用されていた。[[PC/AT]]においては、標準仕様が存在せず、初期にはバスマウスも使われ、以後はマイクロソフト仕様のシリアルマウスが主に使用されていた。[[IBM PS/2]]以降では[[PS/2コネクタ|PS/2]]マウスが主流となった。 Windows 98か2000であればUSBボードを用いてスクロールマウスを実装することも可能である。 PC-98x1のバスマウスでホイールに対応したものは無く、ハード的にもホイールの実装が困難である。ホイールマウスを使用するにはUSBマウスやシリアルマウスを使うか、PS/2マウスを市販の変換機を介してシリアルポート・バスマウスコネクタ併用で使用する。なお、起動時にのみ初期化が実行されるPS/2マウスと異なり、98用バスマウスは動作中に抜き差ししても問題なく動作する仕様である。 Windows 3.x/95のPC-9800版にはシリアルマウスのドライバが含まれていなかったが、Windows 98/NT以降に限ってOS標準ドライバが使用できた。特に2nd CCU搭載機種においてはPC/AT用に販売されたシリアルマウスがそのまま接続できた。 ==== キーボード ==== [[ファイル:NEC PC-9821 early model keyboard.jpg|サムネイル|PC-9821シリーズ初期のキーボード]] PC-98x1はキーボードも異なる。PC/AT互換機と異なるのは、STOP、COPY、XFER<ref group="注">『電脳辞典 1990's』 p.361によれば、'''CROSS reFERence key'''の略で、この場合、"X"で"Cross"を表している。Cross referenceは文書内での相互参照を意味のことである。別名「[[変換キー]]」であるが、当時は広く使われていた[[かな漢字変換ソフトウェア]]の[[ATOK]]では変換動作は[[スペースキー]]に割り当てられていたため、その後は別の動作に割り当てられることが増えたとの説が、この文献では採られている。</ref>、NFER<ref group="注">『電脳辞典 1990's』 p.331によれば、'''Negative cross reFERence key'''の略であり、XFERの逆の意味である。同書 p.241では、事実上の[[無変換キー]]として紹介されている。</ref>、HOME CLRで、それぞれPC/AT互換機のBreak、PrtScr、変換、無変換、Homeに相当する。漢字の入力はCTRLキーと、XFERキーを押すことで可能になる。また、FEPやIMEによらず、カナキーをロック状態にすることで半角カタカナが入力できた。 PC-98x1固有のキーとして[[ヘルプキー|HELP]]、[[言語入力キー|カナ]]、[[グラフキー|GRPH]]がある。Windows 95発売以降の機種は、PC/AT互換機との操作性の共通化のため、HELPキーの側面にはEnd、GRPHキーの側面にはAltと刻印されていた。つまり、メニューバーのファイル(F)を開くには、GRPHキーとFキーを押すことになる。GRPHキーと文字キーを押すと、半角の年、月、日、時、分、秒などの記号を入力することができた。 Roll-Up、Roll-Downは、それぞれPageDown、PageUpに相当し、upとdownの表現がPC/AT互換機とは逆である。 ファンクションキーは、PC/AT互換機はF・1 - F・12であるのに対し、PC-9821ではF・1 - F・10で、これらとは別にVF・1 - VF・5がある。<!--一部の機種はVFキーの上面が透明のカバーになっていて、カバーの下に紙などで作ったラベルを挿めるようになっていた。--> CAPSキーとカナキーは<!--初期はオンでキーが半分沈み、オフで元の高さに戻る構造になっていたが、後に、-->押すとLEDが点灯する方式になっている。これは、OS/2などの出現で、画面上の各ウィンドウごとにCAPSキーとカナキーのステータスが異なるケースが発生しうるようになり、機械的なロック機構による状態表示では正しく対応できなくなったことへの対策として実施されたものである<ref>{{Cite journal|和書|title=Products Showcase|journal=[[月刊アスキー]]|issue=1988年9月号|page=190|publisher=[[アスキー (企業)|アスキー]]}}</ref>。<!--PC-9801RA以降の機種に添付のキーボードから変更された<ref>{{Cite journal|和書|author=吉田功|title=キーボード&マウス・ポートの構造|journal=[[トランジスタ技術]]|issue=1995年10月号|page=233|publisher=[[CQ出版]]}}</ref>。なおCPUとしてV30シリーズのみ搭載した機種についてはその後もPC-9801UR/UFまでメカニカル・ロック機構が採用されていたが、PC-9821シリーズについては全機種ソフトウエア制御に対応している。← PC-9800シリーズの総説をそのまま9821のページに流用するのはいかがなものかと--> PC/AT互換機と同じ配列の106キーボード(PC-9801-116)<ref group="注">キースキャンコードはPC/AT互換機用106キーボードとは異なり、PC-9800シリーズ汎用のものに準じるため、一部のゲームなど同コードを直接読み出すタイプのソフトウェアは正常動作しない。</ref> や、特定のNEC製ソフトウェアに対応した専用キーボードも、NEC純正オプションとして発売されていた。 {{main|PC-9800シリーズ#キーボード}} ==== フロッピーディスク ==== PC-9801は長らく1.25[[メガバイト|MB]][[フォーマット]]を採用していたが、PC-9821の頃から、PC/AT互換機と同じ1.44MBのフォーマットも扱えるようになった。ただし、MS-DOSがそれに対応しているバージョン(Ver.5.00A-H以降)である必要がある。現在のPC/AT互換機では、1.25MBを読み書き(一部はフォーマットが出来ないなどの制限あり)するには、3-MODEに対応したBIOSと[[3モードフロッピーディスクドライブ]]を用意し、ドライバを組み込む必要がある。メーカー製PCでは大抵扱うことが出来る。 98シリーズは、PC/AT互換機と違い、ドライブの質が一定だったため<ref group="注">PC/AT互換機は色々なメーカのドライブが使われていたが、98は長らくNEC純正機種が標準搭載されていた。ただし、MATE X以降やノートなどではSONYやシチズンなどのドライブが一部で採用されている。</ref>、フロッピーディスクの特定の[[トラック (記録媒体)|トラック]]に特殊なフォーマットを施し、それをチェックすることで正規品か否かの判断をする[[コピーガード|コピープロテクト]]が主に[[ゲームソフト]]で使われていた。これはMS-DOSによるコピーでは同一のフォーマットを再現することが出来ないため(特殊なフォーマットが施されたトラック)、コピーしたディスクでは正規品ではないとみなして動作しないようになっていた。なお、特殊フォーマットのチェックを外す「コピーツール」([[ファイラー]])と称するソフト本体とソフトごとに施された特殊フォーマットに対応するデータディスクが売られていた(詳細は割愛)。 PC-9801シリーズが全盛だった時代には高額だったこともあり、なかなかHDDの普及が進まなかったが、Windowsの利用を前提としたPC-9821シリーズの登場は転機となり、MATE・FELLOW以降ではHDDモデルを中心にデスクトップでもFDDが1台しかないモデルが登場するようになった。これらの機種では当初はHDD上に構築した専用ファイルを98ノートのRAMドライブのように扱う仮想FDDツールが添付され、FDD2台を前提としたソフトを動作させる配慮が見られた。しかしPCIアーキテクチャ搭載機ではそのようなツールもサポートされなくなり、ノート機でも物理的なRAMドライブが省略されるようになるなど、PC-9821の時代にはFDD2台という構成は次第にオプション扱いとなっていった。 ==== ハードディスク ==== PC-9801シリーズの内蔵ハードディスクはノート型を除きSASIもしくはSCSI接続だが、後のPC-9821ではIDEが標準となり、さらにその後は540MB以上を認識可能な[[Advanced Technology Attachment#EIDE|E-IDE]]仕様となった<ref group="注">ただし、[[1997年]]秋モデル以降のものを除く大多数の機種は4.3GB以上のHDDを接続するとBIOSレベルでハングアップする。PC/AT互換機との最大の違いは、2ポート4台の接続をPC/AT互換機で言う所の1ポート2台分のリソースで実現していた所である。</ref>。なお、初期のタワー型をはじめとするハイエンド機の大半は[[アダプテック|Adaptec]]製SCSIコントローラをオンボードで搭載しており、制限は「32Gの壁」くらいであった。 PC-9821シリーズの内蔵IDEコントローラは例外なく[[Advanced Technology Attachment#PIO転送モード|PIOモード]]のみのサポートであり、[[Advanced Technology Attachment#Ultra DMA転送モード|Ultra DMA]]を使うには後に発売されたサードパーティー製の拡張IDEボードに頼る必要があった<ref group="注">もっとも、PIO4のデータ転送レート上限にすら達しない性能のHDDが標準搭載されていた時代の話であり、NECはそれ以上を求めるユーザはPCIのUltraWide SCSIあるいはUltra SCSI対応のHDDを使用せよとの対応を取った(実際にも自社ブランドでPC-9821シリーズ対応BIOSを書き込まれたAdaptec製Ultra SCSI/UltraWide SCSI-I/Fカードをオプション提供した)ため、Ultra DMA-I/Fを提供することはなかった</ref>。 また、[[Socket 5]]を搭載するMATE Xの一部機種に変換ソケットを使用してMMX Pentiumを搭載した場合、内蔵IDE-I/Fが有効であるとITFのコーディングの関係で起動に失敗するものがあり、この対策としてオンボードのIDEは使用せず全ドライブをSCSIで統一するユーザーも少なからずいた<ref group="注">ちなみにK6-2などの互換CPUの場合はこの問題は発生しない</ref>。これは、NECもIntelもCPU乗せ替えを保証しない機種に対して無理矢理搭載した場合に限って起こる不具合であり、IntelからPC-9821版として販売された[[オーバードライブプロセッサ|ODP]]には専用のITF書き替えプログラムが添付されており、それを対象機種に使用する限りにおいては全く問題なく動作した。ただし、対象機種はIntel製チップセット搭載機に限られたため、VLSI製チップセット搭載機の場合はその恩恵にあずかる事は出来ず、前述の全SCSI化以外の選択肢が無かった<ref group="注">もっとも、CPU載せ変えによるこれらの不具合は公式サポートされていないCPUをPC/AT互換機に搭載した場合でも発生する</ref>。 ==== パーティション管理 ==== PC-98x1とPC/AT互換機ではパーティション管理に全く互換性は無く、PC-98x1にはブートメニューが用意され、複数のOSを任意のドライブの任意のパーティションに導入し、同居させることができる。 その他の違いとして、標準のMS-DOS/Windowsでのハードディスクの先頭ドライブレターが、PC/AT互換機では起動先にかかわらず固定でC:が割り当てられるが(フロッピーディスクはA:、B:固定)、PC-98x1では起動ドライブがA:となる<ref group="注">これについてはWindows 2000ではPC/AT互換機と同様に改められ、増設フロッピーディスクドライブのドライブレターはハードディスクの後に割り当てられる仕様となった。また、Windows 98などでもインストール時のオプション設定でドライブレターをPC/AT互換機版と揃えることが可能である。</ref>。 ==== サウンド ==== [[Image:PC-9801-86 sound board top.jpg|thumb|PC-9801-86 サウンドボード]] PC-9801ではサウンドカードとして[[FM音源]]の[[YM2203]](PC-9801-26)を事実上の標準音源とし、PC-9821では上位互換のYM2608 (PC-9801-86)を採用した。後者は前者の完全上位互換の上、PC-8800シリーズにおいて長年に渡って使用されてきた枯れた音源であったため、これらの間では互換性の面では問題はなかった。もっとも、後述の理由によりWindows 95時代になって登場したPC-9801-118およびこれに相当する内蔵音源(WindowsSoundSystem=WSS)では、YM2608の生産終了とWindows上での内蔵シンセサイザの高機能化要求から、YM2608の一部機能を省略したYMF288とSoundBLASTER 16で採用されていたYMF262-Mの機能を折衷・統合したYMF297が採用された。 PC-DOS時代のPC/AT互換機の音源は、有名な所ではCreative社のSoundBlaster/16/AWE32やGravis社の UltraSound等が群雄割拠しており、各ソフトウェアの側で複数のサウンドカードに個別にサポートする、といった対応がとられていた<ref group="注">[[メガデモ]]と称される有志作成のデモンストレーションではよりハードウェア構造の公開されていたGravis UltraSoundが圧倒的に支持されていた</ref>。 Windows 3.1にマルチメディア拡張が搭載され、マイクロソフトがMMCガイドラインにおいて標準PCM音源としてWindows Sound System(WSS)を規定したため、両機種ともその互換PCM音源を搭載することになったものの、既存のMS-DOS用のソフトではWSSに対応しておらず、混乱が生じた。PC-9800シリーズ用Windows 9xではPC-9801-73・PC-9801-86のPCMも引き続きサポートされたものの、同カードではPIO転送時の負荷が大きいため、場合によっては「音飛び」が発生する問題があった。なおWSS互換音源搭載WindowsマシンにPC-9801-86を挿して共存させようにも、音源種別を識別するための一部のI/Oポートが重複するなどリソースの競合が見られ、WSS互換音源のINTを変えるだけでは正常動作しなかったため、フリーソフトの切り替えツールを併用する必要があった<ref group="注">PCM部の動作を86互換とWSS互換で必要に応じて自動的に切り替える仕様のサードパーティー製互換音源ボードも存在した。</ref>。 ==== USB ==== PC-9821ではチップセットにインテル430VX{{refnest|group="注"|本来i430VXに標準搭載されているはずのUSBはサウスブリッジ側の機能であるためにPC-9800シリーズで利用することはできず、別途NEC製のUSBチップを搭載して実現されている<ref>{{Cite web|和書|url=https://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/970130/98now1.htm|title=小高輝真の「いまどきの98」 第1回|publisher=Impress Watch|date=1997-01-30|accessdate=2017-01-13}}。</ref>。}}を使用した機種の一部に[[ユニバーサル・シリアル・バス|USB]]ポートが搭載されている(Xcシリーズ、V166、V200など)。標準の[[ユニバーサル・シリアル・バス#ホストコントローラの種類|OHCI]]準拠規格であったが、「PC-9821シリーズでは使用できません」と明記してあるUSB対応機器も多かった。Windows 2000以降はドライバ等の熟成もあり問題なく使用できる機器がほとんどだが、PC-9800シリーズへの対応を公式に謳うUSB対応機器は皆無に等しい。 またPCIスロットにUSBインターフェースを増設することも可能だが、PC-9800版Windows 2000にはUSB2.0の[[ユニバーサル・シリアル・バス#ホストコントローラの種類|EHCI]] (Enhanced Host Controller Interface)ドライバが含まれていないため、インストールには若干の知識と工夫を要する。 ==== メモリ ==== 初期のPC-9821ではPC-9801シリーズからの流れで、オンボードメモリの640KBから1024KBの間のアドレスはメモリ容量に含めない風習があった。例えばWindows 95(日本語版)のシステム要件で最低メモリ容量はPC/AT互換機で8MBに対し、PC-9800シリーズでは7.6MBとされていた。 デスクトップ機の場合、当時すでにAT互換機ではJEDEC仕様の[[SIMM]]が普及していたが、PC-9821では1993年5月のPC-9821Ceまでは別売りの専用メモリボードを介して増設する、いわゆる61SIMMと呼ばれる独自のSIMMが使われていた。同年7月のPC-9821AfからはほぼJEDEC仕様に準ずるSIMMが採用されているが、別売りの専用メモリボードを介す形式はその後の2代目MATE Aシリーズでも引き継がれた。これに対しMATE BはオンボードでJEDEC仕様のSIMMスロットが備えられており、標準搭載のメモリもSIMMが使われている。特にMATE X以降はメモリ増設時に標準搭載のSIMMを別売りのSIMMに交換することがサポートされるようになっており、建前上640KBから1024KBの0.4MBもメモリ容量に数えて論じざるを得なくなっている。この場合でもその0.4MBはユーザーは利用できないことから、カタログの類では「32MB(ユーザーズメモリ31.6MB)」のような表現で併記されている。 JEDEC仕様のSIMMが使えるようになってもしばらくはNEC独自のメモリコントローラが使われていたが、やがてMATE X以降でPCIチップセットを持つようになってからはPCIチップセットのメモリコントローラが使われている。デスクトップ機の場合、PCIチップセット開発以前の製品であるMATE Aや1枚単位でSIMMを増設できる機種を除き、Pentium以上のPC-9821では物理的なPCIスロットを持たない機種でもPCIチップセットでメモリが管理されている。 ==== OS ==== 基本的にPC-9801シリーズ用の物がそのまま利用可能。PC単体で[[N88-BASIC|N88-BASIC(86)]]を起動可能([[ROM-BASIC]])<ref group="注">ただし、ITFの容量が増大した末期の機種では、互換性維持のためにディスクBASICなどから呼び出されるルーチン群はそのまま搭載されたものの、BASICインタプリタそのものの搭載は廃止された。</ref> なのも同じ。 またFDDモデルを除くほぼ全ての機種でWindows 3.1もしくはWindows 95が標準搭載されており、購入してすぐに使用可能な状態で出荷されていた。Windows 95発売からしばらくは出荷時にWindows 3.1とWindows 95が両方搭載されていて、購入後直後の初回起動時に使用するOSを Windows 95 と Windows 3.1+MS-DOS 6.2 のいずれかを選択する。選ばれなかった方はこの時点で削除され、以後復元することが出来ない。再セットアップに必要なディスク類はWindows 95のもののみ同梱されているが(ただし、再セットアップに必要な起動用フロッピーには何も書き込まれていない)、Windows 3.1+MS-DOS 6.2 を選択した場合はWindows 95の一式をNECに返送することでWindows 3.1+MS-DOS 6.2の再セットアップディスク類が送られるようになっていた。また、Windows 95の再セットアップに必要な起動用フロッピーは、Windows 95を選択して起動した際、1回だけ作成可能となっていた。ただし、付属のフロッピー以外には作成ができないようになっているが、作成したフロッピーのコピーや、コピーしたフロッピーからの起動は可能であった。また、選ばれなかった側やWindows NTなどその他のOSを別途購入してインストールするためのドライバ類を入れたフロッピーディスクが別途付属していた(Windows 95用ドライバは返送後交換されるWindows 3.1+MS-DOS 6.2の再セットアップ用ディスク類に附属)。 さらにNEC以外のサードパーティが作成した独自のMS-DOS互換OSや、有志により作成された[[Unix系]]OSなども存在し、PC-9801シリーズ同様様々なOSを利用可能。 <!-- PC-98シリーズでは、主にゲームソフトなどで、MS-DOS以外のOSを使うなど、様々なOSがあった。 1.厳密にOSと呼べるかは疑問だが、N-88日本語BASIC(86)通称DISK-BASICがある。これは、NEC純正と、EPSON互換機では異なっている。NEC純正では、ROM-BASICと呼ばれるROMに格納されたN-88BASIC(86)があり、(こちらはフロッピーディスクドライブや、ハードディスクドライブ、日本語の使用は不可(半角カナは使用可))それを拡張する形で利用するため、システムディスクにはBASICを起動する部分と、拡張する部分のみが格納されているのに対し、EPSON互換機は、ROMにBASICを持たないので、システムディスクに全て格納されている。この違いは、ユーザーエリア(RAM)の使用可能容量に差が出る。理由はROMに格納された部分は、RAMに展開する必要がないためである。 2.MS-DOSとその互換DOSがある。MS-DOSは、バージョン3からディスクに組み込む形でのバンドルができなくなったので、MS-DOSを利用するゲームは、別途MS-DOSを持っている必要があった。MS-DOSのSYSコマンドまたは、ゲームソフトに用意されたMS-DOSのシステム転送ツールにより、ゲームソフトにMS-DOSを組み込んで起動する。互換DOSは、ゲームソフトに予め組み込まれていたので別途MS-DOSを持っていなくてもゲームを起動する事ができた。大抵はMEG-DOSのような下位互換DOSであった。この下位互換DOSは、MS-DOSの機能の内、ゲームに不要な機能を除いたものになっており、ディスク、メモリを節約する事ができた。ゲームソフトであっても起動しないソフトがある。MS-DOSの場合はCOMMAND.COMを起動せず、CONFIG.SYSのSHELL=の所にゲーム本体のプログラムを記述しておき直接起動するゲームと、COMMAND.COMを起動した上で、AUTOEXEC.BATなどから起動するゲームがあった。互換DOSの場合は大抵直接起動するようになっていた。 3.MS-DOSとは互換性のないオリジナルDOSがある。これはMS-DOSのDIRコマンドを使ってもファイルを見る事はできない。仕様はゲームメーカーによって異なる。また、オリジナルDOSでありながら、MS-DOSのHDDにインストール可能なソフトもあった。なお、メーカーのオリジナルであっても、MS-DOS互換のものはオリジナルDOSとは呼ばなかった。 --> === Windows 3.x系 === [[Microsoft Windows 3.x|Windows 3.1]]は高速化の為に固定スワップファイルへのファイルシステムAPIを経由しない直アクセス等のPC/AT互換機にべったりと依存した実装を行っていたため、移植が困難であったと言われている。もっとも、[[FMRシリーズ]]や[[J-3100シリーズ]]、それに[[MULTI 16シリーズ]]等にも各社が移植を行っていたため、困難であったか否かの判断は難しい。 <!--発売当初は、マイクロソフトによるPC/AT版の品質が最も低く、一番安定していたのがNECのPC-9821版で、IBMのPS/2版がそれに次ぐ安定性を示した。-->なお、Windows 3.1の日本語への移植はNECが担当していたが、オリジナルであるAT互換機版と比べ、スタンダードモードでDOSプロンプトが使えないといった制限があった。また、[[セイコーエプソン|EPSON]]からも[[EPSON PCシリーズ|自社製98互換機]]向けにWindows 3.1が発売されていたが、こちらはスタンダードモードでもDOSプロンプトが利用できるものの、PC-9821用PEGCドライバが同梱されていなかった。なおNEC版でもPC-9821用PEGCドライバが搭載されたのはWindows 3.0B以降であり、Windows 3.0/3.0AにおいてPEGCは利用できない。 === Windows 9x系 === 一般には、PC-9821がPCIアーキテクチャへ転換したため、[[Windows 9x系]]の移植に有利となったと言われているが、これは間違いである。本家PC/AT互換機版がISAやISA+VL世代の機器をも動作対象としていたことから類推できよう。 Windows 3.1に比べ、OS本体の仮想化が進んでいたため、ドライバやVXDレベルに差異を押し込めることが可能になったのでOS本体の移植の難易度は下がり、ドライバの開発が困難になったのでは無いかと思われるが、他の国産機への移植が[[FM TOWNS]]と[[EPSON PCシリーズ|EPSON 98互換機]]のみであったため、判断は難しい。 === Windows NT系 === 本来、複数のCPUアーキテクチャでの動作を前提としていた[[Windows NT系]]は移植が楽で、極論すればHALと98形式のHDDパーティション解析レイヤとドライバ類だけ開発すれば良い。 NT系は抽象化が高度であり、[[Microsoft Windows NT 3.1|Windows NT 3.1]]の時代からWindows 2000に至るまで、[[ネットワーク・アダプタ|ネットワークカード]]等のROMを持たないカードは当然として、ROMを持つPCIカードでもそれを無効にすれば、PCIの機種依存実装の見本とも言える[[ビデオカード]]がPC/AT互換機のドライバで(内部のリレースイッチ切り替えを除き)動作する場合があり、SCSIカードやRAIDコントローラもBOOTを前提としなければドライバを含めてそのまま利用可能な場合がある。 <!-- また、[[デフラグメンテーション|デフラグメントソフトウェア]]である[[Diskeeper]](Ver2.0相当がWindows 2000以降に標準搭載)がローカライズ無しに全ての機能が完璧に動作するなど[[Windows API]]面からの抽象化、仮想化もかなり高度なレベルで実装されている。 --><!-- ↑デフラグは必ずしもMBRやパーティション管理領域をいじるものではなく、基本的にファイルシステムに作用するものです。パーティション内部はPC-98もATも(同じOSなら)FATやNTFS等の同じファイルシステムを採用しています。Windowsが元々アプリケーションに互換性がありますから、(CHSパラメータの誤認でも無い限り)行儀の良いデフラグソフトならそのまま動いても不思議は無く、高度な仮想化を示すほどの特筆すべき事象とは思えません。 --> == 主な機種 == === デスクトップ型 === ==== 98MATE A ==== [[ファイル:NEC PC-9821Ap2 Motherboard.jpg|thumb|250px|PC-9821Ap2のマザーボード]] *PC-9821Ae/As/Ap(98MATE A / [[1993年]]1月) 80486SX 25&nbsp;MHz / 80486DX 33&nbsp;MHz / 80486DX2 66&nbsp;MHz : 通称「A-MATE」 初代MATE Aはメモリ上限が標準では14.6MB<ref group="注">[[バッファロー (パソコン周辺機器)|メルコ]]のハイパーメモリCPUにより79.6Mまで増設可だが、Windows NT/2000ではメーカー公式ドライバが対応しておらず、このハイパーメモリ領域は認識されない。</ref>、フロントベイはPC-9801FA/FS/FX同様のSCSI仕様のファイルスロット、[[98ローカルバス]](MLバス)を搭載。ただし、ハードディスク内蔵モデルの標準搭載HDDはSCSIではなくIDE相当に変更された。FA/FS/FX同様に専用SCSIインターフェースさえ増設すれば従来のSCSIタイプのHDDも内蔵は可能。 *PC-9821Af(98MATE A / 1993年7月) Pentium 60&nbsp;MHz : 前後に備えた大型ファンで巨大なCPUヒートシンクを強制空冷する風洞状のスペースを内部に備え、筐体が他のMATE Aより一回り大きい。NEC独自規格によるPC-9801-61系SIMMを止めて、標準規格であるJEDEC準拠の汎用[[SIMM]]に対応することでPC-9821で初めて14.6MBの壁を越えた機種だが、プリンタ端子は従来通り送信のみ対応で増設FDDコネクタを標準搭載するなど、過渡的な仕様となっている。 *PC-9821As2/Ap2(98MATE A / 1993年11月) 80486SX 33&nbsp;MHz / 80486DX2 66&nbsp;MHz : 二代目MATE A。[[CPUソケット]]に[[Socket 3]]を搭載しており、[[L2キャッシュ|セカンドキャッシュ]]の追加搭載<ref group="注">As2は非搭載、Ap2は128KB標準搭載で、両者共に256KBまで増設可。</ref> に対応し、更にPentium ODPに換装することもできるが、ライトバックキャッシュに対応していない。ちなみに、初期ロットではセカンドキャッシュとPentium ODPの併用時に不具合が発生するもの<ref group="注">メイン基板上へのタンタルコンデンサ追加による回路修正が行われた。</ref> や、内蔵カレンダーの越年処理に不具合が発生するもの<ref group="注">MS-DOSやWindows 3.x/9xについては修正ユーティリティ配布で対応されたが、その種の方法では修正不可のWindows NTユーザ向けには対策版ITFを書き込んだROMへの交換が実施された。</ref><ref group="注">この問題とは別に、Ap2/As2では特に[[リアルタイムクロック|カレンダ時計 (RTC)]] 自体が故障しやすいという持病も知られる。これは部品配置の関係で特にカレンダIC周辺の信号線が[[不良電解コンデンサ問題#四級塩電解液によるもの|腐食で破断しやすい]]ことが原因であり、必ずしもICそのものの不具合では無い(これに対して越年問題はIC側のバグに近い仕様が原因である)。DOSやWindows 3.1/9xでは日付や時刻が異常でも動作はするため気付きにくいが、Windows NT/2000ではいつまで待ってもログインが完了しないという深刻な不具合が生じるため、NTユーザーは修理に出すしかなかった。この点でも上記の越年問題と混同される可能性がある。しかし越年問題とは全く原因の異なる故障であり、DOSやWindows 3.1/9xを使う場合であっても修正ユーティリティで対応できるものでは無い。なお単なるバッテリ切れでも同様のカレンダ異常を生じることがあるが、その場合は日付・時刻を再設定すれば治ることが少なくない。</ref> が存在したことで知られる。 *PC-9821An(98MATE A / [[1994年]]5月) Pentium 90&nbsp;MHz : MATE A最上位機であり、Afとは異なり他のMATE Aと同サイズの筐体をもつ。メモリ上限は127.6MB。なお、初期出荷分は除算に不具合のあるいわゆるバグ付きPentium搭載であった。BIOSに[[フラッシュメモリ]]を採用しており、[[プラグアンドプレイ]]に対応するアップデータがNECから発売された。また、同アップデータで504MB超のIDE-HDDを搭載することも可能となる。CPUのスペック上ではMATE A中最も性能の高い機種ということになるが、MLバスの仕様をはじめ80486の搭載を前提に設計されていたMATE AにPentiumを搭載しているため、メモリウェイトやブリッジ変換などいくつかの足かせがかけられている。したがって、トータルの性能においては、それ程飛躍的に向上しているわけではない。 *PC-9821As3/Ap3(98MATE A / 1994年10月) Write Back Enhanced 80486DX2 66&nbsp;MHz / 80486DX4 100&nbsp;MHz : 三代目にしてMATE Aの最終シリーズ。Ap3は3.3V駆動専用のSocket 6搭載で、BIOSレベルでライトバックキャッシュにも対応しているが、標準ではPentium ODPをサポートしない。また、As3はSocket 3搭載だが3.3/5V両対応で、Ap3がサポートしないPentium ODPの他、ODPではない486DX4もそのまま搭載可能である。いずれもセカンドキャッシュの追加搭載<ref group="注">出荷時状態ではAs3は非搭載、Ap2は128KB標準搭載で、両者共に256KBまで増設搭載可。</ref> に対応するが、増設キャッシュモジュールはAs2/Ap2とも後述するXs/Xpとも異なる専用品を必要とする。MATE XのXs/Xpがベースであるため、PEGCはVRAMのアクセスモードの一部などを削った簡略化版となり、オンボードビデオにローカルバス接続の[[Vision 864]](VRAM 2MB実装)を搭載する。セカンドキャッシュもXp/Xs同様に追加搭載可能であるが、As2/Ap2およびXs/Xpとは異なる専用設計のモジュールを使用する。フロントベイはファイルベイ(IDE)で、オプションパーツと交換することでファイルスロット(SCSI/FDD)にもなる。 ==== 98MATE B・98MATE X・98MATE VALUESTAR・VALUESTAR ==== *PC-9821Be/Bs/Bp(98MATE B / 1993年11月) 80486SX / 80486DX / 80486DX2 : 通称「B-MATE」 。同時期開発のPC-9801FELLOW2世代目モデルと基本設計が共通で、PEGCは非搭載だが、代わりにグラフィックアクセラレータを内蔵。フロントベイはIDE仕様のファイルベイ、拡張スロットはCバスのみでFM音源・PCM音源はオプション。 *PC-9821Bf (98MATE B / 1994年1月)Pentium 60&nbsp;MHz : コンセプトは他のB-MATEと同様だがFELLOWに対応したものではなく、動作クロックはやや劣るものの同時期のSV-98に近い<ref group="注">B-MATEの内蔵グラフィックアクセラレータはいずれもCL-GD5428で同じだが、Windows 9xのリファレンスドライバはBfがSV-98と共通であり、Be/Bs/Bpとは別扱いになっている。</ref>。 *PC-9821Xe/Xs/Xp/Xn(98MATE X / 1994年7月) 80486 / Pentium : 通称「X-MATE」の初代。PC-9801FELLOWの3世代目と共通点が多いが、新規にPEGCチップを起こしており、MATE Aのものと比較して極端に使用頻度が低かった機能を省略する事でコストダウンを実現した。また、サウンドはPC-9801-86相当に代えてWSS-PCM音源が標準搭載となっており、フロントベイはIDE仕様のファイルベイ。拡張スロットはCバスのみでPCIは非搭載。Xs/XpはMate Aの486系CPU搭載機と同様、セカンドキャッシュの追加搭載<ref group="注">Xsは非搭載、Xpは128KB標準搭載で、両者共に256KBまで増設可。</ref> に対応する。 **XsとXpはPentiumODPを搭載する場合、専用のKタイプと呼ばれるものが必要であった。Xsは当時の価格対性能はそこそこだったものの、癖のある機種で、As2/Ap2の初期ロット品と同様に、セカンドキャッシュ増設+Pentium ODP搭載などの特定条件で起こる不具合が一部のロットで報告されている。 *PC-9821Xa(98MATE X / 1994年7月) Pentium 90&nbsp;MHz : 通称「初代(無印)Xa」 PCIバスを初搭載した。もっとも、まだPCI-PCIブリッジがなく、後に発売されたPCIカードでは対応機種から初代Xaが外されているものもある。 *PC-9821Xf(98MATE X / 1994年12月) Pentium 60&nbsp;MHz : Xaの下位モデルに相当し、チップセットが異なる。 *PC-9821Xe10(98MATE X / [[1995年]]5月) 486DX4 / PentiumODP : 当初本体のみのモデルが発売された。その後Xa7eとともに販売されたディスプレイセットモデルは、VALUESTARシリーズの祖先となる。PC-9801BX4のベースとなった機種。Cバスのみ。PentiumODP搭載モデルは83MHz動作である(BX4の同モデルは63MHz)。 *PC-9821Xa10(98MATE X / 1995年10月) Pentium100MHz : PCIバスを搭載、前期Xaシリーズの中核となった機種。下位モデルにはXa7・7e・9、Xb10があり、上位モデルはXa12・13・16・20・200と続き、Windows 95時代を支えた。 **但し、Xaシリーズ後期の/W型番のものはチップセットがVLSI社製Super Core594「WildCat」からIntel 430HX「Triton II(Triton HXとも呼ばれる)」へ変更されてリセットスイッチを廃止し、電源はAT電源から[[ATX電源]]へ変更、Intel 82557 100Base TX対応LANコントローラのオンボード搭載、内蔵グラフィックス回路をPCI状のボードにグラフィックアクセラレータとともに搭載(「このカードは抜かないで下さい」という注意書きあり)などその内容は完全に別物となっており、これはむしろ先行したMATE Rの初代機であるRa20/N12の[[Socket 7]]版と呼ぶべき機種である。 **Xa7・9・10・12・13/K・16/KはチップセットとしてVLSI社製Super Core594「WildCat」を搭載しているが、Xa7eはWildcat搭載のものとIntel Triton(Intel 430FX-60・66のいずれか)のものが混在、またXb10はIntel 430FX-66を搭載している。 *PC-9821V7(98MATE VALUESTAR / 1995年11月) : ディスプレイセットのWindows 95プリインストールマシンであるVALUESTARシリーズの第一号機。VALUESTARシリーズはMATE XシリーズのWindows特化モデルであり、古いデバイスでしか使われていなかったCバスの信号線の一部が結線されていない他、BIOSレベルでもPlug and Play対応に特化するなど、各部の仕様が簡略化されていた。 **VALUESTARシリーズの後期に登場したMMX Pentium搭載機(V200など)には、外観から前期のモデルは通称「流星」、後期は「青札」と呼ばれて区別されるものがあり、4.3GB以上のHDDを認識可能かどうかなど性能に違いがある ***VALUESTAR登場以前、ソフトウェアセットモデルなる機種があった。(Xa7e等)こちらの機種は、ロータスオーガナイザー、駅すぱあと、ゴーストライター、フォトマジック、トランプワールドなどがバンドルされていた。ワープロ、表計算ソフトはバンドルされていない。この機種にはディスプレイが標準で付属し、Cバスや、PCIバススロットの本数が基本となる機種より各-1となっていた。 ==== 98MATE R ==== *PC-9821Ra20(98MATE R / 1996年5月) Pentium Pro 200&nbsp;MHz : シリーズ初のATX電源内蔵機種。Pentium Pro搭載なのでこのグループはWindows NTプリインストールモデルしか存在しない。MATE Rだけではなく、以後のW型番のMATE Xの基本ともなった。同年12月に投入された2世代目では下位モデルとして180MHz版のRa18も追加された。チップセットはINTEL 440FX *PC-9821RaII23(98MATE R / [[1997年]]5月) Pentium II 233&nbsp;MHz : Ra20のSlot 1版。マザーボードの設計<!--(特にオンボードデバイスのPCIデバイス番号の割当て)-->が多少異なるためITF/BIOSに必ずしも互換性は無いものの、チップセットやオンボードデバイスなどはRa20と全く同様の構成である。ただし、CPUの変更に伴い、Windows 95搭載モデルがラインナップに加わった。以降はこれと同等のマザーボードでCPUやドライブを換装しROMを修正しただけのマイナーチェンジ程度の「新製品」が続くことになる。 *Ra266(98MATE R / 1997年8月) Pentium II 266&nbsp;MHz : 若干CPUクロックが引き上げられ、最上位機のRvII26と同じになった。同年10月のPC98-NX登場時にモデルチェンジされており、型番(枝番)末尾に「R」が追加されている。この後期モデル以降、Windows NT搭載モデルが無くなりMS-DOS搭載モデルが加わった。さらに1998年7月にはWindows 98搭載モデルも追加された。ただし、MATE Rは仕様上ACPIに対応しておらずWindows 98のロゴを取得することができないため、プリインストールOSに関係なく「Designed for Microsoft Windows 95」のシールが付属している。 *Ra300/333(98MATE R / [[1998年]]10月) Celeron 300A/333&nbsp;MHz : 初めてCeleron([[Slot 1]]版)が採用され、久々にCPUクロックが引き上げられた。Pentium IIからCeleronへの変更だったため性能向上幅は限定的だったが、のちに正式にPC-98をサポートするCPUアクセラレータとしては最高クロック級の製品で対象機種とされた<ref>{{Wayback |url=http://buffalo.melcoinc.co.jp/taiou/kisyu/cpu/pc9821.html |title=対応情報 CPUアクセラレータ NEC PC-9821 |date=20051124234729 }}</ref>。Ra333のみRa40登場後の1999年8月に17インチCRTセットモデルが追加されており、しばらくラインナップに残った。 *Ra40(98MATE R / [[1999年]]6月) Celeron 400&nbsp;MHz : [[Socket 370]]版Celeronを[[ゲタ (CPU)|ソケット変換下駄]]を介してSlot 1に接続するようになり、<!--予想されていた366MHzを通り越して-->CPUクロックは一気に400MHzに到達した。さらにMATE Rとしては初めてCRTセットモデルも登場するなど、PC-98を扱っていたPC情報誌ではささやかな話題となっていた。この頃までは発表時点での現行製品クラスのCPU・ドライブ類が採用されており、NECのPCラインナップ上はビジネス向け機種の柱のひとつとしてそれなりに位置付けられていた。ただし、前述のようにマザーボード自体は古い設計の流用であり、カタログスペックに比べて実性能に陰りが見えていたこともまた事実である<ref group="注">オンボードIDEがPIOモード2止まりである点はもちろん、PCIチップセットがPentium Proの頃の旧世代品であるため必然的にメモリが当時すでにほとんど見られなくなっていたSIMMのままだった。またビジネス向けであるためグラフィックアクセラレータも旧製品から据え置かれたほか、この頃(1999年)にはほぼ一般化していたUSBすら標準では搭載されなかった。</ref>。価格も高かったが、前述のPC誌によれば当時のエプソンダイレクトのCeleron300Aクラスの格安AT互換機と比べてもベンチマークでやや劣る程度だったという。2000年1月には後期モデルにモデルチェンジされ、枝番の「C」の部分が「D」に変わっている。 *PC-9821Ra43(98MATE R / [[2000年]]5月) Celeron 433&nbsp;MHz : PC-9821シリーズデスクトップモデル最終機種。シリーズ中で最高クロックのCPUを搭載するが、前述のようにその基本はRaII23から変わっていない<ref group="注">ただし、RaII23はBIOSが古いため、そのままではRaII23にCeleron433MHzを載せてRa43相当にすることはできない。</ref>。また最終機種の宿命として、Ra43はシリーズの収束に特に拍車が掛かった機種でもある。それまでは常に下位機種や旧機種がラインナップに残されていたのに対し、Ra43発表後は比較的速やかにRa40が打ち切られている。一方でそのRa40と比較してもRa43は1年近く新しい割に性能向上幅はわずかであり、CPUに至っては本機の発表後まもなくIntelのページからラインナップ落ちするという有様だった。本機をもってスペック面からも他の現役製品に及ばないようになり、実質的にRa43は互換性のためだけの存在を宿命付けられた機種となった。結果的にこれが2003年<!-- (9月は受注締切の時期で、生産自体は年末までという話だったはず) -->のシリーズ生産終了まで残される形になった。21世紀を迎えた2001年11月には同梱CRTの変更に伴い、CRT付属モデルでのみモデルチェンジが行われている。これは型番(枝番)末尾の数字部分に「1」を追加するという、奇しくもPC-9801全盛期にしばしば見られたマイナーチェンジ時のネーミングと同じものになった。 ==== 98MULTI ==== *PC-9821(98MULTI / [[1992年]]11月) Intel 386SX 20&nbsp;MHz : 初めて"PC-9821"の名を冠したモデル。業務用・法人用を想定したPC-98GSと似た機能を持つが、機能・価格が削減されており、筐体も小さく、ホビー指向としたものに相当する。筐体は小さめだが奥行きがあって正方形に近く、"ピザボックス型"を分厚くしたような[[省スペースパソコン]]である。これにデザインを合わせた付属[[ブラウン管|CRT]]を乗せることで、一体型PCのような姿になる。PEGCによる640×480ドット256色表示、PC-9801-86相当音源(YM2608B)、PC-9801-55相当のSCSIホストアダプタとSCSI CD-ROMドライブを標準装備し、ノート用HDDパックを利用できた。[[FPU]]は増設可能。MS-Windows 3.0 MME(マルチメディア拡張版)で使用することを想定した意欲的な機種であったが、等速CD-ROMを始め、CPU速度、本体拡張性の乏しさなどにおいて、本格的にマルチメディア利用をするには基本性能が不十分であり、約半年後にモデルチェンジされた。 *PC-9821Ce(98MULTi / 1993年5月) 80486SX 25&nbsp;MHz : 初代機のデザインを引き継いだ、拡張スロットがCバスのみのCシリーズ初代機、CRT付属。CPU・メモリ・HDD容量が変わった以外のハードウェア構成や筐体形状は初代機と同一だが、ODPが装着可能になり、HDDモデルにはMS-Windows 3.1 が搭載されるようになった。このモデル以降、MULTiの i には小文字が使われている。PC-9821Afの直前に発売されており、この機種までは61SIMM採用で14.6MBの壁超えにも対応していない。形式号のCはPC-9801時代のCV、CSを受け継いだもので、9801から9821へシリーズ号が継承されたのはCシリーズのみ。 *PC-9821Ce2/Cs2(98MULTi / 1994年1月) 80486SX 25(Ce2)/33(Cs2)MHz: Cシリーズの二代目にして98MULTiの三代目。Cs2はVRAM 1MBのCirrus Logic製GD5428が搭載されており、付属ディスプレイもこの機種のみマルチスキャンディスプレイである。一方のCe2では後にディスプレイにテレビ機能を付けたモデルも登場した。また両機種とも内蔵SCSIホストアダプタは廃止され、CD-ROMドライブは倍速でIDE接続になり、フォトCD・マルチセッションに対応した。HDDも3.5インチIDEになり、Cバスは3基に増えたが、FPU・ODPソケットは付いていない。 ==== 98MULTi Canbe ==== *PC-9821Cx([[98MULTi CanBe]] / 1994年10月) i486SX 33&nbsp;MHz : 初代CanBeの一つ。Cb/Cx/Cfと同時発売された。<!--<br />Cbはモニタ一体型、Cx/Cfはモニタ、本体分離型。Cx/Cfは、外見がCe2/Cs2に良く似ている。このうち、Cfは初代CanBeのラインナップ中で最高級機種にあたる。<br />Cbシリーズが、拡張スロットを二つ(初代はCバスのみ。内一つはTVチューナー/キャプチャー装着済み)とし、デザインと設置の簡易性を重視したのに対し、Cx、Cfシリーズ(Cfという型番はAf・Xfなど他の"f"を冠するPentium 60MHz搭載機種と同様に後継機が出ることは無く、初代だけの型番になっている)は、-->本体、モニタ分離型で、Ce2、Cs2同様、3つの拡張スロット(Cバスのみ)を持つが、内1つはTVチューナー/キャプチャー装着済みであった。<!--<br /><br />Cxは-->CPUは基板直付け(QFP)の486SX(33&nbsp;MHz)を搭載する。Can Be(「何でも出来る」)のネーミング通り、倍速CD-ROM、内蔵グラフィックアクセラレータ、PC-9801-86下位互換FM音源、WSS(Windows Sound System) PCM音源(左右ステレオ発音可能)、内蔵FAX/モデム、専用TVチューナー/キャプチャー、内蔵アンプ機能、専用多機能リモコン、外付けスピーカー付属。OSはプリインストール済み(MS-DOS5.0A-H+Windows 3.1及び各種専用ソフトウェアと、統合ワープロ、表計算ソフト([[Microsoft Works]])をバンドル)と、PCとしては非力ながら多くの機能を詰め込まれていた。<!--<br /><br />しかし実際にはCfを除き、非力なCPUとわずかなメインメモリしか無く、またVRAMが1MBしかないGD5428が搭載されたため、多数の専用ソフトウェアもあいまって、出荷時状態での動作は重いものだった。その反面、これらはIntel純正のODPすらサポートされなかったCfと異なり、専用ODPソケットと専用メモリ増設スロットを持ち、処理速度の改善も可能だった。<br />なおメモリ増設スロットにはSIMMソケットを備える専用メモリボードを挿入し、そこに通常のSIMMを実装する形態で、コネクタはCe2、Cs2と同じ形状を持ち、純正では仕様上Cx用メモリボードをCe2、Cs2に接続して使用することは出来なかったが、メルコなどのサードパーティ製品ではこれら3シリーズ間で使い回し可能となっていた。また、サードパーティー各社から、対応メモリボード/CPUアクセラレータが多数発売され、NECの公表値より多くの実メモリと、高速なCPU(IntelDX4、[[Cyrix Cx5x86|Cx5x86]]、[[Am5x86|Am5x86]]等)の搭載による基本性能の大幅な底上げが可能であった。<br /><br />CanBeシリーズ最大の特徴であるTVチューナー/キャプチャーは、外部入力×2+を持ち全画面表示も可能、全画面時では高画質での表示が可能だった。(全画面時では)付属リモコンでの操作性も含め、家電製品並みの品質と性能を持つ。<br />また、Windows 95を導入する事により、TVやビデオの録画も短時間ながら可能だった(ただし、NECドライバキット必須)。<br />なお長時間の録画では、メモリの増設とODPの増設が不可欠となる。<br />また本体の種類により、このチューナーボードと本体の接続に用いられるコネクタが、ローカルバス類似のアンフェノールタイプ(初代)、差し込み後更にケーブルでの接続が必要なもの(二代目以降)、更に後期のものではPCIバス用コネクタ流用、と機能面での要求やコストダウンへの配慮から、幾度も仕様が変更されており、ボードの基本寸法こそCバス相当ながらも、CanBe専用品となっていた。なお動作にはNECから提供される専用ドライバが必要となる。--><!--他機種と比較してあまりにも冗長なのでコメントアウト--> *PC-9821Cf(98MULTi CanBe / 1994年10月) Pentium 60&nbsp;MHz : 初代CanBeの一つ。リモコン付属。TVチューナー対応。MS-DOS5.0A-H+Windows 3.1搭載。Cb/Cxと同様のソフトウェア構成と機能を持つ。外見的にはCxと全く同様であるものの当時まだ高価であったPentiumCPUを搭載し、初代CanBe中、最高級機種に当たる。 *PC-9821Cx2(98MULTi CanBe / 1995年6月) Pentium75Mhz : 2代目Canbeの一つでありCb2と同時に販売された。前年に販売されたCx/Cfと同じデザインであるが、ベース機が初代MATE X(Xs/Xp・Xf)から2代目MATE X(Xa7/9/10・Xt13)に変更され、チップセットとしてそれらと共通のVLSI Supercore594(Wildcat)を搭載する。4倍速CD-ROMドライブを標準搭載し、内蔵HDD容量が420MBから850MBに引き上げられ、拡張スロットにTVチューナー/キャプチャーを装着、FAXモデム専用スロットにFAXモデムカードを搭載する。OSとしてMS-DOS 6.2+Windows 3.1のみをプリインストールして発売されたPC-9800シリーズ最後のモデルである。 *PC-9821Cx3(98MULTi CanBe / 1995年11月) Pentium100MHz : 拡張FM音源搭載(20音) 内蔵CD-ROMドライブは4連装。OSはWindows 95を標準で搭載する。 余談だが、このCanBeシリーズは当初、蜂を模したマスコットキャラクター「キューハチ君」をあしらい、本体起動時にメモリチェックとMS-DOS起動の画面を隠すようにNECの画像ロゴが出るとともに、内蔵ハードディスクにインストール済みのWindows 3.1には独自のGUIランチャー「98ランチ」を備えていた。ちなみに、グラフィック起動モードと、テキスト起動モードがあり、グラフィック起動モードは、前述の「キューハチ君」のグラフィックが表示され、MS-DOSの特殊なドライバにより、MS-DOSや、CONFIG.SYSなどに記述されたドライバの組み込み時のテキストが画面の下の方に目立たないように表示されるようになっていた。そのため、ユーザーはMS-DOSの画面に気付かないうちに、ウィンドウズ3.1の起動ロゴが表示されていた。それと、ウィンドウズを終了すると、通常はMS-DOSのプロンプトに戻るが、電源が切れるようになっていた。MS-DOSを利用するには、電源投入時にTABキーを押しているか(この場合は一時的な切り替え)、本体のセットアップメニューにより、テキスト起動モードに切り替える必要があった。 ==== CEREB ==== *PC-9821C200/C166(CEREB / 1997年1月) MMX Pentium : リモコン付属、[[DVD-ROM]]ドライブを搭載するモデルあり *PC-9821C233(CEREB / 1997年1月) MMX Pentium 233&nbsp;MHz: リモコン付属、[[DVD-ROM]]ドライブおよびDVDデコーダボード、ビデオキャプチャ機能搭載 === 一体型 === 下記の他、PC-9821Cr13([[98MULTi CanBe#PC-9821Cr13|98MULTi CanBe Jam]] / 通称「[[ミシン]]型CanBe」。TFT液晶モニタ一体型、CバスやPCIバスがなくPCカードスロットがある)、PC-9821F200・F166(98FINE、液晶モニタ一体型)が存在する。 *PC-9821Cb([[98MULTi CanBe]] / 1994年10月) 486SX33Mhz :初代CanBeの一つ。Cx、Cfと同様のソフトウェア構成と機能を持つ。CRT一体型であり、デザインと設置の簡易性に重点をおいているのが特徴。なおCバスは1スロットのみで専用TVチューナ/キャプチャー部分は専用になっている。(Cb2はCバスは2スロットあり内1つは専用TVチューナー/キャプチャーボードが装着されている。また、グレードによっては、TVチューナー/キャプチャーボードを外したモデルも存在する。)<br />リモコン付属。TVチューナー対応。なお詳細はPC-9821Cxを参照。 *PC-9821Es(98FINE / 1994年7月) 98Tシリーズの後継、液晶モニタ一体型 === ラップトップ型 === *PC-9821Ts(1993年11月) 9821シリーズでは唯一のラップトップ型。PC-9801Tと同じく、キーボードは取り外しができた。またこの製品のみ「98○○○」という愛称を持っていない。 === タワー型 === 下記の他、Xcシリーズ(98MATE X)およびVALUESTARの一部モデル(V200/M7など)がある。 *PC-9821Xt(98MATE X / 1994年7月) Pentium 90&nbsp;MHz : 「初代(無印)Xt」 同XaとともにPCIバスを初搭載。SCSIのみを装備し、内蔵IDEインターフェースは存在しない(シリーズ唯一) *PC-9821Xt13(98MATE X / 1995年7月) Pentium 133&nbsp;MHz : VLSI社製SuperCore594チップセット搭載。Adaptec社製AHA-2940J SCSIコントローラをオンボード搭載<ref group="注">ただし、標準搭載のHDDやCD-ROMドライブはIDEタイプでありSCSI-I/Fは使用されていない</ref>。標準搭載のグラフィックカードはMATROX社製 Millenium 4MB版である。上位モデルにXt16がある。 *PC-9821St15(98Pro / 1995年11月) Pentium Pro 150&nbsp;MHz:初のPentium Pro搭載機。Intel 450KX(Mars)チップセット(ノースブリッジのみ)搭載。Fast SCSIコントローラオンボード搭載 *PC-9821St20(98Pro / 1996年3月) Pentium Pro 200&nbsp;MHz : St15のCPU高速化バージョン。ただし、PCIバス回りに修正が加わっており、BIOSにも変更が散見される。 *PC-9821Xv13/R16(98MATE X / 1996年1月) Pentium133MHz : MATE Xシリーズのタワー型PC。チップセットはWildcatで、PCIスロットは2本のまま。 *PC-9821Xv13/W16(98MATE X / 1996年11月) Pentium133MHz : MATE Xシリーズのタワー型PC。チップセットは430HXとなり、PCIスロットも3本に増えた(上位モデルのXv20/W30 と同一マザーボード採用<!--ただし発売時期は後発であるためPCI 2.1に対応といった違いがある-->)。 *PC-9821Ct16(98MULTi CanBe / 1996年6月) Pentium 166&nbsp;MHz: CanBeのタワーモデル。CD-ROMドライブは4連装(同時に4枚までのCDが挿入できる)タイプで、Cバスはなく、代わりにPCIバスが搭載されている。 *PC-9821Ct20(98MULTi CanBe / 1996年11月)Pentium 200&nbsp;MHz: Ct16と比較し、CPUの高速化や標準搭載メモリの増加といった基本性能の底上げに加え、2本のPCIスロットの1本にAdaptec製Ultra SCSIカードを搭載し、光学ドライブとしてソニー製SCSI接続CD-Rドライブ(CDU-924S)が搭載されている。 *PC-9821Rv20(98MATE R / 1996年11月) Pentium Pro 200&nbsp;MHz : St20後継機。[[Intel 440FX|Intel 440FX(Natoma)]]チップセット搭載。オプションでデュアルCPU対応可能。割り込みの互換(シングルCPU)モードと拡張(デュアルCPU)モード切り替え可能。Adaptec社製AIC-7860 Ultra SCSIコントローラをオンボード搭載し、HDDも容量2GBのSCSIドライブを搭載する。標準搭載のグラフィックカードはMillenium 4MB版、光学ドライブは[[Phase-change Dual|PDドライブ]]である。 *PC-9821Rs20(98MATE SERVER / 1996年11月) Pentium Pro 200&nbsp;MHz : Rv20のサーバ特化バージョン。サウンド機能と互換割り込みモードが省略され、グラフィックもRa20と共通のTGUI9682XGi搭載カードに変更。Cバス版専用サーバーボード搭載。 *PC-9821RvII26(98MATE R / 1997年5月) Pentium II 266&nbsp;MHz : Rv20の後継機種。[[Phase-change Dual|PDドライブ]]内蔵。CPUのデュアル搭載が可能だが、出荷状態ではコア電圧2.8V版Pentium IIにのみ対応する。やはりRv20と同様にUltra SCSIコントローラを標準搭載し、内蔵ハードディスクも2GBのUltra SCSI対応ドライブを搭載する。メモリアクセスはインターリーブに対応し、SIMM 4枚単位の増設が必要だがPC-9821シリーズの中でも特に高速。ソケット搭載CPUのクロックスピードではRa43の後塵を拝するが、機能や拡張性では同機を上回る。MATE Rシリーズおよびタワー型のシリーズ最上位機。 *PC-9821RsII26(98MATE SERVER / 1997年5月) Pentium II 266&nbsp;MHz : RvII26のサーバ特化版。仕様的にはRs20に準じるが、10[[クライアント・アクセス・ライセンス|クライアントライセンス]]付きWindows NT Server 4.0プリインストールで出荷されたため、HDDがRvII26の2GBから4GBに倍増されている。 === 98SERVER SV-98シリーズ === 商品コンセプトとしては[[PC-H98シリーズ#兄弟機|SV-H98]]シリーズの後継にあたる[[PCサーバ]]で、型番にPC-9821とは付かないものの、前述のようにPC-9821BfはSV-98初代機 (model 1) とほぼ共通の設計が利用されていた。このためBfと同じく、当初のSV-98はmodel 2の頃まで9821グラフィックを持たないシリーズだったが、後期の機種からは9821相当の画面モードも備えるようになった。さらに後継機としてPC-9821Rsシリーズにその商品コンセプトが受け継がれたという事情もあり、関連機種として本稿に記す。 SV-98シリーズではCPUの高性能化とPCIスロットのサポート(model 1を除く<ref>[http://121ware.com/support/product/data/spec/cpu/94120003-1.html SV-98model1]</ref>)に加え、サーバOSでのメモリ実装量の増大要求に応え各モデルで同時期のデスクトップ機を上回る最大実装メモリ量がサポートされ、model 1では最大79.6MB、model 2・model 1A・model 1A2では最大255.6MB、model 3では最大511.6MBの実装が可能となった<ref>[http://121ware.com/support/product/data/spec/cpu/94120004-1.html SV-98model2]</ref><ref>[http://121ware.com/support/product/data/spec/cpu/95080040-1.html SV-98model1A/model3]</ref><ref>[http://121ware.com/support/product/data/spec/cpu/96010001-1.html SV-98model1A2]</ref>。また、model 3ではCPU増設ボードの追加によりPC-9800シリーズ(およびその派生機種)では初となるデュアルプロセッサ機能{{Refnest|group="注"|ただしSV-98 model3のデュアルプロセッサは対称型マルチプロセッサ (SMP) に対応しておらず、非同期マルチプロセッサ (AMP) である。[[FreeBSD]](98)や[[Microsoft Windows 2000|Windows 2000]]はAMPに対応しておらず、デュアルプロセッサ運用には[[Microsoft Windows NT|Windows NT]]のようなAMP対応OSが必要になる<ref>{{Cite web|url=http://rs20.nextfoods.jp/index.php?FrontPage|title=FreeBSD(98) SMP users|accessdate=2018-03-22}}</ref>。}}が実現された。 === ノート型 === [[ファイル:NEC PC9821FDD.jpg|thumb|250px|ノートパソコン用外付けFDD]] A4型のNシリーズ、それ以下のサイズでサブノート型のLシリーズがある。中期以降の多くはWSS相当のPCM音源を搭載する他、Nシリーズの一部機種はFM音源も内蔵する。[[液晶ディスプレイ]]については廉価版はデュアルスキャン[[STN液晶|STN]]、それ以外は[[TFT液晶|TFT]]を採用していた。Windows 95登場以前の機種には、2FDD構成でなければ動作しない一部のMS-DOSソフトウェア(主にゲームソフト)に1FDD構成で対応するために、「RAMドライブ」と名付けられた機能が実装されていた。この機能は内蔵メモリから1.25MBを割り当てて、仮想的に1基のFDDとしてソフトウェアに認識させるもので、ドライバを必要としないよう、BIOSレベルで<!-- I/Oポートレベルでの互換性は無いので、ハードウェアレベルとは呼べないと思います -->サポートされたものであった。ただし、あくまで仮想のFDDであり、記録された内容は電源が確保されている間だけ保護される。また、コピープロテクトを採用しているゲームソフトは起動用のディスクにプロテクトを掛けることが多く、起動ディスクをRAMドライブにコピーしてもプロテクトが機能して起動させることができない。したがって、プロテクトの掛けられていないデータディスクをRAMドライブにコピーし、FDDに起動ディスクをセットして起動させることになる。データディスクが複数枚あるソフトウェアで処理中にデータディスクの入れ替えを要求される場合は、RAMドライブは入れ替えることができないため、この機能をもってしても対応できなかった。そのため、一部のゲームソフトではノート専用版として、起動ディスクにはプロテクトを掛けず(RAMドライブにコピーして起動)、データディスクにプロテクトを掛けて(FDDにセットして置く)おき、プロテクトチェックの際は、データディスクをチェックすることで対応したものもあった。 ==== Nシリーズ・Lavie ==== *PC-9821Ne(98NOTE / 1993年) [[Intel 486|i486SX]] 33&nbsp;MHz : 640×480ドット : 9821シリーズ初のノート型。TFT 4096色中256色表示液晶。本体の前面中央に独自の[[トラックボール]]「サムボール」が付いている。搭載メモリの上限が14.6Mで、[[PCカード]]スロットの規格が古く(PCMCIA2.0/JEIDVer.4.1)、PCカードコントローラーがIntel互換でない独自仕様の物であるため<!-- スロットの規格が古いよりもむしろこちらの要因の方が大きいと思われる -->、使用できるカードに制限がある。9821シリーズだがサウンド機能は搭載していない。 *PC-9821Ne2/Nd(98NOTE / 1994年) i486SX 33&nbsp;MHz : 初代Neの後継機種で、NdはDSTN液晶タイプ。初代Neに存在した拡張バスが廃止された。さらにこれらの後継機種としてNe3/Nd2(i486DX2 50&nbsp;MHz)が存在した。 *PC-9821Ns/Np/Nf(98NOTE / 1994年) [[Intel 80486DX2|i486DX2]] 50&nbsp;MHz(Ns)、[[Intel 486|iDX4]] 75&nbsp;MHz(Np)、Pentium 75&nbsp;MHz(Nf): Ne2/Ndの上位機種として登場。この3機種のみ液晶モニタ部を逆向きに取り付けることができる。拡張バスが198ピンに拡張され、ドッキングステーション(ファイルスロットorCD-ROM、汎用拡張バススロット1)に接続可能(110ピン変換コネクタ有)。 *PC-9821Nm(98NOTE / 1995年) i486DX2 50&nbsp;MHz : Ne3とほぼ同様の筐体であるが、液晶ディスプレイはモノクロ640×480ドットである。 *PC-9821Na7/Nx(98NOTE / 1995年) Pentium 75&nbsp;MHz/Am DX4 100&nbsp;MHz : 800x600ドット/640×480ドット : [[タッチパッド]]搭載。ディスクは98NOTE伝統のパック形式(薄型)を採用。この機種よりサウンド機能を搭載。後にNa13/12/9が発売される。 *PC-9821Nb10(98NOTE Lavie / 1996年) Pentium 100&nbsp;MHz : 800x600ドット。購入後直後の初回起動時に使用するOSを Windows 95 と Windows 3.1+MS-DOS 6.2 のいずれかを選択する。選ばれなかった方はこの時点で削除され、以後復元することが出来ない。再セットアップに必要なディスク類はWindows 95のもののみ同梱されているが(ただし、再セットアップに必要な起動用フロッピーには何も書き込まれていない)、Windows 3.1+MS-DOS 6.2 を選択した場合はWindows 95の一式をNECに返送することでWindows 3.1+MS-DOS 6.2の再セットアップディスク類が送られるようになっていた。また、Windows 95の再セットアップに必要な起動用フロッピーは、Windows 95を選択して起動した際、1回だけ作成可能となっていた。ただし、付属のフロッピー以外には作成ができないようになっているが、作成したフロッピーのコピーや、コピーしたフロッピーからの起動は可能であった。 *PC-9821Na15(98NOTE Lavie / 1996年) Pentium 150&nbsp;MHz : 1024x768ドット。 *PC-9821Nr15/13(98NOTE Lavie / 1996年) Pentium 150/133&nbsp;MHz : 800x600ドット。後にMMX Pentium機も発売された。 *PC-9821Nw150(98NOTE Lavie / 1997年) MMX Pentium 150&nbsp;MHz:FDD・CD-ROMドライブ内蔵型のオールインワンタイプ。台数限定品としてディスプレイに格納可能なフラットパネルスピーカー搭載モデルも存在した。Nr233/266/300や初代LaVie NX(LVシリーズ)ではこの機種と同一の筐体を採用している。 **PC-9821NxはPC-9801NX/C、PC98-NXとは関係はない。 **最終機はPC-9821Nr300 (MMX Pentium 300&nbsp;MHz) ==== Lシリーズ・[[Aile]] ==== *PC-9821Lt/Ld(98NOTE Light / 1995年) i486DX2 50 MHz(Lt)、i486SX 33&nbsp;MHz(Ld): B5型 本体の右側奥に超小型トラックボールの「サムボール2」が搭載されている。外部接続型のFDDが付属する。極力余計な機能は省かれていて、サウンド等のマルチメディア機能は搭載されておらず、ビジネスモデル的色合いが強い。拡張機能に関しては、PCカードスロット以外の汎用拡張バスを持たず、それ以外にはメモリ増設スロットが用意されているのみである。背部にプリンタ・マウス・シリアルポートおよび外部VGA出力は備えるが、キーボード端子が省略された。<!--同時期に発売されたNmには備えられていた-->FD互換RAMドライブも持たない。Lt・Ld共にアプリケーションモデルと呼ばれるソフトウェアプリインストールモデルとHDDモデルと呼ばれるソフトウェアのインストールされていないモデルの2グレードが存在し、前者は350MB(Ld/350A・Lt/350A)あるいは540MB(Lt/540A)のHDDと7.6MBのメモリを標準搭載し、後者は260MBのHDDと1.6MBのメモリを標準搭載する。また、全機種ともグラフィックコントローラとしてPEGCのみが実装されており、Ltは9.5インチTFT、LdはDSTNカラー液晶を標準搭載する。アプリケーションモデルではMS-DOS 6.2(5.0A-H)+Windows 3.1をHDDにプリインストールしてあり、さらに一太郎+Lotus 1-2-3がバンドルされていた。なお、再インストールディスクは別売であり、本体のみ購入時には、まず自力でフロッピーディスクにバックアップをとらねばならず、そのためのマニュアルも同梱されていた。 *PC-9821Lt2(98NOTE Light / 1995年) i486DX2 50 MHz : B5型 Ltの後継モデル。グラフィックコントローラとしてPEGCに加えTrident社製Cyber9320を追加搭載し、「サムボール2」に代えて[[タッチパッド]]<ref group="注">なお、この当時のタッチパッドは、現在主流の指先の微電流感知をする型とは異なり、パッドに掛かる圧力で作動する感圧式であり、タッチペンでの操作も可能であった。</ref> を搭載する。HDD容量はアプリケーションモデルの上位が540MBから720MBに引き上げられ、HDDモデルも350MBとなった。また、メインメモリもHDDモデルについては増量が実施され、4MB(ユーザーメモリ容量は3.6MB)実装となった。またB5型ノートPCとして唯一、3.5インチFDDを内蔵できる。 *PC-9821La7/La10(98NOTE Aile / 1995年) Pentium 75/100 MHz : B5型 タッチパッド搭載 Microsoft Word+Excel、あるいは一太郎+Lotus 1-2-3バンドルモデルのみ。LCDはLa7が8.4インチDSTNのみ、一方のLa10は当初のモデルではLtから引き続き9.5インチTFT液晶パネル採用で、いずれも640x480ドットだった。しかし後期モデルLa10/Sでは10.4インチ800x600ドットTFT液晶となった。 *PC-9821Ls150/Ls12(98NOTE Aile / 1997年) MMX Pentium 150 MHz/Pentium 120&nbsp;MHz : A4型 800x600ドット ポートバー、ドッキングベイ付属。FAXモデム標準装備。PCカードは下段のみZVポート対応。Ls150の/C2,/D2型番は4.3GB以上(32GB以下、ただし8GBを超える場合は標準では8GB扱い)のHDDも認識可能。Microsoft Word+Excel、あるいは一太郎+Lotus 1-2-3バンドルモデルのみ。 *PC-9821La13(98NOTE Aile / 1997年) Pentium 133 MHz : B5型 800x600ドット ポートバー付属。PCカードは下段のみZVポート対応。 == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} '''注釈''' {{Reflist|group="注"}} '''出典''' {{Reflist|2}} == 参考文献== * {{cite encyclopedia | encyclopedia = 『電脳辞典 1990's パソコン用語のABC』 | title = NFER、XFER | editor = ピクニック企画, 堤大介 | language = 日本語 | date = 1990-03-01 | publisher = ピクニック企画 | isbn = 4-938659-00-X}} * アスキー書籍編集部編 『蘇るPC-9801伝説 永久保存版』 [[メディアリーヴス|アスキー]]〈月刊アスキー別冊〉、2004年4月1日、ISBN 4-7561-4419-5 * アスキー書籍編集部編 『月刊アスキー別冊 蘇るPC-9801伝説 永久保存版 第2弾』 アスキー〈月刊アスキー別冊〉、2007年4月9日 ISBN、978-4-7561-4883-4 == 関連項目 == *[[PC-9800シリーズ]] *[[98NOTE]] *[[Cバス]] *[[98ローカルバス]] *[[98MULTi CanBe]] {{NECのパソコン}} {{DEFAULTSORT:PC-9821}} [[Category:日本電気のパーソナルコンピュータ]]
2003-08-13T03:19:04Z
2023-11-24T06:31:49Z
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苦 (仏教)
仏教における苦(く、巴: dukkha、梵: दुःख, duḥkha、蔵: sdug pa)とは、苦しみや悩み、精神や肉体を悩ませる状態を指す。対義語は楽。 仏教は無常、苦、無我の3つで三相を形成する。四諦の4つすべては苦に関する真理である。仏教は、この苦の滅尽をめざす学問体系である。 「ドゥッカ」の「ドゥッ」(duḥ = dus)は、「悪い」という意味、「カ」(kha) は「空間」、「穴」の意味である。ウィンスロップ・サージェント(Winthrop Sargeant)によれば、「ドゥッカ」という言葉は車軸が真ん中を通っておらず、乗り心地の悪い様に由来するという。サージェントによれば、ドゥッカとは、もともと「悪い車軸の穴」というような意味をもち、転じて「不快」を意味した。 四諦のひとつ、苦諦で説かれたもの。 このような精神的な苦と肉体的な苦とは、人間自身の内的な苦であるから、これを内苦といい、他人から迫害されたり、自然の力によって悩まされたりする風雨寒熱などの苦を外苦とよぶ場合もある。 苦の持つ様相・状態(dukkhatā)を三苦といい、苦苦、壊苦(えく)、行苦の三つである。 Tisso imā āvuso dukkhatā, dukkhadukkhatā saṅkhāradukkhatā vipariṇāmadukkhatā. Imā kho āvuso tisso dukkhatāti. 友よ、苦には三相がある。苦苦相、行苦相、壊苦相。友よ、これが三苦相である。 苦苦(くく、duḥkha-duḥkha) とは、「苦痛を苦とする状態」を意味する。「苦事の成るによって成立する苦」などと説明され、「寒熱飢渇によって生ずる苦」といわれるから、外的な、感覚的な苦である。このような苦が人間にとって第一段階の苦で、自然的、基礎的なものである。 壊苦(えく、vipariṇāma-duḥkha) とは「壊滅の苦の状態」である。「ヴィパリナーマ」とは「悪い方へ変化する」という意味であるから、好ましくない状態をあらわすのである。「楽事の去るによって成ずる苦」とも説明される。「壊滅」とは、その点で「楽境壊滅」(らくきょうえめつ)の意味であるという。すなわち、人間にとって好もしいと感ずる対象が、次々とこわされてゆく時に感ずる苦である。この第二の苦の中に、人間が一般に感ずる苦は含まれる。 vi+pariṇāmaのpariṇāmaは、唯識でいう「識の転変(vijñāna-pariṇāma)」とほぼ同じ意味で使われていることからも、この壊苦は「心の変化に応じて生ずる苦しみ」の事を指している、と考えられる。 行苦(ぎょうく、saṃskāra-duḥkha) とは「生起の苦の状態」といわれる。行(サンカーラ)の意味は、「作られたもの」ということで、生存していること自体を指しているから、一切の存在が無常であることによって遷り流れてゆくところに感じとられる苦である。とくに、人間生存の無常という事実の中に感ずる苦であるから、生存苦、生きること自身が苦であることを示した。 したがって、苦苦も壊苦も、この行苦を根本として起ってくるといえる。その意味で、行苦や五蘊盛苦は、人間の根本的な苦を示す。仏教は、根本的には生きていること自体が苦であるという形而上学的な考え方をもととして、人間の「自分が」という我執こそ苦の根本であると言う。 「dukkha」と「苦しみ」は異なり、「苦しみ」は、dukkhaの一部にすぎないとする立場もある。アルボムッレ・スマナサーラによると、釈迦の説くdukkhaは、現代語の「苦」とは別物である。現代語の苦は具体的には、肉体的な苦痛と精神的な苦痛とがあるが、スマナサーラによれば仏教で説くdukkhaには、「苦しみ」、「虚しい事」、「不完全である事」、「無常である事」の4つの意味が含まれるという。 仏教経典の現代的な翻訳者は、さまざまな英単語を使用して duḥkha の側面を伝えている。初期の西洋の経典翻訳者(1970年代以前)は、一般的にパーリ語の dukkha をsufferingと翻訳していた。後の翻訳者は、sufferingでは duḥkha という用語の翻訳が限定的すぎることを強調し、duḥkha と未翻訳のままにするか、anxiety、stress、frustration、unease、unsatisfactorinessなどの用語でその翻訳を明確にすることを好んだ。多くの現代の師、学者、翻訳者は、unsatisfactorinessという用語を使用してdukkhaの微妙な側面を強調している。
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仏教における苦とは、苦しみや悩み、精神や肉体を悩ませる状態を指す。対義語は楽。 仏教は無常、苦、無我の3つで三相を形成する。四諦の4つすべては苦に関する真理である。仏教は、この苦の滅尽をめざす学問体系である。
{{Redirect|苦|[[哲学]]・[[倫理学]]等で扱われる不快の感覚・感情|苦しみ|哲学・倫理学等で扱われる痛み・苦痛の感覚・感情|痛み|痛覚神経反応、痛み、苦痛(医学的な観点)|疼痛}} {{複数の問題 |出典の明記=2017-12 |独自研究=2017-12 }} {{Infobox Buddhist term | fontsize=100% | title=苦 | pi= dukkha<br /> ([[デーヴァナーガリー|Dev]]: दुक्ख) | sa= duḥkha<br /> ([[デーヴァナーガリー|Dev]]: दुःख) | en= suffering, pain, unsatisfactoriness, etc. |ja=苦 }} [[仏教]]における'''苦'''(く、{{lang-pi-short|dukkha}}、{{lang-sa-short|दुःख}}, {{IAST|duḥkha}}、[[チベット語|蔵]]: {{ラテン翻字|bo|sdug pa}})とは、苦しみや悩み{{refnest|name="ニッポニカ"|三枝充悳[https://kotobank.jp/word/%E8%8B%A6-54598#E6.97.A5.E6.9C.AC.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E5.85.A8.E6.9B.B8.28.E3.83.8B.E3.83.83.E3.83.9D.E3.83.8B.E3.82.AB.29 「苦」 - 日本大百科全書(ニッポニカ)]、小学館。}}、精神や肉体を悩ませる状態を指す{{refnest|name="大辞林_第三版_苦"|[https://kotobank.jp/word/%E8%8B%A6-54598#E4.B8.96.E7.95.8C.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E4.BA.8B.E5.85.B8.20.E7.AC.AC.EF.BC.92.E7.89.88 「苦」 - 大辞林 第三版]、三省堂}}。対義語は'''[[楽 (仏教)|楽]]'''。 仏教は[[無常]]、苦、[[無我]]の3つで[[三相 (仏教)|三相]]を形成する{{Sfn|アルボムッレ・スマナサーラ|2015|loc={{Kindle版|2025|3}} }}。[[四諦]]の4つすべては苦に関する真理である{{Sfn|アルボムッレ・スマナサーラ|2015|loc={{Kindle版|2025|134}} }}。仏教は、この苦の滅尽をめざす学問体系である。 == 語源 == 「ドゥッカ」の「ドゥッ」({{IAST|duḥ}} = {{IAST|dus}})は、「悪い」という意味、「カ」({{IAST|kha}}) は「[[空間]]」、「[[穴]]」の意味である。ウィンスロップ・サージェント({{en|Winthrop Sargeant}})によれば、「ドゥッカ」という言葉は車軸が真ん中を通っておらず、乗り心地の悪い様に由来するという。サージェントによれば、ドゥッカとは、もともと「悪い車軸の穴」というような意味をもち、転じて「不快」を意味した<ref>Sargeant, Winthrop , The Bhagavad Gita, SUNY Press, 2009. p.303</ref>。 == 四苦八苦 == {{Main|四苦八苦}} [[四諦]]のひとつ、[[苦諦]]で説かれたもの<ref>[[南伝大蔵経]], [[律蔵 (パーリ)|律蔵]][[犍度|大犍度]]</ref>。 {{Columns-list|2| * 生苦 * 老苦 * 病苦 * 死苦 * 愛別離苦 * 怨憎会苦 * 求不得苦 * [[五蘊取蘊]] }} == 二苦 == このような精神的な苦と肉体的な苦とは、人間自身の内的な苦であるから、これを'''内苦'''といい、他人から迫害されたり、自然の力によって悩まされたりする[[風]][[雨]][[寒]][[熱]]などの苦を'''外苦'''とよぶ場合もある。 == 三苦 == 苦の持つ様相・状態(dukkhatā)を'''三苦'''といい、苦苦、壊苦(えく)、行苦の三つである。 {{Quote| Tisso imā āvuso dukkhatā, dukkhadukkhatā saṅkhāradukkhatā vipariṇāmadukkhatā. Imā kho āvuso tisso dukkhatāti. 友よ、苦には三相がある。苦苦相、行苦相、壊苦相。友よ、これが三苦相である。 | {{SLTP| [[相応部]][[ジャンブカーダカ相応]] Dukkha-pañhā-sutta }} }} === 苦苦 === '''苦苦'''(くく、{{IAST|duḥkha-duḥkha}}) とは、「苦痛を苦とする状態」を意味する。「苦事の成るによって成立する苦」などと説明され、「[[寒]][[熱]][[飢]][[渇]]によって生ずる苦」といわれるから、外的な、感覚的な苦である。{{独自研究範囲|このような苦が人間にとって第一段階の苦で、自然的、基礎的なものである。|date=2017-12}} === 壊苦 === '''壊苦'''(えく、{{IAST|vipariṇāma-duḥkha}}) とは「壊滅の苦の状態」である。「ヴィパリナーマ」とは「悪い方へ変化する」という意味であるから、好ましくない状態をあらわすのである。「[[楽事]]の去るによって成ずる苦」とも説明される。「壊滅」とは、その点で「[[楽境壊滅]]」(らくきょうえめつ)の意味であるという。すなわち、人間にとって好もしいと感ずる対象が、次々とこわされてゆく時に感ずる苦である。{{独自研究範囲|この第二の苦の中に、人間が一般に感ずる苦は含まれる。|date=2017-12}} {{IAST|vi}}+{{IAST|pariṇāma}}の{{IAST|pariṇāma}}は、[[唯識]]でいう「識の転変({{IAST|vijñāna-pariṇāma}})」と{{独自研究範囲|ほぼ同じ意味で使われていることからも、この壊苦は「心の変化に応じて生ずる苦しみ」の事を指している、と考えられる。|date=2017-12}} === 行苦 === '''行苦'''(ぎょうく、{{IAST|saṃskāra-duḥkha}}) とは{{要出典範囲|「生起の苦の状態」といわれる|date=2017-12}}。行([[サンカーラ]])の意味は、「作られたもの」ということで、生存していること自体を指しているから、一切の存在が無常であることによって遷り流れてゆくところに感じとられる苦である。{{要出典範囲|とくに、人間生存の無常という事実の中に感ずる苦であるから、生存苦、生きること自身が苦であることを示した。|date=2017-12}} {{独自研究範囲|したがって、苦苦も壊苦も、この行苦を根本として起ってくるといえる。|date=2017-12}}その意味で、行苦や[[五蘊盛苦]]は、人間の根本的な苦を示す。仏教は、根本的には生きていること自体が苦であるという[[形而上学]]的な考え方をもととして、人間の「自分が」という[[我執]]こそ苦の根本であると言う。 {{-}} == 様々な解釈 == 「dukkha」と「苦しみ」は異なり、「苦しみ」は、dukkhaの一部にすぎないとする立場もある<ref>{{Cite |和書|title=無我の見方 |author=[[アルボムッレ・スマナサーラ]] |date=2012 |isbn=978-4905425069 |publisher=サンガ |at={{Kindle版|1930|134}} }}</ref>。[[アルボムッレ・スマナサーラ]]によると、釈迦の説くdukkhaは、現代語の「苦」とは別物である。現代語の苦は具体的には、肉体的な苦痛と精神的な苦痛とがあるが、スマナサーラによれば仏教で説くdukkhaには、「苦しみ」、「虚しい事」、「不完全である事」、「[[無常]]である事」の4つの意味が含まれるという{{Sfn|アルボムッレ・スマナサーラ|2015|loc={{Kindle版|2025|1078}} }}。 == 英訳について == 仏教経典の現代的な翻訳者は、さまざまな英単語を使用して duḥkha の側面を伝えている。初期の西洋の経典翻訳者(1970年代以前)は、一般的にパーリ語の dukkha をsufferingと翻訳していた。後の翻訳者は、sufferingでは duḥkha という用語の翻訳が限定的すぎることを強調し、duḥkha と未翻訳のままにするか、anxiety、stress、frustration、unease、unsatisfactorinessなどの用語でその翻訳を明確にすることを好んだ{{sfn|Prebish|1993|loc= {{full|date=2020-06}}}}{{sfn|Keown|2003|loc={{full|date=2020-06}}}}。多くの現代の師、学者、翻訳者は、unsatisfactorinessという用語を使用してdukkhaの微妙な側面を強調している{{sfn|Dalai Lama|1998|p=38}}{{sfn|Gethin|1998|p=61}}{{sfn|Smith|Novak|2009|loc=Kindle location 2769{{full|date=2020-06}}}}{{sfn|Keown|2000|loc=Kindle Locations 932-934{{full|date=2020-06}}}}{{sfn|Bhikkhu Bodhi|2011|p=6}}。 * Suffering (Harvey, Williams, Keown, Anderson, Gombrich, Thich Nhat Hanh, Ajahn Succito, Chogyam Trungpa, Rupert Gethin, Dalai Lama, ''et al.'') * Pain (Harvey, Williams, Keown, Anderson, Huxter, Gombrich, et al) * Unsatisfactoriness ([[ダライ・ラマ|Dalai Lama]], Bhikkhu Bodhi, Rupert Gethin, ''et al.'') * Stress (Thanissaro Bhikkhu<ref>https://www.accesstoinsight.org/tipitaka/sn/sn56/sn56.011.than.html</ref><ref>https://www.accesstoinsight.org/tipitaka/sn/sn22/sn22.086.than.html bottom </ref>) * Sorrow * Anguish * Affliction (Brazier) * Dissatisfaction (Pema Chodron, Chogyam Trunpa) * Distress (Walpola Rahula) * Frustration (Dalai Lama, ''Four Noble Truths'', p.&nbsp;38) * Misery * Anxiety (Chogyam Trungpa, ''The Truth of Suffering'', pp.&nbsp;8–10) * Uneasiness (Chogyam Trungpa) * Unease (Rupert Gethin) * Unhappiness == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} {{Reflist|2}} == 参考文献 == * {{Cite |和書 |author=[[アルボムッレ・スマナサーラ]] |date=2015 |title=苦の見方 |publisher=[[サンガ (出版社)]] |isbn=978-4865640199 |ref=harv}} * {{citation|last=Gethin|first=Rupert|authorlink=Rupert Gethin|title=Foundations of Buddhism|publisher=Oxford University Press|location=Oxford|year=1998|url=https://archive.org/details/foundationsofbud00rupe|isbn=978-0192892232}} * {{Citation | last =Nyanatiloka | year =1980 | title =Buddhist Dictionary | publisher =Buddhist Publication Society}} * {{Citation | last =Emmanuel | first =Steven M. | year =2015 | title =A Companion to Buddhist Philosophy | publisher =John Wiley & Sons}} * {{Citation | last =Anderson | first =Carol | year =2013 | title =Pain and Its Ending: The Four Noble Truths in the Theravada Buddhist Canon | publisher =Routledge}} * {{Citation| last = Bhikkhu Bodhi | year =2011 | title =The Noble Eightfold Path: Way to the End of Suffering | publisher =Independent Publishers Group, Kindle Edition}} * {{Citation| last =Dalai Lama| authorlink=ダライラマ| year =1998| title =The Four Noble Truths| publisher =Thorsons}} == 関連項目 == *[[四苦八苦]] *[[一切皆苦]] *[[五蘊盛苦]] *[[苦諦]] {{Buddhism2}} {{Normdaten}} {{DEFAULTSORT:く}} [[Category:仏教用語]] [[Category:仏教哲学の概念]]
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陸奥国
陸奥国(むつのくに)は、かつて存在した令制国の一つ。東山道に属する。現在の福島県、宮城県、岩手県、青森県と秋田県の一部(鹿角郡)。等級区分で大国の一つ。 明治維新後、出羽国とともに分割された後の陸奥国については、陸奥国 (1869-)を参照。 当初は「道奥」(みちのおく)と呼ばれ、平安時代まで「陸奥」(みちのく)とも呼ばれた。その後は「陸奥」(むつ)と呼ばれた。 畿内から見て山道(のちの東山道)と海道(のちの東海道)の奥に位置する。中央政権に新規に服従した地域を同国に含めていったため、時期によって範囲は変遷する。未だ服従しない北方の蝦夷(えみし)と接した。 明治元年12月7日(西暦1869年1月19日)に5国に分割され、その1つとして、青森県と岩手県二戸郡にかけての地域に新たに「陸奥国」(りくおうのくに・むつのくに)が置かれた。 『古事記』には「道奥」とあり、『日本書紀』は「陸奥」が多いが古い時代に「道奥」もみられ、ともに「道奥」を「みちのおく」と訓じる。『和名抄』は「陸奥」を「みちのおく」とする。「道」は古い時代には「国」と同義に使われており、「道奥」の語源は「都からみて遠い奥」にある国の意である。「道」を「陸」にかえた積極的理由はわからないが、常陸国の場合と同じく、「陸道」の意であてたものであろう。平安時代の和歌で「陸奥」は「みちのく」として詠まれていた。「みちのく」は「みちのおく」が訛って縮まったものである。 「みちのく」が「むつ」に変わった事情には、江戸時代から二説ある。一つは陸が六の大字として用いられることをふまえて、陸を六と書き、それに訓読みをあてて「むつ」にしたというもので、本居宣長が『古事記伝』で唱えた。陸州は古代・中世によく使われた略し方で、「六奥国」「六奥守」「六国」という書き方も平安時代にはあった。もう一つは「みちのく」が「みちのくに」になり、「むつのくに」に転訛したという説で、保田光則『新撰陸奥風土記』にある。「みちのくに」は『伊勢物語』などに見える。 初め道奥(みちのおく)といい、『常陸国風土記』には孝徳天皇在位の末年(654年)に、足柄峠の東方に常陸国を始め8国を置いたとの記述があり、この8国の中に道奥が含まれると解されている。現在の東北地方のうち徐々に律令国家日本に編入された地域、すなわち宮城県松島以南までの広大な領域を暫定的に含む辺境の大国であった。 常陸国から分離される形で成立し、以後、平安時代まで陸奥(みちのく)と呼ばれた。7世紀の設置時の範囲は、およそ現在の宮城県の中南部、山形県の内陸部、福島県のほぼ全域、茨城県の北西部に相当し、内陸盆地のみならず、阿武隈高地以東に位置する太平洋沿岸である福島県浜通り(旧磐前県)や宮城県沿岸部も含まれていた。 6世紀までに存在した陸奥の国造は、道奥菊多国造(のちの菊多郡に相当)、石城国造(磐城郡)、染羽国造(締葉郡)、浮田国造(宇多郡)、思国造(思太の誤りか)、白河国造(白河郡)石背国造(磐瀬郡)、阿尺国造(安積郡)、信夫国造(信夫郡)、伊久国造(伊具郡)の10国造であり、いずれも成務朝から応神朝に神別氏族が派遣されて設置されたと見える(「国造本紀」)。孝徳朝の後半に第二次の使者が派遣されて、国造制が評制へと変わり、道奥国(みちのおくくに)が設けられた。 大宝律令成立直後に出された賦役令調庸物条に関する民部省式(『令集解』所収)に記載された諸国の配列が下野国の次に陸奥国、すなわち東山道の位置に置かれている。この式の発令時期については、大宝年間説と和銅年間説があるものの、遅くても8世紀初頭には陸奥国が東山道に所属していることが判明する。 和銅5年(712年)に、最上川流域の最上郡(最上地方および村山地方)と置賜郡(置賜地方)を越後国から分離独立した出羽国(現在の庄内地方)に譲ったため、陸奥国は上述の宮城県域と福島県域と茨城県域になった。 養老2年(718年)に、陸奥国は、陸奥国・石城国・石背国の三つに分割された。この分割により、阿武隈川下流の北岸から宮城県中部まで(伊具郡・刈田郡・岩沼以北)の狭い範囲だけが陸奥国となった。阿武隈川下流の南岸以南の太平洋沿岸(菊多から亘理まで)は石城国、伊達郡以南の阿武隈川流域盆地群(現在の福島県中通り)と会津盆地群で石背国とした。石城国は、分立する際に常陸国から菊多郡を編入した。 しかし、養老4年(720年)以降神亀元年(724年)以前のいつかの時点で、これら3国は陸奥国に再編入された。菊多郡はそのまま陸奥に属した。 蝦夷(えみし)の領域に接する陸奥国には、陸奥・出羽両国を統括する陸奥按察使が置かれた。陸奥国府には鎮守府が置かれ、他国から送られた鎮兵の統括を任務とし、鎮守将軍(後に鎮守府将軍)が両国を軍事的に統括した。大同3年(808年)以前には、陸奥・出羽按察使、鎮守将軍とも、陸奥守が兼任することが多かった。延暦21年(802年)に胆沢城が造営されると、鎮守府はここに移された。この後鎮官が国司と別に任じられるようになり、胆沢城の城司に鎮官を充てた。国府多賀城は胆沢城鎮守府を後方から守る役割になった。 陸奥国は、蝦夷との戦争をへて次第に領域を北に拡大し、最終的に突出して面積の大きな国になった。版図の拡大には城柵を設置する政策がとられた。689年(持統3年)に優嗜曇評の柵(のち出羽国置賜郡)、724年(神亀元)に多賀城(宮城県多賀城市)、737年(天平9年)に玉造柵(宮城県大崎市名生館官衙遺跡あるいは宮沢遺跡か)、同年新田柵(宮城県大崎市大嶺八幡遺跡)、同年牡鹿柵(宮城県東松島市赤井遺跡か)、同年色麻柵、759年(天平宝字3年)に桃生城(宮城県石巻市)、767年(神護景雲元)に伊治城(宮城県栗原市)、780年(宝亀11年)に覚(上幣と下魚)城(未造営か)、802年(延暦21年)に胆沢城(岩手県奥州市)、803年(延暦22年)に志波城(岩手県盛岡市)、804年(延暦23年)までに中山柵(宮城県遠田郡・旧小田郡)、812年(弘仁3年)に徳丹城(岩手県矢巾町)、遺跡として7世紀中頃の仙台郡山遺跡(宮城県仙台市)、8世紀前半の城生柵(宮城県加美町)の15柵がつくられた。 和名類聚抄による田の面積は、5万1440町3反99歩。延喜式による租稲(租の税収)は158万2715束。都への貢進物は昆布・縒昆布・策昆布・細昆布・広昆布、薬草として甘草・秦膠・大黄・石斛・人参・附子・猪脂、筆、零羊の角。交易雑物には鹿の革、独犴(ラッコまたは犬)の皮、砂金、昆布・策昆布・細昆布があった。また、特産物の金、名馬、毛皮、羽根は都の貴族に珍重された。 陸奥国南西部(後の岩代国)の会津地方では、807年(大同2年)創建の伝承を持つ恵日寺が強大な勢力を持ち、11世紀から12世紀に最盛期を迎えて陸奥国から北陸地方北部まで影響力を持った。 平安時代後期になって中央からの統制が弛緩すると、俘囚の長安倍氏が陸奥の北部(現在の岩手県・青森県)、奥六郡から下北半島、さらに十三湊からの大陸交易に至る多大な権益に力を持つようになった。安倍氏は国司に従わず、前九年の役で戦って滅亡した。このとき出羽国から参戦した清原氏が陸奥・出羽両国で勢威を持ったが、後三年の役で滅亡した。これに代わって平泉を本拠地とする奥州藤原氏が陸奥・出羽の支配者になった。彼らはいずれも陸奥・出羽の地元で力を伸ばした一族で、都から派遣された国司が統治するという律令制の大原則を侵食し、奥州藤原氏にいたって自治的領域を築くようになった。奥州藤原氏の勢力圏は陸奥国全域におよび、現在の福島県中通りでは、信夫佐藤氏が信夫郡(現在の福島市)を本拠地として宮城県南西部、山形県南部、中通り中部、後に恵日寺衰退後の会津を支配した。中通り南部は、前九年の役に従軍した後に石川郡に定住した清和源氏の石川氏が統治した。又、浜通り南部は桓武平氏の岩城氏が統治していた。しかし、信夫佐藤氏、石川氏、岩城氏のいずれも、平泉藤原氏に服属していた。 奥州藤原氏は後の陸中国域(岩手県)にあたる平泉を本拠に、平氏政権のもとでも半独立の状態を維持した。しかし1189年に源頼朝の攻撃を受けて滅亡した。 なお、平安時代の陸奥国および出羽国は、北東北領域で境界不明瞭なことが多く、平安末期には、奥州藤原氏の勢力範囲の秋田県領域(仙北三郡など)も陸奥国と見なされていたようである(→出羽国)。 頼朝は、陸奥国に関東の武士を地頭として配置した。奥州土着の武士は衰退し、鎌倉以来の武士が戦国時代まで陸奥国に割拠した。その中で、葛西清重ら葛西氏が下総国葛西郡(現在の東京都葛飾区)から石巻へ転入し、平泉の統治を任され、「奥州惣奉行」職に就任した。守護は置かれなかった。この他にも、蘆名氏、安藤氏、石川氏、工藤氏、熊谷氏、相馬氏、戸沢氏、南部氏、和賀氏、などがあった。 鎌倉時代後期には安藤氏の乱が起きた。 後醍醐天皇の建武の新政期には一時期親王任国とされ、義良親王が陸奥太守として赴任した。南北朝の争乱期においては、多賀城は南朝と北朝の係争地として北畠顕信や吉良貞家・畠山国氏らが争った。南朝勢力の駆逐後奥州管領が4人並立する事態となるが、斯波氏がこの争いに勝利して大崎地方に勢力を扶植し大崎氏を名乗るようになる。その後鎌倉公方足利氏満の支配下となるが、子の足利満兼の代となると篠川御所・稲村御所を設置するも伊達政宗の反乱を招く。また、奥州の在地領主が幕府と直接主従関係を結び、京都扶持衆と呼ばれる関係を築いた。 鎌倉公方と室町幕府の関係悪化によって、幕府は奥州探題を置いた。当初、大崎氏が奥州探題を世襲していたが、南北朝の争乱以降在地領主の権限が強く、その権威は名目的なもので、権威が及ぶ範囲も限られていた。戦国時代になると陸奥国南部(現在の福島県北部)の伊達氏が台頭し、伊達稙宗が陸奥国守護を任ぜられ、大崎氏が伊達氏の勢力下に組み込まれるに至って、奥州探題の地位も伊達氏に奪われた。 又、松島から気仙郡にかけての三陸沿岸は、石巻を本拠地とする葛西氏が統治していた。しかし、天正時代の奥州仕置きにより、葛西氏は領土を没収され、旧葛西氏領は伊達氏の領土に編入された。 さらに、現在の茨城県域は近代初めに実施された太閤検地により、常陸国に編入した。 代表的な藩として弘前藩、盛岡藩、仙台藩、中村藩、磐城平藩、福島藩、二本松藩、白河藩、米沢藩、会津藩など。これらのうち、高地以東(北上高地以東、阿武隈高地以東)の太平洋沿岸のみを領した藩は、中村藩と磐城平藩のみである。内陸盆地のみの藩は会津藩、福島藩、白河藩や二本松藩などである。 1869年1月19日(明治元年12月7日)、戊辰戦争に敗けた奥羽越列藩同盟諸藩に対する処分が行われた。同日、陸奥国と出羽国は分割され、陸奥国(むつ)は、陸奥国(りくおう)・陸中国(りくちゅう)・陸前国(りくぜん)・岩代国・磐城国の5国に分割された。陸奥国(りくおう)は、現在の青森県に岩手県西北の二戸郡を加えた範囲となり、結果的に初期の陸奥国(みちのく)から300kmも離れた土地を指すことになった。 陸奥国(りくおう)の領域にあった藩は下記のとおりである。 明治政府の地方支配体制は、その後の廃藩置県や鎮台などによって実現されたため、明治元年の陸奥国分割は、政治的にも地域圏・文化圏成立にもほとんど意味を成さなかった。ただし、分割後の国名は、鉄道の駅名や陸前高田市などの地名に利用されている。また、陸奥・陸中・陸前の三国を総称した「三陸」の呼称は三陸海岸を始め現在も定着している。 当初の国府は郡山遺跡と推定されており、名取郡にあったとされる。神亀元年(724年)に宮城郡多賀(現在の宮城県多賀城市)に多賀城が建設されると同時に国府もここに移された。遺跡調査からこの国府が10世紀に廃絶したことがわかっているが、文献史料からはその後も多賀国府が鎌倉時代、南北朝時代に存在したことがわかっている。場所はやや西の岩切駅(現在の仙台市北東部)付近に移ったと推測されている。 過去には、多賀城・多賀国府が岩切や利府にあったとする説もあり、多賀城の位置が定まったのは明治に入ってからである。その後も、歌枕の「武隈の松」から武隈(現在の宮城県岩沼市)に国府が一時期あったとする説や、現在の福島県に国府が置かれた時期もあったとする推定もなされたが、いずれも発掘調査の進展により否定されている。 郡山遺跡の時代の陸奥国府の「府中」の範囲は不明だが、多賀城や多賀国府の時代の「府中」の範囲はおおよそ分かっている。すなわち、府中の東西南北の境界には、東宮(とうぐう)・西宮(さいぐう)・南宮(なんぐう)・北宮(ほくぐう)と呼ばれる神社が祀られており、これら4社が囲むエリアの内外に国府、国府の役人やその家族および家来や商人などが住む町、寺院・神社、街道・河川(河川港)・国府津(海港)などが集中し、陸奥国の政治・経済の中心地として室町時代まで続いた。 現在、東宮は七ヶ浜町に東宮神社として残り、南宮も多賀城市に南宮神社として残る。北宮は北宮神社(きたみや)として利府町の春日神社の境内社として残る。西宮は江戸時代に冠川明神と呼ばれ、明治期に鹽竈神社の別宮に合祀されて志波彦神社となったが、分霊が冠川神社として元の所在地にある八坂神社に境内社として戻った。4社いずれも鹽竈神社の境外末社となっている。 延喜式内社 総社・一宮以下 なお、他に陸奥国一宮を称する神社として石都々古和気神社(福島県石川郡石川町)があり、上記2社と同じくこちらも全国一の宮会に加盟している。 利生塔は未詳。 平安中期(930年代)の『和名抄』には36郡160郷があげられているがその後次第に増え、『太平記』では「奥州五十四郡あたかも日本半國に及べり」といわれ、以来陸奥国といえば54郡といわれるようになった。しかし実際には陸奥国の郡数は時代によって増減しており一定ではない。この54という郡数は鎌倉時代の最末期の状態を反映したものである。以下のリストに「五十四郡」に含まれない郡は16郡あり、すべて数えると合わせて70郡となる。 内閣統計局・編、速水融・復刻版監修解題、『国勢調査以前日本人口統計集成』巻1(1992年)及び別巻1(1993年)、東洋書林。
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"和名類聚抄による田の面積は、5万1440町3反99歩。延喜式による租稲(租の税収)は158万2715束。都への貢進物は昆布・縒昆布・策昆布・細昆布・広昆布、薬草として甘草・秦膠・大黄・石斛・人参・附子・猪脂、筆、零羊の角。交易雑物には鹿の革、独犴(ラッコまたは犬)の皮、砂金、昆布・策昆布・細昆布があった。また、特産物の金、名馬、毛皮、羽根は都の貴族に珍重された。", "title": "沿革" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "陸奥国南西部(後の岩代国)の会津地方では、807年(大同2年)創建の伝承を持つ恵日寺が強大な勢力を持ち、11世紀から12世紀に最盛期を迎えて陸奥国から北陸地方北部まで影響力を持った。", "title": "沿革" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "平安時代後期になって中央からの統制が弛緩すると、俘囚の長安倍氏が陸奥の北部(現在の岩手県・青森県)、奥六郡から下北半島、さらに十三湊からの大陸交易に至る多大な権益に力を持つようになった。安倍氏は国司に従わず、前九年の役で戦って滅亡した。このとき出羽国から参戦した清原氏が陸奥・出羽両国で勢威を持ったが、後三年の役で滅亡した。これに代わって平泉を本拠地とする奥州藤原氏が陸奥・出羽の支配者になった。彼らはいずれも陸奥・出羽の地元で力を伸ばした一族で、都から派遣された国司が統治するという律令制の大原則を侵食し、奥州藤原氏にいたって自治的領域を築くようになった。奥州藤原氏の勢力圏は陸奥国全域におよび、現在の福島県中通りでは、信夫佐藤氏が信夫郡(現在の福島市)を本拠地として宮城県南西部、山形県南部、中通り中部、後に恵日寺衰退後の会津を支配した。中通り南部は、前九年の役に従軍した後に石川郡に定住した清和源氏の石川氏が統治した。又、浜通り南部は桓武平氏の岩城氏が統治していた。しかし、信夫佐藤氏、石川氏、岩城氏のいずれも、平泉藤原氏に服属していた。", "title": "沿革" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "奥州藤原氏は後の陸中国域(岩手県)にあたる平泉を本拠に、平氏政権のもとでも半独立の状態を維持した。しかし1189年に源頼朝の攻撃を受けて滅亡した。", "title": "沿革" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "なお、平安時代の陸奥国および出羽国は、北東北領域で境界不明瞭なことが多く、平安末期には、奥州藤原氏の勢力範囲の秋田県領域(仙北三郡など)も陸奥国と見なされていたようである(→出羽国)。", "title": "沿革" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "頼朝は、陸奥国に関東の武士を地頭として配置した。奥州土着の武士は衰退し、鎌倉以来の武士が戦国時代まで陸奥国に割拠した。その中で、葛西清重ら葛西氏が下総国葛西郡(現在の東京都葛飾区)から石巻へ転入し、平泉の統治を任され、「奥州惣奉行」職に就任した。守護は置かれなかった。この他にも、蘆名氏、安藤氏、石川氏、工藤氏、熊谷氏、相馬氏、戸沢氏、南部氏、和賀氏、などがあった。", "title": "沿革" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "鎌倉時代後期には安藤氏の乱が起きた。", "title": "沿革" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "後醍醐天皇の建武の新政期には一時期親王任国とされ、義良親王が陸奥太守として赴任した。南北朝の争乱期においては、多賀城は南朝と北朝の係争地として北畠顕信や吉良貞家・畠山国氏らが争った。南朝勢力の駆逐後奥州管領が4人並立する事態となるが、斯波氏がこの争いに勝利して大崎地方に勢力を扶植し大崎氏を名乗るようになる。その後鎌倉公方足利氏満の支配下となるが、子の足利満兼の代となると篠川御所・稲村御所を設置するも伊達政宗の反乱を招く。また、奥州の在地領主が幕府と直接主従関係を結び、京都扶持衆と呼ばれる関係を築いた。", "title": "沿革" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "鎌倉公方と室町幕府の関係悪化によって、幕府は奥州探題を置いた。当初、大崎氏が奥州探題を世襲していたが、南北朝の争乱以降在地領主の権限が強く、その権威は名目的なもので、権威が及ぶ範囲も限られていた。戦国時代になると陸奥国南部(現在の福島県北部)の伊達氏が台頭し、伊達稙宗が陸奥国守護を任ぜられ、大崎氏が伊達氏の勢力下に組み込まれるに至って、奥州探題の地位も伊達氏に奪われた。", "title": "沿革" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "又、松島から気仙郡にかけての三陸沿岸は、石巻を本拠地とする葛西氏が統治していた。しかし、天正時代の奥州仕置きにより、葛西氏は領土を没収され、旧葛西氏領は伊達氏の領土に編入された。", "title": "沿革" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "さらに、現在の茨城県域は近代初めに実施された太閤検地により、常陸国に編入した。", "title": "沿革" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "代表的な藩として弘前藩、盛岡藩、仙台藩、中村藩、磐城平藩、福島藩、二本松藩、白河藩、米沢藩、会津藩など。これらのうち、高地以東(北上高地以東、阿武隈高地以東)の太平洋沿岸のみを領した藩は、中村藩と磐城平藩のみである。内陸盆地のみの藩は会津藩、福島藩、白河藩や二本松藩などである。", "title": "沿革" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "1869年1月19日(明治元年12月7日)、戊辰戦争に敗けた奥羽越列藩同盟諸藩に対する処分が行われた。同日、陸奥国と出羽国は分割され、陸奥国(むつ)は、陸奥国(りくおう)・陸中国(りくちゅう)・陸前国(りくぜん)・岩代国・磐城国の5国に分割された。陸奥国(りくおう)は、現在の青森県に岩手県西北の二戸郡を加えた範囲となり、結果的に初期の陸奥国(みちのく)から300kmも離れた土地を指すことになった。", "title": "沿革" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "陸奥国(りくおう)の領域にあった藩は下記のとおりである。", "title": "沿革" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "明治政府の地方支配体制は、その後の廃藩置県や鎮台などによって実現されたため、明治元年の陸奥国分割は、政治的にも地域圏・文化圏成立にもほとんど意味を成さなかった。ただし、分割後の国名は、鉄道の駅名や陸前高田市などの地名に利用されている。また、陸奥・陸中・陸前の三国を総称した「三陸」の呼称は三陸海岸を始め現在も定着している。", "title": "沿革" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "当初の国府は郡山遺跡と推定されており、名取郡にあったとされる。神亀元年(724年)に宮城郡多賀(現在の宮城県多賀城市)に多賀城が建設されると同時に国府もここに移された。遺跡調査からこの国府が10世紀に廃絶したことがわかっているが、文献史料からはその後も多賀国府が鎌倉時代、南北朝時代に存在したことがわかっている。場所はやや西の岩切駅(現在の仙台市北東部)付近に移ったと推測されている。", "title": "国内の施設" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "過去には、多賀城・多賀国府が岩切や利府にあったとする説もあり、多賀城の位置が定まったのは明治に入ってからである。その後も、歌枕の「武隈の松」から武隈(現在の宮城県岩沼市)に国府が一時期あったとする説や、現在の福島県に国府が置かれた時期もあったとする推定もなされたが、いずれも発掘調査の進展により否定されている。", "title": "国内の施設" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "郡山遺跡の時代の陸奥国府の「府中」の範囲は不明だが、多賀城や多賀国府の時代の「府中」の範囲はおおよそ分かっている。すなわち、府中の東西南北の境界には、東宮(とうぐう)・西宮(さいぐう)・南宮(なんぐう)・北宮(ほくぐう)と呼ばれる神社が祀られており、これら4社が囲むエリアの内外に国府、国府の役人やその家族および家来や商人などが住む町、寺院・神社、街道・河川(河川港)・国府津(海港)などが集中し、陸奥国の政治・経済の中心地として室町時代まで続いた。", "title": "国内の施設" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "現在、東宮は七ヶ浜町に東宮神社として残り、南宮も多賀城市に南宮神社として残る。北宮は北宮神社(きたみや)として利府町の春日神社の境内社として残る。西宮は江戸時代に冠川明神と呼ばれ、明治期に鹽竈神社の別宮に合祀されて志波彦神社となったが、分霊が冠川神社として元の所在地にある八坂神社に境内社として戻った。4社いずれも鹽竈神社の境外末社となっている。", "title": "国内の施設" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "延喜式内社", "title": "国内の施設" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "総社・一宮以下", "title": "国内の施設" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "なお、他に陸奥国一宮を称する神社として石都々古和気神社(福島県石川郡石川町)があり、上記2社と同じくこちらも全国一の宮会に加盟している。", "title": "国内の施設" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "利生塔は未詳。", "title": "国内の施設" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "平安中期(930年代)の『和名抄』には36郡160郷があげられているがその後次第に増え、『太平記』では「奥州五十四郡あたかも日本半國に及べり」といわれ、以来陸奥国といえば54郡といわれるようになった。しかし実際には陸奥国の郡数は時代によって増減しており一定ではない。この54という郡数は鎌倉時代の最末期の状態を反映したものである。以下のリストに「五十四郡」に含まれない郡は16郡あり、すべて数えると合わせて70郡となる。", "title": "地域" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "内閣統計局・編、速水融・復刻版監修解題、『国勢調査以前日本人口統計集成』巻1(1992年)及び別巻1(1993年)、東洋書林。", "title": "地域" } ]
陸奥国(むつのくに)は、かつて存在した令制国の一つ。東山道に属する。現在の福島県、宮城県、岩手県、青森県と秋田県の一部(鹿角郡)。等級区分で大国の一つ。 明治維新後、出羽国とともに分割された後の陸奥国については、陸奥国 (1869-)を参照。
{{基礎情報 令制国 |国名 = 陸奥国 |画像 = {{令制国地図 (令制国テンプレート用)|陸奥国}} |別称 = 奥州(おうしゅう)<br />陸州(りくしゅう、ろくしゅう) |所属 = [[東山道]] |領域 = [[青森県]]、[[岩手県]]、[[宮城県]]、[[福島県]]、[[秋田県]]北東部 |国力 = [[大国 (令制国)|大国]] |距離 = [[遠国]] |郡 = 35郡193郷 |国府 = 1.宮城県[[仙台市]]([[郡山遺跡|郡山官衙遺跡]])<!--正式名称の「仙台郡山官衙遺跡群 郡山官衙遺跡 郡山廃寺跡」は長いため省略--><br />2.宮城県[[多賀城市]]([[多賀城跡]]) |国分寺 = 宮城県[[仙台市]]([[陸奥国分寺|陸奥国分寺跡]]) |国分尼寺 = 宮城県仙台市([[陸奥国分尼寺|陸奥国分尼寺跡]]) |一宮 = [[鹽竈神社]](宮城県[[塩竈市]])<br />[[都都古別神社|都々古別神社]]([[福島県]][[東白川郡]][[棚倉町]]内に2社) }} '''陸奥国'''(むつのくに)は、かつて存在した[[令制国]]の一つ。[[東山道]]に属する。現在の[[福島県]]、[[宮城県]]、[[岩手県]]、[[青森県]]と[[秋田県]]の一部([[鹿角郡]])。等級区分で[[大国 (令制国)|大国]]の一つ。 [[明治維新]]後、[[出羽国]]とともに分割された後の陸奥国については、'''[[陸奥国 (1869-)]]'''を参照。 == 概要 == 当初は「'''道奥'''」('''みちのおく''')と呼ばれ、[[平安時代]]まで「'''陸奥'''」('''[[みちのく]]''')とも呼ばれた。その後は「'''陸奥'''」('''むつ''')と呼ばれた。 [[畿内]]から見て山道(のちの[[東山道]])と[[海道]](のちの[[東海道]])の奥に位置する。中央政権に新規に服従した地域を同国に含めていったため、時期によって範囲は変遷する。未だ服従しない北方の[[蝦夷]](えみし)と接した。 [[明治]]元年[[12月7日 (旧暦)|12月7日]]([[西暦]][[1869年]][[1月19日]])に5国に分割され、その1つとして、青森県と岩手県[[二戸郡]]にかけての地域に新たに「[[陸奥国 (1869-)|陸奥国]]」('''りくおうのくに'''・むつのくに)が置かれた。 == 「陸奥」の名称と由来 == 『[[古事記]]』には「道奥」とあり、『[[日本書紀]]』は「陸奥」が多いが古い時代に「道奥」もみられ、ともに「道奥」を「みちのおく」と訓じる。『[[和名抄]]』は「陸奥」を「みちのおく」とする。「道」は古い時代には「国」と同義に使われており、「道奥」の語源は「都からみて遠い奥」にある国の意である。「道」を「陸」にかえた積極的理由はわからないが、[[常陸国]]の場合と同じく、「陸道」の意であてたものであろう。平安時代の和歌で「陸奥」は「[[みちのく]]」として詠まれていた。「みちのく」は「みちのおく」が訛って縮まったものである。 「みちのく」が「むつ」に変わった事情には、江戸時代から二説ある。一つは陸が六の[[大字 (数字)|大字]]として用いられることをふまえて、陸を六と書き、それに訓読みをあてて「むつ」にしたというもので、[[本居宣長]]が『[[古事記伝]]』で唱えた<ref>本居宣長『古事記伝』20巻(筑摩書房『本居宣長全集』第10巻449-450頁)。</ref>。陸州は古代・中世によく使われた略し方で、「六奥国」「六奥守」「六国」という書き方も平安時代にはあった<ref>高橋富雄『蝦夷』190頁。</ref>。もう一つは「みちのく」が「みちのくに」になり、「むつのくに」に転訛したという説で、[[保田光則]]『[[新撰陸奥風土記]]』にある<ref>保田光則『新撰陸奥風土記』歴史図書社、1頁。</ref>。「みちのくに」は『[[伊勢物語]]』などに見える。 == 沿革 == === 「道奥国」設置と当時の領域 === [[ファイル:Japan prov map mutsu701.png|thumb|right|250px|7世紀末から712年までの陸奥国]] 初め'''道奥'''('''みちのおく''')といい、『[[常陸国風土記]]』には[[孝徳天皇]]在位の末年([[654年]])に、[[足柄峠]]の東方に[[常陸国]]を始め8国を置いたとの記述があり、この8国の中に道奥が含まれると解されている。現在の東北地方のうち徐々に[[律令国家#日本の律令制|律令国家]][[日本]]に編入された地域、すなわち宮城県[[松島]]以南までの広大な領域を暫定的に含む辺境の[[大国]]であった。 常陸国から分離される形で成立し、以後、[[平安時代]]まで陸奥('''みちのく''')と呼ばれた。[[7世紀]]の設置時の範囲は、およそ現在の[[宮城県]]の中南部、[[山形県]]の内陸部、[[福島県]]のほぼ全域、[[茨城県]]の北西部に相当し、[[内陸]][[盆地]]のみならず、[[阿武隈高地]]以東に位置する[[太平洋]]沿岸である福島県[[浜通り]](旧[[磐前県]])や宮城県沿岸部も含まれていた。 * 宮城県域 : [[松島丘陵]]以南の全域 ** 仙南平野([[仙台平野]]の南半分) ** [[阿武隈川]]流域の[[盆地]]群([[刈田郡]]と[[伊具郡]]) * 山形県域 : 内陸部([[奥羽山脈]]の西側[[盆地]]群の全て) ** [[最上地方]]([[新庄盆地]]。当時の[[最上郡]]。9世紀に分割されて[[村山郡]]となる) ** [[村山地方]]([[山形盆地]]。当時の最上郡。[[太閤検地]]以降村山郡と郡名が入れ替えとなる) ** [[置賜地方]]([[米沢盆地]]。当時の[[置賜郡]]) * 福島県域 : 東南の隅の[[菊多郡]](現在の[[いわき市]]南部)を除いた全域。 ** [[中通り]] ** [[会津]]地方 ** [[浜通り]] * 茨城県域 : 内陸部 ** [[久慈川]]の上流域([[久慈郡]][[大子町]]全域茨城県大子町と[[常陸大宮市]]諸沢・西野内・北富田。依上郷を経て依上保と呼ばれる区域<ref>[http://www.town.daigo.ibaraki.jp/page/page00016.html 大子町の歩みホームページ]</ref> ) 6世紀までに存在した陸奥の国造は、[[道奥菊多国造]](のちの菊多郡に相当)、[[石城国造]](磐城郡)、[[染羽国造]](締葉郡)、[[浮田国造]](宇多郡)、[[思国造]](思太の誤りか)、[[白河国造]](白河郡)[[石背国造]](磐瀬郡)、[[阿尺国造]](安積郡)、[[信夫国造]](信夫郡)、[[伊久国造]](伊具郡)の10国造であり、いずれも[[成務天皇|成務朝]]から[[応神天皇|応神朝]]に[[神別]]氏族が派遣されて設置されたと見える(「[[国造本紀]]」)。孝徳朝の後半に第二次の使者が派遣されて、[[国造]]制が[[評]]制へと変わり、道奥国(みちのおくくに)が設けられた。 === 律令制下の陸奥国 === [[ファイル:Japan prov map mutsu718.png|thumb|right|250px|718年から数年間の陸奥国]] [[大宝律令]]成立直後に出された[[賦役令]]調庸物条に関する[[民部省]][[格式|式]](『[[令集解]]』所収)に記載された諸国の配列が下野国の次に陸奥国、すなわち東山道の位置に置かれている。この式の発令時期については、[[大宝 (日本)|大宝]]年間説と[[和銅]]年間説があるものの、遅くても[[8世紀]]初頭には陸奥国が東山道に所属していることが判明する<ref name=kenegae>鐘江宏之「七道制と日本の律令制国家運営」『律令制諸国支配の成立と展開』(吉川弘文館、2023年) ISBN 978-4-642-04672-5 P186-187・191.</ref>。 和銅5年([[712年]])に、[[最上川]]流域の最上郡(最上地方および村山地方)と置賜郡(置賜地方)を[[越後国]]から分離独立した[[出羽国]](現在の[[庄内地方]])に譲ったため、陸奥国は上述の宮城県域と福島県域と茨城県域になった。 [[養老]]2年([[718年]])に、陸奥国は、陸奥国・[[石城国]]・[[石背国]]の三つに分割された。この分割により、[[阿武隈川]]下流の北岸から[[宮城県]]中部まで([[伊具郡]]・[[刈田郡]]・[[岩沼市|岩沼]]以北)の狭い範囲だけが'''陸奥国'''となった。阿武隈川下流の南岸以南の太平洋沿岸([[勿来|菊多]]から[[亘理町|亘理]]まで)は'''石城国'''、[[伊達郡]]以南の[[阿武隈川]]流域[[盆地]]群(現在の[[福島県]][[中通り]])と[[会津]]盆地群で'''石背国'''とした。石城国は、分立する際に常陸国から菊多郡を編入した。 しかし、養老4年([[720年]])以降[[神亀]]元年([[724年]])以前のいつかの時点で、これら3国は陸奥国に再編入された。菊多郡はそのまま陸奥に属した。 [[蝦夷]](えみし)の領域に接する陸奥国には、陸奥・出羽両国を統括する[[陸奥按察使]]が置かれた。陸奥国府には[[鎮守府 (古代)|鎮守府]]が置かれ、他国から送られた鎮兵の統括を任務とし、鎮守将軍(後に[[鎮守府将軍]])が両国を軍事的に統括した。[[大同 (日本)|大同]]3年([[808年]])以前には、陸奥・出羽按察使、鎮守将軍とも、陸奥守が兼任することが多かった。[[延暦]]21年([[802年]])に[[胆沢城]]が造営されると、鎮守府はここに移された。この後鎮官<ref group="注釈">(ちんかん)鎮守府の鎮守将軍・副将軍・軍監・軍曹などの官職</ref>が国司と別に任じられるようになり、胆沢城の城司に鎮官を充てた。国府多賀城は胆沢城鎮守府を後方から守る役割になった。<ref>今泉隆雄「律令国と蝦夷」55ページ(渡辺信夫・今泉隆雄・大石直正・難波信雄『宮城県の歴史』山川出版社 1999年3月)</ref> 陸奥国は、蝦夷との戦争をへて次第に領域を北に拡大し、最終的に突出して面積の大きな国になった。版図の拡大には[[城柵]]を設置する政策がとられた。689年(持統3年)に優嗜曇評の柵(のち出羽国置賜郡)、724年(神亀元)に[[多賀城]](宮城県多賀城市)、737年(天平9年)に玉造柵(宮城県大崎市[[名生館官衙遺跡]]あるいは宮沢遺跡か)、同年新田柵(宮城県大崎市大嶺八幡遺跡)、同年牡鹿柵(宮城県東松島市赤井遺跡か)、同年色麻柵、759年(天平宝字3年)に[[桃生城]](宮城県石巻市)、767年(神護景雲元)に伊治城(宮城県栗原市)、780年(宝亀11年)に覚(上幣と下魚)城(未造営か)、802年(延暦21年)に[[胆沢城]](岩手県奥州市)、803年(延暦22年)に[[志波城]](岩手県盛岡市)、804年(延暦23年)までに[[中山柵]](宮城県[[遠田郡]]・旧[[小田郡]])、812年(弘仁3年)に[[徳丹城]](岩手県矢巾町)、遺跡として7世紀中頃の仙台郡山遺跡(宮城県仙台市)、8世紀前半の城生柵(宮城県加美町)の15柵がつくられた。 [[和名類聚抄]]による田の面積は、5万1440町3反99歩。[[延喜式]]による租稲([[租]]の税収)は158万2715束。都への貢進物は[[コンブ|昆布]]・縒昆布・策昆布・細昆布・広昆布、薬草として[[甘草]]・[[秦膠]]・[[大黄]]・[[セッコク|石斛]]・[[ニンジン|人参]]・[[トリカブト|附子]]・[[猪脂]]、筆、零羊の角。交易雑物には鹿の革、独犴([[ラッコ]]または[[イヌ|犬]])の皮、砂金、昆布・策昆布・細昆布があった。また、特産物の金、名馬、毛皮、羽根は都の貴族に珍重された。 {| class="wikitable" style="text-align: right; font-size:85%" align=right |+ '''延喜式での租稲配分''' ! 名目 !! 支出(束) |- ! [[正税]] | 60万3000 |- ! [[公廨]] | 80万3715 |- ! うち[[国司]]料 | (64万1200) |- ! うち[[鎮守府 (古代)|鎮官]]料 | (16万2515) |- ! [[国分寺]]料 | 4万0000 |- ! [[文殊会]]料 | 2000 |- ! 救急料 | 12万0000 |- ! 祭[[鹽竈神社|塩竃神]]料 | 1万0000 |- ! 学生料 | 4000 |- ! 計 | 158万2715 |} === 平安時代 === 陸奥国南西部(後の[[岩代国]])の会津地方では、807年(大同2年)創建の伝承を持つ[[恵日寺 (福島県磐梯町)|恵日寺]]が強大な勢力を持ち、11世紀から12世紀に最盛期を迎えて陸奥国から北陸地方北部まで影響力を持った。 平安時代後期になって中央からの統制が弛緩すると、[[俘囚]]の長[[安倍氏 (奥州)|安倍氏]]が陸奥の北部(現在の[[岩手県]]・[[青森県]])、[[奥六郡]]から[[下北半島]]、さらに[[十三湊]]<ref group="注釈"><!--後に十三湊の支配者となる[[安東氏]]は安倍氏を出自として持つが、-->12世紀にはすでに遺構が存在することが[[国立歴史民俗博物館]]などの調査によって知られている。</ref>からの大陸交易に至る多大な権益に力を持つようになった。安倍氏は[[国司]]に従わず、[[前九年の役]]で戦って滅亡した。このとき[[出羽国]]から参戦した[[出羽清原氏|清原氏]]が陸奥・出羽両国で勢威を持ったが、[[後三年の役]]で滅亡した。これに代わって[[平泉]]を本拠地とする[[奥州藤原氏]]が陸奥・出羽の支配者になった。彼らはいずれも陸奥・出羽の地元で力を伸ばした一族で、都から派遣された国司が統治するという律令制の大原則を侵食し、奥州藤原氏にいたって自治的領域を築くようになった。奥州藤原氏の勢力圏は陸奥国全域におよび、現在の[[福島県]][[中通り]]では、[[佐藤氏#信夫佐藤氏|信夫佐藤氏]]が[[信夫郡]](現在の[[福島市]])を本拠地として宮城県南西部、山形県南部、中通り中部、後に恵日寺衰退後の[[会津]]を支配した。中通り南部は、[[前九年の役]]に従軍した後に[[石川郡]]に定住した[[清和源氏]]の[[石川氏]]が統治した。又、[[浜通り]]南部は[[桓武平氏]]の[[岩城氏]]が統治していた。しかし、信夫佐藤氏、石川氏、岩城氏のいずれも、平泉藤原氏に服属していた。 奥州藤原氏は後の[[陸中国]]域([[岩手県]])にあたる[[平泉]]を本拠に、[[平氏政権]]のもとでも半独立の状態を維持した。しかし[[1189年]]に[[源頼朝]]の攻撃を受けて滅亡した。 なお、[[平安時代]]の陸奥国および出羽国は、[[北東北]]領域で境界不明瞭なことが多く、平安末期には、[[奥州藤原氏]]の勢力範囲の[[秋田県]]領域([[仙北三郡]]など)も陸奥国と見なされていたようである(→[[出羽国]])。 === 鎌倉時代 === {{節スタブ}} [[ファイル:Japan prov map mutsu.png|thumb|鎌倉時代から1868年までの陸奥国]] 頼朝は、陸奥国に関東の武士を地頭として配置した。奥州土着の武士は衰退し、鎌倉以来の武士が戦国時代まで陸奥国に割拠した。その中で、[[葛西清重]]ら[[葛西氏]]が下総国[[葛西郡]](現在の[[東京都]][[葛飾区]])から[[石巻市|石巻]]へ転入し、平泉の統治を任され、「奥州惣奉行」職に就任した。[[守護]]は置かれなかった。この他にも、<!--[[流山市|流山]]から[[小高町|小高]]に転入した-->[[蘆名氏]]、[[安藤氏]]、[[石川氏]]、[[工藤氏]]、[[熊谷氏]]、[[相馬氏]]、[[戸沢氏]]、[[南部氏]]、[[和賀氏]]、などがあった。 鎌倉時代後期には[[安藤氏の乱]]が起きた。 === 南北朝・室町時代 === {{節スタブ}} [[後醍醐天皇]]の[[建武の新政]]期には一時期[[親王任国]]とされ、[[後村上天皇|義良親王]]が陸奥[[国司|太守]]として赴任した。南北朝の争乱期においては、多賀城は南朝と北朝の係争地として[[北畠顕信]]や[[吉良貞家]]・[[畠山国氏 (奥州管領)|畠山国氏]]らが争った。南朝勢力の駆逐後[[奥州管領]]が4人並立する事態となるが、[[斯波氏]]がこの争いに勝利して[[大崎地方]]に勢力を扶植し[[大崎氏]]を名乗るようになる。その後[[鎌倉公方]][[足利氏満]]の支配下となるが、子の[[足利満兼]]の代となると[[篠川御所]]・[[稲村御所]]を設置するも[[伊達政宗 (大膳大夫)|伊達政宗]]の反乱を招く。また、奥州の[[在地領主]]が幕府と直接主従関係を結び、[[京都扶持衆]]と呼ばれる関係を築いた。 鎌倉公方と[[室町幕府]]の関係悪化によって、幕府は[[奥州探題]]を置いた。当初、大崎氏が奥州探題を世襲していたが、南北朝の争乱以降在地領主の権限が強く、その権威は名目的なもので、権威が及ぶ範囲も限られていた。[[戦国時代 (日本)|戦国時代]]になると陸奥国南部(現在の[[福島県]]北部)の[[伊達氏]]が台頭し、[[伊達稙宗]]が陸奥国[[守護]]を任ぜられ、大崎氏が伊達氏の勢力下に組み込まれるに至って、奥州探題の地位も伊達氏に奪われた。 又、[[松島]]から[[気仙郡]]にかけての[[三陸]]沿岸は、[[石巻市|石巻]]を本拠地とする[[葛西氏]]が統治していた。しかし、天正時代の奥州仕置きにより、葛西氏は領土を没収され、旧葛西氏領は伊達氏の領土に編入された。 さらに、現在の茨城県域は[[近代]]初めに実施された[[太閤検地]]により、常陸国に編入した。 === 江戸時代 === {{節スタブ}} 代表的な藩として[[弘前藩]]、[[盛岡藩]]、[[仙台藩]]、[[相馬中村藩|中村藩]]、[[磐城平藩]]、[[福島藩]]、[[二本松藩]]、[[白河藩]]、[[米沢藩]]、[[会津藩]]など。これらのうち、高地以東([[北上高地]]以東、[[阿武隈高地]]以東)の太平洋沿岸のみを領した藩は、中村藩と磐城平藩のみである。内陸盆地のみの藩は会津藩、福島藩、白河藩や二本松藩などである。 === 明治期の陸奥国 === [[ファイル:Old Japan Mutsu (1869).svg|thumb|right|250px|1869年以降の陸奥国(りくおう)]] {{main|陸奥国 (1869-)}} <!--[[明治維新]]の折、[[明治政府]]による[[天皇]]を中心とした[[中央集権]]体制が敷かれる過程で、[[江戸時代]]の各藩の領国支配と異なった単位での地方支配体制が求められ、令制国をもとにした地方区分が試みられた。--> [[1869年]][[1月19日]]([[明治]]元年[[12月7日 (旧暦)|12月7日]])、[[戊辰戦争]]に敗けた[[奥羽越列藩同盟]]諸[[藩]]に対する処分が行われた。同日、陸奥国と出羽国は分割され、陸奥国(むつ)は、[[陸奥国 (1869-)|陸奥国]](りくおう)・[[陸中国]](りくちゅう)・[[陸前国]](りくぜん)・[[岩代国]]・[[磐城国]]の5国に分割された。陸奥国(りくおう)は、現在の[[青森県]]に[[岩手県]]西北の[[二戸郡]]を加えた範囲となり、結果的に初期の陸奥国(みちのく)から300[[キロメートル|km]]も離れた土地を指すことになった。 {| class="floatright" |+ 分割後の5国 || {{File clip | Old Japan Mutsu (1869).svg | width = 80 | 0 | 0 | 55 | 75 | w = 425 | h = 432 | [[陸奥国 (1869-)|陸奥国]]}} || {{File clip | Old Japan Rikuchu.svg | width = 80 | 0 | 0 | 55 | 75 | w = 425 | h = 432 | [[陸中国]]}} || {{File clip | Old Japan Rikuzen.svg | width = 80 | 0 | 0 | 55 | 75 | w = 425 | h = 432 | [[陸前国]]}} || {{File clip | Old Japan Iwashiro.svg | width = 80 | 0 | 0 | 55 | 75 | w = 425 | h = 432 | [[岩代国]]}} || {{File clip | Old Japan Iwaki.svg | width = 80 | 0 | 0 | 55 | 75 | w = 425 | h = 432 | [[磐城国]]}} |} 陸奥国(りくおう)の領域にあった藩は下記のとおりである。 * [[会津藩#斗南藩|斗南藩]] * [[盛岡藩#七戸藩(盛岡新田藩)|七戸藩]](盛岡藩支藩) * [[弘前藩]] * [[弘前藩#黒石藩|黒石藩]]([[弘前藩]]支藩) * [[盛岡藩#八戸藩|八戸藩]] 明治政府の地方支配体制は、その後の[[廃藩置県]]や[[鎮台]]などによって実現されたため、明治元年の陸奥国分割は、政治的にも地域圏・文化圏成立にもほとんど意味を成さなかった。ただし、分割後の国名は、鉄道の駅名や[[陸前高田市]]などの地名に利用されている。また、陸奥・陸中・陸前の三国を総称した「[[三陸]]」の呼称は[[三陸海岸]]を始め現在も定着している。 {{-}} == 国内の施設 == {{座標一覧}} === 国府 === [[File:Kooriyama-iseki zenkei.JPG|thumb|220px|right|{{center|[[郡山遺跡|郡山官衙遺跡]]([[宮城県]][[仙台市]])}}]] [[File:Taga Castle zenkei.JPG|thumb|220px|right|{{center|[[多賀城|多賀城跡]](宮城県[[多賀城市]])}}]] # [[郡山遺跡|郡山官衙遺跡]]([[宮城県]][[仙台市]][[太白区]]、{{Coord|38|13|20.38|N|140|53|34.38|E|region:JP-04_type:landmark|display=inline|name=郡山官衙遺跡(初期陸奥国府跡か)}}) - 国の史跡(史跡「仙台郡山官衙遺跡群 郡山官衙遺跡 郡山廃寺跡」のうち)。[[神亀]]元年([[724年]])以前。 # [[多賀城]](宮城県[[多賀城市]]、{{Coord|38|18|23.8|N|140|59|18|E|region:JP-04_type:landmark|display=inline|name=多賀城跡(陸奥国府跡)}}) - 国の特別史跡。神亀元年(724年)から[[10世紀]]。 # 多賀国府(宮城県仙台市北東部と推定) - 10世紀以降。 当初の[[国府]]は[[郡山遺跡]]と推定されており、[[名取郡]]にあったとされる。[[神亀]]元年([[724年]])に[[宮城郡]]多賀(現在の宮城県多賀城市)に[[多賀城]]が建設されると同時に国府もここに移された。遺跡調査からこの国府が[[10世紀]]に廃絶したことがわかっているが、文献史料からはその後も多賀国府が鎌倉時代、南北朝時代に存在したことがわかっている。場所はやや西の[[岩切駅]](現在の[[仙台市]]北東部)付近に移ったと推測されている<ref>『みちのくの都 多賀城・松島』、『中世陸奥国府の研究』所収の諸論文による。</ref>。 過去には、多賀城・多賀国府が[[岩切]]や[[利府町|利府]]にあったとする説もあり、多賀城の位置が定まったのは明治に入ってからである<ref>豊田武・編『東北の歴史』上巻91頁([[工藤雅樹]]・執筆「多賀城」)。</ref>。その後も、歌枕の「武隈の松」から武隈(現在の宮城県[[岩沼市]])に国府が一時期あったとする説や、現在の[[福島県]]に国府が置かれた時期もあったとする推定もなされたが<ref>大塚徳郎「古代および中世の宮城県」、『宮城県の地理と歴史』第2巻71頁。</ref>、いずれも発掘調査の進展により否定されている。 ==== 陸奥府中 ==== {| class="wikitable" style="float: right; font-size:85%" |- !旧称!!現称!!現在地 |- !北宮 |北宮神社 |align="center"|{{Coord|38|20|45.7|N|140|59|51|E|region:JP-04_type:landmark|display=inline|name=北宮神社(春日神社の境内社、陸奥府中の北境)}} |- !東宮 |東宮神社 |align="center"|{{Coord|38|18|48.2|N|141|2|55.9|E|region:JP-04_type:landmark|display=inline|name=東宮神社(陸奥府中の東境)}} |- !西宮 |冠川神社 |align="center"|{{Coord|38|18|20|N|140|56|45.4|E|region:JP-04_type:landmark|display=inline|name=冠川神社(八坂神社の境内社、陸奥府中の西境)}} |- !南宮 |南宮神社 |align="center"|{{Coord|38|18|20.9|N|140|58|15.6|E|region:JP-04_type:landmark|display=inline|name=南宮神社(陸奥府中の南境)}} |} 郡山遺跡の時代の陸奥国府の「[[府中]]」の範囲は不明だが、多賀城や多賀国府の時代の「府中」の範囲はおおよそ分かっている<ref name="SendaiHistory2-237">『仙台市史 通史編2 古代中世』(仙台市史編さん委員会 2000年) P.237-P.244</ref>。すなわち、府中の東西南北の境界には、東宮(とうぐう)・西宮(さいぐう)・南宮(なんぐう)・北宮(ほくぐう)と呼ばれる神社が祀られており、これら4社が囲むエリアの内外に国府、国府の役人やその家族および家来や商人などが住む町、寺院・神社、街道・河川(河川港)・[[国府津 (曖昧さ回避)|国府津]](海港)などが集中し、陸奥国の政治・経済の中心地として[[室町時代]]まで続いた<ref name="SendaiHistory2-237"/><ref>『せんだい 歴史の窓』(菅野正道 著、[[河北新報]]出版センター、2011年10月30日 ISBN 978-4-87341-262-7) P.75-77</ref>。 現在、東宮は[[七ヶ浜町]]に東宮神社として残り、南宮も多賀城市に南宮神社として残る<ref name="SendaiHistory2-237"/>。北宮は北宮神社(きたみや)として[[利府町]]の春日神社の境内社として残る<ref name="SendaiHistory2-237"/>。西宮は江戸時代に冠川明神と呼ばれ、明治期に[[鹽竈神社]]の別宮に合祀されて[[志波彦神社]]となったが、分霊が冠川神社として元の所在地にある八坂神社に境内社として戻った<ref name="SendaiHistory2-237"/>。4社いずれも[[鹽竈神社#境外末社|鹽竈神社の境外末社]]となっている。 === 国分寺・国分尼寺 === [[File:Mutsu Kokubunji kondou-ato.JPG|thumb|200px|right|{{center|[[陸奥国分寺]](宮城県仙台市)}}]] * [[陸奥国分寺#古代の国分寺|陸奥国分寺跡]](宮城県仙台市[[若林区]]木の下、{{Coord|38|15|3.3|N|140|54|10|E|region:JP-04_type:landmark|display=inline|name=陸奥国分寺跡}}) *: 国の史跡。陸奥国の宮城郡に属する。推定寺域は800尺(約242メートル)四方と推定され、東大寺式伽藍配置である。[[1189年]]に[[奥州合戦]]で焼失したが、[[慶長]]12年([[1607年]])に[[伊達政宗]]が同じ位置に再建し、[[真言宗智山派]]の[[陸奥国分寺|護国山医王院陸奥国分寺]](本尊:[[薬師如来]]、{{Coord|38|15|3.05|N|140|54|1.93|E|region:JP-04_type:landmark|display=inline|name=陸奥国分寺(後継寺院)}})として現在に至っている。 * [[陸奥国分尼寺|陸奥国分尼寺跡]](宮城県仙台市若林区白萩町、{{Coord|38|15|6.3|N|140|54|34|E|region:JP-04_type:landmark|display=inline|name=陸奥国分尼寺跡}}) *: 国の史跡。僧寺と同じく宮城郡に属し、僧寺から西へ約700メートルの地に位置する。これまでに金堂跡と推定される土壇・礎石が認められたのみで、寺域・伽藍配置は明らかでない。推定寺域と重複する[[曹洞宗]]の[[陸奥国分尼寺|護国山国分尼寺]](本尊:[[聖観世音菩薩]])が法燈を伝承する。 === 定額寺 === * 菩提寺(福島県福島市に比定)-[[天長]]7年([[830年]])<ref>『類聚国史』</ref> * 極楽寺(岩手県北上市に比定)-[[857年]]<ref>『文徳天皇実録』</ref> === 神社 === '''[[延喜式内社]]''' : 『[[延喜式]]』[[延喜式神名帳|神名帳]]には、大社15座15社・小社85座85社の計100座100社が記載されている(「[[陸奥国の式内社一覧]]」参照)。大社15社は以下に示すもので、全て[[名神大社]]である。 <table width="90%"><tr><td valign=top width="50%"> * [[白河郡]] ** [[都都古別神社|都都古和気神社]](論社2社) * [[刈田郡|苅田郡]] ** [[刈田嶺神社 (蔵王町宮)|苅田嶺神社]] * [[宮城郡]] ** [[志波彦神社]] ** [[鼻節神社]] * [[色麻郡]] ** [[伊達神社 (色麻町)|伊達神社]] * [[信夫郡]] ** [[東屋沼神社]] * [[牡鹿郡]] ** [[零羊崎神社 (石巻市湊)|零羊埼神社]](論社2社) ** [[拝幣志神社]] </td><td valign=top> * [[桃生郡]] ** [[計仙麻大島神社]](論社数社) * [[行方郡 (福島県)|行方郡]] ** [[多珂神社]](論社2社) * [[栗原郡]] ** [[志波姫神社]](論社3社) * [[会津郡]] ** [[伊佐須美神社]] * [[安積郡]] ** [[宇奈己呂和気神社]] * [[柴田郡]] ** [[大高山神社]] * [[宇多郡]] ** [[子眉嶺神社|子負嶺神社]] </td></tr></table> '''[[総社]]・[[一宮]]以下''' : 『中世諸国一宮制の基礎的研究』に基づく一宮以下の一覧<ref>『中世諸国一宮制の基礎的研究』 中世諸国一宮制研究会編、岩田書院、2000年、pp. 306-310。</ref>。 * 総社:[[陸奥総社宮]](宮城県多賀城市、{{Coord|38|18|39.8|N|140|59|35.9|E|region:JP-04_type:landmark|display=inline|name=陸奥国総社:陸奥総社宮}}) - ただし鹽竈神社が総社を兼ねていたとする説もある。 * 一宮:次の2社。 ** [[鹽竈神社]](宮城県[[塩竈市]]、{{Coord|38|19|8.2|N|141|0|45.5|E|region:JP-04_type:landmark|display=inline|name=陸奥国一宮:鹽竈神社}}) ** [[都都古別神社|都々古別神社]](福島県[[東白川郡]][[棚倉町]]内に論社2社、馬場都々古別神社:{{Coord|37|1|55.46|N|140|22|33.30|E|region:JP-07_type:landmark|display=inline|name=陸奥国一宮:都都古和氣神社(馬場都々古別神社)}}、八槻都々古別神社:{{Coord|36|59|40.31|N|140|23|31.56|E|region:JP-07_type:landmark|display=inline|name=陸奥国一宮:都々古別神社(八槻都々古別神社)}}) * 二宮:[[伊佐須美神社]](福島県[[大沼郡]][[会津美里町]]、{{Coord|37|27|24.4|N|139|50|26.5|E|region:JP-07_type:landmark|display=inline|name=陸奥国二宮:伊佐須美神社}}) なお、他に陸奥国一宮を称する神社として[[石都々古和気神社]](福島県[[石川郡]][[石川町]])があり、上記2社と同じくこちらも全国一の宮会に加盟している。 === 安国寺利生塔 === * 興聖山安国寺(宮城県[[大崎市]][[古川市|古川]]柏崎、{{Coord|38|35|31.3|N|140|52|39.5|E|region:JP-04_type:landmark|display=inline|name=陸奥国安国寺:興聖山安国寺}}) - [[臨済宗妙心寺派]]で本尊は[[阿弥陀如来]]。 * 無為山[[東昌寺 (仙台市)|安国東昌禅寺]](宮城県仙台市[[青葉区 (仙台市)|青葉区]][[青葉町 (仙台市)|青葉町]]、{{Coord|38|16|56.9|N|140|51|49.9|E|region:JP-04_type:landmark|display=inline|name=陸奥国安国寺:無為山安国東昌禅寺}})- [[伊達郡]]、のち[[伊達氏]]と共に現在地に移転した。[[臨済宗東福寺派]]で本尊は[[釈迦如来]]。 利生塔は未詳。 == 地域 == === 郡 === 平安中期([[930年代]])の『[[和名抄]]』には36郡160郷があげられているがその後次第に増え、『[[太平記]]』では「'''奥州五十四郡'''あたかも日本半國に及べり」といわれ、以来陸奥国といえば54郡といわれるようになった。しかし実際には陸奥国の郡数は時代によって増減しており一定ではない。この54という郡数は鎌倉時代の最末期の状態を反映したものである。以下のリストに「五十四郡」に含まれない郡は16郡あり、すべて数えると合わせて70郡となる。 <!--;後の岩代国--> * 01[[磐瀬郡]]([[718年]]-[[722年]]頃の間、一時的に[[石背国]]として独立) * 02[[会津郡]](718-722頃の間、一時的に石背国として独立。[[会津四郡]]の1つ) * 03[[耶麻郡]]([[平安時代]]に会津郡より分置。会津四郡の1つ) * 04[[大沼郡]](平安時代に会津郡より分置。会津四郡の1つ) * 05[[河沼郡]](平安時代に会津郡より分置。会津四郡の1つ) * 06[[安積郡]](718-722頃の間、一時的に石背国として独立) ** [[田村郡]]([[1717年]]、安積郡より分立) * 07[[安達郡]] * 08[[信夫郡]](718-722頃の間、一時的に石背国として独立) * 09[[伊達郡]](10世紀前半、信夫郡より分置) <!--;後の羽前国--> ** [[村山郡]]([[712年]]、[[出羽国]]に移管) ** [[最上郡]](712年、出羽国に移管) ** [[置賜郡]](712年、出羽国に移管) <!--;後の磐城国--> * 10[[白河郡]](718-722頃の間、一時的に石背国として独立。[[1879年]][[西白河郡]]) * 11[[高野郡]](10世紀半ばまでに白河郡より分置、南北朝時代に[[白川郡]]、1879年[[東白川郡]]) ** [[石川郡]](室町時代(?)に白河郡より分立) * 12[[刈田郡]] * 13[[菊田郡]](718-722頃の間、一時的に[[石城国]]として独立) * 14[[石城郡]](718-722頃の間、一時的に石城国として独立。[[1180年]]に[[磐城郡]]と改称) * 15[[磐前郡]](1180年、石城郡より分置) * 16[[楢葉郡]](1180年、石城郡より分置) * 17[[標葉郡]](718-722頃の間、一時的に石城国として独立) * 18[[行方郡 (福島県)|行方郡]](718-722頃の間、一時的に石城国として独立) * 19[[宇多郡]](718-722頃の間、一時的に石城国として独立) * 20[[伊具郡]] * 21[[亘理郡]] <!--;後の陸前国--> * 22[[柴田郡]] * 23[[名取郡]] * 24[[宮城郡]] ** [[多賀郡 (陸奥国)|多賀郡]](宮城郡の一部。[[785年]]分置、[[905年]]以前に再統合) * 25[[黒川郡]] * 26[[加美郡|賀美郡]] * 27[[色麻郡]](中世、賀美郡に合併され消滅) ** [[富田郡]]([[728年]]建郡、[[799年]]色麻郡に合併され消滅) * 28[[玉造郡]]([[713年]][[丹取郡]]として建郡。728年頃、玉造郡と改称) * 29[[志田郡|志太郡]] * 30[[長岡郡 (陸奥国)|長岡郡]] * 31[[新田郡 (陸奥国)|新田郡]] * 32[[小田郡 (陸奥国)|小田郡]] * 43[[遠田郡]] * 35[[登米郡]] * 34[[栗原郡]] * 36[[牡鹿郡]] * 37[[桃生郡]] * 38[[気仙郡]](785年、桃生郡の北半を分割して[[階上郡]]を建郡<ref group="注釈">階上を「しなのえ」と読んで宮城郡の一部とする説もある。気仙郡の旧称だとする説では「はしかみ」と読む。</ref>。[[811年]]以前のある時期、気仙郡と改称。室町時代、本吉郡の一部と桃生郡の一部を併せて[[竹駒郡]]と改称。[[1591年]]、竹駒郡解体、旧称に戻さる) * 39[[本吉郡]]([[1153年]]~[[1189年]]の間のいつか、桃生郡の北部を主体に気仙郡の一部と牡鹿郡の一部を加えて成立。古くは「元良」「本良」とも書いた) <!--;後の羽後国--> * 40[[比内郡]]([[1070年]]以降建郡。中世に出羽国に移管。後の出羽国[[河北郡_(出羽国)|河北郡]]→[[秋田郡]]) ** [[仙北郡|山本郡]](平安末期、一時的に陸奥国ともされた。後の[[仙北郡]]) ** [[平鹿郡]](平安末期、一時的に陸奥国ともされた) ** [[雄勝郡]](平安末期、一時的に陸奥国ともされた) <!--;後の陸中国と陸奥国--> * 42[[膽沢郡]]([[奥六郡]]の1つ) * 41[[江刺郡]](奥六郡の1つ) * 44[[磐井郡]] * 43[[和賀郡]](10世紀頃に建郡。奥六郡の1つ) * 45[[紫波郡]](10世紀頃に建郡。奥六郡の1つ) * 46[[稗貫郡]](10世紀頃に建郡。奥六郡の1つ) * 47[[岩手郡]](10世紀頃に建郡。奥六郡の1つ) ** [[鹿角郡]](1070年以降出羽国に置かれたが、[[1869年]][[陸中国]]分置の際に出羽国から移管) * 48[[閉伊郡]](平安末期(?)に成立) * 49[[糠部郡]](1070年以降に建郡。南北朝時代に久慈郡を併合。[[1634年]]、九戸、北、三戸、二戸の4郡に分割され消滅) ** [[北郡]] ** [[三戸郡]] ** [[二戸郡]] * 50[[九戸郡|久慈郡]](1070年以降、閉伊郡の北部を分置、南北朝時代に一時消滅、1634年[[九戸郡]]として復活) * 51[[鼻和郡]](郡制以前に出羽国から移管、1070年以降成立。[[津軽三郡]]または津軽四郡の1つ) * 52[[平賀郡]](郡制以前に出羽国から移管、1070年以降成立。津軽三郡または津軽四郡の1つ) * 53[[田舎郡]](郡制以前に出羽国から移管、1070年以降成立。津軽三郡または津軽四郡の1つ。後に山辺郡を併合) ** [[江流間郡]](江留末郡とも。天文年間(1532年-55年)以前に田舎郡北部を分置。のち田舎郡に再統合) ** [[有間郡]](馬郡とも。天文年間(1532年-55年)以前に田舎郡北部を分置。のち田舎郡に再統合) ** [[奧法郡]](沖穂郡とも。天文年間(1532年-55年)以前に田舎郡北部を分置。のち田舎郡に再統合) * 54[[山辺郡_(陸奥国)|山辺郡]]([[建武 (日本)|建武]]元年(1334年)以前に田舎郡東部を分置、津軽四郡の1つ。のち田舎郡に再統合) ** [[津軽郡 (陸奥国)|津軽郡]]([[1664年]]以前のほど近い時期、津軽三郡を統合して成立) === 人口 === * [[1721年]](享保6年) - 196万2836人 * [[1750年]](寛延3年) - 183万6134人 * [[1756年]](宝暦6年) - 180万6192人 * [[1786年]](天明6年) - 156万3719人 * [[1792年]](寛政4年) - 156万8218人 * [[1798年]](寛政10年)- 158万9108人 * [[1804年]](文化元年)- 160万2948人 * [[1822年]](文政5年) - 165万0629人 * [[1828年]](文政11年)- 168万0102人 * [[1834年]](天保5年) - 169万0509人 * [[1840年]](天保11年)- 150万6193人 * [[1846年]](弘化3年) - 160万7881人 * [[1872年]](明治5年) - 229万4915人(旧陸奥国5国合計) :※分国後の明治5年、陸奥国の人口は人口47万3244人であった。 内閣統計局・編、速水融・復刻版監修解題、『国勢調査以前日本人口統計集成』巻1(1992年)及び別巻1(1993年)、東洋書林。 == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} ===注釈=== {{Notelist}} ===出典=== {{Reflist}} == 参考文献 == *大塚徳郎「古代および中世の宮城県」、東北大学教育教養学部歴史研究室地域社会研究会『宮城県の地理と歴史』第2巻、東北大学教育教養学部歴史研究室地域社会研究会、1956年。 *[[入間田宣夫]]・大石直正・編『みちのくの都 多賀城・松島』、平凡社、1992年。 *入間田宣夫・大石直正等『中世陸奥国府の研究』、ヨークベニマル、1994年。 *[[高橋富雄]]『蝦夷』、吉川弘文館、1963年。 *豊田武『東北の歴史』上巻第4版、吉川弘文館、1973年。 *[[本居宣長]]『[[古事記伝]]』。大野晋・編『本居宣長全集』第10巻(古事記伝にあてるのは9から11巻)、筑摩書房、1968年。 *[[保田光則]]『[[新撰陸奥風土記]]』[[万延]]元年([[1860年]])。歴史図書社、1980年(1913年の刊本の復刻版)。 == 関連項目 == * [[陸奥国司]] * [[陸奥 (戦艦)]]‐[[大日本帝国海軍|旧日本海軍]]の[[戦艦]]。[[長門型戦艦]]の2番艦。艦名は陸奥国に因む。 * [[令制国一覧]] *[[奥羽]] == 外部リンク == * {{Commonscat-inline}} {{令制国一覧}} {{デフォルトソート:むつのくに}} [[Category:陸奥国|*]] [[Category:廃止された令制国]] [[Category:東山道|国むつ]] [[Category:福島県の歴史]] [[Category:宮城県の歴史]] [[Category:岩手県の歴史]] [[Category:秋田県の歴史]] [[Category:青森県の歴史]]
2003-08-13T04:50:47Z
2023-10-30T19:00:00Z
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ディラックのデルタ関数
数学におけるディラックのデルタ関数(、英: delta function)、または制御工学におけるインパルス関数(、英: impulse function)とは、任意の実連続関数 f : R → R {\displaystyle f:\mathbb {R} \rightarrow \mathbb {R} } に対し、 を満たす実数値シュワルツ超関数 δ のことである。これはクロネッカーのデルタ の自然な拡張になっている。 ディラックのデルタ関数はデルタ超関数(英: delta distribution)あるいは単にディラックデルタ(英: Dirac's delta)とも呼ばれる。これを最初に定義して量子力学の定式化に用いた物理学者ポール・ディラックに因み、この名称が付いている。デルタ関数は古典的な意味での関数ではないシュワルツ超関数(英: distribution)の最初の例になっている。 ディラックのデルタの「関数」としての性質は、形式的に次のように述べることができる。まず、f(x) として実直線上常に一定の値 1 をとる関数をとり、デルタ関数をデルタ関数自身と f(x) = 1 との積であると見ることにより である。一方、積分値が f の x = 0 での値にしかよらないことから でなければならないが、その上で積分値が 0 でない有限の値をとるためには が満たされなければならない。 上記のように特徴付けられるデルタ関数 δ(x) は、その名前にも現れているように、あたかも通常の関数であるかのように扱われることも珍しくないが、実際には通常の意味の関数と見なすことはできない。 例えば、デルタ関数を連続関数で表すことができないことは以下のようにして分かる。δ(x) が連続関数だったとして x = 0 でゼロでない値をとるならば x = 0 を含む小区間で非ゼロでなければならず、x ≠ 0 で δ(x) = 0 という条件を満たせない。したがって x ≠ 0 で δ(x) = 0 ならばそれは常に 0 の値をとる関数であり、他の関数と掛けて積分しても 0 以外の値をとることはない。点 x = 0 においてのみ不連続であることを認めても、デルタ関数の特徴付けに用いられている積分が、通常の関数の(広義)リーマン積分やルベーグ積分として理解されるならば、このような関数の積分は恒等的に 0 に等しい関数を積分するのと同じであり積分値は 0 になる。したがって、このような条件を満たすような通常の関数は存在しない。 しかし、通常の意味ではまったく関数ではないデルタ関数は、適当な枠組みの下では意味を持ち、例えばデルタ分布はヘヴィサイドの階段関数の弱微分(超関数の意味での微分)を与えている。 デルタ関数は実軸上滑らかで有界な関数の空間 C b ∞ ( R ) {\displaystyle C_{b}^{\infty }(\mathbb {R} )} 上の汎関数になっているが、 C b ∞ ( R ) {\displaystyle C_{b}^{\infty }(\mathbb {R} )} の双対空間の中でデルタ関数に弱収束するような関数の族 φt、つまり ∫ − ∞ ∞ f ( x ) φ t ( x ) d x → f ( 0 ) ( t → 0 ) {\displaystyle \int _{-\infty }^{\infty }f(x)\phi _{t}(x)dx\rightarrow f(0)\quad (t\rightarrow 0)} が任意の f ∈ C b ∞ ( R ) {\displaystyle f\in C_{b}^{\infty }(\mathbb {R} )} について成り立つような族 φt がいくつか知られている。同様にして、滑らかかつ有界とは別な条件を満たす関数の空間の上の汎関数としての弱収束の表示も与えられている。以下に代表的例を 2 つ挙げる。 中心 μ, 分散 σ の正規分布の密度関数 は、デルタ関数の満たすべき性質 を満たす。さらに、μ = 0 で σ → 0 とすれば x = 0 の近傍の外で一様に fσ(x) → 0 (x ≠ 0) かつ fσ(0) → +∞ である。これは、σ → 0 とすることで、関数族 fσ が汎関数としてデルタ関数に近づくことを意味する。したがって、デルタ関数はある意味で正規分布の密度関数の極限と見なすことができ、 lim σ → 0 1 2 π σ exp ( − x 2 2 σ 2 ) = δ ( x ) {\displaystyle \lim _{\sigma \to 0}{\frac {1}{{\sqrt {2\pi }}\,\sigma }}\exp \!\left(-{\frac {x^{2}}{2\sigma ^{2}}}\right)=\delta (x)} と表現される。デルタ関数の表現に正規分布を用いたが、このことから、デルタ関数は正規分布の一種であると考えることが可能である。デルタ関数は、特殊な確率分布の表現に有用である。 Sinc関数から変数変換とスケーリングによって得られる関数族 f k ( x ) = sin k x π x ( k ∈ R ) {\displaystyle f_{k}(x)={\frac {\sin kx}{\pi x}}\quad (k\in \mathbb {R} )} は、デルタ関数の満たすべき条件 ∫ − ∞ ∞ f k ( x ) d x = 1 {\displaystyle \int _{-\infty }^{\infty }f_{k}(x)\,dx=1} を満たす。ただし、これは左辺を広義積分 lim a → ∞ ∫ − a a {\displaystyle \lim _{a\rightarrow \infty }\int _{-a}^{a}} として解釈した際に成立する等式である。上記の例と違ってこの関数族は k → ∞ としても各点収束しないが、任意のコンパクト台の滑らかな関数 g に対して lim k → ∞ ∫ − ∞ ∞ f k ( x ) g ( x ) d x = g ( 0 ) {\displaystyle \lim _{k\to \infty }\int _{-\infty }^{\infty }f_{k}(x)g(x)dx=g(0)} が成り立っている。これも弱収束の意味でデルタ関数を近似していると考えられ、 lim k → ∞ sin k x π x = δ ( x ) {\displaystyle \lim _{k\to \infty }{\frac {\sin kx}{\pi x}}=\delta (x)} と表現される。 佐藤超関数の流儀では、ディラックのデルタ関数は複素領域から実軸への抽象的境界値 δ ( x ) := − 1 2 π i ( 1 x + i 0 − 1 x − i 0 ) {\displaystyle \delta (x):={\frac {-1}{2\pi i}}\left({\frac {1}{x+i0}}-{\frac {1}{x-i0}}\right)} と定義される。ここで抽象的境界値とは正則関数のある種の同値類を表すが、直感的には x ≠ 0 ならば − 1 2 π i ( 1 x + i 0 − 1 x − i 0 ) = − 1 2 π i ( 1 x − 1 x ) = 0 {\displaystyle {\frac {-1}{2\pi i}}\left({\frac {1}{x+i0}}-{\frac {1}{x-i0}}\right)={\frac {-1}{2\pi i}}\left({\frac {1}{x}}-{\frac {1}{x}}\right)=0} である。また、デルタ関数の最も重要な性質である ∫ δ ( x ) f ( x ) d x = f ( 0 ) {\displaystyle \int \delta (x)f(x)\,dx=f(0)} は、複素解析学のコーシーの積分公式から導かれる。厳密な定義には層係数のコホモロジー論を必要とするが、1 変数の場合は比較的容易に理論展開できる。 ディラック関数は以下のようにして定まるディラック測度(英: Dirac measure)δ0 の非形式的な密度関数だと解釈することができる。実直線のボレル部分集合 A に対して、A が 0 を含む場合 δ0(A) = 1、そうでない場合 δ0(A) = 0 とすると、δ0 は σ-加法性を持っている。この測度に関する有界ボレル関数の積分は であり、形式的に dδ0(x) = δ(x)dx が成り立っている。 ミクシンスキーの演算子法に従い、R≥0 = [0, ∞) 上の複素数値連続関数の全体 C = C([0, ∞); C) が畳み込み に関して零因子を持たないというティッチマーシュの定理(英語版)を用いて、(単位元を持たない可換な)整域としての C の商体 M を構築する M はティッチマーシュ・ミクシンスキー代数や、ミクシンスキー演算子(ヘヴィサイド演算子、—超関数)の体などと呼ばれる。M には C にはなかった乗法の単位元 δ = {δ(x)} が付加されているが、この δ(x) はしばしばデルタ関数と看做される。 実際 δ は、特に定数関数 1 に対応する積分作用素 l = {1} ∈ C ⊂ M に対して lδ = δl = l すなわち、形式上は任意の x に対して を満たさなければならない(もし δ が R≥0 上の連続関数ならば、x = 0 とすれば左辺は 0 となるから、これを C の中だけで考えることはできない)。再び形式的な議論だが、この被積分関数を δ(x) と [0, x] の指示関数との値ごとの積と見なすことで、無限区間でのデルタ関数の性質が満たされると考えることができる。一方で、十分小さな ε > 0 に対し だから、x ≠ 0 で δ(x) = 0 が満たされていると考えることができる。 a > 0 {\displaystyle a>0} において以下の公式が成り立つ。 n 階微分 δ(x) については以下が成り立つ: ここで n,m は非負の整数である。特に1階微分の場合は であるが、xf(x) = −δ(x) を満たす超関数 f(x) は α を任意定数として である。 デルタ関数の具体的な表式としてよく用いられる例を一つあげる。この表式は場の量子論で非常によく利用される。 この表式はデルタ関数のフーリエ変換によって示される。 F [ f ( x ) ] {\displaystyle F[f(x)]} のフーリエ逆変換は δ ( x ) {\displaystyle \delta (x)} となるはずなので δ ( x ) = 1 2 π ∫ − ∞ ∞ e i k x d k {\displaystyle \delta (x)={\frac {1}{2\pi }}\int _{-\infty }^{\infty }e^{ikx}dk} となる。
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数学におけるディラックのデルタ関数(デルタかんすう、、または制御工学におけるインパルス関数(インパルスかんすう、とは、任意の実連続関数 f : R → R に対し、 を満たす実数値シュワルツ超関数 δ のことである。これはクロネッカーのデルタ の自然な拡張になっている。 ディラックのデルタ関数はデルタ超関数あるいは単にディラックデルタとも呼ばれる。これを最初に定義して量子力学の定式化に用いた物理学者ポール・ディラックに因み、この名称が付いている。デルタ関数は古典的な意味での関数ではないシュワルツ超関数の最初の例になっている。 ディラックのデルタの「関数」としての性質は、形式的に次のように述べることができる。まず、f として実直線上常に一定の値 1 をとる関数をとり、デルタ関数をデルタ関数自身と f = 1 との積であると見ることにより である。一方、積分値が f の x = 0 での値にしかよらないことから でなければならないが、その上で積分値が 0 でない有限の値をとるためには が満たされなければならない。
{{redirect|デルタ関数|ラマヌジャンのデルタ関数|ヴァイエルシュトラスの楕円函数}} [[ファイル:Dirac distribution PDF.png|300px|right]] [[数学]]における[[ポール・ディラック|ディラック]]の{{読み仮名|'''デルタ関数'''|デルタかんすう|{{lang-en-short|delta function}}}}、または[[制御工学]]における{{読み仮名|'''インパルス関数'''|インパルスかんすう|{{lang-en-short|impulse function}}}}とは、任意の実[[連続関数]]<math>f:\mathbb R \rightarrow \mathbb R</math> に対し、 : <math>\int^{\infty}_{-\infty} f(x)\delta(x)\,dx = f(0)</math> を満たす実数値[[シュワルツ超関数]] {{mvar|&delta;}} のことである。これは[[クロネッカーのデルタ]] : <math>\sum_{i=-\infty}^{+\infty} f_i\delta_{i,j} = f_j</math> の自然な拡張になっている。 ディラックのデルタ関数は'''デルタ超関数'''({{lang-en-short|delta distribution}})あるいは単にディラックデルタ({{lang-en-short|Dirac's delta}})とも呼ばれる。これを最初に定義して量子力学の定式化に用いた物理学者[[ポール・ディラック]]に因み、この名称が付いている。デルタ関数は古典的な意味での関数ではないシュワルツ超関数({{lang-en-short|distribution}})の最初の例になっている。 ディラックのデルタの「関数」としての性質は、形式的に次のように述べることができる。まず、{{math|''f''(''x'')}} として実直線上常に一定の値 {{math|1}} をとる関数をとり、デルタ関数をデルタ関数自身と {{math|''f''(''x'') {{=}} 1}} との積であると見ることにより : <math>\int^{\infty}_{-\infty} \delta(x)dx = 1</math> である。一方、積分値が {{mvar|f}} の {{math|''x'' {{=}} 0}} での値にしかよらないことから : <math>\delta (x) = 0\quad (x\ne 0)</math> でなければならないが、その上で積分値が {{math|0}} でない有限の値をとるためには : <math>\delta(0) = \infty</math> が満たされなければならない。 == 概要 == 上記のように特徴付けられるデルタ関数 {{math|''&delta;''(''x'')}} は、その名前にも現れているように、あたかも通常の関数であるかのように扱われることも珍しくないが、実際には通常の意味の関数と見なすことはできない。 例えば、デルタ関数を連続関数で表すことができないことは以下のようにして分かる。{{math|''&delta;''(''x'')}} が連続関数だったとして {{math|''x'' {{=}} 0}} でゼロでない値をとるならば {{math|''x'' {{=}} 0}} を含む小区間で非ゼロでなければならず、{{math|''x'' &ne; 0}} で {{math|''&delta;''(''x'') {{=}} 0}} という条件を満たせない。したがって {{math|''x'' &ne; 0}} で {{math|''&delta;''(''x'') {{=}} 0}} ならばそれは常に {{math|0}} の値をとる関数であり、他の関数と掛けて積分しても {{math|0}} 以外の値をとることはない。点 {{math|''x'' {{=}} 0}} においてのみ不連続であることを認めても、デルタ関数の特徴付けに用いられている[[積分]]が、通常の関数の(広義)[[リーマン積分]]や[[ルベーグ積分]]として理解されるならば、このような関数の積分は恒等的に {{math|0}} に等しい関数を積分するのと同じであり積分値は {{math|0}} になる。したがって、このような条件を満たすような通常の関数は存在しない。 しかし、通常の意味ではまったく関数ではないデルタ関数は、適当な枠組みの下では意味を持ち、例えばデルタ分布は[[ヘヴィサイドの階段関数]]の弱微分([[超関数]]の意味での微分)を与えている。 == 初等関数による近似 == デルタ関数は実軸上[[滑らかな関数|滑らか]]で[[有界]]な関数の空間 <math>C^\infty_b(\R)</math> 上の[[汎関数]]になっているが、<math>C^\infty_b(\R)</math> の[[双対空間]]の中でデルタ関数に弱収束するような関数の[[族 (数学)|族]] {{math|''&phi;''<sub>''t''</sub>}}、つまり {{Indent|<math>\int_{-\infty}^\infty f(x)\phi_t(x) dx \rightarrow f(0) \quad (t \rightarrow 0)</math>}} が任意の <math>f \in C^\infty_b(\R)</math> について成り立つような族 {{math|''&phi;''<sub>''t''</sub>}} がいくつか知られている。同様にして、滑らかかつ有界とは別な条件を満たす関数の空間の上の汎関数としての弱収束の表示も与えられている。以下に代表的例を 2 つ挙げる。 === 正規分布の密度関数による近似 === [[期待値|中心]] {{mvar|&mu;}}, [[分散 (確率論)|分散]] {{math|''&sigma;''<sup>2</sup>}} の[[正規分布]]の密度関数 :<math>\phi_{\mu,\sigma}(x) = \frac{1}{\sqrt{2\pi}\,\sigma}\exp \left(-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}\right)</math> は、デルタ関数の満たすべき性質 :<math>\int^{\infty}_{-\infty} \phi_{\mu,\sigma}(x)\,dx = 1</math> を満たす。さらに、{{math|''&mu;'' {{=}} 0}} で {{math|''&sigma;'' &rarr; 0}} とすれば {{math|''x'' {{=}} 0}} の近傍の外で一様に {{math|''&phi;''<sub>''&sigma;''</sub>(''x'') &rarr; 0 (''x'' &ne; 0)}} かつ {{math|''f''<sub>''&sigma;''</sub>(0) &rarr; +&infin;}} である。これは、{{math|''&sigma;'' &rarr; 0}} とすることで、関数族 {{math|''&phi;''<sub>''&sigma;''</sub>}} が汎関数としてデルタ関数に近づくことを意味する。したがって、デルタ関数はある意味で正規分布の密度関数の極限と見なすことができて、 {{Indent|<math>\lim_{\sigma \to 0} \frac{1}{\sqrt{2\pi}\,\sigma} \exp\!\left(-\frac{x^2}{2\sigma^2}\right)=\delta(x)</math>}} と表現される。デルタ関数の表現に正規分布を用いたが、このことから、デルタ関数は正規分布の一種であると考えることが可能である。デルタ関数は、特殊な[[確率分布]]の表現に有用である。 === Sinc関数による近似 === [[Sinc関数]]から変数変換とスケーリングによって得られる関数族 {{Indent|<math>\phi_k(x) = \frac{\sin kx}{\pi x}\quad (k \in \mathbb{R})</math>}} は、デルタ関数の満たすべき条件 {{Indent|<math>\int^{\infty}_{-\infty} \phi_k(x)\,dx = 1</math>}} を満たす。ただし、これは左辺を[[広義積分]] <math>\lim_{a\rightarrow \infty} \int_{-a}^a</math> として解釈した際に成立する等式である。上記の例と違ってこの関数族は {{math|''k'' &rarr; &infin;}} としても[[各点収束]]しないが、任意の[[関数の台#コンパクト台付きの函数|コンパクト台]]の滑らかな関数 {{mvar|f}} に対して {{Indent|<math>\lim_{k\to \infty} \int_{-\infty}^{\infty}f(x)\, \phi_k(x)\, dx = f(0)</math>}} が成り立っている。これも弱収束の意味でデルタ関数を近似していると考えられ、 {{Indent|<math>\lim_{k \to \infty}\frac{\sin kx}{\pi x}=\delta(x)</math>}} と表現される。 == フーリエ変換の基礎付け == Sink関数による近似の形を[[オイラーの公式]]を用いて変形すれば :<math>\phi_k(x) =\frac{\sin kx}{\pi x} =\frac{1}{2\pi ix} \left[ e^{ikx}-e^{-ikx} \right] =\frac{1}{2\pi} \int_{-k}^k e^{ik'x} dk'</math> であり、[[フーリエ変換]]における基本的な関係式 :<math>\delta(x) = \frac{1}{2\pi} \int^{\infty}_{-\infty} e^{ikx} dk</math> が得られる。この表式は量子場の理論で非常によく利用される<ref name="名前なし-1"/>。 フーリエ変換とその逆変換 :<math>\hat{f}(k) =\mathcal{F}[f] =\int f(x)\, e^{-ikx} dx</math> :<math>f(x) =\mathcal{F}^{-1}[\hat{f}] =\frac{1}{2\pi} \int \hat{f}(k)\, e^{ikx} dk</math> は、以下の関係式により正当化される。 :<math>\mathcal{F}^{-1}\circ \mathcal{F}[f] =\frac{1}{2\pi} \int \bigg[ \int f(y)\, e^{-iky} dy \bigg] e^{ikx} dk =\int f(y) \bigg[ \frac{1}{2\pi} \int e^{ik(x-y)} dk \bigg] dy =\int f(y)\, \delta(x-y)\, dy =f(x)</math> == 佐藤超関数としての定義 == [[佐藤超関数]]の流儀では、ディラックのデルタ関数は複素領域から実軸への抽象的境界値 {{Indent|<math> \delta(x):= \frac{-1}{2 \pi i}\left(\frac{1}{x+ i0} -\frac{1}{x- i0}\right) </math>}} と定義される。ここで抽象的境界値とは正則関数のある種の同値類を表すが、直感的には {{math|''x'' &ne; 0}} ならば {{Indent|<math> \frac{-1}{2 \pi i}\left(\frac{1}{x+ i0} -\frac{1}{x- i0}\right) = \frac{-1}{2 \pi i}\left(\frac{1}{x} -\frac{1}{x}\right) =0 </math>}} である。また、デルタ関数の最も重要な性質である {{Indent|<math> \int \delta(x)f(x)\,dx= f(0) </math>}} は、複素解析学の[[コーシーの積分公式]]から導かれる。厳密な定義には[[層コホモロジー|層係数のコホモロジー]]論を必要とするが、1 変数の場合は比較的容易に理論展開できる。 == ディラック測度 == ディラック関数は以下のようにして定まる'''[[ディラック測度]]'''({{lang-en-short|Dirac measure}}){{math|''&delta;''<sub>0</sub>}} の非形式的な密度関数だと解釈することができる。実直線の[[ボレル集合|ボレル部分集合]] {{mvar|A}} に対して、{{mvar|A}} が {{math|0}} を含む場合 {{math|''&delta;''<sub>0</sub>(''A'') {{=}} 1}}、そうでない場合 {{math|''&delta;''<sub>0</sub>(''A'') {{=}} 0}} とすると、{{math|''&delta;''<sub>0</sub>}} は [[シグマ加法性|{{mvar|&sigma;}}-加法性]]を持っている。この[[測度]]に関する[[可測関数|有界ボレル関数]]の積分は : <math> \int f(x) d\delta_0(x) = f(0) </math> であり、形式的に {{math|''d&delta;''<sub>0</sub>(''x'') {{=}} ''&delta;''(''x'')''dx''}} が成り立っている。 == 演算子体の単位元 == [[ミクシンスキーの演算子法]]に従い、{{math|'''R'''<sub>&ge;0</sub> {{=}} [0, &infin;)}} 上の複素数値連続関数の全体 {{math|''C'' {{=}} ''C''([0, &infin;); '''C''')}} が[[畳み込み]] : <math>(f*g)(x) := \int_0^x f(x-\xi)g(\xi)\,d\xi</math> に関して[[零因子]]を持たないという{{仮リンク|ティッチマーシュの定理|en|Titchmarsh convolution theorem}}を用いて、([[単位元]]を持たない[[可換]]な)[[整域]]としての {{mvar|C}} の[[商体]] {{mvar|M}} を構築する {{mvar|M}} は'''ティッチマーシュ・ミクシンスキー代数'''や、'''ミクシンスキー演算子'''(ヘヴィサイド演算子、&mdash;超関数)の体などと呼ばれる。{{mvar|M}} には {{mvar|C}} にはなかった乗法の単位元 {{math|''&delta;'' {{=}} {{(}}&delta;(''x''){{)}}}} が付加されているが、この {{math|''&delta;''(''x'')}} はしばしばデルタ関数と看做される。 実際 {{mvar|&delta;}} は、特に定数関数 {{math|1}} に対応する積分作用素 {{math|''l'' {{=}} {{(}}1{{)}} &isin; ''C'' &sub; ''M''}} に対して {{math|''l&delta;'' {{=}} ''&delta;l'' {{=}} ''l''}} すなわち、形式上は任意の {{mvar|x}} に対して : <math>\int_0^x \delta(\xi)\,d\xi = 1</math> を満たさなければならない(もし {{math|&delta;}} が {{math|'''R'''<sub>&ge;0</sub>}} 上の連続関数ならば、{{math|''x'' {{=}} 0}} とすれば左辺は {{math|0}} となるから、これを {{mvar|C}} の中だけで考えることはできない)。再び形式的な議論だが、この被積分関数を {{math|''&delta;''(''x'')}} と {{math|[0, ''x'']}} の[[指示関数]]との値ごとの積と見なすことで、無限区間でのデルタ関数の性質が満たされると考えることができる。一方で、十分小さな {{math|''&epsilon;'' &gt; 0}} に対し : <math>\int_\varepsilon^x \delta(\xi)\,d\xi = \int_0^x \delta(\xi)\,d\xi - \int_0^\varepsilon \delta(\xi)\,d\xi = 0</math> だから、{{math|''x'' &ne; 0}} で {{math|''&delta;''(''x'') {{=}} 0}} が満たされていると考えることができる。 == 性質 == <math>a > 0</math>において以下の公式が成り立つ。<ref name="名前なし-1">{{cite book|title=量子力学|author=砂川重信|year=1991|publisher=岩波書店|p=30}}</ref> :<math> \begin{align} x\delta(x) &= 0 \\ \delta(ax) &= |a|^{-1} \delta(x) \\ \delta(x^2 - a^2) &= (1/2a)[\delta(x-a)+\delta(x+a)] \\ \end{align} </math> {{math|''n''}} 階微分 {{math|''&delta;''{{sup|(''n'')}}(''x'')}} については以下が成り立つ<ref name=kitano>{{cite|和書 |editor= |author=北野正雄 |title=量子力学の基礎 |edition= |publisher=共立出版 |year=2010 |isbn=978-4-320-03462-4 |page=93}}</ref>: :<math>x^m \delta^{(n)}(x)=\begin{cases}0,&(m>n)\\(-1)^m\ m!\ \delta(x),&(m=n)\\(-1)^m\dfrac{n!}{(n-m)!}\delta^{(n-m)}(x).&(m<n)\end{cases}</math> ここで {{math|''n,m''}} は非負の整数である。特に1階微分の場合は :<math>x\delta'(x)=-\delta(x)</math> であるが、{{math|''xf''(''x'') {{=}} &minus;''&delta;''(''x'')}} を満たす超関数 {{math|''f''(''x'')}} は {{math|''&alpha;''}} を任意定数として :<math>f(x)=\delta'(x)+\alpha\delta(x)</math> である<ref name=kitano/>。 == 関連項目 == *[[ヘヴィサイドの階段関数]] *[[超関数]] *[[インパルス応答]] *[[再生核]] *[[クロネッカーのデルタ]] == 脚注 == {{Reflist}} == 参考文献 == {{参照方法|date=2023年3月}} * {{MathWorld|title=Delta Function|urlname=DeltaFunction}} * {{cite book|title=Topological Vector Spaces, Distributions and Kernels|author=Francois Treves|year=2006|publisher=Dover Publications}} * {{Cite book |和書 |author=砂川重信 |authorlink=砂川重信 |year=1991 |title=量子力学 |publisher=[[岩波書店]] |page=30 |id= |isbn=4-00-006139-9}} {{DEFAULTSORT:ていらつくのてるたかんすう}} [[Category:超関数]] [[Category:ポール・ディラック]] [[Category:数学のエポニム]] [[Category:数学に関する記事]]
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Theガッツ!
『Theガッツ!』(ザ ガッツ)は、May-Be SOFTのアダルトゲーム、および同作をはじめとするシリーズ作品である。第2作以降はオーサリングヘブンから発売、2012年時点での最新作はコンプリーツから発売されている。 第1作『Theガッツ!』はMay-Be SOFTより1999年に発売された。 粗筋としては、恋人にその軟弱な体をバカにされてフラれた青年が、一念発起して肉体労働で身体を鍛え男を上げるために、工事現場のアルバイトを始めるが、そのバイト先は仕事を離れても肉と肉とがぶつかり合う凄まじい「肉体労働」の現場であった、という作品である。また、コメディと名乗っているだけあり、ストーリーは一貫して明朗である。以来、シリーズ化された本作品は、鍛えられた筋肉などへのフェティシズムを重要な要素する「マッシヴ・エロチック・コメディ」というジャンルを自称する。 メインヒロインであるタカさんこと高原美奈子を筆頭に、女らしさを完全に超越した筋肉キャラのオンパレード。このゲームの他に類を見ない特色としては、世に主人公がヒロインを襲うアダルトゲームは数多くあれども、本作の主人公はヒロインを襲わず(というより襲えず)、逆にヒロインに襲われる上にしかも襲われたならば(ほとんどのケースで体力差のために)絶対逃げられない、という圧倒的に女性優位な独特のストーリー展開がある。その他、マウスのボタン連打などアダルトゲームでは通常用いられないような作業もゲーム進行において必要となる。 2000年に発売された第2作『Theガッツ!2 〜海でガッツ!〜』は、コンプリーツの処女作としてオーサリングヘブンブランドから発売。なお、コンプリーツは、『Theガッツ!』の製作スタッフが独立して設立されたソフトハウスである。以降、『Theガッツ!5』まで年に1作のペースでコンスタントに新作がリリースされた。DVDPG版としては、『Theガッツ!2&3 DVDPG』および『Theガッツ!4&5 DVDPG』、『Theガッツ! -マキシマム・マタニティ!- DVDPG』がN43 Projectから発売されている。2005年にはKNSエンタテインメントよりゲーム内で使用された楽曲を収録した『Theガッツ! サウンドコレクション 〜Queen of Muscle〜 KIRIKO / HIKO Sound』が発売された。また同2005年にはアニメ化作品(OVA)が発売されている。 シリーズ第6弾となる『Theガッツ!麻雀』(初期タイトル『Theガッツ!6 〜麻雀でガッツ!〜』)が2004年にオーサリングヘブンから予定されていたものの、度重なる発売延期を経て、未発売の状態が続いている(なおソフ倫の審査は通過しており、JANコードも取得されている)。当初は2004年夏の発売予定と告知されたが、2005年4月28日発売予定→2005年5月20日発売予定→2005年10月7日発売予定と延期されていき、最終的に「発売時期未定」となり現在に至る。余談となるが、ソフトハウスであるコンプリーツでは別の作品でも類似ケースがあり、麻雀ゲーム『まままーじゃん』が2008年より長期にわたり発売予定・時期未定となっていたものの、最終的には2011年に発売されている。 ソフトハウスの初期のヒットシリーズながら2004年以降は新作リリースが途絶えていたが、2012年には新作『Theガッツ! -マキシマム・マタニティ!-』がコンプリーツブランドより発売となった。 ちなみに、シリーズ各作品は、コンプリーツの「ボクのヒミツたいけん」シリーズと世界観を共有している(ただし学園モノのスピンオフ作品『Theガッツ!4』は除く)。『Theガッツ!3』の舞台である「酒田旅館」は、ヒミツたいけんシリーズ第3作の『ボクの「なつやすみ」ヒミツたいけん』の舞台となっており、ゲストキャラとしてタカさんも登場している。 2005年、アダルトアニメのOVA作品がアニメアンテナ委員会により制作され、同社の「ANi-AN」レーベルより発売された。 なおVOL.1は、発売元がアニメアンテナ委員会と販売元がANIMACであったが、VOL.2は、発売元・販売元ともにアニメアンテナ委員会となっている。 アニメアンテナ委員会からは、本作品のサントラ盤『THEガッツ! The ANIMATION オリジナルサウンドトラック』もリリースされた。
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『Theガッツ!』は、May-Be SOFTのアダルトゲーム、および同作をはじめとするシリーズ作品である。第2作以降はオーサリングヘブンから発売、2012年時点での最新作はコンプリーツから発売されている。
{{コンピュータゲームシリーズ | タイトル = Theガッツ! | 開発元 = [[May-Be SOFT]]([[コンプリーツ]])<br />コンプリーツ | 発売元 = May-Be SOFT<br />[[コンプリーツ|オーサリングヘヴン]](コンプリーツ)<br />コンプリーツ | ジャンル = [[アダルトゲーム]] | 1作目 = Theガッツ! | 1作目発売日 = [[1999年]][[2月10日]] | 最新作 = Theガッツ! -マキシマム・マタニティ!- | 最新作発売日 = [[2012年]][[9月28日]] | スピンオフ作品 = | 公式サイトURL = | 公式サイトタイトル = }} 『'''Theガッツ!'''』(ザ ガッツ)は、[[May-Be SOFT]]の[[アダルトゲーム]]、および同作をはじめとするシリーズ作品である。第2作以降は[[コンプリーツ|オーサリングヘブン]]から発売、[[2012年]]時点での最新作は[[コンプリーツ]]から発売されている。 ==概要== 第1作『Theガッツ!』は[[May-Be SOFT]]より[[1999年]]に発売された。 粗筋としては、恋人にその軟弱な体をバカにされてフラれた青年が、一念発起して肉体労働で身体を鍛え男を上げるために、[[工事]]現場の[[アルバイト]]を始めるが、そのバイト先は仕事を離れても肉と肉とがぶつかり合う凄まじい「肉体労働」の現場であった、という作品である。また、コメディと名乗っているだけあり、ストーリーは一貫して明朗である。以来、シリーズ化された本作品は、鍛えられた[[筋肉]]などへの[[フェティシズム]]を重要な要素する「'''マッシヴ・エロチック・コメディ'''」というジャンルを自称する。<!--編注:「マッシヴ・エロコメディ」→「マッシヴ・エロチック・コメディ」変更。出典例示はありませんが、「2」のパケ画像で確認。ちなみにアニメ版のキャッチコピーは「マッシ“ブ”系エロコメディ」である模様。これもパケ画像で確認。--> メイン[[ヒロイン]]である'''タカさん'''こと高原美奈子を筆頭に、[[女らしさ]]を完全に超越した筋肉キャラのオンパレード。このゲームの他に類を見ない特色としては、世に主人公がヒロインを襲うアダルトゲームは数多くあれども、本作の主人公はヒロインを襲わず(というより襲えず)、逆にヒロインに襲われる上にしかも襲われたならば(ほとんどのケースで体力差のために)絶対逃げられない、という圧倒的に女性優位な独特のストーリー展開がある。その他、[[マウス (コンピュータ)|マウス]]のボタン連打などアダルトゲームでは通常用いられないような作業もゲーム進行において必要となる。 [[2000年]]に発売された第2作『Theガッツ!2 〜海でガッツ!〜』は、[[コンプリーツ]]の処女作として[[コンプリーツ|オーサリングヘブン]]ブランドから発売。なお、コンプリーツは、『Theガッツ!』の製作スタッフが独立して設立されたソフトハウスである。以降、『Theガッツ!5』まで年に1作のペースでコンスタントに新作がリリースされた。[[DVDPG]]版としては、『Theガッツ!2&3 DVDPG』および『Theガッツ!4&5 DVDPG』、『Theガッツ! -マキシマム・マタニティ!- DVDPG』が[[アボガドパワーズ|N43 Project]]から発売されている。[[2005年]]には[[KNSエンタテインメント]]よりゲーム内で使用された楽曲を収録した『Theガッツ! サウンドコレクション 〜Queen of Muscle〜 KIRIKO / HIKO Sound』が発売された。また同2005年にはアニメ化作品([[OVA]])が発売されている。<!--編注:OVA版はオリジナルストーリーとして記述。ゲーム第一作のアニメ化作品のようであれば適宜修正。--> シリーズ第6弾となる『Theガッツ!麻雀』(初期タイトル『Theガッツ!6 〜麻雀でガッツ!〜』)が[[2004年]]にオーサリングヘブンから予定されていたものの、度重なる発売延期を経て、未発売の状態が続いている(なお[[ソフ倫]]の審査は通過しており<ref name="d-dream00001760"/>、[[JANコード]]も取得されている)。当初は2004年夏の発売予定<ref name="d-dream_04-04-20">[http://www.d-dream.com/newsdetail.php?nno=10653 D-Dream - 「The!ガッツ6 〜麻雀でガッツ!〜」製作告知](2014年3月20日閲覧)</ref>と告知されたが、[[2005年]][[4月28日]]発売予定<ref name="d-dream_05-03-25">[http://www.d-dream.com/newsdetail.php?nno=13387 D-Dream - Authering Heaven「Theガッツ!麻雀」製品情報公開(Russel)](2014年3月20日閲覧)</ref>→2005年[[5月20日]]発売予定<ref name="russel_list">[http://www.russel.co.jp/hp/newrelease/newrelease_adult.html ラッセル 取り扱い製品情報](2014年3月20日閲覧)</ref>→2005年[[10月7日]]発売予定<ref name="d-dream_05-07-29">[http://www.d-dream.com/newsdetail.php?nno=14428 D-Dream - Authering Heaven「Theガッツ!麻雀」発売日告知](2014年3月20日閲覧)</ref>と延期されていき、最終的に「発売時期未定」<ref name="d-dream00001760">[http://www.d-dream.com/detail.php?arg_tno=1760 D-Dream - Theガッツ!麻雀 (AuthoringHeaven)](2014年3月20日閲覧)</ref>となり現在に至る。余談となるが、ソフトハウスであるコンプリーツでは別の作品でも類似ケースがあり、[[麻雀]]ゲーム『まままーじゃん』が[[2008年]]より長期にわたり発売予定・時期未定となっていたものの<ref name="getch_08-09-22_archive">[https://web.archive.org/web/20080922233043/http://www.getchu.com/soft.phtml?id=588305 Getchu.com:まままーじゃん(コンプリーツ)] - 通販サイト「[[げっちゅ屋]]」商品紹介ページの2008年9月22日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]]</ref>、最終的には[[2011年]]に発売されている<ref name="getch_11-06-08_archive">[https://web.archive.org/web/20110608132919/http://www.getchu.com/soft.phtml?id=588305 Getchu.com:まままーじゃん(コンプリーツ)] - 通販サイト「げっちゅ屋」商品紹介ページの2011年6月8日時点のアーカイブ</ref>。<!--左記の一文は、告知時期と発売時期の脚注出典は付けたものの、単なる蛇足の懸念あり。問題があるようなら削除で対応願います。--> ソフトハウスの初期のヒットシリーズながら2004年以降は新作リリースが途絶えていたが、[[2012年]]には新作『Theガッツ! -マキシマム・マタニティ!-』がコンプリーツブランドより発売となった。 ちなみに、シリーズ各作品は、コンプリーツの「[[ボクのヒミツたいけん]]」シリーズと世界観を共有している(ただし学園モノのスピンオフ作品『Theガッツ!4』は除く)<ref name="gut's2"/><ref name="gut's3"/><ref name="gut's4"/><ref name="gut's5"/>。『Theガッツ!3』の舞台である「酒田旅館」は、ヒミツたいけんシリーズ第3作の『ボクの「なつやすみ」ヒミツたいけん』の舞台となっており<ref name="himitu3-top">[http://www.complets.co.jp/complet's/bokunatsu.html ボクの「なつやすみ」ヒミツたいけん](2014年5月29日閲覧)</ref>、ゲストキャラとしてタカさん<!--とお嬢-->も登場している<ref name="himitu3-guest">[http://www.complets.co.jp/complet's/bokunatsu/chara.html ボクの「なつやすみ」ヒミツたいけん その他の登場キャラ](2014年5月29日閲覧)</ref>。<!--脚注出典からはちょっと把握しにくいですが、第1作から第5作まで(第4作を除く)は、作品紹介の文言からして共通世界の同一時系列上のストーリーの模様。なおマキシマムは「猫建」ではなく、扱いは不明。--> == タイトルリスト == * Theガッツ! - [[1999年]]<ref name="a-top_archive">[https://web.archive.org/web/20120816192437/http://complets.co.jp/authoringheaven/a-top.html オーサリングヘヴン作品] - データなし(2012年8月16日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref> ([[May-Be SOFT]]) ** Theガッツ!Remix - [[2001年]]<ref name="gut's1r">[http://www.complets.co.jp/authoringheaven/gut's1r.html Theガッツ!Remix](2014年5月26日閲覧)</ref> ([[コンプリーツ|オーサリングヘブン]]) - 『Theガッツ!』[[アダルトゲーム#音声と声優|ボイス]]追加版 * Theガッツ!2 〜海でガッツ!〜 - [[2000年]]<ref name="gut's2">[http://www.complets.co.jp/authoringheaven/gut's2.html Theガッツ!2 -海でガッツ!-](2014年5月26日閲覧)</ref> (オーサリングヘブン) * Theガッツ!3 〜山でガッツ!〜 - 2001年<ref name="gut's3">[http://www.complets.co.jp/authoringheaven/gut's3.html Theガッツ!3 -山でガッツ!-](2014年5月26日閲覧)</ref> (オーサリングヘブン) * Theガッツ!4 〜私立ガッツ学園!〜 - [[2002年]]<ref name="gut's4">[http://www.complets.co.jp/authoringheaven/gut's4.html Theガッツ!4 -私立ガッツ学園!-](2014年5月26日閲覧)</ref> (オーサリングヘブン) * Theガッツ!5 - [[2003年]]<ref name="gut's5">[http://www.complets.co.jp/authoringheaven/gut's5.html Theガッツ!5](2014年5月26日閲覧)</ref> (オーサリングヘブン) * Theガッツ!6 〜麻雀でガッツ!〜/Theガッツ!麻雀 - ('''未発売''') * Theガッツ! -マキシマム・マタニティ!- - [[2012年]] ([[コンプリーツ]]) ; DVDPG * Theガッツ!2&3 DVDPG - [[2008年]] ([[アボガドパワーズ|N43 Project]]) * Theガッツ!4&5 DVDPG - 2008年 (N43 Project) * Theガッツ!-マキシマム・マタニティ!- DVDPG - [[2013年]] (N43 Project) == OVA == 2005年、[[アダルトアニメ]]の[[OVA]]作品が[[アニメアンテナ委員会]]により制作され、同社の「ANi-AN」レーベルより発売された。 なおVOL.1は、発売元がアニメアンテナ委員会と販売元がANIMACであったが、VOL.2は、発売元・販売元ともにアニメアンテナ委員会となっている。 アニメアンテナ委員会からは、本作品の[[サウンドトラック|サントラ盤]]『THEガッツ! The ANIMATION オリジナルサウンドトラック』もリリースされた。 # THEガッツ! VOL.1:2005年2月25日発売<ref name="comshop-item-30415">[http://www.comshop.ne.jp/index.php?VID=user.pubItem.detail&OP=view&mid=30415 中古18アニメDVD/Blu-ray THEガッツ! 1巻] コムショップ 商品紹介ページ(2014年03月21日閲覧)</ref> # THEガッツ! VOL.2 〜タカさん出陣〜:2005年9月22日発売<ref name="comshop-item-34385">[http://www.comshop.ne.jp/index.php?VID=user.pubItem.detail&OP=view&mid=34385 中古18アニメDVD/Blu-ray THEガッツ! 2巻] コムショップ 商品紹介ページ(2014年03月21日閲覧)</ref> === OVAキャスト === * 高原美奈子([[声優|声]]:乃本唯名) * 大島睦月 (声:[[北都南]]) * 早坂彰 (声:[[藤井舞 (声優)|藤井舞]]) * 谷川晴美 (声:RUMI) * 三池寛子 (声:[[北条明日香]]) * 矢口文子 (声:深井晴花) * 松っちゃん (声:[[柴田秀勝]])※特別友情出演 * 梅ちゃん (声:伴風太) * 竹ちゃん (声:大島圭介) * 彼女(声:春野かえる) * 女A(声:みずきみらい) * 女B(声:山野幸) <!--編注:主人公「中島秋俊/中島秋吉」(声:梅干丸夢千代)は、誤植なのか別設定なのか判然としない為、暫定的に記載なし。--> === OVAスタッフ === * 原作 - コンプリーツ * プロデューサー - 村上恒一 * 監督・演出・絵コンテ・キャラクターデザイン・作画監督 - [[荒木英樹]] * 脚本 - 村上恒一(『VOL.1』) / 香月ルナ(『VOL.2』) * 音響監督 - 中川達人 == 脚注 == {{reflist|2}} == 外部リンク == * [http://www.complets.co.jp/authoringheaven/gut's1r.html Theガッツ! Remix ] * [http://www.complets.co.jp/authoringheaven/gut's2.html Theガッツ!2 〜海でガッツ!〜] * [http://www.complets.co.jp/authoringheaven/gut's3.html Theガッツ!3 〜山でガッツ!〜] * [http://www.complets.co.jp/authoringheaven/gut's4.html Theガッツ!4 〜私立ガッツ学園!〜] * [http://www.complets.co.jp/authoringheaven/gut's5.html Theガッツ!5] * [http://www.complets.co.jp/complets/GUTS2-3/ Theガッツ! 2&3 DOUBLE] * [http://www.complets.co.jp/complets/GUTS4-5/ Theガッツ! 4&5 DOUBLE] * [http://www.complets.co.jp/complets/GMM/gmm_info.html Theガッツ! -マキシマム・マタニティ!-] * [http://www.animac.jp/ ANIMAC] - OVA発売元 * [http://www.russel.co.jp/hp/18over.html ラッセルアダルトPCゲーム情報ページ] * {{ann|ova|6263}} {{adultgame-stub}} {{コンプリーツ}} {{DEFAULTSORT:さかつつ}} [[Category:アダルトゲームのシリーズ]] [[Category:1999年のアダルトゲーム]] [[Category:2000年のアダルトゲーム]] [[Category:2001年のアダルトゲーム]] [[Category:2002年のアダルトゲーム]] [[Category:2003年のアダルトゲーム]] [[Category:2012年のアダルトゲーム]] [[Category:美少女ゲーム]] [[Category:アニメ作品 さ|かつつ]] [[Category:2005年の成人向けOVA]] [[Category:DVDPG]]
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周期関数
数学における周期関数(しゅうきかんすう、英: periodic function)は、一定の間隔あるいは周期ごとに取る値が繰り返す関数を言う。最も重要な例として、2π ラジアンの間隔で値の繰り返す三角関数を挙げることができる。周期関数は振動や波動などの周期性を示す現象を記述するものとして自然科学の各分野において利用される。周期的でない任意の関数は非周期的(ひしゅうきてき、英: aperiodic)であるという。 関数 f が周期的 (periodic) あるいは(0 でない定数 P に対して)周期 P を持つとは、x の任意の値に対して が成立するときに言う。この性質を持つ定数 P のうちに最小の正数が存在するとき、そのような正数 P は基本周期と呼ぶ。周期 P を持つ関数は、長さ P の区間ごとに値が繰り返すが、そのような区間を一周期と呼び表す。 幾何学的に言えば、周期関数はそのグラフが平行移動対称となるような関数として定義することができる。具体的には、関数 f が周期 P に関して周期的ならば、f のグラフは x 軸方向への移動距離 P の平行移動のもとで平行移動不変(英語版)である。このような周期性の定義は、ほかの幾何学図形や周期的平面充填のような幾何学パターンに対しても拡張することができる。 周期的でない関数は非周期的であると言う。 例えば正弦関数は任意の x に対して を満たすから周期 2π を持つ周期関数である。この関数は長さ 2π の区間ごとに同じ値を繰り返す。 日常的な例は時間を変数として、例えば時計の針や月齢などが周期的な振る舞いを見せる。周期運動は系の位置が全て同じ周期を以って周期関数で表されるような運動を言う。 実変数や整数変数の関数であれば、周期的であることは関数のグラフが特定の一部分のコピーを一定間隔で並べて全体を形作ることができることを意味する。 周期関数の簡単な例として、引数の小数部分を返す関数 f : R → R ; f ( x ) := x − ⌊ x ⌋ {\displaystyle f\colon \mathbb {R} \to \mathbb {R} \ ;\ f(x):=x-\lfloor x\rfloor } を考えると、その周期は 1 である。特に のようなことが成り立つ。この関数 f のグラフは鋸歯状波になる。 三角関数の正弦および余弦関数は、ともに周期 2π を持つ、共通周期関数である。フーリエ級数の主題は、「勝手な」周期関数を周期を調整した三角関数の和として表すという考えについて研究するものである。 上記の定義に従えば、例えばディリクレ関数のような、ある種の際立った (exotic) 関数までもが周期的であることになる(ディリクレ関数の周期は任意の非零有理数)。 周期関数 f が周期 P を持つならば f の定義域の各元 x と任意の整数 n に対して が成立する。同じく f が周期 P を持つならば、定数 a, b に対して函数 f(ax + b) は周期 P⁄|a| を持つ周期函数になる。例えば f(x) = sin x は周期 2π ゆえ sin(5x) は周期 2π/5 を持つ。 複素平面上で定義される関数は、定数関数でなくとも互いに不均衡な 2 つの周期を持ち得る(この文脈での「不均衡」は、一方が他方の実数倍でないことを言う)。そのような関数の例として、楕円関数が挙げられる。 複素数を変数に持つ周期関数として、以下の複素指数関数がよく知られている(この関数はときに cis 関数とも呼ばれる)。 実部の余弦関数と虚部の正弦関数のどちらも周期的であるから、この関数は明らかに周期的である。このような複素指数関数の三角関数による表示はオイラーの公式として知られる。この複素指数関数を用いることで三角関数は指数関数によって書き表すことができる。三角関数と同様に指数関数の周期 L は L = 2π/k で与えられる。 周期関数の一般化の一つに反周期関数(はんしゅうきかんすう、英: antiperiodic functions)があり、これは全ての x に対して f(x + P) = −f(x) を満たすような関数 f のことを言う。従って、周期について P 反周期関数は 2P 周期関数になる。 ブロッホ波やフロケ理論の文脈では、周期関数はさまざまな周期的微分方程式の解として一般化され、まとめられる。この文脈で(一次元の場合の)解は、典型的には適当な実または複素定数 k を伴って なる形に表される(定数 k はブロッホ波ベクトルやフロケ指数と呼ばれる)。この文脈では、この形の関数はブロッホ周期的であると言うこともある。通常の周期関数は k = 0 なる特別の場合であり、また反周期関数は k = π/P なる特別の場合である。 フーリエ級数は周期関数を表現し、フーリエ級数は畳み込み定理 (すなわち、フーリエ級数の畳み込みは表現される周期関数の積に対応し、逆もまた然り)を満足するけれども、信号処理において周期関数の畳み込みは通常の定義に従えば積分が発散するために畳み込むことができないという問題に遭遇する。これを解決する方法の一つは、有界だが周期的でない領域上で定義された周期関数というものを考えることである。これを達成するために商空間の概念を用いて を考えよう。このとき R/Z の各元は同じ小数部分を持つ実数からなる同値類であり、関数 f: R/Z → R は周期 1 の周期関数を表すものと考えられる。
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数学における周期関数は、一定の間隔あるいは周期ごとに取る値が繰り返す関数を言う。最も重要な例として、2π ラジアンの間隔で値の繰り返す三角関数を挙げることができる。周期関数は振動や波動などの周期性を示す現象を記述するものとして自然科学の各分野において利用される。周期的でない任意の関数は非周期的であるという。
[[数学]]における'''周期関数'''(しゅうきかんすう、{{lang-en-short|''periodic function''}})は、一定の間隔あるいは周期ごとに取る値が繰り返す[[関数 (数学)|関数]]を言う。最も重要な例として、{{math|2&pi;}} [[ラジアン]]の間隔で値の繰り返す[[三角関数]]を挙げることができる。周期関数は[[振動]]や[[波動]]などの[[周波数|周期性]]を示す現象を記述するものとして自然科学の各分野において利用される。周期的でない任意の関数は'''非周期的'''(ひしゅうきてき、{{lang-en-short|''aperiodic''}})であるという。 [[Image:Periodic function illustration.svg|thumb|right|300px|周期 {{math|''P''}} を持つ周期関数の図示]] == 定義 == 関数 {{math|''f''}} が'''周期的''' {{en|(''periodic'')}} あるいは(0 でない[[定数]] {{math|''P''}} に対して)周期 {{math|''P''}} を持つとは、{{math|''x''}} の任意の値に対して : <math>f(x+P) = f(x)</math> が成立するときに言う。この性質を持つ定数 {{math|''P''}} のうちに最小の正数が存在するとき<ref>[[定数関数]]や[[有理数]]全体の成す集合の[[指示関数]]のような、ある種の関数には最小の正「周期」は存在しない(周期として取り得る正の {{math|''P''}} の[[下限]]は {{math|0}} になってしまう)。</ref>、そのような正数 {{math|''P''}} は'''基本周期'''と呼ぶ。周期 {{math|''P''}} を持つ関数は、長さ {{math|''P''}} の区間ごとに値が繰り返すが、そのような区間を'''一周期'''と呼び表す。 幾何学的に言えば、周期関数はそのグラフが[[並進対称性|平行移動対称]]となるような関数として定義することができる。具体的には、関数 {{math|''f''}} が周期 {{math|''P''}} に関して周期的ならば、{{math|''f''}} のグラフは {{mvar|x}} 軸方向への移動距離 {{math|''P''}} の[[平行移動]]のもとで{{仮リンク|平行移動不変|en|translation invariant}}である。このような周期性の定義は、ほかの幾何学図形や周期的[[平面充填]]のような幾何学パターンに対しても拡張することができる。 周期的でない関数は非周期的であると言う。 == 例 == [[Image:Sine.svg|thumb|right|350px|正弦関数のグラフを二周期分示した図]] 例えば[[正弦関数]]は任意の {{math|''x''}} に対して : <math>\sin(x + 2\pi) = \sin x</math> を満たすから周期 {{math|2&pi;}} を持つ周期関数である。この関数は長さ {{math|2&pi;}} の区間ごとに同じ値を繰り返す。 日常的な例は'''時間'''を変数として、例えば[[時計]]の針や[[月齢]]などが周期的な振る舞いを見せる。'''周期運動'''は系の位置が全て同じ周期を以って周期関数で表されるような運動を言う。 [[実数|実変数]]や[[整数]]変数の関数であれば、周期的であることは[[関数のグラフ]]が特定の一部分のコピーを一定間隔で並べて全体を形作ることができることを意味する。 周期関数の簡単な例として、引数の[[小数部分]]を返す関数 <math>f \colon \mathbb{R} \to \mathbb{R}\ ;\ f(x):=x-\lfloor x \rfloor</math> を考えると、その周期は {{math|1}} である。特に : {{math|''f''(0.5) {{=}} ''f''(1.5) {{=}} ''f''(2.5) {{=}} … {{=}} 0.5}} のようなことが成り立つ。この関数 {{math|''f''}} のグラフは[[鋸歯状波]]になる。 [[Image:Sine cosine plot.svg|300px|right|thumb|{{math|''f''(''x'') {{=}} sin(''x'')}} および {{math|''g''(''x'') {{=}} cos(''x'')}} のグラフ。2 つの関数はともに周期 {{math|2&pi;}} を持つ。]] [[三角関数]]の正弦および余弦関数は、ともに周期 {{math|2&pi;}} を持つ、共通周期関数である。[[フーリエ級数]]の主題は、「勝手な」周期関数を周期を調整した三角関数の和として表すという考えについて研究するものである。 上記の定義に従えば、例えば[[ディリクレ関数]]のような、ある種の際立った {{en|(exotic)}} 関数までもが周期的であることになる(ディリクレ関数の周期は任意の非零有理数)。 == 性質 == 周期関数 {{math|''f''}} が周期 {{math|''P''}} を持つならば {{math|''f''}} の定義域の各元 {{math|''x''}} と任意の[[整数]] {{math|''n''}} に対して : {{math|''f''(''x'' + ''nP'') {{=}} ''f''(''x'')}} が成立する。同じく {{math|''f''}} が周期 {{math|''P''}} を持つならば、定数 {{math|''a'', ''b''}} に対して函数 {{math|''f''(''ax'' + ''b'')}} は周期 {{fraction|''P''|{{mabs|''a''}}}} を持つ周期函数になる。例えば {{math|''f''(''x'') {{=}} sin&thinsp;''x''}} は周期 {{math|2π}} ゆえ {{math|sin(5''x'')}} は周期 {{math|2π/5}} を持つ。 == {{Anchors|二重周期函数}}二重周期関数 == {{main|{{仮リンク|二重周期関数|en|Doubly periodic function}}}} [[複素平面]]上で定義される関数は、定数関数でなくとも互いに不均衡な 2 つの周期を持ち得る(この文脈での「不均衡」は、一方が他方の実数倍でないことを言う)。そのような関数の例として、[[楕円関数]]が挙げられる。 == 複素変数の周期関数 == [[複素数]]を[[変数 (数学)|変数]]に持つ周期関数として、以下の[[複素指数関数]]がよく知られている(この関数はときに {{math|cis}} 関数とも呼ばれる)。 : <math>e^{ikx} = \cos kx + i\,\sin kx.</math> 実部の余弦関数と虚部の正弦関数のどちらも周期的であるから、この関数は明らかに周期的である。このような複素指数関数の三角関数による表示は[[オイラーの公式]]として知られる。この複素指数関数を用いることで三角関数は指数関数によって書き表すことができる。三角関数と同様に指数関数の周期 {{mvar|L}} は {{math|''L'' {{=}} 2&pi;/''k''}} で与えられる。 == 一般化 == === {{Anchors|反周期函数}}反周期関数 === 周期関数の一般化の一つに'''反周期関数'''(はんしゅうきかんすう、{{lang-en-short|''antiperiodic functions''}})があり、これは全ての {{math|''x''}} に対して {{math|''f''(''x''&nbsp;+&nbsp;''P'') {{=}} &minus;''f''(''x'')}} を満たすような関数 {{math|''f''}} のことを言う。従って、周期について {{math|''P''}} 反周期関数は {{math|2''P''}} 周期関数になる。 === {{Anchors|ブロッホ函数}}ブロッホ関数 === {{main|ブロッホ関数}} [[ブロッホ波]]や[[フロケ理論]]の文脈では、周期関数はさまざまな周期的微分方程式の解として一般化され、まとめられる。この文脈で(一次元の場合の)解は、典型的には適当な実または複素定数 {{math|''k''}} を伴って : <math>f(x+P) = e^{ikP} f(x)</math> なる形に表される(定数 {{math|''k''}} は'''ブロッホ波ベクトル'''や'''フロケ指数'''と呼ばれる)。この文脈では、この形の関数は'''ブロッホ周期的'''であると言うこともある。通常の周期関数は {{math|''k'' {{=}} 0}} なる特別の場合であり、また反周期関数は {{math|''k'' {{=}} π/''P''}} なる特別の場合である。 === {{Anchors|商空間の函数}}商空間上の関数 === [[フーリエ級数]]は周期関数を表現し、フーリエ級数は[[畳み込み#畳み込み定理|畳み込み定理]] (すなわち、フーリエ級数の畳み込みは表現される周期関数の積に対応し、逆もまた然り)を満足するけれども、[[信号処理]]において周期関数の畳み込みは通常の定義に従えば積分が発散するために畳み込むことができないという問題に遭遇する。これを解決する方法の一つは、有界だが周期的でない領域上で定義された周期関数というものを考えることである。これを達成するために[[剰余環|商空間]]の概念を用いて :<math>{\mathbb{R}/\mathbb{Z}} = \{x+\mathbb{Z} : x\in\mathbb{R}\} = \{\{y : y\in\mathbb{R}\land y-x\in\mathbb{Z}\} : x\in\mathbb{R}\}</math> を考えよう。このとき {{math|'''R'''/'''Z'''}} の各元は同じ[[小数部分]]を持つ[[実数]]からなる[[同値類]]であり、関数 {{math|''f'': '''R'''/'''Z''' &rarr; '''R'''}} は周期 {{math|1}} の周期関数を表すものと考えられる。 == 関連項目 == * {{仮リンク|周期関数の一覧|en|List of periodic functions}} * {{仮リンク|周期列|en|Periodic sequence}} * [[概周期関数]] * [[振幅]] * {{仮リンク|定ピッチ|en|Definite pitch}} * {{仮リンク|二重周期関数|en|Doubly periodic function}} * [[フロケ理論]] * [[周波数]] * [[振動]] * [[準周期関数]] * [[波長]] * {{仮リンク|周期和|en|Periodic summation}} * {{仮リンク|永年変化|en|Secular variation}} == 注釈 == {{Reflist}} == 参考文献 == * {{cite book|last=Ekeland|first=Ivar|authorlink=:en:Ivar Ekeland|chapter=One|title=Convexity methods in Hamiltonian mechanics|series=Ergebnisse der Mathematik und ihrer Grenzgebiete (3) [Results in Mathematics and Related Areas (3)]|volume=19|publisher=Springer-Verlag|location=Berlin|year=1990|pages=x+247|isbn=3-540-50613-6|mr=1051888|ref=harv}} == 外部リンク == * {{SpringerEOM|title=Periodic function|urlname=Periodic_function}} *[http://mathworld.wolfram.com/PeriodicFunction.html Periodic functions at MathWorld] {{Normdaten}} {{DEFAULTSORT:しゆうきかんすう}} [[Category:解析学]] [[Category:初等数学]] [[Category:フーリエ解析]] [[Category:写像]] [[Category:数学に関する記事]]
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倶会一処
倶会一処(くえいっしょ)とは、浄土教の往生の利益の一つ。阿弥陀仏の極楽浄土に往生したものは、浄土の仏・菩薩たちと一処で出会うことができる、という意味である。 『阿弥陀経』に、 とあるところから引かれた言葉。 浄土真宗では、念仏の信仰に生きる人は、この世の命が終わるとただちに浄土に生れるとし、そこで墓碑に「倶会一処」と刻むことがある。それは、先に浄土に往生している先祖たちと、共に同じ浄土に生まれたいと思う心持ちを表したものであるし、また同じ浄土へ往生させていただくことを喜ぶ姿でもある。
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倶会一処(くえいっしょ)とは、浄土教の往生の利益の一つ。阿弥陀仏の極楽浄土に往生したものは、浄土の仏・菩薩たちと一処で出会うことができる、という意味である。 『阿弥陀経』に、 とあるところから引かれた言葉。 浄土真宗では、念仏の信仰に生きる人は、この世の命が終わるとただちに浄土に生れるとし、そこで墓碑に「倶会一処」と刻むことがある。それは、先に浄土に往生している先祖たちと、共に同じ浄土に生まれたいと思う心持ちを表したものであるし、また同じ浄土へ往生させていただくことを喜ぶ姿でもある。
'''倶会一処'''(くえいっしょ)とは、[[浄土教]]の[[往生]]の[[利益]]の一つ。[[阿弥陀仏]]の[[極楽]][[浄土]]に往生したものは、浄土の[[仏]]・[[菩薩]]たちと一処で出会うことができる、という意味である。 『''[[阿弥陀経]]''』に、 :「舎利弗。衆生聞者。応当発願。願生彼国。所以者何。得与如是。諸上善人。倶会一処。舎利弗。不可以少善根。福徳因縁。得生彼国。」 :「舎利弗、衆生聞かんもの、まさに発願してかの国に生ぜんと願ふべし。ゆゑはいかん。かくのごときの諸上善人とともに一処に会することを得ればなり。舎利弗、少善根福徳の因縁をもつてかの国に生ずることを得べからず。」(『''浄土真宗聖典註釈版'' 』124ページ) とあるところから引かれた言葉。 浄土真宗では、[[念仏]]の信仰に生きる人は、この世の命が終わるとただちに浄土に生れるとし、そこで[[墓碑]]に「倶会一処」と刻むことがある。それは、先に浄土に往生している先祖たちと、共に同じ浄土に生まれたいと思う心持ちを表したものであるし、また同じ浄土へ往生させていただくことを喜ぶ姿でもある。 {{浄土教2}} {{DEFAULTSORT:くえいつしよ}} [[category:浄土教]] [[Category:浄土三部経]] [[Category:浄土宗]] [[Category:浄土真宗の用語]]
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13,039
空手道
空手道(からてどう)または空手(からて、沖縄語発音: [kaɽati])は、琉球王国発祥の拳足による打撃技を特徴とする武道である。起源には諸説があるが、沖縄固有の拳法の手に当身の際の発声、巻き藁稽古法など、日本の剣術(特に薩摩示現流)の影響を受けたという見方がある。 琉球王国において士族の嗜みであった空手道は、大正時代に沖縄県から他の都道府県に伝えられ、昭和8年(1933年)に大日本武徳会において日本の武道として正式承認を受け、沖縄に大日本武徳会の支部が置かれる。1899年(明治32年)に始まる沖縄県から米国ハワイ州への移民、それに続く南米等への移民とともに海外に空手が広まる。さらに第二次世界大戦後は米軍関係者を通じて世界各地に広まった。現在普及している空手道は、沖縄の空手、試合方式の違いから防具を着用して直接打撃を行う防具付き空手、寸止めルールを採用する伝統派空手、直接打撃制ルールを採用するフルコンタクト空手などに大別できる。 今日の空手道は打撃技を主体とする格闘技であるが、沖縄古来の空手には取手(トゥイティー、とりて)、掛手(カキティー、かけて)と呼ばれる関節技や投げ技や掛け掴み技も含んでいた。また、徒手空拳の技以外に棒術、釵術、ヌンチャク術といった武器術も併せて修行するのが一般的である。沖縄では現在でも多くの沖縄系流派が古来の技術と鍛錬法を維持しているが、最近の本土系の流派では失伝した技を他の武術から取り入れて補う形で、総合的な体術への回帰、あるいは新たな総合武道へ発展を目指す流派・会派も存在する。 空手は、もともと明治初頭の頃の沖縄では手(て、琉球方言でティー)もしくは唐手(とうで、琉球方言でトゥーディー、トーディー)と呼ばれていた(花城長茂説)。しかし、1901年(明治34年)に空手が沖縄県で学校の体育科に採用された頃から、唐手表記のまま、読み方が「トゥーディー」から「からて」へ改められ、意味も「手」も含めた琉球拳法一般を指すようになった。それゆえ、唐手(トゥーディー)と唐手(からて)は、言葉の意味する範囲が違うことに注意する必要がある。 「空手」の表記がいつから始まったかについては諸説がある。18世紀に編纂された正史『球陽』に、京阿波根実基が「空手」の使い手であったことが記されているが、この「空手」が今日の空手の直接の源流武術であったのかは、史料が乏しいため判然としない。船越義珍によれば、もともと「沖縄には『から手』という呼び方があったことは事実である」とされ、しかしそれが「唐手」なのか「空手」なのかは不明であるという。つまり、琉球王国時代から空手という表記が存在した可能性は考えられるが、これを史料から追跡するのは困難である。 今日知られている廃藩置県以降での空手表記の初出は、1905年(明治38年)に花城長茂が空手空拳の意味で使い始めたものである。次に大正年間の船越義珍の著作や本部朝基の著作に断片的に「空手」の文字が使用されている。そして、1929年(昭和4年)に慶應義塾大学唐手研究会(師範・船越義珍)が般若心経の空の概念を参考にしてこれを用い、その後この表記が東京を中心に広まった。 また、柔術諸派では、空手(からて)という表現に先立って、空手術(くうしゅじゅつ)という表現が用いられていた。これは徒手空拳を意味し、当て身を意味した。大日本武徳会が昭和9年に唐手術部門を新たに開設した際に、唐手術として登録し直された総合系柔術(空真流、神道自然流)においても、唐手技、当て身技を空手術(くうしゅじゅつ)と呼んでいたという。ここから、唐手(とうで)、唐手(からて)、空手(くうしゅ)が混淆して、空手(からて)という呼び名が誕生したとも考えられる。 1936年(昭和11年)10月25日、那覇で花城長茂、喜屋武朝徳、本部朝基、宮城長順、城間真繁、知花朝信、許田重発、仲宗根源和が集まった「空手座談会」(琉球新報社主催)が開かれ、この時、唐手を空手に改めることが決まった。1960年代までは唐手表記も珍しくなかったが、現在では空手の表記が一般化し定着している。また、1970年代からは、主にフルコンタクト系の空手団体において、カラテやKARATEと表記されることも多い。 空手(唐手)に「道」を付加して、空手道(唐手道)の表記がいつ始まったのかについても諸説がある。船越義珍によると、唐手の表記はしばしば中国拳法と認識されたので、慶応大学唐手研究会の同門諸君と相談して「大日本拳法空手道」に改めたとされる。時期は慶応大学空手部の当時の記録によれば、1929年(昭和4年)もしくは1930年(昭和5年)であったという。 改称理由について、沖縄唐手は大学において「科学的に解剖され分析され研究され批判された」結果、一度解体される必要性が生じたため、新しく日本精神に基づいて日本の武道として再組織されて「空手道」に改められたとしている。 一方で、同じく船越義珍が師範を務めていた東大唐手研究会でも同時期に「唐手道」の名称を使用していた事実が当時発行された書籍から確認することができる。その理由について、船越義珍の伝えた沖縄唐手は組み手の技法を伝えず「型法の修練」に終始したが、これは「唐手道」到達における前段階にすぎず、これに試合制を加味してはじめて「唐手道」に至るのであるとしている。 ※上記表はあくまで概略図であり、実際の名称の変遷は多少の時期の重複を含む。 空手の起源に関しては諸説あるが、主なものは下記の通りである。 那覇の久米村(クニンダ、現・那覇市久米)に、1392年、当時の明の福建省から「閩(ビン)人三十六姓」と呼ばれる職能集団が移住してきたとされる。彼らは琉球に先進的な学芸、技能等をもたらしたが、この時、空手の起源となる中国拳法も同時にもたらされたとする説。ただし当時は中国でも拳法が未発達だったことが知られており今日ではこの説に疑問を呈する見解もある。同じ中国伝来説に、禁武政策以降にもたらされたとする「慶長輸入説」や『大島筆記』の記述を元に公相君が伝えたとする「大島筆記説」等もある。 舞方(メーカタ、前方とも)は、琉球舞踊の一種である。沖縄の田舎には舞方と呼ばれる音曲にあわせて踊る武術的な舞踊があり、戦前まで各地に見られた。また、日本の「奴(やっこ)」のように、舞踊行列において前払いをする者は前方(メーカタ)と呼ばれ、行列の先頭で音曲に合わせて空手のような武術的な踊りをしていたともいう。こうした武術的要素をもった舞方から「手(ティー)」が生まれ唐手へと発展した、ないしは舞方の中に唐手発達以前の「手」の原初的姿が残されている、とする説。安里安恒やその弟子の船越義珍がこの説を唱えている。 この「手」に中国武術が加味されて唐手へと発展したとする説は今日の主流になっている。本部朝基の「(支那拳法が)琉球在来の武術と合し、取捨選択洗練の結果、唐手として隆々発達を遂げた」とする説や、宮城長順が記す「慶長輸入説」のうち、「外来の拳法が在来の『手』と合流して異常の発達を遂げ」たとする説もこれに該当する。 他にも、沖縄角力(シマ)からの発展説、本土から伝来していた柔術が起源とする説などがある。 琉球の歴史において、唐手(とうで、トゥーディー)の文字が初めて現れるのは唐手佐久川(とうでさくがわ)とあだ名された佐久川寛賀においてである。佐久川は20代の頃(19世紀初頭)、当時の清へ留学し中国武術を学んできたとされ、この佐久川が琉球へ持ち帰った中国武術に、以前からあった沖縄固有の武術「手(ティー)」が融合してできたものが、今日の空手の源流である唐手であったと考えられている。 佐久川以降、「手」は唐手に吸収・同化されながら、徐々に衰退していったのであろう。一般に空手の歴史を語る際、この唐手と「手」の区別が曖昧である。それゆえ、狭義の意味での唐手の歴史は佐久川に始まるというが、厳密に言えば、佐久川はあくまで「トゥーディー」=中国武術の使い手であり、「日本の武技の手・空手」の起源を考えるならば、佐久川の弟子の松村宗棍以降になるともいわれる。「手」も含めた沖縄の格闘技全般という意味での空手の歴史は、もちろんそれ以前にさかのぼる。以下、広義の意味での空手の歴史について叙述する。 琉球の沖縄本島で空手が発展した理由として、従来言及されてきたのが、二度にわたって実施されたという禁武政策である。一度目は尚真王(在位1476年 - 1526年)の時代に実施されたというもので、このとき、国中の武器が集められて王府で厳重に管理されるようになった。二度目は1609年(慶長14年)の薩摩藩による琉球侵攻後に実施されたという禁武政策である。二度の禁武政策を通じて、武器を取り上げられた琉球士族が薩摩藩家臣に対抗するために、また、武器を持つことができなかった琉球王府の士族が主君を示現流という薩摩藩に伝わっていた古流剣術から守るために広がっていったものとする説が、従来、歴史的事実として言及されている。 例えば、松村宗棍は尚育王の御側守役となったが、やがて那覇の薩摩藩在番奉行・町田平の知遇を得て、薩摩藩の御家流剣術・示現流の稽古に精を出すことになる。松村の門人・糸州安恒が、後年に唐手術の「形」に「段」の名称をつけたのは、師匠である松村の示唆に従ったもので、これは示現流の目録から援用したものである。 しかし、禁武政策と空手発展の因果関係については、近年、これを疑問視する研究者が少なくない。例えば、尚真王の禁武政策とされるものについては、従来「百浦添欄干之銘」(1509年)にある「もっぱら刀剣・弓矢を積み、もって護国の利器となす」という文言を、「武器をかき集めて倉庫に封印した」と解釈してきたが、近年では沖縄学の研究者から「刀や弓を集めて国の武器とした」と解釈するのが正しいとの指摘がなされている。 また、薩摩藩の実施した禁武政策(1613年の琉球王府宛通達)も、帯刀など武器の携帯を禁じただけで、その所持まで禁じたものではなく、比較的緩やかな規制であったことが判明している。この通達は「一、鉄砲の所持禁止。二、王子・三司官・士族の個人所有武器の保有は認める。三、武器類の修理は在番奉行所を通して薩摩にて行うこと。四、刀剣類は在番奉行所に届け出て認可を受ける事」という内容であり、武器の所持(鉄砲を除く)やその稽古まで禁じるものではなかった。実際、薩摩への服属後も、琉球の剣術、槍術、弓術などの達人の名は何人も知られている。また、素手で鉄砲や刀などの武器に対抗するという発想そのものが非現実的であり、このような動機に基づいて琉球士族が空手の鍛錬に励んだとは考えられない、との指摘もある。それゆえ、禁武政策による空手発展説を「全く根拠のない巷間の浮説」(藤原稜三)と一刀両断する研究者もいる。 古くは16世紀、命を狙われた京阿波根実基(きょうあはごんじっき)が「空手」という武術を用いて暗殺者の両股を打ち砕いたとの記述が正史『球陽』(1745年頃)にあり、これは唐手以前の素手格闘術であったと考えられているが、これが現在の空手の源流武術であったのかは証明する史料に乏しく、その実態ははっきりしない。また、17世紀の武術家の名前が何人か伝えられているが、彼らがいかなる格闘技をしていたのか、その実態は明らかではない。明確に手(ティー)の使い手として多くの武人の名が挙がるのは、18世紀に入ってからである。西平親方、具志川親方、僧侶通信、渡嘉敷親雲上、蔡世昌、真壁朝顕などの名が知られている。 また、土佐藩の儒学者・戸部良煕が、土佐に漂着した琉球士族より聴取して記した『大島筆記』(1776年)の中に、先年来琉した公相君が組合術という名の武術を披露したとの記述があることが知られている。この公相君とは、1756年に訪れた冊封使節の中の侍従武官だったのでないかと見られており、空手の起源をこの公相君の来琉に求める説もあるが、組合術とは空手のような打撃技ではなく、一種の柔術だったのではないかとの見解もあり、推測の域を出ていない。 1784年に没した琉球士族の阿嘉直識の遺言書に「からむとう」なる武術の名前が記されているが、これが空手の起源であるかどうかは未詳である。また同遺言書は柔術を指す「やはら」についても記されており、少なくとも「からむとう」と柔術は別の武術と認識されていたようである。 19世紀になると、唐手という名称が使われ出す。しかし、唐手と「手」の相違は判然としない。明治初頭の頃まで、唐手以前の「手」は特に沖縄手(おきなわて、ウチナーディー)と呼ばれ、唐手とは区別されていたとされるが、両者の間にどのような相違があったのかは不明である。19世紀以降の唐手の使い手としては、首里では佐久川寛賀とその弟子の松村宗棍、盛島親方、油屋山城、泊では宇久嘉隆、照屋規箴、那覇では湖城以正、長浜筑登之親雲上などである。この中でも、特に松村宗棍は琉球王国時代の最も偉大な唐手家の一人と言われている。琉球国王の御側守役(侍従武官)の職にあり、国王の武術指南役もつとめたという。 また、この頃から薩摩を経由して伝来した日本武術も、唐手の発展に影響を及ぼしたとされる。最初は薩摩の在番役人から示現流剣術やその分派の剣術を修業する琉球士族の一部から伝わったものと思われるが、18世紀には薩摩藩士を介さず琉球士族から示現流剣術を学ぶ者もあった。また、松村宗棍のように、薩摩に渡って示現流を修業してくる者もいた。空手の「巻藁突き」は、示現流の「立木打ち」からヒントを得たとも言われている。また、空手の一撃必殺を追求する理念にも、示現流の影響があるという説もある。 さて、空手に流派が登場するのは、空手が本土に伝えられた大正末期以降である。それ以前は、空手の盛んだった地域名から、単に首里手、泊手、那覇手の三つに、大まかに分類されていたにすぎない。もっとも首里士族の中には首里手以外に、泊手や那覇手も同時に習っていた例もあり、この分類もあまり厳密に受け取るべきではないと言えよう。 元来、琉球士族の間で密かに伝えられてきた唐手であるが、明治12年(1879年)、琉球処分により琉球王国が滅亡すると、唐手も失伝の危機を迎えた。唐手の担い手であった琉球士族は、一部の有禄士族を除いて瞬く間に没落し、唐手の修練どころではなくなった。不平士族の中には清国へ逃れ(脱清)、独立運動を展開する者もいた。開化党(革新派)と頑固党(保守派)が激しく対立して、士族階層は動揺した。 このような危機的状況から唐手を救ったのが、糸洲安恒である。糸洲の尽力によって、唐手はまず明治34年(1901年)に首里尋常小学校で、明治38年(1905年)には沖縄県中学校(現・首里高等学校)および沖縄県師範学校の体育科に採用された。その際、読み方も「トゥーディー」から「からて」に改められた。唐手は糸洲によって一般に公開され、また武術から体育的性格へと変化することによって、生き延びたのである。糸洲の改革の情熱は、型の創作や改良にも及んだ。生徒たちが学習しやすいようにとピンアン(平安)の型を新たに創作し、既存の型からは急所攻撃や関節折りなど危険な技が取り除かれた。 このような動きとは別に、中国へ渡った沖縄県人の中には、現地で唐手道場を開いたり、また現地で中国拳法を習得して、これを持ち帰る者もいた。湖城以正、東恩納寛量、上地完文などがそうである。もっとも、日中国交回復後、日本から何度も現地へ調査団が派遣されたが源流武術が特定できず、また中国武術についての書籍や動画が出回るにつれ、彼らが伝えた武術と中国武術とはあまり似ていないという事実が知られるようになると、近年では研究者の間で彼らの伝系を疑問視する声も出てきている。 最近の研究によれば、最初に本土へ唐手を紹介したのは、明治時代に東京の尚侯爵邸に詰めていた琉球士族たちである。彼らは他の藩邸に招かれて唐手を披露したり、揚心流や起倒流などの柔術の町道場に出向いて、突、蹴を披露していた。 また、1908年(明治41年)、沖縄県立中学校の生徒が京都武徳会青年大会において、武徳会の希望により唐手の型を披露としたとの記録があり、このとき「嘉納博士も片唾を呑んで注視してゐた」というように、本土武道家の中にはすでにこの頃から唐手の存在に注目する者もいた。 しかし、本格的な指導は、富名腰義珍(後の船越義珍)や本部朝基らが本土へ渡った大正以降である。1922年(大正11年)5月、文部省主催の第一回体育展覧会において、富名腰は唐手の型や組手の写真を二幅の掛け軸にまとめてパネル展示を行った。この展示がきっかけで、翌6月、富名腰は嘉納治五郎に招待され、講道館で嘉納治五郎をはじめ200名を超える柔道有段者を前にして、唐手の演武と解説を行った。富名腰はそのまま東京に留まり、唐手の指導に当たることになった。(船越義珍#本土時代も参照。) 同じ頃、関西では本部朝基が唐手の実力を世人に示して、世間を驚嘆させた。同年11月、たまたま遊びに出かけていた京都で、本部はボクシング対柔道の興行試合に飛び入りで参戦し、相手のロシア人ボクサーを一撃のもとに倒した。当時52歳であった。この出来事が国民的雑誌『キング』等で取り上げられたことで、本部朝基の武名は一躍天下に轟くことになり、それまで一部の武道家や好事家のみに知られていた唐手の名が、一躍全国に知られるようになったと言われている。本部は同年から大阪で唐手の指導を始めた。富名腰や本部の活動に刺激されて、日本本土では大正末期から昭和にかけて大学で唐手研究会の創設が相次いだ。 また、本部のこの試合の勝利は、屋部憲通のハワイ唐手実演会(1927年)でも紹介され、海外での初期の唐手宣伝にも一役買った。ジェームズ・ミトセやエド・パーカー(エルヴィス・プレスリーの武術師匠)等、ハワイ出身のアメリカン・ケンポー(ケンポー・カラテ)の創始者達が、本部朝基との伝系のつながりを主張しているのも、こうした宣伝が影響を及ぼしたと考えられる。 沖縄では、大正13年(1924年)、本部朝勇が会長となって「沖縄唐手研究倶楽部」が設立され、さらに大正15年(1926年)には「沖縄唐手倶楽部」へと発展しながら、在沖縄の唐手の大家が一堂に会して、唐手の技術交流と共同研究の試みが行われた。参加者は花城長茂、本部朝勇、本部朝基、喜屋武朝徳、知花朝信、摩文仁賢和、宮城長順、許田重発、呉賢貴など、そうそうたる顔ぶれであった。 昭和に入ると、摩文仁賢和、宮城長順、遠山寛賢らも本土へ渡って、唐手の指導に当たるようになった。1934年(昭和9年)、大日本武徳会においてそれまでは柔術部門の科目とされていた唐手術が正式に部門として昇格し、同時に昭和9-12年には、小西康裕(神道自然流)、上島三之助(空真流)、宮城長順(剛柔流)といった人たちに教士号が授与された。 これは沖縄という一地方から発祥した唐手が晴れて日本の武道として認められた画期的な出来事だった。 また、近年になり、こうした本土への空手普及には柔道の嘉納治五郎が深く関わっていたことが知られ始めている。1927年(昭和2年)に沖縄県の唐手術を視察した嘉納治五郎は、宮城長順ならびに摩文仁賢和と交流し、意気投合した。嘉納は両師範に上京して唐手術を本土に普及させてほしいと依頼するととにも、その後の宮城長順による大日本武徳会を通じた普及活動にはいろいろと便宜を図ったと思われる。(宮城はすぐに教士に列せられたが、船越は下位の錬士にしか列れられなかった)宮城長順は嘉納の武道思想の影響を受け始めたこの頃から「唐手道」という表記を用い始めている。両者の手紙による交流は長く続いたという。また、嘉納治五郎は沖縄視察から帰京すると、精力善用国民体育という初等中等学校向けの兵式体操(突き蹴りが中心)のようなものを考案したが、そこには剛柔流の基本の影響が見てとれるという。 1929年(昭和4年)、船越義珍が師範を務めていた慶應義塾大学唐手研究会が般若心経の「空」の概念から唐手を空手に改めると発表したのをきっかけに、本土では空手表記が急速に広まった。さらに他の武道と同じように「道」の字をつけ、「唐手術」から「空手道」に改められた。沖縄でも1936年(昭和11年)10月25日、那覇で「空手大家の座談会」(琉球新報主催)が開催され、唐手から空手へ改称することが決議された。このような改称の背景には、当時の軍国主義的風潮への配慮(唐手が中国を想起させる)もあったとされている。なお、空手の表記は、花城長茂が、明治38年(1905年)から使用していたことが明らかとなっている。また本土の柔術諸派では空手術(くうしゅじゅつ)という表現が徒手空拳の当て身をさす言葉として用いられていたことも関係している。 このような徒手格闘としての空手の競技化に当たり、当初もっとも研究されていたのは防具付き空手であった。昭和2年(1927年)、東京帝国大学の唐手研究会が独自に防具付き空手を考案し、空手の試合を行うようになった。これを主導したのは坊秀男(後の和道会会長・大蔵大臣)らであったが、当時この師範であった船越は激怒し、昭和4年(1929年)東大師範を辞任する事態にまで発展した。演武会などでは、唐手の武術として一端を見せるためにやむなく組手も披露したが、普段の練習では基本と型の練習に終始した。初期の高弟であった大塚博紀(和道流)や小西康裕(神道自然流)によると、船越は当初15の型を持参して上京したが、組手はほとんど知らなかったという。 ほかにも、本土では摩文仁賢和とその弟子である澤山宗海(勝)らが独自に防具付き空手を研究していた。また、沖縄では屋部憲通が防具を使った組手稽古を沖縄県師範学校ではじめた。こうした中で東京都千代田区九段に設立されたのが、後に全日本空手道連盟錬武会に発展する韓武舘である。いずれにしろ戦前の空手家が当初目指したのは、防具着用による組手方式であった。 連合国占領期に連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の指令によって、文部省から出された「柔道、剣道等の武道を禁止する通達」のため、空手道の活動は一時、停滞した。しかし、この通達には「空手道」の文字が含まれていなかったため、空手道は禁止されていないとの文部省解釈を引き出して、空手道は他武道よりも、早期に活動を再開することができた。 空手道の競技化(試合化)は戦前から試みられていたが、試合化そのものを否定する考えもあり、組織的な競技化は実現していなかった。しかし1954年(昭和29年)錬武舘が「第1回全国空手道選手権大会」を防具付きルールで実施した。錬武舘(旧名・韓武舘)は遠山寛賢の無流派主義を受け継ぐ道場で、戦後の空手道言論界をリードした金城裕が防具付空手を主導した。この大会は全日本空手道連盟錬武会主催の全国防具付空手道選手権大会という名称で、空手道界最古の全国大会として現在も開催されている。 錬武舘は1959年(昭和34年)実業家であり内外タイムス社、代表取締役社長の蔡長庚から支援を受けて、全日本空手道連盟(旧)に発展。遠山寛賢の修道館を総本部とし、会長に蔡長庚、副会長に小西康裕(神道自然流)、金城裕(韓武館)、顧問に大塚博紀(和道流)、山田辰雄(日本拳法)、儀間真謹(松濤館流)、理事に保勇(少林寺流錬心舘)など当時の空手界重鎮多数が就任し、主催する全日本空手道連盟選手権大会には少林寺流錬心舘や日本千唐会等も参加していた。しかし当時の防具は安全性が十分に確保されていないものであり、危険度が高く、競技として普及するにはまだまだリスクの大きいものであった。 そのため、拓殖大学空手道部などが中心になって創案した「寸止めルール」が、次第に主流を占めることとなった。当たる寸前に技を止めるこのルールは年齢・性別を越えて容易に取り組むことができるとして、多くの流派で用いられることとなった。 こうして1950年(昭和25年)に結成された全日本学生空手道連盟の主催により1957年(昭和32年)に寸止め空手ルールによる「第1回全日本学生空手道選手権大会」が開催。同年には、日本空手協会主催により「全国空手道選手権大会」が開催された。 また1962年(昭和37年)には、山田辰雄が後楽園ホールで、「第一回空手競技会」としてグローブ空手の大会を開催した。 1964年(昭和39年)には、全日本空手道連盟(全空連)が結成された。全空連は四大流派をそれぞれ統括する日本空手協会(松濤館流)、松涛館(松濤館流)、剛柔会(剛柔流)、糸東会(糸東流)、和道会(和道流)、それ以外の諸派を統括する連合会、全日本空手道連盟(旧)であり防具付き空手諸派を統括する錬武会の6つの協力団体を中心に、「日本の空手道に統一的な秩序をもたらす」ことを目的として結成された。そして1969年(昭和44年)9月、全空連主催による伝統派(寸止め)ルールの「第1回全日本空手道選手権大会」が日本武道館で開催された。 しかし同年同月、伝統派空手に疑問を抱き、独自の理論で直接打撃制の空手試合を模索していた極真空手創始者の大山倍達によって、防具を一切着用しない、素手、素足の直接打撃制(足技以外の顔面攻撃禁止制)による第1回オープントーナメント全日本空手道選手権大会が代々木の東京体育館で開催され空手界に一大旋風を巻き起こした。一方の全日本空手道連盟は翌年、第1回世界空手道選手権大会を開催した。 このように、空手道の全国化・組織化は着実に進んでいった。しかし、その一方で、もともと流派、会派などが存在しなかったと言われていた空手道界であったが、大日本武徳会を機に流派、会派など増え始めていった。1948年(昭和23年)、東京では船越義珍の門弟たちによって松濤館流最大会派である日本空手協会が結成され、1957年(昭和32年)4月10日、日本空手協会を社団法人として文部省が認可した。しかし1958年(昭和33年)には早くも空手道の試合化を否定する廣西元信たちが戦前からの松濤会を復活させ、独立していった。分裂、独立については、ほかの流派も事情は似たり寄ったりであった。遠山寛賢やその高弟らによって設立された錬武会のように、無流派主義を標榜する空手家や連盟もいたが、多数にはなり得なかった。 また、全空連の試合規則、いわゆる「寸止め(極め)」ルールに対する不満などから、大山倍達の極真会館に代表されるような、フルコンタクト空手という、直接打撃制スタイル(中には顔面攻撃を認める会派もある)を採用する団体もあらわれ、一大勢力を形成するようになった。しかし、大山倍達が存命中は一枚岩と言われていた極真会館もまた、大山の死後、極真を名乗る複数の団体に分裂し、独自会派を立ち上げる者が多数出現することになる。そして、極真会館出身の大道塾空道に代表されるような、打撃技に特化された現在の空手へのアンチ・テーゼとして、空手道に関節技や投げ技を取り入れて、かつての空手がそうであった、総合武道の姿へと復元を目指す会派などもあらわれた。 戦後の沖縄では、戦争の爪痕も深く、県下の各流派・道場は個別に活動しており統一組織は存在していなかったが、まず1956年(昭和31年)、上地流、剛柔流、小林流、松林流の4流派によって沖縄空手道連盟(会長・知花朝信、沖空連)が結成された。次に全日本空手道連盟(旧)理事の保勇(少林寺流錬心舘)が仲立ちとなって全日本空手道連盟沖縄地区特別本部(会長・島袋善良)が1960年(昭和35年)に結成された。翌1961年(昭和36年)には、古武道系諸団体を中心に沖縄古武道協会(会長・比嘉清徳、古武道協)が結成された。 1963年(昭和38年)、沖空連から知花朝信一派が脱退、その4年後の1967年(昭和42年)に沖空連は解消され、全沖縄空手道連盟(会長・長嶺将真、全沖空連)が新たに結成された。同年、全日本空手道連盟沖縄地区特別本部は沖縄空手道連合会へ、古武道協は全沖縄空手古武道連合会(会長・比嘉清徳)へとそれぞれ改組された。 1981年(昭和56年)、沖縄空手界では、国体への参加問題と、これに伴う全日本空手道連盟(全空連)への加盟問題がこじれて大問題に発展した。全空連は、沖縄県体育協会(会長・大里喜誠)傘下の全沖空連に対して、沖縄側の加盟にあたって審査資格を八木明徳(剛柔流)、比嘉佑直(小林流)、上地完英(上地流)の長老三氏にのみ認め、ほかは本土側の審査を受けると通告したため、沖縄側が本土の支配下に置かれるとして反発した。しかし、海邦国体を間近に控え、業を煮やした沖縄県体育協会はついに、全沖空連を「不適当団体」として脱会処分にし、代わりに剛柔流(宮里栄一)、小林流(宮平勝哉、比嘉佑直)、松林流(長嶺将真)、本部御殿手(上原清吉)等によって結成された沖縄県空手道連盟(県空連、会長・長嶺将真)の入会を認めた。 全空連加盟を容認する県空連に対して、全沖空連側は「沖縄伝統の空手が日本空手道連盟の支配下に置かれることは納得できない」と強い不満を表明したが、県空連側も「全空連の内部にとび込んで、沖縄空手の向上を図るべき」(長嶺将真)として両者の主張は平行線をたどった。 1982年(昭和57年)、くにびき国体(島根県)の予選も兼ねた県空連主催の第一回空手道選手権大会が開催された。そして、1987年(昭和62年)、沖縄県で海邦国体が開催され、沖縄勢は型で全種目優勝を果たすなど空手道競技9種目中5種目を制覇して、本場の面目を保った。 しかし、当初全空連に加盟して内部から改革すると意気込んでいた県空連の改革姿勢も、本土側によって無視され不発に終わった。特に国体における指定型は、当初全空連(江里口栄一専務理事)は首里系4つ、那覇系4つの「名称のみの指定である」と沖縄側へ説明していたが、実際は本土四大流派の型であり、同一名称でも沖縄の型で試合に出ることはできなかった。この事実を知らされショックを受けた県空連は全空連に要望書を提出したが、沖縄に型の権威を奪われることを警戒する本土側によって黙殺された。 こうして、国体参加を通じて沖縄空手を本土に広めるとした沖縄側の理想は不発に終わり、むしろ近年では競技空手にいそしむ若手を中心に本土側の型や型解釈が広まってきており、沖縄空手はそのアイデンティティーをめぐって揺れている。 型(形とも)と組手は、空手の基本構成であり、昔からこの二つを練習することが基本となっている。しかし、いずれが主であるかなど、基準が時代と共に変化してきている。かつては型の修行に最も価値がおかれていたが、近年では試合制の導入などにより組手重視の傾向にあり、またそれゆえ、両者の乖離(かいり)が問題ともなっている。 型(形)とは、一人で演武する空手の練習形式である。各種の技を決まった順序で演武し、演武時間は型によって数十秒から数分間続く。修業者は型の練習を通じて、空手の基本的な技や姿勢を身につけるだけでなく、組手などへの実践応用に必要な空手独特の身体動作を身につけることができるとされる。 空手の型の数はすべて数えれば数十にもなり、すでに失伝した型もあれば、明治以降新たに創作された型(ピンアン等)もある。首里手、泊手、那覇手の各系統によって、習う型の種類には相違があり、また流派によっても相違がある。同じ型でも流派によって、また沖縄と本土によっても相違が存在する。 首里手の型には、ナイファンチ、バッサイ、クーサンクーなどがある。泊手の型には、ナイファンチ、ワンシュー、ローハイなどがある。那覇手の型には、サンチン、セイサン、スーパーリンペイなどがある。 今日では型の試合も実施され、型の演武それ自体が一つの競技とされるに至っている。試合化によって、型の完成度が高まると期待される一方、勝敗を意識して、難易度の高い型を選ぶ、同じ型でもより見栄えのするように演武する弊害、いわゆる「華手(ハナディー)」の問題なども指摘されている。 組手は、主に二人で相対しておこなう練習形式である。決められた手順に従って技を掛け合う「約束組手」、自由に技を掛け合う「自由組手」、さらには勝敗を目的とした「組手試合」が存在する。 組手は琉球王国時代から行われていたが、制式化されてなお現存するのは本部朝基が大正時代に発表した十二本の約束組手が最古で、それ以前のものは現存していない。尚泰王の冊封式典のために訪れた清の使節の前で「交手」という名の武技が披露されたという記録があり、これは組手のことを指すと考えられているが、その具体的な内容は不明である。 上述の本部朝基やその友人屋部憲通などを例外とすれば、戦前は型稽古が中心で、組手は学校体育向けに単純なものがわずかに行われる程度であった。さらに制度化された自由組手はまだ存在せず、掛け試しと呼ばれる一種の野試合が存在するだけであった。 しかし、空手が本土に伝えられた当時、柔道や剣道ではすでに試合制が実施されており、また乱取り稽古も盛んであった。このため、永岡秀一(柔道十段)や磯貝一(柔道十段)等、講道館の重鎮達から「型だけではわからん」とその単独稽古偏重が厳しく批判されたという。こうした批判を受けて、大塚博紀や小西康裕等が自ら学んでいた神道揚心流柔術や竹内流柔術等の様式を取り入れて作ったものが今日の約束組手の起源である。 これ以降も空手の約束組手は本土の大学生達を中心に改良が重ねられていった。さらに戦後になると、本格的に組手試合が整備されていった。組手試合の形式には、下に示す三形式が主流であり、ルールの細かい点は流派・会派毎に特色が見られる。 打撃による怪我を防ぐため、原則相手の皮一枚で止める「寸止め」もしくは「極め」と呼ばれる試合形式。主に全空連に加盟する伝統派空手の各流派で行われている。試合によっては防具着用を義務付ける場合もあるが、それでも直接打撃は認めていない。しかし全空連を含む多くの試合では事実上当てることが認められており、直後の引き手でダメージの軽減を計っている。このことはルール記載上の文言とは馴染まないが黙認されている。この場合、試合に支障を来たすようなダメージが与えられた場合や引き手の程度により初めて「当てた」と審判にも認知されるのが通例である。 防具着用の上での直接打撃を行う試合形式。防具付き空手、硬式空手の各流派・会派で行われている。広義のフルコンタクト空手。詳しくは防具付き空手の項を参照。 フルコンタクトと呼ばれる直接打撃を認める試合形式。防具などを一切着用せず素手、素足で試合をする。ただし、顔面への拳による攻め、金的への蹴り、膝への関節蹴りなど急所攻撃は禁じている。狭義のフルコンタクト空手。極真会館など。 講道館に統一されている柔道とは異なり、空手道には無数の流派が乱立し、流派によって教える型や鍛練法、試合ルールも全く異なる。大別すると、空手道の競技形式は伝統派空手とフルコンタクト空手、防具付き空手に分類することができる。 糸洲安恒によれば、空手道はもと昭林流と昭霊流の二派が中国から伝来したものが起源とされる。前者は首里手となり、後者は那覇手となったとするのが一般的な解釈であるが、上記二派は中国でもその存在が確認されておらず、どの程度歴史的事実であったのかは、疑問の残るところである。そもそも「......流」という表記は日本的であり、中国では「......拳」と称するのが一般的であるとの指摘もある。 今日の空手流派は本土に伝来して以降のものである。最古の空手流派は、本部朝基が大正時代に命名した日本傳流兵法本部拳法(本部流)が、文献上確認できるものとしては最も古い。船越義珍の松濤館流も実質的には同程度古いが、この流派名は戦後の通称であり、船越自身は生涯流派名を名乗らなかった。昭和に入ってからは、宮城長順が昭和6年(1931年)に剛柔流を名乗っている。その後は、知花朝信(小林流・1933年)、摩文仁賢和(糸東流・1934年)、小西良助(神道自然流・1937年)、大塚博紀(神州和道流空手術・1938年)、保勇(少林寺流空手道錬心舘・1955年)、菊地和雄(清心流空手道・1957年)と、流派の命名が続いた。 広義には、文字通り伝統的な空手の流派、すなわち、古流空手、全空連加盟等の本土空手、沖縄空手を含む。防具付き空手をこちらに分類することもある。伝統空手とも言う。狭義には、「寸止め」ルールを採用する全空連の空手およびその参加流派を指す場合が多い。下記の分類はあくまで概略的なものであり、それぞれにまたがる流派も多い。詳しくは、伝統派空手を参照。 伝統派空手のうち、競技化、スポーツ化を志向せず、古伝(古流)の空手スタイルを重視する。特徴としては、伝統的な型稽古や組手稽古、沖縄古来の鍛錬法の重視、武器術の併伝などを挙げることができる。沖縄空手とほぼ同義で使われることもあるが、沖縄空手の中でも、特に糸洲安恒による空手近代化以前のスタイルを指して使われることもある。 古伝空手(唐手)もしくは古流空手(唐手)という用語自体は、比較的最近のものである。1990年代以降、伝統派空手の内部から空手の近代化に批判的な論客(柳川昌弘、新垣清、宇城憲治など)が現れ、彼らの著作がベストセラーになるようになった。特に2000年以降、甲野善紀らによる古武術ブームの影響もあり、古伝(古流)空手への回帰論は空手言論界に大きな影響を及ぼした。こうした研究者のすべてが古伝(古流)を標榜しているわけではないが、近代空手と一線を画する論調が相互作用して一つの潮流を形成している。 古伝(古流)空手では、型の再評価や型分解の見直し、また競技化される以前の組手にあった技法――急所攻撃、取手(関節技、投げ技)等――の探究、さらには「気」、丹田といった東洋的な概念の再評価が行われている。 古伝(古流)空手の流派には、湖城流、本部流、心道流などがある。他に沖縄本島の松林流喜舎場塾、日本本土の空手道今野塾、清心館大久保道場(全日本清心会)などの古流稽古スタイルの会派・道場がある。 一般には本土空手を指す場合が多い。全空連に加盟し、空手道の競技化、スポーツ化に力点をおいている。全空連が寸止めルールを採用していることから、寸止め空手と呼ばれることも多い。競技空手、スポーツ空手とも呼ばれる。本土空手は、剛柔流、松濤館流、和道流、糸東流が規模の上から一般に四大流派と呼ばれ、よく知られている。 本土空手は、大学や高校を中心に発展してきた。それゆえ、より若者向けに型や組手も沖縄より全体的に力強く、ダイナミックで、見栄えがするように変化してきている。しかし、近年では生涯武道という観点から、また古伝空手ブーム等の影響もあって、競技化への反省も見られる。他に本土という土地柄、他格闘技との融合や影響が見られるのも特徴である。 近年では、勝負の判定を従来よりスポーツライクなものとしたポイント制や、拳サポーターの色分け(青と赤。従来は両者が白で、赤と白の区別は赤帯を用いていた)、細かなものでは審判の人数や立ち位置など、ルールにかなりの見直しが施されている。これらはオリンピック種目化を目指しての革新と見られるが、スポーツ化したとき見た目にはさほど違いのないテコンドーが既にオリンピック種目となっているため、実現は容易ではないと考えられていた。 2016年8月3日(日本時間4日)、リオデジャネイロで開かれた国際オリンピック委員会総会で2020年東京オリンピックの追加種目の一つとして空手道が承認された。 沖縄に本拠をおく空手流派である。スポーツ化の傾向にある本土空手と距離をおく意味で、「沖縄空手」が本来の伝統武道空手として用いられる場合も多い。本土の流派が主導する全空連が指定形から沖縄の形を排除したことに反発して、沖縄は本土と距離を置くようになった。しかし、沖縄県空手道連盟のように全空連に加盟している組織もある。 沖縄空手の特徴としては、伝統的な型稽古や鍛錬法を重視している。組手は、本土よりも遅れていたが近年は全空連式の寸止め方式が逆輸入されて盛んになっている。以前は防具組手も行われていた。ほかに武器術や取手術の併伝などを挙げることができる。しかし、沖縄空手も糸洲安恒以降近代化しており、また本土からの影響もあって、琉球王国時代そのままというわけではない。明治以降、東恩納寛量や宮城長順による那覇手の改革、新たに中国からもたらされた上地流等の普及により、琉球王国時代の特徴をそのまま継承する流派はむしろ少数になっている。湖城流のように戦後県外に流出した古流流派も存在する。しかし、少数の道場では、今日でも古くから伝えられた技や稽古法の保存に努めている。近年では沖縄県自体も空手の発祥地を意識して、「沖縄空手」の国際的な宣伝に力を入れている。 沖縄空手の流派には、三大流派として剛柔流、上地流、小林流があり、他に糸東流、沖縄拳法、少林流、少林寺流、松林流、本部御殿手、沖縄剛柔流、沖縄松源流、劉衛流、金硬流などがある。本土の空手会派とは組織形態が異なり、多くの沖縄空手会派、流派は単独組織を維持し、本土より世界各国に、より数多くの支部道場を持ち、世界的な大きな広がりがある。 直接打撃制ルールを採用する会派。開祖となった極真空手がもっとも有名であるが、広義には以下のものも含まれる。そもそも直接打撃制ルール自体は寸止めルールよりもはるかに歴史は古い。詳しくは、フルコンタクト空手を参照。 極真会館とその分派の多くに代表される「手技による顔面攻撃以外」の直接打撃制ルールを採用する会派のことを指す。しかし、近年では国際FSA拳真館や極真館など一部の試合で手技による顔面への直接打撃を認める会派も増えている。また、最近は幼年部・少年部・壮年部の人口が増加しているため、上級者以外ではヘッドギアやサポーターをつけることが多くなっている。極真会館の分派以外には伝統派空手の分派や、少林寺拳法の分派である白蓮会館、日本傳拳法の流れを汲む士衛塾、国際FSA拳真館などがある。2013年(平成25年)には、新極真会の緑健児とJKJOの渡辺正彦の呼びかけで、全日本フルコンタクト空手道連盟(JFKO)が発足。いわゆる直接打撃制ルールを採用するフルコンタクト空手諸団体の統括組織と位置付けられている。そして2014年(平成26年)5月、直接打撃制(フルコンタクト)ルールを採用するフルコンタクト空手界で初の統一大会(JFKO主催による第1回全日本フルコンタクト空手道選手権大会)が大阪市中央体育館で開催された。 フルコンタクト空手のもともとの意味は、アメリカで始められたキックボクシング的なプロ空手のことである。ボクシングとの差異を計るため、1ラウンド毎に対戦相手の腰より上へのキックを8本以上蹴らなくてはならないルールが特徴的。参加選手の出身流派は、沖縄や日本の空手諸流派だけでなく、韓国のテコンドーやアメリカなど欧米諸国で誕生した新興流派の出身者も多い。現在はキックボクシングの一種として“フルコンタクト・キックボクシング”という呼び名で、競技として成熟しつつある。 打撃のみならず、投技や寝技なども取り入れ、いわゆる総合格闘技に近い形での試合を行う会派を指す。代表的な会派は、一切の防具着用をせず、また一部で素手の拳による顔面攻撃を認めた試合を行うため、もっとも過激なルールと言われる真武館などや、空道の分派である空手道禅道会などが挙げられる。 極真空手に代表されるフルコンタクトスタイルに加えて、相手が防御できない状態で正確な蹴りが入った場合、ダメージの大きさにかかわらず技術点としてポイントを与え、技術的優劣を明確にするPOINT&KOルールで試合をする会派である。胸部への突きとローキックを主体とするスタイルを改め、伝統空手のスピードとフルコンタクト空手の破壊力を取り入れている。主な会派として佐藤塾や寛水流空手などがある。 防具をつけて試合をする空手競技のことである。組手競技ルールとしては元々寸止め空手やフルコンタクト空手よりも歴史が古く、空手界で最初の全国大会である全国空手道選手権大会も防具付きルールで行われていた。錬武会や錬心舘など伝統派空手の一部が長年掛けてルールと防具を改良し完成させた。詳しくは、防具付き空手を参照。 防具着用の競技形式は戦前より研究され、東京大学の唐手研究会、大阪の摩文仁賢和、立命館大学の山口剛玄、剛柔流の宮城長順等がそれぞれで防具の使用を試みていた。また沖縄でも一時期は防具着用による試合が沖縄拳法(中村茂)の名称で行われていた。その中で制度として定着したのは戦後の武道禁止令の中、剣道の防具着用による金城裕が主導した韓武舘の防具付き空手だった。韓武舘は遠山寛賢の無流派主義を受け継ぐ道場で後に全日本空手道連盟(旧)に発展。後に四大流派等とともに現在の公益財団法人全日本空手道連盟を発足させ、全空連の協力団体として防具付き空手を統括する全日本空手道連盟錬武会となった。同様に伝統的な防具付き空手団体としては全日本少林寺流空手道連盟錬心舘、千唐会等があり、いずれも広義の伝統派空手に含む場合もある。錬武会は無流派主義で全空連の防具付き空手統括団体として他流派をルーツとする団体の加盟も認めている連盟であるが、錬心舘と千唐会は一流一派の会派団体となっている。いずれも、伝統的な動作や引き手を重視する一本勝負で試合を行い、錬武会と錬心舘は「技あり」に相当な打撃強度が求められる。また、錬心舘は蹴り技に特化しており、独特の回し蹴りが発達している。 硬式空手は久高正之がプラスチック製の防具スーパーセーフを開発した事にはじまり、1981年(昭和56年)、錬武舘東京本部や拳行館、日本正武館、剛武舘を中心に、錬武会から分かれて作られた競技形式である。錬武会の一本勝負と異なり、「止め」までに時間をとってその間の攻防の中で当たった技を全て加点する、連打推奨の加点方式を採用している事が最大の特徴である。また名称は当時すでに主流であった寸止めルールを「軟式」として認識し、それに対抗する形で名づけられた。現在、硬式空手を行う団体は著作権等もあり全日本硬式空手道連盟のみであるが、2派に分裂していてそれぞれ千葉派、久高派と呼ばれ、両者の間には若干のルールの違いがある。連打推奨のため、伝統的な動作には錬武会や錬心舘ほど重きを置いていない。 全日本セーフティー空手道連盟は硬式空手から分裂し、テコンドー団体と交流しながら蹴り技を主体とした組手競技を行う団体として発足した。また、同様の団体として平成に入ってから、全日本格斗打撃連盟、日本防具空手道連盟、全国防具空手道連盟などが相次いで発足した。安全性に配慮し、打撃強度は比較的軽くてもとり、当てること重視で動作も伝統派空手とは異なる。これらの団体は「防具付き空手」ではなく「防具空手」と名乗る傾向がある。キックボクシングや新空手等とも交流がある。 全日本空手道連盟ルールにおいても、安全具としてメンホーという防具を装着する場合がある。ただし、これらはあくまで「寸止め」が前提であって直接打撃を前提とする上記の団体とは異なる。また、フルコンタクト空手団体にも、顔面に防具を着用する部門を設ける場合があるが、基本的にはフルコンタクトルールなのでダメージ制であり、手技による顔面への攻撃は認められていないことが多い。 しかし近年では、極真空手を出所とする団体間で顔、胴、脛、拳等に防具を着用し、突き(顔面への直突きのみ寸止めで認められる)・蹴り(下段蹴りは禁止)の攻撃をポイント制とするセミコンタクトルールが導入されている。 空手道の段級位制は、講道館柔道を元にして導入された。段位は大正13年(1924年)に船越義珍が発行したのが、空手道史上、初めてと言われている。 帯はまず黒帯、白帯が導入された。黒帯は有段者、白帯は入門者の帯である。黒帯と白帯の中間(1 - 3級)には、多くの流派で茶帯を設けている。さらに、茶帯の下に、当初子供用に色帯が導入され、今日では一般化している。また伝統派空手の場合、段位については全日本空手道連盟が「公認段位」として認定している。一方で、フルコンタクト空手の場合、統括組織が確立していないため、各会派・団体の名義で段位を認定している。 称号は、大日本武徳会が授与するものであったが、降伏後、占領していた連合国軍最高司令官総司令部(GHQ/SCAP)の命令によって解散させられると、その後は流派、会派ごとによって、独自に授与するようになった。称号には、範士、教士(達士)、錬士があるが、称号を授与しない流派・団体も存在する。 上記はあくまで一例であるが、一般的に普及している段級位や師範の認定は、各流派・団体において独自に行っており、統一基準は存在しない。よって同じ段級位であった場合でも技量に差があるケースもある。 琉球王国時代に空手道がどのような衣服で稽古されていたかは、史料がないため判然としない。戦前の写真などを見るかぎり、しばしば上半身裸で行われていたようである。『拳法概説』(昭和4年)に紹介されている喜屋武朝徳の説明によれば、裸で稽古する理由は「皮膚を強靱に鍛へると共に力の配合を明確に意識せん」がためであるとされる。喜屋武は、これは幼少の頃からの習慣であると述べているので、少なくとも明治初期から、おそらくは琉球王国時代からの習慣であったと考えられる。 この習慣は首里手に限らず、上掲の写真で宮城長順と許田重発が上半身裸で稽古していることからも、那覇手も含めた沖縄一般の習慣であったのだろう。ただし1921年(大正10年)に皇太子(後の昭和天皇)来沖の際に首里城正殿まで行われた空手演武(指揮:船越義珍)では、Tシャツ風の白衣上着に袴を着用した写真が残されている。 今日の空手道衣の起源は、1922年、船越義珍が講道館で演武する際に、神田の生地問屋から白木綿地を買ってきて、自ら手縫いで仕立てた柔道着らしきものが、文献上確認できる限りでは最古である。空手道衣がいつ販売されるようになったかは定かではないが、1934年(昭和9年)の『空手研究』にすでに空手道衣の広告が掲載されているので、昭和初期にはすでに販売されていた。その後、動作も稽古内容も柔道とは違うため、徐々に改良がなされ、今に至っている。 空手道衣の構造は今日、伝統派空手とフルコンタクト空手において、おおむね次のような相違が見られる(詳細は流派・会派により異なる)。 琉球王国時代には、空手の教授は秘密裏に行われた。人目につかないよう夜に教えたり、場所も人里離れた墓地などで教えた。こういった秘密主義は、薩摩の在番役人を警戒する必要があったためであり、また「掛け試し」などの挑戦を避けるためでもあった。当時は道場などはなく、師匠がとる弟子の数も少数であった。 日本武術とは異なり、空手には伝書はなく、口伝と実技のみで技が伝授された。稽古は型の稽古が中心で、一つの型の習得に3年を費やしたとも言われる。組手は一種の約束組手が存在したが、制度化された自由組手や試合などはなく、覚えた技を試したい者は、掛け試しなどの実戦を行う必要があった。 明治以降、空手の教授法も急速な変化を遂げた。沖縄の中学校や師範学校の体育に採用されるなどして、空手は初めて一般に公開された。師弟との一対一の練習から、師範の号令と共に、多数の生徒が同じ動作や型の練習をするようになった。糸洲安恒が学校で子供達が学びやすいようにと、ピンアン(平安)の型を創作したのも、この時期である。 大正時代に入ると、那覇に沖縄唐手研究倶楽部が結成され、当時の沖縄の大家たちがこれに参加して、初めての共同研究や共同修練の試みもなされた。また船越義珍や本部朝基によって、空手史上、初めて空手書が出版されたのも大正時代であった。昭和に入ると、技に名称をつけたり、伝書の作成、組手の研究、さらには試合の導入などが試みられた。段級位制や色帯制が導入されると同時に、練習体系の合理化も進んだ。自前で道場をもつ空手家も現れ、多人数を相手に教えるようになった。 しかし、空手の近代化が進むにつれて、西洋の身体動作や運動理論の導入に対する反省も起こっている。古伝空手や沖縄空手の再認識・再評価も、近年活発である。 最初にアメリカに空手を紹介したのは、戦前アメリカに移住した沖縄系移民達だったと考えられているが、公的な記録に乏しく、文献から追跡するのは難しい。著名な空手家では、屋部憲通がアメリカ本土に8年間滞在した後、1927年(昭和2年)4月、帰国途中に沖縄系移民の多いハワイへ立ち寄り空手道の講習会を開いた記録が残っており、屋部以降も、本部朝基、陸奥瑞穂(船越門下)、東恩納亀助(本部門下)、宮城長順といった空手家たちがハワイを訪れ、空手道を教授している。 アメリカ本土で本格的に空手が普及し始めたのは戦後からで、沖縄や日本本土で空手を習得した米国軍人たちによって伝えられた。代表的な人物には、しばしば「アメリカ空手道の父」とも言われるロバート・トリアス(1923年 - 1989年)がいる。トリアスは第二次世界大戦中、ソロモン諸島で本部朝基の弟子の中国人より空手道を習ったとされ、1946年、アリゾナ州フェニックスに空手道場を開設した。 ヨーロッパにおいては、1960年代以降、日本から空手道指導員が派遣されるという形で広まった。ドイツやイギリスで指導に当たった金澤弘和(松涛館流)やポルトガルで指導に当たった東恩納盛男(剛柔流)などの活躍が知られている。 旧ソ連では、1960年代半ば、モスクワの大学に初めて空手道部が設立された。しかし1973年、ソ連政府の方針によって日本武道が突然禁止され、代わってサンボが推奨されるようになった。再び空手道が行われるようになったのは、ソ連が崩壊しロシアとなって以降のことである。 韓国では、韓国併合時代の朝鮮半島から日本へ渡った人々が、知識や技術を持ち帰り、1940年代中盤に「コンスド(空手道)」、「タンスド(唐手道)」、または「カラテ(韓手)」の呼称で広まった。1950年代に入り、松濤館空手を源流に持つ人達を中心として名称統合が行われ「テコンドー」に発展し、その後に韓国の国技となった。なお、現在では、テコンドーの主要団体として、ITFとWT の2つがある。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "空手道(からてどう)または空手(からて、沖縄語発音: [kaɽati])は、琉球王国発祥の拳足による打撃技を特徴とする武道である。起源には諸説があるが、沖縄固有の拳法の手に当身の際の発声、巻き藁稽古法など、日本の剣術(特に薩摩示現流)の影響を受けたという見方がある。", "title": null }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "琉球王国において士族の嗜みであった空手道は、大正時代に沖縄県から他の都道府県に伝えられ、昭和8年(1933年)に大日本武徳会において日本の武道として正式承認を受け、沖縄に大日本武徳会の支部が置かれる。1899年(明治32年)に始まる沖縄県から米国ハワイ州への移民、それに続く南米等への移民とともに海外に空手が広まる。さらに第二次世界大戦後は米軍関係者を通じて世界各地に広まった。現在普及している空手道は、沖縄の空手、試合方式の違いから防具を着用して直接打撃を行う防具付き空手、寸止めルールを採用する伝統派空手、直接打撃制ルールを採用するフルコンタクト空手などに大別できる。", "title": null }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "今日の空手道は打撃技を主体とする格闘技であるが、沖縄古来の空手には取手(トゥイティー、とりて)、掛手(カキティー、かけて)と呼ばれる関節技や投げ技や掛け掴み技も含んでいた。また、徒手空拳の技以外に棒術、釵術、ヌンチャク術といった武器術も併せて修行するのが一般的である。沖縄では現在でも多くの沖縄系流派が古来の技術と鍛錬法を維持しているが、最近の本土系の流派では失伝した技を他の武術から取り入れて補う形で、総合的な体術への回帰、あるいは新たな総合武道へ発展を目指す流派・会派も存在する。", "title": null }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "空手は、もともと明治初頭の頃の沖縄では手(て、琉球方言でティー)もしくは唐手(とうで、琉球方言でトゥーディー、トーディー)と呼ばれていた(花城長茂説)。しかし、1901年(明治34年)に空手が沖縄県で学校の体育科に採用された頃から、唐手表記のまま、読み方が「トゥーディー」から「からて」へ改められ、意味も「手」も含めた琉球拳法一般を指すようになった。それゆえ、唐手(トゥーディー)と唐手(からて)は、言葉の意味する範囲が違うことに注意する必要がある。", "title": "名称の変遷" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "「空手」の表記がいつから始まったかについては諸説がある。18世紀に編纂された正史『球陽』に、京阿波根実基が「空手」の使い手であったことが記されているが、この「空手」が今日の空手の直接の源流武術であったのかは、史料が乏しいため判然としない。船越義珍によれば、もともと「沖縄には『から手』という呼び方があったことは事実である」とされ、しかしそれが「唐手」なのか「空手」なのかは不明であるという。つまり、琉球王国時代から空手という表記が存在した可能性は考えられるが、これを史料から追跡するのは困難である。", "title": "名称の変遷" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "今日知られている廃藩置県以降での空手表記の初出は、1905年(明治38年)に花城長茂が空手空拳の意味で使い始めたものである。次に大正年間の船越義珍の著作や本部朝基の著作に断片的に「空手」の文字が使用されている。そして、1929年(昭和4年)に慶應義塾大学唐手研究会(師範・船越義珍)が般若心経の空の概念を参考にしてこれを用い、その後この表記が東京を中心に広まった。", "title": "名称の変遷" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "また、柔術諸派では、空手(からて)という表現に先立って、空手術(くうしゅじゅつ)という表現が用いられていた。これは徒手空拳を意味し、当て身を意味した。大日本武徳会が昭和9年に唐手術部門を新たに開設した際に、唐手術として登録し直された総合系柔術(空真流、神道自然流)においても、唐手技、当て身技を空手術(くうしゅじゅつ)と呼んでいたという。ここから、唐手(とうで)、唐手(からて)、空手(くうしゅ)が混淆して、空手(からて)という呼び名が誕生したとも考えられる。", "title": "名称の変遷" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "1936年(昭和11年)10月25日、那覇で花城長茂、喜屋武朝徳、本部朝基、宮城長順、城間真繁、知花朝信、許田重発、仲宗根源和が集まった「空手座談会」(琉球新報社主催)が開かれ、この時、唐手を空手に改めることが決まった。1960年代までは唐手表記も珍しくなかったが、現在では空手の表記が一般化し定着している。また、1970年代からは、主にフルコンタクト系の空手団体において、カラテやKARATEと表記されることも多い。", "title": "名称の変遷" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "空手(唐手)に「道」を付加して、空手道(唐手道)の表記がいつ始まったのかについても諸説がある。船越義珍によると、唐手の表記はしばしば中国拳法と認識されたので、慶応大学唐手研究会の同門諸君と相談して「大日本拳法空手道」に改めたとされる。時期は慶応大学空手部の当時の記録によれば、1929年(昭和4年)もしくは1930年(昭和5年)であったという。", "title": "名称の変遷" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "改称理由について、沖縄唐手は大学において「科学的に解剖され分析され研究され批判された」結果、一度解体される必要性が生じたため、新しく日本精神に基づいて日本の武道として再組織されて「空手道」に改められたとしている。", "title": "名称の変遷" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "一方で、同じく船越義珍が師範を務めていた東大唐手研究会でも同時期に「唐手道」の名称を使用していた事実が当時発行された書籍から確認することができる。その理由について、船越義珍の伝えた沖縄唐手は組み手の技法を伝えず「型法の修練」に終始したが、これは「唐手道」到達における前段階にすぎず、これに試合制を加味してはじめて「唐手道」に至るのであるとしている。", "title": "名称の変遷" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "", "title": "名称の変遷" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "※上記表はあくまで概略図であり、実際の名称の変遷は多少の時期の重複を含む。", "title": "名称の変遷" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "空手の起源に関しては諸説あるが、主なものは下記の通りである。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "那覇の久米村(クニンダ、現・那覇市久米)に、1392年、当時の明の福建省から「閩(ビン)人三十六姓」と呼ばれる職能集団が移住してきたとされる。彼らは琉球に先進的な学芸、技能等をもたらしたが、この時、空手の起源となる中国拳法も同時にもたらされたとする説。ただし当時は中国でも拳法が未発達だったことが知られており今日ではこの説に疑問を呈する見解もある。同じ中国伝来説に、禁武政策以降にもたらされたとする「慶長輸入説」や『大島筆記』の記述を元に公相君が伝えたとする「大島筆記説」等もある。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "舞方(メーカタ、前方とも)は、琉球舞踊の一種である。沖縄の田舎には舞方と呼ばれる音曲にあわせて踊る武術的な舞踊があり、戦前まで各地に見られた。また、日本の「奴(やっこ)」のように、舞踊行列において前払いをする者は前方(メーカタ)と呼ばれ、行列の先頭で音曲に合わせて空手のような武術的な踊りをしていたともいう。こうした武術的要素をもった舞方から「手(ティー)」が生まれ唐手へと発展した、ないしは舞方の中に唐手発達以前の「手」の原初的姿が残されている、とする説。安里安恒やその弟子の船越義珍がこの説を唱えている。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "この「手」に中国武術が加味されて唐手へと発展したとする説は今日の主流になっている。本部朝基の「(支那拳法が)琉球在来の武術と合し、取捨選択洗練の結果、唐手として隆々発達を遂げた」とする説や、宮城長順が記す「慶長輸入説」のうち、「外来の拳法が在来の『手』と合流して異常の発達を遂げ」たとする説もこれに該当する。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "他にも、沖縄角力(シマ)からの発展説、本土から伝来していた柔術が起源とする説などがある。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "琉球の歴史において、唐手(とうで、トゥーディー)の文字が初めて現れるのは唐手佐久川(とうでさくがわ)とあだ名された佐久川寛賀においてである。佐久川は20代の頃(19世紀初頭)、当時の清へ留学し中国武術を学んできたとされ、この佐久川が琉球へ持ち帰った中国武術に、以前からあった沖縄固有の武術「手(ティー)」が融合してできたものが、今日の空手の源流である唐手であったと考えられている。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "佐久川以降、「手」は唐手に吸収・同化されながら、徐々に衰退していったのであろう。一般に空手の歴史を語る際、この唐手と「手」の区別が曖昧である。それゆえ、狭義の意味での唐手の歴史は佐久川に始まるというが、厳密に言えば、佐久川はあくまで「トゥーディー」=中国武術の使い手であり、「日本の武技の手・空手」の起源を考えるならば、佐久川の弟子の松村宗棍以降になるともいわれる。「手」も含めた沖縄の格闘技全般という意味での空手の歴史は、もちろんそれ以前にさかのぼる。以下、広義の意味での空手の歴史について叙述する。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "琉球の沖縄本島で空手が発展した理由として、従来言及されてきたのが、二度にわたって実施されたという禁武政策である。一度目は尚真王(在位1476年 - 1526年)の時代に実施されたというもので、このとき、国中の武器が集められて王府で厳重に管理されるようになった。二度目は1609年(慶長14年)の薩摩藩による琉球侵攻後に実施されたという禁武政策である。二度の禁武政策を通じて、武器を取り上げられた琉球士族が薩摩藩家臣に対抗するために、また、武器を持つことができなかった琉球王府の士族が主君を示現流という薩摩藩に伝わっていた古流剣術から守るために広がっていったものとする説が、従来、歴史的事実として言及されている。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "例えば、松村宗棍は尚育王の御側守役となったが、やがて那覇の薩摩藩在番奉行・町田平の知遇を得て、薩摩藩の御家流剣術・示現流の稽古に精を出すことになる。松村の門人・糸州安恒が、後年に唐手術の「形」に「段」の名称をつけたのは、師匠である松村の示唆に従ったもので、これは示現流の目録から援用したものである。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "しかし、禁武政策と空手発展の因果関係については、近年、これを疑問視する研究者が少なくない。例えば、尚真王の禁武政策とされるものについては、従来「百浦添欄干之銘」(1509年)にある「もっぱら刀剣・弓矢を積み、もって護国の利器となす」という文言を、「武器をかき集めて倉庫に封印した」と解釈してきたが、近年では沖縄学の研究者から「刀や弓を集めて国の武器とした」と解釈するのが正しいとの指摘がなされている。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "また、薩摩藩の実施した禁武政策(1613年の琉球王府宛通達)も、帯刀など武器の携帯を禁じただけで、その所持まで禁じたものではなく、比較的緩やかな規制であったことが判明している。この通達は「一、鉄砲の所持禁止。二、王子・三司官・士族の個人所有武器の保有は認める。三、武器類の修理は在番奉行所を通して薩摩にて行うこと。四、刀剣類は在番奉行所に届け出て認可を受ける事」という内容であり、武器の所持(鉄砲を除く)やその稽古まで禁じるものではなかった。実際、薩摩への服属後も、琉球の剣術、槍術、弓術などの達人の名は何人も知られている。また、素手で鉄砲や刀などの武器に対抗するという発想そのものが非現実的であり、このような動機に基づいて琉球士族が空手の鍛錬に励んだとは考えられない、との指摘もある。それゆえ、禁武政策による空手発展説を「全く根拠のない巷間の浮説」(藤原稜三)と一刀両断する研究者もいる。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "古くは16世紀、命を狙われた京阿波根実基(きょうあはごんじっき)が「空手」という武術を用いて暗殺者の両股を打ち砕いたとの記述が正史『球陽』(1745年頃)にあり、これは唐手以前の素手格闘術であったと考えられているが、これが現在の空手の源流武術であったのかは証明する史料に乏しく、その実態ははっきりしない。また、17世紀の武術家の名前が何人か伝えられているが、彼らがいかなる格闘技をしていたのか、その実態は明らかではない。明確に手(ティー)の使い手として多くの武人の名が挙がるのは、18世紀に入ってからである。西平親方、具志川親方、僧侶通信、渡嘉敷親雲上、蔡世昌、真壁朝顕などの名が知られている。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "また、土佐藩の儒学者・戸部良煕が、土佐に漂着した琉球士族より聴取して記した『大島筆記』(1776年)の中に、先年来琉した公相君が組合術という名の武術を披露したとの記述があることが知られている。この公相君とは、1756年に訪れた冊封使節の中の侍従武官だったのでないかと見られており、空手の起源をこの公相君の来琉に求める説もあるが、組合術とは空手のような打撃技ではなく、一種の柔術だったのではないかとの見解もあり、推測の域を出ていない。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "1784年に没した琉球士族の阿嘉直識の遺言書に「からむとう」なる武術の名前が記されているが、これが空手の起源であるかどうかは未詳である。また同遺言書は柔術を指す「やはら」についても記されており、少なくとも「からむとう」と柔術は別の武術と認識されていたようである。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "19世紀になると、唐手という名称が使われ出す。しかし、唐手と「手」の相違は判然としない。明治初頭の頃まで、唐手以前の「手」は特に沖縄手(おきなわて、ウチナーディー)と呼ばれ、唐手とは区別されていたとされるが、両者の間にどのような相違があったのかは不明である。19世紀以降の唐手の使い手としては、首里では佐久川寛賀とその弟子の松村宗棍、盛島親方、油屋山城、泊では宇久嘉隆、照屋規箴、那覇では湖城以正、長浜筑登之親雲上などである。この中でも、特に松村宗棍は琉球王国時代の最も偉大な唐手家の一人と言われている。琉球国王の御側守役(侍従武官)の職にあり、国王の武術指南役もつとめたという。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "また、この頃から薩摩を経由して伝来した日本武術も、唐手の発展に影響を及ぼしたとされる。最初は薩摩の在番役人から示現流剣術やその分派の剣術を修業する琉球士族の一部から伝わったものと思われるが、18世紀には薩摩藩士を介さず琉球士族から示現流剣術を学ぶ者もあった。また、松村宗棍のように、薩摩に渡って示現流を修業してくる者もいた。空手の「巻藁突き」は、示現流の「立木打ち」からヒントを得たとも言われている。また、空手の一撃必殺を追求する理念にも、示現流の影響があるという説もある。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "さて、空手に流派が登場するのは、空手が本土に伝えられた大正末期以降である。それ以前は、空手の盛んだった地域名から、単に首里手、泊手、那覇手の三つに、大まかに分類されていたにすぎない。もっとも首里士族の中には首里手以外に、泊手や那覇手も同時に習っていた例もあり、この分類もあまり厳密に受け取るべきではないと言えよう。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "元来、琉球士族の間で密かに伝えられてきた唐手であるが、明治12年(1879年)、琉球処分により琉球王国が滅亡すると、唐手も失伝の危機を迎えた。唐手の担い手であった琉球士族は、一部の有禄士族を除いて瞬く間に没落し、唐手の修練どころではなくなった。不平士族の中には清国へ逃れ(脱清)、独立運動を展開する者もいた。開化党(革新派)と頑固党(保守派)が激しく対立して、士族階層は動揺した。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "このような危機的状況から唐手を救ったのが、糸洲安恒である。糸洲の尽力によって、唐手はまず明治34年(1901年)に首里尋常小学校で、明治38年(1905年)には沖縄県中学校(現・首里高等学校)および沖縄県師範学校の体育科に採用された。その際、読み方も「トゥーディー」から「からて」に改められた。唐手は糸洲によって一般に公開され、また武術から体育的性格へと変化することによって、生き延びたのである。糸洲の改革の情熱は、型の創作や改良にも及んだ。生徒たちが学習しやすいようにとピンアン(平安)の型を新たに創作し、既存の型からは急所攻撃や関節折りなど危険な技が取り除かれた。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "このような動きとは別に、中国へ渡った沖縄県人の中には、現地で唐手道場を開いたり、また現地で中国拳法を習得して、これを持ち帰る者もいた。湖城以正、東恩納寛量、上地完文などがそうである。もっとも、日中国交回復後、日本から何度も現地へ調査団が派遣されたが源流武術が特定できず、また中国武術についての書籍や動画が出回るにつれ、彼らが伝えた武術と中国武術とはあまり似ていないという事実が知られるようになると、近年では研究者の間で彼らの伝系を疑問視する声も出てきている。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "最近の研究によれば、最初に本土へ唐手を紹介したのは、明治時代に東京の尚侯爵邸に詰めていた琉球士族たちである。彼らは他の藩邸に招かれて唐手を披露したり、揚心流や起倒流などの柔術の町道場に出向いて、突、蹴を披露していた。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "また、1908年(明治41年)、沖縄県立中学校の生徒が京都武徳会青年大会において、武徳会の希望により唐手の型を披露としたとの記録があり、このとき「嘉納博士も片唾を呑んで注視してゐた」というように、本土武道家の中にはすでにこの頃から唐手の存在に注目する者もいた。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "しかし、本格的な指導は、富名腰義珍(後の船越義珍)や本部朝基らが本土へ渡った大正以降である。1922年(大正11年)5月、文部省主催の第一回体育展覧会において、富名腰は唐手の型や組手の写真を二幅の掛け軸にまとめてパネル展示を行った。この展示がきっかけで、翌6月、富名腰は嘉納治五郎に招待され、講道館で嘉納治五郎をはじめ200名を超える柔道有段者を前にして、唐手の演武と解説を行った。富名腰はそのまま東京に留まり、唐手の指導に当たることになった。(船越義珍#本土時代も参照。)", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "同じ頃、関西では本部朝基が唐手の実力を世人に示して、世間を驚嘆させた。同年11月、たまたま遊びに出かけていた京都で、本部はボクシング対柔道の興行試合に飛び入りで参戦し、相手のロシア人ボクサーを一撃のもとに倒した。当時52歳であった。この出来事が国民的雑誌『キング』等で取り上げられたことで、本部朝基の武名は一躍天下に轟くことになり、それまで一部の武道家や好事家のみに知られていた唐手の名が、一躍全国に知られるようになったと言われている。本部は同年から大阪で唐手の指導を始めた。富名腰や本部の活動に刺激されて、日本本土では大正末期から昭和にかけて大学で唐手研究会の創設が相次いだ。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "また、本部のこの試合の勝利は、屋部憲通のハワイ唐手実演会(1927年)でも紹介され、海外での初期の唐手宣伝にも一役買った。ジェームズ・ミトセやエド・パーカー(エルヴィス・プレスリーの武術師匠)等、ハワイ出身のアメリカン・ケンポー(ケンポー・カラテ)の創始者達が、本部朝基との伝系のつながりを主張しているのも、こうした宣伝が影響を及ぼしたと考えられる。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "沖縄では、大正13年(1924年)、本部朝勇が会長となって「沖縄唐手研究倶楽部」が設立され、さらに大正15年(1926年)には「沖縄唐手倶楽部」へと発展しながら、在沖縄の唐手の大家が一堂に会して、唐手の技術交流と共同研究の試みが行われた。参加者は花城長茂、本部朝勇、本部朝基、喜屋武朝徳、知花朝信、摩文仁賢和、宮城長順、許田重発、呉賢貴など、そうそうたる顔ぶれであった。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "昭和に入ると、摩文仁賢和、宮城長順、遠山寛賢らも本土へ渡って、唐手の指導に当たるようになった。1934年(昭和9年)、大日本武徳会においてそれまでは柔術部門の科目とされていた唐手術が正式に部門として昇格し、同時に昭和9-12年には、小西康裕(神道自然流)、上島三之助(空真流)、宮城長順(剛柔流)といった人たちに教士号が授与された。 これは沖縄という一地方から発祥した唐手が晴れて日本の武道として認められた画期的な出来事だった。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "また、近年になり、こうした本土への空手普及には柔道の嘉納治五郎が深く関わっていたことが知られ始めている。1927年(昭和2年)に沖縄県の唐手術を視察した嘉納治五郎は、宮城長順ならびに摩文仁賢和と交流し、意気投合した。嘉納は両師範に上京して唐手術を本土に普及させてほしいと依頼するととにも、その後の宮城長順による大日本武徳会を通じた普及活動にはいろいろと便宜を図ったと思われる。(宮城はすぐに教士に列せられたが、船越は下位の錬士にしか列れられなかった)宮城長順は嘉納の武道思想の影響を受け始めたこの頃から「唐手道」という表記を用い始めている。両者の手紙による交流は長く続いたという。また、嘉納治五郎は沖縄視察から帰京すると、精力善用国民体育という初等中等学校向けの兵式体操(突き蹴りが中心)のようなものを考案したが、そこには剛柔流の基本の影響が見てとれるという。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "1929年(昭和4年)、船越義珍が師範を務めていた慶應義塾大学唐手研究会が般若心経の「空」の概念から唐手を空手に改めると発表したのをきっかけに、本土では空手表記が急速に広まった。さらに他の武道と同じように「道」の字をつけ、「唐手術」から「空手道」に改められた。沖縄でも1936年(昭和11年)10月25日、那覇で「空手大家の座談会」(琉球新報主催)が開催され、唐手から空手へ改称することが決議された。このような改称の背景には、当時の軍国主義的風潮への配慮(唐手が中国を想起させる)もあったとされている。なお、空手の表記は、花城長茂が、明治38年(1905年)から使用していたことが明らかとなっている。また本土の柔術諸派では空手術(くうしゅじゅつ)という表現が徒手空拳の当て身をさす言葉として用いられていたことも関係している。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "このような徒手格闘としての空手の競技化に当たり、当初もっとも研究されていたのは防具付き空手であった。昭和2年(1927年)、東京帝国大学の唐手研究会が独自に防具付き空手を考案し、空手の試合を行うようになった。これを主導したのは坊秀男(後の和道会会長・大蔵大臣)らであったが、当時この師範であった船越は激怒し、昭和4年(1929年)東大師範を辞任する事態にまで発展した。演武会などでは、唐手の武術として一端を見せるためにやむなく組手も披露したが、普段の練習では基本と型の練習に終始した。初期の高弟であった大塚博紀(和道流)や小西康裕(神道自然流)によると、船越は当初15の型を持参して上京したが、組手はほとんど知らなかったという。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "ほかにも、本土では摩文仁賢和とその弟子である澤山宗海(勝)らが独自に防具付き空手を研究していた。また、沖縄では屋部憲通が防具を使った組手稽古を沖縄県師範学校ではじめた。こうした中で東京都千代田区九段に設立されたのが、後に全日本空手道連盟錬武会に発展する韓武舘である。いずれにしろ戦前の空手家が当初目指したのは、防具着用による組手方式であった。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "連合国占領期に連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の指令によって、文部省から出された「柔道、剣道等の武道を禁止する通達」のため、空手道の活動は一時、停滞した。しかし、この通達には「空手道」の文字が含まれていなかったため、空手道は禁止されていないとの文部省解釈を引き出して、空手道は他武道よりも、早期に活動を再開することができた。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "空手道の競技化(試合化)は戦前から試みられていたが、試合化そのものを否定する考えもあり、組織的な競技化は実現していなかった。しかし1954年(昭和29年)錬武舘が「第1回全国空手道選手権大会」を防具付きルールで実施した。錬武舘(旧名・韓武舘)は遠山寛賢の無流派主義を受け継ぐ道場で、戦後の空手道言論界をリードした金城裕が防具付空手を主導した。この大会は全日本空手道連盟錬武会主催の全国防具付空手道選手権大会という名称で、空手道界最古の全国大会として現在も開催されている。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "錬武舘は1959年(昭和34年)実業家であり内外タイムス社、代表取締役社長の蔡長庚から支援を受けて、全日本空手道連盟(旧)に発展。遠山寛賢の修道館を総本部とし、会長に蔡長庚、副会長に小西康裕(神道自然流)、金城裕(韓武館)、顧問に大塚博紀(和道流)、山田辰雄(日本拳法)、儀間真謹(松濤館流)、理事に保勇(少林寺流錬心舘)など当時の空手界重鎮多数が就任し、主催する全日本空手道連盟選手権大会には少林寺流錬心舘や日本千唐会等も参加していた。しかし当時の防具は安全性が十分に確保されていないものであり、危険度が高く、競技として普及するにはまだまだリスクの大きいものであった。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "そのため、拓殖大学空手道部などが中心になって創案した「寸止めルール」が、次第に主流を占めることとなった。当たる寸前に技を止めるこのルールは年齢・性別を越えて容易に取り組むことができるとして、多くの流派で用いられることとなった。 こうして1950年(昭和25年)に結成された全日本学生空手道連盟の主催により1957年(昭和32年)に寸止め空手ルールによる「第1回全日本学生空手道選手権大会」が開催。同年には、日本空手協会主催により「全国空手道選手権大会」が開催された。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "また1962年(昭和37年)には、山田辰雄が後楽園ホールで、「第一回空手競技会」としてグローブ空手の大会を開催した。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "1964年(昭和39年)には、全日本空手道連盟(全空連)が結成された。全空連は四大流派をそれぞれ統括する日本空手協会(松濤館流)、松涛館(松濤館流)、剛柔会(剛柔流)、糸東会(糸東流)、和道会(和道流)、それ以外の諸派を統括する連合会、全日本空手道連盟(旧)であり防具付き空手諸派を統括する錬武会の6つの協力団体を中心に、「日本の空手道に統一的な秩序をもたらす」ことを目的として結成された。そして1969年(昭和44年)9月、全空連主催による伝統派(寸止め)ルールの「第1回全日本空手道選手権大会」が日本武道館で開催された。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "しかし同年同月、伝統派空手に疑問を抱き、独自の理論で直接打撃制の空手試合を模索していた極真空手創始者の大山倍達によって、防具を一切着用しない、素手、素足の直接打撃制(足技以外の顔面攻撃禁止制)による第1回オープントーナメント全日本空手道選手権大会が代々木の東京体育館で開催され空手界に一大旋風を巻き起こした。一方の全日本空手道連盟は翌年、第1回世界空手道選手権大会を開催した。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "このように、空手道の全国化・組織化は着実に進んでいった。しかし、その一方で、もともと流派、会派などが存在しなかったと言われていた空手道界であったが、大日本武徳会を機に流派、会派など増え始めていった。1948年(昭和23年)、東京では船越義珍の門弟たちによって松濤館流最大会派である日本空手協会が結成され、1957年(昭和32年)4月10日、日本空手協会を社団法人として文部省が認可した。しかし1958年(昭和33年)には早くも空手道の試合化を否定する廣西元信たちが戦前からの松濤会を復活させ、独立していった。分裂、独立については、ほかの流派も事情は似たり寄ったりであった。遠山寛賢やその高弟らによって設立された錬武会のように、無流派主義を標榜する空手家や連盟もいたが、多数にはなり得なかった。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "また、全空連の試合規則、いわゆる「寸止め(極め)」ルールに対する不満などから、大山倍達の極真会館に代表されるような、フルコンタクト空手という、直接打撃制スタイル(中には顔面攻撃を認める会派もある)を採用する団体もあらわれ、一大勢力を形成するようになった。しかし、大山倍達が存命中は一枚岩と言われていた極真会館もまた、大山の死後、極真を名乗る複数の団体に分裂し、独自会派を立ち上げる者が多数出現することになる。そして、極真会館出身の大道塾空道に代表されるような、打撃技に特化された現在の空手へのアンチ・テーゼとして、空手道に関節技や投げ技を取り入れて、かつての空手がそうであった、総合武道の姿へと復元を目指す会派などもあらわれた。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "戦後の沖縄では、戦争の爪痕も深く、県下の各流派・道場は個別に活動しており統一組織は存在していなかったが、まず1956年(昭和31年)、上地流、剛柔流、小林流、松林流の4流派によって沖縄空手道連盟(会長・知花朝信、沖空連)が結成された。次に全日本空手道連盟(旧)理事の保勇(少林寺流錬心舘)が仲立ちとなって全日本空手道連盟沖縄地区特別本部(会長・島袋善良)が1960年(昭和35年)に結成された。翌1961年(昭和36年)には、古武道系諸団体を中心に沖縄古武道協会(会長・比嘉清徳、古武道協)が結成された。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "1963年(昭和38年)、沖空連から知花朝信一派が脱退、その4年後の1967年(昭和42年)に沖空連は解消され、全沖縄空手道連盟(会長・長嶺将真、全沖空連)が新たに結成された。同年、全日本空手道連盟沖縄地区特別本部は沖縄空手道連合会へ、古武道協は全沖縄空手古武道連合会(会長・比嘉清徳)へとそれぞれ改組された。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "1981年(昭和56年)、沖縄空手界では、国体への参加問題と、これに伴う全日本空手道連盟(全空連)への加盟問題がこじれて大問題に発展した。全空連は、沖縄県体育協会(会長・大里喜誠)傘下の全沖空連に対して、沖縄側の加盟にあたって審査資格を八木明徳(剛柔流)、比嘉佑直(小林流)、上地完英(上地流)の長老三氏にのみ認め、ほかは本土側の審査を受けると通告したため、沖縄側が本土の支配下に置かれるとして反発した。しかし、海邦国体を間近に控え、業を煮やした沖縄県体育協会はついに、全沖空連を「不適当団体」として脱会処分にし、代わりに剛柔流(宮里栄一)、小林流(宮平勝哉、比嘉佑直)、松林流(長嶺将真)、本部御殿手(上原清吉)等によって結成された沖縄県空手道連盟(県空連、会長・長嶺将真)の入会を認めた。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "全空連加盟を容認する県空連に対して、全沖空連側は「沖縄伝統の空手が日本空手道連盟の支配下に置かれることは納得できない」と強い不満を表明したが、県空連側も「全空連の内部にとび込んで、沖縄空手の向上を図るべき」(長嶺将真)として両者の主張は平行線をたどった。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "1982年(昭和57年)、くにびき国体(島根県)の予選も兼ねた県空連主催の第一回空手道選手権大会が開催された。そして、1987年(昭和62年)、沖縄県で海邦国体が開催され、沖縄勢は型で全種目優勝を果たすなど空手道競技9種目中5種目を制覇して、本場の面目を保った。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "しかし、当初全空連に加盟して内部から改革すると意気込んでいた県空連の改革姿勢も、本土側によって無視され不発に終わった。特に国体における指定型は、当初全空連(江里口栄一専務理事)は首里系4つ、那覇系4つの「名称のみの指定である」と沖縄側へ説明していたが、実際は本土四大流派の型であり、同一名称でも沖縄の型で試合に出ることはできなかった。この事実を知らされショックを受けた県空連は全空連に要望書を提出したが、沖縄に型の権威を奪われることを警戒する本土側によって黙殺された。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "こうして、国体参加を通じて沖縄空手を本土に広めるとした沖縄側の理想は不発に終わり、むしろ近年では競技空手にいそしむ若手を中心に本土側の型や型解釈が広まってきており、沖縄空手はそのアイデンティティーをめぐって揺れている。", "title": "空手の歴史" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "型(形とも)と組手は、空手の基本構成であり、昔からこの二つを練習することが基本となっている。しかし、いずれが主であるかなど、基準が時代と共に変化してきている。かつては型の修行に最も価値がおかれていたが、近年では試合制の導入などにより組手重視の傾向にあり、またそれゆえ、両者の乖離(かいり)が問題ともなっている。", "title": "型と組手" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "型(形)とは、一人で演武する空手の練習形式である。各種の技を決まった順序で演武し、演武時間は型によって数十秒から数分間続く。修業者は型の練習を通じて、空手の基本的な技や姿勢を身につけるだけでなく、組手などへの実践応用に必要な空手独特の身体動作を身につけることができるとされる。", "title": "型と組手" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "空手の型の数はすべて数えれば数十にもなり、すでに失伝した型もあれば、明治以降新たに創作された型(ピンアン等)もある。首里手、泊手、那覇手の各系統によって、習う型の種類には相違があり、また流派によっても相違がある。同じ型でも流派によって、また沖縄と本土によっても相違が存在する。", "title": "型と組手" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "首里手の型には、ナイファンチ、バッサイ、クーサンクーなどがある。泊手の型には、ナイファンチ、ワンシュー、ローハイなどがある。那覇手の型には、サンチン、セイサン、スーパーリンペイなどがある。", "title": "型と組手" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "今日では型の試合も実施され、型の演武それ自体が一つの競技とされるに至っている。試合化によって、型の完成度が高まると期待される一方、勝敗を意識して、難易度の高い型を選ぶ、同じ型でもより見栄えのするように演武する弊害、いわゆる「華手(ハナディー)」の問題なども指摘されている。", "title": "型と組手" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "組手は、主に二人で相対しておこなう練習形式である。決められた手順に従って技を掛け合う「約束組手」、自由に技を掛け合う「自由組手」、さらには勝敗を目的とした「組手試合」が存在する。", "title": "型と組手" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "組手は琉球王国時代から行われていたが、制式化されてなお現存するのは本部朝基が大正時代に発表した十二本の約束組手が最古で、それ以前のものは現存していない。尚泰王の冊封式典のために訪れた清の使節の前で「交手」という名の武技が披露されたという記録があり、これは組手のことを指すと考えられているが、その具体的な内容は不明である。", "title": "型と組手" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "上述の本部朝基やその友人屋部憲通などを例外とすれば、戦前は型稽古が中心で、組手は学校体育向けに単純なものがわずかに行われる程度であった。さらに制度化された自由組手はまだ存在せず、掛け試しと呼ばれる一種の野試合が存在するだけであった。", "title": "型と組手" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "しかし、空手が本土に伝えられた当時、柔道や剣道ではすでに試合制が実施されており、また乱取り稽古も盛んであった。このため、永岡秀一(柔道十段)や磯貝一(柔道十段)等、講道館の重鎮達から「型だけではわからん」とその単独稽古偏重が厳しく批判されたという。こうした批判を受けて、大塚博紀や小西康裕等が自ら学んでいた神道揚心流柔術や竹内流柔術等の様式を取り入れて作ったものが今日の約束組手の起源である。", "title": "型と組手" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "これ以降も空手の約束組手は本土の大学生達を中心に改良が重ねられていった。さらに戦後になると、本格的に組手試合が整備されていった。組手試合の形式には、下に示す三形式が主流であり、ルールの細かい点は流派・会派毎に特色が見られる。", "title": "型と組手" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "打撃による怪我を防ぐため、原則相手の皮一枚で止める「寸止め」もしくは「極め」と呼ばれる試合形式。主に全空連に加盟する伝統派空手の各流派で行われている。試合によっては防具着用を義務付ける場合もあるが、それでも直接打撃は認めていない。しかし全空連を含む多くの試合では事実上当てることが認められており、直後の引き手でダメージの軽減を計っている。このことはルール記載上の文言とは馴染まないが黙認されている。この場合、試合に支障を来たすようなダメージが与えられた場合や引き手の程度により初めて「当てた」と審判にも認知されるのが通例である。", "title": "型と組手" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "防具着用の上での直接打撃を行う試合形式。防具付き空手、硬式空手の各流派・会派で行われている。広義のフルコンタクト空手。詳しくは防具付き空手の項を参照。", "title": "型と組手" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "フルコンタクトと呼ばれる直接打撃を認める試合形式。防具などを一切着用せず素手、素足で試合をする。ただし、顔面への拳による攻め、金的への蹴り、膝への関節蹴りなど急所攻撃は禁じている。狭義のフルコンタクト空手。極真会館など。", "title": "型と組手" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "講道館に統一されている柔道とは異なり、空手道には無数の流派が乱立し、流派によって教える型や鍛練法、試合ルールも全く異なる。大別すると、空手道の競技形式は伝統派空手とフルコンタクト空手、防具付き空手に分類することができる。", "title": "空手の流派と競技形式" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "糸洲安恒によれば、空手道はもと昭林流と昭霊流の二派が中国から伝来したものが起源とされる。前者は首里手となり、後者は那覇手となったとするのが一般的な解釈であるが、上記二派は中国でもその存在が確認されておらず、どの程度歴史的事実であったのかは、疑問の残るところである。そもそも「......流」という表記は日本的であり、中国では「......拳」と称するのが一般的であるとの指摘もある。", "title": "空手の流派と競技形式" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "今日の空手流派は本土に伝来して以降のものである。最古の空手流派は、本部朝基が大正時代に命名した日本傳流兵法本部拳法(本部流)が、文献上確認できるものとしては最も古い。船越義珍の松濤館流も実質的には同程度古いが、この流派名は戦後の通称であり、船越自身は生涯流派名を名乗らなかった。昭和に入ってからは、宮城長順が昭和6年(1931年)に剛柔流を名乗っている。その後は、知花朝信(小林流・1933年)、摩文仁賢和(糸東流・1934年)、小西良助(神道自然流・1937年)、大塚博紀(神州和道流空手術・1938年)、保勇(少林寺流空手道錬心舘・1955年)、菊地和雄(清心流空手道・1957年)と、流派の命名が続いた。", "title": "空手の流派と競技形式" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "広義には、文字通り伝統的な空手の流派、すなわち、古流空手、全空連加盟等の本土空手、沖縄空手を含む。防具付き空手をこちらに分類することもある。伝統空手とも言う。狭義には、「寸止め」ルールを採用する全空連の空手およびその参加流派を指す場合が多い。下記の分類はあくまで概略的なものであり、それぞれにまたがる流派も多い。詳しくは、伝統派空手を参照。", "title": "空手の流派と競技形式" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "伝統派空手のうち、競技化、スポーツ化を志向せず、古伝(古流)の空手スタイルを重視する。特徴としては、伝統的な型稽古や組手稽古、沖縄古来の鍛錬法の重視、武器術の併伝などを挙げることができる。沖縄空手とほぼ同義で使われることもあるが、沖縄空手の中でも、特に糸洲安恒による空手近代化以前のスタイルを指して使われることもある。", "title": "空手の流派と競技形式" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "古伝空手(唐手)もしくは古流空手(唐手)という用語自体は、比較的最近のものである。1990年代以降、伝統派空手の内部から空手の近代化に批判的な論客(柳川昌弘、新垣清、宇城憲治など)が現れ、彼らの著作がベストセラーになるようになった。特に2000年以降、甲野善紀らによる古武術ブームの影響もあり、古伝(古流)空手への回帰論は空手言論界に大きな影響を及ぼした。こうした研究者のすべてが古伝(古流)を標榜しているわけではないが、近代空手と一線を画する論調が相互作用して一つの潮流を形成している。", "title": "空手の流派と競技形式" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "古伝(古流)空手では、型の再評価や型分解の見直し、また競技化される以前の組手にあった技法――急所攻撃、取手(関節技、投げ技)等――の探究、さらには「気」、丹田といった東洋的な概念の再評価が行われている。", "title": "空手の流派と競技形式" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "古伝(古流)空手の流派には、湖城流、本部流、心道流などがある。他に沖縄本島の松林流喜舎場塾、日本本土の空手道今野塾、清心館大久保道場(全日本清心会)などの古流稽古スタイルの会派・道場がある。", "title": "空手の流派と競技形式" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "一般には本土空手を指す場合が多い。全空連に加盟し、空手道の競技化、スポーツ化に力点をおいている。全空連が寸止めルールを採用していることから、寸止め空手と呼ばれることも多い。競技空手、スポーツ空手とも呼ばれる。本土空手は、剛柔流、松濤館流、和道流、糸東流が規模の上から一般に四大流派と呼ばれ、よく知られている。", "title": "空手の流派と競技形式" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "本土空手は、大学や高校を中心に発展してきた。それゆえ、より若者向けに型や組手も沖縄より全体的に力強く、ダイナミックで、見栄えがするように変化してきている。しかし、近年では生涯武道という観点から、また古伝空手ブーム等の影響もあって、競技化への反省も見られる。他に本土という土地柄、他格闘技との融合や影響が見られるのも特徴である。", "title": "空手の流派と競技形式" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "近年では、勝負の判定を従来よりスポーツライクなものとしたポイント制や、拳サポーターの色分け(青と赤。従来は両者が白で、赤と白の区別は赤帯を用いていた)、細かなものでは審判の人数や立ち位置など、ルールにかなりの見直しが施されている。これらはオリンピック種目化を目指しての革新と見られるが、スポーツ化したとき見た目にはさほど違いのないテコンドーが既にオリンピック種目となっているため、実現は容易ではないと考えられていた。", "title": "空手の流派と競技形式" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "2016年8月3日(日本時間4日)、リオデジャネイロで開かれた国際オリンピック委員会総会で2020年東京オリンピックの追加種目の一つとして空手道が承認された。", "title": "空手の流派と競技形式" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "沖縄に本拠をおく空手流派である。スポーツ化の傾向にある本土空手と距離をおく意味で、「沖縄空手」が本来の伝統武道空手として用いられる場合も多い。本土の流派が主導する全空連が指定形から沖縄の形を排除したことに反発して、沖縄は本土と距離を置くようになった。しかし、沖縄県空手道連盟のように全空連に加盟している組織もある。", "title": "空手の流派と競技形式" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "沖縄空手の特徴としては、伝統的な型稽古や鍛錬法を重視している。組手は、本土よりも遅れていたが近年は全空連式の寸止め方式が逆輸入されて盛んになっている。以前は防具組手も行われていた。ほかに武器術や取手術の併伝などを挙げることができる。しかし、沖縄空手も糸洲安恒以降近代化しており、また本土からの影響もあって、琉球王国時代そのままというわけではない。明治以降、東恩納寛量や宮城長順による那覇手の改革、新たに中国からもたらされた上地流等の普及により、琉球王国時代の特徴をそのまま継承する流派はむしろ少数になっている。湖城流のように戦後県外に流出した古流流派も存在する。しかし、少数の道場では、今日でも古くから伝えられた技や稽古法の保存に努めている。近年では沖縄県自体も空手の発祥地を意識して、「沖縄空手」の国際的な宣伝に力を入れている。", "title": "空手の流派と競技形式" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "沖縄空手の流派には、三大流派として剛柔流、上地流、小林流があり、他に糸東流、沖縄拳法、少林流、少林寺流、松林流、本部御殿手、沖縄剛柔流、沖縄松源流、劉衛流、金硬流などがある。本土の空手会派とは組織形態が異なり、多くの沖縄空手会派、流派は単独組織を維持し、本土より世界各国に、より数多くの支部道場を持ち、世界的な大きな広がりがある。", "title": "空手の流派と競技形式" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "直接打撃制ルールを採用する会派。開祖となった極真空手がもっとも有名であるが、広義には以下のものも含まれる。そもそも直接打撃制ルール自体は寸止めルールよりもはるかに歴史は古い。詳しくは、フルコンタクト空手を参照。", "title": "空手の流派と競技形式" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "極真会館とその分派の多くに代表される「手技による顔面攻撃以外」の直接打撃制ルールを採用する会派のことを指す。しかし、近年では国際FSA拳真館や極真館など一部の試合で手技による顔面への直接打撃を認める会派も増えている。また、最近は幼年部・少年部・壮年部の人口が増加しているため、上級者以外ではヘッドギアやサポーターをつけることが多くなっている。極真会館の分派以外には伝統派空手の分派や、少林寺拳法の分派である白蓮会館、日本傳拳法の流れを汲む士衛塾、国際FSA拳真館などがある。2013年(平成25年)には、新極真会の緑健児とJKJOの渡辺正彦の呼びかけで、全日本フルコンタクト空手道連盟(JFKO)が発足。いわゆる直接打撃制ルールを採用するフルコンタクト空手諸団体の統括組織と位置付けられている。そして2014年(平成26年)5月、直接打撃制(フルコンタクト)ルールを採用するフルコンタクト空手界で初の統一大会(JFKO主催による第1回全日本フルコンタクト空手道選手権大会)が大阪市中央体育館で開催された。", "title": "空手の流派と競技形式" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "フルコンタクト空手のもともとの意味は、アメリカで始められたキックボクシング的なプロ空手のことである。ボクシングとの差異を計るため、1ラウンド毎に対戦相手の腰より上へのキックを8本以上蹴らなくてはならないルールが特徴的。参加選手の出身流派は、沖縄や日本の空手諸流派だけでなく、韓国のテコンドーやアメリカなど欧米諸国で誕生した新興流派の出身者も多い。現在はキックボクシングの一種として“フルコンタクト・キックボクシング”という呼び名で、競技として成熟しつつある。", "title": "空手の流派と競技形式" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "打撃のみならず、投技や寝技なども取り入れ、いわゆる総合格闘技に近い形での試合を行う会派を指す。代表的な会派は、一切の防具着用をせず、また一部で素手の拳による顔面攻撃を認めた試合を行うため、もっとも過激なルールと言われる真武館などや、空道の分派である空手道禅道会などが挙げられる。", "title": "空手の流派と競技形式" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "極真空手に代表されるフルコンタクトスタイルに加えて、相手が防御できない状態で正確な蹴りが入った場合、ダメージの大きさにかかわらず技術点としてポイントを与え、技術的優劣を明確にするPOINT&KOルールで試合をする会派である。胸部への突きとローキックを主体とするスタイルを改め、伝統空手のスピードとフルコンタクト空手の破壊力を取り入れている。主な会派として佐藤塾や寛水流空手などがある。", "title": "空手の流派と競技形式" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "防具をつけて試合をする空手競技のことである。組手競技ルールとしては元々寸止め空手やフルコンタクト空手よりも歴史が古く、空手界で最初の全国大会である全国空手道選手権大会も防具付きルールで行われていた。錬武会や錬心舘など伝統派空手の一部が長年掛けてルールと防具を改良し完成させた。詳しくは、防具付き空手を参照。", "title": "空手の流派と競技形式" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "防具着用の競技形式は戦前より研究され、東京大学の唐手研究会、大阪の摩文仁賢和、立命館大学の山口剛玄、剛柔流の宮城長順等がそれぞれで防具の使用を試みていた。また沖縄でも一時期は防具着用による試合が沖縄拳法(中村茂)の名称で行われていた。その中で制度として定着したのは戦後の武道禁止令の中、剣道の防具着用による金城裕が主導した韓武舘の防具付き空手だった。韓武舘は遠山寛賢の無流派主義を受け継ぐ道場で後に全日本空手道連盟(旧)に発展。後に四大流派等とともに現在の公益財団法人全日本空手道連盟を発足させ、全空連の協力団体として防具付き空手を統括する全日本空手道連盟錬武会となった。同様に伝統的な防具付き空手団体としては全日本少林寺流空手道連盟錬心舘、千唐会等があり、いずれも広義の伝統派空手に含む場合もある。錬武会は無流派主義で全空連の防具付き空手統括団体として他流派をルーツとする団体の加盟も認めている連盟であるが、錬心舘と千唐会は一流一派の会派団体となっている。いずれも、伝統的な動作や引き手を重視する一本勝負で試合を行い、錬武会と錬心舘は「技あり」に相当な打撃強度が求められる。また、錬心舘は蹴り技に特化しており、独特の回し蹴りが発達している。", "title": "空手の流派と競技形式" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "硬式空手は久高正之がプラスチック製の防具スーパーセーフを開発した事にはじまり、1981年(昭和56年)、錬武舘東京本部や拳行館、日本正武館、剛武舘を中心に、錬武会から分かれて作られた競技形式である。錬武会の一本勝負と異なり、「止め」までに時間をとってその間の攻防の中で当たった技を全て加点する、連打推奨の加点方式を採用している事が最大の特徴である。また名称は当時すでに主流であった寸止めルールを「軟式」として認識し、それに対抗する形で名づけられた。現在、硬式空手を行う団体は著作権等もあり全日本硬式空手道連盟のみであるが、2派に分裂していてそれぞれ千葉派、久高派と呼ばれ、両者の間には若干のルールの違いがある。連打推奨のため、伝統的な動作には錬武会や錬心舘ほど重きを置いていない。", "title": "空手の流派と競技形式" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "全日本セーフティー空手道連盟は硬式空手から分裂し、テコンドー団体と交流しながら蹴り技を主体とした組手競技を行う団体として発足した。また、同様の団体として平成に入ってから、全日本格斗打撃連盟、日本防具空手道連盟、全国防具空手道連盟などが相次いで発足した。安全性に配慮し、打撃強度は比較的軽くてもとり、当てること重視で動作も伝統派空手とは異なる。これらの団体は「防具付き空手」ではなく「防具空手」と名乗る傾向がある。キックボクシングや新空手等とも交流がある。", "title": "空手の流派と競技形式" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "全日本空手道連盟ルールにおいても、安全具としてメンホーという防具を装着する場合がある。ただし、これらはあくまで「寸止め」が前提であって直接打撃を前提とする上記の団体とは異なる。また、フルコンタクト空手団体にも、顔面に防具を着用する部門を設ける場合があるが、基本的にはフルコンタクトルールなのでダメージ制であり、手技による顔面への攻撃は認められていないことが多い。 しかし近年では、極真空手を出所とする団体間で顔、胴、脛、拳等に防具を着用し、突き(顔面への直突きのみ寸止めで認められる)・蹴り(下段蹴りは禁止)の攻撃をポイント制とするセミコンタクトルールが導入されている。", "title": "空手の流派と競技形式" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "空手道の段級位制は、講道館柔道を元にして導入された。段位は大正13年(1924年)に船越義珍が発行したのが、空手道史上、初めてと言われている。", "title": "段級位・色帯・称号" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "帯はまず黒帯、白帯が導入された。黒帯は有段者、白帯は入門者の帯である。黒帯と白帯の中間(1 - 3級)には、多くの流派で茶帯を設けている。さらに、茶帯の下に、当初子供用に色帯が導入され、今日では一般化している。また伝統派空手の場合、段位については全日本空手道連盟が「公認段位」として認定している。一方で、フルコンタクト空手の場合、統括組織が確立していないため、各会派・団体の名義で段位を認定している。", "title": "段級位・色帯・称号" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "称号は、大日本武徳会が授与するものであったが、降伏後、占領していた連合国軍最高司令官総司令部(GHQ/SCAP)の命令によって解散させられると、その後は流派、会派ごとによって、独自に授与するようになった。称号には、範士、教士(達士)、錬士があるが、称号を授与しない流派・団体も存在する。", "title": "段級位・色帯・称号" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "上記はあくまで一例であるが、一般的に普及している段級位や師範の認定は、各流派・団体において独自に行っており、統一基準は存在しない。よって同じ段級位であった場合でも技量に差があるケースもある。", "title": "段級位・色帯・称号" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "琉球王国時代に空手道がどのような衣服で稽古されていたかは、史料がないため判然としない。戦前の写真などを見るかぎり、しばしば上半身裸で行われていたようである。『拳法概説』(昭和4年)に紹介されている喜屋武朝徳の説明によれば、裸で稽古する理由は「皮膚を強靱に鍛へると共に力の配合を明確に意識せん」がためであるとされる。喜屋武は、これは幼少の頃からの習慣であると述べているので、少なくとも明治初期から、おそらくは琉球王国時代からの習慣であったと考えられる。", "title": "空手道衣" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "この習慣は首里手に限らず、上掲の写真で宮城長順と許田重発が上半身裸で稽古していることからも、那覇手も含めた沖縄一般の習慣であったのだろう。ただし1921年(大正10年)に皇太子(後の昭和天皇)来沖の際に首里城正殿まで行われた空手演武(指揮:船越義珍)では、Tシャツ風の白衣上着に袴を着用した写真が残されている。", "title": "空手道衣" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "今日の空手道衣の起源は、1922年、船越義珍が講道館で演武する際に、神田の生地問屋から白木綿地を買ってきて、自ら手縫いで仕立てた柔道着らしきものが、文献上確認できる限りでは最古である。空手道衣がいつ販売されるようになったかは定かではないが、1934年(昭和9年)の『空手研究』にすでに空手道衣の広告が掲載されているので、昭和初期にはすでに販売されていた。その後、動作も稽古内容も柔道とは違うため、徐々に改良がなされ、今に至っている。", "title": "空手道衣" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "空手道衣の構造は今日、伝統派空手とフルコンタクト空手において、おおむね次のような相違が見られる(詳細は流派・会派により異なる)。", "title": "空手道衣" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "琉球王国時代には、空手の教授は秘密裏に行われた。人目につかないよう夜に教えたり、場所も人里離れた墓地などで教えた。こういった秘密主義は、薩摩の在番役人を警戒する必要があったためであり、また「掛け試し」などの挑戦を避けるためでもあった。当時は道場などはなく、師匠がとる弟子の数も少数であった。", "title": "教授法の変遷" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "日本武術とは異なり、空手には伝書はなく、口伝と実技のみで技が伝授された。稽古は型の稽古が中心で、一つの型の習得に3年を費やしたとも言われる。組手は一種の約束組手が存在したが、制度化された自由組手や試合などはなく、覚えた技を試したい者は、掛け試しなどの実戦を行う必要があった。", "title": "教授法の変遷" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "明治以降、空手の教授法も急速な変化を遂げた。沖縄の中学校や師範学校の体育に採用されるなどして、空手は初めて一般に公開された。師弟との一対一の練習から、師範の号令と共に、多数の生徒が同じ動作や型の練習をするようになった。糸洲安恒が学校で子供達が学びやすいようにと、ピンアン(平安)の型を創作したのも、この時期である。", "title": "教授法の変遷" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "大正時代に入ると、那覇に沖縄唐手研究倶楽部が結成され、当時の沖縄の大家たちがこれに参加して、初めての共同研究や共同修練の試みもなされた。また船越義珍や本部朝基によって、空手史上、初めて空手書が出版されたのも大正時代であった。昭和に入ると、技に名称をつけたり、伝書の作成、組手の研究、さらには試合の導入などが試みられた。段級位制や色帯制が導入されると同時に、練習体系の合理化も進んだ。自前で道場をもつ空手家も現れ、多人数を相手に教えるようになった。", "title": "教授法の変遷" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "しかし、空手の近代化が進むにつれて、西洋の身体動作や運動理論の導入に対する反省も起こっている。古伝空手や沖縄空手の再認識・再評価も、近年活発である。", "title": "教授法の変遷" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "最初にアメリカに空手を紹介したのは、戦前アメリカに移住した沖縄系移民達だったと考えられているが、公的な記録に乏しく、文献から追跡するのは難しい。著名な空手家では、屋部憲通がアメリカ本土に8年間滞在した後、1927年(昭和2年)4月、帰国途中に沖縄系移民の多いハワイへ立ち寄り空手道の講習会を開いた記録が残っており、屋部以降も、本部朝基、陸奥瑞穂(船越門下)、東恩納亀助(本部門下)、宮城長順といった空手家たちがハワイを訪れ、空手道を教授している。", "title": "日本国外への影響" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "アメリカ本土で本格的に空手が普及し始めたのは戦後からで、沖縄や日本本土で空手を習得した米国軍人たちによって伝えられた。代表的な人物には、しばしば「アメリカ空手道の父」とも言われるロバート・トリアス(1923年 - 1989年)がいる。トリアスは第二次世界大戦中、ソロモン諸島で本部朝基の弟子の中国人より空手道を習ったとされ、1946年、アリゾナ州フェニックスに空手道場を開設した。", "title": "日本国外への影響" }, { "paragraph_id": 113, "tag": "p", "text": "ヨーロッパにおいては、1960年代以降、日本から空手道指導員が派遣されるという形で広まった。ドイツやイギリスで指導に当たった金澤弘和(松涛館流)やポルトガルで指導に当たった東恩納盛男(剛柔流)などの活躍が知られている。", "title": "日本国外への影響" }, { "paragraph_id": 114, "tag": "p", "text": "旧ソ連では、1960年代半ば、モスクワの大学に初めて空手道部が設立された。しかし1973年、ソ連政府の方針によって日本武道が突然禁止され、代わってサンボが推奨されるようになった。再び空手道が行われるようになったのは、ソ連が崩壊しロシアとなって以降のことである。", "title": "日本国外への影響" }, { "paragraph_id": 115, "tag": "p", "text": "韓国では、韓国併合時代の朝鮮半島から日本へ渡った人々が、知識や技術を持ち帰り、1940年代中盤に「コンスド(空手道)」、「タンスド(唐手道)」、または「カラテ(韓手)」の呼称で広まった。1950年代に入り、松濤館空手を源流に持つ人達を中心として名称統合が行われ「テコンドー」に発展し、その後に韓国の国技となった。なお、現在では、テコンドーの主要団体として、ITFとWT の2つがある。", "title": "日本国外への影響" } ]
空手道(からてどう)または空手(からて、沖縄語発音: )は、琉球王国発祥の拳足による打撃技を特徴とする武道である。起源には諸説があるが、沖縄固有の拳法の手に当身の際の発声、巻き藁稽古法など、日本の剣術(特に薩摩示現流)の影響を受けたという見方がある。 琉球王国において士族の嗜みであった空手道は、大正時代に沖縄県から他の都道府県に伝えられ、昭和8年(1933年)に大日本武徳会において日本の武道として正式承認を受け、沖縄に大日本武徳会の支部が置かれる。1899年(明治32年)に始まる沖縄県から米国ハワイ州への移民、それに続く南米等への移民とともに海外に空手が広まる。さらに第二次世界大戦後は米軍関係者を通じて世界各地に広まった。現在普及している空手道は、沖縄の空手、試合方式の違いから防具を着用して直接打撃を行う防具付き空手、寸止めルールを採用する伝統派空手、直接打撃制ルールを採用するフルコンタクト空手などに大別できる。 今日の空手道は打撃技を主体とする格闘技であるが、沖縄古来の空手には取手(トゥイティー、とりて)、掛手(カキティー、かけて)と呼ばれる関節技や投げ技や掛け掴み技も含んでいた。また、徒手空拳の技以外に棒術、釵術、ヌンチャク術といった武器術も併せて修行するのが一般的である。沖縄では現在でも多くの沖縄系流派が古来の技術と鍛錬法を維持しているが、最近の本土系の流派では失伝した技を他の武術から取り入れて補う形で、総合的な体術への回帰、あるいは新たな総合武道へ発展を目指す流派・会派も存在する。
{{Redirect3list|カラテ|武道・格闘技・スポーツの空手道|同名のゲーム|空手道 (ゲーム)|同名の競走馬|カラテ (競走馬)|[[BABYMETAL]]の楽曲|KARATE}} {{独自研究|date=2018年9月}} {{Infobox 武道・武術 |読み=からてどう |画像名=WKF-Karate-World-Championships 2012 Paris 263.JPG |画像サイズ=300px |画像説明=空手道の「組手」の試合風景の一例 |別名=空手・唐手 |競技形式=型・組手 |使用武器= |発生国=[[琉球王国]] |発生年=不明。[[15世紀]]など諸説。 |源流=[[#歴史|歴史]] |流派= |派生種目=[[テコンドー]]・[[キックボクシング]]・[[日本拳法]]・[[躰道]] |主要技術=徒手 |オリンピック= |公式ウェブサイト= }} '''空手道'''(からてどう)または'''空手'''(からて、<small>[[沖縄語]]発音:</small> {{IPA-ryu|kaɽati|}})は、[[琉球王国]]発祥<ref>「危険に立ち向かう力が身につく。心技体を鍛えて強くなる」、2016年1月15日発行、発行者・小川雄一、14頁。</ref>の拳足による[[打撃技]]を特徴とする[[武道]]である<ref>船越義珍『琉球拳法唐手』3頁参照。</ref>。起源には諸説があるが、沖縄固有の拳法の[[手 (沖縄武術)|手]]に当身の際の発声、巻き藁稽古法など、日本の剣術(特に薩摩示現流)の影響を受けたという見方がある。 [[琉球王国]]において[[士族]]の嗜みであった空手道は、[[大正]]時代に[[沖縄県]]から他の都道府県に伝えられ、[[昭和]]8年([[1933年]])に[[大日本武徳会]]において日本の武道として正式承認を受け、沖縄に大日本武徳会の支部が置かれる<ref>「空手の歴史」 宮城篤正 おきなわ文庫 2014年2月12日</ref>。[[1899年]]([[明治]]32年)に始まる沖縄県から米国ハワイ州への移民、それに続く南米等への移民とともに海外に空手が広まる。<ref>{{Cite book|和書 |title=空手発祥の地 沖縄 Okinawa The Birthplace of Karate |date= |year=2017年3月 |publisher=沖縄県}}</ref>さらに[[第二次世界大戦]]後は米軍関係者を通じて世界各地に広まった。現在普及している空手道は、沖縄の空手、試合方式の違いから[[防具]]を着用して直接打撃を行う[[防具付き空手]]、[[寸止め]]ルールを採用する[[伝統派空手]]、直接打撃制ルールを採用する[[フルコンタクト空手]]などに大別できる。 今日の空手道は打撃技を主体とする格闘技であるが、沖縄古来の空手には'''取手'''(トゥイティー、とりて)、'''掛手'''(カキティー、かけて)と呼ばれる[[関節技]]や[[投げ技]]や掛け掴み技も含んでいた<ref>[[糸洲十訓]]第6条を参照。</ref>。また、徒手空拳の技以外に[[棒術]]、[[釵]]術、[[ヌンチャク]]術といった[[武器]]術も併せて修行するのが一般的である。沖縄では現在でも多くの沖縄系流派が古来の技術と鍛錬法を維持しているが、最近の本土系の流派では失伝した技を他の武術から取り入れて補う形で、総合的な体術への回帰、あるいは新たな総合武道へ発展を目指す流派・会派も存在する。 [[ファイル:Protector-karate.jpg|thumb|right|防具付き試合の一例]] == 名称の変遷 == === 手、唐手、空手、カラテ、KARATE === 空手は、もともと[[明治]]初頭の頃の沖縄では[[手 (沖縄武術)|手]](て、[[琉球方言]]でティー)もしくは[[唐手]](とうで、琉球方言でトゥーディー、トーディー)と呼ばれていた([[花城長茂]]説)<ref>「本社主催・空手座談会(二)」『琉球新報』1936年10月28日。</ref><ref>摩文仁賢和・仲宗根源和『攻防拳法空手道入門』43頁参照。</ref>。しかし、[[1901年]](明治34年)に空手が沖縄県で学校の体育科に採用された頃から、唐手表記のまま、読み方が「トゥーディー」から「からて」へ改められ、意味も「手」も含めた琉球拳法一般を指すようになった。それゆえ、唐手(トゥーディー)と唐手(からて)は、言葉の意味する範囲が違うことに注意する必要がある。 「空手」の表記がいつから始まったかについては諸説がある。[[18世紀]]に編纂された正史『[[球陽]]』に、[[京阿波根実基]]が「空手」の使い手であったことが記されているが、この「空手」が今日の空手の直接の源流武術であったのかは、史料が乏しいため判然としない。[[船越義珍]]によれば、もともと「沖縄には『から手』という呼び方があったことは事実である」とされ、しかしそれが「唐手」なのか「空手」なのかは不明であるという<ref>船越義珍『愛蔵版 空手道一路』榕樹書林、2004年、98頁参照。</ref>。つまり、琉球王国時代から空手という表記が存在した可能性は考えられるが、これを史料から追跡するのは困難である。 今日知られている廃藩置県以降での空手表記の初出は、[[1905年]](明治38年)に花城長茂が'''空手空拳'''の意味で使い始めたものである。次に大正年間の船越義珍の著作<ref>富名腰義珍『琉球拳法唐手』武侠社、1922年、2頁。</ref>や[[本部朝基]]の著作<ref>本部朝基『沖縄拳法唐手術組手編』唐手術普及会、1926年、4頁。</ref>に断片的に「空手」の文字が使用されている。そして、[[1929年]](昭和4年)に[[慶應義塾大学]]唐手研究会(師範・[[船越義珍]])が[[般若心経]]の[[空 (仏教)|'''空''']]の概念を参考にしてこれを用い、その後この表記が東京を中心に広まった。 また、柔術諸派では、空手(からて)という表現に先立って、空手術(くうしゅじゅつ)という表現が用いられていた。これは徒手空拳を意味し、当て身を意味した。[[大日本武徳会]]が昭和9年に唐手術部門を新たに開設した際に、唐手術として登録し直された総合系柔術(空真流、神道自然流)においても、唐手技、当て身技を空手術(くうしゅじゅつ)と呼んでいたという。ここから、唐手(とうで)、唐手(からて)、空手(くうしゅ)が混淆して、空手(からて)という呼び名が誕生したとも考えられる。 [[1936年]](昭和11年)10月25日、[[那覇市|那覇]]で花城長茂、喜屋武朝徳、本部朝基、宮城長順、城間真繁、知花朝信、許田重発、仲宗根源和が集まった「空手座談会」([[琉球新報]]社主催)<ref>{{Cite book|和書 |title=本社主催 空手座談會(一)~(六) |date=1936年10月27日から11月2日付 |publisher=琉球新報社}}</ref>が開かれ、この時、唐手を空手に改めることが決まった。1960年代までは唐手表記も珍しくなかったが、現在では空手の表記が一般化し定着している。また、[[1970年代]]からは、主に[[フルコンタクト空手|フルコンタクト]]系の空手団体において、カラテやKARATEと表記されることも多い。 === 「道」の付加 === 空手(唐手)に「道」を付加して、空手道(唐手道)の表記がいつ始まったのかについても諸説がある。船越義珍によると、唐手の表記はしばしば[[中国拳法]]と認識されたので、慶応大学唐手研究会の同門諸君と相談して「大日本拳法空手道」に改めたとされる<ref>船越義珍『愛蔵版 空手道一路』榕樹書林、2004年、99頁参照。</ref>。時期は慶応大学空手部の当時の記録によれば、[[1929年]](昭和4年)もしくは[[1930年]](昭和5年)であったという<ref>『創立十周年記念・空手道集成第一巻』慶応義塾体育会空手部、1936年、7、25頁参照。</ref>。 改称理由について、沖縄唐手は大学において「科学的に解剖され分析され研究され批判された」<ref>『創立十周年記念・空手道集成第一巻』慶応義塾体育会空手部、1936年、25頁参照。</ref>結果、一度解体される必要性が生じたため、新しく日本精神に基づいて日本の武道として再組織されて「空手道」に改められたとしている<ref>『創立十周年記念・空手道集成第一巻』慶応義塾体育会空手部、1936年、4、25頁参照。</ref>。 一方で、同じく船越義珍が師範を務めていた東大唐手研究会でも同時期に「唐手道」の名称を使用していた事実が当時発行された書籍から確認することができる<ref>三木二三郎・高田瑞穂『拳法概説』東大唐手研究会、1929年、改訂版1930年、復刻版、榕樹書林、2002年、221頁参照。</ref>。その理由について、船越義珍の伝えた沖縄唐手は組み手の技法を伝えず「型法の修練」に終始したが、これは「唐手道」到達における前段階にすぎず、これに試合制を加味してはじめて「唐手道」に至るのであるとしている<ref>同上。</ref>。 {| class="wikitable" style="font-size: small; width: 100%;" |+ '''名称の変遷''' |- ! style="width: 18%;" |15 - 18世紀 ! style="width: 18%;" |19世紀 ! style="width: 18%;" |1901年(明治34年) - ! colspan="2" style="width: 18%;" |1929年(昭和4年) - ! style="width: 18%;" |1970年代 - |- | rowspan="2" style="width: 18%; text-align: center; background: #E1FFE1;" |手(ティー) | style="width: 18%; text-align: center; background: #E1FFE1;" |手(沖縄手) | rowspan="2" style="width: 18%; text-align: center; background: #FFE1FF;"|唐手(からて) | style="width: 9%; text-align: center; background: #FFE1FF;" |唐手術 | rowspan="2" style="width: 9%; text-align: center; background: #FFFFCC;" |空手(道) | style="width: 18%; text-align: center; background: #E1FFE1;" |カラテ、KARATE |- | style="width: 18%; text-align: center; background: #FFECE1;" |唐手(トゥーディー) | style="width: 9%; text-align: center; background: #FFFFCC;" | | style="width: 18%; text-align: center; background: #FFFFCC;" | |} ※上記表はあくまで概略図であり、実際の名称の変遷は多少の時期の重複を含む。 == 空手の歴史 == === 空手の起源 === 空手の起源に関しては諸説あるが、主なものは下記の通りである。 ==== 久米三十六姓輸入説 ==== [[那覇市|那覇]]の久米村(クニンダ、現・[[久米 (那覇市)|那覇市久米]])に、[[1392年]]、当時の[[明]]の[[福建省]]から「[[久米三十六姓|閩(ビン)人三十六姓]]」と呼ばれる職能集団が移住してきたとされる。彼らは琉球に先進的な学芸、技能等をもたらしたが、この時、空手の起源となる中国拳法も同時にもたらされたとする説。ただし当時は中国でも拳法が未発達だったことが知られており今日ではこの説に疑問を呈する見解もある。同じ中国伝来説に、禁武政策以降にもたらされたとする「慶長輸入説」や『大島筆記』の記述を元に[[公相君]]が伝えたとする「大島筆記説」等もある<ref name="karatedougaisetsu">宮城長順「唐手道概説」 1936年、参照。</ref>。 ==== 「舞方」からの発展説 ==== 舞方(メーカタ、前方とも)は、[[琉球舞踊]]の一種である。沖縄の田舎には舞方と呼ばれる音曲にあわせて踊る武術的な舞踊があり、戦前まで各地に見られた。また、日本の「[[奴]](やっこ)」のように、舞踊行列において前払いをする者は前方(メーカタ)と呼ばれ、行列の先頭で音曲に合わせて空手のような武術的な踊りをしていたともいう<ref>山内盛彬「空手随想」『月刊空手道』七・八月合併号、空手時報社、1956年、61頁参照。</ref>。こうした武術的要素をもった舞方から「手(ティー)」が生まれ唐手へと発展した、ないしは舞方の中に唐手発達以前の「手」の原初的姿が残されている、とする説。[[安里安恒]]やその弟子の船越義珍がこの説を唱えている<ref>安里安恒談・富名腰義珍筆「沖縄の武技」(『琉球新報』1913年1月17日-19日記事)。</ref>。 この「手」に[[中国武術]]が加味されて唐手へと発展したとする説は今日の主流になっている。[[本部朝基]]の「(支那拳法が)琉球在来の武術と合し、取捨選択洗練の結果、唐手として隆々発達を遂げた」<ref>本部朝基『私の唐手術』、岩井虎伯『本部朝基と琉球カラテ』所収、10頁。</ref>とする説や、[[宮城長順]]が記す「慶長輸入説」のうち、「外来の拳法が在来の『手』と合流して異常の発達を遂げ」<ref name="karatedougaisetsu" />たとする説もこれに該当する。 他にも、[[沖縄角力]](シマ)からの発展説、本土から伝来していた[[柔術]]<ref name="名前なし-1">本部直樹「「阿嘉直識遺言書」に見る18世紀の琉球の諸武術―示現流、柔術、からむとう―」(『日本武道学会第42回大会研究発表抄録』日本武道学会、2009年)</ref>が起源とする説などがある。 === 琉球王国時代 === ==== 唐手佐久川の以前と以後 ==== {{See also|手 (沖縄武術)}} [[沖縄県の歴史|琉球の歴史]]において、唐手(とうで、トゥーディー)の文字が初めて現れるのは'''唐手佐久川'''(とうでさくがわ)とあだ名された[[佐久川寛賀]]においてである。佐久川は20代の頃([[19世紀]]初頭)、当時の[[清]]へ留学し[[中国武術]]を学んできたとされ、この佐久川が琉球へ持ち帰った中国武術に、以前からあった沖縄固有の武術「手(ティー)」が融合してできたものが、今日の空手の源流である唐手であったと考えられている<ref>長嶺将真『史実と伝統を守る・沖縄の空手道』50頁。</ref>。 佐久川以降、「手」は唐手に吸収・同化されながら、徐々に衰退していったのであろう。一般に空手の歴史を語る際、この唐手と「手」の区別が曖昧である。それゆえ、狭義の意味での唐手の歴史は佐久川に始まるというが、厳密に言えば、佐久川はあくまで「トゥーディー」=中国武術の使い手であり、「日本の武技の手・空手」の起源を考えるならば、佐久川の弟子の[[松村宗棍]]以降になるともいわれる。「手」も含めた沖縄の格闘技全般という意味での空手の歴史は、もちろんそれ以前にさかのぼる。以下、広義の意味での空手の歴史について叙述する。 ==== 薩摩藩の琉球侵攻 ==== [[ファイル:Gasha_Uekata.jpg|210px|thumb|伝我謝盛保筆『我謝親方弓射図』(19世紀初期)。剣術、槍術、弓術は琉球貴族のたしなみであった。禁武政策と空手発展の因果関係は、近年、疑問視されることも多い。]] [[琉球]]の[[沖縄本島]]で空手が発展した理由として、従来言及されてきたのが、二度にわたって実施されたという'''禁武政策'''である。一度目は[[尚真王]](在位[[1476年]] - [[1526年]])の時代に実施されたというもので、このとき、国中の武器が集められて王府で厳重に管理されるようになった。二度目は[[1609年]](慶長14年)の[[薩摩藩]]による琉球侵攻後に実施されたという禁武政策である。二度の禁武政策を通じて、武器を取り上げられた琉球士族が[[薩摩藩家臣]]に対抗するために、また、武器を持つことができなかった琉球王府の士族が主君を[[示現流]]という薩摩藩に伝わっていた古流剣術から守るために広がっていったものとする説が、従来、歴史的事実として言及されている。 例えば、[[松村宗棍]]は[[尚育王]]の御側守役となったが、やがて那覇の薩摩藩在番奉行・町田平の知遇を得て、薩摩藩の御家流剣術・[[示現流]]の稽古に精を出すことになる。松村の門人・糸州安恒が、後年に唐手術の「形」に「段」の名称をつけたのは、師匠である松村の示唆に従ったもので、これは示現流の目録から援用したものである<ref>『日本武道体系第8巻空手道・合気道・少林寺拳法・太極拳』 今村嘉雄編 同朋舎出版 1982年 ISBN 4810490173 P,105</ref>。 ===== 禁武政策の虚実 ===== しかし、禁武政策と空手発展の因果関係については、近年、これを疑問視する研究者が少なくない。例えば、尚真王の禁武政策とされるものについては、従来「百浦添欄干之銘」([[1509年]])にある「もっぱら刀剣・弓矢を積み、もって護国の利器となす」という文言を、「武器をかき集めて倉庫に封印した」と解釈してきたが、近年では沖縄学の研究者から「刀や弓を集めて国の武器とした」と解釈するのが正しいとの指摘がなされている<ref>上里隆史『目からウロコの琉球・沖縄史』ボーダーインク、2007年、64頁参照。</ref>。 また、薩摩藩の実施した禁武政策([[1613年]]の琉球王府宛通達)も、帯刀など武器の'''携帯'''を禁じただけで、その'''所持'''まで禁じたものではなく、比較的緩やかな規制であったことが判明している。この通達は「一、鉄砲の所持禁止。二、王子・[[三司官]]・士族の個人所有武器の保有は認める。三、武器類の修理は在番奉行所を通して薩摩にて行うこと。四、刀剣類は在番奉行所に届け出て認可を受ける事」という内容であり、武器の所持(鉄砲を除く)や'''その稽古'''まで禁じるものではなかった<ref>儀間真謹・藤原稜三『対談 近代空手道の歴史を語る』43頁参照。</ref>。実際、薩摩への服属後も、琉球の剣術、槍術、弓術などの達人の名は何人も知られている。また、素手で鉄砲や刀などの武器に対抗するという発想そのものが非現実的であり、このような動機に基づいて琉球士族が空手の鍛錬に励んだとは考えられない、との指摘もある。それゆえ、禁武政策による空手発展説を「全く根拠のない巷間の浮説」(藤原稜三)と一刀両断する研究者もいる<ref>同上、42頁。</ref>。 ==== 手(ティー)の時代 ==== 古くは[[16世紀]]、命を狙われた[[京阿波根実基]](きょうあはごんじっき)が「空手」という武術を用いて暗殺者の両股を打ち砕いたとの記述が正史『[[球陽]]』([[1745年]]頃)にあり、これは唐手以前の素手格闘術であったと考えられているが、これが現在の空手の源流武術であったのかは証明する史料に乏しく、その実態ははっきりしない。また、[[17世紀]]の武術家の名前が何人か伝えられているが、彼らがいかなる格闘技をしていたのか、その実態は明らかではない。明確に手(ティー)の使い手として多くの武人の名が挙がるのは、[[18世紀]]に入ってからである。西平親方、具志川親方、僧侶通信、渡嘉敷親雲上、[[蔡世昌]]、[[真壁朝顕]]などの名が知られている。 また、[[土佐藩]]の儒学者・戸部良煕が、土佐に漂着した琉球士族より聴取して記した『大島筆記』([[1762年]])の中に、先年来琉した[[公相君]]が'''組合術'''という名の武術を披露したとの記述があることが知られている。この公相君とは、[[1756年]]に訪れた冊封使節の中の侍従武官だったのでないかと見られており、空手の起源をこの公相君の来琉に求める説もあるが、組合術とは空手のような打撃技ではなく、一種の[[柔術]]だったのではないかとの見解もあり<ref>藤原稜三『格闘技の歴史』640頁参照。</ref>、推測の域を出ていない。 [[1784年]]に没した琉球士族の阿嘉直識の遺言書に「'''からむとう'''」なる武術の名前が記されている<ref name="名前なし-1"/>が、これが空手の起源であるかどうかは未詳である。また同遺言書は柔術を指す「やはら」についても記されており、少なくとも「からむとう」と柔術は別の武術と認識されていたようである。 ==== 唐手(トゥーディー)の時代 ==== [[ファイル:Matsumura_Precepts.jpg|thumb|340px|'''松村宗棍遺訓'''。武芸を三段階に分けて、型偏重(学士の武芸)を戒め、臨機応変の大切さを説き、武芸の目的はおのれのためではなく、国王や両親を守る(忠孝)ためにある(武道の武芸)と説く。]] 19世紀になると、唐手という名称が使われ出す。しかし、唐手と「手」の相違は判然としない。明治初頭の頃まで、唐手以前の「手」は特に'''沖縄手'''(おきなわて、ウチナーディー)と呼ばれ、唐手とは区別されていたとされるが<ref>船越義珍『愛蔵版 空手道一路』95頁参照。</ref>、両者の間にどのような相違があったのかは不明である。19世紀以降の唐手の使い手としては、[[首里]]では佐久川寛賀とその弟子の[[松村宗棍]]、盛島親方、油屋山城、泊では宇久嘉隆、照屋規箴、那覇では[[湖城以正]]、長浜筑登之親雲上などである。この中でも、特に松村宗棍は琉球王国時代の最も偉大な唐手家の一人と言われている。琉球国王の御側守役(侍従武官)の職にあり、国王の武術指南役もつとめたという。 また、この頃から[[薩摩藩|薩摩]]を経由して伝来した[[日本武術]]も、唐手の発展に影響を及ぼしたとされる。最初は薩摩の在番役人から[[示現流|示現流剣術]]やその分派の[[剣術]]を修業する琉球士族の一部から伝わったものと思われるが、[[18世紀]]には薩摩藩士を介さず琉球士族から示現流剣術を学ぶ者もあった<ref name="名前なし-1"/>。また、松村宗棍のように、薩摩に渡って示現流を修業してくる者もいた。空手の「[[巻藁]]突き」は、示現流の「立木打ち」からヒントを得たとも言われている<ref>岩井虎伯『本部朝基と琉球カラテ』愛隆堂、平成14年、146頁参照。</ref>。また、空手の一撃必殺を追求する理念にも、示現流の影響があるという説もある。{{誰2|date=2012年7月}} さて、空手に流派が登場するのは、空手が本土に伝えられた大正末期以降である。それ以前は、空手の盛んだった地域名から、単に[[首里手]]、[[泊手]]、[[那覇手]]の三つに、大まかに分類されていたにすぎない。もっとも首里士族の中には首里手以外に、泊手や那覇手も同時に習っていた例もあり、この分類もあまり厳密に受け取るべきではないと言えよう。 === 廃藩置県後 === ==== 唐手(からて)の公開(明治時代) ==== 元来、琉球士族の間で密かに伝えられてきた唐手であるが、[[明治]]12年([[1879年]])、[[沖縄県の歴史#琉球処分|琉球処分]]により琉球王国が滅亡すると、唐手も失伝の危機を迎えた。唐手の担い手であった琉球士族は、一部の有禄士族を除いて瞬く間に没落し、唐手の修練どころではなくなった。不平士族の中には[[清]]国へ逃れ([[脱清]])、独立運動を展開する者もいた。開化党(革新派)と頑固党(保守派)が激しく対立して、士族階層は動揺した。 このような危機的状況から唐手を救ったのが、[[糸洲安恒]]である。糸洲の尽力によって、唐手はまず明治34年([[1901年]])に首里尋常小学校で、明治38年([[1905年]])には沖縄県中学校(現・[[首里高等学校]])および沖縄県[[師範学校]]の体育科に採用された。その際、読み方も「トゥーディー」から「からて」に改められた。唐手は糸洲によって一般に公開され、また武術から体育的性格へと変化することによって、生き延びたのである。糸洲の改革の情熱は、型の創作や改良にも及んだ。生徒たちが学習しやすいようにと[[ピンアン]](平安)の型を新たに創作し、既存の型からは急所攻撃や関節折りなど危険な技が取り除かれた。 このような動きとは別に、中国へ渡った沖縄県人の中には、現地で唐手道場を開いたり、また現地で中国拳法を習得して、これを持ち帰る者もいた。[[湖城以正]]、[[東恩納寛量]]、上地完文などがそうである。もっとも、日中国交回復後、日本から何度も現地へ調査団が派遣されたが源流武術が特定できず、また中国武術についての書籍や動画が出回るにつれ、彼らが伝えた武術と中国武術とはあまり似ていないという事実が知られるようになると、近年では研究者の間で彼らの伝系を疑問視する声も出てきている<ref>渡久地雅昭「空手の歴史、その信憑性を考察する」『JKFan』2006年10、11、12月号、2007年5、7月号、チャンプ</ref>。 ==== 本土へ(大正時代) ==== [[ファイル:Motobu_Choki.jpg|left|thumb|52歳の頃に外国人ボクサーを一撃で倒した[[本部朝基]]。空手の真価を実力でもって証明し、空手の存在を一躍全国に知らしめた。]] [[ファイル:Funakoshi_Gichin.jpg|right|thumb|[[船越義珍]]。本土において初めて空手を本格的に指導し、また史上初の空手書の出版などを通じて、その普及に尽力した。]] 最近の研究によれば、最初に本土へ[[唐手]]を紹介したのは、明治時代に東京の尚[[侯爵]]邸に詰めていた琉球士族たちである<ref>藤原稜三『格闘技の歴史』657頁参照。</ref>。彼らは他の藩邸に招かれて唐手を披露したり、[[揚心流]]や[[起倒流]]などの[[柔術]]の町道場に出向いて、突、蹴を披露していた。 また、[[1908年]](明治41年)、沖縄県立中学校の生徒が京都[[武徳会]]青年大会において、武徳会の希望により唐手の型を披露としたとの記録があり、このとき「[[嘉納治五郎|嘉納博士]]も片唾を呑んで注視してゐた」<ref>『球陽』第18号、1909年、沖縄県公文書館所蔵。高宮城繁・仲本政博・新里勝彦『沖縄空手古武道事典』柏書房、2008年、736頁参照。</ref>というように、本土武道家の中にはすでにこの頃から唐手の存在に注目する者もいた。 しかし、本格的な指導は、富名腰義珍(後の[[船越義珍]])や[[本部朝基]]らが本土へ渡った[[大正]]以降である。[[1922年]](大正11年)5月、[[文部省]]主催の第一回体育展覧会において、富名腰は唐手の型や組手の写真を二幅の掛け軸にまとめてパネル展示を行った<ref>船越義珍『愛蔵版 空手道一路』149頁参照。</ref>。この展示がきっかけで、翌6月、富名腰は嘉納治五郎に招待され、[[講道館]]で嘉納治五郎をはじめ200名を超える柔道有段者を前にして、唐手の演武と解説を行った。富名腰はそのまま東京に留まり、唐手の指導に当たることになった。([[船越義珍#本土時代]]も参照。) 同じ頃、関西では[[本部朝基]]が唐手の実力を世人に示して、世間を驚嘆させた。同年11月、たまたま遊びに出かけていた京都で、本部は[[ボクシング]]対柔道の興行試合に飛び入りで参戦し、相手のロシア人ボクサーを一撃のもとに倒した。当時52歳であった。この出来事が国民的雑誌『[[キング (雑誌)|キング]]』等で取り上げられたことで、本部朝基の武名は一躍天下に轟くことになり、それまで一部の武道家や好事家のみに知られていた唐手の名が、一躍全国に知られるようになったと言われている<ref name="meijinden">長嶺将真『沖縄の空手・角力名人伝』新人物往来社、昭和61年、144頁参照。</ref>。本部は同年から大阪で唐手の指導を始めた。富名腰や本部の活動に刺激されて、日本本土では大正末期から昭和にかけて大学で唐手研究会の創設が相次いだ。 また、本部のこの試合の勝利は、[[屋部憲通]]のハワイ唐手実演会([[1927年]])でも紹介され<ref>「唐手実見の感想」『日布時事』1927年7月6日[http://museum.hikari.us/news/270706j-nj.jpg]。</ref>、海外での初期の唐手宣伝にも一役買った。[[:en:James Mitose|ジェームズ・ミトセ]]や[[エド・パーカー]]([[エルヴィス・プレスリー]]の武術師匠)等、ハワイ出身の[[:en:American Kenpo|アメリカン・ケンポー]](ケンポー・カラテ)の創始者達が、本部朝基との伝系のつながりを主張しているのも、こうした宣伝が影響を及ぼしたと考えられる。 沖縄では、大正13年([[1924年]])、本部朝勇が会長となって「[[沖縄唐手研究倶楽部]]」が設立され<ref>比嘉敏雄・高宮城繁編著『武魂 -奥妙在錬心-』沖空会北谷道場、2002年、90頁参照。</ref>、さらに大正15年([[1926年]])には「沖縄唐手倶楽部」へと発展しながら、在沖縄の唐手の大家が一堂に会して、唐手の技術交流と共同研究の試みが行われた。参加者は[[花城長茂]]、[[本部朝勇]]、本部朝基、[[喜屋武朝徳]]、[[知花朝信]]、[[摩文仁賢和]]、[[宮城長順]]、[[許田重発]]、呉賢貴など、そうそうたる顔ぶれであった。 ==== 空手道の誕生(昭和初期) ==== [[ファイル:Masters_of_Karate.jpg|340px|thumb|本土で活躍する空手の大家が一堂に会した写真。左から、[[遠山寛賢]](修道館)、[[大塚博紀]]([[和道流]])、下田武(船越高弟)、[[船越義珍]]([[松濤館流]])、[[本部朝基]]([[本部流]])、[[摩文仁賢和]]([[糸東流]])、仲宗根源和(空手研究社)、平信賢(保存振興会)。東京、1930年代。]] [[昭和]]に入ると、[[摩文仁賢和]]、[[宮城長順]]、[[遠山寛賢]]らも本土へ渡って、唐手の指導に当たるようになった。[[1934年]](昭和9年)、[[大日本武徳会]]においてそれまでは柔術部門の科目とされていた唐手術が正式に部門として昇格し、同時に昭和9-12年には、[[小西康裕]](神道自然流)、[[上島三之助]](空真流)、宮城長順(剛柔流)といった人たちに[[教士]]号が授与された。 これは[[沖縄諸島|沖縄]]という一地方から発祥した唐手が晴れて日本の武道として認められた画期的な出来事だった。<ref name="名前なし-rKdE-1">『空手道:その歴史と技法』嘉手苅、小山、和田, 2020年日本武道館(ベースボールマガジン社)</ref> また、近年になり、こうした本土への空手普及には柔道の[[嘉納治五郎]]が深く関わっていたことが知られ始めている。[[1927年]](昭和2年)に沖縄県の唐手術を視察した嘉納治五郎は、[[宮城長順]]ならびに[[摩文仁賢和]]と交流し、意気投合した。嘉納は両師範に上京して唐手術を本土に普及させてほしいと依頼するととにも、その後の宮城長順による[[大日本武徳会]]を通じた普及活動にはいろいろと便宜を図ったと思われる。(宮城はすぐに[[教士]]に列せられたが、船越は下位の[[錬士]]にしか列れられなかった)宮城長順は嘉納の武道思想の影響を受け始めたこの頃から「唐手道」という表記を用い始めている。両者の手紙による交流は長く続いたという。また、嘉納治五郎は沖縄視察から帰京すると、精力善用国民体育という初等中等学校向けの[[兵式体操]](突き蹴りが中心)のようなものを考案したが、そこには剛柔流の基本の影響が見てとれるという。<ref name="名前なし-rKdE-1"/> [[1929年]](昭和4年)、[[船越義珍]]が師範を務めていた[[慶應義塾大学]]唐手研究会が[[般若心経]]の「[[空 (仏教)|空]]」の概念から唐手を空手に改めると発表したのをきっかけに、本土では空手表記が急速に広まった。さらに他の武道と同じように「[[芸道|道]]」の字をつけ、「唐手術」から「空手道」に改められた。沖縄でも[[1936年]](昭和11年)10月25日、那覇で「空手大家の座談会」([[琉球新報]]主催)が開催され、唐手から空手へ改称することが決議された。このような改称の背景には、当時の[[軍国主義的]]風潮への配慮(唐手が[[中華人民共和国|中国]]を想起させる)もあったとされている<ref>長嶺将真『史実と伝統を守る・沖縄の空手道』52頁参照。</ref>。なお、空手の表記は、[[花城長茂]]が、明治38年([[1905年]])から使用していたことが明らかとなっている。また本土の柔術諸派では空手術(くうしゅじゅつ)という表現が徒手空拳の当て身をさす言葉として用いられていたことも関係している。 このような徒手格闘としての空手の競技化に当たり、当初もっとも研究されていたのは[[防具付き空手]]であった。昭和2年([[1927年]])、[[東京大学|東京帝国大学]]の唐手研究会が独自に[[防具付き空手]]を考案し、空手の試合を行うようになった。これを主導したのは[[坊秀男]](後の和道会会長・[[大蔵大臣]])らであったが<ref>儀間真謹・藤原稜三『対談・近代空手道の歴史を語る』147頁参照。</ref>、当時この師範であった船越は激怒し、昭和4年([[1929年]])東大師範を辞任する事態にまで発展した。演武会などでは、唐手の武術として一端を見せるためにやむなく組手も披露したが、普段の練習では基本と型の練習に終始した。初期の高弟であった[[大塚博紀]]([[和道流]])や[[小西康裕 (空手家)|小西康裕]]([[神道自然流]])によると、船越は当初15の型を持参して上京したが、組手はほとんど知らなかったという<ref>『空手道』収録の寄稿文、大塚博紀「明正塾前後」の55頁、ならびに小西康裕「琉球唐手術の先達者」の58、59頁を参照。</ref>。 ほかにも、本土では[[摩文仁賢和]]とその弟子である[[澤山宗海]](勝)らが独自に防具付き空手を研究していた。また、沖縄では[[屋部憲通]]が防具を使った組手稽古を沖縄県師範学校ではじめた。こうした中で[[東京都]][[千代田区]][[九段]]に設立されたのが、後に[[全日本空手道連盟錬武会]]に発展する[[韓武舘]]である。いずれにしろ戦前の空手家が当初目指したのは、防具着用による組手方式であった。 === 戦後(本土) === ==== 武道禁止令と活動再開 ==== [[連合国 (第二次世界大戦)|連合国]]占領期に[[連合国軍最高司令官総司令部]](GHQ)の指令によって、[[文部省]]から出された「柔道、剣道等の武道を禁止する通達」のため、空手道の活動は一時、停滞した。しかし、この通達には「空手道」の文字が含まれていなかったため、空手道は禁止されていないとの文部省解釈を引き出して、空手道は他武道よりも、早期に活動を再開することができた。 ==== 全国組織と競技空手の誕生 ==== [[ファイル:からて.jpg|300px|thumb|[[全日本空手道連盟錬武会|錬武会]]の[[防具付き空手]]]] [[ファイル:Karate WC Tampere 2006-1.jpg|thumb|right|300px|[[世界空手道連盟]]の試合風景(世界空手道選手権大会)]] [[File:K1PL Berlin 2018-09-16 Male Kumite –84 kg 42.jpg|thumb|300px|2020東京オリンピック銅メダルの荒賀龍太郎]] 空手道の[[競技]]化(試合化)は戦前から試みられていたが、試合化そのものを否定する考えもあり、組織的な競技化は実現していなかった。しかし[[1954年]](昭和29年)[[錬武舘]]が「第1回全国空手道選手権大会」を[[防具付き空手|防具付き]]ルールで実施した。錬武舘(旧名・[[韓武舘]])は[[遠山寛賢]]の無流派主義を受け継ぐ道場で、戦後の空手道言論界をリードした[[金城裕]]が防具付空手を主導した。この大会は[[全日本空手道連盟錬武会]]主催の[[全国防具付空手道選手権大会]]という名称で、空手道界最古の全国大会として現在も開催されている<ref>[http://fukushodo.com/karatedoback/karate-list2012.htm#2012.10 月刊空手道2012年10月号 防具付空手の開拓者 一撃必殺錬武会]{{リンク切れ|date=2017年9月}}</ref>。 '''[[錬武舘]]'''は[[1959年]](昭和34年)実業家であり内外タイムス社、代表取締役社長の[[蔡長庚]]から支援を受けて、[[全日本空手道連盟#前身団体|全日本空手道連盟(旧)]]に発展。[[遠山寛賢]]の修道館を総本部とし、会長に[[蔡長庚]]、副会長に[[小西康裕 (空手家)|小西康裕]]([[神道自然流]])、[[金城裕]]([[韓武館]])、顧問に[[大塚博紀]]([[和道流]])、[[山田辰雄]](日本拳法)、[[儀間真謹]]([[松濤館流]])、理事に[[保勇]]([[少林寺流空手道錬心舘|少林寺流錬心舘]])など当時の空手界重鎮多数が就任し、主催する[[全国防具付空手道選手権大会|全日本空手道連盟選手権大会]]には[[少林寺流空手道錬心舘|少林寺流錬心舘]]や日本千唐会等も参加していた。しかし当時の防具は安全性が十分に確保されていないものであり、危険度が高く、競技として普及するにはまだまだリスクの大きいものであった。 そのため、[[拓殖大学]]空手道部などが中心になって創案した「[[寸止め]]ルール」が、次第に主流を占めることとなった。当たる寸前に技を止めるこのルールは年齢・性別を越えて容易に取り組むことができるとして、多くの流派で用いられることとなった<ref>[http://fukushodo.com/sub3/karatehistory.html#seijyuku 空手道の歴史について 組手の競技化を実現した「寸止めルール」(福昌堂)]{{リンク切れ|date=2017年10月}}</ref>。 こうして[[1950年]](昭和25年)に結成された全日本学生空手道連盟の主催により[[1957年]](昭和32年)に[[寸止め]]空手ルールによる「第1回全日本学生空手道選手権大会」が開催。同年には、日本空手協会主催により「[[全国空手道選手権大会]]」が開催された。 また[[1962年]](昭和37年)には、[[山田辰雄 (空手家)|山田辰雄]]が[[後楽園ホール]]で、「第一回空手競技会」として[[グローブ空手]]の大会を開催した。 [[1964年]](昭和39年)には、[[全日本空手道連盟]](全空連)が結成された。全空連は四大流派をそれぞれ統括する'''[[日本空手協会]]'''([[松濤館流]])、'''[[全日本空手道松涛館|松涛館]]'''([[松濤館流]])、'''[[全日本空手道連盟剛柔会|剛柔会]]'''([[剛柔流]])、'''[[全日本空手道連盟糸東会|糸東会]]'''([[糸東流]])、'''[[全日本空手道連盟和道会|和道会]]'''([[和道流]])、それ以外の諸派を統括する'''[[日本空手道連合会|連合会]]'''、[[全日本空手道連盟#前身団体|全日本空手道連盟(旧)]]であり[[防具付き空手]]諸派を統括する'''[[全日本空手道連盟錬武会|錬武会]]'''の6つの協力団体を中心に、「日本の空手道に統一的な秩序をもたらす」ことを目的として結成された。そして[[1969年]](昭和44年)9月、全空連主催による伝統派(寸止め)ルールの「第1回[[全日本空手道選手権大会]]」が[[日本武道館]]で開催された。 しかし同年同月、伝統派空手に疑問を抱き、独自の理論で直接打撃制の空手試合を模索していた[[極真会館|極真空手]]創始者の[[大山倍達]]によって、防具を一切着用しない、素手、素足の直接打撃制(足技以外の顔面攻撃禁止制)による第1回オープントーナメント全日本空手道選手権大会が代々木の[[東京体育館]]で開催され空手界に一大旋風を巻き起こした。一方の全日本空手道連盟は翌年、第1回世界空手道選手権大会を開催した。 ==== 流派の乱立と空手の多様化 ==== このように、空手道の全国化・組織化は着実に進んでいった。しかし、その一方で、もともと流派、会派などが存在しなかったと言われていた空手道界であったが、大日本武徳会を機に流派、会派など増え始めていった。[[1948年]](昭和23年)、東京では船越義珍の門弟たちによって松濤館流最大会派である[[日本空手協会]]が結成され、[[1957年]](昭和32年)[[4月10日]]、日本空手協会を社団法人として文部省が認可した。しかし[[1958年]](昭和33年)には早くも空手道の試合化を否定する廣西元信たちが戦前からの[[松濤会]]を復活させ、独立していった。分裂、独立については、ほかの流派も事情は似たり寄ったりであった。[[遠山寛賢]]やその高弟らによって設立された[[全日本空手道連盟錬武会|錬武会]]のように、無流派主義を標榜する空手家や連盟もいたが、多数にはなり得なかった。 また、全空連の試合規則、いわゆる「[[寸止め]](極め)」ルールに対する不満などから、[[大山倍達]]の[[極真会館]]に代表されるような、フルコンタクト空手という、直接打撃制スタイル(中には顔面攻撃を認める会派もある)を採用する団体もあらわれ、一大勢力を形成するようになった。しかし、大山倍達が存命中は一枚岩と言われていた極真会館もまた、大山の死後、極真を名乗る複数の団体に分裂し、独自会派を立ち上げる者が多数出現することになる。そして、極真会館出身の[[大道塾空道]]に代表されるような、打撃技に特化された現在の空手へのアンチ・テーゼとして、空手道に[[関節技]]や[[投げ技]]を取り入れて、かつての空手がそうであった、総合武道の姿へと復元を目指す会派などもあらわれた。 === 戦後(沖縄) === ==== 統一組織の誕生 ==== 戦後の沖縄では、戦争の爪痕も深く、県下の各流派・道場は個別に活動しており統一組織は存在していなかったが、まず[[1956年]](昭和31年)、[[上地流]]、[[剛柔流]]、[[小林流]]、松林流の4流派によって沖縄空手道連盟(会長・[[知花朝信]]、沖空連)が結成された。次に[[全日本空手道連盟]](旧)理事の[[保勇]]([[少林寺流空手道錬心舘|少林寺流錬心舘]])が仲立ちとなって全日本空手道連盟沖縄地区特別本部(会長・島袋善良)が[[1960年]](昭和35年)に結成された。翌[[1961年]](昭和36年)には、古武道系諸団体を中心に沖縄古武道協会(会長・比嘉清徳、古武道協)が結成された。 [[1963年]](昭和38年)、沖空連から知花朝信一派が脱退、その4年後の[[1967年]](昭和42年)に沖空連は解消され、全沖縄空手道連盟(会長・[[長嶺将真]]、全沖空連)が新たに結成された。同年、全日本空手道連盟沖縄地区特別本部は沖縄空手道連合会へ、古武道協は全沖縄空手古武道連合会(会長・比嘉清徳)へとそれぞれ改組された。 ==== 国体参加問題 ==== [[1981年]](昭和56年)、沖縄空手界では、国体への参加問題と、これに伴う[[全日本空手道連盟]](全空連)への加盟問題がこじれて大問題に発展した。全空連は、沖縄県体育協会(会長・大里喜誠)傘下の全沖空連に対して、沖縄側の加盟にあたって審査資格を八木明徳(剛柔流)、比嘉佑直(小林流)、上地完英(上地流)の長老三氏にのみ認め、ほかは本土側の審査を受けると通告したため、沖縄側が本土の支配下に置かれるとして反発した。しかし、[[海邦国体]]を間近に控え、業を煮やした沖縄県体育協会はついに、全沖空連を「不適当団体」として脱会処分にし、代わりに剛柔流(宮里栄一)、小林流(宮平勝哉、比嘉佑直)、松林流(長嶺将真)、本部御殿手(上原清吉)等によって結成された沖縄県空手道連盟(県空連、会長・長嶺将真)の入会を認めた<ref>『創立十周年・記念誌』沖縄県空手道連盟、1991年、19頁参照。</ref>。 全空連加盟を容認する県空連に対して、全沖空連側は「沖縄伝統の空手が日本空手道連盟の支配下に置かれることは納得できない」と強い不満を表明したが、県空連側も「全空連の内部にとび込んで、沖縄空手の向上を図るべき」(長嶺将真)として両者の主張は平行線をたどった<ref>『創立十周年・記念誌』沖縄県空手道連盟、1991年、16頁参照。</ref>。 ==== 揺れる沖縄空手 ==== [[1982年]](昭和57年)、くにびき国体([[島根県]])の予選も兼ねた県空連主催の第一回空手道選手権大会が開催された。そして、[[1987年]](昭和62年)、沖縄県で海邦国体が開催され、沖縄勢は型で全種目優勝を果たすなど空手道競技9種目中5種目を制覇して、本場の面目を保った。 しかし、当初全空連に加盟して内部から改革すると意気込んでいた県空連の改革姿勢も、本土側によって無視され不発に終わった。特に国体における指定型は、当初全空連(江里口栄一専務理事)は首里系4つ、那覇系4つの「名称のみの指定である」と沖縄側へ説明していたが、実際は本土四大流派の型であり、同一名称でも沖縄の型で試合に出ることはできなかった。この事実を知らされショックを受けた県空連は全空連に要望書を提出したが、沖縄に型の権威を奪われることを警戒する本土側によって黙殺された<ref>長嶺将真「国体における空手道型の指定について」『創立十周年・記念誌』沖縄県空手道連盟、1991年、188頁参照。</ref>。 こうして、国体参加を通じて沖縄空手を本土に広めるとした沖縄側の理想は不発に終わり、むしろ近年では競技空手にいそしむ若手を中心に本土側の型や型解釈が広まってきており、沖縄空手はそのアイデンティティーをめぐって揺れている。 == 型と組手 == [[ファイル:Mabuni_Kenwa.jpg|thumb|left|300px|摩文仁賢和のソウチン]] [[ファイル:Hanashiro_Chomo.jpg|thumb|right|150px|花城長茂のジオン]] [[File:K1PL Berlin 2018-09-16 Female Kata 108.jpg|thumb|150px|2020年東京オリンピック銀メダルの清水希容]] [[形稽古|型]](形とも)と[[組手 (空手)|組手]]は、空手の基本構成であり、昔からこの二つを練習することが基本となっている。しかし、いずれが主であるかなど、基準が時代と共に変化してきている。かつては型の修行に最も価値がおかれていたが、近年では試合制の導入などにより組手重視の傾向にあり、またそれゆえ、両者の乖離(かいり)が問題ともなっている。 === 型 === 型(形)とは、一人で[[演武]]する空手の練習形式である。各種の技を決まった順序で演武し、演武時間は型によって数十秒から数分間続く。修業者は型の練習を通じて、空手の基本的な技や姿勢を身につけるだけでなく、組手などへの実践応用に必要な空手独特の身体動作を身につけることができるとされる。 空手の型の数はすべて数えれば数十にもなり、すでに失伝した型もあれば、明治以降新たに創作された型(ピンアン等)もある。'''首里手'''、'''泊手'''、'''那覇手'''の各系統によって、習う型の種類には相違があり、また流派によっても相違がある。同じ型でも流派によって、また沖縄と本土によっても相違が存在する。 首里手の型には、[[ナイファンチ]]、バッサイ、クーサンクーなどがある。泊手の型には、ナイファンチ、ワンシュー、ローハイなどがある。那覇手の型には、[[サンチン]]、セイサン、スーパーリンペイなどがある。 今日では型の試合も実施され、型の演武それ自体が一つの競技とされるに至っている。試合化によって、型の完成度が高まると期待される一方、勝敗を意識して、難易度の高い型を選ぶ、同じ型でもより見栄えのするように演武する弊害、いわゆる「華手(ハナディー)」の問題なども指摘されている。 ==== 首里手・泊手系の型一覧 ==== {| class="wikitable" style="font-size: small; width: 100%;" |- ! style="text-align: center; width: 15%;" | 型の名称 ! style="text-align: center; width: 15%;" | 伝承者(作者) ! style="text-align: center; width: 20%;" | 備考 ! style="text-align: center; width: 15%;" | 型の名称 ! style="text-align: center; width: 15%;" | 伝承者(作者) ! style="text-align: center; width: 20%;" | 備考 |- | ナイハンチ(初〜三段) | style="text-align: center;" | 松村宗棍、糸洲安恒、松茂良興作 | rowspan="3" | 首里手・泊手系の各流派に伝わる | 竜波(ルーファー) | style="text-align: center;" | 比嘉清徳 | rowspan="4" | 武芸の会に伝わる |- | パッサイ(大・小) | style="text-align: center;" | 糸洲安恒、親泊興寛 | 二段武(ニダンブ、大) | style="text-align: center;" | 比嘉清徳 |- | クーサンクー(大・小) | style="text-align: center;" | 糸洲安恒・北谷屋良 | 二段武(ニダンブ、小) | style="text-align: center;" | 岸本祖孝 |- | チャンナン | style="text-align: center;" | (糸洲安恒) | ピンアンの原型。本部朝基に伝わる | 三波武(サンパブ、大・小) | style="text-align: center;" | 比嘉清徳 |- | [[ピンアン]](平安、初〜五段) | style="text-align: center;" | (糸洲安恒) | 首里手系の各流派に伝わる | [[アーナンクー]](阿南君) | style="text-align: center;" | 喜屋武朝徳 | 台湾より伝わる |- | ジオン(慈恩) | style="text-align: center;" | 花城長茂 | 首里手系の各流派に伝わる | 白鶴(ホーフヮー) | style="text-align: center;" | 祖堅方範 | 少林流松村正統に伝わる |- | 五十四歩(ウーセーシ) | style="text-align: center;" | 屋部憲通 | 首里手系の各流派に伝わる | アーラン | style="text-align: center;" | 幸地克秀 | 幸地道場に伝わる |- | ワンカン(王冠) | style="text-align: center;" | &nbsp; | rowspan="2" | もとは泊の型。首里手・泊手系の各流派に伝わる | 二十四歩(ニーセーシー) | style="text-align: center;" | &nbsp; | 武芸の会に伝わる |- | ローハイ | style="text-align: center;" | &nbsp; | ソウチン(壮鎮) | style="text-align: center;" | 新垣世璋 | 新垣派の型。首里手系の流派に伝わる。 |- | チントウ(鎮東)<br />(別名、岩鶴) | style="text-align: center;" | 泊の城間と金城 | rowspan="4" | 泊村に住む福州安南の漂着人より伝えられた。首里手・泊手系の各流派に伝わる | セーサン(十三歩) | style="text-align: center;" | 松村宗棍 | セーシャンとも。那覇手のセイサンと同系統の型。喜屋武朝徳に伝わる |- | チンテー | style="text-align: center;" | 松茂良興作、親泊興寛 | ドーチン | style="text-align: center;" | 兼島信助 | 台湾より伝わる |- | ジーン | style="text-align: center;" | 泊の山里 | 普及型(一、二) | style="text-align: center;" | (長嶺将真、宮城長順) | &nbsp; |- | ジッテ | style="text-align: center;" | 泊の仲里 | 基本型(一〜三) | style="text-align: center;" | (知花朝信) | 少林流に伝わる |- | ワンシュウ(汪楫) | style="text-align: center;" | 真栄田親雲上、本部朝勇、喜屋武朝徳 | もとは泊の型。首里手・泊手系の各流派に伝わる | 基本型(三〜五) | style="text-align: center;" | (仲里周五郎) | &nbsp; |- | ウンスー(雲手) | style="text-align: center;" | 本部朝勇、摩文仁賢和 | 新垣派の型。首里系の各流派に伝わる | 太極 | style="text-align: center;" | (船越義豪) | 松濤館に伝わる |- | 白熊 | style="text-align: center;" | (本部朝基) | 本部流に伝わる | 明星 | rowspan="6" style="text-align: center;" | (摩文仁賢和) | rowspan="6" | 糸東流に伝わる |- | 元手(一・二) | style="text-align: center;" | 本部朝勇 | rowspan="2" | 本部御殿手に伝わる | 青柳 |- | 合戦手(三〜五) | style="text-align: center;" | (上原清吉) | 十六 |- | ジッチン(実戦) | style="text-align: center;" | 本部朝勇 | 本部御殿手、武芸の会に伝わる | 松風 |- | 松三戦(ショウサンチン) | style="text-align: center;" | 松村宗棍 | | リンカン |- | 元手三戦(ムートディーサンチン) | style="text-align: center;" | 本部朝勇 | 武芸の会(比嘉清徳)に伝わる | 心波(シンパー) |- |スンスー | style="text-align: center;" | 島袋龍夫 |一心流に伝わる | | | |} ==== 那覇手系・その他の型一覧 ==== {| class="wikitable" style="font-size: small; width: 100%;" |- ! style="width: 5%;" | 流派 ! style="width: 15%;" | 型の名称 ! style="width: 15%;" | 伝承者(作者) ! style="width: 15%;" | 備考 ! style="width: 5%;" | 流派 ! style="width: 15%;" | 型の名称 ! style="width: 15%;" | 伝承者(作者) ! style="width: 15%;" | 備考 |- | rowspan="12" | 湖城流 | 天巻 | rowspan="12" style="text-align: center;" | 湖城家 | rowspan="12" | 湖城親方以来七代にわたって一子相伝として湖城家に伝わる | 剛柔流 | スーパーリンペイ(壱百八手) | style="text-align: center;" | 東恩納寛量、<br />宮城長順 | 別称ペッチューリン |- | 空巻 | rowspan="8" | 上地流 | 三戦(サンチン) | rowspan="3" style="text-align: center;" | 上地完文 | rowspan="3" | 中国福建省より伝わる |- | 地巻 | 十三(セーサン) |- | 白龍 | 三十六(サンセーリュー) |- | 白虎 | 完子和(カンシワ) | rowspan="3" style="text-align: center;" | (上地完英) | rowspan="3" | &nbsp; |- | 白鶴 | 十六(セーリュー) |- | チントウ | 完戦(カンチン) |- | ジオン | 完周(カンシュー) | style="text-align: center;" | (上原三郎) | 旧第二セーサン |- | パッサイ大、小 | 十戦(セーチン) | style="text-align: center;" | (糸数盛喜) | &nbsp; |- | クーシャンクー大 | rowspan="11" | 劉衛流 | サンチン | rowspan="11" style="text-align: center;" | 仲井間憲里、<br />憲忠、憲孝 | rowspan="11" | 仲井間家に伝わる |- | ナイファンチ1 - 3 | セーサン |- | ピンアン1 - 5 | ニセーシー |- | rowspan="3" | 新垣派 | ニーセーシ | rowspan="3" style="text-align: center;" | 新垣世璋 | rowspan="3" | 首里系各流派に伝わる | サンセールー |- | ウンスー | セーユンチン |- | ソーチン | オーハン |- | rowspan="10" | 剛柔流 | サンチン(三戦) | style="text-align: center;" | 東恩納寛量、<br />宮城長順 | 剛柔流系の型は東恩流、糸東流にも伝えられている | パーチュー |- | 転掌(テンショウ) | rowspan="2" style="text-align: center;" | (宮城長順) | 旧六機手 | アーナン |- | 撃砕(一、二、ゲキサイ) | &nbsp; | パイクー |- | サイファー(砕破) | rowspan="7" style="text-align: center;" | 東恩納寛量、<br />宮城長順 | &nbsp; | ヘイクー |- | シソーチン(四向鎮) | &nbsp; | パイポー |- | セーサン(十三手) | &nbsp; | &nbsp; | &nbsp; | style="text-align: center;" | &nbsp; | &nbsp; |- | セーパイ(十八手) | &nbsp; | &nbsp; | &nbsp; | style="text-align: center;" | &nbsp; | &nbsp; |- | サンセーリュー(三十六手) | &nbsp; | &nbsp; | &nbsp; | style="text-align: center;" | &nbsp; | &nbsp; |- | クルルンファー(久留頓破) | &nbsp; | &nbsp; | &nbsp; | style="text-align: center;" | &nbsp; | &nbsp; |- | セーエンチン(征遠鎮) | セーユンチンとも。戦前は制引戦と表記した | &nbsp; | &nbsp; | style="text-align: center;" | &nbsp; | &nbsp; |} === 組手 === {{Main|組手 (空手)}} [[ファイル:Miyagi_and_Kyoda.jpg|right|thumb|若き日の[[宮城長順]]と[[許田重発]]。型分解、もしくは「武備誌」にある九天風火院三田都元帥(ブザーガナシー)のポーズを模して組手にしたものと思われる。]] 組手は、主に二人で相対しておこなう練習形式である。決められた手順に従って技を掛け合う「約束組手」、自由に技を掛け合う「自由組手」、さらには勝敗を目的とした「組手試合」が存在する。 ==== 歴史 ==== 組手は琉球王国時代から行われていたが、制式化されてなお現存するのは[[本部朝基]]が大正時代に発表した十二本の約束組手が最古で、それ以前のものは現存していない。[[尚泰王]]の冊封式典のために訪れた清の使節の前で「交手」という名の武技が披露されたという記録があり、これは組手のことを指すと考えられているが、その具体的な内容は不明である。 上述の本部朝基やその友人[[屋部憲通]]などを例外とすれば、戦前は型稽古が中心で、組手は学校体育向けに単純なものがわずかに行われる程度であった。さらに制度化された自由組手はまだ存在せず、'''掛け試し'''と呼ばれる一種の野試合が存在するだけであった。 しかし、空手が本土に伝えられた当時、[[柔道]]や[[剣道]]ではすでに試合制が実施されており、また乱取り稽古も盛んであった。このため、永岡秀一(柔道十段)や磯貝一(柔道十段)等、[[講道館]]の重鎮達から「型だけではわからん」とその単独稽古偏重が厳しく批判されたという<ref>「対談・ゲスト小西康裕/聞き手池田奉秀・空手道を語る――過去と現在の武道的視点――」『対談集・空手道を語る』武道出版研究所、1977年、6頁参照。</ref>。こうした批判を受けて、[[大塚博紀]]や[[小西康裕 (空手家)|小西康裕]]等が自ら学んでいた神道揚心流柔術や竹内流柔術等の様式を取り入れて作ったものが今日の約束組手の起源である。 これ以降も空手の約束組手は本土の大学生達を中心に改良が重ねられていった。さらに戦後になると、本格的に組手試合が整備されていった。組手試合の形式には、下に示す三形式が主流であり、ルールの細かい点は流派・会派毎に特色が見られる。 ==== 寸止め ==== 打撃による怪我を防ぐため、原則相手の皮一枚で止める「[[寸止め]]」もしくは「[[極め]]」と呼ばれる試合形式。主に全空連に加盟する伝統派空手の各流派で行われている。試合によっては防具着用を義務付ける場合もあるが、それでも直接打撃は認めていない。しかし全空連を含む多くの試合では事実上当てることが認められており、直後の引き手でダメージの軽減を計っている。このことはルール記載上の文言とは馴染まないが黙認されている。この場合、試合に支障を来たすようなダメージが与えられた場合や引き手の程度により初めて「当てた」と審判にも認知されるのが通例である。 ==== 防具付き空手 ==== 防具着用の上での直接打撃を行う試合形式。[[防具付き空手]]、硬式空手の各流派・会派で行われている。広義のフルコンタクト空手。詳しくは'''[[防具付き空手]]'''の項を参照。 ==== フルコンタクト ==== フルコンタクトと呼ばれる直接打撃を認める試合形式。防具などを一切着用せず素手、素足で試合をする。ただし、顔面への拳による攻め、金的への蹴り、膝への関節蹴りなど急所攻撃は禁じている。狭義のフルコンタクト空手。極真会館など。 == 空手の流派と競技形式 == === 歴史 === [[講道館]]に統一されている柔道とは異なり、空手道には無数の流派が乱立し、流派によって教える型や鍛練法、試合ルールも全く異なる。大別すると、空手道の競技形式は[[伝統派空手]]と[[フルコンタクト空手]]、[[防具付き空手]]に分類することができる。 糸洲安恒によれば、空手道はもと昭林流と昭霊流の二派が中国から伝来したものが起源とされる<ref>[[糸洲安恒#糸洲十訓(唐手心得十ヶ条)|糸洲十訓]]参照。</ref>。前者は首里手となり、後者は那覇手となったとするのが一般的な解釈であるが、上記二派は中国でもその存在が確認されておらず、どの程度歴史的事実であったのかは、疑問の残るところである。そもそも「……流」という表記は日本的であり、中国では「……拳」と称するのが一般的であるとの指摘もある。 今日の空手流派は本土に伝来して以降のものである。最古の空手流派は、本部朝基が大正時代に命名した[[日本伝流兵法本部拳法|日本傳流兵法本部拳法]](本部流)が、文献上確認できるものとしては最も古い<ref>岩井虎伯『本部朝基と琉球カラテ』199頁参照。</ref>。船越義珍の[[松濤館流]]も実質的には同程度古いが、この流派名は戦後の通称であり、船越自身は生涯流派名を名乗らなかった<ref>船越義珍『愛蔵版・空手道一路』105頁参照。</ref>。昭和に入ってからは、宮城長順が昭和6年([[1931年]])に[[剛柔流]]を名乗っている<ref>外間哲弘編著『空手道歴史年表』42頁参照。</ref>。その後は、知花朝信([[小林流 (空手道)|小林流]]・[[1933年]])、摩文仁賢和([[糸東流]]・[[1934年]])、小西良助([[神道自然流]]・[[1937年]])、大塚博紀(神州[[和道流]]空手術・[[1938年]])、[[保勇]]([[少林寺流空手道錬心舘]]・[[1955年]])、[[菊地和雄]](清心流空手道・[[1957年]])と、流派の命名が続いた。 === 伝統派空手 === 広義には、文字通り伝統的な空手の流派、すなわち、古流空手、全空連加盟等の本土空手、沖縄空手を含む。[[防具付き空手]]をこちらに分類することもある。伝統空手とも言う。狭義には、「寸止め」ルールを採用する全空連の空手およびその参加流派を指す場合が多い。下記の分類はあくまで概略的なものであり、それぞれにまたがる流派も多い。詳しくは、[[伝統派空手]]を参照。 ==== 古伝空手(古流空手) ==== 伝統派空手のうち、競技化、[[スポーツ]]化を志向せず、古伝(古流)の空手スタイルを重視する。特徴としては、伝統的な型稽古や組手稽古、沖縄古来の鍛錬法の重視、武器術の併伝などを挙げることができる。沖縄空手とほぼ同義で使われることもあるが<ref>時津賢児『武道の力』(大和書房、2005年)の「古流空手から中国拳法へ」(62-66頁)参照。</ref>、沖縄空手の中でも、特に糸洲安恒による空手近代化以前のスタイルを指して使われることもある<ref>フル・コム編『公開!沖縄空手の真実』東邦出版、2009年、48頁。</ref>。 古伝空手(唐手)もしくは古流空手(唐手)という用語自体は、比較的最近のものである<ref group="注">中田瑞彦「本部朝基先生・語録」1978年(小沼保『琉球拳法空手術達人 本部朝基正伝』所収)に「古流唐手」の使用例がある。それ以降では、岩井作夫『古伝琉球唐手術』(愛隆堂、1992年)等に見いだされる。</ref>。1990年代以降、伝統派空手の内部から空手の近代化に批判的な論客([[柳川昌弘]]、[[新垣清]]、[[宇城憲治]]など)が現れ、彼らの著作がベストセラーになるようになった。特に2000年以降、[[甲野善紀]]らによる古武術ブームの影響もあり、古伝(古流)空手への回帰論は空手言論界に大きな影響を及ぼした。こうした研究者のすべてが古伝(古流)を標榜しているわけではないが、近代空手と一線を画する論調が相互作用して一つの潮流を形成している。 古伝(古流)空手では、型の再評価や型分解の見直し、また競技化される以前の組手にあった技法――急所攻撃、取手(関節技、投げ技)等――の探究、さらには「[[気]]」、[[丹田]]といった東洋的な概念の再評価が行われている。 古伝(古流)空手の流派には、[[湖城流]]、[[本部流]]、[[心道流]]などがある。他に沖縄本島の松林流喜舎場塾、日本本土の空手道今野塾、清心館大久保道場([[全日本清心会]])などの古流稽古スタイルの会派・道場がある。 ==== 狭義の伝統派空手(全空連空手、寸止め空手) ==== 一般には本土空手を指す場合が多い。全空連に加盟し、空手道の競技化、スポーツ化に力点をおいている。全空連が寸止めルールを採用していることから、寸止め空手と呼ばれることも多い。競技空手、スポーツ空手とも呼ばれる。本土空手は、剛柔流、松濤館流、和道流、糸東流が規模の上から一般に四大流派と呼ばれ、よく知られている。 本土空手は、大学や高校を中心に発展してきた。それゆえ、より若者向けに型や組手も沖縄より全体的に力強く、ダイナミックで、見栄えがするように変化してきている。しかし、近年では生涯武道という観点から、また古伝空手ブーム等の影響もあって、競技化への反省も見られる。他に本土という土地柄、他格闘技との融合や影響が見られるのも特徴である。 近年では、勝負の判定を従来よりスポーツライクなものとしたポイント制や、拳サポーターの色分け(青と赤。従来は両者が白で、赤と白の区別は赤帯を用いていた)、細かなものでは審判の人数や立ち位置など、ルールにかなりの見直しが施されている。これらはオリンピック種目化を目指しての革新と見られるが、スポーツ化したとき見た目にはさほど違いのない[[テコンドー]]が既にオリンピック種目となっているため、実現は容易ではないと考えられていた。 2016年8月3日(日本時間4日)、[[リオデジャネイロ]]で開かれた[[国際オリンピック委員会]]総会で[[2020年夏季オリンピック|2020年東京オリンピック]]の追加種目の一つとして空手道が承認された<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.jkf.ne.jp/topics/news/20160804/8821|title=「空手」東京2020オリンピック追加競技に決定!|author=全日本空手道連盟|accessdate=2016-8-25}}</ref>。 ==== 沖縄空手 ==== 沖縄に本拠をおく空手流派である。スポーツ化の傾向にある本土空手と距離をおく意味で、「沖縄空手」が本来の伝統武道空手として用いられる場合も多い。本土の流派が主導する全空連が指定形から沖縄の形を排除したことに反発して、沖縄は本土と距離を置くようになった。しかし、沖縄県空手道連盟のように全空連に加盟している組織もある。 沖縄空手の特徴としては、伝統的な型稽古や鍛錬法を重視している。組手は、本土よりも遅れていたが近年は全空連式の寸止め方式が逆輸入されて盛んになっている。以前は防具組手も行われていた。ほかに武器術や取手術の併伝などを挙げることができる。しかし、沖縄空手も糸洲安恒以降近代化しており、また本土からの影響もあって、琉球王国時代そのままというわけではない。明治以降、東恩納寛量や宮城長順による那覇手の改革、新たに中国からもたらされた上地流等の普及により、琉球王国時代の特徴をそのまま継承する流派はむしろ少数になっている。湖城流のように戦後県外に流出した古流流派も存在する。しかし、少数の道場では、今日でも古くから伝えられた技や稽古法の保存に努めている。近年では沖縄県自体も空手の発祥地を意識して、「沖縄空手」の国際的な宣伝に力を入れている。 沖縄空手の流派には、三大流派として[[剛柔流]]、[[上地流]]、[[小林流 (空手道)|小林流]]があり、他に[[糸東流]]、沖縄拳法、少林流、少林寺流、松林流、本部御殿手、[[沖縄剛柔流]]、沖縄松源流、[[劉衛流]]、金硬流などがある。本土の空手会派とは組織形態が異なり、多くの沖縄空手会派、流派は単独組織を維持し、本土より世界各国に、より数多くの支部道場を持ち、世界的な大きな広がりがある。 === フルコンタクト空手 === 直接打撃制ルールを採用する会派。開祖となった[[極真会館|極真空手]]がもっとも有名であるが、広義には以下のものも含まれる。そもそも直接打撃制ルール自体は寸止めルールよりもはるかに歴史は古い。詳しくは、[[フルコンタクト空手]]を参照。 ==== 狭義のフルコンタクト空手(極真カラテなど) ==== [[極真会館]]とその分派の多くに代表される「手技による顔面攻撃以外」の直接打撃制ルールを採用する会派のことを指す。しかし、近年では[[国際FSA拳真館]]や[[極真館]]など一部の試合で手技による顔面への直接打撃を認める会派も増えている。また、最近は幼年部・少年部・壮年部の人口が増加しているため、上級者以外ではヘッドギアやサポーターをつけることが多くなっている。極真会館の分派以外には伝統派空手の分派や、[[少林寺拳法]]の分派である[[白蓮会館]]、日本傳拳法の流れを汲む士衛塾、国際FSA拳真館などがある。[[2013年]](平成25年)には、[[新極真会]]の[[緑健児]]と[[JKJO]]の渡辺正彦の呼びかけで、[[全日本フルコンタクト空手道連盟]](JFKO)が発足。いわゆる直接打撃制ルールを採用するフルコンタクト空手諸団体の統括組織と位置付けられている。そして[[2014年]](平成26年)5月、直接打撃制(フルコンタクト)ルールを採用するフルコンタクト空手界で初の統一大会([[JFKO]]主催による第1回[[全日本フルコンタクト空手道選手権大会]])が[[大阪市中央体育館]]で開催された<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.tokyo-sports.co.jp/sports/othersports/267931/|title=空手五輪入りへ大きな一歩!フルコン初の統一大会大成功|author=東スポWeb|accessdate=2014-5-19}}</ref>。 ==== アメリカのフルコンタクト空手 ==== フルコンタクト空手のもともとの意味は、アメリカで始められた[[キックボクシング]]的な[[プロ空手]]のことである<ref>John CorcoranとEmil Farkasの著作、The Original Martial Arts Encyclopedia: Tradition, History, Pioneers を参照。</ref><ref>アメリカ空手界歴史研究家,Jerry Beasleyの著作、Mastering Karateを参照。</ref><ref group="注">元・月刊空手道編集長の小島一志が、“フルコンタクト空手”という名称がアメリカ発で、それを日本で行われている極真会館に代表される直接打撃制の空手ルールに呼びやすい名前をつけるために拝借したと自身の著作、“リアルバトロジー2 新世紀格闘技論”にて告白している。</ref>。ボクシングとの差異を計るため、1ラウンド毎に対戦相手の腰より上へのキックを8本以上蹴らなくてはならないルールが特徴的。参加選手の出身流派は、沖縄や日本の空手諸流派だけでなく、韓国のテコンドーやアメリカなど欧米諸国で誕生した新興流派の出身者も多い。現在はキックボクシングの一種として“フルコンタクト・キックボクシング”という呼び名で、競技として成熟しつつある。 ==== 総合空手(格闘空手、バーリトゥード空手) ==== 打撃のみならず、投技や寝技なども取り入れ、いわゆる[[総合格闘技]]に近い形での試合を行う会派を指す。代表的な会派は、一切の防具着用をせず、また一部で素手の拳による顔面攻撃を認めた試合を行うため、もっとも過激なルールと言われる真武館などや、[[空道]]の分派である空手道[[禅道会]]などが挙げられる。 ==== POINT&KOルール空手 ==== [[極真空手]]に代表されるフルコンタクトスタイルに加えて、相手が防御できない状態で正確な蹴りが入った場合、ダメージの大きさにかかわらず技術点としてポイントを与え、技術的優劣を明確にするPOINT&KOルールで試合をする会派である。胸部への突きとローキックを主体とするスタイルを改め、伝統空手のスピードとフルコンタクト空手の破壊力を取り入れている。主な会派として[[佐藤塾]]や[[寛水流]]空手などがある。 === 防具付き空手 === 防具をつけて試合をする空手競技のことである。組手競技ルールとしては元々[[寸止め]]空手や[[フルコンタクト空手]]よりも歴史が古く、空手界で最初の全国大会である[[全国防具付空手道選手権大会|全国空手道選手権大会]]も防具付きルールで行われていた。[[全日本空手道連盟錬武会|錬武会]]や[[少林寺流空手道錬心舘|錬心舘]]など[[伝統派空手]]の一部が長年掛けてルールと防具を改良し完成させた。詳しくは、[[防具付き空手]]を参照。 ==== 伝統的な防具付き空手 ==== 防具着用の競技形式は戦前より研究され、[[東京大学]]の唐手研究会、大阪の[[摩文仁賢和]]、[[立命館大学]]の山口剛玄、[[剛柔流]]の[[宮城長順]]等がそれぞれで防具の使用を試みていた。また沖縄でも一時期は防具着用による試合が'''沖縄拳法'''([[中村茂]])の名称で行われていた。その中で制度として定着したのは戦後の武道禁止令の中、[[防具 (剣道)|剣道の防具]]着用による[[金城裕]]が主導した[[韓武舘]]の防具付き空手だった。[[韓武舘]]は遠山寛賢の無流派主義を受け継ぐ道場で後に[[全日本空手道連盟#前身団体|全日本空手道連盟(旧)]]に発展。後に四大流派等とともに現在の公益財団法人全日本空手道連盟を発足させ、全空連の協力団体として防具付き空手を統括する'''[[全日本空手道連盟錬武会]]'''となった。同様に伝統的な防具付き空手団体としては[[少林寺流空手道錬心舘|'''全日本少林寺流空手道連盟錬心舘''']]、千唐会等があり、いずれも広義の伝統派空手に含む場合もある。錬武会は[[遠山寛賢#無流派主義|無流派主義]]で全空連の防具付き空手統括団体として他流派をルーツとする団体の加盟も認めている連盟であるが、錬心舘と千唐会は一流一派の会派団体となっている。いずれも、伝統的な動作や引き手を重視する一本勝負で試合を行い、錬武会と錬心舘は「技あり」に相当な打撃強度が求められる。また、錬心舘は蹴り技に特化しており、独特の回し蹴りが発達している。 ==== 硬式空手 ==== 硬式空手は久高正之がプラスチック製の防具スーパーセーフを開発した事にはじまり、[[1981年]](昭和56年)、'''[[錬武舘#日本空手道錬武舘|錬武舘東京本部]]'''や'''拳行館'''、'''[[日本正武館]]'''、'''剛武舘'''を中心に、[[全日本空手道連盟錬武会|錬武会]]から分かれて作られた競技形式である。錬武会の一本勝負と異なり、「止め」までに時間をとってその間の攻防の中で当たった技を全て加点する、連打推奨の加点方式を採用している事が最大の特徴である。また名称は当時すでに主流であった寸止めルールを「軟式」として認識し、それに対抗する形で名づけられた。現在、硬式空手を行う団体は著作権等もあり'''[[全日本硬式空手道連盟]]'''のみであるが、2派に分裂していてそれぞれ[[全日本硬式空手道連盟#千葉派|'''千葉派''']]、[[全日本硬式空手道連盟#久高派|'''久高派''']]と呼ばれ、両者の間には若干のルールの違いがある。連打推奨のため、伝統的な動作には錬武会や錬心舘ほど重きを置いていない。 ==== セーフティー空手、防具空手 ==== 全日本セーフティー空手道連盟は硬式空手から分裂し、テコンドー団体と交流しながら蹴り技を主体とした組手競技を行う団体として発足した。また、同様の団体として平成に入ってから、全日本格斗打撃連盟、日本防具空手道連盟、全国防具空手道連盟などが相次いで発足した。安全性に配慮し、打撃強度は比較的軽くてもとり、当てること重視で動作も伝統派空手とは異なる。これらの団体は「防具付き空手」ではなく「防具空手」と名乗る傾向がある。[[キックボクシング]]や[[全日本新空手道連盟|新空手]]等とも交流がある。 ==== 広義の防具付き空手 ==== 全日本空手道連盟ルールにおいても、安全具として[[寸止め#防具と寸止め|メンホー]]という防具を装着する場合がある。ただし、これらはあくまで「寸止め」が前提であって直接打撃を前提とする上記の団体とは異なる。また、フルコンタクト空手団体にも、顔面に防具を着用する部門を設ける場合があるが、基本的にはフルコンタクトルールなのでダメージ制であり、手技による顔面への攻撃は認められていないことが多い。 しかし近年では、[[極真会館松井派|極真空手]]を出所とする団体間で顔、胴、脛、拳等に防具を着用し、突き(顔面への直突きのみ寸止めで認められる)・蹴り(下段蹴りは禁止)の攻撃をポイント制とする[[コンタクトスポーツ#セミコンタクト|セミコンタクトルール]]が導入されている<ref>{{Cite web|和書|url=http://efight.jp/news-20160418_236739|title=大幅ルール改正、松井館長「より実戦的な空手でクオリティの高い競技を」|author=eFight【イーファイト】|accessdate=2017-09-8}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=http://efight.jp/news-20171104_271671|title=2018年6月から新ルール導入、五輪空手ルールに対応へ=下段蹴り禁止、顔面寸止め有効など|author=eFight【イーファイト】|accessdate=2017-11-4}}</ref>。 == 段級位・色帯・称号 == 空手道の[[段級位制]]は、講道館柔道を元にして導入された。段位は大正13年([[1924年]])に船越義珍が発行したのが、空手道史上、初めてと言われている<ref>儀間真謹・藤原稜三『対談・近代空手道を語る』273頁参照。</ref>。 帯はまず黒帯、白帯が導入された。黒帯は有段者、白帯は入門者の帯である。黒帯と白帯の中間(1 - 3級)には、多くの流派で茶帯を設けている。さらに、茶帯の下に、当初子供用に色帯が導入され、今日では一般化している。また伝統派空手の場合、段位については全日本空手道連盟が「公認段位」として認定している。一方で、フルコンタクト空手の場合、統括組織が確立していないため、各会派・団体の名義で段位を認定している。 称号は、[[大日本武徳会]]が授与するものであったが、降伏後、占領していた連合国軍最高司令官総司令部(GHQ/SCAP)の命令によって解散させられると、その後は流派、会派ごとによって、独自に授与するようになった。称号には、[[範士]]、[[教士]](達士)、[[錬士]]があるが、称号を授与しない流派・団体も存在する。 {| class="wikitable" style="font-size: small; width: 100%;" |-align="center" !bgcolor="#cccccc"|段級位 !bgcolor="#cccccc"|帯の色 !bgcolor="#cccccc"|称号 |-align="center" |拾段 |黒、赤 |範士 |-align="center" |玖段 |黒、赤 |範士 |-align="center" |捌段 |黒、紅白 |教士(達士) |-align="center" |漆段 |黒、紅白 |教士(達士) |-align="center" |陸段 |黒、紅白 |錬士 |-align="center" |伍段 |黒 |錬士 |-align="center" |肆段 |黒 |-align="center" |参段 |黒 |-align="center" |弐段 |黒 |-align="center" |初段 |黒 |-align="center" |一級 |茶 |-align="center" |二級 |茶・紫・灰等 |-align="center" |三級 |茶・緑等 |-align="center" |四級以下 |緑・黄・青・橙等 |-align="center" |入門者 |白 |} 上記はあくまで一例であるが、一般的に普及している段級位や師範の認定は、各流派・団体において独自に行っており、統一基準は存在しない。よって同じ段級位であった場合でも技量に差があるケースもある。 == 空手道衣 == [[ファイル:Kyan_Chotoku2.jpg|thumb|260px|弟子の稽古を見守る[[喜屋武朝徳]]]] [[琉球王国]]時代に空手道がどのような衣服で稽古されていたかは、史料がないため判然としない。戦前の写真などを見るかぎり、しばしば上半身裸で行われていたようである。『拳法概説』([[1929年|昭和4年]])に紹介されている[[喜屋武朝徳]]の説明によれば、裸で稽古する理由は「皮膚を強靱に鍛へると共に力の配合を明確に意識せん」がためであるとされる<ref>三木二三郎・[[高田瑞穂]]『拳法概説』184頁参照。</ref>。喜屋武は、これは幼少の頃からの習慣であると述べているので、少なくとも明治初期から、おそらくは琉球王国時代からの習慣であったと考えられる。 この習慣は首里手に限らず、上掲の写真で[[宮城長順]]と[[許田重発]]が上半身裸で稽古していることからも、那覇手も含めた沖縄一般の習慣であったのだろう。ただし[[1921年]](大正10年)に皇太子(後の[[昭和天皇]])来沖の際に首里城正殿まで行われた空手演武(指揮:船越義珍)では、[[Tシャツ]]風の白衣上着に[[袴]]を着用した写真が残されている<ref>富名腰義珍『錬胆護身 唐手術』掲載写真参照。</ref>。 今日の[[道着|空手道衣]]の起源は、[[1922年]]、船越義珍が[[講道館]]で演武する際に、神田の生地問屋から白木綿地を買ってきて、自ら手縫いで仕立てた柔道着らしきものが、文献上確認できる限りでは最古である<ref>儀間真謹・藤原稜三『対談・近代空手道を語る』104頁参照。</ref>。空手道衣がいつ販売されるようになったかは定かではないが、[[1934年]](昭和9年)の『空手研究』にすでに空手道衣の広告が掲載されているので、昭和初期にはすでに販売されていた。その後、動作も稽古内容も柔道とは違うため、徐々に改良がなされ、今に至っている。 [[ファイル:Kata1.jpg|thumb|現在の空手道衣]] 空手道衣の構造は今日、伝統派空手とフルコンタクト空手において、おおむね次のような相違が見られる(詳細は流派・会派により異なる)。 ; 伝統派空手 : 上衣の袖は、手首までの長さ。夏の猛暑であっても、「袖まくり」は認められない。ただし、道場師範の裁量で、稽古に限り黙認される場合もある。 : 裾に紐が縫い付けられており、襟を合わせた後これを結ぶことで、裾の乱れを防ぐ。 : 下穿き(ズボン)の長さは、踝の位置に合わせる。 : 所属流派・会派をあらわすワッペン等を後から空手衣に縫い付けるスタイルが多く、道場を通さなくても空手衣の購入が可能である。 ; フルコンタクト空手 : 上衣の袖は、肘が出るか隠れる程度の長さが多く、さらにノースリーブに近いものもある。 : 下穿き(ズボン)の長さは、床に付く程度にゆったりしている。 : 空手衣には、団体名をあらわすオリジナルのロゴマークが刺繍、またはワッペンが付けられており、各道場を通じて購入するのが一般的である。 == 教授法の変遷 == [[ファイル:Karate_ShuriCastle.jpg|left|260px|thumb|首里城での空手道演武(昭和初期)]] 琉球王国時代には、空手の教授は秘密裏に行われた。人目につかないよう夜に教えたり、場所も人里離れた墓地などで教えた。こういった秘密主義は、薩摩の在番役人を警戒する必要があったためであり、また「掛け試し」などの挑戦を避けるためでもあった。当時は道場などはなく、師匠がとる弟子の数も少数であった。 [[日本武術]]とは異なり、空手には[[伝書]]はなく、[[口伝]]と実技のみで技が伝授された。稽古は型の稽古が中心で、一つの型の習得に3年を費やしたとも言われる<ref>富名腰義珍『空手道教範』大倉広文堂、昭和10年、37頁参照。</ref>。組手は一種の約束組手が存在したが、制度化された自由組手や試合などはなく、覚えた技を試したい者は、掛け試しなどの実戦を行う必要があった。 明治以降、空手の教授法も急速な変化を遂げた。沖縄の中学校や師範学校の体育に採用されるなどして、空手は初めて一般に公開された。師弟との一対一の練習から、師範の号令と共に、多数の生徒が同じ動作や型の練習をするようになった。糸洲安恒が学校で子供達が学びやすいようにと、ピンアン(平安)の型を創作したのも、この時期である。 大正時代に入ると、那覇に[[沖縄唐手研究倶楽部]]が結成され、当時の沖縄の大家たちがこれに参加して、初めての共同研究や共同修練の試みもなされた。また船越義珍や本部朝基によって、空手史上、初めて空手書が出版されたのも大正時代であった。昭和に入ると、技に名称をつけたり、伝書の作成、組手の研究、さらには試合の導入などが試みられた。段級位制や色帯制が導入されると同時に、練習体系の合理化も進んだ。自前で道場をもつ空手家も現れ、多人数を相手に教えるようになった。 しかし、空手の近代化が進むにつれて、西洋の身体動作や運動理論の導入に対する反省も起こっている。古伝空手や沖縄空手の再認識・再評価も、近年活発である。 == 日本国外への影響 == === アメリカ合衆国 === 最初にアメリカに空手を紹介したのは、戦前アメリカに移住した沖縄系移民達だったと考えられているが、公的な記録に乏しく、文献から追跡するのは難しい。著名な空手家では、屋部憲通がアメリカ本土に8年間滞在した後、[[1927年]](昭和2年)4月、帰国途中に沖縄系移民の多いハワイへ立ち寄り空手道の講習会を開いた記録が残っており<ref>[http://museum.hikari.us/news/index.html 『日布時事』1927年4月12日記事]</ref>、屋部以降も、本部朝基、陸奥瑞穂(船越門下)、東恩納亀助(本部門下)、宮城長順といった空手家たちがハワイを訪れ、空手道を教授している。 アメリカ本土で本格的に空手が普及し始めたのは戦後からで、沖縄や日本本土で空手を習得した米国軍人たちによって伝えられた。代表的な人物には、しばしば「アメリカ空手道の父」とも言われる[[:en:Robert Trias|ロバート・トリアス]]([[1923年]] - [[1989年]])がいる。トリアスは第二次世界大戦中、[[ソロモン諸島]]で本部朝基の弟子の中国人より空手道を習ったとされ<ref group="注">英語版の記事ではそう記述されているが、日本側の文献では本部朝基に中国人の弟子がいたかどうか確認できていない。</ref>、[[1946年]]、[[アリゾナ州]][[フェニックス (アリゾナ州)|フェニックス]]に空手道場を開設した。 === ヨーロッパ === ヨーロッパにおいては、[[1960年代]]以降、日本から空手道指導員が派遣されるという形で広まった。[[ドイツ]]や[[イギリス]]で指導に当たった[[金澤弘和]](松涛館流)や[[ポルトガル]]で指導に当たった[[東恩納盛男]](剛柔流)などの活躍が知られている。 [[ソビエト連邦|旧ソ連]]では、1960年代半ば、[[モスクワ]]の大学に初めて空手道部が設立された。しかし[[1973年]]、ソ連政府の方針によって[[日本武道]]が突然禁止され、代わって[[サンボ (格闘技)|サンボ]]が推奨されるようになった。再び空手道が行われるようになったのは、ソ連が崩壊し[[ロシア]]となって以降のことである。 === 韓国 === 韓国では、[[韓国併合]]時代の[[日本統治時代の朝鮮|朝鮮半島]]から日本へ渡った人々が、知識や技術を持ち帰り、1940年代中盤に「コンスド(空手道)」、「タンスド(唐手道)」、または「カラテ(韓手)」の呼称で広まった。1950年代に入り、[[松濤館]]空手を源流に持つ人達を中心として名称統合が行われ「[[テコンドー]]」に発展し、その後に韓国の国技となった<ref group="注">前 IOC副委員長で世界跆拳道連盟の会長であった金雲容は 「テコンドー協会長になった頃、シルムやサッカーの関係者は自分たちのスポーツが国技であると主張していた。当時のテコンドーはいろんな面で弱かったので、私は(訳者注:1971年3月20日に)、朴正煕大統領に頼んで『国技テコンドー』と親筆揮毫していただいた。そしてこれを大量にコピーして、全ての道場に掛けるように命じた。このことがきっかけになってテコンドーは国技になった。」と『mooto media、www.mooto.com、2010年2月9日』で語っている。</ref>。なお、現在では、テコンドーの主要団体として、[[国際テコンドー連盟|ITF]]と[[ワールドテコンドー|WT]] の2つがある。 == 会派・団体一覧 == {{Main|空手道会派・団体一覧}} == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} === 注釈 === {{Reflist|group="注"}} === 出典 === {{Reflist|2}} == 参考文献 == * 富名腰義珍 『琉球拳法 唐手』 武侠社、1922年。(復刻版・普及版)[[榕樹書林]]、2006年、ISBN 4-89805-117-0 * 富名腰義珍 『錬胆護身 唐手術』 広文堂、1925年。(復刻版)榕樹社、1997年、ISBN 4-947667-34-6 * 富名腰義珍 『空手道教範』 大倉広文堂、1935年。 * 船越義珍 『空手道一路』 産業経済新聞社、1956年。『愛蔵版・空手道一路』(復刻版) 榕樹書林、2004年、ISBN 4-947667-70-2 * 本部朝基 『日本傳流兵法本部拳法』壮神社(復刻版)1994年 * 岩井虎伯 『本部朝基と琉球カラテ』(復刻版収録)愛隆堂、2000年、ISBN 4-7502-0247-9 * 小沼保 『本部朝基正伝 琉球拳法空手術達人(増補)』壮神社、2000年、ISBN 4-915906-42-6 * 摩文仁賢和・仲宗根源和 『空手道入門―攻防拳法』(復刻版・普及版)榕樹社、2006年、ISBN 4-89805-118-9 * 仲宗根源和編 『空手道大観』 東京図書、1938年。(復刻版)緑林堂書店、1991年<!-- 全国書誌番号 94030989 --> * 仲宗根源和編 『空手研究』 興武館、1934年。(復刻版)[[榕樹書林]]、2003年、ISBN 4-947667-92-3 * 三木二三郎・高田瑞穂 『拳法概説』 東京帝国大学唐手研究会、1930年。(復刻版)[[榕樹書林]]、2002年、ISBN 4-947667-71-0 * 金城裕編 『月刊空手道』(合本復刻版)[[榕樹書林]]、1997年、ISBN 4-947667-40-0 * 『空手道 保存版』 創造、1977年 * 大山倍達『秘伝極真空手』日貿出版社、1976年 * 大山倍達『100万人の空手』講談社、1975年 * 長嶺将真 『史実と口伝による沖縄の空手・角力名人伝』新人物往来社、1986年、ISBN 4-404-01349-3 * 儀間真謹・藤原稜三 『対談 近代空手道の歴史を語る』 ベースボール・マガジン社、1986年、ISBN 4-583-02606-4 * 藤原稜三 『格闘技の歴史』 ベースボール・マガジン社、1990年、ISBN 4-583-02814-8 * 外間哲弘 『空手道歴史年表』 沖縄図書センター、2001年、ISBN 4-89614-889-4 * 『沖縄大百科事典』 沖縄タイムス社、1983年 * {{青空文庫|001526|51946|新字旧仮名|空手道の起原と其の沿革}}([[島袋源一郎]]著) == 関連項目 == {{Wiktionary}} {{Commons&cat|Karate|karate}} * [[手 (沖縄武術)]] * [[琉球古武術]] * [[大日本武徳会]] * [[空手の型一覧]] * [[空手家一覧]] * [[伝統派空手]] * [[フルコンタクト空手]] * [[防具付き空手]] * [[グローブ空手]] * [[ヌンチャク]] * [[試割り]] * [[ベスト・キッド]] * [[沖縄空手会館]] * [[全日本空手道連盟]] * [[コンタクトスポーツ]] * [[全日本空手道選手権大会]] == 外部リンク == * [https://www.jkf.ne.jp/ 公益財団法人全日本空手道連盟] * {{Kotobank|空手}} {{武道・武術}} {{Authority control}} {{DEFAULTSORT:からてとう}} [[Category:空手道|*]] [[Category:沖縄県の歴史]] [[Category:オリンピック競技]]
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盂蘭盆会
盂蘭盆会(うらぼんえ)とは、太陰暦7月15日を中心に7月13日から16日の4日間に行われる仏教行事のこと。盂蘭盆(うらぼん)、お盆ともいう。また、香港では盂蘭勝会と称する。 『盂蘭盆経』(西晋、竺法護訳。今日では偽経とされる)、『報恩奉盆経』(東晋、失訳)などに説かれる目連尊者の餓鬼道に堕ちた亡母への供養の伝説に由来する。もともとは仏教行事であるが、唐代の道教の隆盛期に三元の一つの中元節の流行とともに儀礼の融合が進んだ。 日本における日付については、元々旧暦7月15日を中心に行われていたが、改暦にともない新暦(グレゴリオ暦)の日付に合わせて行ったり、一月遅れの新暦8月15日や旧暦の7月15日のまま行っている場合に分かれている。父母や祖霊を供養したり、亡き人を偲び仏法に遇う縁とする行事のこと。 盂蘭盆は、サンスクリット語の「ウッランバナ」(ullambana、उल्लम्बन)の音写語であるという説がある。「烏藍婆拏」(『玄応音義』)、「烏藍婆那」とも音写される。「ウッランバナ」は「ウド、ランブ」(ud-lamb)の意味があると言われ、これは倒懸(さかさにかかる、逆さ吊り)という意味である。しかし、この解釈は「盂蘭盆」の「盆」という語が経典内で「器」という意味で使われているという難点がある。 一方、古代イランの言葉(アヴェスター語)で「霊魂」を意味する「ウルヴァン」(urvan)が語源だとする説もある。古代イランでは、祖先のフラワシ(Fravaši、ゾロアスター教における精霊・下級神)が信仰され、それが祖霊信仰と習合し、「祖霊」を迎え入れて祀る宗教行事となったとする。 2013年、仏教学者の辛嶋静志は盂蘭盆を「ご飯をのせた盆」であるとする説を発表した。それによると、盂蘭盆経のうちに「鉢和羅飯(プラヴァーラ〈ナー〉飯)」という語があり、これが前述の旧暦7月15日・安居(雨安居)を出る日に僧侶たちが自恣(プラヴァーラナー 梵: pravāraṇā)を行うことに関連付けられる。古代インドには自恣の日に在家信者が僧侶へ布施をする行事があったとし、それと盂蘭盆経が説く行為とが同じものであるとしている。また、盂蘭盆の「盂蘭」はご飯を意味する「オーダナ (梵; 巴: odana, 特に自恣の日に僧侶へ施されるご飯を強調する)」の口語形「オーラナ(olana)」を音写したものであり、それをのせた「盆(容器の名)」が「盂蘭盆」であると説明する。 盂蘭盆の行事は中国の民俗信仰と祖先祭祀を背景に仏教的な追福の思想が加わって成立した儀礼・習俗である。旧暦7月15日は、仏教では安居が開ける日である「解夏」にあたり、道教では三元の中元にあたる。仏教僧の夏安居の終わる旧暦7月15日に僧侶を癒すために施食を行うとともに、父母や七世の父母の供養を行うことで延命長寿や餓鬼の苦しみから逃れるといった功徳が得られると説く。一方、道教の中元節とは、宇宙を主るとされる天地水の三官のうち、地官を祀って、遊魂などの魂を救済し災厄を除くというもので、仏教の盂蘭盆とほぼ同時期に中元節の原型が形作られた。 本来的には安居の終った日に人々が衆僧に飲食などの供養をした行事が転じて、祖先の霊を供養し、さらに餓鬼に施す行法(施餓鬼)となっていき、それに、儒教の孝の倫理の影響を受けて成立した、目連尊者の亡母の救いのための衆僧供養という伝説が付加されたと考えられている。 盂蘭盆会の由来に目連の伝説がある。仏教における『盂蘭盆経』に説いているのは次のような話である。 盂蘭盆会に関する最早期の資料は竺法護訳の『般泥恒後灌臘経』、『仏説盂蘭盆経』、『経律異相』などで仏教上の儀礼としては六朝梁の頃には成立していた。 咸淳5年(1269年)に南宋の志磐が編纂した『仏祖統紀』では、梁の武帝の大同4年(538年)に帝自ら同泰寺で盂蘭盆斎を設けたことが伝えられている。『仏祖統紀』は南宋代の書物なので梁の武帝の時代とは、約700年の隔たりがあり、一次資料とは認め難い。しかし、梁の武帝と同時代の宗懍が撰した『荊楚歳時記』には、7月15日の条に、僧侶および俗人たちが「盆」を営んで法要を行なうことを記し、『盂蘭盆経』の経文を引用していることから、すでに梁の時代には、偽経の『盂蘭盆経』が既に成立し、仏寺内では盂蘭盆会が行なわれていたことが確かめられる。 唐代から宋代には中国の民俗信仰を土台として盂蘭盆、施餓鬼と中元節が同じ7月15日に行われるようになり、儀礼や形式、作法などにも共通性が見られるようになるなど道教の行事との融合が進んだ。 南宋代になって、北宋の都である開封の繁栄したさまを記した『東京夢華録』にも、中元節に賑わう様が描写されているが、そこでは、「尊勝経」・「目連経」の印本が売られ、「目連救母」の劇が上演され好評を博すほか、一般庶民が郊外の墓に墓参に繰り出し、法要を行なうさまも描かれている。 ただし、中国の歴代王朝は制度的には仏教と道教を明確に分ける宗教政策をとっており、特に唐代からは儒仏道の三教を認めつつも互いに競わせたという歴史的要因から、あくまでも国家祭祀などではこれらを区分することを建前とした。 日本では、この「盂蘭盆会」を「盆会」「お盆」「精霊会」(しょうりょうえ)「魂祭」(たままつり)「歓喜会」などとよんで、今日も広く行なわれている。この時に祖霊に供物を捧げる習俗が、いわゆる現代に伝わる「お中元」である。 古くは推古天皇14年(606年)4月に、毎年4月8日と7月15日に斎を設けるとあるが、これが盂蘭盆会を指すものかは確証がない。 斉明天皇3年(657年)には、須弥山の像を飛鳥寺の西につくって盂蘭盆会を設けたと記され、同5年7月15日(659年8月8日)には京内諸寺で『盂蘭盆経』を講じ七世の父母を報謝させたと記録されている。後に聖武天皇の天平5年(733年)7月には、大膳職に盂蘭盆供養させ、それ以後は宮中の恒例の仏事となって毎年7月14日に開催し、盂蘭盆供養、盂蘭盆供とよんだ。 奈良、平安時代には毎年7月15日に公事として行なわれ、鎌倉時代からは「施餓鬼会」(せがきえ)をあわせ行なった。また、明治5年(1872年)7月に京都府は盂蘭盆会の習俗いっさいを風紀上よくないと停止を命じたこともあった。 現在でも長崎市の崇福寺などでは中国式の盂蘭盆行事である「(普度)蘭盆勝会」が行われる。 主として現代日本における風習についてはお盆もあわせて参照のこと。
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盂蘭盆会(うらぼんえ)とは、太陰暦7月15日を中心に7月13日から16日の4日間に行われる仏教行事のこと。盂蘭盆(うらぼん)、お盆ともいう。また、香港では盂蘭勝会と称する。 『盂蘭盆経』(西晋、竺法護訳。今日では偽経とされる)、『報恩奉盆経』(東晋、失訳)などに説かれる目連尊者の餓鬼道に堕ちた亡母への供養の伝説に由来する。もともとは仏教行事であるが、唐代の道教の隆盛期に三元の一つの中元節の流行とともに儀礼の融合が進んだ。 日本における日付については、元々旧暦7月15日を中心に行われていたが、改暦にともない新暦(グレゴリオ暦)の日付に合わせて行ったり、一月遅れの新暦8月15日や旧暦の7月15日のまま行っている場合に分かれている。父母や祖霊を供養したり、亡き人を偲び仏法に遇う縁とする行事のこと。
{{otheruses|仏教行事としての詳細|日本などの民俗行事|お盆}} [[File:Ghost Festival Ritual(Taoyuan)Ⅲ.jpg|thumb|300px|{{Center|盂蘭盆会の儀式の様子(台湾)}}]] [[File:Ghost Festival in Ping Chou.JPG|thumb|300px|{{Center|盂蘭盆会(香港)}}]] '''盂蘭盆会'''(うらぼんえ)とは、[[太陰暦]]7月15日を中心に7月13日から16日の4日間に行われる仏教行事のこと<ref>[https://kotobank.jp/word/%E7%9B%82%E8%98%AD%E7%9B%86%E4%BC%9A-441915 コトバンク「盂蘭盆会」]</ref><ref>[https://kotobank.jp/word/%E7%9B%82%E8%98%AD%E7%9B%86-35347 コトバンク「盂蘭盆」]</ref>。'''盂蘭盆'''(うらぼん)、'''お盆'''ともいう。また、[[香港]]では'''盂蘭勝会'''と称する<ref name="arami">{{Cite web|和書|author=荒見泰史 |url=https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/files/public/4/43811/2017080914355942619/AjiaShakaiBunka-Kenkyu_18_1.pdf|title=香港の盂蘭勝会の現状と餓鬼供養|publisher=広島大学 |accessdate=2019-04-23}}</ref>。 『[[盂蘭盆経]]』([[西晋]]、[[竺法護]]訳。今日では[[偽経]]とされる)、『報恩奉盆経』([[東晋]]、失訳)などに説かれる[[目連]]尊者の[[餓鬼道]]に堕ちた亡母への供養の伝説に由来する。もともとは仏教行事であるが、唐代の[[道教]]の隆盛期に[[三元]]の一つの[[中元|中元節]]の流行とともに儀礼の融合が進んだ<ref name="arami" />。 [[日本]]における日付については、元々[[7月15日 (旧暦)|旧暦7月15日]]を中心に行われていたが、[[明治改暦|改暦]]にともない[[グレゴリオ暦|新暦(グレゴリオ暦)]]の日付に合わせて行ったり、一月遅れの新暦8月15日や[[旧暦]]の7月15日のまま行っている場合に分かれている。父母や祖霊を供養したり、亡き人を偲び仏法に遇う縁とする行事<ref group="注">浄土真宗では、先祖供養の概念が無く、盂蘭盆会は亡き人を偲び仏法に遇う縁とする行事である。([[#参考文献|参考文献:『お内仏のお給仕と心得』P.69 - 73、『真宗の仏事-お内仏のある生活-』P.121 - 123]])</ref>のこと。 == 語義 == 盂蘭盆は、[[サンスクリット|サンスクリット語]]の「ウッランバナ」({{lang|sa-latn|ullambana}}、{{lang|sa-deva|उल्लम्बन}})の[[音写|音写語]]であるという説がある<ref name="gyouji">「年中行事事典」p97 [[昭和]]33年([[1958年]])[[5月23日]]初版発行 [[西角井正慶]]編 東京堂出版</ref><ref name="bukkyou">『岩波 仏教辞典』p62 [[1989年]] [[12月5日]]第一刷発行 [[中村元 (哲学者)|中村元]]ら編 岩波書店</ref>。「烏藍婆拏」(『[[一切経音義 (玄応)|玄応音義]]』)、「烏藍婆那」とも音写される。「ウッランバナ」は「ウド、ランブ」({{lang|sa-latn|ud-lamb}})の意味があると言われ、これは倒懸(さかさにかかる、逆さ吊り)という意味である。しかし、この解釈は「盂蘭盆」の「盆」という語が経典内で「器」という意味で使われているという難点がある{{Refnest|name="nipponica"|[[岡部和雄]]「[https://kotobank.jp/word/%E7%9B%82%E8%98%AD%E7%9B%86%E7%B5%8C-35348#E6.97.A5.E6.9C.AC.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E5.85.A8.E6.9B.B8.28.E3.83.8B.E3.83.83.E3.83.9D.E3.83.8B.E3.82.AB.29 「盂蘭盆経」 - 日本大百科全書(ニッポニカ)]」、小学館。}}。 一方、古代[[イラン]]の言葉([[アヴェスター語]])で「[[霊魂]]」を意味する「ウルヴァン」({{lang|ae-latn|urvan}})が語源だとする説もある<ref name="bukkyou" />。古代イランでは、祖先の[[フラワシ]]({{lang|ae-latn|Fravaši}}、[[ゾロアスター教]]における[[精霊]]・下級神)が信仰され、それが[[祖先崇拝|祖霊信仰]]と習合し、「祖霊」を迎え入れて祀る宗教行事となったとする。 2013年、仏教学者の[[辛嶋静志]]は盂蘭盆を「ご飯をのせた盆」であるとする説を発表した<ref name="Karashima">{{Cite web|和書|author=辛嶋静志 |title=「盂蘭盆」の本当の意味 - 「ご飯をのせた盆」と推定 |work=[[中外日報]] |publisher=中外日報社 |date=2013-07-25 |url=http://www.chugainippoh.co.jp/ronbun/2013/0725rondan.html |accessdate=2017-08-18 |deadurl=yes |archiveurl=https://web.archive.org/web/20170501091520/http://www.chugainippoh.co.jp/ronbun/2013/0725rondan.html |archivedate=2017-05-01}}</ref>。それによると、盂蘭盆経のうちに「鉢和羅飯(プラヴァーラ〈ナー〉飯)」という語があり、これが前述の旧暦7月15日・安居(雨安居)を出る日に僧侶たちが自恣(プラヴァーラナー {{lang-sa-short|pravāraṇā}})を行うことに関連付けられる。古代インドには自恣の日に在家信者が僧侶へ布施をする行事があったとし、それと盂蘭盆経が説く行為とが同じものであるとしている。また、盂蘭盆の「盂蘭」はご飯を意味する「オーダナ (梵; {{lang-pi-short|odana}}, 特に自恣の日に僧侶へ施されるご飯を強調する)」の口語形「オーラナ({{lang|pi|olana}})」を[[音写]]したものであり、それをのせた「[[トレイ|盆]](容器の名)」が「盂蘭盆」であると説明する<ref name="Karashima" /><ref>{{Cite journal |first=Seishi |last=Karashima |date=March 2013 |title=The Meaning of Yulanpen 盂蘭盆 ––– "Rice Bowl" on Pravāraṇā Day |journal=Annual Report of The International Research Institute for Advanced Buddhologyat Soka University |volume=16 |issue=1 |pages=289-302 |url=https://www.academia.edu/9211768/The_Meaning_of_Yulanpen_%E7%9B%82%E8%98%AD%E7%9B%86_Rice_Bowl_on_Prav%C4%81ra%E1%B9%87%C4%81_Day }}</ref>。 == 起源 == === 背景 === 盂蘭盆の行事は中国の民俗信仰と祖先祭祀を背景に仏教的な追福の思想が加わって成立した儀礼・習俗である<ref name="arami" />。旧暦7月15日は、[[仏教]]では[[安居]]が開ける日である「解夏」にあたり、[[道教]]では[[三元]]の[[中元]]にあたる。仏教僧の夏安居の終わる旧暦7月15日に僧侶を癒すために施食を行うとともに、父母や七世の父母の供養を行うことで延命長寿や餓鬼の苦しみから逃れるといった功徳が得られると説く<ref name="arami" />。一方、道教の中元節とは、宇宙を主るとされる天地水の三官のうち、地官を祀って、遊魂などの魂を救済し災厄を除くというもので、仏教の盂蘭盆とほぼ同時期に中元節の原型が形作られた<ref name="arami" />。 本来的には安居の終った日に人々が衆僧に飲食などの供養をした行事が転じて、祖先の霊を供養し、さらに餓鬼に施す行法([[施餓鬼]])となっていき、それに、[[儒教]]の[[孝]]の倫理の影響を受けて成立した、目連尊者の亡母の救いのための衆僧供養という伝説が付加されたと考えられている<ref name="gyouji"/>。 === 目連伝説 === 盂蘭盆会の由来に目連の伝説がある。仏教における『盂蘭盆経』に説いているのは次のような話である。 :[[安居]]の最中、神通第一の[[目連]]尊者が亡くなった母親の姿を探すと、[[餓鬼道]]に堕ちているのを見つけた。喉を枯らし飢えていたので、水や食べ物を差し出したが、ことごとく口に入る直前に炎となって、母親の口には入らなかった。 :哀れに思って、[[釈尊]]に実情を話して方法を問うと、「安居の最後の日にすべての[[比丘]]に食べ物を施せば、母親にもその施しの一端が口に入るだろう」と答えた。その通りに実行して、比丘のすべてに布施を行うと、比丘たちは大いに喜んだ。すると、目連の母親は餓鬼の境遇から脱した。 == 歴史と習俗 == === 中国 === 盂蘭盆会に関する最早期の資料は竺法護訳の『般泥恒後灌臘経』、『仏説盂蘭盆経』、『経律異相』などで仏教上の儀礼としては六朝梁の頃には成立していた<ref name="arami" />。 咸淳5年([[1269年]])に[[南宋]]の志磐が編纂した『[[仏祖統紀]]』では、[[梁 (南朝)|梁]]の[[蕭衍|武帝]]の[[大同 (梁)|大同]]4年([[538年]])に帝自ら[[鶏鳴寺|同泰寺]]で盂蘭盆斎を設けたことが伝えられている。『仏祖統紀』は[[南宋]]代の書物なので梁の武帝の時代とは、約700年の隔たりがあり、一次資料とは認め難い。しかし、梁の武帝と同時代の[[宗懍]]が撰した『[[荊楚歳時記]]』には、[[7月15日]]の条に、僧侶および俗人たちが「盆」を営んで法要を行なうことを記し、『盂蘭盆経』の経文を引用していることから、すでに梁の時代には、[[偽経]]の『盂蘭盆経』が既に成立し、仏寺内では盂蘭盆会が行なわれていたことが確かめられる。 唐代から宋代には中国の民俗信仰を土台として盂蘭盆、施餓鬼と中元節が同じ7月15日に行われるようになり、儀礼や形式、作法などにも共通性が見られるようになるなど道教の行事との融合が進んだ<ref name="arami" />。 南宋代になって、[[北宋]]の都である[[開封]]の繁栄したさまを記した『[[東京夢華録]]』にも、中元節に賑わう様が描写されているが、そこでは、「尊勝経」・「目連経」の印本が売られ、「目連救母」の劇が上演され好評を博すほか、一般庶民が郊外の墓に墓参に繰り出し、法要を行なうさまも描かれている。 ただし、中国の歴代王朝は制度的には仏教と道教を明確に分ける宗教政策をとっており、特に唐代からは儒仏道の三教を認めつつも互いに競わせたという歴史的要因から、あくまでも国家祭祀などではこれらを区分することを建前とした<ref name="arami" />。 === 日本 === 日本では、この「盂蘭盆会」を「盆会」「[[お盆]]」「精霊会」(しょうりょうえ)「魂祭」(たままつり)「歓喜会」などとよんで、今日も広く行なわれている。この時に祖霊に供物を捧げる習俗が、いわゆる現代に伝わる「[[お中元]]」である。 古くは[[推古天皇]]14年([[606年]])4月に、毎年[[4月8日 (旧暦)|4月8日]]と7月15日に'''斎'''を設けるとあるが、これが盂蘭盆会を指すものかは確証がない<ref group="注">「斎」は物忌の意であり、[[釈迦]]の生誕日とは関係がない。なお、4月8日は父・[[欽明天皇]]の崩御日に近い。</ref>。 [[斉明天皇]]3年([[657年]])には、[[須弥山]]の像を[[飛鳥寺]]の西につくって盂蘭盆会を設けたと記され、同5年7月15日([[659年]][[8月8日]])には京内諸寺で『盂蘭盆経』を講じ七世の父母を報謝させたと記録されている<ref group="注">後年の斉明天皇は主に道教を奉じており、この祖霊参拝は中元であった可能性がある。(→[[天武天皇#道教]])</ref>。後に[[聖武天皇]]の[[天平]]5年([[733年]])7月には、大膳職に盂蘭盆供養させ、それ以後は宮中の恒例の仏事となって毎年[[7月14日 (旧暦)|7月14日]]に開催し、盂蘭盆供養、盂蘭盆供とよんだ。 [[奈良時代|奈良]]、[[平安時代]]には毎年7月15日に公事として行なわれ、[[鎌倉時代]]からは「[[施餓鬼|施餓鬼会]]」(せがきえ)をあわせ行なった。また、[[明治]]5年([[1872年]])7月に京都府は盂蘭盆会の[[習俗]]いっさいを風紀上よくないと停止を命じたこともあった。 現在でも[[長崎市]]の[[崇福寺 (長崎市)|崇福寺]]などでは中国式の盂蘭盆行事である「(普度)蘭盆勝会」が行われる。 主として現代日本における風習については[[お盆]]もあわせて参照のこと。 == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} === 注釈 === {{Notelist2}} === 出典 === {{Reflist}} == 参考文献 == <!-- 本項目を編集する際に出典として用いた文献 --> *{{Cite book|和書|author=菊池祐恭 監修|year=1981|title=お内仏のお給仕と心得|edition=改訂|publisher=真宗大谷派宗務所出版部|isbn=4-8341-0067-7|page=69}} *{{Cite book|和書|author=真宗大谷派宗務所出版部 編|year=2013|month=11|title=真宗の仏事-お内仏のある生活-|publisher=真宗大谷派宗務所出版部|isbn=978-4-8341-0475-2|page=121}} == 関連項目 == *[[回向]] *[[施餓鬼]] *[[お盆]] *[[盂蘭盆経]] *[[盆踊り]] *[[地蔵盆]] *[[御招霊]] == 外部リンク == {{commonscat|Ghost Festival}} *{{Citation|和書|last=赤松|first=孝章|url=https://www.takamatsu-u.ac.jp/wp-content/uploads/2018/12/33_001-011_akamatsu.pdf|format=[[Portable Document Format|PDF]]|contribution=「盂蘭盆」考 &#x2015; A Study of "Yu-lan-pen"|periodical=[[高松大学]]紀要|number=33|pages=1&ndash;11|date=2000-2-25|naid=110000987044|ncid=AA11165700|issn=13427903}} {{buddhism2}} {{DEFAULTSORT:うらほん}} [[Category:仏教行事]] [[category:中国仏教]] [[Category:旧暦7月]]
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盆(ぼん)
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盆(ぼん) 盂蘭盆(うらぼん)、盂蘭盆会(うらぼんえ)の略 盂蘭盆会 - 7月13日から16日の4日間に行われる仏教行事 お盆 - 主に8月13日から16日に行われる日本の年中行事。盂蘭盆会が土着の文化と習合したものとされる。 トレイ。浅く平たい器、モノを載せて運ぶ道具。 平瓦(ひらか)。平たい陶器の器。「盆栽」「盆山」など。 博打をする場所、もしくは丁半博打の台。さらに、博打の勝負そのものを指すこともある。「賭場」を参照。 家、住居。人が生活する場所という意味から。 廻り舞台の回る円形の部分のこと。
'''盆'''(ぼん) == 行事 == * 盂蘭盆(うらぼん)、盂蘭盆会(うらぼんえ)の略。 ** [[盂蘭盆会]] - [[7月13日]]から16日の4日間に行われる[[仏教]]行事。 ** [[お盆]] - 主に[[8月13日]]から16日に行われる[[日本]]の[[年中行事]]。盂蘭盆会が土着の文化と[[習合]]したものとされる。 == 浅く平たい容器 == *[[トレイ]]。浅く平たい器、ものを載せて運ぶ道具。 *[[平瓦]](ひらか)。平たい陶器の器。「[[盆栽]]」「盆山」など。 *[[賭博|博打]]をする場所、もしくは丁半博打の台。さらに、博打の勝負そのものを指すこともある。「[[賭場]]」を参照。 *[[家]]、[[住居]]。人が[[生活]]する場所という意味から。 *[[廻り舞台]]の回る円形の部分のこと。 == 関連項目 == * {{prefix}} {{aimai}} {{DEFAULTSORT:ほん}}
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石城国
石城国(いわきのくに)は、かつて日本の地方行政区分だった令制国の一つ。奈良時代に陸奥国から分立したが、短期間しか存続しなかった。718年に設置され、720年と724年の間に廃止された。 養老2年(718年)5月2日に、陸奥国から石城郡、標葉郡、行方郡、宇太郡(宇多郡)、曰理郡(亘理郡)の5郡、常陸国から菊多郡1郡を割いて設置された。同時に石背国も新設され、陸奥国はこのとき三分された。戊辰戦争後の磐城国と異なり、領域は現在の福島県浜通りとその延長にある宮城県亘理郡に限られ、阿武隈山地を越えた盆地は含まれない。 養老4年 (720年)から神亀元年(724年)までの間に、陸奥国に戻った。養老4年については、陸奥、石背、石城を対象にして養老4年11月26日に出された勅が『類聚国史』にあり、この時点まで石城国があったことが確実である。また、神亀元年3月25日に陸奥国の大掾が殺されたことが『続日本紀』に見える。大掾は国司の一人で、大・上・中・下に分けたうち大国にだけ置かれる。分割された小さな陸奥国が大国とは考えにくいので、このときまでに合同していたと推定するのである。廃止のより強い証拠は神亀5年(728年)4月11日にあり、『続日本紀』によれば、この日に陸奥国に白河軍団が置かれた。石背国に属していた白河郡が陸奥国とされるのは、石背国廃止の証拠である。そして、石城国の廃止も石背国と同時であろうと考えるのである。 国府は夏井川下流で、大国魂神社付近(現在:いわき市平菅波)、または根岸遺跡付近(現在:いわき市平下大越)のいずれかに置かれたと比定されている。 6郡から成った。南から順に
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石城国(いわきのくに)は、かつて日本の地方行政区分だった令制国の一つ。奈良時代に陸奥国から分立したが、短期間しか存続しなかった。718年に設置され、720年と724年の間に廃止された。
{{Otheruses|律令時代の令制国|戊辰戦争後の令制国|磐城国}} {{Pathnav|令制国一覧|東山道|frame=1}} [[Image:Japan prov map iwaki718.png|thumb|250px|right|石城国の位置(718年)]] '''石城国'''(いわきのくに)は、かつて[[日本]]の地方行政区分だった[[令制国]]の一つ。[[奈良時代]]に[[陸奥国]]から分立したが、短期間しか存続しなかった。[[718年]]に設置され、[[720年]]と[[724年]]の間に廃止された。 == 沿革 == [[養老]]2年([[718年]])5月2日に、陸奥国から[[石城郡]]、[[標葉郡]]、[[行方郡 (福島県)|行方郡]]、宇太郡([[宇多郡]])、曰理郡([[亘理郡]])の5郡、[[常陸国]]から[[菊多郡]]1郡を割いて設置された<ref>『続日本紀』巻第8、養老2年5月乙未(2日)条。新日本古典文学大系『続日本紀』二の44-45頁。</ref>。同時に[[石背国]]も新設され、陸奥国はこのとき三分された。[[戊辰戦争]]後の[[磐城国]]と異なり、領域は現在の[[福島県]][[浜通り]]とその延長にある[[宮城県]][[亘理郡]]に限られ、[[阿武隈山地]]を越えた盆地は含まれない。 歴史学者の鐘江宏之は、菊多郡の編入や太平洋沿岸という地理的条件の観点から、石城国は[[東山道]]ではなく、[[東海道]]に所属していたとする説を唱えている<ref name=kenegae>鐘江宏之「七道制と日本の律令制国家運営」『律令制諸国支配の成立と展開』(吉川弘文館、2023年) ISBN 978-4-642-04672-5 P186-187.</ref>。 養老4年 ([[720年]])から神亀元年([[724年]])までの間に、陸奥国に戻った。養老4年については、陸奥、石背、石城を対象にして養老4年11月26日に出された勅が『[[類聚国史]]』にあり、この時点まで石城国があったことが確実である。また、神亀元年3月25日に陸奥国の[[大掾]]が殺されたことが『[[続日本紀]]』に見える<ref>『続日本紀』巻第9、神亀3年3月甲申(25日)条。新日本古典文学大系『続日本紀』二の148-149頁。</ref>。大掾は[[国司]]の一人で、大・上・中・下に分けたうち大国にだけ置かれる。分割された小さな陸奥国が大国とは考えにくいので、このときまでに合同していたと推定するのである<ref>工藤雅樹『城柵と蝦夷』41頁。</ref>。廃止のより強い証拠は神亀5年([[728年]])4月11日にあり、『続日本紀』によれば、この日に陸奥国に[[白河団|白河軍団]]が置かれた<ref>『続日本紀』巻第10、神亀5年4月丁丑(11日)条。新日本古典文学大系『続日本紀』二の192-193頁。</ref>。石背国に属していた[[白河郡]]が陸奥国とされるのは、石背国廃止の証拠である。そして、石城国の廃止も石背国と同時であろうと考えるのである<ref>高橋崇『律令国家東北史の研究』22-24頁。</ref>。 [[国府]]は[[夏井川]]下流で、[[大國魂神社 (いわき市)|大国魂神社]]付近(現在:[[いわき市]][[平 (いわき市)|平]]菅波)、または根岸遺跡付近(現在:いわき市平下大越)のいずれかに置かれたと比定されている。 == 地域 == === 郡 === 6郡から成った。南から順に *[[菊多郡]] *[[石城郡]] *[[標葉郡]] *[[行方郡 (福島県)|行方郡]] *[[宇多郡|宇太郡]] *[[亘理郡|曰理郡]] == 脚注 == {{reflist}} == 参考文献 == *[[青木和夫]]・[[稲岡耕二]]・[[笹山晴生]]・[[白藤禮幸]]校注『[[続日本紀]]』二(新日本古典文学大系13)、岩波書店、1990年。 *[[工藤雅樹]]『城柵と蝦夷』、(考古学ライブラリー51)、ニュー・サイエンス社、1989年。 *高橋崇『律令国家東北史の研究』、吉川弘文館、1991年、ISBN 4-642-02245-7。 ==関連項目== *[[令制国一覧]] *[[磐城国]] - 戊辰戦争後の令制国 *[[浜通り#歴史]] *[[常陸国]] *[[陸奥国]] {{令制国一覧}} {{DEFAULTSORT:いわきのくに0718}} [[Category:廃止された令制国]] [[Category:陸奥国]] [[Category:福島県の歴史]] [[Category:浜通り]] [[Category:宮城県の歴史]]
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石城郡
石城郡(いわきぐん、いわきのこおり)は福島県(陸奥国)にあった郡である。 1896年(明治29年)に行政区画として発足した石城郡(第2次)の郡域は、いわき市の大部分(久之浜町・大久村の各町を除く)にあたる。 石城郡成立に至るまでの当該地域の変遷については諸説あって定かではないが、『常陸国風土記』によれば、この地は当初多珂国に属し、石城評造が置かれていたが、白雉4年(653年)に石城評(いわきのこおり)として分立し、陸奥国に属したとされる。 養老2年(718年)、陸奥国の三分割にともない成立した石城国に編入されたが、石城国は十年足らずで廃止され、再び陸奥国に帰属した。文献史料に「石城」と記されるのはこの頃までで、天平神護2年(766年)に陸奥国が磐城・宮城の2郡の貧民に稲を給付した記録から、「磐城」の表記になった。 10世紀前半に著された『和名類聚抄』では、蒲津・丸部・神城・荒川・私・磐城・飯野・小高・片依・白田・玉造・楢葉の12郷が置かれていたとある。治承4年(1180年)頃、岩城郡・岩崎郡・楢葉郡の三郡に分割され、いったん石城郡の名は消滅した。 以後700年間、当該地域において郡割の大幅な変更は行われなかったが、明治維新による新政府の発足にともない様相が一変する。明治5年(1872年)に施行された大区小区制の下で、磐城郡・磐前郡・菊多郡の三郡が同一の大区に属し、その後を受けた郡区町村編制法の下でも、明治12年(1879年)に三郡合同の郡役場が磐前郡平に置かれるなど、地方制度改革が進められていく中で、かつての石城郡の規模に相当する大郡が形成される流れが生じた。こうして、明治29年(1896年)4月1日、菊多・磐前・磐城の三郡の合併により石城郡の名が復活した。この時、かつて石城郡から分立した楢葉郡からも川前村が新設の石城郡に編入されている。
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石城郡(いわきぐん、いわきのこおり)は福島県(陸奥国)にあった郡である。
{{Pathnavbox| *{{Pathnav|令制国一覧|東山道|[[陸奥国]]・[[磐城国]]}} *{{Pathnav|日本|東北地方|福島県}} }} [[ファイル:Fukushima Iwaki-gun2.png|frame|福島県石城郡(第2次)の範囲]] '''石城郡'''(いわきぐん、いわきのこおり)は[[福島県]]([[陸奥国]])にあった[[郡]]である。 == 郡域 == [[1896年]]([[明治]]29年)に行政区画として発足した石城郡(第2次)の郡域は、[[いわき市]]の大部分([[久之浜町]]・[[大久村]]の各町を除く)にあたる。 == 歴史 == === 石城郡・磐城郡(第1次) === 石城郡成立に至るまでの当該地域の変遷については諸説あって定かではないが、『[[常陸国風土記]]』によれば、この地は当初[[高国造|多珂国]]に属し、[[石城国造|石城評造]]が置かれていたが、[[白雉]]4年([[653年]])に石城[[評]](いわきのこおり)として分立し、[[陸奥国]]に属したとされる。 [[養老]]2年([[718年]])、陸奥国の三分割にともない成立した[[石城国]]に編入されたが、石城国は十年足らずで廃止され、再び陸奥国に帰属した。文献史料に「石城」と記されるのはこの頃までで、[[天平神護]]2年([[766年]])に陸奥国が磐城・[[宮城郡|宮城]]の2郡の貧民に稲を給付した記録から、「磐城」の表記になった<ref>『続日本紀』巻第27、天平神護2年11月己未(7日)条。新日本古典文学大系『続日本紀』四の142-143頁。</ref>。 10世紀前半に著された『[[和名類聚抄]]』では、蒲津・丸部・神城・荒川・私・磐城・飯野・小高・片依・白田・玉造・楢葉の12郷が置かれていたとある。[[治承]]4年([[1180年]])頃、[[磐城郡|岩城郡]]・[[磐前郡|岩崎郡]]・[[楢葉郡]]の三郡に分割され、いったん石城郡の名は消滅した。 === 石城郡(第2次) === 以後700年間、当該地域において郡割の大幅な変更は行われなかったが、[[明治維新]]による新政府の発足にともない様相が一変する。[[明治]]5年([[1872年]])に施行された[[大区小区制]]の下で、[[磐城郡]]・[[磐前郡]]・[[菊多郡]]の三郡が同一の大区に属し、その後を受けた[[郡区町村編制法]]の下でも、[[明治]]12年([[1879年]])に三郡合同の郡役場が磐前郡平に置かれるなど、地方制度改革が進められていく中で、かつての石城郡の規模に相当する大郡が形成される流れが生じた。こうして、[[明治]]29年([[1896年]])4月1日、菊多・磐前・磐城の三郡の合併により石城郡の名が復活した。この時、かつて石城郡から分立した楢葉郡からも[[川前村 (福島県)|川前村]]が新設の石城郡に編入されている。 === 近代以降の沿革 === [[ファイル:Fukushima Iwaki-gun 1889.png|frame|1.四ツ倉町 2.平窪村 3.神谷村 4.草野村 5.大浦村 6.大野村 7.上小川村 8.下小川村 11.平町 12.小名浜町 13.内郷村 14.飯野村 15.夏井村 16.高久村 17.豊間村 18.江名村 19.鹿島村 20.玉川村 21.磐崎村 22.湯本村 23.好間村 24.赤井村 25.沢渡村 26.三阪村 27.永戸村 28.箕輪村 31.泉村 32.渡辺村 33.鮫川村 34.錦村 35.山田村 36.窪田村 37.川部村 38.上遠野村 39.入遠野村 40.田人村 41.貝泊村 42.石住村 43.荷路夫村 51.川前村 (赤線は旧郡境・現在は全域がいわき市に)]] * [[明治]]29年([[1896年]]) ** [[4月1日]] - [[菊多郡]]・[[磐前郡]]・[[磐城郡]]および[[楢葉郡]]の一部([[川前村 (福島県)|川前村]])の区域をもって'''石城郡'''(第2次)が発足。(3町37村) *** 旧・菊多郡 - '''[[泉町 (福島県)|泉村]]'''・'''[[渡辺村]]'''・'''[[植田町|鮫川村]]'''・'''[[錦町 (福島県)|錦村]]'''・'''[[山田村 (福島県)|山田村]]'''・'''[[勿来町|窪田村]]'''・'''[[川部村 (福島県)|川部村]]'''・'''[[上遠野村]]'''・'''[[入遠野村]]'''・'''[[田人村]]'''・'''[[貝泊|貝泊村]]'''・'''[[石住 (いわき市)|石住村]]'''・'''[[荷路夫|荷路夫村]]''' *** 旧・磐前郡 - '''[[平町 (福島県)|平町]]'''・'''[[小名浜町]]'''・'''[[内郷市|内郷村]]'''・'''[[飯野村 (福島県)|飯野村]]'''・'''[[夏井村 (福島県石城郡)|夏井村]]'''・'''[[高久村]]'''・'''[[豊間町|豊間村]]'''・'''[[江名町|江名村]]'''・'''[[鹿島村 (福島県石城郡)|鹿島村]]'''・'''[[玉川村 (福島県石城郡)|玉川村]]'''・'''[[磐崎村]]'''・'''[[湯本町 (福島県)|湯本村]]'''・'''[[好間村]]'''・'''[[赤井村 (福島県)|赤井村]]'''・'''[[沢渡村 (福島県)|沢渡村]]'''・'''[[三阪村]]'''・'''[[永戸村]]'''・'''[[箕輪村 (福島県石城郡)|箕輪村]]''' *** 旧・磐城郡 - '''[[四倉町|四ツ倉町]]'''・'''[[平窪村]]'''・'''[[神谷村 (福島県)|神谷村]]'''・'''[[草野村]]'''・'''[[大浦村 (福島県)|大浦村]]'''・'''[[大野村 (福島県石城郡)|大野村]]'''・'''[[上小川村 (福島県)|上小川村]]'''・'''[[下小川村 (福島県)|下小川村]]''' *** 旧・楢葉郡 - '''[[川前村 (福島県)|川前村]]''' ** [[9月23日]] - 磐崎村の一部(大字関船・水野谷)が湯本村に編入。 * 明治30年([[1897年]])[[10月1日]] - [[郡制]]を施行。 * [[大正]]11年([[1922年]])[[8月20日]] - 湯本村が町制施行して'''[[湯本町 (福島県)|湯本町]]'''となる。(4町36村) * 大正12年([[1923年]]) ** [[3月1日]] - 江名村が町制施行して'''[[江名町]]'''となる。(5町35村) ** 4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。 ** [[4月10日]] - 鮫川村が町制施行・改称して'''[[植田町]]'''となる。(6町34村) * 大正14年([[1925年]])[[5月1日]] - 窪田村が町制施行・改称して'''[[勿来町]]'''となる。(7町33村) * 大正15年([[1926年]])[[7月1日]] - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。 * [[昭和]]12年([[1937年]])[[6月1日]] - 平町・平窪村が合併して'''[[平市]]'''が発足し、郡より離脱。(6町32村) * 昭和15年([[1940年]]) ** 4月1日 - 錦村が町制施行して'''[[錦町 (福島県)|錦町]]'''となる。(7町31村) ** 6月1日 - 豊間村が町制施行して'''[[豊間町]]'''となる。(8町30村) * 昭和16年([[1941年]]) ** 4月1日 - 田人村・住村・貝泊村・荷路夫村が合併し、改めて'''[[田人村]]'''が発足。(8町27村) ** [[8月15日]] - 玉川村が小名浜町に編入。(8町26村) * 昭和17年([[1942年]])[[7月29日]] - 内郷村が町制施行して'''[[内郷市|内郷町]]'''となる。(9町25村) * 昭和25年([[1950年]]) ** 4月1日 - 飯野村が平市に編入。(9町24村) ** [[5月15日]] - 神谷村が平市に編入。(9町23村) * 昭和28年([[1953年]]) ** 4月1日 - 泉村が町制施行して'''[[泉町 (福島県)|泉町]]'''となる。(10町22村) ** [[10月10日]] - 鹿島村が小名浜町に編入。(10町21村) * 昭和29年([[1954年]]) ** [[3月29日]] - 小名浜町の一部(大字松久須根・三沢・上矢田)が湯本町に編入。 ** [[3月31日]](6町19村) *** 湯本町・磐崎村が合併して'''[[常磐市]]'''が発足し、郡より離脱。 *** 泉町・江名町・小名浜町・渡辺村が合併して'''[[磐城市]]'''が発足し、郡より離脱。 ** [[7月10日]] - 内郷町が市制施行して'''[[内郷市]]'''となり、郡より離脱。(5町19村) ** [[10月1日]] - 豊間町・草野村・高久村・夏井村が平市に編入。(4町16村) * 昭和30年([[1955年]]) ** [[2月11日]](5町10村) *** 沢渡村・永戸村・三阪村が合併して'''[[三和村 (福島県石城郡)|三和村]]'''が発足。 *** 赤井村の一部(大字赤井)が平市に編入。 *** 上小川村・下小川村および赤井村の残部(大字西小川・塩田・高萩・三島)が合併して'''[[小川町 (福島県)|小川町]]'''が発足。 *** 箕輪村の一部(大字高野)が内郷市に編入。 *** 箕輪村の残部(大字大利・榊小屋)が好間村に編入。 ** [[3月10日]] - 四ツ倉町・大浦村・大野村が合併し、改めて'''[[四倉町]]'''が発足。(5町8村) ** 3月31日 - 上遠野村・入遠野村が合併して'''[[遠野町 (福島県)|遠野町]]'''が発足。(6町6村) ** [[4月29日]] - 植田町・勿来町・錦町・川部村・山田村が合併して'''[[勿来市]]'''が発足し、郡より離脱。(3町4村) * 昭和41年([[1966年]])10月1日 - 小川町・遠野町・四倉町・川前村・田人村・好間村・三和村が、平市・磐城市・常磐市・内郷市・勿来市および[[双葉郡]][[久之浜町]]・[[大久村]]と合併して'''[[いわき市]]'''が発足。同日石城郡消滅。 === 変遷表 === {{hidden begin |title = 自治体の変遷 |titlestyle = background:lightgrey; }} {| class="wikitable" style="font-size:x-small" |- !旧郡 !明治29年4月1日 !明治29年 - 大正15年 !昭和1年 - 昭和20年 !昭和21年 - 昭和28年 !昭和29年 - 昭和30年 !昭和31年 - 昭和40年 !昭和41年 - 現在 !現在 |- | [[楢葉郡]] | style="background-color:#9cf;" | 川前村 | style="background-color:#9cf;" | 川前村 | style="background-color:#9cf;" | 川前村 | style="background-color:#9cf;" | 川前村 | style="background-color:#9cf;" | 川前村 | style="background-color:#9cf;" | [[川前村 (福島県)|川前村]] | rowspan="42" | 昭和41年10月1日<br />いわき市 | rowspan="42" | [[いわき市]] |- | rowspan="8" | [[磐城郡]] | style="background-color:#6ff;" | 四倉町 | style="background-color:#6ff;" | 四倉町 | style="background-color:#6ff;" | 四倉町 | style="background-color:#6ff;" | 四倉町 | style="background-color:#6ff;" rowspan="3" | 昭和30年3月10日<br />四倉町 | style="background-color:#6ff;" rowspan="3" | [[四倉町]] |- | style="background-color:#9cf;" | 大浦村 | style="background-color:#9cf;" | 大浦村 | style="background-color:#9cf;" | 大浦村 | style="background-color:#9cf;" | [[大浦村 (福島県)|大浦村]] |- | style="background-color:#9cf;" | 大野村 | style="background-color:#9cf;" | 大野村 | style="background-color:#9cf;" | 大野村 | style="background-color:#9cf;" | [[大野村 (福島県石城郡)|大野村]] |- | style="background-color:#9cf;" | 上小川村 | style="background-color:#9cf;" | 上小川村 | style="background-color:#9cf;" | 上小川村 | style="background-color:#9cf;" | [[上小川村 (福島県)|上小川村]] | style="background-color:#6ff;" rowspan="2" | 昭和30年2月11日<br />小川町<ref>赤井村のうち、旧磐前郡域(旧西小川・塩田・高萩・三島村域)を同日編入</ref> | style="background-color:#6ff;" rowspan="2" | [[小川町 (福島県)|小川町]] |- | style="background-color:#9cf;" | 下小川村 | style="background-color:#9cf;" | 下小川村 | style="background-color:#9cf;" | 下小川村 | style="background-color:#9cf;" | [[下小川村 (福島県)|下小川村]] |- | style="background-color:#9cf;" | 草野村 | style="background-color:#9cf;" | 草野村 | style="background-color:#9cf;" | 草野村 | style="background-color:#9cf;" | [[草野村]] | 昭和29年10月1日<br />平市に編入 | rowspan="9" | [[平市]] |- | style="background-color:#9cf;" | 神谷村 | style="background-color:#9cf;" | 神谷村 | style="background-color:#9cf;" | [[神谷村 (福島県)|神谷村]] | 昭和25年4月1日<br />平市に編入 | rowspan="4" | 平市 |- | style="background-color:#9cf;" | 平窪村 | style="background-color:#9cf;" | [[平窪村]] | rowspan="2" | 昭和12年6月1日<br />平市 | rowspan="2" | 平市 |- | rowspan="19" | [[磐前郡]] | style="background-color:#6ff;" | 平町 | style="background-color:#6ff;" | 平町 |- | style="background-color:#9cf;" | 飯野村 | style="background-color:#9cf;" | 飯野村 | style="background-color:#9cf;" | [[飯野村 (福島県)|飯野村]] | 昭和25年4月1日<br />平市に編入 |- | style="background-color:#9cf;" | 豊間村 | style="background-color:#9cf;" | 豊間村 | style="background-color:#6ff;" | 昭和15年6月1日<br />町制施行 豊間町 | style="background-color:#6ff;" | [[豊間町]] | rowspan="3" | 昭和29年10月1日<br />平市に編入 |- | style="background-color:#9cf;" | 高久村 | style="background-color:#9cf;" | 高久村 | style="background-color:#9cf;" | 高久村 | style="background-color:#9cf;" | [[高久村]] |- | style="background-color:#9cf;" | 夏井村 | style="background-color:#9cf;" | 夏井村 | style="background-color:#9cf;" | 夏井村 | style="background-color:#9cf;" | [[夏井村 (福島県石城郡)|夏井村]] |- | style="background-color:#9cf;" | 赤井村 | style="background-color:#9cf;" | 赤井村 | style="background-color:#9cf;" | 赤井村 | style="background-color:#9cf;" | [[赤井村 (福島県)|赤井村]] | 昭和30年2月11日<br />平市に編入<ref>赤井村のうち、旧磐城郡域(町村制以前の旧赤井村域)のみ。旧磐前郡域は小川町へ編入</ref> |- | style="background-color:#9cf;" | 内郷村 | style="background-color:#9cf;" | 内郷村 | style="background-color:#6ff;" | 昭和17年7月29日<br />町制施行 内郷町 | style="background-color:#6ff;" | 内郷町 | 昭和29年7月10日<br />市制施行 内郷市 | rowspan="2" | [[内郷市]] |- | style="background-color:#9cf;" rowspan="2" | 箕輪村 | style="background-color:#9cf;" rowspan="2" | 箕輪村 | style="background-color:#9cf;" rowspan="2" | 箕輪村 | style="background-color:#9cf;" rowspan="2" | [[箕輪村 (福島県石城郡)|箕輪村]] | 昭和30年2月11日<br />内郷市に編入 |- | style="background-color:#9cf;" | 昭和30年2月11日<br />好間村に編入 | style="background-color:#9cf;" rowspan="2" | [[好間村]] |- | style="background-color:#9cf;" | 好間村 | style="background-color:#9cf;" | 好間村 | style="background-color:#9cf;" | 好間村 | style="background-color:#9cf;" | 好間村 | style="background-color:#9cf;" | 好間村 |- | style="background-color:#9cf;" | 沢渡村 | style="background-color:#9cf;" | 沢渡村 | style="background-color:#9cf;" | 沢渡村 | style="background-color:#9cf;" | [[沢渡村 (福島県)|沢渡村]] | style="background-color:#9cf;" rowspan="3" | 昭和30年2月11日<br />三和村 | style="background-color:#9cf;" rowspan="3" | [[三和村 (福島県石城郡)|三和村]] |- | style="background-color:#9cf;" | 永戸村 | style="background-color:#9cf;" | 永戸村 | style="background-color:#9cf;" | 永戸村 | style="background-color:#9cf;" | [[永戸村]] |- | style="background-color:#9cf;" | 三阪村 | style="background-color:#9cf;" | 三阪村 | style="background-color:#9cf;" | 三阪村 | style="background-color:#9cf;" | [[三阪村]] |- | style="background-color:#9cf;" | 湯本村 | style="background-color:#6ff;" | 大正11年8月20日<br />町制施行 湯本町 | style="background-color:#6ff;" | 湯本町 | style="background-color:#6ff;" | [[湯本町 (福島県)|湯本町]] | rowspan="2" | 昭和29年3月31日<br />常磐市 | rowspan="2" | [[常磐市]] |- | style="background-color:#9cf;" | 磐崎村 | style="background-color:#9cf;" | 磐崎村 | style="background-color:#9cf;" | 磐崎村 | style="background-color:#9cf;" | [[磐崎村]] |- | style="background-color:#6ff;" | 小名浜町 | style="background-color:#6ff;" | 小名浜町 | style="background-color:#6ff;" | 小名浜町 | style="background-color:#6ff;" rowspan="2" | [[小名浜町]] | rowspan="6" | 昭和29年3月31日<br />磐城市 | rowspan="6" | [[磐城市]] |- | style="background-color:#9cf;" | 玉川村 | style="background-color:#9cf;" | [[玉川村 (福島県石城郡)|玉川村]] | style="background-color:#6ff;" | 昭和16年8月15日<br />小名浜町に編入 |- | style="background-color:#9cf;" | 鹿島村 | style="background-color:#9cf;" | 鹿島村 | style="background-color:#9cf;" | [[鹿島村 (福島県石城郡)|鹿島村]] | style="background-color:#6ff;" | 昭和28年10月10日<br />小名浜町に編入 |- | style="background-color:#9cf;" | 江名村 | style="background-color:#6ff;" | 大正12年3月1日<br />町制施行 江名町 | style="background-color:#6ff;" | 江名町 | style="background-color:#6ff;" | [[江名町]] |- | rowspan="13" | [[菊多郡]] | style="background-color:#9cf;" | 泉村 | style="background-color:#9cf;" | 泉村 | style="background-color:#9cf;" | 泉村 | style="background-color:#6ff;" | 昭和28年4月1日<br />町制施行 [[泉町 (福島県)|泉町]] |- | style="background-color:#9cf;" | 渡辺村 | style="background-color:#9cf;" | 渡辺村 | style="background-color:#9cf;" | 渡辺村 | style="background-color:#9cf;" | [[渡辺村]] |- | style="background-color:#9cf;" | 窪田村 | style="background-color:#6ff;" | 大正14年5月1日<br />町制施行 勿来町 | style="background-color:#6ff;" | 勿来町 | style="background-color:#6ff;" | [[勿来町]] | rowspan="5" | 昭和30年4月29日<br />勿来市 | rowspan="5" | [[勿来市]] |- | style="background-color:#9cf;" | 鮫川村 | style="background-color:#6ff;" | 大正12年4月10日<br />町制施行 植田町 | style="background-color:#6ff;" | 植田町 | style="background-color:#6ff;" | [[植田町]] |- | style="background-color:#9cf;" | 錦村 | style="background-color:#9cf;" | 錦村 | style="background-color:#6ff;" | 昭和15年4月1日<br />町制施行 錦町 | style="background-color:#6ff;" | [[錦町 (福島県)|錦町]] |- | style="background-color:#9cf;" | 川部村 | style="background-color:#9cf;" | 川部村 | style="background-color:#9cf;" | 川部村 | style="background-color:#9cf;" | [[川部村 (福島県)|川部村]] |- | style="background-color:#9cf;" | 山田村 | style="background-color:#9cf;" | 山田村 | style="background-color:#9cf;" | 山田村 | style="background-color:#9cf;" | [[山田村 (福島県)|山田村]] |- | style="background-color:#9cf;" | 上遠野村 | style="background-color:#9cf;" | 上遠野村 | style="background-color:#9cf;" | 上遠野村 | style="background-color:#9cf;" | [[上遠野村]] | style="background-color:#6ff;" rowspan="2" | 昭和30年3月31日<br />遠野町 | style="background-color:#6ff;" rowspan="2" | [[遠野町 (福島県)|遠野町]] |- | style="background-color:#9cf;" | 入遠野村 | style="background-color:#9cf;" | 入遠野村 | style="background-color:#9cf;" | 入遠野村 | style="background-color:#9cf;" | [[入遠野村]] |- | style="background-color:#9cf;" | 田人村 | style="background-color:#9cf;" | 田人村 | style="background-color:#9cf;" | 田人村 | style="background-color:#9cf;" rowspan="4" | 田人村 | style="background-color:#9cf;" rowspan="4" | 田人村 | style="background-color:#9cf;" rowspan="4" | [[田人村]] |- | style="background-color:#9cf;" | 石住村 | style="background-color:#9cf;" | [[石住 (いわき市)|石住村]] | style="background-color:#9cf;" rowspan="3" | 昭和16年4月1日<br />田人村に編入 |- | style="background-color:#9cf;" | 貝泊村 | style="background-color:#9cf;" | [[貝泊|貝泊村]] |- | style="background-color:#9cf;" | 荷路夫村 | style="background-color:#9cf;" | [[荷路夫|荷路夫村]] |} {{hidden end}} <!-- == 行政 == ;歴代郡長 {| class="wikitable" !代!!氏名!!就任年月日!!退任年月日!!備考 |- |1||||明治29年(1896年)4月1日|||| |- |||||||大正15年(1926年)6月30日||郡役所廃止により、廃官 |} * 郡役場 - --> == 参考文献 == * [[青木和夫]]・[[稲岡耕二]]・[[笹山晴生]]・[[白藤禮幸]]校注『[[続日本紀]]』四(新日本古典文学大系15)、[[岩波書店]]、1995年。 * {{Cite book|和書|editor=「角川日本地名大辞典」編纂委員会|year=1981|date=1981-03-01|title=[[角川日本地名大辞典]]|publisher=[[角川書店]]|volume=7 福島県|isbn=4040010701|ref={{SfnRef|角川日本地名大辞典|1981}}}} == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} == 関連項目 == * [[消滅した郡の一覧]] * [[岩城氏]] * [[磐城郡]] * [[磐城市]] * [[いわき市]] {{s-start}} {{s-bef|before=-----|表記=前}} {{s-ttl|title=行政区の変遷|years=[[653年]] - [[1180年]]頃|years2=石城評→第1次石城郡}} {{s-aft|after=[[磐城郡|岩城郡]]・[[磐前郡|岩崎郡]]・[[楢葉郡]]|表記=次}} {{s-bef|before=[[菊多郡]]・[[磐前郡]]・[[磐城郡]]および<br />[[楢葉郡]]の一部([[川前村 (福島県)|川前村]])|表記=前}} {{s-ttl|title=行政区の変遷|years=[[1896年]] - [[1966年]]|years2=第2次石城郡}} {{s-aft|after=(消滅)|表記=次}} {{end}} {{福島県の郡}} {{Normdaten}} {{デフォルトソート:いわきくん}} [[Category:福島県の郡 (消滅)]] [[Category:いわき市の歴史]] [[Category:石城郡|*]]
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石背国
石背国(いわせのくに)は、かつて日本の地方行政区分だった令制国の一つ。奈良時代に陸奥国から分立したが、短期間しか存続しなかった。 養老2年(718年)5月2日に陸奥国の5郡を割いて設置された。現在の福島県中通りと会津地方に当たる。国府は郡山市方八町、または須賀川市の上人壇廃寺跡付近に置かれたと見られている。存続は数年間にすぎず、養老4年 (720年)11月26日から神亀5年(728年)4月11日にかけてのいつかの時期に陸奥国に復した。 終年の下限の年養老4年については、『類聚国史』に収録された陸奥・石背・石城を対象にした勅、上限の神亀5年については陸奥国に白河軍団を置いた『続日本紀』の記事が根拠である。さらに時期を絞り込む推定が様々にある。 明治元年(1869年)に設置された岩代国(いわしろのくに)は、ほぼ同域だが、東部のいくつかの郡が磐城国に含まれたため、石背国より狭くなった。 畿内の山城国(やましろのくに)が奈良時代は「山背国」と表記されたことから「石背」も「いわせ/いはせ」でなく「いわしろ/いはしろ」と読むと考えられていた。 5郡で構成された。
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石背国(いわせのくに)は、かつて日本の地方行政区分だった令制国の一つ。奈良時代に陸奥国から分立したが、短期間しか存続しなかった。
{{Pathnav|令制国一覧|東山道|frame=1}} '''石背国'''(いわせのくに)は、かつて[[日本]]の地方行政区分だった[[令制国]]の一つ。[[奈良時代]]に[[陸奥国]]から分立したが、短期間しか存続しなかった。 [[Image:Japan prov map iwase718.png|thumb|250px|right|石背国の位置(718年)]] == 沿革 == 養老2年([[718年]])5月2日{{疑問点|title=新暦?旧暦?|date=2015年5月}}に[[陸奥国]]の5郡を割いて設置された<ref>『続日本紀』養老2年5月乙未(2日)条。</ref>。現在の[[福島県]][[中通り]]と[[会津地方]]に当たる。[[国府]]は[[郡山市]]方八町<ref>{{Cite book|和書|author=安藤智重|title=安積歴史入門|publisher=歴史春秋社|year=2014|isbn=978-4-89757-841-5|page=4}}</ref>、または[[須賀川市]]の上人壇廃寺跡付近に置かれたと見られている。存続は数年間にすぎず、養老4年 ([[720年]])11月26日から神亀5年([[728年]])4月11日にかけてのいつかの時期に陸奥国に復した。 終年の下限の年養老4年については、『[[類聚国史]]』に収録された陸奥・石背・石城を対象にした勅、上限の神亀5年については陸奥国に[[白河団|白河軍団]]を置いた『[[続日本紀]]』の記事が根拠である<ref>{{Cite book|和書|author=高橋崇|authorlink=高橋崇|title=律令国家東北史の研究|publisher=[[吉川弘文館]]|year=1991|isbn=4-642-02245-7|pages=22-24}}</ref>。さらに時期を絞り込む推定が様々にある。 == 岩代国 == 明治元年([[1869年]])に設置された[[岩代国]](いわしろのくに)は、ほぼ同域だが、東部のいくつかの郡が[[磐城国]]に含まれたため、石背国より狭くなった。 畿内の[[山城国]](やましろのくに)が奈良時代は「山'''背'''国」と表記されたことから「石背」も「いわせ/いはせ」でなく「いわしろ/いはしろ」と読むと考えられていた{{いつ|date=2015年5月|title=いつまで}}。 == 郡 == 5郡で構成された。 *[[会津郡]] *[[安積郡]] *[[岩瀬郡|石背郡]] *[[白河郡]] *[[信夫郡]](平安時代に分割された後世の[[伊達郡]]の郡域を含む) == 脚注 == {{reflist}} == 関連項目 == *[[令制国一覧]] *[[岩代国]] *[[中通り]] *[[会津]] {{令制国一覧}} {{DEFAULTSORT:いわせのくに}} [[Category:廃止された令制国]] [[Category:陸奥国]] [[Category:福島県の歴史]] [[Category:中通り]] [[Category:会津地方]] [[Category:奈良時代]]
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常陸国
常陸国(ひたちのくに)は、かつて日本の地方行政区分だった令制国の一つ。東海道に属する。現在の茨城県の南西部を除いた地域にあたる。 7世紀に成立した。成立時期については、『常陸国風土記』によれば大化の改新(645年)直後に創設されたことになるが、壬申の乱(672年)の功臣である大伴吹負が後世の常陸守に相当する「常道頭」(「常陸」ではない)に任じられたとする記事がある事から、「常陸」という呼称の成立を7世紀末期とする考えもある。なお、『常陸国風土記』(逸文)の信太郡の条に「白雉4年(653年)、物部河内・物部会津らが請いて、筑波・茨城の郡の700戸を分ちて信太の郡を置けり。この地はもと日高見の国なり。」とあり、令制国成立前は日高見国だったとされている。 古くは筑波国造、新治国造、茨木国造、仲国造、久自国造、高国造、道口岐閉国造がそれぞれ支配する国に分かれていたが、律令制が敷かれた当初の常陸国は多珂国を編入したため、現在の茨城県の大部分(西南部を除く)と、福島県浜通りの大熊までに至る広大な国であった。『常陸国風土記』には、「久慈郡と多珂郡の境の助川を道前(道の口)と為し、陸奥国の石城郡の苦麻の村を道後(道の尻)と為す。」という記述があり、「助川」が日立市に、「苦麻」が大熊に相当する。言い換えると、現在の福島第一原発付近が、常陸国と陸奥国の境であった。 後に陸奥国が設けられると、常陸国の北端は菊多郡まで(陸奥国との境:現在の湯本駅付近)になった。更に718年(養老2年)に、菊多郡が新設の石城国に入れ替えられ、常陸国と石城国の境に当たる現在の平潟トンネルのすぐ近くに菊多関(後の勿来関)が建てられた。これ以後は常陸国の範囲は変わらず、西南部を除いた茨城県に相当する範囲となった。新治郡、筑波郡、信太郡、茨城郡、行方郡、香島郡(後に鹿島郡)、那珂郡、久慈郡、多珂郡(後に多賀郡)、白壁郡(後に真壁郡)、河内郡から構成される。 東海道は、下総国荒海駅から香取海を渡船し榎浦津駅で常陸国に入った。805年以降は、この路線は廃され、現在の利根町から鬼怒川を渡船し若柴・馴馬付近(龍ケ崎市)から常陸国へ入る路線となった。 平安時代の天長3年9月6日(826年10月10日)、常陸国と上総国、上野国の3国は、国守に必ず親王が補任される親王任国となり、国級は大国に格付けされた。親王任国の国守となった親王は「太守」と称し、官位は必然的に他の国守(通常は従六位下から従五位上)より高く、親王太守は正四位以上であった。親王太守は現地へ赴任しない遙任で、例えば葛原親王や時康親王のような常陸太守が実際に任地に赴くことはないので、国司の実質的長官は常陸介であった。 律令制による国郡支配が解体された平安時代末期以降、荘園の分立や郡の分割が進んだ。近世始めに実施された太閤検地の際に、細分化された郡や荘を再編成して古代の郡の復元が図られたが、その領域は古代のものとはかなりの違いがある。明治政府による郡区町村編制法と郡制の施行による再編を経て、第二次大戦後の現代まで続いた茨城県の郡の区分と領域は、この太閤検地で再編されたものを基礎としている。 『和名抄』によれば、国府は茨城郡にあった。現在の石岡市にあたり、「常陸国府跡」として国の史跡に指定されている。国衙は石岡小学校(石岡市総社、北緯36度11分22.92秒 東経140度16分7.79秒 / 北緯36.1897000度 東経140.2688306度 / 36.1897000; 140.2688306 (常陸国衙跡))において7世紀末から11世紀までの遺構が発掘されており、古代には一貫して同地に所在した(詳しくは「常陸国府跡」参照)。 延喜式内社 総社・一宮以下 郡衙跡は概ね次のように比定されている。 明治維新直前の領域は、現在の茨城県から下記を除き、千葉県印旛郡栄町の一部(生板鍋子新田・龍ケ崎町歩)を加えた区域に相当する。※の区域はいずれも1899年(明治32年)に常陸国に編入されている。 常陸国には明治維新を迎えた藩として水戸藩、御連枝(分家・支藩)として府中藩、宍戸藩、そして付け家老として明治以降独立する松岡藩、その他に土浦藩、笠間藩、下館藩、谷田部藩、麻生藩、牛久藩、下妻藩がある。 明治元年から廃藩置県まで藩となったものに志筑藩、松川藩、龍ヶ崎藩がある。 出典: 内閣統計局・編、速水融・復刻版監修解題、『国勢調査以前日本人口統計集成』巻1(1992年)及び別巻1(1993年)、東洋書林。
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常陸国(ひたちのくに)は、かつて日本の地方行政区分だった令制国の一つ。東海道に属する。現在の茨城県の南西部を除いた地域にあたる。
{{基礎情報 令制国 |国名 = 常陸国 |画像 = {{令制国地図 (令制国テンプレート用)|常陸国}} |別称 = 常州(じょうしゅう) |所属 = [[東海道]] |領域 = [[茨城県]]の大部分 |国力 = [[大国 (令制国)|大国]] |距離 = [[遠国]] |郡 = 11郡153郷 |国府 = 茨城県[[石岡市]]([[常陸国府跡]]) |国分寺 = 茨城県石岡市([[常陸国分寺跡]]) |国分尼寺 = 茨城県石岡市([[常陸国分尼寺跡]]) |一宮 = [[鹿島神宮]](茨城県[[鹿嶋市]]) }} '''常陸国'''(ひたちのくに)は、かつて[[日本]]の地方行政区分だった[[令制国]]の一つ。[[東海道]]に属する。現在の[[茨城県]]の南西部を除いた地域にあたる。 == 沿革 == [[7世紀]]に成立した。成立時期については、『[[常陸国風土記]]』によれば[[大化の改新]]([[645年]])直後に創設されたことになるが、[[壬申の乱]]([[672年]])の功臣である[[大伴吹負]]が後世の[[常陸国司|常陸守]]に相当する「常道頭」(「常陸」ではない)に任じられたとする記事がある事から、「常陸」という呼称の成立を7世紀末期とする考えもある。なお、『常陸国風土記』([[逸文]])の[[信太郡]]の条に「[[白雉]]4年([[653年]])、物部河内・物部会津らが請いて、筑波・茨城の郡の700戸を分ちて信太の郡を置けり。この地はもと日高見の国なり。」とあり、[[令制国]]成立前は[[日高見国]]だったとされている。 古くは[[筑波国造]]、[[新治国造]]、[[茨木国造]]、[[仲国造]]、[[久自国造]]、[[高国造]]、[[道口岐閉国造]]がそれぞれ支配する国に分かれていたが、[[律令制]]が敷かれた当初の常陸国は[[高国造|多珂国]]を編入したため、現在の茨城県の大部分(西南部を除く)と、[[福島県]][[浜通り]]の[[大熊町|大熊]]までに至る広大な国であった。『常陸国風土記』には、「[[久慈郡]]と[[多賀郡|多珂郡]]の境の'''助川を道前(道の口)'''と為し、[[陸奥国]]の[[石城郡]]の'''苦麻の村を道後(道の尻)'''と為す。」という記述があり、「助川」が[[日立市]]に、「苦麻」が大熊に相当する。言い換えると、現在の[[福島第一原子力発電所|福島第一原発]]付近が、常陸国と陸奥国の境であった。 後に[[陸奥国]]が設けられると、常陸国の北端は[[菊多郡]]まで(陸奥国との境:現在の[[湯本駅]]付近)になった。更に[[718年]]([[養老]]2年)に、菊多郡が新設の[[石城国]]に入れ替えられ、常陸国と石城国の境に当たる現在の[[平潟トンネル]]のすぐ近くに菊多関(後の[[勿来関]])が建てられた。これ以後は常陸国の範囲は変わらず、西南部を除いた茨城県に相当する範囲となった。新治郡、筑波郡、信太郡、茨城郡、行方郡、香島郡(後に鹿島郡)、那珂郡、久慈郡、多珂郡(後に多賀郡)、白壁郡(後に真壁郡)、河内郡から構成される。 [[東海道]]は、下総国荒海駅から[[香取海]]を渡船し榎浦津駅<ref>「千葉県の歴史通史編」千葉県、2001年</ref><ref group="注釈">榎浦津駅は、現在の江戸崎町下君山(信太郡衙推定地)とほぼ近い位置と見られる。</ref>で常陸国に入った。805年以降は、この路線は廃され、現在の[[利根町]]から[[鬼怒川]]を渡船し若柴・馴馬付近([[龍ケ崎市]])から常陸国へ入る路線となった。 [[平安時代]]の[[天長]]3年[[9月6日 (旧暦)|9月6日]]([[826年]][[10月10日]])、常陸国と上総国、上野国の3国は、[[国司|国守]]に必ず親王が補任される[[親王任国]]となり、国級は大国に格付けされた。親王任国の国守となった親王は「太守」と称し、[[官位]]は必然的に他の国守(通常は[[従六位|従六位下]]から[[従五位|従五位上]])より高く、親王太守は[[正四位]]以上であった。親王太守は現地へ赴任しない[[遙任]]で、例えば[[葛原親王]]や[[光孝天皇|時康親王]]のような常陸太守が実際に任地に赴くことはないので、国司の実質的長官は常陸介であった。 [[律令制]]による国郡支配が解体された平安時代末期以降、[[荘園 (日本)|荘園]]の分立や[[郡]]の分割が進んだ。[[近世]]始めに実施された[[太閤検地]]の際に、細分化された郡や荘を再編成して[[古代]]の郡の復元が図られたが、その領域は古代のものとはかなりの違いがある<ref group="注釈">たとえば「国府・…」の節にある通り、常陸国の国府は茨城郡に置かれた。しかし、ほぼ同じ位置に成立した江戸時代の城下町である常陸府中(明治以降の石岡)は新治郡に属する。これは近世以降の新治郡が古代の茨城郡の一部を領域として成立したことによる。また、それまで陸奥国[[高野郡]]に属していた依上郷はこの時に常陸国久慈郡に編入されている。</ref>。[[明治政府]]による[[郡区町村編制法]]と[[郡制]]の施行による再編を経て、[[戦後|第二次大戦後]]の現代まで続いた茨城県の郡の区分と領域は、この太閤検地で再編されたものを基礎としている。 === 近代以降の沿革 === * 「[[旧高旧領取調帳]]」に記載されている[[明治]]初年時点での国内の支配は以下の通り(1,715村・922,175石余)。'''太字'''は当該郡内に[[藩庁]]が所在。国名のあるものは[[飛地]]領。 ** [[茨城郡]](298村・151,183石余) - [[天領|幕府領]]、[[地方知行|旗本領]]、'''[[水戸藩]]'''、'''[[笠間藩]]'''、'''[[宍戸藩]]'''、土浦藩、府中藩、麻生藩、[[陸奥国|陸奥]][[守山藩]] ** [[那珂郡]](127村・87,320石余) - 水戸藩 ** [[久慈郡]](141村・88,419石余) - 水戸藩 ** [[多賀郡]](83村・52,145石余) - 幕府領、旗本領、'''[[常陸松岡藩|松岡藩]]'''<ref group="注釈">慶応4年[[1月24日 (旧暦)|1月24日]](1868年[[2月17日]])に水戸藩[[御附家老|附家老]][[中山氏|中山家]]が明治政府の特旨によって立藩。手綱藩と呼ばれた時期もあった。</ref>、水戸藩、[[武蔵国|武蔵]][[川越藩]] ** [[鹿島郡 (茨城県)|鹿島郡]](127村・50,397石余) - 幕府領、旗本領、水戸藩、陸奥守山藩 ** [[行方郡 (茨城県)|行方郡]](82村・52,964石余) - 幕府領、旗本領、'''[[麻生藩]]'''、水戸藩、府中藩、陸奥守山藩 ** [[新治郡]](184村・116,636石余) - 幕府領、旗本領、'''[[土浦藩]]'''、'''[[志筑藩]]'''<ref group="注釈">慶応4年[[7月14日 (旧暦)|7月14日]](1868年[[8月31日]])に[[交代寄合]][[本堂氏|本堂家]]志筑領が戊辰戦争の功により加封されて立藩。</ref>、'''[[常陸府中藩|府中藩]]'''、水戸藩、谷田部藩、牛久藩、武蔵[[岩槻藩]] ** [[河内郡 (茨城県)|河内郡]](142村・63,663石余) - 幕府領、旗本領、'''[[牛久藩]]'''、谷田部藩、陸奥[[仙台藩]]、[[上野国|上野]][[前橋藩]] ** [[信太郡]](94村・44,859石余) - 幕府領、旗本領、[[与力]][[給地]]、土浦藩、牛久藩、陸奥仙台藩、[[下総国|下総]][[関宿藩]] ** [[筑波郡]](168村・81,300石余) - 幕府領、旗本領、'''[[谷田部藩]]'''、土浦藩、陸奥仙台藩、上野前橋藩、下総関宿藩、下総[[佐倉藩]] ** [[真壁郡]](269村・133,284石余) - 幕府領、旗本領、'''[[下館藩]]'''、笠間藩、[[出羽国|出羽]][[長瀞藩]]、下総[[結城藩]]、下総佐倉藩、[[山城国|山城]][[淀藩]]、[[丹後国|丹後]][[峰山藩]] * [[慶応]]4年 ** [[6月27日 (旧暦)|6月27日]]([[1868年]][[8月15日]]) - [[三上藩|三上]][[藩士]]の粥川光明が'''[[常陸知県事]]'''に任命され、新治郡・真壁郡・筑波郡・茨城郡・多賀郡および鹿島郡の一部の幕府領・旗本領を管轄。 ** [[7月2日 (旧暦)|7月2日]](1868年[[8月19日]]) - [[久留米藩]]士の[[柴山典]]が'''[[安房上総知県事]]'''に任命され、河内郡・信太郡・行方郡および鹿島郡の一部の幕府領・旗本領を管轄。 ** [[9月24日 (旧暦)|9月24日]](1868年[[11月8日]]) - [[戊辰戦争]]後の処分により仙台藩が廃藩。筑波郡・河内郡・信太郡の仙台藩領が常陸知県事の管轄となる。 * 明治元年[[12月14日 (旧暦)|12月14日]]([[1869年]][[1月26日]]) - 戊辰戦争後の処分により関宿藩が減封。信太郡内の領地が安房上総知県事の管轄となる。 * 明治2年 ** [[2月9日 (旧暦)|2月9日]](1869年[[3月21日]]) - 常陸知県事の管轄区域に'''[[若森県]]'''、安房上総知県事の管轄地域に'''[[宮谷県]]'''が発足。 ** [[6月22日 (旧暦)|6月22日]](1869年[[7月30日]]) - 府中藩が任[[知藩事]]にともない'''[[石岡藩]]'''に改称。 ** [[11月1日 (旧暦)|11月1日]](1869年[[12月3日]]) - 出羽長瀞藩が藩庁を移転して[[上総国|上総]]'''[[大網藩]]'''となる。飛地領は存続。 * 明治3年[[12月24日 (旧暦)|12月24日]]([[1871年]][[2月13日]]) - 陸奥守山藩が鹿島郡に藩庁を移転して'''[[松川藩]]'''となる。 * 明治4年 ** 土浦藩の領地替えにより信太郡の全域が土浦藩の管轄となる。 ** [[2月8日 (旧暦)|2月8日]](1871年[[3月28日]]) - 谷田部藩が[[下野国|下野]]'''[[茂木藩]]'''に[[転封]]。筑波郡の飛地領は存続。 ** [[2月17日 (旧暦)|2月17日]](1871年[[4月6日]]) - 上総大網藩が河内郡に藩庁を移転して'''[[龍崎藩]]'''となる。 ** [[7月14日 (旧暦)|7月14日]](1871年[[8月29日]]) - [[廃藩置県]]により、藩領が'''[[水戸県]]'''、'''[[土浦県]]'''、'''[[笠間県]]'''、'''[[松岡県]]'''、'''[[石岡県]]'''、'''[[下館県]]'''、'''[[志筑県]]'''、'''[[龍崎県]]'''、'''[[牛久県]]'''、'''[[麻生県]]'''および[[茂木県]]、[[前橋県]]、[[結城県]]、[[関宿県]]、[[佐倉県]]、[[川越県]]、[[岩槻県]]、[[淀県]]、[[峰山県]]の飛地となる。 ** [[10月28日 (旧暦)|10月28日]](1871年[[12月10日]]) - 第1次府県統合により前橋県が廃止され、飛地が'''[[群馬県]]'''(第1次)の管轄となる。 ** [[11月2日 (旧暦)|11月2日]](1871年[[12月13日]]) - 第1次府県統合により峰山県が廃止され、飛地が'''[[豊岡県]]'''の管轄となる。 ** [[11月14日 (旧暦)|11月14日]](1871年[[12月25日]]) - 第1次府県統合により、真壁郡・茨城郡・那珂郡・久慈郡・多賀郡が'''[[茨城県]]'''、新治郡・筑波郡・河内郡・信太郡・行方郡・鹿島郡が'''[[新治県]]'''の管轄となる。 * 明治8年([[1875年]])[[5月7日]] - 第2次府県統合により、新治県のうち常陸国が茨城県、下総国が[[千葉県]]に合併。常陸国全域が'''[[茨城県]]'''の管轄となり、現在に至る。 == 国内の施設 == {{座標一覧}} === 国府 === [[File:Hitachi-kokufuato sekihi.JPG|thumb|200px|right|常陸国府跡碑([[石岡市]])]] 『[[和名抄]]』によれば、[[国府]]は[[茨城郡]]にあった。現在の[[石岡市]]にあたり、「常陸国府跡」として国の史跡に指定されている。[[国衙]]は石岡小学校(石岡市総社、{{Coord|36|11|22.92|N|140|16|7.79|E|region:JP-08_type:landmark|name=常陸国衙跡}})において7世紀末から11世紀までの遺構が発掘されており、古代には一貫して同地に所在した(詳しくは「[[常陸国府跡]]」参照)。 === 国分寺・国分尼寺 === * [[常陸国分寺跡]] (石岡市府中、{{Coord|36|11|45.79|N|140|16|25.48|E|region:JP-08_type:landmark|name=常陸国分寺(創建時寺跡、後継寺院)}}) *: 国の[[特別史跡]]。跡地上の[[常陸国分寺|浄瑠璃山東方院国分寺]]が法燈を伝承する。 * [[常陸国分尼寺跡]] (石岡市若松、{{Coord|36|12|6.29|N|140|16|3.44|E|region:JP-08_type:landmark|name=常陸国分尼寺跡}}) *: 国の特別史跡。法燈を伝承する寺はない。 === 神社 === '''[[延喜式内社]]''' : 『[[延喜式神名帳]]』には、大社7座7社・小社21座20社の計28座27社が記載されている(「[[常陸国の式内社一覧]]」参照)。大社6社は以下に示すもので、全て[[名神大社]]である。 * [[鹿島郡 (茨城県)|鹿島郡]] 鹿島神宮 ** 比定社:[[鹿島神宮]] ([[鹿嶋市]]宮中) * 鹿島郡 大洗磯前薬師菩薩明神社 ** 比定社:[[大洗磯前神社]] ([[東茨城郡]][[大洗町]]磯浜町、{{Coord|36|18|57.07|N|140|35|14.81|E|region:JP-08_type:landmark|name=名神大社:大洗磯前神社}}) * [[久慈郡]] 静神社 ** 比定社:[[静神社]] ([[那珂市]]静) * [[筑波郡]] 筑波山神社 - 2座記載されているが1座のみが名神大社。 ** 比定社:[[筑波山神社]] ([[つくば市]]筑波、{{Coord|36|12|49.25|N|140|6|4.72|E|region:JP-08_type:landmark|name=名神大社:筑波山神社}}) * [[那珂郡|那賀郡]] 吉田神社 ** 比定社:[[吉田神社 (水戸市)|吉田神社]] ([[水戸市]]宮内町) * 那賀郡 酒烈磯前薬師菩薩神社 ** 比定社:[[酒列磯前神社]] ([[ひたちなか市]]磯崎町、{{Coord|36|22|56.54|N|140|37|24.58|E|region:JP-08_type:landmark|name=名神大社:酒列磯前神社}}) * [[新治郡]] 稲田神社 ** 比定社:[[稲田神社]] ([[笠間市]]稲田、{{Coord|36|22|6.77|N|140|12|23.65|E|region:JP-08_type:landmark|name=名神大社:稲田神社}}) '''[[総社]]・[[一宮]]以下''' : 『中世諸国一宮制の基礎的研究』に基づく一宮以下の一覧<ref>『中世諸国一宮制の基礎的研究』 中世諸国一宮制研究会編、岩田書院、2000年、pp. 230-235。</ref>。 * 総社:[[常陸國總社宮]] (石岡市総社、{{Coord|36|11|16.28|N|140|16|8.70|E|region:JP-08_type:landmark|name=常陸国総社:常陸國總社宮}}) * 一宮:[[鹿島神宮]] ([[鹿嶋市]]宮中、{{Coord|35|58|7.88|N|140|37|53.37|E|region:JP-08_type:landmark|name=常陸国一宮、名神大社:鹿島神宮}}) * 二宮:[[静神社]] ([[那珂市]]静、{{Coord|36|30|7.05|N|140|25|19.89|E|region:JP-08_type:landmark|name=常陸国二宮、名神大社:静神社}}) * 三宮:[[吉田神社 (水戸市)|吉田神社]] ([[水戸市]]宮内町、{{Coord|36|21|42.58|N|140|28|56.35|E|region:JP-08_type:landmark|name=常陸国三宮、名神大社:吉田神社}}) === 安国寺利生塔 === * 安国寺 - 曹洞宗朝日山安国寺(笠間市上郷、本尊:南無釈迦牟尼仏)。 * 利生塔 - 現存しない。 === 郡衙 === [[郡衙]]跡は概ね次のように比定されている<ref>糸賀茂男「常総のまつりごと 文化のあけぼのから兵の世へ」27-35ページ(長谷川伸三・糸賀茂男・今井雅晴・秋山高志・佐々木寛史編『茨城県の歴史』山川出版社 2003年)</ref>。 <table width="90%"><tr><td valign=top width="50%"> * 新治郡 - 真壁郡協和町古郡。 * 真壁郡 - 真壁郡真壁町古城・源法寺。 * 筑波郡 - つくば市平沢。 * 河内郡 - つくば市金田台。 * 信太郡 - 不明(江戸崎町下君山にあったとも推定される<ref>『阿見町史』、『江戸崎町史』</ref>)。 * 行方郡 - 行方郡玉造町内と見られる。 </td><td valign=top> * 鹿島郡 - 鹿嶋市神野向。 * 那珂郡 - 水戸市渡里。 * 久慈郡 - 久慈郡金砂郷町薬谷・大里。 * 多賀郡 - 高萩市内と見られる。 * 茨城郡 - 石岡市茨城。 </td></tr></table> == 地域 == === 領域 === [[明治維新]]直前の領域は、現在の[[茨城県]]から下記を除き、[[千葉県]][[印旛郡]][[栄町]]の一部(生板鍋子新田・龍ケ崎町歩)を加えた区域に相当する。※の区域はいずれも[[1899年]]([[明治]]32年)に常陸国に編入されている。 * [[結城市]]、[[古河市]]、[[猿島郡]]([[境町]]・[[五霞町]])、[[坂東市]]、[[守谷市]]、[[北相馬郡]]([[利根町]])の全域 * [[結城郡]][[八千代町]]の大部分(大里・大渡戸・高崎・坪井・小屋・久下田・野爪・袋・新井・八町を除く) * [[下妻市]]の南部(柳原・山尻・谷田部・古沢・小島・今泉・中居指以南) * [[常総市]]の大部分(東町・水海道川又町を除く) * [[つくばみらい市]]の一部(寺畑・川崎・鬼長・平沼・筒戸以西<ref group="注釈">このうち川崎・鬼長は[[1896年]](明治29年)に常陸国に編入されている。</ref>) * [[取手市]]の大部分(浜田・紫水・上萱場・下萱場・萱場・大曲・新川・双葉を除く) * [[龍ケ崎市]]の一部(川原代町・長沖新田町・須藤堀町より南西) * ※[[稲敷郡]][[河内町]]の東部(下加納・片巻・金江津・田川以東) * ※[[稲敷市]]の一部(清久島・橋向・佐原組新田・手賀組新田・上須田・上之島・本新・境島以南) === 郡 === *[[新治郡]] *[[真壁郡]] *[[筑波郡]] *[[河内郡 (茨城県)|河内郡]] *[[信太郡]] *[[茨城郡]] *[[行方郡 (茨城県)|行方郡]] *[[鹿島郡 (茨城県)|鹿島郡]] *[[那珂郡]] *[[久慈郡]] *[[多賀郡]](多珂郡) === 江戸時代の藩 === 常陸国には[[明治維新]]を迎えた藩として[[水戸藩]]、[[御連枝]](分家・支藩)として[[常陸府中藩|府中藩]]、[[常陸宍戸藩|宍戸藩]]、そして付け家老として明治以降独立する[[常陸松岡藩|松岡藩]]、その他に[[土浦藩]]、[[笠間藩]]、[[下館藩]]、[[谷田部藩]]、[[麻生藩]]、[[牛久藩]]、[[下妻藩]]がある。 明治元年から[[廃藩置県]]まで藩となったものに[[志筑藩]]、[[松川藩]]、[[龍ヶ崎藩]]がある。 === 人口 === *1721年(享保6年) - 71万2387人 *1750年(寛延3年) - 65万5507人 *1756年(宝暦6年) - 64万1580人 *1786年(天明6年) - 51万4519人 *1792年(寛政4年) - 49万5083人 *1798年(寛政10年)- 49万2619人 *1804年(文化元年)- 48万5445人 *1822年(文政5年) - 49万5575人 *1828年(文政11年)- 49万5859人 *1834年(天保5年) - 45万7321人 *1840年(天保11年)- 49万9761人 *1846年(弘化3年) - 52万1777人 *1872年(明治5年) - 64万8674人 出典: 内閣統計局・編、[[速水融]]・復刻版監修解題、『国勢調査以前日本人口統計集成』巻1(1992年)及び別巻1(1993年)、[[東洋書林]]。 == 人物 == === 国司 === {{See|常陸国司}} === 守護 === ==== 鎌倉幕府 ==== *1189年~1203年 - [[小田知家]] *1228年~? - [[小田知重]] *1248年~1250年 - [[宍戸国家]] *1301年~? - [[小田宗知]] *1315年~? - [[宍戸時家]] *1317年~? - [[北条時綱|佐介時綱]](北条時綱) *?~1333年 - 小田氏・宍戸氏 ==== 室町幕府 ==== *1335年~1352年 - [[佐竹貞義]] *1352年~1362年 - [[佐竹義篤 (九代当主)|佐竹義篤]](九代当主) *1362年~1389年 - [[佐竹義宣 (伊予守)|佐竹義宣]](十代当主) *1389年~1407年 - [[佐竹義盛]] *1407年~? - [[佐竹義人]](義憲、義仁) *1425年~? - [[佐竹祐義|山入祐義]] == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} ===注釈=== {{Notelist}} ===出典=== {{Reflist}} == 関連項目 == {{Commonscat|Hitachi Province}} * [[令制国一覧]] * [[常陸国風土記]] * [[常陸国司]] * [[石城国]]([[浜通り]]) * [[日高見国]] * [[総国]](千葉県) *{{prefix|常陸}} * [[ひたち]] - [[日立]] == 外部リンク == * {{Kotobank}} {{令制国一覧}} {{常陸国の郡}} {{デフォルトソート:ひたちのくに}} [[Category:日本の旧国名]] [[Category:東海道|国ひたち]] [[Category:茨城県の歴史]] [[Category:常陸国| ]]
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単サイト近似
単サイト近似(たんサイトきんじ、英: Single site approximation)または単一サイト近似とは、多重散乱理論における総散乱行列T において、ポテンシャルがランダムな場合に平均操作で行われる近似のこと。 ここでは、置換型の不規則二元合金を考え、格子の配置は周期的であるが、ポテンシャル(二元合金なのでポテンシャルは2種類ある)の配置がランダムであるとする。 多重散乱理論から、ここで総散乱行列T は、 である(→参照:多重散乱理論)。不規則二元合金では、2種類のポテンシャルをそれぞれA、Bとして、それに対応するt行列をtA、tBとする。従って、ポテンシャルがランダムに配置されている場合、上式の各項のt行列の和においてtA、tBがランダムに出てくることとなる。これをそのまま扱うことは現実には不可能で、何らかの平均化(平均操作)を行う必要がある。つまり、 とする。< >は平均操作を意味する。ここで、上式最右辺の第三項に着目すると、これは3つのt行列の積の形となっている。そして、これにはtntmtn、tmtntmのような項が存在する。4次以上の項でも同様で、同一サイト同士の積が残ってしまう。これは平均化にとって甚だ面倒なこととなる。簡単のために1次と2次の場合を考え、ポテンシャルA、ポテンシャルBの濃度比をx:1-x(=y)として平均操作の結果を以下に示す。 1次の平均は、 2次の平均は、 となる。2次の場合、nまたはmがBの場合は省略(本当は2次の項の場合、n = mとなることはないが、ここでは便宜上n = mの場合を示した)。 1次の場合は良いとして、2次では n = m {\displaystyle n=\,m} と n ≠ m {\displaystyle n\neq m} の場合とで平均の結果が異なる。つまり、3次以上の項では、t行列の積で同一サイトが含まれる場合と、そうでない場合とで平均操作を場合分けする必要がある。これを現実に行うことは不可能である。実際の平均操作では同一サイトが含まれるt行列の積の項を全て無視し、面倒な場合分けを行わないものとする。これが単サイト近似である。この近似により3次の項の平均操作を例にとると、 と各t行列毎の平均操作の積で表すことができる(ここで、 G ~ {\displaystyle {\tilde {G}}} は省略した)。また、 G ~ {\displaystyle {\tilde {G}}} は周期的なポテンシャル部分によるグリーン関数なので平均操作に対して不変である。 以上から、単サイト近似における総散乱行列Tの平均<T>は、 となる。平均操作を施した状態密度D(E)は(D0(E)は自由電子の状態密度)、 D ( E ) − D 0 ( E ) = 2 N π I m T r d d E { x ln T A + y ln T B } = − 2 N π I m T r { x T A d d E ( τ A − 1 − B ) + y T B d d E ( τ B − 1 − B ) } = − 2 N π I m T r ∑ n [ x ⟨ T n n ⟩ n = A d τ A − 1 d E + y ⟨ T n n ⟩ n = B d τ B − 1 d E − ∑ n 1 ⟨ T n n 1 ⟩ d d E B n 1 n ] {\displaystyle {\begin{aligned}D(E)-D_{0}(E)&={2 \over {N\pi }}\mathrm {ImTr} {d \over {dE}}\{x\ln T_{A}+y\ln T_{B}\}\\&=-{2 \over {N\pi }}\mathrm {ImTr} \{xT_{A}{d \over {dE}}(\tau _{A}^{-1}-B)+yT_{B}{d \over {dE}}(\tau _{B}^{-1}-B)\}\\&=-{2 \over {N\pi }}\mathrm {ImTr} \sum _{n}[x\left\langle T_{nn}\right\rangle _{n=A}{d\tau _{A}^{-1} \over {dE}}+y\left\langle T_{nn}\right\rangle _{n=B}{d\tau _{B}^{-1} \over {dE}}-\sum _{n_{1}}\left\langle T_{nn_{1}}\right\rangle {d \over {dE}}B_{{n_{1}}n}]\end{aligned}}} となる。係数2はスピンの縮重度。Imは虚数部分、Trはトレース(跡)を取ることを意味する。更に平均操作は添え字nに対して独立なので、n=0(を原点として)で代表させる(N倍する必要あり。N:全サイト数)。また< Tnn >はフーリエ変換により、 として、 となる。これが不規則二元合金の状態密度を与える基本式となる。尚、Bqは構造定数( B n 1 n {\displaystyle \,B_{{n_{1}}n}} )をフーリエ変換したものである。
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単サイト近似または単一サイト近似とは、多重散乱理論における総散乱行列T において、ポテンシャルがランダムな場合に平均操作で行われる近似のこと。
{{出典の明記|date=2012年12月5日 (水) 05:34 (UTC)}} '''単サイト近似'''(たんサイトきんじ、{{lang-en-short|Single site approximation}})または'''単一サイト近似'''とは、[[多重散乱理論]]における総散乱行列''T'' において、ポテンシャルが[[ランダム]]な場合に平均操作で行われる近似のこと。 == 詳細 == ここでは、置換型の[[不規則二元合金]]を考え、格子の配置は周期的であるが、ポテンシャル(二元合金なのでポテンシャルは2種類ある)の配置がランダムであるとする。 多重散乱理論から、ここで総散乱行列''T'' は、 :<math> T = \sum_n t_n + \sum_n t_n \tilde{G} \sum_{m \ne n} t_m + \sum_n t_n \tilde{G} \sum_{m \ne n} t_m \tilde{G} \sum_{p \ne m} t_p + \cdot \cdot \cdot </math> である(→参照:[[多重散乱理論]])。不規則二元合金では、2種類のポテンシャルをそれぞれA、Bとして、それに対応するt行列をt<sub>A</sub>、t<sub>B</sub>とする。従って、ポテンシャルがランダムに配置されている場合、上式の各項のt行列の和においてt<sub>A</sub>、t<sub>B</sub>がランダムに出てくることとなる。これをそのまま扱うことは現実には不可能で、何らかの'''平均化'''(平均操作)を行う必要がある。つまり、 :<math>\begin{align}T\quad\to\quad\langle T \rangle &= \left\langle \sum_n t_n + \sum_n t_n \tilde{G} \sum_{m \ne n} t_m + \sum_n t_n \tilde{G} \sum_{m \ne n} t_m \tilde{G} \sum_{p \ne m} t_p + \cdot \cdot \cdot \right\rangle \\ &= \sum_n \left\langle t_n \right\rangle + \sum_n \left\langle t_n \tilde{G} \sum_{m \ne n} t_m \right\rangle + \sum_n \left\langle t_n \tilde{G} \sum_{m \ne n} t_m \tilde{G} \sum_{p \ne m} t_p \right\rangle + \cdot \cdot \cdot \end{align} </math> とする。&lt; &gt;は[[平均]]操作を意味する。ここで、上式最右辺の第三項に着目すると、これは3つのt行列の積の形となっている。そして、これにはt<sub>n</sub>t<sub>m</sub>t<sub>n</sub>、t<sub>m</sub>t<sub>n</sub>t<sub>m</sub>のような項が存在する。4次以上の項でも同様で、同一サイト同士の積が残ってしまう。これは平均化にとって甚だ面倒なこととなる。簡単のために1次と2次の場合を考え、ポテンシャルA、ポテンシャルBの濃度比をx:1-x(=y)として平均操作の結果を以下に示す。 1次の平均は、 :<math> \langle t_n \rangle \to \begin{cases} x t_A, & n = \mbox{A } \\ (1-x) t_B, & n = \mbox{B} \end{cases}</math> 2次の平均は、 :<math> \langle t_n t_m \rangle \to \begin{cases} x^2 {t_A}^2, & n \ne m, \quad n = \mbox{A}, \quad m = \mbox{A} \\ x {t_A}^2, & n = m, \quad n = m = \mbox{A} \end{cases} </math> となる。2次の場合、nまたはmがBの場合は省略(本当は2次の項の場合、n = mとなることはないが、ここでは便宜上n = mの場合を示した)。 1次の場合は良いとして、2次では<math> n =\, m </math>と<math> n \ne m </math>の場合とで平均の結果が異なる。つまり、3次以上の項では、t行列の積で同一サイトが含まれる場合と、そうでない場合とで平均操作を場合分けする必要がある。これを現実に行うことは不可能である。実際の平均操作では同一サイトが含まれるt行列の積の項を全て無視し、面倒な場合分けを行わないものとする。これが'''単サイト近似'''である。この近似により3次の項の平均操作を例にとると、 :<math> \left\langle t_n t_m t_p \right\rangle = \left\langle t_n \right\rangle \left\langle t_m \right\rangle \left\langle t_p \right\rangle </math> と各t行列毎の平均操作の積で表すことができる(ここで、<math> \tilde{G} </math>は省略した)。また、<math> \tilde{G} </math>は周期的なポテンシャル部分による[[グリーン関数]]なので平均操作に対して不変である。 :<math> \tilde{G} = \left\langle \tilde{G} \right\rangle </math> 以上から、単サイト近似における総散乱行列Tの平均<T>は、 :<math> \left\langle T \right\rangle = \sum_n \left\langle t_n \right\rangle + \sum_n \left\langle t_n \right\rangle \tilde{G} \sum_{m \ne n} \left\langle t_m \right\rangle + \sum_n \left\langle t_n \right\rangle \tilde{G} \sum_{m \ne n} \left\langle t_m \right\rangle \tilde{G} \sum_{p \ne m, n} \left\langle t_p \right\rangle + \cdot \cdot \cdot </math> となる。平均操作を施した[[状態密度]]D(E)は(D<sub>0</sub>(E)は自由電子の状態密度)、 <math> \begin{align} D(E) - D_0(E) &= {2 \over {N \pi} } \mathrm{Im Tr} {d \over {dE} } \{ x \ln T_A + y \ln T_B \} \\ &= - {2 \over {N \pi} } \mathrm{Im Tr} \{ x T_A {d \over {dE} } (\tau_A^{-1} - B) + y T_B {d \over {dE} } (\tau_B^{-1} -B) \} \\ &= - {2 \over {N \pi} } \mathrm{Im Tr} \sum_{n} [x \left\langle T_{nn} \right\rangle_{n = A} {d \tau_A^{-1} \over {dE} } + y \left\langle T_{nn} \right\rangle_{n = B} {d \tau_B^{-1} \over {dE} } - \sum_{n_1} \left\langle T_{nn_1} \right\rangle {d \over {dE} } B_{{n_1}n} ] \end{align} </math> となる。係数2はスピンの縮重度。Imは虚数部分、Trは[[跡 (線型代数学)|トレース(跡)]]を取ることを意味する。更に平均操作は添え字nに対して独立なので、n=0(を原点として)で代表させる(N倍する必要あり。N:全サイト数)。また&lt; T<sub>nn</sub> &gt;は[[フーリエ変換]]により、 :<math> \left\langle T_{nn} \right\rangle \to T_{\mathbf{q}}^{eff} = [ \tau_{eff}^{-1} - B_{\mathbf{q}} ]^{-1} </math> として、 :<math> D(E) - D_0(E) = - {2 \over {\pi} } \mathrm{Im Tr} \left[x \left\langle T_{00} \right\rangle_{0 = A} {d \tau_A^{-1} \over {dE} } + y \left\langle T_{00} \right\rangle_{0 = B} {d \tau_B^{-1} \over {dE} } - {1 \over N} \sum_{\mathbf{q}} T_{\mathbf{q}}^{eff} {d B_{\mathbf{q}} \over {dE} } \right] </math> となる。これが不規則二元合金の状態密度を与える基本式となる。尚、B<sub>'''q'''</sub>は構造定数(<math> \, B_{{n_1}n} </math>)をフーリエ変換したものである。 ==関連記事== *[[Averaged_t-matrix_Approximation|ATA]] *[[コヒーレントポテンシャル近似|CPA]] *[[第一原理バンド計算]] {{DEFAULTSORT:たんさいときんし}} [[Category:固体物理学]]
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2021-02-28T10:12:33Z
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Z旗
Z旗(ゼットき)、Z信号旗(ゼットしんごうき)は、船同士の意思疎通のために用いる国際信号旗の1つ。 国際信号旗はアルファベット文字旗(26種)、数字旗(10種)、代表旗(3種)、回答旗(1種)の計40種。この中でZ旗はアルファベットの"Z"の文字を示す信号として用いられる他、単独で「私は引き船が欲しい」、漁場では「私は投網中である」の意を示す信号としても用いる。日本では、旗に付けられた意味に因み(意味は後述)、スポーツ競技の応援や、選挙・受験など、負けられない勝負に挑む時、「勝利」を祈願して用いられる場合もある。 国際的にはZ旗は前節の意味しか有していない。しかし、Z旗は海戦史において特別な意味を持つ旗としても広く世界に認知されている。 日露戦争時の1905年5月27日-28日にかけて行われた日本海海戦の際、連合艦隊司令長官の東郷平八郎は、トラファルガー海戦の信号文「英国は各員がその義務を尽くすことを期待する」に倣い、「皇國ノ興廢此ノ一戰ニ在リ、各員一層奮勵努力セヨ」という意味を持たせたZ旗を旗艦「三笠」のマストに掲揚した。日本海海戦の逸話以降、日本海軍ではZ旗は特別な意味を持つこととなり、太平洋戦争(大東亜戦争)中の日本海軍では、大規模な海戦の際には旗艦のマストにZ旗を掲揚することが慣例化した。真珠湾攻撃での空母「赤城」では、Z旗を直接掲揚せず、DG旗(D→Gの順で並べて掲揚)をZ旗の代わりとして(DG旗はZ旗と同意味で用いられる)掲揚した。また、太平洋戦争末期の第二五二海軍航空隊攻撃第3飛行隊は、艦上爆撃機「彗星」の垂直尾翼にマーキングとして使用したことで知られる。 なお東郷が戦闘前に檄を飛ばす信号を出したのは日本海海戦が初めてではなく、旅順口攻撃の劈頭ではより簡潔な「勝敗の決此の一戦に在り各員努力せよ」という信号を出しているが、どの旗を使ったかは不明である。 戦後に設立した海上自衛隊ではZ旗を掲揚する慣例は絶えていたが、2011年10月27日-11月4日に沖縄県南東海域で行われた日米合同軍事訓練において護衛艦「ちょうかい」のマストに掲揚された。このZ旗は「ちょうかい」に常備されていたものではなく、以前の日本海海戦記念式典でクルーが手作りで作成し、イベントで使用していたもの。後日行われた訓練の最終日にフォトエキササイズで戦闘旗を掲げるように日本側指揮官から命令が下ったが、その時「ちょうかい」は戦闘旗に使える大型の旭日旗がたまたま手許になく、それに代わる旗として掲揚された。作戦中の護衛艦にZ旗が掲揚されるのは戦後初めてであった。 1960年代中期、当時のアメリカ日産の社長片山豊が企画提案したのがきっかけで開発が始まったスポーツカー「開発コード "Z"」。「儲からないスポーツカー開発には力を入れない」という日産の経営方針のため、デザインチーフの松尾良彦をはじめとしたスポーツカー開発陣は冷遇されていた。そんな、スタッフに宛てアメリカ日産の片山は、『頑張れ!』という一言だけのメッセージとともに「Z旗」を贈呈した。これが「フェアレディZ」の由来となった。 長崎県の大島造船所では、円高への危機感を背景に、Z旗を掲げることで自社の従業員らを鼓舞し、危機意識を高めたという。 CADメーカーの図研では、社名の「図」や「Z」のイメージを持たせ、Z旗をかけあわせたコーポレートマークを制定している(Z旗で赤色の部分も青色となっている)。 1980年代に大相撲の本場所の取組で水交社という会社(水交会のビジネス部門)が懸賞を出した際、土俵を回るときに使用される懸賞幕の一部にZ旗が使われた。取組表の案内や場内アナウンスは「劇画東郷平八郎伝の株式会社水交社」だった。 1912年の第一次バルカン戦争におけるエリの海戦において、ギリシャ海軍の装甲巡洋艦イェロギオフ・アヴェロフが"単独行動"の合図としてZ旗を掲げて艦隊から分離。オスマントルコ艦隊に単艦突撃を行い勝利に貢献した。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "Z旗(ゼットき)、Z信号旗(ゼットしんごうき)は、船同士の意思疎通のために用いる国際信号旗の1つ。", "title": null }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "国際信号旗はアルファベット文字旗(26種)、数字旗(10種)、代表旗(3種)、回答旗(1種)の計40種。この中でZ旗はアルファベットの\"Z\"の文字を示す信号として用いられる他、単独で「私は引き船が欲しい」、漁場では「私は投網中である」の意を示す信号としても用いる。日本では、旗に付けられた意味に因み(意味は後述)、スポーツ競技の応援や、選挙・受験など、負けられない勝負に挑む時、「勝利」を祈願して用いられる場合もある。", "title": null }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "国際的にはZ旗は前節の意味しか有していない。しかし、Z旗は海戦史において特別な意味を持つ旗としても広く世界に認知されている。", "title": "日本海軍における使用" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "日露戦争時の1905年5月27日-28日にかけて行われた日本海海戦の際、連合艦隊司令長官の東郷平八郎は、トラファルガー海戦の信号文「英国は各員がその義務を尽くすことを期待する」に倣い、「皇國ノ興廢此ノ一戰ニ在リ、各員一層奮勵努力セヨ」という意味を持たせたZ旗を旗艦「三笠」のマストに掲揚した。日本海海戦の逸話以降、日本海軍ではZ旗は特別な意味を持つこととなり、太平洋戦争(大東亜戦争)中の日本海軍では、大規模な海戦の際には旗艦のマストにZ旗を掲揚することが慣例化した。真珠湾攻撃での空母「赤城」では、Z旗を直接掲揚せず、DG旗(D→Gの順で並べて掲揚)をZ旗の代わりとして(DG旗はZ旗と同意味で用いられる)掲揚した。また、太平洋戦争末期の第二五二海軍航空隊攻撃第3飛行隊は、艦上爆撃機「彗星」の垂直尾翼にマーキングとして使用したことで知られる。", "title": "日本海軍における使用" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "なお東郷が戦闘前に檄を飛ばす信号を出したのは日本海海戦が初めてではなく、旅順口攻撃の劈頭ではより簡潔な「勝敗の決此の一戦に在り各員努力せよ」という信号を出しているが、どの旗を使ったかは不明である。", "title": "日本海軍における使用" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "戦後に設立した海上自衛隊ではZ旗を掲揚する慣例は絶えていたが、2011年10月27日-11月4日に沖縄県南東海域で行われた日米合同軍事訓練において護衛艦「ちょうかい」のマストに掲揚された。このZ旗は「ちょうかい」に常備されていたものではなく、以前の日本海海戦記念式典でクルーが手作りで作成し、イベントで使用していたもの。後日行われた訓練の最終日にフォトエキササイズで戦闘旗を掲げるように日本側指揮官から命令が下ったが、その時「ちょうかい」は戦闘旗に使える大型の旭日旗がたまたま手許になく、それに代わる旗として掲揚された。作戦中の護衛艦にZ旗が掲揚されるのは戦後初めてであった。", "title": "自衛隊における使用" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "1960年代中期、当時のアメリカ日産の社長片山豊が企画提案したのがきっかけで開発が始まったスポーツカー「開発コード \"Z\"」。「儲からないスポーツカー開発には力を入れない」という日産の経営方針のため、デザインチーフの松尾良彦をはじめとしたスポーツカー開発陣は冷遇されていた。そんな、スタッフに宛てアメリカ日産の片山は、『頑張れ!』という一言だけのメッセージとともに「Z旗」を贈呈した。これが「フェアレディZ」の由来となった。", "title": "企業での使用例" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "長崎県の大島造船所では、円高への危機感を背景に、Z旗を掲げることで自社の従業員らを鼓舞し、危機意識を高めたという。", "title": "企業での使用例" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "CADメーカーの図研では、社名の「図」や「Z」のイメージを持たせ、Z旗をかけあわせたコーポレートマークを制定している(Z旗で赤色の部分も青色となっている)。", "title": "企業での使用例" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "1980年代に大相撲の本場所の取組で水交社という会社(水交会のビジネス部門)が懸賞を出した際、土俵を回るときに使用される懸賞幕の一部にZ旗が使われた。取組表の案内や場内アナウンスは「劇画東郷平八郎伝の株式会社水交社」だった。", "title": "企業での使用例" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "1912年の第一次バルカン戦争におけるエリの海戦において、ギリシャ海軍の装甲巡洋艦イェロギオフ・アヴェロフが\"単独行動\"の合図としてZ旗を掲げて艦隊から分離。オスマントルコ艦隊に単艦突撃を行い勝利に貢献した。", "title": "ギリシャにおける使用" } ]
Z旗(ゼットき)、Z信号旗(ゼットしんごうき)は、船同士の意思疎通のために用いる国際信号旗の1つ。 国際信号旗はアルファベット文字旗(26種)、数字旗(10種)、代表旗(3種)、回答旗(1種)の計40種。この中でZ旗はアルファベットの"Z"の文字を示す信号として用いられる他、単独で「私は引き船が欲しい」、漁場では「私は投網中である」の意を示す信号としても用いる。日本では、旗に付けられた意味に因み(意味は後述)、スポーツ競技の応援や、選挙・受験など、負けられない勝負に挑む時、「勝利」を祈願して用いられる場合もある。
{{Otheruses|国際信号旗|[[バンド (音楽)|バンド]]|Z旗 (バンド)|}} {{出典の明記|date=2018年1月}} [[画像:Zulu flag.svg|thumb|Z旗]] '''Z旗'''(ゼットき)、'''Z信号旗'''(ゼットしんごうき)は、[[船]]同士の意思疎通のために用いる[[国際信号旗]]の1つ。 国際信号旗はアルファベット文字旗(26種)、数字旗(10種)、代表旗(3種)、回答旗(1種)の計40種<ref name="nh">{{Cite web|和書|url=https://www.meiwakaiun.com/meiwaplus/tips/tips-vol50/|title=国際信号旗について|accessdate=2023年3月9日|publisher=明和海運株式会社}}</ref>。この中でZ旗は[[アルファベット]]の"Z"の文字を示す信号として用いられる他、単独で「私は[[タグボート|引き船]]が欲しい」、漁場では「私は投網中である」の意を示す信号としても用いる<ref name="Z_flag">{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20180804-MA55RGTH6NMENJANDDZQC2RH2M/|title=【昭和天皇の87年】世界が驚嘆した東郷ターン 「決戦は三十分で片が付いた」|publisher=[[産経新聞]]|accessdate=2021-04-06|}}</ref>。[[日本]]では、[[旗]]に付けられた意味に因み(意味は後述)、スポーツ競技の応援や、選挙・受験など、負けられない勝負に挑む時、「勝利」を祈願して用いられる場合もある<ref name="jb">{{Cite web|和書|url=https://sakakumo.com/blog/zflag/|title=Z旗|accessdate=2023年3月9日|publisher=坂の上の雲ノロジ-}}</ref>。 == 日本海軍における使用 == [[Image:Mikasa-Bridge-Painting-by-Tojo-Shotaro.png|thumb|250px|[[日本海海戦]](1905)。画像は連合艦隊旗艦[[三笠 (戦艦)|三笠]]]] [[ファイル:Akagi Pearl Harbor Second Wave.jpg|サムネイル|真珠湾攻撃に際して信号旗を掲げる空母赤城]] 国際的にはZ旗は前節の意味しか有していない。しかし、Z旗は[[海戦]]史において特別な意味を持つ[[旗]]としても広く世界に認知されている。 [[日露戦争]]時の[[1905年]][[5月27日]]-[[5月28日|28日]]にかけて行われた[[日本海海戦]]の際、[[連合艦隊司令長官]]の[[東郷平八郎]]は、[[トラファルガーの海戦|トラファルガー海戦]]の信号文「[[英国は各員がその義務を尽くすことを期待する]]」に倣い、「'''[[皇国|皇國]]ノ興廢此ノ一戰ニ在リ、各員一層奮勵努力セヨ'''」という意味を持たせたZ旗を[[旗艦]]「[[三笠 (戦艦)|三笠]]」の[[マスト]]に掲揚した<ref name="Z_flag"/>。日本海海戦の逸話以降、[[大日本帝国海軍|日本海軍]]ではZ旗は特別な意味を持つこととなり、[[太平洋戦争]]([[大東亜戦争]])中の日本海軍では、大規模な海戦の際には旗艦のマストにZ旗を掲揚することが慣例化した<ref name="Z_flag"/>。[[真珠湾攻撃]]での[[航空母艦|空母]]「[[赤城 (空母)|赤城]]」では、Z旗を直接掲揚せず、DG旗(D→Gの順で並べて掲揚)をZ旗の代わりとして(DG旗はZ旗と同意味で用いられる)掲揚した。また、太平洋戦争末期の[[第二五二海軍航空隊]]攻撃第3飛行隊は、[[艦上爆撃機]]「[[彗星 (航空機)|彗星]]」の[[垂直尾翼]]にマーキングとして使用したことで知られる。 なお東郷が戦闘前に檄を飛ばす信号を出したのは日本海海戦が初めてではなく、[[旅順口攻撃]]の劈頭ではより簡潔な「勝敗の決此の一戦に在り各員努力せよ」という信号を出しているが、どの旗を使ったかは不明である。 == 自衛隊における使用 == 戦後に設立した[[海上自衛隊]]ではZ旗を掲揚する慣例は絶えていたが、[[2011年]][[10月27日]]-[[11月4日]]に[[沖縄県]]南東海域で行われた日米合同軍事訓練において[[護衛艦]]「[[ちょうかい (護衛艦)|ちょうかい]]」の[[マスト]]に掲揚された。このZ旗は「ちょうかい」に常備されていたものではなく、以前の日本海海戦記念式典でクルーが手作りで作成し、イベントで使用していたもの<ref name="MIGHTY FLEET">宮嶋茂樹 「MIGHTY FLEET 精強なる日本艦隊」 講談社、2012年、148頁。ISBN 978-4062180764</ref>。後日行われた訓練の最終日にフォトエキササイズで[[戦闘旗]]を掲げるように[[日本]]側[[指揮官]]から命令が下ったが、その時「ちょうかい」は戦闘旗に使える大型の[[旭日旗]]がたまたま手許になく、それに代わる[[旗]]として掲揚された。作戦中の護衛艦にZ旗が掲揚されるのは戦後初めてであった<ref name="MIGHTY FLEET"></ref>。 == 企業での使用例 == === ダットサンZ / フェアレディZにおける逸話 === [[1960年代]]中期、当時のアメリカ[[日産自動車|日産]]の[[社長]][[片山豊]]が企画提案したのがきっかけで開発が始まった[[スポーツカー]]「開発コード "Z"」。「儲からないスポーツカー開発には力を入れない」という日産の経営方針のため、デザインチーフの松尾良彦をはじめとしたスポーツカー開発陣は冷遇されていた。そんな、スタッフに宛てアメリカ日産の片山は、『頑張れ!』という一言だけのメッセージとともに「Z旗」を贈呈した。これが「[[日産・フェアレディZ|フェアレディZ]]」の由来となった<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.excite.co.jp/news/article/Trafficnews_72338/?p=2|title=日産「フェアレディZ」(初代) 優雅でコワモテ? 「淑女」はなぜ「Z」をともなうのか|publisher=exciteニュース|accessdate=2020-03-17|}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=http://www.abchobby.com/JP/page/rc/gene/gene_24017.html|title="プロジェクト・Z" フェアレディZを創った男達|publisher=ABC HOBBY.com|accessdate=2020-09-02|}}</ref>。 === 船舶業における使用 === [[長崎県]]の[[大島造船所]]では、[[円相場|円高]]への危機感を背景に、Z旗を掲げることで自社の[[社員|従業員]]らを鼓舞し、危機意識を高めたという<ref>「会社案内」『[http://www.osy.co.jp/overview.html 株式会社大島造船所/会社案内]』[[大島造船所]]</ref>。 === コーポレートマーク === [[CAD]]メーカーの[[図研]]では、社名の「図」や「Z」のイメージを持たせ、Z旗をかけあわせたコーポレートマークを制定している<ref>[http://www.zuken.co.jp/company/philosophy.php コーポレートフィロソフィ] 図研、2013年8月10日閲覧</ref>(Z旗で赤色の部分も青色となっている)。 === 懸賞幕 === 1980年代に[[大相撲]]の[[本場所]]の[[取組]]で水交社という会社([[水交会]]のビジネス部門)が[[懸賞 (相撲)|懸賞]]を出した際、[[土俵]]を回るときに使用される懸賞幕の一部にZ旗が使われた。取組表の案内や場内アナウンスは「劇画東郷平八郎伝の株式会社水交社」だった。 == ギリシャにおける使用 == {{Main|{{仮リンク|エリの海戦|en|Naval Battle of Elli}}}} [[ファイル:Elli naval battle by Vasiileios Chatzis.jpg|サムネイル|エリの海戦においてZ旗を掲げてオスマントルコ艦隊に突撃する装甲巡洋艦イェロギオフ・アヴェロフ]] 1912年の[[第一次バルカン戦争]]における[[エリの海戦]]において、[[ギリシャ海軍]]の装甲巡洋艦[[イェロギオフ・アヴェロフ (装甲巡洋艦)|イェロギオフ・アヴェロフ]]が"単独行動"の合図としてZ旗を掲げて艦隊から分離。オスマントルコ艦隊に単艦突撃を行い勝利に貢献した。 == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} == 関連項目 == {{Commons|Nautical Signal Flags}} *[[国際信号旗]] *[[戦闘旗]] *[[旭日旗]] - Z旗と同様、「勝利の祈願」に使用されている[[旗]]。 *[[Z (軍隊符号)]] - 2022年2月24日に始まった特別軍事作戦において、ロシア軍が使用。 {{デフォルトソート:せつとき}} [[Category:旗]] [[Category:水運]] [[Category:日露戦争]]
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命令
命令(めいれい)とは、一般に上位の者が下位の者に何らかの行動ないし禁止を命じること。 行政庁が定める法令・法規の一種としての命令(行政立法) 行政庁が行う処分(行政処分)の一種 公務員が職務に関して上司から部下に下す「職務上の命令」
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "命令(めいれい)とは、一般に上位の者が下位の者に何らかの行動ないし禁止を命じること。", "title": null }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "行政庁が定める法令・法規の一種としての命令(行政立法)", "title": "行政" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "行政庁が行う処分(行政処分)の一種", "title": "行政" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "公務員が職務に関して上司から部下に下す「職務上の命令」", "title": "行政" } ]
命令(めいれい)とは、一般に上位の者が下位の者に何らかの行動ないし禁止を命じること。
'''命令'''(めいれい)とは、一般に上位の者が下位の者に何らかの[[行動]]ないし[[禁止]]を命じること。 == 行政 == [[行政庁]]が定める[[法令]]・[[法規]]の一種としての命令([[行政立法]]) * [[命令 (法規)]] - [[日本法]]を中心とする総論 * [[命令 (フランス法)]] - [[フランス法]]における「命令(règlement)」 * [[行政委任立法]] - [[英国法|イギリス法]]など[[コモン・ロー]]([[英米法]])「命令(Statutory Instrument)」 [[行政庁]]が行う[[処分]]([[行政行為|行政処分]])の一種 * [[行政行為]]の内の「命令的行為」 * [[業務改善命令]]など [[公務員]]が職務に関して[[上司]]から部下に下す「職務上の命令」 * [[地方公務員#職務上の命令]]など == 司法 == * [[裁判#裁判の形式]] - [[裁判]]の形式の一種である「命令」 == 軍事 == * [[指揮 (軍事)]] - [[軍事]]において[[指揮官]]が部下に発する命令 == コンピューター == * [[命令 (コンピュータ)]] - [[コンピュータ]]において[[CPU]]が処理する操作 * [[コマンド (コンピュータ)]] - ユーザーが入力するシステムへの指示 == ビジネス == * [[業務]]命令 - [[企業]]内で[[上司]]が[[部下]]に対して課す[[業務]]上の[[行動]]や[[禁止]]事項 == 関連項目 == {{wiktionary}} * [[コマンド]] * [[メイレイ]](Melee) - アメリカのロックバンド *[[指令]] *{{prefix}} *{{intitle}} {{aimai}} {{デフォルトソート:めいれい}}
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13,057
アガメムノーン
アガメムノーン(古代ギリシア語: Ἀγαμέμνων, Agamemnōn)は、ギリシア神話の英雄である。トロイア遠征軍の総帥。長母音を省略してアガメムノンとも表記される。 アガメムノーンはミュケーナイの王であり、トロイア戦争におけるギリシア軍の総大将である。父はアトレウス。弟にメネラーオス。妻にクリュタイムネーストラー。息子にオレステース。娘にイーピゲネイアおよびエーレクトラー。 父の死後にミュケーナイ王となり、全ギリシアをまとめあげた。アガメムノーンはギリシア方の王たちを率いて戦ったためローマの時代には「王の中の王」と呼ばれ、皇帝の比喩とみなされていた。しかしその偉業以上に傲慢で非情、所有欲の強い男であったといわれる。絶世の美女とされるヘレネーの双子の異父姉であるクリュタイムネーストラーを、夫でありいとこのタンタロスを殺して奪った。彼女との間に3人の子供をもうけた。 弟メネラーオス(スパルタ王)の妻ヘレネーが、小アジアに位置するトロイアの王子パリスに連れ去られたことへの怒り、及び掟を破り他者の妻を奪ったパリスへの報復のため、全ギリシアから志願者を募ってトロイアに戦争を仕掛けることになる。出征時に逆風が吹いたため船出ができなくなると、娘イーピゲネイアを女神アルテミスに生贄として捧げれば解決するとの予言をうけ、苦悩の果てに娘を殺害してトロイアへ向かった。この非情の決断はクリュタイムネーストラーの憎悪を買ったのみならず、イーピゲネイアを呼び寄せる口実にアキレウスとの見合いを使ったことから彼との関係も悪化してしまった。 『イーリアス』第一歌ではアキレウスと衝突し、陣営に危機を作る。 戦勝後、トロイア王女カッサンドラーを己の愛妾として帰還するが、イーピゲネイアの死を遺恨に思う妻クリュタイムネーストラーとその情夫アイギストスに暗殺される。この神話は悲劇作家アイスキュロスのオレステイア三部作の一つ『アガメムノーン』の題材になっている。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "アガメムノーン(古代ギリシア語: Ἀγαμέμνων, Agamemnōn)は、ギリシア神話の英雄である。トロイア遠征軍の総帥。長母音を省略してアガメムノンとも表記される。", "title": null }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "アガメムノーンはミュケーナイの王であり、トロイア戦争におけるギリシア軍の総大将である。父はアトレウス。弟にメネラーオス。妻にクリュタイムネーストラー。息子にオレステース。娘にイーピゲネイアおよびエーレクトラー。", "title": null }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "父の死後にミュケーナイ王となり、全ギリシアをまとめあげた。アガメムノーンはギリシア方の王たちを率いて戦ったためローマの時代には「王の中の王」と呼ばれ、皇帝の比喩とみなされていた。しかしその偉業以上に傲慢で非情、所有欲の強い男であったといわれる。絶世の美女とされるヘレネーの双子の異父姉であるクリュタイムネーストラーを、夫でありいとこのタンタロスを殺して奪った。彼女との間に3人の子供をもうけた。", "title": "人物" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "弟メネラーオス(スパルタ王)の妻ヘレネーが、小アジアに位置するトロイアの王子パリスに連れ去られたことへの怒り、及び掟を破り他者の妻を奪ったパリスへの報復のため、全ギリシアから志願者を募ってトロイアに戦争を仕掛けることになる。出征時に逆風が吹いたため船出ができなくなると、娘イーピゲネイアを女神アルテミスに生贄として捧げれば解決するとの予言をうけ、苦悩の果てに娘を殺害してトロイアへ向かった。この非情の決断はクリュタイムネーストラーの憎悪を買ったのみならず、イーピゲネイアを呼び寄せる口実にアキレウスとの見合いを使ったことから彼との関係も悪化してしまった。", "title": "人物" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "『イーリアス』第一歌ではアキレウスと衝突し、陣営に危機を作る。", "title": "人物" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "戦勝後、トロイア王女カッサンドラーを己の愛妾として帰還するが、イーピゲネイアの死を遺恨に思う妻クリュタイムネーストラーとその情夫アイギストスに暗殺される。この神話は悲劇作家アイスキュロスのオレステイア三部作の一つ『アガメムノーン』の題材になっている。", "title": "人物" } ]
アガメムノーンは、ギリシア神話の英雄である。トロイア遠征軍の総帥。長母音を省略してアガメムノンとも表記される。 アガメムノーンはミュケーナイの王であり、トロイア戦争におけるギリシア軍の総大将である。父はアトレウス。弟にメネラーオス。妻にクリュタイムネーストラー。息子にオレステース。娘にイーピゲネイアおよびエーレクトラー。
{{redirect|アガメムノン|その他の「アガメムノン」|アガメムノン (曖昧さ回避)}} [[画像:MaskeAgamemnon.JPG|thumb|[[アガメムノンのマスク|アガメムノーンの黄金の仮面]]。実際にはアガメムノーンの時代より3世紀も昔のものだった]] [[画像:The Return Of Agamemnon - Project Gutenberg eText 14994.png|thumb|アガメムノーンの帰還]] [[画像:The Murder Of Agamemnon - Project Gutenberg eText 14994.png|thumb|アガメムノーンの死]] '''アガメムノーン'''({{lang-grc|Ἀγαμέμνων}}, {{ラテン翻字|el|Agamemnōn}})は、[[ギリシア神話]]の[[英雄]]である。[[トロイア]]遠征軍の総帥。[[長母音]]を省略して'''アガメムノン'''とも表記される。 アガメムノーンは[[ミケーネ|ミュケーナイ]]の王であり、[[トロイア戦争]]における[[ギリシャ|ギリシア]]軍の総大将である。父は[[アトレウス]]。弟に[[メネラーオス]]。妻に[[クリュタイムネーストラー]]。息子に[[オレステース]]。娘に[[イーピゲネイア]]および[[エーレクトラー#アガメムノーンの娘|エーレクトラー]]。 ==人物== 父の死後にミュケーナイ王となり、全ギリシアをまとめあげた。アガメムノーンはギリシア方の王たちを率いて戦ったため[[ローマ]]の時代には「王の中の王」と呼ばれ、皇帝の比喩とみなされていた。しかしその偉業以上に傲慢で非情、所有欲の強い男であったといわれる。絶世の美女とされる[[ヘレネー]]の[[双生児|双子]]の異父姉であるクリュタイムネーストラーを、夫でありいとこの[[タンタロス]]を殺して奪った。彼女との間に3人の子供をもうけた。 弟メネラーオス([[スパルタ]]王)の妻ヘレネーが、[[アナトリア半島|小アジア]]に位置する[[イリオス|トロイア]]の王子[[パリス]]に連れ去られたことへの怒り、及び掟を破り他者の妻を奪ったパリスへの報復のため、全ギリシアから志願者を募ってトロイアに戦争を仕掛けることになる。出征時に逆風が吹いたため船出ができなくなると、娘イーピゲネイアを女神[[アルテミス]]に[[生贄]]として捧げれば解決するとの[[予言]]をうけ、苦悩の果てに娘を殺害してトロイアへ向かった。この非情の決断はクリュタイムネーストラーの憎悪を買ったのみならず、イーピゲネイアを呼び寄せる口実に[[アキレウス]]との見合いを使ったことから彼との関係も悪化してしまった。 『[[イーリアス]]』第一歌では[[アキレウス]]と衝突し、陣営に危機を作る。 戦勝後、トロイア王女[[カッサンドラー]]を己の愛妾として帰還するが、イーピゲネイアの死を遺恨に思う妻クリュタイムネーストラーとその情夫[[アイギストス]]に暗殺される。この神話は悲劇作家[[アイスキュロス]]の[[オレステイア]]三部作の一つ『[[アガメムノーン (アイスキュロス)|アガメムノーン]]』の題材になっている。 == 備考 == * [[小惑星]][[アガメムノン (小惑星)|アガメムノン]]はアガメムノーンにちなんで名付けられた。 == 系図 == {{アガメムノーンの系図}} == 脚注 == <references/> ==関連項目== *[[パリスの審判]] *[[ハインリヒ・シュリーマン]] - [[ミケーネ]]で[[アガメムノンのマスク|黄金のマスク]]を発掘。息子にアガメムノンと名付けた。 *[[アガメムノン (小惑星)]] {{イーリアスの登場人物}} {{オデュッセイアの登場人物}} {{Normdaten}} {{DEFAULTSORT:あかめむのん}} [[Category:ギリシア神話の人物]] [[Category:イーリアスの登場人物]] [[Category:オデュッセイアの登場人物]]
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徳川御三家
徳川御三家(とくがわごさんけ)は、江戸時代において徳川氏のうち宗家たる将軍家に次ぐ家格を持ち、徳川の名字を称することを認められていた3つの分家。単に御三家(ごさんけ)、三家(さんけ)とも呼ばれる。一般的には、江戸幕府初代将軍徳川家康の男子をそれぞれ始祖とする尾張徳川家(尾張家)、紀伊徳川家(紀伊家)、水戸徳川家(水戸家)を指すことが多い。ただし、当初からこの3つの家が明瞭に「御三家」として扱われていたわけではない(後述)。 御三家はいずれも江戸幕府初代将軍徳川家康の男子を始祖とし、家康の血を引く親藩(一門)の最高位にあり、将軍家や御三卿とともに徳川姓を名乗ることや三つ葉葵の家紋使用が許された別格の大名家であった。将軍家を補佐する役目にあったとも言われているが、制度・役職として定められたものではない。なお、室町幕府においても「御一家」と称された吉良氏・石橋氏・渋川氏の3氏は、具体的な職掌はないものの足利将軍家の後嗣が絶えた時に継承する権利を有しており、御三家はこれを参考にして設けられたとする見方もある。 「将軍家に後嗣が絶えた時は、尾張家か紀伊家から養子を出す」ことになっており、実際に7代将軍家継が8歳で死去して宗家が断絶した際、8代将軍として紀伊家から吉宗が養子に迎えられ、以降14代将軍家茂までは紀伊家の血筋である。尾張家は3代藩主綱誠が3代将軍家光の外孫だったこともあり、綱誠の嫡男である4代藩主吉通が6代将軍家宣の後継になりかけたものの、新井白石らの反対にあい、尾張家の家訓通り将軍位を争わず吉通自身が身を引き、幼い家継が7代将軍となった。後年には御三卿の一橋家の血統が将軍となったため、尾張家は結果的に将軍を輩出する機会を失った。 水戸家は頼房が駿河家断絶後の1636年(寛永13年)に徳川氏を称するのを許可されるまで、名字が定まっていなかった。そうした経緯もあって他の2家より位階・官職が低位であったが、朝廷に対して次期将軍家の奏聞をし、また江戸常住(定府)であることなどから、5代将軍綱吉のころから他の2家と共に「御三家」と呼ばれるようになった。なお、水戸家からは最後の15代将軍慶喜が御三卿の一橋家へ養子に入った後に将軍家を継承することになったが、あくまでも一橋家からの将軍継承であり水戸家からではない。慶喜は女系ながら秀忠の血も引いている。 幕末期に御三家の各家は様々な政治的立場をとることとなったが、いずれの家も朝敵扱いとなることはなかった。明治政府で作成された叙爵内規では、「徳川旧御三家」は特に侯爵相当とされ、華族に対する叙爵の時点でもその扱いは別格とされていた。 江戸時代初期には、将軍家・尾張家・紀伊家の総称として「御三家」を用いることもあった。また尾張家と紀伊家に駿河家(徳川秀忠の三男忠長1代に終わった)を加えた3つの大納言家(水戸家は中納言家)を指して「御三家」とした時期もあり、その頃の水戸家は尾張・紀伊両家に較べてやや家格が劣ると見られていた。また将軍家の分家としては、上記3家および駿河家以外にも、3代将軍家光の子を分封した甲府家(徳川綱重・綱豊の2代、松平左馬頭家)および館林家(徳川綱吉、松平右馬頭家)が、石高・家格ともに匹敵する家(御両典)として存在した。しかし、駿河忠長が改易され(後に自害)、館林綱吉が5代将軍に、続いて甲府綱豊が6代将軍(家宣と改名)に就いて将軍家を継ぎ、これらの徳川家が消滅したため、結果的に水戸家が格上げされて尾張・紀伊・水戸の3つの徳川家を「御三家」と呼ぶことが定着したようである。 なお、将軍家から直接の分家で高い家格を有したものには、家康次男(秀忠の兄)の結城秀康を祖とする越前松平家や、秀忠の子(家光の弟)保科正之を祖とする会津松平家などもあり、それらは御家門と呼ばれたが、徳川姓の使用は許されなかった。 名古屋藩は、江戸から上方に向かう東海道(江戸時代初期に五街道の東海道に再編)および東山道(江戸時代初期に五街道の中山道に再編)が通る地に位置した。和歌山藩は、上方と江戸との間を太平洋経由で行き交う菱垣廻船などが通過する紀淡海峡に面する地に位置した。水戸藩は、江戸から陸奥国方面に向かう東海道(江戸時代初期に水戸街道・岩城街道などに再編)の途上に位置した。 御三家の当主の官位は、尾張・紀伊両家は従二位権大納言を極官とし、水戸家は正三位権中納言を極官とした。世子は従四位下に叙任されるのが通例であり、近衛少将や常陸介(紀伊家)等を初官とした。 江戸城における伺候席は最上級の大廊下で、他には親藩、加賀藩前田氏などが伺候した。また、御三家当主の正室は、特に御簾中と称された。 御三家の家臣は、基本的に将軍家と同様に、三河以来の譜代の家臣を祖とする者が多かった。その中でも御三家の国家老である御附家老は藩政目付役の重責を負って幕府から派遣された将軍直参の扱いで、大名の家臣が通常陪臣扱いだったのとは一線を画した。例えば、御三家の重臣は、陪臣には本来許可されないはずの叙爵が特別に認められ、大名や大身旗本と同じく諸大夫に叙されていた。御附家老はいずれも数万石を知行していたので、明治維新時に立藩して諸侯に列した。 また、将軍家の血筋の予備としての性格上、御三家自身も無嗣断絶による改易を避けるべく、各家とも血統保持策として御連枝と呼ばれる分家(支藩)を持った。尾張家御連枝の高須松平家は4代、紀伊家御連枝の西条松平家は3代、水戸家御連枝の高松松平家は2代の御三家当主を出した。たとえば、紀伊家当主だった吉宗が8代将軍に就任した際、西条松平家から頼致(徳川宗直と改名)が紀伊家に入り当主を継いでいる。幕末の尾張家当主慶勝も高須松平家から養子に入っている。 しかし時代が下ると、尾張家と紀伊家では御連枝による当主継承も断絶し、財政の貧窮や御附家老による運動で、御三卿を含む吉宗以降の将軍血統より当主の継承がなされるとともに、幕府への依存度が高まる一方で幕府財政を圧迫した。
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徳川御三家(とくがわごさんけ)は、江戸時代において徳川氏のうち宗家たる将軍家に次ぐ家格を持ち、徳川の名字を称することを認められていた3つの分家。単に御三家(ごさんけ)、三家(さんけ)とも呼ばれる。一般的には、江戸幕府初代将軍徳川家康の男子をそれぞれ始祖とする尾張徳川家(尾張家)、紀伊徳川家(紀伊家)、水戸徳川家(水戸家)を指すことが多い。ただし、当初からこの3つの家が明瞭に「御三家」として扱われていたわけではない(後述)。
'''徳川御三家'''(とくがわごさんけ)は、[[江戸時代]]において[[徳川氏]]のうち宗家たる[[徳川宗家|将軍家]]に次ぐ[[家格]]を持ち、徳川の名字を称することを認められていた3つの分家。単に'''御三家'''(ごさんけ)、'''三家'''(さんけ)とも呼ばれる。一般的には、[[江戸幕府]]初代[[征夷大将軍|将軍]][[徳川家康]]の男子をそれぞれ始祖とする[[尾張徳川家]](尾張家)、[[紀州徳川家|紀伊徳川家]](紀伊家)、[[水戸徳川家]](水戸家)を指すことが多い。ただし、当初からこの3つの家が明瞭に「御三家」として扱われていたわけではない([[#「御三家」概念の成立経緯|後述]])。 == 概要 == 御三家はいずれも[[江戸幕府]]初代[[征夷大将軍|将軍]][[徳川家康]]の男子を始祖とし、家康の血を引く[[親藩]](一門)の最高位にあり、将軍家や[[御三卿]]<ref group="注釈">御三卿([[田安徳川家|田安家]]・[[一橋徳川家|一橋家]]・[[清水徳川家|清水家]])は江戸時代中期に創設され、格式は御三家に準じた。御三家と共に将軍家の嗣子を出す役目を担ったが、実質的には将軍家における[[部屋住み]]として扱われ、家によって当主不在(明屋敷)の時期が続くこともあった。</ref>とともに徳川姓を名乗ることや[[三つ葉葵]]の家紋使用が許された別格の[[近世大名|大名家]]であった。将軍家を補佐する役目にあったとも言われているが、制度・役職として定められたものではない。なお、[[室町幕府]]においても「[[御一家]]」と称された[[吉良氏]]・[[石橋氏]]・[[渋川氏]]の3氏は、具体的な職掌はないものの[[足利将軍家]]の後嗣が絶えた時に継承する権利を有しており、御三家はこれを参考にして設けられたとする見方もある<ref>佐藤編 (2012)</ref>。 「将軍家に後嗣が絶えた時は、尾張家か紀伊家から養子を出す」ことになっており、実際に7代将軍[[徳川家継|家継]]が8歳で死去して宗家が断絶した際、8代将軍として紀伊家から[[徳川吉宗|吉宗]]が養子に迎えられ、以降14代将軍[[徳川家茂|家茂]]までは紀伊家の血筋である<ref group="注釈">特に11代[[徳川家斉|家斉]]は多子で、御三家など諸大名家に男子を養子へ出した。14代家茂の実父、養父ともに家斉の息子である。</ref>。尾張家は3代藩主[[徳川綱誠|綱誠]]が3代将軍[[徳川家光|家光]]の外孫だったこともあり<ref group="注釈">綱誠の母は家光の長女[[霊仙院|千代姫]]。</ref>、綱誠の嫡男である4代藩主[[徳川吉通|吉通]]が6代将軍[[徳川家宣|家宣]]の後継になりかけたものの、[[新井白石]]らの反対にあい、尾張家の家訓通り将軍位を争わず吉通自身が身を引き、幼い家継が7代将軍となった。後年には御三卿の[[一橋徳川家|一橋家]]の血統が将軍となったため、尾張家は結果的に将軍を輩出する機会を失った。 水戸家は[[徳川頼房|頼房]]が[[駿河徳川家|駿河家]]断絶後の[[1636年]]([[寛永]]13年)に徳川氏を称するのを許可されるまで、名字が定まっていなかった。そうした経緯もあって他の2家より位階・官職が低位であったが、朝廷に対して次期将軍家の奏聞をし、また江戸常住([[定府]])であることなどから、5代将軍[[徳川綱吉|綱吉]]のころから他の2家と共に「御三家」と呼ばれるようになった。なお、水戸家からは最後の15代将軍[[徳川慶喜|慶喜]]が御三卿の一橋家へ養子に入った後に将軍家を継承することになったが、あくまでも一橋家からの将軍継承であり水戸家からではない。慶喜は女系ながら秀忠の血<ref group="注釈">徳川秀忠-[[千姫]]-[[円盛院|勝姫]]-[[池田綱政]]-[[池田政純|政純]]-静子-一条溢子-[[徳川治紀]]-斉昭-慶喜</ref>も引いている<ref>一条家譜・華族系譜20・瓜連常福寺志</ref>。 [[幕末]]期に御三家の各家は様々な政治的立場をとることとなったが、いずれの家も[[朝敵]]扱いとなることはなかった。[[明治政府]]で作成された叙爵内規では、「徳川旧御三家」は特に[[侯爵]]相当とされ、[[華族]]に対する叙爵の時点でもその扱いは別格とされていた<ref group="注釈">このうち尾張家と紀伊家は旧領石高でも侯爵相当(現米15万石以上)であり、水戸家の旧領石高は[[伯爵]]相当(現米5万石以上)であるため、実際には水戸家にのみ影響する条項だった。</ref>。 == 「御三家」概念の成立経緯 == 江戸時代初期には、将軍家・尾張家・紀伊家の総称として「御三家」を用いることもあった。また尾張家と紀伊家に[[駿河徳川家|駿河家]]([[徳川秀忠]]の三男[[徳川忠長|忠長]]1代に終わった)を加えた3つの大納言家(水戸家は中納言家)を指して「御三家」とした時期もあり、その頃の水戸家は尾張・紀伊両家に較べてやや家格が劣ると見られていた。また将軍家の分家としては、上記3家および駿河家以外にも、3代将軍家光の子を分封した[[甲府徳川家|甲府家]]([[徳川綱重]]・[[徳川家宣|綱豊]]の2代、松平左馬頭家)および[[館林徳川家|館林家]]([[徳川綱吉]]、松平右馬頭家)が、石高・家格ともに匹敵する家(御両典)として存在した。しかし、駿河忠長が改易され(後に自害)、館林綱吉が5代将軍に、続いて甲府綱豊が6代将軍(家宣と改名)に就いて将軍家を継ぎ、これらの徳川家が消滅したため、結果的に水戸家が格上げされて尾張・紀伊・水戸の3つの徳川家を「御三家」と呼ぶことが定着したようである。 なお、将軍家から直接の分家で高い家格を有したものには、家康次男(秀忠の兄)の[[結城秀康]]を祖とする[[越前松平家]]や、秀忠の子(家光の弟)[[保科正之]]を祖とする[[会津松平家]]などもあり、それらは[[御家門]]と呼ばれたが、徳川姓の使用は許されなかった。 == 御三家の領地 == 名古屋藩は、[[江戸]]から[[上方]]に向かう[[東海道]](江戸時代初期に[[五街道]]の東海道に再編)および[[東山道]](江戸時代初期に五街道の[[中山道]]に再編)が通る地に位置した。和歌山藩は、上方と江戸との間を[[太平洋]]経由で行き交う[[菱垣廻船]]などが通過する[[紀淡海峡]]に面する地に位置した。水戸藩は、江戸から[[陸奥国]]方面に向かう東海道(江戸時代初期に[[水戸街道]]・[[岩城街道]]などに再編)の途上に位置した。 {| class="wikitable" style="white-space:nowrap;" !始祖 ![[家系]] !藩 ![[石高]] !藩庁 !位置 !入府 |- |[[徳川義直]]([[徳川家康|家康]]九男) ![[尾張徳川家]] |[[尾張国|尾張]][[尾張藩|名古屋藩]] |62万石 |[[名古屋城]] |{{ウィキ座標|35|11|8|N|136|53|56.6|E|region:JP|地図|name=名古屋城 : 尾張徳川家(尾張藩)}} |[[元和 (日本)|元和]]2年([[1616年]]) |- |[[徳川頼宣]](家康十男) ![[紀州徳川家|紀伊徳川家]] |[[紀伊国|紀伊]][[紀州藩|和歌山藩]] |56万石 |[[和歌山城]] |{{ウィキ座標|34|13|39.4|N|135|10|17.5|E|region:JP|地図|name=和歌山城 : 紀伊徳川家(紀伊藩)}} |元和5年([[1619年]]) |- |[[徳川頼房]](家康末男) ![[水戸徳川家]] |[[常陸国|常陸]][[水戸藩]] |35万石 |[[水戸城]] |{{ウィキ座標|36|22|30.5|N|140|28|44.1|E|region:JP|地図|name=水戸城 : 水戸徳川家(水戸藩)}} |元和5年(1619年) |} == 系譜 == {{familytree/start|style=font-size:85%}} {{familytree | | | | |Shogun| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |Shogun=[[徳川家康]]<br /><small>(初代[[征夷大将軍|将軍]])</small>}} {{familytree | |,|-|-|-|+|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|v|-|-|-|-|-|v|-|-|-|-|.}} {{familytree |Echizen| |Shogun| | | | | | | | | |Owari| | | |Kishu| | | |Mito|Echizen=[[結城秀康]]<br /><small>([[越前松平家]])</small>|Shogun=[[徳川秀忠|秀忠]]<br /><small>(2代将軍)</small>|Owari='''義直'''<br 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御三家の当主の官位は、尾張・紀伊両家は[[従二位]][[大納言|権大納言]]を[[極官]]とし、水戸家は正三位権中納言を極官とした。世子は従四位下に叙任されるのが通例であり、近衛少将や常陸介(紀伊家)等を初官とした{{efn|他の家は松平忠長の初官は[[従四位下]][[参議]][[近衛中将]]、極官は従二位権大納言。御両典(甲府家・館林家)が初官は従三位近衛中将、極官は権中納言。御三卿が初官は従三位近衛中将、極官は従二位権大納言。[[松平光長]]が従三位近衛中将、[[松平忠昌]]が正四位下参議であった。}}。 [[江戸城]]における[[伺候席]]は最上級の大廊下で、他には親藩、[[加賀藩]][[前田氏]]などが伺候した。また、御三家当主の[[正室]]は、特に[[御簾中]]と称された<ref group="注釈">後に御三卿正室も御簾中と称された。</ref>。 == 御三家の家臣・一族 == 御三家の家臣は、基本的に将軍家と同様に、[[三河国|三河]]以来の[[譜代]]の家臣を祖とする者が多かった。その中でも御三家の[[家老|国家老]]である[[御附家老]]は藩政目付役の重責を負って幕府から派遣された将軍直参の扱いで、大名の家臣が通常[[陪臣]]扱いだったのとは一線を画した。例えば、御三家の重臣は、陪臣には本来許可されないはずの[[叙爵]]が特別に認められ、大名や大身旗本と同じく[[諸大夫]]に叙されていた。御附家老はいずれも数万石を知行していたので、[[明治維新]]時に[[維新立藩|立藩]]して諸侯に列した。 また、将軍家の血筋の予備としての性格上、御三家自身も無嗣断絶による[[改易]]を避けるべく、各家とも血統保持策として[[御連枝]]と呼ばれる分家([[支藩]])を持った。尾張家御連枝の[[高須藩|高須松平家]]は4代、紀伊家御連枝の[[西条藩|西条松平家]]は3代、水戸家御連枝の[[高松松平家]]は2代の御三家当主を出した。たとえば、紀伊家当主だった吉宗が8代将軍に就任した際、西条松平家から[[徳川宗直|頼致]](徳川宗直と改名)が紀伊家に入り当主を継いでいる。幕末の尾張家当主[[徳川慶勝|慶勝]]も高須松平家から養子に入っている。 しかし時代が下ると、尾張家と紀伊家では御連枝による当主継承も断絶し、財政の貧窮や御附家老による運動で、御三卿を含む吉宗以降の将軍血統より当主の継承がなされるとともに、幕府への依存度が高まる一方で幕府財政を圧迫した<ref>藤野 (2008)</ref>。 == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} === 注釈 === {{Reflist|group="注釈"}} === 出典 === {{Reflist}} == 参考文献 == * 谷口雄太「足利氏御一家考」佐藤博信編『関東足利氏と東国社会 中世東国論:5』岩田書院、2012年 * 藤野保『江戸幕府崩壊論』塙書房、2008年 == 関連項目 == * [[御三卿]] * [[御家門]] * [[門葉]] * [[御一家]] {{DEFAULTSORT:とくかわこさんけ}} [[Category:徳川御三家|*]] [[category:親藩|*こさんけ]] [[Category:江戸幕府]] [[Category:日本の名数3]]
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越後国
越後国(えちごのくに)は、かつて日本の行政区分だった令制国の一つ。北陸道に属する。 前身は4世紀代に設置された久比岐国造や高志深江国造、その他豪族の領域で、律令制の施行に伴ってそれら各領域が統合された。 7世紀末、文武天皇元年(697年)以前のいずれかの年になされた越国(こしのくに)の磐船(いわふね)・渟足(ぬたり)の二郡の分割によって成立した。当初の領域は、現在の新潟県本州部分の北部(阿賀野川以北か)から山形県庄内、秋田県方面で、日本海側で蝦夷の領域に接する辺境国であった。 蝦夷政策の拠点国として大宝2年(702年)3月に、越中国から親不知以東、すなわち頸城郡、古志郡、魚沼郡、蒲原郡の四郡を譲り受けた。和銅元年(708年)に、北に領域を伸ばして出羽郡を新しく設置し七郡体制となった。出羽郡を建てるのと前後して出羽柵の築造と柵戸の移住が行われた。さらに、和銅5年(712年)9月23日 に、出羽郡が出羽国として分離したことで、後々まで続く越後の形ができあがった。天平16年(743年)2月11日に佐渡国を合わせたが、天平勝宝4年(752年)11月3日に元に復した。その後、沼垂郡が蒲原郡に統合されたり、古志郡から三嶋郡(みしまぐん、のちの刈羽郡)、ついで三島郡(さんとうぐん)が分立するなど郡に変動があった。 大和政権は蝦夷地における版図拡大に城柵を設けて、南の地域の人民を移民し、開発と村づくりに当たらせ公民とし、郡を設置した。越後に設置された城柵は、647年(大化3年)渟足柵(新潟市か)、648年(大化4年)磐舟柵(新潟県村上市か)である。 国府は頸城郡にあった。10世紀頃までの国衙は上越市今池と見る説が有力視される。11世紀以降の中世国衙には諸説あるが、近年では上越市の直江津地区にあったと考えられている。 尼寺跡は不詳。 なお、一宮を天津神社(糸魚川市)とする説もある。
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越後国(えちごのくに)は、かつて日本の行政区分だった令制国の一つ。北陸道に属する。
{{基礎情報 令制国 |国名 = 越後国 |画像 = {{令制国地図 (令制国テンプレート用)|越後国}} |別称 = 越州(えっしゅう){{efn|別称「越州」は、[[越前国]]・[[越中国]]とあわせて、または単独での呼称。}} |所属 = [[北陸道]] |領域 = [[新潟県]]本州部分および[[粟島 (新潟県)|粟島]] |国力 = [[上国]] |距離 = [[遠国]] |郡 = 7郡34郷 |国府 = 新潟県[[上越市]] |国分寺 = (推定)新潟県上越市 |国分尼寺 = (未詳) |一宮 = [[彌彦神社]](新潟県[[西蒲原郡]][[弥彦村]])<br/>[[居多神社]](新潟県上越市) }} '''越後国'''(えちごのくに)は、かつて[[日本]]の行政区分だった[[令制国]]の一つ。[[北陸道]]に属する。 == 沿革 == [[File:Detailed map of Echigo Province.jpg|thumb|left|320px|『越後国細見図』天保13年(1842年)、[[池田東籬亭]]編。]] 前身は[[4世紀]]代に設置された[[久比岐国造]]や[[高志深江国造]]、その他豪族の領域で、[[律令制]]の施行に伴ってそれら各領域が統合された。 7世紀末、[[文武天皇]]元年([[697年]])以前のいずれかの年になされた[[越国]]('''こし'''のくに)の磐船(いわふね)・渟足(ぬたり)の二郡の分割によって成立した。当初の領域は、現在の新潟県本州部分の北部(阿賀野川以北か)から山形県庄内、秋田県方面で、日本海側で[[蝦夷]]の領域に接する辺境国であった。 蝦夷政策の拠点国として[[大宝 (日本)|大宝]]2年([[702年]])3月に、[[越中国]]から[[親不知]]以東、すなわち[[頸城郡]]、[[古志郡]]、[[魚沼郡]]、[[蒲原郡]]の四郡を譲り受けた。[[和銅]]元年([[708年]])に、北に領域を伸ばして[[出羽郡]]を新しく設置し七郡体制となった。出羽郡を建てるのと前後して[[出羽柵]]の築造と[[柵戸]]の移住が行われた。さらに、和銅5年([[712年]])[[9月23日 (旧暦)|9月23日]] に、出羽郡が[[出羽国]]として分離したことで、後々まで続く越後の形ができあがった。[[天平]]16年([[743年]])[[2月11日 (旧暦)|2月11日]]に[[佐渡国]]を合わせたが、[[天平勝宝]]4年([[752年]])[[11月3日 (旧暦)|11月3日]]に元に復した。その後、沼垂郡が蒲原郡に統合されたり、古志郡から三嶋郡(みしまぐん、のちの[[刈羽郡]])、ついで[[三島郡 (新潟県)|三島郡]](さんとうぐん)が分立するなど郡に変動があった。 大和政権は蝦夷地における版図拡大に城柵を設けて、南の地域の人民を移民し、開発と村づくりに当たらせ公民とし、郡を設置した。越後に設置された城柵は、647年(大化3年)渟足柵(新潟市か)、648年(大化4年)磐舟柵(新潟県村上市か)である。 === 近代以降の沿革 === [[File:Echigo Takada Nagaoka Map in Tenpo era.jpg|thumb|right|320px|『天保国絵図越後国[[高田藩|高田]][[越後長岡藩|長岡]]』[[天保]]9年(1838年)。[https://www.digital.archives.go.jp/ 国立公文書館デジタルアーカイブ]より。]] [[File:Keep Tower of Takada Castle 20121202, 001.jpg|thumb|越後高田城三重櫓(新潟県上越市)]] {{main|越後府}} * 「[[旧高旧領取調帳]]」に記載されている[[明治]]初年時点での国内の支配は以下の通り(4,361村・1,150,881石余)。'''太字'''は当該郡内に[[藩庁]]が所在。国名のあるものは[[飛地]]領。[[天領|幕府領]]は新潟奉行所・出雲崎代官所・水原代官所・川浦代官所・脇野町代官所の管轄のほか、[[会津藩]]・[[高田藩]]・[[新発田藩]]・[[桑名藩]]・[[米沢藩]]による[[預地]]が存在した。 ** [[頸城郡]](1,150村・224,858石余) - [[天領|幕府領]](高田藩預地・川浦・出雲崎)、'''[[高田藩]]'''、'''[[糸魚川藩]]''' ** [[古志郡]](289村・70,628石余) - 幕府領(桑名藩預地)、'''[[越後長岡藩|長岡藩]]'''、[[伊勢国|伊勢]][[桑名藩]] ** [[魚沼郡]](422村・102,341石余) - 幕府領(出雲崎・会津藩預地・桑名藩預地・脇野町)、[[陸奥国|陸奥]][[会津藩]]、伊勢桑名藩、糸魚川藩 ** [[刈羽郡]](198村・76,073石余) - 幕府領(桑名藩預地)、[[地方知行|旗本領]]、伊勢桑名藩、'''[[椎谷藩]]'''、陸奥[[上山藩]]、長岡藩、与板藩、高田藩 ** [[三島郡 (新潟県)|三島郡]](255村・78,594石余) - 幕府領(出雲崎・脇野町・水原)、旗本領、長岡藩、'''[[与板藩]]'''、陸奥上山藩、村上藩、伊勢桑名藩、陸奥会津藩 ** [[蒲原郡]](1,796村・537,285石余) - 幕府領(新潟・水原・新発田藩預地・桑名藩預地)、旗本領、'''[[新発田藩]]'''、陸奥会津藩、'''[[村松藩]]'''、長岡藩、村上藩、'''[[三日市藩]]'''、[[上野国|上野]][[高崎藩]]、'''[[黒川藩]]'''、'''[[三根山藩]]'''、[[駿河国|駿河]][[沼津藩]]、与板藩、伊勢桑名藩 ** [[岩船郡]](251村・61,099石余) - 幕府領(米沢藩預地・水原)、[[一橋徳川家]]領、'''[[村上藩]]'''、陸奥会津藩 * [[慶応]]4年 ** [[4月19日 (旧暦)|4月19日]]([[1868年]][[5月11日]]) - 幕府領・旗本領が'''新潟裁判所'''の管轄となる。 ** [[閏]][[4月29日 (旧暦)|4月29日]](1868年[[6月19日]]) - [[戊辰戦争]]で新政府軍が桑名藩の陣屋がある刈羽郡柏崎を制圧。 ** [[5月23日 (旧暦)|5月23日]](1868年[[7月12日]]) - 幕府領・旗本領・桑名藩領が'''[[越後府]]'''(第1次)の管轄となる。 ** [[7月27日 (旧暦)|7月27日]](1868年[[9月13日]]) - 頸城郡・魚沼郡・刈羽郡・三島郡・古志郡の幕府領・旗本領・桑名藩領が'''[[柏崎県]]'''(第1次)の管轄となる。 ** [[8月14日 (旧暦)|8月14日]]([[1868年]][[9月29日]]) - 戊辰戦争後の処分により、岩船郡の全域が'''村上民政局'''の管轄となる。 * 明治元年 ** [[9月12日 (旧暦)|9月12日]](1868年[[10月27日]]) - 沼津藩が[[転封]]により[[上総国|上総]]'''[[菊間藩]]'''となる。国内の領地は引き続き管轄。 ** [[9月21日 (旧暦)|9月21日]](1868年[[11月5日]]) - 越後府(第1次)が改称して'''[[越後府|新潟府]]'''となる。 ** [[9月22日 (旧暦)|9月22日]](1868年[[11月6日]]) - [[会津戦争]]で会津藩が新政府軍に降伏して領地を没収され、蒲原郡の一部(後の東蒲原郡域)を除く領地のうち岩船郡が村上民政局、蒲原郡が新潟府、残部が柏崎県の管轄となる。 ** [[9月27日 (旧暦)|9月27日]](1868年[[11月11日]]) - 村上藩が新政府軍に降伏。 ** [[10月1日 (旧暦)|10月1日]](1868年[[11月14日]]) - 蒲原郡の一部(後の東蒲原郡域)が'''若松民政局'''の管轄となる。 ** [[11月5日 (旧暦)|11月5日]](1868年[[12月18日]]) - 柏崎県を廃して新潟府に合併することが布達される(実行されず)。 ** [[12月7日 (旧暦)|12月7日]]([[1869年]][[1月19日]]) - 蒲原郡の一部(後の東蒲原郡域)の郷村高帳の引き継ぎ以外の事務が上野[[館林藩]]の管轄となる。 ** [[12月23日 (旧暦)|12月23日]](1869年[[2月4日]]) - 蒲原郡の一部(後の東蒲原郡域)の事務が館林藩と[[羽前国|羽前]][[新庄藩]]の共同管理となる。 * 明治2年 ** [[2月3日 (旧暦)|2月3日]](1869年[[3月15日]]) - 村上藩が旧領地に復帰。 ** [[2月8日 (旧暦)|2月8日]](1869年[[3月20日]]) - 藩領および蒲原郡の一部(後の東蒲原郡域・新潟町)を除く岩船郡・蒲原郡が'''越後府'''(第2次)の管轄となる(新潟町は新潟府管轄のまま)。 ** [[2月22日 (旧暦)|2月22日]](1869年[[4月3日]]) *** 新潟府が'''[[越後府|新潟県]]'''(第1次)に改称。 *** 再度柏崎県を廃止する布達が出され、'''[[越後府]]'''(第2次)に合併。 ** [[5月4日 (旧暦)|5月4日]](1869年[[6月13日]]) - 蒲原郡の一部(後の東蒲原郡域)が'''[[若松県]]'''の管轄となる。館林藩・新庄藩の管轄も終了。 ** [[6月24日 (旧暦)|6月24日]](1869年[[8月1日]]) - 任[[知藩事]]にともない、糸魚川藩が'''[[清崎藩]]'''に改称。 ** [[7月27日 (旧暦)|7月27日]](1869年[[9月3日]]) - 新潟府・越後府が廃止され、藩領および蒲原郡の一部(後の東蒲原郡域)を除く全域が'''[[水原県]]'''の管轄となる。 ** [[8月25日 (旧暦)|8月25日]](1869年[[9月30日]]) - 旧・柏崎県の管轄地が'''柏崎県'''(第2次)の管轄となる。 * 明治3年 ** [[3月7日 (旧暦)|3月7日]]([[1870年]][[4月7日]]) - 水原県が廃止され、同区域が'''[[新潟県]]'''(第2次)の管轄となる。 ** 7月 - 長岡藩領・三根山藩領・与板藩領・高崎藩領を除く全域で大規模な領地替えが行われ、新潟県・新発田藩領・村上藩領・黒川藩領・三日市藩領が再編。菊間藩領が消滅。三島郡のうち村上藩領の一部(22村)が新潟県の管轄となる。 ** [[10月22日 (旧暦)|10月22日]](1870年[[11月15日]]) - 長岡藩が廃藩となり、領地のうち蒲原郡が新潟県、残部が柏崎県の管轄となる。 ** [[10月29日 (旧暦)|10月29日]](1870年[[11月22日]]) - 三根山藩が改称して'''[[峰岡藩]]'''となる。 * 明治4年 ** [[7月14日 (旧暦)|7月14日]]([[1871年]][[8月29日]]) - [[廃藩置県]]により藩領が'''[[高田県]]'''、'''[[清崎県]]'''、'''[[椎谷県]]'''、'''[[与板県]]'''、'''[[新発田県]]'''、'''[[黒川県]]'''、'''[[三日市県]]'''、'''[[村松県]]'''、'''[[峰岡県]]'''、'''[[村上県]]'''および[[上山県]]、[[高崎県]]の飛地となる。 ** [[11月20日 (旧暦)|11月20日]](1871年[[12月31日]]) - 第1次府県統合により蒲原郡の一部(後の東蒲原郡域)を除く区域が'''新潟県'''(第2次)の管轄となる。 * 明治6年([[1873年]])[[6月10日]] - 柏崎県が廃止され、蒲原郡の一部(後の東蒲原郡域)を除く全域が'''新潟県'''の管轄となる。 * 明治9年([[1876年]])[[8月21日]] - 第2次府県統合により蒲原郡の一部(後の東蒲原郡域)が'''[[福島県]]'''の管轄となる。 * 明治19年([[1886年]])[[5月27日]] - 福島県東蒲原郡が新潟県の管轄となる。 == 国内の施設 == {{座標一覧}} === 国府 === 国府は[[頸城郡]]にあった。10世紀頃までの国衙は[[上越市]]今池と見る説が有力視される<ref name="一宮制p370">『中世諸国一宮制の基礎的研究』(岩田書院、2000年)p. 370。</ref>。11世紀以降の中世国衙には諸説あるが、近年では上越市の直江津地区にあったと考えられている<ref name="一宮制p370"/>。 === 国分寺・国分尼寺 === * 越後国分寺跡 *: 創建時の遺構は未詳。創建時の位置から移転・再興されたという[[五智国分寺]]([[上越市]][[五智 (上越市)|五智]]、{{Coord|37|10|6.77|N|138|13|29.74|E|region:JP-15_type:landmark|name=五智国分寺(越後国分寺後継寺院)}})が法燈を伝承する。それ以前の諸説については「[[五智国分寺#歴史]]」を参照。 尼寺跡は不詳。 === 神社 === ; [[延喜式内社]] : 『[[延喜式神名帳]]』には、大社1座1社、小社55座53社の計56座54社が記載されている(「[[越後国の式内社一覧]]」参照)。大社1社は以下に示すもので、[[名神大社]]である。 * [[蒲原郡]] 伊夜比古神社 ** 比定社:[[彌彦神社]] ([[西蒲原郡]][[弥彦村]]弥彦) ; [[総社]]・[[一宮]]以下 : 『中世諸国一宮制の基礎的研究』に基づく一宮以下の一覧<ref>『中世諸国一宮制の基礎的研究』(岩田書院、2000年)pp. 364-370。</ref>。 * 総社:[[府中八幡宮 (上越市)|府中八幡宮]]に合祀 (上越市西本町、{{Coord|37|10|20.39|N|138|14|14.02|E|region:JP-15_type:landmark|name=越後国総社:府中八幡宮に合祀}}) * 一宮:次の2社の説がある。 ** [[彌彦神社]] (西蒲原郡弥彦村弥彦、{{Coord|37|42|24.15|N|138|49|33.68|E|region:JP-15_type:landmark|name=越後国一宮、名神大社:彌彦神社}}) - 平安期までは実質的な一宮。 ** [[居多神社]] ([[上越市]]五智、{{Coord|37|9|59.18|N|138|13|23.41|E|region:JP-15_type:landmark|name=越後国一宮:居多神社}}) - [[南北朝時代 (日本)|南北朝時代]]から一宮を主張。 * 二宮:[[物部神社 (柏崎市)|物部神社]] ([[柏崎市]]西山町二田、{{Coord|37|27|14.57|N|138|40|30.47|E|region:JP-15_type:landmark|name=越後国二宮:物部神社}}) * 三宮:八海神社 - 文献に見える神社であるが現在社は未詳。 なお、一宮を[[天津神社 (糸魚川市)|天津神社]](糸魚川市)とする説もある。 == 地域 == === 郡 === * [[頸城郡]](当初は越中国) * [[魚沼郡]](当初は越中国) * [[古志郡]](当初は越中国) ** [[刈羽郡]](平安時代に古志郡から分立、旧三嶋郡([[三島郡 (新潟県)|三島郡]]):読みは「みしま」) ** [[三島郡 (新潟県)|三島郡]](中世に古志郡から分立、新[[三島郡 (新潟県)|三島郡]]:読みは「さんとう」{{efn|山東(さんとう)郡から転じたため。}}) * [[蒲原郡]](当初は越中国) * [[沼垂郡]](後に蒲原郡と統合) * [[岩船郡]] * [[出羽郡]](和銅元年(708年)設置、後に出羽国として分立) === 江戸時代の藩 === * [[村上藩]] * [[黒川藩]]([[郡山藩]]支藩) * [[三日市藩]](郡山藩支藩) * [[新発田藩]] * [[村松藩]] * [[与板藩]] * [[越後長岡藩|長岡藩]] * [[三根山藩]](長岡藩支藩) * [[蔵王堂藩]] * [[椎谷藩]] * [[高田藩]] * [[高柳藩]](首城藩) * [[糸魚川藩]] * [[坂戸藩]] * [[三条藩]] * [[沢海藩]](新発田藩支藩) * [[藤井藩]] * [[長峰藩]] == 人物 == === 国司 === ==== 越後守 ==== *[[威奈大村]] *[[阿倍真君]]([[707年]]([[慶雲]]4年)11月2日 - 〉従五位下 *[[陽侯令璆]]([[759年]]([[天平宝字]]3年) 4月16日 - [[763年]](天平宝字7年) 正月9日 〉外従五位下 *[[石川弟人]]([[763年]](天平宝字7年) 正月9日 - 〉従五位下 *[[坂上田村麻呂]]〈[[790年]]([[延暦]]9年)3月10日 - 〉従五位下 *[[源満仲]] *[[藤原為時]]〈[[1011年]]([[寛弘]]8年) - [[1014年]]([[長和]]3年)6月〉 *[[橘為仲]] *[[藤原季綱]] *[[源国明]] *[[藤原成親]]〈[[1144年]]([[天養]]元年)12月18日 - [[1146年]]([[久安]]2年)12月29日〉従五位下→従五位上 ** 〈[[1155年]]([[久寿]]2年)正月28日 - [[1159年]]([[平治]]元年)12月27日〉(重任)正五位下→正四位下 *[[藤原隆季]]〈[[1146年]]([[久安]]2年)12月29日 - [[1155年]]([[久寿]]2年)正月28日〉正四位下 *[[平時実]]〈[[1166年]]([[仁安 (日本)|仁安]]元年) - 1169年(嘉応元年)12月30日〉従五位下 *藤原成親〈[[1172年]]([[承安 (日本)|承安]]2年) - [[1177年]]([[治承]]元年)6月18日〉従二位→正二位 *[[城資永]]〈[[1180年]](治承4年) - [[1181年]]([[養和]]元年)〉 *[[城助職]]〈1181年(治承5年)8月25日 - 1183年(寿永2年)7月 〉従五位下 *[[源義仲|木曾義仲]]〈[[1183年]]([[寿永]]2年)8月11日 - 同年8月16日〉従五位下 *[[安田義資]]〈[[1185年]]([[文治]]元年)8月29日 - [[1193年]](建久4年)10月28日〉 *[[北条朝時]]〈[[1225年]]([[嘉禄]]元年)9月17日 - [[1236年]](嘉禎2年)7月20日〉従五位下→従五位上 加賀守護・大隅守護・越後守護。 *[[北条時盛]]〈[[1236年]]([[嘉禎]]2年)7月20日 - [[1242年]](仁治3年)6月〉従五位下→正五位下 *[[北条光時]]従五位下 *[[北条実時]]〈[[1255年]]([[建長]]7年)[[12月13日]] - 1276年([[建治]]2年)[[10月23日]]〉従五位下 *[[北条業時]]〈[[1277年]]([[建治]]3年)5月18日 - 1280年([[弘安]]3年)[[11月4日]]〉従五位下弾正少弼兼任。 *[[北条顕時]]〈[[1280年]]([[弘安]]3年)11月 - [[1285年]]([[弘安]]8年)〉従五位下 *[[北条兼時]]〈[[1288年]](弘安10年)3月12日 - [[1295年]](永仁3年)9月19日〉従五位下→従五位上 *[[北条久時]]〈[[1295年]]([[永仁]]3年)12月29日 - [[1304年]](嘉元2年)6月6日〉従五位上 *[[北条貞顕]]〈[[1304年]]([[嘉元]]2年)6月2日 - [[1309年]](延慶2年)10月2日〉従五位上→正五位下 *[[北条基時]]〈[[1304年]](嘉元2年)6月6日 - [[1306年]](徳治元年)2月21日〉従五位下 *[[北条時敦]]〈[[1310年]]([[延慶 (日本)|延慶]]3年)8月13日 - [[1320年]](元応2年)5月24日〉従五位上 *[[北条顕実]]従五位下 *[[北条貞将]]〈[[1324年]]([[正中 (日本)|正中]]元年) - 〉 *[[北条範貞]]〈[[1325年]](正中2年)10月26日 - [[1329年]](元徳2年)12月23日〉従五位上→正五位下 *[[北条仲時]]〈 - [[1333年]](元弘3年)5月9日〉 *[[新田義貞]]〈[[1333年]](元弘3年)8月以降 - 〉従四位上 *[[新田義顕]]〈[[1334年]]([[建武 (日本)|建武]]元年) - 〉従五位下 *[[高師泰]]従五位下 === 守護 === ==== 鎌倉幕府 ==== *? - 1191年 : [[比企朝宗]]? *1195年 - 1199年 : [[佐々木盛綱]] *1210年 - ? : [[北条義時]] *1223年 - 1245年 : [[北条朝時|名越朝時]] *1245年 - 1246年 : [[北条光時|名越光時]] *1263年 - 1288年 : [[北条公時|名越公時]] *? - 1333年 : 名越氏? ==== 室町幕府 ==== *1337年 - 1338年 : [[高師泰]] *1341年 - 1350年 : [[上杉憲顕]] *1352年 - 1362年 : [[宇都宮氏綱]] *1362年 - 1368年 : 上杉憲顕 *1368年 - 1378年 : [[上杉憲栄]] *1380年 - 1421年 : [[上杉房方]] *1421年 - 1422年 : [[上杉朝方]] *1422年 - 1449年 : [[上杉房朝]] *1449年 - 1494年 : [[上杉房定]] *1494年 - 1507年 : [[上杉房能]] *1507年 - 1550年 : [[上杉定実]] === 武家官位としての越後守 === *[[高山重友 (室町時代)|高山重友]] *[[国分友俊]] *[[国分朝友]] *[[森可房]] *[[森可秀]] *[[森可行]] *[[新納実久]] *[[那須資世]] *[[那須資之]] *[[那須資持]] *[[上杉房定]] *[[原胤房]] *[[花房正幸]] *[[富田重政]] *[[福原広俊]] *[[上杉景勝]] 従三位 中納言、出羽国[[米沢藩]]初代藩主。 *[[織田尚長]] 従五位下 大和国[[柳本藩]]初代藩主。 *[[三宅康信]]〈[[1617年]]([[元和 (日本)|元和]]3年)12月 - 〉従五位下 *[[久留島通春]] 従五位下 *[[松平光長]]〈[[1629年]]([[寛永]]6年) - 〉従四位下 [[越後高田藩]]藩主。 *[[松平宣富]] 従四位下 美作国[[津山藩]]初代藩主。 *[[松平長煕]] 従四位下 美作国津山藩3代藩主。 *[[松平長孝]] 従四位下 美作国津山藩4代藩主。 *[[松平康哉]] 従四位下 美作国津山藩5代藩主。 *[[松平康乂]] 従四位下 美作国津山藩6代藩主。 *[[松平斉孝]] 従四位下 美作国津山藩7代藩主。 *[[松平斉民]] 従四位下 美作国津山藩8代藩主。 === 名誉称号としての越後目(朝廷から芸術家・職人への受領) === *藤原貞勝(のちの都万大夫) 浄瑠璃の太夫・家元。寛文3年([[1663年]])に正六位下{{efn|本来は、律令下で上国の主典(さかん)は、従八位下。}}越後目(えちごのさかん)を受領{{efn|江戸時代の武家官位の下限は、大名が従五位下の諸大夫、旗本が正六位下の布衣、平士でも正七位下である。八位以下の受領は稀となった。}}。 == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} === 注釈 === {{notelist}} === 出典 === {{reflist}} == 参考文献 == * [[角川日本地名大辞典]] 15 新潟県 * [https://www.rekihaku.ac.jp/up-cgi/login.pl?p=param/kyud/db_param 旧高旧領取調帳データベース] == 関連項目 == {{Commonscat|Echigo Province}} * [[令制国一覧]] * [[関東御分国]] * [[死亡帳#秋田城跡/死亡帳16号文書|高志公(こしのきみ)]] * [[越後文書宝翰集]] {{令制国一覧}} {{越後国の郡}} {{Japanese-history-stub}} {{デフォルトソート:えちこのくに}} [[Category:日本の旧国名]] [[Category:北陸道|国えちこ]] [[Category:新潟県の歴史]] [[Category:越後国|*]]
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オペラ作品一覧
オペラ作品一覧(オペラさくひんいちらん)は、有名なオペラ作品またはオペレッタ作品の一覧。
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オペラ作品一覧(オペラさくひんいちらん)は、有名なオペラ作品またはオペレッタ作品の一覧。
{{Portal クラシック音楽}} '''オペラ作品一覧'''(オペラさくひんいちらん)は、有名な[[オペラ]]作品または[[オペレッタ]]作品の一覧。 ==五十音順一覧== === 英数 === * [[1984年 (オペラ)|1984年]] (マゼール) * [[4年間の歩哨兵勤務]] (シューベルト) * [[LIFE a ryuichi sakamoto opera 1999]] (坂本龍一) === ア行 === * [[アイーダ]] (ヴェルディ) * [[愛の妙薬]] (ドニゼッティ) * [[青ひげ公の城]] (バルトーク) * [[赤い陣羽織]](大栗裕) * [[赤ずきん (オペラ)|赤ずきん]] (キュイ) * [[悪魔とカーチャ]] (ドヴォルザーク) * [[悪魔の壁]] (スメタナ) * [[悪魔のロベール]](マイアベーア) * [[アグリッピナ (ヘンデル)]] * {{仮リンク|アスカニオ|en|Ascanio}}(サン=サーンス) * [[アッシジの聖フランチェスコ (メシアン)]] * [[アッティラ (ヴェルディ)]] * [[アドリアーナ・ルクヴルール]] (チレア) * [[アブ・ハッサン]] (ウェーバー) * [[アフリカの女]] (マイアベーア) * [[アポロとヒュアキントゥス]] (モーツァルト) * [[アマールと夜の訪問者]] (メノッティ) * [[アラジン (オペラ)|アラジン]](クルト・アッテルベリ) * [[アラベラ (オペラ)|アラベラ]] (リヒャルト・シュトラウス) * [[アリアーヌと青ひげ]](デュカス) * [[アリオダンテ]] (ヘンデル) * [[アルジェのイタリア女]] (ロッシーニ) * [[アルチーナ]] (ヘンデル) * [[アルテュス王]] (ショーソン) * [[アルフレート (ドヴォルザーク)]] * [[アルフォンゾとエストレッラ]] (シューベルト) * [[アルミーダ (ロッシーニ)]] * [[アルミーラ]] (ヘンデル) * [[アルルの女 (オペラ)|アルルの女]] (チレア) * [[アレコ]] (ラフマニノフ) * [[アンジェーロ]] (キュイ) * {{仮リンク|アンジュのマルゲリータ|fr|Margherita d'Anjou|en|Margherita d'Anjou}}(マイアベーア) * {{仮リンク|アンティゴーヌ|en|Antigone (Honegger)}}(オネゲル) * [[アンドレア・シェニエ]] (ジョルダーノ) * [[アンナ・ボレーナ]] (ドニゼッティ) * [[アンネの日記]] ([[グリゴリ・フリド]]) モノオペラ * [[イエスマン、ノーマン|イエスマン(承諾者)]] (ワイル) * [[イェヌーファ]] (ヤナーチェク) * [[イオランタ]] (チャイコフスキー) * [[イギリスの猫]] (ヘンツェ) * [[イーゴリ公]] (ボロディン) * [[イスの王様]] ([[エドゥアール・ラロ|ラロ]]) * [[イタリアのトルコ人]] (ロッシーニ) * [[イドメネオ]] (モーツァルト) * [[いやいやながらの王様]] (シャブリエ) * [[イリス (オペラ)|イリス]] (マスカーニ) * [[イル・トロヴァトーレ]] (ヴェルディ) * [[イングランドの女王エリザベッタ]] (ロッシーニ) * [[インディゴと40人の盗賊]] (ヨハン・シュトラウス2世) * [[ヴィオラ (オペラ)|ヴィオラ]](スメタナ) * ウィリアム・テル「[[ウィリアム・テル (オペラ)|ギヨーム・テル]] 」(ロッシーニ) * [[ウィリアム・ラトクリフ]] (キュイ) * [[ウィンザーの陽気な女房たち (オペラ)|ウィンザーの陽気な女房たち]] (ニコライ) * [[ヴェスタの巫女]] (スポンティーニ) * [[ヴェルジーのジェンマ]] (ドニゼッティ) * [[ウェルテル (オペラ)|ウェルテル]] (マスネ) * [[ヴォツェック]] (ベルク) * [[美しきエレーヌ]] (オッフェンバック) * [[美しきパースの娘]] (ビゼー) * [[売られた花嫁]] (スメタナ) * [[運命の力]] (ヴェルディ) * [[エイシスとガラテア]] (ヘンデル) * [[エジプトのジュリアス・シーザー]] (ヘンデル) * [[エジプトの十字軍]](マイアベーア) * {{仮リンク|エディプス王 (エネスク)|en|Œdipe (opera)}} * [[エディプス王 (ストラヴィンスキー)]] * [[エドガール (オペラ)|エドガール]] (プッチーニ) * [[エフゲニー・オネーギン (オペラ)|エフゲニー・オネーギン]] (チャイコフスキー) * [[エルナーニ]] (ヴェルディ) * [[エレクトラ (リヒャルト・シュトラウス)]] * [[エロディアード]](マスネ) * [[エンマ]](大谷千正) * [[オイリアンテ]] (ウェーバー) * {{仮リンク|王冠のダイヤモンド(オペラ)|label=王冠のダイヤモンド|en|Les diamants de la couronne}}(オベール) * [[奥様女中]] (ペルゴレージ) * {{仮リンク|オズソイ|tr|Özsoy Operası|en|Özsoy|ko|외즈소이}} (サイグン) *[[堕ちたる天女]] (山田耕筰) * [[オテロ (ヴェルディ)]] * [[オテロ (ロッシーニ)]] * [[オベルト]] (ヴェルディ) * [[オベロン (オペラ)|オベロン]] (ウェーバー) * [[オランゴ (オペラ)|オランゴ]] (ショスタコーヴィチ) * [[オリー伯爵]] (ロッシーニ) * [[オルフェオ (モンテヴェルディ)|オルフェオ]] (モンテヴェルディ) * [[オルフェオとエウリディーチェ]] (グルック) * [[オルランド (ヘンデル)]] *[[オルレアンの少女 (オペラ)]] * [[オロンテーア (チェスティ)]] === カ行 === * [[カヴァレリア・ルスティカーナ]] (マスカーニ) * [[外套 (プッチーニ)]] * [[画家マティス (オペラ)|画家マティス]] (ヒンデミット) * [[影のない女]] (リヒャルト・シュトラウス) * {{仮リンク|カーチャ・カバノヴァー|en|Káťa Kabanová}} (ヤナーチェク) * [[カフカスの捕虜]] (キュイ) * [[カプリッチョ (オペラ)|カプリッチョ]] (リヒャルト・シュトラウス) * [[カプレーティとモンテッキ]] (ベッリーニ) * [[神々の黄昏 (楽劇)|神々の黄昏]](「[[ニーベルングの指環]]」第3夜、ワーグナー) * [[仮面舞踏会 (ヴェルディ)]] * [[仮面舞踏会 (ニールセン)]] * [[カーリュー・リヴァー]] (ブリテン) * 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波動
波動(はどう、英: wave)または波(なみ)は、エネルギーが伝わる現象・幾何学的に同じようなパターン(波形)が空間を伝播する現象のことである。 波動の例として、水面の振動によって生じる水面波や、電波や可視光線のような電磁波、空気中や物質中を伝わる音波などがある。また透過電子顕微鏡などは結晶を透過する電子線が回折像を生じるという性質を利用している。 音波などの波動を伝える物質を波動の媒質と呼ぶ。媒質の存在は必ずしも必要でなく、例えば電磁波は電磁場そのものの振動であり、一般相対性理論における重力波は質量を持つ物体の振動により生じる時空の歪みである。 波動は進行方向と振動方向によって縦波と横波に分類される。進行方向と平行に振動する波を縦波、進行方向に垂直に振動する波を横波と呼ぶ。 横波の振動方向が(進行方向と平行な平面上で)規則的に変化する状態を偏極といい、特に光に対しては偏光という。横波の振動は進行方向に対して複数の向きを持ち得るが、縦波は進行方向と平行な向きにしか振動せず偏極を持たない。 波動に特徴的な現象として、干渉と回折が挙げられる。干渉は複数の波動が重なり互いを打ち消し合ったり強め合ったりする現象であり、回折は障害物や開口を通った波動が幾何光学的に到達できない領域に伝播する現象である。 数学的には、干渉および回折は波動方程式の解の性質として得られる。また物理学において、波動の干渉は重ね合わせの原理によって、波動の回折はホイヘンス=フレネルの原理によって説明される。 波動方程式で表せるような波動を線形波動という。線形波動について重ね合わせの原理が成り立つ。 重ね合わせの原理によって説明される現象に、干渉がある。位相の揃った波の重ね合わせは互いを強め合うが、位相が半分程度ずれた波の重ね合わせは互いを打ち消し合う。 波動が障害物の近くを通ると、障害物の周りに波面が回り込んで伝わることがある。この現象を回折という。回折現象はホイヘンス=フレネルの原理により説明される。ホイヘンス=フレネルの原理によれば、前進波の波面から二次的な球面波(素元波)が生じ、それらが重ね合わさることで回折を引き起こすと考えられる。 周期性を持つ波動、特に、正弦波では、振動数、周期、振幅、波数、波長などの物理量が定義される。 同じ時刻に場の量が同じ値をとる点の集まりによってできる面を波面という。波面が球面のものを球面波という。波面が平面のものを平面波という。 最も初期に知られた波動現象は水面を伝わる振動としての波であると考えられる。 波動性を持つものとしてよく知られているものに光がある。しかしかつては光が波であるか粒子であるか議論があった。 光の粒子説の初期の支持者にアイザック・ニュートンがいる。ニュートンは粒子説に基づいて光の直進性や屈折を説明した。ニュートンの光学研究の成果は1704年の著作『光学』に収められている。 光の波動説の初期の支持者にルネ・デカルト、ロバート・フック、クリスティアーン・ホイヘンスらがいる。特にホイヘンスは1678年に「ホイヘンスの原理」として知られる原理を提案した。ホイヘンスの光学に関する仕事は1690年の著作 “Traité de la Lumière(英語版)” に収められている。波動説によっても光の屈折は説明されたが、媒質中の光速の扱いは粒子説と波動説で異なり、粒子説では光速が屈折率に比例し、波動説では屈折率に反比例すると考えられた。ホイヘンスやニュートンの時代には媒質中の光速を測定することができなかったが、1850年にレオン・フーコーが行った実験により水中の光速が空気中より遅くなるという波動説を支持する結果が示された。 光学現象に関して、1665年にフランチェスコ・マリア・グリマルディによって光の回折現象が報告された。 1805年頃にトーマス・ヤングによる干渉実験(ヤングの実験)が行われた。 光が波であるという主張には、光が縦波であるというものと横波であるというものがある。デカルトやフックは縦波であると主張したが、ラスムス・バルトリンが1669年に発見した(偏光によって生じる)複屈折を説明できなかった。光が横波であるということと、複屈折が偏光によって説明できることはオーギュスタン・ジャン・フレネルによって示された。フレネルはまたホイヘンスの原理を改良し、後進波の問題を解決した。 人間が目にする光が電磁波の一種であることは1864年に提案されたジェームズ・クラーク・マクスウェルの電磁気学の理論から予想された。マクスウェル方程式から電磁場の波動方程式が得られ、その位相速度は当時知られている真空中の光速の値に近いことが示された。 1887年頃からハインリヒ・ヘルツは電磁波の性質を調べ、干渉・回折・偏光などが起こることを確かめ、マクスウェルの理論が正しいことを裏付けた。 マクスウェルの理論において、電磁波は波数ベクトルに直交する電磁場の振動として与えられる。これは電磁波(したがって光)が横波であることの理論的裏付けといえる。 光の波動説を取る際、波動を伝える媒質が必要であるという考えから、光の媒質としてエーテルという物質の存在が仮定された。エーテルの性質は1851年のフィゾーの実験や1887年のマイケルソン・モーリーの実験などを通じて検証されたが、マイケルソン・モーリーの実験結果や特殊相対性理論を通じて、現在ではエーテルのような媒質は存在せず、電磁波は真空中を伝播すると理解されている。 ヤングに始まる光の波動性の検証を通じ、光の波動説の正しさは確かなものとなったが、一方で波動説で説明できない電磁気現象も発見されている。例えば1886年頃にヘルツが発見した光電効果は古典的な電磁気学では説明できず、光電効果はアインシュタインによる光量子仮説(光子)と仕事関数の導入によって説明されることになる。この光に関する粒子と波動の二重性は電磁場の量子化によって理解される。 1924年、ルイ・ド・ブロイはアルベルト・アインシュタインの光量子仮説に触発され物質波という考え方を提案した。エルヴィン・シュレーディンガーはド・ブロイの物質波の理論の一般化を試み波動力学を創始した。波動力学は、先行して発表されたヴェルナー・ハイゼンベルクらによる行列力学と合わせて量子力学として発展した。 物質波の考えは1923年から1927年に行われたデイヴィソン=ガーマーの実験によって実験的に裏付けられた。
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波動または波(なみ)は、エネルギーが伝わる現象・幾何学的に同じようなパターン(波形)が空間を伝播する現象のことである。 波動の例として、水面の振動によって生じる水面波や、電波や可視光線のような電磁波、空気中や物質中を伝わる音波などがある。また透過電子顕微鏡などは結晶を透過する電子線が回折像を生じるという性質を利用している。 音波などの波動を伝える物質を波動の媒質と呼ぶ。媒質の存在は必ずしも必要でなく、例えば電磁波は電磁場そのものの振動であり、一般相対性理論における重力波は質量を持つ物体の振動により生じる時空の歪みである。 波動は進行方向と振動方向によって縦波と横波に分類される。進行方向と平行に振動する波を縦波、進行方向に垂直に振動する波を横波と呼ぶ。 横波の振動方向が(進行方向と平行な平面上で)規則的に変化する状態を偏極といい、特に光に対しては偏光という。横波の振動は進行方向に対して複数の向きを持ち得るが、縦波は進行方向と平行な向きにしか振動せず偏極を持たない。 波動に特徴的な現象として、干渉と回折が挙げられる。干渉は複数の波動が重なり互いを打ち消し合ったり強め合ったりする現象であり、回折は障害物や開口を通った波動が幾何光学的に到達できない領域に伝播する現象である。 数学的には、干渉および回折は波動方程式の解の性質として得られる。また物理学において、波動の干渉は重ね合わせの原理によって、波動の回折はホイヘンス=フレネルの原理によって説明される。
{{Otheruses|一般的な'''波動'''|[[オカルト]]における'''波動'''|波動 (オカルト)}} {{出典の明記|date=2011年8月}} [[File:2006-01-14 Surface waves.jpg|thumb|220px|[[表面波]]の例。水面を棒で突き、突いた箇所から同心円状に波面が生じている。水面の[[金属]]のような光沢は、照明を低い角度から照射していることによる。]] '''波動'''(はどう、{{lang-en-short|wave}})または'''波'''(なみ)は、[[エネルギー]]が伝わる現象・幾何学的に同じようなパターン([[波形]])が[[空間]]を[[伝播]]する現象のことである。 波動の例として、水面の振動によって生じる[[波|水面波]]や、[[電波]]や[[可視光線]]のような[[電磁波]]、空気中や物質中を伝わる[[音波]]などがある。また[[透過電子顕微鏡]]などは[[結晶]]を透過する[[陰極線|電子線]]が[[電子回折|回折]]像を生じるという性質を利用している。 音波などの波動を伝える物質を波動の[[媒質]]と呼ぶ。媒質の存在は必ずしも必要でなく、例えば電磁波は[[電磁場]]そのものの振動であり、[[一般相対性理論]]における[[重力波 (相対論)|重力波]]は[[質量]]を持つ物体の振動により生じる[[時空]]の歪みである。 波動は進行方向と振動方向によって[[縦波と横波]]に分類される。進行方向と[[平行]]に振動する波を'''縦波'''、進行方向に[[垂直]]に振動する波を'''横波'''と呼ぶ。 横波の振動方向が(進行方向と平行な平面上で)規則的に変化する状態を偏極といい、特に[[光]]に対しては[[偏光]]という。横波の振動は進行方向に対して複数の向きを持ち得るが、縦波は進行方向と平行な向きにしか振動せず偏極を持たない。 波動に特徴的な現象として、[[干渉 (物理学)|干渉]]と[[回折]]が挙げられる。干渉は複数の波動が重なり互いを打ち消し合ったり強め合ったりする現象であり、回折は障害物や開口を通った波動が[[幾何光学]]的に到達できない領域に伝播する現象である。 数学的には、干渉および回折は[[波動方程式]]の解の性質として得られる。また物理学において、波動の干渉は[[重ね合わせの原理]]によって、波動の回折は[[ホイヘンス=フレネルの原理]]によって説明される。 {{see also|波}} == 性質 == [[File:Simple harmonic motion animation.gif|thumb|220px|波に乗って移動する点は、波の大きさに合わせて[[振動]]する。]] [[波動方程式]]で表せるような波動を線形波動という。線形波動について[[重ね合わせの原理]]が成り立つ。 * [[進行波]]同士は互いに影響を与えない * 複数の波が重なる領域での[[振幅]]は、それらの波形の和の振幅に等しい 重ね合わせの原理によって説明される現象に、[[干渉 (物理学)|干渉]]がある。[[位相]]の揃った波の重ね合わせは互いを強め合うが、位相が半分程度ずれた波の重ね合わせは互いを打ち消し合う。 波動が障害物の近くを通ると、障害物の周りに波面が回り込んで伝わることがある。この現象を[[回折]]という。回折現象は[[ホイヘンス=フレネルの原理]]により説明される。ホイヘンス=フレネルの原理によれば、前進波の[[波面]]から二次的な[[球面波]](素元波)が生じ、それらが重ね合わさることで回折を引き起こすと考えられる。 周期性を持つ波動、特に、正弦波では、[[振動数]]、[[周期]]、[[振幅]]、[[波数]]、[[波長]]などの物理量が定義される。 同じ時刻に場の量が同じ値をとる点の集まりによってできる面を[[波面]]という。波面が球面のものを[[球面波]]という。波面が平面のものを[[平面波]]という。 [[ファイル:Onde compression impulsion 1d 30 petit.gif|サムネイル|平面における[[縦波と横波|縦波]]の変化を表した動画。]] [[ファイル:Onde cisaillement impulsion 1d 30 petit.gif|サムネイル|平面における[[横波]]の変化を表した動画。]] [[File:Standing wave.gif|thumb|220px|[[定常波]]]] [[File:3D_Pressure_(Longitudinal)_Wave.gif|thumb|点音源から生じる粗密波(縦波)の[[シミュレーション]]。]] == 歴史 == 最も初期に知られた波動現象は水面を伝わる[[振動]]としての[[波]]であると考えられる。 === 光の波動性 === 波動性を持つものとしてよく知られているものに[[光]]がある。しかしかつては光が波であるか[[粒子]]であるか議論があった。 [[光の粒子説]]の初期の支持者に[[アイザック・ニュートン]]がいる。ニュートンは粒子説に基づいて光の直進性や[[屈折]]を説明した。ニュートンの光学研究の成果は1704年の著作『[[光学 (アイザック・ニュートン)|光学]]』に収められている。 [[光の波動説]]の初期の支持者に[[ルネ・デカルト]]、[[ロバート・フック]]、[[クリスティアーン・ホイヘンス]]らがいる。特にホイヘンスは1678年に「[[ホイヘンス=フレネルの原理|ホイヘンスの原理]]」として知られる原理を提案した。ホイヘンスの光学に関する仕事は1690年の著作 ''“{{仮リンク|Traité de la Lumière|en|Treatise on Light}}”'' に収められている。波動説によっても光の屈折は説明されたが、媒質中の[[光速]]の扱いは粒子説と波動説で異なり、粒子説では光速が[[屈折率]]に比例し、波動説では屈折率に反比例すると考えられた。ホイヘンスやニュートンの時代には媒質中の光速を測定することができなかったが、1850年に[[レオン・フーコー]]が行った実験により水中の光速が空気中より遅くなるという波動説を支持する結果が示された。 光学現象に関して、1665年に[[フランチェスコ・マリア・グリマルディ]]によって光の[[回折]]現象が報告された。 1805年頃に[[トーマス・ヤング]]による[[干渉 (物理学)|干渉]]実験([[ヤングの実験]])が行われた。 光が波であるという主張には、光が[[縦波と横波|縦波]]であるというものと横波であるというものがある。デカルトやフックは縦波であると主張したが、[[ラスムス・バルトリン]]が1669年に発見した([[偏光]]によって生じる)[[複屈折]]を説明できなかった。光が横波であるということと、複屈折が偏光によって説明できることは[[オーギュスタン・ジャン・フレネル]]によって示された。フレネルはまたホイヘンスの原理を改良し、後進波の問題を解決した。 人間が目にする光が[[電磁波]]の一種であることは1864年に提案された[[ジェームズ・クラーク・マクスウェル]]の[[電磁気学]]の理論から予想された。[[マクスウェル方程式]]から[[電磁場]]の[[波動方程式]]が得られ、その[[位相速度]]は当時知られている真空中の光速の値に近いことが示された。 1887年頃から[[ハインリヒ・ヘルツ]]は電磁波の性質を調べ、干渉・回折・偏光などが起こることを確かめ、マクスウェルの理論が正しいことを裏付けた。 マクスウェルの理論において、電磁波は[[波数ベクトル]]に直交する[[電磁場]]の振動として与えられる。これは電磁波(したがって光)が横波であることの理論的裏付けといえる。 光の波動説を取る際、波動を伝える媒質が必要であるという考えから、光の媒質として[[エーテル (物理)|エーテル]]という物質の存在が仮定された。エーテルの性質は1851年の[[フィゾーの実験]]や1887年の[[マイケルソン・モーリーの実験]]などを通じて検証されたが、マイケルソン・モーリーの実験結果や[[特殊相対性理論]]を通じて、現在ではエーテルのような媒質は存在せず、電磁波は真空中を伝播すると理解されている。 ヤングに始まる光の波動性の検証を通じ、光の波動説の正しさは確かなものとなったが、一方で波動説で説明できない電磁気現象も発見されている。例えば1886年頃にヘルツが発見した[[光電効果]]は古典的な電磁気学では説明できず、光電効果はアインシュタインによる[[光子|光量子仮説]](光子)と[[仕事関数]]の導入によって説明されることになる。この光に関する[[粒子と波動の二重性]]は[[電磁場の量子化]]によって理解される。 === 物質の波動性 === 1924年、[[ルイ・ド・ブロイ]]は[[アルベルト・アインシュタイン]]の[[光子|光量子仮説]]に触発され[[物質波]]という考え方を提案した。[[エルヴィン・シュレーディンガー]]はド・ブロイの物質波の理論の一般化を試み[[波動力学]]を創始した。波動力学は、先行して発表された[[ヴェルナー・ハイゼンベルク]]らによる[[行列力学]]と合わせて[[量子力学]]として発展した。 物質波の考えは1923年から1927年に行われた[[デイヴィソン=ガーマーの実験]]によって実験的に裏付けられた。 <!-- == 注釈 == {{脚注ヘルプ}} {{notelist}} == 出典 == {{脚注ヘルプ}} {{reflist}}--> == 参考文献 == == 関連項目 == * [[弾性波]] * [[電磁波]] * (時空の歪みとしての)[[重力波 (相対論)|重力波]] * [[波|水波]] * [[波動方程式]] * [[ソリトン]] {{Physics-stub}} {{Normdaten}} {{DEFAULTSORT:はとう}} [[Category:振動と波動|*はとう]] [[Category:波]] [[Category:物理学の概念]]
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越中国
越中国(えっちゅうのくに)は、かつて日本の地方行政区分であった令制国の一つ。北陸道に属し、現在の富山県に属する。 5世紀代に設置された西部の伊彌頭国造・利波氏や東部の鳥取部氏族の領域が律令制の施行に伴って統合された。 7世紀末には、越国(高志国)が分割されており、後の越前国、越中国、越後国の前身となる行政区分が置かれていたと考えられている。大宝元年(701年)8月3日-同2年(702年)10月14日までに、大宝律令が制定され、全国的な施行に至ることから、遅くともこの頃までには、令制国としての越中国が成立していた。 律令施行時の大宝2年(702年)3月17日に、越中国の4郡(頸城郡・古志郡・魚沼郡・蒲原郡)を分ち越後国に属するという記録がある。これが文献上の越中国の初見である。越中国は礪波郡・射水郡・婦負郡・新川郡の4郡で構成される令制国となり、現在の富山県とエリアをほぼ同じくする。 養老2年(718年)5月2日に越前国から分立して成立した能登国を天平13年(741年)12月10日に越中国と併合したが、天平宝字元年(757年)に能登国は越中国から再び分立した。 天平18年(746年)に大伴家持が国司として赴任してくると万葉集の数多くの歌が詠まれた。 天平宝字2年(758年)、越中国に駅鈴が初めて設けられた。宝亀6年(775年)3月2日、大小目員を設置した。延暦23年(804年)6月10日、上国に定められた。 越中には大きな勢力がなく、豪族や国人と呼ばれる小勢力が散らばっていた。彼らは時勢にしたがい木曾義仲や北条氏の支流で守護名越氏、桃井直常などに協力し活躍した。 室町時代には、桃井氏や斯波氏との抗争を勝ち抜いた畠山氏が守護職を得て守護大名となったが、守護自身は在京して、現地の統治は神保氏といった守護代に任せることが多かった。明応の政変で神保長誠の手によって将軍足利義材が放生津に迎えられ、一大政権を築き放生津幕府と称された。この頃に浄土真宗が広まり一向一揆も多発した。 戦国時代になると、守護畠山氏は神保氏(神保慶宗、神保長職)と仲違いをし、代わりに分家の能登畠山氏の力を借りて統治を維持しようとしたが、畿内における内紛が激しくなる中で勢力を失った。そうした中、神保氏を始めとする畠山氏の被官の氏族が台頭する。新川郡の守護代である椎名氏が越後長尾氏(上杉氏)の支援を受け、射水郡・婦負郡の守護代である神保氏と抗争を始め、越中の戦国時代(越中大乱)と呼ばれる争いが勃発した。 永禄2年(1559年)より永禄11年(1568年)まで、越中の内乱は武田信玄派の神保長職と上杉謙信派の椎名康胤による、いわゆる武田氏・上杉氏の代理戦争という形となった。永禄11年(1568年)以降上杉謙信は出兵をして越中全土を制圧にかかったが、甲斐武田氏が越中豪族や越中一向一揆を支援して妨害した。天正4年(1576年)、上杉謙信は増山城、森寺城などを落城させ、越中を制圧する。しかし、天正10年(1582年)、柴田勝家を司令官とする織田氏の北陸侵攻が始まり、やがて越中の上杉氏の勢力は駆逐された(魚津城の戦い)。 本能寺の変で信長が横死した後、柴田勝家の支援の下で佐々成政が越中を統一したが、勝家が羽柴秀吉に敗れると、成政は秀吉に帰服せず、秀吉方の隣国の加賀・能登の前田利家と争った。前田氏を支援した羽柴秀吉による富山の役により、成政は敗北。その所領は新川郡のみとなり礪波郡・射水郡・婦負郡は前田氏に与えられた。 文禄4年(1595年)には前田利長に越中の残る新川郡も加増され、青山吉次が上杉家の越中衆(土肥氏・柿崎氏・舟見氏など)から郡内の諸城を受け取る。 江戸時代初期には土方氏の布市藩があったが、能登国内の領地と交換して、越中全域が前田領となった。後に加賀藩の支藩として富山藩(婦負郡と新川郡の一部)が置かれたが、国内の大半は加賀藩領であった。その後は改易されることもなく、廃藩置県を迎えた。 国府は、射水郡にあった。現在の高岡市伏木古国府。現在の勝興寺の附近が国府跡とされており、境内に「越中國廰址」の石碑が立てられている。また、近くの高岡市伏木気象資料館(旧伏木測候所)が「東館(ひがしだち)」という小字名から国司館跡と想像され、「國守館址」の石碑が立てられている。しかし、敷地内からは9世紀の建物跡が発掘されているが、奈良時代のものは確認されていない。 平安時代末に新湊(現射水市)に移されたことがあり、太平記には新湊での戦いが記録されている。 国分僧寺は現在の高岡市伏木一宮にあり、気多神社の近くの「国分寺跡」に薬師堂が建立されている。 尼寺の遺構は、現在まで発見されていない。 能登国が越中国の一部であった時代、越中国の一宮は現在の気多大社であったが、能登国を分立する際に二宮であった射水神社が越中国一宮とされた。白山比咩神社の社伝『白山記』には、「二神(射水神社)が元々の一宮であったが、新気多(気多神社)に一宮を取られた」とあり、気多大社から分祀して国府の近くに新たに創建された気多神社(新気多)が力をつけ、二上と新気多とが勢力争いをした結果、新気多が勝って一宮を名乗るようになったということになる。延喜式の写本における名神大社の異同もこの勢力争いの結果によるものとみられる。ただし、気多神社は新しく作られた神社ということで、名神大社でありながら射水郡の最後に書かれている。 後に気多神社の社勢が衰え、また、平安時代末の一時、国府が礪波郡に移された関係から、礪波郡の高瀬神社(南砺市高瀬)が一宮を名乗るようになった。室町時代の『大日本国一宮記』では越中国一宮は「礪波郡の氣多神社」としているが、これは同じく大己貴命を祭神とする気多神社と高瀬神社を混同したものとみられる。一宮について各国一社のみを記す書籍では、大日本国一宮記の地名の記載の方を正として、越中国の一宮は高瀬神社と記しているものが多い。だからと言って高瀬神社のみが一宮であるということでもない。江戸時代に全国の一宮を巡拝した橘三喜は、「越中の一宮は礪波郡にあるらしいが、それらしき社は見えず」とし、射水と気多にのみ参って高瀬には参っていない。 中世に書かれた『神道集』では、越中一宮は立山権現(雄山神社(立山町))であると記されている。これは中世以降の立山信仰の普及に伴い、その中心地である立山権現が一宮とみなされたものとみられる。 現在では射水・気多・高瀬・雄山の4社ともが「越中国一宮」とされ、全国一の宮会に加盟している。 ※以下四郡は、大宝2年(702年)3月に越後国へ移管 ※以下四郡は、天平13年(741年)12月-天平宝字元年(757年)5月の能登国が越中国に併合された期間のみ (以後畠山氏)
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越中国(えっちゅうのくに)は、かつて日本の地方行政区分であった令制国の一つ。北陸道に属し、現在の富山県に属する。
{{Otheruses|富山県の地域名|その他の越中|越中 (曖昧さ回避)}} {{基礎情報 令制国 |国名 = 越中国 |画像 = {{令制国地図 (令制国テンプレート用)|越中国}} |別称 = 越州(えっしゅう)<ref group="注釈">別称「越州」は、越前国・越後国とあわせて、または単独での呼称。</ref> |所属 = [[北陸道]] |領域 = [[富山県]] |国力 = [[上国]] |距離 = [[中国 (令制国)|中国]] |郡 = 4郡42郷 |国府 = 富山県[[高岡市]] |国分寺 = 富山県高岡市(越中国分寺跡) |国分尼寺 = (未詳) |一宮 = [[射水神社]](富山県高岡市)<br/>[[気多神社]](富山県高岡市)<br/>[[高瀬神社]](富山県南砺市)<br/>[[雄山神社]](富山県[[中新川郡]][[立山町]]) }} '''越中国'''(えっちゅうのくに)は、かつて[[日本]]の地方行政区分であった[[令制国]]の一つ。[[北陸道]]に属し、現在の[[富山県]]に属する。 == 沿革 == [[5世紀]]代に設置された西部の[[伊彌頭国造]]・[[利波氏]]や東部の[[鳥取部]]氏族{{要出典|date=2022年3月}}の領域が[[律令制]]の施行に伴って統合された。 7世紀末には、[[越国]](高志国)が分割されており、後の[[越前国]]、'''越中国'''、[[越後国]]の前身となる行政区分が置かれていたと考えられている<ref>『日本書紀』持統天皇6年(695年)9月癸丑条、『続日本紀』文武2年(698年)3月丁卯条</ref>。[[大宝 (日本)|大宝]]元年(701年)8月3日-同2年(702年)10月14日までに、[[大宝律令]]が制定され、全国的な[[施行]]に至ることから、遅くともこの頃までには、令制国としての越中国が成立していた。 律令施行時の大宝2年(702年)3月17日に、越中国の4郡([[頸城郡]]・[[古志郡]]・[[魚沼郡]]・[[蒲原郡]])を分ち越後国に属する<ref>『続日本紀』大宝2年(702年)3月甲申条 </ref>という記録がある。これが[[文献]]上の越中国の初見である。越中国は[[礪波郡]]・[[射水郡]]・[[婦負郡]]・[[新川郡]]の4郡で構成される令制国となり、現在の富山県とエリアをほぼ同じくする。 [[養老]]2年([[718年]])[[5月2日 (旧暦)|5月2日]]に[[越前国]]から分立して成立した[[能登国]]を[[天平]]13年([[741年]])[[12月10日 (旧暦)|12月10日]]に越中国と併合したが、[[天平宝字]]元年([[757年]])に能登国は越中国から再び分立した。 [[天平]]18年(746年)に[[大伴家持]]が[[国司]]として[[赴任]]してくると[[万葉集]]の数多くの歌が詠まれた。 天平宝字2年(758年)、越中国に[[駅鈴]]が初めて設けられた<ref>『続日本紀』天平宝字2年(758年)9月丁酉条</ref>。[[宝亀]]6年(775年)3月2日、大小[[目 (国司)|目]]員を設置した。[[延暦]]23年(804年)6月10日、[[上国]]に定められた<ref>『日本後紀』延暦23年(804年)6月癸丑条</ref>。 越中には大きな勢力がなく、[[豪族]]や[[国人]]と呼ばれる小勢力が散らばっていた。彼らは時勢にしたがい[[源義仲|木曾義仲]]や[[北条氏]]の支流で守護[[名越氏]]、[[桃井直常]]などに協力し活躍した。 === 室町時代 === [[室町時代]]には、[[桃井氏]]や[[斯波氏]]との抗争を勝ち抜いた[[畠山氏]]が[[守護]]職を得て[[守護大名]]となったが、守護自身は在京して、現地の統治は[[神保氏]]といった[[守護代]]に任せることが多かった。[[明応の政変]]で[[神保長誠]]の手によって将軍[[足利義稙|足利義材]]が[[放生津]]に迎えられ、一大政権を築き[[放生津幕府]]と称された。この頃に[[浄土真宗]]が広まり[[越中一向一揆|一向一揆]]も多発した。 === 戦国時代 === {{main|越中の戦国時代}} [[戦国時代 (日本)|戦国時代]]になると、守護[[畠山氏]]は[[神保氏]]([[神保慶宗]]、[[神保長職]])と仲違いをし、代わりに分家の[[能登畠山氏]]の力を借りて統治を維持しようとしたが、畿内における内紛が激しくなる中で勢力を失った。そうした中、神保氏を始めとする畠山氏の被官の氏族が台頭する。[[新川郡]]の[[守護代]]である[[椎名氏]]が[[越後国|越後]][[長尾氏]]([[上杉氏]])の支援を受け、[[射水郡]]・[[婦負郡]]の[[守護代]]である神保氏と抗争を始め、[[越中の戦国時代]](越中大乱)と呼ばれる争いが勃発した。 [[永禄]]2年([[1559年]])より永禄11年([[1568年]])まで、越中の内乱は[[武田信玄]]派の[[神保長職]]と[[上杉謙信]]派の[[椎名康胤]]による、いわゆる[[武田氏]]・[[上杉氏]]の[[代理戦争]]という形となった。永禄11年([[1568年]])以降上杉謙信は出兵をして越中全土を制圧にかかったが、甲斐武田氏が越中豪族や[[越中一向一揆]]を支援して妨害した。[[天正]]4年([[1576年]])、上杉謙信は[[増山城]]、[[森寺城]]などを落城させ、越中を制圧する。しかし、天正10年([[1582年]])、[[柴田勝家]]を司令官とする[[織田氏]]の北陸侵攻が始まり、やがて越中の上杉氏の勢力は駆逐された([[魚津城の戦い]])。 === 安土桃山時代 === [[本能寺の変]]で信長が横死した後、[[柴田勝家]]の支援の下で[[佐々成政]]が越中を統一したが、勝家が[[豊臣秀吉|羽柴秀吉]]に敗れると、成政は秀吉に帰服せず、秀吉方の隣国の[[加賀国|加賀]]・能登の[[前田利家]]と争った。[[前田氏]]を支援した羽柴秀吉による[[富山の役]]により、成政は敗北。その所領は新川郡のみとなり礪波郡・射水郡・婦負郡は[[前田氏]]に与えられた。 文禄4年([[1595年]])には前田利長に越中の残る[[新川郡]]も加増され、[[青山吉次]]が上杉家の越中衆(土肥氏・柿崎氏・舟見氏など)から郡内の諸城を受け取る<ref group="注釈">蒲生騒動(大老として利家と景勝が調停)の混乱時のため、前田家中に新川郡の加増と城受け取りを記した文献はあるが(「加賀藩文書」前田育徳会など)、秀吉もしくは豊臣家からの領知判物や朱印状がなく江戸期に問題にされる。</ref>。 === 江戸時代 === [[江戸時代]]初期には[[土方氏]]の[[布市藩]]があったが、能登国内の領地と交換して、越中全域が前田領となった。後に[[加賀藩]]の支藩として[[富山藩]](婦負郡と新川郡の一部)が置かれたが、国内の大半は[[加賀藩]]領であった。その後は[[改易]]されることもなく、[[廃藩置県]]を迎えた。 === 近代以降の沿革 === * 「[https://www.rekihaku.ac.jp/up-cgi/login.pl?p=param/kyud/db_param 旧高旧領取調帳データベース]」に記載されている[[明治]]初年時点での国内の支配は以下の通り<ref group="注釈">「[[旧高旧領取調帳]]」は越中国分が欠けているため、[[木村礎]]の手により「天保郷帳」をもとに作成され、「日本史料選書13 旧高旧領取調帳 中部編」(近藤出版社、[[1977年]])に掲載されたデータが[[国立歴史民俗博物館]]によりデータベース化されている。</ref>(1,376村・808,038石余)。'''太字'''は当該郡内に[[藩庁]]が所在。 ** [[新川郡]](486村・282,133石余) - '''[[富山藩]]'''、[[加賀国|加賀]][[加賀藩|金沢藩]] ** [[婦負郡]](180村・84,671石余) - 富山藩 ** [[射水郡]](220村・171,283石余) - 加賀金沢藩 ** [[礪波郡]](490村・269,950石余) - 加賀金沢藩 * [[1871年]](明治4年) ** [[7月14日 (旧暦)|7月14日]] - [[廃藩置県]]により'''[[加賀藩|金沢県]]'''、'''[[富山藩|富山県]]'''(第1次)の管轄となる。 ** [[11月20日 (旧暦)|11月20日]] - 第1次府県統合により射水郡が'''[[七尾県]]'''、その他が'''[[新川県]]'''の管轄となる。 * [[1872年]](明治5年)[[9月27日 (旧暦)|9月27日]] - 七尾県の廃止により射水郡が新川県の管轄となる。 * [[1876年]](明治9年)[[4月18日]] - 第2次府県統合により全域が'''[[石川県]]'''の管轄となる。 * [[1883年]](明治16年)[[5月9日]] - 石川県から分立し、本国は'''[[富山県]]'''(第2次)の管轄となる。 == 国内の施設 == === 国府 === [[File:Shoko-ji (Takaoka), sekihi.jpg|thumb|200px|right|{{center|越中国庁址碑<br/>(高岡市伏木古国府)}}]] [[File:Fushiki Weather Station Museum, sekihi.jpg|thumb|200px|right|{{center|越中国守館址碑<br/>(高岡市伏木古国府)}}]] 国府は、射水郡にあった。現在の[[高岡市]]伏木古国府。現在の[[勝興寺]]の附近が国府跡とされており、境内に「越中國廰址」の石碑が立てられている。また、近くの[[高岡市伏木気象資料館]](旧伏木測候所)が「東館(ひがしだち)」という小字名から国司館跡と想像され、「國守館址」の石碑が立てられている。しかし、敷地内からは9世紀の建物跡が発掘されているが、奈良時代のものは確認されていない。 平安時代末に新湊(現射水市)に移されたことがあり、[[太平記]]には新湊での戦いが記録されている。 === 国分寺・国分尼寺 === [[国分寺|国分僧寺]]は現在の高岡市伏木一宮にあり、気多神社の近くの「国分寺跡」に薬師堂が建立されている。 尼寺の遺構は、現在まで発見されていない。 === 神社 === ; [[延喜式内社]] : 『[[延喜式神名帳]]』には、大社1社1座・小社32社33座の計33社34座が記載されている。全てのリストは[[越中国の式内社一覧]]を参照。大社は[[射水郡]]にあったとされるが、写本により異同があり、以下の2社の説がある。 * 射水郡 [[気多神社]] - 九条家本(最古の写本)に拠る。高岡市伏木一宮。 * 射水郡 [[射水神社]] - 出雲本に拠る。江戸時代までは現在の高岡市二上にあった。 ; [[総社]]・[[一宮]] * 総社 不明 * 一宮 '''[[射水神社]]'''、'''[[気多神社]]'''、'''[[高瀬神社]]'''、'''[[雄山神社]]''' 能登国が越中国の一部であった時代、越中国の[[一宮]]は現在の[[気多大社]]であったが、能登国を分立する際に二宮であった射水神社が越中国一宮とされた。[[白山比咩神社]]の社伝『白山記』には、「二神(射水神社)が元々の一宮であったが、新気多(気多神社)に一宮を取られた」とあり、気多大社から分祀して国府の近くに新たに創建された気多神社(新気多)が力をつけ、二上と新気多とが勢力争いをした結果、新気多が勝って一宮を名乗るようになったということになる。延喜式の写本における名神大社の異同もこの勢力争いの結果によるものとみられる。ただし、気多神社は新しく作られた神社ということで、名神大社でありながら射水郡の最後に書かれている。 後に気多神社の社勢が衰え、また、平安時代末の一時、国府が礪波郡に移された関係から、礪波郡の[[高瀬神社]]([[南砺市]]高瀬)が一宮を名乗るようになった。室町時代の『[[大日本国一宮記]]』では越中国一宮は「礪波郡の氣多神社」としているが、これは同じく大己貴命を祭神とする気多神社と高瀬神社を混同したものとみられる。一宮について各国一社のみを記す書籍では、大日本国一宮記の地名の記載の方を正として、越中国の一宮は高瀬神社と記しているものが多い。だからと言って高瀬神社のみが一宮であるということでもない。江戸時代に全国の一宮を巡拝した[[橘三喜]]は、「越中の一宮は礪波郡にあるらしいが、それらしき社は見えず」とし、射水と気多にのみ参って高瀬には参っていない。 中世に書かれた『[[神道集]]』では、越中一宮は[[立山権現]]([[雄山神社]]([[立山町]]))であると記されている。これは中世以降の[[立山信仰]]の普及に伴い、その中心地である立山権現が一宮とみなされたものとみられる。 現在では射水・気多・高瀬・雄山の4社ともが「越中国一宮」とされ、全国一の宮会に加盟している。 == 地域 == === 郡 === * [[礪波郡]] - 西南部。明治29年、[[東礪波郡]]・[[西礪波郡]]に分割 * [[射水郡]] - 西北部。明治29年、[[氷見郡]]を分割 * [[婦負郡]] - 中部。 * [[新川郡]] - 東部。明治11年、[[上新川郡]]・[[下新川郡]]に分割。明治29年、上新川郡より[[中新川郡]]を分割 ※以下四郡は、大宝2年(702年)3月に越後国へ移管 * [[頸城郡]] * [[古志郡]] * [[魚沼郡]] * [[蒲原郡]] ※以下四郡は、天平13年(741年)12月-天平宝字元年(757年)5月の能登国が越中国に併合された期間のみ * [[羽咋郡]] * [[能登郡]] * [[鳳至郡]] * [[珠洲郡]] == 人物 == === 国司 === ==== 越中守 ==== * [[田口年足]] 〈天平4年(732年)-〉 * [[大伴家持]] 〈天平18年(746年)6月21日-[[天平勝宝]]3年([[751年]])以前 〉 * [[茨田王]] 〈天平19年(747年)11月4日〉 * [[石川豊人]]〈天平勝宝6年(754年)5月14日〉 * [[阿倍広人]]〈天平宝字5年(759年)1月16日〉 * [[佐伯御形]] 〈天平神護3年(767年)〉 * [[甘南備伊香]]〈神護景雲2年(768年)6月3日〉 * [[石川真守]]〈宝亀3年(772年)4月27日〉 * [[牟都伎王]]〈宝亀7年(776年)3月6日〉 * [[安倍笠成]]〈宝亀8年(777年)10月13日〉 * [[調使王]] 〈延暦2年(783年)2月25日〉 * [[紀馬守]] 〈延暦4年(785年)2月5日〉 * [[藤原鷹養]]〈延暦8年(789年)6月〉 * [[石浦王]] 〈延暦10年(791年)6月5日〉 * [[石淵王]] 〈延暦18年(799年)1月29日〉 * [[藤原鷹養]]〈[[弘仁]]3年(812年)5月12日〉 * [[登美藤津]]〈弘仁5年(814年)12月2日〉 * [[和気真綱]]〈弘仁14年(823年)6月23日〉 * [[藤原三成]]〈[[天長]]2年(825年)〉 * [[藤原良房]]〈天長7年(830年)11月〉 * [[正行王]] 〈[[承和 (日本)|承和]]5年(838年)11月20日〉 * [[朝野鹿取]]〈承和9年(842年)1月13日-10年(843年)6月11日〉 * [[御船氏主]]〈承和10年(843年)6月28日〉 * [[源明]]  〈承和14年(847年)1月12日〉 * [[藤原安永]]〈[[嘉祥]]元年(848年)1月11日〉 * [[和気豊永]]〈嘉祥元年(848年)3月20日〉 * [[紀椿守]] 〈[[仁寿]]元年(851年)1月11日-3年(853年)3月28日〉 * [[春日雄継]]〈仁寿3年(853年)7月1日〉 * [[源啓]] 〈[[斉衡]]3年(856年)1月12日〉 * [[房世王]] 〈[[天安 (日本)|天安]]2年(858年)3月8日〉 * [[広宗糸継]]〈[[貞観 (日本)|貞観]]元年(859年)1月13日〉 * [[橘春成]] 〈貞観3年(861年)1月13日〉 * [[藤原春岡]]〈貞観4年(862年)2月11日〉 * [[基棟王]] 〈貞観5年(863年)2月10日〉 * [[棟貞王]] 〈権守 [[久賀三常]]、貞観7年(865年)1月27日〉 * [[良秀王]] 〈貞観10年(868年)1月16日〉 * [[峰雄]]  〈貞観13年(871年)4月21日〉 * [[橘宗嗣]] 〈貞観13年(871年)8月28日〉 * [[善淵永貞]]〈貞観18年(876年)4月11日〉 * [[春岳冬通]]〈[[元慶]]2年(878年)2月15日〉 * [[源湛]]  〈元慶7年(883年)〉 * [[橘休䕃]] 〈[[仁和]]3年(887年)2月27日-〉 * [[橘秋貞]] 〈[[寛平]]9年(897年)6月〉 * [[佐伯有若]]〈[[延喜]]5年(905年)7月11日〉 * [[清原正基]]〈延喜10年(910年)7月〉 * [[惟親]] 〈姓は欠字、延喜20年(920年)2月〉 * [[葛井清明]]〈[[延長 (日本)|延長]]8年(930年)6月〉 * [[藤原仲遠]]〈[[天禄]]年間(970-973年)〉 * [[紀斉名]] 〈[[長徳]]3年(997年)〉 * [[藤原正家]]〈権守 [[源家賢]]、[[康平]]4年(1061年)12月〉 * [[豊原奉季]]〈[[治暦]]3年(1067年)10月7日〉 * [[藤原資清]]〈[[承暦]]元年(1077年)〉 * [[藤原公盛]]〈承暦4年(1080年)〉 * [[橘頼里]] 〈[[寛治]]5年(1091年)1月〉 * [[藤原通季]]〈[[康和]]元年(1099年)1月23日〉 * [[藤原基実]]〈康和2年(1100年)7月23日〉 * [[源重資]] 〈康和5年(1103年)8月〉 * [[高階宗章]]〈[[嘉承]]元年(1106年)8月〉 * [[藤原宗隆]]〈嘉承2年(1107年)5月〉 * [[鈴木重康 (庄司)|鈴木重康]] * [[源俊親]] 〈[[永久 (日本)|永久]]2年(1114年)2月〉 * [[中原成俊]]〈[[天治]]元年(1124年)10月〉 * [[藤原公能]]〈[[大治 (日本)|大治]]元年(1126年)2月24日〉 * [[源仲経]] 〈大治2年(1127年)5月〉 * [[平忠盛]] 〈大治2年(1127年)11月〉 * [[藤原顕長]]〈大治4年(1129年)12月〉 * [[源雅光]] 〈大治5年(1130年)8月〉 * [[源忠兼]] 〈[[長承]]元年(1132年)1月〉 * [[源顕定]] 〈長承2年(1133年)2月〉 * [[源資賢]] 〈[[保延]]3年(1137年)12月16日〉 * [[藤原顕成]]〈[[久安]]2年(1146年)1月〉 * [[高階政家]]〈久安4年(1148年)1月〉 * [[藤原隆教]]〈[[仁平]]2年(1152年)閏12月〉 * [[藤原光隆]]〈[[保元]]2年(1157年)12月〉 * [[平教盛]] 〈[[平治]]元年(1159年)12月27日〉 * [[藤原光雅]]〈[[永暦]]元年(1160年)1月〉 * [[藤原定隆]]〈[[長寛]]2年(1164年)1月〉 * [[藤原資頼]]〈[[永万]]元年(1185年)7月〉 * [[藤原隆保]]〈[[仁安 (日本)|仁安]]2年(1167年)7月25日〉 * [[源有雅]] 〈仁安3年(1168年)1月〉 * [[平盛俊]] 〈[[安元]]元年(1175年)8月〉 * [[清原頼業]]〈安元2年(1176年)1月〉 * [[藤原雅隆]]〈[[治承]]3年(1179年)1月〉 * [[平業家]] 〈権守 [[藤原宣親]]、治承4年(1180年)1月〉 * [[藤原範高]]〈[[寿永]]2年(1183年)5月〉 * [[平親長]] 〈寿永2年(1183年)8月〉 * [[大内惟義|源惟義]] 〈[[文治]]元年(1185年)8月14日〉 * [[藤原家隆 (従二位)|藤原家隆]]〈文治元年(1185年)12月27日〉 * [[藤原資家]]〈権守 [[藤原忠経]]、[[建久]]元年(1190年)1月24日〉 * [[藤原公長]]〈建久9年(1198年)1月30日〉 * [[藤原頼継]]〈権守、[[元久]]2年(1204年)1月29日〉 * [[藤原頼季]]〈元久2年(1204年)11月29日〉 * [[藤原宗明]]〈[[建永]]元年(1206年)11月〉 * [[藤原仲経]]〈[[承元]]2年(1208年)7月9日〉 * [[源資俊]] 〈[[承久]]元年(1219年)8月〉 * [[中院定清|源定清]] ==== 越中介 ==== * [[内蔵縄麻呂]] * [[国見安曇]]〈[[天平神護]]3年(767年)〉 * [[皇甫東朝]]〈宝亀元年(770年)12月28日〉 * [[牟都伎王]]〈宝亀5年(774年)1月16日〉 * [[小治田諸成]]〈宝亀7年(776年)3月6日〉 * [[紀宮人]] 〈宝亀9年(778年)2月23日〉 * [[路石成]] 〈宝亀9年(778年)8月20日〉 * [[物部国足]]〈延暦元年(782年)1月17日〉 * [[佐伯鷹守]]〈延暦4年(785年)1月15日〉 * [[橘綿裳]] 〈延暦8年(789年)2月4日〉 * [[村国息継]]〈延暦18年(799年)1月29日〉 * [[藤原山人]]〈延暦23年(804年)1月24日〉 * [[縵家継]] 〈 弘仁4年(813年)2月13日〉 * [[安倍雄能麻呂]]〈弘仁6年(815年)1月10日〉 * [[大伴黒成]]〈弘仁6年(815年)2月9日〉 * [[石川越知人]]〈承和元年(834年)1月12日〉 * [[吉田高世]]〈興世高世、承和3年(836年)5月1日〉 * [[長岑秀名]]〈承和7年(840年)1月30日〉 * [[坂本鷹野]]〈承和8年(841年)1月22日〉 * [[味真御助麻呂]]〈承和10年(843年)2月3日〉 * [[安墀豊額]]〈嘉祥元年(848年)1月11日〉 * [[山代氏益]]〈仁寿2年(852年)1月15日〉 * [[春原末継]]〈天安元年(857年)1月14日〉 * [[斎部木上]]〈天安元年(857年)3月2日〉 * [[良岑清風]]〈天安元年(857年)6月19日〉 * [[大江直臣]]〈貞観3年(861年)1月13日〉 * [[菅野高松]]〈貞観3年(861年)2月25日〉 * [[菅野宗之]]〈貞観8年(866年)1月13日〉 * [[源弼]]  〈貞観11年(869年)3月23日〉 * [[志紀氏経]]〈貞観11年(869年)9月15日〉 * [[平貞相]] 〈元慶2年(878年)1月11日〉 * [[藤原高尚]]〈[[仁和]]2年(886年)1月16日〉 * [[上毛野茂実]]〈延喜10年(910年)7月見〉 * [[射水親元]]〈[[康平]]年間(1058-1064年)〉 * [[藤原顕業]]〈[[保延]]元年(1135年)1月28日〉 * [[源有通]] 〈権介、建久4年(1193年)1月29日〉 * [[藤原長倫]]〈権介、建保3年(1215年)1月13日〉 ==== 越中掾 ==== * [[大伴池主]] * [[久米広縄]]〈天平勝宝元年(749年)閏5月27日 〉 * [[三島宗麻呂]]〈天平宝宇3年(759年)11月14日〉 * [[若桜部粳麻呂]] 〈天平神護3年(767年)〉 * [[多治比清雄]]〈弘仁6年(815年)2月9日〉 * [[伊勢茂行]] 〈延喜10年(910年)7月見〉 ==== 越中目 ==== * [[秦八千嶋]](大目) * [[高安種麻呂]](大目) * [[秦石竹]](少目) * [[阿倍小殿浄足]] 〈天平神護3年(767年)〉 * [[上村主乎加豆良]](大目)〈弘仁6年(815年)2月9日〉 * [[和仁部真嗣]](小目)〈弘仁6年(815年)2月9日〉 * [[錦部人勝]](小目)〈番良人勝、承和3年(836年)12月4日〉 ==== 越中史生 ==== * [[土師道良]] * [[尾張少咋]] * [[佐伯河雄]] 〈元慶七年(883年)〉 * [[大私部善子丸]] 〈貞観6年(864年)7月8日〉 === 守護 === ==== 鎌倉幕府 ==== *?~1191年 - [[比企朝宗]]? *1221年~1245年 - [[北条朝時|名越朝時]] *1263年~1284年? - [[北条公時|名越公時]] *?~1333年 - [[北条時有|名越時有]] *[[名越時兼]]? ==== 室町幕府 ==== この節の出典は『室町幕府守護制度の研究 上』{{Sfn|佐藤|1967|p=262}}。なお、→は推定を示す。 * [[吉見頼隆]] - [[建武 (日本)|建武]]3年([[1336年]])12月以前~同4年([[1337年]])4月以降 * [[井上俊清]] - 建武4年(1337年)7月以前→[[康永]]3年([[1344年]])? * [[桃井直常]] - 康永3年(1344年)11月以前~[[観応]]元年([[1350年]])12月? * 桃井直常 - 観応2年([[1351年]])3月?~同年7月 * 井上俊清? - 観応2年(1351年)→同3年([[1352年]])9月~[[延文]]元年([[1356年]])12月以降 * [[細川頼和]] - 延文5年([[1360年]])10月以前→[[康安]]元年([[1361年]])9月 * 斯波氏([[斯波高経|高経]]?、[[斯波義将|義将]]?) - 康安元年(1361年)9月?→[[貞治]]元年([[1362年]])5月~同5年([[1366年]])8月 * [[桃井直信]] - 貞治6年([[1367年]])2月以前~同年11月→[[応安]]元年([[1368年]])2月? * 斯波義将 - 応安元年(1368年)2月?→同年8月~[[康暦]]元年([[1379年]])11月以降 * [[畠山基国]] - 康暦2年([[1380年]])7月~[[明徳]]3年([[1392年]])12月以降 ===== (以後、畠山氏) ===== *1406年~? - [[畠山満慶|畠山満則]] *1408年~1433年 - [[畠山満家]] *1433年~1455年 - [[畠山持国]] *1458年~1459年 - [[畠山義就]] *1460年~1493年 - [[畠山政長]] *1493年~1522年 - [[畠山尚順]] *?年~?年 - [[畠山政国]] === 武家官位としての越中守 === * [[安田景元]] * [[神保長住]] * [[織田信照]] * [[秋元長朝]] * [[秋元富朝]]〈[[寛永]]11年([[1634年]])12月30日~ 〉 * [[秋元喬求]]〈[[享保]]15年([[1730年]])12月18日~ 〉 * [[松平定賢]] * [[松平定邦]] * [[松平定信]] * [[松平定永]] * [[松平定和]] * [[松平定猷]] * [[松平定敬]]〈[[安政]]6年([[1859年]])~ 〉 * [[細川忠興]] * [[細川忠利]] * [[細川綱利]] * [[細川宣紀]] * [[細川宗孝]] * [[細川重賢]] * [[細川治年]] * [[細川斉茲]] * [[細川斉樹]] * [[細川斉護]] * [[細川韶邦]] == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} ===注釈=== {{Notelist}} ===出典=== <references/> == 参考文献 == {{Commonscat|Etchu Province}} * 富山県 [[1909年]]『越中史料』富山県 * [[角川日本地名大辞典]] 16 富山県 * {{Citation|和書|date=1967-09-10|title=室町幕府守護制度の研究|volume=上|volume-title=南北朝期諸国守護沿革考証編|publisher=[[東京大学出版会]]|author=[[佐藤進一]]|id={{NDLJP|2993194}}|ref={{SfnRef|佐藤|1967}}}}{{要登録}} * [https://www.rekihaku.ac.jp/up-cgi/login.pl?p=param/kyud/db_param 旧高旧領取調帳データベース] {{令制国一覧}} {{越中国の郡}} {{Japanese-history-stub}} {{Normdaten}} {{デフォルトソート:えつちゆうのくに}} [[Category:日本の旧国名]] [[Category:北陸道|国えつちゆう]] [[Category:富山県の歴史]] [[Category:越中国|*]]
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2018年
2018年(2018 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、月曜日から始まる平年。平成30年。 この項目では、国際的な視点に基づいた2018年について記載する。 日付は日本公開日。 日付は本国公開日。 ※ノーベル文学賞を主催するスウェーデンアカデミーは、メンバーのセクハラ問題などを理由に、2018年中の選考を見送り2019年に発表を行った。
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2018年は、西暦(グレゴリオ暦)による、月曜日から始まる平年。平成30年。 この項目では、国際的な視点に基づいた2018年について記載する。
{{Redirect|平成30年|[[堺屋太一]]の小説|平成三十年}} {{Otheruses||日本ローカルの事柄|2018年の日本}} {{年代ナビ|2018}} {{YearInTopic | 年 = 2018 }} {{year-definition|2018}} この項目では、国際的な視点に基づいた2018年について記載する。 == 他の紀年法 == {{Year in other calendars|year=2018}} * [[干支]]:[[戊戌]](つちのえ いぬ) * [[日本]](月日は一致) ** [[平成]]30年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2678年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4351年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]107年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]107年 * [[仏滅紀元]]:2560年10月15日 - 2561年閏9月9日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1439年4月13日 - 1440年4月22日 * [[ユダヤ暦]]:5778年4月14日 - 5779年4月23日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:1514764800 - 1546300799 * [[修正ユリウス日]](MJD):58119 - 58483 * [[リリウス日]](LD):158960 - 159324 == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2018}} == できごと == === 1月 === * [[1月1日]] ** [[国際連合|国連]]、[[国際連合安全保障理事会]]の非常任理事国に[[赤道ギニア]]、[[コートジボワール]]、[[クウェート]]、[[ペルー]]、[[ポーランド]]、[[オランダ]]が入り、入れ替わりで[[エジプト]]、[[イタリア]]、[[セネガル]]、[[ウクライナ]]、[[ウルグアイ]]、[[日本]]が、12月31日付で任期終了となった<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3157290|title=国連安保理、非常任理事国6か国入れ替え 日本の任期は終了|newspaper=AFPBB NEWS|date=2018-01-03|accessdate=2018-01-08}}</ref>。 ** {{PRK}} [[金正恩]][[朝鮮労働党委員長]]が2018年の「新年の辞」を発表し、[[朝鮮中央テレビ]]が放映<ref>{{Cite web|和書|date=2018-01-01 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25282030R00C18A1000000/ |title=金正恩氏、核・ミサイル「大量生産と実戦配備に拍車」 |work=日本経済新聞 |publisher=日本経済新聞社 |accessdate=2018-01-02}}</ref>。[[アメリカ合衆国本土]]攻撃が可能な[[核弾頭]]を搭載する[[大陸間弾道ミサイル]](ICBM)の実戦配備を宣言<ref>牧野愛博 「[https://www.asahi.com/articles/ASL1134NKL11UHBI002.html 金正恩氏、米本土攻撃可能なICBMの実戦配備を宣言]」 朝日新聞 2018年1月1日付、2018年1月3日閲覧.</ref>。 ** [[東南アジア諸国連合]](ASEAN)加盟10カ国の域内関税がゼロに{{要出典|date=2021-05}}。 **{{IDN}} [[北カリマンタン州]]都[[タンジュン・セロル]]を出港した45人乗りフェリーが転覆。33人が救助され、8人が死亡<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3156245|title=インドネシア・カリマンタン島沖でフェリー転覆、8人死亡|newspaper=AFPBB NEWS|date=2018-01-01|accessdate=2018-01-06}}</ref>。 ** {{NGA}} [[ナイジェリア]]、[[リバーズ州]]{{仮リンク|オモック|en|Omuku}}にて、教会で行われていた深夜の礼拝から帰宅していた信者が襲撃され、少なくとも14人が死亡<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3157219|title=深夜の礼拝帰りに銃撃、14人死亡 ナイジェリア|newspaper=AFPBB NEWS|date=2018-01-01|accessdate=2018-01-06}}</ref>。 **{{BRA}} [[ゴイアス州]]にある刑務所で暴動が発生。少なくとも9人が死亡、14人が負傷し、100人以上が脱走<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3157227|title=ブラジルの刑務所で暴動、9人死亡100人超脱走|newspaper=AFPBB NEWS|date=2018-01-01|accessdate=2018-01-06}}</ref>。 ** {{ZAF}} [[西ケープ州]]の[[テーブルマウンテン (南アフリカ)|テーブルマウンテン]]で懸垂下降をしていた日本人男性1人と現地ガイドの合わせて2人が死亡<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3157295|title=南アのテーブルマウンテンで2人死亡、1人は邦人と現地報道|newspaper=AFPBB NEWS|date=2018-01-03 |accessdate=2018-01-08}}</ref>。 * [[1月2日]] ** {{KOR}} [[趙明均]][[統一部]]長官、南北当局者の高官級会談を9日に板門店で開催するよう北朝鮮側に提案<ref>{{Cite web|和書|date=2018-01-02 |url=https://www.sankei.com/article/20180102-LGDMG6Y3FBOFTB4INFQUB3WVKI/ |title=【北朝鮮情勢】韓国、南北会談を提案 9日、板門店で高官級 |work=産経ニュース |publisher=産経新聞社 |accessdate=2018-01-08}}</ref>。統一部は5日、北朝鮮側が会談を受け入れたと発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20180105-6XHE5XGQ7VOTXN2Q6ZGEPNFTSM/|title=北朝鮮が韓国提案の南北会談受け入れ 9日に板門店で約2年ぶり|publisher=産経新聞社|date=2018-01-05|accessdate=2018-01-08}}</ref>。 ** {{PER}} 首都[[リマ]]近郊の{{仮リンク|パサマヨ|es|Serpentín de Pasamayo}}でバスがトラックと衝突して崖から約100メートル下に転落し、少なくとも48人が死亡した<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20180105011850/https://www.jiji.com/jc/article?k=2018010300243&g=int|title=バス事故で48人死亡=「悪魔のカーブ」100メートル転落-ペルー|publisher=[[時事通信社]]|date=2018-01-03|accessdate=2018-01-04}}</ref>。{{also|{{仮リンク|パサマヨバス転落事故|en|2018 Pasamayo bus crash}}}} * [[1月3日]] ** {{PRK}} [[祖国平和統一委員会]]の李善権委員長、[[朝鮮中央放送]]のラジオを通じ、[[板門店]]の韓国との連絡チャンネルを開通すると表明<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/world/news/180103/wor1801030019-n1.html|title=南北連絡チャンネル きょう午後3時過ぎ開通へ 北朝鮮表明|publisher=産経新聞社|date=2018-01-03|accessdate=2018-01-08}}</ref>。 ** {{PHI}} [[北サンボアンガ州]]{{仮リンク|シラワイ|en|Sirawai, Zamboanga del Norte}}で、拾って持ち帰った[[迫撃砲]]弾が自宅で爆発して8人が死亡、5人が負傷。シラワイは[[1990年代]]に政府軍とイスラム勢力との紛争があった地域で、被害者は金色の砲弾を金目の物と思い分解しようとしたという<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3157442|title=農園で発見の砲弾持ち帰り爆発、家族ら8人死亡 フィリピン|newspaper=AFPBB NEWS|date=2018-01-04|accessdate=2018-01-08}}</ref>。 ** {{VIE}} [[バクニン省]][[イエンフォン県]]クアンドー村(Quan Độ)にあったくず鉄倉庫が爆発し、子供2人が死亡、8人が負傷。家屋4軒が吹き飛んだ。倉庫の所有者であるくず鉄業者の男が違法に古い弾薬を貯蔵していたとして拘束<ref>{{Cite news|url=https://vietnamnews.vn/society/420492/bac-ninh-explosion-kills-2-children-injures-8.html#GMJOFdJoPvmhuh0U.97|title=Bắc Ninh: Explosion kills 2 children, injures 8|newspaper=Viet Nam News|date=2018-01-03|accessdate=2018-01-08|language=英語}}</ref>。 ** {{SYR}} [[ダマスカス]]近郊の東[[グータ]]地区をロシア軍が空爆。空爆やシリア政府軍の砲撃などで市民少なくとも23人が死亡<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3157384|title=動画:シリア反体制派地区で空爆や砲撃、民間人23人死亡|newspaper=AFPBB NEWS|date=2018-01-04|accessdate=2018-01-08}}</ref>。 ** 欧州各地で冬の嵐・{{仮リンク|エレノア (嵐)|en|2017–18 UK and Ireland windstorm season#Storm Eleanor|label=エレノア}}による被害が発生<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3157331|title=冬の嵐「エレノア」、欧州各国で大きな被害|newspaper=AFPBB NEWS|date=2018-01-04|accessdate=2018-01-08}}</ref>。 ** {{ISL}} 従業員25人以上の公共機関、企業は、同じ仕事に従事する従業員の賃金に性別格差がないことの証明を義務付ける法律が施行<ref>{{Cite news|url=https://www.cnn.co.jp/business/35112734.html|title=男女の同一賃金、アイスランドで証明義務付け 違反企業は罰金|newspaper=CNN|date=2018-01-04|accessdate=2018-01-08}}</ref>。 ** {{IRL}} [[ラウス県]][[ダンドーク]]で刃物による無差別襲撃事件。日本人1人が死亡、2人が負傷。犯人の18歳のエジプト人男性はその日に拘束<ref>{{Cite news|url=https://www.asahi.com/articles/ASL1422KHL14UHBI005.html|title=アイルランドで日本人刺殺 容疑者、無差別に襲撃か|newspaper=朝日新聞社|date=2018-01-04 |accessdate=2018-01-13}}</ref>。 ** {{ETH}} [[ハイレマリアム・デサレン]]首相、すべての政治犯の釈放と、政治犯収容所として悪名高かったマエケラウィ刑務所(Prison camp of Maekelawi)を閉鎖すると発表<ref>{{Cite news|url=https://www.apnews.com/e85f4cbac73a475286d9c091d1e42a29/Ethiopia-to-release-all-political-prisoners,-close-camp|title=Ethiopia to release imprisoned politicians, close camp|newspaper=AP通信|date=2018-01-04|accessdate=2018-01-08|language=英語}}</ref>。 ** {{NGA}} [[ボルノ州]]{{仮リンク|ガンボル|en|Gamboru}}のモスクで次ぎつぎテロ事件。11人が死亡<ref>{{Cite news|url=https://www.dw.com/en/nigeria-suicide-bomber-hits-mosque-in-borno-state/a-42010204|title=Nigeria: Suicide bomber hits mosque in Borno state|newspaper=Deutsche Welle|date=2018-01-03|accessdate=2018-01-08|language=英語}}</ref>。 * [[1月4日]] ** {{AFG2013}} [[カブール]]で、麻薬やアルコールなど禁制の品物を取り扱っていた闇市場を警察隊が取り締まっている最中を自爆テロが発生。20人が死亡、30人が負傷。ISILが犯行声明<ref>{{Cite news|url=https://www.nytimes.com/2018/01/04/world/asia/isis-kabul-suicide-attack.html|title=ISIS Suicide Attack Kills at Least 20 in Kabul|newspaper=ニューヨーク・タイムズ|date=2018-01-04|accessdate=2018-01-10|language=英語}}</ref>。 ** {{USA}} テロ対策が不十分だとして、[[パキスタン]]に対する治安対策支援を凍結すると発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.asahi.com/articles/ASL152DJTL15UHBI007.html|title=米、パキスタンへの治安対策支援を凍結|publisher=朝日新聞社|date=2018-01-05|accessdate=2018-01-13}}</ref>。 ** {{flagicon|USA}}{{flagicon|KOR}} アメリカ合衆国大統領[[ドナルド・トランプ]]と韓国大統領[[文在寅]]が電話会談し、2月の平昌五輪期間中に米韓合同軍事演習を実施しないことで合意<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20180105-GUOUP5J6F5M67MGP2CQJJ5S2XY/ |title=トランプ氏が2月の平昌五輪期間中の演習延期に合意 文在寅氏との電話会談|publisher=産経新聞社 |date=2018-01-05|accessdate=2018-01-13}}</ref>。 ** {{COD}} [[キンシャサ]]の貧民街で3日夜からの豪雨による洪水と土砂崩れにより、44人が死亡<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3157583|title=コンゴ民主共和国の首都キンシャサで土砂崩れ、44人死亡|newspaper=AFPBB NEWS|date=2018-01-06|accessdate=2018-01-12}}</ref>。 **{{PER}} 前年12月24日に恩赦が発表された[[アルベルト・フジモリ]]元大統領が入院先の病院を退院<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3157508|title=恩赦のフジモリ元大統領、退院し自由の身に ペルー|newspaper=AFPBB NEWS|date=2018-01-05|accessdate=2018-01-10}}</ref>。 **{{ZAF}} [[フリーステイト州]]{{仮リンク|クルーンスタッド|en|Kroonstad}}近郊の線路で列車がトラックに衝突し、車両数両が脱線。18人が死亡、254人が負傷<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3157452|title=列車とトラックが衝突、18人死亡254人負傷 南アフリカ|newspaper=AFPBB NEWS|date=2018-01-05 |accessdate=2018-01-10}}</ref>。 * [[1月5日]] ** {{EGY}} [[ルクソール]]で観光用の気球が墜落し、1人が死亡、12人が負傷した<ref>{{Cite news|url=https://www.asahi.com/articles/ASL155R28L15UHBI01N.html|title=エジプト・ルクソールで気球墜落 1人死亡12人負傷|newspaper=朝日新聞社|date=2018-01-05 |accessdate=2018-01-13}}</ref>。 ** {{PRC}} 昨年12月の[[国際連合安全保障理事会|国連安保理]]制裁決議に基づき、[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]向け[[原油]]の輸出を制限すると発表した<ref>{{Cite news|url=https://www.asahi.com/articles/ASL156X38L15UHBI025.html|title=中国、北朝鮮向け原油輸出制限を発表 6日から実施へ|newspaper=朝日新聞社|date=2018-01-05 |accessdate=2018-01-13}}</ref>。 ** {{PNG}} [[東セピック州]]{{仮リンク|スクートン諸島|en|Schouten Islands (Papua New Guinea)}}の火山島・{{仮リンク|カドバー島|en|Kadovar}}が噴火し、住人500人が緊急避難。同島の噴火は有史以来初めて<ref>{{Cite news|url=https://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/2/3/23339.html|title=史上初!パプアニューギニアの島が爆発的噴火 500人が緊急脱出|newspaper=ハザード・ラボ|date=2018-01-07|accessdate=2018-01-08}}</ref>。 * [[1月6日]] ** {{SAU}} 王族に対する光熱費補助の停止や王族の処刑に抗議し、4日に[[リヤド]]の王宮前で座り込みをした王子11人を逮捕<ref>{{Cite news|url=https://www.asahi.com/articles/ASL175PWXL17UHBI014.html|title=サウジアラビア、抗議の座り込みした王子11人逮捕|newspaper=朝日新聞社|date=2018-01-07 |accessdate=2018-01-13}}</ref>。 ** {{SEN}} [[カザマンス|カザマンス地方]][[ジガンショール]]近郊の森で薪を集めていた人々を武装集団が襲撃。13人が死亡、7人が負傷<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3157648|title=セネガル南部で若者13人殺害、反政府勢力による犯行の可能性|newspaper=AFPBB NEWS|date=2018-01-06|accessdate=2018-01-13}}</ref>。 **{{PRC}} [[上海市]]の[[黄河]]河口から160[[カイリ]](約300キロ)の[[東シナ海]]沖合で[[パナマ]]船籍の[[タンカー]]、{{仮リンク|サンチ号|en|MV Sanchi}}と香港船籍の貨物船が衝突。タンカーが炎上し、[[イラン]]人30人、[[バングラデシュ]]人2人の乗組員が行方不明。貨物船の中国人船員21人は救出<ref>{{Cite news|url=https://www.asahi.com/articles/ASL1752S0L17UHBI00W.html|title=東シナ海でタンカー炎上、32人不明 貨物船と衝突|newspaper=朝日新聞社|date=2018-01-07 |accessdate=2018-01-13}}</ref>。{{Main|石油タンカー・サーンチーの衝突事故}} * [[1月7日]] ** {{SWE}} {{仮リンク|フッディンゲ|sv|Huddinge kommun}}の地下鉄{{仮リンク|バルビーゴード駅|sv|Vårby gård (tunnelbanestation)}}で[[手榴弾]]と見られる爆発物による爆破事件。1人が死亡、1人が負傷<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3157685|title=スウェーデン首都郊外の地下鉄駅前で爆発、2人死傷 手投げ弾か|newspaper=AFPBB NEWS|date=2018-01-08|accessdate=2018-01-16}}</ref>。 ** {{MEX}} [[アカプルコ]]近郊で市民や自警団、警察が絡む武力衝突が発生。11人が死亡、30人以上が拘束<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3157703|title=動画:メキシコ南部で衝突、11人死亡 30人超身柄拘束|newspaper=AFPBB NEWS|date=2018-01-08|accessdate=2018-01-16}}</ref>。 * [[1月14日]] - 6日に衝突したサンチ号が沈没。イランの救助隊、サンチ号乗員の生存は絶望的との見方を示す。[[人民日報]]は15日、現場を起点に長さ約18.5キロ、幅約7.4キロの範囲に油が広がっていると報道。同船は[[コンデンセート]](軽質原油)13万6000トンを積載しており、油量流出量としては史上最多となる恐れがある<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3158503|title=動画:動画:中国沖で衝突炎上のタンカーが沈没、乗組員の生存絶望的|newspaper=AFPBB NEWS|date=2018-01-15 |accessdate=2018-01-16}}</ref><ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3158628|title=中国沖タンカー事故、深刻影響の恐れ 前代未聞の油流出量との指摘も|newspaper=AFPBB NEWS|date=2018-01-15|accessdate=2018-01-16}}</ref>。 * [[1月15日]] - {{ROU}} {{仮リンク|ミハイ・トゥドセ|en|Mihai Tudose}}首相が党内の信任投票で不信任とったことを受け首相辞任を表明。{{仮リンク|ポール・スタネスク|en|Paul Stănescu}}副首相が代行を務めるとみられたが<ref>{{Cite news|url=https://www.sankei.com/world/news/180116/wor1801160008-n1.html|title=ルーマニア首相が辞任表明 内閣改造めぐり与党と対立 安倍晋三首相の訪問前に|work=産経ニュース|newspaper=[[産経新聞]]|date=2018-01-16|accessdate=2018-01-16}}</ref>、翌16日になって[[クラウス・ヨハニス]]大統領がスタネスクの代行就任を認めず、国防大臣の{{仮リンク|ミハイ・フィフォル|en|Mihai Fifor}}を指名した<ref>{{Cite news|url=https://www.europafm.ro/klaus-iohannis-nu-ar-fi-de-acord-cu-paul-stanescu-premier-interimar-surse-europa-fm/|title=Klaus Iohannis nu ar fi de acord cu Paul Stănescu premier interimar (surse Europa FM)|agency=[[:en:Europa FM (Romania)|Europa FM]]|date=2018-01-16|accessdate=2018-01-16}}</ref>。17日、次期首相に[[ヴィオリカ・ダンチラ]]を指名<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3158945|title=ルーマニア首相辞任で安倍氏会談できず ネットで国民の謝罪相次ぐ|work=AFPBB News|agency=[[フランス通信社]]|date=2018-01-18|accessdate=2018-01-18}}</ref>。 * [[1月16日]] ** {{CZE}} [[アンドレイ・バビシュ]]政権の内閣信任決議を賛成78、反対117で否決<ref>{{Cite news|url=https://www.zeit.de/politik/ausland/2018-01/tschechien-andrej-babis-milos-zeman-eu-subventionen-betrug|title=Ministerpräsident Babiš verliert Vertrauensabstimmung|newspaper=[[ディー・ツァイト]]|date=2018-01-16|accessdate=2018-01-17}}</ref>。 ** [[フリーダム・ハウス]]が、2018年の「世界の自由」報告の自由度格付けを発表<ref>{{Cite web|和書|date=2018-01-17 |url=https://japan.cna.com.tw/news/asoc/201801170003.aspx |title=台湾の自由度、100点満点中93点 日本は96点=米人権団体 |publisher=中央社フォーカス台湾 |accessdate=2018-01-21}}</ref>。 * [[1月17日]] - {{GBR}} [[テリーザ・メイ]][[イギリスの首相|英国首相]]は、英国国内で社会問題化している社会的孤独者の増加に政府として取り組むため、[[第2次メイ内閣|内閣]]に[[孤独問題担当国務大臣]]を設置することを決定し、初代大臣として[[保守党 (イギリス)|保守党]][[庶民院 (イギリス)|庶民院]]議員にして、メイ政権で{{仮リンク|スポーツ・市民社会担当国務次官|en|Minister for Sport and Civil Society}}を務める[[トレーシー・クラウチ]]を指名したことを発表した<ref>{{Cite press release |title= PM commits to government-wide drive to tackle loneliness |publisher= Prime Minister's Office, 10 Downing Street and The Rt Hon Theresa May MP |date= 2018-1-17|url= https://www.gov.uk/government/news/pm-commits-to-government-wide-drive-to-tackle-loneliness|language= 英語|accessdate=2018-1-31}}</ref>。 * [[1月24日]] - {{TWN}} [[台北市]]の[[台北アリーナ]]で[[2018年四大陸フィギュアスケート選手権]]が開幕<ref>{{Cite web|和書|date=2018-01-25 |url=https://japan.cna.com.tw/news/aart/201801250004.aspx |title=フィギュア四大陸、台北で開幕 女子SPで日本勢が上位独占/台湾 |publisher=中央社フォーカス台湾 |accessdate=2018-01-26}}</ref>。 * [[1月31日]] - 世界各地で「スーパー・ブルー・ブラッドムーン」が観測された<ref>{{Cite web|和書|date=2018-02-01 |url=https://www.cnn.co.jp/fringe/35114027.html |title=世界各地で「スーパー・ブルー・ブラッドムーン」観測 |work=CNN.co.jp |publisher=[[CNN (アメリカの放送局)|CNN]] |accessdate=2018-02-11}}</ref>。 === 2月 === * [[2月6日]] - {{TWN}} [[台湾標準時]]23時50分に[[花蓮県]]近海で[[モーメント・マグニチュード|Mw]] 6.4の地震が発生。[[花蓮市]]内の[[ホテル]]などが倒れ、17人が死亡。250人以上が負傷<ref>{{Cite news|url =https://www.sankei.com/article/20180210-ZOT3AQG5VRJJFFP6RIRJFUQMZY/ |title=【台湾地震】死者17人に、捜索終了へ 日本の支援チームが会見「温かい言葉かけてもらった」|newspaper=産経ニュース|date=2018-02-10|accessdate=2018-02-22}}</ref>。{{also|花蓮地震 (2018年)}} * [[2月9日]] - {{KOR}} [[2018年平昌オリンピック]]開幕、[[2018年平昌オリンピックの開会式|開会式]]<ref>{{Cite web|和書|date=2018-02-10 |url=http://japanese.cri.cn/2021/2018/02/10/147s269683.htm |title=<平昌冬季五輪>南北合同行進で平和の扉開く=IOC報道官 |publisher=中国国際放送局 |accessdate=2018-02-16}}</ref>。25日閉幕 * [[2月11日]] - {{RUS}} [[ドモジェドヴォ空港]]から飛び立った[[オルスク]]行きの[[サラトフ航空]]703便が、離陸直後に墜落し、乗員乗客71人全員が死亡した<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3162062|title=ロ旅客機墜落、71人全員死亡 当局はテロ可能性に言及せず|newspaper=AFPBB NEWS|date=2018-02-12|accessdate=2018-02-13}}</ref>。{{also|サラトフ航空703便墜落事故}} <!-- 「2018年の鉄道」に掲載 * [[2月11日]] - [[東京都交通局10-000形電車]] の運転終了 --> === 3月 === * [[3月1日]] - {{USA}} [[ニューヨーク]]の[[メトロポリタン美術館]]が、これまで任意だった入館料の支払いを原則義務化することを発表した<ref>{{Cite news|url=https://www.asahi.com/articles/ASL152P8KL15UHBI00D.html|title=米メトロポリタン美術館、入館料義務化へ 3月から|newspaper=朝日新聞社|date=2018-1-5|accessdate=2018-1-13}}</ref>。 * [[3月9日]]〜[[3月18日]] - [[大韓民国]][[江原道]][[平昌郡]]で[[平昌パラリンピック|第12回冬季パラリンピック]]が開催された<ref>{{Cite web|和書|date=2018年3月9日 |url=https://hochi.news/articles/20180309-OHT1T50085.html |title=平昌パラリンピックが開幕!日本は6個以上のメダル獲得が目標…全38選手名簿 |publisher=スポーツ報知 |accessdate=2018-03-22}}</ref><ref>{{Cite web|和書|date=2018-03-19 |url=https://www.nikkei.com/article/DGKKZO28288710Y8A310C1MM8000/ |title=平昌パラリンピック閉幕 日本メダル10個 |publisher=日本経済新聞社 |accessdate=2018-03-22}}</ref>。 *[[3月11日]] - {{HKG}} 宣誓が中央政府の基準に反するとして資格を取り消された立法会議員6名のうち、法廷で係争中の2名を除く4名の議席を巡る補欠選挙が行われた<ref>{{Cite news|title=香港「民主化」曲がり角 立法会補選、民主派が苦戦 若者が離反|date=2018-03-12|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28007060S8A310C1FF1000/|accessdate=2018-07-14|publisher=日本経済新聞|publication-date=2018-03-12}}</ref>。投票の結果、各2議席を親中派(うち1議席が直接選挙枠)と民主派が獲得した。 * [[3月13日]] - {{USA}} [[ドナルド・トランプ]]が[[レックス・ティラーソン]]を[[アメリカ合衆国国務長官|国務長官]]から解任すると表明した<ref>{{Cite news|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180313/k10011363871000.html|title=トランプ大統領 ティラーソン国務長官を解任|newspaper=NHKニュース|publisher=日本放送協会|date=2018-03-13|accessdate=2018-03-13}}</ref>。 * [[3月18日]] - {{RUS}} [[2018年ロシア大統領選挙]]投票日<ref>{{Cite web|和書|date=2018年3月20日 |url=https://jp.reuters.com/article/ru-putin-no-expansion-idJPKBN1GV28I |title=ロ大統領再選のプーチン氏、軍拡競争望まずと表明 相違解決に最大限努力 |publisher=ロイター |accessdate=2018-04-19}}</ref>。[[ウラジーミル・プーチン]]が再選された<ref>{{Cite news|date=2018-3-19|title=ロシア大統領選、プーチン氏が圧勝|url=https://www.bbc.com/japanese/43453959|newspaper=BBCニュース}}</ref>。 * [[3月25日]] - {{RUS}} [[ケメロヴォ]]にある大型ショッピングセンター「ジームニャヤ・ヴィーシニャ」で大規模火災が発生し、64人が死亡、79人が負傷した<ref>[https://www.bbc.com/japanese/43537597 ロシアのショッピングセンター火災、少なくとも64人死亡]BBC、2018年6月11日閲覧。</ref>。{{also|ケメロヴォショッピングセンター火災}} === 4月 === * [[4月13日]] - {{SYR}} [[ダマスカス]]近郊での[[化学兵器]]使用疑惑を受け、[[アメリカ軍|米]][[イギリス軍|英]][[フランス軍|仏]]連合軍が、[[ハーフィズ・アル=アサド|アサド]]政権の化学兵器に関連するとされる3か所への[[ミサイル]]攻撃を行った<ref>{{Cite news|url=https://mainichi.jp/articles/20180414/k00/00e/030/261000c|title=米英仏 シリア攻撃「正義の力」 化学兵器施設標的|newspaper=毎日新聞 |date=2018-04-14|accessdate=2018-04-29}}</ref>。 * [[4月19日]] - {{SWZ}} 国王[[ムスワティ3世]]は同国の都市[[マンジニ]]で執り行った独立50周年記念式典での演説に於いて「私はこの国の名前を元に戻す」として、国名を現地語に則り『[[エスワティニ王国]](Kingdom of eSwatini)』と改めることを宣言した<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3171829|date=2018-04-20|title=スワジランド、国名を「エスワティニ」に 英語排除し現地語回帰 |newspaper=AFP BB NEWS Japan|agency=株式会社クリエイティヴ・リンク|accessdate=2018-04-20}}</ref>。 * [[4月21日]] - 世界最高齢者の{{flagicon|JPN}} [[田島ナビ]]([[1900年]]生まれ)が逝去し、確実な証拠のある[[19世紀]]生まれは全員逝去した<ref>{{Cite news2|url=https://www.asahi.com/articles/ASL4P7QPXL4PTIPE026.html|title=「世界最高齢」117歳、鹿児島の田島ナビさんが死去|newspaper=朝日新聞デジタル|date=2018-04-21|accessdate=2018-04-22}}</ref>。 * [[4月26日]] - {{USA}} [[ドナルド・トランプ|トランプ]]大統領の任命により、解任された[[レックス・ティラーソン]]の後任として、[[中央情報局]](CIA)長官の[[マイク・ポンペオ]]が第70代[[アメリカ合衆国国務長官]]に就任した<ref>{{Cite news|url=https://www.cnn.co.jp/usa/35118459.html|title=ポンペオ氏が米国務長官に就任 トランプ政権で2人目|work=CNN.co.jp|agency=[[CNN (アメリカの放送局)|CNN]]|date=2018-04-27|accessdate=2018-04-27}}</ref>。 * [[4月27日]] - {{flagicon|KOR}}{{flagicon|PRK}} [[軍事境界線 (朝鮮半島)|韓国・北朝鮮の軍事境界線]]である[[板門店]]において、[[大韓民国|韓国]]の[[文在寅]]大統領と[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]の[[金正恩]]朝鮮労働党委員長が[[2018年南北首脳会談|史上3回目の南北首脳会談]]を実施し、朝鮮半島の非核化の実現を目標とした共同宣言「[[板門店宣言]]」が発表された<ref>{{Cite news|title=「核のない朝鮮半島実現が南北の共同目標」南北首脳共同宣言 {{!}} NHKニュース|last=日本放送協会|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180427/k10011420501000.html?utm_int=all_side_ranking-access_001|accessdate=2018-04-27|language=ja-JP|work=NHKニュース}}</ref>。 === 5月 === {{節スタブ}} * [[5月19日]] - {{GBR}} [[ヘンリー・オブ・ウェールズ|ヘンリー王子]]とアメリカの女優、[[メーガン・マークル]]の挙式が、[[ウィンザー城]]の聖ジョージ礼拝堂で行われた<ref name=":0">{{Cite news|title=イギリス ヘンリー王子の結婚式 来年5月19日に|newspaper=毎日新聞社|date=2017-12-15|url=https://mainichi.jp/articles/20171216/k00/00m/030/187000c|accessdate=2017-12-16}}</ref>。 === 6月 === {{節スタブ}} * [[6月7日]] - {{flagicon|JPN}}{{flagicon|USA}} 日米首脳会談が、米ワシントンのホワイトハウスで行われた<ref>{{Cite web|和書|date=2018年6月8日 |url=https://www.yomiuri.co.jp/politics/20180607-OYT1T50103.html |title=日米首脳会談、トランプ氏「北制裁解除しない」 |work=YOMIURI ONLINE |publisher=読売新聞社 |accessdate=2018-06-10}}</ref>。 <!-- 日本ローカル? * [[6月9日]] - [[東海道新幹線]]のぞみ号で殺人未遂事件。 --> * [[6月11日]] - {{KOR}} [[月城原子力発電所]]で冷却材漏出事故が発生した<ref>{{Cite web|和書|date=2018年6月14日 |url=https://japanese.joins.com/article/j_article.php?aid=242264 |title=韓国原発で重水漏出、29人が放射能に被ばく |publisher=中央日報 |accessdate=2018-10-08}}</ref>。 * [[6月12日]] - {{flagicon|USA}}{{flagicon|PRK}} [[ドナルド・トランプ|トランプ]]大統領と[[金正恩]]委員長が[[シンガポール]]にて[[2018年米朝首脳会談|首脳会談]]を行い、北朝鮮の非核化と体制保障を含む合意文書に署名した<ref>{{Cite news|url=https://jp.reuters.com/article/us-nkorea-denuclearization-idJPKBN1J80RL|title=米朝首脳、非核化と北朝鮮の体制保障で合意:識者はこうみる|work=ロイター|agency=[[ロイター]]|date=2018-06-12|accessdate=2018-06-17}}</ref><ref>{{Cite news|url=https://www.bbc.com/japanese/44447585|title=史上初の米朝首脳会談、文書に署名 「北朝鮮との関係は大きく変わる」|work=BBC News|agency=[[英国放送協会|BBC]]|date=2018-06-12|accessdate=2018-06-17}}</ref>。{{also|2018年米朝首脳会談}} * [[6月14日]]〜[[7月15日]] - {{RUS}} [[2018 FIFAワールドカップ]]ロシア大会開催<ref>{{Cite web|和書|date=2018-06-15 |url=http://japanese.cri.cn/20180615/16d0ecc8-421e-a2f8-6e28-5f575db3a3ad.html |title=2018FIFAワールドカップ開幕 |publisher=中国国際放送局 |accessdate=2018-07-02}}</ref>。 * [[6月17日]] - {{flagicon|JPN}} * [[トヨタ]]が、[[フランス]]の[[サルト・サーキット]]で行われた[[ル・マン24時間レース]]で初優勝した。日本メーカーと日本人ドライバーによる優勝は初めて。 * [[6月18日]] - {{JPN}} [[大阪府]]北部で[[気象庁マグニチュード|Mj]] 6.1の地震。最大[[気象庁震度階級|震度]]6弱の地震により、死者6人、負傷者462人の被害となった<ref name="fdma-30">{{Cite web|和書|url=https://www.fdma.go.jp/disaster/info/items/190820oosakafuhokubujisinn32.pdf|title=大阪府北部を震源とする地震による被害及び消防機関等の対応状況(第32報)|accessdate=2019-09-29|date=2019-08-20|format=PDF|publisher=総務省消防庁}}</ref>。{{also|大阪府北部地震}} * [[6月23日]] - {{THA}} タムルアン[[洞窟]]に現地のサッカー少年団が閉じ込められる事故が発生。{{also|タムルアン洞窟の遭難事故}} * [[6月24日]] - {{SAU}} 女性の車の運転が解禁された<ref name="afp2018">[https://www.afpbb.com/articles/-/3179746 サウジアラビアで女性の運転解禁]AFP、2018年6月26日閲覧。</ref><ref name="mainichi2018">[https://mainichi.jp/articles/20180625/k00/00m/030/033000c 「とても興奮しています」女性の車運転解禁]毎日新聞、2018年6月26日閲覧。</ref><ref name="sankei2018">[https://www.sankei.com/world/news/180624/wor1806240009-n1.html サウジで女性の車の運転が解禁 「とても興奮しています」]産経新聞、2018年6月26日閲覧。</ref><ref name="huffingtonpost2018">[https://www.huffingtonpost.jp/entry/women-can-drive-in-saudi-arabia_jp_5c5b7e8ee4b0faa1cb6817be 女性たちは笑顔でハンドルを握った。サウジアラビアで運転解禁]HUFFPOST、2018年6月26日閲覧。</ref><ref name="BBC2018">[https://www.bbc.com/japanese/44598113 サウジで女性の自動車運転が解禁 現地女性が喜び語る]BBC、2018年6月26日閲覧。</ref>。 * [[6月25日]] - 宇宙国家「アスガルディア」の指導者にロシアの科学者であり、実業家でもあるイーゴリ・アシュルベイリが選出され、[[ウィーン]]の[[ホーフブルク宮殿]]で就任式が行われた<ref>{{Cite web|和書|url=https://nazology.net/archives/14362|title=人類初の宇宙国家「アスガルディア」 指導者にロシアの科学者が就任|accessdate=2018-09-24|date=2018-06-28}}</ref>。 * [[6月26日]] - [[新潟県]][[上越市]]の「[[上越市立水族博物館]]」が「[[上越市立水族博物館|うみがたり]]」という愛称でリニューアルオープン。 * [[6月28日]]〜[[7月8日]] - {{JPN}} [[平成30年7月豪雨]](西日本豪雨)が発生し、死者・行方不明者は271人、負傷者は484人に上った<ref name="fdma2">{{Cite web|和書|url=https://www.fdma.go.jp/disaster/info/items/190820nanagatugouu60h.pdf|title=平成30年7月豪雨及び台風第12号による被害状況及び消防機関等の対応状況(第60報)|accessdate=2019-08-28|date=2019-08-20}}</ref><ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33875110W8A800C1CC1000/ 西日本豪雨1カ月 平成最悪の水害、列島に傷痕](日本経済新聞 2018年8月7日)</ref>。 === 7月 === {{節スタブ}} * [[7月6日]] - {{JPN}} 一連の[[オウム真理教事件]]に関わった7人(元教祖[[麻原彰晃]]、元教団幹部の[[早川紀代秀]]、[[新実智光]]、[[井上嘉浩]]、[[遠藤誠一]]、[[中川智正]]、[[土谷正実]]死刑囚)の[[死刑]]が執行された<ref>{{Cite web|和書|date=2018年7月6日 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32707920W8A700C1MM8000/ |title=オウム事件「平成」終幕意識 松本死刑囚ら7人刑執行 |publisher=日本経済新聞 |accessdate=2018-08-21}}</ref>。 * [[7月15日]] - {{RUS}} [[2018 FIFAワールドカップ]]において、[[フランス]]が2度目の優勝を決めた。 * [[7月19日]] - {{KAZ}} [[2014年ソチオリンピック]][[フィギュアスケート]]男子シングル銅メダリストの[[デニス・テン]]が、母国の[[カザフスタン]]で強盗に襲撃され死亡<ref>{{Cite web|和書|date=2018-07-19 |url=https://hochi.news/articles/20180720-OHT1T50075.html |title=デニス・テンさん刺殺…車のミラー盗まれそうになり争い |publisher=スポーツ報知 |accessdate=2018-07-20}}</ref>。 * 7月22日ー世界最高齢だった都千代が死去し、田中カ子が世界最高齢となった。 * [[7月23日]] - {{LAO}} [[アッタプー県]]で建設中の水力発電用の[[ダム]]が決壊し、71人が死亡した<ref>{{Cite news |title=ラオスでダム決壊、数百人不明…大雨で貯水限界 |newspaper=YOMIURI ONLINE |date=2018-07-25 |url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20180724-OYT1T50086.html?from=tw |accessdate=2018-07-30}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=ラオスのダム決壊、ずさんな工事が原因か 行方不明者の捜索難航 |publisher=AFP |date=2018-07-29 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3184154 |accessdate=2018-07-30}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://dotworld.press/thailand_laos_rethink_asia_battery_plan/|title=ラオスのダム決壊から2年|accessdate=2020年8月7日|website=dotworld.press}}</ref>。{{main|セーピアン・セーナムノイダム決壊事故}} * [[7月26日]] - {{JPN}} 一連のオウム真理教事件に関わった6人(元教団幹部の[[岡崎一明]]、[[端本悟]]、[[林泰男]]、[[豊田亨]]、[[横山真人]]、[[広瀬健一]]死刑囚)の死刑が執行された(6日と合わせて同月内に計13人に執行)<ref>{{Cite web|和書|url=http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2018-07/27/content_57839517.htm|title=オウム真理教、6人の死刑が一斉執行|accessdate=2018-08-21|date=2018年7月27日|publisher=中国網日本語版}}</ref>。 *[[7月28日]] - [[皆既月食]]を観測。 === 8月 === {{節スタブ}} * [[8月5日]] - {{IDN}} [[ロンボク島]]近海で[[モーメント・マグニチュード|Mw]] 6.9の地震が発生<ref>{{Cite news |title=インドネシア・ロンボク島でM7.0 |newspaper=日本経済新聞 朝刊 |date=2018年8月6日 |author= |url=https://www.nikkei.com/article/DGKKZO33829470V00C18A8FF8000/ |accessdate=2018-08-13}}</ref>。{{also|ロンボク島地震 (2018年8月5日)}}400人以上が死亡<ref>{{Cite web|和書|date= 2018-08-13|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3185924?cx_part=search |title=ロンボク島地震、死者400人超に 経済的被害は380億円 |publisher=AFP |accessdate=2020-10-16}}</ref>。 * [[8月14日]] - {{ITA}} [[モランディ橋]]が崩落した<ref>[https://www.buzzfeed.com/jp/matthewchampion/genoa-bridge-collapse-1 イタリア・ジェノバで橋が崩落]BuzzFeed、2018年9月6日閲覧。</ref>。 ** [[2004年]]に日本の[[広島県]]で起きた[[廿日市女子高生殺害事件]]の犯人が逮捕される。 === 9月 === {{節スタブ}} * [[9月6日]] - {{JPN}} [[北海道]][[胆振地方]]中東部で[[気象庁マグニチュード|Mj]] 6.7の地震。[[北海道]][[厚真町]]で[[震度7]]を観測し、死者43人、負傷者782人、道内全域の約295万戸で[[停電]]が発生した<ref name="fdma">{{Cite web|和書|url=https://www.fdma.go.jp/disaster/info/items/190820hokkaidoujisinn35.pdf|title=北海道胆振地方中東部を震源とする地震による被害及び消防機関等の対応状況(第35報)|accessdate=2019-09-04|date=2019-08-20|format=PDF|publisher=総務省消防庁 災害対策本部}}</ref><ref>{{PDF|[https://www.fdma.go.jp/bn/f60e69a7f14c4b628190c0e71c34df94889ab1a6.pdf 北海道胆振地方中東部を震源とする地震による被害及び消防機関等の対応状況(第19報)]}}(消防庁災害対策本部 2018年9月10日)</ref><ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35045160W8A900C1000000/ 北海道地震、なぜ全域停電 復旧少なくとも1週間](日本経済新聞 2018年9月6日)</ref>。{{also|北海道胆振東部地震}} * [[9月16日]] - 第45回[[ベルリンマラソン]]で[[エリウド・キプチョゲ]]が世界初の2時間1分台(2時間1分39秒)に突入<ref>[https://www.afpbb.com/articles/-/3189828 キプチョゲが世界新でベルリン・マラソン優勝、史上初の2時間1分台] AFPBB News (2018年9月17日) 2020年10月15日閲覧。</ref>。 * [[9月23日]] - {{PRC}} [[広深港高速鉄道]](第二九広鉄路)が全線開通した<ref>[http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=1106&f=business_1106_146.shtml 広州-香港間を48分で結ぶ高速鉄道にまだ問題山積=香港ポスト](サーチナ 2009年11月6日)</ref>。 *[[9月24日]] - K-1 WORLD GPのスーパーファイトにて、[[芦澤竜誠]]が[[小澤海斗]]に判定で勝利した直後に「オレが芦澤竜誠だマッファエラ!」と叫び、名言となった。 * [[9月27日]] - [[欧州サッカー連盟]](UEFA)が[[2024年]]の[[UEFA欧州選手権]](UEFA Euro 2024)の開催国に[[ドイツ]]を選出した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3191256?act=all|title=24年サッカー欧州選手権、開催国がドイツに決定|newspaper=AFPBB NEWS|accessdate=2018-09-28|date=2018-09-28}}</ref>。 * [[9月28日]] - {{IDN}} 中部[[スラウェシ島]]で午後6時(日本時間同7時)すぎ、マグニチュード(M)7.5の大地震が発生。地震、津波、液状化現象による大規模な泥流により4,340人が死亡<ref>{{Cite web|url=https://www.thejakartapost.com/news/2019/01/30/central-sulawesi-disasters-killed-4340-people-final-count-reveals.html|title=Central Sulawesi disasters killed 4,340 people, final count reveals|accessdate=2021年1月15日|publisher=The Jakarta Post}}</ref>。{{also|スラウェシ島地震}} === 10月 === * [[10月7日]] - [[国際刑事警察機構]]は、9月下旬から[[中華人民共和国]]で行方不明となっている総裁の[[孟宏偉]]から10月7日付で辞任すると連絡を受けたことを発表。中国当局が孟を汚職の疑いで捜査していることを発表していた<ref>[https://r.nikkei.com/article/DGXMZO3624293008102018000000?s=0 ICPOの孟総裁が辞任 中国当局が促した可能性も]日本経済新聞 2018年10月8日</ref>。 * [[10月11日]] - {{SIN}} [[シンガポール航空]]が世界最長直行便となるシンガポール - [[ニューヨーク]]・[[ロサンゼルス]]便を復活。 * [[10月14日]] - [[アーモンドアイ]]が[[中央競馬クラシック三冠|中央競馬クラシック牝馬三冠]]を達成。 === 11月 === * [[11月1日]] - {{PLW}} サンゴ礁に有害な化学物質を含む日焼け止めを禁止すると発表<ref>{{Cite web|和書|date=2018-11-02 |url=https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-46068299 |title=パラオ、有害成分含む日焼け止めを全面禁止 世界初 |publisher=BBC |accessdate=2021-02-27}}</ref>。 * [[11月4日]] - {{FRA}} 海外領土である[[ニューカレドニア]]で、独立の是非を問う住民投票が行われた<ref>{{Cite web|和書|date=2018年11月5日 |url=https://jp.reuters.com/article/france-newcaledonia-referendum-idJPKCN1NA015 |title=ニューカレドニアで住民投票、仏からの独立を否決 |publisher=ロイター |accessdate=2018-11-08}}</ref>。{{also|2018年ニューカレドニア独立住民投票}} * [[11月6日]] - {{USA}} [[2018年アメリカ合衆国選挙|アメリカ合衆国中間選挙]]の投票と開票が行われた<ref>{{Cite web|和書|date=2018年11月7日 |url=https://jp.reuters.com/article/us-election-update-idJPKCN1NC02Y |title=米中間選挙アップデート:日本時間午後5時58分時点の結果 |publisher=ロイター |accessdate=2018-11-08}}</ref>。 *[[11月8日]] - {{USA}} [[カリフォルニア州]]で[[カリフォルニア山火事 (2018年)|大規模な山火事]]が発生。 *[[11月25日]] - {{HKG}} 宣誓が中央政府の基準に反するとして資格を取り消された立法会議員1人の議席(九龍西選挙区)を巡り補欠選挙が行われた。投票結果は親中派の勝利となり、民主派が2回連続で(直接選挙枠における)補欠選挙で敗北を喫した。 === 12月 === * [[12月22日]] - {{IDN}} [[スンダ海峡]]で[[アナク・クラカタウ島|アナク・クラカタウ山]]の噴火に伴う[[海底地すべり]]により大規模な津波が発生し426人が死亡<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.cnn.co.jp/world/35130801.html|title=津波原因のインドネシアの火山、高さが3分の1に|accessdate=2018年12月30日|website=cnn.co.jp}}</ref>。 {{Also|スンダ海峡津波}} *[[12月30日]] - [[バングラデシュ]]で総選挙。[[与党]]の[[アワミ連盟]]が小選挙区の300議席中、288議席以上を獲得し圧勝<ref>{{Cite web|和書|date= 2018-12-31|url= https://www.cnn.co.jp/world/35130812.html|title= バングラ総選挙で与党大勝、ハシナ首相連続3期目に 衝突で死者|publisher= |accessdate=2020-10-22}}</ref>。 *[[12月31日]] - {{USA}} [[国際連合教育科学文化機関]](UNESCO)を脱退した。 == 周年 == {{notice|周年であること自体に特筆性のある項目(元のトピックの特筆性ではありません)のみ記述してください}} <!-- 25周年とする出典が不明 * [[1月1日]] - [[チェコスロバキア]]連邦解体([[ビロード離婚]])に伴う[[チェコ]]、[[スロバキア]]各国発足25周年 --> * [[1月4日]] - [[ミャンマー]]の[[イギリス]]からの独立(独立当時はビルマ)70周年<ref>{{Cite web|和書|date=2018年1月4日 |url=https://mainichi.jp/articles/20180104/ddm/007/030/007000c |title=ミャンマー:独立から70年 民族融和、いまだ遠く 「英雄」暗殺で混迷 |publisher=毎日新聞社 |accessdate=2018-02-25}}</ref> <!-- 75周年とする出典が不明 * [[1月15日]] - [[ペンタゴン]]([[アメリカ合衆国国防総省]]本庁舎)竣工75周年 --> * [[1月23日]] - [[プエブロ号事件]]発生から50年<ref>{{Cite web|和書|date=2018-01-22 |url=https://japanese.joins.com/article/772/237772.html |title=「米、プエブロ号事件当時に北朝鮮に70キロトンの核爆弾投下を検討」 |publisher=中央日報 |accessdate=2018-01-28}}</ref> <!-- 70年とする出典が不明 * [[1月30日]] - [[マハトマ・ガンディー]]暗殺から70年 --> * [[1月31日]] - [[ナウル]]独立50周年<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20180210180326/https://www.jiji.com/jc/article?k=2018013100241&g=pol|title=「世界一小さい共和国」独立50年=太平洋の島国ナウル|publisher=[[時事通信社]]|date=2018-01-31|accessdate=2018-02-10}}</ref> * [[2月17日]] - [[コソボ]]独立10周年<ref>{{Cite web|和書|date=2018年2月19日 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3163033 |title=動画:コソボ、独立宣言から10年 治安部隊のパレード開催 |work=AFPBB News |publisher=フランス通信社 |accessdate=2018-02-25}}</ref> * [[5月14日]] - [[イスラエル]]建国70周年 * [[6月2日]] - [[エリザベス2世]][[イギリスの君主|女王]]([[英連邦王国|イギリス連邦王国]])[[戴冠式|戴冠]]から65周年 * [[7月18日]] - [[インテル]]設立50周年 <!-- 「70周年」とする出典が不明 * [[8月15日]] - [[大韓民国]]建国70周年<ref group="注">現在の[[大統領 (大韓民国)|韓国大統領]]・[[文在寅]]や独立関連団体などは、[[大韓民国臨時政府]]の樹立日(1919年某日)を建国日としている。</ref><ref>{{Cite news|title=韓国建国は「1919年」 論争に終止符=文大統領|url=http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2017/08/15/0200000000AJP20170815002000882.HTML|publisher=[[聯合ニュース]]|date=2017-08-15|accessdate=2018-02-13}}</ref>。 --> * [[9月4日]] - [[Google]]設立20周年 * [[9月9日]] - [[朝鮮民主主義人民共和国]]建国70周年 * [[9月15日]] - [[リーマン・ショック]]発生から10年 *[[10月31日]] - [[ハンガリー]]独立100周年 * [[11月1日]] - [[欧州連合]]発足25周年 * [[11月11日]] - [[第一次世界大戦]]終結100周年 * [[11月18日]] - [[ミッキーマウス]]と[[ミニーマウス]]の[[蒸気船ウィリー|スクリーンデビュー]]90周年 * [[スペインかぜ]]の大流行から100年<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3160179|title=スペイン風邪から100年、新たな世界的流行病の可能性に懸念|publisher=[[フランス通信社]]||accessdate=2018-01-27}}</ref>。 * [[明治維新]]150周年 == イベント == {{節スタブ}} *[[東アジア文化都市]]が[[金沢市]]、[[釜山広域市]]で開催。 == 経済 == {{main|2018年の経済}} {{節スタブ}} == 芸術・文化・ファッション == ===スポーツ=== {{see|2018年のスポーツ}} ===音楽=== {{see|2018年の音楽}} ===映画=== {{main|2018年の映画}} ====本国公開・日本公開ともに当年==== 日付は日本公開日。 * [[3月1日]] - [[ブラックパンサー (映画)|ブラックパンサー]] (監督: [[ライアン・クーグラー]]) *[[3月30日]] - [[レッド・スパロー]] (監督: [[フランシス・ローレンス]]) *[[4月13日]] - [[パシフィック・リム: アップライジング]] (監督: [[スティーヴン・S・デナイト]]) *[[4月20日]] - [[レディ・プレイヤー1]] (監督: [[スティーヴン・スピルバーグ]]) *[[6月21日]] - [[デッドプール2]] (監督: [[デヴィッド・リーチ]]) *[[6月29日]] - [[ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー]] (監督: [[ロン・ハワード]]) *[[7月13日]] - [[ジュラシック・ワールド/炎の王国]] (監督: [[フアン・アントニオ・バヨナ|J・A・バヨナ]]) *[[7月27日]] - [[ウインド・リバー]] (監督: [[テイラー・シェリダン]]) *[[8月3日]] - [[ミッション:インポッシブル/フォールアウト]] (監督: [[クリストファー・マッカリー]]) *[[8月10日]] - [[オーシャンズ8]] (監督: [[ゲイリー・ロス]]) *[[8月31日]] - [[アントマン&ワスプ]] (監督: [[ペイトン・リード]]) *[[9月7日]] - [[MEG ザ・モンスター]] (監督: [[ジョン・タートルトーブ]]) *[[9月14日]] - [[プーと大人になった僕]] (監督: [[マーク・フォースター]]) *[[9月21日]] - [[スカイスクレイパー (映画)|スカイスクレイパー]] (監督: [[ローソン・マーシャル・サーバー]]) *[[9月28日]] - [[クワイエット・プレイス]] (監督: [[ジョン・クラシンスキー]]) *[[10月5日]] - [[イコライザー2]] (監督: [[アントワーン・フークア|アントワーン・フークワ]]) * [[11月2日]] - [[ヴェノム (映画)|ヴェノム]] (監督: [[ルーベン・フライシャー]]) * [[11月9日]] - [[ボヘミアン・ラプソディ (映画)|ボヘミアン・ラプソディ]] (監督: [[ブライアン・シンガー]]) * [[11月23日]] - [[ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生]] (監督: [[デヴィッド・イェーツ]]) * [[12月7日]] - [[パッドマン 5億人の女性を救った男]] (監督: [[R・バールキ]]) * 12月7日 - [[おとなの恋は、まわり道]] (監督: ヴィクター・レヴィン) * [[12月21日]] - [[シュガー・ラッシュ:オンライン|シュガーラッシュ:オンライン]] (監督: [[リッチ・ムーア]]) * 12月21日 - [[アリー/ スター誕生|アリー/スター誕生]] (監督: [[ブラッドリー・クーパー]]) {{節スタブ}} ====本国公開映画(日本公開は翌年以降)==== 日付は本国公開日。 * [[10月12日]] - [[ファースト・マン]] (監督: [[デイミアン・チャゼル]]) * [[12月19日]] - [[メリー・ポピンズ リターンズ]] (監督: [[ロブ・マーシャル]]) * 12月21日 - [[アクアマン (映画)|アクアマン]] (監督: [[ジェームズ・ワン]]) {{節スタブ}} == 誕生 == {{see also|2018年の日本#誕生|Category:2018年生}} * [[3月9日]] [[アドリアンネ (ブレーキンゲ公)]] * [[4月23日]] [[ルイ・オブ・ウェールズ]] * [[5月31日]] [[村方乃々佳]]、[[童謡歌手]] == 死去 == {{See|訃報 2018年}} == ノーベル賞 == {{節スタブ}} * [[ノーベル物理学賞|物理学賞]]:[[アーサー・アシュキン]]、[[ジェラール・ムル]]、[[ドナ・ストリックランド]] * [[ノーベル化学賞|化学賞]]:[[フランシス・アーノルド]]、[[ジョージ・P・スミス]]、[[グレゴリー・ウィンター]] * [[ノーベル生理学・医学賞|生理学・医学賞]]:[[ジェームズ・P・アリソン]]、[[本庶佑]] * [[ノーベル文学賞|文学賞]]:[[オルガ・トカルチュク]] * [[ノーベル平和賞|平和賞]]:[[デニス・ムクウェゲ]]、[[ナーディーヤ・ムラード]] * [[ノーベル経済学賞|経済学賞]]:[[ウィリアム・ノードハウス]]、[[ポール・ローマー]] ※ノーベル文学賞を主催するスウェーデンアカデミーは、メンバーのセクハラ問題などを理由に、2018年中の選考を見送り2019年に発表を行った<ref>{{Cite web|和書|url=https://mainichi.jp/articles/20180504/k00/00e/040/216000c|title=ノーベル賞:文学賞選考延期 セクハラ・情報漏えい疑惑で |publisher=[[毎日新聞社]]|accessdate=2021-11-21}}</ref>。 == フィクションのできごと == {{フィクションの出典明記|section=1|ソートキー=年2018|date=2011年7月}} * [[1月]] - 宇宙の進化ロボット「ロボイド」現る。(漫画『[[鉄腕アトム]]』「ロボイドの巻」) * [[2月]] - 「日本海溝界震」発生。[[日本海溝]]北西に出現した最初の[[地球防衛企業ダイ・ガード#ヘテロダイン|ヘテロダイン]]が[[犬吠埼]]から日本に上陸し、東京を攻撃。自衛隊などが迎撃するも通常兵器は効果がなく、OE兵器の使用によって倒される。(アニメ『[[地球防衛企業ダイ・ガード]]』)<ref>『地球防衛企業ダイ・ガード』第1話冒頭および第21話より。</ref><ref>{{Cite book |和書 |author= 青木智彦|authorlink=青木智彦 |title = 小説 地球防衛企業ダイ・ガード 第1巻 |publisher = [[角川書店]] |year = 2000 |pages = 10-21,39-56 |isbn = 978-4-04-422803-3}}</ref> * [[5月]] - アトム、瓜二つ博士の勧めで「大人アトム」に電子頭脳を入れ替える。だが瓜二つ博士の正体は国際詐欺師ウント・モーカルで、アラビア砂漠内にある「ネオ・ピラミッド」に保管されている芸術品を奪おうとしていた。(漫画『鉄腕アトム』「盗まれたアトムの巻」) * 井塩春三製作の青年ロボット・ロビオと、矢似鳴太製作の少女ロボット・ロビエットの間に恋が芽生える。(漫画『鉄腕アトム』「ロビオとロビエットの巻」) * [[7月]] - アメリカの宇宙船「リバティ号」が[[アポロ17号]]以来の[[月面着陸]]を果たすが、「月面[[ナチス]]」の襲撃を受け宇宙飛行士ジェームズ・ワシントンが拉致される。(映画『[[アイアン・スカイ]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 高橋ヨシキ|authorlink=高橋ヨシキ |title = アイアン・スカイ |publisher = [[竹書房]] |year = 2012 |pages = 20-23,34-38,58-72 |isbn = 978-4-8124-9094-5}}</ref> * [[9月]] - 大規模なバーテックスの侵攻により、勇者・白鳥歌野が防衛する[[諏訪地域|諏訪]]が陥落。同月、勇者・乃木若葉らが防衛する[[四国]]へバーテックスが侵攻を開始。(イラストノベル『[[乃木若葉は勇者である]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 朱白あおい|authorlink=朱白あおい |title = 乃木若葉は勇者である 上 |publisher = [[KADOKAWA]] |year = 2016 |pages = 28,39,228-235 |isbn = 978-4-04-865937-6}}</ref> * 中旬-ねずみ男が質屋の前で出会った天涯孤独の女性「石山妖子」と婚約。挙式後に「骨川温泉」へ新婚旅行に出かけた後で失踪。数日後に都内某所にて、捜索中の一反木綿と砂かけ婆に、痩せこけて一文無しの状態で発見される。その後、新婦の正体が[[結婚詐欺]]常習犯の妖怪「石妖」である事が判明。16日、ねこ娘が被害者全員で、石妖に対し[[集団訴訟]]を起こすための署名集めを行う。(アニメ『[[ゲゲゲの鬼太郎 (テレビアニメ第6シリーズ)|ゲゲゲの鬼太郎]]』第6期第24話『ねずみ男失踪!?石妖の罠』)<ref>本編中で登場する同意書の日付より。</ref> * [[10月]] - ロボット開放を掲げるロボット・[[鉄腕アトム#ロボット|青騎士]]が現れる。(漫画『鉄腕アトム』「青騎士の巻」) <!--* 第1回宇宙オリンピックが東京で開催される。(漫画『[[21エモン]]』)--> * アーケードシューティングゲーム『[[エスプレイド]]』の舞台。<ref>[https://www.cave.co.jp/gameonline/esprade/story/story1.html ESPRADE(エスプレイド) ストーリー紹介] - [[ケイブ]]公式サイト。2018年1月9日閲覧。</ref> * [[渋谷スクランブル交差点]]で多数の通行人が「吸血木」にされる事件が発生。以後[[東京ドーム]]、[[鳥取県]][[境港市]]、[[調布市]]など日本各地で妖怪が事件を起こすが、いずれも[[鬼太郎]]ファミリーたちによって解決される。(アニメ『[[ゲゲゲの鬼太郎 (テレビアニメ第6シリーズ)|ゲゲゲの鬼太郎]]』第6期第1話「妖怪が目覚めた日」~) * スゴウ ガーランドSF-01 デビュー。シュトルムツェンダー シュティールHG164、デビューするも即リタイア。(アニメ『[[新世紀GPXサイバーフォーミュラ]]』) * 人類抵抗軍と[[スカイネット]]の抗争が激化。[[T-800]]の試作機が現れる。[[ジョン・コナー]]率いる抵抗軍が[[サンフランシスコ]]にあるスカイネットセントラルの施設の破壊に成功。(映画『[[ターミネーター4]]』) * もう一つの月が再臨し、終末の地球大災異変が起こる。(書籍『[[月の謎と大予言 2018年、もう一つの月が再来する!?]]』) * 文字通りの「平成三十年」。(小説『[[平成三十年]]』) * 月面[[縁の海|周辺の海]]にあった異星の宇宙船の残骸が、{{仮リンク|アルフォンサス (クレーター)|label=アルフォンサス|en|Alphonsus (crater)}}基地所属のスレッドや一〇五号調査機を攻撃し、同時に[[オレゴン州]]ウォスコーの森林地帯の地下1キロメートルに埋められていた[[水素爆弾|核融合装置]]が残骸からの指令を受け起爆。スレッドを操縦していたニッカ・アマジが残骸に接触し、その後、回収された残骸内のコンピューターの調査がアルフォンサス基地で開始される。(小説『{{仮リンク|夜の大海の中で|en|In the Ocean of Night}}』)<ref>{{Cite book |和書 |author= グレゴリイ・ベンフォード|authorlink=グレゴリイ・ベンフォード |title = 夜の大海の中で |publisher = [[早川書房]] |year = 1986 |pages = 305-311,320-352,362 |isbn = 978-4-15-010658-4}}</ref> * 土星の衛星[[タイタン (衛星)|タイタン]]の探査に向かったヨーロッパの[[宇宙探査機|探査機]]「ドーファン号」の軌道船がレーダーでの地図作成中に、タイタンの地表の各所に人工的な巨大金属建造物群が存在することを確認。また、着陸船は着陸後にタイタンに棲息する機械的生命「サーベルカッター」によって破壊され、その際の映像を送信する。(小説『[[造物主の掟]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= ジェイムズ・P・ホーガン|authorlink=ジェイムズ・P・ホーガン |title = 造物主の掟 |publisher = [[東京創元社]] |year = 1985 |pages = 171,197,198,213 |isbn = 978-4-488-66307-0}}</ref><ref>{{Cite book |和書 |author = ジェイムズ・P・ホーガン |title = 造物主の選択 |publisher = 東京創元社 |year = 1999 |pages = 13,14 |isbn = 978-4-488-66320-9}}</ref> * エネルギー、食糧、住居、輸送、通信、娯楽をそれぞれ司る6つの大企業によって世界が支配され、飢餓や環境汚染、人口増加はおろか、戦争や犯罪すらも存在しない時代。「ローラーボール」と呼ばれる都市チーム対抗スポーツが、人類の闘争心の唯一のはけ口となる。(映画『[[ローラーボール (1975年の映画)|ローラーボール]]』) == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} <!--=== 注釈 === {{Notelist}}--> === 出典 === {{Reflist|3}} == 関連項目 == {{Commonscat|2018}} * [[年の一覧]] * 年表 * [[年表一覧]] * {{日本語版にない記事リンク|2018年における世界各地の指導者一覧|en|List of state leaders in 2018}}わらわ {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{Navboxes | title = 2018年の各国 | list1 = {{各年のアメリカ|2018|unit=1||List=1}} {{各年のヨーロッパ|2018|unit=1||List=1}} {{各年のアフリカ|2018|unit=1||List=1}} {{各年のアジア|2018|unit=1||List=1}} {{各年のオセアニア|2018|unit=1||List=1}} }} {{デフォルトソート:2018ねん}} [[Category:2018年|*]]
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https://ja.wikipedia.org/wiki/2018%E5%B9%B4
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2013年
2013年(2013 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、火曜日から始まる平年。平成25年。 この項目では、国際的な視点に基づいた2013年について記載する。 ポールと友人が乗っていて車両は ポルシェ・カレラGT に乗っていた。実際ハンドリングが悪く有名レーサーなどが【ハンドリングが悪く、スピードを出しすぎると素人にはカーブは曲がりきれない】と公言している。 2月15日(UTC)に以下の二つの事柄が起きた。後述の通り、時期的な重なりは偶然とされる。 3月中旬頃をピークにパンスターズ彗星(C/2011 L4)、11月下旬頃をピークにアイソン彗星(C/2012 S1)という二つの彗星が太陽に接近・通過し、大彗星になる可能性があると期待されていた。以下、特に注目されていた後者の彗星について述べる。 11月から翌年の初頭にかけてアイソン彗星(C/2012 S1)が肉眼でも観測可能と予測され、特に近日点を通過する11月28日以降には視等級がマイナスになる可能性もあり、金星や満月より明るい大彗星(視直径は満月以下)になるのではないかと期待されていた(ただし、あくまでも地球からの距離、近日点距離、彗星核の直径などから計算された予測であり、過去には期待通りの明るさにならなかった例もある)。しかし、前述の近日点を通過した際に彗星の大部分が崩壊し、近日点通過後に期待されていた大彗星としての観測は不可能となった。 この年の後半には太陽活動の極大期が予測されていた(実際には2014年4月に到来)が、通常の極大期と比べて黒点数は少なく太陽の活動も低調に推移している。また、極大期には太陽の北極部と南極部において磁場が反転する現象(ポールシフト)が起きるが、今回の磁場の反転は北極部で日本の太陽観測衛星「ひので」により2012年に観測されたものの南極部では1年以上遅れており、北極部と南極部で同じ磁極となる特殊な状態(太陽磁極の四重極構造)が一時的に見られた。なおNASAによると、今回の磁場の反転は本年12月末までに完了している。 極大期に突入して黒点が少ない状況は17世紀のマウンダー極小期と類似しており、この時期には約70年に渡って黒点が極端に少ない状況が続き、さらにイギリス・ロンドンのテムズ川でアイススケートができるなどヨーロッパや北米大陸、その他地域で気温の低下も同時に起きており、今回も地球が寒冷化するのではないかと考える専門家もいる。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "2013年(2013 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、火曜日から始まる平年。平成25年。", "title": null }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "この項目では、国際的な視点に基づいた2013年について記載する。", "title": null }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "ポールと友人が乗っていて車両は ポルシェ・カレラGT に乗っていた。実際ハンドリングが悪く有名レーサーなどが【ハンドリングが悪く、スピードを出しすぎると素人にはカーブは曲がりきれない】と公言している。", "title": "できごと" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "2月15日(UTC)に以下の二つの事柄が起きた。後述の通り、時期的な重なりは偶然とされる。", "title": "天文現象" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "3月中旬頃をピークにパンスターズ彗星(C/2011 L4)、11月下旬頃をピークにアイソン彗星(C/2012 S1)という二つの彗星が太陽に接近・通過し、大彗星になる可能性があると期待されていた。以下、特に注目されていた後者の彗星について述べる。", "title": "天文現象" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "11月から翌年の初頭にかけてアイソン彗星(C/2012 S1)が肉眼でも観測可能と予測され、特に近日点を通過する11月28日以降には視等級がマイナスになる可能性もあり、金星や満月より明るい大彗星(視直径は満月以下)になるのではないかと期待されていた(ただし、あくまでも地球からの距離、近日点距離、彗星核の直径などから計算された予測であり、過去には期待通りの明るさにならなかった例もある)。しかし、前述の近日点を通過した際に彗星の大部分が崩壊し、近日点通過後に期待されていた大彗星としての観測は不可能となった。", "title": "天文現象" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "この年の後半には太陽活動の極大期が予測されていた(実際には2014年4月に到来)が、通常の極大期と比べて黒点数は少なく太陽の活動も低調に推移している。また、極大期には太陽の北極部と南極部において磁場が反転する現象(ポールシフト)が起きるが、今回の磁場の反転は北極部で日本の太陽観測衛星「ひので」により2012年に観測されたものの南極部では1年以上遅れており、北極部と南極部で同じ磁極となる特殊な状態(太陽磁極の四重極構造)が一時的に見られた。なおNASAによると、今回の磁場の反転は本年12月末までに完了している。", "title": "天文現象" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "極大期に突入して黒点が少ない状況は17世紀のマウンダー極小期と類似しており、この時期には約70年に渡って黒点が極端に少ない状況が続き、さらにイギリス・ロンドンのテムズ川でアイススケートができるなどヨーロッパや北米大陸、その他地域で気温の低下も同時に起きており、今回も地球が寒冷化するのではないかと考える専門家もいる。", "title": "天文現象" } ]
2013年は、西暦(グレゴリオ暦)による、火曜日から始まる平年。平成25年。 この項目では、国際的な視点に基づいた2013年について記載する。
{{Otheruses||日本ローカルの事柄|2013年の日本}} {{年代ナビ|2013}} {{YearInTopic | 年 = 2013 }} {{year-definition|2013}} この項目では、国際的な視点に基づいた2013年について記載する。 == 他の紀年法 == {{Year in other calendars|year=2013}} * [[干支]]:[[癸巳]](みずのと み) * [[日本]](月日は一致) ** [[平成]]25年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2673年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4346年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]102年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]102年 * [[仏滅紀元]]:2555年閏9月4日 - 2556年閏9月14日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1434年2月18日 - 1435年2月27日 * [[ユダヤ暦]]:5773年4月19日 - 5774年4月28日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:1356998400 - 1388534399 * [[修正ユリウス日]](MJD):56293 - 56657 * [[リリウス日]](LD):157134 - 157498 == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2013}} == できごと == === 1月 === * [[1月3日]] - 【中国】 [[南方週末社説差し替え事件]]。[[1月7日|同月7日]]より出版の自由を求めるデモが行われた<ref>{{Cite news |url=http://jp.reuters.com/article/kyodoMainNews/idJP2013010401001258 |title=中国、民主政治求める記事改ざん|work=ロイター|publisher=[[ロイター通信]]|date=2013-01-04 |accessdate=2013-01-09 }}</ref>。 * [[1月13日]] - 【米国】 [[シボレー・コルベット]]7代目モデル(C7型)が[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の「[[デトロイト]][[モーターショー]]13」プレビューイベントにて発表される<ref>{{Cite web |title=7代目シボレー・コルベットは2013年1月13日、デトロイトで発表されます |url=https://clicccar.com/2012/10/21/202432/ |website=clicccar.com |date=2012-10-21 |access-date=2023-12-18 |language=ja |last=山本晋也}}</ref><ref>{{Cite web |title=【デトロイトモーターショー13】シボレー コルベット 新型、フロントデザイン流出…スパイカメラマンがリーク |url=https://response.jp/article/2012/12/19/187405.html |website=レスポンス(Response.jp) |date=2012-12-19 |access-date=2023-12-18 |language=ja}}</ref>。 * [[1月16日]]〜[[1月20日|20日]] - 【アルジェリア】 [[アルジェリア]]南部[[イナメナス]]の天然ガス関連施設をイスラム系武装勢力が襲撃し、日本人技術者を始めとする多数の死傷者が発生した<ref>{{Cite web |title=アルジェリアの天然ガス施設襲撃、人質の日本人負傷か |url=https://www.afpbb.com/articles/-/2921661 |website=www.afpbb.com |date=2013-01-17 |access-date=2023-12-18 |language=ja}}</ref>。(詳細→'''[[アルジェリア人質事件]]''') * [[1月17日]] - 【米国】 [[ソマリア]]を正式承認。国交を樹立<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/2921716?pid=10122639 |title=米国とソマリアが国交樹立|work=AFPBB News|publisher=[[フランス通信社|AFP通信]]|date=2013-01-18 |accessdate=2013-01-18}}</ref> * [[1月20日]] - 【米国】 [[アメリカ合衆国大統領就任式]]。[[2012年アメリカ合衆国大統領選挙|2012年11月の選挙]]の結果により、[[バラク・オバマ]]大統領が続投でアメリカ大統領に就任した。 * [[1月22日]] - [[ロシア]]の小型衛星[[BLITS]]が[[スペースデブリ]]に衝突。BLITSは衛星としての機能を喪失。当初は[[2007年]][[1月11日]]に破壊された[[中華人民共和国|中国]]の気象衛星[[風雲 (気象衛星)#人工衛星破壊実験による風雲1号Cの破壊|風雲1号C]]の破片と思われていた。 === 2月 === * [[2月1日]] ** 【米国】 [[ヒラリー・クリントン|クリントン]][[アメリカ合衆国国務長官|国務長官]]が4年間の任期を終えて正式に退任した<ref>{{Cite web |title=「最高の国務長官の一人」クリントン氏退任 {{!}} 日テレNEWS24 |url=https://web.archive.org/web/20130205113004/http://news24.jp/articles/2013/02/02/10222405.html |website=web.archive.org |date=2013-02-05 |access-date=2023-12-18}}</ref> ** 【トルコ】 [[トルコ]]の首都[[アンカラ]]の[[アメリカ合衆国]][[大使館]]前で、男が自爆し、男と[[警備員]]計2人が死亡、[[トルコ人]]女性1人が負傷をした。[[エルドアン]][[首相]]は[[自爆テロ]]と断定した。同月2日、非合法極左組織「革命的人民解放党・戦線(DHKP-C)」が[[インターネット]]上に犯行声明を出した<ref>{{Cite web |url=http://www.sponichi.co.jp/society/news/2013/02/01/kiji/K20130201005108620.html |title=トルコの米大使館前で自爆テロ 3人死傷 |access-date=2013-02-01 |deadlinkdate=2023-12-19}}</ref> * [[2月6日]] - 【ソロモン諸島】 [[アメリカ地質調査所]]によると、現地時間午後0時12分(日本時間午前10時12分)頃、[[太平洋|南太平洋]]・[[ソロモン諸島]]沖で[[マグニチュード]](M)8.0の[[地震]]が発生<ref>[https://archive.is/20130501161342/mainichi.jp/select/news/20130207k0000m040033000c.html ソロモン沖地震:5人死亡、複数の不明情報も] 毎日新聞 2013年2月6日閲覧</ref>。震源に近い東部[[サンタクルーズ諸島]][[ネンドー島]]沿岸部には高さ約1.5メートルの[[津波]]が押し寄せた。ソロモン諸島[[政府]]の[[国家災害対策局]]は7日、住民計9人の死亡を確認した<ref>{{Cite web |url=http://mainichi.jp/select/news/20130208k0000m030111000c.html |title=ソロモン諸島:地震の死者9人に |access-date=2023-12-19 |language=ja |archive-url=https://archive.is/20130501124513 |archive-date=2013-05-01}}</ref>。(詳細→'''[[ソロモン諸島沖地震 (2013年)]]''') * [[2月11日]] **【バチカン】 [[教皇]][[ベネディクト16世 (ローマ教皇)|ベネディクト16世]]は通常枢機卿会議の席上で2013年[[2月28日]]の午後8時([[中央ヨーロッパ時間]])をもって[[教皇の辞任|教皇職を辞任]]することを表明<ref>{{Cite news |title=ローマ法王が28日に退位 高齢理由、600年ぶり自己意思で 3月末までに新法王選出へ |newspaper=産経新聞 |date=2013-02-11 |url=https://www.sankei.com/world/news/130211/wor1302110002-n1.html |accessdate=2013-02-11}}</ref>。(詳細→'''[[ベネディクト16世の辞任]]''') **【フィリピン】[[ギネス世界記録]]に[[認定]]された生捕りにされた世界最大の[[ワニ]]である「[[ロロン]]」が[[死亡]]したことが[[飼育|飼育員]]の話で明らかになる。 * [[2月12日]] **【北朝鮮】 [[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]は、[[咸鏡北道]][[吉州郡]][[豊渓里]]に於いて、2009年以来3度目となる核実験を実施したことを発表した<ref>{{Cite web |title=北朝鮮が核実験強行 成功と発表 - MSN産経ニュース |url=https://web.archive.org/web/20130212064745/http://sankei.jp.msn.com/world/news/130212/kor13021214510011-n1.htm |website=web.archive.org |date=2013-02-12 |access-date=2023-12-18}}</ref>。 **【米領グアム】 [[グアム]]の繁華街で[[通り魔]]事件。日本人3人が死亡<ref>{{Cite web |title=【グアム通り魔】繁華街に刃物男、日本人観光客2人死亡12人重軽傷 地元の21歳男を逮捕 - MSN産経ニュース |url=https://web.archive.org/web/20130213092800/http://sankei.jp.msn.com/world/news/130213/amr13021308010001-n1.htm |website=web.archive.org |date=2013-02-13 |access-date=2023-12-18}}</ref>。[[画像:Chelyabinsk_2013_meteoroid_trajectory.jpg|thumb|right|250px|隕石の軌道<!--{{CC-by-sa-3.0}}-->]] * [[2月15日]] ** 【ロシア】 ウラル地方[[チェリャビンスク州]]で、隕石落下、負傷者が多数出た<ref>{{Cite web |title=隕石落下 負傷者150人に ロシア非常事態省「パニックに陥らないよう」呼び掛け - MSN産経ニュース |url=https://web.archive.org/web/20130215104529/http://sankei.jp.msn.com/world/news/130215/erp13021516580004-n1.htm |website=web.archive.org |date=2013-02-15 |access-date=2023-12-18}}</ref>。(詳細→'''[[2013年チェリャビンスク州の隕石落下]]''') ** 直径45メートルの[[小惑星]]{{mpl|2012 DA|14}}が、[[静止軌道]]の内側に入り、[[地球]]表面から2万7700kmのところを通過。 * [[2月25日]] - 【韓国】 [[大統領 (大韓民国)|韓国大統領]]就任式。[[朴槿恵]]が同国初の女性大統領として就任した<ref>[https://archive.is/20130501124250/mainichi.jp/select/news/20130225k0000e030155000c.html 韓国:朴大統領が就任「北朝鮮、核放棄を」] 毎日新聞 2013年2月25日閲覧</ref>。 * [[2月26日]] - 【エジプト】 [[エジプト]]の古都[[ルクソール]]にて、現地時間7時00分頃、観光客らが搭乗した[[熱気球]]の爆発炎上による墜落事故が発生。この事故により[[日本人]]観光客4名を含む19名が死亡<ref>[https://archive.is/20130501123149/mainichi.jp/select/news/20130227k0000m040064000c.html ルクソール気球墜落:死者は19人 日本人は4人] 毎日新聞 2013年2月27日閲覧</ref>。(詳細→'''[[ルクソール熱気球墜落事故]]''') * [[2月28日]] - 【バチカン】 午後8時(中央ヨーロッパ時間)を以って[[教皇]][[ベネディクト16世 (ローマ教皇)|ベネディクト16世]]の辞任が成立した。 === 3月 === * [[3月1日]] - 【バチカン】 [[使徒座空位]]となる。 * [[3月2日]]〜[[3月19日|19日]] - 第3回目となる[[2013 ワールド・ベースボール・クラシック|ワールド・ベースボール・クラシック]](WBC)が開催。今回から予選を導入し、[[国際野球連盟]]公認の[[野球]]の世界一を決める大会(4年に一度)となる<ref>[https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2011/12/04/kiji/K20111204002169290.html WBCを世界一決戦と公認](スポニチ 2011年12月4日)</ref>。 * [[3月4日]] - 【ケニア】 [[ケニア]]の選挙管理委員会によると、[[大統領]]の選出を含む総選挙を行い、副首相の[[ウフル・ケニヤッタ]]が勝利宣言をした<ref>[http://www.ide.go.jp/Japanese/Research/Region/Africa/Radar/kenya2012/20120321.html 選管発表:次回総選挙2013年3月実施—迷走する日程設定](ジェトロ・アジア経済研究所 2012年3月21日)</ref>。 * [[3月5日]] ** 【中国】 第12期[[全国人民代表大会]]の任期開始。 ** 【ベネズエラ】 [[ウゴ・チャベス]]大統領が死去(58歳没)<ref>[http://www.cnn.co.jp/world/35029117.html チャベス大統領が死去 ベネズエラ(CNN.co.jp)]</ref>。 * [[3月8日]] - 【ベネズエラ】 5日に死去したウゴ・チャベス大統領の[[ウゴ・チャベスの死と葬儀|国葬]]<ref>{{Cite news |url=https://www.afpbb.com/articles/-/2933013?pid=10406486 |title=チャベス大統領の国葬、30か国以上の首脳が参列 ベネズエラ |work=AFPBB News |publisher=[[フランス通信社]] |date=2013-03-09 |accessdate=2013-03-09 }}</ref>。 * [[3月11日]] ** 【日本・中国】 [[東日本大震災追悼式]]を中国がボイコット<ref>{{Cite news |title=【東日本大震災2年】中国が追悼式ボイコット 台湾の「指名献花」に反発 |newspaper=産経新聞 |date=2013-03-11 |url=https://www.sankei.com/politics/news/130311/plt1303110001-n1.html |accessdate=2013-03-11}}</ref>。 ** [[欧州連合|EU]]では、2009年に禁止となった[[化粧品]]における[[動物実験]]のうち、4年間の例外措置が取られてきた[[薬物動態学|薬物動態]]、生殖発生毒性、反復投与毒性の3つについても禁止(実験および[[輸入]])となる<ref>[http://www.alive-net.net/world-news/wn-test/T-EUcosme2.html EUがほとんどの化粧品の動物実験を禁止へ]([[ザ・ストレーツ・タイムズ|The Straits Times]] 2003年1月17日/地球生物会議ALIVE)</ref><ref>[http://www.ncv-cosmetica.nl/nl/actueel/150/actuele-stand-van-zaken-veiligheidstests-voor-cosmetica/ Actuele stand van zaken veiligheidstests voor cosmetica](NCV-Cosmetica 14/07/2011)</ref>。 * [[3月12日]] - 【バチカン】 ベネディクト16世の次のローマ教皇を選ぶ[[コンクラーヴェ]]が始まる。 * [[3月13日]] - 【バチカン】 コンクラーヴェの結果[[ブエノスアイレス大司教区|ブエノスアイレス大司教]]のホルヘ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿が266代ローマ教皇に選出され[[フランシスコ (ローマ教皇)|フランシスコ]]を名乗る。[[使徒座空位]]は終結。 * [[3月14日]] - [[欧州合同原子核研究機構]](CERN)は昨年7月発見した新たな[[粒子]]について、更なる実験データの分析により[[ヒッグス粒子]]ということを強く示唆しているとの見解を発表した。 * [[3月21日]] - [[プランク (人工衛星)|プランク]]による測定で、[[宇宙の年齢]]は137.98±0.37億年であると発表<ref name="Plank2013">[http://www.sciops.esa.int/SA/PLANCK/docs/Planck_2013_results_01.pdf Planck 2013 results. I. Overview of products and scientific results ''Astronomy & Astrophysics'']</ref>。 * [[3月10日]] - [[パンスターズ彗星 (C/2011 L4)]]が近日点を通過。 * [[3月16日]] - 【米国】 [[米国の特許制度|アメリカの特許制度]]ではこの日以降の有効出願日を有した[[特許]]出願において、[[先発明主義]]から[[先願主義]]に切り替わる(2011年9月に成立したリーヒ・スミス米国発明法案の[[施行]]による)<ref>{{Cite web |title=米特許制度が先願主義に転換へ、オバマ大統領が改正案に署名 |url=https://xtech.nikkei.com/it/article/NEWS/20110920/368897/ |website=日経クロステック(xTECH) |date=2011-09-20 |access-date=2023-12-21 |language=ja |last=日経クロステック(xTECH)}}</ref><ref>{{Cite web |title=13) 先願主義への移行 - アペリオ国際特許事務所 - APERIO IP ATTORNEYS |url=https://www.aperio-ip.com/patentsystems/us/aia/first-to-file/ |website=www.aperio-ip.com |date=2011-11-10 |access-date=2023-12-21 |language=ja}}</ref>。 * [[3月29日]] - 【中国】 [[チベット自治区]][[ラサ市]]郊外の金鉱山で山崩れで多数の人々が生き埋めになる<ref>[https://web.archive.org/web/20130330081729/http://sankei.jp.msn.com/world/news/130330/chn13033008220003-n1.htm 山崩れで83人生き埋め チベット自治区の金鉱山] MSN産経新聞 2013年3月30日閲覧。</ref>。 === 4月 === * [[4月6日]] - 【ロシア】 米地質調査所(USGS)によると、[[北朝鮮]]との国境に近い[[ロシア]]極東の沿海地方[[ハサン地区]]で現地時間午前0時(日本時間5日午後10時)、マグニチュード(M)6.2の地震が発生した。震源地は[[日本海]]の[[港町]][[ザルビノ]]の北9キロ、震源の深さは561キロ。<ref>http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013040500999</ref> * [[4月9日]] - 【イラン】午後4時22分(現地時間)頃、[[イラン]]南西部ブーシェフル近郊でマグニチュード(M)6.3の地震が発生した。震源地はブーシェフル港の南東約89kmの地点。少なくとも37人が死亡、850人が負傷<ref>{{Cite news |title=イラン原発近郊の地震で37人死亡、壊滅状態の村も |url=https://jp.reuters.com/article/idUSTYE93805P/ |work=Reuters |date=2013-04-10 |access-date=2023-12-21 |language=ja}}</ref><ref>[http://japanese.irib.ir/news/%E6%9C%AC%E6%97%A5%E3%81%AE%E3%83%88%E3%83%94%E3%83%83%E3%82%AF/item/36376-%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%B3%E5%8D%97%E9%83%A8%E5%9C%B0%E9%9C%87%E3%81%AE%E8%A2%AB%E7%81%BD%E5%9C%B0%E3%81%AE%E6%9C%80%E6%96%B0%E6%83%85%E5%A0%B1 イラン南部地震の被災地の最新情報] イラン日本語ラジオ 2013/04/11(木曜) 20:02-2013年4月14日閲覧</ref>。(詳細→'''[[2013年ブーシェフル地震]]''') * 4月 - 【中国】 [[鳥インフルエンザ]]・[[H7N9亜型]]の[[ヒト|人]]への感染が広がり、死亡者も出ている<ref>{{Cite web |url=http://www.asahi.com/international/update/0406/TKY201304060321.html |title=市場の鶏・ウズラからウイルス 中国の鳥インフルエンザ |access-date=2013-04-07 |deadlinkdate=2023-12-21}}</ref>。(詳細→'''[[H7N9鳥インフルエンザの流行]]''') * [[4月10日]] - この日の[[ダウ平均株価]]の終値が14802.24ドルを記録し、史上最高値を更新。 * [[4月15日]] - 【米国】 [[ボストンマラソン爆弾テロ事件]]。 * [[4月16日]] - 【イラン】 午後3時14分20秒([[イラン標準時]])頃、[[イラン]]と[[パキスタン]]の国境に近い<ref name="NHK1">{{Cite news |title=イラン・パキスタン国境付近でM7.8 |url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130416/t10013963871000.html |date=2013-04-16 |newspaper=NHKニュース |publisher=日本放送協会 |accessdate=2013-04-17 |archiveurl=https://megalodon.jp/2013-0417-2332-38/www3.nhk.or.jp/news/html/20130416/t10013963871000.html |archivedate=2013-04-17}}</ref>[[スィースターン・バルーチェスターン州]][[ザーヘダーン]]付近を[[震源]]とする[[地震]]が発生。[[震央]]は、[[ハッシュ (イラン)|ハッシュ]]からおよそ86km離れた地点にある<ref name="NHK1" />。震源の深さと[[モーメントマグニチュード]]は[[アメリカ地質調査所]]の推定では82.0kmとMw7.8<ref>{{Cite web |url=https://earthquake.usgs.gov/earthquakes/eqinthenews/2013/usb000g7x7/ |title=Magnitude 7.8 - IRAN-PAKISTAN BORDER REGION |access-date=2013-04-16 |deadlinkdate=2023-12-21}}</ref>、[[イラン地震センター]]の推定では95kmとMw7.5とした<ref>[http://irsc.ut.ac.ir/newsview.php?eventid=73984&network=earth_ismc__ Magnitude 7.5, Sistan va Baluchestan Province Tuersday, April 16, 2013 at 10:44:17 (UTC)] Preliminary Earthquake Report Iranian Seismological Center</ref>。沈み込んだ[[アラビアプレート]]の内部で発生した、正断層型タイプの[[スラブ内地震]]であると推定されている。(詳細→'''[[イラン地震 (2013年4月16日)]]''') * [[4月20日]] - 【中国】 [[四川省]]で[[表面波マグニチュード]](Ms)7.0の地震。死者186人、負傷者1万1千人以上<ref>{{Cite web |title=四川雅安地震死亡人数达124人 3000余人受伤-中新网 |url=https://www.chinanews.com.cn/gn/2013/04-20/4748927.shtml |website=www.chinanews.com.cn |access-date=2023-12-21}} </ref><ref>{{Cite web |url=http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20130420-OYT1T00853.htm?from=ylist |title=四川省地震の死者124人、負傷者3千人以上 |access-date=2013-04-20 |deadlinkdate=2023-12-21}}</ref><ref>{{Cite web |url=http://www.asahi.com/international/update/0420/TKY201304200219.html |title=中国四川地震、死者157人に 負傷者5800人超す |access-date=2013-04-21 |deadlinkdate=2023-12-21}}</ref>。(詳細→'''[[中国四川地震 (2013年)]]''') * [[4月22日]] - 【イタリア】 [[イタリア]]の[[ジョルジョ・ナポリターノ]]大統領が2期目の就任<ref>{{Cite news |title=87歳、伊ナポリターノ大統領2期目就任「政府は即刻つくらねば」主要陣営を叱責 |newspaper=産経新聞 |date=2013-04-23 |url=https://www.sankei.com/world/news/130423/wor1304230003-n1.html |accessdate=2013-04-23}}</ref>。 * [[4月24日]] ** 【イタリア】 イタリアのジョルジュ・ナポリターノ大統領が、新しい[[イタリアの首相|閣僚評議会議長]](首相)に、[[民主党 (イタリア)|イタリア民主党]]前副書記長の[[エンリコ・レッタ]]を指名し、内閣組閣を指令した<ref>{{Cite web |url=http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013042400948 |title=首相候補にレッタ氏=中道左右の大連立へ-伊 |access-date=2013-04-24 |deadlinkdate=2023-12-21}}</ref>。 ** 【バングラデシュ】 首都[[ダッカ]]近郊で8階建の商業ビルが崩壊。死者1,127人、負傷者2,500人以上。(詳細→'''[[ダッカ近郊ビル崩落事故]]''') * [[4月30日]] - 【オランダ】 [[オランダ]]の[[ベアトリクス (オランダ女王)|ベアトリクス女王]]が[[ウィレム=アレクサンダー (オランダ王)|ウィレム]]太子にオランダ王位を譲位。同日ウィレムがオランダ国王に即位<ref>{{Cite news |title=オランダで新国王の即位式、皇太子ご夫妻も笑顔で参列 |url=https://jp.reuters.com/article/idUSTYE940003/ |work=Reuters |date=2013-05-01 |access-date=2023-12-21 |language=ja}}</ref>。 === 5月 === * 5月6日-【イタリア】[[ジュリオ・アンドレオッティ]]元[[閣僚評議会議長 (イタリア)|閣僚評議会議長]](首相)が死去<ref>{{Cite web |title=ジュリオ・アンドレオッティ氏が死去 元イタリア首相 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0602M_W3A500C1000000/ |website=日本経済新聞 |date=2013-05-07 |access-date=2023-11-09 |language=ja}}</ref>。 * [[5月10日]] - [[オーストラリア]]北西部・[[ニューギニア島]]・[[ソロモン諸島]]等で金環[[日食]]観測<ref>{{Cite web |title=オーストラリアで金環日食 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/2943223 |website=www.afpbb.com |date=2013-05-10 |access-date=2023-12-21 |language=ja}}</ref>。 * [[5月23日]] - [[プロ]][[スキーヤー]]で[[登山家]]の[[三浦雄一郎]]が世界最高峰・[[エベレスト]]に史上最高齢(80歳7か月)で登頂に成功。 * 5月23日 - 大強度[[陽子]][[加速器]]施設[[J-PARC]]で[[J-PARC放射性同位体漏洩事故|放射性同位体の漏洩事故]]が発生。 === 6月 === * [[6月6日]]〜 - [[ブラジル]]で、[[公共料金]]値上げに反対する[[デモ]]発生、同13日に警察が武力鎮圧を図ったことから、抗議活動が[[FIFAコンフェデレーションズカップ2013]]会場周辺などブラジル全土に拡大<ref>{{cite news|date=2013-06-24|url=http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38071|title=ブラジルのデモ:街頭に繰り出す市民の望みは?|publisher=Japan Business Press|author=The Economist|accessdate=2013-06-27}}</ref>。 * [[6月17日]] - [[チェコ|チェコ共和国]]の[[ペトル・ネチャス]]首相が、側近の汚職事件の責任を取り首相を辞職<ref>{{cite news|date=2013-06-18|url=http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20130618-OYT1T01001.htm?from=main1|title=安倍首相との会談翌日、チェコ首相が辞任|publisher=読売新聞|accessdate=2013-06-18|archiveurl=https://archive.is/ixHqp|archivedate=2013-06-25}}</ref>。 * [[6月17日]]〜[[6月18日|18日]] - [[イギリス]]・[[北アイルランド]]で、第39回[[主要国首脳会議|G8]]首脳会議開催。 * [[6月26日]] ** [[オーストラリア]]与党[[労働党 (オーストラリア)|労働党]]議員総会における投票で、前党首兼首相の[[ケビン・ラッド]]が、現職の[[ジュリア・ギラード]]を57対45で破り、翌日より3年ぶりに首相兼同党党首に再任<ref>{{cite news|date=2013-06-27|url=http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324873304578570413118195002.html|title=ラッド氏、豪労働党の党首に返り咲き首相に|publisher=ウォール・ストリート・ジャーナル日本語版|accessdate=2013-06-27}}</ref>。 ** [[カンボジア]]・[[プノンペン]]で開かれた[[国連教育科学文化機関|UNESCO]]第37回世界遺産委員会で、日本の[[富士山-信仰の対象と芸術の源泉|富士山]]を含む[[世界文化遺産]]14件、[[世界自然遺産]]5件、計19件を新規に登録<ref>{{cite news|date=2013-06-27|url=http://www.at-s.com/news/detail/696033433.html|title=富士山を正式登録 世界遺産委が実質審議終了|publisher=静岡新聞社|accessdate=2013-06-27}}</ref>。 ** オーストラリアが2010年5月に[[国際司法裁判所]]に提出した、日本の[[南氷洋]]における[[調査捕鯨]]中止を求める訴状に基づき、同裁判所での[[口頭弁論]]開始<ref>{{cite news|date=2013-06-27|url=http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2603D_W3A620C1FF1000/|title=日本の調査捕鯨、豪が中止要求 国際司法裁で審理|publisher=日本経済新聞|accessdate=2013-06-27}}</ref>。 ** [[アメリカ合衆国]][[合衆国最高裁判所|連邦最高裁判所]]、結婚を男女間のものと規定する連邦法「結婚防衛法」の条項を違憲とし、同性カップルにも税金控除や年金支給などの手当について同等の権利を保障すべきとする判断を示し、同時に[[同性婚]]を禁じた[[カリフォルニア州]]州法を[[違憲]]とした連邦高等裁判所の判決を支持する判断を示す<ref>{{cite news|date=2013-06-27|url=https://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE95Q00620130627|title=「同性婚否認」の法律は違憲、米連邦最高裁が初の判断|publisher=ロイター|accessdate=2013-06-27}}</ref>。 * [[6月30日]] - [[ブラジル]]・[[リオデジャネイロ]]の[[エスタジオ・ド・マラカナン]]で開催された[[FIFAコンフェデレーションズカップ2013]]決勝で、[[サッカーブラジル代表|ブラジル]]が[[サッカースペイン代表|スペイン]]を3-0で下し、同大会3連覇を達成、併せて自国の持つ同大会での連続試合勝利記録を12に伸ばした一方、スペイン代表は公式試合の連続無敗記録が29でストップ<ref>{{Cite news|date=2013-07-01|url=http://www.goal.com/jp/match/114883/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%83%AB-vs-%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%83%B3/report|title=ブラジル、3-0の完勝でコンフェデ杯3連覇! スペインの公式戦無敗記録に終止符|publisher= goal.com|accessdate=2013-07-01}}</ref>。 === 7月 === * [[7月1日]] - [[クロアチア]]が[[欧州連合|EU]]に加盟<ref>{{Cite news |title=クロアチア、EU加盟でバルカン安定へ前進 財政・汚職には課題、不安視 |newspaper=産経新聞 |date=2013-07-02 |url=https://www.sankei.com/world/news/130702/wor1307020032-n1.html |accessdate=2019-07-29}}</ref>。 * [[7月3日]] - 【エジプト】[[エジプト]]で軍部による[[クーデター]]発生([[2013年エジプトクーデター]])。[[ムハンマド・ムルシー]]大統領の権限を剥奪、同国憲法を停止し、[[アドリー・マンスール]]最高憲法裁判所長官を暫定大統領に任命<ref>{{Cite news |title=エジプト軍がクーデター、大統領を排除 憲法停止宣言 |newspaper=産経新聞 |date=2013-07-04 |url=https://www.sankei.com/article/20130704-JD36CAULVBLGHM4L2X6WD253Y4/ |accessdate=2013-07-04}}</ref>。 * [[7月6日]] **【[[アメリカ合衆国]]】[[サンフランシスコ国際空港]]で、[[アシアナ航空214便墜落事故]]が発生、乗客3名が死亡、[[ボーイング777]]就航以来初の死亡事故となる。 ** 【カナダ】貨物列車が無人で暴走し[[カナダ]]の[[ラック・メガンティック]]で脱線、積荷の原油に引火し爆発・炎上し、40人の死者と7人の行方不明者が発生。([[ラック・メガンティック鉄道事故]]参照) * [[7月10日]] - 日本の[[ソフトバンク]]によるアメリカ合衆国[[携帯電話]]大手[[スプリント・ネクステル]]の[[M&A|企業買収]]が完了、携帯電話事業の売上高で世界3位規模のグループが誕生<ref>{{Cite news|date=2013-07-11|url=https://web.archive.org/web/20130711123310/http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130711/biz13071109090002-n1.htm|title=ソフトバンクのスプリント買収が完了 孫氏が会長に就任 携帯世界3位に|publisher= [[産経新聞]]|accessdate=2013-07-14}}</ref>。 * [[7月11日]] - 妖怪ウォッチのシリーズ第1作目が発売される。 * [[7月12日]] - 【フランス】[[パリ]]南部の[[ブレティニー=シュル=オルジュ]]で、385人が乗車した旅客列車が脱線し、一部がホームに乗り上げ、少なくとも6人が死亡、30人が負傷しうち8人が重体<ref>{{Cite news | title = パリ郊外列車脱線 死傷者多数 | url = http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130713/k10013018611000.html | agency = NHK News Web | publisher = 日本放送協会 | accessdate = 2013-07-15 | archiveurl = https://megalodon.jp/2013-0715-1724-23/www3.nhk.or.jp/news/html/20130713/k10013018611000.html | archivedate = 2013-07-15}}</ref>。([[ブレティニ・スール・オルジュ駅脱線事故]]参照) * [[7月15日]] **【インド】インド北部豪雨で行方不明の5700人に死亡宣告を出した<ref>[http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013071500376 行方不明者5700人の死亡宣告=インド北部の豪雨] 時事通信 2013年7月15日閲覧。</ref>。 ** [[パナマ]]政府、[[パナマ運河]]に向かい[[カリブ海]]を航行中の[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]][[船籍]]の貨物船を検査したところ、未申告の武器が[[密輸]]されているのを発見したため、同船舶を[[拿捕]]、船員35名を拘束<ref>{{Cite news|date=2013-07-16|url=https://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE96F05K20130716|title=パナマ当局が北朝鮮籍の船舶を拿捕、砂糖のコンテナから武器|publisher= ロイター|accessdate=2013-08-08}}</ref>。武器はいずれも[[キューバ]]が保有する[[対空ミサイル]]装置、[[ロケット砲]]、[[ミグ21]][[戦闘機]]等の部品であったことが判明、キューバ政府は旧[[ソビエト連邦]]製の老朽化した武器の修理依頼と釈明<ref>{{Cite news |title=キューバ「北で修理」 拿捕船舶から武器、釈明 |newspaper= 産経新聞 |date=2013-07-18 |url=https://www.sankei.com/article/20130718-4FM4ILRW7JLVNC6TAIKMKVXL6M/ |accessdate=2013-08-08}}</ref>。 * [[7月18日]] **【米国】[[ミシガン州]][[デトロイト|デトロイト市]]が、[[連邦倒産法]]9章の適用を申請。負債総額は約180億ドル<ref>{{cite news|url=https://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL4N0FO4CL20130718|title=デトロイト市が財政破綻、米地方自治体として過去最大規模|publisher=ロイター|date=2013-07-19}}</ref>。 **【韓国】[[忠清南道]][[泰安郡]]で、[[泰安私設海兵隊キャンプ水難事故]]が発生<ref>[http://world.kbs.co.kr/service/news_view.htm?lang=j&Seq_Code=47339 海兵隊真似たキャンプ 高校生5人波にさらわれ死亡] KBS WORLD Radio (2013年7月20日) 2020年11月2日閲覧。</ref>。 *[[7月19日]] - [[土星探査機]][[カッシーニ (探査機)|カッシーニ]]が土星による太陽の[[食 (天文)|食]]に合わせて土星全体と地球を撮影した([[地球が微笑んだ日]]参照)。 * [[7月21日]] - 【ベルギー】 [[ベルギー]]の[[アルベール2世 (ベルギー王)|アルベール国王]]が[[フィリップ・ド・ベルジック (ブラバント公)|フィリップ]]皇太子にベルギー王位を譲位<ref>{{Cite news |title=ベルギー国王が退位表明、フィリップ皇太子即位へ 建国記念日の21日 |newspaper=産経新聞 |date=013-07-04 |url=https://www.sankei.com/article/20130704-E6TKAZY2Q5NPFG4WWI6AIE22SM/ |accessdate=2013-07-04}}</ref>。 * [[7月22日]] - 【中華人民共和国】 [[甘粛省]]でマグニチュード6.6の地震。22日夜までに余震を422回観測<ref>{{cite news|date=2013-07-23|url=https://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE96M02Q20130723|title=中国・甘粛省地震の死者89人に、家屋倒壊で重傷者も500人超|publisher=ロイター|accessdate=2013-08-16}}</ref>死者95人、負傷者1000人以上、5万1800軒の建物が倒壊し、被災者数58万1600人、うち22万6700人が緊急避難するなどの被害発生<ref>{{cite news|date=2013-07-24 |url=http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0724&f=national_0724_061.shtml|title=甘粛省での地震…死者95人、負傷者は1000人以上|publisher=サーチナ|accessdate=2013-08-16}}</ref>。「[[甘粛地震]]」参照。 * [[7月24日]] -【スペイン】[[ガリシア州]][[サンティアゴ・デ・コンポステーラ]]で、乗客218人を乗せ首都[[マドリード]]から北西部の[[フェロル]]に向かっていた列車が規制を大幅に上回る速度でカーブを通過した際に脱線転覆、79人が死亡<ref>{{cite web|url=http://www.lavozdegalicia.es/noticia/galicia/2013/07/28/accidente-santiago-nuevo-fallecimiento-eleva-numero-victimas-mortales-79/00031375017129640599335.htm?idioma=galego|title=Accidente en Santiago: Un novo falecemento eleva o número de vítimas mortais a 79|publisher=La Voz de Galicia|date=2013-07-28|language=ガリシア語|accessdate=2013-07-29}}</ref><ref name=spainderail>{{Cite news|date=2013-07-26|url=http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013072600960|title=運転士の身柄拘束=減速間に合わず-スペイン脱線事故|publisher= 時事通信|accessdate=2013-07-26}}</ref>、140人以上が負傷<ref>{{Cite news|date=2013-07-26|url=http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013072500939|title=速度超過が事故原因か=スペインの高速鉄道脱線|publisher= 時事通信|accessdate=2013-07-26}}</ref>。現地警察当局は速度超過運転が事故の原因と見て、入院中の運転士の身柄を拘束<ref name=spainderail/>。([[サンティアゴ・デ・コンポステーラ列車脱線事故]]参照) * [[7月25日]] - [[潘基文]][[国際連合事務総長]]、[[シリア内戦]]による死者が10万人を超えたことを発表<ref>{{Cite news|date=2013-07-26|url=http://www.cnn.co.jp/world/35035153.html|title=シリア内戦の犠牲者10万人超す 国連事務総長|publisher= CNN|accessdate=2013-07-26}}</ref>。 * [[7月27日]] - 【北朝鮮】[[平壌直轄市|平壌]]の[[金日成広場]]で[[朝鮮人民軍]]による[[朝鮮戦争|祖国解放戦争]]勝利60周年慶祝[[閲兵式]]が行われ[[無人攻撃機]]、「[[ムスダン (ミサイル)|ムスダン]]」など4種類の[[弾道ミサイル]]が登場する<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.koreaii.com/siryositu/mrpark/2013/p20130731.html |title=北朝鮮の停戦60周年記念行事から見えてきたこと |accessdate=2014-06-27}}</ref>。 * [[7月28日]] - 【フランス】[[カンヌ]]の高級ホテルで開かれていた宝石の展示会に、何者かが押し入り、イスラエルの富豪が所有するダイヤモンドなど4000万ユーロ(約52億円)相当の宝石が盗まれる、近年では欧州で最大級の宝石盗難事件発生<ref>{{Cite news|date=2013-07-29|url=https://web.archive.org/web/20130729174908/http://sankei.jp.msn.com/world/news/130729/erp13072900450000-n1.htm|title=カンヌで52億円相当の宝石盗難 高級ホテルの展示会|publisher=産経新聞|accessdate=2013-07-29}}</ref>。 === 8月 === * [[8月1日]] ** [[ロシア]]、元[[アメリカ合衆国]][[中央情報局]]職員で、政府による情報監視を暴露してアメリカ政府より訴追され、6月23日から[[モスクワ]]・[[シェレメーチエヴォ国際空港]]の乗り継ぎ客用待機区域に滞在中だった[[エドワード・スノーデン]]の1年間の[[亡命]]を認める<ref>{{Cite news |date = 2013-08-01 |url = https://web.archive.org/web/20130804023242/http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20130801-OYT1T01223.htm?from=ylist |title = ロシア、スノーデン容疑者の1年間亡命認める |publisher = 読売新聞 |accessdate = 2013-08-01 |archiveurl=https://archive.is/PNRuy|archivedate=2013-08-01}}</ref>。同月6日、[[バラク・オバマ]]大統領がロシアの対応について「失望した」と発言<ref>{{Cite news |date = 2013-08-04 |url = http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013080700235 |title = スノーデン容疑者亡命に「失望」=ロシアとは協力、G20出席へ-米大統領 |publisher = 時事通信 |accessdate = 2013-08-07 }}</ref>、7日、本件を一因とし、同年9月3、4日に予定していた米露首脳会談を延期する旨を[[ホワイトハウス]]がロシア政府に通知<ref>{{Cite news |date = 2013-08-08 |url = http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013080701050 |title = ロシアとの首脳会談見送り=元CIA職員亡命も一因-米大統領 |publisher = 時事通信 |accessdate = 2013-08-08 }}</ref>。 **【イタリア】イタリア最高裁判所、約730万ユーロを脱税した罪に問われた[[シルヴィオ・ベルルスコーニ]]元首相の上告を棄却、禁錮4年(恩赦法で1年に減刑)とした高裁判決を支持し、有罪確定。ただし公職停止5年とした部分については高裁に差し戻し<ref>{{Cite news |date = 2013-08-02 |url = https://web.archive.org/web/20130804031633/http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20130802-OYT1T00214.htm |title = ベルルスコーニ元首相の有罪確定…伊最高裁 |publisher = 読売新聞 |accessdate = 2013-08-02 }}</ref>、同年[[10月19日]]、ミラノ高等裁判所の判決により停止期間が5年から2年に短縮される<ref>{{Cite news |date = 2013-10-19 |url = https://web.archive.org/web/20131022012337/http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20131019-OYT1T00818.htm?from=blist |title = 脱税のベルルスコーニ氏、公職停止を2年に短縮 |publisher = 読売新聞 |accessdate = 2013-10-20 }}</ref>。 * [[8月3日]] **【イラン】[[イラン大統領選挙 (2013年)|6月の大統領選挙]]で当選した[[ハサン・ロウハーニー]]が、2005年から8年間[[イランの大統領|イラン大統領]]だった[[マフムード・アフマディーネジャード]]に代わり同職に就任<ref>{{Cite news |date = 2013-08-04 |url = http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013080400003 |title = ロウハニ大統領が就任=核制裁の解除訴え-国際社会、穏健路線注視・イラン |publisher = 時事通信 |accessdate = 2013-08-04 }}</ref>。 **【中華人民共和国】[[北京大学]]が2010年と2012年に中国全土の約1万5000世帯を対象に行った調査により、中国都市部の最富裕層(上位5%)と最貧困層(下位5%)の世帯年収差が、2010年の約82倍から、2年後の2012年時点で約242倍となり、「絶望的格差」が拡大していることが判明<ref>{{Cite news |date = 2013-08-03 |url = https://web.archive.org/web/20130803015314/http://sankei.jp.msn.com/world/news/130803/chn13080310170001-n1.htm |title = 収入格差は242倍 都市部でも深刻な富の偏在 中国 北京大調査 |publisher = 産経新聞 |accessdate = 2013-08-07 }}</ref>。 * [[8月4日]] - [[アメリカ合衆国国務省]]、[[アルカーイダ]]による[[テロリズム|テロ]]の可能性が高まったとして、[[リビア]]や[[エジプト]]、[[イエメン]]、[[ヨルダン]]など22の同国在外公館を一時閉鎖。同5日以降10日まで19の在外公館を継続して閉鎖<ref>{{Cite news |date = 2013-08-05 |url = http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MR15WZ6JTSEE01.html |title = 米在外公館の閉鎖、10日まで延長-テロ攻撃への警戒続ける |publisher = Bloomberg.co.jp |accessdate = 2013-08-06 }}</ref>。うちイエメンについては、6日に外交官らを退避させ、英国も追随、フランスとドイツも在外公館を閉鎖。ベルギー、イタリア、オランダは自国市民にイエメンからの出国を勧告<ref>{{Cite news |date = 2013-08-07 |url = https://www.afpbb.com/articles/-/2960538?pid=11143406 |title = イエメンの米大使館職員が退避、アルカイダ攻撃警戒で |publisher = AFPBB |accessdate = 2013-08-07 }}</ref>。同8日には米国務省が[[パキスタン]]・[[ラホール]]にある同国領事館職員に退避指示<ref>{{Cite news |date = 2013-08-09 |url = http://www.cnn.co.jp/world/35035777.html |title = 米政府、パキスタンの米領事館に退避命令 テロ警戒 |publisher = CNN.co.jp |accessdate = 2013-08-10 }}</ref>。 * [[8月7日]] - 【ベトナム】[[クアンガイ省]]で、[[ベトナム戦争]]中に密林に逃亡し、40年間にわたり密林で生活していた父子2人を捜索隊が保護<ref>{{Cite news |date = 2013-08-09 |url = https://web.archive.org/web/20130810074333/http://sankei.jp.msn.com/world/news/130809/asi13080922060003-n1.htm |title = 密林40年生活の父子保護 ベトナム中部、戦争中から |publisher = 産経新聞 |accessdate = 2013-08-10 }}</ref>。 * [[8月8日]] - 【中華人民共和国】[[江蘇省]]疾病予防コントロールセンター、イギリスの医学誌に発表した論文を通じ、[[H7N9鳥インフルエンザの流行|流行中]]の[[H7N9亜型]][[A型インフルエンザウイルス]]に感染し5月に死亡した同省[[無錫市]]の親子が、同型ウイルスの「人から人」への初感染例であったという研究結果を公表<ref>{{Cite news |date = 2013-08-08 |url = http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2013080800633&j4 |title = 鳥インフル、「人・人」感染初確認=江蘇省で死亡の親子-中国 |publisher = 時事通信 |accessdate = 2013-08-08 }}</ref>。 * [[8月10日]]〜[[8月18日|18日]] - 第14回目となる[[2013年世界陸上競技選手権大会|世界陸上競技選手権大会]]が[[ロシア]]・[[モスクワ]]で開催。 * [[8月10日]] - 【インドネシア】東部にあるパルエ島の[[ロカテンダ火山]]が[[噴火]]、火砕流に巻き込まれて6人が死亡。噴煙は高さ約2千メートルに達し、住民約3000人が避難<ref>{{Cite news |date = 2013-08-10 |url = https://web.archive.org/web/20130811083917/http://sankei.jp.msn.com/world/news/130810/asi13081021470001-n1.htm |title = 火山噴火で6人死亡 インドネシア3000人避難 |publisher = 産経新聞 |accessdate = 2013-08-16 }}</ref>。 * [[8月10日]]〜[[8月11日|11日]] - この日の朝、[[ナイジェリア]]北東部[[ボルノ州]]コンドゥーガで自動小銃を持った武装集団が[[モスク]](イスラム礼拝所)を襲撃し、56人が死亡した<ref>[http://www.cnn.co.jp/world/35035872.html モスク襲撃で44人死亡 ナイジェリア - 2013.08.13 Tue posted at 10:18 JST (CNN)]</ref><ref>{{Cite web |title=モスクなど襲撃で56人死亡 ナイジェリア、過激派か - MSN産経ニュース |url=https://web.archive.org/web/20130813075925/http://sankei.jp.msn.com/world/news/130813/mds13081312140003-n1.htm |website=web.archive.org |date=2013-08-13 |access-date=2023-12-21}}</ref><ref>[http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013081300065 56人殺害される=ナイジェリア 時事ドットコム]</ref>。 * [[8月12日]] - 【インド】初の国産[[空母]]「[[ヴィクラント (空母・2代)|ビクラント]]」([[排水量]]約4万トン)進水式<ref>{{Cite news |date = 2013-08-13 |url =http://mainichi.jp/select/news/20130813k0000m030133000c.html |title = インド:初の国産空母が進水式 中国をけん制 |publisher = 毎日新聞 |accessdate = 2013-08-13 }}</ref>。 * [[8月14日]] - 【エジプト】[[2013年エジプトクーデター|クーデター]]により解任された[[ムハンマド・ムルシー|モルシ大統領]]を支持するデモ隊を暫定政府と治安維持隊が武力で強制排除。同月15日、[[国際連合安全保障理事会]]が緊急会合を招集<ref>{{Cite news |date = 2013-08-16 |url = https://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE97E06C20130815 |title = エジプト衝突の死者578人に、国連安保理は緊急会合開催へ |publisher = ロイター |accessdate = 2013-08-16 }}</ref>。 * [[8月16日]]午後9時頃 [[フィリピン]]中部[[セブ州]]タリサイ市沖のマクタン[[海峡]]で[[フェリー]]と[[貨物船]]が衝突し、フェリーが沈没した事故が発生。同国沿岸警備隊は18日、確認された死者が38人、行方不明者は82人と発表した。750人が救出された<ref>[http://www.cnn.co.jp/world/35036081.html フィリピンのフェリー沈没、死者38人に 82人依然不明 (CNN .co.jp)]</ref><ref>[http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013081800184 死者38人、不明者82人に=比フェリー沈没事故(時事ドットコム)]{{リンク切れ|date=2017年10月}}</ref>。 * [[8月21日]] - 大リーグ・[[ヤンキース]]の[[イチロー]]選手が日米通算で史上3人目となる4000本安打達成。 * [[8月25日]] - 未明に[[メキシコ]]南部タバスコ州で、貨物列車の脱線事故が発生。タバスコ州当局の発表によると、脱線した貨物列車にはホンジュラス人少なくとも250人が乗っており、無賃乗車していたホンジュラス人など少なくとも5人が死亡、17人以上が負傷した<ref>[http://www.cnn.co.jp/world/35036376.html 貨物列車が脱線、無賃乗車の外国人ら23人死傷 メキシコ] CNN.co.jp</ref>。 * 8月25日 - イラク各地で爆発や銃撃事件が相次ぎ発生。警察によると少なくとも27人が死亡、60人以上が負傷した<ref>{{Cite web |title=イラクで爆発や銃撃相次ぎ27人死亡 |url=https://www.cnn.co.jp/world/35036377.html |website=CNN.co.jp |access-date=2023-12-21 |language=ja}}</ref>。 * [[8月26日]] - この日の夜、[[ブラジル]]のパトリオタ外相が辞任<ref>{{Cite web |title=ブラジル外相が辞任 ボリビアとの外交問題で引責か |url=https://www.cnn.co.jp/world/35036433.html |website=CNN.co.jp |access-date=2023-12-21 |language=ja}}</ref>。 * [[8月27日]] - [[ブラジル]]の[[サンパウロ]]で、建設中の商業施設が倒壊し、少なくとも6人が死亡した。州の当局者が明らかにした<ref>{{Cite web |title=建設中の商業施設倒壊、作業員6人死亡 ブラジル |url=https://www.cnn.co.jp/world/35036464.html |website=CNN.co.jp |access-date=2023-12-21 |language=ja}}</ref>。 * [[8月28日]] - [[インド]]西部グジャラート州の当局は、同州バドダラ地区で住居用の建物2棟が倒壊し、少なくとも5人が死亡したと発表した。倒壊した建物から8人が救出されたが、まだ20人ががれきの下に閉じ込められているとみられている<ref>{{Cite web |title=インド西部で建物倒壊、5人死亡 |url=https://www.cnn.co.jp/world/35036486.html |website=CNN.co.jp |access-date=2023-12-21 |language=ja}}</ref>。 * [[8月29日]] - [[ケニア]][[赤十字社]]は、首都[[ナイロビ]]西部でバスが横転し、少なくとも41人が死亡したと発表した。この事故で33人が負傷し、地元の病院に搬送された<ref>{{Cite web |title=ケニアでバス事故、死者多数 |url=https://www.cnn.co.jp/world/35036553.html |website=CNN.co.jp |access-date=2023-12-21 |language=ja}}</ref>。 * [[8月30日]]朝(現地時間) - [[アラスカ]]のアリューシャン列島の南の太平洋で、マグニチュード (M) 7.0(推定)の地震が発生したと[[米国地質調査所]] (USGS) が発表した<ref>{{Cite web |title=アラスカで推定M7.0の地震 |url=https://www.cnn.co.jp/world/35036620.html |website=CNN.co.jp |access-date=2023-12-21 |language=ja}}</ref>。 * [[8月31日]] - [[中国]]南西部、[[雲南省|雲南]]・[[四川省|四川両省]]の境界線付近でマグニチュード (M) 5.9の地震が発生。米地質調査所 (USGS) によると、震源の深さは10キロ。犠牲者は少なくとも4人、負傷者は10人に達した。民家600棟が倒壊、5万5000棟が損壊した。住民9200人が退避を強いられた<ref>{{Cite web |title=中国南西部のM5.9地震、被害の拡大判明 犠牲者4人に |url=https://www.cnn.co.jp/world/35036641.html |website=CNN.co.jp |access-date=2023-12-21 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web |title=中国、M5.9の地震で死者 |url=https://www.cnn.co.jp/world/35036631.html |website=CNN.co.jp |access-date=2023-12-21 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web |title=中国でM5.9の地震、被害も |url=https://www.cnn.co.jp/world/35036628.html |website=CNN.co.jp |access-date=2023-12-21 |language=ja}}</ref>。 === 9月 === * [[9月1日]] - [[北アフリカ]]・[[チュニジア]]南東部・[[ガベス]]で[[刑務所]]から少なくとも49人が[[脱獄]]する[[事件]]<ref>{{Cite web |title=チュニジアで49人が脱獄、13人拘束 |url=https://www.cnn.co.jp/world/35036714.html |website=CNN.co.jp |access-date=2023-12-21 |language=ja}}</ref>があり、国営通信は治安関係者の話として、脱獄者のうち13人は拘束されたと報じている。[[パキスタン]]や[[イラク]]、[[リビア]]など北アフリカや[[中東]]ではここ数カ月で集団脱獄が相次いでおり、国際テロ組織[[アルカイダ]]系武装組織による関与が疑われている。 * [[9月2日]] - {{仮リンク|ダイアナ・ナイアド|en|Diana Nyad}}がサメ除けケージ無しでは史上初めての[[フロリダ海峡]][[遠泳#海峡横断泳|横断泳]]に成功する。 * [[9月3日]] - [[イラク]]の首都[[バグダード|バグダッド]]で、[[自動車|車]]に仕掛けられた[[爆弾]]が相次いで[[爆発]]し、少なくとも27人が死亡、50人が負傷した<ref>{{Cite web |title=バグダッドで爆発相次ぐ 27人死亡、50人負傷 |url=https://www.cnn.co.jp/world/35036782.html |website=CNN.co.jp |access-date=2023-12-21 |language=ja}}</ref>。 * [[9月5日]]〜[[9月6日|6日]] - [[G20|主要20カ国・地域 (G20) 首脳会議(サミット)]]が[[ロシア]]北西部[[サンクトペテルブルク]]で2日間の日程で開幕<ref>[http://mainichi.jp/select/news/20130906k0000m010116000c.html G20:開幕 シリア問題が最大の焦点に] 毎日jp 2013年9月5日付</ref><ref>{{Cite news |title=G20首脳会合が今夜ロシアで開幕 シリア問題も議題に |newspaper=産経新聞 |date=2013-09-05 |url=https://www.sankei.com/economy/news/130905/ecn1309050023-n1.html |accessdate=2013-09-05}}</ref>。[[シリア]]問題が最大の焦点。 * [[9月7日]] ** [[アルゼンチン]]で開かれた[[第125次IOC総会]]において、[[2020年夏季オリンピック]]の開催都市が日本の[[東京]]に決定した<ref>{{Cite web |title=イスタンブール、2020年夏季五輪開催ならず |url=https://www.afpbb.com/articles/-/2966780 |website=www.afpbb.com |date=2013-09-08 |access-date=2023-12-21 |language=ja}}</ref>。東京で[[夏季オリンピック]]が開催されるのは[[1964年]]以来、56年振り2回目<ref>{{Cite web |title=2020年五輪、東京が開催都市に決定 |url=https://www.cnn.co.jp/showbiz/35036934.html |website=CNN.co.jp |access-date=2023-12-21 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web |title=2020年「東京五輪」に決定 - MSN産経ニュース |url=https://web.archive.org/web/20130907224608/http://sankei.jp.msn.com/sports/news/130908/oth13090805200021-n1.htm |website=web.archive.org |date=2013-09-07 |access-date=2023-12-21}}</ref>。 ** [[中華人民共和国|中国]]の[[習近平]][[中華人民共和国主席|国家主席]]が[[カザフスタン]]の[[ナザルバエフ大学]]で講演し「[[シルクロード経済ベルト|シルクロード経済帯]]」構想を発表する<ref>{{cite news|title=習近平主席がカザフスタンの大学で講演|date=2013-09-08|url=http://j.people.com.cn/94474/8393141.html|accessdate=2014-05-28}}</ref>。 * [[9月8日]] - 第125次IOC総会において、2020年夏季オリンピックで正式種目とする最後の1競技に[[レスリング]]が決定<ref>{{Cite web |title=東京五輪、レスリング残留決定…改革着手を評価 |url=https://web.archive.org/web/20130909052903/http://www.yomiuri.co.jp/sports/news/20130909-OYT1T00001.htm |website=web.archive.org |date=2013-09-09 |access-date=2023-12-21}}</ref>。 * [[9月10日]] - 第125次IOC総会において、[[トーマス・バッハ]]が新[[国際オリンピック委員会]]会長に選出される<ref>[http://www.yomiuri.co.jp/sports/news/20130911-OYT1T00086.htm IOC会長にバッハ氏…ドーピング問題取り組む] YOMIURI ONLINE 2013年9月11日付</ref>。 * [[9月14日]] - [[グータ化学攻撃|シリア化学兵器使用問題]]を協議する米露外相会談が[[ジュネーブ]]([[スイス]])で行われ、[[ジョン・フォーブズ・ケリー|ケリー]][[アメリカ合衆国国務長官|米国務長官]]と[[セルゲイ・ラブロフ|ラブロフ]][[ロシアの外相|露外相]]が『[[シリア]]が保有する化学兵器を政治的な手段で廃棄させる』ことで合意し、会談後の記者会見にて発表。2013年11月までにシリアの化学兵器貯蔵施設の初期的な査察を終え、2014年半ばまでに全廃することを目標とする<ref>{{Cite news |url = http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013091500002 |title = 米ロ、化学兵器管理・廃棄で合意=軍事行動は当面回避-14年半ばの達成目標 |work = 時事ドットコム |publisher = [[時事通信社]] |date = 2013-09-15 |accessdate = 2013-09-15 }}</ref>。 ** イラク北部ニネベ州[[モースル|モスル]]北郊で、男が着衣に仕掛けた爆弾を爆発させるテロがあり、当局によると少なくとも36人が死亡、48人が負傷した<ref>{{Cite web |title=イラク北部のモスルで自爆テロ、死傷者84人 |url=https://www.cnn.co.jp/world/35037247.html |website=CNN.co.jp |access-date=2023-12-21 |language=ja}}</ref>。 * [[9月15日]] - インドネシア・スマトラにある[[シナブン山|シナブン火山]] (2600m) が噴火し、6200人以上が避難。周辺にある建物や車などが火山灰に覆われた。緊急対策当局が16日に明らかにした<ref>{{Cite web |title=インドネシアで火山噴火、6200人避難 |url=https://www.cnn.co.jp/world/35037277.html |website=CNN.co.jp |access-date=2023-12-21 |language=ja}}</ref>。 * [[9月18日]] - カナダの首都[[オタワ]]近郊の踏切で午前8時50分頃、2階建てバスと列車が衝突する事故があり、6人が死亡、少なくとも34人が負傷した<ref>{{Cite web |title=カナダで列車とバスが衝突、6人死亡 |url=https://www.cnn.co.jp/world/35037394.html |website=CNN.co.jp |access-date=2023-12-21 |language=ja}}</ref>。 * [[9月27日]] - [[国際連合安全保障理事会]]、[[シリア]]の[[化学兵器]]全廃を義務付ける決議案を全会一致で採択<ref>{{cite news |date = 2013-09-28 |url = https://web.archive.org/web/20131004232822/http://sankei.jp.msn.com/world/news/130928/erp13092810060000-n1.htm |title = 【シリア化学兵器】安保理、全廃決議 来年半ば期限に来月1日までに査察 |publisher = MSN産経ニュース |accessdate = 2013-10-01 }}</ref>。 === 10月 === * [[10月1日]] - [[アメリカ合衆国上院]]、[[医療保険制度改革 (アメリカ)|医療保険制度改革「オバマケア」]]の修正案を盛り込んだ[[アメリカ合衆国下院|同下院]]の提案を否決、公共サービスを継続するために必要な予算案が成立せず、一部政府機関が1996年以来17年ぶりに閉鎖<ref>{{cite news|date=2013-10-01|url=http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304827404579108320201967580.html|title=米連邦政府機関が17年ぶりに閉鎖―予算協議まとまらず|publisher=ウォール・ストリート・ジャーナル日本語版|accessdate=2013-10-01}}</ref>。約200万人の連邦政府公務員中最大約80万人が[[一時帰休]]となり、[[ニューヨーク]]の[[自由の女神像 (ニューヨーク)|自由の女神像]]を含め、[[アメリカ合衆国国立公園局|国立公園局]]が管轄する観光名所も閉鎖対象となる<ref>{{cite news|date=2013-10-01|url=https://web.archive.org/web/20131004115707/http://sankei.jp.msn.com/world/news/131001/amr13100123020009-n1.htm|title=【米政府機関閉鎖】自由の女神や国立公園も閉鎖 警察、医療は維持も影響に懸念広がる|publisher=MSN産経ニュース|accessdate=2013-10-01}}</ref>。[[10月16日|同16日]]、上下両院で、連邦債務の法定上限を2014年2月7日までの借り入れ分について引き上げる法案と、1月15日までの2014会計年度暫定予算を成立させて政府機関を再開することなどについて合意、[[10月17日|翌17日]]未明に[[バラク・オバマ]][[アメリカ合衆国大統領|大統領]]が署名、関連法が成立し、17日までに米国債の[[デフォルト (金融)|デフォルト]]([[債務不履行]])を回避、政府機関の閉鎖は同日解除となる<ref>{{cite news|date=2013-10-17|url=http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2013101700316|title=米、デフォルト回避=政府機関、きょう再開-上下院が合意案可決|publisher=時事通信|accessdate=2013-10-17}}</ref>。 * [[10月3日]] - [[リトアニア]]で[[ヴィーダス・ゲドヴィラス]]が[[セイマス]](国会)議長を辞任し、後任に[[ロレタ・グラウジニエネ]]が就任。 * [[10月4日]] - [[欧州合同原子核研究機構]](CERN)は昨年7月に発見した新たな粒子について[[ヒッグス粒子]]と確定した。同粒子は[[標準模型|標準理論]]における最後の未発見[[素粒子]]であったが、今回の発見により同理論の完成を見た形となる<ref>{{Cite web |title=「神の粒子」ヒッグス粒子の存在が確定 科学がどんどん霊界に近づいていく {{!}} ザ・リバティWeb/The Liberty Web |url=https://the-liberty.com/article/6735/ |website=The Liberty Web |access-date=2023-12-21 |language=ja}}</ref>。 * [[10月7日]]〜[[10月8日|8日]] - [[インドネシア]]の[[バリ島]]で、第25回目となる[[アジア太平洋経済協力|APEC]]首脳会議開催 * [[10月9日]]〜[[10月10日|10日]] - [[ASEAN]]首脳会議([[ブルネイ]])開催 * [[10月10日]] - 日本・[[熊本市]]で開かれた[[国際連合環境計画]](UNEP)主催の会議で、[[水銀]]の採掘や輸出入、水銀を使った製品の製造を規制する[[水銀に関する水俣条約]]が、約140か国・地域の代表ら約1000人が参加した本会合で全会一致で採択された<ref>{{cite news|date=2013-10-10|url=https://web.archive.org/web/20131010061156/http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20131010-OYT1T00426.htm|title=水俣条約を採択…水銀の採掘や輸出入など規制|publisher=読売新聞|accessdate=2013-10-11}}</ref>。 * [[10月15日]] - [[フィリピン]]・[[ボホール島]]でマグニチュード7.2の地震が発生、同島や隣接する[[セブ島]]で建物が倒壊するなどし222人が死亡<ref>{{Cite web|和書|title=フィリピン地震から5ヶ月、ボホール島の現状 -自分事と捉えるべき防災減災について(矢萩邦彦) - Yahoo!ニュース|url=https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/ff27843d14b14fb50e4d0771501f30f999b6e790|website=Yahoo!ニュース 個人|accessdate=2021年4月6日|language=ja}}</ref>。⇒[[ボホール島地震]]を参照。 * [[10月16日]] - [[ラオス]]で、[[ヴィエンチャン]]・[[ワットタイ国際空港]]発{{仮リンク|パクセー国際空港|en|Pakse International Airport}}行き[[ラオス国営航空]][[ATR 72]]が着陸準備に入った際、台風による豪雨と強風に巻き込まれ、[[メコン川]]にある島の付近に墜落、フランス、オーストラリア、タイ、韓国の乗客を含む乗客乗員49人が死亡<ref>{{cite news|date=2013-10-17|url=http://www.cnn.co.jp/world/35038610.html|title=ラオス航空の旅客機が墜落、乗員乗客49人死亡|publisher=CNN.co.jp|accessdate=2013-10-17}}</ref>。 *[[10月17日]]〜[[10月22日]]-[[プロ野球]]の[[東北楽天ゴールデンイーグルス]]が初[[優勝]]を飾った。 * [[10月18日]] - [[サウジアラビア]]、[[国際連合安全保障理事会]]の非常任理事国に選出された数時間後に就任辞退。非常任理事国に選出された国が辞退するのは初めて<ref>{{cite news|date=2013-10-20|url=http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304134704579146190446733808.html|title=サウジ、国連安保理の非常任理事国辞退─安保理入り拒否は前例なし|publisher=ウォール・ストリート・ジャーナル日本語版|accessdate=2013-10-21}}</ref>。 * [[10月20日]] ** [[オーストラリア]]・[[ニューサウスウェールズ州]]、[[山火事]]による消失面積が11万ヘクタールに達し、なお56箇所で燃え続け、うち12箇所が制御不能となり、「過去45年間で最悪」レベルに達していることから、州全土に非常事態宣言発令<ref>{{cite news|date=2013-10-21|url=http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013102100056|title=山火事「45年で最悪」か=シドニー含め非常事態宣言-豪|publisher=時事通信|accessdate=2013-10-21}}</ref>。 ** [[ミャンマー]][[チャウピュ港]]から中国[[広西チワン族自治区|広西]][[貴港市|貴港]]まで7676キロメートルの中緬原油・天然ガスパイプラインが完成する。 * [[10月28日]] ** [[北京]]・[[天安門広場]]で、小型四輪駆動車1台が[[長安街]]の柵で仕切られた天安門前の歩道に進入し、約250メートルを突進、観光客らをはねながら、肖像画のほぼ下にある「金水橋」の柵に衝突、炎上、車に乗っていた3人を含む5人が死亡、歩道にいた観光客や警官ら38人が負傷。事故後夕方まで、現場に[[中国人民武装警察部隊]]が派遣され、天安門と天安門広場、近くの[[紫禁城|故宮博物院]]や[[北京地下鉄1号線]][[天安門東駅]]などが封鎖<ref>{{cite news|date=2013-10-28|url=http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2804E_Y3A021C1FF1000/|title=天安門前で車突入、5人死亡 故意の可能性 邦人ら38人けが|publisher=日本経済新聞|accessdate=2013-10-28}}</ref>、現場近くで取材しようとした[[フランス通信社|AFP]]や[[英国放送協会|BBC]]の記者が一時拘束される<ref>{{Cite news |title=【天安門車炎上】警察、長安街を封鎖、AFP記者ら一時拘束、ネット投稿次々削除|newspaper=産経新聞 |date=2013-10-29 |url=https://www.sankei.com/world/news/131029/wor1310290019-n1.html |accessdate=2013-10-29}}</ref>。 ** [[ドイツ]]、[[イギリス]]など欧州北部にハリケーン級の暴風発生、ドイツ、イギリス、[[オランダ]]、[[デンマーク]]、[[フランス]]などで計10名以上が死亡、交通機関の乱れや停電、倒木で家屋が倒壊するなどの被害<ref>{{cite news|date=2013-10-29|url=https://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE99S00320131029|title=欧州の暴風で十数人が死亡、空の便など乱れる|publisher=ロイター|accessdate=2013-10-29}}</ref>。 * [[10月29日]] - [[トルコ]]・[[イスタンブール]]に、[[ヨーロッパ]]と[[アジア]]を結ぶ[[マルマライ計画|ボスポラス海峡トンネル]]、および同トンネルを通る[[地下鉄]]が開通<ref>{{cite news|date=2013-10-30|url=http://www.cnn.co.jp/business/35039169.html|title=アジアと欧州結ぶ海底トンネルが開通 トルコ|publisher=CNN.co.jp|accessdate=2013-11-01}}</ref>。 * [[10月30日]] - [[ボストン・レッドソックス]]が[[1918年]]以来95年ぶりに地元[[ボストン]]で[[ワールドシリーズ]]優勝を決める。 * [[10月31日]] - [[アメリカ合衆国]][[連邦航空局]]、高度1万フィート(3048メートル)未満での全ての電子機器の使用を禁じている飛行規則を変更、[[タブレット (コンピュータ)|タブレット端末]]や[[電子書籍|電子ブック]]などの小型電子機器の使用については年内に全ての飛行段階で使うことができるようにするとの方針を発表。ただし、各航空会社については、解禁を実施する前に、乗客の使用機器から発生するいかなる電波にも飛行機が影響されないようにするための5段階の措置を取ることが義務付けられる<ref>{{cite news|date=2013-11-01|url=http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702303343404579170283982942094.html|title=米連邦航空局、全飛行段階での電子機器使用を解禁へ|publisher=ウォール・ストリート・ジャーナル日本語版|accessdate=2013-11-01}}</ref>。 === 11月 === * [[11月1日]] - [[アメリカ合衆国]]・[[ロサンゼルス国際空港]]第3ターミナル手荷物検査場で男が[[小銃|ライフル銃]]を乱射、[[アメリカ合衆国国土安全保障省#国境警備および運輸保安|運輸安全局]]職員1人が死亡、空港施設や周辺の主要道路が閉鎖され、空港へのアクセスが長時間混乱<ref>{{cite news|date=2013-11-02|url=https://web.archive.org/web/20131102115812/http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131102/crm13110208030001-n1.htm|title=米ロス空港で銃撃事件 空港職員1人死亡、容疑者拘束|publisher=MSN産経ニュース|accessdate=2013-11-03}}</ref>。 * [[11月3日]] - [[北大西洋]]上、[[中部アフリカ]]および[[東アフリカ]](中心食の経路は[[アフリカ大陸]]中部を通過)で[[金環皆既日食]](hybrid eclipse)観測。なお、陸上における中心食の観測可能域ではほぼ皆既日食となる。 * [[11月3日]] - [[タイ王国]]で、[[反タクシン派]]の[[ステープ・トゥアクスパン]]元副首相が主導し、[[インラック・シナワトラ]]首相の辞任を要求する大規模デモ発生(詳細は[[2013年タイ反政府デモ]]参照)。 * [[11月5日]] - [[インド宇宙研究機関]]が初の[[火星]]探査機「マンガルヤーン」を打ち上げた。 * [[11月8日]] ** [[平成25年台風第30号|台風30号(アジア名「ハイエン」フィリピンでの名称「ヨランダ」)]]が[[フィリピン]]を直撃、最大瞬間風速87.5m/sを記録、最低気圧は860hpaを観測した可能性がある。[[レイテ島]]を中心に甚大な被害。死者6,352人<ref>{{Cite web|和書|title=史上最強スーパー台風「ハイエン」フィリピン上陸から5年 (森さやか) - Yahoo!ニュース|url=https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/cce522493cc6f1cb9cd77f6b65abfbb163c1422c|website=Yahoo!ニュース 個人|accessdate=2020-05-19|language=ja}}</ref>。 ** [[国際連合教育科学文化機関|UNESCO]]において、2011年秋の[[パレスチナ]]のUNESCO加盟承認に反発、それ以来分担金の拠出を2年間凍結していた[[アメリカ合衆国]]と[[イスラエル]]が、規定に基づき投票権を失う<ref>{{cite news|date=2013-11-09|url=http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20131109-OYT1T00739.htm|title=米とイスラエル、ユネスコでの投票権失う|publisher=読売新聞|accessdate=2013-11-10}}</ref>。 * [[11月9日]] - [[ミス・ユニバース]]の2013年大会から、[[性別適合手術]](SRS)を受けた外見上女性の者も参加可能となる。 * [[11月15日]] - [[ソニー・インタラクティブエンタテインメント]]より[[PlayStation 4]]発売。 * [[11月17日]] - ロシア連邦・[[タタールスタン共和国]]の[[カザン国際空港]]にて、[[タタールスタン航空]]所有の[[ボーイング737]]型旅客機が着陸に失敗し、炎上する事故が発生。この事故で乗員乗客50名全員が死亡した<ref>[http://www.asahi.com/articles/TKY201311170302.html?ref=com_top6 ロシアで旅客機が墜落、炎上 乗客乗員50人全員が死亡] 朝日新聞 2013年11月17日閲覧</ref>。⇒詳細は[[タタールスタン航空363便墜落事故]]を参照。 * [[11月18日]] - [[フランス]][[パリ]]市内で発砲事件<ref>[http://www.jiji.com/jc/zc?k=201311/2013111800857&g=int 仏左翼紙襲撃、X人重体=散弾銃の男が侵入] 時事ドットコム 2013年11月19日閲覧。</ref>。 * [[11月21日]] - [[ラトビア]]・[[リガ]]で[[スーパーマーケット]]の屋根が崩落、消防士3人を含む54人が死亡。同月27日、「悲劇の政治的責任を取る」として、[[ヴァルディス・ドムブロフスキス]][[ラトビアの首相|同国首相]]が辞任<ref>{{cite news|date=2013-11-28|url=http://www.cnn.co.jp/world/35040602.html|title=ラトビア首相が辞任、屋根崩落事故の引責で|publisher=CNN.co.jp|accessdate=2013-11-29}}</ref>。([[リガスーパーマーケット屋根崩落事故]]参照) * [[11月23日]] - [[中華人民共和国]]政府が、[[日本]]が領有を主張する[[東シナ海]]の[[尖閣諸島]]を含む上空を[[防空識別圏]]に設定<ref>{{cite news|date=2013-11-23|url=https://web.archive.org/web/20131123065518/http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131123/plc13112312410007-n1.htm|title=中国、尖閣上空に「防空識別圏」 日本と重複…空の緊張必至|publisher=MSN産経ニュース|accessdate=2013-11-29}}</ref>。同月26日、[[アメリカ合衆国]]が、[[日本政府]]に通告の上で、中国が防空識別圏を設定したと発表した尖閣諸島周辺上空に、[[アメリカ空軍]]所属の[[B-52 (航空機)|B-52]]を中国政府に非通告のまま飛行させる<ref>{{cite news|date=2013-11-27|url=http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304471504579223411133560726.html|title=米当局、B52爆撃機による中国の防空識別圏進入を日本に事前通知|publisher=ウォール・ストリート・ジャーナル日本語版|accessdate=2013-11-29}}</ref>。 * [[11月28日]] - [[アイソン彗星]]が[[近日点]]を通過、[[アメリカ航空宇宙局|NASA]]が一旦太陽に最接近する際に太陽の熱によってバラバラに崩壊し蒸発したとみられると発表した<ref>{{cite news|date=2013-11-29|url=https://web.archive.org/web/20131129075534/http://sankei.jp.msn.com/science/news/131129/scn13112910260002-n1.htm|title=アイソン彗星、消滅 「太陽最接近時に蒸発」NASA発表|publisher=MSN産経ニュース|accessdate=2013-12-01}}</ref>が、同月29日、NASAと[[欧州宇宙機関|ESA]]が太陽から遠ざかる姿を撮影、「彗星本体の核が、部分的に残っている可能性がある」と発表<ref>{{cite news|date=2013-11-30|url=https://web.archive.org/web/20131201000353/http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20131130-OYT1T00354.htm|title=アイソン彗星「生き延びたかも」…白く輝き飛ぶ|publisher=読売新聞|accessdate=2013-12-01}}</ref>。 * [[11月30日]] - 日本の[[上皇明仁|明仁天皇]]・[[上皇后美智子|美智子皇后]]夫妻が[[皇太子]]・[[皇太子妃|同妃]]時代の1960年に、[[昭和天皇]]の名代として訪問して以来53年ぶりに[[インド]]を公式訪問<ref>{{cite news|date=2013-11-30|url=https://web.archive.org/web/20131130080254/http://sankei.jp.msn.com/life/news/131130/imp13113011400004-n1.htm|title=両陛下、インドへご出発 53年ぶり公式訪問|publisher=MSN産経ニュース|accessdate=2013-12-01}}</ref>。 * [[11月30日]] - アメリカの俳優 [[ポール・ウォーカー]] 氏とその友人が自動車事故で死亡。 ポールと友人が乗っていて車両は [[ポルシェ・カレラGT]] に乗っていた。実際ハンドリングが悪く有名レーサーなどが【ハンドリングが悪く、スピードを出しすぎると素人にはカーブは曲がりきれない】と公言している。 === 12月 === * [[12月4日]] - [[アゼルバイジャン]]・[[バクー]]で開催される[[国際連合教育科学文化機関|ユネスコ]]政府間委員会で、『[[日本料理|和食-日本人の伝統的な食文化]]』が[[無形文化遺産]]に登録される<ref>{{cite news|date=2013-12-05|url=http://www.nikkei.com/article/DGXZZO63210430X21C13A1000004/|title=和食が世界の和食に 「世界無形文化遺産」に登録|publisher=日本経済新聞|accessdate=2013-12-05}}</ref>。 * [[12月5日]] - [[南アフリカ共和国]]の[[ネルソン・マンデラ]]元大統領が死去(95歳)。[[12月10日]]に追悼式が行われた。 * [[12月8日]] - [[朝鮮民主主義人民共和国]][[朝鮮労働党]]中央委員会政治局拡大会議で、同国ナンバー2の[[張成沢]]国防副委員長の全職務を解き党から除名する決定書を採択、同副委員長は更迭され、直後に会議場から軍服姿の要員に連行され<ref>{{cite news|date=2013-12-10|url=http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM0903W_Z01C13A2FF2000/|title=金正恩氏、個人独裁狙う ナンバー2張成沢氏解任 軍・党の世代交代急ぐ|publisher=日本経済新聞|accessdate=2013-12-10}}</ref>た後、同月12日、[[朝鮮民主主義人民共和国国家安全保衛部|国家安全保衛部]]特別[[軍法会議|軍事裁判]]で死刑判決が下され、即日執行されたと同国営[[朝鮮中央放送]]ラジオにより報じられる<ref>{{Cite news |title=張成沢氏を処刑 「敵に同調、国家転覆陰謀」と朝鮮中央放送 死刑判決、即日執行|newspaper=産経新聞 |date=2013-12-13 |url=https://www.sankei.com/article/20131213-3DAYKKFYNFNDJEFSKNPHB35SCE/ |accessdate=2013-12-13}}</ref>。 * [[12月14日]] - [[中華人民共和国]]の無人[[月]]探査機「[[嫦娥3号]]」が月面着陸に成功。[[アメリカ合衆国]]、[[ソビエト連邦]](当時)に次ぐ3カ国目で、1976年のソ連以来<ref>{{cite news|date=2013-12-14|url=https://web.archive.org/web/20131214201234/http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20131214-OYT1T00944.htm|title=中国の探査機、初の月面着陸に成功|publisher=日本経済新聞|accessdate=2013-12-15}}</ref>。 == 周年 == {{notice|周年であること自体に特筆性のある項目(元のトピックの特筆性ではありません)のみ記述してください。}} * [[1月1日]] - [[釜山広域市|釜山市]]直轄市昇格50周年。{{要出典|date=2013年10月|title=周年の特筆性について}} * [[1月10日]] - [[ロンドン地下鉄]]開業150周年。<ref>[http://www.news-digest.co.uk/news/news/pick-up/9999-london-underground-150-years-anniversary.html ロンドン地下鉄が開業150周年 - 英国ニュース、求人、イベント、コラム、レストラン、イギリス生活情報誌 - 英国ニュースダイジェスト]</ref> * [[3月20日]] - [[イラク戦争]]勃発から10周年。{{要出典|date=2013年10月|title=周年の特筆性について}} * [[4月4日]] - [[ワーナー・ブラザース]]設立90周年。{{要出典|date=2013年10月|title=周年の特筆性について}} * [[4月15日]] - [[東京ディズニーリゾート]]開園30周年。{{要出典|date=2017年8月|title=周年の特筆性について}} * [[5月22日]] - 「楽劇王」[[リヒャルト・ワーグナー]]生誕200周年<ref>{{Cite news|date=2013-05-21|url=https://www.afpbb.com/articles/-/2944936|title=ワーグナー生誕200年、論争の的であり続けた音楽家|publisher=フランス通信社|accessdate=2017-02-13}}</ref>。 * [[7月1日]] - [[ツール・ド・フランス]]開催110周年。{{要出典|date=2013年10月|title=周年の特筆性について}} * [[7月26日]] - [[キューバ革命]]60周年記念式典<ref>{{Cite news|date=2013-07-26|url=https://web.archive.org/web/20130726211945/http://sankei.jp.msn.com/world/news/130726/amr13072623510009-n1.htm|title=革命開始60年で式典 キューバ、議長が演説|publisher=産経新聞|accessdate=2013-07-27}}</ref>。 * [[7月27日]] - [[朝鮮戦争]]休戦から60周年<ref>{{Cite news |title=北朝鮮、朝鮮戦争休戦60年で大規模軍事パレード |newspaper=産経新聞 |date=2013-07-23 |url=https://www.sankei.com/article/20130727-GHKSZKC7WZLWNAGZFTQE4LVF34/ |accessdate=2013-07-27}}</ref>。 * [[10月10日]] - [[ジュゼッペ・ヴェルディ]]生誕200周年。 * [[11月9日]] - [[水晶の夜]]事件発生75周年<ref>{{cite web|url=http://kristallnacht75.org/|title=Kristallnacht 75 Reflecting on Kristallnacht 75 Years Later.|accessdate=2013-11-09|language=英語}}</ref>。 * [[11月22日]] - [[ジョン・F・ケネディ|ケネディ大統領]][[ケネディ大統領暗殺事件|暗殺事件]]から50周年<ref>{{cite web|url=http://50thhonoringjohnfkennedy.com/|title=The 50th: HONORING THE MEMORY OF PRESIDENT JOHN F. KENNEDY|publisher=President John F. Kennedy Commemorative Foundation|accessdate=2013-10-26|language=英語}}</ref>。 * [[12月17日]] - [[ライト兄弟]]の人類初飛行から110周年<ref>{{cite web|url=http://www.firstflight.org/news.php|title=First Flight Society News & Events|publisher=First Flight Society|accessdate=2013-10-26|language=英語}}</ref>。 * [[12月21日]] - [[クロスワードパズル]]誕生から100周年。 * [[12月26日]] - [[毛沢東]]生誕120周年<ref>{{cite web|url=http://news.sina.com.cn/c/z/mzd120/|title=毛泽东诞辰120周年|publisher=新浪公司|accessdate=2013-12-26|language=中国語(簡体字)}}</ref>。 * [[ハーレーダビッドソン]]110周年<ref>{{cite web|url=http://110.harley-davidson.com/en_US/events|title=GLOBAL 110TH ANNIVERSARY EVENTS|publisher=Harley Davidson|accessdate=2013-10-26|language=英語}}</ref>。 == イベント・行事 == === 国際年 === {{seealso|国際年}} * 国際水協力年(International Year of Water Cooperation) * 国際[[キヌア]]年(International Year of Quinoa) == 天文現象 == {{seealso|2013年の気象・地象・天象}} === 小惑星と隕石 === [[2月15日]]([[協定世界時|UTC]])に以下の二つの事柄が起きた。後述の通り、時期的な重なりは偶然とされる。 * ロシアの[[チェリャビンスク州]]に[[チェバルクリ隕石]]が落下した(詳細は「[[2013年チェリャビンスク州の隕石落下]]」を参照)。[[隕石]]が[[大気圏]]を[[超音速]]で通過した際や分裂した際に発生した[[ソニックブーム|衝撃波]]により、窓ガラスなどが割れ1500人近くの負傷者が出ている。[[アメリカ航空宇宙局]]では「人口密集地の近くにこのような規模の隕石が落下するのは100年に一度の出来事」とコメントを発表している。 * [[小惑星]]「{{mpl|2012 DA|14}}」(直径45m、質量13万トン)が[[月周回軌道]]の内側で地球表面から2万7700kmの距離を通過した。約16時間前にはロシアに隕石が落下しているが、[[軌道 (力学)|軌道]]が異なるため偶然であり因果関係はないものと思われる。 === 二つの彗星 === 3月中旬頃をピークに[[パンスターズ彗星 (C/2011 L4)|パンスターズ彗星]](C/2011 L4)、11月下旬頃をピークに[[アイソン彗星]](C/2012 S1)という二つの[[彗星]]が[[太陽]]に接近・通過し、[[大彗星]]になる可能性があると期待されていた。以下、特に注目されていた後者の彗星について述べる。 11月から翌年の初頭にかけてアイソン彗星(C/2012 S1)が[[肉眼]]でも観測可能と予測され、特に[[近点・遠点|近日点]]を通過する[[11月28日]]以降には[[等級 (天文)|視等級]]がマイナスになる可能性もあり、[[金星]]や[[満月]]より明るい大彗星(視直径は満月以下)になるのではないかと期待されていた(ただし、あくまでも地球からの距離、近日点距離、[[核 (彗星)|彗星核]]の直径などから計算された予測であり、過去には期待通りの明るさにならなかった例もある)<ref>{{Cite web|和書|url=https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/6796/|title=新彗星「アイソン」、満月より明るい?|work=[[ナショナル ジオグラフィック (雑誌)|ナショナル ジオグラフィック]]|publisher=[[ナショナル ジオグラフィック協会]]|date=2012-09-28|accessdate=2023-11-24}}</ref>。しかし、前述の近日点を通過した際に彗星の大部分が崩壊し<ref>[https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1311/29/news045.html アイソン彗星、崩壊した可能性 近日点通過](ITmedia 2013年11月29日)</ref>、近日点通過後に期待されていた大彗星としての観測は不可能となった。 === 太陽活動の異変 === この年の後半には[[太陽活動]]の[[太陽極大期|極大期]]が予測されていた(実際には2014年4月に到来<ref name="sorae200916">[https://sorae.info/astronomy/20200916-the-solar-cycle25-prediction-panel.html 第25太陽活動周期の開始を確認。極小期は2019年12月だった](sorae 2020年9月16日)</ref><ref name="astropics200916">[https://astropics.bookbright.co.jp/solar-cycle-25-is-here 太陽活動の第25周期がスタート](アストロピクス 2020年9月16日)</ref>)が、通常の極大期と比べて[[黒点]]数は少なく[[太陽]]の活動も低調に推移している<ref name="wired130918">[https://wired.jp/2013/09/18/sun-all-quiet/ 極大期でも低調な太陽活動:長期的活動低下も?]([[WIRED (雑誌)|WIRED]] 2013年9月18日)</ref>。また、極大期には太陽の[[北極]]部と[[南極]]部において[[磁場]]が反転する現象([[ポールシフト]])が起きるが、今回の磁場の反転は北極部で日本の太陽観測衛星「[[ひので (人工衛星)|ひので]]」により2012年に観測されたものの南極部では1年以上遅れており、北極部と南極部で同じ[[磁極]]となる特殊な状態(太陽磁極の四重極構造<ref>[http://hinode.nao.ac.jp/news/120419PressRelease/ 太陽観測衛星「ひので」、太陽極域磁場の反転を捉えた](国立天文台「ひので」ホームページ 2012年4月19日)</ref><ref>[http://oka-jp.seesaa.net/article/371453450.html NASA が「太陽の磁極の反転(磁場のポールシフト)」が始まったことを確認](In Deep 2013年8月8日)</ref>)が一時的に見られた<ref>[http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304368604579193003074797332.html 太陽活動に異常―黒点や磁極反転に異例の現象]([[ウォール・ストリート・ジャーナル]]日本版 2013年11月12日)</ref>。なおNASAによると、今回の磁場の反転は本年12月末までに完了している<ref>[http://www.independent.co.uk/news/science/video-sun-has-flipped-upside-down-as-new-magnetic-cycle-begins-9029378.html Video: Sun has 'flipped upside down' as new magnetic cycle begins (英語記事)]([[インデペンデント]] 2013年12月29日)</ref>。 極大期に突入して黒点が少ない状況は[[17世紀]]の[[マウンダー極小期]]と類似しており、この時期には約70年に渡って黒点が極端に少ない状況が続き、さらに[[イギリス]]・[[ロンドン]]の[[テムズ川]]で[[スケート|アイススケート]]ができるなど[[ヨーロッパ]]や[[北米大陸]]、その他地域で[[気温]]の低下も同時に起きており、今回も地球が[[地球寒冷化|寒冷化]]するのではないかと考える専門家もいる<ref name="wired130918"/><ref>{{Cite news |title=太陽元気なし 寒冷化予兆 11年周期の磁場転換起きず、黒点も最少 |newspaper=産経新聞 |date=2013-11-18 |url=https://www.sankei.com/article/20131118-YMCVZH2EY5OZ5CHDBDQWEQHXDM/}}</ref>。 === その他の天文現象 === * [[5月10日]] - [[オーストラリア]]北西部、[[ニューギニア島]]、[[ソロモン諸島]]で金環[[日食]]。 * [[11月3日]] - [[中部アフリカ]]、[[東アフリカ]]で金環皆既日食。 * [[12月2日]] - 水星[[星食|食]]。 == 自然科学 == ; {{Visible anchor|ヒッグス粒子の存在の確定}} : 2012年7月に[[欧州原子核研究機構]](CERN)が発表した「新たな粒子の発見」について、その後の詳細な分析によりこの粒子が[[ヒッグス粒子]]であったことが確定された。同粒子はあらゆる[[物質]]が[[質量]]を持つに至ったことについて鍵を握る[[素粒子]]とされる。[[標準模型|標準理論]]における最後の未発見素粒子であったヒッグス粒子の発見により同理論は完成を見たが、同理論だけでは[[宇宙]]全体の物質の僅か4.9%しか解明できていないとされており、同粒子の更なる解析により宇宙の大部分を占める未知の物質([[暗黒物質]]や[[ダークエネルギー]])の解明への手がかりになるのではないかと期待されている<ref name="sankei131021">{{Cite news |title=2013年の自然科学部門のノーベル賞 物理学賞 |newspaper=産経新聞 |date=2013-10-21 |url=https://www.sankei.com/life/news/131021/lif1310210036-n1.html}}</ref>。 : 今回の発見・確定からほとんど間を置かずに、2013年の[[ノーベル物理学賞]]はヒッグス粒子の存在を予言した[[ピーター・ヒッグス]]([[イギリス]]・[[エディンバラ大学]]名誉教授)と[[フランソワ・アングレール]]([[ベルギー]]・[[ブリュッセル自由大学 (フランス語)|ブリュッセル自由大学]]名誉教授)へ贈られた<ref name="sankei131021" />。 == 経済 == {{節スタブ}} {{main|2013年の経済}} == 政治 == {{節スタブ}} {{main|2013年の政治}} == 芸術・文化・ファッション == === スポーツ === {{see|2013年のスポーツ}} === 音楽 === {{see|2013年の音楽}} === 映画 === {{main|2013年の映画}} * [[クルードさんちのはじめての冒険]](米国:[[3月22日]]公開) * [[リアリティのダンス]](カンヌ:[[5月18日]]公開) * [[メアリーと秘密の王国]](米国:[[5月24日]]公開) * [[モンスターズ・ユニバーシティ]](米国:[[6月21日]]公開) * [[怪盗グルーのミニオン危機一発]](米国:[[7月3日]]公開) * [[パシフィック・リム]](オーストラリア:[[7月11日]]公開) * [[ターボ (映画)|ターボ]](米国:[[7月17日]]公開) * [[ブルージャスミン]](米国:[[7月26日]]限定公開) * [[アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜]](米国:[[9月4日]]公開) * [[はじまりのうた (映画)|はじまりのうた]]([[トロント国際映画祭|TIFF]]:[[9月7日]]公開) * [[ラッシュ/プライドと友情]](米国:[[9月20日]]公開) * [[くもりときどきミートボール2 フード・アニマル誕生の秘密]](米国:[[9月27日]]公開) * [[ゼロ・グラビティ (映画)|ゼロ・グラビティ]](米国:[[10月4日]]公開) * [[アデル、ブルーは熱い色]](フランス:[[10月9日]]公開) * [[キャプテン・フィリップス]](米国:[[10月11日]]公開) * [[それでも夜は明ける]](米国:[[10月18日]]限定公開) * [[ダラス・バイヤーズクラブ]](米国:[[11月1日]]公開) * [[アナと雪の女王]](米国:[[11月27日]]公開) * [[インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌]](米国:[[12月6日]]公開) * [[her/世界でひとつの彼女]](米国:[[12月18日]]限定公開) * [[ウォーキングwithダイナソー (映画)|ウォーキングwithダイナソー]](米国:[[12月20日]]公開) * [[アメリカン・ハッスル]](米国:12月20日公開) * [[ウルフ・オブ・ウォールストリート]](米国:[[12月25日]]公開) * [[LIFE!]](米国:12月25日公開) === 文学 === {{see|2013年の文学}} === ゲーム === {{seealso|Category:2013年のコンピュータゲーム}} * 10年ぶりのシリーズ最新作『[[シムシティ (2013)|シムシティ]]』が3月7日に発売。 * 『[[Ouya|OUYA]]』(OUYA,inc. 4月発売)、『[[GameStick]]』([[:en:PlayJam|PlayJam]] 4月発売)、『[[Project SHIELD]]』([[NVIDIA]] Q2発売)といった[[Android (オペレーティングシステム)|Android]]ゲーム機が相次いで登場。 * [[Valve Corporation|Valve]]の家庭用ゲーミングPC規格「[[Steam Machine|Steam Box]]」(スチームボックス)の一号機、コードネーム“Piston”(ピストン)が年末までにベータユニットの提供を開始予定(本格リリースは2014年半ばを予定)<ref>[http://gigazine.net/news/20131107-steam-machine-release/ 次世代の据え置き型ゲーム機「Steam Box」とは何かがわかるまとめ](Gigazine 2013年11月07日)</ref>。 * [[ソニー・コンピュータエンタテインメント]] (SCEI) の『'''[[PlayStation 4]]'''』、[[マイクロソフト]]の『'''[[Xbox One]]'''』が年末商戦期に[[北アメリカ|北米]]や[[ヨーロッパ]]などで発売。 <gallery widths="200px" heights="200px"> File:PS4-Console-wDS4.png|PlayStation 4 本体とコントローラ File:Xbox-One-Console-wController-FL.jpg|Xbox One 本体とコントローラ </gallery> == 誕生 == {{see also|2013年の日本#誕生|Category:2013年生}} * [[1月10日]] - [[アナスタシア・シガ]]、[[子役]]、[[俳優#性別での分類|女優]] * [[1月20日]] - [[クララ・ローズ]]、[[子役]]、[[タレント]]、女優 * [[1月31日]] - [[渡邊詩]]、[[子役]]、女優 * [[2月5日]] - [[坂東亀三郎 (6代目)]]、[[歌舞伎役者]]、[[子役]] * [[3月13日]] - [[レクシー・コール]]、[[モデル (職業)|モデル]] * [[3月22日]] - [[市川新之助 (8代目)]]、[[歌舞伎役者]]、[[子役]] * [[4月19日]] - [[三浦綺羅]]、[[子役]]、[[男優]] * [[4月25日]] - [[藤田怜央]]、[[囲碁棋士]] * [[5月4日]] - [[小松ハンナ]]、[[子役]]、女優 * [[5月22日]] - [[中村長三郎 (2代目)]]、[[歌舞伎役者]]、[[子役]] * [[5月31日]] - [[諏訪結衣]]、[[子役]]、女優 * [[6月17日]] - [[平野絢規]]、[[子役]]、[[男優]] * [[6月28日]] - [[鈴木楽]]、[[子役]]、[[男優]] * [[7月9日]] - [[田中乃愛]]、[[子役]]、女優 * [[7月18日]] - [[森田夢]]、[[子役]]、女優 * [[7月21日]] - [[上野山夢輝]]、[[子役]]、[[男優]] * [[7月22日]] - [[ジョージ・オブ・ウェールズ|ジョージ・オブ・ウェールズ王子]]、イギリスの王族、[[ウィリアム (プリンス・オブ・ウェールズ)|プリンス・オブ・ウェールズ・ウィリアム王子]]夫妻の長男 * [[8月2日]] - [[川原瑛都]]、[[子役]]、[[男優]] * [[8月10日]] - [[大熊大貴]]、[[子役]]、[[男優]] * [[9月2日]] - [[宮地美然]]、[[子役]]、女優 * [[9月5日]] - [[浅田芭路]]、[[子役]]、女優 * [[9月26日]] - [[阿部久令亜]]、[[子役]]、女優 * [[10月22日]] - [[増田梨沙]]、[[子役]]、女優 * [[11月28日]] - [[尾上丑之助 (7代目)]]、[[歌舞伎役者]]、[[子役]] * [[12月16日]] - [[鈴木かつき]]、[[子役]]、[[男優]] === 人物以外 === * [[11月25日]] - [[マガワ]]、[[アフリカオニネズミ]](+[[2022年]]) == 死去 == {{see|訃報 2013年}} == ノーベル賞 == * [[ノーベル物理学賞|物理学賞]]:[[ピーター・ヒッグス]]、[[フランソワ・アングレール]] * [[ノーベル化学賞|化学賞]]:[[マーティン・カープラス]]、[[マイケル・レヴィット (化学者)|マイケル・レヴィット]]、アーリー・ワーシェル * [[ノーベル生理学・医学賞|生理学・医学賞]]:[[ランディ・シェクマン]]、[[ジェームス・ロスマン]]、[[トーマス・スードフ]] * [[ノーベル文学賞|文学賞]]:[[アリス・マンロー]] * [[ノーベル平和賞|平和賞]]:[[化学兵器禁止機関]] * [[ノーベル経済学賞|経済学賞]]:[[ユージン・ファーマ]]、[[ラース・ハンセン]]、[[ロバート・シラー]] == フィクションのできごと == * [[5月]] - 鳳凰島にて、死亡事故が発生。この事故を口実に島での噂を調査させるため、甲斐峯秋警察庁次長からの密命を受けた警察庁長官官房付の神戸尊が特命係を訪問、杉下右京警部と甲斐亨巡査部長に鳳凰島に行くように命じる。命を受けた二人は島に上陸。調査を開始する。この事故を期に防衛省、政府の陰謀に関わる事件に発展していく。(映画『[[相棒 -劇場版III- 巨大密室! 特命係 絶海の孤島へ]]』) * 5月 - 「キカイマシーン帝国」の巨大飛行物体が飛来し、[[5月16日|16日]]に地球の明け渡しを要求。日本政府がこの要求を黙殺したため、キカイマシーン帝国はビーム兵器や機械兵軍団などによって地上を攻撃する。これに対し、地球防衛を目的とする謎の組織「グランゼーラ防衛軍」が対抗する。([[グランゼーラ]]の[[エイプリルフール]]イベント「キカイマシーン帝国襲来」)<ref>[https://www.youtube.com/watch?v=3OyWiEBA7Ms キカイマシーン帝国襲来 オープニングムービー] - Granzella Inc.公式チャンネル([[YouTube]])、2013年5月16日、2018年11月8日閲覧。</ref> * [[6月29日]]・[[6月30日]] - [[7月1日]] - [[アメリカ合衆国|アメリカ]]のトールオークスと[[中華人民共和国|中国]]蘭祥(ランシャン)で相次いでバイオテロが発生。アメリカ大統領を含む多数の死者が出る。トールオークスが爆撃され消滅。同時に合衆国大統領直轄組織『DSO』と対バイオテロ組織『B.S.A.A.』によって、蘭祥でのバイオテロが鎮圧されると同時に、バイオテロの首謀者の大統領補佐官ディレック・C・シモンズと、テロ組織『ネオ・アンブレラ』総統のカーラ・ラダメスが殺害された事によりバイオテロが終結する。(ゲーム『[[バイオハザード6]]』) *初夏 - 北海道雲雀ヶ崎市を始めとする日本各地で数十年ぶりとなる[[部分日食]]、一部地域では[[皆既日食]]を観測する。(ゲーム『[[星空のメモリア]]eternal heart』) * [[8月10日]]<ref group="注釈">小説版では[[8月11日]]。</ref> - 「K-DAY」。太平洋海底の地殻プレートに生じた「ブリーチ」から[[怪獣]]「トレスパッサー」が出現し、[[サンフランシスコ]]からアメリカに上陸。トレスパッサーは[[戦術核兵器]]を含む攻撃を受けて[[8月16日|6日後]]に倒され、核爆発によって[[オークランド (カリフォルニア州)|オークランド]]に生じた汚染区域は、後に「オブリビオン・ベイ」となる。(映画『[[パシフィック・リム (映画)|パシフィック・リム]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= アレックス・アーバイン|authorlink=:en:Alexander C. Irvine |title = パシフィック・リム |publisher = [[角川書店]] |year = 2013 |pages = 6,7,156 |isbn = 978-4-04-100926-0}}</ref><ref>[https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000002610.html 映画の前日譚を描いたコミック『パシフィック・リム:イヤーゼロ』、2013年12月4日(水)発売!] - [[PR TIMES]]([[小学館集英社プロダクション]]によるプレリリース)、2013年11月29日、2016年2月20日閲覧。</ref> * [[8月23日]] - [[地球帝国#地球帝国宇宙軍|地球帝国宇宙軍]]が建造した人類初の超光速宇宙戦艦「るくしおん」が進宙する。(アニメ『[[トップをねらえ!]]』)<ref>『[[トップをねらえ!]]』劇中、第1話冒頭の新聞記事より。</ref><ref>{{Cite book |和書 |author = |title = トップをねらえ大全! |publisher = [[バンダイビジュアル]] |year = 2012 |pages = 26,138,140 |isbn = 978-4-04-899247-3}}</ref> * [[8月27日]] - [[オクラホマ州]]クーガーズロック、[[房総半島]]沖合、[[地中海]]上にて、重力低下現象や[[電磁誘導]]現象、時間の加速などを伴う「スポット」が出現。翌日には[[南太平洋]]、[[インド洋]]、[[南大西洋]]上にも発生する。これにより、スポット付近の「停滞台風」や、世界各地での異常気象などが生じることになる。(小説『時の果てのフェブラリー』)<ref group="注釈">旧版では1998年。</ref><ref>{{Cite book |和書 |author=山本弘|authorlink=山本弘 (作家) |title = 時の果てのフェブラリー —赤方偏倚世界— |publisher = [[徳間書店]] |year = 2001 |pages = 54-65,296 |isbn = 978-4-19-905035-0}}</ref> * 時期不明 - 映画『[[エスケープ・フロム・L.A.]]』の設定年代。 * 警視庁捜査一課刑事の三浦信輔が、昇任試験に合格、警部補へ昇格するが、甲斐峯秋警察庁次長が浚われた事件で足を負傷、杖なしでは歩けない状態になり、警視庁を依願退職。(テレビドラマ『[[相棒|相棒 season12]]』) * 宇宙船「ギャニミード号」が誤って地球に持ち帰った宇宙病原体によって「ギャニミード号の惨事」が発生する。(小説『{{仮リンク|宇宙ヴァンパイアー|en|The Space Vampires}}』)<ref>{{Cite book |和書 |author= コリン・ウィルソン|authorlink=コリン・ウィルソン |title = 宇宙ヴァンパイアー |publisher = [[新潮社]] |year = 1977 |page = 13 |isbn = 978-4-10-216201-9}}</ref> * 宇宙からの電波および飛行物体の確認によって、地球外生命体「フォーリナー」の存在が発見される。その後、フォーリナーとの接触が試みられるも失敗に終わる。(ゲーム『[[地球防衛軍3]]』)<ref>[http://www.d3p.co.jp/edf_x/ 地球防衛軍3] - 『地球防衛軍3』公式サイト、2018年11月9日閲覧。</ref><ref>[http://www.d3p.co.jp/edf3p/vita/story.html ストーリー] - 『地球防衛軍3 PORTABLE』公式サイト、2018年11月8日閲覧。</ref> * 大知性体が地球人の魂をインターネット上にアップロードする。(ドラマ『[[ドクター・フー]]』) * ザイゴンが[[ロンドン塔]]を制圧、人類側の自衛措置によりロンドン滅亡の危機。(ドラマ『[[ドクター・フー]]』) * 揚陸艇型の「進化侵略体」が台湾・[[高雄市]]に上陸し、[[中華民国国軍|台湾軍]]および超国家機関「DOGOO」と交戦。DOGOO所属者および居合わせた小椋しおら「E遺伝子ホルダー」によって揚陸艇型は[[蓮池潭]]公園内で撃破されるが、直後に自爆する。この進化侵略体の地上への初上陸を受けて、DOGOOの存在が公表される。(漫画・アニメ『[[ノブナガン]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 久正人|authorlink=久正人 |title = ノブナガン 1 |publisher = [[アース・スター エンターテイメント]] |year = 2012 |pages = 13-117,213 |isbn = 978-4-8030-0308-6}}</ref> == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} === 注釈 === {{Reflist|group="注釈"}} === 出典 === ''一部の出典の記事タイトルに伏字としている部分がある'' {{Reflist|colwidth=30em}} == 関連項目 == {{commons&cat|2013|2013}} * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] * {{日本語版にない記事リンク|2013年における世界各地の指導者一覧|en|List of state leaders in 2013}} {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{Navboxes | title = 2013年の各国 | list1 = {{各年のアメリカ|2013|unit=1||List=1}} {{各年のヨーロッパ|2013|unit=1||List=1}} {{各年のアフリカ|2013|unit=1||List=1}} {{各年のアジア|2013|unit=1||List=1}} {{各年のオセアニア|2013|unit=1||List=1}} }} {{Normdaten}} {{DEFAULTSORT:2013ねん}} [[Category:2013年|*]]
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2019年
2019年(2019 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、火曜日から始まる平年。平成31年/令和元年。 この項目では、国際的な視点に基づいた2019年について記する。
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2019年は、西暦(グレゴリオ暦)による、火曜日から始まる平年。平成31年/令和元年。 この項目では、国際的な視点に基づいた2019年について記する。
{{Otheruseslist|'''西暦'''|[[日本]]ローカルの事柄|2019年の日本|[[アメリカ合衆国]]ローカルの事柄|2019年のアメリカ合衆国|[[中華人民共和国]]のローカルの事柄|2019年の中華人民共和国}} {{年代ナビ|2019}} {{YearInTopic | 年 = 2019 }} {{year-definition|2019}} この項目では、国際的な視点に基づいた2019年について記する。 == 他の紀年法 == * [[干支]]:[[己亥]](つちのと い) * [[日本]](月日は一致) ** [[平成]]31年([[1月1日]] - [[4月30日]]) ** [[令和]]元年([[5月1日]] - [[12月31日]]) ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2679年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4352年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]108年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]108年 * [[仏滅紀元]]:2561年閏9月10日 - 2562年10月6日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1440年4月23日 - 1441年5月4日 * [[ユダヤ暦]]:5779年4月24日 - 5780年4月3日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:1546300800 - 1577836799 * [[修正ユリウス日]](MJD):58484 - 58848 * [[リリウス日]](LD):159325 - 159689 == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2019}} == できごと == === 1月 === * [[1月1日]] ** [[平成31年台風第1号]](パブーク)が[[1951年]]の観測開始以来初めて、元日に発生した<ref>{{Cite web|和書|date=2019年1月2日 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39600210S9A100C1CR8000/ |title=台風1号発生、元日は初 統計上最も早く |publisher=日本経済新聞 |accessdate=2019-01-05}}</ref><ref>{{Cite web|和書|date=2019年1月1日 |url=https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/366285 |title=台風1号(パブーク) 元日に南シナ海で発生 |publisher=沖縄タイムス+プラス |accessdate=2019-01-05}}</ref>。 **{{QAT}}が[[石油輸出国機構|OPEC]]を離脱した<ref>{{Cite web|url=https://www.opec.org/opec_web/en/about_us/25.htm|title=OPEC : Member Countries|accessdate=2021年10月18日|publisher=OPEC}}</ref>。 ** {{USA}} [[カリフォルニア州]]でレストランでのプラスチック製ストローの使用の制限が開始された<ref>{{Cite web|和書|date=2018年9月21日 |url=https://sputniknews.jp/20180921/5364130.html |title=カリフォルニア州 プラ製ストローをレストランで使用禁止 |publisher=Sputnik 日本 |accessdate=2018-09-22}}</ref>。 * [[1月3日]] - {{CHN}} 月探査機・[[嫦娥4号]]が人類史上初めて、月面・[[月の裏]]に到着<ref>{{Cite news|url=https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/010600016/|title=【解説】史上初、月の裏に着陸成功のインパクト|newspaper=日経BP|date=2019-01-07|accessdate=2020-10-15}}</ref><ref>[http://www.cnsa.gov.cn/n6758823/n6758838/c6805034/content.html 嫦娥四号探测器成功着陆月球背面 传回世界第一张近距离拍摄月背影像图] 国家航天局(2019年1月3日)</ref>。 ** 日本の[[熊本県]]熊本地方を震源とする[[気象庁マグニチュード|Mj]]5.1、最大[[気象庁震度階級|震度]]6弱の[[地震]]が発生<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.asahi.com/articles/ASM136DGPM13UTIL01M.html|title=熊本で震度6弱、気象庁「熊本地震とは別のもの」|date=2019-01-03 |accessdate=2019-01-04 |publisher=朝日新聞デジタル}}</ref>。 * [[1月5日]] - 台風1号(パブーク)が、日本国[[気象庁]]の監視範囲の東経100度を越え、[[インド気象局]]の監視範囲に入り21年ぶりにサイクロンとなった<ref>{{Cite web|和書|date=2019年1月5日 |url=https://weathernews.jp/s/topics/201901/030065/ |title=台風1号 気象庁の監視域外へ出る 21年ぶりにサイクロンに |publisher=ウェザーニュース |accessdate=2019-02-03}}</ref>。 * [[1月7日]] - {{GAB}} [[クーデター]]未遂が発生し、国営ラジオ局などが一時占拠されたが、犯行グループは間もなく逮捕された<ref>{{Cite news|title=産油国ガボンでクーデターか 大統領は国外で療養中|newspaper=朝日新聞|date=2019-01-07|url=https://www.asahi.com/sp/articles/ASM175RHCM17UHBI01P.html|accessdate=2019-01-07}}</ref><ref>{{Cite news|title=産油国ガボンでクーデターか 大統領批判の声明|newspaper=日本経済新聞|date=2019-01-07|url=https://r.nikkei.com/article/DGXMZO3971226007012019910M00?s=0|accessdate=2019-01-07}}</ref><ref>{{Cite news|title=アフリカ・ガボンでクーデター未遂、関与者の大半を逮捕|newspaper=AFPBB|date=2019-01-07|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3205342|accessdate=2019-01-07}}</ref>。 === 2月 === * [[2月14日]] - {{IND}} [[ジャンムー・カシミール州]][[プルワマ県]]で、[[イスラム過激派]]による[[自爆テロ]]が発生し、襲撃を受けた治安部隊の40人が死亡した<ref>{{Cite news|url=https://www.sankei.com/article/20190215-MTKODQRFXNLULDYQJGJNXK2JRU/|title=カシミール地方でテロ、40人死亡 印パ、非難の応酬|publisher=産経新聞|date=2019/2/15|accessdate=2019/8/22}}</ref>。{{also|2019年プルワマ襲撃事件}} * [[2月15日]] - {{USA}} [[ドナルド・トランプ]]大統領は、議会の承認を得ずに[[メキシコとアメリカの壁|メキシコ国境の壁]]建設費を確保するため、[[非常事態宣言|国家非常事態を宣言]]した<ref>[https://jp.reuters.com/article/usa-shutdown-emergency-idJPKCN1Q42AB トランプ大統領、壁建設へ非常事態宣言 民主党は法廷闘争の構え] [[時事通信社]] 2019年2月16日配信 2019年2月16日閲覧</ref>。 * [[2月27日]] - {{NEP}} [[タプレジュン郡]]でヘリコプターが墜落し、[[ラビンドラ・アディカリ]]観光相ら7名が死亡した<ref>[https://web.archive.org/web/20190228004443/https://www.jiji.com/sp/article?k=2019022701321&g=int ヘリ墜落、観光相ら7人死亡=ネパール] 時事通信 2019年2月27日</ref>。 === 3月 === * [[3月5日]] - {{JPN}} [[最高裁判所 (日本)|最高裁判所]]第三小法廷において、[[マンション一括受電]]の契約について、管理組合の総会での決議は専有部には効力を有さず、専有部の既存の個別契約を解約する義務は無い、とする判決が下された<ref>[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=88462 最高裁判所第三小法廷 平成30(受)234 平成31年3月5日判決 ]</ref><ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXMZO4206516005032019000000/ 日本経済新聞2019年3月5日 ]</ref><ref>[https://www.sankei.com/affairs/news/190305/afr1903050057-n1.html 産経新聞2019年3月5日 ]</ref><ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42235220Y9A300C1CC0000/ 日本経済新聞2019年3月10日 ]</ref><ref>[https://www.asahi.com/articles/ASM34465NM34UTIL01B.html 朝日新聞2019年3月5日 ]</ref>。 * [[3月10日]] - {{ETH}} エチオピア航空302便が墜落し、乗客乗員合わせて157名全員が死亡した<ref>{{Cite news|title=エチオピアで旅客機墜落 搭乗の157人全員死亡 |newspaper=日本経済新聞 |date=2019-03-10 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42274620Q9A310C1CR8000/|accessdate=2019-03-12}}</ref>。{{also|エチオピア航空302便墜落事故}} * [[3月14日]] - {{Flagicon|MAW}}{{Flagicon|MOZ}}{{Flagicon|ZIM}} [[マラウイ]]、[[モザンビーク]]、[[ジンバブエ]]に{{仮リンク|サイクロン・アイダイ|en|Cyclone Idai}}が到達し、約150人が死亡、数百人が行方不明となった<ref>{{Cite web|和書|title=サイクロンで150人死亡 アフリカ南部3カ国 |newspaper=毎日新聞 |date=2019年3月17日|url=https://mainichi.jp/articles/20190317/k00/00m/030/024000c|accessdate=2019-03-16}}</ref>。 * [[3月15日]] - {{NZL}} [[クライストチャーチ]]のモスクで銃乱射事件が発生し、51人が死亡した<ref>{{Cite web|和書|title=NZ銃乱射の死者、51人に|work=時事通信|date=2019-05-03|url=https://web.archive.org/web/20190519163612/https://www.jiji.com/jc/article?k=2019050300248&g=int|accessdate=2020-02-13|publisher=}}</ref>。{{also|クライストチャーチモスク銃乱射事件}} * [[3月21日]] - {{USA}} [[シアトル・マリナーズ]]の[[イチロー]]選手が[[東京ドーム]]での開幕2連戦をもって引退<ref>{{Cite web|和書|date=2019年3月22日 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3216916 |title=イチローが現役引退、大リーグで数々の金字塔 |work=AFPBB News |publisher=AFP |accessdate=2019-03-31}}</ref>。 * [[3月24日]] - {{THA}} [[2019年タイ総選挙]]<ref>{{Cite web|和書|date=2019年3月29日 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43066730Z20C19A3EAF000/ |title=タイ総選挙、親軍政党が最多得票 選管発表 |publisher=日本経済新聞 |accessdate=2019-03-31}}</ref>。 * [[3月25日]] - {{USA}} トランプ大統領が[[ゴラン高原]]に対する[[イスラエル]]の主権を認める宣言に署名<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3217485|title=ゴラン高原のイスラエル主権承認、トランプ氏が宣言に署名|work=フランス通信社|date=2019-03-26|accessdate=2020-07-26}}</ref>。 * [[3月31日]] - {{HKG}} [[2019年逃亡犯条例改正案|逃亡犯条例改正案]]に抗議する大規模デモが開始された<ref>{{Cite web|url=https://www.straitstimes.com/asia/east-asia/thousands-march-in-hong-kong-over-proposed-extradition-law-changes|title=Thousands march in Hong Kong over proposed extradition law changes|last=hermesauto|date=31 March 2019|website=The Straits Times|access-date=11 June 2019}}</ref>。{{also|2019年-2020年香港民主化デモ}} === 4月 === [[File:Yoshihide Suga announcing new imperial era Reiwa 2 (cropped).jpg|thumb|新元号「[[令和]]」を発表する[[菅義偉|菅官房長官]]]] * [[4月1日]] - {{JPN}} 日本政府が[[平成]]に代わる次の元号が「[[令和]]」であると発表した<ref>{{Cite web|和書|date=2019年4月1日 |url=https://jp.reuters.com/article/japan-reiwa-idJPKCN1RD14J |title=新元号は「令和」、万葉集から出典 「希望あふれる新時代に」と首相 |publisher=ロイター |accessdate=2019-04-01}}</ref>。 * [[4月7日]] - 日本時間の午前8時59分41秒で[[グローバル・ポジショニング・システム|GPS]]の内部時計(GPS時)がGPS週数ロールオーバーして0に戻った([[1999年]][[8月22日]]についで2度目、[[UTC]]では4月6日23時59分41秒)。<ref>{{Cite web|和書|title=4月7日(日本時間)に2度目の「GPS週数ロールオーバー」|url=http://qzss.go.jp/column/gps-rollover_190225.html|website=みちびき(準天頂衛星システム)|accessdate=2019-04-02|language=ja}}</ref> * [[4月9日]] - {{ISR}} [[第21回イスラエル議会総選挙]]<ref>{{Cite web|和書|date=2019年4月10日 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43555810Q9A410C1MM0000/ |title=イスラエル総選挙、右派過半 首相続投の見通し |publisher=日本経済新聞 |accessdate=2019-04-19}}</ref>。 * [[4月15日]] - {{FRA}} [[パリ]]の[[ノートルダム大聖堂]]で大規模な火災が発生した<ref>{{Cite web|和書|date=2019年4月16日 |url=https://www.sankei.com/article/20190416-7AVWQAO3TFJD5KXX2FTMH675ZE/ |title=パリのノートルダム大聖堂が炎上 大統領は再建を宣言 |work=産経ニュース |publisher=産経デジタル |accessdate=2019-04-19}}</ref>。{{also|ノートルダム大聖堂の火災}} * [[4月11日]]〜[[5月19日]] - {{IND}} [[2019年インド総選挙]]。 * [[4月17日]] - {{IDN}} [[2019年インドネシア総選挙]]。 * [[4月21日]] ** {{UKR}} [[3月31日]]に行われた[[2019年ウクライナ大統領選挙|大統領選挙の決選投票]]<ref>{{cite news|url=https://web.archive.org/web/20190331235155/https://www.jiji.com/jc/article?k=2019040100191&g=int|title=コメディー俳優がトップ=現職と決選投票へ-ウクライナ大統領選|accessdate=2019-4-2}}</ref>。 ** {{SRI}} 爆破テロ事件が発生し、日本人の女性1人を含む259人が死亡し、500人以上が負傷した<ref name="dailymirror20191003">{{Cite web|url=http://www.dailymirror.lk/front_page/Easter-Sunday-attacks-SC-grants-Leave-to-proceed-12-FR-Petitions/238-175526|title=Easter Sunday attacks SC grants Leave to proceed 12 FR Petitions|publisher=Daily Mirror Online|date=2019-10-03|accessdate=2020-02-13}}</ref><ref name="asiatimes20191209">{{Cite web|url=https://www.asiatimes.com/2019/12/article/sri-lanka-intel-chief-sacked-over-easter-attacks/|title=Sri Lanka intel chief sacked over Easter attacks|publisher=Asia Times|date=2019-12-09|accessdate=2020-02-13}}</ref>。{{also|スリランカ連続爆破テロ事件}} * [[4月28日]] - {{ESP}} [[2019年4月スペイン議会総選挙]]。 * [[4月30日]] - {{JPN}} [[明仁]]が[[皇位|天皇位]]を[[退位]]<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44373440R00C19A5EA2000/|title=退位の日、皇居緊張の1日|work=日本経済新聞|publisher=日本経済新聞社|date=2019-05-01|accessdate=2019-05-01}}</ref>。[[平成]]の終了。[[退位の礼|退位礼正殿の儀]]が執り行われる<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44368770Q9A430C1000000/|title=天皇陛下「国民に心から感謝」最後のお言葉|work=日本経済新聞|publisher=日本経済新聞社|date=2019-04-30|accessdate=2019-05-01}}</ref>。{{also|明仁から徳仁への皇位継承}} === 5月 === * [[5月1日]] - {{JPN}} [[徳仁|皇太子徳仁親王]]が天皇に即位<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44371710Q9A430C1MM8000/|title=「令和」幕開け 新天皇陛下が即位 |work=日本経済新聞|publisher=日本経済新聞社|date=2019-05-01|accessdate=2019-05-01}}</ref>。[[令和]]へ[[改元]]。[[剣璽|剣璽等承継の儀]]、[[皇位継承|即位後朝見の儀]]が執り行われる<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44379480R00C19A5MM0000/|title=新天皇陛下「国民に寄り添う」即位の儀式終了|work=日本経済新聞|publisher=日本経済新聞社|date=2019-05-01|accessdate=2019-05-01}}</ref>。 * [[5月5日]] - {{RUS}} [[モスクワ]]の[[シェレメーチエヴォ国際空港]]に緊急着陸したアエロフロート1492便が炎上し、41人が死亡した。{{also|アエロフロート1492便炎上事故}} * [[5月4日]]〜[[5月6日]] - {{THA}} [[ラーマ10世]][[国王]]の[[戴冠式]]および関連行事。{{Main|{{仮リンク|タイの戴冠式|en|Coronation of the Thai monarch}}}} * [[5月12日]] - [[オマーン湾]]に面した[[フジャイラ]]沿岸で4隻の商業船が攻撃された。{{also|2019年5月ホルムズ海峡タンカー攻撃事件}} * [[5月18日]] - {{AUS}} [[2019年オーストラリア総選挙]] * [[5月23日]] - {{USA}} [[アメリカ航空宇宙局|NASA]]は半世紀ぶりに宇宙飛行士を月面に着陸させる[[アルテミス計画]]のスケジュールを発表した。[[2024年]]までに8回の打ち上げを行う内容で、月周回軌道への小型宇宙ステーションの設置も含まれる<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3226543|title=NASA、有人月面着陸計画「アルテミス」のスケジュール発表|work=AFBニュース|publisher=AFBニュース|date=2019-05-24|accessdate=2019-05-24}}</ref>。 === 6月 === [[ファイル:June9protestTreefong03.jpg|thumb|right|2019年6月9日、逃亡犯条例改正案に反対するデモ (香港)]] * [[6月6日]] - {{THA}} [[国民議会 (タイ)|タイ国会]]上下両院による首相指名選挙が執り行われ、[[プラユット・チャンオチャ]]({{仮リンク|国民国家の力党|en|Palang Pracharath Party}})が500票を獲得して[[タイの首相|タイ王国首相]]に選出された<ref>{{Cite news|url=https://jp.reuters.com/article/thailand-politics-idJPKCN1T62PJ|title=タイ、プラユット氏を首相に選出 親軍政の連立政権発足へ|newspaper=Reuter Japan|agency=Thomson Reuter|date=2019-06-06|accessdate=2019-06-06}}</ref>。 * [[6月7日]]〜[[7月7日]] - {{FRA}} [[2019 FIFA女子ワールドカップ]]([[フランス]]) * [[6月9日]] - {{HKG}} 主催者発表で103万人が参加のデモが開かれ、デモが本格化<ref>{{Cite news|title=香港で最大規模のデモ 中国本土への容疑者引き渡し案に反対|url=https://www.bbc.com/japanese/48578227|date=2019-06-10|accessdate=2019-11-12|language=en-GB}}</ref>。16日には香港史上最大の主催者発表で約200万人が参加するデモも開かれた<ref>{{Cite web|和書|title=香港で200万人デモ、条例改正案完全撤回求め-行政長官は陳謝|url=https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-06-16/PT7AO56JIJUQ01|website=Bloomberg.com|accessdate=2019-11-12|language=ja}}</ref>。{{also|2019年-2020年香港民主化デモ}} * [[6月13日]] - [[ホルムズ海峡]]付近で日本と[[ノルウェー]]の海運会社が運航するタンカーが襲撃を受けた。{{also|2019年6月ホルムズ海峡タンカー攻撃事件}} * [[6月18日]] - {{JPN}} 山形県沖を震源とする地震が発生し、新潟県村上市で、震度6強を観測。津波も観測された。{{also|山形県沖地震}} * [[6月28日]]〜[[6月29日]] - {{JPN}} [[第14回20か国・地域首脳会合|第14回]][[G20]]首脳会議([[日本]]・[[大阪市]]) * [[6月30日]] - {{JPN}} [[国際捕鯨委員会]](IWC)を脱退<ref>[http://japanese.china.org.cn/life/2019-07/01/content_74940028.htm 日本が国際捕鯨委員会から脱退 日メディア「極めて異例」_中国網_日本語] 中国網日本語版 (2019年7月1日) 2020年8月24日閲覧。</ref>。 === 7月 === * [[7月2日]] - (現地時間)[[チリ]]や[[アルゼンチン]]の一部地域などで皆既[[日食]]を観測<ref>[https://sorae.info/030201/2019_7_2_nasa.html 7月3日早朝に皆既日食!NASAが南米チリから生中継](sorae 2019年7月2日)</ref>。 * [[7月12日]]〜[[7月28日]] - {{KOR}} [[2019年世界水泳選手権]]([[大韓民国]]・[[光州広域市|光州]]) * [[7月18日]] - {{JPN}} [[京都アニメーション]]第1スタジオが侵入した男によって放火され、36人が死亡した。{{also|京都アニメーション放火殺人事件}} * [[7月19日]] - {{JPN}} [[新海誠]]監督作品である、同名小説を原作とする劇場アニメーション、『[[天気の子]]』が公開された。[[興行収入]]は142億3000万円を突破し、[[邦画]]歴代9位となった<ref>{{Cite web|和書|title=歴代ランキング - CINEMAランキング通信 |url=http://www.kogyotsushin.com/archives/alltime/ |website=www.kogyotsushin.com |access-date=2023-03-04}}</ref>。 * [[7月23日]] - {{KOR}} [[竹島 (島根県)|竹島]]付近の[[領空]]を侵犯した[[ロシア空軍]]機に対して、[[大韓民国空軍|韓国空軍]]の[[戦闘機]]が警告射撃を行った<ref>{{Cite web|和書|date=2019年7月23日 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3236423 |title=韓国軍、領空侵犯のロシア軍機に警告射撃 竹島上空で |publisher=AFP |accessdate=2019-07-23}}</ref>。 === 8月 === * [[8月2日]] - [[中距離核戦力全廃条約]]が失効した<ref>{{Cite web|和書|date=2019年8月2日|url=https://this.kiji.is/529803019049141345|title=ゴルバチョフ氏、INF失効批判「世界の安全保障損なわれる」|publisher=共同ニュース|accessdate=2019年8月2日 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20190802210749/https://this.kiji.is/529803019049141345 |archivedate=2019年8月2日}}</ref>。 * [[8月3日]] - {{USA}} [[テキサス州]][[エルパソ (テキサス州)|エルパソ]]で銃乱射事件が発生<ref>{{Cite web|和書|date=2019年8月4日|url=https://www.jiji.com/sp/article?k=2019080400112&g=int|title=米テキサスで銃乱射、20人死亡=白人の男拘束、憎悪犯罪か-土曜の商業施設|publisher=時事通信社|accessdate=2019年8月4日 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20191212212137/https://www.jiji.com/sp/article?k=2019080400112&g=int |archivedate=2019年12月12日}}</ref>。{{also|エルパソ銃乱射事件 (2019年)}} *8月10日 - {{TZA}} [[モロゴロ]]でタンクローリーが爆発し、少なくとも89人が死亡した。{{also|モロゴロタンクローリー爆発事故}} * [[8月26日]] - {{IDN}} [[ジョコ・ウィドド]]大統領が首都の移転先に[[カリマンタン島]][[東カリマンタン州]]の東部を選んだと発表した。新首都は、[[クタイカルタヌガラ]]県と[[北プナジャムパスール県]]にまたがる地区。国会の議決を経た上で、政府や議会、官舎、ダムといった施設とインフラを整備し、[[2024年]]までの移転開始を目指す<ref>{{Cite web|和書|date=2019年8月26日|url=https://web.archive.org/web/20190826071327/https://www.jiji.com/jc/article?k=2019082600720&g=int|title=インドネシアの新首都はカリマンタン東部=ジョコ大統領、移転先発表|publisher=時事通信|accessdate=2019年8月26日}}</ref>。 * [[8月24日]]〜[[8月26日]] - {{FRA}} [[第45回先進国首脳会議|第45回]][[G7]][[主要国首脳会議]]([[フランス]]・[[ビアリッツ]]) === 9月 === * [[9月1日]] - {{BAH}} [[ハリケーン・ドリアン]]が上陸して壊滅的被害を受けた<ref>https://www.epochtimes.jp/p/2019/09/47159.html</ref>。 * [[9月4日]] - {{HKG}} [[林鄭月娥]]行政長官が[[2019年逃亡犯条例改正案|逃亡犯条例改正案]]を正式に撤回したと発表した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-09-04/|title= 香港行政長官、逃亡犯条例改正案を正式に撤回-抗議活動収束は不透明|publisher=Bloomberg NEWS|accessdate=2019-9-4|date=2019-9-4}}</ref>。 * [[9月8日]] - {{JPN}} 台風15号(アジア名ファクサイ)により[[千葉県]]を中心に大規模停電などが起こった。{{also|令和元年房総半島台風}} * [[9月20日]]〜[[11月2日]] - {{JPN}} [[ラグビーワールドカップ2019]]([[日本]])。[[アジア]]初開催となる。 * [[9月21日]] - [[山梨キャンプ場女児失踪事件]]が発生。 * [[9月28日]]〜[[10月6日]] - {{QAT}} [[2019年世界陸上競技選手権大会]]([[カタール]]・[[ドーハ]]) === 10月 === [[File:Naha Okinawa Japan Shuri-Castle-01.jpg|thumb|right|正殿正面(2016年1月)]] * [[10月1日]] - {{JPN}} 消費税が8%から10%に引き上げられた<ref>[http://japan.hani.co.kr/arti/international/34530.html 日本、消費税率引き上げ・幼児教育無償化開始…朝鮮幼稚園は結局除外 : 日本•国際] hankyoreh japan (2019年10月2日) 2020年7月6日閲覧。</ref>。 * [[10月12日]] - {{JPN}} 同月3日に発生した台風19号(アジア名ハギビス)が関東・甲信越・東北地方を直撃。長野県の千曲川、福島県の阿武隈川を始めとする河川氾濫や暴風により、死者105名、被害総額3961万円に及ぶ甚大な被害が発生した。{{also|令和元年東日本台風}} * [[10月21日]] - {{CAN}} [[2019年カナダ総選挙]]<ref>{{Cite web|和書|date=2019年10月22日 |url=https://jp.reuters.com/article/canada-election-idJPKBN1X107F |title=カナダ総選挙、トルドー首相続投 過半数届かず他党協力必要に |publisher=ロイター |accessdate=2019-12-07}}</ref> * [[10月22日]] - {{JPN}} 天皇徳仁の[[即位礼正殿の儀]]。各国[[元首]]、[[首脳]]らを招待<ref>{{Cite web|和書|date=2019年10月22日 |url=https://www.bbc.com/japanese/50134600 |title=天皇陛下、「即位礼正殿の儀」で国内外に即位を宣言 - BBCニュース |publisher=BBC |accessdate=2019-12-07}}</ref>。 * [[10月26日]] - {{AUS}} [[ウルル]](エアーズロック)への登頂を全面禁止する処置を施行した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3148941|title=豪「エアーズロック」、19年から登山禁止に 「ディズニーランドではない」|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-2|date=2017-11-1}}</ref>。 * [[10月27日]] - {{JPN}} [[成田国際空港]]が運用時間制限を開港以来初めて緩和され、発着時間が午前0時まで延長された<ref>{{Cite web|和書|title=成田空港発着を午前0時まで延長 開港以来初|url=https://www.asahi.com/articles/ASMBX338JMBXUDCB005.html|website=朝日新聞デジタル|accessdate=2019-11-05|date=2019-10-28}}</ref>。 * [[10月31日]] - {{JPN}} [[沖縄県]]那覇市にある[[世界遺産]]、[[首里城]]が火災により正殿と北殿、南殿が焼失した<ref>{{Cite web|和書|date=2019年10月31日 |url=https://www.bbc.com/japanese/50244809 |title=世界遺産の首里城で火災、正殿などが全焼 |publisher=BBCニュース |accessdate=2019-12-01}}</ref>。{{also|首里城#2019年の火災}} === 11月 === * [[11月2日]] - {{JPN}} [[ラグビーワールドカップ2019]]の決勝が行われ、世界ランク3位の南アフリカが同1位イングランドを破って、3大会ぶり3度目の優勝を果たした。 * [[11月4日]] - {{Flagicon|JPN}}{{Flagicon|KOR}} [[安倍晋三|安倍首相]]と[[文在寅|文在寅大統領]]が、[[東南アジア諸国連合|ASEAN]]の関連首脳会議で一対一のやりとりを行った。 * [[11月6日]] - {{JPN}} [[東京国際空港|羽田空港]]の第1・第2ターミナルで、受水槽の中の水の塩分濃度に異常が確認され、原因調査のため大規模な断水が発生。 * [[11月10日]] - {{JPN}} 「[[即位の礼|祝賀御列の儀]]」が行われ、[[天皇]][[皇后]]がオープンカーに乗り、[[赤坂御用地|赤坂御所]]までの約4.6キロを約30分かけて進んだ。 * [[11月13日]] - {{JPN}} [[宇宙航空研究開発機構]]が「[[はやぶさ2]]」を小惑星「[[リュウグウ (小惑星)|リュウグウ]]」から出発させたと発表。[[はやぶさ2]]は順調にいけば、2020年末に地球に戻り、[[リュウグウ (小惑星)|リュウグウ]]で採取した砂などの試料が入ったカプセルを投下する予定。 * [[11月15日]] - {{JPN}} [[東京地方裁判所|東京地検立川支部]]が、[[日本大学フェニックス反則タックル問題]]について、当時の監督とコーチ、該当選手の3人を不起訴処分にした。 * [[11月16日]] - {{JPN}} [[上野通子]]文部科学副大臣は[[国際連合教育科学文化機関|ユネスコ]]本部でセンター長と会談、正殿が焼失した[[首里城|首里城跡]]の[[世界遺産]]登録を抹消しないと確認した。 * [[11月19日]] - {{HKG}} [[中国]]政府への抗議運動を見にいった[[東京農業大学]]の男子学生が、当局に拘束されていたことがわかった。 * [[11月20日]] - {{JPN}} [[安倍晋三|安倍首相]]が[[第1次安倍内閣|第1次政権]]とあわせた総理在任期間が[[桂太郎]]を抜く2886日で日本の憲政史上単独の最長となった。 * [[11月24日]] - {{JPN}} [[フランシスコ (ローマ教皇)|フランシスコ・ローマ教皇]]が、[[長崎市]]と[[広島市]]で核兵器廃絶や平和を求めて、「核兵器のない世界を実現することは可能であり必要不可欠なことだと確信している」とメッセージを発信した。 * [[11月30日]] - {{JPN}} [[2020年東京オリンピック]]・[[2020年東京パラリンピック|パラリンピック]]のメインスタジアムとなる[[国立競技場]]が完成した。2016年12月から本格工事が始まり、整備費は1569億円となった。 === 12月 === *[[12月18日]] - {{USA}} [[アメリカ合衆国下院]]が本会議で、[[ドナルド・トランプとウクライナ論争|ウクライナ疑惑]]に関し[[ドナルド・トランプ|トランプ]]大統領を「権力乱用」と「議会妨害」の罪で[[弾劾]]訴追する決議を賛成多数で可決した。米大統領が弾劾訴追されるのは史上3人目<ref>{{Cite web|和書|url=https://mainichi.jp/articles/20191219/k00/00m/030/010000c|title= トランプ大統領を弾劾訴追 米史上3人目 ウクライナ疑惑「権力乱用」認定 |publisher=毎日新聞|accessdate=2019-12-20|date=2019-12-19}}</ref>。 * [[12月26日]] - [[グアム]]などで金環[[日食]]が観測された。{{main|2019年12月26日の日食}} * [[12月28日]] - [[太陽系外彗星|恒星間彗星]]として初めて観測([[恒星間天体]]としても2例目)された[[ボリソフ彗星 (2I/Borisov)|ボリソフ彗星]]が地球最接近(距離:約3億km)<ref>[https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/11011_borisov 太陽に最接近したボリソフ彗星]([[アストロアーツ]] 2019年12月17日)</ref>。 * [[12月30日]] - {{CHN}} アメリカ[[テスラ (会社)|テスラ]]社の[[電気自動車]] (EV) が生産・初出荷された。 * [[12月31日]] - {{CHN}} [[湖北省]][[武漢市]]の[[武漢華南海鮮卸売市場|華南海鮮卸売市場]]で原因不明の[[肺炎]]患者が発生していることを、同市の疾病予防センターが公表した<ref name="jbpress0123">{{Cite web|和書|url=https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/59081 |title=新型肺炎が感染拡大、やはり隠蔽していた中国政府 |date=2020-01-23 |accessdate=2020-01-23 |work=JBpress}}</ref>。{{also|新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)|中国本土における2019年コロナウイルス感染症の流行状況}} == 周年 == {{出典の明記|date=2018年12月|section=1}} {{notice|周年であること自体に特筆性のある項目(元のトピックの特筆性ではありません)のみ記述してください}} * [[1月1日]] ** [[欧州連合]]における[[ユーロ]]導入から20周年<ref>{{Cite web|和書|date=2019-01-01 |url=http://jp.xinhuanet.com/2019-01/01/c_137712729.htm |title=ユーロ誕生20周年 |work=新華網日本語 |publisher=新華社 |accessdate=2019-01-01}}</ref>。 ** [[アメリカ合衆国]]と[[中華人民共和国]]の国交樹立40周年<ref>{{Cite web|和書|date=2019年1月1日 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3204750 |title=米中首脳、国交樹立40周年を祝い書簡を交換 貿易戦争は停戦か |work=AFPBB News |publisher=AFP |accessdate=2019-01-01}}</ref>。 * [[1月15日]] - [[ボストン糖蜜災害]]から100年<ref>{{Cite web |date=2019年1月15日 |url=https://www.universalhub.com/2019/gathering-around-where-molasses-tank-used |title=Gathering around the site of the molasses tank to remember its victims |publisher=Universal Hub |language=en |accessdate=2019-04-14}}</ref>。 * [[1月24日]] - [[Apple]]の[[Macintosh 128K|初代Macintosh]]('''Mac''')発売から35周年<ref>{{Cite web|和書|date=2019年1月25日 |url=https://japan.cnet.com/article/35131804/ |title=初代「Macintosh」誕生35周年、クックCEOがお祝いツイート |publisher=CNET Japan |accessdate=2019-04-14}}</ref>。 * [[2月1日]] - [[イラン革命]]から40年<ref>{{Cite web|和書|date=2019年2月3日 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3209428 |title=革命から40年祝うイラン、新型巡航ミサイル実験成功と発表 |publisher=AFP |accessdate=2019-04-14}}</ref>。 * [[3月1日]] - [[三・一運動]]100周年<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3213835|title=韓国「三・一独立運動」から100年、ソウルで記念日祝う市民|publisher=フランス通信社|date=2019-03-02|accessdate=2019-08-03}}</ref>。 * [[3月2日]] - [[中ソ国境紛争]]から50年{{要出典|date=2019年12月}}。 * [[3月20日]] - [[いかりや長介]]没後15周年。 * [[3月28日]] - [[スリーマイル島原子力発電所事故]]発生から40年<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3219744|title=メルトダウンから40年、米スリーマイル島原発9月閉鎖に揺れる地元|publisher=フランス通信社|date=2019-04-08|accessdate=2019-08-03}}</ref>。 * [[4月2日]] - アニメ「[[ドラえもん (1979年のテレビアニメ)]]」放送開始40周年。 * [[4月7日]] - [[機動戦士ガンダム]]放送開始から40周年。 * [[4月18日]] - [[クイーン・エリザベス2]](客船)竣工50周年{{要出典|date=2019年12月}}。 * [[4月21日]] - [[任天堂]]「[[ゲームボーイ]]」発売開始30周年{{要出典|date=2019年12月}}。<!--(最初に発売された日本での発売日)--> * [[5月1日]] - [[アイルトン・セナ]]没後25年<ref>{{Cite web|和書|date=2019年5月2日 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3223361 |title=セナ氏没後25年、イモーラで追悼式典 世界中から多くのファン参加 |work=AFPBB News |publisher=AFP |accessdate=2019-12-06}}</ref>。 * [[5月2日]] - [[レオナルド・ダ・ヴィンチ]]没後500周年<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3223478|title=ダビンチの髪の房? 没後500年の企画展で初公開 イタリア|publisher=フランス通信社|date=2019-05-03|accessdate=2019-08-03}}</ref>。 * [[5月10日]] - [[最初の大陸横断鉄道]]開通150周年<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/world/news/190511/wor1905110029-n1.html|title=米大陸横断鉄道150年 伝説の蒸気機関車が登場|publisher=[[産経新聞]]|date=2019-05-11|accessdate=2019-08-03}}</ref>。 * [[6月4日]] - [[六四天安門事件]]から30年<ref>{{Cite web|和書|date=2019年6月7日 |url=https://www.jiji.com/jc/v4?id=20190607-Tiananmen10001 |title=防衛駐在官メモが語る「六四天安門事件」~「勇気ある市民」流血の記録~(上):時事ドットコム |publisher=時事通信社 |accessdate=2019-12-06}}</ref>。 * [[6月18日]] - ビルマから[[ミャンマー]]改名30周年{{要出典|date=2019年12月}}。 * [[6月25日]] - [[マイケル・ジャクソン]]没後10周年<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3231585|title=マイケル・ジャクソン没後10年、虐待疑惑再燃でも衰えない人気|publisher=フランス通信社|date=2019-06-25|accessdate=2019-08-03}}</ref>。 * [[6月28日]] - [[ヴェルサイユ条約]]制定100周年{{要出典|date=2019年12月}}。 * [[7月14日]] - [[フランス革命]]の発端である[[バスティーユ襲撃]]から230周年{{要出典|date=2019年12月}}。 * [[7月20日]] - 人類初の[[月面着陸]]から50周年<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3236125|title=人類初の月面着陸から50年、米国で記念行事|publisher=フランス通信社|date=2019-07-21|accessdate=2019-08-03}}</ref>。 * [[8月15日|8月15]]-[[8月18日|18日]] - [[ウッドストック・フェスティバル]]開催から50周年{{要出典|date=2019年12月}}。 * [[9月1日]] - [[第二次世界大戦]]開戦から80年<ref>{{Cite web|和書|date=2019年9月1日 |url=https://sputniknews.jp/20190901/6633558.html |title=独大統領 第二次世界大戦についてポーランドに許しを乞う |publisher=Sputnik 日本 |accessdate=2019-12-06}}</ref>。 * [[9月11日]] - [[臼井義人]]没後10周年。 * [[9月15日]] - アイドルグループ[[嵐 (グループ)|嵐]]結成から20周年。 * [[9月21日]] - [[台湾]][[921大地震]]から20年{{要出典|date=2019年12月}}。 * [[10月1日]] ** [[中華人民共和国]]建国から70年<ref>{{Cite web|和書|date=2019年10月1日 |url=https://www.bbc.com/japanese/49889034 |title=中華人民共和国、建国70年の記念行事 中国揺るがす「勢力ない」と習主席 - BBCニュース |publisher=BBC |accessdate=2019-12-06}}</ref>。 ** [[パラオ]]独立25周年。 * [[10月2日]] - [[インド]]独立の父[[マハトマ・ガンディー]]生誕150周年。   * [[11月3日]] - アイドルグループ[[嵐 (グループ)|嵐]]デビュー20周年。 * [[11月9日]] - [[ベルリンの壁崩壊]]から30周年。 * [[11月10日]] - [[セサミストリート]]放送開始から50周年。<ref>ニューズウィーク日本版2019年12月10日号48ページ「セサミ50周年、子供番組はどこへ」</ref> * [[11月17日]] - [[日本とパラグアイの関係|日本・パラグアイ外交関係]]樹立100周年<ref>[https://www.mofa.go.jp/mofaj/ms/da/page25_001869.html 外務省外交史料館 企画展示 国書・親書展 南北アメリカ編(2) | 外務省]</ref><ref>[https://www.mofa.go.jp/mofaj/la_c/sa/py/page22_003119.html 日・パラグアイ外交関係樹立100周年(2019年)事業認定の申請 | 外務省]</ref>。 * [[11月21日]] - 任天堂「[[ニンテンドーDS]]」発売から15周年。<!--(最初に発売されたアメリカでの発売日)--> * [[12月3日]] - [[ソニー・インタラクティブエンタテインメント|SCE]]の初代「[[PlayStation (ゲーム機)|PlayStation]]」(PS1) 発売から25周年<!--(最初に発売された日本での発売日)--><ref>{{Cite web|和書|date=2019年12月4日 |url=https://blog.ja.playstation.com/2019/12/04/20191204-guinness/ |title=「プレイステーション」が「史上最も売れた家庭用ビデオゲームコンソールブランド」のギネス世界記録に! |publisher=PlayStation.Blog |accessdate=2021-12-14}}</ref>。 * [[12月12日]] - SCE「[[PlayStation Portable]]」(PSP) 発売から15周年。<!--(最初に発売された日本での発売日)--> * [[12月26日]] - [[スマトラ島沖地震 (2004年)]] 発生から15年。 * [[東欧革命]]から30年。 == イベント == {{節スタブ}} * [[東京都]][[豊島区]]で[[東アジア文化都市]]を開催。 == 政治 == {{see|2019年の政治}} * 当年実施見込みの各国元首等の選挙(【】内は任期満了日<!--出典は公式発表後でよい-->){{See|2019年の選挙}} == 経済 == {{see|2019年の経済}} == テクノロジー == * [[Macintosh]]の[[Classic Mac OS|System6]]の時間表示が初期化される。 * 世界初の[[第5世代移動通信システム]](5G)に対応した[[スマートフォン]]「[[Samsung Galaxy S10|Galaxy S10 5G]]」が発表される。これを筆頭に5G対応のスマートフォンやチップが各社から登場したり、様々な5G関連サービスが発表され、「5G関連株」が注目される。 * [[再生医療]]が発達し、患者の細胞から作製した臓器を患者に移植出来るようになる(文部科学省科学技術政策研究所の未来技術予測)。 * [[IBM]]が、少なくとも1社にのみ行っていた[[OS/2]]のメンテナンスを終了。 == 芸術・文化・ファッション == === 小説 === * [[8月22日]] - [[ダヴィド・ラーゲルクランツ]]による『[[ミレニアム (小説)|ミレニアム]]』第6部(続編3編のうち最後の部)が発売<ref>[http://jp.reuters.com/article/millennium-idJPKCN0S90WH20151015 北欧作家の遺作小説「ミレニアム」、続編売行き好調で続・続編も]、[[ロイター]]、[[2015年]][[10月15日]]、[[2016年]][[10月29日]]閲覧</ref>。〈※[[スウェーデン]]本国での発売日、日本では[[12月4日]]に発売<ref name="hayakawabooks191209">[https://www.hayakawabooks.com/n/n8d6f22142459 全世界1億部を突破したミステリ・シリーズの完結編、『ミレニアム6──死すべき女』訳者あとがき](Hayakawa Books & Magazines, 2019年12月9日)</ref>〉 === 音楽 === {{Main|2019年の音楽}} {{節スタブ}} === 映画 === {{See also|2019年の映画}} * [[4月24日]] - 『[[アベンジャーズ/エンドゲーム]]』公開。全世界[[興行収入]]が『[[アバター (2009年の映画)|アバター]]』([[2009年]])の記録を超え、歴代1位となった *[[5月24日]] - 『[[プロメア]]』公開。 * [[10月4日]] - 『[[ジョーカー (映画)|ジョーカー]]』公開。 [[バットマン]]に登場する悪役[[ジョーカー (バットマン)|ジョーカー]]の誕生を描く[[スリラー映画]]。 * [[11月22日]] - 『[[アナと雪の女王2]]』公開。 * [[12月20日]] - 『[[スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け]]』(エピソード9)公開。「スカイウォーカー・サーガ」([[スター・ウォーズシリーズ]]の旧三部作と新三部作を加えた合計9作)の完結編となる。 === ゲーム === * [[9月20日]] - [[任天堂]]が[[携帯型ゲーム|携帯型ゲーム機]]「'''[[Nintendo Switch Lite]]'''」を発売。 * [[11月15日]] - [[ポケットモンスター]]シリーズの完全新作となる[[Nintendo Switch]]用『[[ポケットモンスター ソード・シールド]]』が世界同時発売。 * [[11月19日]] - [[Google]]が登録制[[クラウドゲーム]]サービス「'''[[Google Stadia]]'''」を[[アメリカ合衆国|アメリカ]]など14か国で開始。 == 誕生 == {{see also|2019年の日本#誕生|Category:2019年生}} * [[5月6日]] &ndash; {{UK}} [[アーチー・マウントバッテン=ウィンザー]]、サセックス公[[ヘンリー (サセックス公)|ヘンリー]]王子と同妃[[メーガン (サセックス公爵夫人)|メーガン]]の第1子 == 死去 == {{see|訃報 2019年}} == ノーベル賞 == * [[ノーベル物理学賞|物理学賞]]:[[ジェームズ・ピーブルス]]、 [[ミシェル・マイヨール]]、[[ディディエ・ケロー]] * [[ノーベル化学賞|化学賞]]:[[ジョン・グッドイナフ]]、[[スタンリー・ウィッティンガム]]、[[吉野彰]] * [[ノーベル生理学・医学賞|生理学・医学賞]]:[[ウィリアム・ケリン]]、[[ピーター・ラトクリフ]]、[[グレッグ・セメンザ]] * [[ノーベル文学賞|文学賞]]:[[ペーター・ハントケ]] * [[ノーベル平和賞|平和賞]]:[[アビー・アハメド・アリー]] * [[ノーベル経済学賞|経済学賞]]:[[アビジット・V・バナジー]]、[[エスター・デュフロ]]、[[マイケル・クレーマー]] == フィクションのできごと == {{フィクションの出典明記|section=1|ソートキー=年2019|date=2011年7月}} * [[1月10日]] 瓜原潤史、神奈川県警本部捜査一課の現場教育([[オン・ザ・ジョブ・トレーニング|OJT]])システム・「風間道場」への異動を命じられる。(テレビドラマ『[[風間公親-教場0-|風間公親 -教場0-]]』) * [[2月26日]] - 神奈川県警本部捜査一課の新人刑事・遠野章宏が首を刺され意識不明になり(数日後に殉職する)、その指導官だった風間公親も右目を刺される重傷を負う。(テレビドラマ『[[風間公親-教場0-|風間公親 -教場0-]]』) * [[3月5日]]まで - 2019年3月5日に世界が滅亡するためそれ以前に[[自殺]]するべきだという[[ミーム]](SCP-3519)が蔓延する。特別収容プロトコルが制定されたが自殺者は増加を続け、億単位の人命が失われ都市機能が停止する。(共同創作サイト『[[SCP財団]]』)<ref>{{Cite web|url=http://scp-jp.wikidot.com/scp-3519 |title=SCP-3519 |accessdate=2021-01-27 |website=[[SCP財団]]}}</ref> * 3月 - 周囲に「枯渇現象」を発生させる光の柱が[[ガルフピッゲン]]山中に出現。排除を目的とした人類の先遣隊による攻撃の後、柱から現れた不明敵性存在「ピラー」の侵攻によって、人類は北欧を放棄することになる。(アニメ・小説・漫画『[[戦翼のシグルドリーヴァ]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 長月達平|authorlink=長月達平 |title = 戦翼のシグルドリーヴァ Rusalka(上) |publisher = KADOKAWA |year = 2020 |pages = 6,7,9 |isbn = 978-4-04-109402-0}}</ref><ref>[[野上武志]]×[[鈴木貴昭]]『[https://comic-walker.com/viewer/?tw=2&dlcl=ja&cid=KDCW_MF09201903010002_68 戦翼のシグルドリーヴァ 狂撃の英雄 第2話]』[[ComicWalker#ウェブコミック|COMIC Hu]]、2020年10月19日、2020年10月20日閲覧、10・11頁。</ref> * 4月、風間公親が神奈川県警察学校初任科短期課程第198期、植松教場の臨時教官として赴任。(テレビドラマ『[[教場 (テレビドラマ)|教場]]』) * 4月 - [[成歩堂龍一]]、[[弁護士]][[資格]]を失う。(ゲーム『[[逆転裁判4]]』)<ref>『逆転裁判4』第4話。</ref> * [[4月6日]] - 15:00 ロシアの超国家主義派のテロ組織「インナーサークル」が中東の大都市・ヴェルダンスクのスタジアムを強襲した。[[特殊空挺部隊|SAS]]ブラボーチームは警官などに偽装し民間人を虐殺するインナーサークルのリーダー、'''ウラジミール・マカロフ'''を生け捕りしに突入する。(ゲーム『[[コール オブ デューティ モダン・ウォーフェアIII|コール オブ デューティー モダン・ウォーフェアⅢ]]』) * [[5月15日]] - [[エルジア王国]]、ユージア大陸に建設された[[軌道エレベータ|国際軌道エレベーター]]や[[宇宙開発]]利権の独占を巡って対立していた[[オーシア連邦]]に対し[[宣戦布告]]及び宣戦同時攻撃を実施。第二次大陸戦争(灯台戦争)勃発。(ゲーム『[[エースコンバット7 スカイズ・アンノウン]]』) * [[6月3日]] - 南米から謎の光線が拡大、地球上にいた全人類とツバメが石化する。(漫画『[[Dr.STONE]]』){{efn2|石化から1173億5489万3870秒経過し、西暦[[5千年紀|5738年]]4月1日である事からの逆算。}}<ref>{{Cite book |和書 |author1=稲垣理一郎|authorlink1=稲垣理一郎|author2=Boichi|authorlink2=Boichi |title = Dr.STONE 2 石の世界の二つの国 |publisher = [[集英社]] |year = 2017 |page = 116 |isbn = 978-4-08-881184-0}}</ref> * [[6月12日]] - インベーダー再来。ロンドンが巨大生物の攻撃を受ける。(ゲーム『[[THE 地球防衛軍2]]』)<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.d3p.co.jp/s_20/s20_081.html |title=Vol.81 THE 地球防衛軍2 |work=SIMPLE2000シリーズ |publisher=ディースリー・パブリッシャー |accessdate=2013-09-16}}</ref> * 7月 - 月面{{仮リンク|ドライデン (クレーター)|label=ドライデン・クレーター|en|Dryden (crater)}}内の大型電波望遠鏡「ドライデンI」が、最初の7つの[[素数]]を繰り返す電波バースト「SPNシグナル」を受信。これに続き、9月には2種類の地球外有機生命体「サードアイ」複数が地球の高密度エネルギー地域に落下し、寄生した人間に超常の能力をもたらす。(小説・漫画『[[絶対ナル孤独者]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 川原礫|authorlink=川原礫 |title = 絶対ナル孤独者1 ー咀嚼者 The Biterー |publisher = [[KADOKAWA]] [[アスキー・メディアワークス]] |year = 2014 |pages = 22,23,129,130,149-153,158-160,199-202 |isbn = 978-4-04-866510-0}}</ref> * 10月 - [[トーマス・ローガン]]がEFI研究所に突入するが、その後行方不明になる。しかし生存が確認され、救出される。(ゲーム『[[ザ・ハウス・オブ・ザ・デッドIII]]』)<ref>[https://web.archive.org/web/20060430165849fw_/http://www.segawow.com:80/HOD3/story.html STORY] - 『ザ・ハウス・オブ・ザ・デッドIII』公式サイト([[インターネットアーカイブ]])。2006年4月30日、2018年2月2日閲覧。</ref> * [[10月25日]] - 18:00 前日に起きた化学兵器強奪事件から[[ロンドン]]での爆破テロを警戒し、[[特殊空挺部隊|SAS]]と[[CTSFO|ロンドン警視庁 テロ対策チーム(CTSFO)]]が警戒を強める。SASからCTSFOに出向しているカイル“'''ギャズ'''”ギャリック巡査は怪しいバンを発見し追跡するもバンが自爆し、それと同時に[[ピカデリー]]の至る所でテロ行為が繰り広げられる。(ゲーム『[[コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア|コール オブ デューティー モダン・ウォーフェア]]』) * [[11月3日]] - 10月から頻発地震や放電現象が生じていた[[富士山]]火口から、[[怪獣|生物的特徴をもつ巨大物体]]「ボルカルス」が出現し、東京都に向けて移動を開始。迎撃作戦による活動停止を挟んで[[12月25日]]に都内に達したボルカルスに対し、特殊冷凍弾「アメノオハバリ」を用いた「イ三号作戦」が発令される。(ボードゲーム『[[ボルカルス]]』)<ref>『ボルカルス』説明書 [[アークライト (企業)|アークライト]]、2019年、3・4頁。</ref> * [[12月24日]] - マルノウチ・スゴイタカイビルで起きたニンジャ組織同士の抗争によりフジキド・ケンジが妻子を失い、自身も死に瀕していたところを正体不明のニンジャソウル「ナラク・ニンジャ」に憑依され「ニンジャスレイヤー」となる。(漫画『[[ニンジャスレイヤー|ニンジャスレイヤー殺(キルズ)]]』) * 漫画・映画『[[AKIRA (漫画)|AKIRA]]』の設定年<ref>{{Cite book |和書 |author= 大友克洋|authorlink=大友克洋 |title = AKIRA PART 1 鉄雄 |publisher = [[講談社]] |year = 1984 |pages = 8,9 |isbn = 978-4-06-103711-3}}</ref><ref>{{cite news |url=http://eiga.com/news/20110715/20/ |title= 実写版「AKIRA」監督は「アンノウン」ジャウム・コレット=セラ |publisher=映画ドットコム |date=2011-07-15 |accessdate=2011-07-22}}</ref>。 * 映画『[[アイランド (2005年の映画)|アイランド]]』の設定年。 * 酸素合成用新植物を生成していた環境維持コンピューター「DIA51」が、巨大地震によって誤作動を起こし奇形植物が誕生。1ヶ月後、巨大化した奇形植物はDIA51を制御不能に陥れるとともに、都市や防衛軍基地を襲撃し人間の脳に寄生し始める。これを受けた世界統合防衛機構は、奇形植物を攻撃すべく最新鋭小型戦闘機「アレスタ」を発進させる。(ゲーム『[[アレスタ]]』)<ref>[[MSX2]]版『アレスタ』取扱説明書 [[コンパイル (企業)|コンパイル]]、1988年、4・5頁。</ref><ref>『アレスタ2』取扱い説明書 コンパイル、1989年、4頁。</ref> * ジャック・ハリバートン[[アメリカ海軍|海軍]][[少将]]率いる調査チームが、[[トンガ海溝|トンガ]]=[[ケルマデック海溝|ケルマデク海溝]]海底の砂中に[[更新世|100万年以上前]]から埋まっている葉巻型の金属体を発見。ハリバートンの依頼を受けたポセイドン・プロジェクツが回収作業を開始する。(小説『{{仮リンク|擬態 ーカムフラージュー|en|Camouflage (novel)}}』)<ref>{{Cite book |和書 |author= ジョー・ホールドマン|authorlink=ジョー・ホールドマン |title = 擬態 ーカムフラージュー |publisher = [[早川書房]] |year = 2007 |pages = 8-13,18,19,26-33,82 |isbn = 978-4-15-208818-5}}</ref> * シュトルムツェンダー シュティールHG165がデビュー。(アニメ『[[新世紀GPXサイバーフォーミュラ]]』) * 小説・アニメ・映画『[[図書館戦争]]』の設定年<ref>{{Cite book |和書 |author= 有川浩|authorlink=有川浩 |title = 図書館戦争シリーズ1 図書館戦争 |publisher = [[角川書店]] |year = 2011 |pages = 17-19 |isbn = 978-4-04-389805-3}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=http://www.toshokan-sensou.com/intro_story.html |title=作品概要 |publisher=「図書館戦争」公式サイト |accessdate=2013-09-16}}</ref>。 * 「大災禍(ザ・メイルストロム)」が発生。アメリカ合衆国を端緒として、英語圏を中心とする世界中で、核弾頭の使用すら伴う原因不明の大規模な虐殺や紛争が発生する。(小説・アニメ『[[ハーモニー (小説)|ハーモニー]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 伊藤計劃|authorlink=伊藤計劃 |title = ハーモニー〔新版〕 |publisher = 早川書房 |year = 2014 |pages = 36,164,195 |isbn = 978-4-15-031166-7}}</ref> * [[映画]]『[[ブレードランナー]]』の設定年<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.kinenote.com/main/public/cinema/detail.aspx?cinema_id=7988 |title=『ブレードランナー』あらすじ |work=KINENOTE |publisher=キネマ旬報社 |accessdate=2013-09-16}}</ref>。 * 西暦が終了する。(イラストノベル『[[乃木若葉は勇者である]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 朱白あおい|authorlink=朱白あおい |title = 乃木若葉は勇者である 下 |publisher = KADOKAWA |year = 2017 |pages = 205,220 |isbn = 978-4-04-892857-1}}</ref> == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} === 注釈 === {{Notelist2}} === 出典 === {{Reflist|3}} == 関連項目 == {{Commonscat|2019}} * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] * [[西暦]] * [[21世紀]] {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{デフォルトソート:2019ねん}} [[Category:2019年|*]]
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MACアドレス
MACアドレス(マック・アドレス、英語: Media Access Control address)とは、Media Access Controlにおいて、ネットワークインタフェースを識別するために使用される識別子である。OSI参照モデルでいえば、第2層(データリンク層)にあたる。 原則として全てのネットワーク機器に一意に割り当てられるが、様々な要因で例外が存在する。 WindowsのコマンドプロンプトではPhysical Addressと表記されており、単に物理アドレスと呼ばれたりNode ID(ノードID)の別名でも呼ばれたりすることがある。 イーサネットやIEEE 802.11 (Wi-Fi)の場合、48ビット(EUI-48)の符号である。MACアドレスの表現には、04-A3-43-5F-43-23や32:61:3C:4E:B6:05といったオクテットで区切り16進数表現を用いる。このMACアドレスの6つのオクテットのうち、最初の3オクテットがベンダーID部、次の1オクテットが機種ID、最後の2オクテットがシリアルIDとなることが一般的である。この場合、上位4オクテットでネットワーク機器の機種名まで特定可能である。 先頭オクテットのビット0x02がグローバルアドレスとローカルアドレスを識別するビットで、GLビットと呼ばれる。OFFであればグローバルアドレス、ONであればローカルアドレスであることを示している。また、先頭オクテットのビット0x01がユニキャストとマルチキャストを識別するビットで、IGビットと呼ばれる。詳細は、英文記事のMAC address#Address detailsを参照。 グローバルアドレスの場合、世界中のMACアドレスの管理を行なっているIEEEに料金を支払って、割り当てと登録を受けている。上位3オクテットはOUI(Organizationally Unique Identifier)と呼ばれる。OUIを割り当てられた各製造者は下位3オクテットを独自に重複しないように割り当てており、1つのOUIの割り当てを受けることで1677万7216個の製品に個別のMACアドレスが割り振れる。この仕組みにより、原則として、MACアドレスは世界中で唯一の番号となる。IEEEではOUIの登録データをWebで検索できるようにしている。 IPv4では、MACアドレスとIPアドレスの相互変換には、ARPやRARPというプロトコルを用いる。IPv6では、MACアドレスとIPアドレスの相互変換には、ICMPv6で規定されている近隣探索プロトコル(Neighbor discovery, NDP)を用いる。 MACアドレスは物理アドレスと呼ばれるが、ソフトウェアの設定により変更可能なネットワーク機器も存在する。また、仮想マシンなどでは任意の値に変更できる場合もある。このため、無線LAN (Wi-Fi)などの情報セキュリティの確保のためにMACアドレス・フィルタリングを利用する場合、ブラックリストによる防御は突破される可能性がある。 また、以下のOSでは、程度の差こそあれWi-Fiにおいて毎回異なるMACアドレスを使用する。 このようにMACアドレスは変更可能なため、MACアドレスが重複することがある。また、ハードウェアの出荷時点から重複が存在している可能性がRFC 7136やRFC 7217で指摘されている。 近傍にMACアドレスが重複するネットワーク機器が複数あると正常な通信ができない。また、DHCPなど、MACアドレスを装置の識別に使用する場合もMACアドレスが重複すると意図しない動作となることがある。特に管理用途でMACアドレスを使う場合は、同一セグメントに限らず重複が問題となることがある。 MACアドレスが有限の符号である以上、理論的には枯渇というものが考えられる。しかし、IPアドレス枯渇問題などで話題になるIPv4と違い、MACアドレスは2=281,474,976,710,656個≒281兆個(IGビット/GLビットを除外すると2=70,368,744,177,664≒70兆個)と多いことなどにより、2012年時点では差し迫った問題にはなっていない。 L2スイッチなどの通信機器では、通信機器の[[ポート]]と、そのポートに接続される相手の通信機器のMACアドレスのマッピング情報を「MACアドレステーブル」に保存している。
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MACアドレスとは、Media Access Controlにおいて、ネットワークインタフェースを識別するために使用される識別子である。OSI参照モデルでいえば、第2層(データリンク層)にあたる。 原則として全てのネットワーク機器に一意に割り当てられるが、様々な要因で例外が存在する。
{{OSIModel}} '''MACアドレス'''(マック・アドレス、{{Lang-en|Media Access Control address}})とは、[[媒体アクセス制御|Media Access Control]]において、[[ネットワークインタフェース]]を識別するために使用される[[識別子]]である。[[OSI参照モデル]]でいえば、第2層([[データリンク層]])にあたる。 原則として全てのネットワーク機器に一意に割り当てられるが、様々な要因で例外が存在する。 == 概要 == [[Microsoft Windows|Windows]]の[[コマンドプロンプト]]ではPhysical Addressと表記されており、単に'''物理アドレス'''と呼ばれたり'''Node ID'''(ノードID)の別名でも呼ばれたりすることがある。 [[イーサネット]]や[[IEEE 802.11]] ([[Wi-Fi]])の場合、48[[ビット]](EUI-48)の符号である。MACアドレスの表現には、04-A3-43-5F-43-23や32:61:3C:4E:B6:05といった[[オクテット (コンピュータ)|オクテット]]で区切り16進数表現を用いる。<!--"04","5F"や"B6"が、それぞれオクテットである。-->このMACアドレスの6つのオクテットのうち、最初の3オクテットがベンダーID部、次の1オクテットが機種ID、最後の2オクテットがシリアルIDとなることが一般的である。この場合、上位4オクテットでネットワーク機器の機種名まで特定可能である。 == グローバルアドレスとローカルアドレス == {{Double image stack|right|IEEE OUI.PNG|IEEE OUI2.PNG|193|'''IEEEでOUIを検索する'''<br />[https://regauth.standards.ieee.org/standards-ra-web/pub/view.html#registries OUI検索ページ]で6桁のアドレスを入力すると登録されている製造者名が表示される。}} 先頭[[8ビット|オクテット]]のビット0x02がグローバルアドレスとローカルアドレスを識別するビットで、GLビットと呼ばれる。OFFであればグローバルアドレス、ONであればローカルアドレスであることを示している。また、先頭オクテットのビット0x01がユニキャストとマルチキャストを識別するビットで、IGビットと呼ばれる。詳細は、英文記事の[[:en:MAC address#Address details|MAC address#Address details]]を参照。 グローバルアドレスの場合、世界中のMACアドレスの管理を行なっている[[IEEE]]に料金を支払って、割り当てと登録を受けている。上位3オクテットは'''OUI'''(Organizationally Unique Identifier)と呼ばれる<ref>[[日経NETWORK]] 2006年9月号「ネットワークの基礎 MACアドレス」p.82</ref>。'''OUI'''を割り当てられた各製造者は下位3オクテットを独自に重複しないように割り当てており、1つのOUIの割り当てを受けることで1677万7216個の製品に個別のMACアドレスが割り振れる。この仕組みにより、原則として、MACアドレスは世界中で唯一の番号となる。IEEEではOUIの登録データをWebで検索できるようにしている。 [[IPv4]]では、MACアドレスと[[IPアドレス]]の相互変換には、[[Address Resolution Protocol|ARP]]や[[Reverse address resolution protocol|RARP]]という[[通信プロトコル|プロトコル]]を用いる。[[IPv6]]では、MACアドレスと[[IPv6アドレス|IPアドレス]]の相互変換には、[[Internet Control Message Protocol for IPv6|ICMPv6]]で規定されている[[近隣探索プロトコル]](Neighbor discovery, NDP)を用いる。 == 変更と重複 == MACアドレスは物理アドレスと呼ばれるが、ソフトウェアの設定により変更可能なネットワーク機器も存在する。また、[[仮想マシン]]などでは任意の値に変更できる場合もある。このため、[[無線LAN]] ([[Wi-Fi]])などの情報セキュリティの確保のためにMACアドレス・フィルタリングを利用する場合、ブラックリストによる防御は突破される可能性がある<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.otsuka-shokai.co.jp/products/security/internet/network/netattest-ots/mac-adress/01.html |title=MACアドレス制限は“効果ゼロ”今さら聞けない「無線LAN認証」の基本【1/4】 |website=大塚商会 |accessdate=2020-08-22}}</ref>。 また、以下のOSでは、程度の差こそあれWi-Fiにおいて毎回異なるMACアドレスを使用する。 * [[iOS]]、[[iPadOS]]、[[watchOS]]<ref>{{Cite web|和書|date=2020-08-13 |url=https://support.apple.com/ja-jp/HT211227 |title=iOS 14、iPadOS 14、watchOS 7 でプライベート Wi-Fi アドレスを使う |website=Apple サポート|accessdate=2020-08-22}}</ref> * [[Android (オペレーティングシステム)|Android]]<ref>{{Cite web|和書|url=https://developer.android.com/about/versions/10/privacy/changes?hl=ja#randomized-mac-addresses |title=Privacy changes in Android 10 MAC アドレスのランダム化 |website= Android デベロッパー |accessdate=2020-08-22}}</ref> * [[Microsoft Windows 10|Windows 10]]<ref>{{Cite web|和書|url=https://support.microsoft.com/ja-jp/help/4027925/windows-how-and-why-to-use-random-hardware-addresses |title=ランダム ハードウェア アドレスを使う理由と方法 |website=Microsoftサポート |accessdate=2020-08-22}}</ref> このようにMACアドレスは変更可能なため、MACアドレスが重複することがある。また、ハードウェアの出荷時点から重複が存在している可能性が{{IETF RFC|7136}}や{{IETF RFC|7217}}で指摘されている<ref>{{Cite web|和書|date=2020-06-16 |url=https://www.geekpage.jp/blog/?id=2020-6-16-1 |title=MACアドレスの再利用は、みんなが思っているよりもはるかに一般的 |website=Geekなぺーじ |accessdate=2020-08-22 |quote={{IETF RFC|7136}}では、「製造業者が複数のデバイスに対して同じMACアドレスを割り当てているという報告が頻発している」、とあります。 また、「バーチャルマシンが同じMACアドレスを使い回している」という話も書かれています。{{IETF RFC|7217}}では、「MACアドレスの再利用は、みんなが思っているよりもはるかに一般的であることを実世界のデータが示している」、とあります。 さらに、その根拠として、 Derbycon 2012での発表が{{IETF RFC|7217}}で紹介されています。}}</ref>。 近傍にMACアドレスが重複するネットワーク機器が複数あると正常な通信ができない。また、[[Dynamic Host Configuration Protocol|DHCP]]など、MACアドレスを装置の識別に使用する場合もMACアドレスが重複すると意図しない動作となることがある。特に管理用途でMACアドレスを使う場合は、同一セグメントに限らず重複が問題となることがある。 == 枯渇の可能性 == MACアドレスが有限の符号である以上、理論的には枯渇というものが考えられる。しかし、[[IPアドレス枯渇問題]]などで話題になる[[IPv4]]と違い、MACアドレスは2<sup>48</sup>=281,474,976,710,656個≒281兆個(IGビット/GLビットを除外すると2<sup>46</sup>=70,368,744,177,664≒70兆個)と多いことなどにより、2012年時点では差し迫った問題にはなっていない。 == MACアドレステーブル == [[L2スイッチ]]などの通信機器では、通信機器の[[[[ポート (コンピュータネットワーク) |ポート]]]]と、そのポートに接続される相手の通信機器のMACアドレスのマッピング情報を「'''MACアドレステーブル'''」に保存している。 == 出典 == {{脚注ヘルプ}} <references /> == 関連項目 == *[[Address Resolution Protocol|ARP]] *[[媒体アクセス制御]] * [[World Wide Name]] * [[イーサネット]] * [[ルーター]] * [[ブリッジ (ネットワーク機器)]] == 外部リンク == * [https://regauth.standards.ieee.org/standards-ra-web/pub/view.html#registries IEEE OUI検索ページ]{{En icon}} * [http://hp.vector.co.jp/authors/VA007619/NICID.Htm NICベンダーID一覧] - 非公式なOUIを含む一覧。本文にあるようにIEEEに登録されていないOUIというものが存在する、そのような厄介なベンダ製のNICを調査するためのリスト。 {{DEFAULTSORT:MACあとれす}} [[Category:通信プロトコル]] [[Category:ネットワークのアドレス]]
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13,071
2041年
2041年(2041 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、火曜日から始まる平年。この項目では、国際的な視点に基づいた2041年について記載する。
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2041年は、西暦(グレゴリオ暦)による、火曜日から始まる平年。この項目では、国際的な視点に基づいた2041年について記載する。
{{年代ナビ|2041}} {{year-definition|2041}}この項目では、国際的な視点に基づいた2041年について記載する。 == 他の紀年法 == * [[干支]]:[[辛酉]](かのと とり) * 日本(月日は一致) ** [[令和]]23年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2701年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4374年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]130年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]130年 * [[仏滅紀元]]:2583年閏9月13日 - 2584年10月9日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1462年12月27日 - 1464年1月8日 * [[ユダヤ暦]]:5801年4月28日 - 5802年4月8日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:2240611200 - 2272147199 * [[修正ユリウス日]](MJD):66520 - 66884 * [[リリウス日]](LD):167361 - 167725 == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2041}} == できごと == == 予定 == * [[2月23日]] - [[プルトニウム]]が初めて人工的に合成・分離されて「発見」されてから100周年<ref>合成者はアメリカの[[グレン・シーボーグ]]らで、後に自然界での存在が確認された。プルトニウムに関する同年の社会予測について、日本の科学者の[[高木仁三郎]]は近未来小説の『プルトニウムの未来―2041年からのメッセージ』([[岩波新書]]、[[1994年]]、{{ISBN2|4-00-430365-6}})として発表している。</ref>。 * [[10月25日]]、[[若狭湾]]から[[伊勢湾]]・[[伊豆諸島]]にかけて[[金環食]]が観測される。 == イベント == == 経済 == * [[1991年]]施行の[[借地借家法]]22条で規定された一般[[定期借地権]]の期限満了(50年以上)により、地主に対して更地化(建造物取壊)後の土地返還が開始される。 == 芸術・文化・ファッション == == 誕生 == == 没年 == == ノーベル賞 == == フィクションのできごと == * [[7月25日]] - [[8月1日]] - 国連宇宙防衛軍(UNSDF)の[[宇宙戦艦]]UNSS「ファランクス」が、[[水星]]近傍に到達した異星人「リング・ビルダー」の異星船と接触。異星船内部に進入した白石亜紀以下3名がリング・ビルダーとのファーストコンタクトを果たす。(小説『[[野尻抱介#単発作品|太陽の簒奪者]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 野尻抱介|authorlink=野尻抱介 |year = 2005 |title = 太陽の簒奪者 |publisher = [[早川書房]] |pages = 202-293 |isbn = 978-4-15-030787-5}}</ref> * 地球と月との統一、および[[2029年]]に出現した敵性生物の名称を「プラネリアム」とすることが、救世軍(サルベージョン・アーミー)によって宣言される。(小説『[[E.G.コンバット]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 秋山瑞人|authorlink=秋山瑞人 |title = E.G.コンバット |publisher = [[メディアワークス]] |year = 1998 |pages = 47-50 |isbn = 978-4-8402-0900-7}}</ref> * 仮想世界「OASIS」の開発者であるジェームズ・ハリデーが死去。「OASIS」内のどこかに隠された[[イースター・エッグ (おまけ要素)|イースターエッグ]]を最初に見つけた者に、遺産総額2400億ドルを全て譲ることが発表される。(小説『[[ゲームウォーズ]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= アーネスト・クライン|authorlink=アーネスト・クライン |title = ゲームウォーズ 上 |publisher = [[SBクリエイティブ]] |year = 2014 |pages = 5-19 |isbn = 978-4-7973-6525-2}}</ref> * 地球外金属生命体「ゼラバイア」が、地球を最終目標として太陽系各惑星への攻撃を開始する。(アニメ『[[超重神グラヴィオン]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 志茂文彦|authorlink=志茂文彦 |year = 2002 |title = 超重神グラヴィオン 1 |publisher = [[メディアファクトリー]] |pages = 13,45-47,58-69 |isbn = 978-4-8401-0654-2}}</ref> * [[スペースガード]]が地球へ向う軌道修正を繰り返す奇妙な天体を発見。これは地球外文明起源の飛翔体と判断され、[[海王星]][[宇宙探査機|探査機]]「[[ボイジャー計画|ボイジャー]]3号」が調査に向かうが、飛翔体「蝶」からの[[プラズマ]]放射によって破壊される(漫画『[[少年ジャンプ+#2016|鉄腕アダム]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 吾嬬竜考|authorlink=吾嬬竜考 |title = 鉄腕アダム 2 |publisher = [[集英社]] |year = 2017 |pages = 5,20,21,66 |isbn = 978-4-08-881067-6}}</ref>。 == 脚注 == '''注釈''' {{Reflist|group="注"}} '''出典''' {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} <!-- == 参考文献 == --> == 関連項目 == * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{デフォルトソート:2041ねん}} [[Category:2041年|*]]
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2042年
2042年(2042 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、水曜日から始まる平年。この項目では、国際的な視点に基づいた2042年について記載する。
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2042年は、西暦(グレゴリオ暦)による、水曜日から始まる平年。この項目では、国際的な視点に基づいた2042年について記載する。
{{年代ナビ|2042}} {{year-definition|2042}}この項目では、国際的な視点に基づいた2042年について記載する。 == 他の紀年法 == * [[干支]]:[[壬戌]](みずのえ いぬ) * 日本(月日は一致) ** [[令和]]24年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2702年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4375年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]131年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]131年 * [[仏滅紀元]]:2584年10月10日 - 2585年閏9月4日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1464年1月9日 - 1465年1月18日 * [[ユダヤ暦]]:5802年4月9日 - 5803年4月18日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:2272147200 - 2303683199 * [[修正ユリウス日]](MJD):66885 - 67249 * [[リリウス日]](LD):167726 - 168090 == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2042}} == 予定 == * [[4月20日]] - [[鳥島 (八丈支庁)|鳥島]]近海で[[皆既日食]]が観測される。 * かつて存在した雑誌『[[月刊OUT]]』の読者有志が、この年の[[8月27日]]15時00分(JST)、JR[[御茶ノ水駅]]の御茶ノ水橋側改札口前に集合することが予定されている<ref>『月刊OUT』1982年10月号、145頁。[[堀井雄二]]の連載コーナー「ゆう坊のでたとこまかせ」において呼びかけられた。</ref>。 * [[9月17日]] - 現行のZシリーズを含む[[IBM]]の汎用コンピューター機で、内蔵時間の[[算術オーバーフロー|オーバーフロー]]が発生する。 == イベント == == 経済 == * [[2008年]][[8月14日]]に発表されたアメリカ国勢調査局の予測によると、[[アメリカ合衆国]]の全人口で[[コーカソイド|白人]]が占める割合がこの年に過半数を割る<ref>[https://www.afpbb.com/articles/-/2506773?pid=3219621 AFPBBニュース、2008年8月15日付。]</ref>。 == 芸術・文化・ファッション == == 誕生 == == 没年 == == ノーベル賞 == == フィクションのできごと == {{フィクションの出典明記|section=1|ソートキー=年2042|date=2011年7月}} * [[1月5日]] - ワンダラーが一時消失。(小説『[[宇宙英雄ペリー・ローダン]]』シリーズ) * [[1月17日]] - ローダンがソリチュード知性体「ネーサン」に遭遇。(小説『宇宙英雄ペリー・ローダン』シリーズ) * [[3月5日]] - メニンガー/クリップシュタイン式タキオン駆動システムを有する宇宙船「イクセルシャー号」が、[[エリダヌス座イプシロン星]]系にて異星種族「チェボティ」の宇宙船と接触。2隻の宇宙船は不明な経緯によって交戦し、双方ともに撃破される。(小説『[[第二の接触]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= マイク・レズニック|authorlink=マイク・レズニック |title = 第二の接触 |publisher = [[早川書房]] |year = 1993 |pages = 7,8,382,383 |isbn = 978-4-15-011004-8}}</ref> *[[12月3日]] - 冬陽市にある冬陽学園に異世界「エステリア」からゲート研究者の少女(ハルナ・エレンディル)が転入する。(ゲーム『[[メモリア (ゲーム)|メモリア]]』) * [[12月16日]]夜間 - 冬陽市内で広範囲に及ぶ停電が発生。翌朝には復旧。(ゲーム『[[メモリア (ゲーム)|メモリア]]』) * [[12月21日]] - 冬陽市内にあるゲートで原因不明の誤作動が発生。同日に市内の住宅地にて桜坂孝一とユウキ・ハンクスが路上で気絶している少女(サラ・桜坂)を発見し、市内の自宅で保護。翌日に彼女が記憶喪失である事が本人の口から語られ、彼女の桜坂家での居候が始まる。(ゲーム『[[メモリア (ゲーム)|メモリア]]』) * 人類の[[スーパーロボット]]達が、擬態獣との決戦「巨神戦争」に辛勝する。(アニメ『[[神魂合体ゴーダンナー!!]]』) * [[神戸|ネオコウベシティー]]を舞台に、捜査官のギリアンと[[人造人間|アンドロイド]]のスナッチャーが戦う。(ゲーム『[[スナッチャー]]』) * タイニーオービット社が人型のホビー用小型ロボット「LBX」を発売する。(ゲーム・アニメ『[[ダンボール戦機]]』) * 鉄道の概念を用いたデータ通信規格の整備が進む。([[伺か]]用ゴースト『[[とらふぃっく☆とれいん]]』)<ref>[http://ssp.shillest.net/railway-about.html 蟲取高速鉄道の概要] - 独立伺か研究施設 ばぐとら研究所。2018年3月29日閲覧。</ref> * [[理論物理学者]][[キップ・ソーン]]が、タルシアンが残した[[超光速航法|ハイパードライブ]]技術の解析に成功。国連深宇宙探査局によって11のショートカット・アンカーが発見される。(アニメ映画『[[ほしのこえ]]』) * [[可変戦闘機 (マクロスシリーズ)|可変戦闘機]][[VF-22 シュトゥルムフォーゲルII]]が、新統合軍に制式採用される。(アニメ『[[マクロス7]]』) * 伴星[[ネメシス (仮説上の恒星)|ネメシス]]が[[オールトの雲|オールトー雲]]へ干渉したことにより発生した[[彗星]]群が地球圏に飛来。一部は[[核ミサイル]]を用いた「星の嵐作戦」によって迎撃されるが、落着した[[隕石]]によって地球環境や国家は多大な被害を受ける。その後、[[木星]]軌道上のネメシス彗星核から襲来したと思われる侵略軍「ネメシスの敵」が地球に対する攻撃を開始する。(ゲーム『[[メタルブラック]]』)<ref>[[ZUNTATA]]『METAL BLACK -The First-』ライナーノーツ [[タイトー|TAITO]]、1997年、3・4頁。</ref> * 日本航空宇宙技術院がハイパードライブの実験に成功する。(ゲーム『[[メビウスリンク]]』) * 世界的な食料、エネルギー不足により、多くが難民危機に陥った。この最中、アメリカとロシアによる戦争勃発([[バトルフィールド2042]])。 == 脚注 == '''注釈''' {{Reflist|group="注"}} '''出典''' {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} <!-- == 参考文献 == --> == 関連項目 == * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{デフォルトソート:2042ねん}} [[Category:2042年|*]]
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2022年
2022年(2022 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、土曜日から始まる平年。令和4年。 この項目では、国際的な視点に基づいた2022年について記載する。
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{{pp-vandalism|small=yes}} {{Otheruses||[[日本]]ローカルの事柄|2022年の日本}} {{年代ナビ|2022}} {{YearInTopic | 年 = 2022 }} {{year-definition|2022}} この項目では、国際的な視点に基づいた2022年について記載する。 == 他の紀年法 == * [[干支]]:[[壬寅]](みずのえ とら) * [[日本]](月日は一致) ** [[令和]]4年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2682年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4355年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]111年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]111年 * [[イギリス]] ** [[:en:Regnal years of English monarchs|英国元号]]:70 [[エリザベス2世|Eliz. 2]] - 1 [[チャールズ3世 (イギリス王)|Cha. 3]] * [[仏滅紀元]]:2564年閏9月13日 - 2565年10月10日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1443年5月27日 - 1444年6月7日 * [[ユダヤ暦]]:5782年4月28日 - 5783年4月7日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:1640995200 - 1672531199 * [[ローマ建国紀元]]:2775年 * [[修正ユリウス日]](MJD):59580 - 59944 * [[リリウス日]](LD):160421 - 160785 == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2022}} ==できごと== <imagemap>File:2022 collage V1.png|'''上段''': (左)[[安倍晋三銃撃事件]]から数時間後の大和西大寺駅の交差点。(中央)スリランカの大統領官房前での反政府デモ。(右)5月6日、世界的な[[2022年のエムポックス流行|エムポックスのアウトブレイク]]がイギリスで始まった。<br />'''中段''': (左)ロシアのBMP-3戦車は、[[2022年ロシアのウクライナ侵攻]]の際に破壊された。([[マリウポリ]]にて)(右)ウェストミンスターホールに安置されたエリザベス女王2世の棺。<br />'''下段''': (左)[[2022年カザフスタン反政府デモ]]での[[アクトベ]]の中央広場でデモを行う人々。(中央)[[2022年北京オリンピック]]の開会式の様子。(右)2022年6月の[[アフガニスタン東部地震]]の後、家の瓦礫の中に立つ子供。|430x430px|thumb rect 0 0 400 200 [[安倍晋三銃撃事件]] rect 400 0 800 400 [[2022年スリランカ反政府運動]] rect 800 0 1200 400 [[2022年のエムポックス流行]] rect 0 400 600 800 [[2022年ロシアのウクライナ侵攻]] rect 600 400 1200 800 [[エリザベス2世の死|エリザベス2世の崩御]] rect 0 800 400 1200 [[2022年カザフスタン反政府デモ]] rect 400 800 800 1200 [[2022年北京オリンピック]] rect 800 800 1200 1200 [[アフガニスタン東部地震]]</imagemap> === 1月 === * [[1月1日]] ** [[地域的な包括的経済連携協定|地域的包括的経済連携]](RCEP)協定が発効。日本、中国、オーストラリアなど10カ国で開始<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.asahi.com/articles/ASPD04FQ4PDZULFA00C.html|title=巨大経済圏「RCEP」発効 中韓も参加、GDP・人口は世界の3割|accessdate=2022年1月1日|publisher=朝日新聞}}</ref>。 ** [[インドネシア]]のエネルギー・鉱物資源省が石炭の輸出を31日までの1カ月間禁止すると発表<ref>{{Cite web|和書|title=インドネシア、石炭輸出を一時禁止 国内発電向けを優先(写真=ロイター)|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM0113H0R00C22A1000000/|website=日本経済新聞|date=2022-01-01|accessdate=2022-01-01|language=ja}}</ref>。 ** [[アメリカ合衆国]]・[[ニューヨーク州]]・[[ニューヨーク|ニューヨーク市]]の[[ニューヨーク市長|市長]]に[[民主党 (アメリカ)|民主党]]で元[[警察官]]の{{仮リンク|エリック・アダムズ|en|Eric Adams}}が就任<ref>{{Cite web|和書|title=NY市長にアダムズ氏就任 元警官、史上2人目の黒人|url=https://www.sankei.com/article/20220101-U62P4PCA6ZJWNORLG6WE6GMEEE/|website=産経ニュース|date=2022-01-01|accessdate=2022-01-01|publisher=産業経済新聞社}}</ref>。 ** アメリカ合衆国で[[ビル・ゲイツ]]らが投資する原子力スタートアップなどによる高速炉の開発計画に、[[日本]]の[[日本原子力研究開発機構]]や[[三菱重工業]]が参加<ref>{{Cite web|和書|title=米国の高速炉計画に日本参加へ 原子力機構など協力|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA010PX0R00C22A1000000/|website=日本経済新聞|date=2022-01-01|accessdate=2022-01-01|language=ja}}</ref>。 * [[1月3日]] - [[核兵器]]を保有する[[アメリカ合衆国|アメリカ]]・[[ロシア]]・[[イギリス]]・[[フランス]]・[[中華人民共和国|中国]]の5カ国が、「[[核戦争]]に勝者はいない。核戦争を絶対に始めてはならない」とする[[コミュニケ|共同声明]]を発表<ref>{{Cite news|url=https://jp.reuters.com/article/arms-nuclear-russia-idJPKBN2JD0XE?s=09|title=「核戦争に勝者いない」、米中など核保有5大国が共同声明|newspaper=[[ロイター]]|date=2022-1-4|accessdate=2022-1-4}}</ref>。 * [[1月5日]] ** 日本の[[内閣官房]]は、[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]から[[弾道ミサイル]]と見られる[[飛翔体]]が発射されたと発表した<ref>[https://news.ntv.co.jp/category/society/1006841 北朝鮮“弾道ミサイル”発射か~内閣官房|日テレNEWS24]</ref>。日本の[[防衛省]]は、落下地点を[[日本海]]沖の[[排他的経済水域]](EEZ)外と推定している<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.mod.go.jp/j/press/news/2022/01/05b.html?s=09|title=北朝鮮のミサイル等関連情報(続報)|work=防衛省|date=令和4年1月5日|accessdate=令和4年1月5日}}</ref>。[[アメリカインド太平洋軍]]は、同日発射された飛翔体を[[弾道ミサイル]]との認識を示した上で、「同盟・友好国と緊密に協議している」と発表した<ref>{{Cite news|url=https://web.archive.org/web/20220105085241/https://nordot.app/851362690990047232?c=39550187727945729&s=09|title=北朝鮮発射は弾道ミサイルと米軍 「違法な兵器計画」|newspaper=[[共同通信社]]|date=2022-1-5|accessdate=2022-1-5}}</ref> ** [[液化石油ガス]](LPG)の価格高騰に伴った全土規模の[[2022年カザフスタン反政府デモ|抗議運動]]が発生している[[カザフスタン]]で、[[カザフスタン内務省|内務省]]は約200人を拘束し、警察官95人が負傷したと発表。また、{{仮リンク|アスカル・マミン|en|Askar Mamin}}内閣は同日総辞職し、大統領の[[カシムジョマルト・トカエフ]]は第1副首相の{{仮リンク|アリハン・スマイロフ|en| Alihan Smaiylov}}を首相代行に任命<ref>{{Cite news|url=https://digital.asahi.com/sp/articles/ASQ15663JQ15UHBI026.html?|title=カザフスタン内閣総辞職 ガス高騰に抗議デモ激化、最大都市で衝突も|newspaper=[[朝日新聞デジタル]]|date=2022-1-5|accessdate=2022-1-5}}</ref><ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB053L60V00C22A1000000/ カザフスタンで内閣総辞職 燃料値上げにデモ拡大] [[日本経済新聞]] 2022年1月5日配信 2022年1月5日閲覧</ref>。 * [[1月6日]] - [[集団安全保障条約|集団安全保障条約機構]](CSTO)は、[[カザフスタン]]大統領の[[カシムジョマルト・トカエフ]]の要請に基づき集団的平和維持軍の派遣を発表<ref>{{Cite news|url=https://www.asahi.com/sp/articles/ASQ166J3RQ16UHBI009.html|title=カザフスタン全土が非常事態態勢 ロシアなど平和維持軍を派遣へ|newspaper=[[朝日新聞デジタル]]|date=2022-1-6|accessdate=2022-1-8}}</ref>。 * [[1月7日]] ** [[新型コロナウイルス感染症 (2019年)|新型コロナウイルス感染症]]関連: [[ジョンズ・ホプキンズ大学]]の集計によると、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者が世界全体で3億人を超える。国別ではアメリカ(約5849万人)、インド(約3523万人)、ブラジル(約2233万人)と続く。[[SARSコロナウイルス2-オミクロン株|オミクロン株]]などの[[SARSコロナウイルス2の変異株|変異株]]が猛威を振るっており、1月2日までの1週間あたりの新規感染者数は952万人に達し、前週比で71%増加し、過去最多となった<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.asahi.com/articles/ASQ1741D7Q17DIFI001.html|title=世界の感染者、累計3億人超える オミクロン株の市中感染が急増|accessdate=2021年1月7日|publisher=朝日新聞}}</ref>。{{See also|国・地域毎の2019年コロナウイルス感染症流行状況}} ** [[エチオピア]][[ティグレ州]]の[[難民キャンプ]]が空爆の攻撃を受け、[[子供]]を含む56人が死亡し、30人が負傷した。[[ティグレ人民解放戦線]](TPLF)は、政府軍による攻撃と主張している<ref>{{Cite news|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0900X0Z00C22A1000000/|title=エチオピア北部、空爆で50人超死亡 ロイター報道|newspaper=[[日本経済新聞|日本經濟新聞]]|date=2022-1-9|accessdate=2022-1-9}}</ref>。 * [[1月10日]] - [[ロシア・ウクライナ危機 (2021年-2022年)|ロシア・ウクライナ危機]]関連: [[スイス]]の[[ジュネーヴ]]で、米国と[[ロシア]]の政府高官らが[[ウクライナ]]国境付近に集結するロシア軍についての会談を行い、米国がロシアのウクライナ侵攻を牽制する一方で、ロシアはウクライナに侵攻する意図はないとした<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.bbc.com/japanese/59947027 |title=ロシア、ウクライナへ「侵攻する意図はない」と 米ロ高官が協議 (2022年1月11日) |accessdate=2022-2-4 |publisher=BBC}}</ref>。{{See also|ロシア・ウクライナ危機 (2021年-2022年)}} * [[1月11日]] - 日本の[[内閣官房]]は、[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]から[[弾道ミサイル]]の可能性があるものが発射されたと発表した<ref>{{Cite news|url=https://web.archive.org/web/20220110224824/https://nordot.app/853403581442998272|title=北朝鮮から弾道ミサイル発射の可能性|newspaper=[[共同通信社|共同通信]]|date=2022-1-11|accessdate=2022-1-11}}</ref>。[[岸信夫]][[防衛大臣]]は、飛翔の落下地点は日本の[[排他的経済水域]] (EEZ) 外と推定している<ref>{{Cite news|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220111/k10013424151000.html|title=北朝鮮が弾道ミサイルの可能性あるもの発射 被害情報なし|newspaper=NHK NEWS WEB|date=2022.1.11|accessdate=2022.1.11}}</ref>。 * [[1月14日]] - 日本の内閣官房は、北朝鮮が午後2時50分頃に同国北西部から弾道ミサイルを少なくとも1発を東の方向に発射したと発表し、防衛省は落下地点について北朝鮮東岸で日本の排他的経済水域(EEZ)外と推定している<ref>[https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/894486 内閣官房も弾道ミサイルの可能性と発表] [[沖縄タイムス]]配信 [[共同通信社|共同通信]]執筆 2022年1月14日配信 2022年1月15日配信</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.mod.go.jp/j/press/news/2022/01/14b.html?s=09|title=北朝鮮のミサイル等関連情報(続報)|work=[[防衛省]]|date=2022-1-14|accessdate=2022-1-14}}</ref>。 [[File:Tonga_Eruption_GOES-17_1-15-2022.gif|thumb|気象衛星[[GOES]]17号が捉えた[[フンガ・トンガ|フンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ]]火山の噴火(1月15日撮影)]] * [[1月15日]] - [[トンガ]]に位置する[[フンガ・トンガ|フンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ]]火山でVEI([[火山爆発指数]])5-6の大規模な噴火が発生し、噴煙は高度50km以上の[[中間圏]]まで到達、直径300km以上の範囲に広がった。[[サモア]]や[[バヌアツ]]など[[太平洋]]沿岸の各国で津波が観測され、日本近海でも潮位変化が観測されたことから16日未明(日本時間)に太平洋側に津波警報・津波注意報が発令された<ref>{{Cite web|和書|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220115/k10013432611000.html |title=トンガ大規模噴火 日本の津波注意報はすべて解除 |accessdate=2022-01-16 |date=2022-01-16 |publisher=NHK}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM154ZN0V10C22A1000000/ |title=トンガ沖海底噴火、世界でも津波観測 NZが現地支援へ |accessdate=2022年1月16日 |publisher=日本経済新聞}}</ref>。{{See also|2022年のフンガ・トンガ噴火}} * [[1月18日]] ** ソフトウェア開発企業の[[マイクロソフト]]がゲームソフトウェア開発企業の[[アクティビジョン・ブリザード]]を687億ドルで買収することを発表<ref>{{Cite web|和書|date=2021-01-18 |url=https://saiganak.com/ja/news/microsoft-acquire-activisionblizzard/ |title=【速報】Microsoftが世界トップクラスのゲーム会社「Activision Blizzard」の買収を発表 |publisher=[[Saiga NAK]] |accessdate=2021-01-18}}</ref>。 ** [[インドネシア]]の国会が首都を[[ジャカルタ]]から移転させる法案を可決させ、新首都の名称を「[[ヌサンタラ (都市)|ヌサンタラ]]」に決定したと発表した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.cnn.co.jp/world/35182261.html |title=インドネシア、首都をジャカルタから「ヌサンタラ」に移転へ (2022年1月19日) |accessdate=2022-2-4 |publisher=CNN}}</ref>。 * [[1月19日]] - [[バルバドス]]で共和制移行後初となる下院選挙が行われ、与党{{仮リンク|バルバドス労働党|en|Barbados Labour Party}}が前回選挙に引き続き全議席を獲得し圧勝<ref>{{Cite web|和書|date=2021-01-22 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN21E4H0R20C22A1000000/ |title=バルバドス与党圧勝 共和制移行後初の選挙: 日本経済新聞 |publisher=[[日本経済新聞]] |accessdate=2021-01-29}}</ref>。 [[File:Burkinasoldiersaftercoup.png|thumb|[[ブルキナファソ]]の首都[[ワガドゥグー]]をパトロールする国軍兵士(1月25日撮影)]] * [[1月23日]] ** [[モーリシャス]]沖で発生した[[熱帯低気圧#分類・命名|トロピカル・ストーム]]「アナ」が[[マダガスカル]]に上陸し、[[マラウイ]]、[[モザンビーク]]などの周辺国あわせて80人以上の死者を出す<ref>{{Cite web|和書|date=2021-01-29 |url=https://www.cnn.co.jp/world/35182805.html |title=CNN.co.jp : 熱帯低気圧「アナ」の死者80人以上に アフリカ南部 |publisher=[[CNN (アメリカの放送局)|CNN]] |accessdate=2021-01-29}}</ref>。 ** [[ブルキナファソ]]で国軍兵士らが蜂起し、台頭するイスラム系武装組織に対抗するため政府に軍備増強と軍上層部の解任を要求。翌24日、国軍兵士らは首都[[ワガドゥグー]]を制圧し、国営テレビの生放送で憲法の停止、政府と議会の解散、そして権力の掌握を宣言<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3386760 |title=ブルキナ兵士ら、政権掌握を宣言 国連はクーデターと非難 |publisher=[[AFP通信社]] |date=2022-01-25 |accessdate=2022-01-25}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://www.bbc.com/news/world-africa-60118993 |title=Burkina Faso military says it has seized power |publisher=BBC |date=2022-01-25 |accessdate=2022-01-25}}</ref>。{{See also|2022年ブルキナファソクーデター}} * [[1月24日]] - {{仮リンク|2022年イタリア共和国大統領選挙|en|2022 Italian presidential election|label=イタリア共和国大統領選挙}}1回目投票が行われる<ref>{{Cite web|和書|date=2021-01-24 |url=https://jp.reuters.com/article/italy-politics-president-idJPKBN2JY0AH |title=イタリア大統領選、24日に投票開始 {{!}} ドラギ氏動向巡り不透明感 |publisher=[[ロイター]] |accessdate=2021-01-29}}</ref>。 * [[1月27日]] - 新型コロナウイルス感染症関連: [[COVID-19ワクチン|新型コロナウイルスワクチン]]の総接種回数が世界全体で100億回を超える<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-01-26/R6BMPZDWRGG201 |title=【新型コロナ】モデルナがオミクロン特化ワクチン臨床試験開始 - Bloomberg |publisher=[[ブルームバーグ (企業)|ブルームバーグ]] |date=2022-01-27 |accessdate=2022-01-30}}</ref>。{{See also|COVID-19ワクチン#ワクチンの確保・接種状況}} * [[1月29日]] - イタリア共和国大統領選挙7回目投票が行われるも必要得票数を得た候補が現れず、各党の協議の下、退任を表明していた現職の[[セルジョ・マッタレッラ]]が再選<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-01-30/R6I8GZDWRGG001 |title=イタリアのマッタレッラ大統領が再選、ドラギ首相留任で政治混乱回避 - Bloomberg |publisher=[[ブルームバーグ (企業)|ブルームバーグ]] |date=2022-01-30 |accessdate=2022-01-30}}</ref>。 * [[1月30日]] - {{仮リンク|2022年ポルトガル議会選挙|en|2022 Portuguese legislative election|label=ポルトガル議会選挙}}が行われ、与党[[社会党 (ポルトガル)|社会党]]が事前の予想を覆し過半数を獲得<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR3105A0R30C22A1000000/ |title=ポルトガル総選挙、与党社会党が過半数獲得 現地報道: 日本経済新聞 |publisher=[[日本経済新聞]] |date=2022-01-31 |accessdate=2022-02-27}}</ref>。 === 2月 === * [[2月3日]] - [[イスラーム過激派]]組織[[ISIL]]の指導者である[[アブイブラヒム・ハシミ]]がアメリカ軍の急襲により死亡<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3388402 |title=米軍、IS最高指導者を殺害=シリアで対テロ「急襲作戦」 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News |publisher=[[フランス通信社]] |date=2022-02-04 |accessdate=2022-02-27}}</ref>。 * [[2月4日]] - [[2月20日|20日]] - [[中華人民共和国|中国]]・[[北京市|北京]]にて[[2022年北京オリンピック|第24回冬季オリンピック]](北京オリンピック)開催<ref>{{Cite web |title=2022 Olympics - Next Winter Olympic Games {{!}} Beijing 2022 |url=https://www.olympic.org/beijing-2022 |date=May 28, 2020 |website=International Olympic Committee |access-date=May 29, 2020}}</ref>。 * [[2月4日]] - [[モンテネグロの首相|モンテネグロ首相]]の[[ズドラヴコ・クリヴォカピッチ]]に対する内閣不信任決議案の採決が行われ、賛成43票、反対11票、棄権・欠席81票で可決<ref>{{Cite news|url=https://www.theguardian.com/world/2022/feb/04/montenegros-conservative-pro-serbian-governing-coalition-collapses|title=Montenegro’s conservative pro-Serbian governing coalition collapses|work=The Guardian|agency=[[ガーディアン]]|date=2022-02-04|accessdate=2022-02-05}}</ref>。 * [[2月5日]] - [[ココス諸島]]沖で発生した[[熱帯低気圧#分類・命名|インテンス・トロピカル・サイクロン]]「バチライ」がマダガスカルに上陸し、モーリシャス、フランス領[[レユニオン]]などの周辺国あわせて123人の死者を出す<ref>{{Cite web |url=https://www.reuters.com/world/africa/least-three-dead-after-cyclone-batsirai-causes-devastation-southeast-madagascar-2022-02-06/ |title=Cyclone kills at least 10 in Madagascar, destroying homes and cutting power |publisher=[[ロイター]] |date=2022-02-09 |accessdate=2022-02-27}}</ref>。 * [[2月6日]] ** [[イギリス]]の[[エリザベス2世]]が在位70年(プラチナジュビリー)を迎える。 ** [[コスタリカの大統領の一覧|コスタリカ大統領]]選挙1回目投票・[[立法議会 (コスタリカ)|立法議会]]選挙が行われ、元職の{{仮リンク|ホセ=マリア・フィゲーレス|en|Jose Maria Figueres}}と前財務大臣の[[ロドリゴ・チャベス・ロブレス]]が2回目投票に進む<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20220416085848/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022020700160 |title=コスタリカで大統領選 候補乱立、決選投票の公算:時事ドットコム |publisher=[[時事通信社]] |date=2022-02-07 |accessdate=2022-02-27}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20220416090026/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022020800349 |title=元職と前財相が決選投票へ コスタリカ大統領選:時事ドットコム |publisher=[[時事通信社]] |date=2022-02-08 |accessdate=2022-04-16}}</ref>。 * [[2月8日]] - 新型コロナウイルス感染症関連: ジョンズ・ホプキンズ大学の集計によると、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者が世界全体で4億人を超える。感染力の強い[[SARSコロナウイルス2-オミクロン株|オミクロン株]]の猛威により、わずか1カ月ほどで1億人増加した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN090B00Z00C22A2000000/ |title=新型コロナ: 世界のコロナ感染者4億人に オミクロン型で急増: 日本経済新聞 |publisher=[[日本経済新聞]] |date=2022-02-09 |accessdate=2022-02-27}}</ref>。{{See also|国・地域毎の2019年コロナウイルス感染症流行状況}} * [[2月11日]] - ロシア・ウクライナ危機関連:日本の[[外務省]]は、ロシアによるウクライナ周辺での軍事的動きを受けて、[[ウクライナ]]全土で日本人に退避勧告([[危険情報#「レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)」(旧表記:退避を勧告します。渡航は延期してください。)|レベル4]])を出した<ref>{{cite news|title= ウクライナ全土で邦人退避勧告 外務省|url= https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA114M70R10C22A2000000/|newspaper=日本経済新聞|date=2022-02-11}}</ref>。 * [[2月13日]] - [[連邦大統領 (ドイツ)|ドイツ連邦大統領]]選挙が行われ、現職の[[フランク=ヴァルター・シュタインマイアー]]が再選<ref>{{Cite web|和書|url=https://jp.reuters.com/article/germany-president-idJPKBN2KI0O1 |title=ドイツ大統領にシュタインマイヤー氏再選、継続性を象徴 {{!}} Reuters |publisher=[[ロイター]] |date=2022-02-14 |accessdate=2022-02-27}}</ref>。 * [[2月21日]] - ロシア・ウクライナ危機関連: [[ロシア連邦大統領|ロシア大統領]]の[[ウラジーミル・プーチン]]がウクライナ東部の親ロシア派による支配地域「[[ドネツク人民共和国]]」と「[[ルガンスク人民共和国]]」を独立国家として承認。[[ロシア国防省]]へウクライナ東部へのロシア軍派遣を指示<ref>{{Cite web|和書|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220222/k10013495691000.html |title=ウクライナ親ロシア派地域 “国家として承認” プーチン大統領 |accessdate=2022-02-22 |date=2022-02-21 |publisher=[[日本放送協会|NHK]]}}</ref>。これを受けて、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]は同日中に[[ドイツ]]・[[フランス]]と共にロシアへの対応策を擦り合わせ、経済制裁を発動<ref>{{Cite news|和書|title=米、まず親ロシア地域に制裁 独立承認に対抗 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN21D3K0R20C22A2000000/ |newspaper=[[日本経済新聞]] |accessdate=2022-02-22 |date=2022-02-21 |author=中村亮}}</ref>。 [[ファイル:Обращение Президента Российской Федерации 2022-02-24.webm|thumb|特別軍事作戦の実施を発表する[[ロシア連邦大統領|ロシア大統領]]の[[ウラジーミル・プーチン]]による演説(2月24日公開)]] * [[2月24日]] - [[2022年ロシアのウクライナ侵攻|ロシアのウクライナ侵攻]]関連: '''ロシアがウクライナへの侵攻を開始'''<ref>{{Cite news |url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB244AD0U2A220C2000000/ |title=ロシア軍、ウクライナ南部にも侵攻 「全面攻撃開始」: 日本経済新聞 |publisher=[[日本経済新聞]] |date=2022-02-24 |accessdate=2022-02-27}}</ref>。これを受けて、[[ウクライナの大統領|ウクライナ大統領]]の[[ウォロディミル・ゼレンスキー]]はロシアとの国交断絶を発表し<ref>{{Cite news |url=https://web.archive.org/web/20220224101111/https://nordot.app/869519999287967744 |title=ウクライナ、ロシアと断交 | 共同通信 |publisher=[[共同通信社]] |date=2022-02-24 |accessdate=2022-02-27}}</ref>、ウクライナ全土に戒厳令ならび総動員令を発令<ref>{{Cite news |url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR244ZX0U2A220C2000000/ |title=ウクライナ大統領、全土に戒厳令 ロシアの侵攻受け: 日本経済新聞 |publisher=[[日本経済新聞]] |date=2022-02-24 |accessdate=2022-02-27}}</ref><ref>{{Cite news |url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB253B80V20C22A2000000/ |title=キエフにミサイル攻撃か 迫るロシア軍、近郊の空港制圧: 日本経済新聞 |publisher=[[日本経済新聞]] |date=2022-02-25 |accessdate=2022-02-27}}</ref>。{{See also|2022年ロシアのウクライナ侵攻|2022年ロシアのウクライナ侵攻のタイムライン}} * [[2月26日]] - ロシアのウクライナ侵攻関連: 欧米各国は決済ネットワークシステム「[[国際銀行間通信協会|SWIFT]]」からロシアの特定の銀行を除外することで合意<ref>{{Cite web|和書|title=国際的決済網“SWIFT”からロシアの銀行締め出す制裁へ 米・欧 |url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220227/k10013503441000.html |website=NHKニュース |accessdate=2022-03-01 |last=日本放送協会}}</ref>。 * [[2月27日]] ** ロシアのウクライナ侵攻関連: ウクライナ大統領のウォロディミル・ゼレンスキーは、ロシアとの前提条件なしの停戦交渉を、翌28日に[[ベラルーシ]]国境の[[プリピャチ川]]地域で行うことで合意したと発表<ref>{{cite news |author= |url=https://www.asahi.com/articles/ASQ2W7WC1Q2WOIPE01F.html | date=2022-2-27 |title=「ベラルーシ国境で会談する」ゼレンスキー氏、ロシアとの交渉に合意 |newspaper=朝日新聞 | accessdate=2022-2-27 }}</ref><ref>{{cite news |author= |url=https://www.bbc.com/japanese/60543765 | date=2022-2-27 |title=プーチン氏、戦略核部隊に「特別警戒」命令 ゼレンスキー氏、ベラルーシ国境での交渉に合意 |newspaper=BBC NEWS | accessdate=2022-2-27 }}</ref><ref>{{cite web |author= |url=https://www.facebook.com/photo/?fbid=3020012111582478 | date=2022-2-27 |title=Володимир Зеленський facebook |website= | accessdate=2022-2-27 }}</ref>。一方、ロシア側は交渉はベラルーシ南東部[[ホメリ州]]で行うと述べた<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20220227072740/https://nordot.app/870568030051024896 |title=ウクライナ、停戦交渉合意 |accessdate=2022-02-27 |publisher=共同通信}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.tokyo-np.co.jp/article/162687 |title=ウクライナ、ベラルーシ国境での停戦交渉に合意 ロシアと前提条件付けず プーチン氏は核でけん制 |accessdate=2022-02-27 |publisher=東京新聞}}</ref>。 ** ロシアのウクライナ侵攻関連: [[国際連合安全保障理事会]]において、[[国際連合緊急特別総会]]の開催を求める決議案が賛成多数で採択([[国際連合安全保障理事会決議2623]])。国際連合安全保障理事会の要請により国際連合緊急特別総会が開かれるのは40年ぶり<ref>{{Cite web|和書|title=国連総会、緊急会合へ 安保理要請で40年ぶり ウクライナ侵攻巡り|url=https://mainichi.jp/articles/20220228/k00/00m/030/030000c|publisher=毎日新聞|date=2022-02-28|accessdate=2022-02-28}}</ref>。 === 3月 === [[File:Kharkiv downtown street destroyed by Russian bombardment.jpg|thumb|[[2022年ロシアのウクライナ侵攻|ロシアの攻撃]]による[[ウクライナ]]・[[ハルキウ]]中心部の被害(3月1日撮影)]]<!--ウクライナ侵攻関連で状況が分かる更に良い画像があったら置き換え--> * [[3月2日]] - ロシアのウクライナ侵攻関連: [[第11回国際連合緊急特別総会]]が開催され、ロシアを非難し軍の即時撤退などを求める決議案が賛成多数で採択<ref>{{Cite web|和書|author= |url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220303/k10013510951000.html |date=2022-3-3 |title=国連総会の緊急特別会合 ロシアを非難する決議 賛成多数で採択 |work=NHK |accessdate=2022-3-3}}</ref>。 * [[3月4日]] - [[3月13日|13日]] - 中国・北京にて[[2022年北京パラリンピック|第13回冬季パラリンピック]](北京パラリンピック)開催。 * [[3月9日]] - [[2022年大韓民国大統領選挙]]が行われ、[[保守政党|保守系]]の最大[[野党]]・[[国民の力]]の[[尹錫悦]]が当選(5月10日就任)<ref>[https://jp.reuters.com/article/southkorea-election-idJPKBN2L62FG 韓国大統領に尹錫悦氏、激戦制す 5年ぶり保革の政権交代] - ロイター (2022年3月10日) 、2022年3月11日閲覧。</ref>。5年ぶりに[[政権交代]]を果たす。 * [[3月10日]] - [[ハンガリーの国家元首一覧|ハンガリー大統領]]選挙が行われ、前家族政策担当大臣の[[ノヴァーク・カタリン]]が当選(5月10日就任)<ref>{{Cite web|和書|author=バラジ・ラウラ |url=https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/03/75e8c7d14bb475df.html | date=2022-3-18 |title=ハンガリー初の女性大統領が誕生 |publisher=JETRO | accessdate=2022-4-4 }}</ref><ref>{{Cite web|和書|author=念佛明奈 |url=https://mainichi.jp/articles/20220311/k00/00m/030/119000c | date=2022-3-11 |title=ハンガリーに初の女性大統領 議会選前に有権者へアピール狙う |publisher=毎日新聞 | accessdate=2022-4-4 }}</ref>。女性の就任は同国初。 * [[3月11日]] - [[チリ大統領の一覧|チリ大統領]]に[[ガブリエル・ボリッチ]]が就任<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20220416090027/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022031200246 |title=チリ大統領に左派ボリッチ氏就任 TPP批准に遅れも:時事ドットコム |publisher=[[時事通信社]] |date=2022-03-12 |accessdate=2022-04-16}}</ref>。36歳での就任は同国最年少。 * [[3月12日]] - [[2022年トルクメニスタン大統領選挙]]が行われ、現職の[[グルバングル・ベルディムハメドフ]]の息子である[[セルダル・ベルディムハメドフ]]が当選(同月19日就任)<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20220313162843/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022031300433 |title=トルクメンで大統領選実施 独裁者の息子、勝利確実視:時事ドットコム |publisher=[[時事通信社]] |date=2022-03-13 |accessdate=2022-04-16}}</ref>。 * [[3月16日]] - [[日本]]・[[福島県沖地震|福島県沖]]でM7.4の地震が発生。{{See also|福島県沖地震 (2022年)}} * [[3月18日]] - [[3月20日]] - [[セルビア]]・[[ベオグラード]]にて[[世界室内陸上競技選手権大会]]開催。 * [[3月19日]] - [[東ティモールの大統領|東ティモール大統領]]選挙1回目投票が行われ、元職の[[ジョゼ・ラモス=ホルタ]]と現職の[[フランシスコ・グテレス]]が2回目投票に進む<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20220423082117/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022032100684 |title=元職と現職で来月決選投票へ 東ティモール大統領選:時事ドットコム |publisher=[[時事通信社]] |date=2022-03-21 |accessdate=2022-04-23}}</ref>。 * [[3月21日]] - [[中国東方航空]]5735便が[[広西チワン族自治区]][[梧州市]][[藤県]]の山岳地帯に墜落し、乗員乗客132人全員が死亡<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20220325081708/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022032100470 |title=中国南部で旅客機墜落 132人乗り、現場で捜索 |accessdate=2022年3月21日 |publisher=時事通信}}</ref><ref name="March 26">{{Cite web|和書|title=中国機墜落、生存者なし 120人の所持品など回収:東京新聞 TOKYO Web |url=https://www.tokyo-np.co.jp/article/167984 |website=東京新聞 TOKYO Web |accessdate=2022-03-26 |date=2022年3月26日 |language=ja}}</ref>。{{See also|中国東方航空5735便墜落事故}} * [[3月26日]] - [[代議院 (マルタ)|マルタ代議院]]選挙が行われ、与党{{仮リンク|労働党 (マルタ)|en|Labour Party (Malta)|label=労働党}}が65議席中38議席を獲得<ref>{{Cite web |title=Electoral Commission of Malta |url=https://electoral.gov.mt/ElectionResults/General |accessdate=2022-03-28 |website=electoral.gov.mt}}</ref>。 * [[3月31日]] - [[ドバイ国際博覧会]]が閉幕<ref>{{Cite web |title=SAP BrandVoice: Experience Expo 2020 Dubai – A Window To The Future |url=https://www.forbes.com/sites/sap/2022/01/07/experience-expo-2020-dubai--a-window-to-the-future/ |website=Forbes |access-date=2022-10-04 |language=en |first=Judith |last=Magyar}}</ref>。 === 4月 === [[File:Volodomyr Zelensky's speech on the Russian massacre of Bucha, c. April 2022.ogg|thumb|[[ブチャの虐殺]]を非難する[[ウクライナの大統領|ウクライナ大統領]]の[[ウォロディミル・ゼレンスキー]]による演説(4月3日公開)]] * [[4月1日]] ** 日本の[[成年|成人年齢]]を18歳に引き下げる改正[[民法 (日本)|民法]]が施行<ref>{{Cite web2|url=https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00218.html|title=民法の一部を改正する法律(成年年齢関係)について|website=法務省|accessdate=2022-3-31}}</ref>。また、これに合わせて改正[[少年法]]も施行される。18歳及び19歳(年長少年)は「特定少年」と位置づけられ、[[逆送致]]の対象拡大や[[起訴]]後の[[実名報道]]の解禁などを特徴としている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE289XL0Y2A320C2000000/ |title=18、19歳の実名報道可能に 改正少年法きょう施行 |date=2022年4月1日 |accessdate=2022年4月4日 |publisher=日本経済新聞}}</ref>。 ** [[イエメン内戦 (2015年-)|イエメン内戦]]関連: [[サウジアラビア]]主導の[[スンニ派]]諸国連合軍とザイド派民兵組織[[フーシ]]が2か月間の停戦で合意<ref>{{Cite news|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR034CP0T00C22A4000000/|title=イエメン内戦2カ月の停戦合意 国連仲介、実効性焦点に|work=日経電子版|newspaper=[[日本経済新聞]]|date=2022-04-04|accessdate=2022-04-08}}</ref>。{{See also|イエメン内戦 (2015年-)}} ** ロシアのウクライナ侵攻関連: ウクライナの首都[[キーウ]]からロシア軍が後退し、キーウ北西近郊の[[ブチャ]]に入ったAFP通信の記者が路上で少なくとも20人の遺体を発見、ロシア軍に殺害された約280人を埋葬した集団埋葬地があることも報じられた<ref>{{Cite web|和書|author= |url=https://www.bbc.com/japanese/60971033 | date=2022-4-3 |title=ウクライナの路上に残される数々の遺体、ロシア後退後の首都郊外ブチャで |publisher=BBC | accessdate=2022-4-4 }}</ref>。{{See also|ブチャの虐殺}} ** [[フランス]]全土で、「気候変動対策法」に基づき、[[カフェ]]を含む飲食店のテラス席にヒーターを置くことを禁止。 * [[4月2日]] - ロシアのウクライナ侵攻関連: ウクライナ国防次官の[[ハンナ・マリャル]]は、キーウ市及び[[キーウ州]]全域をロシア軍から解放したと発表<ref name="nikkei20220403-1847">{{Cite web|和書|title=ウクライナ「キーウ州全域奪還」 市民多数犠牲、虐殺か(写真=ロイター) |url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR032680T00C22A4000000/ |website=日本経済新聞 |date=2022-04-03 |accessdate=2022-04-04 |language=ja |author=久門武史}}</ref>。 * [[4月3日]] ** [[セルビアの大統領|セルビア大統領]]選挙・[[国民議会 (セルビア)|国民議会]]選挙が行われ、現職の[[アレクサンダル・ヴチッチ]]が再選、与党[[セルビア進歩党]]が250議席中95議席を獲得<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20220404115535/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022040400260 |title=対ロ融和的、現職再選 セルビア大統領選:時事ドットコム |publisher=[[時事通信社]] |date=2022-04-04 |accessdate=2022-04-16}}</ref>。 ** [[国会 (ハンガリー)|ハンガリー国会]]選挙が行われ、与党[[フィデス=ハンガリー市民同盟]]が199議席中120議席を獲得<ref>{{Cite news |url=https://web.archive.org/web/20220403222744/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022040400222 |title=強権オルバン首相の与党勝利 ハンガリー総選挙、親ロ批判も:時事ドットコム |publisher=[[時事通信社]] |date=2022-04-04 |accessdate=2022-04-16}}</ref>。 ** コスタリカ大統領選挙2回目投票([[決選投票]])が行われ、前財務大臣のロドリゴ・チャベス=ロブレスが当選(5月8日就任)<ref>{{Cite news |url=https://jp.reuters.com/article/costa-rica-election-idJPKCN2LW0AC|title=コスタリカ大統領選の決選投票、チャベス前財務相が勝利 {{!}} ロイター |newspaper=[[ロイター]] |date=2022-04-04 |accessdate=2022-04-16}}</ref>。 * [[4月7日]] ** イエメン内戦関連: [[イエメンの大統領|イエメン大統領]]の[[アブド・ラッボ・マンスール・ハーディー]]が副大統領の{{仮リンク|アリー・ムフシン・アル=アフマル|en|Ali Mohsen al-Ahmar}}を解任し、自身も権限を元内務大臣の[[ラシャード・アル=アリーミー]]が率いる大統領指導評議会に移譲する意向を表明。サウジアラビアは支持を表明し、大統領指導評議会に対しフーシに対する和平交渉を開始するよう要請した<ref>{{Cite news|url=https://web.archive.org/web/20220416090022/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022040701010|title=イエメン大統領、新評議会へ権限移譲 サウジ歓迎、和平交渉促す|work=時事ドットコム|agency=[[時事通信社]]|date=2022-04-07|accessdate=2022-04-07}}</ref><ref>{{Cite news|url=https://www.aljazeera.com/news/2022/4/7/yemen-president-transfers-powers-saudi-calls-for-houthis-talks|title=Yemen president hands powers to new leadership council|work=Al Jazeera English|agency=[[アルジャジーラ]]|date=2022-04-07|accessdate=2022-04-07}}</ref>。 ** ロシアのウクライナ侵攻関連: 第11回国際連合緊急特別総会において、[[国際連合人権理事会]]におけるロシアの理事国としての資格を停止する決議案が賛成多数で採択<ref>[https://mainichi.jp/articles/20220407/k00/00m/030/134000c 人権理、ロシアの資格停止 賛成93カ国 国連総会が採択]- 毎日新聞 2022年4月8日</ref><ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB07CG80X00C22A4000000/ 国連総会緊急会合 人権理事会、ロシア資格停止を可決] - 日本経済新聞 2022年4月8日</ref>。 * [[4月10日]] ** [[パキスタンの首相|パキスタン首相]]の[[イムラン・カーン]]に対する内閣不信任決議案の採決が行われ、与党[[パキスタン正義運動]]の一部造反もあり賛成多数で可決<ref>{{Cite news|url=https://web.archive.org/web/20220409213005/https://www.jiji.com/sp/article?k=2022041000124&g=int|title=パキスタン首相が失職 下院が不信任案可決|newspaper=時事ドットコム|date=2022-04-10|accessdate=2022-04-10}}</ref><ref>{{Cite news|url=https://www.sankei.com/article/20220410-M644TPGAX5NWDA46QCXZKTC3HQ/|title=パキスタン首相が失職 経済失策で下院が不信任|newspaper=産経新聞|date=2022-04-10|accessdate=2022-04-10}}</ref>。翌11日、パキスタン首相に野党[[パキスタン・ムスリム連盟ナワーズ・シャリーフ派]]総裁の[[シャバズ・シャリフ]]が就任<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20220416090028/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022041101010 |title=パキスタン新首相にシャバズ・シャリフ氏 経済危機に対応へ:時事ドットコム |publisher=[[時事通信社]] |date=2022-04-11 |accessdate=2022-04-16}}</ref>。 ** [[2022年フランス大統領選挙]]1回目投票が行われ、現職の[[エマニュエル・マクロン]]と野党[[国民連合 (フランス)|国民連合]]党首の[[マリーヌ・ル・ペン]]が2回目投票に進む。 ** [[フィリピン]]沖でトロピカル・ストーム「メーギー」([[令和4年台風第2号]])が発生し、フィリピンにおいて同月16日までに167人の死者・110人の行方不明者を出す<ref>{{Cite report |url=https://ndrrmc.gov.ph/attachments/article/4184/SitRep_No_8_for_TC_AGATON_2022_Update.pdf |title=Situational Report No. 8 for TC AGATON (2022) |date=2022-04-16 |publisher=National Disaster Risk Reduction and Management Council |accessdate=2022-04-16 |format=PDF}}</ref>。 * [[4月12日]] ** 新型コロナウイルス感染症関連: ジョンズ・ホプキンズ大学の集計<!--日本時間では13日午前8時時点-->によると、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者が世界全体で5億人を超える。国別ではアメリカ(約8047万人)、インド(約4303万人)、ブラジル(約3016万人)と続く。以前に比べると感染拡大のペースは落ち着いてきているものの、主流株として引き続き[[SARSコロナウイルス2-オミクロン株|オミクロン株]](BA.1およびBA.2等)が猛威を振るっている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220413/k10013579851000.html |title=新型コロナ感染確認 世界全体で5億人を超える |date=2022-04-13 |accessdate= 2022-04-13 |publisher=NHKニュース |archiveurl=https://web.archive.org/web/20220413022339/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220413/k10013579851000.html |archivedate=2022-04-13}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.yomiuri.co.jp/national/20220413-OYT1T50064/ |title=世界のコロナ感染者数が累計5億人超す…2か月で1億人増、収束見通せず |date=2022-04-13 |accessdate= 2022-04-13 |publisher=読売新聞オンライン}}</ref>。{{See also|国・地域毎の2019年コロナウイルス感染症流行状況}} ** [[ニューヨーク市地下鉄]]で銃乱射事件が発生し23人が負傷<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20220416170140/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022041300344 |title=NY地下鉄で乱射、23人負傷 男逃走、通勤時間帯に混乱:時事ドットコム |publisher=[[時事通信社]] |date=2022-04-13 |accessdate=2022-04-17}}</ref>。 * [[4月14日]] - ロシアのウクライナ侵攻関連: ロシア[[黒海艦隊]]旗艦の[[ミサイル巡洋艦]][[モスクワ (ミサイル巡洋艦)|モスクワ]]が損傷を受け曳航中に沈没。ウクライナ側は損傷は[[ネプチューン (巡航ミサイル)|ネプチューン対艦ミサイル]]によるものだとしており、事実であれば撃沈された軍艦としては[[第二次世界大戦]]以来最大<ref>{{cite web |title=Russian warship: Moskva sinks in Black Sea |url=https://www.bbc.co.uk/news/world-europe-61114843 |website=BBC News|date=2022-04-15 |accessdate=2022-04-15}}</ref><ref>{{cite web |title=Russia says Moskva cruiser has sunk after reported Ukrainian missile strike |url=https://www.theguardian.com/world/2022/apr/14/russia-moskva-cruiser-sunk-stormy-seas-defense-ministry |website=The Guardian|date=2022-04-15 |accessdate=2022-04-15}}</ref>。一方、ロシア側は同艦の損傷は弾薬の爆発事故によるものだと述べた<ref>{{cite news |title=Russian warship Moskva has sunk - state media |url=https://www.bbc.com/news/world-europe-61114843 |accessdate=2022-04-14 |work=BBC News |date=2022-04-14}}</ref><ref>{{Cite news |last=Reuters |date=2022-04-14 |title=Russia says flagship missile cruiser Moskva has sunk after fire |language=en |work=Reuters |url=https://www.reuters.com/world/europe/russia-says-flagship-missile-cruise-ship-has-sunk-after-fire-2022-04-14/ |accessdate=2022-04-14}}</ref>。 * [[4月19日]] ** 世界最高齢の存命人物であった[[田中カ子]]が119歳107日([[長寿]]歴代2位)で死去し<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20220425140244/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022042500700 |title=世界最高齢の田中カ子さん死去 119歳、国内歴代も更新―福岡:時事ドットコム |publisher=[[時事通信社]] |date=2022-04-25 |accessdate=2022-04-25}}</ref>、[[リュシル・ランドン]]が世界最高齢の存命人物となる。 ** 東ティモール大統領選挙2回目投票(決選投票)が行われ、元職のジョゼ・ラモス=ホルタが当選<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20220423082116/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022042001063 |title=東ティモール大統領選、平和賞のホルタ氏当選 現職破り、72歳返り咲き:時事ドットコム |publisher=[[時事通信社]] |date=2022-04-20 |accessdate=2022-04-23}}</ref>。 * [[4月23日]] - 日本・[[北海道]][[知床半島]]の沖合で乗客乗員26人を乗せた観光船が沈没した。死者18人・行方不明者8人<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20220913143808/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022091301213&g=soc |title=乗客ら3人の身元確認 行方不明8人に―知床沈没事故 |access-date=2022年9月20日 |publisher=[[時事通信社]]}}</ref>。{{See also|知床遊覧船沈没事故}} * [[4月24日]] ** 2022年フランス大統領選挙2回目投票(決選投票)が行われ、現職のエマニュエル・マクロンが再選<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20220425140244/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022042500098 |title=マクロン氏再選 ルペン氏と再対決、差縮まる―仏大統領選:時事ドットコム |publisher=[[時事通信社]] |date=2022-04-25 |accessdate=2022-04-25}}</ref>。 ** [[国民議会 (スロベニア)|スロベニア国民議会]]選挙が行われ、2021年に結党された{{仮リンク|自由運動党 (スロベニア)|en|Freedom Movement (Slovenia)|label=自由運動党}}が90議席中41議席を獲得<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR2506E0V20C22A4000000/ |title=スロベニア議会選、左派新党が勝利 ヤンシャ政権退陣へ: 日本経済新聞 |publisher=[[日本経済新聞]] |date=2022-04-25 |accessdate=2022-04-30}}</ref>。 * [[4月25日]] - 実業家の[[イーロン・マスク]]が[[ソーシャル・ネットワーキング・サービス]]企業の[[Twitter]]を440億ドルで買収することを発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20220430072116/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022042600797 |title=米ツイッター、買収受け入れ マスク氏が全株取得5.6兆円―非上場化で収益改善へ:時事ドットコム |publisher=[[時事通信社]] |date=2022-04-26 |accessdate=2022-04-30}}</ref>。 * [[4月27日]] - [[中央アフリカ共和国]]大統領府が[[ビットコイン]]を法定通貨として承認<ref name="reuters20220427">{{Cite news|url=https://jp.reuters.com/article/centralafrica-economy-bitcoin-idJPKCN2MJ28C|title=中央アフリカが法定通貨にビットコイン採用、世界で2カ国目|agency=[[ロイター]]|date=2022-04-28|accessdate=2022-04-28}}</ref>。[[エルサルバドル]]に続き世界で2か国目。 * [[4月28日]] - [[モンテネグロ議会]]がモンテネグロ首相に前副首相の[[ドリタン・アバゾビッチ]]を選出<ref>{{Cite news |url=https://web.archive.org/web/20220429041312/https://nordot.app/892600331457445888 |title=モンテネグロで新政権 議会が承認 | 共同通信 |publisher=[[共同通信社]] |date=2022-04-29 |accessdate=2022-04-30}}</ref>。 === 5月 === * [[5月1日]]〜[[5月15日|15日]] - [[ブラジル]]・[[カシアス・ド・スル]]にて[[聴覚障害者]]の[[総合競技大会|総合スポーツ競技大会]]、[[2021年カシアス・ド・スルデフリンピック|第24回夏季デフリンピック]](カシアス・ド・スルデフリンピック)開催。 * [[5月9日]] ** [[2022年フィリピン大統領選挙]]が行われ、元職の[[フェルディナンド・マルコス]]の息子である[[ボンボン・マルコス]]が当選(6月30日就任)<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM289SB0Y2A620C2000000/ |title=マルコス氏、フィリピン大統領に就任 |date=2022-06-30 |accessdate=2022-07-16 |publisher=日本経済新聞}}</ref>。 ** [[2022年スリランカ反政府運動]]関連: [[スリランカの首相|スリランカ首相]]の[[マヒンダ・ラージャパクサ]]が政府への大規模な抗議デモが相次いだことを受けて辞任<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-05-09/RBM3VQDWX2PT01|title=スリランカ首相が辞任、大統領の実兄-危機エスカレートの中|publisher=[[ブルームバーグ (企業)|ブルームバーグ]]|date=2022-05-09|accessdate=2022-05-10}}</ref>。12日、スリランカ首相に前職の[[ラニル・ウィクラマシンハ]]が就任<ref>{{Cite news|url=https://web.archive.org/web/20220513004327/https://www.jiji.com/jc/p?id=20220513090136-0041662878|title=新首相にウィクラマシンハ氏|work=時事ドットコム|agency=[[時事通信社]]|date=2022-05-13|accessdate=2022-07-13}}</ref>。{{See also|2022年スリランカ反政府運動}} * [[5月13日]] - [[アブダビ]]首長の[[ハリーファ・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン]]が薨去し、弟の[[ムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン]]が即位。翌14日、ムハンマドが[[アラブ首長国連邦の大統領|アラブ首長国連邦大統領]]に就任<ref>{{Cite news|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR143CG0U2A510C2000000/|title=UAE、ムハンマド皇太子を大統領に選出|work=日経電子版|newspaper=[[日本経済新聞]]|date=2022-05-14|accessdate=2022-05-14}}</ref>。 * [[5月15日]] ** [[ソマリアの大統領一覧|ソマリア大統領]]選挙が行われ、元職の[[ハッサン・シェイク・モハムド]]が当選(23日就任)<ref>{{Cite news|url=https://www.africanews.com/2022/05/23/somalia-s-new-president-officially-takes-charge-of-the-country/|title=Somalia's new president officially takes charge of the country|agency=[[アフリカニュース]]|date=2022-05-23|accessdate=2022-05-26}}</ref>。 ** {{仮リンク|2022年レバノン総選挙|en|2022_Lebanese_general_election}}が行われ、[[レバノン軍団]]が19議席を獲得<ref>{{Cite news |date=2022-05-17 |title=Lebanon election: Hezbollah and allies loose parliamentary majority |language=en-GB |work=BBC News |url=https://www.bbc.com/news/world-middle-east-61463884 |access-date=2022-05-19}}</ref>。イスラム教シーア派武装組織[[ヒズボラ]]をはじめとする親イラン系勢力が過半数を割り込む<ref>{{Cite news|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR186DU0Y2A510C2000000/|title=レバノン議会で親イラン系が過半数割れ 組閣難航も|work=日経電子版|newspaper=[[日本経済新聞]]|date=2022-05-19|accessdate=2022-07-16}}</ref>。 * [[5月21日]] - [[2022年オーストラリア総選挙]]が行われ、与党[[オーストラリア自由党|自由党]]は議席の3分の1を失い敗北<ref>{{Cite news|title=コラム:豪政権交代、気候変動対策は大きく前進か|work=Reuters|date=2022-05-24|url=https://jp.reuters.com/article/breakingviews-australia-election-idJPKCN2NA06D}}</ref>。[[スコット・モリソン (政治家)|スコット・モリソン]]首相は敗北宣言とともに党首辞任を発表し、23日、野党[[オーストラリア労働党|労働党]]党首の[[アンソニー・アルバニージー]]が首相に就任<ref>{{Cite web|和書|title=オーストラリア、9年ぶり政権交代の見通し 現首相が敗北認める |url=https://www.asahi.com/articles/ASQ5P771HQ5PUHBI01M.html?iref=ogimage_rek |website=朝日新聞デジタル |access-date=2022-05-24}}</ref>。 === 6月 === * [[6月4日]] - {{仮リンク|2022年アルバニア大統領選挙|en|2022 Albanian presidential election|label=2022年アルバニア大統領選挙}}4回目投票が行われ、[[アルバニア軍]][[参謀総長]]の[[バイラム・ベガイ]]が当選(7月24日就任)<ref>[https://www.aa.com.tr/en/europe/albanian-parliament-elects-bajram-begaj-new-president/2605897 Albanian parliament elects Bajram Begaj new president](2022年6月5日)- [[アナドル通信社]]</ref><ref>[https://web.archive.org/web/20220914183242/https://www.jiji.com/jc/p?id=20220605144803-0041937038 アルバニア大統領に軍参謀総長] - [[時事通信社|時事ドットコム]]</ref>。 * [[6月12日]] - [[6月19日]] - [[2022年フランス議会総選挙]] * [[6月14日]] - [[カナダ]]と[[デンマーク]]が[[ハンス島]]の分割領有に合意し、[[ウイスキー戦争]]が終結した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB169VJ0W2A610C2000000/ |title=カナダとデンマーク、北極圏の島の分割領有に合意 |publisher=日本経済新聞 |date=2022-06-16 |accessdate=2022-07-23}}</ref>。 * [[6月15日]](日本時間[[6月16日|16日]]) - [[マイクロソフト]]の[[ウェブブラウザ]]『[[Internet Explorer]]』(現行バージョンは11)のサポートが終了<ref>{{Cite news2|title=Microsoft、IE(Internet Explorer)サポート終了は2022年6月15日|newspaper=ITmedia NEWS|date=2021-05-20|url=https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2105/20/news047.html|agency=株式会社アイティメディア|accessdate=2021-05-20}}</ref>。 * [[6月22日]] - [[アフガニスタン]]東部[[ホースト州]]を震源とするマグニチュード5.9の地震が発生。死者1000人以上<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20220622111519/https://nordot.app/912299913257533440 |title=アフガン地震の死者、1000人超に |access-date=2022年6月22日 |publisher=共同通信}}</ref>。{{See also|アフガニスタン地震 (2022年)}} * [[6月24日]] - [[合衆国最高裁判所]]は[[アメリカ合衆国憲法]]は[[中絶]]の権利を保障していないとして、[[1973年]]に[[人工妊娠中絶]]を規制するアメリカ国内法を[[違憲審査制|違憲無効]]とした[[ロー対ウェイド事件]](「[[妊娠]]を継続するか否かに関する女性の決定は[[プライバシー]]権に含まれる」としてアメリカ合衆国憲法[[アメリカ合衆国憲法修正第14条|修正第14条]]が[[女性]]の[[堕胎]]の権利を保障していると初めて判示)を覆す判決を下した<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20220625045611/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022062500217&g=int |title=各国首脳「大きな後退」 バチカンは歓迎―米中絶権否定 |access-date=2022年6月25日 |publisher=時事ドットコムニュース}}</ref>。{{See also|ドブス対ジャクソン女性健康機構事件}} *[[6月26日]] - [[6月28日]] - ドイツの[[エルマウ城]]で[[主要国首脳会議|G7首脳会議]]<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.mofa.go.jp/mofaj/ecm/ec/page4_005632.html |title=G7エルマウ・サミット(概要) |access-date=2023-07-12 |publisher=[[外務省]]}}</ref>。{{main|第48回先進国首脳会議}} * [[6月30日]] **日本の[[京都大学]]の研究者[[望月新一]]が[[ABC予想]]の証明に完全に成功したという論文が数学界に認められ、この日の学術誌に掲載<ref name=":paper2">{{Cite journal|last=Mochizuki|first=Shinichi|last2=Fesenko|first2=Ivan|last3=Hoshi|first3=Yuichiro|last4=Minamide|first4=Arata|last5=Porowski|first5=Wojciech|date=2022-06|title=Explicit estimates in inter-universal Teichmüller theory|url=https://projecteuclid.org/journals/kodai-mathematical-journal/volume-45/issue-2/Explicit-estimates-in-inter-universal-Teichm%c3%bcller-theory/10.2996/kmj45201.full|journal=Kodai Mathematical Journal|volume=45|issue=2|pages=175–236|doi=10.2996/kmj45201|issn=0386-5991}}</ref>。 **[[ペルー]]で大規模な[[地すべり]]が発生<ref>{{Cite news|title=[https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000260002.html ペルーで巨大地滑り発生 少なくとも家屋150軒が被害]|newspaper=[[テレ朝ニュース]]|date=2022-07-02}}</ref>。 === 7月 === * [[7月1日]] - 第5代[[香港特別行政区行政長官]]に[[李家超]]が就任。[[香港返還]]25年記念式典も催され、[[中国共産党中央委員会総書記]]の[[習近平]]も出席<ref>[https://web.archive.org/web/20220701035241/https://nordot.app/915444733163012096? 習氏、一国二制度の成功を主張 香港の民主派締め付け正当化] [[共同通信社|一般社団法人共同通信社]] 2022年7月1日配信 2022年7月1日閲覧</ref>。 * [[7月2日]] - [[KDDI]]の運営する[[Au (携帯電話)|au]]などで大規模な[[KDDI通信障害 (2022年)|通信障害]]が発生。 * [[7月8日]] - 日本・[[奈良県]][[奈良市]]の[[大和西大寺駅]]北口で、自民党の[[安倍晋三]]元首相が[[選挙演説]]中に[[手製銃]]で銃撃され<ref>{{Cite news|title=安倍元首相 銃で撃たれ心肺停止か 奈良市で演説中|newspaper=NHK|date=2022-07-08|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220708/k10013707601000.html|accessdate=2022-07-08}}</ref><ref>{{Cite news|title=安倍元首相が倒れる、発砲音も 奈良・大和西大寺駅付近|newspaper=朝日新聞デジタル|date=2022-07-08|url=https://www.asahi.com/articles/ASQ783WDYQ78DIFI004.html|accessdate=2022-07-08}}</ref>、同日夕方、死亡が確認された。{{See also|安倍晋三銃撃事件}} *[[7月13日]] - [[スリランカ]]の[[マヒンダ・ラージャパクサ|ラジャパクサ大統領]]が同国の経済危機に対する大規模な抗議デモが原因で隣国の[[モルディブ]]に国外逃亡。同月15日に大統領を辞職する<ref>{{Cite news|url=https://www.tokyo-np.co.jp/article/189860 |title=国外逃亡したスリランカ大統領の辞職を受理 ラジャパクサ氏、メールで届け出 経済危機の抗議デモ拡大 |newspaper=[[東京新聞]] |date=2022-07-15 |accessdate=2023-12-11}}</ref>。 * [[7月15日]]〜[[7月24日]] - [[アメリカ合衆国|アメリカ]]・[[オレゴン州]]の[[ユージーン (オレゴン州)|ユージーン]]にて[[2022年世界陸上競技選手権大会|世界陸上]]開催<ref>{{Cite web|和書|url=https://olympics.com/ja/news/world-athletics-oregon-2022 |title=【陸上】オレゴン2022世界陸上・日本代表選手64名が決定…Tokyo2020メダリスト池田向希、山西利和ら |access-date=2022-10-04}}</ref>。 <!--* [[7月19日]] - [[フィギュアスケート]]選手の[[羽生結弦]]が競技から退き、プロの[[アスリート]]へ転向すると[[記者会見]]で表明<ref>{{Cite news2|url=https://kahoku.news/articles/20220719khn000025.html|title=【速報】「プロアスリートとしてスケート続ける」 羽生結弦選手、競技の一線退く意向表明|newspaper=[[河北新報|河北新報 ONLINE NEWS]]|publisher=[[河北新報社]]|date=2022-7-19|accessdate=2022-7-19}}</ref>。--> * [[7月23日]] - [[世界保健機関]](WHO)は欧米を中心に流行している[[エムポックス|サル痘]]について「[[国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態]](PHEIC)」を宣言した<ref>{{Cite news|title=WHO 「サル痘」で緊急事態を宣言 さらなる感染拡大のおそれ|publisher=[[日本放送協会]]|date=2022-07-24|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220723/k10013733021000.html|accessdate=2022-07-24|archiveurl=https://web.archive.org/web/20220723160008/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220723/k10013733021000.html|archivedate=2022-07-23}}</ref>。{{See also|2022年のエムポックス流行}} * [[7月31日]] - [[2011年]]に[[ウサーマ・ビン・ラーディン]]が死亡した後、[[アルカーイダ]]の第2代首長となった[[エジプト]]のテロリスト、[[アイマン・ザワーヒリー]]が、[[中央情報局|米国中央情報局]]によって実施された[[アフガニスタン]]の[[カーブル]]での空爆で死亡した<ref>{{Cite news|title=U.S. kills al Qaeda leader Zawahiri in Kabul drone missile strike|url=https://www.reuters.com/world/cia-carried-out-drone-strike-afghanistan-us-officials-say-2022-08-01/|work=Reuters|date=2022-08-03|access-date=2022-08-20|language=en|first=Mohammad Yunus|last=Yawar|first2=Idrees|last2=Ali|first3=Jeff|last3=Mason|first4=Idrees|last4=Ali}}</ref>。{{see|{{仮リンク|アイマン・ザワーヒリーの殺害|en|Killing of Ayman al-Zawahiri}}}} === 8月 === *[[8月2日]] - アメリカの[[ナンシー・ペロシ]]下院議長が台湾を訪問。下院議長が台湾を訪問するのは25年ぶりとなる<ref>{{Cite news|url=https://www.bbc.com/japanese/62403135.amp |title=ペロシ米下院議長が台湾を訪問、議会で演説 中国は「極めて危険」と非難 |newspaper=[[BBC]] |date=2022-08-03 |accessdate=2023-12-11}}</ref>。 <!--* [[8月4日]] - [[第18回日本スカウトジャンボリー]]が[[東京都]]内の2会場を中央会場として、日本各地で分散開催(〜10日)<ref>{{Cite web|url=https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000059766.html|title=初の「全国・分散型キャンプ大会」として展開 18回日本スカウトジャンボリーを開催|work=[[ボーイスカウト日本連盟]]|publisher=PR TIMES|date=2022-05-12|accessdate=2022-08-17|archiveurl=https://web.archive.org/web/20220601220539/https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000059766.html|archivedate=2022-06-01}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000059766.html|title=ボーイスカウトの真夏の祭典「ジャンボリー大集会」8月7日(日)開催|work=ボーイスカウト日本連盟|publisher=PR TIMES|date=2022-07-29|accessdate=2022-08-17|archiveurl=https://web.archive.org/web/20220802004654/https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000059766.html|archivedate=2022-08-02}}</ref>。--> * [[8月4日]] - [[ペルー]]のアニバル・トーレス首相は、ペルー大統領[[ペドロ・カスティジョ]]に対する複数の犯罪捜査を受けて辞任した<ref>{{Cite news|title=Peru PM resigns as investigations target President Castillo|url=https://www.reuters.com/world/americas/perus-pm-torres-resigns-personal-reasons-2022-08-03/|work=Reuters|date=2022-08-03|access-date=2022-10-04|language=en|last=Reuters}}</ref>。 * [[8月9日]] ** 2022年[[パプアニューギニア]]総選挙。[[ジェームズ・マラペ]]が[[パプアニューギニアの首相|パプアニューギニア首相]]に再選<ref>{{Cite web |title=James Marape returned as prime minister in Papua New Guinea after fraught election |url=https://www.theguardian.com/world/2022/aug/10/james-marape-returned-as-prime-minister-in-papua-new-guinea-after-fraught-election |website=the Guardian |date=2022-08-09 |access-date=2022-08-20 |language=en}}</ref>。 ** {{仮リンク|2022年ケニア総選挙|en|2022 Kenyan general election}}。ウィリアム・ルトが[[ケニアの大統領|ケニアの第5代大統領]]に選出され、長年の野党党首[[ライラ・オディンガ]]を破る。この勝利は、オディンガ支持者による抗議と暴力の中で、8月15日に国の選挙監督機関によって認定された<ref>{{Cite web |url=https://www.kbc.co.ke/iebc-officially-gazettes-william-ruto-as-the-president-elect/ |title=IEBC officially gazettes William Ruto as the President-Elect |access-date=August 16, 2022}}</ref><ref>{{Cite news|title=Ruto Declared Kenya President-Elect as Officials Dispute Outcome|url=https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-08-15/kenyan-electoral-agency-prepares-to-announce-final-vote-results|work=Bloomberg.com|date=2022-08-15|access-date=2022-08-20|language=en}}</ref><ref>{{Cite web |title=Mass brawl erupts after Kenyan election as tortured body found amid protests |url=https://www.mirror.co.uk/news/world-news/mass-brawl-breaks-out-after-27752611 |website=mirror |date=2022-08-16 |access-date=2022-08-20 |language=en |first=Ryan |last=Fahey}}</ref>。 * [[8月26日]] - 新型コロナウイルス感染症関連: ジョンズ・ホプキンズ大学の集計<!--日本時間では27日時点-->によると、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者が世界全体で6億人を超える。国別ではアメリカ(約9417万人)、インド(約4440万人)、フランス(約3466万人、ブラジルの感染者数を超えた)と続く<ref>{{Cite web|和書|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220827/k10013790801000.html |title=新型コロナの感染者 世界全体で6億人超える 最多はアメリカ |date=2022-08-27 |accessdate= 2022-08-29 |publisher=NHKニュース |archiveurl=https://web.archive.org/web/20220829054629/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220827/k10013790801000.html |archivedate=2022-08-29}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20220827-OYT1T50100/ |title=世界のコロナ感染者、累計6億人を突破…日本は国別で10番目の約1800万人 |date=2022-08-27 |accessdate= 2022-08-29 |publisher=読売新聞オンライン}}</ref>。主流株として引き続き[[SARSコロナウイルス2-オミクロン株|オミクロン株]]の[[SARSコロナウイルス2-オミクロン株#亜系統|BA.5]]などが猛威を振るっている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/lb_virus/worldmutation/ |title=世界の新型コロナウイルス変異株流行状況(8月27日更新)BA.5,系統の増加傾向続く |date=2022-08-27 |accessdate= 2022-08-29 |publisher=[[東京都健康安全研究センター]] |archiveurl=https://web.archive.org/web/20220829091120/https://www.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/lb_virus/worldmutation/ |archivedate=2022-08-29}}</ref>。{{See also|国・地域毎の2019年コロナウイルス感染症流行状況}} * [[8月28日]] - [[パキスタン]]は「気候の大惨事」を宣言し、援助のための資金の国際支援を訴えた。この国の最近の洪水による死者数は1500人を超えており、2017年以来で、世界で最も致命的な洪水となっている<ref>{{Cite news|title=Pakistan floods: Appeals for aid as 119 more die in a day|url=https://www.bbc.com/news/world-asia-62704004|work=BBC News|date=2022-08-28|access-date=2022-09-05|language=en-GB}}</ref><ref>{{Cite web |title=A third of Pakistan is under water as devastating floods kill more than 1,500, officials say - Business Insider India |url=https://www.businessinsider.in/international/news/a-third-of-pakistan-is-under-water-as-devastating-floods-kill-more-than-1500-officials-say/amp_articleshow/93883851.cms |website=www.businessinsider.in |access-date=2022-09-05}}</ref>。{{See also|パキスタン洪水 (2022年)}} * [[8月30日]] - 旧[[ソビエト連邦]]の最後の最高指導者[[ミハイル・ゴルバチョフ]]が腎臓疾患のため入院先のモスクワ中央臨床病院で死去した<ref>{{Cite web|和書|title=ゴルバチョフ氏、死去 旧ソ連最後の最高指導者:朝日新聞デジタル |url=https://www.asahi.com/articles/DA3S15403134.html?iref=ogimage_rek |website=朝日新聞デジタル |date=2022-08-31 |access-date=2022-10-04 |language=ja}}</ref>。 === 9月 === * [[9月1日]] - [[アルゼンチン]]の首都[[ブエノスアイレス]]にて元大統領であり、現副大統領である[[クリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネル]]を暗殺しようとした暗殺未遂事件が発生<ref>{{Cite web|和書|title=アルゼンチン副大統領に暗殺未遂か、拳銃向けた男を逮捕 |url=https://jp.wsj.com/articles/argentina-vice-president-cristina-kirchner-is-unharmed-after-assassination-attempt-11662097342 |website=WSJ Japan |access-date=2022-09-12 |language=ja |first=Kejal Vyas and Silvina |last=Frydlewsky}}</ref>。{{See also|クリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネル暗殺未遂事件}} * [[9月5日]] ** [[静岡県]][[牧之原市]]の[[認定こども園]]で園児の3歳女児が[[通園バス]]に[[バスにおける子どもの置き去り事故|置き去り]]にされ[[熱中症]]で[[死亡]]した事件が発生。<ref>{{Cite web|和書|title=河本千奈ちゃん父親の言葉が悲痛「ふざけるな悔しすぎる…」 » My Green Forest |url=https://greenforestmiffy.com/kawamoto_father/ |website=greenforestmiffy.com |date=2022-09-09 |access-date=2023-04-23 |language=ja}}</ref>{{See also|牧之原幼稚園バス3歳女児死亡事件}} ** [[2022年7–9月イギリス保守党党首選挙]]にて[[リズ・トラス]]が勝利した後、[[保守党 (イギリス)|保守党党首]]に選出されたことにより、首相に選出された([[マーガレット・サッチャー]]、[[テリーザ・メイ]]に続く3人目の女性首相)<ref>{{Cite web|和書|title=トラス外相、英史上3人目の女性首相に就任へ 党首選でスナク氏破る:朝日新聞デジタル |url=https://www.asahi.com/articles/ASQ956GKFQ95UHBI014.html?iref=ogimage_rek |website=朝日新聞デジタル |date=2022-09-05 |access-date=2022-09-05 |language=ja}}</ref>。 * [[9月7日]] - [[Apple社]]が新型iPhoneである[[iPhone 14]]を発表<ref>{{Cite web |title=蘋果新品整理/iPhone 14 Pro「動態島」配新紫色嘗鮮、Apple Watch三款包山包海、AirPods Pro 2聲歷其境 |url=https://udn.com/news/story/122122/6595568 |website=聯合新聞網 |date=20220908T051400Z |access-date=2022-09-12 |language=zh-Hant-TW |last=聯合新聞網}}</ref>。 * [[9月8日]] - [[イギリスの君主|イギリス・英連邦王国女王]]の[[エリザベス2世]]が静養先である[[スコットランド]]の[[バルモラル城]]で老衰により崩御。96歳没<ref>{{Cite web|和書|title=英エリザベス女王、死去 英王室発表|url=https://www.bbc.com/japanese/62840312|website=BBCニュース|date=2022-09-09 |access-date=2022-09-12 |language=ja}}</ref>。同日、女王の長男[[チャールズ3世 (イギリス王)|チャールズ3世]]が王位を継承し、イギリス国王に即位した<ref>{{Cite web|和書|title=イギリスの新国王はチャールズ3世|url=https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-62844110|website=BBCニュース|date=2022-09-09 |access-date=2022-09-12 |language=ja}}</ref>。{{See also|エリザベス2世の死}} * [[9月11日]] ** [[パプアニューギニア]]にてマグニチュード7.6の地震が発生。この地震により12人が死亡した<ref>{{Cite web |title=Massive 7.6 earthquake rocks Papua New Guinea |url=https://www.cnn.com/2022/09/10/asia/earthquake-papua-new-guinea/index.html |website=CNN |date=2022-09-11 |access-date=2022-09-12 |language=en |first=Jake |last=Kwon}}</ref>。{{See also|パプアニューギニア地震 (2022年)}} ** {{仮リンク|2022年スウェーデン総選挙|en|2022 Swedish general election}}が実施され、 [[リクスダーゲン]]の349議席すべてが選出された。[[マグダレナ・アンデション]]首相は、中道左派が176議席、右派は173議席でわずかに負け、辞任した<ref>{{Cite news|title=Magdalena Andersson: Swedish PM resigns as right-wing parties win vote|url=https://www.bbc.com/news/world-europe-62908902|work=BBC News|date=2022-09-15|access-date=2022-09-19|language=en-GB}}</ref>。 * [[9月12日]] - [[アゼルバイジャン]]の国境地帯で[[アルメニア]]と軍事衝突が発生<ref>{{Cite news|title=Armenia says 105 troops killed in Azerbaijan border clashes|url=https://www.bbc.com/news/world-europe-62828239|work=BBC News|date=2022-09-15|access-date=2022-10-04|language=en-GB}}</ref>。{{See also|2022年アゼルバイジャン・アルメニア軍事衝突}} * [[9月18日]] - [[中華民国]]([[台湾]])[[台東県]]を震源とするマグニチュード6.9の地震が発生<ref>{{Cite news2|url=https://www.sankei.com/article/20220918-NEK2WPI5MVLVJHT4ALAOXO7VPA/|title=台湾東部でM6.8の地震 1人死亡、約80人負傷|newspaper=産経ニュース|agency=産経デジタル|date=2022-09-18|accessdate=2022-09-19}}</ref>。{{See also|台東地震 (2022年)}} * [[9月19日]] - [[イギリス]]・[[英連邦王国]]女王[[エリザベス2世の死#国葬|エリザベス2世の国葬]]がロンドンの[[ウェストミンスター寺院]]にて執り行われる(日本からは、[[徳仁|天皇]][[皇后雅子|皇后]]が参列)<ref>{{Cite news|title=Your complete guide to the Queen's funeral|url=https://www.bbc.com/news/uk-60617519|work=BBC News|date=2022-09-19|access-date=2022-10-04|language=en-GB}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=天皇皇后両陛下 エリザベス女王国葬参列 ~皇室と英王室の絆~|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220922/k10013831011000.html|website=NHKニュース|date=2022-09-22 |access-date=2023-03-01 |language=ja}}</ref>。 * [[9月22日]] - [[日本国政府]]が24年ぶりに為替介入を実施<ref>{{Cite web|和書|title=為替介入、米の「理解」に1年 |url=https://www.nikkei.com/article/DGKKZO64846850T01C22A0EP0000/ |website=日本経済新聞 |date=2022-10-04 |access-date=2022-10-04 |language=ja}}</ref>。同日、財務省の[[神田眞人]]財務官が表明した<ref>{{Cite web|和書|title=財務省、為替介入を実施と表明…神田真人財務官「断固たる措置取った」 |url=https://www.yomiuri.co.jp/economy/20220922-OYT1T50242/ |website=読売新聞オンライン |date=2022-09-22 |access-date=2022-10-04 |language=ja}}</ref>。 * [[9月23日]] - [[西九州新幹線]]が[[武雄温泉駅]]と[[長崎駅]]の区間で先行開業<ref>{{Cite web|和書|title=西九州新幹線、見えぬ全通 全国最短区間で23日開業(写真=共同) |url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC072HF0X00C22A9000000/ |website=日本経済新聞 |date=2022-09-22 |access-date=2022-10-04 |language=ja}}</ref>。 * [[9月26日]] - [[アメリカ航空宇宙局]](NASA)の[[DART (探査機)|DART]]は、惑星防御の最初のテストで小惑星ディモルフォスに衝突した<ref>{{Cite web |title=NASA’s DART Mission Hits Asteroid in First-Ever Planetary Defense Test |url=http://www.nasa.gov/press-release/nasa-s-dart-mission-hits-asteroid-in-first-ever-planetary-defense-test |website=NASA |date=2022-09-26 |access-date=2022-10-04 |first=Roxana |last=Bardan}}</ref>。 * [[9月27日]] - [[故安倍晋三国葬儀|安倍晋三元首相の国葬]]が東京都千代田区の[[日本武道館]]にて執り行われる<ref>{{Cite web|和書|title=安倍晋三元首相国葬、歴代首相との違いは? ビジュアル解説 |url=https://www.nikkei.com/telling/DGXZTS00002280W2A910C2000000/ |website=日本経済新聞 |date=2022-09-26 |access-date=2022-10-04 |language=ja}}</ref>。 * 9月27~30日 – {{仮リンク|ハリケーンイアン|en|Hurricane Ian}}が[[キューバ]]と米国に影響を与え、両国に壊滅的な被害をもたらし、少なくとも127人が死亡し、キューバ全土を含む数百万人が停電の影響を受けた<ref>{{Cite web |url=https://abcnews.go.com/US/hurricane-ian-month-images-show-destruction-left-hardest/story?id=92203002 |title=Hurricane Ian 1 month later: Images show destruction left in hardest-hit regions |access-date=2022-10-30 |website=abcnews.go.com}}</ref><ref>{{Cite web |title=Search-and-rescue continues as Ian's death toll reaches 87 |url=https://web.archive.org/web/20221003041758/https://www.nbcnews.com/news/us-news/biden-visit-florida-puerto-rico-hurricane-ian-devastation-rcna50348 |website=web.archive.org |date=2022-10-03 |access-date=2022-10-04}}</ref>。 * [[9月30日]] - ロシアのウクライナ侵攻関連: ロシアの[[ウラジーミル・プーチン]]大統領は、[[ドネツィク州|ドネツク州]]、[[ルハンスク州]]、[[ヘルソン州]]、[[ザポリージャ]]の占領地域をロシア連邦に併合する条約に署名する。この併合は、国際社会から国際法違反と見なされている<ref>{{Cite news|title=Putin Frames Illegal Annexation as Part of Existential Battle With West|url=https://www.nytimes.com/live/2022/09/30/world/russia-ukraine-war-news|work=The New York Times|date=2022-09-30|access-date=2022-10-01|issn=0362-4331|language=en-US|first=Anton|last=Troianovski}}</ref><ref>{{Cite web |title=Putin signs decrees paving way for annexing Ukraine territories of Kherson and Zaporizhzhia |url=https://www.theguardian.com/world/2022/sep/29/putin-to-sign-treaty-annexing-territories-in-ukraine-kremlin-says |website=the Guardian |date=2022-09-29 |access-date=2022-10-01 |language=en}}</ref>。{{See also|ロシアによるウクライナ4州の併合宣言}} === 10月 === * [[10月1日]] ** {{仮リンク|2022年ラトビア議会選挙|en|2022 Latvian parliamentary election}}が行われ、[[サエイマ]]の議員100人が選出された<ref>{{Cite web |title=It is election day in Latvia |url=https://eng.lsm.lv/article/politics/election/it-is-election-day-in-latvia.a476066/ |website=eng.lsm.lv |access-date=2022-10-02 |language=en}}</ref>。 ** [[インドネシア]]の[[東ジャワ州]]マラン県カンジュルハンスタジアムでの試合後に暴動が発生。少なくとも125人が死亡した<ref>{{Cite news|title=サッカー場で暴動、125人死亡 試合後サポーター乱入―インドネシア|newspaper=時事通信|date=2022-10-02|url=https://web.archive.org/web/20221002010712/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022100200216&g=int}}</ref>。{{Main|カンジュルハン・スタジアムの悲劇}} * [[10月2日]] ** [[2022年ブラジル総選挙]]が大統領と副大統領、上院の3分の1、下院全体、および多数の州議会と州知事を選出するために行われた<ref name="dates">{{cite news|date=4 October 2021|title=Brasil terá eleições livres em 2022 e com instituições funcionando, diz Barroso|website=[[G1 (website)|G1]]|url=https://g1.globo.com/politica/noticia/2021/10/04/brasil-tera-eleicoes-livres-em-2022-e-com-instituicoes-funcionando-diz-barroso.ghtml}}</ref>。 ** {{仮リンク|2022年ブルガリア議会選挙|en|2022 Bulgarian parliamentary election}}が[[国民議会 (ブルガリア)|ブルガリア議会]]の40議席すべてを選出するために行われた<ref>{{Cite web |title=Радев насрочи изборите за Народно събрание |url=https://dariknews.bg/novini/bylgariia/radev-nasrochi-izborite-za-narodno-sybranie-2319641 |access-date=2022-09-08 |website=dariknews.bg |language=bg}}</ref>。 ** {{仮リンク|2022年ボスニア総選挙|en|2022 Bosnian general election}}が、3人の大統領と下院の42議席すべてを選出するために行われた<ref>{{Cite web |title=Voting begins in Bosnia election, little expected to change |url=https://apnews.com/article/russia-ukraine-elections-voting-general-d0337059c21f4371745751c980dc825a?utm_source=rss&utm_medium=rss&utm_campaign=voting-begins-in-bosnia-election-little-expected-to-change |access-date=2 October 2022 |work=[[Associated Press]]}}</ref>。 *[[10月3日]] - 日本の航空会社「[[AIRDO]]」と「[[ソラシドエア]]」が共同持株会社「[[リージョナルプラスウイングス|株式会社リージョナルプラスウイングス]]」を設立<ref>{{Cite web|和書|title=AIR DOとソラシドエア、共同持株会社「株式会社リージョナルプラスウイングス」設立 |url=https://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/1444495.html |website=トラベル Watch |date=2022-10-03 |access-date=2022-10-04 |language=ja |last=株式会社インプレス}}</ref>。 *[[10月4日]] - 日本政府は、北朝鮮から弾道ミサイル1発が発射されたと発表した<ref name=":0">{{Cite web|和書|title=北朝鮮ミサイル、飛距離最長4600キロ 日本上空通過 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA040E90U2A001C2000000/ |website=日本経済新聞 |date=2022-10-04 |access-date=2022-10-04 |language=ja}}</ref>。ミサイルは東北地方上空を通過して排他的経済水域(EEZ)外の太平洋に落下した{{R|:0}}。政府が[[全国瞬時警報システム]](Jアラート)を発令したのは5年ぶりであった<ref>{{Cite web|和書|title=岸田首相「暴挙を強く非難」 Jアラート5年ぶり発令 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA041W70U2A001C2000000/ |website=日本経済新聞 |date=2022-10-04 |access-date=2022-10-04 |language=ja}}</ref>。 *[[10月6日]] - [[タイ王国|タイ]]北東部[[ノーンブワラムプー県]]ウタイサワンナクランの児童施設で銃乱射事件が発生。36人死亡<ref>{{Cite news |和書 |title=タイの保育所で銃乱射 子ども24人を含む36人死亡 |newspaper=[[スプートニク (通信社)|Sputnik 日本]] |date=2022-10-6 |author= |url=https://sputniknews.jp/20221006/30-13227611.html |access-date=2023-08-12}}</ref>。{{Main|ノーンブワラムプー銃乱射事件}} * [[10月14日]] - トルコのバルトゥン県アマスラにある炭鉱で爆発が発生。41人が死亡、11人が負傷した<ref>{{Cite news |date=15 October 2022 |title=Turkey coal mine explosion kills 41, injures 11 |language=en-GB |work=BBC News |url=https://www.bbc.com/news/world-europe-63261746 |url-status=live |access-date=15 October 2022 |archive-url=https://web.archive.org/web/20221014232145/https://www.bbc.com/news/world-europe-63261746 |archive-date=14 October 2022}}</ref>。{{Main|アマスラ炭鉱爆発事故}} * [[10月16日]] - [[中国共産党第二十回全国代表大会]]が開かれ、新しい最高指導部が選ばれる。[[中華人民共和国主席|中国国家主席]]の任期制限が[[2018年]]に撤廃されているため、[[習近平]][[中国共産党中央委員会総書記|党総書記]]が3期目続投となった。 * [[10月20日]] - イギリスの[[リズ・トラス]]首相が辞意を表明。 * [[10月23日]] - [[中国共産党]]第20期[[中国共産党中央委員会|中央委員会]]第1回全体会議(1中全会)が開催され、[[中国共産党中央委員会総書記|党総書記]]([[中華人民共和国の最高指導者一覧|最高指導者]])に[[習近平]]が再選。その他、最高指導部の[[中国共産党中央政治局常務委員会|党政治局常務委員]]が選出<ref>{{Cite web |title=中共二十届一中全会公报-新华网 |url=http://www.news.cn/politics/cpc20/2022-10/23/c_1129075955.htm |website=www.news.cn |language=zh-cn |access-date=2022-10-23}}</ref>。 * [[10月25日]] - イギリスのリズ・トラス首相が辞任、[[リシ・スナク]]が首相に就任。 * [[10月27日]] - アメリカの実業家[[イーロン・マスク]]が[[Twitter (企業)|Twitter]]を買収<ref>{{Cite news|title=マスク氏、ツイッター買収完了 CEOなど解雇=関係者|newspaper=ロイター|date=2022-10-28|url=https://jp.reuters.com/article/twitter-musk-idJPKBN2RN03C|access-date=2022-11-11}}</ref>。{{Main|イーロン・マスクによるTwitterの買収}} * [[10月28日]] - アメリカの[[ナンシー・ペロシ]][[アメリカ合衆国下院|下院]]議長宅が襲撃され、夫の[[ポール・ペロシ]]が負傷<ref>{{Cite news|title=ペロシ米下院議長が標的か 夫への殺人未遂容疑で男を逮捕|newspaper=47NEWS|date=2022-10-29|url=https://www.47news.jp/8502715.html|access-date=2022-11-11|agency=共同通信|archive-date=2022-11-07|archive-url=https://web.archive.org/web/20221107061155/https://www.47news.jp/8502715.html}}</ref>。{{Main|ポール・ペロシ襲撃事件}} * [[10月29日]] **韓国・ソウルの[[梨泰院]]で群衆事故が発生。155人が死亡<ref name=":4">{{Cite web|和書|title=死者153人に 日本人が当時の様子を語る 韓国・ソウル梨泰院転倒事故 {{!}} TBS NEWS DIG (1ページ) |url=https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/191186 |website=TBS NEWS DIG |access-date=2022-10-30 |language=ja |date=2022-10-30}}</ref>。{{Main|ソウル梨泰院雑踏事故}} **[[ソマリア]]・[[モガディシュ]]で[[アル・シャバブ (ソマリア)|アル・シャバブ]]による爆弾テロが発生。100人が死亡、300人以上が負傷<ref>{{Cite news|title=ソマリアで自動車爆弾爆発、100人死亡 5年前と同じテロ現場|newspaper=時事ドットコム|date=2022-10-30|url=https://www.jiji.com/jc/article?k=2022103000338&g=int|access-date=2022-11-11|archive-url=https://web.archive.org/web/20221110082151/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022103000338&g=int|archive-date=2022-11-10|agency=AFP}}</ref>。 * [[10月30日]] - インド・[[グジャラート州]]モルビの吊橋が崩落する事故が発生。141人が死亡<ref>{{Cite news|title=インド西部でつり橋が崩落、141人死亡 補修工事の直後|newspaper=日本経済新聞|date=2022-10-31|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM310AS0R31C22A0000000/}}</ref>。 {{Main|2022年インド橋崩落事故}} * [[10月31日]] - [[中華人民共和国|中国]]が実験モジュール「[[中国宇宙ステーション#夢天|夢天]]」を打ち上げ、「[[中国宇宙ステーション]]」を完成させる<ref>[https://www.nishinippon.co.jp/item/n/962482/ 「宇宙強国」へ、中国の宇宙基地が秋にも完成 実験施設のドッキング成功] - 西日本新聞 (2022年7月26日) 、2022年9月29日閲覧。</ref>。 === 11月 === * [[11月1日]] - [[愛知県]][[長久手市]]の[[愛・地球博記念公園]]敷地内に[[スタジオジブリ]]の世界観を再現した「'''ジブリパーク'''」が開業。 * [[11月2日]] - [[エチオピア]]政府と[[ティグレ人民解放戦線]]が[[ティグレ紛争]]の停戦に合意<ref>{{Cite web |url=https://www.peaceau.org/en/article/cessation-of-hostilities-agreement-between-the-government-of-the-federal-democratic-republic-of-ethiopia-and-the-tigray-peoples-liberation-front-tplf |title=Cessation of Hostilities Agreement between the Government of the Federal Democratic Republic of Ethiopia and the Tigray Peoples’ Liberation Front (TPLF) |access-date=2023-01-14 |publisher=African Union |date=2022-11-02 |language=en}}</ref>。 * [[11月3日]] - [[パキスタン]]で[[イムラン・カーン]]前首相の暗殺未遂事件が発生。{{see|イムラン・カーン銃撃事件}} * [[11月6日]] - [[第27回気候変動枠組条約締約国会議]]が[[エジプト]]で[[11月19日|19日]]まで開催<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/11/428b0aa24630b84b.html|title=2022年のCOP27、エジプト開催が決定、途上国への気候変動対策援助を要請(2021年11月22日)|accessdate=2022年1月8日|publisher=日本貿易振興機構}}</ref>。 * [[11月11日]] - 仮想通貨取引所の[[FTX (企業)|FTX]]が[[連邦破産法11条]]の適応を申請し経営破綻した<ref>{{Cite news |title=仮想通貨業者FTXが経営破綻、“感染”という倒産ドミノは広がるか |newspaper=日経ビジネス |date=2022-11-18 |url=https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00511/111600004/ |access-date=2023-01-14}}</ref>。 * [[11月15日]] ** ウクライナが発射したミサイルが[[ポーランド]]東部の村に着弾し、2人が死亡<ref>{{Cite news|url=https://www.sankei.com/article/20230929-2KECXG3WSBP5RKFSWYQESDSQUA/ |title=ミサイルはウクライナから ポーランド着弾、検察確認 |newspaper=[[産経新聞]] |date=2023-09-23 |accessdate=2023-12-11}}</ref>。 ロシアがウクライナ侵攻を開始して以降、[[北大西洋条約機構|NATO]]の加盟国内で初めて死者が出た出来事となった<ref>{{Cite news|url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20221116-OYT1T50088/ |title=ポーランドがNATOに協議要請検討…ミサイル着弾で、バイデン氏「露から発射の可能性低い」 |newspaper=[[読売新聞]]オンライン |date=2022-11-16 |accessdate=2023-12-11}}</ref>。 ** [[インドネシア]]の[[バリ島]]で[[第17回20か国・地域首脳会合|第17回G20首脳会議]]が開幕。同月16日には首脳宣言を採択し閉幕<ref>{{Cite news|url=https://www.nhk.or.jp/politics/articles/lastweek/92064.html |title=G20サミット閉幕 合意優先の形で首脳宣言採択 対立や分断続く |newspaper=NHK 政治マガジン |date=2022-11-16 |accessdate=2023-12-11}}</ref>。 ** 第27回[[国際度量衡総会]](CGPM)が[[フランス]]・[[パリ]]で18日まで開催<ref>[https://www.bipm.org/en/cgpm-2022 27th meeting of the CGPM (2022)] - [[国際度量衡局|BIPM]]</ref>。決議案として新たに4つの[[SI接頭語]](10<sup>27</sup>: ロナ (ronna, 記号: R) 、10<sup>30</sup>: クエタ (quetta, 記号: Q) 、10<sup>-27</sup>: ロント (ronto, 記号: r) 、10<sup>-30</sup>: クエクト (quecto, 記号: q))が提出され、[[1991年]]以来31年ぶりに追加された<ref>{{Cite web|和書|author=[[臼田孝]]|url=https://gendai.media/articles/-/93180|title=ギガより大きい1クエタ、ナノより小さい1クエクトは何桁の数字? 今年、「新しい数え方」が登場します!|date=2022-03-16|publisher=[[ブルーバックス]]|accessdate=2022-08-14}}</ref><ref>{{Cite web|和書|author=臼田孝|url=https://gendai.media/articles/-/94100|title=今年登場する新しい数え方「クエタ」や「ロント」は誰がどう決めた? 候補が限定される厳しい命名条件とは?|date=2022-04-18|publisher=ブルーバックス|accessdate=2022-08-14}}</ref><ref>[https://www.nikkei.com/article/DGKKZO63384700S2A810C2MY1000/ 10の30乗、新呼称「クエタ」 単位飾る新語、データ増に対応](日本経済新聞 2022年8月14日、2022年9月23日閲覧)</ref>。 ** [[国際連合経済社会局|国連経済社会局]](UNDESA)人口部が本年[[7月11日]]に発表した「世界人口推計2022年版」によると、この日に[[世界人口]]が80億人に到達すると予測されている<ref name="tokyo.unfpa-wpp2022">[https://tokyo.unfpa.org/ja/news/wpp2022 世界人口は今年11月に80億人に:国連が「世界人口推計2022年版」を発表]([[国際連合人口基金|国連人口基金]]駐日事務所 2022年7月12日、2022年8月7日閲覧)</ref><ref>[https://www.afpbb.com/articles/-/3413985 世界人口、年内に80億人に 国連]([[フランス通信社|AFP]]BB News, 2022年7月11日、2022年8月7日閲覧)</ref>。 * [[11月17日]] - [[本田技研工業]]の高級スポーツカー「[[ホンダ・NSX|NSX(2代目)]]」が生産終了<ref>{{Cite news|title=NSX 生産終了、ハイブリッドスーパーカー6年の歴史に幕…最終版「タイプS」ラインオフ|newspaper=レスポンス|date=2022-11-17|url=https://response.jp/article/2022/11/17/364193.html|agency=株式会社イード|accessdate=2022-11-17}}</ref>。 * [[11月20日]] - [[12月18日]] - [[2022 FIFAワールドカップ]] [[カタール]]大会開催。[[中東]]では初開催となり、また冬季開催も初である<ref name="mainichi20220926">[https://mainichi.jp/articles/20220925/k00/00m/050/072000c football life:酷暑避け、異例の11月開幕のW杯 スポーツ界も覆う気候変動] - 毎日新聞 (2022年9月26日) 、2022年9月29日閲覧。</ref>。 *[[11月21日]] - [[インドネシア]][[西ジャワ州]]でM5.6の地震が発生<ref>{{Cite news2|url=https://jp.reuters.com/article/indonesia-quake-idJPKBN2SB175/ |title=インドネシアでM5.6の地震、160人超死亡 夜を徹した救助活動続く |newspaper=ロイター |agency=[[ロイター]] |date=2022-11-22 |accessdate=2023-12-11}}</ref>。少なくとも321人以上が死亡<ref>{{Cite news2|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3440727?act=all |title=インドネシア地震、死者321人に |newspaper=AFP BB NEWS |agency=[[フランス通信社]] |date=2022-11-28 |accessdate=2023-12-11}}</ref>。{{main|ジャワ島西部地震 (2022年)}} * [[11月28日]] - [[世界保健機関]]がサル痘の英語名称を「[[エムポックス|mpox]]」に改めるとの声明を発表<!--要らなそうなら7月23日の [[エムポックス|サル痘]] に、 {{Efn2|[[11月28日]]にWHOが英語名称を「mpox」に改めるとの声明を発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3440871|title=サル痘を「エム痘」に WHO、名称変更へ|accessdate=2023-09-15|date=2022-11-28|website=[[AFP通信]]}}</ref>}} 、とか書いて注釈に使ってください--><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3440871|title=サル痘を「エム痘」に WHO、名称変更へ|accessdate=2023-09-15|date=2022-11-28|website=[[AFP通信]]}}</ref>。 === 12月 === * [[12月7日]] **[[ペルー]]の[[ペドロ・カスティジョ]][[ペルーの大統領の一覧|大統領]]が{{仮リンク|2022年ペルー自主クーデター未遂事件|en|2022 Peruvian self-coup attempt|label=自主クーデター}}に失敗し[[ペルーの国会|議会]]から罷免される。同日には現職副大統領の[[ディナ・ボルアルテ]]を大統領とする新政権が樹立された<ref>{{Cite news |title=ペルー議会、カスティジョ氏罷免 副大統領が初の女性大統領に就任 |newspaper=ロイター |date=2022-12-08 |url=https://jp.reuters.com/article/peru-politics-castillo-idJPKBN2SR1ZK |access-date=2023-01-14}}</ref>。 **[[ドイツ]]の極右活動家ら25人が政権転覆を企てたとして逮捕された<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.bbc.com/japanese/63884601 |title=ドイツ、クーデター計画容疑で25人逮捕 議事堂襲撃を画策と |access-date=2023-01-14 |publisher=BBC}}</ref>。{{See Also|2022年ドイツクーデター未遂事件}} ** [[中国]]が[[新型コロナウイルス感染症 (2019年)|新型コロナウイルス感染症]]対策の大幅緩和を発表<ref>{{Cite news2|url=https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00109/00052/ |title=ゼロコロナ政策大転換の北京で起きていたこと |newspaper=日経ビジネス |agency=[[日本経済新聞社]] |date=2023-01-11 |accessdate=2023-12-11}}</ref>。 * [[12月11日]] - [[アルテミス計画]]を見据えた[[アメリカ航空宇宙局|NASA]]の月試料収集プロジェクトに参加する日本の宇宙ベンチャー[[ispace]]が、民間初となる[[月探査|月面探査]]プログラム「[[HAKUTO]]-R」の最初のミッションで、[[月面着陸]]船により[[月]]の表土サンプルを収集する計画<ref name="techcrunch20201204">{{Cite web|和書|url=https://techcrunchjapan.com/2020/12/04/2020-12-03-nasa-selects-four-companies-for-moon-material-collection-as-it-seeks-to-set-precedent-on-private-sector-outer-space-mining/|title=NASAが月試料収集プロジェクトに日本のiSpaceなど4社を選抜、宇宙鉱業のパイオニア育成を目指す|website=[[TechCrunch]] Japan|date=2020-12-04|accessdate=2020-12-05}}</ref>{{Efn2|本年はispace Japan〈東京本社〉が最初のミッション(月面着陸ミッション)を実施予定、さらに2024年にはispace Europe〈[[ルクセンブルク]]〉も参加して2回目のミッション(月面探査ミッション)を実施予定{{R|techcrunch20201204}}<ref>[https://response.jp/article/2022/01/26/353588.html 月着陸船と月面車を開発、民間プログラム『HAKUTO-R』の進捗は順調](レスポンス 2022年1月26日)</ref>。}}。 *[[12月13日]] - アメリカで[[同性婚]]の権利保護法が成立<ref>{{Cite news|url=https://www.bbc.com/japanese/63912616.amp |title=米で同性婚を法制化、「結婚尊重法案」が可決 バイデン大統領が署名へ|newspaper=[[BBC ニュース]] |date=2022-12-14 |accessdate=2023-07-12}}</ref>。 * [[12月19日]] - [[オランダ]]の首相[[マルク・ルッテ]]が演説の中で、16世紀から17世紀にかけて植民地で運用した奴隷制について、「人道に対する罪」であったと述べ、公式に謝罪した<ref>{{Cite news|和書 |title=オランダ首相、250年間の奴隷制を公式謝罪 |newspaper=AFPBB NEWS |date=2022-12-20 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3444018 |access-date=2023-01-19 |archive-url=https://web.archive.org/web/20221229072651/https://www.afpbb.com/articles/-/3444018 |archive-date=2022-12-29}}</ref>。 * [[12月31日]] - 前[[教皇|ローマ教皇]]の[[ベネディクト16世 (ローマ教皇)|ベネディクト16世]]がバチカンの修道院で死去<ref>{{Cite news2|url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20221231-OYT1T50097/ |title=前ローマ教皇ベネディクト16世が死去、95歳…13年に600年ぶり存命中退位 |newspaper=読売新聞オンライン |agency=[[読売新聞社]] |date=2022-12-31 |accessdate=2023-12-11}}</ref>。 == 周年 == {{notice|周年であること自体に特筆性のある項目(元のトピックの特筆性ではありません)のみ記述してください}} * [[ユーロ硬貨]]及び[[ユーロ紙幣]]の流通開始から20年(1月)。 * [[マルグレーテ2世 (デンマーク女王)|マルグレーテ2世]][[デンマーク君主一覧|女王]]([[デンマーク]])即位から50年(1月)。 * [[エジプト]]独立から100年(2月)。 * [[江崎グリコ]]設立から100年(2月)。 * [[エリザベス2世]] [[イギリスの君主|女王]] ([[英連邦王国|イギリス連邦王国]])即位から70年(2月)。 * [[ダーウィン空襲]]から80年(2月)。 * [[ニクソン大統領の中国訪問]]から50年(2月)。 * [[アメリカ合衆国]]初の[[マーキュリー・アトラス6号|有人地球周回飛行]]から60年(2月)。 * [[Xbox (ゲーム機)|Xbox]]の発売から20年(2月)。 * [[満洲国]]成立から90年(3月)。 * [[Nintendo Switch]]の発売開始から5年(3月)。 * [[東海道新幹線]]における「[[のぞみ (列車)|のぞみ]]」の運行開始から30年(3月)。 * [[ヨシフ・スターリン]]の[[ソビエト連邦共産党書記長|ロシア共産党書記長]]選出から100年(4月)。 * [[ボーイスカウト日本連盟]]創立から100年(4月)。 * [[川端康成]]死去から50年(4月)。 * [[フォークランド紛争]]から40年(4月)<ref>[https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220403/k10013565031000.html フォークランド紛争40年 アルゼンチン 英に対話通じ返還求める][[NHKニュース]] 2022年4月3日配信 2022年4月3日閲覧</ref>。 * [[沖縄返還]]から50年(5月)。 * [[長谷川町子]]死去から30年(5月)。 * Mr.Childrenデビューから30年(5月)。 * [[アイルランド内戦]]から100年(6月)。 * [[東北新幹線]]開業([[大宮駅 (埼玉県)|大宮]] - [[盛岡駅|盛岡]]間)から40年(6月)。 * [[ムハンマド・イブン=アブドゥッラーフ|ムハンマド]]による[[ヒジュラ]](聖遷)から1400年(7月)。 * [[1952年ヘルシンキオリンピック|ヘルシンキオリンピック]]開幕から70年(7月)。 * [[ルックイースト政策]]誕生から40年(7月)<ref>{{cite news|url=https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4400688.html| title=【独自】安倍元首相を特使でマレーシア派遣調整 “安倍派”も誕生へ|newspaper=[[TBS NEWS (ニュースサイト)|TBS NEWS]]|date=2021-11-8|access-date=2023-01-03|archive-url=https://archive.is/8ogmX|archivedate=2021-11-9}}</ref>。 * [[山形新幹線]]開業30周年(7月)。 * [[日本共産党]]設立から100年(7月)。 * [[名古屋市交通局|名古屋市営交通]]開業から100年 (8月) 。 * [[1972年ミュンヘンオリンピック|ミュンヘンオリンピック]]開幕から50年(8月)。 ** [[ミュンヘンオリンピック事件]]から50年(9月)。 * [[マゼラン艦隊の世界周航の年譜|マゼラン艦隊]]が史上初の[[世界一周]]を成し遂げてから500年(9月)。 * [[日中国交正常化]]から50年(9月)<ref>{{cite news|url=https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/amp/000235370.html|title=日中国交正常化50周年閲覧どうなる?|newspaper=[[ANNニュース|テレ朝ニュース]]|date=2021-11-17|access-date=2023-01-03|archive-url=https://web.archive.org/web/20220701084719/https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/amp/000235370.html|archive-date=2021-11-17}}</ref>。 * [[キューバ危機]]から60年(10月)。 * [[ベニート・ムッソリーニ|べニート・ムッソリーニ]]の[[イタリアの首相|イタリア首相]]就任から100年(10月)。 * 日本の[[日本の鉄道史|鉄道]]開業から150年(10月)。 * [[スーパーマリオギャラクシー]]発売15周年。 * [[スルタン制]]廃止から100年(11月)。 * [[ツタンカーメン]]王墓発見から100年(11月)。 * [[Wii U]]の発売から10年(12月)。 * [[アポロ17号]]の打ち上げから50年(12月)。 * [[ソビエト連邦]]成立から100年(12月)。 == 政治 == {{see also|2022年の政治}} * 当年実施見込みの各国元首等の選挙(【】内は任期満了日){{See also|2022年の選挙|en:List of elections in 2022}} == 経済 == {{see also|2022年の経済}} == 芸術・文化・ファッション == === 音楽 === {{Main|2022年の音楽}} {{節スタブ}} === 映画 === {{See also|2022年の映画}} * [[4月8日]] - [[セガ]]の[[コンピュータゲーム]]「[[ソニックシリーズ]]」の実写映画『[[ソニック・ザ・ムービー]]』の続編で、第2作目となる『[[ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ]]』(監督:[[ジェフ・ファウラー]])がアメリカなどで公開<ref>[https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000004441.000005397.html 『ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ』映画史を超高速スピードで塗り替え、自ら打ち立てた“ゲーム原作映画最高記録”を華麗に更新!ぶっちぎりのランキングNo.1!全米大ヒットスタート!](株式会社セガ〈[[PR TIMES]]〉 2022年4月11日)</ref>。 * [[5月27日]] - <!--2019年の公開予定から延期となっていた-->[[トップガン (映画)|トップガン]]の続編『[[トップガン マーヴェリック]]』(監督:[[ジョセフ・コシンスキー]])が日米同時公開<ref name="eogacom20210903">{{Cite web|和書|url=https://eiga.com/news/20210903/9/|title=「トップガン マーヴェリック」「ミッション:インポッシブル7」の米公開が再延期|work=映画.com|date=2021-09-03|accessdate=2021-09-04}}</ref>。[[新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)|新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行]]の影響で2020年の公開(アメリカで当初[[6月26日]]先行<ref>{{Cite news|url=https://theriver.jp/topgun2-delayed/|title=トム・クルーズ主演『トップガン2』米国公開日、2020年夏に約1年延期 ― 「複雑なフライト・シーン」撮影のため|newspaper=THE RIVER|accessdate=2018-09-26|date=2018-08-30}}</ref>→のちに[[12月23日]]先行<ref>{{Cite web|和書|url=https://natalie.mu/eiga/news/374029|title=「トップガン マーヴェリック」国内も公開延期、トム・クルーズはSNSでコメント|work=映画ナタリー|date=2020-05-13|accessdate=2020-05-13}}</ref>)から延期され、さらに前年<!--2021年-->の公開(同じく[[7月2日]]先行<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.cnn.co.jp/showbiz/35157271.html|title=「トップガン マーヴェリック」、来年7月に公開延期|publisher=CNN|date=2020-07-27|accessdate=2020-07-28}}</ref>のちに[[11月19日]]に日米同時公開)からも延期された{{R|eogacom20210903}}。 * [[6月10日]] - [[ジュラシック・パーク]]シリーズの最新作で「[[ジュラシック・ワールド]]」3部作の最終作となる『[[ジュラシック・ワールド/新たなる支配者]]』(監督:[[コリン・トレヴォロウ]])がアメリカなどで公開(日本での公開は[[7月29日]])。当初は2021年6月11日の公開を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の流行を受け、公開の1年延期が2020年10月に明かされた<ref>{{Cite web|和書|author=SAWADY |title=『ジュラシック・ワールド』第3作が丸1年延期、2022年6月米公開に |date=2020-10-07 |accessdate=2022-01-01 |website=The River |publisher=riverch|url=https://theriver.jp/jw3-delayed-202206/}}</ref>。 === ゲーム === * [[1月28日]] - [[ポケットモンスター#ゲーム『ポケットモンスター』シリーズ|<!--ゲーム-->『ポケットモンスター』シリーズ]]の最新作『[[Pokémon LEGENDS アルセウス]]』([[Nintendo Switch]])が[[ポケモン (企業)|株式会社ポケモン]]から発売された。 * [[9月9日]] - 『[[スプラトゥーン]]』シリーズの最新作となる、『[[スプラトゥーン3]]』(Nintendo Switch)が[[任天堂]]から発売された<ref>{{Cite web|和書|title=『スプラトゥーン3』がついに発売! 5年振りとなるシリーズ新作の概要や新要素などを改めて紹介|url=https://www.famitsu.com/news/202209/09275185.html |website=ファミ通.com |date=2022-09-09 |access-date=2022-09-12 |language=ja}}</ref>。 * [[11月18日]] - <!--ゲーム-->『ポケットモンスター』シリーズの最新作『[[ポケットモンスター スカーレット・バイオレット]]』(Nintendo Switch)が株式会社ポケモンから発売された。 == スポーツ == {{seealso|2022年のスポーツ}} * [[11月20日]] - [[12月18日]] - [[2022 FIFAワールドカップ]] [[カタール]]大会開催([[中東]]初開催){{R|mainichi20220926}}。 == 誕生 == == 死去 == {{See|訃報 2022年}} == ノーベル賞 == {{see also|ノーベル賞受賞者の一覧}} * [[ノーベル物理学賞|物理学賞]]:[[アラン・アスペ]]、[[アントン・ツァイリンガー]]、[[ジョン・クラウザー]] * [[ノーベル化学賞|化学賞]]:[[キャロライン・ベルトッツィ]]、[[モーテン・P・メルダル]]、[[バリー・シャープレス]] * [[ノーベル生理学・医学賞|生理学・医学賞]]:[[スバンテ・ペーボ]] * [[ノーベル文学賞|文学賞]]:[[アニー・エルノー]] * [[ノーベル平和賞|平和賞]]:[[アレシ・ビャリャツキ]]、[[メモリアル (人権団体)|メモリアル]]、[[市民自由センター]] * [[ノーベル経済学賞|経済学賞]]:[[ベン・バーナンキ]]、[[ダグラス・W・ダイアモンド]]、[[フィリップ・ディビッグ]] == フィクションのできごと == {{フィクションの出典明記|section=1|ソートキー=年2022|date=2011年7月}} * 1月 - 2月 - [[2021年|前年]]に地球軌道上から発進した国連宇宙防衛軍(UNSDF)の[[宇宙戦艦]]UNSS「ファランクス」が[[水星]]近傍に到達。異星人「リング・ビルダー」の[[ナノマシン]]が水星に築いたリングの探査を行うが、その過程で機関士マーク・リドゥリーがナノマシンに侵食され死亡する。(小説『[[野尻抱介#単発作品|太陽の簒奪者]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 野尻抱介|authorlink=野尻抱介 |title = 太陽の簒奪者 |publisher = [[早川書房]] |year = 2005 |pages = 53-83 |isbn = 978-4-15-030787-5}}</ref> * [[3月3日]] - [[別府市|ベップ]]から[[ハワイ諸島|ハワイ]]へと向かう漁船の船上で、少女イシダ・リョーコが[[念力|テレキネシス]]を用いた[[クジラ]]からの初のコミュニケートを受ける。(小説『[[スターシップと俳句]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= ソムトウ・スチャリトクル|authorlink=ソムトウ・スチャリトカル |title = スターシップと俳句 |publisher = 早川書房 |year = 1984 |pages = 19-26 |isbn = 978-4-15-010580-8}}</ref> * [[7月15日]] - 16:00 タスクフォース141所属のサイモン“ゴースト”ライリーは[[中央情報局|CIA]]のラズウェル、タスクフォース指揮官のシェパード将軍の命令の元、アメリカの[[民間軍事会社]]『シャドウ・カンパニー』と共に中東のアル・マズラで作戦を行う。そしてゴーストはロシア人と取引を交わすイランのVIP、[[ゴドス軍|クドス部隊]]のゴーブラニ将軍を発見。シェパードはシャドウにミサイル攻撃による排除を命令する。(ゲーム『[[コール オブ デューティ モダン・ウォーフェアII|コール オブ デューティー モダン・ウォーフェアⅡ]]』) * [[10月31日]]{{要出典|date=2019年3月}} - [[株式会社]]アーガスから世界初の[[バーチャル・リアリティ|VR]][[MMORPG]]『[[ソードアート・オンライン#ソードアート・オンライン|ソードアート・オンライン]]』が発売される。(小説・アニメ『[[ソードアート・オンライン]]』「アインクラッド」)<ref name="SAO">{{Cite book |和書 |author= 川原礫|authorlink=川原礫 |title = ソードアート・オンライン1 アインクラッド |publisher = [[アスキー・メディアワークス]] |year = 2009 |pages = 25-50 |isbn = 978-4-04-867760-8}}</ref> * [[11月6日]] - 『ソードアート・オンライン』正式サービス開始。その後、プレイヤー全員がログアウト不能に陥る。(小説・アニメ『ソードアート・オンライン』「アインクラッド」){{R|SAO}} * パンゲア・コンソーシアム主導で建造された[[ファーストコンタクト|コンタクト]]用の宇宙船「地球の誇り」が、地球から約1.5[[光年]]の箇所で[[地球外知的生命体|地球外知性体]]「送信者」の宇宙船と接触する。(小説『{{仮リンク|アースライズ|en|The Trigon Disunity}}』)<ref>{{Cite book |和書 |author= マイクル・P・キュービー=マクダウエル|authorlink=マイクル・P・キュービー=マクダウエル |title = アースライズ 下 |publisher = [[東京創元社]] |year = 1991 |pages = 240-308 |isbn = 978-4-488-70102-4}}</ref> * 有人[[宇宙船]]「新アポロ4号」が、[[アポロ17号]]から50年ぶりとなる月面着陸を果たす。(ゲーム『[[アインハンダー]]』) * 「位相差空間ゲート事件」。月面で共鳴テスト中だった位相差空間ゲートに事故が発生。大量の月の破片が地球へ降り注ぎ、地球は死の星と化してしまう。(アニメ『[[カウボーイビバップ]]』)<ref>『COWBOY BEBOP GUIDE STARTING BOOK』 [[学習研究社]]、1998年、32・33頁。[[アニメディア]]'98年11月号第2付録。</ref> * 核戦争で汚染され生物が絶滅した地上に、未知の生命体「シーダ」が発生。寄生した死体を復活させつつ、人類の生き残りが建設した地底都市に入り込もうとするシーダに対し、[[地球防衛軍]]は特殊部隊「ゼロ・シーダ」を組織して対抗する。(玩具『[[攻速機動ゼロシーダ]]』)<ref>「攻速機動ゼロシーダII シード・ゴライオス」パッケージ [[ヒーロー (玩具メーカー)|ヒーロー]]。</ref> * シュトルムツェンダー シュピーゲルHP-022、アオイ 凰牙AN-21、スゴウ νアスラーダAKF-0/G、スゴウ ガーランドSF-03/Gがデビュー。(アニメ・小説『[[新世紀GPXサイバーフォーミュラ]]』) * [[地球帝国#地球帝国宇宙軍|地球帝国宇宙軍]]の第4世代型[[宇宙戦艦]]「[[ヱクセリヲン]]」が進宙。対[[宇宙怪獣#トップをねらえシリーズ|宇宙怪獣]]のためにヱクセリヲン艦隊を率いて太陽系外への航海へと出港したのち、銀河系[[ペルセウス腕]]第8肢・リーフ64宙域にて宇宙怪獣と接触・交戦する。(アニメ『[[トップをねらえ!]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author = |title = トップをねらえ大全! |publisher = [[バンダイビジュアル]] |year = 2012 |pages = 28,138 |isbn = 978-4-04-899247-3}}</ref> * 異星文明「プライマー」の宇宙船団が地球に襲来。プライマーの攻撃に対し、全地球防衛機構軍「[[地球防衛軍|EDF]]」が立ち向かう。(ゲーム『[[地球防衛軍5]]』)<ref>[https://www.d3p.co.jp/edf5/story/ STORY ストーリー] - 『地球防衛軍5』公式サイト。2016年12月26日閲覧。</ref> * [[光孝海山]]山頂で待機していた星間文明の探査用端末「あーやきゅあ」が、[[ボーカロイド]]を用いた「潜水艦による鯨行動の対話的・能動的観察プロジェクト」を行っていた[[海洋研究開発機構|JAMSTEC]]の[[おやしお型潜水艦|潜水艦]]「かざしお」と接触。その後、日本に上陸したあーやきゅあ移動体がコンビニ配送ネットワークを介して日本全国、さらには全世界へと拡散する。(小説『[[野尻抱介#単発作品|南極点のピアピア動画]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author = 野尻抱介 |title = 南極点のピアピア動画 |publisher = 早川書房 |year = 2012 |pages = 140-143,148-152,186-304,318 |isbn = 978-4-15-031058-5}}</ref><ref>{{Cite book |和書 |title = Make: Technology on Your Time Volume 05 |publisher = [[オライリー・ジャパン]] |year = 2008 |page = 186 |isbn = 978-4-87311-379-1}}</ref> * [[フランス]]で、イスラーム同胞党のモアメド・ベン・アッベスが[[国民連合 (フランス)|国民戦線]]の[[マリーヌ・ル・ペン]]を破って[[共和国大統領 (フランス)|フランス大統領]]に選出され、フランスを[[イスラム国家]]化する。(小説『{{仮リンク|服従 (小説)|label=服従|en|Submission (novel)}}』)<ref>{{Cite book |和書 |author= ミシェル・ウエルベック|authorlink=ミシェル・ウエルベック |title = 服従 |publisher = [[河出書房新社]] |year = 2015 |pages = 46-48,109,110,155-157,191-196,292 |isbn = 978-4-309-20678-3}}</ref> * 六ヶ国会議によって北極条約が締結され、国際的な月面開発が始まる。(ゲーム『[[メビウスリンク]]』) * 仮面ライダーシノビ、仮面ライダーハッタリが登場(特撮テレビ番組『[[仮面ライダージオウ]]』) == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} === 注釈 === {{Notelist2}} === 出典 === {{Reflist|20em}} == 関連項目 == {{Commonscat|2022}} * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{デフォルトソート:2022ねん}} [[Category:2022年|*]]
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2043年
2043年(2043 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、木曜日から始まる平年。この項目では、国際的な視点に基づいた2043年について記載する。
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2043年は、西暦(グレゴリオ暦)による、木曜日から始まる平年。この項目では、国際的な視点に基づいた2043年について記載する。
{{年代ナビ|2043}} {{year-definition|2043}}この項目では、国際的な視点に基づいた2043年について記載する。 == 他の紀年法 == * [[干支]]:[[癸亥]](みずのと い) * 日本(月日は一致) ** [[令和]]25年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2703年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4376年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]132年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]132年 * [[仏滅紀元]]:2585年閏9月5日 - 2586年10月1日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1465年1月19日 - 1466年1月29日 * [[ユダヤ暦]]:5803年4月19日 - 5804年3月29日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:2303683200 - 2335219199 * [[修正ユリウス日]](MJD):67250 - 67614 * [[リリウス日]](LD):168091 - 168455 == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2043}} == 予定・予測 == * [[中国]]の[[高齢者]]人口が4億人を超える。 * 10月1日時点での日本の総人口が1億人を割る([[2002年]]における[[国立社会保障・人口問題研究所]]の低位推計)。 * [[ゴールドマン・サックス]]の予測によると、[[インドの経済]]が[[アメリカ合衆国の経済]]をその規模で追い越す<ref>{{cite news |first=Kishore |last=Mahbubani |authorlink= |coauthors= |title=Ringing in the Asian century |url=http://www.latimes.com/news/opinion/la-oe-mahbubani19feb19,0,3351677.story |work=Los Angeles Times |publisher= |date=2008-02-19 |accessdate= }}</ref>。 * [[2月13日]]と[[3月13日]]は2ヶ月連続で[[13日の金曜日]]かつ[[六曜#仏滅|仏滅]]となり、さらに2月13日は[[三隣亡]]も重なる<ref>[http://koyomi.vis.ne.jp/sub/rekicyuu.htm?20430228 暦注計算(2043年2月)] - [http://koyomi8.com/ こよみのページ]</ref>。 * いわゆる「[[亥年選挙]]」の年である。 == フィクションのできごと == {{フィクションの出典明記|section=1|ソートキー=年2043|date=2011年7月}} * 1月 - 日本の冬陽市にある異世界「エステリア」に通じる「ゲート」で重大な事故が発生。人間界「アステリア」に渡航予定だったエステリア外交官のフォルゼン・クラウス氏を始めとする一行が一時安否不明となる。(ゲーム『[[メモリア (ゲーム)|メモリア]]』アリサルート) * 1月 - 一時的に失踪していた冬陽学園の二年生の男子生徒(桜坂孝一)が突然帰還。翌日に同学園にアステリアからの留学生の姉妹(姉の香奈美・レインズと妹の真奈実・レインズ)が転入。入れ違いに前年の12月にエステリアから転入して来た転校生(ハルナ・エレンディル)がアステリアを去り、エステリアに帰還する。(ゲーム『[[メモリア (ゲーム)|メモリア]]』香奈美ルート) * 7月 - バイオ思考体を有する各国共同の[[恒星船|恒星間]][[宇宙探査機|無人探査機]]「AXIS」が、[[ケンタウルス座アルファ星#ケンタウルス座α星B|アルファ・ケンタウリB]]の[[地球型惑星]]「B2」に接近。AXISの探査体がB2にて[[植物|植物生命]]および複数の環状塔群を発見する。(小説『{{仮リンク|女王天使|en|Queen of Angels (novel)}}』)<ref>{{Cite book |和書 |author= グレッグ・ベア|authorlink=グレッグ・ベア |title = 女王天使〔上〕 |publisher = [[早川書房]] |year = 1997 |pages = 38-46,163-168,237,238,318 |isbn = 978-4-15-011176-2}}</ref> * ジム・クライアント博士をプロジェクトリーダーとして、宇宙空間機動計画に基づく空間汎用作業艇の機体開発を目的とした「RX-プロジェクト」が始動。後のR戦闘機開発に繋がる。(ゲーム『[[R-TYPE]]』シリーズ)<ref>[https://web.archive.org/web/20070315043230/http://www.irem.co.jp/official/r/j/history/index.html R-TYPEの世界の歴史] - [[アイレムソフトウェアエンジニアリング]]公式サイト([[インターネットアーカイブ]])、2016年6月19日閲覧。</ref><ref>{{Cite book |和書 |author = |title = DRAGONFLY 1'ST OPTION R-TYPE ILLEGAL MISSION |publisher = [[アピエス|IREM]] |year = 1991 |pages = 5,6 |isbn = }}</ref> * アメリカの宇宙船USS「スター・ボイジャー」が、太陽系近傍にある[[ブラックホール]]内部への突入による[[平行世界|別の宇宙]]への到達を目指して、[[地球周回軌道]]上から無人で発進する。(小説『[[スフィア 球体|スフィア ―球体―]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= マイケル・クライトン|authorlink=マイケル・クライトン |title = スフィア ―球体―〔上〕 |publisher = 早川書房 |year = 1993 |pages = 136-142,149-157,173-181,236-238 |isbn = 978-4-15-040686-8}}</ref> * 周防美来が橘絵理沙の[[クローン]]として作成され、成長促進器と高速学習装置による調整を経て、UW日本支部の一員として勤務を開始する。(漫画『[[終末のハーレム]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author1=LINK(原作)|author2=宵野コタロー(作画)|authorlink2=宵野コタロー |year = 2016 |title = 終末のハーレム 2 |page = 25 |publisher = 集英社 |isbn=978-4-08-880842-0 }}</ref><ref>{{Cite book |和書 |author1=LINK(原作)|author2=宵野コタロー(作画)|authorlink2=宵野コタロー |year = 2020 |title = 終末のハーレム 11 |pages = 138-157 |publisher = 集英社 |isbn=978-4-08-882304-1 }}</ref> == 脚注 == '''注釈''' {{Reflist|group="注"}} '''出典''' {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} <!-- == 参考文献 == --> == 関連項目 == * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{デフォルトソート:2043ねん}} [[Category:2043年|*]]
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2044年
2044年(2044 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、金曜日から始まる閏年。この項目では、国際的な視点に基づいた2044年について記載する。
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2044年は、西暦(グレゴリオ暦)による、金曜日から始まる閏年。この項目では、国際的な視点に基づいた2044年について記載する。
{{年代ナビ|2044}} {{year-definition|2044}}この項目では、国際的な視点に基づいた2044年について記載する。 == 他の紀年法 == * [[干支]]:[[甲子]](きのえ ね) * [[日本]](月日は一致) ** [[令和]]26年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2704年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4377年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]133年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]133年 * [[仏滅紀元]]:2586年10月2日 - 2587年10月13日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1466年1月30日 - 1467年2月10日 * [[ユダヤ暦]]:5804年4月1日 - 5805年4月11日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:2335219200 - 2366841599 * [[修正ユリウス日]](MJD):67615 - 67980 * [[リリウス日]](LD):168456 - 168821 == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2044}} == できごと == == 予定 == * 5月 - [[2003年]]にウクライナから宇宙へ向け発信されたメッセージ「{{仮リンク|コズミック・コール2|en|Cosmic Call}}」が[[かに座55番星]]に到達<ref>{{cite web|url=http://www.cplire.ru/rus/ra&sr/VAK-2004.html |title=Передача и поиски разумных сигналов во Вселенной |publisher=Cplire.ru |date= |accessdate=2008-09-14}}</ref>。 * 5月 - [[令和]]生まれの人が衆議院議員、市町村長、地方議会議員に立候補することが可能になる([[2020年]]現在の[[公職選挙法]]による)。 * 7月31日 - [[メキシコ]]と[[フランス]]で[[アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ|サン=テグジュペリ]]の'''『[[星の王子さま]]』'''の[[著作権]]保護期間が満了する。 == イベント == == 経済 == == 芸術・文化・ファッション == == 誕生 == == 没年 == == ノーベル賞 == == フィクションのできごと == * [[2月16日]] - 異星の知的生命発見に基づき、[[2032年]]に採択された「人類が全銀河で至高の存在たるべきことは“人類の明白なる運命”である」という旨の決議が、地球連邦政府議会によって再上程され、同月[[2月18日|18日]]に追認される。(小説『{{仮リンク|わが友なる敵|en|Enemy Mine (novella)}}』)<ref>{{Cite book |和書 |author= バリー・ロングイヤー|authorlink=:en:Barry B. Longyear |title = わが友なる敵 |publisher = [[講談社]] |year = 1986 |pages = 7-9 |isbn = 978-4-06-183771-3}}</ref> * [[8月13日]] - リチャード・オズモンドが月面の旅客機の中で目覚める。(ゲーム『[[エコーナイト#ネビュラ_-エコーナイト-|ネビュラ -エコーナイト-]]』) * 太陽系外縁部の探査に向かった[[宇宙船]]「オデッセウス号」が、太陽系近傍にペンローズ[[ツイスター理論|ツイスター]]ホールと思しき[[重力の特異点|重力特異点]]を発見。オデッセウス号は無理に進路を変更して重力特異点の探査に向かうも遭難し、ユーリ・レオノフら搭乗していた宇宙飛行士たちは全員未帰還となる。(アニメ『[[アルジェントソーマ]]』) * 元リュウレンジャー・亮(74歳)、元シシレンジャー・大五(74歳)、元テンマレンジャー・将児(69歳)、元キリンレンジャー・知(70歳)、元ホウオウレンジャー・リン(68歳)の5名、50年ぶりに再会して同窓会を開くが、そこへ新ゴーマ怪人(紐男爵もどき)が現れる。そこへ彼らの孫5名が「新ダイレンジャー」として立ち塞がる。(特撮テレビ番組『[[五星戦隊ダイレンジャー]]』最終回「行くぞォォッ」) == 脚注 == '''注釈''' {{Reflist|group="注"}} '''出典''' {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} <!-- == 参考文献 == --> == 関連項目 == * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{デフォルトソート:2044ねん}} [[Category:2044年|*]]
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2045年
2045年(2045 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、日曜日から始まる平年。この項目では、国際的な視点に基づいた2045年について記載する。
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2045年は、西暦(グレゴリオ暦)による、日曜日から始まる平年。この項目では、国際的な視点に基づいた2045年について記載する。
{{年代ナビ|2045}} {{year-definition|2045}}この項目では、国際的な視点に基づいた2045年について記載する。 == 他の紀年法 == * [[干支]]:[[乙丑]](きのと うし) * [[日本]](月日は一致) ** [[令和]]27年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2705年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4378年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]134年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]134年 * [[仏滅紀元]]:2587年10月14日 - 2588年閏9月8日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1467年2月11日 - 1468年2月21日 * [[ユダヤ暦]]:5805年4月12日 - 5806年4月22日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:2366841600 - 2398377599 * [[修正ユリウス日]](MJD):67981 - 68345 * [[リリウス日]](LD):168822 - 169186 == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2045}} == 予定 == === 1月 === === 2月 === === 3月 === === 4月 === === 5月 === === 6月 === === 7月 === === 8月 === === 9月 === === 10月 === === 11月 === === 12月 === === 時期が未定または不明な出来事 === * [[アメリカ軍|米軍]]が[[B-52 (航空機)|B-52]]の運用を終了予定。 * [[レイ・カーツワイル]] (2005年) によると、このころ$1,000で手に入るコンピュータの性能がおよそ10ペタ[[FLOPS]]=一般的な人間の脳の100億倍にもなり、人間の脳の仕組みのソフトウェア化が完了していれば、一般人でも容易に人間の脳を超える高度な[[人工知能|知能]]の働きを利用することが出来るようになり、'''[[技術的特異点|技術的特異点(シンギュラリティ)]]'''に至る知能の土台が築かれるとしている(2045年問題)。 * [[東京]]の飽和状態を緩和するため、[[東京湾]]上に「ネクスト東京」と呼ばれる都市や全長1,700mを越す[[スカイマイルタワー]]を建設しようという動きがある(「Next Tokyo 2045」)<ref>{{Cite web|url=https://www.architectmagazine.com/project-gallery/next-tokyo-2045_o|title=Next Tokyo 2045|accessdate=2018-09-23|date=2016-02-14}}</ref>。 * [[アメリカ合衆国]][[カリフォルニア州]]の[[ジェリー・ブラウン]] (Jerry Brown) 知事は[[2018年]][[9月10日]]、この年までに州内で[[化石燃料]]を全廃し、全電力をクリーンエネルギーで賄うことを義務付ける法案に署名した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3189231?act=all|title=米カリフォルニア、2045年までに全電力をクリーンエネルギーに 知事が法案に署名|accessdate=2018-09-29|date=2018-09-11}}</ref>。 * [[インドネシア]]の[[ジョコ・ウィドド]]大統領は[[2019年]][[10月20日]]に行われた2期目の就任演説の中で、この年に「インドネシアは[[先進国]]入り、5大[[経済大国]]入りを果たす」と表明した<ref>[https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/10/ff57de02800294c1.html ジョコ大統領、2期目の就任演説で2045年の先進国入り表明(インドネシア)] - [[日本貿易振興機構|ジェトロ]]:ビジネス短信 (2019年10月25日)</ref>。 *インドネシアの首都が[[ジャカルタ]]から[[ヌサンタラ (都市)|ヌサンタラ]]へ移転完了予定。 *高齢者の割合は韓国が日本を抜く。<ref>{{Cite web|和書|title=韓経:韓国、2045年日本を抜いて「高齢化で世界1位」 |url=https://s.japanese.joins.com/JArticle/268390?sectcode=400&servcode=400 |website=中央日報 - 韓国の最新ニュースを日本語でサービスします |access-date=2022-10-26 |language=ja}}</ref> == トピック == * [[タイムトラベル|タイムトラベラー]]を自称する[[ジョン・タイター]]は、この年に[[タイムマシン]]が一般利用できるようになると主張していた。 == 経済 == == 芸術・文化・ファッション == == 誕生 == == 没年 == == ノーベル賞 == ==フィクションのできごと== {{フィクションの出典明記|section=1|ソートキー=年2045|date=2011年7月}} * 2月11日 - 仮想世界「OASIS」の開発者ジェームズ・ハリデーの遺産にたどり着くための最初の鍵「コッパー・キー」が、ウェイド・ワッツにより初めて発見される。(小説『[[ゲームウォーズ]]』) * 7月初頭 - 情報爆弾としての能力を持つ敵対的な飛翔体「蝶」の最初の1体が地球に襲来。これに対して、国連航空宇宙軍の[[人造人間|ヒューマノイド]]「アダム」による第一次蝶迎撃ミッションが行われ、高度400キロメートルの[[地球周回軌道|衛星軌道]]上で蝶は殲滅される(漫画『[[少年ジャンプ+#2016|鉄腕アダム]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 吾嬬竜考|authorlink=吾嬬竜考 |title = 鉄腕アダム 1 |publisher = [[集英社]] |year = 2016 |page = 7 - 34・44 - 53・85・111頁・裏表紙 |isbn = 978-4-08-880771-3}}</ref>。 * 日時不明 - [[2002年]]以来43年ぶりに初音島にあるすべての[[桜]]が散らなくなり、以後[[2056年]]まで続く。(ゲーム・アニメ『[[D.C.II 〜ダ・カーポII〜]]』) * 日時不明 - 第1号[[スペースコロニー|コロニー]]の建造開始によって宇宙移民が始まり、これに伴い西暦から[[宇宙世紀]]への改元が行われる。(アニメほか『[[ガンダムシリーズ]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 近藤和久|authorlink=近藤和久 |title = [[機動戦士Ζガンダム#コミカライズ|機動戦士Ζガンダム]] VOL.1 |publisher = [[メディアワークス]] |year = 1994 |page = 6 |isbn = 978-4-07-301026-5}}</ref>※『[[G-SAVIOUR]]』などで使用された旧来の設定。 * 未知の巨大物体「宇宙怪獣(仮)」数百体が地球上に出現。これを受けて結成された新国連軍との間で戦端が開かれるが、特殊な物理学定理「COS」を用いた物体座標の制御能力を持つ宇宙怪獣(仮)の前に既存の兵器は通用せず、人類は苦戦する。(プラモデル『[[機動動姫MoMo]]』)<ref>『機動動姫MoMo ORCA -オルカ- N-711 type “Qurchel”』説明書 [[侵略ロボ]](企画/発売)/[[キャビコ]](製造/販売)、2022年、4頁。</ref> * アニメ『[[攻殻機動隊 SAC_2045]]』の舞台設定。 * 日時不明 - 謎の生命体「イロウス」が出現し、地球上を汚染しつつ制圧。人類は地球外のコロニーなどへの生活圏の移行を余儀なくされる。(ゲーム『[[バトルガール ハイスクール]]』)<ref>{{Cite web|和書|url=http://colopl.co.jp/battlegirl-hs/sp/game/|title=GAME|work=バトルガール ハイスクール|publisher=[[コロプラ]]|accessdate=2018-02-24}}</ref><ref>{{Cite book |和書 |author= 八奈川景晶|authorlink=八奈川景晶 |title = バトルガール ハイスクール PART.1 Believe |publisher = [[KADOKAWA]] |year = 2017 |page = 8 |isbn = 978-4-04-072172-9}}</ref> * 日時不明 - 地球の寒冷化による環境悪化を主因として、[[第三次世界大戦]](二十年世界群発戦争)が勃発する。(小説・アニメ・漫画『[[魔法科高校の劣等生]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 佐島勤|authorlink=佐島勤 |title = 魔法科高校の劣等生 8 追憶編 |publisher = [[アスキー・メディアワークス]] |year = 2012 |page = 19 |isbn = 978-4-04-891158-0}}</ref> * 日時不明 - [[2040年]]から[[コールドスリープ]]に入っていた水原怜人が目覚め、幼馴染の橘絵理沙によく似た周防美来と出会う。(漫画『[[終末のハーレム]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author1=LINK(原作)|author2=宵野コタロー(作画)|authorlink2=宵野コタロー |year = 2016 |title = 終末のハーレム 1 |page = 30 |publisher = 集英社 |isbn=978-4-08-880819-2 }}</ref> === 誕生日(フィクション) === * [[4月25日]] - 椎葉アモウ、アニメ『[[境界戦機]]』に登場するキャラクター<ref>アニメ2話より</ref>。 == 脚注 == '''注釈''' {{Reflist|group="注"}} '''出典''' {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} <!-- == 参考文献 == --> == 関連項目 == * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{デフォルトソート:2045ねん}} [[Category:2045年|*]]
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2025年
2025年(2025 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、水曜日から始まる平年。 以下に、過去の主な出来事からの区切りの良い年数(周年)を記す。
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2025年は、西暦(グレゴリオ暦)による、水曜日から始まる平年。
<!--日本ローカル記事作成は時期尚早:{{Otheruses|2=日本のローカル事柄|3=2025年の日本}}-->{{年代ナビ|2025}} {{year-definition|2025}} <!-- この項目では、国際的な視点に基づいた2025年について記載する。 --> == 他の紀年法 == * [[干支]]:[[乙巳]](きのと み) * [[日本]](月日は一致) ** [[令和]]7年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2685年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4358年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]114年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]114年 * [[仏滅紀元]]:2567年10月3日 - 2568年10月12日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1446年7月1日 - 1447年7月11日 * [[ユダヤ暦]]:5785年4月1日 - 5786年4月11日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:1735689600 - 1767225599 * [[修正ユリウス日]](MJD):60676 - 61040 * [[リリウス日]](LD):161517 - 161881 == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2025}} == 予定・予測 == === 1月 === {{節スタブ}} * [[大学入学共通テスト]]で新教科「[[情報 (教科)|情報]]」が追加される<ref>{{Cite web|和書|title=共通テストに「情報」 25年から、高校必修で―科目スリム化も・大学入試センター:時事ドットコム|url=https://www.jiji.com/jc/article?k=2021032400887&g=soc|website=時事ドットコム|accessdate=2021-08-15|language=ja|archiveurl=https://web.archive.org/web/20210324063405/https://www.jiji.com/jc/article?k=2021032400887&g=soc|archivedate=2021-03-24}}</ref>。 === 2月 === {{節スタブ}} * [[阪神タイガース]]のファーム([[二軍]])施設が[[西宮市]]の[[鳴尾浜球場]]から[[尼崎市]]の小田南公園に移転。 === 3月 === {{節スタブ}} * スーパーICカード[[Suica]]「[[三菱UFJ-VISA]]」がサービス終了。 * [[悠仁親王]]が[[筑波大学附属中学校・高等学校|筑波大学附属高等学校]]を卒業する見込み。 * [[3月31日]] - 交通系ICカード、[[PASPY]]がサービス終了<ref>{{Cite web |title=パスピー2025年3月末までに終了 運営協発表 広電、新乗車券導入へ {{!}} 中国新聞デジタル |url=https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/142454 |website=パスピー2025年3月末までに終了 運営協発表 広電、新乗車券導入へ {{!}} 中国新聞デジタル |date=2022-03-04 |access-date=2023-11-04 |language=ja}}</ref>。 === 4月 === {{節スタブ}} * [[4月1日]] - [[京成電鉄]]が子会社の[[新京成電鉄]]を吸収合併。京成電鉄を存続会社とし、新京成電鉄傘下の子会社は京成電鉄の子会社となる<ref>[https://www.asahi.com/articles/ASRB074PLRB0UDCB00Y.html?iref=pc_ss_date_article 京成電鉄が子会社の新京成電鉄を吸収合併へ] - 朝日新聞、2023年11月1日配信、同日閲覧</ref>。 * [[4月13日]]〜[[10月13日]] - 大阪で[[2025年日本国際博覧会]](大阪・関西万博)が開催<ref>{{Cite news|url=https://web.archive.org/web/20200112130910/https://www.jiji.com/jc/article?k=2019122000607&g=pol|title=大阪万博、25年4月13日開幕 日程変更を閣議決定―政府|work=時事ドットコム|agency=[[時事通信社]]|date=2019-12-20|accessdate=2019-12-20}}</ref>。 === 5月 === {{節スタブ}} * [[5月2日]] - アベンジャーズ:ザ・カーンダイナスティ(原題)が公開。 === 6月 === {{節スタブ}} === 7月 === {{節スタブ}} === 8月 === {{節スタブ}} === 9月 === {{節スタブ}} * [[9月8日]] - [[皆既月食]]が起こるとされる<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202211080000842.html|title=「皆既月食」へ「部分食」始まる 「天王星食」起きる「惑星食」は442年ぶり|publisher=日刊スポーツ|date=2022-11-08|accessdate=2022-11-08}}</ref>。 * [[9月13日]]〜[[9月21日|21日]] - [[東京都|東京]]にある[[国立競技場]]にて[[2025年世界陸上競技選手権大会|第20回世界陸上]]が開催。 === 10月 === {{節スタブ}} * [[10月14日]] - [[Microsoft Windows 10]](2015 LTSB)の延長サポート終了。 === 11月 === {{節スタブ}} * [[11月7日]] - アベンジャーズ:シークレットウォーズ(原題)が公開。 * [[11月15日]] - [[東京]]で[[2025年東京デフリンピック|デフリンピック競技大会]]が開催。 === 12月 === * [[12月5日]] - [[水星探査機]]「[[ベピ・コロンボ]](「みお」を含む)」が<!--この月に-->[[水星]]に到着<ref>{{Cite news|title=水星探査機「みお」打ち上げ成功 2025年到着予定|newspaper=朝日新聞|date=2018-10-20|url=https://www.asahi.com/sp/articles/ASLBL45NWLBLULBJ00H.html?iref=sp_new_news_list_n|accessdate=2018-10-20}}</ref><ref>{{Cite news|title=水星探査機「みお」打ち上げ=日欧共同計画、仏領ギアナから-JAXA|newspaper=時事通信|date=2018-10-20|url=https://web.archive.org/web/20181020102533/https://www.jiji.com/amp/article?k=2018102000121&g=soc|accessdate=2018-10-20}}</ref>。 * [[12月31日]] - [[住民基本台帳カード]]が全て無効となる。 === 日付が未定なもの === {{See also|Portal:道路/予定事項#2025年}} * 第27回[[参議院議員通常選挙]] * [[東京都議会議員選挙]] - 参院選と同時期となる場合がある。 * [[第50回衆議院議員総選挙]] - 任期満了の場合はこの年に実施。[[2022年]]の[[公職選挙法]]改正により、前回選挙に比べて選挙区は定数が10増10減、比例代表は3増3減される。 * [[昭和100年問題]] - [[1926年|昭和元年]]から起算して100年にあたることにより、一部の[[コンピュータシステム]]で生ずるといわれる問題。 * [[2025年問題]] - [[団塊の世代]]が後期[[高齢者]](75歳以上)に達し、[[厚生労働省]]は社会保障給付費の総額が144兆円に達すると試算している。 * 2025年の崖 - 2018年に経済産業省が発表した[[デジタルトランスフォーメーション|DX]]レポートによると、複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムが残存した場合、この年までに予想される[[情報技術|IT]]人材の引退やサポート終了等によるリスクの高まり等に伴う経済損失は、この年以降、最大12兆円/年(現在の約3倍)にのぼる可能性がある<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_03.pdf|title=DXレポート1|accessdate=2021-02-04|date=2018-09-07}}</ref>。 * 2006年に始動した「イノベーション25戦略会議」([[高市早苗]]技術革新担当相の私的諮問機関)では、この年を見据えた国家戦略を議論している。 * この年までに[[ニホンアシカ]]が再発見されなければ学術的に[[絶滅]]が確定。 * [[集積回路]]の微細化が[[1 E-9 m|3nm]]に達し、これ以上の微細化は不可能になると予想されている([[ムーアの法則]]の終焉)<ref>[https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/semicon/1090896.html 福田昭のセミコン業界最前線「生死不明」のムーアの法則]</ref>。なんらかの新しい技術が現在の集積回路技術を置き換えない限り[[コンピューター]]の大幅な性能向上は困難となると考えられており、[[スピントロニクス]]や[[量子コンピュータ]]が研究されている。 * [[ITER]](国際熱[[核融合]]実験炉)が初[[プラズマ]]達成を目指す<ref>[https://web.archive.org/web/20120922162049/http://www.iter.org/proj/iterandbeyond "Approved! Council gives project green light to proceed"]. ITER & Beyond. 2016年10月15日閲覧。</ref>。 * [[アメリカ航空宇宙局|NASA]]が[[アルテミス計画]]によりこの年以降、半世紀ぶりに[[宇宙飛行士]]を[[月面]]に[[月面着陸|着陸]]させる。当初目標の2024年から延期<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3226543|title=NASA、有人月面着陸計画「アルテミス」のスケジュール発表|work=AFBニュース|publisher=AFBニュース|date=2019-05-24|accessdate=2019-05-24}}</ref><ref>[https://sorae.info/space/20211113-nasa-artemis.html NASA「アルテミス計画」有人月面着陸は2025年以降に、新型コロナや訴訟も影響] - sorae (2021年11月13日)</ref>。 * [[ロシア]]の[[宇宙開発]]機関である[[ロシア連邦宇宙局]]は、この年までに[[火星]]の有人宇宙探査を行うことを目標としている。 * [[キリスト教]]の[[聖遺物]]の一つ、「[[トリノ]]の[[聖骸布]]」が一般公開。 * [[アラブ首長国連邦]]の[[ドバイ]]で、高さ世界一を更新する2,400[[メートル]](地上400階)のハイパービルディング「[[ドバイ・シティ・タワー]]」の着工を目指している([[2042年]]頃完成予定)。{{Seealso|超高層ビルの一覧}} * [[ローソン]]がこの年を目途に無人の[[コンビニエンスストア]]の営業を開始<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20181016165538/https://www.jiji.com/sp/article?k=2018101500802&g=eco|title=シーテック、16日開幕=異業種の参加拡大-未来のコンビニ、洋服シェア|accessdate=2018-10-16|date=2018-10-15}}</ref>。 * [[NTT東日本]]・[[NTT西日本|西日本]]が、[[PSTN]]と[[ISDN]]を廃止。 * [[空飛ぶクルマ]]を開発する日本の[[スタートアップ]]企業[[スカイドライブ|SkyDrive]]は、大阪万博が開催される大阪ベイエリアで[[空飛ぶタクシー|エアタクシー]]サービスを開始<ref>{{Cite web|和書|title=SkyDrive、空飛ぶクルマ実現に向け大阪府・大阪市と連携協定を締結|url=https://news.mynavi.jp/techplus/article/20210914-1972852/|website=TECH+|date=2021-09-14|accessdate=2021-10-04|language=ja}}</ref>。 * [[NHKラジオ第2放送]]が閉局、[[停波]]。 * [[太陽極大期]]の到来に伴う[[太陽フレア]]の影響により[[無線通信]]や[[電力網]]などが影響を受ける恐れがある<ref>{{Cite web|和書|title=太陽フレア被害想定 携帯電話・TVが断続的に利用不可も |url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220621/k10013682371000.html |website=NHKニュース |date=2022-06-21 |access-date=2022-06-23 |last=日本放送協会}}</ref>。 == 周年 == {{notice|周年であること自体に特筆性のある項目(元のトピックの特筆性ではありません)のみ記述してください}} 以下に、過去の主な出来事からの区切りの良い年数([[周年]])を記す。 * [[第二次世界大戦]]・[[大東亜戦争]]([[太平洋戦争]])関連、終結から80年。 ** [[1月27日]] - [[ソビエト連邦]]軍による[[アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所]]解放。 ** [[2月4日]]〜[[2月11日]] - [[ヤルタ会談]]。 ** [[3月10日]] - [[東京大空襲]]。 ** [[3月27日]]〜[[6月20日]] - [[沖縄戦]]。 ** [[4月16日]]〜[[5月8日]] - [[ベルリンの戦い]]。 ** [[4月30日]] - [[アドルフ・ヒトラーの死|アドルフ・ヒトラーが自殺]]。 ** [[5月8日]] - [[欧州戦線における終戦 (第二次世界大戦)|ナチス・ドイツ]]降伏。 ** [[7月26日]] - [[ポツダム宣言]]が発される。 ** [[8月6日]] - [[広島市への原子爆弾投下]]。 ** [[8月8日]] - [[ソ連]]が[[日ソ中立条約]]を破棄し対日参戦。[[満州]]に侵攻する。 ** [[8月9日]] - [[長崎市への原子爆弾投下]]。 ** [[8月11日]]〜[[8月25日]] - [[樺太の戦い (1945年)]] 。 ** [[8月14日]] - [[大日本帝国]]、7月26日に発されていたポツダム宣言の受諾を連合国に通告。 ** [[8月15日]] - 大日本帝国の降伏決定が[[玉音放送]]によって国内に公表される。全軍への戦闘停止と武装放棄発令。 ** [[9月2日]] - [[日本の降伏文書]]調印により太平洋戦争終戦。 * [[オウム真理教事件]]から30年。 ** [[3月20日]] - [[地下鉄サリン事件]]。 ** [[4月23日]] - [[村井秀夫刺殺事件]]。 ** [[5月16日]] - [[麻原彰晃]][[逮捕]]。 ; その他 * [[1月1日]] ** WTO([[世界貿易機関]])設立30周年。 ** [[トヨタ・クラウン]]発売開始70周年。 * [[1月7日]] - [[シャルリー・エブド襲撃事件]]から10年。 * [[1月9日]] - [[北九州モノレール]]([[平和通駅]]〈当時は小倉駅〉 - [[企救丘駅]])開業40周年。 * [[1月12日]] - [[ハイチ地震 (2010年)|ハイチ地震]]発生から15年。 * [[1月17日]] - [[兵庫県南部地震]]([[阪神・淡路大震災]])から30年。 * [[2月15日]] - [[YouTube]]開設から20年 * [[2月17日]] ** [[中部国際空港]]開港20周年。 ** [[エジプト]]の[[王家の谷]]で[[ツタンカーメン]]の墓が発見されてから100年。 * [[2月26日]] - [[サンケイスポーツ]]創刊70周年。 * [[3月6日]] - [[愛知高速交通東部丘陵線]](リニモ)開通20周年。 * [[3月8日]] - [[血の日曜日事件 (1965年)|血の日曜日事件]]([[セルマ (アラバマ州)|セルマ]]の大行進)から60年。 * [[3月10日]] - [[山陽新幹線]]全線開業([[岡山駅|岡山]] - [[博多駅|博多]]間開業)50周年。 * [[3月12日]] - [[孫文]]([[孫中山]])死去から100年。 * [[3月14日]] ** [[東北新幹線]][[上野駅]]開業40周年。 ** [[北陸新幹線]]([[長野駅|長野]] - [[金沢駅|金沢]])開業・[[東日本旅客鉄道|JR東日本]][[上野東京ライン]]開業10周年。 ** [[寝台特急]]「[[北斗星 (列車)|北斗星]]」定期運行終了、いわゆる[[ブルートレイン (日本)|ブルートレイン]]の定期運行が全廃から10年。 * [[3月17日]] - [[国際科学技術博覧会]](つくば科学万博)開幕から40周年。 * [[3月22日]] - [[日本放送協会|NHK]]ラジオ放送([[NHKラジオ第1放送]])開始<!--仮放送、本放送は[[7月12日]]-->100周年。 * [[3月30日]] - [[警察庁長官狙撃事件]]発生から30年。 * [[3月31日]] - [[ジャパン・ニュース・ネットワーク|JNN]]と[[オールニッポン・ニュースネットワーク|ANN]]、[[毎日放送]]と[[朝日放送テレビ|朝日放送]] の[[ネットチェンジ]]から50周年。 * 3月 - [[まるか食品]]の「ペヤングソースやきそば」発売から50周年。 * [[4月1日]] ** [[大阪府]][[吹田市]]市制施行85周年。 ** [[TBSテレビ]](当時は[[TBSラジオ|ラジオ東京]]〈現在の[[TBSホールディングス]]〉のテレビ放送部門)放送開始70周年。 ** [[淑徳大学]]・[[阪南大学]]創立60周年。 ** [[日本電信電話|NTT]]・[[日本たばこ産業|JT]]発足40周年。 * [[4月4日]] - [[マイクロソフト]]設立から50年。 * [[4月5日]] ** [[原爆ドーム]](当時は広島県物産陳列館)竣工110周年。 ** [[双子]][[デュオ]][[歌手]]、[[ザ・ピーナッツ]]引退から50周年。 ** [[スーパー戦隊シリーズ]]第1作目「[[秘密戦隊ゴレンジャー]]」初放送から50周年。 <!--* [[4月6日]] - [[NHKラジオ第2放送]]、放送開始94周年。--> * [[4月15日]] - [[ローソン]](当時:ダイエーローソン)設立から50周年。 * [[4月18日]] - [[バンドン (インドネシア)|バンドン]]で[[アジア・アフリカ会議]]開催から70年。 * [[4月19日]] - [[オクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件]]から30年。 * [[4月25日]] - [[JR福知山線脱線事故]]から20年。 * [[4月30日]] - [[ベトナム戦争]][[サイゴン陥落]]から50年。 * [[5月5日]] - 日本で[[普通選挙法]]施行100周年(1925年 - 1945年は25歳以上の男性に投票権があった)。 * [[6月25日]] - [[合衆国最高裁判所|アメリカ合衆国最高裁判所]]で[[同性結婚]]合法化から10周年。 * [[7月7日]] - [[ロンドン同時爆破事件]]から20年 * [[7月10日]] - [[レインボー・ウォーリア号事件]]から40年。 * [[7月16日]] - [[Amazon.com]]開設から30年。 * [[7月17日]] - [[アメリカ合衆国|アメリカ]]の[[カリフォルニア州]]の[[ディズニーランド]]開園70周年。 * [[7月18日]] - [[アドルフ・ヒトラー]]『[[我が闘争]]第1巻』公表から100年。 * [[7月20日]] - [[沖縄国際海洋博覧会]]開催50周年。 * [[8月3日]] - 少女漫画雑誌『[[りぼん]]』創刊70周年。 * [[8月4日]] - [[クアラルンプール事件]]から50年。 * [[8月12日]] - [[日本航空123便墜落事故]]から40年(2021年時点で航空機単独の事故では世界最悪<!--犠牲者数-->)。 * [[8月15日]] - [[ムジブル・ラフマン]]暗殺から50年。 * [[8月21日]] - [[欅坂46]]結成10周年。 * [[8月25日]] - [[マイクロソフト]]が[[Microsoft Windows 95|Windows 95]]英語版を発売から30周年。 * [[9月2日]] - [[日本電信電話|NTT]]が[[携帯電話]]「[[日本における携帯電話#歴史|ショルダーフォン]]」を発売。 * [[9月5日]] - [[日露戦争]]による日露講和条約([[ポーツマス条約]])調印120周年。 * [[9月12日]] - [[エポック社]]が日本初の[[ゲーム機|家庭用テレビゲーム機]]である「[[テレビテニス]]」を発売してから50年。 * [[9月13日]] - [[スーパーマリオブラザーズ]]発売40周年。 * [[9月22日]] - [[プラザ合意]]から40年。 * [[10月]] - 日本の[[宝くじ]]発売開始80周年。 * [[10月1日]] - [[NEXCO]]発足20周年。 * [[10月4日]] - [[タイムボカンシリーズ]]放送から50周年。 * [[10月5日]] - [[新世紀エヴァンゲリオン]]放送から30周年。 * [[10月10日]] - [[朝鮮労働党]]結党80周年。 * [[10月20日]] - [[TWICE (韓国の音楽グループ)|TWICE]]デビュー10周年。 * [[10月24日]] - [[国際連合]]発足80周年。 * [[10月25日]] - 「ワルツ王」[[ヨハン・シュトラウス2世]]生誕200周年。 * [[11月1日]] - [[東京メトロポリタンテレビジョン|TOKYO MX]]開局30周年。 * [[11月4日]] - [[イスラエル]]の[[イツハク・ラビン|ラビン首相]]暗殺から30年。 * [[11月13日]] - [[パリ同時多発テロ事件]]から10年。 * [[11月15日]] ** [[自由民主党 (日本)|自由民主党]]結党70周年。 ** [[第1回先進国首脳会議]]から50年。 * [[11月20日]] ** [[Microsoft Windows]]発売開始40周年。 ** [[スペイン内戦]]以来、長期独裁を敷いていた[[フランシスコ・フランコ]]の死去から50年。 * [[12月8日]] - [[AKB48]]結成20周年。 * [[12月10日]] - [[阪神タイガース]]の前身、大阪野球倶楽部発足90周年。 * [[12月12日]] - [[パリ協定 (気候変動)|パリ協定2015年]]採択から10年。 * [[12月18日]] - [[日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約|日韓国交正常化]]60周年。 * [[12月28日]] - [[慰安婦問題日韓合意]]が成立から10年。 * 日本での[[女性参政権]]獲得80周年。 * [[全国高等学校野球選手権大会]]110周年(旧制中学時代を含む)。 * [[コミックマーケット]]開催50周年。 == イベント == == 天文現象 == * 7月下旬 - [[太陽活動]]の[[黒点]][[太陽極大期|極大期]]を迎えると予測されている([[第25太陽周期]])<ref name="sorae200916">[https://sorae.info/astronomy/20200916-the-solar-cycle25-prediction-panel.html 第25太陽活動周期の開始を確認。極小期は2019年12月だった](sorae 2020年9月16日)</ref><ref name="astropics200916">[https://astropics.bookbright.co.jp/solar-cycle-25-is-here 太陽活動の第25周期がスタート](アストロピクス 2020年9月16日)</ref>。 == 経済 == == 芸術・文化・ファッション == == スポーツ == == 誕生 == == 死去 == == ノーベル賞 == {{see also|ノーベル賞受賞者の一覧}} * [[ノーベル物理学賞|物理学賞]]: * [[ノーベル化学賞|化学賞]]: * [[ノーベル生理学・医学賞|生理学・医学賞]]: * [[ノーベル文学賞|文学賞]]: * [[ノーベル平和賞|平和賞]]: * [[ノーベル経済学賞|経済学賞]]: == フィクションのできごと == {{フィクションの出典明記|section=1|ソートキー=年2025|date=2011年7月}} * [[1月4日]] - [[香港]]シャッタードームに2体の[[怪獣]]が来襲し、迎撃に出撃した4機のイェーガーと交戦。翌[[1月5日|5日]]に[[マリアナ海溝]]最深部のブリーチを破壊する「ピットフォール作戦」が発動される。(映画『[[パシフィック・リム (映画)|パシフィック・リム]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= アレックス・アーバイン|authorlink=アレックス・アーバイン |title = パシフィック・リム |publisher = [[角川書店]] |year = 2013 |pages = 235-397 |isbn = 978-4-04-100926-0}}</ref> * 5月 - [[土星]]の衛星系を探査していた[[アメリカ航空宇宙局|NASA]]の深宇宙探査船DSV「リングマスター」が、新たに12番目の土星の衛星を発見。「テミス」と名付けられたこの衛星の正体は異星の[[世代宇宙船|世代型]][[恒星船|恒星間宇宙船]]であると推測され、リングマスターが探査に向かうも、テミスから放たれた触手によってリングマスターは破壊され、乗組員たちはテミス内部に飲み込まれてしまう。(小説『{{仮リンク|ティーターン (小説)|label=ティーターン|en|Titan (John Varley novel)}}』)<ref>{{Cite book |和書 |author= ジョン・ヴァーリイ|authorlink=ジョン・ヴァーリイ |title = ティーターン |publisher = [[東京創元社]] |year = 1982 |pages = 10-14,20,21,25-39,45-67 |isbn = 978-4-488-67301-7}}</ref> * [[6月19日]] - Cordis Dieによる「審判の日」。ハッキングされたアメリカ軍所属無人機による全世界規模の襲撃によって、米中冷戦が開戦直前の危機に至る。(ゲーム『[[コール オブ デューティ ブラックオプス2]]』) * [[6月28日]] - 7年間確認されていなかった異星生命体「フォーリナー」の巨大生物が進化し再出現。これに対し連合地球軍「EDF」が緊急出動する。(ゲーム『[[地球防衛軍4]]』)<ref>[https://www.d3p.co.jp/edf4/#story STORY ストーリー] - 『地球防衛軍4』公式サイト。2018年3月7日閲覧。</ref><ref>[https://www.youtube.com/watch?v=PXhm8_jgllU 『地球防衛軍4』1stプロモーションムービー] - [[YouTube]]([[ディースリー・パブリッシャー|D3Publisher]]公式チャンネル)。2012年9月13日、2018年3月7日閲覧。</ref> * [[7月7日]] - [[火星]][[マリネリス峡谷|マリネリス渓谷]]で発掘された繭状物体を輸送中の宇宙貨物船「いざなみ」が爆発事故を起こし、[[東京都]]第25区に墜落。いざなみの残骸から出現した怪獣「ネガドン」が東京を蹂躙し、出撃した巨大ロボット「MI-6二号機」がこれを迎え撃つ。(映画『[[惑星大怪獣ネガドン]]』)<ref>『ネガドン新聞』(『惑星大怪獣ネガドンDVD』特典) [[コミックス・ウェーブ]]、2005年、1面。</ref><ref>[http://www.cwfilms.jp/negadon/ 惑星怪獣ネガドン] - [[コミックス・ウェーブ・フィルム]]公式サイト、2016年2月20日閲覧。</ref> * [[9月13日]] - 地球外起源の[[人造人間|ヒューマノイド]]「ラミア」が月面基地ムーンベース・アルファを奇襲攻撃。アルファの生存者が実験用の自由電子レーザー照射装置を用いてラミアの基地の破壊に成功したが、全滅する。(小説『[[ルナ・シューター]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 林譲治|authorlink=林譲治 (作家) |title = ルナ・シューター 1 |publisher = [[幻冬舎]] |year = 2008 |pages = 10-24 |isbn = 978-4-344-81391-5}}</ref> * 宇宙からやってきた知的地球外生命体「パピルス」の質問に備え、ダイバスターが組織される。(テレビアニメ『[[FNS地球特捜隊ダイバスター]]』) * 情報処理用高層ビル「デルタオセロ」の落成記念式典中の[[ロサンゼルス]]に、アンドロイド軍団「R.O.M」が襲来。対テロ戦を目的とした最新飛行邀撃部隊「S.I.F.A.T」が対処に向かう。(ゲーム『[[L.A.マシンガンズ]]』) * かつてトッキュウジャーだったライトたちが再び集まる。(オリジナルビデオ『[[行って帰ってきた烈車戦隊トッキュウジャー 夢の超トッキュウ7号]]』) * 南波日々人が、日本人初のムーンウォーカーになる。(漫画『[[宇宙兄弟]]』) * [[西郷隆盛]]の生存を狂信しテロ活動を行っていた宇宙物理学者観月安人が、当局から逃れるために簡易ロケットによって火星へと脱出し、自身が再建した「[[私学校|シグ・ァッコー]]」の秘密基地を建造する。(小説『[[人類圏シリーズ|火星のナンシー・ゴードン]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 田中啓文|authorlink=田中啓文 |title = 銀河帝国の弘法も筆の誤り |publisher = [[早川書房]] |year = 2001 |pages = 142,143,153,274 |isbn = 978-4-15-030658-8}}</ref> * 火山島「8JO」のロボット工場「マザータワー」を管理するコンピュータ「カイロン5」が、人類に宣戦を布告。これに対して世界連邦政府はガンヘッド大隊を8JOに派遣する。(映画『[[ガンヘッド]]』)<ref>[http://www.1999.co.jp/image/10192089k3/50/3/1 ガンヘッド(プラモデル)解説3] - [[ホビーサーチ]]、2016年2月20日閲覧。</ref> * [[第三次世界大戦]]終結。男女隔離政策施行。一般国民をオアシス農場へ強制移住。(漫画『[[狂四郎2030]]』) * [[セガ]]がゲーム業界でのシェア回復を目的とした「プロジェクトセガガガ」を開始。(ゲーム『[[セガガガ]]』) * 東京都、付近の行政区を統合してゼブラシティへ名称変更。(映画『[[ゼブラーマン -ゼブラシティの逆襲-]]』) * 御鳥羽総合建設がエデン・レジャーエンターテイメント社から、[[月面]]への[[結婚式場]]建設計画を受注する。(小説『[[第六大陸]]』) * 第二次[[関東大震災]]が発生し、東京が壊滅的な大被害に遭う。(OVA『[[バブルガムクライシス]]』)<ref>[https://web.archive.org/web/20130722230429/http://www.anime-int.com:80/works/bubblegum/crisis/world_megatokyo.html MEGA TOKYO] - 『バブルガムクライシス』公式サイト([[インターネットアーカイブ]])。2013年7月22日、2018年2月2日閲覧。</ref> * E.C.ドイツの[[シュネッケ|シュネッケ社]]が、世界初の人型作業機械「WAW」の試作1号機を完成させる。これが[[ヴァンツァー]](WAP)の前身となる。(ゲーム『[[フロントミッションシリーズ]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author = |title = FRONT MISSION WORLD HISTORICA REPORT OF CONFUCTS 1970-2121 |publisher = [[メディアワークス]] |year = 2007 |pages = 19,21,171,174 |isbn = 978-4-8402-3663-8}}</ref> * 超長距離移民船「[[メガロード-01#メガロード級|メガロード-13]]」が、銀河系中心部に位置する[[プロトデビルン#バロータ戦役|バローダ星系]]への入植を開始。(アニメ『[[マクロスシリーズ]]』) * マクロ量子跳躍理論が実証され、軽い[[光速]]度と重い光速度の存在が確認される。これにより[[相対性理論]]が一定条件下でしか働かない事が判明。(ゲーム『[[メビウスリンク]]』) * 『[[十年 (2015年の映画)|十年]]』 - [[2015年]]12月公開の[[香港映画]]。10年後、2025年の[[香港]]を舞台とする[[オムニバス映画]]。 == 脚注 == '''注釈''' {{Reflist|group="注"}} '''出典''' {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} <!-- == 参考文献 == --> == 関連項目 == {{Commonscat|2025}} * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{デフォルトソート:2025ねん}} [[Category:2025年|*]]
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2046年
2046年(2046 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、月曜日から始まる平年。この項目では、国際的な視点に基づいた2046年について記載する。
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2046年は、西暦(グレゴリオ暦)による、月曜日から始まる平年。この項目では、国際的な視点に基づいた2046年について記載する。
{{年代ナビ|2046}} {{year-definition|2046}}この項目では、国際的な視点に基づいた2046年について記載する。 == 他の紀年法 == * [[干支]]:[[丙寅]](ひのえ とら) * 日本(月日は一致) ** [[令和]]28年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2706年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4379年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]135年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]135年 * [[仏滅紀元]]:2588年閏9月9日 - 2589年10月4日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1468年2月22日 - 1469年3月3日 * [[ユダヤ暦]]:5806年4月23日 - 5807年4月2日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:2398377600 - 2429913599 * [[修正ユリウス日]](MJD):68346 - 68710 * [[リリウス日]](LD):169187 - 169551 == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2046}} == できごと == {{節スタブ}} *[[2月14日]] - [[小惑星]]「2023DW」が[[バレンタインデー]]に約625分の1の確率で[[地球]]に衝突すると見られる<ref>{{Cite web|和書|title=「最も危険」な小惑星を発見、地球衝突のわずかな可能性(Forbes JAPAN) |url=https://news.yahoo.co.jp/articles/9ec3dde58538c2123585120bb59065eb9ff3f311 |website=Yahoo!ニュース |access-date=2023-03-09 |language=ja}}</ref>。 == 予定 == {{節スタブ}} == 周年 == {{notice|周年であること自体に特筆性のある項目(元のトピックの特筆性ではありません)のみ記述してください。また期間限定イベント(五輪、万博など)は開幕日-閉幕日起点で記述してください}} <!--以下に、過去の主な出来事からの区切りの良い年数([[周年]])を記す。--> == イベント == {{節スタブ}} == 経済 == {{節スタブ}} == 芸術・文化・ファッション == {{節スタブ}} == 誕生 == {{節スタブ}} == 没年 == {{節スタブ}} == ノーベル賞 == {{節スタブ}} == フィクションのできごと == {{フィクションの出典明記|section=1|ソートキー=年2046|date=2011年7月}} * [[8月2日]] - 月面{{仮リンク|ガロア (クレーター)|label=ガロア・クレーター|en|Galois (crater)}}付近の日米英連合の天文台が、太陽系外縁部に出現したリング状人工構造物「ハイゲート」を発見する。(小説『[[地球連邦の興亡]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 佐藤大輔|authorlink=佐藤大輔 |title = 地球連邦の興亡1 オリオンに我らの旗を |year = 2015 |publisher = [[中央公論新社]] |pages = 109,110 |isbn = 978-4-12-206167-5 }}</ref> * 月日不明 - 携帯端末「ニューロリンカー」が使用される。(小説・アニメ『[[アクセル・ワールド]]』) * 月日不明 - 思考および「捕食」を行う細胞「オラクル細胞」が[[北欧]]地域で発見される。(ゲーム・アニメ『[[ゴッドイーター]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author=電撃攻略本編集部|authorlink=アスキー・メディアワークス |title = ゴッドイーター 5th ANNIVERSARY 公式設定資料集 |publisher = [[KADOKAWA]] |year = 2015 |pages = 3,362 |isbn = 978-4-04-865093-9}}</ref> * 月日不明 - アスカ工業、衝撃を80パーセント吸収する強化ダンボールの開発に成功。その後の流通に革新的な進歩をもたらす。(ゲーム・アニメ『[[ダンボール戦機]]』) * 月日不明 - ジャイロゼッター戦争勃発。(ゲーム・アニメ『[[超速変形ジャイロゼッター]]』) * 月日不明 - 太陽系に近い恒星の調査のため、一連の[[宇宙探査機|無人探測機]]が地球から発射される。目標とされたのは[[バーナード星]]、[[エリダヌス座イプシロン星]]、[[ロス128]]、[[はくちょう座61番星]]、[[ウォルフ359]]、[[プロキオン|プロシオン]]、[[みずがめ座EZ星|ルイテン789-6]]など。(小説『{{仮リンク|星々の海をこえて|en|Across the Sea of Suns}}』)<ref>{{Cite book |和書 |author= グレゴリイ・ベンフォード|authorlink=グレゴリイ・ベンフォード |title = 星々の海をこえて |publisher = [[早川書房]] |year = 1986 |pages = 277,278,284,319,350 |isbn = 978-4-15-010662-1}}</ref> * 月日不明 - 全高約14センチメートルの機械少女「MEGAMI」を用いたバトルプラホビー「メガミバトル」が始まる。(玩具『[[メガミデバイス]]』)<ref>「メガミデバイス WISM・ソルジャー アサルト/スカウト」取扱説明書 [[コトブキヤ]]、2018年、1頁。</ref><ref>[https://www.megamidevice.com/world/ 世界観] - 『メガミデバイス』オフィシャルサイト。2020年7月11日閲覧。</ref> == 脚注 == '''注釈''' {{Reflist|group="注"}} '''出典''' {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} <!-- == 参考文献 == --> == 関連項目 == * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{デフォルトソート:2046ねん}} [[Category:2046年|*]]
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2047年
2047年(2047 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、火曜日から始まる平年。この項目では、国際的な視点に基づいた2047年について記載する。
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2047年は、西暦(グレゴリオ暦)による、火曜日から始まる平年。この項目では、国際的な視点に基づいた2047年について記載する。
{{年代ナビ|2047}} {{year-definition|2047}}この項目では、国際的な視点に基づいた2047年について記載する。 == 他の紀年法 == * [[干支]]:[[丁卯]](ひのと う) * 日本(月日は一致) ** [[令和]]29年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2707年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4380年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]136年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]136年 * [[仏滅紀元]]:2589年10月5日 - 2590年10月15日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1469年3月4日 - 1470年3月13日 * [[ユダヤ暦]]:5807年4月3日 - 5808年4月14日 * [[ローマ建国紀元]]:2800年 * [[UNIX時間|Unix Time]]:2429913600 - 2461449599 * [[修正ユリウス日]](MJD):68711 - 69075 * [[リリウス日]](LD):169552 - 169916 == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2047}} == できごと == * [[7月1日]] - [[1997年]]7月1日の[[香港返還]]から50年にあたるこの日は、[[中英共同声明]]によるところの「五十年不変」の期限である。詳細は[[香港の政治#一国二制度]]を参照のこと。 == 予定 == === 1月 === === 2月 === === 3月 === === 4月 === === 5月 === === 6月 === === 7月 === === 8月 === === 9月 === === 10月 === === 11月 === === 12月 === == イベント == == 経済 == == 芸術・文化・ファッション == == 誕生 == == 没年 == == ノーベル賞 == == フィクションのできごと == * 1月 - 「接触戦争」([[第三次世界大戦]])勃発。太陽系外縁のリング状人工構造物「ハイゲート」を経由して異星人「ヲルラ」の環境保護艦隊が太陽系に来襲し、形態クローンからなる駆除兵団が[[ユーラシア大陸]]、[[アラビア半島|アラビア]]、[[アフリカ大陸|アフリカ]]に降下する。(小説『[[地球連邦の興亡]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 佐藤大輔|authorlink=佐藤大輔 |title = 地球連邦の興亡1 オリオンに我らの旗を |publisher = [[中央公論新社]] |year = 2015 |pages = 78,79,109,110 |isbn = 978-4-12-206167-5 }}</ref><ref>{{Cite book |和書 |author = 佐藤大輔 |title = 地球連邦の興亡2 明日は銀河を |publisher = 中央公論新社 |year = 2015 |pages = 94-97 |isbn = 978-4-12-206194-1}}</ref> * 8月 - 恒星間宇宙戦艦「リシテア」を旗艦とするリシテア艦隊が、[[冥王星]]軌道付近で異生命体「タルシアン」を捜索中に、[[2039年]]以来9年ぶりにタルシアン群と接触・交戦。リシテア艦隊は太陽系外への[[ワープ航法|ワープ]]によってタルシアン群との本格戦闘を回避する。(アニメ『[[ほしのこえ]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 大場惑|authorlink=大場惑 |title = ほしのこえ |publisher = [[メディアファクトリー]] |year = 2002 |pages = 57,58,89-113,134 |isbn = 978-4-8401-0600-9}}</ref> * 8月(小説版では9月) - リシテア艦隊が[[シリウス|シリウスα・β]]星系に到達。第4惑星「アガルタ」を調査中にタルシアンの大群の襲撃を受け、大規模な艦隊戦が発生する。(アニメ『ほしのこえ』)<ref>{{Cite book |和書 |author = 大場惑 |title = ほしのこえ |publisher = メディアファクトリー |year = 2002 |pages = 140-152,168-186 |isbn = 978-4-8401-0600-9}}</ref> * 9月 - 未知の小惑星「フェブルウス」が[[地球周回軌道|地球衛星周回軌道]]上に出現。フェブルウスを拠点とする地球外敵性侵略知性体「F.O.S」が地球への攻撃を開始し、6日間で人類の大半が死亡する。(映画『[[プランゼット]]』)<ref>[http://www.cwfilms.jp/planzet/ プランゼット] - 『プランゼット』公式サイト(出典となる記述は「作品紹介」内の「設定」に存在)。2016年7月11日閲覧。</ref><ref>[https://www.youtube.com/watch?v=KOkzC709YGk 【劇場作品】プランゼット(PLANZET)前半ダイジェスト] - [[メディアファクトリー]]公式チャンネル([[YouTube]])。2010年5月24日、2016年10月19日閲覧。</ref> * 宇宙空間機動計画「RX-プロジェクト」によって開発されたテスト機「RX-T1 スケルトン」がロールアウト。これが後のR戦闘機に繋がる。(ゲーム『[[R-TYPE]]』シリーズ)<ref>[https://web.archive.org/web/20070315043230/http://www.irem.co.jp/official/r/j/history/index.html R-TYPEの世界の歴史] - [[アイレムソフトウェアエンジニアリング]]公式サイト([[インターネットアーカイブ]])。2015年12月21日閲覧。</ref> * [[2040年|7年前]]に遭難した超深度宇宙探査船「イベント・ホライゾン号」が突如[[海王星]]付近に出現し、調査救助船「ルイス・アンド・クラーク号」が調査に向かう。(映画『[[イベント・ホライゾン]]』)<ref>[http://movies.yahoo.co.jp/movie/イベント・ホライゾン/83470/story/ イベント・ホライゾン (1997) ] - [[Yahoo! JAPAN|Yahoo!]]映画。2016年1月6日閲覧。</ref> * 地下50,000mの神話層で金属鉱「ガイメタル」が発見される。(ゲーム・アニメ『[[ガイストクラッシャー]]』)<ref>[https://www.tv-tokyo.co.jp/anime/gaist/story/ ストーリー] - テレビアニメ版『ガイストクラッシャー』公式サイト([[テレビ東京]]公式サイト内)。2015年12月21日閲覧。</ref> == 脚注 == '''注釈''' {{Reflist|group="注"}} '''出典''' {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} <!-- == 参考文献 == --> == 関連項目 == * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{デフォルトソート:2047ねん}} [[Category:2047年|*]]
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2027年
2027年(2027 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、金曜日から始まる平年。 31日、蛍光灯の生産が禁止される。
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2027年は、西暦(グレゴリオ暦)による、金曜日から始まる平年。
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https://ja.wikipedia.org/wiki/2027%E5%B9%B4
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織田信秀
織田 信秀(おだ のぶひで)は、戦国時代の尾張国の武将、戦国大名。織田信長の父。 尾張国南西部海東郡・中島郡に跨る勝幡城(愛知県愛西市・稲沢市)を支配する勝幡城主で、清洲三奉行の一人の織田信定の長男として永正8年(1511年)に生まれる。 信定は尾張の守護代織田氏の一族で、尾張下四郡を支配する守護代「織田大和守家」(清洲織田氏)に仕える庶流として、主家の重臣の清洲三奉行の一家で弾正忠を称した家を継いでいた。大永年間(1521〜8年)に勝幡城を築き当時、伊勢湾に近い木曽川に臨む港と牛頭天王社(津島神社)の門前町として繁栄していた津島を支配し、同家の勢力拡大のきっかけを作る。 信秀は父・信定の生前である大永6年4月(1526年)から7年(1527年)6月の間に家督を譲られて当主となる。家督相続からまもなく、天文元年(1532年)、主家の織田達勝と清州三奉行の一人の小田井城の織田寛故と争ったが、講和した。この和議を固めるのと自らの威勢を示すため、翌、天文2年(1533年)7月京都から蹴鞠の宗家飛鳥井雅綱を招き、山科言継も同道してまず7月8日勝幡城で蹴鞠会を開催し、賓客たちと数100人の見物衆も含め多くが集まり、7月27日には清州城に舞台を移し、連日蹴鞠会を実施した(『言継卿記』)。天文3年(1534年)には、嫡男の信長が誕生した。 天文7年(1538年)頃、今川氏豊の居城の那古野城(名古屋市中区)を謀略で奪い取り、ここに居城を移して愛知郡(現在の名古屋市域周辺)に勢力を拡大した。 その後も勢力の拡大に伴って、天文8年(1539年)には古渡城(名古屋市中区)を築き、居城として、2つ目の経済的基盤となる熱田を支配した。信長の幼年時か、天文15年(1546年)の元服前に那古野城を譲っている。さらに後年の天文17年(1548年)には末森城(名古屋市千種区)を築き、また居城を移しているが、当時の戦国大名は生涯、あるいは代々本拠地を動かさないことが多く、特異な戦略とされる。 経済的に伸長し勢力を増し、上洛して朝廷にも献金し、従五位下に叙位され、備後守に任官された。さらには室町幕府にも参じて、第13代将軍・足利義輝にも拝謁した。天文9年(1540年)から翌年にかけ、伊勢神宮遷宮のため、材木や銭七百貫文を献上した。天文10年(1541年)9月にはその礼として朝廷より三河守に任じられたというが、周囲への使用例はない。天文12年(1543年)には、天文10年の嵐による内裏の建物倒壊の修理料として朝廷に4000貫文を献上。さらに朝廷重視の姿勢を示した(『多聞院日記』)。 対外においては遡ること享禄2年(1529年)、松平清康が尾張に侵入し、信秀の支配下である東春日井郡の品野城や、愛知郡の岩崎城を収奪。天文4年(1535年)、さらに今川勢に唆された清康は森山を侵略するがその最中、家臣の阿部正豊によって殺害された(森山崩れ)。その結果四散した松平氏の隙を突いて、信秀は三河に反攻。天文9年には安祥城を攻略して支配下に置き(安城合戦#第一次安城合戦)、長男(庶子)の織田信広を置いた。 天文11年(1542年)、美濃では守護の土岐頼芸と子の土岐頼次が、斎藤道三によって尾張へ追放される。信秀は頼芸を支援し、また同様に追放された先々代の守護の子の土岐頼純を庇護下に置く越前の朝倉孝景と連携し、美濃に出兵して斎藤道三と戦い、一時は大垣城を奪った。また『信長公記』によると、同年の第一次小豆坂の戦いでも今川義元を相手に勝利を収め、西三河の権益を保持したという。 こうして信秀は主家である大和守家への臣従関係は保ちつつ、実質的な地位や権威は大和守家やその主君である尾張守護斯波氏をも上回り、弟の織田信康や織田信光ら一門、家臣を尾張の要所に配置し、尾張国内の他勢力を圧倒する戦国大名の地位を築いていった。しかし信秀は終末まで守護代奉行であり、実質上は尾張を代表する戦国大名として斎藤・松平・今川ら他国大名と戦い続けたものの、形式的主君として守護代家・守護家を仰ぎ続けた。尾張国内の大和守家や他の三奉行、犬山の織田信清などと何度も敵対し争ったり、反乱されたりしているのに、最後まで徹底して粛清したり叩こうとはせず、旧来の権威や秩序を重んじる古さがあったと指摘される。それらを抱えたまま国外の敵と戦うことには限界があり、その併呑や排除は信長の代を待つことになる。 天文13年(1544年)、斎藤道三の居城・稲葉山城の城下まで攻め込んだが、道三の反撃を受けて大敗する(加納口の戦い)。 天文16年(1547年)9月、岡崎城を攻め落とし、城主の松平広忠を降伏させる。広忠の嫡男・竹千代(後の徳川家康)が織田家の人質になったのもこの頃の出来事と考えられている。 天文17年(1548年)、道三が広忠に働きかけ、斎藤氏・今川氏と結んだ広忠が再度挙兵(『武家聞伝記』)。道三や今川義元は信秀に対抗するため、工作活動を行っていたと考えられている。さらに犬山城主・織田信清(弟・信康の子)と楽田城主・織田寛貞が謀反を起こすが、これを鎮圧して従属させる。また、道三による大垣城攻撃を受けたため救援に向かうがその最中、織田達勝から大和守家を継いだ織田信友も古渡城に攻め寄せたため、帰還して信友と対峙する。この年、信秀は道三と和睦。条件として信秀の嫡子・信長と、道三の娘・帰蝶(濃姫)との婚姻が決まる。 同年3月19日、第2次小豆坂の戦いにおいて、太原雪斎の指揮する今川・松平連合軍に敗北。信秀は今川氏の勢力に押され、大和守家とも対立し、苦境に立たされる。 天文18年2月24日(1549年3月23日)、帰蝶が織田家に輿入れ。大垣城は道三の支配下に戻り、また同年には大和守家の信友とも和解した。 同年3月、信秀の勢力を三河より駆逐せんとする今川氏が、織田方の西三河支配の牙城であった安祥城に対し、太原雪斎を将とする約1万の軍勢を送る。城主である信秀の庶子・信広の奮戦により、一度はその攻撃を退けたものの、今川氏は同年9月に再び出兵。平手政秀が援軍として安祥城へ送られたが、11月に安祥城は陥落した(第三次安城合戦)。信広が今川氏に捕縛されたことで、人質としていた松平竹千代との交換も行われ、西三河における織田方の勢力は総崩れの様相を呈した。信秀はこの頃から病に冒され臥せるようになり、周囲や関係者にも病中と知られるようになる。11月には信長が代行として「執達」し、「藤原信長」名で熱田に制札を出しており、これが信長の初見文書となっている。 天文19年(1550年)8月、今川氏の軍勢により、知多郡の水野信元が降伏。翌天文20年(1551年)12月には愛知郡鳴海城の山口教継が今川方となり、教継の調略により織田方の勢力が削がれるという困難の続く中で、天文21年3月3日(1552年3月27日)、信秀は末森城で死去した。享年42。家督は嫡男の信長が継いだ。葬儀は萬松寺で行われ、僧侶300人を参集させた壮大なものだった。 なお、没年については天文18年(1549年)説、天文20年(1551年)説、天文21年(1552年)3月9日説もあるが、思文閣の古書資料目録229号にある武将花押・朱印貼交帖には、備後守信秀名の天文20年4月24日付の判物が残されている。
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織田 信秀は、戦国時代の尾張国の武将、戦国大名。織田信長の父。
{{Other people|[[織田信長]]の父である[[尾張国]]の[[戦国大名]]|同名の孫で、信長の六男|織田信秀 (侍従)}} {{基礎情報 武士 | 氏名 = 織田 信秀 | 画像 = Statue of Oda Nobuhide at Banshō-ji.jpg | 画像サイズ = 300px | 画像説明 = 織田信秀木像(萬松寺所蔵) | 時代 = [[戦国時代 (日本)|戦国時代]] | 生誕 = [[永正]]8年([[1511年]]){{Efn|生年は[[桑田忠親]]が唱える永正5年([[1508年]])説<ref>{{Cite book|和書|author1=桑田忠親|author2=南條範夫|authorlink2=南條範夫|title=実録 徳川家康-戦国覇者がたどった波乱の生涯-|publisher=ゆまにて出版|year=1982|page=66}}</ref>をはじめ、永正7年([[1510年]])説、永正8年([[1511年]])説など諸説があって、論議されている。}} | 死没 = [[天文 (元号)|天文]]21年{{sfn|谷口|2017|pp=139-140、146-150}}{{refnest|name="没年研究"|group="注釈"|天文19年12月23日付け信長、20年9月20日付け[[織田信行|信勝]]の[[判物]]文書には無い生前使用しなかった信秀の法名「桃巌」が天文21年10月3日付けの信長の判物に使用されているため、この間に死亡したとする{{Sfn|横山|1993}}。}}[[3月3日 (旧暦)|3月3日]]([[1552年]][[3月27日]]) | 改名 = | 別名 = [[仮名 (通称)|通称]]:三郎<br />渾名:器用の仁<ref>『信長公記』</ref>、尾張の虎 | 諡号 = | 神号 = | 戒名 = 萬松寺殿桃巌道見大禅定門 | 霊名 = | 墓所 = [[愛知県]]の亀岳林[[萬松寺]]([[名古屋市]][[中区 (名古屋市)|中区]])<br />泉龍山[[桃巌寺]](名古屋市[[千種区]]) | 官位 = 従五位下、[[弾正忠]]、[[備後国|備後]]守、[[三河守]]、贈従三位 | 幕府 = | 主君 = [[織田達勝]]→[[織田信友|信友]] | 藩 = | 氏族 = [[織田氏|織田弾正忠家(勝幡織田氏)]] | 父母 = 父:[[織田信定]]<br />母:[[含笑院|含笑院殿]](いぬゐ・[[織田良頼]]の娘) | 兄弟 = '''信秀'''、[[織田信康|信康]]、[[織田信光|信光]]、[[織田信実|信実]]、[[織田信次|信次]]、[[松平信定夫人]]([[松平信定]]室)、[[長栄寺殿]]([[牧長義]]室)、[[おつやの方|岩村殿]]([[遠山景任]]室のち[[秋山虎繁]](信友)室?)、[[秋悦院|秋悦院殿]]([[織田信安]]室) | 妻 = 正室:'''[[織田達勝]]の娘'''<br />継室:'''[[土田御前]]'''<br />側室:[[織田敏信]]の娘、[[養徳院]]殿([[池田政秀]]の娘)[[#系譜|ほか]] | 子 = [[織田信広|信広]]、[[織田信時|信時]]、'''[[織田信長|信長]]'''、[[織田信行|信行]]、[[織田信包|信包]]、[[織田長益|長益]](有楽)、[[お市の方]]([[浅井長政]]継室のち[[柴田勝家]]室)、[[お犬の方]]([[佐治信方]]室のち[[細川昭元]]室)、[[#系譜|ほか]] | 特記事項 = }} '''織田 信秀'''(おだ のぶひで)は、[[戦国時代 (日本)|戦国時代]]の[[尾張国]]の[[武将]]、[[戦国大名]]。[[織田信長]]の父。 == 生涯 == === 家督相続 === [[尾張国]]南西部[[海東郡]]・[[中島郡]]に跨る[[勝幡城]]([[愛知県]][[愛西市]]・[[稲沢市]])を支配する勝幡城主で、清洲三奉行の一人の[[織田信定]]の長男として永正8年(1511年)に生まれる。 信定は尾張の[[守護代]][[織田氏]]の一族で、尾張下四郡を支配する守護代「織田大和守家」(清洲織田氏)に仕える庶流として、主家の重臣の[[清洲三奉行]]の一家で[[弾正忠]]を称した家を継いでいた。[[大永]]年間(1521〜8年)に勝幡城を築き当時、伊勢湾に近い木曽川に臨む港と[[牛頭天王]]社([[津島神社]])の門前町として繁栄していた[[津島市|津島]]を支配し、同家の勢力拡大のきっかけを作る{{sfn|谷口|2017|pp=33-40}}。 信秀は父・信定の生前である[[大永]]6年4月([[1526年]])から7年([[1527年]])6月の間に[[家督]]を譲られて当主となる{{Sfn|横山|1993}}。家督相続からまもなく、天文元年(1532年)、主家の[[織田達勝]]と清州三奉行の一人の[[小田井城]]の[[織田寛故]]と争ったが、講和した。この和議を固めるのと自らの威勢を示すため、翌、天文2年(1533年)7月京都から[[蹴鞠]]の宗家[[飛鳥井雅綱]]を招き、[[山科言継]]も同道してまず7月8日勝幡城で蹴鞠会を開催し、賓客たち{{refnest|group="注釈"|『名古屋戦記』では前年享禄5年(1532年)春に那古野城を乗っ取られたはずの[[今川氏豊]]も参加しており、この年数が間違いだと証明している{{sfn|谷口|2017|pp=49-50、63-64}}。}}と数100人の見物衆も含め多くが集まり、7月27日には清州城に舞台を移し、連日蹴鞠会を実施した(『[[言継卿記]]』){{sfn|小和田|1991|pp=21-30}}{{sfn|谷口|2017|pp=43-50}}。[[天文 (元号)|天文]]3年([[1534年]])には、嫡男の信長が誕生した。 === 勢力拡大 === 天文7年([[1538年]])頃、[[今川氏豊]]の居城の[[那古野城]]([[名古屋市]][[中区 (名古屋市)|中区]]{{refnest|group="注釈"|後の[[尾張徳川家]]の居城・[[名古屋城]]の城地。}})を謀略で奪い取り、ここに居城を移して[[愛知郡 (愛知県)|愛知郡]](現在の名古屋市域周辺)に勢力を拡大した{{sfn|谷口|2017|pp=63-66 }}。 その後も勢力の拡大に伴って、天文8年([[1539年]])には[[古渡城]](名古屋市中区)を築き、居城として、2つ目の経済的基盤となる[[宮宿|熱田]]を支配した。信長の幼年時か、天文15年([[1546年]])の元服前に那古野城を譲っている{{sfn|谷口|2017|pp=120-121}}。さらに後年の天文17年([[1548年]])には[[末森城 (尾張国)|末森城]](名古屋市[[千種区]])を築き、また居城を移しているが、当時の戦国大名は生涯、あるいは代々本拠地を動かさないことが多く、特異な戦略とされる{{sfn|谷口|2017|pp=201-206}}。 経済的に伸長し勢力を増し、上洛して朝廷にも献金し、[[従五位|従五位下]]に[[位階|叙位]]され、[[備後守]]に[[任官]]された。さらには[[室町幕府]]にも参じて、第13代将軍・[[足利義輝]]にも拝謁した。天文9年([[1540年]])から翌年にかけ、[[伊勢神宮]]遷宮のため、材木や銭七百貫文を献上した{{sfn|谷口|2017|pp=63-66 }}。天文10年(1541年)[[9月 (旧暦)|9月]]にはその礼として朝廷より[[三河守]]に任じられたというが、周囲への使用例はない{{sfn|谷口|2017|pp=63-66 }}。天文12年([[1543年]])には、天文10年の嵐による内裏の建物倒壊の修理料として朝廷に4000貫文を献上{{Sfn|今谷|1992|pp=161-163}}。さらに朝廷重視の姿勢を示した(『[[多聞院日記]]』){{sfn|谷口|2017|pp=108-110 }}{{refnest|group="注釈"|同年7月に今川義元が献納する500貫が第2位の額であり{{Sfn|今谷|1992|pp=161-163}}、信秀献上の巨額さがわかる{{sfn|谷口|2017|pp=108-110}}。}}。 対外においては遡ること[[享禄]]2年([[1529年]])、[[松平清康]]が尾張に侵入し、信秀の支配下である[[東春日井郡]]の[[品野城]]や、愛知郡の[[岩崎城 (尾張国)|岩崎城]]を収奪。天文4年([[1535年]])、さらに今川勢に唆された清康は森山を侵略するがその最中、家臣の[[阿部正豊]]によって殺害された([[森山崩れ]])。その結果四散した[[松平氏]]の隙を突いて、信秀は三河に反攻。天文9年には[[安祥城]]を攻略して支配下に置き([[安城合戦#第一次安城合戦]])、長男(庶子)の[[織田信広]]を置いた。 天文11年([[1542年]])、美濃では守護の[[土岐頼芸]]と子の[[土岐頼次]]が、[[斎藤道三]]によって尾張へ追放される。信秀は頼芸を支援し、また同様に追放された先々代の守護の子の[[土岐頼純]]を庇護下に置く越前の[[朝倉孝景 (10代当主)|朝倉孝景]]と連携し、美濃に出兵して斎藤道三と戦い、一時は[[大垣城]]を奪った{{sfn|谷口|2017|pp=81-84}}。また『[[信長公記]]』によると、同年の[[小豆坂の戦い#第一次合戦|第一次小豆坂の戦い]]でも[[今川義元]]を相手に勝利を収め、西三河の権益を保持したという{{refnest|group="注釈"|第1次小豆坂の戦いは信長公記以外に出典がなく、その存在自体が論争となっている{{sfn|小和田|1991|pp=21-30}}<ref>{{Cite web|和書|date=2009-07-23 |url=http://www.asahi.com/travel/kosenjo/TKY200907220279.html |title=東海の古戦場をゆく 小豆坂 今川・織田、合戦回数は謎」 |publisher=朝日新聞 |accessdate=2017-12-15}}</ref>。}}。 こうして信秀は主家である大和守家への臣従関係は保ちつつ、実質的な地位や権威は大和守家やその主君である尾張守護[[斯波氏]]をも上回り、弟の[[織田信康]]や[[織田信光]]ら一門、家臣を尾張の要所に配置し、尾張国内の他勢力を圧倒する戦国大名の地位を築いていった。しかし信秀は終末まで守護代奉行であり、実質上は尾張を代表する戦国大名として斎藤・松平・今川ら他国大名と戦い続けたものの、形式的主君として守護代家・守護家を仰ぎ続けた。尾張国内の大和守家や他の三奉行、犬山の織田信清などと何度も敵対し争ったり、反乱されたりしているのに、最後まで徹底して粛清したり叩こうとはせず、旧来の権威や秩序を重んじる古さがあったと指摘される。それらを抱えたまま国外の敵と戦うことには限界があり、その併呑や排除は信長の代を待つことになる{{sfn|小和田|1991|pp=21-30}}。 === 勢力の陰りとその死 === [[File:Oda Nobuhide's Grave.jpg|thumb|180px|[[萬松寺]]の墓所]] 天文13年([[1544年]])、斎藤道三の居城・[[岐阜城|稲葉山城]]の城下まで攻め込んだが、道三の反撃を受けて大敗する([[加納口の戦い]])。 天文16年([[1547年]])9月、[[岡崎城]]を攻め落とし、城主の[[松平広忠]]を降伏させる<ref>{{Cite journal|和書|author=[[村岡幹生]]|title=織田信秀岡崎攻落考証|journal=中京大学文学論叢|issue=1号|year=2015}}/所収:{{Citation|和書|editor=[[大石泰史]]|series=シリーズ・中世関東武士の研究 第二七巻|title=今川義元|publisher=戎光祥出版|year=2019|isbn=978-4-86403-325-1|pages=353-383}}</ref>。広忠の嫡男・竹千代(後の[[徳川家康]])が織田家の人質になったのもこの頃の出来事と考えられている<ref name=柴>{{Citation|和書|author=[[柴裕之]]|chapter=松平元康との関係|editor=[[黒田基樹]]|series=シリーズ・戦国大名の新研究 第1巻|title=今川義元|publisher=戎光祥出版|year=2019|month=6|isbn=978-4-86403-322-0|page=277}}</ref>。 天文17年([[1548年]])、道三が広忠に働きかけ、斎藤氏・今川氏と結んだ広忠が再度挙兵(『武家聞伝記』)。道三や今川義元は信秀に対抗するため、工作活動を行っていたと考えられている<ref name=柴/>。さらに[[犬山城]]主・[[織田信清 (戦国武将)|織田信清]](弟・信康の子)と[[楽田城]]主・[[織田寛貞]]が謀反を起こすが、これを鎮圧して従属させる。また、道三による大垣城攻撃を受けたため救援に向かうがその最中、織田達勝から大和守家を継いだ[[織田信友]]も古渡城に攻め寄せたため、帰還して信友と対峙する。この年、信秀は道三と和睦。条件として信秀の嫡子・信長と、道三の娘・帰蝶([[濃姫]])との婚姻が決まる。 同年[[3月19日 (旧暦)|3月19日]]、[[小豆坂の戦い#第二次合戦|第2次小豆坂の戦い]]において、[[太原雪斎]]の指揮する今川・松平連合軍に敗北。信秀は今川氏の勢力に押され、大和守家とも対立し、苦境に立たされる。 天文18年[[2月24日 (旧暦)|2月24日]]([[1549年]][[3月23日]])、帰蝶が織田家に輿入れ{{sfn|谷口|2017|pp=128-129}}。大垣城は道三の支配下に戻り、また同年には大和守家の信友とも和解した{{sfn|谷口|2017|pp=86-88}}。 同年3月、信秀の勢力を三河より駆逐せんとする今川氏が、織田方の西三河支配の牙城であった[[安祥城]]に対し、[[太原雪斎]]を将とする約1万の軍勢を送る。城主である信秀の庶子・信広の奮戦により、一度はその攻撃を退けたものの、今川氏は同年9月に再び出兵。[[平手政秀]]が援軍として安祥城へ送られたが、11月に安祥城は陥落した([[安城合戦#第三次安城合戦|第三次安城合戦]])。信広が今川氏に捕縛されたことで、人質としていた松平竹千代との交換も行われ、西三河における織田方の勢力は総崩れの様相を呈した{{sfn|谷口|2017|pp=122-127}}。信秀はこの頃から病に冒され臥せるようになり、周囲や関係者にも病中と知られるようになる{{refnest|group="注釈"|天文19年または20年11月5日付け[[織田寛近]]の[[土岐頼次]]宛の書状に「備後守病中ゆえ」とある、『村山文書』所収{{sfn|谷口|2017|pp=137、142-143}}。}}。11月には信長が代行として「執達」し、「藤原信長」名で熱田に制札を出しており、これが信長の初見文書となっている{{sfn|谷口|2017|pp=135-137}}。 天文19年([[1550年]])8月、今川氏の軍勢により、[[知多郡]]の[[水野信元]]が降伏。翌天文20年([[1551年]])12月には[[愛知郡 (愛知県)|愛知郡]][[鳴海城]]の[[山口教継]]が今川方となり、教継の調略により織田方の勢力が削がれるという困難の続く中で、天文21年3月3日(1552年3月27日)、信秀は末森城で死去した{{sfn|谷口|2017|pp=139-140、146-150}}<ref name="没年研究" group="注釈" />。享年42。家督は嫡男の信長が継いだ。葬儀は[[萬松寺]]で行われ、僧侶300人を参集させた壮大なものだった{{sfn|谷口|2017|pp=150-151}}。 なお、没年については天文18年(1549年)説{{sfn|谷口|2017|pp=146-150}}{{refnest|group="注釈"|江戸時代の「織田系図」や 『寛政重修諸家譜』などの系図類や小瀬甫庵『信長記』によるもので、同年月日以後の天文18年11月28日や天文19年11月1日付けの信秀の[[判物]]があるので否定できる{{sfn|谷口|2017|pp=146-150}}。}}{{refnest|group="注釈"|この場合の生年は永正5年([[1508年]])とする。}}、天文20年(1551年)説{{refnest|[[石川桃蹊]]『[[箕水漫録]]』<ref group="注釈">当時の「萬松寺位牌」に基づいたとする江戸時代の文書。</ref>}}{{refnest|group="注釈"|この場合の生年は永正7年([[1510年]])とする。}}、天文21年(1552年)3月9日説<ref>尾張徳川家の菩提寺の『[[定光寺]]年代記』</ref>{{refnest|group="注釈"|この場合の生年は永正8年([[1511年]])とする。}}もあるが{{sfn|谷口|2017|pp=146-150}}、[[思文閣出版|思文閣]]の古書資料目録229号にある武将花押・朱印貼交帖には、備後守信秀名の天文20年4月24日付の[[判物]]が残されている<ref>和田裕弘『信長公記―戦国覇者の一級史料―』 中央公論新社、2018年、p28-29</ref>。 == 人物 == * 智勇に優れた武将であり、守護代二家のうちの大和守家下の庶流という低い地位から尾張各地、そして一時は西三河まで支配し尾張国を代表する勢力となり、信長の飛躍の基盤を作った{{sfn|谷口|2017|pp=238-240}}。 * 何度かの苦戦や困難にも負けず戦い抜き戦国大名化し、天文13年美濃攻めの大敗北直後にも堂々と勅使を迎えた。苦戦や敗戦にめげない精神は、信長の[[信長包囲網|第一次信長包囲網]]の元亀年間の最大の苦闘やその後の包囲網、苦戦に負けなかった強靭な人格に特に継承されている{{sfn|谷口|2017|pp=13-17、237-238}}。 * 父・信定の築いた勝幡城を継承し、近辺の港と門前町の商業都市[[津島市|津島]]の権益を高め、後に同様の地の[[宮宿|熱田]]を支配し、経済力を蓄えて、当時の経済流通拠点を支配下に組み込み、それによって商業の活性化を図るなどの先見性を持っていた。これも信長に継承されている{{sfn|谷口|2017|pp=227-231}}。 * 那古野城の奪取にあたっては、信秀はあらかじめ若年の城主・[[今川氏豊]]に友好的に接近、[[連歌]]狂だった氏豊の歌仲間として親しくなり油断させ、那古野城に何日も泊まるようになる。その後、宿泊時に仮病の重体で人を呼び寄せ、城の内外で戦いを起こし城下に放火し侵攻させていた軍勢を城内に入れ乗っ取るという奇策で攻略したと『名古屋合戦記』<ref>『続群書類従 第二十一輯上 合戦部』所収</ref>に記されている。これはそのまま史実ではなくても、那古野城が突然、信秀のものになったのは事実であり、何かしらの謀略で奪い取ったと見られ、武将としての性格を示して有名である。なお、同書には史実とは年数の合わない享禄5年(1532年)春のこととされている{{sfn|谷口|2017|pp=49-50、62-67}}。 * 「大うつけ」と呼ばれ長老衆や周囲の悪評の高い信長に那古野城を譲り、その後も一貫して自らの後継者に据え続けており、親子の間には信頼関係があったと思われる{{sfn|谷口|2017|pp=158-162}}。 * 居城を勝幡城・那古野城・古渡城・末森城と、戦略に合わせ、次々と移転したが、他の戦国大名の[[武田氏]]・[[朝倉氏]]・[[後北条氏]]・[[毛利氏]]・[[上杉謙信]]などは生涯居城を動かさず、信秀は特異であるがその勢力拡大への効果は大きい。この居城移転戦略も信長へと引き継がれた{{sfn|谷口|2017|pp=201-206}}。 * 子福者であり、40代前半で死去するまでに正室と多くの側室との間に12人の息子と10人以上の娘をもうけた{{sfn|谷口|2017|pp=153-154}}。 * 籠城せず必ず打って出る戦闘方法、多数の兄弟姉妹・娘息子を活かした縁組戦略などは、信長に全国に規模を広げて拡大継承された。その一方で、農村農民や農地政策の不徹底さも同様となった{{sfn|谷口|2017|pp=206-209、211-214、231-232}}。 * 天文12年(1543年)、朝廷に内裏修理料として4000貫文を献上した朝廷重視の姿勢は信長にも受け継がれた{{sfn|谷口|2017|pp=226}}。 * 現・京都市東山区の[[建仁寺]]の塔頭寺院で1536年の「[[法華一揆|天文法華の乱]]」で焼失した禅居庵摩利支天堂を天文16年(1547年)再建したと伝えられている<ref>[http://zenkyoan.jp/about_marishiten/ 禅居庵HP]</ref>。 == 系譜 == ; 先祖 * [[織田良信]] - [[織田信定]] - '''織田信秀''' ; 母 *含笑院殿(いぬゐ・織田良頼の娘) ; 妻 * 正室:織田達勝の娘 * 継室:[[土田御前]] * 側室 ** 織田敏信の娘 ** [[池田政秀]]の娘([[養徳院]]殿) ** 岩室殿(岩室孫三郎次盛の娘) ; 弟妹 {{columns-list|3| * '''織田信秀''' * [[織田信康]] * [[織田信光]] * [[織田信実]] * [[織田信次]] * [[織田信正]] * [[秋悦院|秋悦院殿]]([[織田信安]]室) * 松平内膳室([[松平信定]]または[[松平清定]]室) * [[長栄寺殿]]([[牧長義]]室) * [[おつやの方|おつやの方(岩村殿)]]([[遠山景任]]室のち[[秋山信友]]室) }} ; 息子 {{columns-list|3| * [[織田信広]] * [[織田信長]] * [[織田信行]] * [[織田信治]] * [[織田信時]] * [[織田信興]] * [[織田秀孝]] * [[織田秀成]] * [[織田信照]] * [[織田長益]] * [[織田長利]] * [[織田信包]] }} ; 娘 {{columns-list|3| * [[くらの方]]([[大橋重長]]室) * [[神保・稲葉夫人]]([[神保氏張]]室のち[[稲葉貞通]]正室) * [[犬山殿]]([[織田信清 (戦国武将)|織田信清]]室) * [[斎藤秀龍側室]]([[斎藤道三|斎藤秀龍]]室) * [[苗木勘太郎室]](苗木城主・[[遠山直廉]]室) * [[栄輪院|小田井殿]]([[織田信直]]室) * [[小幡殿]]([[織田信成 (戦国武将)|織田信成]]室) * [[お犬の方]]([[佐治信方]]のち[[細川昭元]]室) * [[お市の方]]([[浅井長政]]のち[[柴田勝家]]室) * [[飯尾尚清室]]([[飯尾尚清]]室) * [[津田出雲守室]](津田出雲守某室) * [[乃夫殿]]([[津田元秀]]室) * [[信徳院]](おとくの方、小林殿・[[小林城]]主[[牧長清]]室) * [[丹羽氏勝継室]]([[丹羽氏勝]]室) * [[乃木九郎]]室 }} == 関連作品 == * 『[[国盗り物語]]』([[1973年]]、[[NHK大河ドラマ]])、演:[[千秋実]] * 『[[徳川家康]]』([[1983年]]、[[NHK大河ドラマ]])、演:[[伊藤孝雄]] * 『[[信長 KING OF ZIPANGU]]』([[1992年]]、[[NHK大河ドラマ]])、演:[[林隆三]] * 『[[麒麟がくる]]』([[2020年]]、[[NHK大河ドラマ]])、演:[[高橋克典]] * 『[[どうする家康]]』([[2023年]]、NHK大河ドラマ)、演:[[藤岡弘、]] == 脚注 == === 注釈 === {{脚注ヘルプ}} <references group="注釈" /> === 出典 === {{脚注ヘルプ}} {{Reflist|2}} == 参考文献 == * {{Cite book |和書 |author=小和田哲男 |authorlink=小和田哲男 |year=1991 |chapter=2 織田信秀 |title=織田家の人びと |publisher=河出書房新社 |ref = {{SfnRef|小和田|1991}} }} * {{Cite book |和書 |author=今谷明 |authorlink=今谷明 |year=1992|title=戦国大名と天皇: 室町幕府の解体と王権の逆襲 |publisher=講談社 |series =講談社学術文庫 |ref = {{SfnRef|今谷|1992}} }} - 原書1992年、福武書店 * {{Cite book |和書 |author=横山住雄 |authorlink=横山住雄 |year=1993 |title=織田信長の系譜 織田信秀の生涯を追って |publisher=教育出版文化協会 |ref = {{SfnRef|横山|1993}} }} * {{Cite book|和書 |author = 谷口克広 |authorlink = 谷口克広 |year = 2017 |title = 天下人の父親・織田信秀 信長は何を学び、受け継いだのか |publisher = [[祥伝社]] |series = 祥伝社新書 |isbn = 978-4396115012 |ref = {{SfnRef|谷口|2017}}}} == 関連項目 == * [[那古野神社]] * 『青銭大名』 - [[東郷隆]]による信秀を主人公とした小説 {{織田弾正忠家}} {{徳川家光の系譜}} {{明正天皇の系譜}} {{Normdaten}} {{デフォルトソート:おた のふひて}} [[Category:勝幡織田氏|のふひて]] [[Category:戦国大名]] [[Category:尾張国の人物]] [[Category:1511年生]] [[Category:1551年没]]
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座標
幾何学において、座標(ざひょう)とは、点の位置を指定するために与えられる数の組 (coordinates)、あるいはその各数 (coordinate) のことであり、その組から点の位置を定める方法を与えるものが座標系(ざひょうけい、英: coordinate system)である。例えば、世界地図にある緯度と経度のようなもの。座標系と座標が与えられれば、点はただ一つに定まる。 座標は点により定まる関数の組であって、一つの空間に複数の座標系が重複して定義されていることがある。例えば、多様体は各点の近くでユークリッド空間と同様の座標系が貼り付けられているが、ほとんどの場合、一つの座標系の座標だけを考えていたのでは全ての点を特定することができない。このような場合は、たくさんの座標系を貼り付けて、重なる部分での読み替えの方法を記した地図帳(アトラス、atlas)を用意することもある。 地球上の位置を表す地理座標や、地球の衛星である月での位置を表す月面座標、天体に対して天球上の位置を表す天球座標がある。 座標の表現方法は一意ではなく、原点・座標軸の取り方により何通りでも表現が可能である。 原点や座標軸などを定めれば、任意の座標は、ただ一つの点を指し示す。しかし逆に座標系によっては、任意の点にただ一つの座標を与えることはできない。たとえば極座標系では原点がいくつもの座標表現ができる。このように定めれば座標が作れるシステムのことを座標系 (system of coordinates) と呼ぶ。 座標系の種類としては、以下の例などがある。 3DCGでは、扱っている空間全体の座標系をワールド座標系 (world coordinate system) あるいはグローバル座標系 (global coordinate system) と呼び、その中にある個別の物体(オブジェクト)それぞれにローカル座標系 (local coordinate system) あるいはボディ座標系 (body coordinate system) を設定することによって、全体空間の中でのそれぞれのオブジェクトの変化を扱いやすくするのが一般的である。例えば人間が走るシーンでは、腕や足の動きは身体の重心を原点とするローカル座標系の中での座標値の変化として、身体の移動はワールド座標系の中での身体の重心の位置の変化として、表せる。 異なる座標系の間には座標を変換するための関数が定義できる。このことを座標変換と呼ぶ。逆に座標変換を与えることによって異なる座標系を定義することもできる。座標変換には平行移動、回転などがある。 座標という概念を初めに考え出したのは哲学者であり数学者でもあるフランスのルネ・デカルトといわれている。ただし、彼の著書『幾何学』では問題に応じて基準となる直線を適宜設定しており、現在のような固定した座標軸を設定する表現は用いられていない。なお、彼は病気療養中に寝転がりながら天井の板を見ていてこれを思いついたという逸話もあるがそれが本当かどうかは定かではない。 「座標」の由来である"co-ordinate"の用語を初めに用いたのはドイツの哲学者、数学者のゴットフリート・ライプニッツであり、現在の直交座標系の表記もライプニッツのものに由来する。日本語で「座標」の語を初めに用いたのは藤沢利喜太郎であるが、当時の表記は「坐標」であり、のちに林鶴一らによって現在の「座標」に改められた。 地理座標(または地図座標)は地球上の位置を表す座標をいう。2次元では緯度と経度で表し、3次元ではこれに標高を加えるのが一般的である。詳しくは測地系を参照。なお、都市や府県程度内の位置は、地球表面を近似的に平面であるとみなすことができるので、あらかじめ設定した座標原点から南北に何メートル、東西に何メートルの点として表すのが実用的である。国土地理院が定めた平面直角座標系は、この考えに基づき、地球楕円体表面をガウス・クリューゲル図法により平面上に等角写像して、日本内に19箇所の座標原点を置き、各々の座標原点からのx座標(北向きに正、南向きに負)、y座標(東向きに正、西向きに負)の値を与えるものである。 天体上の星などの位置を、地球から見上げる天球に配置されているものとして表す座標をいう。各種の座標系があるが、詳しくは天球座標系を参照。なお、あくまで天球上での位置を表すものであり、地球から星への距離を表すものではない。 色は複数(通常3つないし4つ)の数値要素の組み合わせで指定することができる。例えばマンセル表色系では、色相・明度・彩度による。RGBにおいては赤成分 (R)・緑成分 (G)・青成分 (B) による。詳しくは色空間を参照。
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幾何学において、座標(ざひょう)とは、点の位置を指定するために与えられる数の組 (coordinates)、あるいはその各数 (coordinate) のことであり、その組から点の位置を定める方法を与えるものが座標系である。例えば、世界地図にある緯度と経度のようなもの。座標系と座標が与えられれば、点はただ一つに定まる。 座標は点により定まる関数の組であって、一つの空間に複数の座標系が重複して定義されていることがある。例えば、多様体は各点の近くでユークリッド空間と同様の座標系が貼り付けられているが、ほとんどの場合、一つの座標系の座標だけを考えていたのでは全ての点を特定することができない。このような場合は、たくさんの座標系を貼り付けて、重なる部分での読み替えの方法を記した地図帳(アトラス、atlas)を用意することもある。 地球上の位置を表す地理座標や、地球の衛星である月での位置を表す月面座標、天体に対して天球上の位置を表す天球座標がある。
{{WikipediaPage||プロジェクト:地理座標}} {{出典の明記|date=2016年12月}} [[幾何学]]において、'''座標'''(ざひょう)とは、[[点 (数学)|点]]の位置を指定するために与えられる[[数]]の組 (coordinates)、あるいはその各数 (coordinate) のことであり、その組から点の位置を定める方法を与えるものが'''座標系'''(ざひょうけい、{{lang-en-short|coordinate system}})である。例えば、世界地図にある緯度と経度のようなもの。座標系と座標が与えられれば、点はただ一つに定まる。<!--例えば、[[直交座標系|{{mvar|xy}}平面]]において、座標 {{math|(2, 3)}} は {{mvar|x}}座標 {{math|2}} と {{mvar|y}}座標 {{math|3}} からなり、それは平面のある一点を示す。絵が無いと分かりづらい。--> 座標は点により定まる関数の組であって、一つの空間に複数の座標系が重複して定義されていることがある。例えば、[[多様体]]は各点の近くで[[ユークリッド空間]]と同様の座標系が貼り付けられているが、ほとんどの場合、一つの座標系の座標だけを考えていたのでは全ての点を特定することができない。このような場合は、たくさんの座標系を貼り付けて、重なる部分での読み替えの方法を記した'''[[地図帳]]'''(アトラス、atlas)を用意することもある。 地球上の位置を表す'''地理座標'''や、地球の衛星である月での位置を表す'''[[月面座標]]'''、天体に対して天球上の位置を表す'''天球座標'''がある。 == 座標系 == [[画像:Cartesian coordinate surfaces.png|200px|thumb|3次元の直交座標系]] 座標の表現方法は一意ではなく、原点・[[座標軸]]の取り方により何通りでも表現が可能である。 原点や座標軸などを定めれば、任意の座標は、ただ一つの点を指し示す。しかし逆に座標系によっては、任意の点にただ一つの座標を与えることはできない。たとえば[[極座標系]]では原点がいくつもの座標表現ができる。このように定めれば座標が作れるシステムのことを'''座標系''' (system of coordinates) と呼ぶ。 座標系の種類としては、以下の例などがある。 * [[直交座標系]] * [[斜交座標系]] * [[極座標系]] * [[一般化座標系]] ** 球座標系、円筒座標系 3DCGでは、扱っている空間全体の座標系をワールド座標系 (world coordinate system) あるいはグローバル座標系 (global coordinate system) と呼び、その中にある個別の物体(オブジェクト)それぞれにローカル座標系 (local coordinate system) あるいはボディ座標系 (body coordinate system) を設定することによって、全体空間の中でのそれぞれのオブジェクトの変化を扱いやすくするのが一般的である。例えば人間が走るシーンでは、腕や足の動きは身体の重心を原点とするローカル座標系の中での座標値の変化として、身体の移動はワールド座標系の中での身体の重心の位置の変化として、表せる。 == 座標変換 == 異なる座標系の間には座標を変換するための[[関数 (数学)|関数]]が定義できる。このことを'''[[媒介変数|座標変換]]'''と呼ぶ。逆に座標変換を与えることによって異なる座標系を定義することもできる。座標変換には[[平行移動]]、回転などがある。 == 起源 == 座標という概念を初めに考え出したのは哲学者であり数学者でもあるフランスの[[ルネ・デカルト]]といわれている。ただし、彼の著書『幾何学』では問題に応じて基準となる直線を適宜設定しており、現在のような固定した座標軸を設定する表現は用いられていない。なお、彼は病気療養中に寝転がりながら天井の板を見ていてこれを思いついたという逸話もあるがそれが本当かどうかは定かではない。 「座標」の由来である"co-ordinate"の用語を初めに用いたのはドイツの哲学者、数学者の[[ゴットフリート・ライプニッツ]]であり、現在の[[直交座標系]]の表記もライプニッツのものに由来する。日本語で「座標」の語を初めに用いたのは[[藤沢利喜太郎]]であるが、当時の表記は「坐標」であり、のちに[[林鶴一]]らによって現在の「座標」に改められた<ref>[[片野善一郎]]『数学用語と記号ものがたり』裳華房、2003年、pp.116–117.</ref>。 == 地理座標 == {{Main|地理座標系}} '''地理座標'''(または'''地図座標''')は地球上の位置を表す座標をいう。2次元では[[緯度]]と[[経度]]で表し、3次元ではこれに[[標高]]を加えるのが一般的である。詳しくは[[測地系]]を参照。なお、都市や府県程度内の位置は、地球表面を近似的に平面であるとみなすことができるので、あらかじめ設定した座標原点から南北に何メートル、東西に何メートルの点として表すのが実用的である。[[国土地理院]]が定めた[[平面直角座標系]][https://www.gsi.go.jp/LAW/heimencho.html]は、この考えに基づき、[[地球楕円体]]表面を[[ガウス・クリューゲル図法]]により平面上に[[等角写像]]して、日本内に19箇所の座標原点を置き、各々の座標原点からのx座標(北向きに正、南向きに負)、y座標(東向きに正、西向きに負)の値を与えるものである<ref>[http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/datum/tokyodatum.html 日本の測地座標系]</ref>。 == 天球座標 == 天体上の星などの位置を、地球から見上げる天球に配置されているものとして表す座標をいう。各種の座標系があるが、詳しくは[[天球座標系]]を参照。なお、あくまで天球上での位置を表すものであり、地球から星への距離を表すものではない。 == 色の座標による指定 == [[色]]は複数(通常3つないし4つ)の数値要素の組み合わせで指定することができる。例えば[[マンセル表色系]]では、色相・明度・彩度による。[[RGB]]においては赤成分 (R)・緑成分 (G)・青成分 (B) による。詳しくは[[色空間]]を参照。 == 出典 == {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} == 関連項目 == {{Commonscat|Coordinate systems|座標系}} * [[アフィン空間]] * [[多様体]] * [[測地系]] * [[天球座標系]] * [[色空間]] * [[ベクトル]] * [[国家座標]] * [[座標軸]] == 外部リンク == * {{コトバンク}} {{sci-stub}} {{Geometry-stub}} {{Normdaten}} {{DEFAULTSORT:さひよう}} [[Category:座標|*]] [[Category:数学に関する記事]] [[Category:測量]] [[Category:天球座標系]] [[Category:ゴットフリート・ライプニッツ]]
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モーリシャス
モーリシャス共和国(モーリシャスきょうわこく)、通称モーリシャスは、イギリス連邦加盟国の1つで、首都はポートルイスと定められている。インド洋のマスカレン諸島に位置する共和国ながら、アフリカの国家の1つに数えられている。民族構成は多様だが、19世紀にサトウキビ農園の労働力として移入されたインド系住民が過半数を占める。 正式名称は英語で Republic of Mauritius (リパブリック・オブ・モーリシャス)。通称 Mauritius [mɔːˈrɪʃɪəs, məˈrɪʃəs] ( 音声ファイル)。フランス語では République de Maurice (レピュブリク・ドゥ・モーリス)。通称 Maurice。モーリシャス・クレオール語ではRepublik Moris。 日本語の表記はモーリシャス共和国。通称モーリシャス。 この付近に島々が点在していることは、10世紀以前からアラブ人航海者達に知られていた。15世紀にはインド系とインドネシア・マレー系がやって来た。1505年にヨーロッパ系としてはポルトガル人が初めて到達した。 1638年にオランダがインド航路の補給地として植民を開始した。オラニエ公マウリッツ(マウリティウスを英語読みでモーリシャス)の名にちなんでこの島を命名した。この植民地統治によって、後々主力産品となってゆくサトウキビの移入や、農園の労働力としての奴隷移入などが行われた。また開発によって、固有種であったドードーが絶滅したのもこの時代である。しかし植民地経営は上手くゆかず、1710年にオランダはモーリシャスから完全に撤退した。 オランダがモーリシャスから撤退すると、近隣のレユニオン島を植民地化していたフランスがさっそく再植民を計画し、1715年にモーリシャスを占領して、フランス島と名付けた。1735年にはベルトラン=フランソワ・マエ・ド・ラ・ブルドネ総督が就任し、ポートルイス市の建設や各種開発を行ってモーリシャスの基盤を作った。この時期のモーリシャスの経済の基盤はサトウキビのプランテーションであり、その労働力のために主にアフリカから多くの奴隷が移入された。 1810年にイギリスに占領され、1814年には正式にイギリス領となり、島名は旧名のモーリシャスに戻された。しかしイギリスはモーリシャスの統治体制に手をつけず、本国からの移住も行われなかったので、島の支配階級であったフランス人大農園主はそのまま島に残り、言語的にも英語よりフランス語が主に話される状況は続いた。1835年にはイギリス議会によって可決された奴隷解放が実行に移され、それまで農園などで働いていた奴隷たちは自由を得た。この奴隷解放によって不足した労働力を補充するために、同年にはインドからの移民の導入が開始され、1861年にはインド人はモーリシャスで最も多い民族となっていた。またこの時期にはモーリシャスのサトウキビプランテーションおよび製糖業が大いに発展した。 1831年には統治評議会が設けられ、評議員の半分は政府の行政官、半分は総督が有力民間人を指名した。1886年には財産による制限選挙制が導入され、27人の議員のうち10人が選挙により選出されるようになったが、これらの議員は主にフランス系が占め、クレオールは少数にとどまっていた。インド人系が議員に選出されるのは1926年になってからのことだった。選挙制は徐々に条件が緩和されていき、1948年には財産制限の撤廃と婦人参政権の導入によって大幅に選挙権が拡大され、1958年には完全普通選挙と「最良の敗者」制度が導入された。 イギリスの植民地時代は、モーリシャス島から北東へ約2,000 km先にあるチャゴス諸島と併せて統治されていたが、独立直前の1965年11月に分離され、チャゴス諸島の住人約1800人はモーリシャス島へ強制移住させられた。 1968年に英連邦王国として独立を達成し、首相にシウサガル・ラングーラムが就任した。独立時には高失業率に悩み民族対立も起こっていたものの、ラングーラム政権は1971年の輸出加工区の設置を皮切りに積極的な産業振興政策を進め、繊維産業や観光業の発展で経済成長を実現した。政治面では1969年にはポール・ベランジェが中心となってモーリシャス闘争運動(MMM)が結成され、ラングーラムの与党モーリシャス労働党との2大政党ブロック体制となった。政情不安により1972年の選挙は延期されたものの、1976年に選挙が行われて以降は自由選挙に基づく民主的な政治が継続されている。1982年の選挙ではモーリシャス闘争運動とモーリシャス社会党の連合が大勝利を収めて政権交代が起こり、アヌルード・ジュグノートが首相に就任したものの、党内の内紛によって1983年にはジュグノートがモーリシャス社会主義運動を結成し、労働党と連立を組んで政権を維持した。 1992年には立憲君主制から共和制に移行し、モーリシャス共和国となった。ジュグノートは1995年まで政権を維持したが、同年労働党が選挙に勝利し、同党党首のナヴィン・ラングーラムが首相に就任した。2000年には社会主義運動が勝利してジュグノートが再び首相に就任し、2003年には連立相手の闘争運動・ベランジェ党首に首相の座を譲った。2005年には労働党が勝利してラングーラムが首相となり、2010年の選挙でもその座を維持したが、2014年の選挙では社会主義運動が勝利してジュグノートがみたび首相に就任した。2017年にジュグノートは政界を引退し、息子である社会主義運動党首のプラビンド・ジュグノートが首相の座に就いた。 2020年、わかしお座礁石油流出事故に見舞われた。8月6日、モーリシャス政府は環境緊急事態宣言を発表。周辺国(地域)や日本政府に対して全面支援を要請した。 モーリシャスは共和制、議院内閣制をとる立憲国家である。現行のモーリシャスの憲法(英語版)は1992年3月12日に制定されたものであり、これによって英連邦王国からイギリス連邦内の共和国となった。モーリシャスは中央集権国家だが、ロドリゲス島などの属領には、一定の自治権が認められている。 国家元首である大統領は、国民議会により選出される。任期は5年で、3選は禁止されている。 首相および副首相は大統領により任命されるが、国民議会に対し責任を負う。内閣に相当する閣僚評議会のメンバーは、首相の推薦に基づき大統領により任命される。大統領の権限は名目的なものであり、実質的な行政権は首相率いる閣僚評議会により行使される。 立法府は一院制で、正式名称は国民議会。定数は70議席で、うち62議席は1選挙区3人の直接選挙(ロドリゲス島は2人)により選出され、8議席は選挙の次点の中から、人口比に対して当選者の少なかった民族や得票率に対して当選者の少なかった政党に配分される。この制度は「最良の敗者」制度と呼ばれ、大選挙区制との併用により少数派に一定の議席を保障することで各民族の発言権を確保し、民族間の融和をもたらすこととなった。議員の任期は5年である。直近の選挙は2014年12月10日に行なわれた。 モーリシャスは複数政党制が認められており、選挙による民主的な政権交代も数度起きている。政治的には穏健な多党制であり、1つの政党が単独で政権を握れるだけの議席を獲得することはほとんどないため、連立政権が政権を握ることが常である。有力な政党としては、インド人ヒンドゥー教徒を中心にクレオールやムスリムにも一部支持を広げる保守の労働党(PTr)、クレオールを基盤とする革新のモーリシャス闘争運動(MMM)、そしてインド人ヒンドゥー教徒を基盤とする革新のモーリシャス社会主義運動(MSM)があり、このうちの1党または2党が、クレオールを基盤とする保守のモーリシャス社会民主党(英語版)(PMSD)や、ロドリゲス島のロドリゲス人民機構(OPR)などの小政党と連立を組んで政権を握ってきた。2010年の選挙では労働党・社会民主党・社会主義運動による保守寄りの「未来同盟」が政権を握ったが、2014年の選挙では社会主義運動が勝利し、社会民主党およびMuvman Liberater党との「人民同盟」が政権を奪うこととなった。 司法府の最高機関はモーリシャス最高裁判所(英語版)である。 アフリカ連合 (AU)、南部アフリカ開発コミュニティ (SADC)、インド洋委員会 (COMESA) に属する。アフリカ諸国(特に南アフリカ)が最大の貿易相手国だが、EUとの結びつきも強い。また、イギリス連邦の一員でもあり、フランス語圏でもある。 常備軍は存在せず、警察・準軍事組織としてモーリシャス警察隊(現役総人員10,115名)が設置されている。 モーリシャス共和国の国土面積は2040 km で、国としては世界169位の面積である。主島であるモーリシャス島と、その付近の島々で構成される島国である。島々の周囲は珊瑚礁で囲まれている。 同国で最も大きな島である、面積1865 kmのモーリシャス島は火山島だが、全体的に標高が低く、最高峰のラ・プチ・リヴィエール・ノワール山ですら828 mに過ぎない。モーリシャス島は、海岸部の平野と、標高200 m程度の高原の大きく2つの地域に分けられる。平野と高原の間には急崖が存在するものの、いくつかの丘陵を除けば全般に平坦な地形をしている。 同国で2番目に大きなロドリゲス島の面積は108 kmであり、モーリシャス島の東560 kmの位置にある。アガレガ諸島の2つの島は合わせて26 kmであり、モーリシャス島から北に約1000 kmの位置にある。カルガドス・カラホス諸島は多くの砂洲や岩礁で構成される列島であり、モーリシャス島の北東約430 kmに位置し、主に漁業基地として用いられている。 モーリシャスの排他的経済水域(EEZ)は、インド洋のうち約2,300,000 kmを占めている。ただし、このうち約400,000 kmはセーシェルと共同管理している。 モーリシャスの環境は、沿岸地域では一般的に熱帯であり、山地には森林がある。時折襲来するサイクロンにより動植物が被害を受けるものの、それらはすぐに回復する。モーリシャスの空気の質は、世界で最高の水準とされており、世界保健機関(WHO)が公表するAir quality indexでは、モーリシャスは世界2位とされている。 モーリシャスは南回帰線の近くに位置し、熱帯気候に属する。季節は2つある。11月から4月までが暖かく湿った夏であり、夏の平均気温は24.7 °Cである。6月から9月が比較的涼しい乾燥した冬であり、冬の平均気温は20.4 °Cである。海洋性の気候であり、季節間の平均気温の差はわずか4.3 °Cに過ぎない。最も暖かい月は1月と2月であり、日最高気温の平均は29.2 °Cに達する。一方、最も寒い月は7月と8月で、夜間の最低気温の平均が16.4 °Cまで下がる。年間降水量は海岸沿いの900 mmら中央高原の1500 mmの範囲である。顕著な雨季は見られないものの、降雨のほとんどは夏の数ヶ月に起こる。ラグーンの海水温は22 °Cから27 °Cの間である。中央高原は、周囲の沿岸域よりもずっと涼しく、また雨量は沿岸域の2倍に達する場所もある。マスカリン高気圧由来の南東貿易風が卓越し、島の東側は他の地域と比べると低温かつ雨がちな傾向がある。また、島の両側で気温や降水量が著しく違う場合もある。時折襲来するサイクロンは、一般的には1月から3月の間に発生し、この地域には約3日間だけ悪天をもたらす他、多くの雨をもたらす傾向がある。 モーリシャスは、9の県と3の属領に分かれる。その他、イギリスに対してチャゴス諸島の返還を要求している。 最大都市は首都のポートルイスである。インド洋に面した港町であるポートルイスから南にはボーバッサン・ローズヒル、カトル・ボルヌ、ヴァコア・フェニックス、キュールピップといった主要都市が連続し、一大都市圏を形成している。この都市圏の最南部に位置するキュールピップはモーリシャス島のほぼ中央部に位置し、高原上に広がる都市である。 IMFの統計によると、モーリシャスの2018年のGDPは142億ドルである。1人当たりのGDPは11,206ドルで、アフリカ諸国全体では第2位、世界平均のおよそ75.7%の水準である。 モーリシャスの主要産業は入植以来一貫してサトウキビのプランテーションであり、独立以後も1975年までは総輸出額の85%以上を占めるなど、サトウキビに依存するモノカルチャー経済だった。 しかし、1968年の独立後、観光業および、1971年から始まったEPZ(輸出加工区)における繊維産業を中心とする輸出型工業の発展により、堅実な経済発展を遂げ、モノカルチャー経済から脱出した。 独立以前は慢性的な人口過剰に苦しんでいたが、繊維産業の急速な発展により、1980年代後半には完全雇用を達成し、1991年の失業率は2.7%にまで低下した。しかし、その後は逆に労働力不足に直面している。 日本にとっては、遠洋マグロ漁業の中継・補給基地として重要であり、日本船がよく停泊している。2014年度の日本のモーリシャスからの輸入品のうち44.3%はマグロであり、また20%が衣類だった。モーリシャスの日本からの輸入品は乗用車が半数以上を占め、2国間貿易はモーリシャスの大幅な赤字となっている。 モーリシャスの農業は国内農地の89.9%がサトウキビ栽培に当てられている。サトウキビ栽培は大規模プランテーションによる単一栽培が基本であるものの、一部に自作農や小作農も存在する。製糖業は1970年まではモーリシャスのほぼ唯一の産業であった。こうした農業の砂糖生産特化は農業の高所得化を生み、余剰労働人口を工業に振り向ける基盤となった。1971年に輸出加工区を設けて繊維産業を振興するなどして、サトウキビのモノカルチャー経済から脱していった。他産業が拡大したことによって相対的に輸出額に占める地位が落ちた2000年においても、輸出総額の14.7%を占める基幹産業の1つとなっていた。ただ、その後、砂糖の輸出に占める割合はさらに低下し、2014年には9.8%と1割を切った。 この他、中央の高原地帯においてはチャノキのプランテーションも存在する。逆に穀物はほぼ生産されておらず、ほぼ全量を輸入に頼っている。 モーリシャス周辺の海域は好漁場であることから漁業も盛んであり、2014年にはカツオ・マグロの輸出が輸出総額の約10%を占めた。 1971年の輸出加工区の創設以降、特に安価な労働力を利用した繊維産業が急速な発展を遂げ、1993年には繊維産業のみでGDPの9.9%を占めるまでに成長し、同年の輸出総額に占める線維工業の割合は70%を越え、製糖業をしのぐ一大産業となった。しかし、モーリシャスは繊維産業だけではなく、他の工業の育成も進めていった。このために繊維産業の輸出に占める割合は2014年には34.9%にまで低下したものの、同年の機械類の輸出が13.5%に達した。なお、2009年における輸出総額に占める工業製品の割合は64.2%であった。ただ、燃料は輸入に頼っており、2008年現在、電力も水力発電は32%に過ぎず、残りの68%は火力発電に頼っている。 2006年の時点で、鉱物燃料の輸入は総輸入の17%を占めている。輸入鉱物で主体となっている鉄と鋼は2%、セメントは1%である。また、地元企業に輸入ダイヤモンド加工を手掛けている所が多いことが報告されている。 同年3月、同国政府は輸入への依存と石油価格の上昇に対する懸念から、インドのONGCと海洋掘削(英語版)に関する協定に署名している。 製糖業・繊維産業・工業と並ぶ、もう1つの主要産業は観光業である。2005年には観光客数は75万人を数え、GDPの15.8%を占めていた。観光客の多くはヨーロッパから訪れており、中でもフランスからの観光客が全体の28.5%を占めて最大勢力となっている。2003年の観光客の平均宿泊日数は10.4日であり、長期滞在型のバカンス客が主流となっていることを示している。 モーリシャスの中央銀行はモーリシャス銀行(英語版)であり、通貨であるモーリシャス・ルピーを発行している。 モーリシャスはいわゆるオフショア金融センターないしはタックス・ヘイヴン(租税回避地)の1種であり、インド・中国・アフリカ諸国などと租税条約を締結し国際投資の際のタックスプランニングの中間地として利用されている。 インドについてはモーリシャスの現地居住者の会社がインドで上げた収益への課税が免除(無税)されている。このため海外からのインド投資の44.24%(2000-2007年)はモーリシャス居住者籍の投資会社からのものである。海外からのインド向け信託投信なども多く設定されている。中国については1994年租税条約によりキャピタルゲイン免税と配当課税の軽減税率適用が締約されたが、2006年の改定により、大量持分(直接・間接25%以上)投資者がキャピタルゲインを上げた場合には、中国での本則(10%)のキャピタルゲイン課税が行われることとなった。 2023年3月28日、英国のコンサルティング会社ヘンリー&パートナーズと、南アフリカ共和国の調査会社ニュー・ワールド・ウェルスは、「アフリカ・ウェルス・レポート2023」を発表した。それによると、アフリカでの個人資産は大幅に増大し、モーリシャスでは、2012年と比べて69%も増加、急速に経済成長していることが示された。 2022年12月末時点のアフリカの国別の100万ドル以上の資産の保有者数は、南アフリカ:3万7,800人(2012年比21%減)、エジプト:1万6,100人(同25%減)、ナイジェリア:9,800人(同30%減)、ケニア:7,700人(同30%増)、モロッコ:5,800人(同28%増)、モーリシャス:4,900人(同69%増)、アルジェリア:2,800人(同26%減)、エチオピア:2,700人(同23%増)、ガーナ:2,600人(同24%増)、タンザニア:2,400人(同20%減)、となっており、モーリシャス経済の力強さを示した。 モーリシャスは元々が小さな島の集まりであるため、1922年まではボートでしかアクセスが出来ない状態が続いていた。 現在の同国には2,066km(1,284マイル)の道路があり、その内48.5%が幹線道路、28.7%が二次道路、3.6%が高速道路、残りの19.2%が他の種類の道路で構成されている。2019年にはメトロ・エクスプレスが開通した。 空運では、フラッグキャリアとしてモーリシャス航空がアフリカ、アジア、ヨーロッパへ就航している。 詳細は「サー・シウサガル・ラングーラム国際空港」を参照。 モーリシャス共和国に居住する人口は2016年12月の推計で1,264,000人である。女性人口637,032人、男性人口624,176人である。モーリシャス島の人口は1,219,265人、ロドリゲス島41,669人、アガレガ諸島およびセイント・ブランドン島は合わせて274人と推計されている。モーリシャスの人口密度はアフリカ諸国の中では第1位である。 民族に関して公的な統計はないものの、モーリシャスは多民族国家である。住民はインド系(印僑)が68%、アフリカ系と白人の混血によるクレオールが27%、華人が3%、フランス系が2%である。インド系住民の多くはかつてクーリーとして渡って来た人々で、彼らの受け入れに使われた施設の遺構アープラヴァシ・ガートは、ユネスコの世界遺産に登録されている。 1814年以降から独立まで約150年にわたってイギリスの植民地であったため、公用語は形式上では英語であるものの、法的には定められていない。議会での公用語も英語だが、国民議会議員は誰でも議長にフランス語で呼び掛けて良いことになっている。英語とフランス語は一般的にモーリシャスの公的な言語として、政治、行政、裁判やビジネスのための言語として受け入れられている。モーリシャスの憲法(英語版)は英語で書かれているものの、民法などの幾つかの法律はフランス語である。 学校の生徒は英語とフランス語が必修で、選択科目としてアジア系諸言語やクレオール語を学べる。学校での教育に用いられる言語は学校により異っている。ただ、通常はクレオール語、フランス語、英語である。 これらの言語の中でモーリシャスで最も話されている言語は、17世紀〜18世紀初頭にかけてのフランス領時代に発達したフランス語系統のモーリシャス・クレオール語である。モーリシャス・クレオール語は90%以上の国民の母語であり、日常会話として家庭などで話されている。ただしモーリシャス・クレオール語は、話し言葉主体であり、読み書きなどの教育は受けないので、読み書きや敬語的な表現などを用いた会話では一般的にフランス語を使用する。多くの新聞やメディアはフランス語であり、ビジネスでもフランス語が使用されるなどフランス語圏となっている。 また、多くの国民はモーリシャス・クレオール語、フランス語に加えて、宗主国の言語である英語も理解するトライリンガルであるものの、英語は学校教育を終えると日常生活では使う機会に乏しいために、読み書きはできても聞き取りや会話などは苦手な人も少なくない。そのため、アメリカ映画など英語で作成されたテレビ番組などは、フランス語に吹き替えられて放送される。その他、家庭内ではポルトガル語、ヒンディー語、タミル語、テルグ語、客家語、ボージュプリー語、ウルドゥー語、マラーティー語などが使われる。 モーリシャス人は状況に応じて使う言語を使い分けており、教育や職業的な場面ではフランス語や英語が好まれる一方、音楽、宗教、文化的な活動ではアジア系言語が主に用いられる。メディアや文学は主にフランス語である。 かつてはボージュプリー語を母語とする者も多かったが、その数は年々減少し、家庭でのボージュプリー語の使用は減っており2000年では人口の12%あったところ、2011年の統計では5%まで低下している。 モーリシャスは公的に世俗的政府であると定められており、信教の自由は憲法に明記されている。このこともあって、多様な宗教が共存する国である。モーリシャス人の信仰は、ヒンドゥー教が52%、キリスト教が28.3%(ローマ・カトリックが26%、プロテスタントが2.3%)、イスラム教が16.6%、その他3.1%である。なお、アフリカ諸国の中でヒンドゥー教が多数を占める国はモーリシャスのみである。 モーリシャス人の文化には多様な宗教からもたらされた祝祭を反映して、年間を通じて様々な祝祭があり、そのうちのいくつかは公的な祝祭日となっている。推計によればモーリシャス人は平均で年700時間を宗教的活動に費やすという。 同国の教育は政府が資金提供する公立学校の開発と運営を管理する教育人事省によって管理されている。教育人事省は私立学校に関しては助言と監督の役割も担っている面を持つ。 同国は治安対策に力を入れており、凶悪犯罪は少なく、周辺諸国と比較すると一般的に治安状況は良い方であるとされている。しかし、空き巣、車上狙い、スリ、ひったくりなどの一般犯罪が散発している他、夜間においては旅行者を狙った強盗事件も発生しているため、注意する必要が求められる。最近は麻薬取引が一般市民にも広がっており、麻薬欲しさに金品を強奪する者が出現することから不用意な外出は危険性が高く、用事での外出も常時警戒しなければならない。 モーリシャスはアフリカ連合(AU)のメンバーである為、その市民とNGOはアフリカ人権委員会(英語版)へ苦情を申し立てることが可能となっている。また、EUガイドライン(人権擁護家、死刑、拷問)に従い、EU加盟国の大使館と欧州委員会の代表団へ苦情を申し立てることも可能となっている。多国籍企業による人権侵害の場合は、OECD加盟国の全国連絡窓口を呼び出すこともある。モーリシャスは国際刑事裁判所に加盟している為、重大な犯罪が発生した場合には同裁判所から呼び出される可能性がある。 モーリシャスの文化は、その歴史からのいくつかの国の文化と同国地域の先住民族の社会から生まれた個々の文化が融合して形成された。中でもフランスの文化と強い結び付きを持っている点が挙げられている。 ラム酒が有名となっている。同国のラム酒はキューバ、ジャマイカ、バルバドスのカリブ海諸国ほど知名度が高くはないものの、国際舞台で徐々に露出を増やしており、ラム酒醸造は地元の業界関係者から潜在的な成長分野と見なされている。 セガ(英語版)の発祥の地である。 基本的な祝日は以下の通りである。 ※他には日付の異なる祝日が存在し、その殆どはヒンドゥー教やイスラム教の祭典ならびに中国の春節の祭りに因んだもので構成されている。 モーリシャスは、オリンピックには1984年のロサンゼルス大会で初出場し、2008年の北京大会のボクシング競技で、ブルーノ・ジュリーが銅メダルを獲得し同国初のメダリストとなった。モーリシャスの国技は競馬であり、国の文化遺産の一部とされている。競馬の発祥は1812年のシャン・ド・マルス競馬場(フランス語版、英語版)の開業時にさかのぼり、南半球で最も古い競馬場とされており、同施設で開催されるレースには今も数多くの支持者が存在する。なお、レクリエーションレベルではあるものの、市民の多様なスポーツへの参加意識が高まっており、トレイルランニングやウォータースポーツ、マウンテンバイキングなども盛んである。 モーリシャス国内でも他のアフリカ諸国同様に、サッカーが最も人気のスポーツとなっており、1935年にサッカーリーグのモーリシャンリーグ(英語版)が創設されている。モーリシャスサッカー協会(英語版)によって構成されるサッカーモーリシャス代表は、これまでFIFAワールドカップには未出場となっている。アフリカネイションズカップには1974年大会で1度出場しているが、グループリーグ敗退に終わった。なお、代表チームはスタッド・ジョルジュ・サンク(英語版)とスタッド・アンジャレ(英語版)の2つのスタジアムを本拠地としている。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "モーリシャス共和国(モーリシャスきょうわこく)、通称モーリシャスは、イギリス連邦加盟国の1つで、首都はポートルイスと定められている。インド洋のマスカレン諸島に位置する共和国ながら、アフリカの国家の1つに数えられている。民族構成は多様だが、19世紀にサトウキビ農園の労働力として移入されたインド系住民が過半数を占める。", "title": null }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "正式名称は英語で Republic of Mauritius (リパブリック・オブ・モーリシャス)。通称 Mauritius [mɔːˈrɪʃɪəs, məˈrɪʃəs] ( 音声ファイル)。フランス語では République de Maurice (レピュブリク・ドゥ・モーリス)。通称 Maurice。モーリシャス・クレオール語ではRepublik Moris。", "title": "国名" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "日本語の表記はモーリシャス共和国。通称モーリシャス。", "title": "国名" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "この付近に島々が点在していることは、10世紀以前からアラブ人航海者達に知られていた。15世紀にはインド系とインドネシア・マレー系がやって来た。1505年にヨーロッパ系としてはポルトガル人が初めて到達した。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "1638年にオランダがインド航路の補給地として植民を開始した。オラニエ公マウリッツ(マウリティウスを英語読みでモーリシャス)の名にちなんでこの島を命名した。この植民地統治によって、後々主力産品となってゆくサトウキビの移入や、農園の労働力としての奴隷移入などが行われた。また開発によって、固有種であったドードーが絶滅したのもこの時代である。しかし植民地経営は上手くゆかず、1710年にオランダはモーリシャスから完全に撤退した。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "オランダがモーリシャスから撤退すると、近隣のレユニオン島を植民地化していたフランスがさっそく再植民を計画し、1715年にモーリシャスを占領して、フランス島と名付けた。1735年にはベルトラン=フランソワ・マエ・ド・ラ・ブルドネ総督が就任し、ポートルイス市の建設や各種開発を行ってモーリシャスの基盤を作った。この時期のモーリシャスの経済の基盤はサトウキビのプランテーションであり、その労働力のために主にアフリカから多くの奴隷が移入された。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "1810年にイギリスに占領され、1814年には正式にイギリス領となり、島名は旧名のモーリシャスに戻された。しかしイギリスはモーリシャスの統治体制に手をつけず、本国からの移住も行われなかったので、島の支配階級であったフランス人大農園主はそのまま島に残り、言語的にも英語よりフランス語が主に話される状況は続いた。1835年にはイギリス議会によって可決された奴隷解放が実行に移され、それまで農園などで働いていた奴隷たちは自由を得た。この奴隷解放によって不足した労働力を補充するために、同年にはインドからの移民の導入が開始され、1861年にはインド人はモーリシャスで最も多い民族となっていた。またこの時期にはモーリシャスのサトウキビプランテーションおよび製糖業が大いに発展した。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "1831年には統治評議会が設けられ、評議員の半分は政府の行政官、半分は総督が有力民間人を指名した。1886年には財産による制限選挙制が導入され、27人の議員のうち10人が選挙により選出されるようになったが、これらの議員は主にフランス系が占め、クレオールは少数にとどまっていた。インド人系が議員に選出されるのは1926年になってからのことだった。選挙制は徐々に条件が緩和されていき、1948年には財産制限の撤廃と婦人参政権の導入によって大幅に選挙権が拡大され、1958年には完全普通選挙と「最良の敗者」制度が導入された。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "イギリスの植民地時代は、モーリシャス島から北東へ約2,000 km先にあるチャゴス諸島と併せて統治されていたが、独立直前の1965年11月に分離され、チャゴス諸島の住人約1800人はモーリシャス島へ強制移住させられた。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "1968年に英連邦王国として独立を達成し、首相にシウサガル・ラングーラムが就任した。独立時には高失業率に悩み民族対立も起こっていたものの、ラングーラム政権は1971年の輸出加工区の設置を皮切りに積極的な産業振興政策を進め、繊維産業や観光業の発展で経済成長を実現した。政治面では1969年にはポール・ベランジェが中心となってモーリシャス闘争運動(MMM)が結成され、ラングーラムの与党モーリシャス労働党との2大政党ブロック体制となった。政情不安により1972年の選挙は延期されたものの、1976年に選挙が行われて以降は自由選挙に基づく民主的な政治が継続されている。1982年の選挙ではモーリシャス闘争運動とモーリシャス社会党の連合が大勝利を収めて政権交代が起こり、アヌルード・ジュグノートが首相に就任したものの、党内の内紛によって1983年にはジュグノートがモーリシャス社会主義運動を結成し、労働党と連立を組んで政権を維持した。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "1992年には立憲君主制から共和制に移行し、モーリシャス共和国となった。ジュグノートは1995年まで政権を維持したが、同年労働党が選挙に勝利し、同党党首のナヴィン・ラングーラムが首相に就任した。2000年には社会主義運動が勝利してジュグノートが再び首相に就任し、2003年には連立相手の闘争運動・ベランジェ党首に首相の座を譲った。2005年には労働党が勝利してラングーラムが首相となり、2010年の選挙でもその座を維持したが、2014年の選挙では社会主義運動が勝利してジュグノートがみたび首相に就任した。2017年にジュグノートは政界を引退し、息子である社会主義運動党首のプラビンド・ジュグノートが首相の座に就いた。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "2020年、わかしお座礁石油流出事故に見舞われた。8月6日、モーリシャス政府は環境緊急事態宣言を発表。周辺国(地域)や日本政府に対して全面支援を要請した。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "モーリシャスは共和制、議院内閣制をとる立憲国家である。現行のモーリシャスの憲法(英語版)は1992年3月12日に制定されたものであり、これによって英連邦王国からイギリス連邦内の共和国となった。モーリシャスは中央集権国家だが、ロドリゲス島などの属領には、一定の自治権が認められている。", "title": "政治" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "国家元首である大統領は、国民議会により選出される。任期は5年で、3選は禁止されている。", "title": "政治" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "首相および副首相は大統領により任命されるが、国民議会に対し責任を負う。内閣に相当する閣僚評議会のメンバーは、首相の推薦に基づき大統領により任命される。大統領の権限は名目的なものであり、実質的な行政権は首相率いる閣僚評議会により行使される。", "title": "政治" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "立法府は一院制で、正式名称は国民議会。定数は70議席で、うち62議席は1選挙区3人の直接選挙(ロドリゲス島は2人)により選出され、8議席は選挙の次点の中から、人口比に対して当選者の少なかった民族や得票率に対して当選者の少なかった政党に配分される。この制度は「最良の敗者」制度と呼ばれ、大選挙区制との併用により少数派に一定の議席を保障することで各民族の発言権を確保し、民族間の融和をもたらすこととなった。議員の任期は5年である。直近の選挙は2014年12月10日に行なわれた。", "title": "政治" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "モーリシャスは複数政党制が認められており、選挙による民主的な政権交代も数度起きている。政治的には穏健な多党制であり、1つの政党が単独で政権を握れるだけの議席を獲得することはほとんどないため、連立政権が政権を握ることが常である。有力な政党としては、インド人ヒンドゥー教徒を中心にクレオールやムスリムにも一部支持を広げる保守の労働党(PTr)、クレオールを基盤とする革新のモーリシャス闘争運動(MMM)、そしてインド人ヒンドゥー教徒を基盤とする革新のモーリシャス社会主義運動(MSM)があり、このうちの1党または2党が、クレオールを基盤とする保守のモーリシャス社会民主党(英語版)(PMSD)や、ロドリゲス島のロドリゲス人民機構(OPR)などの小政党と連立を組んで政権を握ってきた。2010年の選挙では労働党・社会民主党・社会主義運動による保守寄りの「未来同盟」が政権を握ったが、2014年の選挙では社会主義運動が勝利し、社会民主党およびMuvman Liberater党との「人民同盟」が政権を奪うこととなった。", "title": "政治" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "司法府の最高機関はモーリシャス最高裁判所(英語版)である。", "title": "政治" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "アフリカ連合 (AU)、南部アフリカ開発コミュニティ (SADC)、インド洋委員会 (COMESA) に属する。アフリカ諸国(特に南アフリカ)が最大の貿易相手国だが、EUとの結びつきも強い。また、イギリス連邦の一員でもあり、フランス語圏でもある。", "title": "国際関係・外交" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "常備軍は存在せず、警察・準軍事組織としてモーリシャス警察隊(現役総人員10,115名)が設置されている。", "title": "軍事" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "モーリシャス共和国の国土面積は2040 km で、国としては世界169位の面積である。主島であるモーリシャス島と、その付近の島々で構成される島国である。島々の周囲は珊瑚礁で囲まれている。", "title": "地理" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "同国で最も大きな島である、面積1865 kmのモーリシャス島は火山島だが、全体的に標高が低く、最高峰のラ・プチ・リヴィエール・ノワール山ですら828 mに過ぎない。モーリシャス島は、海岸部の平野と、標高200 m程度の高原の大きく2つの地域に分けられる。平野と高原の間には急崖が存在するものの、いくつかの丘陵を除けば全般に平坦な地形をしている。", "title": "地理" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "同国で2番目に大きなロドリゲス島の面積は108 kmであり、モーリシャス島の東560 kmの位置にある。アガレガ諸島の2つの島は合わせて26 kmであり、モーリシャス島から北に約1000 kmの位置にある。カルガドス・カラホス諸島は多くの砂洲や岩礁で構成される列島であり、モーリシャス島の北東約430 kmに位置し、主に漁業基地として用いられている。", "title": "地理" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "モーリシャスの排他的経済水域(EEZ)は、インド洋のうち約2,300,000 kmを占めている。ただし、このうち約400,000 kmはセーシェルと共同管理している。", "title": "地理" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "モーリシャスの環境は、沿岸地域では一般的に熱帯であり、山地には森林がある。時折襲来するサイクロンにより動植物が被害を受けるものの、それらはすぐに回復する。モーリシャスの空気の質は、世界で最高の水準とされており、世界保健機関(WHO)が公表するAir quality indexでは、モーリシャスは世界2位とされている。", "title": "気候" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "モーリシャスは南回帰線の近くに位置し、熱帯気候に属する。季節は2つある。11月から4月までが暖かく湿った夏であり、夏の平均気温は24.7 °Cである。6月から9月が比較的涼しい乾燥した冬であり、冬の平均気温は20.4 °Cである。海洋性の気候であり、季節間の平均気温の差はわずか4.3 °Cに過ぎない。最も暖かい月は1月と2月であり、日最高気温の平均は29.2 °Cに達する。一方、最も寒い月は7月と8月で、夜間の最低気温の平均が16.4 °Cまで下がる。年間降水量は海岸沿いの900 mmら中央高原の1500 mmの範囲である。顕著な雨季は見られないものの、降雨のほとんどは夏の数ヶ月に起こる。ラグーンの海水温は22 °Cから27 °Cの間である。中央高原は、周囲の沿岸域よりもずっと涼しく、また雨量は沿岸域の2倍に達する場所もある。マスカリン高気圧由来の南東貿易風が卓越し、島の東側は他の地域と比べると低温かつ雨がちな傾向がある。また、島の両側で気温や降水量が著しく違う場合もある。時折襲来するサイクロンは、一般的には1月から3月の間に発生し、この地域には約3日間だけ悪天をもたらす他、多くの雨をもたらす傾向がある。", "title": "気候" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "モーリシャスは、9の県と3の属領に分かれる。その他、イギリスに対してチャゴス諸島の返還を要求している。", "title": "地方行政区画" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "最大都市は首都のポートルイスである。インド洋に面した港町であるポートルイスから南にはボーバッサン・ローズヒル、カトル・ボルヌ、ヴァコア・フェニックス、キュールピップといった主要都市が連続し、一大都市圏を形成している。この都市圏の最南部に位置するキュールピップはモーリシャス島のほぼ中央部に位置し、高原上に広がる都市である。", "title": "地方行政区画" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "IMFの統計によると、モーリシャスの2018年のGDPは142億ドルである。1人当たりのGDPは11,206ドルで、アフリカ諸国全体では第2位、世界平均のおよそ75.7%の水準である。", "title": "経済" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "モーリシャスの主要産業は入植以来一貫してサトウキビのプランテーションであり、独立以後も1975年までは総輸出額の85%以上を占めるなど、サトウキビに依存するモノカルチャー経済だった。", "title": "経済" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "しかし、1968年の独立後、観光業および、1971年から始まったEPZ(輸出加工区)における繊維産業を中心とする輸出型工業の発展により、堅実な経済発展を遂げ、モノカルチャー経済から脱出した。", "title": "経済" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "独立以前は慢性的な人口過剰に苦しんでいたが、繊維産業の急速な発展により、1980年代後半には完全雇用を達成し、1991年の失業率は2.7%にまで低下した。しかし、その後は逆に労働力不足に直面している。", "title": "経済" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "日本にとっては、遠洋マグロ漁業の中継・補給基地として重要であり、日本船がよく停泊している。2014年度の日本のモーリシャスからの輸入品のうち44.3%はマグロであり、また20%が衣類だった。モーリシャスの日本からの輸入品は乗用車が半数以上を占め、2国間貿易はモーリシャスの大幅な赤字となっている。", "title": "経済" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "モーリシャスの農業は国内農地の89.9%がサトウキビ栽培に当てられている。サトウキビ栽培は大規模プランテーションによる単一栽培が基本であるものの、一部に自作農や小作農も存在する。製糖業は1970年まではモーリシャスのほぼ唯一の産業であった。こうした農業の砂糖生産特化は農業の高所得化を生み、余剰労働人口を工業に振り向ける基盤となった。1971年に輸出加工区を設けて繊維産業を振興するなどして、サトウキビのモノカルチャー経済から脱していった。他産業が拡大したことによって相対的に輸出額に占める地位が落ちた2000年においても、輸出総額の14.7%を占める基幹産業の1つとなっていた。ただ、その後、砂糖の輸出に占める割合はさらに低下し、2014年には9.8%と1割を切った。", "title": "経済" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "この他、中央の高原地帯においてはチャノキのプランテーションも存在する。逆に穀物はほぼ生産されておらず、ほぼ全量を輸入に頼っている。", "title": "経済" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "モーリシャス周辺の海域は好漁場であることから漁業も盛んであり、2014年にはカツオ・マグロの輸出が輸出総額の約10%を占めた。", "title": "経済" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "1971年の輸出加工区の創設以降、特に安価な労働力を利用した繊維産業が急速な発展を遂げ、1993年には繊維産業のみでGDPの9.9%を占めるまでに成長し、同年の輸出総額に占める線維工業の割合は70%を越え、製糖業をしのぐ一大産業となった。しかし、モーリシャスは繊維産業だけではなく、他の工業の育成も進めていった。このために繊維産業の輸出に占める割合は2014年には34.9%にまで低下したものの、同年の機械類の輸出が13.5%に達した。なお、2009年における輸出総額に占める工業製品の割合は64.2%であった。ただ、燃料は輸入に頼っており、2008年現在、電力も水力発電は32%に過ぎず、残りの68%は火力発電に頼っている。", "title": "経済" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "2006年の時点で、鉱物燃料の輸入は総輸入の17%を占めている。輸入鉱物で主体となっている鉄と鋼は2%、セメントは1%である。また、地元企業に輸入ダイヤモンド加工を手掛けている所が多いことが報告されている。", "title": "経済" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "同年3月、同国政府は輸入への依存と石油価格の上昇に対する懸念から、インドのONGCと海洋掘削(英語版)に関する協定に署名している。", "title": "経済" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "製糖業・繊維産業・工業と並ぶ、もう1つの主要産業は観光業である。2005年には観光客数は75万人を数え、GDPの15.8%を占めていた。観光客の多くはヨーロッパから訪れており、中でもフランスからの観光客が全体の28.5%を占めて最大勢力となっている。2003年の観光客の平均宿泊日数は10.4日であり、長期滞在型のバカンス客が主流となっていることを示している。", "title": "経済" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "モーリシャスの中央銀行はモーリシャス銀行(英語版)であり、通貨であるモーリシャス・ルピーを発行している。", "title": "経済" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "モーリシャスはいわゆるオフショア金融センターないしはタックス・ヘイヴン(租税回避地)の1種であり、インド・中国・アフリカ諸国などと租税条約を締結し国際投資の際のタックスプランニングの中間地として利用されている。", "title": "経済" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "インドについてはモーリシャスの現地居住者の会社がインドで上げた収益への課税が免除(無税)されている。このため海外からのインド投資の44.24%(2000-2007年)はモーリシャス居住者籍の投資会社からのものである。海外からのインド向け信託投信なども多く設定されている。中国については1994年租税条約によりキャピタルゲイン免税と配当課税の軽減税率適用が締約されたが、2006年の改定により、大量持分(直接・間接25%以上)投資者がキャピタルゲインを上げた場合には、中国での本則(10%)のキャピタルゲイン課税が行われることとなった。", "title": "経済" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "2023年3月28日、英国のコンサルティング会社ヘンリー&パートナーズと、南アフリカ共和国の調査会社ニュー・ワールド・ウェルスは、「アフリカ・ウェルス・レポート2023」を発表した。それによると、アフリカでの個人資産は大幅に増大し、モーリシャスでは、2012年と比べて69%も増加、急速に経済成長していることが示された。", "title": "経済" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "2022年12月末時点のアフリカの国別の100万ドル以上の資産の保有者数は、南アフリカ:3万7,800人(2012年比21%減)、エジプト:1万6,100人(同25%減)、ナイジェリア:9,800人(同30%減)、ケニア:7,700人(同30%増)、モロッコ:5,800人(同28%増)、モーリシャス:4,900人(同69%増)、アルジェリア:2,800人(同26%減)、エチオピア:2,700人(同23%増)、ガーナ:2,600人(同24%増)、タンザニア:2,400人(同20%減)、となっており、モーリシャス経済の力強さを示した。", "title": "経済" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "モーリシャスは元々が小さな島の集まりであるため、1922年まではボートでしかアクセスが出来ない状態が続いていた。", "title": "交通" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "現在の同国には2,066km(1,284マイル)の道路があり、その内48.5%が幹線道路、28.7%が二次道路、3.6%が高速道路、残りの19.2%が他の種類の道路で構成されている。2019年にはメトロ・エクスプレスが開通した。", "title": "交通" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "空運では、フラッグキャリアとしてモーリシャス航空がアフリカ、アジア、ヨーロッパへ就航している。", "title": "交通" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "詳細は「サー・シウサガル・ラングーラム国際空港」を参照。", "title": "交通" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "モーリシャス共和国に居住する人口は2016年12月の推計で1,264,000人である。女性人口637,032人、男性人口624,176人である。モーリシャス島の人口は1,219,265人、ロドリゲス島41,669人、アガレガ諸島およびセイント・ブランドン島は合わせて274人と推計されている。モーリシャスの人口密度はアフリカ諸国の中では第1位である。", "title": "国民" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "民族に関して公的な統計はないものの、モーリシャスは多民族国家である。住民はインド系(印僑)が68%、アフリカ系と白人の混血によるクレオールが27%、華人が3%、フランス系が2%である。インド系住民の多くはかつてクーリーとして渡って来た人々で、彼らの受け入れに使われた施設の遺構アープラヴァシ・ガートは、ユネスコの世界遺産に登録されている。", "title": "国民" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "1814年以降から独立まで約150年にわたってイギリスの植民地であったため、公用語は形式上では英語であるものの、法的には定められていない。議会での公用語も英語だが、国民議会議員は誰でも議長にフランス語で呼び掛けて良いことになっている。英語とフランス語は一般的にモーリシャスの公的な言語として、政治、行政、裁判やビジネスのための言語として受け入れられている。モーリシャスの憲法(英語版)は英語で書かれているものの、民法などの幾つかの法律はフランス語である。", "title": "国民" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "学校の生徒は英語とフランス語が必修で、選択科目としてアジア系諸言語やクレオール語を学べる。学校での教育に用いられる言語は学校により異っている。ただ、通常はクレオール語、フランス語、英語である。", "title": "国民" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "これらの言語の中でモーリシャスで最も話されている言語は、17世紀〜18世紀初頭にかけてのフランス領時代に発達したフランス語系統のモーリシャス・クレオール語である。モーリシャス・クレオール語は90%以上の国民の母語であり、日常会話として家庭などで話されている。ただしモーリシャス・クレオール語は、話し言葉主体であり、読み書きなどの教育は受けないので、読み書きや敬語的な表現などを用いた会話では一般的にフランス語を使用する。多くの新聞やメディアはフランス語であり、ビジネスでもフランス語が使用されるなどフランス語圏となっている。", "title": "国民" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "また、多くの国民はモーリシャス・クレオール語、フランス語に加えて、宗主国の言語である英語も理解するトライリンガルであるものの、英語は学校教育を終えると日常生活では使う機会に乏しいために、読み書きはできても聞き取りや会話などは苦手な人も少なくない。そのため、アメリカ映画など英語で作成されたテレビ番組などは、フランス語に吹き替えられて放送される。その他、家庭内ではポルトガル語、ヒンディー語、タミル語、テルグ語、客家語、ボージュプリー語、ウルドゥー語、マラーティー語などが使われる。", "title": "国民" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "モーリシャス人は状況に応じて使う言語を使い分けており、教育や職業的な場面ではフランス語や英語が好まれる一方、音楽、宗教、文化的な活動ではアジア系言語が主に用いられる。メディアや文学は主にフランス語である。", "title": "国民" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "かつてはボージュプリー語を母語とする者も多かったが、その数は年々減少し、家庭でのボージュプリー語の使用は減っており2000年では人口の12%あったところ、2011年の統計では5%まで低下している。", "title": "国民" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "モーリシャスは公的に世俗的政府であると定められており、信教の自由は憲法に明記されている。このこともあって、多様な宗教が共存する国である。モーリシャス人の信仰は、ヒンドゥー教が52%、キリスト教が28.3%(ローマ・カトリックが26%、プロテスタントが2.3%)、イスラム教が16.6%、その他3.1%である。なお、アフリカ諸国の中でヒンドゥー教が多数を占める国はモーリシャスのみである。", "title": "国民" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "モーリシャス人の文化には多様な宗教からもたらされた祝祭を反映して、年間を通じて様々な祝祭があり、そのうちのいくつかは公的な祝祭日となっている。推計によればモーリシャス人は平均で年700時間を宗教的活動に費やすという。", "title": "国民" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "同国の教育は政府が資金提供する公立学校の開発と運営を管理する教育人事省によって管理されている。教育人事省は私立学校に関しては助言と監督の役割も担っている面を持つ。", "title": "国民" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "同国は治安対策に力を入れており、凶悪犯罪は少なく、周辺諸国と比較すると一般的に治安状況は良い方であるとされている。しかし、空き巣、車上狙い、スリ、ひったくりなどの一般犯罪が散発している他、夜間においては旅行者を狙った強盗事件も発生しているため、注意する必要が求められる。最近は麻薬取引が一般市民にも広がっており、麻薬欲しさに金品を強奪する者が出現することから不用意な外出は危険性が高く、用事での外出も常時警戒しなければならない。", "title": "治安" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "モーリシャスはアフリカ連合(AU)のメンバーである為、その市民とNGOはアフリカ人権委員会(英語版)へ苦情を申し立てることが可能となっている。また、EUガイドライン(人権擁護家、死刑、拷問)に従い、EU加盟国の大使館と欧州委員会の代表団へ苦情を申し立てることも可能となっている。多国籍企業による人権侵害の場合は、OECD加盟国の全国連絡窓口を呼び出すこともある。モーリシャスは国際刑事裁判所に加盟している為、重大な犯罪が発生した場合には同裁判所から呼び出される可能性がある。", "title": "治安" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "モーリシャスの文化は、その歴史からのいくつかの国の文化と同国地域の先住民族の社会から生まれた個々の文化が融合して形成された。中でもフランスの文化と強い結び付きを持っている点が挙げられている。", "title": "文化" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "ラム酒が有名となっている。同国のラム酒はキューバ、ジャマイカ、バルバドスのカリブ海諸国ほど知名度が高くはないものの、国際舞台で徐々に露出を増やしており、ラム酒醸造は地元の業界関係者から潜在的な成長分野と見なされている。", "title": "文化" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "セガ(英語版)の発祥の地である。", "title": "文化" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "基本的な祝日は以下の通りである。", "title": "文化" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "※他には日付の異なる祝日が存在し、その殆どはヒンドゥー教やイスラム教の祭典ならびに中国の春節の祭りに因んだもので構成されている。", "title": "文化" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "モーリシャスは、オリンピックには1984年のロサンゼルス大会で初出場し、2008年の北京大会のボクシング競技で、ブルーノ・ジュリーが銅メダルを獲得し同国初のメダリストとなった。モーリシャスの国技は競馬であり、国の文化遺産の一部とされている。競馬の発祥は1812年のシャン・ド・マルス競馬場(フランス語版、英語版)の開業時にさかのぼり、南半球で最も古い競馬場とされており、同施設で開催されるレースには今も数多くの支持者が存在する。なお、レクリエーションレベルではあるものの、市民の多様なスポーツへの参加意識が高まっており、トレイルランニングやウォータースポーツ、マウンテンバイキングなども盛んである。", "title": "スポーツ" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "モーリシャス国内でも他のアフリカ諸国同様に、サッカーが最も人気のスポーツとなっており、1935年にサッカーリーグのモーリシャンリーグ(英語版)が創設されている。モーリシャスサッカー協会(英語版)によって構成されるサッカーモーリシャス代表は、これまでFIFAワールドカップには未出場となっている。アフリカネイションズカップには1974年大会で1度出場しているが、グループリーグ敗退に終わった。なお、代表チームはスタッド・ジョルジュ・サンク(英語版)とスタッド・アンジャレ(英語版)の2つのスタジアムを本拠地としている。", "title": "スポーツ" } ]
モーリシャス共和国(モーリシャスきょうわこく)、通称モーリシャスは、イギリス連邦加盟国の1つで、首都はポートルイスと定められている。インド洋のマスカレン諸島に位置する共和国ながら、アフリカの国家の1つに数えられている。民族構成は多様だが、19世紀にサトウキビ農園の労働力として移入されたインド系住民が過半数を占める。
{{基礎情報 国 | 略名 = モーリシャス | 日本語国名 = モーリシャス共和国 | 公式国名 = '''{{Lang|en|Republic of Mauritius}}'''<small>(英語)</small><br />'''{{Lang|fr|République de Maurice}}'''<small>(フランス語)</small><br /><b lang="x-Mauritian creole">Repiblik Moris</b> <small>(モーリシャス・クレオール語)</small> | 国旗画像 = Flag of Mauritius.svg | 国章画像 = [[ファイル:Coat_of_arms_of_Mauritius.svg|100px|モーリシャスの国章]] | 国章リンク = ([[モーリシャスの国章|国章]]) | 標語 = ''{{Lang|la|Stella Clavisque Maris Indici}}''<br /> ([[ラテン語]]: インド洋の星と鍵であれ) | 位置画像 = Mauritius (orthographic projection with inset).svg | 公用語 = [[モーリシャス・クレオール語]]、[[英語]]、[[フランス語]]<small>(正式な制定なし)</small> | 首都 = [[ポートルイス]] | 最大都市 = ポートルイス | 元首等肩書 = [[モーリシャスの大統領|大統領]] | 元首等氏名 = {{ill2|プラディープ・ループン|en|Prithvirajsing Roopun}} | 首相等肩書 = [[モーリシャスの首相|首相]] | 首相等氏名 = [[プラビンド・ジュグノート]] | 他元首等肩書1 = {{ill2|モーリシャスの副大統領|en|Vice-President of Mauritius|label=副大統領}} | 他元首等氏名1 = {{ill2|エディ・ボアセゾン|en|Eddy Boissézon}} | 面積順位 = 170 | 面積大きさ = 1 E9 | 面積値 = 2040 | 水面積率 = 0.5% | 人口統計年 = 2018 | 人口順位 = 154 | 人口大きさ = 1 E6 | 人口値 = 127万2000<ref name=population>{{Cite web |url=http://data.un.org/en/iso/mu.html |title=UNdata |publisher=国連 |accessdate=2021-11-10}}</ref> | 人口密度値 = 626.5<ref name=population/> | GDP統計年元 = 2018 | GDP値元 = 4812億5600万<ref name="imf202110">{{Cite web|url=https://www.imf.org/en/Publications/WEO/weo-database/2021/October/weo-report?c=684,&s=NGDP_R,NGDP_RPCH,NGDP,NGDPD,PPPGDP,NGDP_D,NGDPRPC,NGDPRPPPPC,NGDPPC,NGDPDPC,PPPPC,PPPSH,PPPEX,NID_NGDP,NGSD_NGDP,PCPI,PCPIPCH,PCPIE,PCPIEPCH,TM_RPCH,TMG_RPCH,TX_RPCH,TXG_RPCH,LUR,LP,GGR,GGR_NGDP,GGX,GGX_NGDP,GGXCNL,GGXCNL_NGDP,GGSB,GGSB_NPGDP,GGXONLB,GGXONLB_NGDP,GGXWDG,GGXWDG_NGDP,NGDP_FY,BCA,BCA_NGDPD,&sy=2018&ey=2026&ssm=0&scsm=1&scc=0&ssd=1&ssc=0&sic=0&sort=country&ds=.&br=1|title=World Economic Outlook Database, October 2021|publisher=[[国際通貨基金|IMF]]|language=英語|date=2021-10|accessdate=2021-11-10}}</ref> | GDP統計年MER = 2018 | GDP順位MER = 134 | GDP値MER = 141億8200万<ref name="imf202110" /> | GDP MER/人 =11,205.901<ref name="imf202110" /> | GDP統計年 = 2018 | GDP順位 = 132 | GDP値 = 287億7100万<ref name="imf202110" /> | GDP/人 = 22,733.730<ref name="imf202110" /> | 建国形態 = [[独立]]<br />&nbsp;-&nbsp;日付 | 建国年月日 = [[イギリス]]から<br />[[1968年]][[3月12日]] | 通貨 = [[モーリシャス・ルピー]] | 通貨コード = MUR | 時間帯 = (+4) | 夏時間 = なし | 国歌=[[母国_(モーリシャス国歌)|{{lang||Motherland}}]]<br>''母国''<br><center>[[ファイル:Motherland (instrumental).ogg]] | ISO 3166-1 = MU / MUS | ccTLD = [[.mu]] | 国際電話番号 = 230 | 注記 = <sup>a</sup> 公的には[[英語]]と[[フランス語]]が用いられ、[[モーリシャス・クレオール語]]が通常話される。 }} '''モーリシャス共和国'''(モーリシャスきょうわこく)、通称'''モーリシャス'''は、[[イギリス連邦]]加盟国の1つで、首都は[[ポートルイス]]と定められている。[[インド洋]]の[[マスカレン諸島]]に位置する[[共和国]]ながら、アフリカの国家の1つに数えられている。民族構成は多様だが、[[19世紀]]にサトウキビ農園の労働力として移入された[[印僑|インド系住民]]が過半数を占める。 == 国名 == 正式名称は[[英語]]で {{lang|en|Republic of Mauritius}} (リパブリック・オブ・モーリシャス)。通称 {{lang|en|Mauritius}} {{IPA-en|mɔ''ː''ˈrɪʃ''ɪ''əs, məˈrɪʃəs||En-us-Mauritius.ogg}}。[[フランス語]]では {{Lang|fr|République de Maurice}} (レピュブリク・ドゥ・モーリス)。通称 {{lang|fr|Maurice}}。[[モーリシャス・クレオール語]]ではRepublik Moris。 日本語の表記はモーリシャス共和国。通称モーリシャス。 == 歴史 == {{main|{{仮リンク|モーリシャスの歴史|en|History of Mauritius}}}} この付近に島々が点在していることは、10世紀以前から[[アラブ人]]航海者達に知られていた。15世紀には[[インド・アーリア人|インド系]]と[[インドネシア・マレー人種|インドネシア・マレー系]]がやって来た。[[1505年]]にヨーロッパ系としては[[ポルトガル人]]が初めて到達した。 === オランダ領モーリシャス === {{main|en:Second Dutch Expedition to Indonesia|[[オランダ領モーリシャス]]}} [[1638年]]に[[オランダ]]がインド航路の補給地として植民を開始した。[[マウリッツ (オラニエ公)|オラニエ公マウリッツ]](マウリティウスを英語読みでモーリシャス)の名にちなんでこの島を命名した。この植民地統治によって、後々主力産品となってゆく[[サトウキビ]]の移入や、農園の労働力としての[[奴隷]]移入などが行われた。また開発によって、[[固有種]]であった[[ドードー]]が絶滅したのもこの時代である<ref>{{Cite book|和書 |year = 2011 |title = 秘境国 まだ見たことのない絶景 |publisher = パイインターナショナル |page = 19 |isbn = 978-4-7562-4124-5}}</ref>。しかし植民地経営は上手くゆかず、[[1710年]]にオランダはモーリシャスから完全に撤退した<ref>「モーリシャス」p.824、p.825 寺谷亮司(『朝倉世界地理講座 アフリカII』」所収) 池谷和信、佐藤廉也、武内進一編、朝倉書店、2008年4月</ref>。 === フランス領フランス島 === {{main|[[フランス領フランス島 (モーリシャス)|フランス領フランス島]]}} オランダがモーリシャスから撤退すると、近隣の[[レユニオン島]]を植民地化していた[[フランス]]がさっそく再植民を計画し、[[1715年]]にモーリシャスを占領して、フランス島と名付けた。[[1735年]]にはベルトラン=フランソワ・マエ・ド・ラ・ブルドネ総督が就任し、[[ポートルイス]]市の建設や各種開発を行ってモーリシャスの基盤を作った。この時期のモーリシャスの経済の基盤はサトウキビの[[プランテーション]]であり、その労働力のために主にアフリカから多くの奴隷が移入された<ref name="名前なし-1">「モーリシャス」p.825 寺谷亮司(『朝倉世界地理講座 アフリカII』所収) 池谷和信、佐藤廉也、武内進一編、朝倉書店、2008年4月</ref>。 === イギリス領モーリシャス === {{main|[[イギリス領モーリシャス]]}} [[ファイル:Combat de Grand Port mg 9425.jpg|thumb|left|{{仮リンク|グランド・ポートの戦い|en|Battle of Grand Port}}(1810年)]] [[ファイル:Flag of Mauritius (1906–1923).svg|right|thumb|250px|{{FIAV|historical}}イギリス領モーリシャスの旗(1906年–1923年)]] [[ファイル:Flag of Mauritius (1923–1968).svg|right|thumb|250px|{{FIAV|historical}}イギリス領モーリシャスの旗(1923年–1968年)]] [[1810年]]にイギリスに占領され、[[1814年]]には正式にイギリス領となり、島名は旧名のモーリシャスに戻された。しかしイギリスはモーリシャスの統治体制に手をつけず、本国からの移住も行われなかったので、島の支配階級であったフランス人大農園主はそのまま島に残り、言語的にも英語よりフランス語が主に話される状況は続いた。[[1835年]]にはイギリス議会によって可決された[[奴隷解放]]が実行に移され、それまで農園などで働いていた奴隷たちは自由を得た。この奴隷解放によって不足した労働力を補充するために、同年には[[インド]]からの[[移民]]の導入が開始され、[[1861年]]にはインド人はモーリシャスで最も多い民族となっていた。またこの時期にはモーリシャスのサトウキビプランテーションおよび製糖業が大いに発展した<ref name="名前なし-1"/>。 1831年には統治評議会が設けられ、評議員の半分は政府の行政官、半分は総督が有力民間人を指名した。[[1886年]]には財産による[[制限選挙制]]が導入され、27人の議員のうち10人が選挙により選出されるようになったが、これらの議員は主にフランス系が占め、[[クレオール]]は少数にとどまっていた。インド人系が議員に選出されるのは[[1926年]]になってからのことだった。選挙制は徐々に条件が緩和されていき、[[1948年]]には財産制限の撤廃と[[婦人参政権]]の導入によって大幅に選挙権が拡大され、[[1958年]]には完全[[普通選挙]]と「最良の敗者」制度が導入された。 イギリスの植民地時代は、モーリシャス島から北東へ約2,000 km先にある[[チャゴス諸島]]と併せて統治されていたが、独立直前の1965年11月に分離され、チャゴス諸島の住人約1800人はモーリシャス島へ強制移住させられた。 === 独立 === {{main|[[モーリシャス (英連邦王国)]]}} [[1968年]]に[[英連邦王国]]として独立を達成し、首相に[[シウサガル・ラングーラム]]が就任した。独立時には高失業率に悩み民族対立も起こっていたものの、ラングーラム政権は[[1971年]]の輸出加工区の設置を皮切りに積極的な産業振興政策を進め、繊維産業や観光業の発展で経済成長を実現した。政治面では[[1969年]]には[[ポール・ベランジェ]]が中心となってモーリシャス闘争運動(MMM)が結成され、ラングーラムの与党モーリシャス労働党との2大政党ブロック体制となった。政情不安により[[1972年]]の選挙は延期されたものの、[[1976年]]に選挙が行われて以降は自由選挙に基づく民主的な政治が継続されている<ref>「民主主義対民主主義 多数決型とコンセンサス型の36カ国比較研究(原著第2版)」p45 アレンド・レイプハルト著 粕谷祐子・菊池啓一訳 勁草書房 2014年6月20日原著第2版第1刷発行</ref>。[[1982年]]の選挙ではモーリシャス闘争運動とモーリシャス社会党の連合が大勝利を収めて政権交代が起こり、[[アヌルード・ジュグノート]]が首相に就任したものの、党内の内紛によって[[1983年]]にはジュグノートが[[モーリシャス社会主義運動]]を結成し、労働党と連立を組んで政権を維持した<ref name="名前なし-2">田辺裕、島田周平、柴田匡平、1998、『世界地理大百科事典2 アフリカ』p.580、朝倉書店 ISBN 4254166621 </ref>。 [[1992年]]には[[立憲君主制]]から[[共和制]]に移行し、モーリシャス共和国となった。ジュグノートは1995年まで政権を維持したが、同年労働党が選挙に勝利し、同党党首の[[ナヴィン・ラングーラム]]が首相に就任した。2000年には社会主義運動が勝利してジュグノートが再び首相に就任し、2003年には連立相手の闘争運動・ベランジェ党首に首相の座を譲った。2005年には労働党が勝利してラングーラムが首相となり、2010年の選挙でもその座を維持したが、2014年の選挙では社会主義運動が勝利してジュグノートがみたび首相に就任した。2017年にジュグノートは政界を引退し、息子である社会主義運動党首の[[プラビンド・ジュグノート]]が首相の座に就いた。 2020年、[[わかしお座礁石油流出事故]]に見舞われた<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.bbc.com/japanese/53691121|title=日本の貨物船から燃料流出 モーリシャスが「環境非常事態」を宣言|publisher=BBC|accessdate=2020-08-20}}</ref>。8月6日、モーリシャス政府は環境緊急事態宣言を発表。周辺国(地域)や日本政府に対して全面支援を要請した<ref>{{Cite web|和書|title=モーリシャスが環境緊急事態宣言 日本船の燃料流出で生態系に懸念{{!}}ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト|url=https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/08/post-94134.php|website=www.newsweekjapan.jp|date=2020-08-10|accessdate=2020-08-20|language=ja}}</ref>。 == 政治 == {{main|{{仮リンク|モーリシャスの政治|en|Politics of Mauritius}}}} モーリシャスは[[共和制]]、[[議院内閣制]]をとる立憲国家である。現行の{{仮リンク|モーリシャスの憲法|en|Constitution of Mauritius}}は[[1992年]]3月12日に制定されたものであり、これによって[[英連邦王国]]から[[イギリス連邦]]内の[[共和国]]となった。モーリシャスは[[中央集権|中央集権国家]]だが、[[ロドリゲス島]]などの属領には、一定の自治権が認められている。 === 元首 === [[元首|国家元首]]である[[モーリシャスの大統領|大統領]]は、国民議会により選出される。任期は5年で、3選は禁止されている。 === 行政 === {{main|{{仮リンク|モーリシャス政府|en|Government of Mauritius}}}} [[モーリシャスの首相|首相]]および[[副首相]]は大統領により任命されるが、[[国民議会 (モーリシャス)|国民議会]]に対し責任を負う。内閣に相当する'''閣僚評議会'''のメンバーは、首相の推薦に基づき大統領により任命される。大統領の権限は名目的なものであり、実質的な[[行政|行政権]]は首相率いる閣僚評議会により行使される。 === 立法 === [[立法府]]は[[一院制]]で、正式名称は'''[[国民議会 (モーリシャス)|国民議会]]'''。定数は70議席で、うち62議席は1選挙区3人の直接選挙(ロドリゲス島は2人)により選出され、8議席は選挙の次点の中から、人口比に対して当選者の少なかった民族や得票率に対して当選者の少なかった政党に配分される<ref name="名前なし-2"/><ref>「モーリシャスの脱植民地化とインド系移民」p.334 脇村孝平(「脱植民地化とイギリス帝国 」(イギリス帝国と20世紀 第4巻所収) 北川勝彦編著 2009年6月30日初版第1刷 ミネルヴァ書房</ref>。この制度は「最良の敗者」制度と呼ばれ<ref>「モーリシャスの脱植民地化とインド系移民」p.333 脇村孝平(「脱植民地化とイギリス帝国 」(イギリス帝国と20世紀 第4巻所収) 北川勝彦編著 2009年6月30日初版第1刷 ミネルヴァ書房</ref>、大選挙区制との併用により少数派に一定の議席を保障することで各民族の発言権を確保し、民族間の融和をもたらすこととなった<ref>「民主主義対民主主義 多数決型とコンセンサス型の36カ国比較研究(原著第2版)」p118-119 アレンド・レイプハルト著 粕谷祐子・菊池啓一訳 勁草書房 2014年6月20日原著第2版第1刷発行</ref>。議員の任期は5年である。直近の選挙は2014年12月10日に行なわれた<ref>[http://www.ipu.org/parline-e/reports/2209_A.htm General information] IPU</ref>。 {{See also|{{仮リンク|モーリシャスの選挙|en|Elections in Mauritius}}}} === 政党 === {{main|[[モーリシャスの政党]]}} モーリシャスは[[複数政党制]]が認められており、選挙による民主的な政権交代も数度起きている。政治的には[[穏健な多党制]]であり、1つの政党が単独で政権を握れるだけの議席を獲得することはほとんどないため、[[連立政権]]が政権を握ることが常である<ref>「民主主義対民主主義 多数決型とコンセンサス型の36カ国比較研究(原著第2版)」p87 アレンド・レイプハルト著 粕谷祐子・菊池啓一訳 勁草書房 2014年6月20日原著第2版第1刷発行</ref>。有力な政党としては、インド人ヒンドゥー教徒を中心にクレオールやムスリムにも一部支持を広げる保守の[[労働党 (モーリシャス)|労働党]](PTr)、クレオールを基盤とする革新の[[モーリシャス闘争運動]](MMM)、そしてインド人ヒンドゥー教徒を基盤とする革新の[[モーリシャス社会主義運動]](MSM)<ref name="名前なし-2"/>があり、このうちの1党または2党が、クレオールを基盤とする保守の{{仮リンク|モーリシャス社会民主党|en|Mauritian Social Democrat Party|}}(PMSD)<ref name="名前なし-2"/>や、ロドリゲス島の[[ロドリゲス人民機構]](OPR)などの小政党と連立を組んで政権を握ってきた。2010年の選挙では労働党・社会民主党・社会主義運動による保守寄りの「未来同盟」が政権を握ったが、2014年の選挙では社会主義運動が勝利し、社会民主党およびMuvman Liberater党との「人民同盟」が政権を奪うこととなった。 === 司法 === {{main|{{仮リンク|モーリシャス共和国憲法|en|Constitution of Mauritius}}}} 司法府の最高機関は{{仮リンク|モーリシャス最高裁判所|en|Supreme Court of Mauritius}}である。 == 国際関係・外交 == {{main|{{仮リンク|モーリシャスの国際関係|en|Foreign relations of Mauritius}}}} アフリカ連合 (AU)、南部アフリカ開発コミュニティ (SADC)、インド洋委員会 (COMESA) に属する。アフリカ諸国(特に南アフリカ)が最大の貿易相手国だが、EUとの結びつきも強い。また、[[イギリス連邦]]の一員でもあり、[[フランス語圏]]でもある。 {{see also|{{仮リンク|モーリシャスの外交使節団の一覧|en|List of diplomatic missions in Mauritius}}|{{仮リンク|モーリシャスの在外公館一覧|en|List of diplomatic missions of Mauritius}}}} === 日本との関係 === {{see|日本とモーリシャスの関係}} * 在留日本人数 - 56人(2019年10月<ref name="名前なし-3">[https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/mauritius/data.html#section6 外務省 モーリシャス基礎データ]</ref>) * 在日モーリシャス人数 - 80人(2020年6月<ref name="名前なし-3"/>) == 軍事 == 常備軍は存在せず、[[警察]]・[[準軍事組織]]として[[モーリシャス警察隊]](現役総人員10,115名)が設置されている。 == 地理 == [[ファイル:Mauritius (+claim islands).svg|thumb|黒字はモーリシャス共和国の島。モーリシャスは[[チャゴス諸島]]と[[トロメリン島]]の領有権も主張している。]] [[ファイル:Mauritius-CIA WFB Map.png|thumb|モーリシャス島の略図]] {{main|{{仮リンク|モーリシャスの地理|en|Geography of Mauritius}}}} モーリシャス共和国の国土面積は2040 km<sup>2</sup> で、国としては世界169位の面積である。主島である[[モーリシャス島]]と、その付近の島々で構成される島国である。島々の周囲は珊瑚礁で囲まれている。 同国で最も大きな島である、面積1865 km<sup>2</sup>の[[モーリシャス島]]は火山島だが、全体的に標高が低く、最高峰のラ・プチ・リヴィエール・ノワール山ですら828 mに過ぎない。モーリシャス島は、海岸部の平野と、標高200 m程度の高原の大きく2つの地域に分けられる。平野と高原の間には急崖が存在するものの、いくつかの丘陵を除けば全般に平坦な地形をしている<ref>「モーリシャス」p.827、p.828 寺谷亮司(『朝倉世界地理講座 アフリカII』所収) 池谷和信、佐藤廉也、武内進一編、朝倉書店、2008年4月</ref>。 同国で2番目に大きな[[ロドリゲス島]]の面積は108 km<sup>2</sup>であり、モーリシャス島の東560 kmの位置にある。[[アガレガ諸島]]の2つの島は合わせて26 km<sup>2</sup>であり、モーリシャス島から北に約1000 kmの位置にある。[[カルガドス・カラホス諸島]]は多くの砂洲や岩礁で構成される列島であり、モーリシャス島の北東約430 kmに位置し、主に漁業基地として用いられている<ref name="territory">{{cite web|url=http://www.govmu.org/English/ExploreMauritius/Geography-People/Pages/GeographyPeople/Location.aspx |title=The territory of Mauritius |publisher=Government Portal of Mauritius |accessdate=22 January 2015}}</ref>。 モーリシャスの[[排他的経済水域]](EEZ)は、インド洋のうち約2,300,000 km<sup>2</sup>を占めている。ただし、このうち約400,000 km<sup>2</sup>は[[セーシェル]]と共同管理している<ref>{{cite web|url=http://www.intercontinentaltrust.com/admin/documents/all/ITL%20Newsletter%20Vol%206%20Issue%2011%20-%20Mauritius%20Exclusive%20Economic%20Zone.pdf |title=MAURITIUS: PROMOTING THE DEVELOPMENT OF AN OCEAN ECONOMY |publisher=Intercontinental Trust |accessdate=22 January 2015}}</ref><ref>{{cite web|url=http://police.govmu.org/English/Publication/Documents/NCG2013.pdf |title=National Coast Guard |publisher=Government Portal of Mauritius |accessdate=22 January 2015}}</ref><ref>{{cite web|url=http://www.un.org/Depts/los/clcs_new/submissions_files/submission_musc.htm |title=Commission on the Limits of the Continental Shelf (CLCS) Outer limits of the continental shelf beyond 200 nautical miles from the baselines:Submissions to the Commission: Joint submission by the Republic of Mauritius and the Republic of Seychelles |publisher=United Nations |accessdate=22 January 2015}}</ref>。 == 気候 == [[ファイル:Mauritius beach.png|250px|thumb|熱帯の砂浜。[[トル・オー・ビッシュ]]]] モーリシャスの環境は、沿岸地域では一般的に熱帯であり、山地には森林がある。時折襲来する[[サイクロン]]により動植物が被害を受けるものの、それらはすぐに回復する。モーリシャスの空気の質は、世界で最高の水準とされており、[[世界保健機関]](WHO)が公表するAir quality indexでは、モーリシャスは世界2位とされている<ref>{{cite web|url=http://www.lematinal.com/mobile/sante/13945-Mauritiuss-air-quality-2nd-best-in-world.html |title=Mauritius's air quality 2nd best in world |version=26 September 2011 |publisher=Le Matinal |accessdate=2012-02-19}}</ref><ref>{{cite web|url=http://motors.mega.mu/news/2011/09/30/according-world-health-organization-mauritius-breath-fresh-air |title=According to the World Health Organization - Mauritius: a breath of fresh air |publisher=motors.mega.mu |accessdate=2012-02-19}}</ref>。 モーリシャスは[[南回帰線]]の近くに位置し、[[熱帯気候]]に属する。季節は2つある。11月から4月までが暖かく湿った[[夏]]であり、夏の平均気温は24.7 ℃である。6月から9月が比較的涼しい乾燥した[[冬]]であり、冬の平均気温は20.4 ℃である。海洋性の気候であり、季節間の平均気温の差はわずか4.3 ℃に過ぎない。最も暖かい月は1月と2月であり、日最高気温の平均は29.2 ℃に達する。一方、最も寒い月は7月と8月で、夜間の最低気温の平均が16.4 ℃まで下がる。年間降水量は海岸沿いの900 mmら中央高原の1500 mmの範囲である。顕著な雨季は見られないものの、降雨のほとんどは夏の数ヶ月に起こる。ラグーンの海水温は22 ℃から27 ℃の間である。中央高原は、周囲の沿岸域よりもずっと涼しく、また雨量は沿岸域の2倍に達する場所もある。[[マスカリン高気圧]]由来の南東貿易風が卓越し、島の東側は他の地域と比べると低温かつ雨がちな傾向がある。また、島の両側で気温や降水量が著しく違う場合もある。時折襲来するサイクロンは、一般的には1月から3月の間に発生し、この地域には約3日間だけ悪天をもたらす他、多くの雨をもたらす傾向がある<ref name="meteo1">{{cite web|url=http://metservice.intnet.mu/?page_id=644 |title=Climate of Mauritius |publisher=Mauritius Meteorological Services |accessdate=2012-04-05}}</ref>。 == 地方行政区画 == {{Main|モーリシャスの行政区画}} [[ファイル:Mauritius districts numbered.svg|thumb|モーリシャスの県]] モーリシャスは、9の県と3の属領に分かれる。その他、イギリスに対して[[チャゴス諸島]]の返還を要求している。 === 県 === # [[ブラックリバー県]] (Black River) # [[フラック県]] (Flacq) # [[グラン・ポール県]] (Grand Port) # [[モカ県]] (Moka) # [[パンプルムース県]] (Pamplemousses) # [[プレーン・ウィルヘルム県]] (Plaines Wilhems) # [[ポートルイス県]] (Port Louis) # [[リヴィエール・デュ・ランパール県]] (Riviere du Rempart) # [[サバンナ県]] (Savanne) === 属領 === * [[アガレガ諸島]] (Agalega Islands) - 本島から北へ約1200 km。 * [[カルガドス・カラホス諸島]] (Cargados Carajos Shoals) - 別名、セイント・ブランドン島 (Saint Brandon) 本島から北東へ約400 km。 * [[ロドリゲス島]] (Rodrigues) - 本島から東へ約550 km。 === 主要都市 === {{Main|モーリシャスの都市の一覧}} 最大都市は首都の[[ポートルイス]]である。インド洋に面した港町であるポートルイスから南には[[ボーバッサン・ローズヒル]]、[[カトル・ボルヌ]]、[[ヴァコア・フェニックス]]、[[キュールピップ]]といった主要都市が連続し、一大都市圏を形成している<ref>「モーリシャス」p.835 寺谷亮司(『朝倉世界地理講座 アフリカII』所収) 池谷和信、佐藤廉也、武内進一編、朝倉書店、2008年4月</ref>。この都市圏の最南部に位置するキュールピップはモーリシャス島のほぼ中央部に位置し、高原上に広がる都市である。 == 経済 == [[ファイル:Port Louis Skyline.JPG|thumb|240px|首都ポートルイス]] {{main|{{仮リンク|モーリシャスの経済|en|Economy of Mauritius}}}} [[国際通貨基金|IMF]]の統計によると、モーリシャスの2018年の[[国内総生産|GDP]]は142億ドルである<ref name="imf202110" />。1人当たりのGDPは11,206ドルで、アフリカ諸国全体では第2位、世界平均のおよそ75.7%の水準である。 モーリシャスの主要産業は入植以来一貫して[[サトウキビ]]の[[プランテーション]]であり、独立以後も1975年までは総輸出額の85%以上を占めるなど、サトウキビに依存する[[モノカルチャー経済]]だった<ref>「モーリシャス」p.832 [[寺谷亮司]](『朝倉世界地理講座 アフリカII』所収) 池谷和信、佐藤廉也、武内進一編、朝倉書店、2008年4月</ref>。 しかし、[[1968年]]の独立後、[[観光業]]および、[[1971年]]から始まった[[EPZ]]([[輸出加工区]])における[[繊維産業]]を中心とする[[輸出志向型工業化|輸出型工業]]の発展により、堅実な経済発展を遂げ、モノカルチャー経済から脱出した。 独立以前は慢性的な[[人口過剰]]に苦しんでいたが、繊維産業の急速な発展により、[[1980年代]]後半には[[完全雇用]]を達成し、[[1991年]]の[[失業率]]は2.7%にまで低下した<ref>「図説アフリカ経済」([[平野克己]]著、日本評論社、2002年)p.72</ref>。しかし、その後は逆に労働力不足に直面している。 日本にとっては、遠洋[[マグロ]]漁業の中継・補給基地として重要であり、日本船がよく停泊している。2014年度の日本のモーリシャスからの輸入品のうち44.3%はマグロであり、また20%が衣類だった<ref name="名前なし-4">「データブック オブ・ザ・ワールド 2016年版 世界各国要覧と最新統計」p.314 二宮書店 2016年1月10日発行</ref>。モーリシャスの日本からの輸入品は[[乗用車]]が半数以上を占め、2国間貿易はモーリシャスの大幅な赤字となっている<ref name="名前なし-4"/>。 === 農業 === [[ファイル:Sugarcane plantation in Mauritius (reduced colour saturation).jpg|thumb|モーリシャスのサトウキビ農園]] モーリシャスの農業は国内農地の89.9%が[[サトウキビ]]栽培に当てられている<ref name="名前なし-5">「モーリシャス」p.832 寺谷亮司(『朝倉世界地理講座 アフリカII』所収) 池谷和信、佐藤廉也、武内進一編、朝倉書店、2008年4月</ref>。サトウキビ栽培は大規模プランテーションによる単一栽培が基本であるものの、一部に自作農や小作農も存在する<ref name="名前なし-5"/>。[[製糖|製糖業]]は1970年まではモーリシャスのほぼ唯一の産業であった。こうした農業の砂糖生産特化は農業の高所得化を生み、余剰労働人口を工業に振り向ける基盤となった<ref>「図説アフリカ経済」(平野克己著、日本評論社、2002年)p.75、p.76</ref>。1971年に輸出加工区を設けて繊維産業を振興するなどして、サトウキビのモノカルチャー経済から脱していった。他産業が拡大したことによって相対的に輸出額に占める地位が落ちた2000年においても、輸出総額の14.7%を占める[[基幹産業]]の1つとなっていた。ただ、その後、砂糖の輸出に占める割合はさらに低下し、2014年には9.8%と1割を切った<ref name="名前なし-4"/>。 この他、中央の高原地帯においては[[チャノキ]]のプランテーションも存在する。逆に穀物はほぼ生産されておらず、ほぼ全量を輸入に頼っている。 === 漁業 === モーリシャス周辺の海域は好漁場であることから漁業も盛んであり、2014年には[[カツオ]]・[[マグロ]]の輸出が輸出総額の約10%を占めた<ref name="名前なし-4"/>。 === 工業 === [[1971年]]の輸出加工区の創設以降、特に安価な労働力を利用した繊維産業が急速な発展を遂げ、1993年には繊維産業のみでGDPの9.9%を占めるまでに成長し<ref>「図説アフリカ経済」(平野克己著、日本評論社、2002年)p.67</ref>、同年の輸出総額に占める線維工業の割合は70%を越え<ref>「モーリシャス」p832 寺谷亮司(『朝倉世界地理講座 アフリカII』所収) 池谷和信、佐藤廉也、武内進一編、朝倉書店、2008年4月</ref>、製糖業をしのぐ一大産業となった。しかし、モーリシャスは繊維産業だけではなく、他の工業の育成も進めていった。このために繊維産業の輸出に占める割合は2014年には34.9%にまで低下したものの、同年の機械類の輸出が13.5%に達した。なお、2009年における輸出総額に占める[[工業製品]]の割合は64.2%であった<ref>「データブック オブ・ザ・ワールド 2012年版 世界各国要覧と最新統計」p,314 二宮書店 2012年1月10日発行</ref>。ただ、燃料は輸入に頼っており、2008年現在、電力も[[水力発電]]は32%に過ぎず、残りの68%は[[火力発電]]に頼っている<ref>「データブック オブ・ザ・ワールド 2012年版 世界各国要覧と最新統計」p.313、p,314 二宮書店 2012年1月10日発行</ref>。 === 鉱業 === {{main|{{仮リンク|モーリシャスの鉱業|en|Mineral industry of Mauritius}}}} 2006年の時点で、[[化石燃料|鉱物燃料]]の輸入は総輸入の17%を占めている。輸入[[鉱物]]で主体となっている[[鉄]]と[[鋼]]は2%、[[セメント]]は1%である。また、地元企業に輸入[[ダイヤモンド]]加工を手掛けている所が多いことが報告されている。 同年3月、同国政府は輸入への依存と石油価格の上昇に対する懸念から、インドの[[ONGC]]と{{仮リンク|海洋掘削|en|Offshore drilling}}に関する協定に署名している<ref>[http://minerals.usgs.gov/minerals/pubs/country/2006/myb3-2006-cn-mp-fr-se.pdf "The Mineral Industries of the Indian Ocean Islands"] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20080921140744/http://minerals.usgs.gov/minerals/pubs/country/2006/myb3-2006-cn-mp-fr-se.pdf|date=2008-09-21}}. ''2006 [[Minerals Yearbook]]''. [[U.S. Geological Survey]] (October 2007). ''This article incorporates text from this U.S. government source, which is in the [[public domain]].''</ref>。 {{sectstub}} === 観光業 === 製糖業・繊維産業・工業と並ぶ、もう1つの主要産業は[[観光業]]である。2005年には観光客数は75万人を数え、GDPの15.8%を占めていた。観光客の多くはヨーロッパから訪れており、中でもフランスからの観光客が全体の28.5%を占めて最大勢力となっている。2003年の観光客の平均宿泊日数は10.4日であり<ref>「モーリシャス」p.834 寺谷亮司(『朝倉世界地理講座 アフリカII』所収) 池谷和信、佐藤廉也、武内進一編、朝倉書店、2008年4月</ref>、長期滞在型の[[バカンス]]客が主流となっていることを示している。 === 国際金融 === モーリシャスの中央銀行は{{仮リンク|モーリシャス銀行|en|Bank of Mauritius}}であり、[[通貨]]である[[モーリシャス・ルピー]]を発行している。 モーリシャスはいわゆる[[オフショア金融センター]]ないしは[[タックス・ヘイヴン]](租税回避地)の1種であり、インド・中国・アフリカ諸国などと[[租税条約]]を締結し国際投資の際の[[租税回避|タックスプランニング]]の中間地として利用されている。 [[インドの経済|インド]]についてはモーリシャスの現地居住者の会社がインドで上げた収益への課税が免除(無税)されている。このため海外からのインド投資の44.24%(2000-2007年)はモーリシャス居住者籍の投資会社からのものである。海外からのインド向け信託投信なども多く設定されている。中国については1994年租税条約によりキャピタルゲイン免税と配当課税の軽減税率適用が締約されたが、2006年の改定により、大量持分(直接・間接25%以上)投資者が[[キャピタルゲイン]]を上げた場合には、中国での本則(10%)のキャピタルゲイン課税が行われることとなった。 2023年3月28日、英国のコンサルティング会社ヘンリー&パートナーズと、南アフリカ共和国の調査会社ニュー・ワールド・ウェルスは、「アフリカ・ウェルス・レポート2023」を発表した。それによると、アフリカでの個人資産は大幅に増大し、モーリシャスでは、2012年と比べて69%も増加、急速に経済成長していることが示された<ref>{{Cite web|和書|title=アフリカの2022年の個人資産総額は2兆4,000億ドル(ナミビア、モーリシャス、ルワンダ、セーシェル、エジプト、ケニア、ナイジェリア、南アフリカ共和国、モロッコ) {{!}} ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース |url=https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/04/b7f631925a7f9ce0.html |website=ジェトロ |access-date=2023-04-05 |language=ja}}</ref>。 2022年12月末時点のアフリカの国別の100万ドル以上の資産の保有者数は、南アフリカ:3万7,800人(2012年比21%減)、エジプト:1万6,100人(同25%減)、ナイジェリア:9,800人(同30%減)、ケニア:7,700人(同30%増)、モロッコ:5,800人(同28%増)、モーリシャス:4,900人(同69%増)、アルジェリア:2,800人(同26%減)、エチオピア:2,700人(同23%増)、ガーナ:2,600人(同24%増)、タンザニア:2,400人(同20%減)、となっており、モーリシャス経済の力強さを示した<ref>{{Cite web|和書|title=アフリカの2022年の個人資産総額は2兆4,000億ドル(ナミビア、モーリシャス、ルワンダ、セーシェル、エジプト、ケニア、ナイジェリア、南アフリカ共和国、モロッコ) {{!}} ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース |url=https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/04/b7f631925a7f9ce0.html |website=ジェトロ |access-date=2023-04-05 |language=ja}}</ref>。 == 交通 == {{main|{{仮リンク|モーリシャスの交通|en|Transport in Mauritius}}}} モーリシャスは元々が小さな島の集まりであるため、1922年までは[[ボート]]でしかアクセスが出来ない状態が続いていた<ref>Nagapen, Amédée (2010). Histoire de la Colonie: Isle de France - Ile Maurice (1721-1968). Editions de L'Océan Indien. p. 138. ISBN 978-99903-0-619-4.</ref>。 現在の同国には2,066㎞(1,284[[マイル]])の[[道路]]があり、その内48.5%が幹線道路、28.7%が二次道路、3.6%が高速道路、残りの19.2%が他の種類の道路で構成されている。2019年には[[メトロ・エクスプレス (モーリシャス)|メトロ・エクスプレス]]が開通した。 空運では、[[フラッグキャリア]]として[[モーリシャス航空]]がアフリカ、[[アジア]]、ヨーロッパへ就航している。 詳細は「[[サー・シウサガル・ラングーラム国際空港]]」を参照。 == 国民 == [[ファイル:Mauritius population pyramid 2011.svg|thumb|モーリシャスの[[人口ピラミッド]]([[2011年]])]] {{main|{{仮リンク|モーリシャスの人口統計|en|Demographics of Mauritius}}}} モーリシャス共和国に居住する人口は2016年12月の推計で1,264,000人である。女性人口637,032人、男性人口624,176人である。モーリシャス島の人口は1,219,265人、ロドリゲス島41,669人、アガレガ諸島およびセイント・ブランドン島は合わせて274人と推計されている<ref>{{cite journal|url=http://statsmauritius.govmu.org/English/Documents/ei1058/population.pdf |publisher=Government of Mauritius |title=Population and vital statistics Republic of Mauritius |author=[[Statistics Mauritius]], Government Portal of Mauritius |accessdate=21 January 2015}}</ref>。モーリシャスの人口密度はアフリカ諸国の中では第1位である。 === 民族 === 民族に関して公的な統計はないものの、モーリシャスは多民族国家である。住民は[[インド系移民と在外インド人|インド系(印僑)]]が68%、アフリカ系と白人の混血による[[クレオール]]が27%、[[華人]]が3%、[[フランス]]系が2%である<ref>「モーリシャス」p.827 寺谷亮司(『朝倉世界地理講座 アフリカII』所収) 池谷和信、佐藤廉也、武内進一編、朝倉書店、2008年4月</ref>。インド系住民の多くはかつて[[苦力|クーリー]]として渡って来た人々で、彼らの受け入れに使われた施設の遺構[[アープラヴァシ・ガート]]は、[[国際連合教育科学文化機関|ユネスコ]]の[[世界遺産]]に登録されている。 === 言語 === {{see|[[モーリシャスの言語]]}} 1814年以降から独立まで約150年にわたってイギリスの植民地であったため、公用語は形式上では[[英語]]であるものの、法的には定められていない。議会での公用語も英語だが、国民議会議員は誰でも議長にフランス語で呼び掛けて良いことになっている<ref name="article49">{{Cite web|和書|url=http://mauritiusassembly.govmu.org/English/constitution/Pages/Constitution-Contd1.aspx#assembly |title=モーリシャス憲法49条 公用語 |publisher=[[国民議会 (モーリシャス)|国民議会]], Government Portal of Mauritius |accessdate=22 January 2015}}</ref>。英語とフランス語は一般的にモーリシャスの公的な言語として、政治、行政、裁判やビジネスのための言語として受け入れられている<ref name="govmu.org">{{cite web|url=http://www.govmu.org/English/ExploreMauritius/Geography-People/Pages/Language.aspx |title=Language |publisher=Government Portal of Mauritius |accessdate=22 January 2015}}</ref>。{{仮リンク|モーリシャスの憲法|en|Constitution of Mauritius}}は英語で書かれているものの、民法などの幾つかの法律はフランス語である。 学校の生徒は英語とフランス語が必修で、選択科目としてアジア系諸言語やクレオール語を学べる。学校での教育に用いられる言語は学校により異っている。ただ、通常はクレオール語、フランス語、英語である。 これらの言語の中でモーリシャスで最も話されている言語は、17世紀〜18世紀初頭にかけてのフランス領時代に発達したフランス語系統の[[モーリシャス・クレオール語]]である<ref>{{cite web|url=http://mauritiusgovernment.com/demographics.htm |publisher=mauritiusgovernment.com |title=Demographics |accessdate=7 November 2013}}</ref>。モーリシャス・クレオール語は90%以上の国民の母語であり、日常会話として家庭などで話されている。ただしモーリシャス・クレオール語は、話し言葉主体であり、読み書きなどの教育は受けないので、読み書きや敬語的な表現などを用いた会話では一般的にフランス語を使用する。多くの新聞やメディアはフランス語であり、ビジネスでもフランス語が使用されるなど[[フランス語圏]]となっている。 また、多くの国民はモーリシャス・クレオール語、フランス語に加えて、宗主国の言語である英語も理解する[[トライリンガル]]であるものの、英語は学校教育を終えると日常生活では使う機会に乏しいために、読み書きはできても聞き取りや会話などは苦手な人も少なくない。そのため、アメリカ映画など英語で作成されたテレビ番組などは、フランス語に吹き替えられて放送される。その他、家庭内では[[ポルトガル語]]、[[ヒンディー語]]、[[タミル語]]、[[テルグ語]]、[[客家語]]、[[ボージュプリー語]]、[[ウルドゥー語]]、[[マラーティー語]]などが使われる。 モーリシャス人は状況に応じて使う言語を使い分けており<ref>ソジエ内田 恵美, 「[https://hdl.handle.net/2065/32794 Language Choice in Multilingual Mauritius : National Unity and Socioeconomic Advancement]」『敎養諸學研究』 126巻 2009年 p.99-130, {{ncid|AN00062730}}, 早稲田大学政治経済学部教養諸学研究会</ref>、教育や職業的な場面ではフランス語や英語が好まれる一方、音楽、宗教、文化的な活動ではアジア系言語が主に用いられる。メディアや文学は主にフランス語である。 かつては[[ボージュプリー語]]を母語とする者も多かったが、その数は年々減少し、家庭でのボージュプリー語の使用は減っており2000年では人口の12%あったところ、2011年の統計では5%まで低下している<ref name="2011census">{{cite journal|url=http://www.govmu.org/portal/goc/cso/ei977/pop2011.pdf |publisher=Government Portal of Mauritius |title=2011 POPULATION CENSUS&nbsp;– MAIN RESULTS |author=Ministry of Finance & Economic Development |accessdate=22 January 2015}}</ref>。 === 宗教 === [[ファイル:Thaipusam in Mauritius - January 2011 (5372546759).jpg|thumb|right|ヒンドゥー教の[[タイプーサム]]祭]] {{see|{{仮リンク|モーリシャスの宗教|en|Religion in Mauritius}}}} モーリシャスは公的に[[世俗的政府]]であると定められており、信教の自由は憲法に明記されている<ref>{{cite web|url=http://www.brandeis.edu/globalbrandeis/documents/Nigel%20-%20Mauritius%20FINAL.pdf |format=PDF |publisher=Brandeis University |page=2 |title=Country Studies Series: Mauritius |deadurl=no |accessdate=31 July 2012 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20131105184248/http://www.brandeis.edu/globalbrandeis/documents/Nigel%20-%20Mauritius%20FINAL.pdf |archivedate=2013年11月5日 ldate=2017年9月}}</ref>。このこともあって、多様な宗教が共存する国である。モーリシャス人の信仰は、[[ヒンドゥー教]]が52%、[[キリスト教]]が28.3%([[カトリック教会|ローマ・カトリック]]が26%、[[プロテスタント]]が2.3%)、[[イスラム教]]が16.6%、その他3.1%である。なお、アフリカ諸国の中でヒンドゥー教が多数を占める国はモーリシャスのみである。 モーリシャス人の文化には多様な宗教からもたらされた祝祭を反映して、年間を通じて様々な祝祭があり、そのうちのいくつかは公的な祝祭日となっている。推計によればモーリシャス人は平均で年700時間を宗教的活動に費やすという<ref>[http://pure.au.dk/ws/files/51974616/Effects_of_religious_setting_on_cooperative_behaviour_RBB.pdf Religious Setting]</ref>。 === 教育 === {{see|{{仮リンク|モーリシャスの教育|en|Education in Mauritius}}}} 同国の教育は政府が資金提供する[[公立学校]]の開発と運営を管理する教育人事省によって管理されている。教育人事省は[[私立学校]]に関しては助言と監督の役割も担っている面を持つ。 {{sectstub}} === 保健 === {{see|{{仮リンク|モーリシャスの保健|en|Health in Mauritius}}}} {{sectstub}} == 治安 == 同国は治安対策に力を入れており、凶悪犯罪は少なく、周辺諸国と比較すると一般的に治安状況は良い方であるとされている。しかし、[[空き巣]]、[[車上狙い]]、[[スリ]]、[[ひったくり]]などの一般犯罪が散発している他、夜間においては[[旅行者]]を狙った[[強盗]]事件も発生しているため、注意する必要が求められる。最近は[[麻薬]]取引が一般市民にも広がっており、麻薬欲しさに[[金品]]を強奪する者が出現することから不用意な外出は危険性が高く、用事での外出も常時警戒しなければならない。 {{sectstub}} === 人権 === モーリシャスは[[アフリカ連合]](AU)のメンバーである為、その市民と[[NGO]]は{{仮リンク|アフリカ人権委員会|en|African Commission on Human and Peoples' Rights}}へ苦情を申し立てることが可能となっている<ref>[http://www.claiminghumanrights.org/mauritius.html Claiming Human Rights - in Mauritius] Claiming Human Rights</ref>。また、[[欧州連合|EU]]ガイドライン(人権擁護家、死刑、拷問)に従い、EU加盟国の大使館と[[欧州委員会]]の代表団へ苦情を申し立てることも可能となっている。[[多国籍企業]]による人権侵害の場合は、[[OECD]]加盟国の全国連絡窓口を呼び出すこともある。モーリシャスは[[国際刑事裁判所]]に加盟している為、重大な犯罪が発生した場合には同裁判所から呼び出される可能性がある。 {{See also|{{仮リンク|モーリシャスにおける人身売買|en|Human trafficking in Mauritius}}|{{仮リンク|モーリシャスにおけるLGBTの権利|en|LGBT rights in Mauritius}}}} {{sectstub}} == マスコミ == {{main|{{仮リンク|モーリシャスのメディア|en|Mass media in Mauritius}}}} {{sectstub}} == 文化 == {{main|{{仮リンク|モーリシャスの文化|en|Culture of Mauritius}}}} モーリシャスの文化は、その歴史からのいくつかの国の文化と同国地域の先住民族の社会から生まれた個々の文化が融合して形成された。中でも[[フランスの文化]]と強い結び付きを持っている点が挙げられている。 {{sectstub}} === 食文化 === {{main|{{仮リンク|モーリシャス料理|en|Cuisine of Mauritius}}}} [[ラム酒]]が有名となっている。同国のラム酒は[[キューバ]]、[[ジャマイカ]]、[[バルバドス]]の[[カリブ海諸国]]ほど知名度が高くはないものの、国際舞台で徐々に露出を増やしており、ラム酒醸造は地元の業界関係者から潜在的な成長分野と見なされている。 {{sectstub}} === 文学 === {{main|{{仮リンク|モーリシャス文学|en|Mauritian literature}}}} {{sectstub}} === 音楽 === [[Image:Sega.drumdancer.jpg|thumb|演奏会場のステージでセガを踊る女性。<br>{{仮リンク|ポワント・オー・ピマン|fr|Pointe-aux-Piments|de|Pointe aux Piments}}にて撮影。]] {{main|[[モーリシャスの音楽]]}} {{仮リンク|セガ (音楽)|label=セガ|en|Sega (genre)}}の発祥の地である。 {{sectstub}} === 世界遺産 === {{main|モーリシャスの世界遺産}} {{sectstub}} === 祝祭日 === 基本的な祝日は以下の通りである。 {| class="wikitable" style= |+ style="font-weight: bold; font-size: 120%" | |- ! 日付 ! 日本語表記 ! 現地語表記 ! 備考 |- | [[1月1日]]-[[1月2日]] | 正月 | | |- | [[2月1日]] | [[奴隷制]]廃止記念日 | |  |- | [[3月12日]] | 建国記念日(独立記念日) | |  |- | [[5月1日]] | [[労働者の日]] | |  |- | [[11月2日]] | {{仮リンク|インド到着日|en|Indian Arrival Day}} | | [[カリブ海地域]]や[[オセアニア]]の島国、アフリカの国々で様々な日に祝われている  |- | [[12月25日]] | [[クリスマス]] | |  |- |} ※他には日付の異なる祝日が存在し、その殆どはヒンドゥー教やイスラム教の祭典ならびに[[中華人民共和国|中国]]の[[春節]]の祭りに因んだもので構成されている。 == スポーツ == {{Main|モーリシャスのスポーツ}} モーリシャスは、[[近代オリンピック|オリンピック]]には[[1984年]]の[[1984年ロサンゼルスオリンピック|ロサンゼルス大会]]で初出場し、[[2008年]]の[[2008年北京オリンピック|北京大会]]の[[2008年北京オリンピックのボクシング競技|ボクシング競技]]で、ブルーノ・ジュリーが銅メダルを獲得し同国初のメダリストとなった。モーリシャスの[[国技]]は[[競馬]]であり、国の[[文化遺産]]の一部とされている。競馬の発祥は[[1812年]]の{{仮リンク|シャン・ド・マルス競馬場|fr|Hippodrome du Champ de Mars|en|Champ de Mars Racecourse}}の開業時にさかのぼり、南半球で最も古い[[競馬場]]とされており、同施設で開催されるレースには今も数多くの支持者が存在する。なお、[[レクリエーション]]レベルではあるものの、市民の多様な[[スポーツ]]への参加意識が高まっており、[[トレイルランニング]]や[[ウォータースポーツ]]、[[マウンテンバイキング]]なども盛んである。 {{See also|オリンピックのモーリシャス選手団}} === サッカー === {{Main|{{仮リンク|モーリシャスのサッカー|en|Football in Mauritius}}}} モーリシャス国内でも他の[[アフリカ]]諸国同様に、[[サッカー]]が最も人気の[[スポーツ]]となっており、[[1935年]]にサッカーリーグの{{仮リンク|モーリシャンリーグ|en|Mauritian Premier League}}が創設されている。{{仮リンク|モーリシャスサッカー協会|en|Mauritius Football Association}}によって構成される[[サッカーモーリシャス代表]]は、これまで[[FIFAワールドカップ]]には未出場となっている。[[アフリカネイションズカップ]]には[[アフリカネイションズカップ1974|1974年大会]]で1度出場しているが、グループリーグ敗退に終わった。なお、代表チームは{{仮リンク|スタッド・ジョルジュ・サンク|en|Stade George V}}と{{仮リンク|スタッド・アンジャレ|en|Stade Anjalay}}の2つのスタジアムを[[本拠地]]としている。 == 著名な出身者 == {{Main|モーリシャス人の一覧}} * {{仮リンク|クリストファー・パール|en|Christopher Perle}} - 元[[プロサッカー選手|サッカー選手]]。元[[サッカーモーリシャス代表|モーリシャス代表]] * {{仮リンク|コリン・ベル (モーリシャスのサッカー選手)|label=コリン・ベル|en|Colin Bell (footballer, born 1979)}} - 元サッカー選手。元モーリシャス代表 * {{仮リンク|クロード・ド・バイサック|en|Claude de Baissac}} - [[軍人]]、[[スパイ|諜報員]] ** [[第二次世界大戦]]中のフランスにおける、[[イギリス]]の[[特殊作戦執行部]](SOE)に所属していた。フランス系モーリシャス人。 * [[シャルル=エドゥアール・ブラウン・セカール]] - [[医学|医学者]]、[[生理学|生理学者]] ** [[ブラウン・セカール症候群]]を発見し、その病名の由来になっている人物。 == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} {{Reflist|2}} == 関連項目 == * [[モーリシャス関係記事の一覧]] * [[ドードー]] * [[モーリシャスオルカン]] * [[モーリシャス時間]] * [[サー・シウサガル・ラングーラム国際空港]] == 外部リンク == {{Commons&cat|Mauritius - Maurice|Mauritius}} * 政府 ** [https://govmu.org/EN/Pages/default.aspx モーリシャス共和国政府] {{en icon}}{{fr icon}} * 日本政府 ** [https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/mauritius/ 日本外務省 - モーリシャス] {{ja icon}} * 観光 ** {{ウィキトラベル インライン|モーリシャス|モーリシャス}} ** [https://www.mauritius.net Mauritius Welcomes You - The Official Site for Mauritius]:モーリシャス政府観光局 {{en icon}} ** {{Googlemap|モーリシャス}} *[https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/04/b7f631925a7f9ce0.html アフリカの2022年の個人資産総額は2兆4,000億ドル(アフリカ、南アフリカ共和国、エジプト、ナイジェリア、ケニア、モロッコ、ルワンダ、モーリシャス、セーシェル、ナミビア) - JETRO日本貿易振興機構(ジェトロ)2023年04月04日] {{アフリカ}} {{イギリス連邦}} {{南アジア地域協力連合}} {{CPLP}} {{OIF}} {{Normdaten}} {{デフォルトソート:もおりしやす}} [[Category:モーリシャス|*]] [[Category:アフリカの国]] [[Category:共和国]] [[Category:島国]] [[Category:インド洋の島]] [[Category:イギリス連邦加盟国]] [[Category:フランコフォニー加盟国]] [[Category:軍隊非保有国]] [[Category:国際連合加盟国]] [[Category:アフリカ連合加盟国]]
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阪東橋駅
阪東橋駅(ばんどうばしえき)は、神奈川県横浜市中区弥生町5丁目にある、横浜市営地下鉄ブルーライン(1号線)の駅である。駅番号はB15。 戦後すぐまで横浜市の商業の中心地であった伊勢佐木町の南西側に所在する。地下鉄建設に伴い吉田川・新吉田川が埋め立てられ、新吉田川があった場所に当駅が設置された。地上部には関内駅から当駅に至る長い帯状の公園 大通り公園が、駅の南西側には阪東橋公園と首都高速神奈川3号狩場線阪東橋出入口が設置されている。 駅ホームの一部および第1出入口、第4出入口は同市南区高根町に位置する。 当駅と吉野町駅との駅間距離は500mで、これはブルーラインでは一番短い。 現在地下鉄が通っている箇所の上部は大通り公園として整備されているが、地下鉄建設までは吉田川・新吉田川という川が流れていた。阪東橋は駅設置場所に架かっていた橋の名前で、1972年に廃止されるまでの横浜市電の電停名にも使われていた。 島式ホーム1面2線の地下駅である。 2022年(令和4年)度の1日平均乗降人員は21,424人(乗車人員:10,820人、降車人員:10,604人)である。 近年の1日平均乗降・乗車人員推移は下記の通り。 最寄りバス停は鎌倉街道及び藤棚浦舟通り上の「阪東橋」。この他、4番出入口近くにある「白妙町」も利用可能。
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阪東橋駅(ばんどうばしえき)は、神奈川県横浜市中区弥生町5丁目にある、横浜市営地下鉄ブルーライン(1号線)の駅である。駅番号はB15。
{{駅情報 |社色 = #0d6aad |文字色 = |駅名 = 阪東橋駅 |画像 = Bandobashi-Sta-1A.JPG |pxl = 300px |画像説明 = 1A番出入口(2019年4月) |地図 = {{Infobox mapframe|zoom=14|type=point|frame-width=300|marker=rail}} |よみがな = ばんどうばし |ローマ字 = Bandobashi |副駅名 = |前の駅 = B14 [[吉野町駅|吉野町]] |駅間A = 0.5 |駅間B = 0.9 |次の駅 = [[伊勢佐木長者町駅|伊勢佐木長者町]] B16 |電報略号 = |駅番号 = {{駅番号r|B|15|#005ba5|6}} |所属事業者 = [[横浜市交通局]]([[横浜市営地下鉄]]) |所属路線 = {{color|#005ba5|■}}[[横浜市営地下鉄ブルーライン|ブルーライン(1号線)]] |キロ程 = 1.6 km([[関内駅|関内]]起点)<br />[[湘南台駅|湘南台]]から18.1 |起点駅 = |所在地 = [[横浜市]][[中区 (横浜市)|中区]][[弥生町 (横浜市)|弥生町]]5丁目48番地<ref>『横浜市高速鉄道建設史II』 横浜市交通局、2004年3月、72ページ</ref> |緯度度 = 35 |緯度分 = 26 |緯度秒 = 14.5 |N(北緯)及びS(南緯) = N |経度度 = 139 |経度分 = 37 |経度秒 = 29.6 |E(東経)及びW(西経) = E |地図国コード = JP |座標右上表示 = Yes |駅構造 = [[地下駅]] |ホーム = 1面2線 |開業年月日 = [[1972年]]([[昭和]]47年)[[12月16日]] |廃止年月日 = |乗車人員 = |乗降人員 = 21,424 |統計年度 = 2022年 |乗換 = |備考 = [[業務委託駅]]([[京王設備サービス]])}} [[File:Bandobashi-platform (2022-12-16).jpg|thumb|ホーム(2022年12月)]] [[File:Bandobashi-platform (2016-10-22).jpg|thumb|改良工事前のホーム(2016年10月)]] [[File:Bandobashi-Sta-Gate.jpg|thumb|改札口(2020年2月)]] '''阪東橋駅'''(ばんどうばしえき)は、[[神奈川県]][[横浜市]][[中区_(横浜市)|中区]][[弥生町 (横浜市)|弥生町]]5丁目にある、[[横浜市営地下鉄ブルーライン]](1号線)の[[鉄道駅|駅]]である。駅番号は'''B15'''。 == 概要 == 戦後すぐまで横浜市の商業の中心地であった[[伊勢佐木町]]の南西側に所在する。地下鉄建設に伴い[[横浜市中心部の廃河川|吉田川・新吉田川]]が埋め立てられ、新吉田川があった場所に当駅が設置された。地上部には[[関内駅]]から当駅に至る長い帯状の公園 [[大通り公園]]が、駅の南西側には阪東橋公園と[[首都高速神奈川3号狩場線]][[阪東橋出入口]]が設置されている<ref> 『横浜市高速鉄道建設史』 横浜市交通局、1987年12月、55-59ページ</ref>。 駅ホームの一部および第1出入口、第4出入口は同市[[南区 (横浜市)|南区]]高根町に位置する<ref>[http://map.yahoo.co.jp/maps?p=%E9%98%AA%E6%9D%B1%E6%A9%8B%E9%A7%85&lat=35.43765476512012&lon=139.62528709547246&ei=utf-8&lnm=%E9%98%AA%E6%9D%B1%E6%A9%8B%E9%A7%85&idx=25&layer=4&z=18 Yahoo!地図]</ref>。 当駅と吉野町駅との駅間距離は500mで、これはブルーラインでは一番短い。 == 歴史 == * [[1972年]]([[昭和]]47年)[[12月16日]] - 開業。 * [[2007年]]([[平成]]19年)[[6月9日]] - [[ホームドア]]の使用を開始。 * [[2012年]](平成24年)[[4月10日]] - [[docomo Wi-Fi]]による、[[公衆無線LAN]]サービス開始。 === 駅名の由来 === 現在地下鉄が通っている箇所の上部は大通り公園として整備されているが、地下鉄建設までは吉田川・新吉田川という川が流れていた。阪東橋は駅設置場所に架かっていた橋の名前で、[[1972年]]に廃止されるまでの[[横浜市電]]の電停名にも使われていた。 == 駅構造 == [[島式ホーム]]1面2線の地下駅である。 === のりば === {|class="wikitable" !番線<!-- 事業者側による呼称 -->!!路線!!行先<ref>{{Cite web|和書|url=https://navi.hamabus.city.yokohama.lg.jp/koutuu/pc/detail/Station?id=00002862 |title=阪東橋の駅情報 駅構内図 |publisher=横浜市交通局 |accessdate=2023-06-04}}</ref> |- !1 |rowspan=2|[[File:Yokohama Municipal Subway Blue Line symbol.svg|15px]] ブルーライン |[[湘南台駅|湘南台]]方面 |- !2 |[[あざみ野駅|あざみ野]]方面 |} *上表の路線名は旅客案内上の名称(愛称)で記載している。 == 利用状況 == [[画像:Number of Passenger at Bandobashi Sta.png|thumb|250px|1日あたり乗車人員の推移]] [[2022年]](令和4年)度の1日平均[[乗降人員|'''乗降'''人員]]は'''21,424人'''(乗車人員:10,820人、降車人員:10,604人)である。 近年の1日平均乗降・乗車人員推移は下記の通り。 {|class="wikitable" style="text-align:right" |+年度別1日平均乗降・乗車人員 !年度 !1日平均<br />乗降人員<ref>[https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/yokohamashi/tokei-chosa/portal/tokeisho/09.html 横浜市統計書] - 横浜市</ref> !1日平均<br />乗車人員<ref>[http://www.pref.kanagawa.jp/life/6/27/142/ 神奈川県県勢要覧]</ref> !出典 |- |1979年(昭和54年) | |4,788 | |- |1980年(昭和55年) | |5,126 | |- |1981年(昭和56年) | |4,758 | |- |1982年(昭和57年) | |4,892 | |- |1983年(昭和58年) | |5,281 | |- |1984年(昭和59年) | |5,019 | |- |1985年(昭和60年) | |5,429 | |- |1986年(昭和61年) | |5,351 | |- |1987年(昭和62年) | |5,910 | |- |1988年(昭和63年) | |6,366 | |- |1989年(平成元年) | |6,576 | |- |1990年(平成{{0}}2年) | |6,853 | |- |1991年(平成{{0}}3年) | |6,612 | |- |1992年(平成{{0}}4年) | |6,514 | |- |1993年(平成{{0}}5年) | |6,791 | |- |1994年(平成{{0}}6年) | |6,753 | |- |1995年(平成{{0}}7年) | |6,666 |<ref group="*">{{PDFlink|[http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/life/992578_3227111_misc.pdf 線区別駅別乗車人員(1日平均)の推移]}} - 30ページ</ref> |- |1996年(平成{{0}}8年) | |6,587 | |- |1997年(平成{{0}}9年) | |6,789 | |- |1998年(平成10年) | |6,822 |<ref group="*">神奈川県県勢要覧(平成12年度)- 228ページ</ref> |- |1999年(平成11年) |13,622 |6,788 |<ref group="*" name="toukei2001">{{PDFlink|[http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/369557.pdf 神奈川県県勢要覧(平成13年度)]}} - 230ページ</ref> |- |2000年(平成12年) |14,385 |7,177 |<ref group="*" name="toukei2001" /> |- |2001年(平成13年) |15,433 |7,548 |<ref group="*">{{PDFlink|[http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/369552.pdf 神奈川県県勢要覧(平成14年度)]}} - 228ページ</ref> |- |2002年(平成14年) |15,170 |7,519 |<ref group="*">{{PDFlink|[http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/369547.pdf 神奈川県県勢要覧(平成15年度)]}} - 228ページ</ref> |- |2003年(平成15年) |15,084 |7,625 |<ref group="*">{{PDFlink|[http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/369542.pdf 神奈川県県勢要覧(平成16年度)]}} - 228ページ</ref> |- |2004年(平成16年) |14,937 |7,502 |<ref group="*">{{PDFlink|[http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/369533.pdf 神奈川県県勢要覧(平成17年度)]}} - 230ページ</ref> |- |2005年(平成17年) |15,326 |7,561 |<ref group="*">{{PDFlink|[http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/369528.pdf 神奈川県県勢要覧(平成18年度)]}} - 230ページ</ref> |- |2006年(平成18年) |15,375 |7,689 |<ref group="*">{{PDFlink|[http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/369523.pdf 神奈川県県勢要覧(平成19年度)]}} - 232ページ</ref> |- |2007年(平成19年) |15,540 |7,868 |<ref group="*">{{PDFlink|[http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/35540.pdf 神奈川県県勢要覧(平成20年度)]}} - 236ページ</ref> |- |2008年(平成20年) |16,018 |8,086 |<ref group="*">{{PDFlink|[http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/773803.pdf 神奈川県県勢要覧(平成21年度)]}} - 246ページ</ref> |- |2009年(平成21年) |16,626 |8,390 |<ref group="*">{{PDFlink|[http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/161682.pdf 神奈川県県勢要覧(平成22年度)]}} - 244ページ</ref> |- |2010年(平成22年) |16,830 |8,491 |<ref group="*">{{PDFlink|[http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/427362.pdf 神奈川県県勢要覧(平成23年度)]}} - 244ページ</ref> |- |2011年(平成23年) |16,700 |8,424 |<ref group="*">{{PDFlink|[http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/706868.pdf 神奈川県県勢要覧(平成24年度)]}} - 240ページ</ref> |- |2012年(平成24年) |17,393 |8,787 |<ref group="*">{{PDFlink|[http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/707631.pdf 神奈川県県勢要覧(平成25年度)]}} - 242ページ</ref> |- |2013年(平成25年) |18,408 |9,298 |<ref group="*">{{PDFlink|[http://www.klnet.pref.kanagawa.jp/resource/org_0101/pol_20150926_003_17.pdf 神奈川県県勢要覧(平成26年度)]}} - 244ページ</ref> |- |2014年(平成26年) |18,290 |9,240 |<ref group="*">{{PDFlink|[http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/821900.pdf 神奈川県県勢要覧(平成27年度)]}} - 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[[横浜市立みなと赤十字病院|みなと赤十字病院]]行 *** [[横浜市営バス保土ケ谷営業所#32系統|32]] - [[日本大通り駅]][[神奈川県庁舎|県庁前]]行(地下鉄[[関内駅]]経由) ※平日朝夕のみ *** 32・[[横浜市営バス保土ケ谷営業所#79・199系統|79]] - [[港町 (横浜市)|港町]]行 *** 79 - 日本大通り駅県庁前行(尾上町経由) ※平日・土曜朝夕のみ *** [[横浜市営バス磯子営業所#113・327系統|113]] - [[桜木町駅]]行 ** [[神奈川中央交通]] *** [[神奈川中央交通舞岡営業所#戸塚駅東口 - 井土ヶ谷 - 横浜駅方面|戸03]]・[[神奈川中央交通舞岡営業所#東戸塚駅東口 - 井土ヶ谷方面|東06]] - 県庁入口行 ※平日・土曜朝のみ *** [[神奈川中央交通横浜営業所#大船駅 - 上大岡駅・桜木町駅方面|船20]]・戸45 - 桜木町駅行 *** 横43・横44・[[神奈川中央交通横浜営業所#港南台駅 - 上大岡駅 - 磯子駅・横浜駅方面|港61]] - [[横浜駅]]東口行(桜木町駅経由) ** [[相鉄バス]] *** [[相鉄バス#旭4・旭5系統|旭4]] - 桜木町駅行 * 鎌倉街道西方向(3A出入口側) ** 横浜市営バス *** 2 - [[上大岡駅]]前行 *** 79・199 - 平和台折返場行 *** 113 - [[横浜市営バス磯子営業所|磯子車庫]]行([[吉野町駅]]・[[横浜市営バス滝頭営業所|滝頭]]経由) ** 神奈川中央交通 *** 戸03・横43 - [[戸塚駅]]東口行 *** 横44 - 戸塚駅東口行([[神奈川県立こども医療センター|こども医療センター経由]]) *** 戸45 - 戸塚駅東口行(南区総合庁舎・こども医療センター経由) ※平日2本 *** 船20 - [[大船駅]]行(上大岡駅経由) *** 港61 - [[港南台駅]]行(上大岡駅経由) * 藤棚浦舟通り北方向 ** 横浜市営バス *** 32 - [[横浜市営バス保土ケ谷営業所|保土ケ谷車庫]]行(久保山・[[保土ケ谷駅]]東口経由) *** [[横浜市営バス滝頭営業所#68・102・378系統|68]] - 横浜駅西口行([[藤棚町|藤棚]]経由) *** 102 - 横浜駅行(藤棚経由) ** 相鉄バス *** 旭4 - 美立橋行(清水ヶ丘・保土ケ谷駅東口経由) ** 藤棚浦舟道路南方向(1B出入口側) *** 68・102・378(深夜) - 滝頭行([[浦舟町]]経由 ※378は平日のみ *** 199 - 南区総合庁舎・関内駅北口循環 ※平日日中のみ ** 神奈川中央交通 *** 戸45 - 桜木町駅行 / 戸塚駅東口行(南区総合庁舎経由) ※平日2本 ** 相鉄バス *** 旭4 - 桜木町駅行 / 美立橋行(南区総合庁舎経由) ※平日日中のみ ; 白妙町 * 藤棚浦舟通り北方向(4番出入口側) ** 横浜市営バス *** 68 - 横浜駅西口行(藤棚経由) *** 102・324(急行)- 横浜駅行(藤棚経由) ※324は平日朝のみ ** 藤棚浦舟通り南方向 *** 68・102・378(深夜) - 滝頭行(浦舟町経由) ※378は平日のみ *** 199 - 平和台折返場行(南区総合庁舎・関内駅北口循環) ※平日日中のみ ** 神奈川中央交通 *** 戸45 - 桜木町駅行 / 戸塚駅東口行(南区総合庁舎経由) ※平日2本 ** 相鉄バス *** 旭4 - 桜木町駅行 / 美立橋行(南区総合庁舎経由) ※平日日中のみ == 隣の駅 == ; 横浜市営地下鉄 : [[File:Yokohama Municipal Subway Blue Line symbol.svg|15px]] ブルーライン(1号線) :: {{Color|red|■}}快速 :::; 通過 ::{{Color|#006bf0|■}}普通 ::: [[吉野町駅]] (B14) - '''阪東橋駅 (B15)''' - [[伊勢佐木長者町駅]] (B16) == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} == 出典 == ;神奈川県県勢要覧 {{Reflist|group="*"|3}} == 関連項目 == {{commonscat|Bandōbashi Station}} *[[日本の鉄道駅一覧]] *[[桂歌丸]] - [[落語家]]。当駅付近の[[真金町]]出身で、2018年に亡くなるまで生涯に渡って住居を構えていた。その縁もあり、2003年に横浜市営地下鉄で「全席優先席」制度(2013年に取り止め)が施行された際、駅構内などでその旨を知らせるアナウンスに起用された。 == 外部リンク == * [https://navi.hamabus.city.yokohama.lg.jp/koutuu/pc/detail/Station?id=00002862 横浜市交通局 阪東橋駅] {{横浜市営地下鉄ブルーライン}} {{DEFAULTSORT:はんとうはし}} [[Category:横浜市中区の鉄道駅]] [[Category:日本の鉄道駅 は|んとうはし]] [[Category:横浜市交通局の鉄道駅]] [[Category:1972年開業の鉄道駅]]
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能登国
能登国(のとのくに)は、かつて日本の地方行政区分だった令制国の一つ。北陸道に属する。現在の石川県北部にあたる。 成務朝に能等国造が置かれ、次いで雄略朝に羽咋国造が置かれた。養老2年(718年)5月2日、越前国から羽咋郡、能登郡、鳳至郡、珠洲郡の四郡を分立して能登国が成立した。 天平13年(741年)12月10日に越中国に併合された 天平勝宝8年(757年)5月8日、越中国から再び分立した。 また、天元3年(980年)、『和名抄』の編纂で有名な源順が能登国守として赴任している。 能登郡の名称は後に鹿島郡へと改められた。 江戸時代には大部分が加賀藩領であったが、一部に幕府領(旗本領を含む)があった。また、一時的に譜代の小藩が設置されているが(能登下村藩・能登西谷藩)、いずれも短期間で廃止されている。 寛文11年(1671年)5月4日、加賀藩は、羽喰郡を羽咋郡、鹿島郡を能登郡と改めた。 明治維新の直前の領域は現在以下のようになっている。太字の自治体及び郡は全域が、通常体は一部が国土にあたる。 源順の『和名抄』には「能登国国府在能登郡」とあり、現在の七尾市古府の総社の付近か府中町にあったと推定されている。発掘調査はまだなされていない。
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能登国(のとのくに)は、かつて日本の地方行政区分だった令制国の一つ。北陸道に属する。現在の石川県北部にあたる。
{{基礎情報 令制国 |国名 = 能登国 |画像 = {{令制国地図 (令制国テンプレート用)|能登国}} |別称 = 能州(のうしゅう) |所属 = [[北陸道]] |領域 = [[石川県]]北部([[能登半島]]) |国力 = [[中国 (令制国)|中国]] |距離 = [[中国 (令制国)|中国]] |郡 = 4郡26郷 |国府 = 石川県[[七尾市]] |国分寺 = 石川県七尾市([[能登国分寺|能登国分寺跡]]) |国分尼寺 = (未詳) |一宮 = [[気多大社]](石川県[[羽咋市]]) }} '''能登国'''(のとのくに)は、かつて[[日本]]の地方行政区分だった[[令制国]]の一つ。[[北陸道]]に属する。現在の[[石川県]]北部にあたる。 == 沿革 == [[成務天皇|成務朝]]に[[能等国造]]が置かれ、次いで[[雄略天皇|雄略朝]]に[[羽咋国造]]が置かれた。[[養老]]2年([[718年]])[[5月2日 (旧暦)|5月2日]]、[[越前国]]から[[羽咋郡]]、[[能登郡]]、[[鳳至郡]]、[[珠洲郡]]の四郡を分立して能登国が成立した{{Sfn|日置|1972|p=16}}。 [[天平]]13年([[741年]])[[12月10日 (旧暦)|12月10日]]に[[越中国]]に併合された{{Sfn|日置|1972|p=19}}<ref group="注釈">能登国が越中国に併合されていた時期に越中国守となった[[大伴家持]]が[[天平感宝]]元年([[749年]])[[5月14日 (旧暦)|5月14日]]に妻のために珠洲郡の[[真珠]]を求めた歌が『[[万葉集]]』に残されている。</ref> [[天平勝宝]]8年([[757年]])5月8日、越中国から再び分立した{{Sfn|日置|1972|p=21}}。 また、[[天元 (日本)|天元]]3年([[980年]])、『[[和名類聚抄|和名抄]]』の編纂で有名な[[源順]]が能登国守として赴任している。 能登郡の名称は後に[[鹿島郡]]へと改められた。 江戸時代には大部分が[[加賀藩]]領であったが、一部に幕府領(旗本領を含む)があった。また、一時的に譜代の小藩が設置されているが([[能登下村藩]]・[[能登西谷藩]])、いずれも短期間で廃止されている。 [[寛文]]11年([[1671年]])5月4日、加賀藩は、羽喰郡を羽咋郡、鹿島郡を能登郡と改めた{{Sfn|日置|1972|p=393}}。 === 近代以降の沿革 === * 「[https://www.rekihaku.ac.jp/up-cgi/login.pl?p=param/kyud/db_param 旧高旧領取調帳データベース]」に記載されている[[明治]]初年時点での国内の支配は以下の通り<ref group="注釈">「[[旧高旧領取調帳]]」は能登国分が欠けているため、[[木村礎]]の手により「天保郷帳」をもとに作成され、「日本史料選書13 旧高旧領取調帳 中部編」(近藤出版社、[[1977年]])に掲載されたデータが[[国立歴史民俗博物館]]によりデータベース化されている。</ref>(666村・275,361石余)。[[天領|幕府領]]は[[加賀藩]][[預地]]。[[地方知行|旗本領]]は[[土方氏]]領。 ** [[羽咋郡]](191村・91,031石余) - 幕府領、旗本領、加賀藩 ** [[鹿島郡]](150村・85,947石余) - 幕府領、旗本領、加賀藩 ** [[鳳至郡]](250村・64,961石余) - 幕府領、加賀藩 ** [[珠洲郡]](75村・33,421石余) - 幕府領、加賀藩 * 明治2年[[6月17日 (旧暦)|6月17日]]([[1869年]][[7月25日]]) - [[版籍奉還]]により加賀藩(通称)の正式名称が'''金沢藩'''となる。 * 明治3年[[5月22日 (旧暦)|5月22日]]([[1870年]][[6月20日]]) - 幕府領・旗本領が'''[[高山県]]'''の管轄となる<ref>[{{NDLDC|1921115}} 石川県史 第四編],p.3. [[近代デジタルライブラリー]]</ref>。 * 明治4年 ** [[7月14日 (旧暦)|7月14日]]([[1871年]][[8月29日]]) - [[廃藩置県]]により、藩領が'''[[金沢県]]'''の管轄となる。 ** [[11月20日 (旧暦)|11月20日]](1871年[[12月31日]]) - 第1次府県統合により、全域が'''[[七尾県]]'''の管轄となる。 * 明治5年[[9月27日 (旧暦)|9月27日]]([[1872年]][[10月29日]]) - '''[[石川県]]'''の管轄となる。 == 領域 == [[明治維新]]の直前の領域は現在以下のようになっている。'''太字'''の自治体及び郡は全域が、通常体は一部が国土にあたる。 * [[石川県]] ** '''[[七尾市]]''' ** '''[[輪島市]]''' ** '''[[珠洲市]]''' ** '''[[羽咋市]]''' ** [[かほく市]] *** 二ツ屋・中沼・夏栗・野寺・八野・瀬戸町・黒川・元女・箕打および学園台の一部 ** [[河北郡]] *** [[津幡町]]上大田・下河合・上河合・瓜生・牛首 ** '''[[羽咋郡]]''' ** '''[[鹿島郡]]''' ** '''[[鳳珠郡]]''' == 国内の施設 == === 国府 === 源順の『和名抄』には「能登国国府在能登郡」とあり、現在の[[七尾市]]古府の総社の付近か府中町にあったと推定されている。発掘調査はまだなされていない。 === 国分寺・国分尼寺 === * [[能登国分寺]]跡 (七尾市国分町) - 国の史跡。 : [[国分寺|国分僧寺]]は、新たに創建されたものではなく、飛鳥時代後期(700年頃)に創建された大興寺を[[承和 (日本)|承和]]10年([[843年]])に国分寺としたものである。国分寺跡には建物の[[基壇]]や柱跡が表示され、南門と塀などが復元されている。 === 神社 === ; [[延喜式内社]] : 『[[延喜式神名帳]]』には、大社1社1座・小社42社42座の計43社43座が記載されている。大社1社は以下に示すもので、[[名神大社]]である。[[能登国の式内社一覧]]を参照。 * [[羽咋郡]] 気多神社(現 [[気多大社]]、羽咋市寺家町) ; [[総社]]・[[一宮]]以下 * 総社 能登国総社 (能登国魂神社とも、七尾市古府) - 源順が能登守の時代、大穴持命を祀っていた神社に国内の有力神社43社の神を勧請・合祀し、現存する。 * 一宮 '''[[気多大社]]''' * 二宮 [[伊須流岐比古神社]]または[[天日陰比咩神社]] == 地域 == === 郡 === *[[羽咋郡]] *能登郡 → [[鹿島郡]] *[[鳳至郡]] *[[珠洲郡]] === 国司 === ==== 能登守 ==== *[[村国子老]] [[764年]]([[天平宝字]]8年)8月4日 - 9月25日、外[[従五位]]下 *[[平群虫麻呂]] 764年(天平宝字8年)9月25日 - 従五位下 *[[多治比名負]] [[774年]]([[宝亀]]5年)3月5日 - 9月4日、従五位下 *[[巨勢馬主]] 774年(宝亀5年)9月4日 - 、従五位下 * [[安倍高貞]] [[869年]]([[貞観 (日本)|貞観]]11年)1月13日 -、従五位下 *[[藤原季行]] [[1133年]]([[長承]]2年)5月24日 - [[1140年]]([[保延]]6年)4月7日、従五位上 *[[平教経]] [[1179年]]([[治承]]3年)-、従五位下 === 守護 === ==== 鎌倉幕府 ==== *?~1191年 - [[比企朝宗]] *1223年~1245年 - [[北条朝時|名越朝時]] *1275年頃~? - 北条氏一門 *1293年~? - [[北条宗長]]? ==== 室町幕府 ==== *?~1336年 - [[吉見頼為]]? *1336年 - [[吉見頼顕]] *1337年~1346年 - [[吉見頼隆]] *1348年~? - [[吉見氏頼]] *1349年~1351年 - [[桃井盛義]]? *1352年~1379年 - 吉見氏頼 *1379年~1391年 - [[本庄宗成]] *1391年~1406年 - [[畠山基国]] *1406年~1432年 - [[畠山満慶|畠山満則]] *1432年~? - [[畠山義忠]] *1478年~1497年 - [[畠山義統]] *1497年~1500年 - [[畠山義元]] *1500年~1506年 - [[畠山慶致]] *1506年~1515年 - [[畠山義元]] *1515年~1542年 - [[畠山義総]] *1543年~1551年 - [[畠山義続]] *1551年~1565年 - [[畠山義綱]] *1565年~1574年 - [[畠山義隆]] === 武家官位としての能登守 === *[[長倉祐省]] *[[大岡忠相]] [[1712年]]([[正徳 (日本)|正徳]]2年)[[3月15日]]-[[1717年]]([[享保]]2)[[2月3日]]、従五位下 == 脚注 == ===注釈=== {{Notelist}} ===出典=== {{Reflist}} == 参考文献 == * [[角川日本地名大辞典]] 17 石川県 * [https://www.rekihaku.ac.jp/up-cgi/login.pl?p=param/kyud/db_param 旧高旧領取調帳データベース] * {{Citation|和書|date=1972-05-26|title=加能読史年表|publisher=名著出版|author=[[日置謙]]|id={{NDLJP|9536291}}|ref={{SfnRef|日置|1972}}}}{{要登録}} == 関連項目 == {{Commonscat|Noto Province}} * [[能登 (列車)]] * [[令制国一覧]] * [[奥能登]] * [[能登半島]] {{令制国一覧}} {{能登国の郡}} {{Authority control}} {{Japanese-history-stub}} {{デフォルトソート:のとのくに}} [[Category:日本の旧国名]] [[Category:北陸道|国のと]] [[Category:能登半島]] [[Category:石川県の歴史]] [[Category:能登国|*]]
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隣接行列
グラフ理論および計算機科学において、隣接行列(りんせつぎょうれつ、英: adjacency matrix)は、有限グラフを表わすために使われる正方行列である。この行列の要素は、頂点の対がグラフ中で隣接(英語版)しているか否かを示す。 有限単純グラフの特別な例では、隣接行列はその対角上に0を持つ (0,1)-行列(英語版)である。もしグラフが無向ならば、隣接行列は対称である。グラフとその隣接行列の固有値および固有ベクトルとの間の関係はスペクトラルグラフ理論において研究される。 隣接行列はグラフに関する接続行列および次数行列と区別されなければならない。接続行列は、その要素が頂点-辺の対が接続しているか否かを示す行列表現であり、次数行列は個々の頂点の次数に関する情報を含む行列表現である。 頂点の組Vを持つ単純グラフについて、隣接行列はその要素A'ijが頂点iから頂点jへの辺が存在する時は1、辺が存在しない時は0であるような |V| × |V|正方行列Aである。この行列の対角要素は全て0である(単純グラフでは頂点からそれ自身への辺〈ループ(英語版)〉は許されないため)。また、代数的グラフ理論において代数変数を持つ非ゼロ要素を置換するために有用なこともある。 同じ概念は2つの頂点間の辺の数を対応する行列要素に格納することや非ゼロの対角要素を許容することによって多重グラフ(英語版)やループを持つグラフへと拡張することができる。ループは、一貫した慣習に従っている限り、1回(単一の辺)数えても2回(2つの頂点-辺接続として)数えてもよい。無向グラフはループを2回数える後者の慣習を使用することが多いが、有向グラフは通常前者の慣習を使用する 2つの部分がr個とs個の頂点を持つ2部グラフの隣接グラフAは以下の形式で書くことができる。 上式において、Bはr × s 行列、0r,rおよび0s,sはr × rおよびs × sゼロ行列を表す。この場合、より小さな行列Bがグラフを一意に表し、Aの残りの部分は冗長として捨てることができる。Bはbiadjacency行列と呼ばれることがある。 形式的に、G = (U, V, E)を部分U = {u1, ..., ur}およびV = {v1, ..., vs}を持つ2部グラフとする。Biadjacency行列は、 (ui, vj) ∈ Eの時かつその時に限りbi,j = 1のr × s 0–1行列Bである。 Gが2部多重グラフまたは重み付きグラフならば、要素 bi,jは頂点間の辺の数、または辺(ui, vj)の重みをそれぞれ取る。 単純グラフの (a, b, c)-「隣接行列」は、(i, j) が辺ならばAi,j = a、辺でなければb、対角上にcを持つ。 セイデル隣接行列(英語版)は(−1, 1, 0)-「隣接行列」である。この行列は強正則グラフとツーグラフ(英語版)の研究で使われる。 距離行列は、位置 (i, j) に頂点viと vjとの間の距離を有する。この距離は頂点を連結する最短の道の長さである。辺の長さが明示的に与えられていない限り、道の長さは道中の辺の数である。距離行列は隣接行列の高冪と似ているが、2つの頂点が連結しているかどうか(すなわち、真偽値を含む連結行列)だけを教える代わりに、頂点間の正確な距離を与える。 ここでは(無向グラフについて)、それぞれの辺が行列中の適切なセルに1を加え、それぞれのループが2を加えるという慣習に従う。これによって、隣接行列中のその対応する行または列中の値の和を取るとによって頂点の次数を容易に見付けることが可能である。 有向グラフでは、頂点の入次数は対応する列の成分の和を取ることによって計算でき、出次数は対応する行の成分の和を取ることによって計算できる。 完全グラフの隣接行列は、成分が0の対角要素以外は全て1を含む。空グラフの隣接行列はゼロ行列である。 無向単純グラフの隣接行列は対称であり、したがって実固有値および直交固有ベクトル基底の完全集合を持つ。グラフの固有値一式はグラフのスペクトルである。通常、固有値を λ 1 ≥ λ 2 ≥ ⋯ ≥ λ n {\displaystyle \lambda _{1}\geq \lambda _{2}\geq \cdots \geq \lambda _{n}} と表す。 最大固有値 λ 1 {\displaystyle \lambda _{1}} は最大次数によって上に有界である。これはペロン=フロベニウスの定理の結果として見ることができるが、容易に証明することができる。vを λ 1 {\displaystyle \lambda _{1}} と関連した1つの固有ベクトルとし、xをvが最大の絶対値を持つ成分とする。一般性を失うことなくvxは正と仮定する。なぜならさもなければ、単純に(これも λ 1 {\displaystyle \lambda _{1}} と関連した)固有ベクトル − v {\displaystyle -v} を取ると、 となるためである。 d次正則グラフについて、dはベクトルv = (1, ..., 1)に対するAの最初の固有値である(これが固有値であり、上界により最大値であることを調べることは簡単である)。この固有値の多重度はGの連結成分の数であり、具体的には連結グラフでは λ 1 > λ 2 {\displaystyle \lambda _{1}>\lambda _{2}} である。もしGが2部グラフならば、それぞれの固有値 λ i {\displaystyle \lambda _{i}} について、その反数 − λ i = λ n + 1 − i {\displaystyle -\lambda _{i}=\lambda _{n+1-i}} もAの固有値である。具体的には、-dは2部グラフの固有値である。 差 λ 1 − λ 2 {\displaystyle \lambda _{1}-\lambda _{2}} はスペクトルギャップと呼ばれ、Gの展開(英語版)と関連している。また、スペクトルギャップは、 λ ( G ) = max | λ i | < d | λ i | {\displaystyle \lambda (G)=\max _{|\lambda _{i}|<d}|\lambda _{i}|} によって示される A {\displaystyle A} のスペクトル半径を導入するためにも有用である。この数は λ ( G ) ≥ 2 d − 1 − o ( 1 ) {\displaystyle \lambda (G)\geq 2{\sqrt {d-1}}-o(1)} で境界がある。この境界はラマヌジャングラフにおいてタイトである。ラマヌジャングラフは多くの分野に応用を持つ。 隣接行列A1およびA2を持つ2つの有向または無向グラフG1およびG2が与えられると仮定する。G1およびG2は、 というような置換行列Pが存在する時かつその時に限り同型である。 具体的には、A1およびA2は相似であり、したがって同一の最小多項式、固有多項式、固有値、行列式、跡を有する。したがってこれらは、グラフの同型不変量として機能する。しかしながら、2つのグラフは同じ固有値の組を持つかもしれないが、同型ではない。こういった線型作用素は等スペクトル(英語版)的と言われる。 Aが無向または有向グラフGの隣接行列とすると、行列A(すなわちAのn個の複製の積)は興味深い解釈を持つ: 要素(i, j)は頂点iから頂点jへの長さnの(有向または無向)歩道の数を与える。nが、あるi、jについてAの要素(i, j)が正となるような最小の非負整数とすると、nは頂点iと頂点jとの間の距離である。これは、例えば、無向グラフG中の三角形の数が厳密にAの跡を6で割った数となることを暗に示す。ここで留意すべきは、隣接行列はグラフが連結しているかどうかを決定するために使うことができることである。 隣接行列は、グラフを操作するためのコンピュータプログラムにおけるグラフの表現のためのデータ構造として使うことができる。この応用のためにも使われる主な代替データ構造は隣接リストである。 隣接行列中の各成分は1ビットしか必要としないため、隣接行列は非常にコンパクトなやり方で表すことができ、有向グラフを表わすためにはわずか|V |/8バイト、無向グラフを表わすためには(パック三角形式を用い、行列の下部三角部分のみを格納することによって)わずか約 |V |/16しか占めない。わずかにより簡潔な表現も可能であるものの、この方法は全てのn頂点グラフを表すために必要な最小ビット数の情報理論的下界に近付く。テキストファイルにグラフを格納するためには、全てのバイトがテキスト文字であることを(例えばBase64表現を使うことによって)保証するためにバイト毎により少ないビットした使うことができない。無駄な空間を避けることに加えて、このコンパクトさは参照の局所性を促す。しかしながら、大きな疎グラフ(英語版)では、隣接リストの方が必要とする格納空間が小さい。これは、隣接リストは存在「しない」辺を表わすためのいかなる空間も無駄にしないためである。 隣接行列の別形式(しかし、より大きな空間量を必要とする)は行列の個々の要素中の数を(辺が存在する時は)辺オブジェクトへのポインタあるいは(辺が存在しない時は)ヌルポインタで置き換える。また、辺の重みを隣接行列の要素中に直接格納することも可能である。 空間のトレードオフに加えて、異なるデータ構造は異なる操作をも容易にする。隣接リスト中の任意の頂点に隣接する全ての頂点を探すことはリストを読むのと同じぐらい単純であり、隣の数の比例した時間がかかる。隣接行列を使うと、代わりに全行をスキャンしなければならず、これはグラフ全体の中の頂点の数に比例したより長い時間がかかる。一方、任意の2つの頂点間に辺が存在するかどうかを調べるのは隣接行列を使うと瞬時に決定することができるのに対して、隣接リストを使うと2つの頂点の最小次数に比例した時間を要する。
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_{i}|<d}|\\lambda _{i}|} によって示される A {\\displaystyle A} のスペクトル半径を導入するためにも有用である。この数は λ ( G ) ≥ 2 d − 1 − o ( 1 ) {\\displaystyle \\lambda (G)\\geq 2{\\sqrt {d-1}}-o(1)} で境界がある。この境界はラマヌジャングラフにおいてタイトである。ラマヌジャングラフは多くの分野に応用を持つ。", "title": "性質" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "隣接行列A1およびA2を持つ2つの有向または無向グラフG1およびG2が与えられると仮定する。G1およびG2は、", "title": "性質" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "というような置換行列Pが存在する時かつその時に限り同型である。", "title": "性質" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "具体的には、A1およびA2は相似であり、したがって同一の最小多項式、固有多項式、固有値、行列式、跡を有する。したがってこれらは、グラフの同型不変量として機能する。しかしながら、2つのグラフは同じ固有値の組を持つかもしれないが、同型ではない。こういった線型作用素は等スペクトル(英語版)的と言われる。", "title": "性質" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "Aが無向または有向グラフGの隣接行列とすると、行列A(すなわちAのn個の複製の積)は興味深い解釈を持つ: 要素(i, j)は頂点iから頂点jへの長さnの(有向または無向)歩道の数を与える。nが、あるi、jについてAの要素(i, j)が正となるような最小の非負整数とすると、nは頂点iと頂点jとの間の距離である。これは、例えば、無向グラフG中の三角形の数が厳密にAの跡を6で割った数となることを暗に示す。ここで留意すべきは、隣接行列はグラフが連結しているかどうかを決定するために使うことができることである。", "title": "性質" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "隣接行列は、グラフを操作するためのコンピュータプログラムにおけるグラフの表現のためのデータ構造として使うことができる。この応用のためにも使われる主な代替データ構造は隣接リストである。", "title": "データ構造" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "隣接行列中の各成分は1ビットしか必要としないため、隣接行列は非常にコンパクトなやり方で表すことができ、有向グラフを表わすためにはわずか|V |/8バイト、無向グラフを表わすためには(パック三角形式を用い、行列の下部三角部分のみを格納することによって)わずか約 |V |/16しか占めない。わずかにより簡潔な表現も可能であるものの、この方法は全てのn頂点グラフを表すために必要な最小ビット数の情報理論的下界に近付く。テキストファイルにグラフを格納するためには、全てのバイトがテキスト文字であることを(例えばBase64表現を使うことによって)保証するためにバイト毎により少ないビットした使うことができない。無駄な空間を避けることに加えて、このコンパクトさは参照の局所性を促す。しかしながら、大きな疎グラフ(英語版)では、隣接リストの方が必要とする格納空間が小さい。これは、隣接リストは存在「しない」辺を表わすためのいかなる空間も無駄にしないためである。", "title": "データ構造" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "隣接行列の別形式(しかし、より大きな空間量を必要とする)は行列の個々の要素中の数を(辺が存在する時は)辺オブジェクトへのポインタあるいは(辺が存在しない時は)ヌルポインタで置き換える。また、辺の重みを隣接行列の要素中に直接格納することも可能である。", "title": "データ構造" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "空間のトレードオフに加えて、異なるデータ構造は異なる操作をも容易にする。隣接リスト中の任意の頂点に隣接する全ての頂点を探すことはリストを読むのと同じぐらい単純であり、隣の数の比例した時間がかかる。隣接行列を使うと、代わりに全行をスキャンしなければならず、これはグラフ全体の中の頂点の数に比例したより長い時間がかかる。一方、任意の2つの頂点間に辺が存在するかどうかを調べるのは隣接行列を使うと瞬時に決定することができるのに対して、隣接リストを使うと2つの頂点の最小次数に比例した時間を要する。", "title": "データ構造" } ]
グラフ理論および計算機科学において、隣接行列は、有限グラフを表わすために使われる正方行列である。この行列の要素は、頂点の対がグラフ中で隣接しているか否かを示す。 有限単純グラフの特別な例では、隣接行列はその対角上に0を持つ (0,1)-行列である。もしグラフが無向ならば、隣接行列は対称である。グラフとその隣接行列の固有値および固有ベクトルとの間の関係はスペクトラルグラフ理論において研究される。 隣接行列はグラフに関する接続行列および次数行列と区別されなければならない。接続行列は、その要素が頂点-辺の対が接続しているか否かを示す行列表現であり、次数行列は個々の頂点の次数に関する情報を含む行列表現である。
{{混同|接続行列 (incidence matrix)|link1=接続行列}} {|class="wikitable" align="right" style="margin: 1em" |<div style="text-align:center">[[File:Ungerichteter Graph mit 4 Knoten und 3 Kanten.svg|125px]]</div> |<div style="text-align:center"><math> \begin{array}{r|c} & \begin{matrix} 1 & 2 & 3 & 4 \end{matrix} \\ \hline \begin{matrix} 1\\ 2\\ 3\\ 4 \end{matrix} & \begin{pmatrix} 0 & 1 & 0 & 0\\ 1 & 0 & 1 & 1\\ 0 & 1 & 0 & 0\\ 0 & 1 & 0 & 0\\ \end{pmatrix} \end{array} </math></div> |- !辺の重みと多重辺を<br />持たない[[無向グラフ]] !左のグラフに対する<br />4x4-隣接行列 |- |[[File:CPT-Graphs-directed-weighted-ex1.svg|175px]] |<math>A=\begin{pmatrix} 0 & 0 & 12 & 60 & 0\\ 10 & 0 & 0 & 0 & 0\\ 0 & 20 & 0 & 32 & 0\\ 0 & 0 & 0 & 0 & 0\\ 7 & 0 & 0 & 0 & 0\\ \end{pmatrix}</math> |- !辺の重みを持ち、多重辺を<br />持たない[[有向グラフ]] !左のグラフに対する<br />隣接行列 |- |[[File:Adjazenzgraph.svg|200px]] |<math>A=\begin{pmatrix} 0 & 3 & 0 & 0\\ 2 & 0 & 4 & 0\\ 0 & 0 & 0 & 1\\ 0 & 0 & 2 & 0\\ \end{pmatrix}</math> |- !辺の重みを持ち、多重辺を<br />持つ[[有向グラフ]] !ループを持たない左のグラフの<br />[[既約表現|可約]]隣接行列 |} [[グラフ理論]]および[[計算機科学]]において、'''隣接行列'''(りんせつぎょうれつ、{{lang-en-short|adjacency matrix}})は、有限[[グラフ (離散数学)|グラフ]]を表わすために使われる[[正方行列]]である。この行列の要素は、頂点の対がグラフ中で{{仮リンク|近傍 (グラフ理論)|en|Neighbourhood_(graph_theory)|label=隣接}}しているか否かを示す。 有限[[単純グラフ]]の特別な例では、隣接行列はその対角上に0を持つ {{仮リンク|論理行列|en|Logical matrix|label=(0,1)-行列}}である。もしグラフが無向ならば、隣接行列は[[対称行列|対称]]である。グラフとその隣接行列の[[固有値]]および[[固有ベクトル]]との間の関係は[[スペクトラルグラフ理論]]において研究される。 隣接行列はグラフに関する[[接続行列]]および[[次数行列]]と区別されなければならない。接続行列は、その要素が頂点-辺の対が接続しているか否かを示す行列表現であり、次数行列は個々の[[頂点 (グラフ理論)|頂点]]の[[次数 (グラフ理論)|次数]]に関する情報を含む行列表現である。 == 定義 == 頂点の組''V''を持つ単純グラフについて、隣接行列はその要素''A'{{sub|ij}}''が頂点''i''から頂点''j''への辺が存在する時は1、辺が存在しない時は0であるような {{abs|''V''}} × {{abs|''V''}}正方行列''A''である<ref>{{Citation |title=Algebraic Graph Theory |edition=2nd |first=Norman |last=Biggs |series=Cambridge Mathematical Library |publisher=Cambridge University Press |year=1993 |at=Definition 2.1, p.7}}.</ref>。この行列の対角要素は全て0である(単純グラフでは頂点からそれ自身への辺〈{{仮リンク|ループ (グラフ理論)|en|Loop (graph theory)|label=ループ}}〉は許されないため)。また、[[代数的グラフ理論]]において代数変数を持つ非ゼロ要素を置換するために有用なこともある<ref>{{Citation |last=Harary |first=Frank |authorlink=Frank Harary |journal=SIAM Review |mr=0144330 |pages=202-210 |title=The determinant of the adjacency matrix of a graph |volume=4 |issue=3 |year=1962 |doi=10.1137/1004057 |bibcode=1962SIAMR...4..202H}}.</ref>。 同じ概念は2つの頂点間の辺の数を対応する行列要素に格納することや非ゼロの対角要素を許容することによって{{仮リンク|多重グラフ|en| Multigraph}}やループを持つグラフへと拡張することができる。ループは、一貫した慣習に従っている限り、1回(単一の辺)数えても2回(2つの頂点-辺接続として)数えてもよい。無向グラフはループを2回数える後者の慣習を使用することが多いが、有向グラフは通常前者の慣習を使用する ===2部グラフ=== 2つの部分が''r''個と''s''個の頂点を持つ[[2部グラフ]]の隣接グラフ''A''は以下の形式で書くことができる。 : <math>A = \begin{pmatrix} 0_{r,r} &B \\ B^T &0_{s,s} \end{pmatrix},</math> 上式において、''B''は{{nowrap|''r'' × ''s''}} 行列、0{{sub|''r'',''r''}}および0{{sub|''s'',''s''}}は{{nowrap|''r'' × ''r''}}および{{nowrap|''s'' × ''s''}}ゼロ行列を表す。この場合、より小さな行列''B''がグラフを一意に表し、''A''の残りの部分は冗長として捨てることができる。''B''はbiadjacency行列と呼ばれることがある。 形式的に、{{nowrap|1=''G'' = (''U'', ''V'', ''E'')}}を部分{{nowrap|1=''U'' = {''u''{{sub|1}}, …, ''u{{sub|r}}''}}}および{{nowrap|1=''V'' = {''v''{{sub|1}}, …, ''v{{sub|s}}''}}}を持つ2部グラフとする。Biadjacency行列は、 {{nowrap|(''u{{sub|i}}'', ''v{{sub|j}}'')}} ∈ ''E''の時かつその時に限り{{nowrap|1=''b''{{sub|''i'',''j''}} = 1}}の{{nowrap|''r'' × ''s''}} 0–1行列''B''である。 ''G''が2部[[多重グラフ]]または重み付きグラフならば、要素 ''b''{{sub|''i'',''j''}}は頂点間の辺の数、または辺{{nowrap|(''u{{sub|i}}'', ''v{{sub|j}}'')}}の重みをそれぞれ取る。 ===バリエーション=== 単純グラフの {{nowrap|(''a'', ''b'', ''c'')}}-「隣接行列」は、(''i'', ''j'') が辺ならば''A''{{sub|''i'',''j''}} = ''a''、辺でなければ''b''、対角上に''c''を持つ。{{仮リンク| セイデル隣接行列|en| Seidel adjacency matrix }}は{{nowrap|(−1, 1, 0)}}-「隣接行列」である。この行列は[[強正則グラフ]]と{{仮リンク|ツーグラフ|en|Two-graph}}の研究で使われる<ref>{{Cite journal |last=Seidel |first=J. J. |title=Strongly Regular Graphs with (−1, 1, 0) Adjacency Matrix Having Eigenvalue 3 |journal=[[Linear Algebra and its Applications|Lin. Alg. Appl.]] |volume=1 |issue=2 |pages=281-298 |year=1968 |doi=10.1016/0024-3795(68)90008-6 }}</ref>。 '''[[距離行列]]'''は、位置 (''i'', ''j'') に頂点''v{{sub|i}}''と ''v{{sub|j}}''との間の距離を有する。この距離は頂点を連結する最短の道の長さである。辺の長さが明示的に与えられていない限り、道の長さは道中の辺の数である。距離行列は隣接行列の高冪と似ているが、2つの頂点が連結しているかどうか(すなわち、真偽値を含む連結行列)だけを教える代わりに、頂点間の正確な距離を与える。 == 例 == === 無向グラフ === ここでは(無向グラフについて)、それぞれの辺が行列中の適切なセルに1を加え、それぞれのループが2を加えるという慣習に従う<ref>{{Cite conference |url=https://books.google.com/books?id=wp7XsCAm_9EC&pg=PA63 |title=Expander graphs and codes |last1=Shum |first1=Kenneth |last2=Blake |first2=Ian |date=2003-12-18 |publisher=American Mathematical Society |book-title=Volume 68 of DIMACS series in discrete mathematics and theoretical computer science |page=63 |conference=Algebraic Coding Theory and Information Theory: DIMACS Workshop, Algebraic Coding Theory and Information Theory}}</ref>。これによって、隣接行列中のその対応する行または列中の値の和を取るとによって頂点の次数を容易に見付けることが可能である。 {|class="wikitable" style="text-align: center;width:700px; height:650px" !{{仮リンク|ラベル割り当て (グラフ)|en|Graph labeling|label=ラベル付きグラフ}} !隣接行列 |- |[[Image:6n-graph2.svg|200px]] |<math>\begin{pmatrix} 2 & 1 & 0 & 0 & 1 & 0\\ 1 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0\\ 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 0\\ 0 & 0 & 1 & 0 & 1 & 1\\ 1 & 1 & 0 & 1 & 0 & 0\\ 0 & 0 & 0 & 1 & 0 & 0 \end{pmatrix}</math> <br>座標は1–6。 |- |[[File:Symmetric group 4; Cayley graph 1,5,21 (Nauru Petersen); numbers.svg|250px]] <br />{{仮リンク|ナウルグラフ|en|Nauru graph}} |[[File:Symmetric group 4; Cayley graph 1,5,21 (adjacency matrix).svg|250px]] <br />座標は0–23。 <br />白い場は0、色付けされた場は1である。 |} ===有向グラフ=== 有向グラフでは、頂点の[[入次数]]は対応する列の成分の和を取ることによって計算でき、出次数は対応する行の成分の和を取ることによって計算できる。 {|class="wikitable" style="text-align: center; width: 700px; height: 400px;" !ラベル付きグラフ !隣接行列 |- |[[File:Symmetric group 4; Cayley graph 4,9; numbers.svg|250px]] <br />[[対称群|S]]{{sub|4}}の[[有向グラフ|有向]][[ケイリーグラフ]] |[[File:Symmetric group 4; Cayley graph 4,9 (adjacency matrix).svg|250px]] <br />座標は0–23。 <br />グラフが有向であるため、隣接行列は必ずしも対称ではない。 |} ===自明なグラフ=== [[完全グラフ]]の隣接行列は、成分が0の対角要素以外は全て1を含む。[[空グラフ]]の隣接行列は[[ゼロ行列]]である。 ==性質== ===スペクトル=== 無向単純グラフの隣接行列は[[対称]]であり、したがって[[実数|実]][[固有値]]および直交[[固有ベクトル]]基底の完全集合を持つ。グラフの固有値一式はグラフの'''スペクトル'''である<ref>{{harvtxt|Biggs|1993}}, Chapter 2 ("The spectrum of a graph"), pp.7–13.</ref>。通常、固有値を<math>\lambda_1\geq \lambda_2\geq \cdots \geq \lambda_n</math>と表す。 最大固有値<math>\lambda_1</math>は最大次数によって上に有界である。これは[[ペロン=フロベニウスの定理]]の結果として見ることができるが、容易に証明することができる。''v''を<math>\lambda_1</math>と関連した1つの固有ベクトルとし、''x''を''v''が最大の絶対値を持つ成分とする。一般性を失うことなく''v{{sub|x}}''は正と仮定する。なぜならさもなければ、単純に(これも<math>\lambda_1</math>と関連した)固有ベクトル<math>-v</math>を取ると、 : <math>\lambda v_x=(A v)_x=\sum_{y=1}^n A_{x,y}v_y\leq \sum_{y=1}^n A_{x,y} v_x = v_x \deg(x)</math> となるためである。 ''d''次正則グラフについて、''d''はベクトル{{nowrap|1=''v'' = (1, …, 1)}}に対する''A''の最初の固有値である(これが固有値であり、上界により最大値であることを調べることは簡単である)。この固有値の多重度は''G''の連結成分の数であり、具体的には連結グラフでは<math>\lambda_1>\lambda_2</math>である。もし''G''が2部グラフならば、それぞれの固有値<math>\lambda_i</math>について、その[[反数]] <math>-\lambda_i=\lambda_{n+1-i}</math>も''A''の固有値である{{cn|date=March 2015}}。具体的には、-''d''は2部グラフの固有値である。 差<math>\lambda_1-\lambda_2</math>はスペクトルギャップと呼ばれ、''G''の{{仮リンク|エクスパンダーグラフ|en|Expander graph|label=展開}}と関連している。また、スペクトルギャップは、<math>\lambda(G) = \max_{|\lambda_i| < d} |\lambda_i|</math>によって示される<math>A</math>の[[スペクトル半径]]を導入するためにも有用である。この数は<math>\lambda(G)\geq 2\sqrt{d-1}-o(1)</math>で境界がある。この境界は[[ラマヌジャングラフ]]においてタイトである。ラマヌジャングラフは多くの分野に応用を持つ。 === 同型写像と不変量 === 隣接行列''A''{{sub|1}}および''A''{{sub|2}}を持つ2つの有向または無向グラフ''G''{{sub|1}}および''G''{{sub|2}}が与えられると仮定する。''G''{{sub|1}}および''G''{{sub|2}}は、 : <math>P A_1 P^{-1} = A_2</math> というような[[置換行列]]''P''が存在する時かつその時に限り[[グラフ同型|同型]]である。 具体的には、''A''{{sub|1}}および''A''{{sub|2}}は[[行列の相似|相似]]であり、したがって同一の[[最小多項式 (線型代数学)|最小多項式]]、[[固有多項式]]、固有値、[[行列式]]、[[跡 (線型代数学)|跡]]を有する。したがってこれらは、グラフの同型不変量として機能する。しかしながら、2つのグラフは同じ固有値の組を持つかもしれないが、同型ではない<ref>[[Chris Godsil|Godsil, Chris]]; [[Gordon Royle|Royle, Gordon]] ''Algebraic Graph Theory'', Springer (2001), {{ISBN2|0-387-95241-1}}, p.164</ref>。こういった[[線型写像|線型作用素]]は{{仮リンク|等スペクトル|en|isospectral}}的と言われる。 === 行列の冪 === ''A''が無向または有向グラフ''G''の隣接行列とすると、行列''A{{sup|n}}''(すなわち''A''の''n''個の複製の[[行列の乗法|積]])は興味深い解釈を持つ: 要素{{nowrap|(''i'', ''j'')}}は頂点''i''から頂点''j''への長さ''n''の(有向または無向)[[道 (グラフ理論)|歩道]]の数を与える。''n''が、ある''i''、''j''について''A{{sup|n}}''の要素{{nowrap|(''i'', ''j'')}}が正となるような最小の非負整数とすると、''n''は頂点''i''と頂点''j''との間の距離である。これは、例えば、無向グラフ''G''中の三角形の数が厳密に''A''{{sup|3}}の跡を6で割った数となることを暗に示す。ここで留意すべきは、隣接行列はグラフが[[連結グラフ|連結]]しているかどうかを決定するために使うことができることである。 == データ構造 == 隣接行列は、グラフを操作するためのコンピュータプログラムにおける[[グラフ (データ構造)|グラフの表現]]のための[[データ構造]]として使うことができる。この応用のためにも使われる主な代替データ構造は[[隣接リスト]]である<ref>{{harvtxt|Goodrich|Tamassia|2015}}, p.361: "There are two data structures that people often use to represent graphs, the adjacency list and the adjacency matrix."</ref><ref name="clrs">{{Citation |authorlink=Thomas H. Cormen |first=Thomas H. |last=Cormen |authorlink2=Charles E. Leiserson |first2=Charles E. |last2=Leiserson |authorlink3=Ronald L. Rivest |first3=Ronald L. |last3=Rivest |authorlink4=Clifford Stein |first4=Clifford |last4=Stein |year=2001 |title=[[Introduction to Algorithms]] |edition=Second |publisher=MIT Press and McGraw-Hill |isbn=0-262-03293-7 |chapter=Section 22.1: Representations of graphs |pages=527-531}}.</ref>。 隣接行列中の各成分は1ビットしか必要としないため、隣接行列は非常にコンパクトなやり方で表すことができ、有向グラフを表わすためにはわずか{{abs|''V'' }}{{sup|2}}/8バイト、無向グラフを表わすためには(パック三角形式を用い、行列の下部三角部分のみを格納することによって)わずか約 {{abs|''V'' }}{{sup|2}}/16しか占めない。わずかにより簡潔な表現も可能であるものの、この方法は全ての{{mvar|n}}頂点グラフを表すために必要な最小ビット数の情報理論的下界に近付く<ref>{{Citation |last=Turán |first=György |doi=10.1016/0166-218X(84)90126-4 |issue=3 |journal=[[Discrete Applied Mathematics]] |mr=749658 |pages=289-294 |title=On the succinct representation of graphs |volume=8 |year=1984}}.</ref>。[[テキストファイル]]にグラフを格納するためには、全てのバイトがテキスト文字であることを(例えば[[Base64]]表現を使うことによって)保証するためにバイト毎により少ないビットした使うことができない<ref>{{Citation |first1=Brendan |last1=McKay |authorlink=Brendan McKay |title=Description of graph6 and sparse6 encodings |url=http://cs.anu.edu.au/~bdm/data/formats.txt}}.</ref>。無駄な空間を避けることに加えて、このコンパクトさは[[参照の局所性]]を促す。しかしながら、大きな{{仮リンク|密グラフ|en|Dense graph|label=疎グラフ}}では、隣接リストの方が必要とする格納空間が小さい。これは、隣接リストは存在「しない」辺を表わすためのいかなる空間も無駄にしないためである。 隣接行列の別形式(しかし、より大きな空間量を必要とする)は行列の個々の要素中の数を(辺が存在する時は)辺オブジェクトへのポインタあるいは(辺が存在しない時は)[[ヌルポインタ]]で置き換える<ref name="gt"/>。また、辺の重みを隣接行列の要素中に直接格納することも可能である<ref name="clrs"/>。 空間のトレードオフに加えて、異なるデータ構造は異なる操作をも容易にする。隣接リスト中の任意の頂点に隣接する全ての頂点を探すことはリストを読むのと同じぐらい単純であり、隣の数の比例した時間がかかる。隣接行列を使うと、代わりに全行をスキャンしなければならず、これはグラフ全体の中の頂点の数に比例したより長い時間がかかる。一方、任意の2つの頂点間に辺が存在するかどうかを調べるのは隣接行列を使うと瞬時に決定することができるのに対して、隣接リストを使うと2つの頂点の最小次数に比例した時間を要する<ref name="clrs"/><ref name="gt">{{Citation |title=Algorithm Design and Applications |first1=Michael T. |last1=Goodrich |author1-link=Michael T. Goodrich |first2=Roberto |last2=Tamassia |author2-link=Roberto Tamassia |publisher=Wiley |year=2015 |page=363}}.</ref>。 == 出典 == {{Reflist}} == 関連項目 == * [[隣接リスト]] * {{仮リンク|接続行列|en|Incidence matrix|preserve=1}} - グラフの頂点と枝の接続関係を表す行列 * [[ラプラシアン行列]] * [[スペクトラルグラフ理論]] == 外部リンク == * {{高校数学の美しい物語|1241|隣接行列,接続行列,ラプラシアン行列}} {{Normdaten}} {{DEFAULTSORT:りんせつきようれつ}} [[Category:行列]] [[category:グラフ理論]] [[Category:数学に関する記事]] [[Category:代数的グラフ理論]]
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9A%A3%E6%8E%A5%E8%A1%8C%E5%88%97
13,089
常磁性
常磁性(じょうじせい、英: paramagnetism)とは、外部磁場が無いときには磁化を持たず、磁場を印加するとその方向に弱く磁化する磁性を指す。熱ゆらぎによるスピンの乱れが強く、自発的な配向が無い状態である。 常磁性の物質の磁化率(帯磁率)χは温度Tに反比例する。これをキュリーの法則と呼ぶ。 比例定数Cはキュリー定数と呼ばれる。 常磁性を持つ分子や原子は、外部磁場がなくとも永久磁石となる双極子モーメントを持っている。このモーメントはその分子・原子における電子軌道(磁気モーメントを参照)での不対電子のスピンから生まれている。外部磁場がない場合、双極子どうしは互いに作用せず、熱ゆらぎのためそれぞれバラバラな方向を向いている。ゆえにこのとき、この物質は磁性を持たない。しかし外部磁場が加えられると、双極子も加えられた磁場と同じ方向を向き、外部磁場と同じ方向に磁化されることになる。かつては、この電子の整列は外部磁場によって磁気モーメントにトルクが生まれ、外部磁場に平行に並ぼうとするために起こると考えられていた。しかし、実際はスピンや角運動量の量子力学的性質によるものだった。 近接する双極子が相互に影響を与えるだけのエネルギーを持っていて、同時に電子スピンが外部磁場と同じあるいは逆向きに並び、磁場を作ることができる場合、それは強磁性(永久磁石)あるいは反強磁性をもつことになる。しかしその物質が強磁性や反強磁性を示す場合でも、ある温度以上になると、スピンは互いにでたらめの方向を向くようになって常磁性を示すようになる。この温度を強磁性ではキュリー温度、反強磁性ではネール温度という。これは、高温では物質のもつ熱運動のエネルギーがスピンの相互作用のエネルギーを上回るためである。 一般的に、常磁性の影響は非常に小さい。多くの常磁性を持つ物質(常磁石)は磁化率が10から10のオーダーであるが、磁性流体のような合成常磁石の中には10のオーダーを持つものもある。 電気伝導体の物質中では、電子は非局在化し、物質中を自由電子と同様に運動する。伝導性はバンド構造の図で、エネルギーバンドの空白を埋めるように電子が上がってくることによると理解されている。通常の非磁気伝導体は、スピンが上向きの電子と下向きの電子が1つの軌道に共に入っている。しかし磁場が加えられると、スピンの向きが違うと磁気ポテンシャルエネルギーも異なるので、伝導バンドが、スピンが上向きの電子のバンドと下向きの電子のバンドに分かれる。フェルミ準位(電子の全化学ポテンシャルエネルギー)はどちらのバンドにとっても同一であるため、この分裂によってエネルギーが下がったバンドにとっては少し余剰のエネルギーが生まれることになる。これが、パウリ常磁性と呼ばれる弱い常磁性である。 常磁性の物質は、原子中の核電子(英語版)(価電子でない電子)が持つ反磁性を打ち消さなければならない。より強い磁性を持つためには、非局在化した電子よりも、局在化した電子のほうが必要である。しかし、あるケースにおいては、バンド構造が、異なるエネルギーを持つスピンの向きが反対の電子を持つ2つの非局在化したサブバンドとなることがある。もし一方のサブバンドが優先的に電子を入れた場合、その物質は強磁性を持つことになる。これはあまり非局在化しない、比較的狭い(d軌道以降)バンドでしか起こらない。 一般的に、固体中では近接する電子の軌道を重ね合わせ、エネルギーがフェルミエネルギーとなるため、電子は強く非局在化する。これは、この軌道の電子の数ではバンドのエネルギー遷移にあまり敏感には反応せず、弱い磁性しか持たないことを意味している。これが、最外殻電子がs軌道やp軌道にある金属がパウリの常磁性を持ったり、遷移元素の金が反磁性を持つ理由である。金の場合、反磁性は閉殻となっている内側の電子殻が自由電子の弱い常磁性に勝っていることによる。 強い磁性が観測されるのは、d軌道やf軌道の電子が関わっている場合のみである。特に、f軌道の電子は強く局在化する。さらに、ランタノイドの磁気モーメントの大きさはMRIで用いられるガドリニウム(III)では不対電子7個分にもなる。このため、ランタノイドに含まれるネオジムやサマリウムは強力な磁石となる。 分子でも、電子の局在化につながるものもある。分子ではエネルギー的な理由から、通常スピンが片方だけの電子が軌道に入ることはない。しかし閉殻となっていない分子は自然界には存在する。酸素分子がその一例である。固体状態でも酸素分子は2つの不対電子を含むラジカルであり、常磁性を持つ。不対電子は2p軌道からの電子が不対電子となるが、分子どうしで軌道が重ね合わせられることは限られている。結晶格子中の酸素原子間の距離が長すぎるためであり、電子は非局在化して磁気モーメントは不対のままになる。
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常磁性とは、外部磁場が無いときには磁化を持たず、磁場を印加するとその方向に弱く磁化する磁性を指す。熱ゆらぎによるスピンの乱れが強く、自発的な配向が無い状態である。 常磁性の物質の磁化率(帯磁率)χは温度Tに反比例する。これをキュリーの法則と呼ぶ。 比例定数Cはキュリー定数と呼ばれる。
{{出典の明記|date=2016年12月}} [[File:Paramagnetic probe without magnetic field.svg|thumb|小さな磁石から構成された常磁性プローブの簡単な説明図。]] '''常磁性'''(じょうじせい、{{lang-en-short|paramagnetism}})とは、外部[[磁場]]が無いときには[[磁化]]を持たず、磁場を[[印加]]するとその方向に弱く磁化する[[磁性]]を指す。熱ゆらぎによる[[スピン角運動量|スピン]]の乱れが強く、自発的な配向が無い状態である。 常磁性の物質の[[磁化率]]([[帯磁率]])χは温度Tに反比例する。これを'''キュリーの法則'''と呼ぶ。 :<math>\chi = \frac{C}{T}</math> [[比例定数]]Cは[[キュリー定数]]と呼ばれる。 == 電子のスピンとの関係 == 常磁性を持つ分子や原子は、外部磁場がなくとも永久磁石となる[[双極子]]モーメントを持っている。このモーメントはその分子・原子における[[電子軌道]]([[磁気モーメント]]を参照)での[[不対電子]]の[[スピン角運動量|スピンか]]ら生まれている。外部磁場がない場合、双極子どうしは互いに作用せず、[[熱]]ゆらぎのためそれぞれバラバラな方向を向いている。ゆえにこのとき、この物質は[[磁性]]を持たない。しかし外部磁場が加えられると、双極子も加えられた磁場と同じ方向を向き、外部磁場と同じ方向に磁化されることになる。かつては、この電子の整列は外部磁場によって磁気モーメントに[[トルク]]が生まれ、外部磁場に平行に並ぼうとするために起こると考えられていた。しかし、実際はスピンや[[角運動量]]の[[量子力学]]的性質によるものだった。 近接する双極子が相互に影響を与えるだけのエネルギーを持っていて、同時に電子スピンが外部磁場と同じあるいは逆向きに並び、磁場を作ることができる場合、それは[[強磁性]]([[永久磁石]])あるいは[[反強磁性]]をもつことになる。しかしその物質が[[強磁性]]や[[反強磁性]]を示す場合でも、ある温度以上になると、スピンは互いにでたらめの方向を向くようになって常磁性を示すようになる。この温度を強磁性では[[キュリー温度]]、反強磁性では[[ネール温度]]という。これは、高温では物質のもつ熱運動のエネルギーがスピンの相互作用のエネルギーを上回るためである。 一般的に、常磁性の影響は非常に小さい。多くの常磁性を持つ物質(常磁石)は[[磁化率]]が10<sup>-3</sup>から10<sup>-5</sup>のオーダーであるが、[[磁性流体]]のような合成常磁石の中には10<sup>-1</sup>のオーダーを持つものもある。 === 非局在化 === {|class="wikitable sortable" style="float:right; margin:20px" width="200px" |+ パウリ常磁性体<ref name="magneticValues">{{Cite web|url=http://hyperphysics.phy-astr.gsu.edu/Hbase/tables/magprop.html|title=Magnetic Properties of Solids|last=Nave|first=Carl L|work={{仮リンク|HyperPhysics|en|Hyperphysics}}|accessdate=2008-11-09}}</ref> !物質!!磁化率, <math>\chi_v</math> [10<sup>−5</sup>] |- |[[タングステン]]||6.8 |- |[[セシウム]]||5.1 |- |[[アルミニウム]]||2.2 |- |[[リチウム]]||1.4 |- |[[マグネシウム]]||1.2 |- |[[ナトリウム]]||0.72 |} [[電気伝導体]]の物質中では、[[電子]]は[[共鳴理論|非局在化]]し、物質中を[[自由電子]]と同様に運動する。伝導性は[[バンド構造]]の図で、[[バンド理論|エネルギーバンド]]の空白を埋めるように電子が上がってくることによると理解されている。通常の非磁気伝導体は、スピンが上向きの電子と下向きの電子が1つの軌道に共に入っている。しかし磁場が加えられると、スピンの向きが違うと[[:w:Potential energy#Magnetic potential energy|磁気]][[位置エネルギー|ポテンシャルエネルギー]]も異なるので、伝導バンドが、スピンが上向きの電子のバンドと下向きの電子のバンドに分かれる。[[フェルミ準位]](電子の全[[化学ポテンシャル]]エネルギー)はどちらのバンドにとっても同一であるため、この分裂によってエネルギーが下がったバンドにとっては少し余剰のエネルギーが生まれることになる。これが、'''[[パウリ常磁性]]'''と呼ばれる弱い常磁性である。 常磁性の物質は、原子中の{{仮リンク|核電子|en|Core electron}}([[価電子]]でない電子)が持つ[[反磁性]]を打ち消さなければならない。より強い磁性を持つためには、非局在化した電子よりも、局在化した電子のほうが必要である。しかし、あるケースにおいては、バンド構造が、異なるエネルギーを持つスピンの向きが反対の電子を持つ2つの非局在化したサブバンドとなることがある。もし一方のサブバンドが優先的に電子を入れた場合、その物質は強磁性を持つことになる。これはあまり非局在化しない、比較的狭い(d軌道以降)バンドでしか起こらない。 === s軌道・p軌道の電子=== 一般的に、固体中では近接する電子の[[波動関数|軌道]]を[[重ね合わせ]]、エネルギーが[[フェルミエネルギー]]となるため、電子は強く非局在化する。これは、この軌道の電子の数ではバンドのエネルギー遷移にあまり敏感には反応せず、弱い磁性しか持たないことを意味している。これが、[[最外殻電子]]が[[s軌道]]や[[p軌道]]にある[[金属]]がパウリの常磁性を持ったり、[[遷移元素]]の[[金]]が反磁性を持つ理由である。金の場合、反磁性は[[閉殻]]となっている内側の[[電子殻]]が自由電子の弱い常磁性に勝っていることによる。 === d軌道・f軌道の電子 === 強い磁性が観測されるのは、[[d軌道]]や[[f軌道]]の電子が関わっている場合のみである。特に、f軌道の電子は強く局在化する。さらに、[[ランタノイド]]の磁気モーメントの大きさは[[核磁気共鳴画像法|MRI]]で用いられる[[ガドリニウム]](III)では不対電子7個分にもなる。このため、ランタノイドに含まれる[[ネオジム]]や[[サマリウム]]は強力な磁石となる。 === 分子の局在化 === [[分子]]でも、電子の局在化につながるものもある。分子ではエネルギー的な理由から、通常スピンが片方だけの電子が軌道に入ることはない。しかし閉殻となっていない分子は自然界には存在する。[[酸素]]分子がその一例である。固体状態でも酸素分子は2つの不対電子を含む[[ラジカル (化学)|ラジカル]]であり、常磁性を持つ。不対電子は2p軌道からの電子が不対電子となるが、分子どうしで軌道が重ね合わせられることは限られている。[[結晶格子]]中の酸素原子間の距離が長すぎるためであり、電子は非局在化して磁気モーメントは不対のままになる。 == 出典 == {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} == 関連記事 == * [[パウリ常磁性]] * [[ヴァン・ヴレック常磁性]] * [[超常磁性]] {{Physics-stub}} {{磁性}} {{Condensed matter physics topics}} {{Normdaten}} {{DEFAULTSORT:しようしせい}} [[Category:磁気]]
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一筆書き
一筆書き(ひとふでがき)とは、広い意味では「筆記具を平面から一度も離さず線図形を描く」ことである。狭い意味では、これに加えて「同じ線を二度なぞらない(点で交差するのはかまわない)」という条件が加わる。 以下は後者の狭い意味での一筆書きについて記す。 三角形「△」や四角形「□」は一筆書き可能だが、十字「+」は一筆書きできない。また、五芒星や白星「☆」、六芒星「✡」は一筆書き可能だが、アスタリスク「*」は一筆書きができない。このように、一筆書きできる図形とできない図形がある。 「与えられた図形が一筆書き可能かどうか」という問題の例として、「ケーニヒスベルクの橋の問題」(独: Königsberger Brückenproblem)が知られている。なお、ケーニヒスベルクとは実際にあった場所の名前である。 18世紀の初め頃にプロイセン王国の東部、東プロイセンの首都であるケーニヒスベルク(現・ロシア連邦カリーニングラード)という大きな町があった。この町の中央には、プレーゲル川という大きな川が流れており、七つの橋が架けられていた。あるとき町の人が、次のように言った。 「このプレーゲル川に架かっている7つの橋を2度通らずに、全て渡って、元の所に帰ってくることができるか。ただし、どこから出発してもよい」 町の人が言ったことはできるだろうか。 1736年、レオンハルト・オイラーは、この問題を以下のグラフに置き換えて考えた。 → このグラフが一筆書き可能であれば、ケーニヒスベルクの橋を全て1度ずつ通って戻ってくるルートが存在することになる。 そして、オイラーは、このグラフが一筆書きできないことを証明し、ケーニヒスベルクの問題を否定的に解決したのである。 問題として示されている範囲の枠外にいったん出ると、その枠外で任意の経路をとることができるため、「指定された橋を全て1度ずつ通って戻ってくるルート」をとることも可能となる。ただし、いわゆる「題意」からは外れる。 ある連結グラフが一筆書き可能な場合の必要十分条件は、以下の条件のいずれか一方が成り立つことである(オイラー路参照)。 日本の鉄道旅行(主にJRグループの路線)において、目的地まで最短経路で移動・往復するのでなく、出発地やその近くまでの大回りきっぷを購入することを比喩的に「一筆書き」と呼ぶことがある。 ただし実際には、きっぷの規則は「同じ駅を2度通過してはいけない」という原則によっており、この記事で説明しているオイラー路である「一筆書き」ではなく、グラフ理論ではハミルトン路と呼ばれているものの規則に近い。 最長片道切符などの途中下車扱いで主な目的地に立ち寄ったり(運賃の遠距離逓減制で割安になることが多い)、娯楽として大都市近郊区間の大回り乗車を楽しんだりする。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "一筆書き(ひとふでがき)とは、広い意味では「筆記具を平面から一度も離さず線図形を描く」ことである。狭い意味では、これに加えて「同じ線を二度なぞらない(点で交差するのはかまわない)」という条件が加わる。", "title": null }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "以下は後者の狭い意味での一筆書きについて記す。", "title": null }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "三角形「△」や四角形「□」は一筆書き可能だが、十字「+」は一筆書きできない。また、五芒星や白星「☆」、六芒星「✡」は一筆書き可能だが、アスタリスク「*」は一筆書きができない。このように、一筆書きできる図形とできない図形がある。", "title": null }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "「与えられた図形が一筆書き可能かどうか」という問題の例として、「ケーニヒスベルクの橋の問題」(独: Königsberger Brückenproblem)が知られている。なお、ケーニヒスベルクとは実際にあった場所の名前である。", "title": null }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "18世紀の初め頃にプロイセン王国の東部、東プロイセンの首都であるケーニヒスベルク(現・ロシア連邦カリーニングラード)という大きな町があった。この町の中央には、プレーゲル川という大きな川が流れており、七つの橋が架けられていた。あるとき町の人が、次のように言った。", "title": "ケーニヒスベルクの七つの橋問題" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "「このプレーゲル川に架かっている7つの橋を2度通らずに、全て渡って、元の所に帰ってくることができるか。ただし、どこから出発してもよい」", "title": "ケーニヒスベルクの七つの橋問題" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "町の人が言ったことはできるだろうか。", "title": "ケーニヒスベルクの七つの橋問題" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "1736年、レオンハルト・オイラーは、この問題を以下のグラフに置き換えて考えた。", "title": "ケーニヒスベルクの七つの橋問題" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "→", "title": "ケーニヒスベルクの七つの橋問題" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "このグラフが一筆書き可能であれば、ケーニヒスベルクの橋を全て1度ずつ通って戻ってくるルートが存在することになる。", "title": "ケーニヒスベルクの七つの橋問題" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "そして、オイラーは、このグラフが一筆書きできないことを証明し、ケーニヒスベルクの問題を否定的に解決したのである。", "title": "ケーニヒスベルクの七つの橋問題" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "問題として示されている範囲の枠外にいったん出ると、その枠外で任意の経路をとることができるため、「指定された橋を全て1度ずつ通って戻ってくるルート」をとることも可能となる。ただし、いわゆる「題意」からは外れる。", "title": "ケーニヒスベルクの七つの橋問題" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "ある連結グラフが一筆書き可能な場合の必要十分条件は、以下の条件のいずれか一方が成り立つことである(オイラー路参照)。", "title": "一筆書き可能かどうかの判定法" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "日本の鉄道旅行(主にJRグループの路線)において、目的地まで最短経路で移動・往復するのでなく、出発地やその近くまでの大回りきっぷを購入することを比喩的に「一筆書き」と呼ぶことがある。", "title": "鉄道における「一筆書き」" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "ただし実際には、きっぷの規則は「同じ駅を2度通過してはいけない」という原則によっており、この記事で説明しているオイラー路である「一筆書き」ではなく、グラフ理論ではハミルトン路と呼ばれているものの規則に近い。", "title": "鉄道における「一筆書き」" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "最長片道切符などの途中下車扱いで主な目的地に立ち寄ったり(運賃の遠距離逓減制で割安になることが多い)、娯楽として大都市近郊区間の大回り乗車を楽しんだりする。", "title": "鉄道における「一筆書き」" } ]
一筆書き(ひとふでがき)とは、広い意味では「筆記具を平面から一度も離さず線図形を描く」ことである。狭い意味では、これに加えて「同じ線を二度なぞらない(点で交差するのはかまわない)」という条件が加わる。 以下は後者の狭い意味での一筆書きについて記す。 三角形「△」や四角形「□」は一筆書き可能だが、十字「+」は一筆書きできない。また、五芒星や白星「☆」、六芒星「✡」は一筆書き可能だが、アスタリスク「*」は一筆書きができない。このように、一筆書きできる図形とできない図形がある。 「与えられた図形が一筆書き可能かどうか」という問題の例として、「ケーニヒスベルクの橋の問題」が知られている。なお、ケーニヒスベルクとは実際にあった場所の名前である。
[[ファイル:Hexagram single stroke.gif|thumb|六芒星の一筆書きの例。]] '''一筆書き'''(ひとふでがき)とは、広い意味では「筆記具を平面から一度も離さず線図形を描く」ことである。狭い意味では、これに加えて「同じ線を二度なぞらない(点で交差するのはかまわない)」という条件が加わる。 以下は後者の狭い意味での一筆書きについて記す。 [[三角形]]「△」や[[四角形]]「□」は一筆書き可能だが、十字「+」は一筆書きできない。また、[[五芒星]]や[[スター (記号)|白星]]「☆」、[[六芒星]]「✡」は一筆書き可能だが、[[アスタリスク]]「*」は一筆書きができない。このように、一筆書きできる[[図形]]とできない図形がある。 「与えられた図形が一筆書き可能かどうか」という問題の例として、「[[ケーニヒスベルク (プロイセン)|ケーニヒスベルク]]の[[橋]]の問題」({{lang-de-short|Königsberger Brückenproblem}})が知られている。なお、ケーニヒスベルクとは実際にあった場所の名前である。 == ケーニヒスベルクの七つの橋問題 == [[Image:Konigsberg_bridges.png|thumb|250px|ブレーゲル川と七つの橋を示したオイラーの時代のケーニヒスベルク<br />[https://www.google.com/maps?ie=UTF8&om=1&z=16&ll=54.705569,20.511389&spn=0.010674,0.01899&t=h 現在のケーニヒスベルクの橋のLink](現在は、橋の本数が過去とは異なる)]] === 問題 === [[18世紀]]の初め頃に[[プロイセン王国]]の東部、[[東プロイセン]]の首都である[[ケーニヒスベルク (プロイセン)|ケーニヒスベルク]](現・[[ロシア|ロシア連邦]][[カリーニングラード]])という大きな町があった。この町の中央には、[[プレゴリャ川|プレーゲル川]]という大きな川が流れており、七つの橋が架けられていた。あるとき町の人が、次のように言った。 「このプレーゲル川に架かっている7つの橋を2度通らずに、全て渡って、元の所に帰ってくることができるか。ただし、どこから出発してもよい」 町の人が言ったことはできるだろうか。 === グラフ理論との関連 === [[1736年]]、[[レオンハルト・オイラー]]は、この問題を以下の[[グラフ理論|グラフ]]に置き換えて考えた。 <span style="font-size:300%"> [[ファイル:7 bridges.svg|179px]] → [[ファイル:Königsberg_graph.svg|180px]] </span> このグラフが一筆書き可能であれば、ケーニヒスベルクの橋を全て1度ずつ通って戻ってくるルートが存在することになる。 そして、オイラーは、このグラフが一筆書きできないことを証明し、ケーニヒスベルクの問題を否定的に解決したのである。 === 他の解法 === 問題として示されている範囲の枠外にいったん出ると、その枠外で任意の経路をとることができるため、「指定された橋を全て1度ずつ通って戻ってくるルート」をとることも可能となる。ただし、いわゆる「題意」からは外れる。 == 一筆書き可能かどうかの判定法 == ある[[連結グラフ]]が一筆書き可能な場合の必要十分条件は、以下の条件のいずれか一方が成り立つことである([[オイラー路]]参照)。 *すべての頂点の[[次数 (グラフ理論)|次数]](頂点につながっている辺の数)が[[偶数]] →運筆が起点に戻る場合([[閉路]]) *次数が[[奇数]]である頂点の数が2で、残りの頂点の次数は全て偶数 →運筆が起点に戻らない場合(閉路でない路) == 一筆書きの解法 == *すべての頂点の次数が[[偶数]] →ある頂点から出発し、元の頂点に戻り、さらにその頂点から出発し、元の頂点に戻る順路を考える。もし、まだ通っていない経路があれば、先ほどの順路からある頂点を選び、そこから寄り道をしてその頂点に戻ってくる順路を付け足したものに修正する。その修正を繰り返せばよい。 *次数が[[奇数]]の頂点の数が2で、残りの頂点の次数は全て偶数 →ある奇点から出発し、もう一方の奇点へ抜ける順路を考える。もし、まだ通っていない経路があれば、先ほどの順路からある頂点を選び、そこから寄り道をしてその頂点に戻ってくる順路を付け足したものに修正する。その修正を繰り返せばよい。 == 鉄道における「一筆書き」 == [[File:DongFangHong K7082 TaiYangSheng.jpg|thumb|中国鉄道の一筆書き切符]] [[日本]]の[[鉄道]]旅行(主に[[JR]]グループの路線)において、目的地まで最短経路で移動・往復するのでなく、出発地やその近くまでの大回りきっぷを購入することを[[比喩]]的に「一筆書き」と呼ぶことがある<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGKKZO29709530T20C18A4KNTP00/ 【知っとくトク】鉄道でぐるり一筆書き 長距離は運賃安く 途中下車も可能]『日本経済新聞』夕刊2018年4月23日(くらしナビ面)</ref>。 ただし実際には、きっぷの規則は「同じ駅を2度通過してはいけない」という原則によっており、この記事で説明している'''[[オイラー路]]である「一筆書き」ではなく、グラフ理論では[[ハミルトン路]]と呼ばれているものの規則に近い'''。 [[最長片道切符]]などの[[途中下車]]扱いで主な目的地に立ち寄ったり([[運賃#遠距離逓減制|運賃の遠距離逓減制]]で割安になることが多い)、娯楽として[[大都市近郊区間 (JR)#大回り乗車|大都市近郊区間の大回り乗車]]を楽しんだりする。 ==脚注・出典== {{Reflist}} == 関連項目 == {{Commonscat|Seven Bridges of Königsberg|ケーニヒスベルグの7つの橋}} * [[グラフ理論]] * [[橋づくし]] * [[大都市近郊区間 (JR)]] - 同じ駅・区間を二度通らずに長い経路をとって隣の駅まで乗車する「大回り乗車」ができる。 * [[最長片道切符]] - 同じ駅・区間を二度通らずにとることのできる最も長い経路(主に[[JR]]グループ)。 {{DEFAULTSORT:ひとふてかき}} [[Category:グラフ理論]] [[Category:数学に関する記事]]
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飛車
飛車(ひしゃ)は、将棋の駒の種類の1つである。 本将棋・小将棋・中将棋・大将棋・天竺大将棋・大大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋・大局将棋で使う。チェスのルーク・シャンチーの車・マークルックのルアと同様の動きをする。英語でもrookと訳され、略号はR。 鎌倉期に大将棋において考案された駒である。語源は今昔物語集に登場する空飛ぶ車ではないかという説がある。 飛車が成ると、(一部の古将棋を除き)竜王になる。 本将棋では角行とならぶ広い利きを持つ大駒であり、竜王に成るとさらに利きが広がるため攻撃の要となる傾向が強い。そのため、本将棋において、最も攻めの要となる駒である。五筋を基準に左側に飛車を動かすことを「振り飛車」、それより右側に飛車を動かす、あるいは飛車を元の筋のままにして戦う戦術を「居飛車」と呼ぶように、銀将、角行とともに古くから戦術を左右する駒として知られてきた。 特に横の利きは他の駒にないもので、攻めの軸となる。その一方で、利きの強さから、玉を除く駒の中では基本的に価値(重要度)が最も高い駒とされ、相手に攻められやすい駒であり、一度相手に渡ると非常に脅威となる。特に棋力の低い人は、飛車を取られると戦意を喪失する人もいるほどで、最近では玉を詰ます詰将棋に似たものとして、飛車を詰ます「詰飛車問題」が出ているほどである。 それだけ守りにも重視しがちな駒であるが、俗諺で「ヘボ将棋、王より飛車をかわいがり」と謳われるように、飛車の守りだけに腐心すると、肝心の王の守りを崩され、敗局を迎えることになる。よって、時と場合によっては思いきって飛車を切って、攻めを打開することも求められ、寄せや詰めの手筋では飛車や龍捨てに好手を生むことも多い。それを特徴的に示した格言としては「一段金に飛車捨てあり」というのがある。 後ろの利きも強い駒であり、特に自陣に攻め駒を打たれるのを防ぐ役割も持つ。守り駒として自陣に打つこともしばしばあり、これを「自陣飛車」というが、その場合は王と離して横の利きを生かす場合が多い。 本将棋では成ることにより新たに斜め後ろへの利きが発生する唯一の駒でもある(ちなみに本将棋での他の成れる駒5種に関しては、新たに真横や真後ろへの利きが発生するという点が共通している)。 成駒である竜王の動きは飛車の完全上位互換なので、成れる場合は通常成りが選択される。しかし、極めて稀に打ち歩詰め回避等のために不成が戦略上有効になるケースもあり、詰将棋ではしばしば出現するほか、プロの公式戦の実戦において飛不成が発生したケースも少数存在する。詳細は成駒及び打ち歩詰めを参照。 実戦で将棋の駒が割れることは滅多にないが、飛車は実物の将棋の駒の中で物理的に最も割れやすいといわれている。「飛」と「車」の縦画が深く彫ってあるのがその原因の一つとされている。 本将棋では初期配置に存在する駒として最強の駒となっているのに対し、中将棋や大将棋に於いては、生駒の竜王や、奔王、獅子などといった飛車よりも強力な駒が初期配置から存在し、生駒の竜王も飛鷲に成ることができるため、中将棋や大将棋では飛車は雑魚駒と言われている。また、金将の成駒としても飛車は存在しており、ありふれた駒の一つとなっている。大将棋に登場する駒より更に強力な駒がある天竺大将棋や大局将棋、大大将棋では尚更のことである。 飛と略す。成駒は竜王で竜と略す。年配の人は略称として「車(しゃ)」と呼ぶこともある。 中将棋では飛と略す。金将の成駒、大局将棋では飛燕・飛猫の成駒。成ると龍王。金将の成駒としての飛車は金飛車とも呼ばれる。 成ることはできない。 成ると金将。中将棋・大将棋・天竺大将棋・大局将棋とは元の駒と成駒の関係が入れ替わっている(金将→飛車)。
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飛車(ひしゃ)は、将棋の駒の種類の1つである。 本将棋・小将棋・中将棋・大将棋・天竺大将棋・大大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋・大局将棋で使う。チェスのルーク・シャンチーの車・マークルックのルアと同様の動きをする。英語でもrookと訳され、略号はR。
{{参照方法|date=2015年8月29日 (土) 14:55 (UTC)}} '''飛車'''(ひしゃ)は、[[将棋]]の[[駒 (将棋)|駒]]の種類の1つである。 [[本将棋]]・[[小将棋]]・[[中将棋]]・[[大将棋]]・[[天竺大将棋]]・[[大大将棋]]・[[摩訶大大将棋]]・[[泰将棋]]・[[大局将棋]]で使う。[[チェス]]の[[ルーク]]・[[シャンチー]]の[[車 (シャンチー)|車]]・[[マークルック]]のルアと同様の動きをする。[[英語]]でもrookと[[翻訳|訳]]され、略号は[[R]]<ref group="注釈">ただし本将棋の飛車は成って竜になることで斜めに1マス移動できるようなることがチェスのルークと異なる点である。また起源の上ではルークや車に対応するのは[[香車]]である。</ref>。 == 概要 == 鎌倉期に[[大将棋]]において考案された駒である。語源は[[今昔物語集]]に登場する[[空飛ぶ車]]ではないかという説がある<ref>三宅弘[http://shiga-bunkazai.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/08/5e49ab3475d4aae4ccb5e0e4fc056d51.pdf 将棋史研究ノート9](公益財団法人滋賀県文化財保護協会)</ref><ref>[https://hon-yak.net/1-29/ 巻一第二十九話 戦争と王になった富豪の話 | 今昔物語集 現代語訳]</ref>。 飛車が成ると、(一部の古将棋を除き)'''[[竜王 (将棋の駒)|竜王]]'''になる。 [[本将棋]]では[[角行]]とならぶ広い利きを持つ大駒であり、竜王に成るとさらに利きが広がるため攻撃の要となる傾向が強い。そのため、本将棋において、最も攻めの要となる駒である。五筋を基準に左側に飛車を動かすことを「[[振り飛車]]」、それより右側に飛車を動かす、あるいは飛車を元の筋のままにして戦う戦術を「[[居飛車]]」と呼ぶように、[[銀将]]、[[角行]]とともに古くから戦術を左右する駒として知られてきた。 特に横の利きは他の駒にないもので、攻めの軸となる。その一方で、利きの強さから、玉を除く駒の中では基本的に価値(重要度)が最も高い駒とされ、相手に攻められやすい駒であり、一度相手に渡ると非常に脅威となる。特に棋力の低い人は、飛車を取られると戦意を喪失する人もいるほどで、最近では玉を詰ます[[詰将棋]]に似たものとして、飛車を詰ます「詰飛車問題」が出ているほどである<ref>石田直裕・タカ大丸『史上初の詰飛車問題集』</ref>。 それだけ守りにも重視しがちな駒であるが、俗諺で'''「ヘボ将棋、王より飛車をかわいがり」'''と謳われるように、飛車の守りだけに腐心すると、肝心の王の守りを崩され、敗局を迎えることになる。よって、時と場合によっては思いきって飛車を切って、攻めを打開することも求められ、寄せや詰めの手筋では飛車や龍捨てに好手を生むことも多い。それを特徴的に示した格言としては「'''一段金に飛車捨てあり'''」というのがある。 後ろの利きも強い駒であり、特に自陣に攻め駒を打たれるのを防ぐ役割も持つ。守り駒として自陣に打つこともしばしばあり、これを「自陣飛車」というが、その場合は王と離して横の利きを生かす場合が多い。 本将棋では成ることにより新たに斜め後ろへの利きが発生する唯一の駒でもある(ちなみに本将棋での他の成れる駒5種に関しては、新たに真横や真後ろへの利きが発生するという点が共通している)。 成駒である[[竜王 (将棋の駒)|竜王]]の動きは飛車の完全上位互換なので、成れる場合は通常成りが選択される。しかし、極めて稀に[[打ち歩詰め]]回避等のために不成が戦略上有効になるケースもあり、[[詰将棋]]ではしばしば出現するほか、プロの公式戦の実戦において飛不成が発生したケースも少数存在する。詳細は[[成駒]]及び[[打ち歩詰め]]を参照。 実戦で将棋の駒が割れることは滅多にないが、飛車は実物の将棋の駒の中で物理的に最も割れやすいといわれている。「飛」と「車」の縦画が深く彫ってあるのがその原因の一つとされている。 本将棋では初期配置に存在する駒として最強の駒となっているのに対し、中将棋や大将棋に於いては、生駒の竜王や、[[奔王]]、[[獅子 (将棋)|獅子]]などといった飛車よりも強力な駒が初期配置から存在し、生駒の竜王も[[飛鷲]]に成ることができるため、中将棋や大将棋では飛車は雑魚駒と言われている。また、金将の成駒としても飛車は存在しており、ありふれた駒の一つとなっている。大将棋に登場する駒より更に強力な駒がある天竺大将棋や大局将棋、大大将棋では尚更のことである。 == 本将棋・小将棋 == [[画像:Shogi rook.jpg|90px|thumb|駒の表面]][[画像:Shogi rook p.jpg|90px|thumb|駒の裏面(龍王)]] '''飛'''と略す。[[成駒]]は[[竜王 (将棋の駒)|竜王]]で'''竜'''と略す。年配の人は略称として「車(しゃ)」と呼ぶこともある。 {| class="wikitable" border="1" |- bgcolor="#dddddd" !元の駒 ! colspan="2"|動き !成駒 ! colspan="2"|動き |- |飛車(ひしゃ) | {| border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |- |&nbsp;||&nbsp;||│||&nbsp;||&nbsp; |- |&nbsp;||&nbsp;||│||&nbsp;||&nbsp; |- |─||─||'''飛'''||─||─ |- |&nbsp;||&nbsp;||│||&nbsp;||&nbsp; |- |&nbsp;||&nbsp;||│||&nbsp;||&nbsp; |} |縦横に何マスでも動ける。飛び越えては行けない。 |竜王(りゅうおう) | {| border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |- |&nbsp;||&nbsp;||│||&nbsp;||&nbsp; |- |&nbsp;||○||│||○||&nbsp; |- |─||─||'''竜'''||─||─ |- |&nbsp;||○||│||○||&nbsp; |- |&nbsp;||&nbsp;||│||&nbsp;||&nbsp; |} |縦横に何マスでも動け、斜めに1マス動ける。飛び越えては行けない。 |} == 中将棋・大将棋・天竺大将棋・大局将棋 == 中将棋では'''飛'''と略す。[[金将]]の成駒、大局将棋では[[飛燕 (将棋)|飛燕]]・[[飛猫]]の成駒。成ると龍王。金将の成駒としての飛車は金飛車とも呼ばれる。 {| class="wikitable" border="1" |- bgcolor="#dddddd" !元の駒 ! colspan="2"|動き !成駒 ! colspan="2"|動き |- |飛車(ひしゃ) | {| border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |- |&nbsp;||&nbsp;||│||&nbsp;||&nbsp; |- |&nbsp;||&nbsp;||│||&nbsp;||&nbsp; |- |─||─||'''飛'''||─||─ |- |&nbsp;||&nbsp;||│||&nbsp;||&nbsp; |- |&nbsp;||&nbsp;||│||&nbsp;||&nbsp; |} |縦横に何マスでも動ける。飛び越えては行けない。 |竜王(りゅうおう) | {| border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |- |&nbsp;||&nbsp;||│||&nbsp;||&nbsp; |- |&nbsp;||○||│||○||&nbsp; |- |─||─||'''竜'''||─||─ |- |&nbsp;||○||│||○||&nbsp; |- |&nbsp;||&nbsp;||│||&nbsp;||&nbsp; |} |縦横に何マスでも動け、斜めに1マス動ける。飛び越えては行けない。 |} == 大大将棋 == 成ることはできない。 {| class="wikitable" border="1" |- bgcolor="#dddddd" !元の駒 ! colspan="2"|動き !成駒 ! colspan="2"|動き |- |飛車(ひしゃ) | {| border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |- |&nbsp;||&nbsp;||│||&nbsp;||&nbsp; |- |&nbsp;||&nbsp;||│||&nbsp;||&nbsp; |- |─||─||'''飛<br/>車'''||─||─ |- |&nbsp;||&nbsp;||│||&nbsp;||&nbsp; |- |&nbsp;||&nbsp;||│||&nbsp;||&nbsp; |} |縦横に何マスでも動ける。飛び越えては行けない。 | align="center"|- | align="center"|- | align="center"|- |} == 摩訶大大将棋・泰将棋 == 成ると[[金将]]。中将棋・大将棋・天竺大将棋・大局将棋とは元の駒と成駒の関係が入れ替わっている(金将→飛車)。 {| class="wikitable" border="1" |- bgcolor="#dddddd" !元の駒 ! colspan="2"|動き !成駒 ! colspan="2"|動き |- |飛車(ひしゃ) | {| border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |- |&nbsp;||&nbsp;||│||&nbsp;||&nbsp; |- |&nbsp;||&nbsp;||│||&nbsp;||&nbsp; |- |─||─||'''飛<br/>車'''||─||─ |- |&nbsp;||&nbsp;||│||&nbsp;||&nbsp; |- |&nbsp;||&nbsp;||│||&nbsp;||&nbsp; |} |縦横に何マスでも動ける。飛び越えては行けない。 |金将(きんしょう) | {| border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |- |&emsp;||&nbsp;||&nbsp;||&nbsp;||&emsp; |- |&nbsp;||○||○||○||&nbsp; |- |&nbsp;||○||'''金<br/>将'''||○||&nbsp; |- |&nbsp;||&nbsp;||○||&nbsp;||&nbsp; |- |&nbsp;||&nbsp;||&nbsp;||&nbsp;||&nbsp; |} |縦横と斜め前に1マス動ける。 |} == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} ===注釈=== {{Notelist}} ===出典=== <references /> == 参考文献 == * [[梅林勲]]・[[岡野伸]]共著『改訂版 世界の将棋・古代から現代まで』([[将棋天国社]]、2000年) == 関連項目 == * [[将棋類の一覧]] * [[将棋類の駒の一覧]] * [[将棋の戦法一覧]] - 飛車の位置により「居飛車」と「振り飛車」に大別される * [[竜王戦]] * [[ルーク]] - 飛車と同じ動きをするチェスの駒。 {{本将棋の駒}} {{中将棋の駒}} {{大将棋の駒}} {{大大将棋の駒}} {{摩訶大大将棋の駒}} {{大局将棋の駒}} {{将棋}} {{DEFAULTSORT:ひしや}} [[Category:将棋の駒]]
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角行
角行(かくぎょう)は、将棋の駒の種類の一つ。本将棋・小将棋・中将棋・大将棋・天竺大将棋・大大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋・大局将棋に存在する。チェスのビショップと同様の動きをする駒である。英語でもBishopと訳され、略称はB。 鎌倉期に大将棋において考案された駒で、角行が成ると(一部の古将棋を除き)竜馬となる。本将棋では飛車と並ぶ広い利きを持つ大駒であり、攻撃・防御の両面で力を発揮する。相手の攻め駒を押さえ込むのも得意であるが、詰めにはやや不便な駒とされている。馬になるとさらに利きが広がり、自陣でも大活躍できるようになる。それだけ個性的な駒であるため、角に対する格言は多い。 主なものとして以下の格言がある。 チェスのビショップが何手かけてもチェスボードの半分(白マスのビショップは白マスだけに、黒マスのビショップは黒マスだけに)しか動けないのと同様、将棋の角は初期配置からは生の状態では「アラビア数字 + 漢数字 = 偶数」の位置にしか動けない。これに対して「アラビア数字 + 漢数字 = 奇数」の位置に打たれた角を筋違い角と呼ぶ。ただし将棋の角は成って馬になることで筋違いの場所に移動できるようなることがチェスのビショップと異なる点である。 成駒である竜馬の動きは角行の完全上位互換なので、成れる場合は通常成りが選択される。しかし、極めて稀に打ち歩詰め回避等のために不成が戦略上有効になるケースもあり、詰将棋ではしばしば出現するほか、プロの公式戦の実戦において角不成が発生したケースも少数存在する。詳細は成駒及び打ち歩詰めを参照。 本将棋では、金将と比較した場合、動けるマス目の数は金将の最大6マスに対し、角行は最大16マスと、これだけを見ると圧倒的に多く、常識的な価値判断でも角行の方が高いとされる。しかし、金将は接近戦に強く、頭金など詰めにも役立ちやすく、手数をかければどの地点にも移動できるのに対し、角行は竜馬に成らない限り、何手かけても筋違いのマス目に移動できず、接近戦や詰めには不便な駒とされており、動ける方向の数も角行の方が少ない。このような特徴の違いから、コンピュータ将棋による研究などもあって、角行と金将の価値はほぼ同じではないかという説もある。 実際の駒に書かれる駒字としての「角行」の「角」は、中央の縦画が下に突き出た俗字「⻆」が使われることが多く、「角」に正字が使われている書体は長録など一部に限られる。 角と略す。成駒の龍馬は飛車の成駒の竜王と区別するため馬と略す。 俗に、斜め後ろに動ける共通点から、角行と銀将を総称して「斜め駒」と呼ばれる。 中将棋では角と略す。猛豹の成駒。成ると龍馬。猛豹の成駒としての角行は小角(ちょろかく)とも呼ばれる。 本将棋では大駒と言われるほど強力な駒となっているのと異なり、中将棋や大将棋の時点で生駒の竜馬や奔王、獅子などといった更に強力な駒が初期配置から存在し、生駒の竜馬も角鷹に成ることができるため、中将棋や大将棋では角行は相対的に本将棋ほど価値は高くない。ましてや大将棋に登場するより更に強力な駒がある天竺大将棋や大局将棋では言うまでもない。 中将棋では、生駒の角行は、序盤では盤の中央付近に歩み出た獅子の足となるのに便利な駒となる。 猛豹の成駒としての角行(小角)は、更に成ることもできないため、チェスのビショップと同様、何手かけても筋違いの場所に到達できず、盤の半分(厳密には大将棋の盤は奇数マスなので半分からはずれるが)のマス目にしか移動することができない。 成ることはできない。 平安大将棋の飛龍と同じ性質の駒である。成ると金将になるのも同じである。
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角行(かくぎょう)は、将棋の駒の種類の一つ。本将棋・小将棋・中将棋・大将棋・天竺大将棋・大大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋・大局将棋に存在する。チェスのビショップと同様の動きをする駒である。英語でもBishopと訳され、略称はB。
{{Otheruses|将棋の駒|戦国時代の富士信仰の開祖|角行 (富士講)}} '''角行'''(かくぎょう)は、[[駒 (将棋)|将棋の駒]]の種類の一つ。[[本将棋]]・[[小将棋]]・[[中将棋]]・[[大将棋]]・[[天竺大将棋]]・[[大大将棋]]・[[摩訶大大将棋]]・[[泰将棋]]・[[大局将棋]]に存在する。[[チェス]]の[[ビショップ]]と同様の動きをする駒である。[[英語]]でもBishopと訳され、略称は[[B]]。 == 概要 == [[鎌倉時代|鎌倉期]]に大将棋において考案された駒で、角行が成ると(一部の古将棋を除き)'''[[竜馬]]'''となる。本将棋では[[飛車]]と並ぶ広い利きを持つ大駒であり、攻撃・防御の両面で力を発揮する。相手の攻め駒を押さえ込むのも得意であるが、詰めにはやや不便な駒とされている。馬になるとさらに利きが広がり、自陣でも大活躍できるようになる。それだけ個性的な駒であるため、角に対する格言は多い。 主なものとして以下の格言がある。 ;遠見の角に好手あり :遠見とは離して打つことで、そういう角の打ち方や動かし方に好手が多いという格言。同時に飛車と比較して、相手の筋を見落としやすいという特徴も表している。 ;序盤は飛車より角 :序盤は飛車を動かすより、角行を操る方が戦局を優位に進められやすいということ。 ;角筋受けにくし :飛車筋は歩を打つなどして簡単に止められる一方、角筋は相手の意表をつくことがあるなどして、止めにくいという格言。 ;角の頭は丸い :角行は正面が弱点であり、相手に攻められやすいので注意せよということ。「[[桂馬|桂]]の高跳び[[歩兵 (将棋)|歩]]の餌食」に類似。 ;角交換に5筋を突くな :[[角換わり]]の将棋では、5筋の歩を突くと自陣に隙が生じやすいので、突かないほうが良いという格言。相手が角交換型の[[振り飛車]]のときも、居飛車側は同じことが言える。 ;5五の角は天王山 :天王山とは盤面中央に当たる5五の地点にある駒のこと。盤面の中央付近に打った角は、利きが多く攻防手になりやすい。 ;龍は敵陣に馬は自陣に :馬は自陣に置いた方が守りの力を発揮するという意味のほか、敵陣からも自陣の守りに利くようにするのが良いという意味も持っている。 チェスのビショップが何手かけてもチェスボードの半分(白マスのビショップは白マスだけに、黒マスのビショップは黒マスだけに)しか動けないのと同様、将棋の角は初期配置からは生の状態では「アラビア数字 + 漢数字 = 偶数」の位置にしか動けない。これに対して「アラビア数字 + 漢数字 = 奇数」の位置に打たれた角を[[筋違い角]]と呼ぶ。ただし将棋の角は成って馬になることで筋違いの場所に移動できるようなることがチェスのビショップと異なる点である。 成駒である[[竜馬]]の動きは角行の完全上位互換なので、成れる場合は通常成りが選択される。しかし、極めて稀に[[打ち歩詰め]]回避等のために不成が戦略上有効になるケースもあり、[[詰将棋]]ではしばしば出現するほか、プロの公式戦の実戦において角不成が発生したケースも少数存在する。詳細は[[成駒]]及び[[打ち歩詰め]]を参照。 本将棋では、[[金将]]と比較した場合、動けるマス目の数は金将の最大6マスに対し、角行は最大16マスと、これだけを見ると圧倒的に多く、常識的な価値判断でも角行の方が高いとされる。しかし、金将は接近戦に強く、頭金など詰めにも役立ちやすく、手数をかければどの地点にも移動できるのに対し、角行は[[竜馬]]に成らない限り、何手かけても筋違いのマス目に移動できず、接近戦や詰めには不便な駒とされており、動ける方向の数も角行の方が少ない。このような特徴の違いから、[[コンピュータ将棋]]による研究などもあって、角行と金将の価値はほぼ同じではないかという説もある。 実際の駒に書かれる駒字としての「角行」の「角」は、中央の縦画が下に突き出た俗字「⻆」が使われることが多く、「角」に正字が使われている書体は長録など一部に限られる。 == 本将棋 == [[画像:Shogi bishop.jpg|90px|thumb|駒の表面]][[画像:Shogi bishop p.jpg|90px|thumb|駒の裏面(龍馬)]] '''角'''と略す。成駒の[[竜馬|龍馬]]は[[飛車]]の成駒の[[竜王 (将棋の駒)|竜王]]と区別するため'''馬'''と略す。 俗に、斜め後ろに動ける共通点から、角行と[[銀将]]を総称して「'''斜め駒'''」と呼ばれる。 {| class="wikitable" border="1" !style="background-color:#dddddd"|元の駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き !style="background-color:#dddddd"|成駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き |- |角行(かくぎょう) | {|border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |\||&emsp;||&emsp;||&emsp;||/ |- |&emsp;||\||&nbsp;||/||&emsp; |- |&nbsp;||&nbsp;||'''角'''||&nbsp;||&nbsp; |- |&nbsp;||/||&nbsp;||\||&nbsp; |- |/||&nbsp;||&nbsp;||&nbsp;||\ |} |斜めに何マスでも動ける。飛び越えては行けない。 |竜馬(りゅうま、りゅうめ) | {|border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |\||&emsp;||&emsp;||&emsp;||/ |- |&emsp;||\||○||/||&emsp; |- |&nbsp;||○||'''馬'''||○||&nbsp; |- |&nbsp;||/||○||\||&nbsp; |- |/||&nbsp;||&nbsp;||&nbsp;||\ |} |斜めに何マスでも動け、縦横に1マス動ける。飛び越えては行けない。 |} == 小将棋・中将棋・大将棋・天竺大将棋・大局将棋 == 中将棋では'''角'''と略す。[[猛豹]]の[[成駒]]。成ると[[竜馬|龍馬]]。猛豹の成駒としての角行は小角(ちょろかく)とも呼ばれる。 {| class="wikitable" border="1" !style="background-color:#dddddd"|元の駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き !style="background-color:#dddddd"|成駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き |- |角行(かくぎょう) | {|border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |\||&emsp;||&emsp;||&emsp;||/ |- |&nbsp;||\||&nbsp;||/||&nbsp; |- |&nbsp;||&nbsp;||'''角<br/>行'''||&nbsp;||&nbsp; |- |&nbsp;||/||&nbsp;||\||&nbsp; |- |/||&nbsp;||&nbsp;||&nbsp;||\ |} |斜めに何マスでも動ける。飛び越えては行けない。 |龍馬(りゅうま、りゅうめ) | {|border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |\||&emsp;||&emsp;||&emsp;||/ |- |&nbsp;||\||○||/||&nbsp; |- |&nbsp;||○||'''龍<br/>馬'''||○||&nbsp; |- |&nbsp;||/||○||\||&nbsp; |- |/||&nbsp;||&nbsp;||&nbsp;||\ |} |斜めに何マスでも動け、縦横に1マス動ける。飛び越えては行けない。 |} 本将棋では大駒と言われるほど強力な駒となっているのと異なり、中将棋や大将棋の時点で生駒の竜馬や奔王、獅子などといった更に強力な駒が初期配置から存在し、生駒の竜馬も角鷹に成ることができるため、中将棋や大将棋では角行は相対的に本将棋ほど価値は高くない。ましてや大将棋に登場するより更に強力な駒がある天竺大将棋や大局将棋では言うまでもない。 中将棋では、生駒の角行は、序盤では盤の中央付近に歩み出た[[獅子 (将棋)|獅子]]の足となるのに便利な駒となる。 猛豹の成駒としての角行(小角)は、更に成ることもできないため、チェスのビショップと同様、何手かけても筋違いの場所に到達できず、盤の半分(厳密には大将棋の盤は奇数マスなので半分からはずれるが)のマス目にしか移動することができない。 == 大大将棋 == 成ることはできない。 {| class="wikitable" border="1" !style="background-color:#dddddd"|元の駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き !style="background-color:#dddddd"|成駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き |- |角行(かくぎょう) | {|border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |\||&emsp;||&emsp;||&emsp;||/ |- |&nbsp;||\||&nbsp;||/||&nbsp; |- |&nbsp;||&nbsp;||'''角<br/>行'''||&nbsp;||&nbsp; |- |&nbsp;||/||&nbsp;||\||&nbsp; |- |/||&nbsp;||&nbsp;||&nbsp;||\ |} |斜めに何マスでも動ける。飛び越えては行けない。 |style="text-align:center;"|- |style="text-align:center;"|- |style="text-align:center;"|- |} == 摩訶大大将棋・泰将棋 == [[平安大将棋]]の[[飛龍]]と同じ性質の駒である。成ると[[金将]]になるのも同じである。 {| class="wikitable" border="1" !style="background-color:#dddddd"|元の駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き !style="background-color:#dddddd"|成駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き |- |角行(かくぎょう) | {|border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |\||&emsp;||&emsp;||&emsp;||/ |- |&nbsp;||\||&nbsp;||/||&nbsp; |- |&nbsp;||&nbsp;||'''角<br/>行'''||&nbsp;||&nbsp; |- |&nbsp;||/||&nbsp;||\||&nbsp; |- |/||&nbsp;||&nbsp;||&nbsp;||\ |} |斜めに何マスでも動ける。飛び越えては行けない。 |金将(きんしょう) | {|border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |&emsp;||&emsp;||&emsp;||&emsp;||&emsp; |- |&nbsp;||○||○||○||&nbsp; |- |&nbsp;||○||'''金<br/>将'''||○||&nbsp; |- |&nbsp;||&nbsp;||○||&nbsp;||&nbsp; |- |&nbsp;||&nbsp;||&nbsp;||&nbsp;||&nbsp; |} |縦横と斜め前に1マス動ける。 |} == 参考文献 == * [[梅林勲]]・[[岡野伸]]共著『改訂版 世界の将棋・古代から現代まで』([[将棋天国社]]、2000年) == 関連項目 == * [[将棋類の一覧]] * [[将棋類の駒の一覧]] * [[ビショップ]] - 角行と同様の動きをする[[チェス]]の駒。 {{本将棋の駒}} {{中将棋の駒}} {{大将棋の駒}} {{大大将棋の駒}} {{摩訶大大将棋の駒}} {{大局将棋の駒}} {{将棋}} {{DEFAULTSORT:かくきよう}} [[Category:将棋の駒]]
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金将
金将(きんしょう)は、将棋の駒の種類の一つ。本将棋・平安将棋・平安大将棋・小将棋・中将棋・大将棋・天竺大将棋・大大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋・大局将棋に存在する。英語ではそのまま "gold general" と訳され、略号はG。 通称は「金」。銀将と名前や動き方が似ているが、銀将と異なり本将棋では成ることができない。基本的には自陣の王将(玉将)周辺で囲いを構成する駒として防御に使われることが多い(ただし、対石田流の棒金など金将を初期配置から前線に出して攻撃に用いる戦法もないわけではない)が、持ち駒として使う場合など、終盤の寄せや詰めでも多用される。例えば最も基本的な詰み形の一つとして「頭金」がある。また、横に動ける共通点から、飛車と金将を総称して、「横駒」と呼ばれることもある。前述のように攻撃にも防御にも多用されるために、「金なし将棋に攻め手なし」、「金なし将棋に受け手なし」という格言がある。 本将棋では、角行と比較した場合、動けるマス目の数は角行の最大16マスに対し、金将は最大6マスと、これだけを見ると圧倒的に少なく、常識的な価値判断でも金将の方が低いとされる。しかし、角行は竜馬に成らない限り、何手かけても筋違いのマス目に移動できず、接近戦や詰めには不便な駒とされているのに対し、金将は接近戦に強く、頭金など詰めにも役立ちやすく、手数をかければどの地点にも移動でき、動ける方向の数も金将の方が多い。このような特徴の違いから、コンピュータ将棋による研究などもあって、角行と金将の価値はほぼ同じではないかという説もある。 名前と動き方から、銀将と同じ系列の駒と思われているが、歴史的にはチャトランガの将軍に相当する駒である。海外の将棋類では日本将棋で言う王将の隣にチャトランガの将軍に相当する駒が配置されている。チェスではクイーン、シャンチーでは士・仕、チャンギでは士、マークルックではメットが日本の金将およびチャトランガの将軍に相当する駒である。それぞれ動きはかなり異なるが、シャンチーの士・仕とチャンギの士は盤面の王宮(九宮/宮)から出られないので完全に守備専用の駒となっているのが特徴的であり、残りは動きが強い(利きが多い)順にクイーン>金将>メットとなっている。またチャトランガの兵に相当する駒(将棋では歩兵、マークルックではビア)が昇格(成り)した場合の成り先としてチャトランガの将軍相当の駒が選ばれている将棋系ゲームも、将棋以外にもマークルックなどいくつか存在する。 駒字の表現としては、金将の駒自体のサイズが玉将より小さい分「金将」の「将」はサイズは変わるものの、「玉将」の「将」とほぼ同じ表現となっている書体が多い(対して銀将の「将」はより略された書体が多い)。 金(きん)と略す。銀将・桂馬・香車・歩兵の成駒で、これらの金に成ったものをそれぞれ成銀・成桂・成香・と金という。成銀・成桂・成香・と金は、全て金の崩し文字が書かれており、字体を変えることで区別している。金将自体は成ることができない。 本将棋においては、金将と銀将を総称して、俗に「金駒(かなごま)」「金気(かなけ)」と呼ばれる。 元々の金将は4枚だが、銀将・桂馬・香車・歩兵の合計枚数は30枚なので、金将の動きの駒は理論上最大で敵味方合わせて34枚(元々の金将も含む)盤上に存在しうる計算になる。更に大駒についても、飛車・角行の成駒である竜王・竜馬の動きは金将の上位互換と考えることもできるし、玉将も金将の動きを完全に含んでいるので、潜在能力も含めれば、本将棋の全ての駒は金将の動きをする能力を持っていると考えることもできる。例えば、頭金の詰みの応用としては、玉将による直接王手ができないことを除けば、金将の代わりに(竜王・竜馬も含め)成駒を用いてもよい。 成ることはできない。 中将棋の場合金と略す。歩兵の、大将棋では鐵将・石将・桂馬・猫刄・悪狼・嗔猪・猛牛・飛龍・歩兵の成駒。成ると飛車。 これらの大型将棋類の歩兵の成駒としての金将は、本将棋と同様にと金と呼ばれる場合もあるが、本将棋と異なり、多くの場合本将棋の成香のような字体の金の崩し文字が書いてある。 金将の成駒としての飛車は金飛車とも呼ばれる。 摩訶大大将棋では飛車・角行・竪行・横行・反車・香車・飛龍・猛牛・桂馬・左車・右車・狛犬・鉤行・摩𩹄・夜刄・羅刹・金剛・力士・驢馬・歩兵・横飛の、泰将棋では青龍・朱雀・白虎・玄武・盲猿・奔鬼・奔獏・走車・金翅・鳩槃・大龍・左将・右将・天狗・北狄・南蛮・前旗・盲熊・白象・飛牛・角鷹・飛鷲・鯨鯢・白駒・木将・銀兎・金鹿・行馬・孔雀・横龍・羊兵・猛鷲・兵士・𠵇犬の成駒。摩訶大大将棋・泰将棋の成りは敵駒を取ったときに強制的に成るルールになっているが、これらの駒の中には、金将に成ることにより元の駒の完全下位互換になってしまうものや、その他元の駒の動きからして明らかに成りによるデメリットの大きいものも多い。成ると奔金。
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金将(きんしょう)は、将棋の駒の種類の一つ。本将棋・平安将棋・平安大将棋・小将棋・中将棋・大将棋・天竺大将棋・大大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋・大局将棋に存在する。英語ではそのまま "gold general" と訳され、略号はG。
'''金将'''(きんしょう)は、[[将棋]]の[[駒 (将棋)|駒]]の種類の一つ。[[本将棋]]・[[平安将棋]]・[[平安大将棋]]・[[小将棋]]・[[中将棋]]・[[大将棋]]・[[天竺大将棋]]・[[大大将棋]]・[[摩訶大大将棋]]・[[泰将棋]]・[[大局将棋]]に存在する。[[英語]]ではそのまま "gold general" と訳され、略号は[[G]]。 == 概要 == 通称は「金」。[[銀将]]と名前や動き方が似ているが、銀将と異なり本将棋では成ることができない。基本的には自陣の[[玉将|王将(玉将)]]周辺で囲いを構成する駒として防御に使われることが多い(ただし、対[[石田流]]の[[棒金]]など金将を初期配置から前線に出して攻撃に用いる戦法もないわけではない)が、[[持ち駒]]として使う場合など、終盤の寄せや詰めでも多用される。例えば最も基本的な詰み形の一つとして「頭金」がある。また、横に動ける共通点から、[[飛車]]と金将を総称して、「横駒」と呼ばれることもある<ref group="注釈">本将棋では横に動ける駒は、他に玉将と全ての成り駒があるが、玉将は詰まされると負けであり、成り駒は敵に取られた瞬間に元の駒に戻るので、これらは[[持ち駒]]にはなりえない。</ref>。前述のように攻撃にも防御にも多用されるために、「金なし将棋に攻め手なし」、「金なし将棋に受け手なし」という格言がある。 本将棋では、[[角行]]と比較した場合、動けるマス目の数は角行の最大16マスに対し、金将は最大6マスと、これだけを見ると圧倒的に少なく、常識的な価値判断でも金将の方が低いとされる。しかし、角行は[[竜馬]]に成らない限り、何手かけても筋違いのマス目に移動できず、接近戦や詰めには不便な駒とされているのに対し、金将は接近戦に強く、頭金など詰めにも役立ちやすく、手数をかければどの地点にも移動でき、動ける方向の数も金将の方が多い。このような特徴の違いから、[[コンピュータ将棋]]による研究などもあって、角行と金将の価値はほぼ同じではないかという説もある。 名前と動き方から、[[銀将]]と同じ系列の駒と思われているが、歴史的には[[チャトランガ]]の将軍に相当する駒である。海外の将棋類では日本将棋で言う王将の隣にチャトランガの将軍に相当する駒が配置されている。[[チェス]]では[[クイーン (チェス)|クイーン]]、[[シャンチー]]では[[仕 (シャンチー)|士・仕]]、[[チャンギ]]では[[士 (チャンギ)|士]]、[[マークルック]]ではメットが日本の金将およびチャトランガの将軍に相当する駒である。それぞれ動きはかなり異なるが、シャンチーの士・仕とチャンギの士は盤面の王宮(九宮/宮)から出られないので完全に守備専用の駒となっているのが特徴的であり、残りは動きが強い(利きが多い)順にクイーン>金将>メットとなっている。またチャトランガの兵に相当する駒(将棋では歩兵、マークルックではビア)が昇格([[成り]])した場合の成り先としてチャトランガの将軍相当の駒が選ばれている将棋系ゲームも、将棋以外にもマークルックなどいくつか存在する。 駒字の表現としては、金将の駒自体のサイズが[[玉将]]より小さい分「金将」の「将」はサイズは変わるものの、「玉将」の「将」とほぼ同じ表現となっている書体が多い(対して[[銀将]]の「将」はより略された書体が多い)。 == 本将棋・小将棋 == [[画像:Shogi gold.jpg|90px|thumb|駒の表面。裏面には何も書かれていない。]] [[画像:Shogi silver p.jpg|90px|thumb|成銀の例。金の異体字で、左右の点を棒のように表現することが多い。]] [[画像:Shogi knight p.jpg|90px|thumb|成桂の例。金の崩し文字で、下の部分を崩した字体である。]] [[画像:Shogi lance p.jpg|90px|thumb|成香の例。金の崩し文字で、草書体となっている。]] [[画像:Shogi pawn p.jpg|90px|thumb|と金の例。「と」のように見える文字は「金」の極端な崩し字あるいは「今」の崩し字とされる。]] '''金'''(きん)と略す。[[銀将]]・[[桂馬]]・[[香車]]・[[歩兵 (将棋)|歩兵]]の[[成駒]]で、これらの金に成ったものをそれぞれ'''成銀'''・'''成桂'''・'''成香'''・'''と金'''という。成銀・成桂・成香・と金は、全て金の崩し文字が書かれており、字体を変えることで区別している。金将自体は成ることができない。 本将棋においては、金将と銀将を総称して、俗に「'''金駒'''(かなごま)」「'''金気'''(かなけ)」と呼ばれる。 元々の金将は4枚だが、銀将・桂馬・香車・歩兵の合計枚数は30枚なので、金将の動きの駒は理論上最大で敵味方合わせて34枚(元々の金将も含む)盤上に存在しうる計算になる。更に大駒についても、[[飛車]]・[[角行]]の成駒である[[竜王 (将棋の駒)|竜王]]・[[竜馬]]の動きは金将の上位互換と考えることもできるし、[[玉将]]も金将の動きを完全に含んでいるので、潜在能力も含めれば、本将棋の全ての駒は金将の動きをする能力を持っていると考えることもできる。例えば、頭金の詰みの応用としては、玉将による直接王手ができないことを除けば、金将の代わりに(竜王・竜馬も含め)成駒を用いてもよい。 {{将棋の駒の動きの凡例}} {| class="wikitable" border="1" !style="background-color:#dddddd"|元の駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き !style="background-color:#dddddd"|成駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き |- |金将(きんしょう) | {{将棋の駒の動き(金将3x3)}} ||縦横と斜め前に1マス動ける。 |align="center" style="background-color:#EEE"|なし|| align="center" style="background-color:#EEE"|-||align="center" style="background-color:#EEE"|- |} == 平安将棋・平安大将棋・大大将棋 == 成ることはできない。 {| class="wikitable" border="1" !style="background-color:#dddddd"|元の駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き !style="background-color:#dddddd"|成駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き |- |金将(きんしょう) | {{将棋の駒の動き(金将5x5)}} |縦横と斜め前に1マス動ける。 |align="center" style="background-color:#EEE"|なし|| align="center" style="background-color:#EEE"|-||align="center" style="background-color:#EEE"|- |} == 中将棋・大将棋・天竺大将棋・大局将棋 == 中将棋の場合'''金'''と略す。[[歩兵 (将棋)|歩兵]]の、大将棋では[[鐵将]]・[[石将]]・[[桂馬]]・[[猫刄]]・[[悪狼]]・[[嗔猪]]・[[猛牛]]・[[飛龍 (将棋)|飛龍]]・歩兵の[[成駒]]。成ると[[飛車]]。 これらの大型将棋類の歩兵の成駒としての金将は、本将棋と同様に'''と金'''と呼ばれる場合もあるが、本将棋と異なり、多くの場合本将棋の[[成香]]のような字体の金の崩し文字が書いてある。 金将の成駒としての飛車は金飛車とも呼ばれる。 {| class="wikitable" border="1" !style="background-color:#dddddd"|元の駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き !style="background-color:#dddddd"|成駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き |- |金将(きんしょう) | {{将棋の駒の動き(金将5x5)}} |縦横と斜め前に1マス動ける。 |飛車(ひしゃ) | {|border="1" cellspacing="0" cellpadding="3" |width="16" style="background-color:#DDD"|&nbsp;||width="16" style="background-color:#DDD"|&nbsp;||width="16" style="background-color:#DFD"|│||width="16" style="background-color:#DDD"|&nbsp;||width="16" style="background-color:#DDD"|&nbsp; |- |width="16" style="background-color:#DDD"|&nbsp;||width="16" style="background-color:#DDD"|&nbsp;||width="16" style="background-color:#DFD"|│||width="16" style="background-color:#DDD"|&nbsp;||width="16" style="background-color:#DDD"|&nbsp; |- |width="16" style="background-color:#DFD"|─||width="16" style="background-color:#DFD"|─||'''飛<br/>車'''||width="16" style="background-color:#DFD"|─||width="16" style="background-color:#DFD"|─ |- |width="16" style="background-color:#DDD"|&nbsp;||width="16" style="background-color:#DDD"|&nbsp;||width="16" style="background-color:#DFD"|│||width="16" style="background-color:#DDD"|&nbsp;||width="16" style="background-color:#DDD"|&nbsp; |- |width="16" style="background-color:#DDD"|&nbsp;||width="16" style="background-color:#DDD"|&nbsp;||width="16" style="background-color:#DFD"|│||width="16" style="background-color:#DDD"|&nbsp;||width="16" style="background-color:#DDD"|&nbsp; |} |縦横に何マスでも動ける。飛び越えては行けない。 |} == 摩訶大大将棋・泰将棋 == 摩訶大大将棋では[[飛車]]・[[角行]]・[[竪行]]・[[横行]]・[[反車]]・[[香車]]・[[飛龍 (将棋)|飛龍]]・[[猛牛]]・[[桂馬]]・[[左車]]・[[右車]]・[[狛犬 (将棋)|狛犬]]・[[鉤行]]・[[摩カツ|摩𩹄]]・[[夜刄]]・[[羅刹 (将棋)|羅刹]]・[[金剛 (将棋)|金剛]]・[[力士 (将棋)|力士]]・[[驢馬 (将棋)|驢馬]]・[[歩兵 (将棋)|歩兵]]・[[横飛]]の、泰将棋では[[青龍 (将棋)|青龍]]・[[朱雀 (将棋)|朱雀]]・[[白虎 (将棋)|白虎]]・[[玄武 (将棋)|玄武]]・[[盲猿]]・[[奔鬼]]・[[奔獏]]・[[走車]]・[[金翅]]・[[鳩槃]]・[[大龍]]・[[左将]]・[[右将]]・[[天狗 (将棋)|天狗]]・[[北狄 (将棋)|北狄]]・[[南蛮 (将棋)|南蛮]]・[[前旗]]・[[盲熊]]・[[白象 (将棋)|白象]]・[[飛牛]]・[[角鷹]]・[[飛鷲]]・[[鯨鯢]]・[[白駒]]・[[木将]]・[[銀兎]]・[[金鹿]]・[[行馬]]・[[孔雀 (将棋)|孔雀]]・[[横龍]]・[[羊兵]]・[[猛鷲]]・[[兵士 (将棋)|兵士]]・[[キ犬|𠵇犬]]の[[成駒]]。摩訶大大将棋・泰将棋の成りは敵駒を取ったときに強制的に成るルールになっているが、これらの駒の中には、金将に成ることにより元の駒の完全下位互換になってしまうものや、その他元の駒の動きからして明らかに成りによるデメリットの大きいものも多い。成ると'''奔金'''。 {| class="wikitable" border="1" !style="background-color:#dddddd"|元の駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き !style="background-color:#dddddd"|成駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き |- |金将(きんしょう) | {{将棋の駒の動き(金将5x5)}} |縦横と斜め前に1マス動ける<ref>『[[象棋六種之図式]]』(「雑藝叢書」による)の泰将棋の解説では、縦横と左斜め前に1マス動く(右斜め前に動けない)となっている。</ref>。 |奔金(ほんきん) | {|border="1" cellspacing="0" cellpadding="3" style="text-align:center;" |- |width="16" style="background-color:#DFD"|\||width="16" style="background-color:#DDD"|&nbsp;||width="16" style="background-color:#DFD"|│||width="16" style="background-color:#DDD"|&nbsp;||width="16" style="background-color:#DFD"|/ |- |width="16" style="background-color:#DDD"|&nbsp;||width="16" style="background-color:#DFD"|\||width="16" style="background-color:#DFD"|│||width="16" style="background-color:#DFD"|/||width="16" style="background-color:#DDD"|&nbsp; |- |width="16" style="background-color:#DFD"|─||width="16" style="background-color:#DFD"|─||'''奔<br/>金'''||width="16" style="background-color:#DFD"|─||width="16" style="background-color:#DFD"|─ |- |width="16" style="background-color:#DDD"|&nbsp;||width="16" style="background-color:#DDD"|&nbsp;||width="16" style="background-color:#DFD"|│||width="16" style="background-color:#DDD"|&nbsp;||width="16" style="background-color:#DDD"|&nbsp; |- |width="16" style="background-color:#DDD"|&nbsp;||width="16" style="background-color:#DDD"|&nbsp;||width="16" style="background-color:#DFD"|│||width="16" style="background-color:#DDD"|&nbsp;||width="16" style="background-color:#DDD"|&nbsp; |} |縦横と斜め前に何マスでも動ける。飛び越えては行けない。 |} == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} ===注釈=== {{Notelist}} ===出典=== {{reflist}} == 参考文献 == * [[梅林勲]]・[[岡野伸]]共著『改訂版 世界の将棋・古代から現代まで』([[将棋天国社]]、2000年) == 関連項目 == * [[将棋類の一覧]] * [[将棋類の駒の一覧]] * [[まわり将棋]] {{本将棋の駒}} {{中将棋の駒}} {{大将棋の駒}} {{摩訶大大将棋の駒}} {{大局将棋の駒}} {{将棋}} {{DEFAULTSORT:きんしよう}} [[Category:将棋の駒]]
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銀将
銀将(ぎんしょう)は、将棋の駒の種類の一つ。 本将棋・平安将棋・平安大将棋・小将棋・中将棋・大将棋・大大将棋・天竺大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋・大局将棋に存在する。英語ではそのままsilverと訳され、略号はS。 通称は「銀」。本将棋では金将とともに防御を担う一方、棒銀戦法、腰掛け銀など攻撃にも参加させやすい駒であり、また金将に次いで寄せに欠かせない駒となっている。本将棋においては、金将と銀将を総称して、俗に「金駒(かなごま)」「金気(かなけ)」と呼ばれる。また、斜め後ろに動ける共通点から角行と銀将を総称して、俗に「斜め駒」と呼ばれる。 銀将の成ったものを成銀という。金将と同じ動きになり、6方向に進めるようになるものの、斜め後ろに移動できなくなる。本将棋では行き所がなくなることがなく、かつ成ることにより失う利きがある唯一の駒でもある。本将棋では銀将が成ると全体的な利きの数としては1マス分の増加となるものの、成銀の後ろ方面への移動能力に関しては生の銀将と比較して利きの数とスピードの点で劣ってしまう。ただし成銀の真後ろへの利きについては成りによって新たに発生した利きの方向であり、生の銀将ではすぐ真後ろのマス目に移動するのに3手要するため、その点では銀将の成りのメリットとも取れる要素を内包していると見ることもできる。このため成、不成は後の戦局にも影響が大きく、判断が難しい。確率的には四回に一度は不成 といったところであるが、まれに不成を2回以上連続して行う場合もある。 名前と動き方から、金将と同じ系列の駒と思われているが、歴史的にはチャトランガの象に相当する駒である。海外の将棋系ゲームでは日本将棋の銀将に相当する位置に、チャトランガの象に相当する駒が配置されている。チェスではビショップ、シャンチーでは象・相、チャンギでは象、マークルックではコーンが将棋の銀将およびチャトランガの象に相当する駒である。しかもマークルックのコーンは銀将と同じ動きである。他の将棋系ゲームでもそれぞれ動きはかなり違うものの、チャトランガの象相当の駒は斜め4方向への動きを基調としている。 駒字の表現としては、銀将は画数の多さなどからも個性を発揮しやすいといわれている。「銀将」の「将」の字を取ってみても、玉将・金将とは別な略された形にアレンジされている書体が多く、変化に富むといわれる。対して成銀の「金」の異体字(崩し文字)の表現は、「金」の左右の点を棒のように表現するものが多い中、その点も含めて「金」そのものだったり(玉舟など)、左右の点が流れるように表現される(巻菱湖など)という違いはあるものの、成銀は駒字の中でも画数も少なく個性を発揮しにくいといわれている。 銀(ぎん)と略す。銀将の成ったものを成銀(なりぎん)という。成銀の英語名称はpromoted silverで略号は+S。銀将の駒の裏に彫られている字は「金」の異体字であるが(成ると金将と同じ動きになるため)、「全」にも似ている。このため、一字表記を行う場合はしばしば「全」と表示される。一字駒では金将と紛らわしいため、NHK杯などではヤネが半分のものが使用されている。 本将棋においては、金将と銀将を総称して、俗に「金駒(かなごま)」「金気(かなけ)」と呼ばれる。また、斜め後ろに動ける共通点から、角行と銀将を総称して、俗に「斜め駒」と呼ばれる。 銀に関する有名な格言には次のようなものがある。 名前に銀のつく戦法には棒銀のほか、腰掛銀、早繰り銀、ツノ銀中飛車などがある。 成ると金将。 中将棋の場合銀と略す。成ると竪行。 これらの将棋では銀将が成った場合、走り駒になるのは本将棋にはないメリットであるが、成りによるデメリットとして本将棋でも該当する斜め後ろのみならず斜め前の利きも失うため、ある意味では本将棋以上に成るか成らないかが悩ましい。 成ることはできない。 成ると奔銀(角行と香車を組み合わせた動き)。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "銀将(ぎんしょう)は、将棋の駒の種類の一つ。 本将棋・平安将棋・平安大将棋・小将棋・中将棋・大将棋・大大将棋・天竺大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋・大局将棋に存在する。英語ではそのままsilverと訳され、略号はS。", "title": null }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "通称は「銀」。本将棋では金将とともに防御を担う一方、棒銀戦法、腰掛け銀など攻撃にも参加させやすい駒であり、また金将に次いで寄せに欠かせない駒となっている。本将棋においては、金将と銀将を総称して、俗に「金駒(かなごま)」「金気(かなけ)」と呼ばれる。また、斜め後ろに動ける共通点から角行と銀将を総称して、俗に「斜め駒」と呼ばれる。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "銀将の成ったものを成銀という。金将と同じ動きになり、6方向に進めるようになるものの、斜め後ろに移動できなくなる。本将棋では行き所がなくなることがなく、かつ成ることにより失う利きがある唯一の駒でもある。本将棋では銀将が成ると全体的な利きの数としては1マス分の増加となるものの、成銀の後ろ方面への移動能力に関しては生の銀将と比較して利きの数とスピードの点で劣ってしまう。ただし成銀の真後ろへの利きについては成りによって新たに発生した利きの方向であり、生の銀将ではすぐ真後ろのマス目に移動するのに3手要するため、その点では銀将の成りのメリットとも取れる要素を内包していると見ることもできる。このため成、不成は後の戦局にも影響が大きく、判断が難しい。確率的には四回に一度は不成 といったところであるが、まれに不成を2回以上連続して行う場合もある。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "名前と動き方から、金将と同じ系列の駒と思われているが、歴史的にはチャトランガの象に相当する駒である。海外の将棋系ゲームでは日本将棋の銀将に相当する位置に、チャトランガの象に相当する駒が配置されている。チェスではビショップ、シャンチーでは象・相、チャンギでは象、マークルックではコーンが将棋の銀将およびチャトランガの象に相当する駒である。しかもマークルックのコーンは銀将と同じ動きである。他の将棋系ゲームでもそれぞれ動きはかなり違うものの、チャトランガの象相当の駒は斜め4方向への動きを基調としている。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "駒字の表現としては、銀将は画数の多さなどからも個性を発揮しやすいといわれている。「銀将」の「将」の字を取ってみても、玉将・金将とは別な略された形にアレンジされている書体が多く、変化に富むといわれる。対して成銀の「金」の異体字(崩し文字)の表現は、「金」の左右の点を棒のように表現するものが多い中、その点も含めて「金」そのものだったり(玉舟など)、左右の点が流れるように表現される(巻菱湖など)という違いはあるものの、成銀は駒字の中でも画数も少なく個性を発揮しにくいといわれている。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "銀(ぎん)と略す。銀将の成ったものを成銀(なりぎん)という。成銀の英語名称はpromoted silverで略号は+S。銀将の駒の裏に彫られている字は「金」の異体字であるが(成ると金将と同じ動きになるため)、「全」にも似ている。このため、一字表記を行う場合はしばしば「全」と表示される。一字駒では金将と紛らわしいため、NHK杯などではヤネが半分のものが使用されている。", "title": "本将棋・小将棋" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "本将棋においては、金将と銀将を総称して、俗に「金駒(かなごま)」「金気(かなけ)」と呼ばれる。また、斜め後ろに動ける共通点から、角行と銀将を総称して、俗に「斜め駒」と呼ばれる。", "title": "本将棋・小将棋" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "銀に関する有名な格言には次のようなものがある。", "title": "本将棋・小将棋" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "名前に銀のつく戦法には棒銀のほか、腰掛銀、早繰り銀、ツノ銀中飛車などがある。", "title": "本将棋・小将棋" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "成ると金将。", "title": "平安将棋・平安大将棋" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "中将棋の場合銀と略す。成ると竪行。", "title": "中将棋・大将棋・天竺大将棋・大局将棋" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "これらの将棋では銀将が成った場合、走り駒になるのは本将棋にはないメリットであるが、成りによるデメリットとして本将棋でも該当する斜め後ろのみならず斜め前の利きも失うため、ある意味では本将棋以上に成るか成らないかが悩ましい。", "title": "中将棋・大将棋・天竺大将棋・大局将棋" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "成ることはできない。", "title": "大大将棋" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "成ると奔銀(角行と香車を組み合わせた動き)。", "title": "摩訶大大将棋・泰将棋" } ]
銀将(ぎんしょう)は、将棋の駒の種類の一つ。 本将棋・平安将棋・平安大将棋・小将棋・中将棋・大将棋・大大将棋・天竺大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋・大局将棋に存在する。英語ではそのままsilverと訳され、略号はS。
'''銀将'''(ぎんしょう)は、[[将棋]]の[[駒 (将棋)|駒]]の種類の一つ。 [[本将棋]]・[[平安将棋]]・[[平安大将棋]]・[[小将棋]]・[[中将棋]]・[[大将棋]]・[[大大将棋]]・[[天竺大将棋]]・[[摩訶大大将棋]]・[[泰将棋]]・[[大局将棋]]に存在する。[[英語]]ではそのままsilver generalと訳され、略号は[[S]]。 == 概要 == 通称は「銀」。本将棋では[[金将]]とともに防御を担う一方、[[棒銀]]戦法、[[腰掛け銀]]など攻撃にも参加させやすい駒であり、また金将に次いで寄せに欠かせない駒となっている。本将棋においては、金将と銀将を総称して、俗に「金駒(かなごま)」「金気(かなけ)」と呼ばれる。また、斜め後ろに動ける共通点から角行と銀将を総称して、俗に「斜め駒」と呼ばれる<ref group="注釈">斜め後ろに移動できる駒は本将棋ではこのほかには詰まされると負けになる玉将と、成り駒である竜王・竜馬があるが、これらは[[持ち駒]]にはなりえない。</ref>。 銀将の成ったものを'''成銀'''という。金将と同じ動きになり、6方向に進めるようになるものの、斜め後ろに移動できなくなる。本将棋では[[行き所のない駒|行き所がなくなる]]ことがなく、かつ成ることにより失う利きがある唯一の駒でもある。本将棋では銀将が成ると全体的な利きの数としては1マス分の増加となるものの、成銀の後ろ方面への移動能力に関しては生の銀将と比較して利きの数とスピードの点で劣ってしまう。ただし成銀の真後ろへの利きについては成りによって新たに発生した利きの方向であり、生の銀将ではすぐ真後ろのマス目に移動するのに3手要するため、その点では銀将の成りのメリットとも取れる要素を内包していると見ることもできる。このため成、不成は後の戦局にも影響が大きく、判断が難しい。確率的には四回に一度は不成<ref>[[沼春雄]]『将棋入門の次に読む本』、p.24 </ref> といったところであるが、まれに不成を2回以上連続して行う場合もある。 名前と動き方から、[[金将]]と同じ系列の駒と思われているが、歴史的には[[チャトランガ]]の象に相当する駒である。海外の将棋系ゲームでは日本将棋の銀将に相当する位置に、チャトランガの象に相当する駒が配置されている。[[チェス]]ではビショップ、[[シャンチー]]では象・相、[[チャンギ]]では象、[[マークルック]]ではコーンが将棋の銀将およびチャトランガの象に相当する駒である。しかもマークルックのコーンは銀将と同じ動きである。他の将棋系ゲームでもそれぞれ動きはかなり違うものの、チャトランガの象相当の駒は斜め4方向への動きを基調としている。 駒字の表現としては、銀将は画数の多さなどからも個性を発揮しやすいといわれている。「銀将」の「将」の字を取ってみても、[[玉将]]・[[金将]]とは別な略された形にアレンジされている書体が多く、変化に富むといわれる。対して成銀の「金」の異体字(崩し文字)の表現は、「金」の左右の点を棒のように表現するものが多い中、その点も含めて「金」そのものだったり(玉舟など)、左右の点が流れるように表現される(巻菱湖など)という違いはあるものの、成銀は駒字の中でも画数も少なく個性を発揮しにくいといわれている。 == 本将棋・小将棋 == [[画像:Shogi silver.jpg|90px|thumb|駒の表面]][[画像:Shogi silver p.jpg|90px|thumb|駒の裏面(成銀、金の異体字)]] '''銀'''(ぎん)と略す。銀将の成ったものを'''成銀'''(なりぎん)という。成銀の英語名称はpromoted silverで略号は+S。銀将の駒の裏に彫られている字は「金」の異体字であるが(成ると金将と同じ動きになるため)、「全」にも似ている<ref>横棒の数が「全」が3本に対し、「成銀」(「金」の異体字)は4本である(写真参照)</ref>。このため、一字表記を行う場合はしばしば「全」と表示される。一字駒では金将と紛らわしいため、[[NHK杯将棋トーナメント|NHK杯]]などでは[[冠 (漢字)|ヤネ]]が半分のものが使用されている。 本将棋においては、[[金将]]と銀将を総称して、俗に「'''金駒'''(かなごま)」「'''金気'''(かなけ)」と呼ばれる。また、斜め後ろに動ける共通点から、[[角行]]と銀将を総称して、俗に「'''斜め駒'''」と呼ばれる。 銀に関する有名な格言には次のようなものがある。 * 銀は千鳥に動かせ…銀は斜めに動かすと効率的(逆に前に動かすと同じ位置に戻るのに三手要するため効率が悪い)。 * 銀は不成に好手あり…将棋の小駒のうち斜め後ろに引くことができるのは銀だけであり、成るとその動きが失われてしまうデメリットがあるので、その動きを生かすために不成で使うと好手が多い。ただし成銀に変われば真横や真後ろに移動できるメリットもあるので、本将棋の駒の中では最も成・不成の判断が難しいといわれる。特徴のある動きを持つ[[桂馬]]と合わせて、「銀桂は成らずに使え」といわれることもある。 * 攻めは飛角銀桂 名前に銀のつく戦法には棒銀のほか、[[腰掛銀]]、[[早繰り銀]]、[[ツノ銀中飛車]]などがある。 {| class="wikitable" border="1" !style="background-color:#dddddd"|元の駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き !style="background-color:#dddddd"|成駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き |- |銀将(ぎんしょう) | {|border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |○||○||○ |- |&nbsp;||'''銀'''||&nbsp; |- |○||&nbsp;||○ |} ||斜めと前に1マス動ける。 |成銀(なりぎん) | {|border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |○||○||○ |- |○||'''全'''||○ |- |&nbsp;||○||&nbsp; |} ||縦横と斜め前に1マス動ける。 |} == 平安将棋・平安大将棋 == 成ると[[金将]]。 {| class="wikitable" border="1" !style="background-color:#dddddd"|元の駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き !style="background-color:#dddddd"|成駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き |- |銀将(ぎんしょう) | {|border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |&emsp;||&emsp;||&emsp;||&emsp;||&emsp; |- |&nbsp;||○||○||○||&nbsp; |- |&nbsp;||&nbsp;||'''銀<br/>将'''||&nbsp;||&nbsp; |- |&nbsp;||○||&nbsp;||○||&nbsp; |- |&emsp;||&emsp;||&emsp;||&emsp;||&emsp; |} ||斜めと前に1マス動ける。 |金将(きんしょう) | {|border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |&emsp;||&emsp;||&emsp;||&emsp;||&emsp; |- |&nbsp;||○||○||○||&nbsp; |- |&nbsp;||○||'''金<br/>将'''||○||&nbsp; |- |&nbsp;||&nbsp;||○||&nbsp;||&nbsp; |- |&emsp;||&emsp;||&emsp;||&emsp;||&emsp; |} ||縦横と斜め前に1マス動ける。 |} == 中将棋・大将棋・天竺大将棋・大局将棋 == 中将棋の場合'''銀'''と略す。成ると[[竪行]]。 {| class="wikitable" border="1" !style="background-color:#dddddd"|元の駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き !style="background-color:#dddddd"|成駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き |- |銀将(ぎんしょう) | {|border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |&emsp;||&emsp;||&emsp;||&emsp;||&emsp; |- |&nbsp;||○||○||○||&nbsp; |- |&nbsp;||&nbsp;||'''銀<br/>将'''||&nbsp;||&nbsp; |- |&nbsp;||○||&nbsp;||○||&nbsp; |- |&nbsp;||&nbsp;||&nbsp;||&nbsp;||&nbsp; |} |斜めと前に1マス動ける。 |竪行(しゅぎょう) | {|border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |&emsp;||&emsp;||│||&emsp;||&emsp; |- |&nbsp;||&nbsp;||│||&nbsp;||&nbsp; |- |&nbsp;||○||'''竪<br/>行'''||○||&nbsp; |- |&nbsp;||&nbsp;||│||&nbsp;||&nbsp; |- |&nbsp;||&nbsp;||│||&nbsp;||&nbsp; |} |縦に何マスでも動け、横に1マス動ける。飛び越えては行けない。 |} これらの将棋では銀将が成った場合、走り駒になるのは本将棋にはないメリットであるが、成りによるデメリットとして本将棋でも該当する斜め後ろのみならず斜め前の利きも失うため、ある意味では本将棋以上に成るか成らないかが悩ましい。 == 大大将棋 == 成ることはできない。 {| class="wikitable" border="1" !style="background-color:#dddddd"|元の駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き !style="background-color:#dddddd"|成駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き |- |銀将(ぎんしょう) | {|border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |&emsp;||&emsp;||&emsp;||&emsp;||&emsp; |- |&nbsp;||○||○||○||&nbsp; |- |&nbsp;||&nbsp;||'''銀<br/>将'''||&nbsp;||&nbsp; |- |&nbsp;||○||&nbsp;||○||&nbsp; |- |&nbsp;||&nbsp;||&nbsp;||&nbsp;||&nbsp; |} |前と斜めに1マス動ける。 |style="text-align:center;"|- |style="text-align:center;"|- |style="text-align:center;"|- |} == 摩訶大大将棋・泰将棋 == 成ると'''奔銀'''([[角行]]と[[香車]]を組み合わせた動き)。 {| class="wikitable" border="1" !style="background-color:#dddddd"|元の駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き !style="background-color:#dddddd"|成駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き |- |銀将(ぎんしょう) | {|border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |&emsp;||&emsp;||&emsp;||&emsp;||&emsp; |- |&nbsp;||○||○||○||&nbsp; |- |&nbsp;||&nbsp;||'''銀<br/>将'''||&nbsp;||&nbsp; |- |&nbsp;||○||&nbsp;||○||&nbsp; |- |&nbsp;||&nbsp;||&nbsp;||&nbsp;||&nbsp; |} |斜めと前に1マス動ける。 |奔銀(ほんぎん) | {|border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |\||&emsp;||│||&emsp;||/ |- |&nbsp;||\||│||/||&nbsp; |- |&nbsp;||&nbsp;||'''奔<br/>銀'''||&nbsp;||&nbsp; |- |&nbsp;||/||&nbsp;||\||&nbsp; |- |/||&nbsp;||&nbsp;||&nbsp;||\ |} |斜めと前にどこまでも動ける。飛び越えては行けない。 |} == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} ===注釈=== {{Notelist}} ===出典=== <references /> == 参考文献 == * [[梅林勲]]・[[岡野伸]]共著『改訂版 世界の将棋・古代から現代まで』([[将棋天国社]]、2000年) == 関連項目 == * [[将棋類の一覧]] * [[将棋類の駒の一覧]] * [[棒銀]] * [[腰掛け銀]] * [[早繰り銀]] * [[取られずの銀]] {{本将棋の駒}} {{中将棋の駒}} {{大将棋の駒}} {{摩訶大大将棋の駒}} {{大局将棋の駒}} {{将棋}} {{DEFAULTSORT:きんしよう ぎんしよう}} [[Category:将棋の駒]]
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桂馬
桂馬(けいま)は、将棋の駒の種類の一つ。 本将棋・平安将棋・平安大将棋・小将棋・大将棋・天竺大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋・大局将棋に存在する。英語ではチェスのナイトに当たるknightと訳され、略号はN(knight)。 通称は「桂」。駒の名は平安時代当時の貴重品である香料の一種「肉桂」から由来する。本将棋では全ての駒の中で唯一他の駒を飛び越えて敵陣へ進撃できる反面、チェスのナイトと異なり、前2方向にしか進めず後退などが出来ない。主に攻撃を担う駒である。ただし、初期位置にいる場合しばしば防御の要の駒にもなりうる。持ち駒になると他の駒を飛び越せるという性格を活かして、囲いを崩さず敵玉を詰みにしたり効果的な活用がなされる。 桂馬は成駒になると、金将と同じになり6方向に進めるようになるものの、特徴のある動きが無くなり、他の駒を飛び越えることも出来なくなる。このため成、不成は後の戦局にも影響が大きく、判断が難しい。本将棋では成れる駒のうち、生駒と成駒とで共通する動きを持たない唯一の駒でもある。ただし行き所のない駒は禁じ手なので、桂馬の不成を選択できるのは敵陣三段目に限られる(初期位置から移動した場合必ず敵陣三段目に移動する)。一段目(敵陣のもっとも奥)及び二段目に桂馬を打つことはできず、一段目及び二段目に盤上の桂馬を進めた場合は必ず成らなければならない。特に敵陣二段目に打てない(盤上の駒を進めた場合も成らなければならない)のは本将棋ではこの桂馬が唯一である。また、桂馬により王手がされた場合は、飛車(竜王)・角行(竜馬)・香車による離れた場所からの王手とは異なり、合駒により王手を回避することができない。このため、(特に詰将棋において)1枚で玉将を詰ませるといった場面も見られる。 桂馬は歴史的にはチャトランガの馬に相当する駒である。海外の将棋系ゲームでは日本将棋の桂馬に相当する位置に、チャトランガの馬に相当する駒が配置されている。チェスではナイト、シャンチーでは馬・傌、チャンギでは馬、マークルックではマー(馬)が将棋の桂馬およびチャトランガの馬に相当する駒である。しかしチェスからマークルックまでいずれも八方桂の動きとなっており(シャンチーやチャンギではそれぞれ塞馬脚、ミョクと呼ばれる制限がある)、日本将棋の桂馬のみが前2方向のみの動きである。日本将棋の当初の桂馬の動きも、チャトランガの馬が八方桂だったことから、チェスやシャンチー(中国象棋)などと同様に八方桂だったのではないかという説がある。しかし平安将棋では既に前2方向の動きだったと考えられており、チャトランガの馬が前2方向の動きだったのがそのまま将棋の桂馬の動きとなり、チェスやシャンチーなどが変遷を遂げる過程で動きが強化されたという説もある。 桂馬の駒字の表現としては、「桂」の「木」へんは右側が略されて、つくりの「圭」は中央が縦一本につながっているものが多いが、巻菱湖では「木」へんの右側が略されず、鵞堂では「圭」の縦画はつながっていないなどの例外もある。また「馬」の4つの点はそのまま表現されることが多いが、それが一本の棒になっている書体も数は少ないが関根名人書などに見られる。成桂の「金」の崩し文字の表現は、将棋以外の分野での古文書では少ない表現である。 本将棋における桂馬には次のような格言がある。 桂(けい)と略す。桂馬の成駒を成桂(なりけい)という。成桂の英語名称はpromoted knightで略号は+N。将棋駒の活字がない環境で、一字表記を行う場合はしばしば「圭」と表示される。また、桂馬の駒の裏に彫られている字は「金」を崩した文字である(成ると金将と同じ動きになるため)。 成ると金将。成っていない状態では盤面の一部のマス目にしか到達できない。 大将棋では、仮に不成のまま敵陣1段目まで進んだ場合は行き所のない駒となる。 摩訶大大将棋・泰将棋では、成るのは敵駒を取った場合のみなので、成っていない状態で盤の奥から2段目(初期配置から移動して2段目に到達することはあっても最も奥の段に到達することはない)まで進むと、完全に行き所のない駒になってしまう。 成ると横兵。成っていない状態では盤面の一部のマス目にしか到達できない。仮に不成のまま天竺大将棋では敵陣2段目、大局将棋では敵陣1段目(それぞれ初期配置から不成のまま移動を続けると最終的に必ずその段に到達する)まで進んだ場合は行き所のない駒となる。 斜めに飛ぶ特徴的な動きが、他のボードゲーム、コンピュータゲームでも用語として使われることがある。しばしば「桂馬飛び」とも。例えば、囲碁でちょうど桂馬の移動のように、相手の石から縦2目、横1目(または縦1目、横2目)離れたところに石を打つことを「ケイマ」「ケイマガカリ」とよぶ。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "桂馬(けいま)は、将棋の駒の種類の一つ。 本将棋・平安将棋・平安大将棋・小将棋・大将棋・天竺大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋・大局将棋に存在する。英語ではチェスのナイトに当たるknightと訳され、略号はN(knight)。", "title": null }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "通称は「桂」。駒の名は平安時代当時の貴重品である香料の一種「肉桂」から由来する。本将棋では全ての駒の中で唯一他の駒を飛び越えて敵陣へ進撃できる反面、チェスのナイトと異なり、前2方向にしか進めず後退などが出来ない。主に攻撃を担う駒である。ただし、初期位置にいる場合しばしば防御の要の駒にもなりうる。持ち駒になると他の駒を飛び越せるという性格を活かして、囲いを崩さず敵玉を詰みにしたり効果的な活用がなされる。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "桂馬は成駒になると、金将と同じになり6方向に進めるようになるものの、特徴のある動きが無くなり、他の駒を飛び越えることも出来なくなる。このため成、不成は後の戦局にも影響が大きく、判断が難しい。本将棋では成れる駒のうち、生駒と成駒とで共通する動きを持たない唯一の駒でもある。ただし行き所のない駒は禁じ手なので、桂馬の不成を選択できるのは敵陣三段目に限られる(初期位置から移動した場合必ず敵陣三段目に移動する)。一段目(敵陣のもっとも奥)及び二段目に桂馬を打つことはできず、一段目及び二段目に盤上の桂馬を進めた場合は必ず成らなければならない。特に敵陣二段目に打てない(盤上の駒を進めた場合も成らなければならない)のは本将棋ではこの桂馬が唯一である。また、桂馬により王手がされた場合は、飛車(竜王)・角行(竜馬)・香車による離れた場所からの王手とは異なり、合駒により王手を回避することができない。このため、(特に詰将棋において)1枚で玉将を詰ませるといった場面も見られる。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "桂馬は歴史的にはチャトランガの馬に相当する駒である。海外の将棋系ゲームでは日本将棋の桂馬に相当する位置に、チャトランガの馬に相当する駒が配置されている。チェスではナイト、シャンチーでは馬・傌、チャンギでは馬、マークルックではマー(馬)が将棋の桂馬およびチャトランガの馬に相当する駒である。しかしチェスからマークルックまでいずれも八方桂の動きとなっており(シャンチーやチャンギではそれぞれ塞馬脚、ミョクと呼ばれる制限がある)、日本将棋の桂馬のみが前2方向のみの動きである。日本将棋の当初の桂馬の動きも、チャトランガの馬が八方桂だったことから、チェスやシャンチー(中国象棋)などと同様に八方桂だったのではないかという説がある。しかし平安将棋では既に前2方向の動きだったと考えられており、チャトランガの馬が前2方向の動きだったのがそのまま将棋の桂馬の動きとなり、チェスやシャンチーなどが変遷を遂げる過程で動きが強化されたという説もある。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "桂馬の駒字の表現としては、「桂」の「木」へんは右側が略されて、つくりの「圭」は中央が縦一本につながっているものが多いが、巻菱湖では「木」へんの右側が略されず、鵞堂では「圭」の縦画はつながっていないなどの例外もある。また「馬」の4つの点はそのまま表現されることが多いが、それが一本の棒になっている書体も数は少ないが関根名人書などに見られる。成桂の「金」の崩し文字の表現は、将棋以外の分野での古文書では少ない表現である。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "本将棋における桂馬には次のような格言がある。", "title": "格言" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "桂(けい)と略す。桂馬の成駒を成桂(なりけい)という。成桂の英語名称はpromoted knightで略号は+N。将棋駒の活字がない環境で、一字表記を行う場合はしばしば「圭」と表示される。また、桂馬の駒の裏に彫られている字は「金」を崩した文字である(成ると金将と同じ動きになるため)。", "title": "本将棋・小将棋" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "", "title": "駒の動き" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "成ると金将。成っていない状態では盤面の一部のマス目にしか到達できない。", "title": "駒の動き" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "大将棋では、仮に不成のまま敵陣1段目まで進んだ場合は行き所のない駒となる。", "title": "駒の動き" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "摩訶大大将棋・泰将棋では、成るのは敵駒を取った場合のみなので、成っていない状態で盤の奥から2段目(初期配置から移動して2段目に到達することはあっても最も奥の段に到達することはない)まで進むと、完全に行き所のない駒になってしまう。", "title": "駒の動き" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "成ると横兵。成っていない状態では盤面の一部のマス目にしか到達できない。仮に不成のまま天竺大将棋では敵陣2段目、大局将棋では敵陣1段目(それぞれ初期配置から不成のまま移動を続けると最終的に必ずその段に到達する)まで進んだ場合は行き所のない駒となる。", "title": "駒の動き" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "斜めに飛ぶ特徴的な動きが、他のボードゲーム、コンピュータゲームでも用語として使われることがある。しばしば「桂馬飛び」とも。例えば、囲碁でちょうど桂馬の移動のように、相手の石から縦2目、横1目(または縦1目、横2目)離れたところに石を打つことを「ケイマ」「ケイマガカリ」とよぶ。", "title": "ゲーム一般" } ]
桂馬(けいま)は、将棋の駒の種類の一つ。 本将棋・平安将棋・平安大将棋・小将棋・大将棋・天竺大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋・大局将棋に存在する。英語ではチェスのナイトに当たるknightと訳され、略号はN(knight)。
{{複数の問題 | 出典の明記 = 2018年2月 | 脚注の不足 = 2018年2月 }} '''桂馬'''(けいま)は、[[将棋]]の[[駒 (将棋)|駒]]の種類の一つ。 [[本将棋]]・[[平安将棋]]・[[平安大将棋]]・[[小将棋]]・[[大将棋]]・[[天竺大将棋]]・[[摩訶大大将棋]]・[[泰将棋]]・[[大局将棋]]に存在する。[[英語]]では[[チェス]]の[[ナイト (チェス)|ナイト]]に当たるknightと訳され、略号はN(k'''n'''ight)。 == 概要 == 通称は「桂」。駒の名は[[平安時代]]当時の貴重品である香料の一種「[[シナモン|肉桂]]」から由来する。本将棋では全ての駒の中で唯一他の駒を飛び越えて敵陣へ進撃できる反面、チェスのナイトと異なり、前2方向にしか進めず後退などが出来ない。主に攻撃を担う駒である。ただし、初期位置にいる場合しばしば防御の要の駒にもなりうる。持ち駒になると他の駒を飛び越せるという性格を活かして、囲いを崩さず敵玉を[[詰み]]にしたり効果的な活用がなされる。 桂馬は成駒になると、[[金将]]と同じになり6方向に進めるようになるものの、特徴のある動きが無くなり、他の駒を飛び越えることも出来なくなる。このため成、不成は後の戦局にも影響が大きく、判断が難しい。本将棋では成れる駒のうち、生駒と成駒とで共通する動きを持たない唯一の駒でもある。ただし[[行き所のない駒]]は禁じ手なので、桂馬の不成を選択できるのは敵陣三段目に限られる(初期位置から移動した場合必ず敵陣三段目に移動する)。一段目(敵陣のもっとも奥)及び二段目に桂馬を打つことはできず、一段目及び二段目に盤上の桂馬を進めた場合は必ず成らなければならない。特に敵陣二段目に打てない(盤上の駒を進めた場合も成らなければならない)のは本将棋ではこの桂馬が唯一である。また、桂馬により王手がされた場合は、[[飛車]]([[竜王 (将棋の駒)|竜王]])・[[角行]]([[竜馬]])・[[香車]]による離れた場所からの王手とは異なり、[[合駒]]により王手を回避することができない。このため、(特に詰将棋において)1枚で[[玉将]]を詰ませるといった場面も見られる。 桂馬は歴史的には[[チャトランガ]]の馬に相当する駒である。海外の将棋系ゲームでは日本将棋の桂馬に相当する位置に、チャトランガの馬に相当する駒が配置されている。[[チェス]]ではナイト、[[シャンチー]]では[[馬 (シャンチー)|馬・傌]]、[[チャンギ]]では[[馬 (チャンギ)|馬]]、[[マークルック]]ではマー(馬)が将棋の桂馬およびチャトランガの馬に相当する駒である。しかしチェスからマークルックまでいずれも[[八方桂]]の動きとなっており(シャンチーやチャンギではそれぞれ[[塞馬脚]]、ミョクと呼ばれる制限がある)、日本将棋の桂馬のみが前2方向のみの動きである。日本将棋の当初の桂馬の動きも、チャトランガの馬が八方桂だったことから、チェスやシャンチー(中国象棋)などと同様に八方桂だったのではないかという説がある。しかし[[平安将棋]]では既に前2方向の動きだったと考えられており、チャトランガの馬が前2方向の動きだったのがそのまま将棋の桂馬の動きとなり、チェスやシャンチーなどが変遷を遂げる過程で動きが強化されたという説もある。 桂馬の駒字の表現としては、「桂」の「木」へんは右側が略されて、つくりの「圭」は中央が縦一本につながっているものが多いが、巻菱湖では「木」へんの右側が略されず、鵞堂では「圭」の縦画はつながっていないなどの例外もある。また「馬」の4つの点はそのまま表現されることが多いが、それが一本の棒になっている書体も数は少ないが関根名人書などに見られる。成桂の「金」の崩し文字の表現は、将棋以外の分野での古文書では少ない表現である。 ==格言== 本将棋における桂馬には次のような格言がある。 * 桂の高跳び歩の餌食 - 他の駒を飛び越えられる桂馬は敵陣に進入させやすいのだが、まっすぐ前には進めず後戻りもできないので、不用意に進撃させると歩で簡単に取られてしまうため、それを戒めた格言である。 *桂の王手に合駒効かず - 桂馬は他の駒を飛び越えられるために王手をされると合駒は効かない。そのため取るか玉を逃がすしかない。 * 桂の不成に好手あり - 桂馬が成ると他の駒を飛び越えられなくなるので、元の動きを生かして不成で使うと好手となる場合がある。 * 桂は控えて打て * 桂は銀で受けよ。「桂頭の銀、これ定跡なり」とも。桂の頭に銀を打てば、銀の斜め後ろに動ける性格上、桂が跳ねた後にとることができる。 * 三桂あって詰まぬことなし - 桂馬は間接的に王手を掛けることができ、また逃げ場所によっては更に跳ねて王手をかけられることから、下に追い詰めた場合は相手を詰ませやすいという格言。 * 桂頭の玉寄せにくし - 桂馬は王を追いやすい駒である一方、桂の頭に逃げられると、銀や角でしか紐を付けた王手ができないほか、今度はその桂が他の駒を打つ邪魔をすることが多いため。 *ふんどしの桂 - 「ふんどしをかける」とも。桂による駒の両取りのこと。3つの駒の位置関係が越中ふんどしのような丁字になることから。チェスの「ナイトのフォーク」と同義。 == 本将棋・小将棋 == [[画像:Shogi knight.jpg|90px|thumb|駒の表面]][[画像:Shogi knight p.jpg|90px|thumb|駒の裏面(成桂、金の崩し文字)]] '''桂'''(けい)と略す。桂馬の[[成駒]]を'''成桂'''(なりけい)という。成桂の英語名称はpromoted knightで略号は+N。将棋駒の活字がない環境で、一字表記を行う場合はしばしば「圭」と表示される。また、桂馬の駒の裏に彫られている字は「金」を崩した文字である(成ると金将と同じ動きになるため)。 ==駒の動き== {{将棋の駒の動きの凡例}} ===本将棋・小将棋=== {| class="wikitable" border="1" |- !元の駒 ! colspan="2"|動き !成駒 ! colspan="2"|動き |- |桂馬(けいま) | {|border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" style="text-align:center;" |-style="height:1em;border:0px;" |☆||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||☆ |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||'''桂'''||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |} ||前へ2、横へ1の位置に移動できる。 その際、駒を飛び越えることができる。 |成桂(なりけい) | {{将棋の駒の動き(金将3x3)|koma='''圭'''}} |金と同じ。縦横と斜め前に1マス動ける。 |} === 大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋・平安将棋・平安大将棋 === 成ると[[金将]]。成っていない状態では盤面の一部のマス目にしか到達できない。 大将棋では、仮に不成のまま敵陣1段目まで進んだ場合は[[行き所のない駒]]となる。 摩訶大大将棋・泰将棋では、成るのは敵駒を取った場合のみなので、成っていない状態で盤の奥から2段目(初期配置から移動して2段目に到達することはあっても最も奥の段に到達することはない)まで進むと、完全に行き所のない駒になってしまう。 {| class="wikitable" border="1" |- !元の駒 ! colspan="2"|動き !成駒 ! colspan="2"|動き |- |桂馬(けいま) | {|border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" style="text-align:center;" |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||☆||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||☆||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||'''桂<br/>馬'''||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp; |} ||前へ2、横へ1の位置に移動できる。 その際、駒を飛び越えることができる。 |金将(きんしょう) | {{将棋の駒の動き(金将5x5)}} |縦横と斜め前に1マス動ける。 |} === 天竺大将棋・大局将棋 === 成ると[[横兵]]。成っていない状態では盤面の一部のマス目にしか到達できない。仮に不成のまま天竺大将棋では敵陣2段目、大局将棋では敵陣1段目(それぞれ初期配置から不成のまま移動を続けると最終的に必ずその段に到達する)まで進んだ場合は[[行き所のない駒]]となる。 {| class="wikitable" border="1" |- !元の駒 ! colspan="2"|動き !成駒 ! colspan="2"|動き |- |桂馬(けいま) | {|border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" style="text-align:center;" |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||☆||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||☆||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||'''桂<br/>馬'''||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |} |前へ2、横へ1の位置に移動できる。 その際、駒を飛び越えることができる。 |横兵(おうへい) | {|border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" style="text-align:center;" |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||○||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||○||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#DFD"|─||style="background-color:#DFD"|─||'''横<br/>兵'''||style="background-color:#DFD"|─||style="background-color:#DFD"|─ |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||○||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |} |横に何マスでも動け、前方に2マス、後方に1マス動ける。飛び越えては行けない。 |} == ゲーム一般 == 斜めに飛ぶ特徴的な動きが、他の[[ボードゲーム]]、[[コンピュータゲーム]]でも用語として使われることがある。しばしば「桂馬飛び」とも。例えば、[[囲碁]]でちょうど桂馬の移動のように、相手の石から縦2目、横1目(または縦1目、横2目)離れたところに石を打つことを「[[ケイマ]]」「ケイマガカリ」とよぶ。 == 参考文献 == * [[梅林勲]]・[[岡野伸]]共著『改訂版 世界の将棋・古代から現代まで』([[将棋天国社]]、2000年) == 関連項目 == * [[将棋類の一覧]] * [[将棋類の駒の一覧]] * [[八方桂]] * [[ケイマ]] {{本将棋の駒}} {{大将棋の駒}} {{大大将棋の駒}} {{摩訶大大将棋の駒}} {{大局将棋の駒}} {{将棋}} {{DEFAULTSORT:けいま}} [[Category:将棋の駒]]
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フェリ磁性
フェリ磁性(フェリじせい、英語: ferrimagnetism)は、結晶中に逆方向やほぼ逆方向の磁気モーメントを持つ2種類以上の磁性イオンが存在し、互いの磁気モーメントの大きさが異なるために全体として非零の磁化を持つ磁性のことである。 強磁性や反強磁性と同様に転移温度で常磁性になるが、低温側の転移温度までの温度と磁化の関係(M-T曲線)は非常に複雑である。2種類の磁性イオンでネール温度(英: Néel temperature)が異なるとフェリ磁性を持つ物質は温度に対して複雑な挙動を示すことがある。強度のより高い方の磁性イオンのネール温度がもう一方より低いと、温度上昇によって磁気分極が消失してしまい、さらに温度の上昇によって磁気分極が反転する現象が起きる。 また、希土類原子(R)と遷移金属原子(TM)からなるフェリ磁性化合物の粉体に強力な磁場をかけると化合物の磁化の強さが2段階に変化する。これは、一方の磁気分極の方向が強力な外部磁界によって回転し、最終的にはもう一方の磁気分極方向とそろうことで起きる現象だと理解される。 フェリ磁性を持つ物質の代表は、マグネタイト(Fe3O4)のようなフェライトと呼ばれるFe系の磁性材料である。 希土類-遷移金属間合金にもフェリ磁性を持つ物質がある。 フェリ磁性は1948年、ルイ・ネール(Louis Eugène Félix Néel、1904年 - 2000年)によって発見された。当時はフェライト(FeO·Fe2O3)の磁性のみに使われた言葉だが、現在は反平行等のスピンを持つ化合物全般に用いられる。
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フェリ磁性は、結晶中に逆方向やほぼ逆方向の磁気モーメントを持つ2種類以上の磁性イオンが存在し、互いの磁気モーメントの大きさが異なるために全体として非零の磁化を持つ磁性のことである。
{{出典の明記|date=2016年12月}} [[File:Ferrimagnetic ordering 01.PNG|thumb|200px|'''フェリ磁性'''<br>結晶中の微小なレベルでみれば、スピンの向きを正反対な2つの副格子が弱め合うが、強度が異なるためその差がマクロな磁性となってあらわれる。]] [[File:Ferrimagnetic ordering 02.PNG|thumb|200px|スピンの向きが正反対ではない2つの副格子の場合もフェリ磁性をあらわす。]] [[File:フェリ磁性化合物の強磁性場中の磁化曲線特性.PNG|thumb|200px|フェリ磁性化合物の強磁性場中の磁化曲線特性]] '''フェリ磁性'''(フェリじせい、{{Lang-en|ferrimagnetism}})は、[[結晶]]中に逆方向やほぼ逆方向の磁気モーメントを持つ2種類以上の[[磁性イオン]]が存在し、互いの磁気モーメントの大きさが異なるために全体として非零の[[磁化]]を持つ[[磁性]]のことである。 == 性質 == [[強磁性]]や[[反強磁性]]と同様に[[転移温度]]で[[常磁性]]になるが、低温側の転移温度までの温度と磁化の関係(M-T曲線)は非常に複雑である。2種類の磁性イオンで[[ネール温度]]({{lang-en-short|[[:en:Néel temperature|Néel temperature]]}})が異なるとフェリ磁性を持つ物質は温度に対して複雑な挙動を示すことがある。強度のより高い方の磁性イオンのネール温度がもう一方より低いと、温度上昇によって磁気分極が消失してしまい、さらに温度の上昇によって磁気分極が反転する現象が起きる。 また、[[希土類]]原子(R)と[[遷移金属]]原子(TM)からなるフェリ磁性化合物の[[粉体]]に強力な[[磁場]]をかけると化合物の磁化の強さが2段階に変化する。これは、一方の磁気分極の方向が強力な外部磁界によって回転し、最終的にはもう一方の磁気分極方向とそろうことで起きる現象だと理解される。 == 物質 == フェリ磁性を持つ物質の代表は、[[マグネタイト]](Fe<sub>3</sub>O<sub>4</sub>)のような[[フェライト (磁性材料)|フェライト]]と呼ばれるFe系の[[磁性材料]]である。 希土類-遷移金属間合金にもフェリ磁性を持つ物質がある。 == 歴史 == フェリ磁性は[[1948年]]、[[ルイ・ネール]](Louis Eugène Félix Néel、1904年 - 2000年)によって発見された。当時はフェライト(FeO&middot;Fe<sub>2</sub>O<sub>3</sub>)の磁性のみに使われた言葉だが、現在は反平行等のスピンを持つ化合物全般に用いられる。 == 関連項目 == * [[磁性]] * [[常磁性]] * [[強磁性]] * [[反強磁性]] {{磁性}} {{Condensed matter physics topics}} {{DEFAULTSORT:ふえりしせい}} [[Category:磁気]] [[Category:光磁気ディスク]]
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13,103
燃焼
燃焼(ねんしょう)とは、燃料(可燃物)と支燃物(典型例は空気中の酸素分子)とが激しく化学反応する酸化還元反応である。光や熱の発生を伴う。 燃焼に必要な支燃物は、空気中の燃焼であれば主に酸素分子がその役割を果たすが、適切な酸化剤と還元剤の組み合わせ(火薬類など)が存在する場合は、酸素分子の供給が無くても燃焼は起こる。 燃焼反応の開始には、熱エネルギーによる高温発生も必要とする。 燃料の酸化反応は通常は発熱反応として進行し、反応開始後は必要な熱エネルギーを継続的に得ることができる状態となる。 狭義には可燃物と酸素分子との反応のみを燃焼と定義する場合もあるが、この場合、上述の酸素分子の供給がなくとも進行する火薬の燃焼などは含まれないことになる。 より広義には、燃料の構成元素と酸素原子との化合以外に、酸素の代わりとして塩素やフッ素などと反応する酸化反応も含める場合もある。 また、生体内で起こる穏やかな酸化反応(ブドウ糖が酸化されて水と二酸化炭素になる反応など)に対して比喩的に燃焼という表現が使われる場合もあるが、定義的に区別されるものである。 火は燃焼現象(特に発光を伴う場合)を指す一般的な名称である。特に気体の燃焼現象は炎または火炎と呼ばれる。 燃焼には炎を有する有炎燃焼と有しない無炎燃焼(燻焼)がある。固体・液体物質がそのままで(気体へ変質せずに)燃焼すると無炎となる。線香の火やタバコの火は無炎燃焼の例である。木炭の燃焼も基本的に無炎燃焼だが、表面付近で生成された一酸化炭素が燃焼する際は炎を生じる。 爆燃や爆轟は爆発を伴う燃焼のことであり、反応速度が音速以下の場合が爆燃、反応速度が音速を超え衝撃波を伴う場合が爆轟と定義される。非常に大きなエネルギーを持つことから、土木工事や鉱業、兵器に利用され、また事故の原因ともなる。 燃焼に必要な要素として、次の3要素が挙げられる。したがって、いずれか1つを除去すれば、消火することができる。ただし、酸素については上述の通り可燃物そのものに含まれる場合は外部からの供給を必要としない。また、支燃性物質、酸化剤としては酸素に限らない場合もある。 完全燃焼の要素として、次の3つの「T」が挙げられる。 燃焼の化学反応機構は100以上の素反応を経るためかなり複雑である。各素反応は、開始反応、連鎖分岐反応、置換反応、停止反応の4つに分類される。 水素ガス(H2)の燃焼が最も単純なため(理由は、反応には水素と酸素の2種類の元素のみが関わるため)、まず水素の燃焼機構について記す。 このうち、結合エネルギーから、水素分子の開裂のほうが起こりやすい。 高等学校までの化学の授業では、水素ガスが燃焼する反応は、単に と習うのであるが、これは反応前と反応後の物質収支を述べたに過ぎず、実際には上記のように複雑な過程を経て最終的には停止反応により反応が終息する。 また、燃焼がいったん開始すると継続して行われ、悪条件により暴走すると爆発(爆燃または爆轟)に至るのは、ラジカルが急速(等比級数的に)に増加する連鎖分岐反応を経るからである。 物質が燃焼すると、残った物質が軽くなる場合と重くなる場合とがある。 大気中に含まれる酸素と燃える物質とが結びついて気体となれば燃える物質の分だけ軽くなる。 大気中に含まれる酸素と燃える物質とが結びついても固体のままであれば酸素の分だけ重くなる。
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燃焼(ねんしょう)とは、燃料(可燃物)と支燃物(典型例は空気中の酸素分子)とが激しく化学反応する酸化還元反応である。光や熱の発生を伴う。 燃焼に必要な支燃物は、空気中の燃焼であれば主に酸素分子がその役割を果たすが、適切な酸化剤と還元剤の組み合わせ(火薬類など)が存在する場合は、酸素分子の供給が無くても燃焼は起こる。 燃焼反応の開始には、熱エネルギーによる高温発生も必要とする。 燃料の酸化反応は通常は発熱反応として進行し、反応開始後は必要な熱エネルギーを継続的に得ることができる状態となる。 狭義には可燃物と酸素分子との反応のみを燃焼と定義する場合もあるが、この場合、上述の酸素分子の供給がなくとも進行する火薬の燃焼などは含まれないことになる。 より広義には、燃料の構成元素と酸素原子との化合以外に、酸素の代わりとして塩素やフッ素などと反応する酸化反応も含める場合もある。 また、生体内で起こる穏やかな酸化反応(ブドウ糖が酸化されて水と二酸化炭素になる反応など)に対して比喩的に燃焼という表現が使われる場合もあるが、定義的に区別されるものである。 火は燃焼現象(特に発光を伴う場合)を指す一般的な名称である。特に気体の燃焼現象は炎または火炎と呼ばれる。 燃焼には炎を有する有炎燃焼と有しない無炎燃焼(燻焼)がある。固体・液体物質がそのままで(気体へ変質せずに)燃焼すると無炎となる。線香の火やタバコの火は無炎燃焼の例である。木炭の燃焼も基本的に無炎燃焼だが、表面付近で生成された一酸化炭素が燃焼する際は炎を生じる。 爆燃や爆轟は爆発を伴う燃焼のことであり、反応速度が音速以下の場合が爆燃、反応速度が音速を超え衝撃波を伴う場合が爆轟と定義される。非常に大きなエネルギーを持つことから、土木工事や鉱業、兵器に利用され、また事故の原因ともなる。
{{出典の明記|date=2011年6月}} [[Image:Flamme.jpg|thumb|right|200px|気体分子の燃焼による炎]] '''燃焼'''(ねんしょう)とは、[[燃料]]([[可燃物]])と[[助燃性|支燃物]](典型例は空気中の[[酸素]]分子)とが激しく[[化学反応]]する[[酸化還元反応]]である。光や熱の発生を伴う。 燃焼に必要な支燃物は、[[空気]]中の燃焼であれば主に酸素分子がその役割を果たすが、適切な[[酸化剤]]と[[還元剤]]の組み合わせ([[火薬]]類など)が存在する場合は、酸素分子の供給が無くても燃焼は起こる<ref>松永猛裕「花火の原理・安全・データベース」『日本燃焼学会誌』2018年 第60巻193号、p.173~180</ref>。 燃焼反応の開始には、[[熱エネルギー]]による高温発生も必要とする。 燃料の酸化反応は通常は[[発熱反応]]として進行し、反応開始後は必要な熱エネルギーを継続的に得ることができる状態となる。 狭義には可燃物と酸素分子との反応のみを燃焼と定義する場合もあるが、この場合、上述の酸素分子の供給がなくとも進行する火薬の燃焼などは含まれないことになる。 より広義には、燃料の構成元素と酸素原子との化合以外に、酸素の代わりとして[[塩素]]や[[フッ素]]などと反応する酸化反応も含める場合もある<ref>Donald Jones, Myron Kaufman "Combustion of hydrocarbons in purified fluorine" Combustion and Flame, 1987, 67(3), p.217~221</ref>。 また、[[生体]]内で起こる穏やかな酸化反応([[ブドウ糖]]が酸化されて[[水]]と[[二酸化炭素]]になる反応など)に対して比喩的に燃焼という表現が使われる場合もあるが、定義的に区別されるものである<ref>Alexander Johnson, Julian Lewis, Martin Raff,Keith Roberts, Peter Walter 共著『細胞の分子生物学-第5版-』中村桂子, 松原謙一 監訳、Newton Press、2010年2月、p.820、ISBN 978-4-315-51867-2</ref>。 '''[[火]]'''は燃焼現象(特に[[発光]]を伴う場合)を指す一般的な名称である。特に[[気体]]の燃焼現象は'''[[炎]]'''または'''火炎'''と呼ばれる。 燃焼には炎を有する'''有炎燃焼'''と有しない'''無炎燃焼'''(燻焼)がある。固体・液体物質がそのままで(気体へ変質せずに)燃焼すると無炎となる。[[線香]]の火や[[タバコ]]の火は無炎燃焼の例である。[[木炭]]の燃焼も基本的に無炎燃焼だが、表面付近で生成された一酸化炭素が燃焼する際は炎を生じる。 [[爆燃]]や[[爆轟]]は[[爆発]]を伴う燃焼のことであり、反応速度が[[音速]]以下の場合が爆燃、反応速度が音速を超え[[衝撃波]]を伴う場合が爆轟と定義される。非常に大きなエネルギーを持つことから、土木工事や鉱業、兵器に利用され、また事故の原因ともなる。 == 燃焼の3要素 == [[File:Fire triangle.svg|thumb|燃焼の3要素(酸素:Oxygen、可燃物:Fuel、熱:heat)。別名:{{ill2|火の三角形|en|Fire triangle}}]] 燃焼に必要な要素として、次の3要素が挙げられる<ref>化学工学会SCE・Net、2011年『熱とエネルギーを科学する』東京電機大学、ISBN 9784501419004、47ページ目。</ref>。したがって、いずれか1つを除去すれば、消火することができる。ただし、酸素については上述の通り可燃物そのものに含まれる場合は外部からの供給を必要としない。また、支燃性物質、酸化剤としては酸素に限らない場合もある。 # 可燃性物質 # 酸素 # 発火点以上の温度 == 燃焼の3T == 完全燃焼の要素として、次の3つの「T」が挙げられる<ref>Miyoshi, Y.、2000年「Selection guide of incinerator on medical organizations」『臨床病理』2000年5月、補冊112、53~63ページ、{{PMID|10901046}}。</ref>。 # 燃焼温度(Temperature) # 滞留時間(Time) # 空気との混合状態(Turbulance) == 燃焼の種類 == === 気体燃焼 === * [[拡散燃焼]] - 燃料と酸化剤が別々に供給される燃焼。 * [[予混合燃焼]] - 燃料と酸化剤が予め混合される燃焼。 === 液体燃焼 === * [[蒸発燃焼]] - 液面から燃料が[[蒸発]]して燃焼すること。 * 灯芯燃焼 - 芯を用いて燃料を吸い上げて燃焼する。 === 固体燃料 === * [[分解燃焼]] - 物が加熱によって可燃性ガス、または酸素を発生し燃焼すること。 * 蒸発燃焼 * [[表面燃焼]] * イブリ燃焼 - 燻り燃焼。通気が悪い、酸素が薄いなどの原因があり、[[不完全燃焼]]する。酸素が供給されれば一気に燃え上がる([[バックドラフト]])。 * [[触媒燃焼]] - [[白金]](プラチナ)等を[[触媒]]とした燃焼。 == 燃焼機器 == * [[バーナー]] - [[気体]]・[[液体]]・[[粉体]]を空気などと混合して燃焼させる機器。 * 火格子燃焼 - 格子の上に[[固体]]の固定層を作り燃焼させる。 * ストーカー燃焼(移動火格子) - 固体を移動する火格子の上で燃焼させる。 * 流動床燃焼 - 空気などで流動させた高温の[[ケイ砂]]などに固体を接触させ燃焼させる。 == 反応機構 == 燃焼の化学反応機構は100以上の[[素反応]]を経るためかなり複雑である。各素反応は、開始反応、連鎖分岐反応、置換反応、停止反応の4つに分類される。 === 水素ガスの場合 === [[水素]]ガス(H<sub>2</sub>)の燃焼が最も単純なため(理由は、反応には水素と[[酸素]]の2種類の元素のみが関わるため)、まず水素の燃焼機構について記す。<br /> ; [[開始反応]] H<sub>2</sub> + M → H + H + M (水素分子の[[解離 (化学)|開裂]]) O<sub>2</sub> + M → O + O + M (酸素分子の開裂) このうち、[[結合エネルギー]]から、水素分子の開裂のほうが起こりやすい。 ; [[連鎖分岐反応]]([[ラジカル (化学)|ラジカル]]の数が増える反応で、開始反応以外のもの) O<sub>2</sub> + H → OH + O H<sub>2</sub> + O → OH + H O<sub>2</sub> + OH → HO<sub>2</sub> + O ; [[置換反応]](ラジカルの個数は変わらず、種類が変わるもの) H<sub>2</sub> + OH → H<sub>2</sub>O + H H<sub>2</sub> + HO<sub>2</sub> → H<sub>2</sub>O + OH ; [[停止反応]](ラジカルの数が減少するもの) H + OH + M → H<sub>2</sub>O + M H + H + M → H<sub>2</sub> + M O + O + M → O<sub>2</sub> + M [[高等学校]]までの[[化学]]の[[授業]]では、水素ガスが燃焼する反応は、単に 2H<sub>2</sub> + O<sub>2</sub> → 2H<sub>2</sub>O と習うのであるが、これは反応前と反応後の[[物質収支]]を述べたに過ぎず、実際には上記のように複雑な過程を経て最終的には停止反応により反応が終息する。 また、燃焼がいったん開始すると継続して行われ、悪条件により[[暴走]]すると[[爆発]]([[爆燃]]または[[爆轟]])に至るのは、ラジカルが急速([[等比級数]]的に)に増加する連鎖分岐反応を経るからである。 <ref group="注">燃焼の化学反応機構を研究する分野では、慣習上例えば水素[[ラジカル (化学)|ラジカル]]2個を表現する場合、"2H"とは書かず、"H + H"のように表記する。また、'''M'''はここでは任意の化学種である(エネルギーだけを与えたり、持ち去ったりするもの。反応の前後で化学変化をしない)。</ref> == 燃焼後の軽重 == 物質が燃焼すると、残った物質が軽くなる場合と重くなる場合とがある。 === 軽くなる場合 === 大気中に含まれる酸素と燃える物質とが結びついて気体となれば燃える物質の分だけ軽くなる。 ==== 例 ==== C + O<sub>2</sub> → CO<sub>2</sub> H<sub>2</sub> + O → H<sub>2</sub>O === 重くなる場合 === 大気中に含まれる酸素と燃える物質とが結びついても固体のままであれば酸素の分だけ重くなる。 ==== 例 ==== Fe<sub>2</sub> + O<sub>3</sub> → Fe<sub>2</sub>0<sub>3</sub> == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} === 注釈 === {{Notelist2}} === 出典 === {{Reflist}} == 関連項目 == * [[フロギストン説]] * [[酸化]] * [[発熱反応]] * [[燃焼管理]] * [[排気ガス処理]] * [[衝撃波管]] == 外部リンク == * {{EoE|Combustion|Combustion}} {{大気汚染}} {{Normdaten}} {{DEFAULTSORT:ねんしよう}} [[Category:燃焼|*]] [[Category:化学反応]] [[Category:物理化学の現象]] [[Category:火]] [[Category:熱]]
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香車
香車(きょうしゃ)は、将棋の駒の種類の一つ。 本将棋・平安将棋・平安大将棋・小将棋・中将棋・大将棋・天竺大将棋・大局将棋・大大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋に存在する。英語では槍を意味するlanceと訳され、略号はL。 「きょうす」と呼ばれることもある。通称は「香」、俗に「槍」とも言われる。これは、香車の駒の効きが前方に離れたところまで及ぶため、長い突き武器である槍をイメージさせるからであろう。伊藤流の駒の並べ方では「対局前に相手に刃を直接向けるのは失礼」と最後に並べる小駒である。 序盤では積極的に動かす駒ではなく、むしろ初期位置にいるだけで相手の攻めを牽制している駒であり、無暗に動かすと、守りが弱体化する。4枚の香車が一局のうちで全く動かないことも珍しくない。持ち駒となってから本領を発揮することが多く、二歩や打ち歩詰めを回避するときや歩切れのときに歩兵の代用を果たすという面もある。例えば実際、垂れ歩の代用として垂れ香をする手筋もある。持ち駒として打つときは縦の効きで敵の駒の左右への動きを遮断することができるため飛車の代用を果たすときもある(詰将棋で行動範囲を制約するために香車が置かれていることがある)。田楽刺し(両取りと呼ばれる、縦に並んでいる二枚の金駒や大駒などを取れる状態にすること)や玉将の逃げ道を封鎖したり、場合によっては飛車を殺したりできる。 また、香車が関連する格言に次のようなものがある。 この端歩を突くことは、その下段に構えている香車を活用するための準備をせよというものであり、対矢倉戦法の雀刺しや、対穴熊戦法の地下鉄飛車など、初期配置の香車が攻撃に参加する戦法もある。 香車は成駒になると、金将と同じになり、6方向に進めるようになるものの、1手で2マス以上前進することは出来なくなる。このため銀将・桂馬ほど頻繁ではないが、主に敵陣3段目で不成で使うこともある。敵陣2段目での不成もルール上可能であるが、敵陣2段目では香車の動きは成香の動きに完全に含まれる(成香が香車の完全上位互換となる)ので、それが有効になるのは、飛車・角行・歩兵の不成と同様、打ち歩詰めが絡む場合である。行き所のない駒は禁じ手なので、一段目(敵陣のもっとも奥)に香車を打つことはできない。また、一段目に盤上の香車を進めた場合は必ず成らなければならない。 駒の階級と動かし方から、歩兵の上位バージョンとして派生したと思われがちだが、正しくはチャトランガの車に相当する駒と言える。海外の将棋系ゲームでは日本将棋の香車に相当する位置に、チャトランガの車に相当する駒が配置されている。チェスのルーク、シャンチーの車・俥、チャンギの車、マークルックのルア(以上いずれも基本的に将棋の飛車の動き)など、チャトランガ由来のゲームの多くで左右奥隅にチャトランガの車に相当する走り駒が配されている。北宋時代のシャンチーの車は香車と同じ動きであった。 物理的なサイズでは、香車は桂馬に比べると、高さはほぼ同じだが、幅はかなりスリムに作られている。 香(きょう)と略す。香車の成駒を成香(なりきょう)という。成香の英語名称はpromoted lanceで略号は+L。将棋駒の活字がない環境ではしばしば「杏」と表示される。また、香車の駒の裏に彫られている字は「金」を崩した文字である(成ると金将と同じ動きになるため)。 成ると金将。 中将棋の場合、香と略す。成ると白駒。成駒である白駒は香車の完全上位互換なので、実戦では成れる場合は確実に成りが選択されるが、中将棋では敵陣1段目での不成も戦略的意味はないがルール上可能である。ただしその場合は完全に行き所のない駒になってしまう。 成ることはできない。したがって盤の一番奥の列まで進むと、完全に行き所のない駒になってしまう。 理由こそ違うが、本将棋と同じく成ると金将。成るのは敵駒を取った場合のみなので、成っていない状態で盤の一番奥の列まで進むと、完全に行き所のない駒になってしまう。 一直線に進むことから、産道を真っ直ぐ進みすんなり香車のごとく出産できる安産の御利益があるといわれている。輪王寺においては、寺内の観音堂(産の宮、通称香車堂)に多くの香車の駒が安置されている。妊娠した女性は香車堂に詣で安産を祈願し、安置されている香車駒を借りて持ち帰る。そして無事出産した際、新しい香車駒を作って香車堂に詣で奉納し、借りていた香車駒も返納して、安産御礼をする。また産道を真っ直ぐ進み、将来はと金となるようにという思いからの民間信仰ともいう。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "香車(きょうしゃ)は、将棋の駒の種類の一つ。 本将棋・平安将棋・平安大将棋・小将棋・中将棋・大将棋・天竺大将棋・大局将棋・大大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋に存在する。英語では槍を意味するlanceと訳され、略号はL。", "title": null }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "「きょうす」と呼ばれることもある。通称は「香」、俗に「槍」とも言われる。これは、香車の駒の効きが前方に離れたところまで及ぶため、長い突き武器である槍をイメージさせるからであろう。伊藤流の駒の並べ方では「対局前に相手に刃を直接向けるのは失礼」と最後に並べる小駒である。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "序盤では積極的に動かす駒ではなく、むしろ初期位置にいるだけで相手の攻めを牽制している駒であり、無暗に動かすと、守りが弱体化する。4枚の香車が一局のうちで全く動かないことも珍しくない。持ち駒となってから本領を発揮することが多く、二歩や打ち歩詰めを回避するときや歩切れのときに歩兵の代用を果たすという面もある。例えば実際、垂れ歩の代用として垂れ香をする手筋もある。持ち駒として打つときは縦の効きで敵の駒の左右への動きを遮断することができるため飛車の代用を果たすときもある(詰将棋で行動範囲を制約するために香車が置かれていることがある)。田楽刺し(両取りと呼ばれる、縦に並んでいる二枚の金駒や大駒などを取れる状態にすること)や玉将の逃げ道を封鎖したり、場合によっては飛車を殺したりできる。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "また、香車が関連する格言に次のようなものがある。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "この端歩を突くことは、その下段に構えている香車を活用するための準備をせよというものであり、対矢倉戦法の雀刺しや、対穴熊戦法の地下鉄飛車など、初期配置の香車が攻撃に参加する戦法もある。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "香車は成駒になると、金将と同じになり、6方向に進めるようになるものの、1手で2マス以上前進することは出来なくなる。このため銀将・桂馬ほど頻繁ではないが、主に敵陣3段目で不成で使うこともある。敵陣2段目での不成もルール上可能であるが、敵陣2段目では香車の動きは成香の動きに完全に含まれる(成香が香車の完全上位互換となる)ので、それが有効になるのは、飛車・角行・歩兵の不成と同様、打ち歩詰めが絡む場合である。行き所のない駒は禁じ手なので、一段目(敵陣のもっとも奥)に香車を打つことはできない。また、一段目に盤上の香車を進めた場合は必ず成らなければならない。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "駒の階級と動かし方から、歩兵の上位バージョンとして派生したと思われがちだが、正しくはチャトランガの車に相当する駒と言える。海外の将棋系ゲームでは日本将棋の香車に相当する位置に、チャトランガの車に相当する駒が配置されている。チェスのルーク、シャンチーの車・俥、チャンギの車、マークルックのルア(以上いずれも基本的に将棋の飛車の動き)など、チャトランガ由来のゲームの多くで左右奥隅にチャトランガの車に相当する走り駒が配されている。北宋時代のシャンチーの車は香車と同じ動きであった。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "物理的なサイズでは、香車は桂馬に比べると、高さはほぼ同じだが、幅はかなりスリムに作られている。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "香(きょう)と略す。香車の成駒を成香(なりきょう)という。成香の英語名称はpromoted lanceで略号は+L。将棋駒の活字がない環境ではしばしば「杏」と表示される。また、香車の駒の裏に彫られている字は「金」を崩した文字である(成ると金将と同じ動きになるため)。", "title": "本将棋・小将棋" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "", "title": "駒の動き" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "成ると金将。", "title": "駒の動き" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "中将棋の場合、香と略す。成ると白駒。成駒である白駒は香車の完全上位互換なので、実戦では成れる場合は確実に成りが選択されるが、中将棋では敵陣1段目での不成も戦略的意味はないがルール上可能である。ただしその場合は完全に行き所のない駒になってしまう。", "title": "駒の動き" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "成ることはできない。したがって盤の一番奥の列まで進むと、完全に行き所のない駒になってしまう。", "title": "駒の動き" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "理由こそ違うが、本将棋と同じく成ると金将。成るのは敵駒を取った場合のみなので、成っていない状態で盤の一番奥の列まで進むと、完全に行き所のない駒になってしまう。", "title": "駒の動き" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "一直線に進むことから、産道を真っ直ぐ進みすんなり香車のごとく出産できる安産の御利益があるといわれている。輪王寺においては、寺内の観音堂(産の宮、通称香車堂)に多くの香車の駒が安置されている。妊娠した女性は香車堂に詣で安産を祈願し、安置されている香車駒を借りて持ち帰る。そして無事出産した際、新しい香車駒を作って香車堂に詣で奉納し、借りていた香車駒も返納して、安産御礼をする。また産道を真っ直ぐ進み、将来はと金となるようにという思いからの民間信仰ともいう。", "title": "安産祈願" } ]
香車(きょうしゃ)は、将棋の駒の種類の一つ。 本将棋・平安将棋・平安大将棋・小将棋・中将棋・大将棋・天竺大将棋・大局将棋・大大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋に存在する。英語では槍を意味するlanceと訳され、略号はL。
'''香車'''(きょうしゃ)は、[[将棋]]の[[駒 (将棋)|駒]]の種類の一つ。 [[本将棋]]・[[平安将棋]]・[[平安大将棋]]・[[小将棋]]・[[中将棋]]・[[大将棋]]・[[天竺大将棋]]・[[大局将棋]]・[[大大将棋]]・[[摩訶大大将棋]]・[[泰将棋]]に存在する。[[英語]]では槍を意味する[[ランス (槍)|lance]]と訳され、略号はL。 == 概要 == 「きょうす」と呼ばれることもある。通称は「香」、俗に「[[槍]]」とも言われる。これは、香車の駒の効きが前方に離れたところまで及ぶため、長い突き武器である槍をイメージさせるからであろう。[[伊藤流]]の駒の並べ方では「対局前に相手に刃を直接向けるのは失礼」と最後に並べる小駒である。 序盤では積極的に動かす駒ではなく、むしろ初期位置にいるだけで相手の攻めを牽制している駒であり、無暗に動かすと、守りが弱体化する。4枚の香車が一局のうちで全く動かないことも珍しくない。持ち駒となってから本領を発揮することが多く、[[二歩]]や[[打ち歩詰め]]を回避するときや歩切れのときに歩兵の代用を果たすという面もある。例えば実際、垂れ歩の代用として垂れ香をする手筋もある。持ち駒として打つときは縦の効きで敵の駒の左右への動きを遮断することができるため飛車の代用を果たすときもある(詰将棋で行動範囲を制約するために香車が置かれていることがある)。[[田楽]]刺し([[両取り]]と呼ばれる、縦に並んでいる二枚の金駒や大駒などを取れる状態にすること)や[[玉将]]の逃げ道を封鎖したり、場合によっては飛車を殺したりできる。 * 下段の香に力あり…前方であれば何マスでも動けることから、下から打つ方が利きが多くなる。ただし相手の利きや状況によってはあえて近付けて打つ場合もある。 * 歩切れの香は角以上…相手が歩切れのとき香車は大駒並み、またはそれ以上に働くことがある<ref>2016年10月15日『渡辺明の 勝利の格言ジャッジメント』、p.75。</ref>。 また、香車が関連する格言に次のようなものがある。 * 手のない時は端歩を突け この端歩を突くことは、その下段に構えている香車を活用するための準備をせよというものであり、対[[矢倉囲い|矢倉]]戦法の[[雀刺し]]や、対[[穴熊囲い|穴熊]]戦法の[[地下鉄飛車]]など、初期配置の香車が攻撃に参加する戦法もある。 香車は成駒になると、金将と同じになり、6方向に進めるようになるものの、1手で2マス以上前進することは出来なくなる。このため銀将・桂馬ほど頻繁ではないが、主に敵陣3段目で不成で使うこともある。敵陣2段目での不成もルール上可能であるが、敵陣2段目では香車の動きは成香の動きに完全に含まれる(成香が香車の完全上位互換となる)ので、それが有効になるのは、飛車・角行・歩兵の不成と同様、打ち歩詰めが絡む場合である。[[行き所のない駒]]は禁じ手なので、一段目(敵陣のもっとも奥)に香車を打つことはできない。また、一段目に盤上の香車を進めた場合は必ず成らなければならない。 駒の階級と動かし方から、歩兵の上位バージョンとして派生したと思われがちだが、正しくは[[チャトランガ]]の車に相当する駒と言える。海外の将棋系ゲームでは日本将棋の香車に相当する位置に、チャトランガの車に相当する駒が配置されている。[[チェス]]の[[ルーク]]、[[シャンチー]]の[[車 (シャンチー)|車・俥]]、[[チャンギ]]の[[車 (チャンギ)|車]]、[[マークルック]]のルア(以上いずれも基本的に将棋の飛車の動き)など、[[チャトランガ]]由来のゲームの多くで左右奥隅にチャトランガの車に相当する走り駒が配されている。[[北宋]]時代のシャンチーの車は香車と同じ動きであった。 物理的なサイズでは、香車は桂馬に比べると、高さはほぼ同じだが、幅はかなりスリムに作られている。 == 本将棋・小将棋 == [[画像:Shogi lance.jpg|90px|thumb|駒の表面]][[画像:Shogi lance p.jpg|90px|thumb|駒の裏面(成香、金の崩し文字)]] '''香'''(きょう)と略す。香車の[[成駒]]を'''成香'''(なりきょう)という。成香の英語名称はpromoted lanceで略号は+L。将棋駒の活字がない環境ではしばしば「杏」と表示される。また、香車の駒の裏に彫られている字は「金」を崩した文字である(成ると金将と同じ動きになるため)。 ==駒の動き== {{将棋の駒の動きの凡例}} ===本将棋・小将棋=== {| class="wikitable" border="1" |- !元の駒 ! colspan="2"|動き !成駒 ! colspan="2"|動き |- |'''香車'''(きょうしゃ)|| {|border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" style="text-align:center;" |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#DFD"|│||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||'''香'''||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |} ||前方に何マスでも動ける。<br/>飛び越えては行けない。||成香(なりきょう)|| {{将棋の駒の動き(金将3x3)|koma='''杏'''}} ||金と同じ。縦横と斜め前に1マス動ける。 |} === 平安将棋・平安大将棋 === 成ると[[金将]]。 {| class="wikitable" border="1" |- !元の駒 ! colspan="2"|動き !成駒 ! colspan="2"|動き |- |香車(きょうしゃ) | {|border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" style="text-align:center;" |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||style="background-color:#DFD"|│||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#DFD"|│||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||'''香<br/>車'''||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp; |} ||前方に何マスでも動ける。飛び越えては行けない。 |金将(きんしょう) | {{将棋の駒の動き(金将5x5)}} |縦横と斜め前に1マス動ける。 |} === 中将棋・大将棋・天竺大将棋・大局将棋 === 中将棋の場合、'''香'''と略す。成ると[[白駒]]。成駒である白駒は香車の完全上位互換なので、実戦では成れる場合は確実に成りが選択されるが、中将棋では敵陣1段目での不成も戦略的意味はないがルール上可能である。ただしその場合は完全に行き所のない駒になってしまう。 {| class="wikitable" border="1" |- !元の駒 ! colspan="2"|動き !成駒 ! colspan="2"|動き |- |香車(きょうしゃ) | {|border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" style="text-align:center;" |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||style="background-color:#DFD"|│||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#DFD"|│||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||'''香<br/>車'''||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |} |前方に何マスでも動ける。飛び越えては行けない。 |白駒(はっく、はくく) | {|border="1" cellspacing="0" cellpadding="3" |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#DFD"|\||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#DFD"|│||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#DFD"|/ |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#DFD"|\||style="background-color:#DFD"|│||style="background-color:#DFD"|/||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||'''白<br/>駒'''||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#DFD"|│||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||style="background-color:#DFD"|│||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp; |} |縦と斜め上に何マスでも動ける。飛び越えては行けない。 |} === 大大将棋 === 成ることはできない。したがって盤の一番奥の列まで進むと、完全に行き所のない駒になってしまう。 {| class="wikitable" border="1" |- !元の駒 ! colspan="2"|動き !成駒 ! colspan="2"|動き |- |香車(きょうしゃ) | {|border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" style="text-align:center;" |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||style="background-color:#DFD"|│||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#DFD"|│||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||'''香<br/>車'''||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |} |前方に何マスでも動ける。飛び越えては行けない。 |align="center" style="background-color:#EEE"|なし |align="center" style="background-color:#EEE"|- |align="center" style="background-color:#EEE"|- |} === 摩訶大大将棋・泰将棋 === 理由こそ違うが、本将棋と同じく成ると[[金将]]。成るのは敵駒を取った場合のみなので、成っていない状態で盤の一番奥の列まで進むと、完全に行き所のない駒になってしまう。 {| class="wikitable" border="1" |- !元の駒 ! colspan="2"|動き !成駒 ! colspan="2"|動き |- |香車(きょうしゃ) | {|border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" style="text-align:center;" |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||style="background-color:#DFD"|│||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#DFD"|│||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||'''香<br/>車'''||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&nbsp; |} |前方に何マスでも動ける。飛び越えては行けない。 |金将(きんしょう) | {{将棋の駒の動き(金将5x5)}} |縦横と斜め前に1マス動ける。 |} ==安産祈願== 一直線に進むことから、産道を真っ直ぐ進みすんなり香車のごとく出産できる安産の御利益があるといわれている。[[日光山輪王寺|輪王寺]]においては、寺内の観音堂(産の宮、通称香車堂)に多くの香車の駒が安置されている。妊娠した女性は香車堂に詣で安産を祈願し、安置されている香車駒を借りて持ち帰る。そして無事出産した際、新しい香車駒を作って香車堂に詣で奉納し、借りていた香車駒も返納して、安産御礼をする<ref> [http://www.shogi-koma.jp/anzan/ 天童佐藤敬商店 安産祈願・安産お守り]</ref>。また産道を真っ直ぐ進み、将来は[[と金]]となるようにという思いからの民間信仰ともいう<ref> [http://nikko.4-seasons.jp/info/news_detail.shtml?0:2403 日光観光ライブ情報局安産子授け祈願]</ref>。 ==脚注== {{reflist}} == 参考文献 == * [[梅林勲]]・[[岡野伸]]共著『改訂版 世界の将棋・古代から現代まで』([[将棋天国社]]、2000年) * [[二上達也]]著 『強くなる将棋入門』(学習研究社) == 関連項目 == * [[将棋類の一覧]] * [[将棋類の駒の一覧]] {{本将棋の駒}} {{中将棋の駒}} {{大将棋の駒}} {{摩訶大大将棋の駒}} {{大局将棋の駒}} {{DEFAULTSORT:きようしや}} [[Category:将棋の駒]]
2003-08-14T09:38:36Z
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歩兵 (将棋)
歩兵(ふひょう)は、将棋の駒の一つ。本将棋・平安将棋・平安大将棋・小将棋・中将棋・大将棋・天竺大将棋・大大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋・大局将棋に存在する。 歩(ふ)と略されることが多い。 一般的に歩(ふ)と略す。歩兵の成ったものをと金(ときん)と言い、とと略す。歩の裏側に書かれている文字が、ひらがなの「と」に似ているためである。 なぜ「と」に似た文字が書かれているかについては、 がある。実際、と金の駒字も、書体によって、「今」の崩し字とみられるもの、ひらがなの「と」とみられるもの、「今」か「と」か微妙なもの、「今」でも「と」でもないものなどがみられる。 基本的に前に一つずつしか進めない非力な駒ではあるが、「歩のない将棋は負け将棋、所詮歩がなきゃ成り立たぬ」、「手のない時は端歩を突け」など多くの将棋の格言があるように、将棋の基本の駒であり、実際歩の手筋も、突き捨ての歩や叩きの歩をはじめ、垂れ歩、焦点の歩、合わせの歩、連打の歩、継ぎ歩、ダンスの歩、さらには金底の歩など数多くある。また、と金に成った場合には、金将と同等の攻撃力を持ちながら相手に渡したときにはただの歩兵に戻るため、攻撃側にとって非常に有用な駒となる。と金の動きは歩兵の完全上位互換なので、成れる場合はほぼ全局面において成りが選択される。理論的には打ち歩詰め回避等のために不成が戦略上有効になるケースも考えられ、詰将棋ではしばしば故意に引き起こされるが、プロの公式戦の実戦においては歩不成が発生した記録は2021年現在1例もない。 歩に関するルールとして二歩と打ち歩詰めの禁じ手(反則)がある。行き所のない駒は禁じ手なので、一段目(敵陣のもっとも奥)に歩を打つことはできない。また、一段目に盤上の歩を進めた場合は必ず成らなければならない。なお、と金に成った場合はその縦列に新しく歩を打つことが可能になり、二歩にはならない。 英語ではポーン(Pawn)と訳され、略号としてPが使われるが、チェスのポーンは歩と一部の動きが異なる。またと金の英語名称はpromoted pawnまたは日本語からの音写によるtokinで略号は+PまたはTである。 明治期までの一部の書籍では、「歩」ではなく「兵」と略すこともあった。 歩兵は歴史的にはチャトランガの兵に相当する駒である。海外の将棋系ゲームでは日本将棋の歩兵に相当する位置に、チャトランガの兵に相当する駒が配置されている。 成ると金将。 中将棋では歩と略す。成ると金将。成駒をと金と書く場合もある。成駒である金将(と金)の動きは歩兵の完全上位互換なので、成れる場合は通常は成りが選択されるが、中将棋では歩兵は獅子の付け喰いに使えないため、中将棋では稀に歩兵の不成が戦略上有効になるケースもある。これらの大型将棋類の歩兵の成駒としての金将(と金)は、本将棋と異なり、多くの場合本将棋の成香のような字体の金の崩し文字が書いてある。摩訶大大将棋・泰将棋では、成るのは敵駒を取った場合のみなので、成っていない状態で盤の一番奥の列まで進むと、完全に行き所のない駒になってしまう。また中将棋ではルール上盤の一番奥の列で不成を選択することもできるが、その場合も行き所のない駒になってしまう。 成ることはできない。したがって盤の一番奥の列まで進むと、完全に行き所のない駒になってしまう。
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歩兵(ふひょう)は、将棋の駒の一つ。本将棋・平安将棋・平安大将棋・小将棋・中将棋・大将棋・天竺大将棋・大大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋・大局将棋に存在する。 歩(ふ)と略されることが多い。
{{No footnotes|date=2020-02-26}} '''歩兵'''(ふひょう)は、[[将棋]]の[[駒 (将棋)|駒]]の一つ。本将棋・[[平安将棋]]・[[平安大将棋]]・[[小将棋]]・[[中将棋]]・[[大将棋]]・[[天竺大将棋]]・[[大大将棋]]・[[摩訶大大将棋]]・[[泰将棋]]・[[大局将棋]]に存在する。 '''歩'''(ふ)と略されることが多い。 == 本将棋・小将棋 == [[画像:Shogi pawn.jpg|90px|thumb|駒の表面]][[画像:Shogi pawn p.jpg|90px|thumb|駒の裏面(と金)]] 一般的に'''歩'''(ふ)と略す。歩兵の成ったものを'''と金'''(ときん)と言い、'''と'''と略す。歩の裏側に書かれている文字が、ひらがなの「と」に似ているためである。 なぜ「と」に似た文字が書かれているかについては、 * 「歩」は「止」を2つ合わせた字で「止」の略字は「と」であるから、歩の成駒の「と」は前身が歩であることを示すため、「止」の字を略して「と」と表示したという説 * ひらがなの「と」に見えるが、実際には「金」を崩した文字であるという説。この場合飛車角以外の成駒は全て金を崩した字で、成銀から徐々に崩し方が大きくなるとされる。 * 「金」と同じ読みの「今」(きん)を崩した文字であるという説 * 登金の略字であるという説 がある。実際、と金の駒字も、書体によって、「今」の崩し字とみられるもの、ひらがなの「と」とみられるもの、「今」か「と」か微妙なもの、「今」でも「と」でもないものなどがみられる。 基本的に前に一つずつしか進めない非力な駒ではあるが、「歩のない将棋は負け将棋、所詮歩がなきゃ成り立たぬ」、「手のない時は端歩を突け」など多くの[[将棋の格言]]があるように、将棋の基本の駒であり、実際歩の手筋も、突き捨ての歩や叩きの歩をはじめ、垂れ歩、焦点の歩、合わせの歩、連打の歩、継ぎ歩、ダンスの歩、さらには金底の歩など数多くある。また、と金に成った場合には、[[金将]]と同等の攻撃力を持ちながら相手に渡したときにはただの歩兵に戻るため、攻撃側にとって非常に有用な駒となる。と金の動きは歩兵の完全上位互換なので、成れる場合はほぼ全局面において成りが選択される。理論的には[[打ち歩詰め]]回避等のために不成が戦略上有効になるケースも考えられ、[[詰将棋]]ではしばしば故意に引き起こされるが、プロの公式戦の実戦においては歩不成が発生した記録は2021年現在1例もない。 歩に関するルールとして[[二歩]]と[[打ち歩詰め]]の禁じ手(反則)がある。[[行き所のない駒]]は禁じ手なので、一段目(敵陣のもっとも奥)に歩を打つことはできない。また、一段目に盤上の歩を進めた場合は必ず成らなければならない。なお、と金に成った場合はその縦列に新しく歩を打つことが可能になり、二歩にはならない。 英語では[[ポーン]](Pawn)と訳され、略号として[[P]]が使われるが、チェスのポーンは歩と一部の動きが異なる。またと金の英語名称はpromoted pawnまたは日本語からの音写によるtokinで略号は+Pまたは[[T]]である。 明治期までの一部の書籍では、「歩」ではなく「兵」と略すこともあった。 歩兵は歴史的にはチャトランガの兵に相当する駒である。海外の将棋系ゲームでは日本将棋の歩兵に相当する位置に、チャトランガの兵に相当する駒が配置されている。 * [[チェス]]では[[ポーン]]、[[シャンチー]]では[[兵 (シャンチー)|兵・卒]]、[[チャンギ]]では[[卒 (チャンギ)|卒・兵]]、[[マークルック]]ではビアが将棋の歩兵およびチャトランガの兵に相当する駒である。 * 配置される段は将棋の歩兵とマークルックのビアが3段目、チェスのポーンは2段目、シャンチーの兵・卒とチャンギの卒・兵は4段目である。配置される列については将棋・チェス・マークルックで全ての列に配置されるのに対し、シャンチー・チャンギでは奇数列目のみである。 * 動きは将棋・シャンチー・チャンギが空いている所に移動するときと敵の駒を取るときの区別なく単純に前に1マス進む動きを基本としているのに対し、チェスとマークルックでは空きマスに移動するときなら直前に1マス進むが(チェスでは初手のみ2マス移動も可)、直前の敵駒は取れず、その代わり斜め前の敵駒を取れるという少々複雑な動きとなっている。 ==駒の動き== {{将棋の駒の動きの凡例}} ===本将棋・小将棋=== {| class="wikitable" border="1" |- !元の駒 ! colspan="2"|動き !成駒 ! colspan="2"|動き |- |歩兵(ふひょう)|| {|border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" style="text-align:center;" |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||○||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||'''歩'''||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp; |} ||前に1マス動ける||と金(ときん)|| {{将棋の駒の動き(金将3x3)|koma='''と'''}} ||金と同じ。縦横と斜め前に1マス動ける。 |} === 平安将棋・平安大将棋 === 成ると[[金将]]。 {| class="wikitable" border="1" |- !元の駒 ! colspan="2"|動き !成駒 ! colspan="2"|動き |- |歩兵(ふひょう) | {|border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" style="text-align:center;" |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||○||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||'''歩<br />兵'''||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp; |} |前に1マス動ける。 |金将(きんしょう) | {{将棋の駒の動き(金将3x3)}} ||縦横と斜め前に1マス動ける。 |} === 中将棋・大将棋・天竺大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋・大局将棋 === 中将棋では'''歩'''と略す。成ると[[金将]]。[[成駒]]を'''と金'''と書く場合もある。成駒である金将(と金)の動きは歩兵の完全上位互換なので、成れる場合は通常は成りが選択されるが、中将棋では歩兵は[[中将棋#獅子同士の取り合い|獅子の付け喰い]]に使えないため、中将棋では稀に歩兵の不成が戦略上有効になるケースもある。これらの大型将棋類の歩兵の成駒としての金将(と金)は、本将棋と異なり、多くの場合本将棋の[[成香]]のような字体の金の崩し文字が書いてある。摩訶大大将棋・泰将棋では、成るのは敵駒を取った場合のみなので、成っていない状態で盤の一番奥の列まで進むと、完全に行き所のない駒になってしまう。また中将棋ではルール上盤の一番奥の列で不成を選択することもできるが、その場合も行き所のない駒になってしまう。 {| class="wikitable" border="1" |- !元の駒 ! colspan="2"|動き !成駒 ! colspan="2"|動き |- |歩兵(ふひょう) | {|border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" style="text-align:center;" |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||○||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||'''歩<br />兵'''||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp; |} |前に1マス動ける。 |金将(きんしょう) | {{将棋の駒の動き(金将3x3)}} |縦横と斜め前に1マス動ける。 |} === 大大将棋 === 成ることはできない。したがって盤の一番奥の列まで進むと、完全に行き所のない駒になってしまう。 {| class="wikitable" border="1" |- !駒 ! colspan="2"|動き |- |歩兵(ふひょう) | {|border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" style="text-align:center;" |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||○||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||'''歩<br />兵'''||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp; |-style="height:1em;border:0px;" |style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp;||style="background-color:#e2e2e2"|&emsp; |} |前に1マス動ける。 |} == 歩兵にちなんだ言葉 == ; 歩が付く : 遠距離に対する合駒として歩が打てること。二歩のルールがあるため、同じ列に歩があると歩を打つことができない。そのため、敵陣や自陣の深くに歩があると、香打ちに対して歩で合い駒をする事ができないことがある。その場合、「歩がつかない」ということがある。 : ; 歩を切らす : 持ち駒に歩が1枚もないこと。大抵の場合持ち駒にはある程度の歩があることが多く、歩を切らした状態は悪いとされる。「歩がない将棋は負け将棋、所詮歩がなきゃ成り立たぬ」 : ; 歩を垂らす : 次の手で「と金」に成れる位置に歩を打つこと。直接急所に打つ歩に対して、効果的な場合が多い。 : ; 歩を叩く : 相手の駒の直前に歩を打つこと。「叩きの歩」とも。すぐに取られる捨て駒であるが、相手の駒の効きを外す狙いで使われる。 : ; 端歩 : 1筋、もしくは9筋の歩。下に香がいるため突きやすいが、端にあるため戦場に絡みにくく、また相手にも香がいるため有効打にはなりにくい。そのため他に有効な手がないときに、とりあえず突いておく駒とされることが多い。端に角や玉がのぞいた際、歩を突く手が厳しくなりやすい。 : ; 金底の歩 : 金のひとつ後ろにある歩。金は後ろに下がることができ、歩は前に進むことができるのでお互いに利きあっており、硬い形とされる。 : ; 位(を取る) : 歩を突いていくと、お互いに1マス開けたところで先に突いたほうが取られる形になる。これを五段より相手側で起こすことを「位を取る」という。 == 参考文献 == * 梅林勲、岡野伸 共著『改訂版 世界の将棋・古代から現代まで』([[将棋天国社]]、2000年) * {{Cite web|和書|url=https://www.shogi.or.jp/knowledge/|title=将棋の基礎知識|website=日本将棋連盟|publisher=[[日本将棋連盟]]|accessdate=2021-11-16|ref=将棋連盟ルール}} == 関連項目 == * [[二歩]] * [[打ち歩詰め]] * [[将棋類の一覧]] * [[将棋類の駒の一覧]] * [[振り駒]] {{本将棋の駒}} {{中将棋の駒}} {{大将棋の駒}} {{大大将棋の駒}} {{天竺大将棋の駒}} {{摩訶大大将棋の駒}} {{大局将棋の駒}} [[Category:将棋の駒|ふひよう]]
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竜王 (将棋の駒)
竜王・龍王(りゅうおう)は、将棋の駒の一つ。本将棋・小将棋・中将棋・大将棋・天竺大将棋・大大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋・大局将棋に存在する。本将棋で最強の駒であることから、タイトル戦である竜王戦の名前の由来の一つにもなっている。 「龍」と「竜」とは異字体の関係にあり、「龍王」とも「竜王」とも表記される。実在の将棋の駒には通常「龍王」と表記されている。一方、日本将棋連盟では活字にする場合には常用漢字である「竜」の字体(新字体であると同時に古字でもある)を採用して「竜王」と表記するのを正式としている。 なお、本将棋の駒(飛車の裏面)では、「龍」の字の旁の最後の画の「はね」を大きく上向きに強調した崩し字が使われることが多く、これは「昇り龍」を意味している(対して竜馬でははねを下向きにした「下り龍」が使われる)。ただし、「龍王」の文字が崩されていない書体も水無瀬兼成など一部の書体に存在する。 竜または龍(りゅう)と略す。飛車の成駒としてのみ存在する。 英語ではpromoted rookまたはdragonと訳され、略称は+RまたはD。明治の頃までは略称として「王」という呼び名もあったが、「王」では王将(玉将)と紛らわしいため、略称としてはもっぱら「竜(龍)」が用いられるようになった。 中将棋では龍と略す。生駒と成駒とがあり、飛車の成駒。生駒の龍王は成ると飛鷲。 中将棋では生駒の竜王はどちらかと言えば攻めの駒として活躍する。成駒の飛鷲は角鷹と並んで中将棋及び大将棋の駒の中ではかなり強力な駒となる。 龍と略す。大大将棋では飛龍の成駒。生駒の龍王は成ることはできない。 飛車・飛龍の成駒。生駒の龍王は成ると飛鷲。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "竜王・龍王(りゅうおう)は、将棋の駒の一つ。本将棋・小将棋・中将棋・大将棋・天竺大将棋・大大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋・大局将棋に存在する。本将棋で最強の駒であることから、タイトル戦である竜王戦の名前の由来の一つにもなっている。", "title": null }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "「龍」と「竜」とは異字体の関係にあり、「龍王」とも「竜王」とも表記される。実在の将棋の駒には通常「龍王」と表記されている。一方、日本将棋連盟では活字にする場合には常用漢字である「竜」の字体(新字体であると同時に古字でもある)を採用して「竜王」と表記するのを正式としている。", "title": null }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "なお、本将棋の駒(飛車の裏面)では、「龍」の字の旁の最後の画の「はね」を大きく上向きに強調した崩し字が使われることが多く、これは「昇り龍」を意味している(対して竜馬でははねを下向きにした「下り龍」が使われる)。ただし、「龍王」の文字が崩されていない書体も水無瀬兼成など一部の書体に存在する。", "title": null }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "竜または龍(りゅう)と略す。飛車の成駒としてのみ存在する。", "title": "本将棋・小将棋" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "英語ではpromoted rookまたはdragonと訳され、略称は+RまたはD。明治の頃までは略称として「王」という呼び名もあったが、「王」では王将(玉将)と紛らわしいため、略称としてはもっぱら「竜(龍)」が用いられるようになった。", "title": "本将棋・小将棋" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "中将棋では龍と略す。生駒と成駒とがあり、飛車の成駒。生駒の龍王は成ると飛鷲。", "title": "中将棋・大将棋・天竺大将棋" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "中将棋では生駒の竜王はどちらかと言えば攻めの駒として活躍する。成駒の飛鷲は角鷹と並んで中将棋及び大将棋の駒の中ではかなり強力な駒となる。", "title": "中将棋・大将棋・天竺大将棋" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "龍と略す。大大将棋では飛龍の成駒。生駒の龍王は成ることはできない。", "title": "大大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "飛車・飛龍の成駒。生駒の龍王は成ると飛鷲。", "title": "大局将棋" } ]
竜王・龍王(りゅうおう)は、将棋の駒の一つ。本将棋・小将棋・中将棋・大将棋・天竺大将棋・大大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋・大局将棋に存在する。本将棋で最強の駒であることから、タイトル戦である竜王戦の名前の由来の一つにもなっている。 「龍」と「竜」とは異字体の関係にあり、「龍王」とも「竜王」とも表記される。実在の将棋の駒には通常「龍王」と表記されている。一方、日本将棋連盟では活字にする場合には常用漢字である「竜」の字体(新字体であると同時に古字でもある)を採用して「竜王」と表記するのを正式としている。 なお、本将棋の駒(飛車の裏面)では、「龍」の字の旁の最後の画の「はね」を大きく上向きに強調した崩し字が使われることが多く、これは「昇り龍」を意味している(対して竜馬でははねを下向きにした「下り龍」が使われる)。ただし、「龍王」の文字が崩されていない書体も水無瀬兼成など一部の書体に存在する。
[[画像:Shogi rook p.jpg|90px|thumb|竜王の駒の例。「龍」の字の旁の部分が「はね」ており「昇り龍」を表す。 ]] '''竜王'''・'''龍王'''(りゅうおう)は、[[将棋]]の[[駒 (将棋)|駒]]の一つ。本将棋・[[小将棋]]・[[中将棋]]・[[大将棋]]・[[天竺大将棋]]・[[大大将棋]]・[[摩訶大大将棋]]・[[泰将棋]]・[[大局将棋]]に存在する。本将棋で最強の駒であることから、[[棋戦 (将棋)#タイトル戦|タイトル戦]]である[[竜王戦]]の名前の由来の一つにもなっている。 「龍」と「竜」とは異字体の関係にあり、「'''龍王'''」とも「'''竜王'''」とも表記される。実在の将棋の駒には通常「龍王」と表記されている。一方、[[日本将棋連盟]]では活字にする場合には常用漢字である「竜」の字体(新字体であると同時に古字でもある)を採用して「竜王」と表記するのを正式としている。 なお、本将棋の駒(飛車の裏面)では、「龍」の字の旁の最後の画の「はね」を大きく上向きに強調した崩し字が使われることが多く、これは「昇り龍」を意味している(対して[[竜馬]]でははねを下向きにした「下り龍」が使われる)。ただし、「龍王」の文字が崩されていない書体も水無瀬兼成など一部の書体に存在する。 == 本将棋・小将棋 == '''竜'''または'''龍'''(りゅう)と略す。[[飛車]]の[[成駒]]としてのみ存在する。 [[英語]]ではpromoted rookまたはdragonと訳され、略称は+Rまたは[[D]]。明治の頃までは略称として「王」という呼び名もあったが、「王」では王将([[玉将]])と紛らわしいため、略称としてはもっぱら「竜(龍)」が用いられるようになった。 {| class="wikitable" border="1" |- bgcolor="#dddddd" ! 成駒 !! colspan="2" | 動き |- | 竜王(りゅうおう) | {| border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |- | &nbsp; || &nbsp; || │ || &nbsp; || &nbsp; |- | &nbsp; || ○ || │ || ○ || &nbsp; |- | ─ || ─ || '''竜''' || ─ || ─ |- | &nbsp; || ○ || │ || ○ || &nbsp; |- | &nbsp; || &nbsp; || │ || &nbsp; || &nbsp; |} | 縦横に何マスでも動け、斜めに1マス動ける。飛び越えては行けない。 |} == 中将棋・大将棋・天竺大将棋 == 中将棋では'''龍'''と略す。生駒と成駒とがあり、[[飛車]]の[[成駒]]。生駒の龍王は成ると[[飛鷲]]。 {| class="wikitable" border="1" |- bgcolor="#dddddd" ! 元の駒 !! colspan="2" | 動き !! 成駒 !! colspan="2" | 動き |- | 龍王(りゅうおう) | {| border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |- | &nbsp; || &nbsp; || │ || &nbsp; || &nbsp; |- | &nbsp; || ○ || │ || ○ || &nbsp; |- | ─ || ─ || '''龍<br/>王''' || ─ || ─ |- | &nbsp; || ○ || │ || ○ || &nbsp; |- | &nbsp; || &nbsp; || │ || &nbsp; || &nbsp; |} | 縦横に何マスでも動け、斜めに1マス動ける。飛び越えては行けない。 | 飛鷲(ひじゅう) | {| border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |- | □ || &nbsp; || │ || &nbsp; || □ |- | &nbsp; || ■ || │ || ■ || &nbsp; |- | ─ || ─ || '''飛<br/>鷲''' || ─ || ─ |- | &nbsp; || / || │ || \ || &nbsp; |- | / || &nbsp; || │ || &nbsp; || \ |} | 縦横と斜め後ろに何マスでも動ける。この時飛び越えては行けない。<br/>斜め前方には、■に進んだ後に元いたマス目に戻るか□に行くか選択できる。■で止まってもよい。<br/>または、■を飛び越えて□に行ける。 |} 中将棋では生駒の竜王はどちらかと言えば攻めの駒として活躍する。成駒の飛鷲は[[角鷹]]と並んで中将棋及び大将棋の駒の中ではかなり強力な駒となる。 == 大大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋 == '''龍'''と略す。大大将棋では[[飛龍 (将棋)|飛龍]]の[[成駒]]。生駒の龍王は成ることはできない。 {| class="wikitable" border="1" |- bgcolor="#dddddd" ! 元の駒 !! colspan="2" | 動き !! 成駒 !! colspan="2" | 動き |- | 龍王(りゅうおう) | {| border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |- | &nbsp; || &nbsp; || │ || &nbsp; || &nbsp; |- | &nbsp; || ○ || │ || ○ || &nbsp; |- | ─ || ─ || '''龍<br/>王''' || ─ || ─ |- | &nbsp; || ○ || │ || ○ || &nbsp; |- | &nbsp; || &nbsp; || │ || &nbsp; || &nbsp; |} | 縦横に何マスでも動け、斜めに1マス動ける。飛び越えては行けない。 | style="text-align:center" | - | style="text-align:center" | - | style="text-align:center" | - |} == 大局将棋 == [[飛車]]・[[飛龍 (将棋)|飛龍]]の[[成駒]]。生駒の龍王は成ると[[飛鷲]]。 {| class="wikitable" border="1" |- bgcolor="#dddddd" ! 元の駒 !! colspan="2" | 動き !! 成駒 !! colspan="2" | 動き |- | 龍王(りゅうおう) | {| border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |- | &nbsp; || &nbsp; || │ || &nbsp; || &nbsp; |- | &nbsp; || ○ || │ || ○ || &nbsp; |- | ─ || ─ || '''龍<br/>王''' || ─ || ─ |- | &nbsp; || ○ || │ || ○ || &nbsp; |- | &nbsp; || &nbsp; || │ || &nbsp; || &nbsp; |} | 縦横に何マスでも動け、斜めに1マス動ける。飛び越えては行けない。 | 飛鷲(ひじゅう) | {| border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |- | \ || &nbsp; || &nbsp; || │ || &nbsp; || &nbsp; || / |- | &nbsp; || ☆ || &nbsp; || │ || &nbsp; || ☆ || &nbsp; |- | &nbsp; || &nbsp; || \ || │ || / || &nbsp; || &nbsp; |- | ─ || ─ || ─ || '''飛<br/>鷲''' || ─ || ─ || ─ |- | &nbsp; || &nbsp; || / || │ || \ || &nbsp; || &nbsp; |- | &nbsp; || / || &nbsp; || │ || &nbsp; || \ || &nbsp; |- | / || &nbsp; || &nbsp; || │ || &nbsp; || &nbsp; || \ |} | 全ての方向に何マスでも動ける。この時飛び越えては行けない。<br/>また、斜め前方には2マス先に飛び越えて行ける。 |} == 参考文献 == * [[梅林勲]]・[[岡野伸]]共著『改訂版 世界の将棋・古代から現代まで』([[将棋天国社]]、2000年) == 関連項目 == * [[将棋類の一覧]] * [[将棋類の駒の一覧]] * [[竜王戦]] * [[竜追い]] {{中将棋の駒}} {{大将棋の駒}} {{大大将棋の駒}} {{摩訶大大将棋の駒}} {{大局将棋の駒}} {{将棋}} [[Category:将棋の駒|りゆうおう]]
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竜馬
竜馬・龍馬(りゅうめ、りゅうま)は、将棋の駒の一つ。本将棋・小将棋・中将棋・大将棋・天竺大将棋・大大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋・大局将棋に存在する。 「龍」と「竜」とは異字体の関係にあり、「龍馬」とも「竜馬」とも表記される。実在の将棋の駒には通常「龍馬」と表記されている。一方、日本将棋連盟では活字にする場合には常用漢字である「竜」の字体(新字体であると同時に古字でもある)を採用して「竜馬」と表記するのを正式としている。 なお、本将棋の駒(角行の裏面)では、「龍」の字の旁の最後の画の「はね」がなく下向きにおろされた崩し字が使われることが多く、これは「下り龍」を意味している(対して竜王でははねを上向きに強調した「昇り龍」が使われる)。ただし、「龍馬」の文字が崩されていない書体(水無瀬兼成など)や、崩し字であっても竜王と同じ「昇り龍」になっている書体(三邨など)も一部の書体に存在する。 馬(うま)と略す。角行の成駒としてのみ存在する。 桂馬と紛らわしいため、「成角(なりかく)」と呼ばれることもある。また、成角との対比で角行を「生角(なまかく)」と呼ぶこともある。英語ではpromoted bishopまたはhorseと略され、略号は+BまたはH。 中将棋では馬と略す。生駒と成駒とがあり、角行の成駒。生駒の竜馬は成ると角鷹。 中将棋では、生駒の竜馬は序盤では盤の中央付近に歩み出た獅子の足となるのに便利な駒となる。成駒の角鷹は飛鷲と並んで中将棋および大将棋の駒の中ではかなり強力な駒となる。 大大将棋では猫刄の成駒。生駒の竜馬は成ることはできない。 角行・猫刄・竪馬の成駒。生駒の竜馬は成ると角鷹。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "竜馬・龍馬(りゅうめ、りゅうま)は、将棋の駒の一つ。本将棋・小将棋・中将棋・大将棋・天竺大将棋・大大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋・大局将棋に存在する。", "title": null }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "「龍」と「竜」とは異字体の関係にあり、「龍馬」とも「竜馬」とも表記される。実在の将棋の駒には通常「龍馬」と表記されている。一方、日本将棋連盟では活字にする場合には常用漢字である「竜」の字体(新字体であると同時に古字でもある)を採用して「竜馬」と表記するのを正式としている。", "title": null }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "なお、本将棋の駒(角行の裏面)では、「龍」の字の旁の最後の画の「はね」がなく下向きにおろされた崩し字が使われることが多く、これは「下り龍」を意味している(対して竜王でははねを上向きに強調した「昇り龍」が使われる)。ただし、「龍馬」の文字が崩されていない書体(水無瀬兼成など)や、崩し字であっても竜王と同じ「昇り龍」になっている書体(三邨など)も一部の書体に存在する。", "title": null }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "馬(うま)と略す。角行の成駒としてのみ存在する。 桂馬と紛らわしいため、「成角(なりかく)」と呼ばれることもある。また、成角との対比で角行を「生角(なまかく)」と呼ぶこともある。英語ではpromoted bishopまたはhorseと略され、略号は+BまたはH。", "title": "本将棋・小将棋" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "中将棋では馬と略す。生駒と成駒とがあり、角行の成駒。生駒の竜馬は成ると角鷹。", "title": "中将棋・大将棋・天竺大将棋" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "中将棋では、生駒の竜馬は序盤では盤の中央付近に歩み出た獅子の足となるのに便利な駒となる。成駒の角鷹は飛鷲と並んで中将棋および大将棋の駒の中ではかなり強力な駒となる。", "title": "中将棋・大将棋・天竺大将棋" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "大大将棋では猫刄の成駒。生駒の竜馬は成ることはできない。", "title": "大大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "角行・猫刄・竪馬の成駒。生駒の竜馬は成ると角鷹。", "title": "大局将棋" } ]
竜馬・龍馬(りゅうめ、りゅうま)は、将棋の駒の一つ。本将棋・小将棋・中将棋・大将棋・天竺大将棋・大大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋・大局将棋に存在する。 「龍」と「竜」とは異字体の関係にあり、「龍馬」とも「竜馬」とも表記される。実在の将棋の駒には通常「龍馬」と表記されている。一方、日本将棋連盟では活字にする場合には常用漢字である「竜」の字体(新字体であると同時に古字でもある)を採用して「竜馬」と表記するのを正式としている。 なお、本将棋の駒(角行の裏面)では、「龍」の字の旁の最後の画の「はね」がなく下向きにおろされた崩し字が使われることが多く、これは「下り龍」を意味している(対して竜王でははねを上向きに強調した「昇り龍」が使われる)。ただし、「龍馬」の文字が崩されていない書体(水無瀬兼成など)や、崩し字であっても竜王と同じ「昇り龍」になっている書体(三邨など)も一部の書体に存在する。
{{Otheruseslist|[[将棋]]の[[駒 (将棋)|駒]]の一つ|[[幕末]]の[[志士]]である'''竜馬'''(りょうま)|坂本龍馬|[[棋士 (将棋)|将棋棋士]]|都成竜馬|[[叙事詩]]『[[シャー・ナーメ]]』に登場する[[サカ]]人の英雄ロスタムの巨大愛馬ラクシュの別名|ロスタム}} [[画像:Shogi bishop p.jpg|90px|thumb|龍馬の駒の例。「龍」の旁の部分が「はね」がなく下におろされる書体で「下り龍」を表す。]] '''竜馬'''・'''龍馬'''(りゅうめ、りゅうま)は、[[将棋]]の[[駒 (将棋)|駒]]の一つ。本将棋・[[小将棋]]・[[中将棋]]・[[大将棋]]・[[天竺大将棋]]・[[大大将棋]]・[[摩訶大大将棋]]・[[泰将棋]]・[[大局将棋]]に存在する。 「龍」と「竜」とは異字体の関係にあり、「龍馬」とも「竜馬」とも表記される。実在の将棋の駒には通常「龍馬」と表記されている。一方、[[日本将棋連盟]]では活字にする場合には常用漢字である「竜」の字体(新字体であると同時に古字でもある)を採用して「竜馬」と表記するのを正式としている。 なお、本将棋の駒(角行の裏面)では、「龍」の字の旁の最後の画の「はね」がなく下向きにおろされた崩し字が使われることが多く、これは「下り龍」を意味している(対して[[竜王 (将棋の駒)|竜王]]でははねを上向きに強調した「昇り龍」が使われる)。ただし、「龍馬」の文字が崩されていない書体(水無瀬兼成など)や、崩し字であっても竜王と同じ「昇り龍」になっている書体(三邨など)も一部の書体に存在する。 == 本将棋・小将棋 == '''馬'''(うま)と略す。[[角行]]の[[成駒]]としてのみ存在する。 [[桂馬]]と紛らわしいため、「成角(なりかく)」と呼ばれることもある。また、成角との対比で角行を「生角(なまかく)」と呼ぶこともある。[[英語]]ではpromoted bishopまたはhorseと略され、略号は+Bまたは[[H]]。 {| class="wikitable" border="1" !style="background-color:#dddddd"|成駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き |- |竜馬(りゅうめ、りゅうま) | {|border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |\||&nbsp;||&nbsp;||&nbsp;||/ |- |&nbsp;||\||○||/||&nbsp; |- |&nbsp;||○||'''馬'''||○||&nbsp; |- |&nbsp;||/||○||\||&nbsp; |- |/||&nbsp;||&nbsp;||&nbsp;||\ |} |斜めに何マスでも動け、縦横に1マス動ける。飛び越えては行けない。 |} == 中将棋・大将棋・天竺大将棋 == 中将棋では'''馬'''と略す。生駒と成駒とがあり、[[角行]]の[[成駒]]。生駒の竜馬は成ると[[角鷹]]。 {| class="wikitable" border="1" !style="background-color:#dddddd"|元の駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き !style="background-color:#dddddd"|成駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き |- |竜馬(りゅうめ、りゅうま) | {|border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |\||&nbsp;||&nbsp;||&nbsp;||/ |- |&nbsp;||\||○||/||&nbsp; |- |&nbsp;||○||'''竜<br/>馬'''||○||&nbsp; |- |&nbsp;||/||○||\||&nbsp; |- |/||&nbsp;||&nbsp;||&nbsp;||\ |} |斜めに何マスでも動け、縦横に1マス動ける。飛び越えては行けない。 |角鷹(かくおう) | {|border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |\||&nbsp;||□||&nbsp;||/ |- |&nbsp;||\||■||/||&nbsp; |- |─||─||'''角<br/>鷹'''||─||─ |- |&nbsp;||/||│||\||&nbsp; |- |/||&nbsp;||│||&nbsp;||\ |} |前方以外の方向に何マスでも動ける。この時飛び越えては行けない。<br/> 前方には、■に進んだ後に元いたマス目に戻るか□に行くか選択できる。■で止まってもよい。<br/> または、■を飛び越えて□に行ける。 |} 中将棋では、生駒の竜馬は序盤では盤の中央付近に歩み出た[[獅子 (将棋)|獅子]]の足となるのに便利な駒となる。成駒の角鷹は[[飛鷲]]と並んで中将棋および大将棋の駒の中ではかなり強力な駒となる。 == 大大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋 == 大大将棋では[[猫刄]]の[[成駒]]。生駒の竜馬は成ることはできない。 {| class="wikitable" border="1" !style="background-color:#dddddd"|元の駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き !style="background-color:#dddddd"|成駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き |- |竜馬(りゅうめ、りゅうま) | {|border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |\||&nbsp;||&nbsp;||&nbsp;||/ |- |&nbsp;||\||○||/||&nbsp; |- |&nbsp;||○||'''竜<br/>馬'''||○||&nbsp; |- |&nbsp;||/||○||\||&nbsp; |- |/||&nbsp;||&nbsp;||&nbsp;||\ |} |斜めに何マスでも動け、縦横に1マス動ける。飛び越えては行けない。 |style="text-align:center;"|- |style="text-align:center;"|- |style="text-align:center;"|- |} == 大局将棋 == [[角行]]・[[猫刄]]・[[竪馬]]の[[成駒]]。生駒の竜馬は成ると[[角鷹]]。 {| class="wikitable" border="1" !style="background-color:#dddddd"|元の駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き !style="background-color:#dddddd"|成駒 !style="background-color:#dddddd" colspan="2"|動き |- |竜馬(りゅうめ、りゅうま) | {|border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |\||&nbsp;||&nbsp;||&nbsp;||/ |- |&nbsp;||\||○||/||&nbsp; |- |&nbsp;||○||'''竜<br/>馬'''||○||&nbsp; |- |&nbsp;||/||○||\||&nbsp; |- |/||&nbsp;||&nbsp;||&nbsp;||\ |} |斜めに何マスでも動け、縦横に1マス動ける。飛び越えては行けない。 |角鷹(かくおう) | {|border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" |\||&nbsp;||&nbsp;||│||&nbsp;||&nbsp;||/ |- |&nbsp;||\||&nbsp;||☆||&nbsp;||/||&nbsp; |- |&nbsp;||&nbsp;||\||│||/||&nbsp;||&nbsp; |- |─||─||─||'''角<br/>鷹'''||─||─||─ |- |&nbsp;||&nbsp;||/||│||\||&nbsp;||&nbsp; |- |&nbsp;||/||&nbsp;||│||&nbsp;||\||&nbsp; |- |/||&nbsp;||&nbsp;||│||&nbsp;||&nbsp;||\ |} |全方向に何マスでも動ける。この時飛び越えては行けない。<br/>また、前方には2マス先に飛び越えて行ける。 |} == 参考文献 == * [[梅林勲]]・[[岡野伸]]共著『改訂版 世界の将棋・古代から現代まで』([[将棋天国社]]、2000年) == 関連項目 == * [[将棋類の一覧]] * [[将棋類の駒の一覧]] * [[馬鋸]] {{中将棋の駒}} {{大将棋の駒}} {{大大将棋の駒}} {{摩訶大大将棋の駒}} {{大局将棋の駒}} {{将棋}} [[Category:将棋の駒|りゆうま]]
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ヤコビ行列
多変数微分積分学およびベクトル解析におけるヤコビ行列(ヤコビぎょうれつ、英: Jacobian matrix)あるいは単にヤコビアンまたは関数行列(かんすうぎょうれつ、独: Funktionalmatrix)は、一変数スカラー値関数における接線の傾きおよび一変数ベクトル値函数の勾配の、多変数ベクトル値関数に対する拡張、高次元化である。名称はカール・グスタフ・ヤコブ・ヤコビに因む。多変数ベクトル値関数 f のヤコビ行列は、f の各成分の各軸方向への方向微分を並べてできる行列で のように表される。 ヤコビ行列の行列式は、ヤコビ行列式 (英: Jacobian determinant) あるいは単にヤコビアンと呼ばれる。ヤコビ行列式は変数変換に伴う面積要素や体積要素の無限小変化の比率を符号つきで表すもので、しばしば重積分の変数変換(英語版)に現れる。 これらは多変数微分積分学、多様体論などで基本的な役割を果たすほか、最適化問題等の応用分野でも重要な概念である。 D を n 次元ユークリッド空間 R の開集合とし、f を D 上で定義され、R に値を取る C 級関数とする。 点 p ∈ D における f のヤコビ行列は、 なる m × n 行列をいう。これをしばしば Jf(p) や Df(p) あるいは ∂f/∂x = ∂(f1, ..., fm)/∂(x1, ..., xn), Df/Dx = D(f1, ..., fm)/D(x1, ..., xn) などと表す。 m = n の場合、ヤコビ行列は正方行列となり、その行列式を考えることができる。ヤコビ行列の行列式 |Jf| をヤコビ行列式、関数行列式あるいは簡単にヤコビアンと呼ぶ。ヤコビ行列式も |Jf|, |Df(p)| あるいは |∂f/∂x| = |∂(f1, ..., fm)/∂(x1, ..., xn)|, |Df/Dx| = |D(f1, ..., fm)/D(x1, ..., xn)| などとも書かれる。 ヤコビ行列は、実関数に関する微分係数および導函数の自然な拡張となっている。つまり、n = m = 1 のとき、(1, 1)-型行列とその唯一の成分である実数とを同一視することにより、ヤコビ行列の概念は微分係数および導函数の概念に一致する。 f が点 p において任意の偏微分を持つならば p においてヤコビ行列は存在する。しかし、f の偏微分可能性だけでは f の微分可能性は言えないから、ヤコビ行列が存在しても f は p において必ずしも全微分可能でない。 f が D 上の点 p で微分可能、すなわち なる線型写像 df が存在するとき、この線型写像 df の標準基底に関する表現行列は f の p におけるヤコビ行列 Jf(p) によって与えられる(すなわち、R のベクトルの各成分への射影 R への射影 πi: R → R (i = 1, 2, ..., m ) に対して と書けば、点 x = p におけるヤコビ行列 Jf(p) は と書くことができる)。またこれは f が D の全域で微分可能であるとき、p に対して Jf (p) を対応させる写像 Jf: p ↦ Jf(p) は f の全微分であると言っても同じことである。 f が点 p において微分可能であるとき、点 p におけるヤコビ行列 Jf(p) は、x が p に十分近いとき なる関係を満足する(ここで o はランダウの記号)という意味で f の p における一次近似であり、接空間の間の線型写像とみなせる。この線型写像の合成は行列積と等価であり、g が f(p) を含む領域 E から R への関数であり、f (p ) において微分可能であるとき、 が成り立つ。これは、合成関数の微分に相当する。 ここでは、f が D 上で C 級 (k ≥ 1) であるとする。 m = n のとき、f の p におけるヤコビ行列は正方行列であるが、ヤコビ行列が正則行列である場合、f は 局所的に全単射となり、その逆関数は C 級であり、f (p ) でのヤコビ行列は Jf(p) の逆行列となる。 つまり、p を含むある領域 D' について、f の D' への制限 が C 級全単射で、 となる。 一方、Jf(p) が退化している(階数が落ちる)場合には、以下の二つの状況がありうる。 この時、p を特異点、または臨界点という。ヤコビ行列及びヤコビアンは、特異点を見つけるのにしばしば用いられる。 ここでは、多様体間の写像のヤコビ行列について述べる。 M, N をそれぞれ m 次元、n 次元の C (k ≥ 1) 多様体で、f をその間の C 級写像だとする。 このとき、f の点 p ∈ M での微分 dfp は、点 p における M の接ベクトル空間 TpM と、点 f(p) における N の接ベクトル空間 Tf(p)N の間の線型写像となる。p のまわりの M の局所座標 {x1, ..., xm} および f (p) のまわりの N の局所座標 {y 1, ..., yn} を定めると、それぞれの接ベクトル空間における基底が定まる。 この基底に関する dfp の表現行列を f の p におけるヤコビ行列と呼ぶ。 写像の微分は局所座標に依存しないが、ヤコビ行列は局所座標の選び方に依存する。 ただし、同じ写像の、局所座標の選び方を変えたヤコビ行列同士は互いに共役である。 この定義は、冒頭の定義の拡張となっている。 M = R(の開集合)、N = R とし、それぞれに自明な局所座標を選ぶことによって、冒頭の定義と一致する。 ここでは、いくつかの極座標系から直交座標系への座標変換で、ヤコビアンがどのようになるか述べる。 円座標は、直交座標への座標変換 (x , y) = f(r , θ) = (r cos θ, r sin θ) を与えるから、ヤコビアンは となる。従って、特異点は r = 0 となる点、即ち (0, θ) である。これは直交座標での (0, 0) を表す。 円柱座標は、直交座標への座標変換 (x, y, z) = f (r, θ, z) = (r cos θ, r sin θ, z) を与えるから、ヤコビアンは となる。従って、円座標のときと同じく、特異点は r = 0 となる点、即ち (0, θ, z) である。これは直交座標での (0, 0, z) すなわち z–軸を表す。 球座標は、直交座標への座標変換 (x, y, z) = f (r, θ, φ) = (r sinθcosφ, r sinθsinφ, r cosθ) を与えるから、ヤコビアンは となる。従って、特異点は r = 0 または sin θ = 0 となる点、即ち (0, θ, φ) と (r, 0, φ), (r, π, φ) である。これは直交座標での (0, 0, 0), (0, 0, r), (0, 0, −r) すなわち z–軸を表す。
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多変数微分積分学およびベクトル解析におけるヤコビ行列あるいは単にヤコビアンまたは関数行列は、一変数スカラー値関数における接線の傾きおよび一変数ベクトル値函数の勾配の、多変数ベクトル値関数に対する拡張、高次元化である。名称はカール・グスタフ・ヤコブ・ヤコビに因む。多変数ベクトル値関数 f のヤコビ行列は、f の各成分の各軸方向への方向微分を並べてできる行列で のように表される。 ヤコビ行列の行列式は、ヤコビ行列式 あるいは単にヤコビアンと呼ばれる。ヤコビ行列式は変数変換に伴う面積要素や体積要素の無限小変化の比率を符号つきで表すもので、しばしば重積分の変数変換に現れる。 これらは多変数微分積分学、多様体論などで基本的な役割を果たすほか、最適化問題等の応用分野でも重要な概念である。
{{redirect|ヤコビアン|ヤコビ多様体|ヤコビ多様体}} {{calculus}} [[多変数微分積分学]]および[[ベクトル解析]]における'''ヤコビ行列'''(ヤコビぎょうれつ、{{lang-en-short|''Jacobian matrix''}})あるいは単に'''ヤコビアン'''<ref name="MathWorld">{{MathWorld| title=Jacobian|urlname=Jacobian}}</ref>または'''関数行列'''(かんすうぎょうれつ、{{lang-de-short|''Funktionalmatrix''}})は、一変数スカラー値関数における[[微分係数|接線の傾き]]および一変数ベクトル値函数の[[勾配 (ベクトル解析)|勾配]]の、多変数ベクトル値関数に対する拡張、高次元化である。名称は[[カール・グスタフ・ヤコブ・ヤコビ]]に因む。多変数ベクトル値関数 {{mvar|f}} のヤコビ行列は、{{mvar|f}} の各成分の各[[偏微分|軸方向への方向微分]]を並べてできる[[行列 (数学)|行列]]で :<math>J_f = D_x f = \frac{\partial f}{\partial x} = \begin{bmatrix} \cfrac{\partial f_1}{\partial x_1} & \cdots & \cfrac{\partial f_1}{\partial x_n} \\ \vdots & \ddots & \vdots \\ \cfrac{\partial f_m}{\partial x_1} & \cdots & \cfrac{\partial f_m}{\partial x_n} \end{bmatrix}\quad \left(f=\begin{bmatrix}f_1(x_1,\ldots,x_n)\\\vdots\\f_m(x_1,\ldots,x_n)\end{bmatrix}\right)</math> のように表される。 ヤコビ行列の[[行列式]]は、'''ヤコビ行列式''' (''{{lang-en-short|Jacobian determinant}}'') あるいは単に'''ヤコビアン'''<ref name="MathWorld" />と呼ばれる。ヤコビ行列式は変数変換に伴う[[面積分|面積要素]]や[[体積要素]]の[[無限小]]変化の比率を符号つきで表すもので、しばしば[[重積分]]の{{仮リンク|変数変換|en|change of variables}}に現れる。 これらは[[多変数微分積分学]]、[[多様体論]]などで基本的な役割を果たすほか、[[最適化問題]]等の応用分野でも重要な概念である。 == 定義 == {{mvar|D}} を {{mvar|n}} 次元[[ユークリッド空間]] {{math|'''R'''{{sup|''n''}}}} の[[開集合]]とし、{{mvar|f}} を {{mvar|D}} 上で定義され、{{math|'''R'''{{sup|''m''}}}} に値を取る [[Ck級|{{math|''C''{{sup|1}}}} 級]][[写像|関数]]とする。 点 {{math|''p'' &isin; ''D''}} における {{mvar|f}} の'''ヤコビ行列'''は、 :<math>\frac{\partial f}{\partial x}(p) = \begin{bmatrix} \cfrac{\partial f_1}{\partial x_1}(p) & \cdots & \cfrac{\partial f_1}{\partial x_n}(p) \\ \vdots & \ddots & \vdots \\ \cfrac{\partial f_m}{\partial x_1}(p) & \cdots & \cfrac{\partial f_m}{\partial x_n}(p) \end{bmatrix}</math> なる {{mvar|''m'' &times; ''n''}} 行列をいう。これをしばしば {{math|''J{{ind|f}}''(''p'')}} や {{math|''Df''(''p'')}} あるいは {{math|1={{sfrac|∂''f''|∂''x''}} = {{sfrac|∂(''f''{{ind|1}}, …, ''f''{{ind|''m''}})|∂(''x''{{ind|1}}, …, ''x''{{ind|''n''}})}}}}, {{math|1={{sfrac|''Df''|''Dx''}} = {{sfrac|''D''(''f''{{ind|1}}, …, ''f''{{ind|''m''}})|''D''(''x''{{ind|1}}, …, ''x''{{ind|''n''}})}}}} などと表す。 {{math|''m'' {{=}} ''n''}} の場合、ヤコビ行列は正方行列となり、その[[行列式]]を考えることができる。ヤコビ行列の行列式 {{math|{{!}}''J{{sub|f}}''{{!}}}} を'''ヤコビ行列式'''、'''関数行列式'''あるいは簡単に'''ヤコビアン'''と呼ぶ。ヤコビ行列式も {{math|{{!}}''J{{sub|f}}''{{!}}}}, {{math|{{!}}''Df''(''p''){{!}}}} あるいは {{math|1={{!}}{{sfrac|∂''f''|∂''x''}}{{!}} = {{!}}{{sfrac|∂(''f''{{ind|1}}, …, ''f''{{ind|''m''}})|∂(''x''{{ind|1}}, …, ''x''{{ind|''n''}})}}{{!}}}}, {{math|1={{!}}{{sfrac|''Df''|''Dx''}}{{!}} = {{!}}{{sfrac|''D''(''f''{{ind|1}}, …, ''f''{{ind|''m''}})|''D''(''x''{{ind|1}}, …, ''x''{{ind|''n''}})}}{{!}}}} などとも書かれる。 == 性質 == ヤコビ行列は、実関数に関する微分係数および導函数の自然な拡張となっている。つまり、{{math|''n'' {{=}} ''m'' {{=}} 1}} のとき、{{math|(1, 1)}}-型行列とその唯一の成分である実数とを同一視することにより、ヤコビ行列の概念は微分係数および導函数の概念に一致する。 {{mvar|f}} が点 {{mvar|p}} において任意の[[偏微分]]を持つならば {{mvar|p}} においてヤコビ行列は存在する。しかし、{{mvar|f}} の偏微分可能性だけでは {{mvar|f}} の[[全微分|微分可能性]]は言えないから、ヤコビ行列が存在しても {{mvar|f}} は {{mvar|p}} において必ずしも全微分可能でない。 {{mvar|f}} が {{mvar|D}} 上の点 {{mvar|p}} で微分可能、すなわち : <math>\lim_{x\to p}\dfrac{\|f(x)-f(p)-\mathit{df}(x-p)\|}{\|x- p\|} =0</math> なる線型写像 {{mvar|df}} が存在するとき、この線型写像 {{mvar|df}} の標準基底に関する表現行列は {{mvar|f}} の {{mvar|p}} におけるヤコビ行列 {{math|''J{{sub|f}}''(''p'')}} によって与えられる(すなわち、{{math|'''R'''{{sup|''m''}}}} のベクトルの各成分への[[射影]] {{math|'''R'''}} への[[射影]] {{math|&pi;{{sub|''i''}}: '''R'''{{sup|''m''}} → '''R''' (''i'' {{=}} 1, 2, ..., ''m'' )}} に対して : <math>f_i := \pi_i \circ f</math> と書けば、点 {{math|''x'' {{=}} ''p''}} におけるヤコビ行列 {{math|''J{{sub|f}}''(''p'')}} は : <math> \bigg(\frac{\partial f_i}{\partial x_j}\bigg|_{x=p}\bigg)_{i=1,\ldots,m \atop j=1,\ldots,n}</math>  と書くことができる)。またこれは {{mvar|f}} が {{mvar|D}} の全域で微分可能であるとき、{{mvar|p}} に対して {{math|''J{{sub|f}}'' (''p'')}} を対応させる写像 {{math|''J{{ind|f}}'': ''p'' {{mapsto}} ''J{{ind|f}}''(''p'')}} は {{mvar|f}} の[[全微分]]であると言っても同じことである。 {{mvar|f}} が点 {{mvar|p}} において微分可能であるとき、点 {{mvar|p}} におけるヤコビ行列 {{math|''J{{sub|f}}''(''p'')}} は、{{mvar|x}} が {{mvar|p}} に十分近いとき : <math>f(x)=f(p)+J_f(p)(x-p)+o(\|x-p\|)</math> なる関係を満足する(ここで {{mvar|o}} は[[ランダウの記号]])という意味で {{mvar|f}} の {{mvar|p}} における[[一次近似]]であり、[[接ベクトル空間|接空間]]の間の[[線型写像]]とみなせる。この線型写像の合成は行列積と等価であり、{{mvar|g}} が {{math|''f''(''p'')}} を含む領域 {{mvar|E}} から {{math|'''R'''{{sup|''l''}}}} への関数であり、{{math|''f'' (''p'' )}} において微分可能であるとき、 : <math>J_{g \circ f}(p) = J_g(f(p)) \cdot J_f(p)</math> が成り立つ。これは、合成関数の微分に相当する。 === 逆関数の定理 === ここでは、{{mvar|f}} が {{mvar|D}} 上で[[滑らかな関数| {{mvar|C{{sup|k}}}} 級]] {{math|(''k'' &ge; 1)}} であるとする。 {{math|''m'' {{=}} ''n''}} のとき、{{mvar|f}} の {{mvar|p}} におけるヤコビ行列は正方行列であるが、ヤコビ行列が[[正則行列]]である場合、{{mvar|f}} は 局所的に[[全単射]]となり、その逆関数は {{math|''C{{sup|k}}''}} 級であり、{{math|''f'' (''p'' )}} でのヤコビ行列は {{math|''J{{sub|f}}''(''p'')}} の逆行列となる。 つまり、{{mvar|p}} を含むある領域 {{mvar|D{{'}}}} について、{{mvar|f}} の {{mvar|D{{'}}}} への制限 : <math>h := f|_{D'}\colon D' \to f(D')</math> が {{mvar|C{{sup|k}}}} 級全単射で、 : <math>J_{h^{-1}}(h(p)) = (J_h(p))^{-1}</math> となる。 一方、{{math|''J{{sub|f}}''(''p'')}} が退化している([[行列の階数|階数]]が落ちる)場合には、以下の二つの状況がありうる。 * {{mvar|f}} は {{mvar|p}} のまわりで局所的に全単射だが、逆関数が {{math|''f''(''p'')}} にて微分不可能 *;例: {{math|''x''{{exp|3}}}} は 0 付近で全単射だが、逆関数は 0 で微分不可能 * {{mvar|f}} は {{mvar|p}} のまわりで局所的にも全単射でない *;例: {{math|''x''{{exp|2}}}} は 0 付近で局所的にも全単射でない この時、{{mvar|p}} を[[特異点 (数学)|特異点]]、または[[臨界点 (数学)|臨界点]]という。ヤコビ行列及びヤコビアンは、特異点を見つけるのにしばしば用いられる。 == 多様体論におけるヤコビ行列 == {{main|接ベクトル空間}} ここでは、[[多様体]]間の写像のヤコビ行列について述べる。 {{mvar|M, N}} をそれぞれ {{mvar|m}} 次元、{{mvar|n}} 次元の {{math|''C{{sup|k}}'' (''k'' &ge; 1)}} 多様体で、{{mvar|f}} をその間の {{mvar|C{{sup|k}}}} 級写像だとする。 このとき、{{mvar|f}} の点 {{math|''p'' &isin; ''M''}} での微分 {{mvar|df{{sub|p}}}} は、点 {{mvar|p}} における {{mvar|M}} の[[接ベクトル空間]] {{mvar|T{{sub|p}}M}} と、点 {{math|''f''(''p'')}} における {{mvar|N}} の接ベクトル空間 {{math|''T''{{sub|''f''(''p'')}}''N''}} の間の線型写像となる。{{mvar|p}} のまわりの {{mvar|M}} の局所座標 {{math|{{(}}''x''{{sub|1}}, …, ''x{{sub|m}}''{{)}}}} および {{math|''f'' (''p'')}} のまわりの {{mvar|N}} の局所座標 {{math|{{(}}''y'' {{sub|1}}, ..., ''y{{sub|n}}''{{)}}}} を定めると、それぞれの接ベクトル空間における基底が定まる。 この基底に関する {{mvar|df{{sub|p}}}} の表現行列を {{mvar|f}} の {{mvar|p}} におけるヤコビ行列と呼ぶ。 写像の微分は局所座標に依存しないが、ヤコビ行列は局所座標の選び方に依存する。 ただし、同じ写像の、局所座標の選び方を変えたヤコビ行列同士は互いに[[行列の相似|共役]]である。 この定義は、冒頭の定義の拡張となっている。 {{math|''M'' {{=}} '''R'''{{sup|''m''}}}}(の開集合)、{{math|''N'' {{=}} '''R'''{{sup|''n''}}}} とし、それぞれに自明な局所座標を選ぶことによって、冒頭の定義と一致する<ref group="注">ただし、冒頭の定義とは {{mvar|m}} と {{mvar|n}} の役割が逆になっている</ref>。 == 極座標系に関する具体例 == {{seealso|{{仮リンク|変数変換|en|change of variables}}}} ここでは、いくつかの[[極座標系]]から[[直交座標系]]への座標変換で、ヤコビアンがどのようになるか述べる。 === 円座標 === 円座標は、直交座標への座標変換 {{math|(''x'' , ''y'') {{=}} ''f''(''r'' , &theta;) {{=}} (''r'' cos&thinsp;&theta;, ''r'' sin&thinsp;&theta;)}} を与えるから、ヤコビアンは :<math>|J_f| = \left| \frac{\partial (x , y)}{\partial (r, \theta)} \right| = \begin{vmatrix} \cos\theta & -r\sin\theta \\ \sin\theta & r\cos\theta \end{vmatrix}= r</math> となる。従って、特異点は {{math|''r'' {{=}} 0}} となる点、即ち {{math|(0, &theta;)}} である。これは直交座標での {{math|(0, 0)}} を表す。 === 円柱座標 === [[円柱座標]]は、直交座標への座標変換 {{math|(''x'', ''y'', ''z'') {{=}} ''f'' (''r'', &theta;, ''z'') {{=}} (''r'' cos&thinsp;&theta;, ''r'' sin&thinsp;&theta;, ''z'')}} を与えるから、ヤコビアンは :<math>|J_f| =\begin{vmatrix} \cos\theta & -r\sin\theta & 0 \\ \sin\theta & r\cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{vmatrix}= r</math> となる。従って、円座標のときと同じく、特異点は {{math|''r'' {{=}} 0}} となる点、即ち {{math|(0, &theta;, ''z'')}} である。これは直交座標での {{math|(0, 0, ''z'')}} すなわち {{mvar|z}}&ndash;軸を表す。 === 球座標 === 球座標は、直交座標への座標変換 {{math|(''x'', ''y'', ''z'') {{=}} ''f'' (''r'', &theta;, &phi;) {{=}} (''r'' sin&theta;cos&phi;, ''r'' sin&theta;sin&phi;, ''r'' cos&theta;)}} を与えるから、ヤコビアンは :<math>|J_f| =\begin{vmatrix} \sin\theta\cos\phi & r\cos\theta\cos\phi & -r\sin\theta\sin\phi \\ \sin\theta\sin\phi & r\cos\theta\sin\phi & r\sin\theta\cos\phi \\ \cos\theta & -r\sin\theta & 0 \end{vmatrix}= r^2 \sin\theta</math> となる。従って、特異点は {{math|''r'' {{=}} 0}} または {{math|sin&thinsp;&theta; {{=}} 0}} となる点、即ち {{math|(0, &theta;, &phi;)}} と {{math|(''r'', 0, &phi;), (''r'', &pi;, &phi;)}} である。これは直交座標での {{math|(0, 0, 0), (0, 0, ''r''), (0, 0, &minus;''r'')}} すなわち {{mvar|z}}&ndash;軸を表す。 == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} === 注釈 === {{reflist|group="注"}} === 出典 === {{reflist}} == 参考文献 == *{{cite book|和書|editor=[[岩堀長慶]] 編|title=微分積分学|publisher=裳華房|date=1983-12|isbn=978-4-7853-1039-4|ref={{Harvid|岩堀|1983}}}} *{{cite book|和書|author=島和久|title=多変数の微分積分学|publisher=近代科学社|date=1991-09|isbn=978-4-7649-1024-9|ref={{Harvid|島|1993}}}} *{{Citation|last=Spivak|first=Michael|author-link=:en:Michael Spivak|origyear=1965|year=2018|title=[[:en:Calculus on Manifolds (book)|Calculus on Manifolds: A Modern Approach to Classical Theorems of Advanced Calculus]]|publisher=CRC Press|location=New York|edition=Paperback|series=Mathematics Monograph Series|isbn=978-0-8053-9021-6}} **{{cite book|和書|first=M.|last=スピヴァック|translator=[[斎藤正彦|齋藤正彦]]|title=多変数の解析学 古典理論への現代的アプローチ|publisher=東京図書|edition=新装版|date=2007-04|isbn=978-4-489-02004-9|ref={{Harvid|スピヴァック|2007}}}} *{{cite book|和書|author=松本幸夫|title=多様体の基礎|publisher=東京大学出版会|series=基礎数学 5|date=1988-09|isbn=978-4-13-062103-8|ref={{Harvid|松本|1988}}}} *{{citation|first=Frank W.|last=Warner|title=Foundations of Differentiable Manifolds and Lie Groups|series=Graduate Texts in Mathematics 94|publisher=Springer-Verlag|location=Berlin Heidelberg|year=2010|isbn=978-1-4419-2820-7}} == 関連項目 == * [[ヘッセ行列]] {{DEFAULTSORT:やこひきようれつ}} [[Category:微分積分学]] [[Category:微分幾何学]] [[Category:微分の一般化]] [[Category:行列]] [[Category:カール・グスタフ・ヤコブ・ヤコビ]] [[Category:数学に関する記事]] [[Category:数学のエポニム]]
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2022-10-22T08:23:13Z
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連結グラフ
連結グラフ(れんけつグラフ、英: connected graph)は、グラフ上の任意の2頂点間に道が存在するグラフのことである。連結でないグラフを非連結グラフ (disconnected graph) と呼ぶ。極大で連結な部分グラフは、連結成分 (connected component) という。 グラフがどの程度かたく結びついているかを示す不変量として連結度があり、主に点連結度 (vertex-connectivity) と辺連結度 (edge-connectivity) に分類される。また、グラフ全体の連結度 (それぞれ、辺連結度) について、指定した2点間に対する連結性を示す不変量として、局所点連結度 (local vertex-connectivity) (それぞれ、局所辺連結度 (local edge-connectivity) ) がある。点連結度 (それぞれ、局所点連結度) は単に連結度 (それぞれ、局所連結度) と呼ぶ場合があることを付記しておく。 グラフ G から取り除くと非連結になるような k 個の頂点集合をk-点切断とよぶ。G においてk-点切断の最小サイズを点連結度または連結度とよび、 κ ( G ) , χ ( G ) {\displaystyle \kappa (G),\chi (G)} で表す。特に、1-点切断を切断点 (cut vertex) または関節点 (articulation point) とよぶ。k-連結グラフ (k-connected graph) は点連結度が k 以上のグラフである。 G から S を取り除いたグラフにおいて x と y の間に道が存在しないことを頂点の集合 S が x, y を分離するという。グラフ G から(もし存在すれば)辺 xy を除いたグラフにおいて、二つの頂点 x, y を分離するために必要な頂点の個数を s とするこのとき、x, yが隣接していないなら s を、x, y が隣接しているなら s + 1 を x, y の局所連結度といい、κ(x, y) 等で表すことが多い。点連結度は局所連結度の最小値と一致する。 グラフ G のある因子が k連結なら、G 自身も k 連結となる。G が k 連結で、G の自分自身を除いた因子が k 連結でないとき(つまり、G から一つでも辺を取り除くと k 連結でないとき)、G を 極小 k 連結 (minimally k-connected) という。 グラフ G から取り除くと非連結になるような k 本の辺集合をk-辺切断 (またはk-カット) とよぶ。G において k-辺切断の最小サイズを辺連結度とよび、 λ ( G ) , χ ′ ( G ) {\displaystyle \lambda (G),\chi '(G)} で表す。特に、1-辺切断を切断辺または橋 (bridge) とよぶ。k-辺連結グラフ (k-edge-connected graph) は、辺連結度が k 以上のグラフのことを指す。 点連結度と同様に、2点 x, y を分離する辺集合の大きさの最小値として、局所辺連結度が定義され λ(x, y) で表記される。 また、 λ ( G ) = min x , y ∈ V ( G ) λ ( x , y ) {\displaystyle \lambda (G)=\min _{x,y\in V(G)}\lambda (x,y)} となることを付記しておく。 有向グラフにおいて、無向グラフと同様に連結度の対応物が定義されている。 有向グラフが強連結であるとは、グラフ上の任意の2点間に有向路が存在することである。極大で強連結な部分グラフは、強連結成分という。 ある2点 x, y を指定したとき、除去することで x, y のどちらを始点にしても有向路が存在しなくなるような点集合の大きさの最小値として、x, y の局所点強連結度 (local vertex-strong connectivity) が定義される。 また、局所点強連結度の最小値を点強連結度 (vertex-strong connectivity) と呼ぶ。点強連結度が k 以上のグラフを k 点強連結グラフ (k-strongly connected graph) 、または、 k 強グラフ (k-strong graph) と呼ぶ。 ある2点 x, y を指定したとき、除去することで x, y のどちらを始点にしても有向路が存在しなくなるような辺集合の大きさの最小値として、 x, y の局所有向辺強連結度 (local arc-strong connectivity) が定義される。また、局所有向辺強連結度の最小値を有向辺強連結度 (arc-strong connectivity) と呼ぶ。有向辺強連結度が k 以上のグラフを k 有向辺強連結グラフ (k-arc-strongly connected graph) 、または、k 有向辺強グラフ (k-arc-strong graph) と呼ぶ。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "連結グラフ(れんけつグラフ、英: connected graph)は、グラフ上の任意の2頂点間に道が存在するグラフのことである。連結でないグラフを非連結グラフ (disconnected graph) と呼ぶ。極大で連結な部分グラフは、連結成分 (connected component) という。", "title": null }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "グラフがどの程度かたく結びついているかを示す不変量として連結度があり、主に点連結度 (vertex-connectivity) と辺連結度 (edge-connectivity) に分類される。また、グラフ全体の連結度 (それぞれ、辺連結度) について、指定した2点間に対する連結性を示す不変量として、局所点連結度 (local vertex-connectivity) (それぞれ、局所辺連結度 (local edge-connectivity) ) がある。点連結度 (それぞれ、局所点連結度) は単に連結度 (それぞれ、局所連結度) と呼ぶ場合があることを付記しておく。", "title": "連結度" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "グラフ G から取り除くと非連結になるような k 個の頂点集合をk-点切断とよぶ。G においてk-点切断の最小サイズを点連結度または連結度とよび、 κ ( G ) , χ ( G ) {\\displaystyle \\kappa (G),\\chi (G)} で表す。特に、1-点切断を切断点 (cut vertex) または関節点 (articulation point) とよぶ。k-連結グラフ (k-connected graph) は点連結度が k 以上のグラフである。", "title": "連結度" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "G から S を取り除いたグラフにおいて x と y の間に道が存在しないことを頂点の集合 S が x, y を分離するという。グラフ G から(もし存在すれば)辺 xy を除いたグラフにおいて、二つの頂点 x, y を分離するために必要な頂点の個数を s とするこのとき、x, yが隣接していないなら s を、x, y が隣接しているなら s + 1 を x, y の局所連結度といい、κ(x, y) 等で表すことが多い。点連結度は局所連結度の最小値と一致する。", "title": "連結度" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "グラフ G のある因子が k連結なら、G 自身も k 連結となる。G が k 連結で、G の自分自身を除いた因子が k 連結でないとき(つまり、G から一つでも辺を取り除くと k 連結でないとき)、G を 極小 k 連結 (minimally k-connected) という。", "title": "連結度" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "グラフ G から取り除くと非連結になるような k 本の辺集合をk-辺切断 (またはk-カット) とよぶ。G において k-辺切断の最小サイズを辺連結度とよび、 λ ( G ) , χ ′ ( G ) {\\displaystyle \\lambda (G),\\chi '(G)} で表す。特に、1-辺切断を切断辺または橋 (bridge) とよぶ。k-辺連結グラフ (k-edge-connected graph) は、辺連結度が k 以上のグラフのことを指す。", "title": "連結度" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "点連結度と同様に、2点 x, y を分離する辺集合の大きさの最小値として、局所辺連結度が定義され λ(x, y) で表記される。", "title": "連結度" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "また、 λ ( G ) = min x , y ∈ V ( G ) λ ( x , y ) {\\displaystyle \\lambda (G)=\\min _{x,y\\in V(G)}\\lambda (x,y)} となることを付記しておく。", "title": "連結度" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "有向グラフにおいて、無向グラフと同様に連結度の対応物が定義されている。", "title": "有向グラフと連結度" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "有向グラフが強連結であるとは、グラフ上の任意の2点間に有向路が存在することである。極大で強連結な部分グラフは、強連結成分という。", "title": "有向グラフと連結度" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "ある2点 x, y を指定したとき、除去することで x, y のどちらを始点にしても有向路が存在しなくなるような点集合の大きさの最小値として、x, y の局所点強連結度 (local vertex-strong connectivity) が定義される。 また、局所点強連結度の最小値を点強連結度 (vertex-strong connectivity) と呼ぶ。点強連結度が k 以上のグラフを k 点強連結グラフ (k-strongly connected graph) 、または、 k 強グラフ (k-strong graph) と呼ぶ。", "title": "有向グラフと連結度" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "ある2点 x, y を指定したとき、除去することで x, y のどちらを始点にしても有向路が存在しなくなるような辺集合の大きさの最小値として、 x, y の局所有向辺強連結度 (local arc-strong connectivity) が定義される。また、局所有向辺強連結度の最小値を有向辺強連結度 (arc-strong connectivity) と呼ぶ。有向辺強連結度が k 以上のグラフを k 有向辺強連結グラフ (k-arc-strongly connected graph) 、または、k 有向辺強グラフ (k-arc-strong graph) と呼ぶ。", "title": "有向グラフと連結度" } ]
連結グラフは、グラフ上の任意の2頂点間に道が存在するグラフのことである。連結でないグラフを非連結グラフ と呼ぶ。極大で連結な部分グラフは、連結成分 という。
'''連結グラフ'''(れんけつグラフ、[[英語|英]]: ''connected graph'')は、グラフ上の任意の2頂点間に[[道 (グラフ理論)|道]]が存在する[[グラフ理論|グラフ]]のことである。連結でないグラフを'''非連結グラフ''' (''disconnected graph'') と呼ぶ。極大で連結な部分グラフは、'''連結成分''' (''connected component'') という。 == 連結度 == グラフがどの程度かたく結びついているかを示す不変量として連結度があり、主に'''点連結度''' (''vertex-connectivity'') と'''辺連結度''' (''edge-connectivity'') に分類される。また、グラフ全体の連結度 (それぞれ、辺連結度) について、指定した2点間に対する連結性を示す不変量として、'''局所点連結度''' (''local vertex-connectivity'') (それぞれ、'''局所辺連結度''' (''local edge-connectivity'') ) がある。点連結度 (それぞれ、局所点連結度) は単に'''連結度''' (それぞれ、'''局所連結度''') と呼ぶ場合があることを付記しておく。 === 点連結度 === グラフ {{mvar|G}} から取り除くと非連結になるような {{mvar|k}} 個の頂点集合を'''{{mvar|k}}-点切断'''とよぶ。{{mvar|G}} において{{mvar|k}}-点切断の最小サイズを'''点連結度'''または連結度とよび、<math>\kappa(G), \chi(G)</math>で表す。特に、1-点切断を'''切断点''' (''cut vertex'') または'''関節点''' (''articulation point'') とよぶ。[[k-頂点連結グラフ|{{mvar|k}}-連結グラフ]] (''{{mvar|k}}-connected graph'') は点連結度が {{mvar|k}} 以上のグラフである。 {{mvar|G}} から {{mvar|S}} を取り除いたグラフにおいて {{mvar|x}} と {{mvar|y}} の間に道が存在しないことを頂点の集合 {{mvar|S}} が {{mvar|x, y}} を'''分離'''するという。グラフ {{mvar|G}} から(もし存在すれば)辺 {{mvar|xy}} を除いたグラフにおいて、二つの頂点 {{mvar|x, y}} を分離するために必要な頂点の個数を {{mvar|s}} とするこのとき、{{mvar|x, y}}が隣接していないなら {{mvar|s}} を、{{mvar|x, y}} が隣接しているなら {{math|''s'' + 1}} を {{mvar|x, y}} の'''局所連結度'''といい、{{math|''&kappa;''(''x'', ''y'')}} 等で表すことが多い。点連結度は局所連結度の最小値と一致する。 グラフ {{mvar|G}} のある因子が {{mvar|k}}連結なら、{{mvar|G}} 自身も {{mvar|k}} 連結となる。{{mvar|G}} が {{mvar|k}} 連結で、{{mvar|G}} の自分自身を除いた因子が {{mvar|k}} 連結でないとき(つまり、{{mvar|G}} から一つでも辺を取り除くと {{mvar|k}} 連結でないとき)、{{mvar|G}} を '''極小 {{mvar|k}} 連結''' (''minimally {{mvar|k}}-connected'') という。 === 辺連結度 === グラフ {{mvar|G}} から取り除くと非連結になるような {{mvar|k}} 本の辺集合を'''{{mvar|k}}-辺切断''' (または[[カット_(グラフ理論)|k-カット]]) とよぶ。{{mvar|G}} において {{mvar|k}}-辺切断の最小サイズを'''辺連結度'''とよび、<math>\lambda(G), \chi'(G)</math>で表す。特に、1-辺切断を'''切断辺'''または'''橋''' (''bridge'') とよぶ。[[k-辺連結グラフ|{{mvar|k}}-辺連結グラフ]] (''{{mvar|k}}-edge-connected graph'') は、辺連結度が {{mvar|k}} 以上のグラフのことを指す。 点連結度と同様に、2点 {{mvar|x, y}} を分離する辺集合の大きさの最小値として、'''局所辺連結度'''が定義され {{math|''&lambda;''(''x'', ''y'')}} で表記される。 また、 <math>\lambda(G) = \min_{x, y \in V(G)} \lambda(x, y) </math> となることを付記しておく。 == 有向グラフと連結度 == [[有向グラフ]]において、無向グラフと同様に連結度の対応物が定義されている<ref>点連結度の対応物と辺連結度の対応物についての用語の和訳は定訳が不明であるため直訳した。</ref>。 === 強連結 === 有向グラフが'''強連結'''であるとは、グラフ上の任意の2点間に有向路が存在することである。極大で強連結な部分グラフは、'''強連結成分'''という。 === 点連結度の対応物 === ある2点 {{mvar|x, y}} を指定したとき、除去することで {{mvar|x, y}} のどちらを始点にしても有向路が存在しなくなるような点集合の大きさの最小値として、{{mvar|x, y}} の局所点強連結度 (''local vertex-strong connectivity'') が定義される。 また、局所点強連結度の最小値を点強連結度 (''vertex-strong connectivity'') と呼ぶ。点強連結度が {{mvar|k}} 以上のグラフを {{mvar|k}} 点強連結グラフ ({{mvar|k}}-''strongly connected graph'') 、または、 {{mvar|k}} 強グラフ ({{mvar|k}}-''strong graph'') と呼ぶ。 === 辺連結度の対応物 === ある2点 {{mvar|x, y}} を指定したとき、除去することで {{mvar|x, y}} のどちらを始点にしても有向路が存在しなくなるような辺集合の大きさの最小値として、 {{mvar|x, y}} の局所有向辺強連結度 (''local arc-strong connectivity'') が定義される。また、局所有向辺強連結度の最小値を有向辺強連結度 (''arc-strong connectivity'') と呼ぶ。有向辺強連結度が {{mvar|k}} 以上のグラフを {{mvar|k}} 有向辺強連結グラフ ({{mvar|k}}-''arc''-''strongly connected graph'') 、または、{{mvar|k}} 有向辺強グラフ ({{mvar|k}}-''arc''-''strong graph'') と呼ぶ。 == 連結度の一般化 == * [[要素連結度]] * [[節点領域連結度]] * [[集合間連結度]] == アルゴリズム == * [[k点連結成分分解]] * [[k辺連結成分分解]] * [[強連結成分分解]] == 性質 == * グラフ {{mvar|G}} の最小[[次数 (グラフ理論)|次数]]を {{math|''&delta;''(''G'')}} で表すと、{{math|''&kappa;''(''G'') ≦ ''&lambda;''(''G'') ≦ ''&delta;''(''G'')}}。 * 任意の {{math|''l'' < ''m'' < ''n''}} に対し、{{math|''&kappa;''(''G'') {{=}} ''l'', ''&lambda;''(''G'') {{=}} ''m'', ''&delta;''(''G'') {{=}} ''n''}} を満たすグラフ {{mvar|G}} が存在する。 * 2連結グラフの任意の頂点は、[[閉路]]上にある。 * 2 点 {{mvar|x, y}} 間の互いに独立な道 (点素パス) の最大個数は局所連結度 {{math|''&kappa;''(''x'', ''y'')}} に一致する([[メンガーの定理]])。 * 2 点 {{mvar|x, y}} 間の辺素パスの最大個数は局所辺連結度 {{math|''&lambda;''(''x'', ''y'')}} に一致する([[メンガーの定理]])。 * 任意の {{mvar|k}} 次元多面体のグラフの点連結度は {{mvar|k}} である。 ([[バリンスキーの定理]])。 == 注釈・出典 == {{Reflist}} == 参考文献 == * {{cite book |last1 = Bang-Jensen |first1 = J. |last2 = Gutin |first2 = G. Z. |year = 2008 |title = Digraphs: Theory, Algorithms and Applications |chapter = Chapter 7. Global Connectivity |url = {{google books|CR_oBwAAQBAJ|page=345|plainurl=yes}} |publisher = Springer-Verlag |isbn = 978-1-85233-611-0 |mr = |zbl = |ref = harv }} * {{cite book |last1 = Bollobás |first1 = B. |year = 2004 |origyear = 1978 |title = Extreamal Graph Theory |chapter = Chapter 1. Connectivity |edition = Dover |url = {{google books|fkLDAgAAQBAJ|page=1|plainurl=yes}} |publisher = Academic Press |isbn = 0-486-43596-2 |mr = |zbl = |ref = harv }} * {{cite book |last1 = Diestel |first1 = R. |year = 2005 |title = Graph Theory |chapter = Chapter 3. Connectivity |edition = Third |series = Graduate Textbooks in Mathematics |volume = 173 |url = {{google books|aR2TMYQr2CMC|page=55|plainurl=yes}} |publisher = Springer-Verlag |isbn = 3-540-26183-4 |mr = |zbl = |ref = harv }} == 関連項目 == === 数学的対象と性質 === * [[カット (グラフ理論)]] * [[k-頂点連結グラフ]] * [[k-辺連結グラフ]] === 定理 === * [[メンガーの定理]] * [[最大フロー最小カット定理]] * [[バリンスキーの定理]] === その他 === * [[連結空間]] * [[素集合データ構造]] {{Graph Theory-footer}} {{DEFAULTSORT:れんけつくらふ}} [[category:グラフ理論のグラフ]] [[Category:数学に関する記事]]
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フクニチ新聞
フクニチ新聞(フクニチしんぶん)は、かつて存在した福岡県の地元紙。夕刊フクニチともいう。フクニチ新聞社が発行していた。 1946年(昭和21年)4月8日、西日本新聞の僚紙的位置付けで夕刊紙として創刊された。 最盛期は福岡市を中心に15万部を刷り、夕刊時代は日曜日に「日曜朝刊」を発行していた。フクニチ新聞社は全国で最も給与の高い新聞社として知られ、500人以上の社員を抱えていた。 1964年(昭和39年)9月、読売新聞の九州進出に伴う新聞の販売競争激化で、次第にシェアを減らしていった。 1978年(昭和53年)10月1日、朝刊紙に移行。1992年(平成4年)4月16日休刊。 宅配エリアは福岡市を中心とした福岡都市圏と久留米市を中心とした筑後地方が主で、北九州市や筑豊では駅売りのみの販売であった。 関連紙に『フクニチスポーツ』というスポーツ新聞もあったが、これもフクニチ新聞の休刊に伴い1992年(平成4年)で休刊している。一方、住宅・土地情報紙の『フクニチ住宅新聞』は、フクニチ住宅新聞社として分社化していたため発行は続いたものの、「デジタル化の進展やコロナ禍のテレワーク浸透などが取材や広告集稿に深刻な影響を与えた」として2020年(令和2年)6月26日付けで休刊した。 本社は創刊当初は福岡市中央区天神の西日本新聞社(旧:福岡日日新聞合資会社)内にあった。その後、同市中央区今泉に建設された、輪転機を備えた自社ビルに移転、1989年(平成元年)、今泉の社屋の老朽化により同市博多区東那珂に新社屋を建設し、1992年(平成4年)4月の休刊まで本社として使用していた。また、フクニチ新聞社の輪転機では聖教新聞(福岡県・佐賀県向け)の委託印刷も行われていた。 1990年(平成2年)4月17日福岡地裁に和議申請。その後労働組合を中心にした社員らによって自主発行を継続するも、1992年(平成4年)4月和議不調により破産申請がおこなわれた。破産管財人によって強制執行がおこなわれ全社員解雇となり、社屋より強制退去させられた。 社員らは最後の新聞発行を管財人らに要請したが拒否され、自社設備による最終号発行が不可能となったが、最終号発行すらできなくなったという非常事態を知った西日本新聞社幹部が決断し、西日本新聞社の全面協力により最後の新聞を製作発行してその歴史を終えた。4月16日付の最終号は一枚刷りの紙面で、1面は「当分の間休刊します」の大きな見出しと休刊についての経緯を読者に理解させるための記事、2面は番組表が掲載された。 休刊後かつての社員らが「福岡日刊新聞」の創刊を目指したが、実現出来なかった。 最末期(1992年(平成4年)4月)のもの。
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フクニチ新聞(フクニチしんぶん)は、かつて存在した福岡県の地元紙。夕刊フクニチともいう。フクニチ新聞社が発行していた。
{{Otheruseslist|'''戦後発行された「フクニチ新聞」'''|「福日」の略称で知られ、戦前発行された福岡日日新聞(現・[[西日本新聞]])|福岡日日新聞}} {{基礎情報 新聞 |名称=フクニチ新聞 |画像= |説明= |タイプ= 日刊紙 |サイズ= ブランケット判 |事業者= フクニチ新聞社 |本社= [[福岡県]][[福岡市]] |代表者= |編集者= |創刊= [[1946年]][[4月8日]] |廃刊= [[1992年]][[4月16日]] |前身= 夕刊フクニチ |1部= 100円 |月極= |言語= |発行数= |公式サイト= }} '''フクニチ新聞'''(フクニチしんぶん)は、かつて存在した[[福岡県]]の[[地方紙|地元紙]]。'''夕刊フクニチ'''ともいう。フクニチ新聞社が発行していた。 == 歴史 == [[1946年]]([[昭和]]21年)[[4月8日]]、[[西日本新聞]]の僚紙的位置付けで[[夕刊紙]]として創刊された。 最盛期は[[福岡市]]を中心に15万部を刷り、夕刊時代は[[日曜日]]に「日曜朝刊」を発行していた。フクニチ新聞社は全国で最も給与の高い新聞社として知られ、500人以上の社員を抱えていた。 [[1964年]](昭和39年)9月、[[読売新聞]]の[[読売新聞西部本社|九州進出]]に伴う新聞の販売競争激化で、次第にシェアを減らしていった。 [[1978年]](昭和53年)[[10月1日]]、[[朝刊]]紙に移行。[[1992年]]([[平成]]4年)[[4月16日]][[休刊]]。 宅配エリアは福岡市を中心とした[[福岡都市圏]]と[[久留米市]]を中心とした[[筑後地方]]が主で、[[北九州市]]や[[筑豊]]では駅売りのみの販売であった<ref>類似例は[[大阪府]]の府紙である[[大阪日日新聞]]([[鳥取県]]の[[新日本海新聞社]]が発行)があり、[[大阪市]]とその周辺自治体([[吹田市|吹田]]・[[守口市|守口]]・[[門真市|門真]]・[[箕面市|箕面]]・[[東大阪市|東大阪]]・[[堺市|堺]]など)は宅配を行っているが、それ以外は即売が主である</ref>。 関連紙に『[[フクニチスポーツ]]』という[[スポーツ新聞]]もあったが、これもフクニチ新聞の休刊に伴い[[1992年]]([[平成]]4年)で休刊している。一方、住宅・土地情報紙の『[[フクニチ住宅新聞]]』は、フクニチ住宅新聞社として分社化していたため発行は続いたものの、「デジタル化の進展やコロナ禍のテレワーク浸透などが取材や広告集稿に深刻な影響を与えた」として[[2020年]]([[令和]]2年)[[6月26日]]付けで休刊した<ref>[https://www.data-max.co.jp/article/36571 フクニチ住宅新聞が休刊 デジタル化、テレワーク浸透で広告集まらず]</ref>。 本社は創刊当初は[[福岡市]][[中央区 (福岡市)|中央区]][[天神 (福岡市)|天神]]の[[西日本新聞社]](旧:[[福岡日日新聞|福岡日日新聞合資会社]])内にあった。その後、同市中央区[[今泉 (福岡市)|今泉]]に建設された、[[輪転印刷機|輪転機]]を備えた自社ビルに移転、[[1989年]]([[平成]]元年)、今泉の社屋の老朽化により同市[[博多区]]東那珂に新社屋を建設し、[[1992年]](平成4年)4月の休刊まで本社として使用していた。また、フクニチ新聞社の輪転機では[[聖教新聞]](福岡県・[[佐賀県]]向け)の委託印刷も行われていた。 === フクニチ新聞の休刊 === {{節スタブ}} [[1990年]](平成2年)[[4月17日]][[福岡地裁]]に[[強制和議|和議]]申請。その後[[労働組合]]を中心にした社員らによって自主発行を継続するも、[[1992年]](平成4年)4月和議不調により[[破産]]申請がおこなわれた。[[破産管財人]]によって[[強制執行]]がおこなわれ全社員[[解雇]]となり、社屋より強制退去させられた。 社員らは最後の新聞発行を[[管財人]]らに要請したが拒否され、自社設備による最終号発行が不可能となったが、最終号発行すらできなくなったという非常事態を知った[[西日本新聞社]]幹部が決断し、西日本新聞社の全面協力により最後の新聞を製作発行してその[[歴史]]を終えた。4月16日付の最終号は一枚刷りの紙面で、1面は「'''当分の間休刊します'''」の大きな見出しと休刊についての経緯を読者に理解させるための記事、2面は[[番組表]]が掲載された。 休刊後かつての社員らが「福岡日刊新聞」の創刊を目指したが、実現出来なかった。 == 番組表 == 最末期(1992年(平成4年)4月)のもの。 ; 最終面 * フルサイズ:[[NHK総合テレビジョン|NHK総合]]、[[NHK教育テレビジョン|NHK教育]]、[[RKB毎日放送|RKB]]、[[九州朝日放送|KBC]]、[[テレビ西日本|TNC]]、[[福岡放送|FBS]]、[[TVQ九州放送|TVQ]] * ハーフサイズ:[[NHK BS1|NHK衛星第1]]、[[NHK衛星第2テレビジョン|NHK衛星第2]]、[[WOWOW]] ; 中面 * テレビ(ハーフサイズ):[[サガテレビ|STS]]、[[熊本放送|RKK]]、[[テレビ熊本|TKU]]、[[熊本県民テレビ|KKT]]、[[熊本朝日放送|KAB]] * AM:[[NHKラジオ第1放送|NHK第1]]、[[NHKラジオ第2放送|NHK第2]]、[[RKBラジオ|RKB]]、[[KBCラジオ|KBC]] * FM:[[NHK-FM放送|NHK-FM]]、[[エフエム福岡|FM福岡]] * 短波:[[日経ラジオ社|ラジオたんぱ]] == エピソード == * 発刊に際して西日本新聞社元従業員の[[長谷川町子]]に漫画連載を依頼した。これを受けて『[[サザエさん]]』が創案され、最初期の『サザエさん』はフクニチに連載された。 **また、長谷川の自伝「[[サザエさんうちあけ話]]」をモチーフにした、[[NHK総合テレビジョン]]『[[連続テレビ小説]]・[[マー姉ちゃん]]』(1979年4-9月生放送)において、「夕刊フクオカ」という新聞が登場するが、これは創刊当初のフクニチがモチーフとされている。 * [[うえやまとち]]が[[1978年]]([[昭和]]53年)から[[1982年]](昭和57年)まで[[4コマ漫画]]『筑紫ン坊』を連日掲載していた。その関係か、「[[クッキングパパ]]」([[講談社]]発行の漫画雑誌、[[モーニング (漫画雑誌)|週刊モーニング]]連載)の[[主人公]]・荒岩の[[妻]]虹子は「フクニチ」の名称を反転させた「ニチフク新聞」の記者という設定である。 * [[1991年]](平成3年)まで[[中央競馬]]の[[小倉競馬場]]の開催レースにフクニチ新聞杯(900万下条件)を提供していた。 == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} == 関連項目 == * [[フクニチスポーツ]] == 関連図書 == * フクニチOB会著『光芒!フクニチ新聞』 [[葦書房]]、[[1996年]](平成8年) - 「大衆の新聞」を宣言して焼跡に生まれたフクニチ46年の興亡ドキュメント。 {{西日本新聞社}} {{サザエさん}} {{Normdaten}} {{DEFAULTSORT:ふくにちしんふん}} [[Category:日本の新聞 (廃刊)]] [[Category:福岡県の新聞|廃ふくにち]] [[Category:かつて存在した福岡県の企業]] [[Category:福岡市中央区の歴史]] [[Category:博多区の歴史]] [[Category:1946年設立の企業]] [[Category:1992年廃止の企業]] [[Category:経営破綻した企業(福岡県)]] [[Category:1946年刊行開始の刊行物]] [[Category:1992年刊行終了の刊行物]] [[Category:西日本新聞社の歴史]] [[Category:戦後の福岡]]
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ガスケット
ガスケット(英: gasket)とは、構造に気密性、液密性を持たせるために用いる固定用シール材である。固定用シール材に対し、運動用シール材をパッキンと呼ぶ。 ガスケットは、配管の継ぎ手や圧力容器のマンホールやバルブボンネットへ挟み込んで圧縮し、その隙間を塞ぐと同時に、流体の漏れまたは外部からの異物の進入を防止するものである。耐熱、耐圧力、耐薬品性、施工性、加工性、価格などの見地で様々な種類のものが使用される。ガスケットは石油精製・石油化学・電力・製紙などの各種プラント、ビル設備、造船等の産業分野で、内部圧力や温度が低い流体には軟質ガスケット、圧力・温度が高い流体にはセミメタル・メタルガスケットが使用されることが多い。 従来、ガスケットと呼ばれるものは、石綿(アスベスト)を含有したジョイントシートを指すことが多かったが、現在では石綿の使用が原則禁止されており、非石綿のガスケットが使用されている。 エンジンでは、エンジンのシリンダーヘッドとシリンダーブロックの間やエキゾーストマニホールドとマフラーの間に用いられる。 また、エキゾーストマニホールドに装着されるO2センサーや、ガソリンエンジンの点火プラグには断面がS字状に形成されるメタルガスケットが多用される。 スバル・サンバーなど、特定の車種ではオイルパンのドレインプラグにワッシャーではなくプレス成形のメタルガスケットが使用されているため再利用は難しく、ガソリンスタンドや自動車用品店など、スバルディーラー以外でのオイル交換では、あらかじめ新品のガスケットを用意しておく必要がある。
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ガスケットとは、構造に気密性、液密性を持たせるために用いる固定用シール材である。固定用シール材に対し、運動用シール材をパッキンと呼ぶ。
{{出典の明記|date=2015年7月}} [[ファイル:Gasket.JPG|thumb|200px|配管用フランジ(継手)に施工したガスケットの模式図]] '''ガスケット'''({{lang-en-short|gasket}})とは、構造に[[気密性]]、[[水密性|液密性]]を持たせるために用いる固定用[[シール (工学)|シール材]]である。固定用シール材に対し、運動用シール材を[[シール (工学)#パッキン|パッキン]]と呼ぶ。 == 概要 == ガスケットは、[[配管]]の継ぎ手や圧力容器の[[マンホール]]や[[バルブ]]ボンネットへ挟み込んで圧縮し、その隙間を塞ぐと同時に、[[流体]]の[[漏れ]]または外部からの異物の進入を防止するものである。[[耐熱]]、耐圧力、耐薬品性、施工性、加工性、価格などの見地で様々な種類のものが使用される。ガスケットは[[石油精製]]・[[石油化学]]・[[電力]]・[[製紙]]などの各種[[工場|プラント]]、ビル設備、[[造船]]等の産業分野で、内部[[圧力]]や[[温度]]が低い流体には軟質ガスケット、圧力・温度が高い流体にはセミメタル・メタルガスケットが使用されることが多い。 従来、ガスケットと呼ばれるものは、[[石綿]](アスベスト)を含有したジョイントシートを指すことが多かったが、現在では石綿の使用が原則禁止されており、非石綿のガスケットが使用されている。 == 種類 == === 軟質ガスケット === ; [[ゴム]]Oリング : [[ファイル:Oring.JPG|thumb|right|200px|ゴムOリング]] : 断面丸型のゴムリング成型品で、“[[Oリング]]”と呼ばれる。溝にはめ込んで、最高25MPaまでの圧力をシールすることができる。小さな締付荷重で高いシール性が得られるメリットがあるが、継手面にゴムOリングに合わせた溝加工を施さなければならない。 : ただし、Oリングは運動する箇所のシール材に使用されることも多く、その場合の呼び名は「ガスケット」ではなく、「パッキン」となる。 ; ゴムシート : [[ファイル:rubberseet.JPG|thumb|right|200px|ゴムシート(全面座用)]] : 厚さ1.0mm 〜 3.0mmのゴムシートを打ち抜いたガスケット。天然ゴム・ニトリルゴム・クロロプレンゴム・エチレンプロピレンゴム・ブチルゴム・シリコーンゴム・フッ素ゴム・パーフロロゴム等のゴム材質を、耐候性、耐薬品性、耐熱、機械的性質、ガス透過性等に応じて選定する。ゴム特有の弾性、緻密性から、低締付面圧でも相手面に密着し、高いシール性が得られる特長があるが、圧縮破壊面圧が低いため、構造上接触面積が小さく高い締付面圧が負荷される平面座のフランジには不向きで、専ら接触面積が広い全面座のフランジに使用される。 : {| class="wikitable" |+'''ゴムシートの耐熱・耐圧''' |- !材質 !使用温度範囲 !耐圧 |- !天然ゴム |style="text-align: right;"|-20 〜 100℃ |style="text-align: right;"|1MPaまで |- !ニトリルゴム |style="text-align: right;"|-30 〜 120℃ |style="text-align: right;"|1MPaまで |- !クロロプレンゴム |style="text-align: right;"|-30 〜 120℃ |style="text-align: right;"|1MPaまで |- !エチレンプロピレンゴム |style="text-align: right;"|-40 〜 150℃ |style="text-align: right;"|1MPaまで |- !ブチルゴム |style="text-align: right;"|-30 〜 150℃ |style="text-align: right;"|1MPaまで |- !シリコンゴム |style="text-align: right;"|-60 〜 230℃ |style="text-align: right;"|1MPaまで |- !ふっ素ゴム |style="text-align: right;"|-15 〜 150℃ |style="text-align: right;"|1MPaまで |- !パーフロロゴム |style="text-align: right;"|0 〜 200℃ |style="text-align: right;"|1MPaまで |- |} ; ジョイントシート :[[ファイル:compressed fiber jointing.JPG|thumb|right|200px|ジョイントシート]] : [[ゴム]]、[[ポリアミド]]繊維、[[ガラス繊維]]、膨張[[黒鉛]]などを均一に混合させた後加熱ロールで加圧圧延した厚さ0.4mm 〜 3.0mmのシートを打抜いたガスケット。過去には石綿(アスベスト)を主材とする石綿ジョイントシートが広く使用された。石綿の使用禁止後はシール性能や耐熱温度の低下が見られるが価格が安く加工や入手が容易なため、代表的なガスケットとして依然使用されている。厚さ1.5mm、3.0mmのものが代表的厚さとして使用されることが多い。 :{|class="wikitable" |+'''ジョイントシートの耐熱・耐圧''' |- !材質 !使用温度範囲 !耐圧 |- !汎用グレード |style="text-align: right;"|-100 〜 100℃ |style="text-align: right;"|3MPaまで |- !高温グレード |style="text-align: right;"|-200 〜 260℃ |style="text-align: right;"|4MPaまで |- |} ; 膨張[[黒鉛]]シート : [[ファイル:Expanded graphite seet.JPG|thumb|right|200px|膨張黒鉛シート]] : 膨張黒鉛を基材とするシートガスケット。補強材として、中芯に[[ステンレス]]鋼板を挟んだものが広く使用される。最高400℃ まで使用でき、耐熱性、耐薬品性に優れているシートガスケットであるが、表面の膨張黒鉛が軟らかく、中芯が硬いことから、加工が難しく傷つき易いので、取り扱いは慎重に行わなければならない。 :{|class="wikitable" |+'''膨張黒鉛シートの耐熱・耐圧''' |- ! 材質 ! 使用温度範囲 ! 耐圧 |- ! ステンレス鋼板なし |style="text-align: right;"|-240 〜 400℃ |style="text-align: right;"|3MPaまで |- ! ステンレス鋼板入り |style="text-align: right;"|-240 〜 400℃ |style="text-align: right;"|5MPaまで |- |} ; PTFEシート : [[ファイル:PTFEseet.JPG|thumb|right|200px|PTFEシート]] : PTFE([[テフロン]])のシートガスケット。PTFEの[[クリープ]]特性を改善させるため、充填剤をブレンドしたタイプが広く使用される。耐薬品性、クリーン性に優れたガスケットでありシール性も高い。高温で軟化するPTFEの特性から、高温での長期使用においては信頼性に欠ける。さらに温度変動、圧力変動等によりガスケット面への応力変動が繰り返し発生する場合はクリープを発生させやすい。 :{| class="wikitable" |+'''PTFEシートの耐熱・耐圧''' |- !材質 !使用温度範囲 !耐圧 |- !純PTFE |style="text-align: right;"|-100 〜 100℃ |style="text-align: right;"|1MPaまで |- !ガラスファイバー充填PTFE |style="text-align: right;"|-100 〜 150℃ |style="text-align: right;"|2MPaまで |- !無機充填材入りPTFE |style="text-align: right;"|-100 〜 200℃ |style="text-align: right;"|3MPaまで |- |} ; PTFEジャケット形 : [[ファイル:PTFE jacket.JPG|thumb|right|200px|PTFEジャケット形]] : ジョイントシートなどの中芯材をPTFEの薄皮で被覆したもの。中芯材の柔軟性と、PTFE薄皮の耐薬品性、クリーン性を兼ねそなえたガスケット {{-}} === セミメタルガスケット === ; うず巻形ガスケット(Spiral-wound gaskets) : [[ファイル:Vortex.JPG|thumb|right|200px|渦巻き型ガスケット]] : V字形をした金属薄板と軟質の[[フィラー]]材を交互に重ねうず巻状に巻きつけたガスケット。石油学会規格ではこのガスケットを推奨している。軟質ガスケットに比べ高温・高圧のシールが可能だが、高い締付面圧が必要になる。また、その構造から目の粗い[[セレーション加工]]等、接触面に凹凸があるフランジ等での使用が困難である。フィラー材は主にノンアスベストフィラー、膨張黒鉛フィラー、PTFEフィラー、高温用複合フィラーの4種類があり、流体、温度、圧力に合わせて選定を行う。通常450℃までの流体には、膨張黒鉛フィラーが主に使用される。 :{| class="wikitable" |+'''うず巻形ガスケットの耐熱・耐圧''' |- !フィラー材質 !使用温度範囲 !耐圧 |- !ノンアスベストフィラー |style="text-align: right;"| 〜 350℃ |style="text-align: right;"|25.9MPaまで |- !膨張黒鉛フィラー |style="text-align: right;"|-240 〜 450℃ |style="text-align: right;"|43.1MPaまで |- !PTFEフィラー |style="text-align: right;"| 〜 300℃ |style="text-align: right;"|10.3MPaまで |- !高温複合フィラー |style="text-align: right;"| 〜 800℃ |style="text-align: right;"|25.9MPaまで |- |} ; メタルジャケットガスケット : [[ファイル:Metal jacket.JPG|thumb|right|200px|メタルジャケットガスケット]] : [[無機物|無機質]]の中芯クッション材を金属薄板で被覆したガスケット。被覆金属には銅やステンレスの薄板が用いられることが多い。表面が金属であるため浸透漏れがなく耐熱性が高い。軟質ガスケットに比べて高い締付面圧を要する。被覆金属に銅を用いた物は馴染み性が高く、フランジの接触面の状態に影響されにくい。ディーゼルエンジン、熱交換器、熱風配管などに使用されている。 :{| class="wikitable" |+'''メタルジャケットガスケットの耐熱・耐圧''' |- !材質 !使用温度範囲 !耐圧 |- !汎用グレード |style="text-align: right;"| 〜 530℃ |style="text-align: right;"|6.0MPaまで |- !高温グレード |style="text-align: right;"|1300℃ (金属材質の耐熱温度による) |style="text-align: right;"|6.0MPaまで |- !銅+無機材料 |style="text-align: right;"| 〜 600℃ |style="text-align: right;"|40MPaまで |- !Niスーパーアロイ+無機材料 |style="text-align: right;"| 〜 1100℃ |style="text-align: right;"|40MPaまで |} ; カンプロファイルガスケット(Kammprofile gaskets) : [[ファイル:Kammprofile.JPG|thumb|right|200px|カンプロファイルガスケット]] : 特殊なのこ歯形状の溝を円周上に両面に彫った金属リングの両面に、軟質の表層材を貼り合わせたガスケット。まだ日本国内における使用実績は少ない。うず巻形ガスケットと比べ、ハンドリング時バラケの心配が無い、内外輪の必用性がなくコンパクトに設計できるといったメリットがある。金属リングの劣化が無ければ、表層材を貼り替えることにより再利用が可能。主に機器のガスケットとして使用される。カンプロファイルの名称はドイツ語の Kammprofil カムプロフィール(直訳すると「くし歯形状」)に由来する。 :{| class="wikitable" |+'''カンプロファイルガスケットの耐熱・耐圧''' |- !表層材質 !使用温度範囲 !耐圧 |- !膨張黒鉛 |style="text-align: right;"| 〜 400℃ |style="text-align: right;"|44.0MPaまで |- !PTFE |style="text-align: right;"| 〜 260℃ |style="text-align: right;"|11.0MPaまで |- |} {{-}} === メタルガスケット === ; 金属平形ガスケット : 金属板を打抜いたガスケット。銅やステンレス、アルミ等が用いられる。シール性を高めるために[[光輝焼鈍]]したものを用いることが多い。無酸素銅製のものは、超高真空用に用いられる。 ; メタル中空Oリング :[[ファイル:Metal Oseal.JPG|thumb|right|200px|メタル中空Oリング]] : 金属の細管をOリング状に成型したガスケット。溝にはめ込んで使用するが、厳しい溝寸法精度、[[表面粗さ]]が求められる。高温高圧までシールでき、線シールであるため継手の軽量化が可能。一般的な配管に使用されることは少ない。 :{| class="wikitable" |+'''メタル中空Oリングの耐熱・耐圧''' |- !使用温度範囲 !耐圧 |- |style="text-align: right;"| 〜 700℃ |style="text-align: right;"|70MPaまで |- |} ; リングジョイント : [[ファイル:Ring joint.JPG|thumb|right|200px|リングジョイント]] : 金属材料をリング状に切削加工したガスケット。軟質材が使えない高温・高圧下でのガスケットとしてフランジに掘られた溝に入れて使用される。また、浸透漏れが許されない高度なシールを要求される時にも使用される。配管用としてJPI 7S 23 に規定される断面形状がオクタゴナル({{en|octagonal}}、八角形)、オーバル({{en|oval}}、楕円)のものが主に使用される。施工にはすり合わせ(溝とガスケットをこすり合わせ、密着するか確認する作業)を行わなければならず、取り付けにはスキルを要する。 === その他ガスケット === * マンホールガスケット *: 無機質の織布にゴムや無機粉末を含浸したガスケット。柔らかく歪んだ面にも馴染みやすいが、布目を通って微量の浸透漏れがあるため若干の微量漏れが許される排ガスなどの高温且つ低圧の流体に使用される。 * シールテープ *: {{main|シールテープ}} * 液状ガスケット *: 文字通り液状のガスケット。そのものをガスケットとして利用するというよりは[[コーキング]]剤のように既製のガスケットに併用して補強する用途として用いられる。([[セメダイン]]製のタイル目地補修材のバスコークのような)コーキング剤でしばしば代用されることもある。 <gallery> MANHOLE GASKET.JPG|配管フランジ用ガスケット PTFE seal tape.jpg|シールテープ シールテープ施工.jpg|シールテープ施工 </gallery> == 内燃機関での利用 == [[内燃機関|エンジン]]では、エンジンのシリンダーヘッドと[[シリンダー]]ブロックの間や[[エキゾーストマニホールド]]と[[マフラー (原動機)|マフラー]]の間に用いられる。 また、エキゾーストマニホールドに装着されるO<sub>2</sub>センサーや、[[ガソリンエンジン]]の[[点火プラグ]]には断面がS字状に形成されるメタルガスケットが多用される。 [[スバル・サンバー]]など、特定の車種では[[オイルパン]]の[[ドレイン]]{{要曖昧さ回避|date=2016年3月}}プラグに[[ワッシャー]]ではなく[[プレス加工|プレス成形]]のメタルガスケットが使用されているため再利用は難しく、[[ガソリンスタンド]]や[[カー用品|自動車用品店]]など、スバル[[自動車ディーラー|ディーラー]]以外でのオイル交換では、あらかじめ新品のガスケットを用意しておく必要がある。 == 脚注== {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} == 関連項目 == * [[機械工学]] * [[シール (工学)]] * [[オイルシール]] * [[ヘッドガスケット]] * [[シェルピンスキーのギャスケット]] - [[フラクタル図形]]の一種。 {{自動車部品}} {{Normdaten}} {{デフォルトソート:かすけつと}} [[Category:機械工学]] [[Category:自動車工学]] [[Category:自動車エンジン技術]] [[Category:シール (工学)]]
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中央アメリカ
中央アメリカ(ちゅうおうアメリカ、西: América central、英: Central America)は、中米(ちゅうべい)ともいい、アメリカ州を、北・中・南に分類した場合の北アメリカ (北米)と南アメリカ (南米)をつなぐ地峡部でグアテマラ・ベリーズ・エルサルバドル・ホンジュラス・ニカラグア・コスタリカ・パナマの7か国からなる地域である。 自然地理学的にはメキシコのテワンテペック地峡からパナマ地峡までである。この場合はメキシコの南部諸州が中央アメリカへ含まれ、パナマの南部が中央アメリカに含まれないことになる。北アメリカに含めて言われる場合も多い。 域内7か国の総人口は約5,217万人(2022年推定値)で総面積は521,876平方キロメートル (201,497 sq mi)(日本の約1.4倍)である。 上記の範囲を拡大し、中央アメリカにメキシコおよびカリブ海諸国を含めた中部アメリカ(英: Middle America)という定義もある。 グアテマラとベリーズは北米プレート上にあるが、その他はカリブプレート上である。地学的に非常に活発な地域であり、火山も多く、地震も頻発している。約300万年前の鮮新世に形成されたパナマ地峡は、南北アメリカ大陸をつなぐと同時に海洋を2分したことで地質時代上の重要な出来事と考えられている。 平野部はベリーズとニカラグアに多いが、その他の国は山岳地形である。グアテマラのタフムルコ山 (Volcán Tajumulco)が最も高く、標高は4,220 m (13,850フィート)である。 大陸の一部ではあるが東西に細い地形で、メキシコ湾・カリブ海と太平洋に挟まれており、雨量が多い。また、カリブ海と太平洋のそれぞれで発生したハリケーンの影響を受ける。 2万年前には人類が到達しており、メキシコ南部から中央アメリカにかけて先コロンブス期にオルメカやマヤなど様々な文明が発達した。16世紀にはスペイン人によりメキシコ、中米、南米が征服され、17世紀から19世紀初頭にかけてヌエバ・エスパーニャ副王領の下位行政組織のグアテマラ総監領が、北は現在のメキシコのチアパス州から南はコスタリカにわたる地域を統治した。パナマは南米北部のヌエバ・グラナダ副王領の統治下にあった。1821年にはグアテマラ総監領はスペインから独立し、中米連邦を成立させたが、内戦を経て19世紀中頃には各国が独立した。連邦崩壊後も何度か再統合が試みられたが成功していない。1960年には、経済統合を目指し中米7か国が加盟した中米統合機構が設立された。 人文地理学の観点から文化的差異を考慮し、アングロアメリカとラテンアメリカで分類されることもあり、メキシコと中央アメリカ諸国をひとつのグループにまとめる場合がある。メキシコ、中央アメリカ、さらにカリブ諸島の括りを中部アメリカと呼ぶ。 国際連合ではアメリカ州を、北方アメリカ(英: Northern America、北ではない)と中央アメリカ(英: Central America、メキシコを含む)、カリブ諸国、および南アメリカ(英: South America)と分類している。 アングロ・ラテンの分類は、カナダのケベック州はフランス語圏(ラテン)であり、中米・カリブ諸国・南米に非ラテン語圏があり、米国領のプエルトリコはスペイン語圏であるなど、地理的分類が容易ではない。 人口は2022年時点で約5,217万人、人口密度は約99人/kmである。 コスタリカを除く6か国ではメスティーソ(先住民と欧州人の混血)に代表される混血の人口の割合が最も大きく、中央アメリカ全体では約6割が混血である。次いで白人が地域の約20%を占め、コスタリカでは白人の人口が最も多い。他に、グアテマラでは先住民族が4割近くを、ベリーズでは黒人が3割以上を占める。また、スペイン圏の国々の国民には以下のような愛称が付けられる。 最狭義には中央アメリカ連邦を構成していた5か国のみが本来の中央アメリカであり、中央アメリカのアイデンティティもこの5か国が共有するものだったが、1903年にコロンビアから独立したパナマ、イギリス領ホンジュラスが独立したベリーズが加えられてこの2か国も中央アメリカを構成することになった。 経済的にはパナマ、コスタリカの最上位、グアテマラ、エルサルバドルの中位、ニカラグア、ホンジュラスの最下位国に分化する。 上記に加えて、カリブ海の西インド諸島を含めた地域。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "中央アメリカ(ちゅうおうアメリカ、西: América central、英: Central America)は、中米(ちゅうべい)ともいい、アメリカ州を、北・中・南に分類した場合の北アメリカ (北米)と南アメリカ (南米)をつなぐ地峡部でグアテマラ・ベリーズ・エルサルバドル・ホンジュラス・ニカラグア・コスタリカ・パナマの7か国からなる地域である。", "title": null }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "自然地理学的にはメキシコのテワンテペック地峡からパナマ地峡までである。この場合はメキシコの南部諸州が中央アメリカへ含まれ、パナマの南部が中央アメリカに含まれないことになる。北アメリカに含めて言われる場合も多い。", "title": null }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "域内7か国の総人口は約5,217万人(2022年推定値)で総面積は521,876平方キロメートル (201,497 sq mi)(日本の約1.4倍)である。", "title": null }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "上記の範囲を拡大し、中央アメリカにメキシコおよびカリブ海諸国を含めた中部アメリカ(英: Middle America)という定義もある。", "title": null }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "グアテマラとベリーズは北米プレート上にあるが、その他はカリブプレート上である。地学的に非常に活発な地域であり、火山も多く、地震も頻発している。約300万年前の鮮新世に形成されたパナマ地峡は、南北アメリカ大陸をつなぐと同時に海洋を2分したことで地質時代上の重要な出来事と考えられている。", "title": "自然" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "平野部はベリーズとニカラグアに多いが、その他の国は山岳地形である。グアテマラのタフムルコ山 (Volcán Tajumulco)が最も高く、標高は4,220 m (13,850フィート)である。", "title": "自然" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "大陸の一部ではあるが東西に細い地形で、メキシコ湾・カリブ海と太平洋に挟まれており、雨量が多い。また、カリブ海と太平洋のそれぞれで発生したハリケーンの影響を受ける。", "title": "自然" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "2万年前には人類が到達しており、メキシコ南部から中央アメリカにかけて先コロンブス期にオルメカやマヤなど様々な文明が発達した。16世紀にはスペイン人によりメキシコ、中米、南米が征服され、17世紀から19世紀初頭にかけてヌエバ・エスパーニャ副王領の下位行政組織のグアテマラ総監領が、北は現在のメキシコのチアパス州から南はコスタリカにわたる地域を統治した。パナマは南米北部のヌエバ・グラナダ副王領の統治下にあった。1821年にはグアテマラ総監領はスペインから独立し、中米連邦を成立させたが、内戦を経て19世紀中頃には各国が独立した。連邦崩壊後も何度か再統合が試みられたが成功していない。1960年には、経済統合を目指し中米7か国が加盟した中米統合機構が設立された。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "人文地理学の観点から文化的差異を考慮し、アングロアメリカとラテンアメリカで分類されることもあり、メキシコと中央アメリカ諸国をひとつのグループにまとめる場合がある。メキシコ、中央アメリカ、さらにカリブ諸島の括りを中部アメリカと呼ぶ。", "title": "その他の定義" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "国際連合ではアメリカ州を、北方アメリカ(英: Northern America、北ではない)と中央アメリカ(英: Central America、メキシコを含む)、カリブ諸国、および南アメリカ(英: South America)と分類している。", "title": "その他の定義" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "アングロ・ラテンの分類は、カナダのケベック州はフランス語圏(ラテン)であり、中米・カリブ諸国・南米に非ラテン語圏があり、米国領のプエルトリコはスペイン語圏であるなど、地理的分類が容易ではない。", "title": "その他の定義" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "人口は2022年時点で約5,217万人、人口密度は約99人/kmである。", "title": "人口統計" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "コスタリカを除く6か国ではメスティーソ(先住民と欧州人の混血)に代表される混血の人口の割合が最も大きく、中央アメリカ全体では約6割が混血である。次いで白人が地域の約20%を占め、コスタリカでは白人の人口が最も多い。他に、グアテマラでは先住民族が4割近くを、ベリーズでは黒人が3割以上を占める。また、スペイン圏の国々の国民には以下のような愛称が付けられる。", "title": "人口統計" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "最狭義には中央アメリカ連邦を構成していた5か国のみが本来の中央アメリカであり、中央アメリカのアイデンティティもこの5か国が共有するものだったが、1903年にコロンビアから独立したパナマ、イギリス領ホンジュラスが独立したベリーズが加えられてこの2か国も中央アメリカを構成することになった。", "title": "中央アメリカ諸国" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "経済的にはパナマ、コスタリカの最上位、グアテマラ、エルサルバドルの中位、ニカラグア、ホンジュラスの最下位国に分化する。", "title": "中央アメリカ諸国" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "上記に加えて、カリブ海の西インド諸島を含めた地域。", "title": "広義の中央アメリカ諸国" } ]
中央アメリカは、中米(ちゅうべい)ともいい、アメリカ州を、北・中・南に分類した場合の北アメリカ (北米)と南アメリカ (南米)をつなぐ地峡部でグアテマラ・ベリーズ・エルサルバドル・ホンジュラス・ニカラグア・コスタリカ・パナマの7か国からなる地域である。 自然地理学的にはメキシコのテワンテペック地峡からパナマ地峡までである。この場合はメキシコの南部諸州が中央アメリカへ含まれ、パナマの南部が中央アメリカに含まれないことになる。北アメリカに含めて言われる場合も多い。 域内7か国の総人口は約5,217万人(2022年推定値)で総面積は521,876平方キロメートル (201,497 sq mi)(日本の約1.4倍)である。 上記の範囲を拡大し、中央アメリカにメキシコおよびカリブ海諸国を含めた中部アメリカという定義もある。
{{混同|アメリカ合衆国中央部}} {{Otheruses|セントラル・アメリカ|ミドル・アメリカ|中部アメリカ}} {{Redirect|中米|[[中華人民共和国]]と[[アメリカ合衆国]]の関係|米中関係}} [[File:Central America (orthographic projection).svg|thumb|中央アメリカの地図]] [[File:Map of Central America.svg|thumb|紫:[[グアテマラ]] 緑:[[ベリーズ]] 茶:[[エルサルバドル]] 青:[[ホンジュラス]] 黄:[[ニカラグア]] 赤:[[コスタリカ]] 桃:[[パナマ]]]] '''中央アメリカ'''(ちゅうおうアメリカ、{{lang-es-short| América central}}、{{lang-en-short| Central America}})は、'''中米'''(ちゅうべい)ともいい、[[アメリカ州]]を、北・中・南に分類した場合の[[北アメリカ]] (北米)と[[南アメリカ]] (南米)をつなぐ[[地峡]]部で[[グアテマラ]]・[[ベリーズ]]・[[エルサルバドル]]・[[ホンジュラス]]・[[ニカラグア]]・[[コスタリカ]]・[[パナマ]]の7か国からなる地域である<ref>kotobank - 小学館・デジタル大辞泉 [https://kotobank.jp/word/%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB-97022 「中央アメリカ」]</ref>。 [[自然地理学]]的には[[メキシコ]]の[[テワンテペック地峡]]から[[パナマ地峡]]までである<ref>weblio - 三省堂・大辞林 [http://www.weblio.jp/content/%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB 「中央アメリカ」]</ref>。この場合はメキシコの南部諸州が中央アメリカへ含まれ、パナマの南部が中央アメリカに含まれないことになる。北アメリカに含めて言われる場合も多い。 域内7か国の総人口は約5,217万人(2022年推定値)で総面積は{{convert|521876|km2|sqmi}}([[日本]]の約1.4倍)である<ref>{{cite web|website=World Population Review|title=Central America Population 2020|language=en|url=http://worldpopulationreview.com/continents/central-america-population/|accessdate=February 9, 2020}}</ref>。 上記の範囲を拡大し、中央アメリカにメキシコおよび[[西インド諸島|カリブ海諸国]]を含めた'''[[中部アメリカ]]'''<ref>kotobank - 日立ソリューションズ・世界大百科事典 [https://kotobank.jp/word/%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB-97022 「中央アメリカ」]</ref>({{lang-en-short|Middle America}}<ref name=natgeo>National Geographic [https://sites.google.com/a/ngs.org/ngs-style-manual/home/C/central-middle-america Central America, Middle America]</ref>)という定義もある。 == 自然 == [[File:Caribbean plate tectonics-en.png|thumb|right|カリブプレートと断層]] [[File:Global tropical cyclone tracks-edit2.jpg|thumb|right|[[熱帯低気圧]]の経路 (1985年 - 2005年)]] グアテマラとベリーズは[[北米プレート]]上にあるが、その他は[[カリブプレート]]上である。地学的に非常に活発な地域であり、火山も多く、地震も頻発している。約300万年前の[[鮮新世]]に形成されたパナマ地峡は、南北アメリカ大陸をつなぐと同時に海洋を2分したことで[[地質時代]]上の重要な出来事と考えられている。 平野部はベリーズとニカラグアに多いが、その他の国は山岳地形である。[[グアテマラ]]の[[タフムルコ山]] (Volcán Tajumulco)が最も高く、標高は4,220 m (13,850フィート)である。 {| class="wikitable sortable" style="margin: 1em auto;" |+中米の主な山岳 |- ! 国家 ! 名称 ! 標高 [m] ! 山脈 |- |style="text-align:left;"|{{flag|Belize}} |{{仮リンク|ドイルス・ディライト山|en|Doyle's Delight}} |1124 |[[マヤ山脈]] |- |style="text-align:left;"|{{flag|Costa Rica}} |[[チリポ山]] |3820 |[[タラマンカ山脈]] |- |style="text-align:left;"|{{flag|El Salvador}} |[[エル・ピタル山]] |2730 |{{仮リンク|シエラ・マドレ山脈|en|Sierra Madre de Chiapas}} |- |style="text-align:left;"|{{flag|Guatemala}} |[[タフムルコ山]] |4220 |{{仮リンク|シエラ・マドレ山脈|en|Sierra Madre de Chiapas}} |- |style="text-align:left;"|{{flag|Honduras}} |[[ミナス山]] |2780 |[[コルディジェラ・デ・セラケ山脈]]<!-- 英語版ページ無し。--> |- |style="text-align:left;"|{{flag|Nicaragua}} |[[モゴトン山]] |2107 |[[イサベリア山脈]] |- |style="text-align:left;"|{{flag|Panama}} |[[バル火山]] |3474 |[[タラマンカ山脈]] |} 大陸の一部ではあるが東西に細い地形で、[[メキシコ湾]]・[[カリブ海]]と[[太平洋]]に挟まれており、雨量が多い。また、カリブ海と太平洋のそれぞれで発生した[[ハリケーン]]の影響を受ける。 == 歴史 == {{main|中央アメリカ史|メソアメリカの編年}} 2万年前には人類が到達しており、メキシコ南部から中央アメリカにかけて[[先コロンブス期]]に[[オルメカ]]や[[マヤ]]など様々な文明が発達した。16世紀にはスペイン人によりメキシコ、中米、南米が征服され、17世紀から19世紀初頭にかけて[[ヌエバ・エスパーニャ副王領]]の下位行政組織の{{仮リンク|グアテマラ総監領|en|Captaincy General of Guatemala}}が、北は現在のメキシコの[[チアパス州]]から南はコスタリカにわたる地域を統治した。パナマは南米北部の[[ヌエバ・グラナダ副王領]]の統治下にあった。1821年にはグアテマラ総監領はスペインから独立し、[[中米連邦]]を成立させたが、内戦を経て19世紀中頃には各国が独立した。連邦崩壊後も何度か再統合が試みられたが成功していない。1960年には、経済統合を目指し中米7か国が加盟した[[中米統合機構]]が設立された。 == その他の定義 == [[人文地理学]]の観点から文化的差異を考慮し、[[アングロアメリカ]]と[[ラテンアメリカ]]<ref group="注">ラテンアメリカをしばしば中南米と同義として使われているが、メキシコは北アメリカであるので正確ではない。</ref>で分類されることもあり、メキシコと中央アメリカ諸国をひとつのグループにまとめる場合がある。メキシコ、中央アメリカ、さらにカリブ諸島の括りを[[中部アメリカ]]と呼ぶ<ref name=natgeo/>。 [[国際連合]]ではアメリカ州を、'''北方'''アメリカ({{lang-en-short|Northern America}}、北ではない)と中央アメリカ({{lang-en-short|Central America}}、メキシコを含む)、カリブ諸国、および南アメリカ({{lang-en-short|South America}})と分類している<ref>国際連合 [http://millenniumindicators.un.org/unsd/methods/m49/m49regin.htm Country or area &amp; region codes] </ref>。 アングロ・ラテンの分類は、[[カナダ]]の[[ケベック州]]は[[フランス語圏]]([[ラテン語|ラテン]])であり、中米・カリブ諸国・南米に非ラテン語圏があり、米国領の[[プエルトリコ]]はスペイン語圏であるなど、地理的分類が容易ではない。 == 人口統計 == 人口は2022年時点で約5,217万人、人口密度は約99人/km<sup>2</sup>である。 === 人種・民族 === [[コスタリカ]]を除く6か国では[[メスティーソ]](先住民と欧州人の混血)に代表される[[混血]]の人口の割合が最も大きく、中央アメリカ全体では約6割が混血である。次いで[[白人]]が地域の約20%を占め、コスタリカでは白人の人口が最も多い。他に、[[グアテマラ]]では[[インディアン|先住民族]]が4割近くを、[[ベリーズ]]では[[黒人]]が3割以上を占める。また、スペイン圏の国々の国民には以下のような[[愛称]]が付けられる<ref>{{Cite news|title=Nicas, nicoyas, pinoleros, mucos y chochos: de dónde vienen y qué significan los numerosos apodos de los habitantes de Nicaragua|url=https://www.bbc.com/mundo/noticias-america-latina-43731788|work=BBC News Mundo|accessdate=2021-02-15|language=es}}</ref><ref>{{Cite news|title=Por qué a los costarricenses les dicen ticos (y catrachos, chapines, guanacos y nicas a sus vecinos centroamericanos)|url=https://www.bbc.com/mundo/noticias-48097872|work=BBC News Mundo|accessdate=2021-02-15|language=es}}</ref>。 {| class="wikitable" !国籍 !愛称 |- |グアテマラ |Chapines |- |エルサルバドル |Guanacos / as |- |ホンジュラス |Catrachos / as |- | rowspan="3" |ニカラグア |Pinoleros / as |- |Nicas |- |Nicoyas |- |コスタリカ |Ticos / as |} == 中央アメリカ諸国 == [[ファイル:CIA map of Central America.png|thumb|300px|中央アメリカ7か国]] 最狭義には[[中米連邦|中央アメリカ連邦]]を構成していた5か国のみが本来の中央アメリカであり、中央アメリカのアイデンティティもこの5か国が共有するものだったが、[[1903年]]に[[コロンビア]]から独立したパナマ、[[ベリーズ|イギリス領ホンジュラス]]が独立したベリーズが加えられてこの2か国も中央アメリカを構成することになった。 経済的にはパナマ、コスタリカの最上位、グアテマラ、エルサルバドルの中位、ニカラグア、ホンジュラスの最下位国に分化する。 *{{GTM}} (''Guatemala'') *{{BLZ}} (''Belize'') *{{HND}} (''Honduras'') *{{SLV}} (''El Salvador'') *{{NIC}} (''Nicaragua'') *{{CRI}} (''Costa Rica'') *{{PAN}} (''Panamá'') == 広義の中央アメリカ諸国 == [[Image:CIA map of the Caribbean.png|thumb|300px|right|西インド諸島・カリブ海周辺]] 上記に加えて、[[カリブ海]]の[[西インド諸島]]を含めた地域。 *{{BHS}} *{{TCA}}(イギリス領) *{{CUB}} (''Cuba'') *{{CYM}}(イギリス領) *{{JAM}} *{{HTI}} *{{DOM}} *{{PRI}}(アメリカ領) *{{VIR}} *{{VGB}} *{{AIA}}(イギリス領) *{{KNA}} *{{ATG}} *{{MSR}}(イギリス領) *{{GLP}}(フランス領・海外県) *{{DMA}} *{{MTQ}}(フランス領・海外県) *{{LCA}} *{{BRB}} *{{VCT}} *{{GRD}} *{{TTO}} *{{ABW}}(オランダ領) *{{CUW}}(オランダ領) *{{SXM}}(オランダ領) *{{Flagicon|NED}} [[ボネール、シント・ユースタティウスおよびサバ]](オランダ領) == 地域機関 == * [[中米統合機構]] == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} === 注釈 === {{Reflist|group="注"}} === 出典 === {{Reflist}} == 関連項目 == {{Commons&cat|Central_America|Central_America}} * [[ラテンアメリカ]] * [[アメリカ大陸諸国の独立年表]] * [[中央アメリカ連邦共和国]] * [[メソアメリカ]] * [[北部三角地帯]] * [[中米サッカー連合]] {{アメリカ}} {{Normdaten}} {{DEFAULTSORT:ちゆうおうあめりか}} [[Category:中央アメリカ|*]]
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2023-04-12T13:22:09Z
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ジャイナ教
ジャイナ教(ジャイナきょう、サンスクリット語: जैन、英: Jainism)は、マハーヴィーラ(ヴァルダマーナ、前6世紀-前5世紀)を祖師と仰ぎ、特にアヒンサー(不害)の禁戒を厳守するなど徹底した苦行・禁欲主義をもって知られるインドの宗教。「ジナ教」とも呼ばれる。仏教と異なりインド以外の地にはほとんど伝わらなかったが、その国内に深く根を下ろして、およそ2500年の長い期間にわたりインド文化の諸方面に影響を与え続け、2019年時点、およそ世界全体で500万人の信徒がいるとされる。 「マハーヴィーラ」(Mahāvīra)は、本名「ヴァルダマーナ」(Vardhamāna、栄える者)。「マハーヴィーラ」(偉大な勇者)の尊称で広く知られた。 マハーヴィーラはマガダ(現ビハール州)のバイシャーリー市近郊のクンダ村に、クシャトリヤ(王族)出身として生まれた。父親の名はシッダールタで、ゴートラはカーシヤパだった。母親はトリシャラー。30歳で出家してニガンタ派の行者となり、12年の苦行ののち真理を悟り「ジナ」(Jina、勝利者)となった(ジャイナ教とは「ジナの教え」の意味。なお、ジャイナ教の考え方ではマハーヴィーラは最初にジャイナ教を唱えた人物ではなく永遠の真理であり、現在の世界の相において24人のティールタンカラが同じ教えを述べたと考えられている。マハーヴィーラは最後のティールタンカラとされている)。以後30年間遊行しながら教えを説き広め、信者を獲得し、72歳でパータリプトラ(現パトナ)市近郊で生涯を閉じた。 仏典ではニガンタ・ナータプッタ(nigaṇṭha nātaputta, निगण्ढ नातपुत्त)の名で釈迦在世時代の代表的な自由思想家たち(六師外道)の一人である。彼は「ナータ族の出身者」で、古くからの宗教上の一派ニガンタ(束縛を離れた者)派で修行したのでそう呼ばれた。 ヴァルダマーナは当時の自由思想家の一人としてバラモン教の供犠や祭祀を批判し、あわせてヴェーダの権威を否定して、合理主義的な立場から独自の教理・学説をうち立てた。サンジャヤ・ベーラッティプッタや釈迦と同様、彼は言語による真理表現の可能性を深く模索した。ヴァルダマーナは、真理は多様に言い表せると説き、一方的判断を避けて「相対的に考察」することを教えた。これがジャイナ教の「相対論」(アネーカーンタ・ヴァーダ、anekānta-vāda)である。 具体的な表現法としては、「これである」「これではない」という断定的表現をさけ、常に「ある点からすると(スヤート、syāt)」という限定を付すべきだとする、「スヤード論」(syād-vāda)を説いた。これによりジャイナ教徒を「スヤード・ヴァーディン」(syād-vādin)ともいう。ジャイナ教は、相対主義を思想的支柱とし、後世「ヴェーダーンタ学派」の不二一元論や「サーンキヤ学派」の二元論、また「仏教」の無我論などと対抗してインド思想史上重要な位置を占めた。 ジャイナ教では宗教生活の基本的心得を、「三つの宝」(トリ・ラトナ、tri-ratna)と称して重んじる。 である。解脱を目的として行われる宗教生活上で重要なのは3の正しい行い、つまり戒律に従って正しい実践生活を送ることである。 修行生活に関する規定は多くあるが、基本は出家者のための五つの大禁戒(マハーヴラタ、mahāvrata)、 である。在家者は同項目の五つの小禁戒(アヌヴラタ、aṇuvrata)を守る。他宗教と比べて特徴的なのは(5)の無所有(アパリグラハ、aparigraha)であり、とくに裸行派の伝統に強く生きている。 1の禁戒、アヒンサーの厳守はもっとも重要である。ジャイナ教はあらゆるものに生命を見いだし、動物・植物はもちろんのこと、地・水・火・風・大気にまで霊魂(ジーヴァ)の存在を認めた。したがって、アヒンサーの禁戒のためにあらゆる機会に細心の注意を払う。宗派によっては空気中の小さな生物も殺さぬように白い小さな布きれで口をおおう(イエズス会の伝道師たちがジャイナ教徒に顕微鏡で普段飲んでいる水をみせたところ、それをみたジャイナ教徒は飲み水に微生物があふれていることを知り、飲むよりは衰弱死を選んだという報告書の存在がトマス・ブルフィンチの著書に記されている)。 また、「出家者は路上の生物を踏まぬようにほうきを手にする」という説明が各所にみられるが、実際には道を掃きながら歩くわけではなく、座る前にその場を払うための道具である。とはいえ、これはアヒンサーの徹底ぶりを象徴している。 アヒンサーを守るための最良の方法は「断食」であり、もっとも理想的な死はサッレーカナー(sallekhanā)、「断食を続行して死にいたる」ことである。マハーヴィーラも断食の末に死んだとされ、古来、段階的な修行を終えたジャイナ出家者・信者のみがこの「断食死」を許された。 だが、ジャイナ教徒にとってのアヒンサー(不害)は、身体的行為のみならず、言語的行為、心理的行為の3つを合わせたものとして理解されなければならない。人を傷つけることばを発することや人には気づかれなくとも心の中で他者を傷つけるようなことを思うことさえもジャイナ教徒は罪と考えるのである。これこそがアヒンサーの厳しさである。 また、例えば動物に襲われたときにも自衛のために動物を傷付けてはいけない。つまり、アヒンサーを忠実に守るためには死をも覚悟しなければならない。これは現世の身体は不浄のものであるから肉体に執着してはならないという考えに裏打ちされている。 食生活はジャイナ教の生物の分類学上、できる限り下等なものを摂取すべきであり、豆類、葉菜類と茎野菜を中心とした食事となることが多い。殺生を徹底的に忌むことから、肉・魚介類・卵・球根類(五葷)などは口にしない。敬虔な信徒は、蜂蜜・鰹節や煮干しの出汁・ブイヨン・ゼラチン・肉エキス・バター・ラード・ヘット(牛脂)・魚油・馬油やそれらを使用した調理器具も忌むことがある。また誤って虫を殺めぬよう、火を使用する調理を避け、調理と食事は日の出ている時間内に済ませる。ジャイナ教徒に食事を振る舞う際は、相手の食べられないものをなるべく個別に確認し、料理に含まれる食材と含まれない食材を説明するのが望ましい。 マハーヴィーラ在世時、マガダのセーニヤ(seṇiya、仏典中に見られるビンビサーラ)王やその王子クーニヤ(Kūṇiya、アジャータシャトル)などの帰依・保護を受けて、すでに強固な教団を形成していたと思われるが、彼の没後はその高弟(ガナダラ、「教団の統率者」)たちのなかで生き残ったスダルマン(sudharman、初代教団長)などにより順次受け継がれ、マウリヤ朝時代にはチャンドラグプタ王や宰相カウティリヤなどの庇護を得て教団はいっそうの拡大をみた。それ以降のジャイナ教教団史をみる上では、白衣(びゃくえ)派(シュヴェーターンバラ、śvetāmbara)と裸行派(or空衣派:くうえは、ディガンバラ、digambara)が分裂しながらも存続している。 両派の分裂は1世紀頃に起こったと伝えられる。相違点は、白衣派が僧尼の着衣を認めるのに対し、裸行派はそれを無所有の教えに反するとして裸行の厳守を説く。また、裸行派は裸行のできない女性の解脱を認めない。白衣派は行乞に際して鉢の携帯を認めるが、裸行派ではこれも認めない。 概して白衣派は進歩的なグループ、裸行派は保守的なグループであるといえる。ただし、両派の相違は実践上の問題が主で、教理上の大きな隔たりはみられない。 中世、イスラム教徒のインド侵入は仏教のみならずジャイナ教にも打撃を与えたが、それを契機として、ジナ尊像の礼拝を否定するローンカー(lonkā)派が新たに誕生するなど、伝統はとだえることはなかった。現在は白衣派・裸形派とも多くの分派が派生している。そのなかで最大の勢力は白衣派の尊像崇拝派(ムールティプージャカ)であり、さらに多くのガッチャと呼ばれる分派に分かれている。 現在、白衣派の多くみられるのはグジャラート、ラージャスターン両州、ムンバイ(ボンベイ)などである。寺院で尊像を礼拝するデーフラーバーシー派(dehrāvāsī)とこれを行わないスターナクヴァーシー派(sthānakvāsī)の2派がある。 裸行派はほとんど南インドに集中するが、マディヤ・プラデーシュ州にも多少みられる。テーラーパンティ(terāpanthi)とヴィスパンティ(vispanthi)の2派があるが、生活儀礼の上でわずかな相違がみられるのみである。 ジャイナ教徒は2001年のインド国勢調査(Census 2001)によれば450万人ほどを数え、これは全人口の0.5%にも満たないが、インド社会において事実上の一カーストを形成している。ただし、ここでいうカーストとは職業的内婚集団と説明される「ジャーティ」の意味合いである。インド社会でのジャイナ教徒の結束はきわめて固く婚姻も多くがジャイナ教間だけでおこなわれることがそれを裏付けているといえる。 殺生を禁じられたジャイナ教徒の職業はカルナータカ州に例外的に知られているわずかな農民を除けばほとんどが商業関係の職業に従事しており、なかでも豪商と名高いジャイナ商人(ジェイン)が知られる。ジャイナ教団体によると、インドにおける個人所得税の2割はジャイナ教信徒により納税されている。 その理由として、『嘘を禁忌として、約束は絶対に守る』『信徒は死後、生前の善行と悪行が帳簿の債権・債務のように集計され、来世の行方が決定づけられる』『事業の成功も泡沫のものである』と戒められ、また積極的な慈善行為、無所有主義など彼らが日頃から厳しい戒律を遵守していることから、清く正しい印象を客観づけられ、圧倒的な信用を集めているためと云われる。そのため、信用第一である宝石・貴金属商に従事する者が多い。ほかにも、インド商人ならではの高い語学力と計算能力からも、ビジネスマンとして重宝されている側面が在る。 ジャイナ教の聖典はシッダーンタ(siddhānta)あるいはアーガマ(āgama)と呼ばれる。白衣派では、前3世紀ころパータリプトラで開かれた最初の聖典編纂会議で古聖典(14のプッバ (puvva)。聖典名は俗語形)に関する記憶が集められ12のアーンガ (āṅga)が編纂されたが、最終的に5世紀ころ西インドのバラビーにおける編纂会議でまとめられた。 白衣派聖典の言語は俗語アルダ・マーガディー語(半マガダ語)で、伝統的にはアールシャ(ārṣa、聖仙のことば)と呼ばれる。これに対し裸行派はいにしえの聖典はすべて散逸したとして俗語シャウラセーニー語(śaurasenī)で書かれた独自の文献を聖典とする。 サンスクリットで最初に書かれたのは、有名なウマースヴァーティ(umāsvāti)の教理綱要書(タットヴァールターディガマ・スートラ)である。裸行派の学匠クンダクンダ(kundakunda(4-5世紀))は自派の聖典用語で(ニヤマサーラ、niyamasāra)など哲学書を書いた。また、白衣派のハリバドラ・スーリ(haribhadra sūri(8世紀ごろ))はジャイナ教聖典に対して初めてサンスクリット語で注釈を書き、『六派哲学集成』等の哲学書の他、文学作品、ヨーガに関する書物など、多彩な作品を残した。 白衣派のヘーマチャンドラ(12世紀)は諸学に通じ、すぐれた文法学者・文筆家として多くの作品を残した。 俗語文学は10世紀前後にはアパブランシャ語作品が流行し、ダナパーラ(dhanapāla)の叙事詩(バビサッタカハー、bhavisattakahā)などのすぐれた作品を生んだが、その後もジャイナ教徒はサンスクリットとともに、その時代の地方語・俗語を文学作品に用いた。中世裸行派の中心となった南インドでは、タミル語やカンナダ語で多くの文学作品が作られた。
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ジャイナ教は、マハーヴィーラ(ヴァルダマーナ、前6世紀-前5世紀)を祖師と仰ぎ、特にアヒンサー(不害)の禁戒を厳守するなど徹底した苦行・禁欲主義をもって知られるインドの宗教。「ジナ教」とも呼ばれる。仏教と異なりインド以外の地にはほとんど伝わらなかったが、その国内に深く根を下ろして、およそ2500年の長い期間にわたりインド文化の諸方面に影響を与え続け、2019年時点、およそ世界全体で500万人の信徒がいるとされる。
{{脚注の不足|date=2019年10月}} [[File:Ellora_Cave_32_si0339.jpg|thumb|200px|マハーヴィーラ像]] {{ジャイナ教}} '''ジャイナ教'''(ジャイナきょう、{{lang-sa|जैन}}、{{lang-en-short|Jainism}})は、[[マハーヴィーラ]]([[ヴァルダマーナ]]、[[紀元前6世紀|前6世紀]]-[[紀元前5世紀|前5世紀]])を祖師と仰ぎ、特に[[アヒンサー]](不害)の禁戒を厳守するなど徹底した[[苦行]]・[[禁欲主義]]をもって知られる[[インド]]の[[宗教]]。「'''ジナ教'''」とも呼ばれる。[[仏教]]と異なりインド以外の地にはほとんど伝わらなかったが、その国内に深く根を下ろして、およそ2500年の長い期間にわたりインド文化の諸方面に影響を与え続け、[[2019年]]時点、およそ世界全体で500万人の信徒がいるとされる<ref name="南">{{Cite web|和書|url=https://www.businessinsider.jp/post-204396 |title=厳格な人は微生物や虫にも配慮する。不殺生貫く「ジャイナ教」フードが今注目される理由 |publisher =南龍太 メディアジーン |date=2019-12-19 |accessdate=2023-06-18}}</ref>。 == 起源 == 「マハーヴィーラ」(Mahāvīra)は、本名「ヴァルダマーナ」(Vardhamāna、栄える者)。「マハーヴィーラ」(偉大な勇者)の尊称で広く知られた。 マハーヴィーラは[[マガダ国|マガダ]](現[[ビハール州]])のバイシャーリー市近郊のクンダ村に、[[クシャトリヤ]](王族)出身として生まれた。父親の名はシッダールタで、[[ゴートラ]]はカーシヤパだった。母親はトリシャラー。30歳で出家してニガンタ派の行者となり、12年の苦行ののち真理を[[悟り#ジャイナ教|悟り]]「ジナ」(Jina、勝利者)となった(ジャイナ教とは「ジナの教え」の意味。なお、ジャイナ教の考え方ではマハーヴィーラは最初にジャイナ教を唱えた人物ではなく永遠の真理であり、現在の世界の相において24人の[[ティールタンカラ]]が同じ教えを述べたと考えられている。マハーヴィーラは最後のティールタンカラとされている)。以後30年間遊行しながら教えを説き広め、信者を獲得し、72歳でパータリプトラ(現パトナ)市近郊で生涯を閉じた。 [[仏典]]ではニガンタ・ナータプッタ({{transl|sa|nigaṇṭha nātaputta}}, {{lang|sa|निगण्ढ नातपुत्त}})の名で釈迦在世時代の代表的な自由思想家たち('''[[六師外道]]''')の一人である。彼は「ナータ族の出身者」で、古くからの宗教上の一派ニガンタ(束縛を離れた者)派で修行したのでそう呼ばれた。 === 相対主義と断定の回避 === [[File:In-jain.svg|thumb|ジャイナ教の旗]]ヴァルダマーナは当時の自由思想家の一人として[[バラモン教]]の供犠や祭祀を批判し、あわせて[[ヴェーダ]]の権威を否定して、[[合理主義哲学|合理主義]]的な立場から独自の教理・学説をうち立てた<ref>{{Cite book|和書 |author1=木村靖二|authorlink1=木村靖二|author2= 岸本美緒|authorlink2=岸本美緒|author3= 小松久男|authorlink3=小松久男 |year = 2017 |title = 詳説世界史 改訂版 |publisher = [[山川出版社]] |page = 56 |isbn = 978-4-634-70034-5}}</ref>。[[サンジャヤ・ベーラッティプッタ]]や釈迦と同様、彼は言語による真理表現の可能性を深く模索した。ヴァルダマーナは、'''真理は多様に言い表せる'''と説き、一方的判断を避けて「相対的に考察」することを教えた。これがジャイナ教の「相対論」(アネーカーンタ・ヴァーダ、anekānta-vāda)である。 具体的な表現法としては、「これである」「これではない」という断定的表現をさけ、常に「ある点からすると(スヤート、syāt)」という限定を付すべきだとする、「[[スヤードヴァーダ|スヤード論]]」(syād-vāda)を説いた。これによりジャイナ教徒を「スヤード・ヴァーディン」(syād-vādin)ともいう。ジャイナ教は、相対主義を思想的支柱とし、後世「ヴェーダーンタ学派」の不二一元論や「サーンキヤ学派」の二元論、また「仏教」の無我論などと対抗してインド思想史上重要な位置を占めた。 === 「三宝」の重視と五禁戒 === [[File:Jain votary holds a votive candle.jpg|thumb|200px|ジャイナ教僧侶<sup>ハティーシング寺院</sup>]][[File:Jain meditation.jpg|thumb|ジャイナ教徒の瞑想]] ジャイナ教では宗教生活の基本的心得を、「三つの宝」(トリ・ラトナ、tri-ratna)と称して重んじる。 #正しい信仰 #正しい知識 #正しい行い である。[[モークシャ (ジャイナ教)|解脱]]を目的として行われる宗教生活上で重要なのは3の正しい行い、つまり戒律に従って正しい実践生活を送ることである。 修行生活に関する規定は多くあるが、基本は出家者のための五つの大禁戒(マハーヴラタ、mahāvrata)、 #生きものを傷つけないこと([[アヒンサー]]) #虚偽のことばを口にしないこと、 #他人のものを取らないこと、 #性的行為をいっさい行わないこと、 #何ものも所有しないこと(無所有) である。在家者は同項目の五つの小禁戒(アヌヴラタ、{{transl|sa|aṇuvrata}})を守る。他宗教と比べて特徴的なのは(5)の無所有(アパリグラハ、aparigraha)であり、とくに裸行派の伝統に強く生きている。 1の禁戒、アヒンサーの厳守はもっとも重要である。ジャイナ教はあらゆるものに生命を見いだし、[[動物]]・[[植物]]はもちろんのこと、地・[[水]]・[[火]]・[[風]]・大気にまで霊魂(ジーヴァ)の存在を認めた。したがって、アヒンサーの禁戒のためにあらゆる機会に細心の注意を払う。宗派によっては[[空気]]中の小さな生物も殺さぬように白い小さな布きれで口をおおう([[イエズス会]]の伝道師たちがジャイナ教徒に顕微鏡で普段飲んでいる水をみせたところ、それをみたジャイナ教徒は飲み水に微生物があふれていることを知り、飲むよりは[[衰弱死]]を選んだという報告書の存在が[[トマス・ブルフィンチ]]の著書に記されている)。 また、「出家者は路上の生物を踏まぬようにほうきを手にする」という説明が各所にみられるが、実際には道を掃きながら歩くわけではなく、座る前にその場を払うための道具である。とはいえ、これはアヒンサーの徹底ぶりを象徴している。 アヒンサーを守るための最良の方法は「[[断食]]」であり、もっとも理想的な死は[[サッレーカナー]](sallekhanā)、「断食を続行して死にいたる」ことである。マハーヴィーラも断食の末に死んだとされ、古来、段階的な修行を終えたジャイナ出家者・信者のみがこの「断食死」を許された。 だが、ジャイナ教徒にとってのアヒンサー(不害)は、身体的行為のみならず、言語的行為、心理的行為の3つを合わせたものとして理解されなければならない。人を傷つけることばを発することや人には気づかれなくとも心の中で他者を傷つけるようなことを思うことさえもジャイナ教徒は罪と考えるのである。これこそがアヒンサーの厳しさである。 また、例えば動物に襲われたときにも自衛のために動物を傷付けてはいけない。つまり、アヒンサーを忠実に守るためには死をも覚悟しなければならない。これは現世の身体は不浄のものであるから肉体に執着してはならないという考えに裏打ちされている。 == 食生活 == 食生活はジャイナ教の生物の分類学上、できる限り下等なものを摂取すべきであり、[[豆|豆類]]、[[葉菜類]]と茎野菜を中心とした食事となることが多い。殺生を徹底的に忌むことから、[[肉]]・[[魚介類]]・[[卵]]・[[球根]]類([[禁葷食|五葷]])<ref group=注釈>球根類は植物の殺生に繋がり、土中から掘り起こす時に虫を殺傷するおそれがあるとされる。</ref>などは口にしない。[[敬虔]]な信徒は、[[蜂蜜]]・[[鰹節]]や[[煮干し]]の[[出汁]]・[[ブイヨン]]・[[ゼラチン]]・肉エキス・[[バター]]・[[ラード]]・ヘット(牛脂)・[[魚油]]・[[馬油]]やそれらを使用した調理器具も忌むことがある。また誤って虫を殺めぬよう、火を使用する調理を避け、調理と食事は日の出ている時間内に済ませる。ジャイナ教徒に食事を振る舞う際は、相手の食べられないものをなるべく個別に確認し、料理に含まれる食材と含まれない食材を説明するのが望ましい<ref>{{Cite web|和書|url=https://acrobat.adobe.com/link/review?uri=urn:aaid:scds:US:ab5d7ad7-1824-3dfc-bd18-20b544ca0bb0 |title=ジャイナ教とは |format=PDF |publisher =国土交通省 |accessdate=2023-07-01}}</ref>。 == 白衣派と裸行派 == [[File:Shravanbelgola_Gomateshvara_head_white.jpg|thumb|200px|12年に1度、聖地[[シュラバナ・ベラゴラ]]山のジャイナ教寺院で、牛乳や香辛料などがゴマテーシュワラ像に 次々とかけられていく祭り。]] マハーヴィーラ在世時、マガダのセーニヤ({{transl|sa|seṇiya}}、仏典中に見られる[[ビンビサーラ]])王やその王子クーニヤ({{transl|sa|Kūṇiya}}、[[アジャータシャトル]])などの帰依・保護を受けて、すでに強固な教団を形成していたと思われるが、彼の没後はその高弟([[ガナダラ]]、「教団の統率者」)たちのなかで生き残った[[スダルマン]](sudharman、初代教団長)などにより順次受け継がれ、[[マウリヤ朝]]時代には[[チャンドラグプタ (マウリヤ朝)|チャンドラグプタ]]王や宰相[[カウティリヤ]]などの庇護を得て教団はいっそうの拡大をみた。それ以降のジャイナ教教団史をみる上では、白衣(びゃくえ)派([[シュヴェーターンバラ派|シュヴェーターンバラ]]、śvetāmbara)と裸行派(or空衣派:くうえは、[[ディガンバラ派|ディガンバラ]]、digambara)が分裂しながらも存続している。 両派の分裂は1世紀頃に起こったと伝えられる<ref>『南アジア史』(新版世界各国史7)p60 辛島昇編 [[山川出版社]] 2004年3月30日1版1刷発行</ref>。相違点は、白衣派が僧尼の着衣を認めるのに対し、裸行派はそれを無所有の教えに反するとして裸行の厳守を説く。また、裸行派は裸行のできない女性の解脱を認めない。白衣派は行乞に際して鉢の携帯を認めるが、裸行派ではこれも認めない。 概して白衣派は進歩的なグループ、裸行派は保守的なグループであるといえる。ただし、両派の相違は実践上の問題が主で、教理上の大きな隔たりはみられない。 中世、[[イスラム教]]徒のインド侵入は仏教のみならずジャイナ教にも打撃を与えたが、それを契機として、ジナ尊像の礼拝を否定するローンカー(lonkā)派が新たに誕生するなど、伝統はとだえることはなかった。現在は白衣派・裸形派とも多くの分派が派生している。そのなかで最大の勢力は白衣派の尊像崇拝派(ムールティプージャカ)であり、さらに多くのガッチャと呼ばれる分派に分かれている。 == ジャイナ教の現況 == [[File:Shatrunjaya_02.jpg|thumb|250px|聖地シャトルンジャヤ山を巡礼に登るジャイナ教徒]] 現在、白衣派の多くみられるのは[[グジャラート州|グジャラート]]、[[ラージャスターン州|ラージャスターン]]両州、[[ムンバイ]](ボンベイ)などである。寺院で尊像を礼拝するデーフラーバーシー派(dehrāvāsī)とこれを行わないスターナクヴァーシー派(sthānakvāsī)の2派がある。 裸行派はほとんど南インドに集中するが、[[マディヤ・プラデーシュ州]]にも多少みられる。テーラーパンティ({{transl|sa|terāpanthi}})とヴィスパンティ(vispanthi)の2派があるが、生活儀礼の上でわずかな相違がみられるのみである。 ジャイナ教徒は2001年のインド国勢調査(Census 2001)によれば450万人ほどを数え、これは全人口の0.5%にも満たないが、インド社会において事実上の一カーストを形成している。ただし、ここでいうカーストとは職業的内婚集団と説明される「[[ジャーティ]]」の意味合いである。インド社会でのジャイナ教徒の結束はきわめて固く婚姻も多くがジャイナ教間だけでおこなわれることがそれを裏付けているといえる。 == ジャイナ商人 == 殺生を禁じられたジャイナ教徒の職業は[[カルナータカ州]]に例外的に知られているわずかな農民を除けばほとんどが商業関係の職業に従事しており<ref group="注釈">戒律に則ると、消去法で商業に就かざるを得ないという見解が近いという。</ref>、なかでも豪商と名高いジャイナ商人(ジェイン)が知られる。ジャイナ教団体によると、インドにおける個人所得税の2割はジャイナ教信徒により納税されている。 その理由として、『嘘を禁忌として、約束は絶対に守る』『信徒は死後、生前の善行と悪行が帳簿の[[債権]]・[[債務]]のように集計され、来世の行方が決定づけられる』『事業の成功も泡沫のものである』と戒められ、また積極的な慈善行為、無所有主義など彼らが日頃から厳しい戒律を遵守していることから、清く正しい印象を客観づけられ、圧倒的な信用を集めているためと云われる。そのため、信用第一である[[宝石]]・[[貴金属]]商に従事する者が多い。ほかにも、インド商人ならではの高い語学力と計算能力からも、ビジネスマンとして重宝されている側面が在る<ref name="早川">{{Cite web|和書|url=https://www.cgl.co.jp/latest_jewel/gemmy/149/70.html |title=Gemmy 149 号 「小売店様向け宝石の知識「宝石大国・インド4」」 |publisher =早川武俊 |accessdate=2023-06-28}}</ref>。 == ジャイナ聖典およびジャイナ教文献 == {{seealso|アーガマ (ジャイナ教)}} ジャイナ教の聖典はシッダーンタ(siddhānta)あるいはアーガマ(āgama)と呼ばれる。白衣派では、前3世紀ころ[[パータリプトラ]]で開かれた最初の聖典編纂会議で古聖典(14のプッバ (puvva)。聖典名は俗語形)に関する記憶が集められ12のアーンガ ({{transl|sa|āṅga}})が編纂されたが、最終的に5世紀ころ西インドのバラビーにおける編纂会議でまとめられた。 白衣派聖典の言語は俗語[[アルダ・マーガディー語]](半マガダ語)で、伝統的にはアールシャ({{transl|sa|ārṣa}}、聖仙のことば)と呼ばれる。これに対し裸行派はいにしえの聖典はすべて散逸したとして俗語[[シャウラセーニー語]](śaurasenī)で書かれた独自の文献を聖典とする。 [[サンスクリット]]で最初に書かれたのは、有名な[[ウマースヴァーティ]](umāsvāti)の教理綱要書(タットヴァールターディガマ・スートラ)である。裸行派の学匠[[クンダクンダ]](kundakunda(4-5世紀))は自派の聖典用語で(ニヤマサーラ、niyamasāra)など哲学書を書いた。また、白衣派の[[ハリバドラ (ジャイナ教)|ハリバドラ・スーリ]](haribhadra sūri(8世紀ごろ))はジャイナ教聖典に対して初めてサンスクリット語で注釈を書き、『六派哲学集成』等の哲学書の他、文学作品、ヨーガに関する書物など、多彩な作品を残した。 白衣派の[[ヘーマチャンドラ]](12世紀)は諸学に通じ、すぐれた文法学者・文筆家として多くの作品を残した。 俗語文学は10世紀前後には[[アパブランシャ|アパブランシャ語]]作品が流行し、ダナパーラ(dhanapāla)の叙事詩(バビサッタカハー、bhavisattakahā)などのすぐれた作品を生んだが、その後もジャイナ教徒はサンスクリットとともに、その時代の地方語・俗語を文学作品に用いた。中世裸行派の中心となった南インドでは、[[タミル語]]や[[カンナダ語]]で多くの文学作品が作られた。 ==ジャイナ教寺院 == {{wide image|Palitana temples.jpg|800px|ジャイナ教の[[聖地]]シャトルンジャヤ山のパーリターナ寺院。(グジャラート州パリタナ)<br />863もの寺院からなる山岳寺院都市でジャイナ教白衣派最大の本山である。|dir=rtl}} <gallery mode=packed> ファイル:Delwada.jpg|聖地[[アーブ山]]のデルワーラ寺院 ファイル:Sheth_Hutheesinh_Temple.jpg|ハティーシング寺院 <sub>グジャラート州アフマダーバード</sub> ファイル:Jain Temple Ranakpur.jpg|アーディナータ寺院 <sub>ラジャスタン州ラーナクプル</sub> ファイル:Aerial_view_of_Bahubali,_Gomateswara_Jain_temple,_Karkala.jpg|聖地[[シュラバナ・ベラゴラ]]山 <sub>ゴマテーシュワラ像</sub> ファイル:Shikharji_Parasnath_Giridih.jpg|聖地サンメッド・シカールジ ファイル:Shikharji_2004b.jpg|サンメッド・シカールジ寺院 ファイル:Dattatreya Temple of Girnar.JPG|聖地[[ギルナール山]]は山岳寺院都市を形成している </gallery> ==脚注== {{脚注ヘルプ}} === 注釈 === {{reflist|group="注釈"}} === 出典 === {{reflist}} == 関係文献 == * 『思想の自由とジャイナ教 - 決定版[[中村元 (哲学者)|中村元]]選集 第10巻』([[春秋社]]、1991年)ISBN 978-4393312100 * 『ジャイナ認識論の研究』([[長崎法潤]]著、[[平楽寺書店]]、1988年)ISBN 978-4831300553 * 『ジャイナ教 非所有・非暴力・非殺生 - その教義と実生活』([[渡辺研二]]著、[[論創社]]、2005年)ISBN 978-4846003135 * 『ジャイナ教入門』(渡辺研二著、[[現代図書]]、2006年)ISBN 978-4434082078 * 『ジャイナ教聖典選』(河﨑豊/藤永伸 編・訳、[[国書刊行会]]、2022年)ISBN [[特別:文献資料/9784336073914|978-4336073914]] == 関連項目 == {{ウィキポータルリンク|宗教|[[画像:P religion world.svg|none|34px]]}} * [[ダルマ (ジャイナ教)]] * [[マハーヴィーラ]] * [[アヒンサー]] ** [[ジャイナ教のアヒンサー]] * [[菜食主義]](ベジタリアニズム) * [[ヴィーガニズム]] *[[群盲象を評す]] - 相対主義の考えに基づく説話。 == 外部リンク == {{commons category|jains}} {{commons category|Adinath Temple, Ranakpur|アーディナータ寺院}} *[http://kamit.jp/03_jaina/jaina.htm ジャイナ教の建築]([[神谷武夫]]) *{{Kotobank}} {{Jainism Topics}} {{宗教}} {{動物の権利}} {{Authority control}} {{DEFAULTSORT:しやいなきよう}} [[Category:ジャイナ教|*]] [[Category:インドの宗教]] [[Category:非暴力]] [[Category:東洋文化]] [[Category:菜食主義と宗教]] [[Category:マハーヴィーラ]]
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チベット仏教
チベット仏教(チベットぶっきょう、チベット語: བོད་བརྒྱུད་ནང་བསྟན།)は、チベットを中心に発展した仏教の一派。根本説一切有部律の厳格な律に基づく出家制度、仏教の基本である四聖諦の教えから、大乗顕教の諸哲学や、金剛乗の密教までをも広く包含する総合仏教であり、独自のチベット語訳の大蔵経を所依とする教義体系を持つ。中国、日本、チベットなどに伝わる北伝仏教のうち、漢訳経典に依拠する東アジア仏教と並んで、現存する大乗仏教の二大系統のひとつをなす。 教義としては、智慧と方便を重視する。インド後期密教の流れを汲む無上瑜伽タントラが実践されている。ニンマ派、カギュ派、サキャ派、ゲルク派の4宗派が存在するが、いずれも顕教と密教の併修を柱とする。7世紀から14世紀にかけて、インドから仏教が直接チベットに伝来したので、インド仏教の伝統が途絶える寸前の時代に伝来した後期密教が継承されている。 ラマと呼ばれる師僧、特に化身ラマを尊崇することから、かつては一般にラマ教(喇嘛教、Lamaism)と呼ばれ、この通称のために正統的な仏教ではないかのように誤解されていた。ラマ教という呼称は19世紀の西洋の学者によって普及したものであり、チベット仏教に対する偏った見方と結びついていたため、現在では使用されなくなっている。 8世紀以降のインド大乗仏教最末期の思想は、イスラーム勢力の台頭によって中国など諸国に伝達されにくくなっていた。そんな中、チベット仏教は後期密教や中期・後期中観派の著作・思想などを、ヒマラヤを挟んで目と鼻の先という地の利を活かし、インド大乗仏教滅亡後も(ネパールのネワール仏教などと並び)継承し続けてきた。 中国や中央アジアの大乗仏教との相互影響は、その地理的な隣接に比して、比較的弱いといえる。一方、特にニンマ派や民間信仰のレベルではチベット独自の要素も見られるが、チベットでは仏教を取り入れるにあたって、サンスクリット語の原典からチベット語へ、原文をできるだけ意訳せず、そのままチベット語に置き換える形の逐語訳で経典を翻訳したため、チベット語の経典は仏教研究において非常に重要な位置を占める。 特に密教については、中国仏教では漢訳経典を通じて主に前期・中期密教が伝えられた一方、後期密教は性的儀礼も含むことから儒教社会では受け入れられにくく、漢訳と受容は限定的であったのに対し、チベット仏教は8世紀-12世紀にかけて後期密教(無上瑜伽タントラ等)の教えを中心としたインド密教を広範に受け入れ、独自に消化した点にも大きな特徴がある。 どの宗派においても、一切有情が本来持っている仏性を「基」とし、智慧(空性を正しく理解すること)と方便(信解・菩提心・大慈悲などの実践)の二側面を重視し、有情が大乗の菩薩となり六波羅蜜を「道」として五道十地の階梯を進み、「果」として最終的に仏陀の境地を達成することを説く。哲学的には龍樹の説いた中観派の見解を採用しており、僧院教育の現場においては、存在・認識についての教学・論争による論理的思考能力と正確な概念知の獲得を重視している。その思想の骨格となる重要な論書としては、シャーンティデーヴァの著した『入菩薩行論』 (Bodhisattvacaryāvatāra)、マイトレーヤの著した『究竟一乗宝性論』 (Uttaratantra Śāstra) と『現観荘厳論』 (Abhisamayālamkāra) などがあるほか、アティーシャ(アティシャ)が伝えたとされるロジョン(blo sbyong, 和訳:心の訓練法)の教えが重視され、全宗派で修習されている。 また、仏陀の境地を速やかに達成するための特別な方便として、各宗派においてインド後期密教の流れを汲む無上瑜伽タントラの実践が行われている。一般的に新訳派では無上瑜伽タントラを、本尊の観想を中心とした生起次第を重視する父タントラ、身体修練によって空性大楽の獲得を目指す究竟次第を重視する母タントラ、それらを不可分に実践する不ニタントラの三段階に分類する。密教の最奥義に相当するものにはニンマ派のゾクチェン(大究竟)、サキャ派のラムデ(道果)、カギュ派のマハームドラー(大印契)などがあり、各派に思想的特徴が見られる。 これら顕密併習の修道論として、最大宗派のゲルク派にはツォンカパの著した『菩提道次第』(ラムリム)と『秘密道次第論』(ガクリム)があるが、各宗派においてもそれらとほぼ同種の修道論が多数著されている。 無上瑜伽タントラの実践においては、タントラ文献の記述や後述のヤブユムのイメージなどから、一部でセックスを修行に取り入れているという道徳的観点からの批判もあるが、これは在家密教修行者集団内でのことである。中世にはカダム派(英語版)を中心とした出家者集団の復興が行われて以降、性的実践を行なわずに密教を修行する傾向が強まった(後述)。その影響が各派に及び、現在の出家僧団においてはあくまで観念上の教義として昇華され、なおかつ一般の修行と教学を修得した者のみに開示される秘法とされた。このような呪術的、性的な要素については、出家僧団内においては実際的な行法としては禁止されたものの、その背景にある深遠な哲学自体は認められたため、教学および象徴的造形としては残されたということに留意すべきである。現在では顕教を重視するゲルク派が最大宗派となっていることからも、全体として密教的な修行法よりも、「教理問答」のような言語的コミュニケーションと、仏教教学の厳密な履修が重要視される傾向が高まっているといえる。 現在、大きく分けて4宗派が存在するが、いずれも顕教と密教の併修を柱とする点では共通し、宗派間の影響を及ぼしあって発展してきたこともあって、各宗派の信仰形態に極端な差異は無くなっている。 恐ろしい形相を表す忿怒尊(ヘールカ)や、男女の抱擁する姿を表すヤブユムが特徴的であり、これらがことさらクローズアップされがちであるが、他にも阿弥陀如来や十一面観音、文殊菩薩といった、大乗仏教圏では一般的な如来、菩薩も盛んに信仰されている。禅宗を中心に独自の発展を遂げた中国の仏教では廃れてしまった仏が、日本(特に奈良・平安系仏教)とチベットでは共通して信仰され続けているケースも多い。一方、最高位の仏としてチベットでは釈迦如来や大日如来よりも、後期密教の特徴である本初仏を主尊とする点が独特である。ターラー仏母やパルデン・ラモ(忿怒形吉祥天)といった女神が盛んに信仰されることも特徴的である。 文化面では、タンカと呼ばれる仏画の掛軸や砂曼荼羅、楽器を用いた読経などが有名である。民間の信仰形態として特徴的なものは、マニ車、タルチョー(経旗)、鳥葬などが挙げられる。また、観音菩薩の真言である六字真言が盛んに唱えられる。 チベット仏教はチベット本国だけでなく、チベットからの布教により仏教を受け入れた諸民族の間で広く信仰される。チベット系民族では国連加盟国のブータンの他、インドのシッキム州、ラダック地方、アルナーチャル・プラデーシュ州のメンパ族、ネパール北部ヒマラヤ地帯のムスタン、ドルポやシェルパ族、タマン族など、またチベット系以外ではモンゴル国と中国領南モンゴル(内モンゴル自治区)のモンゴル人、ロシア連邦内のブリヤート人(モンゴル系)やカルムイク人(同)、トゥバ人(モンゴルの影響が強いテュルク系)といったモンゴル文化圏でも支配的な宗教であった。他に満洲族、ナシ族、羌族などが伝統的にチベット仏教を信仰してきた。満洲族から出た清朝の影響で、北京や五台山、東北部(満洲)など中国北方にもチベット仏教寺院がある。また、中国においては明朝の11代皇帝である正徳帝も即位直後からチベット仏教に傾倒し、「豹房」という邪淫の寺を作ってラマ僧らと秘技に明け暮れていたとの記録がある。 モンゴルは伝統的にチベット仏教第二の中心地であるが、チベット仏教の直輸入的なものであって、地域的な特色はあっても「モンゴル仏教」として区別するほど独立的な要素は強くない。チベットにおける宗派がそのままモンゴルにも存在し、近代化以前はモンゴルからチベットへの留学が盛んに行われていた。他方、ネパールでは北部のチベット系民族にチベット仏教が信仰され、さらに近年では中央部でもチベット仏教の進出が見られるが、元来中央部のネワール族などの間にはチベット仏教とは異なる独自の大乗仏教の系譜が伝えられている。 7世紀前半、吐蕃のソンツェン・ガンポ王(在位:581年 - 649年)がチベット統一を果たすと共に、唐とネパールから嫁いだ2王妃、文成公主とチツン(中国語版、英語版)の勧めで仏教に帰依した。吐蕃の首都ラサにはトゥルナン寺(ジョカン、大昭寺)が建立された。 ティソン・デツェン王(在位:742年 - 797年)の代には仏教が国教と定められ、国立大僧院サムイェー寺が建設されて、インドのナーランダ僧院(那爛陀寺)の長老シャーンタラクシタが招聘された。また、パドマサンバヴァが密教を伝えた。さらに、786年には敦煌から禅僧摩訶衍(まかえん)がチベットに招かれたが、シャーンタラクシタの弟子カマラシーラと摩訶衍の禅宗との間で論争(サムイェー寺の宗論)が行われた結果、カマラシーラのインド系仏教が正統とされた。以来、サンスクリット語経典をチベット語へ翻訳する事業が始められ、824年頃までかけて膨大なチベット大蔵経が作られた。 吐蕃末期には、国家仏教の支配体制に揺らぎが生じた。最後の王ラン・ダルマは仏教勢力の排除を目論んで廃仏を行い842(846?)年に暗殺されたという伝説が伝えられている。王家が地方に四散した後は、チベットは長い分裂時代を迎えた。 王朝が滅亡して統制がなくなると、チベット仏教も一時退廃を見せた。僧伽の活動は衰退し、当時インドで流行していた性瑜伽(性的修行法)や呪術的修法を説く在家密教、すなわち、タントラ主義が横行した。吐蕃王家の亡命政権の1つである西チベットのグゲ王国は、王朝時代の伝統保存と仏教復興の担い手となった。 11世紀になると、インドから入国して仏教界を指導したアティシャ(在位:982年 - 1054年)とその弟子のドムトン(英語版)らによって戒律復興運動が起こり(カダム派(英語版))、出家教団が再興された。般若経の解釈学、唯識や如来蔵思想の研究、中観思想の二派の論争など、顕教の哲学研究が盛んになった。 他方、マルパ(中国語版、英語版)訳経師とミラレパらによって新たにインドのナーローパ(中国語版、英語版)やマイトリーパ(英語版)直伝の後期密教(ナーローの六法)がもたらされた(カギュ派)。アティシャも、戒律に違犯した行法は禁止したが、密教を学ぶことは容認したため、密教化した大乗仏教が排除されて、初期仏教の本流に近い上座部仏教が徹底されたスリランカや東南アジアとは異なり、チベットでは相互に矛盾する見解を持つような、あらゆる学派の顕教や、密教が総合的に学習される傾向が生じた。 1240年、チベットはモンゴル帝国の侵攻を受けたが、当時ツァン地方を中心に一大勢力を持っていたサキャ派はモンゴルの懐柔を得ることに成功し、チベットの自治支配権を得た。さらに、クビライが即位すると、座主サキャ・パンディタの甥パクパは元朝の帝師として篤く遇されたが、その弟子のリンチェン・キャプ(中国語版)がその威光を背景に滅亡した南宋の墓を暴いたため、漢族から反感を買った。この時代に、チベット仏教はモンゴル諸部族に広く浸透した。 1368年の元朝崩壊後はサキャ派に替わってカギュ派系のパクモドゥ派が中央チベットに政権を確立した。パクモドゥ派政権の衰退後は、同じくカギュ派系のカルマ派と、新興のゲルク派が覇権を争った。サキャ派やパクモドゥ派は、宗教貴族と化した一族が座主や高僧を半世襲的に輩出する氏族教団であったが、対してカルマ・カギュ派は化身ラマ(転生ラマ)制度を導入した。ゲルク派ものちに化身ラマ制度を取り入れ、ダライ・ラマ、パンチェン・ラマの二大活仏を中心として勢力を伸ばした。この時代の有力宗派は、モンゴル諸部族や明朝と代わる代わる同盟関係を結んだ。特にモンゴルの諸ハーンは、元朝の後継者としてチベット仏教の保護者となることで権威付けを図った。 また、8世紀から続けられてきたチベット大蔵経の編纂が14世紀初頭に一応の完成をみた。 ゲルク派は、ツォンカパが1400年頃に立宗した。カダム派の教えを継承・発展させ、新カダム派とも呼ばれた。ツォンカパは、従前の中観派を斥けて顕教を中心に独自の中観帰謬(きびゅう)論証派の教義を据えるとともに、過度のタントラ主義を否定して無上ヨーガ(性的ヨガ)の頽廃を禁じ、密教を中観の「無自性」を深く観ずるための禅定体系と位置づけた。また、従来の在家密教行者や氏族中心の宗派に対して、厳格な戒律に基づく出家修行を重視し、僧院を基盤とする教団を組織した。声聞乗(説一切有部・経量部)・菩薩乗(顕教)・真言乗(密教)を統合した修道体系は、後期インド仏教が目ざした方向性を実現したとも言える。 1642年までにオイラト・モンゴルのグーシ・ハーン(グシ・ハン)がチベットの大部分を征服してグシ・ハン王朝を樹立し、ダライ・ラマ5世を擁立して宗派を越えたチベットの政治・宗教の最高権威に据えた。以来、ダライ・ラマを法王として戴くチベット中央政府、即ちガンデンポタンが確立された。これにともない、ダライ・ラマが元来所属していたゲルク派は、グシ・ハン王朝のみならず、隣接するハルハ、オイラトなどの諸国からもチベット仏教の正統として遇され、大いに隆盛となる。一方、覇権争いに敗れた他宗派勢力は辺境に勢力を確保し、ブータンにカギュ派系のドゥク派政権、シッキムにニンマ派政権が成立した。 モンゴルと交流のあった女真族(満洲族)から出た清朝は、モンゴルの諸ハーン王朝の後継者としてチベット仏教の保護者を以て任じ、雍正帝によるグシ・ハン王朝滅亡後は、ダライ・ラマ政権の直接的バックボーンとなった。一方で、チベットの内外政の他、法王位の継承なども清朝の干渉を受けるようになった。しかし清皇族をはじめとする満洲族にはチベット仏教に篤く帰依する者も多く、宗教活動自体は保護を受ける面が強かった。 17世紀頃から、カトリックの宣教師がインドや中国方面からチベット探検を試み、チベット仏教に関する報告がヨーロッパにもたらされた。チベット仏教を信仰するモンゴル系の少数民族を領内に抱えるロシアは、帝政時代の19世紀後半頃から、それらの民族を利用してチベットとの交渉を図り、ロシア各地にダツァンと呼ばれるチベット寺院も政策的に建立された。20世紀になると、隣接するインドを領有していたイギリスがチベットに勢力を伸ばし、チベット仏教研究も進展した。 1959年のチベット蜂起にともない、チベットの国家元首であるとともにチベット仏教の最高権威であるダライ・ラマ14世がインドに亡命した。それ以降、インドやネパールに大量のチベット人が亡命、その中にはチベット仏教の伝統を体現した高僧が多く含まれていた。中国領チベットで破壊あるいは活動休止された僧院が亡命地に復興され、新たな活動拠点となっている。現代の国際的な布教活動は、これら亡命チベット教団の活動によるところが大きい。チベット仏教に造詣深い現代の外国人としては、ロバート・サーマン、リチャード・ギア、日本では中沢新一などが知られる。また、キアヌ・リーブスは、高位ラマの転生者の子どもをテーマにした映画『リトル・ブッダ』にシッダールタ役として出演している(キアヌ自身も仏教徒である)。 一方、中国の支配下に置かれたチベット本土では、チベット動乱に続く時期(1955-61年)や文化大革命の時期にチベット仏教の寺院が徹底的な破壊を受けた。その後も形式的には信仰の自由が標榜されていたが、実際にはチベット仏教は中国政府と中国共産党の徹底的な支配下に置かれるとともに、過酷な弾圧が加えられ続けている。特に、ダライ・ラマに対する敬慕の念を口にすることは犯罪行為とみなされ、弾圧の対象となる。チベット本土でも一部の寺院は復興が認められたが、その規模は往事とは比較にならず、中国共産党の指導下で寺院の自主性は損なわれている。また、高僧の多くが亡命したため、チベット本土におけるチベット仏教の伝統の継続に大きな支障がでている。亡命した高僧の中には、ゲルク派の首座であるガンデン・ティパの第95代であるタシー・トントゥン、カルマ・カギュ派の教主であるカルマパ17世ウゲン・ティンレー・ドルジェ、ディクン・カギュ派の教主であるディクン・チェ=ツァン・リンポチェなど、チベット仏教の各支派の教主クラスも多い。 2007年8月4日のAFP BB News(中国国営新華社通信の報道を引用)によると、中国政府は、国内の化身ラマが転生する際、政府の許可なしの転生は認めないことを決定した。高僧を管理下に置くための措置と見られている。現在の中華人民共和国におけるチベット仏教、特にゲルク派への弾圧についてはチベット#問題を参照。 ロシア連邦の自治共和国の一つであるカルムイク共和国にはチベット仏教を信仰する住民が多く、事実上の『国教』として扱われているとされる。住民の中には『欧州唯一の仏教国』を標榜するものもいると伝えられ、ソビエト連邦崩壊後、宗教の自由化が行われると、同国のイリュムジノフ大統領はダライラマ十四世を同国の仏教センター所長として招聘しようと試みた。 中国の系譜を汲む日本仏教は、チベット仏教と直接繋がりはないものの同じ大乗仏教であり、中国では衰退した密教を保持するという点で共通する。また、中国での受容を介さないインド直伝の大乗仏教でもあり、前述の通りサンスクリット原典に近いチベット大蔵経は、仏教学の上で貴重な資料となる。このことが明治時代には能海寛ら仏教学者に注目され、日本人初のチベット探検者河口慧海に続いて、1900年代から大正時代にかけて多田等観、青木文教、寺本婉雅ら日本の僧侶、仏教学者がチベットへ赴き、チベット仏教を研究した。 また、明治維新後の廃仏毀釈や近代化に伴って本来の教えが伝わりにくくなっている日本の仏教について、チベット仏教を学ぶことで理解が促進される面があるといった指摘もされている。 戦後は、欧米経由のニューエイジやサブカルチャーの領域において注目されるようになり、エキゾチックな仏教美術をドラッグの幻覚を連想させる表現で引用したり、転生ラマ(トゥルク)のシステムや一部の仏典のみを参照して呪術的な側面を特に強調して紹介されることが多かった。 また、ダライ・ラマ14世がオウム真理教の麻原彰晃と面会した際に麻原を称賛したこと、オウム真理教が東京都で宗教法人格を取得した際には、ダライ・ラマ14世が東京都に推薦状を提出してオウム真理教を支援したことなどから、チベット仏教に対する悪いイメージが広まった。チベット亡命政府樹立以降は、積極的なチベット仏教側の情報開示、学者や伝統的な僧侶による一般向けの講習会開催など、理解を深めるための活動が行なわれている。 日本においてはとりわけ、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所勤務者たちによって、1998年に設立された「チベット仏教普及協会」(ポタラ・カレッジ)などが、その役割を果たしている。 また、教派的に近い関係にある日本の真言宗との関係は、以下に示すように緊密であり、盛んな交流がなされている。(上記の「チベット仏教普及協会」(ポタラ・カレッジ)も、真言宗智山派や大正大学などと縁がある。) 2008年、チベット仏教カギュ派の分派であるディクン・カギュ派(直貢噶舉教派)は、京都に「チベット仏教直貢噶舉教派寶吉祥仏法センター」を設立した。これは、同派の僧侶のリンチェン・ドルジェ・リンポチェが台湾において主宰する「寶吉祥仏法センター(社団法人中華民国市寶吉祥仏教文化交流協会)」の日本における拠点として設立されたものである。 ニンマ派、カギュ派、サキャ派、ゲルク派を、チベット仏教の四大宗派と呼ぶ。 上記以外にも、シャンパ・カギュ派、シチェ派、チュウ派などの現在は独立した宗派としての組織を持たない伝統や、近年復興運動が起こっているチョナン派などが存在する。 また、ゲルク派の保守勢力の間で護法尊または怨霊とされるシュクデンの崇拝が行われており、彼らをさしてシュクデン派と呼ぶことがある。現在、シュクデン信仰はダライ・ラマ14世によって禁じられており、それによってシュクデン派はチベット仏教の主流派からは異端とみなされている。一方、シュクデン派はニュー・カダンパ・トラディション(国際カダム派仏教連合)ウェスタン・シュクデン・ソサエティー(英語版)といった団体を結成し、チベット仏教主流派に対抗する活動を行っている。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "チベット仏教(チベットぶっきょう、チベット語: བོད་བརྒྱུད་ནང་བསྟན།)は、チベットを中心に発展した仏教の一派。根本説一切有部律の厳格な律に基づく出家制度、仏教の基本である四聖諦の教えから、大乗顕教の諸哲学や、金剛乗の密教までをも広く包含する総合仏教であり、独自のチベット語訳の大蔵経を所依とする教義体系を持つ。中国、日本、チベットなどに伝わる北伝仏教のうち、漢訳経典に依拠する東アジア仏教と並んで、現存する大乗仏教の二大系統のひとつをなす。", "title": null }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "教義としては、智慧と方便を重視する。インド後期密教の流れを汲む無上瑜伽タントラが実践されている。ニンマ派、カギュ派、サキャ派、ゲルク派の4宗派が存在するが、いずれも顕教と密教の併修を柱とする。7世紀から14世紀にかけて、インドから仏教が直接チベットに伝来したので、インド仏教の伝統が途絶える寸前の時代に伝来した後期密教が継承されている。", "title": null }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "ラマと呼ばれる師僧、特に化身ラマを尊崇することから、かつては一般にラマ教(喇嘛教、Lamaism)と呼ばれ、この通称のために正統的な仏教ではないかのように誤解されていた。ラマ教という呼称は19世紀の西洋の学者によって普及したものであり、チベット仏教に対する偏った見方と結びついていたため、現在では使用されなくなっている。", "title": "呼称" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "8世紀以降のインド大乗仏教最末期の思想は、イスラーム勢力の台頭によって中国など諸国に伝達されにくくなっていた。そんな中、チベット仏教は後期密教や中期・後期中観派の著作・思想などを、ヒマラヤを挟んで目と鼻の先という地の利を活かし、インド大乗仏教滅亡後も(ネパールのネワール仏教などと並び)継承し続けてきた。", "title": "特徴" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "中国や中央アジアの大乗仏教との相互影響は、その地理的な隣接に比して、比較的弱いといえる。一方、特にニンマ派や民間信仰のレベルではチベット独自の要素も見られるが、チベットでは仏教を取り入れるにあたって、サンスクリット語の原典からチベット語へ、原文をできるだけ意訳せず、そのままチベット語に置き換える形の逐語訳で経典を翻訳したため、チベット語の経典は仏教研究において非常に重要な位置を占める。", "title": "特徴" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "特に密教については、中国仏教では漢訳経典を通じて主に前期・中期密教が伝えられた一方、後期密教は性的儀礼も含むことから儒教社会では受け入れられにくく、漢訳と受容は限定的であったのに対し、チベット仏教は8世紀-12世紀にかけて後期密教(無上瑜伽タントラ等)の教えを中心としたインド密教を広範に受け入れ、独自に消化した点にも大きな特徴がある。", "title": "特徴" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "どの宗派においても、一切有情が本来持っている仏性を「基」とし、智慧(空性を正しく理解すること)と方便(信解・菩提心・大慈悲などの実践)の二側面を重視し、有情が大乗の菩薩となり六波羅蜜を「道」として五道十地の階梯を進み、「果」として最終的に仏陀の境地を達成することを説く。哲学的には龍樹の説いた中観派の見解を採用しており、僧院教育の現場においては、存在・認識についての教学・論争による論理的思考能力と正確な概念知の獲得を重視している。その思想の骨格となる重要な論書としては、シャーンティデーヴァの著した『入菩薩行論』 (Bodhisattvacaryāvatāra)、マイトレーヤの著した『究竟一乗宝性論』 (Uttaratantra Śāstra) と『現観荘厳論』 (Abhisamayālamkāra) などがあるほか、アティーシャ(アティシャ)が伝えたとされるロジョン(blo sbyong, 和訳:心の訓練法)の教えが重視され、全宗派で修習されている。", "title": "教義" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "また、仏陀の境地を速やかに達成するための特別な方便として、各宗派においてインド後期密教の流れを汲む無上瑜伽タントラの実践が行われている。一般的に新訳派では無上瑜伽タントラを、本尊の観想を中心とした生起次第を重視する父タントラ、身体修練によって空性大楽の獲得を目指す究竟次第を重視する母タントラ、それらを不可分に実践する不ニタントラの三段階に分類する。密教の最奥義に相当するものにはニンマ派のゾクチェン(大究竟)、サキャ派のラムデ(道果)、カギュ派のマハームドラー(大印契)などがあり、各派に思想的特徴が見られる。", "title": "教義" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "これら顕密併習の修道論として、最大宗派のゲルク派にはツォンカパの著した『菩提道次第』(ラムリム)と『秘密道次第論』(ガクリム)があるが、各宗派においてもそれらとほぼ同種の修道論が多数著されている。", "title": "教義" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "無上瑜伽タントラの実践においては、タントラ文献の記述や後述のヤブユムのイメージなどから、一部でセックスを修行に取り入れているという道徳的観点からの批判もあるが、これは在家密教修行者集団内でのことである。中世にはカダム派(英語版)を中心とした出家者集団の復興が行われて以降、性的実践を行なわずに密教を修行する傾向が強まった(後述)。その影響が各派に及び、現在の出家僧団においてはあくまで観念上の教義として昇華され、なおかつ一般の修行と教学を修得した者のみに開示される秘法とされた。このような呪術的、性的な要素については、出家僧団内においては実際的な行法としては禁止されたものの、その背景にある深遠な哲学自体は認められたため、教学および象徴的造形としては残されたということに留意すべきである。現在では顕教を重視するゲルク派が最大宗派となっていることからも、全体として密教的な修行法よりも、「教理問答」のような言語的コミュニケーションと、仏教教学の厳密な履修が重要視される傾向が高まっているといえる。", "title": "教義" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "現在、大きく分けて4宗派が存在するが、いずれも顕教と密教の併修を柱とする点では共通し、宗派間の影響を及ぼしあって発展してきたこともあって、各宗派の信仰形態に極端な差異は無くなっている。", "title": "信仰形態" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "恐ろしい形相を表す忿怒尊(ヘールカ)や、男女の抱擁する姿を表すヤブユムが特徴的であり、これらがことさらクローズアップされがちであるが、他にも阿弥陀如来や十一面観音、文殊菩薩といった、大乗仏教圏では一般的な如来、菩薩も盛んに信仰されている。禅宗を中心に独自の発展を遂げた中国の仏教では廃れてしまった仏が、日本(特に奈良・平安系仏教)とチベットでは共通して信仰され続けているケースも多い。一方、最高位の仏としてチベットでは釈迦如来や大日如来よりも、後期密教の特徴である本初仏を主尊とする点が独特である。ターラー仏母やパルデン・ラモ(忿怒形吉祥天)といった女神が盛んに信仰されることも特徴的である。", "title": "信仰形態" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "文化面では、タンカと呼ばれる仏画の掛軸や砂曼荼羅、楽器を用いた読経などが有名である。民間の信仰形態として特徴的なものは、マニ車、タルチョー(経旗)、鳥葬などが挙げられる。また、観音菩薩の真言である六字真言が盛んに唱えられる。", "title": "信仰形態" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "チベット仏教はチベット本国だけでなく、チベットからの布教により仏教を受け入れた諸民族の間で広く信仰される。チベット系民族では国連加盟国のブータンの他、インドのシッキム州、ラダック地方、アルナーチャル・プラデーシュ州のメンパ族、ネパール北部ヒマラヤ地帯のムスタン、ドルポやシェルパ族、タマン族など、またチベット系以外ではモンゴル国と中国領南モンゴル(内モンゴル自治区)のモンゴル人、ロシア連邦内のブリヤート人(モンゴル系)やカルムイク人(同)、トゥバ人(モンゴルの影響が強いテュルク系)といったモンゴル文化圏でも支配的な宗教であった。他に満洲族、ナシ族、羌族などが伝統的にチベット仏教を信仰してきた。満洲族から出た清朝の影響で、北京や五台山、東北部(満洲)など中国北方にもチベット仏教寺院がある。また、中国においては明朝の11代皇帝である正徳帝も即位直後からチベット仏教に傾倒し、「豹房」という邪淫の寺を作ってラマ僧らと秘技に明け暮れていたとの記録がある。", "title": "諸国への伝播" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "モンゴルは伝統的にチベット仏教第二の中心地であるが、チベット仏教の直輸入的なものであって、地域的な特色はあっても「モンゴル仏教」として区別するほど独立的な要素は強くない。チベットにおける宗派がそのままモンゴルにも存在し、近代化以前はモンゴルからチベットへの留学が盛んに行われていた。他方、ネパールでは北部のチベット系民族にチベット仏教が信仰され、さらに近年では中央部でもチベット仏教の進出が見られるが、元来中央部のネワール族などの間にはチベット仏教とは異なる独自の大乗仏教の系譜が伝えられている。", "title": "諸国への伝播" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "7世紀前半、吐蕃のソンツェン・ガンポ王(在位:581年 - 649年)がチベット統一を果たすと共に、唐とネパールから嫁いだ2王妃、文成公主とチツン(中国語版、英語版)の勧めで仏教に帰依した。吐蕃の首都ラサにはトゥルナン寺(ジョカン、大昭寺)が建立された。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "ティソン・デツェン王(在位:742年 - 797年)の代には仏教が国教と定められ、国立大僧院サムイェー寺が建設されて、インドのナーランダ僧院(那爛陀寺)の長老シャーンタラクシタが招聘された。また、パドマサンバヴァが密教を伝えた。さらに、786年には敦煌から禅僧摩訶衍(まかえん)がチベットに招かれたが、シャーンタラクシタの弟子カマラシーラと摩訶衍の禅宗との間で論争(サムイェー寺の宗論)が行われた結果、カマラシーラのインド系仏教が正統とされた。以来、サンスクリット語経典をチベット語へ翻訳する事業が始められ、824年頃までかけて膨大なチベット大蔵経が作られた。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "吐蕃末期には、国家仏教の支配体制に揺らぎが生じた。最後の王ラン・ダルマは仏教勢力の排除を目論んで廃仏を行い842(846?)年に暗殺されたという伝説が伝えられている。王家が地方に四散した後は、チベットは長い分裂時代を迎えた。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "王朝が滅亡して統制がなくなると、チベット仏教も一時退廃を見せた。僧伽の活動は衰退し、当時インドで流行していた性瑜伽(性的修行法)や呪術的修法を説く在家密教、すなわち、タントラ主義が横行した。吐蕃王家の亡命政権の1つである西チベットのグゲ王国は、王朝時代の伝統保存と仏教復興の担い手となった。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "11世紀になると、インドから入国して仏教界を指導したアティシャ(在位:982年 - 1054年)とその弟子のドムトン(英語版)らによって戒律復興運動が起こり(カダム派(英語版))、出家教団が再興された。般若経の解釈学、唯識や如来蔵思想の研究、中観思想の二派の論争など、顕教の哲学研究が盛んになった。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "他方、マルパ(中国語版、英語版)訳経師とミラレパらによって新たにインドのナーローパ(中国語版、英語版)やマイトリーパ(英語版)直伝の後期密教(ナーローの六法)がもたらされた(カギュ派)。アティシャも、戒律に違犯した行法は禁止したが、密教を学ぶことは容認したため、密教化した大乗仏教が排除されて、初期仏教の本流に近い上座部仏教が徹底されたスリランカや東南アジアとは異なり、チベットでは相互に矛盾する見解を持つような、あらゆる学派の顕教や、密教が総合的に学習される傾向が生じた。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "1240年、チベットはモンゴル帝国の侵攻を受けたが、当時ツァン地方を中心に一大勢力を持っていたサキャ派はモンゴルの懐柔を得ることに成功し、チベットの自治支配権を得た。さらに、クビライが即位すると、座主サキャ・パンディタの甥パクパは元朝の帝師として篤く遇されたが、その弟子のリンチェン・キャプ(中国語版)がその威光を背景に滅亡した南宋の墓を暴いたため、漢族から反感を買った。この時代に、チベット仏教はモンゴル諸部族に広く浸透した。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "1368年の元朝崩壊後はサキャ派に替わってカギュ派系のパクモドゥ派が中央チベットに政権を確立した。パクモドゥ派政権の衰退後は、同じくカギュ派系のカルマ派と、新興のゲルク派が覇権を争った。サキャ派やパクモドゥ派は、宗教貴族と化した一族が座主や高僧を半世襲的に輩出する氏族教団であったが、対してカルマ・カギュ派は化身ラマ(転生ラマ)制度を導入した。ゲルク派ものちに化身ラマ制度を取り入れ、ダライ・ラマ、パンチェン・ラマの二大活仏を中心として勢力を伸ばした。この時代の有力宗派は、モンゴル諸部族や明朝と代わる代わる同盟関係を結んだ。特にモンゴルの諸ハーンは、元朝の後継者としてチベット仏教の保護者となることで権威付けを図った。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "また、8世紀から続けられてきたチベット大蔵経の編纂が14世紀初頭に一応の完成をみた。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "ゲルク派は、ツォンカパが1400年頃に立宗した。カダム派の教えを継承・発展させ、新カダム派とも呼ばれた。ツォンカパは、従前の中観派を斥けて顕教を中心に独自の中観帰謬(きびゅう)論証派の教義を据えるとともに、過度のタントラ主義を否定して無上ヨーガ(性的ヨガ)の頽廃を禁じ、密教を中観の「無自性」を深く観ずるための禅定体系と位置づけた。また、従来の在家密教行者や氏族中心の宗派に対して、厳格な戒律に基づく出家修行を重視し、僧院を基盤とする教団を組織した。声聞乗(説一切有部・経量部)・菩薩乗(顕教)・真言乗(密教)を統合した修道体系は、後期インド仏教が目ざした方向性を実現したとも言える。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "1642年までにオイラト・モンゴルのグーシ・ハーン(グシ・ハン)がチベットの大部分を征服してグシ・ハン王朝を樹立し、ダライ・ラマ5世を擁立して宗派を越えたチベットの政治・宗教の最高権威に据えた。以来、ダライ・ラマを法王として戴くチベット中央政府、即ちガンデンポタンが確立された。これにともない、ダライ・ラマが元来所属していたゲルク派は、グシ・ハン王朝のみならず、隣接するハルハ、オイラトなどの諸国からもチベット仏教の正統として遇され、大いに隆盛となる。一方、覇権争いに敗れた他宗派勢力は辺境に勢力を確保し、ブータンにカギュ派系のドゥク派政権、シッキムにニンマ派政権が成立した。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "モンゴルと交流のあった女真族(満洲族)から出た清朝は、モンゴルの諸ハーン王朝の後継者としてチベット仏教の保護者を以て任じ、雍正帝によるグシ・ハン王朝滅亡後は、ダライ・ラマ政権の直接的バックボーンとなった。一方で、チベットの内外政の他、法王位の継承なども清朝の干渉を受けるようになった。しかし清皇族をはじめとする満洲族にはチベット仏教に篤く帰依する者も多く、宗教活動自体は保護を受ける面が強かった。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "17世紀頃から、カトリックの宣教師がインドや中国方面からチベット探検を試み、チベット仏教に関する報告がヨーロッパにもたらされた。チベット仏教を信仰するモンゴル系の少数民族を領内に抱えるロシアは、帝政時代の19世紀後半頃から、それらの民族を利用してチベットとの交渉を図り、ロシア各地にダツァンと呼ばれるチベット寺院も政策的に建立された。20世紀になると、隣接するインドを領有していたイギリスがチベットに勢力を伸ばし、チベット仏教研究も進展した。", "title": "近現代の情勢と動向" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "1959年のチベット蜂起にともない、チベットの国家元首であるとともにチベット仏教の最高権威であるダライ・ラマ14世がインドに亡命した。それ以降、インドやネパールに大量のチベット人が亡命、その中にはチベット仏教の伝統を体現した高僧が多く含まれていた。中国領チベットで破壊あるいは活動休止された僧院が亡命地に復興され、新たな活動拠点となっている。現代の国際的な布教活動は、これら亡命チベット教団の活動によるところが大きい。チベット仏教に造詣深い現代の外国人としては、ロバート・サーマン、リチャード・ギア、日本では中沢新一などが知られる。また、キアヌ・リーブスは、高位ラマの転生者の子どもをテーマにした映画『リトル・ブッダ』にシッダールタ役として出演している(キアヌ自身も仏教徒である)。", "title": "近現代の情勢と動向" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "一方、中国の支配下に置かれたチベット本土では、チベット動乱に続く時期(1955-61年)や文化大革命の時期にチベット仏教の寺院が徹底的な破壊を受けた。その後も形式的には信仰の自由が標榜されていたが、実際にはチベット仏教は中国政府と中国共産党の徹底的な支配下に置かれるとともに、過酷な弾圧が加えられ続けている。特に、ダライ・ラマに対する敬慕の念を口にすることは犯罪行為とみなされ、弾圧の対象となる。チベット本土でも一部の寺院は復興が認められたが、その規模は往事とは比較にならず、中国共産党の指導下で寺院の自主性は損なわれている。また、高僧の多くが亡命したため、チベット本土におけるチベット仏教の伝統の継続に大きな支障がでている。亡命した高僧の中には、ゲルク派の首座であるガンデン・ティパの第95代であるタシー・トントゥン、カルマ・カギュ派の教主であるカルマパ17世ウゲン・ティンレー・ドルジェ、ディクン・カギュ派の教主であるディクン・チェ=ツァン・リンポチェなど、チベット仏教の各支派の教主クラスも多い。", "title": "近現代の情勢と動向" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "2007年8月4日のAFP BB News(中国国営新華社通信の報道を引用)によると、中国政府は、国内の化身ラマが転生する際、政府の許可なしの転生は認めないことを決定した。高僧を管理下に置くための措置と見られている。現在の中華人民共和国におけるチベット仏教、特にゲルク派への弾圧についてはチベット#問題を参照。", "title": "近現代の情勢と動向" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "ロシア連邦の自治共和国の一つであるカルムイク共和国にはチベット仏教を信仰する住民が多く、事実上の『国教』として扱われているとされる。住民の中には『欧州唯一の仏教国』を標榜するものもいると伝えられ、ソビエト連邦崩壊後、宗教の自由化が行われると、同国のイリュムジノフ大統領はダライラマ十四世を同国の仏教センター所長として招聘しようと試みた。", "title": "近現代の情勢と動向" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "中国の系譜を汲む日本仏教は、チベット仏教と直接繋がりはないものの同じ大乗仏教であり、中国では衰退した密教を保持するという点で共通する。また、中国での受容を介さないインド直伝の大乗仏教でもあり、前述の通りサンスクリット原典に近いチベット大蔵経は、仏教学の上で貴重な資料となる。このことが明治時代には能海寛ら仏教学者に注目され、日本人初のチベット探検者河口慧海に続いて、1900年代から大正時代にかけて多田等観、青木文教、寺本婉雅ら日本の僧侶、仏教学者がチベットへ赴き、チベット仏教を研究した。", "title": "近現代の情勢と動向" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "また、明治維新後の廃仏毀釈や近代化に伴って本来の教えが伝わりにくくなっている日本の仏教について、チベット仏教を学ぶことで理解が促進される面があるといった指摘もされている。", "title": "近現代の情勢と動向" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "戦後は、欧米経由のニューエイジやサブカルチャーの領域において注目されるようになり、エキゾチックな仏教美術をドラッグの幻覚を連想させる表現で引用したり、転生ラマ(トゥルク)のシステムや一部の仏典のみを参照して呪術的な側面を特に強調して紹介されることが多かった。", "title": "近現代の情勢と動向" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "また、ダライ・ラマ14世がオウム真理教の麻原彰晃と面会した際に麻原を称賛したこと、オウム真理教が東京都で宗教法人格を取得した際には、ダライ・ラマ14世が東京都に推薦状を提出してオウム真理教を支援したことなどから、チベット仏教に対する悪いイメージが広まった。チベット亡命政府樹立以降は、積極的なチベット仏教側の情報開示、学者や伝統的な僧侶による一般向けの講習会開催など、理解を深めるための活動が行なわれている。", "title": "近現代の情勢と動向" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "日本においてはとりわけ、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所勤務者たちによって、1998年に設立された「チベット仏教普及協会」(ポタラ・カレッジ)などが、その役割を果たしている。", "title": "近現代の情勢と動向" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "また、教派的に近い関係にある日本の真言宗との関係は、以下に示すように緊密であり、盛んな交流がなされている。(上記の「チベット仏教普及協会」(ポタラ・カレッジ)も、真言宗智山派や大正大学などと縁がある。)", "title": "近現代の情勢と動向" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "2008年、チベット仏教カギュ派の分派であるディクン・カギュ派(直貢噶舉教派)は、京都に「チベット仏教直貢噶舉教派寶吉祥仏法センター」を設立した。これは、同派の僧侶のリンチェン・ドルジェ・リンポチェが台湾において主宰する「寶吉祥仏法センター(社団法人中華民国市寶吉祥仏教文化交流協会)」の日本における拠点として設立されたものである。", "title": "近現代の情勢と動向" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "ニンマ派、カギュ派、サキャ派、ゲルク派を、チベット仏教の四大宗派と呼ぶ。", "title": "チベット仏教の宗派" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "上記以外にも、シャンパ・カギュ派、シチェ派、チュウ派などの現在は独立した宗派としての組織を持たない伝統や、近年復興運動が起こっているチョナン派などが存在する。", "title": "チベット仏教の宗派" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "また、ゲルク派の保守勢力の間で護法尊または怨霊とされるシュクデンの崇拝が行われており、彼らをさしてシュクデン派と呼ぶことがある。現在、シュクデン信仰はダライ・ラマ14世によって禁じられており、それによってシュクデン派はチベット仏教の主流派からは異端とみなされている。一方、シュクデン派はニュー・カダンパ・トラディション(国際カダム派仏教連合)ウェスタン・シュクデン・ソサエティー(英語版)といった団体を結成し、チベット仏教主流派に対抗する活動を行っている。", "title": "チベット仏教の宗派" } ]
チベット仏教は、チベットを中心に発展した仏教の一派。根本説一切有部律の厳格な律に基づく出家制度、仏教の基本である四聖諦の教えから、大乗顕教の諸哲学や、金剛乗の密教までをも広く包含する総合仏教であり、独自のチベット語訳の大蔵経を所依とする教義体系を持つ。中国、日本、チベットなどに伝わる北伝仏教のうち、漢訳経典に依拠する東アジア仏教と並んで、現存する大乗仏教の二大系統のひとつをなす。 教義としては、智慧と方便を重視する。インド後期密教の流れを汲む無上瑜伽タントラが実践されている。ニンマ派、カギュ派、サキャ派、ゲルク派の4宗派が存在するが、いずれも顕教と密教の併修を柱とする。7世紀から14世紀にかけて、インドから仏教が直接チベットに伝来したので、インド仏教の伝統が途絶える寸前の時代に伝来した後期密教が継承されている。
{{複数の問題 | 出典の明記 = 2020年5月 | 独自研究 = 2020年5月 | 一次資料 = 2020年5月 | 宣伝 = 2020年5月 }} [[File:Potala palace23.jpg|thumb|350px|right|チベット仏教の中心、[[ポタラ宮]](世界遺産; [[ラサのポタラ宮の歴史的遺跡群]])]] {{大乗仏教}} '''チベット仏教'''(チベットぶっきょう、{{lang-bo|བོད་བརྒྱུད་ནང་བསྟན།}})は、[[チベット]]を中心に発展した[[仏教]]の一派。[[根本説一切有部律]]の厳格な[[波羅提木叉|律]]に基づく[[出家]]制度、仏教の基本である[[四聖諦]]の教えから{{sfn|吉村|2014|pp=362-363}}、[[大乗仏教|大乗]][[顕教]]の諸哲学や、[[金剛乗]]の[[密教]]までをも広く包含する総合仏教であり、独自の[[チベット語]]訳の[[大蔵経]]を所依とする教義体系を持つ。中国、日本、チベットなどに伝わる北伝仏教<ref>{{kotobank|1=北伝仏教|2=世界大百科事典 第2版}}</ref>のうち、漢訳経典に依拠する東アジア仏教と並んで、現存する[[大乗仏教]]の二大系統のひとつをなす。 教義としては、[[智慧]]と[[方便]]を重視する。インド後期密教の流れを汲む[[無上瑜伽タントラ]]が実践されている。[[ニンマ派]]、[[カギュ派]]、[[サキャ派]]、[[ゲルク派]]の4宗派が存在するが、いずれも顕教と密教の併修を柱とする。7世紀から14世紀にかけて、[[インド]]から仏教が直接チベットに伝来したので、インド仏教の伝統が途絶える寸前の時代に伝来した後期密教が継承されている。 == 呼称 == [[ラマ (チベット)|ラマ]]と呼ばれる師僧、特に[[化身ラマ]]{{efn2|転生活仏とも呼ばれるが、「活仏」は中国人による呼び方で、チベットにはない表現である{{sfn|吉村|2018|p=32}}。}}を尊崇することから、かつては一般に'''ラマ教'''(喇嘛教、Lamaism)と呼ばれ、この通称のために正統的な仏教ではないかのように誤解されていた<ref>{{kotobank|1=ラマ教|2=世界大百科事典 第2版}}</ref>。ラマ教という呼称は19世紀の西洋の学者によって普及したものであり、チベット仏教に対する偏った見方と結びついていたため、現在では使用されなくなっている<ref>『岩波 仏教辞典 第2版』 1037-1038頁、「ラマ教」。</ref>。 == 特徴 == 8世紀以降のインド大乗仏教最末期の思想は、[[イスラーム]]勢力の台頭によって中国など諸国に伝達されにくくなっていた。そんな中、チベット仏教は後期密教や中期・後期[[中観派]]の著作・思想などを、[[ヒマラヤ]]を挟んで目と鼻の先という地の利を活かし、インド大乗仏教滅亡後も([[ネパール]]の[[ネワール仏教]]などと並び)継承し続けてきた。 [[中国]]や[[中央アジア]]の大乗仏教との相互影響は、その地理的な隣接に比して、比較的弱いといえる。一方、特に[[ニンマ派]]や民間信仰のレベルではチベット独自の要素も見られるが、チベットでは仏教を取り入れるにあたって、[[サンスクリット|サンスクリット語]]の原典から[[チベット語]]へ、原文をできるだけ意訳せず、そのままチベット語に置き換える形の逐語訳で経典を翻訳したため、チベット語の経典は仏教研究において非常に重要な位置を占める。 特に[[密教]]については、中国仏教では漢訳経典を通じて主に前期・中期密教が伝えられた一方、後期密教は性的儀礼も含むことから[[儒教]]社会では受け入れられにくく、漢訳と受容は限定的であったのに対し、チベット仏教は8世紀-12世紀にかけて[[後期密教]]([[無上瑜伽タントラ]]等)の教えを中心とした[[インド密教]]を広範に受け入れ、独自に消化した点にも大きな特徴がある。 == 教義 == === 基盤となる顕教の教え === [[ファイル:Tashilhunpo.JPG|right|thumb|[[タシルンポ寺]]の大弥勒殿(典型的なチベット仏教寺院)]] [[File:Endlessknot.svg|thumb|[[エンドレス・ノット]]の意匠は象徴のひとつ]] どの宗派においても、一切[[有情]]が本来持っている[[仏性]]を「基」とし、[[智慧]]([[空性]]を正しく理解すること)と[[方便]](信解・[[菩提心]]・大[[慈悲]]などの実践)の二側面を重視し、有情が[[大乗仏教|大乗]]の[[菩薩]]となり[[六波羅蜜]]を「道」として五道[[十地]]の階梯を進み、「果」として最終的に[[仏陀]]の境地を達成することを説く。哲学的には[[龍樹]]の説いた[[中観派|中観]]派の見解を採用しており、僧院教育の現場においては、存在・認識についての教学・論争による論理的思考能力と正確な概念知の獲得を重視している。その思想の骨格となる重要な論書としては、シャーンティデーヴァの著した『入菩薩行論』 (''Bodhisattvacaryāvatāra'')、マイトレーヤの著した『究竟一乗宝性論』 (''Uttaratantra Śāstra'') と『現観荘厳論』 (''Abhisamayālamkāra'') などがあるほか、[[アティーシャ]](アティシャ)が伝えたとされる[[ロジョン]](blo sbyong, 和訳:心の訓練法)の教えが重視され、全宗派で修習されている。 === 密教的実践 === また、仏陀の境地を速やかに達成するための特別な方便として、各宗派においてインド後期密教の流れを汲む[[無上瑜伽タントラ]]の実践が行われている。一般的に新訳派では無上瑜伽タントラを、本尊の観想を中心とした生起次第を重視する[[父タントラ]]、身体修練によって空性大楽の獲得を目指す究竟次第を重視する[[母タントラ]]、それらを不可分に実践する[[不ニタントラ]]の三段階に分類する。密教の最奥義に相当するものには[[ニンマ派]]の[[ゾクチェン]](大究竟)、[[サキャ派]]の[[ラムデ]](道果)、[[カギュ派]]の[[マハームドラー]](大印契)などがあり、各派に思想的特徴が見られる。 これら顕密併習の修道論として、最大宗派の[[ゲルク派]]には[[ツォンカパ]]の著した『菩提[[道次第]]』(ラムリム)と『秘密道次第論』(ガクリム)があるが、各宗派においてもそれらとほぼ同種の修道論が多数著されている。 無上瑜伽タントラの実践においては、タントラ文献の記述や後述の[[ヤブユム]]のイメージなどから、一部でセックスを修行に取り入れているという道徳的観点からの批判もあるが、これは在家密教修行者集団内でのことである。中世には{{仮リンク|カダム派|en|Kadam (Tibetan Buddhism)}}を中心とした出家者集団の復興が行われて以降、性的実践を行なわずに密教を修行する傾向が強まった(後述)。その影響が各派に及び、現在の出家僧団においてはあくまで観念上の教義として昇華され、なおかつ一般の修行と教学を修得した者のみに開示される秘法とされた。このような呪術的、性的な要素については、出家僧団内においては実際的な行法としては禁止されたものの、その背景にある深遠な哲学自体は認められたため、教学および象徴的造形としては残されたということに留意すべきである。現在では顕教を重視するゲルク派が最大宗派となっていることからも、全体として密教的な修行法よりも、「教理問答」のような言語的コミュニケーションと、仏教教学の厳密な履修が重要視される傾向が高まっているといえる。 == 信仰形態 == [[ファイル:Lamas Rumtek.jpg|right|200px|thumb|チベット仏教の僧侶(ルムテク僧院・[[シッキム]])]] 現在、大きく分けて4宗派が存在するが、いずれも顕教と密教の併修を柱とする点では共通し、宗派間の影響を及ぼしあって発展してきたこともあって、各宗派の信仰形態に極端な差異は無くなっている。 恐ろしい形相を表す忿怒尊([[ヘールカ]])や、男女の抱擁する姿を表す[[ヤブユム]]が特徴的であり、これらがことさらクローズアップされがちであるが、他にも[[阿弥陀如来]]や[[十一面観音]]、[[文殊菩薩]]といった、大乗仏教圏では一般的な[[如来]]、[[菩薩]]も盛んに信仰されている。[[禅宗]]を中心に独自の発展を遂げた[[中国の仏教]]では廃れてしまった仏が、日本(特に奈良・[[平安仏教|平安系仏教]])とチベットでは共通して信仰され続けているケースも多い。一方、最高位の仏としてチベットでは[[釈迦如来]]や[[大日如来]]よりも、後期密教の特徴である[[本初仏]]を主尊とする点が独特である。[[多羅菩薩|ターラー]]仏母やパルデン・ラモ(忿怒形[[吉祥天]])といった女神が盛んに信仰されることも特徴的である。 文化面では、[[タンカ]]と呼ばれる仏画の掛軸や[[曼荼羅|砂曼荼羅]]、楽器を用いた読経などが有名である。民間の信仰形態として特徴的なものは、[[マニ車]]、[[タルチョー]](経旗)、[[鳥葬]]などが挙げられる。また、[[観音菩薩]]の[[真言]]である[[六字大明呪|六字真言]]が盛んに唱えられる。 == 諸国への伝播 == チベット仏教はチベット本国だけでなく、チベットからの布教により仏教を受け入れた諸民族の間で広く信仰される。[[チベット系民族]]では国連加盟国の[[ブータン]]の他、[[インド]]の[[シッキム州]]、[[ラダック]]地方、[[アルナーチャル・プラデーシュ州]]の[[メンパ族]]、[[ネパール]]北部ヒマラヤ地帯の[[ムスタン]]、[[ドルポ]]や[[シェルパ]]族、[[タマン族]]など、またチベット系以外では[[モンゴル国]]と[[中華人民共和国|中国領]][[内モンゴル自治区|南モンゴル(内モンゴル自治区)]]の[[モンゴル|モンゴル人]]、[[ロシア|ロシア連邦]]内の[[ブリヤート人]](モンゴル系)や[[カルムイク人]](同)、[[トゥバ族|トゥバ人]](モンゴルの影響が強い[[テュルク系民族|テュルク系]])といったモンゴル文化圏でも支配的な宗教であった。他に[[満洲民族|満洲族]]、[[ナシ族]]、[[羌]]族などが伝統的にチベット仏教を信仰してきた。満洲族から出た[[清|清朝]]の影響で、[[北京市|北京]]や[[五台山 (中国)|五台山]]、[[中国東北部|東北部]](満洲)など中国北方にもチベット仏教寺院がある。また、中国においては[[明|明朝]]の11代皇帝である[[正徳帝]]も即位直後からチベット仏教に傾倒し、「[[:zh:豹房|豹房]]」という邪淫の寺を作ってラマ僧らと秘技に明け暮れていたとの記録がある。 モンゴルは伝統的にチベット仏教第二の中心地であるが、チベット仏教の直輸入的なものであって、地域的な特色はあっても「モンゴル仏教」として区別するほど独立的な要素は強くない。チベットにおける宗派がそのままモンゴルにも存在し、近代化以前はモンゴルからチベットへの留学が盛んに行われていた。他方、ネパールでは北部のチベット系民族にチベット仏教が信仰され、さらに近年では中央部でもチベット仏教の進出が見られるが、元来中央部の[[ネワール族]]などの間にはチベット仏教とは異なる独自の大乗仏教の系譜が伝えられている。 {{main|ネパールの仏教}} <gallery> ファイル:Bhutan (8026023920).jpg|[[タクツァン僧院]](ブータン) ファイル:Tiksemonastery.jpg|ラダック僧院(インド) ファイル:Tengboche Gompa-1.JPG|タンボチェのゴンパ(僧院)(ネパール) ファイル:Gandantegchenling Monastery.JPG|ガンダン寺 (モンゴル) </gallery> == 歴史 == === 吐蕃と仏教伝来 === [[ファイル:A grand view of Samye.jpg|thumb|200px|[[サムイェー寺]]]] 7世紀前半、[[吐蕃]]の[[ソンツェン・ガンポ]]王(在位:[[581年]] - [[649年]])がチベット統一を果たすと共に、[[唐]]と[[ネパール]]から嫁いだ2王妃、[[文成公主]]と{{仮リンク|ブリクティー・デーヴィー|zh|尺尊公主|en|Bhrikuti|label=チツン}}の勧めで仏教に帰依した。吐蕃の首都[[ラサ]]には[[トゥルナン寺]](ジョカン、大昭寺)が建立された。 [[ティソン・デツェン]]王(在位:[[742年]] - [[797年]])の代には仏教が国教と定められ、国立大僧院[[サムイェー寺]]が建設されて、インドの[[ナーランダ僧院]](那爛陀寺)の長老[[シャーンタラクシタ]]が招聘された。また、[[パドマサンバヴァ]]が密教を伝えた。さらに、[[786年]]には[[敦煌市|敦煌]]から禅僧[[摩訶衍]](まかえん)がチベットに招かれたが、シャーンタラクシタの弟子[[カマラシーラ]]と摩訶衍の禅宗との間で論争([[サムイェー寺の宗論]])が行われた結果、カマラシーラのインド系仏教が正統とされた。以来、サンスクリット語経典をチベット語へ翻訳する事業が始められ、[[824年]]頃までかけて膨大な[[チベット大蔵経]]が作られた。 吐蕃末期には、国家仏教の支配体制に揺らぎが生じた。最後の王[[ラン・ダルマ]]は仏教勢力の排除を目論んで廃仏を行い842(846?)年に暗殺されたという伝説が伝えられている。王家が地方に四散した後は、チベットは長い分裂時代を迎えた。 [[ファイル:Atisha.jpg|サムネイル|アティーシャ]] === 分裂時代と仏教復興 === 王朝が滅亡して統制がなくなると、チベット仏教も一時退廃を見せた。僧伽の活動は衰退し、当時インドで流行していた性瑜伽(性的修行法)や呪術的修法を説く在家[[密教]]、すなわち、[[タントラ]]主義が横行した。吐蕃王家の亡命政権の1つである西チベットの[[グゲ王国]]は、王朝時代の伝統保存と仏教復興の担い手となった。 11世紀になると、インドから入国して仏教界を指導した[[アティシャ]](在位:982年 - 1054年)とその弟子の{{仮リンク|ドムトン|en|Dromtön}}らによって[[戒律]]復興運動が起こり({{仮リンク|カダム派|en|Kadam (Tibetan Buddhism)}})、出家教団が再興された。[[般若経]]の解釈学、[[唯識]]や[[如来蔵思想]]の研究、[[中観]]思想の二派{{efn2|中観自立論証派(スヴァータントリカ)と中観帰謬論証派(プラーサンギカ)。}}の論争など、[[顕教]]の哲学研究が盛んになった。 他方、{{仮リンク|マルパ・ローツァワ|zh|馬爾巴|en|Marpa Lotsawa|label=マルパ}}訳経師と[[ミラレパ]]らによって新たにインドの{{仮リンク|ナーローパ|zh|那洛巴|en|Naropa}}や{{仮リンク|マイトリーパーダ|en|Maitripada|label=マイトリーパ}}直伝の後期密教({{仮リンク|ナーローの六法|zh|那洛六法|en|Six Yogas of Naropa}})がもたらされた([[カギュ派]])。アティシャも、戒律に違犯した行法は禁止したが、密教を学ぶことは容認したため、密教化した大乗仏教が排除されて、[[初期仏教]]の本流に近い[[上座部仏教]]が徹底された[[スリランカ]]や東南アジアとは異なり、チベットでは相互に矛盾する見解を持つような、あらゆる学派の顕教や、密教が総合的に学習される傾向が生じた。 {{Clear}} === サキャ派政権とモンゴル帝国 === 1240年、チベットは[[モンゴル帝国]]の侵攻を受けたが、当時ツァン地方を中心に一大勢力を持っていた[[サキャ派]]はモンゴルの懐柔を得ることに成功し、チベットの自治支配権を得た。さらに、[[クビライ]]が即位すると、座主[[サキャ・パンディタ]]の甥[[パクパ]]は[[元朝]]の帝師として篤く遇されたが、その弟子の{{仮リンク|リンチェン・キャプ|zh|楊璉真珈}}がその威光を背景に滅亡した[[南宋]]の墓を暴いたため、漢族から反感を買った。この時代に、チベット仏教はモンゴル諸部族に広く浸透した。 1368年の元朝崩壊後はサキャ派に替わってカギュ派系の[[パクモドゥパ政権|パクモドゥ派]]が中央チベットに政権を確立した。パクモドゥ派政権の衰退後は、同じくカギュ派系のカルマ派と、新興の[[ゲルク派]]が覇権を争った。サキャ派やパクモドゥ派は、宗教貴族と化した一族が座主や高僧を半[[世襲]]的に輩出する氏族教団であったが、対してカルマ・カギュ派は[[化身ラマ]](転生ラマ)制度を導入した。ゲルク派ものちに化身ラマ制度を取り入れ、[[ダライ・ラマ]]、[[パンチェン・ラマ]]の二大活仏を中心として勢力を伸ばした。この時代の有力宗派は、モンゴル諸部族や明朝と代わる代わる同盟関係を結んだ。特にモンゴルの諸ハーンは、元朝の後継者としてチベット仏教の保護者となることで権威付けを図った。 また、8世紀から続けられてきた[[チベット大蔵経]]の編纂が14世紀初頭に一応の完成をみた。 {{Clear}} [[ファイル:Tsongkhapa.Kumbum.jpg|サムネイル|ゲルク派の宗祖ツォンカパ [[チベット自治区]][[アムド]]、[[西宮市|西寧市]]近郊のクンブム・チャンパーリン寺にて]] === ゲルク派の宗教改革とダライ・ラマ政権 === ゲルク派{{efn2|「浄行(厳律)派」の意。「黄教」「黄帽派」とも。}}は、[[ツォンカパ]]が1400年頃に立宗した。カダム派の教えを継承・発展させ、新カダム派とも呼ばれた{{sfn|石濱|2014|p=90}}。ツォンカパは、従前の中観派を斥けて顕教を中心に独自の中観帰謬(きびゅう)論証派の教義を据えるとともに、過度のタントラ主義を否定して無上ヨーガ(性的ヨガ)の頽廃を禁じ、密教を中観の「無自性」を深く観ずるための禅定体系と位置づけた。また、従来の在家密教行者や氏族中心の宗派に対して、厳格な戒律に基づく出家修行を重視し、僧院を基盤とする教団を組織した。声聞乗([[説一切有部]]・[[経量部]])・菩薩乗([[顕教]])・真言乗([[密教]])を統合した修道体系は、後期インド仏教が目ざした方向性を実現したとも言える。 1642年までに[[オイラト]]・モンゴルの[[グーシ・ハーン]](グシ・ハン)がチベットの大部分を征服して[[グシ・ハン王朝]]を樹立し、[[ダライ・ラマ5世]]を擁立して宗派を越えたチベットの政治・宗教の最高権威に据えた。以来、ダライ・ラマを法王として戴くチベット中央政府、即ち[[ガンデンポタン]]が確立された。これにともない、ダライ・ラマが元来所属していたゲルク派は、グシ・ハン王朝のみならず、隣接する[[ハルハ]]、[[オイラト]]などの諸国からもチベット仏教の正統として遇され、大いに隆盛となる。一方、覇権争いに敗れた他宗派勢力は辺境に勢力を確保し、ブータンにカギュ派系のドゥク派政権、シッキムにニンマ派政権が成立した。 モンゴルと交流のあった女真族(満洲族)から出た[[清朝]]は、モンゴルの諸ハーン王朝の後継者としてチベット仏教の保護者を以て任じ、[[雍正帝]]によるグシ・ハン王朝滅亡後は、ダライ・ラマ政権の直接的バックボーンとなった。一方で、チベットの内外政の他、法王位の継承なども清朝の干渉を受けるようになった。しかし清皇族をはじめとする満洲族にはチベット仏教に篤く帰依する者も多く、宗教活動自体は保護を受ける面が強かった。 {{Clear}} == 近現代の情勢と動向 == [[File:Gerdeng_Monastery_Aba_Sichuan_China.jpg|thumb|right|250px|{{仮リンク|キルティ・ゴンパ|en|Kirti Gompa}} <br> 別名で「'''ゲルデン僧院'''」とも呼ばれており、中国・[[四川省]][[アバ県]]と[[アバ・チベット族チャン族自治州|チアン族自治県]]で最大のチベット僧院として知られている。]] [[17世紀]]頃から、[[カトリック教会|カトリック]]の[[宣教師]]がインドや中国方面からチベット探検を試み、チベット仏教に関する報告がヨーロッパにもたらされた。チベット仏教を信仰するモンゴル系の少数民族を領内に抱える[[ロシア]]は、[[ロシア帝国|帝政時代]]の19世紀後半頃から、それらの民族を利用してチベットとの交渉を図り、ロシア各地に[[ダツァン]]と呼ばれるチベット寺院も政策的に建立された。20世紀になると、隣接するインドを領有していた[[イギリス]]がチベットに勢力を伸ばし、チベット仏教研究も進展した。 [[1959年のチベット蜂起]]にともない、チベットの国家元首であるとともにチベット仏教の最高権威である[[ダライ・ラマ14世]]がインドに亡命した。それ以降、インドやネパールに大量のチベット人が亡命、その中にはチベット仏教の伝統を体現した高僧が多く含まれていた。中国領チベットで破壊あるいは活動休止された僧院が亡命地に復興され、新たな活動拠点となっている。現代の国際的な布教活動は、これら亡命チベット教団の活動によるところが大きい。チベット仏教に造詣深い現代の外国人としては、[[ロバート・サーマン]]、[[リチャード・ギア]]、日本では[[中沢新一]]などが知られる。また、[[キアヌ・リーブス]]は、高位ラマの転生者の子どもをテーマにした映画『[[リトル・ブッダ]]』にシッダールタ役として出演している(キアヌ自身も仏教徒である<ref>{{Cite web |url=http://www.adherents.com/people/pr/Keanu_Reeves.html |title=The religion of Keanu Reeves, actor |website=Adherents.com |accessdate=2019-04-27}}</ref><ref>[http://www.youtube.com/watch?v=Vxq5DtzUETo Tibetan buddhist in hollywood. www.hollywood.org]{{リンク切れ|date=2019-04-27}}</ref>)。 一方、中国の支配下に置かれたチベット本土では、[[チベット動乱]]に続く時期(1955-61年)や[[文化大革命]]の時期にチベット仏教の寺院が徹底的な破壊を受けた。その後も形式的には[[信仰の自由]]が標榜されていたが、実際にはチベット仏教は中国政府と[[中国共産党]]の徹底的な支配下に置かれるとともに、過酷な弾圧が加えられ続けている。特に、ダライ・ラマに対する敬慕の念を口にすることは犯罪行為とみなされ、弾圧の対象となる。チベット本土でも一部の寺院は復興が認められたが、その規模は往事とは比較にならず、中国共産党の指導下で寺院の自主性は損なわれている。また、高僧の多くが亡命したため、チベット本土におけるチベット仏教の伝統の継続に大きな支障がでている。亡命した高僧の中には、ゲルク派の首座である[[ガンデン・ティパ]]の第95代であるタシー・トントゥン、カルマ・カギュ派の教主である[[カルマパ17世|カルマパ17世ウゲン・ティンレー・ドルジェ]]、ディクン・カギュ派の教主である[[カギュ派#分派|ディクン・チェ=ツァン・リンポチェ]]など、チベット仏教の各支派の教主クラスも多い。 2007年8月4日の[[フランス通信|AFP BB News]](中国国営[[新華社通信]]の報道を引用)によると、中国政府は、国内の化身ラマが転生する際、政府の許可なしの転生は認めないことを決定した。高僧を管理下に置くための措置と見られている<ref>{{cite news | url =https://www.afpbb.com/articles/-/2263352?pid=2001212| title =中国政府、チベット高僧の転生に事前申請を要求| newspaper=AFPBB News| date = 2007-08-04}}</ref>。現在の[[中華人民共和国]]におけるチベット仏教、特にゲルク派への弾圧については[[チベット#問題]]を参照。 [[ロシア連邦]]の自治共和国の一つである[[カルムイク共和国]]にはチベット仏教を信仰する住民が多く、事実上の『国教』として扱われているとされる。住民の中には『欧州唯一の仏教国』を標榜するものもいると伝えられ、[[ソビエト連邦]]崩壊後、宗教の自由化が行われると、同国のイリュムジノフ大統領は[[ダライラマ十四世]]を同国の仏教センター所長として招聘しようと試みた{{要出典|date=2016年1月21日 (木) 15:17 (UTC)}}。 === 日本との関係 === 中国仏教の系譜を汲む日本仏教は、チベット仏教と直接繋がりはないものの同じ大乗仏教ではあり、中国では衰退した密教を保持するという点で共通する。 チベット仏教は中国での翻訳と受容を介さないインド直伝の大乗仏教でもあり、前述の通りサンスクリット原典に近いチベット大蔵経は、仏教学の上で貴重な資料となる。このことが明治時代には[[能海寛]]ら仏教学者に注目され、日本人初のチベット探検者[[河口慧海]]に続いて、1900年代から大正時代にかけて[[多田等観]]、[[青木文教]]、[[寺本婉雅]]ら日本の僧侶、仏教学者がチベットへ赴き、チベット仏教を研究した。 また、明治維新後の廃仏毀釈や近代化に伴って本来の教えが伝わりにくくなっている[[日本の仏教]]について、チベット仏教を学ぶことで理解が促進される面があるといった指摘もされている<ref>吉村均『チベット仏教入門』筑摩書房〈ちくま新書〉、2018年</ref>。 === 現代日本のチベット仏教 === 戦後は、欧米経由の[[ニューエイジ]]や[[サブカルチャー]]の領域において注目されるようになり、エキゾチックな仏教美術を[[ドラッグ]]の幻覚を連想させる表現で引用したり、転生ラマ(トゥルク)のシステムや一部の仏典のみを参照して呪術的な側面を特に強調して紹介されることが多かった。 また、[[ダライ・ラマ14世]]が[[オウム真理教]]の[[麻原彰晃]]と面会した際に麻原を称賛したこと、オウム真理教が東京都で宗教法人格を取得した際には、ダライ・ラマ14世が東京都に推薦状を提出してオウム真理教を支援したことなどから<ref>{{Cite book |和書 |author=高山文彦 |title=麻原彰晃の誕生 |publisher=文藝春秋 |series=文春新書 |date=2006年2月20日 |isbn=978-4-16-660492-0 |page=}}{{要ページ番号|date=2019-04-27}}</ref>、チベット仏教に対する悪いイメージが広まった。[[チベット亡命政府]]樹立以降は、積極的なチベット仏教側の情報開示、学者や伝統的な僧侶による一般向けの講習会開催など、理解を深めるための活動が行なわれている。 日本においてはとりわけ、[[ダライ・ラマ法王日本代表部事務所]]勤務者たちによって、[[1998年]]に設立された「[[チベット仏教普及協会]]」(ポタラ・カレッジ)などが、その役割を果たしている。 また、教派的に近い関係にある日本の[[真言宗]]との関係は、以下に示すように緊密であり、盛んな交流がなされている。(上記の「チベット仏教普及協会」(ポタラ・カレッジ)も、[[真言宗智山派]]や[[大正大学]]などと縁がある。) * [[2004年]]7月、[[広島県]]にある[[高野山真言宗]][[龍蔵院 (広島市)|龍蔵院]]内に、日本初のチベット仏教僧院である「[[龍蔵院デプン・ゴマン学堂日本別院]]」が創設され、その窓口である「[[デプン大僧院]]・ゴマン学堂日本事務局」と共に、[[一般社団法人]]「[[文殊師利大乗仏教会]]」によって、運営・支援されている。 * [[真言宗御室派]]の大本山である[[広島県|広島]]・[[大聖院 (宮島)|大聖院]]では、「チベット仏教ゲルク派デプン大僧院ゴマン学堂」と継続的に交流活動が行われており、[[2006年]][[11月3日]]には、[[空海]]による[[弥山 (広島県)|弥山]]の開創1200年を記念して、ラサのデプン大僧院に由来する[[弥勒菩薩]]の開眼法要が[[ダライ・ラマ14世]]によって行われ、その仏像建立儀式が[[11月8日]]に完了したことを由縁として、毎月8日には「龍蔵院デプン・ゴマン学堂日本別院」のチベット僧達によって「大聖院弥勒仏兜率浄土祈願(デプン・ジャンパ法要)」が月例行事として行われている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.mmba.jp/japan/monthly/daishoinmaitreya |title=弥勒祈願祭 |publisher=文殊師利大乗仏教会 |accessdate=2019-04-27}}</ref>。 * [[真言宗豊山派]]の大本山である[[東京]]・[[護国寺]]では、度々チベット仏教にまつわる供養・勤行が行われ、[[2011年]][[4月29日]]には、[[東日本大震災]]のためのダライ・ラマ14世による四十九日法要が行われた。 * [[2011年]][[11月1日]]-2日、[[高野山大学]]125周年記念として、ダライ・ラマ14世が[[高野山]]を訪れ、講演や[[灌頂]]を行った。 2008年、チベット仏教[[カギュ派]]の分派である[[カギュ派#分派|ディクン・カギュ派(直貢噶舉教派)]]は、京都に「チベット仏教直貢噶舉教派寶吉祥仏法センター」を設立した。これは、同派の僧侶のリンチェン・ドルジェ・リンポチェが[[台湾]]において主宰する「寶吉祥仏法センター(社団法人中華民国市寶吉祥仏教文化交流協会)」の日本における拠点として設立されたものである。 == チベット仏教の宗派 == === 四大宗派 === '''ニンマ派'''、'''カギュ派'''、'''サキャ派'''、'''ゲルク派'''を、'''チベット仏教の四大宗派'''と呼ぶ。 * [[ニンマ派]] - 「古派」の意{{sfn|福田|2014|p=221}}。[[パドマサンバヴァ]]を宗祖とし、古代王朝時代に導入されたとされる古訳のタントラ群(ニンマ・カマ)と埋蔵教典([[テルマ (宗教)|テルマ]])に依拠する{{efn2|過去に用いられていた「紅教」「紅帽派」という呼称は、ゲルク派がチョナン派にならって黄色い帽子をかぶったため、中国語圏で「黄教」「黄帽派」と呼ばれるようになってから他宗派をさすために使われた表現であり、ニンマ派のみだけでなくサキャ派、カギュ派をも指していたことが多く、注意を要する。「ラマ教」と同じく現在の学術界ではめったに使用されない表現である。}}。 * [[カギュ派]](カギュー派) - {{仮リンク|マルパ・ローツァワ|zh|馬爾巴|en|Marpa Lotsawa|label=マルパ}}、[[ミラレパ]]を宗祖とする。カルマ派、ツェルパ・カギュ派、ディクン・カギュ派、ドゥク派、パクモドゥ派などの多数の支派に分かれている。詳細は「[[カギュ派]]」の項を参照のこと。 * [[サキャ派]] - [[元朝]]の時代にはチベットに政権を確立し、[[サキャ・パンディタ]]や[[クビライ|フビライ・ハーン]]の帝師[[パクパ]]が出た。 * [[ゲルク派]] - [[ツォンカパ]]を宗祖とし、[[秘密集会タントラ]]を重視している。ダライ・ラマ、パンチェン・ラマが属する。近世以降の最主流派。 ** {{仮リンク|カダム派|en|Kadam (Tibetan Buddhism)}}(カーダム派) - [[アティシャ]]を中心とする運動。ゲルク派は、この宗派の後継者を自認する。四大宗派のすべてに影響を与えた後、ゲルク派が新カダム派、ガンデン流として教団組織化した。現在この宗派は存在していない。 === その他 === 上記以外にも、シャンパ・カギュ派、シチェ派、チュウ派などの現在は独立した宗派としての組織を持たない伝統や、近年復興運動が起こっている[[ジョナン派|チョナン派]]などが存在する。 また、ゲルク派の保守勢力の間で護法尊または怨霊とされる'''[[シュクデン]]'''の崇拝が行われており、彼らをさして'''[[シュクデン|シュクデン派]]'''と呼ぶことがある。現在、シュクデン信仰は[[ダライ・ラマ14世]]によって禁じられており、それによってシュクデン派はチベット仏教の主流派からは異端とみなされている。一方、シュクデン派は[[ニュー・カダンパ・トラディション]](国際カダム派仏教連合){{仮リンク|ウェスタン・シュクデン・ソサエティー|en|Western Shugden Society}}といった団体を結成し、チベット仏教主流派に対抗する活動を行っている。 == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} === 注釈 === {{Notelist2}} === 出典 === {{reflist|2}} == 参考文献 == <!-- 「参考文献」節には、本記事の出典として実際に使われている文献のみをご記入下さい。 --> {{参照方法|date=2015年8月1日 (土) 09:26 (UTC)|section=1}} * {{Cite book|和書|author=石濱裕美子|authorlink=石濱裕美子|year=2014 |title=仏教の事典 |others=[[末木文美士]]・[[下田正弘]]・[[堀内伸二]]編集 |publisher=[[朝倉書店]] |chapter=チベット・モンゴルにおける展開 |ref={{SfnRef|石濱|2014}}}} * {{Cite book|和書|author=福田洋一|authorlink=福田洋一|year=2014 |title=仏教の事典 |others=末木文美士・下田正弘・堀内伸二編集 |publisher=朝倉書店 |chapter=チベット仏教 |ref={{SfnRef|福田|2014}}}} * {{Cite book|和書|author=吉村均|authorlink=吉村均|year=2014 |title=仏教の事典 |others=末木文美士・下田正弘・堀内伸二編集 |publisher=朝倉書店 |chapter=チベット・ネパール仏教の実践 |ref={{SfnRef|吉村|2014}}}} * {{Cite book|和書|author=吉村均 |year=2018 |title=チベット仏教入門 |publisher=筑摩書房 |series=ちくま新書 |ref={{SfnRef|吉村|2018}}}} == 関連文献 == * [[ロラン・デエ]] [[今枝由郎]]訳 『チベット史』 [[春秋社]] 2005年 * [[石濱裕美子]] 『チベット仏教世界の歴史的研究』 [[東方書店]] 2001年 * [[松本史朗]] 『チベット仏教哲学』 [[大蔵出版]] 1997年 * [[マルティン・ブラウエン]]、[[森雅秀]]訳 『図説曼荼羅大全 チベット仏教の神秘』[[東洋書林]] 2002年 * 『岩波講座東洋思想.11 チベット仏教』 [[岩波書店]] 1989年 * 『[[多田等観]]全文集 チベット仏教と文化』 [[今枝由郎]]編 [[白水社]] 2007年 * [[ラマ・アナガリカ・ゴヴィンダ]]『チベット密教の真理』[[松長有慶]]序文、[[山田耕二]]訳 [[工作舎]] 1991/2009年 ISBN 978-4-87502-424-8 * Osho『存在の詩』新装復刊 2020年 めるくまーる * 平岡宏一『運命を好転させる隠された教え チベット仏教入門』([[幻冬舎]],2021)ISBN 978-4344038172 == 関連項目 == {{Portal 仏教}} * [[インドの仏教]] * [[トンレン]] * [[法身普賢]] * [[ロサル]] * [[ゴールデン・チャイルド]] - [[エディ・マーフィ]]主演の[[映画]] * [[チベットの死者の書]] * [[チベット仏教の声明]] * [[ラルンガル僧院]](喇栄五明佛学院、ラルンガルゴンパ) - チベット最大の仏教僧院 * [[チベットにおける宗教]] == 外部リンク == {{commons category|Tibetan_Buddhism}} * [http://www.tibethouse.jp ダライラマ法王日本代表部事務所] * [http://tibet-tcc.sakura.ne.jp/ チベット文化研究会] * [http://www.potala.jp/ チベット仏教普及協会] * [http://www.dzogchen.or.jp/ ゾクチェン研究所] * [http://www.mmba.jp 文殊師利大乗仏教会] * [https://www.youtube.com/user/dalailamajapanese/playlists ダライ・ラマ法王(youtubeチャンネル)] * [https://www.youtube.com/channel/UCaUtR0yUGeUzcF77Yl5ez9A/playlists 吉村均「日本仏教がチベット仏教に学ぶもの」(動画)] <!-- 各種団体へのリンクは成立年代順にしましょう。 --> {{チベット関連の項目}} {{アジアの題材|仏教}} {{Buddhism2}} {{Normdaten}} {{DEFAULTSORT:ちへつとふつきよう}} [[Category:チベット仏教|*]] [[Category:チベット|ふつきよう]] [[Category:大乗仏教]] [[Category:地域別仏教]]
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13,124
東大阪市
東大阪市(ひがしおおさかし)は、大阪府の中河内地域に位置する市。中核市に指定されている。 人口は約48万人であり、大阪市および堺市の両政令指定都市に次いで大阪府第3位の人口を擁する。大阪市の衛星都市・ベッドタウンである一方、大阪都市圏の中心都市に属する。 ラグビーの聖地である東大阪市花園ラグビー場を擁する「ラグビーのまち」として、また技術力の高い中小企業が多数立地するものづくりのまちとして全国に知られる。 大阪平野の東部に位置する。市域の大半は平坦な低地で河川の多くは天井川であり、この地形的要因から1972年(昭和47年)の大東大水害では大きな被害を受けた。 市東部は生駒山系の山々が連なっており、豊富な自然が残されている。 主な河川には長瀬川・恩智川・玉串川・第二寝屋川などがある。 市域は、令制国の河内国中部にあたる。古代にはこの一帯は河内湾と呼ばれる大阪湾の奥にある小さな湾であったが、次第に海から分離して湖となった。その湖が大和川を経て上流から運ばれてくる土砂が堆積したことによって徐々に陸地化したが、こうした経緯から湿地・深田が多く、また洪水に見舞われやすい土地であった。 古代には物部氏が本拠地を置いた場所であり、物部守屋の最期の地は衣摺(きずり、市西南部)であるなど、早くから開けた地域であった。飛鳥時代には中国大陸への玄関口であった難波津との街道筋にあたり街道筋には多くの集落ができた。奈良時代になると、平城京と難波津を結ぶ街道が整備され、その街道筋にも多くの集落ができた。 平安時代になり、熊野詣や高野山へ上皇や貴族が参詣に訪れるようになると、その街道として生駒山麓を辿る高野街道が利用された。この沿線にあたる市の東部には多くの集落が点在しており、今なお旧村として市内に静かなたたずまいを残している。平安時代には、枚岡神社の勢力が大きく、それを背景とする水走氏が有力な領主として市東部を中心に活動した。 室町時代初期、河内守護に任ぜられた畠山氏が若江城を築き、河内を統治する拠点とした。以後畠山氏の守護代の遊佐氏がこの城を治めるが、応仁の乱やその後も続いた家督争いによって衰え、城主は細川氏や遊佐河内守長教、三好氏など転々とする。最終的に城は織田信長の家臣となった三好義継の旧臣の若江三人衆が治め、石山本願寺攻めが始まると織田方の拠点とされ、織田信長もこの城で指揮を執るなどしたが、両者が和睦した後に廃城とされた。またこの付近は大坂夏の陣における若江の戦いの舞台としても知られ豊臣方の将木村重成の終焉の地でもあることで知られる。 江戸時代中期以降、中甚兵衛らの嘆願によって大和川の付け替え工事が行われると新田開発が大坂の商人らによって積極的に推進された。また商品作物の栽培も盛んで、木綿の産地として名の知られた存在だった。 東大阪市の中央部は長い間、北にある深野池や西にある新開池、そこに注いでいる付け替え前の大和川の為に長らく湿地帯で、東大阪市の市域で早くに開けたのは、確かにこれら大和川の流域と高野街道沿いの地域ではあるが、開発は遅れがちであった。室町時代以降、河内国の行政の中心であった若江城でさえ、四方を沼地に囲まれた難攻不落の平城として記録されている。 1934年(昭和9年)9月21日、室戸台風の暴風雨。強風により楠根小学校、弥刀村小学校の木造校舎が倒壊。児童らが下敷きとなり多くの死傷者を出した。 定数は38人。2021年8月6日時点での会派構成は以下の通り。 日本有数の中小企業の密集地であり、高い技術を持った零細工場が多数集まっている。2002年12月に東大阪宇宙開発協同組合(現・宇宙開発協同組合SOHLA)を設立し人工衛星の開発を進めるなど、世界シェアを占める企業も多い(近畿大学には小規模の物ながら研究用の原子炉を保有)。面積に対する工場の割合では全国1位。工場の数も大阪市や横浜市などの政令指定都市を除くと1位である。 しかし近年は減少傾向であり、工場跡地に住宅が建てられるケースもある。2007年には製造品出荷額で隣市の八尾市に抜かれ、2011年のみ東大阪市が上位に返り咲いたものの、その差は広まりつつある。 江戸時代には旧大和川川床などにおける木綿栽培が行われ、大阪の中心、船場に近いという地の利があり、木綿を加工するための小規模な工業が発展していた。明治維新で家内的な木綿工業は一気に壊滅したが、残された技術が、現在の当地を支える原動力になっていった。生産機械のための機械作りやその部品作りである。 1958年、日本で初めての回転寿司店である元禄寿司が開店した町でもある(旧布施市:現在の近鉄布施駅付近)。 平成22年(2010年)国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、0.83%減の509,533人であり、増減率は府下43市町村中26位、72行政区域中45位である。 高等学校(および相当校)以上について記載する。 (2012年12月現在) ※ 東大阪市内の郵便番号は以下の通り。 大阪府 奈良県 同位置に所在する乗換駅などをまとめると26の駅がある。比較的発展していた3市が合併して誕生した市であるので、中心的な役割を果たす駅は特定できない。 乗降人員は近鉄奈良線と近鉄大阪線が合流する布施駅が最も多く、近鉄百貨店東大阪店を中心に商業圏が広がっている。また、JTBパブリッシングが発行する「JTB時刻表」も布施駅を代表駅としている。また、旧枚岡市域では瓢箪山駅を市東部の玄関口と見る向きもある。なお、東大阪市役所本庁の最寄り駅は荒本駅である。 以下のうち、Osaka Metro中央線と近鉄けいはんな線は一体的な運行系統となっており、当市にある長田駅を介して直通運転を行っている。 また、おおさか東線の高井田中央駅・JR河内永和駅・JR俊徳道駅はそれぞれOsaka Metro中央線高井田駅・近鉄奈良線河内永和駅・近鉄大阪線俊徳道駅と近接しており、それぞれ乗り換え可能となっている。 西日本旅客鉄道(JR西日本) 近畿日本鉄道(近鉄) 大阪市高速電気軌道(Osaka Metro) 高速バス 一般路線 南北方向には大阪府道2号大阪中央環状線、国道170号(大阪外環状線)、東西方向には中央大通と呼ばれる国道308号があり市内の大動脈となっている。 しかし、その他の道路は東西南北すべての方向において貧弱であり、主要地方道でも狭隘な道路(八尾茨木線の一部)や渋滞が激しい道路(八尾枚方線など)もあり、路線バスの運行にも影響がある。
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東大阪市(ひがしおおさかし)は、大阪府の中河内地域に位置する市。中核市に指定されている。 人口は約48万人であり、大阪市および堺市の両政令指定都市に次いで大阪府第3位の人口を擁する。大阪市の衛星都市・ベッドタウンである一方、大阪都市圏の中心都市に属する。 ラグビーの聖地である東大阪市花園ラグビー場を擁する「ラグビーのまち」として、また技術力の高い中小企業が多数立地するものづくりのまちとして全国に知られる。
{{pp-vandalism|small=yes}} {{日本の市 | 画像 = {{Multiple image | border = infobox | total_width = 290 | image_style = border:1; | perrow = 1/2/2 | image1 = Higashi_Osaka_Hanazono_Rugby_Stadium_ground.jpg | image2 = Ishikiritsurugiya-jinja_Higashiosaka_Osaka_pref_Japan05n.jpg | image3 = Hiraoka_park2.jpg | image4 = ShibaRyotaroMemorialMuseum.jpg | image5 = Osaka_Prefectural_Central_Library_201611.jpg }} |画像の説明 = <table style="width:280px;margin:2px auto;border-collapse:collapse"> <tr><td colspan="2">[[東大阪市花園ラグビー場]]</tr> <tr><td style="width:50%">[[石切剣箭神社]]<td>[[枚岡公園]]</tr> <tr><td>[[司馬遼太郎記念館]]<td>[[大阪府立中央図書館]]</tr> </table> | 市旗 = [[ファイル:Flag of Higashiosaka, Osaka.svg|border|100px]] | 市旗の説明 = 東大阪[[市町村旗|市旗]]<br />[[2019年]][[1月1日]]制定 | 市章 = [[ファイル:Emblem of Higashiosaka.svg|75px]] | 市章の説明 = 東大阪[[市町村章|市章]]<br />[[1967年]][[2月1日]]制定 | 自治体名 = 東大阪市 | 都道府県 = 大阪府 | コード = 27227-2 | 隣接自治体 = [[大阪市]]、[[大東市]]、[[八尾市]]<br />[[奈良県]]:[[生駒市]]、[[生駒郡]][[平群町]] | 木 = [[クスノキ]] | 花 = [[ウメ]] | シンボル名 = 市民の花 | 鳥など = [[キキョウ]] | 郵便番号 = 577-8521 | 所在地 = 東大阪市役所本庁舎:<br />大阪府東大阪市荒本北一丁目1番1号<br />{{Coord|format=dms|type:adm3rd_region:JP-27|display=inline,title}}<br />[[ファイル:Higashiōsaka City Hall 001.jpg|250px|center|東大阪市役所]]<br />{{Maplink2|zoom=10|frame=yes|plain=no|frame-align=center|frame-width=230|frame-height=200|type=line|stroke-color=#cc0000|stroke-width=2|type2=point|marker2=town-hall|text=市庁舎位置}} | 旭町庁舎:東大阪市旭町1番1号 | 外部リンク = {{Official website}} | 位置画像 = {{基礎自治体位置図|27|227|image=Higashiosaka in Osaka Prefecture Ja.svg|村の色分け=no}} | 特記事項 = }} '''東大阪市'''(ひがしおおさかし)は、[[大阪府]]の[[中河内 (大阪府)|中河内]]地域に位置する[[市]]。[[中核市]]に指定されている。 人口は約48万人であり、[[大阪市]]および[[堺市]]の両[[政令指定都市]]に次いで大阪府第3位の人口を擁する。大阪市の[[衛星都市]]・[[ベッドタウン]]である一方、[[大阪都市圏]]の[[中心都市]]に属する。 [[ラグビーユニオン|ラグビー]]の聖地である[[東大阪市花園ラグビー場]]を擁する「ラグビーのまち」として、また技術力の高い[[中小企業]]が多数立地するものづくりのまちとして全国に知られる。 == 地理 == [[大阪平野]]の東部に位置する。市域の大半は平坦な低地で河川の多くは[[天井川]]であり、この地形的要因から[[1972年]](昭和47年)の[[大東大水害]]では大きな被害を受けた。 市東部は[[生駒山]]系の山々が連なっており、豊富な自然が残されている。 主な河川には[[長瀬川 (大阪府)|長瀬川]]・[[恩智川]]・[[玉串川]]・[[第二寝屋川]]などがある。 == 歴史 == 市域は、[[令制国]]の[[河内国]]中部にあたる。古代にはこの一帯は河内湾と呼ばれる[[大阪湾]]の奥にある小さな湾であったが、次第に海から分離して湖となった。その湖が[[大和川]]を経て上流から運ばれてくる土砂が堆積したことによって徐々に陸地化したが、こうした経緯から湿地・深田が多く、また洪水に見舞われやすい土地であった。 古代には[[物部氏]]が本拠地を置いた場所であり、[[物部守屋]]の最期の地は衣摺(きずり、市西南部)であるなど、早くから開けた地域であった。[[飛鳥時代]]には[[中国大陸]]への玄関口であった[[難波津]]との街道筋にあたり街道筋には多くの集落ができた。[[奈良時代]]になると、[[平城京]]と難波津を結ぶ街道が整備され、その街道筋にも多くの集落ができた。 [[平安時代]]になり、[[熊野詣]]や[[高野山]]へ[[太上天皇|上皇]]や[[貴族]]が[[参詣]]に訪れるようになると、その街道として[[生駒山]]麓を辿る[[高野街道]]が利用された。この沿線にあたる市の東部には多くの集落が点在しており、今なお旧村として市内に静かなたたずまいを残している。平安時代には、[[枚岡神社]]の勢力が大きく、それを背景とする[[水走氏]]が有力な領主として市東部を中心に活動した。 [[室町時代]]初期、河内[[守護]]に任ぜられた[[畠山氏]]が[[若江城]]を築き、河内を統治する拠点とした。以後畠山氏の守護代の遊佐氏がこの城を治めるが、[[応仁の乱]]やその後も続いた[[家督]]争いによって衰え、城主は[[細川氏]]や[[遊佐長教|遊佐河内守長教]]、[[三好氏]]など転々とする。最終的に城は[[織田信長]]の家臣となった三好義継の旧臣の[[若江三人衆]]が治め、[[石山本願寺]]攻めが始まると織田方の拠点とされ、織田信長もこの城で指揮を執るなどしたが、両者が和睦した後に廃城とされた。またこの付近は[[大坂の陣#大坂夏の陣|大坂夏の陣]]における若江の戦いの舞台としても知られ豊臣方の将[[木村重成]]の終焉の地でもあることで知られる。 [[江戸時代]]中期以降、[[中甚兵衛]]らの嘆願によって大和川の付け替え工事が行われると[[新田開発]]が大坂の商人らによって積極的に推進された。また商品作物の栽培も盛んで、[[木綿]]の産地として名の知られた存在だった。 東大阪市の中央部は長い間、北にある[[深野池]]や西にある[[新開池]]、そこに注いでいる付け替え前の[[大和川]]の為に長らく湿地帯で、東大阪市の市域で早くに開けたのは、確かにこれら大和川の流域と高野街道沿いの地域ではあるが、開発は遅れがちであった。[[室町時代]]以降、河内国の行政の中心であった若江城でさえ、四方を沼地に囲まれた難攻不落の平城として記録されている。 [[1934年]](昭和9年)[[9月21日]]、[[室戸台風]]の暴風雨。強風により[[東大阪市立楠根小学校|楠根小学校]]、[[東大阪市立弥刀小学校|弥刀村小学校]]の木造校舎が倒壊。児童らが下敷きとなり多くの死傷者を出した<ref>高潮の阪神沿道で三百人行方不明『大阪毎日新聞』昭和9年9月22日号外(『昭和ニュース事典第4巻 昭和8年-昭和9年』本編p330 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)</ref>。 === 市成立後の沿革 === [[ファイル:Higashiosaka city center area Aerial photograph.1985.jpg|thumb|330px|東大阪市中心部周辺の空中写真。1985年撮影の24枚を合成作成。{{国土航空写真}}。]] [[File:Fuse_Kawachi_Hiraoka.svg|thumb|布施市、河内市、枚岡市がそれぞれ占めていた領域]] * [[1967年]][[2月1日]] : [[布施市]]、[[河内市]]、[[枚岡市]]が合併し、大阪府下31番目の市として東大阪市が発足する。市役所は旧 河内市役所を使用したほか、旧 布施市役所に「西支所」を、旧 枚岡市役所「東支所」をそれぞれ設置し、2003年の新庁舎建設に伴う機能併合まで3庁舎ともに使用していた。 * [[1969年]](昭和44年)[[12月4日]]: 一般[[国道308号]]が指定([[1970年]][[4月1日]]施行)。 * [[2003年]][[5月6日]] : 市役所が現在地に移転する。 * [[2005年]][[4月1日]] : 大阪府下では、[[堺市]](現在は[[政令指定都市]])、[[高槻市]]に次ぐ[[中核市]]に移行する。 === 主な出来事 === * [[1976年]](昭和51年)[[3月26日]] - 長堂の[[メッキ]]廃液処理場から[[塩素]]ガスが発生。市街地に流出して約100人が入院<ref>塩素ガス漏れ住民バタバタ 東大阪約百人が入院『朝日新聞』1976年(昭和51年)3月26日夕刊、3版、11面</ref>。 === ご当地キャラクター === * 2012年(令和元年)東大阪市マスコットキャラクター「トライくん」 * 石切参道商店街 「いしキリンちゃん」 * 東大阪社会福祉協議会 「しゃきょうりゅうクン」 * 布施商店街 「ふせロボくん」 * 東大阪消防局 「消防トライくん&消防ミライちゃん」 * 社会福祉法人川福会 「かわふくん」 * 社会福祉法人若草会 「わかちゃん」 === 楽曲 === * [[東大阪市市歌]] - 1967年制定 : 作詞:上出満 作曲:[[外山雄三]] * 東大阪市音頭 - 1971年選定 : 作詞:足立万里 作曲:鈴木量視 * 東大阪 めっちゃ元気な「まち」やねん - 2005年選定 : 作詞:[[南英市]] 作曲:[[つんく♂]] : 中核市移行記念「がんばろう! 東大阪」イメージソング。 == 行政 == *[[市町村長|市長]]:[[野田義和]](2007年10月28日就任、4期目) === 歴代市長 === {| class="wikitable" !代!!氏名!!就任日!!退任日!!備考 |- | 初代 || [[辰巳佐太郎]] || 1967年2月19日 || 1970年6月14日 || 1期 |- | 2代 || [[伏見格之助]] || 1970年6月14日 || 1982年6月13日 || 3期 |- | 3代 || [[北川謙次]] || 1982年6月14日 || 1989年12月6日 || 2期、病気療養を理由に辞職 |- | 4代 || [[清水行雄]] || 1989年12月24日 || 1998年5月20日 || 3期、辞職 |- | 5代 || [[長尾淳三]] || 1998年7月12日 || 2002年7月11日 || 1期 |- | 6代 || [[松見正宣]] || 2002年7月12日 || 2006年7月11日 || 1期 |- | 7代 || 長尾淳三 || 2006年7月12日 || 2007年9月14日 || 1期、市議会における不信任決議で失職 |- | 8代 ||[[野田義和]] || 2007年10月28日 || 現職 || 4期目 |} == 議会 == === 市議会 === {{main|東大阪市議会}} 定数は38人。[[2021年]][[8月6日]]時点での会派構成は以下の通り。 {| class="wikitable" style="text-align: center;" !会派名!!議席数!!所属党派 |- |自由民主党||10||[[自由民主党 (日本)|自由民主党]] |- |公明党||10||[[公明党]] |- |大阪維新の会||8||[[大阪維新の会]] |- |日本共産党||5||[[日本共産党]] |- |東大阪政心会||1|| |- |自民党大志会||1||[[自由民主党 (日本)|自由民主党]] |- |新社会党||1||[[新社会党]] |- |照隅の会||1|| |- |東大阪翔の会||1|| |- |欠員||0|| |} === 大阪府議会(東大阪市選出) === {{Main|大阪府議会}} * 定数:5名 * 任期:2019年(令和元年)5月28日~2023年(令和5年)5月27日 {| class="wikitable" |- !議員名!!会派名!!備考 |- | 広野瑞穂 || [[大阪維新の会]]大阪府議会議員団 || |- | 山下浩昭 || [[公明党]]大阪府議会議員団 || |- | 塩川憲史 || 自由民主党・無所属大阪府議会議員団 || 党籍は[[自由民主党 (日本)|自由民主党]] |- | [[西野弘一]] || 改革保守 || 党籍は[[無所属]] |- | 内海公仁 || [[日本共産党]]大阪府議会議員団 || |} === 衆議院 === * 任期 : 2021年(令和3年)10月31日 - 2025年(令和7年)10月30日(「[[第49回衆議院議員総選挙]]」参照) {| class="wikitable" |- !選挙区!!議員名!!党派名!!当選回数!!備考 |- | rowspan="2" | [[大阪府第13区]](東大阪市)|| [[岩谷良平]] || [[日本維新の会 (2016-)|日本維新の会]] || align="center" | 1 || 選挙区 |- | [[宗清皇一]] || [[自由民主党 (日本)|自由民主党]] || align="center" | 3 || 比例復活 |} == 産業 == {{更新|date=2016年3月|section=1}} 日本有数の[[中小企業]]の密集地であり、高い技術を持った零細工場が多数集まっている。2002年12月に東大阪宇宙開発協同組合(現・[[宇宙開発協同組合SOHLA]])を設立し[[人工衛星]]の開発を進めるなど、世界シェアを占める企業も多い(近畿大学には小規模の物ながら研究用の[[原子炉]]を保有)。面積に対する工場の割合では全国1位。工場の数も[[大阪市]]や[[横浜市]]などの[[政令指定都市]]を除くと1位である。 しかし近年は減少傾向であり、工場跡地に住宅が建てられるケースもある。2007年には製造品出荷額で隣市の[[八尾市]]に抜かれ、2011年のみ東大阪市が上位に返り咲いたものの<ref>[http://tanakaseita.jp/blog/?p=3110 八尾市の製造品出荷額が大阪府下第3位になりました。] - 八尾市長 田中誠太のオフィシャルブログ(2014年12月2日付、2016年4月11日閲覧)</ref>、その差は広まりつつある。 [[江戸時代]]には旧[[大和川]]川床などにおける木綿栽培が行われ、[[大阪]]の中心、[[船場 (大阪市)|船場]]に近いという地の利があり、木綿を加工するための小規模な工業が発展していた。[[明治維新]]で家内的な木綿工業は一気に壊滅したが、残された技術が、現在の当地を支える原動力になっていった。生産機械のための機械作りやその部品作りである。 [[1958年]]、日本で初めての[[回転寿司]]店である元禄寿司が開店した町でもある(旧布施市:現在の[[近畿日本鉄道|近鉄]][[布施駅]]付近)。 === 東大阪市に本社を持つ企業 === {{columns-list|2| * [[近畿車輛]] * [[近鉄バス]] * [[ハウス食品グループ本社]] ** [[ハウス食品]] ** [[ハウス物流サービス]] * [[ハンマーキャスター]] * [[タツタ電線]] * [[ハードロック工業]] * [[山陽自動車運送]] * [[竹中庭園緑化]] * [[丸金]] * [[サイレックス・テクノロジー]] * [[オージーケー技研]] ** [[オージーケーカブト]] * [[山本光学]] * [[立石春洋堂]] * [[元禄産業]] * [[グラス・ファイバー工研]] * シンコー * [[関西デリバリーセンター]] * [[大阪ベンテック]] * [[レイズ (企業)|レイズ]] * [[ワーク (企業)|ワーク]] * [[東洋スチール]] * [[昭和丸筒]] * [[二藤レール]] * [[井藤漢方製薬]] * [[キタコ]] * [[大阪単車用品工業]] * [[大阪バス]] * [[I・T・O]] * [[ロブテックス]] * [[旭工精]] * [[ジャック製菓]] * [[三晃工業]] * [[サンクレスト]] * [[パイオニア (パチスロ)|パイオニア]] * [[瀧本]] * [[ルナスタイル]] * [[スミヨシ]] }} === 東大阪市にて創業した主な企業 === * [[アート引越センター]](現在の本社は[[大阪市]][[中央区 (大阪市)|中央区]]) * [[アイリスオーヤマ]](現在の本社は[[宮城県]][[仙台市]][[青葉区 (仙台市)|青葉区]]) * [[トラスコ中山]](現在の本社は[[東京都]][[港区 (東京都)|港区]]) * [[松下冷機]](現:[[パナソニック]] アプライアンス社。現在の本部は[[滋賀県]][[草津市]]) * [[生和コーポレーション]](旧:生和建設。現在の本店は大阪市[[福島区]]) * [[ABCサービス]](現在の本社は大阪市中央区) == スポーツ == === ラグビー === * [[花園近鉄ライナーズ]]([[JAPAN RUGBY LEAGUE ONE]]) === 野球 === * [[関西独立リーグ (2代目)|関西独立リーグ]](旧・BASEBALL FIRST LEAGUE)(プロ野球独立リーグ) ** [[大阪ゼロロクブルズ]] === サッカー === * [[FC大阪]]([[日本プロサッカーリーグ]]) == 姉妹都市・提携都市 == === 日本国内 === * [[奈良県]][[下北山村]] === 日本国外 === * {{Flagicon|Germany}} [[ベルリン]][[ミッテ区 (ベルリン)|ミッテ区]]([[ドイツ]]) *: [[1959年]]8月12日姉妹都市提携(当時の[[布施市]]が提携) * {{Flagicon|USA}} [[カリフォルニア州]][[グレンデール (カリフォルニア州)|グレンデール]]([[アメリカ合衆国]]) *: [[1960年]]9月23日姉妹都市提携(当時の[[枚岡市]]が提携)。グレンデール市に設置された[[慰安婦の碑]]を巡って、姉妹都市の解消が検討されている。 : {{Also|グレンデール (カリフォルニア州)#慰安婦像|慰安婦像#カリフォルニア州 グレンデール市}} == 地域 == === 人口 === 平成22年(2010年)国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、0.83%減の509,533人であり、増減率は府下43市町村中26位、72行政区域中45位である。 {{人口統計|code=27227|name=東大阪市|image=Population distribution of Higashiosaka, Osaka, Japan.svg}} === 教育 === [[ファイル:Kinki University.JPG|thumb|200px|[[近畿大学]]]] [[高等学校]](および相当校)以上について記載する。 ==== 大学・短期大学 ==== * [[近畿大学]]・[[近畿大学短期大学部]] * [[大阪商業大学]] * [[大阪樟蔭女子大学]] * [[東大阪大学]]・[[東大阪大学短期大学部]] ==== 高等学校 ==== * [[大阪府立布施高等学校]] * [[大阪府立花園高等学校]] * [[大阪府立みどり清朋高等学校]] * [[大阪府立かわち野高等学校]] * [[大阪府立枚岡樟風高等学校]] * [[大阪府立布施北高等学校]] * [[大阪府立城東工科高等学校]] * [[大阪府立布施工科高等学校]] * [[東大阪市立日新高等学校]] * [[近畿大学附属中学校・高等学校|近畿大学附属高等学校]] * [[大阪商業大学高等学校]] * [[樟蔭中学校・高等学校|樟蔭高等学校]] * [[アナン学園高等学校]](旧・樟蔭東高等学校) * [[東大阪大学敬愛高等学校]] ==== その他 ==== * [[大阪朝鮮高級学校|大阪朝鮮中高級学校]] ※いわゆる[[朝鮮学校]]。日本の[[高等学校]]、[[中学校]]に相当する教育を行う非一条校([[各種学校]])。 <!--* [[東大阪朝鮮中級学校]] * [[東大阪朝鮮初級学校]] --><!--中学校・小学校については採録していない為、それに相当する教育を行う各施設をコメントアウト。--> === 日本郵政グループ === (2012年12月現在) * '''[[日本郵便]]''' : [[集配郵便局]]は、[[布施郵便局 (大阪府)|布施]] 本局(永和)・[[枚岡郵便局|枚岡]](鷹殿町)・[[河内郵便局 (大阪府)|河内]](菱江)の3局がある。この他、窓口業務のみを行う郵便局が市内に53箇所ある。 * '''[[ゆうちょ銀行]]''' : 大阪支店布施出張所が、布施/永和郵便局内に置かれている。また、市内には各郵便局などに65箇所(布施出張所を含む)に[[現金自動預け払い機]] (ATM) が設置されており、うち19箇所(同)でホリデーサービスを実施している。 * '''[[かんぽ生命保険]]''' : 東大阪支店が、[[布施駅|布施駅前]]に置かれている。 ※ 東大阪市内の郵便番号は以下の通り。 * '''577-00xx'''・'''577-08xx''' : 市の西部に相当し、布施郵便局が集配を担当している。 * '''578-09xx''' : 市の中部に相当し、河内郵便局が集配を担当している。 * '''579-80xx''' : 市の東部に相当し、枚岡郵便局が集配を担当している。 ** 上石切町の一部 ('''630-0271''') ・山手町の一部 ('''630-0272''') は[[生駒郵便局]]([[奈良県]][[生駒市]])が集配を担当している。 == 隣接している自治体・行政区 == '''[[大阪府]]''' * [[大阪市]]([[鶴見区 (大阪市)|鶴見区]]、[[城東区]]、[[東成区]]、[[生野区]]、[[平野区]]) * [[大東市]] * [[八尾市]] '''[[奈良県]]''' * [[生駒市]] * [[生駒郡]][[平群町]] == 市内の地名 == {{See|東大阪市の地名}} == 交通 == [[ファイル:Fuse - panoramio.jpg|thumb|200px|[[布施駅]]前]] [[ファイル:Aramoto stn.jpg|thumb|200px|[[荒本駅]]]] [[ファイル:Bird's-eye view Higashiosaka JCT.jpg|thumb|200px|[[東大阪ジャンクション|東大阪JCT]]]] === 鉄道 === 同位置に所在する乗換駅などをまとめると26の駅がある。比較的発展していた3市が合併して誕生した市であるので、中心的な役割を果たす駅は特定できない。 乗降人員は[[近鉄奈良線]]と[[近鉄大阪線]]が合流する[[布施駅]]が最も多く、[[近鉄百貨店]]東大阪店を中心に商業圏が広がっている。また、[[JTBパブリッシング]]が発行する「[[時刻表#JTBパブリッシング発行|JTB時刻表]]」も布施駅を代表駅としている。また、旧[[枚岡市]]域では[[瓢箪山駅 (大阪府)|瓢箪山駅]]を市東部の玄関口と見る向きもある。なお、東大阪市役所本庁の最寄り駅は[[荒本駅]]である。 以下のうち、[[大阪市高速電気軌道|Osaka Metro]][[Osaka Metro中央線|中央線]]と[[近畿日本鉄道|近鉄]][[近鉄けいはんな線|けいはんな線]]は一体的な運行系統となっており、当市にある[[長田駅 (大阪府)|長田駅]]を介して[[直通運転]]を行っている。 また、おおさか東線の[[高井田中央駅]]・[[JR河内永和駅]]・[[JR俊徳道駅]]はそれぞれOsaka Metro中央線[[高井田駅 (大阪府東大阪市)|高井田駅]]・近鉄奈良線[[河内永和駅]]・近鉄大阪線[[俊徳道駅]]と近接しており、それぞれ乗り換え可能となっている。 '''[[西日本旅客鉄道]]'''(JR西日本) * {{JR西路線記号|K|H}} [[片町線|片町線(学研都市線)]] ** [[徳庵駅]] - [[鴻池新田駅]] * {{JR西路線記号|K|F}} [[おおさか東線]] ** [[高井田中央駅]] - [[JR河内永和駅]] - [[JR俊徳道駅]] - [[JR長瀬駅]] - [[衣摺加美北駅]] **: おおさか東線の各駅はJRの[[特定都区市内]]制度における「大阪市内」に属する。 '''[[近畿日本鉄道]]'''(近鉄) * {{近鉄駅番号|A}} [[近鉄奈良線|奈良線]] **[[布施駅]] - [[河内永和駅]] - [[河内小阪駅]] - [[八戸ノ里駅]] - [[若江岩田駅]] - [[河内花園駅]] - [[東花園駅]] - [[瓢箪山駅 (大阪府)|瓢箪山駅]] - [[枚岡駅]] - [[額田駅 (大阪府)|額田駅]] - [[石切駅]] * {{近鉄駅番号|D}} [[近鉄大阪線|大阪線]] ** 布施駅 - [[俊徳道駅]] - [[長瀬駅]] - [[弥刀駅]] * {{近鉄駅番号|C}} [[近鉄けいはんな線|けいはんな線]] ** [[長田駅 (大阪府)|長田駅]] - [[荒本駅]] - [[吉田駅 (大阪府)|吉田駅]] - [[新石切駅]] '''[[大阪市高速電気軌道]]'''(Osaka Metro) * [[File:Osaka Metro Chuo line symbol.svg|22px|C]] [[Osaka Metro中央線|中央線]] ** [[高井田駅 (大阪府東大阪市)|高井田駅]] - [[長田駅 (大阪府)|長田駅]] === 路線バス === '''高速バス''' * [[大阪バス]] ** 布施駅(東大阪布施駅停留所)から東京、京都への高速バスを運行。また、長田駅に名古屋、京都への高速バスが停車する。空港リムジンバスが布施駅・長田駅と[[関西国際空港]]を結ぶ(近鉄バス、[[関西空港交通]]と共同運行)。 '''一般路線''' * [[近鉄バス]] ** 布施線、中央環状線、加美線、春宮線、萱島線、花園線、瓢箪山線、四条畷線、吉田線、東大阪病院線、経法大線、近大シャトル線 *: 市内に本社を持ち、営業所も4箇所([[近鉄バス布施営業所|布施・布施観光]]・[[近鉄バス枚岡営業所|枚岡]]・[[近鉄バス稲田営業所|稲田]])あるが、[[1990年代]]以降路線の休止・廃止が相次ぎ、バス路線空白地が多く存在する。新路線(新石切駅前 - 石切駅前、花園駅前 - 吉田駅前、吉田駅前 - JR住道)の開設も行われているが、近年、運転士不足と利用客減少を理由に再び市内各路線での減便傾向が続く<ref>[http://www.kintetsu-bus.co.jp/news/detail.php?no=20160426141550 【平成28年6月1日】吉田住道線、石切線、久宝寺(南系統)ダイヤ改正及び金剛団地線(津々山台系統)の廃止のお知らせ] - 近鉄バス公式Webページ(2016年5月6日付)</ref>。また東大阪市などの補助により低公害ノンステップバスの導入も行われている。 * [[大阪シティバス]](旧・[[大阪市営バス]]) ** 86号系統 布施駅前 - 上新庄駅前、12号系統 布施駅前 - あべの橋 *: 市内には、布施駅前停留所があり、上記系統が発着している。なお、12号系統は市バスの操車場があったことから布施三ノ瀬へ乗り入れていたが2013年より布施駅前へ乗り入れることになった。 * 大阪バス ** 布施八尾線、東大阪西地区循環バス、俊徳道駅・近畿大学線 *: 同社の市内路線バスは2016年7月29日に運行が開始された布施八尾線を皮切りに、2022年3月の時点で3路線が運行されている。 これらの路線は公共交通空白地域を解消する目的から東大阪市や八尾市・大阪府などとの協業により開設された路線である<ref>''バスラマインターナショナル No.179''. ぽると出版. (2020年4月25日). p. 13</ref>。 * 大東市コミュニティバス(近鉄バスが運行) ** Aコース 南新田・朋来方面 *: 当市内を通過するが、停留所は存在しない。 === 道路 === 南北方向には[[大阪府道2号大阪中央環状線]]、[[国道170号]]([[大阪外環状線]])、東西方向には[[中央大通]]と呼ばれる[[国道308号]]があり市内の大動脈となっている。 しかし、その他の道路は東西南北すべての方向において貧弱であり、主要地方道でも狭隘な道路(八尾茨木線の一部)や渋滞が激しい道路(八尾枚方線など)もあり、路線バスの運行にも影響がある。 * [[高速自動車国道]] ** [[近畿自動車道]] *** [[東大阪北インターチェンジ]] - [[東大阪パーキングエリア]] - [[東大阪南インターチェンジ]] * [[都市高速道路]] ** [[阪神高速道路]] *** [[阪神高速13号東大阪線|13号東大阪線]] **** [[高井田出入口]] - [[長田出入口]] - [[東大阪荒本出入口]] - [[中野出入口]] - [[水走出入口]] * [[一般有料道路]] ** [[第二阪奈有料道路]] *** [[西石切ランプ]] ** [[信貴生駒スカイライン]] * [[一般国道]] ** [[国道170号]](大阪外環状線と呼ばれる現道と約500m東側にある旧道がともに国道に指定されている) ** [[国道308号]](近鉄奈良線以東は車輌通行困難で、特に冬季は[[路面凍結]]の恐れあり) * [[大阪府の府道一覧|大阪府道]] ** [[主要地方道]] *** 大阪府道2号大阪中央環状線 *** [[大阪府道・奈良県道8号大阪生駒線|大阪府道8号大阪生駒線]] *** [[大阪府道15号八尾茨木線]] *** [[大阪府道20号枚方富田林泉佐野線]](東大阪市内では全区間で国道170号の旧道と重複) *** [[大阪府道21号八尾枚方線]] *** [[大阪府道24号大阪東大阪線]] ** 一般府道 *** [[大阪府道159号平野守口線]] *** [[大阪府道166号鴻池新田停車場線]] *** [[大阪府道167号鴻池新田停車場鴻池線]] *** [[大阪府道168号石切大阪線]] *** [[大阪府道170号枚岡停車場線]] *** [[大阪府道171号河内小阪停車場線]] *** [[大阪府道172号布施停車場線]] *** [[大阪府道173号大阪八尾線]] *** [[大阪府道・奈良県道702号大阪枚岡奈良線|大阪府道702号大阪枚岡奈良線]] == 名所・旧跡・観光スポットなど == [[ファイル:Wakaej2.jpg|thumb|x150px|若江城の石碑]] [[ファイル:Kintetsu Hanazono rugby stadium Entrance.jpg|200px|thumb|東大阪市花園ラグビー場]] [[ファイル:Higashiosaka Cultural Creation Hall.jpg|200px|thumb|東大阪市文化創造館]] [[ファイル:Osaka Prefectural Central Library 201611.jpg|thumb|200px|大阪府立中央図書館]] ; 記念館・資料館 * [[司馬遼太郎記念館]] - 近鉄[[八戸ノ里駅]]近くには[[司馬遼太郎]]の自宅が保存されており、隣には司馬遼太郎記念館が作られている。司馬遼太郎の書斎は生前のまま残されており、外から見学することもできる。司馬遼太郎は、東大阪市の名誉市民でもある<ref name="meiyoshimin">{{Cite web|和書|title=名誉市民|website=東大阪市|url=https://www.city.higashiosaka.lg.jp/0000007410.html |accessdate=2022-08-11}}</ref>。 * [[樟徳館]] * [[田辺聖子]]文学館 ; 施設・競技場 * [[東大阪市花園ラグビー場]] - 日本初のラグビー専用競技場。[[全国高等学校ラグビーフットボール大会]]の会場として全国的に有名。 * [[東大阪市文化創造館]] - 近鉄八戸ノ里駅付近に在る芸術センター。同市における文化施設の中では最大級である。 ; 寺院・神社 * [[石切劔箭神社]] - 近鉄[[石切駅]]、[[新石切駅]]近くにあり、「でんぼ」(腫れ物)の神様として広く知られている。付近の商店街は独特の風情がある。また、この付近等から生駒山へのハイキングコースが伸びている。 * [[枚岡神社]]([[河内国]][[一宮]]) - [[枚岡駅]]下車すぐ。生駒山頂への登山コースが神社内から始まっている。付近は[[枚岡公園]]となっている。社叢は[[かおり風景100選]] * [[瓢箪山稲荷神社]] -近鉄奈良線 [[瓢箪山駅 (大阪府)|瓢箪山駅]]から徒歩(南側の商店街アーケード南端の辻を東へ)約5分。 [[稲荷神|日本三大稲荷]]の一つである。[[辻占]]が有名。 * [[往生院六萬寺]] - 近鉄瓢箪山駅下車、南へ徒歩16分(1.1&nbsp;km)六万寺交番を左折し徒歩20分(1.3&nbsp;km)。 ; 遺跡・城跡・古墳<ref group="注釈">現在、これらは殆どが保存されることなく開拓・開発工事で消滅している。</ref> * [[鴻池新田|鴻池新田会所]](国の[[史跡]]・[[重要文化財]]) - JR[[鴻池新田駅]]の南側にあり、春期・秋期に公開されている。 * [[河内寺廃寺跡]](国の[[史跡]]) * [[池島・福万寺遺跡]] - [[縄文時代]]晩期から近代までの生産遺構を中心とする遺跡。 *[[瓜生堂遺跡]] - [[弥生時代]]晩期から[[平安時代]]までの住居遺構や[[方形周溝墓]]を中心とする遺跡。 *[[若江城]] - 河内の中央部にあった[[室町時代]]の行政の中心であった。[[戦国時代 (日本)|戦国時代]]には争奪戦が行われた軍事上重要な存在であった。現在は石碑が立つのみであるが、訪れる人は多い。 * [[松原宿跡]] - かつて[[暗越奈良街道]]に存在していた[[旅籠]]のひとつである「松原宿(まつばらじゅく)」の痕跡。名の由来は古来に存在していた[[松原村]]にちなむ。 * [[芝山古墳]] - 天皇クラスを被葬者とされる前方後円墳といわれており、[[ウィリアム・ゴーランド]]によって発掘調査されたが1962年、宅地開発に伴い消滅した。 * [[山畑古墳群]] * [[二本松古墳]] * [[旧吉田川跡]] * [[日下貝塚]] ; その他 * 瓢箪山商店街 - 近鉄瓢箪山駅前には、全国で2箇所しかない国道([[国道170号]])中の[[商店街]]・[[アーケード (建築物)|アーケード]]があり、昼間は歩行者天国だが、深夜には普通に自動車が走行する(もう1箇所は長崎県の[[国道324号]][[浜町アーケード]])。「ひょうたんモニュメント」が駅・商店街を中心に1000個設置された。商店街内には「ひょっこりひょうたん島」のテーマソングが流れることも<ref group="注釈">瓢箪山駅を挟んで北側(中央商店街)に [http://3610.jp/ サンロード]、南側(イナリ前商店街)に [http://www.jinjamall.com/ ジンジャモール] の愛称が付いている。</ref>。 *[[小阪城]] - 近鉄[[河内小阪駅]]の駅前商店街 *[[大阪府立中央図書館]] == 東大阪市出身の人物 == <!--分野別に五十音順--> === 歴史上の人物 === * [[蘇我理右衛門]] - [[河内国]]五條(現在の東大阪市)出身で[[安土桃山時代]]から[[江戸時代]]にかけての銅商。尚、[[住友財閥]]の創業者の1人で「業祖」と呼ばれている。 * [[中甚兵衛]] - [[大和川]]付け替え工事を推進した[[庄屋]]。 * [[水走季忠]] - [[枚岡神社]]の神主で、[[平安時代]]後期の[[武士]]。 * [[遊佐長教]] - [[河内国]]の[[戦国大名]]。[[若江城]]主。遊佐[[河内守]]長教(1491-1551)。 === 政界・学界・言論界 === * [[審良静男]] - [[大阪大学]]教授([[免疫学]]の世界的権威) * [[伊藤忠通]] - [[奈良県立大学]]学長・副[[理事長]]([[財政]]学、[[地方財政]]) * [[今西芳治]] - [[近畿大学]]名誉教授(財政学) * [[江崎玲於奈]] - [[横浜薬科大学]]学長、[[日本学士院]]会員。[[1973年]][[ノーベル物理学賞]]受賞者 * [[城戸淳二]] - [[山形大学]]工学部機能高分子工学科教授。グルメ研究家([http://ckido8.yz.yamagata-u.ac.jp/pc/main_j.htm 参考]) * [[木村幹]] - [[神戸大学大学院国際協力研究科]]教授。比較政治学 * 塩川正三 - 旧 布施市 市長。塩川正十郎の父 * [[塩川正十郎]] - 元 [[財務大臣 (日本)|財務大臣]]・元 [[衆議院]]議員('''名誉市民'''<ref name="meiyoshimin"/>) * [[建部正義]] - 経済学者、[[日本金融学会]]理事 * [[豊川義明]] - 弁護士、[[関西学院大学]][[大学院]]司法研究科教授 * 藤田勝利 - [[近畿大学]][[法学部]]教授。元[[大阪市立大学]]法学部長、元 副学長([[商法]]、国際取引法) * [[松岡和美]] - [[慶應義塾大学経済学部]]教授 * [[山中伸弥]] - [[京都大学iPS細胞研究所]]名誉所長・教授、[[日本学士院会員]]。[[2012年]][[ノーベル生理学・医学賞]]受賞者('''名誉市民'''<ref name="meiyoshimin"/>) === 芸能界・放送界・エンターテイナー === * [[愛内里菜]](歌手、実業家) * [[荒木悠司]](タレント) * [[池脇千鶴]]([[俳優|女優]]) * [[石井亮次]]([[フリーアナウンサー]]、元[[CBCテレビ]]アナウンサー) * [[上田悦子]]([[毎日放送]]アナウンサー) * [[占部沙矢香]](CBCテレビ元アナウンサー、広島県生まれ) * [[エハラマサヒロ]] * [[大倉忠義]]([[関ジャニ∞]]) * [[大沢あかね]](タレント) * [[加島茜]](ミュージカル俳優) * [[河島英五]]([[歌手]]) * [[川西賢志郎]]([[和牛 (お笑いコンビ)|和牛]]) * [[河野真也]] ([[オクラホマ (お笑い)|オクラホマ]]) * [[川原亜矢子]]([[モデル (職業)|モデル]]、女優) * [[君夕子]](歌手、女優) * [[桐山照史]]([[WEST.]]) * [[呉城久美]](女優) * [[黒田有]] ([[メッセンジャー (お笑いコンビ)|メッセンジャー]]) * [[古川優奈]](モデル) * [[古川結菜]](モデル) * [[斉藤真木子]]([[SKE48]]、2代目SKE48キャプテン) * [[シルヴィア (歌手)|シルヴィア]](歌手) * [[神部美咲]](タレント) * [[せいや]]([[霜降り明星]]) * [[芹洋子]](歌手) * [[高畑充希]](女優、歌手) * 高見([[スーズ (お笑いコンビ)|スーズ]]、元[[ヒガシ逢ウサカ]]) * [[たくませいこ]](女優) * [[竹本多佳良]]([[秋田放送]]アナウンサー) * [[タケヤキ翔]](アーティスト、[[YouTuber]]) * [[タナカカツキ]]([[漫画家]]) * [[司茜]]([[詩人]]) * [[つんく♂]]([[シャ乱Q]]、元歌手、現・作曲家、音楽プロデューサー。平成17年に東大阪のイメージソングの作曲・ボーカルを担当。市の公式サイトにて、モノラル圧縮版であるが、曲データが公開されている<ref>[http://www.city.higashiosaka.lg.jp/0000006687.html 「がんばろう!東大阪」イメージソング](2015年12月14日付、2016年4月20日閲覧)</ref>) * [[TENN]](歌手) <ref>http://topics.jp.msn.com/entertainment/general/article.aspx?articleid=5947243</ref> * [[豊田道倫]](歌手) * [[仲根かすみ]](タレント) * [[中村美律子]](演歌歌手) * 新山([[さや香]]) * [[西森洋一]]([[モンスターエンジン]]) * [[彦摩呂]](タレント) * [[松嶋尚美]](元[[オセロ (お笑いコンビ)|オセロ]]) * [[松本真一 (放送作家)|松本真一]](放送作家) * [[未知やすえ]]([[吉本新喜劇]]女優) * [[三原勇希]](モデル、タレント) * [[宮崎浩輔]]([[日本放送協会|NHK]]アナウンサー) * [[森元流那]]([[ばんばんざい]]、タレント、歌手) * [[矢野浩二]]([[俳優]]) * [[山根星子]]([[音楽家]]、[[作曲家]]、[[ヴァイオリニスト]]、ドイツのロックバンド「[[タンジェリン・ドリーム]]」のメンバー) * [[山野さと子]](歌手、声優) * [[ゆしん]](タレント、出生地は[[神奈川県]][[横浜市]]) * [[吉岡美穂]](タレント) * [[吉見由香]](元アナウンサー、フリーアナウンサー、DJ) === 宝塚歌劇団 === * [[彩吹真央]] - 元[[雪組 (宝塚歌劇)|雪組]]男役 * [[白河りり]] - 月組娘役 * [[万里柚美]] - [[専科 (宝塚歌劇)|専科]]女役 * [[龍真咲]] - 元[[月組 (宝塚歌劇)|月組]]トップスター === スポーツ選手 === * [[朝光亀太郎]] - 元力士 * [[犬伏稔昌]] - 元プロ野球選手<!--([[西武ライオンズ]])--> * [[植田睦]] - 柔道家 * [[安田昇]] - [[ラグビー日本代表]]選手 * [[大西将太郎]] - [[ラグビー日本代表]]選手<!--[[近鉄ライナーズ]]--> * [[大西崇之]] - 元プロ野球選手<!--([[中日ドラゴンズ]]→[[読売ジャイアンツ]])--> * [[大沼幸二]] - 元プロ野球選手<!--([[西武ライオンズ]]) --> * [[神野由佳]] - [[スピードスケート]]選手。[[ソルトレイクシティオリンピック|ソルトレイク]]・[[トリノオリンピック|トリノ]]五輪代表。<!--東大阪市立高井田東小学校卒。--> * [[北川利之]] - 元プロ野球選手<!--([[横浜ベイスターズ]]) --> * [[木津武士]] - ラグビー日本代表選手<!--、[[神戸製鋼コベルコスティーラーズ]]--> * [[木下文信]] - 元プロ野球選手<!--([[近鉄バファローズ]]→[[ヤクルトスワローズ]])--> * [[杉原愛子]] - 女子体操選手 で 2016年の 夏季五輪 リオデジャネイロ オリンピック 日本代表選手。 * [[太晨光真]] - 元力士 * [[高杉奈緒子]] - レーシングライダー * [[谷佳知]] - 元プロ野球選手<!--([[オリックス・バファローズ|オリックス]])--> * [[田村栄敏]] - プロボクサー * [[李健太]] - プロボクサー * [[福本豊]] - 元プロ野球選手<!--(盗塁世界記録保持者)・解説者--> * [[藤井彰人]] - 元プロ野球選手<!--([[阪神タイガース]])--> * [[松井稼頭央]] - 元プロ野球選手<!--([[東北楽天ゴールデンイーグルス]])--> * [[南渕時高]] - 元プロ野球選手 * [[元木由記雄]] - ラグビー日本代表選手<!--、神戸製鋼コベルコスティーラーズ。「ミスターラグビー」。東大阪市立英田中学校卒。--> * [[山田弘喜]] - 元プロ野球選手<!--([[東京ヤクルトスワローズ]]) --> * [[吉野正人]] - [[プロレスラー]] * [[藤春廣輝]] - プロサッカー選手([[ガンバ大阪]]) * [[登里享平]] - プロサッカー選手([[川崎フロンターレ]]) * [[多田修平]] - [[陸上競技選手]]([[短距離走]]) * [[中村祐紀]] - 陸上競技選手([[中距離走]]・[[長距離走]]・[[マラソン]]) * [[中村友哉]] - 陸上競技選手(中距離走・長距離走、祐紀の[[弟|実弟]]) * [[高橋陽大]] - ラグビー選手 * [[市川敬太]] - ラグビー選手 * [[山村勝悟]] - ラグビー選手 * [[江良颯]] - ラグビー選手 === その他 === * [[大倉忠司]] - [[鳥貴族]]創業者。長男は[[関ジャニ∞]]の[[大倉忠義]] * [[井山裕太]] - [[囲碁]][[棋士 (囲碁)|棋士]]('''名誉市民'''<ref name="meiyoshimin"/>) * [[山本真也]] - [[将棋]][[棋士 (将棋)|棋士]] * [[スージー鈴木]] - [[野球]][[評論家]] * [[増田晶文]] - [[作家]] * [[小籔良隆]] - [[コヤブボード]]開発者 * [[秦充洋]] - [[ケアネット]]共同創業者 * [[宮島義嗣]] - [[OKK (企業)|OKK]]社長 * [[山形和行]] - 元[[全日本空輸|ANA]][[機長]] * [[石野貴之]] - [[ボートレーサー]] * [[山本篤志 (レフリー)|山本篤志]] - ラグビーレフリー * [[山下光洋]] - ライター * [[竹之下裕之]] - TSグループ創業者 * [[横尾誠]] - 新聞記者、政治活動家 == ゆかりのある人物 == * [[司馬遼太郎]] - [[小説家]]。大阪市出身で1996年に亡くなるまで東大阪市に住んでいた。名誉市民。 * [[中山千夏]] - [[俳優|女優]]・[[声優]]・[[タレント]]。[[熊本県]]出身で4歳から小学5年まで東大阪市(旧布施市域)に家族とともに住んでいた。 * [[平井堅]] - [[歌手]]。2歳まで東大阪市に住んだ後、[[三重県]][[名張市]]に移り住む。 == 東大阪市を舞台にした作品 == === テレビドラマ === * [[桜2号]] - 2006年、[[朝日放送テレビ|朝日放送]] * オトンの宝物 - 2007年、[[NHK大阪放送局]] ※主な舞台は[[京丹後市]]である。 * 花園オールドボーイ(2014年、NHK大阪放送局) * [[不惑のスクラム]](2018年、NHK大阪放送局) - 花園ラグビー場が登場する。 * [[贋作 男はつらいよ]](2020年、[[NHK総合テレビジョン|NHK総合]]) * [[舞いあがれ!]](2022年、NHK大阪放送局) === 映画 === * ナノハナ - 地元の子どもたちと大学生が市内を歩くドキュメンタリー映画。2007年、東大阪[[日本青年会議所|青年会議所]]の設立50年を記念して制作された。監督は[[金秀吉]]。 === 小説 === * [[白夜行]]([[東野圭吾]]) - ドラマ版(2006年、[[TBSテレビ]])では地域設定を明確にしていないが、小説版では近鉄布施駅などが登場する。 * 星のしるし([[柴崎友香]]) - [[石切剣箭神社]]とその参道が登場する。 == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} === 注釈 === {{Reflist|group="注釈"}} === 出典 === {{Reflist|colwidth=30em}} {{Reflist|2}} == 関連項目 == * [[中河内郡]] * [[東大阪市消防局]] * [[布施市]] ** [[弥刀]] *** 友井 *** [[小若江]] ** [[長瀬 (東大阪市)]] *** [[大蓮]] ** [[布施町]] *** [[布施 (東大阪市)]] *** [[高井田村]] ** [[小阪 (東大阪市)]] ** [[楠根 (東大阪市)]] ** [[意岐部]] *** [[荒本]] * [[河内市]] ** [[英田 (東大阪市)]] ** [[盾津]] ** [[玉川町 (大阪府)]] ** [[三野郷]] ** [[若江]] * [[枚岡市]] ** [[縄手町]] ** [[枚岡町]] ** [[石切町]] ** [[孔舎衙村]] == 外部リンク == {{Commonscat}} * [https://www.city.higashiosaka.lg.jp/ 東大阪市] * [http://www.higashiosaka-kanko.jp/ 東大阪観光協会] * [http://www.higashiosaka-n.com/ 東大阪新聞] * [https://www.h-osaka.com/ 東大阪バーチャルシティ] * [https://www.w-higa.com/ 週刊ひがしおおさか] * [https://higashiosaka.keizai.biz/ 東大阪経済新聞] * [http://www.maido-higashiosaka.com/ まいど!東大阪] {{Geographic Location | Northwest = | North = [[大東市]] | Northeast = | West = [[大阪市]] | Centre = 東大阪市 | East = [[生駒市]] | Southwest = | South = [[八尾市]] | Southeast = [[平群町]] }} {{大阪府の自治体}} {{日本の中核市}} {{日本50大都市}} {{東大阪市の町・字}} {{東大阪市大学連絡協議会}} {{Normdaten}} {{デフォルトソート:ひかしおおさかし}} [[Category:大阪府の市町村]] [[Category:東大阪市|*]] [[Category:中核市]] [[Category:1967年設置の日本の市町村]]
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平面グラフ
平面グラフ(へいめんグラフ、英: plane graph)は、平面上の頂点集合とそれを交差なく結ぶ辺集合からなるグラフである。平面グラフと同型なグラフを平面的グラフ (planar graph) という。平面的グラフであっても、描き方によっては平面グラフにならない。 平面的グラフは、球面などの種数0の曲面に描けるグラフと同値である。極小な非平面的グラフは、K3,3とK5である。
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平面グラフは、平面上の頂点集合とそれを交差なく結ぶ辺集合からなるグラフである。平面グラフと同型なグラフを平面的グラフ という。平面的グラフであっても、描き方によっては平面グラフにならない。 平面的グラフは、球面などの種数0の曲面に描けるグラフと同値である。極小な非平面的グラフは、K3,3とK5である。
{{multiple image | direction = vertical | header = 平面的でないグラフ | width = 150 | image1 = Biclique K 3 3.svg | caption1 = K<sub>3,3</sub> | image2 = Complete graph K5.svg | caption2 = K<sub>5</sub> }} '''平面グラフ'''(へいめんグラフ、{{lang-en-short|plane graph}})は、平面上の頂点集合とそれを交差なく結ぶ辺集合からなる[[グラフ理論|グラフ]]である。平面グラフと[[同型グラフ|同型]]なグラフを'''平面的グラフ''' (planar graph) という。平面的グラフであっても、描き方によっては平面グラフにならない。 平面的グラフは、球面などの[[種数]]0の曲面に描けるグラフと同値である。極小な非平面的グラフは、[[2部グラフ|K<sub>3,3</sub>]]と[[完全グラフ|K<sub>5</sub>]]である。 == 用語 == ; 面 : 平面グラフにおいて、辺で囲まれた極小な領域{{sfn|榎本(1988)|p=139}}。有界な面を'''有限面'''、有界でない面を'''無限面'''とよぶ。 ; 多角形網(polygonal net) : 平面を多角形片に分割する平面の繋がっている多角形の周の集合(これら多角形の周の辺は直線である必要はない。) ; 多角形グラフ(polygonal graph) : その辺が平面でどの多角形も他の多角形を完全に取り囲むことのないような、多角形網を作る平面グラフ ; 多角形グラフ G の双対グラフ G* (dual graph G* of a polygonal graph G) : その頂点が G の面に、その面が G の頂点に対応する多角形グラフG*のこと。G* の2つの頂点は G の面が一つの境界辺を共有するとき結ばれる。 ; 外平面的グラフ : すべての頂点が無限面のまわりにくるように書ける平面的グラフ{{sfn|榎本(1988)|p=149}}。このうち辺集合が極大となっているものは'''極大外平面的グラフ'''と呼ばれる{{sfn|榎本(1988)|p=150}} == 性質 == * 平面グラフには、無限面がただ一つある{{sfn|榎本(1988)|p=139}}。 * Gが単純グラフで平面的グラフならば、Gは、[[次数 (グラフ理論)|次数]]が5以下の頂点を持つ{{sfn|榎本(1988)|p=141}}。 * Gが平面的グラフならば、|E(G)|≦3|V(G)|-6。ただし、|V(G)|≧3{{sfn|榎本(1988)|p=140}}。 * Gが平面的2部グラフならば、|E(G)|≦2|V(G)|-4。ただし、|V(G)|≧3{{sfn|榎本(1988)|p=141}}。 * Gが平面的グラフならば、|E(G)|≦(κ(|V(G)|-2))/(κ-2)が成り立つ。ここでκは内周であり、グラフGの最短の閉路長である。<ref>[[#井上(2007)|井上(2007)]] p.143</ref> * 連結平面グラフについて、|V(G)|-|E(G)|+f=2 が成り立つ。ここで|V(G)|は頂点の数、|E(G)|は辺の数、fは面の数である。(オイラーの公式){{sfn|榎本(1988)|p=139}} * 種数gの曲面S上に描かれた連結グラフGが、Sをf個の領域に分割しているとする。このとき、|V(G)|-|E(G)|+f=2-2gが成り立つ。('''[[オイラー標数#性質|オイラーの公式]]''') * グラフが非平面的であるのは、K<sub>3,3</sub>またはK<sub>5</sub>をマイナーとして含むとき、かつそのときに限る。('''[[ワグナーの定理]]''') * グラフが平面グラフである必要十分条件は、5角形グラフあるいは6角形グラフに縮小しうるようなグラフをもとのグラフが含まないことである('''[[クラトフスキ定理|クラトフスキの定理]]''')<ref>[[#オア(1970)|オア(1970)]] p.144</ref>。別の表現では、グラフが平面的グラフである必要十分条件は、K<sub>5</sub>またはK<sub>3,3</sub>と位相同型な部分グラフを含まないことである{{sfn|榎本(1988)|p=142}}。 * 平面的グラフの部分グラフは総て平面的グラフである。 === 外平面的グラフの性質 === * 極大外平面的グラフ⇔切断点がなく無限面以外の面がすべて3角形になるように平面に書ける、が成り立つ{{sfn|榎本(1988)|p=150}} * 極大外平面的グラフGの辺e=xyについて、eが弦(無限遠に面していない辺)⇔G-{x,y}が非連結 が成り立つ{{sfn|榎本(1988)|p=150}} * 3点以上の極大外平面的グラフには次数2の点がある{{sfn|榎本(1988)|p=151}} * Gが2点以上の極大外平面的グラフならば、|E(G)| = 2・|G|-3が成り立つ{{sfn|榎本(1988)|p=151}} === 着色の性質 === * Gが外平面的グラフならば、χ(G)≦3 が成り立つ{{sfn|榎本(1988)|p=152}} * Gが平面的グラフならば、χ(G)≦4 が成り立つ{{sfn|榎本(1988)|p=152}}。これは有名な[[四色定理]]である。 * 2-連結3-平面正則グラフは1-因子分解できる{{sfn|榎本(1988)|p=153}}。これは四色定理と同値である。 == 脚注 == {{Reflist}} == 参考文献 == * {{cite book | 和書 | title=グラフ理論 | author=O.オア | editor=野口 広(訳) | year=1970 | series=SMSG新数学双書 | volume=5 | ref=オア(1970) }} * {{Cite book |和書 |author=榎本彦衛 |title=グラフ学入門 |publisher=日本評論社 |year=1988 |isbn=4535601143| ncid=BN0192930X| ref={{harvid|榎本(1988)}}}} * {{Cite journal|和書|author=井上純一 |title=2007年度 グラフ理論講義ノート |year=2007 |url=https://hdl.handle.net/2115/28239 |journal=情報科学院・情報科学研究院 雑誌発表論文等 |accessdate= 2021-10-12 | ref=井上(2007)}} {{Graph Theory-footer}} {{DEFAULTSORT:へいめんくらふ}} [[Category:グラフ理論のグラフ]] [[Category:数学に関する記事]]
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グラフ同型
グラフ同型(グラフどうけい)とはグラフ理論における概念の一つである。 G = ( V , E ) , G ′ = ( V ′ , E ′ ) {\displaystyle G=(V,E),G'=(V',E')} を(単純)グラフとする。ただし V {\displaystyle V} は G {\displaystyle G} の頂点集合, E {\displaystyle E} は G {\displaystyle G} の枝の集合,同様に V ′ {\displaystyle V'} は G ′ {\displaystyle G'} の頂点集合, E ′ {\displaystyle E'} は G ′ {\displaystyle G'} の枝の集合である。 G {\displaystyle G} の任意の2頂点 v , w ∈ V {\displaystyle v,w\in V} に対して, ( v , w ) ∈ E {\displaystyle (v,w)\in E} となるのが ( f ( v ) , f ( w ) ) ∈ E ′ {\displaystyle (f(v),f(w))\in E'} となるとき、かつそのときに限るような V {\displaystyle V} から V ′ {\displaystyle V'} への全単射写像 f {\displaystyle f} が存在するとき, G {\displaystyle G} と G ′ {\displaystyle G'} はグラフ同型(あるいは単に同型)であるといい、 G ′ {\displaystyle G'} は G {\displaystyle G} の同型グラフであるという。 例として以下のようなグラフが与えられたとする。 このとき、隣接する頂点に対応する頂点は隣接していることがわかる。 このように G {\displaystyle G} と G ′ {\displaystyle G'} が「同一」の頂点を持ち、同一の辺のつながりかたをしているときにそのグラフを同型というのである。 与えられた二つのグラフが同型か否かを判定する問題である。この問題がNPに属することは分かっているが、P, co-NP, BPPに属するかどうかは分かっていない。NP完全に属するかどうかも分かっていないので、量子計算機を用いて多項式時間で解けるかどうかに関しても、さかんに研究されている。より詳しい状況は英語版のWikipediaを参照されたい。
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グラフ同型(グラフどうけい)とはグラフ理論における概念の一つである。
'''グラフ同型'''(グラフどうけい)とは[[グラフ理論]]における概念の一つである。 ==概要== <math>G=(V,E), G'=(V', E')</math> を([[単純グラフ|単純]])グラフとする。ただし <math>V</math> は <math>G</math> の頂点集合,<math>E</math> は <math>G</math> の枝の集合,同様に <math>V'</math> は <math>G'</math> の頂点集合,<math>E'</math> は <math>G'</math> の枝の集合である。<math>G</math> の任意の2頂点 <math>v, w \in V</math> に対して,<math>(v,w) \in E</math> となるのが <math>(f(v), f(w)) \in E'</math> となるとき、かつそのときに限るような <math>V</math> から <math>V'</math> への[[全単射]][[写像]] <math>f</math> が存在するとき,<math>G</math> と <math>G'</math> は'''グラフ同型'''(あるいは単に'''同型''')であるといい{{sfn|ディーステル|2000|p={{google books quote|id=CZq8AAAAQBAJ|page=3|3}}|ps=&#x20;(p. {{google books quote|id=CZq8AAAAQBAJ|page=32|32}})}}、<math>G'</math> は <math>G</math> の'''同型グラフ'''であるという。 例として以下のようなグラフが与えられたとする。 {|class="wikitable" style="margin:0 auto; text-align:center" ! グラフ <math>G</math> ! グラフ <math>G'</math> ! 同型 <math>f</math> |- |style="width:33%"|[[Image:Graph isomorphism a.svg|100px]] |style="width:33%"|[[Image:Graph isomorphism b.svg|210px]] |style="width:33%"|<math> a \mapsto 1</math> <math> b \mapsto 6</math> <math> c \mapsto 8</math> <math> d \mapsto 3</math> <math> g \mapsto 5</math> <math> h \mapsto 2</math> <math> i \mapsto 4</math> <math> j \mapsto 7</math> |} このとき、隣接する頂点に対応する頂点は隣接していることがわかる。 このように <math>G</math> と <math>G'</math> が「同一」の頂点を持ち、同一の辺のつながりかたをしているときにそのグラフを同型というのである。 ==グラフ同型性判定問題== 与えられた二つのグラフが同型か否かを判定する問題である。この問題が[[NP]]に属することは分かっているが、[[P (計算量理論)|P]], [[co-NP]], [[BPP_(計算量理論)|BPP]]に属するかどうかは分かっていない。[[NP完全]]に属するかどうかも分かっていないので、[[量子計算機]]を用いて[[多項式時間]]で解けるかどうかに関しても、さかんに研究されている。より詳しい状況は英語版のWikipediaを参照されたい。 ==脚注== {{reflist}} ==参考文献== *{{cite book |和書 |last1 = ディーステル |first1 = R. |translator = 根上生也・太田克弘 |year = 2000 |title = グラフ理論 |edition = 原書第2版 |url = {{google books|CZq8AAAAQBAJ|plainurl=yes}} |publisher = [[シュプリンガー・ジャパン|シュプリンガー・フェアラーク東京]] |isbn = 978-4-431-70876-6 |ref = harv }} {{DEFAULTSORT:くらふとうけい}} [[category:グラフ理論]] [[Category:数学に関する記事]]
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1549年
1549年(1549 ねん)は、西暦(ユリウス暦)による、平年。
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1549年は、西暦(ユリウス暦)による、平年。
{{年代ナビ|1549}} {{year-definition|1549}} == 他の紀年法 == {{他の紀年法}} * [[干支]] : [[己酉]] * [[元号一覧 (日本)|日本]] ** [[天文 (元号)|天文]]18年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2209年 * [[元号一覧 (中国)|中国]] ** [[明]] : [[嘉靖]]28年 * [[元号一覧 (朝鮮)|朝鮮]] ** [[李氏朝鮮]] : [[明宗 (朝鮮王)|明宗]]4年 ** [[檀君紀元|檀紀]]3882年 * [[元号一覧 (ベトナム)|ベトナム]] ** [[莫朝]] : [[景暦]]2年 ** [[黎朝|後黎朝]] : [[順平]]元年 * [[仏滅紀元]] : 2091年 - 2092年 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]] : 955年 - 956年 * [[ユダヤ暦]] : 5309年 - 5310年 {{Clear}} == カレンダー == {{年間カレンダー|年=1549|Type=J|表題=可視}} == できごと == * [[4月3日]](天文18年[[3月6日 (旧暦)|3月6日]]) - [[松平広忠]]が家臣の[[岩松八弥]]に暗殺される{{要出典|date=2021-04}}。 * [[8月15日]](天文18年[[7月22日 (旧暦)|7月22日]]) - [[フランシスコ・ザビエル]]らの一行が[[鹿児島市|鹿児島]]に上陸、[[キリスト教]]を布教する{{Sfn|ファータド|2013|p=298|ps=「日本にキリスト教伝来 イエズス会のフランシスコ・ザビエルが、ポルトガル船に乗って鹿児島に到着する。」}}。 * [[ケットの反乱]] * [[一般祈祷書]] == 誕生 == {{see also|Category:1549年生}} <!--世界的に著名な人物のみ項内に記入--> * [[2月20日]] - [[フランチェスコ・マリーア2世・デッラ・ローヴェレ]]、[[イタリア]]の[[コンドッティエーレ]]、[[ウルビーノ公国|ウルビーノ公]](+ [[1631年]]) * [[3月31日]]([[天文 (元号)|天文]]18年[[3月3日 (旧暦)|3月3日]])- [[筒井順慶]]、[[戦国大名]](+ [[1584年]]) * [[7月5日]] - [[フランチェスコ・マリア・デル・モンテ]]、イタリア出身の[[カトリック教会]]の[[枢機卿]]、[[外交官]]、美術鑑定家(+ [[1627年]]) * [[7月30日]] - [[フェルディナンド1世・デ・メディチ]]、[[メディチ家]]の第3代[[トスカーナ大公国|トスカーナ大公]](+ [[1609年]]) * [[8月2日]] - [[ミコワイ・クシシュトフ・ラジヴィウ・シェロトカ]]、ポーランド・リトアニア共和国の大貴族、[[フュルスト]](+ [[1616年]]) * [[11月1日]] - [[アナ・デ・アウストリア]]、[[スペイン]]王[[フェリペ2世 (スペイン王)|フェリペ2世]]の王妃(+ [[1580年]]) * [[フアン・デ・サルセード]]、スペインの[[探検家]]、[[コンキスタドール]](+ [[1576年]]) == 死去 == {{see also|Category:1549年没}} <!--世界的に著名な人物のみ項内に記入--> * [[4月3日]](天文18年[[3月6日 (旧暦)|3月6日]]) - [[松平広忠]]、[[松平氏]]の8代当主。[[徳川家康]]の父(* [[1526年]]) * [[8月30日]](天文18年[[8月8日 (旧暦)|8月8日]]) - [[荒木田守武]]、[[連歌師]](* [[1473年]]) * [[11月10日]] - [[パウルス3世 (ローマ教皇)|パウルス3世]]、第220代[[教皇|ローマ教皇]](* [[1468年]]) * [[12月21日]] - [[マルグリット・ド・ナヴァル]]、[[ナバラ王国|ナバラ]]王[[エンリケ2世 (ナバラ王)|エンリケ2世]]の王妃(* [[1492年]]) * [[フランシスコ・デ・オレリャーナ]]、[[スペイン]]の[[コンキスタドール]](* [[1500年]]) * [[パウリュ・トゥパック・ユパンキ]]、[[インカ帝国]]の傀儡皇帝(* 生年未詳) <!-- == 注釈 == {{Reflist|group="注"}} --> == 出典 == {{Reflist}} == 参考文献 == * {{Cite book ja-jp |author=ピーター・ファータド(編集) |year=2013 |title=世界の歴史を変えた日 1001 |publisher=ゆまに書房 |isbn=978-4-8433-4198-8 |ref={{Sfnref|ファータド|2013}}}}<!-- 2013年10月15日初版1刷 --> == 関連項目 == {{Commonscat|1549}} * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] * [[戦国自衛隊1549]] - 2005年公開の映画。物語の時代設定も1549年である。 <!-- == 外部リンク == --> {{十年紀と各年|世紀=16|年代=1500}} {{デフォルトソート:1549ねん}} [[Category:1549年|*]]
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2020年
2020年(2020ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、水曜日から始まる閏年。令和2年。 この年は新型コロナウイルスが世界的に流行し、日本でも新しい生活様式が定着した年である。 この項目では、国際的な視点に基づいた2020年について記載する。 新型コロナウイルスの世界的流行により、音楽ライブ、フェス、コンサートの中止および開催延期が相次いだ。多くのアーティストはオンライン上に活動の場を移した。 新型コロナウイルスの世界的流行により映画の撮影や映画館などにも様々な影響が出ており、公開延期が相次いでいる。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "2020年(2020ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、水曜日から始まる閏年。令和2年。", "title": null }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "この年は新型コロナウイルスが世界的に流行し、日本でも新しい生活様式が定着した年である。", "title": null }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "この項目では、国際的な視点に基づいた2020年について記載する。", "title": null }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "新型コロナウイルスの世界的流行により、音楽ライブ、フェス、コンサートの中止および開催延期が相次いだ。多くのアーティストはオンライン上に活動の場を移した。", "title": "芸術・文化・ファッション" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "新型コロナウイルスの世界的流行により映画の撮影や映画館などにも様々な影響が出ており、公開延期が相次いでいる。", "title": "芸術・文化・ファッション" } ]
2020年(2020ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、水曜日から始まる閏年。令和2年。 この年は新型コロナウイルスが世界的に流行し、日本でも新しい生活様式が定着した年である。 この項目では、国際的な視点に基づいた2020年について記載する。
{{Otheruses||[[日本]]ローカルの事柄|2020年の日本}} {{年代ナビ|2020}} {{YearInTopic | 年 = 2020 }} '''2020年'''(2020ねん)は、[[西暦]]([[グレゴリオ暦]])による、[[水曜日から始まる閏年]]。[[令和]]2年。 この年は'''[[新型コロナウイルス]]'''が世界的に流行し、[[日本]]でも新しい生活様式が定着した年である。 この項目では、国際的な視点に基づいた2020年について記載する。       == 他の紀年法 == {{Year in other calendars|year=2020}} * [[干支]]:[[庚子]](かのえ ね) * [[日本]](月日は一致) ** [[令和]]2年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2680年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4353年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]109年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]109年 * [[仏滅紀元]]:2562年10月7日 - 2563年閏10月2日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1441年5月5日 - 1442年5月16日 * [[ユダヤ暦]]:5780年4月4日 - 5781年4月16日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:1577836800 - 1609459199 * [[修正ユリウス日]](MJD):58849 - 59214 * [[リリウス日]](LD):159690 - 160055 <!--* [[ギョベクリ・テペ|ギョベクリテペ]]暦:12020年--> == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2020}} == できごと == <imagemap>File:2020 collage v2.png|'''上段''': (左)2020年の[[ベイルート港爆発事故]]では、都市の大部分が被害を受けた。(中央)[[SpaceX]]が[[ドラゴン2]]での初の有人飛行。(右)2020年から2021年にかけての[[インド農民デモ|抗議活動中]]のインド農民。<br />'''中段''': (左)[[SARSコロナウイルス2]]のカラー化された透過型電子顕微鏡写真。2020年に[[新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)|パンデミック]]となった[[新型コロナウイルス感染症 (2019年)|新型コロナウイルス感染症]]を引き起こすウイルスである。(右)[[ジョージ・フロイドの死]]に対する抗議は、米国で広範囲にわたる不安に変わった。<br />'''下段''': (左)[[2020年ナゴルノ・カラバフ紛争]]中のアルメニアのミサイル攻撃後のガンジャ。(中央)[[2020年1月のイランによる在イラク米軍基地攻撃|米無人機攻撃]]で死亡した[[ガーセム・ソレイマーニー]]の葬儀に参列する人々。(右)イランのIGRCによって撃墜された[[ウクライナ国際航空752便撃墜事件|752便]]。|430x430px|thumb rect 0 0 400 200 [[ベイルート港爆発事故]] rect 400 0 800 400 [[ドラゴン2]] rect 800 0 1200 400 [[インド農民デモ]] rect 0 400 600 800 [[新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)]] rect 600 400 1200 800 [[ジョージ・フロイドの死]] rect 0 800 400 1200 [[2020年ナゴルノ・カラバフ紛争]] rect 400 800 800 1200 [[2020年1月のイランによる在イラク米軍基地攻撃]] rect 800 800 1200 1200 [[ウクライナ国際航空752便撃墜事件]]</imagemap> === 1月 === * [[1月1日]] ** {{FRA}} 使い捨ての[[合成樹脂|プラスチック]]製カップや皿を禁止する法律が施行された<ref>{{Cite web|和書|date=2016-09-20 |url=https://www.cnn.co.jp/world/35089279.html |title=フランス、プラスチック製の使い捨て食器を禁止へ 世界初 |publisher=CNN.co.jp |accessdate=2017-12-31}}</ref>。 ** {{PLW}} 「責任ある観光教育法2018」に基づいて、パラオへの[[サンスクリーン剤|日焼け止め]]製品の輸入、販売及び持ち込みが禁止される<ref>{{Cite web|和書|date=2020-01-06 |url=https://www.palau.emb-japan.go.jp/itpr_ja/b_000265.html |title=サンゴ礁に有害な成分を含む日焼け止めの禁止について |publisher=在パラオ日本国大使館 |accessdate=2021-02-27}}</ref>。 * [[1月2日]] - {{ROC}} [[台北市]]近くの山中で[[中華民国空軍]]ヘリコプターが墜落し、[[沈一鳴]]国軍参謀総長らが死亡した<ref>{{Cite news2|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3261882|title=台湾軍ヘリが墜落、参謀総長ら8人死亡 国防省発表|newspaper=AFP BB News|agency=株式会社クリエイティヴ・リンク |date=2020-01-02|accessdate=2020-01-02}}</ref>。{{also|2020年新北市ヘリコプター墜落事故}} * [[1月3日]] - {{USA}} [[国防総省]]が[[ドナルド・トランプ|トランプ]]大統領の指示で、[[イラン]][[革命防衛隊]]司令官の[[ガーセム・ソレイマーニー|ソレイマニ]]を[[イラク]]の[[バグダード国際空港]]付近で殺害したと声明を出した<ref>{{Cite news2|url=https://www.sankei.com/world/news/200103/wor2001030014-n1.html|title=米軍、イラン革命防衛隊司令官を空爆で殺害 報復行動は必至|date=2020-01-03|newspaper=産経ニュース|agency=産業経済新聞社|accessdate=2020-01-11}}</ref>。{{also|バグダード国際空港攻撃事件 (2020年)}} * [[1月7日]] - {{CHN}} [[武漢市]]で発生している原因不明の[[肺炎]]について、[[SARSコロナウイルス2|新型コロナウイルス]]によるものと特定された。{{main|新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)|中国本土における2019年コロナウイルス感染症の流行状況}} * [[1月8日]] ** {{IRQ}} イラク国内の米関連施設(アサド空軍基地/エルビル基地)に対してイラン革命防衛隊が15発のミサイルを発射する軍事攻撃を行った<ref>{{Cite news2|url=https://www.sankei.com/article/20200108-A26EVJZEJNIWXBYTF5NNCJR4YU/|title=イラク米軍基地にミサイル攻撃 イラン革命防衛隊が攻撃発表|date=2020-01-08|newspaper=産経ニュース|agency=産業経済新聞社|accessdate=2020-01-11}}</ref>。{{also|2020年1月のイランによる在イラク米軍基地攻撃}} ** {{IRI}} [[テヘラン]]近郊の[[エマーム・ホメイニー国際空港]]を離陸した[[ウクライナ国際航空]]752便が[[革命防衛隊]]の発射した[[地対空ミサイル]]により撃墜され、乗客乗員176名全員が死亡した<ref>{{Cite news2|url=https://www.sankei.com/article/20200108-7SOAWIQS3VLDVDGBWKEWOSLZRI/|title=ウクライナ機がイランで墜落 180人搭乗|date=2020-01-08|newspaper=産経ニュース|agency=産業経済新聞社|accessdate=2020-01-11}}</ref><ref>{{Cite news2|url=https://www.afpbb.com/articles/3263122|title=イラン革命防衛隊の司令官、旅客機撃墜の責任認める 「巡航ミサイル」と誤認|date=2020-01-11|newspaper=AFP BB NEES|agency=フランス新聞社|accessdate=2020-01-12}}</ref>。{{also|ウクライナ国際航空752便撃墜事件}} * [[1月10日]] - {{OMA}} 国王にして首相でもあった[[カーブース・ビン・サイード]]が崩御した。(79歳没)<ref>{{Cite news2|url=https://www.sankei.com/world/news/200111/wor2001110024-n1.html|title=オマーン国王死去 米・イランの橋渡し役 首相も近く訪問予定|date=2020-01-11|newspaper=産経ニュース|agency=産業経済新聞社|accessdate=2020-01-11}}</ref>。 * [[1月11日]] ** {{OMA}} カーブース前国王とは従兄弟であり遺産文化大臣を務めていた[[ハイサム・ビン・ターリク・アール=サイード]]が新国王に践祚したことがオマーン政府より告示(発表)された<ref>{{Cite news2|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3263116|title=オマーンの新国王にハイサム殿下、前国王のいとこ|date=2020-01-11|newspaper=AFP BB News|agency=株式会社クリエイティヴ・リンク |accessdate=2020-01-11}}</ref>。 ** {{ROC}} [[2020年中華民国総統選挙]]が執行され、現職で[[民主進歩党]]公認の[[蔡英文]]が[[中国国民党|国民党]]公認の[[韓国瑜]]([[高雄市]]市長)に勝利し、再選を果たした<ref>{{Cite news2|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3263127|title=台湾総統選、与党・民進党の蔡英文氏が再選果たす|date=2020-01-11|newspaper=AFP BB News|agency=株式会社クリエイティヴ・リンク |accessdate=2020-01-11}}</ref>。 * [[1月14日]] - [[Microsoft Windows 7]]の延長サポートが終了した<ref>{{Cite web|和書|url=http://support.microsoft.com/lifecycle/?c2=14019|title=マイクロソフト プロダクト サポート ライフサイクル|publisher=マイクロソフト|accessdate=2012-02-23}}</ref>。 * [[1月15日]] - 日本で新型コロナウイルス([[SARSコロナウイルス2|COVID-19]])を初確認<ref>{{Cite web|和書|url=https://mainichi.jp/articles/20220115/ddm/010/040/015000c |title=新型コロナ国内初確認から2年 感染の「波」、収束見通せず 対策は不変 マスク・換気 |access-date=19 Feb 2023 |publisher=[[毎日新聞]] |date=15 Jan 2022}}</ref>。 * [[1月31日]] ** [[世界保健機関]] (WHO) が[[新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)|新型コロナウイルスの感染拡大]]について、「[[国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態]]」(PHEIC) を宣言した<ref>[https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200131/k10012266621000.html WHO「緊急事態」を宣言 医療のぜい弱な国への感染拡大懸念](NHKニュース〈NHKオンライン〉 2020年1月31日付、同日閲覧)</ref>。{{seealso|新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)}} ** {{GBR}} [[2016年]][[6月23日]]の[[イギリスの欧州連合離脱是非を問う国民投票|国民投票]]の結果に基づき、[[グリニッジ標準時]] (GMT) 23時([[中央ヨーロッパ時間]] (CET) [[2月1日]]0時)をもって{{GBR}}ならびに{{GIB}}が[[欧州連合|EU]]から[[イギリスの欧州連合離脱|離脱]]した<ref>{{Cite news|url=https://mainichi.jp/articles/20200201/k00/00m/030/008000c|archiveurl=https://web.archive.org/web/20200201033645/https://mainichi.jp/articles/20200201/k00/00m/030/008000c|title=英国がEU離脱 加盟国の離脱は初|newspaper=毎日新聞|date=2020-02-01|accessdate=2020-02-01|archivedate=2020-02-01}}</ref>。{{also|イギリスの欧州連合離脱}} === 2月 === * [[2月9日]] - {{JPN}} [[フィギュアスケート]]四大陸選手権で、[[羽生結弦]]が初優勝。この優勝で羽生は、ジュニアの世界タイトル、シニアの世界選手権、五輪金メダル、グランプリファイナル、大陸選手権をすべて制する「スーパースラム」を、男子選手で初めて達成した<ref>{{Cite web|和書|url=https://jp.reuters.com/article/figureskating-mens-hanyu-idJPKBN2030U6 |title=フィギュア=四大陸選手権、羽生がスーパースラム達成 |access-date=14 Aug 2023 |publisher=[[ロイター|REUTERS]] |date=10 Feb 2020}}</ref>。 * [[2月13日]] - {{CHN}} [[習近平]][[中国共産党中央委員会総書記|党総書記]]指導部は新型コロナウイルスの感染拡大が最も深刻な[[湖北省]]と[[武漢市]]のそれぞれのトップを交代させた。交代させられたのは湖北省のトップ、[[蔣超良]]書記と武漢市のトップ、[[馬国強]]書記の2人。蔣超良同省党委員会書記の後任に[[応勇]]上海市長、武漢市トップの市党委員会書記には[[山東省]][[済南市]]トップの[[王忠林]]市党委員会書記を充てた<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55560030T10C20A2MM0000/ 新型肺炎、湖北省のトップ更迭 後任に上海市長] 日本経済新聞 (2020年2月13日)</ref><ref>[https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200213/k10012283731000.html 中国 湖北省と武漢市のトップを交代 事実上の更迭か] NHKニュース (2020年2月13日)</ref>。{{seealso|中国本土における2019年コロナウイルス感染症の流行状況}} * [[2月20日]] - {{JPN}} [[新型コロナウイルス]]の集団感染が発生しているクルーズ船「[[ダイヤモンド・プリンセス (客船)|ダイヤモンド・プリンセス]]」の乗客で、80代の日本人の男女2人が死亡した。同船での死者は初めて<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55851130Q0A220C2MM0000/ |title=クルーズ船客の日本人男女2人が死亡 新型肺炎に感染 |access-date=19 Aug 2023 |publisher=[[日本経済新聞]] |date=20 Feb 2020}}</ref>。 * [[2月29日]] - {{USA}} [[トランプ]]政権とアフガニスタンの反政府勢力[[ターリバーン|タリバン]]が[[カタール]]の首都[[ドーハ]]で、駐留米軍の段階的撤収などを定めた和平合意([[ドーハ合意]])に調印した<ref>[https://web.archive.org/web/20200301160840/https://www.jiji.com/jc/article?k=2020022900488&g=int 米とタリバンが和平合意 駐留米軍、14カ月以内完全撤収―アフガン戦争終結へ前進]</ref>。 === 3月 === * [[3月1日]] - {{MYS}} [[ムヒディン・ヤシン]]前内相が[[マハティール・モハマド]]の後任のマレーシア首相に就任した<ref>[https://www.afpbb.com/articles/-/3271016 マレーシア首相にムヒディン前内相が就任、マハティール氏は違法と非難] AFPBB News (2020年3月1日)</ref>。 * [[3月7日]] - {{AUS}} 前年9月から多発・継続していた[[オーストラリア森林火災 (2019年-2020年)|オーストラリア森林火災]]で、[[ニューサウスウェールズ州]]の消防当局が鎮火を宣言。 * [[3月11日]] - [[WHO]]が新型コロナウイルス(COVID-19<!--本年2月11日に命名-->)の感染拡大について、[[パンデミック]](世界的流行)相当との認識を示した<ref name="reuters20200312">[https://jp.reuters.com/article/coronavirus-who-pandemic-idJPKBN20Y2PC 新型コロナは「パンデミック」に相当、WHO事務局長が表明] ロイター (2020年3月12日)</ref><ref name="nhk20200312">[https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200312/k10012326751000.html WHO「新型コロナウイルスはパンデミックといえる」] NHKニュース (2020年3月12日)</ref><ref name="nikkei20200312">[https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56692120S0A310C2000000/ WHO事務局長、新型コロナ「パンデミック」と表明] 日本経済新聞 (2020年3月12日)</ref>。{{seealso|新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)}} * [[3月24日]] - {{JPN}} 新型コロナウイルスの世界的流行に伴い、本年夏に[[東京都]]で開催を予定していた[[2020年東京オリンピック|東京オリンピック]]・[[2020年東京パラリンピック|パラリンピック]]について1年程度の延期が決まった<ref>[https://www.bbc.com/japanese/52020509 東京五輪・パラ、「1年程度」の延期決定 「東京2020」の名称は維持] BBC NEWS (2020年3月24日)</ref>。{{seealso|2019年コロナウイルス感染症による社会・経済的影響}} * [[3月27日]] - {{MKD}} [[北大西洋条約機構]](NATO)に加盟した<ref>[https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200328/k10012355141000.html NATOに北マケドニアが加盟 30か国の体制に] NHKニュース (2020年3月28日)</ref>。 * [[3月28日]] - {{SAU}} [[イエメン]]の方向からサウジアラビアの首都[[リヤド]]に向けて[[弾道ミサイル]]2発が発射され、[[サウジアラビア軍]]がミサイルを撃墜した。サウジアラビア側の市民2人が怪我をした<ref>[https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200329/k10012356341000.html サウジ首都に弾道ミサイル 隣国イエメンの反政府勢力が発射か] NHKニュース (2020年3月29日)</ref>。 === 4月 === * [[4月8日]] ** {{CHN}} 2月から封鎖していた[[武漢市]]の封鎖を解除し、2ヶ月半ぶりに高速鉄道、航空路線が再開された<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57802780Y0A400C2MM0000/ 中国・武漢封鎖2カ月半ぶり解除 航空・高速鉄道が再開] [[日本経済新聞]]。2020/4/8 8:50 (2020/4/8 13:03更新)</ref>。{{seealso|中国本土における2019年コロナウイルス感染症の流行状況}} ** {{USA}} [[2020年アメリカ合衆国大統領選挙]]で民主党の候補者指名を目指していた[[バーニー・サンダース]]上院議員が撤退を表明、[[ジョー・バイデン]]前副大統領の大統領候補指名を確実にした<ref>[https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200409/k10012376771000.html 米大統領選 サンダース氏撤退 トランプ氏とバイデン氏の対決に] [[NHK]]ニュースウェブ国際ニュース、2020年4月9日。</ref>。 * [[4月15日]] - {{KOR}} [[第21代総選挙 (大韓民国)|第21代韓国国会総選挙]]において与党[[共に民主党]]が圧勝。 === 5月 === * [[5月22日]] - {{PAK}}南部の[[カラチ]]で[[パキスタン国際航空]]8303便が墜落し、乗員乗客97人と地上の住民1人が死亡した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.aviationwire.jp/archives/202910|title=パキスタン航空機墜落で死者97人 カラチ近郊でPK8303便|accessdate=2020年8月14日|publisher=Aviation Wire}}</ref>。 {{See also|パキスタン国際航空8303便墜落事故}} === 6月 === * [[6月8日]] - {{GBR}} [[ボリス・ジョンソン]]首相は中国政府が香港領土に新しい安全法を課した場合、英国は移民法を変更し、BN(O)ステータスの対象となるすべての香港市民に英国市民権への道を提供すると述べた<ref>[https://www.bbc.com/japanese/52902590 英首相、香港人のため移民規則変更を検討 国家安全法に反発] BBCニュース (2020年6月3日)</ref>。 * [[6月11日]] - {{USA}} [[ジョージ・フロイド抗議運動]]参加者らが{{仮リンク|シアトル市警察署|en|Seattle Police Department}}周辺を占領し、[[キャピトルヒル自治区]]設立を宣言<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60280630S0A610C2EAF000/ 米シアトル、デモ隊が「自治区」 大統領は強硬策示唆] 日本経済新聞 2020年6月12日</ref>。 * [[6月15日]] - {{CHN}}と{{IND}}の国境地帯に位置する[[カシミール]]地方東部の[[ガルワン渓谷]]で15日夜に起きた中国軍・インド軍との衝突により、インド軍の兵士ら少なくとも20人が死亡し76人以上が負傷した。中国側は死傷者の詳細を明らかにしていない([[2020年中印国境紛争]])<ref>[https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/06/40-29.php 中国人民解放軍、インド軍との衝突で少なくとも40人死亡=インド政府高官] ニューズウィーク日本版 (2020年6月22日) 2020年7月20日閲覧。</ref>。 * [[6月16日]] - {{PRK}} 韓国の[[脱北者]]団体による体制批判ビラ散布への報復として、午後2時49分ごろ、[[開城工業地区]]にある[[南北共同連絡事務所]]を爆破した<ref>[https://www.sankei.com/article/20200616-ONMDCAATYRK5LDXSV3OTASCXPM/ 【動画】北朝鮮、南北連絡事務所を爆破 開城工業団地] 産経新聞 2020年6月16日</ref>。 * [[6月29日]] - (日本時間)新型コロナウイルスの全世界の感染者数が1000万人を超え、死者数も累計で50万人を超える。国別には、{{USA}}が約251万人で世界最多。次いで{{BRA}}約131万人、{{RUS}}約63万人と続く<ref>[https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-deaths-idJPKBN23Z0WU 世界の新型コロナ死者数が50万人に到達、感染者1000万人突破] REUTERS (2020年6月29日)、2020年9月29日閲覧。</ref><ref>[https://www.bbc.com/japanese/53215965 新型ウイルス、世界の死者50万人を超える 感染者は1000万人] BBCニュース (2020年6月29日)、2020年9月29日閲覧。</ref><ref>[https://www.yomiuri.co.jp/world/20200628-OYT1T50124/ 世界のコロナ感染者、1000万人突破…米が最多の251万人] 読売新聞オンライン (2020年6月29日)、2020年9月29日閲覧。</ref>。{{main|国・地域毎の2019年コロナウイルス感染症流行状況}} === 7月 === * [[7月1日]] - {{HKG}} [[中華人民共和国香港特別行政区国家安全維持法]]が施行され、香港警察は国家安全法の下で同日中に暴徒を180人余りを逮捕し、7人が国家安全維持法違反によるものだと発表した<ref>[https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-07-01/QCS08TT1UM1001 香港警察、国家安全法の下で7人を逮捕-180人余り拘束]</ref>。 * [[7月1日]] - {{RUS}} 憲法が改正された。今回の改正によってこれまでの任期は「リセット」され、2024年以降の最長12年間、即ち[[2036年]]まで[[ウラジーミル・プーチン|プーチン]]政権の継続が可能になった<ref>[https://www.bbc.com/japanese/53260238 ロシアの改憲投票、78%が賛成 プーチン大統領は2036年まで続投可能に] BBCニュース (2020年7月2日)</ref>。 * [[7月1日]] - {{TWN}} [[呉釗燮]]外交部長(外相)は1日、記者会見で、台湾はアフリカ北東部[[ソマリランド]]と相互に公式代表機関を設置すると発表した<ref>[https://web.archive.org/web/20200703011040/http://japan.cna.com.tw/news/apol/202007010008.aspx 台湾、ソマリランドと相互に公式代表機関設置へ 呉外相が発表]</ref> * [[7月4日]] - {{JPN}} [[気象庁]]は[[熊本県]]と[[鹿児島県]]で数十年に一度のこれまで経験したことのないような大雨になっているとして、[[大雨特別警報]]を発令した。そして熊本県の[[球磨川]]では[[氾濫]]が発生し、熊本県[[人吉市]]などを中心に大きな被害が出た。{{main|令和2年7月豪雨}} * [[7月14日]] - {{USA}} [[香港自治法]]が成立<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61524190V10C20A7MM0000/ 米で香港自治法が成立 中国の金融機関制裁が可能に] 日本経済新聞 (2020年7月15日)</ref>。 * [[7月27日]] - {{CHN}} 中華人民共和国の[[火星探査]]機[[天問一号]]が打ち上げられた<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/702477|title=中国、火星探査2回計画 20年と28年|accessdate=2018-09-24|date=2018-09-18}}</ref>。 * [[7月30日]] - {{USA}} NASAの[[火星探査機]][[パーサヴィアランス]]が打ち上げに成功した<ref>[https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/080200454/ NASAの最新探査車が火星へ、どうやって生命の痕跡探す?] ナショナルジオグラフィック日本版 (2020年8月3日)</ref>。 * [[7月31日]] - [[太平洋|北西太平洋]] 7月1日から31日までの[[台風]]発生件数が0件であることが確定。[[1951年]]の日本における統計開始以来、7月に台風が1件も発生しなかったのは初めて<ref>{{Cite web|和書|title=「台風が発生しない7月」が確定 1951年の統計開始以来初めて|url=https://this.kiji.is/661918184496514145|website=共同通信|accessdate=2022-01-25|language=ja|archiveurl=https://web.archive.org/web/20201018131959/https://this.kiji.is/661918184496514145|archivedate=2020-10-18|deadlinkdate=2022-01-25}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=台風 7月の発生 初めてゼロ「油断せず備えを」気象庁|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200731/k10012544611000.html|website=NHKニュース|accessdate=2020-08-01|last=日本放送協会|archiveurl=https://web.archive.org/web/20200925214246/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200731/k10012544611000.html|archivedate=2020-09-25|deadlinkdate=2022-01-25}}</ref>。 === 8月 === * [[8月4日]] - {{LEB}} [[ベイルート港爆発事故]]発生<ref>[https://www.afpbb.com/articles/-/3298317 レバノン首都の大爆発、クレーターの深さは43メートルと判明] AFPBB News (2020年8月9日) 2020年8月10日閲覧。</ref>。 * [[8月7日]] - {{IND}}南部[[ケーララ州]][[コーリコード]](Kozhikode)の空港で、乗客乗員190人を乗せたエア・インディア・エクスプレス1344便が激しい雨と風に見舞われて着陸に失敗し、機長と副操縦士を含む21人が死亡した<ref>{{Cite web|url=http://blog.airindiaexpress.in/ix1344accidentbulletins/|title=IX 1344 incident at Kozhikode|accessdate=2020年10月1日|publisher=airindiaexpress}}</ref>。{{See also|エア・インディア・エクスプレス1344便着陸失敗事故}} * [[8月8日]] - {{LEB}} ベイルート港爆発事故に対する政府の無策に怒った数千人規模の反政府デモが発生した<ref>[https://www.asahi.com/articles/ASN891127N88UHBI01L.html レバノン爆発に怒り、数千人の反政府デモ 衝突で死傷者] 朝日新聞デジタル (2020年8月9日) 2020年8月10日閲覧。</ref>。 * [[8月10日]] **{{TWN}} [[蔡英文]]総統と米国の[[アレックス・アザー]]保健福祉長官が台北の総統府で会談。米台断交後では最高位の米国閣僚の訪台となる<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62489360Q0A810C2MM8000/ 米厚生長官、台湾・蔡総統と会談 断交後最高位の訪問] 日本経済新聞 (2020年8月10日) 2020年8月10日閲覧。</ref>。 **{{HKG}} 香港警察は、中国に批判的な論調で知られる香港の新聞[[蘋果日報 (香港)|蘋果日報]]の創業者[[黎智英]]ら7人を[[香港国家安全維持法]]に違反した疑いで逮捕した<ref>[https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200810/k10012560691000.html 香港の警察 新聞創業者ら7人を逮捕 国家安全維持法違反の容疑] NHK (2020年8月10日) 2020年8月10日閲覧。</ref>。同日、 民主活動家の[[周庭]]を同容疑で逮捕<ref>{{Cite web|和書|title=周庭氏を逮捕 民主活動家 国安法違反容疑で香港警察|url=https://mainichi.jp/articles/20200810/k00/00m/030/275000c|website=毎日新聞|accessdate=2020-08-11|language=ja}}</ref>。 * [[8月11日]] **(日本時間)新型コロナウイルスの全世界の感染者数が2000万人を超える。国別には、{{USA}}が約509万人で世界最多。次いで{{BRA}}約306万人、{{IND}}約227万人、{{RUS}}約89万人、{{ZAF}}約56万人と続く<ref>{{Cite web|和書|title=世界の感染者2000万人 米州中心に止まらぬ勢い―1カ月半で倍増・新型コロナ|url=https://web.archive.org/web/20200812062059/https://www.jiji.com/jc/article?k=2020081100287&g=int|website=時事ドットコム|date=2020-08-11|accessdate=2020-08-11|language=ja}}</ref>。{{main|国・地域毎の2019年コロナウイルス感染症流行状況}} ** {{RUS}}の[[ウラジーミル・プーチン|プーチン]]大統領が、世界で初めて新型コロナウイルスの国産[[ワクチン]]({{仮リンク|Gam-COVID-Vac|en|Gam-COVID-Vac}}〈スプートニクV〉)を承認したと明らかにした<ref>{{Cite web|和書|title=コロナワクチンを承認 「世界初」とロシア大統領―国際基準は不透明|url=https://web.archive.org/web/20200812062041/https://www.jiji.com/jc/article?k=2020081100897&g=int|website=時事ドットコム|date=2020-08-11|accessdate=2020-08-17|language=ja}}</ref>。{{seealso|COVID-19ワクチン#ロシア}} * [[8月13日]] -アメリカ合衆国の[[ドナルド・トランプ]]大統領は、中東の{{ISR}}と{{UAE}}が国交正常化で合意すると発表した<ref>{{Cite web|和書|title=イスラエル、UAEと国交正常化で合意 ヨルダン川西岸併合停止も |url=https://www.sankei.com/article/20200814-7SJ3RGQX5FOT5HSJFO5GQG2ZUM/ |website=産経ニュース |accessdate=2020-08-14}}</ref>。 * [[8月16日]] - {{THA}} [[バンコク]]中心部にある民主記念塔前で参加者が1万人に達する大規模な反政府集会が開かれる。[[プラユット・チャンオチャ|プラユット]]政権の退陣や憲法改正を求め、さらに絶対的な権威を持つ[[チャクリー王朝|王室]]の在り方を議論するよう求める声も上がった<ref>{{Cite web|和書|title=タイで1万人集会 反政府運動、さらに拡大|url=https://www.jiji.com/jc/article?k=2020081700103&g=int|website=時事ドットコム|date=2020-08-17|accessdate=2020-08-17|language=ja|archiveurl=https://web.archive.org/web/20201213152616/https://www.jiji.com/jc/article?k=2020081700103&g=int|archivedate=2020-12-13|deadlinkdate=2022-01-25}}</ref>({{仮リンク|2020年タイ抗議デモ|en|2020 Thai protests}})。 * [[8月28日]] - {{JPN}} 体調不安説があった[[内閣総理大臣]]の[[安倍晋三]]が辞任の意向を固めた<ref>{{Cite news|title=安倍首相、辞任の意向固める|url=https://mainichi.jp/articles/20200828/k00/00m/010/084000c|work=Mainichi Daily News|date=2020-08-28|accessdate=2020-08-30|language=jp}}</ref>。 === 9月 === * [[9月10日]] <!--**{{JPN}} [[NTTドコモ]]の提供する送金・決済サービスの「[[ドコモ口座]]」で1800万円を超える不正引き出しが発覚した問題で、NTTドコモは会見を開き、丸山誠治副社長らが謝罪した<ref>{{Cite web|title=ドコモ不正利用、「氷山の一角」か 本人確認に後ろ向き|url=https://www.sankei.com/article/20200910-DOOMDDIJQFIYZMJEBXGLRCDVKE/|website=産経ニュース|date=2020-09-10|accessdate=2021-01-06|publisher=産業経済新聞社}}</ref>。その後、不正引き出しが[[PayPay]]、[[Kyash]]、[[LINE Pay]]など複数の電子決済サービス(キャッシュレス決済サービス)や複数の銀行にまたがって発生していることが発覚し問題となった<ref>{{Cite web|title=ゆうちょ、8事業者との口座連携を停止 ドコモに続きPayPayでも不正引き出し発覚|url=https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2009/15/news155.html|website=ITmedia NEWS|accessdate=2021-01-06|language=ja}}</ref>。{{Main|2020年電子決済サービス不正引き出し事件}} 日本ローカルのためコメントアウト。広く国際的とは言えない--> **新型コロナウイルスによる世界の死者数が累計で90万人を超える<ref>{{Cite web|和書|title=コロナ死者、世界で90万人超…メキシコ・英など16か国で1万人超える|url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20200910-OYT1T50142/|website=読売新聞オンライン|date=2020-09-10|accessdate=2020-09-23|language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=世界の新型コロナ死者、90万人超える|url=https://web.archive.org/web/20200910160023/https://www.jiji.com/jc/article?k=20200910040557a&g=afp|website=時事ドットコム|date=2020-09-10|accessdate=2020-09-23|language=ja}}</ref>。 * [[9月16日]] - {{JPN}} [[第4次安倍内閣 (第2次改造)]] が午前中に行われた臨時閣議により内閣総辞職した。その後、衆議院本会議と参議院本会議で行われた[[内閣総理大臣指名選挙]]において自民党の[[菅義偉]]総裁が指名された。 * [[9月17日]]〜[[9月21日|21日]] - [[全米オープン (ゴルフ)|第120回全米オープン]](ウイングドフット・ゴルフクラブ西コース)。 * [[9月18日]] - (日本時間)新型コロナウイルスの全世界の感染者数が3000万人を超える。国別には、{{USA}}が約667万人で世界最多。次いで{{IND}}約512万人、{{BRA}}約442万人と続く<ref>{{Cite web|和書|title=新型コロナ、世界の感染者数3000万人超 インド、欧州で増加傾向|url=https://web.archive.org/web/20200920133936/https://www.jiji.com/jc/article?k=2020091800254&g=int|website=時事ドットコム|date=2020-09-18|accessdate=2020-09-28|language=ja}}</ref>。{{main|国・地域毎の2019年コロナウイルス感染症流行状況}} * [[9月22日]] - {{USA}} 新型コロナウイルス感染による死者数が20万人を超える<ref>{{Cite web|和書|title=米コロナ死者、20万人超える 世界でも100…(写真=ロイター)|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64120790T20C20A9000000/|website=日本経済新聞 電子版|accessdate=2020-09-23|language=ja}}</ref>。 * [[9月27日]] - {{AZE}}と{{ARM}}による[[2020年ナゴルノ・カラバフ紛争|大規模戦闘]]が[[ナゴルノ・カラバフ|ナゴルノ・カラバフ地方]]で勃発。民間人および両軍兵士会わせて数百~数千人の死傷者が発生した。アルメニア・アゼルバイジャン両政府は両国全土で[[戒厳令]]を導入。一般総動員態勢を宣言。 * [[9月28日]] ** {{AZE}}議会が{{ARM}}に対する[[戦争]]状態を宣言。事実上の[[宣戦布告]]。 ** 新型コロナウイルスによる世界の死者数が累計で100万人を超える<ref>{{Cite web|和書|title=世界のコロナ死者100万人 9カ月足らず、感染3200万人超―AFP|url=https://web.archive.org/web/20200930080132/https://www.jiji.com/jc/article?k=2020092800189&g=int|website=時事ドットコム|date=2020-09-28|accessdate=2020-09-28|language=ja}}</ref><ref>[https://www.bbc.com/japanese/54336026 新型コロナウイルスによる死者、世界で100万人超える] BBCニュース (2020年9月29日)、2020年9月29日閲覧。</ref>。 === 10月 === * [[10月13日]] - [[Microsoft Windows 10]] (2015 LTSB) のメインストリームサポート終了(延長サポート終了は[[2025年]][[10月14日]]の予定)。 * [[10月18日]] - [[デアリングタクト]]が史上6頭目の[[中央競馬クラシック三冠|中央競馬クラシック牝馬三冠]](無敗では史上初)を達成。 * [[10月19日]] - (日本時間)新型コロナウイルスの全世界の感染者数が4000万人を超える。国別には、{{USA}}が約815万人で世界最多。次いで{{IND}}約755万人、{{BRA}}約523万人と続く<ref>{{Cite web|和書|title=世界のコロナ感染者、4000万人突破…1か月で1000万人増 |url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20201019-OYT1T50163/|website=読売新聞オンライン|date=2020-10-20|accessdate=2020-10-20|language=ja}}</ref>。{{main|国・地域毎の2019年コロナウイルス感染症流行状況}} * [[10月21日]] - [[タカラトミー]]公式ツイッターが、同社の主力商品である「[[リカちゃん]]」の宣伝時に「小学5年生の女の子の個人情報を暴露します」といった不適切な表現のあるツイートを発信したことで、同年10月24日に公式アカウントで謝罪した[22][23]。なお、公式ツイッターでは2019年(令和元年)にもアニメ番組について不適切な表現を含むツイートをしていたなどとして、同年6月開催の株主総会で指摘されていた。 * [[10月25日]] - [[コントレイル (競走馬)|コントレイル]]が史上8頭目の[[中央競馬クラシック三冠]](無敗では史上3頭目)を達成。 === 11月 === * [[11月1日]] - {{JPN}}[[大阪都構想]]の是非を問う[[住民投票]]を実施<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20200907-ITA2WIXIFFILDECVXQYZLYDSJA/|title=11月1日投開票で決定 都構想住民投票 「大阪市廃止」明記も|website=産経ニュース|publisher=産経デジタル|date=2020-09-07|accessdate=2020-10-27}}</ref>。[[2015年]]の[[大阪市における特別区の設置についての投票|前回の投票]]に引き続き、反対票が賛成票を僅差で上回り否決された。{{main|大阪市を廃止し特別区を設置することについての投票}} * [[11月3日]] - {{USA}} [[2020年アメリカ合衆国大統領選挙]]の一般投票。[[ドナルド・トランプ]]現大統領([[共和党 (アメリカ)|共和党]])と[[ジョー・バイデン]]([[民主党 (アメリカ)|民主党]])が大接戦。<!--(出典は当選挙に貼ります。)--> * [[11月9日]] - (日本時間)新型コロナウイルスの全世界の感染者数が5000万人を超える。国別には、{{USA}}が約990万人で世界最多。次いで{{IND}}約851万人、{{BRA}}約565万人と続く<ref>{{Cite web|和書|title=新型コロナ 世界の感染者数5000万人超える (9日午前3時) |url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201109/k10012701901000.html|website=NHKニュース|date=2020-11-09|accessdate=2020-12-01|language=ja |archiveurl=https://web.archive.org/web/20201109061209/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201109/k10012701901000.html|archivedate=2020-11-09}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=仏伊英、第1波上回る勢い…世界の感染者は5000万人超す |url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20201109-OYT1T50000/|website=読売新聞オンライン|date=2020-11-09|accessdate=2020-11-09|language=ja}}</ref>。また、[[ヨーロッパ|欧州]]の感染者数も約1200万人にまで拡大しており、[[ラテンアメリカ|中南米]]を再び上回っている<ref>{{Cite web|和書|title=世界のコロナ感染者、5000万人突破 10月は最悪記録 |url=https://web.archive.org/web/20210611073954/http://www.asahi.com/international/reuters/CRWKBN27P019.html|website=朝日新聞デジタル|date=2020-11-09|accessdate=2020-11-09|language=ja}}</ref>。{{main|国・地域毎の2019年コロナウイルス感染症流行状況}} * [[11月11日]] - {{JPN}}[[日経平均株価]]の終値が[[リーマン・ショック]]後、最高値を記録(2万5349円60銭)<ref>{{Cite news2|title= 東証終値は444円高|url= https://this.kiji.is/699138725034476641|newspaper= 共同通信|date= 2020-11-11|accessdate= 2020-11-11|publisher= 共同通信社|archiveurl=https://web.archive.org/web/20201111060919/https://this.kiji.is/699138725034476641|archivedate=2020-11-11}}</ref><ref>{{Cite news2|title= 日経平均終値、29年ぶり2万5000円台|url= https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66073680R11C20A1000000/|newspaper= 日本経済新聞|date= 2020-11-11|accessdate= 2020-11-11|publisher= 日本経済新聞社}}</ref>。 * [[11月12日]] - {{JPN}}[[大島理森]][[衆議院議長]]の在職日数が2030日となり、[[河野洋平]]元衆議院議長の在職日数(2029日)を抜いて歴代単独1位となった<ref>{{Cite news|url=https://www.jiji.com/jc/article?k=2020121100962&g=pol|title=大島衆院議長、在職最長に 「国会の機能果たす」|newspaper=[[時事通信]]|publisher=[[時事通信社]]|date=2020-12-12|accessdate=2021-12-11|deadlinkdate=2021年12月11日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20210127192106/https://www.jiji.com/jc/article?k=2020121100962&g=pol|archivedate=2021-01-27}}</ref>。 * [[11月26日]] - (日本時間)新型コロナウイルスの全世界の感染者数が6000万人を超える。国別には、{{USA}}が約1264万人で世界最多。次いで{{IND}}約922万人、{{BRA}}約612万人、{{FRA}}が[[ロシア]]を上回り約221万人と続く。17日間で約1000万人増加(過去最短)し、感染拡大のペースが加速している<ref>{{Cite web|和書|title=新型コロナ 世界の感染者6000万人超 死者141万人(午前3時) |url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201126/k10012731321000.html|website=NHKニュース|date=2020-11-26|accessdate=2020-12-01|language=ja |archiveurl=https://web.archive.org/web/20201127104236/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201126/k10012731321000.html|archivedate=2020-11-27}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=コロナ感染、世界累計6千万人突破…死者数も142万人超す |url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20201127-OYT1T50026/|website=読売新聞オンライン|date=2020-11-27|accessdate=2020-12-01|language=ja}}</ref>。{{main|国・地域毎の2019年コロナウイルス感染症流行状況}} * [[11月28日]] - {{JPN}}この日朝、[[茨城県]]の[[鹿島港]]港口付近で同県内の遊漁船と広島県の貨物船が衝突する事故が発生。遊漁船が転覆して乗客1人が死亡、11人がけがをした<ref>{{Cite news2|title=船衝突、12人が海に転落 11人けが、1人死亡|newspaper=サンケイスポーツ|date=2020-11-29|url=https://www.sanspo.com/article/20201128-PJKNWY4KONK4FBJAYB7HDXA44I/|agency=産経デジタル|accessdate=2020-11-29}}</ref>。[[海上保安庁の保安部、保安署等一覧#第三管区海上保安本部(神奈川県横浜市中区)|鹿島海上保安署]]は翌29日、双方の船長を「航行上の注意義務を怠った」として逮捕した<ref>{{Cite news2|title=茨城船舶事故で両船長逮捕 注意怠った疑い、海保|newspaper=産経ニュース|date=2020-11-29|url=https://www.sankei.com/article/20201129-K434CKIQIBNKZGQJVDNFM5BEPA/|agency=産経デジタル|accessdate=2020-11-30}}</ref>。 * [[11月29日]] - {{JPN}}[[東京メトロ東西線]][[東陽町駅]]で[[視覚障害者]]の男性がホームから転落し、入線してきた電車にはねられ死亡<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.asahi.com/articles/ASNCY7DD4NCYUTIL019.html|title=視覚障害の男性、ホームから転落し死亡 東京・東陽町駅|website=朝日新聞デジタル|publisher=朝日新聞社|date=2020-11-29|accessdate=2021-01-10}}</ref>。 * [[11月30日]] - {{JPN}}[[秋篠宮文仁親王]]は、55歳の誕生日での記者会見で第1女子である[[眞子内親王]]と婚約者の男性Kの結婚について、[[日本国憲法|憲法]]の「[[両性の合意]]」に触れつつ「結婚することを認める」と発言した<ref>{{Cite web|和書|title=秋篠宮さま 眞子さまとKさん「結婚することを認める」|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201130/k10012737451000.html|website=NHKニュース|date=2020-11-30|accessdate=2020-11-30|publisher=日本放送協会}}</ref>。 === 12月 === * [[12月6日]] - {{JPN}}の[[宇宙航空研究開発機構|JAXA]]で開発された[[宇宙探査機|小惑星探査機]]「[[はやぶさ2]]」が地球へ帰還。回収カプセルを[[オーストラリア]]の[[ウーメラ試験場]]に投下し、本体は地球を[[スイングバイ|フライバイ]]して次の探査目標([[小惑星]]「[[1998 KY26|{{mp|1998 KY|26}}]]」、[[2031年]]7月到着予定)へ向かった<ref>[https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/11506_hayabusa2 地球帰還後の「はやぶさ2」は2031年に小惑星1998 KY26へ]([[アストロアーツ]] 2020年9月15日)</ref>。 * [[12月12日]] - (日本時間)新型コロナウイルスの全世界の感染者数が7000万人を超える。国別には、{{USA}}が約1580万人で世界最多。次いで{{IND}}約980万人、{{BRA}}約680万人<!--出典にはないが、この時点で4番目に多いのはロシアで約255万人-->と続く。<!--11月26日(日本時間)から-->16日間で約1000万人増加(過去最短<!--前月の6000万人突破時の記録をさらに更新-->)し、感染拡大ペースの加速が続いている<ref>{{Cite web|和書|title=世界の感染者7千万人突破、死者159万人…米で200超の病院が満床に |url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20201212-OYT1T50121/|website=読売新聞オンライン|date=2020-12-12|accessdate=2020-12-12|language=ja}}</ref>。{{main|国・地域毎の2019年コロナウイルス感染症流行状況}}<!--※世界時間12月11日(日本時間12日)集計分の世界の感染者数は、トルコにおける過去の未集計分公表(軽症者なども追加し一気に約119万人増)<ref>[https://web.archive.org/web/20201210214608/https://www.jiji.com/jc/article?k=2020121100244&g=int コロナ感染「1日で119万人増」 トルコ、統計修正を反映](時事ドットコム、2020年12月11日)</ref>により、1日で150万人近く増加(通常は1日毎の感染者数50-70万人くらいで推移)。次の8000万人大台突破するまでの日数にも影響があると思われる。--> * [[12月14日]] - {{USA}} [[2020年アメリカ合衆国大統領選挙]]の[[アメリカ選挙人団|選挙人]]投票。[[ジョー・バイデン]]([[民主党 (アメリカ)|民主党]])が過半数を獲得し、勝利を確定させた<ref>[https://web.archive.org/web/20201214214620/https://www.jiji.com/jc/article?k=2020121500173&g=int 米大統領選、バイデン氏が勝利確定 「新たな章」へと移行促す―選挙人過半数を獲得] 時事ドットコム (2020年12月15日) 、2021年9月21日閲覧。</ref>。 * [[12月17日]] **{{CHN}}の[[嫦娥5号]]が月面サンプル採取に成功、帰還<ref>[https://www.afpbb.com/articles/-/3321835 中国の月探査機「嫦娥5号」 土壌サンプル持ち帰りに成功] AFPBB News (2020年12月17日) 2020年12月31日閲覧。</ref><ref>[https://www.afpbb.com/articles/-/3322199 「嫦娥5号」帰還機、「出生地」に到着] AFPBB News (2020年12月19日) 2020年12月31日閲覧。</ref>。 ** [[ユネスコ]]第15回政府間委員会で[[日本]]が提案していた「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」を[[無形文化遺産]]へ登録するとの決議がされた<ref name=traditional_architectural_craftsmanship>{{Cite web|和書 | url = https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/pdf/92709001_01.pdf | title = 「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」のユネスコ無形文化遺産登録(代表一覧表記載)について | publisher = [[文化庁]] | date = 2020-12-17 | accessdate = 2021-1-12 }}</ref>。 * [[12月21日]]〜[[12月22日|22日]]<!--(最接近:日本時間22日午前3時頃、※ただし日本で観測可能な最接近は21日の日没後数時間のみ)--> - 見かけ上の[[木星]]と[[土星]]が約20年ぶりに接近する{{仮リンク|グレート・コンジャンクション|en|Great conjunction|label=}}が発生(観測可能な[[離角]]0.1度以下の最接近は[[1226年]]<!--[[3月5日]]〈日本時間〉-->以来約800年ぶり{{refnest|group="注"|離角0.1度以下の最接近は約400年前([[1623年]]<!--[[7月17日]]〈日本時間〉-->)にもあったが、この時は[[太陽]]が近すぎたため観測不可<ref name="businessinsider20201126"/><ref name="stroarts-2020js"/>。}})<ref name="businessinsider20201126">[https://www.businessinsider.jp/post-224647 2020年12月、木星と土星が800年ぶりに最接近…まるで「二重惑星」のように。次は60年後]([[ビジネスインサイダー|Business Insider]] Japan, 2020年11月26日)</ref><ref name="stroarts-2020js">[https://www.astroarts.co.jp/special/2020jupiter_saturn/ 【特集】2020年12月 木星と土星の超大接近](アストロアーツ)</ref><ref>[https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2020/12-topics02.html 木星と土星が接近(2020年12月)]([[国立天文台]])</ref>。また、[[占星術]]の[[ホロスコープ]]上においては[[宝瓶宮|水瓶座]] ([[十二支]]では[[丑]][[寅]]、詳細は「[[サイン (占星術)|サイン]]」を参照)の領域で発生するため、サインの[[サイン (占星術)#性別とエレメント|エレメント]]が「地」から「風」へ約240年ぶりに変わる(日本時間21日19時2分頃は[[冬至]]の[[至点]]でもあり<ref>{{Cite web|和書|title=令和 2年(2020)暦要項 二十四節気および雑節|url=https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/yoko/2020/rekiyou202.html|website=国立天文台暦計算室|accessdate=2020-12-02}}</ref>、11月〜12月中旬頃には[[冥王星]]を含んだトリプル・グレート・コンジャンクションも発生)<ref>{{Cite web|和書|title=あなたの12月の運勢は?風水芸人が教える“九星気学別”開運アクション|url=https://gendai.media/articles/-/77796|author=[[出雲阿国 (お笑い芸人)|出雲阿国]]|website=[[FRaU]] {{!}} 講談社|date=2020-11-30|accessdate=2020-12-01|language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=2020年末は200年に一度の大転換期 「水瓶座の時代」価値観はこう変わる|url=https://crea.bunshun.jp/articles/-/27615|website=[[CREA (雑誌)|CREA]] WEB|date=2020-08-30|accessdate=2020-12-01|language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=2020年から世界は水瓶座時代へ!太陽を輝かせて自分を生きよう|url=https://sup.andyou.jp/hoshi/pluto_sun/|website=星読みテラス|accessdate=2020-12-01|language=ja}}</ref>。 * [[12月27日]] - (日本時間)新型コロナウイルスの全世界の感染者数が8000万人を超える。国別には、{{USA}}が約1879万人で世界最多。次いで{{IND}}約1017万人、{{BRA}}約745万人<!--4番目に多いのはロシアで約299万人-->と続く。これまでより感染力が強いとされる[[SARSコロナウイルス2の変異株|変異株]]も{{UK}}をはじめ各地で確認されており、感染拡大ペースの加速が依然として続いている<ref>{{Cite web|和書|title=新型コロナ 世界の感染者8000万人超える(27日午前3時) |url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201227/k10012786721000.html|website=NHKニュース|date=2020-12-27|accessdate=2020-12-30|language=ja |archiveurl=https://web.archive.org/web/20201226205230/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201227/amp/k10012786721000.html|archivedate=2020-12-27<!--UTC: 2020-12-26-->}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=世界の感染者、累計8000万人超に…死者は175万人 |url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20201227-OYT1T50082/|website=読売新聞オンライン|date=2020-12-27|accessdate=2020-12-30|language=ja}}</ref>。{{main|国・地域毎の2019年コロナウイルス感染症流行状況}} * [[12月31日]] - [[Adobe Flash]]の開発および提供終了。 === 時期が未定または不明な出来事・<!--かつての-->計画など === * 「'''{{仮リンク|2020ビジョン|en|2020 Vision Campaign}}'''」:2020年までに[[核兵器]]の廃絶をしようというビジョン<ref>[http://www.mayorsforpeace.org/jp/ecbn/ 2020ビジョン (核兵器廃絶のための緊急行動)] - [[平和首長会議]]</ref>。 *: [[広島市|広島市長]]・国連NGO平和市長会議の会長が、世界中から集まった多くの市長や100以上の都市の代表と共に提唱([[2003年]]10月策定)し、実現に向けて行動中である。またアメリカでは[[2004年]]、1183都市が加盟する全米市長会議が「2020ビジョン」を支持する決議を採択した。 * [[ヴェルサイユ条約]]に基づく、[[ドイツ]]の[[アメリカ合衆国]]([[2010年]]に完済)を除く[[戦勝国]]への[[戦争賠償|賠償金]]支払い期間が終了。 * [[2006年]]に[[アメリカ航空宇宙局|NASA]]が打ち上げた[[冥王星]][[宇宙探査機|探査機]][[ニュー・ホライズンズ]]が[[エッジワース=カイパー・ベルト|カイパー・ベルト]]に到達。 <!--以下、計画変更・中止など * アメリカ合衆国は、この年までに[[月面]]に[[月面基地|基地]]を建設し、それを[[有人火星探査]]の足場にする計画を過去に有していた([[コンステレーション計画]]、2010年中止)。 * [[2015年]]に開催された[[東京モーターショー]]にて、日本の主要自動車メーカー各社はこの年までに[[自動運転車|自動運転]]の実用化を目指す方針を示していた。 * [[西アフリカ諸国経済共同体]] (ECOWAS) が9ヵ国(当初は15ヵ国の予定)で統一通貨「[[エコ (通貨)|エコ]]」を導入予定<ref>{{cite web|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3232875|title=西アフリカ15か国、2020年に単一通貨「ECO」導入へ|publisher=[[フランス通信社]]|date=2019-06-30|accessdate=2019-07-06}}</ref>。 * 中国がこの年までに人工の月を打ち上げる計画を発表した<ref>{{Cite news|title=中国・成都市の企業、人工の「月」を2020年にも打ち上げる計画|newspaper=財経新聞|date=2018-10-21|url=https://www.zaikei.co.jp/sp/article/20181021/473012.html|accessdate=2018-10-22}}</ref><ref>{{Cite news|title=「人工の月」 2020年までに中国で宇宙に打ち上げの意向|newspaper=Sputnik日本|date=2018-10-18|url=https://sputniknews.jp/20181018/5474248.html|accessdate=2018-10-22}}</ref><ref>{{Cite news|title=中国が「人工月」打ち上げへ 街灯代わり、電気代節約に|newspaper=AFPBB|date=2018-10-19|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3193976?act=all|accessdate=2018-10-22}}</ref>。 * [[スペースX]]の[[ファルコンヘビー]]による2度目の[[火星]]ミッションを実施予定。2機の[[宇宙船]]「[[ドラゴン (宇宙船)|レッドドラゴン]]」を用いる。 * [[エアロトレイン]]の時速500km走行が可能な有人機体の完成。 --> == 周年 == {{notice|周年であること自体に特筆性のある項目(元のトピックの特筆性ではありません)のみ記述してください}} *[[トミカ]]初代の6台発売から50年 * [[1月17日]] - [[阪神・淡路大震災]]発生から25年<ref>[https://www.asahi.com/articles/ASN1J6W78N1HPTIL038.html 阪神・淡路大震災から25年 鎮魂祈り、各地で行事] - 朝日新聞デジタル (2020年1月17日)</ref>。 * [[1月19日]] - [[日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約]]('''日米同盟''')締結から60周年<ref>[https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press6_000631.html 外務大臣及び防衛大臣共催日米安全保障条約60周年記念レセプション] - 外務省 (2020年1月19日)</ref>。 * [[2月11日]] - [[日本神話]]に基づく日本の[[建国記念の日|建国]]から2680周年。 * [[2月23日]] - [[徳仁|今上天皇]]の生誕から60周年。 * [[3月4日]] - [[ソニー・インタラクティブエンタテインメント|SCE]]「[[PlayStation 2]]」(PS2) 発売から20周年<ref>[https://www.4gamer.net/games/999/G999905/20200212034/ PlayStation 2が今日で20周年! 史上最も売れたゲーム機と,ここから生まれた名作タイトルを振り返る] - 4Gamer.net (2020年3月4日)</ref>。 * 3月〜9月 - [[日本万国博覧会]](大阪万博)開催50周年<!--(開催期間:[[1970年]][[3月15日]] - [[9月13日]])--><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64863900Q0A011C2AC1000/|title=大阪万博50年記念式典 25年のテーマ曲「コブクロに」|publisher=日本経済新聞|date=2020-10-10|accessdate=2021-06-28}}</ref>。 * [[5月8日]] - [[世界保健機関]]による[[天然痘]]の根絶宣言から40年<ref>[https://www.japan-who.or.jp/event/2019/AUTO_UPDATE/1912-11.html 天然痘撲滅40周年]、[[日本WHO協会]]</ref><ref>[https://www.who.int/news-room/detail/13-12-2019-who-commemorates-the-40th-anniversary-of-smallpox-eradication WHO commemorates the 40th anniversary of smallpox eradication]、[[世界保健機関]]</ref>。 * [[5月14日]] - [[小渕恵三]]没後20周年。 * [[5月30日]] - [[トヨタ・エスティマ]]初代発売から30周年。 * [[7月22日]] - [[ヨーゼフ・シュトラウス]]没後150周年。 * [[8月2日]] - [[クウェート侵攻]]から30年。 * [[8月6日]] - [[広島市|広島]]への[[原子爆弾|原爆]]投下から75年(人類史上初の[[核兵器]]の実戦使用)<ref>[https://www.bbc.com/japanese/53674176 原爆投下から75年 広島で平和記念式典] - BBCニュース (2020年8月6日)</ref>。 * [[8月9日]] - [[長崎市|長崎]]への原爆投下から75年<ref>[https://www.asahi.com/articles/ASN893VGQN88TOLB006.html 核廃絶の「当事者」は自分たち 原爆75年、長崎で式典] - 朝日新聞デジタル (2020年8月9日)</ref>。 * [[8月15日]] - [[第二次世界大戦]]終結から75周年。 * [[9月13日]] - [[任天堂]]「[[スーパーマリオブラザーズ]]」発売から35周年。 * [[9月18日]] - [[パラリンピック]]開催60周年<ref group="注">[[1960年ローマパラリンピック]](第1回夏期パラリンピック)の開催日より。</ref>。 * [[10月3日]] - [[ドイツ再統一]]から30周年。 ** [[7月1日]] - ドイツ[[通貨]]統合から30周年(旧[[ドイツ民主共和国|東ドイツ]]に[[ドイツマルク]]導入)。 * 10月〜11月 - [[フェルディナンド・マゼラン|マゼラン]]が[[マゼラン海峡]]を通過([[10月21日]]に発見)し、[[太平洋]]に到達してから500周年([[11月28日]]に到達し後に命名したとされる)。 * [[10月6日]] - [[Instagram]]リリースから10周年。 * [[10月24日]] - [[国際連合]]('''国連''')創設75周年。 * [[11月20日]] - [[Microsoft Windows]]初リリースから35周年。 * [[11月21日]] - [[任天堂]]「[[スーパーファミコン]]」発売から30周年<ref>[https://www.famitsu.com/news/202011/21209897.html スーパーファミコンが発売30周年。拡大・縮小・回転機能を搭載したファミコンの後継機で数々の名作を生み出した【今日は何の日?】] - ファミ通.com (2020年11月21日)</ref>。 * [[12月1日]] - 日本の[[日本における衛星放送|BSデジタル放送]]開始20周年。 * [[12月2日]] - 日本人初の[[日本人の宇宙飛行|宇宙飛行士]]誕生から30周年([[秋山豊寛]]が[[ソユーズTM-11]]で[[宇宙]]に飛び立ってから30年)。 * [[12月10日]] - [[マイクロソフト]]「[[Xbox 360]]」発売から15周年。 == 政治 == {{See|2020年の政治}} * 当年実施見込みの各国元首等の選挙(【】内は任期満了日<!--出典は公式発表後でよい-->){{See|2020年の選挙}} ** [[2020年アメリカ合衆国大統領選挙]] == 経済・技術 == {{see|2020年の経済}} {{See|[[2020年の科学]]}} == 芸術・文化・ファッション == === 世相 === * [[新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)|新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行]]により、感染拡大を抑えるため世界各国で[[ロックダウン (政策)|ロックダウン]]や入国制限などの措置が実施され、[[近代オリンピック|オリンピック]]も近代以降史上初めて延期となるなど、人類が過去に経験したことのない事態に陥った。また、[[国際通貨基金]] (IMF) は2020年の世界[[国内総生産|GDP]]成長率が -3.0% になると予測しており<ref>{{Cite web|和書|title=2020年4月「世界経済見通し(WEO)」|url=https://www.imf.org/ja/Publications/WEO/Issues/2020/04/14/weo-april-2020|website=国際通貨基金 (IMF)|accessdate=2020-09-28|language=ja}}</ref>、これは[[2008年]]の[[リーマン・ショック]]時の -0.1% を遥かに超える値で、[[1929年]]の[[世界恐慌]](推定 -15.0%)以来最悪の[[景気後退]]<ref>{{Cite web|和書|title=「大封鎖」 大恐慌以来最悪の景気後退|url=https://www.imf.org/ja/News/Articles/2020/04/14/blog-weo-the-great-lockdown-worst-economic-downturn-since-the-great-depression|website=国際通貨基金 (IMF)|author=ギータ・ゴピナート|date=2020-04-14|accessdate=2020-09-28|language=ja}}</ref>となる恐れがある(コロナ・ショック)。 === 音楽 === {{Main|2020年の音楽}} {{See also|en:Impact of the COVID-19 pandemic on the music industry}} 新型コロナウイルスの世界的流行により、音楽ライブ、フェス、コンサートの中止および開催延期が相次いだ。多くのアーティストはオンライン上に活動の場を移した。 === 映画 === {{See also|2020年の映画}} 新型コロナウイルスの世界的流行により映画の撮影や映画館などにも様々な影響が出ており、公開延期が相次いでいる。 ; 実写映画 * [[1月17日]] ** 「[[バッドボーイズ2バッド]]」の続編『[[バッドボーイズ フォー・ライフ]]』がアメリカで先行公開。 ** [[ヒュー・ロフティング]]の[[児童文学]][[ドリトル先生シリーズ|「ドリトル先生」シリーズ]]を原作とした『[[ドクター・ドリトル (2020年の映画)|ドクター・ドリトル]]』がアメリカで先行公開。 * [[2月7日]] - [[ハーレイ・クイン]]のスピンオフ映画『[[ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY]]』がアメリカで先行公開<ref>{{Cite news|url=https://theriver.jp/bop-us-release/|title=ハーレイ・クインのスピンオフ映画『バーズ・オブ・プレイ』2020年2月に米国公開決定 ― マーゴット・ロビー主演|newspaper=THE RIVER|date=2018-09-25|accessdate=2020-10-18}}</ref>。[[DCエクステンデッド・ユニバース]]の第8作品目に当たる。 * [[2月14日]] - [[セガ]]の[[コンピュータゲーム]]「[[ソニックシリーズ]]」の実写映画となる『[[ソニック・ザ・ムービー]]』がアメリカで先行公開<ref>[https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1187137.html 「ソニック・ザ・ムービー」公開延期。米国では2020年2月14日予定](AV Watch 2019年5月29日)</ref>。 * [[3月8日]] - 「[[クワイエット・プレイス]]」の続編『[[クワイエット・プレイス 破られた沈黙]]』がアメリカの[[ニューヨーク]]で[[プレミア]]上映<ref>[https://www.hollywoodreporter.com/heat-vision/a-quiet-place-part-ii-sets-new-september-2020-release-date-1287096 'A Quiet Place Part II' Sets New September Release Date]、[[ハリウッド・リポーター]]</ref>。全米公開は[[2021年]]<!--[[9月17日]]-->を予定<ref>[https://variety.com/2020/film/box-office/a-quiet-place-2-top-gun-maverick-release-date-delay-1234709716/ ‘A Quiet Place 2,’ ‘Top Gun: Maverick’ Delayed Until 2021]、[[バラエティ (アメリカ合衆国の雑誌)|バラエティ]]</ref>。 * [[8月26日]] - 『[[TENET テネット]]』がイギリスなどで先行公開(アメリカでは[[9月3日]]公開)<ref>{{Cite web|和書|title=ノーラン監督『TENET テネット』米国9月3日公開にリスケ、8月下旬海外先行公開|url=https://cinema.ne.jp/article/detail/45070|website=シネマズ PLUS|publisher=|date=2020-07-28|accessdate=2021-01-30}}</ref>。[[新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)|新型コロナウイルス流行]]の影響で、アメリカでは[[7月17日]]の先行公開予定<ref>{{Cite web|和書|title=米ワーナー、「TENET テネット」「ワンダーウーマン1984」を公開延期に|url=https://eiga.com/news/20200616/5/|website=映画.com|publisher=|date=2020-06-16|accessdate=2021-01-30}}</ref>から延期された。 * [[12月3日]] - 実写版『[[モンスターハンター (映画)|モンスターハンター]]』がオランダなどで先行公開<ref>{{cite web | url = https://www.universalpictures.nl/micro/monster-hunter | title = Monster Hunter - 3 december in de bioscoop | accessdate = November 09, 2020 | work = Universal Pictures International Netherlands}}</ref>(アメリカでは同月[[12月18日|18日]]に公開<ref>[https://theriver.jp/monster-hunter-us-release-date/ ハリウッド版『モンスターハンター』米国公開が12月30日に前倒し決定](THE RIVER, 2020年10月6日)</ref>、また日本公開は翌年3月の予定<ref>[https://natalie.mu/eiga/news/402566 「モンスターハンター」公開は2021年3月26日、ディアブロス亜種捉えたポスター到着](映画ナタリー, 2020年10月29日)</ref>)。新型コロナウイルス流行の影響で、[[9月4日]]の日米同時公開予定<ref>{{Cite news|title=ハリウッド版「モンスターハンター」は2020年9月全米公開|newspaper=映画.com|date=2019-02-17|url=https://eiga.com/news/20190217/5/|accessdate=2020-10-16}}</ref><ref>{{cite news|url=https://www.cinematoday.jp/news/N0114422|title=ハリウッド版『モンスターハンター』9.4日米同時公開!|work=[[シネマトゥデイ]]|date=2020-02-29|accessdate=2020-10-16}}</ref>から延期された<ref>{{cite news|url=https://www.cinematoday.jp/news/N0117332|title=ハリウッド版『モンスターハンター』日本公開も2021年に延期|publisher=シネマトゥデイ|date=2020-07-14|accessdate=2020-10-16}}</ref>。 * [[12月16日]] - アメリカの[[スーパーヒーロー映画]]『[[ワンダーウーマン 1984]]』(監督:[[パティ・ジェンキンス]])が公開([[HBO Max]]のサービスを展開していない世界各国・地域での公開日、日本では同月18日、北米では劇場およびHBO Maxで同月[[12月25日|25日]]に公開・配信<ref>{{Cite web|和書|title=ワンダーウーマン続編、劇場と配信で全米同時公開へ|url=https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202011200000254.html|website=日刊スポーツ|accessdate=2020-11-21|publisher=|date=2020-11-20}}</ref>)<!--<ref>{{Cite web|title=『ワンダーウーマン』続編、12.25日米同時公開に!|url=https://www.cinematoday.jp/news/N0118582|website=シネマトゥデイ|date=2020-09-14|accessdate=2020-10-18|language=ja}}</ref>-->。2017年に公開された『[[ワンダーウーマン (映画)|ワンダーウーマン]]』の続編で、DCエクステンデッド・ユニバースの第9作品目に当たる。新型コロナウイルス流行の影響で、アメリカでは[[6月5日]]の先行公開予定<ref>{{Cite web|和書|title=『ワンダーウーマン』続編、米公開が延期|url=https://www.cinematoday.jp/news/N0114915|website=シネマトゥデイ|date=2020-03-25|accessdate=2020-10-18|language=ja}}</ref>(日本は[[6月12日]]の公開予定<ref>{{Cite web|和書|title=『ワンダーウーマン 1984』日本公開も延期…配給発表|url=https://www.cinematoday.jp/news/N0115000|website=シネマトゥデイ|date=2020-03-27|accessdate=2020-10-18|language=ja}}</ref>)から延期された。 ; アニメ映画 * [[9月18日]] - [[京都アニメーション]]作品『[[ヴァイオレット・エヴァーガーデン (アニメ)|ヴァイオレット・エヴァーガーデン]]』の完全新作の[[ヴァイオレット・エヴァーガーデン (アニメ)#劇場アニメ|劇場アニメ]](監督:[[石立太一]])が日本で公開<ref>[http://violet-evergarden.jp/ 劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン](公式サイト)</ref>。当初は[[1月10日]]の世界同時公開を予定していた<ref>{{Cite news|url=https://anime.eiga.com/news/106647/|title=「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」新作劇場版が20年1月公開 新ビジュアル披露|newspaper=アニメハック|publisher=映画.com|date=2018-07-02|accessdate=2020-10-18}}</ref><ref>{{Cite news|work=[[MANTANWEB]]|url=https://mantan-web.jp/article/20180702dog00m200015000c.html|title=ヴァイオレット・エヴァーガーデン:完全新作劇場版アニメが20年1月に公開|date=2018-07-02|accessdate=2020-10-18}}</ref>が、[[京都アニメーション放火殺人事件]]の影響で[[4月24日]]に延期となり<ref>{{Cite news|url=https://natalie.mu/comic/news/354807|title=「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」公開日が2020年4月24日に決定|newspaper=コミックナタリー|publisher=ナターシャ|date=2019-11-09|accessdate=2020-10-18}}</ref>、さらに[[日本における2019年コロナウイルス感染症の流行状況|新型コロナウイルス流行]]の影響で再延期された。 * [[10月16日]] - [[鬼滅の刃]]の劇場アニメ『[[劇場版「鬼滅の刃」無限列車編]]』(監督:[[外崎春雄]])が日本で公開され、新型コロナウイルス流行の影響下においても記録的大ヒット。<!--2020年(本年)-->[[12月27日]]時点で観客動員数2404万人および[[興行収入]]324億円を突破し、『[[アナと雪の女王]]』や『[[タイタニック (1997年の映画)|タイタニック]]』、『[[千と千尋の神隠し]]』を超えて[[日本歴代興行成績上位の映画一覧#日本歴代興行収入ランキング|日本歴代興行収入ランキング]]で'''歴代1位'''となった<ref>{{Cite news|title=映画「鬼滅の刃」興行収入歴代1位に 「千と千尋」抜く|newspaper=NHKニュース|date=2020-12-28|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201228/k10012787991000.html|accessdate=2020-12-30}}</ref><ref>{{Cite news|title=映画「鬼滅の刃 無限列車編」が「千と千尋」抜き興収国内トップに|newspaper=毎日新聞|date=2020-12-28|url=https://mainichi.jp/articles/20201228/k00/00m/040/084000c|accessdate=2020-12-30}}</ref><ref>{{Cite news|url=https://www.cinematoday.jp/news/N0120797|title=『鬼滅の刃』歴代興収1位に!『千と千尋の神隠し』超えの324億円|newspaper=シネマトゥデイ|date=2020-12-28|accessdate=2020-12-30}}</ref>。さらに興行収入の[[データベース]]サイト「[[ザ・ナンバーズ (ウェブサイト)|ザ・ナンバーズ]]」によると、翌年<!--[[2021年]]-->[[5月10日]]時点で世界全体での興行収入は4億7460万ドル(<!--当時の-->約515億円)に達しており、[[2020年の映画#全世界興行収入ランキング|2020年公開映画の全世界興行収入ランキング]]でも1位となっている<ref>{{Cite web|和書|author=ENCOUNT編集部|date=2020-11-09|url=https://encount.press/archives/106880/|title=鬼滅、全世界興行収入でも20年度のトップ5入りへ 米メディア脱帽「圧倒的」|website=ENCOUNT|publisher=株式会社Creative2|accessdate=2020-11-24}}</ref><ref>{{Cite web|和書|author=|date=2021-05-10|url=https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202105100000029.html|title=「鬼滅の刃」煉獄さん誕生日の10日に20年映画の全世界興収1位 米サイト|website=|publisher=日刊スポーツ|accessdate=2021-05-10}}</ref>。 === アニメ === ; 配信アニメ * [[攻殻機動隊]]の新作アニメ『[[攻殻機動隊 SAC 2045]]』<!--“SAC_”が正式表記-->(シリーズ初の[[デジタルアニメ#3DCGアニメーションの登場|フル3DCGアニメーション]])が[[Netflix]]で4月に全世界独占配信。監督は「[[攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX|攻殻機動隊 S.A.C.]]シリーズ」の[[神山健治]]と映画「[[アップルシード#APPLESEED|APPLESEED]]」の[[荒牧伸志]]、キャラクターデザインは[[イラストレーター]]の[[イリヤ・クブシノブ]]([[ロシア]]出身)<ref>ねとらぼ:[https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1812/08/news006.html 舞台は前作の約10年後 “攻殻”新作アニメ「攻殻機動隊SAC_2045」、Netflixで2020年配信決定!](2018年12月8日)/[https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1906/12/news114.html 「攻殻機動隊 SAC_2045」、キャラデザはイリヤ・クブシノブ](2019年6月12日)</ref><ref>[https://www.ghostintheshell-sac2045.jp/ 『攻殻機動隊 SAC_2045』公式サイト]</ref>。 === ゲーム === * [[バンダイナムコエンターテインメント|バンダイナムコ]]の[[アイドルマスターシリーズ]]が誕生から15年目を迎える<ref>[https://www.famitsu.com/news/201912/26189962.html 『アイマス』家庭用最新作が発表、詳細は2020年1月20日の生放送で公開。765プロオールスターズの単独ライブも開催決定!]、[[ファミ通.com]] (2019年12月26日)</ref><ref>[https://dengekionline.com/articles/22080/ 『アイドルマスター』家庭用最新作の情報が2020年1月20日に発表]、[[電撃オンライン]] (2019年12月27日)</ref>。 * [[2月4日]] - [[クラウドゲーム]]の{{仮リンク|GeForce Now|en|GeForce Now}}がサービス開始。 * [[4月10日]] - [[スクウェア・エニックス]]が『[[ファイナルファンタジーVII リメイク]]』([[PlayStation 4|PS4]])を発売(分作となることが発表されており、本作はその1作目に当たる)<ref>{{Cite web|和書|title=「FINAL FANTASY VII REMAKE」2020年3月3日(火)発売決定 北米・欧州・日本・アジア地域で同時発売 |url=https://www.jp.square-enix.com/company/ja/news/2019/html/26b389357d12c0ebdc811eb10f99c6e8.html|website=www.jp.square-enix.com|date=2019-06-10|accessdate=2019-06-10|language=ja|first=SQUARE ENIX CO|last=LTD}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.famitsu.com/news/201906/14178092.html|title=『FF7 リメイク』分作1作目は“ミッドガル脱出まで”と北瀬プロデューサーが明言。Blu-ray2枚組、ミッドガル内部構造の再設計などの情報も|accessdate=2019-07-03|date=2019-06-14|publisher=[[ファミ通]].com}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.famitsu.com/news/202001/14190710.html|title=『FF7 リメイク』発売日が2020年4月10日に延期へ|publisher=ファミ通.com|accessdate=2020-01-15|date=2020-01-14}}</ref>。 * [[9月16日]] - [[任天堂]]が[[携帯型ゲーム]]機「'''[[ニンテンドー3DS]]'''」シリーズの生産を終了したことを発表<ref>{{Cite news|title=「ニンテンドー3DS」生産終了 販売7500万台超|newspaper=朝日新聞デジタル|date=2020-09-17|url=https://www.asahi.com/articles/ASN9K5VPBN9KPLFA00L.html|accessdate=2020-09-18}}</ref>。 * [[11月10日]] - [[マイクロソフト]]が[[テレビゲーム|家庭用ゲーム]]機「'''[[Xbox Series X/S]]'''」(<!--開発プロジェクト名、-->本体の正式名称は<!--初代と同じ-->'''Xbox'''<ref>[https://gigazine.net/news/20191217-xbox-series-x-name/ Microsoftの次世代ゲーム機の正式名称は「Xbox Series X」ではなく「Xbox」になることが明らかに](GIGAZINE 2019年12月17日)</ref>、Series Xと姉妹モデルのSeries Sの2機種)を発売<ref>{{Cite web|和書|url= https://gnn-web.com/2019/12/13/xbox-series-x/news/game|title= 次世代Xboxの正式名称が「Xbox Series X」に決定。8K/120fpsに対応し互換性も完備した全部入りXbox|website=GNN Web News|date=2019-12-13|accessdate=2019-12-18}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=世界同発で49,980円! 日本マイクロソフト、Xbox Series X、Xbox Series Sの日本展開を発表|url=https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1276177.html|website=GAME Watch|date=2020-09-10|accessdate=2020-09-10|language=ja|last=株式会社インプレス}}</ref>。 * [[11月12日]] - [[ソニー・インタラクティブエンタテインメント]] (SIE) が家庭用ゲーム機「'''[[PlayStation 5]]'''」(PS5) を発売<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.jp.playstation.com/blog/detail/9046/20191008-ps.html|title=「プレイステーション 5」 2020年の年末商戦期に発売|publisher=PlayStation.Blog|accessdate=2019-12-18|date=2019-10-08}}</ref><ref name="ps-blog20200917">{{Cite web|和書|url=https://blog.ja.playstation.com/2020/09/17/20200917-ps5/|title=プレイステーション®5 11月12日(木)に発売決定 PS5™デジタル・エディション 希望小売価格39,980円+税、PS5™ 希望小売価格49,980円+税|publisher=PlayStation.Blog|accessdate=2020-09-17|date=2020-09-17}}</ref>。 <gallery widths="150px" heights="150px" perrow="7"> File:PlayStation 5 and DualSense with transparent background.png|<div align="center">PlayStation 5</div> </gallery> == 誕生 == == 死去 == {{See|訃報 2020年}} == ノーベル賞 == {{see also|ノーベル賞受賞者の一覧}} * [[ノーベル物理学賞|物理学賞]]:[[ロジャー・ペンローズ]]、[[ラインハルト・ゲンツェル]]、[[アンドレア・ゲズ]] * [[ノーベル化学賞|化学賞]]:[[エマニュエル・シャルパンティエ]]、[[ジェニファー・ダウドナ]] * [[ノーベル生理学・医学賞|生理学・医学賞]]:[[ハーベイ・オルター]]、[[マイケル・ホートン (ウイルス学者)|マイケル・ホートン]]、[[チャールズ・ライス]] * [[ノーベル文学賞|文学賞]]:[[ルイーズ・グリュック]] * [[ノーベル平和賞|平和賞]]:[[国際連合世界食糧計画]] * [[ノーベル経済学賞|経済学賞]]:[[ポール・ミルグロム]]、[[ロバート・バトラー・ウィルソン]] == フィクションのできごと == {{フィクションの出典明記|section=1|ソートキー=年2020|date=2020年5月}} * 5月 - [[カリフォルニア工科大学]][[ソビエト連邦|CCCP]]-[[アメリカ航空宇宙局|NASA]]-[[欧州宇宙機関|ESA]]宇宙空間研究センターのジャクリーヌ・カルノーらが、CCCP-ESA[[黄道]]面外[[宇宙探査機|探査機]]からのデータによって、地球から2,300[[天文単位]]の宙域に存在する[[パルサー]]([[中性子星]])「竜の卵」を発見する。(小説『{{仮リンク|竜の卵|en|Dragon's Egg}}』)<ref>{{Cite Book |和書 |author=ロバート・L・フォワード|authorlink=ロバート・L・フォワード|title = 竜の卵 |publisher = [[早川書房]] |year = 1982 |page=23-57|isbn = 978-4-15-010468-9}}</ref> * 6月 - NASAの有人[[火星探査機|火星探査船]]「マーズ1号」が[[火星]]へと発進する。(映画『[[ミッション・トゥ・マーズ]]』)<ref>{{Cite Book |和書 |author=デブラ・N・スペレーゲン|authorlink=デブラ・ニューバーガー・スペレーゲン|title = ミッション・トゥ・マーズ |publisher = [[徳間書店]] |year = 2000 |pages=7-11・26-34|isbn = 978-4-19-891318-2}}</ref> * 7月 - 7日、第二期大気改造システム始動式出席のため、サワイTPC前総監が二度目の火星来訪。スーパーGUTSのアスカ・シン隊員が護衛任務のため火星へ向かい、ネオダランビアⅡと交戦。その際、警務局特殊部隊ブラックバスターに自身がウルトラマンダイナの正体である事を突き止められてしまう。(テレビドラマ『[[ウルトラマンダイナ]]』) * 10月 - 着陸船「コンスタンチン・ツィオルコフスキー」に乗るヴォイジャー・ピクチャーズの撮影隊が、[[マリネリス峡谷|マリネリス峡谷系]]西端で人類初の火星着陸を行う。その後、隊の一員であるS・G・ジェフリーズ博士が、[[カンドル谷|チャンダー谷]]の外れで異星人が建設した銀色のピラミッドを発見する。(小説『[[赤い惑星への航海]]』)<ref>{{Cite Book |和書 |author=テリー・ビッスン|authorlink=テリー・ビッスン|title = 赤い惑星への航海 |publisher = 早川書房 |year = 1995 |pages=8・23・149-226・236・260-280・285-287・337・341|isbn = 978-4-15-011115-1}}</ref> * 初めて実験室内で人工的に[[特異点定理|特異点]]が造り出される。(小説『{{仮リンク|ガイア —母なる地球—|en|Earth (Brin novel)}}』)<ref>{{Cite Book |和書 |author=デイヴィッド・ブリン|authorlink=デイヴィッド・ブリン|title = ガイア —母なる地球—〔上〕 |publisher = 早川書房 |year = 1996 |page = 21 |isbn = 978-4-15-011131-1}}</ref> * [[国際連合|国連]]のアベンチュール級亜光速探査船UNSS「ルイス・アンド・クラーク」が、地球・土星間探査の際に[[土星の衛星と環|土星の衛星]]で[[地球外知的生命体]]の存在を示唆する痕跡を発見する。(『[[スタートレック]]』シリーズ)<ref>{{Cite book |last1 = Goldstein |first1 = Stan |last2 = Goldstein |first2 = Fred |title = STAR TREK SPACEFLIGHT CHRONOLOGY |publisher = Pocket Books |date = 1979-12 |page = 30 - 33・36・37 |isbn = 978-0-671-79089-9}}</ref> * 北米宇宙開発機構(NASDO)と中国・日本共同による、人間の遺伝情報などを搭載した[[恒星船|恒星間自動探査船]]「ク<small>ワ</small>ン・イン」が、太陽系近傍での[[惑星の居住可能性|居住可能惑星]]探索へと発進する。(小説『[[断絶への航海]]』)<ref>{{Cite Book |和書 |author=ジェイムズ・P・ホーガン|authorlink=ジェイムズ・P・ホーガン|title = 断絶への航海 |publisher = 早川書房 |year = 2005 |pages=9-17・39|isbn = 978-4-15-011504-3}}</ref> * アンドロイド「ゼルダ」率いる宇宙船団がNASAの火星基地を破壊し火星を占拠。続いて地球侵略を目論むゼルダらに対し、地球防衛軍テラホークスが立ち向かう。(特撮テレビ番組『[[地球防衛軍テラホークス]]』)<ref>[http://www.superdramatv.com/line/terrahawks/story/ 地球防衛軍テラホークス ストーリー] - [[スーパー!ドラマTV|スーパー!ドラマTV]]。2018年1月27日閲覧。</ref> * イギリスの[[ウェールズ|ウェールズ州]]で先住民[[サイルリアン]]が覚醒する。(テレビドラマ『[[ドクター・フー]]』) * 北大西洋宇宙機構(NASO)主導の「オリオン使節団」が宇宙船「オリオン号」で[[タイタン (衛星)|タイタン]]に赴き、タイタンに棲息する機械知性体「タロイド」とタイタンの砂漠「メラカサインの荒野」で接触する。(小説『[[造物主の掟]]』)<ref>{{Cite Book |和書 |author = ジェイムズ・P・ホーガン |title = 造物主の掟 |publisher = [[東京創元社]] |year = 1985 |pages=171・172・196-240|isbn = 978-4-488-66307-0}}</ref><ref>{{Cite Book |和書 |author = ジェイムズ・P・ホーガン |title = 造物主の選択 |publisher = 東京創元社 |year = 1999 |pages=13-16|isbn = 978-4-488-66320-9}}</ref> * 大アメリカ合衆国航空宇宙局の無人恒星間探測機が[[バーナード星]]系を通過し、[[木星型惑星|気体の巨大惑星]]「ガルガンチュア」と[[二重惑星]]「ロシュワールド」を発見。ロシュワールドに大気と液体が存在することを確認する。(小説『{{仮リンク|ロシュワールド|en|Rocheworld}}』)<ref>{{Cite Book |和書 |author = ロバート・L・フォワード |title = ロシュワールド |publisher = 早川書房 |year = 1985 |pages=9・36-40・392・432|isbn = 978-4-15-010627-0}}</ref> == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} === 注釈 === {{Notelist2}} === 出典 === {{Reflist|20em}} == 関連項目 == {{Commonscat|2020}} * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{デフォルトソート:2020ねん}} [[Category:2020年|*]]
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https://ja.wikipedia.org/wiki/2020%E5%B9%B4
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2021年
2021年(2021 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、金曜日から始まる平年。令和3年。 この項目では、国際的な視点に基づいた2021年について記載する。 7月23日 新国立競技場で東京オリンピック夏季大会の開幕式が行われた。2020年東京オリンピックの開会式 新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的流行により映画の撮影や映画館などにも様々な影響が出ており、前年から公開延期が相次いでいる。 夏季オリンピック・パラリンピックが 日本の東京で開催(1964年大会以来2回目)。新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的流行の影響で、近代オリンピック史上初めて約1年延期された。
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2021年は、西暦(グレゴリオ暦)による、金曜日から始まる平年。令和3年。 この項目では、国際的な視点に基づいた2021年について記載する。
{{Otheruses||[[日本]]ローカルの事柄|2021年の日本}} {{年代ナビ|2021}} {{YearInTopic | 年 = 2021 }} {{year-definition|2021}} この項目では、国際的な視点に基づいた2021年について記載する。 == 他の紀年法 == {{Year in other calendars|year=2021}} * [[干支]]:[[辛丑]](かのと うし) * [[日本]](月日は一致) ** [[令和]]3年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2681年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4354年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]110年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦]]110年 * [[仏滅紀元]]:2563年閏10月6日 - 2564年閏9月12日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1442年5月17日 - 1443年5月26日 * [[ユダヤ暦]]:5781年4月17日 - 5782年4月27日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:1609459200 - 1640995199 * [[修正ユリウス日]](MJD):59215 - 59579 * [[リリウス日]](LD):160056 - 160420 <!--* [[ギョベクリ・テペ|ギョベクリテペ]]暦:12021年--> == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2021}} == できごと == <imagemap>File:2021 collage V1.png|'''上段''': (左)2021年に打ち上げられた[[ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡]]。(中央)[[2021年ミャンマークーデター|クーデター]]後のミャンマー、ヤンゴンでの抗議者たち。(右)スーダンでの2021年10月の[[2021年10月スーダンクーデター|クーデター]]に反対する市民デモ。<br />'''中段''': (左) 2021年の[[カーブル陥落 (2021年)|カブール陥落]]後、捕獲されたハンビーに乗った[[カブール]]の[[タリバン]]戦闘員。(右)1月6日の[[2021年アメリカ合衆国議会議事堂襲撃事件]]直後の群集。<br />'''下段''': (左)[[パーサヴィアランス]]によって火星表面に配置された後の[[インジェニュイティ]]。(中央)[[2020年東京オリンピック]]の開会式の様子。(右)[[2021年ギニアクーデター]]を支持するギニア人|430x430px|thumb rect 0 0 400 200 [[ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡]] rect 400 0 800 400 [[2021年ミャンマークーデター]] rect 800 0 1200 400 [[2021年10月スーダンクーデター]] rect 0 400 600 800 [[カーブル陥落 (2021年)]] rect 600 400 1200 800 [[2021年アメリカ合衆国議会議事堂襲撃事件]] rect 0 800 400 1200 [[インジェニュイティ]] rect 400 800 800 1200 [[2020年東京オリンピック]] rect 800 800 1200 1200 [[2021年ギニアクーデター]]</imagemap> === 1月 === * [[1月5日]] - 【北朝鮮】[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]の[[朝鮮労働党]]が[[朝鮮労働党第8次大会|党大会]]を5年ぶりに[[平壌直轄市|平壌]]で開催<ref>{{Cite web|和書|title=北朝鮮が5年ぶりに党大会 金正恩氏、経済不振認める|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM060EQ0W1A100C2000000/|website=日本経済新聞|date=2021-01-06|accessdate=2021-01-08|language=ja}}</ref>。 * [[1月6日]] ** 【アメリカ合衆国】[[2020年アメリカ合衆国大統領選挙|アメリカ大統領選]]での[[ドナルド・トランプ]]の敗北を認めない支持者が、[[ジョー・バイデン]]を[[アメリカ合衆国次期大統領|次期大統領]]に正式に指名しようとした[[アメリカ合衆国議会]]を襲撃<ref>{{Cite web|和書|title=トランプ氏、あおった末 選挙敗北認めず、支持者「不正と闘う」 米議会乱入:朝日新聞デジタル|url=https://www.asahi.com/articles/DA3S14756145.html|website=朝日新聞デジタル|accessdate=2021-01-08|language=ja}}</ref>。{{Also|2021年アメリカ合衆国議会議事堂襲撃事件}} ** 【香港】[[香港の警察|香港警察]]が[[国家安全保障法]]に基づいて50人以上の民主主義活動家を逮捕<ref>{{Cite news|title=Hong Kong arrests 53 for plot to 'overthrow' government in latest crackdown on dissent|url=https://www.reuters.com/article/us-hongkong-security-idUSKBN29B01K|work=Reuters|date=2021-01-06|accessdate=2021-01-08|language=en|first=Yanni Chow, Yoyo|last=Chow}}</ref>。 * [[1月7日]] ** 【アメリカ合衆国】アメリカ合衆国議会が[[民主党 (アメリカ)|民主党]]の[[ジョー・バイデン]]を次期大統領に正式認定したことを受け、ドナルド・トランプは円滑な政権移行に協力する考えを示した<ref>{{Cite web|和書|title=トランプ氏、政権移行認める 動画投稿「円滑で確実に」|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM080PZ0Y1A100C2000000/|website=日本経済新聞|date=2021-01-08|accessdate=2021-01-08|language=ja}}</ref>。事実上の敗北宣言との見方が出ている<ref>{{Cite web|和書|title=トランプ氏、円滑な政権移行約束 事実上の「敗北宣言」―米:時事ドットコム|url=https://web.archive.org/web/20210108012221/https://www.jiji.com/jc/article?k=2021010800429&g=int|website=時事ドットコム|accessdate=2021-01-08|language=ja}}</ref>。 **【世界・アメリカ合衆国】 [[Facebook]]がドナルド・トランプのアカウントを無期限に停止<ref>{{Cite web|和書|title=ユーチューブ、トランプ氏チャンネルを一時停止|url=https://jp.wsj.com/articles/SB11721070613559173311104587218682837185636|website=WSJ Japan|accessdate=2021-01-14|language=ja|first=Georgia|last=Wells}}</ref>。 **【世界】 [[テスラ (会社)|テスラ]]の[[イーロン・マスク]]最高経営責任者が[[Amazon.com|アマゾン]]の[[ジェフ・ベゾス]]を抜いて世界一の富豪の座に就いたと[[ブルームバーグ (企業)|ブルームバーグ]]が報じる<ref>{{Cite web|和書|title=イーロン・マスク氏、世界一の富豪に アマゾンのベゾス氏抜く|url=https://www.cnn.co.jp/business/35164808.html|website=CNN.co.jp|accessdate=2021-01-08|language=ja}}</ref>。 ** 【アメリカ・台湾】[[アメリカ合衆国|アメリカ]]・[[国際連合|国連]]代表部はケリー・クラフト国連大使が13 - 15日の日程で[[台湾]]を訪問すると発表<ref>{{Cite web|和書|title=米国連大使が初の台湾訪問へ…中国外務省「断固反対」 : 国際 : ニュース|url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20210108-OYT1T50184/|website=読売新聞オンライン|date=2021-01-08|accessdate=2021-01-08|language=ja}}</ref>。 * [[1月8日]] **【大韓民国・日本】 [[日本の慰安婦問題|従軍慰安婦問題]]で[[大韓民国|韓国]]の元慰安婦と遺族らが[[日本国政府|日本政府]]に損害賠償を求めた訴訟で、ソウル中央地裁が原告の請求通り1人当たり1億ウォン(約950万円)の支払いを命じる判決を言い渡した<ref>{{Cite web|和書|title=元慰安婦の損害賠償裁判 日本政府に賠償命じる ソウルの地裁|url=https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/51343.html|website=NHKニュース|accessdate=2021-08-31|last=日本放送協会}}</ref>。 ** 【アメリカ合衆国】[[Twitter]]は、現職アメリカ合衆国大統領であるドナルド・トランプのアカウントを永久に停止すると発表した<ref>{{Cite web|和書|title=ツイッター、トランプ氏アカウント永久停止 | 共同通信|url=https://web.archive.org/web/20210108234312/https://this.kiji.is/720422695078903808|website=共同通信|date=2021-01-08|accessdate=2021-01-09|language=ja|last=共同通信}}</ref>。1月6日の[[2021年アメリカ合衆国議会議事堂襲撃事件|議会襲撃事件]]に関連して、さらに暴力を扇動するリスクがあると判断した<ref>{{Cite web|title=Permanent suspension of @realDonaldTrump|url=https://blog.twitter.com/en_us/topics/company/2020/suspension.html|website=blog.twitter.com|accessdate=2021-01-09|language=en-us}}</ref>。 <!--** [[日本における2019年コロナウイルス感染症の流行状況|新型コロナウイルスの感染拡大]]により、[[日本]]では、[[埼玉県]]・[[千葉県]]・[[東京都]]・[[神奈川県]]の1都3県を対象とした[[非常事態宣言|緊急事態宣言]]が発出された<ref name=":1">{{Cite web|title=新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言|url=https://corona.go.jp/emergency/|website=内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室|accessdate=2021-01-18|archiveurl=https://web.archive.org/web/20210115110237/https://corona.go.jp/emergency/|archivedate=2021-01-15}}</ref>。--> * [[1月9日]] ** 【インドネシア】[[ジャカルタ]]郊外の[[スカルノ・ハッタ国際空港]]を離陸直後の[[スリウィジャヤ航空]]182便が[[ジャワ海]]に墜落し、乗員乗客62人全員が死亡した<ref>{{Cite web|url=https://www.reuters.com/article/us-indonesia-crash/indonesia-halts-search-for-victims-of-sriwijaya-air-crash-idUSKBN29Q1ER|title=Indonesia halts search for victims of Sriwijaya Air crash|accessdate=2021年3月15日|publisher=ロイター}}</ref>。{{Also|スリウィジャヤ航空182便墜落事故}} ** 【北朝鮮】北朝鮮の[[朝鮮労働党]]が党大会5日目の会議で、党規約改正に関する決定書が採択<ref>{{Cite web|和書|title=北朝鮮、党規約に「軍事力強化」明記…金日成主席の「革命路線」転換か : 国際 : ニュース|url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20210110-OYT1T50211/|website=読売新聞オンライン|date=2021-01-10|accessdate=2021-01-10|language=ja}}</ref>。 ** 【中華人民共和国】[[中華人民共和国商務部|中国商務省]]が[[中華人民共和国|中国]]企業や市民に対する外国の「不当な法律や規制に対抗」するための新規則を公表<ref>{{Cite news|title=中国、外国の「不当な」法律や規制に対抗へ 商務省が新規則|url=https://jp.reuters.com/article/china-law-idJPKBN29F01B|work=Reuters|date=2021-01-10|accessdate=2021-01-10|language=ja|first=Reuters|last=Staff}}</ref>。 ** 【アメリカ合衆国・台湾】[[アメリカ合衆国国務長官]]の[[マイク・ポンペオ]]が、アメリカと[[中華民国|台湾]]の当局者間の接触に関する「自主規制」を解除すると発表<ref>{{Cite news|title=米国務長官、米台関係に制約不要と 台湾との公的接触規制を解除へ|url=https://www.bbc.com/japanese/55599899|work=BBCニュース|accessdate=2021-01-11|language=ja}}</ref>。 ** 【イギリス】[[イギリス]]の[[エリザベス2世|エリザベス女王]]と、夫の[[フィリップ (エディンバラ公)|フィリップ]]が[[新型コロナウイルス感染症 (2019年)|新型コロナウイルス]](COVID-19)の[[COVID-19ワクチン|ワクチン]]接種を受ける<ref>{{Cite web|和書|title=英エリザベス女王がワクチン接種…99歳の夫・フィリップ殿下も : 国際 : ニュース|url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20210110-OYT1T50148/|website=読売新聞オンライン|date=2021-01-10|accessdate=2021-01-11|language=ja}}</ref>。 * [[1月10日]] ** 【北朝鮮】北朝鮮の[[金正恩]]・[[朝鮮労働党委員長]]が党大会で[[朝鮮労働党中央委員会総書記|党総書記]]に選出<ref>{{Cite web|和書|title=金正恩氏が党総書記に 党大会で決定|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQODL110B80R10C21A1000000/|website=日本経済新聞|date=2021-01-11|accessdate=2021-01-10|language=ja}}</ref>。 * [[1月11日]] **【アメリカ合衆国】 [[連邦捜査局|米連邦捜査局]](FBI)が、バイデン次期大統領の就任式までの間に武装した人々による抗議行動が起こる可能性があるとして警告を発した<ref>{{Cite news|title=米FBI、トランプ氏支持のさらなる暴動に警戒を呼びかけ|url=https://www.bbc.com/japanese/55627952|work=BBCニュース|accessdate=2021-01-12|language=ja}}</ref>。 **【世界】 (日本時間)[[ジョンズ・ホプキンズ大学]]の集計によると、新型コロナウイルスの感染者が世界全体で9000万人を超える。2020年12月下旬に8000万人に達した際と同様、過去最短の15日間で1000万人増加した<ref>{{Cite web|和書|title=世界のコロナ感染が9千万人超す 15日間で1千万人増 | 共同通信|url=https://web.archive.org/web/20210110203615/https://this.kiji.is/721100370218532864|website=共同通信|date=2021-01-10|accessdate=2021-01-10|language=ja|last=共同通信}}</ref><ref name="yomiuri20210111">{{Cite web|和書|title=世界の感染者、累計で9000万人突破…今月下旬に1億人超える見通し |url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20210111-OYT1T50058/|website=読売新聞オンライン|date=2021-01-11|accessdate=2021-01-28|language=ja}}</ref>。国別ではアメリカ(約2240万人)、インド(約1050万人)、ブラジル(約810万人)と続く<ref name="yomiuri20210111"/>。{{Also|国・地域毎の2019年コロナウイルス感染症流行状況}} **【中華人民共和国】 中国政府が、[[SARSコロナウイルス2|新型コロナウイルス]](SARS-CoV-2)の起源解明に向けた世界保健機関の国際調査団が同月14日に中国を訪問すると発表<ref>{{Cite web|和書|title=WHO調査団、14日訪中 起源解明へ武漢入り|url=https://www.sankei.com/life/news/210111/lif2101110015-n1.html|website=産経ニュース|date=2021-01-11|accessdate=2021-01-11|publisher=産業経済新聞社}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000203740.html|website=news.tv-asahi.co.jp|accessdate=2021-01-11|title=WHO専門団が今週に訪中決定 先週は入国できず|publisher=}}</ref>。 **【中華人民共和国】 中国の[[百度]]が[[電気自動車]]の製造販売に乗り出すと発表<ref>{{Cite web|和書|title=中国検索大手の百度、EV参入 アップル競合か、業界変動 | 共同通信|url=https://web.archive.org/web/20210111074508/https://this.kiji.is/721268503634001920|website=共同通信|date=2021-01-11|accessdate=2021-01-11|language=ja|last=共同通信}}</ref>。 **【アメリカ合衆国】 アメリカの[[カリフォルニア州]]・[[サンディエゴ]]の動物園で飼育されている[[ゴリラ]]のうち、少なくとも2頭が新型コロナウイルスの検査で陽性だったと動物園が発表。大型[[類人猿]]への自然感染が判明したケースとしては初<ref>{{Cite web|和書|title=ゴリラが新型コロナ感染 米動物園、大型類人猿で初 | 共同通信|url=https://web.archive.org/web/20210112025623/https://this.kiji.is/721558162460409856|website=共同通信|date=2021-01-12|accessdate=2021-01-12|language=ja|last=共同通信}}</ref>。 * [[1月12日]] **【世界・アメリカ合衆国】 [[YouTube]]はドナルド・トランプのチャンネルでの新規の動画投稿やライブ配信を少なくとも7日間停止すると発表。また暴力を扇動する恐れがあると考えられるコンテンツに対する同社の指針に違反しているとし、複数の動画を削除した<ref name=":0">{{Cite news|title=アップルとアマゾン、右派の集まるSNS「パーラー」を削除|url=https://jp.reuters.com/article/apple-parler-idJPKBN29G009|work=Reuters|date=2021-01-11|accessdate=2021-01-11|language=ja|first=Reuters|last=Staff}}</ref>。 ** 【シリア・イスラエル】[[シリア]]東部で親[[イラン]]の民兵組織などを標的とした、[[イスラエル国防軍|イスラエル軍]]によると見られる空爆、過去最悪規模の被害が出る。57人が死亡した<ref>{{Cite web|和書|title=シリアで57人死亡 イスラエル空爆か 過去最悪規模の被害|url=https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4173588.html|website=TBS NEWS|accessdate=2021-01-14}}</ref>。 ** 【アメリカ合衆国・台湾】[[アメリカ合衆国国務省]]は、予定されていたケリー・クラフト国連大使の台湾訪問を中止したと発表<ref>[https://www.bbc.com/japanese/55642887 米国務省、国連大使の台湾訪問を直前に中止] BBCニュース (2021年1月13日) 2021年5月11日閲覧。</ref>。 * [[1月13日]] **【アメリカ合衆国】 アメリカのトランプ大統領が暴力や違法行為、破壊活動を批判する声明を発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000204029.html|website=news.tv-asahi.co.jp|accessdate=2021-01-14|title=トランプ氏声明 大統領就任式に向け沈静化呼びかけ|publisher=}}</ref>。 **【アメリカ合衆国】 [[アメリカ合衆国下院|米下院本会議]]は現職大統領のドナルド・トランプが支持勢力を扇動して連邦議会議事堂を襲撃・占拠させたとして罷免を求める弾劾訴追決議案を賛成232票、反対197票の賛成多数で可決。共和党からも10人の議員が賛成に回った。2019年にもウクライナ疑惑で弾劾訴追されており、米大統領が在任中に2回弾劾訴追されるのは史上初<ref>{{Cite web|和書|title=トランプ米大統領、2回目の弾劾訴追 史上初めて|url=https://www.sankei.com/world/news/210114/wor2101140003-n1.html|website=産経ニュース|date=2021-01-14|accessdate=2021-01-14|publisher=産業経済新聞社}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=米下院、トランプ氏を弾劾訴追 共和党議員も10人賛成|url=https://jp.wsj.com/articles/SB11721070613559173311104587219992062456020|website=WSJ Japan|accessdate=2021-01-14|language=ja|first=Natalie Andrews, Kristina Peterson and Rebecca|last=Ballhaus}}</ref>。 ** 【世界・アメリカ合衆国】人権団体・[[ヒューマン・ライツ・ウォッチ]]が発表した、世界の人権状況に関する年次報告でトランプ大統領について「大統領としての4年間、人権に無関心かつ敵対的で、人種や宗教上のマイノリティーに対する憎悪を助長させた」と強く非難した<ref>{{Cite web|和書|title=国際的人権団体が年次報告 トランプ大統領を強く非難|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210114/k10012813411000.html|website=NHKニュース|accessdate=2021-01-14|last=日本放送協会}}</ref>。 ** 【アメリカ合衆国】アメリカ・[[ニューヨーク|ニューヨーク市]]の[[ビル・デブラシオ]]市長がトランプ大統領一族が運営する企業「[[トランプ・オーガナイゼーション|トランプ・オーガニゼーション]]」との契約を打ち切ると発表<ref>{{Cite web|和書|title=NY市、トランプ一族企業との契約停止 米議会襲撃事件受け:時事ドットコム|url=https://web.archive.org/web/20210114001203/https://www.jiji.com/jc/article?k=2021011400372&g=int|website=時事ドットコム|accessdate=2021-01-14|language=ja}}</ref>。 ** *【アメリカ合衆国・中華人民共和国】トランプ政権は[[新疆ウイグル自治区]]での中国政府による人権侵害問題で、同自治区からの綿製品とトマト製品の輸入を禁止すると発表<ref>{{Cite web|和書|title=米政府、新疆ウイグル産の綿・トマト製品の輸入禁止|url=https://jp.wsj.com/articles/SB10716626946727863924604587220130227469086|website=WSJ Japan|accessdate=2021-01-14|language=ja|first=Eva|last=Xiao}}</ref>。 **【イタリア】 [[イタリア]]の[[マッテオ・レンツィ]]元首相は記者会見で、自ら率いる中道左派少数政党「イタリア・ビバ」が連立政権から離脱すると発表。同党の閣僚2人が辞任<ref>{{Cite web|和書|title=イタリア、元首相派が連立離脱 少数政党の閣僚2人辞任 | 共同通信|url=https://web.archive.org/web/20210114000300/https://this.kiji.is/722239560466399232|website=共同通信|date=2021-01-14|accessdate=2021-01-14|language=ja|last=共同通信}}</ref>。 **【イラン・世界】 [[国際原子力機関]](IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長が、[[イラン]]が金属ウラン製造に向けた研究開発活動に着手したとIAEA加盟国に報告<ref>{{Cite web|和書|title=イラン、金属ウラン研究開発着手 IAEAが加盟国に報告 | 共同通信|url=https://web.archive.org/web/20210114002117/https://this.kiji.is/722244191903629312|website=共同通信|date=2021-01-14|accessdate=2021-01-14|language=ja|last=共同通信}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=イラン 金属ウラン製造に乗り出す 米次期政権に揺さぶりか|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210114/k10012813401000.html|website=NHKニュース|accessdate=2021-03-22|last=日本放送協会}}</ref>。 <!--** 新型コロナウイルスの感染拡大により、[[日本]]では[[1月8日]]の1都3県を対象としたものに続き、本年二度目の[[非常事態宣言|緊急事態宣言]]が発出された。今回は[[栃木県]]・[[岐阜県]]・[[愛知県]]・[[京都府]]・[[大阪府]]・[[兵庫県]]・[[福岡県]]の2府5県が対象(追加)となった<ref name=":1" />。--> * [[1月15日]] ** 【ラオス】[[ラオス]]の[[トーンルン・シースリット]]・[[ラオス人民民主共和国首相|首相]]が党大会で[[ラオス人民革命党|中央委員会書記長]]に選出。[[ブンニャン・ウォーラチット|ブンニャン]]から最高指導者の地位を継承した<ref>{{Cite web|title=Vientiane Times|url=https://www.vientianetimes.org.la/freeContent/FreeConten_PMthongloun10.php|website=www.vientianetimes.org.la|accessdate=2021-01-15}}</ref>。 ** 【オランダ】[[オランダ]]の[[マルク・ルッテ|ルッテ首相]]は育児手当不当返還の責任をとり、[[ウィレム=アレクサンダー (オランダ王)|ウィレム・アレクサンダー]]国王に辞表を提出、内閣の総辞職を発表した<ref>{{Cite news|title=オランダ内閣総辞職、育児手当不当返還で引責|url=https://jp.reuters.com/article/netherlands-politics-idJPKBN29K29C|work=Reuters|date=2021-01-16|accessdate=2021-01-16|language=ja|first=Reuters}}</ref>。 * [[1月17日]] -【ロシア】 [[ロシア]]反体制派指導者[[アレクセイ・ナワリヌイ]]が[[シェレメーチエヴォ国際空港]]でロシア当局に拘束された<ref name=":9">{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3326781?cx_amp=all&act=all|title=ロシア当局、ナワリヌイ氏を拘束|work=AFP|accessdate=18 January 2021}}</ref>。釈放を求める大規模なデモが発生し、1月31日までに参加者・報道関係者など5,300人以上が拘束された<ref>{{Cite web|和書|date=2020-02-01|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3329565?cx_part=top_topstory&cx_position=3|title=ロシア検察、ナワリヌイ氏の実刑支持 デモ拘束者5300人超|publisher=AFP|accessdate=2021-02-01}}</ref>。 * [[1月20日]] - 【アメリカ合衆国】{{USA}} 前年[[11月3日]]の[[2020年アメリカ合衆国大統領選挙|大統領選挙]]で、[[アメリカ合衆国大統領選挙#大統領選挙人|選挙人]]の過半数を獲得した[[ジョー・バイデン]](当時78歳)([[民主党 (アメリカ)|民主党]])<ref>[https://www.yomiuri.co.jp/world/uspresident2020/20201205-OYT1T50246/ バイデン氏、選挙人の過半数獲得…各州で認定進む] - 読売新聞オンライン (2020年12月5日) 、2020年12月6日閲覧。</ref>が46代目の[[アメリカ合衆国大統領|アメリカ大統領]]に就任。 <!--* [[1月21日]] - 世界的音楽家の[[坂本龍一]]が[[大腸癌]]の手術を行い現在治療中であることを公表。 坂本龍一だけこのように記事化することはおかしい--> * 【世界】[[1月22日]] - [[核兵器禁止条約]](50か国・地域以上が批准)が発効。国際[[条約]]では初の[[核兵器]]の保有を全面的に禁止するものである。 *【世界】 [[1月27日]] - (日本時間)ジョンズ・ホプキンズ大学の集計によると、新型コロナウイルスの感染者が世界全体で1億人を超える。国別ではアメリカ(約2543万人)、インド(約1068万人<!--1067万6838人-->)、ブラジル(約893万人)と続く<ref name="yomiuri20210127">{{Cite web|和書|title=世界の感染者1億人突破、変異種も続々発見…ワクチン供給追いつかず |url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20210127-OYT1T50057/|website=読売新聞オンライン|date=2021-01-27|accessdate=2021-01-28|language=ja}}</ref>が、その次はロシア(約371万6千人)と[[SARSコロナウイルス2-アルファ株|変異株(B.1.1.7)]]が猛威を振るうイギリス(約370万人)が僅差となっている<ref name="nhk20210127">{{Cite web|和書|title=新型コロナ 世界の感染者1億人超える |url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210127/k10012834851000.html|website=NHKニュース|date=2021-01-27|accessdate=2021-01-28|language=ja |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210127010340/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210127/k10012834851000.html|archivedate=2021-01-27}}</ref>。一方、死者数も世界全体で215万人を超えており<ref name="yomiuri20210127" /><ref name="nhk20210127" />、国別で多いのはアメリカ(約43万人<!--42万5038人-->)、ブラジル(約22万人<!--21万8878人-->)、インド(約15万人<!--15万3587人-->)の順となっている<ref name="nhk20210127" />。{{Also|国・地域毎の2019年コロナウイルス感染症流行状況}} * [[1月31日]] -【ベトナム】 [[ベトナム共産党]]の第13回大会が最高指導者である書記長に[[グエン・フー・チョン]]の留任を特例的に決定。 === 2月 === * [[2月1日]] -【ミャンマー】 [[ミャンマー軍]]が[[2021年ミャンマークーデター|軍事クーデター]]で政権を掌握<ref>[https://www.bbc.com/japanese/55876064 ミャンマー国軍、権力掌握を宣言 アウンサンスーチー氏らを拘束] BBCニュース (2021年2月1日) 2021年2月3日閲覧。</ref>。 * [[2月13日]] - 【日本】[[日本]]・[[福島県沖地震|福島県沖]]を震源とする、[[マグニチュード]](M)7.3の[[地震]]が発生<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.jma.go.jp/jma/press/2102/14a/202102140110.html|title=令和3年2月13日23時08分頃の福島県沖の地震について -「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」について(第89報)-|accessdate=2021年2月23日|publisher=気象庁}}</ref>。{{Also|福島県沖地震 (2021年)}} * [[2月15日]] - 【アメリカ合衆国】[[アメリカ合衆国連邦政府]]は、記録的な[[大寒|大寒波]]の影響で、[[テキサス州電力危機]]が発生、多数の死者が出ている[[テキサス州]]を対象とする非常事態宣言を発出<ref>{{Cite news|date=2021-02-18|title= 米大寒波で20人以上死亡 強者のみ生き延びると主張の市長は辞意|language=ja|work=BBC News|url= https://www.bbc.com/japanese/56107849 |access-date=2021-02-18}}</ref>。 === 3月 === * [[3月3日]] -【アメリカ合衆国】 [[イーロン・マスク]]が[[最高経営責任者|CEO]]を務める[[スペースX]]が宇宙船・[[スターシップ (宇宙船)|スターシップ]]の高高度飛行に成功<ref>{{Cite web|和書|title=スターシップが3度目の正直、高高度飛行後に垂直着陸に成功|url=https://www.technologyreview.jp/s/236574/starship-has-finally-stuck-the-landing/|website=MITテクノロジーレビュー|accessdate=2021-03-22|language=ja}}</ref>。 * [[3月5日]] -【中華人民共和国】 中国で第13期[[全国人民代表大会]]が開幕<ref>{{Cite web|和書|title=中国 全人代が開幕 経済成長率6%以上を目標に|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210305/k10012898721000.html|website=NHKニュース|accessdate=2021-03-22|last=日本放送協会}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=中国、21年成長目標「6%以上」 全人代が開幕(写真=共同)|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM051GU0V00C21A3000000/|website=日本経済新聞|date=2021-03-05|accessdate=2021-03-22|language=ja}}</ref>。 * [[3月7日]] - 【イギリス・アメリカ合衆国】アメリカ[[CBS]]が[[イギリス王室]]を離れた[[ヘンリー (サセックス公)|ハリー王子]]と妻[[メーガン (サセックス公爵夫人)|メガン妃]]にインタビューする2時間の特別番組を放送<ref>{{Cite news|title=メガン妃「もう生きていたくなかった」 インタビューが米で放送|url=https://www.bbc.com/japanese/56317954|work=BBCニュース|accessdate=2021-03-22|language=ja}}</ref>。 * [[3月18日]] - 【日本】大阪府のテーマパーク、[[ユニバーサル・スタジオ・ジャパン]]に『[[スーパーマリオシリーズ|スーパーマリオ]]』を中心とする[[任天堂]]の[[コンピュータゲーム]]の世界観を忠実に再現した世界で初めてのエリア、『[[スーパー・ニンテンドー・ワールド]]』がオープン。 * 3月20日 - 【日本】18時9分頃、[[宮城県沖地震|宮城県沖]]([[牡鹿半島]]の北東20 [[キロメートル|km]]付近)で[[震源]]の深さは59 km、地震の規模は[[気象庁マグニチュード|マグニチュード]](Mj)6.9の地震が発生。[[宮城県]]で最大[[気象庁震度階級|震度]]5強を観測したほか、[[岩手県]]・宮城県・[[福島県]]で震度5弱を観測した。 * [[宮城県沖地震 (2021年3月)]]も参照 * 【エジプト】[[3月23日]] - [[エジプト]]・[[スエズ運河]]で日本の[[正栄汽船]]が保有し台湾の[[長栄海運]]が運用するコンテナ船が座礁した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.bbc.com/japanese/56742268|title=スエズ運河座礁で、二酸化硫黄濃度が急上昇 船の大渋滞が原因|accessdate=2020年5月11日|website=BBC NEWS JAPAN}}</ref>。 {{See also|2021年スエズ運河封鎖事故}} === 4月 === * [[4月2日]] - 【台湾】[[台湾]]東部・[[花蓮県]]、[[台湾鉄道]]・[[北廻線]][[和仁駅]] - [[崇徳駅]]間を乗客498人を乗せ走行していた[[樹林駅|樹林]]発[[台東駅|台東]]行き[[太魯閣号|太魯閣自強号]](タロコ号)第408列車が線路上で[[積載形トラッククレーン]]と衝突、脱線しトンネル内の壁に衝突した。この事故で少なくとも49人が死亡、245人が負傷した<ref name="黃子騰、施昂強">{{Cite news|url=https://tw.appledaily.com/local/20210411/4UELSNUWKJC67DUOU2OXUIU44Y/|title=【台鐵出軌】DNA結果出爐 太魯閣號罹難者人數下修至49人|author=黃子騰、施昂強|date=2021-04-11|publisher=台灣蘋果日報}}</ref>。{{See also|北廻線太魯閣号脱線事故}} * [[4月12日]] -【アメリカ合衆国・中華人民共和国】 米国[[アントニー・ブリンケン|ブリンケン]][[アメリカ合衆国国務長官|国務長官]]が台湾へ圧力強化を続ける中国を非難<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.asahi.com/articles/ASP4D775NP4DUHBI007.html|title=米国務長官「中国は深刻な過ち」 台湾への圧力強化|accessdate=2020年4月30日|publisher=朝日新聞}}</ref>。 * [[4月16日]] - 【日本・アメリカ合衆国】[[日米首脳会談]]が行われる。共同声明で[[台湾]]について明記されたのは50年ぶりである。 === 5月 === * 5月1日 - 【日本】10時27分頃、[[宮城県]]沖を震源とするM6.8の地震が発生。震源の深さ50km、[[宮城県]][[大崎市]]、[[涌谷町]]、[[石巻市]]で震度5強を観測した他、青森県、岩手県、福島県で震度5弱を観測した。 * [[5月8日]] - 【アフガニスタン】[[アフガニスタン]]首都[[カーブル|カブール]]の女子高等学校で自動車爆弾によるテロ事件。85人が死亡、147人が負傷した<ref>{{Cite web|url=https://edition.cnn.com/2021/05/09/asia/afghanistan-girls-school-attack-intl-hnk/index.html|title=Death toll rises to 85 in Afghanistan girls' school bomb attack|accessdate=2021年5月22日|website=cnn.com}}</ref>。{{See also|2021年カーブル学校爆弾テロ事件}} * [[5月23日]] **【ベラルーシ】 [[アテネ]]発[[ヴィリニュス]]行きの[[ライアンエアー4978便]]が[[ベラルーシ]]領空を飛行中に[[ミンスク・ナショナル空港]]に着陸させられ、搭乗していたベラルーシ野党系政治活動家ジャーナリストの[[ラマン・プラタセヴィチ]]らが拘束される事件が発生した<ref>{{Cite news|last=van Dorpe|first=Simon|date=23 May 2021|title=EU blasts Belarus for ‘hijack’ of airliner and arrest of activist|newspaper=POLITICO|url=https://www.politico.eu/article/belarus-journalist-arrest-roman-protasevich-diverted-flight-minsk/}}</ref>。{{See also|ライアンエアー4978便}} ** 【イタリア】[[北イタリア|イタリア北部]]の[[マッジョーレ湖]]の近くにある[[ストレーザ-アルピーノ-モッタローネ・ロープウェイ]]が運行中に断線し、14人が死亡・子ども1人が重傷を負った。{{See also|ストレーザ - モッタローネ・ロープウェイ落下事故}} === 6月 === * 【世界】[[6月11日]]〜[[6月13日|13日]] - [[第47回先進国首脳会議]]([[G7]][[主要国首脳会議|サミット]])が[[イギリス]]・[[コーンウォール]]で開催。 * 【アメリカ合衆国】[[6月17日]]〜[[6月20日|20日]] - [[全米オープン (ゴルフ)|第121回全米オープン]][[ゴルフ]]({{USA}}・トーリーパインズゴルフコース・サウスコース)<ref>[https://www.afpbb.com/articles/-/3352373 ラームが逆転で全米OP優勝 メジャー初制覇] AFPBB News (2021年6月21日) 2021年6月23日閲覧。</ref> * 【アメリカ合衆国】[[6月24日]] - アメリカ・[[フロリダ州]][[マイアミ]]近郊{{仮リンク|サーフサイド|en|Surfside, Florida}}で12階建ての[[コンドミニアム]]「チャンプレイン・タワーズ・サウス」が崩落する事故が発生。98人が死亡<ref>{{Cite web|和書|url=https://jp.reuters.com/article/miami-building-idJPKBN2EX09K|title=米フロリダ州マンション崩落、最後の犠牲者を発見・特定|accessdate=2021年7月28日|website=ロイター}}</ref>。{{See also|サーフサイド・コンドミニアム崩落事故}} === 7月 === * [[7月3日]] -【日本】 [[日本]][[静岡県]][[熱海市]][[伊豆山 (熱海市)|伊豆山地区]]の[[逢初川]]で大規模な[[土石流]]が発生。死者・行方不明者27人、負傷者3人、損壊家屋131棟。{{See also|熱海市伊豆山土石流災害}} * [[7月7日]] - 【ハイチ】[[ハイチ]]で[[ジョブネル・モイーズ]]大統領が暗殺される事件が発生<ref>{{Cite news|title=ハイチ大統領暗殺される モイーズ氏、首都の私邸で銃撃受け|newspaper=毎日新聞|date=2021-07-07|url=https://mainichi.jp/articles/20210707/k00/00m/030/284000c.amp|accessdate=2021-07-08}}</ref><ref>{{Cite news|title=ハイチで大統領暗殺 暫定首相は非常事態を宣言|newspaper=日本経済新聞|date=2021-07-08|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN07EQA0X00C21A7000000/|accessdate=2021-07-08}}</ref>。犯行グループのうち、当局の治安部隊によって4人が射殺、2人が拘束された<ref>{{Cite news|title=ハイチ大統領暗殺、犯行グループ4人を射殺|newspaper=時事通信|date=2021-07-08|url=https://web.archive.org/web/20210709190041/https://www.jiji.com/amp/article?k=2021070800439&g=int|accessdate=2021-07-08}}</ref>。{{See also|ジョブネル・モイーズ暗殺事件}} * [[7月14日]]・[[7月15日|15日]] - 【ヨーロッパ】ヨーロッパで記録的な豪雨による大規模な洪水が発生<ref>{{Cite web|和書|url=https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4317290.html|title=ドイツ・ベルギー大雨 死者170人に|accessdate=2021年7月18日|website=news.tbs.co.jp}}</ref>。{{See also|2021年ヨーロッパ洪水}} * [[7月17日]]以降 - 【中華人民共和国】中国でも記録的な豪雨による大規模な洪水が発生。河南省などで甚大な被害。{{See also|2021年河南洪水}} * [[7月23日]] - 【日本】[[2020年東京オリンピック|第32回夏季オリンピック]]('''東京オリンピック''')の[[2020年東京オリンピックの開会式|開会式]]、[[新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)|新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行]]の影響により[[近代オリンピック]]史上初めて前年<!--2020年-->夏の開催日程から延期<ref name="bbc20200324">[https://www.bbc.com/japanese/52020509 東京五輪・パラ、「1年程度」の延期決定 「東京2020」の名称は維持] BBC NEWS (2020年3月24日)</ref><ref name="nikkei20200330">[https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57407700Q0A330C2MM8000/ 東京五輪、21年7月23日~8月8日開催へ] 日本経済新聞 (2020年3月30日)</ref>、[[無観客試合|無観客開催]]を経て開催される(〜[[8月8日]])<ref>{{Cite web|和書|url=https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/tokyo2020-one-year-swayed/|title=東京五輪、開催までの経緯|accessdate=2021年7月24日|website=日本経済新聞}}</ref>。205か国・地域と[[難民]]選手団を合わせて約1万1000人の選手が参加している<ref name="yomiuri20210724">{{Cite web|和書|url=https://www.yomiuri.co.jp/olympic/2020/20210724-OYT1T50122/|title=米東京五輪 開幕…コロナ厳戒下 57年ぶり開催 |date=2021年7月24日|accessdate=2021年7月27日|publisher=読売新聞}}</ref>。{{see also|2020年東京オリンピック|2020年東京オリンピックの開会式|新型コロナウイルス感染拡大による東京オリンピック・パラリンピックへの影響}} === 8月 === *[[8月1日]] - 【日本】東京オリンピックに出場していたベラルーシの陸上競技選手の[[クリスツィナ・ツィマノウスカヤ]]選手が[[羽田空港]]で警官に亡命の意思を伝え警察に保護される。翌日に東京のポーランド大使館で人道的ビザが発給され<ref>{{Cite news2|url=https://www.asahi.com/sp/articles/ASP826QYVP82UTIL02C.html |title=亡命希望のベラルーシ選手、ポーランドが「ビザ発給」 |newspaper=朝日新聞オンライン |agency=[[朝日新聞社]] |date=2021-08-02 |accessdate=2023-12-15}}</ref>、同月4日にポーランドに到着し亡命<ref>{{Cite news2|url=https://www.asahi.com/sp/articles/ASP852RPGP85UHBI008.html |title=ベラルーシ選手、亡命先に到着 ポーランドできょう会見 |newspaper=朝日新聞オンライン |agency=[[朝日新聞社]] |date=2021-08-05 |accessdate=2023-12-15}}</ref>。 * [[8月5日]] - 【世界】(日本時間)ジョンズ・ホプキンズ大学の集計によると、新型コロナウイルスの感染者が世界全体で2億人を超える。国別ではアメリカ(約3530万人)、インド(約3180万人)、ブラジル(約2000万人)と続く。1月下旬に1億人を突破して以降、世界各地で[[COVID-19|ワクチン]]接種が進められているが、その一方で[[SARSコロナウイルス2-デルタ株|デルタ株]]などの[[SARSコロナウイルス2の変異株|変異株]]が猛威を振るっており、この半年で<!--感染者数が-->倍増した。さらに死者数も世界全体で425万人を超えており、半年で200万人以上増加している<ref name="yomiuri20210805">{{Cite web|和書|title=世界のコロナ感染者、累計2億人超・死者425万人に…デルタ株流行に歯止めがかからず |url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20210805-OYT1T50170/|website=読売新聞オンライン|date=2021-08-05|accessdate=2021-08-05|language=ja}}</ref>。{{Also|国・地域毎の2019年コロナウイルス感染症流行状況}} * [[8月8日]] - 【日本】[[2020年東京オリンピック|第32回夏季オリンピック]]('''東京オリンピック''')の[[2020年東京オリンピックの閉会式|閉会式]]。{{See also|2020年東京オリンピックの閉会式}} * [[8月14日]] - 【ハイチ】[[ハイチ]]西部でM7.2の地震が発生<ref name=":3">{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3361806|title=ハイチ地震、死者1297人に 5700人以上負傷|accessdate=2021年8月16日|website=afpbb.com}}</ref>。{{See also|ハイチ地震 (2021年)}} * [[8月15日]] ** 【アフガニスタン】[[ターリバーン]]が[[アフガニスタン]]全土を支配下に置いたと宣言し、[[アシュラフ・ガニー]]政権(アフガニスタン・イスラム共和国)が事実上崩壊<ref>{{Cite news|url=https://web.archive.org/web/20210815091720/https://nordot.app/799566209875214336?c=39546741839462401|title=「全土を支配下に置いた」とタリバン|work=47NEWS|agency=[[共同通信社]]|date=2021-08-15|accessdate=2021-08-15}}</ref><ref>[https://www.reuters.com/world/asia-pacific/afghan-pres-ghani-leaves-tajikistan-interior-ministry-official-2021-08-15/ Afghan Pres Ghani leaves for Tajikistan - interior ministry official] [[ロイター]] 2021年8月15日配信 2021年8月15日閲覧</ref><ref>{{cite news|url=https://web.archive.org/web/20210815140127/https://nordot.app/799638907697790976|title=アフガン大統領が出国と報道|publisher=[[共同通信]]|date=2021-8-15|accessdate=2021-8-15}}</ref>。{{See also|カーブル陥落 (2021年)}} ** 【香港】[[香港]]における民主化運動を主導していた団体のひとつ、[[民間人権陣線]]が解散を宣言<ref>{{Cite web|和書|title=香港民主派の中心組織が解散 国安法で捜査受け「運営困難」|url=https://mainichi.jp/articles/20210815/k00/00m/030/107000c|website=毎日新聞|accessdate=2021-08-18|language=ja}}</ref>。 * [[8月24日]]〜[[9月5日]] -【日本】 [[2020年東京パラリンピック|第16回夏季パラリンピック]]('''東京パラリンピック''')開催。COVID-19の世界的流行の影響により前年<!--2020年-->夏の開催日程から延期となった<ref name="bbc20200324"/><ref name="nikkei20200330"/><ref name="bbc20210824">[https://www.bbc.com/japanese/58314483 【東京パラ】 「異例」でも輝く大会へ きょう開幕] BBC NEWS (2021年8月24日)</ref>。{{See also|2020年東京パラリンピック|2020年東京パラリンピックの開会式|新型コロナウイルス感染拡大による東京オリンピック・パラリンピックへの影響}} * [[8月26日]] - 【アフガニスタン】アフガニスタン・[[カーブル国際空港]]アビーゲート付近で[[ISIL-K]]による自爆テロ事件が発生<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20210828015912/https://www.jiji.com/jc/article?k=2021082800303&g=int|title=米、アフガンIS系勢力に空爆 報復で立案者殺害か―空港テロ、死者180人超に|accessdate=2021年8月28日|publisher=時事通信}}</ref>。{{See also|カーブル国際空港自爆テロ事件}} * [[8月30日]] - 【アメリカ合衆国】[[ジョー・バイデン|バイデン]]米大統領は[[アメリカ軍|米軍]]のアフガニスタン撤退が<!--31日の-->期日を前に完了し、[[アメリカ同時多発テロ事件|911同時多発テロ事件]]直後から「[[対テロ戦争|テロとの戦い]]」を理由に約20年間行われた[[軍事作戦]]終結を表明<ref>[https://www.tokyo-np.co.jp/article/127972 米軍アフガニスタン撤退完了 米最長20年の戦争終結もなお米国人100人残留、協力者ら含めると6万人] 東京新聞 (2021年8月31日)</ref><ref>[https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210831/k10013234051000.html アフガニスタンから米軍撤退完了 20年の軍事作戦 意義問われる] NHKニュース (2021年8月31日)</ref>。{{See also|アフガニスタン紛争 (2001年-2021年)}} === 9月 === * [[9月3日]] -【日本】 日本の[[内閣総理大臣]]([[首相]])である[[菅義偉]]が同月に実施される[[2021年自由民主党総裁選挙|自民党総裁選]]に立候補せず、辞任の意向を表明した<ref>{{Cite news2|url=https://www.asahi.com/articles/ASP9343D2P93UTFK00T.html  |title=【詳報】菅首相、突然の退陣表明 続くコロナ禍の中でうごめく思惑 |newspaper=朝日新聞デジタル |agency=[[朝日新聞社]] |date=2021-09-03 |accessdate=2023-12-13}}</ref>。 * [[9月5日]] ** 【ギニア】[[ギニア]]首都[[コナクリ]]で[[クーデター]]が発生し[[アルファ・コンデ]]大統領が軍に拘束された<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20210905153517/https://www.jiji.com/jc/article?k=2021090600010&g=int|title=ギニアでクーデターか 大統領拘束の情報|date=2021-09-06|accessdate=2021-09-06|publisher=時事通信}}</ref><ref>{{Cite news|url=https://www.bbc.com/news/world-africa-58453778|title=Guinea capital Conakry rocked by heavy gunfire|work=BBC News|agency=[[英国放送協会|BBC]]|date=2021-09-05|accessdate=2021-09-05}}</ref>。{{See also|2021年ギニアクーデター}} ** 【日本】[[2020年東京パラリンピック|第16回夏季パラリンピック]]('''東京パラリンピック''')の[[2020年東京パラリンピックの閉会式|閉会式]]。{{See also|2020年東京パラリンピックの閉会式}} * [[9月7日]] ‐ 【エルサルバドル】[[エルサルバドル]]が世界で初めて[[法定通貨]]として[[ビットコイン]]を導入<ref>{{Cite news2|url=https://jp.reuters.com/article/idUSKCN2E10GI/  |title=エルサルバドル、9月7日にビットコイン法定通貨化 「使用任意」 |newspaper=ロイター |agency=[[ロイター]] |date=2021-06-25 |accessdate=2023-12-13}}</ref>。 * [[9月15日]] - 【アメリカ合衆国】[[スペースX]]が民間人4人を乗せた宇宙船の打ち上げに成功する<ref>{{Cite news2|url=https://www.asahi.com/sp/articles/ASP9J2TGJP9HUHBI005.html  |title=民間初、3日間の地球周回旅行始まる スペースXが4人を打ち上げ |newspaper=朝日新聞デジタル |agency=[[朝日新聞社]] |date=2021-09-16 |accessdate=2023-12-13}}</ref>。18日に無事に[[フロリダ州]]沖に着水し、史上初めての民間のみの宇宙船の地球周回を成功させる<ref>{{Cite news2|url=https://wired.jp/2021/09/20/spacexs-inspiration4-returns-after-3-days-in-orbit/  |title=スペースXによる初の「民間人だけの宇宙旅行」の成功は、新たな産業の始まりを告げる“号砲”となる |newspaper=Wired Japan |agency=[[Wired]] |date=2021-09-20 |accessdate=2023-12-13}}</ref>。 * [[9月19日]] -【スペイン領カナリア諸島】 [[スペイン]]領[[カナリア諸島]][[ラ・パルマ島]]のケンブレビエハ(クンブレビエハ)火山が50年ぶりに噴火した。約6000人が避難し、[[ペドロ・サンチェス]]首相は[[国際連合総会|国連総会]]に参加する為の訪米を中止して現地入りした<ref>{{Cite news2|url=https://www.bbc.com/japanese/58673990.amp  |title=溶岩逃れた「奇跡の家」が話題に カナリア諸島の火山噴火 |newspaper=BBC NEWS JAPAN |agency=[[英国放送協会]] |date=2021-09-24 |accessdate=2023-12-13}}</ref>。 * [[9月17日]]〜[[9月19日|19日]] - 【ロシア】[[2021年ロシア下院選挙|ロシア下院選挙]]が行われ、議席を減らすも与党の[[統一ロシア]]が勝利する<ref>{{Cite news2|url=https://jp.reuters.com/article/idUSKBN2GG01F/  |title=ロシア下院選、与党が勝利 議席3分の2以上確保 |newspaper=ロイター |agency=[[ロイター]] |date=2021-09-20 |accessdate=2023-12-13}}</ref>。 * [[9月20日]] - 【カナダ】[[2021年カナダ総選挙|カナダ総選挙]]が行われ、与党の[[カナダ自由党]]が第一党を維持<ref>{{Cite news2|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN200BC0Q1A920C2000000/ |title=カナダ総選挙、与党・自由党が第1党へ 過半数は届かず |newspaper=日本経済新聞 |agency=[[日本経済新聞社]] |date=2021-09-20 |accessdate=2023-12-13}}</ref>。 * [[9月24日]] **【アメリカ合衆国】[[ライダーカップ|第43回ライダーカップ]]が{{USA}}・ウィスリング・ストレイツで開幕<ref>{{Cite news2|url=https://jp.reuters.com/article/idUSKBN2GL03G/ |title=ゴルフ=ライダーカップ開幕、米国が欧州に6─2でリード |newspaper=ロイター |agency=[[ロイター]] |date=2021-09-25 |accessdate=2023-12-13}}</ref>。COVID-19の世界的流行の影響により前年<!--2020年-->の開催日程から延期となった。 **【カナダ】2019年1月に[[イラン]]との違法取引と企業の機密情報を盗んだ罪で拘束されていた[[ファーウェイ]]の[[孟晩舟]]副会長兼[[最高財務責任者|CFO]]を開放する<ref>{{Cite news2|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN24DQG0U1A920C2000000/ |title=米中、駆け引き激化 ファーウェイ副会長を3年ぶり解放 |newspaper=日本経済新聞 |agency=[[日本経済新聞社]] |date=2021-09-25 |accessdate=2023-12-13}}</ref>。 * [[9月26日]] -【ドイツ】 [[2021年ドイツ連邦議会選挙]]が行われ、野党の[[ドイツ社会民主党]]が与党の[[ドイツキリスト教民主同盟]]を破り第一党へ。社会民主党が第一党になるのは2005年以来となる<ref>{{Cite news2|url=https://www.bbc.com/japanese/58702070.amp |title=ドイツ総選挙、中道左派SPDが僅差でメルケル氏の党に勝利 連立交渉へ |newspaper=BBC NEWS JAPAN |agency=[[英国放送協会]] |date=2021-09-27 |accessdate=2023-12-13}}</ref>。 * [[9月29日]] - 【日本】日本において[[菅義偉]]の[[自由民主党総裁|自民党総裁]]としての任期(1期目、任期途中で辞任した[[安倍晋三]]の総裁残任期間を継承)が30日に満了することに伴う[[2021年自由民主党総裁選挙|総裁選挙]]の投開票が行われ、[[岸田文雄]]が第27代自民党総裁に就任<ref>{{Cite news2|title= 自民新総裁に岸田氏|url= https://web.archive.org/web/20210929062052/https://nordot.app/815826761426305024|newspaper= KYODO|date= 2021-09-29|accessdate= 2021-09-29|publisher= 共同通信社}}</ref>。 === 10月 === *[[10月1日]] - 【UAE】{{UAE}} [[ドバイ国際博覧会]]が開幕。翌年[[3月31日]]まで開催予定。COVID-19の世界的流行の影響により前年<!--2020年-->の開催日程から延期となった<ref>{{Cite news2|url=https://www.tokyo-np.co.jp/article/134205 |title=中東初のドバイ万博が開幕 日本館には回転ずし店を併設 |newspaper=東京新聞 |agency=[[東京新聞社]] |date=2023-10-01 |accessdate=2023-12-12}}</ref>。 *[[10月4日]] - 【日本】[[日本]]において[[菅義偉内閣]]が[[内閣総辞職|総辞職]]<ref>{{cite news|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211004/k10013289881000.html|title=菅内閣が総辞職 1年余で幕を閉じる|work =[[NHKニュース]]|date=2021-10-04|accessdate=2021-10-04|archiveurl= https://web.archive.org/web/20211004090922/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211004/k10013289881000.html|archivedate=2021-10-04}}</ref>。[[自由民主党総裁|自民党総裁]]の[[岸田文雄]]が第100代[[内閣総理大臣]]([[首相]])に就任した。 *[[10月5日]] - 【世界】[[Microsoft Windows 11]]がマイクロソフト社よりPC・タブレット向けに一般への提供が開始される<ref>{{Cite web|和書|url=https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/1355/860/amp.index.html|title=Windows 11正式リリース!気になる新機能をまとめて解説|work=PC Watch|publisher=インプレス|date=2021-10-05|accessdate=2022-03-29|archiveurl=https://web.archive.org/web/20211007155900/https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/1355/860/index.html|archivedate=2021-10-07}}</ref>。 *[[10月8日]]〜[[10月9日|9日]] - 【チェコ】[[2021年チェコ議会下院選挙|チェコ下院選挙]]が行われ、野党連合のSUPOLが与党のANOに勝利する<ref>{{Cite news2|url=https://jp.reuters.com/article/idUSKBN2H00J6/ |title=チェコ下院選、野党連合が勝利 連立政権樹立へ |newspaper=ロイター |agency=[[ロイター]] |date=2023-10-10 |accessdate=2023-12-12}}</ref>。 *[[10月10日]] - 【イラク】{{仮リンク|2021年イラク国民議会選挙|en|2021 Iraqi parliamentary election}}<ref>{{Cite news2|url=https://www.chunichi.co.jp/article/345943 |title=「サドル派」が優勢 イラク総選挙 |newspaper=中日新聞web |agency=[[中日新聞社]] |date=2023-10-12 |accessdate=2023-12-12}}</ref> * [[10月12日]] -【世界】 [[Microsoft Windows 10#エディション|Microsoft Windows 10 Enterprise]] 2016 Long-Term Servicing Branch のメインストリームサポート終了。 *[[10月13日]] - 【ノルウェー】ノルウェーの町コングスベルグで人々が弓矢で襲われる[[2021年コングスベルグ襲撃事件|コングスベルグ襲撃事件]]が発生。この事件により5人が死亡<ref>{{Cite news2|url=https://www.bbc.com/japanese/58921774.amp |title=ノルウェーの弓矢襲撃は「テロ行為」 警察当局 |newspaper=BBC NEWS JAPAN |agency=[[英国放送協会]] |date=2023-10-15 |accessdate=2023-12-12}}</ref>。 *[[10月14日]] ** 【日本】日本において[[第205回国会]](臨時会)会期末を迎え<ref>[https://www.sankei.com/article/20211001-KCXBGO7ZUROBFINZ367FJDJCDU/ 臨時国会は14日まで 与野党合意 森山氏は当面続投] - [[産経新聞]] (2021年10月1日) 、 2021年10月2日閲覧。</ref>、21日の任期満了を前に[[衆議院解散]]。 **【台湾】 [[台湾]]南部[[高雄市]]の[[雑居ビル]]で大規模火災が発生。死者46人<ref>{{Cite News|url=https://www.asahi.com/amp/articles/ASPBG6GZ7PBGUHBI02J.html|title=台湾・高雄で火災、46人死亡 市長「放火の可能性排除できない」|work=[[朝日新聞デジタル]]|date=2021-10-14|accessdate=2021-10-14}}</ref>。{{See also|高雄ビル火災}} *[[10月21日]] - 【世界】[[Microsoft Silverlight]] 5 のサポートが終了。 *[[10月25日]] -【スーダン】 [[スーダン]]で[[2021年10月スーダンクーデター|クーデター]]が発生<ref>{{Cite news|url=https://jp.reuters.com/article/sudan-idJPKBN2HF04L|title=スーダン首相、自宅軟禁の状態に─匿名筋=TV|agency=[[ロイター]]|date=2021-10-25|accessdate=2021-10-26}}</ref>。[[アブダッラー・ハムドゥーク]]首相や閣僚が軍によって拘束される<ref>{{Cite news2|url=https://jp.reuters.com/article/idUSKBN2HF0JD/ |title=スーダン軍が首相ら拘束、クーデターと情報省 市民が抗議 |newspaper=ロイター |agency=[[ロイター]] |date=2023-10-25 |accessdate=2023-12-12}}</ref>。 *[[10月28日]] - 【アメリカ合衆国】 Facebook Inc.が[[Meta (企業)|メタ・プラットホームズ]]に社名変更<ref>{{Cite news2|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN258L20V21C21A0000000/ |title=Facebook、社名を「メタ」に変更 仮想空間に注力 |newspaper=日本経済新聞 |agency=[[日本経済新聞社]] |date=2023-10-29 |accessdate=2023-12-12}}</ref>。 *[[10月31日]] - 【日本】[[第49回衆議院議員総選挙]]が実施される。 === 11月 === * [[11月1日]] **【世界】 (日本時間)ジョンズ・ホプキンズ大学の集計によると、新型コロナウイルス感染による世界全体の死者数が500万人を超えた<ref>[https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211101/k10013331111000.html 新型コロナウイルスの死者 世界全体で500万人超える] - NHK NEWS WEB (2021年11月1日)</ref>。{{Also|国・地域毎の2019年コロナウイルス感染症流行状況}} ** 【日本】日本で3代目となる新[[五百円硬貨|500円硬貨]]([[バイメタル貨|バイカラー]][[クラッド貨幣]])が発行<ref>{{Cite web|和書|title=報道発表:新しい五百円貨幣の発行開始日について|url=https://www.mof.go.jp/policy/currency/coin/211001.html|website=財務省|date=2021-10-01|accessdate=2021-10-01|language=ja}}</ref>。新型コロナウイルス流行の影響を受け、事業者の機器改修などが遅れ、2021年度上期の発行予定から延期されていた<ref>{{Cite news2|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF221VI0S1A120C2000000/ |title=新500円硬貨の発行延期 新型コロナで機器改修遅れ |newspaper=日本経済新聞 |agency=[[日本経済新聞社]] |date=2023-01-22 |accessdate=2023-12-12}}</ref>。 *[[11月2日]] - 【アメリカ合衆国】[[2021年ニューヨーク市長選挙|ニューヨーク市長選挙]]が投開票され、[[民主党 (アメリカ)|民主党]]から出馬していた[[エリック・アダムズ]]が当選。史上2人目の黒人のニューヨーク市長となった<ref>{{Cite news2|url=https://jp.reuters.com/article/new-york-election-idJPKBN2HO06A/ |title=NY市長に民主党アダムズ氏、黒人として2人目 |newspaper=ロイター |agency=[[ロイター]] |date=2023-11-03 |accessdate=2023-12-12}}</ref>。 *[[11月21日]] -【チリ】 {{仮リンク|2021年チリ総選挙|en|2021 Chilean general election}}が投開票されるも、当選に必要な得票率の過半数を会得した候補者がいなかったため、12月19日に得票率上位2人である[[ホセアントニオ・カスト]]と[[ガブリエル・ボリッチ]]の決選投票が行われる<ref>{{Cite news2|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN221NB0S1A121C2000000/ |title=チリ大統領選、12月に決選投票へ 右派と左派が進出 |newspaper=日本経済新聞 |agency=[[日本経済新聞社]] |date=2023-11-22 |accessdate=2023-12-12}}</ref>。 === 12月 === *[[12月1日]] -【日本】 {{JPN}}の[[皇族]]である[[敬宮愛子内親王]]が20歳の誕生日を迎え、[[成人|成年]]皇族となる。<!--成人年齢を18歳に引き下げる改正民法は2022年4月より施行--> *[[12月6日]] - 【アメリカ合衆国】[[アメリカ合衆国]]が[[2022年北京オリンピック]]の外交ボイコットを表明<ref>{{Cite web|url=https://www.axios.com/us-china-boycott-winter-olympics-beijing-f1df1cb9-0fee-4ca5-96b2-e92456268158.html|title=U.S. announces diplomatic boycott of Beijing Winter Olympics|accessdate=2021年12月15日}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211207/k10013377691000.html|title=【詳しく】外交的ボイコットとは アメリカの思惑 中国の反応は|accessdate=2021年12月15日|publisher=NHK}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://www.forbes.com/sites/teakvetenadze/2021/12/06/heres-what-the-us-olympic-diplomatic-boycott-means/?sh=6e1eb45a69d4|title=Here’s What The U.S. Olympic ‘Diplomatic Boycott’ Means|accessdate=2021年12月15日}}</ref>し、[[カナダ]]や[[イギリス]]、[[オーストラリア]]、[[ニュージーランド]]もこれに続いた<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/458549.html|title=「北京五輪 外交的ボイコット 各国の対応は」(時論公論)|accessdate=2021年12月15日|publisher=NHK}}</ref>。 * [[12月9日]] - 【メキシコ】約160人の不法移民を荷台に隠し乗せ米国に向かっていたトラックが横転し、55人が死亡<ref>{{Cite news2|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3380334?cx_amp=all&act=all |title=メキシコ、米に移民政策見直し要請 55人死亡事故受け |newspaper=AFP BB NEWS |agency=[[フランス通信社]] |date=2021-12-11 |accessdate=2023-12-12}}</ref>。 *[[12月9日]]~[[12月10日]] -【世界】 [[民主主義サミット]]が[[アメリカ合衆国]]の[[ジョー・バイデン]][[アメリカ合衆国大統領|大統領]]によって主催された。[[Web会議]]形式の仮想[[サミット]]である。目的は「国内の[[民主主義]]を刷新し、海外の[[独裁国家]]に立ち向かうため」とされた <ref>{{Cite web|title=The Summit for Democracy|url=https://www.state.gov/summit-for-democracy/|accessdate=2021-11-05|website=United States Department of State|language=en}}</ref><ref>{{Cite web|title=The Summit for Democracy—American Leadership or Photo 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|agency=[[朝日新聞社]] |date=2021-12-21 |accessdate=2023-12-12}}</ref>。{{main|令和3年台風第22号}} *[[12月19日]] - 【香港】中国主導の新選挙制度が施工されてから初めての[[2021年香港立法会選挙|香港立法会選挙]]が行われる。投票率は中国返還後で最も低くなり、親中派が90議席中89席を獲得する<ref>{{Cite news2|url=https://www.tokyo-np.co.jp/article/150081 |title=香港の議会選で民主派一掃、90議席中89議席が親中派に 元議員らの大量逮捕、「愛国者」条件の新選挙制度で |newspaper=東京新聞 |agency=[[東京新聞社]] |date=2021-12-12 |accessdate=2023-12-12}}</ref>。 *[[12月25日]] -【フランス領ギアナ】 [[ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡]]([[ハッブル宇宙望遠鏡]]の後継機)の打ち上げに成功する。<ref>{{Cite news2|url=https://www.bbc.com/japanese/59792760.amp |title=ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の打ち上げ成功、宇宙で最初の星を観測へ |newspaper=BBC NEWS JAPAN |agency=[[英国放送協会]] |date=2021-12-26 |accessdate=2023-12-12}}</ref>。 == 周年 == {{notice|周年であること自体に特筆性のある項目(元のトピックの特筆性ではありません)のみ記述してください}} * [[湾岸戦争]]から30年<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGKKZO67825850R31C20A2FF8000/ 2021年世界の転換点(上)揺らぐ米覇権、新政権試練] 日本経済新聞 (2021年1月1日) 2021年4月18日閲覧。</ref>。 ** [[1月17日]] - [[多国籍軍]]が[[バグダード]]空襲で開戦<ref>[https://www.sankei.com/article/20210116-PJYHQLE3CNNKVLLYX5JYIXHDSQ/ 湾岸戦争開戦30年 米の指導で世界が結束 中露強権時代の指針] 産経ニュース (2021年1月16日) 2021年6月24日閲覧。</ref>。 ** [[2月27日]] - 多国籍軍、[[クウェート]]解放<ref name="yomiuri20201031">[https://www.yomiuri.co.jp/choken/kijironko/ckworld/20210201-OYT8T50099/ 湾岸危機・戦争から30年 中東大変貌を読み解く] - 読売新聞オンライン (2020年10月31日) 2021年6月24日閲覧。</ref>。 ** [[2月28日]] - 多国籍軍の勝利で終戦<ref name="yomiuri20201031"/>。 * [[1月15日]] - [[ウィキペディア]]('''Wikipedia''')発足20周年。 * [[2月22日]] - [[カンタベリー地震 (2011年2月)|カンタベリー地震]]発生から10年。 * [[2月26日]] - [[任天堂]]の[[携帯型ゲーム|携帯型ゲーム機]]『[[ニンテンドー3DS]]』の発売から10周年。 * [[2月27日]] - 人気ゲーム『[[ポケットモンスター]]』シリーズ「[[ポケットモンスター 赤・緑]]」発売25周年。 * [[3月11日]] ** [[東日本大震災]]発生から10年<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFK10BEO0Q1A310C2000000/ 東日本大震災10年、今後の復興は?] 日本経済新聞 (2021年3月11日) 2021年4月18日閲覧。</ref>。 ** [[福島第一原子力発電所事故]]から10年<ref>[https://www.jaif.or.jp/journal/japan/7016.html 福島第一原子力発電所事故発生から10年で東京電力・小早川社長が訓示] 原子力産業新聞 (2021年3月11日) 2021年6月24日閲覧。</ref>。 * [[3月21日]] - [[任天堂]]の[[携帯型ゲーム|携帯型ゲーム機]]『[[ゲームボーイアドバンス]]』の発売から20周年。 *[[4月1日]] - [[オランダ]]で世界初の[[同性婚]]が認められてから20年<ref>{{Cite news|url=http://portfolio.nl/news/buz/show/3458 |title=オランダ、同性婚が認められて今年で20年 |newspaper=ポートフォリオ・オランダニュース |date=2021-04-01 |accessdate=2023-06-26}}</ref>。 * [[4月12日]] ** [[ユーリイ・ガガーリン|ユーリー・ガガーリン]]による世界初の有人宇宙飛行から60周年<ref>[https://www.afpbb.com/articles/-/3341251 ガガーリンの宇宙初飛行から60年、旧ソ連宇宙開発のヒーロー] AFPBB News (2021年4月12日) 2021年4月18日閲覧。</ref>。 ** [[スペースシャトル]]の[[STS-1|初ミッション]]から40周年([[スペースシャトル・コロンビア]]号の宇宙空間への初飛行から40年)<ref>[https://www.afpbb.com/articles/-/3339558 米スペースシャトル「コロンビア」打ち上げから40年] AFPBB News (2021年4月11日) 2021年4月18日閲覧。</ref>。 * [[6月23日]] ** [[NINTENDO64]]発売25周年。 ** [[セガ]]の[[ソニックシリーズ]]誕生30周年<!--(第1作「[[ソニック・ザ・ヘッジホッグ (1991年のゲーム)|ソニック・ザ・ヘッジホッグ]]」の欧米等での発売から30周年、日本では[[7月26日]]に発売)--><ref>[https://www.famitsu.com/news/202106/23224612.html ソニック・ザ・ヘッジホッグが生誕30周年。実写映画や3Dアニメなど映像分野での活躍も目覚ましい世界的な人気ゲームキャラクター【今日は何の日?】] - ファミ通.com (2021年6月23日) 2021年6月24日閲覧。</ref>。 * [[6月27日]] - [[ユーゴスラビア紛争]]開戦([[十日間戦争]])から30年。 *マリオ生誕40周年。 * [[7月23日]] - [[中国共産党]]設立100周年。 * [[7月24日]] - 日本のテレビ局において、[[アナログ放送]]終了から10周年。 * [[8月13日]] - [[アステカ]]が滅びてから500年。 * [[8月21日]] - [[乃木坂46]]結成10周年。 * [[9月8日]] - [[日本国との平和条約]]('''サンフランシスコ平和条約''')の署名から70周年。 * [[9月10日]] - [[日本サッカー協会]](当時は「大日本蹴球協會」)創立100周年。 * [[9月11日]] - [[アメリカ同時多発テロ事件]]から20年。 * [[9月14日]] - [[任天堂]]の[[ゲーム機|家庭用ゲーム機]]『[[ニンテンドーゲームキューブ]]』の発売から20周年。 * [[9月17日]] - [[ウォール街を占拠せよ]]運動が発生して10年<ref>日本経済新聞2021年9月15日11面</ref>。 * [[9月18日]] - [[満州事変]]勃発から90年。 * 9月23日 - [[藤子・F・不二雄]]没後25周年。 * [[9月27日]] - [[フランス]]の高速鉄道[[TGV]]運行開始から40周年。 * [[9月28日]] - [[安田善次郎]]没後100年<ref> {{Cite news|url=https://www.asahi.com/amp/articles/ASPB16SN1P9JULZU00G.html?|title=戦前テロはここから始まった 「銀行王」安田善次郎刺殺100年|work=[[朝日新聞]] |date=2021-10-2|accessdate=2021-10-2}} </ref>。 * [[10月1日]] - [[海洋研究開発機構]] (JAMSTEC)創立50周年。 * [[10月6日]] - [[福北ゆたか線]]開業から20周年。 * [[10月10日]] - [[辛亥革命]]の発端の武装蜂起から110周年<ref>山陽新聞2021年10月10日13面「中台統一は必然」</ref>。 * [[10月19日]] - [[日ソ共同宣言|日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との共同宣言]]('''日ソ共同宣言''')の署名から65周年。 * [[10月23日]] - [[トルコ東部地震 (2011年10月)|トルコ東部地震]]発生から10年。 * [[11月4日]] - [[原敬]]没後100年<ref>{{Cite news|url=https://www.asahi.com/amp/articles/ASPC46SJHPC4ULUC011.html|title=没後100年、原敬ってどんなひと?|work=[[朝日新聞デジタル]]|date=2021-11-5|accessdate=2021-11-7}}</ref>。 * [[11月11日]] - [[ソニー・インタラクティブエンタテインメント|SCE]]「[[PlayStation 3]] (PS3) 発売から15周年。 * [[11月15日]] - [[マイクロソフト|マイクロソフト社]]の[[ゲーム機|家庭用ゲーム機]]『[[Xbox (ゲーム機)|Xbox]]』の発売から20周年([[Xbox]]ブランドの誕生から20年)。 * 12月2日 - [[任天堂]]の[[ゲーム機|家庭用ゲーム機]]『[[Wii]]』の発売から15周年。 * [[12月8日]] - [[真珠湾攻撃]]から80年。 * [[12月17日]] - [[ソニー・インタラクティブエンタテインメント|SCE]]「[[PlayStation Vita]]」(PS Vita) 発売から10周年。 * [[12月18日]] - 日本の[[国際連合と日本|国際連合(国連)への加盟]]から65周年。 * [[12月25日]] - [[ソビエト連邦の崩壊]]から30周年<ref>[https://mainichi.jp/articles/20211224/ddm/005/070/005000c 記者の目連載「ソ連崩壊30年」を取材して 指導部に残る超大国意識=前谷宏(モスクワ支局)]毎日新聞(2021年12月24日)2021年12月25日閲覧。</ref>。 == イベント == 7月23日 新国立競技場で東京オリンピック夏季大会の開幕式が行われた。[https://2020tokyo2020.com/jp/olympic/program.html][[2020年東京オリンピックの開会式]]{{節スタブ}} == 政治 == {{See|2021年の政治}} * 当年実施見込みの各国元首等の選挙(【】内は任期満了日<!--出典は公式発表後でよい-->){{Seealso|2021年の選挙|en:List of elections in 2021}} == 経済 == {{see also|2021年の経済}} {{節スタブ}} == 芸術・文化・ファッション == === 音楽 === {{Main|2021年の音楽}} * [[2003年]]生まれの歌手、[[オリヴィア・ロドリゴ]]がシングル"''drivers license''"でデビュー。 * [[V6 (グループ)|V6]]が[[11月1日]]をもって解散。 * [[なにわ男子]]が[[11月12日]]に[[初心LOVE]]でCDデビュー。 {{節スタブ}} === 映画 === {{See also|2021年の映画}} [[新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)|新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的流行]]により映画の撮影や映画館などにも様々な影響が出ており、前年<!--2020年-->から公開延期が相次いでいる。 ; 実写映画 <!--以下、公開日付順--> * [[3月24日]] - [[モンスターバース]]シリーズの第4作目となる『[[ゴジラvsコング]]』(監督:[[アダム・ウィンガード]])が公開([[HBO Max]]のサービスを展開していない世界各国・地域での公開日、アメリカでは[[3月31日]]に劇場およびHBO Maxで公開・配信、日本では[[7月2日]]公開)<ref>{{cite news|url=https://theriver.jp/gvk-us-new-release-date/|title=『ゴジラ VS コング』米国公開日が前倒し、2021年3月26日に─ 米HBO Maxで同時配信へ|publisher=THE RIVER|date=2021-01-16|accessdate=2021-01-16}}</ref><ref>{{cite news|url=https://theriver.jp/gvk-int-release-prior-us/|title=『ゴジラ VS コング』海外公開、米国より先行の方針|publisher=THE RIVER|date=2021-01-27|accessdate=2021-01-28}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=「ゴジラvsコング」は5月14日公開、日本版予告も解禁|url=https://natalie.mu/eiga/news/415302|website=映画ナタリー|publisher=ナターシャ|date=2021-02-08|accessdate=2021-02-08}}</ref>。新型コロナウイルス流行の影響で前年<!--2020年-->の公開予定(アメリカで[[11月20日]]先行<ref>{{cite news|url=https://natalie.mu/eiga/news/357022|title=小栗旬参加「ゴジラVSコング」アメリカ公開が2020年3月から11月に延期|publisher=映画ナタリー|date=2019-11-26|accessdate=2019-11-27}}</ref>)から延期された。 * [[5月28日]] - [[クワイエット・プレイス]]の続編『[[クワイエット・プレイス 破られた沈黙]]』(監督:[[ジョン・クラシンスキー]])がアメリカなどで公開(日本は[[6月18日]]公開、[[ニューヨーク]]の[[プレミア]]上映は前年[[3月8日]])。新型コロナウイルス流行の影響で前年<!--2020年-->の公開予定(アメリカで当初[[3月15日]]先行→のちに[[9月4日]]先行<ref>[https://www.hollywoodreporter.com/heat-vision/a-quiet-place-part-ii-sets-new-september-2020-release-date-1287096 'A Quiet Place Part II' Sets New September Release Date]、[[ハリウッド・リポーター]]</ref>)から再延期された<ref>[https://variety.com/2020/film/box-office/a-quiet-place-2-top-gun-maverick-release-date-delay-1234709716/ ‘A Quiet Place 2,’ ‘Top Gun: Maverick’ Delayed Until 2021]、[[バラエティ (アメリカ合衆国の雑誌)|バラエティ]]</ref>。 * [[9月30日]] - [[ジェームズ・ボンド#映画|007シリーズ]]最新作『[[007/ノー・タイム・トゥ・ダイ|007/ノー・タイム・トゥ・ダイ]]』(監督:[[キャリー・フクナガ|キャリー・ジョージ・フクナガ]])がイギリスなどで公開(日本では[[10月1日]]、アメリカなどでは[[10月8日]]公開)。新型コロナウイルス流行の影響で前年の公開予定(イギリスで当初<!--1年前の-->4月2日先行→のちに[[11月12日]]先行<!--日本では4月10日<ref>{{cite news|url=https://www.cinematoday.jp/news/N0112767|title=『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』日本版予告編!2020年4月10日公開決定|work=シネマトゥデイ|date=2019-12-05|accessdate=2020-10-16}}</ref>→11月20日--><ref>{{cite news|url=https://www.cinematoday.jp/news/N0114617|title=新型コロナで延期の『007』新作、日本公開は11月20日に決定!|publisher=シネマトゥデイ|date=2020-03-11|accessdate=2020-10-16}}</ref>)から再延期された<ref>{{Cite web|和書|url=https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1280793.html|title=ボンド新作「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」、2021年に公開延期|publisher=AV watch|date=2020-10-05|accessdate=2020-10-16}}</ref>。 * [[11月19日]] - [[ゴーストバスターズ]]のオリジナル版の続編『[[ゴーストバスターズ/アフターライフ]]』(監督:[[ジェイソン・ライトマン]])がアメリカなどで公開<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.cinematoday.jp/news/N0121224 |title=ソニー『ゴーストバスターズ/アフターライフ』など全米公開が延期 |work=CINEMATODAY |date=2021-01-22|accessdate=2021-01-22}}</ref>(日本では翌年[[2月4日]]公開)。新型コロナウイルス流行の影響で前年<!--2020年-->の公開予定(アメリカで[[7月10日]]先行<ref>{{Cite news|title=『ゴーストバスターズ』オリジナル版の続編が製作決定!2020年公開|newspaper=シネマトゥデイ|date=2019-01-16|url=https://www.cinematoday.jp/news/N0106195.amp.html|accessdate=2019-01-18}}</ref>、日本では同年中<ref>{{cite news|url=https://natalie.mu/eiga/news/358830|title=「ゴーストバスターズ」第3弾が来年公開、ポール・ラッドら登場する予告編も到着|publisher=映画ナタリー|date=2019-12-09|accessdate=2019-12-20}}</ref>)から延期された。 * [[12月15日]] - [[スパイダーマンの映画作品|映画「スパイダーマン」]]のホームシリーズ3部作の最終作となる『[[スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム]]』(監督:[[ジョン・ワッツ]])がイギリスなどで先行公開(日本では翌年[[1月7日]]公開)。 * [[12月22日]] ** [[マトリックス (映画シリーズ)|マトリックス]]シリーズの18年ぶりの続編で、第4作目となる『[[マトリックス レザレクションズ]]』(<!--原題:The Matrix: Resurrections/-->監督:[[ラナ・ウォシャウスキー]])がアメリカなどで公開<ref>[https://theriver.jp/matrix4-2021-moved-up/ 『マトリックス4』米公開が前倒し、2021年クリスマスに登場](THE RIVER, 2020年10月6日)</ref>(日本は先行して[[12月17日]]公開<ref>{{cite news|url=https://eiga.com/news/20211015/2/|title=「マトリックス レザレクションズ」12月17日公開決定 キアヌらが1作目の衝撃を語る特別映像も |newspaper=映画.com |date=2021-10-15|accessdate=2021-10-15}}</ref>)。新型コロナウイルス流行の影響で<!--アメリカでは-->[[5月21日]]の公開予定<ref>{{Cite news|url=https://www.cinematoday.jp/news/N0113126|title=キアヌ・リーヴス『ジョン・ウィック』&『マトリックス』4に向けトレーニング開始!|work=シネマトゥデイ|date=2019-12-20|accessdate=2021-05-01}}</ref>から延期された。 ** [[キングスマン]]の最新作『[[キングスマン:ファースト・エージェント]]』(監督:[[マシュー・ヴォーン]])が欧米などで公開(日本は[[12月24日]]公開<ref>{{Cite news|title=映画『キングスマン:ファースト・エージェント』監督マシュー・ヴォーン、キングスマン誕生秘話描く第3弾|newspaper=ファッションプレス|date=2021-08-27|url=https://www.fashion-press.net/news/51052|accessdate=2021-09-09}}</ref>)。新型コロナウイルス流行の影響で前年<!--2020年-->の公開予定(アメリカで[[9月18日]]先行<ref>{{cite news|url=https://eiga.com/news/20191119/6/|title=「キングスマン」最新作、7カ月公開延期に |newspaper=映画.com |date=2019-11-19|accessdate=2019-12-22}}</ref>)から延期された。 ; アニメ映画 * [[3月8日]] - [[ヱヴァンゲリヲン新劇場版|ヱヴァ新劇場版]]4部作の完結編となる『[[シン・エヴァンゲリオン劇場版|シン・エヴァンゲリオン劇場版:<nowiki>|</nowiki>'''<nowiki>|</nowiki>''']]』(総監督・脚本:[[庵野秀明]])が日本で公開<ref name="nlab20201016">{{Cite web|和書|url=https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2010/16/news062.html|title=映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」は2021年1月23日公開! (1/2)|website=ねとらぼ|date=2020-10-16|accessdate=2020-10-16}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url= https://www.evangelion.co.jp/news/shineva_trailer3/ |title= 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』特報3公開、劇場公開日決定! |date= 2020-10-16 |accessdate= 2020-10-16 |work= |publisher=エヴァンゲリオン公式サイト}}</ref>。新型コロナウイルス流行の影響で前年<!--2020年-->[[6月27日]]の公開予定<ref>[https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1807/20/news078.html 映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」は2020年公開 特報解禁 ](ねとらぼ 2018年7月20日)</ref><ref>[http://www.evangelion.co.jp/news_det_0002.html 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』特報公開](エヴァンゲリオン公式サイト 2018年7月20日)</ref><ref>[https://www.evangelion.co.jp/news/shineva_0719/ 2020年6月公開『シン・エヴァンゲリオン劇場版』特報2公開中](エヴァンゲリオン公式サイト 2019年7月19日)</ref>から延期された<ref name="shineva0417">{{Cite web|和書|url=https://www.evangelion.co.jp/news/shineva0417/|title=『シン・エヴァンゲリオン劇場版』公開延期のお知らせ |website=エヴァンゲリオン公式サイト|date=2020-04-17|accessdate=2020-04-17}}</ref>。 === ゲーム === * [[10月8日]] - [[任天堂]]が[[Nintendo Switch]]の上位機種である'''[[Nintendo Switch(有機ELモデル)|有機ELモデル]]'''を発売<ref>{{Cite news2|title= 任天堂、新型スイッチ10月発売 有機ELを採用|url= https://web.archive.org/web/20210706140621/https://nordot.app/785144651867570176|date= 2021-07-07|accessdate= 2021-08-03|publisher= 共同通信社}}</ref>。 === 世相 === * 「[[民間宇宙飛行|民間宇宙旅行]]元年<ref>{{Cite web|和書|title=SpaceXが過去の“常識破壊”、宇宙ビジネス参入に好機到来|url=https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01819/00001/|website=日経クロステック(xTECH)|accessdate=2021-12-09|language=ja|last=日経クロステック(xTECH)|archiveurl=https://web.archive.org/web/20211101055525/https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01819/00001/|archivedate=2021-11-01}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=ついに宇宙旅行の扉が開く!ヴァージン VS ブルーオリジン 徹底比較|三菱電機 DSPACE|url=https://www.mitsubishielectric.co.jp/me/dspace/column/c2107_1.html|website=三菱電機 オフィシャルサイト|accessdate=2021-12-09|language=ja|archiveurl=https://web.archive.org/web/20210725033150/https://www.mitsubishielectric.co.jp/me/dspace/column/c2107_1.html|archivedate=2021-07-25}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=回転窓/宇宙旅行元年|url=https://www.decn.co.jp/?p=122587|website=日刊建設工業新聞|accessdate=2021-12-09|archiveurl=https://web.archive.org/web/20211121000307/https://www.decn.co.jp/?p=122587|archivedate=2021-11-21}}</ref>」 == スポーツ == === 夏季オリンピック・パラリンピック === [[夏季オリンピック]]・[[パラリンピック]]が{{JPN}}の[[東京都|東京]]で開催([[1964年東京オリンピック|1964年大会]]以来2回目)。[[新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)|新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的流行]]の影響で、[[近代オリンピック]]史上初めて約1年延期された。 * [[2020年東京オリンピック|第32回夏季オリンピック(東京)]] ** 開催期間:[[7月23日]] - [[8月8日]](開会・閉会式:[[東京オリンピックスタジアム|オリンピックスタジアム]]) ** 参加選手数:205か国・地域と[[難民]]選手団を合わせて約1万1000人<ref name="yomiuri20210724"/>。 ** [[金メダル]]獲得数上位3か国:1位 [[アメリカ合衆国|アメリカ]](金39、銀41、銅33〈計113〉)、2位 [[中華人民共和国|中国]](金38、銀32、銅18〈計88〉)、3位 日本(金27、銀14、銅17〈計58〉)<ref>[https://www.asahi.com/olympics/2020/results/medal/ 東京オリンピック2020 国別メダルランキング] - 朝日新聞デジタル、2021年8月8日閲覧。</ref>。{{main|2020年東京オリンピックのメダル受賞数一覧}} * [[2020年東京パラリンピック|第16回夏季パラリンピック(東京)]] ** 開催期間:[[8月24日]] - [[9月5日]](開会・閉会式:オリンピックスタジアム) ** 参加選手数:162か国・地域と難民選手団を合わせて約4400人<ref name="bbc20210824"/>。 ** 金メダル獲得数上位3か国:1位 中国(金96、銀60、銅51〈計207〉)、2位 [[イギリス]](金41、銀38、銅45〈計124〉)、3位 アメリカ(金37、銀36、銅31〈計104〉)<ref>[https://www.asahi.com/paralympics/2020/results/medal/ 東京パラリンピック2020 国別メダルランキング] - 朝日新聞デジタル、2021年9月5日閲覧。</ref>。{{main|2020年東京パラリンピックでの国・地域別メダル受賞数一覧}} == 誕生 == {{see also|2021年の日本#誕生|Category:2021年生}} * [[6月4日]] &ndash; {{UK}} [[リリベット・マウントバッテン=ウィンザー|リリベット・ダイアナ・マウントバッテン=ウィンザー]]、サセックス公[[ヘンリー (サセックス公)|ヘンリー]]王子と同妃[[メーガン (サセックス公爵夫人)|メーガン]]の第2子 == 死去 == {{See|訃報 2021年}} == ノーベル賞 == {{see also|ノーベル賞受賞者の一覧}} * [[ノーベル物理学賞|物理学賞]]:[[眞鍋淑郎|真鍋淑郎]]、[[クラウス・ハッセルマン]]、[[ジョルジョ・パリージ]]  * [[ノーベル化学賞|化学賞]]:[[ベンジャミン・リスト]]、[[デイヴィッド・マクミラン]] * [[ノーベル生理学・医学賞|生理学・医学賞]]:[[デヴィッド・ジュリアス]]、[[アーデム・パタプティアン]] * [[ノーベル文学賞|文学賞]]:[[アブドゥルラザク・グルナ]] * [[ノーベル平和賞|平和賞]]:[[マリア・レッサ]]、[[ドミトリー・ムラトフ]] * [[ノーベル経済学賞|経済学賞]]:[[デヴィッド・カード]]、[[ヨシュア・アングリスト]]、[[グイド・インベンス]] == フィクションのできごと == {{フィクションの出典明記|section=1|ソートキー=年2021|date=2011年7月}} * [[7月]] ** 初の有人[[火星探査]]ミッションを行っていた[[アメリカ航空宇宙局|NASA]]の宇宙船「マーズ1号」の乗員が、{{仮リンク|シドニア平原|label=シドニア大平原|en|Cydonia (region of Mars)}}に白い多面体を発見。至近からのレーダーによる調査を行った乗員全員が多面体から生じた巨大な竜巻に襲われ、3名が死亡。残る1名もメッセージを地球へ送信した後に消息不明となる。(映画『[[ミッション・トゥ・マーズ]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= デブラ・N・スペレーゲン|authorlink=デブラ・ニューバーガー・スペレーゲン |title = ミッション・トゥ・マーズ |publisher = [[徳間書店]] |year = 2000 |pages = 7,34-64,70-76 |isbn = 978-4-19-891318-2}}</ref><ref>[http://www.disney.co.jp/studio/others/0198.html ミッション・トゥ・マーズ] - [[ウォルト・ディズニー・ジャパン|ディズニー]]公式サイト。2018年1月29日閲覧。</ref> ** 須磨すずめが[[恐竜]]園「江の島ディノランド」に飼育員として入社する。(漫画『[[ディノサン]]』)<ref>{{Cite web|和書|url=https://natalie.mu/comic/news/444424 |title=2021年の江ノ島、恐竜の飼育員になった娘を描く「ディノサン」1巻 |date=2021-09-09 |accessdate=2021-10-04 |publisher=ナターシャ |website=コミックナタリー}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://bunshun.jp/articles/-/49014 |title=異色デビューの漫画家が描く、現代の「恐竜の飼育員」たちの働き方<マンガ> |date=2021-09-18 |accessdate=2021-10-04 |publisher=[[扶桑社]] |website=[[SPA!| bizSPA!フレッシュ]]}}</ref> * 夏 - [[タイ王国|タイ]]・[[チュムポーン県|チャムポーン]]の山岳地帯に、「クイン」なる存在によるタイ南部および[[マレーシア]]の征服宣言と[[2041年]]の日付が刻まれた高さ100メートル以上の記念塔が突如出現。この記念塔は「チャムポーン・クロノリス」と命名される。クロノリスの初出現。(小説『{{仮リンク|クロノリス—時の碑—|en|The Chronoliths}}』)<ref>{{Cite book |和書 |author= ロバート・チャールズ・ウィルスン|authorlink=ロバート・チャールズ・ウィルスン |title = クロノリス—時の碑— |publisher = [[東京創元社]] |year = 2011 |pages = 11-24,29,34-36,53,60 |isbn = 978-4-488-70607-4}}</ref> * アンドロイド「RT600」が発売される。(ゲーム『[[デトロイト ビカム ヒューマン|Detroit: Become Human]]』) * 6月 森嶋穂高が神津島から家出する。(小説・劇場アニメ『[[天気の子]]』) * ロバート・ヘルマス率いる最初の星間探検隊が、スピンディジー駆動を用いて[[木星の衛星と環|木星の衛星]]から[[ウォルフ359|狼座三百五十九番星]]または[[はくちょう座61番星|白鳥座六十一番星]]を目指して旅立つ。その後、これは[[西側諸国|〈西〉陣営]]への反逆と見做され、計画の陣頭指揮を行っていたブリス・ワゴナー上院議員は処刑される。(小説『[[宇宙都市]]』シリーズ)<ref>{{Cite book |和書 |author= ジェイムズ・ブリッシュ|authorlink=ジェイムズ・ブリッシュ |title = 宇宙都市1 宇宙零年 |publisher = [[早川書房]] |year = 1978 |pages = 49,211-220,229,230 |isbn = 978-4-15-010305-7}}</ref><ref>{{Cite book |和書 |author = ジェイムズ・ブリッシュ |title = 宇宙都市2 星屑のかなたへ |publisher = 早川書房 |year = 1978 |page = 75 |isbn = 978-4-15-010309-5}}</ref> * 月の裏側の巨大電波システムが、[[ラランド21185|BD+36度2147番星]]の惑星から発せられたと見られる120メガヘルツの電波シグナルを受信。8カ月に渡る観測の中で、シグナルの中に断片的な単語や綴りが確認される。その後、BD+36度2147番星は「ラー」、シグナルの発信源である惑星は「イシス」と命名される。(小説『{{仮リンク|星々の海をこえて|en|Across the Sea of Suns}}』)<ref>{{Cite book |和書 |author= グレゴリイ・ベンフォード|authorlink=グレゴリイ・ベンフォード |title = 星々の海をこえて |publisher = 早川書房 |year = 1986 |pages = 25-30 |isbn = 978-4-15-010662-1}}</ref> * [[11月23日]] 16:25 [[海上保安庁]]潜水特殊捜査隊(DCU)第一機動部隊のダイバー、成合隆子が瀬能陽生に留守電を残し、海外の[[領海侵犯|領海に単独侵入]]する。([[日曜劇場]]『[[DCU (テレビドラマ)|DCU]]』) == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} {{Reflist|20em}} == 関連項目 == {{Commonscat|2021}} * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{デフォルトソート:2021ねん}} [[Category:2021年|*]]
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2023年
2023年(2023 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、日曜日から始まる平年。令和5年。 この項目では、国際的な視点に基づいた2023年について記載する。 2023年9月1日は関東大震災から100周年を迎える節目の日であることから、地震・震災をテーマにした作品が多い傾向にある。
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2023年は、西暦(グレゴリオ暦)による、日曜日から始まる平年。令和5年。 この項目では、国際的な視点に基づいた2023年について記載する。
{{Otheruses|2=日本のローカル事柄|3=2023年の日本}} {{年代ナビ|2023}} {{YearInTopic | 年 = 2023 }} {{year-definition|2023}} この項目では、国際的な視点に基づいた2023年について記載する。 == 他の紀年法 == * [[干支]]:[[癸卯]](みずのと う) * [[日本]](月日は一致) ** [[令和]]5年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2683年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4356年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]112年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]112年 * [[仏滅紀元]]:2565年10月10日 - 2566年閏9月4日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1444年6月8日 - 1445年6月18日 * [[ユダヤ暦]]:5783年4月8日 - 5784年4月19日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:1672531200 - 1704067199 * [[修正ユリウス日]](MJD):59945 - 60309 * [[リリウス日]](LD):160786 - 161150 == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2023}} == できごと == {{see also|2023年の政治}}{{see also|2023年の気象・地象・天象}} === 1月 === * [[1月1日]] ** {{CRO}}が欧州単一通貨[[ユーロ]]に移行、[[シェンゲン協定]]に加入しヨーロッパ域内の移動を自由化<ref>{{Cite news|和書 |url=https://www.sankei.com/article/20221226-OQOLOGOEKVOCJOHY3MXE3OMJKA/ |title=クロアチアが新年からユーロ導入、域内移動自由化も EU結束の弾みとなるか |date=2022-12-26 |accessdate=2022-12-28 |newspaper=産経新聞デジタル}}</ref>。 ** [[2022年]]の[[2022年ブラジル総選挙|大統領選挙]]に勝利した左派の[[ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ]]が[[ブラジル連邦共和国大統領|ブラジル大統領]]に就任<ref>{{Cite news|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230102/k10013939841000.html|title=ブラジル ルーラ氏が大統領に就任 国際情勢への影響も|date=2023-01-02|accessdate=2023-01-02|newspaper=NHK NEWS WEB}}</ref>。 ** [[日本]]、[[モザンビーク]]、[[エクアドル]]、[[マルタ]]、[[スイス]]が国際連合安全保障理事会非常任理事国に就任。任期は2024年末まで<ref>{{Cite web |title=Flag Installation Ceremony for the Countries of the newly elected non-permanent members of the Security Council for 2023-2024 |url=https://media.un.org/en/asset/k1x/k1xzq61hzo |website=[[国際連合]]広報テレビ部門 |access-date=2023-06-09 |language=en}}</ref>。 * [[1月5日]] - 第265代[[教皇|ローマ教皇]][[ベネディクト16世 (ローマ教皇)|ベネディクト16世]]の{{仮リンク|ベネディクト16世の死と葬儀|en|Death and funeral of Pope Benedict XVI|label=葬儀}}が[[バチカン]]で行われる<ref>{{Cite news|和書 |title=前ローマ教皇に別れ 信者ら5万人参列 バチカン |newspaper=朝日新聞デジタル |date=2023-01-06 |url=https://www.asahi.com/articles/DA3S15519975.html?iref=pc_ss_date_article |access-date=2023-01-09}}</ref>。 * [[1月7日]] - [[成田国際空港]]発[[福岡空港]]行きの[[ジェットスター・ジャパン]]501便が、同便に対する爆破予告により[[中部国際空港]]に緊急着陸。[[中部国際空港]]の滑走路が一時的に閉鎖され、多数の遅延・欠航便が発生した。 * [[1月8日]] - {{BRA}}の[[ジャイール・ボルソナーロ]]前大統領の支持者が[[ブラジリア]]の[[国民会議 (ブラジル)|国民議会]]や[[連邦最高裁判所 (ブラジル)|連邦最高裁判所]]、[[プラナルト宮殿]]を襲撃<ref>{{Cite news|和書 |title=ボルソナロ氏支持者が議会侵入 選挙結果に異議4000人集結―大統領、治安権限を国に移管・ブラジル |newspaper=時事ドットコム |date=2023-01-09 |archive-url=https://web.archive.org/web/20230108213138/https://www.jiji.com/jc/article?k=2023010900096&g=int |archive-date=2023-01-09 |url=https://www.jiji.com/jc/article?k=2023010900096&g=int |access-date=2023-01-09 |agency=時事通信}}</ref>。 {{Main|2023年ブラジル三権広場襲撃事件}} * [[1月10日]] - [[Microsoft Windows 8|Microsoft Windows 8.1]]の延長サポート終了<ref>{{Cite web |title=Windows 8.1、1月10日でサポート終了 |url=https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1468276.html |website=Impress Watch |date=2023-01-06 |access-date=2023-12-18 |language=ja |last=株式会社インプレス}}</ref>。 * [[1月14日]] - [[イスラエル]]で、[[第6次ネタニヤフ内閣|ネタニヤフ政権]]が進める司法制度の改変案などに対する抗議デモが発生し、[[テルアビブ]]では約8万人が参加した<ref name=":1">{{Cite news|和書 |title=イスラエル各地で10万人抗議デモ司法改革に反対 |newspaper=産経新聞 |date=2023-01-15 |url=https://www.sankei.com/article/20230115-TVLPQA7ITNNUHOYBLYJLXCDK64/ |access-date=2023-01-15 |archive-date=2023-01-15 |archive-url=https://web.archive.org/web/20230115111910/https://www.sankei.com/article/20230115-TVLPQA7ITNNUHOYBLYJLXCDK64/}}</ref>。その中には閣僚経験者の[[ツィッピー・リヴニ]]や[[ベニー・ガンツ]]も含まれている<ref name=":1" />。 [[File:230120 Indian Air Force SU-30 landing at Hyakuri Air Base.jpg|thumb|250px|百里基地で訓練中のインド空軍のSu-30MKI戦闘機]] * [[1月16日]] -{{UKR}} [[ソレダルの戦い]]でウクライナ軍が敗北、ロシア軍によって攻略される。 * [[1月16日]] - [[1月28日|28日]] ** [[インド空軍]]と[[航空自衛隊]]が[[百里基地]]で共同訓練。[[Su-30MKI (航空機)|Su-30MKI]]戦闘機、日本初飛来<ref>{{Cite web|和書|title=インド空軍Su-30MKI、百里基地に到着 日本初飛来、空自と共同訓練 |url=https://www.aviationwire.jp/archives/268373 |website=Aviation Wire |access-date=2023-01-31 |language=ja-JP}}</ref><ref>{{Cite web|和書 |title=空自、インド空軍のロシア製Su-30との訓練終了 F2とのサイズの違いくっきり |url=https://www.daily.co.jp/gossip/2023/01/28/0016002044.shtml |website=デイリースポーツ |access-date=2023-01-31 |language=ja-JP}}</ref>。 * [[1月18日]] - {{UKR}}・[[キーウ]]郊外のブロヴァリーの[[幼稚園]]に[[ウクライナ国家非常事態庁]]所有のヘリコプターが墜落し、搭乗していた内務大臣ら全員と園内にいた子供を含む14人が死亡<ref>{{Cite news|和書 |title=Ukraine's interior ministry leadership killed in helicopter crash |url=https://www.bbc.com/news/world-europe-64315594 |work=BBC News |date=2023-01-18 |access-date=2023-01-21 |language=en-GB}}</ref>。 {{Main|ウクライナ非常事態庁ヘリ墜落事故}} * [[1月25日]] - {{AUS}}の[[西オーストラリア州]]で放射線物質のカプセルが行方不明になる。 {{Main|西オーストラリア放射線カプセル紛失事件}} * [[1月29日]] ** {{PAK}}の[[カイバル・パクトゥンクワ州]]にある[[タンダ・ダム]]のダム湖(タンダ湖)でボート転覆事故が発生し51人が死亡した<ref>{{Cite news|和書 |title=定員超えボート転覆、神学校生徒ら51人死亡 パキスタン |newspaper=[[AFP通信]] |date=2023-2-1 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3449492/ |access-date=2023-3-19}}</ref>。{{Main|タンダ・ダムボート転覆事故}} **{{PAK}}の[[バローチスターン州]]で少なくとも43人を乗せたバスが渓谷に突っ込み、火災が発生した。この事故で40人以上の死者が出た<ref>{{Cite web |title=41 killed, three injured in deadly Lasbela bus crash |url=https://www.thenews.com.pk/latest/1035403-bus-accident-in-lasbela-kills-39-injures-four |website=The News International |date=2023-01-29 |access-date=2023-02-04 |language=en}}</ref>。 {{Main|2023年のラスベラバス事故}} * [[1月30日]] - {{PAK}}北西部・[[ペシャワール]]のモスクで自爆テロが発生。少なくとも100人が死亡<ref>{{Cite news|和書 |url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20230202-OYT1T50180/ |title=パキスタンの自爆テロ、死者102人に…容疑者23人拘束 |newspaper=[[読売新聞]] |date=2023-02-03 |accessdate=2023-06-19}}</ref>。 ===2月=== *2月初め頃 - [[北米]]を記録的な寒波が襲う。{{Main|2023年2月の北米寒波}} * [[2月1日]] - アメリカと[[カナダ]]で、中国のものとみられる気球が発見される<ref>{{Cite news|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230206/amp/k10013972081000.html |title=気球撃墜 アメリカや中国などの動き【時系列まとめ】 |newspaper=NHK |date=2023-02-06 |accessdate=2023-11-06}}</ref>。 * [[2月5日]] - 2月1日に発見された中国の気球をアメリカの[[F-22]]が領海上で追撃。{{Main|2023年中国気球事件}} * [[2月6日]] - [[トルコ]]南部の[[ガズィアンテプ]]付近でM7.8の大地震が発生。{{Main|トルコ・シリア地震}} * [[2月16日]] - [[カンボジア]]で[[鳥インフルエンザ]]の患者が発生し、のちに死亡(感染判明は22日)<ref>{{Cite news|和書 |title=カンボジア 鳥インフルで少女死亡 WHO警戒呼びかけ |newspaper=2023-02-27 |date=テレ朝 NEWS |url=https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000289250.html |access-date=2023-03-22}}</ref>。 *[[2月20日]] - アメリカの[[ジョー・バイデン]][[アメリカ合衆国大統領|大統領]]が[[2022年ロシアのウクライナ侵攻|ロシアによるウクライナ侵攻]]以来初めてウクライナを訪問<ref>{{Cite news2|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB209DT0Q3A220C2000000/ |title=バイデン大統領、ウクライナを電撃訪問 侵攻後初 |newspaper=日本経済新聞 |agency=[[日本経済新聞社]] |date=2023-02-20 |accessdate=2023-12-17}}</ref>。 * [[2月21日]] - 香港にて元人気モデルが[[香港モデルバラバラ殺人事件|元夫とその家族に殺害され、遺体がバラバラにされる事件]]が発生(公式発表は25日)<ref name=":02">{{Cite web |title=香港人気モデル切断遺体で発見、元夫らを訴追 金銭トラブルか |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3453154 |website=www.afpbb.com |date=2023-02-27 |access-date=2023-12-06 |language=ja}}</ref>。 * [[2月22日]] - 中国[[内モンゴル自治区]][[アルシャー左旗]]で[[アルシャー左旗炭鉱崩落事故]]が発生。53人死亡<ref>{{Cite news2 |date=2023-02-23 |title=中国・内モンゴルの炭鉱で崩落事故 2人死亡、53人行方不明 |newspaper=CNN.co.jp |agency=[[CNN]] |url=https://www.cnn.co.jp/amp/article/35200429.html |accessdate=2023-12-12}}</ref>。 * [[2月28日]] ** ロシアのプーチン大統領が[[新戦略兵器削減条約]]の履行停止を定めた法律に著名し成立する<ref>{{Cite news|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR28DDH0Y3A220C2000000/ |title=プーチン大統領、新START履行停止の法律に署名 |newspaper=[[日本経済新聞]] |date=2023-03-01 |accessdate=2023-06-19}}</ref>。 ** [[ギリシャ]]中部[[テッサリア]]・[[ラリサ県]]テンピ付近で乗員乗客352人が乗車していた旅客列車と貨物列車が正面衝突し、複数の車両が脱線・炎上した<ref>{{Cite news|和書 |title=ギリシャ列車事故、死者57人に アテネでは抗議活動 |newspaper=ロイター |date=2023-03-03 |access-date=2023-03-08 |url=https://jp.reuters.com/article/greece-trains-crash-idJPKBN2V41SP}}</ref>。{{Main|ギリシャ列車正面衝突事故}} === 3月 === * [[3月9日]] - [[ドイツ]]・[[ハンブルク]]にある宗教団体『[[エホバの証人]]』の施設が銃撃され、容疑者を含む8人が死亡した<ref>{{Cite news|和書 |title=エホバの証人銃撃事件 元信者の容疑者は自殺 犠牲者には胎児も |newspaper=TBS NEWS DIG |date=2023-03-11 |url=https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/372854?display=1 |access-date=2023-03-14}}</ref>。 {{Main|{{仮リンク|エホバの証人銃撃事件|en|Hamburg shooting}}}} * [[3月10日]] ** [[中華人民共和国|中国]]の仲介によって、[[イラン]]と[[サウジアラビア]]が外交関係を正常化した<ref>{{Cite web|和書|title=イランとサウジアラビア、7年ぶりに外交関係正常化で合意 中国が仲介 |url=https://www.bbc.com/japanese/64924311 |website=BBCニュース |access-date=2023-03-16 |date=2023-03-11}}</ref>。 ** [[シリコンバレーバンク]]が債務超過に陥って経営破綻。アメリカの銀行の破綻では[[2008年]]の[[リーマンショック]]に次ぐ2番目の規模となった<ref>{{Cite news|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230311/k10014005141000.html |title=シリコンバレーバンクが経営破綻 米銀行破綻で2番目の規模 |newspaper=NHK NEWS WEB |date=2023-03-10 |accessdate=2023-06-19}}</ref>。 * [[3月16日]] - [[韓国]]の[[尹錫悦]]大統領が就任後初来日し[[日本]]の[[岸田文雄]]内閣総理大臣と会談した<ref>{{Cite web |title=日韓首脳会談 |url=https://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/na/kr/page1_001529.html |website=[[外務省]] |access-date=2023-11-07 }}</ref>。 * [[3月17日]] - [[国際刑事裁判所]](ICC)がロシアの[[ウラジーミル・プーチン]]大統領らに対してロシアのウクライナ侵攻などの[[戦争犯罪]]を理由に逮捕状が出された<ref>{{Cite web|和書|title=国際刑事裁判所 ロシアのプーチン大統領の逮捕状を発行 バイデン大統領「彼が戦争犯罪を犯したのは明らかだ」ゼレンスキー大統領「歴史的な決定」 |url=https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/385280 |website=TBS NEWS DIG |access-date=2023-03-19 |language=ja}}</ref>。 * [[3月21日]] - [[日本]]の[[岸田文雄]]内閣総理大臣が[[ウクライナ]]を訪問<ref>{{Cite web|和書|title=岸田総理大臣のウクライナ訪問 |url=https://www.mofa.go.jp/mofaj/erp/c_see/ua/page6_000827.html |website=Ministry of Foreign Affairs of Japan |access-date=2023-03-27 |language=ja}}</ref>。 {{Main|岸田文雄のウクライナ訪問}} * [[3月22日]] - [[2023 ワールド・ベースボール・クラシック]]で日本が14年ぶりに優勝を果たした<ref>{{Cite web|和書|title=2023年3月22日 日本vs.アメリカ 試合テキスト速報 - WBC(侍ジャパン) |url=https://baseball.yahoo.co.jp/wbc/game/2021014494/text |website=スポーツナビ |access-date=2023-03-22 |language=ja|archiveurl=https://web.archive.org/web/20230322024907/https://baseball.yahoo.co.jp/wbc/game/2021014494/text|archivedate=2023-03-22}}</ref>。 * [[3月24日]] - [[アメリカ合衆国]]・[[ペンシルバニア州]]でチョコレート工場が爆発する事故が発生し、5人が死亡した<ref>{{Cite web|和書 |title=米東部でチョコ工場爆発、5人死亡 6人が不明 |url=https://www.jiji.com/jc/article?k=2023032500355&g=int |website=時事ドットコム |access-date=2023-03-27 |language=ja}}</ref>。 {{Main|2023年ペンシルバニア州チョコレート工場爆発事故}} * [[3月25日]] ** [[ホンジュラス]]が[[中華民国]]([[台湾]])と断交した。これで台湾と外交関係を持つ国は13か国となり、過去最少になった<ref>{{Cite web|和書|title=ホンジュラス、台湾と断交 蔡政権9カ国目、中国と国交で |url=https://www.tokyo-np.co.jp/article/240279 |website=[[東京新聞]] |access-date=2023-03-26 |date=2023-03-26}}</ref>。 ** [[ロシア]]のプーチン大統領が、同盟関係にある[[ベラルーシ]]に戦術核兵器を配備することで、ベラルーシ側と合意したことを発表<ref>{{Cite news |title=ロシアのベラルーシへの戦術核配備計画、「危険で無責任」とNATOが非難 |url=https://www.bbc.com/japanese/65084312 |work=BBCニュース |access-date=2023-03-27 |language=ja}}</ref>。 * [[3月26日]] - [[ウクライナ外務省]]がロシアのプーチン大統領が[[戦術核]]をベラルーシに配備する方針を表明したことを受けて声明を発表し、[[国連安全保障理事会]]に緊急会合の開催を要請した<ref>{{Cite web|和書|title=プーチン氏「米欧はレッドラインを完全に越えている」、ウクライナは安保理に緊急会合要請 |url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20230327-OYT1T50092/ |website=読売新聞オンライン |date=2023-03-27 |access-date=2023-03-27 |language=ja}}</ref>。 === 4月 === * [[4月4日]] - [[フィンランド]]が[[北大西洋条約機構]](NATO)に正式加盟した<ref>{{Cite news|和書 |title=フィンランドが正式加盟 NATO北方拡大、31カ国に―対ロ緊張高まる恐れ |newspaper=[[時事通信]] |date=2023-04-04 |access-date=2023-04-04 |url=https://www.jiji.com/jc/article?k=2023040400595&g=int}}</ref>。 * [[4月5日]] - [[ブラジル]]・[[サンタカタリーナ州]]の[[ブルメナウ]]で25歳の男が幼稚園を襲撃し、園児4人が殺害された。{{Main|ブルメナウ幼稚園襲撃事件}} * [[4月6日]] - 沖縄県・宮古島市周辺の海域で陸上自衛隊の[[第8師団 (陸上自衛隊)|第8師団]]が搭乗する多用途ヘリコプターが消息を絶った。{{Main|宮古島沖陸自ヘリ航空事故}} * [[4月11日]] - [[ミャンマー]]北西部の[[ザガイン管区]]で、[[2021年ミャンマークーデター|2021年のクーデター]]によって政権を掌握した[[ミャンマー軍]]が民主派の式典を空爆し、「[[国民統一政府 (ミャンマー)|国民統一政府]](NUG)」によると民間人100人以上が死亡した<ref>{{Cite news|和書 |title=国軍の空爆で民間人ら100人死亡か ミャンマー北西部 |newspaper=CNN |date=2023-04-12 |url=https://www.cnn.co.jp/world/35202481.html |access-date=2023-04-12}}</ref><ref>{{Cite news|和書 |title=ミャンマー国軍、民主派の集まりに空爆 50人以上が死亡か |newspaper=朝日新聞デジタル |date=2023-04-11 |url=https://www.asahi.com/articles/ASR4C6W7SR4CUHBI02G.html |access-date=2023-04-12}}</ref>。{{Main|{{仮リンク|ザガイン管区虐殺|en|Pazigyi massacre}}}} * [[4月15日]] ** {{JPN}}の[[岸田文雄]]内閣総理大臣が遊説先の和歌山市雑賀崎漁港で[[パイプ爆弾]]とみられるものを投げられ、爆発する事件が発生。総理はすぐに避難した為無事だったが、警察官と漁師の2人が負傷した<ref>{{Cite web|和書|title= 岸田首相の演説直前に爆発音 首相は無事 容疑者逮捕 |url= https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230415/k10014039411000.html |website=NHKニュース |access-date=2023-04-15 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=岸田首相の演説会場で爆発音 けがなく現場を離れる - 日本経済新聞 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE1510N0V10C23A4000000/ |website=www.nikkei.com |access-date=2023-04-15}}</ref>。{{Main|岸田文雄襲撃事件}} ** [[ドイツ]]国内にある全ての[[原子力発電所]]が稼働を停止した<ref>{{Cite web|和書|title=ドイツが脱原発完了 揺れた廃止論、国民は延長支持6割 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR12CM80S3A410C2000000/ |website=[[日本経済新聞]] |access-date=2023-04-15 |date=2023-04-15}}</ref>。2022年12月に全基停止予定であったが、[[2022年ロシアのウクライナ侵攻|ウクライナ侵攻]]などによるエネルギー危機が原因で延期されていた<ref>{{Cite web|和書|title=ドイツ、原子力から脱却 国内最後の原発3基を停止 |url=https://www.cnn.co.jp/world/35202657.html |website=[[CNN]] |access-date=2023-04-15 |date=2023-04-15}}</ref>。 ** [[スーダン]]で{{仮リンク|スーダン軍|en|Sudanese Armed Forces}}と[[準軍事組織]]である[[即応支援部隊]](RSF)との間で戦闘が勃発。{{Main|2023年スーダンでの戦闘}} ** [[ケニア]]で[[カルト]]宗教の信者が集団自殺。その信者の最初の遺体が発見される<ref>{{Cite news|url=https://www.bbc.com/japanese/65370714 |title=「餓死すればイエスに会える」、カルト教団が指導か ケニアの森で47人の遺体発見 |newspaper=BBC NEWS JAPAN |date=2023-04-24 |accessdate=2023-07-18}}</ref>。 現在までに403人の死亡が確認されている<ref>{{Cite news|和書 |url=https://www.jiji.com/jc/article?k=2023071800035&g=int |title=死者400人超える「餓死すれば天国」カルト―ケニア |newspaper=時事ドットコム |date=2023-04-18 |accessdate=2023-07-18}}</ref>。 * 4月19日 - 国連によるとインドが中国の人口を上回る<ref>{{Cite news|url=https://jp.reuters.com/article/asia-population-idJPKBN2WG08N |title=インド人口が世界最多に、年央ごろ中国を290万人上回る=国連 |newspaper=ロイター |date=2023-04-19 |accessdate=2023-11-06}}</ref>。 * [[4月20日]] - [[スペースX]]社による史上最大級のロケット[[スターシップ]]の試験打ち上げするも、発射3分後に爆発<ref>{{Cite news|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN17BFQ0X10C23A4000000/ |title=米スペースXの大型ロケット、初の打ち上げ試験で爆発 |newspaper=[[日本経済新聞]] |date=2023-04-20|accessdate=2023-05-25}}</ref>。 === 5月 === * [[5月1日]] - {{USA}}の[[ファースト・リパブリック・バンク]]が経営破綻。同社の総資産は2291億米ドルであり、アメリカ史上2番目の規模となった<ref>{{Cite news|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2905M0Z20C23A4000000/ |title=米地銀FRC破綻、JPモルガンが買収 過去2番目の規模 |newspaper=[[日本経済新聞]] |date=2023-05-02 |accessdate=2023-06-19}}</ref>。 {{main|2023年のアメリカ合衆国における銀行破綻}} * [[5月3日]] - {{RUS}}の首都・モスクワの[[クレムリン]]で無人機攻撃が発生<ref>{{Cite news|url=https://www.asahi.com/sp/articles/ASR537F9CR53UHBI02B.html |title=爆発物、ドローン…ロシアへの攻撃相次ぐ 戦勝記念日前に高まる緊張 |newspaper=朝日新聞 |date=2023-05-03 |accessdate=2023-10-06}}</ref>。 * [[5月5日]] - [[新型コロナウイルス感染症 (2019年)|新型コロナウイルス感染症]]の緊急事態宣言終了を[[世界保健機関]]が発表<ref>{{Cite news|url=https://www.bbc.com/japanese/65506117.amp |title=WHO、新型コロナの緊急事態宣言を終了 脅威は消えずと警告 |newspaper=BBC |date=2023-05-06 |accessdate=2023-10-06}}</ref>。 * [[5月6日]] - [[ロンドン]]の[[ウェストミンスター寺院]]で[[イギリス]]・[[英連邦王国]][[イギリスの君主|国王]][[チャールズ3世 (イギリス王)|チャールズ3世]]および王妃[[カミラ (イギリス王妃)|カミラ]][[チャールズ3世とカミラの戴冠式|戴冠式]]が執り行われる(日本からは、[[秋篠宮文仁親王]][[文仁親王妃紀子|同妃紀子]]が参列)<ref>{{Cite news|url=https://www.bbc.com/news/uk-63172425|title=Coronation on 6 May for King Charles and Camilla, Queen Consort|newspaper=BBC|date=2022-10-11|accessdate=2022-10-12}}</ref><ref>{{Cite news|url=https://www.sankei.com/article/20230227-N2VUWJ4ONVLLVGFJSI262GSHAM/|title=秋篠宮ご夫妻、英戴冠式ご参列へ 政府調整|newspaper=産経新聞|date=2023-02-27|accessdate=2023-03-01}}</ref>。 * [[5月7日]] - 2011年以降、参加資格停止されていた[[シリア]]が[[アラブ連盟]]に復帰する<ref>{{Cite news|url=https://jp.reuters.com/article/saudi-syria-arab-league-idJPKBN2X9014 |title=アラブ連盟事務総長、シリア復帰を歓迎 19日にも首脳会談 |newspaper=[[BBC]]japan |date=2023-05-18 |accessdate=2023-05-25}}</ref>。 * [[5月8日]] - {{JPN}}において、[[新型コロナウイルス]]の感染症法上の位置づけを[[新型インフルエンザ]]等感染症(2類相当)から[[季節性インフルエンザ]]等と同様の5類に変更。 * [[5月9日]]から[[5月13日]] - イギリスの[[リバプール]]にて[[ユーロビジョン・ソング・コンテスト2023]]が開催される。[[ロリーン]]が「タトゥー」という曲で優勝する<ref>{{Cite web|和書|title=Israel's Noa Kirel takes third place in Eurovision 2023 |url=https://www.jpost.com/j-spot/article-742949 |website=The Jerusalem Post {{!}} JPost.com |access-date=2023-05-18 |language=en-US}}</ref>。 * [[5月14日]] ** [[タイ王国]]で{{仮リンク|下院総選挙|en|2023 Thai general election}}が行われ、野党の前進党が第一党に<ref>{{Cite news|url=https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/05/c7169831104b1cba.html |title=タイ、下院総選挙は前進党が第1党に |newspaper=[[日本貿易振興機構]]|date=2023-05-17|accessdate=2023-05-25}}</ref>。 ** [[トルコ]]で{{仮リンク|大統領選|en|2023 Turkish parliamentary election}}が行われる。当選に必要な半数を超えた候補者がいなかったため、5月28日に[[エルドアン]]氏と[[ケマル・クルチダルオール|クルチダルオール]]氏による決選投票が行われる<ref>{{Cite news|url=https://www.asahi.com/sp/articles/ASR5N2HR2R5NUHBI008.html |title=トルコ大統領選で公式結果、現職エルドアン氏1位 28日に決選投票 |newspaper=[[朝日新聞]] |date=2023-05-20 |accessdate=2023-05-25}}</ref>。 * [[5月19日]] - [[サウジアラビア]]の[[ジッダ]]で[[アラブ連盟]]首脳会議が開催される。ウクライナのゼレンスキー大統領も出席し、戦争終結へ向けたウクライナへの支持を[[アラブ諸国]]に呼びかける<ref>{{Cite news|url=https://jp.reuters.com/article/saudi-arabs-summit-ukraine-initiative-idJPKBN2XA17T |title=ウクライナ大統領、アラブ連盟首脳会議で和平案への支持求める |newspaper=[[ロイター]] |date=2023-05-19 |accessdate=2023-05-25}}</ref>。 * [[5月19日]]から[[5月21日]] - [[広島県]][[広島市]]で[[第49回先進国首脳会議]]開催<ref>{{Cite web2|url=https://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/202207/15_a.html|title=内閣官房長官会見 令和4年7月15日(金)午前|website=[[内閣総理大臣官邸]]|date=2022-7-15|accessdate=2022-7-18}}</ref>。2日目の20日には[[ウォロディミル・ゼレンスキー|ゼレンスキー]]大統領が来日<ref>{{Cite news|url=https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000300111.html |title=来日中ゼレンスキー氏 各首脳と相次ぎ会談|newspaper=テレビ朝日|date=2023-05-20|accessdate=2023-05-25}}</ref>。 {{Main|[[第49回先進国首脳会議|G7広島サミット]]}} * [[5月26日]] - 韓国、国産ロケット[[ヌリ]]号を打ち上げ。初めて観測衛星を軌道に乗せることに成功した<ref>{{Cite news|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM2463U0U3A520C2000000/ |title=韓国の国産ロケット打ち上げ成功、観測衛星を初搭載 |newspaper=[[日本経済新聞]] |date=2023-05-26 |accessdate=2023-05-27}}</ref>。 * [[5月28日]] - [[トルコ大統領選挙]]、[[ケマル・クルチダルオール|クルチダルオール]]氏と現職[[エルドアン]]氏の決戦投票が行われ、エルドアン氏が投票率52.1%を得て勝利した<ref>{{Cite news|url=https://jp.reuters.com/article/turkey-election-idJPKBN2XJ0H1 |title=トルコ大統領選、エルドアン氏が勝利 長期政権継続へ |newspaper=[[ロイター]] |date=2023-05-29 |accessdate=2023-05-29}}</ref>。 {{Main|{{仮リンク|2023年トルコ大統領選挙|en|2023 Turkish presidential election}}}} * [[5月31日]] - [[北朝鮮]]が飛翔体を発射するも発射に失敗し、飛翔体が[[黄海]]に落下。発射を受け日本政府と韓国政府は一部の都市に空襲警報を発令した<ref>{{Cite news|url=https://www.bbc.com/japanese/65762156.amp |title=北朝鮮、偵察ロケットの発射に失敗と発表 |newspaper=[[BBC]] |date=2023-05-31 |accessdate=2023-05-31}}</ref>。 === 6月 === * [[6月1日]] - [[モルドバ]]の首都・[[キシナウ]]近郊で第二回[[欧州政治共同体 (2022年)|欧州政治共同体]]会合が開催された。会合にはウクライナの[[ウォロディミル・ゼレンスキー|ゼレンスキー]]大統領も出席し、[[欧州連合]]とその周辺国で安全保障について協議した<ref>{{Cite news|url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20230602-OYT1T50013/ |title=欧州とウクライナ結束、モルドバも支援…欧州共同体会議にゼレンスキー氏も出席 |newspaper=[[読売新聞社]] |date=2023-06-02 |accessdate=2023-06-03}}</ref>。 * [[6月2日]] - {{IND}}東部[[オリッサ州]]で[[旅客列車]]同士が衝突し288人が死亡<ref>{{Cite web|和書|url=https://mainichi.jp/articles/20230604/ddm/041/030/051000c |title=インド列車衝突 288人死亡 |access-date=2023-06-12 |website=[[毎日新聞社]]}}</ref>。{{Main|2023年オリッサ州列車衝突事故}} * [[6月6日]] ** {{UKR}}南部・[[ヘルソン州]]の[[カホフカ水力発電所|カホフカダム]]が破壊され、ダムが決壊。これにより下流域の町で洪水が発生する<ref>{{Cite news|url=https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-blast-dam-idJPKBN2XS08X |title=ウクライナ南部のロ支配地域でダム破壊、洪水が発生 互いを非難 |newspaper=[[ロイター]] |date=2023-06-06 |accessdate=2023-06-07}}</ref>。 {{Main|カホフカダム破壊事件}} ** 国際連合総会で2024年から[[国際連合非常任理事国]]に新たに就任する国を決める選挙を行い、[[アルジェリア]]、[[ガイアナ]]、[[シエラレオネ]]、[[スロベニア]]、[[韓国]]の5ヶ国を選出した<ref>{{Cite news|url=https://jp.reuters.com/article/un-election-securitycouncil-idJPKBN2XS1NK |title=国連安保理、非常任理事国に韓国など5カ国 ベラルーシは落選 |newspaper=[[ロイター]] |date=2023-06-07 |accessdate=2023-06-09}}</ref>。 * [[6月10日]] - [[カナダ]]の[[ジャスティン・トルドー|トルドー]]首相がウクライナを訪問し、ゼレンスキー大統領と会談。カナダは新たに5億カナダドル規模の支援を表明<ref>{{Cite news|url=https://www.cnn.co.jp/amp/article/35205048.html |title=カナダ首相がキーウ電撃訪問 首脳会談で支援継続を表明 |newspaper=[[cnn]]japan |date=2023-06-11 |accessdate=2023-06-13}}</ref>。 * [[6月14日]] - ギリシャ南西沖で数百人の移民を乗せた船が転覆。少なくとも81人が死亡し、約500人が行方不明<ref>{{Cite news|url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20230620/amp/k10014104281000.html |title=ギリシャ沖 移民船転覆で死者81人に 最大500人不明の見方も |date=2023-06-20 |accessdate=2023-06-23}}</ref>。 * [[6月18日]] - [[タイタニック号]]を観察するために潜っていた潜水艇と連絡が途切れ行方不明となる。同月22日に[[アメリカ沿岸警備隊]]が船体の一部を発見し、乗船した5名は全員死亡したとみられると発表<ref>{{Cite news|url=https://www.bbc.com/japanese/65994891.amp |title=潜水艇の破片を発見 乗船5人全員死亡か |newspaper=[[BBC]] |date=2023-06-23 |accessdate=2023-06-23}}</ref>。{{main|潜水艇タイタン沈没事故}} * [[6月21日]] - [[6月22日]] - イギリスの首都・[[ロンドン]]でウクライナ復興会議が開催。共同声明で新たに600億米ドルのウクライナへの支援を発表<ref>{{Cite news|url=https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/558765?display=1 |title=ウクライナ復興会議閉幕 支援総額約8兆5000億円に |newspaper=[[TBS NEWS DIG]] |date=2023-06-23 |accessdate=2023-06-23}}</ref>。 * [[6月24日]] - [[ロシア]]で[[ワグネル・グループ]]が武装蜂起し、[[ロストフ・ナ・ドヌ]]および、[[南部軍管区]]を掌握。 {{main|ワグネルの反乱}} * [[6月25日]] - [[ギリシャ議会]]の再選挙。即日開票され、与党が単独で過半数を獲得<ref>{{Cite news|url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20230626-OYT1T50069/ |title=ギリシャ議会再選挙、中道右派の与党が単独過半数獲得へ |newspaper=[[読売新聞]] |date=2023-06-26 |accessdate=2023-06-26}}</ref>。 === 7月 === * [[7月3日]] - イスラエル軍が[[ヨルダン川西岸地区]]ジェニンで武装勢力の軍事施設などを標的に軍事作戦を実施。同地域において過去20年間で最大規模の軍事作戦となった<ref>{{Cite news|url=https://jp.reuters.com/article/israel-palestinians-violence-idJPKBN2YK1CX |title=イスラエル軍、ヨルダン川西岸ジェニンから撤退開始 死者12人 |newspaper=[[ロイター]] |date=2023-07-05 |accessdate=2023-07-06}}</ref>。 * [[7月10日]] -{{USA}} が194番目の加盟国として[[国際連合教育科学文化機関]]に復帰<ref>{{Cite web |url=https://www.unesco.org/en/articles/united-states-becomes-194th-member-state-unesco |title=The United States becomes the 194th Member State of UNESCO |publisher=UNESCO |date=2023-07-21 |accessdate=2023-07-28}}</ref>。 * [[7月11日]] - [[7月12日]] - [[リトアニア]]の首都・[[ビリニュス]]で[[NATO首脳会合]]が行われる<ref>{{Cite news|url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20230711/amp/k10014125601000.html |title=NATO首脳会議始まる ウクライナ支援強化の方針示す |newspaper=NHK NEWS WEB |date=2023-07-11 |accessdate=2023-07-11}}</ref>。 {{main|{{仮リンク|2023年NATO首脳会合|en|2023 Vilnius summit}}}} * [[7月14日]] - [[世界水泳選手権|世界水泳選手権大会]]が福岡で開催される。30日まで<ref>{{Cite news|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJC127L40S3A910C2000000/ |title=世界水泳福岡大会、観客13万6000人 チケット販売7億円 |newspaper=[[日本経済新聞]] |date=2023-09-12 |accessdate=2023-09-24}}</ref>。 * [[7月15日]] - [[韓国]]で記録的な豪雨。[[清州]]では地下トンネルが水没し、14人が死亡<ref>{{Citation|title=死者は14人に 韓国・水没地下トンネルで最後の不明者を発見 管理責任の捜査本格化|TBS NEWS DIG|url=https://www.youtube.com/watch?v=1tqh-PNr_T0|language=ja-JP|access-date=2023-12-18}}</ref>。{{main|{{仮リンク|韓国豪雨 (2023年)|ko|2023년 여름 한반도 집중호우}}}} * [[7月26日]] - [[ニジェール]]で軍による[[2023年ニジェールクーデター|クーデター]]が発生し、[[モハメド・バズム]]大統領が大統領警護隊に拘束される<ref>{{Cite news|url=https://www.bbc.com/japanese/66321267 |title=ニジェールで兵士らがクーデターを宣言 大統領を拘束 |newspaper=BBC NEWS JAPAN |date=2023-07-27 |accessdate=2023-07-27}}</ref>。{{main|2023年ニジェールクーデター}} * [[7月20日]] - ニュージーランドとオーストラリアの共催で[[2023 FIFA女子ワールドカップ]]が開幕。8月20日まで<ref>{{Cite news|url=https://www.yomiuri.co.jp/sports/soccer/worldcup/20230719-OYT1T50163/ |title=女子W杯開幕戦、日本人審判員3人が担当…山下良美主審「今までの人生を表現したい」 |newspaper=[[読売新聞]] |date=2023-07-19 |accessdate=2023-09-24}}</ref>。 ニュージーランドで開会式・開幕戦が行われる<ref>{{Cite news|url=https://jp.reuters.com/article/sport-soccer-worldcup-nzl-nor-report-idJPKBN2Z100M |title=サッカー=女子W杯開幕、共催のNZと豪州がそろって勝利 |newspaper=[[ロイター]] |date=2023-07-21 |accessdate=2023-09-24}}</ref>。 * [[7月30日]] - パキスタン北西部・[[カイバル・パクトゥンクワ州]]で政党の政治集会で過激派組織[[ISIL|イスラム国]]による自爆テロが発生。この爆発により少なくとも63人が死亡し、約200人が負傷<ref>{{Cite news|url=https://www.aljazeera.com/news/2023/8/2/pakistan-suicide-bombing-death-toll-rises-to-63 |title=Pakistan suicide bombing death toll rises to 63 |newspaper=[[アルジャジーラ|ALJAZEERA]] |date=2023-08-02 |accessdate=2023-08-04}}</ref>。 === 8月 === * [[8月8日]] - アメリカ・[[ハワイ州]][[マウイ島]]で山火事が発生し、少なくとも97人が死亡<ref>{{Cite news|url=https://mainichi.jp/articles/20230917/k00/00m/030/092000c |title=ハワイの山火事、死者数を97人に下方修正 31人不明 地元警察 |newspaper=[[毎日新聞]] |date=2023-09-17|accessdate=2023-09-17}}</ref>。アメリカで発生した山火事で5番目に死者が多い山火事となった<ref>{{Cite news|和書 |url=https://www.jiji.com/jc/article?k=2023081400454&g=int |title=山火事犠牲者、米史上5番目 96人の死亡確認―火元は送電線か、当局に批判も・ハワイ |newspaper=[[時事通信]] |date=2023-08-14 |accessdate=2023-08-14}}</ref>。 {{main |[[ハワイ・マウイ島山火事]]}} * [[8月14日]] - [[8月15日]] - [[リビア]]の首都・[[トリポリ]]で武装集団の間で激しい戦闘が発生し<ref>{{Cite news|url=https://www.asahi.com/sp/articles/ASR8J6RX6R8JUHBI03M.html |title=リビア首都で市街戦、27人死亡 武装集団、ワグネルなど混乱状態 |newspaper=朝日新聞デジタル |date=2023-08-16 |accessdate=2023-08-17}}</ref>、55人が死亡<ref>{{Cite news|url=https://www.reuters.com/world/africa/libya-clashes-toll-hits-55-dead-medical-agency-2023-08-16/ |title=Libya clashes toll hits 55 dead - medical agency |newspaper=[[ロイター]] |date=2023-08-16 |accessdate=2023-08-17}}</ref>。 * [[8月19日]] - ハンガリーの首都・[[ブダペスト]]で[[2023年世界陸上競技選手権大会|第19回世界陸上競技選手権大会]]が行われる。27日まで<ref>{{Cite web |title=世界陸上選手権2023丨8月23日の放送予定一覧!テレビ・ネット中継・ライブ配信 |url=https://olympics.com/ja/news/world-athletics-championships-2023-schedule-day5 |website=[[オリンピック]] |access-date=2023-07-24 |language=}}</ref>。 * [[8月22日]] - [[南アフリカ]]の[[ヨハネスブルグ]]でブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカからなる[[BRICS]]の首脳会議が3日間の日程行われる<ref>{{Cite news|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230822/amp/k10014169711000.html |title=ロシアや中国など新興5か国 BRICS首脳会議 22日に開幕 |newspaper=NHK NEWS WEB |date=2023-08-22 |accessdate=2023-08-25}}</ref>。 また来年1月から新たに[[アルゼンチン]]、[[エジプト]]、[[イラン]]、[[エチオピア]]、[[サウジアラビア]]、[[アラブ首長国連邦]]の6カ国の加盟が決定された<ref>{{Cite news|url=https://jp.reuters.com/article/brics-summit-ramaphosa-idJPKBN2ZZ0JI |title=BRICS、サウジなど6カ国が来年加盟 歴史的拡大と習中国主席 |newspaper=[[ロイター]] |date=2023-08-24 |accessdate=2023-08-25}}</ref>。 * [[8月23日]] **{{RUS}} [[ワグネル・グループ]]の創設者の[[エフゲニー・プリゴジン]]ら10人が搭乗していた飛行機が墜落、全員の死亡が確認された。{{Main|トヴェリ州エンブラエル・レガシー600墜落事故}} ** {{IND}}の月面探査機・[[チャンドラヤーン3号]]が月の南極付近に着陸。アメリカ合衆国、旧[[ソビエト連邦]]、中華人民共和国に次いでインドが月面着陸を成功させた史上4カ国目の国となった。また月の南極付近への着陸は世界初となった<ref>{{Cite news|url=https://jp.reuters.com/article/india-space-idJPKBN2ZY1BF |title=インド探査機、月の南極付近に初着陸、成功は4カ国目 |newspaper=[[ロイター]] |date=2023-08-23 |accessdate=2023-08-25}}</ref>。 * [[8月30日]] - [[ガボン共和国]]で大統領選挙の結果に反発した軍によるクーデターが発生し、軍幹部が政権掌握表明<ref>{{Cite news|url=https://jp.reuters.com/article/gabon-election-idJPKBN3050BY |title=ガボンでクーデターか、軍幹部が政権掌握表明 大統領選結果に反発 |newspaper=[[ロイター]] |date=2023-08-30 |accessdate=2023-08-30}}</ref>。{{main|2023年ガボンクーデター}} * [[8月31日]] - 南アフリカ共和国・[[ヨハネスブルグ]]の繁華街で[[2023年ヨハネスブルグビル火災|火災が発生]]し、少なくとも73人が死亡<ref>{{Cite news|url=https://www.asahi.com/sp/articles/ASR80648LR80UHBI01W.html |title=南ア最大都市ヨハネスブルクで火災、70人超死亡 不法占拠の建物か |newspaper=[[朝日新聞]] |date=2023-08-31 |accessdate=2023-08-31}}</ref>。 === 9月 === * [[9月5日]] - [[第43回ASEAN首脳会合]]開催。同月7日まで<ref>{{Cite news|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM049GI0U3A900C2000000/ |title=ASEAN首脳会議開幕、南シナ海・ミャンマー焦点に |newspaper=日本経済新聞 |date=2023-09-05 |accessdate=2023-10-06}}</ref>。 * [[9月8日]] - [[モロッコ王国]]の[[マラケシュ]]から南西72キロのアトラス山脈付近でM6.8の地震が発生。同国での観測史上最大の地震となり、少なくとも2900人以上が死亡<ref>{{Cite news|url=https://jp.reuters.com/economy/AQPHQQEKGJLH7NJSB6KQSLB6DM-2023-09-13/ |title=モロッコ地震、死者2900人超に 山間部に支援物資届かず不満|newspaper=[[ロイター]] |date=2023-09-13 |accessdate=2023-09-15}}</ref>。{{Main|モロッコ地震}} * [[9月9日]] - [[インド]]の[[ニューデリー]]で[[第18回20か国・地域首脳会合]]が開幕<ref>{{Cite news|url=G20開幕、アフリカ連合が正式参加 グローバルサウス発言力拡大 |title=G20開幕、アフリカ連合が正式参加 グローバルサウス発言力拡大 |date=2023-09-09 |accessdate=2023-09-09}}</ref>。 * [[9月10日]] - [[リビア]]東部で大雨による洪水、地すべり、ダム決壊が発生。リビアの[[国際赤十字赤新月社連盟|赤新月社]]の発表によると、少なくとも1万1000人以上が死亡<ref>{{Cite news|url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20230912-OYT1T50076/ |title=内戦が続くリビアで洪水、「死者2000人以上」か…地滑りで建物倒壊 |newspaper=[[読売新聞]]|date=2023-09-12 |accessdate=2023-09-12}}</ref> <ref>{{Cite news|url=https://mainichi.jp/articles/20230915/k00/00m/030/072000c |title=リビア大洪水 死者1.1万人、行方不明2万人に 地元赤新月社 |newspaper=[[毎日新聞]] |date=2023-09-15 |accessdate=2023-09-15}}</ref><ref>{{Cite news|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB1212H0S3A910C2000000/ |title=リビア洪水、死者2000人か 大雨でダム崩壊 |newspaper=[[日本経済新聞]] |date=2023-09-12 |accessdate=2023-09-12}}</ref>。 * [[9月12日]] ** ベトナムの首都[[ハノイ]]にあるアパートで火災が発生。56人死亡<ref name="BBC2">{{cite news|和書 |work=[[BBC News]] |title=Vietnam fire: 56 dead and dozens injured in Hanoi apartment blaze |url=https://www.bbc.com/news/world-asia-66794751 |date=2023-09-14 |access-date=2023-09-23 |archive-date=2023-09-14 |archive-url=https://web.archive.org/web/20230914134319/https://www.bbc.com/news/world-asia-66794751 |url-status=live}}</ref><ref>{{Cite web |title=ベトナム ハノイ 10階建て集合住宅で火事 50人以上が死亡 |url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230913/k10014194891000.html |website=NHKニュース |date=2023-09-13 |access-date=2023-09-23 |last=日本放送協会 |language=ja |archive-url=https://web.archive.org/web/20230914132524/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230913/k10014194891000.html |archive-date=2023-09-14 |url-status=live}}</ref>。{{Main|2023年ハノイアパート火災}} ** {{USA}}の下院議長[[ケビン・マッカーシー]]が[[バイデン大統領]]の弾劾追訴に向けた調査の開始を下院の関係委員会に指示した<ref>{{Cite news|url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20230913-OYT1T50083/ |title=マッカーシー下院議長、バイデン氏弾劾に向けた調査開始を指示…次男ハンター氏の疑惑に絡み |newspaper=[[読売新聞]]オンライン |date=2023-09-13 |accessdate=2023-12-03}}</ref>。 * [[9月13日]] ** [[2019年露朝首脳会談|2019年の会談]]以来4年ぶりに[[2023年露朝首脳会談|ロシア・北朝鮮首脳会談]]がロシア東部・[[アムール州]][[ボストチヌイ宇宙基地]]で行われる<ref>{{Cite news|url=https://jp.reuters.com/world/us/IOCHOGYF4FJSTAT77AB2GZ5PHY-2023-09-13/ |title=ロ朝首脳会談、金氏「帝国主義と戦う」 軍事協力にプーチン氏言及 |newspaper=[[ロイター]] |date=2023-09-13 |accessdate=2023-09-18}}</ref><ref>{{Cite news|url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20230914-OYT1T50026/ |title=金正恩氏「ロシアは聖戦に立ち上がった」…プーチン氏と首脳会談で軍事協力合意か |newspaper=[[読売新聞]]|date=2023-09-14 |accessdate=2023-09-18}}</ref>。 ** [[黒海艦隊|ロシア黒海艦隊]]の[[キロ型潜水艦|改キロ型潜水艦]]「[[ロストフ・ナ・ドヌー (潜水艦)|ロストフ・ナ・ドヌー]]」及び[[ロプーチャ級揚陸艦]]「ミンスク」が[[セヴァストポリ]]で攻撃を受け、破壊された<ref>{{Cite web |title=揚陸艦ミンスクと潜水艦ロストフ・ナ・ドヌは復帰が困難な大損害(JSF) - エキスパート |url=https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/540f17a514793285405dc6520d8032869b65ad7c |website=Yahoo!ニュース |access-date=2023-10-03 |language=ja}}</ref>。なお、この潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」が廃艦となれば、第二次世界大戦以降では初の戦闘による[[潜水艦]]の喪失となる。一部報道では、これら2隻を修復して現役に復帰させるより、代艦を建造したほうが安く済むとの見方もある<ref>{{Cite web |title=側面に大きな穴が…ウクライナの空襲で無惨に破壊されたロシア潜水艦 |url=https://s.japanese.joins.com/JArticle/309256?sectcode=A00&servcode=A00 |website=中央日報日本語版 |access-date=2023-10-03 |language=ja}}</ref>。 * [[9月19日]] - [[アゼルバイジャン]]が紛争地の[[ナゴルノ・カラバフ]]で軍事作戦を開始<ref>{{Cite news|url=https://sp.m.jiji.com/article/show/3050946?free=1 |title=ナゴルノカラバフで27人死亡=アゼルバイジャンが軍事作戦 |newspaper=[[時事通信]] |date=2023-09-20 |accessdate=2023-09-20}}</ref>。{{Main|2023年ナゴルノ・カラバフ衝突}} * [[9月22日]]-{{USA}}の民主党の上院議員で外交委員長を務める[[ロバート・メネンデス]]上院議員がエジプトに情報を提供する見返りとして、金品を受け取っていたとして汚職の罪で起訴された<ref>{{Cite news|url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20230923-OYT1T50265/ |title=米民主党の重鎮議員にエジプトから賄賂、自宅に金の延べ棒や現金7100万円 |newspaper=[[読売新聞]]オンライン |date=2023-09-23 |accessdate=2023-11-30}}</ref>。 === 10月 === *[[10月3日]] - [[アメリカ合衆国下院|アメリカ下院]]で[[アメリカ合衆国下院議長|アメリカ下院議長]]の[[ケビン・マッカーシー]]議長の解任動議が提出され、賛成多数で可決された。アメリカ史上初めての下院議長の解任となった<ref>{{Cite news2|url=https://www.bbc.com/japanese/66981799.amp |title=米下院がマカーシー議長の解任動議を可決、史上初 共和党の8人造反 |newspaper=BBC news japan |agency=[[英国放送協会]] |date=2023-10-04 |accessdate=2023-12-11}}</ref>。 * [[10月7日]] ** [[ガザ地区|パレスチナ自治区ガザ地区]]を実効支配する[[ハマース]]が[[イスラエル]]南部にロケット弾を用いた大規模攻撃を行い、複数の部隊がイスラエルに侵攻。ここ50年で最大規模の被害となった<ref>{{Cite news|url=https://jp.reuters.com/world/mideast/NK7PL64AYNMGJDZRSWWK5F53DA-2023-10-08/ |title=ハマスとイスラエルの大規模衝突続く、死者500人超 レバノンから砲撃も |newspaper=[[ロイター]] |date=2023-10-08 |accessdate=2023-10-08}}</ref>。これに対しイスラエルは8日、正式にハマースに対して[[宣戦布告]]し<ref>{{Cite web |title=イスラム組織ハマスがイスラエルに大規模攻撃、これまでの経緯は |url=https://www.cnn.co.jp/world/35210020.html |website=[[CNN]] |access-date=2023-10-13 |language=ja}}</ref>、カザ地区への攻撃を開始した。{{Main|2023年パレスチナ・イスラエル戦争}} ** [[アフガニスタン]]北西部・[[ヘラート]]付近を震源とするM6.3の地震が2回発生。[[タリバン政権]]の発表によると、この地震で2000人以上が死亡<ref>{{Cite news|url=https://jp.reuters.com/economy/XDUVE3JPOFLA7L7M3PHDQEALI4-2023-10-08/ |title=アフガニスタン北西部で地震、死者2000人超 |newspaper=[[ロイター]] |date=2023-10-08 |accessdate=2023-10-08}}</ref><ref>{{Cite news|url=https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000318991.html?display=full |title=アフガニスタンで地震 死者約2000人に M6.3を2回観測 |newspaper=テレ朝NEWS |date=2023-10-08 |accessdate=2023-10-08}}</ref>。 * [[10月11日]] - 将棋の[[藤井聡太]]が史上初の八冠達成<ref>{{Cite web|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD062RB0W3A001C2000000/ |title=藤井聡太八冠が誕生、史上初の独占 将棋王座戦を制す |website=日本経済新聞 |date=2023-10-11 |accessdate=2023-10-11}}</ref>。 * [[10月15日]] - [[第141次IOC総会]]がインドの[[ムンバイ]]で開催される。同月17日まで<ref>{{Cite news|url=https://www.sakigake.jp/news/article/20230306CO0073/ |title=IOC総会は10月15~17日 インド・ムンバイで実施 |newspaper=[[秋田魁新報]] |date=2023-03-06 |accessdate=2023-07-18}}</ref>。 *[[10月17日]] - パレスチナ自治区ガザ地区のアフリアラブ病院で爆発が発生。ガザ保健省の発表によると471人が死亡。国際人権団体[[ヒューマン・ライツ・ウォッチ]]やフランス軍事偵察局は、ガザ地区から発射されたロケット弾が着弾し爆発した可能性が高いと発表<ref>{{Cite news2|url=https://www.asahi.com/sp/articles/ASRCW4G44RCWUCVL029.html |title=ガザ側のロケット弾が原因か 「471人死亡」病院爆発の調査結果 |newspaper=朝日新聞DEGITAL |agency=[[朝日新聞社]] |date=2023-11-27 |accessdate=2023-12-11}}</ref><ref>{{Cite news2|url=https://jp.reuters.com/world/security/TPEQE4EX2FJNLNLQKPLIRMBD2M-2023-10-21/ |title=ガザ病院爆発、「パレスチナ側による誤射の可能性」=仏軍事偵察局 |newspaper=ロイター |agency=[[ロイター]] |date=2023-10-21 |accessdate=2023-12-11}}</ref>。 *[[10月25日]] - アメリカ下院本会議で[[マイク・ジョンソン (ルイジアナ州の政治家)|マイク・ジョンソン]]が下院の過半数を獲得し、下院議長に選出される。ケビン・マッカーシーが解任されてから新下院議長選出までの22日もの間、下院議長が不在だった<ref>{{Cite news2|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231026/amp/k10014237511000.html |title=米下院 議長不在22日ぶりに解消 共和党4人目の候補 議長に選出 |newspaper=NHK NEWS WEB |agency=[[日本放送協会]] |date=2023-10-26 |accessdate=2023-12-11}}</ref> * [[10月26日]] - {{JPN}} [[近畿大学]]がニホンウナギの完全養殖に大学として初めて成功したと発表。 === 11月 === * [[11月3日]] - [[ネパール]]西部・{{仮リンク|ジュムラ|en|Jumla (town)}}付近でM5.6の地震が発生。この地震により128人が死亡<ref>{{Cite news2|url=https://www.jiji.com/sp/article?k=2023110400260&g=int |title=ネパール西部で地震、128人死亡 住宅倒壊、犠牲者増加の恐れ |newspaper=時事ドットコム|agency=[[時事通信社]] |date=2023-11-04 |accessdate=2023-11-04}}</ref>。 * [[11月12日]] - インド北部・[[ウッタラーカンド州]]のヒマラヤ山脈で建設中だった高速道路のトンネルが崩壊し、作業員41人が閉じ込められる。同月28日に全員救助される<ref>{{Cite news|url=https://www.bbc.com/japanese/67563708 |title=インドでトンネル崩落、発生17日後に41人全員救出 手持ちドリルで掘削 |newspaper=BBC NEWS JAPAN |date=2023-11-29 |accessdate=2023-11-30}}</ref>。 * [[11月21日]] - 北朝鮮が初の人工衛星[[万里鏡1号]]の打ち上げに成功<ref>{{Cite news|url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20231124-OYT1T50151/#google_vignette |title=米宇宙軍リストに北朝鮮発射の「万里鏡1号」登録…軌道に進入したと評価か |newspaper=[[読売新聞]]オンライン |date=2023-11-24 |accessdate=2023-11-28}}</ref>。 *[[11月22日]] - [[第二院 (オランダ)|オランダ下院]]選挙が投開票され、極右の[[自由党 (オランダ)|自由党]]が37席を獲得し第一党となる<ref>{{Cite news2|url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20231124-OYT1T50001/ |title=オランダ下院選、極右政党が第1党に…住宅高騰は移民・難民流入が理由と主張 |newspaper=読売新聞オンライン |agency=[[読売新聞社]] |date=2023-11-24 |accessdate=2023-12-11}}</ref>。 * [[11月24日]] - [[2023年パレスチナ・イスラエル戦争]]において[[ハマース|ハマス]]と[[イスラエル]]の間で現地時間午後2時より4日間の休戦が合意の下に行われ、その見返りとしてハマス側より人質となっていた女性と子供を含む24人が開放され、イスラエル側よりパレスチナ人受刑者39人が釈放された<ref>{{Cite news |title=ハマス人質24人解放を確認、赤十字 イスラエル女性やタイ男性ら |url=https://jp.reuters.com/world/us/W63RTRJI3ZLIJBLNLMJFQBALFY-2023-11-24/ |work=Reuters |date=2023-11-24 |access-date=2023-11-24 |language=ja |last=ロイター編集}}</ref>。 * [[11月29日]] - [[屋久島沖米軍オスプレイ墜落事故]]が発生。初の日本国内での[[オスプレイ]]による死亡事故。この事故により乗組員の8人が死亡・行方不明となる<ref>{{Cite news2|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE2975V0Z21C23A1000000/|title=8人乗り米軍オスプレイ「墜落」 1人死亡、捜索続く |newspaper=日経電子版|agency=[[日本経済新聞社]] |date=2023-11-29 |accessdate=2023-12-02}}</ref>。 === 12月 === * [[12月2日]] - [[フィリピン]]・[[ミンダナオ島]]付近に於いて、M7.7の地震({{仮リンク|ミンダナオ地震 (2023年12月)|en|December 2023 Mindanao earthquake}})が発生<ref>{{Cite news2|url=https://www.asahi.com/articles/ASRD303C5RD2UTIL015.html|title=太平洋側を中心に広い範囲に津波注意報 フィリピンでM7・7の地震 |newspaper=朝日新聞デジタル|agency=朝日新聞社 |date=2023-12-02 |accessdate=2023-12-04}}</ref>。この地震により日本の太平洋岸を中心に広範囲で津波を観測した<ref>{{Cite news2|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231203/k10014276391000.html|title=【解説動画】太平洋沿岸で津波観測 沖縄~千葉に津波注意報 |newspaper=NHK NEWS WEB|agency=日本放送協会 |date=2023-12-03 |accessdate=2023-12-04|archiveurl=http://www.freezepage.com/1701655648KBULMDLHBR|archivedate=2023-12-04}}</ref>。 *[[12月3日]] ** [[ナイジェリア]]北西部・[[カドゥナ州]]でナイジェリア軍が誤って村をドローン攻撃をし、少なくとも民間人85人が死亡<ref>{{Cite news|url=https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000327060.html?display=full |title=民間人85人死亡66人けが ナイジェリア軍が誤って村をドローン攻撃 |newspaper=[[テレ朝]]news |date=2023-12-05 |accessdate=2023-12-06}}</ref>。 ** [[ベネゼエラ]]が隣国[[ガイアナ]]の7割の領土を占める[[グアヤナエセキバ|エセキボ地域]]を自国領として組み込むことを問う国民投票を実施し、賛成が95%を超えた。これを受けて[[ニコラス・マドゥロ]]大統領は合併のためのあらゆる行動を辞さないと宣言<ref>{{Cite news2|url=https://www.sankei.com/article/20231205-KKHJTMMXMRJXLNGNY7Z2O4PWAI/ |title=ベネズエラ大統領、隣国ガイアナの一部領土獲得へ「あらゆる行動」 |newspaper=産経新聞 |agency=[[産経新聞社]] |date=2023-12-05 |accessdate=2023-12-11}}</ref>。 *[[12月14日]] - [[中国]][[北京市]]の[[北京地下鉄昌平線]]で脱線事故が発生する。市交通当局によると102人が骨折したと発表<ref>{{Cite news2|url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20231215-OYT1T50192/ |title=雪でブレーキ利かず北京の地下鉄脱線、102人骨折…閉じ込められた乗客は窓ガラス割り脱出 |newspaper=読売新聞オンライン |agency=[[読売新聞社]] |date=2023-12-15 |accessdate=2023-12-15}}</ref>。 *[[12月16日]] **[[クウェート]]の[[クウェートの首長|首長]]の[[ナワーフ・アル=アフマド・アル=ジャービル・アッ=サバーハ]]が崩御<ref>{{Cite news2|url=https://www.asahi.com/sp/articles/ASRDJ6WYQRDJUHBI01G.html |title=クウェートの首長が死去 親日家の兄継ぎ2020年に即位 86歳 |newspaper=朝日新聞デジタル |agency=[[朝日新聞社]] |date=2023-12-16 |accessdate=2023-12-16}}</ref>。同日に、首長の異母弟である[[ミシュアル・アル=アフマド・アル=ジャービル・アッ=サバーハ]]が首長を継承し即位<ref>{{Cite news2|url=https://www.1lurer.am/en/2023/12/16/Sheikh-Mishal-Al-Ahmad-Al-Jaber-Al-Sabah-named-Emir-of-Kuwait/1048383 |title=Sheikh Mishal Al-Ahmad Al-Jaber Al-Sabah named Emir of Kuwait |newspaper=first channel news |agency={{仮リンク|アルメニア公共テレビ会社|en|Public Television Company of Armenia}} |date=2023-12-16 |accessdate=2023-12-17}}</ref>。 **国連によると、[[リビア]]沿岸で移民86人を乗せた船が転覆し61人が死亡<ref>{{Cite news2|url=https://www.jiji.com/jc/article?k=2023121700206&g=int |title=リビア沿岸で移民60人超死亡か 国連 |newspaper=時事ドットコム |agency=[[時事通信社]] |date=2023-12-17 |accessdate=2023-12-18}}</ref>。 *[[12月18日]] - 現地時刻23時59分頃に、[[中国]][[甘粛省]]と[[青海省]]の境界付近を震源とするM6.2の地震が発生し<ref>{{Cite news2|url=https://jp.reuters.com/world/china/L7SHVUGCMBIW7L3I3ACDVJ6LPY-2023-12-18/ |title=中国内陸部でM6.2の地震、死者118人 数百人負傷=国営メディア |newspaper=ロイター |agency=[[ロイター]] |date=2023-12-19 |accessdate=2023-12-19}}</ref>、少なくとも149人が死亡<ref>{{Cite news2|url=https://jp.reuters.com/world/china/TGLDKO5RGROOLF6W2PYRLL6LMI-2023-12-25/ |title=中国内陸部地震発生から1週間、死者149人 14.5万人が避難生活 |newspaper=ロイター |agency=[[ロイター]] |date=2023-12-25 |accessdate=2023-12-26}}</ref>。{{main|{{仮リンク|2023甘粛省地震|en|2023 Jishishan earthquake}}}} *[[12月23日]] - [[ナイジェリア]]中部の[[プラトー州]]の20ヶ所以上の集落が武装組織により襲撃され、少なくとも160人が死亡<ref>{{Cite news2|url=https://sp.m.jiji.com/article/show/3129570 |title=武装集団が160人殺害=集落20カ所以上襲撃―ナイジェリア |newspaper=時事通信ニュース |agency=[[時事通信社]] |date=2023-12-26 |accessdate=2023-12-26}}</ref>。 == 周年 == {{notice|周年であること自体に特筆性のある項目(元のトピックの特筆性ではありません)のみ記述してください}} * 1月 ** [[チェコスロバキア]]が[[ビロード離婚]]により、[[チェコ|チェコ共和国]]・[[スロバキア|スロバキア共和国]]へ分離から30年。 ** [[パリ協定 (ベトナム和平)|ベトナム和平協定]]発効から50年。 * 2月 ** [[コロンビア号空中分解事故]]から20年。 ** [[世界貿易センター爆破事件]]から30年。 ** [[為替レート]]・1[[アメリカ合衆国ドル|ドル]]=308[[円 (通貨)|円]]の[[固定相場制]]から[[変動相場制]]に移行してから50年。 * 3月 ** [[ヨシフ・スターリン]]死去から70年 ** 独国会で[[全権委任法]]が可決され、[[国民社会主義ドイツ労働者党|ナチス]]独裁政治が確立([[ナチ党の権力掌握]]、[[ナチス・ドイツ]]成立)から90年。 ** [[イラク戦争]]開戦から20年。 * 4月 ** [[ワーナー・ブラザース]]設立100周年。 ** [[ワルシャワ・ゲットー蜂起]]から80年。 ** [[ボストンマラソン爆弾テロ事件]]から10年。 * 5月 ** 第1回[[1923年のル・マン24時間レース|ル・マン24時間レース]]開催から100年。 * 7月 ** [[朝鮮戦争]][[朝鮮戦争休戦協定|休戦]]から70年。 ** [[日本赤軍]]による[[ドバイ日航機ハイジャック事件]]から50年。 ** [[香港]]の俳優で、[[カンフー映画]]の第一人者として知られた[[ブルース・リー]]死去から50年。 ** [[ファミリーコンピュータ]] 生誕40周年。 ** [[2013年エジプトクーデター]]から10年。 * 8月 ** [[飯田駅]]開業から100年 ** [[金大中事件]]から50年。 ** [[オスロ合意]]から30年。 * 9月 ** [[関東大震災]](大正[[関東地震]])から100年。 ** [[チリ・クーデター]]発生から50年。 ** [[大韓航空機撃墜事件]]から40年。 * 10月 ** [[第四次中東戦争]]から50年。 ** 幾つかの[[正教会]]の[[教会 (キリスト教)|教会]]で[[修正ユリウス暦]]が受け入れられてから100年。 ** [[ウォルト・ディズニー・カンパニー]]創立から100周年。 ** [[トルコ|トルコ共和国]]の建国から100年。 ** [[10月政変|モスクワ騒乱事件]]から30年。 ** [[ソマリア]]での[[モガディシュの戦闘]]から30年。 ** [[スーパーマリオブラザーズ3]]発売35周年。 * 11月 ** [[ケネディ大統領暗殺事件]]から60年。 ** [[マーストリヒト条約]]の発効により[[欧州連合]]が発足してから30年。 ** [[朝鮮労働党]]幹部[[張成沢]]の粛清から10年。 ** [[スーパーマリオ 3Dワールド]]発売10周年。 <!-- == イベント == == 天文現象 == == 政治 == {{see also|2023年の政治}} === 選挙 === {{See also|2023年の選挙|en:List of elections in 2023}} --><!--* 実施見込みの各国元首等の選挙(【】内は任期満了日) == 経済 == --> == 芸術・文化・ファッション == === 映画 === {{See also|2023年の映画}} <!--公開順(予定含む)に記載--> ; 実写映画 * [[5月26日]] - [[ディズニー]]映画の[[リトル・マーメイド]]の実写映画『[[リトル・マーメイド (2023年の映画)|リトル・マーメイド]]』がアメリカで公開(日本では6月9日から公開)<ref>{{Cite web|和書|title=ディズニー実写版『リトル・マーメイド』2023年5月公開! |url=https://www.cinematoday.jp/news/N0125911 |website=シネマトゥデイ |access-date=2023-06-12 |language=ja}}</ref>。 * [[6月2日]] - [[カンヌ国際映画祭]]で脚本賞とクィア・パルム賞を受賞した『[[怪物 (2023年の映画)|怪物]]』が日本で公開される。 * [[6月30日]] - [[インディ・ジョーンズ シリーズ]]最新作の『[[インディ・ジョーンズと運命のダイヤル]]』がアメリカなどで公開<ref>{{Cite web|和書|url=https://theriver.jp/ij5-2022-summer/|title=『インディ・ジョーンズ』第5作、公開が1年延期に ─ 2022年7月の米公開、新監督の契約交渉つづく|publisher=THE RIVER||date=2020-04-04|accessdate=2020-11-21}}</ref>(日本でも本年夏公開)。 * [[7月14日]] - [[ミッション:インポッシブルシリーズ]]の最新作となる『[[ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE]]』(監督:[[クリストファー・マッカリー]])がアメリカなどで公開(日本でも本年公開)。『[[トップガン マーヴェリック]]』の公開が延期されたことに伴い、本作も玉突きで延期された<!--<ref name="eogacom20210903"/>-->。 * [[7月21日]] - 原子爆弾の父として知られる[[ロバート・オッペンハイマー]]の生涯を描く[[オッペンハイマー (映画)|オッペンハイマー]]がアメリカで公開される<ref>{{Cite news|url=https://www.cnn.co.jp/showbiz/35207510.html |title=「オッペンハイマー」興収5億ドルを突破、第2次大戦映画として最多|newspaper=CNN JAPAN|date=2023-08-07|accessdate=2023-08-07}}</ref>。日本でも2024年に公開予定<ref>{{Cite news2|url=https://nordot.app/1105307162212270227 |title=原爆開発者映画、24年日本公開 米国「オッペンハイマー」 |newspaper=共同通信 |agency=[[共同通信社]] |date=2023-12-07 |accessdate=2023-12-31}}</ref>。 * [[7月21日]] - 着せ替え人形の[[バービー]]の実写映画の[[バービー (映画)|バービー]]がアメリカで公開される<ref>{{Cite web|url=https://variety.com/2022/film/news/margot-robbie-barbie-release-date-1235241864/|title=Margot Robbie's ''Barbie'' Sets 2023 Release Date, Unveils First-Look Photo|website=[[Variety (magazine)|Variety]]|first=Matt|last=Donnelly|date=April 26, 2022|access-date=April 26, 2022}}</ref>。日本でも8月11日に公開予定<ref>{{cite news|url=https://eiga.com/news/20230309/2/|title=マーゴット・ロビーがバービーに! ケンはライアン・ゴズリング! 映画「バービー」8月11日公開|work=映画.com|publisher=エイガ・ドット・コム|date=2023-03-09|access-date=2023-03-14}}</ref>。 * [[11月3日]] - [[ゴジラシリーズ]]の最新作となる『[[ゴジラ-1.0]]』(監督:[[山崎貴]])が公開予定<ref>{{Cite web|和書|url=https://godzilla-movie2023.toho.co.jp/|title=映画『ゴジラ−1.0』公式サイト|publisher=[[東宝]]|accessdate=2023-07-14}}</ref>。シリーズ70周年記念作品となる。北米でも同年12月1日に公開される。 * [[12月22日]] - 映画[[スター・ウォーズシリーズ|「スター・ウォーズ」シリーズ]]新作3シリーズのうちの第1作目が公開予定(2025年12月19日に2作目、2027年12月17日に3作目が公開される予定)。 ; アニメ映画 * [[2月17日]] − 人気ジャズ漫画『[[BLUE GIANT]]』のアニメーション映画作品<!--『BLUE GIANT』-->が公開予定。 * [[4月5日]] - [[任天堂]]の「[[マリオシリーズ]]」の新作アニメ映画『[[ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー]]』が北米で公開。なお、日本では同月28日に公開された<ref name="famitsu220426">[https://www.famitsu.com/news/202204/26259608.html 『スーパーマリオ』の新作アニメ映画の公開日が2023年4月28日に変更。宮本氏「楽しい映画に仕上げるために、もう少し時間をください。」] - ファミ通.com (2022年4月26日)、2022年8月11日閲覧。</ref>。 * [[7月14日]] - [[スタジオジブリ]]の最新作『[[君たちはどう生きるか (映画)|君たちはどう生きるか]]』が公開<ref>{{Cite web|和書|title=君たちはどう生きるか |url=https://www.ghibli.jp/info/013702/|website=[[スタジオジブリ]]|access-date=2023-07-09|language=ja}}</ref>。 *[[11月22日]] - [[ウォルト・ディズニー・カンパニー]]の創立100周年記念作品の『[[ウィッシュ (映画)|ウィッシュ]]』がアメリカで公開される。日本でも12月15日に公開される<ref>{{Cite web |title=ウィッシュ |url=https://www.disney.co.jp/movie/wish |website=[[ディズニー]] |access-date=2023-12-08 }}</ref>。 === 音楽 === {{see also|2023年の音楽}} === ゲーム === <!--発売順(予定含む)に記載--> * [[2月24日]] - [[任天堂]]が『[[星のカービィ Wii デラックス]]』([[Nintendo Switch]])を発売<ref>{{cite news|url=https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1480537.html|title=新たなコピー能力も登場! 「星のカービィ Wii デラックス」本日発売|newspaper=GAME Watch|date=2023-02-24|accessdate=2023-09-07}}</ref>。 * [[5月12日]] - 任天堂が『[[ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム]]』を発売。発売から3日間でソフト売上が1000万本を突破し、同社で最も早く売上1000万本突破したゲームとして[[ギネス世界記録]]を達成した<ref>{{Cite web2|df=ja|url=https://guinnessworldrecords.jp/news/2023/5/legend-of-zelda-tears-of-the-kingdom-sells-faster-than-any-nintendo-game-in-hist-750686|title=『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』が最も早く売れた任天堂ゲームに|date=2023-05-25|accessdate=2023-05-28|publisher=[[ギネス世界記録]]}}</ref>。 * [[6月22日]] - [[スクウェア・エニックス]]が『[[ファイナルファンタジーXVI]]』([[PlayStation 5|PS5]])を発売<ref>{{cite news|url=https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1510212.html|title=「FF」シリーズナンバリング最新作「ファイナルファンタジーXVI」がいよいよ本日発売! “これは、クリスタルの加護を断ち切るための物語”|newspaper=GAME Watch|date=2023-06-22|accessdate=2023-09-07}}</ref>。 * [[7月21日]] - 任天堂が[[ピクミンシリーズ]]の最新作『[[ピクミン4]]』(Nintendo Switch)を発売<ref>{{cite news|url=https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1517530.html|title=シリーズ最新作「ピクミン4」本日発売! 新たに「氷ピクミン」&「ヒカリピクミン」や救助犬「オッチン」も登場|newspaper=GAME Watch|date=2023-07-21|accessdate=2023-09-07}}</ref>。 * [[10月20日]] - 任天堂が[[マリオシリーズ]]の最新作である『[[スーパーマリオブラザーズ ワンダー]]』を発売<ref>{{cite news|url=https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1539831.html|title=「スーパーマリオブラザーズ」シリーズの完全新作「スーパーマリオブラザーズ ワンダー」本日発売!|newspaper=GAME Watch|date=2023-10-20|accessdate=2023-11-04}}</ref>。 == スポーツ == {{seealso|2023年のスポーツ}} == 誕生 == == 死去 == {{See|訃報 2023年}} == ノーベル賞 == {{see also|ノーベル賞受賞者の一覧}} * [[ノーベル生理学・医学賞|生理学・医学賞]]:[[ドリュー・ワイスマン]]、[[カリコー・カタリン]] * [[ノーベル物理学賞|物理学賞]]:[[ピエール・アゴスティーニ]]、[[フェレンツ・クラウス]]、[[アンヌ・リュイリエ]] * [[ノーベル化学賞|化学賞]]:[[ムンジ・バウェンディ]]、[[ルイ・ブラス]]、[[アレクセイ・エキモフ]] * [[ノーベル文学賞|文学賞]]:[[ヨン・フォッセ]] * [[ノーベル平和賞|平和賞]]:[[ナルゲス・モハンマーディ]] * [[ノーベル経済学賞|経済学賞]]:[[クラウディア・ゴールディン]] == フィクションのできごと == {{フィクションの出典明記|section=1|ソートキー=年2023|date=2011年7月}} '''2023年[[9月1日]]は[[関東大震災]]から100周年を迎える節目の日'''であることから、地震・震災をテーマにした作品が多い傾向にある。 * [[正月]] - 東京に住む中学3年生の時翔(ときと)、100年前の東京に住む千代子(ちよこ)との時空を超えた文通が始まる。約10日おきごとの文通を通じて仲を深めるも、関東大震災の日を境に手紙が届かなくなる。(小説『[[大正浪漫 YOASOBI『大正浪漫』原作小説|大正浪漫 YOASOBI「大正浪漫」原作小説]] 』)<ref>{{Cite web|和書|title=大正ロマン |url=https://monogatary.com/episode/78170 |website=[[monogatary.com]] |access-date=2023-06-26}}</ref> * [[3月23日]] - [[流山おおたかの森駅]]を8時23分に発車した秋葉原行きのつくばエクスプレスの車内に緊急地震速報のアラームが突然鳴り響き、5号車に偶然乗り合わせた乗客68名は、閃光とともに急加速した車両ごと荒廃した2060年の世界にワープしてしまう。(テレビドラマ『[[ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と]]』)<ref>{{Cite web|和書|title=あらすじ TBSテレビ 金曜日ドラマ『ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と』 |url=https://www.tbs.co.jp/p_train823_tbs/story/ep1.html |website=[[TBS]] |access-date=2023-07-25}}</ref>。 * [[9月25日]]〜[[9月29日|29日]]の5日間がアニメーション映画『[[すずめの戸締まり]]』で主に描かれている。また作中で、25日13:20に宮崎県南部、[[9月28日|28日]]夕方に東京都千代田区で震度6級の地震が発生する<ref>東日本大震災から12年経過していること、主人公のスマホの描写から宮崎県の地震は2023年9月25日、東京都の地震は2023年9月28日であると分かる。</ref>。 * [[11月10日]] - ロシアの[[民間軍事会社|民間軍事会社(PMC)]]「コンニ・グループ」は、中東のカストビア海にあるゾルダヤ刑務所を襲撃。「囚人627号」ことウラジミール・マカロフを脱獄させる。(ゲーム[[コール オブ デューティ モダン・ウォーフェアIII|『コール オブ デューティー モダン・ウォーフェアⅢ]]』) * [[12月8日]] - 地球物理学者・田所雄介による予測通り、巨大地震により関東圏の沿岸部が沈没。しかし、沈没範囲は当初予想の1割に留まり、また地震によって海底プレートが断裂したことから、田所は関東圏沈没の収束を宣言する。(テレビドラマ『[[日本沈没-希望のひと-]]』)<ref>{{Cite web|和書|title=第5話あらすじ |url=https://www.tbs.co.jp/nihon_chinbotsu_tbs/story/5.html |website=TBS |access-date=2023-06-16 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=第1話あらすじ |url=https://www.tbs.co.jp/nihon_chinbotsu_tbs/story/1.html |website=TBS |access-date=2023-06-16 |language=ja}}</ref>。 * 土星プラントの資源調査船が、[[土星]]の大気内に巨大な浮遊遺跡が存在しているのを発見。その後、遺跡は異星人の宇宙船であり、[[更新世|約2万年前]]に太陽系外から飛来したものと判断される。(ゲーム『[[イメージファイトII]]』)<ref>『イメージファイトII』取扱説明書 [[アピエス|アイレム]]、1992年、16頁。</ref> * 頻発する妖魔事件に対し、ラリー・シャイアンがAttacked Mystification Police Department(対妖魔用特殊警察、通称AMP―アンプ)を組織する。(漫画・アニメ『[[サイレントメビウス]]』) * CF界二人目の女性ドライバーであるセラ・ギャラガー、ユニオンよりCFデビュー。(アニメ『[[新世紀GPXサイバーフォーミュラ]]』) == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} == 関連項目 == {{Commonscat|2023}} * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{デフォルトソート:2023ねん}} [[Category:2023年|*]]
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2024年
2024年(2024 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、月曜日から始まる閏年。 この項目では、国際的な視点に基づいた2024年について記載する。
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2024年は、西暦(グレゴリオ暦)による、月曜日から始まる閏年。 この項目では、国際的な視点に基づいた2024年について記載する。
{{Otheruses|2=日本のローカル事柄|3=2024年の日本}} {{年代ナビ|2024}} {{year-definition|2024}} この項目では、国際的な視点に基づいた2024年について記載する。 == 他の紀年法 == * [[干支]]:[[甲辰]](きのえ たつ) * [[日本]](月日は一致) ** [[令和]]6年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2684年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4357年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]113年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]113年 * [[仏滅紀元]]:2566年閏9月5日 - 2567年10月2日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1445年6月19日 - 1446年6月29日 * [[ユダヤ暦]]:5784年4月20日 - 5785年3月30日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:1704067200 - 1735689599 * [[修正ユリウス日]](MJD):60310 - 60675 * [[リリウス日]](LD):161151 - 161516 == カレンダー == {{月曜日から始まる閏年のカレンダー}} <!-- == できごと == {{See also|2024年の政治}}{{See also|2024年の気象・地象・天象}} === 1月 === --> == できごと == {{see also|2024年の政治}}{{see also|2024年の気象・地象・天象}} === 1月 === * [[1月1日]] ** [[アラブ首長国連邦]]、[[アルバニア]]、[[ガボン]]、[[ガーナ]]、[[ブラジル]]の任期が切れ、新たに[[韓国]]、[[アルジェリア]]、[[ガイアナ]]、[[シエラレオネ]]、[[スロベニア]]が[[国際連合安全保障理事会]]の非常任理事国に就任<ref>{{Cite news2|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN05CKG0V00C23A6000000/ |title=安保理、非常任理事国に韓国やスロベニアなど 24年から |newspaper=日本経済新聞 |agency=[[日本経済新聞社]] |date=2023-06-07 |accessdate=2024-01-01}}</ref>。 ** 新たに[[アラブ首長国連邦]]、[[イラン]]、[[エジプト]]、[[エチオピア]]、[[サウジアラビア]]が[[BRICS]]に加盟<ref>{{Cite news2|url=https://www.asahi.com/sp/articles/ASRDZ34N5RDZUHBI007.html |title=アルゼンチン、BRICS不参加を決定 中国との関係悪化の可能性も |newspaper=朝日新聞DEGITAL |agency=[[朝日新聞社]] |date=2023-12-30 |accessdate=2023-12-31}}</ref>。 == 予定 == === 1月 === {{節スタブ}} * [[1月12日]] - [[2月10日]] - [[カタール]]で[[AFCアジアカップ2023]]が開催。2023年に[[中華人民共和国|中国]]で行われる予定であったが開催を辞退していた<ref>{{Cite web|和書|title=アジア杯は24年1月12日からカタールで開催へ 中国が「ゼロコロナ政策」で辞退 |url=https://www.nikkansports.com/m/soccer/world/news/202303010000559_m.html?mode=all |website=日刊スポーツ |access-date=2023-03-04 |date=2023-03-01}}</ref>。 *[[1月13日]] - [[2024年中華民国総統選挙|台湾総選挙]]が行われる<ref>{{Cite news2|url=https://toyokeizai.net/articles/-/721478 |title=台湾1月「総統選挙」の行方と有事の可能性 |newspaper=東洋経済オンライン |agency=[[東洋経済新聞社]] |date=2023-12-19 |accessdate=2023-12-31}}</ref>。 * [[1月19日]] - [[2月2日]] - 韓国で[[2024年江原道ユースオリンピック]]が開催。 === 2月 === {{節スタブ}} === 3月 === {{節スタブ}} * [[3月15日]] - [[3月17日]] - {{仮リンク|2024ロシア大統領選挙|en|2024 Russian presidential election}}が執行予定<ref>{{Cite news2|url=https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/490555.html#:~:text=%E3%81%95%E3%81%A6%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E5%A4%A7%E7%B5%B1%E9%A0%98%E9%81%B8%E6%8C%99%E3%81%AF,%E5%9C%A7%E5%8B%9D%E3%82%92%E7%8B%99%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82 |title=ロシア大統領選挙と戦争 |newspaper=NHK |agency=[[日本放送協会]] |date=2023-12-20 |accessdate=2023-12-31}}</ref>。 === 4月 === {{節スタブ}} * [[4月8日]](現地時間) - [[北アメリカ大陸|北米大陸]]で皆既[[日食]]を観測(<!--皆既帯が-->[[メキシコ]]や[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の12州など南西から北東方向に縦断)。アメリカで皆既日食が観測されるのは[[2017年8月21日の日食]]以来。<!--{{seealso|2024年4月8日の日食}}--> === 5月 === {{節スタブ}} === 6月 === {{節スタブ}} * [[6月14日]] - [[7月14日]] - [[ドイツ]]で[[UEFA欧州選手権]]([[UEFA EURO 2024]])が開催。ドイツでの開催は36年ぶり2回目<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3191256?act=all|title=24年サッカー欧州選手権、開催国がドイツに決定|publisher=AFPBB News|accessdate=2018-09-28|date=2018-09-28}}</ref>。 * [[6月6日]] - [[6月9日]] - [[2024年欧州議会議員選挙|欧州議会議員選挙]]が執行予定<ref>{{Cite news2|url=https://www.cnn.co.jp/amp/article/35213181.html |title=世界は心の準備を、2024年が衝撃の選挙イヤーになる可能性 |newspaper=CNN.co.jp |agency=[[CNN]] |date=2023-12-31 |accessdate=2023-12-31}}</ref>。 === 7月 === {{節スタブ}} * [[7月3日]] - 日本の[[紙幣]]である[[日本銀行券]]([[千円紙幣|千円券]]、[[五千円紙幣|五千円券]]、[[一万円紙幣|一万円券]])が刷新。[[肖像]]画の人物は[[渋沢栄一]](一万円紙幣)、[[津田梅子]](五千円紙幣)、[[北里柴三郎]](千円紙幣)<ref>{{Cite news|url=https://www.kyoto-np.co.jp/articles/biz/1052154 |title=新紙幣、来年7月にも発行へ |newspaper=[[京都新聞]] |date=2023-06-24 |accessdate=2023-06-25}}</ref><ref>{{Cite news2|url=https://www.yomiuri.co.jp/economy/20231212-OYT1T50195/ |title=渋沢栄一などの新紙幣、来年7月3日に発行へ…日銀発表 |newspaper=読売新聞オンライン |agency=[[読売新聞社]] |date=2023-12-12 |accessdate=2023-12-12}}</ref>。 * [[7月26日]] - [[8月11日]] - [[フランス]]・[[パリ]]で[[2024年パリオリンピック|第33回夏季オリンピック]](パリオリンピック)開催。パリでの開催は100年ぶり3回目。 === 8月 === {{節スタブ}} * [[8月28日]] - [[9月8日]] - フランス・パリで[[2024年パリパラリンピック|第17回夏季パラリンピック]](パリパラリンピック)開催。 === 9月 === {{節スタブ}} * 月内 - 日本国[[内閣総理大臣]]:[[岸田文雄]]の[[自由民主党総裁]]としての任期が満了。満了日までに[[自由民主党総裁選挙]]を実施予定。 === 10月 === {{節スタブ}} === 11月 === {{節スタブ}} * 11月5日 - {{USA}} 第60回目となる[[アメリカ合衆国大統領選挙]]の一般投票を執行予定。 * 月内 - [[アルテミス2号]]の打ち上げ予定。同宇宙船は4人の宇宙飛行士を乗せ月を周回し、10日間の旅程を終えて地球に帰還する予定<ref>{{Cite news2|url=https://www.cnn.co.jp/amp/article/35202108.html |title=NASA、「アルテミス2」の飛行士4人を発表 24年に月周回へ |newspaper=CNN.CO.JP |agency=[[CNN]] |date=2023-04-04 |accessdate=2023-12-31}}</ref>。 === 12月 === {{節スタブ}} === 日付が未定なもの === {{See also|2024年の鉄道|Portal:道路/予定事項#2024年}} <!--* [[国際連合|国連]]が[[2017年]][[6月21日]]に発表した報告書「世界人口展望2017年改訂版」によると、この年に[[インド]]の人口が[[中華人民共和国]]を抜いて世界第一位になると予測している<ref>{{Cite web|url=https://www.nna.jp/news/show/1625900|title=インドの人口、24年に中国抜く見通し=国連|publisher=NNA ASIA|accessdate=2018-09-26|date=2017-06-23}}</ref>。 * [[スペースX]]の[[インタープラネタリー・トランスポート・システム]]による人類初の[[火星]]有人ミッション<ref>{{Cite web |title=Making Humans a Multiplanetary Species |url=https://www.youtube.com/watch?v=A1YxNYiyALg |website=www.youtube.com |access-date=2016-12-18 |deadlinkdate=2023-12-19}}</ref>。--> * [[アルテミス計画]]を見据えた[[アメリカ航空宇宙局|NASA]]の月試料収集プロジェクトに参加する日本の宇宙ベンチャー[[ispace|ispace Japan]]が、2022年の[[月面着陸]]ミッションに続く[[月探査|月面探査]]プログラム「[[HAKUTO]]-R」の2回目のミッション(月面探査ミッション)をグループ企業のispace Europe([[ルクセンブルク]])も参加して実施し、[[月]]の表土サンプルを収集<ref name="techcrunch20201204">{{Cite web|和書|url=https://techcrunchjapan.com/2020/12/04/2020-12-03-nasa-selects-four-companies-for-moon-material-collection-as-it-seeks-to-set-precedent-on-private-sector-outer-space-mining/|title=NASAが月試料収集プロジェクトに日本のiSpaceなど4社を選抜、宇宙鉱業のパイオニア育成を目指す|website=[[TechCrunch]] Japan|date=2020-12-04|accessdate=2020-12-05}}</ref><ref>{{Cite web |title=月着陸船と月面車を開発、民間プログラム『HAKUTO-R』の進捗は順調 |url=https://response.jp/article/2022/01/26/353588.html |website=レスポンス(Response.jp) |date=2022-01-26 |access-date=2023-12-18 |language=ja}}</ref>。 * [[インドネシア]]の首都が[[ジャカルタ]]から[[東カリマンタン州]]の主要都市[[バリクパパン]]近郊へ政府機関の移転を開始<ref>{{Cite web |title=インドネシアのジョコ大統領、首都移転先にカリマンタン島の「北プナジャム・パスール県」「クタイ・カルタネガラ県」を選定 |url=https://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/1203490.html |website=トラベル Watch |date=2019-08-26 |access-date=2023-12-18 |language=ja |last=株式会社インプレス}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/09/d42dc4eb114afa9d.html|title=東カリマンタンへの首都移転、2024年中に開始|work=JETRO|publisher=JETROビジネス短信|date=2019-09-07|accessdate=2019-09-07}}</ref>。 * [[ロシア]]の[[ウラジーミル・プーチン]]大統領が任期満了(4期目)<ref>{{Cite news |title=プーチン氏が36年まで続投も ロシア下院、大統領任期「リセット」案を承認 |url=https://www.bbc.com/japanese/51828927 |work=BBCニュース |access-date=2023-12-18 |language=ja}}</ref>。 * [[大韓民国|韓国]]の航空業界トップ2の[[アシアナ航空]]が[[大韓航空]]に[[合併 (企業)#吸収合併・新設合併|吸収合併]]。 * この年までに[[インド]]が有人宇宙船を打ち上げ([[インドの有人宇宙飛行計画]])。 * 本年以降に[[ホーチミン地下鉄|ホーチミン市都市鉄道]]が完成。 * 第10回[[2024年欧州議会議員選挙|欧州議会議員選挙]]。イギリスの欧州連合離脱後初の欧州議会議員選挙となる。 == 周年 == {{notice|周年であること自体に特筆性のある項目(元のトピックの特筆性ではありません)のみ記述してください}} * [[1月20日]] - [[中国国民党]]全国代表大会で連ソ・容共・扶助工農を採択([[第一次国共合作]])から100年。 * [[1月21日]] - [[ウラジーミル・レーニン]]の死から100年。 * [[1月23日]] - アメリカのテレビ局[[NBC]]のニューヨーク局[[WNBC]]が世界初となる[[カラーテレビ]]の本放送開始から70年。 * [[1月24日]] - [[Apple|Apple Computer]]が[[Macintosh]]発表から40年。 * [[1月25日]] - 第1回[[冬季オリンピック]]となる[[1924年シャモニー・モンブランオリンピック|シャモニー・モンブランオリンピック]]から100年(閉幕は[[2月5日]])。 * [[2月21日]] - [[2014年ウクライナ騒乱]]から10年。 * [[3月3日]] - [[トルコ]]で[[カリフ]]制廃止から100年。 * [[3月8日]] - [[マレーシア航空370便墜落事故]]から10年。 * [[3月18日]] - [[ロシアによるクリミアの併合]]から10年。 * [[4月1日]] - [[韓国高速鉄道]]20周年。 * [[4月7日]] - [[イラク日本人人質事件]]から20年。 * [[4月10日]] - [[ひまわり学生運動]]から10年。 * [[4月11日]] - [[ルワンダ虐殺]]: [[国際連合平和維持活動]]にあたっていたベルギー軍が駐留先の公立技術学校から撤退後、学校が[[フツ族]][[民兵]]に襲撃され2000名の避難民の大半が虐殺([[公立技術学校の虐殺]])された事件から30年。 * [[4月16日]] - [[セウォル号沈没事故]]から10年。 * [[4月25日]] - [[カーネーション革命]]、ポルトガルの独裁体制崩壊から50年。 * [[5月1日]] - [[アイルトン・セナの死]]から30年。 * [[5月6日]] - [[英仏海峡トンネル]]開通から30年。 * [[5月7日]] - [[フランス軍]]の[[第一次インドシナ戦争|インドシナ戦争]]の拠点[[ディエンビエンフーの戦い|ディエンビエンフー]]陥落から70年。 * [[5月18日]] - [[インド]]初の地下[[核実験]]([[インドの核実験 (1974年)]])実施から50年。 * [[5月22日]] - [[タイ軍事クーデター (2014年)]]から10年。 * [[5月26日]] - [[アメリカ合衆国|米国]]で[[排日移民法]]成立から100年。 * [[5月28日]] - [[パレスチナ解放機構]] (PLO) 設立から60年。 * [[6月27日]] - [[モスクワ]]近郊[[オブニンスク]]で世界初の[[原子力発電所]]運転開始から70年。 * [[6月30日]] - ドイツで「[[長いナイフの夜]]」発生から90年。 * [[7月2日]] - [[アメリカ合衆国]]で[[1964年公民権法]]成立から60年。 * [[7月8日]] - [[北朝鮮]]の[[金日成]]の死去から30年 * [[7月17日]] - [[マレーシア航空17便撃墜事件]]から10年。 * [[7月24日]] - [[ギリシャ軍事政権|ギリシャの軍事政権]]の終焉から50年 * [[8月2日]] - [[トンキン湾事件]]から60年。 * [[8月6日]] - 日本・[[トルコ]]外交関係樹立100周年。 * [[8月8日]] - アメリカを中心とした[[有志連合]]国が、[[イラク]]に展開する[[ISIL]](IS)に対して[[空爆]]を開始(後の[[生来の決意作戦]])から10年。 * [[8月15日]] ** [[パリの解放]]から80年。 ** [[韓国の地下鉄]]50周年。 ** [[ソウル特別市|ソウル]]で[[朴正煕|朴大統領]]狙撃事件([[文世光事件]])から50年。 * [[9月1日]] - [[ロシア連邦|ロシア]][[北オセチア共和国]]での[[ベスラン学校占拠事件]]から20年。 * [[9月13日]] - [[日本赤軍]]が[[オランダ]]・[[デン・ハーグ|ハーグ]]にある[[フランス]][[大使館]]を占拠([[ハーグ事件]])から50年。 * [[9月28日]] - [[12月15日]] - 香港で[[2014年香港反政府デモ|雨傘革命]](2014年香港反政府デモ)から10年。 * [[10月16日]] - [[中華人民共和国]]初の[[原爆実験]]([[596 (核実験)]])から60年。 * [[11月3日]] - [[SMILE-UP.]](旧[[ジャニーズ事務所]])所属のアイドルグループ[[嵐 (グループ)|嵐]]のデビューから25年。 * [[12月2日]] - 携帯型ゲーム機「[[ニンテンドーDS]]」発売から20周年。 * [[12月3日]] - 家庭用ゲーム機「[[PlayStation (ゲーム機)|PlayStation]]」(PS1) 発売から30周年。 * [[12月12日]] - 携帯型ゲーム機「[[PlayStation Portable]]」(PSP) 発売から20周年。 * [[12月26日]] - [[スマトラ島沖地震 (2004年)|スマトラ島沖地震]]から20年。 == イベント == {{節スタブ}} == 天文現象 == * [[4月8日]] - (現地時間)[[北アメリカ大陸|北米大陸]]([[メキシコ]]や[[アメリカ合衆国]]など)で皆既[[日食]]が観測されると予測されている。<!--{{seealso|2024年4月8日の日食}}--> * [[9月28日]] - {{仮リンク|紫金山・アトラス彗星|en|C/2023 A3 (Tsuchinshan–ATLAS)}}が太陽に最接近し、都市部でも肉眼で観測可能なマイナス5等級に達するとも予測されている<ref>{{Cite web |title=2024年注目の天文現象!2つの「彗星」の出現、「ペルセウス座流星群」、星が月に隠される「星食」 |url=https://www.cinematoday.jp/news/N0125911|website=[[日本気象協会]] |access-date=2023-12-31}}</ref>。 == 経済 == * 2020年頃からの[[半導体]]不足の対策としてアメリカと中国が利益率を度外視して生産力を増強した結果、2024年ごろから供給過多になるという予測がある<ref>{{Cite web|和書|title=半導体市場、2024年には過剰供給に陥るリスクも |url=https://eetimes.itmedia.co.jp/ee/articles/2107/20/news100.html |website=EE Times Japan |accessdate=2022-03-15 |language=ja}}</ref>。 * [[2024年問題]]。 == 芸術・文化・ファッション == === 映画 === <!--{{See also|2024年の映画}}--> ; 実写映画 * [[9月6日]] - 映画『[[デッドプール (映画)|デッドプール]]』シリーズの続編で第3作目となる『[[デッドプール3]]』(監督:[[ショーン・レヴィ]])が、「[[マーベル・シネマティック・ユニバース]]」の一つとしてアメリカで公開予定<ref>[https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1443208.html 「デッドプール3」でウルヴァリン復活。'24年9月全米公開](AV Watch, 2022年9月28日)</ref><!--(日本の公開時期未定)-->。 * [[12月20日]] - [[セガ]]の[[コンピュータゲーム]]「[[ソニックシリーズ]]」の実写映画『[[ソニック・ザ・ムービー]]』シリーズの続編で、第3作目となる映画<!--『タイトル未定』(監督未定)-->が公開予定<ref>[https://www.techno-edge.net/article/2022/08/10/167.html 『ソニック』映画第3弾は2024年12月20日公開予定。公式がツイート](テクノエッジ 2022年8月10日)</ref>。 <!-- ; アニメ映画 === ゲーム === --> == スポーツ == {{See also|2024年のスポーツ}} === 総合競技大会 === * [[7月26日]] - [[フランス]]・[[パリ]]で[[2024年夏季オリンピック|第33回夏季オリンピック]]が開催される。 === サッカー === * [[1月14日]] - [[カタール]]で[[AFCアジアカップ2023|第18回AFCアジアカップ]]が開催される。 * [[6月14日]] - [[ドイツ]]で[[UEFA EURO 2024|第17回UEFA欧州選手権]]が開催される。 == 誕生 == == 死去 == {{See also|訃報 2024年}} == ノーベル賞 == {{See also|ノーベル賞受賞者の一覧}} * [[ノーベル物理学賞|物理学賞]]: * [[ノーベル化学賞|化学賞]]: * [[ノーベル生理学・医学賞|生理学・医学賞]]: * [[ノーベル文学賞|文学賞]]: * [[ノーベル平和賞|平和賞]]: * [[ノーベル経済学賞|経済学賞]]: == フィクションのできごと == {{フィクションの出典明記|section=1|ソートキー=年2024|date=2011年7月}} * [[9月]]初頭 - [[サンフランシスコ]]の保護区域で市民暴動が発生([[スタートレック|ベル暴動]])。(テレビドラマ『[[スタートレック:ディープ・スペース・ナイン]]』) * [[11月7日]] - 『ソードアート・オンライン』がクリアされ、ゲーム内に幽閉されていたプレイヤー約6000人の内のほとんどが覚醒する。(小説・アニメ『[[ソードアート・オンライン]]』) * [[13月0日]] - [[首領パッチ]]還暦。(漫画・アニメ『[[ボボボーボ・ボーボボ]]』)<ref>キャラブック『ボボボーボ・ボーボ本』による。[https://web.archive.org/web/20061116224413/http://www.geocities.jp/chotaro1016/date.htm]も参照。</ref> * [[冬]] - [[国際連合]]の要請により、朝鮮半島の[[新義州]]に日本が[[PKF]]を派遣。当時自衛軍に所属していた[[攻殻機動隊 S.A.C.シリーズの登場人物#個別の11人の関係者|クゼ・ヒデオ]]も義体化歩兵として参加する。(アニメ『[[攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG]]』) * [[核戦争]]により全世界が荒廃化する中、少年ヴィックと飼い犬のブラッドと共に食料と女を探し始める。(映画『[[少年と犬 (映画)|少年と犬]]』) == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} {{Reflist|3}} == 関連項目 == {{Commonscat|2024}} * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{デフォルトソート:2024ねん}} [[Category:2024年|*]]
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2026年
2026年(2026 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、木曜日から始まる平年。 以下に、過去の主な出来事からの区切りの良い年数(周年)を記す。
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2026年は、西暦(グレゴリオ暦)による、木曜日から始まる平年。
{{年代ナビ|2026}} {{year-definition|2026}} <!-- この項目では、国際的な視点に基づいた2026年について記載する。 --> == 他の紀年法 == * [[干支]]:[[丙午]](ひのえ うま) * [[日本]](月日は一致) ** [[令和]]8年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2686年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4359年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]115年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]115年 * [[仏滅紀元]]:2568年10月13日 - 2569年閏9月7日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1447年7月12日 - 1448年7月21日 * [[ユダヤ暦]]:5786年4月12日 - 5787年4月21日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:1767225600 - 1798761599 * [[修正ユリウス日]](MJD):61041 - 61405 * [[リリウス日]](LD):161882 - 162246 == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2026}} == 予定・予測 == === 1月 === {{節スタブ}} * 日付不明 -「オプテージ曽根崎データセンター」が運用を開始する予定。 === 2月 === {{節スタブ}} * [[2月6日]]〜[[2月22日]] - [[ミラノ]]と[[コルティナ・ダンペッツォ]]にて[[2026年ミラノ・コルティナダンペッツォオリンピック|第25回冬季オリンピック]](ミラノ/コルティナ・ダンペッツォオリンピック)開催。 * 月末(予定) - [[イトーヨーカドー]]が2026年2月末までに33店舗を閉店する予定。 === 3月 === {{節スタブ}} * [[3月6日]]〜[[3月15日]] - ミラノとコルティナ・ダンペッツォにて[[2026年ミラノ・コルティナダンペッツォパラリンピック|第14回冬季パラリンピック]](ミラノ/コルティナ・ダンペッツォパラリンピック)開催。 * [[3月31日]] - [[NTTドコモ]]の3Gサービス"[[FOMA]]"を終了。 * [[3月31日]] - [[たばこ]][[自動販売機]]成人識別システム「[[taspo]]」(タスポ)がシステムに採用している[[NTTドコモ]]の移動通信システム「[[FOMA]]」終了に伴いこの日をもって終了<ref>{{Cite news2|title=タスポ、26年3月末終了へ 発行1000万枚、利用減少か|newspaper=サンケイスポーツ|date=2021-10-08|url=https://www.sanspo.com/article/20211008-QUM46C74DRJJXDBSTXBZK2OBCU/|agency=産経デジタル|accessdate=2021-10-08}}</ref>。 === 4月 === {{節スタブ}} === 5月 === {{節スタブ}} * 月内(予定)- [[近畿地方]]にてアジア初の[[ワールドマスターズゲームズ]](ワールドマスターズゲームズ2021関西)開催<ref>{{cite news|title=関西マスターズ、22年5月13~29日開催 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJB124ML0S1A110C2000000/ |newspaper=日本経済新聞 |date=2021-01-12}}</ref>。 === 6月 === {{節スタブ}} * 6月~7月 - [[アメリカ合衆国|アメリカ]]・[[カナダ]]・[[メキシコ]]にて[[2026 FIFAワールドカップ]]が共同開催される。今大会より参加国数が従来の32か国から48か国に増加する<ref>{{Cite web|和書|title=2026年サッカーW杯、初の3カ国共催 出場枠は32→48に |url=https://mainichi.jp/articles/20221219/k00/00m/050/190000c |website=毎日新聞 |access-date=2023-03-03 |date=2022-12-19}}</ref>。 === 7月 === {{節スタブ}} === 8月 === {{節スタブ}} === 9月 === {{節スタブ}} * [[9月19日]]〜[[10月4日]] - [[2026年アジア競技大会|アジア競技大会]]が[[愛知県]]と[[名古屋市]]で共同開催される。 === 10月 === {{節スタブ}} * [[ビール]]類の[[酒税]]が全て同じになる予定<ref>{{Cite web |title=ビール類の酒税は今後どのように変わりますか? {{!}} よくあるご質問 {{!}} サッポロビール |url=https://www.sapporobeer.jp/support/customer/faq/0000015620/ |website=サッポロビール株式会社 |access-date=2023-11-04 |language=ja |last=www.sapporobeer.jp}}</ref>。 * [[10月13日]] - [[Microsoft Windows 10]] (2016 LTSB) の延長サポート終了。 === 11月 === {{節スタブ}} === 12月 === {{節スタブ}} === 日付が未定なもの === {{See also|Portal:道路/予定事項#2026年}} * [[伊予鉄道松山市内線]] [[松山駅 (愛媛県)|松山駅]] - [[南江戸駅]]間が延伸開業予定。 == 周年 == {{notice|周年であること自体に特筆性のある項目(元のトピックの特筆性ではありません)のみ記述してください。また期間限定イベント(五輪、万博など)は開幕日起点で記述してください}} 以下に、過去の主な出来事からの区切りの良い年数([[周年]])を記す。 * [[12月25日]] ** [[大正天皇]][[崩御]]と[[昭和]]改元[[昭和100年問題|100周年]]。 == イベント == * [[2026年ミラノ・コルティナダンペッツォオリンピック|第25回冬季オリンピック]]が開催される。 * [[2026年ミラノ・コルティナダンペッツォパラリンピック|第14回冬季パラリンピック]]が開催される。 * [[2026 FIFAワールドカップ|第23回FIFAワールドカップ]]が開催される。 == 経済 == == 芸術・文化・ファッション == == 誕生 == == 没年 == == ノーベル賞 == == フィクションのできごと == {{フィクションの出典明記|section=1|ソートキー=年2026|date=2011年7月}} * [[5月1日]] - 3年前の3月に乗客68名を乗せて失踪した秋葉原行きのつくばエクスプレスの5号車が突如線路上に現れる。(テレビドラマ『[[ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と]]』) * [[12月8日]] - [[カリフォルニア州|カルフォルニア]]、{{仮リンク|アビラビーチ|en|Avila Beach}}の戦い。抵抗軍が[[スカイネット]]からセラノ岬を奪い返す。(テレビドラマ『[[ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ]]』) * 初の木星エネルギー船団が[[月の軌道|月軌道]]上から[[木星]]へと発進する。(アニメほか『[[ガンダムシリーズ#『機動戦士ガンダム』(宇宙世紀)シリーズ|ガンダムシリーズ]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author = |title = ENTERTAINMENT BIBLE .1 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.1 一年戦争編】 |publisher = [[バンダイ]] |year = 1989 |page = 63 |isbn = 978-4-89189-006-3}}</ref><ref group="注">※テレビドラマ『[[G-SAVIOUR]]』などで使用された旧来の設定。</ref> * とある野原で少女が絵本『プリンセスと夢の鍵』(著者 - 七瀬ゆい)を読む。その様子を春野はるか(元キュアフローラ)が見ている。(アニメ『[[Go!プリンセスプリキュア]]』最終回「はるかなる夢へ! Go! プリンセスプリキュア」) * [[王泥喜法介]]が[[弁護士]]になる。(ゲーム『[[逆転裁判|逆転裁判4]]』) * アメリカとECON(東側連合)の間で[[第三次世界大戦]]が勃発する。(テレビドラマ・映画ほか『[[スタートレック]]』シリーズ) * 巨大都市メトロポリスで労働者の暴動が発生する。(映画『[[メトロポリス (1927年の映画)|メトロポリス]]』) * [[宇宙探査機|無人恒星間探測機]]によって2つの惑星が発見された[[バーナード星]]系を目指し、[[太陽帆|ライトセール]]による[[レーザー推進]]システムを用いた大アメリカ合衆国航空宇宙局の[[恒星船|恒星間宇宙船]]「プロメテウス号」が出発する。到着予定は[[2066年|40年後]]、主な調査目標は大気および液体が存在する[[二重惑星]]「ロシュワールド」。(小説『{{仮リンク|ロシュワールド|en|Rocheworld}}』)<ref>{{Cite book |和書 |author= ロバート・L・フォワード|authorlink=ロバート・L・フォワード |title = ロシュワールド |publisher = [[早川書房]] |year = 1985 |pages = 36-61,392,405-411,432 |isbn = 978-4-15-010627-0}}</ref> == 脚注 == '''注釈''' {{Reflist|group="注"}} '''出典''' {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} <!-- == 参考文献 == --> == 関連項目 == * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{デフォルトソート:2026ねん}} [[Category:2026年|*]]
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2028年
2028年(2028 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、土曜日から始まる閏年。 .6月8日 - 秋葉原通り魔事件から20周年。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "2028年(2028 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、土曜日から始まる閏年。", "title": null }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": ".6月8日 - 秋葉原通り魔事件から20周年。", "title": "周年" } ]
2028年は、西暦(グレゴリオ暦)による、土曜日から始まる閏年。
{{年代ナビ|2028}} {{year-definition|2028}} <!-- この項目では、国際的な視点に基づいた2028年について記載する。 --> == 他の紀年法 == * [[干支]]:[[戊申]](つちのえ さる) * [[日本]](月日は一致) ** [[令和]]10年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2688年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4361年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]117年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]117年 * [[仏滅紀元]]:2570年10月5日 - 2571年閏10月1日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1449年8月3日 - 1450年8月14日 * [[ユダヤ暦]]:5788年4月2日 - 5789年4月13日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:1830297600 - 1861919999 * [[修正ユリウス日]](MJD):61771 - 62136 * [[リリウス日]](LD):162612 - 162977 == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2028}} == できごと == * [[6月26日]] - 直径約800mの[[小惑星]] {{mpl|(153814) 2001 WN|5}} が地球から24万8800kmのところを通過する。 * [[10月9日]] - 直径約3mから6mの小惑星 {{mpl|2006 RH|120}} が地球に最接近。一時的な地球の[[衛星]]になる可能性がある。 * [[10月26日]] - 直径約1,540mの小惑星 {{mpl|(35396) 1997 XF|11}} が地球から92万9000kmのところを通過する。 == 予定・予測 == === 1月 === {{節スタブ}} === 2月 === {{節スタブ}} === 3月 === {{節スタブ}} * [[信号機]]用の[[白熱電球]]の製造が、3月末ですべて終了<ref>{{Cite web |title=全国の信号機の33%にあたる76万基、更新に「黄信号」…白熱電球が28年製造終了 |url=https://www.yomiuri.co.jp/national/20221231-OYT1T50060/ |website=読売新聞オンライン |date=2022-12-31 |access-date=2023-11-04 |language=ja}}</ref>。 === 4月 === {{節スタブ}} === 5月 === {{節スタブ}} === 6月 === {{節スタブ}} === 7月 === {{節スタブ}} * [[7月14日]]〜[[7月30日]] - [[ロサンゼルス]]にて[[2028年ロサンゼルスオリンピック|第34回夏季オリンピック]](ロサンゼルスオリンピック)が開催。 === 8月 === {{節スタブ}} * [[8月15日]]〜[[8月27日]] - ロサンゼルスにて[[2028年ロサンゼルスパラリンピック|第18回夏季パラリンピック]](ロサンゼルスパラリンピック)が開催。 === 9月 === {{節スタブ}} === 10月 === {{節スタブ}} === 11月 === * 11月1日 - [[日本]]の[[ラジオ放送]]において、放送設備の[[老朽化]]と[[広告]]収入の低迷を受け、[[北海道]]・[[秋田県|秋田]]の2県を除く46都道府県で、[[中波放送|AM放送]]を[[停波]]して[[周波数変調#FM放送|FM放送]]([[ワイドFM]])へ転換する予定。 === 12月 === {{節スタブ}} === 日付が未定なもの === {{See also|Portal:道路/予定事項#2028年}} * この年の3月まで(2027年度)に、[[三菱地所]]による、[[日本の超高層建築物・構築物の一覧|高さ日本一]]を更新する約390メートル(地上63階)の超高層ビル「[[Torch Tower]](トーチタワー)」が[[東京駅]]日本橋口前([[常盤橋 (日本橋川)|常盤橋]]街区)に完成予定<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ31HUH_R30C15A8TI1000/|title=三菱地所、「丸の内」死守 東京駅前に高さ日本一ビル発表|work=日本経済新聞|date=2015-08-31|accessdate=2020-10-27}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1277837.html|title=東京駅前に新街区「トウキョウトーチ」。高さ390m「Torch Tower」|work=Impress Watch|date=2020-09-17|accessdate=2020-10-27}}</ref><ref name="asset">[https://www.mec.co.jp/ir/library/2023/2Q/ab2023_2.pdf ASSET BOOK 2023/3-2Q] - 三菱地所</ref>。 * [[中華人民共和国]]が[[2020年]]とこの年に[[火星探査機]]の打ち上げを計画している<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/702477|title=中国、火星探査2回計画 20年と28年|accessdate=2018-09-24|date=2018-09-18}}</ref>。 * [[広島市]]内を走る[[自動案内軌条式旅客輸送システム|AGT]]路線[[アストラムライン]]、[[広域公園前駅]] - [[西広島駅]]間が延伸開業予定。 * [[アゼルバイジャン|アゼルバイジャン共和国]]で、高さ1,050[[メートル]]の[[ハイパービルディング]]「[[アゼルバイジャン・タワー]]」の完成をこの頃目指している。{{Seealso|超高層ビルの一覧}} == イベント == == 政治 == * 第28回[[参議院議員通常選挙]]が実施される。 == 経済 == == 芸術・文化・ファッション == == 誕生 == == 没年 == == ノーベル賞 == == フィクションのできごと == * [[木星]]の[[ガリレオ衛星]]に対する初の大規模調査団が出発する(小説『[[2061年宇宙の旅]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= アーサー・C・クラーク|authorlink=アーサー・C・クラーク |title = 2061年宇宙の旅 |publisher = [[早川書房]] |year = 1995 |page = 54 |isbn = 978-4-15-011096-3}}</ref>。 * 未だにヤッターマンと[[ドロンボー一味]]の戦いが行われていたが、最後、ヤッターマンに子供や孫がいた事が判明する(アニメ『[[ヤッターマン]]』第101話「アレスサンダー大王だコロン」)。 * アニメ『[[未来少年コナン]]』の舞台。 * ゲーム『[[ファンタシースターオンライン2|ファンタシースターオンライン2]]』で主人公がこの年、ヒツギを守るために東京に降り立つ。 == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} === 注釈 === {{Reflist|group="注"}} === 出典 === {{Reflist}} == 関連項目 == * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{デフォルトソート:2028ねん}} [[Category:2028年|*]]
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2030年
2030年(2030 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、火曜日から始まる平年。
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2030年は、西暦(グレゴリオ暦)による、火曜日から始まる平年。
{{年代ナビ|2030}} {{year-definition|2030}} <!-- この項目では、国際的な視点に基づいた2030年について記載する。 --> == 他の紀年法 == * [[干支]]:[[庚戌]](かのえ いぬ) * [[日本]](月日は一致) ** [[令和]]12年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2690年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[大韓民国 (年号)|大韓民国]]112年 ** [[檀君紀元|檀紀]]4363年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]119年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]119年 * [[仏滅紀元]]:2572年閏9月12日 - 2573年10月7日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1451年8月25日 - 1452年9月6日 * [[ユダヤ暦]]:5790年4月26日 - 5791年4月5日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:1893456000 - 1924991999 * [[修正ユリウス日]](MJD):62502 - 62866 * [[リリウス日]](LD):163343 - 163707 == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2030}} == 予定・予測 == {{節スタブ}} * [[6月1日]] - 夕刻、[[北海道]]で[[金環食]]が観測される。日本国内で観測できるのは[[2012年5月20日の日食|2012年5月21日]]以来18年ぶり。 * [[9月21日]] - 小惑星状物体 [[2000 SG344|2000 SG<sub>344</sub>]] が、月までの距離の13倍程度まで地球に最接近する。 === 時期が未定または不明な出来事 === * [[アメリカ航空宇宙局]] (NASA) はこの年の末に[[国際宇宙ステーション]]の運用を終了([[2024年]]から延長)し、その後に[[南太平洋]]の[[ポイント・ネモ]]に落下させる計画を発表している<ref>[https://www.cnn.co.jp/fringe/35183016.html 国際宇宙ステーション、2030年で引退 南太平洋に落下へ NASA] - CNN (2022年2月3日)</ref>。 * NASAでは、この年に人間を[[火星]]に送り込む構想がある。 * この頃に[[ボイジャー2号]]との通信が途絶すると予想されている。 * [[日本]]における[[第6世代移動通信システム]] (6G) の実用化目標年。 * [[カザフスタン]]の首都である[[アスタナ]]の市の都市計画の全体像の完成が予定されている。 <!--* [[北海道新幹線]]([[北海道旅客鉄道|JR北海道]])の[[新函館北斗駅]] - [[札幌駅]]間が年度内(翌年3月まで)に開業予定。これを以って全線開通となる。延期未定になりました。--> * [[首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス|つくばエクスプレス(]][[首都圏新都市鉄道]])の8両化工事が完了予定 * [[横浜市営地下鉄]][[横浜市営地下鉄ブルーライン|ブルーライン]]の[[あざみ野駅]] - [[新百合ヶ丘駅]]間が延伸開業予定<ref>{{cite news|title=横浜市営地下鉄が新百合ヶ丘まで延伸へ…川崎市に初の地下鉄路線 2030年開業を目指す|date=2019-01-24|url=https://response.jp/article/2019/01/24/318382.html|accessdate=2019-01-28|publisher=[[Response.]]}}</ref>。 * 全脳アーキテクチャ・イニシアティブ (WBAI) は、この年をめどに[[汎用人工知能]] (AGI) の構築を目指している<ref>[https://www.sbbit.jp/article/cont1/34990 汎用人工知能(AGI)の研究は今、どこまで進んでいるのか?--WBAI 山川宏氏] - ビジネス+IT 2018年6月6日</ref>。 * 人工知能や[[ロボット]]技術の発展により、世界の労働力人口の約15%、約4億人の仕事が[[機械]]によって置き換えられる<ref group="注">2018年、マッキンゼー・グローバル・インスティテュートの予想による中位シナリオ。</ref>。 * [[2015年]]の[[国際連合総会]]で採択された「[[持続可能な開発のための2030アジェンダ]]」の中核となる[[持続可能な開発目標]] (SDGs) の達成目標年。 * [[国際連合|国連]]の[[世界人口]]推計2019年版(中位推計)によると、[[地球]]の総[[人口]]がこの年には85億人に達する<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/33798/ |title=世界人口推計2019年版:要旨 10の主要な調査結果(日本語訳) |date=2019/07/02 |accessdate=2020/11/10 |website=[[国際連合]]広報センター}}</ref>。 * この年までに[[中華人民共和国]]の[[国内総生産]] (GDP) が[[アメリカ合衆国]]のGDPを抜いて世界第一位になると英銀[[HSBCホールディングス]]が指摘した。また、[[インド]]が[[日本]]と[[ドイツ]]を抜いて世界第三位になるとも指摘している<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-09-26/PFMYR76S972E01?srnd=cojp-v2|title=中国、2030年までに米国抜き世界一の経済大国に-HSBC予測|accessdate=2018-09-28|date=2018-09-26}}</ref>。 * [[2004年]]から世界各国で新造ラッシュの時期に建造された[[船|船舶]]がこの頃には解体時期を迎えるが、[[2009年]]に採択されたシップリサイクル条約により規制の緩い[[発展途上国]]で解体する手法が難しくなり、世界的な[[船舶解体]]場所の不足が懸念されている。 * [[SUBARU (自動車)|スバル]]はこの年までに3分の2車種を電動化に移行する。 * [[イギリス]]は[[ガソリン車]]と[[ディーゼル車]]の新車販売をこの年から禁止する予定(ハイブリッド車は[[2035年]]から禁止)。 == イベント == * [[2030年冬季オリンピック|第26回冬季オリンピック]]が行われる。 * [[2030 FIFAワールドカップ|第24回FIFAワールドカップ]]が行われる。 == 経済 == == 芸術・文化・ファッション == == 誕生 == == 没年 == == フィクションのできごと == {{フィクションの出典明記|section=1|ソートキー=年2030|date=2011年7月}} * 初頭 - 太陽系外から飛来した異星人「ガニメアン」の宇宙船「シャピアロン」が、[[木星]]の衛星[[ガニメデ (衛星)|ガニメデ]]の周回軌道上で国連宇宙軍(UNSA)第五次木星派遣隊指令船「ジュピターV」と友好的に接触。その後、ガニメアンらはUNSAのガニメデ本部基地へと迎え入れられる。(小説『[[ガニメデの優しい巨人]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= ジェイムズ・P・ホーガン|authorlink=ジェイムズ・P・ホーガン |title = ガニメデの優しい巨人 |publisher = [[東京創元社]] |year = 1981 |pages = 43-46,59-93,113-130 |isbn = 978-4-488-66302-5}}</ref><ref>{{Cite book |和書 |author = ジェイムズ・P・ホーガン |title = [[星を継ぐもの]] |publisher = 東京創元社 |year = 1980 |pages = 28,231,247,262 |isbn = 978-4-488-66301-8}}</ref> * [[4月1日]] - [[犬山まな]]、[[鬼太郎]]と10年振りに再会し、鬼太郎の記憶を取り戻す。(アニメ『[[ゲゲゲの鬼太郎 (テレビアニメ第6シリーズ)|ゲゲゲの鬼太郎(第6期)]]』最終回「見えてる世界が全てじゃない」) * [[5月]] - アレキサンダーが[[1899年]]からのタイムトラベルを一旦停止。[[ニューヨーク公共図書館]]でボックスに会う。(映画『[[タイムマシン (2002年の映画)|タイムマシン(2002年版)]]』) * [[8月20日]] - 田村明が[[2005年]][[8月20日]]にタイムトラベル。(演劇・映画『[[サマータイムマシン・ブルース]]』) * [[9月30日]] - [[月面基地]]内に「何か」が侵入し、月面基地AI「デイジーベル」をハッキングして生命維持装置を停止させる。この事故によって月面基地のクルー7名は全員死亡。その後、侵入者のデータは消去され、事故は精神疾患によるデイジーベルの暴走が原因とされる。(漫画『[[少年ジャンプ+#2016|鉄腕アダム]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 吾嬬竜考|authorlink=吾嬬竜考 |title = 鉄腕アダム 1 |publisher = [[集英社]] |year = 2016 |page = 201 |isbn = 978-4-08-880771-3}}</ref><ref>{{Cite book |和書 |author = 吾嬬竜考 |title = 鉄腕アダム 2 |publisher = 集英社 |year = 2017 |pages = 121,151 |isbn = 978-4-08-881067-6}}</ref><ref>{{Cite book |和書 |author = 吾嬬竜考 |title = 鉄腕アダム 3 |publisher = 集英社 |year = 2018 |pages = 131-179,191 |isbn = 978-4-08-881374-5}}</ref> * 夏 - [[ラドン (架空の怪獣)#『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』のラドン|ラドン]]を始めとする複数種の怪獣が世界各地に出現。このうち[[東京]]に上陸した個体は[[ゴジラ (架空の怪獣)#『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』|ゴジラ]]と命名され、変態を繰り返しながら街を蹂躙。また、怪獣により拡散された紅塵の影響で、世界的な電波障害が発生する。(アニメ『[[ゴジラ S.P <シンギュラポイント>]]』)<ref>{{Cite web|和書|url= https://godzilla-sp.jp/story/|title=ストーリー|完全新作TVアニメシリーズ 「ゴジラ シンギュラポイント Godzilla Singular Point」公式サイト|accessdate=2021年7月5日|publisher=}}</ref> * 後半 - [[ゴジラ (架空の怪獣)#GODZILLA(アニメーション3部作)|ゴジラ]]初出現。逃走する[[アンギラス]]、[[大怪獣バラン#むささび怪獣 バラン|バラン]]、[[バラゴン]]を追撃する形で[[ロサンゼルス]]にゴジラが上陸する。3体の怪獣を倒しロサンゼルスを壊滅させたゴジラは、続いて[[サンフランシスコ]]を破壊した後に[[太平洋]]へと姿を消す。(アニメ『[[GODZILLA (アニメ映画)|GODZILLA]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 大樹連司|authorlink=大樹連司 |title = GODZILLA 怪獣黙示録 |publisher = [[KADOKAWA]] |year = 2017 |pages = 7,8,117,121-135 |isbn = 978-4-04-106181-7}}</ref> * [[12月15日]] - 日本の某所にある地方都市・冬陽市の岩崎山山中に、突如として巨大な門のような形状の建造物(ゲート)が出現し、マスコミ各社が全国に報道し、騒然となる中で自衛隊が出動する。調査に向かった政府の調査チームがゲートの通過を試みるがそのまま行方不明となる。その後、ゲートが異世界「エステリア」に通じている事が判明する。(ゲーム『[[メモリア (ゲーム)|メモリア]]』) * 超常的な能力を持った兵器「EX-ARM」を巡り犯罪組織と警察が戦う。(漫画・アニメ『[[EX-ARM エクスアーム]]』) * 西欧財閥の筆頭レオナルド・ビスタリオ・ハーウェイが、聖杯を手に入れるべく[[月]]の聖杯戦争に参加。(ゲーム・アニメ『[[Fate/EXTRA]]』)<ref>{{Cite web|和書|url=http://fate-extra-lastencore.com/story/01.html|title=STORY |TVアニメ『Fate/EXTRA Last Encore』公式サイト|accessdate=2018年4月22日|publisher=}}</ref> * アーカード、王立国教騎士団に帰還。(漫画・アニメ『[[HELLSING]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 平野耕太|authorlink=平野耕太 |title = HELLSING 10 |publisher = [[少年画報社]] |year = 2009 |pages = 156-185 |isbn = 978-4-7859-3131-5}}</ref> * 「アカルイアス社」社長・はな(旧姓・野乃)(元キュアエール)が身ごもり、「あざばぶ総合病院」に入院。同病院の薬師寺さあや(元キュアアンジュ)によって無事出産し、産まれた子供は「はぐみ」と命名される。(アニメ『[[HUGっと!プリキュア]]』最終回「輝く未来を抱きしめて」) * 東京で「大共鳴」が発生。正体不明のウイルスが原因の現象との予測から東京が封鎖される。(ゲーム『[[LORD of VERMILION IV]]』、アニメ『[[ロード オブ ヴァーミリオン 紅蓮の王]]』)<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.lordofv.com/lov4/story/|title=STORY|LORD of VERMILION IV - ロード オブ ヴァーミリオン IV|work=[[スクウェア・エニックス]]|accessdate=2017-07-13}}</ref> * はつらつ小学校四年二組の同窓会が行われる。(漫画『[[いちばん元気くん]]』) * 無機質のメカからなる「M.L.M.」が地球侵略を開始。各国軍の迎撃も通用しない中、特殊な精神波で元素を操る「ブラスターシステム」を搭載した戦闘機「ブラスター」2機がM.L.M.に対抗すべく発進する。(ゲーム『[[エアバスター#他機種版|エアロブラスターズ]]』)<ref>[https://www.amusement-center.com/project/egg/cgi/ecatalog-detail.cgi?contcode=7&product_id=1211 エアロブラスターズ] - [[プロジェクトEGG]]、2016年3月8日閲覧。</ref> * 姫ぴょん一行が[[宇宙ステーション]]に行く。(ラジオ番組『[[基礎英語1]]』) * とあるゲームセンターで[[デビルガンダム]]が実体化し、『[[機動戦士ガンダム vs.シリーズ]]』を一つに統合してしまう。(ゲーム『[[機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダム]]』) * 廻狂四郎、洗脳が解け、ユリカのいる北海道にバベンスキーとともに旅立つ。(漫画『[[狂四郎2030]]』) *『[[攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX]]』の舞台設定。 * 開拓と植民が進む月、[[水星]]や[[金星]]などの太陽系内惑星、宇宙ステーションなどを統括する連邦組織として「人類圏」が確立される。(小説『[[人類圏シリーズ]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 田中啓文|authorlink=田中啓文 |title = 銀河帝国の弘法も筆の誤り |publisher = [[早川書房]] |year = 2001 |pages = 76,77,274 |isbn = 978-4-15-030658-8}}</ref> * 国際宇宙機関(ISA)の有人[[火星探査機|火星探査船]]「アレース1」が、人類初の火星着陸に成功する。(『[[スタートレック]]』シリーズ) * 地球近傍を通過する[[長周期彗星]]「邇基」の調査に向かった日本総合開発機構(JUDO)宇宙探査局の[[宇宙探査機|彗星探査機]]「こめっと」が、邇基の中心核付近に到達した直後、「怖くない」「ライト・ビーイング」という信号を最後に通信を途絶する。(小説『[[スペースプローブ]]』)<ref>{{Cite book |和書 | author= 機本伸司|authorlink=機本伸司 |title = スペースプローブ |publisher = 早川書房 |year = 2010 |page = 23 - 26頁・裏表紙 |isbn = 978-4-15-031002-8}}</ref> * 車とロボットが共存する[[トミカタウン]]にて、新生トミカハイパーチームが出動する。(玩具『[[トミカハイパーシリーズ NEXT STAGE]]』)<ref>[https://www.youtube.com/watch?v=-NguZlDKDUc 「トミカハイパーシリーズ NEXT STAGE 第1話 出動!ホワイトホープ」] - [[YouTube]][[タカラトミー]]公式チャンネル。2016年6月24日、2016年9月12日閲覧。</ref> *『[[ぼくらの]]』アニメ版の舞台設定。 * 宇宙空間における[[悪性腫瘍|ガン細胞]]の継代培養と解析実験を目的とした[[アメリカ航空宇宙局|NASA]]のコンピューター衛星「MM6600」が稼働。その後、MM6600は自身を構造原点として生体素子衛星を用いた時空間ネットワークを構築する。(小説『[[夢魔のふる夜]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 水見稜|authorlink=水見稜 |title = 夢魔のふる夜 |publisher = 早川書房 |year = 1986 |pages = 108-112,190,286 |isbn = 978-4-15-030229-0}}</ref> == 脚注 == '''注釈''' {{Reflist|group="注"}} '''出典''' {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} <!-- == 参考文献 == --> == 関連項目 == * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{Normdaten}} {{デフォルトソート:2030ねん}} [[Category:2030年|*]]
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2040年
2040年(2040 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、日曜日から始まる閏年。この項目では、国際的な視点に基づいた2040年について記載する。
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2040年は、西暦(グレゴリオ暦)による、日曜日から始まる閏年。この項目では、国際的な視点に基づいた2040年について記載する。
{{年代ナビ|2040}} {{year-definition|2040}}この項目では、国際的な視点に基づいた2040年について記載する。 == 他の紀年法 == * [[干支]]:[[庚申]](かのえ さる) * [[日本]](月日は一致) ** [[令和]]22年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2700年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[大韓民国 (年号)|大韓民国]]122年 ** [[檀君紀元|檀紀]]4373年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]129年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]129年 * [[仏滅紀元]]:2582年閏10月12日 - 2583年閏9月12日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1461年12月16日 - 1462年12月26日 * [[ユダヤ暦]]:5800年4月15日 - 5801年4月27日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:2208988800 - 2240611199 * [[修正ユリウス日]](MJD):66154 - 66519 * [[リリウス日]](LD):166995 - 167360 == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2040}} == できごと == * [[1月1日]] - 紀元二千六百年文化柱の開封予定日。[[神武天皇即位紀元]]2600年を記念して[[1940年]](昭和15年)に[[長野県]][[茅野市]]に建てられたタイムカプセル。100年後の元旦に開封される。 * [[2月5日]] - 直径140mの[[小惑星]] {{mpl|(367789) 2011 AG|5}} が地球に最接近。予想最短接近距離は約92万kmで当初予測されていた衝突可能性はなくなっている。 * [[2月6日]] - [[Hierarchical File System|HFS]]・[[HFS Plus|HFS+]]の日付範囲の期限。 * 8月頃 - [[夏季オリンピック]](開催地未定) * [[福井県]][[敦賀市]]にある研究用[[原子炉]]([[新型転換炉]])「[[ふげん]]」の[[廃炉]]作業が完了予定(年度内)<ref>[https://www.asahi.com/articles/ASQ8B0BM7Q89PISC003.html ふげんの廃炉完了が7年延期 地元は心配と理解] - 朝日新聞デジタル (2022年8月10日)、2022年8月11日閲覧。</ref>。 == フィクションのできごと == * 4月 - 月面にある宇宙ステーションの職員が停電トラブルの調査を終えるが、発電システムに異常がないことが判明する。(ゲーム『[[エコーナイト#ネビュラ_-エコーナイト-|ネビュラ -エコーナイト-]]』) * 5月 - 宇宙ステーション内に原因不明の霧が出始める。(ゲーム『ネビュラ -エコーナイト-』) * 6月 - 本社から宇宙ステーションに採掘作業を急ぐよう、命令書が届く。(ゲーム『ネビュラ -エコーナイト-』) * [[ミューオニウム]]と[[水素]]の安定した化合物が偶然作り出され、小型の[[ミューオン触媒核融合|低温核融合]]炉の建造が可能になる。(小説『[[2061年宇宙の旅]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= アーサー・C・クラーク|authorlink=アーサー・C・クラーク |title = 2061年宇宙の旅 |publisher = [[早川書房]] |year = 1995 |page = 68 |isbn = 978-4-15-011096-3}}</ref> * 重力制御を利用した新航法システムを搭載した超深度宇宙探査船「イベント・ホライゾン号」が、処女航海の際に突如消息を絶つ。(映画『[[イベント・ホライゾン]]』)<ref>[http://movies.yahoo.co.jp/movie/イベント・ホライゾン/83470/story/ イベント・ホライゾン (1997) ] - [[Yahoo! JAPAN|Yahoo!]]映画。2016年1月6日閲覧。</ref> * ユージア大陸で長らく対立していたゼネラルリソース社とニューコム社がついに軍事衝突に至る。両社の全面戦争を防ぐため、中立組織であるUPEOが鎮圧に動く。(ゲーム『[[エースコンバット3 エレクトロスフィア]]』) * 仮面ライダークイズ(堂安主水)の母親が病によって病院で療養しており、堂安主水は父親に母親が病になった理由を聞くために[[2019年]]に白ウォズと共にタイムスリップする。(特撮テレビ番組『[[仮面ライダージオウ]]』) * イカロス・シリーズによる外宇宙探査計画が開始され、有人探査船「イカロス-III」が太陽系外宇宙へ発進する。(小説『[[航空宇宙軍史]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 谷甲州|authorlink=谷甲州 |title = [[仮装巡洋艦バシリスク|航空宇宙軍史 仮装巡洋艦バシリスク]] |publisher = 早川書房 |year = 1985 |pages = 43-48 |isbn = 978-4-15-030200-9}}</ref><ref>{{Cite book |和書 |author = 谷甲州 |title = 航空宇宙軍史 終わりなき索敵〔下〕 |publisher = 早川書房 |year = 1996 |page = 348 |isbn = 978-4-15-030570-3}}</ref> * この年から[[テレビ]]が衰退する。(テレビドラマ『[[新スタートレック]]』第26話) * 新種の感染症「細胞硬化症」に罹患した水原怜人たち男性5人が[[人工知能|超AI]]による特効薬開発に望みを託し、[[コールドスリープ]]に入る。それから1年としないうちに発生した新種のウイルス「MKウイルス」の[[パンデミック|感染爆発]]により、地球上の男性の99.9パーセントが死滅する。(漫画『[[終末のハーレム]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author1=LINK(原作)|author2=宵野コタロー(作画)|authorlink2=宵野コタロー |year=2016 |title=終末のハーレム 第1巻 |pages=3-47 |publisher=[[集英社]] |isbn=978-4-08-880819-2 }}</ref> * [[2020年]]に地球を発進した恒星間自動探査船「ク<small>ワ</small>ン・イン」が、[[ケンタウルス座アルファ星|アルファ・ケンタウリA]]の惑星「ケイロン」が居住可能惑星であることを発見する。(小説『[[断絶への航海]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= ジェイムズ・P・ホーガン|authorlink=ジェイムズ・P・ホーガン |title = 断絶への航海 |publisher = 早川書房 |year = 2005 |pages = 39,40,78 |isbn = 978-4-15-011504-3}}</ref> *ゲーム『[[プリズム◇リコレクション!]]』の舞台<ref>[https://clochette-soft.jp/pricolle/story.html Story 物語] - 『プリズム◇リコレクション!』公式サイト(R-18)。2018年1月9日閲覧。</ref>。 == 予測 == * [[アメリカ大気研究センター]]は、早ければ2040年にも、夏の[[北極海]]に氷がほとんどなくなる可能性があるという研究成果を発表している<ref>{{Cite news|title=Abrupt Ice Retreat Could Produce Ice-Free Arctic Summers by 2040 - Ne…|date=2006-09-11|url=http://www.ucar.edu/news/releases/2006/arctic.shtml|accessdate=2018-10-02|publication-date=|archiveurl=https://archive.is/yhzM|archivedate=2012-08-05|work=UCAR}}</ref>。 * 日本では2009年ごろから普及した一般住宅向けの[[ソーラーパネル]]が寿命を迎え、2022年の200倍となる年間80万トン前後が廃棄されるとの予測がある<ref>{{Cite web|和書|title=どうする!? 太陽光パネルの“終活” |url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220204/k10013464251000.html |website=NHKニュース |accessdate=2022-02-04 |last=日本放送協会}}</ref>。 == 脚注 == '''注釈''' {{Reflist|group="注"}} '''出典''' {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} <!-- == 参考文献 == --> == 関連項目 == * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{デフォルトソート:2040ねん}} [[Category:2040年|*]]
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2029年
2029年(2029 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、月曜日から始まる平年。 以下に、過去の主な出来事からの区切りの良い年数(周年)を記す。
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2029年は、西暦(グレゴリオ暦)による、月曜日から始まる平年。
{{年代ナビ|2029}} {{year-definition|2029}} <!-- この項目では、国際的な視点に基づいた2029年について記載する。 --> == 他の紀年法 == * [[干支]]:[[己酉]](つちのと とり) * [[日本]](月日は一致) ** [[令和]]11年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2689年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4362年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]118年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]118年 * [[仏滅紀元]]:2571年閏10月2日 - 2572年閏9月11日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1450年8月15日 - 1451年8月24日 * [[ユダヤ暦]]:5789年4月14日 - 5790年4月25日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:1861920000 - 1893455999 * [[修正ユリウス日]](MJD):62137 - 62501 * [[リリウス日]](LD):162978 - 163342 == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2029}} == 予定・予測 == === 1月 === {{節スタブ}} * [[1月1日]] - [[皆既月食]]が前年[[大晦日]]から年明け([[年越し]]の時間帯を含む)にかけて世界各地で観測可能で、日本では年明け後すぐの<!--[[元旦]]の-->観測となる<ref>[https://www.nao.ac.jp/astro/basic/lunar-eclipse-list.html 月食一覧] - [[国立天文台]] (NAOJ)</ref><ref>[https://nichiharaobs.sakura.ne.jp/shiryou/exlips.htm 日食・月食] - [[日原天文台]]</ref>。 === 2月 === {{節スタブ}} === 3月 === {{節スタブ}} === 4月 === {{節スタブ}} * [[4月13日]] - 直径300[[メートル]]以上の[[小惑星]][[アポフィス (小惑星)|アポフィス]]が地球に最接近。地表から約32,500&nbsp;kmの地点(ほぼ[[静止軌道]]の距離)を通過するが、衝突の可能性は否定されている。 === 5月 === {{節スタブ}} === 6月 === {{節スタブ}} === 7月 === {{節スタブ}} === 8月 === {{節スタブ}} === 9月 === {{節スタブ}} === 10月 === {{節スタブ}} === 11月 === {{節スタブ}} === 12月 === {{節スタブ|date=2023年7月}} === 時期が未定または不明な出来事 === {{See also|Portal:道路/予定事項#2029年}} * [[東日本旅客鉄道]](JR東日本)・[[羽田空港アクセス線]]が開業予定。 * [[大阪モノレール]][[大阪モノレール本線|本線]]の[[門真市駅]] - [[瓜生堂駅]](仮称)間が延伸開業予定<ref>{{cite news|title=大阪モノレール本線、門真市駅から南へ延伸 - 2029年の開業めざす|date=2018-07-18|url=https://news.mynavi.jp/article/20180718-666060/|accessdate=2019-03-28|newspaper=[[マイナビニュース]]|publisher=[[マイナビ]]}}</ref><ref>{{cite news|title=大阪モノレール延伸へ 4駅新設、国交省が許可|date=2019-03-19|url=https://www.sankei.com/west/news/190319/wst1903190017-n1.html|accessdate=2019-03-28|newspaper=産経ニュース|publisher=[[産経新聞]]}}</ref>。 * [[新宿駅]]西口に高さ約260メートル(地上48階)の[[超高層ビル]]が2029年度中に完成予定<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1276007.html|title=新宿西口再開発。小田急百貨店の場所に48階・260mの複合施設|work=Impress Watch|date=2020-09-09|accessdate=2020-10-27}}</ref>。 == 周年 == {{notice|周年であること自体に特筆性のある項目(元のトピックの特筆性ではありません)のみ記述してください。また期間限定イベント(五輪、万博など)は開幕日起点で記述してください}} 以下に、過去の主な出来事からの区切りの良い年数([[周年]])を記す。 * [[1月8日]] ** [[昭和天皇]][[崩御]]と[[平成]]改元40周年。 * [[5月1日]] ** [[令和]]改元10周年。 == イベント == == 経済 == == 芸術・文化・ファッション == == 誕生 == == 没年 == == ノーベル賞 == == フィクションのできごと == {{フィクションの出典明記|section=1|ソートキー=年2029|date=2011年7月}} * 初頭 - 指令船「ジュピターIV」以下の国連宇宙軍(UNSA)第四次木星派遣隊が、[[木星]]の衛星[[ガニメデ (衛星)|ガニメデ]]の氷の中から、[[漸新世|2500万年前]]に墜落した異星人「ガニメアン」の巨大宇宙船を発掘する。(小説『[[星を継ぐもの]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= ジェイムズ・P・ホーガン|authorlink=ジェイムズ・P・ホーガン |title = 星を継ぐもの |publisher = [[東京創元社]] |year = 1980 |pages = 28,154-164,178-186,215-217,230,250,252,262 |isbn = 978-4-488-66301-8}}</ref> * [[7月9日]] - 後に「プラネリアム」と呼ばれることになる未知の敵性生物が[[アフリカ大陸]]中央部に出現。その後、プラネリアムはわずか3日で世界中に侵攻し、人類文明は崩壊する。(小説『[[E.G.コンバット]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 秋山瑞人|authorlink=秋山瑞人 |title = E.G.コンバット |publisher = [[メディアワークス]] |year = 1998 |pages = 47-50 |isbn = 978-4-8402-0900-7}}</ref> * [[地中海]]沿岸で発生した、[[地殻]]内の[[酸素]]消失による大規模な地盤沈下を皮切りに、世界各地で特定の元素が消える「元素消失」と呼ばれる現象が発生し始める。(アニメ・漫画『[[エレメントハンター]]』)<ref>[http://elementhunters.com/world/about/index.html World エレメントハンターの世界] - 『エレメントハンター』公式サイト。2016年9月8日閲覧。</ref><ref>[http://elementhunters.com/history/index.html HISTORY 年表] - 『エレメントハンター』公式サイト。2016年9月8日閲覧。</ref> * 松野家の6兄弟、通称「六つ子」(全員50歳)、「デカパン製薬」でデカパン社長(100歳)の娘・トト子(50歳)のために「若返り薬」を開発する。(アニメ『[[おそ松くん]]』第2作第75話「40年後のイヤミザンス!」) * アポカリプスウイルスの蔓延によって日本が無政府状態に陥り、GHQによる武力介入が行われる「ロスト・クリスマス」という事件が起きる。(アニメ『[[ギルティクラウン]]』) * [[公安9課]]が設立される。(漫画・アニメ『[[攻殻機動隊]]』) * 「人形使い」によるテロ発生。人形使いは公安6課によって射殺されるが、現場に居合わせた公安9課所属の[[草薙素子]]が失踪する。(アニメ映画『[[GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊]]』) * [[スカイネット]]、サラ・コナー抹殺、もといジョン・コナー消滅のため[[T-800]]を[[1984年]]に送り込む。カイル・リース、サラ・コナー救援のため、自ら志願して1984年に旅に出る。(映画『[[ターミネーター (映画)|ターミネーター]]』) * スカイネット、[[T-1000]]を開発。ジョン・コナー抹殺のためT-1000を[[1994年]]に送り込む。レジスタンス、コナー母子保護のためT-800を1994年に送り込む。(映画『[[ターミネーター2]]』) * 単語や綴りを含むシグナルを発している[[ラランド21185|BD+36度2147番星]]の惑星の近接探査のため、2機の[[宇宙探査機|高速探測機]]が発射される。その後、2機目の探測機がBD+36度2147番星系に到達し、後に「イシス」と名付けられる電波源の惑星を特定する。(小説『{{仮リンク|星々の海をこえて|en|Across the Sea of Suns}}』)<ref>{{Cite book |和書 |author= グレゴリイ・ベンフォード|authorlink=グレゴリイ・ベンフォード |title = 星々の海をこえて |publisher = [[早川書房]] |year = 1986 |pages = 26-30 |isbn = 978-4-15-010662-1}}</ref> == 脚注 == '''注釈''' {{Reflist|group="注"}} '''出典''' {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} <!-- == 参考文献 == --> == 関連項目 == * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{デフォルトソート:2029ねん}} [[Category:2029年|*]]
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13,138
2031年
2031年(2031 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、水曜日から始まる平年。 人類終末。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "2031年(2031 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、水曜日から始まる平年。", "title": null }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "人類終末。", "title": "予定・予測" } ]
2031年は、西暦(グレゴリオ暦)による、水曜日から始まる平年。
{{年代ナビ|2031}} {{year-definition|2031}} <!-- この項目では、国際的な視点に基づいた2031年について記載する。 --> == 他の紀年法 == * [[干支]]:[[辛亥]](かのと い) * [[日本]](月日は一致) ** [[令和]]13年 ** [[皇紀]]2691年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4364年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]120年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]120年 * [[仏滅紀元]]:2573年10月8日 - 2574年閏9月2日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1452年9月7日 - 1453年9月17日 * [[ユダヤ暦]]:5791年4月6日 -9022年1月1日 * * [[UNIX時間|Unix Time]]:1924992000 - 1956527999 * [[修正ユリウス日]](MJD):62867 - 63231 * [[リリウス日]](LD):163708 - 164072 == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2031}} == 予定・予測 == * [[日本]]では、[[1966年]]の[[丙午]]生まれが[[高齢者]]に入るため、高齢者の数がこの年だけ約20万人減少する。 * [[3月31日]]をもって、日本の[[復興庁]]([[東日本大震災]]からの[[復興]]を目的として[[2012年]]に設置)が廃止される。 * [[2020年]]12月に地球を離れた[[宇宙探査機|小惑星探査機]]「[[はやぶさ2]]」が、新たな探査目標としてこの年の7月に[[小惑星]]「[[1998 KY26|{{mp|1998 KY|26}}]]」に到着し、近接観測を行う予定<ref>[https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/11506_hayabusa2 地球帰還後の「はやぶさ2」は2031年に小惑星1998 KY26へ]([[アストロアーツ]] 2020年9月15日)</ref>。 * 米国宇宙協会が[[軌道エレベーター]]の建設を計画している。 * [[なにわ筋線]]の[[北梅田駅]](仮称)〜[[新今宮駅]]及び[[JR難波駅]]間が春に開業予定。 * [[横浜市営地下鉄ブルーライン]]の[[あざみ野駅]]~[[新百合ヶ丘駅]]間が春に開業予定。 * [[さいたま市役所]]が、現所在地である[[さいたま市]][[浦和区]]の[[浦和駅]]西口から[[大宮区]]の[[さいたま新都心駅]]東口([[さいたま新都心]]に隣接する[[さいたま新都心#北袋町1丁目地区|北袋町1丁目地区]])にある[[さいたま新都心バスターミナル]]敷地へ移転予定(2031年度を目途)<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.yomiuri.co.jp/national/20210203-OYT1T50107/ |title=さいたま市役所の本庁舎、浦和から新都心に移転へ…大宮出身の議員「市長への信頼感増した」 |access-date=2022-09-11 |publisher=読売新聞オンライン |date=2021-02-03}}</ref><ref>[https://www.saitama-np.co.jp/articles/14667 さいたま市役所の移転決定 浦和からさいたま新都心へ…2031年度をめど、新庁舎の移転整備を目指す] - 埼玉新聞 (2022年4月30日) 、2022年9月11日閲覧。</ref>。 == イベント == == 経済 == == 芸術・文化・ファッション == == 誕生 == == 没年 == == ノーベル賞 == == フィクションのできごと == {{フィクションの出典明記|section=1|ソートキー=年2031|date=2011年7月}} * 7月 - 「人類初」の有人[[火星]]着陸に成功した[[アメリカ航空宇宙局|NASA]]の探査隊が、[[第二次世界大戦]]中のドイツで製造された人型機械の残骸を[[マリネリス峡谷|マリネリス渓谷]]で発見する。(模型・小説『[[Kampf Riesen Mars]]』)<ref>[http://www.kampf-riesen-mars.com/history.html 機械化歩兵開発史] - 『Kampf Riesen Mars』公式サイト、2015年12月12日閲覧。</ref><ref>[http://www.kampf-riesen-mars.com/chronology.html 年表] - 『Kampf Riesen Mars』公式サイト、2018年10月25日閲覧。</ref> * 茅葺よう子が日本憲政史上初の女性首相に就任。(アニメ『[[攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG]]』) * 未知の変異生物「ハーディアン」が確認され、これに対抗するため国際的対抗組織N.I.D.F.が設立される。(アニメ『[[キスダム -ENGAGE planet-]]』)<ref>[http://www.kissdum.com/story.html#01 ストーリー 第一節 終焉] - 『キスダムR -ENGAGE planet-』公式サイト、2016年2月6日閲覧。</ref> * 新たな水源地を捜索中に破壊された[[火星探査機|火星偵察機]]の調査に向かったNASAパイロットユースの4名が、[[アイオリス山|シャープ山]]近傍でパピュラス星人の宇宙船「ゾイスター」の攻撃を受ける。その直後、ゾイスターは火星スペースコロニーに来襲し18番街を破壊する。(小説『[[ダーティー・ガイズ]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 八島聖彦|authorlink=八島聖彦 |title = ダーティー・ガイズ |publisher = [[幻冬舎]] |year = 2019 |pages = 59-64 |isbn = 978-4-344-92077-4}}</ref> * 小説・アニメ『[[ブラック・ブレット]]』の舞台<ref>{{Cite book |和書 |author= 神崎紫電|authorlink=神崎紫電 |title = ブラック・ブレッド 神を目指した者たち |publisher = [[アスキー・メディアワークス]] |year = 2011 |pages = 18,19,49 |isbn = 978-4-04-870596-7}}</ref>。 == 脚注 == '''注釈''' {{Reflist|group="注"}} '''出典''' {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} <!-- == 参考文献 == --> == 関連項目 == * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{デフォルトソート:2031ねん}} [[Category:2031年|*]]
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13,139
2032年
2032年(2032 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、木曜日から始まる閏年。 東京の神宮外苑一帯の再開発によって新しく建て替えられた神宮球場が使用開始。
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2032年は、西暦(グレゴリオ暦)による、木曜日から始まる閏年。
{{年代ナビ|2032}} {{year-definition|2032}} <!-- この項目では、国際的な視点に基づいた2032年について記載する。 --> == 他の紀年法 == * [[干支]]:[[壬子]](みずのえ ね) * 日本(月日は一致) ** [[令和]]14年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2692年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4365年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]121年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]121年 * [[仏滅紀元]]:2574年閏9月3日 - 2575年閏9月14日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1453年9月18日 - 1454年9月28日 * [[ユダヤ暦]]:5792年4月17日 - 5793年4月29日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:1956528000 - 1988150399 * [[修正ユリウス日]](MJD):63232 - 63597 * [[リリウス日]](LD):164073 - 164438 == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2032}} == できごと == * [[1975年]]以来、[[旧正月]]と[[建国記念の日]]が重なる。 * この年には秋の[[大型連休]](いわゆる[[シルバーウィーク]])が発生するが、[[9月20日]]が敬老の日で[[9月22日]]が秋分の日というパターンは史上初で、[[9月21日]]が初めて国民の休日となる。 == 予定 == === 1月 === {{節スタブ}} === 2月 === === 3月 === {{節スタブ}} === 4月 === {{節スタブ}} === 5月 === {{節スタブ}} === 6月 === {{節スタブ}} === 7月 === {{節スタブ}} * [[7月23日]]〜[[8月8日]] - [[オーストラリア]]・[[ブリスベン]]にて[[2032年ブリスベンオリンピック|第35回夏季オリンピック]](ブリスベンオリンピック)開催。なお、オーストラリアでオリンピックが行われるのはこれで3度目となる<ref>{{Cite news|title=2032年五輪ブリスベンに決定 00年以来3度目のオーストラリア開催|newspaper=日刊スポーツ|date=2021-07-21|url=https://www.nikkansports.com/m/olympic/tokyo2020/news/amp/202107210000663.html|accessdate=2021-07-21}}</ref> <ref>{{Cite news|title=2032年、ブリスベン五輪決定|newspaper=ロイター通信|date=2021-07-21|url=https://jp.mobile.reuters.com/article/amp/idJP2021072101001010|accessdate=2021-07-21}}</ref>。 === 8月 === === 9月 === {{節スタブ}} === 10月 === {{節スタブ}} === 11月 === {{節スタブ}} *[[11月13日]] - [[アフリカ]]、[[ヨーロッパ]]、[[アジア]]、[[オセアニア]]、[[南米]]で[[水星]]の[[太陽面通過]]が発生する。[[日本]]全国にかけて約55分間発生する。日本で起こるのは20年ぶりとなる。<ref>{{Cite web|和書|title=日面経過各地予報 - 国立天文台暦計算室|url=https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/transitx.cgi|website=eco.mtk.nao.ac.jp|accessdate=2021-02-28}}</ref> === 12月 === {{節スタブ}} === 時期が不明な予定 === {{節スタブ}} 東京の[[神宮外苑]]一帯の再開発によって新しく建て替えられた[[神宮球場]]が使用開始<ref>{{Cite web|和書|title=新しい神宮球場 使用開始は2032年に ヤクルト 衣笠球団社長 |url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210623/k10013100581000.html |website=NHK NEWS WEB |accessdate=2022-02-19 |language=ja}}</ref>。 [[東海交通事業城北線]]の鉄道建設運輸整備支援機構への賃借料(借損料)の支払契約が終了予定。[[JR東海]]になるかどうかは未定。 == イベント == *[[2032年ブリスベンオリンピック|第35回夏季オリンピック]]が開催される。 == 経済 == == 芸術・文化・ファッション == == 誕生 == == 没年 == == ノーベル賞 == == フィクションのできごと == {{フィクションの出典明記|section=1|ソートキー=年2032|date=2011年7月}} * [[5月14日]] - 「大熱波」と呼ばれる天変地異的天災が発生。人類のほとんどが死滅し、地形・人間の形が大きく変化する。(ゲーム『[[バロック (ゲーム)|バロック]]』)<ref>[http://www.sting.co.jp/baroque/wii/info/info_04.htm バロック用語解説] - 『バロック for Wii』公式サイト。2017年10月26日閲覧。</ref> * [[10月19日]] - ISAの有人[[火星探査機|火星探査船]]「[[アレース4 (スタートレック)|アレース4]]」の司令船が、[[火星周回軌道]]上に出現した電磁空間<ref group="注">原典では「graviton ellipse」。</ref>に飲み込まれ、交信を絶つ。(テレビドラマ『[[スタートレック:ヴォイジャー]]』)<ref>[http://www.startrek.com/database_article/ares-iv Ares IV] - StarTrek.com([[スタートレック]]シリーズ公式サイト、英語)。2018年2月2日閲覧。</ref> * [[11月16日]] - 13時7分54秒66、蒼天から舞い降りた異星人による地球侵略が始まる。([[テレビゲーム|ゲーム]]『[[ブラック★ロックシューター#ブラック★ロックシューター THE GAME|ブラック★ロックシューター THE GAME]]』)<ref>[https://web.archive.org/web/20120105191040/http://brs.jrpg.jp/world.html WORLD] - 『ブラック★ロックシューター THE GAME』公式サイト([[インターネットアーカイブ]])。2012年1月5日、2018年3月9日閲覧。</ref> * 月内部に存在する霊子コンピューター「ムーンセル・オートマトン」の中で「聖杯戦争」が行われる。(ゲーム・アニメ『[[Fate/EXTRA]]』)<ref>[http://fate-extra.jp/information.html Information 製品情報] - 『Fate/EXTRA』公式サイト。2018年2月13日閲覧。</ref><ref>[http://fate-extra-lastencore.com/story/intro.html INTRODUCTION] - 『Fate/EXTRA Last Encore』公式サイト。2018年2月13日閲覧。</ref> * [[海王星]]軌道宙域に出現した異星種族とのファーストコンタクトが発生。人類側は平和的接触を試みるが、異星種族は敵対的であり交戦状態に突入。平和的接触の失敗はトップシークレットとなる。その後。この異星種族の呼称は「ESSAR」と定められる。(ゲーム『[[いつか、重なりあう未来へ]]』)<ref>[http://www.sonymusic.co.jp/Amusement/vect/Info_TERM.html SF設定 ステージ&用語解説] - VECTRIDER'S WEB(『いつか、重なりあう未来へ』公式サイト)。2018年10月25日閲覧。</ref><ref>[http://www.sonymusic.co.jp/Amusement/vect/Info_HISTORY.html 公式設定年表] - VECTRIDER'S WEB(『いつか、重なりあう未来へ』公式サイト)。2018年10月25日閲覧。</ref> * [[長崎県]]にある難民居留区、[[出島]]が日本からの独立を宣言。自衛軍が出動し出島に攻撃を行う。(アニメ『[[攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG]]』) * ロクス・ソルス社製少女型愛玩用アンドロイド(女性型なので正確にはガイノイド)「ロクス・ソルスType2052 “ハダリ(HADALY)”」が暴走し、所有者を惨殺するという事件が複数件発生する。(アニメ映画『[[イノセンス]]』) * 地球人類がイプザーロン系の第一次開拓プロジェクトを開始。この際に、イプザーロン系の惑星ベルウィックに入植していた異星人「アストロゲーター」(ククトニアン)との間に戦闘が発生する。(アニメ『[[銀河漂流バイファム]]』)<ref>{{Cite Book |和書 |author = |title = ENTERTAINMENT BIBLE.21 銀河漂流バイファム大図鑑 |publisher = [[バンダイ]] |year = 1990 |page = 45 |isbn = 978-4-89189-116-9}}</ref> * 人類抵抗軍の指揮官ジョン・コナーが[[T-850]]に暗殺される。人類抵抗軍は鹵獲し、プログラムを書き換えたT-850を[[2004年]]に送り、スカイネット軍もジョン・コナーをはじめとした人類抵抗軍幹部を抹殺するために[[T-X]]を送りこむ。(映画『[[ターミネーター3]]』) * ジョン・スパルタンとサイモン・フェニックスが解凍される。(映画『[[デモリションマン]]』) * 新ヨーロッパ連合の宇宙船「グロリア・ムンディ号」が[[地球型惑星]]である[[アルタイル]]第五惑星に着陸。探検チームと救助隊が相次いで消息を絶ち、彼らの捜索に赴いた残りの3名も第五惑星の原住民「バヤニ族」の猟師に捕えられる。その後、35日間に渡り放棄された形となったグロリア・ムンディ号はプログラム通りに自爆する。(小説『{{仮リンク|遙かなる日没|en|A Far Sunset}}』)<ref>[[エドマンド・クーパー]] 『遙かなる日没』 [[早川書房]]、1971年、9・10・14 - 18・22 - 28・40・41・184・185頁。{{全国書誌番号|75077489}}。</ref> == 脚注 == '''注釈''' {{Reflist|group="注"}} '''出典''' {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} <!-- == 参考文献 == --> == 関連項目 == * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{デフォルトソート:2032ねん}} [[Category:2032年|*]]
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https://ja.wikipedia.org/wiki/2032%E5%B9%B4
13,140
2033年
2033年(2033 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、土曜日から始まる平年。 なお、日本の旧暦(天保暦)では定気法の採用により、月名がおかしくなる問題(旧暦2033年問題)が発生する。
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2033年は、西暦(グレゴリオ暦)による、土曜日から始まる平年。
{{年代ナビ|2033}} {{year-definition|2033}} <!-- この項目では、国際的な視点に基づいた2033年について記載する。 --> == 他の紀年法 == * [[干支]]:[[癸丑]](みずのと うし) * 日本(月日は一致) ** [[令和]]15年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2693年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4366年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]122年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]122年 * [[仏滅紀元]]:2575年閏9月15日 - 2576年10月11日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1454年9月29日 - 1455年10月9日 * [[ユダヤ暦]]:5793年5月1日 - 5794年4月9日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:1988150400 - 2019686399 * [[修正ユリウス日]](MJD):63598 - 63962 * [[リリウス日]](LD):164439 - 164803 なお、日本の[[旧暦]]([[天保暦]])では[[定気法]]の採用により、月名がおかしくなる問題([[旧暦2033年問題]])が発生する。 == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2033}} == 予定 == === 1月 === {{節スタブ}} === 2月 === {{節スタブ}} === 3月 === {{節スタブ}} === 4月 === {{節スタブ}} === 5月 === {{節スタブ}} === 6月 === {{節スタブ}} === 7月 === {{節スタブ}} === 8月 === * 翌年春にかけて、日本の[[旧暦]]([[天保暦]])の[[月 (暦)|月名]]が、天保暦本来の方法でうまく決められなくなる[[旧暦2033年問題]]が発生する。 === 9月 === {{節スタブ}} === 10月 === * 第63回[[神宮式年遷宮]] === 11月 === {{節スタブ}} === 12月 === * [[12月22日]] - 旧暦2033年問題との関連で言えば、この日から[[2034年]][[1月19日]]までの旧暦月が[[閏]][[11月 (旧暦)|11月]]となるのが有力とされており、日本カレンダー暦文化振興協会もそれを推奨しているが、閏11月が出現するのは天保暦制定以来初となる。 === 時期が未定または不明な出来事 === * [[EUヨーロッパ連合]]が[[ガソリン車]]はこの年までに新車販売を事実上禁止する時期(ハイブリッドに含めたガソリン車は禁止)があった。 == イベント == == 経済 == == 芸術・文化・ファッション == == 誕生 == == 没年 == == ノーベル賞 == == フィクションのできごと == * [[4月8日]] - {{仮リンク|うみへび座タウ2星|label=海蛇座タウ2|en|Tau2 Hydrae}}の惑星エフレーモフの知的生命であるトカゲ人とのコンタクトのため、[[恒星船]]「エヴァリスト・ガロア」が太陽系を離脱する。(小説『[[時の果てのフェブラリー]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author=山本弘|authorlink=山本弘 (作家) |title = 時の果てのフェブラリー —赤方偏移世界— |publisher = [[徳間書店]] |year = 2001 |pages = 287-291 |isbn = 978-4-19-905035-0}}</ref> * [[7月7日]] - 人類の人工衛星に酷似した正体不明の飛行物体「衛精」72基が出現し、高度200フィート以上を飛行する航空機と人工衛星全てを撃墜。その後、地球規模の電波障害をもたらす金色の粒子が発生する。一連の被害による犠牲者は1億人以上。(小説『[[天球駆けるスプートニク]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= ツカサ|authorlink=ツカサ (作家) |title = 天球駆けるスプートニク 未到の空往く運送屋、ネジの外れた銀髪衛精 |publisher = [[KADOKAWA]] |year = 2016 |pages = 6-8,40 |isbn = 978-4-04-256039-5}}</ref> * [[26世紀|500年後]]に地球に衝突する軌道を取っている天体「にがよもぎ(ワームウッド)」の存在が、アマチュア天文家のネットワークによって観測される。(小説『{{仮リンク|過ぎ去りし日々の光|en|The Light of Other Days}}』)<ref>{{Cite book |和書 |author1=アーサー・C・クラーク|authorlink1=アーサー・C・クラーク|author2=スティーヴン・バクスター|authorlink2=スティーヴン・バクスター |title = 過ぎ去りし日々の光〔上〕 |publisher = [[早川書房]] |year = 2000 |pages = 64,98-104 |isbn = 978-4-15-011338-4}}</ref> * 各国共同の宇宙船「オーロラ1号」の6名のクルーが初めて[[火星]]に着陸し、定住地となる「ポート・ローウェル」の建設を開始する。(小説『{{仮リンク|タイム・オデッセイ|en|A Time Odyssey}}』シリーズ)<ref>{{Cite book |和書 |author = アーサー・C・クラーク&スティーヴン・バクスター |title = 〈タイム・オデッセイ2〉 太陽の盾 |publisher = 早川書房 |year = 2008 |pages = 52,121,122 |isbn = 978-4-15-208912-0}}</ref> == 脚注 == '''注釈''' {{Reflist|group="注"}} '''出典''' {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} <!-- == 参考文献 == --> == 関連項目 == * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{デフォルトソート:2033ねん}} [[Category:2033年|*]]
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13,141
2034年
2034年(2034 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、日曜日から始まる平年。
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2034年は、西暦(グレゴリオ暦)による、日曜日から始まる平年。
{{年代ナビ|2034}} {{year-definition|2034}} <!-- この項目では、国際的な視点に基づいた2034年について記載する。 --> == 他の紀年法 == * [[干支]]:[[甲寅]](きのえ とら) * 日本(月日は一致) ** [[令和]]16年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2694年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4367年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]123年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]123年 * [[仏滅紀元]]:2576年10月12日 - 2577年閏9月6日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1455年10月10日 - 1456年10月20日 * [[ユダヤ暦]]:5794年4月10日 - 5795年4月19日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:2019686400 - 2051222399 * [[修正ユリウス日]](MJD):63963 - 64327 * [[リリウス日]](LD):164804 - 165168 == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2034}} == 予定 == * 前年秋から本年春にかけて、日本の[[旧暦]]([[天保暦]])の[[月 (暦)|月名]]が決められなくなる[[旧暦2033年問題]]が発生する。 * [[2026年]]に打ち上げられる予定の[[ドラゴンフライ (探査機)]]がこの年に[[タイタン (衛星)]]に到着予定<ref>https://www.cnn.co.jp/fringe/35139188.html NASA、タイタン探査ミッション「ドラゴンフライ」を発表</ref>。 == イベント == * [[2034年冬季オリンピック|第27回冬季オリンピック]]が行われる。 * 第25回[[FIFAワールドカップ]]が行われる。 == 芸術・文化・ファッション == == 経済 == == 誕生 == == 没年 == == ノーベル賞 == == フィクションのできごと == {{フィクションの出典明記|section=1|ソートキー=年2034|date=2011年7月}} * [[1月17日]] - ウェイランド・コーポレーションが、初の[[超光速航法|超光速]][[宇宙探査機]]「ヘリアデス」を開発する。(映画『[[プロメテウス (映画)|プロメテウス]]』)<ref>[https://web.archive.org/web/20180825004746/http://video.foxjapan.com/release/prometheus/timeline/ 社史年表] - ウェイランド・コーポレーション(『プロメテウス』公式サイト内、[[インターネット・アーカイブ]])、2018年8月25日、2021年1月12日閲覧。</ref><ref>[https://web.archive.org/web/20170422014647/http://video.foxjapan.com/release/prometheus/products/transportation.html 輸送] - ウェイランド・コーポレーション(『プロメテウス』公式サイト内、インターネット・アーカイブ)、2017年4月22日、2021年1月12日閲覧。</ref> * [[2月18日]] - [[公安9課]]が政府の最重要区画(非公式)の聖庶民救済センターに突入。当センターの様々な不正行為が明らかとなり、強制捜査が行われる。(アニメ『[[攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society]]』) * [[2月19日]] - 国指定エンタメ特別経済都市「TOKYO-7th(トーキョーセブンス)」にある次世代アイドル劇場型スタジオ「ナナスタ」の2代目支配人が任命される。(ゲーム『[[Tokyo 7th シスターズ]]』) * 3月 - 中部アフリカ共同体(C.A.)と独立政府ザインゴの間で勃発した「ザインゴ騒乱」を発端として、アフリカ大陸東部地域を除くアフリカ全域で「[[アフリカ紛争]]」が継続的に発生する。(ゲーム『[[FRONT MISSION ALTERNATIVE]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author = |title = FRONT MISSION WORLD HISTORICA REPORT OF CONFUCTS 1970-2121 |publisher = [[メディアワークス]] |year = 2007 |pages = 20,21 |isbn = 978-4-8402-3663-8}}</ref> * [[5月1日]] - 海洋テーマパーク「LeMU」にて第三視点発現計画が決行される。(ゲーム『[[Ever17 -the out of infinity-]]』) * [[11月15日]] - 「バブル・デイ」。半径120億キロメートルの暗黒の非物質球体「バブル」によって[[太陽系]]が覆われ、それによる混乱から地球各地で大規模な暴動が発生する。(小説『[[宇宙消失]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= グレッグ・イーガン|authorlink=グレッグ・イーガン |title = 宇宙消失 |publisher = [[東京創元社]] |year = 1999 |pages = 27-31 |isbn = 978-4-488-71101-6}}</ref> == 脚注 == '''注釈''' {{Reflist|group="注"}} '''出典''' {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} <!-- == 参考文献 == --> == 関連項目 == * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{デフォルトソート:2034ねん}} [[Category:2034年|*]]
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13,142
2035年
2035年(2035 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、月曜日から始まる平年。 以下に、過去の主な出来事からの区切りの良い年数(周年)を記す。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "2035年(2035 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、月曜日から始まる平年。", "title": null }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "以下に、過去の主な出来事からの区切りの良い年数(周年)を記す。", "title": "周年" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "", "title": "周年" } ]
2035年は、西暦(グレゴリオ暦)による、月曜日から始まる平年。
{{年代ナビ|2035}} {{year-definition|2035}} <!-- この項目では、国際的な視点に基づいた2035年について記載する。 --> == 他の紀年法 == * [[干支]]:[[乙卯]](きのと う) * 日本(月日は一致) ** [[令和]]17年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2695年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4368年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]124年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) * [[主体暦|主体]]124年 * [[仏滅紀元]]:2577年閏9月7日 - 2578年10月12日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1456年10月21日 - 1457年11月1日 * [[ユダヤ暦]]:5795年4月20日 - 5796年3月30日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:2051222400 - 2082758399 * [[修正ユリウス日]](MJD):64328 - 64692 * [[リリウス日]](LD):165169 - 165533 == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2035}} == 予定・予測 == === 1月 === * [[ファティマの聖母|ファティマ]]第3の予言を[[バチカン]]が完全公開予定。 === 2月 === {{節スタブ}} === 3月 === {{節スタブ}} === 4月 === {{節スタブ}} === 5月 === {{節スタブ}} === 6月 === {{節スタブ}} === 7月 === {{節スタブ}} === 8月 === {{節スタブ}} === 9月 === * [[9月2日]] - [[日本列島]]付近で[[日食]]。日本では[[富山県|富山]]と[[茨城県|茨城]]を結ぶ一帯で'''[[皆既日食]]'''が観測可能で、本土(日本の陸上)で観測できる規模のものとしては[[1963年7月20日の日食|1963年7月20日]]以来72年ぶり、[[本州]]では[[1887年]][[8月19日]]以来148年ぶりとなる。 === 10月 === {{節スタブ}} === 11月 === {{節スタブ}} === 12月 === {{節スタブ}} * [[ドイツ]]の[[高齢者]]比率が人口の30%に達すると予測されている。 === 時期が未定または不明な出来事 === * [[中華人民共和国]]が[[カメルーン]]に港湾を建設中であり、この年に完工予定<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20180929194758/https://www.sankeibiz.jp/smp/macro/news/180930/mcb1809301608003-s1.htm|title=カメルーン、“黄金郷”への盲信 中国主導で開発、環境破壊も次世代への恩恵期待|accessdate=2018-09-29|date=2018-09-29}}</ref>。 <!-- == イベント == == 経済 == == 芸術・文化・ファッション == == 誕生 == == 没年 == == ノーベル賞 == --> == フィクションのできごと == {{フィクションの出典明記|section=1|ソートキー=年2035|date=2011年7月}} * [[7月6日]] - (『[[天才てれびくんhello,]]』) * [[9月27日]] - [[マダガスカル島]]のタ・ポーチョ山付近に、未知の宇宙生命が建造した「いん石状物質」が落下。その後、[[マサチューセッツ工科大学]]の調査団による調査が行われる。これが、[[24世紀|2321年]]まで続くいん石状物質の飛来の始まりとなる。(小説『[[派遣軍還る]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 光瀬龍|authorlink=光瀬龍 |title = S-Fマガジン版/派遣軍還る |publisher = [[早川書房]] |year = 1985 |pages = 255-262 |isbn = 978-4-15-030208-5}}</ref> * ゲーム『[[ARMA 3]]』の舞台。 * 母星である[[BD +48°740|BD+48° 740]]の第4惑星エクシフィルカスを失った異星人「エクシフ」が地球に来訪し、[[ニューヨーク]]において人類と公式に接触する。(アニメ『[[GODZILLA (アニメ映画)|GODZILLA]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 大樹連司|authorlink=大樹連司 |title = GODZILLA 怪獣黙示録 |publisher = [[KADOKAWA]] |year = 2017 |pages = 152,153,155,171 |isbn = 978-4-04-106181-7}}</ref> * 映画『[[アイ,ロボット]]』の舞台。 * アニメ『[[アクティヴレイド -機動強襲室第八係-]]』の舞台<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.lisani.jp/0000011742/|title=『アクティヴレイド -機動強襲室第八係-』第1話先行上映会にウィルウェア登場!さらにディレクターズカット版Blu-ray VOL.1がBOX付き初回仕様で2016年3月23日発売決定!|publisher=リスアニ!WEB|date=2016-12-26|accessdate=2021-08-16}}</ref>。 * [[地中海]]で操業中の漁船に発見された巨大なアメーバ状の[[単細胞生物]]「G・O」が、調査のために[[マルセイユ]]へ運ばれた数時間後に爆発。マルセイユは消滅し、150万人が死亡する。G・Oの初出現。(小説『[[ヴァルキュリアの機甲]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= ゆうきりん|authorlink=ゆうきりん |title = ヴァルキュリアの機甲 〜首輪の戦乙女〜 |publisher = [[メディアワークス]] |year = 2002 |page = 44 |isbn = 978-4-8402-2074-3}}</ref> * 映画『[[関ジャニ戦隊∞レンジャー#映画|エイトレンジャー]]』の舞台。 * アニメ『[[がくえんゆーとぴあ まなびストレート!]]』の舞台。 * アニメ『[[機神大戦ギガンティック・フォーミュラ]]』の舞台。 * ゲーム『[[キャッスルヴァニア 〜暁月の円舞曲〜|キャッスルヴァニア 暁月の円舞曲]]』の舞台。 * 太陽系外の探検を行っていた宇宙船「マリーストープス号」が、惑星「12B」で同じく12Bを探検していた地球外異星人「ユートッド」(ETAS)と接触。ユートッドのうち6名は隊員に射殺され、残る2名は彼らの宇宙船とともに捕虜として地球に連れ帰られる。(小説『[[暗い光年]]』)<ref>[[ブライアン・オールディス|ブライアン・W・オールディス]]『暗い光年』早川書房、1970年、12 - 35・56頁。{{全国書誌番号|75065284}}。</ref> * 世界が機械生命体「ロイミュード」に支配されているこの年から、泊エイジが現代([[2015年]])へと向かう。(映画『[[劇場版 仮面ライダードライブ サプライズ・フューチャー]]』) * 星奈ひかるが宇宙飛行士に選ばれ、日本初の有人宇宙ロケットの打ち上げが行われる。(アニメ『[[スター☆トゥインクルプリキュア]]』) * 15回目のアスカ記念日到来。その当日、TPC火星基地をスフィア残党が襲撃。無断発進したスーパーGUTSマーズ所属のタイガ・ノゾム隊員が搭乗するガッツイーグルα号によって迎撃に成功するも、タイガ隊員は突如現れたバット星人円盤によって別の宇宙へとワープさせられてしまう。(映画『[[ウルトラマンサーガ]]』) * 漫画『[[攻殻機動隊2 MANMACHINE INTERFACE]]』の舞台。 * ゲーム『[[亡国のイージス2035 〜ウォーシップガンナー〜]]』の舞台。 == 脚注 == '''注釈''' {{Reflist|group="注"}} '''出典''' {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} <!-- == 参考文献 == --> == 関連項目 == * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{デフォルトソート:2035ねん}} [[Category:2035年|*]]
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13,143
2036年
2036年(2036 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、火曜日から始まる閏年。
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2036年は、西暦(グレゴリオ暦)による、火曜日から始まる閏年。
{{年代ナビ|2036}} {{year-definition|2036}} <!-- この項目では、国際的な視点に基づいた2036年について記載する。 --> == 他の紀年法 == * [[干支]]:[[丙辰]](ひのえ たつ) * 日本(月日は一致) ** [[令和]]18年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2696年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4369年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]125年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]125年 * [[仏滅紀元]]:2578年10月3日 - 2579年10月14日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1457年11月2日 - 1458年11月13日 * [[ユダヤ暦]]:5796年4月1日 - 5797年4月13日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:2082758400 - 2114380799 * [[修正ユリウス日]](MJD):64693 - 65058 * [[リリウス日]](LD):165534 - 165899 == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2036}} == できごと == * [[2月6日]] - 6時28分15秒 ([[協定世界時|UTC]])(日本時間同日15時28分15秒)、[[Network Time Protocol|NTP]]の時間表現が上限に達する([[Network Time Protocol#2036年問題|2036年問題]])。 * [[4月13日]] - [[小惑星]][[アポフィス (小惑星)|アポフィス]]が地球に接近([[2029年]]以来の再接近)。 == 予定・予測 == * [[ぎょしゃ座イプシロン星|ぎょしゃ座ε星]]の変光が始まると予測されている([[2038年]]まで)。 * 2000年にネット上に現れたタイムトラベラー「[[ジョン・タイター]]」がきたとされる。 * アメリカ合衆国による[[ディエゴガルシア島]]の租借が終了する。 == イベント == * 第36回[[夏季オリンピック]]が開催される。 == 経済 == == 芸術・文化・ファッション == == 誕生 == == 没年 == == ノーベル賞 == == フィクションのできごと == * 6月 - 通信が途絶している月面アームストロング基地の調査に向かった[[アメリカ航空宇宙局|NASA]]の月シャトル「スターダスト」が、未知の技術による攻撃を受け月面に緊急着陸。その後、「スターダスト」に搭乗していたペリー・ローダン少佐らが、月面に不時着した後にアームストロング基地や「スターダスト」などを攻撃していたアルコン人遠征調査団の宇宙船「アエトロン」と接触する。(小説『[[宇宙英雄ペリー・ローダン|ローダンNEO]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= フランク・ボルシュ|authorlink=:en:Frank Borsch |title = ローダンNEO1 スターダスト |publisher = [[早川書房]] |year = 2017 |pages = 5-19,62-75,97-111,130-142,161-178,282 |isbn = 978-4-15-012135-8}}</ref> * 10月 - [[東京都]][[お台場]]にある[[原子力発電所]]の爆発事故に伴い閉鎖された東京に、遺伝子操作により[[放射能]]への抗体を身に着けた[[陸上自衛隊]]第三師団「コッペリオン」が派遣される。(漫画・アニメ『[[COPPELION]]』) * [[はくちょう座X-1|白鳥座V1357]]に母星である惑星ビルサルディアを飲み込まれた異星人「ビルサルド」が、移住のために地球へと来訪。[[ロンドン]]にて人類と接触し、移住受け入れの対価として[[ゴジラ (架空の怪獣)#GODZILLA(アニメーション3部作)|ゴジラ]]の駆逐を約束する。(アニメ『[[GODZILLA (アニメ映画)|GODZILLA]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 大樹連司|authorlink=大樹連司 |title = GODZILLA 怪獣黙示録 |publisher = [[KADOKAWA]] |year = 2017 |pages = 152,153,155,176 |isbn = 978-4-04-106181-7}}</ref> * <!--第三次世界大戦もなく宇宙人の襲来もなかった当たり前の未来で、-->全高15cmの人型ロボット「武装神姫」を使った対戦競技が流行する。(フィギュア・アニメほか『[[武装神姫]]』) * [[小惑星]]を改造した国際宇宙局(ISA)の宇宙船「ランサー号」が、単語や綴りを含む電波シグナルを太陽系へと発信している恒星「[[ラランド21185|ラー]]」の惑星「イシス」へ向けて発進する。(小説『{{仮リンク|星々の海をこえて|en|Across the Sea of Suns}}』)<ref>{{Cite book |和書 |author= グレゴリイ・ベンフォード|authorlink=グレゴリイ・ベンフォード |title = 星々の海をこえて |publisher = 早川書房 |year = 1986 |pages = 11,25-30 |isbn = 978-4-15-010662-1}}</ref> * 全高6m以上の有人格闘ロボット「デュエルギア」による格闘技「ストライキング」が世界中で流行する。(漫画『[[鉄鋼闘機ガイラ]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 上山道郎|authorlink=上山道郎 |title = 鉄鋼闘機ガイラ 第1巻 |publisher = [[小学館]] |year = 1996 |pages = 7,10 |isbn = 978-4-09-142471-6}}</ref> *α世界線で第三次世界大戦が起こる(アニメ・ゲーム『[[STEINS;GATE|シュタインズゲート]]』) == 脚注 == '''注釈''' {{Reflist|group="注"}} '''出典''' {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} <!-- == 参考文献 == --> == 関連項目 == * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{デフォルトソート:2036ねん}} [[Category:2036年|*]]
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13,144
2015年
2015年(2015 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、木曜日から始まる平年。平成27年。 この項目では、国際的な視点に基づいた2015年について記載する。 2015年は、政治面では過激派イスラム組織ISILによる日本人殺害を含む各地でのテロリズム事件に代表される地政学リスクが際立ち、これに伴い中東方面からヨーロッパへ流入した難民問題が顕在化した。日本では、9月に安全保障関連法の成立・公布され、アメリカ合衆国などとの連携で抑止力、防衛力を高める動きがみられた。一方経済では、世界的な原油安、アメリカ合衆国FRBの利上げ、中国経済の下振れなどの変動要因があるなか、10月のアジアではTPPの政府間の大筋合意、12月のアセアン経済共同体の発足など、将来に繋がる国際的な枠組みが組まれた年でもあった。 環境面では、世界各地で極端なエルニーニョ現象などによる異常気象が見られ、2015年は世界の平均気温が過去最高を記録する年となった。COP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)で2020年以降の地球温暖化対策の国際枠組み『パリ協定』が採択された。アジアではMERSコロナウイルスが大韓民国で感染拡大・流行、インドネシアによる大規模なヘイズ問題、東南アジア地域でのデング熱流行などの人災も含めた災害が見られた。 アメリカ合衆国ではオバマ大統領により、全州での同性結婚の合法化、キューバとの国交回復など歴史的な進歩が見られたほか、2016年アメリカ合衆国大統領選挙に向けた動きが本格化した。一方で大学や施設を狙った銃乱射事件が年間300件以上と各地で頻発し、白人警官による黒人射殺なども2014年に続き勃発したことで、12月には大統領命による銃規制が検討される流れとなった。 中華人民共和国では、東方之星沈没事故や2015年天津浜海新区倉庫爆発事故に代表される大規模な事故が度重なる中、習近平政権が掲げる一帯一路構想のもと、アジアインフラ投資銀行の設立や東シナ海ガス田問題に代表される他国での開発が積極的に進められた。一方経済面では、新常態と定義された低成長期から大幅な株価下落に陥るなど、不安定な一年となった。 また2015年は、一部で企業統治元年と位置づけられたが、日本マクドナルドの異物混入問題に始まり、フォルクスワーゲンの排出ガス規制不正問題や東芝の不適切会計、旭化成建材らによるマンションくい打ち工事のデータ改ざんなど、年間を通して国内外で多くの不祥事が相次いだ。また東京五輪オリンピックエンブレムの盗作騒動に端を発した撤回や、国立競技場の白紙撤回など、民間に留まらない失態と動揺が続き、日本式の意思決定プロセスの不備が大いに論じられた年でもあった。 一方、日本の消費面では、2000万人近くに及ぶ過去最高の訪日客数による爆買いに伴うインバウンド消費や、日銀政策などによる円安傾向の持続、大幅な原油安を背景に、輸出や消費で緩やかな回復が見られた。 日本の学業面では、ノーベル生理・医学賞を大村智が抗寄生虫薬のもとになる物質の発見で、ノーベル物理学賞を梶田隆章が素粒子ニュートリノの質量発見において、それぞれ受賞した。日本のスポーツ界ではラグビー日本代表のW杯における歴史的3勝や、羽生結弦によるフィギュアスケート世界記録更新とGPファイナル3連覇などの記録的な快挙が見られた。なお今年の漢字は「安」で、政情不安や安保政策などを司るものである。 以下に、過去の主な出来事からの区切りの良い年数(周年)を記す。
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2015年は、西暦(グレゴリオ暦)による、木曜日から始まる平年。平成27年。 この項目では、国際的な視点に基づいた2015年について記載する。
{{Otheruses||日本ローカルの事柄|2015年の日本}} {{年代ナビ|2015}} {{YearInTopic | 年 = 2018 }} {{year-definition|2015}} この項目では、国際的な視点に基づいた2015年について記載する。 == 他の紀年法 == {{Year in other calendars|year=2015}} * [[干支]]:[[乙未]](きのと ひつじ) * [[日本]](月日は一致) ** [[平成]]27年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2675年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4348年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]104年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]104年 * [[仏滅紀元]]:2557年10月12日 - 2558年9月6日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1436年3月10日 - 1437年3月19日 * [[ユダヤ暦]]:5775年4月10日 - 5776年4月19日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:1420070400 - 1451606399 * [[修正ユリウス日]](MJD):57023 - 57387 * [[リリウス日]](LD):157864 - 158228 == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2015}} == できごと == === テロ攻撃、災害、国際的な政治不信「負の2015年」 === 2015年は、政治面では[[過激派]][[イスラーム|イスラム]]組織[[ISIL]]による日本人殺害を含む各地での[[テロリズム]]事件に代表される[[地政学]]リスクが際立ち、これに伴い[[中東]]方面から[[ヨーロッパ]]へ流入した[[難民]]問題が顕在化した。日本では、9月に[[平和安全法制|安全保障関連法]]の成立・公布され、アメリカ合衆国などとの連携で抑止力、防衛力を高める動きがみられた。一方経済では、世界的な[[原油価格|原油]]安、アメリカ合衆国[[連邦準備制度|FRB]]の利上げ、[[中華人民共和国の経済|中国経済]]の下振れなどの変動要因があるなか、10月のアジアでは[[環太平洋パートナーシップ協定|TPP]]の政府間の大筋合意、12月の[[アセアン経済共同体]]の発足など、将来に繋がる国際的な枠組みが組まれた年でもあった。 環境面では、世界各地で極端な[[エルニーニョ現象]]などによる[[異常気象]]が見られ、2015年は世界の平均気温が過去最高を記録する年となった<ref>http://www.gizmodo.jp/2016/01/2015_hottestyear.html 2015年は記録上もっとも暑い年だった</ref>。[[第21回気候変動枠組条約締約国会議|COP21]](国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)で[[2020年]]以降の[[地球温暖化]]対策の国際枠組み『[[パリ協定 (気候変動)|パリ協定]]』が採択された。アジアでは[[MERSコロナウイルス]]が[[大韓民国]]で感染拡大・流行、[[インドネシア]]による大規模な[[ヘイズ (気象)|ヘイズ]]問題、[[東南アジア]]地域での[[デング熱]]流行などの人災も含めた災害が見られた。 アメリカ合衆国では[[バラク・オバマ|オバマ大統領]]により、全州での[[同性結婚]]の合法化、[[キューバ]]との国交回復など歴史的な進歩が見られたほか、[[2016年アメリカ合衆国大統領選挙]]に向けた動きが本格化した。一方で大学や施設を狙った銃乱射事件が年間300件以上と各地で頻発し、[[白人]]警官による[[黒人]]射殺なども[[2014年]]に続き勃発したことで、12月には大統領命による[[銃規制]]が検討される流れとなった。 中華人民共和国では、[[東方之星沈没事故]]や[[2015年天津浜海新区倉庫爆発事故]]に代表される大規模な事故が度重なる中、[[習近平]]政権が掲げる[[一帯一路]]構想のもと、[[アジアインフラ投資銀行]]の設立や[[東シナ海ガス田問題]]に代表される他国での開発が積極的に進められた。一方経済面では、[[新常態]]と定義された低成長期から大幅な株価下落に陥るなど、不安定な一年となった。 また2015年は、一部で[[コーポレート・ガバナンス|企業統治]]元年と位置づけられたが、[[日本マクドナルド]]の異物混入問題に始まり、[[フォルクスワーゲン]]の[[排出ガス]]規制不正問題や[[東芝]]の不適切会計、[[旭化成建材]]らによるマンションくい打ち工事のデータ改ざんなど、年間を通して国内外で多くの[[不祥事]]が相次いだ。また[[2020年東京オリンピック・パラリンピックのエンブレム|東京五輪オリンピックエンブレム]]の[[盗作]]騒動に端を発した撤回や、[[国立競技場]]の白紙撤回など、民間に留まらない失態と動揺が続き、日本式の[[意思決定]]プロセスの不備が大いに論じられた年でもあった。 一方、日本の消費面では、2000万人近くに及ぶ過去最高の訪日客数による[[爆買い]]に伴う[[インバウンド消費]]や、[[日銀]]政策などによる[[円安]]傾向の持続、大幅な原油安を背景に、輸出や消費で緩やかな回復が見られた。 日本の学業面では、[[ノーベル生理・医学賞]]を[[大村智]]が[[抗寄生虫薬]]のもとになる物質の発見で、[[ノーベル物理学賞]]を[[梶田隆章]]が[[素粒子]][[ニュートリノ]]の[[質量]]発見において、それぞれ受賞した。日本のスポーツ界では[[ラグビー日本代表]]の[[ラグビーワールドカップ2015|W杯]]における歴史的3勝や、[[羽生結弦]]による[[フィギュアスケート]]世界記録更新とGPファイナル3連覇などの記録的な快挙が見られた。なお[[今年の漢字]]は「安」で、政情不安や安保政策などを司るものである。 {{main|企業による犯罪事件の一覧}}{{main|2015年のスポーツ}} === 1月 === * [[1月1日]] ** [[リトアニア]]が欧州単一通貨[[ユーロ]]を導入。[[ソビエト連邦|旧ソビエト連邦諸国]]ではラトビアに次いで3か国目<ref>[https://web.archive.org/web/20150102191702/http://www.yomiuri.co.jp/economy/20150102-OYT1T50111.html?from=ytop_ylist リトアニア、ユーロ導入…19か国に]{{リンク切れ|date=2017年10月}}</ref>。 ** [[ユーラシア経済連合]]発足。 * 1月2日 - [[ハルビン市道外区1月2日火災事故]]<ref>{{Cite web|和書|date=2015-01-06 |url=http://jp.xinhuanet.com/2015-01/06/c_133899253.htm |title=ハルビン倉庫火災で犠牲となった消防士5人に烈士の称号を授与 |publisher=新華網 |accessdate=2020-10-15}}</ref>。 * [[1月3日]]〜[[1月7日]] - [[イスラーム過激派]]の[[ボコ・ハラム]]が{{仮リンク|バガ (ナイジェリア)|en|Baga, Nigeria|label=バガ}}とその周辺の村々を襲撃し、2,000人以上の人々を殺害する({{仮リンク|2015年バガの虐殺|en|2015 Baga massacre}})<ref>{{cite news|title=Boko Haram destroys at least 16 villages in NE Nigeria: officials|url=http://www.businessinsider.com/afp-boko-haram-destroys-at-least-16-villages-in-ne-nigeria-officials-2015-1|accessdate=2015-10-01|work=Business Insider|agency=[[Agence France-Presse]]|date=2015-01-08}}</ref><ref>{{cite news|title=Boko Haram crisis: Nigeria's Baga town hit by new assault|url=http://www.bbc.com/news/world-africa-30728158|accessdate=2015-10-01|work=BBC World News|agency=British Broadcasting Corporation|date=2015-01-08}}</ref><ref>{{cite news|last1=Smith|first1=Alexander|title=Boko Haram Torches Nigerian Town of Baga; 2,000 Missing: Senator|url=http://www.nbcnews.com/storyline/missing-nigeria-schoolgirls/boko-haram-torches-nigerian-town-baga-2-000-missing-senator-n282291|accessdate=2015-01-08|work=NBC News|agency=National Broadcasting Company|date=2015-01-08}}</ref><ref>{{cite news|title=Boko Haram kills dozens in fresh raids in Nigerian town|url=http://uk.reuters.com/article/2015/01/08/uk-nigeria-violence-toll-idUKKBN0KH1QD20150108|accessdate=2015-01-08|agency=Reuters|publisher=Thomson Reuters|date=2015-01-08}}</ref>。 * 1月7日 - [[フランス]]・[[パリ]]の政治週刊紙「[[シャルリー・エブド]]」本社が[[イスラーム過激派|イスラム過激派]]の男2人により銃撃され、12人死亡、4人重傷<ref>{{Cite news|date=2015-01-08|url=https://web.archive.org/web/20150107133513/http://www.yomiuri.co.jp/world/20150107-OYT1T50105.html|title=パリの新聞社で銃乱射、12人死亡…仏通信社|newspaper=YOMIURI ONLINE|publisher=読売新聞社|accessdate=2015-01-09}}{{リンク切れ|date=2017年10月}}</ref>。同9日、パリ郊外[[ダマルタン=アン=ゴエル]]で人質を取り立てこもっていた容疑者2名をフランス警察特殊部隊が射殺<ref>{{Cite news|date=2015-01-10|url=https://web.archive.org/web/20150109224735/http://www.yomiuri.co.jp/world/20150109-OYT1T50120.html|title=籠城に特殊部隊突入、銃撃容疑の兄弟は死亡|newspaper=YOMIURI ONLINE|publisher=読売新聞社|accessdate=2015-01-10}}</ref>。{{Main|シャルリー・エブド襲撃事件}} * [[1月8日]] -[[スリランカ]][[スリランカの大統領|大統領]][[2015年スリランカ大統領選挙|選挙]]で、与党[[スリランカ自由党]]の前幹事長で現職の[[マヒンダ・ラージャパクサ]]大統領に反旗を翻して{{仮リンク|新民主戦線 (スリランカ)|en|New Democratic Front (Sri Lanka)|label=新民主戦線}}から野党統一候補として出馬した[[マイトリーパーラ・シリセーナ]]が現職を破り当選、翌9日に就任<ref>{{Cite news|date=2015-01-10|url=https://www.sankei.com/article/20150110-XUTISRMFXVJERHLCCHSU7PRNK4/|title=【スリランカ大統領選】前保健相が現職破り勝利 中国依存を「浅はかな外交」と脱却目指す|newspaper=産経ニュース|publisher=The Sankei Shimbun & SANKEI DIGITAL|accessdate=2015-01-10}}</ref>。 * [[1月13日]] - [[マイクロソフト]]、[[Microsoft Windows 7|Windows 7]]のメインストリームサポート終了に伴い、無償サポート、仕様変更、新機能のリクエスト受け入れを終了<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.microsoft.com/ja-jp/windows/lifecycle/eos/consumer/default.aspx|title=ご存じですか? いまお使いの Windows のサポート終了期限|publisher=マイクロソフト|accessdate=2015-01-16}}</ref>。 * [[1月15日]] ** [[スイス国立銀行]]、2011年9月以来維持してきた[[スイス・フラン]]の対[[ユーロ]]の上限、1ユーロ=1.20フランを廃止すると発表、発表を受けスイス・フランは1ユーロ=0.86フランまで30%近く急騰<ref>{{cite news|date=2015-01-16 |url=http://www.nikkei.com/markets/features/12.aspx?g=DGXLZO8199670016012015EA1000 |title=スイスフラン、無制限介入終了で急騰 |newspaper=日本経済新聞 |publisher=日本経済新聞社 |accessdate=2015-01-18}}</ref>、世界各国の[[個人投資家]]が損失を被り、仲介していた為替業者が破綻に追い込まれるなどの影響<ref>{{cite news|date=2015-01-17 |url=https://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPKBN0KP2IY20150116 |title=「スイスショック」の余波、為替業者が破綻 |newspaper=Reuters.co.jp |publisher=ロイター |accessdate=2015-01-01 }}</ref>。 ** [[長江福北水道タグボート沈没事故]] - 22人が死亡。 * [[1月16日]] - アメリカ合衆国政府、[[キューバ]]への米国人の渡航や送金の制限を同日付で緩和、家族の訪問や米政府職員の公務訪問のほか、報道や研究、宗教、人道支援などを目的とした米国人の渡航について、一定の要件を満たせば手続不要とし、政府や共産党の職員を除くキューバ国民に対して3か月で最大500[[アメリカ合衆国ドル|ドル]]までとしている送金制限額を2000ドルに引き上げ、人道支援を目的とした送金は制限を撤廃する措置<ref>{{cite news|date=2015-01-16|url=https://www.sankei.com/article/20150116-NHNZHTITVZN7TMHT7U7476BE6I/|title=米政府 キューバ制裁を緩和 渡航や送金制限など|newspaper=産経ニュース|publisher=The Sankei Shimbun & SANKEI DIGITAL|accessdate=2015-01-16}}</ref>。 * [[1月25日]] - [[ギリシャ]]総選挙で、反緊縮財政派の[[急進左派連合]]が300議席中149議席を獲得し勝利、財政再建を進めた[[アントニス・サマラス]]首相率いる[[新民主主義党]]は76議席にとどまり、急進左派連合党首の[[アレクシス・ツィプラス]]は小政党との[[連立政権]]を樹立<ref>{{Cite news|date=2015-01-26|url=http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM26H9V_W5A120C1MM8000/|title=ギリシャ急進左派、小政党と連立合意 財政再建見直しへ|newspaper=日経電子版|publisher=日本経済新聞社|accessdate=2015-01-28}}</ref>。 === 2月 === * [[2月3日]] - [[セルジオ・マッタレッラ]]が、[[ジョルジョ・ナポリターノ]]の後継として[[共和国大統領 (イタリア)|イタリア大統領]]に就任<ref>{{Cite news|date=2015-02-04|url=https://web.archive.org/web/20150204044942/http://www.yomiuri.co.jp/world/20150203-OYT1T50170.html|title=イタリア新大統領が就任宣誓|newspaper=YOMIURI ONLINE|publisher=読売新聞社|accessdate=2015-02-04}}</ref>。 * [[2月4日]] ** 乗客乗員58名を乗せ[[台湾]]・[[台北市]]の[[台北松山空港|松山空港]]を[[金門島]]に向け離陸した[[トランスアジア航空]]の[[ATR 72]]が離陸後エンジン故障し、緊急事態を知らせる信号を出した後、高速道路上のタクシーに接触し松山空港近くの[[基隆河]]に墜落、乗客乗員58人中43人死亡<ref>{{Cite news|date=2015-02-07|url=http://www.sankei.com/world/news/150207/wor1502070057-n1.html|title=【台湾機墜落】死者40人に、なお3人不明|newspaper=産経ニュース|publisher=The Sankei Shimbun & SANKEI DIGITAL|accessdate=2015-02-08}}</ref><ref>{{Cite news|date=2015-02-05|url=https://web.archive.org/web/20150204180005/http://www.yomiuri.co.jp/world/20150204-OYT1T50115.html|title=タクシーに接触後墜落の台湾機、死者31人に|newspaper=YOMIURI ONLINE|publisher=読売新聞社|accessdate=2015-02-05}}</ref>。{{Main|トランスアジア航空235便墜落事故}} ** [[ヨルダン]]政府、[[ISIL]](以下IS)により2014年12月に拘束された同国出身のパイロットが焼死させられた動画が前日に公開されたことを受け、収監されていたIS関係者の[[イラク]]人[[死刑囚]]2名に対する[[絞首刑]]を執行、[[ヨルダン王の一覧|同国国王]][[アブドゥッラー2世]]がISに対し「われわれの戦いは容赦ないものとなる」と宣言<ref>{{Cite news|date=2015-02-05|url=http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NJ9TPX6K50XW01.html|title=ヨルダン、「イスラム国」に容赦ない戦い宣言-操縦士殺害で|newspaper=Bloomberg.co.jp|publisher=Bloomberg L.P.|accessdate=2015-02-05}}</ref>。翌5日から、パイロットが拘束されて以来停止していた[[ヨルダン軍]]によるIS支配地域への[[空爆]]を再開<ref>{{Cite news|date=2015-02-05|url=https://web.archive.org/web/20150205215241/http://www.yomiuri.co.jp/world/20150205-OYT1T50145.html|title=ヨルダン軍、パイロット拘束で停止の空爆を再開|newspaper=YOMIURI ONLINE|publisher=読売新聞社|accessdate=2015-02-06}}</ref>。 ** [[ウクライナ最高会議]]、[[ロシア]]に逃亡中の[[ヴィクトル・ヤヌコーヴィチ]]前[[ウクライナの大統領|大統領]]から大統領の称号を剥奪する法案を可決<ref>{{Cite news|date=2015-02-05|url=http://mainichi.jp/select/news/20150206k0000m030043000c.html|title=ウクライナ:ヤヌコビッチ氏から「大統領」称号剥奪|newspaper=毎日新聞|publisher=毎日新聞社|accessdate=2015-02-05}}</ref>。 * [[2月5日]] - [[チュニジア]]で、ハビブ・シドを[[チュニジアの首相|首相]]とする内閣を同国議会が承認、2011年に独裁政権が崩壊して以降、初めて正式政府が発足<ref>{{Cite news|date=2015-02-06|url=http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM05H8Y_V00C15A2FF2000/|title=チュニジア、新内閣が発足|newspaper=日本経済新聞|publisher=日本経済新聞社|accessdate=2015-02-06}}</ref>。 * [[2月6日]] - [[イエメン]]で2011年の[[アラブの春]]、[[2011年イエメン騒乱|イエメン騒乱]]に伴う暫定選挙によって選出された[[アブド・ラッボ・マンスール・ハーディー|ハーディー]]大統領の任期が終了し、この頃までに制定を目指す新[[憲法]]のもとに新たな[[イエメンの大統領|大統領]]が選ばれる予定であったが、[[1月22日]]に[[イスラム教]][[シーア派]]武装組織の[[フーシ]]が事実上の[[クーデター]]を起こし、ハーディー暫定大統領とバハーハ首相が辞任、政権が崩壊した。[[フーシ]]は議会を強制的に解散し、暫定統治機構として大統領評議会、国会に代わる暫定国民評議会を開設し、「憲法宣言」を発表、今後2年間は「革命委員会」が統治権を握ると宣言<ref>{{Cite news|date=2015-02-07|url=https://web.archive.org/web/20150207112844/http://www.yomiuri.co.jp/world/20150207-OYT1T50059.html|title=イエメン反政府勢力が統治宣言…対テロで米打撃|newspaper=YOMIURI ONLINE|publisher=読売新聞社|accessdate=2015-02-09}}</ref>。 * [[2月11日]] - [[イタリア]]・[[グロッセト]]の裁判所、2012年1月に[[地中海]]で[[コスタ・コンコルディア]]が[[座礁]]した事故において、乗客が避難を終える前に船を離れたとして過失致死罪などに問われた元船長に[[禁固]]16年の判決<ref>{{Cite news|date=2015-02-12|url=https://web.archive.org/web/20150212151854/http://www.yomiuri.co.jp/world/20150212-OYT1T50104.html|title=伊客船座礁、客より先に避難元船長に禁錮16年|newspaper=YOMIURI ONLINE|publisher=読売新聞社|accessdate=2015-02-12}}</ref>。{{Main|コスタ・コンコルディアの座礁事故}} * [[2月12日]] - [[大韓民国|韓国]]・[[ソウル特別市|ソウル]]西部地方裁判所、2014年12月に、当時の[[大韓航空]]副社長が、[[ジョン・F・ケネディ国際空港|ニューヨークの空港]]で、[[ファーストクラス]][[客室乗務員]]のナッツの配膳方法に激怒し、離陸しようとしていた同社機を引き返させたなどとして、航空保安法違反など5つの罪で起訴された事件について、偽計公務執行妨害罪を除く4つの罪で有罪とし、前副社長に懲役1年、従業員に虚偽証言を強要したなどとして起訴された同社常務に懲役8か月のいずれも実刑判決<ref>{{Cite news|date=2015-02-12|url=https://web.archive.org/web/20150212135149/http://www.yomiuri.co.jp/world/20150212-OYT1T50102.html|title=ナッツ叱責に実刑、裁判長「真剣に反省か疑問」|newspaper=YOMIURI ONLINE|publisher=読売新聞社|accessdate=2015-02-12}}</ref>。{{Main|大韓航空ナッツ・リターン}} * [[2月24日]] - [[欧州連合]]、[[ユーロ圏]]の[[財務大臣]]による電話会合を開き、[[ギリシャ]]向け金融支援延長の条件として同国政府から提出を受けた財政の改革案を承認<ref>{{Cite news|date=2015-02-25|url=http://mainichi.jp/select/news/20150225k0000m030073000c.html|title=ギリシャ:EU、改革案を承認 支援延長手続きへ|newspaper=毎日新聞|publisher=毎日新聞社|accessdate=2015-03-01}}</ref>、同27日、[[ドイツ連邦議会]]の承認を受け、正式に4か月間の支援延長を決定<ref>{{Cite news|date=2015-02-28|url=http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM27H5B_X20C15A2FF1000/|title=ギリシャ支援延長、独議会が承認 ユーロ圏も正式決定へ |newspaper=日本経済新聞|publisher=日本経済新聞社|accessdate=2015-03-01}}</ref>。 * 2月24日 - [[チェコ]]・{{仮リンク|ウヘルスキー・ブロト|cs|Uherský Brod}}のレストランで銃乱射事件が発生し、犯人を含めて9人が死亡、1人が負傷した。1973年に[[オルガ・ヘプナロヴァ]]が起こした事件とともに平時におけるチェコ史上最悪の大量殺人事件となった。([[:en:Uherský Brod shooting]]) * [[2月27日]] - [[ロシア]]・[[モスクワ]]中心部で、[[ウラジーミル・プーチン]][[ロシア連邦大統領|大統領]]批判の急先鋒に立っていた[[ボリス・ネムツォフ]][[ロシア共和党・人民自由党]]党首が[[射殺]]される[[暗殺]]事件発生<ref>{{Cite news|date=2015-02-28|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3041056|title=露野党指導者ネムツォフ氏射殺される、プーチン批判の急先鋒 |newspaper=AFPBB News|publisher=AFPBB News|accessdate=2015-03-08}}</ref>。3月7日、ロシア当局および[[北カフカス]]・[[イングーシ共和国]]の治安責任者が[[チェチェン人]]4人を容疑者として拘束<ref>{{Cite news|date=2015-03-08|url=http://www.cnn.co.jp/world/35061449.html|title=野党指導者ネムツォフ氏殺害、容疑者4人を拘束 ロシア |newspaper=CNN.co.jp|publisher=Cable News Network. Turner Broadcasting System, Inc.|accessdate=2015-03-08}}</ref>。 === 3月 === * [[3月5日]] - 韓国・ソウルで、朝食会に出席していた[[マーク・リッパート]]駐韓[[アメリカ合衆国]][[大使]]が、2010年7月に[[在大韓民国日本国大使館]]大使にコンクリートの破片を投げ付け執行猶予付き有罪判決を受けた男にナイフで切りつけられ、80針を縫う傷を負う事件発生<ref>{{Cite news|date=2015-03-05|url=http://www.cnn.co.jp/world/35061356.html|title=駐韓米大使暴行の容疑者、10年の日本大使襲撃犯と同一か|newspaper=CNN.co.jp|publisher=Turner Broadcasting System, Inc.|accessdate=2015-03-05}}</ref>。 * [[3月7日]] - [[ナイジェリア]]を拠点とする[[イスラーム過激派]][[ボコ・ハラム]]、インターネット上のメッセージを通じ、[[ISIL|ISIS]]指導者[[アブバクル・バグダディ]]容疑者の別名「[[カリフ]]」への忠誠を表明<ref>{{Cite news|date=2015-03-08|url=http://www.cnn.co.jp/world/35061448.html|title=ボコ・ハラム、ISISへの「忠誠」を表明|newspaper=CNN.co.jp|publisher=Turner Broadcasting System, Inc.|accessdate=2015-03-08}}</ref>。 * [[3月9日]] - [[アルゼンチン]]北西部[[ラ・リオハ州 (アルゼンチン)|ラ・リオハ州]][[ビジャ・カステリ]]で、[[フランス]]のテレビ局[[TF1]]の[[リアリティー番組]]撮影中だった[[ヘリコプター]]2機が空中衝突、[[2012年ロンドンオリンピック]][[競泳]]金メダリストの[[カミーユ・ムファ]]、[[2008年北京オリンピック]][[ボクシング]]銅メダリストのアレクシ・ヴァスティーヌらを含むフランス人の乗客8人と[[アルゼンチン人]]操縦士2人の計10名が死亡<ref>{{Cite news|date=2015-03-10|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3042026|title=死者に仏の有名スポーツ選手ら、南米のTV撮影ヘリ衝突事故|newspaper=AFPBB|publisher=AFP|accessdate=2015-03-10}}</ref>。 * [[3月13日]] ** [[ナレンドラ・モディ]]、[[インドの歴代首相]]として国際会議以外で28年ぶりに[[スリランカ]]を公式訪問、[[マイトリーパーラ・シリセーナ]][[スリランカの大統領|スリランカ大統領]]と会談、[[インド]]が[[スリランカの鉄道]]分野へ新たに最大約3億ドルを支援するなど経済関係強化で合意<ref>{{Cite news|date=2015-03-13|url=http://www.sankei.com/world/news/150313/wor1503130036-n1.html|title=モディ印首相がスリランカ訪問 経済関係強化へ|newspaper=産経ニュース|publisher=The Sankei Shimbun & SANKEI DIGITAL |accessdate=2015-03-13}}</ref>。 ** 中国[[雲南省]][[臨滄市]]の農村に、国境を接する[[ミャンマー]]北東部[[シャン州]]コーカン地区で[[少数民族]][[コーカン族]]との武力衝突を続けているミャンマー空軍の爆弾が着弾、4人死亡9人負傷。[[中国共産党中央軍事委員会]]の[[范長竜]]副主席、[[ミャンマー軍|ミャンマー国防軍]]総司令官と電話会談し、部隊を厳格に取り締まるよう要求、「さもなくば中国軍は断固たる措置を取る」と伝達<ref>{{Cite news|date=2015-03-14|url=https://web.archive.org/web/20150315101327/http://www.yomiuri.co.jp/world/20150314-OYT1T50137.html|title=ミャンマー軍機、中国に爆弾…関係改善に水さす|newspaper=YOMIURI ONLINE|publisher=読売新聞社|accessdate=2015-03-15}}</ref>。 ** 同日から翌14日にかけて[[バヌアツ共和国]]を超大型[[サイクロン]]「パム」が直撃、最大瞬間風速88.9m/sの強風により最低でも44人が死亡、首都[[ポートビラ]]が完全に破壊された状態となり、[[ポートビラ・バウアフィールド空港]]などが閉鎖される被害<ref>{{Cite news|date=2015-03-14|url=http://www.sankei.com/world/news/150314/wor1503140037-n1.html|title=南太平洋のバヌアツ、サイクロンが直撃…40人以上死亡の情報、全容不明|newspaper=産経ニュース|publisher=The Sankei Shimbun & SANKEI DIGITAL |accessdate=2015-03-14}}</ref><ref>{{Cite news|date=2015-03-15|url=http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2015031500008|title=超大型サイクロンが直撃=「史上最悪クラス」40人超死亡か-バヌアツ|newspaper=時事ドットコム|publisher=時事通信社|accessdate=2015-03-15}}</ref>。 ** ミャンマー西部[[ラカイン州]]沖で、乗客200人以上を乗せたフェリーが沈没、169人を救助するも34人死亡11人行方不明<ref>{{Cite news|date=2015-03-15|url=https://web.archive.org/web/20150315113019/http://www.yomiuri.co.jp/world/20150314-OYT1T50134.html|title=ミャンマー沖でフェリー沈没、34人死亡|newspaper=YOMIURI ONLINE|publisher=読売新聞社|accessdate=2015-03-15}}</ref>。 * [[3月17日]] -[[イスラエル]]で総選挙が行われ[[ベンヤミン・ネタニヤフ]]首相率いる与党[[リクード]]が第1党維持<ref>[http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150318-00000054-jij_afp-int イスラエル総選挙、「予想外」の与党リクード勝利] AFP=時事 2015年3月18日掲載・閲覧</ref>。 * [[3月18日]] - [[チュニジア]]・[[チュニス]]の[[バルド国立博物館]]で銃乱射事件が起き、外国人観光客22名死亡<ref>{{Cite news|date=2015-03-19|url=http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150319-00000042-mai-int|title=<チュニジア銃撃>テロと断定 徹底対決の姿勢示す|newspaper=YAHOO! JAPANニュース|publisher=毎日新聞|accessdate=2015-03-21}}</ref>。([[バルド国立博物館での銃乱射事件]]) *[[3月23日]] - [[リー・クアンユー]]元[[シンガポール]][[首相]]が死去、91歳<ref>{{Cite news|date=2015-03-23|url=http://www.cnn.co.jp/world/35062124.html|title=リー・クアンユー氏死去、91歳 シンガポール建国の父|publisher=CNN.JP|accessdate=2015-03-23}}</ref>。 * [[3月24日]] - [[ジャーマンウイングス9525便墜落事故]]<ref>{{Cite news|date=2015-03-23|url=https://www.asahi.com/topics/word/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E6%97%85%E5%AE%A2%E6%A9%9F%E5%A2%9C%E8%90%BD%E4%BA%8B%E6%95%85.html|title=150人乗りドイツ旅客機が墜落 搭乗名簿に2邦人名か|publisher=朝日新聞|accessdate=2015-03-24}}</ref>。 === 4月 === * [[4月2日]] - [[ケニア]]・[[ガリッサ]]の[[ガリッサ大学]]を銃を持った男が襲撃し、147名が死亡([[ガリッサ大学襲撃事件]])<ref name="BBC">{{Cite news | url = http://www.bbc.com/news/world-africa-32169080 | title = Kenya attack: Garissa University assault 'killed 147' | publisher = [[BBC News]] | date = 2015-04-02 | accessdate =2015-04-04|archiveurl=https://web.archive.org/web/20150404092539/http://www.bbc.com/news/world-africa-32169080|archivedate=2015-04-04}}</ref><ref name="rt">{{Cite news | url = http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0MT0DY20150402 | title = ケニア大学をイスラム過激派襲撃、147人死亡 キリスト教徒人質に | publisher = [[ロイター]] | date = 2015-04-03 | accessdate =2015-04-04|archiveurl=https://web.archive.org/web/20150404094557/http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0MT0DY20150402|archivedate=2015-04-04}}</ref>。 * [[4月11日]] - [[米州首脳会議]]が開催された[[パナマ]]・[[パナマシティ]]で、[[アメリカ合衆国]]の[[バラク・オバマ]][[アメリカ合衆国大統領|大統領]]と[[キューバ]]の[[ラウル・カストロ]][[キューバの国家元首|国家評議会議長]]が対談、[[キューバ革命]]後の[[1961年]]以来長年[[国交]]断絶状態だった両国首脳が、[[1956年]]以来59年ぶりに直接対談<ref>{{Cite news|date=2015-04-12|url=http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK12H1M_S5A410C1000000/|title=米・キューバが59年ぶり首脳会談、オバマ氏とカストロ氏 パナマで|newspaper=日本経済新聞|publisher=日本経済新聞社|accessdate=2015-04-12}}</ref>。 * [[4月14日]] ** [[日本標準時|日本時間]]20時5分頃、[[広島空港]]に着陸しようとした[[アシアナ航空]]162便[[エアバスA320]]が着陸後に滑走路から外れ停止する事故が発生、22人がけが。同空港は滑走路を閉鎖<ref>{{Cite news|date=2015-04-15|url=https://web.archive.org/web/20150414160123/http://www.yomiuri.co.jp/national/20150414-OYT1T50109.html|title=着陸アシアナ機、滑走路外れ22人けが…広島|newspaper=読売新聞|publisher=読売新聞社|accessdate=2015-04-15}}</ref>。{{Main|アシアナ航空162便着陸失敗事故}} ** [[大韓民国|韓国]]政府は、[[朴槿恵]][[大統領 (大韓民国)|大統領]]への名誉毀損で在宅起訴され、8カ月にわたり出国禁止命令を出していた日本の[[産経新聞]]前[[ソウル特別市|ソウル]]支局長に対する措置を解除、前支局長は同日夜日本に帰国<ref>{{Cite news|date=2015-04-14|url=https://www.sankei.com/article/20150414-KHEJQEKZFZPLXIIECBGSFDMTXM/|title=【本紙前ソウル支局長出国禁止解除】14日夜、日本に帰国 8カ月以上の韓国側の措置の末|newspaper=産経ニュース|publisher=The Sankei Shimbun & SANKEI DIGITAL|accessdate=2015-04-15}}</ref>。{{Main|産経新聞韓国大統領名誉毀損問題}} * [[4月21日]] ‐ [[日本]]の[[超電導リニア]]車両が有人走行実験で時速603キロを記録し、鉄道の世界最高速度を更新した<ref>{{Cite news|date=2015-04-21|url=http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ21H1K_R20C15A4MM0000/|title=リニア、時速603キロメートルを記録 世界最高速更新|newspaper=日本経済新聞|publisher=日本経済新聞社|accessdate=2015-04-21 }}</ref>。 * [[4月25日]] ‐ 現地時間11時56分(日本時間午後3時11分)頃、[[ネパール]]の首都[[カトマンズ]]の北西約80kmを震源とするマグニチュード7.8の地震があり、ネパールを中心に隣国のインドや中国でも大きな被害と多数の死傷者が出た。([[ネパール地震 (2015年)]]) * [[4月29日]] - [[インドネシア]]で[[麻薬]]犯罪の外国人8人に[[死刑]]執行<ref>[http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL4N0XQ1LK20150429インドネシア、麻薬犯罪の外国人ら8人の死刑執行 豪は大使召還へ] ロイターjp 2015年4月29日閲覧。</ref>。 === 5月 === * [[5月1日]]〜[[10月31日]] - 【[[イタリア]]・[[ミラノ]]】 [[ミラノ国際博覧会 (2015年)|ミラノ国際博覧会]]開催<ref>{{Cite news|date=2015-05-17|url=https://web.archive.org/web/20150522000517/http://www.yomiuri.co.jp/kodomo/square/baron/20150518-OYT8T50136.html|title=イタリア・ミラノ万博 日本館って何があるんだ?|newspaper=YOMIURI ONLINE|publisher=読売新聞社|accessdate=2015-06-02}}</ref>。 * [[5月2日]] - [[イギリス王室]]の[[キャサリン (プリンセス・オブ・ウェールズ)|キャサリン妃]]が第2子の女児を出産。[[5月4日]]には「[[シャーロット・オブ・ウェールズ|シャーロット・エリザベス・ダイアナ]]」と命名、[[イギリス王位継承順位]]第4位となる<ref>[https://www.sankei.com/article/20150502-IN3TEBFS4RJBZIX2H3ODNVOTCM/ キャサリン妃が女児出産] 産経ニュース 2015年5月2日閲覧。</ref>。 * [[5月5日]] - [[アメリカ合衆国|アメリカ]]で[[ロボットカー|自動運転トラック]]の公道走行が世界で初めて認可された<ref>[http://gigazine.net/news/20150511-autonomous-truck-drive-road/ 世界で初めて商用の自動運転トラックが公道での走行を認可される]</ref>。 * [[5月7日]] -[[2015年イギリス総選挙|イギリス総選挙]]<ref>{{Cite news|date=2015-03-31|url=https://web.archive.org/web/20150402212920/http://www.yomiuri.co.jp/world/20150331-OYT1T50001.html?from=yartcl_popin|title=政権構成「全く予測不可能」…英、選挙戦始まる|newspaper=YOMIURI ONLINE|publisher=読売新聞社|accessdate=2015-03-31}}</ref>。[[保守党 (イギリス)|保守党]]が勝利、キャメロン政権続投。 * [[5月12日]] - [[アメリカ合衆国]][[ペンシルベニア州]][[フィラデルフィア]]の付近で、[[ワシントンD.C.]]から[[ニューヨーク]]に向かう列車が[[列車脱線事故|脱線]]する[[鉄道事故]]が発生。8人が死亡、200人以上がけが<ref>{{Cite news |title= 米の長距離鉄道「アムトラック」が脱線 けが人多数|newspaper= 朝日新聞|date= 2015-05-13|author= ニューヨーク=中井大助|url= http://www.asahi.com/articles/ASH5F3RCFH5FUHBI00Z.html|accessdate=2015-05-13}}</ref>。{{Main|2015年アムトラック脱線事故}} * [[5月20日]] - [[MERSコロナウイルス]]の感染が確定するまで初の感染者が入院していた韓国・平沢聖母病院で[[エアコン]]を通じた院内感染が発生し<ref>{{Cite web|和書|date=2015-06-05 |url=http://japanese.yonhapnews.co.kr/society/2015/06/05/0800000000AJP20150605002600882.HTML |title=MERS拡大 平沢聖母病院の来院者を全員調査へ=韓国 |publisher=[[聯合ニュース]] |accessdate=2015-06-17}}</ref>、それにより韓国国内で感染が広がる。{{Main|2015年韓国におけるMERSの流行}} * [[5月21日]] - 高野山開創1200年記念大法会の法要完成 * [[5月23日]] - [[アイルランド]]で[[同性結婚|同性婚]]を認める憲法改正の賛否を問う[[国民投票]]があり、この日の開票の結果、賛成が多数を占めた。同性婚の法制化を国民投票で決めた国は世界で初めて<ref>{{cite news|url=http://www.nytimes.com/2015/05/24/world/europe/ireland-gay-marriage-referendum.html?_r=0 |publisher=The New York Times |title=Ireland Votes to Approve Gay Marriage, Putting Country in Vanguard |date=2015-05-23|accessdate=2015-10-01|first1=Danny|last1=Hakim|first2=Douglas |last2=Dalby}}</ref>。 * [[5月27日]] - 汚職の容疑で[[スイス]]の司法当局がFIFA([[国際サッカー連盟]])の幹部を逮捕<ref>{{Cite news |title= スイス当局、汚職疑いでFIFA幹部ら逮捕 米紙報道|newspaper= 日本経済新聞|date= 2015-05-27|author= |url= http://www.nikkei.com/article/DGXLAS0040015_X20C15A5000000/|accessdate=2015-06-05}}</ref>。[[アメリカ合衆国]]の[[米国司法省|司法省]]が14人を組織的不正の罪で起訴、その内の7人をスイス当局が逮捕した<ref>{{Cite news |title= FIFA副会長ら7人逮捕 W杯放映権など巡り収賄容疑|newspaper= 朝日新聞|date= 2015-05-28|author= |url= http://www.asahi.com/articles/ASH5W6HL4H5WUHBI013.html|accessdate=2015-06-05}}</ref>。{{Main|2015年FIFA汚職事件}} * [[5月29日]] - アメリカの「[[テロ支援国家]]」指定からキューバが除外されることが正式に決定した<ref>{{Cite news|url=http://www.cnn.co.jp/usa/35065221.html|title=米、キューバのテロ支援国家指定を解除|page=1|publisher=[[CNN (アメリカの放送局)|CNN]]|date=2015-05-30|accessdate=2017-07-18}}</ref>。 === 6月 === * [[6月7日]] - [[2015年6月トルコ総選挙|トルコ総選挙]]。与党[[公正発展党]]が政権獲得以来初の過半数割れ。 * [[6月7日]]〜[[6月8日|8日]] - 【[[ドイツ]]・{{仮リンク|シュロス・エルマウ|de|Schloss Elmau|label=エルマウ}}】で第40回[[主要国首脳会議]]開催<ref>{{Cite news|date=2015-06-09|url=https://web.archive.org/web/20150610155521/http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150608-OYT1T50136.html|title=青東・南シナ海「緊張を懸念」…G7首脳宣言|newspaper=読売新聞|publisher=読売新聞社|accessdate=2015-06-09}}</ref>。 * [[6月9日]] - [[中華民国]][[国防部 (中華民国)|国防部]]が[[日中戦争|抗戦]]勝利70周年を記念し中華民国抗戦勝利紀念章を復刻する<ref>{{Cite news|date=2015-06-09|url=http://www.nownews.com/n/2015/06/09/1713887|title=復刻版抗戰勝利紀念章曝光 滯留大陸老兵也可申請|newspaper=今日新聞||accessdate=2015-07-05}}</ref>。 * [[6月12日]] - [[中国株の大暴落 (2015年)|中国株の大暴落]]が始まる。 * [[6月17日]] - [[オーストラリア]]の[[キャンベラ]]で[[中華人民共和国|中国]][[中華人民共和国商務部|商務部]]長[[高虎城]]とオーストラリア貿易相[[アンドルー・ロブ]]が[[中豪自由貿易協定]]を締結する。中国がオーストラリアから輸入する製品の内97%の品目の関税を将来撤廃する<ref>{{Cite news|date=2015-06-19|url=http://j.people.com.cn//n/2015/0619/c94476-8909018.html|title=中豪自由貿易協定締結 実際の恩恵は?|newspaper=人民網日本語版||accessdate=2015-06-26}}</ref>。 * [[6月18日]] - {{仮リンク|デンマーク総選挙|en|Danish general election, 2015}}投開票。野党の[[デンマーク自由党|自由党]]や[[デンマーク国民党|国民党]]からなる中道右派連合が、与党[[デンマーク社会民主党|社会民主党]]を破り4年ぶりに政権交代。 * [[6月26日]] ** [[合衆国最高裁判所|アメリカ合衆国最高裁判所]]は同国の全州で[[同性結婚]]を合法化<ref>{{Cite news|date=2015-06-27|url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150627/k10010129591000.html|title=米最高裁の同性婚“合法化” 保守派は反発|newspaper=NHKニュース|archiveurl=https://web.archive.org/web/20150702192904/http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150627/k10010129591000.html|archivedate=2015-07-02 |deadlinkdate= 2020-7|accessdate=2015-07-01}}</ref>([[オーバーグフェル対ホッジス裁判]])。 ** [[2015年ラマダン攻撃]] - [[フランス]]、[[クウェート]]、[[ソマリア]]、[[チュニジア]]、[[シリア]]で[[ISIL]]が[[テロリズム|テロ]]攻撃。 *** クウェートのテロ攻撃については「[[2015年クウェート市モスク自爆テロ]]」も参照。 * [[6月30日]] - [[国際地球回転・基準系事業]]の決定により、[[協定世界時]]23時59分59秒と翌7月1日0時00分00秒の間に「23時59分60秒」の[[閏秒]]を挿入<ref>{{Cite news |title=6月末日にうるう秒を挿入へ--廃止の議論も課題 |url=http://japan.zdnet.com/article/35058735/ |date=2015-01-08 |newspaper=ZDNet Japan |publisher=ASAHI INTERACTIVE, Inc. |accessdate=2015-01-26}}</ref>。 === 7月 === * [[7月6日]] - 閉鎖されたナトゥ・ラ峠の通行が可能となる<ref>[http://jp.xinhuanet.com/2015-06/23/c_134346252.htm 中国、インドの巡礼者にチベット・ナトゥラ峠開放] 新華網日本語(2015年6月23日)2020年10月21日閲覧</ref>。 * [[7月9日]] - [[中華人民共和国]]政府が人権派弁護士の大量逮捕を開始([[709事件]])。 * [[7月14日]] - [[アメリカ航空宇宙局|NASA]]が2015年から9年前の[[2006年]]に打ち上げた、人類初の[[冥王星]]無人[[宇宙探査機|探査機]][[ニュー・ホライズンズ]]が冥王星に最接近。最接近時の距離は13,695&nbsp;km。 * [[7月17日]] - 2014年F1日本グランプリの事故で意識不明であった[[ジュール・ビアンキ]]が死去、25歳<ref>[http://f1-gate.com/bianchi/f1_27866.html ジュール・ビアンキが永眠、享年25歳] F1-gate.com 2015年7月19日閲覧。</ref>。 * [[7月20日]] - アメリカとキューバ相互に大使館が再び開設され、[[1961年]]に断交して以来54年ぶりに国交を回復する<ref>{{Cite news|url=https://jp.reuters.com/article/cuba-usa-july-idJPKCN0PU0TD20150720|title=米・キューバが54年ぶり国交回復、相互に大使館再開|agency=[[ロイター]]|date=2015-07-20|accessdate=2017-07-18}}</ref>。 {{Main|キューバの雪解け}} * [[7月28日]] - [[世界スカウト機構]]主催の第23回[[世界スカウトジャンボリー]]が[[山口県]]・きらら浜で開催。[[8月8日]]まで。 * [[7月29日]] - [[Microsoft Windows 10]]が[[マイクロソフト]]よりPC・タブレット向けおよび組み込みシステム向けエディションに一般への提供が開始される。<ref>[https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/704811.html “Windows 10は7月29日公開決定”]. PC Watch. (2015年6月1日) 2015年8月14日閲覧。</ref><ref>[http://ascii.jp/elem/000/001/015/1015279/ “日本MSは、いつWindows 10“発売”イベントを開催するか?”]. [[アスキー・メディアワークス]]. (2017年5月16日) 2016年8月21日閲覧。</ref> * [[7月31日]] - [[アメリカ合衆国]]の[[航空機]]メーカー、[[ロッキード・マーティン]]が中心となって開発した単発単座の[[マルチロール機|多用途性]]を備えた[[ステルス機|ステルス戦闘機]]、[[F-35 (戦闘機)|F-35]]ライトニングII B型が初期作戦能力を獲得した<ref>[http://www.marines.mil/News/NewsDisplay/tabid/3258/Article/611657/us-marines-corps-declares-the-f-35b-operational.aspx U.S. MARINES CORPS DECLARES THE F-35B OPERATIONAL] 海兵隊公式サイトNews Display2016年7月30日</ref>。 === 8月 === * [[8月1日]] - Microsoft Windows 10のボリュームライセンス契約で利用可能なEnterpriseとEducationおよび[[DSP]] (Delivery Service Partner) 版が発売された<ref>[https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/713286.html “DSP版Windows 10は8月1日発売、発売記念前夜祭も秋葉原で開催”]. [[Impress Watch]]. (2016年12月11日) 2016年12月11日閲覧。</ref>。 * [[8月1日]] - [[8月9日]] - [[サッカー]]・[[東アジアカップ2015|EAFF東アジアカップ2015]]開催。 * [[8月12日]] - [[中国]]・[[天津市]]にて二度にわたって[[危険物]][[倉庫]]が[[爆発]]する事故が発生。死者165人、負傷者798人([[2015年天津浜海新区倉庫爆発事故]])<ref>[http://www.asahi.com/articles/ASH8F5FF4H8FUHBI015.html 天津の爆発事故、死者50人に 進出の日系企業にも被害] 朝日新聞 2015年8月13日閲覧。</ref>。 * [[8月15日]] - [[2015年スリランカ議会総選挙|スリランカ議会総選挙]]投開票。野党[[良い統治のための統一国民戦線]]が勝利。 * [[8月17日]] - [[バンコク爆弾テロ事件 (2015年)|バンコク爆弾テロ事件]]。 * [[8月21日]] - [[タリス銃乱射事件]]。 * [[8月26日]] - [[バージニア・テレビクルー射殺事件]]。 === 9月 === * [[9月4日]] - Microsoft Windows 10のリテール版、およびダウンロード版が発売開始。 * [[9月10日]] - [[南アフリカの人類化石遺跡群]]において、[[ヒト族]]の新種、[[ホモ・ナレディ]]が発見されたことが公表される<ref>{{Cite web|title = This Face Changes the Human Story. But How?|url = http://news.nationalgeographic.com/2015/09/150910-human-evolution-change/|work = [[National Geographic News]]|accessdate = 2015-10-01|date = 2015-09-10|first = Jamie|last = Shreeve}}</ref>。 * [[9月11日]] - {{仮リンク|シンガポール総選挙|en|Singaporean general election, 2015}}投開票。与党[[人民行動党]]が圧勝。 * [[9月17日]] - 7時54分、[[チリ]]中部沖でM8.3の[[地震]]が発生。沿岸部に高さ約4mの[[津波]]が到達。12人が死亡し、100万人が避難した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3060679|title=チリ地震「悪夢」から一夜、死者12人 津波で沿岸に大きな被害|accessdate=2021年4月6日|website=AFP BB news}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=http://news.yahoo.co.jp/pickup/6174724|title=チリ地震8人に…津波4m、100万人が避難 -- ''Yahoo!ニュース''|work=Yahoo!|date=2015-09-17|accessdate=2015-09-17}}</ref>。{{Main|イヤペル地震}} * [[9月20日]]- [[2015年9月ギリシャ議会総選挙|ギリシャ議会総選挙]]投開票。与党[[急進左派連合]]が過半数維持、[[アレクシス・ツィプラス|ツィプラス]]首相続投。 * [[9月18日]]〜[[10月31日]] - [[ラグビーワールドカップ2015]]が[[イングランド]]で開催。イングランドでの開催は[[1991年]]の[[ラグビーワールドカップ1991|第2回大会]]に続き2回目となる。{{ru-rt|NZL}}が2大会連続3度目の優勝を達成した。 * [[9月24日]] ** 北米エリアを管轄する[[地域インターネットレジストリ]](RIR)の[[ARIN]]はIPv4アドレスのストックが枯渇したと発表。これによって[[AfriNIC]]を除く地域で、[[IPv4アドレス]]の在庫が枯渇した<ref>[http://www.potaroo.net/tools/ipv4/index.html IPv4 Address Report]</ref><ref>[https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2015/20150925-01.html 北米地域レジストリにおけるIPv4アドレス在庫枯渇のお知らせ] [[日本ネットワークインフォメーションセンター]]、2016年8月21日(2016年12月11日閲覧)。</ref><ref>[https://www.arin.net/announcements/2015/20150924.html ARIN IPV4 FREE POOL REACHES ZERO] [[ARIN]]、2016年9月19日(2016年12月11日閲覧)。</ref>。{{Main|IPアドレス枯渇問題}} ** [[サウジアラビア]]の[[メッカ]]で群衆事故が発生、2,181人が圧死。{{Main|2015年メナー群衆事故}} * [[9月25日]]〜[[9月27日|27日]] - 2015年に期限切れとなる[[ミレニアム開発目標]](MDGs)を継承・発展させたもので、[[国際連合]]が[[2030年]]までの新たな指針「[[持続可能な開発のための2030アジェンダ]]」として示した[[持続可能な開発目標]](SDGs)が[[国際連合総会|国連総会]]で採択された<ref>{{cite web|title= World leaders adopt Sustainable Development Goals|url=http://www.undp.org/content/undp/en/home/presscenter/pressreleases/2015/09/24/undp-welcomes-adoption-of-sustainable-development-goals-by-world-leaders.html|website=United Nations Development Programme|accessdate=2015-12-11}}</ref>。 * [[9月30日]] - [[ロシア]]の[[ウラジーミル・プーチン]]大統領が[[シリア]]政府からの要請を受け、シリア領内で[[ISIL]]に対する空爆を開始することを発表した<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.asahi.com/articles/ASH9Z5SW1H9ZUHBI021.html|title=ロシア、シリアのISへ空爆 アサド大統領の要請受け|publisher=朝日新聞デジタル|date=2015-9-30|accessdate=2015-11-22}}</ref>。{{main|ロシア連邦航空宇宙軍によるシリア空爆}} === 10月 === * [[10月2日]] - [[ニューサウスウェールズ警察本部銃殺事件]]。 * [[10月4日]] - {{仮リンク|ポルトガル総選挙|en|Portuguese legislative election, 2015}}投開票。与党[[社会民主党 (ポルトガル)|社会民主党]]が過半数割れ。連立協議の結果、野党[[社会党 (ポルトガル)|社会党]]を中心とした左派連合が政権を獲得し、4年ぶりに政権交代。 * [[10月10日]] - {{仮リンク|アンカラ爆破テロ事件|en|2015 Ankara bombings}}。 * [[10月15日]] - [[ブルガリア難民射殺事件]]<ref>{{Cite web|和書|date=2015年10月16日 |url=https://jp.reuters.com/article/europe-migrants-bulgaria-idJPL3N12G2D620151016 |title=アフガン難民男性、ブルガリア国境警察の威嚇射撃に当たり死亡 |publisher=ロイター |accessdate=2020-10-15}}</ref>。 * [[10月19日]] - [[2015年カナダ総選挙]]が行われ[[スティーヴン・ハーパー]][[カナダ首相|首相]]の[[カナダ保守党]]を破り、[[ジャスティン・トルドー]]党首率いる[[カナダ自由党]]が過半数を獲得、10年ぶりの政権獲得となった<ref>[http://www.cnn.co.jp/world/35072210.html カナダ総選挙 野党・自由党が圧勝、10年ぶり政権交代へ]([[CNN (アメリカの放送局)|CNN]] 2015年10月20日 同日閲覧)</ref>。 * [[10月23日]] ** フランス・ボルドー北東部のピュイスガンにて発生したバスと大型トラックの衝突事故発生。死者42名、負傷者5名。[[2015年ピュイスガン交通事故]]。 ** [[アライソ渓谷ガス漏れ事故]]発生。漏出箇所の修理完了までに3ヶ月以上を要し、2016年2月までにはアメリカ合衆国史上最大のガス漏れ事故と言われるようになった<ref>[http://www.ecowatch.com/porter-ranch-monster-gas-leak-largest-in-u-s-history-1882181666.html Article in EcoWatch.com 27 February 2016] accessed 31 January 2017</ref>。 * [[10月25日]] - {{仮リンク|ポーランド総選挙|en|Polish parliamentary election, 2015}}投開票。右派の野党[[法と正義]]が与党[[市民プラットフォーム]]を破り、4年ぶりに政権交代。 * [[10月29日]] - 10月29日に閉幕した中国共産党の重要会議である中央委員会第5回全体会議(5中全会)により、[[一人っ子政策]]の廃止が決定された<ref>[https://www.sankei.com/article/20151030-KWLQVBQLGJP7BFZ4PCRSM3OINY/ 【中国、一人っ子政策廃止】]</ref>。 * [[10月31日]] - [[コガリムアビア航空9268便]]がエジプトの[[シナイ半島]]に墜落し、乗員乗客224人全員が死亡した。後の調査により爆破テロであったことが判明した<ref>[https://www.sankei.com/article/20151031-MFKDN7BKR5IEFBDKOSYSSNPPP4/ 224人乗りロシア機が墜落 エジプト・シナイ半島に]</ref>。 === 11月 === * [[11月1日]] - {{仮リンク|トルコ再総選挙|en|Turkish general election, November 2015}}投開票。与党[[公正発展党]]が過半数を回復。 * [[11月7日]] - [[シンガポール]]で[[習近平]]共産党総書記と[[馬英九]]総統が中台分断後初の首脳会談 ({{仮リンク|2015年習近平・馬英九会談|zh|两岸领导人会面}})を実施。 * [[11月8日]] - [[:en:Myanmar general election, 2015|ミャンマー総選挙]]投開票<ref>[https://web.archive.org/web/20150711024801/http://www.yomiuri.co.jp/world/20150708-OYT1T50194.html 11月に民政移管後初の総選挙…ミャンマー]</ref>。[[アウンサンスーチー]]率いる野党[[国民民主連盟]]が大勝し、政権交代。 * [[11月8日]]〜[[11月21日]] - [[野球]]の国際大会[[WBSCプレミア12]]が日本・台湾で初開催された。[[開幕戦]]の舞台は[[札幌ドーム]]・[[決勝戦]]の舞台は[[東京ドーム]]。 * [[11月9日]] - スペインのカタルーニャ議会が[[カタルーニャ独立手続き開始宣言|独立手続き開始宣言]]を可決<ref>{{Cite news | url=http://jp.reuters.com/article/2015/11/09/catalonia-vote-idJPKCN0SY1PR20151109 | title=カタルーニャ州、スペインからの分離独立プロセス開始へ | work=ロイター | publisher=[[ロイター]] | date=2015-11-10 | accessdate=2015-11-11 }}</ref>。 * [[11月12日]] - [[大法院 (大韓民国)|韓国最高裁判所]]は、[[セウォル号沈没事故]]にて事故処理を怠った船長の上告を棄却した。これにより船長の[[無期懲役]]の刑が確定した<ref>[http://www.asahi.com/articles/ASHCD3JCXHCDUHBI010.html セウォル号船長、殺人罪で無期懲役確定 韓国最高裁判決] 朝日新聞 2016年12月11日閲覧。</ref>。 * [[11月13日]] - [[パリ同時多発テロ事件]]発生、6カ所の場所で乱射や爆発が起き、130人超の死者が出た<ref>[https://www.asahi.com/special/timeline/20151114-france/ パリ同時多発テロ事件] 朝日新聞 2015年11月14日閲覧。</ref>。 * [[11月14日]] - {{仮リンク|2015年11月大韓民国民衆総決起|ko|2015년 11월 대한민국 민중총궐기}}。 * [[11月22日]] ** [[1993年]]から[[1998年]]の間[[大統領 (大韓民国)|韓国大統領]]を務めた[[金泳三]]が死去、87歳没<ref>[http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/11/22/2015112200159.html 金泳三元大統領死去=韓国] 朝鮮日報 2015年11月22日閲覧。</ref>。 ** 香港にて第五回[[区議会 (香港)|区議会]]選挙。「[[2014年香港反政府デモ|雨傘運動]]」以来初めて全香港範囲で実施された選挙である。 *** 今回の立候補人数は943人。 *** 今回の総投票人数は146万8千人(投票率47.01%)に登り、両方とも区議会設立以来最大規模だったと言われる。 *** 結果としては、親中派が現状維持、民主派は微増したと見られる。また、雨傘運動の「傘兵」8人が当選した。 ** {{仮リンク|2015年アルゼンチン大統領選挙|en|Argentine general election, 2015|label=アルゼンチン大統領選挙}}の決選投票。野党連合{{仮リンク|カンビエモス|en|Cambiemos}}の[[マウリシオ・マクリ]]ブエノスアイレス市長が、[[クリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネル|フェルナンデス・キルチネル]]大統領の後継候補である与党正義党の{{仮リンク|ダニエル・シオリ|en|Daniel Scioli}}ブエノスアイレス州知事を破り勝利した<ref>{{Cite news | url=https://www.afpbb.com/articles/-/3067712 | title=アルゼンチン大統領選、マクリ氏が勝利 | work=AFPBB News | publisher=[[フランス通信社]] | date=2015-11-23 | accessdate=2015-11-24 }}</ref>。 * [[11月24日]] - [[ロシア軍爆撃機撃墜事件]]<ref name="yomiuri24">[https://web.archive.org/web/20151125213634/http://www.yomiuri.co.jp/world/20151125-OYT1T50125.html?from=yrank_ycont 撃墜でロシア軍「トルコ機がシリア領空侵犯」] YOMIURI ONLINE2015年11月25日11時40分配信</ref>。 === 12月 === * [[12月6日]] - {{仮リンク|ベネズエラ総選挙|en|Venezuelan parliamentary election, 2015}}。野党[[民主統一会議]]が定数167のうち109議席を獲得し大勝。一方、与党[[統一社会党]]は55議席にとどまった<ref>{{cite news |url=http://www.sankei.com/world/news/151209/wor1512090023-n1.html |title=ベネズエラ、改憲可能に 国会選、野党が3分の2超 |author= |work=[[産経デジタル|産経ニュース]] |date=2015-12-09 |accessdate=2015-12-09}}</ref>。 *[[12月12日]] -[[第21回気候変動枠組条約締約国会議]](COP21)で[[パリ協定 (気候変動)|パリ協定2015年]]を採択、温暖化1.5度以内へ努力をする枠組みが決まった<ref>{{cite news |url=http://www.nikkei.com/article/DGXLASGG12H37_S5A211C1000000/ |title= COP21、パリ協定採択 196カ国・地域が参加 18年ぶり 温暖化1.5度以内へ努力 |author= |work=日本経済新聞 |date=2015-12-13 |accessdate=2015-12-15}}</ref>。 * [[12月20日]] - [[2015年スペイン議会総選挙|スペイン議会総選挙]]投開票。[[スペイン下院|下院選]](定数350)で[[マリアーノ・ラホイ・ブレイ]]首相率いる[[国民党 (スペイン)|国民党]]は第1党は維持したが123議席にとどまり、過半数割れ<ref>{{Cite news|date=2015-12-21|url=https://web.archive.org/web/20151222131230/http://www.yomiuri.co.jp/world/20151221-OYT1T50083.html?from=yartcl_blist|title=スペイン総選挙、与党過半数割れ…第1党は維持|newspaper=YOMIURI ONLINE|publisher=読売新聞社|accessdate=2015-12-22}}</ref>。 * [[12月28日]] - [[慰安婦問題日韓合意]]が成立。[[日本]]・[[韓国]]の両国間で紛糾していた慰安婦問題は、この合意により最終的かつ不可逆的に解決されると確認した<ref>{{Cite web|和書|date=2015年12月29日 |url=https://www.bbc.com/japanese/35192235 |title=「慰安婦問題」日韓合意 両国首脳が歓迎 |publisher=BBC |accessdate=2020-07-28}}</ref>。 * [[12月31日]] ** [[アドルフ・ヒトラー]]著『[[我が闘争]]』の著作権が失効した<ref>{{Cite web|和書|date=2016年1月20日 |url=https://www.huffingtonpost.jp/2016/01/20/hitler-mein-kampf-germany_us_n_9024754.html |title=ヒトラー『わが闘争』ドイツで70年ぶり再発売、注文殺到で増刷も |publisher=ハフポスト |accessdate=2020-07-28}}</ref>。 ** [[国際純正・応用化学連合]] (IUPAC) は、発表報告がある4つの[[元素]]([[ウンウントリウム|113番]]、[[ウンウンペンチウム|115番]]、[[ウンウンセプチウム|117番]]、[[ウンウンオクチウム|118番]])についていずれも認定することを発表した<ref>[http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20151230/4720741.html 113番目元素 日本が命名権](NHKニュース:首都圏 NEWS WEB, 2015年12月30日)</ref>。これにより[[周期表]]の[[第7周期元素|第7周期]](118番元素)までは全て埋まることとなる(「[[未発見元素の一覧]]」も参照)。 ** [[ケルン大晦日集団性暴行事件]]。 == 周年 == {{notice|周年であること自体に特筆性のある項目(元のトピックの特筆性ではありません)のみ記述してください、また期間限定イベント(五輪、万博など)は開幕日-閉幕日起点で記述してください}} 以下に、過去の主な出来事からの区切りの良い年数([[周年]])を記す。 * [[第二次世界大戦]]・[[太平洋戦争]]関連、終結から70周年。 ** [[1月27日]] - [[ソビエト連邦]]軍による[[アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所]]解放<ref>{{Cite news|date=2015-01-28|url=http://jp.wsj.com/articles/SB12736489134639783367304580426763835189360|title=アウシュビッツ強制収容所の解放から70年|newspaper=ウォール・ストリート・ジャーナル日本語版|publisher= Dow Jones & Company, Inc.|accessdate=2015-03-08}}</ref>。 ** [[2月4日]]〜[[2月11日]] - [[ヤルタ会談]]<ref>{{Cite news|date=2015-02-06|url=http://www.jiji.com/jc/zc?k=201502/2015020600146|title=ヤルタにスターリン像=大戦末期の密約会談70年|newspaper=時事ドットコム|publisher=時事通信社|accessdate=2015-03-08}}</ref>。 ** [[3月3日]] - [[シブヤン海]]に眠る[[戦艦武蔵]]を発見。 ** [[4月16日]]〜[[5月8日]] - [[ベルリンの戦い]]。 ** [[4月30日]] - [[アドルフ・ヒトラーの死|アドルフ・ヒトラーが自殺]]。 ** [[5月8日]] - [[欧州戦線における終戦 (第二次世界大戦)|ナチス・ドイツ]]降伏。 ** [[8月6日]] - 人類史上初の[[核兵器]]の実戦使用([[アメリカ空軍]]による[[広島市への原子爆弾投下]])。 ** [[9月2日]] - [[日本の降伏文書]]調印により[[第二次世界大戦]]終結。 * [[1月1日]] - WTO([[世界貿易機関]])設立20周年。 * [[1月12日]] - [[ハイチ地震 (2010年)|ハイチ地震]]発生から5年。 * [[1月17日]] - [[阪神・淡路大震災]]発生から20年。 * [[3月4日]] - [[PlayStation 2]]発売から15周年。 * [[3月8日]] - [[血の日曜日事件 (1965年)|血の日曜日事件]]([[セルマ (アラバマ州)|セルマ]]の大行進)から50年<ref>{{Cite web|和書|date=2015-03-08 |url=http://www.sankei.com/world/news/150308/wor1503080030-n1.html |title=「血の日曜日」から50年…オバマ米大統領、人種差別解消を訴え 事件の起きたアラバマ州セルマで |work=産経ニュース |publisher=The Sankei Shimbun & SANKEI DIGITAL |accessdate=2015-03-08}}</ref>。 * [[3月20日]] - [[オウム真理教]]による[[化学兵器]]無差別[[テロリズム|テロ]]、[[地下鉄サリン事件]]から20年。 * [[4月14日]] - [[リンカーン大統領暗殺事件]]から150年。 <!-- 日本ローカル? * [[4月25日]] - [[JR福知山線脱線事故]]から10年。 --> * [[4月30日]] - [[ベトナム戦争]][[サイゴン陥落]]から40年。 * [[5月14日]] - [[小渕恵三]]没後15周年。 * [[7月26日]] - [[モルディブ]]独立50周年。 * [[8月12日]] - [[日本航空123便墜落事故]]から30年。 * [[8月15日]] - [[ムジブル・ラフマン]]暗殺から40年。 * [[9月5日]] - [[日露戦争]]による日露講和条約([[ポーツマス条約]])締結から110周年。 * [[9月22日]] - [[プラザ合意]]から30周年。 * [[10月10日]] - [[朝鮮労働党]]結党70周年。 * [[10月24日]] - [[国際連合]]発足70周年。 * [[11月4日]] - [[イスラエル]]の[[イツハク・ラビン|ラビン首相]]暗殺から20年。 * [[11月20日]] - [[Microsoft Windows]]発売開始30周年。 * [[11月21日]] - [[スーパーファミコン]]発売から25周年。 * [[12月10日]] - [[Xbox 360]]発売から10周年。 * [[12月18日]] - [[日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約|日韓国交正常化]]50周年<ref>[https://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/na/kr/page3_001097.html#section1 日韓国交正常化50周年] 外務省。</ref>。 == イベント・行事 == === 国際年 === {{seealso|国際年}} * [[国際土壌年]](International Year of Soils) == 経済 == {{see|2015年の経済}} == 芸術・文化・ファッション == === 世相 === * [[2015年欧州難民危機]]<ref>{{Cite web |title=Europe migrant crisis |url=http://www.bbc.com/news/world-europe-32395181|accessdate=2015-10-20}}</ref> * 世界の平均気温が過去最高を更新。[[エルニーニョ現象]]と人間の活動が主因とされている<ref>{{Cite news|title=2015年の世界平均気温 過去最高を大幅更新|newspaper=[[英国放送協会|BBC]]|date=2016-01-21|url=http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-35369027|accessdate=2016-01-21}}</ref>。 === スポーツ === {{see|2015年のスポーツ}} === 音楽 === {{see|2015年の音楽}} === 映画 === {{main|2015年の映画}} * [[ホーム 宇宙人ブーヴのゆかいな大冒険]] * [[ミニオンズ]] * [[モンスター・ホテル2]] * [[グースバンプス モンスターと秘密の書]] * [[スポンジ・ボブ 海のみんなが世界を救Woo!]] * [[I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE]] * [[ひつじのショーン|映画 ひつじのショーン 〜バック・トゥ・ザ・ホーム〜]] * [[リトルプリンス 星の王子さまと私]] * [[インサイド・ヘッド]] * [[アーロと少年]] * [[オデッセイ (映画)|オデッセイ]] * [[キャロル (映画)|キャロル]] * [[クリード チャンプを継ぐ男]] * [[サウルの息子]] * [[ジュラシック・ワールド]] * [[スター・ウォーズ/フォースの覚醒]] * [[スポットライト 世紀のスクープ]] ※[[第88回アカデミー賞]][[アカデミー作品賞|作品賞]] * [[007 スペクター]] * [[ディーパンの闘い]] ※[[第68回カンヌ国際映画祭]][[パルム・ドール]] * [[トランボ ハリウッドに最も嫌われた男]] * [[ブリッジ・オブ・スパイ]] * [[ブルックリン (映画)|ブルックリン]] * [[マイ・インターン]] * [[マッドマックス 怒りのデス・ロード]] * [[ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション]] * [[ルーム (映画)|ルーム]] * [[レヴェナント: 蘇えりし者]] * [[ワイルド・スピード SKY MISSION]] <!--* [[ターミネーター:新起動/ジェニシス]]--> <!--* [[I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE]]--> <!--* [[アーロと少年]]--> <!--* [[グースバンプス モンスターと秘密の書]]--> <!--* [[スポンジ・ボブ 海のみんなが世界を救Woo!]]--> <!--* [[ピクセル (2015年の映画)|ピクセル]]--> <!--* [[モンスター・ホテル2]]--> === 文学 === {{main|2015年の文学}} * [[スティーグ・ラーソン]]『[[ミレニアム (小説)|ミレニアム]]』を引き継いだ[[ダヴィド・ラーゲルクランツ]]による続編3編のうち、最初となる第4部発売。 == 誕生 == {{see also|2015年の日本#誕生|Category:2015年生}} * [[5月2日]] - [[シャーロット・オブ・ウェールズ]]、[[イギリス]]の王女 * [[6月15日]] - [[ニコラス (オンゲルマンランド公)]]、[[マデレーン (スウェーデン王女)]]の第二子<ref>[https://www.afpbb.com/articles/-/3051994 スウェーデン王室、新王子は「ニコラス」と命名の予定]</ref> === 人物以外 === * [[1月20日]] - [[フィエールマン]]、競走馬 * [[9月8日]] - [[豆三郎]]、[[動物タレント]](+ [[2022年]]) == 死去 == {{See|訃報 2015年}} * [[6月18日]] - [[たてかべ和也]]、(+ [[1934年]]) == ノーベル賞 == * [[ノーベル物理学賞|物理学賞]]:[[梶田隆章]]、[[アーサー・B・マクドナルド]] * [[ノーベル化学賞|化学賞]]:[[トマス・リンダール]]、[[ポール・モドリッチ]]、[[アジズ・サンジャル]] * [[ノーベル生理学・医学賞|生理学・医学賞]]:[[ウィリアム・セシル・キャンベル]]、[[大村智]]、[[屠呦呦]] * [[ノーベル文学賞|文学賞]]:[[スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ]] * [[ノーベル平和賞|平和賞]]:[[チュニジア国民対話カルテット]] * [[ノーベル経済学賞|経済学賞]]:[[アンガス・ディートン]] == フィクションのできごと == {{フィクションの出典明記|section=1|ソートキー=年2015|date=2011年7月12日 (火) 02:03 (UTC)}} * 1月 - 6月 - 視覚を[[赤外線]]以上の[[超短波]]領域へ広げる処方を発明したペーデル・ビヨルンセン教授が、その視覚によってエネルギーからなる生物「ヴァイトン」を発見。ビヨルンセンはヴァイトンが知られぬままに人類を家畜同然に扱っていることを突き止めるが、彼および彼からそのことを知らされた複数名の科学者は連続してヴァイトンに起因する死を遂げる。(小説『[[超生命ヴァイトン]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= エリック・フランク・ラッセル|authorlink=エリック・フランク・ラッセル |title = 超生命ヴァイトン |publisher = [[早川書房]] |year = 1964 |pages = 11-22,85-101,105-118 |isbn = 978-4-15-207941-1}}</ref> * 2月3日 - 科学省にて少年ロボット「マルス」が誕生。(アニメ『[[ジェッターマルス]]』) * 3月 - 警視庁特命係巡査部長、甲斐享が連続暴行事件の犯人「ダークナイト」として逮捕、警視庁を懲戒免職となる。これを受けて直接の上司にあたる杉下右京警部が無期限停職の処分を受ける。(テレビドラマ『[[相棒|相棒 season13]]』) * 春 - 法務省からキャリア官僚の冠城亘が警視庁へ出向する。(テレビドラマ『[[相棒|相棒 season14]]』) * 6月22日-[[第3新東京市|第三新東京市]]に[[碇シンジ]]が上京する。その際に、第三使徒[[使徒 (新世紀エヴァンゲリオン)#サキエル(SACHIEL)|サキエル]]が襲来し、シンジが搭乗した[[エヴァンゲリオン (架空の兵器)|エヴァ]]初号機によって殲滅する。これ以降、2016年までにすべての[[使徒 (新世紀エヴァンゲリオン)|使徒]]を倒す。(アニメ『[[新世紀エヴァンゲリオン]]』)<ref>{{Cite web|和書|url=http://36ch.com/evangelion/eva_inside_history/|title=エヴァンゲリオンTVシリーズの歴史年表 {{!}} アニメ36ch|accessdate=2018-05-02|website=アニメ36ch|language=ja}}</ref>{{出典無効|date=2018-05-31}} * 7月30日 - 人類の粛清を決定した[[天津神|天の神]]が遣わした異形の生物「バーテックス」が世界中に出現し、人類の虐殺を開始する。これにより人類の総人口は激減し、一部地域を残して滅亡した。(小説『[[乃木若葉は勇者である]]』) * 8月5日 - 「ベルトさん(=ドライブドライバー)の暴走によって、世界がロイミュードに支配される」ということを警告をするため、仮面ライダードライブこと泊進ノ介の息子である、泊エイジが2035年の未来からやって来る。(映画『[[劇場版 仮面ライダードライブ サプライズ・フューチャー]]』) * 8月30日 - [[エストバキア連邦]]が[[エメリア共和国]]の首都 グレースメリアに侵攻。[[エメリア・エストバキア戦争]]開戦。(ゲーム『[[エースコンバット6 解放への戦火]]』) * 10月 - 警視庁特命係警部、杉下右京が冠城亘と邂逅、警察庁長官官房付の甲斐峯秋の根回しにより、右京の無期限停職が解除され、特命係へ復帰と同時に亘が特命係に残る事を決意(『相棒 season14』)。 * 10月21日 - 主人公のマーティ達が[[1985年]]から[[タイムマシン]]「[[デロリアン (タイムマシン)|デロリアン]]」([[デロリアン#概要|デロリアン・DMC-12]]の改造品)で到着する。(映画『[[バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2]]』) ** これに合わせて実際に日本やアメリカをはじめとする世界各国で様々なイベントが開催され、マーティを演じた[[マイケル・J・フォックス]]やマシンの開発者ドク・エメット・ブラウンを演じた[[クリストファー・ロイド]]も各地に出向いて、久々に同役を演じている。 * テロ組織である「ブラトノイ」の支援を受け、ロシア軍の一部が武装蜂起。「NRF(新ロシア連邦)」を名乗りクーデターを起こす。(ゲーム『[[エースコンバット アサルト・ホライゾン]]』) * 複数のMI(機械知性)[[宇宙探査機|探査機]]が[[木星]]軌道上で結晶状生命体「クリスタロイド」と接触する。直後にクリスタロイドが射出した兵器によって地球が攻撃され、4700万人が死亡。その後、融合核弾頭を搭載した惑星間連絡艇50隻が木星へと向かい、自爆攻撃によってクリスタロイドを全滅させる。(小説『[[キャッチワールド]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= クリス・ボイス|authorlink=:en:Chris Boyce |title = キャッチワールド |publisher = 早川書房 |year = 1981 |pages = 35-38,259 |isbn = 978-4-15-010431-3}}</ref> <!--*キン肉万太郎ら新世代正義超人(ニュージェネレーション)、時間超人を追って1983年へタイムスリップ。(漫画・アニメ『[[キン肉マンII世]]』)--> * [[米]][[ロシア|露]]を初めとする主要国の[[核戦争]]が起こる。([[ジョン・タイター]]の予言) * サイバーフォーミュラ第10回世界選手権で風見ハヤトが初優勝を飾る。(アニメ『[[新世紀GPXサイバーフォーミュラ]]』) * 全世界に黒いキューブが突如出現し、世界中で報道がなされる。しかし何事も起こらず、次第にキューブは人間社会へ溶け込んでいく。(ドラマ『[[ドクター・フー]]』) * [[ロシア共和国]]が旧[[CIS]]国家を軸として「ザーフトラ共和国」を建国。(ゲーム『[[フロントミッションシリーズ]]』) * プロ野球大阪ジャガーズ対東京エレファンツ、最終回1点差でジャガーズリード、代打佐々木球次郎。(漫画『[[ミラクルボール]]』) * 2014年から[[金星]]の周回軌道上にあり、[[ジェット推進研究所]]と情報をやり取りしていた異星の無人宇宙船「スナーク」(訪問者)が、地球の生物圏をより近くで調査すべく[[月周回軌道]]へと移動。宇宙飛行士ナイジェル・ウォームズリーが操縦する宇宙船と接触・会話を行うが、その後スナークは[[ジョンソン宇宙センター|ヒューストン]]からの制御でウォームズリーの宇宙船より放たれた核ミサイルを回避し、太陽系から飛び去る。(小説『{{仮リンク|夜の大海の中で|en|In the Ocean of Night}}』)<ref>{{Cite book |和書 |author= グレゴリイ・ベンフォード|authorlink=グレゴリイ・ベンフォード |title = 夜の大海の中で |publisher = 早川書房 |year = 1986 |pages = 65,233-251,276-303,314 |isbn = 978-4-15-010658-4}}</ref> [[ぜんまいざむらい]] === 2015年の映画(フィクション) === * [[ジョーズ]]19(『[[バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2|バック・トゥ・ザ・フューチャー パート2]]』) <!--ワールドシリーズのシカゴVSカブスであって、映画ではないかと思います。* [[シカゴ・カブス]][[ワールドシリーズ|ワールド]]チャンピオン(『バック・トゥ・ザ・フューチャー パート2』)--> == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} === 出典 === ''一部の出典の記事タイトルに伏字としている部分がある'' {{Reflist}} == 関連項目 == {{Commonscat|2015}} * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] * {{日本語版にない記事リンク|2015年における世界各地の指導者一覧|en|List of state leaders in 2015}} {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{Navboxes | title = 2015年の各国 | list1 = {{各年のアメリカ|2015|unit=1||List=1}} {{各年のヨーロッパ|2015|unit=1||List=1}} {{各年のアフリカ|2015|unit=1||List=1}} {{各年のアジア|2015|unit=1||List=1}} {{各年のオセアニア|2015|unit=1||List=1}} }} {{Normdaten}} {{DEFAULTSORT:2015ねん}} [[Category:2015年|*]]
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https://ja.wikipedia.org/wiki/2015%E5%B9%B4
13,145
2016年
2016年(2016 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、金曜日から始まる閏年。平成28年。 この項目では、国際的な視点に基づいた2016年について記載する。 2015年に続き、フロリダ銃乱射事件、ブリュッセル爆発、アタテュルク国際空港襲撃事件、仏ニーステロ事件など、欧米を中心に各国でISILによるテロ行為が頻発し地政学上のリスクが顕在化した。また長引くシリア内戦から波及したアレッポなど混乱した中東情勢をめぐる複数国の対立、一帯一路政策を進める中華人民共和国による南沙諸島の人工島開発、北朝鮮核問題(日本海へのミサイル発射、水爆実験)など、国際的な緊張が高まりG7による伊勢志摩サミットでの主な議題となった。 一方でキューバの雪解け、日米によるバラク・オバマの広島訪問、安倍晋三首相の真珠湾訪問など、一部で国家間の和解の動きも見られた。各国で移民流入やTPPに代表される自由貿易に反対する反グローバリズムとも呼ばれる自国第一主義が横行した。 イギリスの欧州連合からの離脱決定と、米大統領選におけるドナルド・トランプの勝利は、上記のような反グローバリズムを象徴する出来事として注目された。また、これらに関して「ポスト真実」という概念も注目された。 イギリスのテリーザ・メイ首相、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領や台湾の民主進歩党の蔡英文大統領など、女性を含めた新リーダーの当選が各国で見られた。一方で大韓民国・朴槿恵韓国大統領弾劾訴追の問題、アメリカ合衆国・ヒラリー・クリントンによる機密情報のメール問題、ブラジル・ジルマ・ルセフ元大統領の弾劾に伴う罷免など、女性首脳による不正も相次いだ。また内部文書であるパナマ文書、バハマ文書の公開により、タックス・ヘイヴンを通じて多国籍の政財界における複数の人物が不透明な金融取引を行っていたことが判明した。 経済では政治的な影響も含めて株式市場・外国為替市場ともに大きな変化の続く1年となった。年初には中国では中国株の下落により異例のサーキットブレーカー制度が発動され、年末にはFRBによる米連邦公開市場委員会での1年ぶりのアメリカドル利上げ予定発表などによりドル高に転じた。 夏季にはブラジルで2016年リオデジャネイロオリンピックが開催され難民選手団を含む206の国・地域が参加した。 天災はチリ、ニュージーランド、台湾などでの大型地震のほか、ジカ熱などが流行っていた。 インフラでは、パナマ運河の拡張工事完成、世界的な石油・ガス産業の低迷を受けたOPECによる原油減産合意などの事態改善が見られた。 タイの国王ラーマ9世やキューバのフィデル・カストロ議長、シンガポールのS・R・ナザン前大統領など、長期にわたった国家指導者や、デヴィッド・ボウイ、プリンス、ジョージ・マイケルなど1980年代を中心に活躍した米英のロックスターが死去した。 その他、ボブ・ディランがノーベル文学賞を受賞したことなどが注目を集めた。 以下に、過去の主な出来事からの区切りの良い年数(周年)を記す。 日付は本国公開日。
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2016年は、西暦(グレゴリオ暦)による、金曜日から始まる閏年。平成28年。 この項目では、国際的な視点に基づいた2016年について記載する。
{{Otheruses||日本ローカルの事柄|2016年の日本}} {{年代ナビ|2016}} {{YearInTopic | 年 = 2016 }} {{year-definition|2016}} この項目では、国際的な視点に基づいた2016年について記載する。 == 他の紀年法 == {{Year in other calendars|year=2016}} * [[干支]]:[[丙申]](ひのえ さる) * [[日本]](月日は一致) ** [[平成]]28年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2676年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4349年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]105年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]105年 * [[仏滅紀元]]:2558年閏9月7日 - 2559年10月3日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1437年3月20日 - 1438年4月1日 * [[ユダヤ暦]]:5776年4月20日 - 5777年4月2日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:1451606400 - 1483228799 * [[修正ユリウス日]](MJD):57388 - 57753 * [[リリウス日]](LD):158229 - 158594 {{Clear}} == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2016}} == できごと == === 概略 === [[2015年]]に続き、[[オーランド銃乱射事件|フロリダ銃乱射事件]]、[[2016年ブリュッセル爆発|ブリュッセル爆発]]、[[アタテュルク国際空港襲撃事件]]、[[2016年ニーストラックテロ事件|仏ニーステロ事件]]など、[[欧米]]を中心に各国で[[ISIL]]による[[テロ]]行為が頻発し[[地政学]]上の[[リスク]]が顕在化した。また長引く[[シリア内戦]]から波及した[[アレッポの戦い (2012-)|アレッポ]]など混乱した[[中東]]情勢をめぐる複数国の対立、[[一帯一路]]政策を進める[[中華人民共和国]]による[[南沙諸島]]の[[人工島]]開発、[[北朝鮮核問題]]([[日本海]]への[[北朝鮮によるミサイル発射実験 (2016年)|ミサイル発射]]、[[北朝鮮の核実験 (2016年1月)|水爆実験]])など、国際的な緊張が高まり[[G7]]による[[伊勢志摩サミット]]での主な議題となった。 一方で[[キューバの雪解け]]、日米による[[バラク・オバマの広島訪問]]、[[安倍晋三]]首相の[[真珠湾]]訪問など、一部で国家間の和解の動きも見られた。各国で[[移民]]流入や[[環太平洋パートナーシップ協定|TPP]]に代表される[[自由貿易]]に反対する[[反グローバリズム]]とも呼ばれる自国第一主義が横行した。 [[イギリスの欧州連合からの離脱]]決定と、[[2016年アメリカ合衆国大統領選挙|米大統領選]]における[[ドナルド・トランプ]]の勝利は、上記のような反グローバリズムを象徴する出来事として注目された。また、これらに関して「[[ポスト真実の政治|ポスト真実]]」という概念も注目された。 [[イギリス]]の[[テリーザ・メイ]]首相、[[フィリピン]]の[[ロドリゴ・ドゥテルテ]]大統領や[[台湾]]の[[民主進歩党]]の[[蔡英文]]大統領など、女性を含めた新リーダーの当選が各国で見られた。一方で[[大韓民国]]・[[朴槿恵韓国大統領弾劾訴追]]の問題、アメリカ合衆国・[[ヒラリー・クリントン]]による機密情報のメール問題、[[ブラジル]]・[[ジルマ・ルセフ]]元大統領の弾劾に伴う罷免など、女性首脳による不正も相次いだ。また内部文書である[[パナマ文書]]、[[バハマ文書]]の公開により、[[タックス・ヘイヴン]]を通じて多国籍の政財界における複数の人物が不透明な金融取引を行っていたことが判明した。 経済では政治的な影響も含めて[[株式市場]]・[[外国為替市場]]ともに大きな変化の続く1年となった。年初には中国では[[中国株]]の下落により異例の[[サーキットブレーカー制度]]が発動され、年末には[[連邦準備制度|FRB]]による[[米連邦公開市場委員会]]での1年ぶりの[[アメリカドル]]利上げ予定発表などによりドル高に転じた。 夏季には[[ブラジル]]で[[2016年リオデジャネイロオリンピック]]が開催され[[2016年リオデジャネイロオリンピックの難民選手団|難民選手団]]を含む206の国・地域が参加した。 天災は[[チリ]]、[[ニュージーランド]]、[[台湾]]などでの大型[[地震]]のほか、[[ジカ熱]]などが流行っていた。 インフラでは、[[パナマ運河]]の拡張工事完成、世界的な[[石油]]・ガス産業の低迷を受けた[[石油輸出国機構|OPEC]]による[[原油]]減産合意などの事態改善が見られた。 [[タイ王国|タイ]]の[[タイの国王|国王]][[ラーマ9世]]や[[キューバ]]の[[フィデル・カストロ]]議長、[[シンガポール]]の[[S・R・ナザン]]前大統領など、長期にわたった国家指導者や、[[デヴィッド・ボウイ]]、[[プリンス (ミュージシャン)|プリンス]]、[[ジョージ・マイケル]]など[[1980年代]]を中心に活躍した米英の[[ロックスター]]が死去した。 その他、[[ボブ・ディラン]]が[[ノーベル文学賞]]を受賞したことなどが注目を集めた。 === 1月 === * [[1月1日]] - [[イスラエル]]中部[[テルアビブ]] (Tel Aviv) 中心部にあるパブと付近のカフェで銃乱射が発生し、9人が死傷した<ref>{{Cite news|title=イスラエルで銃乱射、9人死傷 容疑者は逃走|newspaper=[[CNN]]|date=2016-1-2|access-date=2016-1-10|url=https://www.cnn.co.jp/world/35075659.html}}</ref>。 * [[1月2日]] ** [[中華人民共和国|中国]]が[[南沙諸島]](中越[[フィリピン|比]]が領有権を主張)の人工島で航空機の試験飛行を行い、日本、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]、[[ベトナム]]が非難、これに対し中国は「主権の範囲内」と反論した<ref>{{Cite news|title=中国が南沙諸島で試験飛行 ベトナム政府が抗議|newspaper=[[NHK]]|date=2016-1-3|access-date=2016-1-4|url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160103/k10010359581000.html|archive-url=https://web.archive.org/web/20160106025451/http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160103/k10010359581000.html|archive-date=2016-1-6}}</ref><ref>{{Cite news|title=岸田外相:中国を非難 南沙で試験飛行|newspaper=[[毎日新聞]]|date=2016-1-4|access-date=2016-1-4|url=https://mainichi.jp/articles/20160104/k00/00e/010/152000c/|author=小田中大}}</ref><ref>{{Cite news|title=中国、南沙の滑走路試験飛行 実効支配進める動き|newspaper=[[朝日新聞]]|date=2016-1-3|url=http://www.asahi.com/articles/ASJ134V3CJ13UHBI004.html|access-date=2016-1-4|author=倉重奈苗|archive-url=https://web.archive.org/web/20160402022147/http://www.asahi.com/articles/ASJ134V3CJ13UHBI004.html|archive-date=2016-4-2}}</ref><ref>{{Cite news|title=南沙諸島の飛行場へ中国が試験飛行、ベトナムが強く非難|newspaper=[[TBS]]|date=2016-1-3|url=http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2671417.html|access-date=2016-1-4|archive-url=https://web.archive.org/web/20160105234403/http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2671417.html|archive-date=2016-1-5}}</ref><ref>{{Cite news|title=中国、南沙諸島の人工島で試験飛行 アメリカも懸念|newspaper=[[テレビ朝日]]|date=2016-1-3|access-date=2016-1-4|url=http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000065478.html|archive-url=https://web.archive.org/web/20160128064347/http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000065478.html|archive-date=2016-1-28}}</ref>。 ** ベトナムに[[宇宙ごみ]]とみられる金属製の球体が3体落下し、一つは重さが約45kgあった<ref>{{Cite news|title=ベトナム北部に謎の球体が落下、軍が調査進める|newspaper=[[AFP通信]]|date=2016-1-8|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3072590/|access-date=2022-8-28}}</ref>。 * [[1月3日]] - [[サウジアラビア]]のジュベイル外相が[[イラン]]との外交関係を断交すると発表。サウジアラビアがシーア派指導者{{仮リンク|シャイフ・ニムル|en|Nimr al-Nimr}}師らを処刑したことに対し、シーア派国家イランの首都[[テヘラン]]で抗議のデモ隊がサウジ大使館を襲撃した事件を受けたもの<ref>{{Cite news|title=サウジアラビア:イランと断交 外相表明 大使館襲撃受け|newspaper=毎日新聞|date=2016-1-4|url=http://mainichi.jp/articles/20160104/dde/007/030/054000c/|access-date=2016-1-4|archive-url=https://web.archive.org/web/20160422134154/http://mainichi.jp/articles/20160104/dde/007/030/054000c/|archive-date=2016-4-22|author=秋山信一}}</ref>。 * [[1月4日]] ** [[インド]]北東部([[ミャンマー]]や[[バングラデシュ]]との[[国境]]付近)で、[[マグニチュード|マグニチュード (M)]]6.7の[[地震]]が発生し、4日16日時点で少なくとも8人の死亡が確認された<ref>{{Cite news|title=インド北東部でM6.7の地震、8人死亡|newspaper=[[AFP通信]]|date=2016-1-4|last=Hussain|first=Zarir|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3072039/|access-date=2022-8-28}}</ref>。 ** 中国の上海証券取引所で[[サーキットブレーカー制度]]が導入されたが、初日に制度が発動し、取引停止となった。中国で年明け最初の営業日の下げ幅としては過去最大となった。 * [[1月5日]] - 中国[[寧夏回族自治区]]の[[銀川市]]で、走行中の路線バスから出火し、乗客17人が死亡・32人が重軽傷を負った。警察当局は、バスを放火した疑いが強まったとして、同自治区内に住む男を容疑者と特定し行方を追っていたが、男は同日中に身柄を拘束された<ref>{{Cite news|title=バス炎上、放火容疑で男拘束=「社会に報復」か、死者17人に-中国|newspaper=[[時事通信]]|date=2016-1-5|url=http://www.jiji.com/jc/zc?k=201601/2016010500768&g=int|access-date=2022-8-28|archive-url=https://web.archive.org/web/20160304211250/http://www.jiji.com/jc/zc?k=201601/2016010500768&g=int|archive-date=2016-3-4}}</ref>。 * [[1月6日]] - 日本時間10時半頃、[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]・[[咸鏡北道]][[吉州郡]]の北方約49kmの地点で[[人工地震]]とみられる[[地震]]が発生し、北朝鮮は「[[水素爆弾|水爆]]実験を行った」と発表したものの、日本の[[気象庁]]が観測した[[地震波]]形は[[核実験の一覧#北朝鮮|過去3回の核実験時]]と同じであり、「威力は[[リトルボーイ|広島型原爆]]の半分程度で失敗」、「実際は水爆ではなく、強化した[[原子爆弾|原爆]]ではないか」、「水爆を地下で実験するのは危険で考えにくい」などと指摘されている<ref>{{Cite news|title=「水爆」に疑問 「威力は広島型原爆の半分程度で失敗」との指摘も 波形は過去3回と同規模|newspaper=[[産経新聞]]|date=2016-1-6|url=https://www.sankei.com/article/20160106-Y5KLDISNJZPQ3ALRJYWBESRCSM/|access-date=2022-8-28|page=1}}</ref><ref>{{Cite news|title=「水爆にしては小規模」 北朝鮮発表、韓国は懐疑的|newspaper=朝日新聞|date=2016-1-7|url=http://www.asahi.com/articles/ASJ165H7SJ16UHBI02G.html|access-date=2016-1-7|author=牧野愛博|archive-url=https://web.archive.org/web/20160914073710/http://www.asahi.com/articles/ASJ165H7SJ16UHBI02G.html|archive-date=2016-9-14}}</ref>。{{Main|北朝鮮の核実験 (2016年1月)}} * [[1月7日]] ** [[フランス]]・[[パリ]]で警察署に押し入ろうとした男が警察官に射殺された<ref>{{Cite news|title=パリで警察署に押し入ろうとした男を射殺|newspaper=NHK|date=2016-1-7|access-date=2016-1-7|url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160107/k10010364611000.html|archive-url=https://web.archive.org/web/20160109180012/http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160107/k10010364611000.html|archive-date=2016-1-9}}</ref>。 ** [[リビア]]・[[ズリテン]]にある警察の訓練学校にトラックが侵入し、爆発して50人が死亡<ref>{{Cite news|title=リビア 警察施設でトラック爆発50人死亡|newspaper=NHK|date=2016-1-7|url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160107/k10010364571000.html|access-date=2016-1-7|archive-url=https://web.archive.org/web/20160113013938/http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160107/k10010364571000.html|archive-date=2016-1-13}}</ref>。 ** 中国株式市場で株価が急落し、[[サーキットブレーカー制度|サーキットブレーカー]]が再び発動され、翌日からサーキットブレーカーが停止された。 * [[1月8日]] ** [[エジプト]]・[[ハルガダ]]にある「ベラ・ビスタホテル」が刃物を持った男たちの襲撃を受け、観光客3人が負傷、治安部隊が被疑者に発砲し1人が死亡、1人が重傷を負った<ref>{{Cite news|title=エジプトのホテルに襲撃、外国人観光客3人負傷|newspaper=AFP通信|date=2016-1-9|last=Gamal-Gabriel|first=Tony|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3072618/|access-date=2022-8-28}}</ref>。 ** 米・[[フィラデルフィア]]で[[ISIL]]支持者が、[[2013年]]に警察から盗まれた拳銃を使い、警察官に少なくとも11回発砲して重傷を負わせ、逮捕された。被疑者は「[[アッラーフ]]からこの行為を実行するようお告げを受けた」と供述<ref>{{Cite news|title=米フィラデルフィアでIS支持者が発砲、警官1人が重傷|newspaper=AFP通信|date=2016-1-9|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3072621/|access-date=2022-8-28}}</ref>。 * [[1月11日]] - [[イラク]]で連続テロが発生し48人が死亡。このうち、[[バグダード]]のショッピングモールに武装集団が押し入って銃を乱射し、18人が死亡した事件について[[ISIL]]が犯行声明を出し、「戦闘員が異教徒の溜まり場への攻撃に成功した」と主張した<ref>{{Cite news|title=イラクで連続テロ 48人死亡|newspaper=[[テレビ東京]]|date=2016-1-12|access-date=2016-1-12|url=http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/mplus/news/post_104132/|archive-url=https://web.archive.org/web/20160115134735/http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/mplus/news/post_104132/|archive-date=2016-1-15}}</ref>。 * [[1月12日]] ** [[トルコ]]・[[イスタンブール]]の[[スルタンアフメト・モスク]]付近で爆発があり10人が死亡、15人が負傷<ref>{{Cite news|title=イスタンブールの爆発、死者10人、自爆テロか 現場はブルーモスク立ち並ぶ観光名所|newspaper=産経新聞|date=2016-1-12|url=http://www.sankei.com/world/news/160112/wor1601120066-n1.html|access-date=2016-1-12|archive-url=https://web.archive.org/web/20160319150037/http://www.sankei.com/world/news/160112/wor1601120066-n1.html|archive-date=2016-3-19}}</ref>。トルコ政府はISILによる[[自爆テロ]]との見解を示した<ref>{{Cite news|title=イスタンブール爆発は「ISの自爆攻撃」 トルコ政府|newspaper=AFP通信|date=2016-1-13|access-date=2022-8-28|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3072934/}}</ref>。([[2016年イスタンブール自爆テロ]]) ** [[Microsoft Windows 8]]の基本サポートが終了<ref>{{Cite web|和書|date=2016-01-12 |url=https://support.microsoft.com/lifecycle/?C2=16796 |title=マイクロソフト サポート ライフサイクル |publisher=[[マイクロソフト]] |accessdate=2016-01-30}}</ref><ref>{{Cite web|和書|date=2015年10月 |url=https://support.microsoft.com/help/13853 |title=Windows ライフサイクルのファクト シート |work=Windows ヘルプ |publisher=[[マイクロソフト]] |accessdate=2016-01-14}}</ref>。今後もWindows 8を利用する場合はWindows 8.1への無償アップデート([[2023年]][[1月10日]]延長サポート終了)が必要となる<ref>{{Cite news|title=Windows 8のサポート終了は1月13日:8.1に移行を|newspaper=[[ITmedia]]|date=2016-1-12|author=前橋豪|url=https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1601/12/news066.html|access-date=2022-8-28}}</ref>。 * [[1月13日]] - [[リオデジャネイロオリンピック|オリンピック]]競技が行われる[[ブラジル]]・[[リオデジャネイロ]]の[[グアナバラ湾]]で数千匹に及ぶ大量の魚の死骸が打ち上げられた。同湾は近くの[[スラム街]]などから生活排水などが直接流れ込み、深刻な[[水質汚染]]が問題となっているが、州政府は「水質はオリンピック基準を満たしている」と競技開催に問題はないと主張している<ref>{{Cite news|title=リオ五輪 会場近くの海に大量の魚の死骸|newspaper=[[日本テレビ]]|date=2016-1-14|url=https://news.ntv.co.jp/category/international/319714/|access-date=2022-8-28}}</ref><ref>{{Cite news|title=五輪=リオ会場付近で数千匹の魚が大量死|newspaper=[[ロイター通信]]|date=2016-1-14|url=https://jp.reuters.com/article/guanabara-idJPKCN0US0A520160114/|access-date=2022-8-28}}</ref><ref>{{Cite news|title=リオ五輪、海岸に大量の魚の死骸|newspaper=ロイター通信|date=2016-1-14|url=http://jp.reuters.com/article/idJP2016011401001753|access-date=2022-8-28|agency=[[共同通信]]|archive-url=https://archive.ph/MzJON/|archive-date=2016-1-15}}</ref>。 * [[1月14日]] - [[インドネシア]]・[[ジャカルタ]]のショッピングモール「サリナ」の近くで少なくとも6回の爆発があり、交番が被害が出た。また、サリナの向かいにある[[スターバックス]]の外で銃撃戦が発生。これらの爆発・銃撃戦で被疑者4人を含む6人が死亡し、2人の被疑者が逃走中。インドネシア情報機関の幹部は「被疑者はISILと関連があるとみられていて、証拠を収集中だ」と述べた<ref>[https://www.afpbb.com/articles/-/3073151?cx_part=txt_topics インドネシア首都で複数の爆発、銃撃戦も 少なくとも4人死亡] AFP通信(2016年1月14日14時43分配信)2016年1月14日閲覧。</ref><ref>[http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/newsanswer/news/post_104324 爆発・銃撃で6人死亡ジャカルタ][[テレビ東京]]『[[NEWSアンサー]]』(2016年1月14日配信)2016年1月14日閲覧。{{リンク切れ|date=2017年10月}}</ref>。 * [[1月16日]] - [[2016年中華民国総統選挙]]の結果、[[民主進歩党|民進党]]の[[蔡英文]]が与党・[[中国国民党]]の[[朱立倫]]主席、野党・[[親民党]]の[[宋楚瑜]]主席を破り初当選を果たし、台湾初の女性[[中華民国総統|総統]]が誕生となった<ref>{{Cite news |title=台湾総統選、民進党の蔡英文主席当選…初の女性 : 国際 |newspaper=[[読売新聞]] |date=2016-01-17 |author=向井ゆう子 |url=https://web.archive.org/web/20160116115743/http://www.yomiuri.co.jp/world/20160116-OYT1T50155.html |accessdate=2016-01-17}}{{リンク切れ|date=November 2016}}</ref>。同時に行われた、国会に当たる立法院議員選挙でも、民進党が初めて過半数の68議席を取り(定数113,過半数は57席以上)、1996年以来初めての総統、立法両方の政党交代も達成した。その一方で、国民党は立法院議員選挙で取れた議席は35席に留まり、国民党は創党以来初めて完全に政権をなくなってしまうことになった。 * [[1月20日]] - [[アメリカ合衆国|米国]]の研究チームが「[[海王星]]の外側に[[地球]]の10倍程度の質量がある新たな[[惑星]]が存在する可能性がある」と発表<ref>{{Cite news|title=太陽系に第9の惑星?|newspaper=『[[NEWSアンサー]]』([[テレビ東京]][[TXNネットワーク|系列]])|date=2016-01-21|url=http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/newsanswer/news/post_104833|accessdate=2016-01-21}}</ref>。 * [[1月22日]] - 北朝鮮の[[朝鮮中央通信]]が米・[[バージニア大学]]の学生を「[[アメリカ合衆国|アメリカ]]政府の黙認と操縦の下、朝鮮に観光目的で入国し、朝鮮への敵対行為を働いた」として拘束したと発表<ref>{{Cite news|title=北韓 米大学生を敵対行為で拘束|newspaper=[[韓国放送公社|KBS]]|date=2016-01-23|url=http://world.kbs.co.kr/japanese/event/nkorea_nuclear/news_01_detail.htm?No=50106|accessdate=2016-01-25}}</ref>。 * [[1月29日]] ** [[大韓民国|韓国]]の[[仁川国際空港]]で家庭用カセットコンロ用ガスボンベ、電線、[[アラビア語]]で「お前らへ送る最後の警告」と書かれたメモ(文法が不正確でプリンターで印字されており、自動翻訳機が使われた可能性がある)などが見つかった<ref>{{Cite news|title=「おまえらへ送る最後の警告」 韓国・仁川国際空港に不審物 アラビア語表記のメモも|newspaper=産経ニュース|date=2016-01-30|url=http://www.sankei.com/world/news/160130/wor1601300023-n1.html|accessdate=2016-01-30}}</ref>。 ** [[パラグアイ]]東部のペドロフアンカバジェロ市で日用雑貨店経営者の日本人男性がバイクに乗った2人組の男に射殺され、2人は逃走した。同市では2009年にも雑貨店経営者の日本人男性が男に射殺されている<ref>{{Cite news|title=パラグアイで日本人男性が撃たれ死亡 2人組が発砲、逃走中|newspaper=[[FNNニュース]]|date=2016-01-30|url=http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00314997.html|accessdate=2016-01-30|archiveurl=https://archive.is/XJYxC|archivedate=2016-01-30}}</ref>。 * [[1月30日]] - [[シリア]]の首都[[ダマスカス]]で3個の爆弾が爆発し、少なくとも45人が死亡、100人以上が負傷し、[[ISIL]]が犯行声明を出した<ref>{{Cite news|title=シリア首都で連続爆弾テロ、死者45人 ISISが犯行声明|newspaper=CNN|date=2016-02-01|url=http://www.cnn.co.jp/world/35077123.html?tag=top;topStories|accessdate=2016-02-01}}</ref>。 === 2月 === * [[2月2日]] - [[米司法省]]と消費者金融保護局は、トヨタ米金融子会社が[[人種差別]]的なローン金利設定を行っていたと発表。再発防止策や顧客へ最大2190万ドル<ref group="kawase">約26億円</ref> の支払いに合意<ref>{{cite news |url=http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM03H2Z_T00C16A2EAF000/ |title=トヨタ米金融子会社、ローン金利で人種差別 |publisher=日本経済新聞 |date=2016-02-03 }}</ref>。 * [[2月4日]] - 前年[[中華人民共和国|中国]]本土で失踪した[[香港特別行政区|香港]]の出版社の関係者3人について、[[中華人民共和国公安部|中国の公安当局]]が拘束していることを[[香港の警察]]が明らかにした<ref>{{Cite news|title=香港の出版社員失踪、中国公安が3人の拘束を認める|newspaper=[[フランス通信社|AFP通信]]|date=2016-02-05|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3075912|accessdate=2016-02-05}}</ref>。 * [[2月5日]] - [[アメリカ合衆国|米国]]・[[ニューヨーク]]の[[マンハッタン]]南部でクレーン車が転倒し、1人が死亡、3人が重軽傷を負った<ref>{{Cite news|title=「地震が起きたよう」NY中心部で大型クレーン転倒 路上の男性に直撃、死亡 3人重軽傷|newspaper=産経ニュース|date=2016-02-06|url=http://www.sankei.com/affairs/news/160206/afr1602060015-n1.html|accessdate=2016-02-06}}</ref>。 * [[2月6日]] ** [[イギリスの君主|イギリス国王]]の[[エリザベス2世]]が在位満64年を迎え、歴代の英国君主で最長の在位記録となった<ref>[http://www.sankei.com/world/news/160206/wor1602060022-n1.html エリザベス女王が即位64年 歴代の英国君主で最長 5月に90歳の祝賀行事] 産経新聞 2016年2月6日閲覧</ref>。 ** [[中華民国]]([[台湾]])南部の[[高雄市|高雄]]付近にて、現地時間午前3時57分頃、マグニチュード (M) 6.4の地震が発生<ref>[http://www.asahi.com/articles/ASJ2634XYJ26UHBI00L.html 台湾地震、5人死亡 17階建てビルなど倒壊]{{リンク切れ|date=2017年7月}} 朝日新聞 2016年2月6日閲覧</ref><ref>[http://www.chinatimes.com/realtimenews/20160206001790-260401 地震7小時後 台南強震已釀5死] 中国時報(電子報)2016年2月6日閲覧</ref>。{{Main|台湾南部地震 (2016年)}} * [[2月7日]] - [[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]が[[人工衛星]]と称する[[ミサイル]]を発射し、このミサイルは[[沖縄県]]上空などを通過して海へ落下した<ref>[https://twitter.com/Kantei_Saigai/status/696138160992948224 2016年2月7日10時7分の投稿].[[首相官邸]](災害・危機管理情報)公式[[Twitter]]アカウント(2016年2月7日閲覧)</ref>。{{Main|北朝鮮によるミサイル発射実験 (2016年)}} * [[2月11日]] ** [[LIGO]]グループと[[Virgo]]グループが[[重力波 (相対論)|重力波]]を直接検出したと発表した<ref>[https://dcc.ligo.org/LIGO-P150914/public LIGO-P150914-v14: Observation of Gravitational Waves from a Binary Black Hole Merger<!-- Bot generated title -->]</ref><ref>[http://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/PhysRevLett.116.061102 Phys. Rev. Lett. 116, 061102 (2016) - Observation of Gravitational Waves from a Binary Black Hole Merger<!-- Bot generated title -->]</ref>。 ** [[2017 ワールド・ベースボール・クラシック]]の予選大会の[[2017 ワールド・ベースボール・クラシック 予選1組|1組]](オーストラリア)が開始され、14日に閉幕した。翌3月に予選[[2017 ワールド・ベースボール・クラシック 予選2組|2組]]と[[2017 ワールド・ベースボール・クラシック 予選3組|3組]]が開催された。 * [[2月12日]] - [[カトリック]][[ローマ法王]][[フランシスコ (ローマ教皇)|フランシスコ]]と[[ロシア正教会]][[総主教]][[キリル1世]]が約1000年ぶりの歴史的会談を行った<ref>AFP通信、2016年2月13日</ref>。 * [[2月13日]] - [[キューバ]]、誤送の[[米]][[ミサイル]]を返還<ref>CNN、2016年2月14日</ref>。 * [[2月20日]] - アメリカ[[ミシガン州]]で無差別発砲の銃撃事件、5人が死亡、容疑者は逃亡したが逮捕された<ref>{{Cite news|title=米ミシガン州で銃撃、X歳含む5人死亡 容疑者逮捕|newspaper=AFPBB|date=2016-02-21|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3077717?cx_part=txt_topics|accessdate=2016-02-21}}</ref>。 * [[2月23日]] - [[中南米]]での[[ジカ熱]]の感染流行を受け、[[WHO]]が[[緊急事態]]を宣言した<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXZZO96863380T00C16A2000000/ ジカ熱、WHOが緊急事態宣言] 日本経済新聞 2016年2月23日付</ref>。 * [[2月24日]] - 元[[日本の慰安婦|慰安婦]]の実話をもとに作成した映画『鬼郷』が[[大韓民国|韓国]]で公開された<ref>{{Cite news |title=映画『鬼郷』、公開初日15万4千人観覧 何が少女を地獄に送ったか | Joongang Ilbo |newspaper=[[中央日報]] |date=2016-02-25 |author= |url=http://japanese.joins.com/article/526/212526.html |accessdate=2016-03-08}}</ref>。 * [[2月28日]] - 香港にて{{仮リンク|2016年立法会新界東選挙区補欠選挙|zh|2016年香港立法會新界東地方選區補選}}が行われた。 === 3月 === * [[3月3日]] - [[ニュージーランド国旗変更国民投票]] * [[3月20日]] - [[アメリカ合衆国大統領]][[バラク・オバマ]]が現職の合衆国大統領としては[[1928年]]の[[カルビン・クーリッジ]]以来88年ぶりに[[キューバ]]を訪問した<ref>{{Cite news|url=http://www.bbc.com/japanese/35859854|title=オバマ米大統領、歴史的なキューバ訪問開始|work=[[BBCニュース]]|date=2016-03-21|accessdate=2017-07-18}}</ref>。 * [[3月22日]] - [[2016年ブリュッセル爆発]]が発生。 * [[3月24日]] - 戦犯として[[旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷]]にて裁判を受けていた、[[ラドヴァン・カラジッチ]][[スルプスカ共和国]]元[[大統領]]に禁固40年の判決。 === 4月 === * [[4月1日]] - 「ネットの高校」を掲げた通信制高校 [[N高等学校]]が開校。 * [[4月13日]] - [[シリア]]で[[2016年シリア人民議会選挙|人民議会選挙]]を執行、アサド政権与党の[[バアス党#シリア・バアス党|アラブ社会主義バアス党]](BASP)が圧勝<ref>{{Cite news | url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2016041700016&g=int | title=政権支持派が圧勝=議会選の結果発表-シリア選管 | work=時事ドットコム | newspaper=[[時事通信]] | date=2016-04-17 | accessdate=2016-04-18}}{{リンク切れ|date=November 2016}}</ref>。 * [[4月13日]] - [[第20代総選挙 (大韓民国)]]が行われ、与党・[[自由韓国党|セヌリ党]](選挙時146議席)は目標に掲げていた過半数の確保に失敗、さらに122議席に大きく議席を減らし第一党の地位も失い惨敗。一方これに対し、最大野党の[[共に民主党]]、第3党の[[国民の党]]が、いずれも躍進<ref>[http://www.sankei.com/world/news/160414/wor1604140007-n1.html 【韓国総選挙】朴槿恵与党ボロ負け! 内部対立が響き第1党から転落 政権に打撃] 産経ニュース 2016年4月14日</ref>。 * [[4月14日]] - 日本の[[九州]]地方・[[熊本県]]にて現地時間午後9時26分頃、マグニチュード (M) 6.5の地震が発生した<ref>{{Cite web|和書|title=「平成28年(2016年)熊本地震」について(第6報) |publisher=[[気象庁]] |date=2016-04-15 |url=https://www.jma.go.jp/jma/press/1604/15g/kaisetsu201604151530.pdf |format=PDF |accessdate=2016-04-19}}</ref>。深さ約10kmという浅い地点を震源とする地震であったため、地震の規模に比して大きな揺れとなり、日本の[[気象庁震度階級|震度階級]]で最大となる[[震度7]]を5年ぶりに記録した。<!--日本の事柄でも国際的観点から特筆性のある話題は本項にも記述するのが原則--> * [[4月16日]] ** 日本の九州地方・熊本県にて現地時間午前1時25分頃、再びマグニチュード (M) 7.3・最大震度7の地震が発生<ref>{{Cite web|和書|title=「平成28年(2016年)熊本地震」について(第7報) |publisher=気象庁 |date=2016-04-16 |url=https://www.jma.go.jp/jma/press/1604/16a/kaisetsu201604160330.pdf |format=PDF |accessdate=2016-04-19}}</ref><ref name="yomiuri20160420">{{Cite news|title=16日未明の「本震」は震度7…熊本地震|newspaper=YOMIURI ONLINE|publisher=読売新聞社|date=2016-04-20|url=https://web.archive.org/web/20160421191049/http://www.yomiuri.co.jp/national/20160420-OYT1T50100.html|accessdate=2016-04-20}}{{リンク切れ|date=November 2016}}</ref>(14日の地震はこの地震の[[前震]]とされる)。{{main|熊本地震 (2016年)}}<!--日本の事柄でも国際的観点から特筆性のある話題は本項にも記述するのが原則--> ** [[エクアドル時間]]18時58分頃、マグニチュード (M) 7.8の[[エクアドル地震 (2016年)|2016年エクアドル地震]]が発生した<ref>{{Cite web |date=2016-04-17 |url=http://earthquake.usgs.gov/earthquakes/eventpage/us20005j32#general |title=M7.8 - 27km SSE of Muisne, Ecuador |publisher=USGS |language=英語 |accessdate=2016-04-19}}</ref>。 * [[4月16日]] - [[4月19日]] - 第7回[[キューバ共産党]]大会。 * [[4月23日]] - [[10月30日]] - [[トルコ]]で[[アンタルヤ国際園芸博覧会2016]]が開催<ref>{{Cite press release|和書|title=「2016年アンタルヤ国際園芸博覧会」に対する公式参加について|publisher=農林水産省|date=2015-04-21|url=http://www.maff.go.jp/j/press/seisan/kaki/150421.html|accessdate=2015-09-18}}</ref>。 * [[4月28日]] - 日本の沖縄県にて元[[在日米軍]]属の男性による[[沖縄うるま市強姦殺人事件]]が発生、以後は[[日米地位協定]]の運用の見直しが検討された。 === 5月 === * [[5月1日]] - 20世紀のフランスの作曲家・[[モーリス・ラヴェル]]の楽曲[[ボレロ (ラヴェル)|ボレロ]]の著作権が消滅<ref>[https://www.afpbb.com/articles/-/3085833?act=all クラシック音楽の人気曲「ボレロ」、1日に著作権消滅] AFPBB 2016年5月2日</ref>。 * [[5月6日]]~[[5月9日]] - [[北朝鮮]]の[[朝鮮労働党第7次大会]]。 * [[5月9日]] - [[2016年フィリピン大統領選挙]] * [[5月20日]] - [[蔡英文]]が[[中華民国総統]]に就任<ref>{{Cite web|和書|date=2016-05-20 |url=https://news.ntv.co.jp/category/international/330624 |title=台湾初の女性総統誕生 今後の中台関係は? |publisher=日テレNEWS24 |accessdate=2016-05-20}}</ref>。 * [[5月22日]] - [[ベトナム]]の第14期総選挙<ref>{{Cite web|和書|date=2016-05-23 |url=http://www.viet-jo.com/news/politics/160523032357.html |title=第14期総選挙の投票率98.77%、結果公表は6月1日から - 政治 - VIETJO |publisher=日刊ベトナムニュース |accessdate=2016-05-28}}</ref> * [[5月26日]] - [[5月27日|27日]] - [[第42回先進国首脳会議]](G7サミット)が、日本の[[三重県]]・[[伊勢志摩]]で開催された(伊勢志摩サミット)<ref>{{Cite press release | 和書 | title = G7伊勢志摩サミット | publisher = 日本国[[外務省]] | date = 2016-05-27| url = https://www.mofa.go.jp/mofaj/ms/is_s/page3_001697.html| accessdate = 2016-05-28}}</ref>。 * [[5月27日]] ** [[バラク・オバマ]]が現職[[アメリカ合衆国大統領]]として史上初めて、かつて同国により[[広島市への原子爆弾投下|原子爆弾が投下された]][[広島市]]を訪問<ref>{{cite press release | title = Remarks by President Obama and Prime Minister Abe of Japan at Hiroshima Peace Memorial | publisher = [[ホワイトハウス|White House]] | date = 2016-05-27| url = https://www.whitehouse.gov/the-press-office/2016/05/27/remarks-president-obama-and-prime-minister-abe-japan-hiroshima-peace| accessdate = 2016-05-28}}</ref>。{{main|バラク・オバマの広島訪問}} ** [[東京国際空港]](日本・羽田空港)にて、東京発[[ソウル特別市|ソウル]]・[[金浦国際空港]]行[[大韓航空]]2708便旅客機が離陸直前にエンジン火災を発生<ref>{{Cite press release | 和書 | title = 羽田発 金浦行 航空機の離陸中断について | publisher = [[大韓航空]](日本地域本部) | date = 2016-05-27| url = https://www.koreanair.com/global/ja/about/news/press_releases/2016_05_27_2.html| accessdate = 2016-05-28}}</ref>。 === 6月 === * [[6月1日]] - [[スイス]]の[[ゴッタルドベーストンネル]]が開通<ref>[http://business.newsln.jp/news/201606121128090000.html スイスのゴッタルド・トンネルが開通式典、内容があまりにもカルトで出席した欧州首脳陣は困惑] (BusinessNewsline)</ref>、日本の[[青函トンネル]]を抜いて世界最長の鉄道[[トンネル]]となった。 * [[6月8日]] - [[国際純正・応用化学連合]] (IUPAC) は、[[2015年#12月|前年末]]に認定された4つの[[元素]]([[ウンウントリウム|113番]]、[[ウンウンペンチウム|115番]]、[[ウンウンセプチウム|117番]]、[[ウンウンオクチウム|118番]])について、名称案および[[元素記号]]案(発見者として[[命名権]]を獲得した各[[研究所]]が申請)を公表し、約5か月間のパブリックレビュー(意見公募)を開始した<ref name="iupac20160608">{{Cite press release|publisher=[[国際純正・応用化学連合|IUPAC]]|url=http://iupac.org/cms/wp-content/uploads/2016/06/Press-Release_Naming-Four-New-Elements_8June2016.pdf|format=[[Portable Document Format|PDF]]|date=2016-06-08|accessdate=2016-06-26|title=IUPAC is naming the four new elements nihonium, moscovium, tennessine, and oganesson}}</ref>。 * [[6月9日]] ** [[尖閣諸島|尖閣]]沖の[[接続水域]]に初めて中国の軍艦が侵入した。また、同じ時間帯にロシアの軍艦も同海域を航行しているのが確認された<ref>[http://jp.reuters.com/article/china-frigate-senkaku-idJPKCN0YU2NF 中国軍艦が尖閣周辺の接続水域入り、日本はロシア艦との関連を分析]</ref> ** [[タイ王国]]の[[ラーマ9世]]が在位満70年を迎えた。 * [[6月12日]] ** 中国・[[上海市]][[浦東新区]]にある[[上海浦東国際空港]]で爆発事件発生<ref>{{Cite news|title=上海の空港で爆発、少なくとも4人負傷 爆竹との情報も|newspaper=朝日新聞|date=2016-06-12|url=http://www.asahi.com/articles/ASJ6D5RJ3J6DUHBI00M.html|accessdate=2016-06-12|deadlinkdate=2017-7-10}}</ref>。 ** アメリカ・[[フロリダ州]]の[[ゲイ]][[ナイトクラブ]]で銃乱射事件発生、50人が死亡する大惨事(容疑者1人を含む、アメリカの銃乱射事件の被害者数では過去最悪)となった。[[ISIL]]系の[[ウェブサイト|サイト]]で事実上の[[犯行声明]]が出されている<ref>{{Cite news|title=死者は50人「米史上最悪」のテロ事件に 同性愛者集うクラブで客人質、男の家族はアフガン出身 イスラム過激派との関連捜査|newspaper=産経新聞|date=2016-06-13|url=https://www.sankei.com/article/20160613-IP5YDUJA3BOXTNOBIPKWHCI5GM/|accessdate=2016-06-13}}</ref>。{{main|オーランド銃乱射事件}} * [[6月15日]] - (現地時間)[[メジャーリーグベースボール|アメリカメジャーリーグ]] (MLB)・[[マイアミ・マーリンズ]]の[[イチロー]]が[[日本プロ野球|NPB]]/MLB通算4257安打目を放ち、[[ピート・ローズ]]の持つメジャー最多安打を日米[[プロ野球]]リーグの通算で上回った<ref>{{Cite web|和書|date=2016-06-16 |url=https://jp.reuters.com/article/ichiro-break-rose-idJPKCN0Z12VB |title=MLB=イチロー、日米通算4257安打 ローズの最多記録抜く |publisher=ロイター |accessdate=2018-01-13}}</ref>。 * [[6月16日]] - 香港で拉致され中国本土で8カ月にわたり拘束されていた「銅鑼湾書店」の林栄基店長が香港で記者会見した<ref>[http://www.bbc.com/japanese/36557277 失踪の香港書店店長]</ref>。 * [[6月20日]] - スーパーコンピューターの世界ランキングTop500が発表され、中国純製の「神威太湖之光 (Sunway TaihuLight)」が初登場でトップに立った。Topの500台中167台が中国製で、ランクインの台数でも米国の165台を抜いてトップだった<ref>[https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1606/21/news061.html スーパーコンピュータTop500、初登場の中国「神威太湖之光」がダントツ首位に]</ref>。 * [[6月22日]] - [[北朝鮮]]が中距離弾道ミサイル2発を発射<ref>[http://www.asahi.com/articles/ASJ6Q2C6CJ6QUHBI008.html 北朝鮮ミサイル、高度1千キロ到達]{{リンク切れ|date=2017年7月}}</ref>。 * [[6月23日]] - [[イギリスの欧州連合離脱是非を問う国民投票]]が執行され、[[欧州連合]] (EU) 離脱支持票が過半数を占める結果となった<ref>{{cite news | title = 離脱支持は1741万票 英選管 離脱派勝利を発表 | url = https://www.sankei.com/article/20160624-3HGXZXXVNFLZJCBQZPFC7WIYMM/ | newspaper = [[産経新聞]] | date = 2016-06-24 | accessdate = 2014-06-24 }}</ref>。 * [[6月24日]] ** 前日執行のイギリス国民投票の結果を受けて、[[デーヴィッド・キャメロン]][[イギリスの首相|首相]]が[[保守党 (イギリス)|保守党]]党首及び首相を辞職する意思を表明した<ref>{{cite news | title = キャメロン首相が辞意表明 離脱派勝利で | url = https://www.sankei.com/article/20160624-6WFRU75LFBNGHAUKVCOBU2WFJ4/ | newspaper = [[産経新聞]] | date = 2016-06-24 | accessdate = 2014-06-24 }}</ref>。 ** イギリスの国民投票の結果を受けてEU離脱が避けられないことが伝わると、この日の世界各国の株価が大幅に下落し、イタリアとスペインでは株価指数は1日の取引として過去最大の下落幅となり<ref>[http://www.asahi.com/articles/ASJ6S5JYTJ6SULFA03M.html イタリアとスペインの株価指数、1日で過去最大の下落幅]{{リンク切れ|date=2017年7月}} 朝日新聞 2016年6月24日付</ref>、アメリカ合衆国・[[ニューヨーク証券取引所]]では終値が610ドル安を記録し、[[フランス]]では8.0%、ドイツでは6.8%、[[ギリシャ]]では10%も下落するなど、各国市場でイギリス・ショックの影響を受けて世界経済の先行き不安から株安が進行する結果となった<ref>{{cite news | title = 英EU離脱 NY株、終値610ドル安 世界同時株安に | url = https://mainichi.jp/articles/20160625/k00/00e/020/245000c | newspaper = [[毎日新聞]] | date = 2016-06-25 | accessdate = 2014-06-25 }}</ref>。 * [[6月25日]] - [[アジアインフラ投資銀行]]の第1回年次総会が開かれた<ref>[https://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160625/frn1606251530004-n1.htm AIIB、新たに24カ国が参加希望 発足後初の年次総会] 夕刊フジ 2016年6月25日付</ref>。 * [[6月26日]] - 拡張された新しいパナマ運河が開通。運河を航行できる船舶の幅が拡大され、コンテナ船の輸送能力が2.6倍に高まることにより、北米とアジアを結ぶ主要ルートを中心に、世界の海上貿易の流れが変わるとみられている<ref>[http://www.jiji.com/jc/article?k=2016062500201&g=eco 運河拡張、大型船が航行可能に=日本向けLNG輸出に弾み-パナマ]{{リンク切れ|date=2017年7月}} 時事ドットコム(2016年6月25日)</ref>。 * [[6月28日]] - [[トルコ]]・[[イスタンブール]]の[[アタチュルク国際空港]]で[[テロリズム]]発生、死者36名負傷者140名を出した。容疑者は男3人で[[自動小銃]]などを乱射した後、それぞれ[[自爆]]した<ref>[https://www.huffingtonpost.jp/2016/06/28/deadly-suicide_n_10724750.html トルコ・イスタンブールの国際空港で自爆テロ、多数死亡 その爆発の瞬間]([[ハフィントン・ポスト|The Huffington Post]], 2016年6月29日)</ref><ref>[http://www.jiji.com/jc/article?k=2016062900045&g=isk トルコ空港でテロ、36人死亡=ISの犯行か-イスタンブール]([[時事通信社|時事ドットコム]], 2016年6月29日)</ref>。{{main|アタテュルク国際空港襲撃事件}} * [[6月29日]] -[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]で第13期第4回[[最高人民会議]]<ref>{{Cite web|和書|date=2016-06-30 |url=http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2809709.html |title=最高人民会議で金正恩氏が居眠り? 北朝鮮国営TVが放送 |publisher=News i - TBSの動画ニュースサイト |accessdate=2016-07-01}}{{リンク切れ|date=November 2016}}</ref>。 * [[6月30日]] - [[ブラジル]]の全国[[地上アナログテレビ放送]]が停波完了し、[[地上デジタルテレビ放送]]へ全面移行。 === 7月 === * [[7月1日]] - [[バングラデシュ]]の首都[[ダッカ]]市内{{仮リンク|ガルシャン|en|Gulshan Thana}}地区のカフェレストランにて、武装集団による襲撃・人質立てこもり事件が発生した<ref name="Dhaka">{{cite news |title=【ダッカ人質事件】外国人20人犠牲か 日本人7人安否不明、IS系が犯行声明 |newspaper=産経新聞 |date=2016-07-02 |url=https://www.sankei.com/article/20160702-RF2VU6NABZMUDBRUM4DRLREQ34/ |accessdate=2016-07-03}}</ref>。この事件に際して[[ISIL|ISIL(イスラム国)]]系のメディアが犯行を認める声明を出している<ref name="Dhaka" />。{{Main|2016年ダッカ・ガルシャン襲撃事件}} * [[7月3日]] - [[バグダード]]の{{仮リンク|カッラーダ地区|en|Karrada}}の繁華街で爆弾を積んだ冷蔵トラックが爆発し<ref name="CNNJP20160704">{{Cite web|和書|url=http://www.cnn.co.jp/world/35085275.html|title=繁華街の自爆テロ、死者125人に バグダッド|publisher=[[CNN (アメリカの放送局)|CNN]]|date=2016-07-04|accessdate=2016-07-05}}</ref>、200人以上の犠牲者を出した<ref name="AFP20160704">{{Cite web|和書|url=http://www.cnn.co.jp/world/35085275.html|https://www.afpbb.com/articles/-/3092802|title=イラク首都自爆、死者200人を超える|publisher=[[AFP通信]]|date=2016-07-04|accessdate=2016-07-05}}</ref>。{{main|バグダード爆弾テロ事件 (2016年7月)}} <!-- 出典不明・日本ローカル? * [[7月4日]] - [[JAF日本アームレスリング連盟]]設立。 --> * [[7月6日]] - [[Pokémon GO]]がサービス開始された。リリース国では、[[歩きスマホ]]の増加を初めとして、様々な事件や事故が起きたり、ポケストップシステムによって人の流れに大規模な変化が起きるなど社会現象が発生した<ref>[http://www.gizmodo.jp/2016/07/spokemon_go_1.html ポケモンGOがらみでついに死者が。プレイ中に銃で撃たれる]</ref><ref>[http://tabi-labo.com/271450/pokemongobringscustomer/ 「Pokemon GO」のおかげでピザ屋さんが大繁盛。その理由とは?]</ref>。 * [[7月7日]] - 米国で5日と6日、警官に黒人男性が射殺されるケースが相次ぎ、事件の映像がネットに公開され、全米で抗議活動が広がる中、テキサス州ダラスで7日夜、デモ警戒中の警察官5人が射殺される事件が発生した<ref>[https://mainichi.jp/articles/20160708/k00/00e/030/240000c 黒人射殺抗議デモで発砲、警官4人死亡 ダラス] 毎日新聞 (2016年7月8日)</ref>。{{Main|[[:en:2016 shooting of Dallas police officers]]}} * [[7月11日]] - 大規模な武力衝突が発生した[[南スーダン]]にて対立していた大統領と副大統領が配下の兵士に戦闘停止を指示した<ref>[https://www.sankei.com/article/20160713-EKZ4QW5TCJNZHHGUGVHQPX3DQI/ 南スーダン停戦命令 大統領派、副大統領派ともに] 産経ニュース(2016年7月13日)</ref>。 * [[7月12日]] - [[フィリピン]]が「[[中華人民共和国|中国]]の主張は国際法違反」と訴えた仲裁裁判の判決<ref>{{Cite web|和書|date=2016-07-12 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3093723 |title=南シナ海領有権、「中国に歴史的権利なし」 国際仲裁裁判所 写真1枚 国際ニュース |publisher=AFP |accessdate=2016-07-13}}</ref><ref>{{Cite web|和書|date=2016-07-12 |url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160712/k10010592651000.html |title=南シナ海で中国主張の管轄権認めず 国際仲裁裁判 |publisher=NHK |accessdate=2016-07-13}}{{リンク切れ|date=November 2016}}</ref>。{{Main|南シナ海判決}} * [[7月13日]] - イギリスで[[デーヴィッド・キャメロン]]が退陣し、第76代[[イギリスの首相|首相]]に[[テリーザ・メイ]]が就任、直ちに主要閣僚を任命して[[第1次メイ内閣|テリーザ・メイ内閣]]を発足させた<ref>{{cite news |url= http://jp.reuters.com/article/britain-eu-wrapup-idJPKCN0ZT2CC |title=英新首相が就任、主要閣僚任命 仏独首脳に「交渉準備に時間必要」|newspaper=Reuters Japan|date=2016-07-14|accessdate=2016-07-14}}</ref><ref>{{cite news |url= https://www.afpbb.com/articles/-/3093869 |title=テリーザ・メイ氏、英首相に就任 「世界での新しい役割」を約束|newspaper=AFP Japan|date=2016-07-14|accessdate=2016-07-14}}</ref>。 * [[7月14日]] - [[フランス]]の南部・[[ニース]]の[[プロムナード|遊歩道]][[プロムナード・デ・ザングレ]]において、花火の見物をしていた人々の列にトラックが突っ込む事件<ref name="afp_20160715">{{Cite news |title= 仏ニースで歩道にトラック突入、70人超死亡 テロ事案として捜査|newspaper= AFP|date= 2016-07-15|author= |url= https://www.afpbb.com/articles/-/3094016|accessdate=2016-07-15}}</ref> が発生。{{Main|2016年ニーストラックテロ事件}} * [[7月15日]] - [[7月16日|16日]] - [[トルコ]]で軍の一部による[[クーデター]]が発生、未遂ながら200人を超える死者が出た<ref>{{Cite news|url=http://jp.reuters.com/article/turkey-politics-idJPKCN0XW1TJ|title=トルコのダウトオール首相が辞任、エルドアン大統領と対立|work=ロイター|publisher=[[ロイター]]|date=2016-05-06|accessdate=2016-07-19}}</ref><ref>{{Cite news|url=http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK05H2J_V00C16A5000000/|title=エルドアン氏、強権体制一段と トルコ首相辞任 |work=日経電子版|newspaper=[[日本経済新聞]]|date=2016-05-06|accessdate=2016-07-19}}</ref>。{{Main|2016年トルコクーデター未遂事件}} * [[7月17日]] - アメリカの[[ルイジアナ州]][[バトンルージュ]]で警察官が銃撃を受け3人が死亡、3人が負傷する事件が起こった<ref>[http://jp.reuters.com/article/usa-police-idJPKCN0ZY00M 米ルイジアナ州で警察官3人が撃たれ死亡] ロイター、2016年9月18日閲覧。</ref>。 * [[7月22日]] - ドイツ・[[2016年ミュンヘン銃撃事件|ミュンヘン銃撃事件]]が発生。犯人を含み10人が死亡。 * [[7月26日]] - 日本で[[相模原障害者施設殺傷事件]]が発生。19人が死亡し、[[第二次大戦後|戦後]]日本で過去最多の[[大量殺人]]事件となった。<!--大量殺人事件として国際的観点から記載--> * [[7月29日]] - [[Microsoft Windows 10]]への無償アップグレード期間が終了。 === 8月 === * [[8月5日]] - 第31回[[夏季オリンピック]]([[リオデジャネイロオリンピック]])[[リオデジャネイロオリンピックの開会式|開会式]]、[[南アメリカ大陸|南米大陸]]で初めて開催される[[近代オリンピック|オリンピック]]である。史上最多206カ国・地域が参加する。 * [[8月7日]] - (現地時間)[[メジャーリーグベースボール|メジャーリーグ]] (MLB)・[[マイアミ・マーリンズ]]の[[イチロー]]が史上30人目の[[3000本安打クラブ|MLB通算3000本安打]]を達成。[[アジア系民族|アジア人]]で初の快挙。 * [[8月8日]] - 日本の[[上皇明仁|天皇]]が[[譲位|生前退位]]問題に対してのお気持ちをビデオメッセージで発表<ref>{{Cite news|title=天皇陛下が「生前退位」に強いご意向 「象徴の務め困難に」 摂政には否定的 ビデオメッセージに「お気持ち」込められ|newspaper=産経新聞|date=2016-08-08|url=https://www.sankei.com/article/20160808-QNV5PEOYJVNLRLNF2KMDCXEJRY/|accessdate=2016-08-15}}</ref>。{{main|象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば}}<!--欧米やアジアなど諸外国でも報じられた日本ローカルにとどまらないニュース--> * [[8月17日]] - 駐[[ロンドン]]北朝鮮大使館のナンバー2に当たる[[公使]]が家族とともに[[脱北者|脱北]]し、[[大韓民国|韓国]]に[[亡命]]していることが明らかになった<ref>[http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160817/k10010640421000.html ロンドン駐在の北朝鮮大使館ナンバー2が韓国に亡命]{{リンク切れ|date=November 2016}} NHKニュース 2016年8月7日付</ref>。[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]では、[[金正恩]]体制になってから、エリート層の[[脱北者|脱北]]が相次いで報道されており、今回はこれまで脱北した外交官の中で、最も高位にあたる。 * [[8月21日]] - 第31回[[夏季オリンピック]]([[リオデジャネイロオリンピック]])[[2016年リオデジャネイロオリンピックの閉会式|閉会式]]。オリンピック旗が、次回開催都市とされている東京都知事に就任したばかりの小池百合子に引き継がれた。 * [[8月24日]] - (現地時間)マグニチュード (M) 6.2の[[イタリア中部地震 (2016年8月)|イタリア中部地震]]が発生<ref>{{Cite news|url=http://www.cnn.co.jp/world/35087944.html|title=イタリア中部でM6.2の地震、建物が倒壊|newspaper=[[CNN (アメリカの放送局)|CNN]]|date=2016-8-24}}</ref>。 * [[8月25日]] - イギリスの研究チームが、地球から最も近い4.2光年の場所に地球の1.3倍の大きさの惑星を発見したと発見したと発表<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG25H1R_V20C16A8000000/ 4光年先に地球に似た惑星 英研究チーム発見] 日本経済新聞 2016年8月25日付</ref>。 * [[8月26日]] - [[トルコ]]の最大都市イスタンブールで26日、アジアとヨーロッパを結ぶ[[ボスポラス海峡]]に架かる3本目の吊り橋「ヤウズ・スルタン・セリム橋」の開通式が行われた<ref>{{Cite news|title=第3ボスポラス橋が開通=「新しいトルコ」象徴|newspaper=時事通信|date=2016-8-27|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2016082700103&g=int|access-date=2022-8-28|archive-url=https://web.archive.org/web/20161116163830/http://www.jiji.com/jc/article?k=2016082700103&g=int|archive-date=2016-11-16}}</ref>。 * [[8月31日]] - アメリカとキューバを結ぶ半世紀以上ぶりの定期航空便の第一便として、[[ジェットブルー航空387便]]がアメリカの[[フロリダ州]][[フォートローダーデール]]から離陸し、キューバの[[サンタ・クララ]]に着陸する<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3099338|title=米国とキューバ、半世紀ぶりに定期航空便を再開 毎日110便往来へ|agency=AFP通信|date=2016-09-01|accessdate=2017-07-18}}</ref>。 === 9月 === * [[9月2日]] - 1991年の独立以来、25年にわたって[[ウズベキスタン共和国]]の初代[[ウズベキスタンの大統領|大統領]]を務めてきた[[イスラム・カリモフ]]大統領が死去したことを国営テレビが発表した<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3099630|title=カリモフ大統領死去、ウズベク政府が正式発表 |work=AFP通信|publisher=[[AFP通信]]|date=2016-09-03|accessdate=2016-09-03}}</ref>。 * [[9月4日]] - 香港にて第六回[[香港立法会|立法会]]議員総選挙。 * [[9月4日]] - [[9月5日]] - [[中華人民共和国]][[浙江省]][[杭州市]]で[[第11回20か国・地域首脳会合]] ([[G20]])<ref>[https://web.archive.org/web/20160905214020/http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20160906-OYT1T50009.html G20首脳宣言 中国の「有言実行」が問われる]{{リンク切れ|date=November 2016}}読売新聞 2016年9月6日</ref>。 * [[9月7日]] - [[9月18日]] - 第15回[[夏季パラリンピック]]([[リオデジャネイロパラリンピック]])開催 * [[9月9日]] - [[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]の建国記念日にあたるこの日、日本時間9時半頃、北朝鮮[[咸鏡北道]][[吉州郡]][[豊渓里]]付近<ref name="nikkei">{{cite news|url=http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM09H2E_Z00C16A9MM0000/|title=北朝鮮、5回目の核実験実施を発表 過去最大規模|publisher=日本経済新聞|date=2016-09-09|accessdate=2016-09-09}}</ref> で[[人工地震]]とみられる[[地震]]が発生したことを日本の[[気象庁]]やその他機関が感知した。北朝鮮の[[朝鮮中央テレビ]]が、同日「核爆発実験を実施した」と発表した<ref name="nippou">{{cite news|url=http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/09/09/2016090901620.html|title=北朝鮮「核弾頭の爆発実験」 朝鮮中央テレビが報道|publisher=朝鮮日報|date=2016-09-09|accessdate=2016-09-09}}</ref>。{{Main|北朝鮮の核実験 (2016年9月)}} * [[9月14日]] - [[内戦]]が続く[[シリア]]で、米国とロシアの仲介によって、[[バッシャール・アル=アサド|アサド]]政権と反体制派の[[停戦]]が発効した。前回の停戦合意の後、政権軍が過激派掃討を理由に反体制派を攻撃し停戦崩壊を招いた失敗を踏まえ今回は、アサド政権に対して国際テロ組織アルカイダ系の「[[ヌスラ戦線]]」(「シリア征服戦線」に改称)への攻撃と称して反体制派を狙う空爆が禁止された<ref>[http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017201609147394.html シリア停戦発効 人道危機打開し和平への道筋を] 愛媛新聞 9月14日付</ref>。 * [[9月17日]] - [[2016年マンハッタン爆発]]事件が発生<ref>[http://www.asahi.com/articles/ASJ9L41N3J9LUHBI001.html NY・マンハッタンで爆発、29人負傷] 朝日新聞2016年9月18日閲覧。</ref>。 * [[9月18日]] - [[2016年ロシア下院選挙]] * [[9月22日]] - [[バハマ文書]]公開 * [[9月23日]] - 天皇陛下の生前退位を巡り政府が「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」設置<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/general/news/202109220000965.html|title=1996年 漫画家藤子・F・不二雄さんが急死、62歳/今日は?|publisher=日刊スポーツ|date=2021-09-23|accessdate=2021-09-23}}</ref> * [[9月30日]] - [[第41回ライダーカップ]]が[[アメリカ合衆国]]で開催([[10月2日]]まで) === 10月 === * [[10月7日]] - [[ノーベル平和賞]]を[[フアン・マヌエル・サントス]][[コロンビアの大統領の一覧|コロンビア大統領]]が受賞。「50年以上に及ぶ内戦終結への断固たる努力」が授賞理由<ref>[http://www.sankei.com/world/news/161007/wor1610070031-n1.htm ノーベル平和賞にコロンビア大統領 半世紀の内戦終結に尽力]{{リンク切れ|date=November 2016}} 産経ニュース 2016年10月7日付</ref>。 * [[10月12日]] - ロシアやアメリカなどの四カ国の宇宙開発の専門らが宇宙国家「アスガルディア」の建国を発表。現在約20万人の国民がいるという<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/10/post-6038_1.php|title=宇宙国家「アスガルディア」構想が始動:軌道上から地球を防衛、国民も募集|accessdate=2018-09-24|date=2016-10-14}}</ref>。 * [[10月13日]] ** [[ソニー・インタラクティブエンタテインメント]]が、[[PlayStation 4]]用デバイス「[[PlayStation VR]]」を世界42か国・地域で同日発売<ref>[http://www.asahi.com/articles/ASJBF2QM0JBFULFA001.html プレステVRが販売開始 仮想現実を体験、世界同日発売] 朝日新聞デジタル(2016年10月13日)2016年10月13日閲覧。</ref>。 ** [[ノーベル文学賞]]を[[ボブ・ディラン]]が受賞。受賞理由は「偉大な米国の歌の伝統において新たな詩的表現を創造した」とした<ref>{{Cite news |title=ノーベル文学賞:ボブ・ディランさんに 歌手で初 |newspaper=毎日新聞 |date=2016-10-13 |author= |url=https://mainichi.jp/articles/20161014/k00/00m/030/057000c |accessdate=2016-10-13}}</ref>。 ** [[タイ王国|タイ]]の[[タイの国王|国王]][[ラーマ9世]]が入院していた[[シリラート病院]]にて88歳で死去。在位期間は70年4か月<ref name="Sankei20161013">{{cite news | url =https://www.sankei.com/article/20161013-AADO76EP7NIEVOIRRLKTTKO2FA/ | title = タイのプミポン国王死去 88歳、国民から敬愛 | newspaper = 産経ニュース | Agency = 産業経済新聞社 | date = 2016年10月13日 20時53分 | accessdate = 2016-10-13 }}</ref><ref name="NHK20161013">{{Cite news|title=タイ プミポン国王が死去|newspaper=NHK|date=2016年10月13日20時53分|url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161013/k10010729021000.html|accessdate=2016-10-13}}{{リンク切れ|date=November 2016}}</ref>。 * [[10月17日]] - [[イラク]]の[[ハイダル・アル=アバーディ]]首相は2014年6月に[[ISIL]]に占拠された北部の都市モスルの奪還作戦を開始したと発表<ref>{{Cite news|title=イラク、モスル奪還作戦を開始 ISの最大拠点|newspaper=AFP通信|date=2016-10-17|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3104585/|access-date=2022-8-28}}</ref>。 *[[10月20日]] [[ドラえもん]]のスネ夫などで親しまれた、声優の[[肝付兼太]]が肺炎の為死去。(享年80) * [[10月29日]] - 2015年総選挙以来、政権不在状態の[[スペイン]]で[[マリアーノ・ラホイ・ブレイ]]政権への信任投票が議会下院で行われ、賛成170、反対111、棄権68の結果でラホイが信任された。これを受けてラホイは第2次政権への組閣を開始する<ref>{{cite news | url =http://www.jiji.com/jc/article?k=2016103000022&g=int | title = 首相続投を承認=新政権不在、10カ月ぶり解消-スペイン下院 | newspaper = 時事ドットコム | Agency = 時事通信社 | date = 2016-10-30 | accessdate = 2016-10-30 }}{{リンク切れ|date=2017年7月}}</ref>。 === 11月 === * [[11月4日]] - [[パリ協定 (気候変動)|パリ協定]]発効<ref>{{Cite news|url=http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM02H9D_T01C16A1MM8000/|title=パリ協定きょう発効 温暖化対策、新たな枠組み|newspaper=日本経済新聞|date=2016-11-04|accessdate=2017-01-08}}</ref>。 * [[11月8日]] - [[2016年アメリカ合衆国大統領選挙]]と[[2016年アメリカ合衆国下院議員選挙]]の一般有権者による投票。 * [[11月9日]] ** アメリカ合衆国大統領選挙で一般有権者による投票の開票の結果、[[共和党 (アメリカ)|共和党]]の[[ドナルド・トランプ]]が[[民主党 (アメリカ)|民主党]]の[[ヒラリー・クリントン]]を退けて、当選が確実となった<ref>{{Cite web|和書|date=2016-11-09 |url=http://www.cnn.co.jp/special/us_election2016/35091899.html |title=共和党候補ドナルド・トランプ氏が勝利確実 米大統領選 |publisher=CNN.co.jp |accessdate=2016-11-09}}</ref>。 ** [[インド]]の[[ナレンドラ・モディ]]首相は、国内で流通している500ルピーと1000ルピーの紙幣を廃止すると発表した<ref>{{cite news|url=https://www.nikkei.com/article/DGXLASGM09HCY_Z01C16A1FF4000/|title=インド、高額2紙幣を廃止 不正資金撲滅へ|date=2016-11-9|newspaper=日本経済新聞|accessdate=2022-8-28|author=堀田隆文}}</ref>。 * [[11月13日]] - [[ニュージーランド]]・北[[カンタベリー]]地方で[[マグニチュード|M7.8]]の地震が発生した<ref>{{cite news | url =http://www.asahi.com/articles/ASJCF6TZ8JCFUEHF00X.html| title = ニュージーランドで地震 M7.8 強い余震続く | date = 2016-11-13| newspaper = アサヒ・コム | Agency = 朝日新聞社 | accessdate = 2016-11-14}}</ref>。{{main|北カンタベリー地震 (2016年)}} * [[11月18日]] - [[国連気候変動枠組み条約]]第22回締約国会議が終了した<ref>{{Cite web|和書|date=2016-11-20 |url=https://web.archive.org/web/20161121112024/http://japan.cna.com.tw/news/apol/201611200005.aspx |title=国連FCCC締約国会議閉幕 代表団関係者「実質的な話できた」/台湾 |publisher=中央社フォーカス台湾 |accessdate=2016-11-23}}</ref>。 * [[11月23日]] - [[カンボジア]]の[[ポル・ポト政権]]下で行われた虐殺や強制移住などを巡り、人道に対する罪などに問われた元最高幹部[[ヌオン・チア]]、[[キュー・サムファン]]両被告に[[カンボジア特別法廷]]は、1審に続き最高刑にあたる終身刑とする判決を言い渡した。政権中枢を担った元最高幹部の判決が初めて確定した<ref>{{cite news | url =https://web.archive.org/web/20161123075857/http://www.yomiuri.co.jp/world/20161123-OYT1T50034.html?from=ytop_ylist| title = ポト派元最高幹部2人の終身刑確定…カンボジア | date = 2016-11-23| newspaper = YOMIURI ONLINE | Agency = 読売新聞社 | accessdate = 2016-11-23}}{{リンク切れ|date=2017年7月}}</ref>。 * [[11月25日]] - [[イラン]]北部セムナン州で列車同士が衝突する事故が発生した<ref>{{Cite web|和書|date=2016-11-26 |url=http://www.cnn.co.jp/world/35092769.html |title=イラン北部で列車同士が衝突 44人死亡 |publisher=CNN.co.jp |accessdate=2016-11-26}}</ref>。 * [[11月28日]] - [[コロンビア]]中部[[メデジン]]近郊の山岳地帯に、[[ラミア航空]]2933便旅客機が墜落したと報じられる。遭難機には[[ブラジル]]のサッカークラブチーム:[[アソシアソン・シャペコエンセ・ジ・フチボウ]]の選手ら81人が搭乗していた<ref>{{Cite news|url=https://www.sankei.com/article/20161129-LOVAAN3OOVIQVD2Z2MVJ67YOCA/|title=ブラジル・サッカーチームの選手らを乗せた飛行機が墜落 AP通信報道 乗員乗客81人|date=2016-11-29|newspaper=産経ニュース|agency=産業経済新聞社|accessdate=2016-11-29}}</ref>。{{main|ラミア航空2933便墜落事故}} * [[11月30日]] ** [[#6月|6月]]より名称案および[[元素記号]]案のパブリックレビュー(意見公募)を行っていた4つの[[元素]]([[ニホニウム|113番]]、[[モスコビウム|115番]]、[[テネシン|117番]]、[[オガネソン|118番]])について、[[国際純正・応用化学連合|IUPAC]]は提案通りの名称と元素記号を正式決定したと発表、113番元素は「ニホニウム(nihonium, 元素記号:Nh)」、115番元素は「モスコビウム(moscovium, 元素記号:Mc)」、117番元素は「テネシン(tennessine, 元素記号:Ts)」、118番元素は「オガネソン(oganesson, 元素記号:Og)」となることが確定した<ref name="IUPAC20161130">{{Cite press release|title=IUPAC Announces the Names of the Elements 113, 115, 117, and 118|publisher=IUPAC|date=2016-11-30|url=https://iupac.org/iupac-announces-the-names-of-the-elements-113-115-117-and-118/|accessdate=2016-12-03}}</ref><ref name="riken20161130">{{Cite press release|和書|title=113番元素の名称・記号が正式決定-元素名「nihonium(ニホニウム)」、元素記号「Nh」-|publisher=[[理化学研究所]]|date=2016-11-30|url=http://www.riken.jp/pr/topics/2016/20161130_1/|accessdate=2016-12-03}}</ref>。 ** [[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]が今年9月に5度目の[[北朝鮮の核実験 (2016年9月)|核実験]]を強行したことを受け追加制裁を協議してきた[[国際連合安全保障理事会|国連安保理]]が、北朝鮮から輸入する石炭の量を現在の半分以下に制限することなどを盛り込んだ新たな[[国際連合安全保障理事会決議|制裁決議]]を全会一致で採択した<ref>[http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161201/k10010790861000.html 国連安保理 北朝鮮への新たな制裁決議採択 輸入石炭制限など]{{リンク切れ|date=2017年7月}} NHKニュース 2016年12月1日</ref>。 === 12月 === * [[12月1日]] - [[タイ王国]]のワチラーロンコーン皇太子が暫定議会議長による即位要請を受けこれを受諾、[[ラーマ10世]]として[[タイの国王|国王]]に即位した<ref>{{Cite news|url=http://jp.reuters.com/article/idJP2016120101001883|title=タイ皇太子が新国王即位|work=ロイター|publisher=[[ロイター]]|date=2016-12-02|accessdate=2016-12-02}}{{リンク切れ|date=2017年7月}}</ref>。 * [[12月2日]] - [[アメリカ合衆国下院]]が、[[台湾]]との軍事交流推進を[[アメリカ国防総省]]に促す内容が盛り込まれた国防権限法案を本会議にて可決した<ref>{{Cite web|和書|date=2016-12-03 |url=https://web.archive.org/web/20161204125803/http://japan.cna.com.tw/news/apol/201612030004.aspx |title=米下院、国防権限法案を可決 台湾との軍事交流推進が初めて明文化 |publisher=中央社フォーカス台湾 |accessdate=2016-12-03}}</ref>。 * [[12月3日]] - [[ガンビア]]で大統領選挙がおこなわれ、野党の候補[[アダマ・バロウ]]が5選目を目指した現職の[[ヤヤ・ジャメ]]を破り当選を果たした<ref>{{Cite web|和書|date=2016-12-03 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3110075|title=ガンビア大統領選、野党連合候補勝利 22年間のジャメ体制に終止符 |publisher=AFPBB News |accessdate=2016-12-03}}</ref>。 * [[12月4日]] - [[イタリア]]で[[元老院 (イタリア)|元老院]](上院に相当)の権限を弱めることなどを柱とした[[2016年イタリア憲法改正国民投票|憲法改正案の国民投票]]を執行。大差で否決される見通しとなったため、進退をかけていた[[マッテオ・レンツィ]]首相は辞任を表明<ref>{{Cite news|url=http://jp.reuters.com/article/italy-referendum-idJPKBN13T10K|title=イタリア首相、辞意を表明 敗北は「極めて明確」|work=ロイター|publisher=[[ロイター]]|date=2016-12-05|accessdate=2016-12-05}}</ref>。 * [[12月5日]] - [[ニュージーランド]]の[[ジョン・キー]]首相が家庭の事情を理由に突然の首相辞任を表明<ref>{{Cite news|url=http://jp.reuters.com/article/nz-key-idJPKBN13U00N|title=NZのキー首相、突然の辞任発表|work=ロイター|publisher=[[ロイター]]|date=2016-12-05|accessdate=2016-12-05}}</ref><ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3110165|title=ニュージーランド首相、「家庭の事情」で辞任へ|work=AFPBB News|publisher=[[フランス通信社]]|date=2016-12-05|accessdate=2016-12-05}}</ref>。 * [[12月7日]] - [[パキスタン国際航空661便墜落事故]]が発生し、乗客乗員47人全員が死亡した<ref>[http://www.cnn.co.jp/world/35093383.html パキスタン機墜落、47人全員死亡 元ポップスターも犠牲に] CNN 2016年12月8日</ref>。 * [[12月9日]] ** [[ソロモン諸島]]沖でM7.8の地震が発生<ref>[http://www.cnn.co.jp/world/35093458.html ソロモン諸島でM7.8の地震、「経験したことのない揺れ」] CNN 2016年12月9日</ref>。 ** 韓国の[[国会 (大韓民国)|国会]]で[[朴槿恵]]大統領の[[弾劾#韓国|弾劾]]訴追案の採決が行われ、賛成234、反対56で可決された。これに伴い朴大統領は職務停止となり、[[黄教安]][[国務総理 (大韓民国)|国務総理]]が職務を代行する<ref>{{Cite news |title=朴大統領弾劾案が可決 賛成234人・反対56人 |newspaper=聯合ニュース|date=2016-12-09|url=http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2016/12/09/0200000000AJP20161209002200882.HTML|accessdate=2016-12-09}}</ref>。{{main|朴槿恵韓国大統領弾劾訴追|崔順実ゲート事件}} * [[12月11日]] - [[エジプト]]・[[カイロ]]のキリスト教会で爆発が発生し、27人死亡<ref>{{Cite news|url=http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK11H4M_R11C16A2000000/|title=カイロの教会で爆発 25人以上死亡|newspaper=日本経済新聞|date=2016-12-11|accessdate=2017-01-08}}</ref>。{{Main|w:en:Botroseya Church bombing}} * [[12月12日]] - [[ニュージーランド国民党]]が議員総会を開催し、12月5日に退陣を表明したジョン・キーの後任として[[ビル・イングリッシュ]]を第12代党首に選出。イングリッシュはその後に第39代ニュージーランド首相に就任した<ref>{{Cite news|title=ニュージーランドの新首相に副首相が就任|newspaper=NHK NEWS WEB|date=2016-12-12|url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161212/k10010803621000.html|agency=[[日本放送協会]]|accessdate=2016-12-12}}{{リンク切れ|date=2017年7月}}</ref>。 * [[12月15日]] - 日本の安倍晋三首相と[[ロシア連邦|ロシア]]の[[ウラジーミル・プーチン]][[ロシア連邦大統領|大統領]]が、[[山口県]][[長門市]]で日露首脳会談を開催<ref>{{Cite news |title=プーチン氏遅刻の理由「シリア問題」 大統領報道官|newspaper=朝日新聞|date=2016-12-16|author= |url=http://www.asahi.com/articles/ASJDJ02HVJDHUTFK02L.html|accessdate=2016-12-16}}</ref>。 * [[12月16日]] - 日本の安倍晋三首相とロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、東京の[[内閣総理大臣官邸|首相官邸]]で日露首脳会談を開催<ref>{{Cite news |title=【プーチン大統領来日】プーチン氏、またまた遅刻 首脳会談も遅延へ 特別機にエンジントラブルか|newspaper=産経新聞|date=2016-12-16|author= |url=https://www.sankei.com/article/20161216-3XDF7A2VSBJE5I6GY3MD7O5GRY/|accessdate=2016-12-16}}</ref>。 * [[12月19日]] ** [[ドイツ]]の[[ベルリン]]で行われていた[[クリスマスマーケット]]にトラックが突入、多数の死傷者を出した。当局はテロ事件の可能性を示唆、IS系のメディアが犯行声明を出した<ref>{{Cite news |title= ドイツでクリスマス市場にトラック突入、9人死亡・多数の負傷者|newspaper= ロイター|date= 2016-12-20|author= |url= http://jp.reuters.com/article/germany-truck-toll-idJPL4N1EE4K4?il=0|accessdate=2016-12-20}}</ref>。{{Main|2016年ベルリンのクリスマスマーケットにおける事件}} ** [[ロシア]]の駐[[トルコ]]大使の[[アンドレイ・カルロフ]]がアンカラでの写真展覧会会場でスピーチを行っている際に、トルコ人警察官に銃撃され死亡した<ref>[https://www.theguardian.com/world/2016/dec/19/russian-ambassador-to-turkey-wounded-in-ankara-shooting-attack Russian ambassador to Turkey shot dead in Ankara art gallery | World news | The Guardian] {{en icon}} - 2016年12月19日</ref><ref>[http://tass.ru/proisshestviya/3887350 タス通信: 事件 - 駐アンカラ・ロシア連邦大使の殺害。出来事の時系列 {{lang|ru|(ТАСС: Происшествия - Убийство посла РФ в Анкаре. Хроника событий)}}] {{ru icon}} - 2016年12月19日</ref><ref>{{Cite news|title=トルコのロシア大使が射殺される。犯人は「アレッポを忘れるな」と叫ぶ|newspaper=ニューズウィーク日本語版|date=2016-12-20|url=http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/12/1210.php|agency=Newsweek Japan|accessdate=2016-12-20}}</ref>。{{Main|w:en:Assassination of Andrei Karlov}} * [[12月20日]] ** [[ロシア]]・[[イルクーツク]]で、安価で販売された酒を飲んだ住人49人が中毒死していたことが発覚し、[[非常事態宣言]]が発令された<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.huffingtonpost.jp/2016/12/20/russia-bathwater_n_13738032.html|title=酒の代わりに入浴剤飲み49人死亡 ロシア・イルクーツクで非常事態宣言|work=|date=2016-12-20|accessdate=2017-07-10}}</ref>。{{Main|w:en:2016 Irkutsk mass methanol poisoning}} ** [[メキシコ]]・{{仮リンク|トゥルテペック|en|Tultepec}}の[[花火]]市場で爆発が発生し、29人死亡<ref>{{Cite web|和書|url=http://toyokeizai.net/articles/-/150856|title=メキシコの花火市場で大規模爆発、29人死亡|work=[[東洋経済新報社]]|date=2016-12-21|accessdate=2017-01-08|deadlinkdate=2017-7-10}}</ref>。{{Main|2016年サン・パブリート市場花火爆発事故}} * [[12月23日]] - [[アメリカ合衆国]]で、[[台湾]]との軍事交流推進を[[アメリカ国防総省]]に促す内容が盛り込まれた国防権限法が、成立した<ref>{{Cite web|和書|date=2016-12-24 |url=https://web.archive.org/web/20161224233008/http://japan.cna.com.tw/news/apol/201612240005.aspx |title=米国防権限法が成立 「台湾との軍事交流推進」明記 |publisher=中央社フォーカス台湾 |accessdate=2016-12-24}}</ref>。 * [[12月24日]] - [[タイ王国]]の{{仮リンク|シミラン諸島|en|Similan Islands}}で、[[サンゴ]]に[[ハングル]]で「박영수(パク・ヨンス)」と刻まれていることが発見された<ref>{{Cite web|和書|date=2016-12-30 |url=http://www.thaich.net/news/20161230sg.htm |title=タイ・シミラン諸島の珊瑚にハングル文字が刻まれる、犯人は韓国人? |publisher=タイランドハイパーリンクス |accessdate=2017-01-01}}</ref>。 * [[12月25日]] ** 現地時間早朝、[[ロシア]]南部[[ソチ]]から、[[シリア]]の[[ラタキア]]に向かっていたロシア軍所属の旅客機が、黒海に墜落した<ref>{{Cite news|title=ロシア軍機が黒海に墜落、92人全員絶望か シリア行き|newspaper=朝日新聞|date=2016-12-25|author=駒木明義|url=http://www.asahi.com/articles/ASJDT4PSXJDTUHBI00M.html|access-date=2022-8-28|archive-date=2019-5-17|archive-url=https://web.archive.org/web/20190517021038/http://www.asahi.com/articles/ASJDT4PSXJDTUHBI00M.html}}</ref>。ロシア当局は、92人全員が死亡したもようと発表した<ref>{{Cite web|和書|date=2016-12-26 |url=http://jp.reuters.com/article/russia-airplane-idJPKBN14E0IV |title=シリアに向かうロシア軍機が黒海に墜落、92人全員死亡の公算 |publisher=ロイター |accessdate=2016-12-26}}</ref>。{{Main|2016年ロシア国防省Tu-154墜落事故}} ** 現地時間11時20分ごろ、[[チリ]]南部で[[マグニチュード]]7.6の地震が発生した<ref>{{Cite news |title=地震:チリでM7.6 津波警報は解除 |newspaper=[[毎日新聞]] |date=2016-12-26 |author=渋江千春 |url=https://mainichi.jp/articles/20161226/k00/00m/030/073000c |accessdate=2016-12-26}}</ref><ref>{{Cite web|和書|date=2016-12-26 |url=http://jp.reuters.com/article/chile-quake-idJPKBN14E0K7 |title=チリでM7.6の地震、一時津波警報 死傷者の情報なし |publisher=[[ロイター]] |accessdate=2016-12-26}}</ref>。 * [[12月31日]] - [[潘基文]][[国際連合事務総長]]の任期が満了 == 周年 == {{notice|周年であること自体に特筆性のある項目(元のトピックの特筆性ではありません)のみ記述してください。また期間限定イベント(五輪、万博など)は開幕日-閉幕日起点で記述してください}} 以下に、過去の主な出来事からの区切りの良い年数([[周年]])を記す。 * [[1月15日]] - [[ウィキペディア]]発足15周年。 * [[1月28日]] - [[チャレンジャー号爆発事故]]から30周年。 * [[3月3日]] - [[全日本空輸]](ANA)国際定期便就航30周年。 * [[3月11日]] ** [[東日本大震災]]発生5周年。 ** [[福島第一原子力発電所事故]]から5周年。 * [[3月21日]] - [[ゲームボーイアドバンス]]発売から15周年。 * [[4月21日]] - [[エリザベス2世]]生誕90周年。 * [[4月26日]] - [[チェルノブイリ原子力発電所事故]]から30周年。 * [[5月1日]] - [[メーデー]](労働者の日)誕生から130周年。 * [[5月2日]] - [[アメリカ軍]][[特殊部隊]]による[[アメリカ同時多発テロ事件]]の首謀者とされる[[ウサーマ・ビン・ラーディンの殺害]]から5周年。 * [[6月23日]] - [[NINTENDO64]]発売から20周年。 * [[7月4日]] - [[アメリカ独立宣言|アメリカ合衆国独立]]240周年。 * [[7月15日]] - [[ボーイング社]](米[[ワシントン州]][[シアトル]])創業100周年。 * [[7月26日]] - [[スエズ運河]]国有化宣言から50周年。 * [[9月9日]] - アイドルグループ[[SMAP]]がデビュー25周年。 * [[9月11日]] - [[アメリカ同時多発テロ事件]]から15周年。 * [[9月14日]] - [[ニンテンドーゲームキューブ|ニンテンドー ゲームキューブ]]発売から15周年。 * [[9月23日]] - [[藤子・F・不二雄]]没後20周年。 * [[11月11日]] - [[PlayStation 3]]発売から10周年。 * [[12月2日]] - [[Wii]]発売から10周年。 * [[12月17日]] - [[在ペルー日本大使公邸占拠事件]]から20周年。 * [[12月25日]] - [[ソビエト連邦の崩壊]]から25年<ref>[https://www.sankei.com/article/20161225-ATHOASS6GJKBREBG7TMCQ3MXJA/ ソ連崩壊25年 ロシアの改革難しく東欧と格差 民主化、経済成長…消えた希望(1/3ページ)] 産経ニュース (2016年12月25日) 2020年12月26日閲覧。</ref>。 * [[12月26日]] - [[高柳健次郎]]がテレビの開発に成功してから90周年。 * [[12月30日]] - イラクの[[サッダーム・フセインの死刑執行|サッダーム・フセイン元大統領の死刑執行]]から10周年。 * [[日本]]と[[フィリピン]]の国交正常化60周年<ref>[https://web.archive.org/web/20160306203742/http://www.yomiuri.co.jp/feature/TO000304/20151013-OYT1T50044.html 両陛下、フィリピン訪問へ…国交正常化60年で]</ref>。 == 芸術・文化・ファッション == === 世相 === * [[イギリス]]では[[イギリスの欧州連合離脱是非を問う国民投票|国民投票]]により[[欧州連合|EU]]離脱が決まり、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の[[2016年アメリカ合衆国大統領選挙|大統領選挙]]では政治経験のない[[ドナルド・トランプ]]([[共和党 (アメリカ)|共和党]])が勝利を収めた。いずれもこれまでの路線を覆す大激変であるが、[[学歴]]や[[年齢]]、[[居住]]地といった双方の支持者層の共通点も指摘されており<ref>[https://www.buzzfeed.com/sakimizoroki/trump-and-euref?utm_term=.mi9j1pRGm#.ff5YaR5PO 分断を癒すカギはどこに? 学歴や年齢で異なる支持、トランプ氏と英EU離脱]([[バズフィード|BuzzFeed]] 2016年11月10日)</ref>、また[[ナショナリズム]]の高まりや[[移民]]問題を始めとしたこれまでの[[政策]](既成政治)に対する反発など、共通の事象も多く見られる<ref>[http://jp.reuters.com/article/eu-cer-idJPKCN0Z80QO アングル:英EU離脱派、底流に「トランプ主義」と共通する価値観]([[トムソン・ロイター|ロイター]] 2016年 6月22日)</ref><ref>[http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/11/post-6261.php ドナルド・トランプが米既成政治に逆転勝利]([[ニューズウィーク]]日本版 2016年11月9日)</ref>。 * アメリカの民間人権団体・[[フリーダム・ハウス]]の2016年版報告書によると、195の国・地域のうち「自由」とみなされたのは86、「部分的に自由」は59、「自由ではない」は50で、「自由度が前進した」と評価されたのは43、「後退した」と評価されたのは72となり、同団体は「世界の自由は10年連続で悪化した」と指摘。また、自由度を百点満点で評価し(項目は参政権、[[表現の自由]]、少数派の権利など25項目)、日本を96点、アメリカを90点、[[大韓民国|韓国]]を83点、[[中華人民共和国|中国]]を16点、[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]を3点、[[シリア]]をマイナス1点(最下位)などとした<ref>{{Cite news|title= 世界の自由は悪化10年連続 百点満点で日本「96点」韓国「83点」中国「16点」…トランプ氏に懸念も|newspaper=産経ニュース|date=2016-01-28|url=http://www.sankei.com/world/news/160128/wor1601280030-n1.html|accessdate=2016-01-28}}</ref>。 === スポーツ === {{main|2016年のスポーツ}} * [[2016年リオデジャネイロオリンピック]]・[[リオデジャネイロパラリンピック|パラリンピック]] === 音楽 === {{see|2016年の音楽}} === 映画 === {{main|2016年の映画}} 日付は本国公開日。 ; 本国公開・日本公開ともに当年 * [[1月29日]] - [[カンフー・パンダ3]](監督:[[ジェニファー・ユー]]) * [[2月12日]] - [[デッドプール (映画)|デッドプール]](監督:[[ティム・ミラー (映画監督)|ティム・ミラー]]) * [[3月4日]] - [[ズートピア]](監督:[[リッチ・ムーア]]、[[バイロン・ハワード]]) * [[3月17日]] - [[シング・ストリート 未来へのうた]](監督:[[ジョン・カーニー]]) * [[5月6日]] - [[シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ]](監督:[[ルッソ兄弟]]) * [[5月20日]] - [[アングリーバード (映画)|アングリーバード]](監督:Clay Kaytis、Fergal Reilly) * [[6月17日]] - [[ファインディング・ドリー]](監督:[[アンドリュー・スタントン]]、[[アンガス・マクレーン]]) * [[6月29日]] - [[レッドタートル ある島の物語]](監督:[[マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット]]) * [[7月8日]] - [[ペット (映画)|ペット]](監督:[[クリス・ルノー]]) * [[8月12日]] - [[ソーセージ・パーティー]](監督:[[コンラッド・ヴァーノン]]、[[グレッグ・ティアナン]]) * [[9月9日]] - [[ハドソン川の奇跡 (映画)|ハドソン川の奇跡]](監督:[[クリント・イーストウッド]]) * [[9月23日]] - [[コウノトリ大作戦!]](監督:ニコラス・ストーラー、ダグ・スウィートランド) * [[11月18日]] - [[ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅]](監督:[[デヴィッド・イェーツ]]) * [[12月16日]] - [[ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー]](監督:[[ギャレス・エドワーズ]]) ; 本国公開映画(日本公開は翌年以降) * [[7月20日]] - [[新感染 ファイナル・エクスプレス]](監督:[[ヨン・サンホ]]) * [[8月19日]] - [[KUBO/クボ 二本の弦の秘密]](監督:[[トラヴィス・ナイト]]) * [[10月21日]] - [[ムーンライト (映画)|ムーンライト]](監督:[[バリー・ジェンキンス]])。[[第89回アカデミー賞]][[アカデミー作品賞|作品賞]]。 * [[10月21日]] - [[わたしは、ダニエル・ブレイク]](監督:[[ケン・ローチ]]) * [[11月4日]] - [[トロールズ]](監督:[[マイク・ミッチェル]]) * [[11月11日]] - [[メッセージ (映画)|メッセージ]](監督:[[ドゥニ・ヴィルヌーヴ]]) * [[11月17日]] - [[パターソン (映画)|パターソン]](監督:[[ジム・ジャームッシュ]]) * [[11月18日]] - [[マンチェスター・バイ・ザ・シー (映画)|マンチェスター・バイ・ザ・シー]](監督:[[ケネス・ロナーガン]]) * [[11月23日]] - [[モアナと伝説の海]](監督:[[ロン・クレメンツ]]、[[ジョン・マスカー]]) * [[12月9日]] - [[ラ・ラ・ランド]](監督:[[デミアン・チャゼル]]) * [[12月21日]] - [[SING/シング]](監督:[[ガース・ジェニングス]]) * [[12月23日]] - [[沈黙 -サイレンス-]](監督:[[マーティン・スコセッシ]]) * [[12月25日]] - [[ドリーム (2016年の映画)|ドリーム]](監督:[[セオドア・メルフィ]]) === 文学 === {{see|2016年の文学}} === ゲーム === {{seealso|Category:2016年のコンピュータゲーム}} * [[10月13日]] - [[ソニー・インタラクティブエンタテインメント]] (SIE) が[[PlayStation 4]]用[[バーチャルリアリティ|VR]][[ヘッドマウントディスプレイ]]「'''[[PlayStation VR]]'''」を世界(日・欧・北米)同時発売。 == イベント == * [[リオデジャネイロオリンピック|第31回夏季オリンピック]]([[リオデジャネイロ]]):[[南アメリカ大陸|南米大陸]]で初開催となる[[近代オリンピック|オリンピック]] * [[リオデジャネイロパラリンピック|第15回夏季パラリンピック]](リオデジャネイロ) <!--== 経済 == --> == 誕生 == {{see also|2016年の日本#誕生|Category:2016年生}} * [[2月5日]] - [[堰沢結萌]]、[[子役]][[俳優#性別での分類|女優]]、[[堰沢結愛]]、[[堰沢結衣]]の[[妹]] * 2月5日 - [[ジグミ・ナムゲル・ワンチュク]]、[[ブータン]]王太子 * [[2月19日]] - [[宮崎莉里沙]]、[[子役]]、女優 * [[3月2日]] - [[オスカル (スコーネ公)]]、[[スウェーデン]]王子([[スコーネ公]]) * [[4月19日]] - [[アレクサンダー (セーデルマンランド公)]] * [[8月4日]] - [[チャーリー・ガード]]、(+[[2017年]]) === 人物以外 === * [[2月1日]] - [[ワールドプレミア (競走馬)]]、競走馬 * [[3月6日]] - [[クロノジェネシス]]、競走馬 * [[3月21日]] - [[サートゥルナーリア (競走馬)]]、競走馬 * [[9月18日]] - [[結浜]]、[[ジャイアントパンダ]] == 死去 == {{See|訃報 2016年}} * [[10月20日]] [[肝付兼太]] * [[11月25日]]&ndash;{{Flagicon|CUB}}[[キューバ]] [[フィデル・カストロ]] ([[1926年]]) == ノーベル賞 == * [[ノーベル物理学賞|物理学賞]]:[[デイヴィッド・J・サウレス]]、[[ダンカン・ホールデン]]、[[ジョン・M・コステリッツ]] * [[ノーベル化学賞|化学賞]]:[[ジャン=ピエール・ソヴァージュ]]、[[フレイザー・ストッダート]]、[[ベルナルト・L・フェリンハ]] * [[ノーベル生理学・医学賞|生理学・医学賞]]:[[大隅良典]] * [[ノーベル文学賞|文学賞]]:[[ボブ・ディラン]] * [[ノーベル平和賞|平和賞]]:[[フアン・マヌエル・サントス]] * [[ノーベル経済学賞|経済学賞]]:[[オリバー・ハート]]、[[ベント・ホルムストローム]] == 国際年 == * [[国際マメ年]]<ref name="sankei">{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20160507-FQCXMQNPX5NOFIEA556JPHHWCI/ |date=2016-05-07|title=今年は「国際マメ年」…大阪でイベント、消費アップへ業界など始動|publisher=[[産経新聞社]]|accessdate=2016-12-28}}</ref> == フィクションのできごと == * 1月8日 - Nexus6型のレプリカントのリーダー格 ロイ・バッティ(Roy Batty)が「起動」(製造番号 N6MAA10816)する。(映画『[[ブレードランナー]]』) * 1月10日 - 天空寺タケルの命のタイムリミットが訪れる。(『[[仮面ライダーゴースト]]』) * 1月 - 地冥界(ディスアス)の人間界侵攻が開始。甚大な被害を受ける。(『[[魔法少女特殊戦あすか]]』) * 2月14日 - レプリカントのプリス(Pris)が「起動」(製造番号 N6FAB21416)する。(映画『ブレードランナー』) * 4月17日 - グレートアイザーが人間界への襲撃を開始する。(特撮ドラマ『[[仮面ライダーゴースト]]』) * 6月12日 - レプリカントのゾーラ(Zhora)が「起動」(製造番号 N6FAB61216)する。なお、彼女は[[2018年]]2月9日に殺人の再訓練を修了している。(映画『ブレードランナー』) * 9月28日 - 江月みらいが誕生(ドラマ『[[セブンティウイザン|70才、初めて産みますセブンティウイザン。]]』)<ref>みらい誕生時に父親の朝一が記入した手術承諾書の記載から本年と特定。</ref> * 10月6日 - ヨーロッパ全土で大規模化学攻撃が起こり、ロシア軍の電撃的侵攻が開始される。(ゲーム『[[コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア3]]』) * 11月 - 東京湾沖にて正体不明の巨大生物が出現。東京湾へ上陸、短期間で急速な進化を遂げながら進行、品川区まで達した所で1度東京湾まで退却、政府の調査によって、この生物を『ゴジラ』と命名。再上陸に備えての対応策を講じる。数日後、鎌倉市にて更に進化し遂げた姿で再上陸、神奈川、東京を蹂躙して甚大な被害を及ぼす。(映画『[[シン・ゴジラ]]』) * 夏 - 東京の四ツ谷に暮らす男子高校生・立花瀧と、岐阜県飛騨地方の山奥にある糸守町に住む女子高生・宮水三葉が互いに意識が入れ替わるようになり、交流をするようになる。しかし、突然入れ替えが起こらなくなり、三葉の住んでいた糸守町は3年前に[[彗星]]の破片が直撃したことによって消滅し500人以上の犠牲者が出たこと、三葉も亡くなっていたことが発覚する。それを切っ掛けに瀧が入れ替わっていた時に見た景色等を手掛かりに糸守町について調べ始める。(映画『[[君の名は。]]』) * [[1996年]]に月面[[危難の海|危の海]]内の山で発見された、太陽系外の知的生物が残したと考えられる結晶ピラミッドが、内部調査のために原子力を用いて破壊され、ピラミッドから恒星界へと発信されていた信号が途絶する。(小説『{{仮リンク|前哨 (小説)|label = 前哨|en|The Sentinel (short story)}}』)<ref>{{Cite book |和書 |author= アーサー・C・クラーク|authorlink=アーサー・C・クラーク |title = 前哨 |publisher = [[早川書房]] |year = 1985 |pages = 263,274-277 |isbn = 978-4-15-010607-2}}</ref> * [[2015年]]に全世界で出現した黒いキューブが突如活動を開始、人体から電気エネルギーを奪い取り人類撲滅を決行する。(ドラマ『[[ドクター・フー]]』) * アラトロンによるマザーの発見。月面調査に参加していたアラトロンによりマザーが長き眠りより覚醒。(ゲーム『[[ファンタシースターオンライン2]]』)<ref>{{Cite book|title=Fantashī sutā onrain tsū episōdo fō settei shiryōshū|url=https://www.worldcat.org/oclc/1012921712|publisher=Kadokawa|date=2017|location=Tōkyō|isbn=9784048933742|oclc=1012921712|others=Kadokawa.}}</ref> == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} === 注釈 === ; 為替 {{Reflist|group="kawase"}} === 出典 === 事件などの場合、被疑者などの一部記事を伏字としています。伏字にしなかった場合、Wikipediaの方針により削除されます。 {{Reflist|24em}} == 関連項目 == {{Commonscat|2016}} * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] * {{日本語版にない記事リンク|2016年における世界各地の指導者一覧|en|List of state leaders in 2016}} {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{Navboxes | title = 2016年の各国 | list1 = {{各年のアメリカ|2016|unit=1||List=1}} {{各年のヨーロッパ|2016|unit=1||List=1}} {{各年のアフリカ|2016|unit=1||List=1}} {{各年のアジア|2016|unit=1||List=1}} {{各年のオセアニア|2016|unit=1||List=1}} }} {{Normdaten}} {{デフォルトソート:2016ねん}} [[Category:2016年|*]]
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2017年
2017年(2017 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、日曜日から始まる平年。平成29年。 この項目では国際的な視点に基づいた2017年について記載する。 日付は本国公開日。
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2017年は、西暦(グレゴリオ暦)による、日曜日から始まる平年。平成29年。 この項目では国際的な視点に基づいた2017年について記載する。
{{Otheruses||日本ローカルの事柄|2017年の日本}} {{Notice|本記事に加筆をする際は出典を忘れないでください。<br />出典の提示時には記事名のほか配信元・閲覧日だけではなく配信日もお願いします。<br />出来事・予定節には、出典があり内容の検証性がとれるもののみ掲載しています。}} {{注意|特筆性のない個人名は載せないでください。出典に名前が含まれる場合は伏字(◯◯)にしてください。<br>一部掲載できない記事もあります。}} {{年代ナビ|2017}} {{YearInTopic | 年 = 2017 }} {{year-definition|2017}} この項目では国際的な視点に基づいた2017年について記載する。 == 他の紀年法 == {{Year in other calendars|year=2017}} * [[干支]]:[[丁酉]](ひのと とり) * [[日本]](月日は一致) ** [[平成]]29年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2677年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4350年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]106年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]106年 * [[仏滅紀元]]:2559年10月4日 - 2560年10月14日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1438年4月2日 - 1439年4月12日 * [[ユダヤ暦]]:5777年4月3日 - 5778年4月13日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:1483228800 - 1514764799 * [[修正ユリウス日]](MJD):57754 - 58118 * [[リリウス日]](LD):158595 - 158959 == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2017}} == できごと == === 1月 === * [[1月1日]] ** [[アントニオ・グテーレス]]が、第9代[[国際連合事務総長]]に就任<ref>{{Cite web2|url=https://mainichi.jp/articles/20170102/k00/00m/030/035000c|work=毎日新聞デジタル|date=2017年1月1日|title=国連事務総長 ポルトガル元首相のグテレス氏、声明を発表|publisher=毎日新聞社|accessdate=2017年1月2日}}</ref> ** [[トルコ]]・[[イスタンブール]]のナイトクラブにて銃撃乱射事件が発生、39名が死亡、69名が負傷した<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017010100035&g=int|work=時事ドットコム|date=2017年1月1日|title=ナイトクラブで乱射、39人死亡=新年祝う人々狙う-イスタンブール|publisher=時事通信社|accessdate=2017年1月2日 |deadlinkdate=2017年10月 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20170102080333/http://www.jiji.com/jc/article?k=2017010100035&g=int |archivedate=2017年1月2日}} </ref>。{{also|{{仮リンク|イスタンブールナイトクラブ襲撃事件|en|Istanbul nightclub shooting}}}} * [[1月6日]] ** [[アメリカ合衆国議会|アメリカ合衆国連邦議会]]にて、2016年11月に執行された[[2016年アメリカ合衆国大統領選挙|アメリカ合衆国大統領選挙]]で選出された選挙人による公式投票の結果が集計され、[[共和党 (アメリカ)|共和党]]候補者の[[ドナルド・トランプ]]が304票、[[民主党 (アメリカ)|民主党]]候補者の[[ヒラリー・クリントン]]が227票、その他候補者が7票を獲得した。この結果、ドナルド・トランプの第45代[[アメリカ合衆国大統領]]当選が正式に決定された<ref>{{Cite news2|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017010700043&g=int|newspaper=時事ドットコム|date=2017年1月7日|title=トランプ氏、正式に当選=米大統領選|agency=時事通信社|accessdate=2017年1月7日}}</ref>。 * [[1月9日]] ** 強い[[寒波]]の影響でこの日までに[[ポーランド]]や[[イタリア]]などで40人が死亡<ref>{{Cite news2|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017010900065&g=int|newspaper=時事ドットコム|date=2017年1月9日|title=寒波で約40人死亡=欧州|agency=時事通信社|accessdate=2017年1月14日}}</ref>。{{Main|w:en:January 2017 European cold wave}} * [[1月10日]] - [[フィリピン]]南方の沖合でマグニチュード7.3の地震が発生<ref>{{Cite web2 |url=https://www.excite.co.jp/News/society_g/20170110/Hazardlab_18614.html |title=フィリピン沖合いでM7.3 日本への津波の影響は…? |publisher=[[Excite]]|date=2017年1月10日|accessdate=2017年11月11日}}</ref>。 * [[1月14日]] ** [[リビア]]から出航した難民船が転覆し、8人の死亡が確認され、100人以上が死亡した可能性が出た<ref>{{Cite web2|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017011800073&g=int|title=難民船転覆、100人超死亡か=リビア沖|work=[[時事通信社]]|date=2017年1月18日|accessdate=2017年2月11日}}</ref>。 * [[1月16日]] ** [[トルコ]]の[[貨物機]]が[[キルギス]]で墜落し、現場の住民を含む37人が死亡<ref>{{Cite web2|url=http://www.cnn.co.jp/world/35095045.html|title=貨物輸送機が村に墜落、37人死亡 キルギス|work=[[CNN (アメリカの放送局)|CNN]]|date=2017年1月16日|accessdate=2017年1月22日}}</ref>。{{Main|ターキッシュ エアラインズ6491便墜落事故}} * [[1月17日]] ** [[ナイジェリア]]軍が[[ボコ・ハラム]]掃討作戦における誤爆で避難民や援助職員など50人以上を死亡させた<ref>{{Cite web2|url=http://www.cnn.co.jp/world/35095158.html|title=ナイジェリア軍が誤爆、避難民や援助職員ら50人超死亡|work=[[CNN (アメリカの放送局)|CNN]]|date=2017年1月18日|accessdate=2017年2月11日}}</ref>。{{Main|w:en:2017 Nigerian refugee camp bombing}} * [[1月17日]] - [[1月20日|20日]] ** 第47回[[世界経済フォーラム]]<ref>{{Cite web2|url=http://www.asahi.com/articles/DA3S12755967.html|title=「開かれた英国」メイ首相がPR ダボス会議|work=[[朝日新聞]]|date=2017年1月20日|accessdate=2017年1月22日}}</ref>。 ** [[バラク・オバマ]][[アメリカ合衆国大統領|米大統領]]任期満了。[[ドナルド・トランプ]]が、[[ワシントンD.C.|ワシントン]]の[[アメリカ合衆国議会|連邦議会]]特設会場にて執行された[[2017年ドナルド・トランプ大統領就任式|大統領就任式典]]に於いて、[[東部標準時]]正午に就任宣誓を行って第45代アメリカ合衆国大統領に就任した<ref>{{Cite news2|date=2017年1月21日|url=https://www.sankei.com/article/20170121-DFVVKQF4BBKL7F5NKUNY5ZPOVA/|title=トランプ氏、第45代大統領に就任|newspaper=産経ニュース|agency=産業経済新聞社|accessdate=2017年1月21日}}</ref>。 ** アメリカ合衆国政府は[[環太平洋戦略的経済連携協定]]について、ドナルド・トランプ第45代大統領就任と同時に本協定から離脱する意思を表明した<ref>{{Cite news2 |date=2017年1月21日 |url=http://www.sankei.com/world/news/170121/wor1701210038-n1.html|title=「米国第一」主義を宣言 TPP離脱を正式表明 「米国を再び誇り高く、安全で偉大な国にする」|newspaper=産経ニュース|agency=産業経済新聞社|accessdate=2017年1月21日}}</ref>。 * [[1月21日]] ** [[ドナルド・トランプ]]米大統領就任の翌日、世界各地で抗議デモが起きた。その規模は主催団体の発表によると80カ国、480万人<ref>{{Cite web2 |url=http://www.asahi.com/articles/ASK1Q4QRZK1QUHBI00X.html |title=トランプ氏抗議デモ広がる 主催団体「世界80カ国で」|work=[[朝日新聞]]|date=2017年1月23日 |accessdate=2017年2月11日}}</ref>。 * [[1月22日]] - 15時30分ごろ[[パプアニューギニア]]で[[マグニチュード]]7.9の地震が発生<ref>{{Cite web2 |date=2017年1月22日 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3114992 |title=パプアニューギニアでM7.9の地震、一時津波警報 |publisher=AFPBB News |accessdate=2017年1月22日}}</ref>。{{Main|w:en:2017 Papua New Guinea earthquake}} * [[1月26日]] ** [[世界終末時計]]が2年ぶりに進み、[[1953年]]以来となる残り2分30秒まで迫った。[[核兵器]]拡散防止や[[気候変動]]対策に消極的な[[ドナルド・トランプ]]米大統領の発言が主な原因<ref>{{Cite web2|url=http://www.nikkei.com/article/DGXLASGN26H32_X20C17A1000000/|title=「世界終末時計」残り2分半、トランプ発言で30秒進む|work=[[日本経済新聞]]|date=2017年1月27日|accessdate=2017年2月11日}}</ref>。 * [[1月27日]] ** [[チリ]]中部で1週間にわたって大規模な山火事が続き、これまでに[[消防士]]など10人が死亡<ref>{{Cite web2|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3115651|title=チリ中部の山火事拡大、消火中に10人死亡 4000人避難 写真12枚 国際ニュース|publisher=[[フランス通信社]]|date=2017年1月27日|accessdate=2017年3月19日}}</ref>。同月22日に政府より[[非常事態宣言]]が発令された。{{Main|w:en:2017 Chile wildfires}} ** [[ドナルド・トランプ]]米大統領により[[大統領令13769号]]が発令され、[[イラク]]、[[イラン]]、[[リビア]]、[[ソマリア]]、[[スーダン]]、[[シリア]]、[[イエメン]]の全国民の入国が90日間は禁止となった。 * [[1月29日]] ** [[カナダ]]・[[ケベック州]]の[[モスク]]で銃乱射事件が発生し、5人死亡<ref>{{Cite web2|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017013000272&g=int|title=モスクで乱射、5人死亡か=容疑者2人逮捕-カナダ|publisher=[[時事通信社]]|date=2017年1月30日|accessdate=2017年2月11日}}</ref>。{{Main|w:en:Quebec City mosque shooting}} === 2月 === * [[2月5日]] ** [[アフガニスタン]]で[[雪崩]]が発生し、100人以上が死亡<ref>{{Cite web2|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017020600188&g=int|title=雪崩で100人超死亡=アフガン|publisher=[[時事通信社]]|date=2017年2月6日|accessdate=2017年2月11日}}</ref>。{{Main|w:en:2017 Afghanistan avalanches}} * [[2月6日]] ** [[トルコ]]で過去最大規模となる750人以上の[[ISIL]]戦闘員が拘束された<ref>{{Cite web2|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017020700009&g=isk|title=IS摘発、拘束者750人=トルコ|publisher=[[時事通信社]]|date=2017年2月7日|accessdate=2017年2月11日}}</ref>。 * [[2月10日]] ** [[ニュージーランド]]・[[ゴールデン湾]]で同国で過去最大規模となる400頭の[[クジラ]]が打ち上げられ、その大半は死亡していることが確認された<ref>{{Cite web2 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3117314|title=浜辺にクジラ400頭以上打ち上げ NZ「過去最大規模」 写真13枚 国際ニュース|publisher=[[フランス通信社]]|date=2017年2月11日|accessdate=2017年3月19日}}</ref>。 ** [[ウィキペディア]]は[[イギリス]]・[[デイリー・メール]]が「全般的に信頼できない」として、この[[メディア (媒体)|メディア]]からの引用を禁止することを発表<ref>{{Cite web2 |url=http://www.cnn.co.jp/tech/35096399.html|title=ウィキペディア、英大衆紙デイリー・メールの引用を禁止|publisher=[[CNN (アメリカの放送局)|CNN]]|date=2017年2月10日|accessdate=2017年2月11日}}</ref>。 * [[2月13日]] - [[金正日]][[朝鮮労働党中央委員会総書記]]の長男である[[金正男]]が[[マレーシア]]で[[金正男暗殺事件|殺害]]される<ref>{{Cite web2 |url=https://jp.reuters.com/article/northkorea-malaysia-kim-idJPKBN15T1GM|title=金正男氏の死亡、米は北朝鮮が殺害との見方=米政府筋|publisher=ロイター|date=2017年2月14日|accessdate=2018年4月18日}}</ref>。 * [[2月18日]] ** [[アルゼンチン]]・[[アコンカグア]]付近で[[長距離バス]]が横転し、少なくとも18人が死亡、20人が怪我<ref>{{Cite web2 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3118394|title=南米最高峰近くでバス横転、19人死亡 アルゼンチン 写真9枚 国際ニュース|publisher=[[フランス通信社]]|date=2017年2月19日 |accessdate=2017年3月19日}}</ref>。 ** [[ベルギー]]・[[ブリュッセル]]で列車脱線事故が発生し、1人が死亡、27人が負傷<ref>{{Cite web2|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3118385|title=ベルギーで列車脱線、1人死亡 27人負傷 写真4枚 国際ニュース|publisher=[[フランス通信社]]|date=2017年2月19日|accessdate=2017年3月19日}}</ref>。{{Main|w:en:2017 Leuven derailment}} * [[2月21日]] - [[2011年]]に[[スーダン]]から分離独立した[[南スーダン]]では、内戦の影響で飢饉が発生し、10万人もの人々が飢餓寸前であることが発表され、また人口の4割の人々が緊急援助が必要であることがこの日までにわかった<ref>{{Cite web2|url=https://www.cnn.co.jp/world/35096910.html|title=南スーダンで飢饉、人口の4割に飢えの危機 |publisher=[[CNN (アメリカの放送局)|CNN]]|date=2017年2月21日|accessdate=2017年11月24日}}</ref>。 * [[2月22日]] - [[アメリカ航空宇宙局]]は[[地球]]によく似た[[太陽系外惑星]]7つを39[[光年]]先の[[宇宙]]で発見したことを発表<ref>{{Cite web2 |url=http://www.nikkei.com/article/DGXLASGG22H1W_S7A220C1EA1000/|title=NASA、地球に似た7惑星発見 水存在の可能性|work=[[日本経済新聞]]|date=2017年2月23日 |accessdate=2017年3月19日}}</ref> * [[2月24日]] - [[アルゼンチン]]・[[ロサリオ]]でバス同士が正面衝突し、13人が死亡、34人が負傷<ref>{{Cite web2|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3119173|title=満員のバス同士が正面衝突、13人死亡 アルゼンチン 写真3枚 国際ニュース|work=[[フランス通信社]]|date=2017年2月25日|accessdate=2017年3月19日}}</ref>。 * [[2月25日]] ** [[ドイツ]]・[[ハイデルベルク]]で、乗用車が歩行者に突っ込み、1人が死亡、2人が負傷<ref>{{Cite web2|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3119213|title=ドイツ南部で車が歩行者に突っ込み1人死亡、2人負傷|work=フランス通信社|date=2017年2月26日|accessdate=2017年7月8日}}</ref>。{{Main|w:en:2017 Heidelberg attack}} ** [[アゼルバイジャン]]の[[イルハム・アリエフ]]大統領が妻を副大統領に任命<ref>{{Cite web2|url=http://www.cnn.co.jp/world/35097165.html|title=アゼルバイジャン大統領、妻を副大統領に 一族支配強化|work=[[CNN (アメリカの放送局)|CNN]]|date=2017年2月25日|accessdate=2017年3月19日}}</ref>。 * [[2月28日]] ** [[2015年]]に[[バングラデシュ]]北部で、日本人男性が[[イスラーム過激派|イスラム過激派]]メンバーに殺害された事件で、裁判所が被告5人に[[死刑]]を言い渡した<ref>{{Cite web2|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3119507|title=バングラデシュ邦人殺害、イスラム過激派の被告5人に死刑判決|work=[[フランス通信社|AFP]]|date=2017年2月28日|accessdate=2017年2月28日}}</ref>。 ** [[Amazon.com]]の[[オンライン]][[ストレージ]]サービス・[[Amazon Simple Storage Service|Amazon S3]]で大規模[[障害]]が約4時間にわたって発生し、[[ESPN]]や[[AOL]]等の15万もの[[ウェブサイト]]に影響が出た<ref>{{Cite web2|url=https://xtech.nikkei.com/it/atcl/news/17/030300696/?rt=nocnt|title=ニュース - Amazon S3の大規模障害は人為的ミスが原因|work=[[ITpro]]|date=2017年3月3日|accessdate=2017年3月19日}}</ref>。 === 3月 === *[[3月3日]] - [[任天堂]]の[[ゲーム機|家庭用ゲーム機]]「[[Nintendo Switch]]」が日本、[[北アメリカ|北米]]、[[ヨーロッパ|欧州]]、[[オーストラリア]]、[[香港]]などで同時発売<ref>{{Cite press release|和書|title=Switch and Play ゲームライフをもっとアクティブに 「Nintendo Switch」 2017年3月3日 29,980円(税別)にて発売|publisher=任天堂|date=2017-01-13|format=HTML|url=https://www.nintendo.co.jp/corporate/release/2017/170113.html|accessdate=2020-10-28}}</ref>。 * [[3月6日]] ** [[ソマリア]]の[[干ばつ]]が深刻化し、同月4日までの2日間で110人が死亡したことが発表され、[[飢餓]]人口が620万人と見られる<ref>{{Cite web2 |url=http://www.cnn.co.jp/world/35097602.html |title=CNN.co.jp : 干ばつ深刻化で110人死亡、食糧不安620万人 ソマリア - (1/2)|work=[[CNN (アメリカの放送局)|CNN]]|date=2017年3月6日 |accessdate=2017年3月19日}}</ref>。{{Main|w:en:2017 Somalian drought}} ** [[2017 ワールド・ベースボール・クラシック]]が開幕<ref>{{Cite news2 |title=WBC、韓国戦で開幕 侍J、キューバ戦先発は石川に - 2017WBC(ワールド・ベースボール・クラシック) |newspaper=朝日新聞デジタル |date=2017年3月6日 |url=http://www.asahi.com/articles/ASK364HK9K36UTQP00G.html |accessdate=2017年3月7日}}</ref>。 ** [[ザンビア]]の首都[[ルサカ]]で食料[[配給 (物資)|配給]]に大勢が殺到し、少なくとも8人が死亡、28人が負傷<ref>{{Cite web2 |url=http://www.afpbb.com/articles/-/3120491 |title=動画:食料配給に人が殺到、8人死亡 ザンビア|work=フランス通信社|date=2017年3月7日|accessdate=2017年7月8日}}</ref>。{{Seealso|w:en:List of human stampedes}} * [[3月8日]] - [[グアテマラ]]・[[グアテマラシティ]]の[[児童養護施設]]で火災が発生し、10代の少女ら少なくとも22人死亡、38人負傷<ref>{{Cite web2 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3120698?pid=18804640|title=グアテマラの児童養護施設で火災、22人死亡 暴動中に出火か 写真14枚 国際ニュース|work=[[フランス通信社]]|date=2017年3月9日|accessdate=2017年3月19日}}</ref>。{{Main|w:en:Virgen de la Asunción fire}} * [[3月9日]] - [[ドイツ]]・[[デュッセルドルフ]]の駅で[[斧]]を持った男が襲撃し、7人負傷<ref>{{Cite web2|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3120837|title=ドイツ鉄道駅でおの使った襲撃、7人負傷 容疑者1人拘束 写真10枚 国際ニュース|work=[[フランス通信社]]|date=2017年3月10日|accessdate=2017年3月19日}}</ref>。{{Main|w:en:2017 Düsseldorf axe attack}} * [[3月10日]] ** [[トルコ]]・[[イスタンブール]]で[[ヘリコプター]]が[[テレビ塔]]に衝突して墜落し、7人死亡<ref>{{Cite web2|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3120971|title=イスタンブールでヘリ墜落、ロシア人ら7人死亡 写真4枚 国際ニュース|publisher=[[フランス通信社]]|date=2017年3月11日|accessdate=2017年4月8日}}</ref>。 ** 日本政府、[[南スーダン]]に於けるインフラ整備がほぼ完了したとして、[[自衛隊]]の[[国際連合平和維持活動]]を5月末までに撤退すると発表<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS10H4X_Q7A310C1000000/ 南スーダンPKO部隊、5月末に撤収へ 首相表明] 日本経済新聞 2017年3月10日</ref>。 ** [[東京メトロ銀座線]]の[[営団01系電車|01系]]がこの日限りで営業運転終了<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.tokyometro.jp/news/images_h/metroNews20170127_09.pdf|title=銀座線01系車両が引退します!2017年3月10日(金)に営業運転終了|work=[[東京メトロ]]|date=2017-01-27|accessdate=2020-10-14}}</ref>。 * [[3月11日]] ** [[エチオピア]]の首都[[アディスアベバ]]でごみの山が崩壊し、46人死亡、数十人が負傷<ref>{{Cite web2|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017031300668&g=int|title=ごみ山崩壊、住民46人死亡=整地作業が原因か-エチオピア|publisher=[[時事通信社]]|date=2017年3月13日|accessdate=2017年4月8日}}</ref>。 ** [[タンザニア]]の[[ムベヤ]]から[[ダルエスサラーム]]に向かっていた満員のバスがトラックと衝突し、42人が死亡、20人以上が重傷<ref>{{Cite web2 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3042235 |title=トラックがバスと衝突、42人死亡 タンザニア 写真1枚 国際ニュース|publisher=[[フランス通信社]]|date=2017年3月12日 |accessdate=2017年6月18日}}</ref>。 * [[3月12日]] - [[ハイチ]]・[[ゴナイーヴ]]で[[バス (交通機関)|バス]]が[[ひき逃げ]]事故を起こした後、路上演奏家の集団に猛スピードで突っ込み、38人死亡、13人負傷<ref>{{Cite web2 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3121115|title=ひき逃げ図ったバスが演奏家の集団に突っ込む、38人死亡 ハイチ 写真6枚 国際ニュース|work=[[フランス通信社]] |date=2017年3月13日|accessdate=2017年3月19日}}</ref>。 * [[3月18日]] - 南米の[[ペルー]]では、断続的に続く大雨の影響で洪水が発生し、17日までに67人が死亡した。また、首都の[[リマ]]近郊では6万5000人の人々が帰宅困難な状態に陥った<ref>{{Cite news2|title=ペルーで大洪水 猛烈な濁流が一瞬でバス飲み込む|newspaper=テレビ朝日|date=2017年3月18日|url=http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000096752.html |accessdate=2017年3月18日}}</ref>。 * [[3月19日]] - [[ガーナ]]・{{仮リンク|キンタンポ|en|Kintampo, Ghana}}の[[キンタンポの滝]]で暴風雨により木が倒れ、遊泳中の高校生ら20人が死亡<ref>{{Cite web2 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3121993|title=遊泳中に倒木の下敷き、高校生20人死亡 ガーナ 写真7枚 国際ニュース|publisher=[[フランス通信社]]|date=2017年3月21日 |accessdate=2017年4月8日}}</ref>。 * [[3月20日]] - [[フランス領ギアナ]]、[[クールー (フランス領ギアナ)|クールー]]で「500人の兄弟(500 frères)」が、現地においての労働条件と治安の改善を訴える抗議活動を開始。{{Main|2017年仏領ギアナ騒乱}} * [[3月22日]] ** ワールド・ベースボール・クラシック[[2017 ワールド・ベースボール・クラシック 決勝トーナメント#GAME3/決勝戦 (3月22日)|決勝戦]]・アメリカ対[[野球プエルトリコ代表|プエルトリコ]]はアメリカが8-0で勝利し、初優勝を達成<ref>{{Cite news2 |url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170323/k10010921641000.html |title=WBC アメリカが初優勝|newspaper=NHK|date=2017年3月23日|accessdate=2017年3月26日}}</ref>。 ** [[ウェストミンスター宮殿|英国国会議事堂]]付近で男が車で歩道上の歩行者を次々に跳ねた後、議会の敷地内に侵入し、ナイフで警察官に切りかかったところで別の警察官に射殺された。この事件で4人が死亡、40人が負傷した。[[ロンドン警視庁]]は男が[[イスラム教|イスラム]]過激主義の影響を受けた可能性があるとしている<ref>{{cite news2|title=ロンドン暴走テロ 4人死亡40人ケガ|newspaper=読売テレビ|date=2017年3月23日|url=http://www.ytv.co.jp/press/mainnews/TI20238565.html|accessdate=2017年3月23日}}</ref>。{{main|2017年ロンドンテロ事件}} * [[3月23日]] - [[ウクライナ]]の首都[[キエフ]]で、[[ウラジーミル・プーチン]][[ロシア連邦大統領|露大統領]]に批判的な立場をとっていた元[[国家院 (ロシア)|下院]]議員の{{仮リンク|デニス・ボロネンコフ|en|Denis Voronenkov}}が暗殺された<ref>{{Cite web2|url=http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM23HAQ_T20C17A3FF1000/|title=亡命ロシア国会議員、ウクライナで暗殺か|publisher=[[日本経済新聞]]|date=2017年3月23日|accessdate=2017年4月8日}}</ref>。 * [[3月24日]] - [[コンゴ民主共和国]][[中央カサイ州]]で約40人の警察官が武装勢力に襲われ、殺害された<ref>{{Cite web2 |url=http://www.asahi.com/articles/ASK3V5QZCK3VUHBI01B.html |title=武装勢力が襲撃、警察官40人殺害 コンゴ民主共和国:朝日新聞デジタル|publisher=[[朝日新聞]] |date=2017年3月26日|accessdate=2017年4月8日}}</ref>。 === 4月 === * [[4月1日]] - 前月31日に[[コロンビア]]の[[モコア]]で川が氾濫し、大規模な[[地すべり]]が発生、この日までに206人の死亡が確認された<ref>{{Cite web2|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3123614|title=コロンビアで大規模な地滑り、206人死亡 豪雨で河川が増水 写真9枚 国際ニュース|publisher=[[フランス通信社]] |date=2017年4月2日|accessdate=2017年4月8日}}</ref>。{{Main|w:en:2017 Mocoa landslide}} * [[4月3日]] - [[ロシア]]の[[サンクトペテルブルク]]の地下鉄で、爆発が発生<ref>{{Cite web2 |date=2017年4月3日 |url=https://sputniknews.jp/20170403/3501742.html |title=サンクトペテルブルク地下鉄で爆発【写真・動画】 |publisher=[[スプートニク (通信社)|スプートニク]] |accessdate=2017年4月4日}}</ref>。ロシア保健省は、この爆発により10人が死亡し、47人が負傷したと発表した<ref>[https://web.archive.org/web/20170404045024/http://www.yomiuri.co.jp/world/20170403-OYT1T50108.html 露で地下鉄爆発、10人死亡…テロの可能性]讀賣新聞 2017年4月4日</ref>。{{main|2017年サンクトペテルブルク地下鉄爆破テロ事件}} * [[4月6日]] ** [[ドナルド・トランプ]][[アメリカ合衆国大統領|米大統領]]と[[中華人民共和国|中国]]・[[習近平]][[中華人民共和国主席|国家主席]]による米中首脳会談が開催<ref>[http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170406/k10010938721000.html あす初の米中首脳会談 北朝鮮への対応など焦点]NHK 2017年4月6日</ref>。 ** アメリカ合衆国・トランプ政権は、[[バッシャール・アル=アサド|アサド]]政権が[[シリア]]国内で[[化学兵器]]を使用したと断定し、その対抗措置として、化学兵器が貯蔵されていたとされるシリア空軍基地に対し[[トマホーク (ミサイル)|トマホーク]][[巡航ミサイル]]59発での攻撃を行った<ref>[http://www.asahi.com/sp/articles/ASK473GYBK47UHBI016.html 米、シリアにトマホーク59発 化学兵器と断定し報復] 朝日新聞 2017年4月7日</ref>。{{Main|シャイラト空軍基地攻撃}} ** アメリカ合衆国によるシャイラト空軍基地に対する攻撃と同時に、[[ISIL]]がホムスとシャイラトを結ぶ車線沿いのシリア軍の陣地を攻撃<ref>{{Cite web2 |date=2017年4月7日 |url=https://sputniknews.jp/20170407/3512719.html |title=武装戦闘員らがホムスのシリア軍陣地を攻撃 米国の攻撃と同時刻 |publisher=スプートニク |accessdate=2017年4月9日}}</ref>。 * [[4月7日]] - [[スウェーデン]]の首都[[ストックホルム]]で[[貨物自動車|トラック]]が暴走し、通行人4人が死亡<ref>{{Cite web2|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3124396|title=スウェーデン首都でトラック暴走、4人死亡 運転手逃走 テロか 写真10枚 国際ニュース|publisher=[[フランス通信社]]|date=2017年4月8日|accessdate=2017年5月27日}}</ref>。{{Main|2017年ストックホルムトラックテロ事件}} * [[4月9日]] - [[エジプト]]・[[タンタ]]で爆発、21人が死亡、40人以上が負傷。数時間後に[[アレクサンドリア]]でも爆発、少なくとも11人が死亡<ref>{{Cite web2 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3124516|title=エジプト北部、別の教会でも爆発 少なくとも11人死亡 写真1枚 国際ニュース|publisher=[[フランス通信社]]|date=2017年4月9日|accessdate=2017年5月27日}}</ref>。{{Main|w:en:Palm Sunday church bombings}} * [[4月10日]] - 日本のフィギュアスケート選手の[[浅田真央]]が、自身のブログで現役引退を表明<ref>{{Cite web2 |date=2017年4月12日 |url=http://jp.reuters.com/article/figure-skating-asada-idJPKBN17E085 |title=フィギュア=浅田真央が引退会見、「悔いはない」 |publisher=ロイター |accessdate=2017年4月13日}}</ref>。 * [[4月11日]] ** [[Microsoft Windows Vista]]の延長サポート終了。 ** ドイツの[[ドルトムント]]にて、プロサッカーチーム:[[ボルシア・ドルトムント]]選手らが乗車したクラブ専用バスが、道端などに仕掛けられた爆弾により破損。負傷者2名<ref>{{Cite news2|title=独サッカー「ドルトムント」のチームバス近くで3回の爆発、1人負傷|newspaper=Bloomberg|date=2017年4月12日 |url=https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-04-11/OO9E0F6VDKHS01|agency=Bloomberg|accessdate=2017年4月13日}}</ref>。{{main|ボルシア・ドルトムント専用バス爆弾攻撃事件}} * [[4月13日]] ** [[南谷真鈴]]が[[北極点]]に到達。日本人としては初めて[[七大陸最高峰]]頂上・北極点・[[南極点]]の全到達者たる[[探検家グランドスラム|エクスプローラーズ・グランドスラム]]を達成する<ref>{{cite web2|last1=NHK|title=最年少20歳で冒険家グランドスラム達成 南谷さんが会見|url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170419/k10010953971000.html|website=NHK News|accessdate=2017年4月19日}}</ref>。 ** [[メキシコ]]・[[ゲレーロ州]]で観光バスと[[タンクローリー]]が衝突し、少なくとも24人が死亡、9人が負傷<ref>{{Cite web2 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3125081 |title=観光バスと石油タンクローリーが衝突、24人死亡 メキシコ 写真6枚 国際ニュース|publisher=[[フランス通信社]]|date=2017年4月14日|accessdate=2017年5月27日}}</ref>。 * [[4月14日]] - [[スリランカ]]・[[コロンナーワ]]でごみ山が崩落し、少なくとも19人が死亡<ref>{{Cite web2|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3125223|title=ごみ山が崩落、19人死亡 近隣住宅など145棟に被害 スリランカ 写真8枚 国際ニュース|publisher=[[フランス通信社]]|date=2017年4月16日|accessdate=2017年5月27日}}</ref>。 * [[4月15日]] ** [[1800年代]]生まれの最後の一人とされてきた[[イタリア]]の世界最高齢の女性、[[エンマ・モラーノ]]が117歳で死去した<ref>山尾有紀恵 「[http://www.asahi.com/articles/ASK4J4RTDK4JUHBI00H.html 世界最高齢の女性が死去 最後の1800年代生まれ]」 朝日新聞 2017年4月16日付、2017年7月27日閲覧.</ref>。 * [[4月16日]] - [[トルコ]]で憲法改正案を承認するかどうか是非を問う国民投票で賛成派が反対派を上回り、大統領の権限が強化されることとなった<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXLZO15426140Y7A410C1EA2000/ トルコ揺らぐ民主主義 大統領の強権化、国論を二分]日本経済新聞 2017年4月18日</ref>。{{Main|w:en:Turkish constitutional referendum, 2017}} * [[4月18日]] ** [[フィリピン]]・[[ヌエヴァ・エシハ州]]でバスが渓谷に転落し、31人が死亡<ref>{{Cite web2|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3125644|title=フィリピンでバスが渓谷に転落、31人死亡 定員超過か 写真4枚 国際ニュース|publisher=[[フランス通信社]]|date=2017年4月19日|accessdate=2017年5月27日}}</ref>。{{Main|w:en:2017 Nueva Ecija bus accident}} ** [[トルコ]]・[[トゥンジェリ]]で警察の[[ヘリコプター]]が墜落し、乗員12人全員が死亡<ref>{{Cite web2|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3125561|title=トルコ東部でヘリ墜落、警官ら12人死亡 悪天候が原因か 写真1枚 国際ニュース|publisher=[[フランス通信社]]|date=2017年4月19日|accessdate=2017年5月27日}}</ref>。 * [[4月19日]] ** [[エジプト]]の[[ルクソール]]近郊にあるドゥラ・アブル・ナガ墓群にて8体の[[ミイラ]]と装飾された[[木棺]]、1000体を超す埋葬品が発掘された<ref>{{Cite web2 |date=2017年4月19日|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3125565|title=古代エジプトのミイラ8体、ルクソール近郊の墓で発掘|publisher=AFP BBNEWS|accessdate=2017年5月8日}}</ref>。 * [[4月21日]] - [[南アフリカ]]の首都[[プレトリア]]郊外で小型バスとトラックが衝突・炎上し、少なくとも子供19人が死亡<ref>{{Cite web2 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3126025 |title=小型バスとトラックが衝突し炎上、子ども19人死亡 南アフリカ 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News|publisher=[[フランス通信社]]|date=2017年4月22日|accessdate=2017年5月27日}}</ref>。 * [[4月23日]] - [[2017年フランス大統領選挙]]1回目投票。過半数を獲得する候補者がいなかったため、[[5月7日]]に[[エマニュエル・マクロン]]候補と2名による決選投票が執行されることになった<ref>[http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170424/k10010958891000.html 仏大統領選 マクロン氏とルペン氏が決選投票へ]NHK 2017年4月24日</ref>。 * [[4月29日]] - トルコ政府がウィキペディアへのアクセスを完全遮断するなどの命令を下す<ref>{{Cite web2 |date=2017年4月30日|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3126868|title=トルコ、ウィキペディアとデート番組を禁止 公務員も大量解雇|publisher=AFP BBNEWS|accessdate=2017年4月30日}}</ref>。{{Main|2017年トルコのウィキペディア閲覧制限}} * [[4月30日]] - [[インドネシア]]・[[ジャワ島]]でバスが暴走し、少なくとも11人が死亡、約50人が負傷<ref>{{Cite web2|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3126925|title=バス暴走で11人死亡、約50人負傷 インドネシア・ジャワ島 写真2枚 国際ニュース|publisher=[[フランス通信社]]|date=2017年5月1日|accessdate=2017年5月27日}}</ref>。 === 5月 === * [[5月3日]] ** [[アメリカ合衆国の海外領土|アメリカ合衆国自治領]]の[[プエルトリコ]]が[[アメリカ合衆国連邦裁判所|連邦地裁]]に[[破産]]申請を行った。債務は700億ドルで、自治体としてはアメリカ合衆国最大の破産手続きとなる<ref>{{cite web2|url=http://m.huffpost.com/jp/entry/16408372|title=プエルトリコが破産申請 7兆8000億円の債務、アメリカ自治体で最大|accessdate=2017年5月5日|date=2017年5月4日}}</ref>。 ** [[イラン]]北部[[ゴレスターン州]]ゼメスタン・ヨート[[炭鉱]]で爆発による[[落盤]]事故が発生し、21人が死亡し、14人の救出も絶望<ref>{{Cite web2|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3127242|title=イラン炭鉱事故、閉じ込められた14人の救出絶望視 他に21人死亡 写真4枚 国際ニュース|publisher=[[フランス通信社]]|date=2017年5月4日|accessdate=2017年6月18日}}</ref>。{{Main|w:en:Zemestan-Yurt coal mine disaster}} ** [[ソマリア]]の{{仮リンク|アブドゥラヒ・シェイク・アッバース|en|Abbas Abdullahi Sheikh Siraji}}公共事業・国土再建担当大臣が治安部隊に[[イスラーム過激派]]と誤認され殺害される<ref>{{Cite news2|url=http://www.bbc.com/japanese/39803219|title=ソマリア治安部隊、「誤って」大臣を殺害 過激派と勘違いか|work=BBC News|agency=[[英国放送協会|BBC]]|date=2017年5月3日|accessdate=2017年5月4日}}</ref>。 * [[5月5日]] ** [[プエルトリコ]]が[[財政破綻]]、負債総額は日本円換算:約8.3兆円<ref>[http://www.asahi.com/articles/ASK543VHNK54ULFA005.html プエルトリコが財政破綻 負債8兆円、デトロイト上回る]朝日新聞 2017年5月4日</ref>。 ** [[インドネシア]]・[[スマトラ島]]の[[刑務所]]から受刑者400人以上が集団[[脱走]]する事件が発生し、同月8日時点で219人が拘束され、200人以上は逃亡中<ref>{{Cite web2 |url=https://www.cnn.co.jp/world/35100759.html|title=CNN.co.jp : インドネシアで集団脱獄、200人が逃走中|work=CNN|date=2017年5月8日|accessdate=2017年7月8日}}</ref>。 * [[5月6日]] ** [[タンザニア]]・{{仮リンク|カラトゥ地区|en|Karatu District}}でバスが崖から転落し、[[小学生]]29人含む32人死亡<ref>{{Cite web2 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3127397|title=タンザニアでバス転落、模試に向かう小学生29人含む32人死亡 写真2枚 国際ニュース|publisher=[[フランス通信社]]|date=2017年5月7日|accessdate=2017年6月18日}}</ref>。 * [[5月7日]] ** 2017年フランス大統領選挙、エマニュエル・マクロン候補とマリーヌ・ル・ペン候補の上位2名による決選投票が行われ、マクロン候補がル・ペン候補を退け当選<ref>[http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170508/k10010973131000.html 仏大統領選 マクロン氏勝利 極右政党のルペン氏破る]NHK 2017年5月8日</ref>。マクロン新大統領は39歳で、フランス史上最年少の大統領となる<ref>[http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3047628.html フランス大統領選、マクロン候補が勝利]TBS 2017年5月8日</ref>。同月14日に大統領就任。 ** [[ベトナム]]・[[ザライ省]]で[[一方通行]]の道路を逆走したトラックがバスと衝突し、少なくとも11人が死亡、23人が負傷<ref>{{Cite web2 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3127411|title=トラックが一方通行逆走、バスと正面衝突 11人死亡 ベトナム 写真2枚 国際ニュース|publisher=[[フランス通信社]]|date=2017年5月7日|accessdate=2017年6月18日}}</ref>。 * [[5月8日]] - [[メキシコ]]・[[プエブラ州]]で[[花火]]倉庫が爆発し、子ども11人を含む14人が死亡、22人が負傷<ref>{{Cite web2|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3127712|title=メキシコで花火倉庫爆発 子どもら14人死亡 写真15枚 国際ニュース|publisher=[[フランス通信社]]|date=2017年5月10日|accessdate=2017年6月18日}}</ref>。 * [[5月9日]] - [[朴槿恵]]・前大統領の罷免に伴う[[2017年大韓民国大統領選挙|大韓民国第19代大統領選挙]]は、[[共に民主党]]の[[文在寅]]候補が大差で勝利<ref>[http://www.news24.jp/nnn/news890148871.html 【韓国大統領選】文候補が事実上の勝利宣言]日本テレビ 2017年5月9日</ref>。2008年2月に就任した李明博元大統領以降、2代続いた保守系政権から革新系へ約9年ぶりの政権交代。翌日に大統領に就任。 * [[5月11日]] - アメリカのライセンス企業、{{仮リンク|アイコニックス・ブランド|en|Iconix Brand Group}}社は自社が保有する『[[ピーナッツ (漫画)|ピーナッツ]]』の諸権利を管理するピーナッツワールドワイド[[LLC]]の株を[[カナダ]]のメディアプロダクション会社、{{仮リンク|DHXメディア|en|DHX Media}}に売却。長年CM契約を結んでいた[[メットライフ]]も使用を打ち切る方針<ref>{{cite web2|url=https://forbesjapan.com/articles/detail/16221|title=「スヌーピー」が400億円で身売り カナダ企業が権利取得|publisher=フォーブス日本版|accessdate=2017年5月21日|date=2017年5月11日}}</ref>。 * [[5月12日]] ** 世界各国に[[ランサムウェア]]を用いたサイバー攻撃。翌13日の時点で被害国は99ヶ国、被害件数7万5千件に昇っている<ref>{{cite web2 |url=http://www.afpbb.com/articles/-/3128129|title=サイバー攻撃、世界に拡散=約100カ国被害、史上最大規模-英の日産工場も影響|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017年5月13日|date=2017年5月15日}}</ref>。{{Main|WannaCry}} ** [[世界保健機関]]が[[コンゴ民主共和国]]で[[エボラ出血熱]]の発生を発表。同国では[[2014年]]以来3年ぶり<ref>{{cite web2 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3128077|title=コンゴ民主共和国でエボラ出血熱発生 3人死亡|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017年5月16日|date=2017年5月13日}}</ref>。 ** [[パプアニューギニア]]東部[[ラエ]]の[[刑務所]]で受刑者77人が集団脱走する事件が発生し、うち17人が刑務官に射殺された<ref>{{Cite web2 |url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017051500899&g=int|title=集団脱獄、17人射殺=57人が逃走中-パプアニューギニア|publisher=時事通信社|date=2017年5月15日 |accessdate=2017年7月8日}}</ref>。 * [[5月13日]] - [[トルコ]]・[[マルマリス]]近郊でバスが道路下に落下し、少なくとも23人が死亡、11人が重傷<ref>{{Cite web2 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3128140|title=トルコでバスが崖から転落、23人死亡 「母の日」旅行の途中で|publisher=[[フランス通信社]]|date=2017年5月14日 |accessdate=2017年7月8日}}</ref>。 * [[5月14日]] - エジプト中部[[ミニヤー県]]のトゥーナ・エル・ゲベル地域にある地下墓地で民間人17人の[[ミイラ]]が発見。同地で王族でない者のミイラ発見は初<ref>{{cite web2 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3128149|title=地下墓地でミイラ17体見つかる、エジプト中部では「前代未聞」|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017年5月16日 |date=2017年5月14日}}</ref>。 * [[5月18日]] ** [[リビア]]南部で{{仮リンク|国民合意政府|en|Government of National Accord}}側の民兵組織が[[リビア軍|リビア国民軍]]のブラク・アルシャティ航空基地を攻撃し、141人が死亡した<ref>{{cite web2|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3128901|title=リビア南部の航空基地に攻撃、141人死亡|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017年5月21日|date=2017年5月20日}}</ref>。{{Main|w:en:Battle of Brak El-Shati airbase}} ** [[アイルランド]]の[[エンダ・ケニー]]首相が少数与党・[[フィナ・ゲール]]党首を辞任。[[6月13日]]に後任の[[レオ・バラッカー]]就任により首相辞任<ref>{{cite web2 |url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017051800034&g=int|title=アイルランド首相が辞意=後任、6月2日選出|publisher=時事通信社|accessdate=2017年5月21日|date=2017年5月18日}}</ref>。 * [[5月19日]] ** [[スウェーデン]]検察当局は[[2010年]]から行われていた[[ジュリアン・アサンジ]]に対する性的暴行容疑での捜査を打ち切ったと声明で発表<ref>{{cite web2 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3128857|title=ウィキリークス創設者に対するレイプ捜査打ち切り、スウェーデン当局|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017年5月21日 |date=2017年5月19日}}</ref>。 ** 世界保健機関が[[イエメン]]で流行している[[コレラ]]によって過去3週間で242人が死亡し、さらに約2万3500人に感染の危険があると発表。6月23日の段階では死者は1265人にまで上り、感染危険者も約19万3千人に拡大<ref>{{cite web2|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3128862|title=イエメン、コレラ感染の疑い2万3500人 死者242人に|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017年5月21日|date=2017年5月19日}}</ref><ref>{{cite web2|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3133210|title=イエメンのコレラ流行、感染疑い19万件超 8月末には30万件超も|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017年6月26日|date=2017年6月23日}}</ref>。{{Main|w:en:2016–17 Yemen cholera outbreak}} * [[5月22日]] ** イギリス、[[マンチェスター]]にある[[マンチェスター・アリーナ]]で爆破事件が発生。翌23日までに22人が死亡、60人近くが負傷した。事件当日、会場では[[アリアナ・グランデ]]のワールド・ツアー公演が催されている最中で、爆発は建物内のロビー通路付近で発生。単独犯による自爆テロと見られている<ref>{{cite web2 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3129178|title=英マンチェスターのコンサート会場で爆発、19人死亡 テロの疑い|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017年5月24日 |date=2017年5月23日}}</ref>。{{Main|マンチェスター・アリーナに於ける爆発物事件}} ** [[タイ王国|タイ]]、[[バンコク]]の病院で爆発、20人超が負傷。当局は爆弾による爆発事件であると発表。6月15日に市内に住む電気技師の男が事件に関与したとして逮捕。自宅からは作りかけの爆弾や材料が発見されている。男は現軍事政権に敵意があったと容疑を認めている<ref>{{cite web2 |url=https://www.iza.ne.jp/article/20170522-EZFEFEALRFMT3NIBQP25RZIX6Q/|title=バンコクの病院で爆発、20人超が負傷|publisher=産経新聞社|accessdate=2017年5月26日 |date=2017年5月22日}}</ref><ref>{{Cite news2|url=http://www.sankei.com/world/news/170615/wor1706150051-n1.html|title=タイ軍病院爆破で男逮捕 「軍政に敵意」|newspaper=産経新聞社|date=2017年6月15日|accessdate=2017年6月17日}}</ref>。 ** [[ジュネーブ]]で[[世界保健機関]]の年次総会が開幕<ref>{{Cite web2 |date=2017年5月23日 |url=https://web.archive.org/web/20170523080516/http://japan.cna.com.tw/news/apol/201705230001.aspx |title=WHA開幕 中国大陸「中国台湾省」と矮小化 総統府「中華民国は主権国家」 |publisher=中央社フォーカス台湾 |accessdate=2017年5月27日}}</ref>。 * [[5月23日]] - フィリピン政府はISに呼応した武装組織との交戦が拡大する南部[[ミンダナオ島]]全域に戒厳令を発動<ref>{{cite web2 |url=https://www.iza.ne.jp/article/20170524-SNJBAR5CAZI7ZF32CF3PWXN3EU/|title=政府軍とIS勢力と交戦 比南部に戒厳令|publisher=産経新聞社|accessdate=2017年5月26日 |date=2017年5月24日}}</ref>。{{Main|マラウィの戦い}} * [[5月24日]] - [[インドネシア]]、[[ジャカルタ]]のバスターミナルで自爆攻撃。警察官3人が死亡、数名が負傷<ref>{{cite web2 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3129503|title=ジャカルタで自爆攻撃、警官3人死亡|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017年5月26日|date=2017年5月25日}}</ref>。 * [[5月25日]] ** [[ギリシャ]]、[[アテネ]]で[[ルーカス・パパデモス]]元首相が乗った車で爆発事件。車内で開封した手紙に仕込まれた爆弾による。元首相は重傷も命に別状はない<ref>{{cite web2 |url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017052600091&g=int|title=元ギリシャ首相が重傷=車両で手紙爆発か|publisher=時事通信社|accessdate=2017年5月28日|date=2017年5月26日}}</ref>。 ** [[ニュージーランド]]の航空宇宙企業、ロケット・ラボ社が試作機「エレクトロン」号の打ち上げに成功。ロケット打ち上げに成功した国は11番目<ref>{{cite web2 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3129620|title=NZも宇宙開発競争に参戦、民間企業がロケット打ち上げ成功|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017年5月30日|date=2017年5月27日}}</ref>。 * [[5月26日]] ** [[第43回先進国首脳会議]]がイタリア、[[タオルミーナ]]で開幕<ref>{{cite web2|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017052600300&g=use|title=対テロで独立文書=G7サミット今夜開幕|publisher=時事通信社|accessdate=2017年5月30日|date=2017年5月26日}}</ref>。 ** エジプト中部ミニヤー県で[[コプト]]教徒を乗せたバスが武装組織に襲撃を受け、28人が死亡。エジプト政府は報復として隣国[[リビア]]の武装組織拠点を空爆したと発表<ref>{{cite web2|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3129764|title=襲撃でキリスト教徒28人死亡 エジプト、報復でリビア過激派空爆|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017年5月28日|date=2017年5月26日}}</ref>。 ** リビア、[[トリポリ]]にて統一政府側の勢力と対立する民兵組織との間で交戦。政府側だけで52人が死亡。政府側は民兵組織が支配していた市内南部の刑務所を奪還<ref>{{cite web2 |url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017052800025&g=int|title=首都で激戦、52人死亡=リビア|publisher=時事通信社|accessdate=2017年5月28日|date=2017年5月28日}}</ref>。 * [[5月27日]] - 雨期に入った[[スリランカ]]で記録的な大雨による洪水や土砂災害によって、この日までに少なくとも103人が死亡、23万人が避難していると発表<ref>{{cite web2 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3129830|title=スリランカ、大雨の影響による死者・不明者216人に 避難者は23万人|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017年5月28日 |date=2017年5月27日}}</ref>。{{Main|[[:en:2017 Sri Lanka floods]]}} * [[5月28日]] - 第101回インディ500決勝レースにて、[[佐藤琢磨]]が日本人初の優勝<ref>{{Cite web|和書|date=2017年5月29日 |url=https://jp.reuters.com/article/sato-idJPKBN18P01U |title=自動車=佐藤がインディ500優勝、日本人初 |publisher=ロイター |accessdate=2018-05-27}}</ref>。 * [[5月30日]] ** イラク、バグラッド中心部で相次ぎ爆弾テロが発生。死者は少なくとも27人、負傷者は110人以上。また、西部[[アンバール県]]ヒートでも爆発テロがあり、死者13人、負傷者22人。いずれもISILが犯行声明を出している<ref>{{cite web2|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017053100212&g=int|title=自爆テロで13人死亡=IS犯行、イラクで1日に3度目|publisher=時事通信社|accessdate=2017年6月1日|date=2017年5月30日}}</ref>。 ** [[ベトナム]]、タインニエン紙が、中国が[[南沙諸島]][[クアテロン礁]]にて7階建ての建物やレーダー通信用設備、灯台などを設立したと報道<ref>{{cite web2 |url=https://www.sankei.com/article/20170531-7HNW6F373RPOPOR2HF5RHNIWME/|title=中国、南沙に7階建て建物=クアテロン礁-ベトナム紙|publisher=時事通信社|accessdate=2017年6月1日|date=2017年5月30日}}</ref>。 ** [[デンマーク|丁]][[コペンハーゲン]]にある[[人魚姫の像]]が何者かに全身をスプレー塗料で塗られる。付近には同じ塗料で捕鯨に抗議する書き込みがあり、警察は反捕鯨団体の犯行と見ている<ref>{{cite web2|url=https://www.sankei.com/article/20170531-7N7RIZK2FRO2HJSG2T4DLDLZKE/|title=コペンハーゲンの人魚姫像 スプレー塗料で赤色に 反捕鯨活動家のしわざ?|publisher=産経新聞社|accessdate=2017年6月1日|date=2017年5月30日}}</ref>。 ** 28日に発生した{{仮リンク|サイクロン・モラ|en|Cyclone Mora}}が[[バングラデシュ]]南岸を直撃。約30万人が避難<ref>{{cite web2 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3130057|title=大型サイクロン「モラ」直撃、30万人以上が避難 バングラデシュ|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017年6月5日 |date=2017年5月30日}}</ref>。 * [[5月31日]] ** アフガニスタン首都カブールで自動車爆弾による大規模な爆発事件。現場は各国大使館が立ち並ぶ地区で80人以上が死亡、日本大使館内にいた日本人2人を含め350人以上が負傷<ref>{{cite web2|url=https://www.sankei.com/article/20170531-7N7RIZK2FRO2HJSG2T4DLDLZKE/|title=大規模自爆テロ 80人死亡、日本大使館員ら350人負傷|publisher=産経新聞社|accessdate=2017年6月1日|date=2017年5月31日}}</ref>。{{Main|[[:en:May 2017 Kabul attack]]}} ** フィリピン、ミンダナオ島[[マラウィ (ラナオ・デル・スル州)|マラウィ]]市内にて23日から続く政府治安部隊と[[アブ・サヤフ]]との戦闘にて、この日までにメンバー89人、治安部隊21人、民間人19人が死亡<ref>{{cite web2|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3130253|title=フィリピン軍、南部の市街戦でIS系武装勢力メンバー89人を殺害|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017年6月1日|date=2017年5月31日}}</ref>。 === 6月 === * [[6月1日]] - [[ドナルド・トランプ|トランプ]]大統領が、地球温暖化対策の国際枠組み「[[パリ協定 (気候変動)|パリ協定]]」からのアメリカの離脱を正式表明した<ref>{{Cite news2|title=トランプ氏、パリ協定離脱を正式表明「米国に不利益」|newspaper=日本経済新聞|date=2017年6月2日 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXLASGN01H1V_R00C17A6000000/|accessdate=2017年6月2日}}</ref>。 * [[6月2日]] ** [[フィリピン]]、[[マニラ]]のリゾート施設「リゾーツ・ワールド・マニラ」内のカジノで男が発砲し、施設内に放火。火災で逃げ遅れた37人が死亡。65人以上が負傷。犯人も自殺<ref>{{cite web2|url=http://www.asahi.com/articles/ASK621JG7K62UHBI001.html|title=マニラのホテルで男が発砲・放火 37人死亡65人けが|publisher=朝日新聞社|accessdate=2017年6月3日|date=2017年6月2日}}</ref>。{{Main|w:en:2017 Resorts World Manila attack}} * [[6月3日]] ** イギリス、ロンドン中心部の[[ロンドン橋]]で暴走車両による追突事件。通行人をはねた男らは[[バラマーケット]]で下車してさらなる襲撃を行う。7人が死亡、48人が負傷。犯人3人は射殺。翌4日、[[テリーザ・メイ|メイ]]首相はイスラム激思想に感化された者によるテロとの見方を示した<ref>{{cite web2 |url=http://www.iza.ne.jp/kiji/world/news/170604/wor17060419050015-n1.html|title=ロンドン橋テロ 車暴走 7人死亡、容疑者射殺 メイ首相「イスラム過激思想に感化された者の犯行|publisher=産経新聞社|accessdate=2017年6月5日|date=2017年6月4日}}</ref>。{{Main|2017年6月ロンドンテロ事件}} ** アフガニスタン、カブールで葬儀中に自爆テロが発生。7人が死亡、119人が負傷。葬儀は前日に行われた反政府デモで死亡した上院幹部の息子のもので、[[アブドラ・アブドラ|アブドラ]][[アフガニスタンの首相の一覧|行政長官]]など政府高官が参列していた<ref>{{cite web2|url=https://www.cnn.co.jp/world/35102208.html|title=デモ死者の葬儀で自爆テロ、7人死亡 アフガン首都|publisher=CNN|accessdate=2017年6月5日|date=2017年6月4日}}</ref>。{{Main|en:June 2017 Kabul attack}} * [[6月5日]] ** [[モンテネグロ]]が[[北大西洋条約機構|NATO]]に加盟。 ** [[サウジアラビア]]・[[バーレーン]]・[[エジプト]]・[[アラブ首長国連邦]]・[[イエメン]]の5ヶ国が[[カタール]]に対し、テロ組織を支援したとして国交断絶を通告したことを発表<ref>{{Cite news2|title=サウジとバーレーン、エジプトがカタールと国交断絶を発表|newspaper=AFP BB NEWS|date=2017年6月5日 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3130852|agency=株式会社クリエイティヴ・リンク|accessdate=2017年6月5日}}</ref><ref>{{Cite news2 |url=https://www.sankei.com/article/20170605-4YD5ZXAPNRNDTPZJQJWQAFLTFM/|title=カタールと断交 サウジ、UAE、エジプトも 中東計4カ国に|newspaper=[[産経新聞]]|date=2017年6月5日|accessdate=2017年6月5日}}</ref><ref>{{Cite news2|title=サウジなど中東5カ国がカタールと断交 「テロ集団を支援」と非難|newspaper=BBC NEWS|date=2017年6月5日|url=http://www.bbc.com/japanese/40156001|accessdate=2017年12月2日}}</ref>。{{Main|2017年カタール外交危機}} * [[6月6日]] ** 前日の5ヶ国に引き続き、[[モーリタニア]]、[[リビア]]、[[モルディブ]]がカタールとの断交を宣言。[[ヨルダン]]もカタールに本社を置く[[アルジャジーラ]]の放送免許を取り消すなど、関係の格下げを宣言<ref>{{cite web2|url=http://www.afpbb.com/articles/-/3131084|title=モーリタニアも断交、8カ国目=対カタール、ヨルダンは関係格下げ|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017年6月8日|date=2017年6月6日}}</ref>。 ** フランス・パリ中心部[[ノートルダム大聖堂 (パリ)|ノートルダム寺院]]前にて、ISILに感化された[[アルジェリア]]人の男がハンマーで警官を襲撃し取り押さえられる<ref>{{cite web2|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3131074|title=ハンマー男が警官襲撃 仏ノートルダム寺院前 「シリアのため」叫ぶ|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017年6月8日|date=2017年6月6日}}</ref>。{{Main|w:en:2017 Notre Dame attack}} * [[6月7日]] - [[ミャンマー]]の[[軍用機]]が[[ダウェイ]]沖で墜落し、同月8日までに31人の死亡が確認され、その他91人も安否不明<ref>{{Cite web2 |url=http://www.afpbb.com/articles/-/3131362|title=捜索続行、31遺体発見=ミャンマー軍用機墜落|publisher=[[フランス通信社]]|date=2017年6月8日|accessdate=2017年6月18日}}</ref>。{{Main|ミャンマー空軍Y-8墜落事故}} * [[6月8日]] ** [[ジンバブエ]]北部の[[ザンビア]]との[[国境]]付近でバスが木に衝突し、43人が死亡<ref>{{Cite web2|url=http://www.africanews.com/2017/06/08/43-people-killed-in-accident-on-zimbabwe-zambia-highway/|title=43 people killed in accident on Zimbabwe-Zambia highway |work=[[アフリカニュース]]|language=英語|date=2017年6月8日 |accessdate=2017年7月8日}}</ref>。 * [[6月9日]] ** [[カザフスタン]]・[[アスタナ]]にて開催された[[上海協力機構]]首脳会議にて、[[インド]]、[[パキスタン]]両国の機構加盟が決定<ref>{{cite web2 |url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170609/k10011012731000.html|title=上海協力機構にインドとパキスタン加盟 人口30億超に|publisher=NHK NET NEWS|accessdate=2017年6月9日|date=2017年6月8日}}</ref>。 ** [[2017年イギリス総選挙]]投開票にて、与党・[[保守党 (イギリス)|保守党]]は第一党を維持するも、318議席と選挙前の議席を下回り、単独過半数の326議席を維持することには失敗した。一方の最大野党・[[労働党 (イギリス)|労働党]]も議席を262議席と増加させるも政権交代はならず、[[第二次世界大戦]]後では3度目の宙ぶらりんの議会となった。また、第3党の[[スコットランド国民党]]は35議席と大幅に減少。右派[[イギリス独立党]]は得票率が1.8%に留まり、議席を失った<ref>{{cite web2 |url=https://mainichi.jp/articles/20170610/k00/00m/030/093000c|title=英総選挙 与党過半数割れ、EU離脱に影響 首相続投へ|publisher=毎日新聞社|accessdate=2017年6月10日|date=2017年6月9日}}</ref><ref>{{cite web2|url=http://www.sankei.com/world/news/170610/wor1706100019-n1.html|title=保守党318 全議席確定 開票作業終了|publisher=産経新聞社|accessdate=2017年6月10日|date=2017年6月10日}}</ref>。 ** [[ローザンヌ]]での[[IOC]]理事会で[[2020年夏季オリンピック|2020年東京オリンピック]]の[[柔道]]男女混合団体戦、[[水泳]]400メートル男女混合メドレーリレー、[[陸上競技]]1600メートル男女混合リレー、[[バスケットボール]][[3x3]]男女、[[卓球]]男女混合ダブルス、[[トライアスロン]]男女混合リレー、[[ボクシング]]女子2階級などの導入、[[アーチェリー]]団体男女、[[ボクシング]]男子2階級、[[ウエイトリフティング]]男子1階級などの削減など実施種目の339種目が決定<ref>{{cite web2 |url=http://www.asahi.com/articles/ASK695DK0K69UTQP01M.html|title=東京五輪、バスケ3人制など新採用 リオから33種目増|publisher=朝日新聞社|accessdate=2017年6月13日 |date=2017年6月10日}}</ref>。 * [[6月10日]] ** [[アスタナ国際博覧会]]開会<ref>{{cite web2|url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170610/k10011012941000.html|title=カザフスタンでアスタナ万博開会式 中ロ首脳も参加|publisher=NHK NET NEWS|accessdate=2017年6月10日|date=2017年6月10日}}</ref>。 ** [[代議院 (リビア)|リビア国民代議院]]は西部{{仮リンク|ジンタン|en|Zintan}}にて拘束されていた故[[ムアンマル・アル=カッザーフィー|カダフィ]]大佐の次男、[[サイフ・アル=イスラーム・ムアンマル・アル=カッザーフィー]]受刑者を9日までに釈放したと発表<ref>{{cite web2|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017061100255&g=int|title=故カダフィ大佐次男、釈放される=民兵組織が政府無視-リビア|publisher=時事通信社|accessdate=2017年6月13日|date=2017年6月11日}}</ref>。 * [[6月11日]] ** アメリカ軍が[[ソマリア]]南部にて、[[アル・シャバブ (ソマリア)|アル・シャバブ]]の訓練施設を無人機で空襲。8人が死亡したと発表<ref>{{cite web2 |url=http://www.sankei.com/world/news/170612/wor1706120003-n1.html|title=米、ソマリア空爆 過激派8人殺害か|publisher=産経新聞社|accessdate=2017年6月13日|date=2017年6月12日}}</ref>。 ** [[コンゴ民主共和国]]・[[北キヴ州]][[ベニ (コンゴ民主共和国)|ベニ]]にて、刑務所が武装集団に襲撃され11人が死亡。900人以上の受刑者が脱獄した<ref>{{cite web2 |url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017061200637&g=int|title=コンゴで刑務所襲撃、11人死亡=900人脱獄|publisher=時事通信社|accessdate=2017年6月13日|date=2017年6月12日}}</ref>。 ** プエルトリコで州昇格を問う住民投票が行われ、州昇格支持が97%を獲得したが、昇格反対派野党による投票ボイコットの呼びかけもあり、投票率は23%に留まった<ref>{{cite web2|url=http://www.sankei.com/world/news/170612/wor1706120012-n1.html|title=米自治領プエルトリコ、州昇格支持97%|publisher=産経新聞社|accessdate=2017年6月13日 |date=2017年6月12日}}</ref>。 * [[6月12日]] ** 11日からイタリア・[[ボローニャ]]で行われていた先進7カ国環境相会合はアメリカを除く6カ国がパリ協定の履行を推進すると盛り込んだ共同声明を採択して閉幕<ref>{{cite web2 |url=http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM12H9S_S7A610C1FF2000/|title=パリ協定推進、米抜きで G7環境相会合が共同声明|publisher=日本経済新聞社|accessdate=2017年6月14日|date=2017年6月12日}}</ref>。 * [[6月13日]] ** バングラデシュ南東部を襲った豪雨と土砂災害で、この日までに134人以上が死亡<ref>{{cite web2|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3131915|title=バングラデシュ南東部の豪雨災害、死者134人に|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017年6月14日|date=2017年6月14日}}</ref>。{{Main|w:en:2017 Bangladesh landslides}} * [[6月14日]] ** ソマリア・[[モガディシオ]]市内でアル・シャバブの武装集団がレストランを襲撃。31人あまりが死亡し、約40人が負傷。実行犯5人は治安部隊により射殺<ref>{{cite web2 |url=http://www.sankei.com/world/news/170616/wor1706160003-n1.html|title=ソマリアでテロ、31人死亡 イスラム過激派|publisher=産経新聞社|accessdate=2017年6月17日 |date=2017年6月16日}}</ref>。{{Seealso|w:en:Category:Terrorist incidents in Somalia in 2017}} * [[6月16日]] - [[ロシア国防省]]が、5月28日にシリアの[[ラッカ]]近郊で[[ロシア航空宇宙軍]]が[[ISIL]]幹部の会合を狙って空爆を行い、その結果ISILの[[アブー・バクル・アル=バグダーディー]]指導者が死亡した可能性があるとが発表した<ref>{{Cite web2|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017061600929|title=IS最高指導者、シリアで殺害か=バグダディ容疑者、ロシア空爆で|work=時事ドットコム|date=2017年6月16日|accessdate=2017年6月16日}}</ref>。 * [[6月17日]] ** [[ポルトガル]]・[[コインブラ]]郊外の森林で火災が発生。翌18日までに少なくとも62人が死亡。50人以上が負傷<ref>{{cite web2|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017061800178&g=int|title=森林火災で62人死亡=一夜明け被害拡大-ポルトガル|publisher=時事通信社|accessdate=2017年6月19日|date=2017年6月18日}}</ref>。{{Main|w:en:June 2017 Portugal wildfires}} ** イエメン、[[サアダ県]]県都・{{仮リンク|サアダ|en|Sa'dah}}の市場にサウジアラビア軍主導の連合軍が空爆。25人以上が死亡<ref>{{cite web2 |url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017061800500&g=int|title=市場空爆で25人死亡=イエメン|publisher=時事通信社|accessdate=2017年6月19日|date=2017年6月18日}}</ref>。 ** [[コロンビア]]の首都[[ボゴタ]]の[[ショッピングセンター]]で爆発が発生し、3人が死亡、11人が負傷<ref>{{Cite web2 |url=http://www.asahi.com/articles/ASK6M2FLBK6MUHBI009.html|title=商業施設で爆発、女性3人死亡 コロンビア、テロと断定|publisher=朝日新聞|date=2017年6月19日 |accessdate=2017年6月25日}}</ref>。 ** [[バヌアツ]]の[[ボールドウィン・ロンズデール]]大統領が急死<ref>{{Cite web2|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017061800187&g=int|title=バヌアツ大統領が急死=サイクロン復興に尽力|work=[[時事通信社]]|date=2017年6月18日|accessdate=2017年6月25日}}</ref>。 ** アメリカの歌手、[[ケイティ・ペリー]]の[[Twitter]]アカウントのフォロワー数が、単一アカウントでは世界初の1億人に到達する<ref>{{cite web2 |url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017061800001&g=int|title=米歌手ケイティ・ペリーさん、初のフォロワー1億人=ツイッター|publisher=時事通信社|accessdate=2017年6月19日|date=2017年6月18日}}</ref>。 * [[6月18日]] ** [[マリ共和国|マリ]]の首都[[バマコ]]郊外のリゾート施設を武装集団が襲撃。4人が死亡、フランス人観光客を含めた36人が一時拘束される。犯人4人が射殺され、5人が拘束<ref>{{cite web2 |url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017061901185&g=int|title=容疑者4人殺害、5人拘束=リゾート襲撃-マリ|publisher=時事通信社|accessdate=2017年6月19日|date=2017年6月19日}}</ref>。{{Main|w:en:June 2017 Bamako attack}} ** [[有志連合]]軍の警告にかかわらず[[シリア軍|シリア空軍]]の[[Su-17 (航空機)|Su-22]]戦闘爆撃機が[[民兵]]組織「[[シリア民主軍]]」を攻撃してきたため、シリアで対[[ISIL|IS]]作戦を展開中の[[アメリカ海軍]]の[[F/A-18E/F (航空機)|F/A-18E]]戦闘攻撃機が、これを撃墜した<ref>{{Cite web2 |url=https://www.sankei.com/article/20170619-MKF2FXHTLVK7JFE5KE5SDHUFVY/ |title=米軍機、シリア軍機を初めて撃墜 アサド政権軍との直接衝突が激化|date=2017年6月19日 |publisher=産経新聞|accessdate=2017年8月11日}}</ref>。 * [[6月19日]] ** イギリス、ロンドン北部{{仮リンク|フィンズベリー・パーク|en|Finsbury Park, London}}地区のモスクで暴走車両による追突事件。1人が死亡、10人が負傷。犯人の男は現場で逮捕。イスラム教徒への憎悪が目的の単独犯と見られている<ref>{{cite web2|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017061900804&g=int|title=反イスラムテロか=車突入で本格捜査-英|publisher=時事通信社|accessdate=2017年6月20日|date=2017年6月19日}}</ref>。{{Main|2017年ロンドン・フィンスベリー・パーク襲撃事件}} ** フランス、パリ・[[シャンゼリゼ通り]]で車が治安部隊の装甲車両に激突。乗車していた男は死亡。車内からは自動小銃や刃物が押収され、治安部隊を狙ったテロと見られる<ref>{{cite web2|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017061901233&g=int|title=車が治安車両に突っ込む=男死亡、テロと断定-パリ|publisher=時事通信社|accessdate=2017年6月20日|date=2017年6月19日}}</ref>。{{Main|w:en:June 2017 Champs-Élysées car ramming attack}} ** タイ南部、[[パッターニー県]]の路上で爆弾による爆発事件。国軍兵士5人が死亡、4人が負傷<ref>{{cite web2|url=http://www.sankei.com/world/news/170619/wor1706190043-n1.html|title=タイ南部の路上で爆発、兵士5人死亡|publisher=産経新聞社|accessdate=2017年6月20日|date=2017年6月18日}}</ref>。 ** [[モスクワ国際バレエコンクール]]で男性シニア部門デュエットで大川航矢が金賞、女性シニア部門デュエット寺田翠が銅賞に入賞。また、男性ジュニア部門ソロで千野円句が金賞<ref>{{cite web2|url=http://www.sankei.com/world/news/170620/wor1706200014-n1.html|title=日本人男女、モスクワ国際バレエコンクールで1位と3位 |publisher=産経新聞社|accessdate=2017年6月23日|date=2017年6月20日}}</ref>。 * [[6月20日]] ** ベルギー、[[ブリュッセル中央駅]]で爆弾によるとみられる爆発事件。実行犯と思しき男が兵士に射殺。犯人はイスラム過激思想に共鳴した疑いがあるモロッコ国籍の男で、自宅から爆発物製造に用いた化学物質が押収された<ref>{{cite web2|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017062100202&g=int|title=駅で爆弾テロ、容疑者射殺=負傷者情報なし-ブリュッセル|publisher=時事通信社|accessdate=2017年6月23日|date=2017年6月20日}}</ref><ref>{{cite web2|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017062101286&g=int|title=死亡の容疑者はモロッコ国籍=IS思想に共鳴か-ベルギー駅爆発|publisher=時事通信社|accessdate=2017年6月24日|date=2017年6月22日}}</ref>。{{Main|en:June 2017 Brussels attack}} * [[6月21日]] ** [[中央アフリカ]]でイスラム教系民兵組織[[セレカ]]とキリスト教系民兵組織{{仮リンク|アンチ・バラカ|en|Anti-balaka}}との間で衝突。この日までに100人以上が死亡。両者は19日に停戦合意を結んだばかりだった<ref>{{cite web2|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3132937|title=中央アフリカで武装集団が衝突、100人死亡 「停戦」あえなく破綻|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017年6月23日|date=2017年6月21日}}</ref>。 ** サウジアラビアの[[サルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ]]国王、甥の[[ムハンマド・ビン・ナーイフ]][[皇太子#サウジアラビアの王太子|王太子]]の職務全てを解任し、息子の[[ムハンマド・ビン・サルマーン]]副王太子兼[[国防省|国防大臣]]を王太子および[[副首相]]に立する勅令を発布<ref>{{cite web2 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3132870|title=サウジ国王、息子を新皇太子に指名|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017年6月30日|date=2017年6月21日}}</ref>。 * [[6月22日]] ** アフガニスタン南部[[ヘルマンド州]][[ラシュカルガー]]にある銀行前にて自動車爆弾による爆発事件。34人が死亡、56人が負傷。タリーバーンが犯行声明を出した<ref>{{cite web2|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017062201141&g=int|title=銀行に車爆弾、34人死亡=アフガン|publisher=時事通信社|accessdate=2017年6月24日|date=2017年6月22日}}</ref>。 ** [[ミャンマー]]政府は、西部[[ラカイン州]]の山岳地帯で[[ロヒンギャ]]の武装組織が運営していたとみられる訓練キャンプを発見し、武装した男3人を殺害したと発表<ref>{{cite web2|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017062200814&g=int|title=ロヒンギャの「テロ訓練場」発見か=ミャンマー治安部隊、3人殺害|publisher=時事通信社|accessdate=2017年6月24日|date=2017年6月22日}}</ref>。 ** ソマリア、モガディシオの警察署に自動車爆弾の突入による自爆テロ。5人が死亡、10人が負傷。アル・シャバブが犯行声明を出している<ref>{{cite web2 |url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017062300668&g=int|title=警察署に車突入、自爆で5人死亡=ソマリア|publisher=時事通信社|accessdate=2017年6月24日|date=2017年6月23日}}</ref>。 * [[6月23日]] ** サウジアラビアなど4カ国は、断交したカタールに対し関係修復の条件としてイランとの関係縮小、カタール国内のトルコ軍撤退、賠償金の支払い、アルジャジーラ閉鎖など13項目を提示<ref>{{cite web2|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017062301165&g=int|title=アルジャジーラ閉鎖など要求=断交カタールに13条件-アラブ諸国|publisher=時事通信社|accessdate=2017年6月24日|date=2017年6月23日}}</ref>。 ** [[コロンビア]]・{{仮リンク|ククヌバ|en|Cucunubá}}の炭鉱で爆発事故が発生し、少なくとも8人が死亡、5人が行方不明<ref>{{Cite web2|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017062500171&g=int|title=炭鉱爆発で死者・不明13人=コロンビア|work=[[時事通信社]]|date=2017年6月25日|accessdate=2017年6月25日}}</ref>。 ** サウジアラビア、[[メッカ]]の[[マスジド・ハラーム]]で男が治安部隊に発砲し、その後自爆。テロ未遂事件と見られる<ref>{{cite web2|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017062400205&g=int|title=イスラム最高聖地でテロ未遂=サウジアラビア|publisher=時事通信社|accessdate=2017年6月26日|date=2017年6月24日}}</ref>。 ** トルコ西部{{仮リンク|アキャジ|en|Akyazi}}にある娯楽施設のプールで感電事故。5人が死亡<ref>{{cite web2|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3133236|title=プールで子供3人含む5人が感電死、トルコ西部|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017年6月26日|date=2017年6月24日}}</ref>。 ** パキスタン、[[連邦直轄部族地域]]{{仮リンク|クッラム管区|en|Kurram Agency}}の都市、{{仮リンク|パラチナル|en|Parachinar}}にある市場にて2度の自爆テロが発生。37人が死亡、150人以上が負傷。また、[[バローチスターン州]][[クエッタ]]でも爆弾事件が発生し、少なくとも13人が死亡、約20人が負傷<ref>{{cite web2 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3133269|title=1日に3都市で爆弾・銃撃事件、計54人死亡 パキスタン|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017年6月26日|date=2017年6月24日}}</ref>。{{Main|en:June 2017 Pakistan bombings}} * [[6月25日]] ** パキスタン、[[パンジャーブ州 (パキスタン)|パンジャーブ州]][[バハーワルプル]]でタンクローリーが横転し、漏れ出た[[石油]]を求めて多くの人が殺到した中で引火し爆発。少なくとも143人が死亡、250人以上が負傷した。7月3日の段階で、死者は205人に昇った<ref>{{cite web2|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017062500239&g=int|title=タンクローリー炎上、143人死亡=集まった住民巻き添えか-パキスタン|publisher=時事通信社|accessdate=2017年6月26日|date=2017年6月25日}}</ref>。([[2017年バハワルプル爆発]])。 ** コロンビア、[[アンティオキア県]][[メデジン]]郊外にある{{仮リンク|ペニョル貯水池|es|Embalse Peñol-Guatapé}}にて150人を乗せた遊覧船が転覆。少なくとも9人が死亡、28人が行方不明<ref>{{cite web2|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017062600250&g=int|title=遊覧船が沈没、9人死亡=コロンビア|publisher=時事通信社|accessdate=2017年6月26日|date=2017年6月26日}}</ref>。 ** [[アルゼンチン]]中西部[[メンドーサ州]]で猛スピードで走行していたバスが横転し、15人が死亡、約30人が負傷<ref>{{Cite web2|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017062700493&g=int|title=バス事故で15人死亡=アルゼンチン|publisher=時事通信社|date=2017年6月27日|accessdate=2017年7月8日}}</ref>。 * [[6月26日]] - シリア南部{{仮リンク|マヤディーン|en|Mayadeen}}の刑務所を有志国連合が空爆。市民42人が死亡<ref>{{cite web2 |url=http://www.sankei.com/world/news/170627/wor1706270038-n1.html|title=米シリア空爆で42人死亡 IS拘束の民間人|publisher=産経新聞社|accessdate=2017年6月30日 |date=2017年6月27日}}</ref>。 * [[6月27日]] ** [[欧州委員会]]は検索結果に自社の買い物サイトを優先させているとして、[[欧州連合競争法]]に基づき[[グーグル]]社に約3000億円の制裁金支払いを命じた<ref>{{cite web2 |url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017062800265&g=int|title=グーグルに巨額制裁金=ビジネスモデルに影響も|publisher=時事通信社|accessdate=2017年6月30日|date=2017年6月28日}}</ref>。 ** ウクライナやロシアに大規模なランサムウェアによるサイバー攻撃。ウクライナ政府機関や銀行、市役所などが標的にされ、被害件数は欧州を含めて2000件に昇った。[[チェルノブイリ原子力発電所]]も攻撃を受け、放射線監視システムが一時手動へと切り替えられた<ref>{{cite web2|url=http://www.sankei.com/world/news/170628/wor1706280005-n1.html|title=また世界的サイバー攻撃 ウクライナ、ロシア、米欧にも被害 チェルノブイリ原発にも波及|publisher=産経新聞社|accessdate=2017年6月30日|date=2017年6月27日}}</ref>。{{Main|en:2017 cyberattacks on Ukraine}} ** コロンビア中部[[メタ県]]{{仮リンク|メセタス|en|Mesetas}}にて、政府と[[コロンビア革命軍]]との和平合意に基づく革命軍の武装解除が完了したことを受けて、和平式典が行われた<ref>{{cite web2|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017062800275&g=int|title=「武器よさらば、ようこそ平和」=FARC武装解除式典-コロンビア|publisher=時事通信社|accessdate=2017年6月30日|date=2017年6月28日}}</ref>。 * [[6月28日]] - [[チェコ]]下院、テロ攻撃などの国の安全が脅かされる事態に、銃所持許可を受けた者が発砲することを認める憲法改正案を採択<ref>{{cite web2 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3133790|title=チェコ、テロ発生時は市民も発砲可能に 改憲でEUの規制に反旗|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017年6月30日|date=2017年6月29日}}</ref>。 * [[6月29日]] ** イラク政府軍は、過激派組織[[ISIL]]が最大拠点としてきた北部[[モースル]]中心部にあるヌーリ・モスクを奪還したと発表。イラクの[[ハイダル・アル=アバーディ|アバーディ]]首相は奪還を受けて、「ISILによる偽りの国家は終わった」と宣言した<ref>{{Cite news2|url=http://www.asahi.com/sp/articles/ASK6Y6F2BK6YUHBI01C.html|title=イラク首相「ISは終わった」 ヌーリ・モスクを奪還|newspaper=[[朝日新聞]]|date=2017年6月29日|accessdate=2017年6月29日}}</ref>。 ** [[戦略国際問題研究所]]は、南沙諸島で中国が造成した3つの[[人工島]]で、移動式ミサイル発射装置を含む軍事機材の配備に向けた準備がまもなく完了するとの見方を示した<ref>{{cite web2|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3133942|title=中国、南沙に近くミサイル配備可能に シンクタンク「設備の完工間際」|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017年6月30日|date=2017年6月30日}}</ref>。{{Main|南沙諸島海域における中華人民共和国の人工島建設}} === 7月 === * [[7月1日]] ** メキシコ北西部[[シナロア州]][[マサトラン]]近辺で麻薬密売組織の一団が警官隊と銃撃戦になり、組織のメンバー19人が銃殺<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017070200229&g=int|title=警官と麻薬組織が銃撃戦、19人死亡=メキシコ北西部|publisher=時事通信社|accessdate=2017-7-4|date=2017-6-30}}</ref>。 ** [[パナマ]]、[[コスタリカ]]、[[ニカラグア]]、[[エルサルバドル]]の4カ国で大規模な停電。パナマでの送電線トラブルが原因と見られる。中南米国家は1つの送電網でつながっており、1国でトラブルが発生すると近隣諸国にも影響する<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3134185|title=中米4か国で大規模停電、数百万人に影響|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-7-4|date=2017-7-1}}</ref>。 ** [[コンゴ民主共和国]]のカレンガ保健相は、[[5月12日]]に発生した[[エボラ出血熱]]の感染拡大が終結したと発表<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017070300122&g=int|title=コンゴ、エボラ出血熱終結宣言|publisher=時事通信社|accessdate=2017-7-4|date=2017-7-3}}</ref>。 ** [[化学兵器禁止機関]]は、同年4月4日に[[シリア]]北西部[[イドリブ県]]で[[化学兵器]]によって89人が犠牲になった事件の原因物質が[[サリン]]だったという事実を発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.cnn.co.jp/world/35103611.html|title=CNN.co.jp : シリアでサリン攻撃の事実確認、化学兵器禁止機関|work=[[CNN (アメリカの放送局)|CNN]]|date=2017-07-01|accessdate=2017-07-08}}</ref>。 * [[7月2日]] ** インドネシア[[中部ジャワ州]]{{仮リンク|トゥマングン|en|Temanggung Regency}}の山岳地帯で捜索救助ヘリコプターが墜落し乗員8人全員が死亡<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3134279|title=救助ヘリ墜落、乗員8人全員死亡 インドネシア・ジャワ島|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-7-4|date=2017-7-3}}</ref>。 * [[7月3日]] ** [[スリランカ]]保健省、今年上半期での[[デング熱]]での死者は過去最多の215人、感染者は7万1000人に達したと発表。先々月の水害や首都[[コロンボ]]での[[ゴミ]]山崩落による衛生状態の悪化が原因としている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3134255|title=スリランカでデング熱流行、半年で死者215人 対策に軍動員|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-7-4|date=2017-7-3}}</ref>。 ** バングラデシュ・[[ダッカ]]郊外の衣料工場でボイラーが爆発。少なくとも13人が死亡、50人以上が負傷<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3134385|title=バングラデシュの衣料品工場で爆発、13人死亡約50人負傷|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-7-4|date=2017-7-3}}</ref>。 * [[7月4日]] ** アフガニスタン・[[ヘルマンド州]]当局、[[ラシュカルガー]]西方の{{仮リンク|ナワ地区|en|Nawa-I-Barakzayi District}}で[[ターリバーン]]への掃討戦を展開。62人のタリーバーン兵を殺害と発表<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017070401247&g=int|title=タリバン兵62人殺害=南部の掃討戦で-アフガン軍|publisher=時事通信社|accessdate=2017-7-7|date=2017-7-4}}</ref>。 ** [[中央アフリカ]]中部で大型トラックが横転し、77人が死亡。同国では許容積載量を無視したトラックで移動するケースが常態化している<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017070600272&g=int|title=トラック横転で77人死亡=中央アフリカ|publisher=時事通信社|accessdate=2017-7-7|date=2017-7-5}}</ref>。 * [[7月5日]] ** メキシコ・[[チワワ州]]{{仮リンク|マデラ|en|Ciudad Madera}}で、麻薬組織同士の銃撃戦。14人が死亡<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017070600295&g=int|title=麻薬組織が銃撃戦、14人死亡=メキシコ|publisher=時事通信社|accessdate=2017-7-7|date=2017-7-6}}</ref>。{{Main|メキシコ麻薬戦争}} ** [[ベネズエラ]]・[[カラカス]]で、反[[ニコラス・マドゥロ]]大統領派が多数の国会議事堂に親大統領派の群衆が暴徒化して乱入。議員らを6時間ほど軟禁し、暴行。議員5人、職員7人が負傷した<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017070600334&g=int|title=大統領派群衆が国会乱入=議員ら12人負傷-ベネズエラ|publisher=時事通信社|accessdate=2017-7-7|date=2017-7-6}}</ref>。{{Main|en:2017 Venezuelan protests}} ** リビア国民軍、[[ベンガジ]]からイスラム過激主義勢力を一掃したと発表<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017070601097&g=int|title=イスラム勢力を「駆逐」=リビア第2の都市ベンガジ|publisher=時事通信社|accessdate=2017-7-7|date=2017-7-6}}</ref>。 ** [[ザンビア]]の[[エドガー・ルング]]大統領、国内で相次ぐ放火事件に非常事態宣言を発動<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017070601295&g=int|title=放火相次ぎ非常事態宣言=ザンビア|publisher=時事通信社|accessdate=2017-7-7|date=2017-7-6}}</ref>。 * [[7月6日]] ** 日本と欧州連合が[[経済連携協定]]で大枠合意<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017070601293&g=int|title=ワイン、双方で即時撤廃=農産品の関税協議決着-日欧EPA|publisher=時事通信社|accessdate=2017-7-9|date=2017-7-6}}</ref>。 ** {{仮リンク|第12回20か国・地域首脳会合|en|2017 G20 Hamburg summit}}に先立ち、開催地[[ハンブルク]]で[[グローバリズム]]などに反対する大規模なデモが発生し、一部が暴徒化する。警官76人が負傷<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3134809|title=反G20デモで衝突、警官76人負傷 独ハンブルク|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-7-9|date=2017-7-6}}</ref>。 ** 第71回[[アヴィニョン演劇祭]]にて、[[宮城聰]]率いる[[静岡県舞台芸術センター]]の作品、「アンティゴネ」が開幕公演のメインステージで上演。アジアの楽団が同演劇祭開幕公演のメインを務めるのは初めて<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.afpbb.com/articles/-/3134815|title=法王庁で「アンティゴネ」=静岡の劇団、初の快挙-仏アビニョン演劇祭|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-7-9|date=2017-7-6}}</ref>。 * [[7月7日]] ** 国連の仲介で5月28日から[[スイス]]、[[クラン=モンタナ]]で行われていた[[キプロス]]の再統合交渉が合意に至らず、決裂した<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.afpbb.com/articles/-/3134866|title=キプロス再統合交渉が決裂=駐留トルコ軍問題で対立か|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-7-9|date=2017-7-7}}</ref>。 ** メキシコ、[[ゲレーロ州]][[アカプルコ]]の連邦刑務所で、受刑者グループ同士の抗争から暴動が発生。28人が死亡、3人が負傷<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3134833|title=メキシコ刑務所内で対立グループが暴動、28人死亡 斬首 も|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-7-9|date=2017-7-7}}</ref>。 * [[7月8日]] ** 20か国・地域首脳会議が閉幕。「あらゆる不公正な[[貿易]]慣行を含む[[保護主義]]との闘いを続ける」と、[[自由貿易]]を推進する宣言を発した一方、合法的な貿易保護措置を容認してアメリカに余地を与えた。気候変動問題でもパリ協定の推進を明言しながらもトランプ大統領がパリ協定の離脱を宣言していることや化石燃料の使用、販売を続行する方針であることに言及し、文言にトランプ大統領に譲歩するという参加各国の立場の違いを明言する異例の宣言となった<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017070900015&g=int|title=米以外、パリ協定実施に決意=再交渉不可能とけん制-G20|publisher=時事通信社|accessdate=2017-7-9|date=2017-7-9}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3135049|title=ハンブルクで開催のG20閉幕、首脳宣言でトランプ氏に譲歩|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-7-9|date=2017-7-9}}</ref>。 * [[7月9日]] ** トルコ、[[レジェップ・タイイップ・エルドアン]]政権下の不当逮捕に抗議すべく、6月15日に[[アンカラ]]から抗議の行進を行っていた[[共和人民党]]の[[ケマル・クルチダルオール]]党首が[[イスタンブール]]に到着。{{仮リンク|マルテペ地区|en|Maltepe, Istanbul}}の広場に数十万人が集結した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3135107|title=トルコ野党が「正義の行進」 イスタンブールに数十万人終結|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-7-10|date=2017-7-11}}</ref>。 * [[7月10日]] ** 日本の[[海上自衛隊]]と、アメリカ、インド両海軍との共同軍事演習「マラバール」が始まる<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017071000579&g=int|title=日米印の合同海上演習始まる=中国けん制、印空母が初参加|publisher=時事通信社|accessdate=2017-7-9|date=2017-7-8}}</ref>。 * [[7月11日]] ** タイ、クラピー県にある村長宅を武装集団が襲撃。村長や子供3人を含めた8人が死亡<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017071100836&g=int|title=民家で発砲、8人死亡=迷彩服姿の集団-タイ南部|publisher=時事通信社|accessdate=2017-7-9|date=2017-7-8}}</ref>。 * [[7月13日]] ** [[ペルー]]検察当局、[[マネーロンダリング]]の疑いで[[オジャンタ・ウマラ]]前大統領夫妻の身柄を拘束<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20170714-KC5WCIYMN5NP7FNKGC6RYLCD34/|title=ペルーのウマラ前大統領夫妻を拘束、マネーロンダリングの疑い|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-7-15|date=2017-7-14}}</ref>。 ** メキシコ中部[[イダルゴ州]]{{仮リンク|ティサユカ|en|Tizayuca}}で子供のパーティーを催していた家に覆面姿の武装集団が襲撃。11人が死亡。警察当局は家の主が組織犯罪に関わって服役した経歴があり、復讐による殺人という見方をしている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3135728|title=巡覆面男4人がキッズパーティー襲撃、11人刺殺 復讐か メキシコ|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-7-15|date=2017-7-14}}</ref>。 * [[7月14日]] ** インドネシア政府、[[ナトゥナ諸島]]の北部海域を「北ナトゥナ海」と命名し地図に明記。[[国際水路機関]]に名称変更を提示する予定。ナトゥナ諸島北部の[[排他的経済水域]]は中国が南シナ海で主張する[[九段線]]と一部重複している<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017071400822&g=int|title=南シナ海、「北ナトゥナ海」に=中国けん制で改称-インドネシア|publisher=時事通信社|accessdate=2017-7-15|date=2017-7-14}}</ref>。 ** トルコ政府、軍人や警察官7500人を解雇したことを発表<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017071500224&g=int|title=トルコ、新たに軍人や警官ら7500人解雇=「テロとの戦い」継続|publisher=時事通信社|accessdate=2017-7-17|date=2017-7-15}}</ref>。 ** [[エクアドル]]の[[キト]]と{{仮リンク|ラ・マナ|en|La Maná}}を結ぶ幹線道路でバスが横転し炎上。14人が死亡、30人が負傷<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3135948|title=バス横転、14人死亡 エクアドル|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-7-17|date=2017-7-15}}</ref>。 * [[7月15日]] ** [[コンゴ民主共和国]]の[[オカピ野生生物保護区]]で監視員11人とアメリカ人ジャーナリストが地元民兵組織マイマイ・シンバによって拉致<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3135931|title=民兵組織が米ジャーナリスト含む12人誘拐か、コンゴ民主共和国|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-7-17|date=2017-7-16}}</ref>。 ** タイ南部[[パッターニー県]]{{仮リンク|ノーンチック郡|en|Nong Chik District}}で武装集団がレストランなどで銃を乱射し8人が負傷。警察はイスラム武装勢力による犯行の可能性が高いとみている<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.sankei.com/world/news/170716/wor1707160008-n1.html|title= 銃乱射、市民8人負傷 タイ南部|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-7-24|date=2017-7-17}}</ref>。 * [[7月16日]] ** コンゴ民主共和国南西部の[[カサイ川]]で、{{仮リンク|ディバヤ|en|Dibaya}}から[[イレボ]]に向かっていた河船が沈没。この日の時点で少なくとも27人が死亡、54人が行方不明。地元当局者は定員超過と飲酒操縦が原因と見ている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3135986|title=コンゴの川で船沈没、27人死亡54人不明 定員超過が原因か|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-7-18|date=2017-7-17}}</ref>。 * [[7月18日]] ** フィリピン、[[ロドリゴ・ドゥテルテ|ドゥテルテ]][[フィリピンの大統領|大統領]]、[[ミンダナオ島]]全域への戒厳令を12月末にまで延期することを発表<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.sankei.com/world/news/170718/wor1707180028-n1.html|title= 比大統領、戒厳令を年末まで延長意向 対イスラム過激派戦闘で|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-7-24|date=2017-7-18}}</ref>。 ** ウクライナ東部の親ロシア派武装勢力、[[ドネツク人民共和国]]の[[アレクサンドル・ザハルチェンコ]]は、[[クリミア]]を除くウクライナ全域を対象とした新国家「小ロシア」樹立の意向を発表。ロシア政府はザハルチェンコの個人的な意向だとして関与を否定<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.sankei.com/world/news/170718/wor1707180038-n1.html|title=ウクライナ親露派勢力、「新国家」を宣言|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-7-24|date=2017-7-18}}</ref>。 ** スイス南部{{仮リンク|レ・ディアブルレ|en|Diablerets}}山塊の氷河で13日に発見された[[ミイラ]]化した2人の遺体が、1974年8月15日に[[クレバス]]に墜落し行方不明になっていた夫妻であることが判明。22日に遺族の手によって埋葬された<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3136162|title=75年間行方不明の夫婦、解けた氷河から遺体で発見 スイス|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-7-24|date=2017-7-19}}</ref>。 ** ロシア、[[カムチャッカ半島]]東部沖で[[マグニチュード|M]]7.7の地震が発生<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3136050|title=ロシア東部沖でM7.7の地震、太平洋沿岸に津波警報|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-7-24|date=2017-7-18}}</ref>。 * [[7月19日]] ** [[グスターヴ・ホルスト]]の直筆楽譜2点がニュージーランドのアマチュア楽団の書庫に保管されていたことが確認<ref>{{Cite web|和書|url=http://jp.reuters.com/article/holst-idJPKBN1A50N4|title=NZで英作曲家ホルストの自筆譜発見、主要作品の手稿も|publisher=ロイター|accessdate=2017-7-26|date=2017-7-21}}</ref>。 * [[7月20日]] - ベネズエラでマドゥロ大統領が推進する憲法改正に反対する野党主導の[[ゼネスト]]が行われ、首都[[カラカス]]近郊で2人が死亡、10人あまりが負傷<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017072100276&g=int|title=ベネズエラで反大統領ゼネスト=衝突で2人死亡|publisher=時事通信社|accessdate=2017-7-24|date=2017-7-21}}</ref>。 * [[7月21日]] - アフガニスタン、[[ヘルマンド州]]でアメリカ軍の無人爆撃機が同国治安部隊を誤爆。警官16人が死亡、2人が負傷<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20170722-SFD5GJRAAFO5NNBKUDKW2H752A/|title=アフガンで米誤爆、警官16人死亡|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-7-24|date=2017-7-22}}</ref>。 * [[7月24日]] ** アフガニスタン、カブールで自動車爆弾による自爆テロ。少なくとも35人が死亡、42人が負傷<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20170724-NTXG4XWK6VJWBEJ6WI2GJN6EZI/|title=カブールで自動車爆弾自爆テロ 24人死亡|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-7-26|date=2017-7-24}}</ref>。 ** [[モルディブ]]の[[アブドゥラ・ヤミーン]]大統領、国会を封鎖し議員の出入りを禁じた。自らの不信任決議を阻止するためと見られている<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017072401130&g=int|title=大統領が国会封鎖=議長不信任阻止が狙いか-モルディブ|publisher=時事通信社|accessdate=2017-7-26|date=2017-7-23}}</ref>。 ** パキスタン、[[パンジャーブ州 (パキスタン)|パンジャーブ州]][[ラホール]]で自爆テロ事件。26人が死亡、50人以上が負傷。[[パキスタン・ターリバーン運動]]が犯行声明を出している<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20170724-6BIRYIMCQJM7ZATISJBVRTFEPA/|title=パキスタンで自爆テロ、26人死亡|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-7-26|date=2017-7-24}}</ref>。 * [[7月25日]] ** メキシコ、[[ゲレーロ州]]{{仮リンク|アウアクオツィンゴ|en|Ahuacuotzingo}}で武装集団が政府の助成金を積んだ現金輸送車の車列を襲撃し、警察官5人、銀行の従業員2人が死亡<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3137043|title=武装集団が現金輸送車を襲撃、7人死亡 メキシコ|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-7-28|date=2017-7-26}}</ref>。 ** アフガニスタン、[[カンダハール州]]{{仮リンク|ハクレズ|en|Khakrez District}}の陸軍基地がターリバーンの襲撃を受け、兵士26人が死亡。国防省の発表によれば、ターリバーン側も80人ほどが死亡。住民の証言では、30台の車両に乗った数百人ほどの軍勢が襲撃したという<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3137118|title=アフガン南部で軍基地襲撃、兵士26人死亡 タリバンが犯行声明|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-7-28|date=2017-7-26}}</ref>。 ** インドネシア、[[北カリマンタン州]][[タラカン市|タラカン]]を出港した船が沖合で転覆。少なくとも8人が死亡<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017072600024&g=int|title=客船転覆、8人死亡=出港直後、不明者多数か-インドネシア|publisher=時事通信社|accessdate=2017-7-28|date=2017-7-26}}</ref>。 ** [[ボツワナ]]の{{仮リンク|ペロノミ・ベンソン・モイトイ|en|Pelonomi Venson-Moitoi}}外相、中国が反対している[[ダライ・ラマ14世]]のボツワナ訪問を認める考えを示した。その後、8月11日にダライ・ラマ側から健康悪化を理由に辞退する声明が発表<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017072600246&g=int|title=中国の反対一蹴=ダライ・ラマ訪問受け入れ-ボツワナ|publisher=時事通信社|accessdate=2017-7-28|date=2017-7-26}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170814015618/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017081200486&g=int|title=ダライ・ラマが外遊取りやめ=82歳、健康悪化理由に|publisher=時事通信社|accessdate=2017-8-14|date=2017-8-12}}</ref>。 * [[7月27日]] ** ウクライナ政府、かつて[[オデッサ州]]知事だった[[ミヘイル・サアカシュヴィリ]]前[[ジョージア (国)|ジョージア]]大統領のウクライナ国籍を剥奪<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017072701281&g=int|title=前ジョージア大統領のウクライナ国籍剥奪|publisher=時事通信社|accessdate=2017-7-29|date=2017-7-27}}</ref>。 ** フィリピン、[[マニラ]]のラモン・マグサイサイ賞財団は[[マグサイサイ賞]]に[[カンボジア]]の[[アンコール遺跡|アンコール遺跡群]]の保存修復に尽力した[[石澤良昭]]上智大教授など5個人、1団体を選出したと発表<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.afpbb.com/articles/-/3137250|title=マグサイサイ賞に上智大の石沢教授=アンコール遺跡修復に尽力-フィリピン|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-7-29|date=2017-7-27}}</ref>。 ** イラン、人工衛星が打ち上げ可能な国産ロケット「シモルグ」の打ち上げ試射に成功<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20170728-TO57PSQQBZIEPGLZZEA5WBWTF4/|title=イラン、衛星打ち上げ可能なロケットの試射に成功 ICBM開発に懸念も|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-7-29|date=2017-7-28}}</ref>。 ** メキシコ、[[タマウリパス州]][[ヌエボ・ラレド]]の民家の玄関先に9人の他殺体が遺棄されているのが発見。メッセージが添えられており、麻薬密輸に関わる報復行為と見られている<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017072800630&g=int|title=民家玄関先に9人の遺体=メキシコ|publisher=時事通信社|accessdate=2017-7-29|date=2017-7-28}}</ref>。 ** ナイジェリア、[[ボルノ州]]{{仮リンク|マグメリ|en|Magumeri}}近辺でナイジェリア国営石油公社とマイドゥグリ大学の石油探査チームがボコ・ハラムの襲撃を受け、30日までに69人以上が死亡していると発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3137504|title=ボコ・ハラムの石油探査チーム襲撃、死者69人に 拉致された大学関係者の動画公開|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-7-31|date=2017-7-30}}</ref>。 * [[7月28日]] ** ドイツ、[[ハンブルク]]のスーパーで男が大型の包丁を手に買い物客を無差別に襲撃。1人が死亡、6人が負傷。犯人は逃走するも追跡され取り押さえられる。犯人は[[アラブ首長国連邦]]出身の26歳の男であると発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3137433|title=刃物男がスーパー襲撃、7人死傷 ドイツ北部|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-7-29|date=2017-7-29}}</ref>。{{Main|en:2017 Hamburg attack}} ** スペイン、[[バルセロナ]]・[[フランサ駅]]で、{{仮リンク|サン・ビセン・デ・カルデース|es|Estación de San Vicente de Calders}}発の列車がホームに止まり切らず、線路端の緩衝器に激突。1人の重傷を含む54人が負傷<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3137391|title=バルセロナ中心部の駅で列車事故、54人負傷 スペイン|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-7-31|date=2017-7-28}}</ref>。 ** アメリカ政府、27日に行われたイランのロケット発射を受けて、イラン系企業6社の資産を凍結<ref>{{Cite web|和書|url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170729/k10011079621000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_060|title=トランプ政権 ロケット発射でイランに新たな制裁|publisher=NHK NEWS WEB|accessdate=2017-7-31|date=2017-7-29}}</ref>。 ** 世界自動車大手各社の2017年上半期の販売実績がこの日までに出そろい、ルノー・日産自動車連合と三菱自動車が、トヨタ自動車や独フォルクスワーゲンを抜いて、売り上げ首位。ルノー・日産が首位に立つのは、初めて<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ28HX8_Y7A720C1EA6000/ ルノー・日産連合、世界販売首位に 17年1〜6月期] 日本経済新聞 2017年7月28日</ref>。 * [[7月29日]] ** フランス、[[ダンケルク]]近郊のフェリーターミナルで、冷蔵貨物コンテナの中から2歳の子供を含むイラン人の移民26人が見つかった<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3137527|title=冷蔵トラックに2歳児含む26人の移民 フランス|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-7-31|date=2017-7-28}}</ref>。 ** スリランカ、赤字が続いていた[[南部州 (スリランカ)|南部州]][[ハンバントタ]]港の運営権に必要な株式の70%を中国の国有企業・[[招商局港口控股]]に11億ドルで売却<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3137517|title=スリランカ、ハンバントタ港の運営権を中国企業に譲渡 インドなどが懸念|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-7-31|date=2017-7-30}}</ref>。 ** [[ケニア]]、[[エルドレット]]郊外にある[[ウィリアム・ルト]]副大統領宅を武装集団が襲撃。副大統領は不在で無事<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017073000026&g=int|title=副大統領宅、武装集団が襲撃=ケニア|publisher=時事通信社|accessdate=2017-7-31|date=2017-7-30}}</ref>。 ** カンボジア、[[アンコール遺跡]]にて[[クメール王朝]]・[[ジャヤーヴァルマン7世]]時代の病院遺跡から当時の仏像が発見される<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3137846|title=アンコールワットで巨大像発見、病院守るシンボルか カンボジア|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-3|date=2017-8-2}}</ref>。 * [[7月30日]] ** ロシアのプーチン大統領、アメリカ上下議会がロシアのサイバー攻撃に対する制裁処置を可決したことを受けて、ロシア国内のアメリカ政府関係者755人を国外退去処分にすることを発表<ref>{{Cite web|和書|url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170731/k10011081251000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_021|title=ロシア 米政府関係者の半数以上を国外退去へ|publisher=NHK NEWS WEB|accessdate=2017-7-31|date=2017-7-31}}</ref>。 ** フィリピン、麻薬密輸関与の嫌疑がかかっていたミンダナオ島・[[オザミス]]のレイナルド・パロヒノグ市長とその家族、親族ら15人が家宅捜索中に銃殺。警察当局は市長側の発砲に応戦したと発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3137578|title=麻薬めぐる家宅捜索中に銃撃、市長ら15人死亡 フィリピン|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-7-31|date=2017-7-31}}</ref>。 ** メキシコ、ベラクルス州の道路脇でアメリカに密入国するべくトレーラーで輸送されながらも、置き去りにされていた中南米からの移民150人あまりを保護<ref>{{Cite web|和書|url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170731/k10011081771000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_016|title=メキシコ 道路脇に置き去り150人を保護 不法移民か|publisher=NHK NEWS WEB|accessdate=2017-7-31|date=2017-7-31}}</ref>。 * [[7月31日]] ** 北海道で盗掘され、ドイツの学術団体で保管されていたアイヌ民族の遺骨が返還<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017073100761&g=soc|title=アイヌ遺骨、ドイツから返還=外交ルートで初|publisher=時事通信社|accessdate=2017-7-31|date=2017-7-31}}</ref>。 ** フィリピン、[[バシラン島]]で、身代金目的で誘拐されていた地元の伐採業者7人が斬首された遺体で発見。[[アブ・サヤフ]]による犯行と見られている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3137660|title=フィリピンのイスラム過激派、地元の伐採業者7人の首を切断し殺害|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-7-31|date=2017-7-31}}</ref>。 ** [[マラウイ]]警察は、2013年に発覚した国庫金横領事件に絡んでいるとして、[[ジョイス・バンダ]]前大統領に逮捕状を出した<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170803004644/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017080100669&g=int|title=国庫金横領で前大統領に逮捕状=マラウイ|publisher=時事通信社|accessdate=2017-8-2|date=2017-8-1}}</ref>。 === 8月 === * [[8月1日]] ** アフガニスタン、[[ヘラート]]の[[シーア派]]モスクで自爆犯と銃撃犯の計2人によるテロ攻撃。33人が死亡、66人が負傷。ISILが犯行声明<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3137814|title=アフガンでシーア派モスク襲撃、33人死亡 ISが犯行声明|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-3|date=2017-8-2}}</ref>。 ** [[オーストリア]]、昨年12月に少女への性的虐待容疑で国際指名手配をしていた元柔道金メダリスト、[[ペーター・ザイゼンバッハー]]が[[ウクライナ]]の[[キエフ]]にて逮捕されたと発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3137828|title=柔道男子の五輪金メダリストを逮捕、少女への性的虐待容疑で|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-3|date=2017-8-2}}</ref>。 ** トルコ、昨年7月のクーデター未遂事件に関与したとされる元軍人ら486人の公判が開かれた<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170803004733/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017080101218&g=int|title=空軍トップら500人裁判=クーデター未遂で最大規模-トルコ|publisher=時事通信社|accessdate=2017-8-2|date=2017-8-1}}</ref>。 ** ベネズエラ、すでに自宅監禁下にある野党[[大衆意思党]]党首、[[レオポルド・ロペス]]と、{{仮リンク|人々賞賛聯|en|Alianza Bravo Pueblo}}党首の{{仮リンク|アントニオ・レデスマ|en|Antonio Ledezma}} [[カラカス]]市長の2人を拘束<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3137778|title=ベネズエラ当局、野党指導者2人の身柄拘束 家族が明かす|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-3|date=2017-8-1}}</ref>。 * [[8月2日]] ** タイの最高裁、2008年10月に[[バンコク]]で起こった反政府デモ隊と警官隊との衝突での死傷事件で、職権乱用の罪で告訴された[[ソムチャーイ・ウォンサワット]]元首相ら4人に無罪判決を下した<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.afpbb.com/articles/-/3137923|title=タクシン派元首相に無罪判決=08年のデモ流血事件-タイ最高裁|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-4|date=2017-8-2}}</ref>。 ** トランプ大統領が対ロシア制裁強化法案に署名し、同法が成立<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170804173014/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017080201284&g=int|title=米、対ロ制裁強化法成立=トランプ大統領署名-関係修復困難に|publisher=時事通信社|accessdate=2017-8-4|date=2017-8-2}}</ref>。 ** [[南シナ海]]で海上自衛隊と共同訓練をしているアメリカ海軍の[[アーレイバーク級ミサイル駆逐艦|ミサイル駆逐艦]][[ステザム (ミサイル駆逐艦)|ステザム]]に搭乗していた海軍兵士1人が行方不明になっていることが発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3137909|title=米海軍兵士、海自との共同訓練中に行方不明に 南シナ海|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-4|date=2017-8-2}}</ref>。 ** フィリピンにおける[[ヒト免疫不全ウイルス|HIV]]の感染例が2010〜2016年の間に140%増加と、減少傾向にある他のアジア太平洋地域と比べて飛躍的に上昇していることが国連と同国が提出した報告書で明らかになる<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3137911|title=フィリピンでのHIV感染例、アジア最速のペースで増加 国連|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-4|date=2017-8-2}}</ref>。 ** ポルトガル、[[リスボン]]近郊のビーチで小型飛行機が墜落。日光浴中だった8歳の女児と男性が死亡<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.afpbb.com/articles/-/3138281?act=all |title=動画:混雑した砂浜に小型機が墜落、8歳児ら2人死亡 ポルトガル |date=2017-08-6 |publisher=AFP |accessdate=2017-08-14}}</ref>。 * [[8月3日]] ** [[デンマーク]]、[[マルグレーテ2世 (デンマーク女王)|マルグレーテ2世]]の配偶者、元フランス人の[[ヘンリク (デンマーク王配)|ヘンリク]]が自らの死後女王とは別の場所に埋葬してほしい意向であることが発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3138128|title=「女王と一緒の埋葬やめて」デンマーク王配殿下、待遇に長年不満|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-6|date=2017-8-4}}</ref>。 ** モンゴルの大統領府は、ハルトマーギーン・バトトルガ大統領が日本担当の外交顧問および大統領特別大使として、大相撲第68代横綱・[[朝青龍明徳]]ことドルゴルスレン・ダグワドルジを指名したことを発表<ref>[http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00366289.html 元横綱・朝青龍が日本担当に]フジテレビ 2017年8月4日</ref><ref>[http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170804/k10011086831000.html 元横綱の朝青龍 モンゴル大統領特使に任命]NHK 2017年8月4日</ref>。 *[[8月4日]] ** [[アラブ首長国連邦]]、[[ドバイ]]の[[超高層マンション]]、[[ザ・トーチ]]で大規模な火災が発生。中層階から高層階にまで燃え広がった<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3138103|title=ドバイの超高層マンション「ザ・トーチ」で火災、上層階まで延焼|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-6|date=2017-8-4}}</ref>。 ** 国連調査団、コンゴ民主共和国中西部[[カサイ州]]での内戦によって今年3月中旬から6月中旬にかけ、子ども62人を含む251人が政府軍や双方の民兵集団によって虐殺されたと報告<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3138188|title=コンゴで子ども62人含む251人殺害される 国連報告|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-6|date=2017-8-4}}</ref>。 ** [[シンガポール]]内務省、[[シンガポール国立大学]]公共政策大学院教授でアメリカ国籍の黄靖(ホワン・ジン)教授夫妻を外国政府のために活動する工作員だとして国外追放処分にしたと発表。具体的な国名は非発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.cnn.co.jp/world/35105349.html|title=シンガポール、国立大教授を国外追放 外国政府利する「工作員」|publisher=CNN|accessdate=2017-8-6|date=2017-8-4}}</ref>。 * [[8月5日]] ** アフガニスタン、[[サーレポル州]]にあるミルザワラング村をターリバーンとISILの共同軍が襲撃。50人以上が死亡<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3138437|title=アフガンの村で民間人50人以上虐殺、タリバンとISの合同勢力か|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-8|date=2017-8-7}}</ref>。 ** [[国際連合安全保障理事会]]、北朝鮮の石炭、鉄、鉄鉱石、鉛、鉛鉱石、海産物の輸出を全面的に禁止するアメリカ提案の制裁決議を全会一致で採択<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3138274|title=国連安保理、北朝鮮制裁決議を採択 石炭や鉄などの輸出を全面禁止|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-6|date=2017-8-5}}</ref>。 ** ベネズエラ制憲議会、反体制派の{{仮リンク|ルイサ・オルテガ・ディアス|en|Luisa Ortega Díaz}}検事総長を解任。同日、[[関税同盟]]の[[メルコスール|南米南部共同市場]]はベネズエラの無期限資格停止を決定<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkei.com/article/DGXLASFK06H0G_W7A800C1000000/ |title=ベネズエラ制憲議会、政権批判の検事総長罷免 強権化止まらず |date=2017-08-06 |publisher=日本経済新聞 |accessdate=2017-08-06}}</ref>。 ** フィリピン、マニラで[[東南アジア諸国連合]]外相会議が開催。北朝鮮による相次ぐICBM発射で朝鮮半島の緊張が高まっていることに「重大な懸念」を示す緊急声明を発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170806221430/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017080500420&g=int|title=北朝鮮情勢に「重大な懸念」=ASEAN外相会議が緊急声明|publisher=時事通信社|accessdate=2017-8-6|date=2017-8-5}}</ref>。 * [[8月6日]] ** イスラエル政府、[[アルジャジーラ]]の同国支局を閉鎖することを発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3138328|title=イスラエル、アルジャジーラの支局閉鎖へ 「暴力を扇動」|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-8|date=2017-8-7}}</ref>。 ** 中国と東南アジア諸国連合との外相会議で、南シナ海での紛争防止に向けた「行動規範」の枠組みが承認されたが、法的拘束力が盛り込れず、紛争解決の手段ではないとしている<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.afpbb.com/articles/-/3138310|title=南シナ海「行動規範」枠組み承認=中国・ASEAN外相会議|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-8|date=2017-8-6}}</ref>。 ** 軍人を含む集団が北中部[[バレンシア (ベネズエラ)|バレンシア]]の[[ベネズエラ軍]]基地を襲撃、治安部隊に鎮圧された。この際、襲撃側2人が死亡<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkei.com/article/DGXLASFK07H03_X00C17A8000000/ |title=ベネズエラで軍人含む集団が軍基地に攻撃、政府が鎮圧 |date=2017-08-07 |publisher=日本経済新聞 |accessdate=2017-08-08}}</ref>。 * [[8月7日]] ** イスラエル、[[ガリラヤ湖]]近辺で同国とアメリカの共同発掘チームが、[[ペトロ|聖ペトロ]]の出生地、[[ベツサイダ]]の地に建築された古代ローマの町・ユリウスの遺構を発見したと発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3138473|title=聖ペテロ生誕の地発見か イスラエル北部、「失われた町」遺構発掘|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-8|date=2017-8-7}}</ref>。 ** ベトナム北部の[[ディエンビエン省]]、[[イエンバイ省]]などの省で豪雨による洪水や土砂崩れが相次いで発生し、これまでに26人が死亡、15人が行方不明<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3138408|title=ベトナム北部、洪水や土砂崩れで26人死亡 15人行方不明|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-8|date=2017-8-7}}</ref>。 * [[8月8日]] - アフガニスタン、5日にターリバーン・ISIL共同軍に襲撃されたミルザワラング村の人質のうち235人が解放<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3138603|title=民間人虐殺のタリバン、人質235人解放 依然多数拘束の情報も|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-10|date=2017-8-9}}</ref>。 * [[8月9日]] ** アメリカ国務省、在[[ハバナ]]米大使館職員が「さまざまな身体症状」を訴えて国外退去を強いられているとして、[[キューバ]]の外交官2人に国外退去処分を命じた。翌日にはカナダ外務省も、在ハバナ大使館員が聴力の低下を訴えていると発表。複数の米当局者はCNNに対し、可聴範囲外の音を出す音響装置による攻撃を受けた可能性もあると語っている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3138915|title=カナダ外交官もキューバで聴力低下、音響装置による攻撃か?|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-11|date=2017-8-11}}</ref>。 ** 中国、[[遼寧省]]と[[河北省]]で約1億6千年前の地層から発掘された2種の哺乳類、{{仮リンク|似叉骨祖翼獣|en|Maiopatagium}}と{{仮リンク|双鉢翔歯獣|en|Vilevolodon}}の化石が、前肢と後肢の間に皮膜がある初期哺乳類の中でも最古の滑空動物であることが判明。[[ネイチャー]]で発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3138767|title=最古の滑空哺乳類、中国で化石発見 ジュラ紀に恐竜と共存|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-11|date=2017-8-10}}</ref>。 * [[8月10日]] ** イエメン、[[シャブワ県]]沿岸の沖合で9日から10日にかけ、アフリカからの移民を乗せた人身取引組織の船が、当局の追及を逃れようと移民を海に投げ捨てる事件が2件発生。海に落ちた300人のうち56人が水死、数十人が行方不明<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3138898|title=イエメン沖で移民56人水死 密航業者が300人海に落とす|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-11|date=2017-8-11}}</ref>。 ** メキシコ、[[タマウリパス州]][[レイノサ]]の刑務所内で異なるギャングに属する受刑者同士が武器を取り乱闘。受刑者9人が死亡<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3138929|title=メキシコの刑務所で乱闘、受刑者9人死亡|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-11|date=2017-8-11}}</ref>。 * [[8月11日]] ** エジプト、[[アレクサンドリア]]近郊で列車同士の衝突事故。37人が死亡、123人が負傷<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3138963|title=エジプトで列車同士が衝突、37人死亡|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-14|date=2017-8-12}}</ref>。 ** カンボジアの[[フン・セン]]首相、北部[[ストゥントレン州]]の国境沿いでの道路建設を阻止すべくカンボジア領内に侵入している[[ラオス]]軍部隊に対し、17日までに撤退するよう「最後通告」を出した。その後、12日に同氏がラオスを訪問し、[[トーンルン・シースリット]]首相との会談で係争地から両国の部隊を撤収させることで合意<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170813223322/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017081100551&g=int|title=ラオス軍部隊の撤収要求=カンボジア首相が「最後通告」|publisher=時事通信社|accessdate=2017-8-14|date=2017-8-11}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170816003815/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017081200487&g=int|title=係争地から部隊撤収=カンボジア・ラオス首相合意|publisher=時事通信社|accessdate=2017-8-15|date=2017-8-12}}</ref>。 * [[8月12日]] ** ケニア、11日に行われた同国大統領選の集計作業で大規模な不正があったとして行われた抗議デモで、子供を含む11人が死亡<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3139046|title=ケニア大統領選、野党は抗議続行を明言 混乱の死者11人に|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-14|date=2017-8-13}}</ref>。 ** パキスタン、[[バローチスターン州]][[クエッタ]]で軍の車両を狙った爆発物によるテロ事件。少なくとも15人が死亡、32人が負傷。ISILが犯行声明<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3139063|title=パキスタンで軍の車両狙った攻撃、15人死亡 IS分派が犯行声明|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-14|date=2017-8-13}}</ref>。 * [[8月13日]] ** [[エクアドル]]、[[ガラパゴス諸島]][[サンクリストバル島]]の沖合で中国籍の漁船が拿捕。船内から[[絶滅危惧種]]の[[シュモクザメ]]などを含む6620匹、約300本のサメが押収された。ガラパゴス諸島の排他的経済水域内では中国の大漁船団の操業が確認され、エクアドル政府は中国大使に抗議。21日には[[レニン・モレノ]]大統領が「ガラパゴス諸島の生態系のみならず、地球全体への犯罪だ」と非難した<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.sankei.com/world/news/170828/wor1708280028-n1.html|title=資源荒らし「地球全体への犯罪だ」 エクアドルが中国に抗議 経済水域付近で希少サメ乱獲か|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-8-30|date=2017-8-28}}</ref>。 ** [[ネパール]]やインド、バングラデシュで[[モンスーン]]により11日から洪水と地滑りが発生し、24日までに少なくとも1000人が死亡、100万人が避難している<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.afpbb.com/articles/-/3140347|title=豪雨災害の死者1000人超に=救助難航、拡大の恐れ-印など|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-25|date=2017-8-24}}</ref>。 ** [[ブルキナファソ]]、首都[[ワガドゥグ]]のカフェをイスラム過激派とみられる武装集団が襲撃、17人が死亡<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3139098 |title=ブルキナファソで武装集団がカフェ襲撃、17人死亡 |date=2017-08-10 |publisher= AFP|accessdate=2017-08-14}}</ref>。{{Main|en:2017 Ouagadougou attack}} * [[8月14日]] ** 世界保健機関、4月から拡大しているイエメンでのコレラ感染で、死者は2000人近くに上り、約50万人が感染の疑いがあると報告<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170816004928/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017081401015&g=int|title=コレラ感染疑い50万人超=イエメン|publisher=時事通信社|accessdate=2017-8-15|date=2017-8-14}}</ref>。 ** [[シエラレオネ]]の首都[[フリータウン]]で洪水と地滑りが発生し、19日までに441人が死亡。600人あまりが行方不明<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170821084611/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017082000465&g=int|title=洪水死者、400人超える=シエラレオネ|publisher=時事通信社|accessdate=2017-8-21|date=2017-8-20}}</ref>。{{Main|en:2017 Sierra Leone mudslides}} * [[8月15日]] ** ターリバーン、トランプ大統領宛てにアフガニスタン駐留米軍の増派中止と撤退を要求する公開書簡を発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170815155758/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017081501153&g=int|title=タリバン、トランプ米大統領に公開書簡=増派中止と撤退要求|publisher=時事通信社|accessdate=2017-8-15|date=2017-8-15}}</ref>。 ** バングラデシュの首都ダッカで、イスラム過激組織{{仮リンク|新ジャマートゥル・ムジャヒディン・バングラデシュ|en|Jamaat-ul-Mujahideen Bangladesh}}のメンバーが潜伏するホテルの一室を治安部隊が包囲。男はその場で自爆<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20170815-NLUBMRY27NKQJMDTXM45H4PXSQ/|title=バングラでイスラム過激派の男が自爆|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-8-18|date=2017-8-15}}</ref>。 ** ポルトガル、[[マデイラ諸島|マデイラ島]][[フンシャル]]にて、キリスト教の宗教行事に集まっていた人々の上に巨木が倒れ、13人が死亡、49人が負傷<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3139307|title=巨木が倒れ13人死亡 ポルトガル、宗教行事の人混み直撃|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-18|date=2017-8-16}}</ref>。 * [[8月16日]] ** オバマ前大統領が12日に起こった暴動を受け、[[ネルソン・マンデラ]]の言葉を引用して「生まれたときから肌の色や出自、信仰の違いを理由に他人を憎む人などいない」とツイッターに投稿。ツイッター史上最多となる320万の「[[いいね!ボタン|いいね!]]」を獲得した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3139429|title=オバマ氏ツイートに史上最多の「いいね」 白人集会衝突受け投稿|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-18|date=2017-8-17}}</ref>。 ** コンゴ民主共和国、[[アルバート湖]]沿岸部で大雨による地滑りが発生。付近の漁村が飲み込まれ、死者は最大で250人に上ると見られている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3140561|title=土砂崩れで最大で250人死亡の恐れ コンゴ民主共和国|publisher=時事通信社|accessdate=2017-8-30|date=2017-8-17}}</ref>。{{Main|en:2017 DR Congo landslide}} ** フィリピン警察、14日から[[ブラカン州]]12の自治体で行った大規模な一斉摘発で32人を射殺<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3139475|title=麻薬容疑者32人殺害、比大統領が称賛 警察に継続促す|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-18|date=2017-8-26}}</ref>。 ** [[レバノン]]議会、レイプ加害者が被害者と結婚すれば免罪となる法律を撤廃<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3139433|title=レイプ被害者と結婚すれば加害者を免罪、レバノンで法律撤廃|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-18|date=2017-8-17}}</ref>。 * [[8月17日]] ** サウジアラビアの[[サルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ|サルマーン国王]]、国交断絶しているカタールからの巡礼者が[[メッカ]]への[[ハッジ|大巡礼]]を行えるよう、同国との国境を開放するよう命じた<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3139443|title=サウジ、カタール巡礼者に国境開放 外交危機緩和の兆し|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-18|date=2017-8-17}}</ref>。 ** スペイン、[[バルセロナ]]のメインストリートである[[ランブラス通り]]で乱入した車が群衆に突進し、13人が死亡、100人以上が負傷した。犯人は現在も逃走中で、警察当局は凶器となったレンタカーを借りた[[モロッコ]]国籍の17歳の少年を重要参考人として顔写真を公開。名義を貸した兄を逮捕した。また、同日に[[カンブリス]]でも歩道を車が突進する事件があり、1人が死亡、6人が負傷。その後警察隊と銃撃戦になり、実行犯5人が射殺。この事件を受けてISILが犯行声明を出している<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.afpbb.com/articles/-/3139680|title=2都市続発、組織的犯行か=スペインのテロ死者14人-モロッコ籍17歳少年逃走か|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-18|date=2017-8-18}}</ref>。{{Main|2017年バルセロナテロ攻撃事件}} ** フィリピン警察、マニラ近辺で麻薬密売組織の容疑者25人を射殺<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3139554|title=フィリピン警察、再び麻薬犯罪の一斉摘発実施 25人射殺|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-18|date=2017-8-17}}</ref>。 ** ベネズエラ、[[アマソナス州 (ベネズエラ)|アマソナス州]][[プエルト・アヤクーチョ]]の刑務所で暴動が発生し、37人が死亡<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3139444|title=ベネズエラの刑務所で暴動、37人死亡 「最悪規模」|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-18|date=2017-8-17}}</ref>。 * [[8月18日]] ** [[フィンランド]]、[[トゥルク]]中心街で刃物を持った男による無差別襲撃事件。2人が死亡、8人が負傷。実行犯であるモロッコ国籍の18歳の男はその場で拘束<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20170819-QE7SVVFYOFJUPOP2SVMHRAPULQ/|title=フィンランドで刃物男、2人死亡 テロとして捜査|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-8-19|date=2017-8-19}}</ref>。{{Main|en:2017 Turku stabbing}} ** ベネズエラ制憲議会、国会から立法権を剥奪したと声明。マドゥロ大統領派のみで構成された制憲議会が三権を掌握した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20170819-RUAMWBGMOZK3TBPPNTPUTPHLWA/|title=ベネズエラ国会権限を「剥奪」と制憲議会、マドゥロ大統領の独裁確立へ|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-8-20|date=2017-8-19}}</ref>。 * [[8月21日]] ** アメリカ第7艦隊の[[ミサイル駆逐艦]]、[[ジョン・S・マケイン (ミサイル駆逐艦)|ジョン・S・マケイン]]が[[マラッカ海峡]]沖で[[リベリア]]国籍のタンカーと衝突。乗員10人が死亡、5人が負傷。27日までに10人全員の遺体を収容<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20170821-YXAVGX3OFBJZFA6URFZKLFALRQ/|title=商船と衝突で10人行方不明、負傷者も マラッカ海峡近く|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-8-21|date=2017-8-21}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=http://www.sankei.com/world/news/170828/wor1708280017-n1.html|title=不明10人全員の遺体収容、米イージス艦衝突事故く|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-8-30|date=2017-8-28}}</ref>。 ** スペイン、バルセロナの襲撃事件で現場から逃走していた実行犯が近郊の{{仮リンク|スピラッツ|es|Subirats}}にて射殺。また、実行犯が逃走時に奪った車から持ち主の遺体が見つかり、一連の被害者は15人となった<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3139937|title=バルセロナ車突入、実行犯を射殺 偽の自爆ベルト着用|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-23|date=2017-8-22}}</ref>。 ** (現地時間)[[アメリカ合衆国]]で皆既[[日食]]を観測(皆既帯が同国の[[アメリカ合衆国西海岸|西海岸]]から[[アメリカ合衆国東海岸|東海岸]]にかけて14州を横断)<ref name="astroarts-ph170822">[https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/9266_ph170822 2017年8月22日 皆既日食(北米方面)](アストロアーツ)</ref><ref name="bcc170822">[https://www.bbc.com/japanese/41008328 皆既日食が米大陸横断 各地で興奮](BBCニュース 2017年8月22日)</ref>。{{seealso|2017年8月21日の日食}} * [[8月23日]] ** 21日の駆逐艦衝突事故を受け、[[太平洋艦隊 (アメリカ海軍)|アメリカ太平洋艦隊]]は{{仮リンク|ジョセフ・P・アーコイン|en|Joseph Aucoin}}海軍中将を第7艦隊司令官から解任<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20170823-NADA6N5LGFKMFKSFTAMXXT2FZ4/|title=ジョセフ・アーコイン第7艦隊司令官を解任 事故直前に操舵不能に? 米CNN報道|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-8-27|date=2017-8-23}}</ref>。 ** [[イエメン]]の首都[[サヌア]]郊外のホテルが[[サウジアラビア]]率いる有志連合の空爆で破壊され、ホテルの宿泊客など少なくとも48人が死亡<ref>{{cite news|title=首都近郊のホテルに空爆、宿泊客ら48人死亡 イエメン|newspaper=CNN|date=2017-08-24|url=https://www.cnn.co.jp/m/world/35106223.html|accessdate=2017-08-24}}</ref>。 ** カンボジア外務省、[[全米民主主義基金]]の関連組織、{{仮リンク|全米民主国際研究所|en|National Democratic Institute}}の同国内での活動を禁じ、外国人職員の国外退去を命じた<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170823165849/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017082301040&g=int|title=カンボジア政府、米NGOの追放決定=総選挙前に締め付け強化|publisher=時事通信社|accessdate=2017-8-25|date=2017-8-23}}</ref>。 * [[8月25日]] ** アフガニスタン、[[カブール]]でシーア派のモスクが襲撃を受け、30人あまりが死亡、数十人が負傷。ISILが犯行声明<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170827124528/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017082600211&g=int|title=モスク襲撃、30人死亡=トランプ氏演説後初の首都テロ-アフガン|publisher=時事通信社|accessdate=2017-8-27|date=2017-8-26}}</ref>。 ** スイス、[[ヴヴェイ]]で行われた{{仮リンク|クララ・ハスキル国際ピアノコンクール|en|Clara Haskil International Piano Competition}}最終選考で[[藤田真央]]が優勝。同コンクールでの日本人優勝者は[[坂上博子]]、[[河村尚子]]に続いて3人目<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.sankei.com/world/news/170826/wor1708260018-n1.html|title=18歳の藤田真央さん優勝 スイスのハスキル国際ピアノコンクール 日本人3人目|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-8-27|date=2017-8-26}}</ref>。 ** タイ最高裁、米の買い上げ制度で巨額の損失を招いたとして職務怠慢容疑に問われた[[インラック・シナワトラ]]前首相が判決公判を欠席したため、逮捕状を出した。[[タイ貢献党]]関係者が、同氏は23日から24日にかけて国外へ逃亡したと答えている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3140491|title=タイのインラック前首相、すでに国外逃亡 党幹部筋が明かす|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-26|date=2017-8-25}}</ref>。 ** ミャンマー、[[ラカイン州]][[マウンドー]]で[[ロヒンギャ]]の武装集団が複数の治安施設を襲撃。治安部隊員12人が死亡。武装集団側も59人が死亡<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3140466|title=ロヒンギャの武装集団が警察施設を襲撃、71人死亡 ミャンマー|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-26|date=2017-8-25}}</ref>。 * [[8月26日]] ** サウジアラビア主導の連合軍が25日にイエメン首都・[[サヌア]]で行った空爆で市民14人を誤爆したと発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170827124824/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017082700025&g=int|title=誤爆で市民14人殺害=サウジ主導軍認める-イエメン|publisher=時事通信社|accessdate=2017-8-27|date=2017-8-27}}</ref>。 ** ベルギー、[[ブリュッセル]]のエミール・ジャックマン通りで刃物を持った男が警戒中の兵士3人を襲撃。兵士2人が負傷。男は銃撃され、搬送先の病院で死亡。当局は単独犯によるテロ事件と表明した<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170827124708/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017082600202&g=int|title=兵士襲撃テロ、男を射殺=2人軽傷-ブリュッセル中心部|publisher=時事通信社|accessdate=2017-8-27|date=2017-8-26}}</ref>。{{Main|en:August 2017 Brussels attack:}} * [[8月27日]] ** [[グアテマラ]]の[[ジミー・モラレス]]大統領、国連との合意に基づき、同大統領の不正資金疑惑を調査していた{{仮リンク|グアテマラ無処罰問題対策国際委員会|en|International Commission against Impunity in Guatemala}}の{{仮リンク|イバン・ベラスケス・ゴメス|es|Iván Velásquez Gómez}}委員長を国外退去処分にした。また、処分に反対した{{仮リンク|カルロス・ラウル・モラレス|en|Carlos Raúl Morales}}外相を更迭。モラレス外相は29日に訪日予定だった<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20170828-JQ7BFXIJB5JVTFVNDSJBQ63M3M/|title=グアテマラ、不正調査の国際団長「追放」で混乱|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-8-30|date=2017-8-28}}</ref>。 ** 南アフリカ、[[ヨハネスブルグ]]の劇場で男が観客に向けて銃を乱射。1人が死亡、8人が負傷。男は逃亡中。当時劇場ではチャリティーコンサートが催されており、男は会場内で携帯電話を紛失したことに激怒して発砲したという<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3140908|title=劇場で携帯電話を無くした男、観客に向けて銃撃し9人死傷 南ア|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-30|date=2017-8-29}}</ref>。 * [[8月28日]] ** インドと中国の両軍によるにらみ合いが続いていた{{仮リンク|ドクラム高地|en|Doklam}}の係争地で、インド外務省は両軍が撤退することで合意したと発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20170828-6Q5J3LJL2JOYFMPB5GPOX26AUU/|title=中国インド国境 両軍部隊が撤退、2カ月超のにらみ合い終息へ 首脳会談控え歩み寄りか|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-8-30|date=2017-8-28}}</ref>。 * [[8月29日]] ** 日本側の監視が強くなったことを理由に[[シー・シェパード]]が毎年行っている日本の[[日新丸|調査捕鯨船]]への妨害活動を、今年は行わないことを表明<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3140785|title=シー・シェパード、今年の調査捕鯨妨害取りやめ 「日本に対抗できず」|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-30|date=2017-8-29}}</ref>。 ** 北朝鮮、平壌近郊の[[順安区域|順安]]から弾道ミサイル1発が北東方向に発射され、飛距離約2700km、最高高度約550kmに達し、北海道[[襟裳岬]]東方約1180km、日本の排他的経済水域外である太平洋上に落下した。ミサイルは日本海上で3つに分離した可能性があり、小野寺五典防衛大臣は北朝鮮からの発射予告はなかったこと、ミサイルは軌道からロフテッド軌道ではなく、「火星12号」ではないかという見方を示している<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170829053105/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017082900233&g=pol|title=北朝鮮ミサイル、北海道上空を通過=太平洋に落下、09年以来|publisher=時事通信社|accessdate=2017-8-29|date=2017-8-29}}</ref>。{{main|2017年8月29日の北朝鮮によるミサイル発射}} ** メキシコ、[[タバスコ州]]のある一軒家に、密入国の途中で業者に騙され閉じ込められていた中南米からの移民133人が保護される<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3140988|title=一軒家に閉じ込めて放置、不法移民133人を救出 メキシコ|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-1|date=2017-8-30}}</ref>。 * [[8月30日]] ** 温帯低気圧に変わったハリケーン・ハービーが[[ルイジアナ州]]に再上陸。これまでに少なくとも31人が死亡。テキサス州での避難者は3万2千人を超えている。ヒューストンのある[[ハリス郡 (テキサス州)|ハリス郡]]は四分の一が水没し、[[アメリカ国立気象局]]ヒューストン支部は、29日午前9時での降水量は1252.7ミリと積算降水量が、同国本土での観測史上最高を記録したと発表。だが、その日の内に、{{仮リンク|シダーバイユー|en|Cedar Bayou, Texas}}で1320ミリと記録を更新<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3140981|title=「ハービー」降水量、米本土史上最高を再び更新 1日で2度目|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-1|date=2017-8-30}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170831022906/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017083100232&g=int|title=洪水で3万人超避難=ハービー、米南部に再上陸|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-1|date=2017-8-30}}</ref>。 ** シリア人権監視団、シリア北部でアサド政権の部隊とISとの戦闘で29日以降で少なくとも政権側26人、IS側38人の計64人が死亡したと声明<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170831220639/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017083001170&g=int|title=政権部隊とIS衝突、64人死亡=シリア|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-1|date=2017-8-30}}</ref>。 ** [[国際移住機関]]、ロヒンギャ族との紛争が続くミャンマー・ラカイン州において、25日から約1万8千人のロヒンギャ族が隣国バングラデシュに越境していることを明らかにした<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170901021630/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017083001012&g=int|title=1万8000人超がバングラに=ミャンマーのロヒンギャ難民|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-1|date=2017-8-30}}</ref>。 * [[8月31日]] ** パキスタン、2007年の[[ベーナズィール・ブットー]]元首相暗殺に関与した容疑で、[[パルヴェーズ・ムシャラフ]]元大統領の資産を差し押さえるよう命じた。ムシャラフ氏は昨年3月から[[ドバイ]]へ出国したままである<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.afpbb.com/articles/-/3141203|title=ムシャラフ氏資産差し押さえ=ブット元首相暗殺で-パキスタン|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-1|date=2017-8-31}}</ref>。 === 9月 === * [[9月1日]] ** コロンビアの左翼武装勢力、[[コロンビア革命軍]]が政府との和平合意に基づき合法政党「[[人民革命代替勢力]]」設立を宣言<ref>[https://web.archive.org/web/20170902123933/https://www.jiji.com/sp/article?k=2017090200389&g=int 合法政党「FARC」発足=ゲリラ衣替え、和平へ前進-コロンビア]時事通信 2017年9月2日</ref>。 ** ナイジェリア、[[ベヌエ州]]で2週間前からの豪雨で[[ベヌエ川]]が氾濫し、1日までに1人が死亡。州都[[マクルディ]]で数千軒の家屋が浸水し、数万人が避難している<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3141485|title=ナイジェリア南東部で洪水、1人死亡 数万人が避難|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-4|date=2017-9-3}}</ref>。 ** ミャンマー、[[ラカイン州]]で25日から続くロヒンギャ族武装組織、[[アラカン・ロヒンギャ救世軍]]との戦闘で400人近い死者が出ていると声明。また5日には[[国際連合難民高等弁務官事務所]]が、バングラデシュに越境した難民の数が12万3600人に達していると声明<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170903211530/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017090100838&g=int|title=戦闘激化、死者約400人に=ロヒンギャ難民4万人近く-ミャンマー|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-4|date=2017-9-1}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170905183942/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017090501094&g=int|title=ロヒンギャ12万人超避難=都市部のテロ警戒-ミャンマー国軍|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-5|date=2017-9-5}}</ref>。 ** 8月30日に[[太平洋]]上で発生した[[熱帯低気圧]]{{仮リンク|リディア (熱帯低気圧)|en|Tropical Storm Lidia (2017)|label=リディア}}が1日から2日にかけて[[バハ・カリフォルニア半島]]に上陸。被害は[[メキシコシティ]]にまで及び、4人が死亡した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3141456|title=熱帯暴風雨「リディア」、メキシコで4人死亡|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-4|date=2017-9-2}}</ref>。 * [[9月3日]] ** [[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]が[[北朝鮮の核実験 (2017年9月)|6度目の核実験]]を実施<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.asahi.com/articles/ASK93469YK93UHBI00K.html|title=北朝鮮、6度目の核実験 人工地震とみられる揺れ観測|publisher=朝日新聞|accessdate=2018-4-18|date=2017-9-3}}</ref>。 ** [[カンボジア]]の最大野党、[[カンボジア救国党]]の[[ケム・ソカー]]党首が国家反逆罪の容疑で逮捕<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170903163500/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017090300319&g=int|title=最大野党党首を逮捕=「国家反逆」容疑-カンボジア|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-4|date=2017-9-3}}</ref>。 ** 2014年に起きた[[マレーシア航空370便墜落事故]]の残骸回収の任務に就いていた[[マレーシア]]政府の駐[[マダガスカル]]名誉領事が、8月25日に首都[[アンタナナリボ]]で何者かに殺害されていたことが判明<ref>{{Cite news|title=消えたマレーシア航空機の残骸収集していたマレーシア外交官、マダガスカルで暗殺される―英メディア|date=2017-9-4|newspaper=Record China|url=https://www.recordchina.co.jp/b189463-s0-c10-d0135.html|accessdate=2021-7-12|last=川尻}}</ref>。 * [[9月4日]] ** コロンビア政府、同国第2の左翼系反政府武装組織、[[民族解放軍 (コロンビア)|民族解放軍]]との停戦に合意<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170905041513/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017090500197&g=int|title=第2のゲリラ組織と停戦合意=内戦終結へまた前進-コロンビア|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-7|date=2017-9-5}}</ref>。 ** [[ルワンダ]]の女性活動家、{{仮リンク|ダイアン・ルウィガラ|en|Diane Rwigara}}が脱税などの容疑で逮捕される。同氏は[[ポール・カガメ]]大統領の強権支配を批判してきた<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.sankei.com/world/news/170905/wor1709050028-n1.html|title=ルワンダの女性活動家ルウィガラ氏逮捕 大統領の強権支配批判|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-9-5|date=2017-9-5}}</ref>。 * [[9月5日]] ** ナイジェリア保健省、ボルノ州マイドゥグリで発生したコレラにより、4日までに21人が死亡したと発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3141877|title=ナイジェリアのコレラ流行、死者21人に 当局発表|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-7|date=2017-9-6}}</ref>。 * [[9月6日]] ** アフガニスタン、[[バグラム空軍基地]]でバイクに乗った自爆犯が基地の入り口で自爆。4人が負傷<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.sankei.com/world/news/170907/wor1709070033-n1.html|title= アフガンの米軍基地で爆発、自爆テロか|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-9-7|date=2017-9-7}}</ref>。 ** 5日にカテゴリー5に拡大した[[ハリケーン・イルマ]]が[[アンティグア・バーブーダ]]に上陸し、これまでに少なくとも6人が死亡<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3141973|title=怪物ハリケーン、カリブ海諸島を直撃 少なくとも6人死亡|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-7|date=2017-9-7}}</ref>。 ** スペイン、サルヴァドール・ダリの娘を自称する人物の申し立てを受けて、遺骨を掘り起こして行われたDNA鑑定で、ダリの娘ではないとの結果が出た<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3141974|title=巨匠ダリのDNA鑑定、霊媒師は「娘ではない」との結果|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-7|date=2017-9-7}}</ref>。 ** スペインとモロッコの両内務省、モロッコ国内やモロッコ北部のスペイン領[[メリリャ]]で、大規模なテロを計画していたとしてモロッコ系の6人を拘束<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170907124707/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017090700040&g=int|title=「大規模テロ」計画摘発=スペインとモロッコ|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-7|date=2017-9-7}}</ref>。 * [[9月7日]] ** [[メキシコ]]、[[チアパス州]]でマグニチュード8.2の地震が発生。最も被害が大きかった[[オアハカ州]]{{仮リンク|フチタン・デ・サラゴサ|en|Juchitán de Zaragoza}}では繁華街が丸ごと崩落するなど、2つの州で10日までに少なくとも90人以上が死亡<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.asahi.com/articles/ASK986CY3K98UHBI020.html|title= 真夜中を襲ったメキシコの大地震「過去100年で最大」|publisher=朝日新聞社|accessdate=2017-9-8|date=2017-9-8}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170910221004/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017091000203&g=int|title=死者90人、救出活動続く=「72時間」迫る-メキシコ地震|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-10|date=2017-9-10}}</ref>。{{Main|チアパス地震 (2017年)}} ** メキシコ政府、北朝鮮の[[北朝鮮の核実験 (2017年9月)|核実験強行]]に抗議し[[金炯吉]]駐メキシコ北朝鮮大使に[[ペルソナ・ノン・グラータ]]を通告。72時間以内に国外追放すると発表<ref>[https://mainichi.jp/articles/20170909/k00/00m/030/109000c メキシコ 北朝鮮大使を追放 72時間以内、核実験に抗議]毎日新聞 2017年9月8日</ref>。 * [[9月8日]] ** アメリカ在住の中国人富豪、[[郭文貴]]が6日に同国への亡命を申請していたことが判明。同氏は[[王岐山]][[中国共産党中央規律検査委員会|中央規律検査委員会]]書記の親族による不正蓄財疑惑を告発している反面、自身にも{{仮リンク|馬建|zh|马建 (政府官员)}}前[[中華人民共和国国家安全部|国家安全部]]副部長への贈賄の容疑で国際指名手配がかかっている<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170910220504/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017090801076&g=int|title=中国人富豪、米国に亡命申請=最高指導部の疑惑告発|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-10|date=2017-9-8}}</ref>。 ** オーストリア、{{仮リンク|ペルトシャッハ・アム・ヴェルターゼー|en|Pörtschach am Wörthersee}}で開催されている第24回[[ブラームス国際コンクール]]、[[ヴァイオリン]]部門で[[中村太地 (ヴァイオリニスト)|中村太地]]が1位になった。また、翌9日には[[ピアノ]]部門で[[神足麻由]]が2位になった<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.sankei.com/west/news/170909/wst1709090028-n1.html|title= 中村太地さんがバイオリン1位 ブラームス国際コンクール、北九州出身の27歳|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-9-10|date=2017-9-9}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=http://www.sankei.com/life/news/170910/lif1709100010-n1.html|title= ピアノ部門2位に神足麻由さん ブラームス国際コンクール|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-9-10|date=2017-9-9}}</ref>。 * [[9月9日]] ** [[YouTube]]、北朝鮮の宣伝サイト「わが民族同士」のアカウントを停止<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3142353|title=ユーチューブ、北朝鮮宣伝サイト「わが民族同士」のアカウントを停止|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-10|date=2017-9-10}}</ref>。 ** [[ウルグアイ]]、{{仮リンク|ラウル・センディック|en|Raúl Fernando Sendic Rodríguez}}副大統領がTwitterで辞意を表明。同氏は公営石油会社・{{仮リンク|ANCAP (ウルグアイ)|en|ANCAP (Uruguay)|label=ANCAP}}総裁時に会社のキャッシュカードを私的利用していた嫌疑が浮上していた<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.sankei.com/world/news/170910/wor1709100014-n1.html|title= 勤め先のカードで私的買い物… ウルグアイ副大統領が辞意表明|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-9-12|date=2017-9-10}}</ref>。 ** エジプト、[[ルクソール]]近郊の{{仮リンク|ドゥラ・アブル・ナガ|en|Dra' Abu el-Naga'}}共同墓地から、[[エジプト新王国|新王国]]時代に[[アモン]]神に仕えた金細工職人の墓地が発見。職人の妻や子供のミイラが発掘された<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3142347|title=古代エジプトの金細工職人の墓発見、内部にミイラ|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-12|date=2017-9-10}}</ref>。 ** ハリケーン・イルマが[[キューバ]]に上陸。カリブ海諸島でこれまでに25人が死亡。アメリカ、[[フロリダ州]]の630万人に避難命令が発布された<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3142334|title=ハリケーン「イルマ」 キューバから米フロリダ州へ 630万人に避難命令|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-10|date=2017-9-10}}</ref>。 ** [[国際移住機関]]、ミャンマーからバングラデシュに流れてきたロヒンギャ族難民がこの日までに29万人に達したと声明。船が沈没し多数の死者が出ているという<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.afpbb.com/articles/-/3142328|title=バングラデシュにロヒンギャ難民29万人流入=飢える子、泣き崩れる母|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-10|date=2017-9-9}}</ref>。 * [[9月10日]] - ミャンマー、アラカン・ロヒンギャ救世軍が停戦を宣言するもミャンマー政府は無視する構え。バングラディシュの{{仮リンク|アブル・ハサン・マハムード・アリ|en|Abul Hassan Mahmud Ali}}外相は過去2週間で30万人、累計70万人のロヒンギャ族が同国に難民として流れており、ラカイン州で[[ジェノサイド]]が行われているとの見方を示した<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.sankei.com/world/news/170911/wor1709110012-n1.html|title= ロヒンギャ武装集団が「停戦」表明 ミャンマー政府は拒否|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-9-12|date=2017-9-11}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3142368|title=バングラデシュ外相、ミャンマーで「大量虐殺」との見方|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-12|date=2017-9-11}}</ref>。 * [[9月11日]] ** [[国連安全保障理事会]]、北朝鮮に対する6度目の制裁決議を全会一致で採択。北朝鮮への石油精製品の供給、販売、移転に上限を定め、また[[コンデンセート]]や[[天然ガス]]液、繊維製品の全面禁輸、北朝鮮人労働者への就労許可発給の原則禁止などが定められた。ただ、[[金正恩]]朝鮮労働党委員長の資産凍結は見送られた<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170912013601/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017091200256&g=int|title=北朝鮮制裁決議の要旨|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-14|date=2017-9-12}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20170912-3C3I24Z7RZINJE5ME3O2ECR6QI/|title= 「画竜点睛」を欠いた決議、国際社会は時間との勝負に勝てず|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-9-14|date=2017-9-12}}</ref>。 ** グアテマラ、首都[[グアテマラシティ]]で大規模な犯罪グループの摘発作戦を展開。170人あまりが逮捕<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3142584|title=恐喝グループの摘発作戦で170人逮捕、中米グアテマラ|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-14|date=2017-9-12}}</ref>。 ** [[シンガポール]]、次期大統領に前国会議長の[[ハリマ・ヤコブ]]が、唯一立候補の要件を満たし無投票で当選。シンガポールで初の女性大統領となる<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170913231621/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017091200285&g=int|title=シンガポールで初の女性大統領=前議会議長ハリマ氏、無投票当選|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-14|date=2017-9-12}}</ref>。 ** スペイン監察当局、[[Facebook]]が利用者の同意なく個人情報を収集して広告に利用していたとして同社に約1億5千万円の罰金を科す<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170912051639/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017091200341&g=int|title=米フェイスブックに罰金=同意なく個人情報収集-スペイン|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-12|date=2017-9-11}}</ref>。 ** [[フォルクスワーゲン]]、2030年までに全車種を[[電気自動車]]や[[プラグインハイブリッドカー]]にすることを発表。[[ダイムラー (自動車メーカー)|ダイムラー]]も[[メルセデス・ベンツ]]を2022年までに電動化する計画を発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170913231345/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017091200270&g=int|title=VW、全車種で電動モデル=ベンツは22年までに|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-14|date=2017-9-12}}</ref>。 ** ミャンマー、ロヒンギャ族の問題で[[ザイド・ラード・アル・フセイン|ゼイド・ラアド・アル・フセイン]][[国際連合人権高等弁務官事務所|国連人権高等弁務官]]が「現状は民族浄化の典型例のように見える」と警告。同日、[[ダライ・ラマ14世]]が[[アウンサンスーチー]]に対し、平和的解決を求める書簡を送った<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3142469|title=国連、ミャンマーの状況は「民族浄化の典型例」 避難民は31万超に|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-12|date=2017-9-11}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3142475|title=ダライ・ラマ、スー・チー氏に「平和的解決」求める ロヒンギャ危機で|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-12|date=2017-9-11}}</ref>。 * [[9月12日]] ** 8日の[[トロント国際映画祭]]で芸能活動を休止することを宣言した[[レディー・ガガ]]が、自身のTwitterで[[線維筋痛症]]を患っていることを公表<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170915160436/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017091400163&g=int|title=「「線維筋痛症」を公表=休養宣言のガガさん-米|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-15|date=2017-9-14}}</ref>。 ** カンボジア、[[ラジオ・フリー・アジア]]が政府の圧力に伴い、[[プノンペン]]支局を閉鎖することを発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170915114123/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017091300185&g=int|title=米系放送局、プノンペン支局閉鎖=政権がメディア弾圧-カンボジア|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-15|date=2017-9-14}}</ref>。 ** [[タイ王国|タイ]]捜査当局、2012年に警官をひき逃げし死亡させた容疑で、[[レッドブル]]創設者、チャリアオ・ユーウィッタヤーの孫を国際指名手配した。同氏はタイ有数の資産家として知られており、再三の出頭命令を拒否してきた<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170913231725/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017091200976&g=int|title=「レッドブル」御曹司を国際手配=死亡ひき逃げ事件で-タイ|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-14|date=2017-9-12}}</ref>。 ** [[ペルー]]政府は[[キム・ハクチョル]]駐ペルー大使にペルソナ・ノン・グラータを通告。5日以内に国外追放すると発表。核実験強行に抗議。メキシコに次いで2カ国目<ref>[https://mainichi.jp/articles/20170912/k00/00e/030/216000c ペルー 核実験抗議、北朝鮮大使を追放へ メキシコに続き]毎日新聞 2017年9月12日</ref>。 ** ベルギー、11日に{{仮リンク|アルフレッド・ガダンヌ|fr|Alfred Gadenne}} [[ムスクロン]]市長が自宅近くで殺害された事件で、18歳の男を殺人の容疑で逮捕。男の父親が市の職員だったが、解雇され自殺したことが動機とされている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3142639|title=ベルギー市長の喉切り殺害、18歳少年を逮捕 父親の解雇で報復か|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-14|date=2017-9-12}}</ref>。 * [[9月13日]] ** 国際オリンピック委員会は[[ペルー]]、[[リマ]]にて開催した第131次総会に於いて、[[2024年夏季オリンピック]]を[[パリ]]、[[2028年夏季オリンピック]]を[[ロサンゼルス]]でそれぞれ開催することを委員の満場一致により正式決定した<ref>{{Cite press release |title= IOC makes historic decision by simultaneously awarding Olympic Games 2024 to Paris and 2028 to Los Angeles|publisher= INTERNATIONAL OLYMPIC COMMITTEE|date= 2017年9月13日|url= https://www.olympic.org/news/ioc-makes-historic-decision-by-simultaneously-awarding-olympic-games-2024-to-paris-and-2028-to-los-angeles|format= HTML|language= 英語|accessdate= 2017年9月14日}}</ref>。 ** グテレス国連総長及び国連安全保障理事会、イギリス、スウェーデン両国の呼びかけで非公式会合を開き、ロヒンギャ族問題で暴力の激化を相次いで非難し、ミャンマー政府に事態の改善を要求。一方、エジプトが提案した難民の「帰還する権利」を発表に盛り込むことはミャンマー政府を支持している中国の反対で見送られた<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170915114121/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017091400158&g=int|title=国連、ロヒンギャ問題を非難=ミャンマーに暴力停止要求-総長と安保理|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-15|date=2017-9-14}}</ref>。 ** [[赤十字国際委員会]]、イエメンでのコレラ感染の疑いがある者が64万7千人に上り、年末までに85万人に達するであろうという見方を示した。同国での死者は今週までに2065人に達している<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170915114147/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017091400023&g=int|title=イエメンでコレラ猛威、年内85万人に=赤十字、予想を上方修正|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-15|date=2017-9-14}}</ref>。 ** イスラエルの[[ベンヤミン・ネタニヤフ|ネタニヤフ]]首相、25日に行われるイラク北部[[クルディスタン地域|クルド人自治区]]の独立を問う住民投票を控え、独立を支持することを表明<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.afpbb.com/articles/-/3142808|title=「クルド人国家」支持=イスラエル首相|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-15|date=2017-9-13}}</ref>。 ** ケニア、ナイロビにある女学校の寮が放火され、生徒9人が死亡。当局は同級生である14歳の少女を殺人の容疑で訴追<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3142856|title=「学校を燃やしてやる」14歳少女が放火か、生徒9人死亡 ケニア|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-15|date=2017-9-14}}</ref>。 ** [[ニュージーランド]]、2011年に当選した中国出身の{{仮リンク|ジャン・ヤン|en|Jian Yang (politician)}}議員が中国で軍事および諜報の訓練を受けていたことが発覚し、同国のスパイ疑惑が浮上している<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3142802|title=ニュージーランド議員に中国のスパイ疑惑|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-15|date=2017-9-13}}</ref>。 * [[9月14日]] ** イラク、南部[[ジーカール県]][[ナーシリーヤ]]近郊の飲食店や検問所で武装集団による銃撃と車を使った自爆攻撃。15日までにイラン人7人を含む84人が死亡。93人が負傷。ISILが犯行声明<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3142965|title=銃撃と自爆で74人死亡 イラク南部、ISが犯行声明|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-15|date=2017-9-14}}</ref>。 ** タイ、南部[[ヤラー県]]で連続爆弾事件。兵士2人が死亡。27人が負傷<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170917032520/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017091501205&g=int|title=北タイ南部で連続爆発、2人死亡|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-17|date=2017-9-15}}</ref>。 ** [[国際連合人道問題調整事務所]]、[[ニジェール]]の3か月にわたる豪雨で洪水の被害が拡大しており、6月以降、今月11日までに少なくとも50人が死亡、12万人近くが避難していると報告<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3143017|title=ニジェール洪水、50人死亡・12万人避難 豪雨3か月続く|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-15|date=2017-9-15}}</ref>。 ** [[マレーシア]]、[[クアラルンプール]]にあるイスラム神学校で火災。25人が死亡。電気回路のショート、もしくは蚊取り装置が出火原因と見られている。現場の学校は窓に鉄格子があり、生徒らが逃げ遅れる原因となった。16日、警察当局は11〜18歳の少年7人を放火などの容疑で逮捕。少年たちは神学校の生徒にからかわれた恨みによる放火だと供述しているという<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3142846|title=マレーシアの神学校で火災、生徒ら23人死亡 窓の格子で脱出できず|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-15|date=2017-9-14}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170917032523/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017091700015&g=int|title=学校火災、少年7人逮捕=生徒ら23人死亡-マレーシア|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-17|date=2017-9-16}}</ref>。 * [[9月15日]] ** [[土星]][[宇宙探査機|探査機]][[カッシーニ (探査機)|カッシーニ]]が土星の大気圏に突入。午前11時55分を最後に連絡が途切れ、消滅した。生命存在の可能性がある衛星、[[タイタン (衛星)|タイタン]]、[[エンケラドゥス (衛星)|エンケラドゥス]]に、衛星に付着した微生物を持ち込ませないための処置であった<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3143152|title=探査機カッシーニ、土星に突入 20年の任務終了|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-17|date=2017-9-16}}</ref>。 ** イギリス、ロンドンの[[パーソンズ・グリーン駅]]にて、地下鉄車内に置かれていた手製の爆発物が爆発するテロ事件が発生。29人が負傷。ISILが犯行声明を出した。翌16日に[[ケント (イングランド)|ケント]]警察当局が[[ドーバー (イギリス)|ドーバー]]にて18歳の男を逮捕したと声明<ref>{{Cite news|title=ロンドン 地下鉄車内で不審物が爆発 テロ事件とみて捜査|publisher=NHK|date=2017-9-15|url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170915/k10011141131000.html|accessdate=2017-9-16}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3143212|title=英ロンドン地下鉄爆発、18歳男を逮捕 警察発表|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-17|date=2017-9-16}}</ref>。 ** [[ペルー]]、{{仮リンク|フェルナンド・サバラ|en|Fernando Zavala}}内閣への不信任決議が行われ、議会第一党の野党[[フエルサ2011]]の賛成により不信任が成立。サバラ内閣は総辞職<ref>{{Cite web|和書|url=https://mainichi.jp/articles/20170916/k00/00m/030/161000c|title=ペルー 内閣総辞職へ フジモリ派が不信任|publisher=毎日新聞社|accessdate=2017-9-20|date=2017-9-15}}</ref>。 * [[9月16日]] ** [[オックスフォード大学]]研究チーム、[[バクシャーリー写本]]に記された黒い点が、人類最古の[[0]]の使用例であると発表。同写本は[[放射性炭素年代測定]]によって、これまでの推定よりも500年ほど早い3〜4世紀に制作されたと判明<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3143151|title=最古の「ゼロ」文字、3〜4世紀のインド書物に 英大学が特定|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-17|date=2017-9-16}}</ref>。 ** エジプト最高裁、国家機密をカタールに漏洩した罪で[[ムハンマド・ムルシー]]前大統領に終身刑の判決<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170917032429/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017091600685&g=int|title=元大統領、機密漏えいで終身刑=エジプト|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-17|date=2017-9-16}}</ref>。 ** コンゴ民主共和国、[[南キヴ州]]{{仮リンク|カマニョラ|en|Kamananga}}で15日、隣国[[ブルンジ]]の難民と軍が衝突。軍が発砲し難民36人が死亡したと[[国際連合コンゴ民主共和国ミッション|国連コンゴ安定化派遣団]]が声明<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170920142053/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017091700222&g=int|title=軍、難民36人射殺=コンゴ|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-20|date=2017-9-17}}</ref>。 * [[9月17日]] ** 15日のロンドンでの地下鉄内爆発事件で、ロンドン西部[[ハウンズロー]]にて21歳の男を拘束<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170921000308/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017091700347&g=int|title=地下鉄テロで2人目拘束=警戒レベル引き下げ-英|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-20|date=2017-9-18}}</ref>。 ** [[ペルー]]の[[ペドロ・パブロ・クチンスキ|クチンスキ]]大統領、15日に総辞職したサバラ首相の後任に{{仮リンク|メルセデス・アラオス|en|Mercedes Aráoz}}第2副大統領を任命<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170920142221/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017091800221&g=int|title=新首相にアラオス氏=ペルーで新内閣発足|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-20|date=2017-9-18}}</ref>。 * [[9月18日]] ** [[スペイン]]政府は駐スペイン北朝鮮大使にペルソナ・ノン・グラータを通告。9月30日までに国外退去を要求。核実験強行に抗議。メキシコ、ペルーに次いで3カ国目。また、中東湾岸諸国で唯一国交がある[[クウェート]]も、駐在する外交官を大使から臨時代理大使に格下げすることを発表<ref>[http://sp.yomiuri.co.jp/world/20170919-OYT1T50038.html スペイン、北大使を国外退去…核・ミサイル抗議]読売新聞 2017年9月19日</ref><ref>{{Cite web|和書|url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170919/k10011147081000.html|title=クウェート 北朝鮮に「大使の駐在認めず」|publisher=NHK WEB NEWS|accessdate=2017-9-20|date=2017-9-19}}</ref>。 ** バングラデシュ、[[ダッカ]]で強硬派イスラム団体が主体となった2万人が、ロヒンギャ族問題でミャンマー政府に抗議のデモ。ミャンマー大使館を取り囲んで虐殺行為停止を訴えた<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170920142833/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017091800706&g=int|title=ミャンマー「虐殺」に抗議=バングラ首都に2万人、ロヒンギャ連帯デモ|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-20|date=2017-9-18}}</ref>。 * [[9月19日]] ** メキシコ、首都[[メキシコシティ]]に隣接する[[プエブラ州]]{{仮リンク|チアウトラ・デ・タピア|es|Municipio de Chiautla (Puebla)}}7km西方で午後1時14分、[[マグニチュード|M]]7.1の地震が発生。メキシコシティでは小学校が倒壊し、児童21人が死亡するなど、地震発生後72時間が経過した22日午後1時14分までに293人が死亡<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3143510|title=メキシコでM7.1の地震 100人超死亡、首都で複数の建物崩壊|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-20|date=2017-9-20}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170920005114/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017092000162&g=int|title=メキシコでM7.1、149人死亡=首都でも建物崩壊、多数下敷きに|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-20|date=2017-9-20}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3144007|title=メキシコ地震、「72時間」経過後も捜索継続 日本などの救助隊も活動|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-25|date=2017-9-23}}</ref>。{{Main|メキシコ中部地震}} ** ミャンマー、[[アウンサンスーチー]][[ミャンマーの国家顧問|国家顧問]]が首都[[ネピドー]]で国民向けに演説。ロヒンギャ族問題で国際的な調査を受け入れる用意があり、また難民の帰還にも前向きな姿勢を示した。この演説に{{仮リンク|陸慷|zh|陆慷}}[[中華人民共和国外交部報道局|中国外交部報道局長]]は評価を示す一方、グテレス国連事務総長は評価を保留し、ミャンマー政府の軍事活動停止を強く迫った<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170923050632/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017091900163&g=int|title=スー・チー氏、調査受け入れ示唆=ロヒンギャ帰還に前向き-ミャンマー|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-22|date=2017-9-19}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170923050634/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017091900999&g=int|title=スー・チー氏演説を評価=中国|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-22|date=2017-9-19}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170923002224/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017091901326&g=int|title=ミャンマーに軍事行動停止要求=スー・チー氏演説に「留意」-国連総長|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-22|date=2017-9-19}}</ref>。 * [[9月20日]] - [[核兵器禁止条約]]の署名式典が国連本部で行われ、51カ国が署名<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3143718|title=核兵器禁止条約、51か国・地域が署名 核保有国や日本は不参加|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-24|date=2017-9-21}}</ref>。 * [[9月21日]] ** トランプ大統領、北朝鮮と取引する企業・個人を対象とした制裁処置を行う大統領令に署名<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3143872|title=北朝鮮との取引企業に制裁、米大統領令の内容|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-26|date=2017-9-22}}</ref>。 ** バングラデシュ、[[コックスバザール]]でロヒンギャ族の難民支援物資を運んでいた赤十字のトラックが事故。9人が死亡、10人が負傷<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3143756|title=ロヒンギャ救援の赤十字トラックが事故、9人死亡|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-26|date=2017-9-21}}</ref>。 * [[9月22日]] ** インドネシアの災害当局、[[バリ島]]北東部[[アグン山]]の噴火の危険が高まったとして警戒レベルを最高位に引き上げ、付近の住人が避難<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170926235822/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017092201279&g=int|title=噴火可能性で9400人避難=インドネシア、警戒レベル最高に-バリ島|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-26|date=2017-9-23}}</ref>。 ** タイ、南部[[パッターニー県]]で幹線道路に仕掛けられた爆弾が爆発し、兵士4人が死亡、6人が負傷<ref>{{Cite web|和書|url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170922/k10011152251000.html|title=タイ南部 道路脇の爆弾が爆発 兵士ら10人死傷 テロか|publisher=NHK NEWS WEB|accessdate=2017-9-27|date=2017-9-22}}</ref>。 ** トルコ、[[ミス・ワールド]]に同国代表で選出された女性が[[2016年トルコクーデター未遂事件]]の犠牲者を称えるかのような内容のツイートをしていたとして、選出数時間後に主催者側によって選出を取り消された<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3144023|title=ミス・トルコ、王冠剥奪 自分の月経になぞらえクーデター未遂について投稿|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-27|date=2017-9-23}}</ref>。 ** リビア、[[サブラタ]]沖合で[[トリポリ]]から出港した移民船が難破。22日までに8人が死亡、90人以上が行方不明。船は西方[[ズワーラ]]に漂着し、35人が救出<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3143891|title=リビア沖で移民船難破、8人死亡 約90人不明|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-26|date=2017-9-22}}</ref>。 * [[9月23日]] ** イラン国営テレビ、新型の中型弾道ミサイルの発射実験に成功したと報道。同局によれば発射されたミサイルは22日に行われた軍事パレードでお披露目された中型多弾頭型の「{{仮リンク|ホッラムシャフル (ミサイル)|en|Hwasong-10#Iranian Khorramshahr|label=ホッラムシャフル}}」で、射程は2千kmだという<ref>{{Cite web|和書|url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170923/k10011153781000.html|title=イラン 弾道ミサイルの発射実験成功と発表|publisher=NHK NEWS WEB|accessdate=2017-9-27|date=2017-9-23}}</ref>。 ** サウジアラビア軍、イエメンの武装組織がサウジアラビア南部[[ハミース・ムシャイト]]に向けて弾道ミサイルを発射し、[[サウジアラビア空軍|空軍]]がこれを迎撃したと発表。ハミース・ムシャイトにはサウジアラビアを主力とするアラブ連合軍が[[フーシ|フーシ派]]の掃討作戦に用いている空軍基地がある<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3144096|title=イエメン武装勢力が弾道ミサイル発射、サウジ軍が迎撃|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-27|date=2017-9-24}}</ref>。 ** バングラデシュ当局、ラカイン州からのロヒンギャ族難民の流入がほぼ治まったと発表。これまでに43万人が流入し、同州国境沿いのロヒンギャ族はほぼ全員が避難したと見られる<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3144075|title=ロヒンギャのバングラデシュ大量流入が停止、ほぼ全員が避難か|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-28|date=2017-9-24}}</ref>。 * [[9月24日]] ** [[スイス]]、安定した食料供給のために農業生産の基盤維持や輸入の調整といった食料安全保障に関する条文を憲法に明記するかの国民投票が行われ、賛成多数で可決<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.sankei.com/world/news/170925/wor1709250003-n1.html|title=スイス、食料安保の憲法明記へ 国民投票で可決|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-9-30|date=2017-9-25}}</ref>。 ** バングラデシュ当局、同国に流入したロヒンギャ族難民の携帯電話使用、および業者による販売を禁ずる処置を発布<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3144095|title=バングラデシュ、ロヒンギャの携帯電話使用を禁止|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-28|date=2017-9-24}}</ref>。 * [[9月25日]] ** [[マレーシア]]外務省、同国民の北朝鮮渡航を禁止する処置を発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20170929044145/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017092800754&g=int|title=北朝鮮への渡航禁止=マレーシア|publisher=時事通信社|accessdate=2017-9-29|date=2017-9-25}}</ref>。 ** ミャンマー政府、ラカイン州で[[ヒンドゥー教|ヒンドゥー教徒]]17人の埋葬された遺体を発見。前日にも28人の遺体が発掘されており、政府はアラカン・ロヒンギャ救世軍に殺害されたと声明。同地域では政府とロヒンギャ族の抗争激化が宗教紛争に発展し、仏教徒やヒンドゥー教徒3万人が武装組織の攻撃から避難しているという<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3144288|title=エチオピアで民族間の衝突、数百人死亡 避難者も数万人か|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-29|date=2017-9-26}}</ref>。 * [[9月26日]] ** サウジアラビア、2018年6月から女性の自動車運転が解禁される勅令を発布<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3144453|title=サウジ、女性の運転解禁へ 歴史的決定、2018年6月から|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-30|date=2017-9-26}}</ref>。 ** メキシコ、[[チワワ州]][[シウダー・フアレス]]にある麻薬患者のリハビリテーション施設を武装組織が襲撃。14人が死亡<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3144550|title=麻薬中毒者のリハビリ施設を武装集団が襲撃、14人死亡 メキシコ|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-1|date=2017-9-27}}</ref>。 ** [[バヌアツ]]、北部{{仮リンク|アンバエ島|en|Ambae Island}}の[[マナロ山]]の火山活動が活発化。同国政府は「中規模の噴火」を示すレベル4に警戒レベルを定め、非常事態宣言を発動。同島の住民の7割にあたる7000人が避難<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3144439|title=太平洋の島国バヌアツ、火山噴火で非常事態を宣言 住民数千|accessdate=2017-9-30|date=2017-9-27}}</ref>。 ** フィリピン、[[マラカニアン宮殿]]の敷地内にある施設で、ドゥテルテ大統領の警護隊に所属する将校が銃殺。現場に荒らされた形跡がなく、事件性は不明<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3144406|title=警護隊所属の将校、銃弾を胸に受け死亡 比大統領府の敷地内で|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-30|date=2017-9-26}}</ref>。 * [[9月27日]] ** 国連、これまで把握しきれなかった分を加算してバングラデシュに避難してきたロヒンギャ族の推計を、48万と修正<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3144454|title=ロヒンギャ難民、48万人に 国連が推計引き上げ|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-30|date=2017-9-27}}</ref>。 ** 今月10日にアメリカに上陸した[[ハリケーン・イルマ]]での死者が72人と判明。カリブ海諸島を含めると、少なくとも112人が死亡した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3144530|title=ハリケーン「イルマ」、米フロリダ州の死者72人と判明|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-1|date=2017-9-27}}</ref>。 ** イギリスとイラクの合同調査団、紀元前331年に[[アレキサンダー大王]]がペルシア遠征の際に建築し拠点としていた{{仮リンク|カラトガ・ダルバンド|fr|Qalatga Darband}}の場所をイラク北部・{{仮リンク|ランヤ|en|Ranya}}近郊に特定したと発表<ref>{{cite web|url=http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-4916678/Lost-city-Alexander-Great-2-000-years-later.html|title=Lost city of Alexander the Great is found in Iraq using US spy footage of the area captured in the 1960s|publisher=DAYLY MAIL|accessdate=2017-10-1|date=2017-9-27|language=en}}</ref>。 ** イラク、25日に実施された[[クルディスタン地域|クルド人自治区]]の独立を問う住民投票で、クルド自治政府は独立支持が圧倒的多数に達したと発表。賛成票は92.73%、投票率は72.61%。投票結果に法的拘束力はない<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3144625|title=イラクのクルド独立、93%が賛成 住民投票の結果発表|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-1|date=2017-9-27}}</ref>。{{Main|2017年クルディスタン地域独立住民投票}} ** ウクライナ、[[ヴィーンヌィツャ州]][[カルィーニウカ (カルィーニウカ地区)|カルィーニウカ]]近郊にある軍の武器庫が爆発。2人が負傷。3万人が一時避難。軍検察は破壊工作である可能性について捜査を開始したと発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3144626|title=ウクライナで武器庫爆発、3万人超避難 「破壊工作」か|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-29|date=2017-9-28}}</ref>。 ** タイ最高裁判所、国外に逃亡したインラック前首相に同氏不在のまま、禁錮5年の判決を言い渡した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3144591|title=タイの最高裁、国外逃亡した前首相に禁錮5年の判決|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-1|date=2017-9-27}}</ref>。 ** [[2018年平昌オリンピック|平昌五輪]]公式HPに掲載された世界地図から日本列島と[[樺太]]が抜け落ちており、日本政府が訂正を要求。同日中に訂正<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20170927-U2KIY7NI3ZJZXBQWJTVNJAXQGQ/|title=公式サイトに日本列島がない!? 日本政府が抗議し慌てて修正 「単純ミスで政治的意図はない」と釈明|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-9-30|date=2017-9-27}}</ref>。 ** ロシア、[[化学兵器禁止条約]]に基づき、国内の化学兵器廃棄が完了したと発表。同時に、アメリカを未だ履行していないと非難<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20171001121841/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017092800012&g=int|title=化学兵器の廃棄完了=義務不履行と対米批判-ロシア|publisher=時事通信社|accessdate=2017-10-1|date=2017-9-28}}</ref>。 * [[9月28日]] ** ISIL、[[アブー・バクル・アル=バグダーディー|バグダーディー]]最高指導者の肉声録音とする音声を公開<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3144790|title=IS最高指導者の「肉声」公開 構成員に抵抗呼び掛け|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-29|date=2017-9-28}}</ref>。 ** 国連安全保障理事会、ミャンマー・ロヒンギャ族の問題で公開会合。難民が50万人を突破したことを踏まえ、グテレス事務総長は「人道と人権における悪夢」とミャンマー政府に事態収拾を強く求めた。ベイリー米国連大使も、少数民族浄化だとミャンマー政府指導部を非難<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3144858|title=ロヒンギャ難民が50万人以上に、「人道と人権の悪夢」国連総長|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-1|date=2017-9-29}}</ref>。 ** イラク、クルド人自治区の中心都市・[[アルビール]]の[[アルビール国際空港|空港]]への全ての国際便運航を29日から停止することを発表。[[ターキッシュ エアラインズ]]、[[エジプト航空]]、[[ミドル・イースト航空]]などはすでに同政府の要請を受けて運航を停止<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3144745|title=クルド自治区の中心都市発着の国際便、29日から運航停止へ イラク|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-9-30|date=2017-9-28}}</ref>。 ** バングラデシュの[[ベンガル湾]]沖でロヒンギャ族を乗せたボートが転覆。少なくとも24人が死亡、40人以上が行方不明<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3144943|title=バングラ沖でロヒンギャ乗ったボート転覆、死者60人超か IOM|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-1|date=2017-9-29}}</ref>。 * [[9月29日]] ** [[有志連合]]、モスル奪還作戦でのイラク軍戦死者が2016年10月から今年7月までの間に1200人〜1500人に上り、負傷者も8000人ほどになったことを発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3144977|title=モスル奪還作戦、イラク政府側の戦死者は1200人以上 有志連合発表|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-2|date=2017-9-30}}</ref>。 ** アメリカ政府、緊急要員を除いて音波による健康被害が出ている在キューバ大使館の館員やその家族を、退去させることを発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20171003124849/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017093000013&g=int|title=在キューバ大使館員、大部分撤収=米、「音波攻撃」で措置|publisher=時事通信社|accessdate=2017-10-2|date=2017-9-30}}</ref>。 * [[9月30日]] ** カナダ、[[アルバータ州]][[エドモントン]]で車両暴走による襲撃事件。[[コモンウェルス・スタジアム (エドモントン)|コモンウェルス・スタジアム]]付近で勤務中の警官を車で跳ね飛ばし、さらに下車して刃物で刺撃。そのまま逃走すると別の車で同市中心部に現れ、通行人に次々と激突した後、横転して身柄を拘束された。警官を含めて4人が負傷。実行犯は難民申請をしていたソマリア人で、自宅からはISILの旗が押収されている。[[ジャスティン・トルドー]]首相はテロ事件と断定<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3145089|title=カナダで「テロ」、男が警官や歩行者ら次々襲う 車からISの旗|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-3|date=2017-10-2}}</ref>。{{Main|en:2017 Edmonton attack}} ** スウェーデン、[[イェーテボリ]]で[[ネオナチ]]団体・{{仮リンク|スウェーデン抵抗運動|en|Nordic Resistance Movement}}600人による反ユダヤ集会が強行され、それを阻止すべく集まった反対派1万人と衝突。抵抗運動のリーダーら50人ほどが逮捕され、反対派数人が負傷<ref>{{cite web|url=https://www.washingtonpost.com/world/neo-nazi-rally-in-sweden-ends-in-clashes-between-police-and-counterprotesters/2017/09/30/711bb76e-a5ff-11e7-b573-8ec86cdfe1ed_story.html|title=Neo-Nazi rally in Sweden leads to injuries, arrests|publisher=ワシントン・ポスト|accessdate=2017-10-2|date=2017-9-30|language=en}}</ref>。 === 10月 === * [[10月1日]] ** [[2017年ラスベガス・ストリップ銃乱射事件]]で59人死亡<ref>{{Cite web|和書|date=2017年10月3日 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3145259 |title=ラスベガス銃乱射、容疑者の家から爆発物や銃弾押収 死者59人に |work=AFPBB News |publisher=AFP |accessdate=2018-04-19}}</ref>。 ** [[ワシントン・ポスト]]紙、昨年8月にエジプト沖で拿捕、押収された北朝鮮製[[対戦車ロケット弾]]約3万発の買い手がエジプト国内の企業だったと報道<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.sankei.com/world/news/171002/wor1710020019-n1.html|title= 北朝鮮製武器エジプト向け 押収のロケット弾3万発|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-10-3|date=2017-10-2}}</ref>。 ** カメルーン、[[北西州 (カメルーン)|北西州]]、[[南西州]]といった旧[[イギリス領カメルーン]]の各都市で、分離独立派によるデモ隊と警察当局との衝突。少なくとも7人が死亡<ref>{{cite web|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3145161|title=カメルーン英語圏が「独立宣言」 治安部隊との衝突で7人死亡|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-3|date=2017-10-2}}</ref>。 ** スペインの[[カタルーニャ州]]で[[2017年カタルーニャ独立住民投票|独立を問う住民投票]]を実施。州政府は翌日未明に賛成票が9割に達したとし[[カルラス・プッチダモン|プッチダモン]]州首相が勝利宣言、ラホイ首相は住民投票そのものの存在を否定。投票を阻止すべく警察当局が投票所に実力行使に出るなど、92人が負傷<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3145095|title=カタルーニャ独立投票、賛成派が9割で「勝利」|work=AFPBB News|publisher=[[フランス通信社]]|date=2017-10-02|accessdate=2017-10-02}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3145093|title=カタルーニャ住民投票、スペイン警察の暴力的対応に国内外から非難|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-3|date=2017-10-2}}</ref>。 ** フランス、[[マルセイユ・サン・シャルル駅]]で刃物による襲撃事件。2人が死亡。実行犯もその場で射殺。30代で犯罪歴があるという実行犯は、襲撃時に「[[アッラーフ・アクバル]]」と叫んでおり、ISILが犯行声明を出している<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3145088|title=仏マルセイユの駅で刃物男が女性2人を殺害、ISが犯行声明|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-3|date=2017-10-2}}</ref>。 * [[10月2日]] ** エクアドル、ブラジル建設大手の{{仮リンク|オデブレヒト|en|Odebrecht}}社関連汚職の容疑で、{{仮リンク|ホルヘ・グラス|en|Jorge Glas}}副大統領が逮捕<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.nikkeyshimbun.jp/2017/171004-02topics.html|title=エクアドル=グラス副大統領を逮捕=ブラジル建設大手、オデブレヒト社関連汚職の嫌疑で|publisher=ニッケイ新聞|accessdate=2017-10-4|date=2017-10-4}}</ref>。 ** [[ラーミー・ハムダッラー]] [[パレスチナ自治政府]][[パレスチナの首相|首相]]、[[ガザ]]を訪問し、[[ハマース]]率いる[[ガザ政府]]との和議に向けた協議を始めた。両政府は10年余り分裂状態にあった<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.asahi.com/articles/ASKB32FBPKB3UHBI004.html|title=パレスチナ首相、ガザ訪問 ハマスとの和解協議開始|publisher=朝日新聞社|accessdate=2017-10-4|date=2017-10-4}}</ref>。 * [[10月4日]] ** カンボジア、[[カンボジア救国党]]所属の国会議員55人のうち半数近くが、[[ケム・ソカー]]党首の逮捕など当局の締め付け強化を避けるために国外逃亡したことが判明<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3145555|title=カンボジア、野党議員半数が政府の締め付け逃れ出国|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-6|date=2017-10-5}}</ref>。 ** トルコ、[[ムーラ県]]の裁判所は、[[2016年トルコクーデター未遂事件]]でエルドアン大統領の暗殺を企てた罪に問われていた40人の被告について、うち複数の軍幹部を含む被告31人に対してはそれぞれ4回、残りの9人には1回の終身刑を下した。同事件の判決は初めて<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3145558|title=トルコのクーデター未遂、大統領暗殺計画で軍幹部ら40人に終身刑|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-6|date=2017-10-5}}</ref>。 ** [[ロシア国防省]]、シリアへの空爆でシリア征服戦線の指揮官12名が殺害されたと発表。最高指導者の{{仮リンク|アブ・ムハンマド・ジャウラニ|en|Abu Mohammad al-Julani}}も瀕死の重傷だという<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3145521|title=元アルカイダ傘下の過激派組織指導者、ロシアの空爆で「危篤」 シリア|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-5|date=2017-10-4}}</ref>。 * [[10月5日]] ** 国連、サウジアラビア主導有志連合がイエメン紛争で子供の殺害、傷害を行ったとして[[ブラックリスト]]に追加した。有志連合は去年も追加されていたが、資金提供を盾に撤回させていた<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3145789|title=サウジ主導連合、国連のブラックリスト入り イエメンで子ども殺害|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-7|date=2017-10-6}}</ref>。 * [[10月6日]] ** アメリカ国務省、サウジアラビアに[[THAADミサイル]]を約1兆7000億円で売却することを承認したと発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3145908|title=米、サウジにTHAAD売却へ 約1兆7000億円|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-8|date=2017-10-7}}</ref>。 ** フィリピン、[[ブラカン州]][[サン・ホセ・デル・モンティ]]で同市水道施設の200万リットル入り貯水タンクが破裂。家屋60軒が流され、翌日までに4人が死亡、44人が負傷<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.manila-shimbun.com/category/society/news233471.html|title=ブラカン州サンホセデルモンテ市で貯水タンクが爆発し、住民3人死亡、44人負傷|publisher=まにら新聞ウェブ|accessdate=2017-10-8|date=2017-10-7}}</ref>。 * [[10月7日]] ** [[ガーナ]]、首都[[アクラ]]の郊外レゴンにある液化ガスの給油所で、天然ガスを積んだタンクローリーに引火し爆発。給油所と近接していたガソリンスタンドに類火して大爆発となり、少なくとも7人が死亡、130人以上が負傷<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3146003|title=タンクローリー火災で2つの給油所巻き込む大爆発、7人死亡 ガーナ|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-10|date=2017-10-9}}</ref>。 ** デンマーク警察、自作潜水艇の取材中に行方不明となり、8月21日に胴体部が発見されたスウェーデン人ジャーナリスト、キム・ウォールの頭部および脚部の遺体を[[キューゲ]]湾の海底で発見し本人と断定したと発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3145950|title=女性の頭部と脚を発見、スウェーデン人ジャーナリストと判明 デンマーク|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-9|date=2017-10-8}}</ref>。 * [[10月8日]] ** ベトナム、北部および中部6省で総雨量400ミリを超える豪雨による土砂災害、河川の氾濫が発生。13日までに54人が死亡。39人が行方不明。住宅3万3000棟が浸水または損壊し、広大な農地が壊滅状態になるなどの被害が出ている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3146726|title=ベトナム豪雨災害、死者54人に|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-15|date=2017-10-14}}</ref>。 ** ミャンマーとバングラデシュとの国境沿いにある{{仮リンク|ナフ川|en|Naf River}}で、ロヒンギャ族難民を乗せたボートが転覆。ボートには定員を大きく超える100人ほどが乗っており、10日までに23人が死亡、多数の行方不明者が出ている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3146036|title=ロヒンギャ難民乗せたボートが転覆、12人死亡 多数が行方不明に|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-10|date=2017-10-9}}</ref>。 * [[10月9日]] ** 国連安保理の北朝鮮制裁委員会、国連の制裁決議で禁止されている物品を輸送していたとして、今月5日付で北朝鮮船籍含む船舶4隻を対象に世界中の港への入港を禁止する処置を発動<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3146074|title=北朝鮮船籍含む船舶4隻に入港禁止措置、制裁決議違反で 国連|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-11|date=2017-10-10}}</ref>。 ** [[ナミビア]]、{{仮リンク|ブワブワータ国立公園|en|Bwabwata National Park}}で、ここ1週間で[[カバ]]100頭以上が死亡していることが判明。{{仮リンク|ポハンバ・シフェタ|en|Pohamba Shifeta}}同国環境相は、[[炭疽症]]感染が原因と見ている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3146060|title=ナミビアで炭疽発生か カバ100頭以上死ぬ|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-11|date=2017-10-10}}</ref>。 * [[10月10日]] ** アメリカ海軍の[[ミサイル駆逐艦]][[チェイフィー (ミサイル駆逐艦)|チェイフィー]]が[[西沙諸島]]付近を航行し、中国を牽制<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20171017145913/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017101100180&g=int|title=西沙沖で「航行の自由作戦」=中国の海洋進出けん制-米軍|publisher=時事通信社|accessdate=2017-10-12|date=2017-10-11}}</ref>。 ** スペイン・[[カタルーニャ州]]のプッチダモン州首相が同州を[[カタルーニャ共和国]]とする[[カタルーニャ独立宣言|独立宣言]]に署名。直後に凍結<ref name=bbc41577609>{{Cite news|url=http://www.bbc.com/japanese/41577609|title=カタルーニャ指導者ら、独立宣言に署名 施行は延期|work=BBC News|publisher=[[英国放送協会|BBC]]|date=2017-10-11|accessdate=2017-10-11}}</ref>。 ** [[トルクメニスタン]]の[[グルバングル・ベルディムハメドフ]][[トルクメニスタンの大統領|大統領]]、これまで無料だったガス・電気・水道をはじめとする公共料金の支払いを、国民に義務付ける法律に署名<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3146212|title=トルクメニスタン、無料だったガス・電気・水道代がついに有料化へ|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-11|date=2017-10-10}}</ref>。 ** マレーシア、[[シャー・アラム]]高等裁判所で[[金正男]]殺害事件の裁判が行われ、同氏遺体の顔面から致死量を超える[[VXガス]]が検出されたことや、事件の2日前に被告が何者かに対して予行演習をしていたとみられる様子を防犯カメラが捉えていたことの証言があった<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3146201|title=金正男氏の顔に致死量超えるVX、被告は予行練習も 裁判で証言|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-11|date=2017-10-10}}</ref>。 ** メキシコ、[[ヌエボ・レオン州]]{{仮リンク|カデレイタ・ヒメネス|en|Cadereyta Jiménez, Nuevo León}}の刑務所内で暴動。受刑者たちが看守を人質に取り放火。その後の鎮圧で受刑者13人が死亡、26人が負傷<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3146306|title=メキシコ刑務所で暴動、治安部隊が鎮圧 受刑者39人死傷|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-12|date=2017-10-11}}</ref>。 * [[10月12日]] ** [[アラブ首長国連邦]]、北朝鮮の国民に対する査証の新規発行と、北朝鮮企業への免許の新規発行を停止すると発表<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.sankei.com/world/news/171013/wor1710130014-n1.html|title=UAE、北朝鮮ビザ停止 河野太郎外相が制限要請|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-10-14|date=2017-10-13}}</ref>。 ** エジプト、カイロにてパレスチナ自治政府とハマース率いるガザ政府とがエジプトの仲介の下、10年に及ぶ分裂を解消することを目指した和解協議で合意。今年12月1日までにガザ地区の統治がパレスチナ自治政府に統合される予定となった<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3146519|title=パレスチナ自治政府、12月1日から再びガザを統治下に ハマスと和解|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-14|date=2017-10-13}}</ref>。 ** パキスタン軍、2012年に[[アフガニスタン]]で[[ターリバーン]]に拉致されていたカナダ人男性とアメリカ人女性の夫婦、そして監禁中に出生した3人の子供を救出したと発表<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.asahi.com/articles/ASKBF12ZCKBDUHBI036.html|title=米・カナダの人質5人を救出 パキスタン軍|publisher=朝日新聞社|accessdate=2017-10-14|date=2017-10-13}}</ref>。 * [[10月13日]] ** [[国際連合教育科学文化機関]]、[[イリナ・ボコヴァ]]事務局長の後任を決める投票が行われ、[[オードレ・アズレ]]前フランス[[文化・通信省|文化相]]が、{{仮リンク|ハマド・ビン・アブドルアジズ・カワリ|en|Hamad Bin Abdulaziz Al-Kawari}}前カタール{{仮リンク|文化相|en|Ministry of Culture, Arts and Heritage (Qatar)}}を破り当選<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3146708|title=ユネスコ、次期事務局長にアズレ仏前文化相 カタールのカワリ氏破る|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-15|date=2017-10-14}}</ref>。 ** トランプ大統領、ホワイトハウスでの演説で[[イランの核開発問題]]において、2015年に欧米諸国との間で交わした核開発を制限する見返りに経済制裁を解除する合意をイランが遵守しているとは認定できないと非難し、合意離脱を問う議会に通告。[[イスラム革命防衛隊]]への制裁強化を指示した一方、一部の議員が提唱していた同組織のテロ組織指定には至らなかった。演説を受けて、イラン・ロウハニ大統領は反発の姿勢を見せた<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3146696|title=トランプ氏、対イラン強硬戦略を表明 核合意の認定撤回|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-15|date=2017-10-14}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3146698|title=イラン大統領、トランプ氏演説に猛反発 米は「核合意反対で孤立」|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-15|date=2017-10-14}}</ref> ** ケニア、大統領選の再投票を受けて各地でデモ隊が警察隊と衝突。野党・[[ライラ・オディンガ]]候補の地元[[ニャンザ州]][[ボンド (ケニア)|ボンド]]では2人が警察に射殺。他にも銃撃された4人を含む20人ほどが[[キスム]]の病院に搬送されたという<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3146699|title=ケニアでデモ隊2人射殺 大統領選めぐり警察と野党支持派が衝突|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-15|date=2017-10-14}}</ref>。 * [[10月14日]] ** [[コートジボワール]]、[[アビジャン]]海岸にフランス軍がチャーターした輸送機が墜落。[[モルドバ]]人4人が死亡、仏軍兵士3人を含む6人が負傷<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3146786|title=「バルカン作戦」支援の輸送機が墜落、4人死亡 コートジボワール|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-16|date=2017-10-15}}</ref>。 ** ソマリアの首都[[モガディシュ]]のホテルの前で爆発物を積んだトラックが爆発。多くの市民らが倒壊した建物の下敷きになり、358人が死亡、56人が安否不明<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.asahi.com/sp/articles/ASKBP4R4LKBPUHBI00K.html |title=ソマリア爆発、大統領「戦争状態」宣言へ 死者358人|date=2017-10-20 |publisher=朝日新聞|accessdate=2017-10-21}}</ref>。{{Main|en:14 October 2017 Mogadishu bombings}} * [[10月16日]] ** 米韓軍、日本海で空母[[ロナルド・レーガン (空母)|ロナルド・レーガン]]などが参加する合同軍事演習を開始<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.asahi.com/articles/ASKBJ2HJNKBJUHBI005.html|title=米韓合同軍事演習始まる 原子力空母・潜水艦など参加|publisher=朝日新聞社|accessdate=2017-10-17|date=2017-10-16}}</ref>。 ** パキスタン、[[連邦直轄部族地域]]{{仮リンク|クッラム管区|en|Kurram Agency}}で米軍所属と見られる軍事用[[無人航空機]]が武装組織の隠れ家を襲撃。20人が死亡。ターリバーンの一派、[[ハッカーニ・ネットワーク]]幹部を狙った攻撃と見られている<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.sankei.com/world/news/171017/wor1710170016-n1.html|title=ドローン攻撃で20人死亡 タリバン一派狙った米軍か|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-10-17|date=2017-10-16}}</ref>。 ** [[フィリピン]]の[[デルフィン・ロレンザーナ]]国防相、[[ミンダナオ島]]での掃討作戦でISIL系過激派組織「[[アブ・サヤフ]]」指導者の[[イスニロン・ハピロン]]と、同じく「[[マウテ]]」指導者の[[オマル・マウテとアブドゥラ・マウテ|マウテ兄弟]]の兄オマルを殺害したと発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3146883|title=比ミンダナオの過激派指導者が死亡、国防相 数日内に戦闘終結宣言も|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-17|date=2017-10-16}}</ref>。 ** [[マルタ]]、ジャーナリストの[[ダフネ・カルーアナ・ガリジア]]が、{{仮リンク|セント・ポールズ・ベイ地区|en|St. Paul's Bay}}{{仮リンク|ビドニジャ|en|Bidnija}}にある自宅付近で自動車爆弾に巻き込まれて死亡。同氏は[[パナマ文書]]を元に[[ジョゼフ・ムスカット]]同国[[マルタの首相|首相]]の妻が[[パナマ]]に会社を置き、[[アゼルバイジャン]]首脳の親族からマルタでの銀行免許付与の見返りとして報酬を得ていた疑惑を報道していた<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3146972|title=マルタの著名ジャーナリスト爆殺 首相周辺の汚職疑惑を追及|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-17|date=2017-10-17}}</ref>。同年12月4日、事件の容疑者10人が逮捕された<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20180225144759/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017120400922|title=マルタで容疑者10人逮捕=パナマ文書報道の女性記者爆殺|publisher=[[時事通信社]]|date=2017-12-04|accessdate=2018-02-24}}</ref>。 * [[10月17日]] ** 国連、8月末からパキスタンに流入したロヒンギャ族難民の数値を58万2000人に修正<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3147086|title=バングラデシュに避難のロヒンギャ、58万人超に 国連発表|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-18|date=2017-10-17}}</ref>。 ** アフガニスタン、[[パクティヤー州]]{{仮リンク|ガルデーズ|en|Gardez}}にある警察関連施設を武装組織が襲撃。銃撃と自爆攻撃で41人が死亡、158人以上が負傷。交戦の末、襲撃者も全員が死亡。また、[[ガズニー州]]でも奇襲攻撃があり、治安当局者25人と市民5人が死亡、10人が負傷。いずれもターリバーンが犯行声明<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3147116|title=アフガンで治安当局襲撃相次ぐ、計71人死亡|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-19|date=2017-10-18}}</ref>。 ** フィリピン、ドゥテルテ大統領がミンダナオ島[[マラウィ (ラナオ・デル・スル州)|マラウィ]]にて、前日の武装組織指導者の殺害を受けて同市の解放を宣言<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3147063|title=フィリピン南部マラウィ、「テロリストから解放」と大統領が宣言|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-18|date=2017-10-17}}</ref>。 * [[10月18日]] ** カナダ、[[ケベック州]]で公共施設や交通機関、および公務員などの[[ブルカ]]、{{仮リンク|ニカーブ|en|Niqāb}}の着用を禁ずる法律が採択。同様の法律が北米で採択されるのは初めて<ref>{{Cite web|和書|url=https://sputniknews.jp/20171019/4200999.html|title=カナダ、北米で初めてブルカの着用禁止|publisher=スプートニク|accessdate=2017-10-20|date=2017-10-19}}</ref>。 * [[10月19日]] ** アフガニスタン、[[カンダハール州]]{{仮リンク|ワイマンド地区|en|Maywand District}}にあった軍事基地を武装組織が襲撃。自動車爆弾と銃撃によって兵士少なくとも43人が死亡、9人が負傷、6人が行方不明。無事だった者は2人しかおらず、基地内施設は破壊された。ターリバーンが犯行声明<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3147358|title=アフガン軍事基地に襲撃、兵士52人死傷 タリバンが犯行声明|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-20|date=2017-10-19}}</ref>。 ** ミャンマー、[[ヤンゴン]]近郊の{{仮リンク|カンドージー・パレス・ホテル|en|Kandawgyi Palace Hotel}}で火災。建物は全焼し、日本人男性1人が死亡<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3147316|title=外国人に人気の高級ホテルで火災、日本人男性1人死亡 ミャンマー|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-20|date=2017-10-19}}</ref>。 * [[10月20日]] ** アフガニスタンで、首都[[カブール]]や[[ゴール州]]などのモスクが相次いで襲撃され、少なくとも72人が死亡<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20171022032435/https://www.jiji.com/sp/article?k=2017102100001&g=isk |title=モスク襲撃で72人死亡=ISが一部犯行声明-アフガン|date=2017-10-21 |publisher=時事通信|accessdate=2017-10-21}}</ref>。 ** エジプト、{{仮リンク|西方砂漠|en|Western Desert (Egypt)}}地帯の{{仮リンク|バハレイヤ・オアシス|en|Bahariya Oasis}}でイスラム過激派組織と軍・警察が交戦し、少なくとも35人が死亡。{{仮リンク|ハスム運動|en|Hasm Movement}}が犯行声明<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3147561|title=エジプト西部で兵士、警察官35人死亡 イスラム過激派組織「ハスム」が犯行声明|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-21|date=2017-10-20}}</ref>。 ** [[シリア民主軍]]、[[ISIL]]が首都とする[[ラッカ]]の解放を正式に発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://mainichi.jp/articles/20171021/k00/00m/030/086000c |title=ラッカ解放 シリア民主軍が正式発表|date=2017-10-20 |publisher=毎日新聞|accessdate=2017-10-21}}</ref>。{{Main|en:Battle of Raqqa (2017)}} ** ノルウェー、[[エルナ・ソルベルグ]]内閣が内閣改造。外相に{{仮リンク|イネ・エリクセン・スールアイデ|en|Ine Marie Eriksen Søreide}}国防相が就任し、[[シーヴ・イェンセン]]財務相と合わせて、内閣の三役に女性が揃うこととなった<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3147579|title=ノルウェー内閣改造、「政権トップ3」が女性に|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-22|date=2017-10-21}}</ref>。 ** [[マラウイ]]、[[ブランタイヤ]]で[[吸血鬼]]の疑いをかけられた男性2人が自警団に殺害され、警察当局は124人を逮捕。マラウイでは吸血鬼が儀式の血を集めているという迷信が伝播しており、夜間外出禁止令が出ている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3147529|title=マラウイ吸血鬼騒動 自警団のリンチで2人死亡、124人逮捕|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-22|date=2017-10-21}}</ref>。 ** ポーランド、[[ウッチ県]]{{仮リンク|東ウッチ郡|en|Łódź East County}}{{仮リンク|スタロワ・ウォラ|en|Starowa Góra}}のショッピングモールで、男が刃物を振り回し買い物客を次々と襲撃し、女性1人が死亡、7人が負傷。男は現場付近で取り押さえられた<ref>{{Cite web|和書|url=https://mainichi.jp/articles/20171021/k00/00m/030/197000c |title=ポーランド 刃物で襲撃1人死亡、7人負傷 男取り押さえ|date=2017-10-21 |publisher=毎日新聞|accessdate=2017-10-21}}</ref>。 * [[10月21日]] ** [[世界保健機関]]の[[テドロス・アダノム]]事務局長、アフリカにおける非伝染性疾病対策を支援する親善大使に[[ロバート・ムガベ]][[ジンバブエ|辛]][[ジンバブエの大統領|大統領]]を任命。同国を医療・保険制度が行き渡った国だと絶賛した。このことにアメリカ、イギリス、カナダなどが反発。トルドー首相は「質の悪いジョークだ」と非難。23日に撤回した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3147703|title=ムガベ大統領のWHO親善大使任命、非難殺到で撤回|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-24|date=2017-10-23}}</ref>。 ** スペイン、カタルーニャ州の自治権をカタルーニャ自治州政府から奪う「自治権の停止」を閣議決定。月内の上院承認を以て発動<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.asahi.com/articles/ASKBP6VFGKBPUHBI015.html|title=カタルーニャ、自治権停止へ スペイン政権閣議決定|publisher=朝日新聞社|accessdate=2017-10-23|date=2017-10-22}}</ref>。 * [[10月22日]] ** 国連、バングラデシュに流入したロヒンギャ族難民が60万人を突破したと発表。依然多くの難民がナフ川流域に集まっているという<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3147688|title=バングラ入りしたロヒンギャ難民、60万人超える 国連推計|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-23|date=2017-10-22}}</ref>。 * [[10月23日]] ** ティラーソン国務長官、予告なしにアフガニスタンの[[バグラム空軍基地]]を訪問し、[[アシュラフ・ガニー]][[アフガニスタンの国家元首の一覧|大統領]]と会談<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.sankei.com/world/news/171024/wor1710240009-n1.html|title=予告なしにアフガン訪問 ティラーソン米国務長官がガニ大統領らと会談|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-10-25|date=2017-10-24}}</ref>。 ** [[ニカラグア]]、[[パリ協定 (気候変動)|パリ協定]]に署名。これにより、パリ協定不参加国はアメリカとシリアの2カ国のみとなった<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3147791|title=ニカラグア、パリ協定に署名 不参加は米・シリアのみに|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-25|date=2017-10-24}}</ref>。 ** フィリピン、ロレンザーナ国防相が[[マラウィの戦い]]の終結を宣言<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3147758|title=フィリピン国防相、南部でのIS系武装勢力との戦闘終結を宣言|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-24|date=2017-10-23}}</ref>。 * [[10月25日]] ** クルド自治政府、先月25日に実施した独立の是非を問う住民投票の結果を「凍結」する意向を表明<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3148011|title=クルド自治政府、独立問う住民投票の結果を「凍結」する意向表明|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-26|date=2017-10-25}}</ref>。 * [[10月26日]] ** インドネシア、[[バンテン州]][[タンゲラン]]にある花火工場で爆発事故。少なくとも47人が死亡、40人以上が負傷<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.asahi.com/articles/ASKBV5SMDKBVUHBI02F.html|title=ジャカルタの花火工場で爆発、救助難航し47人死亡|publisher=朝日新聞社|accessdate=2017-10-27|date=2017-10-26}}</ref>。 ** カザフスタンの[[ヌルスルタン・ナザルバエフ]][[カザフスタンの大統領|大統領]]、[[カザフ語]]の表記文字を現在の[[キリル文字]]から[[ラテン文字]]に変更するよう担当部署に指示したと発表。完全な移行は2025年予定<ref>{{Cite web|和書|url=https://jp.reuters.com/article/kazakhstan-idJPKBN1CZ04T|title=カザフスタンが表記文字を変更、ロシア文字からローマ字へ|publisher=ロイター|accessdate=2017-10-31|date=2017-10-30}}</ref>。 ** タイ、バンコクで[[ラーマ9世]]の火葬式。日本からは[[秋篠宮文仁親王]]夫妻が出席。遺骨は29日に{{仮リンク|ワット・ラーチャボピット|en|Wat Ratchabophit}}寺院に収められた<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20171026-GPQRJUM4QRKPPLNBVSO6PDTS6E/|title=タイで前国王の火葬式 秋篠宮ご夫妻ご参列|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-10-27|date=2017-10-26}}</ref>。{{Main|en:Death and funeral of Bhumibol Adulyadej}} ** ニュージーランド、労働党アーダーン党首が首相に就任<ref>{{Cite web|和書|url=https://jp.reuters.com/article/newzealand-politics-idJPKBN1CV0LS|title=NZ新首相、外資規制視野にTPP修正求める意向 移民削減へ|publisher=ロイター|accessdate=2017-10-27|date=2017-10-26}}</ref>。 * [[10月27日]] ** スペイン・[[カタルーニャ州]]の[[カタルーニャ自治州議会|州議会]]が[[カタルーニャ独立宣言|独立宣言]]を賛成多数で承認。一方、[[スペイン上院]]は同州独立を阻止する強い権限を[[マリアーノ・ラホイ・ブレイ|ラホイ]]首相に与えることを承認。首相は直ちに州議会の解散とプチデモン州首相の罷免を決定した<ref>{{Cite news|url=https://jp.reuters.com/article/idJP2017102701002281|title=カタルーニャ州議会「独立宣言」|work=ロイター|publisher=[[ロイター]]|date=2017-10-27|accessdate=2017-10-27}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3148402|title=スペイン、カタルーニャ州議会を解散 州首相、反乱罪で訴追へ|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-29|date=2017-10-28}}</ref>。{{Seealso|カタルーニャ独立運動}} * [[10月28日]] ** ギリシャ、5月25日に[[ルーカス・パパデモス]]元[[ギリシャの首相|首相]]が爆発物によって負傷した事件で、爆発物を送りつけた容疑で29歳の男を逮捕<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3148502|title=ギリシャ元首相ら宛ての手紙爆弾事件で29歳の男を逮捕|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-30|date=2017-10-29}}</ref>。 ** ソマリア、モガディシオ中心部のホテル前でトラックに積まれた爆発物による爆破テロ事件。25人が死亡、30人以上が負傷。[[アル・シャバブ (ソマリア)|アル・シャバブ]]が犯行声明<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20171029-FGY3OA4V3RMPBJY62BE7LELJU4/|title=爆発テロの死者25人に ソマリア首都モガディシオ、過激派が犯行声明|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-10-30|date=2017-10-29}}</ref>。{{Main|en:28 October 2017 Mogadishu bombings}} ** [[ネパール]]、[[第三州]][[ダーディン郡]]{{仮リンク|ダーディン・ベシ|en|Dhading Besi}}で定員超過のバスが道からそれて{{仮リンク|トリシュリ川|en|Trishuli River}}に転落し、子供11人を含む少なくとも31人が死亡<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3148495?cx_position=1|title=ネパールで定員超過のバスが川に転落、31人死亡 飲酒運転か|publisher=フランス通信社|date=2017-10-29|accessdate=2017-11-06}}</ref>。 ** [[国際刑事裁判所]]、1年前から脱退を表明していた[[ブルンジ]]の脱退を通告。同組織からの脱退国は設立以来初めて<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3148415|title=ブルンジ、国際刑事裁判所から脱退 加盟国初 人道に対する罪の調査は継続|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-29|date=2017-10-28}}</ref>。 * [[10月29日]] ** インドネシア火山地質災害対策局、[[9月22日]]に最高位に上げていた[[バリ島]]北東部[[アグン山]]の噴火レベルを、ここ数日活動が落ち着いてきたとして、一段階下げることを発表<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.sankei.com/world/news/171029/wor1710290035-n1.html|title= 噴火警戒レベル引き下げ インドネシア・バリ島火山|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-10-30|date=2017-10-29}}</ref>。 ** サウジアラビア、来年から女性のスポーツ競技場入場を許可する声明を発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3148516|title=サウジ、女性の競技場入場を解禁 来年から3か所で|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-31|date=2017-10-30}}</ref>。 * [[10月30日]] ** クルド自治政府、バルザニ議長が辞意を表明<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3148515|title=クルド自治政府議長が辞意表明、独立住民投票強行で批判集まる|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-10-31|date=2017-10-30}}</ref>。 ** デンマーク警察、自作潜水艦の中でジャーナリストを殺害、遺体を切断して投棄した容疑がかけられていた発明家の男が容疑を認めたと発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3148668|title=デンマーク人発明家、女性記者の遺体切断認める 警察発表|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-1|date=2017-10-31}}</ref>。 ** パキスタン、[[パンジャーブ州 (パキスタン)|パンジャーブ州]]{{仮リンク|ムザッファルガル|en|Muzaffargarh}}で、夫とその親族12人に毒入りの[[ラッシー]]を飲ませ殺害したとして、妻と愛人、愛人のおばが逮捕<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3148819|title=毒入りラッシーで夫と親族ら計13人を殺害、女を逮捕 パキスタン|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-1|date=2017-10-31}}</ref>。 ** フィリピン、ドゥテルテ大統領が訪日、安倍首相と会談<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.asahi.com/articles/ASKBZ4D0HKBZUTFK005.html|title=ドゥテルテ氏、北朝鮮と対話の必要性指摘 日比首脳会談|publisher=朝日新聞社|accessdate=2017-10-31|date=2017-10-30}}</ref>。 * [[10月31日]] ** タイ政府、2ヶ月前に国外逃亡したインラック前首相の[[パスポート]]を無効としたことを発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3148739|title=タイ政府、国外逃亡したインラック前首相の旅券を無効に|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-2|date=2017-10-31}}</ref>。 ** 中韓両政府、[[THAADミサイル]]配備で冷え込んでいた両国の関係改善に関する合意を得たと発表。この内、[[華春瑩]]報道官は韓国側が「THAADミサイルの追加配備排除」「アメリカの[[ミサイル防衛]]への不参加」「韓米日安保協力を軍事同盟に発展させない」という3項目を表明したと発表。[[康京和]][[外交部 (大韓民国)|外交部]]長官も前日の韓国国会で同様の言及をしている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22914450R31C17A0MM0000/|title=中韓、関係改善で合意 THAAD問題は対話継続|publisher=日本経済新聞社|accessdate=2017-11-1|date=2017-10-31}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20171031-2G3E4IDSD5KZ5I5KDVZ7UL6SCE/|title=中国が事実上の3原則提示 日米韓関係強化にくさび|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-11-1|date=2017-10-31}}</ref>。 === 11月 === * [[11月1日]] ** 中国、今年の[[孔子平和賞]]に[[フン・セン]][[カンボジア|柬]]首相が選ばれたことを発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20171102-7F3HF2P3QRMJBBJSF5AIWBZMS4/|title=“中国版ノーベル平和賞”今年はフン・セン氏に 南シナ海裁定を批判「偉大な範例」|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-11-3|date=2017-11-2}}</ref>。 * [[11月2日]] ** トランプ米大統領、来年2月に任期が切れる[[連邦準備制度]]理事会理事長に[[ジェローム・パウエル]]理事を指名<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.asahi.com/sp/articles/ASKC31Q08KC3UHBI001.html|title=FRB議長にパウエル氏指名 トランプ氏が正式発表|publisher=朝日新聞|accessdate=2017-11-24|date=2017-11-3}}</ref>。 ** スペイン検察当局、ベルギーに出国して出頭要請に応じなかったプチデモン前州首相ら前自治政府の閣僚5人の逮捕状を請求。翌3日に司法当局がこれに応じ、同氏らを国際指名手配に指名した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20171104-OFZQLCQHGFN3TBMDYTKL4MV3VU/|title=プチデモン前州首相を国際指名手配 スペイン司法当局|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-11-4|date=2017-11-3}}</ref>。 * [[11月3日]] ** [[イヴァンカ・トランプ]]大統領補佐官が訪日<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20171102-3JGLWKG43FOEHGSURAOUR2L7DA/|title=トランプ米大統領の長女、イバンカ氏が初来日 「皆さん、ごきげんよう」 夜は日本料理店で…|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-11-4|date=2017-11-2}}</ref>。 ** アルゼンチン、{{仮リンク|アマド・ブドゥー|en|Amado Boudou}}前[[副大統領]]が資産隠蔽や資金洗浄の容疑で逮捕<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3149311|title=動画:アルゼンチン元副大統領、資金洗浄の容疑で逮捕|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-5|date=2017-11-4}}</ref>。 ** ソマリア、アメリカ軍の[[無人航空機]]・[[RQ-1 プレデター]]がISIL戦闘員に対して爆撃を行う。同地でのISIL攻撃は初めて<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3149256|title=米軍、ソマリアで初のIS空爆|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-4|date=2017-11-3}}</ref>。 * [[11月4日]] ** シリア、先日シリア軍が奪還したデリゾール近郊でISILの自動車爆弾による襲撃事件。避難民ら少なくとも75人が死亡、140人が負傷<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3149376|title=シリア東部でISが爆弾攻撃、避難民ら75人死亡|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-7|date=2017-11-6}}</ref>。 ** サウジアラビア、[[ムハンマド・ビン・サルマーン|サルマーン]]王太子が指揮する汚職対策委員会が王子11人、現職の大臣4人、大臣経験者数十人を拘束。拘束された王子の中には、{{仮リンク|ムトイブ・ビン・アブドゥッラー|en|Mutaib bin Abdullah}}[[サウジアラビア国家警備隊|国家警備相]]や富豪として知られる[[アル=ワリード・ビン・タラール]]王子なども含まれている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3149325|title=サウジの汚職対策委員会、王子や大臣ら拘束 反皇太子派を封じ込めか|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-6|date=2017-11-5}}</ref>。 ** サウジアラビア、首都[[リヤド]]を標的としたイエメン・[[フーシ]]による弾道ミサイル攻撃。上空で迎撃・破壊され、ミサイルの破片の一部が[[キング・ハーリド国際空港]]敷地内に落下<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3149323|title=イエメンからサウジにミサイル攻撃、首都上空で迎撃・破壊|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-6|date=2017-11-5}}</ref>。 ** レバノン、[[サード・ハリーリー]][[レバノンの首相|首相]]、訪問先のサウジアラビアで国内の[[シーア派]]勢力の台頭によって[[スンニ派]]である自身の身に危険が及んだことを理由に辞任する意向を示した<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.afpbb.com/articles/-/31493266|title=レバノン首相、生命の危険を理由に突然の辞任 イランとヒズボラを非難|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-6|date=2017-11-5}}</ref>。 * [[11月5日]] ** [[センター・フォー・パブリック・インテグリティ#国際調査報道ジャーナリスト連合|国際調査報道ジャーナリスト連合]]と加盟[[報道機関]]、[[タックス・ヘイヴン]]取引に関する約1340万件の電子文書群、「パラダイス文書」を公開<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.asahi.com/articles/ASKBV7JKHKBVUHBI03R.html|title=パラダイス文書「U2」ボノ氏の名も 1340万件入手|publisher=朝日新聞社|accessdate=2017-11-7|date=2017-11-6}}</ref>。{{Main|パラダイス文書}} ** トランプ大統領が米軍[[横田基地]]に到着。基地駐留軍人に演説を行った後、[[霞ヶ関カンツリー倶楽部]]で安倍総理とゴルフを楽しんだ。翌日、[[赤坂迎賓館]]にて対談後、共同記者会見に臨んだトランプ大統領は、「戦略的忍耐の時代は終わった」と北朝鮮の核ミサイル開発を非難。安倍総理も新たに35の個人・団体を資産凍結の対象とする対北制裁を発表。合わせて、北朝鮮拉致被害家族と面会。その後、大統領夫妻は天皇・皇后と対面した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3149333|title=トランプ大統領、日本に到着 アジア歴訪でプーチン氏とも会談の見通し|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-6|date=2017-11-5}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3149462|title=トランプ氏、対北で「戦略的忍耐の時代終わった」 日本は制裁強化へ|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-7|date=2017-11-6}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3149471|title=トランプ米大統領夫妻、拉致被害者の家族と面会|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-7|date=2017-11-6}}</ref>。 ** イエメン、[[アデン]]でISILによる自爆テロ及び人質事件。治安部隊の兵士と警察官合わせて29人と民間人6人が死亡<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3149597|title=動画:イエメン南部の人質事件収束、子ども2人含む35人死亡|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-7|date=2017-11-6}}</ref>。 ** [[2017年の台風#台風23号(ダムレイ)|台風23号]]がベトナム中部を直撃。[[カインホア省]]では16人が死亡、10人が負傷するなど、7日までに69人が死亡。[[アジア太平洋経済協力]]首脳会議を控えた[[ダナン]]も被害を受けた<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3149384|title=動画:台風23号、APEC控えたベトナムを直撃 27人死亡|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-7|date=2017-11-6}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3149645|title=APEC開催目前のベトナム、台風23号の死者69人に|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-8|date=2017-11-7}}</ref>。 * [[11月6日]] ** 国連安全保障理事会、ロヒンギャ族への迫害問題で、ミャンマー政府に対し、「さらなる過剰な軍事力行使」を止めるよう求める議長声明を採択。イギリス、フランスは決議案採択を求めたが、中国などが難色を示し、議長声明に留まった<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20171107-T7CSNSTMPZPNVEGBAQGK6HXD2A/|title=安保理、ロヒンギャ問題で議長声明を採択 決議から譲歩 軍事力行使の停止を求める|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-11-8|date=2017-11-7}}</ref>。 ** [[国際赤十字赤新月社連盟]]、2014年から2016年の間に、[[シエラレオネ]]、[[ギニア]]、リベリアなどでの[[エボラ出血熱]]治療活動中に職員が不正を行って流出した損失が約6億8千万円に上ったことを表明<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.sankei.com/world/news/171106/wor1711060042-n1.html|title=エボラ熱流行時に職員不正 赤十字、6億円超の損失|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-11-8|date=2017-11-6}}</ref>。 ** フィリピン国家警察、[[マラウィの戦い]]で指導者を失ったISIL系過激派組織が、後継として[[ジェマ・イスラミア]]に所属していたマレーシア人テロリスト、アミン・バコを擁立したと発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20171106-YDD5B5GVJJNMJI3XVAA2QYUXOQ/|title=IS忠誠の東南アジア過激派、新指導者が比南部逃走か 東アジアサミット開催で厳戒態勢|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-11-8|date=2017-11-6}}</ref>。 * [[11月7日]] ** シリア、[[パリ協定 (気候変動)|パリ協定]]への参加を表明。非参加国はアメリカ1カ国となった<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3149671|title=シリアがパリ協定への参加表明、不参加は米国のみに|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-8|date=2017-11-7}}</ref>。 * [[11月8日]] ** トランプ大統領、第3の訪問国である中国を訪問。中国は[[故宮]]で夕食会を催し、翌9日も[[人民大会堂]]で歓迎式典を行うなど厚遇でもてなす姿勢をアピールした。首脳会談では、トランプ大統領が「解決策はまだあると信じている」と北朝鮮への圧力強化を求めるとともに、米中間貿易の是正をするための具体策を要求した。対する習主席はエネルギーや航空機など、約28兆8千億円に上る巨大商談を展開した。<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20171108-GK7UBCPHMRJVLFN5C3HFU2RHRU/|title=故宮貸し切り…習近平国家主席は“現代のエンペラー”? トランプ大統領を異例の厚遇|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-11-9|date=2017-11-8}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20171109-AENDNVABZZNERIW6AZTW3JAOHE/|title=トランプ氏「解決方法はあると信じる」 米中首脳が会談、対北圧力強化を要求 貿易是正も迫る|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-11-10|date=2017-11-9}}</ref>。 ** コロンビア、北西部[[アンティオキア県]]{{仮リンク|アパルタド|en|Apartadó}}にあるバナナ農園で[[コカイン]]12トンを押収。同国で一度に押収されたコカインの量としては過去最大<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3149838|title=英閣僚がまた辞任 イスラエル首相らと無断で会談|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-10|date=2017-11-9}}</ref>。 ** シリア軍、同国におけるISIL最後の拠点都市、[[アブ・カマル]]を奪還<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20171109-MT7X5CNCKZMM7LWMVAVNMJLA2Y/|title=シリア軍、ISから国内最後の拠点奪還 イラク国境近くの町アブカマル|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-11-10|date=2017-11-9}}</ref>。{{Main|en:2017 Abu Kamal offensive}} ** [[ニンテンドー3DS]]と[[Wii U]]の[[ミーバース]]と[[インターネットブラウザー]]を終了<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nintendo.co.jp/support/information/2017/0829_miiverse.html|title=『Miiverse』サービス終了のお知らせ|publisher=任天堂公式HP|accessdate=2017-11-23|date=2017-11-8}}</ref>。 * [[11月9日]] - イギリス、日本時間2019年3月30日午前8時にEUを離脱することを、現在英議会で審議中のブレグジット法案に明記する方針を示した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3150016|title=英国のEU離脱は2019年3月29日午後11時、日時確定 法案に明記へ|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-11|date=2017-11-10}}</ref>。 * [[11月10日]] ** [[アジア太平洋経済協力]]参加国首脳会議がベトナム・[[ダナン]]で開催。関連会合で演説したトランプ大統領は環太平洋戦略的経済連携協定に絡めて改めて2国間貿易協定にこだわる姿勢を明確にした。また、[[環太平洋パートナーシップ協定]]早期合意に向けた協議が行われ、前日の閣僚会合で大筋合意が取られたが、この日になってトルドー加首相が首脳会合を欠席し、合意には至らなかった<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20171110-6X4FLGHBWZJ4HD4SV4M6IOID7A/|title=トランプ氏、TPPとの決別を改めて鮮明に インド太平洋諸国に“門戸開放”迫る|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-11-11|date=2017-11-10}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=http://www.asahi.com/articles/ASKCC0P8KKCBULFA039.html|title=TPP、米離脱で20項目凍結 茂木氏が合意内容公表|publisher=朝日新聞社|accessdate=2017-11-12|date=2017-11-11}}</ref>。 ** サウジアラビア主導連合軍、フーシ派が実効支配している首都[[サヌア]]の国防省を空爆<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3150144|title=サウジ主導軍、イエメン国防省を空爆 少なくとも民間人3人負傷|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-12|date=2017-11-11}}</ref>。 * [[11月11日]] ** ポーランド、[[建国記念日|独立記念日]]に合わせて首都ワルシャワで国粋主義団体主催のデモ行進が行われ、6万人が参加した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.cnn.co.jp/world/35110293.html|title=「欧州は白人の地」、極右デモに6万人 ポーランド独立記念日|publisher=CNN|accessdate=2017-11-12|date=2017-11-11}}</ref>。 * [[11月12日]] ** イラク、イラン国境に近いイラン・[[ケルマンシャー州]][[ハラブジャ]]から南西に30キロほどを震央としたMw 7.3の地震。14日までの段階で、{{仮リンク|カスレ=シーン|en|Qasr-e Shirin}}、{{仮リンク|エズラレ|en|Ezgeleh}}などの街があるイラン側の死者421人、負傷者数人に達した。人口が少ないイラク側は9人が死亡、400人以上が負傷<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3150406|title=イラン・イラク地震、死者400人超 生存者の捜索続く|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-15|date=2017-11-14}}</ref>。{{Main|イラン・イラク地震}} ** コスタリカ、{{仮リンク|ハコ (コスタリカ)|en|Jacó, Costa Rica|label=ハコ}}でM 6.6の地震。3人が地震のショックで死亡<ref>{{Cite web|和書|url=https://sputniknews.jp/20171113/4272052.html|title=イラン・イラク地震、死者400人超 生存者の捜索続く|publisher=スプートニク|accessdate=2017-11-15|date=2017-11-14}}</ref>。 ** コンゴ民主共和国、[[ルアラバ州]]で燃料を積んだ貨物列車が谷に転落。33人が死亡。犠牲者の多くが違法乗車だった<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3150288|title=貨物列車が谷に転落・炎上、違法乗車の33人死亡か DRコンゴ|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-14|date=2017-11-13}}</ref>。 ** ペルー、[[ランバイエケ県]]の[[ベンタロン遺跡]]が施設の火災によって損傷。アメリカ大陸最古とされている紀元前2000年頃の壁画も焼失したと思われる<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.cnn.co.jp/world/35110374.html|title=遺跡で火災、4000年の歴史持つ壁画も損傷 ペルー|publisher=CNN|accessdate=2017-11-15|date=2017-11-14}}</ref>。 * [[11月13日]] ** シリア、[[アレッポ県]]{{仮リンク|アタリブ|en|Atarib}}の市場に3度の空爆があり、民間人61人が死亡。シリア人権監視団は、シリア政府軍もしくはロシア軍による空爆と言及。空爆当時、[[アル=ヌスラ戦線]]率いるシリア解放機構が他組織との停戦交渉を行っていたという。また、同町は今年に入ってシリアの同盟国であるロシアとイラン、そして反体制派を支持するトルコの3か国が設置に合意した「安全地帯」に含まれている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3150408|title=シリア「安全地帯」の市場に空爆、53人死亡 監視団|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-15|date=2017-11-14}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=http://www.sankei.com/world/news/171114/wor1711140060-n1.html|title=アレッポ県の市場空爆61人死亡 過激派狙い巻き添えか|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-11-15|date=2017-11-14}}</ref>。 ** ハノイを訪問した習近平国家主席が[[チャン・ダイ・クアン]]国家主席と会談し、南シナ海の緊張緩和に向け、衝突を避けることで合意<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3150391|title=越中、南シナ海での衝突回避で合意 ハノイで首脳会談|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-14|date=2017-11-13}}</ref>。 * [[11月14日]] - サンフランシスコ市議会、中国系米国人らの民間団体が設立した慰安婦像と碑文の寄贈を受け入れる決議を全会一致で可決<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.asahi.com/articles/ASKCH2P84KCHULZU002.html|title=慰安婦像の寄贈、受け入れ可決 サンフランシスコ市議会|publisher=朝日新聞社|accessdate=2017-11-16|date=2017-11-15}}</ref>。 * [[11月15日]] ** [[レオナルド・ダ・ヴィンチ]]の[[油彩画]]、「[[サルバトール・ムンディ]]」が[[クリスティーズ]]でオークションにかけられ、手数料を含めて4億5031万2500ドルという史上最高落札額で落札された<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3150753|title=ダビンチのキリスト画に510億円、史上最高額で落札 NY|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-17|date=2017-11-16}}</ref>。 ** ギリシャ、{{仮リンク|サイクロン・ヌマ|en|Cyclone Numa}}の影響で、夜間に降り続いた豪雨から洪水が発生し、アテネ近郊の3つの街で16人が死亡<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3150771|title=ギリシャで豪雨水害、少なくとも15人死亡|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-17|date=2017-11-16}}</ref>。 ** ジンバブエ、同国軍が首都[[ハラレ]]の国営放送局を占拠。政府施設や議会、裁判所も封鎖される。ムガベ大統領は隣国[[南アフリカ]]の[[ジェイコブ・ズマ]]大統領に、電話で自宅軟禁下に置かれていると説明<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.afpbb.com/articles/-/3150729|title=ジンバブエ大統領、軟禁下に=クーデターか、軍が首都占拠|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-22|date=2017-11-15}}</ref>。{{Main|2017年ジンバブエクーデター}} * [[11月16日]] ** 国連総会第三委員会、ロヒンギャ族問題でミャンマー政府に対し、軍事力行使の停止や国道の無制限人道支援の許可などを求める決議案を賛成135で可決。ミャンマー、中国、ロシアなど10カ国が反対。日本など26カ国が棄権した<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.asahi.com/articles/ASKCK1RCNKCKUHBI001.html|title=国連総会、掃討作戦中止求める決議採択 ロヒンギャ問題|publisher=朝日新聞社|accessdate=2017-11-19|date=2017-11-18}}</ref>。 ** カンボジア最高裁判所、[[カンボジア救国党]]に解党を命じるとともに、所属する政治家118人に対し今後5年間の政治活動を禁止する判決を下した。現在、国会の44%を占める議席は少数野党に割り振られる。与党[[カンボジア人民党]]は今年2月に、党首が有罪となった政党は解党処分となるという条項を追加していた<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23578630W7A111C1FF2000/|title=カンボジア最大野党が解散 最高裁決定 |publisher=日本経済新聞社|accessdate=2017-11-17|date=2017-11-16}}</ref>。 ** シンガポール、今月8日以降、北朝鮮との貿易を停止していることを発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3151061|title=英警察、高層住宅火災の死者数は70人と結論付ける|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-18|date=2017-11-17}}</ref>。 * [[11月17日]] ** 国連安全保障理事会、今年4月にシリアで起きたとされる化学兵器攻撃に関して、国連主導の調査の期間を30日間延長する決議案の採決を行ったが、ロシアが[[国際連合安全保障理事会における拒否権|拒否権]]を行使したことにより否決<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3151330|title=シリア化学兵器調査団、日本の延長案にロシアが拒否権 国連安保理|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-19|date=2017-11-18}}</ref>。 ** イギリス、2018年からの上院の儀式を司る[[黒杖官]]に{{仮リンク|サラ・クラーク (黒杖官)|en|Sarah Clarke (Black Rod)|label=サラ・クラーク}}を指名。黒杖官に女性が就任するのは同国憲政史上初<ref>{{Cite web|和書|url=https://jp.reuters.com/article/black-rod-uk-woman-idJPKBN1DK0L0|title=英上院が「黒杖官」に女性を指名、650年の歴史で初めて|publisher=ロイター|accessdate=2017-11-21|date=2017-11-20}}</ref>。 ** ベネズエラ、8月1日に拘束されていた{{仮リンク|アントニオ・レデスマ|en|Antonio Ledezma}}前[[カラカス]]市長が同国を脱出。コロンビア経由でスペインに到着した<ref>{{cite web|url=http://www.bbc.com/mundo/noticias-america-latina-42030849|title=El opositor Antonio Ledezma escapa de Venezuela, cruza a Colombia y llega a España tras "una travesía peliculesca"|publisher=BBC MUNDO|accessdate=2017-11-19|date=2017-11-18|language=スペイン語}}</ref>。 * [[11月18日]] ** 中国、[[チベット自治区]][[ニンティ市|林芝市]][[メンリン県]]でM6.9の地震が発生<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3151759|title=チベットでM6.9の地震 現地では翌日が「チベット新年」|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-21|date=2017-11-20}}</ref>。{{Main|林芝地震}} * [[11月19日]] ** コロンビア、[[アンティオキア県]]{{仮リンク|サバナラルガ|es|Sabanalarga (Antioquia)}}でトラックを改造したバスが谷底に転落し、14人が死亡、41人が負傷<ref>{{cite web|url=https://tribune.com.pk/story/1563324/3-fourteen-killed-many-wounded-colombia-bus-accident/|title=Fourteen killed, many wounded in Colombia bus accident|publisher=THE EXPRESS TRIBUNE|accessdate=2017-11-21|date=2017-11-20|language=英語}}</ref>。 ** モロッコ、{{仮リンク|エッサウィラ県|en|Essaouira Province}}{{仮リンク|シディ・ブラアラム|en|Sidi Boulaalam}}で、慈善活動家による食料の配給に大勢が殺到し、女性少なくとも15人が死亡、5人が負傷<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3151662|title=食料配給行事に数百人の女性殺到、15人死亡 モロッコ|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-21|date=2017-11-20}}</ref>。 * [[11月20日]] ** トランプ大統領、北朝鮮を[[テロ支援国家]]に再指定すると発表。2008年に指定解除して以来9年ぶり<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.asahi.com/articles/ASKCP1S8PKCPUHBI002.html|title=米、北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定 9年ぶり|publisher=朝日新聞社|accessdate=2017-11-22|date=2017-11-21}}</ref>。 ** イスラエル、[[テルアビブ]]で[[超正統派 (ユダヤ教)|ユダヤ教超正統派]]への兵役義務化に抗議するデモ。警官隊と衝突し、33人が逮捕<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3152049|title=動画:超正統派ユダヤ教徒ら33人拘束、兵役義務への抗議デモで イスラエル|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-22|date=2017-11-21}}</ref>。 ** [[ニューカレドニア]]、[[ロイヤルティ諸島]]東方82キロ前後の沖合でM7.0の地震<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3151700|title=南太平洋ニューカレドニア沖でM7.0の地震 津波警報|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-22|date=2017-11-20}}</ref>。 * [[11月21日]] ** イラク、[[サラーフッディーン県]]{{仮リンク|トゥーズ・フールマートゥー|en|Tuz Khurmatu}}の市場で、トラック爆弾による爆破テロ事件。少なくとも32人が死亡、75人以上が負傷<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3152354|title=イラク北部の市場で爆発、32人死亡 自爆テロか|publisher=朝日新聞社|accessdate=2017-11-23|date=2017-11-22}}</ref>。 ** インドネシア、バリ島のアグン山から噴煙が発生<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3152353|title=バリ島の火山が噴煙、50年ぶりの噴火の恐れ高まる|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-23|date=2017-11-22}}</ref>。 ** ソマリア、アメリカ軍のプレデターによるアル・シャバブへの空爆で、同組織の戦闘員100人余りが殺害<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3152314|title=米軍がソマリアで空爆 アルシャバーブ戦闘員100人余り殺害|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-23|date=2017-11-22}}</ref>。 ** ナイジェリア、[[アダマワ州 (ナイジェリア)|アダマワ州]]{{仮リンク|ムビ|en|Mubi}}にあるモスクで自爆テロ事件。少なくとも50人が死亡。ボコ・ハラムによる犯行と見られている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3152228|title=ナイジェリア北東部のモスクで自爆攻撃、50人死亡|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-22|date=2017-11-21}}</ref>。 ** レバノン、ハリーリー首相が帰国<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3152354|title=突然辞意のレバノン首相が帰国 進退表明へ|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-23|date=2017-11-22}}</ref>。 * [[11月22日]] ** [[岩国飛行場]]から[[航空母艦|空母]][[ロナルド・レーガン (空母)|ロナルド・レーガン]]へ兵員を輸送していた[[C-2 (航空機・アメリカ)|C-2 グレイハウンド]]が[[フィリピン海]]で墜落。乗員11人のうち8人が救助<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3152721|title=動画:米海軍の輸送機が墜落、8人救助 フィリピン海|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-24|date=2017-11-23}}</ref>。 ** オランダ、[[デン・ハーグ]]の[[旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷]]、[[ラトコ・ムラディッチ]]に終身禁錮を言い渡した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3152564|title=「ボスニアの虐殺者」ムラディッチ被告に終身刑、旧ユーゴ法廷|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-24|date=2017-11-23}}</ref>。 ** ナイジェリア、[[アダマワ州 (ナイジェリア)|アダマワ州]]{{仮リンク|ヌマン|en|Numan, Nigeria}}でキリスト教徒の{{仮リンク|バチャマ族|en|Bacama language}}農民が、イスラム教徒である[[フラニ族]]の集落を襲撃。少なくとも30人が死亡<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3152786|title=農民が牧畜民の集落を襲撃、少なくとも30人死亡 ナイジェリア|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-25|date=2017-11-23}}</ref>。 * [[11月24日]] ** エジプト、[[北シナイ県]][[アリーシュ]]近郊の{{仮リンク|ビール・アルアベド|en|Bir al-Abed}}にあるモスクを武装集団が襲撃。武装集団は[[全地形対応車]]数台でモスクを包囲して建物や車を爆破し、逃げ惑う信者に発砲。235人が死亡、109人が負傷し、同国では近年最悪の事件となった。25日現在、犯行声明は出されていない<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3152940|title=エジプトのモスク襲撃、死者235人に 近年最悪の惨事|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-25|date=2017-11-25}}</ref>。{{Main|2017年アリーシュ・ビール・アルアベドテロ攻撃事件}} ** キルギス、[[ソーロンバイ・ジェーンベコフ]]が[[キルギスの大統領|大統領]]に就任<ref>{{Cite news|url=http://tass.com/world/977243|title=Kyrgyzstan’s new president officially takes office|agency=[[タス通信|TASS]]|date=2017-11-24|accessdate=2017-11-25}}</ref>。 ** ジンバブエ、ムガベ前大統領の後任として22日に帰国したムナンガグワが就任<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3152918|title=ムナンガグワ氏、ジンバブエ新大統領に就任|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-25|date=2017-11-24}}</ref>。 ** [[大阪市]]の[[吉村洋文]][[大阪|市長]]、慰安婦像の寄贈を受け入れたサンフランシスコ市との姉妹都市解消を表明<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3152894|title=大阪市長、サンフランシスコと姉妹都市解消を表明 慰安婦像問題で|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-25|date=2017-11-24}}</ref>。 ** 南アフリカ最高裁、殺人罪で禁錮6年の有罪判決が確定し服役中の[[オスカー・ピストリウス]]の刑期を、禁錮13年5月に引き上げた<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3152918|title=南ア最高裁、ピストリウス受刑者の量刑を禁錮13年超に引き上げ|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-11-25|date=2017-11-24}}</ref>。 * [[11月27日]] ** イギリス、[[ヘンリー・オブ・ウェールズ|ヘンリー王子]]とアメリカの女優、[[メーガン・マークル]]との婚約が発表<ref>{{Cite news|url=https://www.vogue.co.jp/celebrity/news/2017-11/27/Prince-Harry|title=【速報】 ヘンリー王子とメーガン・マークルが婚約!!|newspaper=VOGUE|date=2017-11-27|accessdate=2017-11-28}}</ref>。{{Main|en:Wedding of Prince Harry and Meghan Markle}} ** 英[[オックスフォード]]市、ロヒンギャ族への対応に消極的だったとして、アウン・サン・スー・チーに授与していた「{{仮リンク|市の自由|en|Freedom of the City}}」称号を剥奪<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3153335|title=英オックスフォード市、スー・チー氏に授与した称号を剥奪|newspaper=AFPBB NEWS|date=2017-11-28|accessdate=2017-11-29}}</ref>。 ** ベルギー、[[エノー州]]{{仮リンク|モルランヴェル|en|Morlanwelz}}の信号で列車と車が衝突事故。その撤去作業中に列車が突然始動し、14キロメートルを暴走。保線作業員2人が轢かれ死亡。7人が負傷<ref>{{Cite news|url=http://www.brusselstimes.com/belgium/9665/train-accident-in-morlanwelz-two-deaths-seven-injured-two-seriously|title=Train accident in Morlanwelz - two deaths and seven injured (two seriously)|newspaper=The Brussels Times|date=2017-11-27|accessdate=2017-11-28|language=英語}}</ref>。 ** [[フランシスコ (ローマ教皇)|フランシスコ法王]]がミャンマーを訪問<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3153256|title=動画:ローマ法王、初訪問のミャンマーへ到着|newspaper=AFPBB NEWS|date=2017-11-28|accessdate=2017-11-29}}</ref>。 * [[11月29日]] ** オーストラリア議会上院、同性婚合法化法案を賛成43、反対12で可決<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3153412|title=豪上院、同性婚合法化法案を可決 実現へ大きく前進|newspaper=AFPBB NEWS|date=2017-11-29|accessdate=2017-11-30}}</ref>。 ** オランダ、[[デン・ハーグ]]の[[旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷]]、元[[クロアチア防衛評議会]]司令官の[[スロボダン・プラリャク]]に懲役20年を言い渡した。プラリャクは判決の直後「判決を拒否する」と叫び、判事らの目前で毒とみられる液体を飲み自殺した<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3153511|title=旧ユーゴ戦犯、法廷で服毒自殺 有罪判決直後に|newspaper=AFPBB NEWS|date=2017-11-30|accessdate=2017-11-30}}</ref>。 ** 北朝鮮、日本時間午前3時18分ごろ、[[平安南道]][[平城市]]付近から日本海に向けて弾道ミサイル1発を発射。約53分間、約1千キロ飛来し、青森県西方約250キロの日本の排他的経済水域に落下したと見られる。[[朝鮮中央テレビ]]は金正恩委員長の立ち会いの元、新型[[大陸間弾道ミサイル]]「[[火星15]]」の発射実験に成功したとする政府声明を発表し、「国家核戦力完成」を宣言した。到達高度が過去最高の4475キロに達するロフテッド軌道での発射であり、通常軌道ならばアメリカ東海岸を含む米全土が射程に入るとの見方が出ている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20171129-D4QR4LIPAVKJLBVT4WUDGBKVYI/|title=北朝鮮、新型ICBM発射 青森沖EEZ落下 高度4500キロ「火星15」 北「米本土攻撃できる」主張|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-11-30|date=2017-11-29}}</ref>。 ** 南スーダン、[[ジョングレイ州]]都[[ボル (南スーダン)|ボル]]北方に住む[[ディンカ族]]の村々が27、28日両日{{仮リンク|ムルレ族|en|Murle people}}の武装集団に襲われ、少なくとも計50人が殺害され、女性と子ども約60人が拉致された<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3153514|title=南スーダンで部族間の襲撃事件 50人死亡 支援要員も犠牲か|newspaper=AFPBB NEWS|date=2017-11-30|accessdate=2017-12-1}}</ref>。 * [[11月30日]] - 同月10日に[[ウシュアイア]]への通常任務に出たアルゼンチン海軍の[[潜水艦]]の[[サンフアン (アルゼンチン海軍の潜水艦)|サンファン]]が15日から消息を絶っていることが判明し、この日乗組員44人の救助を断念<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3153688|title=アルゼンチン潜水艦不明、乗組員救出を断念 船体捜索は継続へ|publisher=フランス通信社|accessdate=2018-01-13|date=2017-12-01}}</ref>。{{Main|en:Disappearance of ARA San Juan}} === 12月 === * [[12月1日]] - 1993年以来となる[[皇室会議]]にて[[上皇明仁|天皇]]の譲位の日程が2019年4月30日に決定<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20171201-QSK6HU4IE5O63AHGBCBTIWYRXI/|title=天皇陛下譲位は平成31年4月30日 改元は5月1日|publisher=産経新聞社|accessdate=2017-12-05|date=2017-12-01}}</ref>。同月8日に閣議決定され、13日付けで官報により[[政令]]として公布された。 * [[12月4日]] - イエメンの反政府勢力[[フーシ]]が[[アリー・アブドッラー・サーレハ]]前大統領を殺害したと発表<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3154120|title=イエメンの反政府武装勢力、サレハ前大統領の「殺害」を発表|work=AFPBB News|agency=[[フランス通信社]]|date=2017-12-04|accessdate=2017-12-04}}</ref>。 * [[12月21日]] ** 国連総会、エルサレムをイスラエルの首都と認定したアメリカ政府の決定を無効とする決議案の採決が行われ、賛成128、反対9、棄権35で採択された。日本やEU諸国は賛成、カナダ、オーストラリア、メキシコ、フィリピンなどは棄権した<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3156282|title=米のエルサレム首都認定「無効」国連決議、賛成128反対9で採択|newspaper=AFPBB NEWS|date=2017-12-22|accessdate=2017-12-23}}</ref>。 ** 韓国、[[京畿道]]の中西部前線で、北朝鮮の兵士1人が軍事境界線を越えて韓国に亡命<ref>{{Cite news|url=https://www.sankei.com/article/20171221-7NL7ABMF5FNN7LECP2QFVLQJRQ/|title=北朝鮮兵士が韓国に亡命 京畿道の中西部前線、銃撃戦なし|publisher=産経新聞社|date=2017-12-22|accessdate=2017-12-23}}</ref>。 ** フィリピン、[[ケソン州]]{{仮リンク|レアル (ケソン州)|en|Real, Quezon|label=レアル}}から[[ポリロ島]]に向かっていたフェリーが転覆。乗客251人のうち、少なくとも4人が死亡、100人以上が救助された<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3156245|title=フィリピンで251人乗せたフェリー転覆、4人死亡 多数が行方不明|newspaper=AFPBB NEWS|date=2017-12-21|accessdate=2017-12-23}}</ref>。 * [[12月23日]] - [[フィリピン]]・[[ミンダナオ島]]の[[ダバオ]]の[[ショッピングモール]]で火災が発生し、37人が死亡<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3156635|title=比の商業施設火災、37人の死亡を確認 刑事事件として捜査|publisher=[[フランス通信社]]|date=2017-12-25|accessdate=2018-02-24}}</ref>。{{Main|ダバオNCCCモール火災}} * [[12月28日]] - [[イラン]]で大規模な反政府デモが発生。北東部[[マシュハド]]で28日に始まり、他の都市に広がっていった。[[イランの最高指導者]][[ハメネイ]]師の統治体制を批判するものもあらわれた<ref>{{Cite news|url=http://www.bbc.com/japanese/42526462|title=イラン反政府デモ衝突に 2人死亡か|newspaper=BBC|date=2017-12-31|accessdate=2017-12-27}}</ref>。{{Main|en:2017–2018 Iranian protests}} * [[12月31日]] - [[ケニア]]中部で大型貨物トラックとバスが正面衝突し、36人が死亡、11人が負傷<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3157149|title=大型トラックとバスが正面衝突、47人死傷 ケニア|publisher=[[フランス通信社]]|date=2017-12-31|accessdate=2018-02-24}}</ref>。 == 周年 == {{notice|周年であること自体に特筆性のある項目(元のトピックの特筆性ではありません)のみ記述してください}} {{出典の明記|date=2017年3月|section=1}} * [[1月14日]] - [[マルグレーテ2世 (デンマーク女王)|マルグレーテ2世]][[デンマーク君主一覧|女王]]([[デンマーク]])即位45周年。 * [[1月15日]] ‐ [[スーパーボウル]]開催から50周年。 * [[2月6日]] - [[エリザベス2世]][[イギリスの君主|女王]]([[英連邦王国|イギリス連邦王国]])即位65周年。 * [[2月15日]] - ワルツ『[[美しく青きドナウ]]』初演150周年。 * [[2月20日]] ‐ [[アメリカ合衆国]]初の[[マーキュリー・アトラス6号|有人地球周回飛行]]から55周年。 * [[2月22日]] ** [[Xbox (ゲーム機)|Xbox]]発売から15周年。 ** 世界初の[[ドリー (羊)|クローン羊]]の開発成功発表から20年。 * [[2月23日]] ** [[2月革命 (1917年)|ロシア2月革命]]から100周年。 ** 肉眼で観測された最後の[[超新星]]『[[SN 1987A]]』の初観測から30周年。 * [[2月28日]] - [[二・二八事件]]から70年<ref>{{Cite web|和書|date=2017-02-23 |url=https://web.archive.org/web/20170223184855/http://japan.cna.com.tw/news/asoc/201702230008.aspx |title=台北二二八紀念館、事件から70年の特別展 自由権の追求を訴える/台湾 |publisher=中央社フォーカス台湾 |accessdate=2017-03-19}}</ref>。 * [[3月8日]] - [[ニューヨーク証券取引所]]設立200周年。 * [[3月18日]] - [[トゥポウ6世]][[トンガの国王|国王]]([[トンガ|トンガ王国]])即位5周年。 * [[4月1日]] - [[20世紀]]最大の[[彗星]]『[[ヘール・ボップ彗星]]』[[近点・遠点|近日点]]通過から20年。 * [[4月22日]] ‐ [[在ペルー日本大使公邸占拠事件]]終結から20年。 * [[5月3日]] - [[日本国憲法]]の施行から70年<ref>{{Cite news |title=日本国憲法:施行70年 若者、移ろう憲法観 |newspaper=毎日新聞 |date=2017-05-03 |url=https://mainichi.jp/articles/20170503/k00/00m/040/192000c |accessdate=2017-07-16}}</ref>。 * [[5月6日]] - [[ヒンデンブルク号爆発事故]]から80年。 * [[5月11日]] ‐ [[スーパーコンピュータ]]が[[ディープ・ブルー対ガルリ・カスパロフ|チェス世界チャンピオンに史上初の勝利]]から20周年。 * [[5月14日]] - [[スターアライアンス]]設立20周年。 * [[5月21日]] ‐ 史上初の[[チャールズ・リンドバーグ|大西洋単独無着陸飛行成功]]から90周年。 * [[5月22日]] ‐ [[ラグビーワールドカップ1987|ラグビーワールドカップ]]開催から30周年。 * [[5月25日]] - 劇場版『[[スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望|スター・ウォーズ・シリーズ]]』上映開始から40周年。 * [[5月27日]] - [[長谷川町子]]没後25周年。 * [[5月28日]] - [[フォルクスワーゲン]]設立80周年。 * [[6月5日]] ‐ [[第三次中東戦争]]開戦から50年。 * [[6月20日]] - [[トゥイアトゥア・トゥプア・タマセセ・エフィ|トゥイアトゥア]][[オ・レ・アオ・オ・レ・マーロー|国家元首]]([[サモア|サモア独立国]])即位10周年。 * [[6月24日]] ‐ [[ケネス・アーノルド事件]]から70年。 * [[6月25日]] ‐ 世界初の[[通信衛星|衛星中継]]の[[テレビ番組]]『[[われらの世界|OUR WORLD 〜われらの世界〜]]』放送から50周年。 * [[6月29日]] - [[Apple]]の[[iPhone (初代)|初代iPhone]]発売から10年<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.nikkei.com/article/DGXLASGN29H1R_Q7A630C1000000/|title=iPhoneの栄光、終わりの始まり 発売10周年|publisher=[[日本経済新聞]]|date=2017-06-30|accessdate=2017-08-13}}</ref>。 * [[7月1日]] - [[香港返還]]20周年<ref>[http://www.macaushimbun.com/news?id=19239 返還20周年迎える香港、年間通じて記念イベント開催]マカオ新聞。</ref>。 * [[7月7日]] - [[盧溝橋事件]]の発生から80年<ref>{{Cite web|和書|date=2017-07-06 |url=https://web.archive.org/web/20170706130304/http://japan.cna.com.tw/news/asoc/201707060009.aspx |title=盧溝橋事件80年 実写とアニメ融合の映像で軍人たたえる/台湾 |publisher=中央社フォーカス台湾 |accessdate=2017-07-16}}</ref>。 * [[7月8日]] ‐ [[ウォーカー空軍基地|ロズウェル陸軍飛行場]]による[[ロズウェル事件]]の公表から70年。 * [[7月9日]] ‐ [[ウィンブルドン選手権]]開催から140周年。 * [[7月19日]] - [[ヘルシンキオリンピック]]開幕から65周年。 * [[7月22日]] - 日本の漫画[[ONE PIECE]]の連載開始から20周年。<!-- Wikipediaに55言語でページが作成されている世界的な漫画・アニメ --> * [[7月29日]] - [[通州事件]]から80年<ref>{{Cite news|title=200人以上の日本人居留民が中国人部隊などに虐殺された…「通州事件」から80年、集会に300人参列「事件をユネスコ『世界記憶』に」|url=https://www.sankei.com/article/20170729-UTCDHIYNINMQRILIYS7FWTHHMM/|newspaper=産経ニュース|publisher=[[産経新聞社]]|date=2017-07-29|accessdate=2017/07/29}}</ref>。 * [[8月8日]] - [[東南アジア諸国連合]](ASEAN)結成50周年<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.nikkei.com/article/DGXLASGT08H0P_Y7A800C1MM0000/|title=ASEAN50周年 マニラで式典、河野外相ら参加|publisher=[[日本経済新聞]]|date=2017-08-08|accessdate=2017-08-13}}</ref>。 * [[8月23日]] -「[[番号記号|#]]」が[[ハッシュタグ]]として用いられて10年<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3140274|title=ハッシュタグ「#」 誕生から10年|publisher=AFPBB NEWS|accessdate=2017-8-25|date=2017-8-24}}</ref>。 * [[9月5日]] - [[ミュンヘンオリンピック事件]]から45年。 * [[9月16日]] - 歌手の[[安室奈美恵]]がデビューから25年。 * [[9月28日]] ‐ [[ダッカ日航機ハイジャック事件]]から40年。 * [[10月4日]] ** 世界初の[[人工衛星]]『[[スプートニク1号]]』打ち上げ成功から60周年。 ** [[ハサナル・ボルキア]][[ブルネイの国王|国王]]([[スルターン]])即位50周年。 * [[10月5日]] ** 劇場版『[[007 ドクター・ノオ|007シリーズ]]』上映開始から55周年。 ** [[ビートルズ|ザ・ビートルズ]]、デビュー曲『[[ラヴ・ミー・ドゥ]]』発売から55周年。 * [[10月19日]] ‐ 史上最大規模の世界的[[株価大暴落]]『[[ブラックマンデー]]』から30年<ref>{{Cite web|和書|url=https://jp.reuters.com/article/usa-stocks-crash-structure-idJPKBN1CP0EO|title=焦点:ブラックマンデーから30年、株価暴落の再来あるか|publisher=[[ロイター]]|date=2017-10-20|accessdate=2018-01-13}}</ref>。 * [[10月23日]] ‐ [[アメリカ合衆国]]による[[キューバ]][[海上封鎖]]表明([[キューバ危機]])から55年。 * [[10月31日]] - [[マルティン・ルター]]による[[宗教改革]]から500周年<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20171107012732/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017110100205&g=int|title=宗教改革500年で式典=メルケル独首相、多様性尊重訴え|publisher=時事通信社|date=2017-11-01|accessdate=2017-11-06}}</ref>。 * [[11月2日]] ‐ [[バルフォア宣言]]から100年。 * [[11月4日]] ‐ [[ツタンカーメン|ツタンカーメン王]]の[[墓]]発見から95周年。 * [[11月7日]] - [[十月革命|ロシア10月革命]]から100年<ref>{{Cite web|和書|url=http://toyokeizai.net/articles/-/196567|title=ロシア革命100年、なぜこうも忘れられたのか | ヨーロッパ|publisher=[[東洋経済新報社]]|date=2017-11-08|accessdate=2018-01-13}}</ref>。 * [[11月9日]] - [[大政奉還]]150周年。 * [[11月17日]] - [[ルクソール事件]]から20年。 * [[11月20日]] - [[エリザベス2世|エリザベス2世女王]]・[[フィリップ (エディンバラ公)|エディンバラ公爵フィリップ王配]]結婚70周年。 * [[11月29日]] - [[大韓航空機爆破事件]]から30年。 * 12月 - [[南京事件|南京大虐殺]]から80年<ref name="saitama048">[[埼玉新聞]] 2017年8月21日朝刊2面</ref>{{Refnest|group="注"|「無かった」とする説もある<ref name="saitama048" />。}}。 * [[12月3日]] ‐ 世界初の[[クリスチャン・バーナード|心臓移植手術成功]]から50年。 * [[12月7日]] ‐ [[アポロ計画]]における最後の飛行である[[アポロ17号]]の打ち上げから45周年。 * [[12月21日]] - [[ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ|ディズニー]]世界初の[[白雪姫 (1937年の映画)|長編アニメーション映画シリーズ]]上映開始から80周年。 == イベント == == 天文現象 == * [[8月21日]] - (現地時間)[[アメリカ合衆国]]で皆既[[日食]]を観測<ref name="astroarts-ph170822"/><ref name="bcc170822"/>。{{seealso|2017年8月21日の日食}} == 経済 == {{main|2017年の経済}} == 芸術・文化・ファッション == === スポーツ === {{see|2017年のスポーツ}} === 音楽 === {{see|2017年の音楽#洋楽}} === 映画 === {{main|2017年の映画}} 日付は本国公開日。 ; 本国公開・日本公開ともに当年 *[[2月10日]] - [[レゴバットマン ザ・ムービー]](監督:{{仮リンク|クリス・マッケイ=ロバーツ|en|Chris McKay}}) *[[3月3日]] - [[LOGAN/ローガン]](監督:[[ジェームズ・マンゴールド]]) *[[3月10日]] - [[キングコング:髑髏島の巨神]](監督:[[ジョーダン・ヴォート=ロバーツ]]) *[[3月17日]] - [[美女と野獣 (2017年の映画)|美女と野獣]](監督:[[ビル・コンドン]]) *[[4月28日]] - [[バーフバリ 王の凱旋]](監督:[[S・S・ラージャマウリ]]) *[[5月5日]] - [[ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス]](監督:[[ジェームズ・ガン (映画製作者)|ジェームズ・ガン]]) *[[6月2日]] - [[ワンダーウーマン (映画)|ワンダーウーマン]](監督:[[パティ・ジェンキンス]]) *[[6月16日]] - [[カーズ/クロスロード]](監督:{{仮リンク|ブライアン・フィー|en|Brian Fee}}) *[[6月28日]] - [[ベイビー・ドライバー]](監督:[[エドガー・ライト]]) *[[6月30日]] - [[怪盗グルーのミニオン大脱走]](監督:[[カイル・バルダ]]、[[ピエール・コフィン]]) *[[7月19日]] - [[ダンケルク (2017年の映画)|ダンケルク]](監督:[[クリストファー・ノーラン]]) *[[9月8日]] - [[IT/イット “それ”が見えたら、終わり。]](監督:[[アンディ・ムスキエティ]]) *[[10月6日]] - [[ブレードランナー 2049]](監督:[[ドゥニ・ヴィルヌーヴ]]) *[[10月16日]] - [[ゴッホ 最期の手紙]](監督:{{仮リンク|ドロタ・コビエラ=ロバーツ|en|Dorota Kobiela}}、{{仮リンク|ヒュー・ウェルチマン=ロバーツ|en|Hugh Welchman}}) *[[11月3日]] - [[マイティ・ソー バトルロイヤル]](監督:[[タイカ・ワイティティ]]) *[[12月15日]] - [[スター・ウォーズ/最後のジェダイ]](監督:[[ライアン・ジョンソン]]) ; 本国公開映画(日本公開は翌年以降) *[[3月31日]] - [[ボス・ベイビー]](監督:[[トム・マクグラス]]) *[[7月28日]] - [[絵文字の国のジーン]](監督:{{仮リンク|トニー・レオンディス|en|Tony Leondis}}) *[[9月22日]] - [[キングスマン:ゴールデン・サークル]] (監督: [[マシュー・ヴォーン]]) *[[11月22日]] - [[リメンバー・ミー (2017年の映画)|リメンバー・ミー]](監督:[[リー・アンクリッチ]]) *[[12月8日]] - [[シェイプ・オブ・ウォーター]](監督:[[ギレルモ・デル・トロ]]) *[[12月20日]] - [[グレイテスト・ショーマン]](監督:[[マイケル・グレイシー]]) *12月20日 - [[ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル]](監督:[[ジェイク・カスダン]]) === 文学 === {{main|2017年の文学}} * [[ダヴィド・ラーゲルクランツ]]による『[[ミレニアム (小説)|ミレニアム]]』第5部が発売<!--9月発売、日本語訳版は2017年12月時点で未発売--><ref>[http://jp.reuters.com/article/millennium-idJPKCN0S90WH20151015 北欧作家の遺作小説「ミレニアム」、続編売行き好調で続・続編も]、[[ロイター]]、2015年10月15日、2016年10月29日閲覧</ref>。 === ゲーム === * [[任天堂]]の[[ゲーム機|家庭用ゲーム機]]「'''[[Nintendo Switch]]'''」が日本、[[北アメリカ|北米]]、[[ヨーロッパ|欧州]]、[[オーストラリア]]、[[香港]]などで同時発売。 <gallery widths="150px" heights="110px"> File:Nintendo Switch Console.png|Nintendo Switch </gallery> == 誕生 == {{see also|2017年の日本#誕生|Category:2017年生}} * [[8月4日]] - [[アオイエリカ]]、[[人造人間|アンドロイド]][[アナウンサー]] * [[8月31日]] - [[ガブリエル (ダーラナ公)]] === 人物以外 === * [[4月1日]] - [[コントレイル (競走馬)]]、競走馬 == 死去 == {{See|訃報 2017年}} == ノーベル賞 == * [[ノーベル物理学賞|物理学賞]]:[[レイナー・ワイス]]、[[バリー・バリッシュ]]、[[キップ・ソーン]] * [[ノーベル化学賞|化学賞]]:[[ジャック・ドゥボシェ]]、[[ヨアヒム・フランク]]、[[リチャード・ヘンダーソン]] * [[ノーベル生理学・医学賞|生理学・医学賞]]:[[ジェフリー・ホール]]、[[マイケル・ロスバッシュ]]、[[マイケル・ヤング (生物学者)|マイケル・ヤング]] * [[ノーベル文学賞|文学賞]]:[[カズオ・イシグロ]] * [[ノーベル平和賞|平和賞]]:[[核兵器廃絶国際キャンペーン]] * [[ノーベル経済学賞|経済学賞]]:[[リチャード・セイラー]] == フィクションのできごと == {{フィクションの出典明記|section=1|ソートキー=年2017|date=2011年7月}} * [[4月10日]] - レプリカントのレオン(Leon)が「起動」(製造番号 N6MAC41717)した。(映画『[[ブレードランナー]]([[1982年]]公開)』) * [[5月3日]] - 太陽系外から進入してきた未知の物体「TET」の探査に向かった[[アメリカ航空宇宙局|NASA]]の[[宇宙船]]「オデッセイ号」がTETと接触。オデッセイ号は冬眠モジュールを切り離した後に、船内に宇宙飛行士2名を残してTETに取り込まれてしまう。(映画『[[オブリビオン (2013年の映画)|オブリビオン]]』) * [[12月19日]] - [[アメリカ航空宇宙局|NASA]] から資金不足により中止された[[プロメテウス計画 (NASA)|プロジェクト・プロメテウス]]を継承したウェイランド・コーポレーションが、[[JIMO|木星氷衛星周回機]](JIMO)によって[[エウロパ (衛星)|エウロパ]]の海に存在する[[地球外生命|原始的な生命体]]を発見する。(映画『[[プロメテウス (映画)|プロメテウス]]』)<ref>[https://web.archive.org/web/20180825004746/http://video.foxjapan.com/release/prometheus/timeline/ 社史年表] - ウェイランド・コーポレーション(『プロメテウス』公式サイト内、[[インターネット・アーカイブ]])、2018年8月25日、2021年1月12日閲覧。</ref> * [[12月24日]] - [[新宿]]・[[京都]]で、特級[[呪術師|呪詛師]]・夏油傑による[[呪術]] [[テロ]]「[[百鬼夜行]]」が行われる。(漫画『[[呪術廻戦|東京都立呪術高等専門学校]]』) * 特撮テレビドラマ『[[ウルトラマンダイナ]]』の舞台。 * T-3000に改造されたジョン・コナーがカイル・リースとサラ・コナーを襲撃、スカイネットへ進化しつつあるOSジェニシスの防衛を行う。カイルとサラ、そしてT-800がジェニシスの破壊を目指す。(映画『[[ターミネーター:新起動/ジェニシス]]』) * 映画『[[バトルランナー (映画)|バトルランナー]]』の舞台。原作小説の舞台は[[2025年]]。 * 未知の生物「BLUE」の存在が確認される。その後、BLUEは無機物や人間を捕食しつつ人類による攻撃を受けながらも猛スピードで増殖し、地球全域をその生息圏とする。(アニメ『[[Blue Gender|BLUE GENDER]]』)<ref>『BLUE GENDER』第2話より。</ref> * 太陽のことを知ろうとするキリンに似た[[宇宙人|異星人]]の[[恒星船]]が太陽系に進入。アメリカの月面天文台に所属する天文学者ブラッドリイ・レナルズが公式使節に任命され、[[月周回軌道|月の周回軌道]]に乗った恒星船へと赴く。(小説『{{仮リンク|もし星が神ならば|en|If the Stars are Gods}}』)<ref>{{Cite book |和書 |author1=グレゴリイ・ベンフォード|authorlink1=グレゴリイ・ベンフォード|author2=ゴードン・エクランド|authorlink2=:en:Gordon Eklund |title = もし星が神ならば |publisher = [[早川書房]] |year = 1988 |pages = 51-70,73,74 |isbn = 978-4-15-010802-1}}</ref> == 脚注 == {{Notice|事件などの場合一部記事を伏字としています。伏字にするのを怠った場合は、「[[ケースB-2|削除の方針 ケースB-2:プライバシー問題に関して]]」により削除依頼を提出しますのでご了承下さい。}} {{脚注ヘルプ}} === 注釈 === {{Reflist|group="注"}} === 出典 === {{Reflist|2}} == 関連項目 == {{Commonscat|2017}} * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] * {{日本語版にない記事リンク|2017年における世界各地の指導者一覧|en|List of state leaders in 2017}} * [[:en:Category:2017 protests]] - 抗議デモの一覧 * [[:en:Vehicle-ramming attack]] - [[乗用車]]の暴走による[[テロ事件]]の一覧。前年([[2016年]])末から本年にかけて世界中で急増。 * [[:en:List of terrorist incidents in 2017]] - テロ行為の一覧 * [[#MeToo]] - 女性による[[セクシャルハラスメント]]の告発で、これにより政治家や大物有名人の辞任が相次いだ {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{Navboxes | title = 2017年の各国 | list1 = {{各年のアメリカ|2017|unit=1||List=1}} {{各年のヨーロッパ|2017|unit=1||List=1}} {{各年のアフリカ|2017|unit=1||List=1}} {{各年のアジア|2017|unit=1||List=1}} {{各年のオセアニア|2017|unit=1||List=1}} }} {{デフォルトソート:2017ねん}} [[Category:2017年|*]]
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2037年
2037年(2037 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、木曜日から始まる平年。
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2037年は、西暦(グレゴリオ暦)による、木曜日から始まる平年。
{{年代ナビ|2037}} {{year-definition|2037}} <!-- この項目では、国際的な視点に基づいた2037年について記載する。 --> == 他の紀年法 == * [[干支]]:[[丁巳]](ひのと み) * 日本(月日は一致) ** [[令和]]19年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2697年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4370年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]126年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]126年 * [[仏滅紀元]]:2579年10月5日 - 2580年閏9月9日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1458年11月14日 - 1459年11月23日 * [[ユダヤ暦]]:5797年4月14日 - 5798年4月23日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:2114380800 - 2145916799 * [[修正ユリウス日]](MJD):65059 - 65423 * [[リリウス日]](LD):165900 - 166264 == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2037}} == 予定・予測 == * [[復興特別税|復興特別所得税]]課税終了([[2013年]]から)。 * [[超電導リニア|リニア]][[中央新幹線]][[名古屋駅]] - [[新大阪駅]]間開業予定(ただし、[[大井川]]水系の水資源に関する周辺自治体の懸念や、[[2021年]]に起きた岐阜県の建設現場での死亡事故([[労働災害]])での工事停止により、JR東海は開業時期が未定になったと発表している)。 * [[ボブ・ラッツ]]は、2037年には完全自動化によって自動車等の死亡事故を防ぐため、[[自動運転車|自動運転]]以外の[[自家用車]]は廃止され、非自動運転の自家用車を持てるのは富裕層のみになると予測している<ref>[https://www.businessinsider.jp/post-106911 20年後に車を所有している人はいない —— 自動車業界の重鎮が指摘] - [[ビジネスインサイダー|BUSINESS INSIDER]] JAPAN。2017年11月9日、2018年1月8日閲覧。</ref>。 * [[国際連合|国連]]の[[世界人口]]推計2022年版(中位推計)では、この頃に[[地球]]の総[[人口]]が90億人に達すると予測している<ref>[https://www.jircas.go.jp/ja/program/proc/blog/20220713 578. 国連「世界人口予測2022」~2022年11月15日 80億人到達と予測~](国立研究開発法人[[国際農林水産業研究センター]] 2022年7月13日、2022年8月7日閲覧)</ref>。 == イベント == == 経済 == == 芸術・文化・ファッション == == 誕生 == == 没年 == == ノーベル賞 == == フィクションのできごと == {{フィクションの出典明記|section=1|ソートキー=年2037|date=2011年7月}} * [[6月8日]] - [[カイバル・パクトゥンクワ州|北西フロンティア]]で[[国際連合平和維持活動|平和維持活動]]を行っていたビセサ・ダット中尉ら国連派遣軍の[[MH-6 リトルバード|リトル・バード]]の乗員と、[[国際宇宙ステーション|ISS]]から地球に帰還する途中の[[ソユーズ|ソユーズ往還船]]の宇宙飛行士が、「[[モノリス_(2001年宇宙の旅)#魁種族(さきがけしゅぞく)|魁種族]]」が引き起こした「断絶」に巻き込まれ、別世界の地球上に200万年に渡る様々な時間の空間の断片がつぎはぎされた「ミール」に転移する。(小説『{{仮リンク|時の眼|en|Time's Eye (novel)}}』)<ref>{{Cite book |和書 |author1=アーサー・C・クラーク|authorlink1=アーサー・C・クラーク|author2=スティーヴン・バクスター|authorlink2=スティーヴン・バクスター |title = 〈タイム・オデッセイ〉 時の眼 |publisher = [[早川書房]] |year = 2006 |pages = 17-22,34-51,64-66,106-117,304-306,324,337,338 |isbn = 978-4-15-208783-6}}</ref><ref>{{Cite book |和書 |author = アーサー・C・クラーク&スティーヴン・バクスター |title = 〈タイム・オデッセイ2〉 太陽の盾 |publisher = 早川書房 |year = 2008 |pages = 10,67,68 |isbn = 978-4-15-208912-0}}</ref> * [[6月9日]] - 太陽からの[[コロナ質量放出]]によって大規模な[[磁気嵐|地磁気嵐]]が発生し、{{仮リンク|地磁気誘導電流|en|Geomagnetically induced current}}を原因とする地球規模での送電線網や通信システムの停止、パイプラインの発火などが発生。多くの死傷者が生じる。(小説『{{仮リンク|太陽の盾|en|Sunstorm (novel)}}』)<ref>{{Cite book |和書 |author = アーサー・C・クラーク&スティーヴン・バクスター |title = 〈タイム・オデッセイ2〉 太陽の盾 |publisher = 早川書房 |year = 2008 |pages = 9,14-16,28-42,74-77 |isbn = 978-4-15-208912-0}}</ref> * [[7月23日]] - 3度目の太陽系外探査の為に[[宇宙船]]「カリブデス号」が打ち上げられるが、その後遭難してしまう。(テレビドラマ『[[新スタートレック]]』) * [[7月]] - [[月]]開発のために行なわれた月面爆破工事が失敗。その影響により月の破片が地球上へ大量に降り注ぎ、当時の文明がほぼ滅亡する。(映画『[[タイムマシン (2002年の映画)|タイムマシン(2002年版)]]』) * [[8月]] - [[地球外知的生命体探査#歴史・主な計画|サイクロプス計画]]によって[[宇宙人|地球外知性]]を捜索していた[[ネバダ州|ネヴァダ州]]サーチライト基地の電波望遠鏡が、[[くじら座タウ星|タウ・ケチ]]方面から放たれたレーザー通信を受信。当初は地球外知性からのものと思われたが、[[2025年|12年前]]に遭難して[[ブラックホール]]に飲み込まれた惑星間探査船「アクティス」からのものであると判明する。(小説『[[天国への門 (小説)|天国への門]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= ポール・プロイス|authorlink=:en:Paul Preuss (author) |title = 天国への門 |publisher = 早川書房 |year = 1983 |pages = 14-50 |isbn = 978-4-15-010533-4}}</ref> * ナメクジ型異星人が地球への攻撃を開始。[[ガニメデ (衛星)|ガニメデ]]の前進基地から放たれた発射物の直撃によって、[[インディアナポリス]]、[[ニューオーリンズ]]、[[フェニックス (アリゾナ州)|フェニックス]]、[[カイロ]]、[[ジャカルタ]]が壊滅する。(小説『{{仮リンク|孤児たちの軍隊|en|Robert Buettner#Jason Wander Series}}』シリーズ)<ref>{{Cite book |和書 |author= ロバート・ブートナー|authorlink=:en:Robert Buettner |title = 孤児たちの軍隊 ガニメデへの飛翔 |publisher = 早川書房 |year = 2013 |pages = 11-25 |isbn = 978-4-15-011923-2}}</ref> * [[ポリスノーツ#用語|EMPS]]遊泳実験中の事故で宇宙空間に放り出されたジョナサン・イングラムが、無人探査船に救助される。救助ポッドで25年間[[コールドスリープ]]にされていたため、事故当時の肉体のままである。(ゲーム『[[ポリスノーツ]]』)<ref>[http://www.konami.jp/gs/game/policenauts/charactor/poli-jona.html ジョナサン・イングラム] - ポリスノーツ公式サイト。2015年10月20日閲覧。</ref> == 脚注 == '''注釈''' {{Reflist|group="注"}} '''出典''' {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} <!-- == 参考文献 == --> == 関連項目 == * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{デフォルトソート:2037ねん}} [[Category:2037年|*]]
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2039年
2039年(2039 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、土曜日から始まる平年。
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2039年は、西暦(グレゴリオ暦)による、土曜日から始まる平年。
{{年代ナビ|2039}} {{year-definition|2039}} <!-- この項目では、国際的な視点に基づいた2039年について記載する。 --> == 他の紀年法 == * [[干支]]:[[己未]](つちのと ひつじ) * [[日本]](月日は一致) ** [[令和]]21年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2699年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4372年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]128年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]128年 * [[仏滅紀元]]:2581年10月7日 - 2582年閏10月1日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1460年12月5日 - 1461年12月15日 * [[ユダヤ暦]]:5799年4月5日 - 5800年4月14日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:2177452800 - 2208988799 * [[修正ユリウス日]](MJD):65789 - 66153 * [[リリウス日]](LD):166630 - 166994 == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2039}} == できごと == * [[土星の環]]の消失現象観測(地球から見て完全に水平になり、光学望遠鏡では見えなくなる)<ref>{{Cite web|和書|title=暦Wiki/惑星/環の消失 - 国立天文台暦計算室|url=https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/CFC7C0B12FB4C4A4CEBEC3BCBA.html|website=eco.mtk.nao.ac.jp|accessdate=2020-06-19}}</ref>。 == イベント == == 経済 == == 芸術・文化・ファッション == == 誕生 == == 没年 == == ノーベル賞 == == フィクションのできごと == {{フィクションの出典明記|section=1|ソートキー=年2039|date=2011年7月}} * [[1月]] - [[アメリカ航空宇宙局|NASA]]の第一次[[火星]]調査隊が火星の[[タルシス台地]]で異文明の遺跡を発見するが、突然現れた異生命体「タルシアン」の攻撃によって全滅してしまう。(アニメ『[[ほしのこえ]]』)<ref>[http://www2.odn.ne.jp/~ccs50140/stars/story.html 「ほしのこえ」ものがたり] - Other voices-遠い声-([[新海誠]]旧個人サイト)。2016年1月3日閲覧。</ref> * [[4月]] - 正体不明の製作者によって東京都心在住の小学1年生100名にブレイン・バーストが配布される。(小説・アニメ『[[アクセル・ワールド]]』) * [[10月2日]] - 初の有人火星飛行に臨んだNASAの宇宙船「[[オリオン (宇宙船)|オリオン3号]]」が火星に到達。火星までの約180日の航行期間中、乗組員に対して[[コールドスリープ]]中にプレイするゲーム『BEYOND THE INFINITE』が運用される。(小説『[[ザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネーム]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 赤野工作|authorlink=赤野工作 |title = ザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネーム |publisher = [[KADOKAWA]] |year = 2017 |pages = 153-161,165-167,472 |isbn = 978-4-04-072347-1}}</ref> * 「大海戦」勃発。「[[蒼き鋼のアルペジオ#霧の艦隊|霧の艦隊]]」に対して人類側の最終決戦艦隊(アニメ版では[[国連軍]]傘下)が戦闘を挑むが敗北。その後、霧の艦隊によって海上と通信網は封鎖され、各国は完全な孤立を余儀なくされる。(漫画・アニメ『[[蒼き鋼のアルペジオ]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= Ark Performance|authorlink=Ark Performance |title = 蒼き鋼のアルペジオ 02 |publisher = [[少年画報社]] |year = 2010 |page = 前袖 |isbn = 978-4-7859-3495-8}}</ref><ref>{{Cite book |和書 |author= 日暮茶坊|authorlink=日暮茶坊 |title = 蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- 横須賀出港 |publisher = [[KKベストセラーズ]] |year = 2014 |pages = 12,13 |isbn = 978-4-584-13576-1}}</ref> * [[2019年]]に発生した奇形植物群が宇宙へ放った[[超感覚的知覚|ESP]]波を受信した植物進化系人類「ヴァーガント」が、地球生物を食糧源とすべく地球圏へ侵攻する。地球へ降下したヴァーガント侵攻軍の前に地球防衛機構の敗退が続く中、防衛軍中央開発研究部は実験中の戦闘機「アレスタ2」を出撃させる。(ゲーム『[[アレスタ#シリーズ作品|アレスタ2]]』)<ref>『アレスタ2』取扱い説明書 [[コンパイル (企業)|コンパイル]]、1989年、4・5頁。</ref> * 「一三日間戦争」勃発。北方連合国家(ノーザン・コンドミニアム)と三大陸合州国(ユナイテッド・ステーツ・オブ・ユーラブリカ)が全面戦争に突入。13日間に渡って熱核兵器を大気圏内で大量に使用した結果、世界の主な都市は壊滅状態となる。(小説・アニメ『[[銀河英雄伝説]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 田中芳樹|authorlink=田中芳樹 |title = 銀河英雄伝説6 飛翔篇 |publisher = [[徳間書店]] |year = 1985 |page = 13 |isbn = 978-4-19-153151-2}}</ref> * 地球連邦政府の宇宙海兵コマンドが原因不明の事故を起こした宇宙貨物船の救出に向かい、宇宙貨物船を襲ったモンスターたちと交戦する。(ゲーム『[[スペースガン]]』)<ref>『スペースガン』チラシ [[タイトー]]、1990年、裏面。</ref> * 2030年代後半の「大融解」で全ての陸地が水没し、人類唯一の居住地域となった自走式海上[[アーコロジー]]「アクアポリス」に対し、宇宙から来襲した有機的機械生命体「SPOOK」が攻撃を開始する。(ゲーム『[[創世奇譚アエリアル]]』)<ref>[http://www.akabeesoft3.com/products/aerials/stage.html STAGE 舞台説明] - 『創世奇譚アエリアル』公式サイト(18禁)。2016年1月3日閲覧。</ref><ref>[http://www.akabeesoft3.com/products/aerials/keyword.html#kw_67 KEYWORD 用語説明] - 『創世奇譚アエリアル』公式サイト(18禁)。2016年1月3日閲覧。</ref> * 月内部の重力波探査「プロメテウス計画」に参加していた宇宙飛行士コリン・マッキンタイアが「ダハク」と名乗る存在のコンタクトを受け、月がかつて地球外の星間連合体「第四帝国」によって建造された[[宇宙戦艦|戦列艦]]「ダハク」であることを知らされる。(小説『{{仮リンク|反逆者の月|en|Mutineers' Moon}}』)<ref>{{Cite book |和書 |author= デイヴィッド・ウェーバー|authorlink=デイヴィッド・ウェーバー |title = 反逆者の月 |publisher = [[早川書房]] |year = 2007 |pages = 18-47 |isbn = 978-4-15-011601-9}}</ref> == 脚注 == '''注釈''' {{Reflist|group="注"}} '''出典''' {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} <!-- == 参考文献 == --> == 関連項目 == * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{デフォルトソート:2039ねん}} [[Category:2039年|*]]
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2048年
2048年(2048 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、水曜日から始まる閏年。この項目では、国際的な視点に基づいた2048年について記載する。
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2048年は、西暦(グレゴリオ暦)による、水曜日から始まる閏年。この項目では、国際的な視点に基づいた2048年について記載する。
{{年代ナビ|2048}} {{year-definition|2048}}この項目では、国際的な視点に基づいた2048年について記載する。 == 他の紀年法 == * [[干支]]:[[戊辰]](つちのえ たつ) * 日本(月日は一致) ** [[令和]]30年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2708年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4381年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]137年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]137年 * [[仏滅紀元]]:2590年10月15日 - 2591年閏9月11日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1470年3月14日 - 1471年3月25日 * [[ユダヤ暦]]:5808年4月15日 - 5809年4月26日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:2461449600 - 2493071999 * [[修正ユリウス日]](MJD):69076 - 69441 * [[リリウス日]](LD):169917 - 170282 == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2048}} == できごと == == 予定・予測 == * [[6月3日]] - 直径130mの[[小惑星]] {{mpl|2007 VK|184}} が地球に最接近。<!--予想最短接近距離は地表から8,640km。-->2014年の観測で190万km以内には接近しないことが確認され、当初予測されていた衝突可能性はなくなっている。 == イベント == == 経済 == == 芸術・文化・ファッション == == 誕生 == == 没年 == == ノーベル賞 == == フィクションのできごと == * 1月 - 3月 - [[ゴジラ (架空の怪獣)#GODZILLA(アニメーション3部作)|ゴジラ]]を始めとする怪獣が存在する地球からの脱出と、地球外惑星への移民による人類種の生存を目的として、1月に地球連合の恒星間移民船「オラティオ号」が衛星軌道上から[[はくちょう座]]ケプラー425へ、[[3月14日]]に同「アラトラム号」が[[くじら座タウ星e]]へと出航する。(映画『[[GODZILLA (アニメ映画)|GODZILLA]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 大樹連司|authorlink=大樹連司 |title = GODZILLA プロジェクト・メカゴジラ |publisher = [[KADOKAWA]] |year = 2018 |pages = 6,9,46,161,165,166 |isbn = 978-4-04-106345-3}}</ref><ref>[http://godzilla-anime.com/investigation/ INVESTIGATION REPORT] - 『GODZILLA』オフィシャルサイト。2018年4月26日閲覧。</ref> * 2月 - 地球連邦の探査機「ペネトレイター1」が太陽系外縁部のリング状人工構造物「ハイゲート」の調査のため発進。ハイゲート到達は2年弱後。(小説『[[地球連邦の興亡]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 佐藤大輔|authorlink=佐藤大輔 |title = 地球連邦の興亡1 オリオンに我らの旗を |year = 2015 |publisher = [[中央公論新社]] |page = 110 |isbn = 978-4-12-206167-5 }}</ref> * [[5月22日]] - [[地球帝国]]恒星宇宙軍のブラックホール爆弾「[[バスターマシン#バスターマシン3号|バスターマシン3号]]」、月軌道上より銀河中心部へ向けて発進。(アニメ『[[トップをねらえ!]]』)<ref name = "Top">{{Cite book |和書 |author = |title = トップをねらえ大全! |publisher = [[バンダイビジュアル]] |year = 2012 |pages = 24,52,62,138 |isbn = 978-4-04-899247-3}}</ref> * [[7月7日]] - バスターマシン3号と合流した銀河中心殴り込み艦隊により、カルネアデス計画の最終段階が発動。バスターマシン3号が爆縮を開始し、[[宇宙怪獣#トップをねらえシリーズ|宇宙怪獣]]の群れと共に[[銀河系]]中心部が消滅する。(アニメ『トップをねらえ!』)<ref name = "Top" /><ref>『トップをねらえ! 濃縮CD-ROM大図鑑』収録「各話解説」「おまけ年表」 [[ガイナックス]]、1996年。{{ASIN|B005YNHX7G}}。</ref> * 7月 - 「月戦争(ルナティックウォー)」勃発。ムーンベースの中枢コンピューター「MARIKO」が植物型のエイリアンに寄生されて暴走し、その際に生じた巨大爆発によって月は4つの破片に分裂。[[西側諸国|西側陣営]]はこれに対応すべく軌道戦闘機「[[イメージファイト#自機|OF-1]]」部隊を投入する。(ゲーム『[[イメージファイト]]』)<ref>[[PCエンジン|PC Engine]]版『イメージファイト』取扱説明書 [[アピエス|アイレム]]、1990年、2・8頁。</ref><ref>『[[イメージファイトII]]』取扱説明書 アイレム、1992年、2・14・16頁。</ref> * 汎用作業艇「RX-T1」の試験が日本籍の宇宙ステーション「さくら」で実施される。(ゲーム『[[R-TYPE]]』シリーズ)<ref>[https://web.archive.org/web/20070315043230/http://www.irem.co.jp/official/r/j/history/index.html R-TYPEの世界の歴史] - [[アイレムソフトウェアエンジニアリング]]公式サイト([[インターネットアーカイブ]])、2007年3月15日、2016年3月8日閲覧。</ref> * 突如飛来した巨大球体の攻撃を受け世界各地の主要都市が壊滅。中南米上空で巨大球体を攻撃した地球連合軍の最新鋭攻撃機「アレスタ」部隊も全機撃墜されるが、巨大球体内に封印されていた意思体が1機のアレスタと融合し、「スーパーアレスタ」となって再び巨大球体に挑む。(ゲーム『[[スーパーアレスタ]]』)<ref>『スーパーアレスタ』取扱説明書 [[東宝]]、1992年、2・3頁。</ref> * 世界連邦(太陽系)と[[ケンタウルス座アルファ星]]および[[プロキシマ・ケンタウリ|プロクシマ星]]の種族の間で「プロクシマ戦争」が勃発。緒戦で用いられた熱核爆弾によるものだけでも3大星座系合わせて数千万人が死亡する。終戦は[[2068年]]。(書籍『{{仮リンク|テラン連邦交通貿易局ハンドブック|en|Terran Trade Authority}}』シリーズ)<ref>[[スチュアート・カウリー]] [[チャールズ・ヘリッジ]] 『宇宙大戦争』 [[旺文社]]、1981年、6・7・80頁。{{NCID|BN06788952}}。</ref><ref>スチュアート・カウリー チャールズ・ヘリッジ 『スターライナーズ 23世紀に活躍する宇宙船』 旺文社、1981年、10・28頁。{{NCID|BN06788919}}。</ref> * [[マクロスF#第117次大規模調査船団|第117次大規模調査船団]]がガリア4宙域において異星生物「[[バジュラ (マクロスシリーズ)|バジュラ]]」の襲撃を受け、壊滅する。(アニメ『[[マクロスF]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 小太刀右京|authorlink=小太刀右京 |title = マクロスフロンティア Vol.2 ブレイク・ダウン |publisher = [[角川書店]] |year = 2008 |pages = 276,294 |isbn = 978-4-04-473802-0}}</ref><ref>{{Cite book |和書 |author = 小太刀右京 |title = マクロスフロンティア Vol.3 アナタノオト |publisher = 角川書店 |year = 2009 |pages = 16,56-72 |isbn = 978-4-04-473803-7}}</ref> * 暗躍集団(PCエンジン版では世界平和維持目的の組織)「ストライダーズ」に所属するA級ストライダー・飛竜が冥王グランドマスター討伐の命を受け「カザフ連邦国」に突入。(ゲーム『[[ストライダー飛竜]]』) == 脚注 == '''注釈''' {{Reflist|group="注"}} '''出典''' {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} <!-- == 参考文献 == --> == 関連項目 == * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{デフォルトソート:2048ねん}} [[Category:2048年|*]]
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2049年
2049年(2049 ねん)は、西暦(グレゴリオ暦)による、金曜日から始まる平年。この項目では、国際的な視点に基づいた2049年について記載する。
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2049年は、西暦(グレゴリオ暦)による、金曜日から始まる平年。この項目では、国際的な視点に基づいた2049年について記載する。
{{年代ナビ|2049}} {{year-definition|2049}}この項目では、国際的な視点に基づいた2049年について記載する。 == 他の紀年法 == * [[干支]]:[[己巳]](つちのと み) * 日本(月日は一致) ** [[令和]]31年 ** [[神武天皇即位紀元|皇紀]]2709年 * [[大韓民国]](月日は一致) ** [[檀君紀元|檀紀]]4382年 * [[中華民国]](月日は一致) ** [[民国紀元|中華民国]]138年 * [[朝鮮民主主義人民共和国]](月日は一致) ** [[主体暦|主体]]138年 * [[仏滅紀元]]: 2591年閏9月11日 - 2592年10月8日 * [[ヒジュラ暦|イスラム暦]]:1471年3月26日 - 1472年4月6日 * [[ユダヤ暦]]:5809年4月27日 - 5810年4月6日 * [[UNIX時間|Unix Time]]:2493072000 - 2524607999 * [[修正ユリウス日]](MJD):69442 - 69806 * [[リリウス日]](LD):170283 - 170647 == カレンダー == {{年間カレンダー|年=2049}} == できごと == * [[12月20日]] - [[マカオ]]の「返還後50年間は現状の保全」が終了。 == 予定 == * 9月 - [[2003年]]にウクライナから宇宙へ向け発信されたメッセージ「[[コズミック・コール2]]」が[[おおぐま座47番星]]に到達<ref>{{cite web|url=http://www.cplire.ru/rus/ra&sr/VAK-2004.html |title=Передача и поиски разумных сигналов во Вселенной |publisher=Cplire.ru |date= |accessdate=2008-09-14}}</ref>。 == 芸術・文化・ファッション == == 経済 == == 誕生 == == 没年 == == ノーベル賞 == == フィクションのできごと == * [[1月1日]] - 異星起源種「[[マブラヴ オルタネイティヴ#BETA|BETA]]」を作り出した[[ケイ素生物|珪素生命体]]に人類を生命体と認知させるため、統合体宇宙総軍の使節艦隊が軌道異相空間転移ゲート「フォーマルハウト」から珪素生命体の惑星を目指して旅立つ。(ゲーム・漫画『[[マブラヴ オルタネイティヴ]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 蒔島梓|authorlink=蒔島梓 |title = マブラヴ オルタネイティヴ 17 |publisher = [[KADOKAWA]] |year = 2017 |pages = 101,231-240 |isbn = 978-4-04-892967-7}}</ref> * [[4月7日]] - 敵母星と推測される[[木星]]軌道上の[[ネメシス (仮説上の恒星)|ネメシス]]彗星核を攻撃目標とする、「ネメシスの敵」に対する大反撃作戦計画「METAL BLACK」が、[[2052年]]中旬の[[D-デイ|D-DAY]]を目指して開始される。(ゲーム『[[メタルブラック]]』)<ref>[[ZUNTATA]]『METAL BLACK -The First-』ライナーノーツ [[タイトー|TAITO]]、1997年、7頁。</ref> * 末 - [[2047年]]に勃発した「接触戦争」([[第三次世界大戦]])が地球連邦の勝利によって終結。同時期に、地球連邦の[[宇宙探査機|探査機]]「ペネトレイター1」が太陽系外縁部のリング状人工構造物「ハイゲート」の内部へ突入し、[[バーナード星]]系に到達する。(小説『[[地球連邦の興亡]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 佐藤大輔|authorlink=佐藤大輔 |title = 地球連邦の興亡1 オリオンに我らの旗を |publisher = [[中央公論新社]] |year = 2015 |pages = 78,79,109-111 |isbn = 978-4-12-206167-5}}</ref> * 末 - [[シリウス|シリウスB]]に[[X線]]の放射量の増加などの[[超新星|超新星爆発]]の兆候が観測されたことを受け、[[光速]]を超えてシリウスBの超新星爆発を「予知」すべく、人間の神経細胞塊を巨視的な[[アインシュタイン=ポドルスキー=ローゼンのパラドックス|EPR]]ペアとして用いる[[量子テレポーテーション|量子通信]]システム「フェイント・ボイス」を備えた探査宇宙船が、地球衛星軌道上よりシリウスへ向け発進する。(演劇・小説『[[天狼新星]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 花田智|authorlink=花田智 |title = 天狼新星 SIRIUS:Hypernova |publisher = [[早川書房]] |year = 2012 |pages = 81-89,223-226 |isbn = 978-4-15-209299-1}}</ref> * [[おひつじ座アルファ星|アルファ・アリエティス]]の第2惑星リチアを訪れていたラモン・ルイスサンチェス神父らの調査団の報告によって、リチア人の道徳のあり方が「[[至聖三者|神]]」に与えるであろう影響を理由として、リチアの禁制区域としての隔離が決定される。(小説『{{仮リンク|悪魔の星|en|A Case of Conscience}}』)<ref>{{Cite book |和書| author= ジェイムズ・ブリッシュ|authorlink=ジェイムズ・ブリッシュ |title = 悪魔の星 |publisher = [[東京創元社]] |year = 1967 |pages = 19,101-119,277 |isbn = 978-4-488-62201-5}}</ref> * [[コールサック|石炭袋]]の試験的な探検を行っていたマクラリー機械工業の船団が、知性を持つエネルギー生物「天使族」と友好的に接触。その際の事故によって2隻の船が失われるが、残る「エレクトロード号」は核融合反応炉内に天使族1匹を捕獲した状態で地球に帰還する。(小説『[[宇宙の天使たち]]』)<ref>ジェイムズ・ブリッシュ『宇宙の天使たち』早川書房、1969年、20 - 24・32・40頁。{{全国書誌番号|75063634}}。</ref> * [[月]]で異変が生じて地球が打撃を受けたため、人類が月の破壊を決定する。(ドラマ『[[ドクター・フー]]』) * 活発な運動を行う新種の[[粘菌]]類が[[アンデス山脈]]の山中で発見される。(TRPG『[[永い後日談のネクロニカ]]』)<ref>{{Cite book |和書 |author= 神谷涼|authorlink=神谷涼 (ゲームデザイナー) |title = 永い後日談のネクロニカ |publisher = [[パッチワークス]] |year = 2013 |page = 28 |isbn = 978-4-9905804-0-7}}</ref> * [[映画]]『[[ブレードランナー 2049]]』の設定年<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.kinenote.com/main/public/cinema/detail.aspx?cinema_id=86986 |title=『ブレードランナー 2049』あらすじ |work=KINENOTE |publisher=キネマ旬報社 |accessdate=2017-10-17}}</ref>。 *映画『[[ぼくらのよあけ]]』の舞台。 == 脚注 == '''注釈''' {{Reflist|group="注"}} '''出典''' {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} <!-- == 参考文献 == --> == 関連項目 == * [[年の一覧]] * [[年表]] * [[年表一覧]] {{十年紀と各年|世紀=21|年代=2000}} {{デフォルトソート:2049ねん}} [[Category:2049年|*]]
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13,152
オイラー路
オイラー路(オイラーろ、英: Eulerian trail)とは、グラフの全ての辺を通る路のこと。また全ての辺をちょうど1度だけ通る閉路は、オイラー閉路(オイラーへいろ、英: Euler circuit)という。これらの名称は1736年にこれらを含むグラフの特徴づけを与えたレオンハルト・オイラーにちなむ。 グラフの辺をすべて通るようなオイラー閉路を持つグラフのことをオイラーグラフ(英: Eulerian graph)という。またグラフの辺をすべて通るような、閉路でないオイラー路を持つグラフのことを準オイラーグラフという。 オイラーグラフと準オイラーグラフは、一筆書き可能である。連結グラフ G に対して次が成り立つ。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "オイラー路(オイラーろ、英: Eulerian trail)とは、グラフの全ての辺を通る路のこと。また全ての辺をちょうど1度だけ通る閉路は、オイラー閉路(オイラーへいろ、英: Euler circuit)という。これらの名称は1736年にこれらを含むグラフの特徴づけを与えたレオンハルト・オイラーにちなむ。", "title": null }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "グラフの辺をすべて通るようなオイラー閉路を持つグラフのことをオイラーグラフ(英: Eulerian graph)という。またグラフの辺をすべて通るような、閉路でないオイラー路を持つグラフのことを準オイラーグラフという。", "title": null }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "オイラーグラフと準オイラーグラフは、一筆書き可能である。連結グラフ G に対して次が成り立つ。", "title": "オイラーの定理" } ]
オイラー路とは、グラフの全ての辺を通る路のこと。また全ての辺をちょうど1度だけ通る閉路は、オイラー閉路という。これらの名称は1736年にこれらを含むグラフの特徴づけを与えたレオンハルト・オイラーにちなむ。 グラフの辺をすべて通るようなオイラー閉路を持つグラフのことをオイラーグラフという。またグラフの辺をすべて通るような、閉路でないオイラー路を持つグラフのことを準オイラーグラフという。
[[Image:Labelled_Eulergraph.svg|thumb|全ての頂点の次数が偶数であるので、このグラフはオイラーグラフである。アルファベット順に辺をたどればオイラー閉路を得る。]] [[File:Königsberg graph.svg|thumb|[[ケーニヒスベルクの橋]]を簡略化したグラフ。このグラフはオイラーグラフではない。]] '''オイラー路'''(オイラーろ、{{lang-en-short|Eulerian trail}})とは、[[グラフ理論|グラフ]]の全ての辺を通る[[グラフ理論#用語|路]]のこと。また全ての辺をちょうど1度だけ通る[[閉路]]は、'''オイラー閉路'''(オイラーへいろ、{{lang-en-short|Euler circuit}})という。これらの名称は1736年にこれらを含むグラフの特徴づけを与えた[[レオンハルト・オイラー]]にちなむ{{sfn|Bollobas|1998|p=16}}。 グラフの辺をすべて通るようなオイラー閉路を持つグラフのことを'''オイラーグラフ'''({{lang-en-short|Eulerian graph}})という。またグラフの辺をすべて通るような、閉路でないオイラー路を持つグラフのことを'''準オイラーグラフ'''という。 == オイラーの定理 == {{see also|一筆書き}} オイラーグラフと準オイラーグラフは、一筆書き可能である。[[連結グラフ]] ''G'' に対して次が成り立つ。 *<var>G</var> がオイラーグラフ ⇔ <var>G</var> の全ての頂点の[[次数 (グラフ理論)|次数]]が偶数。 *<var>G</var> が準オイラーグラフ ⇔ <var>G</var> の頂点のうち、次数が奇数であるものが2つ。 == 脚注 == {{reflist}} == 参考文献 == *{{cite book |last1 = Bollobás |first1 = B. |year = 1998 |title = Modern Graph Theory |series = Graduate Texts in Mathematics |volume = 184 |url = {{google books|SbZKSZ-1qrwC|Modern Graph Theory|plainurl=yes|page=16}} |publisher = Springer |isbn = 0-387-98491-7 |ref = {{sfnref|Bollobas|1998}} }} == 関連項目 == * [[ケーニヒスベルクの問題]] * [[ハミルトン路]]:すべての頂点を通る路 {{math-stub}} {{DEFAULTSORT:おいらあろ}} [[Category:グラフ理論]] [[Category:数学に関する記事]] [[Category:レオンハルト・オイラー]]
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ハミルトン路
ハミルトン路(ハミルトンろ、英語: Hamiltonian path)とは、グラフ上の全ての頂点を 1 度ずつ通る路のこと。特に、グラフ上の全ての頂点を 1 度ずつ通る閉路はハミルトン閉路という。また、ハミルトン閉路を含むグラフのことをハミルトングラフといい、ハミルトン路は含むがハミルトン閉路は含まないようなグラフのことを準ハミルトングラフという。 与えられたグラフがハミルトン路を含むかどうか判定する問題は、NP完全問題。与えられたグラフがハミルトングラフかどうか判定する問題については、ハミルトン閉路問題を参照のこと。 まだ、ハミルトングラフかどうかを判定する簡単な定理は見つかっていない。
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ハミルトン路とは、グラフ上の全ての頂点を 1 度ずつ通る路のこと。特に、グラフ上の全ての頂点を 1 度ずつ通る閉路はハミルトン閉路という。また、ハミルトン閉路を含むグラフのことをハミルトングラフといい、ハミルトン路は含むがハミルトン閉路は含まないようなグラフのことを準ハミルトングラフという。 与えられたグラフがハミルトン路を含むかどうか判定する問題は、NP完全問題。与えられたグラフがハミルトングラフかどうか判定する問題については、ハミルトン閉路問題を参照のこと。 まだ、ハミルトングラフかどうかを判定する簡単な定理は見つかっていない。
{{出典の明記| date = 2022年11月}} '''ハミルトン路'''(ハミルトンろ、{{lang-en|Hamiltonian path}})とは、[[グラフ理論|グラフ]]上の全ての頂点を 1 度ずつ通る[[グラフ理論#用語|路]]のこと。特に、グラフ上の全ての頂点を 1 度ずつ通る[[閉路]]は'''ハミルトン閉路'''という。また、ハミルトン閉路を含むグラフのことを'''ハミルトングラフ'''といい、ハミルトン路は含むがハミルトン閉路は含まないようなグラフのことを'''準ハミルトングラフ'''という。 与えられたグラフがハミルトン路を含むかどうか判定する問題は、[[NP完全問題]]。与えられたグラフがハミルトングラフかどうか判定する問題については、[[ハミルトン閉路問題]]を参照のこと。 まだ、ハミルトングラフかどうかを判定する簡単な定理は見つかっていない。 ==性質== * |''V''(''G'')| ≥ 3、δ(''G'') ≥ |''V''(''G'')|/2 を満たす単純グラフ ''G'' は、ハミルトングラフ (Dirac, 1952年) * グラフ ''G'' (|''V''(''G'')| ≥ 3) がハミルトングラフ ⇔ ''d''(''u'') + ''d''(''v'') ≥ ''V''(''G'') を満たす隣接していない頂点 ''u'', ''v'' について、''G'' + (''u'', ''v'') がハミルトングラフ * グラフ ''G'' (|''V''(''G'')| ≥ 3) がハミルトングラフで、(''u'', ''v'') &isin; ''E''(''G'') かつ ''d''(''u'') + ''d''(''v'') ≥ ''n'' + 2 ならば、''G'' - ''e'' もハミルトングラフ。 * [[完全グラフ]] ''K''<sub>2''n''+1</sub> は、''n'' 個のハミルトン閉路に分解できる。 * 完全グラフ ''K''<sub>2''n''</sub> は、''n''-1 個のハミルトン閉路と 1 個の 1-[[正則グラフ|正則]]な全域部分グラフに分解できる。 == 関連項目 == * [[閉路グラフ]] * [[ディラックの定理]] * [[オーレの定理]] * {{仮リンク|Bondy–Chvátalの定理|en|Bondy–Chvátal theorem}} * [[オイラー路]] {{DEFAULTSORT:はみるとんろ}} [[category:グラフ理論]] [[Category:ウィリアム・ローワン・ハミルトン]] [[Category:数学に関する記事]] [[Category:数学のエポニム]]
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社会民主党 (日本 1996-)
社会民主党(しゃかいみんしゅとう、英: Social Democratic Party、略称: SDP、SDPJ)は、日本の政党。55年体制下で野党第一党であった日本社会党が1996年1月に改称した社会民主主義政党である。 日本語略称は「社民党(しゃみんとう)」、「社民(しゃみん)」。1字表記の際は、「社」と表記される。 国際組織の社会主義インターナショナル(SI)に加盟している。SIの第23回大会(2008年)で党首の福島が副議長に選出されて以来、第24回大会、第25回大会と連続して選出されていたが、第26回大会(2022年)では選出されていない。 かつての大政党の勢いはない。 日本社会党から改名した社会民主党は、綱領的文書の「社会民主党宣言」において、「社会民主主義を掲げる政党」としており、「日本における社会民主主義の理念」は「平和・自由・平等・共生」としている。また「競争最優先の市場万能主義に立つ新自由主義」「強大な政治、経済、軍事力を背景に特定の価値観を押しつけようとする新保守主義に最も厳しく対峙するのが社会民主主義である」と主張している。 1996年1月に日本社会党が改称して発足した。初代党首は村山富市。継続して自社さ連立政権に参加。新党さきがけとの合流を模索し、同年9月に社民党内合流推進派は離党し、民主党を結成した。民主党執行部によって、負のイメージが強い者とされた村山富市、土井たか子は入党を拒否された(排除の論理)。新人当選者だけでなく、第一野党時代の日本社会党から所属していた横路孝弘や赤松広隆・輿石東・鉢呂吉雄など党内左派、佐藤観樹幹事長ら党内右派系などの党所属国会議員の半数以上である35名が社民党から移籍をした。結党された民主党は当時の両院現職国会議員57名で構成され、日本労働組合総連合会や旧社会党時代の支持母体のほとんどを獲得した。結党時の民主党は57名中旧社会党出身者が35名と党内過半数を占めていた。社民党自体は合流拒否された者を含む不参加者らにより存続し、同年9月28日から土井たか子が2代目党首となった。1998年5月に社民党は自社さ連立政権を離脱した。。 1980年代に入ると日本人の失踪者が北朝鮮に拉致されていたとの証言が相次いでいたが、前身である社会党時代から北朝鮮による日本人拉致被害を長年にわたって否定し続けていた。1987年の大韓航空機爆破テロについても「韓国の自作自演」と主張をしていた。所属議員らも北朝鮮の金日成・金正日親子を「素晴らしいリーダー」などと賞讃してきた。2002年に行われた日朝首脳会談で北朝鮮国防委員長の金正日は訪朝した小泉純一郎内閣総理大臣に拉致の事実を認めたが、当時の社会党幹部は直後の「朝まで生テレビ」を全員出演辞退した。2003年の衆議院総選挙では当時の党首土井たか子が「憲法を生かせるか、死なせるかを賭けた戦い」との言葉を繰り返したが、北朝鮮への社民党対応への世論の批判と辻元清美議員の秘書給与搾取による逮捕事件を受けて、選挙前勢力の18議席から6議席に激減の惨敗を喫する。土井自身も比例復活当選したものの、小選挙区での議席を失い、同年11月13日に党首を辞任した。同年11月15日、福島瑞穂が党首に就任。これらの不祥事に加えて、2005年に衆院選で大敗した結果、当時の職員の3割ほどを配置転換ではなく、党持論に反した整理解雇をしたことも致命的になった。民間企業のリストラや雇止めを批判しながらも、このような党職員への姿勢は、支持基盤である労働組合関係者からも強い批判を受けることとなった。 2009年に民社国連立政権に参加したが、普天間基地移設問題をめぐり福島大臣が罷免されたことを受け、2010年に離脱。 2013年の参議院議員選挙では比例で1議席を獲得するに留まり、選挙結果を受けて党首の福島は引責辞任した。後任を巡る党首選挙では吉田忠智政審会長(参議院比例区)と石川大我豊島区議会議員が立候補し、吉田が選出された。 2018年、3期の任期満了で吉田は党首を退任し、後任には又市征治幹事長が無投票で選出された。 2020年、1期の任期満了で又市は党首を退任し、後任には福島副党首が無投票で選出された。 2020年には民主党の系譜上にある立憲民主党との合流を模索したが、地方組織などに慎重意見があることから10月22日の常任理事会で国会議員や地方組織の離党を「容認」する決議を11月14日の臨時党大会で諮った結果、僅差で可決され、さらなる分裂が現実となった。これにより、党員は約4割減、地方議員は半数以上が離党し、時事通信によると「地盤沈下」に歯止めがかからない状況となっている。 事実上の分裂後、初の大型国政選挙となる第49回衆議院議員総選挙では得票率が1.77%にとどまったほか、これまで必ず当選者が出ていた比例代表で議席を獲得できず、最終的な当選者数は小選挙区の1名のみであった。 2022年の第26回参議院議員通常選挙では改選対象だった党首の福島1名のみが当選し、得票率は2.37%に達し政党要件を確保した。 2023年7月には韓国国会本館前でのデモ活動にて、「日本の国会議員も汚染水放流に反対している」ということに用いられるために大椿裕子社民党副党首が訪韓している。招聘してきた韓国左派政党共に民主党議員らと大椿副党首は「福島汚染水放流反対」を共に叫んだ。朝鮮日報は、韓国一般国民は社民党を「日本の有力政党」と誤認識しているものの、「(日本国会で)0.4%の議席しか持たない没落した政党」から学べることは連帯ではなく、「時代に逆行した政党の末路」と指摘している。 1996年1月の日本社会党第64回大会での名称変更決定を受け、3月に第1回大会を開き結成された。初代党首は日本社会党の村山富市委員長が引き続き務め、幹事長には佐藤観樹が就任した。村山内閣総辞職により成立した第1次橋本内閣に引き続き与党として参加し、自社さ連立政権の枠組みを維持した。一方、党名変更と自社さ連立政権に批判的な左派勢力は、1月に離党し新社会党を結党した。 民主党への入党を拒否されなかった第一野党時代の日本社会党から所属していた横路孝弘や赤松広隆・輿石東・鉢呂吉雄など党内左派、佐藤観樹幹事長ら党内右派系およびの議員多数は個別の形で民主党へ参加した。新人当選者を含めた党所属国会議員の半数以上である35名が社民党から移籍をした。さきがけからは、民主党結党時点の27名内15名が旧・民主党に参加した。民主党は当時の両院現職国会議員57名で構成され、日本労働組合総連合会や旧社会党時代の支持母体のほとんどを獲得した。結党時の民主党は57名中旧社会党出身者が35名と党内過半数を占めていた。このように、社民党は総選挙を所属議員の過半数、支持母体など支持層の大半を失う中で、入党拒否された者、意図的に党に残った者だけで戦うことになった。 総選挙に向けた立て直しの一環として、1996年9月28日、社会党時代に委員長を務めた土井たか子が党首に復帰する。社会党時代の支持基盤であった労働組合の大半が民主党支持に転じたため、土井党首は辻元清美ら市民運動出身者を積極的に立候補者に起用したが、第41回衆議院議員総選挙(10月20日投開票)では15議席しか獲得できなかった。この選挙で初当選した議員は「土井チルドレン」と呼ばれた。総選挙後は、閣外協力として引き続き連立政権(第2次橋本内閣)に参加したが、1998年5月に連立政権から離脱した。 政権離脱後の1999年東京都知事選挙では旧社会党時代から唯一の都知事選における自主投票となった。第42回衆議院議員総選挙(2000年6月25日実施)では4議席増の19議席を確保したが、第19回参議院議員通常選挙(2001年7月19日実施)では小泉旋風の煽りをうけて得票・議席とも大幅に減らした。その結果、同年の第7回党大会で自社さ連立政権以来の旧幹部が退き、幹事長に福島瑞穂、政審会長に辻元清美など市民派が重要ポストに就いた。これ以後、自由民主党に対する対決姿勢が強まった。2000年(平成12年)から2003年(平成15年)にかけて女性議員の比率が増加して社民党の衆議院議員が男性9人で女性10人になり衆参の国会議員の男女比がほぼ同数になった。 2001年10月、日本近海で続く北朝鮮不審船対策として、停船命令に従わない不審船への船体射撃を認める海上保安庁法改正案に対し、「警察比例の原則を逸脱し、警備体制の充実を踏み越えた内容である」などの観点から反対した。 2002年4月に国連の「テロ資金供与防止条約」を批准するための関連新法が国会で可決、成立した。テロ資金の授受で仮名口座などが受け皿になることが多いため、金融機関に対し口座開設や200万円以上の現金取引を行う際、顧客の身元確認(本人確認)を義務付ける法案であるが、「罪刑法定主義、構成要件の明確性を求める刑事司法の原則に違背し、この法律が施行されれば思想・良心の自由、信教の自由等を侵害する虞があり、戦争その他国家による武力の行使による犠牲者に対する人道的な国際的救援活動を制約する虞もある」という自由人権協会の意見を引用し、反対した。 2002年9月17日の日朝首脳会談において、北朝鮮側が日本人の拉致を公式に認めたが、このことにより社会党時代より朝鮮労働党と友党関係を結んで積極的に交流し、少し前まで拉致捏造説をとっていた社民党は、それまでの拉致問題への対応を巡って世論から非難に晒されることになった。 第43回衆議院議員総選挙(2003年11月9日実施)では、自民・民主の二大政党への流れに押され、議席数が18から6へ、3分の1に減じた。党首の土井自身も小選挙区で落選し、比例復活で辛うじて議席を確保した。選挙後、土井は党首を引責辞任した。 2003年11月15日、福島瑞穂が党首に就任。幹事長には自治労出身の又市征治が就任し、労組、エコロジー派、消費者運動、市民派 (NPO) 等の吸収を目指して、新しいグローバリゼーションの状況に対抗可能な社会民主主義を模索した。 2004年の第20回参議院議員通常選挙(2004年7月25日実施)では、前党首の土井が「選挙違反をやっていいとは言わないが、すれすれのところまで、本気になって頑張ろう」と声明を発した。福島をはじめ比例区で2議席を確保し、複数議席獲得により解党などの事態は回避できた。 第44回衆議院議員総選挙(2005年9月11日投開票)では、選挙前に副党首の横光克彦、元政策審議会長の濱田健一らが離党、民主党に移籍した。議席数は公示前の5議席から7議席に回復したが、比例近畿ブロックで単独立候補していた土井が落選した。 2006年2月11日、12日の第10回党大会で「社会民主党宣言」を採択した。この中で自衛隊は「現状、明らかに違憲状態にある自衛隊は縮小を図り、国境警備・災害救助・国際協力などの任務別組織に改編・解消して非武装の日本を目指します」と記載され、旧社会党時代の1994年に村山首相が打ち出した自衛隊合憲・容認路線は修正された。同時に、1993年に政治改革関連4法案に反対し処分された17名のうち離党した者を除く9名の処分を取り消したほか、元党首の村山、土井両人が「名誉党首」就任した。一方、新社会党及び「9条ネット」については、又市は「『戻ってらっしゃい』と言っている。『村山政権のときに安保・自衛隊を認めた』と、馬鹿みたいな話をまだしている。」と批判した。その後、新社会党幹部の原和美が2010年形式的に離党し社民党比例候補として参院選に出馬した。 2007年4月20日、国の海洋政策を一元化するための海洋基本法と、ガス田掘削施設などの周辺への船舶進入を規制する海洋構築物安全水域設定法に対し、党派としては唯一反対。福島は「この法律は領土問題や資源問題について近隣諸国との関係に影響を与えるものである。拙速に行うと、交渉に悪い影響を与えることになる。」とコメントした。 2007年に入ると、自民党の支持率が低減し、政権交代が現実味を帯びるようになる。 第21回参議院議員通常選挙(2007年7月29日実施)では、「憲法9条と年金があぶない! 今回は社民党へ」をキャッチコピーに、憲法と年金問題を中心に主張し、政党CMではアニメを採用するユニークなCMを流した。結果は幹事長の又市を含め比例区で2議席確保の参議院計5議席にとどまったが、民主党系会派と社民党の議席の合計が過半数に達し、参議院ではねじれ現象を誕生させた。 同年12月22日、本部にて第11回党大会を開催し、立候補者1名のみの無投票で福島の党首当選(3期目)を正式に決定した。福島は「次回の衆議院選挙で2桁(10人以上)の当選を目指す」と宣言した。この党大会では1998年(自民党当時総裁の橋本龍太郎)以来久々に、他党幹部として民主党代表代行の菅直人や国民新党副代表の自見庄三郎らが来賓出席した。また、党役員人事では副党首に幹事長の又市征治、幹事長に国会対策委員長の重野安正、副幹事長に東京都連副会長だった保坂展人が就くことになった。また、参院選比例区候補だった上原公子は、社民党を労組依存体質から脱却し、市民運動やNPOの連合体を目指す党改革案を提出し話題となった。 2009年東京都議会議員選挙では議席回復はできなかったが、昭島選挙区で野党系候補(社民党は推薦)の星裕子が当選した(当選後は生活者ネットの会派に所属)。 2009年の第45回衆議院議員総選挙においては、党として上述の「次回の衆議院選挙で2桁(10人以上)の当選を目指す」に及ばず敗北した。しかし、圧勝した民主党に対して、国民新党と共に政策合意に基づく、歴史的な民社国連立政権に参加することになった。この3党合意により、鳩山内閣において、党首の福島の閣僚入り(消費者・少子化担当相)が決定し、基本政策閣僚委員会が設定された。自社さ連立政権以来、13年ぶりに閣僚を送り込み、11年ぶりに与党に復帰した。また、国土交通副大臣に辻元清美が就任した。 2006年の「社会民主党宣言」では、自衛隊は「違憲状態」としたが、社会民主党が政権与党となった際に党首である福島瑞穂は、大臣就任後の2010年3月1日の衆議院予算委員会において、自衛隊の日本国憲法上の位置づけについて「(党として合憲か違憲か)結論を出していない」としており、同月12日の参議院予算委員会では、自民党の佐藤正久の「(自衛隊を)合憲と認めるか」との質問に対して、「閣僚としての発言は差し控えさせていただく」として答弁を拒んだが、最終的に「社民党の方針は変わらない。内閣の一員としては内閣の方針に従う。自衛隊は違憲ではない」と答弁した。 2009年12月の社民党党首選挙で福島瑞穂は、アメリカ軍普天間基地の問題について、国外や県外への移設を強く主張し、党内の照屋寛徳ら国外・県外移設を強く主張する議員に応えたこともあり、無投票で福島が再選した。 普天間基地移設問題は、従来からの社民党の主張である基地の国外、県外への移設を連立政権の中でも主張し、閣僚である党首の福島は「鳩山内閣が万が一、辺野古沿岸部に海上基地をつくるという決定をした場合には、社民党にとっても、私にとっても、重大な決意をしなければならない」と述べ、基地問題の解決のために、連立政権からの離脱も辞さない覚悟で基地を国外・県外へ移設させる強い覚悟を示した。2009年12月15日、与党3党で基本政策閣僚委員会を開き、民主党が具体的期日を設けることを求めたのに対して社民党は「重要なことは期限ではなく、沖縄県民の負担軽減と、沖縄県民、日本国民の多くが納得するような結論を3党で力を振り絞って出すこと。そうでなければ結局、この問題は解決しない」と述べ拒否したため、米軍普天間基地の移設先に関する方針決定を先送りし、連立3党実務者でつくる協議機関で再検討することを決めた。 12月24日、社民党は、基地のグアム移転を目指して党内に米軍普天間飛行場の移設問題に関するプロジェクトチームを発足させた。プロジェクトチームは2010年1月中に米グアム島を視察し、米側の普天間移設問題に対する認識を確認するため、ワシントン訪問も検討した。同年1月10日、福島は、来日中の米議会下院外交委員会「アジア・太平洋・地球環境小委員会」の委員長エニ・ファレオマバエガ、マイク・ホンダ、ジョゼフ・カオら下院議員と米軍海兵隊を主力とする普天間飛行場移設問題について意見交換した。ファレオマバエガは、会談後の記者会見で「誰もが納得できるような解決につなげるための情報収集を目的に来日した。同移設問題の方針決定は日本の国内問題だが、今後も行方を見守り、解決につなげていきたい」と述べた。 福島は、「環境やジュゴンの問題も大事だが、一番大切なのは沖縄県民の気持ちだ」、「沖縄県民の大多数は県外、国外移設を望んでいると説明した。県民の思いが重要だというファレオマバエガの言葉は沖縄の基地負担を理解しているようで印象的だった」と述べ、米下院での今後の動きに期待を寄せた。1月の名護市長選で当選した稲嶺進は、当選後、就任あいさつで「選挙中、辺野古の海にも陸上にも新しい基地は造らせないということを訴えた」と同市辺野古への米軍普天間飛行場の移設反対をあらためて主張した。2月24日の沖縄県議会本会議では、「米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還と県内移設に反対し、国外・県外移設を求める意見書」案を全会一致で可決した。これらの世論の動向を受けるかたちで、福島からは、沖縄県内の民意を最大限尊重し、場合によっては、5月末決着を先延ばししてでも、慎重な政権運営を図っていきたいという意向が示された。また、政審会長の阿部知子は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設案として、米領グアムなどに全面移転する「国外移設案」や、国外移設までの期限付きで九州北部の既存自衛隊基地などに分散移転する「暫定県外移設案」など3案を、3月上旬にも開かれる政府・与党の沖縄基地問題検討委員会に提出し、最終調整に臨む方針(「私案」)も示した。 しかし普天間問題で、鳩山は結局自公連立政権時代の案に近い内容で政府案をまとめ、福島にも同意の署名を求めた。福島はこれを拒否し、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全・少子化対策・男女共同参画)を罷免された。直後に福島党首が開いた会見で「社民党は沖縄を裏切ることはできない」「数々の犠牲を払ってきた沖縄にこれ以上の負担を押し付けることに加担するわけにはいかない」と述べ署名に応じなかった経緯を説明した。また「言葉に責任を持つ政治をやって行きたい」と述べ上記の「重大な決意」を実行した社民党と、「国外、最低でも県外」の公約を守らなかった民主党を比較し民主党を批判した。これを受け党内では、「党首たる福島が罷免された以上連立を維持する意味がない」として、連立解消を求める意見が大勢となり、2010年5月30日に開いた全国幹事長会議で、最終的に連立を解消することを決定した。 琉球新報と毎日新聞が合同で緊急の沖縄県民世論調査を行った結果、社民党の政党支持率が大幅に上昇し10.2%でトップとなった。県内で社民党の政党支持率が他党をおさえてトップになるのは初めてである。その調査では普天間基地の辺野古移設に反対が84%、賛成が6%となった。 民社国連立政権により所謂「国鉄改革1047名問題」に関して新たな解決策が模索された。与党3党及び公明党は2010年4月9日「国鉄改革1047名問題に関する人道的観点からの解決案」を政府に要請した。同日、前原誠司国土交通大臣は、当該解決案を受け入れると表明した。 第22回参議院議員通常選挙では、組織内候補を立てていた日本私鉄労働組合総連合会(私鉄総連)が、渕上貞雄の引退に伴って立候補先を民主党へ移動、改選議席数3を2に後退させた。沖縄県では比例での得票数こそトップになったものの、沖縄県選挙区では自民党公認の島尻安伊子が再選され、社民党が推薦した候補は次点に終わった。選挙後、辻元清美が離党し、2010年9月衆議院会派「民主党・無所属クラブ」に入会。2011年9月 民主党に入党。 自民党などが提出した柳田稔法相の問責決議案に賛成するなど菅内閣への対立姿勢を示しつつも、国会運営に必要な3分の2の議席を必要とする菅内閣からは政権への協力を呼びかけられていた。社民党は与党には戻らないとしながらも、社民党の要求が通るならば政権に協力するという立場を表明した。菅政権も武器輸出三原則の見直しを先送りさせるなどして社民党に配慮した。 2011年9月28日、自民・公明など野党7党の国対委員長は、国会内で会談し、社民党を除く6党は、民主党の小沢一郎元代表の資金管理団体による土地取引事件について、小沢本人と、同氏の元秘書で有罪判決を受けた石川知裕衆院議員の証人喚問を求めることで一致し、29日の与野党国対委員長会談で民主党に申し入れた。この件で、社民党は衆院政治倫理審査会を主張した。翌29日午前の与野党国会対策委員長会談で、民主・国民新両党は、開会中の臨時国会を再延長せず、30日で閉会する方針を野党側に伝えた。石川知裕衆院議員ら元秘書3人が政治資金規正法違反の罪で有罪判決を受けた小沢一郎元代表の証人喚問についても「応じられない」と回答した。 党首・福島は米国の外交専門誌フォーリン・ポリシーが選ぶ2011年の「世界の100人」に名を連ねた。脱原発の活動を長く続けたとして、福島の事実婚のパートナーで原発訴訟に携わる弁護士海渡雄一と共同で選ばれた。同誌は2009年から、その年に政治、経済、平和活動など幅広い分野で影響力をふるった人物を挙げている。日本の政治家では福島が初めてで、オバマ米大統領や英仏独の首相・大統領、ミャンマー(ビルマ)の民主化運動指導者アウンサンスーチーらとともに選ばれた。 2012年2月、社民党の党首選が行われ、福島のみが立候補を届け出て、無投票で5選された。立候補には所属する都道府県連合の推薦に加え、党国会議員(10人)の3分の1以上(4人)か、党員200人以上の推薦が必要で、福島は重野安正・中島隆利・吉泉秀男・吉田忠智ら4人の国会議員から推薦を取り付けた。福島と対立する阿部知子・照屋寛徳・服部良一らは立候補要件を満たせず、対立候補を立てられなかった。また党員推薦で立候補を目指した稲森稔尚・三重県伊賀市議も、同県連合の推薦確保に難航し断念。福島は記者団に「社民党を元気にしたい。衆参の選挙で勝つことが一番大事な仕事だ。生活再建と脱原発を頑張りたい」と語った。 なお、民社国連立政権時代には与党の原子力政策(鳩山イニシアチブに基づく原発依存率の強化と原発増設)を容認し、2012年7月に実施された鹿児島県知事選挙では原発再稼動に反対する反原発団体事務局長で新人の向原祥隆を支援せず、現職の伊藤祐一郎を社民党系の県議全員が支援した(社民党鹿児島県連は自主投票とした)。 2012年11月15日、社民党による政策実現に疑問を持った阿部知子が離党届を提出し日本未来の党に合流した。さらに、第46回衆議院議員総選挙の陣頭指揮をとるはずだった幹事長の重野安正が脳梗塞で入院したため、11月18日に出馬断念に追い込まれた(重野の選挙区には吉川元が出馬)。 同選挙では第三極の台頭もあって、旧来政党でしかも小規模な社民党は新党乱立の中で埋没し、これまで以上の苦戦を強いられた。毎回安定した戦いを見せる照屋寛徳の沖縄2区を除く全議席が当落線上にあったものの、辛くも比例九州ブロックで1議席を確保。しかし総獲得議席数は小選挙区・比例各1議席ずつの合計2議席と、公示前の半減、阿部離党前と比すと3分の1に減少。比例代表における得票率は2.3%(前回総選挙は4.27%)、得票数は142万票(同300万票)とほぼ半減した(11ブロック中6ブロックで得票率が有効得票数の2%に達せず、新聞広告公費負担から外れた)。同じく第三極台頭の中で埋没した共産党が、議席減を1(9→8議席)にとどめて比較的善戦したのとは対照的な結果となった。 第18回東京都議会議員選挙(2013年6月23日投開票)では1人を擁立したものの議席獲得はできなかった。 第183回国会会期末の6月25日に安倍晋三内閣総理大臣に対する問責決議案を生活の党及びみどりの風とともに参議院に共同提出し可決させた、その結果、電気事業法改正案や生活保護法改正案などが審議未了のまま廃案となった。 2013年7月21日の第23回参議院議員選挙では、先の衆院選時における新党・第三極ブームは収まったものの、与党が圧勝し、参議院でのねじれ解消という展開となった。その中でも共産党や日本維新の会・みんなの党といった中堅野党勢力はそれぞれの反与党票を確保し比較的堅調な戦いを見せ、公示前より勢力を拡大させた。一方の社民党は民主党や生活の党などと共に、反与党票の受け皿とはなり得ず、逆に公示前より勢力を減らした。同選挙では選挙区に5人、比例区に4人擁立したが、比例で1議席(又市征治)を獲得するに留まった。この選挙でもかろうじて得票率が2%を越え、国会に議席が存在する限り2019年まで政党要件喪失を回避する結果とはなったものの、退潮傾向に歯止めがかからないことに変わりはなく、選挙結果を受けて党首の福島瑞穂は引責辞任を表明した。 後任を巡る党首選挙では吉田忠智政審会長(参議院比例区)と石川大我豊島区議会議員が立候補し、社民党としては初、旧社会党時代から数えても17年ぶりの党首選挙が実施された。結果は、9986票対2239票で吉田が選出された。 吉田体制における初の国政選挙、第47回衆議院議員総選挙(2014年12月14日実施)は、野党各党が対自民の選挙協力を行い、特に普天間飛行場問題が再燃して以降反基地闘争が盛んであった沖縄県で顕著であった。自民党と一騎討ちとなった沖縄2区で照屋寛徳が当選、沖縄県内での比例得票数が10万票の大台に達し、比例九州ブロックの得票率が5.26%に躍進、1議席を維持した。しかし議席はこの2議席にとどまり、吉田と党首選を争った石川も比例東京ブロックで落選した。両院の総議席数は、公職選挙法の規定ギリギリの5議席を維持した。 2015年の第18回統一地方選挙では、改選前議席よりわずかに議席を減らす結果となった。これを受けて党は今回の選挙戦は「大変厳しい闘い」であったと結論付けた。ただ、党は全員当選や議席増・県都での空白区解消を勝ち取った県、若手議員の増加などプラス要件もあったとも総括している。また、世田谷区長選で現職の保坂展人が保守候補に大差をつけて再選し、八王子市議会議員選挙で新人の佐藤あずさがトップ当選、石川が豊島区議会議員に返り咲いた。 2015年夏の平和安全法制審議以降、反自民勢力として、民主党・維新の党・共産党・社民党・生活の党と山本太郎となかまたち(のち自由党に改称)の5野党が共産党のイニシアチブのもとで連携を深める。5党(民主・維新両党の合併に伴う民進党の結党後は4党)は翌年の選挙協力を行うことなどを確認したが、この動きは民共共闘などと呼ばれるなど、4党のうち民進・共産両党がメインに扱われ、社民・生活/自由両党は脇役とみなされた。2016年の衆議院議員補欠選挙、知事選挙の一部などは4党の統一候補を立て、社民党はこれを支援する支援策をとった。 第24回参議院議員通常選挙(2016年7月10日実施)では、選挙前の5月12日、吉田が民進党への合流を常任委員会で提案したが、福島ら党内から猛反発を受け、18日に撤回・謝罪に追い込まれた。また、比例区における統一名簿構想(「オリーブの木」構想)を生活の党とともに検討したが、民進党が「時間的・物理的に困難」という理由で断り、結局参院選のみは単独で戦った。 同選挙では、選挙区(東京・神奈川・愛知・福岡)は全敗、比例区では改選数2のところ1議席しか確保できず、党の名簿内の順位が1位になった福島のみ当選、吉田は2位に終わり、党首が落選という結党以来の事態となった。両院の総議席数も4となったが、比例区の得票率が2%を超えたため政党要件はクリアし、2022年までの延命を果たした。26日、生活の党とともに参議院で統一会派「希望の会(生活・社民)」(生活3人、社民2人)を結成し、会派代表には福島が就任した(なおこの統一会派結成に伴い、社会民主党への改称以来20年余にわたり使用されてきた会派名「社会民主党・護憲連合」が消滅した)。吉田は今回の選挙の敗戦の責任を取って、党首の辞意を表明していたが、9月1日に行われた党常任幹事会の慰留を受け入れて続投することとなった。非議員の党首は、社会党時代の飛鳥田一雄委員長(当時:横浜市長)以来となる。 2017年1月、静岡県熱海市で開かれた日本共産党第27回大会に吉田は民進党代表代行安住淳や自由党代表小沢一郎、参院会派「沖縄の風」の参院議員糸数慶子と共に出席し、野党共闘を内外に改めて示した。 第48回衆議院議員総選挙(10月10日公示、22日投開票)では、民進党が希望の党に参加して分裂、自由党も参加したが、共産党、社民党、立憲民主党(民進党の内、希望の党不参加の左派系議員で結成)の3党で引き続き候補者調整などの選挙協力を行った。総選挙では立憲民主党が躍進して野党第一党となったが、社民党や共産党は立憲民主党や希望の党が野党の主体となる選挙戦の中で埋没する形となった。 議席数は、沖縄2区の照屋と比例九州ブロックの吉川が、いずれも再選して現有議席を維持したが、吉川の議席は最下位から2番目という厳しい水準で、比例区得票率は1.69%と結党以来初めて2%を割り込み、2019年の第25回参議院議員通常選挙の結果次第では、公職選挙法上の政党要件を失う見通しとなった。この結果について、吉田は「大変厳しい結果になった。国民の選択に値する政党として再建・再生していきたい」と述べた。また、野党共闘について吉田党首は「立憲民主党を軸に、共産党とも協力」していくことを改めて表明した。 その後、吉田は自身が非議員による活動に制約が生じることを理由に、2018年2月の任期満了をもって退任することを表明した。1月26日に公示された党首選では、又市征治幹事長以外に立候補の届出がなく無投票で党首に当選した。 2019年1月24日、参議院において立憲民主党との統一会派「立憲民主党・民友会・希望の会」を結成した。 「希望の会」の名称は、自由党との統一会派時代の名称を引き継いだものである(自由党は国民民主党の会派に合流、後に党としても合流し、解散)。しかしその後、 立憲民主党が第25回参議院議員通常選挙の公認候補として石川大我ら社民党の地方議員を引き抜き擁立するなど、他党へ離脱する動きも相次いだ。又市は、立民幹事長の福山哲郎に対し、「極めて不愉快だ。両党間のひびになりかねない」と批判した。 同年春の第19回統一地方選挙においては、都道府県議会では改選前の47議席から22議席へと勢力を半減、市町村議会選挙においても19議席減の53議席の獲得に留まるなど苦戦を強いられた。 2019年7月の第25回参院選では、比例区の得票率が2%以上獲得できないと、公職選挙法上の政党要件を失うため、党の存亡を懸けた「負けられない戦い」と位置付けた。結果、3選挙区は全敗したが、比例区(4人擁立)では1議席を獲得、吉田が国政に復帰した。比例区での得票率2%を上回り、公職選挙法が定める政党要件を維持した。なお、又市は4月末に発見された肺がんの手術を受け、改選の参院選には立候補せず(代表は続投)、テレビなどの党首討論ならびに遊説には、吉川元幹事長が党を代表した。 選挙後の8月5日には立憲民主党が国民民主党、社民党、旧民進党系の衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」に対し、衆議院での立憲会派への参加を打診したが、又市は同日に参加を見送る考えを伝えた。8月20日には立憲・国民両党首間で衆参両院での統一会派結成に合意、社民党は22日の常任幹事会で参議院において立憲・国民両党会派が合流後も統一会派を離脱しない方針を決めたが、衆議院については「党の存在感を無くさないため」として改めて統一会派に参加しない意向を示した。しかし、9月27日には内閣改造・自民党役員人事で「改憲シフト」が強まったと判断し、野党の結束を強化するためとして衆議院でも統一会派に参加する方向に方針転換した。 統一会派結成を実現させた立憲民主党は12月6日に、会派に参加する国民民主党、社民党、旧民進党系無所属議員らに対し、事実上の立憲民主党への合流を呼び掛けた。これを受け社民党は12日の常任幹事会で党合流の協議に入る方針を決めた。党執行部は2020年1月の全国幹事長会議で地方の意見集約を図り、2月の党大会で結論を出すとしており、また合流の議論が進んでいることを踏まえ、2月に予定されていた又市の任期満了に伴う党首選挙をいったん取りやめる方針を固めた。 2020年1月6日に又市は「党名にこだわる必要はない」と述べ立憲民主党への吸収合併を容認する考えを示し、9日には「理念・政策では大筋一致している」と述べ、合流に前向きな姿勢を示したが、同21日に同様に立憲に合流を呼び掛けられていた国民民主党が立憲との合流協議で決裂し、当面野党合流への国民民主党の参加が見送りとなると、又市は「地方には『時間をかけろ』という意見が多い。29日の全国幹事長会議で一定の方向を出すことはない」と述べ、一転して慎重姿勢に転じ、党首選も予定通り2月に実施される方向となった。 2020年2月22日、東京都内で党大会を開き、新党首に合流慎重派とされる福島瑞穂参院議員を選出した(翌23日に正式に就任)。党首選には又市や吉田忠智も立候補を模索したが、党内対立を回避するため知名度の高い福島への一本化で一致し、無投票で選出された。福島にとっては7年ぶりの党首復帰となった。23日には立憲民主党との合流協議継続を盛り込んだ議案を採択したほか、幹事長に吉田、副党首に吉川が就く役員体制も承認された。 党首に復帰した福島は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、日本国政府が配布を決めたいわゆるアベノマスクと呼ばれる布マスクに異物が混入していた問題を巡り、受注企業の社名公表や契約書の開示につなげるなどした。一方、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法を巡っては、党が賛成方針を決めたのに対し福島は採決を欠席。党首が党方針に造反するという異例の事態に対し、福島は「ガバナンスに問題があるかもしれないが、社民党の支持者は人権やいろんなことを大事にしていると思う」と釈明した。また、立憲民主党との合流協議については、2月の党大会で「議論の継続」を確認したものの、4月15日には新型コロナウイルスの感染拡大を理由に、一時中断する考えを示した。 6月25日、立憲民主党との間で取りまとめた、合流した場合の党のあり方をまとめた文書を公表した。この中では「自公政権に対峙する力をつくり、政権交代を実現する。両党合流でその歩みを進める意義を確認した」と明記したほか、次期衆院選の比例代表名簿で小選挙区との重複立候補者を同一順位とし処遇に差をつけないことや、地方組織の統合に当たり一部に暫定期間を設けることも盛り込んだ。この文書は立憲幹事長の福山哲郎と吉田で作成し、吉田は立憲民主党との合流の是非を判断する臨時党大会を今秋にも開く意向を示したが、福島は「社民党は合流の意義について確認していない。ゼロベースだ」と述べるなど党内の温度差が明らかとなった。 2020年8月より、福島や大椿が中心となってネット配信番組「夜もフェミテレビ」を開始。主な他の出演者は北原みのりや石川優実、菱山南帆子、笛美など。2021年10月現在で14回放送している。 9月に立憲民主党と国民民主党の一部などが合流し、(新)立憲民主党が結成されたことに対しては、福島は「合流相手の前提条件が変わった」と慎重姿勢を強めた一方、吉田は「新立憲の綱領や規約を精査したが、(前提を)見直す必要はない」と合流に前向きな姿勢を示した。 10月22日、立憲との合流の是非を巡って常任幹事会で協議したが、地方組織からは「党名をなくすべきではない」との意見が相次いでおり、党の解散・合併に必要な党大会での代議員の3分の2以上の賛成が得られる見通しが低いことから、解党による合流を断念した。一方、福島を除く3人の国会議員や、沖縄や大分、東京などの都県組織は合流に前向きであり、代替案として、希望する国会議員や地方組織が党を離れるのを容認するかどうかを問う議案を11月14日の臨時党大会で諮ると決めた。 11月14日、臨時党大会が開催され、立憲民主党への合流を希望する所属議員の離党を容認する議案が可決され、事実上の分裂が決まった。約4時間に及んだ党大会では、合流賛成論と反対論が拮抗し、賛成派の照屋が「先輩方がきずいた遺産をすべて食いつぶしたのはあなただ」と公然と福島を批判した一方、地方組織の代議員が立憲との合流を推進した吉田幹事長の解任を求める動議を提出し否決されるなど時に怒号が飛び交う厳しいものとなり、離党を容認する決議についても出席した167人の代議員のうち賛成は84人で僅差での可決であった。この時点では、所属国会議員4人のうち党に残るのは党首の福島のみで、吉田、吉川、照屋の3人は年内にも離党し立憲民主党に入党する見通しと報じられた。議案可決後、吉田と吉川は離党の意思や時期について支持者らと相談するとして記者団に明言を避けた。照屋は「現段階では考えていない」と早期の離党を否定。12月4日には後継候補の新垣邦男が社民党に残留する意向を示していることから、照屋も残留する意向を固めたと報じられた。 12月17日、吉田忠智幹事長は大分市で記者団の取材に応じ、「離党して立憲民主に合流する。政治を正すためには質的にも量的にもしっかりした野党を作っていかなければならず、社会民主主義的な理念政策を立憲民主の中で広げていきたい」と述べ、立憲民主党への合流を明言した。吉川副党首も「吉田幹事長と一心同体だ」と語った。12月24日の常任幹事会で吉田・吉川の離党が承認され、元衆議院議員の服部良一が新たに幹事長兼選対委員長に就いた。同日には名誉党首と顧問を務める村山富市が党には残るものの、高齢を理由に役職を辞任した。また、11人いた党本部職員は9人が立憲民主党に移籍した。 合流推進派が立憲民主党への合流を急いだ背景には、党勢の衰退により近年の国政選挙では政党要件の維持も危機的な状況にあり、「国会議員がいなくなったら、立憲民主党に相手にもされなくなる」との危機感があったほか、支持母体である自治労の意向もあったとされる。 吉田ら立憲民主党への合流を選んだグループは立憲民主党との合流後に立憲民主党の中で政策グループ「社会民主主義フォーラム」として活動を始めた。 2021年1月13日、分裂後初となる立憲民主党との党首会談が行われ、衆参両院での統一会派を維持するなどの連携維持を確認した。1月15日には院内で所属議員が1人しかいない政党は会派名から省くという慣例により、衆議院会派の名称が「立憲民主党・社民・無所属」から「立憲民主党・無所属」に変更され、社民の名称が消滅した。一方で参議院では衆議院と慣例が異なるため、会派名の「立憲民主・社民」は維持された。 5月9日の全国代表者会議では、前年2月の党大会以降これまでに、党員全体の3割にあたるおよそ4,000人が離党し、党員が1万人を割り込んだと公表した。また、47都道府県にあった地方組織も17の組織で分割や解散となるなど、党勢の衰退が進んでいることもあわせて報じられた。党の支持率は同年5月8日、9日のJNN世論調査によれば、前回から0.3ポイント下落し、0%になった。 8月18日、社民党や新社会党や緑の党などのリベラル・革新勢力を機軸として、さらなる立憲野党勢力の野党の連携を後押しする「共同テーブル」が設立された。共同テーブルは「いのちの安全保障確立に向けて非正規社会からの脱却を目指す」ことを理念とするネットワークとなることを目指している。呼びかけ人として佐高信、杉浦ひとみ、上原公子、室井佑月、竹信三恵子、前田朗、纐纈厚、白石孝(NPO法人官製ワーキングプア研究会理事長)、清水雅彦らが参加した。 10月31日、第49回衆議院議員総選挙の投開票が行われ、照屋の後継(照屋は翌2022年4月に死去)として立候補した新垣邦男が沖縄2区での議席を守り、福島は「新生社民党となって初めて迎えた総選挙だ。党公認で当選することができてよかった」と述べた。一方、比例代表では結党以来初めて議席を獲得できず、社民党の獲得議席は公示前と同じ1議席に留まった。ただし、党分裂前の2017年の第48回総選挙の全国合計の比例票が941,324票(1.69%)だったのに対して、今回は1,018,588票(1.77%)と結果的にはやや総獲得票数は増した。 2022年1月14日に党首選挙が告示され、福島のみが立候補を届け出たため、無投票での再選が決まった。3月の党大会で正式に承認される。 2022年3月20日、第19回定期全国大会(党大会)で、衆議院議員の新垣邦男(沖縄県第2区)を副党首に充てるなどの役員人事を了承した。新垣は国対委員長と政審会長も兼務。副党首は7月執行予定の参議院議員選挙比例区から立候補予定の大椿裕子と2人になる。 同年7月の第26回参議院議員通常選挙では、全国の得票率が2%を下回ると公職選挙法上の政党要件を喪失するため、党として正念場を迎えることとなり、前回の参院選で擁立を見送った福岡選挙区に6年ぶりに候補者を立て、東京選挙区では本来は大阪が地盤である幹事長兼選対委員長の服部良一を擁立。さらに比例区では党首の福島、副党首の大椿のほか、国会議員経験者である秋葉忠利、山口わか子といった知名度のある候補者を擁立し、新社会党と共闘する形で同党の岡﨑彩子(岡崎宏美同党委員長・元衆議院議員の次女)を擁立するなど、政党要件維持に向けて票の上積みを模索した。その結果、選挙区では全員が落選したものの、比例区にて福島が当選した。比例区での得票率も2%を上回り、政党要件を維持する結果となった。 2023年3月30日に吉田忠智が参議院大分県選挙区の補欠選挙に立候補するため参議院議員を辞職した。前回の参院選で順位2位と3位の候補者は社民党比例名簿から削除されていたため、同4位の大椿副党首が繰り上げ当選した。 2023年4月の第20回統一地方選挙では、41道府県議選においては公認候補においては公示前から3議席減となる3議席の獲得に留まった。党籍を持つ候補全体では公示前の15議席に対し、公認3名、党籍を有する候補9名の12議席を獲得し微減となった。政令市議選では公認4名、党籍を持つ候補4名が当選した。一般市区議選では推薦含め66名、町村議会で18名が当選し、改選前議席からは微減となった。 綱領的文書の「社会民主党宣言」(2006年採択)では「社会民主主義を掲げる政党」とし、「日本における社会民主主義の理念」を「平和・自由・平等・共生」とした。 社会民主党は党則で「各地方が連合する全国政党である」と形態を定義しており、中央組織及び本部を「全国連合」と称する。なお日本社会党時代には中央本部と称していた。 2017年現在の本部所在地は東京都中央区湊の民間ビル内である。 中央組織である全国連合の下に、「都道府県連合」、「支部連合」、「総支部」、「支部」を設ける(党則21条1項)。また、これに準じる組織としてブロック協議会が規定されている。末端の支部組織は他党と比べて細かいレベルに達する。 衆議院比例代表選挙のブロックごとに設けられ、選挙活動をはじめとする党活動全般にわたる都道府県連合の活動の協力と調整を行う。ブロック協議会は比例単独候補者の決定と順位付け、および小選挙区の他党候補者に対する推薦の決定について協議・確認の上全国連合常任幹事会に承認を求める(党則31条3項・4項)。 都道府県連合は、自民党の都道府県支部連合会、民主党の総支部連合会に相当する組織であり、各都道府県に1つずつ設置される(党則23条) 。立憲民主党への分裂以降、宮城県、山形県、福井県、徳島県には県連合は存在しない。なお日本社会党時代は都道府県本部と称していた。(福井県連合は2023年2月3日再結成) 都道府県連合は後述する職域支部と専門分野別支部を管下に置くことができ、直接指導を行う。 支部連合は自民党の選挙区支部、民主党の総支部に相当するもので、衆議院の小選挙区ごとに1つ設置される(党則24条)。日本社会党時代は支部協議会と称していた。 総支部は基礎自治体ごとではなく都道府県議会の選挙区に準じて編成される規定になっており、公明党のそれや日本共産党の地区委員会に相当する。 総支部は傘下に2つ以上の支部を持っていなければならない(党則25条1項)。 支部は3名以上の党員によって構成される社民党の最末端組織である。日本社会党時代は党員30名以上で支部を構成し、支部に所属する者のうち5人以上で班を構成するとされていたが、社会民主党発足の際に従来の班よりも細かい単位で支部を結成できると改められた。党員3人で支部を結成できるという制度は、日本共産党と同じである。 支部は党則上では議員支部、地域支部、職場支部、職域支部、専門(業種)分野別支部の5つの種類に分かれ、各党員は自らの選択でそのうちの1種類の支部に参加する(党則26条2項)。 5種類のうち、議員・地域・職場の各支部は地元の総支部の管下となる。職域・専門分野別支部は人数や広域性などによって都道府県連合の直属とすることができる。 最低限の要件として、「本党の基本理念及び政策・党則に賛同する18歳以上の者」(党則4条1項)が掲げられている。日本国民の他、外国人でも日本国内に3年以上定住していれば入党を申し込むことができる。日本の主要政党で外国人の入党を認めているのは、2015年現在では本党と公明党のみとなる。 党籍は一般党員と協力党員の2種類があり、一般党員は年齢によって毎月の党費が変わる。39歳以下は月額1,300円、40歳から59歳までは月額2,000円、60歳以上は月額1,000円となっている。この制度は社会民主党になってから改正されたもので、日本社会党時代は社会主義の原則による公平負担を掲げ、毎月の実収入の1%を徴収する制度が長年続いた。このため日本共産党と同様に党費を納めないまま党籍を維持することができた。また、日本共産党の10条該当党員に相当する活動実態のない党員も多数いて、一定の期間後に支部の判断で除籍することも可能だった。この名残で、現在でも最大1年間までの党費滞納は党則上も容認されている(党則5条4項)。 協力党員は民主党のサポーターに近い制度で、月額500円または1年前納で6,000円。党首選挙への投票は可能だが、公職選挙における党公認候補者になれない(党則7条1項但書。推薦は一部条件付きで可)、党各級連合の会議への参加が一部に限られるなど、一般党員と比べて権利に制限がある。 入党・離党の手続きは最寄りの党組織で受け付ける。ただし国会議員のみ都道府県連合で受け付け、全国連合常任幹事会の承認を受ける必要がある(党則5条3項)。また、除名・除籍者の再入党は都道府県連合常任幹事会の承認が必要となる(党則4条3項)。 党則によって、党首を含めた役員の任期は2年と定められている。 2022年3月20日現在 2005年、政党交付金の激減による財政難から党職員の整理解雇を職員団体に通告した。労働者の党を標榜する党の理念を自ら破る行為に対し、「党の労働政策と矛盾している」と反発の声が挙がっていたが、当時幹事長の又市征治は「人件費を切り詰めざるを得ない」として、同年2月17日、33名の本部職員のうち、55歳以上の高齢者、兼職、職務怠慢のいずれかを理由に9名に指名解雇をした。被解雇者中3名は労働組合を結成し、解雇無効の訴訟を起こしたが、2007年4月11日の一審判決、同年9月13日の二審判決、2008年2月1日の最高裁判決は、ともに党が勝訴した。もう一人の訴訟者に対する2007年8月30日の一審判決も党が勝訴したが、2008年1月に東京高裁で金銭和解が成立した。 社民党の本部は、前身の社会党時代の1964年、それまでの党本部が1964年東京オリンピック開催に伴う国道246号の拡幅工事で立ち退きが必要となり、政府が代替地として提供した現地を、年間約2850万円で借り受けて1964年に建築された「社会文化会館」(地上7階地下1階・約6600平方メートル)であり、近くにある坂の名前から通称三宅坂と呼ばれ、長らく活動の拠点となってきた。 21世紀に入って党勢が低下してからは空き部屋も増えたが、多目的ホールなどを撮影に貸し出すなどしており、レトロな雰囲気の相まって、テレビ関係者の口コミで頻繁にドラマ撮影などに貸し出され、最盛期には年間9千万円、2010年には年間30回利用され、123万円の利用料収入を上げていた。党側も、宣伝になるとして貸し出しに積極的であった。 しかし2011年の東日本大震災以後、ビルの耐震性が問題視されて一般貸し出しができない状態に陥り、管理財団は2012年3月31日に解散。以降ビルのメンテナンスは党職員が行うことになった。 党として継続費用を模索するも、専門家による耐震診断の結果は「即時使用制限」となった。修繕しようにも修繕積立などは全く行われておらず、また退去しようにも敷地が国有地であるため退去時に解体費用を負担する必要があり、対応が困難であった。2013年1月28日に社会文化会館を退去することとなった時点で、館内の8フロアのうち党本部と東京都連が1フロアずつ利用しているのみで、ほかのフロアは節電のため常に消灯している状況であった。 のちにこれら費用のうち、耐震診断については党が千代田区に助成を申請し、費用の全額約850万円が公費で賄われたことが明らかとなった。その内訳は、3分の1の280万円余りが平成24年度日本国政府の復興予算「全国防災対策費」から拠出され、残りは東京都が助成した。 解体費用についても、党は千代田区に助成を申請し、区は約3分の1の助成を決定して党に通知した。解体費用の助成は新年度予算からの支出となるが、このうち半額は国費で賄われたことが明らかとなった。 これらの公費助成の根拠法である東日本大震災復興基本法(2011年6月施行)は、社民党所属全議員を含む与野党の賛成多数で可決成立したものである。同法では、その目的を、東日本大震災からの復興の円滑かつ迅速な推進と活力ある日本の再生を図ることを目的とする(法1条)と明記しており、いわゆる復興予算が被災地の震災復興だけに使われるものではないことが明示されていた。 しかし、社民党は、党代表を含む所属全議員の賛成により成立したこの法律を根拠とし、条文に明示されている運用に基づいている復興予算の被災地以外の事業適用であるにもかかわらず、目的外に流用されていたなどとして政府与党を批判する一方、党としてはその恩恵を受けていたことから、その姿勢が問われるとの報道がなされた。 この報道の後、社民党は「違法ではないが好ましくない」として、耐震診断についての復興予算相当分の280万円については、被災地に寄付することを表明した。一方で、解体費用についての復興予算相当分については、その金額自体が明示されなかった。 社会文化会館は3月に解体作業を開始、8月には解体を完了した。 退去後の党本部は、内閣総理大臣官邸の裏に立地する民間ビル「永田町ビル」の2フロアへ移転したが、2017年5月8日、党勢低迷で賃料を削ってでも選挙費用などに充てるべきだとの判断から、東京都中央区湊3丁目にある民間ビルに再移転した。 平成27年度に交付された政党交付金は約4億7000万円。収入額は19億2083万546円。 近年の政党交付金は以下の通り。 平成27年度の政治資金収支報告書によれば、党費による収入は約1億4000万円、機関紙による収入は約2億7000万円である。 (参考文献:石川真澄(一部山口二郎による加筆)『戦後政治史』2004年8月、岩波書店・岩波新書、ISBN 4-00-430904-2) 2023年4月7日現在、所属国会議員数3名(衆議院議員1名、参議院議員2名) 2010年の参院選において渕上貞雄が引退した事で、日本社会党時代から在籍している国会議員は全員姿を消した。(ただし、2020年に立憲民主党に移籍した吉川元は非議員時代に日本社会党に所属していた。) 第26回参議院議員通常選挙にて比例区の得票率が2%を超えたため、2028年の第28回参議院議員通常選挙まで所属国会議員が1名以上いれば政党として活動が可能で政党助成金も受け取れることになった。 尖閣諸島で中国漁船が衝突事件を起こした際に、「尖閣諸島は、歴史的にみて明らかに日本の領土であり、沖縄県石垣市に属する島である。領海内で他国の漁船が操業することは、特段の取り決めがない限り断じて認められないことであり、海上保安庁が取り締まることは当然である。」との談話を発した。この事件について中華人民共和国が日本側に謝罪と賠償を求めたが、これは全く論拠がなく認められない主張であるとして社民党は、中華人民共和国に謝罪と賠償の要求を直ちに取り下げるように求めた。 2021年7月1日に行われた中国共産党建党100周年にて社民党は福島代表名義で「中国共産党が、習近平氏による新時代の中国の特色ある社会主義思想の指導の下、中華民族の偉大な復興を実現する道を、引き続き突き進まれることをお祈りする」との祝辞を発表した。 後述のように北朝鮮による日本人拉致問題を強く批判された経緯もあり、表立って親北を主張できなくなった社民党は拉致問題が表面化した2002年以降は、大韓民国(韓国)の特に左派政党との関係に比重を置くなど親韓の傾向を強めている。これは1990年代の軍事政権崩壊後の反動で韓国で政権与党になったのが新千年民主党(金大中)、ウリ党(盧武鉉)、共に民主党(文在寅)などに象徴されるように主に中道左派政党であるのも少なからず影響している。 2023年7月6日には、ソウル・国会議員会館で開かれた革新系野党正義党との懇談会で、東京電力福島第1原発の処理済み汚染水の海洋放出阻止に向けて連帯する方針を固めた。 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)とは、日本社会党時代から長きに渡り引き続き良好な関係を保っていたが、2002年の日朝首脳会談で金正日が拉致を認めた後、社民党の朝鮮労働党宛質問状に返答がなかったためと称して、「労働党との関係凍結についてはもう少し慎重に検討すべき」(宇賀神文雄幹事長(栃木))などの反対意見を封殺して、「多角的な議論の上で」(福島幹事長)同年12月関係を凍結すると発表する一方、在日本朝鮮人総聯合会に対して、従来通り友好関係を維持(福島幹事長)するとしている。 また、一部の地方組織では、北朝鮮と引き続き関係を保っているところもある。 社民党は、社会党時代の1963年に第一次訪朝団を派遣して以来、朝鮮労働党との交流を積み上げ、「朝鮮労働党唯一の友党」を標榜してきた。 一方で、党の拉致事件への対応について、日本社会党時代から朝鮮統一問題に取り組んできた田英夫は「『ご説ごもっとも。友好第一』で、本当の友人として批判する態度ではなかった」、「拉致を信じていなかった。だまされた」と述べている。 1990年に、自民党の金丸信と訪朝した田邊誠元社会党委員長は、当時拉致問題に関しては全く知らなかったと釈明し、「家族からの陳情も私には届いていなかった。行方不明者がいるという話を小耳にはさみ、訪朝前に外務省や警察庁に聞いたが確認できなかった」と主張した。 社民党機関誌『月刊社会民主』1997年7月号では、社会科学研究所「月刊日韓分析」編集員の北川広和の論文「食糧支援拒否する日本政府」が掲載され、次のような記載がなされた。「拉致疑惑の根拠とされているのは、つい最近、韓国の国家安全企画部(安企部)によってもたらされた情報だけである」「産経新聞に掲載された元工作員の証言内容に不自然な点がある」。従って「拉致疑惑事件が安企部の脚本、産経の脚色によるデッチあげ事件との疑惑が浮かび上がる」。「20年前に少女が行方不明になったのは、紛れもない事実である。しかし、それが北朝鮮の犯行とする少女拉致疑惑事件は新しく創作された事件というほかない。......拉致疑惑事件は、日本政府に北朝鮮への食糧支援をさせないことを狙いとして、最近になって考え出された事件なのである」。2001年、日本人拉致事件が明るみに出て以降も、同論文は同党の公式ウェブサイトに掲載され続けた。 2002年9月17日の小泉純一郎と金正日との日朝首脳会談以降、「これまで朝鮮労働党は、社民党が参加してきた森団長、村山団長の2度にわたる訪朝団との会談で『拉致は存在しない』『行方不明者として調査する』と対応してきた。社民党も同会議の席上、拉致・行方不明者の生存確認の追及を厳しく求めてきた。」との立場を取りつつも、上記論文について、2002年10月3日の常任幹事会後の記者会見で、保坂展人総合企画室長(当時)は、「党の見解と同一かを確認したことはないが、なるべく早い時期に見解を出したい」と述べ、当面は掲載を続ける考えを示した。 しかし、既に当該論文の内容や社民党における取り扱いなどが、マスメディアによって周知されており、この党の対応に対しては、党員からも抗議が殺到、保坂展人総合企画室長(当時)は「論文が拉致がなかったという内容で、家族の気持ちを思うと不適当だと判断した。今日、執筆者と連絡が取れ、削ってもいいという了解をもらった」 として、論文の削除を行った。 2002年10月7日、所属する田嶋陽子が、一連の対応を「(拉致事件という)現実に対する対応にスピード感も柔軟性もない」と批判のうえ、離党を表明する事態に陥ると、福島瑞穂幹事長(当時)は、本来、党の政治的見解等の広報を担う機関誌に掲載した論文であるにもかかわらず「当時の状況下における個人論文で党の見解ではない」と釈明し、土井たか子党首(当時)は田嶋陽子の離党に関する記者会見において、「(朝鮮労働党との間で)拉致問題を取り上げなかったわけではないが、追及が十分とは言えなかった。被害者の家族には申し訳ありませんと、お詫びしたい」と発言している。 安倍晋三内閣官房副長官(当時)は、そのような党の姿勢について、「いかにも(自分が)昔から取り組んでいたかのように、小泉純一郎首相の決断を批判するのは、ちゃんちゃらおかしい。まずは反省するべきだ」「警察も外務省も対応が冷たく、新聞もどこも報道しなかった。それどころか社民、民主の議員は『いいかげんなことを言うな』とわめいていた」等と批判した。 拉致被害者の有本恵子は、土井たか子の選挙地盤であった西宮市の出身であり、有本夫妻は当初、北朝鮮にパイプを持つ土井に拉致問題の調査を依頼したものの、拉致の存在を信じていなかった土井は、積極的に取り組まず、土井や社民党に失望した有本夫妻は、土井の対抗馬であり、民社党で兵庫県議会議員時代から、日本人拉致事件に取り組んできた自由民主党の大前繁雄を2003年の総選挙において応援。その結果、土井たか子は党首であるにもかかわらず、兵庫県第7区で落選を喫し、近畿ブロック比例区で復活当選した。 2003年11月2日放送の『報道2001』では、司会の「かつて社民党は拉致は『でっち上げ』ということをおっしゃっていましたよね」との質問に対し、土井たか子は「そんなことを党として言った事はないですよ、それはおかしい報道ですね。それは事実と違います」と発言した。 ウクライナ侵略への姿勢 2022年のロシアによるウクライナ侵略について、2022年2月18日に社民党(社会民主党)は機関紙の社会新報オンライン版(2022年2月23日号)掲載記事「ウクライナを戦場にするな~米ロ両国は冷静な対話で緊張緩和を~」において、ロシアを支持していると受け取れる記事を掲載した。2月21日午前10時頃には社会新報Web記事削除され、社会新報公式Twitterアカウントにおける記事紹介投稿も削除された。ロシア軍がウクライナ侵攻開始で全面戦争となった2月24日22時30分頃には、 CMSの操作ミスにより記事を再掲してしまい、2月25日午前5時頃には再び削除された。同25日に「【談話】ロシアのウクライナ軍事侵攻に抗議する」でロシア批判声明が出された。また、社民党は社会新報3月9日号に掲載された「本紙記事でのおわび」により、当該記事について謝罪と説明をしており、それによると該当記事の校了日は2月16日で、ロシア軍の軍事侵攻開始(24日)の8日以上前に執筆されたものであったため、情勢認識を誤ってしまった、とのことであった。おわび記事によると当該記事の趣旨は、米露両国が冷静な対話を尽くし、ウクライナの主権を守るため緊張緩和を図るべきだと訴えるものであり、ロシアの軍事侵攻を正当化する意図ではなかったとしている。 ここで挙げた団体は必ずしも社民党のみを支援するとは限らず、場合によっては立憲民主党、日本共産党、新社会党、緑の党グリーンズジャパンなど他党を支援することもある。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "社会民主党(しゃかいみんしゅとう、英: Social Democratic Party、略称: SDP、SDPJ)は、日本の政党。55年体制下で野党第一党であった日本社会党が1996年1月に改称した社会民主主義政党である。", "title": null }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "日本語略称は「社民党(しゃみんとう)」、「社民(しゃみん)」。1字表記の際は、「社」と表記される。", "title": null }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "国際組織の社会主義インターナショナル(SI)に加盟している。SIの第23回大会(2008年)で党首の福島が副議長に選出されて以来、第24回大会、第25回大会と連続して選出されていたが、第26回大会(2022年)では選出されていない。", "title": null }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "かつての大政党の勢いはない。", "title": null }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "日本社会党から改名した社会民主党は、綱領的文書の「社会民主党宣言」において、「社会民主主義を掲げる政党」としており、「日本における社会民主主義の理念」は「平和・自由・平等・共生」としている。また「競争最優先の市場万能主義に立つ新自由主義」「強大な政治、経済、軍事力を背景に特定の価値観を押しつけようとする新保守主義に最も厳しく対峙するのが社会民主主義である」と主張している。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "1996年1月に日本社会党が改称して発足した。初代党首は村山富市。継続して自社さ連立政権に参加。新党さきがけとの合流を模索し、同年9月に社民党内合流推進派は離党し、民主党を結成した。民主党執行部によって、負のイメージが強い者とされた村山富市、土井たか子は入党を拒否された(排除の論理)。新人当選者だけでなく、第一野党時代の日本社会党から所属していた横路孝弘や赤松広隆・輿石東・鉢呂吉雄など党内左派、佐藤観樹幹事長ら党内右派系などの党所属国会議員の半数以上である35名が社民党から移籍をした。結党された民主党は当時の両院現職国会議員57名で構成され、日本労働組合総連合会や旧社会党時代の支持母体のほとんどを獲得した。結党時の民主党は57名中旧社会党出身者が35名と党内過半数を占めていた。社民党自体は合流拒否された者を含む不参加者らにより存続し、同年9月28日から土井たか子が2代目党首となった。1998年5月に社民党は自社さ連立政権を離脱した。。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "1980年代に入ると日本人の失踪者が北朝鮮に拉致されていたとの証言が相次いでいたが、前身である社会党時代から北朝鮮による日本人拉致被害を長年にわたって否定し続けていた。1987年の大韓航空機爆破テロについても「韓国の自作自演」と主張をしていた。所属議員らも北朝鮮の金日成・金正日親子を「素晴らしいリーダー」などと賞讃してきた。2002年に行われた日朝首脳会談で北朝鮮国防委員長の金正日は訪朝した小泉純一郎内閣総理大臣に拉致の事実を認めたが、当時の社会党幹部は直後の「朝まで生テレビ」を全員出演辞退した。2003年の衆議院総選挙では当時の党首土井たか子が「憲法を生かせるか、死なせるかを賭けた戦い」との言葉を繰り返したが、北朝鮮への社民党対応への世論の批判と辻元清美議員の秘書給与搾取による逮捕事件を受けて、選挙前勢力の18議席から6議席に激減の惨敗を喫する。土井自身も比例復活当選したものの、小選挙区での議席を失い、同年11月13日に党首を辞任した。同年11月15日、福島瑞穂が党首に就任。これらの不祥事に加えて、2005年に衆院選で大敗した結果、当時の職員の3割ほどを配置転換ではなく、党持論に反した整理解雇をしたことも致命的になった。民間企業のリストラや雇止めを批判しながらも、このような党職員への姿勢は、支持基盤である労働組合関係者からも強い批判を受けることとなった。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "2009年に民社国連立政権に参加したが、普天間基地移設問題をめぐり福島大臣が罷免されたことを受け、2010年に離脱。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "2013年の参議院議員選挙では比例で1議席を獲得するに留まり、選挙結果を受けて党首の福島は引責辞任した。後任を巡る党首選挙では吉田忠智政審会長(参議院比例区)と石川大我豊島区議会議員が立候補し、吉田が選出された。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "2018年、3期の任期満了で吉田は党首を退任し、後任には又市征治幹事長が無投票で選出された。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "2020年、1期の任期満了で又市は党首を退任し、後任には福島副党首が無投票で選出された。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "2020年には民主党の系譜上にある立憲民主党との合流を模索したが、地方組織などに慎重意見があることから10月22日の常任理事会で国会議員や地方組織の離党を「容認」する決議を11月14日の臨時党大会で諮った結果、僅差で可決され、さらなる分裂が現実となった。これにより、党員は約4割減、地方議員は半数以上が離党し、時事通信によると「地盤沈下」に歯止めがかからない状況となっている。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "事実上の分裂後、初の大型国政選挙となる第49回衆議院議員総選挙では得票率が1.77%にとどまったほか、これまで必ず当選者が出ていた比例代表で議席を獲得できず、最終的な当選者数は小選挙区の1名のみであった。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "2022年の第26回参議院議員通常選挙では改選対象だった党首の福島1名のみが当選し、得票率は2.37%に達し政党要件を確保した。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "2023年7月には韓国国会本館前でのデモ活動にて、「日本の国会議員も汚染水放流に反対している」ということに用いられるために大椿裕子社民党副党首が訪韓している。招聘してきた韓国左派政党共に民主党議員らと大椿副党首は「福島汚染水放流反対」を共に叫んだ。朝鮮日報は、韓国一般国民は社民党を「日本の有力政党」と誤認識しているものの、「(日本国会で)0.4%の議席しか持たない没落した政党」から学べることは連帯ではなく、「時代に逆行した政党の末路」と指摘している。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "1996年1月の日本社会党第64回大会での名称変更決定を受け、3月に第1回大会を開き結成された。初代党首は日本社会党の村山富市委員長が引き続き務め、幹事長には佐藤観樹が就任した。村山内閣総辞職により成立した第1次橋本内閣に引き続き与党として参加し、自社さ連立政権の枠組みを維持した。一方、党名変更と自社さ連立政権に批判的な左派勢力は、1月に離党し新社会党を結党した。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "民主党への入党を拒否されなかった第一野党時代の日本社会党から所属していた横路孝弘や赤松広隆・輿石東・鉢呂吉雄など党内左派、佐藤観樹幹事長ら党内右派系およびの議員多数は個別の形で民主党へ参加した。新人当選者を含めた党所属国会議員の半数以上である35名が社民党から移籍をした。さきがけからは、民主党結党時点の27名内15名が旧・民主党に参加した。民主党は当時の両院現職国会議員57名で構成され、日本労働組合総連合会や旧社会党時代の支持母体のほとんどを獲得した。結党時の民主党は57名中旧社会党出身者が35名と党内過半数を占めていた。このように、社民党は総選挙を所属議員の過半数、支持母体など支持層の大半を失う中で、入党拒否された者、意図的に党に残った者だけで戦うことになった。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "総選挙に向けた立て直しの一環として、1996年9月28日、社会党時代に委員長を務めた土井たか子が党首に復帰する。社会党時代の支持基盤であった労働組合の大半が民主党支持に転じたため、土井党首は辻元清美ら市民運動出身者を積極的に立候補者に起用したが、第41回衆議院議員総選挙(10月20日投開票)では15議席しか獲得できなかった。この選挙で初当選した議員は「土井チルドレン」と呼ばれた。総選挙後は、閣外協力として引き続き連立政権(第2次橋本内閣)に参加したが、1998年5月に連立政権から離脱した。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "政権離脱後の1999年東京都知事選挙では旧社会党時代から唯一の都知事選における自主投票となった。第42回衆議院議員総選挙(2000年6月25日実施)では4議席増の19議席を確保したが、第19回参議院議員通常選挙(2001年7月19日実施)では小泉旋風の煽りをうけて得票・議席とも大幅に減らした。その結果、同年の第7回党大会で自社さ連立政権以来の旧幹部が退き、幹事長に福島瑞穂、政審会長に辻元清美など市民派が重要ポストに就いた。これ以後、自由民主党に対する対決姿勢が強まった。2000年(平成12年)から2003年(平成15年)にかけて女性議員の比率が増加して社民党の衆議院議員が男性9人で女性10人になり衆参の国会議員の男女比がほぼ同数になった。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "2001年10月、日本近海で続く北朝鮮不審船対策として、停船命令に従わない不審船への船体射撃を認める海上保安庁法改正案に対し、「警察比例の原則を逸脱し、警備体制の充実を踏み越えた内容である」などの観点から反対した。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "2002年4月に国連の「テロ資金供与防止条約」を批准するための関連新法が国会で可決、成立した。テロ資金の授受で仮名口座などが受け皿になることが多いため、金融機関に対し口座開設や200万円以上の現金取引を行う際、顧客の身元確認(本人確認)を義務付ける法案であるが、「罪刑法定主義、構成要件の明確性を求める刑事司法の原則に違背し、この法律が施行されれば思想・良心の自由、信教の自由等を侵害する虞があり、戦争その他国家による武力の行使による犠牲者に対する人道的な国際的救援活動を制約する虞もある」という自由人権協会の意見を引用し、反対した。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "2002年9月17日の日朝首脳会談において、北朝鮮側が日本人の拉致を公式に認めたが、このことにより社会党時代より朝鮮労働党と友党関係を結んで積極的に交流し、少し前まで拉致捏造説をとっていた社民党は、それまでの拉致問題への対応を巡って世論から非難に晒されることになった。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "第43回衆議院議員総選挙(2003年11月9日実施)では、自民・民主の二大政党への流れに押され、議席数が18から6へ、3分の1に減じた。党首の土井自身も小選挙区で落選し、比例復活で辛うじて議席を確保した。選挙後、土井は党首を引責辞任した。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "2003年11月15日、福島瑞穂が党首に就任。幹事長には自治労出身の又市征治が就任し、労組、エコロジー派、消費者運動、市民派 (NPO) 等の吸収を目指して、新しいグローバリゼーションの状況に対抗可能な社会民主主義を模索した。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "2004年の第20回参議院議員通常選挙(2004年7月25日実施)では、前党首の土井が「選挙違反をやっていいとは言わないが、すれすれのところまで、本気になって頑張ろう」と声明を発した。福島をはじめ比例区で2議席を確保し、複数議席獲得により解党などの事態は回避できた。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "第44回衆議院議員総選挙(2005年9月11日投開票)では、選挙前に副党首の横光克彦、元政策審議会長の濱田健一らが離党、民主党に移籍した。議席数は公示前の5議席から7議席に回復したが、比例近畿ブロックで単独立候補していた土井が落選した。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "2006年2月11日、12日の第10回党大会で「社会民主党宣言」を採択した。この中で自衛隊は「現状、明らかに違憲状態にある自衛隊は縮小を図り、国境警備・災害救助・国際協力などの任務別組織に改編・解消して非武装の日本を目指します」と記載され、旧社会党時代の1994年に村山首相が打ち出した自衛隊合憲・容認路線は修正された。同時に、1993年に政治改革関連4法案に反対し処分された17名のうち離党した者を除く9名の処分を取り消したほか、元党首の村山、土井両人が「名誉党首」就任した。一方、新社会党及び「9条ネット」については、又市は「『戻ってらっしゃい』と言っている。『村山政権のときに安保・自衛隊を認めた』と、馬鹿みたいな話をまだしている。」と批判した。その後、新社会党幹部の原和美が2010年形式的に離党し社民党比例候補として参院選に出馬した。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "2007年4月20日、国の海洋政策を一元化するための海洋基本法と、ガス田掘削施設などの周辺への船舶進入を規制する海洋構築物安全水域設定法に対し、党派としては唯一反対。福島は「この法律は領土問題や資源問題について近隣諸国との関係に影響を与えるものである。拙速に行うと、交渉に悪い影響を与えることになる。」とコメントした。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "2007年に入ると、自民党の支持率が低減し、政権交代が現実味を帯びるようになる。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "第21回参議院議員通常選挙(2007年7月29日実施)では、「憲法9条と年金があぶない! 今回は社民党へ」をキャッチコピーに、憲法と年金問題を中心に主張し、政党CMではアニメを採用するユニークなCMを流した。結果は幹事長の又市を含め比例区で2議席確保の参議院計5議席にとどまったが、民主党系会派と社民党の議席の合計が過半数に達し、参議院ではねじれ現象を誕生させた。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "同年12月22日、本部にて第11回党大会を開催し、立候補者1名のみの無投票で福島の党首当選(3期目)を正式に決定した。福島は「次回の衆議院選挙で2桁(10人以上)の当選を目指す」と宣言した。この党大会では1998年(自民党当時総裁の橋本龍太郎)以来久々に、他党幹部として民主党代表代行の菅直人や国民新党副代表の自見庄三郎らが来賓出席した。また、党役員人事では副党首に幹事長の又市征治、幹事長に国会対策委員長の重野安正、副幹事長に東京都連副会長だった保坂展人が就くことになった。また、参院選比例区候補だった上原公子は、社民党を労組依存体質から脱却し、市民運動やNPOの連合体を目指す党改革案を提出し話題となった。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "2009年東京都議会議員選挙では議席回復はできなかったが、昭島選挙区で野党系候補(社民党は推薦)の星裕子が当選した(当選後は生活者ネットの会派に所属)。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "2009年の第45回衆議院議員総選挙においては、党として上述の「次回の衆議院選挙で2桁(10人以上)の当選を目指す」に及ばず敗北した。しかし、圧勝した民主党に対して、国民新党と共に政策合意に基づく、歴史的な民社国連立政権に参加することになった。この3党合意により、鳩山内閣において、党首の福島の閣僚入り(消費者・少子化担当相)が決定し、基本政策閣僚委員会が設定された。自社さ連立政権以来、13年ぶりに閣僚を送り込み、11年ぶりに与党に復帰した。また、国土交通副大臣に辻元清美が就任した。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "2006年の「社会民主党宣言」では、自衛隊は「違憲状態」としたが、社会民主党が政権与党となった際に党首である福島瑞穂は、大臣就任後の2010年3月1日の衆議院予算委員会において、自衛隊の日本国憲法上の位置づけについて「(党として合憲か違憲か)結論を出していない」としており、同月12日の参議院予算委員会では、自民党の佐藤正久の「(自衛隊を)合憲と認めるか」との質問に対して、「閣僚としての発言は差し控えさせていただく」として答弁を拒んだが、最終的に「社民党の方針は変わらない。内閣の一員としては内閣の方針に従う。自衛隊は違憲ではない」と答弁した。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "2009年12月の社民党党首選挙で福島瑞穂は、アメリカ軍普天間基地の問題について、国外や県外への移設を強く主張し、党内の照屋寛徳ら国外・県外移設を強く主張する議員に応えたこともあり、無投票で福島が再選した。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "普天間基地移設問題は、従来からの社民党の主張である基地の国外、県外への移設を連立政権の中でも主張し、閣僚である党首の福島は「鳩山内閣が万が一、辺野古沿岸部に海上基地をつくるという決定をした場合には、社民党にとっても、私にとっても、重大な決意をしなければならない」と述べ、基地問題の解決のために、連立政権からの離脱も辞さない覚悟で基地を国外・県外へ移設させる強い覚悟を示した。2009年12月15日、与党3党で基本政策閣僚委員会を開き、民主党が具体的期日を設けることを求めたのに対して社民党は「重要なことは期限ではなく、沖縄県民の負担軽減と、沖縄県民、日本国民の多くが納得するような結論を3党で力を振り絞って出すこと。そうでなければ結局、この問題は解決しない」と述べ拒否したため、米軍普天間基地の移設先に関する方針決定を先送りし、連立3党実務者でつくる協議機関で再検討することを決めた。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "12月24日、社民党は、基地のグアム移転を目指して党内に米軍普天間飛行場の移設問題に関するプロジェクトチームを発足させた。プロジェクトチームは2010年1月中に米グアム島を視察し、米側の普天間移設問題に対する認識を確認するため、ワシントン訪問も検討した。同年1月10日、福島は、来日中の米議会下院外交委員会「アジア・太平洋・地球環境小委員会」の委員長エニ・ファレオマバエガ、マイク・ホンダ、ジョゼフ・カオら下院議員と米軍海兵隊を主力とする普天間飛行場移設問題について意見交換した。ファレオマバエガは、会談後の記者会見で「誰もが納得できるような解決につなげるための情報収集を目的に来日した。同移設問題の方針決定は日本の国内問題だが、今後も行方を見守り、解決につなげていきたい」と述べた。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "福島は、「環境やジュゴンの問題も大事だが、一番大切なのは沖縄県民の気持ちだ」、「沖縄県民の大多数は県外、国外移設を望んでいると説明した。県民の思いが重要だというファレオマバエガの言葉は沖縄の基地負担を理解しているようで印象的だった」と述べ、米下院での今後の動きに期待を寄せた。1月の名護市長選で当選した稲嶺進は、当選後、就任あいさつで「選挙中、辺野古の海にも陸上にも新しい基地は造らせないということを訴えた」と同市辺野古への米軍普天間飛行場の移設反対をあらためて主張した。2月24日の沖縄県議会本会議では、「米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還と県内移設に反対し、国外・県外移設を求める意見書」案を全会一致で可決した。これらの世論の動向を受けるかたちで、福島からは、沖縄県内の民意を最大限尊重し、場合によっては、5月末決着を先延ばししてでも、慎重な政権運営を図っていきたいという意向が示された。また、政審会長の阿部知子は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設案として、米領グアムなどに全面移転する「国外移設案」や、国外移設までの期限付きで九州北部の既存自衛隊基地などに分散移転する「暫定県外移設案」など3案を、3月上旬にも開かれる政府・与党の沖縄基地問題検討委員会に提出し、最終調整に臨む方針(「私案」)も示した。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "しかし普天間問題で、鳩山は結局自公連立政権時代の案に近い内容で政府案をまとめ、福島にも同意の署名を求めた。福島はこれを拒否し、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全・少子化対策・男女共同参画)を罷免された。直後に福島党首が開いた会見で「社民党は沖縄を裏切ることはできない」「数々の犠牲を払ってきた沖縄にこれ以上の負担を押し付けることに加担するわけにはいかない」と述べ署名に応じなかった経緯を説明した。また「言葉に責任を持つ政治をやって行きたい」と述べ上記の「重大な決意」を実行した社民党と、「国外、最低でも県外」の公約を守らなかった民主党を比較し民主党を批判した。これを受け党内では、「党首たる福島が罷免された以上連立を維持する意味がない」として、連立解消を求める意見が大勢となり、2010年5月30日に開いた全国幹事長会議で、最終的に連立を解消することを決定した。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "琉球新報と毎日新聞が合同で緊急の沖縄県民世論調査を行った結果、社民党の政党支持率が大幅に上昇し10.2%でトップとなった。県内で社民党の政党支持率が他党をおさえてトップになるのは初めてである。その調査では普天間基地の辺野古移設に反対が84%、賛成が6%となった。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "民社国連立政権により所謂「国鉄改革1047名問題」に関して新たな解決策が模索された。与党3党及び公明党は2010年4月9日「国鉄改革1047名問題に関する人道的観点からの解決案」を政府に要請した。同日、前原誠司国土交通大臣は、当該解決案を受け入れると表明した。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "第22回参議院議員通常選挙では、組織内候補を立てていた日本私鉄労働組合総連合会(私鉄総連)が、渕上貞雄の引退に伴って立候補先を民主党へ移動、改選議席数3を2に後退させた。沖縄県では比例での得票数こそトップになったものの、沖縄県選挙区では自民党公認の島尻安伊子が再選され、社民党が推薦した候補は次点に終わった。選挙後、辻元清美が離党し、2010年9月衆議院会派「民主党・無所属クラブ」に入会。2011年9月 民主党に入党。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "自民党などが提出した柳田稔法相の問責決議案に賛成するなど菅内閣への対立姿勢を示しつつも、国会運営に必要な3分の2の議席を必要とする菅内閣からは政権への協力を呼びかけられていた。社民党は与党には戻らないとしながらも、社民党の要求が通るならば政権に協力するという立場を表明した。菅政権も武器輸出三原則の見直しを先送りさせるなどして社民党に配慮した。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "2011年9月28日、自民・公明など野党7党の国対委員長は、国会内で会談し、社民党を除く6党は、民主党の小沢一郎元代表の資金管理団体による土地取引事件について、小沢本人と、同氏の元秘書で有罪判決を受けた石川知裕衆院議員の証人喚問を求めることで一致し、29日の与野党国対委員長会談で民主党に申し入れた。この件で、社民党は衆院政治倫理審査会を主張した。翌29日午前の与野党国会対策委員長会談で、民主・国民新両党は、開会中の臨時国会を再延長せず、30日で閉会する方針を野党側に伝えた。石川知裕衆院議員ら元秘書3人が政治資金規正法違反の罪で有罪判決を受けた小沢一郎元代表の証人喚問についても「応じられない」と回答した。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "党首・福島は米国の外交専門誌フォーリン・ポリシーが選ぶ2011年の「世界の100人」に名を連ねた。脱原発の活動を長く続けたとして、福島の事実婚のパートナーで原発訴訟に携わる弁護士海渡雄一と共同で選ばれた。同誌は2009年から、その年に政治、経済、平和活動など幅広い分野で影響力をふるった人物を挙げている。日本の政治家では福島が初めてで、オバマ米大統領や英仏独の首相・大統領、ミャンマー(ビルマ)の民主化運動指導者アウンサンスーチーらとともに選ばれた。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "2012年2月、社民党の党首選が行われ、福島のみが立候補を届け出て、無投票で5選された。立候補には所属する都道府県連合の推薦に加え、党国会議員(10人)の3分の1以上(4人)か、党員200人以上の推薦が必要で、福島は重野安正・中島隆利・吉泉秀男・吉田忠智ら4人の国会議員から推薦を取り付けた。福島と対立する阿部知子・照屋寛徳・服部良一らは立候補要件を満たせず、対立候補を立てられなかった。また党員推薦で立候補を目指した稲森稔尚・三重県伊賀市議も、同県連合の推薦確保に難航し断念。福島は記者団に「社民党を元気にしたい。衆参の選挙で勝つことが一番大事な仕事だ。生活再建と脱原発を頑張りたい」と語った。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "なお、民社国連立政権時代には与党の原子力政策(鳩山イニシアチブに基づく原発依存率の強化と原発増設)を容認し、2012年7月に実施された鹿児島県知事選挙では原発再稼動に反対する反原発団体事務局長で新人の向原祥隆を支援せず、現職の伊藤祐一郎を社民党系の県議全員が支援した(社民党鹿児島県連は自主投票とした)。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "2012年11月15日、社民党による政策実現に疑問を持った阿部知子が離党届を提出し日本未来の党に合流した。さらに、第46回衆議院議員総選挙の陣頭指揮をとるはずだった幹事長の重野安正が脳梗塞で入院したため、11月18日に出馬断念に追い込まれた(重野の選挙区には吉川元が出馬)。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "同選挙では第三極の台頭もあって、旧来政党でしかも小規模な社民党は新党乱立の中で埋没し、これまで以上の苦戦を強いられた。毎回安定した戦いを見せる照屋寛徳の沖縄2区を除く全議席が当落線上にあったものの、辛くも比例九州ブロックで1議席を確保。しかし総獲得議席数は小選挙区・比例各1議席ずつの合計2議席と、公示前の半減、阿部離党前と比すと3分の1に減少。比例代表における得票率は2.3%(前回総選挙は4.27%)、得票数は142万票(同300万票)とほぼ半減した(11ブロック中6ブロックで得票率が有効得票数の2%に達せず、新聞広告公費負担から外れた)。同じく第三極台頭の中で埋没した共産党が、議席減を1(9→8議席)にとどめて比較的善戦したのとは対照的な結果となった。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "第18回東京都議会議員選挙(2013年6月23日投開票)では1人を擁立したものの議席獲得はできなかった。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "第183回国会会期末の6月25日に安倍晋三内閣総理大臣に対する問責決議案を生活の党及びみどりの風とともに参議院に共同提出し可決させた、その結果、電気事業法改正案や生活保護法改正案などが審議未了のまま廃案となった。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "2013年7月21日の第23回参議院議員選挙では、先の衆院選時における新党・第三極ブームは収まったものの、与党が圧勝し、参議院でのねじれ解消という展開となった。その中でも共産党や日本維新の会・みんなの党といった中堅野党勢力はそれぞれの反与党票を確保し比較的堅調な戦いを見せ、公示前より勢力を拡大させた。一方の社民党は民主党や生活の党などと共に、反与党票の受け皿とはなり得ず、逆に公示前より勢力を減らした。同選挙では選挙区に5人、比例区に4人擁立したが、比例で1議席(又市征治)を獲得するに留まった。この選挙でもかろうじて得票率が2%を越え、国会に議席が存在する限り2019年まで政党要件喪失を回避する結果とはなったものの、退潮傾向に歯止めがかからないことに変わりはなく、選挙結果を受けて党首の福島瑞穂は引責辞任を表明した。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "後任を巡る党首選挙では吉田忠智政審会長(参議院比例区)と石川大我豊島区議会議員が立候補し、社民党としては初、旧社会党時代から数えても17年ぶりの党首選挙が実施された。結果は、9986票対2239票で吉田が選出された。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "吉田体制における初の国政選挙、第47回衆議院議員総選挙(2014年12月14日実施)は、野党各党が対自民の選挙協力を行い、特に普天間飛行場問題が再燃して以降反基地闘争が盛んであった沖縄県で顕著であった。自民党と一騎討ちとなった沖縄2区で照屋寛徳が当選、沖縄県内での比例得票数が10万票の大台に達し、比例九州ブロックの得票率が5.26%に躍進、1議席を維持した。しかし議席はこの2議席にとどまり、吉田と党首選を争った石川も比例東京ブロックで落選した。両院の総議席数は、公職選挙法の規定ギリギリの5議席を維持した。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "2015年の第18回統一地方選挙では、改選前議席よりわずかに議席を減らす結果となった。これを受けて党は今回の選挙戦は「大変厳しい闘い」であったと結論付けた。ただ、党は全員当選や議席増・県都での空白区解消を勝ち取った県、若手議員の増加などプラス要件もあったとも総括している。また、世田谷区長選で現職の保坂展人が保守候補に大差をつけて再選し、八王子市議会議員選挙で新人の佐藤あずさがトップ当選、石川が豊島区議会議員に返り咲いた。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "2015年夏の平和安全法制審議以降、反自民勢力として、民主党・維新の党・共産党・社民党・生活の党と山本太郎となかまたち(のち自由党に改称)の5野党が共産党のイニシアチブのもとで連携を深める。5党(民主・維新両党の合併に伴う民進党の結党後は4党)は翌年の選挙協力を行うことなどを確認したが、この動きは民共共闘などと呼ばれるなど、4党のうち民進・共産両党がメインに扱われ、社民・生活/自由両党は脇役とみなされた。2016年の衆議院議員補欠選挙、知事選挙の一部などは4党の統一候補を立て、社民党はこれを支援する支援策をとった。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "第24回参議院議員通常選挙(2016年7月10日実施)では、選挙前の5月12日、吉田が民進党への合流を常任委員会で提案したが、福島ら党内から猛反発を受け、18日に撤回・謝罪に追い込まれた。また、比例区における統一名簿構想(「オリーブの木」構想)を生活の党とともに検討したが、民進党が「時間的・物理的に困難」という理由で断り、結局参院選のみは単独で戦った。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "同選挙では、選挙区(東京・神奈川・愛知・福岡)は全敗、比例区では改選数2のところ1議席しか確保できず、党の名簿内の順位が1位になった福島のみ当選、吉田は2位に終わり、党首が落選という結党以来の事態となった。両院の総議席数も4となったが、比例区の得票率が2%を超えたため政党要件はクリアし、2022年までの延命を果たした。26日、生活の党とともに参議院で統一会派「希望の会(生活・社民)」(生活3人、社民2人)を結成し、会派代表には福島が就任した(なおこの統一会派結成に伴い、社会民主党への改称以来20年余にわたり使用されてきた会派名「社会民主党・護憲連合」が消滅した)。吉田は今回の選挙の敗戦の責任を取って、党首の辞意を表明していたが、9月1日に行われた党常任幹事会の慰留を受け入れて続投することとなった。非議員の党首は、社会党時代の飛鳥田一雄委員長(当時:横浜市長)以来となる。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "2017年1月、静岡県熱海市で開かれた日本共産党第27回大会に吉田は民進党代表代行安住淳や自由党代表小沢一郎、参院会派「沖縄の風」の参院議員糸数慶子と共に出席し、野党共闘を内外に改めて示した。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "第48回衆議院議員総選挙(10月10日公示、22日投開票)では、民進党が希望の党に参加して分裂、自由党も参加したが、共産党、社民党、立憲民主党(民進党の内、希望の党不参加の左派系議員で結成)の3党で引き続き候補者調整などの選挙協力を行った。総選挙では立憲民主党が躍進して野党第一党となったが、社民党や共産党は立憲民主党や希望の党が野党の主体となる選挙戦の中で埋没する形となった。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "議席数は、沖縄2区の照屋と比例九州ブロックの吉川が、いずれも再選して現有議席を維持したが、吉川の議席は最下位から2番目という厳しい水準で、比例区得票率は1.69%と結党以来初めて2%を割り込み、2019年の第25回参議院議員通常選挙の結果次第では、公職選挙法上の政党要件を失う見通しとなった。この結果について、吉田は「大変厳しい結果になった。国民の選択に値する政党として再建・再生していきたい」と述べた。また、野党共闘について吉田党首は「立憲民主党を軸に、共産党とも協力」していくことを改めて表明した。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "その後、吉田は自身が非議員による活動に制約が生じることを理由に、2018年2月の任期満了をもって退任することを表明した。1月26日に公示された党首選では、又市征治幹事長以外に立候補の届出がなく無投票で党首に当選した。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "2019年1月24日、参議院において立憲民主党との統一会派「立憲民主党・民友会・希望の会」を結成した。 「希望の会」の名称は、自由党との統一会派時代の名称を引き継いだものである(自由党は国民民主党の会派に合流、後に党としても合流し、解散)。しかしその後、 立憲民主党が第25回参議院議員通常選挙の公認候補として石川大我ら社民党の地方議員を引き抜き擁立するなど、他党へ離脱する動きも相次いだ。又市は、立民幹事長の福山哲郎に対し、「極めて不愉快だ。両党間のひびになりかねない」と批判した。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "同年春の第19回統一地方選挙においては、都道府県議会では改選前の47議席から22議席へと勢力を半減、市町村議会選挙においても19議席減の53議席の獲得に留まるなど苦戦を強いられた。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "2019年7月の第25回参院選では、比例区の得票率が2%以上獲得できないと、公職選挙法上の政党要件を失うため、党の存亡を懸けた「負けられない戦い」と位置付けた。結果、3選挙区は全敗したが、比例区(4人擁立)では1議席を獲得、吉田が国政に復帰した。比例区での得票率2%を上回り、公職選挙法が定める政党要件を維持した。なお、又市は4月末に発見された肺がんの手術を受け、改選の参院選には立候補せず(代表は続投)、テレビなどの党首討論ならびに遊説には、吉川元幹事長が党を代表した。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "選挙後の8月5日には立憲民主党が国民民主党、社民党、旧民進党系の衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」に対し、衆議院での立憲会派への参加を打診したが、又市は同日に参加を見送る考えを伝えた。8月20日には立憲・国民両党首間で衆参両院での統一会派結成に合意、社民党は22日の常任幹事会で参議院において立憲・国民両党会派が合流後も統一会派を離脱しない方針を決めたが、衆議院については「党の存在感を無くさないため」として改めて統一会派に参加しない意向を示した。しかし、9月27日には内閣改造・自民党役員人事で「改憲シフト」が強まったと判断し、野党の結束を強化するためとして衆議院でも統一会派に参加する方向に方針転換した。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "統一会派結成を実現させた立憲民主党は12月6日に、会派に参加する国民民主党、社民党、旧民進党系無所属議員らに対し、事実上の立憲民主党への合流を呼び掛けた。これを受け社民党は12日の常任幹事会で党合流の協議に入る方針を決めた。党執行部は2020年1月の全国幹事長会議で地方の意見集約を図り、2月の党大会で結論を出すとしており、また合流の議論が進んでいることを踏まえ、2月に予定されていた又市の任期満了に伴う党首選挙をいったん取りやめる方針を固めた。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "2020年1月6日に又市は「党名にこだわる必要はない」と述べ立憲民主党への吸収合併を容認する考えを示し、9日には「理念・政策では大筋一致している」と述べ、合流に前向きな姿勢を示したが、同21日に同様に立憲に合流を呼び掛けられていた国民民主党が立憲との合流協議で決裂し、当面野党合流への国民民主党の参加が見送りとなると、又市は「地方には『時間をかけろ』という意見が多い。29日の全国幹事長会議で一定の方向を出すことはない」と述べ、一転して慎重姿勢に転じ、党首選も予定通り2月に実施される方向となった。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "2020年2月22日、東京都内で党大会を開き、新党首に合流慎重派とされる福島瑞穂参院議員を選出した(翌23日に正式に就任)。党首選には又市や吉田忠智も立候補を模索したが、党内対立を回避するため知名度の高い福島への一本化で一致し、無投票で選出された。福島にとっては7年ぶりの党首復帰となった。23日には立憲民主党との合流協議継続を盛り込んだ議案を採択したほか、幹事長に吉田、副党首に吉川が就く役員体制も承認された。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "党首に復帰した福島は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、日本国政府が配布を決めたいわゆるアベノマスクと呼ばれる布マスクに異物が混入していた問題を巡り、受注企業の社名公表や契約書の開示につなげるなどした。一方、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法を巡っては、党が賛成方針を決めたのに対し福島は採決を欠席。党首が党方針に造反するという異例の事態に対し、福島は「ガバナンスに問題があるかもしれないが、社民党の支持者は人権やいろんなことを大事にしていると思う」と釈明した。また、立憲民主党との合流協議については、2月の党大会で「議論の継続」を確認したものの、4月15日には新型コロナウイルスの感染拡大を理由に、一時中断する考えを示した。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "6月25日、立憲民主党との間で取りまとめた、合流した場合の党のあり方をまとめた文書を公表した。この中では「自公政権に対峙する力をつくり、政権交代を実現する。両党合流でその歩みを進める意義を確認した」と明記したほか、次期衆院選の比例代表名簿で小選挙区との重複立候補者を同一順位とし処遇に差をつけないことや、地方組織の統合に当たり一部に暫定期間を設けることも盛り込んだ。この文書は立憲幹事長の福山哲郎と吉田で作成し、吉田は立憲民主党との合流の是非を判断する臨時党大会を今秋にも開く意向を示したが、福島は「社民党は合流の意義について確認していない。ゼロベースだ」と述べるなど党内の温度差が明らかとなった。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "2020年8月より、福島や大椿が中心となってネット配信番組「夜もフェミテレビ」を開始。主な他の出演者は北原みのりや石川優実、菱山南帆子、笛美など。2021年10月現在で14回放送している。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "9月に立憲民主党と国民民主党の一部などが合流し、(新)立憲民主党が結成されたことに対しては、福島は「合流相手の前提条件が変わった」と慎重姿勢を強めた一方、吉田は「新立憲の綱領や規約を精査したが、(前提を)見直す必要はない」と合流に前向きな姿勢を示した。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "10月22日、立憲との合流の是非を巡って常任幹事会で協議したが、地方組織からは「党名をなくすべきではない」との意見が相次いでおり、党の解散・合併に必要な党大会での代議員の3分の2以上の賛成が得られる見通しが低いことから、解党による合流を断念した。一方、福島を除く3人の国会議員や、沖縄や大分、東京などの都県組織は合流に前向きであり、代替案として、希望する国会議員や地方組織が党を離れるのを容認するかどうかを問う議案を11月14日の臨時党大会で諮ると決めた。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "11月14日、臨時党大会が開催され、立憲民主党への合流を希望する所属議員の離党を容認する議案が可決され、事実上の分裂が決まった。約4時間に及んだ党大会では、合流賛成論と反対論が拮抗し、賛成派の照屋が「先輩方がきずいた遺産をすべて食いつぶしたのはあなただ」と公然と福島を批判した一方、地方組織の代議員が立憲との合流を推進した吉田幹事長の解任を求める動議を提出し否決されるなど時に怒号が飛び交う厳しいものとなり、離党を容認する決議についても出席した167人の代議員のうち賛成は84人で僅差での可決であった。この時点では、所属国会議員4人のうち党に残るのは党首の福島のみで、吉田、吉川、照屋の3人は年内にも離党し立憲民主党に入党する見通しと報じられた。議案可決後、吉田と吉川は離党の意思や時期について支持者らと相談するとして記者団に明言を避けた。照屋は「現段階では考えていない」と早期の離党を否定。12月4日には後継候補の新垣邦男が社民党に残留する意向を示していることから、照屋も残留する意向を固めたと報じられた。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "12月17日、吉田忠智幹事長は大分市で記者団の取材に応じ、「離党して立憲民主に合流する。政治を正すためには質的にも量的にもしっかりした野党を作っていかなければならず、社会民主主義的な理念政策を立憲民主の中で広げていきたい」と述べ、立憲民主党への合流を明言した。吉川副党首も「吉田幹事長と一心同体だ」と語った。12月24日の常任幹事会で吉田・吉川の離党が承認され、元衆議院議員の服部良一が新たに幹事長兼選対委員長に就いた。同日には名誉党首と顧問を務める村山富市が党には残るものの、高齢を理由に役職を辞任した。また、11人いた党本部職員は9人が立憲民主党に移籍した。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "合流推進派が立憲民主党への合流を急いだ背景には、党勢の衰退により近年の国政選挙では政党要件の維持も危機的な状況にあり、「国会議員がいなくなったら、立憲民主党に相手にもされなくなる」との危機感があったほか、支持母体である自治労の意向もあったとされる。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "吉田ら立憲民主党への合流を選んだグループは立憲民主党との合流後に立憲民主党の中で政策グループ「社会民主主義フォーラム」として活動を始めた。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "2021年1月13日、分裂後初となる立憲民主党との党首会談が行われ、衆参両院での統一会派を維持するなどの連携維持を確認した。1月15日には院内で所属議員が1人しかいない政党は会派名から省くという慣例により、衆議院会派の名称が「立憲民主党・社民・無所属」から「立憲民主党・無所属」に変更され、社民の名称が消滅した。一方で参議院では衆議院と慣例が異なるため、会派名の「立憲民主・社民」は維持された。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "5月9日の全国代表者会議では、前年2月の党大会以降これまでに、党員全体の3割にあたるおよそ4,000人が離党し、党員が1万人を割り込んだと公表した。また、47都道府県にあった地方組織も17の組織で分割や解散となるなど、党勢の衰退が進んでいることもあわせて報じられた。党の支持率は同年5月8日、9日のJNN世論調査によれば、前回から0.3ポイント下落し、0%になった。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "8月18日、社民党や新社会党や緑の党などのリベラル・革新勢力を機軸として、さらなる立憲野党勢力の野党の連携を後押しする「共同テーブル」が設立された。共同テーブルは「いのちの安全保障確立に向けて非正規社会からの脱却を目指す」ことを理念とするネットワークとなることを目指している。呼びかけ人として佐高信、杉浦ひとみ、上原公子、室井佑月、竹信三恵子、前田朗、纐纈厚、白石孝(NPO法人官製ワーキングプア研究会理事長)、清水雅彦らが参加した。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "10月31日、第49回衆議院議員総選挙の投開票が行われ、照屋の後継(照屋は翌2022年4月に死去)として立候補した新垣邦男が沖縄2区での議席を守り、福島は「新生社民党となって初めて迎えた総選挙だ。党公認で当選することができてよかった」と述べた。一方、比例代表では結党以来初めて議席を獲得できず、社民党の獲得議席は公示前と同じ1議席に留まった。ただし、党分裂前の2017年の第48回総選挙の全国合計の比例票が941,324票(1.69%)だったのに対して、今回は1,018,588票(1.77%)と結果的にはやや総獲得票数は増した。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "2022年1月14日に党首選挙が告示され、福島のみが立候補を届け出たため、無投票での再選が決まった。3月の党大会で正式に承認される。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "2022年3月20日、第19回定期全国大会(党大会)で、衆議院議員の新垣邦男(沖縄県第2区)を副党首に充てるなどの役員人事を了承した。新垣は国対委員長と政審会長も兼務。副党首は7月執行予定の参議院議員選挙比例区から立候補予定の大椿裕子と2人になる。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "同年7月の第26回参議院議員通常選挙では、全国の得票率が2%を下回ると公職選挙法上の政党要件を喪失するため、党として正念場を迎えることとなり、前回の参院選で擁立を見送った福岡選挙区に6年ぶりに候補者を立て、東京選挙区では本来は大阪が地盤である幹事長兼選対委員長の服部良一を擁立。さらに比例区では党首の福島、副党首の大椿のほか、国会議員経験者である秋葉忠利、山口わか子といった知名度のある候補者を擁立し、新社会党と共闘する形で同党の岡﨑彩子(岡崎宏美同党委員長・元衆議院議員の次女)を擁立するなど、政党要件維持に向けて票の上積みを模索した。その結果、選挙区では全員が落選したものの、比例区にて福島が当選した。比例区での得票率も2%を上回り、政党要件を維持する結果となった。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "2023年3月30日に吉田忠智が参議院大分県選挙区の補欠選挙に立候補するため参議院議員を辞職した。前回の参院選で順位2位と3位の候補者は社民党比例名簿から削除されていたため、同4位の大椿副党首が繰り上げ当選した。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "2023年4月の第20回統一地方選挙では、41道府県議選においては公認候補においては公示前から3議席減となる3議席の獲得に留まった。党籍を持つ候補全体では公示前の15議席に対し、公認3名、党籍を有する候補9名の12議席を獲得し微減となった。政令市議選では公認4名、党籍を持つ候補4名が当選した。一般市区議選では推薦含め66名、町村議会で18名が当選し、改選前議席からは微減となった。", "title": "党史" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "綱領的文書の「社会民主党宣言」(2006年採択)では「社会民主主義を掲げる政党」とし、「日本における社会民主主義の理念」を「平和・自由・平等・共生」とした。", "title": "政策" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "社会民主党は党則で「各地方が連合する全国政党である」と形態を定義しており、中央組織及び本部を「全国連合」と称する。なお日本社会党時代には中央本部と称していた。", "title": "組織" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "2017年現在の本部所在地は東京都中央区湊の民間ビル内である。", "title": "組織" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "中央組織である全国連合の下に、「都道府県連合」、「支部連合」、「総支部」、「支部」を設ける(党則21条1項)。また、これに準じる組織としてブロック協議会が規定されている。末端の支部組織は他党と比べて細かいレベルに達する。", "title": "組織" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "衆議院比例代表選挙のブロックごとに設けられ、選挙活動をはじめとする党活動全般にわたる都道府県連合の活動の協力と調整を行う。ブロック協議会は比例単独候補者の決定と順位付け、および小選挙区の他党候補者に対する推薦の決定について協議・確認の上全国連合常任幹事会に承認を求める(党則31条3項・4項)。", "title": "組織" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "都道府県連合は、自民党の都道府県支部連合会、民主党の総支部連合会に相当する組織であり、各都道府県に1つずつ設置される(党則23条) 。立憲民主党への分裂以降、宮城県、山形県、福井県、徳島県には県連合は存在しない。なお日本社会党時代は都道府県本部と称していた。(福井県連合は2023年2月3日再結成)", "title": "組織" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "都道府県連合は後述する職域支部と専門分野別支部を管下に置くことができ、直接指導を行う。", "title": "組織" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "支部連合は自民党の選挙区支部、民主党の総支部に相当するもので、衆議院の小選挙区ごとに1つ設置される(党則24条)。日本社会党時代は支部協議会と称していた。", "title": "組織" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "総支部は基礎自治体ごとではなく都道府県議会の選挙区に準じて編成される規定になっており、公明党のそれや日本共産党の地区委員会に相当する。", "title": "組織" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "総支部は傘下に2つ以上の支部を持っていなければならない(党則25条1項)。", "title": "組織" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "支部は3名以上の党員によって構成される社民党の最末端組織である。日本社会党時代は党員30名以上で支部を構成し、支部に所属する者のうち5人以上で班を構成するとされていたが、社会民主党発足の際に従来の班よりも細かい単位で支部を結成できると改められた。党員3人で支部を結成できるという制度は、日本共産党と同じである。", "title": "組織" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "支部は党則上では議員支部、地域支部、職場支部、職域支部、専門(業種)分野別支部の5つの種類に分かれ、各党員は自らの選択でそのうちの1種類の支部に参加する(党則26条2項)。", "title": "組織" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "5種類のうち、議員・地域・職場の各支部は地元の総支部の管下となる。職域・専門分野別支部は人数や広域性などによって都道府県連合の直属とすることができる。", "title": "組織" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "最低限の要件として、「本党の基本理念及び政策・党則に賛同する18歳以上の者」(党則4条1項)が掲げられている。日本国民の他、外国人でも日本国内に3年以上定住していれば入党を申し込むことができる。日本の主要政党で外国人の入党を認めているのは、2015年現在では本党と公明党のみとなる。", "title": "組織" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "党籍は一般党員と協力党員の2種類があり、一般党員は年齢によって毎月の党費が変わる。39歳以下は月額1,300円、40歳から59歳までは月額2,000円、60歳以上は月額1,000円となっている。この制度は社会民主党になってから改正されたもので、日本社会党時代は社会主義の原則による公平負担を掲げ、毎月の実収入の1%を徴収する制度が長年続いた。このため日本共産党と同様に党費を納めないまま党籍を維持することができた。また、日本共産党の10条該当党員に相当する活動実態のない党員も多数いて、一定の期間後に支部の判断で除籍することも可能だった。この名残で、現在でも最大1年間までの党費滞納は党則上も容認されている(党則5条4項)。", "title": "組織" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "協力党員は民主党のサポーターに近い制度で、月額500円または1年前納で6,000円。党首選挙への投票は可能だが、公職選挙における党公認候補者になれない(党則7条1項但書。推薦は一部条件付きで可)、党各級連合の会議への参加が一部に限られるなど、一般党員と比べて権利に制限がある。", "title": "組織" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "入党・離党の手続きは最寄りの党組織で受け付ける。ただし国会議員のみ都道府県連合で受け付け、全国連合常任幹事会の承認を受ける必要がある(党則5条3項)。また、除名・除籍者の再入党は都道府県連合常任幹事会の承認が必要となる(党則4条3項)。", "title": "組織" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "党則によって、党首を含めた役員の任期は2年と定められている。", "title": "役職" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "2022年3月20日現在", "title": "役職" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "2005年、政党交付金の激減による財政難から党職員の整理解雇を職員団体に通告した。労働者の党を標榜する党の理念を自ら破る行為に対し、「党の労働政策と矛盾している」と反発の声が挙がっていたが、当時幹事長の又市征治は「人件費を切り詰めざるを得ない」として、同年2月17日、33名の本部職員のうち、55歳以上の高齢者、兼職、職務怠慢のいずれかを理由に9名に指名解雇をした。被解雇者中3名は労働組合を結成し、解雇無効の訴訟を起こしたが、2007年4月11日の一審判決、同年9月13日の二審判決、2008年2月1日の最高裁判決は、ともに党が勝訴した。もう一人の訴訟者に対する2007年8月30日の一審判決も党が勝訴したが、2008年1月に東京高裁で金銭和解が成立した。", "title": "財政" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "社民党の本部は、前身の社会党時代の1964年、それまでの党本部が1964年東京オリンピック開催に伴う国道246号の拡幅工事で立ち退きが必要となり、政府が代替地として提供した現地を、年間約2850万円で借り受けて1964年に建築された「社会文化会館」(地上7階地下1階・約6600平方メートル)であり、近くにある坂の名前から通称三宅坂と呼ばれ、長らく活動の拠点となってきた。", "title": "財政" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "21世紀に入って党勢が低下してからは空き部屋も増えたが、多目的ホールなどを撮影に貸し出すなどしており、レトロな雰囲気の相まって、テレビ関係者の口コミで頻繁にドラマ撮影などに貸し出され、最盛期には年間9千万円、2010年には年間30回利用され、123万円の利用料収入を上げていた。党側も、宣伝になるとして貸し出しに積極的であった。", "title": "財政" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "しかし2011年の東日本大震災以後、ビルの耐震性が問題視されて一般貸し出しができない状態に陥り、管理財団は2012年3月31日に解散。以降ビルのメンテナンスは党職員が行うことになった。", "title": "財政" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "党として継続費用を模索するも、専門家による耐震診断の結果は「即時使用制限」となった。修繕しようにも修繕積立などは全く行われておらず、また退去しようにも敷地が国有地であるため退去時に解体費用を負担する必要があり、対応が困難であった。2013年1月28日に社会文化会館を退去することとなった時点で、館内の8フロアのうち党本部と東京都連が1フロアずつ利用しているのみで、ほかのフロアは節電のため常に消灯している状況であった。", "title": "財政" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "のちにこれら費用のうち、耐震診断については党が千代田区に助成を申請し、費用の全額約850万円が公費で賄われたことが明らかとなった。その内訳は、3分の1の280万円余りが平成24年度日本国政府の復興予算「全国防災対策費」から拠出され、残りは東京都が助成した。", "title": "財政" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "解体費用についても、党は千代田区に助成を申請し、区は約3分の1の助成を決定して党に通知した。解体費用の助成は新年度予算からの支出となるが、このうち半額は国費で賄われたことが明らかとなった。", "title": "財政" }, { "paragraph_id": 113, "tag": "p", "text": "これらの公費助成の根拠法である東日本大震災復興基本法(2011年6月施行)は、社民党所属全議員を含む与野党の賛成多数で可決成立したものである。同法では、その目的を、東日本大震災からの復興の円滑かつ迅速な推進と活力ある日本の再生を図ることを目的とする(法1条)と明記しており、いわゆる復興予算が被災地の震災復興だけに使われるものではないことが明示されていた。", "title": "財政" }, { "paragraph_id": 114, "tag": "p", "text": "しかし、社民党は、党代表を含む所属全議員の賛成により成立したこの法律を根拠とし、条文に明示されている運用に基づいている復興予算の被災地以外の事業適用であるにもかかわらず、目的外に流用されていたなどとして政府与党を批判する一方、党としてはその恩恵を受けていたことから、その姿勢が問われるとの報道がなされた。", "title": "財政" }, { "paragraph_id": 115, "tag": "p", "text": "この報道の後、社民党は「違法ではないが好ましくない」として、耐震診断についての復興予算相当分の280万円については、被災地に寄付することを表明した。一方で、解体費用についての復興予算相当分については、その金額自体が明示されなかった。", "title": "財政" }, { "paragraph_id": 116, "tag": "p", "text": "社会文化会館は3月に解体作業を開始、8月には解体を完了した。", "title": "財政" }, { "paragraph_id": 117, "tag": "p", "text": "退去後の党本部は、内閣総理大臣官邸の裏に立地する民間ビル「永田町ビル」の2フロアへ移転したが、2017年5月8日、党勢低迷で賃料を削ってでも選挙費用などに充てるべきだとの判断から、東京都中央区湊3丁目にある民間ビルに再移転した。", "title": "財政" }, { "paragraph_id": 118, "tag": "p", "text": "平成27年度に交付された政党交付金は約4億7000万円。収入額は19億2083万546円。", "title": "財政" }, { "paragraph_id": 119, "tag": "p", "text": "近年の政党交付金は以下の通り。", "title": "財政" }, { "paragraph_id": 120, "tag": "p", "text": "平成27年度の政治資金収支報告書によれば、党費による収入は約1億4000万円、機関紙による収入は約2億7000万円である。", "title": "財政" }, { "paragraph_id": 121, "tag": "p", "text": "(参考文献:石川真澄(一部山口二郎による加筆)『戦後政治史』2004年8月、岩波書店・岩波新書、ISBN 4-00-430904-2)", "title": "党勢" }, { "paragraph_id": 122, "tag": "p", "text": "2023年4月7日現在、所属国会議員数3名(衆議院議員1名、参議院議員2名)", "title": "党勢" }, { "paragraph_id": 123, "tag": "p", "text": "2010年の参院選において渕上貞雄が引退した事で、日本社会党時代から在籍している国会議員は全員姿を消した。(ただし、2020年に立憲民主党に移籍した吉川元は非議員時代に日本社会党に所属していた。)", "title": "党勢" }, { "paragraph_id": 124, "tag": "p", "text": "第26回参議院議員通常選挙にて比例区の得票率が2%を超えたため、2028年の第28回参議院議員通常選挙まで所属国会議員が1名以上いれば政党として活動が可能で政党助成金も受け取れることになった。", "title": "党勢" }, { "paragraph_id": 125, "tag": "p", "text": "尖閣諸島で中国漁船が衝突事件を起こした際に、「尖閣諸島は、歴史的にみて明らかに日本の領土であり、沖縄県石垣市に属する島である。領海内で他国の漁船が操業することは、特段の取り決めがない限り断じて認められないことであり、海上保安庁が取り締まることは当然である。」との談話を発した。この事件について中華人民共和国が日本側に謝罪と賠償を求めたが、これは全く論拠がなく認められない主張であるとして社民党は、中華人民共和国に謝罪と賠償の要求を直ちに取り下げるように求めた。", "title": "対外関係" }, { "paragraph_id": 126, "tag": "p", "text": "2021年7月1日に行われた中国共産党建党100周年にて社民党は福島代表名義で「中国共産党が、習近平氏による新時代の中国の特色ある社会主義思想の指導の下、中華民族の偉大な復興を実現する道を、引き続き突き進まれることをお祈りする」との祝辞を発表した。", "title": "対外関係" }, { "paragraph_id": 127, "tag": "p", "text": "後述のように北朝鮮による日本人拉致問題を強く批判された経緯もあり、表立って親北を主張できなくなった社民党は拉致問題が表面化した2002年以降は、大韓民国(韓国)の特に左派政党との関係に比重を置くなど親韓の傾向を強めている。これは1990年代の軍事政権崩壊後の反動で韓国で政権与党になったのが新千年民主党(金大中)、ウリ党(盧武鉉)、共に民主党(文在寅)などに象徴されるように主に中道左派政党であるのも少なからず影響している。", "title": "対外関係" }, { "paragraph_id": 128, "tag": "p", "text": "2023年7月6日には、ソウル・国会議員会館で開かれた革新系野党正義党との懇談会で、東京電力福島第1原発の処理済み汚染水の海洋放出阻止に向けて連帯する方針を固めた。", "title": "対外関係" }, { "paragraph_id": 129, "tag": "p", "text": "朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)とは、日本社会党時代から長きに渡り引き続き良好な関係を保っていたが、2002年の日朝首脳会談で金正日が拉致を認めた後、社民党の朝鮮労働党宛質問状に返答がなかったためと称して、「労働党との関係凍結についてはもう少し慎重に検討すべき」(宇賀神文雄幹事長(栃木))などの反対意見を封殺して、「多角的な議論の上で」(福島幹事長)同年12月関係を凍結すると発表する一方、在日本朝鮮人総聯合会に対して、従来通り友好関係を維持(福島幹事長)するとしている。", "title": "対外関係" }, { "paragraph_id": 130, "tag": "p", "text": "また、一部の地方組織では、北朝鮮と引き続き関係を保っているところもある。", "title": "対外関係" }, { "paragraph_id": 131, "tag": "p", "text": "社民党は、社会党時代の1963年に第一次訪朝団を派遣して以来、朝鮮労働党との交流を積み上げ、「朝鮮労働党唯一の友党」を標榜してきた。", "title": "対外関係" }, { "paragraph_id": 132, "tag": "p", "text": "一方で、党の拉致事件への対応について、日本社会党時代から朝鮮統一問題に取り組んできた田英夫は「『ご説ごもっとも。友好第一』で、本当の友人として批判する態度ではなかった」、「拉致を信じていなかった。だまされた」と述べている。", "title": "対外関係" }, { "paragraph_id": 133, "tag": "p", "text": "1990年に、自民党の金丸信と訪朝した田邊誠元社会党委員長は、当時拉致問題に関しては全く知らなかったと釈明し、「家族からの陳情も私には届いていなかった。行方不明者がいるという話を小耳にはさみ、訪朝前に外務省や警察庁に聞いたが確認できなかった」と主張した。", "title": "対外関係" }, { "paragraph_id": 134, "tag": "p", "text": "社民党機関誌『月刊社会民主』1997年7月号では、社会科学研究所「月刊日韓分析」編集員の北川広和の論文「食糧支援拒否する日本政府」が掲載され、次のような記載がなされた。「拉致疑惑の根拠とされているのは、つい最近、韓国の国家安全企画部(安企部)によってもたらされた情報だけである」「産経新聞に掲載された元工作員の証言内容に不自然な点がある」。従って「拉致疑惑事件が安企部の脚本、産経の脚色によるデッチあげ事件との疑惑が浮かび上がる」。「20年前に少女が行方不明になったのは、紛れもない事実である。しかし、それが北朝鮮の犯行とする少女拉致疑惑事件は新しく創作された事件というほかない。......拉致疑惑事件は、日本政府に北朝鮮への食糧支援をさせないことを狙いとして、最近になって考え出された事件なのである」。2001年、日本人拉致事件が明るみに出て以降も、同論文は同党の公式ウェブサイトに掲載され続けた。", "title": "対外関係" }, { "paragraph_id": 135, "tag": "p", "text": "2002年9月17日の小泉純一郎と金正日との日朝首脳会談以降、「これまで朝鮮労働党は、社民党が参加してきた森団長、村山団長の2度にわたる訪朝団との会談で『拉致は存在しない』『行方不明者として調査する』と対応してきた。社民党も同会議の席上、拉致・行方不明者の生存確認の追及を厳しく求めてきた。」との立場を取りつつも、上記論文について、2002年10月3日の常任幹事会後の記者会見で、保坂展人総合企画室長(当時)は、「党の見解と同一かを確認したことはないが、なるべく早い時期に見解を出したい」と述べ、当面は掲載を続ける考えを示した。", "title": "対外関係" }, { "paragraph_id": 136, "tag": "p", "text": "しかし、既に当該論文の内容や社民党における取り扱いなどが、マスメディアによって周知されており、この党の対応に対しては、党員からも抗議が殺到、保坂展人総合企画室長(当時)は「論文が拉致がなかったという内容で、家族の気持ちを思うと不適当だと判断した。今日、執筆者と連絡が取れ、削ってもいいという了解をもらった」 として、論文の削除を行った。", "title": "対外関係" }, { "paragraph_id": 137, "tag": "p", "text": "2002年10月7日、所属する田嶋陽子が、一連の対応を「(拉致事件という)現実に対する対応にスピード感も柔軟性もない」と批判のうえ、離党を表明する事態に陥ると、福島瑞穂幹事長(当時)は、本来、党の政治的見解等の広報を担う機関誌に掲載した論文であるにもかかわらず「当時の状況下における個人論文で党の見解ではない」と釈明し、土井たか子党首(当時)は田嶋陽子の離党に関する記者会見において、「(朝鮮労働党との間で)拉致問題を取り上げなかったわけではないが、追及が十分とは言えなかった。被害者の家族には申し訳ありませんと、お詫びしたい」と発言している。", "title": "対外関係" }, { "paragraph_id": 138, "tag": "p", "text": "安倍晋三内閣官房副長官(当時)は、そのような党の姿勢について、「いかにも(自分が)昔から取り組んでいたかのように、小泉純一郎首相の決断を批判するのは、ちゃんちゃらおかしい。まずは反省するべきだ」「警察も外務省も対応が冷たく、新聞もどこも報道しなかった。それどころか社民、民主の議員は『いいかげんなことを言うな』とわめいていた」等と批判した。", "title": "対外関係" }, { "paragraph_id": 139, "tag": "p", "text": "拉致被害者の有本恵子は、土井たか子の選挙地盤であった西宮市の出身であり、有本夫妻は当初、北朝鮮にパイプを持つ土井に拉致問題の調査を依頼したものの、拉致の存在を信じていなかった土井は、積極的に取り組まず、土井や社民党に失望した有本夫妻は、土井の対抗馬であり、民社党で兵庫県議会議員時代から、日本人拉致事件に取り組んできた自由民主党の大前繁雄を2003年の総選挙において応援。その結果、土井たか子は党首であるにもかかわらず、兵庫県第7区で落選を喫し、近畿ブロック比例区で復活当選した。", "title": "対外関係" }, { "paragraph_id": 140, "tag": "p", "text": "2003年11月2日放送の『報道2001』では、司会の「かつて社民党は拉致は『でっち上げ』ということをおっしゃっていましたよね」との質問に対し、土井たか子は「そんなことを党として言った事はないですよ、それはおかしい報道ですね。それは事実と違います」と発言した。", "title": "対外関係" }, { "paragraph_id": 141, "tag": "p", "text": "ウクライナ侵略への姿勢", "title": "対外関係" }, { "paragraph_id": 142, "tag": "p", "text": "2022年のロシアによるウクライナ侵略について、2022年2月18日に社民党(社会民主党)は機関紙の社会新報オンライン版(2022年2月23日号)掲載記事「ウクライナを戦場にするな~米ロ両国は冷静な対話で緊張緩和を~」において、ロシアを支持していると受け取れる記事を掲載した。2月21日午前10時頃には社会新報Web記事削除され、社会新報公式Twitterアカウントにおける記事紹介投稿も削除された。ロシア軍がウクライナ侵攻開始で全面戦争となった2月24日22時30分頃には、 CMSの操作ミスにより記事を再掲してしまい、2月25日午前5時頃には再び削除された。同25日に「【談話】ロシアのウクライナ軍事侵攻に抗議する」でロシア批判声明が出された。また、社民党は社会新報3月9日号に掲載された「本紙記事でのおわび」により、当該記事について謝罪と説明をしており、それによると該当記事の校了日は2月16日で、ロシア軍の軍事侵攻開始(24日)の8日以上前に執筆されたものであったため、情勢認識を誤ってしまった、とのことであった。おわび記事によると当該記事の趣旨は、米露両国が冷静な対話を尽くし、ウクライナの主権を守るため緊張緩和を図るべきだと訴えるものであり、ロシアの軍事侵攻を正当化する意図ではなかったとしている。", "title": "対外関係" }, { "paragraph_id": 143, "tag": "p", "text": "ここで挙げた団体は必ずしも社民党のみを支援するとは限らず、場合によっては立憲民主党、日本共産党、新社会党、緑の党グリーンズジャパンなど他党を支援することもある。", "title": "支援団体" } ]
社会民主党は、日本の政党。55年体制下で野党第一党であった日本社会党が1996年1月に改称した社会民主主義政党である。 日本語略称は「社民党(しゃみんとう)」、「社民(しゃみん)」。1字表記の際は、「社」と表記される。 国際組織の社会主義インターナショナル(SI)に加盟している。SIの第23回大会(2008年)で党首の福島が副議長に選出されて以来、第24回大会、第25回大会と連続して選出されていたが、第26回大会(2022年)では選出されていない。 かつての大政党の勢いはない。
{{政党 | 国名 = {{JPN}} | 党名 = 社会民主党<div style="font-size:smaller">Social Democratic Party</div> | 色相 = {{Social Democratic Party of Japan/meta/color}} | ロゴ = [[ファイル:Logo Social Democratic Party.svg|220px]] | 画像 = Maruki Enomoto Building 2017-11-26.jpg | 画像サイズ = 250px | 画像説明 = 社会民主党本部が入居するマルキ榎本ビル | 党首職名 = 党首 | 党首氏名 = [[福島瑞穂]] | 副党首職名 = 副党首 | 副党首氏名 = [[大椿裕子]]<br />[[新垣邦男]] | 下院代表職名 = 幹事長 | 下院代表氏名 = [[服部良一 (政治家)|服部良一]] | 上院代表職名 = | 上院代表氏名 = | 成立年月日 = [[1996年]][[1月19日]]<ref name="nipponica"/> | 前身政党 = [[日本社会党]]{{efn|[[デ・ジュリ|法規上]]は、前身の[[日本社会党]]と同一政党である}} | 郵便番号 = 104-0043 | 本部所在地 = [[東京都]][[中央区 (東京都)|中央区]][[湊 (東京都中央区)|湊]]3-18-17<br/>マルキ榎本ビル 5階{{refnest|name="inq"|{{official website|https://sdp.or.jp/contact/|お問い合わせ - 社民党 SDP Japan}}}} | 下院 = [[衆議院]] | 下院議員数 = 1 | 下院議員定数 = 465 | 下院議員集計年月日 = 2021年11月1日現在 | 上院 = [[参議院]] | 上院議員数 = 2 | 上院議員定数 = 248 | 上院議員集計年月日 = 2023年4月7日現在 | 議席 = 都道府県議数 | 議員数 = 27 | 議員定数 = 2570 | 議員集計年月日 = 2022年12月31日現在<ref name="giseki">{{Cite press release|和書|title=地方公共団体の議会の議員及び長の所属党派別人員調等(令和4年12月31日現在)|publisher=総務省|date=2023-07-30|url=https://www.soumu.go.jp/main_content/000883651.pdf}}</ref> | 議席2 = 市区町村議数 | 議員数2 = 137 | 議員定数2 = 29155 | 議員集計年月日2 = 2022年12月31日現在<ref name="giseki" /> | 党員・党友数 = 13,016人 | 党員・党友数集計年月日 = 2021年3月30日現在<ref>https://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/SS20211126/000040.pdf</ref> | 政治的思想・立場 = [[中道左派]]<ref>{{cite book |title=New Left Review |quote=In alliance with the centre-left Social Democratic Party, the Hatoyama government had the majority necessary to push its radical programme through, over - riding any LDP opposition in the Upper House. |date=2010 |page=8 |publisher=[[Ohio State University]] }}</ref> - [[左翼|左派]]<ref>{{cite book|editor=Janet Hunter, Cornelia Storz |title=Institutional and Technological Change in Japan's Economy: Past and Present |date=2006 |publisher=Routledge}}</ref><br />[[社会民主主義]]<ref name="shamak">{{kotobank|社会民主党[日本]|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典}}</ref><ref name="vision"/><ref name="nishinihon">{{Wayback|url=https://www.nishinippon.co.jp/nnp/representatives_election_2017_news/article/366091/|title=定義なき保守バブル 有権者の解釈多様 - 西日本新聞|date=20171015233229}}</ref><ref name="sensei">{{Cite web|和書|url=https://kotobank.jp/word/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E6%B0%91%E4%B8%BB%E5%85%9A-181170#E7.B2.BE.E9.81.B8.E7.89.88.20.E6.97.A5.E6.9C.AC.E5.9B.BD.E8.AA.9E.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E5.85.B8 |title=しゃかいみんしゅ‐とう シャクヮイタウ【社会民主党】 |accessdate=2019-08-27 |website=[[コトバンク]] |work=精選版 日本国語大辞典 }}</ref><br />[[民主社会主義]]<ref>{{Cite web|和書|author=安世舟 |authorlink=安世舟 |url=https://kotobank.jp/word/%E6%B0%91%E4%B8%BB%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E4%B8%BB%E7%BE%A9-140065#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89 |title=民主社会主義とは § 日本大百科全書(ニッポニカ)の解説 |accessdate=2020-11-12 |website=[[コトバンク]] |work=[[小学館]]『日本大百科全書』 |publisher=[[朝日新聞社]]|archiveurl=https://web.archive.org/web/20200622084644/https://kotobank.jp/word/%E6%B0%91%E4%B8%BB%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E4%B8%BB%E7%BE%A9-140065#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89 |archivedate=2020-06-22 }}</ref><br/>反[[新自由主義]]<ref name="vision"/><br />反[[新保守主義]]<ref name="vision"/><br />[[環境主義]]<ref name="vision"/><br />[[多文化主義]]([[共生]]主義)<ref name="vision"/><br/>[[連帯経済]]<ref name="vision"/><br/>[[護憲]]<ref>[[加藤哲郎 (政治学者)|加藤哲郎]]. [https://kotobank.jp/word/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E6%B0%91%E4%B8%BB%E5%85%9A%281996%E5%B9%B4%E7%B5%90%E6%88%90%29-1543675#E6.97.A5.E6.9C.AC.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E5.85.A8.E6.9B.B8.28.E3.83.8B.E3.83.83.E3.83.9D.E3.83.8B.E3.82.AB.29 日本大百科全書(ニッポニカ)]. [[コトバンク]]. 2019年2月27日閲覧。</ref><ref name="digi"/><br />[[平和主義]]<ref name="digi">[https://kotobank.jp/word/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E6%B0%91%E4%B8%BB%E5%85%9A-181170#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89 デジタル大辞泉] [[コトバンク]]. 2018年8月4日閲覧。</ref> |機関紙 = 『[[社会新報]]』<ref>[https://kotobank.jp/word/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E6%96%B0%E5%A0%B1-75618#E3.83.96.E3.83.AA.E3.82.BF.E3.83.8B.E3.82.AB.E5.9B.BD.E9.9A.9B.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E4.BA.8B.E5.85.B8.20.E5.B0.8F.E9.A0.85.E7.9B.AE.E4.BA.8B.E5.85.B8 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典] [[コトバンク]]. 2018年8月6日閲覧。</ref><ref name="publicity"/><br/>『月刊社会民主』{{refnest|name="publicity"|{{official website|https://sdp.or.jp/publicity/|広報 - 社民党 SDP Japan}}}} | 政党交付金 = 2億6000万 | 交付金算定基準 = 2023年1月17日決定<ref>{{Cite press release |和書 |title=令和元年分政党交付金の変更決定等 |publisher=[[総務省]] |date=2020-04-01 |url=https://www.soumu.go.jp/main_content/000774140.pdf |format=PDF |accessdate=2020-10-20 }}</ref> | ウェブサイト = https://sdp.or.jp/ | サイトタイトル = 社民党OfficialWeb | 公式カラー = {{colorbox|{{Social Democratic Party of Japan/meta/color}}}} [[スカイブルー]] <ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22461210Z11C17A0000000/ |title=日本に定着するか、政党のカラー |accessdate=2019-07-26 |date=2017-10-21 |website=nikkei.com |publisher=[[日本経済新聞社]] }}</ref> | 国際組織 = [[社会主義インターナショナル]]<ref name="nipponica">{{kotobank|社会民主党(1996年結成) しゃかいみんしゅとう|日本大百科全書(ニッポニカ)}}</ref> | その他 = }} {{社会民主主義}} '''社会民主党'''(しゃかいみんしゅとう、{{Lang-en-short|Social Democratic Party}}、略称: '''SDP'''<ref>{{Cite news2|language=en|newspaper=The Japan Times|title=SDP leader Yoshida to resign over Upper House election defeat|url=https://www.japantimes.co.jp/news/2016/07/14/national/politics-diplomacy/sdp-leader-yoshida-resign-upper-house-election-defeat/|date=14 July 2016|accessdate=10 December 2019}}</ref>、'''SDPJ'''<ref>[https://kotobank.jp/ejword/sdpj プログレッシブ英和中辞典(第4版)] [[コトバンク]]. 2018年8月6日閲覧。</ref>)は、[[日本の政党]]<ref name="shamak"/><ref name="digi"/>。[[55年体制]]下で野党第一党であった[[日本社会党]]が1996年1月に改称した[[社会民主主義]][[政党]]である<ref name="nipponica" /><ref name="shamak" /><ref name="vision" /><ref name="nishinihon" /><ref name="sensei" />。 [[日本語]]略称は「'''社民党'''(しゃみんとう)」<ref>[https://kotobank.jp/word/%E7%A4%BE%E6%B0%91%E5%85%9A-174577#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89 デジタル大辞泉]</ref><ref>[https://kotobank.jp/word/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E6%B0%91%E4%B8%BB%E5%85%9A-181170#E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.9E.97.20.E7.AC.AC.E4.B8.89.E7.89.88 大辞林 第三版] [[コトバンク]]. 2018年9月3日閲覧。</ref>、「'''社民'''(しゃみん)」<ref name="yomiurishugiin">[http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/2017/?from=ycnav2 【衆院選(衆議院選挙)】:衆議院選挙2017:選挙:読売新聞] 2018年8月6日閲覧。</ref>。1字表記の際は、「'''社'''」と表記される<ref name="yomiurishugiin" />。 国際組織の[[社会主義インターナショナル]](SI)に加盟している。SIの第23回大会(2008年)で党首の福島が副議長に選出<ref>{{Cite web |title=Elected by the XXIII Congress of the Socialist International, Athens |url=https://www.socialistinternational.org/congresses/xxiii-congress-of-the-socialist-international-athens/elected-by-the-xxiii-congress-of-the-socialist-international-athens/ |website=Socialist International |access-date=2023-09-27 |language=en}}</ref>されて以来、第24回大会<ref>{{Cite web |title=Elected by the XXIV Congress of the Socialist International, Cape Town |url=https://www.socialistinternational.org/congresses/xxiv-congress-of-the-socialist-international-cape-town/elected-by-the-xxiv-congress-of-the-socialist-international-cape-town/ |website=Socialist International |access-date=2023-09-27 |language=en}}</ref>、第25回大会<ref>{{Cite web |url=https://www.socialistinternational.org/congresses/xxv-congress-of-the-socialist-international-cartagena-colombia/president-secretary-general-and-vice-presidents-elected-by-the-xxv-congress/ |title=President, Secretary General, and Vice-Presidents elected by the XXV Congress |access-date=2023-09-27 |publisher=Socialist International |language=en}}</ref>と連続して選出されていたが、第26回大会(2022年)では選出されていない<ref>{{Cite web |title=President, Secretary General and Vice-Presidents elected by the Congress |url=https://www.socialistinternational.org/congresses/xxvi-congress-of-the-socialist-international-madrid/president-secretary-general-and-vice-presidents-elected-by-the-congress/ |website=Socialist International |access-date=2023-09-27 |language=en}}</ref><ref>{{Cite web |title=Presidium of the Socialist International |url=https://www.socialistinternational.org/about-us/presidium/ |website=Socialist International |access-date=2023-09-27 |language=en}}</ref>。 == 概要 == [[日本社会党]]から改名した社会民主党は、[[綱領]]的文書の「社会民主党宣言」において、「[[社会民主主義]]を掲げる政党」としており、「日本における社会民主主義の理念」は「[[平和]]・[[自由]]・平等・[[共生]]」としている<ref name="vision">{{Cite press release|和書|title=社会民主党宣言|publisher=社会民主党|date=2006-02-11|url=https://sdp.or.jp/declaration/}}</ref>。また「競争最優先の市場万能主義に立つ[[新自由主義]]」「強大な政治、経済、軍事力を背景に特定の価値観を押しつけようとする[[新保守主義]]に最も厳しく対峙するのが社会民主主義である」と主張している<ref name="vision"/>。 1996年1月に日本社会党が改称して発足した。初代党首は[[村山富市]]。継続して[[自社さ連立政権]]に参加。[[新党さきがけ]]との合流を模索し、同年9月に社民党内合流推進派は離党し、[[民主党 (日本 1996-1998)|民主党]]を結成した。民主党執行部によって、負のイメージが強い者とされた村山富市、土井たか子は入党を拒否された([[民主党 (日本 1996-1998)#排除の論理|排除の論理]])。新人当選者だけでなく、第一野党時代の日本社会党から所属していた[[横路孝弘]]や[[赤松広隆]]・[[輿石東]]・[[鉢呂吉雄]]など党内左派、[[佐藤観樹]]幹事長ら党内右派系などの党所属国会議員の半数以上である35名が社民党から移籍をした。結党された民主党は当時の両院現職国会議員57名で構成され、日本労働組合総連合会や旧社会党時代の支持母体のほとんどを獲得した。結党時の民主党は57名中旧社会党出身者が35名と党内過半数を占めていた。社民党自体は合流拒否された者を含む不参加者らにより存続し、同年9月28日から土井たか子が2代目党首となった。1998年5月に社民党は自社さ連立政権を離脱した。<ref name="shamak"/><ref name="vision"/><ref name="nishinihon"/><ref name="sensei"/><ref name="nipponica"/><ref>{{Cite news |title=社民党、55年体制からの歴史に幕か|newspaper=産経新聞|date=2020-01-23|url=https://www.sankei.com/article/20200123-CFJOAYAQLFI75JUMKFLA5ODZPE/}}</ref><ref name=":3">{{Cite web|和書|title=2003~2004 年末年始特集|url=http://www.asahi.com/03-04/top10/no19.html|website=朝日新聞|accessdate=2022-01-11}}</ref><ref name=":6" />。 1980年代に入ると日本人の失踪者が北朝鮮に拉致されていたとの証言が相次いでいたが<ref name=朝鮮日報20230707>{{Cite news |title=日本で3議席しか持たない没落野党・社民党と手を組んだ韓国167議席の第1党・共に民主【記者手帳】 |newspaper=[[朝鮮日報]] |date=2023-07-07 |url=https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2023/07/07/2023070780044.html |accessdate=2023-07-07}}</ref>、前身である社会党時代から[[北朝鮮による日本人拉致問題|北朝鮮による日本人拉致被害]]を長年にわたって否定し続けていた<ref name=朝鮮日報20230707/><ref name=":5">{{Cite web|和書|title=消えゆく社民党 支持層だった労働者に見限られた致命的な出来事(城繁幸) |url=https://www.j-cast.com/kaisha/2020/11/22399058.html |website=J-CAST 会社ウォッチ |date=2020-11-22 |access-date=2023-07-10}}</ref>。1987年の[[大韓航空機爆破テロ]]についても「韓国の自作自演」と主張をしていた。所属議員らも北朝鮮の[[金日成]]・金正日親子を「素晴らしいリーダー」などと賞讃してきた<ref name=朝鮮日報20230707/>。2002年に行われた[[日朝首脳会談]]で北朝鮮[[朝鮮民主主義人民共和国国防委員会#国防委員長|国防委員長]]の[[金正日]]は訪朝した[[小泉純一郎]][[内閣総理大臣]]に拉致の事実を認めた{{R|朝鮮日報20230707}}が、当時の社会党幹部は直後の「[[朝まで生テレビ]]」を全員出演辞退した<ref name=":5" />。2003年の衆議院総選挙では当時の党首[[土井たか子]]が「憲法を生かせるか、死なせるかを賭けた戦い」との言葉を繰り返したが、北朝鮮への社民党対応への世論の批判と[[辻元清美]]議員の秘書給与搾取による逮捕事件を受けて、選挙前勢力の18議席から6議席に激減の惨敗を喫する。土井自身も比例復活当選したものの、小選挙区での議席を失い、同年11月13日に党首を辞任した<ref name=":3" />。同年11月15日、[[福島瑞穂]]が党首に就任。これらの不祥事に加えて、2005年に衆院選で大敗した結果、当時の職員の3割ほどを配置転換ではなく、党持論に反した[[整理解雇]]をしたことも致命的になった。民間企業のリストラや雇止めを批判しながらも、このような党職員への姿勢は、支持基盤である労働組合関係者からも強い批判を受けることとなった<ref name=":5" />。 2009年に[[民社国連立政権]]に参加したが、[[普天間基地移設問題]]をめぐり福島大臣が罷免されたことを受け、2010年に離脱。 2013年の参議院議員選挙では比例で1議席を獲得するに留まり、選挙結果を受けて党首の福島は引責辞任した。後任を巡る党首選挙では[[吉田忠智]]政審会長(参議院比例区)と[[石川大我]]豊島区議会議員が立候補し、吉田が選出された。 2018年、3期の任期満了で吉田は党首を退任し、後任には[[又市征治]]幹事長が無投票で選出された。 2020年、1期の任期満了で又市は党首を退任し、後任には福島副党首が無投票で選出された。 2020年には民主党の系譜上にある[[立憲民主党 (日本 2020)|立憲民主党]]との合流を模索したが、地方組織などに慎重意見があることから10月22日の常任理事会で国会議員や地方組織の離党を「容認」する決議を11月14日の臨時党大会で諮った結果、僅差で可決され、さらなる分裂が現実となった<ref>{{Cite news |title=社民党に分裂危機 国会議員4人中3人が離党の可能性:朝日新聞デジタル|url=https://www.asahi.com/articles/ASNBQ65QCNBQUTFK00R.html|website=朝日新聞デジタル|accessdate=2020-10-22|language=ja}}</ref><ref>{{Archive.today|url=https://www.jiji.com/jc/article?k=2020102201055&g=pol|title=社民、分裂へ 立憲合流で離党容認:時事ドットコム|date=20201023020300}}</ref>。これにより、党員は約4割減、地方議員は半数以上が離党し、時事通信によると「地盤沈下」に歯止めがかからない状況となっている。 事実上の分裂後、初の大型国政選挙となる[[第49回衆議院議員総選挙]]では得票率が1.77%にとどまったほか、これまで必ず当選者が出ていた比例代表で議席を獲得できず、最終的な当選者数は小選挙区の1名のみであった。 [[2022年]]の[[第26回参議院議員通常選挙]]では改選対象だった党首の福島1名のみが当選し、得票率は2.37%に達し政党要件を確保した。 2023年7月には[[韓国国会]]本館前でのデモ活動にて、「日本の国会議員も汚染水放流に反対している」ということに用いられるために[[大椿裕子]]社民党副党首が訪韓している。招聘してきた韓国左派政党[[共に民主党]]議員らと大椿副党首は「福島汚染水放流反対」を共に叫んだ。朝鮮日報は、韓国一般国民は社民党を「日本の有力政党」と誤認識しているものの、「(日本国会で)0.4%の議席しか持たない没落した政党」から学べることは連帯ではなく、「時代に逆行した政党の末路」と指摘している<ref name=朝鮮日報20230707/>。 == 党史 == [[ファイル:1990年代の政党の離合集散.jpg|thumb|right|1990年代の政党の離合集散]] === 村山富市党首時代 (1996) === ==== 党名変更 ==== [[1996年]]1月の[[日本社会党]]第64回大会での名称変更決定を受け、3月に第1回大会を開き結成された。初代党首は日本社会党の村山富市委員長が引き続き務め、幹事長には[[佐藤観樹]]が就任した。[[村山内閣]][[内閣総辞職|総辞職]]により成立した[[第1次橋本内閣]]に引き続き与党として参加し、[[自社さ連立政権]]の枠組みを維持した。一方、党名変更と自社さ連立政権に批判的な左派勢力は、1月に離党し[[新社会党]]を結党した。 民主党への入党を拒否されなかった第一野党時代の日本社会党から所属していた横路孝弘や赤松広隆・輿石東・鉢呂吉雄など党内[[社会党左派|左派]]、佐藤観樹幹事長ら党内右派系およびの議員多数は個別の形で民主党へ参加した。新人当選者を含めた党所属国会議員の半数以上である35名が社民党から移籍をした。さきがけからは、民主党結党時点の27名内15名が旧・民主党に参加した。民主党は当時の両院現職国会議員57名で構成され、日本労働組合総連合会や旧社会党時代の[[支持体|支持母体]]のほとんどを獲得した。結党時の民主党は57名中旧社会党出身者が35名と党内過半数を占めていた。このように、社民党は総選挙を所属議員の過半数、支持母体など支持層の大半を失う中で、入党拒否された者、意図的に党に残った者だけで戦うことになった<ref name=":6">「日本社会党・総評の軌跡と内実」p73,五十嵐 仁 編著 、木下 真志 編著 、法政大学大原社会問題研究所, 2019/04/08</ref>。 === 土井たか子党首時代 (1996-2003) === ==== 党勢縮小と自社さ連立政権離脱 ==== 総選挙に向けた立て直しの一環として、[[1996年]][[9月28日]]、社会党時代に委員長を務めた[[土井たか子]]が党首に復帰する。社会党時代の支持基盤であった[[労働組合]]の大半が民主党支持に転じたため、土井党首は[[辻元清美]]ら[[市民活動|市民運動]]出身者を積極的に立候補者に起用したが、[[第41回衆議院議員総選挙]](10月20日投開票)では15議席しか獲得できなかった。この選挙で初当選した議員は「土井チルドレン」と呼ばれた。総選挙後は、閣外協力として引き続き[[連立政権]]([[第2次橋本内閣]])に参加したが、[[1998年]]5月に[[連立政権]]から離脱した。 政権離脱後の[[1999年東京都知事選挙]]では旧社会党時代から唯一の都知事選における自主投票となった。[[第42回衆議院議員総選挙]](2000年6月25日実施)では4議席増の19議席を確保したが、[[第19回参議院議員通常選挙]](2001年7月19日実施)では小泉旋風の煽りをうけて得票・議席とも大幅に減らした。その結果、同年の第7回党大会で自社さ連立政権以来の旧幹部が退き、幹事長に福島瑞穂、政審会長に辻元清美など市民派が重要ポストに就いた。これ以後、[[自由民主党 (日本)|自由民主党]]に対する対決姿勢が強まった。[[2000年]](平成12年)から[[2003年]](平成15年)にかけて女性議員の比率が増加して社民党の衆議院議員が男性9人で女性10人になり衆参の国会議員の男女比がほぼ同数になった。 2001年10月、日本近海で続く北朝鮮不審船対策として、停船命令に従わない[[不審船]]への船体射撃を認める[[海上保安庁法]]改正案に対し、「[[警察比例の原則]]を逸脱し、[[警備]]体制の充実を踏み越えた内容である」<ref>{{cite conference|url=https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=115314319X00320011025|date=2001-10-25|title=国土交通委員会|volume=3|conference=第153回国会}}</ref>などの観点から反対した。 2002年4月に国連の「テロ資金供与防止条約」を批准するための関連新法が国会で可決、成立した。テロ資金の授受で仮名口座などが受け皿になることが多いため、[[金融機関]]に対し[[預金|口座]]開設や200万円以上の[[現金]][[取引]]を行う際、顧客の身元確認(本人確認)を義務付ける法案であるが、「[[罪刑法定主義]]、構成要件の明確性を求める刑事司法の原則に違背し、この法律が施行されれば[[思想・良心の自由]]、[[信教の自由]]等を侵害する虞があり、戦争その他国家による武力の行使による犠牲者に対する人道的な国際的救援活動を制約する虞もある」という[[自由人権協会]]の意見を引用し、反対した<ref>{{cite conference|url=https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=115413950X01420020516|date=2002-05-16|title=外交防衛委員会|volume=14|conference=第154回国会}}</ref>。 2002年[[9月17日]]の[[日朝首脳会談]]において、北朝鮮側が[[北朝鮮による日本人拉致問題|日本人の拉致]]を公式に認めたが、このことにより社会党時代より[[朝鮮労働党]]と友党関係を結んで積極的に交流し、少し前まで拉致捏造説をとっていた<ref>[https://web.archive.org/web/20021001214118/http://www5.sdp.or.jp/central/gekkan/syamin07kitagawa.html 月刊社会民主7月号食糧支援拒否する日本政府]</ref>社民党は、それまでの拉致問題への対応を巡って世論から非難に晒されることになった。{{main|#北朝鮮による日本人拉致事件への姿勢}} [[第43回衆議院議員総選挙]](2003年11月9日実施)では、自民・[[民主党 (日本 1998-2016)|民主]]の二大政党への流れに押され、議席数が18から6へ、3分の1に減じた。党首の土井自身も小選挙区で落選し、比例復活で辛うじて議席を確保した。選挙後、土井は党首を引責辞任した。 === 福島瑞穂党首時代 (2003-2013) === ==== 土井前党首落選、自衛隊違憲路線への回帰 ==== [[ファイル:Takako Doi in Tokyo congressist election.jpg|thumb|320px|党首辞任後、[[東京都議会]]議員選挙を応援する土井たか子([[2005年]][[7月2日]])。]] [[2003年]][[11月15日]]、福島瑞穂が党首に就任。幹事長には[[全日本自治団体労働組合|自治労]]出身の又市征治が就任し、労組、エコロジー派、[[消費者]]運動、市民派 ([[NPO]]) 等の吸収を目指して、新しい[[グローバリゼーション]]の状況に対抗可能な[[社会民主主義]]を模索した。 [[2004年]]の[[第20回参議院議員通常選挙]](2004年7月25日実施)では、前党首の土井が「[[選挙違反]]をやっていいとは言わないが、すれすれのところまで、本気になって頑張ろう」と声明を発した<ref>{{Archive.today|url=http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin2004/news/20040623ia22.htm|title=土井前社民党首「参院選、違反すれすれで頑張ろう」 : ニュース : 参院選2004 : YOMIURI ON-LINE|date=20130501055003}}</ref>。福島をはじめ比例区で2議席を確保し、複数議席獲得により解党などの事態は回避できた。 [[第44回衆議院議員総選挙]](2005年9月11日投開票)では、選挙前に副党首の[[横光克彦]]、元政策審議会長の[[濱田健一]]らが離党、民主党に移籍した。議席数は公示前の5議席から7議席に回復したが、[[比例近畿ブロック]]で単独立候補していた土井が落選した。 [[2006年]][[2月11日]]、12日の第10回党大会で「社会民主党宣言」<ref name="vision" />を採択した。この中で[[自衛隊]]は「現状、明らかに違憲状態にある自衛隊は縮小を図り、[[国境]][[警備]]・[[災害]]救助・[[国際協力]]などの任務別組織に改編・解消して[[武装#非武装化|非武装]]の日本を目指します」と記載され、旧社会党時代の[[1994年]]に村山首相が打ち出した自衛隊合憲・容認路線は修正された。同時に、[[1993年]]に[[政治改革四法|政治改革関連4法案]]に反対し処分された17名のうち離党した者を除く9名の処分を取り消したほか、元党首の村山、土井両人が「名誉党首」就任した。一方、新社会党及び「[[9条ネット]]」については、又市は「『戻ってらっしゃい』と言っている。『村山政権のときに安保・自衛隊を認めた』と、馬鹿みたいな話をまだしている。」と批判した。その後、新社会党幹部の原和美が[[2010年]]形式的に離党し社民党比例候補として参院選に出馬した。 2007年[[4月20日]]、国の海洋政策を一元化するための[[海洋基本法]]と、[[ガス田]]掘削施設などの周辺への[[船舶]]進入を規制する海洋構築物安全水域設定法に対し、党派としては唯一反対。福島は「この法律は領土問題や資源問題について近隣諸国との関係に影響を与えるものである。拙速に行うと、交渉に悪い影響を与えることになる。」とコメントした。 ==== ねじれ国会から政権交代まで ==== 2007年に入ると、自民党の支持率が低減し、政権交代が現実味を帯びるようになる。 [[第21回参議院議員通常選挙]](2007年7月29日実施)では、「憲法9条と[[年金]]があぶない! 今回は社民党へ」をキャッチコピーに、[[日本国憲法|憲法]]と年金問題を中心に主張し、政党[[コマーシャルメッセージ|CM]]では[[アニメ (日本のアニメーション作品)|アニメ]]を採用するユニークなCMを流した。結果は幹事長の又市を含め比例区で2議席確保の参議院計5議席にとどまったが、民主党系会派と社民党の議席の合計が過半数に達し、参議院ではねじれ現象を誕生させた。 同年[[12月22日]]、本部にて第11回党大会を開催し、立候補者1名のみの無投票で福島の党首当選(3期目)を正式に決定した。福島は「次回の衆議院選挙で2桁(10人以上)の当選を目指す」と宣言した。この党大会では1998年(自民党当時総裁の橋本龍太郎)以来久々に、他党幹部として民主党代表代行の[[菅直人]]や[[国民新党]]副代表の[[自見庄三郎]]らが来賓出席した。また、党役員人事では副党首に幹事長の又市征治、幹事長に国会対策委員長の[[重野安正]]、副幹事長に東京都連副会長だった[[保坂展人]]が就くことになった。また、参院選[[参議院比例区|比例区]]候補だった[[上原公子]]は、社民党を労組依存体質から脱却し、[[市民活動|市民運動]]や[[NPO]]の連合体を目指す党改革案を提出し話題となった。 [[2009年東京都議会議員選挙]]では議席回復はできなかったが<ref>{{cite news|title=【都議選】「自公は雇用を見事に壊した」 福島社民党首が第一声|newspaper=MSN産経ニュース|date=2009-07-03|url=http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/tokyo/090703/tky0907031139004-n1.htm|accessdate=2011-01-10}}{{リンク切れ|date=2016年3月}}</ref>、昭島選挙区で野党系候補(社民党は推薦)の星裕子が当選した(当選後は生活者ネットの会派に所属)。 ==== 民主党の連立政権に参加、曖昧な自衛隊の憲法解釈 ==== [[ファイル:Mizuho Fukushima Yukio Hatoyama and Shizuka Kamei 20090916.jpg|200px|サムネイル|[[2009年]][[9月16日]]、[[鳩山由紀夫内閣]]発足時に[[内閣総理大臣官邸]]にて[[鳩山由紀夫]][[内閣総理大臣]]([[民主党代表]])(中央)、[[亀井静香]][[国民新党]]代表(右)と福島]] [[2009年]]の[[第45回衆議院議員総選挙]]においては、党として上述の「次回の衆議院選挙で2桁(10人以上)の当選を目指す」に及ばず敗北した。しかし、圧勝した[[民主党 (日本 1998-2016)|民主党]]に対して、[[国民新党]]と共に政策合意に基づく、歴史的な[[民社国連立政権]]に参加することになった。この3党合意により、[[鳩山由紀夫内閣|鳩山内閣]]において、党首の福島の[[国務大臣|閣僚]]入り([[内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全担当)|消費者]]・[[内閣府特命担当大臣(少子化対策担当)|少子化担当相]])が決定し、[[基本政策閣僚委員会]]が設定された。自社さ連立政権以来、13年ぶりに閣僚を送り込み、11年ぶりに[[与党]]に復帰した。また、[[国土交通副大臣]]に[[辻元清美]]が就任した。 2006年の「社会民主党宣言」では、自衛隊は「違憲状態」としたが、社会民主党が政権与党となった際に党首である福島瑞穂は、大臣就任後の2010年3月1日の衆議院[[予算委員会]]において、自衛隊の日本国憲法上の位置づけについて「(党として[[合憲]]か[[違憲]]か)結論を出していない」としており、同月12日の参議院予算委員会では、自民党の[[佐藤正久]]の「(自衛隊を)合憲と認めるか」との質問に対して、「閣僚としての発言は差し控えさせていただく」として答弁を拒んだが、最終的に「社民党の方針は変わらない。内閣の一員としては内閣の方針に従う。自衛隊は違憲ではない」と答弁した<ref>{{cite news|title=福島氏「自衛隊合憲」認める答弁ただし「閣僚として」|newspaper=朝日新聞|date=2010-03-12|url=http://www.asahi.com/seikenkotai2009/TKY201003120361.html}}</ref>。 2009年12月の社民党党首選挙で福島瑞穂は、[[アメリカ軍]][[普天間飛行場|普天間基地]]の問題について、国外や県外への移設を強く主張し、党内の[[照屋寛徳]]ら国外・県外移設を強く主張する議員<ref>{{Wayback|url=mainichi.jp/select/seiji/news/20091130k0000m010044000c.html|title=社民党:普天間問題めぐり党内で連立離脱の強硬論が台頭 - 毎日jp(毎日新聞)|date=20091202081810}}</ref>に応えたこともあり、無投票で福島が再選した。 ==== 普天間基地移設に反対、福島大臣罷免 ==== [[普天間基地移設問題]]は、従来からの社民党の主張である基地の国外、県外への移設を連立政権の中でも主張し、閣僚である党首の福島は「鳩山内閣が万が一、[[辺野古]]沿岸部に海上基地をつくるという決定をした場合には、社民党にとっても、私にとっても、重大な決意をしなければならない」と述べ、基地問題の解決のために、連立政権からの離脱も辞さない覚悟で基地を国外・県外へ移設させる強い覚悟を示した。2009年[[12月15日]]、与党3党で基本政策閣僚委員会を開き、民主党が具体的期日を設けることを求めたのに対して社民党は「重要なことは期限ではなく、沖縄県民の負担軽減と、沖縄県民、日本国民の多くが納得するような結論を3党で力を振り絞って出すこと。そうでなければ結局、この問題は解決しない」と述べ拒否したため、米軍普天間基地の移設先に関する方針決定を先送りし、連立3党実務者でつくる協議機関で再検討することを決めた。 [[12月24日]]、社民党は、基地の[[グアム]]移転を目指して党内に米軍普天間飛行場の移設問題に関するプロジェクトチームを発足させた。プロジェクトチームは[[2010年]]1月中に米グアム島を視察し、米側の普天間移設問題に対する認識を確認するため、ワシントン訪問も検討した。同年[[1月10日]]、福島は、来日中の米議会下院外交委員会「アジア・太平洋・地球環境小委員会」の委員長[[エニ・ファレオマバエガ]]、[[マイク・ホンダ]]、[[ジョゼフ・カオ]]ら下院議員と米軍[[アメリカ海兵隊|海兵隊]]を主力とする普天間飛行場移設問題について意見交換した。ファレオマバエガは、会談後の[[記者会見]]で「誰もが納得できるような解決につなげるための情報収集を目的に来日した。同移設問題の方針決定は日本の国内問題だが、今後も行方を見守り、解決につなげていきたい」と述べた。 福島は、「[[環境]]や[[ジュゴン]]の問題も大事だが、一番大切なのは沖縄県民の気持ちだ」、「沖縄県民の大多数は県外、国外移設を望んでいると説明した。県民の思いが重要だというファレオマバエガの言葉は沖縄の基地負担を理解しているようで印象的だった」と述べ、[[アメリカ合衆国下院|米下院]]での今後の動きに期待を寄せた。1月の[[名護市|名護]]市長選で当選した[[稲嶺進]]は、当選後、就任あいさつで「選挙中、辺野古の[[海]]にも陸上にも新しい基地は造らせないということを訴えた」と同市辺野古への米軍普天間飛行場の移設反対をあらためて主張した<ref>{{Archive.today|url=http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-155452-storytopic-3.html|title=普天間問題「県民の思い重要」 米下院議員、福島氏と会談 - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース|date=20120717012121}}</ref>。[[2月24日]]の[[沖縄県議会]]本会議では、「米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還と県内移設に反対し、国外・県外移設を求める意見書」案を[[全会一致]]で可決した。これらの世論の動向を受けるかたちで、福島からは、沖縄県内の民意を最大限尊重し、場合によっては、5月末決着を先延ばししてでも、慎重な政権運営を図っていきたいという意向が示された。また、政審会長の阿部知子は、米軍普天間飛行場([[沖縄県]][[宜野湾市]])の移設案として、米領グアムなどに全面移転する「国外移設案」や、国外移設までの期限付きで九州北部の既存自衛隊基地などに分散移転する「暫定県外移設案」など3案を、3月上旬にも開かれる政府・与党の沖縄基地問題検討委員会に提出し、最終調整に臨む方針(「私案」)も示した<ref>{{Wayback|url=mainichi.jp/select/seiji/news/20100226k0000m010106000c.html|title=普天間移設:北沢防衛相「陸上案検討」認める - 毎日jp(毎日新聞)|date=20100227014855}}</ref>。 しかし普天間問題で、鳩山は結局[[自公連立政権]]時代の案に近い内容で政府案をまとめ、福島にも同意の署名を求めた。福島はこれを拒否し、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全・少子化対策・男女共同参画)を[[罷免]]された。直後に福島党首が開いた会見で「社民党は沖縄を裏切ることはできない」「数々の犠牲を払ってきた沖縄にこれ以上の負担を押し付けることに加担するわけにはいかない」と述べ署名に応じなかった経緯を説明した。また「言葉に責任を持つ政治をやって行きたい」と述べ上記の「重大な決意」を実行した社民党と、「国外、最低でも県外」の公約を守らなかった民主党を比較し民主党を批判した。これを受け党内では、「党首たる福島が罷免された以上連立を維持する意味がない」として、連立解消を求める意見が大勢となり、[[2010年]][[5月30日]]に開いた全国幹事長会議で、最終的に連立を解消することを決定した。 [[琉球新報]]と[[毎日新聞]]が合同で緊急の沖縄県民[[世論調査]]を行った結果、社民党の政党[[支持率]]が大幅に上昇し10.2%でトップとなった。県内で社民党の政党支持率が他党をおさえてトップになるのは初めてである。その調査では普天間基地の辺野古移設に反対が84%、賛成が6%となった<ref>{{Archive.today|url=http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-162838-storytopic-1.html|title=「辺野古」反対84% 琉球新報・毎日新聞 県民世論調査 - 琉球新報 |date=20120804133016}}</ref>。 ==== 「国鉄改革1047名問題に関する人道的観点からの解決案」==== 民社国連立政権により所謂「国鉄改革1047名問題」に関して新たな解決策が模索された。与党3党及び公明党は2010年4月9日「国鉄改革1047名問題に関する人道的観点からの解決案」を政府に要請した。同日、[[前原誠司]][[国土交通大臣]]は、当該解決案を受け入れると表明した<ref>国土交通大臣談話 [https://www.mlit.go.jp/common/000113043.pdf 国鉄改革1047名問題の解決策(四党申入れ)について]</ref>。 ==== 連立政権離脱後 ==== 第22回参議院議員通常選挙では、組織内候補を立てていた[[日本私鉄労働組合総連合会]](私鉄総連)が、[[渕上貞雄]]の引退に伴って立候補先を民主党へ移動<ref> {{Wayback|url=www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090717-OYT1T00049.htm|title=私鉄総連、民主支援へ…社民支援の民間労組ゼロに : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)|date=20090718071445}}</ref>、改選議席数3を2に後退させた。沖縄県では比例での得票数こそトップになったものの、[[沖縄県選挙区]]では自民党公認の[[島尻安伊子]]が再選され、社民党が推薦した候補は次点に終わった。選挙後、[[辻元清美]]が離党し、[[2010年]]9月[[衆議院]][[院内会派|会派]]「民主党・[[無所属クラブ]]」に入会。[[2011年]]9月 民主党に入党。 自民党などが提出した[[柳田稔]][[法務大臣|法相]]の[[問責決議|問責決議案]]に賛成するなど{{efn|ただし2010年[[11月18日]]に提出された[[仙谷由人]][[内閣官房長官|官房長官]]と[[馬淵澄夫]][[国土交通大臣|国土交通相]]の問責決議案には反対した。}}菅内閣への対立姿勢を示しつつも、国会運営に必要な3分の2の議席を必要とする[[菅直人内閣|菅内閣]]からは政権への協力を呼びかけられていた。社民党は与党には戻らないとしながらも、社民党の要求が通るならば[[閣外協力|政権に協力]]するという立場を表明した。菅政権も[[武器輸出三原則]]の見直しを先送りさせるなどして社民党に配慮した<ref> {{Wayback|url=http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110113/plc11011318120133-n1.htm|title=懲りぬ「鬼門」頼み…首相、社民と連立も視野 即、武器輸出三原則「あっさり先送り」+(1/3ページ) - MSN産経ニュース|date=20110121092237}}</ref>。 [[2011年]][[9月28日]]、自民・公明など[[野党]]7党の国対委員長は、[[国会議事堂|国会]]内で会談し、社民党を除く6党は、民主党の[[小沢一郎]]元代表の[[資金管理団体]]による[[土地]][[取引]]事件について、小沢本人と、同氏の元秘書で有罪[[判決 (日本法)|判決]]を受けた石川知裕衆院議員の[[証人喚問]]を求めることで一致し、29日の与野党国対委員長会談で民主党に申し入れた。この件で、社民党は衆院[[政治倫理審査会]]を主張した<ref>{{cite news|title=復興増税の与野党協議、民主が要請 野党は回答留保|newspaper=朝日新聞|date=2011-09-30|url=http://www.asahi.com/special/minshu/TKY201109300179.html}}</ref>。翌29日午前の与野党国会対策委員長会談で、民主・国民新両党は、開会中の[[臨時会|臨時国会]]を[[会期延長|再延長]]せず、30日で閉会する方針を野党側に伝えた。石川知裕衆院議員ら元秘書3人が[[政治資金規正法]]違反の罪で有罪判決を受けた小沢一郎元代表の証人喚問についても「応じられない」と回答した<ref>{{Archive.today|url=http://www.asahi.com/politics/jiji/JJT201109290127.html|title=asahi.com(朝日新聞社):事前協議に応ぜず=自民総裁、3次補正で―臨時国会、30日閉幕 |date=20120718123341}}</ref>。 党首・福島は米国の外交専門誌フォーリン・ポリシーが選ぶ2011年の「世界の100人」に名を連ねた。脱原発の活動を長く続けたとして、福島の事実婚のパートナーで原発訴訟に携わる弁護士[[海渡雄一]]と共同で選ばれた。同誌は2009年から、その年に政治、経済、平和活動など幅広い分野で影響力をふるった人物を挙げている。日本の政治家では福島が初めてで、オバマ米大統領や英仏独の首相・大統領、[[ミャンマー]](ビルマ)の[[民主化#民主化運動|民主化運動]]指導者[[アウンサンスーチー]]らとともに選ばれた<ref>{{Wayback|url=http://www.asahi.com/politics/update/1129/TKY201111290181.html|title=asahi.com(朝日新聞社):福島・社民党首「世界の100人」 米外交専門誌が選出|date=20111129121545}} </ref>。 [[2012年]]2月、社民党の党首選が行われ、福島のみが立候補を届け出て、無投票で5選された。立候補には所属する都道府県連合の推薦に加え、党国会議員(10人)の3分の1以上(4人)か、党員200人以上の推薦が必要で、福島は[[重野安正]]・[[中島隆利]]・[[吉泉秀男]]・吉田忠智ら4人の国会議員から推薦を取り付けた。福島と対立する[[阿部知子]]・[[照屋寛徳]]・[[服部良一 (政治家)|服部良一]]らは立候補要件を満たせず、対立候補を立てられなかった。また党員推薦で立候補を目指した稲森稔尚・三重県伊賀市議も、同県連合の推薦確保に難航し断念。福島は記者団に「社民党を元気にしたい。衆参の選挙で勝つことが一番大事な仕事だ。生活再建と[[原子力撤廃|脱原発]]を頑張りたい」と語った<ref>{{Archive.today|url=http://www.asahi.com/politics/update/0120/TKY201201200211.html|title=朝日新聞デジタル:福島党首、5選へ 社民党首選告示 - 政治|date=20120722120653}}</ref>。 なお、[[民社国連立政権]]時代には[[与党]]の[[日本の原子力政策|原子力政策]]([[鳩山イニシアチブ]]に基づく[[原子力発電所|原発]]依存率の強化と原発増設)を容認し、2012年7月に実施された[[2012年鹿児島県知事選挙|鹿児島県知事選挙]]では原発再稼動に反対する[[脱原発団体の一覧|反原発団体]]事務局長で新人の[[向原祥隆]]を支援せず、現職の[[伊藤祐一郎]]を社民党系の県議全員が支援した(社民党鹿児島県連は自主投票とした)。 ==== 相次ぐ離党者や出馬断念、民主党政権崩壊前後 ==== 2012年[[11月15日]]、社民党による政策実現に疑問を持った<ref>{{cite news|title=2012/11/15 阿部知子衆議院議員 緊急記者会見|newspaper=Independent Web Journal|date=2012-11-15|url=http://iwj.co.jp/wj/open/archives/40432}}</ref>[[阿部知子]]が離党届を提出し[[日本未来の党]]に合流した。さらに、[[第46回衆議院議員総選挙]]の陣頭指揮をとるはずだった幹事長の[[重野安正]]が[[脳梗塞]]で入院したため、[[11月18日]]に出馬断念に追い込まれた(重野の選挙区には[[吉川元 (政治家)|吉川元]]が出馬)。 同選挙では第三極の台頭もあって、旧来政党でしかも小規模な社民党は新党乱立の中で埋没し、これまで以上の苦戦を強いられた。毎回安定した戦いを見せる[[照屋寛徳]]の[[沖縄県第2区|沖縄2区]]を除く全議席が当落線上にあったものの、辛くも[[比例九州ブロック]]で1議席を確保。しかし総獲得議席数は小選挙区・比例各1議席ずつの合計2議席と、公示前の半減、阿部離党前と比すと3分の1に減少。比例代表における得票率は2.3%(前回総選挙は4.27%)、得票数は142万票(同300万票)とほぼ半減した(11ブロック中6ブロックで得票率が有効得票数の2%に達せず、新聞広告公費負担から外れた)。同じく第三極台頭の中で埋没した[[日本共産党|共産党]]が、議席減を1(9→8議席){{efn|共産党は現職の落選が無かった(減少した1議席は政界引退によるもの)。}}にとどめて比較的善戦したのとは対照的な結果となった。 [[2013年東京都議会議員選挙|第18回東京都議会議員選挙]](2013年6月23日投開票)では1人を擁立したものの議席獲得はできなかった。 [[第183回国会]]会期末の[[6月25日]]に[[安倍晋三]][[内閣総理大臣]]に対する[[問責決議|問責決議案]]を生活の党及び[[みどりの風]]とともに[[参議院]]に共同提出し可決させた、その結果、[[電気事業法]]改正案や[[生活保護法]]改正案などが審議未了のまま廃案となった<ref>{{Cite news|url=https://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2600N_W3A620C1MM0000/|title=参院、首相問責を可決 電事法改正案は廃案へ|newspaper=日本経済新聞|date=2013-06-26|accessdate=2021-11-01}}</ref>。 2013年[[7月21日]]の[[第23回参議院議員通常選挙|第23回参議院議員選挙]]では、先の衆院選時における新党・第三極ブームは収まったものの、[[与党]]が圧勝し、参議院での[[ねじれ国会|ねじれ]]解消という展開となった。その中でも共産党や[[日本維新の会 (2012-2014)|日本維新の会]]・[[みんなの党]]といった中堅[[野党]]勢力はそれぞれの反与党票を確保し比較的堅調な戦いを見せ、公示前より勢力を拡大させた。一方の社民党は民主党や生活の党などと共に、反与党票の受け皿とはなり得ず、逆に公示前より勢力を減らした。同選挙では選挙区に5人、比例区に4人擁立したが、比例で1議席(又市征治)を獲得するに留まった{{efn|但し推薦も含めると、[[沖縄社会大衆党]]の[[糸数慶子]]が[[沖縄県選挙区]]で当選している。}}<ref>{{WAP|pid=9284293|url=www5.sdp.or.jp/comment/2013/07/22/第23回参議院議員通常選挙の結果について声明/|title=社民党OfficialWeb┃声明・談話 | 第23回参議院議員通常選挙の結果について(声明)|date=2015-05-07}}</ref>。この選挙でもかろうじて得票率が2%を越え、国会に議席が存在する限り[[2019年]]まで[[政党要件]]喪失を回避する結果とはなったものの、退潮傾向に歯止めがかからないことに変わりはなく、選挙結果を受けて党首の福島瑞穂は引責辞任を表明した。 後任を巡る党首選挙では吉田忠智政審会長([[参議院比例区]])と石川大我豊島区議会議員が立候補し、社民党としては初、旧社会党時代から数えても17年ぶりの党首選挙が実施された<ref>{{cite news|title=社民党首選、2人が届け出 来月14日開票|newspaper=日本経済新聞|date=2013-09-27|url=https://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2702V_X20C13A9PP8000/}}</ref><ref>{{Wayback|url=https://www.sankei.com/politics/news/130927/plt1309270021-n1.html|title=社民党党首選が告示、政審会長vs豊島区議、初の選挙戦 - 産経ニュース|date=20190402042415}}</ref>。結果は、9986票対2239票で吉田が選出された<ref> {{Wayback|url=https://www.sankei.com/politics/news/131014/plt1310140005-n1.html|title=社民党新党首に吉田氏を選出 - 産経ニュース|date=20150519001245}}</ref>。{{main|2013年社会民主党党首選挙}} === 吉田忠智党首時代 (2013-2018) === ==== 第47回総選挙と第18回統一地方選 ==== 吉田体制における初の国政選挙、[[第47回衆議院議員総選挙]](2014年12月14日実施)は、野党各党が対自民の選挙協力を行い、特に普天間飛行場問題が再燃して以降反基地闘争が盛んであった[[沖縄県]]で顕著であった<ref>{{cite news|title=「4人全員勝利に全力」山下書記局長 沖縄共闘区を訪問・激励|newspaper=しんぶん赤旗|date=2014-12-02|url=http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-12-02/2014120202_01_1.html}}</ref>。自民党と一騎討ちとなった沖縄2区で[[照屋寛徳]]が当選、沖縄県内での比例得票数が10万票の大台に達し、[[比例九州ブロック]]の得票率が5.26%に躍進、1議席を維持した。しかし議席はこの2議席にとどまり<ref>{{WAP|pid=11657375|url=www5.sdp.or.jp/comment/2014/12/15/3146|title=第47回衆議院議員総選挙の結果について(声明) {{!}} 声明・談話 {{!}} 社民党OfficialWeb|date=2021-04-03}}</ref><ref>{{Archive.today|url=http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201411/20141127_71019.html|title=<衆院選>東北・社民党の退潮止まらず {{!}} 河北新報オンラインニュース|date=20141219222101}}</ref>、吉田と党首選を争った石川も[[比例東京ブロック]]で落選した<ref>{{cite news|title=比例代表 東京ブロック 当選者一覧|newspaper=産経新聞|date=2014-12-15|url=https://www.sankei.com/politics/election2014/board/hireiku-05.html#e14h2}}</ref>。両院の総議席数は、公職選挙法の規定ギリギリの5議席を維持した。 2015年の[[第18回統一地方選挙]]では、改選前議席よりわずかに議席を減らす結果となった。これを受けて党は今回の選挙戦は「大変厳しい闘い」であったと結論付けた。ただ、党は全員当選や議席増・県都での空白区解消を勝ち取った県、若手議員の増加などプラス要件もあったとも総括している<ref>{{WAP|pid=9284293|url=www5.sdp.or.jp/comment/2015/04/27/3252|title=社民党OfficialWeb┃声明・談話 | 統一自治体選挙後半戦の結果について(談話)|date=2015-05-07}}</ref>。また、[[世田谷区|世田谷区長選]]で現職の[[保坂展人]]が[[保守]]候補に大差をつけて再選し、[[八王子市議会]]議員選挙で新人の[[佐藤梓 (政治家)|佐藤あずさ]]がトップ当選<ref>{{Archive.today|url=http://www.nikkansports.com/general/news/1467653.html|title=佐藤あずさ氏が八王子市議選トップ当選 - 社会 : 日刊スポーツ|date=20150427054221}}</ref>、石川が[[豊島区議会|豊島区議会議員]]に返り咲いた。 ==== 野党共闘時代へ ==== 2015年夏の[[平和安全法制]]審議以降、反自民勢力として、民主党・[[維新の党]]・共産党・社民党・生活の党と山本太郎となかまたち(のち[[自由党 (日本 2016-2019)|自由党]]に改称)の5野党が共産党のイニシアチブのもとで連携を深める<ref>{{cite news|title=野党5党、安保関連法廃止法案を提出 党首会談で協力確認|newspaper=日本経済新聞|date=2016-02-19|url=http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS19H0H_Z10C16A2EAF000/}}</ref>。5党(民主・維新両党の合併に伴う[[民進党]]の結党後は4党)は翌年の選挙協力を行うことなどを確認したが、この動きは[[民共共闘]]などと呼ばれるなど、4党のうち民進・共産両党がメインに扱われ、社民・生活/自由両党は脇役とみなされた。2016年の衆議院議員補欠選挙、知事選挙の一部などは4党の統一候補を立て、社民党はこれを支援する支援策をとった<ref>{{Archive.today|url=http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/politics/politics/1-0263157-s.html|title=北海道5区補選、自民新人・和田義明氏が当選確実 {{!}} どうしんウェブ/電子版(政治)|date=20160424135633}}</ref><ref>{{Archive.today|url=http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00332032.html|title=www.fnn-news.com: 都知事選挙 小池 百...|date=20160801161135}}</ref><ref>{{Archive.today|url=http://www.asahi.com/articles/ASJ9163TPJ91UTFK00W.html|title=社民、民進に候補者一本化要求へ 10月の2衆院補選:朝日新聞デジタル|date=20160916085524}}</ref><ref name="kyoutou">{{cite news|title=衆院補選 野党統一候補の擁立で合意 4野党書記局長・幹事長会談 勝利へ協力と旗印を確認|author=|newspaper=しんぶん赤旗|date=2016-10-6|url=http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-10-06/2016100601_01_1.html|accessdate=2016-10-13}}</ref><ref>{{Cite web|和書|date=2016-10-7|url=http://www.fjcp.jp/ken-info/2091/|title=新井候補勝利へ全力 衆院福6区補選 小林氏が決意|publisher=日本共産党福岡県委員会|accessdate=2016-10-13}}</ref><ref name="kyoutou" /><ref>{{Cite web|和書|date=2016-10-11|url=http://www.jcp-tokyo.net/2016/1011/141911/|title=東京10区補選 市民団体と政策協定 鈴木庸介予定候補 格差是正など10項目|publisher=日本共産党東京都委員会|accessdate=2016-10-13}}</ref><ref>{{Archive.today|url=http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201610/CK2016102402000129.html|title=東京新聞:東京10区は若狭氏、福岡6区は鳩山氏が当選 衆院補選で自民系2勝:政治(TOKYO Web)|date=20161027101945}}</ref>。{{main|民共共闘}} ==== 民進党への合流提案と撤回、吉田党首落選 ==== [[第24回参議院議員通常選挙]](2016年7月10日実施)では、選挙前の5月12日、吉田が民進党への合流を常任委員会で提案したが、福島ら党内から猛反発を受け<ref>{{Archive.today|url=http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/2016/news1/20160512-OYT1T50123.html|title=社民党首、民進への合流提案…分裂含みの展開も : 政治 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)|date=20160513004338}}</ref>、18日に撤回・謝罪に追い込まれた<ref>{{cite news|title=社民党首「心からお詫び」 民進への合流提案を撤回|newspaper=日本経済新聞|date=2016-05-18|url=http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK18H6A_Y6A510C1000000/}}</ref><ref>{{Cite news|author=岡田浩明|title=【岡田浩明の社民党哀歌】吉田忠智党首は行くも地獄、戻るも地獄… 「タダトモの乱」瞬時に鎮圧 残るは瑞穂姫の高笑いだけ…|newspaper=産経新聞|date=2016-06-01|url=https://www.sankei.com/premium/news/160526/prm1605260003-n1.html}}</ref>。また、[[参議院比例区|比例区]]における統一名簿構想(「[[オリーブの木]]」構想<ref>{{WAP|pid=9586456|url=www.seikatsu1.jp/activity/declaration/20151203.html|title=野党が一体となって戦い政権を奪取する(談話) {{!}} 生活|date=2016-01-06}}</ref>)を生活の党とともに検討したが、民進党が「時間的・物理的に困難」という理由で断り<ref>{{Archive.today|url=http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/2016/news1/20160603-OYT1T50013.html|title=社民が統一名簿構想断念、比例は単独で臨む公算 : 政治 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)|date=20160603170323}}</ref><ref>{{Archive.today|url=http://www.asahi.com/articles/ASJ635K4RJ63UTFK00L.html|title=統一名簿方式、民進が断念 参院選比例区、社民も単独に:朝日新聞デジタル|date=20160604030943}}</ref>、結局参院選のみは単独で戦った。 同選挙では、選挙区(東京・神奈川・愛知・福岡)は全敗、比例区では改選数2のところ1議席しか確保できず、党の名簿内の順位が1位になった福島のみ当選、吉田は2位に終わり、党首が落選という結党以来の事態となった。両院の総議席数も4となったが、比例区の得票率が2%を超えたため政党要件はクリアし、2022年までの延命を果たした。26日、生活の党とともに参議院で統一会派「希望の会(生活・社民)」(生活3人、社民2人)を結成し、会派代表には福島が就任した<ref>{{cite news|title=社民・生活が参院統一会派「希望の会」結成|newspaper=産経新聞|date=2016-07-26|url=https://www.sankei.com/politics/news/160726/plt1607260026-n1.html}}</ref>(なおこの統一会派結成に伴い、社会民主党への改称以来20年余にわたり使用されてきた会派名「社会民主党・護憲連合」が消滅した<ref>{{Archive.today|url=http://www.yomiuri.co.jp/politics/20160727-OYT1T50166.html|title=参院の新勢力が確定…社民の会派名称消える : 政治 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)|date=20160728004137}}</ref>)。吉田は今回の選挙の敗戦の責任を取って、党首の辞意を表明していたが、9月1日に行われた党常任幹事会の慰留を受け入れて続投することとなった。非議員の党首は、社会党時代の[[飛鳥田一雄]]委員長(当時:横浜市長)以来となる<ref>{{Cite news|title=社民、吉田党首が続投 参院選引責の辞意撤回|newspaper=産経新聞|date=2016-09-01|url=https://www.sankei.com/photo/daily/news/160901/dly1609010015-n1.html}}</ref>。 ==== 史上初の共産党大会への出席、共産党を含む野党共闘の模索 ==== 2017年1月、[[静岡県]][[熱海市]]で開かれた[[日本共産党第27回大会]]に吉田は民進党代表代行[[安住淳]]や自由党代表小沢一郎、参院会派「[[沖縄の風]]」の参院議員[[糸数慶子]]と共に出席し、野党共闘を内外に改めて示した<ref>{{cite news|title=共産党大会に民進、自由、社民出席へ 他党幹部は史上初|newspaper=産経新聞|date=2016-12-19|url=https://www.sankei.com/article/20161219-RG2AELXS7JITTA6WD5ZLAVKYYY/}}</ref><ref>{{cite news|title=日本共産党第27回大会 3野党・1会派代表のあいさつ|newspaper=しんぶん赤旗|date=2017-01-16|url=http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2017-01-16/2017011603_01_0.html}}</ref>。 [[第48回衆議院議員総選挙]](10月10日公示、22日投開票)では、民進党が[[希望の党 (日本 2017)|希望の党]]に参加して分裂、自由党も参加したが、共産党、社民党、[[立憲民主党 (日本 2017)|立憲民主党]](民進党の内、希望の党不参加の左派系議員で結成)の3党で引き続き候補者調整などの選挙協力を行った<ref>{{cite news|title=共産など野党3党 241選挙区で候補一本化|newspaper=産経新聞|date=2017-10-07|url=https://www.sankei.com/article/20171007-4QPAMS4DOZKNTIPYF2ZZCJSAUQ/}}</ref>。総選挙では立憲民主党が躍進して野党第一党となったが、社民党や共産党は立憲民主党や希望の党が野党の主体となる選挙戦の中で埋没する形となった。 議席数は、沖縄2区の照屋と比例九州ブロックの吉川が、いずれも再選して現有議席を維持したが、吉川の議席は最下位から2番目という厳しい水準で、比例区得票率は1.69%と結党以来初めて2%を割り込み、2019年の[[第25回参議院議員通常選挙]]の結果次第では、[[公職選挙法]]上の政党要件を失う見通しとなった。この結果について、吉田は「大変厳しい結果になった。国民の選択に値する政党として再建・再生していきたい」と述べた<ref name="sankei20171023">{{cite news|title=【衆院選】社民・吉田忠智党首、立憲躍進「本当によかった」 共産との3野党共闘継続に意欲|newspaper=産経新聞|date=2017-10-23|url=https://www.sankei.com/article/20171023-744G46EVFRL6TNFG2VIOBZXYLE/}}</ref>。また、野党共闘について吉田党首は「立憲民主党を軸に、共産党とも協力」していくことを改めて表明した<ref name="sankei20171023" />。 その後、吉田は自身が非議員による活動に制約が生じることを理由に、2018年2月の任期満了をもって退任することを表明した<ref>{{Cite news|title=社民・吉田忠智党首が最後の記者会見「日本のサンダース…まだ及ばず」|newspaper=産経新聞|date=2018-02-22|url=https://www.sankei.com/article/20180222-PEKKUFWWTRI7ZCFROL6EU3SHZY/|accessdate=2019-03-23}}</ref><ref>{{Cite news|author=岡田浩明|title=【政界徒然草】党首さえ決められず消滅寸前 「タダトモ」頼みの社民党に存在価値あるか|newspaper=産経新聞|date=2018-01-11|url=https://www.sankei.com/article/20180125-ATZKG63TQZNEFLOJY4N5Z52NEQ/}}</ref>。1月26日に公示された党首選では、又市征治幹事長以外に立候補の届出がなく無投票で党首に当選した<ref>{{cite news|title=社民党新党首に又市征治氏 無投票で決まる|newspaper=産経新聞|date=2018-01-26|url=https://www.sankei.com/article/20180126-4TEHCETCKFJ3BNBXFCULTCMIKM/}}</ref>。{{main|2018年社会民主党党首選挙}} === 又市征治党首時代 (2018-2020) === ==== 立憲民主党会派への参加、第25回参院選 ==== 2019年1月24日、参議院において立憲民主党との統一会派「立憲民主党・民友会・希望の会」を結成した<ref>{{Cite news|title=野党、参院主導権争い再び 立民・社民が統一会派|newspaper=日本経済新聞|date=2019-01-25|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40424110U9A120C1PP8000/}}</ref>。 「希望の会」の名称は、自由党との統一会派時代の名称を引き継いだものである(自由党は[[国民民主党 (日本 2018)|国民民主党]]の会派に合流、後に党としても合流し、解散)。しかしその後、 立憲民主党が[[第25回参議院議員通常選挙]]の公認候補として石川大我ら社民党の地方議員を引き抜き擁立するなど、他党へ離脱する動きも相次いだ。又市は、立民幹事長の[[福山哲郎]]に対し、「極めて不愉快だ。両党間のひびになりかねない」と批判した<ref>{{Cite news|title=立憲、社民・国民からも擁立 浴びる反発「引き抜きだ」|newspaper=朝日新聞|date=2019-03-27|url=https://www.asahi.com/articles/ASM3V5GFJM3VUTFK01J.html}}</ref>。 同年春の[[第19回統一地方選挙]]においては、都道府県議会では改選前の47議席から22議席へと勢力を半減、市町村議会選挙においても19議席減の53議席の獲得に留まるなど苦戦を強いられた。 2019年7月の[[第25回参議院議員通常選挙|第25回参院選]]では、比例区の得票率が2%以上獲得できないと、公職選挙法上の政党要件を失うため、党の存亡を懸けた「負けられない戦い」と位置付けた<ref>{{cite news|author=清宮真一|title=【野党ウオッチ】社民党は「政党」であり続けられるのか 崖っぷちの参院選|newspaper=産経新聞|date=2019-07-08|url=https://www.sankei.com/article/20190708-5WIHNNJD5VOLFI3Q26S45VI5FM/}}</ref>。結果、3選挙区は全敗したが、比例区(4人擁立)では1議席を獲得、吉田が国政に復帰した。比例区での得票率2%を上回り、公職選挙法が定める政党要件を維持した<ref>{{Cite news|title=社民、政党要件を維持 参院選比例で得票率2%以上獲得|newspaper=毎日新聞|date=2019-07-22|url=https://mainichi.jp/senkyo/articles/20190722/k00/00m/010/111000c|accessdate=2019-09-29}}</ref>。なお、又市は4月末に発見された肺がんの手術を受け、改選の参院選には立候補せず(代表は続投)、テレビなどの党首討論ならびに遊説には、[[吉川元 (政治家)|吉川元]]幹事長が党を代表した<ref>{{Cite news|title=社民党、参院選で存亡かけた戦いへ 又市党首が不出馬|newspaper=産経新聞|date=2019-06-18|url=https://www.sankei.com/article/20190618-NZXW5SQ2BNMFRCZQ2DGKAW2FRQ/}}</ref>。 選挙後の8月5日には立憲民主党が国民民主党、社民党、旧民進党系の衆院会派「[[社会保障を立て直す国民会議]]」に対し、衆議院での立憲会派への参加を打診したが、又市は同日に参加を見送る考えを伝えた<ref>{{Wayback|url=https://www.jiji.com/jc/article?k=2019080500686&g=pol|title=立憲、国民民主に衆院会派入り提案=旧民進、再結集の見通し:時事ドットコム|date=20190805130818}}</ref>。8月20日には立憲・国民両党首間で衆参両院での統一会派結成に合意<ref>{{Wayback|url=https://www.jiji.com/jc/article?k=2019082000556&g=pol|title=衆参で統一会派結成へ=立憲・国民が合意:時事ドットコム|date=20191102034428}}</ref>、社民党は22日の常任幹事会で参議院において立憲・国民両党会派が合流後も統一会派を離脱しない方針を決めたが、衆議院については「党の存在感を無くさないため」として改めて統一会派に参加しない意向を示した<ref>{{Cite news|title=野田前首相ら立民・国民と合流協議へ 社民は参院会派離脱せず|newspaper=日本経済新聞|date=2019-08-22|url=https://r.nikkei.com/article/DGXMZO48866960S9A820C1PP8000|accessdate=2019-09-29}}</ref>。しかし、9月27日には[[第4次安倍内閣 (第2次改造)|内閣改造]]・自民党役員人事で「改憲シフト」が強まったと判断し、野党の結束を強化するためとして衆議院でも統一会派に参加する方向に方針転換した<ref>{{Cite news|title=社民、衆院でも統一会派に参加へ 野党結束へ方針転換|newspaper=毎日新聞|date=2019-09-27|url=https://mainichi.jp/senkyo/articles/20190927/k00/00m/010/315000c|accessdate=2019-09-29}}</ref>。 ==== 立憲民主党への合流構想 ==== 統一会派結成を実現させた立憲民主党は12月6日に、会派に参加する国民民主党、社民党、旧民進党系無所属議員らに対し、事実上の立憲民主党への合流を呼び掛けた<ref>{{Cite news|title=立憲、国民と社民に合流呼びかけ 玉木氏「対等」な合併求める|newspaper=毎日新聞|date=2019-12-06|url=https://mainichi.jp/articles/20191206/k00/00m/010/257000c|accessdate=2019-12-19}}</ref>。これを受け社民党は12日の常任幹事会で党合流の協議に入る方針を決めた<ref>{{Cite news|title=社民、立憲に合流協議方針伝達 国民も協議入りは認める|newspaper=毎日新聞|date=2019-12-12|url=https://mainichi.jp/senkyo/articles/20191212/k00/00m/010/218000c|accessdate=2019-12-19}}</ref>。党執行部は2020年1月の全国幹事長会議で地方の意見集約を図り、2月の党大会で結論を出すとしており、また合流の議論が進んでいることを踏まえ、2月に予定されていた又市の任期満了に伴う党首選挙をいったん取りやめる方針を固めた<ref>{{Cite news|title=社民党、地方と「立憲合流問題」協議 2月の党大会までに結論へ|newspaper=毎日新聞|date=2019-12-19|url=https://mainichi.jp/articles/20191219/k00/00m/010/197000c|accessdate=2019-12-19}}</ref>。 [[2020年]]1月6日に又市は「党名にこだわる必要はない」と述べ立憲民主党への吸収合併を容認する考えを示し<ref>{{Cite news|title=社民、吸収合併を容認 又市氏「党名こだわらず」|newspaper=産経新聞|date=2020-01-06|url=https://www.sankei.com/politics/news/200106/plt2001060036-n1.html}}</ref>、9日には「理念・政策では大筋一致している」と述べ、合流に前向きな姿勢を示した<ref>{{Cite news|title=野党合流「理念政策は一致」でも「まだ白紙」 社民党首|newspaper=朝日新聞|date=2020-01-09|url=https://www.asahi.com/articles/ASN194SXVN19UTFK008.html}}</ref>が、同21日に同様に立憲に合流を呼び掛けられていた国民民主党が立憲との合流協議で決裂し、当面野党合流への国民民主党の参加が見送りとなると、又市は「地方には『時間をかけろ』という意見が多い。29日の全国幹事長会議で一定の方向を出すことはない」と述べ、一転して慎重姿勢に転じ、党首選も予定通り2月に実施される方向となった<ref>{{Archive.today|url=https://www.jiji.com/jc/article?k=2020012600280&g=pol|title=社民、野田Gの合流機運後退 「立・国」先送り影響:時事ドットコム|date=20200127172650}}</ref>。 2020年2月22日、東京都内で党大会を開き、新党首に合流慎重派とされる福島瑞穂参院議員を選出した(翌23日に正式に就任)。党首選には又市や吉田忠智も立候補を模索したが、党内対立を回避するため知名度の高い福島への一本化で一致し、無投票で選出された。福島にとっては7年ぶりの党首復帰となった<ref>{{Cite news|title=社民党、福島瑞穂氏が党首復帰 立憲への合流は慎重姿勢|newspaper=朝日新聞|date=2020-02-22|url=https://www.asahi.com/articles/ASN2Q62W2N2QUTFK005.html}}</ref>。23日には立憲民主党との合流協議継続を盛り込んだ議案を採択したほか、幹事長に吉田、副党首に吉川が就く役員体制も承認された<ref>{{Cite news|title=社民、立民と合流協議継続を確認 党大会で|newspaper=日本経済新聞|date=2020-02-23|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55990040T20C20A2PE8000/|accessdate=2020-06-28}}</ref>。{{main|2020年社会民主党党首選挙}} === 福島瑞穂党首時代 (2020-) === ==== 党分裂 ==== 党首に復帰した福島は、[[新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)|新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行]]により、日本国政府が配布を決めたいわゆる[[アベノマスク]]と呼ばれる[[布マスク]]に異物が混入していた問題を巡り、受注企業の社名公表や契約書の開示につなげるなどした<ref>{{Cite news|title=政府配布の布マスク、受注3社が判明 計90億円で契約|newspaper=朝日新聞|date=2020-04-21|url=https://www.asahi.com/articles/ASN4P6GRPN4PUTFK022.html}}</ref><ref>{{Cite news|title=アベノマスク「国策」随契2社、深まる謎 業務分割し発注 契約書に合計金額なく|newspaper=毎日新聞|date=2020-05-02|url=https://mainichi.jp/articles/20200502/k00/00m/040/234000c|accessdate=2020-05-29}}</ref><ref>{{Wayback|url=https://www.jiji.com/jc/article?k=2020042900460&g=pol |title=社民・福島氏、「党首力」に期待と嘆き 採決造反、合流棚上げ:時事ドットコム|date=20200430074529}}</ref>。一方、改正[[新型インフルエンザ等対策特別措置法]]を巡っては、党が賛成方針を決めたのに対し福島は採決を欠席。党首が党方針に造反するという異例の事態に対し、福島は「ガバナンスに問題があるかもしれないが、社民党の支持者は人権やいろんなことを大事にしていると思う」と釈明した<ref>{{Cite news|title=社民・福島党首、自身の特措法造反に「ガバナンス不足」と釈明|newspaper=毎日新聞|date=2020-03-18|url=https://mainichi.jp/articles/20200318/k00/00m/010/203000c|accessdate=2020-05-29}}</ref>。また、立憲民主党との合流協議については、2月の党大会で「議論の継続」を確認したものの、4月15日には新型コロナウイルスの感染拡大を理由に、一時中断する考えを示した<ref>{{Cite news|title=社民・福島党首、立憲との合流協議「棚上げ」を表明|newspaper=朝日新聞|date=2020-04-15|url=https://www.asahi.com/articles/ASN4H6GWLN4HUTFK012.html|accessdate=2020-05-29}}</ref>。 6月25日、立憲民主党との間で取りまとめた、合流した場合の党のあり方をまとめた文書を公表した。この中では「自公政権に対峙する力をつくり、政権交代を実現する。両党合流でその歩みを進める意義を確認した」と明記したほか、次期衆院選の比例代表名簿で小選挙区との重複立候補者を同一順位とし処遇に差をつけないことや、地方組織の統合に当たり一部に暫定期間を設けることも盛り込んだ<ref>{{Cite news|title=「合流で政権交代を」 立民・社民が文書公表|newspaper=日本経済新聞|date=2020-06-25|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60793100V20C20A6PP8000/|accessdate=2020-06-28}}</ref>。この文書は立憲幹事長の福山哲郎と吉田で作成し、吉田は立憲民主党との合流の是非を判断する臨時党大会を今秋にも開く意向を示したが、福島は「社民党は合流の意義について確認していない。ゼロベースだ」と述べるなど党内の温度差が明らかとなった<ref>{{Wayback|url=https://mainichi.jp/articles/20200625/k00/00m/010/265000c|title=社民、秋にも立憲との合流判断 吉田幹事長意向 地方組織は反対根強く - 毎日新聞|date=20200629072411}}</ref>。 2020年8月より、福島や大椿が中心となってネット配信番組「夜もフェミテレビ」を開始。主な他の出演者は[[北原みのり]]や[[石川優実]]、菱山南帆子、笛美など<ref>[https://www.youtube.com/watch?v=0idbTfZftng 『今夜もフェミテレビ』〈福島みずほ×石川優実×大椿ゆうこ×北原みのり×菱山南帆子×笛美〉(Youtube)]</ref>。2021年10月現在で14回放送している<ref>[https://www.youtube.com/watch?v=OdlGZnMQ6k4&t=3s #今夜もフェミテレビ 14th 〜緊急事態宣言の夜はオンラインで集まろう〜(Youtube)]</ref>。 9月に立憲民主党と国民民主党の一部などが合流し、[[立憲民主党 (日本 2020)|(新)立憲民主党]]が結成されたことに対しては、福島は「合流相手の前提条件が変わった」と慎重姿勢を強めた一方、吉田は「新立憲の綱領や規約を精査したが、(前提を)見直す必要はない」と合流に前向きな姿勢を示した<ref>{{Cite news|title=立憲合流協議 社民は11月にも結論 福島党首は慎重姿勢強める|newspaper=毎日新聞|date=2020-09-18|url=https://mainichi.jp/articles/20200918/k00/00m/010/179000c|accessdate=2020-10-22}}</ref>。 10月22日、立憲との合流の是非を巡って常任幹事会で協議したが、地方組織からは「党名をなくすべきではない」との意見が相次いでおり、党の解散・合併に必要な党大会での代議員の3分の2以上の賛成が得られる見通しが低いことから、解党による合流を断念した<ref>{{Cite news|title=社民党に分裂危機 国会議員4人中3人が離党の可能性|newspaper=朝日新聞|date=2020-10-22|url=https://www.asahi.com/articles/ASNBQ65QCNBQUTFK00R.html}}</ref>。一方、福島を除く3人の国会議員や、沖縄や大分、東京などの都県組織は合流に前向きであり、代替案として、希望する国会議員や地方組織が党を離れるのを容認するかどうかを問う議案を11月14日の臨時党大会で諮ると決めた<ref>{{Wayback|url=https://this.kiji.is/691953088373032033?c=39546741839462401|title=社民、解党し立民に合流を断念 事実上の分裂も、党大会採決 | 共同通信|date=20201026101200}}</ref><ref>{{Cite news|title=社民、立憲と合流せず 議員の離党は容認 議案可決なら分裂へ|newspaper=毎日新聞|date=2020-10-22|url=https://mainichi.jp/articles/20201022/k00/00m/010/229000c|accessdate=2020-10-22}}</ref>。 11月14日、臨時党大会が開催され、立憲民主党への合流を希望する所属議員の離党を容認する議案が可決され、事実上の分裂が決まった<ref>{{Cite news|title=社民党が事実上分裂 所属国会議員の残留は福島瑞穂党首のみ|newspaper=毎日新聞|date=2020-11-14|url=https://mainichi.jp/articles/20201114/k00/00m/010/173000c|accessdate=2020-11-14}}</ref>。約4時間に及んだ党大会では、合流賛成論と反対論が拮抗し、賛成派の照屋が「先輩方がきずいた遺産をすべて食いつぶしたのはあなただ」と公然と福島を批判した一方、地方組織の代議員が立憲との合流を推進した吉田幹事長の解任を求める動議を提出し否決されるなど時に怒号が飛び交う厳しいものとなり、離党を容認する決議についても出席した167人の代議員のうち賛成は84人で僅差での可決であった<ref>{{Cite news|title=社民が事実上の分裂 議員の立憲合流容認、飛び交う怒号|newspaper=朝日新聞|date=2020-11-14|url=https://www.asahi.com/articles/ASNCG5QWCNCGUTFK009.html}}</ref>。この時点では、所属国会議員4人のうち党に残るのは党首の福島のみで、吉田、吉川、照屋の3人は年内にも離党し立憲民主党に入党する見通しと報じられた<ref>{{Cite news|title=“老舗”社民党分裂 3人離れ福島党首ただひとりに|newspaper=テレビ朝日|date=2020-11-14|url=https://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000198472.html|accessdate=2020-11-15}}</ref>。議案可決後、吉田と吉川は離党の意思や時期について支持者らと相談するとして記者団に明言を避けた。照屋は「現段階では考えていない」と早期の離党を否定<ref>{{Cite news|title=社民党分裂が確定的に 村山元首相「さらに小さく…残念」 立民合流容認、福島党首のみ残留へ |newspaper=産経新聞|date=2020-11-14|url=https://www.sankei.com/politics/news/201114/plt2011140019-n1.html}}</ref>。12月4日には後継候補の[[新垣邦男]]が社民党に残留する意向を示していることから、照屋も残留する意向を固めたと報じられた<ref>{{Archive.today|url=https://www.jiji.com/jc/article?k=2020120401020&g=pol|title=照屋氏、社民残留の意向 吉田、吉川氏は立憲へ:時事ドットコム|date=20201205000507}} </ref>。 12月17日、吉田忠智幹事長は[[大分市]]で記者団の取材に応じ、「離党して立憲民主に合流する。政治を正すためには質的にも量的にもしっかりした野党を作っていかなければならず、社会民主主義的な理念政策を立憲民主の中で広げていきたい」と述べ、立憲民主党への合流を明言した。吉川副党首も「吉田幹事長と一心同体だ」と語った<ref>[https://mainichi.jp/articles/20201217/k00/00m/010/299000c]</ref>。12月24日の常任幹事会で吉田・吉川の離党が承認され、元衆議院議員の[[服部良一 (政治家)|服部良一]]が新たに幹事長兼選対委員長に就いた<ref>{{Wayback|url=https://this.kiji.is/714679579539013632|title=社民、2幹部の離党を承認 照屋氏は残留、所属議員2人に | 共同通信|date=20201224032205}}</ref>。同日には名誉党首と顧問を務める村山富市が党には残るものの、高齢を理由に役職を辞任した<ref>{{Wayback|url=https://mainichi.jp/articles/20201224/k00/00m/010/288000c |title=社民党、幹事長と副党首の離党承認 立憲に合流、所属国会議員は2人に - 毎日新聞|date=20201224112754}}</ref>。また、11人いた党本部職員は9人が立憲民主党に移籍した<ref>{{Cite news|title=社民、再建の道険し 来月代表者会議で再スタートも党機能縮小・財政悪化|newspaper=産経新聞|date=2021-01-28|url=https://www.sankei.com/politics/news/210128/plt2101280028-n1.html|accessdate=2021-01-28}}</ref>。 合流推進派が立憲民主党への合流を急いだ背景には、党勢の衰退により近年の国政選挙では政党要件の維持も危機的な状況にあり、「国会議員がいなくなったら、立憲民主党に相手にもされなくなる」との危機感があったほか、支持母体である[[全日本自治団体労働組合|自治労]]の意向もあったとされる<ref>{{Cite news|title=社民党分裂へ 一部は立憲と合流か 残るは福島氏だけ|newspaper=朝日新聞|date=2020-11-13|url=https://www.asahi.com/articles/ASNCF61QVNCFUTFK00M.html|accessdate=2020-12-20}}</ref>。 吉田ら立憲民主党への合流を選んだグループは立憲民主党との合流後に立憲民主党の中で政策グループ「[[社会民主主義フォーラム]]」として活動を始めた。 ==== 分裂後 ==== [[2021年]]1月13日、分裂後初となる立憲民主党との党首会談が行われ、衆参両院での統一会派を維持するなどの連携維持を確認した<ref>{{Cite news|title=立憲と社民党首が会談 連携維持を確認 国政選挙でも協力|newspaper=毎日新聞|date=2021-01-13|url=https://mainichi.jp/articles/20210113/k00/00m/010/217000c|accessdate=2021-01-28}}</ref>。1月15日には院内で所属議員が1人しかいない政党は会派名から省くという慣例により、衆議院会派の名称が「立憲民主党・社民・無所属」から「立憲民主党・無所属」に変更され、社民の名称が消滅した。一方で参議院では衆議院と慣例が異なるため、会派名の「立憲民主・社民」は維持された<ref>{{Cite news|title=立憲など衆院統一会派、会派名から「社民」削る|newspaper=毎日新聞|date=2021-01-15|url=https://mainichi.jp/articles/20210115/k00/00m/010/175000c|accessdate=2021-01-28}}</ref>。 5月9日の全国代表者会議では、前年2月の党大会以降これまでに、党員全体の3割にあたるおよそ4,000人が離党し、党員が1万人を割り込んだと公表した。また、47都道府県にあった地方組織も17の組織で分割や解散となるなど、党勢の衰退が進んでいることもあわせて報じられた<ref>{{Cite web|和書|title=社民党 党員3割が離党 組織の再生急務に |website = NHKニュース |url = https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210509/k10013019751000.html |date=2021-05-09|archiveurl = https://archive.is/r91an |archivedate = 2021-05-09 |accessdate=2021-05-09}}</ref><ref>{{Wayback|url=https://www.sankei.com/politics/news/210509/plt2105090016-n1.html|title=社民が全国代表者会議 福島氏「国会議員増やす」 - 産経ニュース|date=20210510050402}}</ref>。党の[[支持率]]は同年5月8日、9日の[[ジャパン・ニュース・ネットワーク|JNN]][[世論調査]]によれば、前回から0.3ポイント下落し、0%になった<ref>{{Cite web|和書|title=TBS「世論調査」|url = https://news.tbs.co.jp/newsi_sp/yoron/backnumber/20210508/q1-2.html |archiveurl = https://archive.is/b73am|website=TBS NEWS|date=2021-05|archivedate = 2021-05-13 |accessdate=2021-06-28}}</ref>。 8月18日、社民党や[[新社会党]]や[[緑の党グリーンズジャパン|緑の党]]などの[[自由主義|リベラル]]・[[革新]]勢力を機軸として、さらなる立憲野党勢力の[[民共共闘|野党の連携]]を後押しする「共同テーブル」が設立された。共同テーブルは「いのちの安全保障確立に向けて非正規社会からの脱却を目指す」ことを理念とするネットワークとなることを目指している。呼びかけ人として[[佐高信]]、[[杉浦ひとみ]]、[[上原公子]]、[[室井佑月]]、[[竹信三恵子]]、[[前田朗]]、[[纐纈厚]]、白石孝([[官製ワーキングプア研究会|NPO法人官製ワーキングプア研究会]]理事長)、[[清水雅彦]]らが参加した<ref>[https://mainichi.jp/articles/20210818/k00/00m/010/062000c 正念場の社民 野党連携へ支援団体が発足 佐高信さんら発起人 毎日新聞 2021/8/18]</ref><ref>[https://sdp.or.jp/sdp-paper/202108-table/ いのちの安全保障確立を 「共同テーブル」発足で佐高さんら訴え 社会新報 2021.08.20]</ref><ref>[https://www.kyodotable.com/ 共同テーブル公式サイト(2021年10月閲覧)]</ref>。 ==== 第49回衆議院議員総選挙 ==== 10月31日、[[第49回衆議院議員総選挙]]の投開票が行われ、照屋の後継(照屋は翌2022年4月に死去)として立候補した新垣邦男が沖縄2区での議席を守り、福島は「新生社民党となって初めて迎えた総選挙だ。党公認で当選することができてよかった」と述べた<ref>{{Cite news |title=選挙区1議席確保に安堵 社民【21衆院選】|newspaper=時事ドットコム|date=2021-11-01|url=https://web.archive.org/web/20220703010822/https://www.jiji.com/jc/article?k=2021110100032|accessdate=2021-11-01}}</ref>。一方、比例代表では結党以来初めて議席を獲得できず、社民党の獲得議席は公示前と同じ1議席に留まった<ref>{{Cite news |title=社民、比例議席得られず 現行制度で初めて|newspaper=日本経済新聞|date=2021-11-01|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA316RS0R31C21A0000000/|accessdate=2021-11-01}}</ref>。ただし、党分裂前の2017年の第48回総選挙の全国合計の比例票が941,324票(1.69%)だったのに対して、今回は1,018,588票(1.77%)と結果的にはやや総獲得票数は増した。 [[2022年]]1月14日に党首選挙が告示され、福島のみが立候補を届け出たため、無投票での再選が決まった。3月の党大会で正式に承認される<ref>{{Cite web|和書|title=社民党首に福島氏再選 無投票、党大会で正式承認|url=https://www.sankei.com/article/20220114-CTC7NCRGO5JMLDN5K6CJHVX7HI/|work=産経新聞|date=2022-01-14|accessdate=2022-01-14}}</ref>。 [[2022年]]3月20日、第19回定期全国大会(党大会)で、衆議院議員の[[新垣邦男]]([[沖縄県第2区]])を副[[党首]]に充てるなどの役員人事を了承した。新垣は国対委員長と政審会長も兼務。副党首は7月執行予定の参議院議員選挙比例区から立候補予定の[[大椿裕子]]と2人になる<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2029P0Q2A320C2000000/ 参院選「後のない闘い」 社民大会、副党首に新垣氏] [[共同通信社]]([[日本経済新聞]]配信)2022年3月20日配信 2022年3月20日閲覧</ref>。 ==== 第26回参議院議員通常選挙 ==== 同年7月の[[第26回参議院議員通常選挙]]では、全国の得票率が2%を下回ると公職選挙法上の政党要件を喪失するため、党として正念場を迎えることとなり、前回の参院選で擁立を見送った[[福岡県選挙区|福岡選挙区]]に6年ぶりに候補者を立て、[[東京都選挙区|東京選挙区]]では本来は大阪が地盤である幹事長兼選対委員長の[[服部良一 (政治家)|服部良一]]を擁立。さらに[[参議院比例区|比例区]]では党首の福島、副党首の大椿のほか、国会議員経験者である[[秋葉忠利]]<ref>[https://mainichi.jp/articles/20220518/k00/00m/010/284000c 社民が前広島市長の秋葉忠利氏を擁立へ 参院選比例] - 毎日新聞 2022年5月18日</ref>、[[山口わか子]]<ref>[https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2022053100919 【独自】社民党長野県連 参院選比例代表で山口わか子氏を擁立へ] - 信濃毎日新聞デジタル 2022年6月1日</ref>といった知名度のある候補者を擁立し、新社会党と共闘する形で同党の岡﨑彩子([[岡崎宏美]]同党委員長・元衆議院議員の次女)を擁立する<ref>[https://sdp.or.jp/sdp-paper/saiko-okazaki/ 新社会党の岡﨑彩子さんを参院比例代表に擁立決定] - 社民党 2022年3月11日</ref><ref>[http://www.labornetjp.org/news/2022/0310hokoku 社民党・新社会党が参院選を一緒にたたかう!/岡崎彩子さんが出馬会見] - レイバーネット日本</ref>など、政党要件維持に向けて票の上積みを模索した。その結果、選挙区では全員が落選したものの、比例区にて福島が当選した。比例区での得票率も2%を上回り、政党要件を維持する結果となった<ref>{{Cite web|和書|title=社民党が政党要件を維持、得票率2%到達 NHK党、参政党も:朝日新聞デジタル |url=https://www.asahi.com/articles/ASQ7C3CT7Q7CUTFK002.html?iref=ogimage_rek |website=朝日新聞デジタル |access-date=2022-07-16 |language=ja}}</ref>。 2023年3月30日に吉田忠智が参議院[[大分県選挙区]]の[[2023年日本の補欠選挙|補欠選挙]]に立候補するため参議院議員を辞職した<ref>{{Cite news|url=https://www.sankei.com/article/20230330-5VWNAVDBIBJF7IMF3ZPHGKD6LE/|title=吉田忠智氏の辞職許可 参院、大分補選立候補へ|newspaper=産経新聞|date=2023-03-30|accessdate=2023-04-07}}</ref>。前回の参院選で順位2位と3位の候補者は社民党比例名簿から削除されていたため、同4位の大椿副党首が[[繰り上げ当選]]した<ref>{{Cite news|url=https://www.sankei.com/article/20230406-YPVG52ZM5FO5TGFDUUEQXKPGOQ/|title=大椿氏の繰り上げ当選決定 社民参院比例、吉田氏辞職|newspaper=産経新聞|date=2023-04-06|accessdate=2023-04-07}}</ref>。 2023年4月の[[第20回統一地方選挙]]では、41道府県議選においては公認候補においては公示前から3議席減となる3議席の獲得に留まった<ref>{{Cite news |title=統一地方選挙【詳細】維新 大阪ダブル選制し 道府県議選も倍増|newspaper=NHK NEWS WEB|date=2023-04-10|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230409/k10014032291000.html|accessdate=2023-05-13}}</ref>。党籍を持つ候補全体では公示前の15議席<ref>{{Cite news |title=’23統一地方選:女性当選者、最多316人 41道府県議 79人増、全体の14% 維新は倍増、124議席 全議席確定|newspaper=毎日新聞|date=2023-04-10|url=https://mainichi.jp/articles/20230410/ddg/001/010/001000c|accessdate=2023-05-13}}</ref>に対し、公認3名、党籍を有する候補9名の12議席を獲得し微減となった。政令市議選では公認4名、党籍を持つ候補4名が当選した<ref>[【談話】第20回統一自治体選挙前半戦の結果について https://sdp.or.jp/statement/local_election_2023_1st/]</ref>。一般市区議選では推薦含め66名、町村議会で18名が当選し、改選前議席からは微減となった<ref>[【服部幹事長談話】第20回統一自治体選挙後半戦ならびに衆参補欠選挙の結果について https://sdp.or.jp/statement/kanjicho-2/]</ref>。 == 政策 == === 基本政策 === [[綱領]]的文書の「社会民主党宣言」(2006年採択)では「'''[[社会民主主義]]を掲げる政党'''」とし、「日本における社会民主主義の理念」を「'''平和・自由・平等・共生'''」とした<ref name="vision"/>。 #社会的な規制による公正な[[市場経済]] - [[資本主義|自由主義経済]]の是認、[[格差社会|格差対策]]、[[公共サービス]]の重視など。 #生きがい、働きがいの持てる労働環境 - [[労働条件]]の向上など。 #公平で持続的な税財政 - [[消費税]]引き上げ反対、[[所得税]]引き上げなど。 #社会の連帯を柱とした[[社会保障]] - 新年金制度、公的医療、介護制度など。 #豊かで多様な自治の展開 - 住民主権、地方への権限・財源委譲など。 #世界の人々と共生する平和な日本 - [[国際連合憲章|国連憲章]]や[[日本国憲法第9条|憲法九条]]を指針とし、自衛隊の縮小、在日米軍基地の縮小・撤去など。 #公正な国際経済と平和を基礎にしたアジア経済圏 - [[南北問題|南北格差]]や[[空洞化|国内産業空洞化]]に対する公正なルール、[[東アジア共同体]]構想など。 #両性平等社会の実現 - [[男女同権|男女平等]]、[[ジェンダーフリー]]など。 #豊かな自然環境を次世代に - [[循環型社会]]への転換、[[地球温暖化]]防止、脱原発、[[再生可能エネルギー|自然エネルギー]]など。 #食と生命の安全を担う農林水産業 - [[第一次産業]]の維持・発展など。 #一人ひとりを大切にする教育の実現 - 個性の重視。 #あらゆる価値観を保障した創造的文化 - [[表現の自由]]、[[言論の自由]]の擁護。 #民意を反映する政治への改革 - [[小選挙区制]]から比例得票数を中心とした選挙制度へ、[[政治献金|企業・団体献金]]の廃止。 === 憲法、安全保障関連 === * [[日本国憲法]]を「平和憲法」として、平和[[護憲|憲法の擁護]]と憲法を暮らしに生かす政治を実現<ref>{{Cite press release|和書|title=憲法記念日アピール|publisher=社会民主党|date=2021-04-30|url=https://sdp.or.jp/statement/constitution-protection-appeal/}}</ref>。 ** [[自衛隊]]の扱いは時期により異なる。[[村山内閣]]では、政権としての立場は、「合憲」、2006年の「社民党宣言」では、党としての立場は、「違憲状態」(''詳細は'' [[#党史]] ''参照'')。 ** 外交政策では[[武器貿易条約]]の早期締結、[[クラスター爆弾]]の全面禁止、[[対人地雷禁止条約]]の強化、[[劣化ウラン弾]]の使用禁止など。 ** 地方自治レベルでは[[無防備都市宣言#無防備地域宣言運動|無防備地域宣言運動]]に賛成。 * [[日米安全保障条約]]は2006年の「社民党宣言」では、最終的に「平和友好条約」へと転換させ、在日米軍基地の整理・縮小・撤去を進めるとした。 ** [[普天間基地移設問題]]では、国外または沖縄県外への全面移転を主張。 ** [[日米地位協定]]は、在日米軍基地への立ち入り権明記など改正を主張。 ** [[日本国政府|日本政府]]による[[在日米軍]]への[[思いやり予算]]は、2009年[[第45回衆議院議員総選挙]]の[[マニフェスト]]では「廃止」<ref name="manifest2009"> {{WAP|pid=11657375|url=www5.sdp.or.jp/policy/policy/election/manifesto02_01.htm|title=社民党OfficialWeb┃政策┃衆議院選挙公約2009「マニフェスト」┃ダイジェスト版|date=2021-04-03}}</ref>、2011年度予算編成では減額を主張。 === 税制 === * 累進課税を機能させる<ref name=":1">{{Cite web|和書|url=https://sdp.or.jp/policies/|title=社民党 - 基本政策|accessdate=2021年7月14日}}</ref>。 *消費税は向こう3年間ゼロ<ref name=":1" />。 === 経済、資源・エネルギー関連 === * [[日本のTPP交渉及び諸議論#各政党の動向|「TPP(環太平洋パートナーシップ協定)」への参加に反対]]。 * [[カジノ#日本|「カジノ誘致」に反対]]<ref>[https://sdp.or.jp/sdp-paper/casino-in-osaka/ 【主張】大阪・カジノ誘致 賭博で金もうけ~それが公共事業か~ - 社民党 SDP Japan]</ref><ref>[https://sdp.or.jp/statement/20210822-yokohama-election/ 【談話】横浜市長選挙の結果について - 社民党 SDP Japan]</ref>。 * 「[[原子力撤廃|原発ゼロ]]」と「脱原発社会」の実現<ref>{{WAP|pid=11613176|url=www5.sdp.or.jp/comment/2012/05/05/「原発ゼロ」をきっかけに脱原発社会に向かって/|title=「原発ゼロ」をきっかけに脱原発社会に向かって歩みだそう(談話) {{!}} 声明・談話 {{!}} 社民党OfficialWeb|date=2021-01-06}}</ref>。原発・各施設の廃止に向けた具体的なロードマップを作成。2050年を期限に電力の自然エネルギーへの完全転換や温室効果ガス排出ゼロを目指す<ref name=":1" />。 * 経済対策として「雇用回復、グリーン社会への転換、地域・地方の活性化、貧困の解消」など<ref>{{WAP|pid=11657375|url=www5.sdp.or.jp/policy/policy/other/100827_keizai.htm|title=社民党OfficialWeb┃政策┃緊急経済対策4本柱の提言〜雇用回復、グリーン社会への転換、地域・地方の活性化、貧困の解消へ〜|date=2021-04-03}}</ref>。 ** [[郵政民営化]]は「小泉路線の修正・転換を図る」とし、[[簡易郵便局]]の維持、郵政非正規労働者の雇い止めの阻止、「[[かんぽの宿]]」等の保全など<ref>{{WAP|pid=11613176|url=www5.sdp.or.jp/comment/2012/04/27/郵政民営化法改正案の成立に当たって(談話)/|title=郵政民営化法改正案の成立に当たって(談話) | 声明・談話 | 社民党OfficialWeb|date=2021-01-06}}</ref>。 === 民法、家族制度 === * 選択的[[夫婦別姓]]制度導入を推進<ref name="manifest2009" />。 * 良質な保育や学童保育を増やし、子どもの育ちの場を保障することをめざす<ref name="manifest2009" />。 *同性婚の合法化に賛成。 === 社会保障、労働環境 === * 救急患者のたらい回しをなくすため「[[周産期]]医療ネットワーク」と「救急搬送受け入れ体制」を早急に整備し、周産期医療の後方支援体制を確立する。 * [[生活保護]]の母子加算の復活、[[児童扶養手当]]の父子家庭への支給の実現をめざす<ref name="manifest2009" />。 * 教育予算を他の先進国並みの対GDP比5%水準への引き上げ<ref name="manifest2009" />。 * 賃金の男女差別の撤廃推進<ref name="manifest2009" />。 * 労働者の権利を守るため、客観的・合理的な理由がなく「就職[[内定]]の取り消し」をされた場合は、「就職内定の取り消し」を無効とし、悪質な「就職内定の取り消し」を行った企業は、企業名を公表するとしている。 === その他 === * [[院内交渉団体|院内交渉団体制度]]の撤廃。 * [[日本における死刑|死刑]]制度は存廃を含め見直し、その間は執行に反対<ref>{{Wayback|url=http://www5.sdp.or.jp/comment/2012/09/27/死刑執行に強く抗議する(談話)-16/|title=社民党OfficialWeb┃声明・談話 | 死刑執行に強く抗議する(談話)|date=20131101235920}}</ref>。 == 組織 == === 本部 === 社会民主党は党則で'''「各地方が連合する全国政党である」'''と形態を定義しており、中央組織及び本部を'''「全国連合」'''と称する<ref name="tousoku">[https://sdp.or.jp/party_rules/ 社会民主党党則 - 社民党 SDP Japan]</ref>。なお日本社会党時代には'''中央本部'''と称していた。 2017年現在の本部所在地は[[東京都]][[中央区 (東京都)|中央区]][[湊 (東京都中央区)|湊]]の民間ビル内である<ref name="inq" />。 === 地方組織 === 中央組織である全国連合の下に、'''「都道府県連合」'''、'''「支部連合」'''、'''「総支部」'''、'''「支部」'''を設ける(党則21条1項<ref name="tousoku" />)。また、これに準じる組織として'''ブロック協議会'''が規定されている。末端の支部組織は他党と比べて細かいレベルに達する。 ==== ブロック協議会 ==== 衆議院比例代表選挙のブロックごとに設けられ、選挙活動をはじめとする党活動全般にわたる都道府県連合の活動の協力と調整を行う。ブロック協議会は比例単独候補者の決定と順位付け、および小選挙区の他党候補者に対する推薦の決定について協議・確認の上全国連合常任幹事会に承認を求める(党則31条3項・4項<ref name="tousoku" />)。 ==== 都道府県連合 ==== 都道府県連合は、自民党の都道府県支部連合会、民主党の総支部連合会に相当する組織であり、各都道府県に1つずつ設置される(党則23条<ref name="tousoku" />) <ref>{{official website|https://sdp.or.jp/network/|全国の社民党 - 社民党 SDP Japan}}</ref>。立憲民主党への分裂以降、宮城県、山形県、福井県、徳島県には県連合は存在しない。なお日本社会党時代は'''都道府県本部'''と称していた。(福井県連合は2023年2月3日再結成)<ref>[https://www.facebook.com/fumio.shimizu.180/posts/pfbid09sFyZjWYMQD2fZMsG3aD5r8pBNcyikEgXoAokeashCLRrXCz3rTHkWbNLvLJoyz6l 福井県連合が今日、再結成大会]</ref> 都道府県連合は後述する職域支部と専門分野別支部を管下に置くことができ、直接指導を行う。 ==== 支部連合 ==== 支部連合は自民党の選挙区支部、民主党の総支部に相当するもので、衆議院の小選挙区ごとに1つ設置される(党則24条<ref name="tousoku" />)。日本社会党時代は'''支部協議会'''と称していた。 ==== 総支部 ==== 総支部は基礎自治体ごとではなく都道府県議会の選挙区に準じて編成される規定になっており、公明党のそれや日本共産党の地区委員会に相当する。{{main|日本共産党#地区組織|公明党#総支部}} 総支部は傘下に2つ以上の支部を持っていなければならない(党則25条1項<ref name="tousoku" />)<ref>{{WAP|pid=9284293|url=www5.sdp.or.jp/link/link_branch.htm|title=社民党OfficialWeb┃リンク┃社民党地方議員・支部|date=2015-05-07}}</ref>。 ==== 支部 ==== 支部は3名以上の党員によって構成される社民党の最末端組織である。日本社会党時代は党員30名以上で支部を構成し、支部に所属する者のうち5人以上で班を構成するとされていたが、社会民主党発足の際に従来の班よりも細かい単位で支部を結成できると改められた。党員3人で支部を結成できるという制度は、日本共産党と同じである。{{main|日本共産党#支部}} 支部は党則上では'''議員支部'''、'''地域支部'''、'''職場支部'''、'''職域支部'''、'''専門(業種)分野別支部'''の5つの種類に分かれ、各党員は自らの選択でそのうちの1種類の支部に参加する(党則26条2項<ref name="tousoku" />)。 5種類のうち、議員・地域・職場の各支部は地元の総支部の管下となる。職域・専門分野別支部は人数や広域性などによって都道府県連合の直属とすることができる。 === 党員 === 最低限の要件として、'''「本党の基本理念及び政策・党則に賛同する18歳以上の者」'''(党則4条1項<ref name="tousoku" />)が掲げられている。[[日本人|日本国民]]の他、外国人でも日本国内に3年以上定住していれば入党を申し込むことができる。日本の主要政党で外国人の入党を認めているのは、2015年現在では本党と公明党のみとなる。 党籍は'''一般党員'''と'''協力党員'''の2種類があり、一般党員は年齢によって毎月の党費が変わる。39歳以下は月額1,300円、40歳から59歳までは月額2,000円、60歳以上は月額1,000円となっている。この制度は社会民主党になってから改正されたもので、日本社会党時代は社会主義の原則による公平負担を掲げ、毎月の実収入の1%を徴収する制度が長年続いた。このため日本共産党と同様に党費を納めないまま党籍を維持することができた。また、日本共産党の[[10条該当党員]]に相当する活動実態のない党員も多数いて、一定の期間後に支部の判断で除籍することも可能だった。この名残で、現在でも最大1年間までの党費滞納は党則上も容認されている(党則5条4項<ref name="tousoku" />)。{{see also|10条該当党員#概要|日本共産党#除名と除籍}} 協力党員は民主党のサポーターに近い制度で、月額500円または1年前納で6,000円。党首選挙への投票は可能だが、公職選挙における党公認候補者になれない(党則7条1項但書<ref name="tousoku" />。推薦は一部条件付きで可)、党各級連合の会議への参加が一部に限られるなど、一般党員と比べて権利に制限がある。{{see also|民主党 (日本 1998-2016)#党員・サポーター}} 入党・離党の手続きは最寄りの党組織で受け付ける。ただし国会議員のみ都道府県連合で受け付け、全国連合常任幹事会の承認を受ける必要がある(党則5条3項<ref name="tousoku" />)。また、除名・除籍者の再入党は都道府県連合常任幹事会の承認が必要となる(党則4条3項<ref name="tousoku" />)。 == 役職 == 党則によって、党首を含めた役員の任期は2年と定められている<ref name="tousoku" />。 === 全国連合執行部役員表 === 2022年3月20日現在<ref>{{Twitter status|SDPJapan|1363444059830767616}}</ref><ref>{{Twitter status|shakaishimpou|1382905876781047810}}</ref><ref>[https://page.line.me/ndt7166h/showcase/77910660814063 社民党 役員]</ref> {| class="wikitable" |- !役職!!氏名!!肩書 |- !党首 |[[福島瑞穂]]||[[参議院|参議院議員]] |- !副党首・政策審議会長<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2029P0Q2A320C2000000/]</ref><br />国会対策委員長<ref> [https://sdp.or.jp/statement/20220216-political/]</ref> |[[新垣邦男]]||衆議院議員 |- !副党首 |[[大椿裕子]]||参議院議員 |- !幹事長<ref>[https://sdp.or.jp/sdp-paper/hattori-explained-the-important-policies/ 生存のための政権交代を-服部政審会長が重点政策を解説する-]</ref>・選対委員長 |[[服部良一 (政治家)|服部良一]]||元[[衆議院|衆議院議員]] |- !rowspan="5"|常任幹事 |伊地智恭子||[[東京都]][[多摩市議会|多摩市議会議員]] |- |[[伊是名夏子]]||[[コラムニスト]] |- |[[山城博治]]||[[沖縄平和運動センター]]議長 |- |中島修||党全国連合総務企画局長 |- |渡辺英明||党全国連合組織団体局長 |} === 歴代党首一覧 === {| class="wikitable" ! 代 !!colspan="2"|党首 !! 期 !! 在任期間 !! 備考 |- ! 1 | style="text-align:center" |[[ファイル:Tomiichi Murayama 19940630.jpg|60px]]||'''[[村山富市]]'''||style="text-align:center" | 1 || [[1996年]][[1月19日]] - 1996年[[9月28日]] || [[第41回衆議院議員総選挙|第41回衆院選]]に向けた党体制立て直しのため退任。 |- ! rowspan="4" | 2 | style="text-align:center" rowspan="4" |[[ファイル:Takako Doi in Tokyo congressist election 2.jpg|60px]]||rowspan=4|'''[[土井たか子]]<br />[[ファイル:RedDownArrow.svg|15px]]'''||style="text-align:center" | 2 || 1996年9月28日 - [[1998年]][[12月22日]] || [[第41回衆議院議員総選挙|第41回衆院選]]の敗北により[[自社さ連立政権|連立離脱]]。任期満了 |- | style="text-align:center" | 3 || 1998年12月22日 - [[2000年]][[1月21日]] || rowspan="2" |任期満了 |- | style="text-align:center" | 4 || 2000年1月21日 - [[2002年]][[3月26日]] |- | style="text-align:center" | 5 || 2002年3月26日 - [[2003年]][[11月15日]] || [[第43回衆議院議員総選挙|第43回衆院選]]の敗北により辞任。 |- ! rowspan="5" | 3 | style="text-align:center" rowspan="5" |[[ファイル:Mizuho Fukushima cropped 2 Mizuho Fukushima.jpg|60px]]||rowspan=5|'''[[福島瑞穂]]<br />[[ファイル:Green-Up-Arrow.svg|15px]][[ファイル:RedDownArrow.svg|15px]]'''|| style="text-align:center" | 6 || 2003年11月15日 - [[2005年]][[12月2日]] || rowspan="2" | 任期満了 |- | style="text-align:center" | 7 || 2005年12月2日 - [[2007年]][[11月27日]] |- | style="text-align:center" | 8 || 2007年11月27日 - [[2009年]][[12月4日]] || [[民社国連立政権]]樹立。[[鳩山由紀夫内閣|鳩山内閣]]の[[内閣府特命担当大臣|国務大臣]]に就任。任期満了 |- | style="text-align:center" | 9 || 2009年12月4日 - [[2012年]][[1月20日]] || [[普天間基地移設問題]]を巡り連立離脱。任期満了 |- | style="text-align:center" | 10 || 2012年1月20日 - [[2013年]][[7月25日]] ||[[第46回衆議院議員総選挙|第46回衆院選]]、[[第23回参議院議員通常選挙|第23回参院選]]の敗北により辞任{{efn|党首が空席になったため、党幹事長の[[又市征治]]が次期党首決定までの代行を務めた。}}。 |- ! rowspan="2" | 4 | style="text-align:center" rowspan="2" |[[ファイル:Tadatomo Yoshida in SL Square in 2017.jpg|60px|]]||rowspan=2|'''[[吉田忠智]]'''||style="text-align:center" | [[2013年社会民主党党首選挙|11]] || 2013年10月14日 - [[2016年]][[2月24日]] || 旧社会党以来17年ぶりの決選投票で選出。任期満了 |- | style="text-align:center" | [[2016年社会民主党党首選挙|12]] || 2016年2月24日 - [[2018年]][[2月25日]] || rowspan="2" | 任期満了 |- ! 5 | style="text-align:center"| ||'''[[又市征治]]'''||style="text-align:center" | [[2018年社会民主党党首選挙|13]] || 2018年2月25日 - [[2020年]][[2月23日]] |- ! rowspan="3" | <code>'''6'''</code> | rowspan="3" style="text-align:center" |[[ファイル:Mizuho Fukushima cropped 2 Mizuho Fukushima.jpg|60px]]|| rowspan="3" |'''[[福島瑞穂]]'''|| style="text-align:center" | [[2020年社会民主党党首選挙|14]] || 2020年2月23日 - 2022年2月14日||旧社会党以来で2人目の党首再登板。 |- |15 |2022年2月14日-2024年2月 |無投票当選。[[第26回参議院議員選挙]]開催。 |- |16 |2024年2月- |2023年12月に告示した党首選において無投票当選し、2024年2月に任命される予定である。 |} * [[ファイル:RedDownArrow.svg|15px]] は社民党が政権離脱した時点での党首。 * [[ファイル:Green-Up-Arrow.svg|15px]] は社民党が政権入りした時点での党首。 === 歴代の全国連合執行部役員表 === {| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:smaller; white-space:nowrap" ! 党首 ! colspan="4" | 副党首 ! 幹事長 ! 政策審議会長 ! 院内総務会長<br />国会対策委員長 ! 参議院議員会長 ! 就任年月 |- | '''[[村山富市]]''' | rowspan="2" | [[久保亘]] | rowspan="2" | [[五十嵐広三]] | [[日野市朗]] | [[岡崎トミ子]] | [[佐藤観樹]] | [[伊藤茂]] | [[池端清一]] | 久保亘 | 1996年1月 |- | rowspan="8" | '''[[土井たか子]]''' | [[野坂浩賢]] | rowspan="2" | [[上原康助]] | rowspan="2" | 伊藤茂 | [[及川一夫]] | [[秋葉忠利]] | rowspan="2" | [[日下部禧代子]] | 1996年9月 |- | | rowspan="2" | 日下部禧代子 | rowspan="2" | | 秋葉忠利 | rowspan="2" | [[前島秀行]] | 1998年1月 |- | rowspan="2" | 伊藤茂 | rowspan="18" | | rowspan="3" | [[渕上貞雄]] | rowspan="2" | [[浜田健一]] | [[村沢牧]] | 1999年1月 |- | [[山口鶴男]] | rowspan="2" | [[清水澄子]] | rowspan="5" | [[中西績介]] | rowspan="2" | [[梶原敬義]] | 2000年2月 |- | [[谷本巍]] | rowspan="4" | [[東門美津子]] | rowspan="2" | [[辻元清美]] | 2000年7月 |- | rowspan="8" | 渕上貞雄 | | rowspan="3" | [[福島瑞穂]] | [[山本正和]] | 2001年10月 |- | rowspan="2" | 中西績介 | rowspan="2" | [[大脇雅子]] | [[大渕絹子]] | 2002年3月 |- | rowspan="6" | 渕上貞雄 | 2002年10月 |- | rowspan="7" | '''福島瑞穂''' | [[横光克彦]] | rowspan="2" | [[照屋寛徳]] | rowspan="2" | [[又市征治]] | rowspan="6" | [[阿部知子]] | 横光克彦 | 2003年11月 |- | | [[重野安正]] | 2005年9月 |- | rowspan="4" | 又市征治 | rowspan="10" | | rowspan="4" | 重野安正 | [[日森文尋]] | 2007年12月 |- | 辻元清美 | 2009年9月 |- | rowspan="5" | 照屋寛徳 | 2010年1月 |- | rowspan="2" | | rowspan="3" | 又市征治 | 2010年8月 |- | rowspan="5" | | rowspan="2" | 又市征治 | [[吉田忠智]] | 2013年1月 |- | '''吉田忠智''' | rowspan="2" | 福島瑞穂 | rowspan="3" | [[吉川元 (政治家)|吉川元]] | 2013年11月 |- | '''又市征治''' | 吉川元 | rowspan="4" | 福島瑞穂 | 2018年2月 |- | rowspan="3" | '''福島瑞穂''' | 吉川元 | 吉田忠智 | 吉川元 | 2020年2月 |- | rowspan="2" | [[大椿裕子]] | rowspan="2" | [[服部良一 (政治家)|服部良一]] | 服部良一 | (空席) |2021年2月 |- | [[新垣邦男]] | 新垣邦男 | 新垣邦男 | 2022年3月 |} === 閣僚経験者等 === :()内は入閣直前の党役職 ; [[第1次橋本内閣]] * [[国務大臣]] :: [[大蔵大臣]]([[副総理]]):[[久保亘]](副党首) :: [[郵政大臣]]:[[日野市朗]](副党首) :: [[労働省|労働大臣]]:[[永井孝信]] :: [[総務庁長官]]:[[中西績介]] :: [[環境庁長官]]:[[岩垂壽喜男]] * [[政務次官]]等 :: 内閣官房副長官:[[渡辺嘉蔵]] ‐ [[藁科滿治]]【1996年10月11日 ‐ 】 :: 大蔵政務次官:[[鉢呂吉雄]] :: 文部政務次官:[[日下部禧代子]] :: 運輸政務次官:[[北沢清功]] :: 建設政務次官:[[沢藤礼次郎]] :: 経済企画政務次官:[[清水澄子]] ; [[鳩山由紀夫内閣]] * [[国務大臣]] :: [[内閣府特命担当大臣]]([[内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全担当)|消費者・食品安全]]・[[内閣府特命担当大臣(少子化対策担当)|少子化対策]]・[[内閣府特命担当大臣(男女共同参画担当)|男女共同参画]]):[[福島瑞穂]](党首) * [[副大臣]] :: [[国土交通副大臣]]:[[辻元清美]](国会対策委員長) == 財政 == === 党職員のリストラ問題 === [[2005年]]、[[政党交付金]]の激減による[[財政]]難から党職員の[[整理解雇]]を職員団体に通告した。労働者の党を標榜する党の理念を自ら破る行為に対し、「党の労働政策と矛盾している」と反発の声が挙がっていたが、当時幹事長の又市征治は「[[賃金|人件費]]を切り詰めざるを得ない」として<ref>{{Wayback|url=http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20040301ia01.htm|title=YOMIURI ON-LINE / 政治|date=20040301193630}}</ref>、同年[[2月17日]]、33名の本部職員のうち、55歳以上の高齢者、兼職、職務怠慢のいずれかを理由に9名に指名[[解雇]]をした<ref>{{cite news|title=社民党「労働者の党」で雇用内紛“勃発” 来週、党本部職員9人を解雇|newspaper=産経新聞|date=2005-01-12|url=http://www.sankei.co.jp/news/morning/12pol002.htm}}{{リンク切れ|date=2022年4月}}</ref>。被解雇者中3名は[[労働組合]]を結成し、解雇無効の訴訟を起こしたが<ref>{{cite news|title=社民党職員が不当解雇で提訴|newspaper=[[レイバーネット]]日本|date=2005-06-14|url=http://www.labornetjp.org/NewsItem/20050614m2}}</ref>、2007年[[4月11日]]の一審[[判決 (日本法)|判決]]<ref>{{cite news|title=声明・社民党職員解雇無効裁判の控訴に当たって|newspaper=レイバーネット日本|date=2007-04-23|url=http://www.labornetjp.org/news/2007/1177295947216staff01}}</ref>、同年[[9月13日]]の二審判決<ref>{{cite news|title=社民党不当解雇裁判、控訴審でも不当・反動判決!|newspaper=レイバーネット日本|date=2007-09-14|url=http://www.labornetjp.org/news/2007/1189735905133staff01}}</ref>、2008年[[2月1日]]の[[最高裁判所 (日本)|最高裁]]判決<ref>{{cite news|title=最高裁反動判決を糾弾し、社民党の再生にさらに邁進する|newspaper=レイバーネット日本|date=2008-02-05|url=http://www.labornetjp.org/news/2008/1202198866935staff01}}</ref>は、ともに党が勝訴した。もう一人の訴訟者に対する2007年[[8月30日]]の一審判決も党が勝訴したが<ref>{{cite news|title=社民党不当解雇撤回裁判で東京高裁が「和解」を強く勧告|newspaper=レイバーネット日本|date=2007-12-05|url=http://www.labornetjp.org/news/2007/1196826724795staff01}}</ref>、2008年1月に[[東京高等裁判所|東京高裁]]で金銭[[和解]]が成立した<ref>{{cite news|title=社民党不当解雇裁判、労働者側の事実上の勝利!|newspaper=レイバーネット日本|date=2008-01-31|url=http://www.labornetjp.org/news/2008/1201742746674staff01}}</ref>。 === 本部移転問題 === [[ファイル:Headquarters of the Social Democratic Party of Japan (2009.09 1).jpg|thumb|2013年1月の移転まで本部を置いていた社会文化会館({{Coord|35|40|45.5|N|139|44|43.2|E|region:JP|name=社会文化会館}})]] 社民党の本部は、前身の社会党時代の1964年、それまでの党本部が[[1964年東京オリンピック]]開催に伴う[[国道246号]]の拡幅工事で立ち退きが必要となり、政府が代替地として提供した現地を、年間約2850万円で借り受けて1964年に建築された「社会文化会館」(地上7階地下1階・約6600平方メートル)であり{{efn|正確には、社民党の事実上の支配下にあった「財団法人社会文化会館」が所有、運営していた。}}、近くにある坂の名前から通称[[三宅坂]]と呼ばれ、長らく活動の拠点となってきた<ref name="kotobank社会文化会館" />。 21世紀に入って党勢が低下してからは空き部屋も増えたが、多目的ホールなどを撮影に貸し出すなどしており、レトロな雰囲気の相まって、テレビ関係者の口コミで頻繁にドラマ撮影などに貸し出され、最盛期には年間9千万円、2010年には年間30回利用され、123万円の利用料収入を上げていた。党側も、宣伝になるとして貸し出しに積極的であった<ref>{{Wayback|url=http://www.asahi.com/politics/update/1203/TKY201012030266.html|title=asahi.com(朝日新聞社):社民党の貸会議室、良い収入 レトロが受けドラマ撮影も - 政治|date=20101204115540}}</ref><ref>{{Cite news |title=キムタクも演説 「相棒」にも登場 ドラマロケで大人気の社民党本部ビル |newspaper=スポニチアネックス |date=2011-01-11 |url=https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2011/01/11/kiji/K20110111000028030.html}}</ref>。 しかし2011年の[[東日本大震災]]以後、ビルの耐震性が問題視されて一般貸し出しができない状態に陥り、管理財団は2012年3月31日に解散。以降ビルのメンテナンスは党職員が行うことになった<ref>{{Wayback|url=http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120401-OYT1T00376.htm|title=「幽霊屋敷」社民ビル、進む荒廃「打つ手なし」 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)|date=20120402161758}}</ref>。 党として継続費用を模索するも、専門家による耐震診断の結果は「即時使用制限」となった。修繕しようにも修繕積立などは全く行われておらず、また退去しようにも敷地が国有地であるため退去時に解体費用を負担する必要があり、対応が困難であった。2013年1月28日に社会文化会館を退去することとなった時点で、館内の8フロアのうち党本部と東京都連が1フロアずつ利用しているのみで、ほかのフロアは節電のため常に消灯している状況であった。 のちにこれら費用のうち、耐震診断については党が[[千代田区]]に助成を申請し、費用の全額約850万円が公費で賄われたことが明らかとなった。その内訳は、3分の1の280万円余りが平成24年度[[日本国政府]]の[[復興]]予算「全国防災対策費」から拠出され、残りは東京都が助成した。 解体費用についても、党は千代田区に助成を申請し、区は約3分の1の助成を決定して党に通知した。解体費用の助成は新年度予算からの支出となるが、このうち半額は国費で賄われたことが明らかとなった<ref>{{Wayback|url=http://www.asahi.com/politics/update/0202/TKY201302010506.html|title=朝日新聞デジタル:社民党旧本部、復興予算で耐震診断 「流用」批判と矛盾 - 政治|date=20130202052043}}</ref>。 これらの公費助成の根拠法である[[東日本大震災復興基本法]](2011年6月施行)は、社民党所属全議員を含む与野党の賛成多数で可決成立<ref>{{cite conference|url=https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/vote/177/177-0620-v001.htm|date=2011-06-20|title=参議院本会議|conference=第177回国会}}</ref>したものである。同法では、その目的を、東日本大震災からの復興の円滑かつ迅速な推進と活力ある日本の再生を図ることを目的とする(法1条)と明記しており、いわゆる復興予算が被災地の震災復興だけに使われるものではないことが明示されていた。 しかし、社民党は、党代表を含む所属全議員の賛成により成立したこの法律を根拠とし、条文に明示されている運用に基づいている復興予算の被災地以外の事業適用であるにもかかわらず、目的外に流用されていたなどとして政府与党を批判する一方、党としてはその恩恵を受けていたことから、その姿勢が問われるとの報道がなされた。 この報道の後、社民党は「違法ではないが好ましくない」として、耐震診断についての復興予算相当分の280万円については、被災地に寄付することを表明した。一方で、解体費用についての復興予算相当分については、その金額自体が明示されなかった<ref>{{Wayback|url=http://www.asahi.com/politics/update/0207/TKY201302070068.html|title=朝日新聞デジタル:社民党、復興予算同額寄付へ 旧本部の耐震診断に使用 - 政治|date=20130207071130}}</ref>。 社会文化会館は3月に解体作業を開始<ref name="kotobank社会文化会館">{{kotobank|社会文化会館|知恵蔵mini}}</ref>、8月には解体を完了した<ref>{{Wayback|url=https://www.sankei.com/politics/news/130829/plt1308290003-n1.html|title=社民党、10月に党首選 「推薦人200人」のハードル越えられるか(1/2ページ) - 産経ニュース|date=20150611132546}}</ref>{{efn|旧社会文化会館跡地には、[[警視庁本部庁舎|警視庁本庁舎]]改修のためプレハブ工法による仮設で[[警視庁]][[永田町]]庁舎が建てられた。}}。 退去後の党本部は、[[内閣総理大臣官邸]]の裏に立地する民間ビル「永田町ビル」の2フロアへ移転したが<ref>{{Wayback|url=https://www.sankei.com/politics/news/130120/plt1301200004-n1.html|title=「三宅坂」半世紀の歴史に幕 社民党本部、26日から移転 - 産経ニュース|date=20190324035138}}</ref><ref>{{Wayback|url=https://www.sankei.com/region/news/130126/rgn1301260003-n1.html|title=さようなら三宅坂 社民党本部、引っ越し開始 - 産経ニュース|date=20190324035137}}</ref>、2017年5月8日、党勢低迷で賃料を削ってでも選挙費用などに充てるべきだとの判断から、東京都[[中央区 (東京都)|中央区]][[湊 (東京都中央区)|湊]]3丁目にある民間ビルに再移転した<ref>{{Wayback|url=https://www.sankei.com/politics/news/170206/plt1702060009-n1.html|title=社民、党本部を移転へ 賃料年四千数百万円 党勢低迷、交付金減少で財政難 職員16人の早期退職も(1/2ページ) - 産経ニュース|date=20170205235951}}</ref><ref>{{Cite news|title=ついに「都落ち」の社民党 2度目の党本部移転|author=岡田浩明|newspaper=産経新聞|date=2017-03-20|url=https://www.sankei.com/premium/news/170320/prm1703200012-n1.html}}</ref><ref>{{Wayback|url=https://www.sankei.com/politics/news/170508/plt1705080004-n1.html|title=社民、隅田川沿いで新たな党本部始動 家賃3分の1に圧縮 - 産経ニュース|date=20170511062644}}</ref>。 === 政党交付金 === [[平成]]27年度に交付された[[政党交付金]]は約4億7000万円。収入額は19億2083万546円。 近年の政党交付金は以下の通り。 * 2009年(平成22年)- 8億9055万円 * 2010年(平成23年)- 8億6400万円 * 2011年(平成24年) - 7億6230万円 * 2012年(平成25年) - 7億6369万円 * 2013年(平成26年)₋ 4億2,900万円<ref name=":0">{{Cite web|和書|title=総務省|政党助成関連資料|url=https://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/data_seitou/index.html|website=総務省|accessdate=2020-04-21|language=ja}}</ref> * 2014年(平成27年)- 4億7,000万円<ref name=":0" /> * 2016年(平成28年)- 4億7,196万8,000円<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.soumu.go.jp/main_content/000405601.pdf|title=平成28年分政党交付金の交付決定|accessdate=2021年11月8日|publisher=総務省 自治行政局 選挙部 政党助成室}}</ref> * 2017年(平成29年)- 3億9,536万8,000万円<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.soumu.go.jp/main_content/000474849.pdf|title=平成29年分政党交付金の交付決定|accessdate=2021年11月8日|publisher=総務省 自治行政局 選挙部 政党助成室}}</ref> * 2018年(平成30年)- 3億7,994万7,000円<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.soumu.go.jp/main_content/000540733.pdf|title=平成30年分政党交付金の交付決定|accessdate=2021年11月8日|publisher=総務省 自治行政局 選挙部 政党助成室}}</ref> *2019年(平成31年・令和元年) - 3億8,417万3,000円<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.soumu.go.jp/main_content/000608937.pdf|title=平成31年分政党交付金の交付決定|accessdate=2021年11月8日|publisher=総務省 自治行政局 選挙部 政党助成室}}</ref> *2020年(令和2年) - 3億6,276万9,000円<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.soumu.go.jp/main_content/000678653.pdf|title=令和2年分政党交付金の交付決定|accessdate=2021年11月8日|publisher=総務省 自治行政局 選挙部 政党助成室}}</ref> 平成27年度の[[政治資金収支報告書]]によれば、党費による収入は約1億4000万円{{efn|なお、平成27年度の党費納入者の数は1万5670人である。}}、機関紙による収入は約2億7000万円である。 == 党勢 == * これ以前については、[[日本社会党#党勢の推移|党勢の推移(日本社会党)]]を参照 === 衆議院 === {| class="wikitable" !rowspan="2"|選挙 !rowspan="2"|当選/候補者 !rowspan="2"|定数 !colspan="2"|得票数(得票率) !rowspan="2"|備考 |- !選挙区 !比例代表 |- |(改称時)||63/- |style="text-align: right;"|511 | | |第41回総選挙前には30<br />(大多数民主党へ移籍) |- |[[第41回衆議院議員総選挙|第41回総選挙]] |15/48 |style="text-align: right;"|500 |style="text-align: right;"|1,240,649(2.2%) |style="text-align: right;"|3,547,240(6.4%) | |- |[[第42回衆議院議員総選挙|第42回総選挙]] |19/76 | rowspan="5" style="text-align: right;" |480 |style="text-align: right;"|2,315,235(3.8%) |style="text-align: right;"|5,603,680(9.4%) | |- |[[第43回衆議院議員総選挙|第43回総選挙]] |6/65 |style="text-align: right;"|1,708,672(2.9%) |style="text-align: right;"|3,027,390(5.1%) | |- |[[第44回衆議院議員総選挙|第44回総選挙]] |7/45 |style="text-align: right;"|996,007(1.5%) |style="text-align: right;"|3,719,522(5.5%) | |- |[[第45回衆議院議員総選挙|第45回総選挙]] |7/37 |style="text-align: right;"|1,376,739(2.0%) |style="text-align: right;"|3,006,160(4.3%) |離党-2 |- |[[第46回衆議院議員総選挙|第46回総選挙]] |2/33 |style="text-align: right;"|451,762(0.7%) |style="text-align: right;"|1,420,790(2.3%) | |- |[[第47回衆議院議員総選挙|第47回総選挙]] |2/25 |style="text-align: right;"|475 |style="text-align: right;"|419,347(0.7%) |style="text-align: right;"|1,314,441(2.4%) | |- |[[第48回衆議院議員総選挙|第48回総選挙]] |2/21 | rowspan="2" style="text-align: right;" |465 |style="text-align: right;"|634,719(1.15%) |style="text-align: right;"|941,324(1.69%) |離党-1 |- |[[第49回衆議院議員総選挙|第49回総選挙]] |1/15 |style="text-align: right;"|313,193(0.55%) |style="text-align: right;"| 1,018,588(1.77%) | |} === 参議院 === {| class="wikitable" !rowspan=2|選挙 !rowspan=2|当選/候補者 !rowspan=2|非改選 !rowspan=2|定数 !colspan=2|得票数(得票率) !rowspan=2|備考 |- !選挙区 !比例代表 |- |(改称時)||39/- |style="text-align: right;"|- | rowspan="2" style="text-align: right;" |252 | | |第18回通常選挙前には20<br />(大多数民主党へ移籍) |- |[[第18回参議院議員通常選挙|第18回通常選挙]] |5/37 |style="text-align: right;"|8 |style="text-align: right;"|2,403,649(4.3%) |style="text-align: right;"|4,370,763(7.8%) | |- |[[第19回参議院議員通常選挙|第19回通常選挙]] |3/24 |style="text-align: right;"|5 |style="text-align: right;"|247 |style="text-align: right;"|1,874,299(3.5%) |style="text-align: right;"|3,628,635(6.6%) | |- |[[第20回参議院議員通常選挙|第20回通常選挙]] |2(会派+1)/15 | rowspan="2" style="text-align: right;" |3 | rowspan="5" style="text-align: right;" |242 |style="text-align: right;"|984,338(1.8%) |style="text-align: right;"|2,990,665(5.4%) | |- |[[第21回参議院議員通常選挙|第21回通常選挙]] |2/23 |style="text-align: right;"|1,352,018(2.3%) |style="text-align: right;"|2,634,713(4.5%) | |- |[[第22回参議院議員通常選挙|第22回通常選挙]] |2/14 | rowspan="2" style="text-align: right;" |2 |style="text-align: right;"|602,684(1.0%) |style="text-align: right;"|2,242,735(3.8%) |無所属共同推薦候補も<br />4人いたが全員落選 |- |[[第23回参議院議員通常選挙|第23回通常選挙]] |1/9 |style="text-align: right;"|271,547(0.5%) |style="text-align: right;"|1,255,235(2.4%) | |- |[[第24回参議院議員通常選挙|第24回通常選挙]] |1/11 | rowspan="2" style="text-align: right;" |1 |style="text-align: right;"|289,899(0.5%) |style="text-align: right;"|1,536,238(2.7%) | |- |[[第25回参議院議員通常選挙|第25回通常選挙]] |1/7 |style="text-align: right;"|245 |style="text-align: right;"|191,820(0.38%) |style="text-align: right;"|1,046,011(2.09%) |離党-1、繰上当選+1 |- |[[第26回参議院議員通常選挙|第26回通常選挙]] |1/12 | rowspan="2" style="text-align: right;" |0 |style="text-align: right;"|248 |style="text-align: right;"|178,911(0.34%) |style="text-align: right;"|1,258,501(2.37%) | |} (参考文献:[[石川真澄]](一部[[山口二郎]]による加筆)『戦後政治史』2004年8月、[[岩波書店]]・[[岩波新書]]、ISBN 4-00-430904-2) * 当選者に[[追加公認]]は含まず。追加公認には会派に加わった無所属を含む。 * 『戦後政治史』にない追加公認は [https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/ugoki/h11ugoki/h11tokei/h11to02a.htm?OpenDocument 2 国会議員会派別議員数の推移(召集日ベース)]{{リンク切れ|date=2016年3月}}(衆議院、1990年 - 1999年)・[https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/ugoki/h15ugoki/tokei/h15to02a.htm 2 国会議員会派別議員数の推移(召集日ベース)]{{リンク切れ|date=2016年3月}}(衆議院、1996年 - 2003年)・[https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/ugoki/h20ugoki/10siryo/h20kans10.htm 2 国会議員会派別議員数の推移(召集日現在)]{{リンク切れ|date=2016年3月}}(衆議院、2001 - 2008年)、[https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/ugoki/h11ugoki/h11tokei/h11to02b.htm?OpenDocument (2) 参議院]{{リンク切れ|date=2016年3月}}(1990 - 1999年)[https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/ugoki/h16ugoki/08siryo/h16kans16.htm (2) 参議院]{{リンク切れ|date=2016年3月}}(1994 - 2004年)・[https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/ugoki/h20ugoki/10siryo/h20kans11.htm (2) 参議院 (召集日現在)]{{リンク切れ|date=2016年3月}}(2000 - 2008年)にある、選挙直後の国会召集日の会派所属者数から判断した。第20回通常選挙直後の召集はない。 === 所属国会議員 === 2023年4月7日現在、所属[[国会議員]]数3名([[衆議院]]議員1名、[[参議院]]議員2名) {|class="wikitable" |- !衆議院議員 |- |[[新垣邦男]]<br />(1回、[[沖縄県第2区|沖縄2区]]) |- !参議院議員 |- ![[2025年]]改選 |- |[[大椿裕子]]<br />(1回、[[参議院比例区|比例]]) |- ![[2028年]]改選 |- |[[福島瑞穂]]<br />(5回、比例) |} [[第22回参議院議員通常選挙|2010年の参院選]]において[[渕上貞雄]]が引退した事で、[[日本社会党]]時代から在籍している国会議員は全員姿を消した。(ただし、2020年に立憲民主党に移籍した[[吉川元 (政治家)|吉川元]]は非議員時代に日本社会党に所属していた。) [[第26回参議院議員通常選挙]]にて比例区の得票率が2%を超えたため、2028年の第28回参議院議員通常選挙まで所属国会議員が1名以上いれば政党として活動が可能で政党助成金も受け取れることになった。 === 地方政治 === * 地方議員:236人<ref name="giseki" /> ** 都道府県議会:29 ** 市区町村議会:207人 * 政党支部数:246 === 政党収入額 === * 2010年 - 32億1,861万円 * 2015年 - 19億2,083万円 == 対外関係 == === 中華人民共和国 === ==== 中国による尖閣漁船衝突事件への姿勢 ==== [[尖閣諸島中国漁船衝突事件|尖閣諸島で中国漁船が衝突事件]]を起こした際に、「[[尖閣諸島]]は、歴史的にみて明らかに日本の[[領土]]であり、[[沖縄県]][[石垣市]]に属する[[島]]である。[[領海]]内で他国の漁船が操業することは、特段の取り決めがない限り断じて認められないことであり、[[海上保安庁]]が取り締まることは当然である。」との談話を発した。この事件について[[中華人民共和国]]が日本側に謝罪と賠償を求めたが、これは全く論拠がなく認められない主張であるとして社民党は、中華人民共和国に謝罪と賠償の要求を直ちに取り下げるように求めた<ref>{{WAP|pid=9424803|url=www5.sdp.or.jp/comment/2010/09/27/尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件について(談話/|title=社民党OfficialWeb┃声明・談話 | 尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件について(談話)|date=2015-07-01}}</ref>。 ==== 中国共産党建党100周年での祝辞 ==== [[2021年]][[7月1日]]に行われた中国共産党建党100周年にて社民党は福島代表名義で「[[中国共産党]]が、[[習近平]]氏による新時代の[[中国の特色ある社会主義]]思想の指導の下、[[中華民族]]の偉大な復興を実現する道を、引き続き突き進まれることをお祈りする」との祝辞を発表した<ref>[https://www.sankei.com/article/20210701-ZXJRMHQTQNM4PAN6YGRNMUA67I/ 公明祝意共産対応せず中国共産党創建100年] 産経新聞 2021年7月1日付</ref>。 === 大韓民国 === [[社会民主党 (日本 1996-)#北朝鮮による日本人拉致事件への姿勢|後述]]のように[[北朝鮮による日本人拉致問題]]を強く批判された経緯もあり、表立って[[親北]]を主張できなくなった社民党は拉致問題が表面化した2002年以降は、[[大韓民国]](韓国)の特に[[左派]]政党との関係に比重を置くなど[[親韓]]の傾向を強めている。これは[[1990年代]]の軍事政権崩壊後の反動で韓国で政権与党になったのが[[新千年民主党]]([[金大中]])、[[ウリ党]]([[盧武鉉]])、[[共に民主党]]([[文在寅]])などに象徴されるように主に[[中道左派]]政党であるのも少なからず影響している。 [[2023年]]7月6日には、[[ソウル]]・国会議員会館で開かれた[[革新]]系[[野党]][[正義党 (韓国)|正義党]]との懇談会で、[[東京電力]][[福島第一原子力発電所|福島第1原発]]の処理済み汚染水の海洋放出阻止に向けて連帯する方針を固めた<ref>{{cite news|url=https://jp.yna.co.kr/view/AJP20230706004300882?section=politics/index|title=韓国革新系野党 日本・社民党と汚染水放出阻止へ連帯|newspaper=聯合ニュース|date=2023-07-06|accessdate=2023-07-07}}</ref>。 === 朝鮮民主主義人民共和国 === [[朝鮮民主主義人民共和国]](北朝鮮)とは、日本社会党時代から長きに渡り引き続き良好な関係を保っていたが、[[2002年]]の[[日朝首脳会談]]で[[金正日]]が拉致を認めた後、社民党の朝鮮労働党宛質問状に返答がなかったためと称して、「労働党との関係凍結についてはもう少し慎重に検討すべき」(宇賀神文雄幹事長(栃木))などの反対意見を封殺して、「多角的な議論の上で」(福島幹事長)同年12月関係を凍結すると発表する一方、[[在日本朝鮮人総聯合会]]に対して、従来通り友好関係を維持(福島幹事長)するとしている<ref>{{WAP|pid=9284293|url=www5.sdp.or.jp/central/activity/situgi021215.html|title=社民党全国都道府県連合幹事長・選対責任者合同会議 質疑・答弁(要旨)|date=2015-05-07}}※文字化け</ref>。 また、一部の地方組織では、北朝鮮と引き続き関係を保っているところもある<ref>{{Archive.today|url=http://www1.korea-np.co.jp/sinboj/j-2008/05/0805j0905-00001.htm|title=大分県各界人士が訪朝 日朝連帯組織結成の契機に|date=20130501011721}}</ref><ref>{{Wayback|url= http://dprkj.v.wol.ne.jp/120115.htm|title=キムジョンウン最高司令官の生誕と就任を祝賀してチュチェ思想セミナーと宴会が沖縄で開かれる|date=20160207005115}}</ref>。 ==== 北朝鮮による日本人拉致事件への姿勢 ==== 社民党は、社会党時代の[[1963年]]に第一次訪朝団を派遣して以来、[[朝鮮労働党]]との交流を積み上げ、「朝鮮労働党唯一の友党」を標榜してきた。 一方で、党の拉致事件への対応について、[[日本社会党]]時代から[[朝鮮統一問題]]に取り組んできた[[田英夫]]は「『ご説ごもっとも。友好第一』で、本当の友人として批判する態度ではなかった」<ref>{{cite news|title=世論に押され「過去」反省 土井社民党首|newspaper=産経新聞|date=2002-10-08|url=http://channel.goo.ne.jp/news/sankei/seiji/20021008/NAIS-1008-04-02-16.html}}{{リンク切れ|date=2022年4月}}</ref>、「拉致を信じていなかった。だまされた」と述べている<ref>{{Wayback|url=http://www.yomiuri.co.jp/01/20021011i213.htm|title=Yomiuri On-Line/政治|date=20021021053814}}</ref>。 [[1990年]]に、自民党の[[金丸信]]と訪朝した[[田邊誠]]元社会党委員長は、当時拉致問題に関しては全く知らなかったと釈明し、「家族からの陳情も私には届いていなかった。行方不明者がいるという話を小耳にはさみ、訪朝前に[[外務省]]や[[警察庁]]に聞いたが確認できなかった」{{refnest|2002年9月22日 読売新聞<ref name="JapanPolicyInstitute20021107" />}}と主張した。 社民党機関誌『[[月刊社会民主]]』1997年7月号では、社会科学研究所「月刊日韓分析」編集員の北川広和の論文「食糧支援拒否する日本政府」<ref>{{Wayback|url=www5.sdp.or.jp/central/gekkan/syamin07kitagawa.html |title=月刊社会民主7月号食糧支援拒否する日本政府|date=20011121173525}}</ref>が掲載され、次のような記載がなされた。「拉致疑惑の根拠とされているのは、つい最近、韓国の[[大韓民国国家情報院|国家安全企画部]](安企部)によってもたらされた情報だけである」「[[産経新聞]]に掲載された元[[北朝鮮工作員|工作員]]の証言内容に不自然な点がある」。従って「拉致疑惑事件が安企部の脚本、産経の脚色によるデッチあげ事件との疑惑が浮かび上がる」。「20年前に少女が行方不明になったのは、紛れもない事実である。しかし、それが北朝鮮の犯行とする少女拉致疑惑事件は新しく創作された事件というほかない。……拉致疑惑事件は、日本政府に北朝鮮への食糧支援をさせないことを狙いとして、最近になって考え出された事件なのである」<ref name="JapanPolicyInstitute20021107">{{Cite press release|和書|title=拉致事件を放置した政治家・外務省・言論人|publisher=日本政策研究センター|date=2002-11-07|url=http://www.seisaku-center.net/node/401}}</ref>。[[2001年]]、[[北朝鮮による日本人拉致問題|日本人拉致事件]]が明るみに出て以降も、同論文は同党の公式ウェブサイトに掲載され続けた。 2002年[[9月17日]]の[[小泉純一郎]]と[[金正日]]との[[日朝首脳会談]]以降、「これまで朝鮮労働党は、社民党が参加してきた森団長、村山団長の2度にわたる訪朝団との会談で『拉致は存在しない』『行方不明者として調査する』と対応してきた。社民党も同会議の席上、拉致・行方不明者の生存確認の追及を厳しく求めてきた。」<ref>{{Wayback|url=http://www5.sdp.or.jp/central/shinpou/syuchou/syutyou0925.html|title=社会新報 主張9月25日号|date=20021012034930}}</ref>との立場を取りつつも、上記論文について、2002年[[10月3日]]の常任幹事会後の記者会見で、[[保坂展人]]総合企画室長(当時)は、「党の見解と同一かを確認したことはないが、なるべく早い時期に見解を出したい」と述べ、当面は掲載を続ける考えを示した<ref> {{Wayback|url=http://www.zakzak.co.jp/top/t-2002_10/2t2002100401.html|title=ZAKZAK|date=20031007214719}}</ref>。 しかし、既に当該論文の内容や社民党における取り扱いなどが、[[マスメディア]]によって周知されており、この党の対応に対しては、党員からも抗議が殺到、保坂展人総合企画室長(当時)は「論文が拉致がなかったという内容で、家族の気持ちを思うと不適当だと判断した。今日、執筆者と連絡が取れ、削ってもいいという了解をもらった」 として、論文の削除を行った<ref> {{Wayback|url=http://www.asahi.com/politics/update/1004/012.html|title=asahi.com : 政治 : 速報|date=20021007192454}}</ref>。 2002年[[10月7日]]、所属する[[田嶋陽子]]が、一連の対応を「(拉致事件という)現実に対する対応にスピード感も柔軟性もない」と批判のうえ、離党を表明する事態に陥ると、福島瑞穂幹事長(当時)は、本来、党の政治的見解等の広報を担う機関誌に掲載した論文であるにもかかわらず「当時の状況下における個人論文で党の見解ではない」と釈明し、[[土井たか子]]党首(当時)は田嶋陽子の離党に関する記者会見において、「(朝鮮労働党との間で)拉致問題を取り上げなかったわけではないが、追及が十分とは言えなかった。被害者の家族には申し訳ありませんと、お詫びしたい」と発言している<ref>{{cite news|title=社民党、HPから拉致事件否定の論文削除、抗議メール殺到で|newspaper=毎日新聞|date=2002-10-07}}</ref>。 [[安倍晋三]][[内閣官房副長官]](当時)は、そのような党の姿勢について、「いかにも(自分が)昔から取り組んでいたかのように、小泉純一郎[[内閣総理大臣|首相]]の決断を批判するのは、ちゃんちゃらおかしい。まずは反省するべきだ」「警察も外務省も対応が冷たく、新聞もどこも報道しなかった。それどころか社民、民主の議員は『いいかげんなことを言うな』とわめいていた」等と批判した<ref>{{Archive.today|url=http://www.47news.jp/CN/200210/CN2002101901000189.html|title=土井、菅両氏は間抜け 拉致対応で安倍氏が批判|date=20130905021429}}</ref>。 拉致被害者の有本恵子は、土井たか子の選挙地盤であった[[西宮市]]の出身であり、有本夫妻は当初、北朝鮮にパイプを持つ土井に拉致問題の調査を依頼したものの、拉致の存在を信じていなかった土井は、積極的に取り組まず、土井や社民党に失望した有本夫妻は、土井の対抗馬であり、[[民社党]]で[[兵庫県議会|兵庫県議会議員]]時代から、日本人拉致事件に取り組んできた[[自由民主党 (日本)|自由民主党]]の[[大前繁雄]]を[[2003年]]の総選挙において応援。その結果、[[土井たか子]]は党首であるにもかかわらず、[[兵庫県第7区]]で落選を喫し、近畿ブロック比例区で復活当選した。 2003年[[11月2日]]放送の『[[報道2001]]』では、司会の「かつて社民党は拉致は『でっち上げ』ということをおっしゃっていましたよね」との質問に対し、土井たか子は「そんなことを党として言った事はないですよ、それはおかしい報道ですね。それは事実と違います」と発言した<ref>{{cite episode|title=6党首本音討論! 拉致は解決できるのか?|series=報道2001|network=フジテレビ|airdate=2003-11-02|url=}}</ref>{{出典無効|date=2016-03-14 |title=WP:TVWATCH}}。 === ソ連・ロシア === '''ウクライナ侵略への姿勢''' 2022年のロシアによるウクライナ侵略について、2022年2月18日に社民党(社会民主党)は機関紙の[[社会新報]]オンライン版(2022年2月23日号)掲載記事「ウクライナを戦場にするな~米ロ両国は冷静な対話で緊張緩和を~<ref>{{Cite web|和書|title=ウクライナを戦場にするな~米ロ両国は冷静な対話で緊張緩和を~ - 社民党 SDP Japan |url=https://archive.fo/vfIU5 |website=archive.fo |date=2022-02-24 |accessdate=2022-02-28}}</ref>」において、ロシアを支持していると受け取れる記事を掲載した。2月21日午前10時頃には社会新報Web記事削除され、社会新報公式Twitterアカウントにおける記事紹介投稿<ref>{{Cite web|和書|title=社民党の『社会新報』と『月刊社会民主』 on Twitter: "ウクライナを戦場にするな~米ロ両国は冷静な対話で緊張緩和を~ https… |url=http://archive.md/bCJiy |website=archive.md |date=2022-02-19 |accessdate=2022-02-28}}</ref>も削除された。ロシア軍がウクライナ侵攻開始で全面戦争となった2月24日22時30分頃には、[[コンテンツ管理システム | CMS]]の操作ミスにより記事を再掲してしまい<ref>{{Cite web|和書|title=『社会新報』2022年2月23日号1面掲載記事に関する経過報告とお詫び - 社民党 SDP Japan |url=https://sdp.or.jp/information/20220303-simpo-apology/ |date=2022-03-03 |accessdate=2022-03-17}}</ref>、2月25日午前5時頃には再び削除された<ref>{{Cite web|和書|title=社民党の機関紙がウクライナ危機でロシアを支持する記事を削除→戦争が始まった日に記事が一時的に復活(JSF) - 個人 |url=https://news.yahoo.co.jp/byline/obiekt/20220221-00283080 |website=Yahoo!ニュース |accessdate=2022-02-28 |language=ja}} {{要高次出典|title=自己公表された情報源(『Yahoo!ニュース 個人』は配信前に第三者による事前チェックを受けていない可能性が高い)|date=2022年4月18日}}</ref>。同25日に「【談話】ロシアのウクライナ軍事侵攻に抗議する」でロシア批判声明が出された<ref>{{Cite web|和書|title=【談話】ロシアのウクライナ軍事侵攻に抗議する |url=https://sdp.or.jp/statement/20220225-stop-russian-aggression-stand-with-ukraine/ |website=社民党 SDP Japan |date=2022-02-25 |accessdate=2022-02-28 |language=ja}}</ref>。また、社民党は社会新報3月9日号<ref>『社会新報』(2022年3月9日)第5170号 第1面</ref>に掲載された「本紙記事でのおわび」により、当該記事について謝罪と説明をしており、それによると該当記事の校了日は2月16日で、ロシア軍の軍事侵攻開始(24日)の8日以上前に執筆されたものであったため、情勢認識を誤ってしまった、とのことであった。おわび記事によると当該記事の趣旨は、米露両国が冷静な対話を尽くし、ウクライナの主権を守るため緊張緩和を図るべきだと訴えるものであり、ロシアの軍事侵攻を正当化する意図ではなかったとしている。 == 支援団体 == {{出典の明記| date = 2020年12月| section = 1}} ここで挙げた団体は必ずしも社民党のみを支援するとは限らず、場合によっては[[立憲民主党 (日本 2020)|立憲民主党]]、[[日本共産党]]、[[新社会党]]、[[緑の党グリーンズジャパン]]など他党を支援することもある。 {| class="wikitable" style="font-size:smaller;" |- !style="white-space: nowrap;"|カテゴリー||団体 |- |労働組合・労働に関する団体|| * [[全国労働組合連絡協議会 (1989-)|全国労働組合連絡協議会]](特に[[国鉄労働組合|国労]]、[[全国一般労働組合全国協議会|全国一般]]などの加盟組合) * [[日本労働組合総連合会]](特に[[全日本自治団体労働組合|自治労]]、[[日本教職員組合|日教組]]といった[[日本労働組合総評議会|旧総評系]]の一部地方組織など) * [[全日本建設運輸連帯労働組合]]<ref>連帯ユニオンを支援する政治家のネットワーク「[http://www.hige-toda.com/____1/rentaigiinnet/index.htm 連帯ユニオン議員ネット]には複数の社民党所属の地方議員や党員(社民党大阪府連代表の[[長崎由美子]]など)が参加している</ref><ref>連帯ユニオン議員ネットは、2021年秋に実施される[[第49回衆議院議員総選挙]]では、社民党の[[大椿ゆうこ]](大阪9区)を推薦している。[https://bund.jp/?p=126204 連帯ユニオン議員ネットとして連帯労組弾圧反対明示の「大椿ゆうこ」「大石あきこ」「つじ恵」3氏の推薦を表明します 2021.08.22 #旗旗]</ref>。 * 中小労組政策ネットワーク * [[官製ワーキングプア研究会|NPO法人官製ワーキングプア研究会]] |- |大衆組織、市民団体|| * [[オール沖縄]] * [[九条の会]] * [[フォーラム平和・人権・環境]] * [[沖縄平和運動センター]] * [[I女性会議]] * [[ふぇみん婦人民主クラブ]] * [[日本社会主義青年同盟]] * [[日本音楽協議会]] * [[部落解放同盟]] * 共同テーブル * [[安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合]] ** [[自由と民主主義のための学生緊急行動|SEALDs琉球]] **総がかり行動実行委員会 ** [[安全保障関連法に反対する学者の会]] ** [[立憲デモクラシーの会]] **安保関連法に反対するママの会 |- |農民団体|| * [[全日本農民組合連合会]] |- |- |反核団体|| * [[原水爆禁止日本国民会議]] * [[首都圏反原発連合]] |- |共闘関係にある地方議会に議席を持つ政党|| * [[新社会党]] * [[沖縄社会大衆党]] * [[全国市民政治ネットワーク]] * [[緑の党グリーンズジャパン]] * [[県民クラブ (大分)]] |- |その他の団体|| * 財団法人社会文化会館 * 社会文化法律センター |} == 関連項目 == * [[日本社会党]] *[[北朝鮮による日本人拉致問題]]<ref name=":2">{{Cite web|和書|title=消えゆく社民党 支持層だった労働者に見限られた致命的な出来事(城繁幸)|url=https://www.j-cast.com/kaisha/2020/11/22399058.html|website=J-CAST 会社ウォッチ|date=2020-11-22|accessdate=2022-01-11|language=ja}}</ref> *[[社共共闘]]([[革新統一]]) - [[社公連合政権構想]] - [[社公民路線]] - [[民共共闘]]-[[総評]] * [[社会民主党を離党した国会議員一覧]]-[[民主党]]/[[立憲民主党]] * [[日本の政党一覧]] * [[社会主義インターナショナル]] * [[社会民主党 (曖昧さ回避)]] * [[社会民主主義フォーラム]] == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} === 注釈 === {{Notelist|2}} === 出典 === {{Reflist|3}} == 外部リンク == {{Commonscat|Social Democratic Party of Japan}} * {{Official website}} {{coord|35|40|10.1|N|139|46|50.1|E|region:JP|display=title}} {{社会民主党}} {{日本の政党一覧}} {{Normdaten}} {{デフォルトソート:しやかいみんしゆとう}} [[Category:社会民主党|*]] [[Category:日本の社会主義政党]] [[Category:日本の平和主義]] [[Category:社会民主主義]] [[Category:社会主義インターナショナル]] [[Category:1996年設立の政党・政治団体]] [[Category:日本の革新政党]] [[Category:日本の政党]]
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ストレージエリアネットワーク
ストレージエリアネットワーク(英: Storage Area Network,SAN)はハードディスクや磁気テープなどのストレージとサーバをネットワーク化したシステムである。通信にはファイバチャネル、プロトコルにはSCSIが主に用いられる。ローカルエリアネットワーク(LAN)とは異なりストレージ専用のネットワークであり、膨大な量のデータファイルを保存・活用・一括管理するために使用される。 ストレージとサーバをネットワークで接続する構想は、1995年頃、ファイバーチャネルの実用化にめどが立った頃から現れ始め、呼び名が定着したのは1998年頃である。この名称はローカルエリアネットワーク(LAN)を意識して名付けられた。実用化したのは対応する製品が出始めた1999年以降のことである。NASはSANを意識して名付けられた。 SANの主目的は複数のストレージデバイスを1つにまとめてサーバ間でそのリソースを共有する事である。最も単純なサーバとストレージの接続形態にダイレクトアタッチトストレージ(DAS)があるが、これはサーバーとストレージが1:1で接続される。ここでサーバー数や情報量が増加した場合、ストレージの数が増加し管理が複雑になる。そこで専用ネットワークでストレージを一つにまとめることで、仮想的にn:1の関係を実現するのがSANである。これにより未使用のストレージ容量を抑える、管理台数減、優れた拡張性(スイッチに新たなデバイスを追加)、バックアップの運用最適化等のメリットが生まれる。特にバックアップでは高価な割に未使用時間が多いテープドライブを利用する場合に顕著である。 サーバーはSANに接続されたストレージをあたかも直接接続されたデバイスのように(例:ローカル・ディスクのように)扱える。ストレージデバイス側は複数ある物理ディスクの任意のものから容量を切り分けてサーバーに提供する。注:SANはNASと異なり一般に"ファイル"は共有しない。SANのサーバ間でファイルを共有したい場合は、ファイルサーバを通してLAN上でやり取りを行うか、SANファイルシステムを導入し共有を行うサーバ間で排他制御を行う必要がある。 ハードディスクと磁気テープが主なストレージである。ハードディスクは通常RAIDで使用する。一般にファイバーチャネル(FC)HDDは高価なため、SASやSATAなどの安価なHDDを使用してサーバーを構成し、これら間をFCで接続する事でコストダウンを図った機器もある。磁気テープはDDS、LTO、IBM 3592等の規格が用いられる。磁気テープ、テープドライブ及びテープライブラリが主なハードウエアであり、バックアップやアーカイブに用いられる。 SANのディスクスペースの切り出しは物理ディスクもしくはRAID単位に限らず論理的な単位で行われる。RAIDや物理ディスクを論理的に分割し、それぞれに論理ユニット番号(英: Logical Unit Number、LUN)を割り当てる。サーバー側はこれを必要に応じて1つもしくは複数にパーティショニングした上でファイルシステムを構築する。 SANはファイバチャネルを用いることが多いが、iSCSIを用いることもできる。iSCSIはIPネットワーク上に載るため、iSCSIを用いたSANはIP-SANと呼ばれることもある。また、IPベースでSANを結ぶ新しいプロトコルとして、ファイバチャネルをIP上に載せるためのプロトコルFCIPやiFCPがあり、ブロケード(含む McDATA、CNT、Nishan)、シスコシステムズなどから提供されている。
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ストレージエリアネットワークはハードディスクや磁気テープなどのストレージとサーバをネットワーク化したシステムである。通信にはファイバチャネル、プロトコルにはSCSIが主に用いられる。ローカルエリアネットワーク(LAN)とは異なりストレージ専用のネットワークであり、膨大な量のデータファイルを保存・活用・一括管理するために使用される。
{{出典の明記|date=2017年12月}} [[File:Schema SAN german V2.png|thumb|SANの概念図。中央のスイッチを介して様々なストレージが接続される]] '''ストレージエリアネットワーク'''({{lang-en-short|Storage Area Network,SAN}})は[[ハードディスク]]や[[磁気テープ]]などの[[補助記憶装置|ストレージ]]と[[サーバ]]をネットワーク化したシステムである<ref>{{Cite web|和書|title=SAN / NAS (ストレージ・エリア・ネットワーク/ネットワーク接続ストレージ) |url=https://xtech.nikkei.com/it/article/COLUMN/20070525/272474/ |website=日経クロステック(xTECH) |access-date=2022-07-16 |language=ja |last=日経クロステック(xTECH)}}</ref>。通信には[[ファイバチャネル]]、プロトコルには[[Small Computer System Interface|SCSI]]が主に用いられる。[[Local Area Network|ローカルエリアネットワーク]](LAN)とは異なりストレージ専用のネットワークであり、膨大な量のデータファイルを保存・活用・一括管理するために使用される。 ==歴史== ストレージとサーバを[[コンピュータネットワーク|ネットワーク]]で接続する構想は、1995年頃、[[ファイバーチャネル]]の実用化にめどが立った頃から現れ始め、呼び名が定着したのは1998年頃である。この名称は[[Local Area Network|ローカルエリアネットワーク]](LAN)を意識して名付けられた。実用化したのは対応する製品が出始めた1999年以降のことである。[[ネットワークアタッチトストレージ|NAS]]はSANを意識して名付けられた。 == 特徴 == [[File:Compingles2.png|thumb|[[ダイレクトアタッチトストレージ|DAS]],NAS,SANの比較]] SANの主目的は複数のストレージデバイスを1つにまとめて[[サーバ]]間でその[[リソース]]を共有する事である。最も単純なサーバとストレージの接続形態に[[ダイレクトアタッチトストレージ]](DAS)があるが、これはサーバーとストレージが1:1で接続される。ここでサーバー数や情報量が増加した場合、ストレージの数が増加し管理が複雑になる。そこで専用ネットワークでストレージを一つにまとめることで、仮想的にn:1の関係を実現するのがSANである<ref>[http://www.fujitsu.com/jp/products/computing/storage/lib-f/tech/beginner/san/ SAN(サン)とは]</ref>。これにより未使用のストレージ容量を抑える、管理台数減、優れた拡張性(スイッチに新たなデバイスを追加)、バックアップの運用最適化等のメリットが生まれる。特に[[バックアップ]]では高価な割に未使用時間が多い[[テープドライブ]]を利用する場合に顕著である<ref>[https://www.itmedia.co.jp/im/articles/0609/21/news129.html SANのメリット]</ref>。 ===提供形態=== [[File:SAN example.svg|thumb|SAN/LANの違いの一例。ClientはLANを通じでサーバーのファイルを共有する。サーバーはSANを通してHDD(JBOD)を共有する。]] サーバーはSANに接続されたストレージをあたかも直接接続されたデバイスのように(例:ローカル・ディスクのように)扱える。ストレージデバイス側は複数ある物理ディスクの任意のものから容量を切り分けてサーバーに提供する。注:SANは[[ネットワークアタッチトストレージ|NAS]]と異なり一般に"ファイル"は共有しない。SANのサーバ間でファイルを共有したい場合は、[[ファイルサーバ]]を通してLAN上でやり取りを行うか、SANファイルシステムを導入し共有を行うサーバ間で排他制御を行う必要がある。 ===ストレージ=== {{Main|ハードディスク|磁気テープ}} ハードディスクと磁気テープが主なストレージである。ハードディスクは通常[[RAID]]で使用する。一般に[[ファイバーチャネル]](FC)HDDは高価なため、[[Serial Attached SCSI|SAS]]や[[シリアルATA|SATA]]などの安価なHDDを使用してサーバーを構成し、これら間をFCで接続する事でコストダウンを図った機器もある。磁気テープは[[デジタル・データ・ストレージ|DDS]]、[[Linear Tape-Open|LTO]]、[[IBM 3592]]等の規格が用いられる。[[磁気テープ]]、[[テープドライブ]]及び[[テープライブラリ]]が主なハードウエアであり、[[バックアップ]]や[[アーカイブ (コンピュータ)|アーカイブ]]に用いられる。 ==技術的な特徴== ===論理ユニット=== SANのディスクスペースの切り出しは物理ディスクもしくはRAID単位に限らず論理的な単位で行われる<ref>[https://www.ibm.com/support/knowledgecenter/ja/SSBS2A_9.0.0/admin/install/sandeployment.html SAN LUN]</ref>。RAIDや物理ディスクを論理的に分割し、それぞれに論理ユニット番号([[英語|英]]: Logical Unit Number、'''LUN''')を割り当てる<ref>[http://e-words.jp/w/LUN.html LUN]</ref>。サーバー側はこれを必要に応じて1つもしくは複数に[[パーティション|パーティショニング]]した上でファイルシステムを構築する。 ===IP-SAN=== {{See also|iSCSI}} SANは[[ファイバチャネル]]を用いることが多いが、[[iSCSI]]を用いることもできる。iSCSIはIPネットワーク上に載るため、iSCSIを用いたSANは'''IP-SAN'''と呼ばれることもある。また、IPベースでSANを結ぶ新しいプロトコルとして、ファイバチャネルをIP上に載せるためのプロトコル[[FCIP]]や[[iFCP]]があり、[[ブロケード コミュニケーションズ システムズ|ブロケード]](含む McDATA、CNT、Nishan)、[[シスコシステムズ]]などから提供されている。 ==関連項目== *[[Fibre Channel]] *[[iSCSI]] *[[ファイバーチャネル・オーバー・イーサネット]] *[[ネットワークアタッチトストレージ|NAS]] *[[ダイレクトアタッチトストレージ|DAS]] *[[RAID]] *[[SMI-S]] *[[ATA over Ethernet]] - iSCSI よりもさらに低コスト ==脚注・出典== {{Reflist}} ==外部リンク== *[http://www.brocadejapan.com/products/index.php Brocade Fibre channel switches] *[http://www.cisco.com/web/JP/product/hs/storage/index.html CISCO Fibre channel switches] *[http://www.qlogic.com/Products/SAN_products_fibrechannelswitches.aspx QLogic Fibre channel switches] {{Normdaten}} {{DEFAULTSORT:すとれしえりあねつとわく}} [[category:補助記憶装置]] [[category:コンピュータネットワーク]]
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温泉卵
温泉卵(おんせんたまご)は、卵黄部分は半熟、卵白部分は半凝固状態に茹でた鶏卵。一部では温度卵(おんどたまご)や短縮した温玉とも呼ばれる。 また、温泉の湯や蒸気を利用して、鶏卵を茹でたり蒸したりしたゆで卵は、半熟であるか否か、その状態にかかわらず「温泉卵」と呼ばれる。 ゆで卵は卵の凝固状態により、全熟卵、半熟卵、温泉卵に分けられる。このように分けたとき、半熟卵は卵白がほぼ固まり、卵黄は周辺部が固まりかけているもの(中心部は流動性を保っているもの)、温泉卵は卵白が白くて流動性を保ち、卵黄が固まっているものをいう。 卵黄よりも卵白が柔らかい状態なのが特徴である。これは卵黄の凝固温度(約70°C)が卵白の凝固温度(約80°C)より低い性質を利用して作られるもので、約70°Cに保った湯に浸けておくことでこの状態に調理される。反対に卵黄を柔らかく保ったまま卵白を固めたものを「半熟卵」と呼ぶ。 一方で温泉卵に関しては、半熟卵の一種とし、温泉地で提供される料理を意味することもある。湧出する温泉の湯温がこの範囲に近い場合、これに浸けておくだけで出来る(温泉地熱料理の記事も参照されたい)ことから、温泉地の旅館などで食卓に提供されることが多く、「温泉卵」の名で呼ばれるようになったと思われる。 あらかじめ殻を割って器にとり、出汁と醤油をあわせた出汁醤油をかけて供されることが多い。また、麺類、丼物などのトッピングとしても利用される。料理に割り落とす/割り入れるだけでよく、ゆで卵に比べ殻を剥く手間がかからない。生卵やゆで卵、卵焼きに比べ消化吸収に優れている。 専用の「温泉卵製造機」が市販されているが、保温性のある発泡スチロール容器などを利用して作ることもできる(#家庭での作り方参照)。また、保温状態の炊飯ジャーを利用し水を使わずに作ることも可能である。また、電子レンジを使用した温泉卵調理器も存在しているが、再加熱するなど所定外の使用法を行って不具合が発生する事例が報告されている。 業務用の温泉卵製造器(温泉卵クッカー)は電気式で本体に網カゴが収められており一度に数十個を調理することができる。 類似する卵料理として、卵の殻を割って茹でるポーチドエッグがあり、その状態から温泉卵とポーチドエッグは混同されることがある。 外食業界でも夏場の食中毒のリスクから加熱処理した卵を用いることが多い。中でもキユーピーが開発した白身は半熟かつ黄身には火が通った「キユーピットのたまご」という商品は、卵特有の生臭さを抑えたまろやかな風味が人気を集めヒット商品となっており、吉野家をはじめとした外食チェーンが夏場も持ち帰りできる「半熟卵」として採用している。 いくつかの条件が知られている。 福島県福島市の飯坂温泉の温泉卵は、この温泉で日本で初めてラジウムの存在が確認されたことに因み、「ラジウム玉子(ラヂウム玉子)」と呼ばれる。山形県米沢市の小野川温泉でも、温泉にラジウムを含むことから、「ラジウム玉子」と呼ばれている。温泉街には、2つのラジウム玉子製造湯舟があり、ラジウム玉子つくり体験もできる。小野川温泉では、約80度の源泉を満たした湯船でラジウム玉子を作る。いずれも、土産物として人気がある。 湯村温泉の源泉「荒湯」は非常に高温の温泉(98°C)で湯沸し不要。10分程度で温泉卵が出来上がる。訪れた人の多くが生卵を荒湯につける。 雲仙温泉では地獄谷からでる蒸気で蒸し器を使う少し硫黄のにおいがするゆで卵がある。付属の塩は普通の塩ではなく、温泉でできた塩を使っている。ラムネと一緒に食べる人が多い。お糸地獄付近で販売している。 別府八湯のうち地獄釜が利用出来る鉄輪温泉と明礬温泉や、別府地獄めぐりの各地獄では、たまごを温泉で蒸したり茹でたりした温泉たまごが名物となっている。温泉の蒸気熱を利用した地獄釜で蒸す地獄蒸したまごの他、海地獄では、98度のコバルトブルーの温泉に、竹籠に入れたたまごを直接浸してゆでた、地獄ゆでたまごが名物となっている。 台湾、ニュージーランド、タイでも温泉たまごを食べることが出来る。 (注) 北投温泉地熱谷での温泉蛋(煮蛋)は温泉の水質保持および火傷事故多発により1993年(民国82年)から禁止されている 卵が楽に入る程度の広口の魔法瓶があれば、前記の概要の項を参考に68°C程度のお湯と卵を入れることで失敗なく作ることができる。 鍋を用いる場合は、1リットルのお湯を沸かし、火を止めて200mlの水を加え、常温に戻しておいた卵を入れ、蓋をして12~13分ほど放置するという方法も紹介されている。また、他に沸騰したお湯に水を加えないパターンや蓋をせず放置するパターンなど様々なパターンのレシピも紹介されている。 また、以下のような方法もある。 保温性のある発泡スチロール容器(カップラーメンの容器など)に卵を入れ、熱湯を加える。熱湯は卵が隠れるまで入れる。ふたをして30 - 40分程度、そのまま放置しておく。なお、冷蔵庫から取り出した卵に急に熱湯をかけると割れてしまうので、熱湯を入れる前にぬるま湯などである程度卵を温めておくとよい。また、20 - 25分間は70 - 75度に湯の温度を保てば温泉卵はできるため、あまり容器にこだわる必要はないが、沸騰や湯温の低下に至らないように工夫する必要はある。 ペーパードリップ式のコーヒーメーカーを使って作る方法もある。サーバーに生卵を入れ、フィルターペーパーとコーヒー豆をセットせずに通常のドリップを行うという、シンプルなものである。この方法でも、冷え切っている卵を使うとひびが入るので、あらかじめ常温にしておく方がよい。 炊飯器の保温機能を利用するという方法もある。これは炊飯器の保温機能が約60 - 75°Cを維持するように設定されていることを利用したものである。ただし一部のメーカーでは50 - 55°Cに下がるまで加温されない機種があるので取扱説明書などで確認したほうが良い。 調理時に中心部温度が 75°Cを越えないことから食中毒を発生する可能性がある。但し、日本における危険性は生卵と同程度で、また日本で市販される卵は生食を想定した衛生管理と賞味期限が設定されている。
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温泉卵(おんせんたまご)は、卵黄部分は半熟、卵白部分は半凝固状態に茹でた鶏卵。一部では温度卵(おんどたまご)や短縮した温玉とも呼ばれる。 また、温泉の湯や蒸気を利用して、鶏卵を茹でたり蒸したりしたゆで卵は、半熟であるか否か、その状態にかかわらず「温泉卵」と呼ばれる。
{{Pathnav|鶏卵|ゆで卵|frame=1}} [[ファイル:Onsen tamago at minshuku Korakuen, Nagano by Blue Lotus.jpg|thumb|温泉卵]] '''温泉卵'''(おんせんたまご)は、[[卵黄]]部分は半熟、[[卵白]]部分は半凝固状態に茹でた[[鶏卵]]。一部では'''温度卵'''(おんどたまご)や短縮した'''温玉'''とも呼ばれる。 また、[[温泉]]の湯や蒸気を利用して、鶏卵を茹でたり蒸したりした[[ゆで卵]]は、半熟であるか否か、その状態にかかわらず「温泉卵」と呼ばれる。 == 概要 == [[ファイル:Maruo Onsen Kirishima18s5s4592.jpg|thumb|温泉の蒸気で温泉卵を作るところ([[霧島温泉郷]]・[[丸尾温泉]])]] ゆで卵は卵の凝固状態により、全熟卵、[[半熟卵]]、温泉卵に分けられる<ref name="netsu">{{Cite web|和書|date=|url=http://www.gakkenshoin.co.jp/book/ISBN978-4-7624-0856-4/166-167.pdf|title=実験3 卵の熱凝固 ―― ゆで卵|publisher=学建書院|accessdate=2023-06-25}}</ref>。このように分けたとき、半熟卵は卵白がほぼ固まり、卵黄は周辺部が固まりかけているもの(中心部は流動性を保っているもの)、温泉卵は卵白が白くて流動性を保ち、卵黄が固まっているものをいう<ref name="netsu" />。 卵黄よりも卵白が柔らかい状態なのが特徴である。これは卵黄の凝固温度(約70℃)が卵白の凝固温度(約80℃)より低い性質を利用して作られるもので、約70℃に保った湯に浸けておくことでこの状態に調理される<ref>{{Cite book|和書|title=図解化学のウンチクがたちまち身に付く本: 即効!化学ツウになれるQ&A80テーマ|date=2006-11-05|publisher=秀和システム|page=17|author=杉山美次|author2=岩瀬充璋}}</ref>。反対に卵黄を柔らかく保ったまま卵白を固めたものを「半熟卵」と呼ぶ<ref name="htsj1999.44.188_46">相原利雄「[https://doi.org/10.11368/htsj1999.44.188_46 「プロメテウスの贈りもの」こぼれ話 (2)]」 『日本伝熱学会雑誌』 2005年 44巻 188号 p.46-50, {{doi|10.11368/htsj1999.44.188_46}}。</ref>。 一方で温泉卵に関しては、半熟卵の一種とし、温泉地で提供される料理を意味することもある<ref>{{Cite web|和書|author=|url=https://calorie.slism.jp/200359/|title=カロリーslism 温泉卵|publisher=amaze|accessdate=2023-06-25}}</ref>。湧出する[[温泉]]の湯温がこの範囲に近い場合、これに浸けておくだけで出来る([[温泉地熱料理]]の記事も参照されたい)ことから、温泉地の[[旅館]]などで食卓に提供されることが多く、「温泉卵」の名で呼ばれるようになったと思われる。 [[ファイル:Nozawaonsen onsentamago.jpg|thumb|left|温泉に浸けているところ(長野県[[野沢温泉]])]] あらかじめ殻を割って器にとり、[[出汁]]と[[醤油]]をあわせた出汁醤油をかけて供されることが多い。また、麺類、丼物などのトッピングとしても利用される。料理に割り落とす/割り入れるだけでよく、ゆで卵に比べ殻を剥く手間がかからない。生卵やゆで卵、卵焼きに比べ消化吸収に優れている<ref>{{Cite news|url=http://www.nikkei.com/article/DGXDZO16838250S0A021C1W08101/?df=3|title=温泉卵を上手に作るコツ 土鍋でとろり甘く|newspaper=日本経済新聞|date=2010-10-29|accessdate=2015-01-24}}</ref>。 専用の「温泉卵製造機」が市販されているが、保温性のある発泡スチロール容器などを利用して作ることもできる([[#家庭での作り方]]参照)。また、保温状態の炊飯ジャーを利用し水を使わずに作ることも可能である。また、電子レンジを使用した温泉卵調理器も存在しているが、再加熱するなど所定外の使用法を行って不具合が発生する事例が報告されている<ref>[https://kaden.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/02/07/1892.html 電子レンジ用のたまご調理器で電子レンジ破損の恐れ〜NITEが注意を呼びかけ] [[家電Watch]] 2008年2月7日</ref>。 業務用の温泉卵製造器(温泉卵クッカー)は電気式で本体に網カゴが収められており一度に数十個を調理することができる。 類似する卵料理として、卵の殻を割って茹でる[[ポーチドエッグ]]があり、その状態から温泉卵とポーチドエッグは混同されることがある<ref>[http://news.livedoor.com/article/detail/4524590/ ライブドアニュース] 2009年12月26日 / [https://web.archive.org/web/20110925114706/http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=1228&f=column_1228_002.shtml サーチナ] 2009年12月28日</ref>。 [[外食]]業界でも[[夏]]場の食中毒のリスクから加熱処理した卵を用いることが多い。中でも[[キユーピー]]が開発した白身は半熟かつ黄身には火が通った「キユーピットのたまご」という商品は、卵特有の生臭さを抑えたまろやかな風味が人気を集めヒット商品となっており、[[吉野家]]をはじめとした外食チェーンが夏場も持ち帰りできる「半熟卵」として採用している<ref>「[http://www.asahi.com/business/update/0913/022.html キユーピー開発の加熱殺菌済み「半熟卵」、意外なヒット]{{リンク切れ|date=2015年10月}}」asahi.com。弘前大学農学生命科学部畜産学研究室ホームページの[http://nature.cc.hirosaki-u.ac.jp/lab/3/animsci/030914_half-boiled%20egg.html 2003年9月13日の引用記事]を2015年10月18日閲覧。</ref><ref>「[http://www.tbs.co.jp/gacchiri/archives/20070121/3.html 過去の放送内容 - キユーピー]」[[がっちりマンデー!!]] 2007年1月21日放送。2015年10月18日閲覧。</ref><ref name=jhej.68.297>峯木眞知子、「[https://doi.org/10.11428/jhej.68.297 鶏卵の知識とおいしさ]」『日本家政学会誌』 2017年 68巻 6号 p.297-302, {{doi|10.11428/jhej.68.297}}</ref>。 === 加熱条件例 === いくつかの条件が知られている。 * 65 - 68℃程度の湯に30分程度<ref>[https://macaro-ni.jp/32120 たまごソムリエが教える「絶対失敗しない温泉卵」の作り方♩誰でもできる裏技って? 2017年7月22日] macaroni [マカロニ]</ref> * 68 - 70℃程度の湯に20分以上<ref name=jhej.68.297 /> * 70℃ の湯に20-30分程度<ref>[http://www.nihon-chouri.ac.jp/glossary/gyouko/ 卵の凝固温度【たまごのぎょうこおんど】] 日本調理アカデミー</ref> == 温泉地の「温泉卵」 == {{出典の明記|date=2023年6月|section=1}} [[画像:Cooking onsen tamago by MShades in Beppu, Oita.jpg|thumb|海地獄の地獄ゆでたまご]] === ラジウム玉子 === 福島県[[福島市]]の[[飯坂温泉]]の温泉卵は、この温泉で日本で初めて[[ラジウム]]の存在が確認されたことに因み、「ラジウム玉子(ラヂウム玉子)」と呼ばれる。山形県[[米沢市]]の[[小野川温泉]]でも、温泉に[[ラジウム]]を含むことから、「ラジウム玉子」と呼ばれている。温泉街には、2つのラジウム玉子製造湯舟があり、ラジウム玉子つくり体験もできる。小野川温泉では、約80度の源泉を満たした湯船でラジウム玉子を作る。いずれも、土産物として人気がある。 === 荒湯の温泉卵 === [[湯村温泉 (兵庫県)|湯村温泉]]の源泉「荒湯」は非常に高温の温泉(98℃)で湯沸し不要。10分程度で温泉卵が出来上がる。訪れた人の多くが生卵を荒湯につける。 === 雲仙地獄たまご === [[雲仙温泉]]では[[地獄谷 (雲仙市)|地獄谷]]からでる蒸気で蒸し器を使う少し[[硫黄]]のにおいがするゆで卵がある。付属の塩は普通の塩ではなく、温泉でできた塩を使っている。[[ラムネ (清涼飲料)|ラムネ]]と一緒に食べる人が多い。お糸地獄付近で販売している。 === 別府の温泉たまご === [[別府八湯]]のうち[[地獄釜]]が利用出来る[[鉄輪温泉]]と[[明礬温泉]]や、[[別府地獄めぐり]]の各地獄では、たまごを温泉で蒸したり茹でたりした温泉たまごが名物となっている。温泉の蒸気熱を利用した地獄釜で蒸す[[地獄蒸し]]たまごの他、[[海地獄]]では、98度のコバルトブルーの温泉に、[[竹籠]]に入れたたまごを直接浸してゆでた、地獄ゆでたまごが名物となっている。 === 海外の温泉たまご === 台湾、ニュージーランド、タイでも温泉たまごを食べることが出来る。 * 中華民国(台湾) 鳩之澤温泉(宜蘭県太平山国家森林遊楽区)<ref>[https://jp.rti.org.tw/news/view/id/91763 宜蘭鳩之澤温泉の温泉卵が最高!]台湾国際放送 2019/5/22</ref>、[[清水地熱公園]](宜蘭県大同郷)   (注) [[北投温泉]]地熱谷での温泉蛋(煮蛋)は温泉の水質保持および火傷事故多発により1993年(民国82年)から禁止されている<ref>{{Cite web |title=地熱谷為何不再開放遊客煮蛋? |url=https://www.water.gov.taipei/News_Content.aspx?n=30E4EDA27F6D9953&sms=87415A8B9CE81B16&s=CEB4E4103A467162 | publisher=臺北自來水事業處 |accessdate=2022-01-06}}</ref> * ニュージーランド Rotorua(北島 ロトルア) * タイ Tha Pai hot spring(Mae Hong Son), San Kampaeng hot spring(Chiang Mai) == 家庭での作り方 == 卵が楽に入る程度の広口の[[魔法瓶]]があれば、前記の概要の項を参考に68℃程度のお湯と卵を入れることで失敗なく作ることができる。 鍋を用いる場合は、1リットルのお湯を沸かし、火を止めて200mlの水を加え、常温に戻しておいた卵を入れ、蓋をして12~13分ほど放置するという方法も紹介されている<ref>{{Cite web|和書|date=|url=http://www.piia-amen.com/pdf/pdf_top_001.pdf|title=お米のある食生活応援BOOK 料理はじめませんか?(兵庫県・兵庫県米穀事業協同組合発行)|publisher=公益社団法人 栄養医学協会|accessdate=2023-06-25}}</ref>。また、他に沸騰したお湯に水を加えないパターンや蓋をせず放置するパターンなど様々なパターンのレシピも紹介されている。 また、以下のような方法もある。 保温性のある発泡スチロール容器([[カップラーメン]]の容器など)に卵を入れ、熱湯を加える。熱湯は卵が隠れるまで入れる。ふたをして30 - 40分程度、そのまま放置しておく。なお、冷蔵庫から取り出した卵に急に熱湯をかけると割れてしまうので、熱湯を入れる前にぬるま湯などである程度卵を温めておくとよい。また、20 - 25分間は70 - 75度に湯の[[温度]]を保てば温泉卵はできるため、あまり容器にこだわる必要はないが、[[沸騰]]や湯温の低下に至らないように工夫する必要はある。 ペーパードリップ式の[[コーヒーメーカー]]を使って作る方法もある<ref>[https://web.archive.org/web/20070824173531/http://www.mbs.jp/hiden/magic/42.html 第42回「家電200%お得活用術!」コーヒーメーカーで温泉卵 - あったか生活!秘伝!カテイの魔法]</ref>。サーバーに生卵を入れ、フィルターペーパーとコーヒー豆をセットせずに通常のドリップを行うという、シンプルなものである。この方法でも、冷え切っている卵を使うとひびが入るので、あらかじめ常温にしておく方がよい。 炊飯器の保温機能を利用するという方法もある。これは炊飯器の保温機能が約60 - 75℃を維持するように設定されている<ref>[http://faq.zojirushi.co.jp/faq/show/386?site_domain=faq 高め保温と低め保温の温度は何℃くらいですか?] 象印マホービン株式会社</ref>ことを利用したものである。ただし一部のメーカーでは50 - 55℃に下がるまで加温されない機種がある<ref>[https://kadenfan.hitachi.co.jp/support/kitchen/q_a/help45.html 保温温度はどのくらいですか/保温温度を高く(低く)できますか?] 日立グローバルライフソリューションズ株式会社</ref>ので取扱説明書などで確認したほうが良い。 == 食品衛生的観点 == 調理時に中心部温度が 75℃を越えないことから[[食中毒]]を発生する可能性がある<ref>畑江敬子、「[https://doi.org/10.11402/cookeryscience.43.322 食中毒の予防]」 『日本調理科学会誌』 2010年 43巻 5号 p.322-325, {{doi|10.11402/cookeryscience.43.322}}</ref>。但し、日本における危険性は生卵と同程度で、また日本で市販される卵は生食を想定した衛生管理と[[賞味期限]]が設定されている<ref>{{Cite news |title=卵は冬場「生でも57日食べられる」という真実 幻冬舎plus |newspaper=東洋経済オンライン |date=2016-11-03 |publisher=[[東洋経済新報社]] |url=https://toyokeizai.net/articles/-/142887 |accessdate=2020-05-13}}</ref>。 == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} === 出典 === {{Reflist}} == 関連項目 == {{commonscat|Onsen tamago}} * [[ゆで卵]] * [[半熟卵]] * [[ポーチドエッグ]] * [[爆発卵]] {{温泉}} {{DEFAULTSORT:おんせんたまこ}} [[Category:日本の卵料理]] [[Category:温泉]] [[Category:温泉地熱料理]]
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2023-12-24T01:44:02Z
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%A9%E6%B3%89%E5%8D%B5
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芦ノ湖
芦ノ湖(あしのこ)は、神奈川県足柄下郡箱根町にある、箱根山のカルデラ湖である。 神奈川県南西部にある県内最大の湖で、早川水系に属する二級河川でもある。 水源の大部分が湖底からの湧き水である。本来は北部(箱根町仙石原)から流れ出る早川の水源であるが、水利権が神奈川県側に無い為に、非常時(近年は主に増水)を除いて芦ノ湖から早川への放水は行われていない(湖尻水門には常時放水路も設備されていない)。 湖畔を中心に観光名所やリゾート施設が数多く点在する観光地で、富士山も望める景勝地としても知られている。近年では毎年正月に開催される東京箱根間往復大学駅伝競走の往路ゴール、復路スタート地点としても知られ、多くの観光客を集める。 湖上には、箱根海賊船(箱根観光船、小田急電鉄系列)と芦ノ湖遊覧船(箱根遊船、富士急行系列)が運航されている。発着する船着き場が異なり、適用される割引券やフリーパスもそれぞれ異なる。箱根観光船の停泊港は、桃源台港 、箱根町港、元箱根港。芦ノ湖遊覧船の停泊港は、湖尻港、箱根園港、箱根関所跡港、元箱根港である。 釣り場としても芦ノ湖は有名であり、ニジマスなどのマス類やブラックバスなど、古くから外国産の魚類が放流されてきた歴史がある。なおブラックバスは赤星鉄馬によって1925年に日本で初めて放流されたことで知られ、バスフィッシングのメッカにも挙げられる。 歴史的経緯から、芦ノ湖の水利権は裾野市・長泉町・清水町・御殿場市で構成される静岡県芦湖水利組合にある(深良用水も参照)。このため、神奈川県側では湖水利用ができない。ただし渇水や増水などの非常時は、芦ノ湖の水を利用(緊急放水)できる。土木工事許認可権については神奈川県にあるため、水門・水道管施設の維持管理は神奈川県が担っている。また、湖岸の集落である箱根、元箱根、湖尻(および仙石原)の下水は、全て仙石原浄水センターに集めて浄化した後に早川に放流しており、水質の汚濁防止策も神奈川県側が担っている。 西岸には遊歩道がある。途中、ベンチなどが置かれた場所は少ないが、芦ノ湖の岸辺に降りることができる場所が数箇所あり、休憩、ビューポイントとなる。とくに真田浜の砂浜は広く、最高のランチポイント。正面に広がる駒ヶ岳の展望は格別である。 箱根火山のカルデラ内にある中央火口丘の一つで、成層火山である神山が、約3000年前に水蒸気爆発と火砕流を起こした際、山の一部が大崩壊を起こす山体崩壊が発生。カルデラ内にあった早川を堰き止めて芦ノ湖が生まれた。 天平宝字元年(757年)、万巻は箱根神社を建立した後、伝承によると、人々を苦しめていた芦ノ湖の九頭龍を調伏し、現在の九頭龍神社本宮を建立して、九頭龍を守護神として祀ったとされる 。 江戸時代、駿河国駿東郡深良村(現・裾野市)の名主・大庭源之丞は灌漑用に芦ノ湖から箱根山の外輪山(湖尻峠下)を貫通するトンネルを掘ることを考えた。芦ノ湖の水利権を持つ箱根権現社の許可を得て、江戸商人・友野与右衛門の資金協力を受けて、1670年(寛文10年)に用水路を完成させた。この用水は「深良用水」と呼ばれ、現在は狩野川水系黄瀬川支流の深良川となっている。また、日本を代表する用水のひとつとして、農林水産省の疏水百選に選定されている。 江戸時代は箱根も深良も小田原藩の領地であったので問題はなかったが、両地は廃藩置県後の整理統合を経て神奈川県(足柄県)と静岡県に分割され、湖尻峠が県境となった。そのため両県で水利権をめぐる争いが起きたが、近くは大正時代に裁判により静岡県に水利権があるとされた。 1911年、後に西武傘下になる芦ノ湖遊覧船の運航が始まった。 1925年、赤星鉄馬によってブラックバスが日本で初めて放流された。 1950年、箱根観光船の運航が始まった。海賊船風の遊覧船を導入して人気を博し、箱根海賊船が愛称となっている。 2019年10月、令和元年東日本台風(台風19号)により芦ノ湖が氾濫し、港や観光施設が浸水被害を受けた。 ニジマス、ブラウントラウト、ヒメマス、オオクチバス、コイ、フナ、ウグイ、オイカワ、ワカサギ、ヤマメ、イワナ、ヌマチチブ、サワガニ、カワニナ類 ワカサギ、ニジマスの天ぷらが特産品郷土料理として知られている。オオクチバス(通称:ブラックバス)の天丼も提供されている。
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芦ノ湖(あしのこ)は、神奈川県足柄下郡箱根町にある、箱根山のカルデラ湖である。
{{otheruses|神奈川県箱根地区の湖|聖書における「葦の海」と伝統的に同定された海|紅海}} {{出典の明記|date=2014年1月10日 (金) 02:16 (UTC)}} {{DISPLAYTITLE:{{JIS2004フォント|芦}}ノ湖}} {{統合文字|{{JIS2004フォント|芦}}|[[ファイル:Kanji for another OS version - ashi.svg|20px]]}} {{Infobox 湖 |名称 = {{JIS2004フォント|芦}}ノ湖 |画像 = [[ファイル:Lake Ashi from Mt.Komagatake 02.jpg|300px]]<br />[[箱根駒ヶ岳]]から見た{{JIS2004フォント|芦}}ノ湖<br />[[ファイル:Lake Ashi Aerial photograph.1976.jpg|280px]]<br />{{JIS2004フォント|芦}}ノ湖の空中写真。右が駒ケ岳<br /><small>{{国土航空写真}}。</small> <center>{{Location map|Japan Kanagawa Prefecture|width=300|float=center |caption=|mark=Cyan pog.svg|marksize=8 |label={{JIS2004フォント|芦}}ノ湖|position=top|background=|relief=1 |lat_deg=35|lat_min=12|lat_sec=35|lat_dir=N |lon_deg=139|lon_min=00|lon_sec=16|lon_dir=E }}{{JIS2004フォント|芦}}ノ湖の位置(神奈川県)</center> |所在地 = {{JPN}}<br />[[神奈川県]][[足柄下郡]][[箱根町]] |coords = {{coord|35|12|35|N|139|00|16|E|region:JP-14_type:waterbody|display=inline,title}} |河川 = [[早川水系]][[早川 (神奈川県)|早川]] |面積 = 7.03<ref name="menseki">{{Cite web|和書|author=国土地理院|authorlink=国土地理院|date=2015-03-06|title=平成26年全国都道府県市区町村別面積調 湖沼面積|url=https://www.gsi.go.jp/KOKUJYOHO/MENCHO/backnumber/GSI-menseki20141001.pdf|format=PDF|accessdate=2015-03-22}}</ref> |周囲長 = 21.1 |最大水深 = 43.5 |平均水深 = 15.0 |貯水量 = |標高 = 723 |成因 = [[カルデラ湖]] |淡汽 = 淡水 |湖沼型 = 中栄養湖 |透明度 = 7 }} [[ファイル:Mount Hakone 2015-06-04.jpg|thumb|300px|[[箱根山|箱根カルデラ]]と芦ノ湖。左上は[[相模湾]]]] '''{{JIS2004フォント|芦}}ノ湖'''(あしのこ)は、[[神奈川県]][[足柄下郡]][[箱根町]]にある、[[箱根山]]の[[カルデラ湖]]である。 == 概要 == [[神奈川県]]南西部にある県内最大の[[湖]]で、[[早川 (神奈川県)|早川水系]]に属する[[二級河川]]でもある。 水源の大部分が湖底からの湧き水である。本来は北部(箱根町仙石原)から流れ出る早川の水源であるが、水利権が神奈川県側に無い為に、非常時(近年は主に増水)を除いて{{JIS2004フォント|芦}}ノ湖から早川への放水は行われていない(湖尻水門には常時放水路も設備されていない)。 湖畔を中心に観光名所やリゾート施設が数多く点在する[[観光地]]で、[[富士山 (代表的なトピック)|富士山]]も望める景勝地としても知られている。近年では毎年正月に開催される[[東京箱根間往復大学駅伝競走]]の往路ゴール、復路スタート地点としても知られ、多くの観光客を集める。 湖上には、[[箱根観光船|箱根海賊船]](箱根観光船、[[小田急電鉄]]系列)と[[芦ノ湖遊覧船|{{JIS2004フォント|芦}}ノ湖遊覧船]](箱根遊船、[[富士急行]]系列)が運航されている。発着する船着き場が異なり、適用される割引券やフリーパスもそれぞれ異なる。箱根観光船の停泊港は、[[桃源台駅|桃源台港]] 、[[箱根町港]]、[[元箱根港]]。芦ノ湖遊覧船の停泊港は、[[湖尻港]]、[[箱根園|箱根園港]]、[[箱根関所跡港]]、元箱根港である。 釣り場としても{{JIS2004フォント|芦}}ノ湖は有名であり、[[ニジマス]]などのマス類や[[ブラックバス]]など、古くから外国産の魚類が放流されてきた歴史がある。なおブラックバスは[[赤星鉄馬]]によって[[1925年]]に日本で初めて放流されたことで知られ、バスフィッシングの[[メッカ#比喩表現|メッカ]]にも挙げられる。 歴史的経緯から、{{JIS2004フォント|芦}}ノ湖の[[水利権]]は[[裾野市]]・[[長泉町]]・[[清水町 (静岡県)|清水町]]・[[御殿場市]]で構成される[[静岡県芦湖水利組合]]にある([[深良用水]]も参照)。このため、神奈川県側では湖水利用ができない。ただし[[渇水]]や増水などの非常時は、芦ノ湖の水を利用(緊急放水<ref group="注釈">[[横浜地方気象台]]が発表する48時間の予想雨量から芦ノ湖の水位が[[氾濫注意水位]]に達することが予測されるときは、その時点で事前放流を始める。</ref>)できる。[[土木工事]]許認可権については神奈川県にあるため、[[水門]]・[[水道管]]施設の維持管理は神奈川県が担っている。また、湖岸の集落である箱根、元箱根、湖尻(および仙石原)の下水は、全て仙石原浄水センターに集めて浄化した後に早川に放流しており、水質の汚濁防止策も神奈川県側が担っている。 西岸には遊歩道がある。途中、ベンチなどが置かれた場所は少ないが、芦ノ湖の岸辺に降りることができる場所が数箇所あり、休憩、ビューポイントとなる。とくに真田浜の砂浜は広く、最高のランチポイント。正面に広がる駒ヶ岳の展望は格別である。<ref>{{Cite web|和書|title=芦ノ湖西岸歩道 絶景・ランチポイントが魅力|url=https://yamatabitabi.com/archives/100262/|website=山旅旅|accessdate=2020-10-20|language=ja|last=登山ルート・山旅スポット}}</ref> == 歴史 == 箱根火山の[[カルデラ]]内にある中央火口丘の一つで、[[成層火山]]である[[神山]]が、約3000年前に[[水蒸気爆発]]と[[火砕流]]を起こした際、山の一部が大崩壊を起こす[[山体崩壊]]が発生。カルデラ内にあった[[早川 (神奈川県)|早川]]を堰き止めて芦ノ湖が生まれた。 [[天平宝字]]元年([[757年]])、[[万巻]]は[[箱根神社]]を建立した<ref>「箱根神社大系」(『かながわの歴史文献55-神奈川県関係基本史料解説目録-』、神奈川県立図書館、平成20年3月)</ref>後、伝承によると、人々を苦しめていた芦ノ湖の[[九頭竜伝承#箱根の九頭龍伝承と祭祀|九頭龍]]を調伏し、現在の九頭龍神社本宮を建立して、九頭龍を守護神として祀ったとされる<ref>[https://hakonejinja.or.jp/hakone/#link_02 九頭龍神社について] [https://www.hakonejinja.or.jp/ 箱根神社公式ホームページ]</ref> 。 江戸時代、[[駿河国]][[駿東郡]][[深良村]](現・[[裾野市]])の名主・大庭源之丞は[[灌漑]]用に{{JIS2004フォント|芦}}ノ湖から箱根山の[[外輪山]]([[湖尻峠]]下)を貫通する[[トンネル]]を掘ることを考えた。{{JIS2004フォント|芦}}ノ湖の水利権を持つ[[箱根権現社]]の許可を得て、[[江戸]]商人・[[友野與右衛門|友野与右衛門]]の資金協力を受けて、[[1670年]]([[寛文]]10年)に[[用水路]]を完成させた。この用水は「[[深良用水]]」と呼ばれ、現在は[[狩野川]]水系[[黄瀬川]]支流の深良川となっている。また、日本を代表する用水のひとつとして、[[農林水産省]]の[[疏水百選]]に選定されている。 [[江戸時代]]は箱根も深良も[[小田原藩]]の領地であったので問題はなかったが、両地は[[廃藩置県]]後の整理統合を経て神奈川県([[足柄県]])と静岡県に分割され、湖尻峠が県境となった。そのため両県で水利権をめぐる争いが起きたが、近くは[[大正時代]]に裁判により静岡県に水利権があるとされた。<!-- 箱根用水と深良の所属変遷について、とりあえず参考になりそうな資料: http://homepage1.nifty.com/ishato/tiri/sityoson/04tyubu/22_sizu11.htm http://www.shonan-rockets.com/ashinoko/fukara/index.html --><ref>[https://www.jstage.jst.go.jp/article/suirikagaku/15/5/15_53/_pdf/-char/ja 箱根用水の開さくと利水の展開:第3章 明治以後の水利秩序]</ref> 1911年、後に西武傘下になる芦ノ湖遊覧船の運航が始まった。 {{main|芦ノ湖遊覧船}} 1925年、赤星鉄馬によってブラックバスが日本で初めて放流された。 1950年、箱根観光船の運航が始まった。[[海賊船|海賊船風]]の[[遊覧船]]を導入して人気を博し、箱根海賊船が愛称となっている。 {{main|箱根観光船}} 2019年10月、[[令和元年東日本台風]](台風19号)により芦ノ湖が氾濫し、港や観光施設が浸水被害を受けた<ref>{{Cite web|和書|title=箱根の芦ノ湖が氾濫 浸水被害も|url=https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20191013/1000038273.html|website=NHKニュース|date=2019-10-13|archiveurl=https://web.archive.org/web/20191013044947/https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20191013/1000038273.html|archivedate=2019-10-13|deadlinkdate=2020-06-13|accessdate=2019-10-13|last=[[日本放送協会]]}}</ref>。 == 生物相 == === 魚貝類 === [[ニジマス]]、[[ブラウントラウト]]、[[ヒメマス]]、[[オオクチバス]]、[[コイ]]、[[フナ]]、[[ウグイ]]、[[オイカワ]]、[[ワカサギ]]、[[ヤマメ]]、[[イワナ]]、[[ヌマチチブ]]、[[サワガニ]]、[[カワニナ|カワニナ類]] == 郷土料理 == ワカサギ、ニジマスの天ぷらが[[特産品]][[郷土料理]]として知られている。オオクチバス(通称:ブラックバス)の天丼も提供されている。 == ギャラリー == <gallery style="margin-top:3em"> ファイル:View of Mount Fuji from Lake Ashi.jpg|元箱根港付近湖畔路から ファイル:Mt.Fuji from Mt.Taikanzan 大観山.jpg|大観山から富士山と芦ノ湖 ファイル:Hakone Volcano 20121110.jpg|南部から ファイル:Lake Ashi from Kojiri Pass 01.jpg|北部から ファイル:161223 Lake Ashi Hakone Japan02n.jpg|桃源台港から ファイル:箱根 芦ノ湖遊覧船.jpg|芦ノ湖遊覧船(手前)、箱根観光船(奥) ファイル:Ashino-ko don 説明用.jpg|ブラックバスの天ぷら(矢印)を使った芦ノ湖丼 </gallery> == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} === 注釈 === {{Notelist}} === 出典 === {{Reflist|30em}} == 関連項目 == {{Commonscat|Lake Ashi}} * [[早川 (神奈川県)]] * [[箱根温泉]] * [[深良用水]] * [[湖尻峠]] * [[元箱根]] * [[日本の湖沼一覧]] == 外部リンク == * [https://www.hakone-geopark.jp/area-guide/hakone1/007ashinoko.html 芦ノ湖] - 箱根ジオパーク * {{Osmrelation|10349338}} *[https://www.hakone-ashinoko.net/index.html 芦ノ湖なび] - 芦ノ湖温泉旅館ホテル組合 公式サイト * {{Kotobank}} {{箱根山}} {{日本の湖沼}} {{Normdaten}} {{デフォルトソート:あしのこ}} [[Category:芦ノ湖|*]] [[Category:神奈川県の自然景勝地]] [[Category:箱根駅伝|地あしのこ]] [[Category:神奈川県の二級河川]] [[Category:県境問題]]
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ネットワークアタッチトストレージ
ネットワークアタッチトストレージ (Network Attached Storage) とは、コンピュータネットワークに直接接続して使用するファイルサーバ。TCP/IPネットワークに接続して使用する補助記憶装置であり、コントローラとハードディスクまたはソリッドステートドライブから成るファイルサービス専用のコンピュータである。OSがチューニング・独自開発されている場合もある。 Local area network (LAN) を介して複数端末でファイルを共有するためのストレージ機器である。古くからあるファイルサーバと基本的には同じものであるが、用途を特化する事で高速かつ導入・管理が容易であるというメリットがある。ファイル共有のアプライアンスであるともいえる。 NAS(日本語を含む多くの言語ではナスと発音。英語ではナズ)と呼ばれる事が多い。カタカナ表記では、ネットワーク・アタッチド・ストレージのように「ト」を「ド」と書くのも一般的である。 コントローラ部分を独立させたものをNASゲートウェイあるいはNASヘッドとも呼ぶ。 主にシリアルATA接続のHDDが利用される。個人や小規模事業所などの極低予算を除いては、RAIDを構成して冗長性、可用性を高めるのが一般的である。この場合、SATAなどのホットスワップ可能なディスクインタフェースを利用してシステム稼働中でも抜き差し交換できるようになっている事もある。 HDDと比較して高速性・信頼性の点でメリットを持つSSDを使用したNAS(オールフラッシュNAS)製品も登場している。 NASの主な演算処理はパリティや巡回冗長検査計算である。ネットギア製ReadyNASではローエンドはこれら計算エンジンを搭載したARM SoC、ミドルクラスはIntel Atom、ハイエンドはIntel Core i3と使い分けられている。当該エンジンにより比較的処理速度の低いSoCでも、RAIDのパリティ、btrfsやiSCSIのCRC32C、dm-cryptの暗号化/復号を高速に処理出来る。この間にもCPUはウイルススキャン等の別のジョブを実行し続けられる。 NASはデスクトップパソコン等とは違いビデオカードやキーボード、マウスなどのインターフェースがなくても済むように設計されている。ハイエンドではネットワークカードを二つ備えたり、ホットスワップ可能な複数の電源・冷却ファンを備えるなど障害発生時のダウンタイムを低減する機種もある。加えて10ギガビット・イーサネット(10GbE)を備える場合もあり、高性能コントローラやRAIDと相まりスループットはネットワーク上限の400〜500MB/sに及ぶ製品もある。 OSは主にLinuxやWindows Storage Serverである。OpenSolarisも使われる。ネットワーク経由でバグの修正や性能・機能の向上がメーカーより提供される。ファイルシステムには高性能・高信頼性が求められ、チェックサム、ジャーナリング機能を持つext4、btrfs及びZFS等が使われる。 管理者の負担減のために様々な設定作業が自動化もしくは簡便化されている。例えば4ベイ(ディスク4台が収納可能)の場合、最初のディスクを装着すると自動的にパーティションが設定され、数分後にはファイル共有可能になる。2台目を挿入すると自動的にRAID1になり、3台目を挿入するとRAID5がウェブブラウザから選択できるようになり、更に4台目にはRAID6も選択可能になる等。 動的なウイルス検出・通知・隔離機能、DLNA機能、外出先でもアクセスできるパーソナルクラウド機能なども提供する。ボリュームの設定や容量・温度等の監視はブラウザで行うのが基本だが、スーパーユーザーでのログインを許可する事で追加ソフトのインストールが可能等、カスタマイズが可能な製品もある。ただしサポートの対象外となる事に留意する。 さまざまなクライアントに合わせて複数提供されるのが普通である。 NASはストレージエリアネットワーク(SAN)に対抗して命名されたが、ネットワークの種類、提供するストレージ形態、価格帯等の観点で大きく異なる。 データベースやグループウェア等のアプリケーションの一部ではNAS上にデータを生成する事が許さない場合もある。このようにSANでしか対応できないアプリケーションもある反面、同一ディスク領域の共有を許さない性格上、ファイルサービスに限るとNASが優れる。注:SANでもディスクおよびファイバーネットワークを一つの筐体に収めて、OSにファイルサーバ機能を持たせればNASになる。NASも大規模なものはSANで構成される。 2014年、NASを標的としたランサムウェア「SynoLocker」が確認された。ファイルを暗号化して金銭を要求する典型的な暗号化ランサムウェアであり、Synology製NASのOS「Synology DSM」の古いバージョンに存在する脆弱性を突いたものである。エフセキュア社とSynology社は攻撃が広がっていることに対し注意を呼びかけると共にNAS-OS「Synology DSM」を最新版へアップデートするよう促している。
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ネットワークアタッチトストレージ とは、コンピュータネットワークに直接接続して使用するファイルサーバ。TCP/IPネットワークに接続して使用する補助記憶装置であり、コントローラとハードディスクまたはソリッドステートドライブから成るファイルサービス専用のコンピュータである。OSがチューニング・独自開発されている場合もある。
[[File:Netgear ReadyNAS NV+.jpg|thumb|ネットギア製のReadyNAS NV+]] '''ネットワークアタッチトストレージ''' ('''Network Attached Storage''') とは、[[コンピュータネットワーク]]に直接接続して使用する[[ファイルサーバ]]。[[インターネット・プロトコル・スイート|TCP/IP]]ネットワークに接続して使用する[[補助記憶装置]]であり、コントローラと[[ハードディスクドライブ|ハードディスク]]または[[ソリッドステートドライブ]]から成るファイルサービス専用の[[コンピュータ]]である。[[オペレーティングシステム|OS]]がチューニング・独自開発されている場合もある。 == 概要 == [[File:NAS.png|thumb|NASの概念図]] [[Local area network]] (LAN) を介して複数端末でファイルを共有するためのストレージ機器である。古くからあるファイルサーバと基本的には同じものであるが、用途を特化する事で高速かつ導入・管理が容易であるというメリットがある。ファイル共有の[[コンピュータ・アプライアンス|アプライアンス]]であるともいえる。 '''NAS'''(日本語を含む多くの言語ではナスと発音<ref>[https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1306/25/news068.html 初心者だってNASがしたい! でも何を買えばいいの……] - ITmedia PC User 2013年6月25日 ([[ITmedia]])</ref><ref>[http://pc.nikkeibp.co.jp/article/knowhow/20131211/1114885/ NAS導入完全ガイド【1】NASとは何か?選び方のポイントは] - [[日経パソコン]] 2013年11月25日号([[日経BP]])</ref>。英語ではナズ)と呼ばれる事が多い。カタカナ表記では、'''ネットワーク・アタッチド・ストレージ'''のように「ト」を「ド」と書くのも一般的である。 コントローラ部分を独立させたものを'''NASゲートウェイ'''あるいは'''NASヘッド'''とも呼ぶ。 == ハードウェア == === ハードディスクドライブ(HDD) === {{Main|ハードディスクドライブ}} 主に[[シリアルATA]]接続のHDDが利用される。個人や小規模事業所などの極低予算を除いては、[[RAID]]を構成して[[冗長性 (情報理論)|冗長性]]、[[可用性]]を高めるのが一般的である。この場合、SATAなどの[[ホットスワップ]]可能なディスクインタフェースを利用してシステム稼働中でも抜き差し交換できるようになっている事もある。 === ソリッドステートドライブ(SSD) === {{Main|ソリッドステートドライブ}} HDDと比較して高速性・信頼性の点でメリットを持つSSDを使用したNAS(オールフラッシュNAS)製品も登場している<ref>{{Cite news |url=https://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/shimizu/1439986.html |title=NASでもSSDを選ぶべき理由。速さだけじゃない!! 信頼性も向上するオールフラッシュ10Gbps NAS「AXELBOX」【イニシャルB】 | newspaper=INTERNET Watch |date=2022-10-03 |accessdate=2022-10-19}}</ref>。 ===CPU=== {{main|CPU}} NASの主な演算処理は[[パリティビット|パリティ]]や[[巡回冗長検査]]計算である。[[ネットギア]]製[[ReadyNAS]]ではローエンドはこれら計算エンジンを搭載した[[ARMアーキテクチャ|ARM]] [[SoC]]、ミドルクラスは[[Intel Atom]]、ハイエンドは[[Intel Core i3]]と使い分けられている。当該エンジンにより比較的処理速度の低いSoCでも、[[RAID]]のパリティ、[[btrfs]]や[[iSCSI]]の[[巡回冗長検査|CRC32C]]、[[dm-crypt]]の[[暗号化]]/復号を高速に処理出来る。この間にもCPUはウイルススキャン等の別のジョブを実行し続けられる。 ===その他=== NASは[[デスクトップパソコン]]等とは違い[[ビデオカード]]や[[キーボード (コンピュータ)|キーボード]]、[[マウス (コンピュータ)|マウス]]などの[[インターフェース]]がなくても済むように設計されている。ハイエンドでは[[ネットワークカード]]を二つ備えたり、ホットスワップ可能な複数の電源・冷却ファンを備えるなど障害発生時のダウンタイムを低減する機種もある。加えて[[10ギガビット・イーサネット]](10GbE)を備える場合もあり、高性能コントローラやRAIDと相まり[[スループット]]はネットワーク上限の400〜500MB/sに及ぶ製品もある。 == ソフトウェア == [[オペレーティングシステム|OS]]は主に[[Linux]]や[[Microsoft Servers|Windows Storage Server]]である。[[OpenSolaris]]も使われる。ネットワーク経由でバグの修正や性能・機能の向上がメーカーより提供される。[[ファイルシステム]]には高性能・高信頼性が求められ、[[チェックサム]]、[[ジャーナリング]]機能を持つ[[ext4]]、[[btrfs]]及び[[ZFS]]等が使われる。 管理者の負担減のために様々な設定作業が自動化もしくは簡便化されている。例えば4ベイ(ディスク4台が収納可能)の場合、最初のディスクを装着すると自動的にパーティションが設定され、数分後にはファイル共有可能になる。2台目を挿入すると自動的にRAID1になり、3台目を挿入するとRAID5が[[ウェブブラウザ]]から選択できるようになり、更に4台目にはRAID6も選択可能になる等。 動的な[[コンピュータウイルス|ウイルス]]検出・通知・隔離機能、[[Digital_Living_Network_Alliance|DLNA]]機能、外出先でもアクセスできるパーソナル[[クラウドコンピューティング|クラウド]]機能なども提供する。[[論理ボリュームマネージャ|ボリューム]]の設定や容量・温度等の監視はブラウザで行うのが基本だが、[[スーパーユーザー]]での[[ログイン]]を許可する事で追加ソフトのインストールが可能等、カスタマイズが可能な製品もある。ただしサポートの対象外となる事に留意する。 == ファイル共有プロトコル == {{Main|ファイル共有}} さまざまなクライアントに合わせて複数提供されるのが普通である。 ; [[Network File System]] (NFS) : [[Solaris]], [[Linux]], [[macOS]]などの[[UNIX]]/[[Unix系]]OSの多くがサポートするプロトコル。Windowsでも[[Services for UNIX]]の導入でNFSクライアントとして機能する。 ; [[Server Message Block]] (SMB), [[Common Internet File System]] (CIFS) : [[Microsoft Windows]]で主に利用されるプロトコル。UNIX系OSでCIFS機能を提供する[[Samba]]も広く利用されている。 ; [[Apple Filing Protocol]] (AFP) : [[Classic Mac OS]]や[[macOS]]で利用されるプロトコル。Unix系OSでAFP機能を提供する[[netatalk]]も広く利用されている。 ; [[WebDAV]] : プラットフォームへの依存性の低いプロトコルとして[[Hypertext Transfer Protocol|HTTP]]を拡張したWebDAVを備える機種もある。 ; [[iSCSI]] : ファイル共有ではないが[[ストレージエリアネットワーク]](SAN)でも使えるよう[[iSCSI]]を備える機種もある。 == NASとSANの違い == {{main|ストレージエリアネットワーク}} [[File:Compingles2.png|thumb|NAS,SANの比較]] NASは[[ストレージエリアネットワーク]](SAN)に対抗して命名されたが、ネットワークの種類、提供するストレージ形態、価格帯等の観点で大きく異なる。 ;NAS *汎用的かつ安価な[[イーサネット]]を用いた[[Local Area Network]] *共有するもの:ファイル *導入コスト・保守コストともに安い ;SAN *高価な[[ファイバーチャネル]]ネットワーク *共有するもの:ストレージのリソースプール。遠隔にあるディスクがローカルディスクのように振る舞う。ファイル共有不可 *拡張性、セキュリティ、安定性が高いと考えられている [[データベース]]や[[グループウェア]]等のアプリケーションの一部ではNAS上にデータを生成する事が許さない場合もある。このようにSANでしか対応できないアプリケーションもある反面、同一ディスク領域の共有を許さない性格上、ファイルサービスに限るとNASが優れる。注:SANでもディスクおよびファイバーネットワークを一つの筐体に収めて、OSにファイルサーバ機能を持たせればNASになる。NASも大規模なものはSANで構成される。 == ウイルスの脅威 == [[2014年]]、NASを標的とした[[ランサムウェア]]「SynoLocker」が確認された。ファイルを暗号化して金銭を要求する典型的な暗号化ランサムウェアであり、Synology製NASのOS「Synology DSM」の古いバージョンに存在する脆弱性を突いたものである。エフセキュア社とSynology社は攻撃が広がっていることに対し注意を呼びかけると共にNAS-OS「Synology DSM」を最新版へアップデートするよう促している<ref>[https://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/662143.html NASを人質に身代金0.6BTCを要求、ランサムウェア「SynoLocker」の攻撃広がる] [[2014年]][[8月13日]]17時33分(株式会社インプレス「INTERNET Watch」)</ref>。 == 関連項目 == * [[ファイルサーバ]] * [[分散ファイルシステム]] * [[ストレージエリアネットワーク]] * [[補助記憶装置]] * [[RAID]] * [[ダイレクトアタッチトストレージ]] === 代表的なメーカー === * [[ASUSTOR]] * [[ネットアップ]] * [[ネットギア]] * [[EMCコーポレーション]] * [[QNAP]] * [[ヒューレット・パッカード]] * [[デル]] * [[Thecus]] * [[IBM]] * [[TerraMaster]] * [[Synology]] === NASに特化したOS === * [[TrueNAS]] - [[FreeBSD]]ベース。利用可能なサービスは、[[Common Internet File System|CIFS]]/[[Server Message Block|SMB]], [[File Transfer Protocol|FTP]], [[Network File System|NFS]], [[rsync]], [[iSCSI]]等 * [[NASLite]] - Linuxベース。利用可能なサービスは、[[Common Internet File System|CIFS]]/[[Server Message Block|SMB]], [[File Transfer Protocol|FTP]], [[Network File System|NFS]]等 * [[Openfiler]] - Linuxベース。利用可能なサービスは、[[Common Internet File System|CIFS]]/[[Server Message Block|SMB]], [[WebDAV]], [[File Transfer Protocol|FTP]], [[Network File System|NFS]], [[rsync]], [[iSCSI]]等 * [[OpenMediaVault ]] - Linuxベース。利用可能なサービスは、[[Common Internet File System|CIFS]]/[[Server Message Block|SMB]], [[File Transfer Protocol|FTP]], [[Network File System|NFS]], [[rsync]], [[Apple Filing Protocol|AFP]]等 === 一般家庭・SOHO向け製品 === * [[ASUSTOR]] * [[QNAP]] * [[ネットギア]]ReadyNAS * [[Thecus]] * [[Link Station]]([[バッファロー (パソコン周辺機器)|バッファロー]]) * [[Tera Station]]([[バッファロー (パソコン周辺機器)|バッファロー]]) ** [[玄箱]] * [[LANDISK]]([[アイ・オー・データ機器]]) ** [[LAN Tank]] - [[GLAN Tank]] * [[Windows Home Server]] * [[nasne]]([[ソニー・インタラクティブエンタテインメント]]および[[バッファロー (パソコン周辺機器)|バッファロー]]) * [[DiskStation]] * [[auひかり]][[ホームゲートウェイ]]<ref>{{Cite web |title=動作確認済みUSB機器一覧(ホームゲートウェイUSBストレージ機能) {{!}} モデム・ホームゲートウェイの設定 {{!}} au |trans-title= |author= |work=au.com |date= |access-date=23 October 2023 |url= https://www.au.com/support/service/internet/guide/modem/usbstorage/ |language=ja}}</ref> == 脚注 == {{Reflist}} == 外部リンク == {{Commonscat|Network-attached storage}} * [http://e-words.jp/w/NAS.html NAS(Network Attached Storage)とは] - IT用語辞典 e-Words(インセプト) <!--脚注と同じ * [https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1306/25/news068.html 初心者だってNASがしたい! でも何を買えばいいの……] - ITmedia PC User 2013年6月25日 (ITmedia) * [http://pc.nikkeibp.co.jp/article/knowhow/20131211/1114885/ NAS導入完全ガイド【1】NASとは何か?選び方のポイントは] - 日経パソコン 2013年11月25日号(日経BP) --> {{Normdaten}} {{DEFAULTSORT:ねつとわあくあたつちとすとれえし}} [[Category:通信機器]] [[Category:補助記憶装置]] [[Category:コンピュータネットワーク]]
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敦煌市
敦煌市(とんこう-し、ドゥンファン-し、拼音: Dūnhuáng)は、中華人民共和国甘粛省北西部の都市。酒泉市の管轄下の県級市である。かつてシルクロードの分岐点として栄えたオアシス都市であり、近隣にある莫高窟とそこから出た敦煌文書で有名である。歴史的な敦煌は現在の敦煌市と瓜州県を合わせた領域にほぼ重なる。 青蔵高原の北縁、河西走廊の西端にあり、古くから中国と西域との出入口として使われる。西にはタリム盆地が広がり、北には戈壁灘(ゴビ平原)、南は祁連山脈とツァイダム盆地を望む。西部には淡水湿地と塩性湿地が発達している西湖があり、一帯は2022年にラムサール条約登録地となった。 年平均気温9°C、降水量39mm。作物は主に綿花、小麦、トウモロコシ、果物など。野生動物はハイイロネコ、コウジョウセンガゼル(英語版)、ナベコウ、ヘラサギ、フタコブラクダ(英語版)、ノウマなどが生息している。 約250キロメートル東に玉門、300キロメートル北に新疆ウイグル自治区のクムル(ハミ)が位置している。 昔の関所として、西北約80kmの所にあるのが「玉門関」、南西約70kmの所にあるのが「陽関」。陽関は、王維の唐詩「送元二使安西」でも有名。この詩は、友人の西域(安西:現庫車辺り)派遣に際し、王維が咸陽(現西安北西部)で、友人元常(元二)を見送る際に綴ったとされている。最後の行が有名で、「西出陽関無故人(陽関から西へ出れば、もう知る人も無いんだから)」と言い、酒を飲み交わした。 敦煌の名前は後漢の学者応劭によると「大にして盛ん」と言う事だが、実際には紀元前からこの地を支配していた月氏の言葉の音訳であるとされる。 紀元前2世紀前半に匈奴に冒頓単于が立ち、月氏を攻めてこの地は匈奴の支配下に入る。冒頓の時代には匈奴に押され気味であった前漢だったが、武帝の代になって西域に対して積極的に遠征を行い、この地に敦煌郡を設置した。敦煌郡の設置年代についてはかつては紀元前111年と言われていたが、紀元前92年ごろの李広利将軍の大宛(フェルガナ)遠征の際に設置されたとする説が有力となっている。 その後、河西回廊(現在の甘粛省)を漢が制圧すると、敦煌の西に防御拠点の玉門関と陽関が設置され、漢の西域経営の中心地となり、西方からの汗血馬・ブドウ・ゴマなどの産物や仏教がこの地を通って漢に運ばれ、漢からは絹が西方へと運ばれた。漢にとっての経済・軍事に於ける重要な拠点となり、豊かな土地と防衛拠点としての使命から厳しい政治を避けると言う事があり、税も物価も安く、住民は平和と豊かさを楽しんでいた。この頃の人口が3万8千ほどと言う記録があり、現在の3分の1ほどだが、中国の全人口が現在の20分の1以下(注:現在の中華人民共和国の領土は前漢よりかなり広い)の6千万ほどであるからこの頃の敦煌がいかに栄えていたかがわかる。 ただしこの地の住民は漢政府により送り込まれた窮迫農民や犯罪者であった。そして敦煌の住民が漢の中心地へと帰ることは禁じられていた。 その後の五胡十六国時代には中央から自立した西涼がこの地に首都を置いた。これ以後は沙州(現在の敦煌市沙州鎮(中国語版))・瓜州(現在の敦煌市)と呼ばれる。西涼は北魏によって滅ぼされ、北魏に於いても西域に対する拠点として重要さは変わらなかった。魏晋南北朝時代は仏教が中国に布教した時代でもあり、この地では竺法護などの僧が西方よりやってくる経典の訳に励み、布教に大きく貢献した。また366年から僧楽僔(らくそん、僔は人偏に尊)によって莫高窟の掘削が始まっている。五胡十六国時代から敦煌は張氏・索氏・令狐氏・范氏・宋氏と言う五家の名族によって実質的に支配されており、名族社会を形成していた。 唐代にも引き続き、西域への玄関口として重要であった。しかし安史の乱により唐政府の統制力が弱まり、この地は781年に吐蕃の侵攻を受けて、786年以後70年間は吐蕃の支配下に入った。摩訶衍が吐蕃へ禅宗を伝えたが、カマラシーラ(蓮華戒)とのサムイェー寺の宗論に敗れ、中国仏教は追放された。吐蕃が唐と対立すると、吐蕃の支配下では交易が行われず、経済の動脈を絶たれた敦煌は一気に衰退した。 851年、漢人の張議潮が吐蕃に反乱を起こしてこの地に独立し、唐に帰順して帰義軍節度使に任じられた。この頃には唐政府の権威は更に衰えており、実質的には独立勢力である。張議潮勢力の下で交易は再開されたが、かつての盛況振りからすれば比べ物にならないほど衰えていた。張氏のあとは、曹氏が帰義軍の勢力を引き継いだ。 北宋代に入り、タングートが力をつけて西夏を建てて、1036年にこの地を占領した。敦煌文書が莫高窟の耳窟の中に放り込まれ、入口を塗り込められたのはこの時代と考えられている。1227年にモンゴル帝国が西夏を滅ぼし、引き続いて元の支配下に入る。しかしこの頃になると中国と西方を結ぶルートがシルクロードから南方の海の道へと移行し始め、この地の価値は下落し、寂れた町へとなっていく。 その後、長らく忘れ去られた町となり、莫高窟も見向きもされていなかった。しかし1900年、この地にいた道士・王円籙(中国語版、英語版)(おう えんろく)が偶然に莫高窟中の第16窟の壁の中に隠されていた耳窟(第17窟, 後に「蔵経洞」と命名)から大量の文献を発見した。この報告を受けた地方官と王円籙は学術的見識を有さず、この文書はしばらくの間は放置された。 1907年にその噂を聞きつけてやって来たイギリスのオーレル・スタインが王円籙から数千点の文書・絵画を買い込んでイギリスへと持ち帰った。翌年にフランスのポール・ペリオが同じように約三分の一に相当する文献をフランスへ持ち帰った。これらが大英博物館とフランス国立図書館に蔵され、研究者の間で敦煌の名が広く知られるようになった。海外流出を知った清朝政府は、学部を派して北京へと文書を移動させた。移動中に現地収集家の手に流れ、一部が民間に流出したが、これら敦煌文書は北京京師図書館で保管されている。 後に入った各国の探検隊は、ロシア(1909年-1910年)、ドイツ(1914年-1915年)、日本の大谷探検隊(西本願寺の大谷光瑞によって派遣された)・アメリカ合衆国の探検隊が少量であるが、入手して研究を進めた。これら敦煌文献の発見が、後の『敦煌学』への契機となった。 莫高窟も中華人民共和国が成立すると保護を受けられるようになり、1987年に世界遺産に登録され、観光名所として栄えている。 航空 鉄道 道路
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敦煌市は、中華人民共和国甘粛省北西部の都市。酒泉市の管轄下の県級市である。かつてシルクロードの分岐点として栄えたオアシス都市であり、近隣にある莫高窟とそこから出た敦煌文書で有名である。歴史的な敦煌は現在の敦煌市と瓜州県を合わせた領域にほぼ重なる。
{{redirect|敦煌|井上靖の歴史小説|敦煌 (小説)|映画化作品|敦煌 (映画)}} {{基礎情報 中国の都市 |name = 敦煌市 |shortname = |nickname = |usedname = |nameorigin = |image_city = Dunhuang Mogao Ku 2013.12.31 12-30-18.jpg |image_caption = [[莫高窟]] |image_map = Location of Dunhuang within Gansu (China).png |map_caption = [[甘粛省]]中の敦煌市の位置 |latd=40 |latm=06 |lats= |latNS=N |longd=94 |longm=39 |longs= |longEW=E |simplified = 敦煌 |traditional = 敦煌 |pinyin = Dūnhuáng |katakana = ドゥンファン |class = [[県級市]] |subdivision_type1 = 省 |subdivision_name1 = 甘粛 |subdivision_type2 = 地級市 |subdivision_name2 = 酒泉市 |leader_title = |leader_name = |leader_title1 = |leader_name1 = |established_title = |established_date = |established_title1= |established_date1 = |area_total = 31200 |population_total = 13 |population_as_of = 2002 |areacode = 0937 |postcode = 736200 |carlicense = |admini_division_code = 620982 |website = http://www.dunhuang.gov.cn/ |footnotes = }} [[File:Crescent Moon Spring Yueyaquan Mingshashan Dunhuang Gansu China 敦煌 鸣沙山 月牙泉 - panoramio 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約250キロメートル東に[[玉門市|玉門]]、300キロメートル北に新疆ウイグル自治区の[[クムル市|クムル]](ハミ)が位置している。 昔の関所として、西北約80kmの所にあるのが「[[玉門関]]」、南西約70kmの所にあるのが「[[陽関]]」。陽関は、王維の唐詩「送元二使安西」でも有名。この詩は、友人の西域(安西:現[[クチャ市|庫車]]辺り)派遣に際し、[[王維]]が[[咸陽市|咸陽]](現西安北西部)で、友人元常(元二)を見送る際に綴ったとされている。最後の行が有名で、「西出陽関無故人(陽関から西へ出れば、もう知る人も無いんだから)」と言い、酒を飲み交わした。 == 歴史 == 敦煌の名前は[[後漢]]の学者[[応劭]]によると「大にして盛ん」と言う事だが、実際には紀元前からこの地を支配していた[[月氏]]の言葉の音訳であるとされる{{要出典|date=2023年9月}}。 [[紀元前2世紀]]前半に[[匈奴]]に[[冒頓単于]]が立ち、月氏を攻めてこの地は匈奴の支配下に入る。冒頓の時代には匈奴に押され気味であった[[前漢]]だったが、[[武帝 (漢)|武帝]]の代になって[[西域]]に対して積極的に遠征を行い、この地に[[敦煌郡]]を設置した。敦煌郡の設置年代についてはかつては[[紀元前111年]]と言われていたが、[[紀元前92年]]ごろの[[李広利]]将軍の[[大宛]]([[フェルガナ]])遠征の際に設置されたとする説が有力となっている。 その後、[[河西回廊]](現在の甘粛省)を漢が制圧すると、敦煌の西に防御拠点の[[玉門関]]と[[陽関]]が設置され、漢の西域経営の中心地となり、西方からの[[汗血馬]]・[[ブドウ]]・[[ゴマ]]などの産物や[[仏教]]がこの地を通って漢に運ばれ、漢からは[[絹]]が西方へと運ばれた。漢にとっての経済・軍事に於ける重要な拠点となり、豊かな土地と防衛拠点としての使命から厳しい政治を避けると言う事があり、税も物価も安く、住民は平和と豊かさを楽しんでいた。この頃の人口が3万8千ほどと言う記録があり、現在の3分の1ほどだが、中国の全人口が現在の20分の1以下(注:現在の中華人民共和国の領土は前漢よりかなり広い)の6千万ほどであるからこの頃の敦煌がいかに栄えていたかがわかる。 ただしこの地の住民は漢政府により送り込まれた窮迫農民や犯罪者であった。そして敦煌の住民が漢の中心地へと帰ることは禁じられていた。 その後の[[五胡十六国時代]]には中央から自立した[[西涼]]がこの地に首都を置いた。これ以後は'''[[沙州]]'''(現在の敦煌市{{仮リンク|沙州鎮 (敦煌市)|zh|沙州鎮 (敦煌市)|label=沙州鎮}})・'''[[瓜州]]'''(現在の敦煌市)と呼ばれる。西涼は[[北魏]]によって滅ぼされ、北魏に於いても西域に対する拠点として重要さは変わらなかった。[[魏晋南北朝時代]]は仏教が中国に布教した時代でもあり、この地では[[竺法護]]などの僧が西方よりやってくる経典の訳に励み、布教に大きく貢献した。また[[366年]]から僧楽僔(らくそん、僔は人偏に尊)によって'''[[莫高窟]]'''の掘削が始まっている。五胡十六国時代から敦煌は張氏・索氏・[[令狐氏]]・范氏・宋氏と言う五家の名族によって実質的に支配されており、名族社会を形成していた。 [[唐]]代にも引き続き、西域への玄関口として重要であった。しかし[[安史の乱]]により唐政府の統制力が弱まり、この地は[[781年]]に[[吐蕃王朝|吐蕃]]の侵攻を受けて、[[786年]]以後70年間は[[吐蕃]]の支配下に入った。[[摩訶衍]]が[[吐蕃]]へ[[禅宗]]を伝えたが、[[カマラシーラ]](蓮華戒)との[[サムイェー寺の宗論]]に敗れ、[[中国仏教]]は追放された。[[吐蕃]]が唐と対立すると、吐蕃の支配下では交易が行われず、経済の動脈を絶たれた敦煌は一気に衰退した。 [[851年]]、漢人の[[張議潮]]が吐蕃に反乱を起こしてこの地に独立し、唐に帰順して[[帰義軍]][[藩鎮|節度使]]に任じられた。この頃には唐政府の権威は更に衰えており、実質的には独立勢力である。[[張議潮]]勢力の下で交易は再開されたが、かつての盛況振りからすれば比べ物にならないほど衰えていた。張氏のあとは、曹氏が[[帰義軍]]の勢力を引き継いだ。 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莫高窟も[[中華人民共和国]]が成立すると保護を受けられるようになり、[[1987年]]に[[世界遺産]]に登録され、観光名所として栄えている。 == 行政区画 == *[[鎮]]:七里鎮、沙州鎮、粛州鎮、莫高鎮、転渠口鎮、陽関鎮、月牙泉鎮、郭家堡鎮、黄渠鎮 == 姉妹都市 == * {{flagicon|JPN}} [[大分県]][[臼杵市]] * {{flagicon|JPN}} [[神奈川県]][[鎌倉市]] * {{flagicon|JPN}} [[栃木県]][[日光市]] == 観光 == *[[中華人民共和国国家級風景名勝区|国家重点風景名勝区]]:[[鳴沙山]]、[[月牙泉]] *[[全国重点文物保護単位]]:[[莫高窟]]、[[玉門関]]および長城烽燧遺址、{{仮リンク|懸泉置遺址|zh|懸泉置遺址}} *[[敦煌ヤルダン国家地質公園]] *敦煌市博物館 == 交通 == 航空 *[[敦煌空港]] 鉄道 *[[敦煌線]] **[[敦煌駅]]、[[甜水井駅]] *[[蘭新線]] **[[紅柳河駅]] *[[蘭新線第二複線]] **[[紅柳河南駅]] 道路 *[[G215国道|215国道]]、[[G313国道|313国道]] == 敦煌を題材にした作品 == *『[[敦煌 (小説)|敦煌]]』 - [[井上靖]]の小説。[[敦煌 (映画)|映画化]]もされた。 *『敦煌物語』[[松岡譲]] [[平凡社]]、新版2003年 井上靖に影響を与えた。初版1943年 *『シルクロード・敦煌』([[喜多郎]]) - [[NHK特集 シルクロード]]・オリジナルサウンドトラック *『[[さばくの宝の城 (OVA)|さばくの宝の城]]』 -[[池田大作]]原作のOVA. == 注釈・出典 == <references/> == 外部リンク == {{commonscat|Dunhuang}} * {{Wikivoyage-inline|ja:敦煌|敦煌}} {{甘粛省の行政区画}} {{中華人民共和国国家歴史文化名城}} {{Normdaten}} {{DEFAULTSORT:とんこう}} [[Category:敦煌市|*]] [[Category:酒泉市の行政区画]] [[Category:甘粛省の県級市]] [[Category:オアシス都市]] [[Category:国家歴史文化名城]] [[Category:シルクロード]] [[Category:中華人民共和国の古都]]
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世界遺産
世界遺産(、英語: World Heritage Site)は、1972年のユネスコ総会で採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)に基づいて世界遺産リスト(世界遺産一覧表)に登録された、文化財、景観、自然など、人類が共有すべき「顕著な普遍的価値」を持つ物件のことで、移動が不可能な不動産が対象となっている。慣例的な用法として、その中の文化遺産を世界文化遺産、自然遺産を世界自然遺産と呼ぶことがある。 なお、世界遺産の制度では正式な文書は英語とフランス語で示され、日本語文献では英語が併記されることがしばしばある一方、フランス語が併記されることは普通ないため、以下では参照しやすさを考慮し、主たる用語には英語を併記する。 世界遺産は、「顕著な普遍的価値」を有する文化遺産や自然遺産などであり、1972年に成立した世界遺産条約に基づき、世界遺産リストに登録された物件を指す。世界遺産条約はユネスコ成立以前、20世紀初頭から段階的に形成されてきた国際的な文化財保護の流れと、国立公園制度を最初に確立したアメリカ合衆国などが主導してきた自然保護のための構想が一本化される形で成立したものである。 世界遺産は、政府間委員会である世界遺産委員会の審議を経て決定される。その際、諮問機関として、文化遺産については国際記念物遺跡会議(ICOMOS)が、自然遺産については国際自然保護連合(IUCN)がそれぞれ勧告を出し、両方の要素を備えた複合遺産の場合には、双方がそれぞれ勧告する。潜在的ないし顕在的に保存することが脅威にさらされている遺産は、危機遺産リストに登録され、国際的な協力を仰ぐことになる。それ以外の世界遺産も、定期報告を含む保全状況の確認が登録後にも行われる。適切な保護活動が行われていないなど、世界遺産としての「顕著な普遍的価値」が失われたと判断された場合には、世界遺産リストから抹消されることもありうる。実際、2007年にはアラビアオリックスの保護区が初めて抹消された物件となった。その後も2件の世界遺産が抹消されている。 その一方で、世界遺産条約締約国は190か国を超え、2015年には世界遺産リスト登録物件が1,000件を超えた。世界遺産条約はもっとも成功した国際条約と呼ばれることもしばしばであるが、反面、その登録件数の増加に対しては、保護・管理といった本来の趣旨に照らして懸念を抱く専門家たちもいる。のみならず、専門家の勧告を覆す政治的決定の増加、都市開発と遺産保護の相克、過度の観光地化など、知名度が高くなったからこその問題も持ち上がっている。また、複数国で共有する「国境を越える世界遺産」は国際平和に貢献しうるものではあるが、領土問題や歴史認識が関わる審議では、国際的あるいは国内的に物議を醸すこともあり、武力衝突につながったことさえある(タイとカンボジアの国境紛争)。 世界遺産を守っていくためには教育や広報の重要性も指摘されており、ユネスコは若者を対象にした教材の開発や国際フォーラムの開催なども実施してきた。大学などの研究者には「世界遺産学」という学際的な学問を提唱する者たちもおり、大学・大学院によっては世界遺産に関する学科や専攻が設置されている場合があるほか、関連する講座が開講されている大学もある。 世界遺産は有形の不動産を対象としており、同じユネスコの遺産でも、無形文化遺産や世界の記憶(世界記憶遺産)とは異なる制度である。ただし、日本語の文献や報道では、これらがまとめて「ユネスコ三大遺産事業」などと呼ばれることもある。 ユネスコ第8代事務局長松浦晃一郎は2008年に世界遺産について叙述した際、1978年から1991年を「第一期」、1992年から2006年を「第二期」、2007年からを「第三期」と位置づけていた。以下ではこの区分に準じて、世界遺産の歴史を叙述する。 国際的に文化遺産を保護しようという動きは、戦時における記念建造物などの毀損を禁じた1907年ハーグ条約から始まったとされる。その後、レーリッヒ条約(英語版)、アテネ憲章なども整備されたが、第一次世界大戦、第二次世界大戦では文化財にも多大な損害がもたらされた。 1945年に国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)が設立されると、その憲章には、「世界の遺産である図書、芸術作品並びに歴史及び科学の記念物の保存及び保護を確保し、且つ、関係諸国民に対して必要な国際条約を勧告すること」(第1条・抜粋)と明記された。ユネスコは文化遺産保護の制度を整備していき、1951年には「記念物・芸術的歴史的遺産・考古学的発掘に関する国際委員会」が設立された。この委員会の勧告をもとに、ユネスコ総会での採択を踏まえて1959年に設立されたのが、文化財保存修復研究国際センター(英語版)(ICCROM)である。そして、国際委員会そのものは、1931年のアテネ憲章を発展的に継承したヴェネツィア憲章(1964年)を踏まえて、1965年に国際記念物遺跡会議(ICOMOS)となった。 また、ユネスコが「1907年ハーグ条約」を発展させるために検討した結果を踏まえ、武力紛争の際の文化財の保護に関する条約、いわゆる「1954年ハーグ条約」が採択され、武力紛争の際にも文化財などに対する破壊行為を行うべきでないことが打ち出された。これ以降も、ユネスコは文化財保護に関する勧告や条約を次々と採択していった。 こうした流れの中で重要だったのが、ヌビア遺跡保存国際キャンペーンである。エジプト政府はナイル川流域でのアスワン・ハイ・ダム建設を1950年代から計画し始めていた。このダムが完成した場合、アブ・シンベル神殿をはじめとするヌビア遺跡が水没することが懸念され、それを受けて1960年から国際キャンペーンが展開されたのである。ヌビア遺跡救済は、ダム建設を決定したエジプト大統領ナセル自身がユネスコに要請したものであったが、スエズ運河国有化に対する欧米諸国の反発、アスワン・ハイ・ダム建設へのソ連の支援といった背景により、難航が予想された。しかし、フランス文化大臣アンドレ・マルローの名演説などもあって、50か国から、総事業費の半額に当たる約4,000万ドルの募金が集まり、日本からも28万ドルが寄せられた(日本政府が1万ドル、朝日新聞社が27万ドル)。成功裏に終わったこのキャンペーンは、その後も続く国際キャンペーンの嚆矢となり、続いて北イタリアの水害を受けてフィレンツェとヴェネツィアの文化財を保護するためのキャンペーンが1966年に行われた。そして、同じ年のユネスコ総会では、世界的価値を持つ文化遺産を保護するための枠組み作りを始めることが決議され、これが世界遺産条約につながる土台のひとつとなった。これが「普遍的価値を有する記念工作物、建造物群及び遺跡の国際的保護のための条約」と称された案で、1970年のユネスコ総会にて、次回の総会(総会は2年に1回開催)で提出されることが決まった。なお、この案では、国際的な援助が要請される遺産のリストのみが想定されていた。それに対応するのは現在の世界遺産リスト全体ではなく「危機にさらされている世界遺産リスト」のみといえる。 他方、1948年設立の国際自然保護連合(IUCN)でもアメリカ合衆国が主導する形で、主として自然遺産保護のための条約作りが進められていた。アメリカではホワイトハウス国際協力協議会自然資源委員会が1965年に「世界遺産トラスト」を提唱し、優れた自然を護る国際的な枠組みが模索されており、その具体化作業がIUCNを通じて行われていたのである。アメリカはイエローストーン国立公園設立(1872年)によって世界で最初に国立公園制度を確立した国であり、大統領リチャード・ニクソンは「環境に関する教書」(1971年)において、国立公園誕生100周年(1972年)を期して、世界遺産トラストを具体化することの意義を説いた。そうしてできたのが、「普遍的価値を有する自然地域と文化的場所の保存と保護のための世界遺産トラスト条約」と称された案で、こちらの案に盛り込まれた「世界遺産登録簿」案が現在の世界遺産リストにつながった。 上述の2つの流れは、国際連合人間環境会議(1972年)に先立つ政府間専門会議でのユネスコ事務局長ルネ・マウ(英語版)の提案もあり、一本化されることで合意された。その結果、同年11月16日、パリで開催された第17回ユネスコ総会(議長萩原徹)にて、一本化された「世界の文化遺産および自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)が採択された。翌年アメリカ合衆国が最初に批准し、1975年9月17日に締約国が20か国に達した。これによって発効の要件を満たしたため、3か月後の12月17日に正式に発効した。 1976年11月には第1回世界遺産条約締約国会議が開かれた。締約国会議はユネスコ総会に合わせる形で(つまり2年に1回)開催され、世界遺産委員会の委員国選出や世界遺産基金への各国の分担金額の決定が行われる。その第1回会議で最初の世界遺産委員会の委員国が選出され、翌年には第1回世界遺産委員会が開催された。この委員会で採択されたのが、世界遺産登録の基準なども含む「世界遺産条約履行のための作業指針」(以下「作業指針」と略記)であり、この「作業指針」はその後も改定を重ねることとなる。 そして、1978年の第2回世界遺産委員会で、エクアドルのガラパゴス諸島や西ドイツのアーヘン大聖堂など12件(自然遺産4、文化遺産8)が、最初の世界遺産リスト登録を果たした(いわゆる「世界遺産第1号」)。翌年の第3回世界遺産委員会では、世界遺産制度のきっかけとなったヌビア遺跡なども含む45件が登録され、一気に5件ずつ登録したエジプトとフランスが保有国数1位となった。この第3回世界遺産委員会は、最初の複合遺産(ティカル国立公園)が誕生した会合であるとともに、直近の大地震で大きな被害を受けたコトルの自然と文化歴史地域(ユーゴスラビア社会主義連邦共和国)が最初の危機遺産リスト記載物件になった会合でもある。その後は、1980年の第4回世界遺産委員会におけるワルシャワ歴史地区登録(後述)など、議論になる案件もあったものの、締約国、登録件数とも増加していった。 世界遺産に関する業務の増大を踏まえ、1992年には、世界遺産の事務局にあたる世界遺産センターがユネスコ本部内に設置された。当初はユネスコの文化遺産部との棲み分けが十分になされていなかったが、のちに世界遺産センターは有形の文化遺産を、ユネスコ文化遺産部はおもに無形の文化遺産を担当する形で業務分担された。 1992年は「作業指針」に文化的景観の概念が導入された年でもある。詳しくは後述するが、この概念は、より多様な文化遺産に世界遺産登録への道を開くものであり、登録件数の多い欧米と、それ以外の地域との間の、不均衡の是正にも寄与することが期待された。 1992年は日本が世界遺産条約を批准した年でもあり、先進国では最後にあたる125番目の締約国となった(同年の6月30日に受諾書を寄託、9月30日に発効)。日本の参加が他国と比べて遅れた理由は、いくつか指摘されている。たとえば、文化財保護法などの独自の保護関連法制が整っていて必要性が認識されづらかったこと、参加した場合の煩瑣な行政手続きや国内法の修正作業への懸念があったこと、重要性に対する認識が希薄な中で国会審議の優先順位が高くなかったこと、冷戦下でアメリカを刺激したくなかったこと、世界遺産基金の分担金拠出に関する議論が決着しなかったこと、省庁の縦割り行政の弊害があったことなどが挙げられている。 国内では紆余曲折あった日本の参加だが、参加してすぐに重要な議論を本格化させることになる。それは「木の文化をどう評価するか」ということである。日本の世界遺産のうち、最初の文化遺産は姫路城と法隆寺地域の仏教建造物である(いずれも1993年登録)。これらはいずれも解体修理の手法で現代に伝えられてきた建造物であり、基本的にそのような修理を必要としない「石の文化」の評価基準になじまない側面があったために議論となり、それが「真正性に関する奈良文書(英語版)」の成立につながった(後述参照)。これは、アジアやアフリカに多い木、日干し煉瓦、泥の建築物など、多様な世界遺産を増やすことにつながり、世界遺産の歴史の中で重要な意義を持った。 世界遺産は毎年その件数が増えていく中で、上限に関する議論なども見られ始める(後述)。その一方で、登録物件から「顕著な普遍的価値」が失われた場合などには、その物件は世界遺産リストから抹消される規定が存在していたが、そのような事例は長らく存在していなかった。しかし、2007年の第31回世界遺産委員会でアラビアオリックスの保護区が初めて抹消され、続いて2009年の第33回世界遺産委員会ではドレスデン・エルベ渓谷が、さらに2021年の第44回世界遺産委員会で海商都市リヴァプールが抹消された。松浦晃一郎は、最初の抹消事例が出た2007年以降を、保全や保護に対する重要性がいっそう増した時期と見なしている。 さまざまな課題を抱える一方で、世界遺産の数は増加し続けている。産業遺産や文化の道など、比較的新しい文化遺産のカテゴリーも取り込みつつ、2010年にはハノイのタンロン皇城の中心区域(ベトナムの世界遺産)をもって世界遺産登録件数が900件を突破、2014年にはオカバンゴ・デルタ(ボツワナの世界遺産)の登録をもって1,000件を突破した。 2023年の第45回世界遺産委員会時点での条約締約国は195か国、世界遺産の登録数は1,199件(168か国)となっている。その締約国数、人気、知名度などから、しばしば国際条約の中でもっとも成功した部類に数えられている。 登録される物件は不動産、つまり移動が不可能な土地や建造物に限られる。そのため、たとえば寺院が世界遺産になっている場合でも、中に安置されている仏像などの美術品(動産・可動文化財)は、通常は世界遺産登録対象とはならない。ただし、東大寺大仏のように移動が困難と認められる場合には、世界遺産登録対象となっている場合がある。逆に、将来的に動産になる可能性があると判断される場合、推薦時点で不動産であっても認められない(「作業指針」第48段落)。チェルヴェーテリとタルクイーニアのエトルリア墓地遺跡群(イタリア)の登録時には、優れた出土品の数々が収められた隣接する博物館を登録対象にするかどうかが議論になったが、世界遺産委員会はあくまでも不動産しか評価対象にしないとして、収蔵している出土品を理由とする形での博物館登録は認めなかった。このような対象の設定に対する限界が、のちの無形文化遺産の枠組みにつながった(後述)。 世界遺産に登録されるためには、後述する世界遺産評価基準を少なくとも1つは満たし、その「顕著な普遍的価値」を証明できる「完全性」と「真正性」を備えていると、世界遺産委員会から判断される必要がある。その際、同一の歴史や文化に属する場合や、生物学的・地質学的特質などに類似性が見られる場合に、シリアル・プロパティーズ(関連性のある資産群)としてひとまとめに登録することが認められている(「作業指針」第137段落)。たとえば、フランス、インド、日本、アルゼンチンなど7か国の世界遺産であるル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-などはその例である。 また登録されたあと、将来にわたって継承していくために、推薦時点で国内法などによってすでに保護や管理の枠組みが策定されていることも必要である。日本の例でいえば、原爆ドームの世界遺産推薦に先立ち、文化財保護法が改正されて原爆ドームの史跡指定が可能になったことも、そうした点に合致させる必要があったためである。 世界遺産はその内容によって文化遺産、自然遺産、複合遺産の3種類に分けられている。なお、日本語文献ではしばしば無形文化遺産も単に「世界遺産」と呼ばれることがあるが、後述するように、そちらは世界遺産条約の対象ではなく、世界遺産委員会で扱われる「文化遺産」には含まれない。 また、内容的な区分以外にも、国際的な対応の優先度の高い「危機にさらされている世界遺産」(危機遺産)、2か国以上で保有する「国境を越える資産」、非公式な分類だが日本語圏では広く用いられる「負の世界遺産」などがある。 文化遺産は世界遺産条約第1条に規定されており、記念工作物、建造物群、遺跡のうち、歴史上、芸術上あるいは学術上顕著な普遍的価値を持つものを対象としている。しばしば「世界文化遺産」と呼ばれる。 基本的なカテゴリーは上記の3種のままだが、それらに内包されるカテゴリーとして、上述のように1992年に文化的景観の概念が追加され、以降、産業遺産、文化の道など多様なカテゴリーが加わった。文化遺産は研究の深化とともに範囲が広がっており、それゆえICOMOSも、世界文化遺産の一覧は「開いた一覧」となる見通しを示している。 自然遺産は世界遺産条約第2条に規定されている。その定義では「無生物又は生物の生成物又は生成物群から成る特徴のある自然の地域であって、鑑賞上又は学術上顕著な普遍的価値を有するもの」「地質学的又は地形学的形成物及び脅威にさらされている動物又は植物の種の生息地又は自生地として区域が明確に定められている地域であって、学術上又は保存上顕著な普遍的価値を有するもの」「自然の風景地及び区域が明確に定められている自然の地域であって、学術上、保存上又は景観上顕著な普遍的価値を有するもの」が挙げられている。しばしば「世界自然遺産」と呼ばれる。 文化遺産の場合は、ICOMOS によるテーマ別研究によって多様な文化遺産の模索がなされてきたが、IUCNは少なくとも第39回世界遺産委員会(2015年)の時点では、財政事情から自然遺産のテーマ別研究はしていないことを明かしている。ただし、そもそも自然遺産は文化遺産と違い、その価値の評価は当初から安定していた。IUCNは1982年にはグローバル目録を作成し、自然遺産として登録が望まれる類型の網羅を終えていた。それゆえIUCNは自然遺産(および複合遺産)を「閉じた一覧」とすることを志向し、その限界は250から300と考えられている。 複合遺産は文化と自然の両方について、顕著な普遍的価値を兼ね備えるものを対象としている。1979年には最初の複合遺産が登録されていたものの、世界遺産条約に直接的な規定はなく、作業指針でも長らく明記されてこなかった。しかし、2005年の改訂の際に「作業指針」第46段落で定義付けられた。 複合遺産には最初からそのように登録されたものだけでなく、自然遺産として登録されたものの文化的側面が追認されて複合遺産になったり、逆に文化遺産の自然的側面が追認されて複合遺産になったりする場合もある。後者に該当する例で最初に登録されたのはカンペチェ州カラクムルの古代マヤ都市と熱帯保護林(メキシコ、2014年拡大)だが、この審議が難航したことを踏まえて、諮問機関の情報交換のやり方などが変更された。 内容上の分類ではないが、後世に残すことが難しくなっているか、その強い懸念が存在する登録物件は、危機にさらされている世界遺産リスト(危機遺産リスト)に加えられ、別途保存や修復のための配慮がなされることになっている(世界遺産条約第11条4項および「作業指針」第177段落 - 第191段落)。危機遺産については、世界遺産条約や「作業指針」でも詳しく規定されており、制度の中核的概念と位置づけられている。世界遺産リストへの推薦が各国政府しか行えないのに対し、危機遺産リストへの登録の場合は、きちんとした根拠が示されれば、個人や団体からの申請であっても受理、検討されることがある。 2013年にはシリア内戦などを理由にシリアの世界遺産が6件すべて、2016年にはリビア内戦などを理由にリビアの世界遺産が5件すべて登録されるなどし、2023年1月の世界遺産委員会第18回臨時委員会終了時点での危機遺産登録物件は55件となっている。しかし、保有国の中には、危機遺産登録を不名誉なものと捉えて強い抵抗を示す国もあり、危機遺産リストに登録されるべき場合であってさえも、容易に登録が実現しない現実がある。リストに正式登録された危機遺産以外に、そのような「隠れた危機遺産」の増加を懸念する意見もある(後述)。 世界遺産の中には、複数国にまたがる「国境を越える資産」も存在する(「作業指針」第134段落)。その推薦書は保有国が共同で作成し、登録後の管理には共同で専用の機関を設置することが望ましいとされる。中には、カルパティア山脈とヨーロッパ各地の古代及び原生ブナ林(18か国)、シュトルーヴェの測地弧(10か国)のように多くの国々で保有されている例もある。 国境を越える資産は当初、自然遺産分野に多く見られたが、そうした制度の起源は世界遺産制度そのものよりも古く、ウォータートン・グレイシャー国際平和自然公園の設立にさかのぼると言われる(1932年設定、1995年には世界遺産リストにも登録)。国境を越える資産の存在は、国境を越えて協力することの大切さを伝え、保有国間の平和の構築にも資するとされるが、実際には国境を越えて価値が連続性を持つにもかかわらず、さまざまな事情を背景に別々に登録されている例がある。たとえば、イグアス (Iguaçu) 国立公園(ブラジル)とイグアス (Iguazú) 国立公園(アルゼンチン)、スンダルバンス国立公園(インド)とシュンドルボン(バングラデシュ)などがそうである。文化遺産だとサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路:カミノ・フランセスとスペイン北部の道(スペイン)とフランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路などがそれにあたる。そうした例には高句麗の遺跡のように、歴史的・政治的背景に起因するものもある(後述)。 戦争、奴隷貿易、人種差別、文化浄化など、人類の歴史において繰り返してはならない出来事をとどめた遺跡なども、世界遺産リストに登録されている。これらは別名「負の世界遺産」(負の遺産)と呼ばれている。 ただし、世界遺産センターやICOMOSによって公式に認められた分類ではない。そのため、何を負の遺産と見なすのかは論者によって異なるが、しばしば挙げられるのは広島市への原爆投下を伝える原爆ドーム、ホロコーストの物証であるアウシュビッツ=ビルケナウ(ポーランド)、奴隷貿易の拠点であったゴレ島(セネガル)、ネルソン・マンデラを含む反アパルトヘイト政治犯の収容所だったロベン島(南ア)の4件で、このほかに核実験に関わるビキニ環礁の核実験場(マーシャル諸島)や、ターリバーンによる文化浄化を被ったバーミヤン渓谷の文化的景観と古代遺跡群(アフガニスタン)なども、負の遺産とされることがある(負の遺産とされることがある他の例については、負の世界遺産参照)。 なお、これらの世界遺産登録では、単に悲劇的な出来事があったというだけでなく、それを繰り返すまいとする運動などが評価されることは珍しくない。たとえば原爆ドームは、正式登録前から「負の遺産」と位置づける関連書籍もあったが、世界遺産登録にあたっての評価は、あくまでも原爆のない世界を目指す半世紀にわたる平和運動に焦点が当てられており、戦争や原爆の悲惨さ自体は中心を占めていない。 負の世界遺産はユネスコが公式に認めた分類ではないが、2018年以降第二次世界大戦中から戦後に起きた出来事に関連する場所が世界遺産に推薦されるようになった。これに対しユネスコ・世界遺産委員会・諮問機関は、当事者間の記憶がまだ鮮明で、登録により対立が再燃することを警戒し、顕彰するのは時期尚早としたが、要望の声が高まったこともあり協議した結果、「最近の紛争(Recent conflicts)」に関する「記憶の場所」として顕彰を始めることとした。これはユネスコが公式に認めた区分となる。 但し、一方的な登録は文化的不寛容を助長し、文化紛争(英語版)から文化戦争に発展し、最終的に文化の崩壊(英語版)に至りかねないとして、審査に関しては異議申し立てを受け付けての審議延期や調停、当事者間対話の実施や和解プログラムの構築などを義務付ける。 すでに述べたように、世界遺産となるためには「顕著な普遍的価値」(略号は OUV)を有している必要がある。しかし、世界遺産条約では「顕著な普遍的価値」自体を定義していない。「作業指針」第49段落には、国家の枠にとらわれずに、現在だけでなく将来の人類にとっても大きな価値を持つといった大まかな定義があるが、その証明のために要請されるのが、10項目からなる世界遺産登録基準のいずれか1つ以上を満たすことである。 以上は当初から変わらない条件だが、2005年の「作業指針」改定によって、OUVを構成する要素に保存管理が加わったため、OUVの証明には登録基準を満たすこと、完全性と真正性を満たすこと、保存管理が適切に行われていることのすべての証明が必要となった(「作業指針」第77・78段落)。 世界遺産登録基準は、当初、文化遺産基準 (1) - (6) と自然遺産基準 (1) - (4) に分けられていたが、2005年に2つの基準を統一することが決まり、2007年の第31回世界遺産委員会から適用されることになった。新基準の (1) - (6) は旧文化遺産基準 (1) - (6) に対応しており、新基準 (7)、(8)、(9)、(10) は順に旧自然遺産基準 (3)、(1)、(2)、(4) に対応している。このため、実質的には過去の物件に新基準を遡及して適用することが可能であり、現在の世界遺産センターの情報では、旧基準で登録された物件の登録基準も新基準で示している。 基準が統一されたあとも文化遺産と自然遺産の区分は存在し続けており、新基準 (1) - (6) の適用された物件が文化遺産、新基準 (7) - (10) の適用された物件が自然遺産、(1) - (6) のうち1つ以上と (7) - (10) のうち1つ以上の基準がそれぞれ適用された物件が複合遺産となっている。 登録基準(評価基準)の内容は以下の通りである(「作業指針」第77段落)(以下は世界遺産センター公式サイトに掲載された基準を翻訳のうえ、引用したものである)。 前述の通り、世界遺産の「顕著な普遍的価値」には、完全性と真正性を満たしていることも必要となる。 完全性とは、その物件のOUVを証明するために必要な要素が、適切な保全管理の下で過不足なく揃っていることを指す(「作業指針」第78・87・88段落)。インテグリティ、全体性などとも呼ばれる。 一定の規模を確保することが求められる反面、価値の証明と関係のない要素が多く混じっても否定的に評価されるため、いたずらに範囲を拡大するよりも、個々の要素群に絞り、面ではなく点で捉える「関連性のある資産」とすることも含め、価値の証明に即して範囲を練ることが求められる。たとえば、富岡製糸場と絹産業遺産群では、当初10件の構成資産を擁する推薦物件だったが、絹産業の技術革新と国際交流という価値の証明に即した練り直しの結果、4件にまで絞られた経緯があり、絞り込みが効果的だったとされている。 諮問機関は、範囲の設定に不足がある推薦の場合には範囲の再考を勧告するが、逆に余計な要素が含まれていると判断した場合には、特定の要素の除外を条件にした登録勧告を示すことがある。たとえば、富士山-信仰の対象と芸術の源泉の推薦では三保松原の除外が、「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群の推薦では新原・奴山古墳群などの除外がそれぞれ勧告された(いずれも逆転で登録)。他方、平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―の推薦で除外が勧告された柳之御所遺跡は、委員会審議でも勧告通りに除外と決まった例である。 自然遺産・複合遺産の例では、ブルー・アンド・ジョン・クロウ・マウンテンズ(ジャマイカ)は、同名の国立公園の推薦時には絞り込みを勧告され、核心部分のみに限定した再推薦で登録された例であり、逆に大ヒマラヤ国立公園保存地域(インド)は、国立公園だけでは不足があるとして、隣接する自然保護区にまで拡大することで登録された例である。 真正性とは、特に文化遺産について、そのデザイン、材質、機能などが本来の価値を有していることなどを指す(「作業指針」第79段落 - 第82段落)。真実性と訳されるほか、もともと日本語に対応する概念がなかったとしてオーセンティシティとカタカナで表現される場合もある。 再建された建造物の歴史的価値は、1980年登録のワルシャワ歴史地区(ポーランド)で早くも問題になった。ワルシャワの町並みは第二次世界大戦で徹底的に破壊され、戦後に壁のひび割れなどまで再現されたといわれるほどの再建事業を経て、忠実に復元されたものだったからである。1979年、1980年と続けて議論が紛糾した結果、ワルシャワの登録と引き換えに、第二次大戦後に再建されたほかのヨーロッパ都市は登録対象としないことが決められた。「作業指針」にも、歴史地区の再建などは例外的にしか認められないことが明記されている(第86段落)。もっとも、2005年登録のオーギュスト・ペレによって再建された都市ル・アーヴル(フランス)のように、戦前の面影を一新した鉄筋コンクリート造りの計画都市が登録された例はある。 その後、登録物件の偏りなどとの関連で「真正性」の問題がクローズアップされた。堅牢な石の建造物を主体とするヨーロッパの文化遺産と違い、木や土を主体とするアジアやアフリカの文化遺産は、保存の仕方が異なってくるからである。そこで、1994年に奈良市で開催された「世界遺産の真正性に関する国際会議」で採択された奈良文書において、真正性はそれぞれの文化的背景を考慮するものとし、木造建築などでは、建材が新しいものに取り替えられても、伝統的な工法・機能などが維持されていれば、真正性が認められることになった。この真正性の定義づけには日本も積極的に関わり、世界遺産制度史上における日本の特筆すべき貢献と評価されている。 世界遺産の登録範囲(Boundary)は、前述のように完全性をはじめとする「顕著な普遍的価値」(OUV)の証明のために必要な要素を、過不足なく含むことが求められる。範囲の設定は行政区分などに左右されるべきでないとされ、自然地形の特徴などに即していることが望ましいとされている。登録後にも範囲の変更は可能である。それについては後述を参照のこと。 世界遺産の登録に当たっては、登録物件の周囲に緩衝地帯(Buffer zone)を設けることがしばしばである。ただし、それはOUVを有するとは認められていない地域で、世界遺産登録範囲ではない。かつては、世界遺産そのものの登録地域を核心地域(Core zone)と呼んでいたが、核心地域と緩衝地帯がともに世界遺産登録地域であるかのように誤認されないために、2008年から世界遺産そのものの登録地域は資産(property)と呼ばれ、緩衝地帯と明確に区別されるようになった。 緩衝地帯は、そのままカタカナでバッファー・ゾーンと表現されることもある。本来保護すべき範囲の外側に緩衝地帯を設定するという考え方は、自然保護に見られた概念を文化遺産にも拡大したものといえる。この範囲設定は、ユネスコの「人と生物圏計画(英語版)」で「核心地域」「緩衝地域」「移行地域」の3区分が存在していたことをモデルに、核心地域と緩衝地域の概念を導入したものである。なお、日本の省庁の場合は「バッファー・ゾーン」を世界遺産では「緩衝地帯」、生物圏保存地域(ユネスコエコパーク)では「緩衝地域」と訳し分けている。 緩衝地帯の役割は、資産の保護のために設定される区域で、法的あるいは慣例的に開発などは規制を受ける。たとえばフランスの場合、歴史的記念建造物の周囲には一律(半径500メートル)に規制が敷かれるが、世界遺産の場合、保護する範囲に機械的な線引きはなく、また資産全体に同じ範囲だけ設定しなければならないものではない。そもそも緩衝地帯は当初、方針文書に明記されておらず、ごく初期の世界遺産には設定されていなかった。1980年や1988年の「作業指針」で段階的に盛り込まれていったが、厳格な適用を求める方向で「作業指針」が改定されたのは2005年のことで、設定しない場合には理由の提示が必要となった。世界遺産の推薦にあたっては、原則として資産だけでなく緩衝地帯についても、規模や用途などを明記し、地図も提出する必要がある(「作業指針」第104段落)。 それ以降、第31回世界遺産委員会(2007年)ですでに登録されている世界遺産7件に遡及的に設定されるなど、「軽微な変更」(後述)として緩衝地帯の遡及的な設定なども行われるようにもなっている。 その一方、生物圏保存地域と異なり、緩衝地帯の外側に移行地域が存在しないため、緩衝地帯のすぐ外側での開発などが問題視されることが出てきた。たとえばロンドン塔の場合、超高層建築ザ・シャードが緩衝地帯の外に建てられたが、ロンドン市内で突出したその高さは、ロンドン塔の景観にも影響を及ぼしてしまっている。これは緩衝地帯の外であったため、世界遺産委員会では懸念は表明されたものの、それ以上の措置には踏み込まなかった。世界遺産委員会では、緩衝地帯の外でさえ、景観に影響を及ぼす場合には規制すべきという意見も出されるようになっている。その一方、都市の成長や開発に対する過度の抑制につながることを懸念する論者もいる。 前述のように、緩衝地帯は理由を明記すれば、設定しないことも許容される。許容されるための理由としては、資産そのものの保護範囲がもともと十分に広く設定されている場合や、大平原や地下など、資産の所在環境による条件を勘案して緩衝地帯の設定が無意味、あるいは不要などと判断される場合などがある。しかし、フォース橋(2015年登録)が保護範囲の十分の広さを理由に緩衝地帯を設定しなかったところ、その審議が紛糾した例などもあり、専門家からは緩衝地帯を設定しない推薦は例外的なものと見なされている。 世界遺産リスト登録に必要となる前提、審査の流れ、登録後の保全状況報告などは、「世界遺産条約履行のための作業指針」(「作業指針」)で規定されている。その登録までの流れを図示すると以下のようになる。 暫定リストは、世界遺産登録に先立ち、各国がユネスコ世界遺産センターに提出するリストのことである。もともと文化遺産について、このリストに掲載されていないものを世界遺産委員会に登録推薦することは原則として認められていなかったが、「作業指針」の2005年の改訂で、自然遺産についても義務づけられるようになった。ただし、バム地震(2003年)で壊滅的損壊を被ったバムとその文化的景観(イラン、2004年登録)のように、不測の事態によって緊急で登録する必要性が認められた場合には、「緊急登録推薦」に関する条項に従い、暫定リスト記載と推薦をほぼ同時に行うことが認められる場合がある(後述)。 暫定リストは、各国が1年から10年以内をめどに世界遺産委員会への登録申請を目指すもののリストであり、10年ごとに見直し、再提出することが望ましいとされる。ただし、10年間推薦しなかったら除去しなければならないというものではない。たとえば日本の場合、1992年から暫定リストに記載され続けていた物件のうち、古都鎌倉の寺院・神社ほかが最初に推薦されたのはおよそ20年後のことであり(結果は本審議前に取り下げ)、彦根城は一度も推薦されたことがない。 暫定リスト掲載物件は、世界遺産委員会がその「顕著な普遍的価値」(OUV)を認めたものではなく、現在暫定リストに掲載されているものには、不登録勧告を受けて取り下げたものや、登録延期決議などを受けたものもある。ただし、世界遺産委員会で「不登録」(後述)と決議されたものを暫定リストに掲載し続けることは、原則として認められていない(「作業指針」第68段落)。 世界遺産委員会は、条約締結各国に対して、暫定リストへの掲載にあたっては、その遺産のOUVを厳格に吟味することや、保護活動が適正に行われていることを十分示すように求めている。また委員会は、暫定リスト作成では、まだ登録されていないような種類の物件に光を当てることや、世界遺産を多く抱える国は極力暫定リストを絞り込むことなどを呼びかけており、後述の「登録物件の偏り」を是正するための一助とすることを企図している。 この暫定リストは、各国がOUVを持つと考える物件を加除できるリストである。それに対し、他国と争いのある物件などに関しては、世界遺産委員会の検証を踏まえるべきといった提案も出されているが、慎重な意見も出されている。第41回世界遺産委員会では、暫定リストが各国に独自に作成したリストであり、そこには世界遺産センターや委員会の意向は反映されていないと念押しされることになった。 日本の場合、暫定リストへの記載は、文化庁、環境省、林野庁が担当するが、推薦に向けては上記3省庁に外務省、国土交通省、水産庁を加えた6省庁に、オブザーバーとしての文部科学省と農林水産省を加えた「世界遺産条約関係省庁連絡会議」を経る必要があった。同連絡会議はその後、参加する省庁が変更され、2017年時点では文化庁、環境省、林野庁、水産庁、外務省、国土交通省、経済産業省、宮内庁、内閣官房となっている。同連絡会議を経て正式決定された物件は、それを踏まえて閣議了承がなされる。 推薦書の提出は、原則として世界遺産条約締約国のみにしかできない。ゆえに、たとえば台湾は世界遺産候補地リストを独自に発表するなど世界遺産登録に前向きだが、世界遺産条約締約国ではなく、一つの中国を掲げる中華人民共和国も台湾の物件を推薦したことがないため、世界遺産委員会の審議対象になったことすらない。逆にバチカン市国は国際連合にもユネスコにも加盟していないが、世界遺産条約は締約しているため、国全体が世界遺産である。世界遺産条約締約国の保有でない例外は、エルサレムの旧市街とその城壁群のみである。これはエルサレム帰属をめぐる問題から、ヨルダンの申請で認められたが、ヨルダンの世界遺産ではなく、「エルサレム(ヨルダンによる申請)」と位置づけられている。このほか、現状の枠組みにおさまらない概念として、公海の世界遺産が模索されている。 推薦書に記載することが求められるのは、資産の登録範囲と内容、それがOUVを持つことの証明、脅威を与える要素などについてのモニタリングを含む保全関連の情報などの条項である。 正式推薦の締め切りは、審議予定の前年の2月1日だが、そのさらに前の年の9月30日までに草案を提出し、世界遺産センターから不備を指摘されたうえで正式推薦書を提出することが認められている。草案の提出は任意だが、2月1日までに提出した正式推薦書に不備があった場合、諮問機関に回されずに翌年以降の再提出を求められる。 緊急登録推薦の手続きは、その推薦物件がOUVを疑いなく保有する場合で、なおかつ重大な危険に直面しているなどの緊急を要する場合に、通常の手続きを飛び越えて推薦できることを指す(「作業指針」第161・162段落)。緊急登録推薦の場合は、暫定リスト記載と推薦を同時に行い、かつ最速で同じ年に登録することが可能となる。この手続きで登録された場合、危機遺産リストにも同時に登録されることになっている。 この手続きで登録された資産には、ダム工事による浸水の危険があったアッシュール(イラク)、大地震で被災したバムとその文化的景観(イラン)などがある。パレスチナの世界遺産の場合は、最初の物件から3件連続でこの規定が適用されたが、このような手法には議論がある(後述)。 上掲の図のように、自然遺産については国際自然保護連合(IUCN)、文化遺産については国際記念物遺跡会議(ICOMOS)が諮問機関として、現地調査を踏まえて事前審査を行う。そこでの勧告は、後述の世界遺産委員会の決議と同じく「登録」「情報照会」「登録延期」「不登録」の4種である。世界遺産委員会は後述するように勧告を踏まえて審査するが、「登録」以外の勧告が出た物件が逆転で登録されることもあれば、勧告よりも低い評価が下されることもある。 現地に派遣される諮問機関の調査官は1人であり、その調査も踏まえて複数名で勧告書が作成される。ICOMOSの調査では、日本の場合、アジア・太平洋地区(後述)の調査官が原則として派遣される。これは他地区の調査官が厳しい評価を下した場合に、無用の批判が出るのを避けるためといわれている。 アップストリーム・プロセスとは、推薦手続きの中で世界遺産センターや諮問機関と対話を重ね、登録に向けた諸問題の解消ないし低減に資するための手続きである(「作業指針」第122段落)。これは第32回世界遺産委員会で提案され、第34回世界遺産委員会での決議に基づき、第35回世界遺産委員会で試験的に導入する10件の対象が選定され、のちにこのプロセスを活用してナミブ砂海(ナミビア)、サウジアラビアのハーイル地方の岩絵などが世界遺産リスト登録を果たした。反面、ヨルダンのペラ(英語版)のように、実施した結果、取り下げられた案件もある。アップストリーム・プロセスを全面導入するためには、費用の分担などの問題を解決する必要があるが、少なくとも推薦書作成の前に、諮問機関や世界遺産センターに助言を仰ぐことは推奨されるようになっている。第41回世界遺産委員会(2017年)で正式な導入が決まったものの、上述の制約により、翌年から2年間は年間10件のみを選定して実施することとなった。 なお、推薦書の提出後には、諮問機関と推薦国の接触は認められていなかったが、ラージャスターンの丘陵城塞群の評価を不満とした推薦国インドの提案をきっかけとして、その期間に諮問機関の特別助言ミッションが派遣されることも行われるようになった。また、第40回世界遺産委員会(2016年)審議分から、正式な勧告の前に諮問機関が「中間報告」を出すことになり、推薦の取り下げや推薦書の大幅改訂などの対応をとりやすくなった。日本の長崎の教会群とキリスト教関連遺産は、中間報告を踏まえて、大幅な再検討が必要との判断から取り下げられた例である(2018年に正式登録)。 2023年より事前評価制度(プレリミナリー・アセスメント)が導入されることになった。これは世界遺産委員会における新規登録審査において、諮問機関(ICOMOS・IUCN)の勧告を政治的思惑で覆すことが増えている状況を憂慮し、大前提である学術的価値を重視することを再確認するとともに、審査時間の短縮やより確実な登録へ導くこと(あるいは登録の可能性が低いものの排除)が目的で、推薦書作成前の段階から諮問機関が関わり助言することが第43回世界遺産委員会で決まった。 2023年より運用が始まる制度であるが、暫定リスト掲載から30年の歳月を経ていながら3年連続で推薦書原案を文化庁に提案するも文化審議会に推薦物件として選定されることがなかった彦根城がこれを利用することになった。 制度初年度は申請締切が9月15日に設定され、諮問機関に推薦書原案を提出して内容を点検、必要に応じて現地視察を招聘することも可能で(費用は当該地負担)、1年後の10月1日までに評価結果が提示される。ここで得た指摘事項を是正したり、推薦書の書き直しを図る。制度としてこの補正期間に1年間充てる必要があるため、正式推薦は3年後(2023年申請の場合2026年)の推薦書提出締切日の2月1日までとなる(提出後に内容の修正が可能な暫定版推薦書は前年の9月末日までに提出できる)。以後の進行過程は従来どおりで、正式版推薦書が受理された場合はその年の夏~秋にかけて諮問機関の現地調査が行われ、翌年の世界遺産委員会で登録審査をうけることになる(2023年申請の場合2027年)。但し、諮問機関から推薦に向いていないなどと示唆される恐れもあり、その場合には推薦を一旦取り下げ、基本的なコンセプトや構成資産の見直しを図らなければならなくなるが、暫定リストからの抹消を勧告される可能性もある。 なお、事前評価制度は2027年審査分より全ての推薦物件に義務として適用される。この場合、申請は2024年に行わなければならない。 ビューローは、世界遺産委員会の21か国の委員国のうち、議長、副議長(5人)、書記のみで行われる会議である。ビューロー会議などとも呼ばれる。2001年までは世界遺産委員会が12月開催だったが、そのころは半年ほど前と直前にビューローが開催されていた。特に半年前のビューローは、実質的に世界遺産の新規登録の可否を決定する場となっており、12月の委員会開催までに勧告を覆す余地はあったが、世界遺産委員会の場で覆されることはないのが普通だった。この当時のビューローの権威は高かった反面、21か国の委員国の中でも特に限られた国々に強い決定権が集まることへの批判もあった。そのため、世界遺産委員会が6、7月ごろの開催となった2002年の4月に開催されたビューローを最後に、世界遺産登録の可否は、正規の委員会審議に一本化されることになった。 以降、ビューローは世界遺産委員会の会期中に、議事の調整や日程の管理など、限られた事項のみを扱うようになっている。 世界遺産委員会は、諮問機関の勧告を踏まえて推薦された物件について審査を行い、「登録」「情報照会」「登録延期」「不登録」のいずれかの決議を行う(「作業指針」第153 - 164段落)。「登録」勧告が出された物件が、世界遺産委員会で覆されたことはほとんどない。例外的な事例は、後述の領土問題が絡む案件を除けば、遺跡の復元方法をめぐって委員国が反対したボルガル遺跡(ロシア。のちに正式登録)、地元との調整不足を理由に推薦国自らが先送りを提案したピマチオウィン・アキ(英語版)(カナダ。のちに正式登録)など、ごくわずかである。 世界遺産委員会には臨時委員会も存在するが、世界遺産は原則として正規の委員会でしか登録されない。第45回世界遺産委員会(2023年)まででの例外は、1981年の臨時委員会で登録されたエルサレムの旧市街とその城壁群、2023年1月に登録されたオデーサ歴史地区(ウクライナ)、マアリブの古代サバア王国記念建造物群(イエメン)、トリポリのラシード・カラーミー国際見本市(レバノン)の4件のみである。 「登録」(記載)は、世界遺産リストへの登録を正式に認めるものである。「作業指針」の2005年の改定を踏まえ、2007年以降は正式に登録された場合、OUVの言明をしなければならなくなった。OUVの言明とは、A4判2枚の要約で、資産の概要、適用された登録基準、真正性、完全性、保存状況などがまとめられている。2007年以前に登録された資産は義務づけられていなかったが、それらについても順次、遡及的な言明が要請されることとなった。たとえば、日本の場合は2014年に遡及的な言明がすべて完了している。 「情報照会」は一般的に顕著な普遍的価値の証明ができているものの、保存計画などの不備が指摘されている事例で決議され、期日までに該当する追加書類の提出を行えば、翌年の世界遺産委員会で再審査を受けることができる。ただし、3年以内の再推薦がない場合は、以降の推薦は新規推薦と同じ手続きが必要になる(「作業段落」第159段落)。 「情報照会」決議は、最速で翌年の再審議を可能にする。そのため、推薦国は、その年の登録が難しいという勧告を受けた場合、次善の策として望む決議であり、委員国への働きかけも顕著である。しかし、「情報照会」決議が出てしまうと、推薦書の大幅な書き換えは認められず、推薦範囲の変更などもできないため、安易な「情報照会」決議は、かえって正式な登録を遠ざける危険性があることも指摘されている。実際、インドのマジュリ島(英語版)は第30回世界遺産委員会では「登録延期」勧告を覆して「情報照会」決議とされたが、第32回世界遺産委員会の審議では「登録延期」決議とされ、かえって登録が遠のいてしまった。 顕著な普遍的価値の証明などが不十分と見なされ、より踏み込んだ再検討が必要な場合は「登録延期」(記載延期)と決議される。この場合、必要な書類の再提出を行ったうえで、諮問機関による再度の現地調査を受ける必要があるため、世界遺産委員会での再審査は、早くとも翌々年以降になる。 「登録延期」はしばしば不名誉なものと捉えられることがある。日本の場合、最初に「登録延期」決議が出たのは平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―である。このとき、日本では「落選」「平泉ショック」などと報じられ、他の自治体の世界遺産登録に向けた動きにも影響を与えた。 「登録延期」決議は確かに「情報照会」決議よりも一段下と位置づけられる決議だが、専門家からは、むしろ時間をかけて価値の証明を深化させる機会を与えられたと解すべきで、不名誉なものではないとも指摘されている。なお、最初の「登録延期」決議から正式登録までに長期を要した遺産の例としては、30年を要したイングランドの湖水地方、26年を要したシドニー・オペラハウス などがある。 顕著な普遍的価値を認められなかった物件は、「不登録」(不記載)と決議される。「不登録」と決議された物件は、原則として再推薦することができない。ただし、新しい科学的知見が得られるなどした場合や、不登録となったときとは異なる登録基準からの価値を認められる場合には、推薦が可能である。 諮問機関の勧告の時点で「不登録」勧告が出されると、委員会での「不登録」決議を回避するために、審議取り下げの手続きがとられることもしばしばである。たとえば、2012年の第36回世界遺産委員会では、「不登録」勧告を受けた推薦資産は9件あったが、うち5件は委員会開催前に取り下げられた。「不登録」決議は、推薦国にとって何のメリットもないと考えられていたからである。しかし、第41回世界遺産委員会では「不登録」勧告を受けた資産の多くが取り下げず、審議に臨んだ5件のうち4件が「登録延期」ないし「情報照会」決議となった。この従来と異なる傾向は、2000年代半ばから増えるようになった諮問機関と推薦国との意見の対立を示すものとされる。 なお、世界遺産委員会などでの審議の結果、登録が見送られた物件を指して裏世界遺産と呼ぶことがある。もともとインターネット上の私的なウェブサイトで打ち出された概念であり、公式な呼称ではない。 世界遺産におけるモニタリングとは、保全管理に関わる指標や影響を及ぼす要素を明示することで、推薦書に盛り込まなければならないものと、登録後に行われるものの2種類ある。ただし、これらはまったく同じ用語を用いても、手続きとしては別個のものである。 推薦書におけるモニタリングの項目に不備があれば、「情報照会」勧告などが出される場合がある。 登録後のモニタリングには、定期報告とリアクティブ・モニタリングの2種類がある。定期報告は6年ごとにすべての登録資産に対して実施するものであり、アジア・太平洋、アフリカなどの地域を単位として少しずつ時期をずらし、世界遺産としての価値の維持と保全状況、その他情報の更新などを確認する。第1期の定期報告は2000年から2006年に実施された。2008年から2012年に第2期の定期報告がすべて終わり、2015年の第39回世界遺産委員会でとりまとめられた。 リアクティブ・モニタリングは、定期報告とは別の手続きであり、定期報告が保有国による報告なのに対し、世界遺産が何らかの脅威に晒されていると判断された場合に、世界遺産センターないし諮問機関が行う。当然、抹消の可能性がある世界遺産や危機遺産リスト登録物件なども対象になる(第169 - 170段落)。 しかし、リアクティブ・モニタリングは世界遺産委員会の決議を踏まえなければならず、保有国の協力も得ねばならないため、緊急の事態や保有国が非協力的な場合などには、十分に機能しない問題点を含む。 そこで新たに導入されたのが強化モニタリング体制である。これは、世界遺産委員会の決議なしに、ユネスコ事務局長の判断で現地調査を可能にする仕組みであり、2007年の第31回世界遺産委員会で導入された。これは、世界遺産委員会が開かれていない時期にも即応して、複数の報告書を提出できる仕組みであったが、2017年時点では正式な「作業指針」には盛り込まれていない。 もともとの原則では危機遺産登録物件のみとされており、実際、2007年に対象になったのはそうだったが、2008年にはマチュ・ピチュの歴史保護区など、危機遺産リスト外の物件も対象に含まれた。その辺りの時期には、危機遺産リストに登録する代わりに、強化モニタリング対象としたケースもあったとされている。 推薦する際の名称は、推薦国が英語とフランス語でつける。諮問機関は、資産の特色をよりよく表すような改名を勧告する場合があり、推薦国自身がそれを踏まえて改名することもある。たとえば、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」は当初の推薦名「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」を、ICOMOSの勧告を踏まえて改名したものである。逆に、平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―の場合は「考古学的遺跡群」を外すことを勧告されたが、反対する日本の見解を世界遺産委員会も支持したため、推薦どおりの名称で登録された。 登録後にも名称の変更は可能であり、保有国の申請を世界遺産委員会が承認すれば認められる。ナチスの施設であることを明確にするために「アウシュヴィッツ強制収容所」が「アウシュヴィッツ=ビルケナウ ナチス・ドイツの強制絶滅収容所(1940 - 1945)」に変更された例や、地元文化を尊重するためと推測されている英語「スケリッグ・マイケル」からゲール語「シュケリッグ・ヴィヒル」(アイルランド)への変更の例などを挙げることができる。 なお、英語・フランス語による世界遺産登録名には、公式の日本語訳は存在しない。日本ユネスコ協会連盟、世界遺産アカデミーなど、各団体がそれぞれの判断で日本語訳をつけている。結果、物件によっては文献ごとに表記の異なる場合が存在する。 登録範囲の「軽微な変更」とは、「顕著な普遍的価値」(OUV)に大きな影響を及ぼさない範囲の変更で、緩衝地帯の設定もこれに含まれる(「作業指針」第163段落およびAnnex 11)。原則として、理由説明の合理性などに問題がなければ、世界遺産委員会でも大きな議論なしに承認される。たとえば、2016年に紀伊山地の霊場と参詣道へ闘鶏神社ほか22地点が追加されたのは「拡大」ではなく、「軽微な変更」である。 「軽微」な範囲を超えると認識される場合は、重大な変更として、いわゆる「拡大」登録の手続き(新規推薦と同じ)で審議されることになる。軽微か重大かの明確な線引きはなく、総合的に判断される。たとえば、第34回世界遺産委員会では雲南の三江併流保護地域群(中国)をめぐって議論になった。この世界遺産の一部地域における登録前からの資源採掘活動が明らかになったことを受けて、保有する中国当局は採鉱地域(総面積約170 万ヘクタールのうち7万ヘクタールほどにあたる)を除外することなどを提案したのである。最終的に投票に持ち込まれた結果、3分の2の賛成を得て「軽微な変更」として承認されたが、翌年の世界遺産委員会では、採鉱などを理由とする変更は常に「重大な変更」として扱うことが決められた。 登録範囲の「重大な変更」とは、範囲を大幅に変更するのみでなく、OUVにも影響を及ぼす変更を指し、新規登録物件と同じ手続きが適用される。いわゆる「拡大登録」(拡張登録)がこれにあたるが、逆に縮小登録にも適用される。 「拡大登録」は、たとえば「ダージリン・ヒマラヤ鉄道」にニルギリ山岳鉄道などが加わって「インドの山岳鉄道群」に拡大された例などが該当する。ただし、1980年登録のバージェス頁岩が1984年新規登録のカナディアン・ロッキー山脈自然公園群に統合されたように、「拡大」という形式をとらない事例もある。また、こうした範囲変更に伴って、世界遺産登録基準が変更される場合もある。前述のビャウォヴィエジャの森もその例である。 逆に縮小になった最初の例はゲラティ修道院(ジョージア)である。もとはバグラティ大聖堂とともにグルジア王国時代の傑作として登録されていたが、大聖堂の再建工事により真正性が失われたと判断され、2017年にゲラティ修道院のみの登録へと切り替えられた。これは顕著な普遍的価値(OUV)を失った要素を切り捨て、残る部分のOUVを保持するという新しい手法である。 世界遺産は、登録時に存在していたOUVが失われたと判断された場合、もしくは条件つきで登録された物件についてその後条件が満たされなかった場合に、リストから「抹消」されることがある(「作業指針」第192 - 198段落)。 初めて抹消されたのは、2007年のアラビアオリックスの保護区(オマーン)である。この物件はもともと保護計画の不備を理由とするIUCNの「登録延期」勧告を覆して登録された経緯があったが、計画が整備されるどころか保護区の大幅な縮小などの致命的悪化が確認されたことや、オマーン政府が開発優先の姿勢を明示したことから、抹消が決まった。2009年にはドレスデン・エルベ渓谷(ドイツ)が抹消されている。これは、世界遺産委員会が「景観を損ねる」と判断した橋の建設が、警告にもかかわらず中止されず、住民投票を踏まえて継続されたことによる。2021年には、やはり再開発との関わりで海商都市リヴァプール(イギリス)が抹消されている。また、上述のように、構成資産の一部を抹消して登録範囲を縮小する事例も登場している。 その一方、世界遺産条約採択40周年記念最終会合(2012年)では、参加した専門家たちからは、国際協力の本旨に照らせば、リストからの抹消は責任放棄にあたるという批判が提起された。 なお、抹消の条件は以上の通りであり、世界遺産条約からの脱退などの場合の扱いは明記されていない。ただし、専門家からは、脱退すれば各種手続きを取れず、世界遺産エンブレムすら使用できなくなるため、リストから抹消されずとも、世界遺産でなくなるに等しいと指摘されている。 第45回世界遺産委員会(2023年)までで、世界遺産は1,199件登録されているが、その内訳は文化遺産933件、自然遺産227件、複合遺産39件である。一見して明らかな通り、文化遺産の登録数の方が圧倒的に多く、地域的には文化遺産の約半数を占めるヨーロッパの物件に偏っている(世界遺産条約締約国の一覧参照)。 また、イタリア(59件)、中国(57件)、ドイツ・フランス(各52件)、スペイン(50件)など非常に多くの物件が登録されている国がある一方で、世界遺産条約締約195か国中、1件も登録物件を持たない国が27か国ある(数字はいずれも第45回世界遺産委員会登録分まで)。西アジア史の専門家からは、西アジアの世界遺産が少ないことの一因は、文化財保護の思想自体がヨーロッパ由来のものであって西アジアにとっては新しい概念であること、言い換えると、制度設計そのものが欧米中心主義に根ざしていることなどを指摘する意見も出されている。 もともと世界遺産委員会の委員国に、地域の割り当ては設定されていなかった。ユネスコ本体の場合、執行委員に西欧・北米、東欧、中南米、アジア・太平洋、アフリカの5地域の割り当て枠があるのに対し、文化の衡平性に配慮するなどの理由で世界遺産委員会には21世紀初頭まで割り当て枠が存在しなかったのである。その結果、1999年の時点でわずか10か国が3度も委員国(任期6年)を務めていたのに対し、当時の締約国の6割にあたる95か国が一度も任命されたことがなく、前者にはイタリアをはじめとする世界遺産保有数の多い国がいくつも含まれていた。こうした問題点を踏まえ、「作業指針」および「締約国会議手続規則」が改定され、委員国は「自発的に」6年を4年に短縮すべきこと、再選までに最低6年を置くこと、「西欧・北米」「東欧」「ラテンアメリカ・カリブ海」「アラブ諸国」から各2か国、「アジア・太平洋」から3か国、「アフリカ」から4か国の最低割り当て枠を設定することなどが定められている。 世界遺産審議に当たっては、世界遺産を持たない(もしくは少ない)国の推薦を優先することとされるが、これが過剰に考慮されることへの批判もある。たとえば、セントルシア初の世界遺産「ピトン管理地域」(2004年)が諮問機関の厳しい評価を覆して逆転で登録された背景には、同国がそれまで世界遺産を持っていなかった事情が斟酌された可能性が指摘されている。これは例外ではなく、2011年の第35回世界遺産委員会では、ついに登録勧告された物件よりも逆転登録された物件が上回り、価値の証明や保護管理計画の不十分な物件を世界遺産に登録してしまうことは、諮問機関からも問題視される事態になった。この際に逆転を果たした物件は、アフリカ、アラブ、ラテンアメリカの物件が主だった。こうした傾向は、2002年に策定され、2007年に改訂された戦略的行動指針の中では、「信頼性」に関わる問題点とされている。そもそも現在の主権国家の国境線は、自然や文化の代表性に配慮して引かれているわけではないため、すべての条約締約国が各1件以上の世界遺産を持つことは、かえってリストに偏りをもたらす可能性もある。 このような世界遺産の地域格差とその是正策としての優先制、あるいは真正性・価値観の押しつけを「上から目線で、世界遺産はユネスコの覇権主義の道具と化し、ユネスコのための文化ヘゲモニーである」との辛辣な批判意見も噴出してきている。 世界遺産は推薦にも多額の資金を必要とする。たとえば、琉球王国のグスク及び関連遺産群の推薦には1億円以上かかったと言われており、こうした費用は、場合によっては数十億かかることさえあるという。その内訳は、推薦書を実際に執筆する専門家の人件費、推薦書に添付する写真などを手がけるコンサルタント会社への委託料などで、推薦書の作成に向けた専門家会議の開催なども上乗せされることがある。 さらに、世界遺産の推薦書は英語かフランス語で書かれなければならないため、これらの言語を公用語としていない国の場合、それらの言語に堪能な専門家を手配する必要も生じる。たとえば、旧ソ連構成国だった3国(ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス)の推薦だった西天山は、まさにそのような困難に直面し、世界遺産センターの支援を受けた。結果として、開発途上国はこうした費用を十分に負担できず、不備のある推薦書の提出によって正式な審議までたどり着けないことも起こる。西天山のように、世界遺産基金には途上国の推薦支援に回される分もあるが、それとて十分ではなく、支援が回ってこない国々も少なくない。こうした事態が、さらなる偏りを助長しているという指摘もある。 前述のように、内容的には文化遺産のほうが圧倒的に多い。これは、前述のように自然遺産と違い、文化遺産は研究の深化に従って種類が増えていくという性質の違いのほかに、ほかの制度との関わりの違いを指摘されている。すなわち、自然遺産の場合、MAB計画、ラムサール条約など、世界的なリストアップや保護のための制度が多層的に整備されていて、その中の最上のものを世界自然遺産とできるのに対し、文化遺産の場合には類似の仕組みがなく、世界遺産に集中してしまう傾向があるのだという。 そうした不均衡是正の試みとして、「世界遺産リストの代表性、均衡性、信用性のためのグローバル・ストラテジー」が打ち出され、文化的景観、産業遺産、20世紀遺産などを登録していくための比較研究の必要性が示された。2004年から具体的な作業が行われている「顕著な普遍的価値」の再定義や、暫定リスト作成時点で、偏りをなくすような適切な選択がなされるように働きかけていくことなどもその例である。 文化的景観は1992年に取り入れられた文化遺産の類型であり、人と自然がともに作り上げてきた景観を指す。これは、人が自然環境から制約を受ける中、そこから諸々の影響を受けつつ進化してきたことを示す文化遺産である(「作業指針」第47段落)。その中身は、庭園のように人間が設計した空間の中に自然を取り込んだ景観、棚田のように農林水産業をはじめとする人間の諸活動と有機的に結びついた景観、そして、自然の聖地のように人間が宗教上や芸術上の価値を付与してきた景観などに分けることができる。 世界遺産の中での文化的景観第1号は、自然遺産として登録されたあと、マオリの崇拝の対象となってきた文化的要素が認定されて複合遺産となったトンガリロ国立公園(ニュージーランド、1993年拡大)である。しかし、その起源となる議論は1981年から始まっており、その議論で重要な役割を果たした物件がイングランドの湖水地方であった。それは1987年と1990年にそれぞれ登録延期決議となったが、その検討は文化的景観の概念の確立の上で重要な役割を果たしたとされる(2017年に正式登録)。 イギリスの物件では、自然遺産セント・キルダ(1986年)の拡大も大いに議論を引き起こした。もともとICOMOSは文化的価値を最初から認めていたが、文化的景観の概念がなかった1986年当時は認められなかった。2005年の審議では複合遺産とすること自体は認められたものの、これを文化的景観と位置づけるか否かで紛糾した。出席していた専門家の中からは、委員国の中でもその辺りの基準が明確だったとは言いがたいという評価もあった。 ともあれ、文化的景観は広く受け入れられ、21世紀初頭の審議では世界遺産の推薦の主流とさえ言う者もあった。その一方、文化的景観概念の多用を受けて、ICOMOSはその価値をより厳しく判定するようになったと言われており、その登録範囲の完全性なども含め、厳格化の傾向を見せている。文化的景観の代表例のひとつと国際的にも認識されていた富士山が、文化的景観として推薦・登録されなかった理由も、こうした傾向と無関係ではなかった。 産業遺産自体は、初期から登録されていた。いわゆる「世界遺産第1号」に含まれるヴィエリチカ岩塩坑も、産業遺産に分類されている。しかし、本格的な議論は1987年のニュー・ラナーク(イギリス)の推薦以降だといい、そのような類型を登録すべきかの議論が、翌年から開始された「グローバル研究」につながり、この研究がグローバル・ストラテジーに結びついた。「産業」は人類の営みと不可分の要素であり、世界のどの地域にも存在しうる点が、グローバル・ストラテジーに取り込まれる理由になったと考えられている。 その後、前述のように評価基準にも産業遺産の登録を想定した改訂が行われ、産業遺産の登録も増えた。しかし、フェルクリンゲン製鉄所(ドイツ、1994年登録)の審議の際には、そのような装飾性のない近代的工場を世界遺産に加えることについて、参加者から戸惑いの声も聞かれたという。なお、従来の産業遺産は産業革命、なかんずくイギリスのそれを中心に叙述されることが多かったが、世界遺産においては、古代ローマ帝国の金鉱山跡のラス・メドゥラス(スペイン)から、20世紀の水力発電所を含むリューカン=ノトデンの産業遺産(ノルウェー)などまで、より広い範囲でとらえられている。 20世紀遺産は、その名のとおり20世紀に建設された建造物などを対象とする文化遺産であり、一部には19世紀後半も対象とする。「近代遺産」(modern heritage)と呼ばれることもある。比較的初期の段階から、アントニ・ガウディの作品群(スペイン)のように審美的な観点から評価されて登録された物件もあったが、シドニー・オペラハウスが1981年に審議された際には、まだ十分に評価が定まっていないとされ、2007年の再審議でようやく登録された。 モダニズム建築の範疇で重要だったのが、ヴァイマル、デッサウ及びベルナウのバウハウスとその関連遺産群(ドイツ)の登録とされ、この登録を契機に、同種の建築の登録を促したと言われている。ただし、モダニズム建築の登録にしても、世界遺産が傑出した建築家個人を顕彰する場にならないように、という懸念はたびたび出されている。ブルノのトゥーゲントハット邸(ミース・ファン・デル・ローエ、チェコ)の審議しかり、ルイス・バラガン邸と仕事場(メキシコ)の審議しかり、ル・コルビュジエの建築と都市計画の最初の登録見送り時の審議しかりである。 なお、20世紀遺産とモダニズム建築はイコールではない。そのような思想はともすると、20世紀遺産をヨーロッパ中心主義に組み込んでしまう危険性があるとされ、ICOMOSもモダニズム建築に限定してはいない。モダニズム建築のための団体としてはすでにDOCOMOMOが存在するが、ICOMOSはモダニズム建築に限定されない「20世紀遺産国際学術委員会」を設置するなど、広い意味での20世紀遺産の登録を進めていこうとしている。 世界遺産は発足当初、上限を100件程度とする案さえあったという。しかし、1981年の第5回世界遺産委員会の時点ですでに110件に達し、この見通しの非現実性が明らかになるのに時間はかからなかった。そして、2015年の第39回世界遺産委員会では1,000件を超え、なおも増加している。上述のようなグローバル・ストラテジーは世界遺産を持たない国の割合を減少されるなどの点で一定の成果を挙げた一方で、もともと遺産を多く保有する国々も、推奨される類型の遺産の推薦を増やすようになった結果、絶対数の抑制にはつながっていない。 1,000件を超えた状況を踏まえて、世界遺産のブランド価値は損なわれたとする報道も見られたが、その世界遺産の登録数に上限は設けられていない(「作業指針」第58段落)。 かつては、一度の委員会で審議する件数も、一国あたりの推薦数にも制約がかかっていなかった。ゆえに、1997年にナポリで開催された世界遺産委員会ではイタリアの世界遺産が10件も増え、第24回世界遺産委員会(ケアンズ、2000年)での推薦総数は72件、そのうち新規登録された物件は61件に達した。その委員会で設定された制約が「ケアンズ決議」である。これは各国の推薦上限を1件とし、審議総数を30件とした。この上限は第27回世界遺産委員会(パリ、2003年)で30件が40件へと修正され、第28回世界遺産委員会(蘇州、2004年)で「ケアンズ・蘇州決議」として修正された。この修正で、各国の上限は自然遺産を1件含む場合には2件まで可能とされ、審議総数は(再審議、拡大登録審議も含めて)45件となった。これはさらに2007年に修正され、文化遺産2件の推薦も許されるようになった。そのルールは4年で見直される規定だったため、2011年の第35回世界遺産委員会で文化遺産と自然遺産各1件(ただし、自然遺産は文化的景観で代替可能)となることが決まり、2014年の第38回世界遺産委員会から適用されることとなった。 さらに2020年の第44回世界遺産委員会からは、各国1件のみ、審議総数は35件とすることが決まっていた(実際には新型コロナウイルス感染症の世界的流行によって2020年の会合が延期されたため、2021年の第44回世界遺産委員会拡大会合から実施)。素案では25件とされていたが、審議を経て35件に修正された結果である。 初期の世界遺産は、誰が見ても納得できるような分かりやすい登録が多かった。たとえば、ギザの三大ピラミッド(1979年)、レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』(1980年)、グレート・バリア・リーフ(1981年)、タージ・マハル(1983年)などが初期に登録されている。世界遺産委員会の議長を2度務めたことがあるクリスティーナ・キャメロン(英語版)は、初期の分かりやすい世界遺産を「偶像的な遺産」と呼んだ。しかし、そうした遺産の登録が進んでいくと、「顕著な普遍的価値」を認めにくい物件や価値を裏支えするストーリーを理解しづらい物件が増えているとも言われる。 世界遺産の勧告や審議が厳格化する傾向にあるとしばしば言われるが、「登録のされにくさ」は審議の厳格化に由来する可能性だけでなく、上記のような質的な変化に由来する可能性も指摘されている。また、日本の世界遺産登録物件の審議も2010年代になると厳しい勧告が増えていると言われるが、世界遺産条約参加当初の物件の時点で、日本が推薦理由としていた評価基準がしばしば退けられたことを理由に、昔から十分に厳しかったという指摘もある。 危機遺産リストは、世界遺産の本来の意義からするならば、中核的機能を担うべきリストであるが、十分に機能していないという指摘がある。もちろん、危機遺産リストに登録された場合に得られる国際的支援などを期待し、保有国自身が進んで危機遺産登録を申請する事例や、諮問機関からの勧告を保有国が受け入れて、異論なく危機遺産登録が実現する事例もある。前者の例としては、開発の進行を食い止めるために国際世論の後ろ盾を求めたロス・カティオス国立公園(コロンビア)がある。この例では、危機遺産リスト登録を契機として、地元住民ら関係者がまとまっただけでなく、隣国パナマとの関係強化にも結びつき、持ち上がっていた開発計画も撤回されたことで、無事に危機遺産リストから除外された(第39回世界遺産委員会)。この例は、危機遺産の効果的活用例のひとつと認識されている。後者の例としては、諮問機関の勧告を受け入れて、世界遺産になると同時に危機遺産リストにも登録されたナンマトル:東ミクロネシアの祭祀センター(ミクロネシア連邦)がある。この例では、世界遺産委員会の席上、危機遺産リスト入りを前向きに受け止める保有国の姿勢への称賛が寄せられた。 その一方で、保有国が強く反対する事態がしばしば起こるのも事実である。たとえば、パナマ・ビエホとパナマ歴史地区は、歴史地区を囲む海上道路の建設に対し、世界遺産リストからの除去すらも視野に入れて、第36回世界遺産委員会で危機遺産リスト登録が勧告された。しかし、保有国が委員国に強く働きかけて回ったことで、危機遺産リスト入りが回避された。工事が撤回困難な状況まで進む中、翌年の委員会でも危機遺産リスト入りが勧告されていたが、保有国は登録範囲を見直すことを約束して回避する一方、約束が果たされない場合には世界遺産リストからの抹消が検討される旨を記載した決議には同意し、登録抹消のリスクを負ってでも危機遺産リスト入りを回避する姿勢を鮮明にした。 カトマンズの渓谷(ネパール)は2003年から2007年に危機遺産に登録されていたが、これも保有国が強く反対した例のひとつである。都市化を理由として、1992年には危機遺産入りの可能性が取り沙汰されていたが、ネパール当局が強く反対したため、危機遺産リストには加えず、世界遺産委員会、世界遺産センターが協力しつつ事態の改善に努めていた。しかし限界があったため、2003年に危機遺産リストに登録され、一応の改善が果たされたことから2007年に除去された。とはいえ、それでもなお課題の抜本的解決にはならなかったと認識されていた。そして、同遺産は2015年のネパール地震で被災した際に再び危機遺産リスト入りを提案された。この地震で、カトマンズの渓谷は深刻な被害を受け、王宮も含めて全半壊した建物も少なくなかったため、国際的な支援が必要な状況と認識されたのである。しかし、ネパール当局はまたも危機遺産リスト登録には反対し、1年の猶予を申し出て、正式に認められた。1年後の第40回世界遺産委員会でも諮問機関は危機遺産リスト登録を勧告する状況だったが、ネパール当局はさらに1年の猶予を申し出て、これも認められた。そして第41回世界遺産委員会では、震災復興の中での再建にOUVを損なうものがあるという諮問機関の指摘もあったが、猶予を求めるネパールの申請がまたも認められた。 本来、危機遺産登録には保有国自身の同意は必要ではないとされているが、保有国の意向を無視して強硬に登録することは、世界遺産委員会では普通行われない。かわりに、危機遺産登録の意義を説き、罰などではないことを強調しているが、「世界遺産」ブランドの国際的知名度の向上などを背景として、抵抗感を持つ国々の意識を変革するのは、容易なことではないと見られている。このような抵抗から、本来ならば危機遺産登録されるべき「隠れた危機遺産」が、今後も増加していくことを懸念する意見もある。 世界遺産の登録は、景観や環境の保全が義務づけられるため、周辺の開発との間で摩擦が生じることがある。特に、都市内の歴史地区や建造物については、その周囲に建てられた新しい高層建築などによって、景観が損なわれることで議論が起こることがある。たとえば、ケルン大聖堂(ドイツ)は登録時点で緩衝地帯設定が条件となっていたにもかかわらず、それが果たされなかった。その中で近隣の高層建築計画が持ち上がったことから2004年に危機遺産リストに加えられ、一時は世界遺産リストからの除去すら検討された。この事例が注目された理由は、開発による景観の損壊が危機遺産登録理由になった、最初の事例だったからである。この事例では、建設推進派と反対派でケルンを二分する議論になったが、緩衝地帯設定や高さ規制が導入されたため、2006年に危機遺産リストから除かれた。しかし、ケルンの議論は、今後同種の問題があちこちの歴史都市で起こりうることを危惧させるものだった。 実際、それ以降も、規制や計画修正などの対応がとられた事例には、エスファハーンのイマーム広場(イラン)、ポツダムとベルリンの宮殿群と公園群(ドイツ)、フェルテ/ノイジードル湖の文化的景観(ハンガリー/オーストリア)などがあり、ほかにも第32回世界遺産委員会ではサンクトペテルブルク歴史地区と関連建造物群(ロシア)やシェーンブルン宮殿と庭園群 (オーストリア)、第41回世界遺産委員会ではシャフリサブス歴史地区(ウズベキスタン)や海商都市リヴァプール(イギリス)などでも開発が問題となった。他方で、上述のドレスデン・エルベ渓谷や海商都市リヴァプールのように、再開発との関連によって、世界遺産リストから抹消された例もある。 他方、景観をどうとらえるかという問題は一義的に確定させられるとは限らず、月の港ボルドー(フランス)で歴史的な旋回橋が取り壊され、代替橋が計画された際には、ICOMOSと世界遺産センターによる影響評価が正反対になり、世界遺産委員会の決議でも強い決定には至らなかった。また、エッフェル塔(パリのセーヌ河岸の構成資産)が建設当初は酷評されたことを例に挙げ、特定の時点の都市景観で固定することに疑問を呈する専門家も複数いる。 こうした開発の問題では、緩衝地帯内さらには緩衝地帯の外の開発すら問題となることがあり、上述のロンドン塔の事例もそうである。こうした問題に対して、以下のように歴史的都市景観に関するいくつかの宣言や取り決めが行われている。 ウィーン歴史地区(オーストリア)では、2001年の世界遺産リスト登録直後に、緩衝地帯での高層ビル建築計画が明らかになった。世界遺産委員会では、世界遺産リストからの抹消さえも議題となったが、ウィーン当局による計画修正によって、危機遺産リスト入りすらもしなかった。 このウィーンでは、2005年に開催された国際会議で「世界遺産と現代建築に関するウィーン覚書」が採択され、これを踏まえて同年の世界遺産条約締約国会議では「歴史的都市景観の保護に関する宣言」が採択された。この宣言では、都市の成長のための開発には、歴史的都市景観の保護も尊重されるべきことや、世界遺産としての顕著な普遍的価値が何よりも保護されるべきものであることが謳われている。それ以外にも歴史的都市景観に関する議論や宣言は複数出されており、2011年のユネスコ総会では、それらを踏まえた勧告も出された。 ただし、その勧告も踏まえて、翌年さっそく「セビリアの大聖堂、アルカサル、インディアス古文書館」(スペイン)の危機遺産リスト入りが議論された際には、登録時点で問題ないとされていた保護体制が、後から策定された概念によって危機遺産とされることの是非が問題となり、危機遺産リスト入りは回避された。他方、ウィーン覚書が採択されたウィーン歴史地区は、その後の開発計画によって2017年に危機遺産リスト入りし、世界遺産リストからの抹消も取り沙汰される事態になっている。 世界遺産に登録されることは、周辺地域の観光産業に多大な影響がある。もともと文化遺産に対する観光地化の弊害については、世界遺産以前から問題視する意見はあり、ICOMOSでは「国際文化観光憲章」(1976年)を発表し、文化遺産の保護を訴えていた。しかし、世界遺産を観光振興に結び付けようとする姿勢は根強く、その弊害も表出している。 たとえば、白川郷・五箇山の合掌造り集落では、登録後に観光客数が激増した。白川郷の場合、登録直前の数年間には毎年60万人台で推移していた観光客数が、21世紀初めの数年間は140 - 150万人台で推移している。このような事態に対し、自治体、村民、専門家たちが対応し、交通規制などの策定も行われるようになっているが、土産物屋などの観光客向けの施設の増加そのものにも否定的な意見は見られる。 こうした傾向は日本に限った話ではなく、たとえば、麗江古城(中国)もしばしば急速な観光地化の例として挙がる。麗江古城はナシ族の伝統的街並みが保存され、町に張りめぐらされた水路も伝統的な習俗と結びついてきた。しかし、世界遺産登録(1997年)の前後で、観光客数は約70万人(1995年)から約370万人(2006年)へと急増したが、商業目当ての漢民族の流入などにより、ナシ族の住民は約1万6,900人(1997年)から約6,000人(2005年)へと減少した。さらに、水道の普及により、ナシ族住民にとっても古城を流れる水との結びつきが薄れる中、伝統文化への理解が足りない観光客たちの心ない行動も重なり、水質が著しく悪化した。こうした観光地化の流れには、近代的な建て替えが進みつつあった中で有形の建造物群を守ったという面と、伝統的な生活風景を失わせたという面が存在する。 このように、急速な観光地化が、その地域の本来の姿の保全にとって、マイナスに作用することが起こりうる。世界遺産は保全が目的であり、観光開発を促進する趣旨ではないため、世界遺産登録によって観光上の開発が制限されている地域もあり、マッコーリー島(オーストラリア)のように観光客の立ち入りが禁止されている物件もある。観光地化が進んだ世界遺産の場合、一部ないし全部で入場制限などの規制が敷かれるようになった場合もある。たとえば、一部に人数や時間の制限をかけたマチュ・ピチュの歴史保護区(ペルー)やラサのポタラ宮の歴史的遺跡群(中国)、ピサの斜塔をガイドつきツアーに限定したピサのドゥオモ広場(イタリア)などを挙げることができる。 また、沖ノ島(「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群の構成資産)はもともと宗教上の理由で女人禁制であったが、世界遺産登録を機に、神職以外の入島を全面禁止するという形でさらに厳格化し、観光地化とは一線を画する姿勢を鮮明にした。 その一方で、貧困にあえぐ国などでは観光を活性化させることで雇用を創出することが、結果的に世界遺産を守ることにつながる場合もある。こうした問題に関連して、2001年の世界遺産委員会では、地域住民の経済利益と遺産の保護とを両立させるために、「世界遺産を守る持続可能な観光計画」の作成が始まった。 世界遺産への注目度が上がるにつれて、世界遺産委員会の規模も膨れ上がっている。審議に直接参加するのは委員国と諮問機関だけだが、オブザーバー参加が多いのである。第32回世界遺産委員会の際には、開催国カナダが、会場に参加者を収容しきれない可能性を警告するに至った。 こうした注目の高まりの中、各国が自国の世界遺産登録を目指すロビー活動が盛んになっている。前述したように、諮問機関の勧告が覆され、逆転登録が相次ぐようになっているが、その背景にも、そうしたロビー活動の過熱がある。 ビューローが登録物件を実質的に決めていたときは、ビューローから世界遺産委員会までの約半年間がロビー活動の時期だった。ビューローでの登録審査が廃止された際には、世界遺産委員会での決定に一元化することで、ロビー活動を抑制できるのではないかとも期待された。しかし実際には、諮問機関の勧告が出てから世界遺産委員会が開催されるまでの約6週間に、激しいロビー活動が展開されている。 専門家が不備を指摘した物件が次々と逆転登録を果たす状況に対し、第35回世界遺産委員会(2011年)では、かえって締約国に対する「毒入りの贈り物」になる可能性があるとする警告が、IUCNから発せられた。IUCNはそれ以前からも、リストの信頼性低下に対する懸念を表明していた。 また、翌年の世界遺産条約採択40周年記念最終会合では、元世界遺産センター長のベルント・フォン・ドロステからも、世界遺産制度が専門家中心から外交官中心となることへの懸念が表明されており、第41回世界遺産委員会(2017年)では議長を務めたヤツェク・プルフラ(ポーランド語版)が、議論が政治的であることを戒める場面がたびたびあったという。 世界遺産は保有国が推薦する形をとるため、帰属問題の解決していない物件の推薦は、当該国同士の争いを生むことがある。たとえば、タイとカンボジアの国境に位置するプレアヴィヒア寺院はタイ外相との合意を踏まえてカンボジアの世界遺産として登録されたが、それはタイ国民の反発を招き、タイとカンボジアの国境紛争を招くこととなった。 アラブ諸国とイスラエルの間でもたびたび問題が持ち上がる。イスラエルは「ダンの三連アーチ門」を推薦しており、諮問機関からは「顕著な普遍的価値」を認められているが、国境近い立地による法的問題から、たびたび審議が延期されており、登録が先送りされている。 逆に、登録されているものの、されるたびに問題となるのがパレスチナの世界遺産である。パレスチナは世界遺産登録と領土の承認を結びつけていることから、世界遺産条約締約以降、積極的に推薦を行っているが、3件連続で緊急推薦登録の手続きがとられ、いずれも投票で決着するなど、審議のたびに紛糾している。特に3件目にあたるヘブロン(アル=ハリール)旧市街の登録は、イスラエルとアメリカ合衆国の強い反発を招き、両国がユネスコを脱退することにつながった。ただし、アメリカはパレスチナがユネスコに加盟した時点で、国内法に基づいて世界遺産基金への拠出を停止しており、ユネスコもアメリカの投票権を停止している。このため、ユネスコ脱退表明が新たな実害をもたらす可能性は低いが、世界遺産基金の5分の1以上を占めるアメリカの分担金拠出停止が長引く中で、世界遺産基金の財源不足は深刻なものとなっている。 民族間の摩擦は国際的なものだけでなく、一国内でも起こりうる。中華人民共和国の世界遺産では、雲南の三江併流保護地域群の保護にあたり、保護区内で伝統的農牧業を営んでいたチベット・ビルマ語派を話す少数民族たち500世帯が、強制的に移住させられた。 国ごとに認識の異なる論点に関わると、世界遺産の登録に際して問題が起こることもある。たとえば、高句麗が中国史なのか朝鮮史なのかという高句麗論争を投影し、高句麗の古墳群の登録は2年越しで紛糾した。まず、2003年の世界遺産委員会で北朝鮮国内の遺跡が単独審議された際に、中国にも同種の遺跡があることが指摘され、翌年に審議が先送りされた。その際の委員国に中国が含まれており、東北工程を進めていた中国が、北朝鮮の先行を嫌ったことも一因と推測されている。そして、翌年の審議では、将来的に統一されることが望ましい旨の決議とともに、高句麗前期の都城と古墳(中国)と高句麗古墳群(北朝鮮)が別個に登録されることとなったのである。この件では、中国は高句麗文化を中華文化の一部とする主張を繰り返したが、韓国はそうした主張に強く反発し、北朝鮮の支援に回った。 ほかにも、原爆ドームの登録にあたっては中国が反対、アメリカが棄権したが、中国は、日本が被害者の側面ばかりを強調して政治利用することへの懸念を理由として挙げていた。このような微妙な案件であったことから、日本側の要請によって、6月のビューローでは登録の可否が示されず、委員会審議直前の臨時ビューローに持ち越されるという経緯をたどった。 また、明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業の登録の際には、明治時代に限定されるとする日本側の主張に対し、日本統治時代の朝鮮人徴用と関連づけた韓国側が納得せず、当時のユネスコ事務局長イリナ・ボコヴァに陳情しただけでなく、慣例的に禁じ手とされている勧告前の諮問機関へのロビー活動まで展開した。最終的には日韓の協議も踏まえて登録されたが、その審議では各国の祝辞が省かれるなど、異例の手続きがとられた。 世界遺産条約では、教育や広報の重要性が定められている。 ユネスコも若年層の啓発に積極的で、1994年からは「若者のための世界遺産教育プロジェクト」を開始している。このプロジェクトの一環で、世界遺産ユースフォーラムが開催され(第1回は1995年ベルゲン、第2回は1998年大阪市ほか日本各地)、アジア・太平洋などの地域単位でのユースフォーラムも順次開催されている。 また、各種教育機関でも世界遺産は教育に取り入れられており、後述するように、高等教育機関では「世界遺産学」も提唱されている。さらに、生涯学習という観点から、世界遺産を主題とするテレビ番組などの意義も指摘されている。そうした番組としては、たとえば日本では、『探検ロマン世界遺産』(NHK)、『世界遺産』(TBS)などが、また、ドイツでは『世界の宝(ドイツ語版)』などが放送されてきた。世界遺産を扱うテレビ番組は、広報面での効果についても評価されている。 世界遺産を専門に研究する学問は「世界遺産学」と呼ばれる。たとえば、秋道智彌(総合地球環境学研究所教授)は、「世界遺産のもつ意義、遺産の普遍性と特異性、多様性などを明らかにする研究」と定義づけている。これはあくまでも定義の一例だが、いずれにしても、世界遺産学は人文科学・社会科学・自然科学を融合させ、地球規模で考究する学問となることが期待される。 日本では、1979年に日本初の文化財学科を設立した奈良大学が、古都奈良の文化財の世界遺産登録(1998年)を踏まえ、文学部内に世界遺産コースを設立した。大学院としては、筑波大学大学院が2004年に修士課程の「世界遺産専攻」、2006年に博士課程の「世界文化遺産学専攻」を設置している(のちに修士課程・博士課程とも世界遺産学学位プログラムに改編)。ほかに、大学通信教育としてサイバー大学が世界遺産学部を設置し、特定非営利活動法人の世界遺産アカデミーによる世界遺産検定などとも連携していた。しかし、これは2010年秋学期以降、新規学生の募集が停止された。 日本以外に、アジアでは北京大学(中国)で1998年以降、世界遺産講座が開講されており、そのテキストは市販もされている。ヨーロッパでは、ブランデンブルク工科大学(ドイツ)、バーミンガム大学(イギリス)、ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン(アイルランド)、トリノ大学(イタリア)などに世界遺産専攻コースが設置されており、ブランデンブルク工科大学のカリキュラムは2年間、ほかは1年間である(2015年時点)。ブランデンブルク工科大学は、ほかにヘルワン大学(英語版)(エジプト)と共同での修士課程も設置している。 ユネスコの世界遺産、無形文化遺産、世界の記憶(世界記憶遺産)は、あわせてユネスコの「三大遺産事業」、「ユネスコ三大文化遺産事業」などと呼ばれることがある。 世界遺産条約の草案には無形文化財への言及もあったとされるが、成立・発効した世界遺産条約は不動産のみを対象としている。このため、地域ごとに多様な形態で存在する文化を包括的に保護するためには、無形の文化遺産を保護することも認識されるようになり、2003年のユネスコ総会で無形文化遺産の保護に関する条約(無形文化遺産条約)が採択された。もともと国際的に見ても、無形文化財や民俗文化財を対象とする保護法制が整備されている例は珍しく、無形文化遺産条約の成立以前には日本と韓国くらいにしかなかったといわれる。わけても日本の法制は、韓国の文化財保護法の制定にあたっても、大きな影響を与えた。こうした経緯から、先住民との関係や、文化的景観で無形もカバーできるとして反対意見が強かった西欧諸国を説得し、無形文化遺産条約を成立に導く上では、日本の貢献は非常に大きかったとされている。 世界遺産と無形文化遺産は別個のものであり、事務局も別である(前者はユネスコ世界遺産センター、後者はユネスコ文化局無形遺産課)。ただし、無形文化遺産の中には、たとえば のように、世界遺産リスト登録物件との間に密接な結びつきがあり、有形と無形の「複合遺産」ととらえられるものもあることが指摘されている。 無形文化遺産は、もともと世界遺産のマイナス面を踏まえたうえで制度設計されており、当初の主眼は滅びかねない無形文化の保護にあった。ゆえに、その範疇にはない「フランス料理の美食術」の登録(2010年)は、専門家にも根強い反対意見が残るものであって、それ以降は、文化ナショナリズムや商業主義との結びつきなど、方向性の変質も指摘されるようになっている。 世界の記憶は、日本では世界記憶遺産などとも呼ばれるが、世界遺産や無形文化遺産とは異なり、国際条約が存在しない。ユネスコが1992年に開始した事業であり、情報・コミュニケーションセクター(世界遺産や無形文化遺産は文化セクター)が担当する。真正性と国際的な重要性を基準として、有形の動産(記録物)を登録している。 その中には、 などのように、世界遺産と関わりのある記録も含まれている。 「世界の記憶」の登録も注目度が上がるに従い、国家間で認識の異なる物件の登録をめぐって大きな議論を引き起こしてきた。世界遺産などと違い、審査を行うのは事務局長が任命した専門家委員会であり、審議内容は非公開である。この制度は中国の申請による南京事件の登録時に日本で強い反発を引き起こし、それを受けてユネスコが「世界の記憶」登録に関する制度改正を検討することにつながった。このとき、日本の一部ではユネスコ分担金の支払いを停止すべきという強硬意見も出ており、韓国などが進めた従軍慰安婦の登録が見送られた際(2017年)には、それらの国から関連性を疑われた(ユネスコは分担金関連の圧力を否定)。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "世界遺産(、英語: World Heritage Site)は、1972年のユネスコ総会で採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)に基づいて世界遺産リスト(世界遺産一覧表)に登録された、文化財、景観、自然など、人類が共有すべき「顕著な普遍的価値」を持つ物件のことで、移動が不可能な不動産が対象となっている。慣例的な用法として、その中の文化遺産を世界文化遺産、自然遺産を世界自然遺産と呼ぶことがある。", "title": null }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "なお、世界遺産の制度では正式な文書は英語とフランス語で示され、日本語文献では英語が併記されることがしばしばある一方、フランス語が併記されることは普通ないため、以下では参照しやすさを考慮し、主たる用語には英語を併記する。", "title": null }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "世界遺産は、「顕著な普遍的価値」を有する文化遺産や自然遺産などであり、1972年に成立した世界遺産条約に基づき、世界遺産リストに登録された物件を指す。世界遺産条約はユネスコ成立以前、20世紀初頭から段階的に形成されてきた国際的な文化財保護の流れと、国立公園制度を最初に確立したアメリカ合衆国などが主導してきた自然保護のための構想が一本化される形で成立したものである。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "世界遺産は、政府間委員会である世界遺産委員会の審議を経て決定される。その際、諮問機関として、文化遺産については国際記念物遺跡会議(ICOMOS)が、自然遺産については国際自然保護連合(IUCN)がそれぞれ勧告を出し、両方の要素を備えた複合遺産の場合には、双方がそれぞれ勧告する。潜在的ないし顕在的に保存することが脅威にさらされている遺産は、危機遺産リストに登録され、国際的な協力を仰ぐことになる。それ以外の世界遺産も、定期報告を含む保全状況の確認が登録後にも行われる。適切な保護活動が行われていないなど、世界遺産としての「顕著な普遍的価値」が失われたと判断された場合には、世界遺産リストから抹消されることもありうる。実際、2007年にはアラビアオリックスの保護区が初めて抹消された物件となった。その後も2件の世界遺産が抹消されている。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "その一方で、世界遺産条約締約国は190か国を超え、2015年には世界遺産リスト登録物件が1,000件を超えた。世界遺産条約はもっとも成功した国際条約と呼ばれることもしばしばであるが、反面、その登録件数の増加に対しては、保護・管理といった本来の趣旨に照らして懸念を抱く専門家たちもいる。のみならず、専門家の勧告を覆す政治的決定の増加、都市開発と遺産保護の相克、過度の観光地化など、知名度が高くなったからこその問題も持ち上がっている。また、複数国で共有する「国境を越える世界遺産」は国際平和に貢献しうるものではあるが、領土問題や歴史認識が関わる審議では、国際的あるいは国内的に物議を醸すこともあり、武力衝突につながったことさえある(タイとカンボジアの国境紛争)。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "世界遺産を守っていくためには教育や広報の重要性も指摘されており、ユネスコは若者を対象にした教材の開発や国際フォーラムの開催なども実施してきた。大学などの研究者には「世界遺産学」という学際的な学問を提唱する者たちもおり、大学・大学院によっては世界遺産に関する学科や専攻が設置されている場合があるほか、関連する講座が開講されている大学もある。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "世界遺産は有形の不動産を対象としており、同じユネスコの遺産でも、無形文化遺産や世界の記憶(世界記憶遺産)とは異なる制度である。ただし、日本語の文献や報道では、これらがまとめて「ユネスコ三大遺産事業」などと呼ばれることもある。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "ユネスコ第8代事務局長松浦晃一郎は2008年に世界遺産について叙述した際、1978年から1991年を「第一期」、1992年から2006年を「第二期」、2007年からを「第三期」と位置づけていた。以下ではこの区分に準じて、世界遺産の歴史を叙述する。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "国際的に文化遺産を保護しようという動きは、戦時における記念建造物などの毀損を禁じた1907年ハーグ条約から始まったとされる。その後、レーリッヒ条約(英語版)、アテネ憲章なども整備されたが、第一次世界大戦、第二次世界大戦では文化財にも多大な損害がもたらされた。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "1945年に国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)が設立されると、その憲章には、「世界の遺産である図書、芸術作品並びに歴史及び科学の記念物の保存及び保護を確保し、且つ、関係諸国民に対して必要な国際条約を勧告すること」(第1条・抜粋)と明記された。ユネスコは文化遺産保護の制度を整備していき、1951年には「記念物・芸術的歴史的遺産・考古学的発掘に関する国際委員会」が設立された。この委員会の勧告をもとに、ユネスコ総会での採択を踏まえて1959年に設立されたのが、文化財保存修復研究国際センター(英語版)(ICCROM)である。そして、国際委員会そのものは、1931年のアテネ憲章を発展的に継承したヴェネツィア憲章(1964年)を踏まえて、1965年に国際記念物遺跡会議(ICOMOS)となった。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "また、ユネスコが「1907年ハーグ条約」を発展させるために検討した結果を踏まえ、武力紛争の際の文化財の保護に関する条約、いわゆる「1954年ハーグ条約」が採択され、武力紛争の際にも文化財などに対する破壊行為を行うべきでないことが打ち出された。これ以降も、ユネスコは文化財保護に関する勧告や条約を次々と採択していった。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "こうした流れの中で重要だったのが、ヌビア遺跡保存国際キャンペーンである。エジプト政府はナイル川流域でのアスワン・ハイ・ダム建設を1950年代から計画し始めていた。このダムが完成した場合、アブ・シンベル神殿をはじめとするヌビア遺跡が水没することが懸念され、それを受けて1960年から国際キャンペーンが展開されたのである。ヌビア遺跡救済は、ダム建設を決定したエジプト大統領ナセル自身がユネスコに要請したものであったが、スエズ運河国有化に対する欧米諸国の反発、アスワン・ハイ・ダム建設へのソ連の支援といった背景により、難航が予想された。しかし、フランス文化大臣アンドレ・マルローの名演説などもあって、50か国から、総事業費の半額に当たる約4,000万ドルの募金が集まり、日本からも28万ドルが寄せられた(日本政府が1万ドル、朝日新聞社が27万ドル)。成功裏に終わったこのキャンペーンは、その後も続く国際キャンペーンの嚆矢となり、続いて北イタリアの水害を受けてフィレンツェとヴェネツィアの文化財を保護するためのキャンペーンが1966年に行われた。そして、同じ年のユネスコ総会では、世界的価値を持つ文化遺産を保護するための枠組み作りを始めることが決議され、これが世界遺産条約につながる土台のひとつとなった。これが「普遍的価値を有する記念工作物、建造物群及び遺跡の国際的保護のための条約」と称された案で、1970年のユネスコ総会にて、次回の総会(総会は2年に1回開催)で提出されることが決まった。なお、この案では、国際的な援助が要請される遺産のリストのみが想定されていた。それに対応するのは現在の世界遺産リスト全体ではなく「危機にさらされている世界遺産リスト」のみといえる。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "他方、1948年設立の国際自然保護連合(IUCN)でもアメリカ合衆国が主導する形で、主として自然遺産保護のための条約作りが進められていた。アメリカではホワイトハウス国際協力協議会自然資源委員会が1965年に「世界遺産トラスト」を提唱し、優れた自然を護る国際的な枠組みが模索されており、その具体化作業がIUCNを通じて行われていたのである。アメリカはイエローストーン国立公園設立(1872年)によって世界で最初に国立公園制度を確立した国であり、大統領リチャード・ニクソンは「環境に関する教書」(1971年)において、国立公園誕生100周年(1972年)を期して、世界遺産トラストを具体化することの意義を説いた。そうしてできたのが、「普遍的価値を有する自然地域と文化的場所の保存と保護のための世界遺産トラスト条約」と称された案で、こちらの案に盛り込まれた「世界遺産登録簿」案が現在の世界遺産リストにつながった。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "上述の2つの流れは、国際連合人間環境会議(1972年)に先立つ政府間専門会議でのユネスコ事務局長ルネ・マウ(英語版)の提案もあり、一本化されることで合意された。その結果、同年11月16日、パリで開催された第17回ユネスコ総会(議長萩原徹)にて、一本化された「世界の文化遺産および自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)が採択された。翌年アメリカ合衆国が最初に批准し、1975年9月17日に締約国が20か国に達した。これによって発効の要件を満たしたため、3か月後の12月17日に正式に発効した。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "1976年11月には第1回世界遺産条約締約国会議が開かれた。締約国会議はユネスコ総会に合わせる形で(つまり2年に1回)開催され、世界遺産委員会の委員国選出や世界遺産基金への各国の分担金額の決定が行われる。その第1回会議で最初の世界遺産委員会の委員国が選出され、翌年には第1回世界遺産委員会が開催された。この委員会で採択されたのが、世界遺産登録の基準なども含む「世界遺産条約履行のための作業指針」(以下「作業指針」と略記)であり、この「作業指針」はその後も改定を重ねることとなる。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "そして、1978年の第2回世界遺産委員会で、エクアドルのガラパゴス諸島や西ドイツのアーヘン大聖堂など12件(自然遺産4、文化遺産8)が、最初の世界遺産リスト登録を果たした(いわゆる「世界遺産第1号」)。翌年の第3回世界遺産委員会では、世界遺産制度のきっかけとなったヌビア遺跡なども含む45件が登録され、一気に5件ずつ登録したエジプトとフランスが保有国数1位となった。この第3回世界遺産委員会は、最初の複合遺産(ティカル国立公園)が誕生した会合であるとともに、直近の大地震で大きな被害を受けたコトルの自然と文化歴史地域(ユーゴスラビア社会主義連邦共和国)が最初の危機遺産リスト記載物件になった会合でもある。その後は、1980年の第4回世界遺産委員会におけるワルシャワ歴史地区登録(後述)など、議論になる案件もあったものの、締約国、登録件数とも増加していった。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "世界遺産に関する業務の増大を踏まえ、1992年には、世界遺産の事務局にあたる世界遺産センターがユネスコ本部内に設置された。当初はユネスコの文化遺産部との棲み分けが十分になされていなかったが、のちに世界遺産センターは有形の文化遺産を、ユネスコ文化遺産部はおもに無形の文化遺産を担当する形で業務分担された。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "1992年は「作業指針」に文化的景観の概念が導入された年でもある。詳しくは後述するが、この概念は、より多様な文化遺産に世界遺産登録への道を開くものであり、登録件数の多い欧米と、それ以外の地域との間の、不均衡の是正にも寄与することが期待された。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "1992年は日本が世界遺産条約を批准した年でもあり、先進国では最後にあたる125番目の締約国となった(同年の6月30日に受諾書を寄託、9月30日に発効)。日本の参加が他国と比べて遅れた理由は、いくつか指摘されている。たとえば、文化財保護法などの独自の保護関連法制が整っていて必要性が認識されづらかったこと、参加した場合の煩瑣な行政手続きや国内法の修正作業への懸念があったこと、重要性に対する認識が希薄な中で国会審議の優先順位が高くなかったこと、冷戦下でアメリカを刺激したくなかったこと、世界遺産基金の分担金拠出に関する議論が決着しなかったこと、省庁の縦割り行政の弊害があったことなどが挙げられている。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "国内では紆余曲折あった日本の参加だが、参加してすぐに重要な議論を本格化させることになる。それは「木の文化をどう評価するか」ということである。日本の世界遺産のうち、最初の文化遺産は姫路城と法隆寺地域の仏教建造物である(いずれも1993年登録)。これらはいずれも解体修理の手法で現代に伝えられてきた建造物であり、基本的にそのような修理を必要としない「石の文化」の評価基準になじまない側面があったために議論となり、それが「真正性に関する奈良文書(英語版)」の成立につながった(後述参照)。これは、アジアやアフリカに多い木、日干し煉瓦、泥の建築物など、多様な世界遺産を増やすことにつながり、世界遺産の歴史の中で重要な意義を持った。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "世界遺産は毎年その件数が増えていく中で、上限に関する議論なども見られ始める(後述)。その一方で、登録物件から「顕著な普遍的価値」が失われた場合などには、その物件は世界遺産リストから抹消される規定が存在していたが、そのような事例は長らく存在していなかった。しかし、2007年の第31回世界遺産委員会でアラビアオリックスの保護区が初めて抹消され、続いて2009年の第33回世界遺産委員会ではドレスデン・エルベ渓谷が、さらに2021年の第44回世界遺産委員会で海商都市リヴァプールが抹消された。松浦晃一郎は、最初の抹消事例が出た2007年以降を、保全や保護に対する重要性がいっそう増した時期と見なしている。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "さまざまな課題を抱える一方で、世界遺産の数は増加し続けている。産業遺産や文化の道など、比較的新しい文化遺産のカテゴリーも取り込みつつ、2010年にはハノイのタンロン皇城の中心区域(ベトナムの世界遺産)をもって世界遺産登録件数が900件を突破、2014年にはオカバンゴ・デルタ(ボツワナの世界遺産)の登録をもって1,000件を突破した。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "2023年の第45回世界遺産委員会時点での条約締約国は195か国、世界遺産の登録数は1,199件(168か国)となっている。その締約国数、人気、知名度などから、しばしば国際条約の中でもっとも成功した部類に数えられている。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "登録される物件は不動産、つまり移動が不可能な土地や建造物に限られる。そのため、たとえば寺院が世界遺産になっている場合でも、中に安置されている仏像などの美術品(動産・可動文化財)は、通常は世界遺産登録対象とはならない。ただし、東大寺大仏のように移動が困難と認められる場合には、世界遺産登録対象となっている場合がある。逆に、将来的に動産になる可能性があると判断される場合、推薦時点で不動産であっても認められない(「作業指針」第48段落)。チェルヴェーテリとタルクイーニアのエトルリア墓地遺跡群(イタリア)の登録時には、優れた出土品の数々が収められた隣接する博物館を登録対象にするかどうかが議論になったが、世界遺産委員会はあくまでも不動産しか評価対象にしないとして、収蔵している出土品を理由とする形での博物館登録は認めなかった。このような対象の設定に対する限界が、のちの無形文化遺産の枠組みにつながった(後述)。", "title": "登録対象" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "世界遺産に登録されるためには、後述する世界遺産評価基準を少なくとも1つは満たし、その「顕著な普遍的価値」を証明できる「完全性」と「真正性」を備えていると、世界遺産委員会から判断される必要がある。その際、同一の歴史や文化に属する場合や、生物学的・地質学的特質などに類似性が見られる場合に、シリアル・プロパティーズ(関連性のある資産群)としてひとまとめに登録することが認められている(「作業指針」第137段落)。たとえば、フランス、インド、日本、アルゼンチンなど7か国の世界遺産であるル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-などはその例である。", "title": "登録対象" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "また登録されたあと、将来にわたって継承していくために、推薦時点で国内法などによってすでに保護や管理の枠組みが策定されていることも必要である。日本の例でいえば、原爆ドームの世界遺産推薦に先立ち、文化財保護法が改正されて原爆ドームの史跡指定が可能になったことも、そうした点に合致させる必要があったためである。", "title": "登録対象" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "世界遺産はその内容によって文化遺産、自然遺産、複合遺産の3種類に分けられている。なお、日本語文献ではしばしば無形文化遺産も単に「世界遺産」と呼ばれることがあるが、後述するように、そちらは世界遺産条約の対象ではなく、世界遺産委員会で扱われる「文化遺産」には含まれない。", "title": "分類" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "また、内容的な区分以外にも、国際的な対応の優先度の高い「危機にさらされている世界遺産」(危機遺産)、2か国以上で保有する「国境を越える資産」、非公式な分類だが日本語圏では広く用いられる「負の世界遺産」などがある。", "title": "分類" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "文化遺産は世界遺産条約第1条に規定されており、記念工作物、建造物群、遺跡のうち、歴史上、芸術上あるいは学術上顕著な普遍的価値を持つものを対象としている。しばしば「世界文化遺産」と呼ばれる。", "title": "分類" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "基本的なカテゴリーは上記の3種のままだが、それらに内包されるカテゴリーとして、上述のように1992年に文化的景観の概念が追加され、以降、産業遺産、文化の道など多様なカテゴリーが加わった。文化遺産は研究の深化とともに範囲が広がっており、それゆえICOMOSも、世界文化遺産の一覧は「開いた一覧」となる見通しを示している。", "title": "分類" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "自然遺産は世界遺産条約第2条に規定されている。その定義では「無生物又は生物の生成物又は生成物群から成る特徴のある自然の地域であって、鑑賞上又は学術上顕著な普遍的価値を有するもの」「地質学的又は地形学的形成物及び脅威にさらされている動物又は植物の種の生息地又は自生地として区域が明確に定められている地域であって、学術上又は保存上顕著な普遍的価値を有するもの」「自然の風景地及び区域が明確に定められている自然の地域であって、学術上、保存上又は景観上顕著な普遍的価値を有するもの」が挙げられている。しばしば「世界自然遺産」と呼ばれる。", "title": "分類" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "文化遺産の場合は、ICOMOS によるテーマ別研究によって多様な文化遺産の模索がなされてきたが、IUCNは少なくとも第39回世界遺産委員会(2015年)の時点では、財政事情から自然遺産のテーマ別研究はしていないことを明かしている。ただし、そもそも自然遺産は文化遺産と違い、その価値の評価は当初から安定していた。IUCNは1982年にはグローバル目録を作成し、自然遺産として登録が望まれる類型の網羅を終えていた。それゆえIUCNは自然遺産(および複合遺産)を「閉じた一覧」とすることを志向し、その限界は250から300と考えられている。", "title": "分類" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "複合遺産は文化と自然の両方について、顕著な普遍的価値を兼ね備えるものを対象としている。1979年には最初の複合遺産が登録されていたものの、世界遺産条約に直接的な規定はなく、作業指針でも長らく明記されてこなかった。しかし、2005年の改訂の際に「作業指針」第46段落で定義付けられた。", "title": "分類" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "複合遺産には最初からそのように登録されたものだけでなく、自然遺産として登録されたものの文化的側面が追認されて複合遺産になったり、逆に文化遺産の自然的側面が追認されて複合遺産になったりする場合もある。後者に該当する例で最初に登録されたのはカンペチェ州カラクムルの古代マヤ都市と熱帯保護林(メキシコ、2014年拡大)だが、この審議が難航したことを踏まえて、諮問機関の情報交換のやり方などが変更された。", "title": "分類" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "内容上の分類ではないが、後世に残すことが難しくなっているか、その強い懸念が存在する登録物件は、危機にさらされている世界遺産リスト(危機遺産リスト)に加えられ、別途保存や修復のための配慮がなされることになっている(世界遺産条約第11条4項および「作業指針」第177段落 - 第191段落)。危機遺産については、世界遺産条約や「作業指針」でも詳しく規定されており、制度の中核的概念と位置づけられている。世界遺産リストへの推薦が各国政府しか行えないのに対し、危機遺産リストへの登録の場合は、きちんとした根拠が示されれば、個人や団体からの申請であっても受理、検討されることがある。", "title": "分類" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "2013年にはシリア内戦などを理由にシリアの世界遺産が6件すべて、2016年にはリビア内戦などを理由にリビアの世界遺産が5件すべて登録されるなどし、2023年1月の世界遺産委員会第18回臨時委員会終了時点での危機遺産登録物件は55件となっている。しかし、保有国の中には、危機遺産登録を不名誉なものと捉えて強い抵抗を示す国もあり、危機遺産リストに登録されるべき場合であってさえも、容易に登録が実現しない現実がある。リストに正式登録された危機遺産以外に、そのような「隠れた危機遺産」の増加を懸念する意見もある(後述)。", "title": "分類" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "世界遺産の中には、複数国にまたがる「国境を越える資産」も存在する(「作業指針」第134段落)。その推薦書は保有国が共同で作成し、登録後の管理には共同で専用の機関を設置することが望ましいとされる。中には、カルパティア山脈とヨーロッパ各地の古代及び原生ブナ林(18か国)、シュトルーヴェの測地弧(10か国)のように多くの国々で保有されている例もある。", "title": "分類" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "国境を越える資産は当初、自然遺産分野に多く見られたが、そうした制度の起源は世界遺産制度そのものよりも古く、ウォータートン・グレイシャー国際平和自然公園の設立にさかのぼると言われる(1932年設定、1995年には世界遺産リストにも登録)。国境を越える資産の存在は、国境を越えて協力することの大切さを伝え、保有国間の平和の構築にも資するとされるが、実際には国境を越えて価値が連続性を持つにもかかわらず、さまざまな事情を背景に別々に登録されている例がある。たとえば、イグアス (Iguaçu) 国立公園(ブラジル)とイグアス (Iguazú) 国立公園(アルゼンチン)、スンダルバンス国立公園(インド)とシュンドルボン(バングラデシュ)などがそうである。文化遺産だとサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路:カミノ・フランセスとスペイン北部の道(スペイン)とフランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路などがそれにあたる。そうした例には高句麗の遺跡のように、歴史的・政治的背景に起因するものもある(後述)。", "title": "分類" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "戦争、奴隷貿易、人種差別、文化浄化など、人類の歴史において繰り返してはならない出来事をとどめた遺跡なども、世界遺産リストに登録されている。これらは別名「負の世界遺産」(負の遺産)と呼ばれている。", "title": "分類" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "ただし、世界遺産センターやICOMOSによって公式に認められた分類ではない。そのため、何を負の遺産と見なすのかは論者によって異なるが、しばしば挙げられるのは広島市への原爆投下を伝える原爆ドーム、ホロコーストの物証であるアウシュビッツ=ビルケナウ(ポーランド)、奴隷貿易の拠点であったゴレ島(セネガル)、ネルソン・マンデラを含む反アパルトヘイト政治犯の収容所だったロベン島(南ア)の4件で、このほかに核実験に関わるビキニ環礁の核実験場(マーシャル諸島)や、ターリバーンによる文化浄化を被ったバーミヤン渓谷の文化的景観と古代遺跡群(アフガニスタン)なども、負の遺産とされることがある(負の遺産とされることがある他の例については、負の世界遺産参照)。", "title": "分類" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "なお、これらの世界遺産登録では、単に悲劇的な出来事があったというだけでなく、それを繰り返すまいとする運動などが評価されることは珍しくない。たとえば原爆ドームは、正式登録前から「負の遺産」と位置づける関連書籍もあったが、世界遺産登録にあたっての評価は、あくまでも原爆のない世界を目指す半世紀にわたる平和運動に焦点が当てられており、戦争や原爆の悲惨さ自体は中心を占めていない。", "title": "分類" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "負の世界遺産はユネスコが公式に認めた分類ではないが、2018年以降第二次世界大戦中から戦後に起きた出来事に関連する場所が世界遺産に推薦されるようになった。これに対しユネスコ・世界遺産委員会・諮問機関は、当事者間の記憶がまだ鮮明で、登録により対立が再燃することを警戒し、顕彰するのは時期尚早としたが、要望の声が高まったこともあり協議した結果、「最近の紛争(Recent conflicts)」に関する「記憶の場所」として顕彰を始めることとした。これはユネスコが公式に認めた区分となる。", "title": "分類" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "但し、一方的な登録は文化的不寛容を助長し、文化紛争(英語版)から文化戦争に発展し、最終的に文化の崩壊(英語版)に至りかねないとして、審査に関しては異議申し立てを受け付けての審議延期や調停、当事者間対話の実施や和解プログラムの構築などを義務付ける。", "title": "分類" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "すでに述べたように、世界遺産となるためには「顕著な普遍的価値」(略号は OUV)を有している必要がある。しかし、世界遺産条約では「顕著な普遍的価値」自体を定義していない。「作業指針」第49段落には、国家の枠にとらわれずに、現在だけでなく将来の人類にとっても大きな価値を持つといった大まかな定義があるが、その証明のために要請されるのが、10項目からなる世界遺産登録基準のいずれか1つ以上を満たすことである。", "title": "顕著な普遍的価値とその評価基準" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "以上は当初から変わらない条件だが、2005年の「作業指針」改定によって、OUVを構成する要素に保存管理が加わったため、OUVの証明には登録基準を満たすこと、完全性と真正性を満たすこと、保存管理が適切に行われていることのすべての証明が必要となった(「作業指針」第77・78段落)。", "title": "顕著な普遍的価値とその評価基準" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "世界遺産登録基準は、当初、文化遺産基準 (1) - (6) と自然遺産基準 (1) - (4) に分けられていたが、2005年に2つの基準を統一することが決まり、2007年の第31回世界遺産委員会から適用されることになった。新基準の (1) - (6) は旧文化遺産基準 (1) - (6) に対応しており、新基準 (7)、(8)、(9)、(10) は順に旧自然遺産基準 (3)、(1)、(2)、(4) に対応している。このため、実質的には過去の物件に新基準を遡及して適用することが可能であり、現在の世界遺産センターの情報では、旧基準で登録された物件の登録基準も新基準で示している。", "title": "顕著な普遍的価値とその評価基準" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "基準が統一されたあとも文化遺産と自然遺産の区分は存在し続けており、新基準 (1) - (6) の適用された物件が文化遺産、新基準 (7) - (10) の適用された物件が自然遺産、(1) - (6) のうち1つ以上と (7) - (10) のうち1つ以上の基準がそれぞれ適用された物件が複合遺産となっている。", "title": "顕著な普遍的価値とその評価基準" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "登録基準(評価基準)の内容は以下の通りである(「作業指針」第77段落)(以下は世界遺産センター公式サイトに掲載された基準を翻訳のうえ、引用したものである)。", "title": "顕著な普遍的価値とその評価基準" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "前述の通り、世界遺産の「顕著な普遍的価値」には、完全性と真正性を満たしていることも必要となる。", "title": "顕著な普遍的価値とその評価基準" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "完全性とは、その物件のOUVを証明するために必要な要素が、適切な保全管理の下で過不足なく揃っていることを指す(「作業指針」第78・87・88段落)。インテグリティ、全体性などとも呼ばれる。", "title": "顕著な普遍的価値とその評価基準" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "一定の規模を確保することが求められる反面、価値の証明と関係のない要素が多く混じっても否定的に評価されるため、いたずらに範囲を拡大するよりも、個々の要素群に絞り、面ではなく点で捉える「関連性のある資産」とすることも含め、価値の証明に即して範囲を練ることが求められる。たとえば、富岡製糸場と絹産業遺産群では、当初10件の構成資産を擁する推薦物件だったが、絹産業の技術革新と国際交流という価値の証明に即した練り直しの結果、4件にまで絞られた経緯があり、絞り込みが効果的だったとされている。", "title": "顕著な普遍的価値とその評価基準" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "諮問機関は、範囲の設定に不足がある推薦の場合には範囲の再考を勧告するが、逆に余計な要素が含まれていると判断した場合には、特定の要素の除外を条件にした登録勧告を示すことがある。たとえば、富士山-信仰の対象と芸術の源泉の推薦では三保松原の除外が、「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群の推薦では新原・奴山古墳群などの除外がそれぞれ勧告された(いずれも逆転で登録)。他方、平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―の推薦で除外が勧告された柳之御所遺跡は、委員会審議でも勧告通りに除外と決まった例である。", "title": "顕著な普遍的価値とその評価基準" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "自然遺産・複合遺産の例では、ブルー・アンド・ジョン・クロウ・マウンテンズ(ジャマイカ)は、同名の国立公園の推薦時には絞り込みを勧告され、核心部分のみに限定した再推薦で登録された例であり、逆に大ヒマラヤ国立公園保存地域(インド)は、国立公園だけでは不足があるとして、隣接する自然保護区にまで拡大することで登録された例である。", "title": "顕著な普遍的価値とその評価基準" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "真正性とは、特に文化遺産について、そのデザイン、材質、機能などが本来の価値を有していることなどを指す(「作業指針」第79段落 - 第82段落)。真実性と訳されるほか、もともと日本語に対応する概念がなかったとしてオーセンティシティとカタカナで表現される場合もある。", "title": "顕著な普遍的価値とその評価基準" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "再建された建造物の歴史的価値は、1980年登録のワルシャワ歴史地区(ポーランド)で早くも問題になった。ワルシャワの町並みは第二次世界大戦で徹底的に破壊され、戦後に壁のひび割れなどまで再現されたといわれるほどの再建事業を経て、忠実に復元されたものだったからである。1979年、1980年と続けて議論が紛糾した結果、ワルシャワの登録と引き換えに、第二次大戦後に再建されたほかのヨーロッパ都市は登録対象としないことが決められた。「作業指針」にも、歴史地区の再建などは例外的にしか認められないことが明記されている(第86段落)。もっとも、2005年登録のオーギュスト・ペレによって再建された都市ル・アーヴル(フランス)のように、戦前の面影を一新した鉄筋コンクリート造りの計画都市が登録された例はある。", "title": "顕著な普遍的価値とその評価基準" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "その後、登録物件の偏りなどとの関連で「真正性」の問題がクローズアップされた。堅牢な石の建造物を主体とするヨーロッパの文化遺産と違い、木や土を主体とするアジアやアフリカの文化遺産は、保存の仕方が異なってくるからである。そこで、1994年に奈良市で開催された「世界遺産の真正性に関する国際会議」で採択された奈良文書において、真正性はそれぞれの文化的背景を考慮するものとし、木造建築などでは、建材が新しいものに取り替えられても、伝統的な工法・機能などが維持されていれば、真正性が認められることになった。この真正性の定義づけには日本も積極的に関わり、世界遺産制度史上における日本の特筆すべき貢献と評価されている。", "title": "顕著な普遍的価値とその評価基準" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "世界遺産の登録範囲(Boundary)は、前述のように完全性をはじめとする「顕著な普遍的価値」(OUV)の証明のために必要な要素を、過不足なく含むことが求められる。範囲の設定は行政区分などに左右されるべきでないとされ、自然地形の特徴などに即していることが望ましいとされている。登録後にも範囲の変更は可能である。それについては後述を参照のこと。", "title": "登録範囲" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "世界遺産の登録に当たっては、登録物件の周囲に緩衝地帯(Buffer zone)を設けることがしばしばである。ただし、それはOUVを有するとは認められていない地域で、世界遺産登録範囲ではない。かつては、世界遺産そのものの登録地域を核心地域(Core zone)と呼んでいたが、核心地域と緩衝地帯がともに世界遺産登録地域であるかのように誤認されないために、2008年から世界遺産そのものの登録地域は資産(property)と呼ばれ、緩衝地帯と明確に区別されるようになった。", "title": "登録範囲" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "緩衝地帯は、そのままカタカナでバッファー・ゾーンと表現されることもある。本来保護すべき範囲の外側に緩衝地帯を設定するという考え方は、自然保護に見られた概念を文化遺産にも拡大したものといえる。この範囲設定は、ユネスコの「人と生物圏計画(英語版)」で「核心地域」「緩衝地域」「移行地域」の3区分が存在していたことをモデルに、核心地域と緩衝地域の概念を導入したものである。なお、日本の省庁の場合は「バッファー・ゾーン」を世界遺産では「緩衝地帯」、生物圏保存地域(ユネスコエコパーク)では「緩衝地域」と訳し分けている。", "title": "登録範囲" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "緩衝地帯の役割は、資産の保護のために設定される区域で、法的あるいは慣例的に開発などは規制を受ける。たとえばフランスの場合、歴史的記念建造物の周囲には一律(半径500メートル)に規制が敷かれるが、世界遺産の場合、保護する範囲に機械的な線引きはなく、また資産全体に同じ範囲だけ設定しなければならないものではない。そもそも緩衝地帯は当初、方針文書に明記されておらず、ごく初期の世界遺産には設定されていなかった。1980年や1988年の「作業指針」で段階的に盛り込まれていったが、厳格な適用を求める方向で「作業指針」が改定されたのは2005年のことで、設定しない場合には理由の提示が必要となった。世界遺産の推薦にあたっては、原則として資産だけでなく緩衝地帯についても、規模や用途などを明記し、地図も提出する必要がある(「作業指針」第104段落)。", "title": "登録範囲" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "それ以降、第31回世界遺産委員会(2007年)ですでに登録されている世界遺産7件に遡及的に設定されるなど、「軽微な変更」(後述)として緩衝地帯の遡及的な設定なども行われるようにもなっている。", "title": "登録範囲" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "その一方、生物圏保存地域と異なり、緩衝地帯の外側に移行地域が存在しないため、緩衝地帯のすぐ外側での開発などが問題視されることが出てきた。たとえばロンドン塔の場合、超高層建築ザ・シャードが緩衝地帯の外に建てられたが、ロンドン市内で突出したその高さは、ロンドン塔の景観にも影響を及ぼしてしまっている。これは緩衝地帯の外であったため、世界遺産委員会では懸念は表明されたものの、それ以上の措置には踏み込まなかった。世界遺産委員会では、緩衝地帯の外でさえ、景観に影響を及ぼす場合には規制すべきという意見も出されるようになっている。その一方、都市の成長や開発に対する過度の抑制につながることを懸念する論者もいる。", "title": "登録範囲" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "前述のように、緩衝地帯は理由を明記すれば、設定しないことも許容される。許容されるための理由としては、資産そのものの保護範囲がもともと十分に広く設定されている場合や、大平原や地下など、資産の所在環境による条件を勘案して緩衝地帯の設定が無意味、あるいは不要などと判断される場合などがある。しかし、フォース橋(2015年登録)が保護範囲の十分の広さを理由に緩衝地帯を設定しなかったところ、その審議が紛糾した例などもあり、専門家からは緩衝地帯を設定しない推薦は例外的なものと見なされている。", "title": "登録範囲" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "世界遺産リスト登録に必要となる前提、審査の流れ、登録後の保全状況報告などは、「世界遺産条約履行のための作業指針」(「作業指針」)で規定されている。その登録までの流れを図示すると以下のようになる。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "暫定リストは、世界遺産登録に先立ち、各国がユネスコ世界遺産センターに提出するリストのことである。もともと文化遺産について、このリストに掲載されていないものを世界遺産委員会に登録推薦することは原則として認められていなかったが、「作業指針」の2005年の改訂で、自然遺産についても義務づけられるようになった。ただし、バム地震(2003年)で壊滅的損壊を被ったバムとその文化的景観(イラン、2004年登録)のように、不測の事態によって緊急で登録する必要性が認められた場合には、「緊急登録推薦」に関する条項に従い、暫定リスト記載と推薦をほぼ同時に行うことが認められる場合がある(後述)。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "暫定リストは、各国が1年から10年以内をめどに世界遺産委員会への登録申請を目指すもののリストであり、10年ごとに見直し、再提出することが望ましいとされる。ただし、10年間推薦しなかったら除去しなければならないというものではない。たとえば日本の場合、1992年から暫定リストに記載され続けていた物件のうち、古都鎌倉の寺院・神社ほかが最初に推薦されたのはおよそ20年後のことであり(結果は本審議前に取り下げ)、彦根城は一度も推薦されたことがない。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "暫定リスト掲載物件は、世界遺産委員会がその「顕著な普遍的価値」(OUV)を認めたものではなく、現在暫定リストに掲載されているものには、不登録勧告を受けて取り下げたものや、登録延期決議などを受けたものもある。ただし、世界遺産委員会で「不登録」(後述)と決議されたものを暫定リストに掲載し続けることは、原則として認められていない(「作業指針」第68段落)。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "世界遺産委員会は、条約締結各国に対して、暫定リストへの掲載にあたっては、その遺産のOUVを厳格に吟味することや、保護活動が適正に行われていることを十分示すように求めている。また委員会は、暫定リスト作成では、まだ登録されていないような種類の物件に光を当てることや、世界遺産を多く抱える国は極力暫定リストを絞り込むことなどを呼びかけており、後述の「登録物件の偏り」を是正するための一助とすることを企図している。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "この暫定リストは、各国がOUVを持つと考える物件を加除できるリストである。それに対し、他国と争いのある物件などに関しては、世界遺産委員会の検証を踏まえるべきといった提案も出されているが、慎重な意見も出されている。第41回世界遺産委員会では、暫定リストが各国に独自に作成したリストであり、そこには世界遺産センターや委員会の意向は反映されていないと念押しされることになった。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "日本の場合、暫定リストへの記載は、文化庁、環境省、林野庁が担当するが、推薦に向けては上記3省庁に外務省、国土交通省、水産庁を加えた6省庁に、オブザーバーとしての文部科学省と農林水産省を加えた「世界遺産条約関係省庁連絡会議」を経る必要があった。同連絡会議はその後、参加する省庁が変更され、2017年時点では文化庁、環境省、林野庁、水産庁、外務省、国土交通省、経済産業省、宮内庁、内閣官房となっている。同連絡会議を経て正式決定された物件は、それを踏まえて閣議了承がなされる。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "推薦書の提出は、原則として世界遺産条約締約国のみにしかできない。ゆえに、たとえば台湾は世界遺産候補地リストを独自に発表するなど世界遺産登録に前向きだが、世界遺産条約締約国ではなく、一つの中国を掲げる中華人民共和国も台湾の物件を推薦したことがないため、世界遺産委員会の審議対象になったことすらない。逆にバチカン市国は国際連合にもユネスコにも加盟していないが、世界遺産条約は締約しているため、国全体が世界遺産である。世界遺産条約締約国の保有でない例外は、エルサレムの旧市街とその城壁群のみである。これはエルサレム帰属をめぐる問題から、ヨルダンの申請で認められたが、ヨルダンの世界遺産ではなく、「エルサレム(ヨルダンによる申請)」と位置づけられている。このほか、現状の枠組みにおさまらない概念として、公海の世界遺産が模索されている。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "推薦書に記載することが求められるのは、資産の登録範囲と内容、それがOUVを持つことの証明、脅威を与える要素などについてのモニタリングを含む保全関連の情報などの条項である。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "正式推薦の締め切りは、審議予定の前年の2月1日だが、そのさらに前の年の9月30日までに草案を提出し、世界遺産センターから不備を指摘されたうえで正式推薦書を提出することが認められている。草案の提出は任意だが、2月1日までに提出した正式推薦書に不備があった場合、諮問機関に回されずに翌年以降の再提出を求められる。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "緊急登録推薦の手続きは、その推薦物件がOUVを疑いなく保有する場合で、なおかつ重大な危険に直面しているなどの緊急を要する場合に、通常の手続きを飛び越えて推薦できることを指す(「作業指針」第161・162段落)。緊急登録推薦の場合は、暫定リスト記載と推薦を同時に行い、かつ最速で同じ年に登録することが可能となる。この手続きで登録された場合、危機遺産リストにも同時に登録されることになっている。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "この手続きで登録された資産には、ダム工事による浸水の危険があったアッシュール(イラク)、大地震で被災したバムとその文化的景観(イラン)などがある。パレスチナの世界遺産の場合は、最初の物件から3件連続でこの規定が適用されたが、このような手法には議論がある(後述)。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "上掲の図のように、自然遺産については国際自然保護連合(IUCN)、文化遺産については国際記念物遺跡会議(ICOMOS)が諮問機関として、現地調査を踏まえて事前審査を行う。そこでの勧告は、後述の世界遺産委員会の決議と同じく「登録」「情報照会」「登録延期」「不登録」の4種である。世界遺産委員会は後述するように勧告を踏まえて審査するが、「登録」以外の勧告が出た物件が逆転で登録されることもあれば、勧告よりも低い評価が下されることもある。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "現地に派遣される諮問機関の調査官は1人であり、その調査も踏まえて複数名で勧告書が作成される。ICOMOSの調査では、日本の場合、アジア・太平洋地区(後述)の調査官が原則として派遣される。これは他地区の調査官が厳しい評価を下した場合に、無用の批判が出るのを避けるためといわれている。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "アップストリーム・プロセスとは、推薦手続きの中で世界遺産センターや諮問機関と対話を重ね、登録に向けた諸問題の解消ないし低減に資するための手続きである(「作業指針」第122段落)。これは第32回世界遺産委員会で提案され、第34回世界遺産委員会での決議に基づき、第35回世界遺産委員会で試験的に導入する10件の対象が選定され、のちにこのプロセスを活用してナミブ砂海(ナミビア)、サウジアラビアのハーイル地方の岩絵などが世界遺産リスト登録を果たした。反面、ヨルダンのペラ(英語版)のように、実施した結果、取り下げられた案件もある。アップストリーム・プロセスを全面導入するためには、費用の分担などの問題を解決する必要があるが、少なくとも推薦書作成の前に、諮問機関や世界遺産センターに助言を仰ぐことは推奨されるようになっている。第41回世界遺産委員会(2017年)で正式な導入が決まったものの、上述の制約により、翌年から2年間は年間10件のみを選定して実施することとなった。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "なお、推薦書の提出後には、諮問機関と推薦国の接触は認められていなかったが、ラージャスターンの丘陵城塞群の評価を不満とした推薦国インドの提案をきっかけとして、その期間に諮問機関の特別助言ミッションが派遣されることも行われるようになった。また、第40回世界遺産委員会(2016年)審議分から、正式な勧告の前に諮問機関が「中間報告」を出すことになり、推薦の取り下げや推薦書の大幅改訂などの対応をとりやすくなった。日本の長崎の教会群とキリスト教関連遺産は、中間報告を踏まえて、大幅な再検討が必要との判断から取り下げられた例である(2018年に正式登録)。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "2023年より事前評価制度(プレリミナリー・アセスメント)が導入されることになった。これは世界遺産委員会における新規登録審査において、諮問機関(ICOMOS・IUCN)の勧告を政治的思惑で覆すことが増えている状況を憂慮し、大前提である学術的価値を重視することを再確認するとともに、審査時間の短縮やより確実な登録へ導くこと(あるいは登録の可能性が低いものの排除)が目的で、推薦書作成前の段階から諮問機関が関わり助言することが第43回世界遺産委員会で決まった。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "2023年より運用が始まる制度であるが、暫定リスト掲載から30年の歳月を経ていながら3年連続で推薦書原案を文化庁に提案するも文化審議会に推薦物件として選定されることがなかった彦根城がこれを利用することになった。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "制度初年度は申請締切が9月15日に設定され、諮問機関に推薦書原案を提出して内容を点検、必要に応じて現地視察を招聘することも可能で(費用は当該地負担)、1年後の10月1日までに評価結果が提示される。ここで得た指摘事項を是正したり、推薦書の書き直しを図る。制度としてこの補正期間に1年間充てる必要があるため、正式推薦は3年後(2023年申請の場合2026年)の推薦書提出締切日の2月1日までとなる(提出後に内容の修正が可能な暫定版推薦書は前年の9月末日までに提出できる)。以後の進行過程は従来どおりで、正式版推薦書が受理された場合はその年の夏~秋にかけて諮問機関の現地調査が行われ、翌年の世界遺産委員会で登録審査をうけることになる(2023年申請の場合2027年)。但し、諮問機関から推薦に向いていないなどと示唆される恐れもあり、その場合には推薦を一旦取り下げ、基本的なコンセプトや構成資産の見直しを図らなければならなくなるが、暫定リストからの抹消を勧告される可能性もある。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "なお、事前評価制度は2027年審査分より全ての推薦物件に義務として適用される。この場合、申請は2024年に行わなければならない。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "ビューローは、世界遺産委員会の21か国の委員国のうち、議長、副議長(5人)、書記のみで行われる会議である。ビューロー会議などとも呼ばれる。2001年までは世界遺産委員会が12月開催だったが、そのころは半年ほど前と直前にビューローが開催されていた。特に半年前のビューローは、実質的に世界遺産の新規登録の可否を決定する場となっており、12月の委員会開催までに勧告を覆す余地はあったが、世界遺産委員会の場で覆されることはないのが普通だった。この当時のビューローの権威は高かった反面、21か国の委員国の中でも特に限られた国々に強い決定権が集まることへの批判もあった。そのため、世界遺産委員会が6、7月ごろの開催となった2002年の4月に開催されたビューローを最後に、世界遺産登録の可否は、正規の委員会審議に一本化されることになった。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "以降、ビューローは世界遺産委員会の会期中に、議事の調整や日程の管理など、限られた事項のみを扱うようになっている。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "世界遺産委員会は、諮問機関の勧告を踏まえて推薦された物件について審査を行い、「登録」「情報照会」「登録延期」「不登録」のいずれかの決議を行う(「作業指針」第153 - 164段落)。「登録」勧告が出された物件が、世界遺産委員会で覆されたことはほとんどない。例外的な事例は、後述の領土問題が絡む案件を除けば、遺跡の復元方法をめぐって委員国が反対したボルガル遺跡(ロシア。のちに正式登録)、地元との調整不足を理由に推薦国自らが先送りを提案したピマチオウィン・アキ(英語版)(カナダ。のちに正式登録)など、ごくわずかである。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "世界遺産委員会には臨時委員会も存在するが、世界遺産は原則として正規の委員会でしか登録されない。第45回世界遺産委員会(2023年)まででの例外は、1981年の臨時委員会で登録されたエルサレムの旧市街とその城壁群、2023年1月に登録されたオデーサ歴史地区(ウクライナ)、マアリブの古代サバア王国記念建造物群(イエメン)、トリポリのラシード・カラーミー国際見本市(レバノン)の4件のみである。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "「登録」(記載)は、世界遺産リストへの登録を正式に認めるものである。「作業指針」の2005年の改定を踏まえ、2007年以降は正式に登録された場合、OUVの言明をしなければならなくなった。OUVの言明とは、A4判2枚の要約で、資産の概要、適用された登録基準、真正性、完全性、保存状況などがまとめられている。2007年以前に登録された資産は義務づけられていなかったが、それらについても順次、遡及的な言明が要請されることとなった。たとえば、日本の場合は2014年に遡及的な言明がすべて完了している。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "「情報照会」は一般的に顕著な普遍的価値の証明ができているものの、保存計画などの不備が指摘されている事例で決議され、期日までに該当する追加書類の提出を行えば、翌年の世界遺産委員会で再審査を受けることができる。ただし、3年以内の再推薦がない場合は、以降の推薦は新規推薦と同じ手続きが必要になる(「作業段落」第159段落)。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "「情報照会」決議は、最速で翌年の再審議を可能にする。そのため、推薦国は、その年の登録が難しいという勧告を受けた場合、次善の策として望む決議であり、委員国への働きかけも顕著である。しかし、「情報照会」決議が出てしまうと、推薦書の大幅な書き換えは認められず、推薦範囲の変更などもできないため、安易な「情報照会」決議は、かえって正式な登録を遠ざける危険性があることも指摘されている。実際、インドのマジュリ島(英語版)は第30回世界遺産委員会では「登録延期」勧告を覆して「情報照会」決議とされたが、第32回世界遺産委員会の審議では「登録延期」決議とされ、かえって登録が遠のいてしまった。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "顕著な普遍的価値の証明などが不十分と見なされ、より踏み込んだ再検討が必要な場合は「登録延期」(記載延期)と決議される。この場合、必要な書類の再提出を行ったうえで、諮問機関による再度の現地調査を受ける必要があるため、世界遺産委員会での再審査は、早くとも翌々年以降になる。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "「登録延期」はしばしば不名誉なものと捉えられることがある。日本の場合、最初に「登録延期」決議が出たのは平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―である。このとき、日本では「落選」「平泉ショック」などと報じられ、他の自治体の世界遺産登録に向けた動きにも影響を与えた。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "「登録延期」決議は確かに「情報照会」決議よりも一段下と位置づけられる決議だが、専門家からは、むしろ時間をかけて価値の証明を深化させる機会を与えられたと解すべきで、不名誉なものではないとも指摘されている。なお、最初の「登録延期」決議から正式登録までに長期を要した遺産の例としては、30年を要したイングランドの湖水地方、26年を要したシドニー・オペラハウス などがある。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "顕著な普遍的価値を認められなかった物件は、「不登録」(不記載)と決議される。「不登録」と決議された物件は、原則として再推薦することができない。ただし、新しい科学的知見が得られるなどした場合や、不登録となったときとは異なる登録基準からの価値を認められる場合には、推薦が可能である。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "諮問機関の勧告の時点で「不登録」勧告が出されると、委員会での「不登録」決議を回避するために、審議取り下げの手続きがとられることもしばしばである。たとえば、2012年の第36回世界遺産委員会では、「不登録」勧告を受けた推薦資産は9件あったが、うち5件は委員会開催前に取り下げられた。「不登録」決議は、推薦国にとって何のメリットもないと考えられていたからである。しかし、第41回世界遺産委員会では「不登録」勧告を受けた資産の多くが取り下げず、審議に臨んだ5件のうち4件が「登録延期」ないし「情報照会」決議となった。この従来と異なる傾向は、2000年代半ばから増えるようになった諮問機関と推薦国との意見の対立を示すものとされる。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "なお、世界遺産委員会などでの審議の結果、登録が見送られた物件を指して裏世界遺産と呼ぶことがある。もともとインターネット上の私的なウェブサイトで打ち出された概念であり、公式な呼称ではない。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "世界遺産におけるモニタリングとは、保全管理に関わる指標や影響を及ぼす要素を明示することで、推薦書に盛り込まなければならないものと、登録後に行われるものの2種類ある。ただし、これらはまったく同じ用語を用いても、手続きとしては別個のものである。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "推薦書におけるモニタリングの項目に不備があれば、「情報照会」勧告などが出される場合がある。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "登録後のモニタリングには、定期報告とリアクティブ・モニタリングの2種類がある。定期報告は6年ごとにすべての登録資産に対して実施するものであり、アジア・太平洋、アフリカなどの地域を単位として少しずつ時期をずらし、世界遺産としての価値の維持と保全状況、その他情報の更新などを確認する。第1期の定期報告は2000年から2006年に実施された。2008年から2012年に第2期の定期報告がすべて終わり、2015年の第39回世界遺産委員会でとりまとめられた。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "リアクティブ・モニタリングは、定期報告とは別の手続きであり、定期報告が保有国による報告なのに対し、世界遺産が何らかの脅威に晒されていると判断された場合に、世界遺産センターないし諮問機関が行う。当然、抹消の可能性がある世界遺産や危機遺産リスト登録物件なども対象になる(第169 - 170段落)。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "しかし、リアクティブ・モニタリングは世界遺産委員会の決議を踏まえなければならず、保有国の協力も得ねばならないため、緊急の事態や保有国が非協力的な場合などには、十分に機能しない問題点を含む。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "そこで新たに導入されたのが強化モニタリング体制である。これは、世界遺産委員会の決議なしに、ユネスコ事務局長の判断で現地調査を可能にする仕組みであり、2007年の第31回世界遺産委員会で導入された。これは、世界遺産委員会が開かれていない時期にも即応して、複数の報告書を提出できる仕組みであったが、2017年時点では正式な「作業指針」には盛り込まれていない。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "もともとの原則では危機遺産登録物件のみとされており、実際、2007年に対象になったのはそうだったが、2008年にはマチュ・ピチュの歴史保護区など、危機遺産リスト外の物件も対象に含まれた。その辺りの時期には、危機遺産リストに登録する代わりに、強化モニタリング対象としたケースもあったとされている。", "title": "世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "推薦する際の名称は、推薦国が英語とフランス語でつける。諮問機関は、資産の特色をよりよく表すような改名を勧告する場合があり、推薦国自身がそれを踏まえて改名することもある。たとえば、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」は当初の推薦名「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」を、ICOMOSの勧告を踏まえて改名したものである。逆に、平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―の場合は「考古学的遺跡群」を外すことを勧告されたが、反対する日本の見解を世界遺産委員会も支持したため、推薦どおりの名称で登録された。", "title": "登録後の変更" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "登録後にも名称の変更は可能であり、保有国の申請を世界遺産委員会が承認すれば認められる。ナチスの施設であることを明確にするために「アウシュヴィッツ強制収容所」が「アウシュヴィッツ=ビルケナウ ナチス・ドイツの強制絶滅収容所(1940 - 1945)」に変更された例や、地元文化を尊重するためと推測されている英語「スケリッグ・マイケル」からゲール語「シュケリッグ・ヴィヒル」(アイルランド)への変更の例などを挙げることができる。", "title": "登録後の変更" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "なお、英語・フランス語による世界遺産登録名には、公式の日本語訳は存在しない。日本ユネスコ協会連盟、世界遺産アカデミーなど、各団体がそれぞれの判断で日本語訳をつけている。結果、物件によっては文献ごとに表記の異なる場合が存在する。", "title": "登録後の変更" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "登録範囲の「軽微な変更」とは、「顕著な普遍的価値」(OUV)に大きな影響を及ぼさない範囲の変更で、緩衝地帯の設定もこれに含まれる(「作業指針」第163段落およびAnnex 11)。原則として、理由説明の合理性などに問題がなければ、世界遺産委員会でも大きな議論なしに承認される。たとえば、2016年に紀伊山地の霊場と参詣道へ闘鶏神社ほか22地点が追加されたのは「拡大」ではなく、「軽微な変更」である。", "title": "登録後の変更" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "「軽微」な範囲を超えると認識される場合は、重大な変更として、いわゆる「拡大」登録の手続き(新規推薦と同じ)で審議されることになる。軽微か重大かの明確な線引きはなく、総合的に判断される。たとえば、第34回世界遺産委員会では雲南の三江併流保護地域群(中国)をめぐって議論になった。この世界遺産の一部地域における登録前からの資源採掘活動が明らかになったことを受けて、保有する中国当局は採鉱地域(総面積約170 万ヘクタールのうち7万ヘクタールほどにあたる)を除外することなどを提案したのである。最終的に投票に持ち込まれた結果、3分の2の賛成を得て「軽微な変更」として承認されたが、翌年の世界遺産委員会では、採鉱などを理由とする変更は常に「重大な変更」として扱うことが決められた。", "title": "登録後の変更" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "登録範囲の「重大な変更」とは、範囲を大幅に変更するのみでなく、OUVにも影響を及ぼす変更を指し、新規登録物件と同じ手続きが適用される。いわゆる「拡大登録」(拡張登録)がこれにあたるが、逆に縮小登録にも適用される。", "title": "登録後の変更" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "「拡大登録」は、たとえば「ダージリン・ヒマラヤ鉄道」にニルギリ山岳鉄道などが加わって「インドの山岳鉄道群」に拡大された例などが該当する。ただし、1980年登録のバージェス頁岩が1984年新規登録のカナディアン・ロッキー山脈自然公園群に統合されたように、「拡大」という形式をとらない事例もある。また、こうした範囲変更に伴って、世界遺産登録基準が変更される場合もある。前述のビャウォヴィエジャの森もその例である。", "title": "登録後の変更" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "逆に縮小になった最初の例はゲラティ修道院(ジョージア)である。もとはバグラティ大聖堂とともにグルジア王国時代の傑作として登録されていたが、大聖堂の再建工事により真正性が失われたと判断され、2017年にゲラティ修道院のみの登録へと切り替えられた。これは顕著な普遍的価値(OUV)を失った要素を切り捨て、残る部分のOUVを保持するという新しい手法である。", "title": "登録後の変更" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "世界遺産は、登録時に存在していたOUVが失われたと判断された場合、もしくは条件つきで登録された物件についてその後条件が満たされなかった場合に、リストから「抹消」されることがある(「作業指針」第192 - 198段落)。", "title": "抹消" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "初めて抹消されたのは、2007年のアラビアオリックスの保護区(オマーン)である。この物件はもともと保護計画の不備を理由とするIUCNの「登録延期」勧告を覆して登録された経緯があったが、計画が整備されるどころか保護区の大幅な縮小などの致命的悪化が確認されたことや、オマーン政府が開発優先の姿勢を明示したことから、抹消が決まった。2009年にはドレスデン・エルベ渓谷(ドイツ)が抹消されている。これは、世界遺産委員会が「景観を損ねる」と判断した橋の建設が、警告にもかかわらず中止されず、住民投票を踏まえて継続されたことによる。2021年には、やはり再開発との関わりで海商都市リヴァプール(イギリス)が抹消されている。また、上述のように、構成資産の一部を抹消して登録範囲を縮小する事例も登場している。", "title": "抹消" }, { "paragraph_id": 113, "tag": "p", "text": "その一方、世界遺産条約採択40周年記念最終会合(2012年)では、参加した専門家たちからは、国際協力の本旨に照らせば、リストからの抹消は責任放棄にあたるという批判が提起された。", "title": "抹消" }, { "paragraph_id": 114, "tag": "p", "text": "なお、抹消の条件は以上の通りであり、世界遺産条約からの脱退などの場合の扱いは明記されていない。ただし、専門家からは、脱退すれば各種手続きを取れず、世界遺産エンブレムすら使用できなくなるため、リストから抹消されずとも、世界遺産でなくなるに等しいと指摘されている。", "title": "抹消" }, { "paragraph_id": 115, "tag": "p", "text": "第45回世界遺産委員会(2023年)までで、世界遺産は1,199件登録されているが、その内訳は文化遺産933件、自然遺産227件、複合遺産39件である。一見して明らかな通り、文化遺産の登録数の方が圧倒的に多く、地域的には文化遺産の約半数を占めるヨーロッパの物件に偏っている(世界遺産条約締約国の一覧参照)。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 116, "tag": "p", "text": "また、イタリア(59件)、中国(57件)、ドイツ・フランス(各52件)、スペイン(50件)など非常に多くの物件が登録されている国がある一方で、世界遺産条約締約195か国中、1件も登録物件を持たない国が27か国ある(数字はいずれも第45回世界遺産委員会登録分まで)。西アジア史の専門家からは、西アジアの世界遺産が少ないことの一因は、文化財保護の思想自体がヨーロッパ由来のものであって西アジアにとっては新しい概念であること、言い換えると、制度設計そのものが欧米中心主義に根ざしていることなどを指摘する意見も出されている。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 117, "tag": "p", "text": "もともと世界遺産委員会の委員国に、地域の割り当ては設定されていなかった。ユネスコ本体の場合、執行委員に西欧・北米、東欧、中南米、アジア・太平洋、アフリカの5地域の割り当て枠があるのに対し、文化の衡平性に配慮するなどの理由で世界遺産委員会には21世紀初頭まで割り当て枠が存在しなかったのである。その結果、1999年の時点でわずか10か国が3度も委員国(任期6年)を務めていたのに対し、当時の締約国の6割にあたる95か国が一度も任命されたことがなく、前者にはイタリアをはじめとする世界遺産保有数の多い国がいくつも含まれていた。こうした問題点を踏まえ、「作業指針」および「締約国会議手続規則」が改定され、委員国は「自発的に」6年を4年に短縮すべきこと、再選までに最低6年を置くこと、「西欧・北米」「東欧」「ラテンアメリカ・カリブ海」「アラブ諸国」から各2か国、「アジア・太平洋」から3か国、「アフリカ」から4か国の最低割り当て枠を設定することなどが定められている。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 118, "tag": "p", "text": "世界遺産審議に当たっては、世界遺産を持たない(もしくは少ない)国の推薦を優先することとされるが、これが過剰に考慮されることへの批判もある。たとえば、セントルシア初の世界遺産「ピトン管理地域」(2004年)が諮問機関の厳しい評価を覆して逆転で登録された背景には、同国がそれまで世界遺産を持っていなかった事情が斟酌された可能性が指摘されている。これは例外ではなく、2011年の第35回世界遺産委員会では、ついに登録勧告された物件よりも逆転登録された物件が上回り、価値の証明や保護管理計画の不十分な物件を世界遺産に登録してしまうことは、諮問機関からも問題視される事態になった。この際に逆転を果たした物件は、アフリカ、アラブ、ラテンアメリカの物件が主だった。こうした傾向は、2002年に策定され、2007年に改訂された戦略的行動指針の中では、「信頼性」に関わる問題点とされている。そもそも現在の主権国家の国境線は、自然や文化の代表性に配慮して引かれているわけではないため、すべての条約締約国が各1件以上の世界遺産を持つことは、かえってリストに偏りをもたらす可能性もある。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 119, "tag": "p", "text": "このような世界遺産の地域格差とその是正策としての優先制、あるいは真正性・価値観の押しつけを「上から目線で、世界遺産はユネスコの覇権主義の道具と化し、ユネスコのための文化ヘゲモニーである」との辛辣な批判意見も噴出してきている。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 120, "tag": "p", "text": "世界遺産は推薦にも多額の資金を必要とする。たとえば、琉球王国のグスク及び関連遺産群の推薦には1億円以上かかったと言われており、こうした費用は、場合によっては数十億かかることさえあるという。その内訳は、推薦書を実際に執筆する専門家の人件費、推薦書に添付する写真などを手がけるコンサルタント会社への委託料などで、推薦書の作成に向けた専門家会議の開催なども上乗せされることがある。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 121, "tag": "p", "text": "さらに、世界遺産の推薦書は英語かフランス語で書かれなければならないため、これらの言語を公用語としていない国の場合、それらの言語に堪能な専門家を手配する必要も生じる。たとえば、旧ソ連構成国だった3国(ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス)の推薦だった西天山は、まさにそのような困難に直面し、世界遺産センターの支援を受けた。結果として、開発途上国はこうした費用を十分に負担できず、不備のある推薦書の提出によって正式な審議までたどり着けないことも起こる。西天山のように、世界遺産基金には途上国の推薦支援に回される分もあるが、それとて十分ではなく、支援が回ってこない国々も少なくない。こうした事態が、さらなる偏りを助長しているという指摘もある。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 122, "tag": "p", "text": "前述のように、内容的には文化遺産のほうが圧倒的に多い。これは、前述のように自然遺産と違い、文化遺産は研究の深化に従って種類が増えていくという性質の違いのほかに、ほかの制度との関わりの違いを指摘されている。すなわち、自然遺産の場合、MAB計画、ラムサール条約など、世界的なリストアップや保護のための制度が多層的に整備されていて、その中の最上のものを世界自然遺産とできるのに対し、文化遺産の場合には類似の仕組みがなく、世界遺産に集中してしまう傾向があるのだという。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 123, "tag": "p", "text": "そうした不均衡是正の試みとして、「世界遺産リストの代表性、均衡性、信用性のためのグローバル・ストラテジー」が打ち出され、文化的景観、産業遺産、20世紀遺産などを登録していくための比較研究の必要性が示された。2004年から具体的な作業が行われている「顕著な普遍的価値」の再定義や、暫定リスト作成時点で、偏りをなくすような適切な選択がなされるように働きかけていくことなどもその例である。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 124, "tag": "p", "text": "文化的景観は1992年に取り入れられた文化遺産の類型であり、人と自然がともに作り上げてきた景観を指す。これは、人が自然環境から制約を受ける中、そこから諸々の影響を受けつつ進化してきたことを示す文化遺産である(「作業指針」第47段落)。その中身は、庭園のように人間が設計した空間の中に自然を取り込んだ景観、棚田のように農林水産業をはじめとする人間の諸活動と有機的に結びついた景観、そして、自然の聖地のように人間が宗教上や芸術上の価値を付与してきた景観などに分けることができる。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 125, "tag": "p", "text": "世界遺産の中での文化的景観第1号は、自然遺産として登録されたあと、マオリの崇拝の対象となってきた文化的要素が認定されて複合遺産となったトンガリロ国立公園(ニュージーランド、1993年拡大)である。しかし、その起源となる議論は1981年から始まっており、その議論で重要な役割を果たした物件がイングランドの湖水地方であった。それは1987年と1990年にそれぞれ登録延期決議となったが、その検討は文化的景観の概念の確立の上で重要な役割を果たしたとされる(2017年に正式登録)。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 126, "tag": "p", "text": "イギリスの物件では、自然遺産セント・キルダ(1986年)の拡大も大いに議論を引き起こした。もともとICOMOSは文化的価値を最初から認めていたが、文化的景観の概念がなかった1986年当時は認められなかった。2005年の審議では複合遺産とすること自体は認められたものの、これを文化的景観と位置づけるか否かで紛糾した。出席していた専門家の中からは、委員国の中でもその辺りの基準が明確だったとは言いがたいという評価もあった。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 127, "tag": "p", "text": "ともあれ、文化的景観は広く受け入れられ、21世紀初頭の審議では世界遺産の推薦の主流とさえ言う者もあった。その一方、文化的景観概念の多用を受けて、ICOMOSはその価値をより厳しく判定するようになったと言われており、その登録範囲の完全性なども含め、厳格化の傾向を見せている。文化的景観の代表例のひとつと国際的にも認識されていた富士山が、文化的景観として推薦・登録されなかった理由も、こうした傾向と無関係ではなかった。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 128, "tag": "p", "text": "産業遺産自体は、初期から登録されていた。いわゆる「世界遺産第1号」に含まれるヴィエリチカ岩塩坑も、産業遺産に分類されている。しかし、本格的な議論は1987年のニュー・ラナーク(イギリス)の推薦以降だといい、そのような類型を登録すべきかの議論が、翌年から開始された「グローバル研究」につながり、この研究がグローバル・ストラテジーに結びついた。「産業」は人類の営みと不可分の要素であり、世界のどの地域にも存在しうる点が、グローバル・ストラテジーに取り込まれる理由になったと考えられている。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 129, "tag": "p", "text": "その後、前述のように評価基準にも産業遺産の登録を想定した改訂が行われ、産業遺産の登録も増えた。しかし、フェルクリンゲン製鉄所(ドイツ、1994年登録)の審議の際には、そのような装飾性のない近代的工場を世界遺産に加えることについて、参加者から戸惑いの声も聞かれたという。なお、従来の産業遺産は産業革命、なかんずくイギリスのそれを中心に叙述されることが多かったが、世界遺産においては、古代ローマ帝国の金鉱山跡のラス・メドゥラス(スペイン)から、20世紀の水力発電所を含むリューカン=ノトデンの産業遺産(ノルウェー)などまで、より広い範囲でとらえられている。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 130, "tag": "p", "text": "20世紀遺産は、その名のとおり20世紀に建設された建造物などを対象とする文化遺産であり、一部には19世紀後半も対象とする。「近代遺産」(modern heritage)と呼ばれることもある。比較的初期の段階から、アントニ・ガウディの作品群(スペイン)のように審美的な観点から評価されて登録された物件もあったが、シドニー・オペラハウスが1981年に審議された際には、まだ十分に評価が定まっていないとされ、2007年の再審議でようやく登録された。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 131, "tag": "p", "text": "モダニズム建築の範疇で重要だったのが、ヴァイマル、デッサウ及びベルナウのバウハウスとその関連遺産群(ドイツ)の登録とされ、この登録を契機に、同種の建築の登録を促したと言われている。ただし、モダニズム建築の登録にしても、世界遺産が傑出した建築家個人を顕彰する場にならないように、という懸念はたびたび出されている。ブルノのトゥーゲントハット邸(ミース・ファン・デル・ローエ、チェコ)の審議しかり、ルイス・バラガン邸と仕事場(メキシコ)の審議しかり、ル・コルビュジエの建築と都市計画の最初の登録見送り時の審議しかりである。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 132, "tag": "p", "text": "なお、20世紀遺産とモダニズム建築はイコールではない。そのような思想はともすると、20世紀遺産をヨーロッパ中心主義に組み込んでしまう危険性があるとされ、ICOMOSもモダニズム建築に限定してはいない。モダニズム建築のための団体としてはすでにDOCOMOMOが存在するが、ICOMOSはモダニズム建築に限定されない「20世紀遺産国際学術委員会」を設置するなど、広い意味での20世紀遺産の登録を進めていこうとしている。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 133, "tag": "p", "text": "世界遺産は発足当初、上限を100件程度とする案さえあったという。しかし、1981年の第5回世界遺産委員会の時点ですでに110件に達し、この見通しの非現実性が明らかになるのに時間はかからなかった。そして、2015年の第39回世界遺産委員会では1,000件を超え、なおも増加している。上述のようなグローバル・ストラテジーは世界遺産を持たない国の割合を減少されるなどの点で一定の成果を挙げた一方で、もともと遺産を多く保有する国々も、推奨される類型の遺産の推薦を増やすようになった結果、絶対数の抑制にはつながっていない。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 134, "tag": "p", "text": "1,000件を超えた状況を踏まえて、世界遺産のブランド価値は損なわれたとする報道も見られたが、その世界遺産の登録数に上限は設けられていない(「作業指針」第58段落)。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 135, "tag": "p", "text": "かつては、一度の委員会で審議する件数も、一国あたりの推薦数にも制約がかかっていなかった。ゆえに、1997年にナポリで開催された世界遺産委員会ではイタリアの世界遺産が10件も増え、第24回世界遺産委員会(ケアンズ、2000年)での推薦総数は72件、そのうち新規登録された物件は61件に達した。その委員会で設定された制約が「ケアンズ決議」である。これは各国の推薦上限を1件とし、審議総数を30件とした。この上限は第27回世界遺産委員会(パリ、2003年)で30件が40件へと修正され、第28回世界遺産委員会(蘇州、2004年)で「ケアンズ・蘇州決議」として修正された。この修正で、各国の上限は自然遺産を1件含む場合には2件まで可能とされ、審議総数は(再審議、拡大登録審議も含めて)45件となった。これはさらに2007年に修正され、文化遺産2件の推薦も許されるようになった。そのルールは4年で見直される規定だったため、2011年の第35回世界遺産委員会で文化遺産と自然遺産各1件(ただし、自然遺産は文化的景観で代替可能)となることが決まり、2014年の第38回世界遺産委員会から適用されることとなった。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 136, "tag": "p", "text": "さらに2020年の第44回世界遺産委員会からは、各国1件のみ、審議総数は35件とすることが決まっていた(実際には新型コロナウイルス感染症の世界的流行によって2020年の会合が延期されたため、2021年の第44回世界遺産委員会拡大会合から実施)。素案では25件とされていたが、審議を経て35件に修正された結果である。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 137, "tag": "p", "text": "初期の世界遺産は、誰が見ても納得できるような分かりやすい登録が多かった。たとえば、ギザの三大ピラミッド(1979年)、レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』(1980年)、グレート・バリア・リーフ(1981年)、タージ・マハル(1983年)などが初期に登録されている。世界遺産委員会の議長を2度務めたことがあるクリスティーナ・キャメロン(英語版)は、初期の分かりやすい世界遺産を「偶像的な遺産」と呼んだ。しかし、そうした遺産の登録が進んでいくと、「顕著な普遍的価値」を認めにくい物件や価値を裏支えするストーリーを理解しづらい物件が増えているとも言われる。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 138, "tag": "p", "text": "世界遺産の勧告や審議が厳格化する傾向にあるとしばしば言われるが、「登録のされにくさ」は審議の厳格化に由来する可能性だけでなく、上記のような質的な変化に由来する可能性も指摘されている。また、日本の世界遺産登録物件の審議も2010年代になると厳しい勧告が増えていると言われるが、世界遺産条約参加当初の物件の時点で、日本が推薦理由としていた評価基準がしばしば退けられたことを理由に、昔から十分に厳しかったという指摘もある。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 139, "tag": "p", "text": "危機遺産リストは、世界遺産の本来の意義からするならば、中核的機能を担うべきリストであるが、十分に機能していないという指摘がある。もちろん、危機遺産リストに登録された場合に得られる国際的支援などを期待し、保有国自身が進んで危機遺産登録を申請する事例や、諮問機関からの勧告を保有国が受け入れて、異論なく危機遺産登録が実現する事例もある。前者の例としては、開発の進行を食い止めるために国際世論の後ろ盾を求めたロス・カティオス国立公園(コロンビア)がある。この例では、危機遺産リスト登録を契機として、地元住民ら関係者がまとまっただけでなく、隣国パナマとの関係強化にも結びつき、持ち上がっていた開発計画も撤回されたことで、無事に危機遺産リストから除外された(第39回世界遺産委員会)。この例は、危機遺産の効果的活用例のひとつと認識されている。後者の例としては、諮問機関の勧告を受け入れて、世界遺産になると同時に危機遺産リストにも登録されたナンマトル:東ミクロネシアの祭祀センター(ミクロネシア連邦)がある。この例では、世界遺産委員会の席上、危機遺産リスト入りを前向きに受け止める保有国の姿勢への称賛が寄せられた。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 140, "tag": "p", "text": "その一方で、保有国が強く反対する事態がしばしば起こるのも事実である。たとえば、パナマ・ビエホとパナマ歴史地区は、歴史地区を囲む海上道路の建設に対し、世界遺産リストからの除去すらも視野に入れて、第36回世界遺産委員会で危機遺産リスト登録が勧告された。しかし、保有国が委員国に強く働きかけて回ったことで、危機遺産リスト入りが回避された。工事が撤回困難な状況まで進む中、翌年の委員会でも危機遺産リスト入りが勧告されていたが、保有国は登録範囲を見直すことを約束して回避する一方、約束が果たされない場合には世界遺産リストからの抹消が検討される旨を記載した決議には同意し、登録抹消のリスクを負ってでも危機遺産リスト入りを回避する姿勢を鮮明にした。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 141, "tag": "p", "text": "カトマンズの渓谷(ネパール)は2003年から2007年に危機遺産に登録されていたが、これも保有国が強く反対した例のひとつである。都市化を理由として、1992年には危機遺産入りの可能性が取り沙汰されていたが、ネパール当局が強く反対したため、危機遺産リストには加えず、世界遺産委員会、世界遺産センターが協力しつつ事態の改善に努めていた。しかし限界があったため、2003年に危機遺産リストに登録され、一応の改善が果たされたことから2007年に除去された。とはいえ、それでもなお課題の抜本的解決にはならなかったと認識されていた。そして、同遺産は2015年のネパール地震で被災した際に再び危機遺産リスト入りを提案された。この地震で、カトマンズの渓谷は深刻な被害を受け、王宮も含めて全半壊した建物も少なくなかったため、国際的な支援が必要な状況と認識されたのである。しかし、ネパール当局はまたも危機遺産リスト登録には反対し、1年の猶予を申し出て、正式に認められた。1年後の第40回世界遺産委員会でも諮問機関は危機遺産リスト登録を勧告する状況だったが、ネパール当局はさらに1年の猶予を申し出て、これも認められた。そして第41回世界遺産委員会では、震災復興の中での再建にOUVを損なうものがあるという諮問機関の指摘もあったが、猶予を求めるネパールの申請がまたも認められた。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 142, "tag": "p", "text": "本来、危機遺産登録には保有国自身の同意は必要ではないとされているが、保有国の意向を無視して強硬に登録することは、世界遺産委員会では普通行われない。かわりに、危機遺産登録の意義を説き、罰などではないことを強調しているが、「世界遺産」ブランドの国際的知名度の向上などを背景として、抵抗感を持つ国々の意識を変革するのは、容易なことではないと見られている。このような抵抗から、本来ならば危機遺産登録されるべき「隠れた危機遺産」が、今後も増加していくことを懸念する意見もある。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 143, "tag": "p", "text": "世界遺産の登録は、景観や環境の保全が義務づけられるため、周辺の開発との間で摩擦が生じることがある。特に、都市内の歴史地区や建造物については、その周囲に建てられた新しい高層建築などによって、景観が損なわれることで議論が起こることがある。たとえば、ケルン大聖堂(ドイツ)は登録時点で緩衝地帯設定が条件となっていたにもかかわらず、それが果たされなかった。その中で近隣の高層建築計画が持ち上がったことから2004年に危機遺産リストに加えられ、一時は世界遺産リストからの除去すら検討された。この事例が注目された理由は、開発による景観の損壊が危機遺産登録理由になった、最初の事例だったからである。この事例では、建設推進派と反対派でケルンを二分する議論になったが、緩衝地帯設定や高さ規制が導入されたため、2006年に危機遺産リストから除かれた。しかし、ケルンの議論は、今後同種の問題があちこちの歴史都市で起こりうることを危惧させるものだった。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 144, "tag": "p", "text": "実際、それ以降も、規制や計画修正などの対応がとられた事例には、エスファハーンのイマーム広場(イラン)、ポツダムとベルリンの宮殿群と公園群(ドイツ)、フェルテ/ノイジードル湖の文化的景観(ハンガリー/オーストリア)などがあり、ほかにも第32回世界遺産委員会ではサンクトペテルブルク歴史地区と関連建造物群(ロシア)やシェーンブルン宮殿と庭園群 (オーストリア)、第41回世界遺産委員会ではシャフリサブス歴史地区(ウズベキスタン)や海商都市リヴァプール(イギリス)などでも開発が問題となった。他方で、上述のドレスデン・エルベ渓谷や海商都市リヴァプールのように、再開発との関連によって、世界遺産リストから抹消された例もある。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 145, "tag": "p", "text": "他方、景観をどうとらえるかという問題は一義的に確定させられるとは限らず、月の港ボルドー(フランス)で歴史的な旋回橋が取り壊され、代替橋が計画された際には、ICOMOSと世界遺産センターによる影響評価が正反対になり、世界遺産委員会の決議でも強い決定には至らなかった。また、エッフェル塔(パリのセーヌ河岸の構成資産)が建設当初は酷評されたことを例に挙げ、特定の時点の都市景観で固定することに疑問を呈する専門家も複数いる。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 146, "tag": "p", "text": "こうした開発の問題では、緩衝地帯内さらには緩衝地帯の外の開発すら問題となることがあり、上述のロンドン塔の事例もそうである。こうした問題に対して、以下のように歴史的都市景観に関するいくつかの宣言や取り決めが行われている。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 147, "tag": "p", "text": "ウィーン歴史地区(オーストリア)では、2001年の世界遺産リスト登録直後に、緩衝地帯での高層ビル建築計画が明らかになった。世界遺産委員会では、世界遺産リストからの抹消さえも議題となったが、ウィーン当局による計画修正によって、危機遺産リスト入りすらもしなかった。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 148, "tag": "p", "text": "このウィーンでは、2005年に開催された国際会議で「世界遺産と現代建築に関するウィーン覚書」が採択され、これを踏まえて同年の世界遺産条約締約国会議では「歴史的都市景観の保護に関する宣言」が採択された。この宣言では、都市の成長のための開発には、歴史的都市景観の保護も尊重されるべきことや、世界遺産としての顕著な普遍的価値が何よりも保護されるべきものであることが謳われている。それ以外にも歴史的都市景観に関する議論や宣言は複数出されており、2011年のユネスコ総会では、それらを踏まえた勧告も出された。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 149, "tag": "p", "text": "ただし、その勧告も踏まえて、翌年さっそく「セビリアの大聖堂、アルカサル、インディアス古文書館」(スペイン)の危機遺産リスト入りが議論された際には、登録時点で問題ないとされていた保護体制が、後から策定された概念によって危機遺産とされることの是非が問題となり、危機遺産リスト入りは回避された。他方、ウィーン覚書が採択されたウィーン歴史地区は、その後の開発計画によって2017年に危機遺産リスト入りし、世界遺産リストからの抹消も取り沙汰される事態になっている。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 150, "tag": "p", "text": "世界遺産に登録されることは、周辺地域の観光産業に多大な影響がある。もともと文化遺産に対する観光地化の弊害については、世界遺産以前から問題視する意見はあり、ICOMOSでは「国際文化観光憲章」(1976年)を発表し、文化遺産の保護を訴えていた。しかし、世界遺産を観光振興に結び付けようとする姿勢は根強く、その弊害も表出している。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 151, "tag": "p", "text": "たとえば、白川郷・五箇山の合掌造り集落では、登録後に観光客数が激増した。白川郷の場合、登録直前の数年間には毎年60万人台で推移していた観光客数が、21世紀初めの数年間は140 - 150万人台で推移している。このような事態に対し、自治体、村民、専門家たちが対応し、交通規制などの策定も行われるようになっているが、土産物屋などの観光客向けの施設の増加そのものにも否定的な意見は見られる。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 152, "tag": "p", "text": "こうした傾向は日本に限った話ではなく、たとえば、麗江古城(中国)もしばしば急速な観光地化の例として挙がる。麗江古城はナシ族の伝統的街並みが保存され、町に張りめぐらされた水路も伝統的な習俗と結びついてきた。しかし、世界遺産登録(1997年)の前後で、観光客数は約70万人(1995年)から約370万人(2006年)へと急増したが、商業目当ての漢民族の流入などにより、ナシ族の住民は約1万6,900人(1997年)から約6,000人(2005年)へと減少した。さらに、水道の普及により、ナシ族住民にとっても古城を流れる水との結びつきが薄れる中、伝統文化への理解が足りない観光客たちの心ない行動も重なり、水質が著しく悪化した。こうした観光地化の流れには、近代的な建て替えが進みつつあった中で有形の建造物群を守ったという面と、伝統的な生活風景を失わせたという面が存在する。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 153, "tag": "p", "text": "このように、急速な観光地化が、その地域の本来の姿の保全にとって、マイナスに作用することが起こりうる。世界遺産は保全が目的であり、観光開発を促進する趣旨ではないため、世界遺産登録によって観光上の開発が制限されている地域もあり、マッコーリー島(オーストラリア)のように観光客の立ち入りが禁止されている物件もある。観光地化が進んだ世界遺産の場合、一部ないし全部で入場制限などの規制が敷かれるようになった場合もある。たとえば、一部に人数や時間の制限をかけたマチュ・ピチュの歴史保護区(ペルー)やラサのポタラ宮の歴史的遺跡群(中国)、ピサの斜塔をガイドつきツアーに限定したピサのドゥオモ広場(イタリア)などを挙げることができる。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 154, "tag": "p", "text": "また、沖ノ島(「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群の構成資産)はもともと宗教上の理由で女人禁制であったが、世界遺産登録を機に、神職以外の入島を全面禁止するという形でさらに厳格化し、観光地化とは一線を画する姿勢を鮮明にした。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 155, "tag": "p", "text": "その一方で、貧困にあえぐ国などでは観光を活性化させることで雇用を創出することが、結果的に世界遺産を守ることにつながる場合もある。こうした問題に関連して、2001年の世界遺産委員会では、地域住民の経済利益と遺産の保護とを両立させるために、「世界遺産を守る持続可能な観光計画」の作成が始まった。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 156, "tag": "p", "text": "世界遺産への注目度が上がるにつれて、世界遺産委員会の規模も膨れ上がっている。審議に直接参加するのは委員国と諮問機関だけだが、オブザーバー参加が多いのである。第32回世界遺産委員会の際には、開催国カナダが、会場に参加者を収容しきれない可能性を警告するに至った。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 157, "tag": "p", "text": "こうした注目の高まりの中、各国が自国の世界遺産登録を目指すロビー活動が盛んになっている。前述したように、諮問機関の勧告が覆され、逆転登録が相次ぐようになっているが、その背景にも、そうしたロビー活動の過熱がある。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 158, "tag": "p", "text": "ビューローが登録物件を実質的に決めていたときは、ビューローから世界遺産委員会までの約半年間がロビー活動の時期だった。ビューローでの登録審査が廃止された際には、世界遺産委員会での決定に一元化することで、ロビー活動を抑制できるのではないかとも期待された。しかし実際には、諮問機関の勧告が出てから世界遺産委員会が開催されるまでの約6週間に、激しいロビー活動が展開されている。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 159, "tag": "p", "text": "専門家が不備を指摘した物件が次々と逆転登録を果たす状況に対し、第35回世界遺産委員会(2011年)では、かえって締約国に対する「毒入りの贈り物」になる可能性があるとする警告が、IUCNから発せられた。IUCNはそれ以前からも、リストの信頼性低下に対する懸念を表明していた。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 160, "tag": "p", "text": "また、翌年の世界遺産条約採択40周年記念最終会合では、元世界遺産センター長のベルント・フォン・ドロステからも、世界遺産制度が専門家中心から外交官中心となることへの懸念が表明されており、第41回世界遺産委員会(2017年)では議長を務めたヤツェク・プルフラ(ポーランド語版)が、議論が政治的であることを戒める場面がたびたびあったという。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 161, "tag": "p", "text": "世界遺産は保有国が推薦する形をとるため、帰属問題の解決していない物件の推薦は、当該国同士の争いを生むことがある。たとえば、タイとカンボジアの国境に位置するプレアヴィヒア寺院はタイ外相との合意を踏まえてカンボジアの世界遺産として登録されたが、それはタイ国民の反発を招き、タイとカンボジアの国境紛争を招くこととなった。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 162, "tag": "p", "text": "アラブ諸国とイスラエルの間でもたびたび問題が持ち上がる。イスラエルは「ダンの三連アーチ門」を推薦しており、諮問機関からは「顕著な普遍的価値」を認められているが、国境近い立地による法的問題から、たびたび審議が延期されており、登録が先送りされている。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 163, "tag": "p", "text": "逆に、登録されているものの、されるたびに問題となるのがパレスチナの世界遺産である。パレスチナは世界遺産登録と領土の承認を結びつけていることから、世界遺産条約締約以降、積極的に推薦を行っているが、3件連続で緊急推薦登録の手続きがとられ、いずれも投票で決着するなど、審議のたびに紛糾している。特に3件目にあたるヘブロン(アル=ハリール)旧市街の登録は、イスラエルとアメリカ合衆国の強い反発を招き、両国がユネスコを脱退することにつながった。ただし、アメリカはパレスチナがユネスコに加盟した時点で、国内法に基づいて世界遺産基金への拠出を停止しており、ユネスコもアメリカの投票権を停止している。このため、ユネスコ脱退表明が新たな実害をもたらす可能性は低いが、世界遺産基金の5分の1以上を占めるアメリカの分担金拠出停止が長引く中で、世界遺産基金の財源不足は深刻なものとなっている。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 164, "tag": "p", "text": "民族間の摩擦は国際的なものだけでなく、一国内でも起こりうる。中華人民共和国の世界遺産では、雲南の三江併流保護地域群の保護にあたり、保護区内で伝統的農牧業を営んでいたチベット・ビルマ語派を話す少数民族たち500世帯が、強制的に移住させられた。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 165, "tag": "p", "text": "国ごとに認識の異なる論点に関わると、世界遺産の登録に際して問題が起こることもある。たとえば、高句麗が中国史なのか朝鮮史なのかという高句麗論争を投影し、高句麗の古墳群の登録は2年越しで紛糾した。まず、2003年の世界遺産委員会で北朝鮮国内の遺跡が単独審議された際に、中国にも同種の遺跡があることが指摘され、翌年に審議が先送りされた。その際の委員国に中国が含まれており、東北工程を進めていた中国が、北朝鮮の先行を嫌ったことも一因と推測されている。そして、翌年の審議では、将来的に統一されることが望ましい旨の決議とともに、高句麗前期の都城と古墳(中国)と高句麗古墳群(北朝鮮)が別個に登録されることとなったのである。この件では、中国は高句麗文化を中華文化の一部とする主張を繰り返したが、韓国はそうした主張に強く反発し、北朝鮮の支援に回った。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 166, "tag": "p", "text": "ほかにも、原爆ドームの登録にあたっては中国が反対、アメリカが棄権したが、中国は、日本が被害者の側面ばかりを強調して政治利用することへの懸念を理由として挙げていた。このような微妙な案件であったことから、日本側の要請によって、6月のビューローでは登録の可否が示されず、委員会審議直前の臨時ビューローに持ち越されるという経緯をたどった。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 167, "tag": "p", "text": "また、明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業の登録の際には、明治時代に限定されるとする日本側の主張に対し、日本統治時代の朝鮮人徴用と関連づけた韓国側が納得せず、当時のユネスコ事務局長イリナ・ボコヴァに陳情しただけでなく、慣例的に禁じ手とされている勧告前の諮問機関へのロビー活動まで展開した。最終的には日韓の協議も踏まえて登録されたが、その審議では各国の祝辞が省かれるなど、異例の手続きがとられた。", "title": "課題と対応" }, { "paragraph_id": 168, "tag": "p", "text": "世界遺産条約では、教育や広報の重要性が定められている。", "title": "世界遺産の教育" }, { "paragraph_id": 169, "tag": "p", "text": "ユネスコも若年層の啓発に積極的で、1994年からは「若者のための世界遺産教育プロジェクト」を開始している。このプロジェクトの一環で、世界遺産ユースフォーラムが開催され(第1回は1995年ベルゲン、第2回は1998年大阪市ほか日本各地)、アジア・太平洋などの地域単位でのユースフォーラムも順次開催されている。", "title": "世界遺産の教育" }, { "paragraph_id": 170, "tag": "p", "text": "また、各種教育機関でも世界遺産は教育に取り入れられており、後述するように、高等教育機関では「世界遺産学」も提唱されている。さらに、生涯学習という観点から、世界遺産を主題とするテレビ番組などの意義も指摘されている。そうした番組としては、たとえば日本では、『探検ロマン世界遺産』(NHK)、『世界遺産』(TBS)などが、また、ドイツでは『世界の宝(ドイツ語版)』などが放送されてきた。世界遺産を扱うテレビ番組は、広報面での効果についても評価されている。", "title": "世界遺産の教育" }, { "paragraph_id": 171, "tag": "p", "text": "世界遺産を専門に研究する学問は「世界遺産学」と呼ばれる。たとえば、秋道智彌(総合地球環境学研究所教授)は、「世界遺産のもつ意義、遺産の普遍性と特異性、多様性などを明らかにする研究」と定義づけている。これはあくまでも定義の一例だが、いずれにしても、世界遺産学は人文科学・社会科学・自然科学を融合させ、地球規模で考究する学問となることが期待される。", "title": "世界遺産の教育" }, { "paragraph_id": 172, "tag": "p", "text": "日本では、1979年に日本初の文化財学科を設立した奈良大学が、古都奈良の文化財の世界遺産登録(1998年)を踏まえ、文学部内に世界遺産コースを設立した。大学院としては、筑波大学大学院が2004年に修士課程の「世界遺産専攻」、2006年に博士課程の「世界文化遺産学専攻」を設置している(のちに修士課程・博士課程とも世界遺産学学位プログラムに改編)。ほかに、大学通信教育としてサイバー大学が世界遺産学部を設置し、特定非営利活動法人の世界遺産アカデミーによる世界遺産検定などとも連携していた。しかし、これは2010年秋学期以降、新規学生の募集が停止された。", "title": "世界遺産の教育" }, { "paragraph_id": 173, "tag": "p", "text": "日本以外に、アジアでは北京大学(中国)で1998年以降、世界遺産講座が開講されており、そのテキストは市販もされている。ヨーロッパでは、ブランデンブルク工科大学(ドイツ)、バーミンガム大学(イギリス)、ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン(アイルランド)、トリノ大学(イタリア)などに世界遺産専攻コースが設置されており、ブランデンブルク工科大学のカリキュラムは2年間、ほかは1年間である(2015年時点)。ブランデンブルク工科大学は、ほかにヘルワン大学(英語版)(エジプト)と共同での修士課程も設置している。", "title": "世界遺産の教育" }, { "paragraph_id": 174, "tag": "p", "text": "ユネスコの世界遺産、無形文化遺産、世界の記憶(世界記憶遺産)は、あわせてユネスコの「三大遺産事業」、「ユネスコ三大文化遺産事業」などと呼ばれることがある。", "title": "ユネスコの他の遺産" }, { "paragraph_id": 175, "tag": "p", "text": "世界遺産条約の草案には無形文化財への言及もあったとされるが、成立・発効した世界遺産条約は不動産のみを対象としている。このため、地域ごとに多様な形態で存在する文化を包括的に保護するためには、無形の文化遺産を保護することも認識されるようになり、2003年のユネスコ総会で無形文化遺産の保護に関する条約(無形文化遺産条約)が採択された。もともと国際的に見ても、無形文化財や民俗文化財を対象とする保護法制が整備されている例は珍しく、無形文化遺産条約の成立以前には日本と韓国くらいにしかなかったといわれる。わけても日本の法制は、韓国の文化財保護法の制定にあたっても、大きな影響を与えた。こうした経緯から、先住民との関係や、文化的景観で無形もカバーできるとして反対意見が強かった西欧諸国を説得し、無形文化遺産条約を成立に導く上では、日本の貢献は非常に大きかったとされている。", "title": "ユネスコの他の遺産" }, { "paragraph_id": 176, "tag": "p", "text": "世界遺産と無形文化遺産は別個のものであり、事務局も別である(前者はユネスコ世界遺産センター、後者はユネスコ文化局無形遺産課)。ただし、無形文化遺産の中には、たとえば", "title": "ユネスコの他の遺産" }, { "paragraph_id": 177, "tag": "p", "text": "のように、世界遺産リスト登録物件との間に密接な結びつきがあり、有形と無形の「複合遺産」ととらえられるものもあることが指摘されている。", "title": "ユネスコの他の遺産" }, { "paragraph_id": 178, "tag": "p", "text": "無形文化遺産は、もともと世界遺産のマイナス面を踏まえたうえで制度設計されており、当初の主眼は滅びかねない無形文化の保護にあった。ゆえに、その範疇にはない「フランス料理の美食術」の登録(2010年)は、専門家にも根強い反対意見が残るものであって、それ以降は、文化ナショナリズムや商業主義との結びつきなど、方向性の変質も指摘されるようになっている。", "title": "ユネスコの他の遺産" }, { "paragraph_id": 179, "tag": "p", "text": "世界の記憶は、日本では世界記憶遺産などとも呼ばれるが、世界遺産や無形文化遺産とは異なり、国際条約が存在しない。ユネスコが1992年に開始した事業であり、情報・コミュニケーションセクター(世界遺産や無形文化遺産は文化セクター)が担当する。真正性と国際的な重要性を基準として、有形の動産(記録物)を登録している。", "title": "ユネスコの他の遺産" }, { "paragraph_id": 180, "tag": "p", "text": "その中には、", "title": "ユネスコの他の遺産" }, { "paragraph_id": 181, "tag": "p", "text": "などのように、世界遺産と関わりのある記録も含まれている。", "title": "ユネスコの他の遺産" }, { "paragraph_id": 182, "tag": "p", "text": "「世界の記憶」の登録も注目度が上がるに従い、国家間で認識の異なる物件の登録をめぐって大きな議論を引き起こしてきた。世界遺産などと違い、審査を行うのは事務局長が任命した専門家委員会であり、審議内容は非公開である。この制度は中国の申請による南京事件の登録時に日本で強い反発を引き起こし、それを受けてユネスコが「世界の記憶」登録に関する制度改正を検討することにつながった。このとき、日本の一部ではユネスコ分担金の支払いを停止すべきという強硬意見も出ており、韓国などが進めた従軍慰安婦の登録が見送られた際(2017年)には、それらの国から関連性を疑われた(ユネスコは分担金関連の圧力を否定)。", "title": "ユネスコの他の遺産" } ]
世界遺産(せかいいさん、は、1972年のユネスコ総会で採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」に基づいて世界遺産リストに登録された、文化財、景観、自然など、人類が共有すべき「顕著な普遍的価値」を持つ物件のことで、移動が不可能な不動産が対象となっている。慣例的な用法として、その中の文化遺産を世界文化遺産、自然遺産を世界自然遺産と呼ぶことがある。 なお、世界遺産の制度では正式な文書は英語とフランス語で示され、日本語文献では英語が併記されることがしばしばある一方、フランス語が併記されることは普通ないため、以下では参照しやすさを考慮し、主たる用語には英語を併記する。
{{Otheruses||TBS系列のテレビ番組|世界遺産 (テレビ番組)}} [[File:UNESCO World Heritage flag.jpg|thumb|世界遺産のエンブレムの旗。このエンブレムは[[第2回世界遺産委員会]]で採択されたミシェル・オリフ作の標章で<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|p=141}}</ref>、人間の文化(四角)と地球の自然(円形)が分かちがたいことを示している<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟| 2016|p=36}}</ref>。]][[File:Unesco_world_heritage_sites.png|500px|right|thumb|<center> ユネスコの世界遺産 {{nowrap|([[ShareMap:traveler/UNESCO_World_Heritage_Sites|インタラクティブマップ]])}}</center>]] {{読み仮名|'''世界遺産'''|せかいいさん|{{lang-en|links=no|World Heritage Site}}}}は、[[1972年]]の[[国際連合教育科学文化機関|ユネスコ]]総会で採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」([[世界遺産条約]])に基づいて'''世界遺産リスト'''(世界遺産一覧表)に登録された、[[文化財]]、[[景観]]、[[自然]]など、[[人類]]が共有すべき「顕著な普遍的価値」を持つ物件のことで、移動が不可能な[[不動産]]が対象となっている。慣例的な用法として、その中の[[文化遺産 (世界遺産)|文化遺産]]を'''世界文化遺産'''、[[自然遺産 (世界遺産)|自然遺産]]を'''世界自然遺産'''と呼ぶことがある。 なお、世界遺産の制度では正式な文書は英語とフランス語で示され、日本語文献では英語が併記されることがしばしばある一方、フランス語が併記されることは普通ないため、以下では参照しやすさを考慮し、主たる用語には英語を併記する<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017}}などに依拠する</ref>。 == 概要 == 世界遺産は、「顕著な普遍的価値」を有する[[文化遺産 (世界遺産)|文化遺産]]や[[自然遺産 (世界遺産)|自然遺産]]などであり、1972年に成立した[[世界遺産条約]]に基づき、世界遺産リストに登録された物件を指す。世界遺産条約は[[国際連合教育科学文化機関|ユネスコ]]成立以前、20世紀初頭から段階的に形成されてきた国際的な文化財保護の流れと、[[国立公園]]制度を最初に確立した[[アメリカ合衆国]]などが主導してきた自然保護のための構想が一本化される形で成立したものである。 世界遺産は、政府間委員会である[[世界遺産委員会]]の審議を経て決定される。その際、諮問機関として、文化遺産については[[国際記念物遺跡会議]](ICOMOS)が、自然遺産については[[国際自然保護連合]](IUCN)がそれぞれ勧告を出し、両方の要素を備えた[[複合遺産 (世界遺産)|複合遺産]]の場合には、双方がそれぞれ勧告する。潜在的ないし顕在的に保存することが[[脅威]]にさらされている遺産は、[[危機にさらされている世界遺産|危機遺産]]リストに登録され、国際的な協力を仰ぐことになる。それ以外の世界遺産も、定期報告を含む[[保全状況]]の確認が登録後にも行われる。適切な保護活動が行われていないなど、世界遺産としての「顕著な普遍的価値」が失われたと判断された場合には、[[抹消された世界遺産|世界遺産リストから抹消]]されることもありうる。実際、2007年には[[アラビアオリックスの保護区]]が初めて抹消された物件となった。その後も2件の世界遺産が抹消されている。 その一方で、[[世界遺産条約締約国の一覧|世界遺産条約締約国]]は190か国を超え、2015年には世界遺産リスト登録物件が1,000件を超えた。世界遺産条約はもっとも成功した国際条約と呼ばれることもしばしばであるが、反面、その登録件数の増加に対しては、保護・管理といった本来の趣旨に照らして懸念を抱く専門家たちもいる。のみならず、専門家の勧告を覆す政治的決定の増加、都市開発と遺産保護の相克、過度の観光地化など、知名度が高くなったからこその問題も持ち上がっている。また、複数国で共有する「国境を越える世界遺産」は国際平和に貢献しうるものではあるが、領土問題や歴史認識が関わる審議では、国際的あるいは国内的に物議を醸すこともあり、武力衝突につながったことさえある([[タイとカンボジアの国境紛争]])。 世界遺産を守っていくためには教育や広報の重要性も指摘されており、ユネスコは若者を対象にした教材の開発や国際フォーラムの開催なども実施してきた。大学などの研究者には「世界遺産学」という学際的な学問を提唱する者たちもおり、大学・[[大学院]]によっては世界遺産に関する学科や専攻が設置されている場合があるほか、関連する講座が開講されている大学もある。 世界遺産は有形の不動産を対象としており、同じユネスコの遺産でも、[[無形文化遺産]]や[[世界の記憶]](世界記憶遺産)とは異なる制度である。ただし、日本語の文献や報道では、これらがまとめて「ユネスコ三大遺産事業」などと呼ばれることもある。 == 歴史 == ユネスコ第8代事務局長[[松浦晃一郎]]は2008年に世界遺産について叙述した際、1978年から1991年を「第一期」、1992年から2006年を「第二期」、2007年からを「第三期」と位置づけていた<ref>{{Harvnb|松浦|2008}}</ref>。以下ではこの区分に準じて、世界遺産の歴史を叙述する<ref group = "注釈">他の時期区分の例としては、[[世界遺産センター]]初代センター長ベルント・フォン・ドロステによる四期区分(1972年 - 1991年、1992年 - 1999年、2000年 - 2005年、2006年以降)などもある{{Harv|文化庁記念物課世界文化遺産室|2013|p=7}}。</ref>。 === 前史 === [[ファイル:Abusimbel.jpg|thumb|アブ・シンベル神殿の移築工事(1967年)]] [[ファイル:AbuSimbelTempleEgypt RamsisFront 2007jan9-39 byDanielCsorfoly.JPG|thumb|移築後のアブ・シンベル神殿(2007年)]] 国際的に文化遺産を保護しようという動きは、戦時における記念建造物などの毀損を禁じた[[ハーグ陸戦条約|1907年ハーグ条約]]から始まったとされる<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|pp=2-3}}</ref>。その後、{{仮リンク|レーリッヒ条約|en|Roerich Pact}}、[[アテネ憲章 (1931年)|アテネ憲章]]なども整備されたが、[[第一次世界大戦]]、[[第二次世界大戦]]では文化財にも多大な損害がもたらされた<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|pp=3-5}}</ref>。 1945年に[[国際連合教育科学文化機関]](ユネスコ)が設立されると、[[国際連合教育科学文化機関憲章|その憲章]]には、「世界の遺産<ref group = "注釈">原語は {{lang-en|the world’s inheritance}} および {{lang-fr|(le) patrimoine universel}} である([http://portal.unesco.org/en/ev.php-URL_ID=15244&URL_DO=DO_TOPIC&URL_SECTION=201.html UNESCO Constitution])。</ref>である図書、芸術作品並びに歴史及び科学の記念物の保存及び保護を確保し、且つ、関係諸国民に対して必要な国際条約を勧告すること」(第1条・抜粋)と明記された<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|pp=4-5}}。条文は外務省の[https://www.mext.go.jp/unesco/009/001.htm 国際連合教育科学文化機関憲章]からの引用だが、「注釈」部分は本項目で追加したものである。</ref>。ユネスコは文化遺産保護の制度を整備していき、1951年には「記念物・芸術的歴史的遺産・考古学的発掘に関する国際委員会」が設立された<ref name = NM_p13 />。この委員会の勧告をもとに、ユネスコ総会での採択を踏まえて1959年に設立されたのが、{{仮リンク|文化財保存修復研究国際センター|en|International Centre for the Study of the Preservation and Restoration of Cultural Property}}(ICCROM)である<ref name = NM_p13 />。そして、国際委員会そのものは、[[アテネ憲章 (1931年)|1931年のアテネ憲章]]を発展的に継承した[[ヴェネツィア憲章]](1964年)を踏まえて、1965年に[[国際記念物遺跡会議]](ICOMOS)となった<ref name = NM_p13 />。 また、ユネスコが「1907年ハーグ条約」を発展させるために検討した結果を踏まえ、[[武力紛争の際の文化財の保護に関する条約]]、いわゆる「1954年ハーグ条約」が採択され、武力[[紛争]]の際にも[[文化財]]などに対する破壊行為を行うべきでないことが打ち出された<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|pp=5, 11-13}}</ref>。これ以降も、ユネスコは文化財保護に関する勧告や条約を次々と採択していった<ref>{{Harvnb|松浦|2008|pp=67-69}}</ref><ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|pp=5-6}}</ref>。 こうした流れの中で重要だったのが、[[ヌビア遺跡]]保存国際キャンペーンである<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟|1998|p=4}}</ref><ref name = NM_p13>{{Harvnb|西村|本中|2017|p=13}}</ref>。[[エジプト]]政府は[[ナイル川]]流域での[[アスワン・ハイ・ダム]]建設を1950年代から計画し始めていた。このダムが完成した場合、[[アブ・シンベル神殿]]をはじめとするヌビア遺跡が水没することが懸念され、それを受けて1960年から国際キャンペーンが展開されたのである。ヌビア遺跡救済は、ダム建設を決定したエジプト大統領[[ガマール・アブドゥル=ナーセル|ナセル]]自身がユネスコに要請したものであったが、[[スエズ運河]]国有化に対する欧米諸国の反発、アスワン・ハイ・ダム建設への[[ソビエト社会主義共和国連邦|ソ連]]の支援といった背景により、難航が予想された<ref>{{Harvnb|松浦|2008|p=72}}</ref>。しかし、フランス文化大臣[[アンドレ・マルロー]]の名演説などもあって、50か国から、総事業費の半額に当たる約4,000万[[アメリカ合衆国ドル|ドル]]の募金が集まり、日本からも28万ドルが寄せられた([[日本国政府|日本政府]]が1万ドル、[[朝日新聞社]]が27万ドル<ref group="注釈">日本初の[[ツタンカーメン]]展を開いたのが朝日新聞社であり、その収益金全額がこのキャンペーンへの寄付に回された。本文の数字は{{Harvnb|松浦|2008}}(p.73) によるが、日本ユネスコ協会連盟、アジア太平洋ユネスコ協会連盟の両事務局長を務めた[[尾花珠樹]]は、日本からの拠出140万ドル、うち130万ドル以上が朝日新聞社としている {{Harv|日本ユネスコ協会連盟|1997|p=25}}。総額が140万ドルだったという話は{{Harvnb|西村|本中|2017}} (pp.239-240) にも出てくる。</ref><ref>{{Harvnb|松浦|2008|p=73}}</ref>)。成功裏に終わったこのキャンペーンは<ref group = "注釈">[http://whc.unesco.org/en/activities/172 Monuments of Nubia-International Campaign to Save the Monuments of Nubia]([[世界遺産センター]]、2017年12月23日閲覧)では成功したキャンペーンとして扱われており、世界遺産関連文献でもポジティヴな側面しか描かれないのがしばしばである。しかし、エジプト考古学者の[[近藤二郎]]は意義を評価しつつも、このキャンペーンでは[[アブ・シンベル神殿]]や[[フィラエ神殿]]のような主要な神殿が近傍に移築された一方、[[メトロポリタン美術館]]、[[ハルツーム]]や[[ライデン]]の博物館、[[マドリード]]の公園など、全く別の場所に移設された遺跡もあること、アニバのホルス神殿やアル=セブアの[[アメンホテプ3世]]神殿など水没・消失した遺跡群も存在すること、10万人もの人々が移住を余儀なくされ、移築された神殿の周辺景観も異質なものとなったことなどを挙げ、「救済」の意味するところを再考している({{Harvnb|近藤|2002}})。</ref>、その後も続く国際キャンペーンの嚆矢となり、続いて北イタリアの水害を受けて[[フィレンツェ]]と[[ヴェネツィア]]の文化財を保護するためのキャンペーンが1966年に行われた<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|pp=14-15}}</ref>。そして、同じ年のユネスコ総会では、世界的価値を持つ文化遺産を保護するための枠組み作りを始めることが決議され、これが世界遺産条約につながる土台のひとつとなった<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|p=15}}。なお、やや簡略な形では{{Harvnb|松浦|2008|p=74}}でも紹介されている。</ref>。これが「普遍的価値を有する記念工作物、建造物群及び遺跡の国際的保護のための条約」と称された案で、1970年のユネスコ総会にて、次回の総会(総会は2年に1回開催)で提出されることが決まった<ref name = Lucas_p23>{{Harvnb|P・H・C・ルーカス|1998|p=23}}</ref>。なお、この案では、国際的な援助が要請される遺産のリストのみが想定されていた。それに対応するのは現在の世界遺産リスト全体ではなく「[[危機にさらされている世界遺産]]リスト」のみといえる<ref name = inaba2015_p24et25>{{Harvnb|稲葉|2015|pp=24-25}}</ref>。 他方、1948年設立の[[国際自然保護連合]](IUCN)でも[[アメリカ合衆国]]が主導する形で、主として自然遺産保護のための条約作りが進められていた<ref>{{Harvnb|松浦|2008|p=76}}</ref>。アメリカでは[[ホワイトハウス]]国際協力協議会自然資源委員会が1965年に「世界遺産[[信託|トラスト]]」を提唱し、優れた自然を護る国際的な枠組みが模索されており、その具体化作業がIUCNを通じて行われていたのである<ref name = Lucas_p22et23>{{Harvnb|P・H・C・ルーカス|1998|pp=22-23}}</ref><ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|p=16}}</ref>。アメリカは[[イエローストーン国立公園]]設立(1872年)によって世界で最初に[[国立公園]]制度を確立した国であり、大統領[[リチャード・ニクソン]]は「環境に関する[[教書]]」([[1971年]])において、国立公園誕生100周年(1972年)を期して、世界遺産トラストを具体化することの意義を説いた<ref name = Lucas_p23 />。そうしてできたのが、「普遍的価値を有する自然地域と文化的場所の保存と保護のための世界遺産トラスト条約」と称された案で、こちらの案に盛り込まれた「世界遺産登録簿」案が現在の世界遺産リストにつながった<ref name = inaba2015_p24et25 />。 === 世界遺産の成立 === [[ファイル:Yellowstone_Castle_Geysir_Edit.jpg|thumb|世界初の国立公園[[イエローストーン国立公園|イエローストーン]]も、「世界遺産第1号」のひとつ]] 上述の2つの流れは、[[国際連合人間環境会議]](1972年)に先立つ政府間専門会議でのユネスコ事務局長{{仮リンク|ルネ・マウ|en|René_Maheu}}の提案もあり、一本化されることで合意された<ref>{{Harvnb|松浦|2008|pp=76-77}}</ref>。その結果、同年[[11月16日]]、パリで開催された第17回ユネスコ総会(議長[[萩原徹]])にて、一本化された「世界の文化遺産および自然遺産の保護に関する条約」([[世界遺産条約]])が採択された<ref name = sekaken2016a_p15>{{Harvnb|世界遺産検定事務局|2016a|p=15}}</ref>。翌年[[アメリカ合衆国]]が最初に批准し<ref name = sekaken2016a_p15 />、1975年9月17日に締約国が20か国に達した<ref name = matsuura_p80>{{Harvnb|松浦|2008|p=80}}</ref>。これによって発効の要件を満たしたため、3か月後の12月17日に正式に発効した<ref name = matsuura_p80 />。 1976年11月には第1回世界遺産条約締約国会議が開かれた。締約国会議はユネスコ総会に合わせる形で(つまり2年に1回)開催され、世界遺産委員会の委員国選出や[[世界遺産基金]]への各国の分担金額の決定が行われる<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|p=53}}</ref>。その第1回会議で最初の[[世界遺産委員会]]の委員国が選出され、翌年には[[第1回世界遺産委員会]]が開催された<ref>{{Harvnb|松浦|2008|pp=80-81}}</ref>。この委員会で採択されたのが、世界遺産登録の基準なども含む「世界遺産条約履行のための作業指針」<ref>{{ISO639言語名|en}}:『{{lang|en|The Operational Guidelines for the Implementation of the World Heritage Convention}}』</ref>(以下「作業指針」と略記)であり、この「作業指針」はその後も改定を重ねることとなる<ref>{{Harvnb|松浦|2008|p=82}}</ref><ref group = "注釈">本項目で「作業指針」の参照箇所を示す場合は、原則として、二次情報源である{{Harvnb|東京文化財研究所|2017}}の言及箇所を併記している。</ref>。 そして、[[1978年]]の[[第2回世界遺産委員会]]で、[[エクアドル]]の[[ガラパゴス諸島]]や[[西ドイツ]]の[[アーヘン大聖堂]]など12件(自然遺産4、文化遺産8)が、最初の世界遺産リスト登録を果たした(いわゆる「世界遺産第1号」<ref>{{Harvnb|松浦|2008|p=84}}</ref>)。翌年の第3回世界遺産委員会では、世界遺産制度のきっかけとなった[[ヌビア遺跡]]なども含む45件が登録され、一気に5件ずつ登録したエジプトとフランスが保有国数1位となった<ref>{{Harvnb|松浦|2008|pp=142-143}}</ref>。この第3回世界遺産委員会は、最初の[[複合遺産 (世界遺産)|複合遺産]]([[ティカル|ティカル国立公園]])が誕生した会合であるとともに<ref>{{Harvnb|安江|2011|p=31}}</ref>、直近の大地震で大きな被害を受けた[[コトル|コトルの自然と文化歴史地域]]([[ユーゴスラビア社会主義連邦共和国]]<ref group = "注釈">ユーゴスラビア解体を経て、現在は[[モンテネグロの世界遺産]]となっている。</ref>)が最初の危機遺産リスト記載物件になった会合でもある<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟|2007|pp=21,31}}</ref>。その後は、1980年の第4回世界遺産委員会における[[ワルシャワ歴史地区]]登録([[#完全性|後述]])など、議論になる案件もあったものの、締約国、登録件数とも増加していった。 === 登録対象の拡大 === [[ファイル:Himejicastle-restoration-roof2011.jpg|thumb|「平成の修理」中に屋根瓦を剥がされた[[姫路城]]。解体修理をともなう日本の文化財保存のあり方が、世界遺産概念に一石を投じた。]] 世界遺産に関する業務の増大を踏まえ、[[1992年]]には、世界遺産の事務局にあたる[[世界遺産センター]]がユネスコ本部内に設置された<ref>{{Harvnb|稲葉|2016|p=1}}</ref>。当初はユネスコの文化遺産部との棲み分けが十分になされていなかったが、のちに世界遺産センターは有形の文化遺産を、ユネスコ文化遺産部はおもに無形の文化遺産を担当する形で業務分担された<ref>{{Harvnb|松浦|2008|pp=165-166}}</ref>。 1992年は「作業指針」に[[文化的景観]]の概念が導入された年でもある。詳しくは後述するが、この概念は、より多様な文化遺産に世界遺産登録への道を開くものであり、登録件数の多い欧米と、それ以外の地域との間の、不均衡の是正にも寄与することが期待された<ref>{{Harvnb|P・H・C・ルーカス|1998|p=26}}</ref><ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|pp=38, 54}}</ref>。 1992年は[[日本国|日本]]が世界遺産条約を批准した年でもあり、[[先進国]]では最後にあたる125番目の締約国となった<ref name = ito_p30/><ref>{{Harvnb|木曽|2015|p=18}}</ref>(同年の[[6月30日]]に受諾書を寄託、[[9月30日]]に発効<ref>{{Harvnb|世界遺産検定事務局|2016a|p=15}}</ref>)<ref group = "注釈">なお、現在のリストでは124番目となっているが、これは日本の締約後にユーゴスラビア解体によって繰り上がったことによる。</ref>。日本の参加が他国と比べて遅れた理由は、いくつか指摘されている。たとえば、[[文化財保護法]]などの独自の保護関連法制が整っていて必要性が認識されづらかったこと<ref>{{Harvnb|青柳|松田|2005|p=9}}</ref>、参加した場合の煩瑣な行政手続きや国内法の修正作業への懸念があったこと<ref>{{Harvnb|松浦|2008|p=93}}</ref>、重要性に対する認識が希薄な中で国会審議の優先順位が高くなかったこと<ref>{{Harvnb|木曽|2015|pp=20,22}}</ref>、[[冷戦]]下でアメリカを刺激したくなかったこと<ref group = "注釈">1980年に国会で最初に世界遺産の質問をしたのは[[日本社会党]]の[[土井たか子]]だったとされるが、そのときに保護すべき日本の遺産として挙げられたのは[[原爆ドーム]]と[[三宅島]](米軍の射爆訓練地計画があった)で、[[日米安全保障条約]]との関わりからも、政府関係者は消極的だったと言われる {{Harv|吉田|2012b|pp=34-35}}。</ref>、[[世界遺産基金]]の分担金拠出に関する議論が決着しなかったこと<ref name = ito_p30>{{Harvnb|伊東|2000| p=30}}</ref><ref>{{Harvnb|吉田|2012b|pp=35-36}}</ref>、省庁の縦割り行政の弊害があったこと<ref>{{Harvnb|吉田|2012b|p=36}}</ref>などが挙げられている。 国内では紆余曲折あった日本の参加だが、参加してすぐに重要な議論を本格化させることになる。それは「木の文化をどう評価するか」ということである。[[日本の世界遺産]]のうち、最初の文化遺産は[[姫路城]]と[[法隆寺地域の仏教建造物]]である(いずれも1993年登録)。これらはいずれも解体修理の手法で現代に伝えられてきた建造物であり、基本的にそのような修理を必要としない「石の文化」の評価基準になじまない側面があったために議論となり、それが「{{仮リンク|真正性に関する奈良文書|en|Nara_Document_on_Authenticity}}」<ref group = "注釈" name = NDoA />の成立につながった<ref>{{Harvnb|木曽|2015|pp=125-129}}</ref>([[#真正性|後述]]参照)。これは、アジアやアフリカに多い木、[[アドベ|日干し煉瓦]]、泥の建築物など、多様な世界遺産を増やすことにつながり、世界遺産の歴史の中で重要な意義を持った<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|pp=80-81}}</ref>。 === 抹消される事例の出現 === [[ファイル:Okavango11.jpg|thumb|1,000件目となった[[オカバンゴ・デルタ]]]] 世界遺産は毎年その件数が増えていく中で、上限に関する議論なども見られ始める([[#上限|後述]])。その一方で、登録物件から「顕著な普遍的価値」が失われた場合などには、その物件は[[抹消された世界遺産|世界遺産リストから抹消]]される規定が存在していたが<ref>{{Harvnb|D・オルドリ|R・スシエ|L・ヴィラール|2005|pp=63-64}}</ref>、そのような事例は長らく存在していなかった。しかし、2007年の[[第31回世界遺産委員会]]で[[アラビアオリックスの保護区]]が初めて抹消され、続いて2009年の[[第33回世界遺産委員会]]では[[ドレスデン・エルベ渓谷]]が、さらに2021年の[[第44回世界遺産委員会]]で[[海商都市リヴァプール]]が抹消された。[[松浦晃一郎]]は、最初の抹消事例が出た2007年以降を、保全や保護に対する重要性がいっそう増した時期と見なしている<ref>『[[ニューズウィーク日本版]]』2015年9月22日号、p.34</ref>。 さまざまな課題を抱える一方で、世界遺産の数は増加し続けている。[[産業遺産]]や[[文化の道]]など、比較的新しい文化遺産のカテゴリーも取り込みつつ、[[2010年]]には[[タンロン遺跡|ハノイのタンロン皇城の中心区域]]([[ベトナムの世界遺産]])をもって世界遺産登録件数が900件を突破<ref>[http://whc.unesco.org/en/news/643/ World Heritage Committee inscribes five new cultural sites on World Heritage List and approves two extensions to existing properties (Saturday, 31 July 2010)]([[世界遺産センター]]、2017年12月22日閲覧)</ref>、[[2014年]]には[[オカバンゴ・デルタ]]([[ボツワナの世界遺産]])の登録をもって1,000件を突破した<ref group = "注釈">なお、その年の[[第38回世界遺産委員会]]で当初の予定通りに審議された場合、アメリカの文化遺産が1,000件目になるはずだったが、アフリカからの推薦かつ自然遺産という重要性から審議順の変更が提案され、アメリカもそれに同意したことから、オカバンゴ・デルタが1,000件目に選ばれた{{Harv|西|2014|p=42}}。</ref>。 2023年の[[第45回世界遺産委員会]]時点での条約締約国は195か国、世界遺産の登録数は1,199件(168か国)となっている<ref name="WHC_List" />。その締約国数、人気、知名度などから、しばしば国際条約の中でもっとも成功した部類に数えられている<ref>{{harvnb|青柳|松田|2005|p=5}} ; {{Harvnb|河上|2008|p=1}} ; {{Harvnb|佐滝|2009|p=76}} ; {{Harvnb|文化庁記念物課世界文化遺産室|2013|p=9}} ; {{Harvnb|東京文化財研究所|2017|p=10}} など。</ref>。{{-}} == 登録対象 == [[ファイル:Daibutsu_of_Todaiji_4.jpg|thumb|東大寺大仏]] 登録される物件は[[不動産]]、つまり移動が不可能な土地や建造物に限られる。そのため、たとえば寺院が世界遺産になっている場合でも、中に安置されている[[仏像]]などの美術品([[動産]]・[[可動文化財]])は、通常は世界遺産登録対象とはならない。ただし、[[東大寺盧舎那仏像|東大寺大仏]]のように移動が困難と認められる場合には、世界遺産登録対象となっている場合がある<ref>{{Harvnb|佐滝|2009|pp=108-109}}</ref>。逆に、将来的に動産になる可能性があると判断される場合、推薦時点で不動産であっても認められない(「作業指針」第48段落)<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|p=85}}</ref>。[[チェルヴェーテリとタルクイーニアのエトルリア墓地遺跡群]](イタリア)の登録時には、優れた出土品の数々が収められた隣接する博物館を登録対象にするかどうかが議論になったが、世界遺産委員会はあくまでも不動産しか評価対象にしないとして、収蔵している出土品を理由とする形での博物館登録は認めなかった<ref>{{Harvnb|本中|2005|p=19}}</ref><ref group = "注釈">[[ムゼウムスインゼル|ベルリンのムゼウムスインゼル(博物館島)]](ドイツ)や[[プランタン=モレトゥスの家屋・工房・博物館複合体]](ベルギー)など、博物館それ自体に価値がある場合には、登録された例がある。</ref>。このような対象の設定に対する限界が、のちの[[無形文化遺産]]の枠組みにつながった<ref>{{Harvnb|松浦|西村|2010| pp=19-21}}</ref>(後述)。 世界遺産に登録されるためには、後述する世界遺産評価基準を少なくとも1つは満たし、その「顕著な普遍的価値」を証明できる「完全性」と「真正性」を備えていると、[[世界遺産委員会]]から判断される必要がある<ref>{{Harvnb|世界遺産検定事務局|2016a|pp=25-26, 30-32}}</ref>。その際、同一の歴史や文化に属する場合や、生物学的・地質学的特質などに類似性が見られる場合に、'''シリアル・プロパティーズ'''(<ref>{{lang-en|links=no|serial properties}}</ref>'''関連性のある資産群''')としてひとまとめに登録することが認められている(「作業指針」第137段落)<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|pp=107-108}}</ref><ref group = "注釈">{{Harvnb|世界遺産検定事務局|2016a}}では、「'''シリアル・ノミネーション・サイト(連続性のある資産)'''」と呼ばれている(pp.35-36)。「シリアル・ノミネーション」それ自体は、関連性のある資産をひとまとめに推薦することを指す({{Harvnb|西村|本中|2017|pp=115-116}})。</ref>。たとえば、[[フランス]]、[[インド]]、[[日本]]、[[アルゼンチン]]など7か国の世界遺産である[[ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-]]などはその例である。 また登録されたあと、将来にわたって継承していくために、推薦時点で国内法などによってすでに保護や管理の枠組みが策定されていることも必要である。日本の例でいえば、[[原爆ドーム]]の世界遺産推薦に先立ち、[[文化財保護法]]が改正されて原爆ドームの[[史跡]]指定が可能になったことも、そうした点に合致させる必要があったためである<ref>{{Harvnb|伊東|2000|pp=2-3}}</ref>。 == 分類 == 世界遺産はその内容によって文化遺産、自然遺産、複合遺産の3種類に分けられている。なお、日本語文献ではしばしば[[無形文化遺産]]も単に「世界遺産」と呼ばれることがあるが、[[#無形文化遺産|後述]]するように、そちらは世界遺産条約の対象ではなく、世界遺産委員会で扱われる「文化遺産」には含まれない<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|pp=35-36}}</ref>。 また、内容的な区分以外にも、国際的な対応の優先度の高い「[[危機にさらされている世界遺産]]」(危機遺産)、2か国以上で保有する「国境を越える資産」、非公式な分類だが日本語圏では広く用いられる「[[負の世界遺産]]」などがある。 === 文化遺産 === {{Main|文化遺産 (世界遺産)}} 文化遺産<ref>{{lang-en|links=no|cultural heritage}}</ref>は世界遺産条約第1条に規定されており、[[モニュメント|記念工作物]]、建造物群、[[遺跡]]<ref group = "注釈">世界遺産条約における「遺跡」の原語は site であり、これは考古遺跡よりも指し示す範囲が広く、実際、自然遺産の登録地にも同じ語が使われるなどしているため、「場所」と訳している専門家もいる{{Harv|稲葉|2016|pp=4-5}}。</ref>のうち、歴史上、芸術上あるいは学術上顕著な普遍的価値を持つものを対象としている<ref name = tobunken_p35>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|p=35}}</ref>。しばしば「世界文化遺産」と呼ばれる<ref name = NM_i>{{Harvnb|西村|本中|2017|p=i}}</ref>。 基本的なカテゴリーは上記の3種のままだが、それらに内包されるカテゴリーとして、上述のように1992年に[[文化的景観]]の概念が追加され、以降、[[産業遺産]]、[[文化の道]]など多様なカテゴリーが加わった<ref name = tobunken_p35 />。文化遺産は研究の深化とともに範囲が広がっており、それゆえ[[国際記念物遺跡会議|ICOMOS]]も、世界文化遺産の一覧は「開いた一覧」となる見通しを示している<ref name = nanaumi_p15>{{Harvnb|七海|2006|p=15}}</ref>。 === 自然遺産 === {{Main|自然遺産 (世界遺産)}} 自然遺産<ref>{{lang-en|links=no|natural heritage}}</ref>は世界遺産条約第2条に規定されている。その定義では「無生物又は生物の生成物又は生成物群から成る特徴のある自然の地域であって、鑑賞上又は学術上顕著な普遍的価値を有するもの」「地質学的又は地形学的形成物及び脅威にさらされている動物又は植物の種の生息地又は自生地として区域が明確に定められている地域であって、学術上又は保存上顕著な普遍的価値を有するもの」「自然の風景地及び区域が明確に定められている自然の地域であって、学術上、保存上又は景観上顕著な普遍的価値を有するもの」<ref>[[:s:世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約]]より引用。</ref>が挙げられている。しばしば「世界自然遺産」と呼ばれる<ref name = NM_i />。 文化遺産の場合は、ICOMOS によるテーマ別研究によって多様な文化遺産の模索がなされてきたが、[[国際自然保護連合|IUCN]]は少なくとも[[第39回世界遺産委員会]](2015年)の時点では、財政事情から自然遺産のテーマ別研究はしていないことを明かしている<ref name = tobunken_p127>{{Harvnb|東京文化財研究所|2013|p=127}}</ref>。ただし、そもそも自然遺産は文化遺産と違い、その価値の評価は当初から安定していた<ref>{{Harvnb|七海|2006|p=16}}</ref>。IUCNは1982年にはグローバル目録を作成し、自然遺産として登録が望まれる類型の網羅を終えていた<ref>{{Harvnb|河上|2008|p=8}}</ref>。それゆえIUCNは自然遺産(および複合遺産)を「閉じた一覧」とすることを志向し、その限界は250から300と考えられている<ref name = nanaumi_p15 />。 === 複合遺産 === {{Main|複合遺産 (世界遺産)}} 複合遺産<ref>{{lang-en|links=no|mixed heritage}}</ref>は文化と自然の両方について、顕著な普遍的価値を兼ね備えるものを対象としている。1979年には最初の複合遺産が登録されていたものの<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟|2008|p=44}}</ref>、世界遺産条約に直接的な規定はなく、作業指針でも長らく明記されてこなかった。しかし、2005年の改訂の際に「作業指針」第46段落で定義付けられた<ref>{{Harvnb|西村|本中| 2017|p=127}}</ref>。 複合遺産には最初からそのように登録されたものだけでなく、自然遺産として登録されたものの文化的側面が追認されて複合遺産になったり、逆に文化遺産の自然的側面が追認されて複合遺産になったりする場合もある。後者に該当する例で最初に登録されたのは[[カンペチェ州カラクムルの古代マヤ都市と熱帯保護林]](メキシコ、2014年拡大)だが、この審議が難航したことを踏まえて、諮問機関の情報交換のやり方などが変更された<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|pp=75-76, 78}}</ref>。 === 危機遺産 === {{Main|危機にさらされている世界遺産}} [[ファイル:Taller_Buddha_of_Bamiyan_before_and_after_destruction.jpg|thumb|世界遺産リスト登録と同時に危機遺産リストにも加えられた[[バーミヤン渓谷の文化的景観と古代遺跡群]](大仏破壊前と破壊後)]] 内容上の分類ではないが、後世に残すことが難しくなっているか、その強い懸念が存在する登録物件は、[[危機にさらされている世界遺産]]リスト(危機遺産リスト<ref>{{ISO639言語名|en}}:『{{lang|en|List of World Heritage in Danger}}』</ref>)に加えられ、別途保存や修復のための配慮がなされることになっている(世界遺産条約第11条4項および「作業指針」第177段落 - 第191段落)<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|pp=71-73}}</ref>。危機遺産については、世界遺産条約や「作業指針」でも詳しく規定されており、制度の中核的概念と位置づけられている<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|pp=92-98}}</ref>。世界遺産リストへの推薦が各国政府しか行えないのに対し、危機遺産リストへの登録の場合は、きちんとした根拠が示されれば、個人や団体からの申請であっても受理、検討されることがある<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟|2001|pp=42, 54}}</ref>。 2013年には[[シリア内戦]]などを理由に[[シリアの世界遺産]]が6件すべて<ref>{{Harvnb|稲葉|2013a|p=32}}</ref>、2016年には[[2014年リビア内戦|リビア内戦]]などを理由に[[リビアの世界遺産]]が5件すべて登録されるなどし<ref>{{Harvnb|二神|2016|p=30}}</ref>、2023年1月の[[世界遺産委員会]]第18回臨時委員会終了時点での危機遺産登録物件は55件となっている<ref>[http://whc.unesco.org/en/danger/ List of World Heritage in Danger]([[世界遺産センター]]、2023年1月26日閲覧)</ref>。しかし、保有国の中には、危機遺産登録を不名誉なものと捉えて強い抵抗を示す国もあり、危機遺産リストに登録されるべき場合であってさえも、容易に登録が実現しない現実がある<ref name = tobunken_p72_73>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|pp=72-73}}</ref>。リストに正式登録された危機遺産以外に、そのような「隠れた危機遺産」の増加を懸念する意見もある([[#危機遺産登録への抵抗|後述]])。{{-}} === 国境を越える資産 === [[ファイル:MK02244_Waterton_Glacier_International_Peace_Park.jpg|thumb|[[ウォータートン・グレイシャー国際平和自然公園]]に掲げられた[[アメリカ合衆国|米国]]と[[カナダ]]の国旗]] 世界遺産の中には、複数国にまたがる「国境を越える資産」<ref>{{lang-en|links=no|transboundary properties}}</ref>も存在する(「作業指針」第134段落)<ref name = tobunken2017_p129>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|p=129}}</ref><ref group = "注釈">「国境を越える世界遺産」{{Harv|日本ユネスコ協会連盟|2009|pp=13-27}}、「越境遺産」{{Harv|講談社|2012|p=32}}、「トランスバウンダリー・サイト」{{Harv|世界遺産検定事務局|2016a|p=36}}などとも呼ばれる。</ref>。その推薦書は保有国が共同で作成し、登録後の管理には共同で専用の機関を設置することが望ましいとされる<ref name = tobunken2017_p129 />。中には、[[カルパティア山脈とヨーロッパ各地の古代及び原生ブナ林]](18か国)、[[シュトルーヴェの測地弧]](10か国)のように多くの国々で保有されている例もある。 国境を越える資産は当初、自然遺産分野に多く見られたが、そうした制度の起源は世界遺産制度そのものよりも古く、[[ウォータートン・グレイシャー国際平和自然公園]]の設立にさかのぼると言われる(1932年設定、1995年には世界遺産リストにも登録)<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟|2009|pp=17, 23}}</ref><ref>{{Harvnb|吉田|2012b|p=203}}</ref>。国境を越える資産の存在は、国境を越えて協力することの大切さを伝え、保有国間の平和の構築にも資するとされるが、実際には国境を越えて価値が連続性を持つにもかかわらず、さまざまな事情を背景に別々に登録されている例がある<ref>{{Harvnb|工藤|2009|pp=22-23, 27}}</ref>。たとえば、[[イグアス国立公園 (ブラジル)|イグアス ({{lang|pt|Iguaçu}}) 国立公園]](ブラジル)と[[イグアス国立公園 (アルゼンチン)|イグアス ({{lang|es|Iguazú}}) 国立公園]](アルゼンチン)、[[スンダルバンス国立公園]](インド)と[[シュンドルボン]](バングラデシュ)などがそうである<ref>{{Harvnb|工藤|2009|p=22}}</ref><ref>{{Harvnb|吉田|2012b|pp=211-212}}</ref>。文化遺産だと[[サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路|サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路:カミノ・フランセスとスペイン北部の道]](スペイン)と[[フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路]]などがそれにあたる<ref>{{Harvnb|世界遺産検定事務局|2016b|pp=188, 191}}</ref>。そうした例には[[高句麗]]の遺跡のように、歴史的・政治的背景に起因するものもある([[#歴史認識|後述]])。 === 負の世界遺産 === {{Main|負の世界遺産}} [[ファイル:Auschwitz_I_entrance_snow.jpg|thumb|[[アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所]]。登録の際に、類似の案件は二度と登録しないことが決議された<ref>[http://whc.unesco.org/archive/repcom79.htm#31 Report of the 3rd Session of the Committee]</ref>。]] [[戦争]]、[[奴隷貿易]]、[[人種差別]]、[[文化浄化]]など、人類の歴史において繰り返してはならない出来事をとどめた遺跡なども、世界遺産リストに登録されている。これらは別名「負の世界遺産」(負の遺産)と呼ばれている<ref name = sekaken2016b_p420>{{Harvnb|世界遺産検定事務局|2016b|p=420}}</ref>。 ただし、世界遺産センターやICOMOSによって公式に認められた分類ではない。そのため、何を負の遺産と見なすのかは論者によって異なるが、しばしば挙げられるのは[[広島市への原爆投下]]を伝える[[原爆ドーム]]、[[ホロコースト]]の物証である[[アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所|アウシュビッツ=ビルケナウ]]<ref group = "注釈">正式名称は[[#名称|後述]]を参照のこと。</ref>(ポーランド)、[[奴隷貿易]]の拠点であった[[ゴレ島]](セネガル)、[[ネルソン・マンデラ]]を含む反[[アパルトヘイト]]政治犯の収容所だった[[ロベン島]]([[南アフリカ共和国|南ア]])の4件<ref name = sekaken2016b_p420 /><ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟|2001|p=56}}</ref><ref>{{Harvnb|日高|2006|p=88}}</ref>で、このほかに[[核実験]]に関わる[[ビキニ環礁|ビキニ環礁の核実験場]](マーシャル諸島)や、[[ターリバーン]]による[[文化浄化]]を被った[[バーミヤン渓谷の文化的景観と古代遺跡群]](アフガニスタン)なども、負の遺産とされることがある<ref>{{Harvnb|世界遺産検定事務局|2016a|pp=262-263, 403}}</ref><ref name = NM_p25>{{Harvnb|西村|本中|2017|p=25}}</ref>(負の遺産とされることがある他の例については、[[負の世界遺産]]参照)。 なお、これらの世界遺産登録では、単に悲劇的な出来事があったというだけでなく、それを繰り返すまいとする運動などが評価されることは珍しくない<ref name = NM_p25 />。たとえば原爆ドームは、正式登録前から「負の遺産」と位置づける関連書籍もあったが<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟|1996|p=17}}</ref>、世界遺産登録にあたっての評価は、あくまでも原爆のない世界を目指す半世紀にわたる平和運動に焦点が当てられており、戦争や原爆の悲惨さ自体は中心を占めていない<ref>{{Harvnb|稲葉|2011|p=18}}</ref><ref>{{Harvnb|岡田|2011|p=19}}</ref>。{{-}} === 記憶の場所 === {{Main|記憶の場所}} 負の世界遺産はユネスコが公式に認めた分類ではないが、2018年以降[[第二次世界大戦]]中から戦後に起きた出来事に関連する場所が世界遺産に推薦されるようになった。これに対しユネスコ・世界遺産委員会・諮問機関は、当事者間の記憶がまだ鮮明で、登録により対立が再燃することを警戒し、顕彰するのは時期尚早としたが、要望の声が高まったこともあり協議した結果、「最近の紛争(Recent conflicts)」に関する「記憶の場所」として顕彰を始めることとした。これはユネスコが公式に認めた区分となる。 但し、一方的な登録は[[文化的不寛容]]を助長し、{{仮リンク|文化紛争|en|Cultural conflict}}から[[文化戦争]]に発展し、最終的に{{仮リンク|文化の崩壊|en|Societal collapse}}に至りかねないとして、審査に関しては異議申し立てを受け付けての審議延期や調停、当事者間対話の実施や和解プログラムの構築などを義務付ける<ref>[https://whc.unesco.org/en/decisions/8046/ Outcomes of the Open-ended Working Group on Sites of Memory Associated with Recent Conflicts] UNESCO World Heritage Centre</ref>。 == 顕著な普遍的価値とその評価基準 ==<!-- 世界遺産記事には「顕著な普遍的価値」のリンクとして、この節に飛ぶようにしてある記事が少なからずあります。節名変更は慎重に。 --> すでに述べたように、世界遺産となるためには「顕著な普遍的価値」(略号は OUV<ref>{{lang-en|links=no|Outstanding Universal Value}}</ref><ref name = Tobunken2017_p89>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|p=89}}</ref><ref group = "注釈">OUVという略称は、[[世界遺産委員会]]でも公式に通用する略語である{{Harv|稲葉|2007b|p=24}}。</ref>)を有している必要がある。しかし、世界遺産条約では「顕著な普遍的価値」自体を定義していない<ref>{{Harvnb|七海|2006|p=8}}</ref>。「作業指針」第49段落には、国家の枠にとらわれずに、現在だけでなく将来の人類にとっても大きな価値を持つといった大まかな定義があるが<ref name = Tobunken2017_p89 />、その証明のために要請されるのが、10項目からなる世界遺産登録基準のいずれか1つ以上を満たすことである<ref>{{Harvnb|松浦|2008|p=100}} </ref>。 以上は当初から変わらない条件だが、2005年の「作業指針」改定によって、OUVを構成する要素に保存管理が加わったため、OUVの証明には登録基準を満たすこと、完全性と真正性を満たすこと、保存管理が適切に行われていることのすべての証明が必要となった(「作業指針」第77・78段落)<ref name = Tobunken2017_p89 />。 === 世界遺産登録基準 ===<!--- この節は世界遺産の各記事の概要表テンプレから[[世界遺産#世界遺産登録基準|登録基準]]としてリンクされています。節名変更の際はリンクに注意を!!---> 世界遺産登録基準は、当初、文化遺産基準 (1) - (6) と自然遺産基準 (1) - (4) に分けられていたが、2005年に2つの基準を統一することが決まり、2007年の[[第31回世界遺産委員会]]から適用されることになった<ref name = nihon2007_p53>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟|2007|pp=53-54}}</ref><ref group = "注釈">2005年に決定した基準が2007年からの適用となったのは、2006年の審議予定の物件は、2005年の新基準確定前に推薦されていたからである({{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟| 2006|p=49}})。</ref>。新基準の (1) - (6) は旧文化遺産基準 (1) - (6) に対応しており、新基準 (7)、(8)、(9)、(10) は順に旧自然遺産基準 (3)、(1)、(2)、(4) に対応している<ref name = nihon2007_p53 />。このため、実質的には過去の物件に新基準を遡及して適用することが可能であり、現在の世界遺産センターの情報では、旧基準で登録された物件の登録基準も新基準で示している<ref name = nihon2007_p53 /><ref group = "注釈">この統合の際に、[[ハワイ火山国立公園]]が旧自然基準 (2)=新基準 (9) から新基準 (8) に差し替えになるなど、自然遺産19件について適用する基準の変更が行われた{{Harv|稲葉|2007a|p=51}}。 </ref>。 基準が統一されたあとも文化遺産と自然遺産の区分は存在し続けており、新基準 (1) - (6) の適用された物件が文化遺産、新基準 (7) - (10) の適用された物件が自然遺産、(1) - (6) のうち1つ以上と (7) - (10) のうち1つ以上の基準がそれぞれ適用された物件が複合遺産となっている<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|p=34}}</ref>。 登録基準(評価基準)<ref group = "注釈">基準の統一に伴って、基準の題名自体が「世界遺産登録のための基準」から「顕著な普遍的価値評価のための基準」へと変更されており、前者を「登録基準」、後者を「評価基準」と訳し分けている文献もある {{Harv|西村|本中|2017|p=22}}。その一方、{{Harvnb|東京文化財研究所|2017}}のように、2005年以降のものも「登録基準」と呼んでいる文献もある。</ref>の内容は以下の通りである(「作業指針」第77段落<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|pp=33-34}}</ref>)(以下は世界遺産センター公式サイトに掲載された基準<ref>[http://whc.unesco.org/en/criteria/ The Criteria for Selection]([[世界遺産センター]]、2018年1月1日閲覧)</ref>を翻訳のうえ、引用したものである)。 [[ファイル:Taj_Mahal,_Agra,_India_edit3.jpg|thumb|基準(1)のみによって登録された『傑作』[[タージ・マハル]]]] [[ファイル:Robben_Island-113368.jpg|thumb|ロベン島。その登録は基準適用のあり方に議論を招いた。]] [[ファイル:Hajnówka,_Poland_-_panoramio_(73).jpg|thumb|[[ビャウォヴィエジャの森]]は、野生絶滅に至った[[ヨーロッパバイソン]]の再導入地などとして重要である<ref>{{Harvnb|工藤|2009|pp=25-26}}</ref>。]] {|class=wikitable style="font-size:small" !基準!!詳細 |- |(1)『{{世界遺産基準条項|1}}』||この基準は、ユネスコが公刊しているマニュアルでは、[[天才]]に帰せられる基準ではなく、作者不明の考古遺跡などであっても適用できることが明記されている<ref name = tobunken2017_p34>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|p=34}}</ref>。また、かつては芸術的要素を持つことが盛り込まれていたが、現在の基準にはそれはなく<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|p=22}}</ref>、機能美を備えた産業遺産への適用も可能になっている<ref name = tobunken2017_p34 />。 |- |(2) 『{{世界遺産基準条項|2}}』||この基準のかつてのキーワードは一方向の伝播を想起させる「影響」だったが、「交流」に置き換えられている<ref name = inaba1995_p24>{{Harvnb|稲葉|1995|p=24}}</ref>。また、建築や記念工作物を対象としていた当初の文言に、文化的景観のために「[[ランドスケープ|景観デザイン]]」が、産業遺産のために「技術」がそれぞれ追加されるなど、対象が拡大してきた<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|pp=22-23, 129, 161}}</ref>。 |- |(3) 『{{世界遺産基準条項|3}}』||この基準はもともと消滅した文明の証拠、すなわち考古遺跡をおもな対象とする基準だった<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|p=23}}</ref>。しかし、文化的景観が導入された1990年代に順次改定され、「文化的伝統」や「現存する」といった文言が追加された<ref name = inaba1995_p24 />。 |- |(4) 『{{世界遺産基準条項|4}}』||この基準はもともと建築に重点が置かれた基準だったが、文化的景観のために「景観」が、産業遺産のために「技術の集積」が追加された<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|pp=23-24, 129, 161}}</ref>。 |- |(5) 『{{世界遺産基準条項|5}}』||この基準はもともと伝統的な集落や建築様式を主な対象とするものだったが、文化的景観の導入を反映して「土地利用」に関する文言が追加され<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|pp=24, 129}}</ref>、のちには陸上だけでなく海上についても明記された<ref>{{Harvnb|佐滝|2009|p=88}}</ref>。 |- |(6) 『{{世界遺産基準条項|6}}』||この基準はもともと「出来事、思想、信仰」との関連しか書かれていなかったが、文化的景観の導入にともない「現存する伝統」「芸術的、文学的作品」が追加された<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|p=129}}</ref>。たとえば、[[ザルツブルク市街の歴史地区]]にこの基準が適用されている理由には、音楽家[[ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト|モーツァルト]]を輩出した都市であることなどが挙げられている<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|p=24}}</ref>。その一方、いわゆる負の世界遺産には、この基準 (6) が単独適用されたものが多いとされる<ref>{{Harvnb|世界遺産検定事務局|2016b|p=420}}</ref>。しかし、この基準は原爆ドームの登録をめぐって紛糾した結果、単独適用が禁じられ<ref>{{Harvnb|稲葉|2011|p=17}}</ref><ref group = "注釈">もともと、1994年(原爆ドームの登録前)の時点で「委員会は(中略)極めて例外的な場合、または他の文化遺産または自然遺産の基準と関連している場合に限られるべきであると見なしている」{{Harv|稲葉|1995|p=24}} という条件はあったので、条件そのものが初めて追加されたのではなく、非常に厳しいものへと変更されたということである。</ref>、「ただし、極めて例外的な場合で、かつ他の基準と関連している場合のみ適用」<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟|2002a|p=58}}より引用。</ref>という厳しい条件がついた時期があった。その厳しい文言は、3年後の[[ロベン島]]の審議の際にかえって議論の紛糾を招き<ref group = "注釈">ロベン島に対し、諮問機関は基準 (6) 単独での登録を勧告した。しかし、厳しい条件との兼ね合いで単独適用を避けたい委員会は、諮問機関が反対していた基準 (3) も強引に適用することで、(3) と(6) での登録という形に落ち着かせた {{Harv|稲葉|2011|p=17}}。</ref>、上記のような緩和された条件に変更された。 |- |(7) 『{{世界遺産基準条項|7}}』||「美しさ」は客観的な判定が難しいため、後述の基準 (10) が変更された1992年以降、諮問機関はこの基準単独での登録勧告をあまりしなくなっているとされる<ref>{{Harvnb|吉田|2012b|p=106}}</ref>。また、[[ビャウォヴィエジャの森]](ベラルーシ / ポーランド)のような例もある。それは1979年の登録以来、基準 (7) のみで登録されていたが、2014年の拡大にともない、 (7) を外して基準 (9)・(10) へと差し替えられたのである<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟| 2014|p=29}}</ref>。日本では、富士山の推薦に当たって、適用が検討された<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟|2014|pp=10-11}}</ref>。結局、文化遺産の基準ではないとして推薦には盛り込まれなかったが、むしろ「美しさ」という基準を文化遺産の基準として捉える視点があってもよいはずだとする意見もある<ref>{{Harvnb|西村|本中|p=147}} 該当箇所の担当執筆者は[[西村幸夫]]。</ref>。そもそも、本来この条項は[[原生地域|手付かずの自然]]のみを対象とする基準ではなく、文化的景観が導入される1992年までは、文化と自然の相互作用に触れたくだりが存在していた<ref>[http://whc.unesco.org/en/guidelines/ Operational Guidelines](世界遺産センター、2018年2月1日閲覧)。関連する情報は{{Harvnb|稲葉|2015|pp=9-10}}</ref>。 |- |(8)『{{世界遺産基準条項|8}}||この基準に言う「生物の記録」とは[[化石]]のことで、[[カンブリア紀]]の化石産地である[[澄江の化石産地]](中国)などが含まれるが、[[南アフリカの人類化石遺跡群]]などの[[化石人類]]関連の遺跡はこの基準ではなく、基準 (3) の対象となる<ref>{{Harvnb|世界遺産検定事務局|2016a|pp=27,29}}</ref>。 |- |(9)『{{世界遺産基準条項|9}}』|| |- |(10) 『{{世界遺産基準条項|10}}』||この基準はもともと[[絶滅危惧種]]の保護に力点が置かれた基準であり、「生物多様性」に関する文言は当初なかったが、1992年の[[生物の多様性に関する条約|生物多様性条約]]成立後に盛り込まれた<ref>{{Harvnb|吉田|2012b|p=16}}</ref>。 以上の基準の少なくとも1つ以上を満たしていると世界遺産委員会で認定されれば、世界遺産リストに登録される。多くの世界遺産では、複数の基準が適用されている<ref>{{Harvnb|佐滝|2009|p=86}}</ref>。最多は[[泰山]]と[[タスマニア原生地域]]の7項目である<ref>{{Harvnb|世界遺産検定事務局|2016a|p=26}}</ref>。 |} === 完全性と真正性 === 前述の通り、世界遺産の「顕著な普遍的価値」には、完全性と真正性を満たしていることも必要となる。 ==== 完全性 ==== [[ファイル:三保の松原,_Miho_no_matsubara_-_panoramio.jpg|thumb|[[富士山-信仰の対象と芸術の源泉]]の構成資産[[三保の松原|三保松原<!--構成資産としてはこちらの表記-->]]は、完全性に寄与するかが争点となった]] '''完全性'''<ref>{{lang-en|links=no|integrity}}</ref>とは、その物件のOUVを証明するために必要な要素が、適切な保全管理の下で過不足なく揃っていることを指す(「作業指針」第78・87・88段落)<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|p=66}}</ref>。'''インテグリティ'''、'''全体性'''などとも呼ばれる<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟| 2016|p=37}}</ref>。 一定の規模を確保することが求められる反面、価値の証明と関係のない要素が多く混じっても否定的に評価されるため、いたずらに範囲を拡大するよりも、個々の要素群に絞り、面ではなく点で捉える「関連性のある資産」とすることも含め、価値の証明に即して範囲を練ることが求められる<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|pp=66-67}}</ref>。たとえば、[[富岡製糸場と絹産業遺産群]]では、当初10件の構成資産を擁する推薦物件だったが、絹産業の技術革新と国際交流という価値の証明に即した練り直しの結果、4件にまで絞られた経緯があり<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟| 2014|pp=6-11}}</ref>、絞り込みが効果的だったとされている<ref name = asahi170427>「富岡製糸場 世界遺産へ 4資産に厳選 奏功」『[[朝日新聞]]』2014年4月27日朝刊1面</ref><ref>「富岡 結んだ西洋・伝統 / 製糸場 世界遺産へ / 近代工業化の鍵・絞り込み奏功」『[[日本経済新聞]]』2014年4月27日朝刊35面</ref>。 諮問機関は、範囲の設定に不足がある推薦の場合には範囲の再考を勧告するが、逆に余計な要素が含まれていると判断した場合には、特定の要素の除外を条件にした登録勧告を示すことがある。たとえば、[[富士山-信仰の対象と芸術の源泉]]の推薦では[[三保の松原|三保松原]]の除外が<ref name="#1">{{Harvnb|稲葉|2013b|p=32}}</ref>、[[「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群]]の推薦では[[新原・奴山古墳群]]などの除外が<ref name="#2">{{Harvnb|二神|2018|p=28}}</ref>それぞれ勧告された(いずれも逆転で登録)。他方、[[平泉|平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―]]の推薦で除外が勧告された[[柳之御所遺跡]]は、委員会審議でも勧告通りに除外と決まった例である。 自然遺産・複合遺産の例では、[[ブルー・アンド・ジョン・クロウ・マウンテンズ国立公園|ブルー・アンド・ジョン・クロウ・マウンテンズ]](ジャマイカ)は、同名の国立公園の推薦時には絞り込みを勧告され、核心部分のみに限定した再推薦で登録された例であり、逆に[[大ヒマラヤ国立公園|大ヒマラヤ国立公園保存地域]](インド)は、国立公園だけでは不足があるとして、隣接する自然保護区にまで拡大することで登録された例である。{{-}} ==== 真正性 ==== [[ファイル:Plac Zamkowy w Warszawie widziany z wieży kościoła św. Anny.JPG|thumb|再建されたワルシャワの街並み]] [[ファイル:Great_Mosque_of_Djenné_1.jpg|thumb|[[ジェンネ]]の[[泥のモスク]]]] '''真正性'''とは、特に文化遺産について、そのデザイン、材質、機能などが本来の価値を有していることなどを指す(「作業指針」第79段落 - 第82段落)<ref name = tobunken2017_p21>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|p=21}}</ref>。'''真実性'''と訳されるほか<ref name = watanabe_p5 />、もともと日本語に対応する概念がなかったとして'''オーセンティシティ'''とカタカナで表現される場合もある<ref name = watanabe_p5>{{Harvnb|渡邊|1995|p=5}}</ref>。 再建された建造物の歴史的価値は、1980年登録の[[ワルシャワ歴史地区]](ポーランド)で早くも問題になった<ref>{{Harvnb|松浦|2008|pp=148-149}}</ref>。ワルシャワの町並みは[[第二次世界大戦]]で徹底的に破壊され、戦後に壁のひび割れなどまで再現されたといわれるほどの再建事業を経て、忠実に復元されたものだったからである<ref>{{Harvnb|世界遺産検定事務局|2016b|p=157}}</ref>。1979年、1980年と続けて議論が紛糾した結果、ワルシャワの登録と引き換えに、第二次大戦後に再建されたほかのヨーロッパ都市は登録対象としないことが決められた<ref>{{Harvnb|松浦|2008|p=149}}</ref>。「作業指針」にも、歴史地区の再建などは例外的にしか認められないことが明記されている(第86段落)<ref name = tobunken2017_p21 />。もっとも、2005年登録の[[オーギュスト・ペレによって再建された都市ル・アーヴル]](フランス)のように、戦前の面影を一新した[[鉄筋コンクリート]]造りの計画都市が登録された例はある<ref>{{Harvnb|世界遺産検定事務局|2016b|p=158}}</ref>。 その後、登録物件の偏りなどとの関連で「真正性」の問題がクローズアップされた。堅牢な石の建造物を主体とするヨーロッパの文化遺産と違い、木や土を主体とするアジアやアフリカの文化遺産は、保存の仕方が異なってくるからである<ref>{{Harvnb|松浦|2008|pp=148, 151, 153}}</ref><ref>{{Harvnb|安江|2011|pp=45-46}}</ref>。そこで、1994年に[[奈良市]]で開催された「世界遺産の真正性に関する国際会議」で採択された奈良文書<ref group = "注釈" name = NDoA>「真正性に関する奈良文書」{{Harv|東京文化財研究所|2017|p=80}}、「オーセンティシティに関する奈良文書」{{Harv|西村|本中|2017|p=57}}、「オーセンティシティに関する奈良ドキュメント」{{Harv|渡邊|1995|p=9}}などといった訳があり、「奈良文書」「奈良ドキュメント」などと略される。</ref>において、真正性はそれぞれの文化的背景を考慮するものとし<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|p=80}}</ref>、木造建築などでは、建材が新しいものに取り替えられても、伝統的な工法・機能などが維持されていれば、真正性が認められることになった<ref name = MN2010_p22>{{Harvnb|松浦|西村|2010| p=22}}</ref>。この真正性の定義づけには日本も積極的に関わり、世界遺産制度史上における日本の特筆すべき貢献と評価されている<ref name = MN2010_p22 /><ref>{{Harvnb|木曽|2015|p=129}}</ref>。{{-}} == 登録範囲 == [[ファイル:Karte Weltkulturerbe Speicherstadt und Kontorhausviertel mit Chilehaus.png|thumb|登録範囲の地図の例([[ハンブルクの倉庫街とチリハウスを含む商館街]])。赤が資産の範囲、黄が緩衝地帯。]] 世界遺産の登録範囲(Boundary)は、前述のように完全性をはじめとする「顕著な普遍的価値」(OUV)の証明のために必要な要素を、過不足なく含むことが求められる<ref name = tobunken2017_p23>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|pp=23-24}}</ref>。範囲の設定は行政区分などに左右されるべきでないとされ、自然地形の特徴などに即していることが望ましいとされている<ref name = tobunken2017_p23 />。登録後にも範囲の変更は可能である。それについては[[#登録後の変更|後述]]を参照のこと。 世界遺産の登録に当たっては、登録物件の周囲に[[緩衝地帯]](Buffer zone)を設けることがしばしばである。ただし、それはOUVを有するとは認められていない地域で、世界遺産登録範囲ではない<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|p=62}}</ref>。かつては、世界遺産そのものの登録地域を核心地域(Core zone)と呼んでいたが、核心地域と緩衝地帯がともに世界遺産登録地域であるかのように誤認されないために、2008年から世界遺産そのものの登録地域は資産(property)と呼ばれ、緩衝地帯と明確に区別されるようになった<ref>{{Harvnb|稲葉| 2009|p=40}}</ref>。 === 緩衝地帯 === '''緩衝地帯'''は、そのままカタカナで'''バッファー・ゾーン'''と表現されることもある<ref name="#3">{{Harvnb|世界遺産検定事務局|2016a|pp=37-38}}</ref>。本来保護すべき範囲の外側に緩衝地帯を設定するという考え方は、自然保護に見られた概念を文化遺産にも拡大したものといえる。この範囲設定は、ユネスコの「{{仮リンク|人と生物圏計画|en| Man_and_the_Biosphere_Programme}}」で「核心地域」「緩衝地域」「移行地域」の3区分が存在していたことをモデルに、核心地域と緩衝地域の概念を導入したものである<ref>{{Harvnb|世界遺産検定事務局|2016a|p=37}}</ref>。なお、日本の省庁の場合は「バッファー・ゾーン」を世界遺産では「緩衝地帯」、[[生物圏保護区|生物圏保存地域]](ユネスコエコパーク)では「緩衝地域」と訳し分けている<ref>[https://www.mext.go.jp/unesco/005/1341691.htm (参考2)ユネスコエコパーク (BR) の保護担保措置・ゾーニングに関する基本的な考え方]([[文化庁]]、2018年2月1日閲覧)、[https://www.env.go.jp/press/104164.html 参考1・ユネスコエコパークについて]([[環境省]]、2018年2月1日閲覧)<!--細かいアドレスは変更されやすいので、いずれのurlも文書そのものではなく、そのリンクがあるページを掲げた。--></ref><ref group = "注釈">{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟|2016}}(pp.28, 37) は同様の区分を踏襲しているが、{{Harvnb|世界遺産検定事務局|2016a}}(p.37) では訳し分けずにどちらも「緩衝地帯」で統一している。</ref>。 緩衝地帯の役割は、資産の保護のために設定される区域で、法的あるいは慣例的に開発などは規制を受ける<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|pp=59-60}}</ref>。たとえばフランスの場合、歴史的記念建造物の周囲には一律(半径500メートル)に規制が敷かれるが、世界遺産の場合、保護する範囲に機械的な線引きはなく、また資産全体に同じ範囲だけ設定しなければならないものではない<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|pp=60-62}}</ref>。そもそも緩衝地帯は当初、方針文書に明記されておらず、ごく初期の世界遺産には設定されていなかった<ref>{{Harvnb|松浦|2008|p=145}}</ref>。1980年や1988年の「作業指針」で段階的に盛り込まれていったが<ref>{{Harvnb|吉田|2012b|pp=190-191}}</ref>、厳格な適用を求める方向で「作業指針」が改定されたのは2005年のことで<ref>{{Harvnb|松浦|2008|pp=156-157}}</ref>、設定しない場合には理由の提示が必要となった<ref name="#3"/>。世界遺産の推薦にあたっては、原則として資産だけでなく緩衝地帯についても、規模や用途などを明記し、地図も提出する必要がある(「作業指針」第104段落)<ref name = tobunken2017_p25>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|pp=25-26}}</ref>。 それ以降、[[第31回世界遺産委員会]](2007年)ですでに登録されている世界遺産7件に遡及的に設定されるなど<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟|2008|p=15}}</ref>、「軽微な変更」([[#軽微な変更|後述]])として緩衝地帯の遡及的な設定なども行われるようにもなっている<ref name = tobunken2017_p25 />。 [[ファイル:London_12_2012_Tower_of_London_and_the_Shard_4853.JPG|thumb|[[ロンドン塔]](手前)と[[ザ・シャード]](奥)]] その一方、生物圏保存地域と異なり、緩衝地帯の外側に移行地域が存在しないため、緩衝地帯のすぐ外側での開発などが問題視されることが出てきた<ref>{{Harvnb|世界遺産検定事務局|2016a|p=38}}</ref>。たとえば[[ロンドン塔]]の場合、超高層建築[[ザ・シャード]]が緩衝地帯の外に建てられたが、ロンドン市内で突出したその高さは、ロンドン塔の景観にも影響を及ぼしてしまっている<ref>{{Harvnb|木曽|2015|pp=24-25}}</ref>。これは緩衝地帯の外であったため、世界遺産委員会では懸念は表明されたものの、それ以上の措置には踏み込まなかった<ref>{{Harvnb|木曽|2015|p=25}}</ref>。世界遺産委員会では、緩衝地帯の外でさえ、景観に影響を及ぼす場合には規制すべきという意見も出されるようになっている<ref>{{Harvnb|松浦|2008|pp=156-157, 230}}</ref><ref group = "注釈" name = "wider">この緩衝地帯の外側の周辺環境を「より広範な周辺環境」(wider setting) と呼ぶ{{Harv|東京文化財研究所|2017|p=109}}。</ref>。その一方、都市の成長や開発に対する過度の抑制につながることを懸念する論者もいる<ref>{{Harvnb|木曽|2015|pp=25-29}}</ref>。 前述のように、緩衝地帯は理由を明記すれば、設定しないことも許容される。許容されるための理由としては、資産そのものの保護範囲がもともと十分に広く設定されている場合や、大平原や地下など、資産の所在環境による条件を勘案して緩衝地帯の設定が無意味、あるいは不要などと判断される場合などがある<ref name = tobunken2017_p25 />。しかし、[[フォース橋]](2015年登録)が保護範囲の十分の広さを理由に緩衝地帯を設定しなかったところ、その審議が紛糾した例などもあり、専門家からは緩衝地帯を設定しない推薦は例外的なものと見なされている<ref name = tobunken2017_p25 />。{{-}} == 世界遺産リスト登録手続きと登録後の保全 == 世界遺産リスト登録に必要となる前提、審査の流れ、登録後の保全状況報告などは、「世界遺産条約履行のための作業指針」(「作業指針」)で規定されている。その登録までの流れを図示すると以下のようになる。 ;第1段階:各国の担当政府機関が暫定リスト(後述)記載物件のうち、準備の整ったものを推薦する。 ;第2段階:ユネスコ世界遺産センターが諮問機関<ref group = "注釈" name = "助言">Advisory Body を{{Harvnb|西村|本中|2017}}や{{Harvnb|東京文化財研究所|2017}}などは「諮問機関」と翻訳しているが、「助言機関」と訳す文献もある({{Harvnb|稲葉|2017}})。</ref>に評価依頼する。 ;第3段階:文化遺産候補については[[国際記念物遺跡会議]] (ICOMOS) が現地調査を踏まえて登録の可否を勧告する。文化的景観に関しては、IUCN とも協議が行われる場合がある。<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|pp=37-38}}</ref>。自然遺産候補については[[国際自然保護連合]] ([[国際自然保護連合|IUCN]]) が現地調査を踏まえて登録の可否を勧告する。 ;第4段階:[[世界遺産委員会]]で最終審議する。 ;最終段階:正式登録される。 === 暫定リスト ===<!-- 現状でのウィキプロジェクトの合意では、各国の世界遺産に関する記事に暫定リストを載せる場合、この節にリンクを貼ることになっています。実際、すでに複数の記事からリンクが貼られているため、節名の変更は慎重にお願いします --> [[ファイル:TsurugaokaHachiman-M8867.jpg|thumb|[[武家の古都・鎌倉|鎌倉の寺院・神社ほか]]<!--文化庁の現在の表記に合わせる。2018年2月1日時点。-->は、「不登録」勧告を受けて審議前に取り下げられたが、暫定リストには記載され続けている。また、鎌倉の文化財は[[日本遺産]]には選定されている。]] '''暫定リスト'''は、世界遺産登録に先立ち、各国がユネスコ世界遺産センターに提出するリストのことである。もともと文化遺産について、このリストに掲載されていないものを世界遺産委員会に登録推薦することは原則として認められていなかったが、「作業指針」の2005年の改訂で、自然遺産についても義務づけられるようになった<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟|2003|pp=47-48, 55}}</ref><ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|p=41}}</ref>。ただし、[[バム地震]](2003年)で壊滅的損壊を被った[[アルゲ・バム|バムとその文化的景観]](イラン、[[2004年]]登録)のように<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟| 2005|p=55}}</ref>、不測の事態によって緊急で登録する必要性が認められた場合には、「緊急登録推薦」に関する条項に従い、暫定リスト記載と推薦をほぼ同時に行うことが認められる場合がある<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|pp=46-47}}</ref>([[#緊急登録推薦|後述]])。 暫定リストは、各国が1年から10年以内をめどに世界遺産委員会への登録申請を目指すもののリストであり<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟|2008|p=45}}</ref>、10年ごとに見直し、再提出することが望ましいとされる<ref name = tobunken2017_p124 />。ただし、10年間推薦しなかったら除去しなければならないというものではない。たとえば日本の場合、1992年から暫定リストに記載され続けていた物件のうち、[[武家の古都・鎌倉|古都鎌倉の寺院・神社ほか]]が最初に推薦されたのはおよそ20年後のことであり(結果は本審議前に取り下げ)、[[彦根城]]は一度も推薦されたことがない。 暫定リスト掲載物件は、世界遺産委員会がその「顕著な普遍的価値」(OUV)を認めたものではなく、現在暫定リストに掲載されているものには、不登録勧告を受けて取り下げたものや、登録延期決議などを受けたものもある。ただし、世界遺産委員会で「不登録」([[#不登録|後述]])と決議されたものを暫定リストに掲載し続けることは、原則として認められていない(「作業指針」第68段落)<ref name = tobunken2017_p124>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|pp=124-126}}</ref><ref group = "注釈">不登録時と異なる評価基準に基づくなどして、新規に推薦することは認められている(「作業指針」第158段落)({{Harvnb|東京文化財研究所|2017|p=86}})。</ref>。 世界遺産委員会は、条約締結各国に対して、暫定リストへの掲載にあたっては、その遺産のOUVを厳格に吟味することや、保護活動が適正に行われていることを十分示すように求めている。また委員会は、暫定リスト作成では、まだ登録されていないような種類の物件に光を当てることや、世界遺産を多く抱える国は極力暫定リストを絞り込むことなどを呼びかけており、後述の「登録物件の偏り」を是正するための一助とすることを企図している<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟| 2001|p=55}}</ref>。 この暫定リストは、各国がOUVを持つと考える物件を加除できるリストである。それに対し、他国と争いのある物件などに関しては、世界遺産委員会の検証を踏まえるべきといった提案も出されているが、慎重な意見も出されている<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|p=42}}</ref>。[[第41回世界遺産委員会]]では、暫定リストが各国に独自に作成したリストであり、そこには世界遺産センターや委員会の意向は反映されていないと念押しされることになった<ref name="#4">{{Harvnb|二神|2018|p=29}}</ref>。 日本の場合、暫定リストへの記載は、[[文化庁]]、[[環境省]]、[[林野庁]]が担当するが、推薦に向けては上記3省庁に[[外務省]]、[[国土交通省]]、[[水産庁]]を加えた6省庁に、オブザーバーとしての[[文部科学省]]と[[農林水産省]]を加えた「世界遺産条約関係省庁連絡会議」を経る必要があった<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟|2006|p=49}}</ref><ref>{{Harvnb|安江|2011|p=35}}</ref>。同連絡会議はその後、参加する省庁が変更され、2017年時点では文化庁、環境省、林野庁、水産庁、外務省、国土交通省、[[経済産業省]]、[[宮内庁]]、[[内閣官房]]となっている<ref>{{Harvnb|世界遺産検定事務局|2017|p=35}}</ref><ref group = "注釈">2012年の閣議決定によって、[[稼働遺産]]についてのみは[[内閣官房]]の所管と定められ、[[明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業|明治日本の産業革命遺産]]は内閣官房作成の推薦書が、外務省経由で世界遺産センターに提出された{{Harv|日本ユネスコ協会連盟|2015|p=14}}。</ref>。同連絡会議を経て正式決定された物件は、それを踏まえて[[閣議]]了承がなされる<ref>{{Harvnb|世界遺産検定事務局|2016a|p=42}}</ref><ref group = "注釈">連絡会議があるとはいえ、文化遺産の候補は文化庁、自然遺産の候補は環境省と林野庁が実質的に選定するため、その縦割りな観点が日本に複合遺産がない一因という指摘もある{{Harv|日本ユネスコ協会連盟|2018|p=15}}。</ref>。 === 推薦 === [[ファイル:Taroko_National_Park+by_Steven+9287.jpg|thumb|台湾の候補地のひとつ、[[太魯閣国家公園|太魯閣(タロコ)国家公園]]]] 推薦書の提出は、原則として[[世界遺産条約締約国の一覧|世界遺産条約締約国]]のみにしかできない<ref name = sataki2006_p67>{{Harvnb|佐滝|2006|p=67}}</ref>。ゆえに、たとえば[[台湾]]は[[台湾の世界遺産候補地|世界遺産候補地リスト]]を独自に発表するなど世界遺産登録に前向きだが<ref>平野久美子 編著 『ユネスコ番外地 台湾世界遺産級案内』[[中央公論新社]]、2017年、pp.4-6, 120-125</ref>、[[世界遺産条約]]締約国ではなく、[[一つの中国]]を掲げる[[中華人民共和国]]も台湾の物件を推薦したことがないため、世界遺産委員会の審議対象になったことすらない<ref name = sataki2006_p67 /><ref>{{Harvnb|加治|2014|p=182}}</ref>。逆に[[バチカン市国]]は[[国際連合]]にもユネスコにも加盟していないが、世界遺産条約は締約しているため、[[バチカン市国 (世界遺産)|国全体が世界遺産]]である<ref>{{Harvnb|佐滝|2006|pp=66-67, 91}}</ref>。世界遺産条約締約国の保有でない例外は、[[エルサレムの旧市街とその城壁群]]のみである。これは[[エルサレム]]帰属をめぐる問題から、[[ヨルダン]]の申請で認められたが、[[ヨルダンの世界遺産]]ではなく、「エルサレム(ヨルダンによる申請)」と位置づけられている<ref>{{Harvnb|世界遺産検定事務局|2016a|p=209}}</ref>。このほか、現状の枠組みにおさまらない概念として、[[公海の世界遺産]]が模索されている。 推薦書に記載することが求められるのは、資産の登録範囲と内容、それがOUVを持つことの証明、脅威を与える要素などについてのモニタリングを含む保全関連の情報などの条項である<ref name = tobunken2017_p83 />。 正式推薦の締め切りは、審議予定の前年の2月1日だが<ref group = "注釈">世界遺産委員会が毎年12月に行われていた時は、前年7月1日が締め切りになっていた({{Harvnb|D・オルドリ|R・スシエ|L・ヴィラール|2005|p=71}})</ref>、そのさらに前の年の9月30日までに草案を提出し、[[世界遺産センター]]から不備を指摘されたうえで正式推薦書を提出することが認められている<ref name = tobunken2017_p83>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|p=83}}</ref>。草案の提出は任意だが、2月1日までに提出した正式推薦書に不備があった場合、諮問機関に回されずに翌年以降の再提出を求められる<ref name = tobunken2017_p83 />。 ==== 緊急登録推薦 ==== {{Double image aside|right|BAM_IR2726.JPG|180|Destruction_of_the_Bam_Citadel.jpg |180|崩壊前のバム(左)と崩壊後(右)}} '''緊急登録推薦'''の手続きは、その推薦物件がOUVを疑いなく保有する場合で、なおかつ重大な危険に直面しているなどの緊急を要する場合に、通常の手続きを飛び越えて推薦できることを指す(「作業指針」第161・162段落)<ref name = tobunken2017_p46>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|pp=46-47}}</ref>。緊急登録推薦の場合は、暫定リスト記載と推薦を同時に行い、かつ最速で同じ年に登録することが可能となる。この手続きで登録された場合、危機遺産リストにも同時に登録されることになっている<ref name = tobunken2017_p46 />。 この手続きで登録された資産には、ダム工事による浸水の危険があった[[アッシュール]](イラク)<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟| 2003|pp=50,55}}</ref>、大地震で被災した[[アルゲ・バム|バムとその文化的景観]](イラン)<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟| 2005|p=26}}</ref>などがある。[[パレスチナの世界遺産]]の場合は、最初の物件から3件連続でこの規定が適用されたが、このような手法には議論がある([[#政治問題化|後述]])。 === 諮問機関の勧告 === 上掲の図のように、自然遺産については[[国際自然保護連合]](IUCN)、文化遺産については[[国際記念物遺跡会議]](ICOMOS)が諮問機関<ref group = "注釈" name = "助言" />として、現地調査を踏まえて事前審査を行う<ref group = "注釈">[[世界遺産委員会]]の諮問機関と定められているのはICOMOS、IUCN およびICCROMのみである({{Harvnb|東京文化財研究所|2017|pp=14-15}})。</ref>。そこでの勧告は、後述の世界遺産委員会の決議と同じく「登録」「情報照会」「登録延期」「不登録」の4種である<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|p=39}}</ref>。世界遺産委員会は後述するように勧告を踏まえて審査するが、「登録」以外の勧告が出た物件が逆転で登録されることもあれば、勧告よりも低い評価が下されることもある<ref>{{Harvnb|佐滝|2009|pp=89-90}}</ref>。 現地に派遣される諮問機関の調査官は1人であり、その調査も踏まえて複数名で勧告書が作成される<ref>{{harvnb|佐滝|2009|p=81}}</ref>。ICOMOSの調査では、日本の場合、アジア・太平洋地区(後述)の調査官が原則として派遣される。これは他地区の調査官が厳しい評価を下した場合に、無用の批判が出るのを避けるためといわれている<ref>{{Harvnb|佐滝|2009| pp=156-158}}</ref>。 ==== アップストリーム・プロセス ==== [[ファイル:Namib-Naukluft_Sand_Dunes_(2011)_original.jpg|thumb|アップストリーム・プロセスが奏功した[[ナミブ砂漠|ナミブ砂海]]]] '''アップストリーム・プロセス'''とは、推薦手続きの中で世界遺産センターや諮問機関と対話を重ね、登録に向けた諸問題の解消ないし低減に資するための手続きである(「作業指針」第122段落)<ref name = tobunken2017_p134>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|pp=134-135}}</ref>。これは[[第32回世界遺産委員会]]で提案され<ref name = tobunken2017_p134 />、[[第34回世界遺産委員会]]での決議に基づき、[[第35回世界遺産委員会]]で試験的に導入する10件の対象が選定され、のちにこのプロセスを活用して[[ナミブ砂漠|ナミブ砂海]](ナミビア)、[[サウジアラビアのハーイル地方の岩絵]]などが世界遺産リスト登録を果たした<ref>{{Harvnb|西村|本中|pp=106-107}}</ref>。反面、ヨルダンの{{仮リンク|ペラ (ヨルダン)|label=ペラ|en|Pella,_Jordan}}のように、実施した結果、取り下げられた案件もある<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|p=107}}</ref><ref>{{Harvnb|鈴木|2017|p=38}}</ref>。アップストリーム・プロセスを全面導入するためには、費用の分担などの問題を解決する必要があるが、少なくとも推薦書作成の前に、諮問機関や世界遺産センターに助言を仰ぐことは推奨されるようになっている<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|p=109}}</ref>。[[第41回世界遺産委員会]](2017年)で正式な導入が決まったものの、上述の制約により、翌年から2年間は年間10件のみを選定して実施することとなった<ref>{{Harvnb|鈴木|2017|pp=37-38}}</ref>。 なお、推薦書の提出後には、諮問機関と推薦国の接触は認められていなかったが、[[ラージャスターンの丘陵城塞群]]の評価を不満とした推薦国インドの提案をきっかけとして、その期間に諮問機関の特別助言ミッションが派遣されることも行われるようになった<ref>{{Harvnb|稲葉|2013a|p=23}}</ref>。また、[[第40回世界遺産委員会]](2016年)審議分から、正式な勧告の前に諮問機関が「中間報告」を出すことになり、推薦の取り下げや推薦書の大幅改訂などの対応をとりやすくなった<ref>{{Harvnb|二神|2016|pp=30-31}}</ref>。日本の[[長崎の教会群とキリスト教関連遺産]]は、中間報告を踏まえて、大幅な再検討が必要との判断から取り下げられた例である<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟|2016|p=33}}</ref>(2018年に正式登録)。 === 事前評価制度の導入 === 2023年より事前評価制度(プレリミナリー・アセスメント)が導入されることになった。これは世界遺産委員会における新規登録審査において、諮問機関(ICOMOS・IUCN)の勧告を政治的思惑で覆すことが増えている状況を憂慮し、大前提である学術的価値を重視することを再確認するとともに、審査時間の短縮やより確実な登録へ導くこと(あるいは登録の可能性が低いものの排除)が目的で、推薦書作成前の段階から諮問機関が関わり助言することが[[第43回世界遺産委員会]]で決まった<ref>{{Cite news |url=https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190821-00000115-jij-soci |title=世界遺産「事前評価」へ=諮問機関の書面審査導入-審査費用の負担制度も |newspaper=時事通信 |publisher=Yahoo!ニュース |date=2019-08-21 |accessdate=2023-07-17}}{{リンク切れ|date=2023年7月}}</ref>。 2023年より運用が始まる制度であるが、暫定リスト掲載から30年の歳月を経ていながら3年連続で推薦書原案を文化庁に提案するも文化審議会に推薦物件として選定されることがなかった[[彦根城]]がこれを利用することになった<ref>{{Cite news |url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230704/k10014118071000.html |title= 「彦根城」世界遺産の事前評価で登録へ 今年度の推薦は見送り |newspaper=NHK |date=2023-07-04 |accessdate=2023-07-17}}</ref>。 制度初年度は申請締切が9月15日に設定され、諮問機関に推薦書原案を提出して内容を点検、必要に応じて現地視察を招聘することも可能で(費用は当該地負担)、1年後の10月1日までに評価結果が提示される。ここで得た指摘事項を是正したり、推薦書の書き直しを図る。制度としてこの補正期間に1年間充てる必要があるため、正式推薦は3年後(2023年申請の場合2026年)の推薦書提出締切日の2月1日までとなる(提出後に内容の修正が可能な暫定版推薦書は前年の9月末日までに提出できる)。以後の進行過程は従来どおりで、正式版推薦書が受理された場合はその年の夏~秋にかけて諮問機関の現地調査が行われ、翌年の世界遺産委員会で登録審査をうけることになる(2023年申請の場合2027年)。但し、諮問機関から推薦に向いていないなどと示唆される恐れもあり、その場合には推薦を一旦取り下げ、基本的なコンセプトや構成資産の見直しを図らなければならなくなるが、暫定リストからの抹消を勧告される可能性もある<ref name=prelimi>{{PDF|[https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/pdf/93911101_05.pdf ユネスコにおける世界遺産の登録プロセスの変更(事前評価制度の導入)]}} 文化庁文化審議会 2023年7月4日</ref>。 なお、事前評価制度は2027年審査分より全ての推薦物件に義務として適用される。この場合、申請は2024年に行わなければならない<ref name=prelimi />。 === ビューロー === '''ビューロー'''<ref>{{lang-en|links=no|bureau}}</ref>は、世界遺産委員会の21か国の委員国のうち、議長、副議長(5人)、書記<ref group = "注釈">{{lang|fr|rapporteur}} はそのままカタカナで「ラポルトゥール」と書かれることもあり、カッコ書きで「全体書記」{{Harv|東京文化財研究所|2017|p=27}}、「書記」{{Harv|日本ユネスコ協会連盟| 2000|p=51}}などと併記される。{{Harvnb|世界遺産検定事務局|2016a}}や{{harvnb|鈴木|2017}}のように、カタカナを使わずに「書記」「書記国」と表記する例もある。</ref>のみで行われる会議である<ref name = tobunken2017_p27>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|pp=27-28}}</ref>。'''ビューロー会議'''などとも呼ばれる<ref>{{Harvnb|世界遺産検定事務局|2016a|pp=18-19}}</ref>。2001年までは世界遺産委員会が12月開催だったが<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟|2002b|p=50}}</ref>、そのころは半年ほど前と直前にビューローが開催されていた<ref name = inaba2017_p43>{{Harvnb|稲葉|2017|p=43}}</ref>。特に半年前のビューローは、実質的に世界遺産の新規登録の可否を決定する場となっており、12月の委員会開催までに勧告を覆す余地はあったが<ref name = inaba2017_p43 />、世界遺産委員会の場で覆されることはないのが普通だった<ref name="#5">{{Harvnb|七海|2006|p=27}}</ref>。この当時のビューローの権威は高かった反面、21か国の委員国の中でも特に限られた国々に強い決定権が集まることへの批判もあった<ref>{{Harvnb|七海|2006|p=28}}</ref>。そのため、世界遺産委員会が6、7月ごろの開催となった2002年の4月に開催されたビューローを最後に、世界遺産登録の可否は、正規の委員会審議に一本化されることになった<ref name = inaba2017_p43 />。 以降、ビューローは世界遺産委員会の会期中に、議事の調整や日程の管理など、限られた事項のみを扱うようになっている<ref name = tobunken2017_p27 />。 === 世界遺産委員会の決議 ===<!--すでに一定数の記事がこの節にリンクしています。節名の変更は慎重に願います。--> [[File:第22回世界遺産委員会.JPG|thumb|第22回世界遺産委員会([[国立京都国際会館]]、1998年)での[[松浦晃一郎]]とフォン・ドロステ]] [[世界遺産委員会]]は、諮問機関の勧告を踏まえて推薦された物件について審査を行い、「'''登録'''」「'''情報照会'''」「'''登録延期'''」「'''不登録'''」のいずれかの決議を行う(「作業指針」第153 - 164段落)<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|p=65}}</ref>。「登録」勧告が出された物件が、世界遺産委員会で覆されたことはほとんどない。例外的な事例は、後述の領土問題が絡む案件を除けば、遺跡の復元方法をめぐって委員国が反対した[[ボルガル遺跡]](ロシア。のちに正式登録)<ref name="#1"/>、地元との調整不足を理由に推薦国自らが先送りを提案した{{仮リンク|ピマチオウィン・アキ|en|Pimachiowin_Aki}}(カナダ。のちに正式登録)<ref>{{Harvnb|米田|2016|p=31}}</ref>など、ごくわずかである。 世界遺産委員会には臨時委員会も存在するが、世界遺産は原則として正規の委員会でしか登録されない。[[第45回世界遺産委員会]](2023年)まででの例外は、1981年の臨時委員会で登録された[[エルサレムの旧市街とその城壁群]]<ref group = "注釈">この登録は、アメリカが反対する中で投票に持ち込まれ、賛成14票で登録が決まったものだった{{Harv|稲葉|2017|p=40}}。</ref>、2023年1月に登録された[[オデーサ|オデーサ歴史地区]](ウクライナ)、[[マアリブ (イエメン)|マアリブ]]の古代[[サバア王国]]記念建造物群(イエメン)、[[トリポリ (レバノン)|トリポリ]]のラシード・カラーミー国際見本市(レバノン)の4件のみである。 ==== 登録 ==== 「登録」(記載<ref>{{lang-en|links=no|inscribe}}</ref><ref group = "注釈" name = decide>4種の決議の英語は{{Harvnb|東京文化財研究所|2017}}に従って、動詞(句)で示した。{{harvnb|西村|本中|2017}} (p.39) のように、inscription / referral / deferral / not to inscribe と名詞(句)で示している場合もある。</ref>)は、世界遺産リストへの登録を正式に認めるものである。「作業指針」の2005年の改定を踏まえ、2007年以降は正式に登録された場合、OUVの言明をしなければならなくなった<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|pp=102, 120}}</ref>。OUVの言明とは、A4判2枚の要約で、資産の概要、適用された登録基準、真正性、完全性、保存状況などがまとめられている<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|p=120}}</ref>。2007年以前に登録された資産は義務づけられていなかったが、それらについても順次、遡及的な言明が要請されることとなった。たとえば、日本の場合は2014年に遡及的な言明がすべて完了している<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|p=103}}</ref>。 ==== 情報照会 ==== 「情報照会」<ref>{{lang-en|links=no|refer}}</ref><ref group = "注釈" name = decide />は一般的に顕著な普遍的価値の証明ができているものの、保存計画などの不備が指摘されている事例で決議され<ref name = Suzuki_p19>{{Harvnb|鈴木|2008|pp=19-20}}</ref>、期日までに該当する追加書類の提出を行えば、翌年の世界遺産委員会で再審査を受けることができる。ただし、3年以内の再推薦がない場合は、以降の推薦は新規推薦と同じ手続きが必要になる(「作業段落」第159段落)<ref name = tobunken2017_p96>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|p=96}}</ref>。 「情報照会」決議は、最速で翌年の再審議を可能にする。そのため、推薦国は、その年の登録が難しいという勧告を受けた場合、次善の策として望む決議であり、委員国への働きかけも顕著である<ref name = tobunken2017_p96 />。しかし、「情報照会」決議が出てしまうと、推薦書の大幅な書き換えは認められず、推薦範囲の変更などもできないため、安易な「情報照会」決議は、かえって正式な登録を遠ざける危険性があることも指摘されている<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|pp=96-97}}</ref>。実際、インドの{{仮リンク|マジュリ島|en|Majuli}}は第30回世界遺産委員会では「登録延期」勧告を覆して「情報照会」決議とされたが、[[第32回世界遺産委員会]]の審議では「登録延期」決議とされ、かえって登録が遠のいてしまった<ref>{{Harvnb|稲葉|2009|pp=38-39}}</ref>。 ==== 登録延期 ==== [[ファイル:Australia_sidney.jpg|thumb|[[シドニー・オペラハウス]]。最初の「登録延期」勧告から登録までに26年を要した。2017年時点では、もっとも年代の新しい世界遺産でもある<ref name = NM_p170 />。]] 顕著な普遍的価値の証明などが不十分と見なされ<ref name = Suzuki_p19 />、より踏み込んだ再検討が必要な場合は「登録延期」(記載延期<ref>{{lang-en|links=no|defer}}</ref><ref group = "注釈" name = decide />)と決議される。この場合、必要な書類の再提出を行ったうえで、諮問機関による再度の現地調査を受ける必要があるため、世界遺産委員会での再審査は、早くとも翌々年以降になる<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|p=39}}</ref>。 「登録延期」はしばしば不名誉なものと捉えられることがある。日本の場合、最初に「登録延期」決議が出たのは[[平泉|平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―]]である<ref group = "注釈">日本の推薦で最初に「登録延期」『勧告』が出たのは[[石見銀山|石見銀山遺跡とその文化的景観]]だったが、こちらは委員会審議で逆転登録を果たしていた。</ref>。このとき、日本では「落選」「平泉ショック」などと報じられ、他の自治体の世界遺産登録に向けた動きにも影響を与えた<ref>{{Harvnb|佐滝|2009|pp=154-156, 184}}</ref>。 「登録延期」決議は確かに「情報照会」決議よりも一段下と位置づけられる決議だが、専門家からは、むしろ時間をかけて価値の証明を深化させる機会を与えられたと解すべきで、不名誉なものではないとも指摘されている<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|pp=39-40}}</ref>。なお、最初の「登録延期」決議から正式登録までに長期を要した遺産の例としては、30年を要した[[湖水地方|イングランドの湖水地方]]<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|p=140}}</ref>、26年を要した[[シドニー・オペラハウス]] <ref name = inaba2008a_p37 />などがある。 ==== 不登録 ==== 顕著な普遍的価値を認められなかった物件は、「不登録」(不記載<ref>{{lang-en|links=no|not inscribe}}</ref><ref group = "注釈" name = decide />)と決議される。「不登録」と決議された物件は、原則として再推薦することができない。ただし、新しい科学的知見が得られるなどした場合や、不登録となったときとは異なる登録基準からの価値を認められる場合には、推薦が可能である<ref name = tobunken2017_p86>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|p=86}}</ref><ref>{{Harvnb|世界遺産検定事務局|2016a|p=19}}</ref>。 諮問機関の勧告の時点で「不登録」勧告が出されると、委員会での「不登録」決議を回避するために、審議取り下げの手続きがとられることもしばしばである。たとえば、2012年の[[第36回世界遺産委員会]]では、「不登録」勧告を受けた推薦資産は9件<ref group = "注釈">複合遺産として推薦され、自然遺産として「不登録」勧告を受けたものの、文化遺産として「登録」勧告を受けた1件を除く。</ref>あったが、うち5件は委員会開催前に取り下げられた<ref>{{harvnb|西|2012b|p=49}}</ref>。「不登録」決議は、推薦国にとって何のメリットもないと考えられていたからである<ref name = tobunken2017_p86 />。しかし、[[第41回世界遺産委員会]]では「不登録」勧告を受けた資産の多くが取り下げず、審議に臨んだ5件のうち4件が「登録延期」ないし「情報照会」決議となった。この従来と異なる傾向は、[[2000年代]]半ばから増えるようになった諮問機関と推薦国との意見の対立を示すものとされる<ref name = inaba2017_p41>{{Harvnb|稲葉|2017|p=41}}</ref>。 なお、[[世界遺産委員会]]などでの審議の結果、登録が見送られた物件を指して裏世界遺産と呼ぶことがある<ref>『地球の歩き方MOOK 見て読んで旅する世界遺産』ダイヤモンド・ビッグ社、2002年、pp.142-143「裏世界遺産から、世界遺産の真価を読む」</ref><ref>{{Harvnb|佐滝 |2006|pp=204-206}} 「『裏世界遺産』」</ref>。もともとインターネット上の私的な[[ウェブサイト]]<ref>{{cite web |url=http://homepage1.nifty.com/uraisan/index.html |title=世界遺産資料館 |accessdate=2011年2月22日 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20161102045431/http://homepage1.nifty.com/uraisan/index.html |archivedate=2016年11月2日 }}</ref>で打ち出された概念であり、公式な呼称ではない。 === モニタリング === 世界遺産における'''モニタリング'''<ref>{{lang-en|links=no|monitoring}}</ref>とは、保全管理に関わる指標や影響を及ぼす要素を明示することで、推薦書に盛り込まなければならないものと、登録後に行われるものの2種類ある<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|pp=73-74}}</ref>。ただし、これらはまったく同じ用語を用いても、手続きとしては別個のものである<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|p=74}}</ref>。 推薦書におけるモニタリングの項目に不備があれば、「情報照会」勧告などが出される場合がある<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|p=79}}</ref>。 登録後のモニタリングには、定期報告とリアクティブ・モニタリングの2種類がある。'''定期報告'''<ref>{{lang-en|links=no|periodic report}}</ref>は6年ごとにすべての登録資産に対して実施するものであり、アジア・太平洋、アフリカなどの地域を単位として少しずつ時期をずらし、世界遺産としての価値の維持と保全状況、その他情報の更新などを確認する<ref name = tobunken2017_p91>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|pp=91-92}}</ref>。第1期の定期報告は2000年から2006年に実施された<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|p=79}}</ref>。2008年から2012年に第2期の定期報告がすべて終わり、2015年の第39回世界遺産委員会でとりまとめられた<ref name = tobunken2017_p91 />。 '''リアクティブ・モニタリング'''<ref>{{lang-en|links=no|reactive monitoring}}</ref>は、定期報告とは別の手続きであり、定期報告が保有国による報告なのに対し、世界遺産が何らかの脅威に晒されていると判断された場合に、世界遺産センターないし諮問機関が行う<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|pp=74-75}}</ref>。当然、抹消の可能性がある世界遺産や危機遺産リスト登録物件なども対象になる(第169 - 170段落)<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|pp=94-95}}</ref>。 しかし、リアクティブ・モニタリングは世界遺産委員会の決議を踏まえなければならず、保有国の協力も得ねばならないため、緊急の事態や保有国が非協力的な場合などには、十分に機能しない問題点を含む<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|p=76}}</ref>。 そこで新たに導入されたのが'''強化モニタリング体制'''<ref>{{lang-en|links=no|reinforced monitoring mechanism}}</ref>である。これは、世界遺産委員会の決議なしに、ユネスコ事務局長の判断で現地調査を可能にする仕組みであり、2007年の[[第31回世界遺産委員会]]で導入された<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|pp=76-77}}</ref>。これは、世界遺産委員会が開かれていない時期にも即応して、複数の報告書を提出できる仕組みであったが、2017年時点では正式な「作業指針」には盛り込まれていない<ref name = tobunken2017_p98>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|pp=98-99}}</ref>。 もともとの原則では危機遺産登録物件のみとされており<ref name = tobunken2017_p98 />、実際、2007年に対象になったのはそうだったが、2008年には[[マチュ・ピチュの歴史保護区]]など、危機遺産リスト外の物件も対象に含まれた<ref name="#6">{{Harvnb|稲葉|2009|p=40}}</ref>。その辺りの時期には、危機遺産リストに登録する代わりに、強化モニタリング対象としたケースもあったとされている<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|p=77}}</ref>。 == 登録後の変更 == === 名称 === 推薦する際の名称は、推薦国が英語とフランス語でつける。諮問機関は、資産の特色をよりよく表すような改名を勧告する場合があり、推薦国自身がそれを踏まえて改名することもある。たとえば、「[[明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業]]」は当初の推薦名「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」を、ICOMOSの勧告を踏まえて改名したものである<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟| 2015|p=15}}</ref>。逆に、[[平泉|平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―]]の場合は「考古学的遺跡群」を外すことを勧告されたが、反対する日本の見解を世界遺産委員会も支持したため、推薦どおりの名称で登録された<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟| 2012|p=7}}</ref>。 登録後にも名称の変更は可能であり、保有国の申請を世界遺産委員会が承認すれば認められる<ref name = tobunken2017_p77>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|p=77}}</ref>。[[ナチス]]の施設であることを明確にするために「アウシュヴィッツ強制収容所」が「アウシュヴィッツ=ビルケナウ ナチス・ドイツの強制絶滅収容所(1940 - 1945)」に変更された例や<ref>{{Harvnb|稲葉|2007a|p=50}} および{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟|2008|p=15}}</ref>、地元文化を尊重するためと推測されている英語「スケリッグ・マイケル」から[[ゲール語]]「[[シュケリッグ・ヴィヒル]]」(アイルランド)への変更の例<ref name = tobunken2017_p77 /><ref group = "注釈">世界遺産登録名は英語とフランス語だが、翻訳を交えずに現地語をそのまま利用する事例もまま見られる。[[ハル・サフリエニの地下墳墓|{{lang|mt|Ħal Saflieni Hypogeum}}]](マルタ)、[[姫路城|Himeji-jo]](日本)、[[キジ島|Kizhi Pogost]](ロシア)など。</ref>などを挙げることができる。 なお、英語・フランス語による世界遺産登録名には、公式の日本語訳は存在しない。[[日本ユネスコ協会連盟]]、[[世界遺産アカデミー]]など、各団体がそれぞれの判断で日本語訳をつけている。結果、物件によっては文献ごとに表記の異なる場合が存在する。 === 軽微な変更 === [[ファイル:Tiger Leaping Gorge.jpg|thumb|三江併流]] 登録範囲の「軽微な変更」<ref>{{lang-en|links=no|minor modifications}}</ref>とは、「顕著な普遍的価値」(OUV)に大きな影響を及ぼさない範囲の変更で、緩衝地帯の設定もこれに含まれる(「作業指針」第163段落およびAnnex 11)<ref name = tobunken2017_p74>{{Harvnb|東京文化財研究所|2013|p=74}}</ref>。原則として、理由説明の合理性などに問題がなければ、世界遺産委員会でも大きな議論なしに承認される。たとえば、2016年に[[紀伊山地の霊場と参詣道]]へ[[闘鶏神社]]ほか22地点が追加されたのは「拡大」<ref>{{lang-en|links=no|extension}}</ref>ではなく、「軽微な変更」である<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟| 2016|pp=18-19}}</ref>。 「軽微」な範囲を超えると認識される場合は、重大な変更として、いわゆる「拡大」登録の手続き(新規推薦と同じ)で審議されることになる。軽微か重大かの明確な線引きはなく、総合的に判断される<ref name = yoneda2011>{{Harvnb|米田|2011|p=41}}</ref>。たとえば、[[第34回世界遺産委員会]]では[[三江併流|雲南の三江併流保護地域群]](中国)をめぐって議論になった。この世界遺産の一部地域における登録前からの資源採掘活動が明らかになったことを受けて、保有する中国当局は採鉱地域(総面積約170 万[[ヘクタール]]のうち7万ヘクタールほどにあたる)を除外することなどを提案したのである<ref name = yoneda2011 />。最終的に投票に持ち込まれた結果、3分の2の賛成を得て「軽微な変更」として承認されたが<ref name = yoneda2011 />、[[第35回世界遺産委員会|翌年の世界遺産委員会]]では、採鉱などを理由とする変更は常に「重大な変更」として扱うことが決められた<ref name = tobunken2017_p74 />。 === 重大な変更 === {{Double image aside|right|Bagrati_cathedral,_Georgia.jpg|180|Katedra_Bagrati.JPG|180|バグラティ大聖堂は再建後(右)に真正性が失われたと判断された<ref name="#7">{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|pp=111-112}}</ref>}} 登録範囲の「重大な変更」<ref>{{lang-en|links=no|significant modifications}}</ref>とは、範囲を大幅に変更するのみでなく、OUVにも影響を及ぼす変更を指し、新規登録物件と同じ手続きが適用される<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|p=111}}</ref>。いわゆる「'''拡大登録'''」('''拡張登録''')がこれにあたるが、逆に縮小登録にも適用される。 「拡大登録」は、たとえば「[[ダージリン・ヒマラヤ鉄道]]」に[[ニルギリ山岳鉄道]]などが加わって「[[インドの山岳鉄道群]]」に拡大された例などが該当する。ただし、1980年登録の[[バージェス頁岩]]が1984年新規登録の[[カナディアン・ロッキー山脈自然公園群]]に統合されたように<ref>{{Harvnb|世界遺産検定事務局|2016b|p=392}}</ref>、「拡大」という形式をとらない事例もある。また、こうした範囲変更に伴って、世界遺産登録基準が変更される場合もある。前述の[[ビャウォヴィエジャの森]]もその例である。 逆に縮小になった最初の例は[[ゲラティ修道院]]([[ジョージア (国)|ジョージア]])である。もとは[[バグラティ大聖堂]]とともに[[グルジア王国]]時代の傑作として登録されていたが<ref>{{Harvnb|世界遺産検定事務局|2016b|p=236}}</ref>、大聖堂の再建工事により真正性が失われたと判断され、2017年にゲラティ修道院のみの登録へと切り替えられた<ref>{{Harvnb|鈴木|2017|p=37}}</ref>。これは顕著な普遍的価値(OUV)を失った要素を切り捨て、残る部分のOUVを保持するという新しい手法である<ref name="#7"/>。 == 抹消 == [[ファイル:Dresden_Luftbild_Stadtteil_Neustadt_2005.jpg|thumb|抹消された[[ドレスデン・エルベ渓谷]]とヴァルトシュレスヒェン橋]] {{Main|抹消された世界遺産}} 世界遺産は、登録時に存在していたOUVが失われたと判断された場合、もしくは条件つきで登録された物件についてその後条件が満たされなかった場合に、リストから「'''抹消'''」<ref>{{lang-en|links=no|deletion}}</ref>されることがある(「作業指針」第192 - 198段落)<ref name = tobunken2017_p42>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|pp=42-43}}</ref>。 初めて抹消されたのは、[[2007年]]の[[アラビアオリックスの保護区]]([[オマーン]])である。この物件はもともと保護計画の不備を理由とするIUCNの「登録延期」勧告を覆して登録された経緯があったが、計画が整備されるどころか保護区の大幅な縮小などの致命的悪化が確認されたことや、オマーン政府が開発優先の姿勢を明示したことから、抹消が決まった<ref>{{Harvnb|稲葉|2008a|p=38}}</ref>。[[2009年]]には[[ドレスデン・エルベ渓谷]]([[ドイツ]])が抹消されている。これは、世界遺産委員会が「景観を損ねる」と判断した橋の建設が、警告にもかかわらず中止されず、住民投票を踏まえて継続されたことによる<ref>{{Harvnb|稲葉|2010|p=35}}</ref>。2021年には、やはり再開発との関わりで[[海商都市リヴァプール]](イギリス)が抹消されている<ref>『読売新聞』2021年7月23日朝刊7面「英リバプール 世界遺産抹消 再開発が原因」</ref>。また、上述のように、構成資産の一部を抹消して登録範囲を縮小する事例も登場している。 その一方、世界遺産条約採択40周年記念最終会合(2012年)では、参加した専門家たちからは、国際協力の本旨に照らせば、リストからの抹消は責任放棄にあたるという批判が提起された<ref>{{Harvnb|文化庁記念物課世界文化遺産室|2013|p=8}}</ref>。 なお、抹消の条件は以上の通りであり、世界遺産条約からの脱退などの場合の扱いは明記されていない。ただし、専門家からは、脱退すれば各種手続きを取れず、世界遺産エンブレムすら使用できなくなるため、リストから抹消されずとも、世界遺産でなくなるに等しいと指摘されている<ref name = tobunken2017_p42 />。{{-}} == 課題と対応 == === 登録国の偏り === [[ファイル:UNESCO World Heritage.svg|thumb|300px|各国の世界遺産登録状況]] [[第45回世界遺産委員会]](2023年)までで、世界遺産は1,199件登録されているが、その内訳は文化遺産933件、自然遺産227件、複合遺産39件である<ref name = WHC_List />。一見して明らかな通り、文化遺産の登録数の方が圧倒的に多く、地域的には文化遺産の約半数を占めるヨーロッパの物件に偏っている([[世界遺産条約締約国の一覧]]参照)。 また、イタリア(59件)、中国(57件)、ドイツ・フランス(各52件)、スペイン(50件)<ref group = "注釈">スペインとフランスで共有している「[[モン・ペルデュ|ピレネー山脈のモン・ペルデュ]]」などは、スペイン、フランス双方に各1件として加算している。</ref>など非常に多くの物件が登録されている国がある一方で、世界遺産条約締約195か国中、[[世界遺産を保有していない国の一覧|1件も登録物件を持たない国]]が27か国ある(数字はいずれも第45回世界遺産委員会登録分まで)<ref name = WHC_List>[http://whc.unesco.org/en/list UNESCO World Heritage Centre : World Heritage List (英語)]</ref>。西アジア史の専門家からは、西アジアの世界遺産が少ないことの一因は、文化財保護の思想自体がヨーロッパ由来のものであって西アジアにとっては新しい概念であること、言い換えると、制度設計そのものが欧米中心主義に根ざしていることなどを指摘する意見も出されている<ref>{{Harvnb|羽田|2005|pp=197-204}}</ref>。 もともと[[世界遺産委員会]]の委員国に、地域の割り当ては設定されていなかった。ユネスコ本体の場合、執行委員に[[西ヨーロッパ|西欧]]・[[北アメリカ|北米]]、[[東ヨーロッパ|東欧]]、[[ラテンアメリカ|中南米]]、[[アジア]]・[[太平洋]]、[[アフリカ]]の5地域の割り当て枠があるのに対し、文化の衡平性に配慮するなどの理由で世界遺産委員会には21世紀初頭まで割り当て枠が存在しなかったのである<ref name="#5"/>。その結果、1999年の時点でわずか10か国が3度も委員国(任期6年)を務めていたのに対し、当時の締約国の6割にあたる95か国が一度も任命されたことがなく、前者にはイタリアをはじめとする世界遺産保有数の多い国がいくつも含まれていた<ref>{{Harvnb|七海|2006|pp=25-26}}</ref>。こうした問題点を踏まえ、「作業指針」および「締約国会議手続規則」が改定され、委員国は「自発的に」6年を4年に短縮すべきこと、再選までに最低6年を置くこと、「西欧・北米」「東欧」「ラテンアメリカ・カリブ海」「[[アラブ諸国]]」から各2か国、「アジア・太平洋」から3か国、「アフリカ」から4か国の最低割り当て枠を設定することなどが定められている<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|pp=139-140}}</ref>。 [[ファイル:PitonValley.JPG|thumb|ピトン管理地域。経済的な小国にとって、観光振興に繋がる世界遺産の登録は決定的に重要であり、セントルシアでも認定書授与式は国を挙げての大イベントになったという<ref>{{Harvnb|松浦|2008|p=268}}</ref>。]] 世界遺産審議に当たっては、世界遺産を持たない(もしくは少ない)国の推薦を優先することとされるが、これが過剰に考慮されることへの批判もある。たとえば、[[セントルシア]]初の世界遺産「[[ピトン|ピトン管理地域]]」(2004年)が諮問機関の厳しい評価を覆して逆転で登録された背景には、同国がそれまで世界遺産を持っていなかった事情が斟酌された可能性が指摘されている<ref>{{Harvnb|七海|2006|p=4}}</ref>。これは例外ではなく、2011年の[[第35回世界遺産委員会]]では、ついに登録勧告された物件よりも逆転登録された物件が上回り、価値の証明や保護管理計画の不十分な物件を世界遺産に登録してしまうことは、諮問機関からも問題視される事態になった<ref name = yoshida2012_p26>{{Harvnb|吉田|2012a|p=26}}</ref>。この際に逆転を果たした物件は、アフリカ、アラブ、ラテンアメリカの物件が主だった<ref name = yoshida2012_p26 />。こうした傾向は、2002年に策定され、2007年に改訂された戦略的行動指針の中では、「信頼性」に関わる問題点とされている<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|pp=122-123}}</ref>。そもそも現在の[[主権国家]]の国境線は、自然や文化の代表性に配慮して引かれているわけではないため、すべての条約締約国が各1件以上の世界遺産を持つことは、かえってリストに偏りをもたらす可能性もある<ref>{{Harvnb|河上|2008|pp=16-17}}</ref>。 このような世界遺産の地域格差とその是正策としての優先制、あるいは真正性・価値観の押しつけを「上から目線で、世界遺産はユネスコの[[覇権主義]]の道具と化し、ユネスコのための[[文化ヘゲモニー]]である」との辛辣な批判意見も噴出してきている<ref>{{Cite web |url=https://www.nottingham.ac.uk/home/featureevents/2018/world-heritage-authenticity-development-and-espistemological-de-linking.aspx |title=World heritage: authenticity, development and espistemological de-linking |work=Donna Chambers |publisher=[[:ja:ノッティンガム大学|University of Nottingham]] |date=2018-03-09 |accessdate=2018-07-21}}</ref>。 ==== 経済格差 ==== 世界遺産は推薦にも多額の資金を必要とする。たとえば、[[琉球王国のグスク及び関連遺産群]]の推薦には1億円以上かかったと言われており<ref>{{Harvnb|佐滝|2009|p=221}}</ref>、こうした費用は、場合によっては数十億かかることさえあるという<ref>{{Harvnb|田中|2009|p=9}}</ref>。その内訳は、推薦書を実際に執筆する専門家の人件費、推薦書に添付する写真などを手がけるコンサルタント会社への委託料などで、推薦書の作成に向けた専門家会議の開催なども上乗せされることがある<ref>{{Harvnb|佐滝|2009|pp=220-221}}</ref>。 さらに、世界遺産の推薦書は英語かフランス語で書かれなければならないため、これらの言語を公用語としていない国の場合、それらの言語に堪能な専門家を手配する必要も生じる<ref name = tanaka_p11 />。たとえば、旧[[ソビエト社会主義共和国連邦|ソ連]]構成国だった3国([[ウズベキスタン]]、[[カザフスタン]]、[[キルギス]])の推薦だった[[西天山]]は、まさにそのような困難に直面し、[[世界遺産センター]]の支援を受けた<ref name = tanaka_p11 />。結果として、[[開発途上国]]はこうした費用を十分に負担できず、不備のある推薦書の提出によって正式な審議までたどり着けないことも起こる<ref name = sataki2009_p222>{{Harvnb|佐滝|2009|pp=222-223}}</ref>。西天山のように、[[世界遺産基金]]には途上国の推薦支援に回される分もあるが、それとて十分ではなく、支援が回ってこない国々も少なくない<ref name = sataki2009_p222 /><ref name = tanaka_p11>{{Harvnb|田中|2009|p=11}}</ref>。こうした事態が、さらなる偏りを助長しているという指摘もある<ref name = sataki2009_p222 /><ref name = tanaka_p11 />。 === 種類の偏り === 前述のように、内容的には文化遺産のほうが圧倒的に多い。これは、前述のように自然遺産と違い、文化遺産は研究の深化に従って種類が増えていくという性質の違いのほかに、ほかの制度との関わりの違いを指摘されている。すなわち、自然遺産の場合、MAB計画、[[ラムサール条約]]など、世界的なリストアップや保護のための制度が多層的に整備されていて、その中の最上のものを世界自然遺産とできるのに対し、文化遺産の場合には類似の仕組みがなく、世界遺産に集中してしまう傾向があるのだという<ref>{{Harvnb|稲葉|2016|p=7}}</ref>。 そうした不均衡是正の試みとして、「'''世界遺産リストの代表性、均衡性、信用性のためのグローバル・ストラテジー'''」<ref>{{ISO639言語名|en}}:『{{lang|en|the Global Strategy for a Representative, Balanced and Credible World Heritage List』1994年}}</ref>が打ち出され、[[文化的景観]]、[[産業遺産]]、[[20世紀]]遺産などを登録していくための比較研究の必要性が示された<ref>[http://whc.unesco.org/archive/global94.htm#debut Expert Meeting on the "Global Strategy" and thematic studies for a representative World Heritage List]</ref><ref>{{Harvnb|世界遺産検定事務局|2016a|pp=33-35}}</ref>。2004年から具体的な作業が行われている「顕著な普遍的価値」の再定義や、暫定リスト作成時点で、偏りをなくすような適切な選択がなされるように働きかけていくことなどもその例である<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟| 2005|pp=50-51}}</ref>。 ==== 文化的景観 ==== {{main|文化的景観}} [[ファイル:Tongariro_National_Park-109575.jpg|thumb|世界遺産としての文化的景観第1号となった[[トンガリロ国立公園]]]] 文化的景観は1992年に取り入れられた文化遺産の類型であり、人と自然がともに作り上げてきた景観を指す<ref name = sekaken2016a_p32>{{Harvnb|世界遺産検定事務局|2016a|pp=32-33}}</ref>。これは、人が自然環境から制約を受ける中、そこから諸々の影響を受けつつ進化してきたことを示す文化遺産である(「作業指針」第47段落)<ref name = sekaken2016a_p32 /><ref name = tobunken2017_p37>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|p=37}}</ref>。その中身は、[[庭園]]のように人間が設計した空間の中に自然を取り込んだ景観、[[棚田]]のように[[農林水産業]]をはじめとする人間の諸活動と有機的に結びついた景観、そして、[[自然の聖地]]のように人間が宗教上や芸術上の価値を付与してきた景観などに分けることができる<ref name = sekaken2016a_p32 /><ref name = tobunken2017_p37 />。 世界遺産の中での文化的景観第1号は、自然遺産として登録されたあと、[[マオリ]]の崇拝の対象となってきた文化的要素が認定されて複合遺産となった[[トンガリロ国立公園]](ニュージーランド、1993年拡大)である<ref>{{Harvnb|松浦|2008|pp=150-151}}</ref>。しかし、その起源となる議論は1981年から始まっており、その議論で重要な役割を果たした物件が[[湖水地方|イングランドの湖水地方]]であった。それは1987年と1990年にそれぞれ登録延期決議となったが、その検討は文化的景観の概念の確立の上で重要な役割を果たしたとされる(2017年に正式登録)<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|pp=123, 140}}</ref>。 イギリスの物件では、自然遺産[[セント・キルダ]](1986年)の拡大も大いに議論を引き起こした。もともとICOMOSは文化的価値を最初から認めていたが、文化的景観の概念がなかった1986年当時は認められなかった<ref>{{Harvnb|下間|2005|p=23}}</ref>。2005年の審議では複合遺産とすること自体は認められたものの、これを文化的景観と位置づけるか否かで紛糾した<ref>{{Harvnb|下間|2005|pp=23-24}}</ref>。出席していた専門家の中からは、委員国の中でもその辺りの基準が明確だったとは言いがたいという評価もあった<ref>{{Harvnb|下間|2005|pp=24-25}}</ref>。 ともあれ、文化的景観は広く受け入れられ、21世紀初頭の審議では世界遺産の推薦の主流とさえ言う者もあった<ref>{{Harvnb|本中|2005|p=13}}</ref>。その一方、文化的景観概念の多用を受けて、ICOMOSはその価値をより厳しく判定するようになったと言われており<ref>{{Harvnb|稲葉|2009|p=39}}</ref>、その登録範囲の完全性なども含め、厳格化の傾向を見せている<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|pp=132-133}}</ref>。文化的景観の代表例のひとつと国際的にも認識されていた富士山が、文化的景観として推薦・登録されなかった理由も、こうした傾向と無関係ではなかった<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|pp=136-140}}</ref>。 ==== 産業遺産 ==== {{Main|産業遺産}} [[ファイル:Völklinger_Hütte_003.JPG|thumb|フェルクリンゲン製鉄所。手前に世界遺産であることを示す看板がある。]] 産業遺産自体は、初期から登録されていた。いわゆる「世界遺産第1号」に含まれる[[ヴィエリチカ岩塩坑]]も、産業遺産に分類されている<ref>{{Harvnb|西村|本中|p=160}}</ref>。しかし、本格的な議論は1987年の[[ニュー・ラナーク]](イギリス)の推薦以降だといい、そのような類型を登録すべきかの議論が、翌年から開始された「グローバル研究」につながり、この研究がグローバル・ストラテジーに結びついた<ref>{{Harvnb|七海|2006|pp=10-12}}</ref>。「[[産業]]」は人類の営みと不可分の要素であり、世界のどの地域にも存在しうる点が、グローバル・ストラテジーに取り込まれる理由になったと考えられている<ref>{{Harvnb|清水|2008|p=18}}</ref>。 その後、前述のように評価基準にも産業遺産の登録を想定した改訂が行われ、産業遺産の登録も増えた。しかし、[[フェルクリンゲン製鉄所]](ドイツ、1994年登録)の審議の際には、そのような装飾性のない近代的工場を世界遺産に加えることについて、参加者から戸惑いの声も聞かれたという<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|pp=162-163}}</ref>。なお、従来の産業遺産は[[産業革命]]、なかんずくイギリスのそれを中心に叙述されることが多かったが、世界遺産においては、古代[[ローマ帝国]]の金鉱山跡の[[ラス・メドゥラス]](スペイン)から、20世紀の[[水力発電所]]を含む[[リューカン=ノトデンの産業遺産]](ノルウェー)などまで、より広い範囲でとらえられている<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|pp=163-166}}</ref>。{{-}} ==== 20世紀遺産 ==== [[ファイル:Luis_Barragan_-_Casa_Luis_Barragan_張基義老師拍攝_015.jpg|thumb|[[ルイス・バラガン邸と仕事場]]。[[ルイス・バラガン]]の作品の中でこれが代表作といえるのかには世界遺産委員会でも議論があり、将来の拡大登録に含みを残す決議が行われた<ref>{{Harvnb|下間|2005|pp=21-22}}</ref>。]] 20世紀遺産は、その名のとおり[[20世紀]]に建設された建造物などを対象とする文化遺産であり、一部には19世紀後半も対象とする<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|p=168}}</ref>。「近代遺産」(modern heritage)と呼ばれることもある<ref>{{Harvnb|シェリダン・バーグ|2016|p=16}}</ref><ref group = "注釈">20世紀遺産と近代遺産は、全てが重なるわけではないという指摘もある{{Harv|西村|本中|2017|p=169}}。</ref>。比較的初期の段階から、[[アントニ・ガウディの作品群]](スペイン)のように審美的な観点から評価されて登録された物件もあったが<ref name = NM_p170>{{Harvnb|西村|本中|2017|p=170}}</ref>、[[シドニー・オペラハウス]]が1981年に審議された際には、まだ十分に評価が定まっていないとされ、2007年の再審議でようやく登録された<ref name = inaba2008a_p37>{{Harvnb|稲葉|2008a|p=37}}</ref>。 [[モダニズム建築]]の範疇で重要だったのが、[[ヴァイマル、デッサウ及びベルナウのバウハウスとその関連遺産群]](ドイツ)の登録とされ、この登録を契機に、同種の建築の登録を促したと言われている<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|pp=171-172}}</ref>。ただし、モダニズム建築の登録にしても、世界遺産が傑出した建築家個人を顕彰する場にならないように、という懸念はたびたび出されている。[[トゥーゲントハット邸|ブルノのトゥーゲントハット邸]]([[ミース・ファン・デル・ローエ]]、チェコ)の審議しかり<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|p=172}}</ref>、[[ルイス・バラガン邸と仕事場]](メキシコ)の審議しかり<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|p=174}}</ref>、[[ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-|ル・コルビュジエの建築と都市計画]]の最初の登録見送り時の審議しかり<ref>{{Harvnb|稲葉|2010|p=37}}</ref>である。 なお、20世紀遺産とモダニズム建築はイコールではない。そのような思想はともすると、20世紀遺産をヨーロッパ中心主義に組み込んでしまう危険性があるとされ、ICOMOSもモダニズム建築に限定してはいない<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|pp=176-178}}</ref>。モダニズム建築のための団体としてはすでに[[DOCOMOMO]]が存在するが、ICOMOSはモダニズム建築に限定されない「20世紀遺産国際学術委員会」を設置するなど、広い意味での20世紀遺産の登録を進めていこうとしている<ref>{{Harvnb|シェリダン・バーク|2016|pp=16-17}}</ref>。{{-}} === 登録件数の増加と上限 === 世界遺産は発足当初、上限を100件程度とする案さえあったという<ref name = WA_p28>{{Harvnb|ウィリアム・アンダーヒル|2015|p=28}}</ref><ref>{{Harvnb|松浦|2008|p=289}}</ref>。しかし、1981年の第5回世界遺産委員会の時点ですでに110件に達し、この見通しの非現実性が明らかになるのに時間はかからなかった<ref>{{Harvnb|松浦|2008|pp=289-290}}</ref>。そして、2015年の[[第39回世界遺産委員会]]では1,000件を超え、なおも増加している。上述のようなグローバル・ストラテジーは世界遺産を持たない国の割合を減少されるなどの点で一定の成果を挙げた一方で<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|pp=103-104}}</ref>、もともと遺産を多く保有する国々も、推奨される類型の遺産の推薦を増やすようになった結果、絶対数の抑制にはつながっていない<ref>{{Harvnb|佐滝|2009|pp=123-124}}</ref>。 1,000件を超えた状況を踏まえて、世界遺産のブランド価値は損なわれたとする報道も見られたが<ref name = WA_p28 />、その世界遺産の登録数に上限は設けられていない(「作業指針」第58段落)<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|pp=54-55}}</ref><ref group = "注釈">ただし、ユネスコ内部では上限に関する議論も存在するといい、第8代ユネスコ事務局長[[松浦晃一郎]]は、モニタリングの制約などから、現実的に設定される可能性のある数字としては、1,500や2,000という数字を挙げていた{{Harv|松浦|2008|pp=286-293}}。</ref>。 かつては、一度の委員会で審議する件数も、一国あたりの推薦数にも制約がかかっていなかった。ゆえに、1997年にナポリで開催された世界遺産委員会では[[イタリアの世界遺産]]が10件も増え<ref>{{Harvnb|佐滝|2006|pp=50-51}}</ref><ref>{{Harvnb|七海|2006|p=22}}</ref>、第24回世界遺産委員会([[ケアンズ]]、2000年)での推薦総数は72件<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟|2001|p=44}}</ref>、そのうち新規登録された物件は61件に達した<ref name = tanaka_p8>{{Harvnb|田中|2009|p=8}}</ref>。その委員会で設定された制約が「ケアンズ決議」である。これは各国の推薦上限を1件とし<ref group = "注釈">過去に登録延期された物件の再審議や拡大登録の審議は含まない{{Harv|七海|2006|p=23}}。また、未保有国は2件以上の推薦が可能{{Harv|田中|2009|p=8}}。</ref>、審議総数を30件とした<ref>{{Harvnb|七海|2006|pp=21-23}}</ref>。この上限は第27回世界遺産委員会(パリ、2003年)で30件が40件へと修正され、第28回世界遺産委員会([[蘇州]]、2004年)で「ケアンズ・蘇州決議」として修正された。この修正で、各国の上限は自然遺産を1件含む場合には2件まで可能とされ、審議総数は(再審議、拡大登録審議も含めて)45件となった<ref>{{Harvnb|七海|2006|p=23}}</ref>。これはさらに2007年に修正され、文化遺産2件の推薦も許されるようになった<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟| 2008|p=46}}</ref>。そのルールは4年で見直される規定だったため、2011年の[[第35回世界遺産委員会]]で文化遺産と自然遺産各1件(ただし、自然遺産は[[文化的景観]]で代替可能)となることが決まり、2014年の[[第38回世界遺産委員会]]から適用されることとなった<ref>{{Harvnb|西|2012a|p=14}}</ref>。 さらに2020年の第44回世界遺産委員会からは、各国1件のみ、審議総数は35件とすることが決まっていた<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|pp=84-85}}</ref><ref name = NM_p58>{{Harvnb|西村|本中|2017|p=58}}</ref>(実際には[[新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)|新型コロナウイルス感染症の世界的流行]]によって2020年の会合が延期されたため、2021年の第44回世界遺産委員会拡大会合から実施<ref group = "注釈">ただし、この年は2020年審議予定と2021年審議予定の物件を併せて審議したため、複数の登録があった国も多く出た。</ref>)。素案では25件とされていたが、審議を経て35件に修正された結果である<ref name = NM_p58 /><ref>{{Harvnb|稲葉|2017|p=44}}</ref>。 ==== 審議の厳格化 ==== [[ファイル:All_Gizah_Pyramids.jpg|thumb|ギザの三大ピラミッド]] 初期の世界遺産は、誰が見ても納得できるような分かりやすい登録が多かった<ref name = kawakami_p7>{{Harvnb|河上|2008|p=7}}</ref>。たとえば、[[三大ピラミッド|ギザの三大ピラミッド]]<ref group = "注釈">ほかのピラミッド群も含み、正式登録名は「[[メンフィスとその墓地遺跡|メンフィスとその墓地遺跡 - ギーザからダハシュールまでのピラミッド地帯]]」。</ref>(1979年)、[[最後の晩餐 (レオナルド)|レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』]]<ref group = "注釈">ダ・ヴィンチのこの作品は、聖堂に描かれた壁画(不動産)なので登録対象となる。他の要素も含み、正式登録名は「[[レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』があるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会とドメニコ会修道院]]」である。</ref>(1980年)、[[グレート・バリア・リーフ]](1981年)、[[タージ・マハル]](1983年)などが初期に登録されている。世界遺産委員会の議長を2度務めたことがある{{仮リンク|クリスティーナ・キャメロン|en|Christina Cameron}}は、初期の分かりやすい世界遺産を「偶像的な遺産」と呼んだ<ref>{{Harvnb|七海|2006|pp=8-9}}</ref>。しかし、そうした遺産の登録が進んでいくと、「顕著な普遍的価値」を認めにくい物件や価値を裏支えするストーリーを理解しづらい物件が増えているとも言われる<ref>{{Harvnb|佐滝|2009}} pp.90-94</ref>。 世界遺産の勧告や審議が厳格化する傾向にあるとしばしば言われるが<ref>{{Harvnb|松浦|2008|p=287}}</ref><ref>ex.「世界遺産『次の候補』虎視眈々」『[[読売新聞]]』2014年4月27日朝刊13版、2面。「保護の仕組み、曲がり角」『[[日本経済新聞]]』2017年7月10日朝刊13版、30面。</ref>、「登録のされにくさ」は審議の厳格化に由来する可能性だけでなく、上記のような質的な変化に由来する可能性も指摘されている<ref>{{Harvnb|佐滝|2009|p=94}}</ref><ref>{{Harvnb|稲葉|2010|pp=33-34}}</ref>。また、[[日本の世界遺産|日本の世界遺産登録物件]]の審議も[[2010年代]]になると厳しい勧告が増えていると言われるが<ref name = asahi170427 />、世界遺産条約参加当初の物件の時点で、日本が推薦理由としていた評価基準がしばしば退けられたことを理由に、昔から十分に厳しかったという指摘もある<ref>{{Harvnb|岡田|2011|p=21}}</ref>。{{-}} === 危機遺産登録への抵抗 === [[ファイル:Rio_Atrato.JPG|thumb|危機遺産リストを効果的に活用した[[ロス・カティオス国立公園]]]] 危機遺産リストは、世界遺産の本来の意義からするならば、中核的機能を担うべきリストであるが、十分に機能していないという指摘がある<ref name="#8">{{Harvnb|西村|本中|2017|p=98}}</ref>。もちろん、危機遺産リストに登録された場合に得られる国際的支援などを期待し、保有国自身が進んで危機遺産登録を申請する事例や、諮問機関からの勧告を保有国が受け入れて、異論なく危機遺産登録が実現する事例もある。前者の例としては、開発の進行を食い止めるために国際世論の後ろ盾を求めた[[ロス・カティオス国立公園]](コロンビア)がある<ref>{{Harvnb|稲葉|2010|p=34}}</ref>。この例では、危機遺産リスト登録を契機として、地元住民ら関係者がまとまっただけでなく、隣国パナマとの関係強化<ref group = "注釈">[[パナマの世界遺産]]である[[ダリエン国立公園]]は、ロス・カティオス国立公園と境界を接している。</ref>にも結びつき、持ち上がっていた開発計画も撤回されたことで、無事に危機遺産リストから除外された([[第39回世界遺産委員会]])<ref name = yoneda2015>{{Harvnb|米田|2015|p=33}}</ref>。この例は、危機遺産の効果的活用例のひとつと認識されている<ref name = yoneda2015 />。後者の例としては、諮問機関の勧告を受け入れて、世界遺産になると同時に危機遺産リストにも登録された[[ナンマトル|ナンマトル:東ミクロネシアの祭祀センター]](ミクロネシア連邦)<ref name = tobunken_p72>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|p=72}}</ref>がある。この例では、世界遺産委員会の席上、危機遺産リスト入りを前向きに受け止める保有国の姿勢への称賛が寄せられた<ref>{{Harvnb|プレック研究所|2017|pp=254-255}}</ref><ref>{{Harvnb|下田|2017|p=32}}</ref>。 その一方で、保有国が強く反対する事態がしばしば起こるのも事実である。たとえば、[[パナマ・ビエホとパナマ歴史地区]]は、歴史地区を囲む海上道路の建設に対し、世界遺産リストからの除去すらも視野に入れて、[[第36回世界遺産委員会]]で危機遺産リスト登録が勧告された<ref name = inaba2013a_p32 />。しかし、保有国が委員国に強く働きかけて回ったことで、危機遺産リスト入りが回避された<ref name = inaba2013a_p32>{{Harvnb|稲葉|2013a|p=32}}</ref>。工事が撤回困難な状況まで進む中、[[第37回世界遺産委員会|翌年の委員会]]でも危機遺産リスト入りが勧告されていたが、保有国は登録範囲を見直すことを約束して回避する一方<ref name="#1"/>、約束が果たされない場合には世界遺産リストからの抹消が検討される旨を記載した決議には同意し、登録抹消のリスクを負ってでも危機遺産リスト入りを回避する姿勢を鮮明にした<ref name = tobunken_p72_73 />。 [[ファイル:Basantapur_area_after_Earthquake.jpg|thumb|2015年の地震で被災したカトマンズの[[ダルバール広場]]]] [[カトマンズの渓谷]](ネパール)は2003年から2007年に危機遺産に登録されていたが、これも保有国が強く反対した例のひとつである<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|pp=213-214}}</ref><ref name = inaba2008a_p38>{{Harvnb|稲葉| 2008a|p=38}}</ref>。都市化を理由として、1992年には危機遺産入りの可能性が取り沙汰されていたが、ネパール当局が強く反対したため、危機遺産リストには加えず、世界遺産委員会、世界遺産センターが協力しつつ事態の改善に努めていた<ref>{{Harvnb|西村|本中|p=214}}</ref>。しかし限界があったため、2003年に危機遺産リストに登録され、一応の改善が果たされたことから2007年に除去された<ref>{{Harvnb|松浦|2008|p=237}}</ref>。とはいえ、それでもなお課題の抜本的解決にはならなかったと認識されていた<ref name = inaba2008a_p38 />。そして、同遺産は[[ネパール地震 (2015年)|2015年のネパール地震]]で被災した際に再び危機遺産リスト入りを提案された。この地震で、カトマンズの渓谷は深刻な被害を受け、王宮も含めて全半壊した建物も少なくなかったため、国際的な支援が必要な状況と認識されたのである<ref>{{Harvnb|黒津|2015|p=18}}</ref>。しかし、ネパール当局はまたも危機遺産リスト登録には反対し、1年の猶予を申し出て、正式に認められた<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟| 2015|p=33}}</ref>。1年後の[[第40回世界遺産委員会]]でも諮問機関は危機遺産リスト登録を勧告する状況だったが、ネパール当局はさらに1年の猶予を申し出て、これも認められた<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟| 2016|p=30}}</ref>。そして[[第41回世界遺産委員会]]では、震災復興の中での再建にOUVを損なうものがあるという諮問機関の指摘もあったが、猶予を求めるネパールの申請がまたも認められた<ref>{{Harvnb|二神|2018|pp=28-29}}</ref>。 本来、危機遺産登録には保有国自身の同意は必要ではないとされているが、保有国の意向を無視して強硬に登録することは、世界遺産委員会では普通行われない<ref name="#8"/>。かわりに、危機遺産登録の意義を説き、罰などではないことを強調しているが、「世界遺産」ブランドの国際的知名度の向上などを背景として、抵抗感を持つ国々の意識を変革するのは、容易なことではないと見られている<ref name = tobunken_p72_73 /><ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|pp=98-99}}</ref>。このような抵抗から、本来ならば危機遺産登録されるべき「隠れた危機遺産」が、今後も増加していくことを懸念する意見もある<ref>{{Harvnb|吉田|2012a|p=27}}</ref>。 === 都市の開発 === [[ファイル:Koelner_Dom_bei_Nacht_1_RB.JPG|thumb|世界遺産リストからの抹消も議論されたケルン大聖堂]] 世界遺産の登録は、[[景観]]や環境の保全が義務づけられるため、周辺の開発との間で摩擦が生じることがある。特に、都市内の歴史地区や建造物については、その周囲に建てられた新しい高層建築などによって、景観が損なわれることで議論が起こることがある。たとえば、[[ケルン大聖堂]](ドイツ)は登録時点で緩衝地帯設定が条件となっていたにもかかわらず、それが果たされなかった<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟|2006|pp=44-45}}</ref><ref name = FC_p38>{{Harvnb|フンク・カロリン|2007|p=38}}</ref>。その中で近隣の高層建築計画が持ち上がったことから2004年に危機遺産リストに加えられ、一時は世界遺産リストからの除去すら検討された<ref name = FC_p38 />。この事例が注目された理由は、開発による景観の損壊が危機遺産登録理由になった、最初の事例だったからである<ref name = inaba2007_p51>{{Harvnb|稲葉|2007a|p=51}}</ref>。この事例では、建設推進派と反対派で[[ケルン]]を二分する議論になったが、緩衝地帯設定や高さ規制が導入されたため、2006年に危機遺産リストから除かれた<ref name = FC_p38 />。しかし、ケルンの議論は、今後同種の問題があちこちの歴史都市で起こりうることを危惧させるものだった<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟|2006|p=45}}</ref>。 実際、それ以降も、規制や計画修正などの対応がとられた事例には、[[イマーム広場|エスファハーンのイマーム広場]](イラン)、[[ポツダムとベルリンの宮殿群と公園群]](ドイツ)、[[ノイジードル湖|フェルテ/ノイジードル湖の文化的景観]](ハンガリー/オーストリア)<ref>{{Harvnb|稲葉|2008a|p=39}}</ref>などがあり、ほかにも第32回世界遺産委員会では[[サンクトペテルブルク歴史地区と関連建造物群]](ロシア)や[[シェーンブルン宮殿|シェーンブルン宮殿と庭園群]] (オーストリア)<ref name="#6"/>、第41回世界遺産委員会では[[シャフリサブス|シャフリサブス歴史地区]](ウズベキスタン)や[[海商都市リヴァプール]](イギリス)<ref name = suzuki_p37 />などでも開発が問題となった。他方で、上述の[[ドレスデン・エルベ渓谷]]や[[海商都市リヴァプール]]のように、再開発との関連によって、世界遺産リストから抹消された例もある。 他方、景観をどうとらえるかという問題は一義的に確定させられるとは限らず、[[月の港ボルドー]](フランス)で歴史的な[[旋回橋]]が取り壊され、代替橋が計画された際には、ICOMOSと世界遺産センターによる影響評価が正反対になり、世界遺産委員会の決議でも強い決定には至らなかった<ref>{{Harvnb|稲葉|2010|pp=35-36}}</ref>。また、[[エッフェル塔]]([[パリのセーヌ河岸]]の構成資産)が建設当初は酷評されたことを例に挙げ、特定の時点の都市景観で固定することに疑問を呈する専門家も複数いる<ref>{{Harvnb|木曽|2015|pp=24-29}} ; {{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟|2018|p=13}}</ref>。 こうした開発の問題では、緩衝地帯内さらには緩衝地帯の外<ref group = "注釈" name = "wider" />の開発すら問題となることがあり、上述の[[ロンドン塔]]の事例もそうである。こうした問題に対して、以下のように歴史的都市景観に関するいくつかの宣言や取り決めが行われている。 ==== 歴史的都市景観 ==== [[ファイル:Wien10Hofburg24.JPG|thumb|ウィーン歴史地区]] [[ウィーン歴史地区]](オーストリア)では、2001年の世界遺産リスト登録直後に、緩衝地帯での高層ビル建築計画が明らかになった<ref name = inaba2007_p51 />。世界遺産委員会では、世界遺産リストからの抹消さえも議題となったが、[[ウィーン]]当局による計画修正によって、危機遺産リスト入りすらもしなかった<ref name = inaba2007_p51 />。 このウィーンでは、2005年に開催された国際会議で「世界遺産と現代建築に関するウィーン覚書」が採択され、これを踏まえて同年の世界遺産条約締約国会議では「歴史的都市景観の保護に関する宣言」が採択された<ref name = sekaken2016a_p40>{{Harvnb|世界遺産検定事務局|2016a|p=40}}</ref>。この宣言では、都市の成長のための開発には、歴史的都市景観の保護も尊重されるべきことや、世界遺産としての顕著な普遍的価値が何よりも保護されるべきものであることが謳われている<ref name = sekaken2016a_p40 />。それ以外にも歴史的都市景観に関する議論や宣言は複数出されており、2011年のユネスコ総会では、それらを踏まえた勧告も出された<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|p=59}}</ref><ref name = suzuki_p37>{{Harvnb|鈴木|2017|p=37}}</ref>。 ただし、その勧告も踏まえて、翌年さっそく「[[セビリア大聖堂|セビリアの大聖堂]]、[[アルカサル (セビリア)|アルカサル]]、[[インディアス総合古文書館|インディアス古文書館]]」(スペイン)の危機遺産リスト入りが議論された際には、登録時点で問題ないとされていた保護体制が、後から策定された概念によって危機遺産とされることの是非が問題となり、危機遺産リスト入りは回避された<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|pp=59-60}}</ref>。他方、ウィーン覚書が採択されたウィーン歴史地区は、その後の開発計画によって2017年に危機遺産リスト入りし<ref name="#2"/>、世界遺産リストからの抹消も取り沙汰される事態になっている<ref>「ウィーン 世界遺産取り消し? 再開発見直し ユネスコ要求」『[[読売新聞]]』2017年7月8日朝刊6面</ref>。{{-}} === 観光地化 === {{See also|遺産の商品化|観光公害}} [[ファイル:1_lijiang_old_town_2012a.jpg|thumb|[[麗江古城]]の街並みと水路]] [[ファイル:Okinoshima_only_men's_festival_in_27,_May.jpg|thumb|かつての沖ノ島は、大祭の時に一般男性客の参拝も可能だった]] 世界遺産に登録されることは、周辺地域の観光産業に多大な影響がある。もともと文化遺産に対する観光地化の弊害については、世界遺産以前から問題視する意見はあり、ICOMOSでは「国際[[文化観光]]憲章」(1976年)を発表し、文化遺産の保護を訴えていた<ref>{{Harvnb|宗田|2006|p=16}}</ref>。しかし、世界遺産を観光振興に結び付けようとする姿勢は根強く、その弊害も表出している<ref>{{Harvnb|ウィリアム・アンダーヒル|2015|pp=26-27}}</ref>。 たとえば、[[白川郷・五箇山の合掌造り集落]]では、登録後に観光客数が激増した。[[白川郷]]の場合、登録直前の数年間には毎年60万人台で推移していた観光客数が、[[21世紀]]初めの数年間は140 - 150万人台で推移している<ref>{{Harvnb|アーサー・ペデルセン| 2008|p=42}}</ref>。このような事態に対し、自治体、村民、専門家たちが対応し、交通規制などの策定も行われるようになっているが<ref>{{Harvnb|矢野|2006|pp=41-42}}</ref>、土産物屋などの観光客向けの施設の増加そのものにも否定的な意見は見られる<ref>{{Harvnb|佐滝|2009|p=206}}</ref>。 こうした傾向は日本に限った話ではなく、たとえば、[[麗江古城]](中国)もしばしば急速な観光地化の例として挙がる。麗江古城は[[ナシ族]]の伝統的街並みが保存され、町に張りめぐらされた水路も伝統的な習俗と結びついてきた。しかし、世界遺産登録(1997年)の前後で、観光客数は約70万人(1995年)から約370万人(2006年)へと急増したが<ref>{{Harvnb|藤木|2015|p=238}}</ref>、商業目当ての[[漢民族]]の流入などにより、ナシ族の住民は約1万6,900人(1997年)から約6,000人(2005年)へと減少した<ref>{{Harvnb|秋道|2007|p=204}}</ref>。さらに、水道の普及により、ナシ族住民にとっても古城を流れる水との結びつきが薄れる中、伝統文化への理解が足りない観光客たちの心ない行動も重なり、水質が著しく悪化した<ref>{{Harvnb|秋道|2007|pp=208-210}}</ref><ref>{{Harvnb|藤木|2015|pp=240-241}}</ref>。こうした観光地化の流れには、近代的な建て替えが進みつつあった中で有形の建造物群を守ったという面と、伝統的な生活風景を失わせたという面が存在する<ref>{{Harvnb|藤木|2015|pp=239-242}}</ref>。 このように、急速な観光地化が、その地域の本来の姿の保全にとって、マイナスに作用することが起こりうる。世界遺産は保全が目的であり、観光開発を促進する趣旨ではないため、世界遺産登録によって観光上の開発が制限されている地域もあり、[[マッコーリー島]](オーストラリア)のように観光客の立ち入りが禁止されている物件もある<ref group = "注釈">2007年までの登録物件については、『21世紀世界遺産の旅』(小学館、2007年)に、外務省の退避勧告などの有無も含め、各物件へのアクセス情報が記載されている。</ref>。観光地化が進んだ世界遺産の場合、一部ないし全部で入場制限などの規制が敷かれるようになった場合もある。たとえば、一部に人数や時間の制限をかけた[[マチュ・ピチュの歴史保護区]](ペルー)や[[ラサのポタラ宮の歴史的遺跡群]](中国)、[[ピサの斜塔]]をガイドつきツアーに限定した[[ピサのドゥオモ広場]](イタリア)などを挙げることができる<ref>{{Harvnb|アーサー・ペデルセン|2008|p=43}}</ref>。 また、[[沖ノ島]]([[「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群]]の構成資産)はもともと宗教上の理由で女人禁制であったが、世界遺産登録を機に、神職以外の入島を全面禁止するという形でさらに厳格化し、観光地化とは一線を画する姿勢を鮮明にした<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟|2018|p=7}}</ref>。 その一方で、貧困にあえぐ国などでは観光を活性化させることで雇用を創出することが、結果的に世界遺産を守ることにつながる場合もある。こうした問題に関連して、[[2001年]]の世界遺産委員会では、地域住民の経済利益と遺産の保護とを両立させるために、「世界遺産を守る[[サステイナブルツーリズム|持続可能な観光]]計画」の作成が始まった<ref>{{Harvnb|アーサー・ペデルセン|2008|pp=40-41}}</ref>。 === 政治問題化 === ==== ロビー活動 ==== [[File:2015-07-06_World_Heritage_Committee_Bonn_by_Olaf_Kosinsky-299.jpg|thumb|[[第39回世界遺産委員会]]([[ボン]]、2015年)]] 世界遺産への注目度が上がるにつれて、世界遺産委員会の規模も膨れ上がっている。審議に直接参加するのは委員国と諮問機関だけだが、オブザーバー参加が多いのである。[[第32回世界遺産委員会]]の際には、開催国カナダが、会場に参加者を収容しきれない可能性を警告するに至った<ref>{{Harvnb|稲葉|2012|p=25}}</ref><ref group = "注釈">このような参加者の規模拡大は費用の高騰にも繋がる。2010年代半ばには1回の開催費用が4000万[[アメリカ合衆国ドル|USD]]を超えるとされ、[[第41回世界遺産委員会]]の会期中に次回の開催地が決まらないという事態を招いた({{Harv|鈴木|2017|p=38}})。</ref>。 こうした注目の高まりの中、各国が自国の世界遺産登録を目指す[[ロビー活動]]が盛んになっている<ref>{{Harvnb|木曽|2015|p=104}}</ref><ref>{{Harvnb|稲葉|2016|p=6}}</ref>。前述したように、諮問機関の勧告が覆され、逆転登録が相次ぐようになっているが、その背景にも、そうしたロビー活動の過熱がある<ref>{{Harvnb|木曽|2015|pp=104-105}}</ref>。 ビューローが登録物件を実質的に決めていたときは、ビューローから世界遺産委員会までの約半年間がロビー活動の時期だった。ビューローでの登録審査が廃止された際には、世界遺産委員会での決定に一元化することで、ロビー活動を抑制できるのではないかとも期待された<ref>{{Harvnb|稲葉|2017|pp=43-44}}</ref>。しかし実際には、諮問機関の勧告が出てから世界遺産委員会が開催されるまでの約6週間に、激しいロビー活動が展開されている<ref name = inaba2017_p41 /><ref>{{Harvnb|木曽|2015|pp=94-98}}</ref>。 専門家が不備を指摘した物件が次々と逆転登録を果たす状況に対し、[[第35回世界遺産委員会]](2011年)では、かえって締約国に対する「毒入りの贈り物」になる可能性があるとする警告が、[[国際自然保護連合|IUCN]]から発せられた<ref>{{Harvnb|吉田|2012a|p=26}} ; {{Harvnb|吉田|2012b|p=174}}</ref>。IUCNはそれ以前からも、リストの信頼性低下に対する懸念を表明していた<ref>{{Harvnb|吉田|2012b|pp=222-223}}</ref>。 また、翌年の世界遺産条約採択40周年記念最終会合では、元[[世界遺産センター]]長のベルント・フォン・ドロステからも、世界遺産制度が専門家中心から外交官中心となることへの懸念が表明されており<ref>{{Harvnb|文化庁記念物課世界文化遺産室|2013|p=7}}</ref>、[[第41回世界遺産委員会]](2017年)では議長を務めた{{仮リンク|ヤツェク・プルフラ|pl|Jacek_Purchla}}が、議論が政治的であることを戒める場面がたびたびあったという<ref name="#4"/>。{{-}} ==== 民族・領土問題 ==== [[ファイル:Western-wall-plaza.jpg|thumb|特定の保有国に属さない唯一の世界遺産[[エルサレムの旧市街とその城壁群]]は、1982年以降、危機遺産リストに登録され続けている]] 世界遺産は保有国が推薦する形をとるため、帰属問題の解決していない物件の推薦は、当該国同士の争いを生むことがある。たとえば、タイとカンボジアの国境に位置する[[プレアヴィヒア寺院]]はタイ外相との合意を踏まえて[[カンボジアの世界遺産]]として登録されたが、それはタイ国民の反発を招き、[[タイとカンボジアの国境紛争]]を招くこととなった<ref>{{Harvnb|前川|2015|pp=32-33}}</ref>。 アラブ諸国とイスラエルの間でもたびたび問題が持ち上がる。イスラエルは「[[ダン (聖書)|ダン]]の三連アーチ門」を推薦しており、諮問機関からは「顕著な普遍的価値」を認められているが、国境近い立地による法的問題から、たびたび審議が延期されており、登録が先送りされている<ref>{{Harvnb|稲葉|2011|p=38}}</ref>。 逆に、登録されているものの、されるたびに問題となるのが[[パレスチナの世界遺産]]である。パレスチナは世界遺産登録と領土の承認を結びつけていることから、世界遺産条約締約以降、積極的に推薦を行っているが<ref >「ユネスコ パレスチナ加盟を承認 / 米は反発、拠出金凍結も」『[[朝日新聞]]』2011年11月1日朝刊1面</ref>、3件連続で緊急推薦登録の手続きがとられ、いずれも投票で決着するなど、審議のたびに紛糾している。特に3件目にあたる[[ヘブロン|ヘブロン(アル=ハリール)旧市街]]の登録は、イスラエルとアメリカ合衆国の強い反発を招き、両国がユネスコを脱退することにつながった<ref>{{Harvnb|稲葉|2017|pp=39-40}}</ref>。ただし、アメリカはパレスチナがユネスコに加盟した時点で、国内法に基づいて世界遺産基金への拠出を停止しており、ユネスコもアメリカの投票権を停止している<ref name = NW171024 />。このため、ユネスコ脱退表明が新たな実害をもたらす可能性は低いが<ref name = NW171024 />、[[世界遺産基金]]の5分の1以上を占めるアメリカの分担金拠出停止が長引く中で、世界遺産基金の財源不足は深刻なものとなっている<ref>{{Harvnb|東京文化財研究所|2017|p=143}}</ref>。 民族間の摩擦は国際的なものだけでなく、一国内でも起こりうる。[[中華人民共和国の世界遺産]]では、[[三江併流|雲南の三江併流保護地域群]]の保護にあたり、保護区内で伝統的農牧業を営んでいた[[チベット・ビルマ語派]]を話す少数民族たち500世帯が、強制的に移住させられた<ref>{{Harvnb|秋道|2007|pp=35-36}}</ref>。 ==== 歴史認識 ==== [[ファイル:Gambaku_Dome_of_Hiroshima.jpg|thumb|[[原爆ドーム]]。アメリカが棄権した理由は、[[戦争遺跡]]を世界遺産条約の対象外とする立場からだった<ref>{{Harvnb|世界遺産検定事務局|2016a|p=93}}</ref>。]] 国ごとに認識の異なる論点に関わると、世界遺産の登録に際して問題が起こることもある。たとえば、[[高句麗]]が[[中国史]]なのか[[朝鮮史]]なのかという[[高句麗論争]]を投影し、高句麗の古墳群の登録は2年越しで紛糾した<ref name = nihon2005_p50>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟| 2005|p=50}}</ref>。まず、2003年の世界遺産委員会で[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]国内の遺跡が単独審議された際に、中国にも同種の遺跡があることが指摘され、翌年に審議が先送りされた<ref name = nihon2005_p50 />。その際の委員国に中国が含まれており<ref name = kaji2008_p191>{{Harvnb|加治|2008|p=191}}</ref>、[[東北工程]]を進めていた中国が、北朝鮮の先行を嫌ったことも一因と推測されている<ref>{{Harvnb|西谷|2005b|p=18}}</ref>。そして、翌年の審議では、将来的に統一されることが望ましい旨の決議とともに、[[高句麗前期の都城と古墳]](中国)と[[高句麗古墳群]](北朝鮮)が別個に登録されることとなったのである<ref name = nihon2005_p50 />。この件では、中国は高句麗文化を[[中国文明|中華文化]]の一部とする主張を繰り返したが<ref name = kaji2008_p191 />、韓国はそうした主張に強く反発し<ref>{{Harvnb|西谷|2005a|p=43}}</ref><ref>{{Harvnb|中村|2006|pp=40-41}}</ref>、北朝鮮の支援に回った<ref>{{Harvnb|鶴間|2005|pp=168-171}}</ref>。 ほかにも、[[原爆ドーム]]の登録にあたっては中国が反対、アメリカが棄権したが<ref>{{Harvnb|木曽|2015|pp=154-155}}</ref>、中国は、日本が被害者の側面ばかりを強調して政治利用することへの懸念を理由として挙げていた<ref>{{Harvnb|西村|本中|2017|p=26}}</ref>。このような微妙な案件であったことから、日本側の要請によって、6月のビューローでは登録の可否が示されず、委員会審議直前の臨時ビューローに持ち越されるという経緯をたどった<ref name = inaba2017_p43 />。 また、[[明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業]]の登録の際には、[[明治|明治時代]]に限定されるとする日本側の主張に対し、[[日本統治時代の朝鮮人徴用]]と関連づけた韓国側が納得せず、当時のユネスコ事務局長[[イリナ・ボコヴァ]]に陳情しただけでなく、慣例的に禁じ手とされている勧告前の諮問機関へのロビー活動まで展開した<ref>{{Harvnb|木曽|2015|pp=145-152}}</ref>。最終的には日韓の協議も踏まえて登録されたが、その審議では各国の祝辞が省かれるなど、異例の手続きがとられた<ref>{{Harvnb|二神|2015|pp=32}}</ref>。{{-}} == 世界遺産の教育 == 世界遺産条約では、教育や広報の重要性が定められている。 {{Quotation|第二十七条<br />1. 締約国は、あらゆる適用な手段を用いて、特に教育並びに広報事業計画を通じて、自国民が第一条及び第二条に規定する文化遺産及び自然遺産を評価し及び尊重することを強化するよう努める。<br />2. 締約国は、文化遺産及び自然遺産を脅かす危険並びにこの条約に従って実施される活動を広く公衆に周知させることを約束する。|[[:s:世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約|世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約]]}} ユネスコも若年層の啓発に積極的で、1994年からは「若者のための世界遺産教育プロジェクト」を開始している<ref name = nihon1998_p52>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟|1999|p=52}}</ref>。このプロジェクトの一環で、世界遺産ユースフォーラムが開催され(第1回は1995年[[ベルゲン]]、第2回は1998年[[大阪市]]ほか日本各地)、アジア・太平洋などの地域単位でのユースフォーラムも順次開催されている<ref name = nihon1998_p52 />。 また、各種教育機関でも世界遺産は教育に取り入れられており、後述するように、高等教育機関では「世界遺産学」も提唱されている。さらに、[[生涯学習]]という観点から、世界遺産を主題とするテレビ番組などの意義も指摘されている<ref>{{Harvnb|古田|2009|p=162}}</ref>。そうした番組としては、たとえば日本では、『[[探検ロマン世界遺産]]』([[日本放送協会|NHK]])、『[[世界遺産 (テレビ番組)|世界遺産]]』([[TBS]])などが、また、ドイツでは『{{仮リンク|世界の宝|de|Schätze der Welt}}』などが放送されてきた<ref>{{Harvnb|佐滝|2006|pp=29-30}}</ref>。世界遺産を扱うテレビ番組は、広報面での効果についても評価されている<ref>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟|1999|p=50}} (当時の[[世界遺産センター]]長のドロステの発言)</ref>。 === 世界遺産学 === [[ファイル:Cottbus_University_Forum_2.jpg|thumb|ブランデンブルク工科大学]] 世界遺産を専門に研究する学問は「世界遺産学」と呼ばれる。たとえば、[[秋道智彌]]([[総合地球環境学研究所]]教授)は、「世界遺産のもつ意義、遺産の普遍性と特異性、多様性などを明らかにする研究」<ref>{{Harvnb|秋道|2007|p=29}} 肩書きは著書刊行当時。</ref>と定義づけている。これはあくまでも定義の一例だが、いずれにしても、世界遺産学は[[人文科学]]・[[社会科学]]・[[自然科学]]を融合させ、地球規模で考究する学問となることが期待される<ref>{{Harvnb|石澤|2005}}</ref><ref>{{Harvnb|古田|2009|p=161}}</ref>。 日本では、1979年に日本初の[[文化財]]学科を設立した[[奈良大学]]が、[[古都奈良の文化財]]の世界遺産登録(1998年)を踏まえ、[[文学部]]内に世界遺産コースを設立した<ref>{{Harvnb|奈良大学文学部世界遺産を考える会|2000|pp=298-299}}</ref>。[[大学院]]としては、[[筑波大学]]大学院が2004年に[[修士課程]]の「世界遺産専攻」、2006年に[[博士課程]]の「世界文化遺産学専攻」を設置している<ref>{{Harvnb|日高|2006|p=92}}</ref>(のちに修士課程・博士課程とも世界遺産学[[学位]]プログラムに改編<ref>[https://www.heritage.tsukuba.ac.jp/ 世界遺産学学位プログラム公式サイト](筑波大学、2023年2月6日閲覧)</ref>)。ほかに、[[大学通信教育]]として[[サイバー大学]]が世界遺産学部を設置し、[[特定非営利活動法人]]の[[世界遺産アカデミー]]による[[世界遺産検定]]などとも連携していた<ref>[https://news.mynavi.jp/article/20090109-a017/ サイバー大学と世界遺産検定が連携 - 入学金や受検料などを優遇](マイナビニュース、2009年1月9日)(2017年12月13日閲覧)</ref>。しかし、これは2010年秋学期以降、新規学生の募集が停止された<ref>{{pdf|[https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/053/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2013/02/06/1329790_02_1.pdf サイバー大学発表資料 サイバー大学通信教育 現状と課題]}}(2012年12月19日)(2017年12月13日閲覧)</ref><ref>{{Cite web|和書|url=http://www.cyber-u.ac.jp/faculty/heritage/index.html |title=世界遺産学部公式サイト |accessdate=2011年3月25日 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20150511044011/http://www.cyber-u.ac.jp/faculty/heritage/index.html |archivedate=2015年5月11日 }}(新規学生の募集を停止)</ref>。 日本以外に、アジアでは[[北京大学]](中国)で1998年以降、世界遺産講座が開講されており、そのテキストは市販もされている<ref>{{Harvnb|佐滝|2009|pp=37-38}}</ref>。ヨーロッパでは、[[ブランデンブルク工科大学]](ドイツ)、[[バーミンガム大学]](イギリス)、[[ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン]](アイルランド)、[[トリノ大学]](イタリア)などに世界遺産専攻コースが設置されており、ブランデンブルク工科大学のカリキュラムは2年間、ほかは1年間である(2015年時点)<ref>{{Harvnb|Leo Schmidt|2015|pp=8-9}}</ref>。ブランデンブルク工科大学は、ほかに{{仮リンク|ヘルワン大学|en|Helwan_University}}(エジプト)と共同での修士課程も設置している<ref>{{Harvnb|Leo Schmidt|2015|p=10}}</ref>。 == ユネスコの他の遺産 == ユネスコの世界遺産、無形文化遺産、[[世界の記憶]](世界記憶遺産)は、あわせてユネスコの「三大遺産事業」<ref>{{Harvnb|木曽|2015|p=34}}</ref><ref name = inaba2012_p26>{{Harvnb|稲葉|2012|p=26}}</ref>、「ユネスコ三大文化遺産事業」<ref>{{Harvnb|松浦|東郷|五十嵐|2016|p=225}}</ref>などと呼ばれることがある。 === 無形文化遺産 === {{main|無形文化遺産}} 世界遺産条約の草案には[[無形文化財]]への言及もあったとされるが<ref>{{Harvnb|中村|2006|p=175}}</ref>、成立・発効した世界遺産条約は不動産のみを対象としている。このため、地域ごとに多様な形態で存在する文化を包括的に保護するためには、無形の文化遺産を保護することも認識されるようになり、2003年のユネスコ総会で[[無形文化遺産の保護に関する条約]](無形文化遺産条約)が採択された。もともと国際的に見ても、無形文化財や[[民俗文化財]]を対象とする保護法制が整備されている例は珍しく、無形文化遺産条約の成立以前には日本と韓国くらいにしかなかったといわれる<ref>{{Harvnb|鈴木|2015|p=viii}}</ref>。わけても日本の法制は、韓国の文化財保護法の制定にあたっても、大きな影響を与えた<ref>{{Harvnb|朴|2015|p=312}}</ref><ref>{{Harvnb|岩本|2015|p=396}}</ref>。こうした経緯から、[[先住民]]との関係や、[[文化的景観]]で無形もカバーできるとして反対意見が強かった西欧諸国を説得し、無形文化遺産条約を成立に導く上では、日本の貢献は非常に大きかったとされている<ref>{{Harvnb|松浦|2007|pp=59-60, 304-305}}</ref><ref group = "注釈">ほかに、日本の[[人間国宝]]の考え方から、ユネスコの{{仮リンク|リビング・ヒューマン・トレジャー|en|Living_Human_Treasure}}の概念が生まれた({{Harvnb|D・オルドリ|R・スシエ|L・ヴィラール|2005|p=127}} ; {{Harvnb|西村|本中|2017|p=261}})。</ref>。 [[ファイル:Djemaa_el_Fna.jpg|thumb|マラケシュ旧市街にある[[ジャマ・エル・フナ広場]]]] 世界遺産と無形文化遺産は別個のものであり、事務局も別である(前者はユネスコ世界遺産センター、後者はユネスコ文化局無形遺産課)。ただし、無形文化遺産の中には、たとえば * 無形文化遺産「[[イフガオ族]]のフドゥフドゥ詠歌」と世界遺産「[[フィリピン・コルディリェーラの棚田群]]」 * 無形文化遺産「{{仮リンク|エルチェの神秘劇|en|Mystery_Play_of_Elche}}」と世界遺産「[[エルチェの椰子園]]」(スペイン) * 無形文化遺産「[[ジャマ・エル・フナ広場]]の文化的空間」と世界遺産「[[マラケシュ|マラケシュの旧市街]]」(モロッコ) * 無形文化遺産「[[宗廟祭礼祭]]」と世界遺産「[[宗廟 (ソウル特別市)|宗廟]]」(大韓民国) のように、世界遺産リスト登録物件との間に密接な結びつきがあり、有形と無形の「複合遺産」ととらえられるものもあることが指摘されている<ref>{{Harvnb|佐滝|2006|pp=192-193}}</ref>。 無形文化遺産は、もともと世界遺産のマイナス面を踏まえたうえで制度設計されており<ref name = inaba2012_p26 />、当初の主眼は滅びかねない無形文化の保護にあった<ref>{{Harvnb|安江|2011|p=161}}</ref>。ゆえに、その範疇にはない「[[フランス料理|フランス料理の美食術]]」の登録(2010年)は、専門家にも根強い反対意見が残るものであって<ref>{{Harvnb|木曽|2015|pp=80-81}}</ref>、それ以降は、文化ナショナリズムや商業主義との結びつきなど、方向性の変質も指摘されるようになっている<ref>{{Harvnb|鈴木|2015|pp=ix-x}} ; {{Harvnb|岩本|2015|p=407}}</ref>。 === 世界の記憶 === {{Double image stack|right|Korea-Haeinsa-Tripitaka_Koreana-01.jpg|Korea-Haeinsa_Tripitaka_Koreana_woodblock_2770-06a.jpg |180|[[海印寺_(陜川郡)|海印寺]]の大蔵経板殿(上)と高麗大蔵経板}} {{Main|世界の記憶}} 世界の記憶は、日本では世界記憶遺産などとも呼ばれるが、世界遺産や無形文化遺産とは異なり、国際条約が存在しない<ref>{{Harvnb|木曽|2015|p=40}}</ref>。ユネスコが1992年に開始した事業であり<ref name = nihon2011_p44 />、情報・コミュニケーションセクター(世界遺産や無形文化遺産は文化セクター)が担当する<ref>{{Harvnb|稲葉|2015|p=3}}</ref>。真正性と国際的な重要性を基準として、有形の動産(記録物)を登録している<ref name = nihon2011_p44>{{Harvnb|日本ユネスコ協会連盟| 2011|p=44}}</ref>。 その中には、 *世界遺産「[[海印寺大蔵経板殿]]」に保管される「[[高麗八万大蔵経|高麗大蔵経板と諸経板]]」<ref>{{Harvnb|世界遺産検定事務局|2016a|p=235}} ; {{Harvnb|樺山|2014|pp=98-99}}</ref> *世界遺産「[[バンスカー・シュチャヴニツァ|バンスカー・シュチャヴニツァ歴史地区と近隣の工業建築物群]]」を補完する「バンスカー・シュチャヴニツァ鉱山庁の設計図と鉱山地図」<ref>{{Harvnb|樺山|2014|pp=230-231}}</ref> * 世界遺産「[[ワルシャワ歴史地区]]」の再建事業を伝える「ワルシャワ再建局の記録文書」<ref>{{Harvnb|樺山|2014|pp=482-485}}</ref> * 世界遺産「[[プランタン=モレトゥスの家屋・工房・博物館複合体]]」に所蔵される「オフィシーナ・プランティニアーナの商業文書」<ref>{{Harvnb|樺山|2014|p=190}}</ref> などのように、世界遺産と関わりのある記録も含まれている。 「世界の記憶」の登録も注目度が上がるに従い、国家間で認識の異なる物件の登録をめぐって大きな議論を引き起こしてきた。世界遺産などと違い、審査を行うのは事務局長が任命した専門家委員会であり、審議内容は非公開である<ref>{{Harvnb|松浦|東郷|五十嵐|2016|pp=226-227}}</ref>。この制度は中国の申請による[[南京事件]]の登録時に日本で強い反発を引き起こし、それを受けてユネスコが「世界の記憶」登録に関する制度改正を検討することにつながった<ref>{{Harvnb|松浦|東郷|五十嵐|2016|p=231}}</ref>。このとき、日本の一部ではユネスコ分担金の支払いを停止すべきという強硬意見も出ており<ref>{{Harvnb|松浦|東郷|五十嵐|2016|p=236}}</ref>、韓国などが進めた[[従軍慰安婦]]の登録が見送られた際(2017年)には、それらの国から関連性を疑われた(ユネスコは分担金関連の圧力を否定)<ref>[https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171204-00000052-yonh-kr 慰安婦資料の登録見送り 「財政問題ではない」=ユネスコ事務局長補]([[聯合ニュース]]、2017年12月4日)(2018年2月22日)</ref>。 == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} === 注釈 === {{Notelist|2}} === 出典 === {{reflist|20em|refs= <ref name = NW171024>{{Harvnb|ジョシュア・キーティング|2017|p=10}}</ref> }} == 参考文献 == 記事執筆の際に参照した文献・サイトのうち、出典として直接示したものを挙げる。なお、パリのユネスコ世界遺産センターが公式に監修した日本語文献は、『ユネスコ世界遺産』(講談社、全13巻)のみである。 * [http://whc.unesco.org/ ユネスコ世界遺産センター]{{en icon}}{{fr icon}} ** [http://whc.unesco.org/pg.cfm?cid=31 ユネスコの世界遺産一覧表]{{en icon}} ** [http://whc.unesco.org/en/141 世界遺産条約履行のための作業指針]{{en icon}}(各年度版) *** {{Wayback|url=http://bunka.nii.ac.jp/jp/world/h_13.html|title=文化庁による日本語訳|date=20141025035510}}{{ja icon}}(2005年版の訳) === 世界遺産年報 === 『世界遺産年報』(旧題『ユネスコ世界遺産』、『ユネスコ世界遺産年報』)はユネスコの公式な刊行物ではないが、この記事で参照している数が多いので、見易さを考慮して、別に扱う。初期は雑誌扱い、後に書籍扱いとなった。なお、年報所収の論説や特集記事は、この記事で直接出典としたものしか挙げていない。 * {{Citation|和書|editor=[[日本ユネスコ協会連盟]]|year=1996|title=ユネスコ世界遺産1995|publisher=日本ユネスコ協会連盟|issn=1341-805X}} * {{Citation|和書|editor=日本ユネスコ協会連盟|year=1997|title=ユネスコ世界遺産1996|publisher=日本ユネスコ協会連盟|issn=1341-805X}} * {{Citation|和書|editor=日本ユネスコ協会連盟| year=1998|title=ユネスコ世界遺産年報1997-1998|publisher=[[芸術新聞社]]|isbn=4-87586-238-5}} ** {{Citation|和書|author=P・H・C・ルーカス|year=1998|contribution=ユネスコと自然遺産保護の歴史|title=ユネスコ世界遺産年報1997-1998|pages=22-27}} * {{Citation|和書|editor=日本ユネスコ協会連盟|year=1999|title=ユネスコ世界遺産年報1999|publisher=[[光村図書出版]]|isbn=4-89528-093-4}} * {{Citation|和書|editor=日本ユネスコ協会連盟|year=2000|title=ユネスコ世界遺産年報2000|publisher=[[平凡社]]|isbn=4582714021}} * {{Citation|和書|editor=日本ユネスコ協会連盟|year=2001|title=ユネスコ世界遺産年報2001|publisher=平凡社|isbn=4-582-71403-X}} * {{Citation|和書|editor=日本ユネスコ協会連盟|year=2002a|title=ユネスコ世界遺産年報2002|publisher=平凡社|isbn=4582714048}} * {{Citation|和書|editor=日本ユネスコ協会連盟|year=2002b|title=ユネスコ世界遺産年報2003|publisher=平凡社|isbn=4582714056}} ** {{Citation|和書|last=近藤|first=二郎|author-link=近藤二郎|year=2002|contribution=エジプト・ヌビア遺跡の今|title=ユネスコ世界遺産年報2003 |pages=40-43}} * {{Citation|和書|editor=日本ユネスコ協会連盟|year=2003|title=ユネスコ世界遺産年報2004|publisher=平凡社}} * {{Citation|和書|editor=日本ユネスコ協会連盟|year=2005|title=ユネスコ世界遺産年報2005|publisher=平凡社}} ** {{Citation|和書|last=西谷|first=正|author-link=西谷正|year=2005a|contribution=国境をまたいで登録された高句麗遺跡群|title=世界遺産年報2005|pages=41-44}} * {{Citation|和書|editor=日本ユネスコ協会連盟|year=2006|title=ユネスコ世界遺産年報2006|publisher=平凡社|isbn=4582714080}} ** {{Citation|和書|last=矢野|first=和之|year=2006|contribution=世界遺産、白川郷・五箇山の合掌造り集落の現状と課題|title=世界遺産年報2006|pages=40-42}} * {{Citation|和書|editor=日本ユネスコ協会連盟|year=2007|title=世界遺産年報2007|publisher=日経ナショナル ジオグラフィック社|isbn=9784931450882}} ** {{Citation|和書|author=フンク・カロリン|year=2007|contribution=景観の危機|title=世界遺産年報2007|pages=38-41}} ** {{Citation|和書|last=稲葉|first=信子|year=2007a|contribution=第30回世界遺産委員会ニュース|title=世界遺産年報2007|pages=50-51}} * {{Citation|和書|editor=日本ユネスコ協会連盟|year=2008|title=世界遺産年報2008|publisher=日経ナショナル ジオグラフィック社|isbn=9784863130210}} ** {{Citation|和書|last=稲葉|first=信子|year=2008a|contribution=第31回世界遺産委員会ニュース|title=世界遺産年報2008|pages=37-39}} ** {{Citation|和書|author=アーサー・ペデルセン|year=2008|contribution=世界遺産と観光|title=世界遺産年報2008|pages=40-43}} * {{Citation|和書|editor=日本ユネスコ協会連盟|year=2009|title=世界遺産年報2009|publisher=日経ナショナル ジオグラフィック社|isbn=9784863130623}} ** {{Citation|和書|last=工藤|first=父母道|year=2009|contribution=国境を越える自然遺産|title=世界遺産年報2009|pages=22-27}} ** {{Citation|和書|last=西村|first=幸夫|year=2009|contribution=暫定リストの近況|title=世界遺産年報2009|pages=37}} ** {{Citation|和書|last=稲葉|first=信子|year=2009|contribution=第32回世界遺産委員会ニュース|title=世界遺産年報2009|pages=38-40}} * {{Citation|和書|editor=日本ユネスコ協会連盟|year=2010|title=世界遺産年報2010|publisher=[[東京書籍]]|isbn=9784487804375}} ** {{Citation|和書|last1=松浦|first1=晃一郎|last2=西村|first2=幸夫|year=2010|contribution=特別対談 世界遺産とともに歩んで ― 在任10年の成果と今後の課題|title=世界遺産年報2010|pages=14-24}} ** {{Citation|和書|last=稲葉|first=信子|year=2010|contribution=第33回世界遺産委員会ニュース」「シリアル・ノミネーションとは何か|title=世界遺産年報2010|pages=33-37}} * {{Citation|和書|editor=日本ユネスコ協会連盟|year=2011|title=世界遺産年報2011|publisher=[[東京書籍]]|isbn=9784487805181}} ** {{Citation|和書|last=稲葉|first=信子|year=2011|contribution=『負の世界遺産』という言葉から考えること」「第34回世界遺産委員会ニュース」|title=世界遺産年報2011|pages=15-18, 38-40}} ** {{Citation|和書|last=岡田|first=保良|year=2011|contribution=『関連性』-世界遺産登録にあたっての評価基準(vi)をめぐって|title=世界遺産年報2011|pages=19-21}} ** {{Citation|和書|last=米田|first=久美子|year=2011|contribution=登録範囲の軽微な変更の申請をめぐって|title=世界遺産年報2011|pages=41}} * {{Citation|和書|editor=日本ユネスコ協会連盟|year=2012|title=世界遺産年報2012|publisher=東京書籍|isbn=978-4-487-80608-9}} ** {{Citation|和書|last=吉田|first=正人|author-link=吉田正人|year=2012a|title=第35回世界遺産委員会ニュース|magazine=世界遺産年報2012|pages=26-27}} * {{Citation|和書|author=日本ユネスコ協会連盟|year=2013a|date=2013年2月28日|title=世界遺産年報2013|publisher=[[朝日新聞出版]]|isbn=978-4-02-272433-5}} ** {{Citation|和書|last=稲葉|first=信子|year=2013a|contribution=第36回世界遺産委員会報告|title=世界遺産年報2013|pages=22-23}} * {{Citation|和書|author=日本ユネスコ協会連盟|year=2013b|date=2013年12月30日|title=世界遺産年報2014|publisher=朝日新聞出版|isbn=978-4-02-272445-8}} ** {{Citation|和書|last=稲葉|first=信子|year=2013b|title=第37回世界遺産委員会報告|magazine=世界遺産年報2014|pages=32-33}} * {{Citation|和書|author=日本ユネスコ協会連盟|year=2014|title=世界遺産年報2015|publisher=[[講談社]]|isbn=978-4-06-389841-5}} * {{Citation|和書|editor=日本ユネスコ協会連盟|year=2015|title=世界遺産年報2016|publisher=講談社|isbn=978-4-06-389912-2}} ** {{Citation|和書|last=黒津|first=高行|year=2015|contribution=大地震がもたらした『カトマンズの谷』の危機|title=世界遺産年報2016|pages=18}} ** {{Citation|和書|last=二神|first=葉子|year=2015|contribution=第39回世界遺産委員会ニュース|title=世界遺産年報2016|pages=32-33}} ** {{Citation|和書|last=米田|first=久美子|year=2015|contribution=第39回世界遺産委員会における自然遺産|title=世界遺産年報2016|pages=33}} * {{Citation|和書|author=日本ユネスコ協会連盟|year=2016|title=世界遺産年報2017|publisher=講談社|isbn=978-4-06-389977-1}} ** {{Citation|和書|author=シェリダン・バーク|year=2016|contribution=近代遺産と世界遺産|title=世界遺産年報2017|pages=16-17}} ** {{Citation|和書|last=二神|first=葉子|year=2016|contribution=第40回世界遺産委員会ニュース|title=世界遺産年報2017|pages=30-31}} ** {{Citation|和書|last=米田|first=久美子|year=2016|contribution=第40回世界遺産委員会における自然遺産|title=世界遺産年報2017|pages=31}} * {{Citation|和書|author=日本ユネスコ協会連盟|year=2018|title=世界遺産年報2018|publisher=講談社|isbn=978-4-06-509599-7}} ** {{Citation|和書|last=二神|first=葉子(取材協力)|year=2018|contribution=第41回世界遺産委員会ニュース|title=世界遺産年報2018|pages=28-29}} ** {{Citation|和書|last=米田|first=久美子|year=2018|contribution=第41回世界遺産委員会における自然遺産|title=世界遺産年報2018|pages=29}} === 単行本 === * {{Citation|和書|author1=D・オドルリ|author2=R・スシエ|author3=L・ヴィラール|year=2005|translator=水嶋英治|title=世界遺産|publisher=[[白水社]]|series=[[文庫クセジュ]]|isbn=4-560-50888-7}} * 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頤和園
頤和園(いわえん)は、中華人民共和国北京市海淀区に位置する庭園公園。中国の歴代皇帝により整備され、面積は297haと広大である。園地の大部分を占める人工湖「昆明湖」と高さ60mの人工山「万寿山」が特徴である。1998年、ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録された。中国の5A級観光地(2007年認定)。 1153年(貞元元年)、金朝の海陵王は頤和園内の香山・玉泉山に金山行宮を設置している。元朝が大都に都を置いた後、水運整備の必要性から、郭守敬は上流の水源開発を行い、昌平県白浮村の神山泉から疏水し、宮廷で使用する水源を確保すると共に水運のための貯水池とした。 明代の1494年(弘治7年)、弘治帝の乳母であった佐聖夫人羅氏により甕山前に円静寺が建立(後に荒廃)された。これ以降、甕山周辺の園林が次第に増加し、正徳帝は湖畔に行宮を建設し「好山園」と命名、皇室園林としての利用が始まり、また「甕山」を「金山」と、「甕山泊」を「金海」と改名し、正徳帝や万暦帝が舟遊びのため行幸している。天啓帝の時代になると朝廷内部で権勢を振るった魏忠賢により山園が所有されるにいたった。清朝の初期には宮廷の養馬場として牧草地となっていた。 頤和園が現在の規模になったのは清朝6代皇帝乾隆帝の時代で、当時は「清漪園」と呼ばれていた。1750年(乾隆15年)、乾隆帝は母の崇慶皇太后(孝聖憲皇后)の還暦を祝い、西湖の西に高水湖及び養水湖を掘削し拡張した。乾隆帝は3つの湖を合わせて「昆明湖」と命名した。これは漢の時代に漢武帝が昆明池を掘削して水軍の訓練を行った故事に因む。また、湖の掘削で発生した土砂を利用して甕山を拡大し「万寿山」と改称した。1764年(乾隆29年)、洋銀480余万両の費用を費やした清漪園が概ね完成した。湖の水は農業用水としても利用された。当時の清漪園は居住及び政務施設が乏しかったため乾隆帝の行幸は日帰りに限られていた。 道光年間以降は国力の衰退に伴い清漪園は次第に荒廃し、庭園は雑草に覆われるようになった。1860年(咸豊10年)、アロー戦争で清漪園と隣の円明園は戦場となり、円明園の西洋風宮殿が破壊された。 1875年に即位した光緒帝はわずか3歳で、実権は母の姉にあたる西太后が掌握した。西太后は自身の居所である清漪園の再建に莫大な費用をかけた。造営は1884年から1895年にかけて行われ、完成後「頤和園」と改称された。しかし、この経費は北洋艦隊を整備する海軍予算を総理海軍事務衙門大臣であった醇親王奕譞を通して流用したもので、清朝の軍備増強に大きく影響し、日清戦争敗北の原因の1つになったと言われている。 1900年(光緒26年)、義和団の乱を鎮圧すべく出兵した八ヶ国連合軍の一部により破壊を受けたが、1902年(光緒28年)に修復されている。 中華民国が成立すると頤和園は清室の私有財産とされ、1914年には有料での一般開放がなされた。1924年に溥儀が紫禁城から放逐されると、頤和園は北平特別市政府に接収され公園とされた。 1949年、中華人民共和国が成立すると頤和園には中国共産党中央党校が設置された。またその後も柳亜子や江青などが園中の聴鸝館等に居住していた。1953年以降、頤和園は公園となり一般開放された。 この世界遺産は世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録された(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である)。
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頤和園(いわえん)は、中華人民共和国北京市海淀区に位置する庭園公園。中国の歴代皇帝により整備され、面積は297haと広大である。園地の大部分を占める人工湖「昆明湖」と高さ60mの人工山「万寿山」が特徴である。1998年、ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録された。中国の5A級観光地(2007年認定)。
{{出典の明記|date=2021-08}} {{世界遺産概要表 |site_img = Image:Scenery of Longevity Hill.JPG |site_img_capt = 昆明湖から見た万寿山 |site_img_width = 275px |ja_name = 北京の皇宮庭園 頤和園 |en_name = Summer Palace, an Imperial Garden in Beijing |fr_name = Palais d'été, Jardin impérial de Beijing |country = 中華人民共和国 |criterion_c = (1),(2),(3) |rg_year = 1998年 |ex_rg_year = |remarks = |url_no = 880 |map_img = 画像:LocMap of WH Yi he Yuan.png |map_img_width = 270px |locmapin = Beijing#China Beijing#China Northern Plain |relief = 1 |lat_degrees = 39 |lat_minutes = 59 |lat_seconds = 51 |lat_direction = N |long_degrees = 116 |long_minutes = 16 |long_seconds = 8.04 |long_direction = E }} {{Maplink2|frame=yes|plain=no|frame-align=right|frame-width=270||frame-height=200|type=shape|zoom=12|fill=#f5fffa|stroke-color=#006400||stroke-width=1|frame-latitude=39.9758|frame-longitude=116.285|text=頤和園の位置}} {{中華圏の事物 | 画像= | 画像の説明= | 英文= | 簡体字=颐和园 | 繁体字=頤和園 | ピン音=Yíhéyuán | 通用 = | 注音符号=|ˊ ㄏㄜˊ ㄩㄢˊ | ラテン字= | 広東語= | 上海語= | 台湾語= | カタカナ= }} '''頤和園'''(いわえん)は、[[中華人民共和国]][[北京市]][[海淀区]]に位置する庭園公園。中国の歴代皇帝により整備され、面積は297haと広大である。園地の大部分を占める人工湖「昆明湖」と高さ60mの人工山「万寿山」が特徴である。[[1998年]]、[[国際連合教育科学文化機関|ユネスコ]]の[[世界遺産]](文化遺産)に登録された。[[中国の観光地等級AAAAA|中国の5A級観光地]](2007年認定)<ref>{{Cite web |title=颐和园 |url=https://www.mct.gov.cn/tourism/#/view?id=11876&drid=4&page=1 |website=www.mct.gov.cn |access-date=2023-02-02 |publisher=[[中華人民共和国文化観光部]] |date=2021-07-22}}</ref>。 == 歴史 == [[1153年]]([[貞元 (金)|貞元]]元年)、[[金 (王朝)|金朝]]の[[海陵王]]は頤和園内の香山・玉泉山に金山行宮を設置している。[[元 (王朝)|元朝]]が[[大都]]に都を置いた後、水運整備の必要性から、[[郭守敬]]は上流の水源開発を行い、昌平県白浮村の神山泉から[[疏水]]し、宮廷で使用する水源を確保すると共に水運のための貯水池とした。 [[明|明代]]の[[1494年]]([[弘治 (明)|弘治]]7年)、[[弘治帝]]の乳母であった佐聖夫人羅氏により甕山前に円静寺が建立(後に荒廃)された。これ以降、甕山周辺の園林が次第に増加し、[[正徳帝]]は湖畔に行宮を建設し「好山園」と命名、皇室園林としての利用が始まり、また「甕山」を「金山」と、「甕山泊」を「金海」と改名し、正徳帝や[[万暦帝]]が舟遊びのため行幸している。[[天啓帝]]の時代になると朝廷内部で権勢を振るった[[魏忠賢]]により山園が所有されるにいたった。[[清朝]]の初期には宮廷の養馬場として牧草地となっていた。 頤和園が現在の規模になったのは清朝6代皇帝[[乾隆帝]]の時代で、当時は「清漪園」と呼ばれていた。[[1750年]]([[乾隆]]15年)、乾隆帝は母の崇慶皇太后([[孝聖憲皇后]])の還暦を祝い、西湖の西に高水湖及び養水湖を掘削し拡張した。乾隆帝は3つの湖を合わせて「昆明湖」と命名した。これは漢の時代に[[武帝 (漢)|漢武帝]]が昆明池を掘削して水軍の訓練を行った故事に因む。また、湖の掘削で発生した土砂を利用して甕山を拡大し「万寿山」と改称した。[[1764年]](乾隆29年)、洋銀480余万両の費用を費やした清漪園が概ね完成した。湖の水は農業用水としても利用された。当時の清漪園は居住及び政務施設が乏しかったため[[乾隆帝]]の行幸は日帰りに限られていた。 [[道光]]年間以降は国力の衰退に伴い清漪園は次第に荒廃し、庭園は雑草に覆われるようになった。[[1860年]]([[咸豊]]10年)、[[アロー戦争]]で清漪園と隣の[[円明園]]は戦場となり、円明園の西洋風宮殿が破壊された。 [[1875年]]に即位した[[光緒帝]]はわずか3歳で、実権は母の姉にあたる[[西太后]]が掌握した。西太后は自身の居所である清漪園の再建に莫大な費用をかけた。造営は[[1884年]]から[[1895年]]にかけて行われ、完成後「頤和園」と改称された。しかし、この経費は[[北洋艦隊]]を整備する海軍予算を[[総理海軍事務衙門]]大臣であった[[醇親王]][[愛新覚羅奕譞|奕譞]]を通して流用したもので、清朝の軍備増強に大きく影響し、[[日清戦争]]敗北の原因の1つになったと言われている<ref>陳悦『沈没的甲午』 ,鳳凰出版社,2010年,第180-186頁,ISBN 9787807296706</ref>。 [[1900年]](光緒26年)、[[義和団の乱]]を鎮圧すべく出兵した八ヶ国連合軍の一部により破壊を受けたが、[[1902年]](光緒28年)に修復されている。 [[中華民国]]が成立すると頤和園は清室の私有財産とされ、[[1914年]]には有料での一般開放がなされた。[[1924年]]に[[愛新覚羅溥儀|溥儀]]が紫禁城から放逐されると、頤和園は[[北京市|北平特別市政府]]に接収され公園とされた。 [[1949年]]、中華人民共和国が成立すると頤和園には[[中国共産党中央党校]]が設置された。またその後も[[柳亜子]]や[[江青]]などが園中の[[聴鸝館]]等に居住していた。[[1953年]]以降、頤和園は公園となり一般開放された。 == 交通 == ===地下鉄およびライトレール=== ==== [[北宮門駅]] ==== *[[北京地下鉄4号線]] ==== [[西苑駅]] ==== *[[北京地下鉄4号線]] *[[北京地下鉄16号線]] ==== [[頤和園西門駅]] ==== *[[北京地下鉄西郊線|ライトレール西郊線]]  ===バス=== ===地下鉄北宮門駅経由=== *303系統(西苑バスターミナル~西閘) *332系統(地下鉄北宮門駅~前門) *346系統(西苑バスターミナル~鳳凰嶺) *384系統(中関村一街~西玉河バスターミナル) *394系統(北京西駅~韓家川) *563系統(香山公園東門~西直門バスターミナル) *563系統-区間車(香山公園東門~西苑) *584系統(大鐘寺~頤和山荘) *601系統(地下鉄北宮門駅~和平東橋) *夜8系統(地下鉄北宮門駅~小馬廠) ===頤和園新建宮門経由=== *74系統(菜戸営西路~頤和園新建宮門) *374系統(北京西駅~頤和園新建宮門) *437系統(地下鉄安河橋北駅~公主墳北) ===頤和園西門経由=== *469系統(頤和園西門~地下鉄海淀五路居駅) *539系統(頤和園西門~万柳中路北口) *専129系統(頤和園西門~阜玉路口北) == 登録基準 == {{世界遺産基準|1|2|3}} ==ギャラリー== <gallery> File:West Bank, Summer Palace, Beijing.jpg|景明楼 File:Peking MarbleBoat.JPG|石舫 Image:17 bridge.JPG|十七孔橋 Image:Tower of West Lake and mountain views in Summer Palace.JPG|西湖 File:20090530 Beijing Summer Palace 8617.jpg|徳和園 File:Suzhou Street.JPG|蘇州街 File:Pagoda buda fragante palacio verano pekin.jpg|仏香閣 File:佛香阁鸟覽.JPG|仏香閣からの眺め </gallery> {{wide image|Longevity Hill.JPG|600px|万寿山全景}} == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} == 関連項目 == *[[アジアの庭園]] {{Commons&cat|Summer_Palace,_Beijing|Summer_Palace,_Beijing}} {{中華人民共和国の世界遺産}} {{china-stub}} {{coord|39|59|51.00|N|116|16|8.04|E|type:landmark|display=title}} {{Normdaten}} {{DEFAULTSORT:いわえん}} [[Category:北京の世界遺産]] [[Category:世界遺産 あ行]] [[Category:海淀区の建築物]] [[Category:北京の全国重点文物保護単位]] [[Category:中国の宮殿]] [[Category:北京の公園]] [[Category:中国の庭園]] [[Category:北京の観光地]] [[Category:1998年登録の世界遺産]] [[Category:清朝]] [[Category:海淀区]] [[Category:庭園の世界遺産]] [[Category:中国の観光地等級AAAAA]]
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上海市
上海市(シャンハイし)は、中華人民共和国の直轄市である。 中国東南沿海部の江蘇省・浙江省に隣接し、長江河口と杭州湾に南北を挟まれ、東シナ海に突き出す長江デルタに位置する。改革開放政策以降、同国の経済発展の象徴として高い経済成長を続け、商業・工業・金融・貿易・交通などの中心地である。2022年時点の常住人口は2,400万人を超え、2022年市内総生産は約4兆4652億8000万元(約85兆円)である。 中華人民共和国国務院により国家中心都市の一つに指定されており、森記念財団都市戦略研究所が発表した2022年の「世界の都市総合力ランキング」(Global Power City Index, GPCI)によると世界10位の都市と評価され、首都北京や国際金融センター香港を上回る同国最大の世界都市である。 中国語表記は中国語: 上海市、拼音: Shànghǎishì ( 聞く)、呉語発音: [z̻ɑ̃˨hᴇ˦]、英語表記は英語: Shanghai[ˈʃæŋhaɪ, ʃæŋˈhaɪ] ( 音声ファイル))である。 中国の戦国時代、今の上海あたりは春申君の封地だったため、今も古称として申(しん/拼音: shēn)と称することがある。また略称として滬(こ/簡体字: 沪/拼音: hù)又は「滬瀆(ことく/簡体字: 沪渎/拼音: hùdú」とも呼ばれる。これは、上海市の北東を流れる呉淞江(蘇州河)の下流部分の呼称である。「沪」の文字は、上海市の自動車のナンバープレートの識別記号として使われている。 上海の地名は、11世紀の宋時代に始まる。「上海」の字義については論争があったが、中国の歴史家は唐時代には現在の上海地区は海下にあって、その後の陸化によって文字通り「海の上」に土地が出現したことによると結論している。 長江河口南岸に位置し、河口島である崇明島、長興島、横沙島などを含む。北部から東部は江蘇省・西南部は浙江省と接する。東は東シナ海(東海)に面する。市街地は、長江の支流である黄浦江を遡ったところにある。黄浦江の河口は呉淞口と称した港があり、崇明島などの島や市外への航行に用いられている。 ケッペンの気候区分では温暖湿潤気候 (Cfa) に属し、年間平均気温は17°C。1月の平均気温は5.1°Cと鹿児島県と同緯度の割には寒冷であり、曇りの日が多いため、日中でも10度以下、朝晩は氷点下まで下がることもある。降雪は年に1~2日程度あり、数年に一度は積雪(数cm程度)に見舞われるが、例年あまり見られない。梅雨は約20日間あり、例年7月10日前後には梅雨明けする。7月から8月にかけては高温多湿となり、7月の平均気温は28.6°C、日中猛暑日(35度以上)となる日は年間平均で8.7日に達する。平均最低気温も25.8度に達するなど暑さが厳しく、熱帯夜の日が続くなど非常に過ごしにくい。 最高気温極値は40.8°C(2013年8月7日)、最低気温極値は-12.1°C(1893年1月13日)である。 Template:Graph:Weather monthly history 上海は長江デルタの河口域にあるため、地名には浦、涇、漕、蕩、浜、橋など水に関連する漢字がよく用いられる。 上海市は16の区に区分されている。なお、浦東新区は副省級市轄区(地級行政区レベル)に指定され、大幅な自主権が与えられている。 上海市の中心部は以上の行政区とは別に、黄浦江を境に2つの部分でも分けられている。 上海市域外の江蘇省と安徽省に、上海市飛地がいくつか存在する。以下の各地域の住民(中国人犯罪者を除く)は上海戸籍を有する。日常会話は上海語。 上海の地は古代の周の時代に始まり、秦・新・漢以降は、東呉、晋、宋、南斉、梁、陳、隋の時代を経て、唐代には華亭県の一部だったが、蘇州河の南に上海浦という村ができ、宋代には上海鎮とよばれるようになった。これに対し黄浦江下流の現虹口区あたりには下海廟も存在した。元代には上海に市舶提挙司が置かれ港町として発展し始めた。1292年に上海県となったが、それ以前は華亭県に属した。 清代のアヘン戦争を終結させた1842年の南京条約により、上海は条約港として開港した。これを契機としてイギリスやフランス、アメリカ合衆国などの上海租界が形成され、日本も租界を開き、虹口区は「小東京」と呼ばれた。1865年に香港上海銀行が設立されたことを先駆として、欧米の金融機関が本格的に上海進出を推進した。1871年には、香港-上海-日本の長崎を結ぶ海底電信ケーブルを大北電信会社が敷設したことから、上海租界は北京より逸早く電信ネットワークに組み込まれ、国際電信が可能となった。1873年には、日本の岩倉使節団が帰路に上海に立ち寄り、当時の上海の様子を「米欧回覧実記」に記している。上海共同租界は各国によって構成された独自の警察力・軍事力(上海共同租界工部局警務処(英語版)と万国商団(中国語版))を保有した。 日清戦争の後、外国企業を中心に全般的投資ブームが起こった。下関条約で工業企業権が諸外国に与えられ、工場建設が促進された。1896年に露清銀行が出店した。1897年末に香港上海銀行の株価は176%のプレミアムを記録した。1899年インドシナ銀行が進出してきた。上海は英領香港の高税率に対して課税が緩く、また租界も用意されたので、香港のユダヤ資本が上海に向かって全面的に移転し、たとえばサスーン家などのセファルディ系ユダヤ人グループが第一次世界大戦後に全盛を極めた。 1920年代から1930年代にかけて、上海は中国最大の都市として発展し、イギリス系金融機関の香港上海銀行を中心に中国金融の中心となった。上海は「魔都」あるいは「東洋のパリ」とも呼ばれ、ナイトクラブ・ショービジネスが繁栄した。こうした上海の繁栄は、民族資本家(浙江財閥など)の台頭をもたらし、階級闘争的な労働運動が盛んになっていた。 1925年に上海から始まった五・三〇事件は、中国における大規模な民族運動とされるが、同時に社会主義的労働運動の台頭を示した事態であった。こうした状況を懸念した浙江財閥は、蒋介石と提携し反共クーデター(上海クーデター)を決行させた。なお、中華民国の下で1927年に上海特別市となり、1930年5月、上海直轄市が成立している。 1932年には、上海日本人僧侶襲撃事件などを原因に第一次上海事変が起きた。1935年には、中山水兵射殺事件や日本人が経営する商店が襲撃される事件が起きた。1937年には、大山中尉殺害事件後に第二次上海事変が勃発した。中国軍機の爆撃を受けた上海共同租界では多くの市民が犠牲となったが、日本軍によって上海共同租界への中国軍の侵攻は阻止された。1941年には、太平洋戦争の勃発と共に上海共同租界は日本軍に接収された。1949年の中華人民共和国成立により、外国資本は香港に撤収したが、1950年代から1960年代にかけては工業都市として発展した。 1978年の改革開放政策により、再び外国資本が流入して目覚ましい発展をもたらし、上海市指導部から江沢民、朱鎔基、呉邦国、曽慶紅、黄菊ら中国共産党の政治局常務委員などの指導部を輩出した(上海閥)。 1992年以降本格的に開発された浦東新区が牽引役となって高度経済成長を続け、2010年には世界189カ国が参加した史上最大の国際博覧会である上海万博を開催して国際都市としての上海は復活を遂げた。 2019年12月以降の新型コロナウイルスの流行は上海の市民生活にも多大な影響を与え、特に2022年3月28日以降、市内で感染者が急増したことに伴い、厳格なロックダウンが実施された。当初は2分割して東側と西側の順番でロックダウンを実施する予定であったが、同年4月5日に全市を対象とした無期限のロックダウンに切り替えられた。長期にわたるロックダウンの影響で食糧不足も発生するなど、市民生活にも影響を与えた。その一方で4月16日には、生産活動継続・再開の条件となる感染予防ガイドラインを発表し、市内の産業活動再開に向けて動き出すことになった。 結局、ロックダウンの解除は2か月以上経過した6月1日深夜となった。 2012年6月末の常住人口は2,433.4万人、このうち上海戸籍人口が1,451.1万人、外来人口が982.3万人となっている。上海市人民政治協商会議の統計によると、ここ10年間、平均で約66万人上海市の人口は増え続けている。 2012年末の男性平均寿命80.18歳、女性平均寿命84.67歳、戸籍人口平均寿命82.41歳。2012年には60歳以上の高齢者の人口比率が17%となっている。100歳以上の老人が1,251名、最高齢者は114歳。現在上海市家庭総数の61.06%に当たる305万世帯が一人っ子家庭である。高齢化と少子化問題は、市政府にとって大きな課題となっている。近年、中国の優秀人材に上海の戸籍を発給(いわゆる“新上海人”)したり、上海人に2人の子を産む許可を出すなどの人口政策を打ち出している。 2016年1月1日から、中華人民共和国で「全面二人っ子政策」(簡体字中国語:全面二孩政策)が正式に施行された。2016年に新しく修正された「上海市人口と計画生育条例」によると、夫・妻の中の一人、若しくは二人ともが上海の戸籍を持つ場合は、上海の政策が適用される。法律に則って結婚している夫婦は、国で定めた結婚休暇の日数以外、さらに7日が付与される。また、子供を産んだ妻は、国で定めた産休の日数以外、さらに30日の育休が付与される。夫の方は10日の配偶者出産休暇が付与され、休み中の賃金は全額支給される。 上海の戸籍を持つ公民は、2016年1月1日以降に子供を出産した場合、上海市の計画生育家庭特別扶助制度が適用されなくなる。2015年12月31日以前に子供を出産し、且つ計画生育家庭特別扶助制度の条件を満たす上海戸籍を持つ公民は、引続きその扶助金が支給される。 「全面二人っ子政策」に関して注意すべきなのは、特殊な状況を除き、初めての出産が多胎出産である場合は、その後の出産は認めないという点である。この政策は、二回産むことではなく、二人の子供を産むことを強調しているのである。 上海の原住民は松江周辺に居住していた。元の時代には上海県ができた。1840年のアヘン戦争以後経済が急速に発展し、近隣の地方から次々に移民が入ってきた。現在の上海人の8割以上は、北の江蘇省と南の浙江省からの移民である。特に江蘇省長江の南部と浙江省北部の江南からの出身者が上海人の半分以上を占める。これが上海の文化にも大きな影響を与えている。上海語は寧波市・蘇州市と上海本地語の集合である。商売に長けた江蘇人と政治に敏感な浙江人が近代上海の歴史を作ってきた。 近年、日本も長江デルタに進出、蘇州市・無錫市に工場が建てられている。部品調達、製品流通販売のため、港町の上海に事務所や子会社を設けるケースが多い。今、上海に常駐する日本人は約4万8,000人と、上海にいる外国人のなかで最も多い。上海と、隣接する江蘇・浙江を加えると、出張と観光あわせて10万人近い日本人がいるといわれる。海外一の規模の日本人コミュニティーも形成されている。 上海は、中国で経済的に最も豊かな地方であるため、上海人はねたみもあってか、他地域では嫌われていることが多いとの意見がある。上海人のステレオタイプとして、横暴で傲慢、わがままというものがある。 戦前から多くの日本人が住む上海には2015年現在、9,962社の日系企業が進出、46,115人の日本人が住み、海外で3か月以上留まって暮らす長期滞在の日本人が多い都市として、タイのバンコクに次ぎ、2番目となっている。短期滞在者を含めると10万人以上の日本人が滞在しているといわれる。日本総領事館や日本人学校などもあり、日本料理店をはじめ、日本人向けの店も多い。 上海人の姓(苗字)は多い順に、張、王、陳、李、朱、徐、周、沈、呉、陸である。沈と陸が上海特有の姓、それ以外は中国人姓の20位以内に数えられる。近隣の江蘇省、浙江省の姓ランキングも上海とほぼ同じである。 中国は人口問題を抱えるため、農村と地方都市の人は自由に大都市に移住することができない。それにもかかわらず、近年の経済発展に伴って多くの出稼ぎ労働者が中国各地から上海に来て仕事をしている。その数約660万人以上といわれるが、正確な数字の把握は難しい。出稼ぎ労働者の出身地はいずれも普通語を使う四川省、江蘇省蘇北、安徽省、東北地方の者が多い。出稼ぎ労働者は上海を建設すると同時に、大きな社会問題と治安問題をも招いている。公安機関の統計によれば、上海市の75%以上の強盗、殺人、暴行などの悪質な犯罪は市外の中国人により発生している。 したがって、上海では北京市と並び、中国大陸において最も厳しい戸籍政策がとられている。しかし大都市の戸籍を持つ人には様々な特権がある。例えば、親が上海戸籍を持つ者なら、子供が生まれたとき区の社会保険局から15万円から数十万円までの援助金を得ることができる。戸籍を持つ子供は優先的に幼稚園、小学校、中学校に進学できる。一方、上海戸籍を持たない者は、上海の大学受験に参加できない。また、一部の悪質な会社は、上海戸籍を持たない社員に住宅積立金、年金を支払わないケースもある。このような戸籍問題に関するトラブルは絶えない。 中国は都市と地方の格差が激しいため、日本やアメリカ合衆国などの外国への観光査証発行は、上海や北京など沿岸経済発展地域の戸籍を持つ者が優待される。 普通話は学校や公式な場面で使われている。上海語は呉語を代表する方言である。本来文字はなかったが、音に近い漢字が当てられた。上海語の中にも方言があり、浦東・青浦地域に存在する。崇明島ではまた違った言語が話されるが、上海語に近い。上海には周囲の江蘇省・浙江省から多くの労働者が出稼ぎに来たため、彼らの多くが今も住む上海駅周辺では上海語とは異なる言語である「蘇北語」が話されている。普通話と上海語とはまったく通じないが、普通話の教育が中国全土で行われているため、大抵の上海人が普通話を使用することができる。 上海語で放送されるテレビ番組や上海語で上演される戯曲などがある。中国では上海語の学習書なども出版されている。 中国最大の経済都市である。2014年の市内総生産は2兆3,560億元であり、北京市を凌ぎ同国第1位である。2014年の上海都市圏の総生産は5647億ドルであり、世界8位の経済規模を有する。アジアでは東京都市圏、ソウル都市圏、大阪都市圏に次ぐ第4位である。 また、日本経済研究センターは、2035年にはニューヨーク、東京、ロサンゼルスに次ぐ世界第4位の経済規模に成長すると予測している。 2020年9月の調査によると、上海は世界3位の金融センターであり、東京や香港を抑えて初めてアジア首位に立った。 2015年に上海市が公表した統計によると、2014年における労働者の平均賃金は年65,412元(約126万円)であり、月平均5,451元(約10.5万円)である。また、2015年の上海市の最低賃金基準は、月給の場合2,020元(約3.9万円)であり、時給の場合18元(約347円)である。第三次産業の中でも、とりわけ金融産業に従事している労働者の平均賃金が高く、2011年現在、年167,173元(約284万円)となっている。一方、農業など第一次産業に従事している労働者の平均賃金は2011年現在、年31,765元(約54万円)、第二次産業に従事している労働者の平均賃金は、年44,598元(約76万円)、第三次産業に従事している労働者の平均賃金は、年60,341元(約103万円)である。 上海市の主要交通手段はバス、自転車、船であったが、2000年代からはトロリーバス、地下鉄網、タクシー、電動スクーター、高速道路網をも活用した自動車などが主な交通手段となる。鉄道は国鉄以外では上海軌道交通が一手を担っている。 大手のタクシー会社は、スーツを着用していたり、一流ホテルで客待ちできたりするので識別するのは可能である。わざと遠回りして標準価格より2倍以上請求した事実が発覚した場合、その運転手は永久にタクシーライセンスを剥奪される。 自動車の急激な台数増加を抑制するため、自動車の所有は限定発行されるナンバープレートを競売で入手することが前提となっている。2018年頃のナンバープレートの落札額は9万元を超えることもあり、車両本体価格よりもナンバー代の方が高くなる可能性もある。上海市外のナンバープレートを調達する回避策もあったが、市外ナンバーの走行禁止時間帯が設定されるなど規制は厳しくなっている。 上海は中国東部の鉄道中枢上海鉄路局の所在地である。1876年7月3日に開通した呉淞鉄道は中国で初めての鉄道であり、一度撤去された後、淞滬鉄道として再建された。北方面の京滬線と南方面の滬昆線の始発駅。2007年1月28日より中国高速鉄道CRH2型電車の営業運転を開始した。 市内のほとんどの公共交通機関において上海公共交通カードを利用できる。 上海には、西郊外の長寧区にある上海虹橋国際空港と、浦東新区にある上海浦東国際空港の2つの空港があり、共に中国東方航空や上海航空、春秋航空のハブ空港の役目を担っている。 国際線は2002年10月以降浦東国際空港に集約され、虹橋国際空港を発着する国際線の便はなかったが、2007年9月29日に東京・東京国際空港との間で1日4往復の定期チャーター便、同年10月28日にソウル・金浦国際空港便が就航した。 浦東国際空港へのアクセスとして、上海軌道交通2号線のほか、上海トランスラピッドが供用されている。 1988年10月31日に開通した滬嘉高速道路は中国で初めての高速道路である。A20(外環線)以内の高速道路、A1(迎賓大道)、大型橋、トンネル等は無料であるが、時間帯によって上海以外のナンバープレートをつけた自動車の流入が規制される。2008年11月から長江デルタ地域ETCの全面導入に伴う高速道路料金システムは電子化された。交通管理は全国で最も厳しいといわれる。市内いたるところに監視カメラが設置され、交通違反した車は上海市境の高速道路料金所で累計した罰金を科せられる。 上海は中国最大の港湾であるのみならず、コンテナ取扱量ではシンガポールや香港を凌ぎ、世界1位である。 黄浦江の河港として始まった上海は長江沿岸の外高橋地区に重点を移し、さらに取扱量の増加やコンテナ船の大型化を見越して、世界のハブ港湾となる埠頭とコンテナターミナルを外海に面した杭州湾上に建設した。この新港は2005年暮れに洋山深水港として開業した。洋山深水港は上海の南30kmの沖合に浮かび、本土とは東海大橋で結ばれている。 神戸港および大阪港と上海を結ぶフェリー「新鑑真号」と大阪港と上海を結ぶ「蘇州号」が就航中。2005年には、山口県下関市と上海を結ぶフェリーが就航(2006年に中国側寄港地は蘇州太倉港に変更)。 1994年に平成の新上海航路を開設し、長崎港と上海を結んだ。初めに海華号(13,481トン)が就航、2年後の1996年3月から旅客定員382人のフェリー長崎上海号(11,008トン)に更新された。航路は日中双方の合弁会社で運航されたが、利用率の低迷により1997年1月から運休となっている。その後、2012年2月にHTBクルーズによる「オーシャンローズ」が就航し、平成の上海航路が一時復活した。しかしこちらも利用者の低迷と日中関係の悪化に伴い同年10月から運休となっている。 上海は中国政府が指定する「中華人民共和国国家歴史文化名城」のひとつであり、市内には「中華人民共和国全国重点文物保護単位」が16点存在する。 上海でも近年中国の標準語とされる普通話(北京語)は通用するが、日常会話で使われているのは依然として上海語(上海方言)であり、テレビ・ラジオ放送でも上海語の番組が存在する。上海語は呉語(呉方言)の代表的なものである。上海語を使って演じる伝統劇の「滬劇」があるほか、近年は若者が上海語のラップを歌う例も見られる。但し、他地域同様に幼稚園からの普通話教育と公共場所での普通話の徹底により、上海生まれ上海育ちの若者でも上海語が話せなくなってきている。一部、上海市が対策を講じ始めているが効果には至っていない。 アクロバティックな演技で知られる中国風サーカス(雑技)の「上海雑技団」も有名。上海料理は近接の江蘇省の料理・江蘇料理の影響を受け、これを洗練させたものである。 上海の文化的特徴は、もともと「海派文化」と称される隣接の江蘇省、浙江省地域一帯の伝統的文化・芸術と、1920年代 - 1930年代に西洋から移入された流行文化が混じり合い、現代中国で最も洗練された都市のひとつとなっている。 改革開放政策導入後、上海では多くの大きな文化イベントが開催され、上海大劇院、上海博物館、上海図書館、上海影城など、中国最大規模の文化施設が多く建設された。ヨーロッパ調の上海音楽庁の全面改装後、クラシックのコンサートも多く開催されるようになる。また、国際芸術祭、国際映画祭なども毎年開催されている。2010年5 - 10月には、「より良い都市、より良い生活(城市、让生活更美好;Better City Better Life)」をテーマに国際博覧会が開催された。 上海には1920年代より多くの西洋様式の建築が残されている。その中でも特に黄浦江に面する川沿いの外灘 (The Bund) は、上海海関、香港上海銀行などが立ち並びヨーロッパ調の風情を感じさせる建築群として知られており、上海のシンボルにもなっている。市内にも多くの西洋建築が点在している。 上海市内においては、1920年代の一般市民の共同住宅である「石庫門」と呼ばれる建築様式も残っており、現在都市化が進むなか貴重な文化資産として、その多くがブティックやレストランとして改築され、保存されている。市内中心部・淮海中路近くの「上海新天地」はその一例である。 一方外灘の対岸にあたる浦東新区には、1994年完成の東方明珠電視塔を始めとして、新しい摩天楼群が立ち並び、そのエキゾチックな景観、発展ぶりには目を見張るものがある。2008年には世界第2位の高さとなる高層ビル、上海環球金融中心(上海ワールドフィナンシャルセンター;別名「上海ヒルズ」、地上492m、階数104階)が完成し、地上474mの高さにある100階の展望台は世界で最も高い展望台となった。さらに2014年には高さ632mの上海中心(上海タワー)が完成した。 上海市には高さ100mを超える超高層ビルが426棟あり、世界でも7番目の高層都市である。 2004年からF1・中国グランプリ、その翌年からはロードレース世界選手権・中国グランプリが上海インターナショナルサーキット(上海国際賽車場)にて開催されている。2005年には上海体育館で世界卓球選手権が開催された。2008年北京オリンピックのサッカー・予選が上海市で開催された。2009年より男子プロテニスの上海マスターズが開催されている。 上海市には中国サッカー・スーパーリーグに所属するプロサッカークラブ、上海海港と上海申花がある。かつては上海申鑫も存在したが、2020年に財政難によりクラブは解散した。上海海港は浦東足球場をホームスタジアムとしており、上海申花は上海虹口足球場をホームスタジアムとしている。また、ラ・リーガ(スペインリーグ)のエスパニョールで、2019年から2022年までプレーした「ウー・レイ」は上海海港の代表的な選手でもある。 度重なる経営統合により、上海の放送メディアは上海メディアグループ(上海文化広播影視集団、SMG)、大手新聞は上海報業集団(上海ユナイテッドメディアグループ、SUMG)(中国語版)の傘下にほぼ集約された。 (中国国际广播电台) 番組表は、週刊新聞「毎周広播電視 (SHANGHAI RADIO & TV WEEKLY)」に掲載されている。 伝統的な主要紙として新民晩報(中国語版)(夕刊紙、1929年9月創刊)、文匯報(朝刊紙、1938年1月創刊)、解放日報(中国語版)(朝刊紙、1949年5月に上海で創刊)が挙げられる。新民晩報社と文匯報社が文匯新民聯合報業集団(中国語版)として1998年7月に経営統合、解放日報社を中心とした解放日報報業集団(中国語版)が2000年10月に発足したのち、両者は2013年10月に「上海報業集団」として再統合した。 「上海市出身の人物一覧」を参照。 Category:上海を舞台とした作品を参照。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "上海市(シャンハイし)は、中華人民共和国の直轄市である。", "title": null }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "中国東南沿海部の江蘇省・浙江省に隣接し、長江河口と杭州湾に南北を挟まれ、東シナ海に突き出す長江デルタに位置する。改革開放政策以降、同国の経済発展の象徴として高い経済成長を続け、商業・工業・金融・貿易・交通などの中心地である。2022年時点の常住人口は2,400万人を超え、2022年市内総生産は約4兆4652億8000万元(約85兆円)である。", "title": null }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "中華人民共和国国務院により国家中心都市の一つに指定されており、森記念財団都市戦略研究所が発表した2022年の「世界の都市総合力ランキング」(Global Power City Index, GPCI)によると世界10位の都市と評価され、首都北京や国際金融センター香港を上回る同国最大の世界都市である。", "title": null }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "中国語表記は中国語: 上海市、拼音: Shànghǎishì ( 聞く)、呉語発音: [z̻ɑ̃˨hᴇ˦]、英語表記は英語: Shanghai[ˈʃæŋhaɪ, ʃæŋˈhaɪ] ( 音声ファイル))である。", "title": "名称" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "中国の戦国時代、今の上海あたりは春申君の封地だったため、今も古称として申(しん/拼音: shēn)と称することがある。また略称として滬(こ/簡体字: 沪/拼音: hù)又は「滬瀆(ことく/簡体字: 沪渎/拼音: hùdú」とも呼ばれる。これは、上海市の北東を流れる呉淞江(蘇州河)の下流部分の呼称である。「沪」の文字は、上海市の自動車のナンバープレートの識別記号として使われている。", "title": "名称" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "上海の地名は、11世紀の宋時代に始まる。「上海」の字義については論争があったが、中国の歴史家は唐時代には現在の上海地区は海下にあって、その後の陸化によって文字通り「海の上」に土地が出現したことによると結論している。", "title": "名称" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "長江河口南岸に位置し、河口島である崇明島、長興島、横沙島などを含む。北部から東部は江蘇省・西南部は浙江省と接する。東は東シナ海(東海)に面する。市街地は、長江の支流である黄浦江を遡ったところにある。黄浦江の河口は呉淞口と称した港があり、崇明島などの島や市外への航行に用いられている。", "title": "地理" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "ケッペンの気候区分では温暖湿潤気候 (Cfa) に属し、年間平均気温は17°C。1月の平均気温は5.1°Cと鹿児島県と同緯度の割には寒冷であり、曇りの日が多いため、日中でも10度以下、朝晩は氷点下まで下がることもある。降雪は年に1~2日程度あり、数年に一度は積雪(数cm程度)に見舞われるが、例年あまり見られない。梅雨は約20日間あり、例年7月10日前後には梅雨明けする。7月から8月にかけては高温多湿となり、7月の平均気温は28.6°C、日中猛暑日(35度以上)となる日は年間平均で8.7日に達する。平均最低気温も25.8度に達するなど暑さが厳しく、熱帯夜の日が続くなど非常に過ごしにくい。 最高気温極値は40.8°C(2013年8月7日)、最低気温極値は-12.1°C(1893年1月13日)である。 Template:Graph:Weather monthly history", "title": "地理" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "上海は長江デルタの河口域にあるため、地名には浦、涇、漕、蕩、浜、橋など水に関連する漢字がよく用いられる。", "title": "地理" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "上海市は16の区に区分されている。なお、浦東新区は副省級市轄区(地級行政区レベル)に指定され、大幅な自主権が与えられている。", "title": "行政区画" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "上海市の中心部は以上の行政区とは別に、黄浦江を境に2つの部分でも分けられている。", "title": "行政区画" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "上海市域外の江蘇省と安徽省に、上海市飛地がいくつか存在する。以下の各地域の住民(中国人犯罪者を除く)は上海戸籍を有する。日常会話は上海語。", "title": "行政区画" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "上海の地は古代の周の時代に始まり、秦・新・漢以降は、東呉、晋、宋、南斉、梁、陳、隋の時代を経て、唐代には華亭県の一部だったが、蘇州河の南に上海浦という村ができ、宋代には上海鎮とよばれるようになった。これに対し黄浦江下流の現虹口区あたりには下海廟も存在した。元代には上海に市舶提挙司が置かれ港町として発展し始めた。1292年に上海県となったが、それ以前は華亭県に属した。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "清代のアヘン戦争を終結させた1842年の南京条約により、上海は条約港として開港した。これを契機としてイギリスやフランス、アメリカ合衆国などの上海租界が形成され、日本も租界を開き、虹口区は「小東京」と呼ばれた。1865年に香港上海銀行が設立されたことを先駆として、欧米の金融機関が本格的に上海進出を推進した。1871年には、香港-上海-日本の長崎を結ぶ海底電信ケーブルを大北電信会社が敷設したことから、上海租界は北京より逸早く電信ネットワークに組み込まれ、国際電信が可能となった。1873年には、日本の岩倉使節団が帰路に上海に立ち寄り、当時の上海の様子を「米欧回覧実記」に記している。上海共同租界は各国によって構成された独自の警察力・軍事力(上海共同租界工部局警務処(英語版)と万国商団(中国語版))を保有した。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "日清戦争の後、外国企業を中心に全般的投資ブームが起こった。下関条約で工業企業権が諸外国に与えられ、工場建設が促進された。1896年に露清銀行が出店した。1897年末に香港上海銀行の株価は176%のプレミアムを記録した。1899年インドシナ銀行が進出してきた。上海は英領香港の高税率に対して課税が緩く、また租界も用意されたので、香港のユダヤ資本が上海に向かって全面的に移転し、たとえばサスーン家などのセファルディ系ユダヤ人グループが第一次世界大戦後に全盛を極めた。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "1920年代から1930年代にかけて、上海は中国最大の都市として発展し、イギリス系金融機関の香港上海銀行を中心に中国金融の中心となった。上海は「魔都」あるいは「東洋のパリ」とも呼ばれ、ナイトクラブ・ショービジネスが繁栄した。こうした上海の繁栄は、民族資本家(浙江財閥など)の台頭をもたらし、階級闘争的な労働運動が盛んになっていた。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "1925年に上海から始まった五・三〇事件は、中国における大規模な民族運動とされるが、同時に社会主義的労働運動の台頭を示した事態であった。こうした状況を懸念した浙江財閥は、蒋介石と提携し反共クーデター(上海クーデター)を決行させた。なお、中華民国の下で1927年に上海特別市となり、1930年5月、上海直轄市が成立している。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "1932年には、上海日本人僧侶襲撃事件などを原因に第一次上海事変が起きた。1935年には、中山水兵射殺事件や日本人が経営する商店が襲撃される事件が起きた。1937年には、大山中尉殺害事件後に第二次上海事変が勃発した。中国軍機の爆撃を受けた上海共同租界では多くの市民が犠牲となったが、日本軍によって上海共同租界への中国軍の侵攻は阻止された。1941年には、太平洋戦争の勃発と共に上海共同租界は日本軍に接収された。1949年の中華人民共和国成立により、外国資本は香港に撤収したが、1950年代から1960年代にかけては工業都市として発展した。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "1978年の改革開放政策により、再び外国資本が流入して目覚ましい発展をもたらし、上海市指導部から江沢民、朱鎔基、呉邦国、曽慶紅、黄菊ら中国共産党の政治局常務委員などの指導部を輩出した(上海閥)。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "1992年以降本格的に開発された浦東新区が牽引役となって高度経済成長を続け、2010年には世界189カ国が参加した史上最大の国際博覧会である上海万博を開催して国際都市としての上海は復活を遂げた。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "2019年12月以降の新型コロナウイルスの流行は上海の市民生活にも多大な影響を与え、特に2022年3月28日以降、市内で感染者が急増したことに伴い、厳格なロックダウンが実施された。当初は2分割して東側と西側の順番でロックダウンを実施する予定であったが、同年4月5日に全市を対象とした無期限のロックダウンに切り替えられた。長期にわたるロックダウンの影響で食糧不足も発生するなど、市民生活にも影響を与えた。その一方で4月16日には、生産活動継続・再開の条件となる感染予防ガイドラインを発表し、市内の産業活動再開に向けて動き出すことになった。 結局、ロックダウンの解除は2か月以上経過した6月1日深夜となった。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "2012年6月末の常住人口は2,433.4万人、このうち上海戸籍人口が1,451.1万人、外来人口が982.3万人となっている。上海市人民政治協商会議の統計によると、ここ10年間、平均で約66万人上海市の人口は増え続けている。", "title": "社会" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "2012年末の男性平均寿命80.18歳、女性平均寿命84.67歳、戸籍人口平均寿命82.41歳。2012年には60歳以上の高齢者の人口比率が17%となっている。100歳以上の老人が1,251名、最高齢者は114歳。現在上海市家庭総数の61.06%に当たる305万世帯が一人っ子家庭である。高齢化と少子化問題は、市政府にとって大きな課題となっている。近年、中国の優秀人材に上海の戸籍を発給(いわゆる“新上海人”)したり、上海人に2人の子を産む許可を出すなどの人口政策を打ち出している。", "title": "社会" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "2016年1月1日から、中華人民共和国で「全面二人っ子政策」(簡体字中国語:全面二孩政策)が正式に施行された。2016年に新しく修正された「上海市人口と計画生育条例」によると、夫・妻の中の一人、若しくは二人ともが上海の戸籍を持つ場合は、上海の政策が適用される。法律に則って結婚している夫婦は、国で定めた結婚休暇の日数以外、さらに7日が付与される。また、子供を産んだ妻は、国で定めた産休の日数以外、さらに30日の育休が付与される。夫の方は10日の配偶者出産休暇が付与され、休み中の賃金は全額支給される。", "title": "社会" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "上海の戸籍を持つ公民は、2016年1月1日以降に子供を出産した場合、上海市の計画生育家庭特別扶助制度が適用されなくなる。2015年12月31日以前に子供を出産し、且つ計画生育家庭特別扶助制度の条件を満たす上海戸籍を持つ公民は、引続きその扶助金が支給される。", "title": "社会" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "「全面二人っ子政策」に関して注意すべきなのは、特殊な状況を除き、初めての出産が多胎出産である場合は、その後の出産は認めないという点である。この政策は、二回産むことではなく、二人の子供を産むことを強調しているのである。", "title": "社会" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "上海の原住民は松江周辺に居住していた。元の時代には上海県ができた。1840年のアヘン戦争以後経済が急速に発展し、近隣の地方から次々に移民が入ってきた。現在の上海人の8割以上は、北の江蘇省と南の浙江省からの移民である。特に江蘇省長江の南部と浙江省北部の江南からの出身者が上海人の半分以上を占める。これが上海の文化にも大きな影響を与えている。上海語は寧波市・蘇州市と上海本地語の集合である。商売に長けた江蘇人と政治に敏感な浙江人が近代上海の歴史を作ってきた。", "title": "社会" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "近年、日本も長江デルタに進出、蘇州市・無錫市に工場が建てられている。部品調達、製品流通販売のため、港町の上海に事務所や子会社を設けるケースが多い。今、上海に常駐する日本人は約4万8,000人と、上海にいる外国人のなかで最も多い。上海と、隣接する江蘇・浙江を加えると、出張と観光あわせて10万人近い日本人がいるといわれる。海外一の規模の日本人コミュニティーも形成されている。", "title": "社会" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "上海は、中国で経済的に最も豊かな地方であるため、上海人はねたみもあってか、他地域では嫌われていることが多いとの意見がある。上海人のステレオタイプとして、横暴で傲慢、わがままというものがある。", "title": "社会" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "戦前から多くの日本人が住む上海には2015年現在、9,962社の日系企業が進出、46,115人の日本人が住み、海外で3か月以上留まって暮らす長期滞在の日本人が多い都市として、タイのバンコクに次ぎ、2番目となっている。短期滞在者を含めると10万人以上の日本人が滞在しているといわれる。日本総領事館や日本人学校などもあり、日本料理店をはじめ、日本人向けの店も多い。", "title": "社会" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "上海人の姓(苗字)は多い順に、張、王、陳、李、朱、徐、周、沈、呉、陸である。沈と陸が上海特有の姓、それ以外は中国人姓の20位以内に数えられる。近隣の江蘇省、浙江省の姓ランキングも上海とほぼ同じである。", "title": "社会" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "中国は人口問題を抱えるため、農村と地方都市の人は自由に大都市に移住することができない。それにもかかわらず、近年の経済発展に伴って多くの出稼ぎ労働者が中国各地から上海に来て仕事をしている。その数約660万人以上といわれるが、正確な数字の把握は難しい。出稼ぎ労働者の出身地はいずれも普通語を使う四川省、江蘇省蘇北、安徽省、東北地方の者が多い。出稼ぎ労働者は上海を建設すると同時に、大きな社会問題と治安問題をも招いている。公安機関の統計によれば、上海市の75%以上の強盗、殺人、暴行などの悪質な犯罪は市外の中国人により発生している。", "title": "社会" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "したがって、上海では北京市と並び、中国大陸において最も厳しい戸籍政策がとられている。しかし大都市の戸籍を持つ人には様々な特権がある。例えば、親が上海戸籍を持つ者なら、子供が生まれたとき区の社会保険局から15万円から数十万円までの援助金を得ることができる。戸籍を持つ子供は優先的に幼稚園、小学校、中学校に進学できる。一方、上海戸籍を持たない者は、上海の大学受験に参加できない。また、一部の悪質な会社は、上海戸籍を持たない社員に住宅積立金、年金を支払わないケースもある。このような戸籍問題に関するトラブルは絶えない。", "title": "社会" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "中国は都市と地方の格差が激しいため、日本やアメリカ合衆国などの外国への観光査証発行は、上海や北京など沿岸経済発展地域の戸籍を持つ者が優待される。", "title": "社会" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "普通話は学校や公式な場面で使われている。上海語は呉語を代表する方言である。本来文字はなかったが、音に近い漢字が当てられた。上海語の中にも方言があり、浦東・青浦地域に存在する。崇明島ではまた違った言語が話されるが、上海語に近い。上海には周囲の江蘇省・浙江省から多くの労働者が出稼ぎに来たため、彼らの多くが今も住む上海駅周辺では上海語とは異なる言語である「蘇北語」が話されている。普通話と上海語とはまったく通じないが、普通話の教育が中国全土で行われているため、大抵の上海人が普通話を使用することができる。", "title": "言語" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "上海語で放送されるテレビ番組や上海語で上演される戯曲などがある。中国では上海語の学習書なども出版されている。", "title": "言語" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "中国最大の経済都市である。2014年の市内総生産は2兆3,560億元であり、北京市を凌ぎ同国第1位である。2014年の上海都市圏の総生産は5647億ドルであり、世界8位の経済規模を有する。アジアでは東京都市圏、ソウル都市圏、大阪都市圏に次ぐ第4位である。", "title": "経済" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "また、日本経済研究センターは、2035年にはニューヨーク、東京、ロサンゼルスに次ぐ世界第4位の経済規模に成長すると予測している。", "title": "経済" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "2020年9月の調査によると、上海は世界3位の金融センターであり、東京や香港を抑えて初めてアジア首位に立った。 2015年に上海市が公表した統計によると、2014年における労働者の平均賃金は年65,412元(約126万円)であり、月平均5,451元(約10.5万円)である。また、2015年の上海市の最低賃金基準は、月給の場合2,020元(約3.9万円)であり、時給の場合18元(約347円)である。第三次産業の中でも、とりわけ金融産業に従事している労働者の平均賃金が高く、2011年現在、年167,173元(約284万円)となっている。一方、農業など第一次産業に従事している労働者の平均賃金は2011年現在、年31,765元(約54万円)、第二次産業に従事している労働者の平均賃金は、年44,598元(約76万円)、第三次産業に従事している労働者の平均賃金は、年60,341元(約103万円)である。", "title": "経済" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "上海市の主要交通手段はバス、自転車、船であったが、2000年代からはトロリーバス、地下鉄網、タクシー、電動スクーター、高速道路網をも活用した自動車などが主な交通手段となる。鉄道は国鉄以外では上海軌道交通が一手を担っている。", "title": "交通" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "大手のタクシー会社は、スーツを着用していたり、一流ホテルで客待ちできたりするので識別するのは可能である。わざと遠回りして標準価格より2倍以上請求した事実が発覚した場合、その運転手は永久にタクシーライセンスを剥奪される。", "title": "交通" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "自動車の急激な台数増加を抑制するため、自動車の所有は限定発行されるナンバープレートを競売で入手することが前提となっている。2018年頃のナンバープレートの落札額は9万元を超えることもあり、車両本体価格よりもナンバー代の方が高くなる可能性もある。上海市外のナンバープレートを調達する回避策もあったが、市外ナンバーの走行禁止時間帯が設定されるなど規制は厳しくなっている。", "title": "交通" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "上海は中国東部の鉄道中枢上海鉄路局の所在地である。1876年7月3日に開通した呉淞鉄道は中国で初めての鉄道であり、一度撤去された後、淞滬鉄道として再建された。北方面の京滬線と南方面の滬昆線の始発駅。2007年1月28日より中国高速鉄道CRH2型電車の営業運転を開始した。", "title": "交通" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "市内のほとんどの公共交通機関において上海公共交通カードを利用できる。", "title": "交通" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "上海には、西郊外の長寧区にある上海虹橋国際空港と、浦東新区にある上海浦東国際空港の2つの空港があり、共に中国東方航空や上海航空、春秋航空のハブ空港の役目を担っている。", "title": "交通" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "国際線は2002年10月以降浦東国際空港に集約され、虹橋国際空港を発着する国際線の便はなかったが、2007年9月29日に東京・東京国際空港との間で1日4往復の定期チャーター便、同年10月28日にソウル・金浦国際空港便が就航した。", "title": "交通" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "浦東国際空港へのアクセスとして、上海軌道交通2号線のほか、上海トランスラピッドが供用されている。", "title": "交通" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "1988年10月31日に開通した滬嘉高速道路は中国で初めての高速道路である。A20(外環線)以内の高速道路、A1(迎賓大道)、大型橋、トンネル等は無料であるが、時間帯によって上海以外のナンバープレートをつけた自動車の流入が規制される。2008年11月から長江デルタ地域ETCの全面導入に伴う高速道路料金システムは電子化された。交通管理は全国で最も厳しいといわれる。市内いたるところに監視カメラが設置され、交通違反した車は上海市境の高速道路料金所で累計した罰金を科せられる。", "title": "交通" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "上海は中国最大の港湾であるのみならず、コンテナ取扱量ではシンガポールや香港を凌ぎ、世界1位である。", "title": "交通" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "黄浦江の河港として始まった上海は長江沿岸の外高橋地区に重点を移し、さらに取扱量の増加やコンテナ船の大型化を見越して、世界のハブ港湾となる埠頭とコンテナターミナルを外海に面した杭州湾上に建設した。この新港は2005年暮れに洋山深水港として開業した。洋山深水港は上海の南30kmの沖合に浮かび、本土とは東海大橋で結ばれている。", "title": "交通" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "神戸港および大阪港と上海を結ぶフェリー「新鑑真号」と大阪港と上海を結ぶ「蘇州号」が就航中。2005年には、山口県下関市と上海を結ぶフェリーが就航(2006年に中国側寄港地は蘇州太倉港に変更)。", "title": "交通" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "1994年に平成の新上海航路を開設し、長崎港と上海を結んだ。初めに海華号(13,481トン)が就航、2年後の1996年3月から旅客定員382人のフェリー長崎上海号(11,008トン)に更新された。航路は日中双方の合弁会社で運航されたが、利用率の低迷により1997年1月から運休となっている。その後、2012年2月にHTBクルーズによる「オーシャンローズ」が就航し、平成の上海航路が一時復活した。しかしこちらも利用者の低迷と日中関係の悪化に伴い同年10月から運休となっている。", "title": "交通" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "上海は中国政府が指定する「中華人民共和国国家歴史文化名城」のひとつであり、市内には「中華人民共和国全国重点文物保護単位」が16点存在する。", "title": "文化" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "上海でも近年中国の標準語とされる普通話(北京語)は通用するが、日常会話で使われているのは依然として上海語(上海方言)であり、テレビ・ラジオ放送でも上海語の番組が存在する。上海語は呉語(呉方言)の代表的なものである。上海語を使って演じる伝統劇の「滬劇」があるほか、近年は若者が上海語のラップを歌う例も見られる。但し、他地域同様に幼稚園からの普通話教育と公共場所での普通話の徹底により、上海生まれ上海育ちの若者でも上海語が話せなくなってきている。一部、上海市が対策を講じ始めているが効果には至っていない。", "title": "文化" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "アクロバティックな演技で知られる中国風サーカス(雑技)の「上海雑技団」も有名。上海料理は近接の江蘇省の料理・江蘇料理の影響を受け、これを洗練させたものである。", "title": "文化" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "上海の文化的特徴は、もともと「海派文化」と称される隣接の江蘇省、浙江省地域一帯の伝統的文化・芸術と、1920年代 - 1930年代に西洋から移入された流行文化が混じり合い、現代中国で最も洗練された都市のひとつとなっている。", "title": "文化" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "改革開放政策導入後、上海では多くの大きな文化イベントが開催され、上海大劇院、上海博物館、上海図書館、上海影城など、中国最大規模の文化施設が多く建設された。ヨーロッパ調の上海音楽庁の全面改装後、クラシックのコンサートも多く開催されるようになる。また、国際芸術祭、国際映画祭なども毎年開催されている。2010年5 - 10月には、「より良い都市、より良い生活(城市、让生活更美好;Better City Better Life)」をテーマに国際博覧会が開催された。", "title": "文化" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "上海には1920年代より多くの西洋様式の建築が残されている。その中でも特に黄浦江に面する川沿いの外灘 (The Bund) は、上海海関、香港上海銀行などが立ち並びヨーロッパ調の風情を感じさせる建築群として知られており、上海のシンボルにもなっている。市内にも多くの西洋建築が点在している。", "title": "文化" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "上海市内においては、1920年代の一般市民の共同住宅である「石庫門」と呼ばれる建築様式も残っており、現在都市化が進むなか貴重な文化資産として、その多くがブティックやレストランとして改築され、保存されている。市内中心部・淮海中路近くの「上海新天地」はその一例である。", "title": "文化" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "一方外灘の対岸にあたる浦東新区には、1994年完成の東方明珠電視塔を始めとして、新しい摩天楼群が立ち並び、そのエキゾチックな景観、発展ぶりには目を見張るものがある。2008年には世界第2位の高さとなる高層ビル、上海環球金融中心(上海ワールドフィナンシャルセンター;別名「上海ヒルズ」、地上492m、階数104階)が完成し、地上474mの高さにある100階の展望台は世界で最も高い展望台となった。さらに2014年には高さ632mの上海中心(上海タワー)が完成した。", "title": "文化" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "上海市には高さ100mを超える超高層ビルが426棟あり、世界でも7番目の高層都市である。", "title": "文化" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "", "title": "文化" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "2004年からF1・中国グランプリ、その翌年からはロードレース世界選手権・中国グランプリが上海インターナショナルサーキット(上海国際賽車場)にて開催されている。2005年には上海体育館で世界卓球選手権が開催された。2008年北京オリンピックのサッカー・予選が上海市で開催された。2009年より男子プロテニスの上海マスターズが開催されている。", "title": "スポーツ" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "上海市には中国サッカー・スーパーリーグに所属するプロサッカークラブ、上海海港と上海申花がある。かつては上海申鑫も存在したが、2020年に財政難によりクラブは解散した。上海海港は浦東足球場をホームスタジアムとしており、上海申花は上海虹口足球場をホームスタジアムとしている。また、ラ・リーガ(スペインリーグ)のエスパニョールで、2019年から2022年までプレーした「ウー・レイ」は上海海港の代表的な選手でもある。", "title": "スポーツ" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "度重なる経営統合により、上海の放送メディアは上海メディアグループ(上海文化広播影視集団、SMG)、大手新聞は上海報業集団(上海ユナイテッドメディアグループ、SUMG)(中国語版)の傘下にほぼ集約された。", "title": "メディア" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "(中国国际广播电台)", "title": "メディア" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "番組表は、週刊新聞「毎周広播電視 (SHANGHAI RADIO & TV WEEKLY)」に掲載されている。", "title": "メディア" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "伝統的な主要紙として新民晩報(中国語版)(夕刊紙、1929年9月創刊)、文匯報(朝刊紙、1938年1月創刊)、解放日報(中国語版)(朝刊紙、1949年5月に上海で創刊)が挙げられる。新民晩報社と文匯報社が文匯新民聯合報業集団(中国語版)として1998年7月に経営統合、解放日報社を中心とした解放日報報業集団(中国語版)が2000年10月に発足したのち、両者は2013年10月に「上海報業集団」として再統合した。", "title": "メディア" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "「上海市出身の人物一覧」を参照。", "title": "出身者" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "Category:上海を舞台とした作品を参照。", "title": "上海を舞台とした作品" } ]
上海市(シャンハイし)は、中華人民共和国の直轄市である。 中国東南沿海部の江蘇省・浙江省に隣接し、長江河口と杭州湾に南北を挟まれ、東シナ海に突き出す長江デルタに位置する。改革開放政策以降、同国の経済発展の象徴として高い経済成長を続け、商業・工業・金融・貿易・交通などの中心地である。2022年時点の常住人口は2,400万人を超え、2022年市内総生産は約4兆4652億8000万元(約85兆円)である。 中華人民共和国国務院により国家中心都市の一つに指定されており、森記念財団都市戦略研究所が発表した2022年の「世界の都市総合力ランキング」によると世界10位の都市と評価され、首都北京や国際金融センター香港を上回る同国最大の世界都市である。
{{Redirect|上海|その他の用法|シャンハイ}} {{複数の問題 | 出典の明記 = 2021年3月 | 更新 = 2021年3月 }} {{基礎情報 中国の都市 |name = 上海市 |image_map = China Shanghai.svg |map_caption = 中華人民共和国中の上海市の位置 |shortname = 滬 |nickname = 申 |usedname = |nameorigin = |image_city = Shanghai montage.png |image_caption = 上から時計回り: [[外灘]]から望む[[浦東]][[陸家嘴]]地区、[[豫園]]、[[上海国際博覧会]]、[[南京路 (上海)|南京路]]、[[外灘]]の夜景 |latd=31 |latm=10 |lats=00 |latNS=N |longd=121 |longm=29 |longs=00 |longEW=E |simplified = 上海 |traditional = 上海 |pinyin = Shànghǎi |katakana = 北京官話:シャンハイ、呉語・上海語:ザォンヘー |hiragana = |wuupin = {{unicode|Zaon3 he2}} |subdivision_type1 = |subdivision_name1 = |class = [[直轄市 (中華人民共和国)|直轄市]] |established_title = 設立 |established_date = 1927年7月7日 |established_title1 = |established_date1 = |leader_title = 市委書記 |leader_name = [[陳吉寧]](党中央政治局委員) |leader_title1 = 市長 |leader_name1 = [[龔正]](市委副書記) |elevation = 4 |area_total = 6,340.5 |area_urban = 5,299 |population_total = 2487 |population_as_of = 2020年<ref>{{Cite web 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| poj = Siōng-hái | buc = Siông-hāi | h = Sông-hói | kana = じょうかいし }} '''上海市'''(シャンハイし)は、[[中華人民共和国]]の[[直轄市 (中華人民共和国)|直轄市]]である。 中国東南沿海部の[[江蘇省]]・[[浙江省]]に隣接し、[[長江]]河口と[[杭州湾]]に南北を挟まれ、[[東シナ海]]に突き出す[[長江デルタ]]に位置する。[[改革開放]]政策以降、同国の経済発展の象徴として高い経済成長を続け、[[商業]]・[[工業]]・[[金融]]・[[貿易]]・[[交通]]などの中心地である<ref>[https://www.pref.osaka.lg.jp/kokusai/koryu/shanghai.html 上海市(中国)との交流]大阪市 2023年8月11日閲覧</ref>。[[2022年]]時点の常住人口は2,400万人を超え<ref>[https://www.shhk.gov.cn/xwzx/002008/002008040/20230329/eed52d58-9646-4551-8ed1-dc53944b5882.html 2022年上海常住人口多少?60岁及以上占比多少?数据来了]上海市虹口区人民政府 2023年8月11日閲覧</ref>、[[2022年]]市内総生産は約4兆4652億8000万元(約85兆円)である<ref>[https://www.nna.jp/news/2469801/ 上海の22年GDP0.2%減、ロックダウンで]アジア経済ニュース 2023年8月11日閲覧</ref>。 [[中華人民共和国国務院]]により[[国家中心都市]]の一つに指定されており、森記念財団都市戦略研究所が発表した[[2022年]]の「世界の都市総合力ランキング」(Global Power City Index, GPCI)によると世界10位の都市と評価され<ref>[https://www.mori-m-foundation.or.jp/ius/gpci// 世界の都市総合力ランキング(GPCI)]森記念財団都市戦略研究所 2023年8月11日閲覧。</ref>、首都[[北京]]や国際金融センター[[香港]]を上回る同国最大の[[世界都市]]である。 == 名称 == 中国語表記は{{Lang-zh|上海市}}、{{ピン音|Shànghǎishì}} <small>({{audio|Zh-Shanghai.ogg|聞く|help=no}})</small>、[[呉語]]発音: {{IPA-wuu|z̻ɑ̃˨hᴇ˦|}}、英語表記は{{Lang-en|Shanghai}}<ref group="注">英語のshanghaiには動詞として「力づくで船に連れて行く」、転じて「誘拐する」「強制する」の意味もある。これは19世紀に欧米で船員をかき集めるため強制募集隊が組織され、町の若者たちをだまして上海行きの船へ連行したことに由来する。</ref>{{IPA-en|ˈʃæŋhaɪ, ʃæŋˈhaɪ||en-us-shanghai.ogg}})である。 中国の[[戦国時代 (中国)|戦国時代]]、今の上海あたりは[[春申君]]の封地だったため、今も古称として'''申'''(しん/{{ピン音|shēn}})と称することがある。また略称として'''滬'''(こ/{{簡体字|沪}}/{{ピン音|hù}})又は「滬瀆(ことく/{{簡体字| 沪渎}}/{{ピン音|hùdú}}」とも呼ばれる<ref>平凡社大百科事典 第6巻(サ~シャ)、p.1342、1985年3月25日初版、平凡社</ref><ref>[https://web.archive.org/web/20110416003831/http://www.shanghai.gov.cn/shanghai/node2314/node3766/node3767/node3768/index.html 申”、“沪”的由来] 上海概覧、歴史沿革、上海市人民政府</ref>。これは、上海市の北東を流れる[[呉淞江]](蘇州河)の下流部分の呼称である<ref>岩波 新漢語辞典、p.783、ISBN 4-00-080080-9、1994年4月13日第2刷、岩波書店</ref><ref group="注">「滬」は、竹を柵状に並べて魚を捕る仕掛けの意である。</ref>。「[[沪]]」の文字は、上海市の自動車のナンバープレートの識別記号として使われている。 上海の地名は、11世紀の[[宋 (王朝)|宋]]時代に始まる。「上海」の字義については論争があったが、中国の歴史家は[[唐]]時代には現在の上海地区は海下にあって、その後の陸化によって文字通り「海の上」に土地が出現したことによると結論している<ref>Danielson, Eric N., Shanghai and the Yangzi Delta, 2004,ISBN 978-981-232-597-6, pp. 8–9</ref>。 == 地理 == [[長江]]河口南岸に位置し、河口島である[[崇明島]]、[[長興島 (上海市)|長興島]]、横沙島などを含む。北部から東部は[[江蘇省]]・西南部は[[浙江省]]と接する。東は[[東シナ海]](東海)に面する。市街地は、長江の支流である[[黄浦江]]を遡ったところにある。黄浦江の河口は呉淞口と称した港があり、崇明島などの島や市外への航行に用いられている。 === 気候 === ケッペンの気候区分では[[温暖湿潤気候]] (Cfa) に属し、年間平均気温は17℃。1月の平均気温は5.1℃と[[鹿児島県]]と同緯度の割には寒冷であり、曇りの日が多いため、日中でも10度以下、朝晩は氷点下まで下がることもある。降雪は年に1~2日程度あり、数年に一度は積雪(数cm程度)に見舞われるが、例年あまり見られない。[[梅雨]]は約20日間あり、例年7月10日前後には梅雨明けする。7月から8月にかけては高温多湿となり、7月の平均気温は28.6℃、日中[[猛暑日]](35度以上)となる日は年間平均で8.7日に達する。平均最低気温も25.8度に達するなど暑さが厳しく、熱帯夜の日が続くなど非常に過ごしにくい。 最高気温極値は40.8℃(2013年8月7日)、最低気温極値は-12.1℃(1893年1月13日)<ref name="今最高气温40.8℃ 明日再“奔”40℃">{{cite web | url = http://www.soweather.com/html/e77f9935-c29e-402b-894e-225eb91175c5/infodetail/11bfdc7d-c6fe-4fa2-b15c-23d8239e6367.html | title = 今最高気温40.8℃ 明日再“奔”40℃ | publisher = 上海市公共気象服务中心 | accessdate = 2013-08-07 }}</ref>である。 {{Graph:Weather monthly history | table=ncei.noaa.gov/weather/Shanghai.tab | title=Shanghai weather }} {{Weather box|width=65% |location = 上海市浦東區(1991−2020) |single line = Y |metric first = Y |Jan high C = 8.9 |Feb high C = 10.7 |Mar high C = 15.1 |Apr high C = 20.7 |May high C = 25.4 |Jun high C = 28 |Jul high C = 32.8 |Aug high C = 32.3 |Sep high C = 28.4 |Oct high C = 23.6 |Nov high C = 18.1 |Dec high C = 11.6 |year high C = |Jan mean C = 5.1 |Feb mean C = 6.7 |Mar mean C = 10.6 |Apr mean C = 15.9 |May mean C = 20.9 |Jun mean C = 24.2 |Jul mean C = 28.7 |Aug mean C = 28.5 |Sep mean C = 24.7 |Oct mean C = 19.7 |Nov mean C = 13.9 |Dec mean C = 7.6 |year mean C = |Jan low C = 2.1 |Feb low C = 3.4 |Mar low C = 6.9 |Apr low C = 11.8 |May low C = 17.1 |Jun low C = 21.2 |Jul low C = 25.5 |Aug low C = 25.6 |Sep low C = 21.7 |Oct low C = 16.2 |Nov low C = 10.4 |Dec low C = 4.3 |year low C = |precipitation colour = green |Jan precipitation mm = 77.2 |Feb precipitation mm = 69.8 |Mar precipitation mm = 85.1 |Apr precipitation mm = 87.1 |May precipitation mm = 91.1 |Jun precipitation mm = 231.1 |Jul precipitation mm = 154.2 |Aug precipitation mm = 227 |Sep precipitation mm = 136.3 |Oct precipitation mm = 78.1 |Nov precipitation mm = 70.4 |Dec precipitation mm = 57.1 |year precipitation mm = |unit precipitation days = 1.0 mm |Jan precipitation days = 10.6 |Feb precipitation days = 10.8 |Mar precipitation days = 12.2 |Apr precipitation days = 11 |May precipitation days = 11.3 |Jun precipitation days = 14.4 |Jul precipitation days = 12.2 |Aug precipitation days = 13.3 |Sep precipitation days = 10.7 |Oct precipitation days = 7.5 |Nov precipitation days = 9.7 |Dec precipitation days = 9 |Jan humidity = 73 |Feb humidity = 74 |Mar humidity = 72 |Apr humidity = 71 |May humidity = 74 |Jun humidity = 82 |Jul humidity = 78 |Aug humidity = 79 |Sep humidity = 77 |Oct humidity = 73 |Nov humidity = 75 |Dec humidity = 71 |Jan sun = 117.1 |Feb sun = 111.1 |Mar sun = 147 |Apr sun = 168.4 |May sun = 173.1 |Jun sun = 120 |Jul sun = 189.8 |Aug sun = 191.4 |Sep sun = 156.8 |Oct sun = 152.3 |Nov sun = 122.7 |Dec sun = 123.4|date=May 2023 |source 1 = China Meteorological Administration<ref name="cma new"> {{cite web |url=https://experience.arcgis.com/template/e724038fda394e9d9b7921f10fd1aa55/page/%E7%BA%AF%E8%A1%A8%E6%A0%BC%E7%BB%9F%E8%AE%A1-(%E5%AF%B9%E6%AF%948110%E5%8F%98%E5%8C%96)/?org=UQmaps |script-title = zh:CMA台站气候标准值(1991-2020)|access-date=2023-05-14 |archive-date=2023-04-04 |archive-url=https://web.archive.org/web/20230404092524/https://experience.arcgis.com/template/e724038fda394e9d9b7921f10fd1aa55/page/%E7%BA%AF%E8%A1%A8%E6%A0%BC%E7%BB%9F%E8%AE%A1-(%E5%AF%B9%E6%AF%948110%E5%8F%98%E5%8C%96)/?org=UQmaps |dead-url=no |title = Experience Template }}</ref> }} {{Infobox Weather |single_line= Yes |metric_first = Yes |location = 上海市(徐家匯)(1981〜2010年平均、極値1951〜2013年) |Jan_Hi_°C = 8.6 |Jan_REC_Hi_°C = 22.1 |Feb_Hi_°C = 10.1 |Feb_REC_Hi_°C = 27.0 |Mar_Hi_°C = 13.9 |Mar_REC_Hi_°C = 29.6 |Apr_Hi_°C = 19.9 |Apr_REC_Hi_°C = 34.3 |May_Hi_°C = 25.2 |May_REC_Hi_°C = 35.5 |Jun_Hi_°C = 28.2 |Jun_REC_Hi_°C = 38.4 |Jul_Hi_°C = 32.6 |Jul_REC_Hi_°C = 40.9 |Aug_Hi_°C = 32.0 |Aug_REC_Hi_°C = 40.8 |Sep_Hi_°C = 28.1 |Sep_REC_Hi_°C = 38.2 |Oct_Hi_°C = 23.3 |Oct_REC_Hi_°C = 34.0 |Nov_Hi_°C = 17.5 |Nov_REC_Hi_°C = 28.7 |Dec_Hi_°C = 11.3 |Dec_REC_Hi_°C = 23.4 |Year_Hi_°C = 20.8 |Year_REC_Hi_°C = 40.9 |Jan_Lo_°C = 1.9 |Jan_REC_Lo_°C = -10.1 |Feb_Lo_°C = 3.4 |Feb_REC_Lo_°C = -7.9 |Mar_Lo_°C = 6.7 |Mar_REC_Lo_°C = -5.4 |Apr_Lo_°C = 11.8 |Apr_REC_Lo_°C = -0.5 |May_Lo_°C = 17.1 |May_REC_Lo_°C = 6.9 |Jun_Lo_°C = 21.5 |Jun_REC_Lo_°C = 12.3 |Jul_Lo_°C = 25.7 |Jul_REC_Lo_°C = 16.3 |Aug_Lo_°C = 25.6 |Aug_REC_Lo_°C = 18.8 |Sep_Lo_°C = 21.8 |Sep_REC_Lo_°C = 10.8 |Oct_Lo_°C = 16.3 |Oct_REC_Lo_°C = 1.7 |Nov_Lo_°C = 10.3 |Nov_REC_Lo_°C = -4.2 |Dec_Lo_°C = 4.1 |Dec_REC_Lo_°C = -8.5 |Year_Lo_°C = 14.1 |Year_REC_Lo_°C = -10.1 |Jan_MEAN_°C = 5.1 |Feb_MEAN_°C = 6.4 |Mar_MEAN_°C = 9.8 |Apr_MEAN_°C = 15.3 |May_MEAN_°C = 20.7 |Jun_MEAN_°C = 24.4 |Jul_MEAN_°C = 28.6 |Aug_MEAN_°C = 28.3 |Sep_MEAN_°C = 24.6 |Oct_MEAN_°C = 19.5 |Nov_MEAN_°C = 13.5 |Dec_MEAN_°C = 7.4 |Year_MEAN_°C = 17.0 |scprecip = green |Jan_Precip_mm = 62.0 |Feb_Precip_mm = 61.5 |Mar_Precip_mm = 104.7 |Apr_Precip_mm = 87.2 |May_Precip_mm = 97.5 |Jun_Precip_mm = 187.8 |Jul_Precip_mm = 165.9 |Aug_Precip_mm = 198.3 |Sep_Precip_mm = 133.1 |Oct_Precip_mm = 62.9 |Nov_Precip_mm = 58.3 |Dec_Precip_mm = 40.1 |Year_Precip_mm = 1259.3 |Jan_Sun= 114.3 |Feb_Sun= 119.9 |Mar_Sun= 128.5 |Apr_Sun= 148.5 |May_Sun= 169.8 |Jun_Sun= 130.9 |Jul_Sun= 190.8 |Aug_Sun= 185.7 |Sep_Sun= 167.5 |Oct_Sun= 161.4 |Nov_Sun= 131.1 |Dec_Sun= 127.4 |Year_Sun= 1775.8 |Jan_Hum= 74 |Feb_Hum= 73 |Mar_Hum= 73 |Apr_Hum= 72 |May_Hum= 72 |Jun_Hum= 79 |Jul_Hum= 77 |Aug_Hum= 78 |Sep_Hum= 75 |Oct_Hum= 72 |Nov_Hum= 72 |Dec_Hum= 71 |Year_Hum= 74 |Unit_Precip_days = 0.1 mm |Jan_Precip_days = 9.9 |Feb_Precip_days = 9.2 |Mar_Precip_days = 12.4 |Apr_Precip_days = 11.2 |May_Precip_days = 10.4 |Jun_Precip_days = 12.7 |Jul_Precip_days = 11.4 |Aug_Precip_days = 12.3 |Sep_Precip_days = 9.1 |Oct_Precip_days = 6.9 |Nov_Precip_days = 7.6 |Dec_Precip_days = 7.7 |source =[http://cdc.cma.gov.cn/dataSetLogger.do?changeFlag=dataLogger 中国气象局 国家气象信息中心] |accessdate = 2014-01-01 注:上海国际交换站,1951-1955年在徐家汇,1956-1990年在龙华,1991年起在宝山 }} === 地名の特徴 === 上海は[[長江デルタ]]の河口域にあるため、地名には浦、涇、漕、蕩、浜、橋など水に関連する漢字がよく用いられる。 == 行政区画 == [[画像:Shanghai 1935 S1 AMS-WO.jpg|thumb|300px|1930年代の上海の地図]] [[画像:Shanghai At Night, A Growing City - NASA Earth Observatory.jpg|thumb|250px|上海周辺の衛星写真(夜)]] 上海市は16の区に区分されている<ref>{{Cite web|和書|url=http://nagasaki-nitchu.org/japanese/06china/03s_outline.html|title=上海市の概略|publisher=長崎県日中親善協議会|accessdate=2015-11-19|archiveurl=https://web.archive.org/web/20151119043705/http://nagasaki-nitchu.org/japanese/06china/03s_outline.html|archivedate=2015-11-19}}</ref>。なお、浦東新区は[[副省級市轄区]](地級行政区レベル)に指定され、大幅な自主権が与えられている。 * [[黄浦区]](ホアンプゥ) - 2011年に黄浦区と盧湾区が合併。市人民政府や外灘が所在する上海中心部。旧黄浦区は旧イギリス上海租界で、20世紀からの金融や貿易の中心地区である。旧盧湾区は旧上海フランス租界、江南造船廠の所在地で、中国近代工業の発祥地である。中華イージスの蘭州級駆逐艦もここで建造された。 * [[徐匯区]]({{Lang|zh-Hans|徐汇区}}/シューホィ) - 上海市でもっとも豊かな地域である。上海交通大学、中国科学院上海分院、中国航天院上海分院、上海映画撮影所など、数々のハイテク研究所、医療機関、大学などがある。戦前の資本家や著名人たちの旧居が多く残っている。衡山路周辺にはしゃれた飲食店も多い。上海軌道交通徐家匯駅周辺は近年オフィスビルや百貨店が増加し、発展が目覚ましい。 * [[長寧区]]({{Lang|zh-Hans|长宁区}}/チャンニン) - 西にある天山新村は、かつての紡織労働者の団地である。改革開放後に設けられた虹橋新区は外国企業の事務所が多いビジネス地区となっている。日本を含む各国の領事館も区内に点在し、多くの外国人が古北新区などに住んでいる。上海市内で日本人駐在者が一番多い地域でもある。 * [[静安区]](ジンアン) - 中心部にある区で、静安寺があることに因む。第二次世界大戦以前の高級マンションが今も残っている。また、1990年代に移転した現上海駅がある。 * [[普陀区 (上海市)|普陀区]](プゥトゥオ) - 市の西北部にある。かつての紡織労働者の団地も多い。江沢民も上海市市長になる前に区内の曹楊新村に住んでいたことがある。 * [[虹口区]](ホンコウ) - 第二次世界大戦前は日本の租界で、当時「小東京」と呼ばれた。横浜橋、西本願寺などの史跡が残り、魯迅公園がある。 * [[楊浦区]]({{Lang|zh-Hans|杨浦区}}/ヤンプゥ) - 旧アメリカ合衆国租界で、上海楊樹浦発電所、上海電表廠、上海光機所、上海柴油機廠などの所在地。市中心部の区としては面積がいちばん広く、人口も120万人と最多である。区内には[[復旦大学]]、[[同済大学]]、[[上海理工大学]]、[[上海海洋大学]]、上海電力学院など大学が多い。2010年1月10日に区として「国家イノベーションモデル・パイロット都市」の名誉を獲得した。これは“工業の楊浦”から“知識の楊浦”へと転換が済んだことを意味する。だが、依然重工業の町でもある。 * [[浦東新区]]({{Lang|zh-Hans|浦东新区}}/プゥドンしんく) - 楊浦区、黄浦区、南市区と盧湾区の浦東部分と上海県の三林塘部分と川沙県が1992年に合併し、副省級市に昇格した。2009年には南匯区と合併した。経済特区として金融、IT産業、電子、化学などの工場・オフィス誘致が進み、あわせて上海浦東国際空港や上海トランスラピッドも建設され、上海の新しい玄関となった。これに伴って、外国人も古北小区などから区内の聯洋小区に移る例が多い。民国時期総統・孫文の妻宋慶齢と、青幇のボス杜月笙の実家がある。区内の滬東造船廠で、江凱型フリゲートと071型揚陸艦が建造された。082型空母は区内の外高橋造船廠で建造する予定。 * [[宝山区 (上海市)|宝山区]](バオシャン) - 1988年に呉淞区と宝山県が合併。日本の技術協力を得た宝山鋼鉄の所在地である。 * [[閔行区]]({{Lang|zh-Hans|闵行区}}/ミンハン) - 1992年に閔行区と上海県が合併。多くの外国企業の工場や国産の精密機器、ロケットと人工衛星の製造工場がある。 * [[嘉定区]](ジァーディン) - 旧嘉定県が1992年に改称。光学研究所などの研究機関やトヨタ自動車、ゼネラルモーターズ、フォルクスワーゲンなどの自動車工場がある。また2004年6月には上海国際賽車場(上海インターナショナルサーキット)が完成し、フォーミュラ1中国グランプリやロードレース世界選手権中国グランプリなどの国際的大レースが開催されている。 * [[金山区 (上海市)|金山区]](ジンシャン) - 旧金山県が1997年に改称。金山石化総廠の所在地である。1937年旧日本軍が金山沖に上陸した。 * [[松江区]](ソンジャン) - 旧松江県が1998年に改称。市街地の西約20kmの位置にあり、海鴎がここにある。上海影視楽園も有名。区内の佘山(シェーシャン、標高97メートル)は上海市内の陸地で一番高い山で、頂上には東アジア一を誇るキリスト教会が建てられている。上海市天文台も頂上にある。男子ゴルフ世界選手権シリーズのHSBCチャンピオンズは毎年区内の「佘山国際ゴルフクラブ」で行う。 * [[青浦区]](チンプゥ) - 旧青浦県が1999年に改称。機械製造、金属加工などが盛ん。西にある淀山湖は黄浦江の水源であり、上海の水道水の水源池でもある。湖畔には紅楼夢の大観園を再現したテーマパークもある。 * [[奉賢区]]({{Lang|zh-Hans|奉贤区}}/フォンシェン) - 旧奉賢県が2001年に改称。市街地の南に位置し、スイカなど農産物の産地。近年、海水浴場ができて観光業にも力を入れている。 * [[崇明区]](チョンミン) - 旧崇明県が2016年6月に改称。長江河口の巨大な中洲である崇明島の大部分を占める。島の北の一部は江蘇省に属す。中国第三の島で、崇明老黒皮スイカ、長興島温州ミカンや中国モクズガニの養殖が有名。江南造船廠が区内の長興島へ移転した。2009年10月31日、総工費1638億円の上海長江トンネル・大橋の開通により、島へのアクセスが大幅改善された。 上海市の中心部は以上の行政区とは別に、黄浦江を境に2つの部分でも分けられている。 * 浦東 - 黄浦江の東側にあるためそう呼ばれる。1991年の開発開始までは水田が広がる土地であり、市街地への交通の便も非常に悪く、上海には「寧要浦西一張床、不要浦東一間房」(浦西のベッド一つの方が浦東の一部屋よりまし)という俗諺もあった。 * 浦西 - 黄浦江の西側部分で、豫園を中心とした旧市街や、旧租界時代からの金融、商業の町が含まれる。旧イギリス租界、フランス租界の資本家、政治家、外国人によって建てられた洋館が多く残るため。 {|class="wikitable" !上海市の地図 |- |<div style="position: relative" class="center"> {{Image label begin|image=Administrative Division Shanghai.png|width=600|link=}} {{Image label|x=0.5154|y=0.6231|scale=600|text=[[黄浦区|<span style="color: black;">'''1'''</span>]]}} {{Image label|x=0.4769|y=0.6692|scale=600|text=[[徐匯区|<span style="color: black;">'''2'''</span>]]}} {{Image label|x=0.4308|y=0.6346|scale=600|text=[[長寧区|<span style="color: black;">'''3'''</span>]]}} {{Image label|x=0.4500|y=0.5885|scale=600|text=[[普陀区 (上海市)|<span style="color: black;">'''4'''</span>]]}} {{Image label|x=0.4923|y=0.5731|scale=600|text=[[静安区|<span style="color: black;">'''5'''</span>]]}} {{Image label|x=0.5154|y=0.5654|scale=600|text=[[虹口区|<span style="color: black;">'''6'''</span>]]}} {{Image label|x=0.5462|y=0.5462|scale=600|text=[[楊浦区|<span style="color: black;">'''7'''</span>]]}} {{Image label|x=0.4654|y=0.7577|scale=600|text=[[閔行区|<span style="color: black;">'''閔行区'''</span>]]}} {{Image label|x=0.4346|y=0.4654|scale=600|text=[[宝山区 (上海市)|<span style="color: black;">'''宝山区'''</span>]]}} {{Image label|x=0.2962|y=0.4923|scale=600|text=[[嘉定区|<span style="color: black;">'''嘉定区'''</span>]]}} {{Image label|x=0.6538|y=0.7269|scale=600|text=[[浦東新区|<span style="color: black;">'''浦東新区'''</span>]]}} {{Image label|x=0.3115|y=0.9923|scale=600|text=[[金山区 (上海市)|<span style="color: black;">'''金山区'''</span>]]}} {{Image label|x=0.2808|y=0.8077|scale=600|text=[[松江区|<span style="color: black;">'''松江区'''</span>]]}} {{Image label|x=0.1923|y=0.6962|scale=600|text=[[青浦区|<span style="color: black;">'''青浦区'''</span>]]}} {{Image label|x=0.5577|y=0.9115|scale=600|text=[[奉賢区|<span style="color: black;">'''奉賢区'''</span>]]}} {{Image label|x=0.5500|y=0.2346|scale=600|text=[[崇明区|<span style="color: black;">'''崇明区'''</span>]]}} {{Image label|x=0.0769|y=0.1846|scale=600|text=[[黄浦区|<span style="color: black;">'''1. 黄浦区'''</span>]]}} {{Image label|x=0.0769|y=0.2154|scale=600|text=[[徐匯区|<span style="color: black;">'''2. 徐匯区'''</span>]]}} {{Image label|x=0.0769|y=0.2462|scale=600|text=[[長寧区|<span style="color: black;">'''3. 長寧区'''</span>]]}} {{Image label|x=0.0769|y=0.2769|scale=600|text=[[普陀区 (上海市)|<span style="color: black;">'''4. 普陀区'''</span>]]}} {{Image label|x=0.0769|y=0.3077|scale=600|text=[[静安区|<span style="color: black;">'''5. 静安区'''</span>]]}} {{Image label|x=0.0769|y=0.3385|scale=600|text=[[虹口区|<span style="color: black;">'''6. 虹口区'''</span>]]}} {{Image label|x=0.0769|y=0.3692|scale=600|text=[[楊浦区|<span style="color: black;">'''7. 楊浦区'''</span>]]}} {{Image label end}} </div> |} {| class="wikitable" style="font-size: 95%;" |+ 上海市行政区画 |- ! 区 !! 地域 !! 街道、鎮 |- ! 黄浦区 | 浦西 | 南京東路街道、外灘街道、半淞園路街道、小東門街道、豫園街道、老西門街道、五里橋街道、打浦橋街道、淮海中路街道、瑞金二路街道 |- ! 徐匯区 | 浦西 | 天平路街道、湖南路街道、斜土路街道、楓林路街道、長橋街道、田林街道、虹梅路街道、康健新村街道、徐家匯街道、凌雲路街道、竜華街道、漕河涇街道、華涇鎮 |- ! 長寧区 | 浦西 | 華陽路街道、江蘇路街道、新華路街道、周家橋街道、天山路街道、仙霞新村街道、虹橋街道、程家橋街道、北新涇街道、新涇鎮 |- ! 静安区 | 浦西 | 江寧路街道、石門二路街道、南京西路街道、[[静安寺街道]]、曹家渡街道、天目西路街道、北站街道、宝山路街道、共和新路街道、大寧路街道、彭浦新村街道、臨汾路街道、芷江西路街道、彭浦鎮 |- ! 普陀区 | 浦西 | 曹楊新村街道、長風新村街道、長寿路街道、甘泉路街道、石泉路街道、宜川路街道、万里街道、真如鎮街道、長征鎮、桃浦鎮 |- ! 虹口区 | 浦西 | 欧陽路街道、曲陽路街道、広中路街道、嘉興路街道、涼城新村街道、四川北路街道、北外灘街道、江湾鎮街道 |- ! 楊浦区 | 浦西 | 定海路街道、平涼路街道、江浦路街道、四平路街道、控江路街道、長白新村街道、延吉新村街道、殷行街道、大橋街道、五角場街道、新江湾城街道、長海路街道 |- ! style="white-space:nowrap;" | 浦東新区 | style="white-space:nowrap;" | 浦東 | 濰坊新村街道、陸家嘴街道、周家渡街道、塘橋街道、上鋼新村街道、南碼頭路街道、滬東新村街道、金楊新村街道、洋涇街道、浦興路街道、東明路街道、花木街道、川沙新鎮、高橋鎮、北蔡鎮、合慶鎮、唐鎮、曹路鎮、金橋鎮、高行鎮、高東鎮、張江鎮、三林鎮、恵南鎮、周浦鎮、新場鎮、大団鎮、康橋鎮、航頭鎮、祝橋鎮、泥城鎮、宣橋鎮、書院鎮、万祥鎮、老港鎮、南匯新城鎮 |- ! 宝山区 | 市郊 | 友誼路街道、呉淞街道、張廟街道、羅店鎮、大場鎮、楊行鎮、月浦鎮、羅涇鎮、顧村鎮、高境鎮、廟行鎮、淞南鎮 |- ! 閔行区 | 市郊 | 江川路街道、古美街道、新虹街道、浦錦街道、莘荘鎮、七宝鎮、顓橋鎮、華漕鎮、虹橋鎮、梅隴鎮、呉涇鎮、馬橋鎮、浦江鎮 |- ! 嘉定区 | 郊区 | 新成路街道、真新街道、嘉定鎮街道、[[南翔鎮]]、[[安亭鎮]]、馬陸鎮、徐行鎮、華亭鎮、外岡鎮、[[江橋鎮]] |- ! 金山区 | 郊区 | 石化街道、朱涇鎮、楓涇鎮、張堰鎮、亭林鎮、呂巷鎮、廊下鎮、金山衛鎮、漕涇鎮、山陽鎮 |- ! 松江区 | 郊区 | 岳陽街道、永豊街道、方松街道、中山街道、広富林街道、九里亭街道、泗涇鎮、佘山鎮、車墩鎮、新橋鎮、洞涇鎮、九亭鎮、泖港鎮、石湖蕩鎮、新浜鎮、葉榭鎮、小崑山鎮 |- ! 青浦区 | 郊区 | 夏陽街道、盈浦街道、香花橋街道、[[朱家角鎮]]、練塘鎮、金沢鎮、趙巷鎮、徐涇鎮、華新鎮、重固鎮、白鶴鎮 |- ! 奉賢区 | 郊区 | 西渡街道、奉浦街道、金海街道、南橋鎮、奉城鎮、荘行鎮、金匯鎮、四団鎮、青村鎮、柘林鎮、海湾鎮 |- ! 崇明区 | 郊区 | 城橋鎮、堡鎮、新河鎮、廟鎮、竪新鎮、向化鎮、三星鎮、港沿鎮、中興鎮、陳家鎮、緑華鎮、港西鎮、建設鎮、新海鎮、東平鎮、長興鎮、新村郷、横沙郷 |- |} === 飛地 === 上海市域外の江蘇省と安徽省に、上海市飛地がいくつか存在する。以下の各地域の住民(中国人犯罪者を除く)は上海戸籍を有する。日常会話は上海語。 * 上海梅山冶金基地 - 江蘇省南京市付近。上海鉄鋼生産基地のひとつである。1968年設立。 * 上海市大屯炭鉱 - 江蘇省沛県付近。245平方キロ、1970年設立、上海市内の発電所と錬鉄工場に石炭を供給する。2001年8月に上海証券取引所に上場した。 * 上海大豊農場 - 江蘇省塩城地域。3つの農場があり、合計307平方キロ、1950年設立。上海市の米の12%、豚肉の8%、水産物の3%を供給する。文化大革命時代には上海の[[知識青年]]と労働教養者(軽犯罪者・政治犯)を監禁していた。 * 上海市軍天湖監獄 - 安徽省宣城市、14平方キロ、1962年設立。刑期5年以下の者を監禁する場所。 * 上海市白茅嶺監獄 - 安徽省広徳地域、40.5平方キロ、1956年設立。上海で刑事犯罪を犯した者を監禁する場所。上海で発見された不発弾をここで処分する。 === 年表 === <div class="NavFrame" style="clear: both; border: 0;"> <div class="NavHead" style="text-align: left;">沿革<ref>[http://xzqh.mca.gov.cn/description?dcpid=1 县级以上行政区划变更情况] - [[中華人民共和国民政部]]</ref><ref>[https://www.xzqh.org/html/list/11.html 上海市 - 区划地名网]</ref></div> <div class="NavContent" style="text-align: left;"> ====上海市==== * 1949年10月1日 - 中華人民共和国'''上海市'''が成立。'''[[黄浦区]]'''・'''[[老閘区]]'''・'''[[新成区]]'''・'''[[静安区|静安寺区]]'''・'''[[虹口区]]'''・'''[[盧湾区]]'''・'''[[楊浦区]]'''・'''[[徐匯区]]'''・'''[[江寧区 (上海市)|江寧区]]'''・'''[[普陀区 (上海市)|普陀区]]'''・'''[[長寧区]]'''・'''[[邑廟区]]'''・'''[[蓬萊区 (上海市)|蓬萊区]]'''・'''[[嵩山区]]'''・'''常熟区'''・'''[[北站区]]'''・'''[[北四川路区]]'''・'''[[提籃橋区]]'''・'''[[楡林区]]'''・'''新市区'''・'''[[江湾区]]'''・'''[[呉淞区]]'''・'''[[大場区]]'''・'''[[閘北区]]'''・'''[[真如区]]'''・'''[[新涇区]]'''・'''[[竜華区 (上海市)|竜華区]]'''・'''[[高橋区]]'''・'''[[洋涇区]]'''・'''[[楊思区]]'''を設置。(30区) * 1950年6月28日(30区) ** 静安寺区が'''[[静安区]]'''に改称。 ** 新涇区の一部が普陀区・長寧区に分割編入。 * 1950年7月12日(30区) ** 新涇区・真如区の各一部が普陀区に編入。 ** 新涇区の一部が長寧区・真如区に分割編入。 ** 新市区の一部が楊浦区に編入。 ** 楡林区の一部が新市区に編入。 ** 真如区の一部が大場区に編入。 * 1950年8月2日(30区) ** 新涇区の一部が真如区に編入。 ** 真如区の一部が普陀区に編入。 * 1950年8月28日(30区) ** 閘北区の一部が普陀区に編入。 ** 竜華区の一部が新涇区に編入。 ** 新涇区の一部が真如区に編入。 * 1950年8月 - 蘇南行署区松江専区[[嘉定県]]の一部が新涇区に編入。(30区) * 1950年12月(30区) ** 新涇区の一部が長寧区に編入。 ** 北四川路区の一部が江湾区に編入。 * 1952年9月23日(30区) ** 洋涇区が分割され、'''[[東昌区 (上海市)|東昌区]]'''・'''洋涇区'''が発足。 ** 新市区が江湾区に編入。 * 1953年11月27日 - 黄浦区・虹口区・閘北区・普陀区・蓬莱区・盧湾区・楊浦区・東昌区・東郊区・西郊区・北郊区の各一部(黄浦江・蘇州河およびその支流の沿岸地域)が分立し、'''[[水上区]]'''が発足。(31区) * 1954年2月26日 - [[江蘇省]]松江専区嘉定県の一部が真如区・大場区に分割編入。(31区) * 1956年2月9日(19区) ** 老閘区が黄浦区に編入。 ** 北站区が閘北区に編入。 ** 常熟区が徐匯区に編入。 ** 北四川路区が虹口区・北郊区に分割編入。 ** 嵩山区が盧湾区・邑廟区に分割編入。 ** 静安区が新成区・長寧区に分割編入。 ** 高橋区・洋涇区・楊思区が合併し、'''[[東郊区 (上海市)|東郊区]]'''が発足。 ** 江湾区・呉淞区・大場区が合併し、'''[[北郊区 (上海市)|北郊区]]'''が発足。 ** 新涇区の一部が長寧区に編入。 ** 真如区・竜華区および新涇区の残部が合併し、'''[[西郊区 (上海市)|西郊区]]'''が発足。 * 1956年3月 - 北郊区の一部が楊浦区・楡林区に分割編入。(19区) * 1956年6月(18区) ** 水上区が黄浦区・虹口区・閘北区・普陀区・蓬莱区・盧湾区・楊浦区・東昌区・東郊区・西郊区・北郊区に分割編入。 ** 虹口区の一部が北郊区に編入。 * 1957年9月 - 徐匯区の一部が盧湾区に編入。(18区) * 1958年1月14日 - 江蘇省松江専区'''嘉定県'''・'''[[宝山区 (上海市)|宝山県]]'''・'''[[上海県]]'''を編入。(18区3県) * 1958年6月 - 北郊区の一部が閘北区に編入。(18区3県) * 1958年7月19日 - 江蘇省蘇州専区[[川沙県]]の一部が宝山県に編入。(18区3県) * 1958年8月 - 楡林区の一部が提籃橋区に編入。(18区3県) * 1958年10月20日(14区4県) ** 西郊区が上海県・嘉定県・普陀区・長寧区・徐匯区に分割編入。 ** 北郊区が宝山県・閘北区・楊浦区・虹口区・楡林区に分割編入。 ** 東郊区・東昌区が合併し、'''[[浦東県]]'''が発足。 * 1958年10月(14区4県) ** 徐匯区の一部が上海県に編入。 ** 虹口区の一部が宝山県に編入。 ** 普陀区の一部が嘉定県に編入。 * 1958年11月(14区4県) ** 長寧区・嘉定県の各一部が上海県に編入。 ** 浦東県の一部が蓬莱区に編入。 * 1958年11月21日 - 江蘇省蘇州専区'''川沙県'''・'''[[青浦県]]'''・'''[[南匯県]]'''・'''[[松江区|松江県]]'''・'''[[奉賢県]]'''・'''[[金山区 (上海市)|金山県]]'''、南通専区'''[[崇明県]]'''を編入。(14区11県) * 1959年6月 - 楊浦区・楡林区の各一部が宝山県に編入。(14区11県) * 1960年1月7日(12区11県) ** 江寧区および新成区の一部が合併し、'''[[静安区]]'''が発足。 ** 新成区の残部が黄浦区に編入。 ** 楡林区が楊浦区に編入。 ** 提籃橋区が虹口区に編入。 ** 蓬莱区および邑廟区の一部が合併し、'''[[南市区 (上海市)|南市区]]'''が発足。 ** 邑廟区の残部が黄浦区・盧湾区に分割編入。 ** 宝山県・浦東県の各一部が合併し、'''[[呉淞区]]'''が発足。 ** 上海県の一部が分立し、'''[[閔行区]]'''が発足。 * 1960年11月(12区11県) ** 呉淞区の一部が川沙県に編入。 ** 虹口区・盧湾区の各一部が黄浦区に編入。 * 1961年1月25日 - 浦東県が川沙県・黄浦区・南市区・楊浦区に分割編入。(12区10県) * 1961年3月5日 - [[浙江省]]寧波専区[[舟山市|舟山県]]の一部が分立し、'''[[嵊泗県|嵊泗人民公社]]'''が発足。(12区10県1公社) * 1962年5月28日 - 嵊泗人民公社が浙江省'''舟山専区'''に編入。(12区10県) * 1962年5月(12区10県) ** 青浦県の一部が嘉定県に編入。 ** 虹口区の一部が宝山県に編入。 * 1962年12月 - 虹口区の一部が閘北区に編入。(12区10県) * 1964年5月16日(10区10県) ** 呉淞区が楊浦区・川沙県に分割編入。 ** 閔行区が徐匯区に編入。 * 1966年10月(10区10県) ** 松江県の一部が奉賢県・金山県に分割編入。 ** 金山県の一部が松江県に編入。 * 1978年12月 - 楊浦区の一部が分立し、'''[[宝鋼地区弁事処]]'''が発足。(10区10県1弁事処) * 1979年7月 - 宝山県・楊浦区の各一部が虹口区に編入。(10区10県1弁事処) * 1979年11月 - 楊浦区の一部が宝鋼地区弁事処に編入。(10区10県1弁事処) * 1980年7月 - 宝鋼地区弁事処および宝山県の一部が合併し、'''呉淞区'''が発足。(11区10県) * 1980年12月 - 宝山県・嘉定県の各一部が普陀区に編入。(11区10県) * 1981年2月22日 - 徐匯区・上海県の各一部が合併し、'''閔行区'''が発足。(12区10県) * 1981年3月 - 楊浦区の一部が呉淞区に編入。(12区10県) * 1982年5月(12区10県) ** 楊浦区の一部が虹口区に編入。 ** 川沙県の一部が南市区に編入。 * 1982年8月(12区10県) ** 上海県の一部が長寧区・閔行区に分割編入。 ** 宝山県の一部が閘北区に編入。 ** 川沙県の一部が南市区に編入。 * 1983年3月 - 上海県の一部が長寧区に編入。(12区10県) * 1984年7月28日(12区10県) ** 川沙県の一部が黄浦区・南市区・楊浦区に分割編入。 ** 宝山県の一部が虹口区・楊浦区・呉淞区に分割編入。 ** 上海県の一部が徐匯区・閔行区・長寧区に分割編入。 ** 嘉定県の一部が普陀区に編入。 ** 呉淞区の一部が楊浦区に編入。 * 1985年4月 - 嘉定県の一部が普陀区に編入。(12区10県) * 1985年5月 - 楊浦区の一部が黄浦区に編入。(12区10県) * 1985年10月 - 宝山県の一部が呉淞区に編入。(12区10県) * 1986年2月 - 上海県の一部が徐匯区に編入。(12区10県) * 1988年1月21日 - 呉淞区・宝山県が合併し、'''[[宝山区 (上海市)|宝山区]]'''が発足。(12区9県) * 1991年7月22日(12区9県) ** 川沙県の一部が黄浦区に編入。 ** 上海県の一部が長寧区に編入。 * 1992年7月 - 上海県の一部が徐匯区・長寧区に分割編入。(12区9県) * 1992年9月26日 - 上海県・閔行区が合併し、'''閔行区'''が発足。(12区8県) * 1992年9月 - 宝山区の一部が閘北区に編入。(12区8県) * 1992年10月11日(14区6県) ** 川沙県および閔行区・黄浦区・南市区・楊浦区の各一部が合併し、'''[[浦東新区]]'''が発足。 ** 嘉定県が区制施行し、'''[[嘉定区]]'''となる。 ** 嘉定区の一部が普陀区に編入。 * 1994年(14区6県) ** 長寧区の一部が閔行区に編入。 ** 嘉定区の一部が普陀区に編入。 * 1997年4月29日(15区5県) ** 金山県が区制施行し、'''[[金山区 (上海市)|金山区]]'''となる。 ** 宝山区の一部が楊浦区・閘北区に分割編入。 * 1998年2月27日 - 松江県が区制施行し、'''[[松江区]]'''となる。(16区4県) * 1999年9月16日 - 青浦県が区制施行し、'''[[青浦区]]'''となる。(17区3県) * 2000年6月13日 - 黄浦区・南市区が合併し、'''黄浦区'''が発足。(16区3県) * 2001年1月9日(18区1県) ** 奉賢県が区制施行し、'''[[奉賢区]]'''となる。 ** 南匯県が区制施行し、'''[[南匯区]]'''となる。 * 2005年5月18日 - 宝山区の一部が崇明県に編入。(18区1県) * 2009年4月24日 - 南匯区が浦東新区に編入。(17区1県) * 2011年5月20日 - 黄浦区・盧湾区が合併し、'''[[黄浦区]]'''が発足。(16区1県) * 2015年10月13日 - 静安区・閘北区が合併し、'''[[静安区]]'''が発足。(15区1県) * 2016年6月8日 - 崇明県が区制施行し、'''[[崇明区]]'''となる。(16区) ====蘇南行署区松江専区==== * 1949年10月1日 - 中華人民共和国蘇南行署区'''松江分区'''が成立。'''松江県'''・'''奉賢県'''・'''金山県'''・'''宝山県'''・'''南匯県'''・'''上海県'''・'''川沙県'''・'''嘉定県'''・'''青浦県'''・'''嵊泗列島特区'''が発足。(9県1特区) * 1949年11月28日 - 松江分区が'''松江専区'''に改称。(9県1特区) * 1950年8月 - 嘉定県の一部が上海市新涇区に編入。(9県1特区) * 1951年2月21日 - 浙江省嘉興専区[[嘉善県]]の一部が松江県に編入。(9県1特区) * 1951年7月21日 - 嵊泗列島特区が県制施行し、'''[[嵊泗県]]'''となる。(10県) * 1951年11月30日 - 浙江省寧波専区[[定海県]]の一部が嵊泗県に編入。(10県) * 1952年11月15日 - 江蘇省の成立により、江蘇省'''松江専区'''となる。 ====江蘇省松江専区==== * 1953年6月10日 - 嵊泗県が浙江省'''舟山専区'''に編入。(9県) * 1953年11月 - 南匯県の一部が上海県に編入。(9県) * 1954年2月26日 - 嘉定県の一部が上海市真如区・大場区に分割編入。(9県) * 1954年3月(9県) ** 青浦県の一部(杜寅郷および葑澳郷・方夏郷・沈巷郷・浦聯郷の各一部)が松江県に編入。 ** 松江県の一部(天心郷および新石郷の一部)が青浦県に編入。 * 1954年8月 - 嘉定県の一部が宝山県に編入。(9県) * 1954年12月3日 - 青浦県の一部が松江県に編入。(9県) * 1955年9月2日 - 嘉定県の一部が蘇州専区[[太倉市|太倉県]]に編入。(9県) * 1955年9月23日 - 嘉定県の一部が蘇州専区太倉県に編入。(9県) * 1956年8月 - 青浦県の一部が蘇州専区[[崑山市|崑山県]]に編入。(9県) * 1956年9月 - 蘇州専区崑山県の一部が松江県に編入。(9県) * 1957年7月(9県) ** 松江県の一部が金山県に編入。 ** 蘇州専区崑山県の一部が青浦県に編入。 * 1957年9月 - 南匯県の一部が上海県に編入。(9県) * 1958年1月14日 - 嘉定県・宝山県・上海県が'''上海市'''に編入。(6県) * 1958年3月26日 - 松江県・川沙県・青浦県・南匯県・奉賢県・金山県が'''蘇州専区'''に編入。 </div></div> == 歴史 == [[画像:Shanghai walled city, Ming.jpeg|thumb|240px|明時代の上海の風景]] [[画像:Old City of Shanghai will walls and seafront.jpg|thumb|240px|left|上海の[[市壁]]である[[上海老城廂]](17世紀)]] [[File:Map_of_the_Old_City_of_Shanghai.jpg|thumb|240px|明時代の上海の地図]] [[画像:Shanghai 1928 Bund Cenotaph.jpeg|thumb|240px|[[外灘]]の風景(1928年)]] 上海の地は古代の[[周]]の時代に始まり、[[秦]]・[[新 (王朝)|新]]・[[漢]]以降は、[[呉 (三国)|東呉]]、[[晋 (王朝)|晋]]、[[宋 (南朝)|宋]]、[[南斉]]、[[梁_(南朝)|梁]]、[[陳]]、[[隋]]の時代を経て、[[唐]]代には[[松江区|華亭県]]の一部だったが、[[蘇州河]]の南に上海浦という村ができ、[[宋 (王朝)|宋]]代には上海鎮とよばれるようになった。これに対し[[黄浦江]]下流の現[[虹口区]]あたりには下海廟も存在した。[[元 (王朝)|元代]]には上海に[[市舶司|市舶提挙司]]が置かれ港町として発展し始めた。[[1292年]]に[[上海県]]となったが、それ以前は華亭県に属した。 [[清]]代の[[阿片戦争|アヘン戦争]]を終結させた[[1842年]]の[[南京条約]]により、上海は[[条約港]]として開港した。これを契機としてイギリスやフランス、アメリカ合衆国などの[[上海租界]]が形成され、日本も租界を開き、[[虹口区]]は「[[小東京]]」と呼ばれた。1865年に[[香港上海銀行]]が設立されたことを先駆として、欧米の金融機関が本格的に上海進出を推進した。1871年には、[[香港]]-上海-[[日本]]の[[長崎市|長崎]]を結ぶ[[海底ケーブル|海底電信ケーブル]]を[[大北電信会社]]が敷設したことから、上海租界は北京より逸早く電信ネットワークに組み込まれ、国際電信が可能となった。1873年には、日本の[[岩倉使節団]]が帰路に上海に立ち寄り、当時の上海の様子を「[[米欧回覧実記]]」に記している<ref>久米 邦武 編『米欧回覧実記・5』田中 彰 校注、岩波書店(岩波文庫)1996年、331〜335頁</ref>。[[上海共同租界]]は各国によって構成された独自の警察力・軍事力({{仮リンク|上海共同租界工部局警務処|en|Shanghai Municipal Police}}と{{仮リンク|万国商団|zh|万国商团}})を保有した。 [[日清戦争]]の後、外国企業を中心に全般的投資ブームが起こった。[[下関条約]]で工業企業権が諸外国に与えられ、工場建設が促進された。1896年に[[露清銀行]]が出店した。1897年末に[[香港上海銀行]]の株価は176%のプレミアムを記録した。1899年[[インドシナ銀行]]が進出してきた<ref>浜下武志 「中国通商銀行の設立と香港上海銀行」 一橋論叢 84(4)</ref>。上海は英領香港の高税率に対して課税が緩く、また租界も用意されたので、香港のユダヤ資本が上海に向かって全面的に移転し、たとえば[[サスーン]]家などのセファルディ系ユダヤ人グループが[[第一次世界大戦]]後に全盛を極めた<ref>潘光 [http://hamada.u-shimane.ac.jp/research/organization/near/41kenkyu/kenkyu10.data/10-02_pan.pdf 中国国内三大ユダヤ移民グループの国籍と 法律問題(1840∼1945)] 『北東アジア研究』第10号(2006年1月)</ref>。 1920年代から1930年代にかけて、上海は中国最大の都市として発展し、イギリス系金融機関の香港上海銀行を中心に中国金融の中心となった。上海は「魔都」あるいは「東洋のパリ」とも呼ばれ、ナイトクラブ・ショービジネスが繁栄した。こうした上海の繁栄は、[[民族資本]]家([[浙江財閥]]など)の台頭をもたらし、階級闘争的な労働運動が盛んになっていた。 1925年に上海から始まった[[五・三〇事件]]は、中国における大規模な民族運動とされるが、同時に社会主義的労働運動の台頭を示した事態であった。こうした状況を懸念した浙江財閥は、蒋介石と提携し反共クーデター([[上海クーデター]])を決行させた。なお、中華民国の下で1927年に上海特別市となり、1930年5月、上海直轄市が成立している。 [[File:Shanghai skyline at night, panoramic. China, East Asia-2.jpg|240px|thumb|[[黄浦江]]越しの浦東の夜景]] 1932年には、[[上海日本人僧侶襲撃事件]]などを原因に[[第一次上海事変]]が起きた。1935年には、[[中山水兵射殺事件]]や日本人が経営する商店が襲撃される事件が起きた<ref name="mofa昭和期II第一部第四巻">{{Cite web|和書 | url = https://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/honsho/shiryo/bunsho/h17_2.html#2_5 | title = 『日本外交文書』 昭和期II第一部第四巻(上・下)「上海における日本人水兵射殺事件」 | publisher = 外務省 | accessdate = 2011-10-08 }}</ref>。1937年には、大山中尉殺害事件後に[[第二次上海事変]]が勃発した。中国軍機の爆撃を受けた上海共同租界では多くの市民が犠牲となったが、日本軍によって上海共同租界への中国軍の侵攻は阻止された。1941年には、[[太平洋戦争]]の勃発と共に上海共同租界は日本軍に接収された。1949年の[[中華人民共和国]]成立により、外国資本は香港に撤収したが、1950年代から1960年代にかけては工業都市として発展した。 1978年の[[改革開放]]政策により、再び外国資本が流入して目覚ましい発展をもたらし、上海市指導部から[[江沢民]]、[[朱鎔基]]、[[呉邦国]]、[[曽慶紅]]、[[黄菊]]ら[[中国共産党]]の[[中国共産党中央政治局常務委員会|政治局常務委員]]などの指導部を輩出した([[上海閥]])。 1992年以降本格的に開発された[[浦東新区]]が牽引役となって高度経済成長を続け、2010年には世界189カ国が参加した史上最大の[[国際博覧会]]である[[上海国際博覧会|上海万博]]を開催して国際都市としての上海は復活を遂げた。 [[2019年]]12月以降の[[新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)|新型コロナウイルスの流行]]は上海の市民生活にも多大な影響を与え、特に[[2022年]][[3月28日]]以降、市内で感染者が急増したことに伴い、厳格なロックダウンが実施された<ref>[https://www.yomiuri.co.jp/world/20220419-OYT1T50006/ 上海ロックダウン3週間、正常化遠く…「教訓はどこにいったのか」](讀賣新聞オンライン、2022年4月19日)</ref>。当初は2分割して東側と西側の順番でロックダウンを実施する予定であったが<ref>[https://www.sakigake.jp/news/article/20220327CO0114/ 上海、2分割で都市封鎖 コロナ拡大、全住民検査](秋田魁新報電子版、2022年3月27日)</ref>、同年[[4月5日]]に全市を対象とした無期限のロックダウンに切り替えられた<ref>[https://www.bbc.com/japanese/61005729 上海のロックダウンが延長、市内全域に拡大](BBC NEWS、2022年4月6日)</ref>。長期にわたるロックダウンの影響で食糧不足も発生するなど、市民生活にも影響を与えた<ref>[https://www.yomiuri.co.jp/world/20220409-OYT1T50211/ 上海住民「ご飯を食べたい」と叫ぶ動画、配給滞り抗議頻発…ゼロコロナの見直し求める声](讀賣新聞オンライン、2022年4月10日)</ref>。その一方で[[4月16日]]には、生産活動継続・再開の条件となる感染予防ガイドラインを発表し、市内の産業活動再開に向けて動き出すことになった<ref>[https://www.chemicaldaily.co.jp/%E4%B8%8A%E6%B5%B7%E5%B0%81%E9%8E%96%E4%B8%8B%E3%81%A7%E6%93%8D%E6%A5%AD%E3%81%B8%E3%80%81%E6%94%BF%E5%BA%9C%E3%81%8C%E4%BC%81%E6%A5%AD%E3%83%9B%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88/ 上海封鎖下で操業へ、政府が企業ホワイトリスト](化学工業日報、2022年4月20日)</ref>。 結局、ロックダウンの解除は2か月以上経過した6月1日深夜となった<ref>{{Cite web|和書|url=https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-china-shanghai-idJPKBN2NG0QX |title=上海市、6月1日に都市封鎖解除 感染「実質制御」で正常化へ前進 |publisher=ロイター |date=2022-05-30 |accessdate=2022-05-30}}</ref>。 == 社会 == [[File:Shanghai Landsat-7 2005-08-15.jpg|thumb|left|上海市の[[地理]]]] === 人口動態 === 2012年6月末の常住人口は2,433.4万人、このうち上海戸籍人口が1,451.1万人、外来人口が982.3万人となっている。上海市人民政治協商会議の統計によると、ここ10年間、平均で約66万人上海市の人口は増え続けている。 2012年末の男性平均寿命80.18歳、女性平均寿命84.67歳、戸籍人口平均寿命82.41歳。2012年には60歳以上の高齢者の人口比率が17%となっている。100歳以上の老人が1,251名、最高齢者は114歳。現在上海市家庭総数の61.06%に当たる305万世帯が一人っ子家庭である。高齢化と少子化問題は、市政府にとって大きな課題となっている。近年、中国の優秀人材に上海の戸籍を発給(いわゆる“新上海人”)したり、上海人に2人の子を産む許可を出すなどの人口政策を打ち出している。 === 計画生育政策 === 2016年1月1日から、[[中華人民共和国]]で「全面[[二人っ子政策]]」(簡体字中国語:全面二孩政策)が正式に施行された<ref>{{Cite web|title=計生法修正案獲通過,元旦後出生的二孩都合法|url=http://rmrbimg2.people.cn/data/rmrbwap/2015/12/27/cms_1465483589157888.html|website=人民日報|accessdate=2020-07-20|publisher=}}</ref>。2016年に新しく修正された「上海市人口と計画生育条例」によると、夫・妻の中の一人、若しくは二人ともが上海の戸籍を持つ場合は、上海の政策が適用される。法律に則って結婚している夫婦は、国で定めた結婚休暇の日数以外、さらに7日が付与される。また、子供を産んだ妻は、国で定めた産休の日数以外、さらに30日の育休が付与される。夫の方は10日の配偶者出産休暇が付与され、休み中の賃金は全額支給される。 上海の戸籍を持つ公民は、2016年1月1日以降に子供を出産した場合、上海市の計画生育家庭特別扶助制度が適用されなくなる。2015年12月31日以前に子供を出産し、且つ計画生育家庭特別扶助制度の条件を満たす上海戸籍を持つ公民は、引続きその扶助金が支給される<ref>{{Cite web|title=新修改的《上海市人口与計画生育条例》有関問答|url=http://www.shanghai.gov.cn/nw2/nw2314/nw2319/nw41893/nw42233/u21aw1211876.html|website=上海市人民政府|accessdate=2020-07-20|publisher=}}</ref>。 「全面二人っ子政策」に関して注意すべきなのは、特殊な状況を除き、初めての出産が多胎出産である場合は、その後の出産は認めないという点である<ref>{{Cite web|title=全面二孩非“全面二胎” 生了双胞胎不能再生了|url=http://www.chinanews.com/gn/2016/02-03/7745991.shtml|website=中国新聞網|accessdate=2020-07-20|publisher=}}</ref>。この政策は、二回産むことではなく、二人の子供を産むことを強調しているのである。 === 上海人の構成 === {{multiple image | direction = horizontal | align = right | width = | image1 = HK Movie Star Linda Lin Dai Lace Qipao clothes in deep green.JPG | width1 = 200 | caption1 = 1930年代、上海にモダンブームが起き、[[チャイナドレス]]([[旗袍]])に該当する衣服はこの時期に生まれた。 | image2 = Shanghai Nanking Road 1930s.jpeg | width2 = 200 | caption2 = 上海市最大の繁華街『[[南京路 (上海)|南京路]]』(1930年代) }} 上海の原住民は松江周辺に居住していた。元の時代には上海県ができた。1840年の[[アヘン戦争]]以後経済が急速に発展し、近隣の地方から次々に移民が入ってきた。現在の上海人の8割以上は、北の[[江蘇省]]と南の[[浙江省]]からの移民である。特に江蘇省[[長江]]の南部と浙江省北部の江南からの出身者が上海人の半分以上を占める。これが上海の文化にも大きな影響を与えている。上海語は寧波市・蘇州市と上海本地語の集合である。商売に長けた江蘇人と政治に敏感な浙江人が近代上海の歴史を作ってきた。 近年、日本も長江デルタに進出、蘇州市・無錫市に工場が建てられている。部品調達、製品流通販売のため、港町の上海に事務所や子会社を設けるケースが多い。今、上海に常駐する日本人は約4万8,000人と、上海にいる外国人のなかで最も多い。上海と、隣接する江蘇・浙江を加えると、出張と観光あわせて10万人近い日本人がいるといわれる。海外一の規模の日本人コミュニティーも形成されている。 上海は、中国で経済的に最も豊かな地方であるため、上海人はねたみもあってか、他地域では嫌われていることが多いとの意見がある。上海人の[[ステレオタイプ]]として、横暴で傲慢、わがままというものがある<ref>{{cite news |title=「農村=貧困」では本当の中国を理解できない |newspaper=[[ニューズウィーク]] |date=2016-02-19 |url=http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/02/post-4552.php |accessdate=2016-02-19 |author=高口康太}}</ref>。 === 在留日本人 === 戦前から多くの日本人が住む上海には2015年現在、9,962社の日系企業が進出、46,115人の日本人が住み、海外で3か月以上留まって暮らす長期滞在の日本人が多い都市として、[[タイ王国|タイ]]の[[バンコク]]に次ぎ、2番目となっている<ref>[http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000191217.pdf/ 海外在留邦人数調査統計 平成28年版]</ref>。短期滞在者を含めると10万人以上の日本人が滞在しているといわれる。[[領事館|日本総領事館]]や[[日本人学校]]などもあり、日本料理店をはじめ、日本人向けの店も多い。 === 上海人の姓 === 上海人の姓(苗字)は多い順に、張、王、陳、李、朱、徐、周、沈、呉、陸である。沈と陸が上海特有の姓、それ以外は中国人姓の20位以内に数えられる。近隣の江蘇省、浙江省の姓ランキングも上海とほぼ同じである。 === 戸籍問題 === 中国は人口問題を抱えるため、農村と地方都市の人は自由に大都市に移住することができない。それにもかかわらず、近年の経済発展に伴って多くの出稼ぎ労働者が中国各地から上海に来て仕事をしている。その数約660万人以上といわれるが、正確な数字の把握は難しい。出稼ぎ労働者の出身地はいずれも普通語を使う四川省、江蘇省蘇北、安徽省、東北地方の者が多い。出稼ぎ労働者は上海を建設すると同時に、大きな社会問題と治安問題をも招いている。公安機関の統計によれば、上海市の75%以上の強盗、殺人、暴行などの悪質な犯罪は市外の中国人により発生している<ref>[http://www.hshfy.sh.cn/fyitw/gweb/xxnr_view.jsp?pa=aaWQ9NzI1MTQmeGg9MQPdcssPdcssz 2006年まで上海市高級人民法院(高等裁判所)の統計]</ref>。 したがって、上海では北京市と並び、中国大陸において最も厳しい戸籍政策がとられている。しかし大都市の戸籍を持つ人には様々な特権がある。例えば、親が上海戸籍を持つ者なら、子供が生まれたとき区の社会保険局から15万円から数十万円までの援助金を得ることができる。戸籍を持つ子供は優先的に幼稚園、小学校、中学校に進学できる。一方、上海戸籍を持たない者は、上海の大学受験に参加できない<ref>[http://www.pudong.gov.cn/shpd/department/20181031/019020004002_d0af53a5-22c3-4e91-bac6-e55f17a4e946.htm]</ref>。また、一部の悪質な会社は、上海戸籍を持たない社員に住宅積立金、年金を支払わないケースもある。このような戸籍問題に関するトラブルは絶えない。 中国は都市と地方の格差が激しいため、日本やアメリカ合衆国などの外国への観光査証発行は、上海や北京など沿岸経済発展地域の戸籍を持つ者が優待される<ref>[https://www.cn.emb-japan.go.jp/consular/joho170504.htm]</ref>。 == 言語 == [[普通話]]は学校や公式な場面で使われている。[[上海語]]は呉語を代表する方言である。本来文字はなかったが、音に近い漢字が当てられた。上海語の中にも方言があり、浦東・青浦地域に存在する。崇明島ではまた違った言語が話されるが、上海語に近い。上海には周囲の江蘇省・浙江省から多くの労働者が出稼ぎに来たため、彼らの多くが今も住む上海駅周辺では上海語とは異なる言語である「蘇北語」が話されている。普通話と上海語とはまったく通じないが、普通話の教育が中国全土で行われているため、大抵の上海人が普通話を使用することができる。 上海語で放送されるテレビ番組や上海語で上演される戯曲などがある。中国では上海語の学習書なども出版されている。 == 経済 == {{multiple image|perrow = 2|total_width=480 | direction = horizontal | align = right | width = | image1 = Shanghai - Nanjing Road.jpeg | width1 = 220 | caption1 = 上海市最大の繁華街『[[南京路 (上海)|南京路]]』 | image2 = Xujiahui 2010.jpg | width2 = 220 | caption2 = [[徐家匯]]の商業地区 | image3 = Shanghaistockexchange.jpg | width3 = 220 | caption3 = 上海証券取引所 | image4 = Pudong district roads traffic skyscrapers, Shanghai.JPG | width4 = 220 | caption4 = [[浦東新区]]陸家嘴(りくかし)金融貿易区 }} 中国最大の経済都市である。2014年の市内総生産は2兆3,560億元であり、北京市を凌ぎ同国第1位である<ref>[http://www2.explore.ne.jp/news/articles/21205.html]</ref>。[[2014年]]の上海都市圏の総生産は5647億ドルであり、世界8位の経済規模を有する<ref>[https://www.thechicagocouncil.org/issue/global-cities Cities Rank Among the Top 100 Economic Powers in the World] Chicago Council on Global Affairs 2016年10月28日閲覧。</ref>。アジアでは[[東京都市圏]]、[[ソウル特別市|ソウル]]都市圏、[[大阪都市圏]]に次ぐ第4位である。 また、日本経済研究センターは、2035年には[[ニューヨーク]]、東京、[[ロサンゼルス]]に次ぐ世界第4位の経済規模に成長すると予測している<ref>{{Cite web|和書|title=インドGDP、29年に日本超え 日経センター中期予測|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53156860Q9A211C1FF2000/|website=日本経済新聞 電子版|accessdate=2020-09-28|language=ja}}</ref>。 [[2020年]]9月の調査によると、上海は世界3位の[[金融センター]]であり、[[東京]]や香港を抑えて初めてアジア首位に立った<ref>[https://www.longfinance.net/programmes/financial-centre-futures/global-financial-centres-index/ The Global Financial Centres Index] Long Finance 2020年5月13日閲覧。</ref>。 2015年に上海市が公表した統計によると、2014年における労働者の平均賃金は年65,412元(約126万円)であり、月平均5,451元(約10.5万円)である<ref>[http://cochicon.com/wp-content/uploads/2015/04/CoChi-HR-Navi-Vol.70.pdf]</ref>。また、2015年の上海市の最低賃金基準は、月給の場合2,020元(約3.9万円)であり、時給の場合18元(約347円)である。第三次産業の中でも、とりわけ金融産業に従事している労働者の平均賃金が高く、2011年現在、年167,173元(約284万円)となっている。一方、農業など第一次産業に従事している労働者の平均賃金は2011年現在、年31,765元(約54万円)、第二次産業に従事している労働者の平均賃金は、年44,598元(約76万円)、第三次産業に従事している労働者の平均賃金は、年60,341元(約103万円)である<ref>[http://www.jcsh-web.com.cn/readnews.asp?Newsid=3940]</ref>。 == 交通 == 上海市の主要交通手段はバス、自転車、船であったが、2000年代からはトロリーバス、地下鉄網、タクシー、電動スクーター、高速道路網をも活用した自動車などが主な交通手段となる。鉄道は国鉄以外では[[上海軌道交通]]が一手を担っている。 === 自動車 === ==== タクシー ==== 大手のタクシー会社は、スーツを着用していたり、一流ホテルで客待ちできたりするので識別するのは可能である。わざと遠回りして標準価格より2倍以上請求した事実が発覚した場合、その運転手は永久にタクシーライセンスを剥奪される。 ==== 自家用車 ==== 自動車の急激な台数増加を抑制するため、自動車の所有は限定発行される[[ナンバープレート]]を[[競売]]で入手することが前提となっている。2018年頃のナンバープレートの落札額は9万元を超えることもあり、車両本体価格よりもナンバー代の方が高くなる可能性もある<ref>{{Cite web|和書|date= 2018-05-14|url=https://gazoo.com/article/daily/180514.html |title=中国人ドライバーを悩ませるナンバープレート制度とは?【北京の交通事情】 |publisher=Gazoo |accessdate=2020-04-14}}</ref>。上海市外のナンバープレートを調達する回避策もあったが、市外ナンバーの走行禁止時間帯が設定されるなど規制は厳しくなっている<ref>{{Cite web|和書|author=小谷まなぶ |date=2011-02-25 |url=http://agora-web.jp/archives/1259224.html |title=上海市内の高速道路規定 上海ナンバー優位主義 |publisher=アゴラ |accessdate=2020-04-14}}</ref>。 === 鉄道 === {{multiple image | direction = horizontal | align = right | width = | image1 = | width1 = 240 | caption1 = 上海万博のマスコット『海宝(ハイバオ)』 | image2 = Shanghai Metro Network.png | width2 = 240 | caption2 = 上海市の地下鉄路線図(2021年) }} [[画像:Shanghai Transrapid 002.jpg|thumb|240px|上海トランスラピッド]] 上海は中国東部の鉄道中枢上海鉄路局の所在地である。1876年7月3日に開通した[[呉淞鉄道]]は中国で初めての鉄道であり、一度撤去された後、[[淞滬鉄道]]として再建された。北方面の京滬線と南方面の滬昆線の始発駅。2007年1月28日より中国高速鉄道CRH2型電車の営業運転を開始した。 ; 中国国鉄の駅 * [[上海駅]]({{Lang|zh-Hans|上海火车站}}) * [[上海南駅]]({{Lang|zh-Hans|上海南站}}) * [[上海西駅]]({{Lang|zh-Hans|上海西站}}/[[滬寧都市間鉄道]]の列車のみ停車する) * [[上海虹橋駅]]({{Lang|zh-Hans|上海虹桥站}}/滬寧都市間鉄道の列車のみ停車する) : 駅舎は2010年の上海万博にあわせて大規模な改装とホーム屋根の改築を行った。一等車待合室には中国語・英語・日本語の電子掲示板サービスが提供される。 ; [[上海軌道交通]]({{Lang|zh-Hans|上海地铁}}) : [[上海軌道交通1号線]]は1995年開通、以後拡張を続けている。こちらも上海万博にあわせて大幅な延伸が行われ、近年は青浦、南匯といった郊外地域まで相次いで開業している。2023年10月現在、総延長は830kmに達した。2030年ごろには23路線・総延長約1000km以上に達する予定である。 ; [[上海トランスラピッド]]({{Lang|zh-Hans|上海磁浮列车}}) : 浦東国際空港と[[上海軌道交通2号線]][[竜陽路駅]]の間に実用型リニアモーターカーが開通し、世界で初めて超高速運転を行っている。世界で3番目に開業した磁気浮上式鉄道の常設実用線である。杭州市までの延伸計画を検討中。 ; [[滬寧都市間鉄道]]({{Lang|zh-Hans|沪宁城际线}}) : 南京駅と上海駅および上海虹橋駅の間に2010年7月1日に開通した。 ; [[京滬高速鉄道]]({{Lang|zh-Hans|京沪高速铁路}}) : 北京南駅と上海虹橋駅の間に2011年6月30日に開通した<ref>[http://japanese.cri.cn/881/2011/06/30/162s177169.htm 京滬高速鉄道開通、中国鉄道の新時代を切り開く]</ref>。 === 交通カード === 市内のほとんどの公共交通機関において[[上海公共交通カード]]を利用できる。 === 空港 === ==== 民用空港 ==== {{multiple image | direction = horizontal | align = right | width = | image1 = Shanghai Hongqiao International Airport.jpg | width1 = 240 | caption1 = 上海虹橋国際空港 | image2 = Shanghai Pudong International Airport 1.jpg | width2 = 240 | caption2 = 上海浦東国際空港 }} 上海には、西郊外の[[長寧区]]にある[[上海虹橋国際空港]]と、[[浦東新区]]にある[[上海浦東国際空港]]の2つの空港があり、共に[[中国東方航空]]や[[上海航空]]、[[春秋航空]]のハブ空港の役目を担っている。 国際線は2002年10月以降浦東国際空港に集約され、虹橋国際空港を発着する国際線の便はなかったが、2007年9月29日に東京・[[東京国際空港]]との間で1日4往復の定期チャーター便、同年10月28日にソウル・金浦国際空港便が就航した。 浦東国際空港へのアクセスとして、上海軌道交通2号線のほか、上海トランスラピッドが供用されている。 ==== 軍用の空港 ==== {{colbegin|3}} * [[上海大場空港]]({{Lang|zh-Hans|上海大场机场}}) * [[上海崇明空港]]({{Lang|zh-Hans|上海崇明机场}}) * [[上海龍華空港]]({{Lang|zh-Hans|上海龙华机场}}/飛行船専用) * [[上海江湾空港]]({{Lang|zh-Hans|上海江湾机场}}) {{colend}} === 高速道路 === [[画像:Donghai Bridge.jpg|thumb|240px|洋山深水港と上海市を結ぶ東海大橋]] [[画像:Lupu Bridge at 2010 Shanghai Expo from Denmark Pavillion.jpg|thumb|240px|盧浦大橋]] 1988年10月31日に開通した滬嘉高速道路は中国で初めての高速道路である。A20(外環線)以内の高速道路、A1(迎賓大道)、大型橋、トンネル等は無料であるが、時間帯によって上海以外のナンバープレートをつけた自動車の流入が規制される。2008年11月から長江デルタ地域ETCの全面導入に伴う高速道路料金システムは電子化された。交通管理は全国で最も厳しいといわれる。市内いたるところに監視カメラが設置され、交通違反した車は上海市境の高速道路料金所で累計した罰金を科せられる。 ; 市内スカイウェイ {{colbegin|3}} * 延安高架路 * 内環高架路 * 南北高架路 * 逸仙高架路 * 滬閔高架路 * 中環高架路 {{colend}} ; 市域高速道路 {{colbegin|3}} * S1(迎賓大道) * S2(滬芦高速道路) * S3 (滬奉高速道路) * S4(滬金高速道路) * G15(嘉金高速道路) * S19(新衛高速道路) * S36(亭楓高速道路) * G60(滬杭高速道路上海部分) * G50(滬青平高速道路) * G2(滬寧高速道路上海部分) * G2/G42(滬嘉高速道路、滬嘉瀏高速道路) * G40(滬崇蘇高速道路、建設中) * S32(浦東国際空港高速道路) * S26(滬常高速道路上海部分) * S20(外環線) * G1501(郊環線) {{colend}} ; 国道 {{colbegin|3}} * G204国道 * G312国道 * G318国道 * G320国道 {{colend}} ; トンネル {{colbegin|3}} * 上海長江トンネル・大橋(揚子江、鉄道と車) * 打浦路トンネル * 延安東路トンネル * 大連路トンネル * 上中路トンネル * 外環トンネル * 翔殷路トンネル * 復興東路トンネル(黄浦江、車専用) * 外灘観光トンネル(黄浦江、観光専用) {{colend}} ; 大橋 {{colbegin|3}} * [[東海大橋 (中国)|東海大橋]](東シナ海、車専用) * 上海長江トンネル・大橋(揚子江、鉄道と車) * 奉浦大橋 * 盧浦大橋 * 南浦大橋 * 松浦大橋 * 徐浦大橋 * 楊浦大橋(黄浦江、車専用) {{colend}} === 港湾 === [[画像:Yangshan-Port-Balanced.jpg|thumb|240px|洋山深水港は世界で最も忙しいコンテナ港である。]] {{main|上海港}} 上海は中国最大の港湾であるのみならず、コンテナ取扱量ではシンガポールや香港を凌ぎ、世界1位である。 黄浦江の河港として始まった上海は長江沿岸の外高橋地区に重点を移し、さらに取扱量の増加やコンテナ船の大型化を見越して、世界のハブ港湾となる埠頭とコンテナターミナルを外海に面した杭州湾上に建設した。この新港は2005年暮れに[[洋山深水港]]として開業した。洋山深水港は上海の南30kmの沖合に浮かび、本土とは東海大橋で結ばれている。 === 日本との接続 === ; 海上航路 神戸港および大阪港と上海を結ぶフェリー「[[新鑑真|新鑑真号]]」と大阪港と上海を結ぶ「蘇州号」が就航中。2005年には、山口県下関市と上海を結ぶフェリーが就航(2006年に中国側寄港地は蘇州太倉港に変更)。 [[File:B-6120@PEK (20160426115534).jpg|thumb|[[上海ディズニーランド]]特別塗装機]] 1994年に平成の新上海航路を開設し、長崎港と上海を結んだ。初めに海華号(13,481トン)が就航、2年後の1996年3月から旅客定員382人のフェリー長崎上海号(11,008トン)に更新された。航路は日中双方の合弁会社で運航されたが、利用率の低迷により1997年1月から運休となっている。その後、2012年2月にHTBクルーズによる「[[オーシャンローズ]]」が就航し、平成の上海航路が一時復活した。しかしこちらも利用者の低迷と日中関係の悪化に伴い同年10月から運休となっている。 ; 航空航路 - 2011年現在、下記航空会社が上海と日本各都市との間に就航している。 * [[日本航空]]:成田国際空港・東京国際空港・関西国際空港・中部国際空港 * [[全日本空輸]]:成田・羽田・関西・名古屋 * [[中国国際航空]]({{Lang|zh-Hans|中国国际航空}}):成田・関西・名古屋・仙台空港・福岡空港 * [[中国東方航空]]({{Lang|zh-Hans|中国东方航空}}):成田・羽田・関西・名古屋・新千歳空港・福島空港・新潟空港・小松空港・静岡空港・岡山空港・広島空港・松山空港・福岡・長崎空港・鹿児島空港・那覇空港 * [[中国南方航空]]:名古屋・北九州空港 * [[上海航空]]:羽田・関西・富山空港 * [[デルタ航空]]:成田 * [[春秋航空]]:茨城空港・高松空港・有明佐賀空港 == 教育 == === 大学 === [[画像:Fudan-guanghualou.jpg|thumb|180px|復旦大学(光華楼)]] {{colbegin|3}} * [[復旦大学]] * [[上海交通大学]] * [[上海財経大学]] * [[上海外国語大学]] * [[上海海洋大学]] * [[上海海事大学]] * [[上海理工大学]] * [[上海中医薬大学]] * [[上海師範大学]] * [[上海大学]] * [[同済大学]] * [[東華大学]] * [[華東師範大学]] * [[華東政法大学]] * [[華東理工大学]] * 上海電機学院 * [[上海工程技術大学]] * 上海電力学院 * [[上海応用技術学院]] * 上海対外貿易学院 * 上海体育学院 * [[上海音楽学院]] * [[上海戯劇学院]] * 上海第二工業大学 * 上海政法学院 * 上海建橋学院 * [[上海商学院]] * 上海金融学院 * 上海立信会計学院 * [[中欧国際工商学院]] * 上海工商外国語学院 * 上海工芸美術職業学院 * 上海工会管理職業学院 * 上海立達職業技術学院 * [[上海杉達学院]] {{colend}} === 日本人学校 === * [[上海日本人学校]] **(浦東校)(虹橋校) === 中国語学校 === *[http://www.meizhi-cn.com/index1.htm 上海美知中国語学校] == 文化 == [[画像:SH 上海旅遊 Shanghai Tour 白玉蘭劇場 Magnolia Theatre stage performance artists July-2011.jpg|thumb|240px|上海雑技団の演舞]] [[画像:Gekochte Wollhandkrabben.jpg|thumb|left|240px|上海の名物『チュウゴクモクズガニ・上海蟹』]] 上海は中国政府が指定する「[[中華人民共和国国家歴史文化名城]]」のひとつであり、市内には「[[中華人民共和国全国重点文物保護単位]]」が16点存在する。 上海でも近年中国の標準語とされる普通話(北京語)は通用するが、日常会話で使われているのは依然として上海語(上海方言)であり、テレビ・ラジオ放送でも上海語の番組が存在する。上海語は呉語(呉方言)の代表的なものである。上海語を使って演じる伝統劇の「滬劇」があるほか、近年は若者が上海語のラップを歌う例も見られる。但し、他地域同様に幼稚園からの普通話教育と公共場所での普通話の徹底により、上海生まれ上海育ちの若者でも上海語が話せなくなってきている。一部、上海市が対策を講じ始めているが効果には至っていない。 アクロバティックな演技で知られる中国風サーカス([http://www.chinatrip.jp/shanghai/attraction/attraction-461.htm 雑技])の「上海雑技団」も有名。上海料理は近接の江蘇省の料理・江蘇料理の影響を受け、これを洗練させたものである。 上海の文化的特徴は、もともと「海派文化」と称される隣接の江蘇省、浙江省地域一帯の伝統的文化・芸術と、1920年代 - 1930年代に西洋から移入された流行文化が混じり合い、現代中国で最も洗練された都市のひとつとなっている。 改革開放政策導入後、上海では多くの大きな文化イベントが開催され、[[上海大劇院]]、[[上海博物館]]、[[上海図書館]]、上海影城など、中国最大規模の文化施設が多く建設された。ヨーロッパ調の上海音楽庁の全面改装後、クラシックのコンサートも多く開催されるようになる。また、国際芸術祭、国際映画祭なども毎年開催されている。2010年5 - 10月には、「より良い都市、より良い生活({{Lang|zh-Hans|城市、让生活更美好}};Better City Better Life)」をテーマに[[上海国際博覧会|国際博覧会]]が開催された。 === 建築 === [[File:Shanghai skyline 2018(cropped).jpg|thumb|right|[[浦東新区]]の建築群の[[夜景]]]] 上海には1920年代より多くの西洋様式の建築が残されている。その中でも特に黄浦江に面する川沿いの[[外灘]] (The Bund) は、上海海関、香港上海銀行などが立ち並びヨーロッパ調の風情を感じさせる建築群として知られており、上海のシンボルにもなっている。市内にも多くの西洋建築が点在している。 上海市内においては、1920年代の一般市民の共同住宅である「石庫門」と呼ばれる建築様式も残っており、現在都市化が進むなか貴重な文化資産として、その多くがブティックやレストランとして改築され、保存されている。市内中心部・淮海中路近くの「[[新天地|上海新天地]]」はその一例である。 一方外灘の対岸にあたる浦東新区には、1994年完成の[[東方明珠電視塔]]を始めとして、新しい摩天楼群が立ち並び、そのエキゾチックな景観、発展ぶりには目を見張るものがある。2008年には世界第2位の高さとなる高層ビル、[[上海環球金融中心]](上海ワールドフィナンシャルセンター;別名「上海ヒルズ」、地上492m、階数104階)が完成し、地上474mの高さにある100階の[[展望台]]は世界で最も高い展望台となった。さらに2014年には高さ632mの[[上海中心]](上海タワー)が完成した。 上海市には高さ100mを超える[[超高層建築物|超高層ビル]]が426棟あり、世界でも7番目の高層都市である<ref>{{Cite web|title=Number of 150m+ Completed Buildings - The Skyscraper Center|url=http://www.skyscrapercenter.com/cities|website=www.skyscrapercenter.com|accessdate=2020-02-14}}</ref>。 <br /> {{wide image|Pudong Shanghai November 2017 HDR panorama.jpg|700px|[[浦東]]河岸からの高層ビル群の眺め}} <center><gallery widths="170px" heights="170px" perrow="5"> Image:Site of the First National Congress of the Communist Party of China.jpg|『[[石庫門]]』の住宅 Image:Shanghai-Xintandi.jpg|[[上海新天地]] Image:SWFC3600ppx4.jpg|[[上海環球金融中心]] Image:Jin Mao Tower.jpg|[[ジンマオタワー]] Image:Shanghai tower dec 26, 2014.jpg|[[上海中心]] Image:Enchanted Storybook Castle of Shanghai Disneyland.jpg|[[上海ディズニーリゾート]] </gallery></center> == 観光 == ;黄浦区 {{colbegin|3}} * [[外灘]]({{Lang|zh-Hans|外滩}}) * 南京東路({{Lang|zh-Hans|南京东路}}/旧公共租界の「大馬路」) ** 上海第一百貨商店({{Lang|zh-Hans|上海第一百货商店}}) ** 上海第一食品商店({{Lang|zh-Hans|上海第一食品厂}}) * 沐恩堂 * 上海音楽庁(南京大戲院、{{Lang|zh-Hans|上海音乐厅}}) * [[上海大劇院]]({{Lang|zh-Hans|上海大剧院}}) * [[上海博物館]]({{Lang|zh-Hans|上海博物馆}}) * [[上海美術館]]({{Lang|zh-Hans|上海美术馆}}) * [[豫園]]({{Lang|zh-Hans|豫园}}) * [[上海城隍廟]]({{Lang|zh-Hans|上海城隍庙}}) * 八仙橋({{Lang|zh-Hans|八仙桥}})<!-- 現在は存在しない地名のようですが…… --> * 十六鋪({{Lang|zh-Hans|十六铺}}) * 老西門({{Lang|zh-Hans|老西门}}) * [[上海文廟]]({{Lang|zh-Hans|文庙}}/孔子廟) * [[董家渡聖フランシスコ・ザビエル教会]](董家渡・天主教堂) * 乍浦路美食街 * 黄河路美食街 * [[淮海路 (上海)|淮海中路]](旧フランス租界の「霞飛路」) * [[新天地|上海新天地]](“石庫門”建築を改装した店舗・レストラン・バーが並ぶエリア) * 中国共産党第一次全国代表大会址紀念館({{Lang|zh-Hans|中共一大会址纪念馆}}) * 孫文故居({{Lang|zh-Hans|孙中山故居}}) * 張学良故居({{Lang|zh-Hans|张学良故居}}) * 梅蘭芳故居({{Lang|zh-Hans|梅兰芳故居}}) * 周公館({{Lang|zh-Hans|周公馆}}/周恩来が中国共産党代表団の上海事務所に使用した洋館) * ホテルオークラ(旧 フランス倶楽部、{{Lang|zh-Hans|上海城市花园大饭店}}) * [[田子坊]] * 8号橋({{Lang|zh-Hans|第八号大桥}}) * 壹号美術館({{Lang|zh-Hans|壹号美术馆}}) {{colend}} ;徐匯区 {{colbegin|3}} * 上海図書館({{Lang|zh-Hans|上海大图书馆}}) * [[上海体育場]]({{Lang|zh-Hans|上海八万人体育场}}) * [[上海体育館]]、上海大舞台 * 上海遊泳館({{Lang|zh-Hans|上海游泳馆}}) * 尚街ロフト({{Lang|zh-Hans|尚街洛夫特}} - シャンジエ・ロフト) * 蔡元培故居 * 蒋介石故居({{Lang|zh-Hans|蒋介石故居}}) * 宋慶齢故居({{Lang|zh-Hans|宋庆龄故居}}) * 国際礼拝堂({{Lang|zh-Hans|国际礼拜堂}}) * [[徐家匯聖イグナチオ大聖堂|徐家匯天主堂]]({{Lang|zh-Hans|徐家汇天主教堂}}) * 竜華寺({{Lang|zh-Hans|龙华寺}}) * [[衡山路]](旧フランス租界の「貝当路」) * [[上海植物園]]({{Lang|zh-Hans|上海植物园}}) * 錦江楽園({{Lang|zh-Hans|锦江乐园}}) * [[徐家匯]]({{Lang|zh-Hans|徐家汇}}) ** 桂林公園({{Lang|zh-Hans|桂林公园}}:青幇のボス黄金栄の屋敷) ** 康健園({{Lang|zh-Hans|康健园}}) ** 徐家匯公園({{Lang|zh-Hans|徐家汇公园}}:旧EMI敷地) ** 徐光啓墓({{Lang|zh-Hans|徐光启墓}}) ** 黄道婆墓 {{colend}} ;長寧区 {{colbegin|3}} * [[上海動物園]]({{Lang|zh-Hans|上海西郊动物园}}) * [[中山公園]]({{Lang|zh-Hans|中山公园}}) * 劉海粟美術館({{Lang|zh-Hans|刘海粟美术馆}}) * 曹家渡 {{colend}} ;静安区 {{colbegin|3}} * [[静安寺]] * 玉仏寺({{Lang|zh-Hans|玉佛寺}}) * 同楽坊({{Lang|zh-Hans|同乐坊}}) * 南京西路(旧公共租界の「静安寺路」) * [[上海展覧センター]]({{Lang|zh-Hans|上海展览中心}}) * [http://travel.explore.ne.jp/hotel_moller.html マーラー別荘]({{Lang|zh-Hans|马勒别庄}}:現在はオールドホテル) * 上海市福利会少年宮 * 呉江路美食街({{Lang|zh-Hans|吴江路美食街}}) * 曹家渡 {{colend}} ;普陀区 {{colbegin|3}} * 長風公園({{Lang|zh-Hans|长风公园}}) * 滬西工人文化宮({{Lang|zh-Hans|泸西工人文化宫}}) * 銅川路水産市場({{Lang|zh-Hans|铜川路水产市场}}) * 曹家渡 * エム・フィフティーン (M50) {{colend}} ;閘北区 {{colbegin|3}} * [[上海鉄路博物館|上海鉄道博物館]]({{Lang|zh-Hans|上海铁路博物馆}}) * 上海馬戯城({{Lang|zh-Hans|上海马戏城}}) * 大寧霊石公園({{Lang|zh-Hans|大宁灵石公园}}) * 閘北公園({{Lang|zh-Hans|闸北公园}}) {{colend}} ;虹口区 {{colbegin|3}} * [[上海虹口足球場]] * 四川北路 * 1933老場房({{Lang|zh-Hans|一九三三年屠宰场}}) * 上海多倫現代美術館({{Lang|zh-Hans|上海多伦现代美术馆}}) * [[魯迅公園]]({{Lang|zh-Hans|鲁迅公园}}) ** [[魯迅紀念館]]({{Lang|zh-Hans|鲁迅纪念馆}}) * 魯迅故居({{Lang|zh-Hans|鲁迅故居}}) * 内山書店({{Lang|zh-Hans|內山书店}}) * 金子光晴寓所({{Lang|zh-Hans|金紫光・办公处}}) * 七浦路 * 提籃橋({{Lang|zh-Hans|提篮桥}}) * 上海郵政博物館(天津・北京についで中国三番目の郵便局) {{colend}} ;楊浦区 {{colbegin|3}} * [[上海共青森林公園]]({{Lang|zh-Hans|上海共青森林公园}}) * 五角場({{Lang|zh-Hans|五角场}}) {{colend}} ;浦東新区 {{colbegin|3}} * [[東方明珠電視塔]]({{Lang|zh-Hans|东方明珠电视塔}}, 468m) * [[ジンマオタワー]]({{Lang|zh-Hans|金茂大厦}}, 420.5m) * [[上海ワールド・フィナンシャル・センター]]({{Lang|zh-Hans|上海环球金融中心}}, 492m) * [[上海中心]]({{Lang|zh-Hans|上海中心大厦}}, 632m) * 上海海洋水族館({{Lang|zh-Hans|上海海洋水族馆}}) * [[上海ディズニーランド]]([[:zh:上海迪士尼乐园|上海迪士尼乐园]]) * 上海展示センター({{Lang|zh-Hans|上海展示厅}}) * 上海大自然野生昆虫館({{Lang|zh-Hans|上海大自然野生昆虫馆}}) * [[上海東方芸術センター]]({{Lang|zh-Hans|上海东方艺术中心}}) * 世紀公園({{Lang|zh-Hans|世纪公园}}) * [[上海科学技術館]]({{Lang|zh-Hans|上海科技馆}}) * [[上海トランスラピッド]]({{Lang|zh-Hans|上海磁浮列车}}) * [[上海野生動物園]]({{Lang|zh-Hans|上海野生动物园}}) * 中華芸術宮({{Lang|zh-Hans|中华艺术宫}}) {{colend}} ;松江区 {{colbegin|3}} * [[佘山扶助者聖母大殿]]({{Lang|zh-Hans|佘山山顶大教堂}}) * 方塔公園({{Lang|zh-Hans|方塔公园}}) * [[上海影視楽園]]({{Lang|zh-Hans|上海影视乐园}}) {{colend}} ;嘉定区 * 孔廟(嘉定県博物館基本陳列室:{{Lang|zh-Hans|嘉定县博物馆基本陈列室}}) ;奉賢区 * 海湾国家森林公園 * 碧海金沙 ;青浦区 {{colbegin|3}} * [[大観園]]({{Lang|zh-Hans|大观园}}) * [[朱家角鎮]] * 青少年教育基地 {{colend}} {{Wide image|The Bund of Shanghai.jpg|1800px|租界時代の西洋建築が並ぶ外灘(バンド)の夜景}} {{Gallery |Image:Shanghai opera.jpg|上海大劇院 |Image:The shanghai museum.jpg|上海博物館 |Image:美术馆建筑DSC 9557.JPG|上海美術館 |Image:上海迪士尼乐园奇幻童话城堡正面.jpg|上海ディズニーランド |Image:Customs House and the Hong Kong and Shanghai Bank.jpg|江海関 |Image:Jardine Matheson Building The Bund.JPG|怡和洋行ビル |Image:上海浦東商業銀行.jpg|旧香港上海銀行上海支店ビル |Image:20090510 Shanghai Yuyan 6573.jpg|豫園 |Image:Chenghuangmiao2.jpg|上海城隍廟 |Image:Confucius Temple of Shanghai2.jpg|上海文廟 |Image:夜幕下的天主教上海教區董家渡聖方濟各·沙勿略堂.jpg|董家渡聖フランシスコ・ザビエル教会 |Image:Tianzifangbyday.jpg|田子坊 |Image:Shanghai Stadium 2008.JPG|上海体育場 |Image:Cathedral in Xujiahui.jpg|徐家匯天主教堂 |Image:Longhua temple1.JPG|竜華寺 |Image:Shanghai Zoo ticket office.JPG|上海動物園 |Image:Shanghai13.JPG|中山公園 |Image:Jingansi340x256.jpg|静安寺 |Image:Shanghai Exhibition Center.jpg|上海展覧センター |Image:Shanghai-jade-buddha-temple.jpg|玉仏寺 |Image:LuXunPark sculpture.jpg|魯迅公園 |Image:Shanghai oriental pearl tower.JPG|東方明珠テレビ塔 |Image:Shanghai Science Technology Museum.jpg|上海科学技術館 |Image:Expo 2010 China Pavilion (Nighttime) 2.jpg|中華芸術宮 |Image:Stairs She Shan Basilica 20050410.jpg|佘山扶助者聖母大殿 |Image:Zhujiajiao canal 1.JPG|朱家角鎮 }} == スポーツ == [[画像:YaoMingonoffense2.jpg|thumb|180px|上海出身の元[[NBA]]選手「[[姚明|ヤオ・ミン]]」]] {{Main|Category:上海のスポーツチーム}} === 国際大会 === [[2004年]]から[[フォーミュラ1|F1]]・中国グランプリ、その翌年からは[[ロードレース世界選手権]]・中国グランプリが[[上海インターナショナルサーキット]](上海国際賽車場)にて開催されている。[[2005年]]には[[上海体育館]]で[[世界卓球選手権]]が開催された。[[2008年北京オリンピック]]の[[2008年北京オリンピックのサッカー競技|サッカー・予選]]が上海市で開催された。[[2009年]]より男子プロ[[テニス]]の[[上海マスターズ]]が開催されている。 === サッカー === {{Main|上海海港足球倶楽部|上海申花足球倶楽部}} 上海市には[[中国サッカー・スーパーリーグ]]に所属するプロ[[サッカー]]クラブ、'''[[上海海港足球倶楽部|上海海港]]'''と'''[[上海申花足球倶楽部|上海申花]]'''がある。かつては'''[[上海申鑫足球倶楽部|上海申鑫]]'''も存在したが、[[2020年]]に財政難によりクラブは解散した。上海海港は[[浦東足球場]]をホームスタジアムとしており、上海申花は[[上海虹口足球場]]をホームスタジアムとしている。また、[[プリメーラ・ディビシオン|ラ・リーガ]]([[スペイン]]リーグ)の[[RCDエスパニョール|エスパニョール]]で、[[2019年]]から[[2022年]]までプレーした「[[武磊|ウー・レイ]]」は上海海港の代表的な選手でもある。 == メディア == 度重なる経営統合により、上海の放送メディアは[[上海メディアグループ]](上海文化広播影視集団、SMG)、大手新聞は{{仮リンク|上海報業集団|label=上海報業集団(上海ユナイテッドメディアグループ、SUMG)|zh|上海报业集团}}の傘下にほぼ集約された。 === テレビ局 === * 1958年10月1日上海電視台開局、1973年10月カラー放送開始。1992年12月上海有線電視台開局。1993年1月上海東方電視台開局。1998年10月上海衛視開局。<br />2001年、テレビ局の上海電視台、上海東方電視台、上海有線電視台、ラジオ局の上海人民広播電台、上海東方広播電台が合併して上海文広新聞伝媒集団 (SMG) を創設。<br />2001年12月、SMG傘下にデジタルテレビ局、上海文広互動電視有限公司 (SiTV: Shanghai interactive Television) 設立<br />2009年10月、上海文広新聞伝媒集団が上海広播電視台・上海東方伝媒集団有限公司 (SMG: Shanghai Media Group) に改組改名。 * 上海のテレビ局は組織改編が頻繁に行われている。 **上海広播電視台 **SiTV上海文広互動電視有限公司 **SMG以外のテレビ局 ***上海東方電影頻道(2003年開局 上海電影(集団)公司) ***上海教育電視台(上海市教育委員会) ***浦東電視台(浦東地区) *この他に[[中国中央電視台]]の1-15、英語Newsチャンネル、HD放送、中国教育電視台、地方局の衛星テレビ、HD放送、専門チャンネルなどがケーブルテレビ局OCN東方有線によって一部有料で視聴可能。 *これらテレビ局の番組表は一部を除き、テレビ週刊誌「上海電視」と、週刊新聞「毎周広播電視」に掲載されている。 === ラジオ局 === {{colbegin|3}} *上海人民広播電台({{Lang|zh-Hans|上海人民广播电台}}) * 東広新聞台({{Lang|zh-Hans|东广新闻台}}) * 五星体育広播({{Lang|zh-Hans|五星体育广播}}) * 第一財経頻道({{Lang|zh-Hans|第一财经频道}}) * 浦江之声 * 上海交通広播({{Lang|zh-Hans|上海交通广播}}) * 東方都市広播({{Lang|zh-Hans|东方都市广播}}) * 上海故事広播({{Lang|zh-Hans|上海故事广播}}) * 上海戯劇曲芸広播({{Lang|zh-Hans|上海戏剧曲艺广播}}) * 動感101({{Lang|zh-Hans|动感101}}) * Love Radio * 経典947({{Lang|zh-Hans|东方都市广播}}) : (以上SMG傘下) * 浦東人民広播電台({{Lang|zh-Hans|浦东人民广播电台}}) * [[中国国際広播電台]] Hit FM{{colend}}({{Lang|zh-Hans|中国国际广播电台}}) 番組表は、週刊新聞「毎周広播電視 (SHANGHAI RADIO & TV WEEKLY)」に掲載されている。 === 新聞 === 伝統的な主要紙として{{仮リンク|新民晩報|zh|新民晚报}}(夕刊紙、1929年9月創刊)、[[文匯報 (上海)|文匯報]](朝刊紙、1938年1月創刊)、{{仮リンク|解放日報|zh|解放日报}}(朝刊紙、1949年5月に上海で創刊)が挙げられる。新民晩報社と文匯報社が{{仮リンク|文匯新民聯合報業集団|zh|文汇新民联合报业集团}}として1998年7月に経営統合、解放日報社を中心とした{{仮リンク|解放日報報業集団|zh|解放日报报业集团}}が2000年10月に発足したのち、両者は2013年10月に「上海報業集団」として再統合した。 == 出身者 == 「[[上海市出身の人物一覧]]」を参照。 == 国際関係 == * [[上海協力機構]] === 友好都市 === ;上海市 {{colbegin|3}} * 1973年 - {{JPN}} [[横浜市]] * 1974年 - {{JPN}} [[大阪市]] - 上海市との間に、1974年4月18日友好都市提携、1981年10月30日友好港提携、さらに1995年7月5日ビジネスパートナー都市提携。 * 1979年 - {{NED}} ロッテルダム * 1979年 - {{ITA}} [[ミラノ]] * 1980年 - {{USA}} [[サンフランシスコ]] * 1980年 - {{JPN}} [[大阪府]] * 1980年 - {{HRV}} [[ザグレブ]] * 1982年 - {{PRK}} [[咸興市]] * 1983年 - {{PHL}} [[マニラ]] * 1984年 - {{PAK}} [[カラチ]] * 1984年 - {{BEL}} [[アントウェルペン]] * 1985年 - {{USA}} [[シカゴ]] * 1985年 - {{CAN}} [[モントリオール]] * 1985年 - {{GRC}} [[ピレウス]] * 1985年 - {{POL}} [[ポモージェ県]] * 1986年 - {{GER}} [[ハンブルク]] * 1986年 - {{SWE}} [[イェーテボリ]] * 1986年 - {{MAR}} [[カサブランカ]] * 1986年 - {{FRA}} ローヌ=アルプ地域圏 * 1987年 - {{FRA}} マルセイユ * 1988年 - {{BRA}} サンパウロ * 1988年 - {{RUS}} サンクトペテルブルク * 1989年 - {{AUS}} クイーンズランド州 * 1989年 - {{TUR}} イスタンブール * 1992年 - {{EGY}} アレクサンドリア * 1993年 - {{KOR}} 釜山広域市 * 1993年 - {{RUS}} ウラジオストク * 1993年 - {{ISR}} ハイファ * 1994年 - {{VNM}} ホーチミン市 * 1994年 - {{VUT}} ポートビラ * 1994年 - {{NZL}} ダニーデン * 1994年 - {{UZB}} タシュケント * 1995年 - {{PRT}} ポルト * 1995年 - {{YEM}} アデン * 1995年 - {{NAM}} ウィントフック * 1996年 - {{JPN}} [[長崎県]] * 1996年 - {{GBR}} [[ロンドン]] * 1996年 - {{KOR}} 全羅南道 * 1996年 - {{CUB}} サンティアーゴ・デ・クーバ州 * 1997年 - {{ARG}} ロサリオ * 1998年 - {{FIN}} エスポー * 1998年 - {{MEX}} ハリスコ州 * 1999年 - {{GBR}} リヴァプール * 1999年 - {{MOZ}} マプト * 2000年 - {{QAT}} ドバイ * 2000年 - {{THA}} チエンマイ県 * 2001年 - {{ZAF}} クワズール・ナタール州 * 2001年 - {{ECU}} グアヤキル * 2001年 - {{CHL}} バルパライソ * 2001年 - {{ESP}} バルセロナ * 2001年 - {{NOR}} オスロ * 2002年 - {{ITA}} ロンバルディア州 * 2002年 - {{ROU}} コンスタンツァ県 * 2003年 - {{KOR}} 全羅北道 * 2003年 - {{LKA}} コロンボ * 2003年 - {{DNK}} オーフス * 2003年 - {{SVK}} ブラチスラヴァ州 * 2004年 - {{AUT}} ザルツブルク * 2004年 - {{CYP}} ニコシア * 2004年 - {{POL}} グダニスク * 2005年 - {{IRE}} コーク * 2006年 - {{IDN}} 東ジャワ州 * 2016年 - {{THA}}[[バンコク]]<ref>[http://www.sh.chinanews.com/szyw/2016-05-12/4696.shtml 韓正率中共代表団訪問泰国 上海曼谷締結友好城市] - 中国新聞(2016年5月16日閲覧)</ref> {{colend}} ;上海市徐匯区 {{colbegin|3}} * 1990年 - {{JPN}} [[滋賀県]][[草津市]] * 1994年 - {{JPN}} [[大阪府]][[泉佐野市]] ;上海市嘉定区 * 1992年 - {{JPN}} [[岡山県]][[和気町]] {{colend}} == 上海を舞台とした作品 == [[:Category:上海を舞台とした作品]]を参照。 == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} === 注釈 === {{Notelist2}} === 出典 === {{Reflist|2}} == 参考文献 == *[http://www.kansai-u.ac.jp/Keiseiken/books/seminar08/seminar08_178-2.pdf 日本人の上海経験― 150年の流れをみわたす] 永井良和、東アジア研究班研究員 *[http://www.surugadai.ac.jp/sogo/media/bulletin/Ronso40/Ronso.40.109.pdf 上海とその周辺都市の表象] - 駿河台大学 == 関連項目 == {{ウィキポータルリンク|中国|[[画像:China.svg|40px|Portal:中国]]}} {{Multimedia|上海市の画像}} {{colbegin|3}} * [[上海市出身の人物一覧]] * [[上海市長一覧]] * [[上海協力機構]] * [[上海租界]] * [[上海ゲットー]] * [[東亜同文書院]] * [[河豚計画]] * [[交換船]] * [[上海総領事館員自殺事件]] * [[新鑑真]] - 神戸港・大阪港と上海港を結ぶ国際定期フェリー * [[上海閥]] * [[陳良宇]] * [[上海観光祭]] * [[上海国際博覧会]](上海万博) * [[チャイナドレス]] * [[復星国際]] * [[AKB48 Team SH]] * [[在上海日本国総領事館]] * {{仮リンク|诸葛宇傑|zh|诸葛宇傑杰}} - 上海市党委秘書長 * [[上海ディズニーランド]] {{colend}} == 外部リンク == {{Sisterlinks|wikt=上海|commons=上海|commonscat=Shanghai|v=en:Shanghai|voy=Shanghai|d=Q8686|q=no|s=no|b=no}} {{Wikivoyage|zh:上海|上海市{{zh-cn icon}}}} {{osm box|r|913067}} ; 公式 * [https://www.shanghai.gov.cn/ 上海市人民政府公式サイト]{{zh icon}}{{en icon}} * [http://www.shanghaikanko.com/ 上海市観光局公式サイト]{{リンク切れ|date=2021年12月}}{{ja icon}} * [https://ctravel.jp/ 上海観光旅行案内所] 上海遊一グループ{{ja icon}}{{zh icon}}{{en icon}} ; 日本政府 * [https://www.shanghai.cn.emb-japan.go.jp/ 在上海日本国総領事館]{{ja icon}} ; その他 * [http://www.chinatrip.jp/shanghai/ 上海観光案内] 桂林市天元国際旅行社有限公司 {{ja icon}} * {{Kotobank|上海}} * {{Wikivoyage-inline|zh:上海|上海市{{zh-hans icon}}}} * {{Wikivoyage-inline|Shanghai|上海市{{en icon}}}} * {{ウィキトラベル インライン|上海市|上海市}} * {{Curlie|Regional/Asia/China/Shanghai}}{{en icon}} * {{WikiMapia|31.233328|121.491164|14|上海市の地図}} * {{Googlemap|上海}} {{中国地理大区}} {{中華人民共和国の行政区画}} {{上海市の行政区画}} {{大中華地区の大都市}} {{中華人民共和国国家歴史文化名城}} {{世界20大都市圏}} {{メガシティ}} {{Normdaten}} {{Coord|31|10|00|N|121|29|00|E|region:CN-31_scale:300000_type:city|display=title|name=上海市}} {{DEFAULTSORT:しやんはい}} [[Category:上海市|*]] [[Category:中華人民共和国の直轄市]] [[Category:中華人民共和国の省級行政区画]] [[Category:中国の港町]] [[Category:国家歴史文化名城]]
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